このスレッドはパー速VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

【俺が自由を望むのは】能力者スレ【俺がこの世に生まれたからだ】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/24(水) 22:53:16.60 ID:K1e8zAR2o
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

・この世界は「多様性のある世界」です。
・完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
・弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
・戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
・基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
・書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
・描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
・他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
・「コテハン」は禁止の方向で!
・基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
・スレチなネタは程々に。
・スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
・基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

・国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
・他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
・時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
・特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
・あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
・全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

勝手に世界を氷河期などにはしないように。

・能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
・エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1370958214/
wiki【http://www53.atwiki.jp/nrks/
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/24(水) 22:55:01.55 ID:Ckzb6jzL0
>>1
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2013/07/24(水) 22:55:17.36 ID:W0ESyxIho
>>1乙です!
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/24(水) 23:00:12.55 ID:vN1c5JZfo
死せる>>1乙の自由をっッ!!
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/24(水) 23:03:54.18 ID:85UAPYkA0
>>1乙!
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/24(水) 23:14:02.29 ID:HVdSgyENo
全力で>>1乙だ!!!
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/24(水) 23:49:53.24 ID:YezoHS25o
>>1を乙するのはこの私だッ!
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 00:42:23.50 ID:SEmM8hT/0
【街中――明かりも落ちた児童公園】
【子どもの嬌声など既に遠く、虫も眠り、ただ木々のざわめく音だけが響く、――はずの場所】
【暗闇が支配すべきスペースは遠目から見ようとも目に付くぐらいには異常で、おかしくて、きっと、目を惹くはず】
【(――だって、満月ということを考慮して尚、昼間のように明るかったのだから)】

……――んーっとね、そこなの! それでね、あのね、あっちに行ってね、それで―― 

【――誘蛾灯のようにといえば少しばかし言葉は悪いけど、暗がりの中に浮かぶなら、どこかよく似た光景】
【近づいてみたならば、更なる違和感。きゃらきゃら笑って響くのは、疑う余地もなく、幼子のものだったのだから】

【ふわりと揺らされるわたあめのように柔らかな毛はクリーム色で、高い位置での一つ結びが、尾っぽのよう】
【ぱっちりと辺りを見渡すのは真夏に見上げた空のような青色、右目の下には紫色の蝶がタトゥーとして刻まれていて】
【きゅっと袖を絞った半袖のブラウスにふわっと膨らんだバルーンのスカート、足元はまぁるい爪先のおでこ靴】
【ひらひらと布地を躍らせて舞わせてあちらこちら奔走するなら働きありか何かのようでもある、――まあ、就学前ほどの女の子、なのだけれど】

そしたら……んーっと、そしたらね、あっち……、ぅんと、こっち? そっちのほうが綺麗かなあ、
あーうー! あっちもそっちもこっちも、ぜーんぶ! 全部なの!

【玩具みたいにちいさな指差し確認、示す先はジャングルジムと鉄棒と滑り台と、――どれもが、時期違いのクリスマスのよう】
【きらきらと飾り立てられるのはぎちり詰まる濃い魔力、まるで午後のお日様の光を持ち出したような色と暖かさ、満たして】
【ジャングルジムも滑り台も鉄棒もバネの動物もドームの遊具も木も草も花も地面もちっちゃな丘も、飾り立てたなら】
【――ただの幼子の遊戯としてみるには規模が些か大きい気がした。ひらと舞うのが蛾を模した魔力の塊、指示された場所に、ぴたり留まって】

うーん……うーん……、これね、私知ってるよ! えっとね……確かね、げしゅ……げしゅなんとかって言うのなの。

【――場のおかしさと主犯のおかしさと。満月が照らしこむなら、月の狂気に心を喰われたようにも見える、の、だろうか?】
【腰に手を当ててふんすと溜息、飾り立てた公園を見渡して不満げに呟くなら――迷子、というわけでも、なさそうだけれど】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 01:02:24.33 ID:2YwkGVxj0
//愛しさと切なさと心強さと>>1

>>8
【公園の隅で一人の幼い少年が眠っていた】
【そして勿論その少年のまぶたにも光は差し込んだ】
【目を閉じて、闇だけが見えていたその視界に光が差し込み、朝になったかと勘違いしてしまう。】
【思わず目を開いて、あくびして、眼前に広がるのはまるで夜の遊園地にでも迷い込んだような、そんな光景】

な、なにこれ・・・・・・すごく・・・・・・綺麗
夢・・・・・・なのかな

【眠気の抜けない声でつぶやく】
【辺りの光景を唖然として眺めるその目は、まるでガラスのように汚れが無い】
【光が肌に触れて反射している。肌が白いから、ぼんやりと発酵しているようにも見えて、どこか神々しい】
【服もサイズの合っていない薄汚れた白いシャツを一枚。小柄・・・というより非常に幼く体が小さいため、それ一枚で全身が覆われている】

お姉さん・・・・・・だれ?
妖精さんか何か?

【十分幼い女の子も、少年にとっては十分にお姉さん】
【光の中心で布をひらひら躍らせるその姿は、まるで妖精のように少年の目に映った】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/25(木) 01:06:14.38 ID:XcyUlnZA0
>>1

>>前997

【岩を砕き、焔を放ち、立ち尽くすシルベ。その、凶悪の眼に映るのは――】

雷・・・だとォォォォッ!!

【『どうする?』】

【この状況ッ! シルベは一人の機関員として、状況判断する。】
【敵対者は満身創痍・・・ならば、此処で己が下すべき、『判断』はッ!】

・・・天晴れよ、レグルスッ!
この勝負は、貴様のッ………オォォォォォォッッッ!!!

【『継戦の放棄』】

【小刀に貯蓄していた『継戦のための月光』を、全て『退く』為に用いる。】
【全ての月光を、放射。雷とぶつけ、此れを相殺………ッ!】

ぐふッ………! フ、くく、防ぎ切ったぞ・・・!! 貴様の雷ッ!

【疲弊し、深いダメージを負ったシルベ! これによりエネルギーも枯渇!】
【そして同じく、魔翌力をほぼ枯渇させ、疲弊し切ったレグルス!】

【――故にッ!】

――聞けいィッッッ!!
今宵はッ!! 此処は退かせて貰うぞッ、レグルス=バーナルド!

貴様の戦いは天晴れッッ! 然し貴様も最早満身創痍ッ………それは俺も同じッ!

【小刀を納める――総ダメージでは、シルベがやや下回るか。或いは根性かッ!?】
【天を仰ぐッ! 月! そして、月にかかる『影』! 巨体の影!】

故に、退くのだッ! 勝負は一旦貴様に預けるがッッ………何れ取り返すッッ!

――来いッ!

我が同胞ッ、《スピード・ブルー・アート》 ッッッ!

【降下する影! シルベの頭上に降下! 同胞・・・カノッサ機関の助け船!】
【そして! その姿は………奇妙にも、『飛行機』と『エイ』のハイブリッドッ!?】

貴様の牙は最早ボロボロよ! 砥ぎ直すが良いッッ!
六罪王殿の命は果たした――さらばッッッ!

【そいつはシルベを『飲み込んで』回収、そして浮上!】
【仕留め損なった――しかし、レグルスは勝利したッッ! それはシルベの認める事実!】

【勝者――レグルス=バーナルド】

【――中庭には、彼だけが残る。月光に照らされ、何を思うのか。】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/25(木) 01:14:24.15 ID:YN/n469Fo
>>993

当たった!よっしこのまま……!


【胸元を目がけて狙った一撃は完全にではないが命中、このまま追い打ちをかけるべく、もう一度魔翌力を起動】
【大技として放つべく、左手の曲刀『グラディウス』へと、その高純度のエナジーを注ぎ込む―――が】

【強化呪文で柊の速度についてきていたブレンだが、動体視力はいまひとつ―――所詮、運動性能は大したことがないのだ】
【ゆえに、突然の大跳躍に一瞬感覚が柊を捉える事に遅れ、上に標的がいる事に気が付く】
【しかし、ブレンの頭の中は、今しようと攻撃から一時中断し回避へ切り替える事がどうにも遅い、上に視線を向けた彼女は、全く避ける素振りを見せない】


―――herrlich!


【ブォン!と彼女は力任せに、柊目がけて左のグラディウスを勢いよくぶん投げる!】
【無論攻撃を優先し、その後で回避動作に移ったために、右の肩口めがけて放った一撃は完全に切断こそしなかったものの】
【柊の手には、なかなか大きな手ごたえを感じさせるだろう】


あぐっ……!っ、そっちにもくらわせるし!


【――――だが、そこで油断する事は許されない】
【やや狙いが逸れて柊の右手に放たれたその剣は、魔翌力を剣が耐えられないレベルまで注いだために過剰に輝いて】

【勢いよく爆発し、跳ね飛ばされるだろう――――防御姿勢を取らなければ危険な一撃だ!】
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 01:15:46.95 ID:SEmM8hT/0
>>9

【腰に当てた手が胸に移る、そうと組んで、首を傾げても、答えは出てこないまま】
【うーんと……なんて唸ってみたところで何も変わらないなら、やがては足まで動き出す】
【ざかざかと足音立てて歩く、そんな折。どこかで誰かの声、聞こえた気がして――、――】

――……、 あっ、そう、ゲシュタルト崩壊!

【――寝ぼけ眼な彼の言葉はどうやら幼子の記憶をちょうどいい具合に刺激してくれたよう】
【やっとこ答えを導ければ、すっきりしたとばかり。ぱぁと笑うのは、見た目通りに幼い笑顔、咲かせた、のだが】

やったあ、やっと思い出せたの! そうそう、ゲシュタルト崩壊よね、なの。
ゲシュのタルトって覚えれば今度は忘れないよねっ? あっ、でも、ゲシュってなにかな……えーっとね
ゲシュ……ゲシュ……、……うー?

【誰かの声が聞こえた気がするという情報は思い出したばかりの単語に上書きされて、さらに推移する思考、】
【ゲシュ氏の正体を暴こうと今度は思考を廻らせようとしたなら、――今度こそ答えのない迷宮、落ちそうでも】
【―― 話し掛けられたというならば、流石の思考も引き戻される。ぱちと瞬き一つ、首を傾げて振り返ったなら】

……あ、えーっとね、あのね、こんばんは! それともね、あのね、おはようございますかなって……。
ふぇ――あのね、あのね、私ね、妖精さんじゃないよ、なの! えっとね、ケツァルコアトルって言って――、

――えーっとね、私ね、ファラエナって言うのよ! だからね、妖精さんじゃね、ないの!

【光に埋もれそうなその姿をようやく見つけ出す、自分と同じくらいか、或いは、自分よりも幼いような、その姿】
【驚いたような間がひとつ、ふたつ、やがて口を開けば、元気にご挨拶するなら、人見知りの「ひ」の字もなく】
【ぺこっと頭を下げてみたならクリーム色の尾っぽが揺れる、にこり向けられる笑顔に、敵意などはまるでないなら】
【そちらへ近づこうとするのも、攻撃のためでなく――妖精ではない何かだと名乗ろうとしたなら、ぽろり。何か固有名詞らしきものが零れるけれど】
【知らないヒトには知らないだろうとでも思ったのか、次いだのは個人名らしき名乗り。それが蛾を意味する単語だとか、余談で――】

あのね、あのね、私ね、あなたの名前も知りたいなって!

【――会話に支障のないよな位置まで近づけたなら。首を傾げて、問い掛け一つ――そう、尋ねるのだろう】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/07/25(木) 01:19:15.48 ID:9keafPFjo
>>990

【俄に意識を取り戻したリリアはカッ!と目を見開いてまず轟音の水蛇を見た】
【見るやいなや彼女は右手に火力を集め、炎がより実体的な力を持った、火の槍を作り出し】
【巨大な口から尾の先までを貫かんと、人知を超えた投げやり≠行った】

【結果――全てを滅する事は出来ず、リリアは第一撃として巨大な水蛇の突撃を食らい】
【物理的かつ苦手な属性に確実なダメージを受け、加えて更なる隙までも晒す事となる】
【それによく見てみれば、特に水の圧を受けたのだろう。翼などはもげていた】

【だが、火の槍は違う。蛇を抜けても収まること無く、狙ったかのようにセシルへ向かい】
【もしも避けねば、その貫通性能を保ったままに、彼の腹部を突き刺すだろう】

>>996>>998>>999

【やはり最後は――と言ったところか。ただの銃では成し得ないその装甲がパルテノンに満ちた】
【駆動音が響く、トリガーが引かれる、同時に―――リリアに出来るのは、只々弾丸を享受するのみ】

【――声すら上がらない鉛の嵐は、着実にその装甲を削り、肉を弾き、魔力を飛ばす】
【骨が露出すれば骨を吹き飛ばし、内臓が―――というような具合に、だ】
【それでも端から身体を再生させていく折に加わったのが、ナウファルによるただ一刀の振り下ろし】

【霧雨の中で行われたそれは、消耗しきったリリアの肉体を天辺から又座まで切り開き】
【ガトリング・ヒュドラが落ち着く頃には、ドロドロに溶けかけたオブジェのような存在が、居た】

>>ALL

【パシュッ!≠ニいう小気味いい発射音がした。ベイゼからで、手には小さな銃があった】
【狙った先は隙だらけのリリア。僅かに数秒すると、零れ出る血液とも溶岩とも付かない物が黒に染まる】
【それに伴って急速に肉体が回復していくが―――様子がおかしい。次に瞳が、黒く染まって】


ふッ、グぅぅぅ…!!……何、をォ…っ!何しやがったこの腐れビッチがァァァァァァ――!!!

『魔力を吸収して複製するんだろォ?だったら、こんな作戦はどうかなぁと思ってよォ』
『どうやら大成功みたいだな……哲学者の卵≠打ち込むっていうアイデアは、よォ〜〜?』

「全く酷いことを考えつくものだな。負の魔力はどれだけ複製しても、正にはならない」
「確かに回復は出来るだろうが、果たして半魔だろうと卵≠フ効力に勝てるのか……?」

答えは否、だろうな。未だかつて、哲学者の卵をその身に受けて全く無事なんて奴、知らないよ。
この身を以て体験したから尚更分かるんだ。奴は今、底の抜けたバケツに水を汲んでいる状態……
多大な魔力で回復はするが、同時に自らが複製する卵の悪影響でダメージも受けている訳だ

「……では、仕上げだな。私の城から、とっとと出て行ってもらおうか――――。」

【悶え苦しむリリアへと綾津妃が近付いて、尻尾の届かない位置で両手を翳す】
【地面に現れるのは黒とも紫とも付かない異空間で――沼に沈むように、リリアの姿が消えていく】
【足が消え、腰が沈み、胸まで来れば、後は顔と角ともがく手先と――全部が沈んで、異空も閉じた】


【―――】

【――――――】

【―――――――――】

                            【――つまりこれは、此処における―――?】
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/25(木) 01:24:05.04 ID:5Nng7FEL0
>>1

>>10

……けっ……レベル4の一撃を、防ぎきりやがった……!

【棍に体重を預ける恰好になりながら、レグルスはその光景を目の当たりにし、苦い表情を作る】
【本気で『取り』に行った一撃だったのだが――――無論、向こうも全力で防ぎに掛かったからなのだろう】
【それでも、期待しただけの効果を引き出せなかったのは、レグルスにとって悔いの残る結果となった】

……くそ、やかましいってんだ……!
この野郎……これ以上は……――――ッ!?

【魔力も枯渇しかけている現状で、有効打となり得る一撃を紡ぎ出すのは困難を極める】
【しかしだからと言って戦闘を打ち切る事も出来ない。勝つにしろ撤退するにしろ、何らかの手を打たなければ意味がないのだ】
【何とか棍を構え直しながら、レグルスは改めて身体を持ちあげるが――――聞こえてきたのは『退く』と言う宣言】

……引き上げの手段を、ちゃんと用意してやがったか……!

【空飛ぶ『それ』に回収されるシルベを、レグルスはただ黙って見ている事しか出来なかった】
【もう一度、何らかの魔術で追撃しようにも、既に魔力は底を尽きかけており、リザーブの役割を果たすクリスタルも、この時は持ち合わせが無かったのだ】
【残念だが、これ以上の戦闘の継続は不可能と、結論付けざるを得なかった】

――――畜生が……!
…………まぁ、役は果たせただけ、善しとするしかねぇな…………後は…………

【飛び去る姿を、忌々しげに見送るレグルス】
【だが、今回の目的はただ敵を撃破する事ではない。占拠されているこの城を、奪還する事にあるのだ】
【フラフラになりながらも、この中庭を確保する。後は、然りべきタイミングでレグルスもその場から撤退するだろう】

(……セリーナ……こんな所で、くたばるんじゃねぇぞ……?
あいつが、悲しんじまう……泣き出しちまうかも……知れねぇから、な……?)

【同じ戦場のどこかで戦っているであろう仲間の姿を、もう一度思い返すレグルス】
【徐々に増してくる傷の痛みにかき消されるまでは、その無事を祈り続けていたのだろう】

/乙でしたー!
15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 01:32:48.50 ID:2YwkGVxj0
【何か知らない言葉をつぶやく女性をぼんやりと眺めながる】
【ゲとかシュとか、自分の頭に引っかかるものは無い】
【状況も飲み込めずに、(やっぱりこれは夢なのかな)そんな考えが思考をよぎった時】
【「こんばんは!」聞こえた声。同時に少年の思考も引き戻される】

ケツァルコアトル・・・

【今度の言葉は、どこか頭に引っかかり、なんとなくその言葉を復唱する】
【どこかで聞いたことがあるような、無いような、とても曖昧な記憶。それこそ夢で聞いたとか、そんなことかもしれない】

・・・あ、ファラエナさんですか
妖精さんじゃないなら・・・ああ、人間か!

【ファラエナの声が聞こえて、それが思考を流して行った】
【「人間だ」ふと出た台詞は少し失礼だっただろうか。まるでファラエナが人間じゃないかのような言い方になってしまった】
【そんなことを考えたが、聞こえた問いに今は答える事にした。】

僕はサニィって名前です。・・・多分。
ごめんなさい。自分のことをよく知らないんです・・・

【サニィ、というより光を反射してほのかに光るその姿は月に近い】
【それに声も少しどこか寂しげで、それもまたサニィと言う感じはしない】
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 01:33:13.66 ID:2YwkGVxj0
>>15
//安価着け忘れ>>12
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/25(木) 01:42:08.33 ID:aX7BEO7Do
>>前994>>前995
【拷問室に響き渡る、白銀の男の叫び。最初に見た鉄面皮とはかけ離れた、魂の叫びとでもいうべきもの】
【それでいて、研ぎ澄まされた殺意は一向に鈍らず】
【今更になって、ナンバーズNo.4を冠するこの男の底知れなさを感じ取る。湧いてくる身震いを、必死に抑え込む】

【とうとう、仮面のごとき無表情が引き剥がされる。どこまでも、折れることのない白銀の男の意思】
【乱雑な連携ながらも、確かにソフト帽の男性の銃弾は、彼の足を貫いたはずなのに。まだ、止まらない】

お前から見れば付け焼刃でも、まだ僕は折れない!! お前に見てもらう必要なんてない!!
まだだ、まだ足掻ける!! まだ、まだだっ!!!

【白銀の男の言葉に揺さぶられる心。ともすれば、倒れそうな肉体。それを抑え込んでいるのは、もはや意地と言うべきか】
【一介の玩具屋に過ぎない青年。根からの戦士たる白銀の男にの前では、どれほどのこともない】
【しかし、青年はまだ戦意を捨てず。青い瞳は、まだ逸らさず】


!! ぐあああああっ!!!!!

【しかし、次の瞬間には激痛がその身を襲った。白銀の男によって跳ね返された鉄球は、そのまま青年を襲い】
【左の肩口と腕にめり込んだ。新鮮な血が滴り落ちる。目が霞む。右足のダメージも尾を引く】
【白銀の男と同じく、青年も吹き飛んで壁に叩きつけられる。そのままずるずると滑り落ちる。しかし、白銀の男も無傷ではなかった】

(……鉄球は命中した……今が、チャンス……!!!)


>>前1000
ええ、一気に……叩きこんでやりましょう!!

【奇しくも、共に似たような戦術を用いる二人。荒いながらも、どうにか連携してここまで持ち込んだ】
【威勢のいい言葉を吐いては見たが、もはや自分は動くこともままならない】
【ならば、どうする。ここに至ってさらに相手の虚を突き、この白銀の戦士に打ち勝つには】

【ソフト帽の男性の銃弾が発射される。彼の信念と覚悟を乗せて】
【その時、ペンダントが発光し。銃弾から生えてくる腕。驚愕に目を見張る】
【ならば、自分も。男性ほどの攻撃はできないまでも、白銀の男にここから一気に畳みかけられるだけの】
【トリッキーな、一撃――閃き。我ながら、ひどいアイディアだと思う。しかし、右足も左腕も効かない今。他に手段はない】


正真正銘……これで、最後っ……!!

【青年は、行動に出る。彼は悲鳴を上げる身体を、目の前の床に倒れ込ませた】
【そう、彼は敵前でうつ伏せになったのだ。自分が叩きつけられた壁に両足を付けた状態で、寝転んだのだ】
【こんな体勢からどうしようというのか。答えは、次の瞬間に出た】


スプリング・シューズ!!

【青年の叫びに呼応し、彼の履いているスニーカーの靴底が炸裂した】
【そこから勢いよく飛び出したのは、バネだった。金属製のバネ。本来は、地面に立った状態から高く跳躍し、戦線を離脱するためのもの】
【それを、うつ伏せとなって壁に足を付けた状態で発動させたのだ。壁を蹴る形で、青年の体は人間ロケットとなった】

【ソフト帽の男性の銃撃を見届けてから、彼の攻撃に続く行動。自身を弾丸にした、捨て身の体当たり】
【虚を突く、という形では効果的かもしれないが……ともすれば、ソフト帽の男性の続く攻撃の障害となってしまいかねない】
【だが、うまく転べば、白銀の男の行動を封じられるかもしれない。青年は、行動することを選んだ】
【これが、最後の攻撃となるだろう。交わされても命痛しても、青年は勢いのまま転がり、拷問室の床に倒れこむことになる】

【もしも、ダガーナイフや先の能力で、飛来する自身を迎撃されれば……その時は、青年の命も危うくなるだろう】
【一気に畳みかけ、決着を付ける。そのための、分の悪い賭け。果たして、どう転ぶか】
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 01:47:19.89 ID:SEmM8hT/0
>>15

【ケツァルコアトル、どこかの国か地方かで農耕神として祀られる神の名、ならば――と思うかもしれないけれど】
【眼前に立つ精々見積もってむっつほどにしか見えない幼子がそれだとは到底思えず、それなら別口のナニカなのだろう】

んーっとね、あのね、私ね、妖精さんじゃないよ! なの。
でもね、あのね、……えーっとね、人間さんでもないんだよってね、あのね……内緒だよっ?

【ふわとリボンで飾った胸元を手でぺたこと押さえればどこか誇らしげに見えても、ただ、何か秘するものでもあるのか】
【どこか後ろめたいような、出来れば隠したいような――ただ、嘘を吐きたくもないような、複雑さは】
【例えば大人の抱くような葛藤にはずっと足りず、それでいて、子供の葛藤というには少々重いような、そんな色で】
【故だろうか。少々言いよどむような言い方と、内緒!なんて唇に立てた指を当ててみる仕草、付け加えるなら】
【――そもそもソレがナニかを説明しないのだから、内緒も何も、ないような気がしたのだけれど】

【とりあえず――この幼子が人間でないことはきちり伝わるだろうか。ならば、この魔力量もどこか納得できる】
【きらりきら舞い踊るのはそれこそ妖精の舞踏会に迷い込んだような景色、夜と昼と、切り取ってコラージュにしたような】
【昼間色の花、夜色の葉っぱ、夕方色の茎、あり得ない光景は、ただ、面白くて、――それなり以上には、綺麗なもの】

――サニィ。あなた、サニィって言うのね!

【やがて名乗ってもらえたならばにこり強まる笑みは教えてくれたことへの喜びを多大に示して、】
【太陽を意味する名前と昼の明るさ、蛾を意味する名前と夜の暗さ、時間を迷子にしてしまったようで、どこか、不思議で、】

……あのね、私もね、サニィのことね、知らないから!
だからね、一緒にね、お話してればね……きっとね、二人でね、サニィのことを分かるって思うな!

【ぱたんと足音が一つ鳴って、二つ鳴って、拒まれなければ、今度こそ手の届くよな距離まで、踏み込もうとする】
【彼へと視線合わせるようにふわとしゃがみこめばじぃとその瞳を覗き込もうとして――何にも考えてないような能天気、彼にはどう取られるのだろう】
【何の裏もなければ害意もない、本当に、本当に、心の底からそう思っている――らしいと、容易に察することが出来た】
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/25(木) 01:47:25.48 ID:XcyUlnZA0
>>14
/おっと、>>10で言い忘れてた………お疲れ様でした!
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/25(木) 01:47:27.79 ID:aX7BEO7Do
>>17
/すみません、下から三行目
/交わされても命痛しても→かわされても、命中しても
/に訂正でお願いします
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/25(木) 01:51:21.52 ID:y62whcxho
>>1000 >>17

【胸部にめり込む鉄球の重さ思わず呼吸をするのも苦しくなるほどで】
【背中から地面に叩きつけられるも、そろそろ限界が近いのだろう】
【なんとか立ち上がったなら、そこには銃弾と――――――そして】


っ……はぁ……はぁ――――――能力者……風情が……ッ……
どこまで……一体、どこまで……諦めずに、突き進む……!!

そうやって……いつまでも傷つき、穢れ……それでもなお、立ち向かう――――――
能力者……どもめ……ッ


【吐き捨てるような言葉、ぐらりと彼の身体が揺らいだなら】
【地面へと真正面に倒れ込みそうになり、思わず前足を出した】
【限界か――――――そう思うのに時間は必要なかった】

【左手のダガーナイフが天井へと投擲されたなら、炸裂音が響き渡る】
【天井に穴を開けることができたなら、そこには僅かな月の光がこぼれていて】
【ダガーナイフの尾っぽが光を一杯に蓄えていた】


……次会う時まで、命は……預けておこう――――――
戦う理由ができた、そしてそれまで生かしておく理由も

忘れるな――――――次は必ず、俺が貴様らを殺す


【ワイヤーを収縮したなら、ソレに乗ってその場から脱出するだろう】
【迎撃、あるいは反撃もできないほどに、切羽詰まっていたのだ】
【完全勝利、と言って差し支えないだろう――――――】

【零れ落ちる月光の憐憫、確かな形を描く一滴の涙のように】
【いつまでも注ぎ続けるその色合いだけが、真実のように刻まれていた】


/お二人ともお疲れ様でしたー!
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/25(木) 01:53:48.01 ID:blKAblJgo
>>13

【力の収束と共に水の刃は幻のように消え失せ、屋内に発生した雨も降り止んで】
【綾津妃の言葉通り、ありったけの力をつくしたのだろう。アの字に開いた口から大きく息を吐いて、踏み切った片膝を突く】
【哲学者の卵の作用に呑まれていく大敵の姿を、最後まで油断せぬようにじっと見つめ続けながら】
【此処ならぬ場所へと沈みきったのを見て、ようやく肩から力を抜き、がくんと顔が上を向いた】

終わッ……た……? ッテいうか、やり切ったノか……?
アレを、あの女ヲそこまで追い詰メきったノが……ハハ、凄いな……

【己の及ばぬ強者達が力を合わせたからとはいえ、一度手ひどく痛めつけられた身は一部始終目の当たりにしてもどこか現実感が無く】
【急激に静まった空間に、一呼吸置いてようやく地面に片手をついて立ちあがる】
【支配からのがれた水気はゆっくりと空気の流れに沿って霧散し、床の雨もまたゆるゆると外へ流れ去っていく】
【数秒リリアが消えた地点に目をやって、ふ、と気付いたように振り返る】

ソうだ、二人は……セリーナ、セシルさん、無事か!
俺なンかよりずっと炎柱に近かったし、いくら強いからって……
ソレに最後、あの女は何か仕掛ケテいたヨうな

【己は軽傷だ、それよりも今まで必死なあまり振り返れなかった二人の姿を探して】
【強い二人は、それだけリリアの警戒と攻撃も受けただろう。曲刀を鞘へ仕舞うのも忘れて周囲に目を遣る】
【援軍に例を言うのは無事を確認してからまとめて、といったところだろうか】
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 01:53:57.77 ID:nu+LvYxho
>>13

【膝をついたセシル自身に回避の余力は無い。そして体勢を崩したが故に、槍は右胸へと】
【突き立ったその刹那、ドくンと響く鼓動の音は本来左側にある筈のものだった】

【傷口からリリアと似た黒い血液が吹き上がる。かつて体に混ぜ込んだ魔物が鋭く一声鳴いた】
【その響きは今際の際に炎の槍を呑み込んで弱々しく消えていく――セシルの前方、死した獏がべちゃらと地に伏せる】

……ッ、邪禍に、……殺されるな、コレは

【かつてとある悪魔に取引を持ち掛け、己の体に混ぜ込んだ魔族。それが盾となり死んだという事】
【眷属であったがゆえの魔力が抜け落ち始め、目の前の状況を笑ってもいられなくなる】
【綾津妃の手によりリリアの姿が消え去ったのを見届け、一先ずは何とかして立ち上がろうと地に当てた手を見て――】

――…………

【右腕を後ろ手にしてゆらと立ち上がる。傍目に見れば外傷も無く、敗れた祭服の右胸にも何の痕跡も見えない】
【左の手を確認し、ぺたぺたと顔に触れ、何かを確認したのちセシルはシェン達の方へとゆっくり歩を進めていく】
【俯き加減だったのだが、足許を見て何かに気付いてか再び押し黙り、一度止まる】
【ただ、余力がなくてふらついているようにも見えた。近くの木の影へ移動した男は其処へ背を預け、一つ深く息を吐いた】

…………取りあえずは、勝利……か。

【誰に言うでもない。寧ろその場で余り目立たないようにか声を抑えた独り言のみを口にする】
【仲間を労う余裕が無い。見た目以上に――その見た目でも数か所隠蔽した点があるのだが、気付かせる積りなど無いらしい】
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 02:05:51.24 ID:2YwkGVxj0
>>18
・・・え?
えっと、それはどういう・・・・・・

【妖精でもない、そして人間でもない。あまりに突拍子な台詞】
【少女の声から嘘とか冗談の類には聞こえない。ならば比喩か何かだろうか】
【詳しいことはわからなくても、何かを抱えている。それはこの小さな少年にも理解できた。】
【深く聞いてみようとも思ったけれど、その心を押し殺して。それでも少し言葉に出てしまったけれど】

うん、わかった。僕達だけの秘密だね!

【励ますように、照らすように、今度は太陽のように明るい笑顔で】
【もう一つ、きっとファラエナは本当に人間じゃないのだろうという事もわかった】
【それでも敵意は感じない。言葉にも、様子にも、どこにも悪いものは感じない】
【だとすれば、少年にとってはそれが人間だろうと人外だろうとどうでもいい】
【ずっと一人で薄汚れた街を彷徨って生きてきた。そんな少年にとっては自分と会話してくれるだけで十分だった】

そうだといいなー・・・。
そうだ、だったら僕らのことを一杯話そう?

【寂しさは胸の奥へ消えて行って、今度はまた明るい声で】
【踏み込まれることに拒む理由は無い。見つめられて、瞳を覗き込まれて】
【自分の瞳が写っているファラエナの瞳。本当に無邪気な、何の裏も無い瞳。見ているだけで癒されていくような、そんな感覚がする】

【僕らのことを話そうといったのは、結局疑問が消えなかったからなのかもしれない】
【ケツァルコアトル、人間じゃない、いくつもの単語が頭の中で渦巻いて、少年の好奇心をくすぐる】
【好奇心で踏み込んでいいほど、軽いものじゃないのは分かっている。それでも、幼い少年の自制心では抑え切れなかった】
25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/25(木) 02:08:58.40 ID:bU+LQXT70
>>11

【急速な方向転換から観えた世界、】
【投擲される剣を視認―――――攻撃の続行を優先。左腕を掠める痛みに表情が歪むが、鮮血とともに太刀を振り下ろす。】
【確かな手応えを感じ取ったが、体勢を整え終える前に反撃の魔力爆発が炸裂して――――――】

―――――――― くぅ……ぁっ……!

【 目論見通りにその威力を受ける。咄嗟に身構えて軽減したが、深刻な打撃を身体は伝えた。】
【3メートルの距離で着地するが、乱れた呼吸が続く、】

【 直前の攻防で互いに受けた痛手は大きい。】
【だが、だからこそこの局面で妥協は許されない。……そう、己に強いて研ぎ澄ます。】
【血の滴る右腕を垂らして、けれど柊は太刀を手離さず、】

……ッ、はぁっ――――――――

【……振り絞る。腕が、震えながらも持ち上がる。】
【 その腕に顕れるは継ぎ目のない黒の鎧。召喚された新たなる武装だった。】
【黒曜石の如き甲を纏い、右手は、腕を護るその漆黒に支えられて、】


…………決着を。
あなたの最強の武装で来なさい――――――――――― 私が、誇るこの剣を以て総て粉砕する……ッ!!

【――――――――――――― 遂に構える全霊の姿。誇りが、叫びとして己を解き放つ。】

【刺突の構えに取られた太刀は、燃え滾る焔の如く闇に煌めいて――――――】
【彼女が切り札を切るのだと伝えるだろうか。  】
【中途半端な燃焼など不要。全霊の刃を以て己は応える――――――― 】

【―――――――― これが、最後の交錯となる。体勢を整えた柊がブレンと対峙した、】
【ブレンが最強の一手を待とうとも構わない。先に撃つ側の違いでしかない。】
【何れ、この場で、退く心算など彼女にはなく――――――】
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 02:20:39.90 ID:SEmM8hT/0
>>24

【「どういう――」 尋ねようとするような言葉、うーんと悩んでみるなら、やはり進んで言いたいよなことでもないよう】
【唇に当てていた指が頬へ逸れる、柔らかなほっぺをそうと押して、視線はそっぽへ。その向こう側、光の蛾がひらと煌いていた】

……うん、そうなの! あのね、あのね、お友達は居るんだけれどねっ――。
でもね、それも内緒なの! 皆に会ってね、教えてもらってね、知って欲しいなって!

【ぱたりと羽ばたくたびに光色の燐光を零す蛾を見つめること数秒、やがてざっくりでも整理がついたらしい】
【彼へと戻った視線、“お友達”というのがただの友好関係ではないこと、口ぶりから分かるだろうか】
【――そうしながら頭の中で思い出す顔、姿、“おんなじ”、ある意味での家族と呼べるような、彼女たち】
【勝手に口外してしまうのは悪いこと――好ましくないと思えたから。そうと隠し込む、宝探しのように、口を噤んで】

あっ……じゃあね、じゃあね、立ち話……立ち話? それもね、なんだからっ!
うんとね、どこでもいいよっ! サニィの好きなところでいいの、あのね、どっかお座りしようよって!

【二人のこと。お話すると決まれば、「決まりっ」なんて言って、手がぱちんと叩かれる】
【それと同時に立ち上がれば、彼を高圧的な風もなく見下ろして――順繰りに指差すのは、遊具たち】
【鉄棒なんかはともかく、ブランコや、ジャングルジムや、それこそただのベンチもある。座るには、ことかかないぐらいには】

――、―― 

【そうして彼にも立ち上がることを促せば、視線がついと逸れる。逸れて、廻るのは公園の中】
【――昼と夜とを混ぜ込んだ景色が視線の這うごとに剥がれて崩れて壊れていく、ちりぢりになって微塵になって落ちて、】
【ひらりひらと彩るように踊っていた光の蛾たちもまるでごみのようにぼろぼろになって舞い落ちる、やがて地面には雪めいて光が積もるけれど】
【それもすぐに崩れて分かれて、やがて見えなくなっていくなら、場に舞い戻る静寂、濃い魔力も失せて】

【――そんな変わり、彼女の顔の傍でひらり一つだけ残された光の蛾が舞うなら、月明かりと二つ、十分すぎるぐらいには、明るかった】

【異能か何かを仕舞いこむのはほんの数秒のこと。彼が立ち上がって、歩き出していたなら。その後を追いかけるのだろう】
27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/25(木) 02:20:53.50 ID:pLc7E5r5o
>>21

……どこまでだァ? 決まってんだろ―――この身が朽ち果てるまでだよ……!
―――もうテメーの身体は満身創痍……その身体じゃ俺達の攻撃は捌き切れねぇだろ

【疲弊しながらも、両腕を付き出して構える。身体のダメージは余り蓄積されて居ないが、極限までに神経をすり減らす戦闘スタイルはスタミナを急速に奪っていく】
【相手は、自分以上の疲弊。多くの攻撃をその身に刻みながらも、瞳の奥で研がれる刃は健在で―――その強き瞳に、気高さを感じた】
【然しながら、幾ら強靭な心があったとしても、身体はそれについていけなくなる。―――其れが、限界というものだ】

―――勝負アリだ。大人しく捉えられて―――ってオイッ……!?

【男も其れを理解していた。だから銃を一旦消し、彼に降参するように告げる。恐らく応じないだろうと、予想はしていたのだが―――】
【―――まさかそこから脱出する手段を持っているとは思わず。……結果殺さずにこの場を収めることは出来ても、彼を捕まえるという最高の結果とはいかなかった】
【しかしそれでも尚、上出来と言えよう―――アレほど突き詰められた戦闘を、殺しの最短ルートを進んでいく戦闘のプロフェッショナルに勝ったのだから】

―――じゃあ俺も宣言しとくぜ……次は必ず捕まえるってな。勿論、生きた状態で―――

【去り際の男に飛ばした台詞。届いたかは解らないが―――きっと、自分の信念は、少しは彼に伝わったと信じたい】


>>17

―――おい、大丈夫かよ……
兎に角、今回のMVPはオマエだ―――その不思議な攻撃と上手く俺の跳弾が噛みあったし……最後の決死の攻撃は痺れたさ

【ダメージ量は明らかに自分より上―――そして何より、その傷の1つは自分の失態により生まれたモノ】
【今回の勝利は、彼にある。―――彼はそうは思わないかもしれないが、男はそう確信していた】

【血生臭い床に倒れ込んだ青年の近くでしゃがみ込めば、小さな溜息と共に言葉を続けて―――】

……今回はコレにて退散だな、俺も能力を使い過ぎたし―――青年はボロボロだろ……
肩貸してやっから此処抜け出すぞ……あ、道覚えてないから案内だけ頼むわ

【―――青年が拒否しなければ、彼の腕を自身の肩に掛け、ゆっくりと立ち上がろうとする】
【立ち上がれば、こんな血生臭い空間は御免だと言わんばかりに―――早急にこの場を抜け出し、戦場を抜けるのであった】

/お疲れ様でしたー、拙い文ですみません……
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/25(木) 02:32:49.59 ID:YN/n469Fo
>>25

【二歩、三歩と素早く背後に飛び、柊の体を盾にするように爆破から逃れ】
【対ショック態勢で相手へダメージを与えたことを確認すると、ニコッと上機嫌そうに笑い】

ふ、フフフ!肩をズバッとやられた、物の!恐れ入ったかって訳よ!
なかなかにやるようだけどそろそろこっちも本気出させてもらうし!

――生まれよ、『月天弓』!


【突剣を捨て、ポケットから再び新しい『卵』を二つ取り出すと、手袋を介して魔翌力を注入】
【ひび割れる音が響き、左手には全長1m以上のブレンの体格にはやや大き目な弓と、一本の光の矢が生まれる】
【ある程度取った距離、間合いはこちらが有利、近付く前に確実に仕留める!】


ふっとばしてやる!―――herrlich!


【そのまま魔翌力を迸らせながら、容赦なく柊に叩き込む!】
【これが最後の攻撃のようだ―――これにどう挑む?】

/眠いッス、次返せない可能性があります……
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/25(木) 02:34:56.55 ID:aX7BEO7Do
>>21
【さすがに、あまりにもあまりな攻撃ではあったが、どうにか命はあるようだ】
【目はまだ見えるし、耳も聞こえる。途切れ途切れの、白銀の男の言葉】
【霞む目の視点をどうにか合わせた時には、白銀の男はすでに天井に穴を開けていた】
【陰惨な拷問室に差し込む、一筋の月明かり。ああ綺麗だ、なんて場違いな思いが頭を掠める】

【痛む身体に鞭打って、どうにか上半身を起こす。それで精一杯。退却していく彼を、追うことなど出来なかった】

……ああ、忘れたくても忘れられそうにない、よ……ぐ……

【やっとそれだけ、言い返した。ワイヤーの収縮音。脅威は、この場から去った】


>>27
うぐ……何とか……痛……すみません、やっぱりあまり大丈夫じゃなさそうです……
ありがとうございます、そう言ってもらえたらここに来た甲斐が、ありました……
貴方と一緒に戦えてよかった、です

【青年もまた、この勝利は彼がいてこそ、と考えていた。事実、どちらが欠けていても、こうはならなかったはずだ】


……ええ、僕もこれ以上は……退くことしかできそうに、ありません……
はい、お願いします。何とか、立つことくらいは……つ……

わかりました、道順は何とか……
ああ、そうだ。名前、まだ聞いてませんでしたね。よかったら、教えてもらえませんか……?
僕の名前は――

【ポツポツと彼に話しかけつつ、彼の肩を借りて青年はこの場を去っていく】
【今になって蘇ってくる痛み。今回も、よく生き残れたものだ】

(……セリーナさん、大丈夫だっただろうか……どの道この傷じゃ……しばらくは、動けない、か……)


【脳裏では、この場に来ているであろう、正義の使徒の身を案じつつ。青年は男性と共に、戦場を離脱した】


/お二方、お疲れさまでした。ありがとうございました!
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/25(木) 02:36:51.72 ID:KZtTvd+7o
>>1乙せずにはいられないなぁっ!

>>13>>22-23

【―――瞬間、ティターン・アーマーが爆ぜた。】
【否、そう思えるほどの衝撃と言うべきか―――轟音が鳴り響き、鎧の彼方此方から煙が上がる。】
【バシュ―――という音と共に魔導機関は限界を告げ、内部で警告音を発し―――システム・ダウン。】
【機能を停止し、魔翌力供給が止まった事でアーマーのパワー・アシストが途切れ】
【超重量のガトリング・ヒュドラを保持し続ける事が出来なくなったのだろう、地面へと落として】
【そのままセリーナは膝から崩れ落ちるようにして、地面に倒れ付しそうになる。直前、アーマーが自動解除され】
【セリーナの全身を覆っていたパワード・スーツとでも呼ぶべき魔導鎧がパージ、中から創痍のセリーナが現れた。】

――――――・・・いっ・・・つぅ〜・・・!!

【その場で倒れ伏せる事だけは、なんとか阻止しようと――熱で完全にやられてしまった脳を奮い立たせ】
【片手で地面を、もう片手ではこめかみを押さえながら、セリーナは「痛たたた・・・」と、呻いた。】
【―――どうやら、呻いて其れを言葉にするだけの元気は残っている模様。あと数分もすれば】
【速く帰ってワインが呑みたい、だの何だのといい始める筈――つまり、無事だったという事だ。】

はぁ・・・・ハァ・・・!し、信じられないね・・・まさか、"卵"を使うとはおもわなんだ、なるほど・・・!
でもナイスプレイだったよ、ベイゼ!考え付かなかったけど、あれはいい手だったね。
それにナウファル君とギムリーも!みんなで一斉攻撃しなかったら、あそこまで怯ませる事も出来なかったよ。

―――ありがとう、これでなんとか・・・"城"を取り戻す事には、成功したみたいだね!

【前回ほどではないが、セリーナもまた鎧とガトリングの瞬間的な使用で肉体にフィードバックがきていた。】
【しかしそれでも、痛みや疲労よりも何よりも――合いたかった仲間に再会できた事と】
【ようやく、あの無敵とも思えた仇敵にダメージを与えられた事が先ず、嬉しくて――彼女は汗を拭い】
【とびきりの笑顔で全員にサムズ・アップ――『グッジョブ!』と称えた。】

>>(ナウファル)

おっつかれ〜!ナウファル君もよくやったよ、あんなのに接近して斬りかかるなんて、アタシにゃ到底不可能だ。
真っ先に突っ込んで行ったの見てアタシ感動しちゃったよ!よかったらウチ<UT>に来ないかい?
素質あるよ、ナウファル君♪な〜んて、ね。ふふっ!

―――さて、ね。最期に何か、していったように見えた――か。
ううん、アタシには何をしたかって処までは分からないし、防ぐ術も見当つかないけど・・・
とりあえず、山場は乗り越えたと思って良いんじゃないかな。
怖いのは―――まあ、万が一にも無いとは思うけど・・・"卵"すらも、呑みこんでしまった場合だね。

・・・そうなる前に、どこへ行ったのか見つけ出して・・・倒さないと、ね。

>>(セシル)

―――ギムリー、生きてるよね?言ったとおり、死なれちゃ困るんだ。
話したいこともたっくさんあるし、それに―――まだ、貴方とは呑み足りない、でしょう?

・・・かなりキツかったみたいだけど、大丈夫?フラフラしてるじゃん、ギムリー。
あんまり痛いようだったら、病院でもウチでも、寄っていって休んでね。
今ここで"彼"のお話をする気はないけど・・・でも、いつか

いつか必ず、ゆっくり話をしてもらいたいから。――・・・ちゃんと、伝言頼むよ。

『まだ、帰って来るのを待ってるぞ―――』って、さ。ね!
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/25(木) 02:37:01.35 ID:KZtTvd+7o

>>(綾津妃、ベイゼ、シェン)

【そして―――鎧を脱ぎ捨て、暫くは満身だった筈のセリーナだが――】
【気がつけば、綾津妃とベイゼに抱き付くようにして飛び掛っていることだろう。この女、体力は無尽蔵か。】

  綾 ち ゃ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ 〜 ん ! ! と、ベイゼも!

も〜!ベイゼも綾ちゃんもひどいひどい!いっちばん美味しいトコだけもってくんだもんな〜!
ていうか、綾ちゃん本当に綾ちゃん!?自分でも何言ってるのかわからないけど、綾ちゃんなんだよね・・・?
よかった、生きてて本当に・・・、、・・・幽霊だから生きてないんだっけ?あれ・・・?

【まあ――なんというか、この女には感動の再会というものは似合わないだろう。これがベストじゃないだろうか。】
【色々ぶち壊しであるが、彼女は抱きついた両名にベタベタ触りまくる、まくる。】
【シェンやセシル、ナウファルすらもいると言うのに―――そう、シェン。】

【聞き逃していたわけではない。彼が卵について"身をもって味わっている"と言ったその一言、彼女はきちんと聞いていた。】
【やはりそうだったのか、と納得しつつ――本当に大丈夫なのだろうか、と少し心配になって。】
【一瞬、明らかに嫌がっているであろうベイゼや綾津妃から視線を、外し――抱きついたままだったが】
【シェンの方をチラ、と見て―――刹那、心配そうな視線をなげかけた。】

【ともかく、これで追い出しには成功した、と見てよいのだろうか――問題は、彼女は死んではいないであろう、という事だ。】

【何故なら―――セリーナには刻まれた"サイン"があったからだ。】

【胸のあの"傷"―――残念ながら彼女の残した邪悪なキスマークの疼きは、まだ――消えて、いなかった。】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 02:39:07.74 ID:2YwkGVxj0
>>26
【僕らだけ、なんてことはなかったらしい】
【早とちりしてしまったことにてれて、少し頬を染める】

お友達・・・かぁ
会えたら聞いてみるよ。ファナエラたちのこと

【自分にとっては縁の遠い存在。友達と聞いて頭に浮かぶのは・・・たった二人だけ】
【少年にとってかけがえの無い友達。ずっとあって居ないが元気だろうか】
【そんな考えが表に表れて、すこし暗い表情になったけれど、少女の声を聞いたならまた元に戻って】

じゃあ・・・あそこがいいな!

【立ち上がって、指差した先にあるのは少し揺れているブランコ】
【少しゆりかごのように揺らすと、なんとなく暖かいものが呼び起こされるような、良くわからないがなんとなく好きな場所だ】

【わぁー・・・と散って積もる光に見とれながら、大きなシャツの裾を揺らして歩いていく】
【少女の顔のそばで舞う蝶を眺めて、揺れているブランコに飛び込むようにして座る】
【顎に指を置いて、すこし考えた後、口に出た言葉は】

・・・・・・・こうなると何話していいか分からないね・・・ははは

【白い肌を薄紅色に染めて、照れ笑いを浮かべながら頭に手を当てた】
【その時ちらりと見えた赤。白い肌にべたりとついたそれは良く目立つ】
【気のせいだと思うにはあまりにもはっきりと見えたそれ、それは恐らく・・・血】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/07/25(木) 02:51:48.97 ID:9keafPFjo
【そう、勝利≠セ。紛うことなき目標達成、勝利―――半魔を、城から追い出した】
【では次なる目標はなんだろうか。機関から追い出したあの女が向かう先は何処だろうか】
【まず間違いなくATLASだった。だから、直ぐに無線でその件が伝えられた】

【一方では戦場跡となったパルテノンにエリザベス・カーライルが到着し】
【すぐさま救急隊の面々を呼びつけたが――幸いにして、致命的な傷の持ち主も居ないらしい】
【最も消耗は激しいだろうが――。もし助けや何かが必要なら、彼らが手を貸してくれるだろう】
【また援軍の面々は特に消耗が軽かった為に、それぞれが勇士たちの元へ向かい―――】

>>22

『――あぁ、終わりだ。これであの野郎もまともに回復は望めないだろうさ』
『機関に頼ろうにも、俺が今さっき奴の罪やセリフを無線で流してやったから……』
『ま、後は詰め方次第だな。手負いの狐はジャッカルよりも凶暴だ、ってね』

『……で、大丈夫かァ?他の連中も無事だが、アンタ同様消耗が激しいって感じだぜ』
『寝りゃあ治るだろうがな……――そういや見てたぜ、やるじゃねェかお前、なぁ?』

【なんて声をかけるのはベイゼ・べケンプフェン。鎌はイヤリングに変化させ】
【流石に巨躯の彼には及ばないが、高い背をスッと伸ばして笑いかけた】

>>23

――もしもーし、お父様生きてます?……いや冗談だ、忘れてくれ
要件は2つあってね。1つはキミを此処に放っておけないって事なんだよ

実はキミの娘さんとお話したんだ。で、キミを死なせないでくれ、ってさ
今頃彼女、おたくの帰宅を待ってるんじゃないか?というのがまあ、1つだ。
2つ目は……ハイ、これ。その娘さんから預かったモノの、残りだけどさ――。

【これが誰なのかは言うまでもなかろう。彼はセシルに近づくと、花びらを一枚差し出した】
【崩れかけのそれには、彼の娘が込めた魔力の残滓が在る。それをそっと、手渡したのだ】

>>30-31

「―――っ!お、おい離せこの阿呆が!貴様は何かと重い≠フだ……!
 くっ…おいベイゼ、とっととコイツをなんとかし――『あー無理だろ多分』

【諦めるな!――なんて前向きな言葉が思わず飛び出る程度には、動揺したのか】
【抱きつかれてしまえば非力な身だ、抵抗など出来るはずもなく触りまくられ】
【一方のベイゼはこれ幸い、ナウファルの方に行っていたから“助かった”のだが】

【――シェンはといえば、彼女の視線にしっかりと気付いて、左手で目の眼帯を指し】
【ニヤリと笑ってから、その手でピースサインを作ってみせた。大丈夫だ、と】

【そして彼女に刻まれたかの傷痕――そうだ。未だ死んでいない、追い払っただけである】
【しかしこれは明らかなチャンスだった。無線からは、数日後にATLASに乗り込むとの早期決断が漏れ聞こえ】
【やれやれですね、とエリザベスが漏らす中で、戦場からの撤退が始まることになるだろう―――】



   『ね、姉さん…!大丈夫なの?け、怪我とか……どこか具合が悪いんじゃ、っ……?』
   『リリア姉、さん…?…っ、止めッ!グ、くぅ…!!なんで、こんな事をッ……、…――――!』


   【――ATLASでは、一匹の魔物がその肉体を高めていた。手近な魔力ならなんでも摂取した】
   【たとえそれが仲間と誓い合った水性の魔族でも、その死体であっても摂取≠オた】
   【塔内部の魔的存在は直ぐに姿を消した。イナゴが通り過ぎた畑の様に、綺麗サッパリと】
   【勿論、六罪王として所持していた幾らかの哲学者の卵も消えた。レヴィアタンの声だけが、雲間に響き】


    【―――――この日、リリアという“自我を持った”半魔は、消滅した。】


/これにて、当イベントを終了と致します!深夜までのお付き合い、本当にありがとうございました!
/尚主催の方はこれにて撤退ですが、他のキャラさん同士で絡んでいただいても構いません
/それでは、続いて27日のイベントもよろしくお願い致します。お疲れ様でしたー!
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 02:54:02.29 ID:SEmM8hT/0
>>32

【――このことを知っているヒトは何人居ただろうか、少なくとも、多くはなくって】
【ならば。自分のするべきことをしていないように思えて心に靄が降りる、悪い子なんじゃないかと、思考が、振れて、】
【いろんなヒトとお友達になってみたい。いろんなヒトを知ってみたい。でも自分は****、―――― ――】

っ、……うーんと、それがいいよ、なの!

【――黙り込んだ間は僅かでも、どこか落ち込んだような色はお花の虫食いのようによく目立つ】
【それでも。何にもなかったかのように振舞えば、心中なんてそうと隠しこんで、悟られないようにする】
【追及されるなら黙ってしまおうと思うのが、また、どこか、イヤで――知られてしまうのも、同じぐらい、】
【(ならばお互いの話をしようなんてことに頷かなければ良かったのに。嫌な思考は、頭を振って、どこかへやった)】

【そうして向かう先のブランコ、風にきぃと軋み鳴く音、夜に不思議によく響いて】
【そろそろ玩具も目覚めるような時刻だろうか、ならば、話し掛けてきているような、そんな錯覚】
【少しだけ錆びた鎖をぎゅっと持って座る、足を地面につけて――漕ぐわけでもなく、ただ、座るだけ】

――うーんとね? あのね、私はね、サニィのお話したいことが聞きたいな!
あのね、好きな食べ物でも、好きな動物でも、好きなご本でも、好きな色でも……なーんでもいいよ!

【お話しよう一緒に話そうと決めたところで決まっているのは大きなテーマだけ、ならば横たわる沈黙も、或いは必然】
【そんな間を気まずいともなんとも思わないらしいのはどこか抜けたおかしさであって、少し考えたなら、そう口に出す】
【なんでもいいんだよーなんて言うのはある種の丸投げにも似るけれど、本当に何を話してやってもいいのだろう】
【どんなことだって喜びそうだ、この子なら―― じぃと笑って投げる視線が、ただ、次の刹那には無表情に堕ちていた】

あれ、……サニィ、怪我してるよっ? わ、――えっと、えっと、これ使っていいよ!

【――けれど、そんなのも。まるで瞬きの最中の気のせいみたい、また次の刹那には、ころり変わっていて】
【顔に心配色をぎゅーっと詰め込んだなら、がしゃんと立ち上がる音、ブランコの鎖が軋んで】
【スカートをごそと漁ってみれば引き摺りだされるハンカチ、タオル地の、薄紫色――近づいて、差し出そうとするのだろう】

【(本来を意識してしまったためだろうか、本能に僅か引かれた仕草。ただ、本人はそれに気付いていなかった)】
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/25(木) 02:56:11.07 ID:WiKoRZVs0
>>28

【かなりの打撃を受けた己に対し、ほぼ同じ距離で、敵を盾に被害を軽減したブレン―――】
【戦闘の巧者である事は間違いがなく。だからこそ、この燃焼に孤剣は命を燃やす―――――――!】

――――――――― く……ッ!

【 放たれる魔力の矢/攻撃動作のまま行う防御を越え、脇腹を深く抉って鮮血を舞わせる、】
【携える刃と右腕の鎧、二度の軽減を以てなおも十分な打撃だった。】
【血の混じる呼気。……疾走が、最後の煌めきを力に変えた、】
【ふ、と限りなく鋭く―――――― 限りなく柔らかに吐き出された呼気。その音が届くよりなお迅速く、間髪入れぬ踏み込みが柊の身を運ぶのだろう】

―――――――――――――――――!

【――――――― ブレンの瞳に映るのは刺突の刃だろうか。あれほど取り澄ましていた透る声が、灼熱を帯びて叫び、放たれる。】
【“だがそれは真に刺突ではない”。】
【全身の左回転に乗せて刃は軌道を変え、円軌道で左腕を真横から斬撃、】
【左右の足が回転を以て位置をスイッチし、ブレンから視て右に移動しながら同様に回転/右腕を追撃、】

【  完成するのは双つの円。両の腕を切り裂くための、瞬間に織り成される決着の剣舞。】
【全身に過剰なまでの負荷を強いての剣だ――――――― ……その直後意識に生じる空隙は、もはや己が身の回避を不可能にした。】
【 総てこの刹那に柊は賭ける。耐え切れば、それでブレンの勝ち、だ――――――】


/了解です、遅くまでお付き合い頂けて本当に感謝です……!
/“勝った” 感じで撤退して頂いても大丈夫なので……!一応、こちらは4時ちょっとまで待機する予定ですっ
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 03:11:38.64 ID:2YwkGVxj0
>>34
【一瞬でも、はっきりとわかった落ち込んだ色】
【何百枚もの白い紙の中に一枚だけ黒い紙が混じっていたような、極僅かなことでも目立つこと】
【難しいことは殆どわからない少年だからこそ、ずっと影で人を見てきた少年だからこそ、人の心情とかには敏感なのだった】
【それでも追求することはしなかった】
【したとしても何も聞けないだろうし、何より彼女を傷つけるのが嫌だった】
【数少ない、自分と会話してくれる人。それを傷つけるのが嫌で仕方が無かった】

そんなのでいいの?
じゃあ、好きな食べ物は・・・

【人差し指をピンと立てて楽しげに語るが、その表情が一瞬でまったく別のものに変わる】

これは・・・なんでもないっ・・・大丈夫だから・・・

【怪我をしてる、といわれて見たてにはまぎれも無い血】
【差し出されたハンカチを奪うように取って、必死で、必死で、血をふき取る】
【少女の一瞬の無表情にも気づけずに、ただむしんに血をこすり続ける】
【既に血が取れているのに、それでもこすり続ける】
【その間にもずっと何でもない、なんでもないと暗示をかけるようにつぶやいていた。その声は酷くおびえているようにも聞こえる】

【我に返ったのなら、慌ててハンカチを返して。血の量は僅かなもの。薄紫が染まることは無かった】

ご、ごめんね取り乱しちゃった!
好きな食べ物の話だったよね・・・そうだ、前友達がくれたパンがすっごくおいしかったんだ!

【話す声はどこか早口で。まるで何かを振り払うように話す】
【少女の少しおかしな様子にも気づけずに、まるで殺気の事実を無かったことにしようと必死に話す】
【少しの汗が額をつたった】
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 03:17:17.51 ID:nu+LvYxho
>>22(ナウファル)>>30(セリーナ)>>33(シェン)

【ナウファル、シェンの問い掛けには薄く笑って左の手を軽く上げ、無事だと示す】
【言葉を吐く余裕が無いらしい。ただしセリーナの伝言にだけは、視線を落としたままで頷いた】
【戦闘中に告げる事は全て告げた。あとは悦那本人から言うべき事であって、自分の出る幕じゃない】

【シェンから渡された花弁を受け取った時だけ、僅かに瞠目し――隠していた右腕を伸ばした】
【骨ばった、という表現を超えて骸骨状態のその手は、月明かりの下でも影が出来ない】
【だが、花弁を受け取ると――その魔力の残渣が力を与えたのか、元の人の腕がゆっくり再現されていく】

――…………

【と、女三人が抱き合っている。元気なものだなとしか思っていないのだろう三白眼で男はその光景を眺めた】
【触っている光景でさえも左の手で頬杖をついて呆れたように見る。哀しい事に40代以下に一切食指を動かさない嗜好だった】
【長居も無用だろう。それに娘の望みを聞いた以上は―― 一刻も早く戻ってその顔を見たい】

……私は、此処で。 ATLASには恐らく、向かえない
月彗が――、弟が、きっと。 あれもまた、リリアに恨みがある

【それだけを告げると、左手薬指に指輪の様に刻まれた黒蛇の痣が】
【黄緑の燐光を溢してセシルの姿が消え去る――後には、何も残らない】

/お疲れ様でした、ありがとう御座いましたー!
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 03:26:46.93 ID:SEmM8hT/0
>>36

【お花を喰らった虫の跡、晴天の空に一つだけの黒雲、真っ白の中の黒色、そんな、違和感は、】
【元来が何にも考えていないように見えるテンションの持ち主だ、存外に誤魔化してしまおうとすること、得意として】
【何にもなかったように笑ってしまえばどうにでも出来る、気がした。――事実、引き摺る尾っぽは、あまり見えなくて】
【お話してくれるヒトが大好き。いろんな考え方、いろんな見方、知れば知るほどに面白いから。(だからこそ、友達で居たい)】

【――差し出したハンカチ、ぎゅっと握っていたのが、まるで花咲くように白く柔らかだったなら】
【毟り取るように奪われるハンカチ、花占いにはいくらも乱暴でも、ただ、責めなかった】

――えっと、あのね、大丈夫なら、いいんだけど……。

【というよりも。彼の急な変化に戸惑っていた部分もあるのかもしれない――否、そうなのだろう】
【胸元でぎゅっと繋ぐようにした両手はおびえたように震えるわけでもなく、ただ、視線が彼をじぃと見つめて】

うんと……、サニィは血、嫌いなのっ? あのね、だったらね、それ持って行ってもいいよ――。
おうちに帰れば他のもあるしね、多分ね、お母さんに言えば、新しいのもらえるから、大丈夫だよ!

【ためらいがちな間は、そこが地雷だろうかと探るようにゆっくりで、変わりに、答える間のないぐらいに次ぐのが早い】
【他者の血のついたものを厭うわけでもない裏のなさは、純粋に彼を心配しているよう。そうと首を傾げたなら、】
【私はそれで大丈夫だよ――なんてアピール、してみるのだろう。それでも返そうとするならば、受け取るけれど】

……あ、えっと、パン? えっと、ね、あのね……えっと、パンならね、私も好きだよ、なの!
前ね、あのね、ひまわりの種が入ってるやつね、食べたんだけど――とってもおいしくてね、好き!

あとね、私ね、いちごのジャムをいーっぱい付けるの好きだよ、なの!

【――あからさまな話題転換には僅かについていけずに間を空けるけれど、やがて理解したなら、あわせる話題】
【ちらと視線が元居たブランコを撫でる、それでも、少しだけその場に留まってみるなら、彼の調子を窺うように】
【注いでみる視線は、ただ、彼の様子によっては逸らしたりもするのだろう。光の蛾だけが、何にも変わらずに羽ばたいていた】
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/25(木) 03:33:07.25 ID:blKAblJgo
>>23>>30>>33

>セシル

【彼がこちらへ歩いてくるのを見て、ほっとしたように息をひとつ吐く】
【相手の変化には欠片も気付いた様子は無い。もとより関係は浅い身だ】
【最初に言い示された名前も、それそのものは強く覚えていても彼が発したかは覚えているかもやや怪しい】
【逆はどうか、分からないが】

良かッた、無事だったンだな
あの攻撃は……目デ追う暇も無かったケレド。最後っ屁にしちゃ随分なモノだったから

ット、あの蛍! アドバイスも、助かったヨ。見ての通り、近付いテだけが能だからサ
普通に生身だったら酷かっただロうし……あ、俺の外套……

【やや遠くの陰にいる相手に、雰囲気を察してか近付きはしないながらも懐くように声を掛ける】
【ひょっとすると、鬱陶しいくらいに。相手の援護に助けられたと、語調の抑揚強めに笑顔を向けて】
【安堵ついでに曲刀を鞘へと仕舞いながら、ふと普段との手応えの違いに焼失したポンチョを思い出し――ま、余談。】


>セリーナ

ッハハ、思ってたより元気みたいデ、なんだか心配して損したかな……なんテ
お疲れ、セリーナ。俺だって、あンな熱を受けても撃ち出し続けるなんて出来ないヨ。セリーナが凄いンだ

【少しばかり軽口も混ぜながら、お返しのようにこちらも真似て親指を立てて健闘を称える】
【今更ながらに、彼女の戦闘スタイルにはかなり関心・感心した様子で。ははあ、なんて嘆息した】
【病院の前の公園で会った時の、どこか影のある雰囲気では無く。今の彼女が常なのだと、思わず破顔して】

本当に? あ、でも……ウーンと、俺は目的を達したら郷にすぐ帰らなくチャいケないから、ソレでいいなら
ソノ、よろしくお願いしたいかなッテ……冗談を真に受けるなって言われそうだけどサ?
ッじゃなくて。ソうだな、まだ終わったワケじゃないンだ……まだ、気を抜いテ良いわけじゃない

【UTへの冗談混じりの誘いを受けて、ぱっと表情が輝くも。己の事情を思い出して、ばつの悪そうに目を逸らす】
【そして快諾とは言い難い己の態度に、恥ずかしいものを感じたのだろう。やや慌てたように言い訳を口に出して】
【そして、理解はしても腑に落ちないような。この場から追放されたリリアに、不安を感じて眉をひそめる】
【未だ外、風の国にどのような変化が起きたかもわからない。ぐ、と筋張った拳を握りしめた】


>綾津姫

アハハ、仲がいいな……って、綾、綾……ン?
もしかして、あの時ノ、あの……ええェ?

【箱の彼女と、目の前のでセリーナに思う存分もてあそばれる彼女――】
【今更ながら、記憶の中の以前見た彼女の姿と結びついたのだろうか】
【リリアの行き先よりももっと腑に落ちないように眉間に皺を寄せて、困惑の声を挙げる】
【それの答えを、聞くより前に】


>ベイゼ

――ン。まさかコういう形で、機関と連携するとは思わなかったケレド

【声の主に反応が遅れる。表情は固く、何処か返答にも警戒心のようなものが混じる】
【何せ己は相手を拘束してUTに押し込めた主だ。知らず、腰に手を当て背中の鞘を意識したものの】

ヘ、あ? エエト、一応皆元気そうな様子デはあるけども……
ンな大した事は出来なかッたし、お前と戦ッた時よりもカッコはついた気がする、かな
う、ウーン……

【拍子抜け、といった風だろうか。味方では無い、一時的に目標が合致しただけの敵】
【ぱちぱちと長い睫毛が瞬いて、歯切れの悪い上に失言じみた返答が口からこぼれる】
【あんまりにも普通すぎる、無邪気にも近い相手の笑顔に。一度居心地の悪そうに視線が泳いで、短い髪をむずがゆそうに掻いて】
【それから一呼吸して、諦めたように普段通りの屈託の無い笑みを返した】
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/25(木) 03:33:28.37 ID:blKAblJgo
【――その後、ひょっとしたらセリーナの存在によって大宴会に発展したかもしれないが】
【外の討伐軍の様子を確認したら、そう長居もせずに機械化幌馬車の方へと帰って行くだろう】
【帰りがけ、変わり果てて久しい街とそこにそびえるATLASを遠目ながら確認するために】
【ひどく恐ろしげな予感が身を割いて――長躯が震えたのは、夏の夜の冷たさのせいではないだろう】

【十字架が、嗤う】


/こちらもこれにて撤退いたします、お疲れさまでした!
/お相手してくださった御三方、本当にありがとうございましたーッ
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 03:46:15.70 ID:2YwkGVxj0
>>38
【戸惑う少女にも目もくれずにただ血を拭き続けていた】
【そして我に返って、血が嫌いなのかと問われても答えることなく、弱弱しい目で見つめるのみ】
【触れないでくれ、とその目で語っているようにもとれるだろうか】
【血のついたハンカチ、できればこれも消してしまいたい】
【慌てて取ってしまったけれど、少なくとも彼女に渡したくは無い】
【もって行ってもいいと言ってもらえたなら、小さな声でありがとうとだけ告げてハンカチをしまう】

おいしいよね、いちごのジャム。
あとは・・・スープも好きなんだ。友達が作ってくれたときはすごく寒かったから、とっても暖かかった

【慌てて早口になっていた声も、段々と収まってくる】
【すると次はおびえたような、元気の無い声へ変わる】
【血そのものにおびえているのか、それとも自身の手に血がついていたという事実におびえてるのか】
【どちらにしろこの血が、少年の抱えているものなのだろう】

つぎは・・・そうだ、好きな・・・
れ?こえ、が・・・

【話題を切らせないように、なんとか言葉をつむごうとするけれど】
【声が段々か細くなって、終いには声は出ず、ただい息だけが口から出ていた】
【すこし沈黙が続くと急に心細くなって、泣き出しそうになってしまう】
【潤んだ瞳に、光の蛾が綺麗に写っている】
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 04:06:56.92 ID:SEmM8hT/0
>>41

【そうと仕舞いこまれる薄紫色のハンカチ、隅っこには小さなお花の刺繍が咲き誇って】
【大丈夫だと告げるような視線、薄く笑ってみせて――それきり、もう、触れないし、触れようとも、しなかった】

うん! あのね、あのね、私ね、いちごだーってね、分かるようなのがね、好きなの!
それでね、噛むとね、種がぷちってするでしょ? あれもね、好き!
だって、なんかね、面白いでしょ? あ、スープもいいな! 
粉の奴ならね、お母さんがね、たまに作ってくれるんだよ――

だからね――、――サニィ?

【彼の豹変は気になるし、できることなら相談に乗ってあげたいなんて、それが勝手なことだなんて、気付かなくても】
【純粋に心配から来るものだからある種面倒臭いだとか――今は余談、ただ、彼が話してくれないなら、】
【触れるべきではないんだろうと判断して。(だって自分だって知られたくないことがある、隠そうとしたことがあるのだから)】

【粉のやつとはインスタントだろうか。“それなら”というのもずいぶん――母親像、偏るはずで】
【でもそれを嬉しそうに語らうならおかしさなんて気付いていない風、何か言葉を続けようとして、気がついた】

……――うーんとね、じゃあね、次ね、私のお話!

【――言葉になれない息たち、見とめて、ならば、そう、話題を移そうとするのだろう】
【どうしたのと聞かないのはそうしない方がいいんだろうと考えて――その代わり、ふわとしゃがみ込むなら】
【ブランコに座ったままの彼よりも少し下の視線、にこと笑ってみせる顔、見ようと思えばよく見えるはず】

あのね、あのね、私ね、夏ってね、大好きなの! だってね、みんなね、元気でしょ?
太陽も、お空も、雲も、お花も、葉っぱも、お水も、――ぜーんぶ! とってもね、元気に見えるから!

あ、でもね、あのね、春もね、秋もね、冬もね、大好きだよ! みんなね、みーんな……素敵でしょ!

【ちょんと揃えた膝の上に両手を乗せて、低くなった身長にも追いついてくる蛾が、顔の傍で舞う】
【「あ、サニィはどんな形が好きかな――」なんて尋ねてみるのだろう、答えるならば、蛾の形はくるりと歪んで、それに作り直される】
【二人の間を陽だまりの暖かさでそうと満たして、笑いながらにどーでもいいことを語るなら、ただ、沈黙は出来ないはず】

あのね。春はね、どんどん暖かくなるでしょ? それでね、オオイヌノフグリでしょ、ぺんぺん草でしょ、いっぱい咲くの!
秋はね、少しずつ涼しくなって、葉っぱとかがみーんな。赤くなったり黄色くなったりして、面白くてね、不思議でしょ?
それでね、冬はね、寒いんだけどね、雪だって降るかもしれないし、お花とかもね、全然違うんだよ!
雲の形だってお空の色だって、毎日違くてね、全然ね、飽きないよ! 私ね、毎日ね、だーいすき!

【――止めないとこのままどうでもいい話ばっかり繰り出し続けるのが、まあ、欠点なのだけれど】
【そして止めずに聞いていた場合は賭け値なしに能天気でプラス思考で――そんなこと、いやってぐらいに分かるはずだ】
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 04:24:05.18 ID:2YwkGVxj0
>>42
【大丈夫だと告げる優しい視線にも、答えることが出来ない。それほどの状況だった】
【それを察してくれたか、話題を変えて、にこりと笑いかけてくれた】
【とても、とても、優しい笑顔。話す無邪気な声も、とても、とても、優しくて、聞いているだけで癒された】
【彼女の話を聞いてるうちに、段々と少年の表情が安らかなものになってくる】
【それでもまだ声は出ずに、どんな形がいいとの問いには、てで星を描いて答えた】

【殆どの人にとってはどうでもいい話でも、欠点と取れる点も、今の少年にはとても暖かくて】
【すがってしまいそうになるほどに優しい。それでもその気持ちを抑えて、相槌を打つ】
【どうでもいい話でも、彼女が朝まで話すというのなら、なんの苦も無く聞いて見せるだろう】
【それほどに彼女の話に聞き入っている】

僕も春好きだよ。すごく暖かいんだ。
でも僕は冬も好き!寒いけど・・・その分みんなあったかいんだ

【気づけば自然と声が戻っていた】
【まだ少しぎこちないけれど、それでも十分に明るくなった声だ】
【このまま自分の抱えているものを全て話してしまおう、一瞬そう思ったけれど】
【彼女を傷つけたくない。その一心でその思いを押し込んだ】
【自分の知らない自分が目覚めて、彼女を傷つけてしまいそうで怖かったから】
【そんな不安が少しだけ表情に出て、明るくなった笑顔にまた少し影が差した】
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 04:42:56.49 ID:SEmM8hT/0
>>43

【「お星様ね!」なんて、口にして、笑ったなら。光の蛾はまるで粘土のよう、くにゃりとほどけていく】
【そうしてぐねぐねと形を変えればやがて模るお星様の形、――天にあるのも太陽の光で煌いていたりするなら】
【流れ星が落っこちてきたかのよう。掌に載るようなサイズでも、本物のように、瞬いていた】

【(封を開けたようにとめどなく溢れ出すお話は、どこか、飢えた部分を満たしていくようでもあった)】
【(“そう定めた”母親は自らの話など滅多に聞いてくれるものではないし、贋物の姉は、どこへ行ったのだろう)】
【(いい子にしていたら戻ってくるよと母は言っていた。戻ってこない、戻ってこない、戻ってこない、戻って、来ない)】

――うん、あのね、お日様がね、ふわぁって……お布団みたいに、暖かくなるでしょ!
だからね、いーっぱいいーっぱいお日様浴びてたらね、眠くなっちゃうの。お昼寝するとね、気持ちいいんだよっ
それでね、それにね、お散歩するとね、みーんな嬉しそうでね、とってもね、嬉しいし、元気になるの!

【(どうでもいいようなお話をいっぱい聞いてくれた。いろんなお話をしてくれた。いっぱいしたいし、して欲しいのに)】
【(まだ足りないのだろうか。それとも見つけられない自分が悪い子なのだろうか。早く会いたいのに)】

冬はね、みんなね、ぎゅーってして……お日様が笑ってくれるの、待っててね、私もね、一緒に待つの!
知ってた? 冬にね、葉っぱとかがぺたーってするのってね、ロゼッタって言うんだって! ご本にね、書いてあったんだから!
……あ、でもね、冬はね、お寝坊さんになっちゃうの、なの。だってね、お布団暖かいでしょ――?

【(――だから。お話を聞いてくれるのが、嬉しかった。相槌を打ってくれることが、嬉しかった)】
【(それならばいっぱいいっぱい動く口は止まらないし、彼が付き合ってくれるというなら、それこそ、朝まで)】

……――あ、そうだ、あのね、これね、あげる!

【くるり回ってたゆたっていた星を両手で捕まえる、捕まえたなら、そうと彼へと差し出すのだろう】
【ぎゅっと魔力を固めて作ったお星様、触れればどうにも曖昧な硬さ、ただ、しっかりとはしていて】
【太陽電池めいてお日様に当ててやれば夜に光るのが強くなる。当てなければ、夜の元気がなくなる】
【材料がただの魔力であるから、魔力を繰れるならバラしてしまうことも可能だろう、それぐらい、簡単なもので】
【受け取るならば夜の明かりぐらいには使えるかもしれない、もちろん、受け取らないということも、十分できて】

【どちらにせよ。そんな小休止めいた間が終わればまたぽつぽつと話始めること、やっぱりどうでもいいよなことでも】
【彼が元気になってくれるまで話し続けるのだろう、当然、彼が語るというならそれを聞いて、返事をして、】
【――平和なように見えても二人の容姿を見ればずっとおかしな光景。二人ともが隠し事をしたまま、気にしないふりをして、過ごしていた】

/こんな感じで……おつかれさまでした!
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 04:52:58.84 ID:2YwkGVxj0
>>44
【本物のように瞬く星に、おー・・・・とうなって小さく拍手をする】
【表情の影も照らされて、影が消えていく】

【どんな話でも嬉しそうな顔をして聞いている】
【話の内容がどうだろうと、少年にはとても幸せな時間】
【相槌をうって、時には自分のことを話して、そんな風に時間がすぎていく】

くれるの?
ありがとう! ずっと・・・ずっと大切にするよ!

【差し出されたお星様を丁寧に、丁寧に受取って】
【自分の手に星が収まったなら、それをそっと胸に当てて、安らかな表情を浮かべる】
【魔力とかは全然わからなくても、まるで彼女の一部のようで、とても暖かい】

【おかしな二人のおかしな時間。抱えたものをおろすことなく、時はすぎていく】
【それでも、抱えたものの重さを忘れられるほどには幸せな時間だった】

//お疲れ様でしたー!
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 21:14:55.56 ID:eNw6/PDMo
【夜の国――漆黒色の館】

……もう少し。あいつは兎も角、連中が上手くやれば良いが。
ぎゃふんと言わしたる……あの阿婆擦れ。絶対に、追い詰めたるわ

【僅かに開いたままの扉から零れる声は、怨嗟ともただの独り言とも取れる】
【策を伝え聞いた時に己の出方は決めていた。だから今宵は、耐え忍ぶ時だ】

【肩で切り揃えた白い髪に、青藍色の燐光を零す黒彼岸花を挿した若い男】
【黒い紋羽織を着た古風な和服姿で、切れ長の目は深い葡萄色をしていた】

【彼は黒一色の調度品からマグダラのマリア像を手に取り、意味も無く弄ぶ】

【階上の隅に位置し、窓を二面に取れる室内は、月明かりが一杯に差し込んで仄かに明るい】
【その窓を背に、月光を受けて煌々と青藍色の燐光を零す、奇妙な白皙の植物がある】
【部屋の床に根付き、根元に何かを抱いている植物は、生命力を伝える様に時折さわと葉を揺らした】

【――余り広くは無い館、それでも目一杯二人の部屋から距離を置いているのは、配慮なのか単に嫌なのか】
【“彼”としての姿が回復した際、一番初めに言ったのが「地下から出たい」という言葉だった】
【機関本部に厳重に身を隠していた時と違うほんの些細な心境の変化――ただ、それだけの余談であるのだが】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 21:19:57.62 ID:eNw6/PDMo
>>46
/予約です
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/25(木) 21:53:51.84 ID:fjtxYTDYo
【ゴーストタウン――廃墟】
【ここは、鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界だった】
【しかし今、その一角に小さな邪悪が生まれていた】

【――とある一つの廃墟が、いつの間にか生まれ変わり"禍々しい神殿"になっていたのだ】
【大きさは100坪程度+庭】 【……一体誰が何のために作ったのだろうか?】

【そして、その神殿の入り口を護るのは、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

「……ZZZ」 『……ZZZ』

【……前言撤回。】 【二人は爆睡している……護るも何も無い】
【さて、今ならば容易くこの中に入れるだろうが……中から感じるのは、邪悪な気配】 【迂闊に入らない方が良さそうだ】
【だが、危険に首を突っ込みたくなるのが人の性と言うものであって……――】
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 21:56:13.94 ID:SEmM8hT/0
>>46

【満月をちょっとだけ通り過ぎたお月様の照らす夜の下、階下よりひとの気配が減って、どれだけ経ったか】
【秘密の約束事をそうと隠しこんで過ごしたのが数日だって、行かないでと言いたくなって呑んだのは、何度もあったなら】
【本来の時間よりもずっと長く思えて――ただ、それよりも、背中を見送ってからの今までの方が、ずっとずっと、長い】

【例えば寝台に寝転がって枕に顔を埋めてみたり、枕元に置いてあった本を開いてみて投げてみたり、】
【寝台から半分落ちかけた熊を引き摺りあげて頭を撫でて抱き締めておもむろに修繕痕をほどいてみたり、】
【糸の色を変えて縫い方を変えて飾ってみたり、まるで刺青のように刺繍を刻んでみたり、針の刺さったまま放置してみたり、】
【長い髪を手繰って編んでみたりばらしてみたりリボンのかたちのようにしてみたり、投げた本を拾ってみたり、】
【部屋から出てみれば無意味に彷徨ったかと思えばキッチンで食材を漁ってみたり転がしてみたり、洗ってみたり、】
【洗った後仕舞ってみたり彫刻めいた飾りを施してみたりそのまま煮てみたりいろいろしたなら、ふわと漂うのは階上まで】
【煮込む間にはいつだかに欲しがった綺麗な千代紙を鶴にしてみたり紙切れにぐじゃら落書きしてみたり、していたのだけれど――】


【――きぃと扉の軋む音がするなら、ノックも何にもなしに立ち入ろうとするのは、きっと考えるまでもなくて】
【それ以前にびちゃら纏って止まない滝の傍に佇んでみたような水の清涼さ、それが何よりも彼女だと証明するはず】

…………、――

【挨拶らしい挨拶もなし、唐突であったことを詫びる言葉もなし、要件があるとしても、緊急ではないらしい】
【断裁機に愛されたようにつぎはぎだらけのぬいぐるみを抱き締めて立つなら、ある種の亡霊か何かのようだけれど――】
【苛立つようなのと心配するようなのと、焦れるようなのと急くようなのと、いっぱい詰め込んだ顔、月明かりにほの白く照らされて】
【黒髪の長いのがざらと揺れる、リボンのかたちになるように編んだのが、いつもしない髪形、珍しくって】
【ワンピースの上に羽織ったパーカー、どっちもが黒いなら、ぺたぺた歩く素足の白さ、浮かすようによく目立つ】

――遊んで。

【――拗ねたような声は、ただ、もしも彼が父親が何をしているのかを知ったりしているなら、分かるようでもあって】
【起伏も何にもない身体と両腕に挟まれた熊が抱き締められて軋む、つぎはぎだらけの身体は、ばらばらの方向に歪んで】
【時間を精一杯に潰して潰して潰してみても足りなかった。ならばと頼ってみることにした、この場での最年長】
【それでいて断らないよねとでも言うよな視線、じとり注ぐなら、敬うよな気持ち、微塵も感じられなかったけれど――】

【――火も落とされたキッチンでかちりかちりと刻まれる音、壁掛けの時計、針がまるで素っ頓狂な方向を向いていた】
【椅子と指先とで狂わされた時間、してみた後になーにも意味がないことに気付いたとか、まるで、余談】
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 22:25:51.82 ID:eNw6/PDMo
>>49

【――何か、階下で動く気配は感じ取っていた。没交渉に徹してはいたがどうしたって気になるもので】
【そんなに不安定になるものなのか。愛した人などいた事がないなら理解不能、ただ苛立つ事はなく面白いと思った】
【まあ、自分に関わって来る事など―― そう思っていたからこそ不意を突かれて、軋む音に肩が跳ねた】

……は? いやちょい待ちな、来んな阿呆。素足かいな
ちゃう、そうや無くて――嗚呼もう、何であッちに来んのや、

【戸惑う。それ以外に表現の仕様がないという様子の彼は、答えにも迷うように視線を泳がせる】
【相手の素足が視界に入るとあからさまに顔を顰め、室内履きの下駄をからんと床で鳴らした】
【(櫻の生活様式を元にするなら、見た目からしてそうなのだから、此処に馴染んでいないのが良く分かる)】

…………あッちは嫌やわ。
そッちが何か芸でもやりいな、暇やから

【一回り近く下の彼女に何か年上らしい事なんてしようとさえ思わない。じとりと見る目は扱いに困った様子で】
【普通に断って切る言葉は誰かがいれば殴りでもしただろう。商売でもなければ甘い言葉など掛けないのだし】

【――ただ、待つという状況は同じだった。求めているのは戦果だが、持て余す時間は同じだ】
【追い返す事はしなかった。再び視線を遣ってから、手許のマリア像を黒だらけの調度品の中へかたりと置いて】
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 22:26:19.25 ID:9kvNmFN00

【船も全て出航してしまった港。作業員が居る訳でも無く実に静かであるけれど】
【――――カツ、カツと響く足音。其れは何処か、幼さを連想させる位には小さく】
【やがて現れたのは、瘴気を纏う少女。紅いドレスを纏い、金色耀きを放つ髪を持った人外】


「綺麗ね。とっても綺麗
此処には月しかないのに、それでもとっても明るいのね」

【外見だけ見たならば、この時間帯に出歩くには大凡相応しくないであろう】
【だけれど――――少し離れていても感じ取れるような瘴気が、実に不快で】
【クスリ。一人笑えば水面へと手を伸ばし――――何かを掬い上げる動作を行ったならば、それに従うかのように僅かな面積の海面が持ち上がって】


「残念ね。船に乗ってみたかったけれど……とっても、残念
――――仕方ないから、お月様の下でお散歩でもしていようからしら
人魚姫も、もう寝てしまっているでしょうけど……お散歩、してみようかしら」

【何の躊躇も無く、其処に足の裏を着けたならば、まるで地面が延長しているかの如く浮くのだろう】
【水の上に立つ。なんて、非常識】
【人気が無い事――――そして、隠すことも無く放たれる瘴気。きっと、目立つには十分すぎる事か】








【波の音だけが聞こえる海岸――――しかし、其処は普通の海に面していないと有名で】
【冷たいわけで無く、逆に心地よい暖かさを秘めているとの噂。よくよく見れば、湯気だっている事が分かるだろうか】
【一人ぽつんとその浜辺に座り、月を眺める姿が一つ在って】


「……そんなに、心配しなくても……大丈夫です……
えっと……多分、悪い人だって居ませんから……えっと……へ……?
そ、そんな……せ、世間知らずなんかじゃ……無いです……」

【巫女装束を纏った、少女の姿。狐の金色の毛並みを持った狐の尾や耳も見え隠れしていて】
【――――辺り一面に漂うのは、妖気。所謂、妖狐の其れなのだけれど】
【近くに人が居る訳でも無し。それでも、呟くのは独り言とは遠く、まるで誰かと会話している様】


「……沙蔓は……心配しすぎです、よ……?
大丈夫です……ちゃんと、直ぐに戻りますから……」

【小さな溜息が一つ。申し訳程度に辺りを見回すけれど、直ぐに視線は海へと戻されて】
【歳にしてみれば、恐らく十七前後。だけれど、誰か居る訳でも無いのに常に不安そうに眉を八の字にしていて】
【――――其れなりに有名なこの場所。この時間に訪れる者が居たって、何ら可笑しな事は無い】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/25(木) 23:10:50.19 ID:SEmM8hT/0
>>50

【何か問題があるとすれば、彼がそこに行くこと、彼女は知らないはずだったのに】
【それは例えば動物的な勘なのか性別的な勘なのか、蓋を開ければただ聞いてきたと言うだけでも】
【持て余して弄ぶ時間は掌中で腐り果ててどうしようもない。何をしたって、時計の針ばかり気になるのだから】

【――どうにも斜めのご機嫌を示す双眸がちろと流れて、部屋の隅でざわめく植物を、そしてやがては彼へと、】

ひとが、溶けて……ジュースになっちゃう、とか?

【断られた。それどころか、こちらに振られるなら――それこそただ八つ当たりめいて押し付けた無茶振り、考えていたわけもない】
【円の瞳が僅かに逸れて考える刹那、大した時間でないなら、思考だって大したものでなく、実際、口に出すのはふざけている】
【それでいて実行不能でないことを言うなら最悪やりかねないような冷ややかさだけがあるようで――まあ、しやしないだろうけれど】

【――ふらと踏み出す足は無断でも、彼の態度から、追い返されるわけでもないよ踏んだよう】
【目論みどおりに踏み込めるなら――指先を引っ掛けるようにして曖昧に閉めるドア、結局、最初とほとんど変わらないぐらいに】
【抱き締められる熊だけが微動だにせず月明かりで無機質の瞳が煌く、縒った全身は、布の熊だからこそ赦される程度に、傷ついて】

【性別で言えば平均をいくらか超す身長だって、男性の側から見ればたいしたこともない百六十センチ】
【父親を真似て選ぶようになった底上げの靴だって室内ならば脱ぎ捨ててしまう、――どうにも順応しないのが、ずっと直らない】
【丸く釣った眼がどこか蛇めいた造形で彼を見上げて、ぱちりと瞬きするのが、ちょっとした差異。そうと首を傾げてみたなら、】

……お父さんに言いつけちゃう

【――いきなり部屋に来て、いきなり無茶振りをして、いきなり脅しに掛かるのだから、ひどい話】
【けれど、むっと伏せたままの瞳。そんなに真剣みを帯びるわけでもないのなら、そんなに本気でないと分かる、だろうか?】

だって。……お花ぐらいなら、どうしてもっていうなら、作ってあげてもいいけど。

【芸染みてやるにはあまりにも猟奇的過ぎることが真っ先に出てくるぐらいには芸なんて技能は持ち合わせず、なんにもない】
【数日前に大規模に減らしてしまった分は既に元通りとは言え、血液めいて必須の魔力だってあんまり削りたくないなら、】
【どうしてもノリ気じゃないのは、そもそも彼に無茶振りしに来たのだから当然と言えば当然、とも言えるのだけれど――】
【――それで居てあっさりじゃあ下に戻りますと言えないのも退屈のせい、やがて提案したのは、対して面白みもなさそうな、こと】
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/25(木) 23:35:44.58 ID:eNw6/PDMo
>>52

【問題には気が付かなかった。月彗はてっきり伝えたのだと思っていたし、それ以前に彼女の動向に興味が無い】
【半魔との関わりがあって、鍵となりえる事は頭の片隅に入れていたが。所詮はただの少女だと何処かで見縊っている】
【実際にはセシルは何も言わず出た。ただ「必ず戻って来る」と付け足したのが、いつもと少し違っていたか】

……うぇ

【想像したのだろう。死体は幾つも作ってきたが、見栄えを重視する方だ】
【後から腐り行く事は知っていても見ようとも思わない。それを厭って剥製にするような奴だ】
【口許に手を当てて流す視線は先よりきつく細めて吊り、信じられないものを見るのに似て鈴音を見遣る】

――好きに言いや。こんな所、用が済めばさっさと出るんやしな
此処……畳は無いわ、あいつは靴で歩くわ、……夜は騒がしいし

【無愛想を地で行くのだから居候の立場に引けなど感じる訳も無く、つらつらと不満を並べ立てる】
【まず館の色合いの異様さに文句を付けないのは似たような趣味であるのか。少し含む言葉があった】

…………花、

【先の比喩から考えて誰か適当な人間を咲かせるのかと一瞬思うが、】
【「勝負するか?」と微かに口の端を吊り――見せ付ける様に開く掌から、青藍色の花弁が散る】
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/26(金) 00:07:28.71 ID:1XloTOh+0
>>53

【「待ってる」と、「いってらっしゃい」と、返したのがひどく昔のことに思えた】
【彼からの評価は別段気にしていないのか、こちらもあまり気にしていないのか――】
【現状敵ではない認識。父親が居ない家の中で頼ろうと思う程度には置いた信用、――懐いているほどではない、けれど】

――――、しないよ?

【――まるで普通に、例えば今日の晩ご飯はカレーだよなんて言う風な口で言ったのは、あまりに歪なことでも】
【それがそうなんだと言う理解が出来なくなったのはいつの頃からだったか。それもまた歪、最初からこうではなかった、はずなのに】
【後からそっと付け足してみるのだって眼前に手を掛けるつもりはないと安心させようとするよなもので、ズレていた】

【向けられる瞳に返すのが、そうして見られることへの理解が及んでいない色合い。オッドアイを数度瞬かせて、緩く首を傾げて、】
【(父親に逢ってから。ひとを傷つける重さがずっと狂ってしまった気がする。きっと、もう、正常になんて戻れない)】

……、よる? 虫ぐらいしか鳴いてないと、思う、けど……ずっと、夜だし。

【畳がないというのも、靴で歩くと言うのも、まあ――そこまでではないにしろ、どこか理解できる言葉たち】
【櫻のほうの基準で慣れているならごく薄く混ぜ込んだ異文化、ただ、文句としてしまうには、ずっと足りないなら】
【ひとつ理解できなかったこと。夜に騒いだような記憶は薄く、本当にきょとんとしてみせるなら、心当たりもどうやらないよう】
【――どうしてもゆったりしがちな夜に甘えて傷を乞うこと、よくあるけれど。意識の網に掛からないぐらい、あまりにも、日常】

【そんな風に首を傾げていたら。あまりにも適当に投げた提案、返って来た言葉、飲み込むような間が少し空いて】
【言葉の意味と、散る花弁とで薄らと遅れて理解する、瞬きひとつ挟んだなら――初めて、やっと、表情が柔らかくなって】

いいよ

【遊んで欲しくて来たのだから、遊んでくれるとなれば万々歳。嬉しそうなのは、父に向けるほどじゃなくっても、明確に】
【ぢりと黒髪の先から零れ落ちたのは桜色の残滓、黄緑色の溶けた、或いは黄緑色に解かされた、曖昧な色合いが散って――】
【「どれ?」なんて尋ねるのは花の種類だろうか、何かを指定する素振りもないなら、きっと、こちらからの希望はないはずで】

――、座っていい?

【――それよりも希望があるとしたなら。そして問題があるとすれば、普通に差しているのが寝台の方と言うこと】
【それを拒否しようとも当然暴れだすようなこともない。何なら床とかでも全然構わない櫻気質、寧ろ家なしの時期もあったのだから――全然、普通】
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/26(金) 00:16:14.00 ID:0QbTY1cuo
>>35

【怒りに任せて放った渾身の矢が脇腹を抉るのを視認】
【だがまだ敵は動いている、苦い顔をしながら最後の一撃を放たんと近付いてくる柊に後退の意志は見られない】

【チッ、と苦々しげに舌打ちしながら腕めがけて放ってくる円の軌道に対し、ブレンは右腕を引いて右の斬円から回避し】
【残る左の斬円を左手に残ったその弓を盾代わりに使い、弓の曲線にそって軌道を逸らさせて回避を図る、が】

【ザクリ!と左ひじの内側に深く切り傷が生まれ、先ほどよりも多く血が滲み始める―――回避に使った弓も容易く切り裂かれ破片が地に落ちていく】


こ、のぉッ!いいかげんに……!

「――――退けブレン、戦闘終了ッス」


【苛立ち交じりに柊を睨みつけるブレンに、突如遠距離から声が飛んでくる、自分が渡した魔術式の通信端末からだ】
【すぐに取り出し柊から距離を取りながらブレンは頭に血を登らせながら応対する】


なんでよコマチ!私まだやれるし!まだまだこれから……

「状況が変わったッス、一旦引け
ここでの戦闘を続ける意義はついさっき消えたッス――――水晶玉見てみな」

何?いったい何が……あー、なるほど


【先ほどまでの怒気のこもった態度が萎み、ちょっと不満そうな顔をしながらも】
【ブレンは先ほどまで手に持っていた弓の残骸を、惜しむ素振りも見せずにぽい、と足元に捨てると】


―――今日の所は命拾いした幸運を褒めてやるし!
柊っていったっけ、流石に機関にケンカを売るだけあって確かな腕を持っている事はよくわかったし

とりあえず次合う時までその命預けておく訳よ!


【タンッ、と部屋の入口まで軽快な足音と共に立ち去ると、指を柊にむけて指しやや無理した笑みで最後に言い放ちながら】
【そのまま彼女の行動に興味を示す事もなく、その場から去って行った】

【←To Be Continued...】

/では遅くなりましたが返事をお返しします、お疲れ様でしたー!
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/26(金) 00:38:59.44 ID:HKSHAsFyo
>>54

――そうか。なら良いわ

【勘違い、だろうか。少しだけ違和感を覚える様に空いた間、聞いたものを話す事はしなかった】
【相手の言う通りずっと夜だ。面白そうに薄く嗤う。まだ慣れない身は時計を弄られると地味にダメージを負う、とは余談で】

蓮の花

【言葉短に指定した。初めから決めていたのか、何か目的があって遊びに乗っている気配があった】
【ただ、相手の散らす色合いに見知ったものを認めてほんの僅かに呆れを見せる】
【希望にはひとつ頷くだけで、別段の問題を見出してはいないようだった。黒いシーツの敷かれた寝台は使用された形跡が無い】

【彼女が座るなり落ち着いたのを確認した後、開始の合図の様に月彗の周囲で青藍色の燐光が散る】
【掌中から泥の様に溢れ零れるそれは床に落ちると、茫と煌めいて何かを其処に描き出す】
【黒い床に青色に輝く線が、淡く梵字を象る――顕現にはまだ、時間が掛かるようだが】

【梵字は光の色合いを明滅させ、合わせて指先が手繰る様に動く。何かを確かめているような、そんな動きだった】
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/26(金) 01:04:48.02 ID:1XloTOh+0
>>56

【夜に騒いだような記憶はない、それはただただ彼女の主観であって、主観であるなら】
【どうしても苦痛に零れる声だとか、吐息だとか、まるで存在しないもののよう、すっかりと抜け落ちていて】
【さらに言えば夜中に魘されたり泣きじゃくったり泣き叫んだりするのは夢の中、たとえ目が開いていたって、記憶にはなく】
【それならば――どうにも、自覚が足りない節は十分すぎた。ただ、違う音を拾っているのなら、それこそ心当たりはなくなる】

【――ぽんと投げ出すように座ればベッドの軋む音、軽い身体なりにきしきし言わせて、そうと横に熊を置く】
【全身を接いだなら最早座れない熊はへたんと彼女の腰に頭を添えて。偶然か、煌く魔力の踊る手の内を、覗き込んでいるように見えた】

はす。

【もとより短い彼の言葉は余計に短いかたちで反芻される、別段の意味もなく首を傾げれば、思い返すようで】
【水でも掬い上げるようにした手のうちでくるり湧き上がって踊る魔力の色、呆れられたって、なんらダメージもないような顔】
【――そうと視線を落とせば自然と言葉も詰まる、意識を手の内へと落とし込めば、俯きがちに堕ちてくる前髪も、気にならなくて】


――できた

【時間としては数分ばかしだろうか。じぃと黙り込んでいたのは、それこそ真剣な色合い、十分すぎるぐらいに】
【手の中に堕ちていた意識がふらと持ち上がって彼の方へと舞い戻る、両手をそうと差し出せば、見事に、咲き誇っていた】

【――花弁の下の方は薄く淡い桜色でも、先端に向かうに従って強まる赤みは、一番メジャーな蓮の色味とよく似て】
【向こう側を透かすと透かさないの間に曖昧に立つ花弁、真ん中にそうと抱くおしべとめしべ、淡い黄緑色に染められて】
【実物と比べてもそれなりに違和感のないような造り、ただ、ぼうと淡く光るのが、実物にはあり得ない現象で】
【薄らと黄緑色を花嫁のヴェールのように纏っているのも、また、違うところ――それでも、まあ、上出来と言えるぐらい】

【――花に走る脈までもがきちり再現されていた。ならば、精密に繰る力の証明になるだろうか】
【いくらか以上に想像で済ましているところがあるとは言え――それでも、相当細かいところまで、練られていて】
【(魔力と異能で以ってこの身体を再現しながら生きているのだから。細かい作業にはよく慣れていた、とは余談)】
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/26(金) 18:50:46.33 ID:lyMWDeQAo
【ゴーストタウン――廃墟】
【ここは、鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界だった】
【しかし今、その一角に小さな邪悪が生まれていた】

【――とある一つの廃墟が、いつの間にか生まれ変わり"禍々しい神殿"になっていたのだ】
【大きさは100坪程度+庭】 【……一体誰が何のために作ったのだろうか?】

【そして、その神殿の入り口を護るのは、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

「……ZZZ」 『……ZZZ』

【……前言撤回。】 【二人は爆睡している……護るも何も無い】
【さて、今ならば容易くこの中に入れるだろうが……中から感じるのは、邪悪な気配】 【迂闊に入らない方が良さそうだ】
【だが、危険に首を突っ込みたくなるのが人の性と言うものであって……――】

/二時間位はいます
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/26(金) 19:47:56.98 ID:VH3P/aUMo
>>57

【手繰る指先がぴたりと止まり、くいと一度手招く動作を取ったのがちょうど相手の蓮の完成と同時だった】
【梵字の描かれた床から燐光を迸らせて這い上がる蓮は幾重にも展開し、中心に鈴音の背丈程の何かを抱いている】
【隠すように広がる花弁が左右に退いた奥――其処に在ったのは、一杯の蓮を纏い静かな慈愛をその顔に浮かべた薬師如来】
【青藍色の燐光を溢して清廉さを放つ仏は、植物の生きた気配を含んで微かに瞬いたようにさえ見える】

……ちっ

【見た目の派手さならどうしたって眼を引かせる己の作品へ、彼は不満げに舌打った】
【相手の作り出した蓮を見て、自分の作り上げた蓮を見て、再確認してやはり納得したように息を吐く】
【蓮の出来は通常仏像の脇に咲かせる其れと程度において何ら変わりがなかった。多重な花弁の重なりが精緻なだけで、】
【最低限の葉脈、意図的な茎の立ち方、青一色の色合い、細部を言えばキリが無いほど相手よりも劣っている】
【正味、蓮より仏像に力を入れた節もあるように見えたが――その割に拘った辺り、蓮の精度も関わりがあるらしい】

…………その花、――

【月彗が何事か口を開く瞬間、鈴音にだけ、鈴音だけが持つ繋がりの糸に、不協和音の揺らぎが伝わるはずだ】
【黒蛇がその眼に黄緑の燐光を灯して、左薬指を締め付ける感覚を――感じ取れたなら、示す“彼”の気配は玄関にある】
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/26(金) 20:25:16.22 ID:1XloTOh+0
>>59

【対して大きくもない年頃通りの掌でめいっぱいに咲かせた一輪、白肌を添えたなら、鮮やかなのが余計に浮かんで】
【やっと上機嫌めいて持ち上がるテンションがふわふわと笑うなら、深く深く考え込むよりも、ずっと楽そうではある】

【――そうして今度は彼の作ったものへと意識を向ける、ある程度高さのあるだろう寝台とは言え、座っているなら、見上げるように】
【足と足の境界を示す位置に花ごとの手を置けば、ぼうと薄ら明かりが夏服の薄さを透かしこむよな錯覚、別段見えもしないけれど】
【静かにじっと見つめているなら。そんな仕草自体が、認めるようなものに近い。大きさの違いを思えば、細かさの差だって、】
【なんだか悔しいような負けたような気がしてむーとへの字口、慈愛の顔から彼へと視線を戻す、意識は刹那だけ彼の言葉を聞いたのに】

……、――――、

【次の瞬間にはまるで聞いていないと見て分かるほどに上の空だ、ついと糸に引かれたように逸れた視線は、明確に玄関を貫いて】
【ふわと手が動いたと思えば蓮の花が熊に預けられる、というよりも、置こうとした位置に熊が居たとでも言うよな――】
【渡された熊は表情変えるわけもなく、ただただ、弛緩した足の上に花を置かれて――支えを失ったなら、そのまま、くず折れた】

【――花を置いた以外の前触れは何もなく、ならば、立ち上がること。或いは驚かせてしまうのかも】
【熊も花も置き去りにしたまま部屋を出て行こうとしてしまうなら。最初に来たときのよう、どうにも、急なこと】
【けれどそんな動きの唐突さから分かるような気がする、だって、彼女は、帰ってくるのをずっと、ずっと、待っていたのだから】

【止めないならばすぐにでも部屋を出てしまう、止めるなら、ただひとこと「後で」と返して出て行く、】
【熊についても「後で」、花については「あげる」、一応尋ねれば返してくれると言うのは、補足しておくけれど】
【熊――はまあともかくとして。かたちを保ったままの花は何か調べたりしようと思うなら存分に出来るはず】


【はたはたと廊下を走る音と髪を尾っぽのように引くなら少々以上にお行儀は悪く、ただ、それぐらいに早く逢いたくて】
【段抜かしと言うよりも跳ぶように階段を降りて、黒がりの中を駆けて、やがてその姿を見つけたなら、】

――――おかえりなさいっ!

【ぱぁと咲うのが父親の知らない場所で咲き誇る蓮よりもずっとずっと鮮やかで――叶うなら、ぎゅっと抱きつこうとするのは】
【嬉しいのと、彼の身体を気遣うのと、いろいろ混ぜ込むよう。一応、彼の様子によっては、軽さ、調整したりもするけれど】
【どちらにせよ。精一杯に見上げるのは何も変わらない、いつもするお出迎えよりも、ずっと、違って】

【――病気の猫が姿を消すように家から消えていたあの夜、戻ってきた頃には、様子が変わっていたのは】
【後から考えればやっと理由も分かってくるだろう、つまり、その間に金髪の彼と出会っていたはず、そして、】
【大きく抉れるように失せていた魔力のこともすっかりと解決。そして、こんなに笑うのは、だいぶ久しぶりのはずだった】
【ひどく膿んだ傷を裂いて抉るように泣きじゃくるのがしばし続いていたのだから――】
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/26(金) 21:04:22.77 ID:Jl4ezmhk0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 カフェテラス】

やっぱり、涼むにはこの国じゃのぉ……氷の国は冷え過ぎて適わんわい……
この程良い心地……何とも言えず爽快じゃ……!

【量は多いが短い白髪をバック気味に整え、皺が多い割に肌の色合いが良い、ダボダボの研究衣を着こんだ、細めの目をどこかぎらつかせている、年の頃は壮年程の男性が】
【通りに面したデッキパラソルの席に陣取り、アイスコーヒーを携えながらタバコを燻らせている】
【ロングタンブラーにストロー付きで置いてあるアイスコーヒーは、外気に触れて汗をかく様に結露し、ぼんやりとタバコの煙が踊っている】

【研究衣の襟の部分には、≪No.6≫と言う刺繍が施されている】

……じゃが、こっちはいよいよ終わりかの……一連の政情不安も収束に向かう……
――――その代わり、雷の国をより賑わせてやるわい……狂ってしまうほどにのぉ……!

【チュー、とアイスコーヒーのストローを吸い上げながら、男性はほくそ笑む。ギラリと、その瞳が不吉に光っていた】



【――――所変わって、水の国 公園】

……魔海は、想像以上に厄介な場所みたいだね……近づくのもままならないなんて……
「(だな……身は一つしかねぇ、流石にそこに踏み込むなんて無茶は、不味いかも知れねぇぜ……)」
<(でも今のところ、心当たりなんてそれくらいしかないのよねぇ……これは頭が痛いわぁ……)>

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【ベンチに腰掛け、街灯の明かりを頼りに、情報誌の様なものに視線を落としている】
【何の事は無い、ありふれた週刊誌の様だが、少女は真剣に目を通していた】

でも……どうしよう……もう、これ以上アテはないんだから……手詰まりになっちゃうかもしれないよね……?
「(……情報が入って来ないのも、不味いよなぁ……となると、やっぱり1人ってのが不味いのかも知れねぇが……)」
<(参ったわねぇ……力に関わりのある繋がりなんて、物騒な所にしかコネクションできないわよ……どうする気?)>
…………虫に、刺されたのかな……痒い…………

【雑誌に視線を向けていた少女だったが、やがて背中に手を回そうと、妙な姿勢を取る】
【どうやら、背中の痒い所に手が届かない様で、人気の無い公園で1人、もぞもぞと背中に手を回していた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/26(金) 21:13:50.46 ID:VH3P/aUMo
>>60

……ただいま。鈴音

【抱き止める腕は変わらない人の暖かさで、ただし抱き付いたなら分かる事。祭服の右胸が貫かれた後のように破れていた】
【もっとも、その下の皮膚は裂かれた様子もなく血の香りも無い――結論として身体には何一つ外傷が無かった】
【ただしその能力の流れが、限りなく0に近い程磨り減らされていた。元来多量に保有出来た訳ではない力、魔族の気配を纏って以降】
【彼女に与えてなお余る程の総量を持ち続けられるようになっていたのだが――それが無くなっている、つまりは、】

あいつに託していたなんて……、気が付かなかった。
ありがとう――君が、私を助けてくれた

【――人間の温度で、気配で。魔の力が消えた彼は、限りなく0に近い力に微かに彼女の桜色を乗せていた】
【ふらつく様子もないのはその為だろう。挙げた人物に思い至ったなら確実に分かる、渡した力が彼に届き守った事】

…………良い香りがする

【抱き締めた体をそっと離れて呟く。鈴音が作っていたものの香りを嗅ぎ取ったようで、視線はキッチンの方へ】

――待っていてくれて、ありがとう

【知っていたなら辛い時間を過ごさせた筈だ。だからこそ今まで塞ぎ込んでいたのだろうし、何せ今こんな姿を見せている】
【早く手料理を食べたいと言って微笑むのがいつも以上に平和じみて、その身に刻まれた針の無い時計と逆十字を今この時だけは忘れ去った】

 【不安にさせた分、何倍にも安堵させるようにセシルは鈴音の側を離れない】
 【――それはきっと食事の時でさえ。格好が悪いが、今宵ばかりは許されるだろうか。】


【余談。一刻も早くその戦果を聞かんとしていた弟は、声を掛ける隙がない光景に成す術なく胃の辺りを抑えていたとか】

/大変遅くなりました……
/そしてこの辺り、でしょうか
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/26(金) 21:17:04.26 ID:WzqDtmSBo
【風の国 路地裏】

【表の世界から迷い込んだ風が、この空間にも吹き込んでくる】
【だが、吹きわたる清風の名残も、この場においては陰鬱な空気と饐えた臭いをかき乱すばかりだった】
【路地裏の陰気を吸って淀んだ風の音に混じって、重苦しい足音が二つ】


【一人は、身長2メートルを超えているであろう大男だった。薄汚れた灰色の作業着に身を包み、その上には黒いラバー地のエプロン】
【短めに切り揃えられた黒髪、その下の額には面積一杯に広がる一つ目が埋まり、忙しなく動いてあたりを見回している】
【両耳は奇妙に歪んでドス黒く染まっており、ほかの指より細長い両の親指もまた同様に黒い】
【路地裏の雰囲気にはむしろ馴染むというべきか。異形の大男は黒いゴム長靴で路地裏の地面を踏み締めて歩いている】


【もう一人は、くすんだ鉛色の髪をオールバックにした男だった。髪と同じ色の瞳で、やはり周囲を警戒しつつ大男に追従している】
【両耳と口元にはやはり鉛色をしたピアスが付けられ、時折唇を舐める舌の外周にもびっしりとピアスが並んでいる】
【カーキ色のジャケットの上にポケットがいくつもついた黒いベスト、迷彩柄のズボンと黒く厚い軍用ブーツ、といった出で立ちのピアス男は】
【眼前の大男が立ち止るのを認めて、少し遅れて足を止めた】


……スカーベッジ。先行したデュアルたちとの合流は、予定時刻を遅らせる
後で連絡を入れておけ

「了解でさ、カニバの旦那。……しっかしそこまで警戒する必要あるんですかい? この国も混乱が収まったわけでもないでやしょう?」

いよいよ、あの忌まわしい半魔の最期が近いのだ。つまらんことで足止めを食いたくはない
念には念を入れねば……まったく、この風体では入国するのも苦労する

「お察ししますぜ……」


【その姿にも劣らぬ、不穏な空気を孕んだ会話が、路地裏の壁にわずかに反響する】
【二人はその場で立ち止り、低い声で言葉を交わしていく。二人がいる空間には複数の道が連なっている】
【誰かがここへ入ってくることがあれば、まず間違いなく彼らの姿は視界に入ることだろう】
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/26(金) 21:54:35.58 ID:Jl4ezmhk0
/>>61取り消しでー
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/26(金) 21:59:16.34 ID:1XloTOh+0
>>62

【ぎゅっと抱き締めてくれる暖かさに埋める身体、いろいろな不安とか怖がりが解かされていくなら、満たす安堵】
【見送ったときと、今と、同じ温度。喪われるよなことがなくてよかったと思うなら、金色の髪した彼をふわと思えど】
【確かめるように認めるように抱き締めれば抱き締めるほどに暈けてしまう、ただ、ただ、うれしくて】

――邪魔したく、なかったの。 だいすき、だから

【何度だって吐き出したかった我侭を辛うじて飲み込めたのはそんな気持ちと、ほんの少しの恐怖心と、ただ、】
【知らされた場で既にただ見送るだけなのを我慢出来ないと気付けるぐらいには、生きていて欲しかったから】
【そっと内緒話のささめきで託した桜色が廻って眼前に立っていてくれる、抱き締めてくれる、余っちゃうぐらいに、嬉しくて】

【――かつて彼が内側に自らの色を見出して笑ったよう、抱き締めた暖かさにやがて自分の色を見出したなら】
【刹那だけ息の途切れるように驚く、あの時の彼の気持ちを思い知るようで、――わたしのものだって、深く、強く、思った】

あ……、スープ、あるよ。あとね、お父さんの好きなもの、何でも作ってあげる――

【離される身体が寂しくとも、薄らと記憶から抜けかけていたもの、気付いてくれたなら。いつもに増して彼に沿うのが、甘たるい】
【好きなメニューでも言ってみれば最大限に善処してくれるだろう、無茶振りを押し付けてみるのも、或いは楽しいかもしれなくて】
【離れた身体の距離を埋めるように伸ばす手が。叶うならばそっと繋ごうとするのだろう、キッチンまでの、ほんの少しの間】

【――いつも彼がそうしてくれたように真似してみる、目に見えない繋がりを逆に辿って零すのは、淡い桜の色合い】
【拒まれないならば暖かに満ちるのを差し出すのだろう、毒のように澄んだ濃さ、底の見えない内包量、少しずつ、少しずつ、窺うよに】
【水が様々なかたちの器に篭められるように移り変わるのは異能に因る部分が大きいけれど、魔力自体にもそんな性質、いくらかあって】
【(あんまり喰いすぎると貧血めいた仕草を見せるようになるから。適度なところでやめておくのがいいのだろうけれど、とは、余談)】

【松ぼっくりみたいにされたじゃがいもとか、立体的に彫られたお花の人参とか、いろいろ――なんだか奇抜な切り方が水面にひどく目立つ】
【そうして出来上がったちいさな欠片たちまで余すことなくぶち込んだなら、どうにも渾沌めいた野菜のスープと、何か希望したなら、それと】
【――机の上に千代紙で折られた鶴が数羽いたり、時計がトチ狂っていたり、――いい子にしてたとは少しだけ、言えないかも、しれない】

【後のこと。彼の部屋に置き去りにしてしまった熊を迎えに行った際、もしも鉢合わせるようなら】
【下にスープとかあるから食べていいよとのこと。――まあ、今までに何かを食べちゃ駄目だなんて、言ったことはないのだけれど】

/おつかれさまでした!
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/26(金) 22:02:58.35 ID:JiZan6fO0
>>55


【――――――― 手応えは柄越しに手に伝わった。だが、想定ほど確かなものではなかった。】
【ならば少々部は悪いが、次の一撃を “受け”――――― 反撃を以て撃滅する、】
【その身をさらに磨り潰して。今一度の整調の気息とともに、未だ戦闘を続けようと】

(……っ、―――――――)

【した、直後に入る通信。今宵の幕切れを呆気なく伝えて―――――】
【未だ身体強化が残っていたのか、敵影はそのままの突然さで立ち去り、消えた。】
【追おうとすれば追えただろうか?/疑問は、疑問のままに。けれど伝わる情報が事実なら、互いに継戦に意味はなかったのだろう】
【……傷を押してのものなら、猶更。】

【鎧甲を石のかたちに戻し、血の滴る腕に軽く状態の確認を終えて】
【城に訪れた変化を感じ取りつつ浮かべる思考、】

(他の戦いも終わった、か……)

……命拾いしたのは、果たしてどちらなのかしらね――――――――

【どこか悠然と、想い描く様にひとり、言葉を零した】
【―――― 結局、不完全燃焼という事か。打撃は与えた。そして、相応に己も傷を負った。】
【前哨戦には充分だろうと、今宵の顛末に結論して】

【持ち越された決着のゆく末を想った。そして、真に求めるべきひとつの “勝利” を―――――】
【……かの大いなる魔性を除く終わりの戦。……決着は、近い。】

/お疲れ様でした……!
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/26(金) 22:25:59.06 ID:WzqDtmSBo
>>63
/取り消します
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/26(金) 22:26:45.20 ID:7DNzEv7x0

【街の中――――普段は喧噪で賑わう其処だけれど、今日ばかりは静かで】
【その街の中央に立つのは、一人の巫女。瞑想の如く目を瞑り、風に黒髪を靡かせている姿は幻想的に見えるかも知れないか】
【不意に手を横に伸ばしたならば、その腕に止まるのは一羽の鳩。真っ白で、僅かな耀きを放っていて】


「ご苦労様でした
――そうですか。異常はありませんでしたか。でしたら、何よりです
ゆっくり休んで下さい」

【空いた片手が鳩を撫でたならば、其れは瞬時に一枚の符へと変わるのだろう】
【所謂、式神。櫻の国ならば、それなりにメジャーな術であろうか】
【そのまま袂の中に手を入れれば、一枚の煎餅を手にとって】


「……可笑しいですね。何も無いという筈は無いのですが
まあ、良いでしょう。面倒事は嫌いですし
そんな事よりも、この空腹を満たすことが先です」

【ゆるりと小首を傾げるけれど、結局は自分に言い聞かせ、納得するのだろう】
【パリパリと食べながら、お腹が空いた何て言うが――――手に提げている袋には、大量の中華まんの飽き袋があったりするのは、余談だろうか】









【薄暗い森の中。がさがさと動く影が一つ】
【濃い青色をした其れを纏っている所を見れば――――修道女であろうか】
【月の光を鋭く反射させる銀の髪。困った様に、ウロウロとさせる双眸】


「あの……そろそろ、離れて貰えませんか?
私も飼いたいのはやまやまなのですが……あなたを育ててあげれるだけのお金も無いのです
それに、野生のままの方があなたにもきっと……と言っても、分かりませんよね」

【悩みの原因。其れは、頭の上で丸まっている奇妙な生き物】
【ふわふわとした毛並み。まるで、ハムスターの様にも思える外見】
【眠っているのだろう。時折心地よさそうな小さな寝息が聞こえて】


「このままこの子を置いて行くと、獣や魔物に食べられてしまいそうですし……
かといって、連れて帰るわけにもいきません。……どうしたものでしょうか……」

【その毛玉を乗せたまま、ウロウロとする姿は何とも滑稽】
【時間も時間。そしてそんな奇妙な行動が合わされば、自然と目立つ事になろうか】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/26(金) 22:55:45.82 ID:Dx4fH8V5o


【――――懐中時計の針は、既に十一時近くにまでなっていた。】
【約束の時刻が迫っている。上から下まで、どこまでも真っ黒なローブに身を包んだ老兵は静かに、佇んで―――。】


「――そろそろ、時間ね。それにしても、もうちょっとこう・・・場所を選べなかったの?」

・・・どういう意味かね、Nemesis。まさかオープン・カフェやビア・ガーデンで悪の会議を開けと?

「そうは言ってないけど、ホラ・・・せめてお茶が飲める場所でゆっくり、ってワケにいかなかったの?」

今日の趣旨は"語らい"ではない。気を休める場で策略を練るのは好きだがね、今はそういう気分ではないし、それに――
お茶なら飲めるだろう。どこぞの"紳士"もどきが何時でも飲めるようにと、"機内"にまで紅茶セットを持ち込んでいるではないか。

「―――・・・風情もクソもあったもんじゃないわね。ま、どーでも良いけどさ。」


【――――カノッサ機関、施設内。第三格納庫、輸送機"レイジング・ファントム"機内にて。】
【特殊作戦用兵員輸送機は、ステルス効果を持つ漆黒の無機質な翼を休め、格納庫内に横たわっていた。】
【いつでも出撃できるように最低限の兵員――老兵の"奴隷"もとい"人形"達がスタンバイしてはいたが】
【エンジンを切り、機能を停止している機内には持ち込み式の小型冷房機が唸りを上げているだけであり――静かであった。】
【その機内の後方、ハッチを開いた状態で内部に待機しているのは二人の機関員――】
【一人は老兵、ローブを身に纏った参謀・ソーン、そしてもう一人は――カノッサが率いる特殊部隊用の防護マントと機械式の頭部バイザーで】
【頭の先から足の端までを隠すように覆った戦闘員、No.7――通称<Nemesis>、ソーンの部下である。】

――――理由もあるのだよ。あまりおおっぴらにやることでもないし、私は私の手札を人に見せるのが大嫌いだからね。

「それにしたってこんなに人が寄り付かない格納庫で、しかも機体の中で待ち合わせって・・・基地の外れにあるのに、カニバディールも大変ね。」

そうかね?レイジング・ファントムは名機だ。機内には設備も揃っているし、有事には内部から部隊を指揮する管制能力も備えている。
おまけに居住スペースつきだ、インテリアのセンスも悪くない。私は住んでもいいくらいだがね、不満があるとしたら風呂が無いことくらいだろう。

「大問題なんですけど、まあオジサンには分からないか。」

この基地で私をオジサン呼ばわり出来るのは恐らく君くらいだな、もっと敬意を払いたまえ。さて――準備は出来ているのかね?

「当然でしょ。直ぐにでも引き渡せるわよ、まったくこんなに重い物を女に持たせるなんて、シックボーイがいたらなんていうかしらね。」

レディ・ファーストは淑女ありきだ、Nemesis君。君の怪力は私の数倍だろう?君こそ老人を労わり給え。

「・・・とっとと引き渡したいわ、まったく・・・。」

【彼と彼女の間―――少しだけ空いたスペースに置かれているのは、巨大な黒い"ケース"だ。】
【一見すると大きめのスーツケースといったところだが、醸し出す雰囲気は怪しげで、そして危険だ。】
【重そうにケースを持ち上げて――Nemesisは待ち合わせの"相手"が訪れるのを、待った。】

/予約ですっ!
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/26(金) 23:20:03.30 ID:WzqDtmSBo
>>69
【格納庫に足を踏み入れた瞬間から、その巨大な姿は目に飛び込んできた。輸送機"レイジング・ファントム"】
【あの古龍の巨体を輸送して見せたほどの巨大輸送機。圧倒的な威圧感】

【第三格納庫を早足で横切って輸送機に近づいていくのは、身長2メートルを超えているであろう、大男だった】
【薄汚れた灰色の作業着の上に黒いラバー地のエプロン、足には黒いゴム長靴】

【角ばった顔つきに短く切り揃えられた黒髪。髪の間から覗くのは、額一杯を埋める巨大な一つ目】
【本来の両眼も存在していたが、黒い瞳の両眼は生気がない。これから会う相手なら、それが義眼であることは知っているだろう】
【両耳は奇妙に歪んで黒く染まり、両の親指は細長くドス黒い。およそ常人とはかけ離れた異様な姿だが】
【このカノッサ機関の膝元において、ましてかの巨大輸送機を前にしては、所詮はこの異形も木端に過ぎなかった】


【やがて、大男は機体後部にたどり着き、開いたハッチの中へと入り込む。一つ目に、見知った姿が飛び込んできた。己が上司と見込んだ男と、その腹心】
【彼らからの呼び出しならば、長距離の移動など苦にはならなかった】
【大男は立ち止り、眼前の二人に身を折って礼をする。普段の形式上のものとは違う、心からの敬意を込めて】

お待たせしてしまい、申し訳ありません。参謀閣下。Nemesis様
カニバディール、お呼びにより参上しました


【淀みのない声音。普段の相手を窺う様子も今はなりを潜めている】
【挨拶の言葉を終えると、大男・カニバディールはゆっくりと身を起こし、二人に向き直る】


……先日の、ベケンプフェン様よりの無線。いよいよあの半魔めの滅びる時も近づきましたな
本日は、やはりその関係でのことでしょうか?

【かの仇敵が根城を追われ、機関に対する悪意も明らかとなった今。自らも、風の国にある半魔の本拠地に乗り込む準備を進めている】
【このタイミングでの、参謀からの呼び出し。必然、思考はそちらに傾いた】
【一つ目の視線は、Nemesisの持つ巨大なケース≠ヨと向く。そこから感じる黒い気配】
【機関構成員カニバディールは、姿勢を崩さぬまま、彼らの言葉を待った】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sagasage]:2013/07/26(金) 23:37:13.16 ID:44vzjXI30
【草原】

【広く広く広く、彼方まで視界を遮るものなど存在しない野原に一つの亀裂が走った】
【雷さながら、けれど静かに落ちるその亀裂はするりと支配域をわずかに増やすと、中から無造作に人影を産み落としていった】
【音はほとんどなかったといえど異常な光景は、この世界の人ならば少し勘付く部分があるかもしれない。――異世界との扉がほんの少し開いたのだと】

【実際、そこに立ちすくんだ人間はこの世界のどの組織にも当てはまらない制服を着ていた】
【鮮やかな水色の髪に健康的な理由ではなく元来の要素なのだろう、血の気が悪い褐色肌が目立つ軍服姿の女だ】
【ダークグレーのそれは装飾が多く式典のものなのだろう。呆然と立ち尽くす姿は現状を理解していないように思える】

……どこだ……ここ……?

【理解の範疇を超えた状況に漏らされた言葉に答えるものなど誰もいない】
【異界の紋章をつけた帽子から零れ落ちる水色だけが風に揺られて、それだけはなにも変わらない様子だった】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/26(金) 23:55:03.72 ID:Dx4fH8V5o
>>70

【キュィィィン、という無機質な機械音が、冷房の音に交じり合って格納庫内に小さく、木霊する。】
【Nemesisのバイザーが起動し、暗い倉庫の内部に人影を発見したからだろう、視界の隅にそれを捉え】
【彼女は上司に合図した、"来たわよ――"と、そう呟いて。】
【大男――カニバディールの来訪に、ソーンは表情を緩ませた。珍しい事態だが――こんな事もあるようだ。】
【基本的には仏頂面か、悪巧みをしている時の怪しげな表情しか見せないものだが――彼にだけは、少し違った。】
【変わらぬ姿。いや、むしろ自分のせいで"変わってしまった"姿なのだが――ソーンは、あの時を思い出し一瞬、視線を伏せて。】
【すまない気持ちに胸を打たれながら、此方へと向かってくるカニバディールを出迎えた。】

―――待ったわけではないよ、我々はつい先程までこの機体で上空から監視をしていたものでな。
戻ってきてから機内で過ごしていたらこんな時間だ、遅くに呼び出して此方こそ悪かったね、カニバディール君。

「ま、大方予想通り――ってところね。"元"六罪王さんに関する事で、こんな辺境まで来てもらった、ってワケ。」

お茶を出してゆっくり、君とは語らいたいものだったんだがね。我々にも猶予がなかった、というのも――まあ、追々話そう。
ともかく、今日は君に渡したい物があって呼び出したのだよ、カニバディール君。
立ち話もなんだ、掛け給え。―――Nemesis君、例の物を。

【ソーンとNemesisがハッチ付近から内部へと入り込んで行き、機内を案内する。】
【管制室に入ると夥しい機械類がせわしなく詰め込まれており――内幾つかはどこかのカメラと繋がっているようで】
【恐らくは彼の操る兵隊達の視線とリンクさせているのだろう、基地の彼方此方を監視しているようだ。】
【ソーンは中央のテーブルに腰掛け、カニバディールにも"気を抜いてくれたまえ"と、腰掛けさせるだろう。】
【Nemesisが椅子を引き、カニバディールが座るのを待つ。まるでメイドだ――もっとも、面倒くさそうにしていたが。】
【さて、それが終われば彼女は手に持っていた巨大なケースをテーブルへと持ち上げ、大きな音を立てて置いた。】
【その振動からかなりの重量を持っているものだと分かるだろう、此れは――なんだというのか。】


我々が情報収集に高じている間、どうやらベイゼ君がチェック・メイト寸前まで彼女を追い詰めたようだね。
先日の状況は後から確認させてもらったが――・・・いやはや、出遅れたという気持ちで一杯だよ。
まさか城を取り返す事に成功するとはね、最もまだ試合終了というワケでもないようだが。

それで、だ―――少々、嫌な予感がしてね。あそこまでダメージを負わせてその上城まで奪ったとなると――
彼女を相当に、"刺激した"のではないかと思っている。それ自体は良いのだが、問題はあの場で
彼女を――リリア嬢を、"仕留め切れなかった"ことだ。

―――彼女があのATLASという塔で何をしようとしているのかは、私にも掴めん。
だが出現からもう数ヶ月、何を成すにしても準備が整っている可能性は十二分に高い。
そこで彼女と焚き付けたとなれば――・・・彼女は強行にでるかもしれん、仮に準備とやらが不十分だったとしても。

つまり、だ。次で仕留め損なえば、何があるかもう誰にも予想がつかない。
付け入る隙もない、猫騙しの一撃はもう効かないだろう。彼女は本気で、戦うつもりの筈。

―――であれば、我々も本気で臨む必要があろう。相手は傷ついた"獅子"ではない、追い詰められた"ドラゴン"だ。
手負いと思って掛かれば死を見ることになるのではないか、と危惧していてね。
討伐に沸く機関員を見ると、薄ら恐ろしく思えるのだ。

前置きが長くなったね。まあ、言いたい事は一つだけだ。

―――我々はただ、ボーっと情報収集をしていたワケでも、手を拱いて見ていた訳でもない、ということだよ。
あけてくれ、Nemesis。

【ケースの上部を持ち、頑強なロックを外してNemesisが中を開けると――黒い箱の内部に横たわっているのは、巨大な銃身を持った】
【ライフルともグレネードランチャーともつかないような独特な外見の――巨大な重火器、だった。】
【無骨ではあるが、決して無機質ではない。彼方此方に宝玉を模したクリスタルや術式を纏い、蒼白く武器に輝く姿は】
【神話の武器にも見える、現代に蘇った機械仕掛けの――宝具、とでも呼ぼうか。】
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 00:19:22.24 ID:Ivy7NR7so
>>71

【呆然と立ち尽くしていると何か光るものが見えただろうか?】
【一つ小さなオレンジ色の火の玉が段々少しずつ大きくなっていく】
【その周り…その下辺りにはよく見れば紫色にも発光する何かがある】

【暗闇に目が慣れてくれば、その直ぐ横に獣道のような道が続いているのが見えるだろう】
【そしてその火の玉もある程度の現代人あれば、それはヘッドライトだとわかることだろう】
【段々と近づいてくる、オレンジのヘッドライトに紫の発光体】
【何かのエンジンのような音と機械音とタイヤが土を踏み固める音が混ざり合って寄ってくる】

【けもの道にでて手を振れば運転手は停まってくれるだろう】

【そうしたのなら、その後の展開はこうだ】

【シルエットが段々と見えてくる、幌馬車の荷車のようなモノを引いた三輪バギー…所謂トライクと言うものだ】
【そのトライクの下が紫の雷のようなものがヒュンヒュンと回っている】
【段々とスピードを落とすと共に真横でトライクは停まると紫の光も最小限になる】

このようなところで…一体、どうなされましたかな?フロイリーネ?
星を眺めるのには…ハッハッハ、良さそうですな

【長いシルクハット、品の良いスリーピースのスーツを着た男性だ】
【白髪の混じったガタイの良さそうな男で、白い口ひげを生やしている】
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/27(土) 00:35:58.29 ID:gchp38/1o
【地下バー】

【繁華街を外れた先の細道、階段を下りた先には店名を下から照らす開店中の合図のライト】
【街路に向けた看板は無く、ひっそりと静かに佇む店の中】
【意外にも薄いアルコールの匂いと、かすかな香の薫りの漂う中で】
【カウンターの奥に一人だけで座り、小声で電話に応対する男の人影】

失敗、ですか。まあそれでも片方が居るのでしょう。出力は落ちても問題ないのでは
……ところで、ああ。こちらはどうやら尻尾を掴みかかっているらしいですね
わだつみの姫の声が聞こえたので、少々先行きは不安ですが

【豪奢な長い金髪は高い位置で括られ、聖別銀のロザリオを首に掛け】
【紫の瞳を隠すように、スポーツタイプのサングラスがぴったりと目元を覆う】
【パイソン柄のロンTにワインレッドのストール、スキニーデニムに黒の革靴】
【一見誰も注目しないようなシルバースタッドのピアスには、側面に“No.13”と彫られている】
【嵌められた赤色は、表面の反射を逃れ強く内部を照らすほどの光を当てられた時のみその奥に五芒星を垣間見せた】

さてね。私は今回は遠慮しておきましょう
それよりもこれから……機関内部がどう動くか。派閥が一つ瓦解したわけですからね、状況も変わりましょう
またの機会を。あまり話していては、酒が温くなる

【小さな笑みと共にスマートフォンの通話を切り、尻ポケットへと薄っぺらい板をしまい込む】
【会話の内容も会話自体も無かったかのように、“No.13”は一夜の休憩を続ける】
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 00:36:29.48 ID:L+6K95Bso
>>72
【カニバディールもまた、二人に対する表情はいつものものとは違った色だ】
【相食らいあうことが日常とも言える機関の中において、彼らは数少ない信頼を寄せる相手である】
【あの時の自分の判断は間違いではなかった。改めてそう思える。彼のためならば、肉体を失うだけの価値は十二分にあったと言えるだろう】

"レイジング・ファントム"も変わらず活躍しているようで、なによりです
参謀閣下のお呼びとあらば、いつであろうと喜んで馳せ参じますよ

"元"六罪王……ふふ、やはりそうでしたか
私としても、いずれゆっくり時間を取りたく思います。語らいの機会は、またいずれ得られれば幸いです

渡したいもの……興味深いお話ですな
ええ、失礼いたします


【Nemesisの"元"六罪王、という言葉にわずかに口元を緩ませつつ。二人について、カニバディールは巨体を機内へと運んでいく】
【管制室全体を覆い尽くす機械群。兵隊たちの視線とリンクするカメラ。基地の監視体制】
【その徹底した警戒と凄まじい技術力には、改めて驚嘆させられる】

【椅子を引いてくれたNemesisに礼を述べつつ、カニバディールが腰掛ける。面倒そうな様子、いかにも彼女らしい、などと思いつつ】
【ゆったりと座って見せるが、そのうちでは興奮と期待の炎が早くも燃え始めていた。半魔のことで参謀から渡したいもの。いったい何が飛び出すか】
【Nemesisがテーブルの上に音を立ててケースを置けば、その一つ目に内なる炎の色が隠しきれず宿り始める】


私としても、出遅れたという思いは拭えません。水の国で彼奴の親友だと名乗る者たちが暴れまわった件は小耳に挟んではおりましたが
あれから、こうも一気に追いつめられるとは……彼奴自身が各方面に敵を作りすぎたという面もあるようですが

……私も危惧していたところです。古城から追われたとはいえ、彼奴はまだ生きている。であれば、何をしでかすことか……
手負いの獣は、侮りがたい存在です。まして、相手はあの半魔……いや、今はドラゴンでしたな
彼奴が、本拠地たる巨塔で何をしていたのかも掴めてはいないとなれば、参謀閣下の危惧も当然のことかと


まさに、次の戦いが最終決戦となることは間違いありませんな。互いに全力を持って相手をうち滅ぼすための戦いに
参謀閣下の贈り物とは、その決戦のための――!!

【カニバディールの言葉が途切れた。Nemesisが開けたケースの中身に、目を奪われた】
【巨大な――巨大な、重火器。クリスタル。術式。蒼白く輝く神々しさすら感じる姿】
【宝具――カニバディールの脳裏に、そんな言葉がよぎる】


……いつもながら、参謀閣下のスケールの大きさには驚かされるばかりです

【ただ、その短い言葉だけが、鋭い歯の間をくぐって唇の間から漏れ出た】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sagasage]:2013/07/27(土) 00:43:22.69 ID:P2DjcsMZ0
>>73

【見たことのない景色に立ち竦むこと暫し、火の玉の灯を見つければ停止していた思考回路に光が投げ込まれる】
【多分ここはあそこだと、自分の知っている世界の中で当てはまる要素を持つ地域を無理矢理連想しながら獣道へと駆けこめば、】
【手をあげたところで悠長に待ってはくれぬかもしれないと、自分の身体の半分以上の長さを持つライフルのような銃を握り、】
【まるで自殺志願者のように車の前へと躍り出れば、そこでその銃口を運転手――でなく、バギーの車体へと固定した】

止まれ!
私は皇帝直属の最高警察のものだ。首都に帰りたい、行き先を変更してくれ。

【女にしてはやや低めの酒焼けした声は、おそらく彼女の世界では意味のある組織なのだろう名を告げるもここではあまり意味がない】
【紳士的な彼の態度に凛とした雰囲気こそあるものの相手を見下した様子はなく、帽子の下から髪と同色の瞳がそちらを見つめていた】
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 00:59:37.04 ID:Ivy7NR7so
>>76

ハッハッハ、コレは困ったもんだ…。ミリタリエか。いや、警察といったかと言いましたね
ふむ……協力するから撃たないでくれますかな?ポリティエ

【男は両手を上げながら、優しげな口調と笑みで返答する。】
【ただ目は鋭く、相手の銃口ではなく目を見ている】
【つい、銃に目を向きがちだがそうではないところを見ると度胸のある男のようだ】

来た道を戻れば、一番近くの街まで行くことが出来る…が、だね、しかし…
はて……私も、あまり政治には詳しくないのだ…が、ここはエンパイエル…つまりは
ここは帝政では無かったと思うが…一体何処の国ですかな?

【男は上着の中に手を入れようとして、ピタリと止まる】

慌てなさんな、眼鏡を取り出すだけですよ。ポリティエ。
今、地図を用意しますから…降りて結構ですかな?

【そう言って、と、丸メガネを取り出す】
【メガネを掛けて、バギーから降りると括りつけてあった荷物カバンから紙の地図の束を取り出して】
【男は世界地図を一枚引きぬいて、シートの上に広げる】

さて…何処の国が貴女の祖国ですかな?
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sagasage]:2013/07/27(土) 01:18:29.84 ID:eTPQSDzr0
>>77

【動じず此方を射抜く眼窩の鋭さに怖気付くことこそないが心中で警戒レベルを引き上げる】
【敵としてではないが軍人としてなんらかの琴線を弾いたのだろう。軍帽を深く被り直せば真っ直ぐにその視線を迎え撃った】

……帝政でないだと?
そんな馬鹿な話があるか。我が神聖イーヴァウス教国は、……。……。

【相手の行動に嘘を見出さなかったせいか降ろされた銃はそのまま腰へと、まるで刀のように戻される】
【気障ったらしい独特の喋り口に少しばかりイラついていたのだろう、ひとつの言葉をトリガーにすれば騙されるものかとばかり】
【礼節を欠いた動きで相手の地図を引ったくることに成功すればそれを覗きこみ、おんなは再び硬直した】

【国がない―――どころか、自分の知っている地形がない】

……嘘だ。
こんな、作り物を、……冗談はやめろ。本物は?

【ぼろぼろと溢れてくる言葉に力はない。けれど問うてしまう】
【本能でわかっている部分を理性が飲み干すには、少しばかり時間が足りなかった】
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/27(土) 01:24:01.75 ID:S32sC4wNo
>>75

【ケースを開けた後、中に何が入っているのかを知っている筈のNemesisですらも、一瞬その輝きには目を奪われて――】
【ふ、とバイザーの奥、口元を緩ませた。惜しいな、自分が"撃てたら"――なんて思っているのだろうか。】
【テーブルを挟んだ向こう、ソーンが手元の小型端末のタッチスクリーンを操作すると――机の中央から立ち上る蒼い光】
【所謂立体映像と呼ばれる類のものだろう、三人の眼前に浮かび上がったのは、ケース内に眠る銃器の設計図のようだ。】

――矢張り、君も危惧していたようだね。
過程で敵を多く作り出したこと、そして彼らが決起し大攻勢をかけること――予想外、とは言わずとも
ああも華麗なタッチ・ダウンを決められるとはきっと思っていなかったはずだ、彼女が強力なのもまた、事実だからね。
だからこそ、もう油断はしないだろう。どんな手を使ってくるか分からぬ以上――最善を尽くすのが我らの役目だ。

ならば―――そう。お察しの通り、間違いなく此れは"決戦兵器"だよ。

【映像は次々に切り替わり、各部の詳細を文字列で浮かび上がらせ、解説していく―――。】
【ただの重火器ではない、何らかの"力"をもった特殊な武装である事は、確かだ。】

・・・ふふ。スケール、とね。私の考えている事など君の体格と器の大きさに比べればコイン一枚にも満たないサイズだよ。
どんなに凄いものを生み出そうと、私では扱う事が出来ないのだからね。

簡単に説明すると―――この"武装"は、我々がリリア嬢を"敵"だと判断してから収集した数々の情報の結晶、と思ってくれればよい。
即ち、世界各国の"悪魔"や"怪物"、"魔物"、そして"龍"などに対する対処法を記した文献から得た情報により生み出した
現代に蘇った"ドラゴン・スレイヤー"<屠龍刀>だ。

――もっとも、その昔は"剣"の形をしていた"怪物殺し"の武器も、現代では重火器に姿を変えたがね。
時代によって"最強の武器"というものは変化する。古来は剣、中世では弓、そして現代においては――"銃"だ。
いつの時代であろうと、最も強い個人携帯兵器が対・魔物の戦闘では使用される事は間違いないからね。

・・・まあ、剣で銃に打ち勝つ輩もこの世界では珍しくは無いのだが、それはそれだ。
ともかく、此れは正真正銘、『対・特殊生物用火器』―――我々は"アンチ・フリークス・ブラスター"と呼んでいる。

一部悪魔に対し有効とされる古来魔術、魔物に致命傷を与える魔法術式、龍を沈める祈りの聖剣――探せば探すほど、そういった類の
怪物を打ち滅ぼした伝説というものは次から次へと出てくる。我々はそれら伝説を記す書物とその方法を逐一、研究し――
擬似的な"術式"再現機構を生み出した、つまりは機械仕掛けの魔法発生装置と考えてくれればよい。
本重火器にはそれら擬似魔法再現機構、通称"M.I.R.A.G.E"が機関部に搭載されている。
使用している弾丸は40mm口径のグレネード・カートリッジに値する特殊弾頭だ。
かつて龍を斬ったと言う魔剣の構成金属に近づけた人口魔弾、とでも表現しておこうか。

また宝玉よりは力の錬度が大幅に下がるが、人為的に生み出した人口宝具を銃の各所に配置してあり、術式の効力を高めている。
駆動方式は魔翌力エンジンにより作動、エネルギー切れが弱点といえるが、フル充電すればかなりの間携帯可能だ。

――弱点は機構の細かさと精密部品が多い故に剛性に欠けるという事、そしてコスト・パフォーマンスが最悪だということだろう。
あやうく給料が吹き飛ぶところだったよ、機関上位には秘密裏に造っていたので――費用も我々の懐から出ていてね。

一挺の重火器ながらに、アストン・マーチンが購入できるほどの値が張る代物だ。
どれほどの効果があるか、本当に作用するかは未知数だが――

なんの補正も働いていない弾丸や拳で戦うより、少しは頼りになりそうだろう?実地テストを兼ねて、この銃を君に"プレゼント"したい。


――先程も言ったが、私の役目は精精が此処までだ。実はリリア嬢以外にも、私がやらねばならない事案が一つ発生していてね。
其方にも手を割いている状況だ、本来であれば君をそんな姿にしたあの怪物に一矢、報いたい処なのだが――・・・。

・・・申し訳ないね、力不足の老兵で。君に戦え、というワケではないが――受け取って欲しい。
これが私と、私の仲間のこの数ヶ月の成果だ。どうか――役立ててくれ給え。
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 01:38:52.68 ID:Ivy7NR7so
>>78

【相手の様子を見て、何かの事態を男は察知した】
【こちらも相手の様子は嘘では無いんだろうと】

嘘を言ってどうする?作り物を持っていたとしても…
道案内でそれを出す人間は居ないでしょうなあ、ハッハッハ

【強引に引ったくられた地図を覗きこむその姿を見たがら】
【変わらぬ態度で、ヒゲを撫でながら言った】

事実、ここは世界であり、我々は生きている。ただ、貴女の知っている世界ではない…
つまりは貴女からすれば此処が異世界、別世界、パラレルワールド…となるんでしょう
もちろん、貴女のその身分と祖国が…今宵の夢の一部でなければ…そうなるでしょうな

【気がついているであろう事実、信じたくもない事実を代弁する】
【カイゼル髭のように整えられた口髭を撫でながら男は続ける】

ともあれ…それを受け入れるには長い時間がかかることでしょう
ハッハッハ、まあ、水の一杯でも飲みますか?

【カバンからペットボトルの水を差し出した】
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sagasage]:2013/07/27(土) 01:56:52.39 ID:eTPQSDzr0
>>80

【呆然と停止すること少し、やがて女は俯いた。軍服の綺麗さ華美さから式典の途中だったと推測できるだろう】
【ここは己のいた世界ではない。理解したその事実は重く背中にのしかかってくる。……だが、それだけだろうか?本当に?】
【ふるふると震えはじめる肩は決して嗚咽ではない。小刻みの痙攣はやがて喉へと伝染した】

く、くく、っふふ、ぁ、ははははは!!
やった、やったぞ!そうか!逃げれたんだ!

【弾かれて笑い出した顔は先程までの規律の塊のような剛健さはなく、幼さすら感じられるほど陽気に濡れていた】
【悲惨は露ほどもなく今にも踊り出すのではないかというほど上機嫌な笑い声はそのままコロコロと闇夜を抜けていく】

そうか、ありがとう。ありがとう!
あーっははは、私はこれで自由だ!ふふふ!

【水を受け取り一息で飲み干せば再び地図を覗きこんで現在地を探すが、まぁわかるわけがない】
【ここはどこだ?と問いながら目を開いて地名を記憶していくだけの適応能力は、なかなかどうして見事だった。】
【さっきはあれほど、沈んでいたのに】
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 02:05:01.33 ID:L+6K95Bso
>>79
【Nemesisの口元の緩み、普段ならこういった所作にも気を配るところだが、今は違った】
【それほど、眼前の重火器の姿に目を奪われていた。ソーンが立体映像を浮かび上がらせた時点になって、ようやく顔を上げる】
【設計図。いかに緻密な設計をこらされているか、それを可能にする技術の粋を凝らされているかを目の当たりにする】

彼奴は、あまりに敵を舐め過ぎていましたからな。あれほどの力を持っているのですから、それも無理からぬことではあるやもしれませんが
ともあれ、次の戦いで確実に彼奴を仕留めるために、準備をし過ぎるということはないでしょう

……この"決戦兵器"は、そのための備えとしては、この上なく強力なものとなりましょうな

【眼前で展開していく映像を一つ目に焼き付け、歪な耳に流れ込むソーンの解説を脳裏に刻んでいく】
【無論、専門的なことにまで理解が及ぶわけではなかったが、カニバディールにもその特殊性は感じ取れた】


ご謙遜を。これほどのものを生み出すことが出来る存在が、どれほどいることでしょうか
彼奴の危険性を認識された時から、すでに行動を起こされていたとは。結晶、とはまさにですな

現代における"ドラゴン・スレイヤー"……伝説に謳われる代物を、この目にすることができようとは
それも、今の最強の兵器への進化を遂げて……素晴らしい。さすがは参謀閣下

【もはや、カニバディールの乏しい語彙ではこれを表現するには足りなかった。魔に属する存在を屠る伝説の武具】
【その伝説の力を再現した重火器。その成り立ちと仕様、ソーンの言葉を一字一句逃さず頭に叩き込む】
【なんと途方もないことだろう。かの半魔との敵対を決意したときから、カノッサ機関の参謀は情報を集め続け】
【今ここに、新たな伝説の武具≠産み落としたのだ】


"アンチ・フリークス・ブラスター"……これを持ってあの半魔に挑めることを、心よりうれしく思います、参謀閣下
アストン・マーチンに匹敵するほどの制作費用、無駄にはしません
ありがたく受け取らせていただきます。彼奴に相対するのにこれ以上心強い武器はありません

他にも、事案を抱えていらっしゃるとは。ご多忙の中で私にこれを託してくださったこと、感謝いたします
力不足だなどととんでもない。もとより、私の役目は前線に立つことです。参謀閣下の分まで、彼奴に思い知らせてごらんにいれましょう
実地テスト≠ニしては不足のない相手です。テストの結果は、追ってご報告させていただきたく

これで撃ち抜かれた時、彼奴めがどんな顔をするか……ク、クク……


【参謀の前だというのに、なんと醜い表情か。しかし、こみ上げる興奮を抑えきれなかった】
【"アンチ・フリークス・ブラスター"を、手に取る。その身にかかる重み。力が流れ込んでくるような錯覚に捕われる】
【機関構成員カニバディール。強大な半魔に無謀にも刃向かった男】
【その反骨の意思は、最終決戦を前にして、最強の武器を得た。魔を打ち払う武器。この男には本来似合わぬものだが】
【その手に輝く重火器を抱えて――カニバディールの瞳は、来るべき決戦を見据え、燃え盛っていた】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 02:16:47.93 ID:Ivy7NR7so
>>81

【男はその様子を見て、少し目を見開いたと思うと】
【元の柔和な顔つきに戻って、軽く手を叩いて】

それはそれは、おめでとう…貴女も自由の身ですか、それは素晴らしい
私も此処に来て自由になって数ヶ月というところでしてねえ。それは素晴らしい
なら、今はその自由を祝うとしましょう、フロイリーネ。

【手を叩いて、はぁ、と一息つくとカバンからまた地図の束を取り出して】
【一枚のこの付近の地図を取り出した。この国の、地方の、街の、街道の名前が記されている】

現在地は…この街から北東へこのぐらい…のこの辺りでしょうなあ
街までコレに乗って一時間…私の家はもっと先の…此処にありましてな…いやはや、不便極まりないんですが
何分、ここに出現してしまったものは仕方がないんです……貴女と同じですなあ、ハッハッハ

【髭をつまみながら朗らかに笑う。】

ではフロイリーネ。どうされますかな?
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sagasage]:2013/07/27(土) 02:33:31.98 ID:pxkFJ/260
>>83

【この世界への先輩、ということだろうか。何一つ掴めない相手の素性を探るよりも今を生きるための術を探す方が先決だ】
【与えられた新たな地図を見て、周囲を確認。星の配置が自分の世界と似ていることに気付けばコンパスで位置を認識する】
【元の世界で培われた経験は死んでいない。地理やら常識やらは擦り合わせていけばなんとかなるだろう。】
【同じ状況で放り出されて数ヶ月生きてきた彼と巡り会えた自分は、とても恵まれた立場だ】

そうだな、この街へ向かうことにしよう。何があるか目で確かめたい。楽しみだ。
……なぁ、お前名前は?

【最寄りの街を指さしたあと、そのまま爪は口元へ向かう。手袋の上からやわく含まれた指先はそのままに、ふと問えば】
【街の方角へと顔を向けて、数歩そちらに向かって歩き出す。まだ、名乗っても聞こえる距離だ】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 02:54:32.12 ID:Ivy7NR7so
>>84

そうですか?ではでは、街まで……ああ!ちょっと…

【マイペースに歩き出した、相手を追いすがるように手を伸ばしたが】
【無理に追いかけることもあるまい。と思って。立ち去る彼女の背中に手を振りながら】

私は自由と閃きを愛する、抵抗する発明家!”ドクトル”クエンティン・バベッジ・ブラウン!
我が研究所は何時でも自由と好奇心を愛する貴女方の来訪をお待ちしているでしょう!
ハッハッハッハ、それではまた何処かで!お元気で居りますように!

【笑いながら、地図をまとめて、元のトライクにまたがるとアクセルを吹かす】
【紫の光がキィィィンと唸りながら車体は50センチばかり浮かび上がり】
【ゴトゴトと荷車を揺らしながら加速していった】

/区切りがよさそうなのでシメとさせて頂きます。遅くまでありがとうございました
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sagasage]:2013/07/27(土) 03:09:41.85 ID:pxkFJ/260
>>85

【人の良さそうな彼の声に呼応して振られた銃は、祝砲を奏でるわけでもなく少ししてふたたび腰に収まった】
【残念ながらこれは軽快な音の鳴るような弾が、今の状態では打てない。それを惜しくおもいながら彼と反対の方向に進む】
【自由と好奇心は確かにある。祖国の面倒なしがらみは失われた。けれどそんなに即決で喜べない程度にはいろんなものを残してきた】

……いつでも、って言ってたしなぁ。
まぁ、行ってみてどうにもならなきゃ駆け込んでやろう

【ドクトルの言葉を好意的に解釈すれば、己の中の蟠りを蹴散らすように軍帽を脱いだ】
【ぱさりと落ちてくる幾許かの髪の毛を纏めあげ、めんどくさく捨てたそれを靴底で踏みしめる。】
【ここでは誰一人として知らぬ己の祖国に別れを告げれば――これから先はたのしいことばかり待っていると、信じて】


/ありがとうございましたー!またお願いします!
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 03:20:21.46 ID:U77Q7Nvao
Twitter民「(電車のなかで男が)目の前に移動してバックで隠してチンコ見せてくる(笑)」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/poverty/1374847658/

1 依頼 2013/07/26(金) 23:07:38.56 ID:K0OPiTWUO BE:2550051656-2BP(1000)
ひいめろ
@himero1013
ずっと見てると思ったら目の前移動してきてバックで隠してチンコ見せてくる(笑)
怖くて動けない。この人が捕まりますようにRT
https://pbs.twimg.com/media/BQGosqRCYAAuc14.jpg
https://twitter.com/himero1013/status/360754930371420160
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/27(土) 08:42:27.97 ID:S32sC4wNo
>>82

【――銃の説明が完了すると、今度は動作方法についての簡単なレクチャーが始まる。】
【いわゆるポンプ・アクション式のショットガンに近いだろう、一回装填動作を行えば】
【後は引き金を引くだけで弾丸が発射される――銃自体は以外にも、単純な構造だ。】

―――先に弾丸をセットしておく、そして引き金を引く前にハンドグリップ部をスライドさせて発射体制が整う。
所謂散弾銃に近い構造だ、機構が多いためフルオートのような複雑な構造には出来なくてね。
それから装填数は―――五発、だ。たったの五発しかない。
というのも、先程言ったとおり弾頭も特殊な金属で作られたまさに一級品なのでね、数をそろえるのは此れが限界だった。
その上威力に関しても未知数、兵器としては信頼性に欠けるひどいものだが、―――ふふ。

君が持つと、偉く"似合うね"?カニバディール君。まるでジョン・ランボーのようだよ。
悪くない、君の体格だからこそ相応しいサイズの銃器だ。元はといえば彼女に持たせるつもりだったのだが―――

「・・・なによ?忙しいんだから仕方ないでしょう。アンタが私に命令したんじゃない、リリア嬢よりもソッチを優先させろ、って。」

・・・ふふ。まあ、そういうわけだ。それに彼女ではこう、絵にならないとは思わんかね。
いや、なに。そういう部分を重視しても、罰は当たるまい?怪物を打ち倒すのは決まって"勇者"なのだ。
君こそ――相応しい。そう、私は考えている。

【ソーンは立ち上がり、魔翌力充電用の機器を手渡すだろう。携帯式の充電器だが、これで一度の戦闘に必要な魔翌力を供給できるはず。】
【アンチ・フリークス・ブラスター―――まさに技術の結晶。カニバディールの抱えるそれから伝わる魔翌力の波動は】
【擬似的な人造魔翌力であっても確かに、鼓動を打つように激しく、躍動しているだろう――眼には眼を、怪物には怪物を。】
【怪物を打ち倒すために、怪物を作った――そんなところだろうか。この銃の異常さ自体もまた、バケモノい等しいそれであった。】

【――機械でありながら、撃ちぬくべき敵への憎悪、怒りが込められた獰猛さを感じさせるマッシブなシルエット】
【そこには確かに、制作主任であるソーンの、無力感と憤りが詰まっているのだ。】

・・・さて。こんなところだろうか。
先程言ったとおり、また別件で我々も手を焼いていてね。ATLASへの攻勢がいつになるかは不明だが
恐らく近々だろう、となれば私には手が出せない。君の活躍を期待している。

そして、我々があの悪魔をそっちのけで何をしているか、という点について、今はまだ話せないのだが―――カニバディール君。

―――生きて返って来たまえ。その時、私が今から何をしようとしているのか、今度こそゆっくり――話したい。

良いね?私も君も、あの女には借りがある。だが、怒りをぶつける事が出来るのは君だけなのだ。
あの女を倒すことが出来るのは君のほうなのだ、カニバディール君。

しかし・・・一人とは思うなかれ。私はその銃の中に、アンチ・フリークス・ブラスターの中に確かに存在している。
激戦になるだろう、傷つくだろう。だが――決して諦めず、最後まで引き金に全てを賭けろ。
私はその銃に、祈りを込めた。奴を倒せるように、と。

―――君が死なないように、と。男の約束だ、破ったら承知しないと、そう思ってくれたまえ。

・・・頼んだぞ。Nemesis、引き上げよう。

【珍しく――ソーンと言う男にしては珍しく、感情を露にする様に激励叱咤し、レイジング・ファントムを降りていく――】
【その背に見えるのは無力な男の影か、それとも謀略に長けたおぞましい悪魔の笑みか。】
【どちらにせよ、準備は整った。ソーンが出来るのはここまで、後は――カニバディールの戦いぶりを、遠くから眺める事くらいなもの。】
【――戦いが近づいている。変化のときも――また、近い。】

/大変申し訳ありませんでした、これにて完了と成ります。
返レスは結構ですので、どうぞ夜に備えてお休みください。
それでは急な呼びかけに対応していただき、ありがとうございます。

89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 12:40:15.39 ID:Dd8O66rp0
【街外れ――丘の上に建つ、図書館】
【たくさんの窓が太陽の明かりを内へ内へと誘い込むようなデザイン、緩やかな高さの上で煌いて】
【ちょっぴりでも用意された庭で楽しそうに遊ぶ親子の姿があったりする、そんな、和やかさ】

【――当然中に入れば静まり返るのだけれど。整然と整理された本棚の群れ、数多の活字、文字の世界】

……――ほら、

【そんなどこかでそんな声がして、「ありがとうなのー」なんて声が続いてきて】
【誰かが目を向けたなら、どちらもが金髪に碧眼の少女と幼子、どこか姉妹のように見えるけれど――なんて、】

【――金色にちらほらピンクを混ぜ込んだ色の髪、毛先でく緩く巻く癖毛、後ろで一つに纏められて】
【幼さの残る顔はそれでいて鋭さのきつい造形、勿忘草色の瞳、ただ、今は、少しだけ暖かなもの】
【膝を越す長さのスカートの紅茶で染めたような色、生成りのソックスと、底のないパンプスと】

【どうやら幼子の取れなかった本を取ってやったらしい、受け取った本を胸に抱いてお辞儀、立ち去っていくのを見て】
【薄らと瞳細めてみるのが、彼女にしては珍しい分類の表情だったけれど。――まあ、初見には分からないこと】

子供を野放しにするのは好かんがね、……、…… ……――っ

【溜息交じりに小さく呟いてみる独り言が宙ぶらりんに渦巻いて、本棚に向けなおす視線】
【どうやらお目当てがあるようで手を伸ばしてみる、けれど、――届かない指先、空を掻くばかり】
【精一杯背伸びしても精々が木枠に触れる程度、何か問題があるとすれば、歳よりも小さな145センチの身長】
【――先にしてやったことを誰かが見ていたなら。ひどく抜けたようにも見えるだろうか、どうにも、どうにも、届かなくって】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 13:23:19.84 ID:IHBWa8+5o
>>89

【休日の昼下がりとあって、図書館は少しばかり賑わいを見せているのだろう】
【子供なら、夏休みの宿題のためにここを訪れることにもなるだろうか】


……何借りよっかなー


【そんな感じで本を借りに来た子供が、ここにもいた】
【明るいグレーの髪を右側でサイドテールにした、赤い瞳の女の子】
【小学校高学年程の背丈で、シャツの上にワンピースのようなデニムのサスペンダースカートを着ている】
【何故携帯しているのか、服の間からはマレット(木琴演奏に使うバチ)が頭を覗かせていた】

【背には可愛らしいリュックを担いでいて――でも、マレットは肌身離さず持っているあたり、相当大事なものなのだろうか】


――ん、


【てきとーに歩いていると、そんな光景が目に入ってきて】
【とてとてと近づいたなら、こう声をかけようとするだろうか】


届かないのか? 肩車してくれるならアウリスが取るけど、できる?


【どうやら貴女を助けようとしているようで――】
【もし肩車をしたならば確実に届くだろうが、果たして】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 13:28:49.92 ID:Dd8O66rp0
>>90
/すいませんー、ごはん食べてくるのでちょっとお返し遅れます
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 13:35:43.58 ID:IHBWa8+5o
>>91
/了解ですー
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/27(土) 13:41:46.39 ID:uHSqHf+go
【ゴーストタウン――廃墟】
【ここは、鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界だった】
【しかし今、その一角に小さな邪悪が生まれていた】

【――とある一つの廃墟が、いつの間にか生まれ変わり"禍々しい神殿"になっていたのだ】
【大きさは100坪程度+庭】 【……一体誰が何のために作ったのだろうか?】

……ふゥむ、同士討ちか

【そしてその門の前に居る者は、黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

紛れてる"正義の犬"さえ居ィなければ、良ォい"混沌"だ――と、言ってやったのになァァアア
まァー、結局のとォころ……どォっちもやァってる事は一緒なんだよな

【――さて、こんな所に居る者が"ただの者"なはずもあるまい】
【確かに感じる気配は人間なのに、何故だか……何故だか、そんな気がしない――】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 14:10:53.22 ID:Dd8O66rp0
>>90

【普段ならば居ないような子供の多さ、大半が静かにしてくれているとは言え、時折ざわつくこともある】
【そんな時に大人たちなら軽く流すのかもしれないけれど――中学生ぐらいにも見える少女は、距離を置くのを選んでいた】
【――通路のさらに奥まったところにあるよな椅子を朝一で占拠して以来それきりだ、一人きりなのはある種不健全にも似て】

……――は?

【伸ばした指が本棚の古びた木を撫でる、さりと軽い音がする、――そんな指先が、ぴたと止まったなら】
【精一杯背伸びしていた高さが元の145センチに戻される、視線は声の方に流されて、じとり、見ると言うより睨むような風なのは】
【元来目付きがあんまり良くないこともあるのだろう、――けれど、低い声音を思えば、それだけではないと知れて】

冗談。キミを背負うぐらいなら台なり椅子なりを借りて来るさ、生憎様、初対面を背負う類の趣味などなくってね。
ペドフィリアの皆々様なら喜ぶかもしれんが……同性及び年下趣味などないのだよ、全てにおいてお断りで。

【――小学生、それも高学年、そうなると。145センチの低身長、あんまり変わらない可能性すらでてくるのだけれど】
【15歳と見るにはずーっと幼い体つき、というよりも、こちらもまた小学生ぐらいに見えかねないのだから、ひどい話】
【まあ。そんな体で肩車と言うのも無理があるだろうか。彼女が本を取る前に、この少女が潰れてしまいそう】
【逆にそちらの体格によってはこちらを背負った方が楽な気がして来るぐらい――ただ、それも、断られる気がしたなら】

――楽器云々の本はあちらにあったと思うがね、棚間違えてないかい?

【じとりとした視線はいまだ向けたまま、そして指し示すのがそっぽの方――探してみれば確かにあるのだろうけれど、】
【初見のイメージを単純な連奏ゲームで繋げて誘導しようとまでする、どうにも、人馴れしていない風が窺えて】
【そうと目頭を押さえる指先の白さ細さ、普段外に出ないのも、また、分かるだろうか。全体的に、ひ弱そうだった】

【――ちなみにこの棚はのろいとか、まじないとか、そんな。胡散臭いものがほとんどを占める、悪趣味とも言える、本ばかり】
【先ほど本を取ってもらった幼子は人の探し方を書いてあるんだろうと推測できるよなタイトルの本を持っていた】

/戻りましたー、すいませんでしたっ
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 14:37:03.45 ID:IHBWa8+5o
>>94

【あれ、睨まれた――? 何か変なこと言ったっけか】
【と思考すると同時、彼女も眉を寄せて表情を険しくさせた】
【親切にかけた言葉がまさかこう返されるなど予想もしてなかったのだろう】


じゃあ、そうしろよ。その間にアウリスがその本借りてやるから


【「だいたい、ペロなんとかってなんだよ」とかなんとか、悪態を吐くあたり相当ご立腹のよう】
【ホントはそんなつもりなんて全然ないけれど――まだ幼いうえに勝気な性格は、】
【浮かんだ感情をそのまま言葉にして放出するという、何とも平和的でない態度となって現れてしまうのだった】

【まあ、よく見れば相手が自分を背負えそうかどうか、わかる気がしないでもないのだが】
【きっと自分より年上は殆どが力持ちとでも思ってるのだろう】


何借りるか選んでたから間違えようがないし
……ここの本借りるのもアリかな。おまじないとかおもしろそうだし


【――少し、冗談が冗談でなくなった気もするが、きっと大丈夫、だろう】
【それよりも、ここを離れようとしないということは――やはり本を取ることを諦めてない、ということだろうか】

/おかえりなさいです!
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 15:04:28.77 ID:Dd8O66rp0
>>95

【――例えばそれは野良猫に餌をあげようとしたら噛まれたとか、きっと、そんな災難】
【険しくなる表情を明確に見据えても態度を軟化させないのは些か子供染みて、どうにも年上らしさは薄く】

……ま、それはそれで構わんよ。無限に借り続ける人生をするのでなければね。
そうだとしてもうちに仕入れればいいのだし――なんら問題もないな、タイトル買いする性質の人間でね。

【それでいてあっさりと意見を手折るのがからかい甲斐もない、それでいてどこか煽るように返すのが、】
【目付きだけでなく言葉遣いも悪いのを証明してくれて――延長線を辿るかと、思ったのに】

それに。人目を憚ってみただけでね、取れるのだよ、ほんとうは。

【――走るの禁止、うるさいの禁止、飲食禁止、並行して能力は控えるようにと書かれた紙、幾枚とあったはず】
【ふーと吐いた溜息の音がこの距離ならばよく聞こえたはず、その音に隠れるように動いた視線が、見上げて、見据えて、】
【ぐると渦巻くのが勿忘草色の魔力だ、靄に色素を混ぜ込んだよな曖昧な形、目当てらしい本の傍でたゆたったなら】
【すろりときちり詰まる本棚から目当てだけが引き抜かれる、ドレスのように靄を纏って降りてくる、まるで見えない手でもあるかのよう】
【そんな見えない手はたとえ奪い取ろうと手を伸ばしてもまるで意思のあるかのようにするり抜けてしまうだろうか、】
【その現象の原因が目の前に居るのだから。やがて空中に浮かぶ本をそうと手に取ったなら、――向ける視線、どうにも、大人ぽさは足りず。まあ、子供だけれど】

面白いのは面白いがね、役に立ったことは、ないな

【――すっかり勿忘草の靄も失せた本は古びて、ぱたと開けば微かに埃すら舞う、視線は既に本へと落ちていて】
【古びたタイトルを覗くでも、中身を覗き込むでも、内容はある程度察せるだろうか。死者に会うための方法、みたいな、】
【いかにも適当にページを送っていくなら品定めをしているようでもある、目の前でされるなら、……さて、どう思われるのだろうか】
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 15:25:39.41 ID:IHBWa8+5o
>>96

【本当は取れる――負け惜しみにしか聞こえない言葉だった】
【でも勿忘草色の何かが棚から本を引き出した瞬間、アウリスは目を丸くさせることだろう】


……いや、できるなら最初からそうすればいいのに


【どうせ彼女のことだ、あちこちに貼られてある注意書きなんて読むどころか存在すら気付いてないのだろう】
【――気付いて読んだとしても人の目を盗んでこっそり使いそうではあるけども】
【そこらへんが、ちゃんとルールを守る少女とアウリスとの違いか】

【無事に取れたなら煽り合いもすっかりと忘れて、その本に意識を遣る】
【古めかしいそのタイトルからは――例え言葉が難しくともニュアンスくらいは伝わる、はずで】


……そうか


【ぽつり、と残念そうに零れた言の葉。何か言いたげだが、とりあえず反応しておくといった様子】


……なあ、そういう……おまじないみたいなの、全部試せばホントに死んだ人に会えると思うか?


【しかし、そう時間はかからず、アウリスは次の言葉を紡ぐのだろう】
【どこか期待を込めたような、少し大人しくなった声色で】
【役に立ったことはないと少女は言っているのに、認めたくないように】
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 15:46:28.45 ID:Dd8O66rp0
>>97

【最初からそうすればいいのに――なんて、彼女の言葉、確かにそれも正解なのだろう】
【あくまで控えるようにとの張り紙は禁止するものではないのだし、(流石にパイロキネシスなどは駄目だろうけれど)】
【それでも今まで使わなかった理由、ふわと僅かに瞳を細めたなら、掌中の重さを指先で微かに撫でてから】

下手に目立って出禁など喰らうのも癪でね。ま、……下手なことなどするつもりもないのだが。
静かにしてるに越したこともなかろうよ、雉も鳴かずば撃たれまい――。

【――目立ちたくなかったから。たったそれだけの理由、口にするのだろう】
【それはもしかしたら女の子には分からないことなのかもしれないこと、どこか、褪めた色】
【そっとしていれば面倒ごとの降ってくるのはいくらかマシになる、そして自分に、本に、引き篭もるような性格は】
【初対面だってどこか察せるようでもある、それでも、会話を無理に断ち切らないのは。完璧に規律に沿う性質でもないと知らせて】

こういうのは読んで空想してみるまでが精々の使い道じゃないかね、市販されてるものなんて尚のこと。
どっかには本物でもあるかもしれんし、あるだろうが……こんなところにあるわけがないのだし。うちにもないな。

期待などせんよ、無理にぶっ生き返したところで相手がどう思うかも分からないのだし。
苦労して生き返らせて死んでいたかったなんて言われたらギャグどころじゃ済まないだろう、触れないのが一番――。

【ある程度中身を確認すればぱたと本が閉じられる、また僅かの埃が舞って、窓辺の明るさにきらと踊る】
【本から戻った視線は女の子へと戻って、戻るなら。一番最初の鋭さはいくらか失せている、それでもいくらかの角は残るけれど】
【――つらつらと教科書でも読み上げるように紡ぐなら、その裏側、何か感情を隠すようでもある。まるで、身近に死者でも居るような、】

……――休憩でも行くかな、

【唐突に呟いたのだって、どこか話題を逸らすようにも。そして、来るなとも言わないなら、来てもいいと言うかのようでも】
【積極的に誘うではなくとも断るほどでもない、一人がいいなら、始めのようにきぱりと断ってしまうはずだから】
【――どちらにせよ、胸に本抱いてしまえば取られる前に借りてしまうつもりなのだろう、カウンターのほうへと行きたがる風だった】
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 16:16:18.36 ID:IHBWa8+5o
>>98

【流石に暴れたりしない限りは大丈夫なはずだけれど】
【最初のままいがみ合っていれば、アウリスが先にキレていた可能性が高いだろう】
【そうなれば、嫌でも目立ってしまう】

【出禁はないだろうけど、間違いなくスタッフに怒られはしていたかもしれない】


ふーん。変なの


【なんて失礼な娘だろうか。目立つのが嫌だとかそんなこと、確実に思っちゃいなかった】
【おそらく――それくらいで目立つとかそうでないとか、いちいち考えるなんて、という意味なのだろうけど】


……だな


【こくん、と首肯をして。それからたったそれだけ、言葉を紡いだ】
【変な質問だったと自覚はあるのだろう。それに対して当たり前のような回答が返ってきて――】
【だから、二の句が継げなくなってしまった】

【実のところ、半分納得して、半分は納得していなかったのだけれど――それは、どうでもいいこと】


うん。あ、その前に何かおすすめの本教えて。お前本に詳しそうだし


【休憩へ行こうとする少女を制止したなら、アウリスは本来の目的である本探しを少女に任せようとする】
【一番簡単なのを頼む、なんて付け足して】

【――つまり、付いて行こうという意志はないようだった】
【教えてもらえたならその本を探しに、図書館をうろうろするつもりなのだろう】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 16:49:10.59 ID:Dd8O66rp0
>>99

【出禁は癪、怒られるのも癪、ならば、自分のしたいことを妨害されるのが好きなタイプではない】
【――そんなことを好む人はあんまり居ないだろうけれど、彼女は特にそれを嫌うタイプであるとは、余談であって】
【(普段彼女の行動を縛る人が居ないからかもしれない、というのは、もっともっと、余談だろうか)】

変かね、……ま。目立ちたくて目立ちたくて震えてくるのも居れば逆も居るということで。

【失礼さで言えばこちらもどっこいどっこい、最終的にはまあそんな感じで、という風な締めかたをするなら、】
【自分はさながら後者だと自称するようだ、そんなくせに第一声があれだったとか、どうにも噛みあっていなかったけれど】

お薦めといわれてもだね、キミがどんなジャンルを好むかを私は知らないのだよ。
それに私が簡単だと思うものをキミが簡単だと思えるかと言うのも不確定、簡単さなど人によって変わるのだし……。

……私好みで言っていいと言うならば****なんて好きだけれど。ただの空想物語だがね。
絵本よりはずっと難しいがね、ナントカ理論について考察するような本よりはずっと簡単だな。ただのお話だもの。
少々ばかし長いよ、二段組でね。読書感想文を適当に済ませたい性質ならばお薦めはしないな、……。

【――そしてお薦めを尋ねられれば、少しだけ考えるような間。やがてつらと吐き連ねるなら】
【どんなジャンルがいいのかぐらいは教えて欲しい、と。ひどく好意的に訳したならどんな風になるだろうか?】

【それでも。簡単か好みかもさて置いて、そのうちに挙げる本の名前、彼女の好きなものであるという】
【探してみればファンタジーの棚に置かれるそれは、この世界でも現実世界でもない場所で冒険する女の子のお話】
【妖精を連れた女の子が様々な人に会ったりしながら世界中廻る、――最後に付け足したよう、それなり以上に分厚いものだけれど】

あとは*******とかもトチ狂ってて好きだが……、……早いか。いくつだい、キミ。

【――先に言ったのを見れば、どうやら読書感想文にでも使うんだろうなんて予想が透けて見える、ならば、】
【言ってみて不適切かと既に半分投げかかっている意見が宙ぶらりん、一応こちらも探せば見つかるだろうけれど】
【年下の少女に薦めるにはどうにもエグいもの、「あんまりお薦めしない」なんて、結局付け足した】

【(本の話になっていくらか態度が変わった気がした。と言うよりも、生気を取り戻したようにも、見える)】
【(僅かに掠れた声質はそのままだって、トーンをあげたなら、少しぐらい元気にも聞こえる。まあ、分かりやすかった)】
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 17:16:23.19 ID:IHBWa8+5o
>>100

【――確かに、意見を求めるにしろあまりにもアバウトすぎた】
【だけど漠然としているからこそ、聞き手は自分の好きな本をオススメできる、なんて屁理屈を頭の中でこねこね】


【それでも、簡単な足し算を無心で解いていくみたいに本を紹介してくれる所を見ると】
【少女がいかに本好きかが窺えた。残念なことにアウリスの希望には沿っていないもので、】
【「長いのはヤダ」なんて、訊いておいてそれかよと突っ込まざるを得ない言葉が口から飛び出すのだが】

【――口には出していないだけで興味は一応あるということは、期待するような表情からもしかするとわかるかもしれない】
【後の説明を聞いて面白そうだなと、ふむふむと関心を示すような仕草をしたためだ】


トチ狂ってる本ってどんなだ……
ん、アウリスは12歳だけど


【少女の予想は大正解。というか、バレバレである】
【素直にアウリスは年齢を伝えるも、彼女の性格と先程の言動からして明らかに本好きではなく】
【実際には少女がこれでもかとレベルを落とした地点になるのだろうか】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 17:41:29.76 ID:Dd8O66rp0
>>101

【人間の友達がそんなに居ない性質だった、それも、これも、***のせいにするのは簡単だったけれど、】
【たくさんの本に囲まれていれば一人じゃない気がして何もかも紛れてどうでもよくて放置した、たったのそれだけ】
【他者の思考を考えを文字のかたちにして紙面に綴ったものを読み耽るのが楽しいのは元からの気質だ、こじらせただけ】
【(それでも後戻りの難しいところまで進んでしまったのには相違ないのだけれど。まあ、今は関係のない話)】

……私は数時間で読めないのが好きだがね。まあ短いのも普通に読むが……短い奴?

【――溜息一つ。読み漁るに従って長いものを好みがちになったなら、そんな我侭、呆れたような顔をして】
【それでも長いのが嫌がられるというのも何となく分かる、――分かるだけ。昔から、長いお話は好きだったのだから】

【(***と一緒に本を読んでどうでもいいような感想を言い合っていた。あそこがおかしいここが面白いそこが好き、)】
【(そして一緒にお話を書いて見せ合いっこした、少しずつ書いて交換して続きを書いた、全部、昔のお話)】
【(活字の世界に生きていたように至るところに文字が溢れていた、景色が挿絵の本の国、本当に、楽しかったのに)】

【ふわと視線を伏せたなら髪と同色の睫毛が勿忘草色に良く映える、少しばかし黙りこんで、思い返すように、】

**とか、*****とか、500頁ぐらいだったと思うがね、そんなに難しくもなかったはずだし。
ただどうしても中身の薄くなるのは我慢して欲しいね、それが簡単と言えるのかもしれないけれど。

【――やがて短めの本のタイトルをいつか連ねる、後からそっと大まかなジャンルと内容も沿えて、】
【面白そうだと思えば探してみればいい、そんな風な態度でも。相手の表情の変わるを見れば、――少しだけ、楽しそう、で】

ペディオフェリアがね、好きなモノを集める話だけれど。ま、12の小娘には薦めんよ、忘れるがいい。
後は……そうさな、適当にうろついてタイトルで手に取るのも中々面白いものに出会えたりするけれど。
それなら厚さも分かるだろう、読めそうだと思えば読んでみるといい。クソハズレもたまにはあるが、稀だから。

【例えばそれが何を示すのかを教えないのは検閲にも似て。調べれば分かるのだろうけれど――まあ、それは彼女の自由か】
【一応お薦めはしないという態度は最初から変わらないままなら、無理に調べてみるよな意味もないのだろう】
【――最終的に薦めるのがそんな方法だった。やっぱり自分で選ぶのが一番だろうなんて、そんな風に】
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 18:00:10.04 ID:IHBWa8+5o
>>102

【アウリスは15分くらいで読めるのが好きだ、とはとてもじゃないが言えなかった】
【読んだり考えたり解いたり――それらよりかは体を動かしている時の方が楽しいと思える性質】
【楽器は好き――木琴は類を見ないほど上手いなんて褒められはしたけど、それもやっぱり難しく考えてなんかない】

【その辺りは、少女と相容れないのかもしれない】
【けど興味はあるのだから、文章、活字にさえ慣れてしまえば、案外すんなりと読めるようになるのかも】
【――というのは、もっと彼女が成長してからだろうが】

【「ごひゃっ」と思わず声を漏らした。それで短いのだからさっきの二段組みは一体何ページあるのか想像できない】


……う、うん。お前が短いって言うなら探してみる
じゃあ、さっきの短そうな本と、何か適当に探すことにする。ありがと


【じゃ、と最後にそう残すと、少女から教わった本を探しに行ってしまうだろう】
【本の厚さに顔が引きつりそうになるも、折角だからとそれを借りて】
【やがて用が終わると家へ帰るのだろう――】


/こんな感じで〆ます
/お疲れ様でした!
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 18:22:16.36 ID:Dd8O66rp0
>>103

【――もしもそれを言っていたならば、溜息がもう一つぐらい増えていただろうか?】
【それでも結構真面目に考えてくれた……とはもう遅い話だけれど、彼女の基準は、存外高かった】
【(そしてそれに気付いてすらいなかった。或いは、3時間もあれば読めるのを、長編と思ってすらいなかったのかも)】

【今となっては野原を駆け回ってはしゃぐよりも、静かに本を読んでいるほうがずっと、好きで】
【楽器なんてろくに触れたこともない、簡単な笛ぐらいならば触れたことがあっても、幼少の頃のかすかな記憶】
【それらに関する本での知識はあったとしても実物に触れてこその知識なんて何もない、マレットで打面を打つ感覚すらも】
【ペンで机を叩くのは似ていても叩いた感覚も跳ね返る感覚も音も全部が違う、ただ、だからこそ、思いつくことはあるのかも】

……どういたしまして。次は本職にでも聞くのもお勧めするがね。
あちらの方が金貰っているだけ真面目だろうよ、……保障はしないけれど。

【本職――とは、この図書館自体の職員のことだろうか、そう言うなら、丸投げにもどこか似るけれど】
【実際この建物の中にどんな本があるかを少女は把握しきっていないのだから、プロに任せようと思うのも、まあ分かる話】
【活字で満たした泥沼にどこまでも堕ちるというなら寧ろ蹴落とす側の人間だ、なるべく興味のあることを薦めたいなら】
【――さんざ自分の好みを押し付けたこととかもうすでに知らない顔。それでも、ちゃんと、好きなものを選んだつもり】

【好みをそうして辿っていくなら、この少女の一端を辿れるような――そんな錯覚】
【ばらばらの人がばらばらに書いたお話なのに、繋いでいけばいつか少女に繋がりそうな、そんな、】
【――頁の中に誰かを探しているのかもしれないとは、本人は、まるで思っていなかったけれど】

【結局、暗くなる頃合まで窓辺に居座り続けたというのは、余談】

/おつかれさまでした!
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/07/27(土) 19:46:24.13 ID:uwHa8AL8o
   【巨塔ATLAS=\――風の国に聳える逆さ塔は、いつしか人々にそう呼ばれていた】
   【交易都市を丸々一つ踏み潰し、空に向かうに従って螺旋を大きくするその様は】
   【まるで天空を支える定めを負った巨人の如く、人間の事は知らぬ存ぜぬと屹立していた】

   【周囲に黒い霧を纏ったその塔には、守護神の如く雲間を漂う怪獣レヴィアタンが在り】
   【また廃墟とかしたレナールには元住民であった者達が怪異となって跋扈する】


【しかし、今日――それらは全く冗談か、或いは見たもの全てが集団パニックでも起こしていたかのように
【あまりにあっさりと、霧も、怪獣も、怪異も、何もかもが消え去っていた】

【残っているのは不気味な静寂と、所々に穴を空けて、巨大な瓦礫を足下に積もらせた巨塔だけ】
【この地に逃げ込んだリリア――既に六罪王でも何でもない――に、呼び集められた者は思ったろう】
【怪物の居ない怪物の家ほど居心地の悪い場所はない≠ニ。さあそんな折、ある一団が近付いて行き――】


   『ハローハロー、こちらはカノッサ機関No.3 ベイゼ・べケンプフェン。
    本日は元六罪王リリアの始末≠付ける。が、あくまで行動は望んだ者だけで行うものとする
 
    仮にあの半魔の六罪王降格に不服や疑いを持つものが居るなら、そちらに付くのも良し。
    その際は、仮に機関員同士で敵対したとしてもお互い文句や裏切り等と考えない事。
    死ななければ、後で処理はどうとでもなる。自分の考える通りに行動するよう心がけろ。

    尚、こちらで提示した降格理由となる罪状だが――改めてそれを読み上げるとしようか

    一つ、六罪の王でありながら、部下を顧みない唯我独尊の態度、行動。
    二つ、世の混沌を欲する機関に居ながらにして、その世界そのものを欲する行為。
    三つ、古龍討伐という示威行為を剰え同輩である機関員に行った点。
    そして四つ……私ベイゼの奪還作戦をダシに使って、私利の為に部下を死なせた事。

    並びに、罪神スペルビオを始めとした全カノッサ機関員への不遜、無礼、侮辱――。
    それが半魔リリアの罪≠ナあり、六罪王であるに相応しくないとした理由。抗議があるのなら、戦いの後だ。以上―――』


   「――失礼、代わりましてこちらはエリザベス・カーライルでございます。討伐軍の皆様へ通達です。
    本作戦では選抜された少数の能力者の皆様方が潜入、内部の敵を叩く事になります
    本来は敵の抵抗が予想されましたが、どうもその影すらも見えない様子。罠の可能性もございます、ご注意を。

    また対リリアのための策ですが、単刀直入に申し上げて別の悪魔≠フ力を借ります。
    ATLAS転送時に大悪魔マモンの片割れが紛れ込んでいた為です。どうぞ、敵味方の区別をお願いします。
    ……ですので、我々が出来るのはかの悪魔が来るまでにリリアの体力を極限まで削り切る、この一点に尽きます。
    先日の彷徨う古城≠ナ戦った方は前回の様にしていただければ好いのです。それでは皆様、ご武運をお祈り申し上げます―――。」


【こういった放送がそれぞれ機関員や悪人向けに、また討伐軍に加担する者達に向けて行われた】
【塔内部はがらんどう。そこで意志や、金や、別の目的によって様々な者達が巡り合うこととなる】
【決戦=\――誰かがそう呟いた。その火蓋は、今まさに切り開かれんとしていた――――。】

/これよりイベントを開始します。悪側の方は投下をお願い致します
/また対主催の皆様は次のレスに返信をお願いします。
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga !red_res]:2013/07/27(土) 19:47:54.94 ID:uwHa8AL8o
【―――リリアを直接叩く。それには相応のメンバーが選ばれ、エリザベスがそれに同伴した】
【もしもまだ敵が残っていた場合、メンバーの体力を温存しつつ進むためである】
【勿論、別行動で此処に至った者も居るかもしれないが―――それはそれとして、だ――――】

【同じ理由で、既にシェン・ロンドとベイゼ・べケンプフェンが先行し、それらしい場所も特定したとの報もあり】
【ようやく今、それらしい戸の前に着いた。回廊には此処へ続く血痕が夥しく散見され】
【魔力に敏くなくとも理解できる、何かこの世に在ってはいけないような邪悪な存在が奥に感じられた】



  「……どうやら、この奥のようですね。皆様用意はよろしいですか?
   先に申し上げておきますが、私は件のマモン様を迎えにあがらねばなりません
   ですのでご助力致しかねますし、仮に皆様が非業の討ち死にを遂げても責任は取りかねます。
   
   帰るのならば、今ですよ。人類が未知の化け物相手ならば、誰も文句は言わないでしょう
   それでは早速……扉だけは、私めが開けて――グ、ぅ……――――ッッ!!?」


【それはひどく唐突で、終わりもあっという間の出来事だった。戸に手をかけた瞬間の事である】
【内側から扉が吹き飛んで、小柄なメイド、エリザベス・カーライルが巻き込まれた】
【目が良ければ、何故扉が破壊されたのかも理解できたろう。それは赤髪の女性であった】
【つい先程、機関員に向けて無線で指示を飛ばし、先行してリリアに当たった―――そう、ベイゼだった】

【――扉はベイゼとエリザベスを巻き込んだまま、強固な塔の壁をぶち壊す】
【言い忘れていたが此処は上空1000mをゆうに越えた建造物の中だ。自然、強風が吹き込んで】

【者によっては、瓦礫とともに落ちていく二人の女性を追いたい、というのも在るかも知れないが】
【残念ながらそれは叶わない。何故なら先制攻撃が貴君ら四名に浴びせられるからである】

【先制攻撃≠ニは―――真っ黒な甲殻に包まれた、無数の細長い尻尾による刺突攻撃だ】
【扉のあった場所、その奥から視界を埋め尽くすほどの生きた槍が突き出されると考えればよい】
【もしも刺さればそれが小さなモノであっても、かなりの勢いで生命力・魔力といったエネルギーを吸い取られる事となる】
【だが回避は簡単だ。部屋に飛び込んで左右に逃げるか、壁に隠れるか――尻尾を撃ち落としてもよい】

【何にせよ攻撃は正面からで、それを凌げばリリア≠フ全貌が見える、のだが】


   許サナイ……!貴様ラ、全員ンッ…!!絶対ニ、殺ス……ッッ!
   「アイツラ」ヨリモ先ニ、ダ……コォロシテヤルゥゥゥゥゥゥウウアアアアアアッッッ!!!!


【――汚濁した泡を吐きながら、先日打倒された『女性の姿のリリア』がそう言った。】
【肌は黒い。両手は顔を掻き毟り、赤と黒の中間だった髪はボロボロになっていて】
【目は――目は、なかった。正確に言えば、その奥に存在するもう一つのリリア≠ノ付属していた】

【それはまるで影絵のよう――女性の姿を数倍させた、黒い龍が彼女の背後には鎮座していた】
【両翼は大きすぎて地面に垂れ、その翼膜に14ずつ、計28の瞳がぎょろりとして】
【頭部も形が崩れている。顔の右半分には奇形のごとく牙が生え、左半分に耳や鼻だろう穴が幾つも空いている】
【やがて、女性の姿のリリアは黒龍が引き戻した尻尾に引かれ、その内にゆっくりと飲まれていった】

【―――代わりに出現するのが、三つの瘤=B背面から、肉と骨の柱によって支えられたそれは】
【勇者たちの右手に凍りづけの、左手に噴水のように水を撒き散らすもの、そして中央には真っ赤に燃え上がるもの】
【それぞれ灯火のような肉瘤が生えていた。室内には、恐らくこの怪物の食料になったのだろう魔物の食べかすが無数に散っている】


【吐き気すらも、催すだろう。しかし挫けてはならない。此処で攻めねば、最早機会がない】
【圧倒的な魔力の塊と化した――生物かも怪しいリリアを打倒するのは、今∴ネ外に存在しないのだから―――!】

/対主催・リリアの方はこちらにレスをお願いします。今夜は、よろしくお願い致します…!
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 19:57:24.04 ID:KbxdxsX9o
【ATLAS内部、とある1フロア】

――――

【そこは例えるならば観客不在のコロシアム――広い円形のフロアにて】
【"一騎"の影が佇み、静かに瞑目していた】

【130cm前後の小柄な体躯に、緑の肌】
【ギョロリとした大きな眼と尖った長い耳を持ち】
【真紅の羽飾りがついた黄金の兜から、亜麻色の長髪を靡かせた女"ゴブリン"】
【手には己の身長を超えるグレートソード、腰に二本の長剣、腕に蔦のようなものを巻きつけており】
【胸から腹にかけて荘厳な装飾の施され、"81"という数字の刻印された金色の鎧を纏っている】

【一人や一匹ではなく、一騎と表記した理由はゴブリンの跨る巨大な動物にある】

【エメラルドグリーンの鱗を持つ体高3mの大蜥蜴】
【太く強靭な筋肉を備えた後ろ脚二本で体を支え】
【頭から尻尾までが水平になるような姿勢で立っている】
【例えるならば小型のT‐レックスであろうか】
【胸の近くで構えられた短い前脚には、三本の鋭い鉤爪があり】
【脚部、胸部に厚い革の装甲が巻き付けられている】

【"騎兵"、銃火器や戦車などの兵器の発展により消えた古の兵種】
【二足の大蜥蜴に跨った騎兵ゴブリンは、巨大なグレートソードを両の手で支え】
【眼前に合わせるような騎士然とした構えで立ち尽くしていた】

――……ほんの、小さな義理だ。しかし無視する事など出来ぬ。
例え滅びを免れぬ砦であれど、底に穴の空いた船であれど

何一つ返せずして逝かれるなどと、私の誇りが許さん
リリア殿……ささやかなれど、今この時は貴殿の剣として力を奮おうぞ

【誰に届かせることもない、誓いの言葉】
【これが敗戦となるであろうことは、先の騒乱から頭を過っている】
【数多の戦を駆けた兵であるが故】
【ゴブリン――ガガルル・レシフィードは、自嘲気味に口元を歪めた】

(……私の目的を考えたならば逆行もいいところだが)
(しかし……この指輪の礼程度はさせて欲しいものだよ)

【ガガルルは数多にあるであろう通り道の一つを塞ぎながら】
【己の敵となるであろう存在を待っていた】


/ガガルルです!Fearの方よろしくお願いします!
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/27(土) 20:00:28.39 ID:Ly7LyrDLo
>>105

【『ATLAS』内部――― 】

【入り組んだ構造の中に、無数に存在する扉】
【その中の一つである、大きな鉄製の扉。近づけば、うっすらと"冷気"が漏れていることに気付くだろう】

【そして開ければ、室温5℃ほどの―――冬場のような肌寒い空間】
【――何の装飾もない、20m四方ほどの殺風景な部屋で】
【鉄製の扉を開けて入ったならば、その正面、部屋の反対側にもう一つ「扉」があることが確認できる】

誰か、来たみたいだね

【そしてその扉の前に、ぽつんと置かれた簡易的な机と椅子】
【座っているのは、1人の女性】

【―――見た目は少女とも女性とも言える程度の年頃で】
【身に纏うのは蒼い矢羽模様の小袖に紺色の袴といういかにも櫻の国風な恰好】
【黒髪はうなじの上でピンでまとめ、黒い瞳の上には縁のない眼鏡をかけている】
【そして、首には櫻の国の古い言葉が書き込まれた長方形の紙――所謂「御札」が巻きつくように何枚もべったりと貼り付いていて】
【目立たない恰好の中で、そこだけがどうしても目立つだろう】

やあ、いらっしゃい

【「来客」の存在を確認すれば】
【女性は、脇に立て掛けてあった竹製の杖を手に取り、それを床につきながら】
【老人のようにゆっくりと立ち上がり】

よっこいしょっと、さて

【確認するように、問いかける】

君は、何しにここに来たのかな?


/レグルスの方、よろしくおねがいします!
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2013/07/27(土) 20:02:43.11 ID:uHSqHf+go
【ATLAS内部――とある一室】
【重たく真っ黒な大扉を開ければ、その中から漏れだすのは、その中に広がるのは、……無限のようにも思える"混沌と深淵"のみ】
【無数の色合いが常に対流していて、はたしてこの世が本当にこの世であるのか、それすらも希薄に思えてくる】

【……実際には壁はある、床もある、ただ非常に分かりづらいだけであって】
【それに、互いの姿も敵の姿も、特に問題なく見えるだろう――ただの"広い部屋"と思って貰って差支えは無い】
【……壁片の様な――この部屋の色と同じ小さな塊が、部屋中に無数に浮翌遊している事を除けばの話だが】
【ちょっとやそっとの攻撃では砕けないものの、掴んで入手すれば普通の石ころの様に利用できるし、移動に困るほどの密度はない】

【扉はまだ閉じていない、つまり他の存在がまだ入る余地があるということだ】

残念だったなァァアア、テメェーの目的が予想通りなら……こォの部ェ屋は"ハァズレ"だ!

……ヒャハハ、今回ばかしは立場に迷ったがよォ、どォっちに就ゥこうと"混沌"の為になァるなら
貰えるモンの質・量もそォーだがよォ、……正義の糞共が混ァじってる方に敵対しィたほうが、どォっちかって言えば"得"って奴だ

同士討ちは好かねェーが、……今、俺様の眼ェの前に居るテメェーになァら……遠慮は要らねェよなァ?
あァ、プゥンプン臭うぞ……冷え切り腐れた正義の臭いがよォ――

【……その部屋の中央に立っていたのは、……黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】
【また、その後ろ――壁に付くか否かの所には、人の頭部程の大きさな趣味の悪い壷のようなものが置いてある】


【さて――どこに、只の人間がこんな場所で待っている状況があるだろうか?】

【角が生える、……服が、マフラーが、毛になる、……外套が翼になる、……尾が生える、……爪が、牙が、鋭くなる、――――】

【最終的にそれは、全身真っ黒な毛に覆われている奥二重でコワモテ、エルフ耳で2mの身長の悪魔となっていた】
【頭部には二本の鋭く禍々しい赤い角を持っていて】
【黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、首にはマフラーの様な長い紫色の毛を持ち、他にも所々に紫色や赤の模様や毛を持っていて】
【鋭く赤い牙と同じく爪を持ち、手足や尻尾の先の方は紫色で、いかにも悪魔だと思わせる尻尾の先端には赤い棘があり】
【赤い棘は肩や手の甲、アキレス腱の位置にもあり、先端に赤い爪を持ち紫色の翼膜な黒い悪魔の翼を背から生やしていた】


俺様が唯一味ィ方するモノ、"Chaos"――身体の髄まで、魂まで、篤と味わいなッ!


【その言葉と同時に、悪魔の背後から現れる闇――そしてそれは形を成して行き、】
【そして形成すモノ――それは、太さが悪魔の背丈以上もあり、4枚の翼を持ち、右が白、左が黒の色をしたとても大きな蛇――"互立互保の母蛇"だ】
【太さがそれなりならば、長さもそれなりに有るということで――ただ、流石に大きすぎか、少し狭っ苦しそうにしている】


そォーだなァ、……今なら、渡すモン渡してくゥれれば、見ィ逃してやっても良いぜェェエエ
俺様は優しいからなァ、例え正義の糞共だろうと"ギブアンドテイク"の取引はしィてやる――ちょォいとばかし、釣ゥり合う条件が高まるだけだ、安心しなァァアア

【右人差し指をクイクイッと曲げつつ、邪悪な瞳は挑発的にあなた達を捉える】

/邪禍です、御三方よろしくお願いします
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/27(土) 20:03:04.65 ID:/4qd6fvHo
【巨塔ATLAS ―― 草原に鎮座する、異形の塔】
【その塔の低層部、比較的、浅い階層の一角……】

……ふう。

【塔の外縁をぐるりと取り囲む螺旋階段を登った先、その男がただ一人で居るのは、がらんどうの大広間だ】
【きっちり正方形の広間には天井全体を支える様に造られた支柱が4本 ―――― そして……】

普通の人間なら、今頃ゲロまみれだろうなァ……

【広間の床全体に、規則正しく、かつ煩雑に並べられた無数の死体、死体、死体……―――】
【白骨化したモノから、腐敗もほぼ進んでいない様なモノまで。異様な光景だった】

それにしたってェ、この死臭というか、腐った臭いというか……
これには、やっぱり慣れねえなァ……。

【恐らくここは塔の内部に設けられた死体安置所――安置という表現は適切ではないが――なのだろう】

全くよォ、『外勤』の俺なんか使わなくなって、"リリア様"の為に命賭ける様な連中はいくらでもいるだろうに。
―――― あるいは、あの女、とうとう“そういう”連中からも愛想尽かされたのかね。

【男は赤いパーカーから少し飛び出た、特徴的な巻き毛質の黒髪を指で弄びながら、そう言う】

さて……、若干専門外な感じも否めねェが……。
兎に角、仕事はしますか……。

【左手でポンポンと、肩を叩く。その左手には忌わしき刻印、“カノッサの紋章”が刻まれていた】
【ここに潜むはカノッサ機関No.128 トレーサー・ホーキング。アンダーナンバーの彼に与えられた仕事は"死体回収屋"、戦闘要員ではない】
【―――― だが、"戦え"と命じられれば戦う。彼はそういう人間だった】

//ゼリシュ・フェーブスさん。どうぞ、よろしくお願いします!
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/27(土) 20:04:38.91 ID:S32sC4wNo
>>105-106

【――――風は止んでいた。】
【しかし、それは嵐の前兆であったのだと、セリーナ・ザ・"キッド"が気付いたのは少し、遅すぎたような気がする。】
【綾津妃が元に戻り、彼女の根城を奪還し、そして大きな傷を与えて撃退した――そんな夢物語に少し、浮かれていたのかも知れない。】
【本当はどこかで分かっていた、傷跡がジンジンと疼く夜は、まだ続いていたのだから。だが、それでも尚――油断。】

【―――まさかここまで強烈な"変化"を遂げているとは、想像だにしていなかった。】
【開かれた扉、吹き荒ぶ突風、舞い上がったベイゼ・エリザベス両名の身体をなんとか、掴もうと手を伸ばすも――遅い。】
【刹那、其方に注意が行ってしまった事を後悔する羽目になる、セリーナは―――なんとか身体を捩じらせるも、右肩を大きく】


――――――か、はぁ・・・ッ!!

【―――強烈な尾による一撃で、貫かれた。鮮血が舞い、城壁に彼女の悲鳴と共に溶け込んでいく。】
【瞬間的に頭が真っ白になるも、喰らったままではいられない。"ガンマン"は咄嗟に自身の腰元に眠る"愛銃"を抜き――高速の発砲。】
【ニ撃目、三撃目の刺突攻撃を避ける為に、自分へと向かい来る一本を撃ち落すべく弾丸を放つ。】
【腰溜め撃ちで放たれたコルト・ドラグーンに良く似た銃器――"弾"末魔が吠え、悪魔の波動を持つ紫の魔弾が直線を描いた。】

【――しかし彼女の持つ武器など、所詮"悪魔を模して"造られた存在に過ぎない。本物の"怪物"<クリーチャー>を前にし】
【持ちうるオーラの絶対量、圧倒的なまでの威圧感に身を貫かれ――セリーナは絶句した。】

(―――マズイ・・・っ!!出だしに一発貰ったのも痛いけど、こんな――こんな、ことって!)
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/27(土) 20:05:13.59 ID:S32sC4wNo
/ウボァァァ>>111は途中送信です早漏ですいません!
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/27(土) 20:05:18.24 ID:lzCLN7Rjo
>>107

【炸裂音が響いた、それはまるでクラッカーを鳴り響かせたかのような音】
【響き渡るとの表現が陳腐に思えるほどに、轟音が奏でられたなら】
【そこに落ちる五月雨のような銃弾の雨が、その正体を伝えるのだろう】


……例えソレが誰であったとしても
ソレが能力≠使う以上俺の敵でしかない

能力者を殲滅する、それが俺の目的にして存在意義
ナンバーズ≠フ名は、その残り香にすぎない――――――


【空中から落ちてくる一つの影、その影がうっすらと輪郭を写したなら】
【その両手に握ったFN Five-seveNと呼ばれる自動拳銃の形が浮かび上がる】
【掃射された銃弾は貴方の周囲へ、威嚇するかのように落ちるのだろう】

【白銀のセミロングの髪を靡かせて、長い前髪から鋭く青い眼を覗かせる】
【やや長身でスラリと伸びたボディラインを濃い青のストライプのシャツで包む】
【燕尾服調の高級そうな黒のスーツとネクタイ、細く長い指先はシャツと同じ色の手袋】

【男性らしからぬ女性的な端正な顔たちは、まるで仮面を貼りつけたかのように無表情で】
【陰鬱な雰囲気を纏う、儚い印象を与えそうな青年がその場へと降り立った】


カノッサ機関No.4
――――――Fear,Seven for Four


【両手の拳銃が乱舞する、指先でくるくると回転させたならその銃口を真っ直ぐに向けて】
【方はバラに両足を開いて、その重心をわずかに後方へと傾けたなら】
【今にも砕けそうな双眸を貴方へと注ぐのだろう】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/27(土) 20:08:18.33 ID:3UH2Ljdeo
>>105>>106

【――恐らく、一番始めにリリアの本性を知ったのは月彗で】
【そして、機関で初めて月彗の正体を知ったのはリリアだった】

【表の姿が傀儡であった事も、己の目的の為に機関を利用していた事も】
【似通う二人の戦いはこれで二度目。一度目は敗北し野望を断たれた】
【ならば今宵は――此方が勝って、相手の野望を断つ側だ】

【扉の前、突然の展開と吹き飛ばされた既知の姿、間髪置かない“先制攻撃”に】
【咄嗟に壁へ飛び退き舌打つのは――振り見た相手に無理と分かって伸ばしかけた己の手へ】
【強風と猛撃が視界を遮り無理だと悟れば、一瞬の思考全てを放棄しただ敵だけを捉えた】

……嗚呼、こら酷い。随分醜い姿やなぁ?
そのまま襤褸になって終わってまえ。比良坂まで送ったるから――。

【肩で切り揃えた白髪に青藍色の燐光を零す黒彼岸花を挿した若い男】
【黒い紋羽織を着た古風な和服姿で、切れ長の目は深い葡萄色】

【身構える喪服の周囲に青藍色の燐光が舞う――まだ、能力は準備段階にある】
【だがそれは嵐の前の静けさにも似て、吹く風が僅かに冷えるに似ていた】

【ナウファルには風の国で敵として相対し、浅からぬ因縁がある】
【セリーナとは直接の面識は無いが、“彼”を通して一方的に知る所】
【カニバディールがこの場に立つに至ったのは、月彗が発端とも言え】

【No.3からの要請で初めて表舞台に姿を見せた訳も、】
【たった一人のスパイを機関会議で大仰に報告した理由も、】
【捨てた機関に燻る脅威をわざわざ伝えたその意味も、】

【今宵の決着も含めた全てが、月彗の抱え隠すただ一つの真実に繋がっていた】

/月彗です、皆様よろしくお願いします
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/27(土) 20:12:32.53 ID:ItyBaAWC0
>>108

…………っ、うぃっ……寒ぃ……!

【バタンと、扉が開かれれば、響いてくるのは緊張感に欠ける、太い男の声】
【吐息が白むほどの冷気の中にあって、それでも声の主と思われる巨体は、のっしのっしと踏み込んでくる】

……だがまぁ、特に氷なんかの様子は無い……か? ……なら、そこに注意する必要もねぇな……!

【ガン、と固い何かをぶつける音が響く。それは、鋼鉄製の六角の棍で、床を叩きつける音だった】

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫】

【身体から相当の発熱を起こしていると思しき、重厚な筋肉に包まれた身体で、寒冷の部屋へと足を踏み入れた】

…………バル(火)・ジン(固着)・ギル(レベル4)……『ヒートアディッション』!!

【部屋に踏み込んだ居丈夫も、そこに待ちかまえる存在に気付いたのだろう。徐に杖を構えると、何か、不思議な単語の連なりを口にする】
【次の瞬間、手に持っていた棍が激しく燃え上がる。火の力を付加し、ついでに炎で身体を暖め、冷え固まってしまう事への対策としたのだろう】

――――仕事だ。仲間を援護するって言う……な?
分かったらさっさと来い……どうせ失せろと言ったところで、素直に失せる気無ぇんだろ?
……安心しろ、骨の1本くらいはへし折ってやるから、言い訳ぐらいは出来るだろ?

【問いかけてくる女性の声に、棍を両手で構え、わずかに姿勢を低く保ちながら、居丈夫は応える】
【――――どんな言葉を尽くそうとも、互いに見知らぬ顔で、良く分かっている敵同士の立場】
【ならばそこに必要なのは、言葉ではなく戦い――――必要以上の言葉を口にせず、ただ「掛かってこい」と態度を示した】

(……3日前の手傷……一応癒えちゃあ居るが……どこまで動けるかは、まだ分からねぇ……
けどま、動くのに支障はなさそうだ……何とか、これくらいは突破して見せねぇとな……!)

【ほんの3日前。その時も居丈夫は命のやり取りをしていた。そこで負った傷も、決して安くは無い】
【だが、既にその傷を癒し、居丈夫も身体の調子を確かめながらも、本気で戦おうとしているのだろう】
【――――眼光鋭いその眼は、確かに女性を射抜いているのだから】

/レグルスです。よろしくお願いしますー!
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2013/07/27(土) 20:19:18.42 ID:S32sC4wNo
>>105-106

【――――風は止んでいた。】
【しかし、それは嵐の前兆であったのだと、セリーナ・ザ・"キッド"が気付いたのは少し、遅すぎたような気がする。】
【綾津妃が元に戻り、彼女の根城を奪還し、そして大きな傷を与えて撃退した――そんな夢物語に少し、浮かれていたのかも知れない。】
【本当はどこかで分かっていた、傷跡がジンジンと疼く夜は、まだ続いていたのだから。だが、それでも尚――油断。】

【―――まさかここまで強烈な"変化"を遂げているとは、想像だにしていなかった。】
【開かれた扉、吹き荒ぶ突風、舞い上がったベイゼ・エリザベス両名の身体をなんとか、掴もうと手を伸ばすも――遅い。】
【刹那、其方に注意が行ってしまった事を後悔する羽目になる、セリーナは―――なんとか身体を捩じらせるも、右肩を大きく】

――――――か、はぁ・・・ッ!!

【―――強烈な尾による一撃で、貫かれた。鮮血が舞い、城壁に彼女の悲鳴と共に溶け込んでいく。】
【瞬間的に頭が真っ白になるも、喰らったままではいられない。"ガンマン"は咄嗟に自身の腰元に眠る"愛銃"を抜き――高速の発砲。】
【ニ撃目、三撃目の刺突攻撃を避ける為に、自分へと向かい来る一本を撃ち落すべく弾丸を放つ。】
【腰溜め撃ちで放たれたコルト・ドラグーンに良く似た銃器――"弾"末魔が吠え、悪魔の波動を持つ紫の魔弾が直線を描いた。】

【―――しかし彼女の持つ武器など、所詮"悪魔を模して"造られた存在に過ぎない。本物の"怪物"<クリーチャー>を前にし】
【持ちうるオーラの絶対量、圧倒的なまでの威圧感に身を貫かれ――セリーナは絶句した。】

(―――マズイ・・・っ!!出だしに一発貰ったのも痛いけど、こんな――こんな、ことって!)
(リリアじゃあない・・・ッ!!もう、あの半魔じゃあない・・・!!もっと別の、とんでもない何か―――!!)
(―――気圧される、胸の、傷跡が・・・くっ・・・!!)

【眼前に聳える三つの肉瘤、部屋の中央に鎮座する異形の存在――リリア、"だった"何か。】
【外見は醜く変化し、纏う魔翌力の濃度も"鈍感な"セリーナにすら伝わるほどに濃く、鋭い――ただ】
【変わらない場所もあるように見える。どうやら――根底にある彼女の"怒り"という感情、其れそのものは――等しいようにも、感じられた。】
【何が彼女をこう、醜くしてしまったのか。もはや問いただす事など出来様筈もない。】
【――セリーナは貫かれた尾から逃れるようバックステップし、首に巻いていた赤のスカーフを右肩に巻きつけ、無理矢理に止血し】
【白いシャツが一箇所だけ、紅く濁ってしまったのを嫌そうに見やりながら――撃鉄を、引き起こす。】

―――・・・もう、終わりにするんだ。リリア、こんな馬鹿げた狂騒は―――誰も望んじゃあ、いないよ。
エンド・ロールが流れたら、残っていていいのは観客だけさ、そうだろう―――ッ!!う、く・・・っ!!

"アイツら"が誰なのか、本当ならゆっくり聞いてやりたかったんだけどね・・・残念ながら、ここには酒瓶の一つも転がってない。

さあ―――幕引きはアタシが、この手で下ろしてやる。リリア―――勝負だ !

【翳した手、塔の天井へと向けて伸ばした腕、その先端に握られた悪魔の銃、"弾"末魔が吠えた。】
【セリーナの上方めがけ弾丸を吐き出し、その場で召還陣を展開――蒼白い術式が舞い降りて、彼女は鎧を身に纏った。】

       ―――――騎士怪醒<ティターン・アーマー>

【強烈な魔翌力に圧される様、彼女の纏った鎧の後部、魔翌力供給用魔導機関が唸る――!!】
【全身の関節に魔翌力が行き渡り、戦士が起動した音がする――!!】
【テンガロン・ハットの形にしっかりとフィットするように装着された特殊装甲の奥、アーマー内から赤い視線を迸らせ】
【セリーナ・ザ・"キッド"は立ちふさがる。次なる一手を見越し――カウンターを喰らわせようと、身構えた。】

/修正!
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 20:25:23.20 ID:KbxdxsX9o
>>113

――――!

【上空より掃射された数多の銃弾】
【騎士ガガルルは一瞬先にその存在に気づくと】
【足で大蜥蜴の腹を叩き、瞬時に飛び退かせ距離を取った】

【瞬間、先程まで存在していたエリアの周囲に弾痕が刻まれる】
【ガガルルは大蜥蜴に合図を送りその場で姿勢を直させると】
【グレートソードを右側に垂らすようにして構えた】

4番位殿……こんな形であれどお目にかかれて光栄であります
本来ならば手土産の一つも持って挨拶に伺う所でありましょうが

……否、無粋な言葉は慎みましょう
どうやら我々の間に形式ばった礼や下らぬ世辞など無粋なようだ

【カノッサの特殊異能者集団ナンバーズ】
【その中にあって一桁初めの番号を持つ青年は末席のガガルルよりも上位の存在である】
【しかしこの場は戦場であり、今の立場は敵と味方だ】

【ガガルルは正面に対する"敵"をギョロリと血走った眼で捉える】
【グレートソードを頭の上に振りかざし一度大きく振り回すと】


我は誇り高き女王陛下メルルの剣にして、リリア殿の騎士ガガルル・レシフィード!!
行くぞ!我が友"ブルベガー"!!今一度戦地にて黒鉄の剣を振るわん!!

【ダンッ――!】
【空気を破裂させたような剛声で名乗りを上げると同時に】
【大蜥蜴――"ブルベガー"は太い足で地を蹴り、青年目掛け高速で疾走を開始する】
【厚い革と硬い鱗に覆われた巨大な蜥蜴、威圧感とそれに恥じぬ突破力と破壊力を秘めているが】
【銃使いと対峙しているにも関わらず、恐ろしく直線的な突撃である】

【ある程度の距離もある、退避も迎撃も容易であろうか】
【ガガルルは大剣を肩に担ぐようにして構え、腕を一回り膨張させていた】
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/27(土) 20:28:12.28 ID:aKGFSlavo
>>110
【──かつては異形の者達が彼方此方にあったであろうその場所は、恐ろしいまでの静寂に包まれていた】
【そして今、その静寂を突き破り、彼の魔を打ち倒す者達の足音が響く】

さてと、このルートは私一人……覚悟決めていかないといけないわね……
……って言ってる間に入り口到着、っと

【螺旋階段を登っているのは一人の少女──年の頃は16、7であろうか】
【赤を基調としたドレスにプレートメイルを組み合わせた、所謂鎧ドレスといった服装で】
【高く結った銀の髪は一段登る毎に揺れ、蒼の瞳は鋭さを増す】
【そしてその背には、十字架のように背負われた長短一振りずつの双剣】

【そうして広間に辿り着いた彼女の第一声は──】

うわぁ……悪趣味……

【並べられた死体に眉をひそめそう言った後、漸くそこにいる相手に目線をやって】

あら、生きた人間もいたのね。
で?あんたは"あっち側"の人間なわけ?
もしそうなら──倒しておかないといけないわね。

【そこで言葉を止めると、双の剣を抜き放つ】
【ちょうど右に長剣、左に短剣を持つ形で、立ちはだかる相手を真っ直ぐに睨み付けて戦意を滲ませている】


/よろしくお願いしますー
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/27(土) 20:31:09.80 ID:AlqGHuhGo
>>109

【鋭い光を放つ紺碧の双眸は、笑いさざめくその「異質」を捉えていた。右手に朱の、左に蒼の銃を既に握り締め―――銃口を敵に向けた】
【―――外見、雰囲気、そして放たれた言葉。疑う余地もなくコイツは悪だ―――と、蒼のソフト帽を被るこの男の本能が、そう言っている】

……こっちも臭うぜ、本物の悪の匂いが―――だから互いに、反吐が出る
―――案外ハズレじゃねぇさ……リリアに負けない位の腐りきった悪を持ってやがるって―――見ただけでも、解るからな……!!

【白シャツに灰色のジレを羽織り、下はジーンズの男。眼前の悪魔の言う腐れ切った正義の匂いとは、きっと彼から放たれたもの―――】
【瞳に、腕に力が篭ると同時に、彼から放たれる闘気が高まり空間に広がる。そしてその闘気に交じるは、首元のペンダントから発せられる魔翌力】
【銀の籠に砂色の光る玉を閉じ込めたデザインのペンダント、その玉から発せされる特殊な魔翌力―――其れ実は、宝玉】

―――冗談言わせんなコラ こんな悪を前にして……そうやすやすと見逃す正義がいるはずがねェ!!
交渉も何も無い……兎に角俺がテメェを捕まえる―――其れだけさ

【睨みを強く効かせて両腕を伸ばし銃を突き付け警戒を強めれば―――悪魔により形成される、大蛇】

……人間とは思えねぇ―――その外見、その迫力……そして、その妖術……!?
何者だテメェ……ATLASによって生み出されたモンスターか……!?

【今瞳に映り込んでいるこの映像は、果たして現実なのか―――まるで、大迫力のアドベンチャーゲームだと錯覚してしまうほどの非現実的な光景で】
【そして其れが確かに目の前に在る―――その事実に、現実に―――圧倒されている自分が少なからずいた。まだ動いても居ないのに―――脚が重くなるよう、な】
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/07/27(土) 20:32:15.62 ID:gchp38/1o
>>105-106

【空は静まり返り、何一つとして言葉を落とさない。それに引き摺られるように、青年も自然と口を閉ざす】
【古城を奪還してより後の討伐軍と行動を共にしてきた彼は再び塔の中へと入り込み、中心メンバーと行動を共にした】
【以前訪れた時のような不安と享楽の綯い交ぜになった空気は掻き消え、不気味さだけが揺るがない水のように満ちる】
【血でペイントされた回廊を進み、彼らと共に扉の前へと辿りついた】

……なンか、誂えた様な場所だ

【一目見て砂漠の生まれだろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の青年】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】
【前回の闘いで焼かれたポンチョの代わりのように、首からは黄鉄鉱の散った瑠璃色の宝石を下げている】
【麻紐で括られただけの瑠璃石は地味な風味で、妙に一つだけが衣装の中で浮いていた】

【この場に居る者は、青年にとってはセリーナ以外皆一様に所属するところの知れない者たちで】
【否、いくらかは顔を知った上、カノッサの手の者が混じると知った上で、この場で言及する事は無いとやや遠巻きにしていた】
【だからだろう。扉の前に佇んだ時、その奥の存在よりも周囲の反応を窺い、だからこそ己の保身にも気が行った】

ッ嘘だロ……!?
ベイゼ! 案内人サン!

【声を飛ばしながらもそちらには視線すらもやれない、それほどに向かい来る攻撃は強大で】
【既に抜き身の曲刀で最低限の尻尾を打ち払いながら、扉の中へと転がり込んで刺突の嵐から逃れる】
【即座に半身起こして片膝立ちに体勢を戻しながら起き上げた瞳は、目の前のその姿に驚いたように見開かれた】
【嗚呼目の前にあるのは正しく、狂う山脈だ】

……呑まレた、いや、呑んだノか
ああ、分かっテる。元より敵わぬ存在だ、考えテはならない。考えるヨりも前に、屠るベきだトいう事だロう
星よ大河よ愛しき蛇よ、戦士の手に希望を打ち鳴らセ――

【辛うじて初撃は避けたものの、今彼女のテリトリーに踏み込んだ以上どのような攻撃を受けてもおかしくない】
【ぎり、と歯ぎしりするように奥歯に力を込めて。立ちあがった戦士は曲刀を相手に向け、己が相手の敵であると示すように口を開く】
【祈りの言葉は疾く、迅く。最早この場で撃ち漏らす事の無いように】

天に居ります孤独ノ星、大河ノ蛇ミルドラよ、わが手に護りノ剣ヲ
正しき者ノ身に力は宿りたり。偉大なる大河は、いついかなる時も我らヲ見守りたり!


【首に下げたラピスラズリから、零れ落ちるように水の力が体を包み、遠目に見た恒星じみた光を纏う】
【冷たく鋭い水の魔力はそのまま氷柱をかたちどり、青年の周りに三つの水の刃を浮遊させる】
【位置は部屋の左側、濁流の中で己の存在を示すように柔らかく冷えた空気が床を結露させた】


/ナウファルです
/本日は皆様よろしくお願いしますッ!
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/07/27(土) 20:35:04.39 ID:lzCLN7Rjo
>>117

【騎士然とした貴方、紡ぐ言葉は気高くそれでいて高貴なのだろう】
【卑しさを微塵と感じないその雄々しき言葉はきっと、尊敬されて然るべき】
【――――――だからこそ、彼にとっては赦せなかった】


御託はいい、貴様がどう思い、どう感じようが
俺にとって貴様は忌むべき能力者=\―――――その一派なのだから

貴様という存在に興味はない、狩られる対象がなんと喚こうと
露と消えるただの妄言でしか無い

笑わせるな、そのような突撃が通用するとでも思ったのか


【忌むべき能力者が、或いはその協力者が、確固とした信念を持つことが】
【無表情は狂わない、その水面に僅かな揺れもみせないまま】
【波紋と呼ぶには静かすぎる羽音を、かすかに響かせて】

【こちらへと直線的に突っ込んでくる巨大なトカゲ、その巨体を目にして彼は――――――】
【あろうことか真っ向≠ゥら突っ込むだろう、右足で地面を蹴ったなら細身の身体を加速させる】
【真正面からぶつかる刹那、体勢を一気に低くし、足から滑りこむ】


舐められたものだな、このような巨大なハリボテを俺の前に晒すなど
良い的だ、その骨の――――――肉の一片まで殺し尽くそう


【巨大なトカゲの右下をすぅと滑り抜けるように彼は体勢を低くする】
【成功したなら彼から見てトカゲの右足側へと滑りこむ事ができるだろう】
【間髪入れずに右手の拳銃の銃口を天空へと向ける――――――】

【可能ならばその状態で銃弾を掃射するだろう、根元からトカゲの右半身へとダメージを与えようと】
【臆すること無くインファイトを選ぶ、ほんの少しでもタイミングをミスしたならば致命傷を受けてもおかしくない距離を】
【ある種の狂人でしかなしえない技を、彼は披露せんとする――――――】
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/27(土) 20:38:05.91 ID:0c83V7Zzo
【───空。である】
【まず何よりも、それが異常で怪異な空間。室内であるにも関わらず、重くのし掛かるような曇天が蓋をしている】
【入ってきた筈の扉を振り向くとそこに壁は無く、重い扉のついた城壁だけがコラージュしたような不自然さで鎮座しているだろう】

【湿った地面は泥に変わりつつある土、水溜りと湿っぽい匂いがまるで雨上がりのような感覚を齎す】
【疎らに生えた枯れかけの草が頭を擡げて、生ぬるい風がそれを揺るがす。地面に突き刺さっていた矢が風に吹かれて地面から離れ転がった】

【兵共が夢の後───そういう感想が浮かびそうな風景。櫻の国の戦場跡地を彷彿とさせる風景───中庭、に近い空間なのだろうか】
【死体は無けれども、地面に刺さる刀や弓矢等の朽ちかけた武器がそれ以上の寂しさを演出している】

【───そして、そんな古戦場跡の風景にポツリと立つ、一人の男。背中を向けている】
【水色の着流しに白いマフラー、マフラーと同じく風に揺れる一つ結いの白髪、腰には帯刀と、瓢箪が帯から吊るされている】
【悪魔か、その類には見えない…しかし、周囲の風景がただの人間≠ニも思わせない】
【彼の周囲には、悪魔であろうか───異形共が、人ではあり得ない色味の血液を流し絶命していて、その中で彼は静かに佇んでいる】
【今にも降り出しそうな曇天を見上げ、ぼんやりという表現そのままに、不気味な程に落ち着いて───】

/遅れました、吟醸です
/八攫の方よろしくお願いします
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/27(土) 20:44:07.27 ID:/4qd6fvHo
>>118

ン……あぁ。来たか……。

【仕事とは言えど、心底では願ってはいなかった客人の訪問に心臓の鼓動が早まる】
【螺旋階段から大広間へと続く入り口に立ち、彼に剣と戦意を向けるは、こちらもまた"たった一人"の少女】
【今から"命の駆け引き"をするのだ。もしかすると……否、もしかしなくとも、命を落とす可能性がある。双方共に】

……こいつらは、俺が集めた死体じゃねえよ。元から此処に在ったんだ。

【ここに並べられた死体は、その全てが、恐らくはリリアかその手下、あるいは見も知らぬ悪魔達が運んだのだろう】

『あっち側』ってのが、一体、『どっち側』なのかは判らんが……。
俺が此処に居て、お前さんが此処に来た。……っつうことは、始めっからお互い、やる事解ってんだろ?

【少女の姿をじろりと眺める。対になった長と短の剣、そして、がっしりと着込んだ鎧】
【対し、自らの姿を返り見てみる。剣も、槍も、鎚も、弓も、弩も、銃も持たず、その身にはお気に入りの赤いパーカーと濃紺のジーンズのみ】

……んだどもよ、まァさ、なんだ、殺し合うにしてもサ、俺のちょっとしたプライドでよ……、
明らかに年下の、しかも女の子相手に、先手取って殴りかかったりはしたくねェ。

【ふう、と息を深く吐く。鼓動はまだ収まらないが、覚悟は決まった】
                キティ
―――― お先にどうぞ、子猫ちゃん。
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 20:48:51.10 ID:4v2xp32To
>>105>>106
【レナールの地。思えば、彼女と自分たちとの因縁は、この地から始まった】
【風の国に住む人々にとっても、彼女と敵対する者たちにとっても、それは同様だろう】
【もはやリリアの残した痕跡は、立ち並ぶ廃墟群と、巨塔ATLAS。それらのみとなっていたが】

【まずは半魔に対抗する同志であるベイゼ・ベケンプフェンの声。続いては、聞き覚えはないが協力者らしい女性の声】
【無線から漏れる彼女たちの声を聞く三人の男。ともすれば、レナールの異形の生き残りかと勘違いされるような姿だ】

【一人は、身長2メートルを超えているであろう、大男だった。薄汚れた灰色の作業着の上に黒いラバー地のエプロン。足には黒いゴム長靴】
【角ばった顔つきに、短めに切り揃えられた黒髪。その髪の隙間から覗くのは、額一杯を埋める巨大な一つ目】
【本来の両眼もその下に存在していたが、黒い瞳のそれらは生気がなく、動かない。よく観察すればそれらが義眼だとわかるだろう】
【両耳は奇妙に歪んで黒ずみ、両の親指もドス黒く細長い異様なものとなっている】

【さらに、その太い両腕に抱えられているものも、大男の姿と同じくらい目を引くことだろう】
【それは、巨大な重火器だった。無骨ではあるが無機質ではない。彼方此方に宝玉を模したクリスタルや術式を纏い、蒼白く武器に輝くその銃器は】
【どこか神々しさすら感じさせるような気配を放っていた。この大男が持つには似合わないだろう武装だ】


【残りの二人――そう二人だ。しかし、そこにある肉体は一つ。彼らは一人分の肉体を共有しているのだ】
【胴体は、180センチほどの身長。着こんでいるのは、中央から向かって右が白、左が黒に色分けされた奇妙なスーツ】
【両胸のポケットには、それぞれ逆側の色の糸でNo.50と刺繍されている】

【その胴体に、二つの頭と四本の腕がついている。本来の両腕の位置にある青白く細い腕と、脇の下あたりから伸びる浅黒く筋肉質な腕】
【向かって右側の頭は、病的に青白くほっそりとした顔つき。白く濁った瞳。長い白髪を後ろで一つに束ねている】
【向かって左側の頭は、顎の突き出たがっしりとした顔つき。黒く爛々と光る瞳。短い黒髪をボサボサに乱している】


【見回せば、見覚えのある面子。大半が一方的に見知っているだけではあるが】
【かの正義組織のリーダー。あの日このレナールで半魔と戦った青年】
【そして、元同僚にして自身に半魔の情報をもたらした男。なんとも、奇妙な組み合わせだが】
【ただ一つ、共通している。あの半魔の敵であるということ。この場に立つのは、その理由だけで十分だった】

(……さて、いよいよだ。決着を付けようじゃあないか、売女め)
「(貴様が、最後の瞬間にどんな顔をするか……楽しみだ)」
『(火山での借り、まとめて叩き返してやる……!!)』

【三人の異形は五つの眼に邪悪な光を灯して、巨塔に踏み込む。回廊のそこかしこに散見される血痕。彼奴には似合いの場所だ】
【たどり着いた扉から感じる気配には、さすがに身を引き締めざるを得なかったが、戦意をくじくには足りない】

/続きます
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 20:49:12.64 ID:4v2xp32To
(ふん、この直前になって警告とは、ずいぶんとお優しいことだ……!!?)

【案内人の女性が、目の前で吹き飛ばされる。さすがの三人も硬直する】
【視界を横切る二人。その片割れが、同志であるベイゼ・ベケンプフェンであることは確認できた。だが、それだけだった】
【次の瞬間には、敵が先手を打っていた。迫りくる、異形の尾。咄嗟に、眼前の部屋に飛び込む】
【体勢を整えて顔を上げれば、そこに君臨するかつての六罪王】


『……あれだけ何もかも見下して、好き放題やっといて。その末路がこの様かよ』
「ひどいものだ。自分たちより醜いものなど、久々に見た。カニバ、いつものようにあれの死肉も口にするのか?」

……冗談でもよせ。あんなものを食っては、さすがの私も腹を壊す
参謀閣下には、重ねて感謝しなければな。これのおかげで、あまりあれに触れずに済みそうだ

【最初の威勢もどこへやら、変わり果てた仇敵の姿を目にした三人の目は急速に冷めていた】
【まずは、大男が手に持った重火器を構える。狙うは、三つの瘤≠フ一つ。中央の燃え上がるもの】


……これは、もはや悪と正義の戦いとも、機関の裏切り者への制裁とも言えんな
「作業」だ。有害獣の駆除作業と言うべきものだ

【眼前のリリアだったもの≠ノ向けて、カニバディールは重火器、ソーン特製のアンチ・フリークス・ブラスターのスライドを引き】
【躊躇いなく、発砲した。ソーンたちの技術の粋を凝らした一撃、魔を打ち滅ぼす人口の銃弾がリリアに向かっていく】

【デュアル兄弟は、相棒の行動を見るや駆け出す。リリアから見て左側、耳や鼻の穴に覆われたほうへ】

/大変遅くなりまして、申し訳ありません……
126 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/27(土) 20:54:10.06 ID:Ly7LyrDLo
>>115

あーあー、勝手に部屋を暖められちゃ困るよ
寒いのはそれなりの理由があるんだから

【部屋に入ってきたのは、体格の良い男】
【その術からして、炎を操る魔術師だろうか―――それだけでは無さそうだが】

どうやら話し合いで解決するタイプじゃあなさそうだね
私の名前は尾月実利
カノッサ機関の「分析官」

そちらの所属と名前も教えてくれるかな?

【一応、とばかりに自己紹介し、相手にも促す】
【そして、自らの首に貼りついている御札を一枚、剥がせば】

あ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁあ゛あ゛あ゛

【不愉快な喘ぎ声と共に、「黒紫の煙」を口から吐き出す】

ふぅー、いくよ

【吐き出した「黒紫の煙」が実利と名乗った女性の全身を薄く包みこむと】
【実利は先ほどまで座っていた木製の椅子を、杖を持っていない方の左手で掴み、持ち上げ】
【男に向かって、投げ飛ばした】

【女性が片腕で投げたとは思えない勢いで男に向かっていく椅子だが】
【所詮は只の椅子。簡単に破壊できるし、当たったところで致命傷にはならないだろう】
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/27(土) 20:58:53.70 ID:uwHa8AL8o
>>114

【もしもリリアに知性や理性が残っていたなら、彼の言葉に軽口を返しただろう】
【けれどもそれは、最早無い。完全に古龍と、それから卵≠フ魔力に飲まれている】

【――しかし、まさか此処に来て見逃すようなはずもなく。ぎろり、6つの瞳が彼を睨み】
【ほとんど同時に炎の肉瘤が膨らんだかと思うと、異形の顔面から蒸気が吹き出し】
【直後――その胸部が縦に割れて、月彗目掛けて魔族の頭蓋骨が炎を帯びて吐き出される】
【それは単純な火の玉ではなく、何かに触れると半径3mという範囲を押しつぶして爆発する凶悪なものであり――】

>>116

【――月彗への一撃を放ちながら、黒龍は左腕―翼とは独立した、指が7本の―を向ける】
【するとそれは一挙に関節を増やしながら伸びていって、彼女を鎧ごと掴もうとするだろう】

【仮に掴めなくとも、近付くやいなや歪極まりない七爪で引っ掻こうとし】
【もし触れられれば――セリーナのそれは無事だろうが、普通の鉄なら即座に焼き切られる事になる】
【もっともそれだけ。となれば相手の弱点なども考察する隙が生まれるのだが】
【果たして気付けるだろうか。奥の肉瘤、今膨らんでいるのは炎のモノ――爪も頭蓋も、その属性≠セ】

>>120

【ナウファルを翼の視界で捉えると、黒龍リリアは炎の肉瘤を下げ、水を滴らせるソレを前面に】
【そうするやいなや、巨大な両翼が瞳と同時に開かれて、その全てが朴訥な青年に向き】
【――直後、放水。いや、そんな生ぬるい表現で済むかどうか。高圧のレーザーのようなものだろうか】

【真相は瞳の涙腺から、瘤に蓄えた水の魔力を放っただけ――だが、ナウファルには28の水圧カッターが向かうことになる】
【恐らくは最も殺傷性の高い一撃だ。そして、攻撃と同時に部屋が濡れていき――】

>>124-125

【水の瘤が下がり、直ぐに氷の瘤が前に出てひどく膨らみ――そこから、霜霧が降りだして】
【一挙に部屋の温度が下がっていく。或いは、鉄などはにわかに凍り始めるかも知れず】

【まして水なら当然のこと凍りつく。部屋中に撒き散らされた攻撃の残香が、しっとりと凍りつき】
【そうなるのを見届けたように、黒龍の足下から氷が走って≠「き――無論、狙う先はカニバディールと】
【そしてデュアル兄弟。触れればどうなるかはなんとなく予想が付くだろう。尚、僅かに追尾機能も存在し――】


>>ALL

【炎を飛ばし、腕を当然のように伸ばし、水をレーザーのごとく打ち出して、部屋全体をうっすらと凍らせる】
【ソレほどのことをこの化け物、僅かに一呼吸程度の間にしてのけた。もう力の程は理解できたろうか】

【――そして、その特性も。黒龍には三つの瘤が存在する。いずれも水、氷、炎の属性を孕んでいるらしく】
【一つ一つしか使えない様子だがいずれも強力、何とかせねば突破口一つ見えてはこない】
【そうこうする内に炎の瘤が前面に押し出されて一挙に膨らみ――直後、火を吹いて急速にしぼんでいった】

【そうして繰り出されたのは、下がった室内温度を一挙に上げる炎の雨。内装も焼いて、幾重にも降り注ぐ】
【ソレは魔力自体が形を持っているせいか、実際に刺さることすらもありえる程のモノで―――】


      ッ――――ギィィ、ァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアッッ!!?!!???


【悲鳴だ。それはカニバディールが放った一撃、神聖さすらも感じる銃火器の弾丸が瘤を撃ちぬいた事によるものだった】
【これで弱点は知れた。しかし瘤は穴が相手萎みこそしたが、未だに小さく火を灯しており――】
【決して油断が出来ないことは見て取れる。が、この間は隙だ。各々に振りかかる一撃と、火の矢雨を凌げるのなら】
【此処が最初の機会。水の瘤と氷の瘤が、妖怪提灯の様にふらりふらりと揺れていた。】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/27(土) 21:06:35.87 ID:ItyBaAWC0
>>126

……おいおい、わざわざこっちに乗ってやる必要があるかよ? そっちも俺の事、殺すつもりなんだろうが?

【この冷気が仕込みと言うのは間違いないだろう。別に、こちらとしても寒さに身体を順応させる事も出来るのだが】
【何より、相手の策を少しでも削る方に動いた方が、得策だと判断したのだろう】
【眼前の女性が、あからさまに炎に弱そうだと言う確信こそないものの、冷気を放っておいては良くは無いと考えたのだ】

……別に良いんだぜ? そっちが帰ってくれりゃあ、わざわざ殴り合いなんぞしなくてもな……
けど、それじゃあそっちも立場がたたねえだろ? だから、もうどうしようも無ぇんじゃねぇか?

【軽口でそう言うが、割と居丈夫にとっては本心である】
【本音を言えば、ここで足止めを喰らうよりも、早く本丸に攻め入りたいと言うのが居丈夫の本心で。女性が立ち去ってくれるなら、別に構いやしないのだ】
【だが――――お互い、そう言う訳にもいかないだろう。ならばする事は1つ――――戦う事だけだ】

……ハッ、機関か……まぁ、そこは置いといて、だ…………
――――レグルス。レグルス=バーナルド……所属なんかねぇよ。俺は俺で戦う、それだけだ……

【とりあえず、最低限の名乗りは済ませる居丈夫――――レグルス】
【本当なら、『UNITED TRIGGER』と――――特に、リーダーのセリーナ、メンバーのソニアとは相応の繋がりがあるのだが】
【所属がフリーであると言う事は事実。なら、それ以上余計な事を言うつもりは無かった】

…………ッ?
(……身体に纏ってやがる……アレが何か、身体に作用していくタイプの力ってこったな……?)

【煙を身体に包み込ませる女性――――実利の行動を見据えながら、レグルスは棍を握り締める手に、更に力を込める】
【――――ここからが、本番だ】

――――甘ぇ、その程度!!
…………バル(火)・フェン(飛翔)・イム(怒り)・ルー(レベル1)……『マジックボム』!!

【投げつけられる椅子を、手に持った棍で振り払い、打ち砕くレグルス。同時に、振り切った勢いで棍をそのまま背後へと回し、構え直す】
【そうして、左手を実利に向けると、再び魔術の詠唱を行い、掌から火球を発射する。着弾すれば爆発し、そこから二次被害をもたらす事も出来る】
【――――とは言え、これは牽制。込めた魔力の量もさほどではなく、実利の出方を窺うと言った色合いの大きい一撃だ】

【ヒートアディッション効果時間 残り3レス】
【残存魔力 12/17】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/27(土) 21:07:03.78 ID:uHSqHf+go
>>119

すんすん…………ほォーう、良ォい"タマ"を持ォってんじゃあねェか……
そォのペンダントで即決してやろォかと思ったが、――ヒャハハ、毎度の事ながら"慈ィ悲"は無ゥ駄だったよォーだな
まァー良い、テメェーの遺品の一つとして貰っといてやるよ

どォれ、いい加減戸ォ締りしてェ所だが、まずは……喰ゥらいなッ!

【大蛇の両目が、赤に、青に、――相反するはずなのにけして混ざり合わず、互いを高め合うかのように光ったと思えば】
【口部に集まる4色の魔力――そして、それはまるでレーザーの如く……ロウの中心目掛けて発射されるッ!】
【それは光の様に眩しく熱く、しかし闇の様に暗く冷たく、かと思えば豊穣を運ぶ風のようで、しかし細胞を一つ一つ喰らうかのようで】
【……ともかく、もし命中してしまえば、身体がズタズタになりかねない】

【太さ1mの魔力レーザーだが――幸い打点は高く、予備動作の分かりやすさもある、回避や反撃の余地は十分だ】

ヒャハハ、俺様を捕らえてどォーするつもりだァ? 嬲り殺すのかァ? 言っとくが自警団だか何だかの野郎共は格好の"餌"だ
ったく、どいつもこいつも正義って奴は牙を向けてきやがって……俺様が"邪悪な悪魔"ってだけでだ!

あァ、本当イメージ操作が得意な奴らだよ、"あァの糞共"は……秩序は良ォい、混沌は駄ァ目、その理由は皆こォぞって"今"の利ィ益を挙ァげる――
挙句、俺様が"あァの糞共"に反旗を翻してやったら、"こォのザマ"だ……あァ、幾ら怒っても……おォっと、話が逸ォれたか

【言葉が進むに連れ、その表情が何かに対する激しい怒りが徐々に高まっているかのように見え】
【しかし、そんな怒りの思いを中断したかと思えば――次の言葉の前には既に邪悪な笑みが戻っていて】

……ヒャハハハ、テメェーが何しようと、"混沌と深淵"に包まれたこの場所で俺様を倒す事は敵わねェッ!
俺様は超強ェー悪魔、邪禍だ! 確かに素ゥ晴らしい造形物だ、ATLASはよォ……
だァが! 俺様はそォれよりとォっくの前に既に居た……力の素の一つになァりはせよ、"生ゥみ出された"とは違うなァァアア〜〜ッ

【悪魔の両手に、"生命と変化の、混沌の魔力"が集まってゆく――何かをするつもりだろうか?】


【なお、壷は大蛇の後ろに隠れてしまったようだ……潰される等はされていないが】
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/27(土) 21:09:29.34 ID:htzllgjgo
>>123

あらそう、ま、誰が集めたものであろうとやっぱり悪趣味な飾り付けだわ。
何が嬉しくて死体なんか集めるのかしら、理解できないわ

【思ったことははっきり言うタイプなのか、何の躊躇いもなく散々な評価を下す】
【そうして男の言葉を聞きながら相手の武装を観察……したが、武装といえるような物はこれといって見当たらず】
【しかし、それでも相手は機関の人間。ならば警戒は怠れない】

……確かにこっちの人間なら此所に留まってはいないでしょうね。
それなら容赦なくいかせてもらうけど──そのプライドが命取りにならなければいいわね!

【言い終わる前に、既に少女は駆け出していた】
【両の手に握った双剣は、光の魔翌力を纏って仄かに輝いて】

【死体の間を抜けるように走って近付けば、長剣を左腰の辺りに構える】
【そうして男の左手側を飛び抜けるようにし、すれ違い様に斬りつけようとするだろう】
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/27(土) 21:21:06.12 ID:avtMi2tI0
>>122

【草と泥とを踏む足音。“異物” が、先客の耳朶に新たな異変を伝えるのだろう】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【古戦場の如きこの異彩の空間に身を投じて紡ぐ/透徹した目的意識を思わせる透る声、】

……“六罪王”――――― いえ、“半魔” リリア。

あの魔物に与する一団の側――――――……そう判断して構わない?
……これは……貴方がやったのかしら。

【見えた淡色の背に斯様な問いを投げるのは、そんな形容の出来る人影だった】
【“かつての六罪王”。城にあった魔物たちも骸を晒したと聞くが、彼の様な存在に討たれたのか。】

【……かの魔性を屠るべき討伐軍ならば、既に “敵のない” この場に留まる筈もなく、】
【ならばここにあるこの影の所属は、間違いなく、新たな餌食を待ち受ける魔物の側――――――】

【―――― この異界に、一度も振り返ることはなく。ただただ抜身の刃が如き凄絶を以て、少女はかれに相対する、】
【言葉はなくとも、伝わるだろうか。既に、その身が独特の剣気を帯びている事が――――――、】
【鯉口を切るのは/何れか、】

/よろしくお願いします……!
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/27(土) 21:26:05.85 ID:Dd8O66rp0
【路地裏――表通りに近い場所】
【急に降り出した雨が夜空色をただの黒色に塗り染めて、爆ぜた小さな雫は、世界に霞掛けて行くよう】
【地面の生臭い汚れを洗い流すように流れる水たちが王冠を真似たように無数に跳ね上がる、それを、】

――ああ……もう。商売どころではないのですけれどッ……!

【ぱしゃといらだったように蹴り飛ばす人影が、ひとつ、あった】
【――同時に聞こえて来るのはどこか猫めいた甘さのある女の声、雨音の中では、少しばかし聞き取りづらいけれど】

【黒猫の色をした髪、肩をいくらか越す長さはじっとりと水分を含んで艶めく、だらと水を吐き出すばかりで】
【肩も背中も大きく露出させるよなデザインの服、強調された胸元は元からそれなり以上の豊かさ、白く塗れて】
【本気でもないコルセットを締めてミニ丈のスカートは腿まで見せて、後ろがひらり膝ほどまでの長さ】
【素肌の白さを透かす黒のタイツ、高いヒールの足元がもうひとつ水溜りを踏み潰す、眼のグリーンアップルが煌いて】

ああもう、今日は店じまいですわ、帰って寝たい――

【――焦る様子も雨宿りするよな仕草もないなら、最早濡れ過ぎた体、諦めの境地】
【苦い虫でも取って食べた猫のような表情は雨霞の中に薄ら隠れても、その全てを隠し切るわけではなく】
【それでもただでさえ狭い道、雨の中なら――どうにも視界が悪い、もしかしたら、誰かにぶつかってしまう、のかも】
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/27(土) 21:29:38.84 ID:4v2xp32To
>>127
ぬ……これは……

『寒い、だと? 芸達者なのは変わりねえらしいな、クソアマ!!』
「先の水はこれの布石でもあったか……見た目と違って、頭はまだ働くのか」

【軽口を叩きつつ、三人の顔に冷や汗が光る。「作業」などと言ってはみたが、一筋縄ではいかないのはあまりに当然】
【わずか一呼吸の間に、これだけの攻撃。一つ一つが強力無比。彼女の秘める力は、以前よりさらに上がっているようだ】
【足元から迫りくる氷。まるで地面を這い進むかのように。触れれば、どうなるか。想像に難くない】

【しかし、そう簡単に回避できるものでもない。わずかながら追尾機能。もともと動きの鈍いカニバディール、今は巨大な兵器も抱えている】
【咄嗟に飛び退こうと試みるも、太い右足を氷が薙ぐ】

ぐ!! ぐおおおお……!!
おのれ……ぬ、おおおおおおおお!!!

【急速に体温が奪われ、感覚が薄れていく。右足が氷漬けになっている。一瞬でこれほどの威力】
【カニバディールはいったん動きを止めざるを得なかった。後半の叫びは、自身の能力を行使した時のもの】
【作業服を押し破って右足が膨れ上がり、内側から氷を押しのける】
【凍りついた肉はそのまま右足から分離され、部屋に散乱する魔物の残骸の仲間に加わった】

【しかしながら、カニバディールの口元は歪む。自身の攻撃が効力を発揮したことを確認したからだ】

ハッ、どうだね半魔。参謀閣下の特別製の銃だ。お前ごときに用いるには、もったいないほど高価な代物だ
これで逝けることを感謝するのだな

【減らず口を叩いて見せるのは、意地と同時に右足の痛みをごまかすためだった。すぐには動けない】
【そこへ、降りかかる火の雨。舌うち一つ、後に首の後ろから現れる肉塊。空中へ向かって膨張していき】
【カニバディールを覆う肉の傘となった。そこへ、火の矢が降り注ぐ】
【肉が焼け焦げる異臭。カニバディールの顔がさらなる苦痛に歪むが、直撃は避けている】
【しかし、最初の機会は、こうして防御に費やす羽目になった。右足の機動力低下も痛い。状況は予断を許さず】


【一方のデュアル兄弟。感覚器官が集まっているらしい、顔面の左側を狙おうとするが、そう簡単にはいかない】
【彼らの足元にも、氷は迫っている。二人揃って顔をしかめつつ、回避行動。上空へ飛ぶ】
【しかし、わずかながら追尾機能。こちらへ向かってくる】

『チィッ、味なまねを!!』
「そうそう思い通りにはさせん!!」

【二人が叫ぶと、彼らの左足から泥が噴き出す。泥も湧き出す端から氷漬けになっていくが、それを逆手にとり、凍った泥の上に乗る形で、空中で静止】
【即座に足から泥を振り払って、空中から跳ぶ。即席の二段ジャンプ。まずは、氷の回避の成功。カニバディールの攻撃で現れた隙にも助けられた】
【しかし、瘤が完全に死んだわけでもなく、さらなる攻撃。火の雨。今度は、完全に避けきるのは難しそうだ】
【ならば、攻撃に転ずる。二人は、即座にリスクを受け入れ、決断した】

『ぐあああああ!!!! 熱いんだよ、クソがあああ!!!』
「ぐうううううう!!!! アバズレめがああああ!!!」

【罵声と共に、火傷の痛みを無視しつつ、デュアル兄弟の反撃。四本の腕を一斉に掲げ、砂の刃と泥の玉。二つずつ、計四発】
【泥の玉が向かう先は、顔の左半分を覆う鼻と耳。泥によってそれらを覆い、感覚を鈍らせるつもりらしい】
【砂の刃が向かう先は、左の翼膜の眼球のうち二つ。目なら、威力の低い砂の刃でも、ダメージは小さくないと踏んだらしい】

【攻撃を放った後は、成否を見ずにいったん飛び退く。火の矢によるこれ以上のダメージを防ぐためだ】
【スーツのところどころが焼け焦げ、煙を上げている。しかし、四つの瞳はそらさず。視線の先は揺れる瘤】
【そして、相棒へと移る。三人の異形が目配せを交わす。次の一手をどう取るか。まずは、リリアの次の攻撃を凌いでからとなるか】
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/27(土) 21:31:34.00 ID:3UH2Ljdeo
>>127

【暴力的なメテオが襲う、その瞬間の敵の動作を焼き付けながらも】
【範囲が尋常ではない。飛び退く身体の半分近くが爆発に巻き込まれた】
【回避仕切るには無理があるといえ、何か別の手に集中しているような鈍さがある】

ぐ、っッ……!!

【爆風の中から――半身だけとなった体で月彗は地に降り立つ】
【遅れてもう半身が樹木の成長を早送りで見るかのように、順を追って再生していく】
【分身体で有るがゆえに、ある程度の攻撃は受け流せるのだろうが】
【リンクが無い訳ではない。受け過ぎれば何時かのように“心臓”が呼び寄せられてしまう】

【比較的破壊の跡がない床に立つと、下駄の足で高く音を上げ地を踏み締める。水面に似た波動が床に伝って】

【月彗の周囲12箇所の地面に“梵字”が浮かび上がる】
【それは丁度、時計盤の中心に立つのに似ていた】
【一つ一つの紋様は青藍色に輝き、仄かな燐光を散らす】

――……一切衆生悉有仏生

【梵字の輪郭から沸き上がるように植物が芽生え、花開く】
【それは更に煌と震えて――何かの現れる予兆、12箇所全てから】

【明確な隙、だがそれ故に、呼び寄せようとしている何かは強大であるのか気配が強く強く溢れ零れる】
【その力はカニバディールの攻撃に近しく、魔のリリアには触れがたい類いのものであるのだが】
【呼べるかどうか、それが鍵とも言えた】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/07/27(土) 21:31:46.33 ID:LHkWI69T0
>>121

【青年が行動を開始した瞬間、ガガルルは"能力"を発動する】
【"モンスターテイマー"。動物と心を通わせる異能】
【互いを認め、盟友と認識することで意識共有、転送が可能となる魔獣使いの力である

【刹那のタイミングで足元に滑り込もうとする青年】
【その狙いをガガルルと"ブルベガー"は認識する】
【取るべき行動は迎撃か?否、位置関係を考えたならば青年の攻撃の方が早い】
【防御か?否、関節駆動部などを守る術は存在しない】

【ブルベガーの取った行動は"踏み込み"】
【地面に叩きつけた足、人間で言う親指に当たる爪を床に抉り込み】
【弾丸のごとく前方へと己の身体を跳ねさせた】
【獣の技ではない。ガガルルと経験を共有することによって身につけた"武術"であった】

【瞬間、無数の弾丸がブルベガーの尾の付近を掠める】
【ゼロコンマ数秒行動が遅れていたならば足は蜂の巣にされていただろう】
【それほどまで微妙なタイミングであり、驚異的な攻撃であった】

ふっ――――!!

【ガガルルは大きく息を吐くと、ブルベガーを方向転換させる】
【一足にて約5m、太い脚に恥じぬ踏み込み距離であったが】
【再び間合いは広がり、こちらは少ないながらもダメージを受ける結果となった】

背筋の凍るような体捌きであるな!!肩書きに恥じぬ武威である!!
しかし……そのような奇襲二度目は通させぬ!!

【ガガルルは大剣を大上段に持ち上げると】
【再びブルベガーを疾駆させ、突撃を仕掛ける】

【断頭台のように構えられたその大剣は】
【恐らく間合いに入った瞬間凄まじい威力で叩きつけられることになるだろう】
【しかし、見たままでは先ほど殆ど代わり映えのしない愚直な突撃だ】

踊れ踊れ……"――――"

【違う点は、ガガルルが何かを呟いている事と】
【腰の長剣に微かに丸い光りが点った所であろうか】


/pcが急に繋がらなくなって大変お待たせしましたorz
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/27(土) 21:34:10.35 ID:Ly7LyrDLo
>>128

そうだね。私も立場上、後には引けないんだよ
この戦いで最低限の活躍はしないとね

【機関内での地位を上げる――それが実利にとっての当面の目的であり】
【カノッサ機関内が分裂したこの戦いでは、その功績が直接作用することは無いだろうが】
【機関に於いて、実力を示すには絶好の機会だった】

よろしくレグルス。へえ、無所属なんだ
何処にも属さない、フリーの人ってのは悪にも正義にもいるものだけど、いつも思うんだ
寂しくないの?って

【レグルスと名乗った男は、椅子を軽々と弾き、詠唱の後火球を飛ばして来た】
【軽いけん制のつもりで投げた椅子だが、眼くらましにもならなかったようだ】

(また炎の魔法か……それが得意なのか、部屋の性質から炎を選んでるのかはわからないけど……)

【竹製の杖を両手で構え、「引き抜く」】
【すると、杖の中から真っ直ぐな「刀」が姿を現す。所謂「仕込み刀」であり】
【同時に、体に纏っていた「黒紫」の煙が刀をも包み込む】

よっ!

【刀を向かってきた火球に振るえば、それは両断され】
【実利の背後、奥の扉の両側で二つの爆発を起こす】

(魔術師なら、とりあえずは接近戦かな
なーんか普通に格闘も強そうな体格してるのが不安だけどね)

【刀を構え、レグルスに向かって駆け出し、距離を詰め】
【先ほど火球を放った左手を狙って、「突き」を放つ】


137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/27(土) 21:35:09.32 ID:/4qd6fvHo
>>130

あァ、俺も、そう思うね……。こんなもん、なんたって集めたんだろうなァ。
まさか悪魔どもが、わざわざ供養するワケでもなかろうによォ。

【赤いパーカーの隙間に左手を突っ込み、微かに巻く黒髪を指に巻き付け、遊んでいる】
【少女は既にスパートをかけ始めており、当然ならば男はそれを回避か、あるいは出鼻を挫くだろう】
【だが、男は依然、目を細めつつも、巻き毛を弄り……―――― 回避する素振どころか、その場から一歩も動こうとはしない】

しかしよォ、よーく考えてみろ、子猫ちゃん。
俺がわざわざこんなクソ臭ェ場所で待ち構えると思うか?普通の人間ならしねェよ、"アタリマエ"だ。

―――― 悪いが、俺にちィとばかし有利な場所を選ばせてもらったぜ。

【そうして少女が近く近く突進してくる、3m、2m……そして遂に彼女の得物の間合い……!!】
         コープスミーティング
―――――― “死体回収”。

【男がボソリと呟く。と、同時に男の左手側から、空をスライスしながら向かって来る長剣!!】
【すれ違いざまに一太刀浴びせる算段だろう】

ザシュ!!

【鮮やかな太刀筋と共に斬られる肉、少女にもその手応えは感じられる筈だ。しかし――――】

【少女が斬り抜け、男の方を振り返り見ると、男の左前方に、死体が浮遊しているのが確認出来るだろう】
【―――― 男は無傷であった。少女がその刃で裂いたモノは、先程まで地面に転がっていた"死体"】

【当然、男はその死体を拾い上げたりはしていない。文字通り、彼女が斬りかかるまで微動だにしていなかった】
【恐らくは、男の能力に依るモノ。一見して判別出来るのは、死体を操る異能、と言った所だろうか】

まァ……なんだ、これでバトル開始だな。
こっからは俺も容赦ァしねェ。悪いがカミサマにお祈りする時間すら、与えねェ。

【そう言うと男は先程まで髪の毛を弄っていた左手を水平に伸ばし……】
        リアニメイト
―――― "骸の造成"。

【そう呟くと、周囲の死体がピクリと動き出し……】

達者だよなァ、そんな年でこんな死線くぐり抜けようなんてなァ……。

【4、5、6……6体のアンデッドがユラユラと立ち上がる。内2体は既に白骨化していて、所謂スケルトンとなっていた】
【それらアンデッドは、およそアンデッドのイメージとはかけ離れたようなスピードで、まさに“飛ぶように”少女に突進していく】
【2体のスケルトンは直線的に、更にもう2体ずつはそれぞれ左右に別れ、彼女目掛けて飛来する】

【このアンデッド達は、普通のアンデッドではない。簡単な自我すらも持たず、一切の魔法的な効果も及んでいない】
【全てこの男がその特別な能力で"直接"操ってるだけに過ぎない。言うなれば、ただの質量攻撃だ】
【―――― しかし、どう見積もっても、大人の人間6人分の重量だ。直撃すれば、人間6人分のタックル―自我を持たないゆえ更に強力な―を食らうことになるだろう】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/27(土) 21:37:44.84 ID:AlqGHuhGo
>>129

【悪魔が勢い良く叫べば、超高密度の魔翌力が大蛇の口に集約し―――放たれる。魔翌力の量はさることながら、注目すべきはその質】
【混ざり合ったその魔翌力は、色を加えすぎてどす黒く染まった絵の具のようで―――其れは肌にぞわりと未知の感覚を与える】
【―――当たってしまえば、どうなるのだろう。溶けるか燃えるか―――痺れるか。放たれる間際に背筋が凍るも―――躱す為に重心を落とし、左脚に力を溜めた】

―――〜〜〜ッ!!
(大丈夫だ……どれだけ強力で恐ろしい攻撃でも……どこに来るかが見えていたのなら恐くないッッ……!!)

【その未知の塊が化け物から開放されると同時に、溜めた力を放出し左脚1本で後ろに飛び退き―――】
【そのまま構えた銃から2発、轟音を鳴らす。先に放った右の銃、そこから放たれるは赤く輝く銃弾。狙いは大蛇の右眼】

【赤く輝く銃弾が秘めたる効果は―――当たったモノを燃やす、というもの。言わばこの銃弾は灼熱弾であり―――眼球を焦がして視界を奪う算段だ】
【そして遅れて放った左の銃から放つ弾丸。此方も輝きを見せるが―――その色は蒼。そして此方が本命】
【狙いは―――その口の中。そしてこの弾丸の効果はモノを凍らせるというもの。地面に当たればそこから大きな氷柱を生やす其れが口の中に命中すれば―――】
【口の中はたちまち凍り、コレ以上の魔翌力レーザーの発射を封じることが出来るかもしれない―――との憶測からのこの狙いである】

―――っとォ……!! ……俺にはテメーの言う事がさっぱりだぜ……!!
「邪悪な悪魔」ァ?……唯の悪魔ならいいかも知れねぇよ―――もしかしたら、悪魔にもいいやつがいるかも知れねぇ。でもよ―――
オマエは「邪悪」なんだろ……! 邪悪なら悪魔も人間も変わりない……正義が牙を剥けるのもおかしくネェさ

【着地も左足1本だった。……左足で地面を蹴りだし、左足で着地する―――些か不自然な動きだった。普通は、逆の右脚を使うだろうが―――其れを庇うようで】
【―――そして極端に右脚を使うことを嫌うようなその動きは、スムーズとはいえずに着地に少しのブレを生じさせた】

……超つえー悪魔か。それでも俺のやることに変わりは無ェ。―――殺さずに、この場を制する。―――決して[ピーーー]こと無く、テメェを捕まえる……
其れが俺、マーシャル・T・ロウの信念だッッ!! 何が混沌だ、深遠だ―――んなもんやられるほど、俺はやわな人間じゃないんでねぇッッ!!

【猛々しく吼えながらも、両腕を伸ばして再度構えて―――注視するは悪魔の両手で揺蕩う、今まで味わったことのない魔翌力】
【大蛇と悪魔本体―――両方に注意を払わなければならない為、一気に攻めこむタイミングが見つからない。故に慎重さは深まるばかりだった】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/27(土) 21:40:59.79 ID:lzCLN7Rjo
>>135

【空を切った弾丸の刃、直撃していたなら右半身を抉り取ったほどの一撃】
【立ち上がり右手の銃を何度か引き金を引くが、軽い音が響くのは全弾撃ち切ったが故だろう】
【右手の銃を投げ捨てたなら、くるりと視線を傾けた】


―――……なるほど、単なる莫迦≠ナはないか
だが同じだ能力者、いくら貴様がその化け物と共に歩もうとも
俺の歩みを、俺の進む道を――――――途切れさせることができるものか


【こちらへと接近する貴方、間髪入れない突撃だ】
【速度を考慮しても、まず考えるべきはその破壊力なのだろう】
【生半可な攻撃など踏み潰し、ダメージを与えることができそうなほど、に】

【白銀の髪の毛が濡れた、夜色に染まるその僅かな銀雪が】
【止めどなく流れる清流が如く、その潤いを毛先に含んだままで】
【大上段に持ち上げられた大剣を、鉄面皮の双眸が尋ねた】


行くぞIvoryline=\―――――
……俺は、探し続ける、俺の俺だけの星を
そのためならば全ての能力者を敵に回そうとも、構わない

――――――例えソレが機関の者であろう、と
貴様にその覚悟はあるのか、仲間に刃を向けるその覚悟が
騎士≠ヘ一体、どちらになびくというのか――――――!!


【空っぽになった右手に握られるダガーナイフ♂E手の袖から零れ落ちたそれを右手で握って】
【再び肩幅に両足を開いたならば、間髪入れずにそのダガーナイフを投擲する】
【狙いはブルベガーの上の貴方自身、そのまま立っていればすぐ側をかすめて飛んでいく】

【刹那、まるで意思を持つかのように、ダガーナイフが旋回を始めるだろう】
【ダガーナイフの後方に括りつけられたワイヤーロープ、それを大剣の切っ先に、括り付けようと】
【成功したならば、ワイヤーロープを収縮、貴方の大剣に引き寄せられる形で、貴方の頭上へと飛び上がるだろう】
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/27(土) 21:51:31.24 ID:ItyBaAWC0
>>136

……そうかい。んじゃあ怪我の一つや二つ、覚悟しとくんだな……
余計な力を使ってまで止めを刺す気はねぇが、五体無事で返してやる必要もねぇんだからなぁ!!

【勿論。互いに望んで戦場に立っている事は、始めから分かっていた事だ】
【むしろ、この言葉は彼我の威勢の良さを図り、場の流れを引き寄せる事を目的としている】
【生半な戦士であるとは思わないが、あるいはこの言葉で実利が気圧される事でもあれば、状況はわずかに自分に引き寄せる事が出来るのだ】

――――何言ってんだ? 別に孤独主義なんて話じゃねぇよ……
フリーだから寂しいなんて、幻想だぜ? フリーならフリー同士の繋がりってもんがあるだろうが……

【戦いに際して組織に属していないとはいえ、別にレグルスは終生1人で戦い続けている訳ではない】
【背中を預けられる仲間は、それなりに居る。レグルスとしても、常に1人で戦っているつもりはない】
【今回1人で戦場に立っているのは事実だが、間違いなく彼には仲間がいるのだ】

(――――ヘッ、仕込杖か……! 良い趣味してやがるぜ……!)

【仕込み刀を抜く様を捉え、ぐっと顔に力が入るレグルス】
【黒煙も気になるが、とりあえずは接近戦が実利のスタイルと言う事なのだろう。少なくともあの仕込杖を使って戦う事は出来そうだ】

(……強化、か……なるほど、面白ぇ!)

【距離を詰めてくる実利の姿を捉え、レグルスは全身が粟立つのを感じながらも、一方で高揚していた】
【こうしたタイプの相手とやり合うのは初めてだ。まして、自分に接近戦を挑んでこようと言うのも気にいった】
【――――戦いの目的は一時置いておいて、レグルスはそれを『面白い』と感じていたのだ】

――――魔術師に接近戦、良い狙いだぜ……っ、――――普通ならな!

【突き出した腕を狙った突き。それをレグルスは、左腕をグリっと捻り込み、刃の腹を押す形で外側へと押しのける】
【斬りではなく、突きを見舞ってきたからこそできる手だが、流石に無傷とはいかず、腕の部分に5cmほどの切り傷を作る】
【だが――――その恵まれた体格に、重々しい棍を見ればあるいは分かるかもしれないが、レグルスは単に魔術に頼った魔術師ではない】
【と言うよりも、元々は肉体派だったのが魔術師に転向し、両刀使いとなったと言うべきだろうか】

おぅぅらぁッ!!

【左手で突きを見舞ってきた刃を往なすと、レグルスは後ろに引いていた棍を右手で振るい、実利目掛けて殴りかかった】
【狙いは、実利の左足――――足を痛めさせて機動力を奪おうと言う魂胆なのだろう】
【右から振るいつつも、左腕はすぐに棍に添えて、全力でのスイング――――やはり、身体能力も相応にあると見るべきなのだろう】
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/07/27(土) 21:51:53.48 ID:gchp38/1o
>>127

【僅か、先手を受けた二人を思う優しさの為に不意打ちを食らったセリーナを振り返るも】
【一斉にこちらを向く瞳が視界の端に入り、ぞわりと肩を震わせながら己の集中をそちらに向ける】
【元より余所を顧みる余裕のある相手でも無ければ、己の助けの要るような者もこの場にはいない】
【攻撃の向かい来る先を見定めんとするように、瞳の群れを睨み付ける】

チョッ、トォ!? 急に本気出し過ぎだッ、テ……ッ
随分とせっかちな美女(マルアジャミーラ)だ、な!

【広範に渡って己の周囲の空間を全て暴力で埋め尽くすような攻撃に、再び前転に近い動きで前方斜めへと回避する】
【長躯を縮こまらせてなんとか水圧のレーザーから遠ざからんとするものの、その範囲故に完全に逃れる事は叶わず】
【まるで爪かなにかで力をかけて削り落としたかのように、ベストごと背中の肉を抉られる】
【後方に逃れれば、或いは横方向ならばもっと被害は少なかっただろうが、それでは相手に近付けはしない】
【いっそこの巨躯を相手にするならばある程度近付いて、との判断か】

【相手の撃ちだした水そのままは相手の支配下であり、それを己の力でどうにかする事は出来ない】
【けれども支配の解けてただ流れるままになった水は、別だ】
【エネルギーを昇華しきって水たまりを形成し始める水に、魔力とかりものの星の力が仄かに宿っていく】

……元々ヒトの子たる俺ノ言葉など軽くあしらわレ、聞いちゃいないだろうし
今の御前に俺ノ言葉が届くかどうかなンて分からないケレド
生き物としテ、力量も知性も肉体も全て貧弱なヒトが、何故御前に立ち向かうか。ソノ答えを聞かせてやる

【痛みに明らかに顔を歪めて脂汗を掻きながらも、絞り出すような声で訥々と言葉を零す】
【迫りくる火矢に弱音じみた吐息を洩らすが。その視界に映る瘤の脈動、双方に視線が揺れ動いて】
【一つの水刃は弾けるようにしてナウファルのすぐ上空に散開し、辛うじて程度のバリアを張る】

あグ、ゥ……ッ!
“行け”、途中で撃たれるなヨ!

【無論多少の水の障壁では、強大な力の主によって撃たれた火矢を防ぎきる事は出来ない】
【軽減し切れなかった熱と火が、未だ鮮血を噴き出す傷を舐めて症状を悪化させる】
【先の防御と共に撃ちだした、あえて障壁としなかった水の刃は火の雨の間を縫って】
【水の瘤に狙いを定め、その内部へ魔力と共に入り込もうとするだろう】
【狙いは浸蝕、力の軽減かあるいは反転。星の力は清流、水と聖に近いか――】
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/27(土) 21:53:11.20 ID:S32sC4wNo
>>127

【―――左腕が、動いた。多重攻撃のなかでも自身へと向かい来る一撃をしっかりと、捕捉し――セリーナは身体を翻す。】
【正面から向かい来る左腕が、七つの指と、その先の鋭い爪を煌かせてセリーナへと迫るが、ギリギリまでそれを引き付ける様にし】
【当たるか、当たらないか瀬戸際のところで右方向へと身体を捻り、そのまま右手を突き出す――此方も負けじと、"弾"末魔による】
【牽制射撃を撃ち放ち、攻撃を開始――恐ろしい左腕による一撃を反らしながら、ガンスピンさせた銃身が相手を向いた時にキャッチ】
【まず一発、相手の能力を見る為に撃った。しかしそれはあくまで本体への直接攻撃、魔弾ではどこまでの効果があるのか――未知数だ。】

―――、おおおおォォッ!!
(チッ――!もう、言葉すら理解できないって言うのかい・・・問い掛けに答えることは愚か、まさか挑発すらしてこないとはね・・・っ!!)
(リリア―――・・・ううん、もうその名前で呼ぶ事すらも――・・・無意味、か。)

―――結局、アンタとアタシは、剣を交える事でしか・・・時間を共有できないみたいだね、"ガイスト"。

【――刹那、火花が散る――ティターン・アーマーの表面、回避したと思っていた爪の一部が微かにだが、当たっており――】
【炎の線を残す、まるでバーナーか何かで焼き切る様にして出来た傷跡――直撃すれば魔導鎧といえど、どうなるか。】
【しかしここで一つの攻撃計画がセリーナの脳内に浮かんだ、月彗に向かった攻撃は炎のブレス】
【自身を襲った爪での攻撃にすら、炎が加味されている――しかし次にナウファルへと向かった強烈な斬撃は、まさに水圧カッターの其れ。】
【続くカニバディールの攻撃は氷、そしてそのたびに変化するのは――そう、瘤。属性攻撃を指揮しているのはあの、瘤か。】

(―――確認できてるのは水、炎、氷の三種類・・・そして其れに合わせたように、ぴったり瘤が伸縮を重ねてる・・・)
(つまりは、"狙い所"って事。なんだか卑猥なモノを想像してたけど、どうやら見た目に反してアレが――攻撃の起点、か。)

【しかし連続させて次々に属性攻撃を変化させ、組み合わせ、大きな攻撃へと変化させるその戦闘形態、非常に厄介だ。】
【大多数を相手にこの大規模攻撃――凍り始めた室内に、アーマーの魔導機関の動きも影響を受け――鈍る。】

・・・! まずいッ!!
このままじゃ冷凍食品よろしく固められるのがオチだ、悪いけどチルドは御免だよアタシはッ!!

>>ALL(>>133>>134>>141

――ちょいとっ! みんな聞こえるかいっ!?アタシの推測が正しければ――あの滅茶苦茶な属性攻撃の"起点"は、あの瘤に違いないッ!!

なんとかアレさえ鈍らせれば――本体を叩くチャンスも増えるッ!属性には属性を、目には目を、ってワケで――アタシに考えがあるッ!!

【セリーナは全員に聞こえるよう、声をかけて―――後方へと、大きく下がる。】
【そのまま"弾"末魔を腰溜め撃ちで射撃し、前面に召還陣を展開――巨大な"武装"を呼び出すッ!!】

――そういう性分なのか、"アッツイ"攻撃が得意なモンでね・・・!氷の瘤はアタシが炎で潰すッ!!
残る水を何とかして欲しいのと――アタシの"武器"、呼び出して使うまでに時間が掛かるッ!だからちょっとの間、攻撃から防いで欲しいんだッ!

――色々と因縁があるメンバーが集まったと思うんだけど・・・みんな考えてる事は一緒だ、そうでしょ !
協力しないととてもじゃないけど――全員ここで堕ちるハメになる、そんなの勘弁願いたいと思わないッ!?

――ってワケで頼んだよッ!デカイの一発、ブチ込むからさ―――!!

【召還された巨大な武装が、空間内にイン・ストールされ――鎧を纏ったセリーナの胸部装甲を丸呑みするような形で、装着される !!】

                       ――――竜王咆哮<ドラグーン・キャノン>

【――胸元を食い破るような形で、龍――ドラゴンの主に頭部、口内を模した機械仕掛けの武装が、セリーナの元に現れる。】
【心臓からドラゴンの頭が生えているような、奇妙な光景――しかしそれは生きた本物の竜ではなく、あくまで魔力をエネルギーに動作する】
【ある種固定砲台とも呼べるセリーナの切り札の一つ――ドラゴン型キャノン<大砲>であった。】
【ゆっくりと、武装のチャージが始まり――竜がその鎌首をもたげ、次第に口の内部が開いていく――並んだ牙が輝いた。】
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/27(土) 22:02:34.71 ID:LHkWI69T0
>>139

ク……ハハハハハ!!
貴殿のことは、冷徹な処刑人であると思っていたが
中々どうして芯の通った御仁よ!!

【殺人的加速を開始しながら、ガガルルは獣の如き笑みとともに吼える】
【武人であり、狂戦死の気を持つガガルルは】
【相対する相手が強大であり、また人間としての格が確かならば喜びとなる】

覚悟なくして剣を握れなすまい!!
己の主君の命なれば親兄弟であれど首級をあげるのみ!!
女王陛下への忠信と、一族の繁栄こそが我が全てである!!

行くぞFear殿!!
我が剣に迷いなく!!この一振りこそが何よりも覚悟を示すことであろう!!

【Fearの狙いは成功、ダガーナイフは脇を通過し】
【グレートソードにワイヤーロープが巻きつく結果となる】


お……おおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉ―――ッ!!!


【この行動に対して、ガガルルの取った行動は実にシンプルなものであった】
【ワイヤーの巻きついたグレートソードを……そのまま前方に振り下ろした≠フだ】
【身の丈を超える鉄の塊を優々と振り回す驚異的な膂力】
【妖精族の加護により強大に膨れ上がった腕力を使いに】
【飛び上がろうとするFearを力任せに地面に叩き付けようとする】

【だが行動としては原始的で実に読みやすいものだ】
【攻撃が大振りであるが故に行動後に大きな隙を生じさせることとなる】

(……さて、貴殿はどう出るか)
(私の予想の範疇に収まるか、私の一手より更に先を進むか)

【――腰の長剣に、蛍のような淡い光が灯っていた】
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/27(土) 22:03:40.37 ID:0c83V7Zzo
>>131
【ぬかるんだ土を踏みながら男が振り向く、下駄の歯が半分程埋まりながら、トロンと半分閉じた隻眼が、八攫を見た】
【ふわりと漂う酒の匂い、前髪で左目は隠れていて、ニヤついた口にはイカのゲソを咥えたままの、まるで覇気の無い表情】
【酔っ払いが迷い込んだ、と思っても不思議ではない】

───リリア?…誰だっけ、そいつぁ…
…まぁ、どうでもいいじゃあねぇか、そんなのよぉ

面白い所があると聞いて来てみりゃぁ、確かに建物は面白ぇ、部屋だっつーのに外みてぇだ
…だが、中にいる奴等はとんだ拍子抜け、これじゃ天狗の山守ってた方がまだ良かったぜ

【髪を掻き分け頭をガシガシ掻きながら、気の抜けそうなゆったりとした口調で、対象的に呑気に返す】
【刀の様に鋭い八攫の雰囲気に対して、彼は異常なまでに呑気で落ち着いていて、ゆったりとしていた】
【だが、確かに周りの悪魔をこうしたのは彼のようである。傷一つ無く、言い方からすれば、彼にとっては取るに足らない相手だった様子】

【───土が跳ねる、水溜りが飛び散る。刹那の一瞬脈絡もなく、男が駆け出した】
【刀は抜かず、表情もニヤついたまま変わらずに、しかし物凄い早さで地を駆ける】
【接近を許してしまえば、次の瞬間、彼の右手の手刀が水月(鳩尾)に突き出される。硬く揃えた指先は、まるで槍のように突き刺さりはせずとも───】
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/27(土) 22:10:26.68 ID:72nxfNXco
>>137

避けないってどういう──!!
……そう、そういうことね…………

【微動だにしない男と確かな手応え】
【初撃を以て相手の動きを見るつもりだったが、これは余りにも予想外だ】

死体を並べたやつが悪趣味なら、あんたの能力もなかなか悪趣味だわ……!
ったく……!こんな変な所でこいつらの仲間入りするつもりなんて毛頭ないわ。

【6の死体が立ち上がるのを見て、改めて剣を握る手に力を込める】
【すると、長剣から滲む魔翌力に宝玉の欠片の力、炎の魔翌力が混じって】

【アンデッド達の突進がある程度近付いたところで一歩程飛び下がれば、身を捻るようにして長剣を右から左に振り抜く】
【光の一閃が走れば、刹那の後にそこを炎がなぞって】

くっ…… 、私の凄さを思い知るのはこれからよ!

【全てを同時に攻撃する事は叶わない為、タイミングのずれたものは完全には防ぎきれず】
【それでもダメージはかなり減らすことができた、ならば反撃へと】

【長剣を振り抜いた姿勢から、そのまま反時計回りに身を捻りながら男の方へ身を跳ばす】
【接近が叶ったなら、勢いのまま短剣で斬りつける。高さはおよそ胸の辺りだが、こちらは炎はない】
【そして成否に関わらず、着地と同時に再び後ろへ跳んで距離をとるだろう】
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/27(土) 22:11:21.36 ID:lzCLN7Rjo
>>143

【――――――舌打ち一つ、空中に上がった彼の声が漏れた】
【小柄な身体に一体どれほどの力を秘めているのだろうか、ただでさえ重い大剣】
【それに青年一人分の体重が加わっているにも関わらずまるで手足のように扱うその筋力に】


ぐっ……ぉっ……あああああッ!!!


【空中でバランスを崩したなら、まるで足場がいきなり崩れたかのように】
【硝子細工の廊下を歩くには、少々彼の足取りは重すぎたようで】
【滴り落ちる粘膜のよう、剥けた一筋の涙の憧れが如く】

【地面に叩きつけられるその痩躯、青色が夜をなぞったなら】
【強い音と共に、彼の体が地面へと押し当てられるだろう】
【しばし苦悶の声を漏らしたなら、少ししてようやく立ち上がった】


はぁ……はぁ……なるほど……大した覚悟だ
だが、甘い――――――貴様の言葉は、どこまでも理想を謳う寝言にすぎない……っ

迷い無き剣など、穢れ無き力など――――――
ただただ読みやすい児戯にすぎない……ッ!!


【立ち上がったなら右手に新たなダガーナイフを握らせるだろう】
【肩幅に開いた両足、わずかに膝が揺れるのは、響いたダメージの重さを伝えるのだろう】
【無表情が傾いたのはきっと、その評定に僅かな揺れが生まれたのは――――――きっと】

【間髪入れずに右手のダガーナイフを投擲するだろう、狙いは彼から見て右】
【貴方のまたがる獣の右足へと突き刺さる軌道だ、だが読みやすいだろう】
【回避はそう難しくないだろうが――――――】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 22:14:02.89 ID:N+8HN2DCo
>>129

【各地で発生する激戦―――その中の一つに突如、ばたんと音を立てながら】
【悪魔とガンマンの戦いの中に乱入してくる者たちが一人】


ムク!こっちでも戦いが始まってる!味方側が不利っぽい!
俺たちも加勢するぞ!

「うむ、存分に戦うといいわい!カラクリの嬢ちゃんに朗報を持ち帰ってやるとするかのう!」


【さらっとした柑橘系の整髪料の匂いが漂うさらっとした茶の短髪にきりっとした目に真っ赤な瞳に整った鼻筋】
【水色の質素な短袖シャツを白い柄シャツの上から羽織り、ひざ下まで伸びた黒よりの灰と黒のストライプのハーフパンツに赤のスニーカーの青年】
【肩にはリュックサック風のバックを持ち、首には赤いマフラーを巻いている】

【その青年は全長2mほどの上から見ると細長い六角形のような形をした重厚な箱―――人一人が入れそうな高級感の溢れる箱を引いていた】
【形はさながら棺、と言う他ないその上に居座るトイプードルが上を向きながらその青年と応答し合っている】


そこのあんた>>138!!―――マーシャルってのはあんたの事だよな
相手はなかなかデカそうだ!俺もあんたに加勢するよ!

「うむ、久方ぶりにアレを使うほどの戦いになりそうじゃからのう!存分に暴れさせるいい機会じゃあ!」


【部屋に入るなり彼はマーシャル・T・ロウの隣まで棺桶を引きずって近付くと、加勢を申し出てくる】
【彼の力量、戦術などは不明ではあるが、味方にするだけの価値はあるかもしれない――――?】

/剛太郎、今から行きます!
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/27(土) 22:15:08.94 ID:uwHa8AL8o
>>133>>134>>141

【火の矢が降りしきり、肉瘤が撃ちぬかれ、隙を晒す。されども、ギブアップではない】

【先ずデュアル兄弟の放った泥が顔の左半分に当たった。当然、いくつかの穴にソレが入り込み】
【しかし直後に当たるはずであった泥の刃は意味を成さず、振るわれた龍の腕に払い落とされた】
【普通ならば顔を潰せば目も潰れるが、運の悪いことに彼奴は28の瞳を持っているから――当たり前、か】

【さてそうなるとリリアの反撃。瞳の半分がカニバディールらに向く一方、もう半分は月彗に向いた】
【理由は単純、自分の毛嫌いする力を感じたから。そして僅かに数瞬あってから、2つの瘤≠ェ浮かび上がり】


【氷の方は、月彗へ。水の方は、カニバディール・デュアル兄弟の方へ。それぞれ一挙に伸びていき】
【まるで拳を伸ばして押しつぶすかのように、瘤を支える柱ごと伸ばして叩き潰しに掛かる】
【潰されれば勿論――それは良い。問題はそれぞれの属性をはらんだ魔力が、衝突の衝撃でぶちまけられることだ】

【水の瘤が潰れると、周囲10mに渡って強烈な水のカッターを撒き散らす。――火は、消えるかもしれないが】
【同時に命の灯火まで消しかねない一撃だ。尚、カッターのサイズは一つが1mほどもあった】
【しかし幸いなことに、ここでナウファルによる水の瘤への介入≠ェ功を奏し】
【カッター自体は発生するが、僅かに一回放たれるのみで済むだろう。回避出来れば、それこそ隙だ】


【次に氷だが、これは単純。瘤を打ち付けた地点を中心に、周囲八方向へ氷柱が突き出すというもので】
【その場に立っていれば串刺しは免れない他、数秒すると崩壊して破片が飛び散るのもガラスに似て、ひどく危なかっしい】
【ただ、カニバディールらの方へ行った水のものよりは回避が容易い。起動は容易に読むことができる】

【そしてまた、この攻撃は2つの弱点が二組の戦士に自ら近づいてくる≠ニいうことを意味する】
【――どう対処するかは、各々が決めるしか無い。放っておけば、瘤は元の位置へ戻ってしまう】
【またナウファルはこの状況だと遊撃≠フ位置になるのだろうか。何も、瘤そのものを攻撃する必要はない】
【それを支える柱のほうが彼に近い場所にあるだろうし、本体もそう―――但し、マトモに待ってくれないのは瘤と同じで】

/続きます
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/27(土) 22:15:30.68 ID:uwHa8AL8o
>>142

【セリーナの撃った魔弾は黒龍の身体を穿つ。しかし、無数に枝分かれした尻尾が周囲の死骸に伸びていくと】
【亡骸に先端を突き刺して、養分を吸い取るように枯らしてゆき――すぐさま傷は元に戻ってしまう】



  【さて。恐らくセリーナは――それに他の面々も、この黒龍がセリーナに何かしかけるはずだ、と思っただろう】
  【氷の塊を降らせるとか、尻尾で攻撃するとか、そういう類のを、だ。だとしたら、それは大きな間違いである】

【黒龍は、セリーナ・ザ・"キッド"が<ドラグーン・キャノン>を構えたのを見るやいなや、瞳の全てをそちらに向け】
【相手が充填を始めるよりも早く―――まさか、だ。攻撃なんぞする必要はないとばかりに、走りだした≠フだ】
【体躯はゆうに大型トラックを超える。それが両手足を使って、セリーナ一人を狙って突っ込んでいくのである】

【その折、他の面々は見るだろう。黒龍の背に瘤の柱、その根本があること。そして、背面に2つの生命体――】
【半魔≠セろうか。知る人ぞ知る、『ナチュラル・ウォル』と『キルフェ・ド・ゴール』の遺骸が突き出しているのを】
【攻撃のチャンスと見てもいい。一方で、セリーナを守るために行動してもいい。但し、止め方は誰も示してくれはしない】


【――いや。誰かが何をしても黒龍は止まらない、ということだけは確実だと記しておく】
【本体の防御力や再生力はそれ程に高かったし、進むだけでも床や死骸が飛び散って、それが攻撃となるほどで】
【もしもセリーナが避けずに攻撃しようというのなら、直進する黒龍に肉薄して撃ち放つ事も出来るだろう】
【その場合、巻き込まれるのは覚悟せねばならない。そこの判断がセリーナに出来るかどうか、だ】


>>ALL

【それから、黒龍が退いたことによって壁に窓があったことが判明した】
【その窓からはある船≠ェ見える。フェルディナンドという男が運転するシルフ≠ニいう空飛ぶ船だ】
【見ると、何か赤や金の煌めきも垣間見え――或いは月彗などは、色が人の物だとわかるかも知れず】

【また別に、ナウファルは水を使う分、そこに霊的な干渉が加わるのを強く感じるかもしれない】
【敵は最早リリアだけのはず――だとすると霊的な存在、とはなにか――。何か時空が砕けるような音が、周囲に響いた。】
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/27(土) 22:20:30.20 ID:uHSqHf+go
>>138

ふゥむ、……母の思いなら受ゥけ取ってくれるだろうと思ったが、流ァ石にそこまで甘ちゃんじゃあねェか
ヒャハハハ、まァ良い……あァの程度で終わりとはテメェーも思っていねェだろうしな

【回避されたレーザーが当たるのは、無論床――カオスに染まり、もはや原型すらわからないが】
【それが大きく抉れ、辺りに大小様々な破片を散らしたという事実は、それが破壊不可能なモノでは無いことを示す】
【……そもそも、それは辺りに浮いている破片と同一の素材のようだ】
【そして、抉れた場所は――凍てついた焼け野原のようで、――植物が茂っては、バラバラになり死ぬ――やがては他の床と同じとなる】


ほォ〜ウ、よく解ってるじゃあねェか……確かに、悪魔と一口に言っても"善良""中庸"、そして"邪悪"が存在している、人間共と同じ様にな
確かに俺様は"邪悪"だ、――が、そォんなのは関係ねェ……俺様は、混沌が進化を齎す事を、そォの素晴らしさを、ばら撒いているだけだからなァァアア
テメェーら正義がグゥダグダ言ィおうと無ゥ駄だ……混沌の何が駄目だ? 最ッ高じゃあないか……


そォれに、人間共が混沌に阿鼻叫喚するあの姿は最高だからなァァアアッ!! 荒ァれろ! ヒャァァアアーーーハッハッハッハァァアアッ!!!

【発せられる、どの位の広さなのか非常に判りづらいこの空間にですら、大きく響き渡る大声】
【嗚呼、色々言っているものの、結局は私利私欲の為に動く邪悪には変わりない】
【そして、持つのは無駄に大きな自尊心と、傲慢な心と――】


……"オメテオトル"! そォんなヤワな攻撃なんざ、はね返しちまいなッ!!

【大蛇も、易々と攻撃を受ける道理は無い、眼から発せられる"闇属性の魔力"はまるで鏡のように灼熱弾を反射し、天井へ返したと思えば魔力は砕けて】
【そして、蒼い弾丸は噛み砕こうとする、……が、これは誤った指示以外の何ものでもなかった】
【無論、噛み砕こうとしたならば口は閉じる。口内が凍て付く。】 【……悪魔が舌打ちを一つすれば】

っちィ、氷結弾か……! だァが、こォの程度で封じられたとは思うなよ――
……"召喚士の本体は弱い"――そォんなイメージを粉々に砕いてやるッ!!

【悪魔の牙もまた剥かれる。――】 【両手に集められた魔力が成す形は、……一本の"剣"】
【さて、これで斬りかかるのかと思えば――……ぶん投げた】
【狙いは腹部、魔力を固めて作ったそれは、本物の剣に近い性質を持つが――少々強度不足か、破壊は容易】
【問題は、剣を生成した後も手に魔力が残っていることだろうか、明らかにこれで終わりではない】

【……が、右脚を庇って動いていた事には明らかに気付いていない、この辺りの注意力不足は後々にどう響くのだろうか】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/27(土) 22:29:45.55 ID:Ly7LyrDLo
>>140

フリー同士の繋がりか、興味深いね
でも人間は社会的生き物だからね。君みたいに組織に属さずに逞しく生きていける人はごく少数だよ
――と、雑談はこれくらいしにしたほうがいいかもね

【組織に属さないからこそ生まれる、人と人との繋がり】
【それは実利にとっても興味深く、場所が場所なら会話を掘り下げて見たかったが】
【ここは戦場。互いにそのような暇はない】

――ちっ!

【多少の傷は与えたものの、突きは受け流された】
【そして振るわれる棍】
【どちらも魔術ではなく体術――実利の不安は的中した】
【この男、接近戦でも相当な強さだ】

ぐっ!?

【自らの脚に向かっての攻撃を目視し】
【後ろに退こうとするが―――突きの勢いもあり、間に合わない】
【左足に棍の一撃を受け、転倒しそうになるが―――なんとか刀を床につき、踏みとどまる】

痛っ……折れてはいないみたいだけど、効くね……
レグルス、君は「接近戦もできる魔術師」……いや、どっちかというと「魔法も得意な棒術使い」なのかな?
まあどっちでもいいか

【相手に語りかけながら、体勢を立て直し、少し距離をとる】
【体を纏っていた「黒紫の煙」は、ダメージを受けた左脚の部分に多く集まってきたことから】
【「煙」には、身体能力を補う効果があることがうかがえる】

君は普通に戦って勝てる相手じゃないみたいだ
悪いけど、この舞台を利用させてもらうよ

【―――パチン】
【実利が指を鳴らすと、奥にあるもう一つの扉が、重々しくゆっくりと、開く】
【すると、冷気が白い煙となってその奥から溢れ出る】
【奥の部屋は、この部屋よりもさらに温度が低いようだ】
【すぐに、あふれ出てきた冷気は2人のいる場所に到達するだろう】
【炎の魔術にどの程度影響するかは未知数だが―――】

さすがに寒いね、−15℃から−20℃くらいかな……

――ちなみにこの扉の奥にはね、とてもとても、大事にものがあるんだ

【扉の奥は、まだ白い冷気によって、よく見えない】






152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/27(土) 22:33:52.07 ID:LHkWI69T0
>>146

ふっ、異な事を!!理想なくして物事は語れまい!!
理想を夢現の寝言ではなく、確たる真実とするために剣を振るうのだ!!

貴殿とて、それは同じであろう―――ッ!!

【グレートソードを雄雄しく振るいながらガガルルは応える】
【己の心に秘めた想いを、信念をぶつけるようにして】

【今は多少優勢であれど、Fearの常識を覆すトリッキーな動きは】
【気を抜いた瞬間に首を刈られてもおかしくはない】
【心を緩めず、真っ直ぐに相対する敵を見据えながら、ガガルルは次なる行動を開始した】

児戯であるかどうかは己の身で確かめるがよい!
行くぞブルベガー!!我らが研鑽を重ねた武威を、今こそ示す時ぞ!!

【ガガルルは、グレートソードを腰だめに構え大蜥蜴を駆る】
【三度目の突撃、愚直ともいえるほど繰り返される疾走であった】

【その最中――】

むっ……気をつけろ、ブルベガー!!

【――飛来するダガーナイフ】
【大蜥蜴は足を上げて回避しようとするが】
【距離と投擲の速度、そして突進の際についた勢いから回避は適わず】
【ブルベガーの右足に深く突き刺さる】

【痛覚が弱く、硬い鱗と厚い肉を持つため血を流しながらも疾走を止めないが】
【わずかにその勢いは落ちていた】

(あれは……先ほども見た異能っ!!)
(次の行動に繋がる布石と見るべきだが、未だFear殿の技の全容が見えん)
(上か下か、はたまた正面か……クク……面白いではないか!)

【無論、ガガルルはこれがただの攻撃だとは思っていない】
【これから何らかの必殺の動きに繋がるであろうと予想している】
【しかし、能力の詳細が未だ掴めていない現状、何をするかを見定めることは出来ない】
【ガガルルは小さく臼歯をギリ、と噛み締めた後】

フン――――ッ!!

【突進の勢いをそのままに、グレートソードを横薙ぎに払い叩ききろうとする】
【軌道は単調であるが、その攻撃範囲と威力は驚異的なものがある】
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/27(土) 22:34:04.63 ID:uHSqHf+go
>>147

……ちィッ! 戸締り忘れてた、正義の野郎がまァた入って来ィちまった

【あの時扉を閉めていれば――そう後悔しても仕方はない、己の敵が入って来たならばすることは一つ】
【……"殺す"、ただそれのみ】

さァーて、2VS1とは卑怯じゃあないか……と言っても説得力はねェな!
ヒャハハハ、今は間が悪い……母の口が凍てついちまってるからなァァ

【口内が凍てつき、開けなくなった大蛇――しかし、無理矢理こじ開けようとしていると言うよりは】
【なるがまま。それに対しては抵抗一つしていない】 【だが、"これで封じられたとは思うな"――解除の可能性は大いにある】

と、いィうわけだ!

どォれ、……テメェーにも剣を投げるのは芸がねェ――喰ゥらいなッ!

"エレクトロイダー"ッ!! 俺様の素ゥん晴らしさに痺れ慄けッ!

【入って来たなり早々の歓迎会。悪魔の右手から、黄色で40cm程の蜘蛛が現れたかと思えば】
【おおきく振りかぶって……結局は、ぶん投げる】

【勿論、ただの蜘蛛ではない――近づけば近づくほどわかる、その全身に纏っているのが電気だということが!】
【当たれば痺れるが、そこまで強い電気ではなく――せいぜい軽い火傷を負う可能性が有るくらいか】
【だが、殺されなければ、その蜘蛛は地面に着地して、また次の何かをするに違いない】

【手の魔力は――蜘蛛の召喚に使ったせいか、減ってはいる。……残ってもいる】
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/27(土) 22:35:41.55 ID:3UH2Ljdeo
>>148>>149

――……ちっ

【呼び掛ける声が聞こえた。協力、などしたくもないのだが状況は酷く逼迫している】
【最終的に舌打ちを返答にした月彗の周囲で、膨大な力を煮詰めて固めたような気配が沸き上がった】
【少し後に氷の瘤が襲来する事となるが、その瞬間にはもう梵字も月彗も其処には無く】

【顕現したのは、2mを越す筋骨粒々とした体躯の仏が計12体】
【各々に特徴を持ち、身体の周囲で幾重にも咲く蓮のあしらいが荘厳で】
【来光を背負い、武士の甲冑を纏い、手に戦闘の為の仏具を携えるその姿は】
【例えるなら丁度、仏像と仁王の中間に位置していた】

【毘伽羅 、招杜羅、真達羅、摩虎羅、波夷羅、因達羅】
【珊底羅、摩尼羅、安底羅、迷企羅、伐折羅、宮毘羅】
【中央の薬師如来たる月彗を守護する――“十二神将”】

【属性は“浄化”。善も悪も全てを呑んで受け流す中庸の力】
【それを全身に纏った神将達は、眼前に晒された氷の瘤目掛けて一斉に襲い掛かる】
【斬り掛かり、或いは殴り付け、或いは矢を放ち――それら全てが浄化の力を持つ】

【長い隙を晒した結果の渾身の一手、これ以上を持ち得ない程の攻撃】
【セリーナ(>>142)の要請に答え得るだけの力量、物量、集中放火だ】
【一体一体が並大抵の強さではない――黒龍本体が止められないにしろ、せめて氷の瘤の破壊は叶うだろうか】
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/27(土) 22:43:34.92 ID:/4qd6fvHo
>>145

まあ、そう言うなよ。この"能力"がねェと、仕事が出来なくなっちまうからよ。

【少女の方を振り向き、そう言いながら、男はやはり動かない】

―――― 俺だって、こんな陰気臭ェ所でお陀仏、だなんてゴメンだ。
まさしく文字通り、ミイラ取りがミイラになるってか。笑えるぜ。

【カクカクと、男の近くに浮かんだままの"死体"が、まるで笑っているかのように首を上下させる】

はァん、炎ね。丁度良いぜ、そいつら纏めて火葬してやりな。墓穴掘る手間が省けるってモンよ。

【炎の一薙ぎ。なるほど、骸がある程度一点に集中するタイミングを見計らって斬り伏せたのだ】
【しかし、斬り漏らした骸が飛散させた骨片や肉片が、彼女に僅かながらダメージを与えられたようだ】

【その一薙ぎから、流れるような動作で少女は、今度は左手に握った短剣で攻撃を仕掛けてくる。だが……】

おいおい、ここまで来るような女の子だ、ひょーっとすると“バケネコ”じゃねェかと思っていたがよォ……。
―――― マジに“子猫ちゃん”みてェだな、いたずら好きのキティには、お兄さんがキツいお灸を据えてやるよ。

【少女の短剣の動きを見切ると、浮遊したままの死体を難なく胸の前に移動させる】
【先の斬撃でこの死体も“傷”を負ってはいるが、斬り抜けの斬撃如きで切断出来るほど人体は軟らかくない】
【例え腐敗がいくらか進んでいても、未だ肉壁としての役割は果たすだろう】

だァが……。

【短剣の斬撃を屍肉の盾で防いだ後、バックステップで間を取った少女を睨んで言う】

命の駆け引きだ、あンまり舐めたプレイングしてっと、寝首を掻かれそうなんでな。

さっき墓穴を掘る手間が省ける、と言ったがァ……
―――― お前さんの分の墓穴は掘らねェといけねェようだわ。

【先ほどの短剣の斬撃を防いだ死体を放り投げ、新たな死体を周囲に浮かばせ次の盾とする】
        リアニメイト
―――― "骸の造成"。

【男が再びそう呟くと、また新たな死体が浮かび上がる。今度の数は4。全て腐敗があまり進行しておらず、肉が付いたままだ】

さァーっきも言ったがよ、周りを見てみろ。此処は死体だらけだ。
で、俺は死体をアレコレ出来る能力持ちだ。キティの頭でも考えれば解るだろォ?
―――― お前さん、もう詰ンでんだよなァ。

【そして前回と同様に、またもや死体を操り、少し離れた場所にいる少女に向けて飛ばす】
【4体の死体はほぼ横一列に並び、少女を追い詰めるように向かう】
【これならば、さっき少女がやってのけたように、炎を纏った長剣の一薙ぎで容易く防げるだろう―――― しかし今回は……】
     コープスエクスプロージョン
―――― "死体爆破"。

【男がそう呟くと、4体の死体が一気に爆ぜる】
【まるで火薬でも孕んでいたかのような、衝撃、爆風。そして何より、飛び散る肉片、臓物、骨片……!】

【いずれも小規模な爆発だが、面の起爆だ。ただステップを踏んだりするだけでは、回避は難いだろう】
【小規模なれど直撃すれば、当然、命に関わるだろうが、彼女が何らかの方法でこの爆発から免れるか、あるいは死体が爆発する前に、死体をどうにかすれば……】


【男は余裕の笑みを浮べている。それも当然。此処は彼の有利なフィールドなのだから】
【死体を自在に操り、爆破までやってのける異能。そして、彼の周りに纏わり付く肉壁。更に、無尽蔵に横たわる死体の山、山……】
【真正面から寄った所で、肉壁に阻まれ、その刃は彼には届かないだろう。何らかの方法で彼の虚を突くか、あるいは肉壁ごと……】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/27(土) 22:45:41.49 ID:4v2xp32To
>>148
【デュアル兄弟は、攻撃の行方を見て、揃って顔をしかめる。さすがに、目を直接狙うのは短絡過ぎたか】
【さらには、14もの瞳が自分たちに向けられる。一瞬が永遠のように、しかしやはりその時はやってくる】
【瘤が伸びる。本来なら異様な光景だが、状況が状況だ、驚いている暇もない。まずは、デュアル兄弟が焼けた身体に鞭うって跳躍】
【そのまま、素早く動けないカニバディールを突き飛ばす形で瘤の攻撃範囲から逃れる】

【最悪の事態は避けた。しかし、続く魔力の奔流はそうもいかない】
【デュアル兄弟は、回避後の隙ですぐには動けない。ならば】

……身体を伸ばすことにかけては、負けはしないぞ

【カニバディールが素早く身を起こし、再び膨張する首後ろの肉。真新しい火傷の跡を残す肉が、先ほどよりも速く膨れ上がり、伸びていき】
【肉の壁となって三人の異形と水のカッターの間に立ちはだかった。当然、1mものカッターは見事に肉を切り裂く】
【派手に鮮血が噴き出すが、次の瞬間には肉塊は分離していた。それ以上のダメージは避ける】
【苦痛は感じるが、気にしてはいられない。目の前に、チャンスがぶら下がっているのだ】

>>142
……正義組織のリーダーと共闘する機会など、今をおいて他にはないだろうからな
いいだろう、私はこの水の瘤を狙う

【セリーナの言葉に反応し、カニバディールがアンチ・フリークス・ブラスターのスライドを引き直す】
【即座に射撃姿勢を取り、銃口を向ける。淀みない動作だが、果たして瘤が退くまでに間に合うか】
【攻撃が当たるかどうかにかかわらず、引き金は無骨な指に引き絞られるだろう。銃声がこだまする】
【魔を打倒してきた伝説の武具の再現、数々の術式が施された特殊弾。再び解き放たれ、水の瘤を砕かんと飛ぶ】

【強大な重火器の反動は、カニバディールの巨体に抑え込まれる。しかし、それは反動を抑えるのに意識を裂いている、ということでもある】
【次の攻撃を、果たしてかわせるか――?】
【アンチ・フリークス・ブラスター 残弾 3/5】


>>149
【カニバディールが攻撃に転じる間、デュアル兄弟は体勢を立て直す】
【その四つの瞳に映る光景。流が背負う瘤の根元。突き出す異形の死骸】
【これだけでも凄まじい光景だが、次の瞬間にはさらなる驚異】

『おいおい、その図体で突っ込むのかよ!?』
「無茶をする……正義のリーダーには悪いが、これはさすがに止められぬな」

【それを見て、兄弟は即座に止めるという選択肢は捨てる。下手に近づけば自分たちも巻き添えになりかねない】
【飛んでくる死骸や床は、自分たちやカニバディールにも襲いかかるだろう】
【ならば、今すべきことは。先の死骸の吸収が頭に思い浮かぶ】

『仕方ねえ、いつも通り汚れ仕事の溝攫いと洒落こむか、兄貴!!』
「我らには、似合いだな」

【龍が突撃によってどいた後。龍の身体から少し離れた空間に散らばる死骸の数々】
【死者への冒涜など、数え切れぬほどしてきた双子だ。ためらうことはない】
【立て続けに泥と砂が乱射され、周囲の死骸を破壊し、吹き飛ばしていく】
【破壊された残骸はさらに細かく、部屋の隅へと押し流される。吸収する余地もないように。敵の回復手段を奪う算段】
【攻撃を、ほかの面々に任せた他力本願とも言えるが。果たして、この行動に効果があるのか】


>>ALL
【後ろの窓や、空飛ぶ船には気を配る余裕はない。他のメンバーの動向を確認する程度だ】
【そこからの霊的な干渉にも気づくことはなく。ただ、何かが砕ける音だけを意識の端で聞いた】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/27(土) 22:46:03.23 ID:lzCLN7Rjo
>>152

【舞い上がる鮮血、夜に交じる淡く鮮烈なその色合いは】
【チューブから直接塗りたくったかのような原色が如く】
【紡ぐ言葉の裏付けをきっと、そうして見つけたかったのだろう】


……違う、俺は――――――俺であるために剣を振るう
能力者の殲滅は俺の理想ではない、意義だ
俺が俺であるための、俺の唯一の存在意義

だからこそ、誰にも否定はさせない
……分かるか、これを曲げてしまえば、俺はもう、俺で無くなる……っ


【高速で接近する巨体、右足にダメージを与えたがそれだけでは意味が無い】
【だが小細工を使おうにもその圧倒的な力の前では最早意味をなさない】
【それならばもう、ただ真っ直ぐにすべてぶつけるだけなのだろう】

【眼前に迫るグレートソード、回避しようにも広く、強い攻撃だ】
【速度も載っている、突進の勢いをそこに加えているのだから】
【それはまるで炸裂する銃弾のよう、触れる者すら消し飛ばす、悪意なき弾丸の、よう】


俺は、俺でありたい、俺であり続けたい……ッ!!
貴様を乗り越えて――――――俺は俺を証明するッ!!

――――――Liquid Tension Experiment=I!!


【瞬間、ブルベガーの動きがせき止められるだろう】
【まるで強制的にその動きを停止させられるかのように】
【彼の力が発動した瞬間、ほんの一瞬であるがブルベガーの動きは停止させられるはずだ】

【成功したならきっと、その上に跨る貴方の攻撃も一瞬遅れるだろう】
【彼はそれを予測し、強く地面を蹴って、高く飛び上がる】
【貴方の振り払う大剣の上へと、その痩躯を載せようと試み――――――そして】

【可能であればその大剣を蹴り、真っ直ぐ貴方の元へと飛び込もうとするだろう】
【空になった右手、その手で貴方の首を掴みかかろうとする】
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/27(土) 22:46:11.05 ID:ItyBaAWC0
>>151

……言ったろ? 俺は孤独主義者なんかじゃねぇって……!
今のご時世、どうせ人と関わらずに生きてくなんて事、出来やしねぇよ! 人はどこかで、人と繋がってんだ……!

【特別な繋がりを言うのであれば、レグルスにも幾ばくかの絆がある】
【だがそれでなくても、結局今の時代、人間はどこかで人間と繋がって生きているものだ。望むと望まざるとに関わらず】
【その意味で言えば、真に孤独な人間なんて、この時代には希少な存在ではないのかと、そんな事をレグルスは主張して】

(左腕の切り傷は――――よほどの負荷が掛からなきゃ、何とかなる……!)

【こうした小さな切り傷でも、強く力を込めたり、あるいは振り回したりする場合には、支障をきたす恐れがある】
【それを確認するのもレグルスにとって――――と言うよりも、戦場に立つ人間にとって重要な事である】
【今回は、レグルス自身はそれを大した事がないと判断し、攻めの姿勢を崩さない事を選んだが】

……チッ、手加減した心算は、無かったんだがよ……!

【体勢を立て直すべく、相手を引かせる事は出来た。だが、能力で補っているのか、それが後を引いている様子は無い】
【否、能力をそこに集中させて補っていると考えれば、能力の出し幅にダメージを与えたと言う事は出来るだろうが】
【身体的な損傷を与えられないとなると、戦闘力を奪ったと言えるかは、果てしなく微妙だ】

なっ――――――――なるほど……これがこの部屋の、妙な低温の原因って事かよ……!

【開いた奥の扉から、溢れ出て来る冷気。思わずレグルスは身体が縮みあがるのを感じた】
【急激な温度の低下は、それだけで肉体のポテンシャルを大きく下げる。対して、実利は何らかの形で対冷防御をしているのだろう】
【『ヒートアディッション』で火の魔力を付加している棍をもってしても、精々腕の温度を維持するのが精いっぱいで】
【このままでは、腹筋や背筋、足の筋肉の力が衰え、全力を出せなくなってしまう】

ヘッ……思わせぶりな事を言ってくれるじゃねぇか……!
じゃあ、今度はこっちから行くぞ……ッ…………バル(火)・フェン(飛翔)・ゼル(自信)・ビン(レベル2)…………『ソルバルウ』!!

【扉の奥に仕込まれている何かは、まだレグルスには分からない。それよりも、ここは先手を打って実利を追撃する方が得策だとレグルスは判断した】
【三度術の詠唱を行うレグルスの全身が炎に包まれ、その身体を飛翔させて実利へと向けて突撃する】
【速度は、飛翔としては遅く、精々陸上を全力疾走している程度のものだが、身体に纏う炎に、棍にも炎を纏っており】
【その一撃が命中すれば、相応のダメージとなる事が予想できる】
【だが、スピードがその程度である為、接近までに何らかの手を打つ事も不可能ではないだろう】

【ヒートアディッション効果時間 残り1レス】
【残存魔力 10/17】
159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/27(土) 22:50:23.32 ID:AlqGHuhGo
>>147

―――……ッッ!? え、援軍か!? 
かなり助かるぜ、コレでようやく五分……2対2になったってコトだな

【自分とこの異形だけの空間だと思いきや、後方から自分の名前を呼ぶ声が聞こえる】
【両手の銃を相手に向けたままチラリと紺碧の視線を送れば、そこには青年の姿―――と、箱……の上に、場違いなトイプードル。しかも言語を使うらしい】
【一瞬眼を疑ったが、ツッコミを入れて言及する暇も無い。直ぐに振り返り、再度異形を紺碧の瞳に収めつつ言葉を続けた】

なんだその犬――いや、ま、まあいい……取り敢えず敵は人間じゃねー、悪魔ってヤツ……そのでっかい蛇もあの悪魔が召喚した代物だ
後はこの部屋にいっぱい小さい石ころみたいなのが浮いてるが、害は無いと見ていいぜ―――利用は、出来るかも知れないが

【突然の加勢もすんなり受け入れ、直ぐに今まで得た情報を青年に短いながらも伝える。力量戦術など関係なく、兎に角数の不利を何とかしたかった】
【後しいて言えば―――刹那に見えたその瞳に、何かしらの可能性を感じたのだ】


>>150

【先程自分がいた場所は―――既に原型を無くしていた。もし反応が遅れていたならばと思うだけで、全身の筋肉が強張るような感覚に襲われる】
【しかし先程言い聞かせた様に当たらなければ、どこに攻撃するかが見えていれば恐くない―――と、そう言い聞かせる】
【その恐ろしい一撃を放ったのは怪物故に、余り知能と機敏な動きは無いのではないか。などと無理やり明るい思考にたどり着き、冷えかねない心を抑える】

―――まさにイメージ通りの悪魔って訳だ……!
この野郎、捕まえた後に教会に幽閉して賛美歌聞かしてやらァ……悪魔が人間界に来ることには俺は文句は言わねぇ、でも荒らすんだったら別だ!!

―――その大蛇の視界、奪って……って目で弾いただとォ!?

【力強く放った灼熱の弾丸―――弾くとしても、そこが炎に焼かれる。避けられない限り相手が無傷に済むことがないと考えていたが、魔翌力に気圧されて方向を曲げられた】
【……つまり、それ程の濃厚で強力な魔翌力を抱いているということ。この眼がある限り、単純に思考放棄で弾丸は放てないようだ】

【―――本命の氷結弾はヒットし効果を発揮するも、次に動いてきたのは「本体」。剣を生成したことから接近戦を挑むと思いきや―――投擲】
【多少面食らうも、この程度なら―――と左の銃を下に向けて弾丸を放った。地面に蒼く輝いた弾丸が衝突すれば―――氷柱がそこから生えて、盾の役割を果たす】

―――……っぶねー、がこんくらいなら大したことねーぜ……!!

【盾には亀裂が入ったが、割れること無く剣を受け止めた。しかしコレ以上の衝撃が加われば破壊され―――その氷の破片が、ソフト帽の男の視界を覆うだろう】
【だが氷柱を生んだ本人は盾が割れるギリギリで保たれていることに気付いてはいない。故に少しでも盾に攻撃が加われば―――彼に大きな隙が生まれる、ということで】
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/07/27(土) 23:04:08.70 ID:1PbSRFKD0
>>153

【正義の戦士と、邪悪極まる悪魔の、苛烈な戦い。】
【そこに、新たに参戦した『正義』の名は剛太郎。そしてムク。】


【――そして。】

楽しそうだね。君ら。

【澱んだ声。加勢。どちらに? 少なくとも声色は………『悪』のそれ。殺戮に染まった声。】
【その気配は、邪悪。人間ではあるまい、『負』の魔力の塊。】

【その姿は。】
【黒ハット、龍鱗製のコート、両腰に鉈の入った、革の鞘。】
【メタリック・ブルーの髪と、虚ろに灯る蒼い瞳。】

【その名は、殺人鬼。】
【SS=ミストドラゴン。】

俺も………混ぜてくれよ。
ああ、えーんがちょなんて、言わないでくれよ?
そーいうのは………悲しい。

【鉈を抜くでもなく、戦場へと乱入する。その姿は不気味。】

で。だ。

【そして。】

悪いのは………君だね。そんなツラだもの。
それに、いい感じだ………殺してみたいんだ、君を。殺して………ああ。

うふふ、死ね。

【不意に、思い立ったかのように攻撃に出るッ!】
【その手段は異質、右腰から伸び出た、『触腕』――黒い刃物を無数鋳溶かし、固めた如く異質な風貌の『兵器』】

【それは高速で伸びる。邪禍の腹部を穿つ事しか考えていないかのように!】
【どうやら――この男も正義の味方なのか? 戸締りとは、つくづく大切なものだ。】

ああ自己紹介忘れてた。
ミストドラゴン………ミュージシャンです。みんなよろしく。

【これにて、3vs2………戦況は、どう動くのか。】

/ミストドラゴンです。よろしくお願いします。
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/27(土) 23:07:39.77 ID:avtMi2tI0
>>144

(――――――ッ!?)

【……“最悪の回答”。何の意味もなく、この戦いに抱く意志もない、と、】
【聞こえた直後の急襲だった。一息で踏み込まれたが、身を沈め/瞬間に踵で推し出す様に後方に退避して―――― 距離を開ける、】
【機動力に優れる様ではあった。戦狂いには興を惹くのかもしれず、】

【だが、覚えてはいるだろうか。彼女が抱くのはかの半魔を討たんとの―――― 或いはそれを阻むものを除かんとの戦意、】
【――――――― “それ以外” の意味になど、譬え剣の語らいであれ彼女は興じない。……無為を、彼女は己に許さない。】
【故の冷え切った瞳は眼前の男に向けられて、】

…………呆れた男ね。そんな物のために、命を賭ける、か―――――

貴方の娯楽こそ私にはどうでもいい。
……何より、この局面で “遊び” を交える余地はない――――――


【構えるように振り抜く右手。その前腕に顕れるのは、継ぎ目のない漆黒の鎧だ。手の甲にまで張り出した先端部が黒曜のつやを帯び、】
【―――― 同時、もう一つの変化が訪れる。】

【霊鳥の形をした炎が虚空より生じ、その内より赤熱の如き光が浅い孤を描きながら伸びる。少女が其れを両手に取り、】
【その光が纏う、黄金の火の粉が音無く爆ぜ散って。現われたのは―――何処までも清冽に美しい、白銀の太刀だった】
【冷たく澄んだ刃の輝きは無謬。極限域の鋭利さを持つ刀身には金象嵌が施されて、その切先を、“障害” の首元へと少女は向けた】


…………此処からは手早く終わらせて貰うわ。
貴方の様なもののために、余計な犠牲を生む訳には行かない―――――――

――――――――……異物でしかいられないなら、黙って消えて眠りなさい。

【“力” の一翼として。今宵に計画され実行される、魔を討滅する終焉の戦―――――】
【……果たさねばならない “意味” がある。多くを、或いは有意の戦を為さねばならない。】
【―――――― 悦楽など不要とひとり断じて。刹那に消えろと嵐が紡いだ】


【瞬時の踏み込みから上体を捻り――――――― 男から見て右から左へ、男の右前腕を切り裂かんと横ざまに太刀が閃く】
【狙いは内側/掌側。指を握る力すらも奪わんと、颶風を纏い斜めに斬り上げて、】
【“受ける” 事は至難だろうか。生身ならば、猶更だった】

【ならば “躱す” のが上策か。遣い手は速力には優れるが―――――果たして、】
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/27(土) 23:10:28.17 ID:LHkWI69T0
>>157

フッ――言葉による否定などすまい!!
この場においては唯一つ!
貴殿の力と私の力をぶつける事のみが、互いの我を通す手段である!!

私も己の生の全てを捧げて来たのだ!
簡単に乗り越えられる壁だとは思わないで頂きたい!!

【Fearの想いに応えるようにして、凶暴な笑みを浮かべたゴブリンが叫ぶ】
【振るわれようとする必殺の刃、そのまま断ち切れるかと思われたその瞬間】

―――!!

【疾走が、瞬時に停止した】
【其れにつられる様にして騎上のガガルルの姿勢も崩れ、大剣の動作が遅れ軌道も外れる

【幾つもの死地を経験したガガルルであれどこれほど容易く突撃を止められた経験はなかった】
【単純な力であればそのまま打ち貫ける】
【しかしそういった常識を破壊するからこその異能であった】

【微かに過ぎる動揺、だがそれに囚われていては次の瞬間己の骸が転がることになる】
【感情制御は兵士としての技能の一つだ、一瞬で精神の均衡を取り戻すと】


              遊べ、遊べ―――Ariel=I!


【飛び込んでくるFearが到達する一瞬前に、何かの名を呼んだ】
【掴みかかる行動は成功し、ガガルルの首に手を掛けられる事となるが】

【その行動より一拍遅れて、ガガルルの腰の長剣が独りでに引き抜かれ】
【柄に小さな蝶の羽根のようにな光を瞬かせながら】
【空を飛び、Fearの腹部を突き貫こうとするだろう】

【妖精魔法……ガガルルの用意していた迎撃手段だ】
【風の妖精を剣に憑依させ、空を駆ける飛剣の魔法……しかし】

(遅い、か……!!)

【先ほどの一瞬の動揺が、致命的なタイムロスになっていた】
【この至近距離だ、剣が届く前に何らかの能力を使われる可能性が高い】
【ガガルルはただFearを見据えながら、この先起こる結果を見届けようとする】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/07/27(土) 23:15:00.89 ID:gchp38/1o
>>142

【広い部屋の中を、それでも塗り潰すような轟音が反響する中で】
【その声は確かに耳に届いた――こちらも相手を鼓舞出来るようにと、必死に腹から声を張る】

分かった、ソレまで君を守り切る! その分頼むヨ……ッ

【大層な事を言い退けて、火矢が降り止むと共に立ちあがって駆け出す】
【ひゅんひゅんと飛来するかのような音を立てて、呼び寄せられた水がその背中を追う】
【尾を引いて、星の煌めきを散らせながら】

>>148

【今ひとたび標的から外れた身は、熱の残滓を燻らせる床を走り込んで黒龍の横腹へと接近せんと試みる】
【が、重々しく鎮座していた様子から想像していた行動とは裏腹にその巨躯は移動を始める――】
【自然、動きは横からではなく、少々斜め後ろ程から追い縋る様になるか】
【けれどもつい先日の時に比べれば、的は大きく、ほんの少しではあるが狙いやすい筈、か】

ヒトは弱い、けれども廻る、ソレはこの前言ったケレド……
想いは廻り、受け継がれる。ヒトノ抵抗など、御前に取っては一笑にされる程度だロう
止まっテいた心は動き出し、強き魂は変わる事無く、或いは更に気高く美しく
“人”は諦メず強かに、立ち向かって終いには勝利を勝ち取る……御前の目の前のソノ人のようにだ!

【追い縋って、追い縋って。射程範囲内に相手を定められたか、水がその足元に台を作って】
【一歩二歩。段差の激しい階段を駆け上がるかのように、その体は宙へと飛ぶ】
【曲刀を縦に持つ手はしかし剣の持ち方では無く、まるで弓に矢を?えるかのように】
【鋭く細くその形をかたどった水は、長弓を引くように深く深く引かれ――放つ】

《流星(シハーブ)》――!

【狙う先は瘤を支える柱、その根本。点である矢の狙いとするには、的は小さすぎるだろうか】
【ひたすらに進む意志を託されて突き進む水の矢は、その名の通り流星のように】
【それを放った張本人は自由落下、あるいはその下を敵味方どちらかの攻撃が通るならば、昇った時のように処置をして降りるだろう】

【何かの声に引き込まれるように、攻撃を終えた体を捻ってその存在へと振り向く】
【嗚呼それはひょっとすると、彼女か】
【穏やかに、息を吸う】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/27(土) 23:19:34.89 ID:lzCLN7Rjo
>>162

【届く――――――彼はそう確信した、貴方による迎撃が彼を貫くより早く】
【声が漏れた、叫ぶ声が、ただ思いを貫くために、意思を遂げさせるための声が】
【いくら喚こうといくら語ろうと、途切れぬその思いが、強く――――――】


っ……無理――――――かッ……!!!


【わずかに気圧された、貴方の叫ぶ強き意思に】
【彼の存在意義が彼のそれ故の意思がその言葉に気圧されたのだ】
【手が緩んだ、結果貴方に届く前に、貴方の刃が彼をつき貫かんとする】

【刹那、左手の拳銃が地面へと落ちた、間髪入れずに左手でダガーナイフを握る】
【間に合うか、自問自答の答えが、出るよりも早く、彼は左手のダガーナイフを彼の後方へと投げつけた】
【ワイヤーを収縮、一撃翌離脱とは名ばかり、貴方に触れること無く、彼はその場を退却しようとした】

【――――――けれども言って遅い、彼の右腕を、貴方の剣が貫いただろう】


っ……認めたくない……がっ――――――あっ!!見事……だ……
今日は、俺が至らなかった……貴様に……能力者に、勝ちを譲ろう……
だが……だがッ……!!いつの日か必ず、貴様を含め、すべて殲滅する

――――――それまで、命は預けておこう……貴様に――――――


【地面へと着地したなら、かくんとその足を崩して】
【苦悶の色合いがわずかに覗いたなら、紡ぐ言葉はどこか気高くも】
【ハッキリと貴方の力を認める、そんな言葉にも似て】

【滴り落ちる血液、右手に突き刺さった剣を強引に引き抜いたなら】
【そのまま後方の出口へ、消えるように、逃げていくだろう】
【吹いた風のゆくえを、誰にも辿られないままに】


/ごめんなさい……体調があまり良くなくて……これで落ちさせていただきます
/本当にごめんなさい……
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/27(土) 23:25:10.63 ID:Ly7LyrDLo
>>158

そうだね、だったらいま私たちが戦ってるという「繋がり」も
きっと意味があるんだろうね

【あふれ出た冷気が部屋を満たす】
【急激に温度がさがったものの、瞬間凍結されるほどのものでは無く】
【実利自身も、冷気で少しでも相手が弱ればラッキー程度に考えていた】
【実際、相手は炎の魔術のおかげか、都合よく急激に弱るようなことはないようだ】

っ!―――飛ぶこともできるんだねっ

(やばい、受けきれないかも……!!)

【炎を纏い飛翔し突撃してくるレグルス】
【先ほど左脚に受けたダメージのせいで、避けるには間に合わないと判断し】
【刀を構え、攻撃を受け止めるが―――】

うぁっ!

【「煙」による身体能力向上が左脚に集中している為】
【本来の力と体格の差で受けきれるはずもなく、吹き飛ばされる】
【刀での防御で直撃は免れたが、炎による火傷を両腕に受け】
【また、後方に吹き飛ばされ床に背中から落下し、全身に衝撃を食らう】

はぁ、はぁ……
君に接近戦を挑もうとした、ちょっと前の馬鹿な私に説教したいよ、まったく

【落下した場所は、例の扉の目の前】
【白い煙は消え、中の様子も確認できる】

……ここは武器庫でもなければ宝物庫でもない
この中にあるのはね、人間にとって、生き物にとって何よりも大切な、「食料」だよ

【扉の向こうにあるのは、大量の積み上げられた「箱」や「袋」】
【木製であったりダンボール製であったり、姿形は様々だが、中身はすべて食料】
【実利は仰々しい言い方をしたが、要するに、ここはただの冷凍倉庫だ】

【しかし、よく観察すれば普通と違う点がひとつ】
【箱や袋の一つ一つに、実利の首についているものと同じ「御札」が貼られているのだ】

もう気づいてるかもしれないけどね、この「黒紫の煙」は、私の「生命力そのもの」を削って、具象化したもの
この煙を纏えば、外部から生命が持つエネルギーを得ることができるんだ
それは、無機物でも、死体でも同じ

【そう言うと、実利は自分の一番近くにあった、ダンボール箱に貼られている御札を1枚、剥がせば】
【箱の中から、50p程度の凍った肉片――「黒紫の煙」を纏った肉片が飛び出し】

【レグルスに向かって、飛んで行く】
【速度は、先ほどのレグルスの飛翔より少し早い程度か】

これは、牛肉か、馬肉かな?
なんにせよここからは、私の代わりに私の生命力を得た「食料」たちがお相手するよ

(私自身は、もうしゃべるだけで精一杯だけどね……
直接攻撃だけは避けるようにしないと……)





166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/27(土) 23:28:01.70 ID:N+8HN2DCo
>>153>>159>>160


この塔が悪魔の根城ってのはジャンクちゃんからあらかじめ聞いてる!
いよいよ攻め時って事で俺も加勢しに来たって訳―――俺がここにいる理由はそんなとこ
で、敵は……召喚士タイプ、魔術使用型って所か、一人じゃきついでしょ

俺も参加して、全力で叩き潰すとするぜ!
葉隠流、剛田 剛太郎――――推して参る!


【部屋に入った瞬間、相手の戦力とロウのヒントから相手の戦闘手段を前もって測る】
【相手は召喚戦闘メイン、身のこなしから直接攻撃もなかなかできるとみた―――攻め手に困りそうな相手だ】
【だが当の悪魔は気にも留めずその初手を持って電撃蜘蛛を放ってくるのを感知する】

【剛太郎は初手を取られた事は特に動揺も見せず構える】
【その一瞬で纏う気が切り替わった―――温厚そうな雰囲気が日本刀のごとき鋭い気迫へと】
【目つきも冷たく、鋭い物へと変わり彼は構える】


こっちも行くぞ!―――――葉隠流、『桜花』!

「馬鹿者!これは決闘ではなくなんでもありの合戦!馬鹿正直に打つでないッ!」


【犬が叱咤する頃には間に合わず、剛太郎は手指を開き、まっすぐ伸ばして真正面に右の貫手を振るう!】
【それによって蜘蛛の胴体、その中心を狙う――――鋼並みの強度を持ってなければその瞬間串刺しにされるほどの鋭い一撃】

【しかしその一撃が通るか通らないかを見るまでもなく、触れてしまった事で電撃は弾け彼の身体を襲う】
【ぐあっ!?と、抜けたような声が青年の喉から漏れる物の、やはり効き目は薄い、読み通り牽制程度のダメージだろう】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/27(土) 23:30:51.57 ID:4bxjPA2go
>>155
【またしても死体が壁となり阻まれた斬撃】
【直接攻撃してこないとは言えやはり、本人も単純な攻撃に対応できないわけではないかと、そう判断して】

化け猫ってあんたね……レディを妖怪扱いするんじゃないわよ

……掘るのが自分の墓穴にならなきゃいいわねぇ

【またも死体が動き出す】
【さっきは斬撃で対応しきれなかったのだ、ならば──】

仕方ない、やってみるしかないわね

【言って、短剣を鞘に収めて長剣の刃に手を翳すと、長剣から炎の魔翌力が消える】
【代わりに手の中に現れたのは何かの欠片。それこそが彼女の持つ宝玉の欠片であり炎の魔翌力の源】
【そうして長剣を床に突き刺し、両手で欠片を前方に掲げる】

単品で使うのは初めてだけど……やるしかないっ!
はあぁぁぁぁぁ!!!

【先ほどは無かった、続けての能力が発動したのと、魔翌力が噴き出したのは殆ど同時のことであった】
【欠片であれど元は宝玉、その力は大きく、噴き出した魔翌力は炎となり、壁となる】

ぐぅ…………っ!

【爆発による直接的な被害は免れた。しかし、爆風はその炎をも巻き込み、ドレス部分や腕に火傷を負ったようで】
【しかしそれでも闘志は消えず、欠片を胸に押し込んで長剣を引き抜く】

……詰んでる?それ、誰のことかしらねえ
仔猫だなんて二度と言えなくしてあげるわ……!

【先ほど収めた短剣を、今度は鞘ごと引き抜いて、長剣の柄に十字架の如く交差させて接続する】
【そうして出来た十字剣を構えて、真っ正面から突き進む】

【──二度も防がれたのを忘れたのか?】
【否、二度防がれたからこその正面突撃である】

覚悟なさい──リヒト・シュベーアト

【瞬間、莫大量の魔翌力が溢れだして刃を包み、その光は仮想刀身を作り出していく】
【一瞬の後に完成したのは、長大な光剣。その切れ味は非常に鋭く、生身で受け止めようなどとは考えない方がいいだろう】
【そして、そんな光剣を男へ向けて振り下ろした】

【威力は絶大。故に一発限りの大技。】
【これを防がれれば、彼女の勝機はなくなるだろう】
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/27(土) 23:38:27.86 ID:ItyBaAWC0
>>165

……っ、かもな…………俺の知り合いに言わせりゃ、逆に何の意味もないとか言いだしそうだがよ……!

【敵対と言うのも、立派な人間関係だ。その中にあって、自分たちが戦う意味は何か?】
【むしろそれは、コミュニティ単位で考えられるべき事なのかもしれないが――――実利が意味を見出すなら、確かにそこに意味はあるのだろう】
【――――相棒であるニヒリストは、そんなものを幻想だって斬って捨てそうだが】

……っよし!

【見舞った一撃が上手く入った事に、軽く喜びの声を上げる。今の一撃は相応に重い一撃になったはずだ】

……ま、それも俺にはありがたいがな? 魔術師って事で、肉弾戦はからっきしって勘違いをしてくれる連中も、結構居るもんでよぉ?

【その190cm近い体格があっては、それもどうか怪しい所ではあるが、肉弾戦に自信がないから魔術を使うのだろうと言う推測は割と繋がりやすい】
【あるいは、レグルスの事を『ウドの大木』の様に見る事も、無理からぬ事ではあるかもしれない】
【もっとも実際は、棍を使った立ち回りにも長け、仲間内から「本当の魔法戦士」と言われるだけの事があるのだが】

あ……なんだ?
腹ごしらえでもして、体力を回復させようってのかよ?

【単なる冷凍庫と聞き、思わず訝しげな声を上げるレグルス。あるいは、本当に冷気だけを期待していたのか――――】

――――っっ? って事はお前……骨身を削ってやがったか!!

【ここで明かされる能力の正体。そして冷凍庫の中身に、レグルスは渋面を作る】
【それが本当なら、ここから先は本当の『肉弾』の宝庫と言う事になる。冷凍庫である事は問題ではない。貯蔵されているものが問題だったのだ】

くっそ……! 面倒な仕込みしやがって!!
(……魔力を使って追い払おうにも、いっぺんに纏めてでないと息切れして不味い――――どうする?)

【飛びかかってくる肉片を棍で受け止めながら、レグルスは思案する。物量に任せて押されれば、いずれは疲弊してしまう】
【しかし、術者である実利本人を抑えようにも、その隙はどうやら見せてくれそうにない。更に悪い事に、棍にかけていた『ヒートアディッション』も解けてしまった】
【――――どうするか? 妙手が浮かばないまま、レグルスは飛びかかってくる肉片を振り払う事しか出来なかった】

【ヒートアディッション 時間切れ】
【残存魔力 10/17】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/27(土) 23:39:13.21 ID:LHkWI69T0
>>164

――首の皮一枚で、命を繋いだか
真に、恐るべき使い手であった……

【去っていくFearの背に視線をやりながら、ガガルルはそう呟く】
【Fearの動きが続いていたならば、地に伏せていたのは間違いなくこちらであった】
【かろうじて勝利と呼べる物ではあったが、次戦って勝てる保障などどこにもない】
【辛勝、と呼ぶにふさわしい結果であっただろう】


【戻ってくる妖精剣に労いの言葉をかけ腰の鞘に戻すと】
【大蜥蜴から身体を降ろし、刺さったナイフを引き抜きその場に落とした】

悪いな我が友ブルベガーよ、私の我が侭に付き合わせてしまった
侘びにはならぬかもしれんが、後で竜の肉を馳走しよう

「―――」

【大蜥蜴は、甘えるようにしてガガルルの肩に鼻先を擦り付ける】
【その様子に、口元を優しく緩めながら頭を一撫ですると】
【グレートソードの腹を肩に添えるようにして担ぎ】
【再びブルベガーの背に乗り込んだ】

もうこの場には敵が来る事はないだろう
他の侵入者達は皆、他の道を進んでいったようだ

ならば私に出来ることは此れまでであろう
リリア殿――貴殿の勝利を……願っているぞ

【最初に感じていたように、その可能性は低いだろうとガガルル自身も思っている】
【追い詰められた上の掃討戦だ、ここから生き残ることは容易ではあるまい】
【因果応報であるが、個人的に恨みもないガガルルは一人】
【当の最奥で英雄らと対峙しているであろう、彼の者の事を案じ言葉を空に溶かした】

/はーい、お疲れ様でした!お大事にしてくださいね!
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/27(土) 23:44:56.36 ID:S32sC4wNo
>>148-149

【―――炎の矢雨がティターン・アーマーの周囲に降り注いだ。当然、この網目のような全体攻撃に対し一つ一つを避けきるような】
【機動力を活かした戦闘などこの固定砲台と化したセリーナに取れよう筈もない。しかし、代わりに――"足を止めて" "踏ん張って"】
【戦う事ならば可能だ、例えばドラグーン・キャノンの特性の一つを用い――そう、周囲の炎を吸収し、己がエネルギーへと転換する力を】
【セリーナはHUD内から強制急速充填機能を選択、たちまち降り注いだ炎を転換、吸収していく――!】
【最も、全てがそうとは限らない。中には本体を直撃し、アーマーすらも貫いて深く、セリーナの肉体を傷つけた矢もあった事を記しておこう。】

(う、ぐううぅっ・・・!!あ、つい・・・っ!!肩が、震えるような――・・・弾丸に貫かれるよりもっと、酷い痛み・・・ッ!!)

―――ん、うぅぅっ・・・!!この――――負けて、溜まるかッ!!

>>154>>156>>163

【―――呼びかけに答え、一斉攻撃を開始し氷の瘤を狙う月彗。現れた神将達はなんと、頼もしい事か。】
【更には水の瘤を攻撃するカニバディール、同時に別々の瘤を制圧すればどちらかは、或いは――と、セリーナは睨んだ。】
【そして此方へと向かう黒龍を迎撃すべく、背後から瘤本体を狙い撃ちにしようとするのは――ナウファルか。】
【連携は取れているはず、後は自身も氷の瘤を攻撃できればこれで大分戦闘は楽になるか、と思った矢先に―――】

【―――"此方へ向かう"?まさか――そんな。】

>>148-149

う――――う、そ !?えぇっ!?ちょ、ま――――クッ!!

(――なるほど、コイツは予想外だった・・・!まさかガンナーを直接叩きに来るなんて・・・!!)
(リリアの意思が残ってる・・・!?炎で攻撃するよりも、物理で殴った方がアタシに効くのは間違いないし、それに――・・・!)
(怒りを、感じる気がする・・・!何が何でも、アタシを握りつぶそうとするような――・・・そういう、嫌なヤツを、さッ・・・!!)

【この突撃をどうするか、刹那にも満たない一瞬の間、彼女は――ガンマンは逡巡した。そして、たどり着く。】
【――回答など出る筈が無い、と。この攻撃を止める手筈も、方法も、在りはしない。そして今の自分はキャノンの重みで動きが鈍っている。】
【ならば―――瘤をどうにかするのは、任せるしかあるまい。月彗の召還した"神"が効力を発することを願い】

・・・ふ、ふふっ・・・!面白いじゃん、やっぱり戦闘は――"賭け"ってのは、こうじゃないと盛り上がらないねッ!


――――来なよ、ベイビー。自慢の巨体でアタシをアリンコみたいに踏み躙るのが望みだろう?
受けて立とうじゃないかい・・・ッ!!少なくともアタシは―――ここで引くほど、"出来た"脳みそは持ち合わせちゃいなくってねッ!!

【―――少なくとも。この状況、黒龍の――即ちリリアのターゲットは自分に集中している。この機会を逃すわけには行かない。】
【他にメンバーがいないならまだしも、一対一ではないこの戦闘において――囮が勤まるのならば、全力でそれに徹しよう。】
【ただ彼女はただの餌ではない――噛み付き返し、襲い来る龍に一矢報いる為に唸りを上げる凶暴な"囮"だ。】
【瞬間、接近するであろう龍の本体に対し、セリーナは受けて立とうといわんばかりの――仁王立ち。】
【充填を急速に完了させ、アーマーの残存魔力すらも一時的に供給させて――キャノンのエネルギーが今、MAXへと駆け上るッ!!】

―――充填、完了ッ!!ドラグーン・キャノン――――"SHOOT" ! !(ブッ放せッ!!)

【―――接近戦が出来ないガンマンの、唯一の近距離戦法、つまりはそう―――零距離射撃。】
【巨体目掛け自分が攻撃されることすらも厭わず、彼女は接近を許すだろう、代わりにドラグーンは今度こそ、巨大な口を大きく広げて――】
【その中央、口内から伸びる砲塔より強烈な圧力の"火炎砲撃"撃ち放ち――凄まじい奔流と化した業火で、焼き払わんとした。】

【―――無論、攻撃を回避する事は不可能だ。セリーナの肉体は砲撃とほぼ同時―――押しつぶされる形になるのだろう。】

/お待たせしてすいません。
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/27(土) 23:46:18.96 ID:uHSqHf+go
(しィかし……遠距離型は味方が居ィると厄介極まりねェ、援軍共のパワーも未ィ知数だ……)
(糞ッ! どォいつもこォいつも!) (面倒な事ばァかり持ォってきてくれるじゃあねェか……)


>>159

ヒャハハハ、俺様に賛美歌なんざ聴かせたら……――憤怒で爆発しちまうかもなァァアア〜〜ッ
後ろの"アビスゲート"の中身がァぶ飲みして! "魂ごと粉々"にしてやるよ、その聴かせて来た奴をなッ!!

【冗談っぽく言っているが、明らかに眼は笑っていない――そう言ったモノに弱いのも、嫌悪するのも、やはり大体イメージ通りの悪魔に近いか】
【後ろの――と言うと、対象となりそうなのは大蛇の影にある壷位だろうか】

そォの、"こォのくらい"で終ォわったらどんなに楽だろうか……あァ、勿論楽させるつもりはねェぜ?

【ぽたり、ぽたり――大蛇の口部から、何か水滴の様なものが垂れているような――】
【それに、心なしか……そこから光が漏れているようにも見えるが――先程のレーザーには、光も混ざっていた、つまり……】

対なる力が互いに潰し合わない――例えば、酸とアルカリの両方を保つ様にな……
今のは、子である"煙立つ鏡"の魔力とよく似たものを出したのだ、――生半可な攻撃なんざはね返すのみッ!


>>160

あァッ! 扉を締ィめようとした矢先に……! 糞がッ!!
糞ッ、もォー流石に乱入は許さねえ……例え10の頭が、100億万の頭が入ってこようと倒せるだろォーがな、面倒だ

【キィィィ……バタムッ!】 【扉が、誰の力を借りるでも無く閉まる――頭の悪そうな言動に合わせて】

だァが……あァ、……うゥむ……良ォい素材だ、良ォい匂いだ――
そォの、人ならざる匂い、邪悪な気配……たァだ一つ、残念なのは俺様に牙を剥ゥいてきた事だなァァアア!

【更に現れる援軍――しかし、その気配が今までの二人とは違っていた、思わず舌なめずりをしてしまう】
【だが、牙を剥けてくるならば、行うことは変わらない――が、敵だろうと利用できるモノは利用するスタンスだ】
【悪魔は思った、こいつを部下に引き入れようかと】 【……もっとも、この状況で引き入れるのはおそらく無理だろうが】

……ふゥんッ!

【伸ばされる触腕――それを受け止めるのは、右腕】
【右腕が鉄のごとく硬いわけが無い、いとも容易くそれは貫くことが出来るだろうが――】
【ただ……奇妙なのは、"断面も血も、比喩抜きで真っ黒"な事だ】

ヒャハハハ、……やァっぱり痛ェ! 死ィねッ!! そォの後部下にしてやるよ!!!

【……とは言え、痛みは有るようだ、下手に大蛇を狙うよりは効果的かも知れない】


/続きます
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/27(土) 23:49:40.83 ID:uHSqHf+go
>>166

あァ、俺様はこの城住まいじゃあねェ……"対価"を貰って動いてるだけだ
結局、どォっちの味方をしようと"混沌"の為になァるならよォ……
報酬が弾み、テメェーらみてェな糞正義共が居ィる方に敵対したほうがまだマシだからなァ

【"さっきもあいつに言ったが"――そう前置きしつつ、淡々と言葉を発する悪魔】
【まだマシ……もしかしたら、そちら側についていた、その可能性も0では無かった】

おっと、魔術なんざ使ってねェ――俺様には不要! こォの能力だけで十分だからなァァアア〜〜〜〜ッ!!

【先程の剣も、召喚も、全て己の能力を使用していたとでも言うのだろうか――】
【恐ろしい程自慢気にそう叫ぶ様子を見てると、嘘の様にも思えないが……悪魔の言う事だ、信用ならない】

ふゥむ、イィマイチだな――まァ良い、"素材"も簡単だしな

【電気の蜘蛛は、それはもうあっさりと――"串刺し"だ】
【間違いなく悪魔が召喚したそれだが、そうされても怒ってはいない……どうやら、この蜘蛛は捨て駒らしい】
【ただ、串刺しにされてからもなお蠢き、体液を漏らし、無害なレベルの静電気も周囲に漏らしているところを見ると、まだ死んではいないようだ】
【……はたして、戦う力が残っているのかは定かではないが、警戒するに越したことはない】


>>ALL

【――さて、"眼を守った"と言う事は、つまりはダメージを負うと困るということなのだろう】

輝け、太陽の光ッ!! ……吸血鬼じゃあねェからな、太陽光なァんざで溶ォけねェぞ、俺様はな!

【大蛇の口部の隙間から、一際強い光が漏れだしたかと思えば――口部が再び開いた、貯め込んだ光とともに】
【次の瞬間ッ!】 【あの、眼を守った"闇"と共に、扉側の天井端にへと"光"が炸裂するッ!】
【……なんだ、それだけか――否、闇に光が反射している……鏡のごとく】

【それが齎すのは、地上へ降り注ぐ光の柱―― 一本50cm程だ】
【扉側の天井裏から、という事は……上方からとは言え、背後からの攻撃に近いだろうか】
【解凍の為に使用しただけあって、それは"高熱"――もし当たったとしても、切り傷等は負わないだろうが、火傷は免れない】

【光の柱、といっても光速ではない――むしろ、弾丸より遅く】 【広範囲とはいえ、その全てを埋め尽くすほどの密度はない】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/27(土) 23:50:14.34 ID:S32sC4wNo
/っと、>>170の一番下、「攻撃を回避するのは不可能だ」の「攻撃」は
セリーナの火炎砲射ではなくて、リリアさんの突撃の事なのであしからずっ!
火炎は避けようと思えば避けられまする!
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/27(土) 23:57:31.12 ID:0c83V7Zzo
>>161
【指先が八攫の衣服表面を撫でる、それくらいに肉薄した状況であった】
【確かに狙ったのは不意打ち、損じさせるつもりは微塵もない物、しかしそれが避けられた、となると───】

…やるネェ、嬢ちゃん
よーやっと楽しい奴が出て来た、オイラぁお前みたいなのを待ってたんだ

【八攫の考える通り、この男に大した意志等はなく、かの半魔の味方でも、敵でも何でもない】
【本当に───どうやったのかはわからないが───ふらりとこの場に現れて、ゆるりと戦いを愉しむだけの、言うなれば全くの異物】
【戦い≠ニいう遊び≠享受し崇拝する彼にとって、逆にこの戦い全体に置ける個々の意志こそがどうでもいい事。たかが斬り合い殺し合いに、ご立派な講釈は必要無い】

くっくっく…面白ェ刀(モン)を持ってるじゃあねぇか…

【睨む八攫の眼に返すは、やはり半開きの緩い眼差し。どうしようもなくどうしようもないこの男、八攫が刀を手にしてこちらも動く】
【左手が腰に、帯に刺さる刀を───いや、違う、その手は腰に吊るした瓢箪を掴み、そのまま上へと上って行く】
【───まさか、刀を敵意と共に突き付けられながら、瓢箪から酒を飲む等、この場において誰が考えようか】

【喉を鳴らし度数の高い酒をゴクゴク飲む、天狗から貰った瓢箪は、盟約が通じている間無限に酒の湧く奇怪な瓢箪】

【次の瞬間、八攫の刀には手応えが響く───斬り裂いた手応えではなく、流された手応えだ】
【男の体には薄い傷───流され、逸らされた刀の切先が意図しない場所を通った…いや、通された=z
【にたり、と笑った男の顔、緩んだ口に瓢箪は無くて、左手ごと振り上げられている】

…なぁ、嬢ちゃん
折角の斬り合いだ、すぐにだなんてつまんねぇ事言うなよ

【男は、この瓢箪を以て八攫の一閃を弾いた、弾き上げた。ともすれば瓢箪ごと腕が無くなっていたのに、そうでなくとも切先が体を撫でたのに、臆しも痛がりもせず、そうするのが当然≠フように】
【驚いている暇はない、八攫の刀を弾き、頭より高くある瓢箪の、それを持つ左手首をくるりと返し、逆さまにした瓢箪から酒を落とす】
【度数の高く、匂いのキツい透明な液体の滝が八攫の顔目掛けて降り注ぐ───浴びても、酔っ払うか眼が一瞬塞がれるくらいだろう】

【真に男が狙うのは、目線を上にいかせながらの攻撃、男の右手は既に腰の刀の柄を掴んでいて、酒を振り落とすと共に居合い抜かれる】
【八攫の胴を左から右へと薙ぎ払う刃は、その刀身に液体を───酒を滴らせていて、斬った相手の体に傷口から酒気を刷り込む】
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/28(日) 00:01:07.11 ID:SuWGQS0fo
>>168

あのねぇ、戦闘用の魔術は、本来は弱い者のためにあると思うんだよね
君みたいな素で強い奴が使ったら、鬼に金棒どころか、鬼に爆撃機だよ

【実利自身も、本来なら何の能力もない自分が機関で戦うために】
【櫻の国の「禁術」を盗んだ】
【元々戦いに長けているものにさらに魔術を使われてはたまったものではないのだろう】

いやいや、カチカチに凍った肉を食べられるほど歯は丈夫じゃないよ
……これを仕込むのには割と時間がかかったよ

【食料全てを操るほどの「黒紫の煙」を出すということは、それだけ自分の生命力を削るということ】
【それだけ、この戦いの準備は重要なものだった】
【相手はあのリリアに挑まんとする強敵揃い――自分が勝つならそのくらいの小細工と覚悟が必要だ】

(相手がひるんでる今のうちに、どんどん攻めないとね……
こっちももう長くは持たない……)

【肉片は弾かれたが、すぐに次弾の用意をする】
【「煙」を纏ったものを操るにはそれなりの集中力が必要で】
【さすがに倉庫内の全ての食料を同時に襲わせることは不可能だが】
【数個程度なら可能だ】

次はお魚さんたち、ゴー

【パチン】
【先ほどのように実利が指を鳴らすと、今度は左方に積み上げられた2つの茶色い袋から御札が剥がれ】
【冷凍された赤い魚が飛び出した。全長は人間の腕の長さくらいか】
【一袋につき2尾。計4尾の冷凍魚がそれぞれレグルスの右脚、左脚、右腕、左腕に向かって、弓のように真っ直ぐと向かう――】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/28(日) 00:04:38.87 ID:4lQOF+Dpo
>>154

【月彗の判断が、まず的確だった。氷の瘤が如何に魔力の塊だろうと、それは邪な力】
【浄化≠フ力を持つ――まして神格すらも纏っていそうな十二神将に抗えるはずもなく】
【炎の瘤と同様にただの肉塊と成り果て、セリーナへ突っ込む黒龍に引きずられていった】


  『―――なあ月彗よォ……お前、さっき俺の手を掴もうとして止めたよなぁ?
   ふっ飛ばされながらだからよォ、ちゃんと見えてた訳じゃ無ェんだが……違うか?』


【――そんな月彗のもとに、激しい衝撃と音。見れば、先ほど見えた窓とその壁が破られて】
【其処には船が在った。乗組員は声の主――服も髪も、肌も出血で真っ赤に染めたその女と】
【同じような様相のメイド・エリザベス・カーライル。加えてシェン・ロンドも居たが――】
【なんとも無理矢理な方法で先ほど落ちた二人を下ろすと、船自体は彼も乗せたまま空に戻ってゆき】


  『いやァ、にしても手痛い一撃だったぜ……なんせお前が13人居るように見えるしよォ……』

>>156>>163

   「馬鹿を言う暇は有りませんよベイゼ様。あぁそれとナウファル様、カニバディール様、デュアルご兄弟様。
    準備が整いました≠フで、どうぞ敵対など成されませぬよう……私事ですが、会話もお勧めいたしません。」


【――水の瘤は、元より弱っていたこともあって、案外容易にはじけ飛んだ】
【その飛沫をエリザベスが手で払う――彼女の目の前の空間が避けたのはそんな折】

【ピシッ=\―と。引き裂くようにして現れたのは、下半身が肉塊、上半身が人の皮を剥いだような化け物で】
【しかしそれは仮初の姿なのだろう。一瞬で姿を変えて、背丈3mほどの巨魁と化す】
【全身は薄灰色の毛で覆われて、猿にも似ている。しかし頭部は二本の角が生えたドクロであって、瞳が光る】
【リリアほどではないにしろ多量の魔力を秘めたそれが別の悪魔=\―エリザベスの言う、『マモン』なのだろう】


   ―――お主らのう、ちいと耳を塞いだほうが良いぞ。まだ終わっとらん
    あの銃士が何をしようがそれでハイ終わり、なんて事はありえん。言ったぞ、耳を塞げ、とな――。


【ナウファルの放った矢が、瘤の根本に直撃する。もしこれがただの一撃ならば、まったく意味はなかったかもしれない】
【だが今は全ての瘤が潰れている――だからか分からないが、矢が刺さるとすぐさま根本の肉が剥がれ落ち】

【そのタイミングで、悪魔マモンが声を出す。地の底から響くようなそれは、まさに警告に他ならず】
【幾秒かして。背の遺骸2つが消えるのと入れ替わりに、リリアの上半身が其処から出現し】
【大きく息を吸い込むと―――音にすることすら難しい高音を発して、部屋全体に共鳴させた】

【――聞いて数秒は、なんてことはない。だがしかし、もし10秒もマトモに聞けば命取り】
【これは言うなれば催眠術。淫魔としての能力を使った人の本能を弄ぶ°カ騒曲】
【三半規管に、海馬に、脳幹に。何処という区別はなく、目眩吐き気から記憶に至るまで――脳へのダメージが考えられる】

【しかしこれは足掻きに過ぎない。これがいつも出来るのであれば、なぜ戦闘が始まって直ぐに使わなかったのか】
【ほんの少しだけ、少しだけ耐えられれば―――もう勝機は見えている。駒は既に、揃っているのだから】

/続きます
177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/28(日) 00:05:57.05 ID:4lQOF+Dpo
>>170

   【ゴォ、オォッ―!=\―音が響いて、直後、背から姿を表していたリリアの音色が停止する】
   【ゼロ距離での火炎撃。これが、瘤を失った、つまり属性を喪失した黒龍にはテキメンの効果があった】

   【全身にヒビが入る。ぐらりと揺れて、押しつぶしたはずのセリーナを越えて、ふらりと進み】
   【その先に在るのは先ほどベイゼやエリザベスが落ちた壁。巨体は重力に引かれるように、静かに進み】
   【やがてそのまま、落ちていった。ずるずると尻尾が後を引いたが、それも直ぐに消えていった】


【代わりに、一人の少女が現れた。本当はもう成人の歳だが、どことなく幼いので少女とする】
【髪は桃と赤の中間で、長い。誰だろうか―――というのは恐らく、セリーナには湧かない疑問である】


「……遅くなってごめんなさい。でも少し、思い出す≠フに時間が掛かっちゃって……
 でももう大丈夫だから……もう、迷惑なんて掛けないから。だから、ね?セリーナ……目を開けて……?
 これ……私が、『あの人』から預かった龍≠フお守り…、……ねぇ、サリーナぁ……!」

【彼女は将校服こそ着ていなかったが、腰に一本の刀を下げていて、いくつかバッジも持っていた】
【その一つ、龍のマークを象った物を取り出して――恐らくは倒れている彼女に寄り添って、差し出せば】
【込められた強力な力が、魔道具に染みこんでゆくだろう。ドーピングのようなものだが、動けるようになるはずで】
【少女は――瞳に涙を浮かべながら、そんな事をした。その背後、空を、怪獣レヴィアタンが地上に向かって突っ込んでいった】


>>ALL

【飼い主の気配を感じ取ったレヴィアタンは、落ちていく黒龍へと近付いた】
【すぐにそれは飼い主だったものだと理解できたが、時は遅く、死に体の黒龍は最後に巨大な魔力を吸収した】
【次に勇者一行が見るのは、屋上へと飛翔していく龍の姿。瘤も何もなかったが、血を零して舞う姿は力強く】
【やがて上へ上へと行ってしまって、雲の間に姿を消した。何かを為すために屋上へ向かったのだった】

   
   【直後、世界が変わる。ATLASの頂点を始めとして、空が、地平線が、真っ赤に染め上げられていく】
   【遠くに見えるのは龍が舞う山脈――溶岩の海、そして荒野。言うなればそれは――魔界のようで】

  
   ……く、カカッ。調べたぞ、『リリア』……その名は全く珍しいものでもないが、半魔のものともなると目立つ名だ
    大悪魔たるこのマモンを、一時とはいえ現世に閉じ込めたのだ……晒しあげてから、封じてやる。


【マモンの指の一振りで、この階層に取り残された全ての者達が転送≠ウれる】
【行き先は屋上。世界の果てさえも見えようかというこの場所に、黒龍は居た】
【しかし、恐らくは魔術によって――異界を出現させたことによって、レヴィアタンの魔力を使い果たしたか】
【全ての瘤は潰れたままで地に引きずって、腹部からはびしゃり、と人影が放り出され、倒れこみ―――】

/続きます(震)
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/28(日) 00:06:39.23 ID:4lQOF+Dpo
>>ALL

   ――出身は僻地の『老海(ラオハイ)』。父母共に知れず、世に生を受けて直ぐに現地の悪魔の奴隷とされた。
    親も知れぬ半魔など、そういう身分よなぁ。まして淫魔の娘であろう?それは『うってつけ』というものよ
    かくして数年ほど、マトモとは言えぬ環境で過ごす内に半魔の仲間を見つけ……やがて、能力に目覚める
    田舎町であった老海は焼き尽くされ、更にはその炎の凄まじさから次元に狭間を作る≠ルど。

    ……まさにこの状況さな。魔力と怒りさえあれば、世界を焼き繋ぐことすらも出来るという天才ぶり
    そして生まれて直ぐに悪魔へ虐待を受け始めた事……それを知ってか知らずか『無視』した他の悪魔共……
    狭い視野で見た限りでは、リリアという半魔は『悪魔を恨む事でしか自我を維持できなかった』のだろうな。

    やがて人間の世界という物を知り、その可能性を鑑み、悪魔の住む世界そのものを燃やし尽くそうと考えた
 
    ――儂が驚いたのはなぁ、その若さよ。オウ、そこな人間ども。貴様らに換算すると、奴は幾つだと思うかな?


【投げ出された女が――少女≠ェ、顔をあげる。血や体液で汚れた姿で、何とか彼女は起き上がった】
【背は160cmも無い。顔立ちはあどけなく、体つきはまるきり少女のもので、何処にも妖艶さは感じられない】
【彼女の背後には、身体ばかり大きな龍の抜け殻が浮かび上がった。レヴィアタンの魔力と、半魔の仲間と、卵≠ニを吸収して肥大化し―――】


   ……そう、正解は僅かに『13歳』……!奴の生まれ持った才覚、原動力たる恨みの大きさ……多重の瞳に覚えはあるか?
    あぁ、あれは人の眼球の28倍の働きをする。それで学ぶ知識量、本来は脳が焼き切れようものだが
    尚も健在な辺り、流石は魔族の一員と褒めてやりたいところよなぁ……クククッ!

    ……まあ、お話はこの辺りで終いじゃなあ。現世と魔界を繋ぐことなど、ATLASの転移同様、許されざる行為。
    このまま被害が出ても儂には面白く無い……人間どもよ、儂自ら手を下すのは最後の刻よ。
    最後が近いことなど、理解できよう?確かに儂が今ここで拳を振るえば、方を付けるのは容易なこと
    しかし、それで……汝ら満足か?違うだろうなあ、何せ恨んで居るはずだ……そら、殺せ。疾くのう―――。


【――冷酷な決断であった。ある者には容易な事かもしれなかったが、別のものにはどう思われるだろう】
【その背後に数十mの化け物を―死に体とはいえ―支配下に置いて、しかし使役者は今までと違って子供≠ネのだ】

【なにか悪い冗談のようだった。人を誑かす淫魔が、もっと力を割いていたのが自らの姿を『偽る』ことで――】
【しかもそれが、恐らくは他者に侮られたくないが為。本当に子供のようなプライドの為であったこと】
【加えて語られる過去――同情の余地などあるはずもないが――、―――。】


   【小さな半魔は、血みどろで、半裸で、ひたすらに全てを憎むような瞳で面々を見やった】
   【『来るなら来い』と――そう言わんばかりに。そして、マモンもまたそれを残酷にも奨励した】
   【勇者たちは急がねばならない。この小さな世界の破壊者に、トドメ≠刺さなければならなかった。】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 00:08:07.64 ID:uFzkBZzao
>>167

ほォう、便利なマジックアイテムを持ってるんだなァ……。

【少女の宝玉の欠片が炎を吹き出したのを見た次の一瞬、彼は彼の"日常"を想起した】

【機関のNo.128、アンダーナンバー、トレーサー・ホーキングとしての死体回収屋……その役目は彼にとって裏、謂わば"非日常"である】
【ならば、彼にとっての表、即ち"日常"は―死体を弄び死線に立つ今の彼を見ても信じられないだろうが―、国から国へ渡り歩く行商である】
【だが彼はただの行商ではない。日用品の傍ら、特殊な物品、俗に言うマジックアイテムも取り扱っている行商なのだ】

【故に彼は、少女が持っている“それ”を見て、普段の日常、機関も殺しも関係の無い世界に一瞬、引き戻された様な感じがした】
【だが、宝玉の発する熱が彼に、自身が今、殺し合いの場に居ることを思い出させた】

―――― 詰んでるってェのは言い過ぎたか。
そんな小粋な火吹き玉持ってンなら、案外なんとかなるかもなァ。

【だが、少女が繰り出したのは、またもや正面からの斬り込み。あまりにも素直過ぎる攻撃は、容易に見切れる】

学習しねェなあ、お前さんも……。

【全身全霊をかけた長剣の斬り込みであろうと、少女の力で人体の盾―それが死体と言えど―を両断出来るはずがない】
【あんな離れ業は、元来、筋肉まみれの生来の戦士にしか出来ない芸当だ】
【―――― まさか、この少女はそれをやってのけようと言うのか?笑わせる。男は心の中で少女の幼さを笑った】

【だが、男は思い知る。少女は確かに子猫ではなかった。彼女がワードを唱えると、刹那、とてつもない量の魔力が彼女から溢れだした】
【その魔力が剣に集中する。そして――― 出来上がったのは長大な光の剣。なるほど、本来、肉の壁を叩き斬る為に必要な“力”を“魔力”で補ったのだ】

【男は瞬時に悟った。死体の壁では防げぬ―――― どころか、このまま受けると自身まで両断されかねない、と】

前言撤回だ。お前さんは、子猫なんかじゃあ、無ェ。
あァ、そうさ、そうだとも、まさしくバケネコだ、こりゃアよ。んだが……

【―――― ところで、少女は意識していただろうか。男は少女との戦闘が始まって以来、"一歩たりとも"移動していなかった】
【……そして、男はこの時、初めて“動いた”】

【男が踏み出すは大博打の一歩。少女の突撃に合わせた、唐突な踏み込み。相対している状況が故に、深く、深く踏み込める……――――!!】

―――― 甘えんだよ、畜生風情がッ!!

【男は蹴りを繰り出そうとする。踏み込んだ足は右足、そして蹴りを放つは逆の左足。狙うは光の剣を握る少女の手元】

【だが、思ったよりも振り下ろしが速い。果たして、男が剣を蹴落とすのが先か、少女の刃が男を裂くのが先か……】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/28(日) 00:16:13.53 ID:oUuVGE00o
>>160

【息をつくことさえ許されない様な緊迫した戦場に、眼前の悪魔とは違った「悪臭」が漂った】
【悪臭―――と言っても、眼前の悪魔からすれば自分が放つ正義に満ちた眼光、闘気が悪臭だろう。つまり相容れない輩のオーラこそが、今言う「悪臭」】
【それを「悪臭」だと感じ取ったのは、この男だけかも知れない。……乱入者とこの男は、正に対極でありそして―――水と油の関係でもあった】

…………ッ〜〜〜〜!!

【状況も状況、大きなリアクションは取ることは出来ないが―――その脳内は、混乱のギリギリ手前までかき乱されていた】
【マーシャル・T・ロウ。彼は言うなれば―――「人を殺さないコトに全力を尽くす正義の味方」】
【だが彼の記憶ではこの乱入者は―――「[ピーーー]コトに全力を尽くすセイギの味方」。正に対極の思想の下で、同じ正義と言う言葉を語る―――そんな人物だという、記憶】

―――やっぱり……か……!!

【その発言、その雰囲気、その表情、その行動―――そして告げられた名前。彼と共闘する―――其の事に、複雑な気持ちを抱きつつも、その瞳は倒すべき悪魔に向けられる】
【眼前の悪魔を倒す―――その目標をこの3人が抱いているならば、協力するに越したことはなく、仲間である。故に息を大きく吐いて、すべき目標に意識を集中させた】


>>166

ジャンクちゃん……ああ、あのロボメイドか―――!!
兎に角気を付けろよ、あの大蛇……魔翌力の質、量共に恐ろしいぜ―――勿論、ソイツを生み出した悪魔はもっと危険だ
だから勢いで攻め込んでもイイ事なんてねーぞ……

【数の有利では相手を上回った、故に攻め時でもある―――が、あの未知数な相手では慎重にならざるを得ない】
【単純に各々が攻撃を仕掛ける―――のではなく、上手くカバーし合い、攻撃を強化し合う。其れが出来れば、いくら相手が人間のスペックを大幅に上回る悪魔だとしても】
【打倒することは十分に可能だとこの男は信じている。問題は、その連携がこの3人で取れるか―――であるが】

―――っ、大丈夫か……!!

【注意しろ、といった途端である。どうやら青年の身体は少々痺れるだけで大したことは無さそうだが―――その隙を狙われたら溜まったものではない】
【広い攻撃範囲と視野を持つ自分が、この戦場をコントロールして1+1+1を4にも5にもしなければならないとの思いをこの男は抱いており】
【故に青年の様子をチラチラと確認しながら男は戦っていた】

/続きます
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/28(日) 00:16:35.88 ID:oUuVGE00o

>>171

アビス……ゲート―――後ろ……!?
(……あの壺か? 何らかの秘密がある……ってことか!? そうだとしても―――大蛇の奥にあるのが厄介だぜ……)

【アビスゲートが何を指しているかが不明であったが、大蛇の口から小さく光が溢れると一瞬影に隠れた壺の姿が確りと紺碧の双眸に映りこみ、その意味を理解する】
【そして口元から零れ落ちた水滴、光―――氷の封印が、解かれかかっている証拠だと気付くことに時間は必要なかった】

ヤバイっっ―――

【そう口にした途端、圧倒的光量が上に放たれたと思いきや―――それは屈折し、光の雨が襲い掛かった】
【突然の軌道の変化、そして右足首を庇う故に緩慢な動き。その光を男は躱すことは出来ず、背中に長く大きな一本の線が奔った】

〜〜〜〜っ、グぉぉァァァアアアッッッ〜〜〜!!

【灼けるような痛み、いや実際に焼けているのだ。斬られる痛みと灼かれる痛みが波となり彼の痛覚を刺激する。冷や汗が滝のように溢れ表情が苦悶に満ちる】
【血が流れ自然と体勢は猫背になり、一瞬身体がぐらついて倒れそうになるくらいだ。しかしまだ―――瞳の光は潰えておらず。肩を上下させて睨むその表情は】

【―――気迫に溢れた、強者の顔。何故か苦しい状態にも関わらず、力強い表情で悪魔を睨んでおり、そして―――両の人差し指に力が加わった】

―――……見せてやるよ、本物のガンマンってのを……弾丸アーチストと呼ばれた、俺の技をよォ……!!

【フラフラになりながらも、男は弾丸を両の銃から発射した。だが方向はやけくそ―――猫背の力が入らない姿勢からの銃撃はあさっての方向に行くと思われた】
【―――しかし、其れは正確な狙いにより発射された弾丸だった。右の弾丸は閉じた扉の縁に当たったと思えば―――跳弾】

【その方向は、正確に悪魔の左太腿へと襲い掛かる。悪魔視点で見れば、真横からの弾丸。視界の外から襲い掛かる其れは未知の体験かも知れない】
【左の銃から放たれた弾丸は悪魔の足元、やや手前―――の地面にぶち当たれば、跳弾を起こし軌道を急上昇させる。そして跳ね上がる其れは悪魔の右肩へと飛ぶ】

【―――これがこの男の十八番、「跳弾」。1mmのズレも角度の違いも許さないこの技を実戦レベルに昇華させ、弾丸を自由自在に操る―――】
【故に人々は、彼を弾丸芸術家(アーチスト)と呼んだ。しかしこの技、多大な集中力で精神を削り、同時に体力をも削るのだ―――】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/28(日) 00:16:36.83 ID:OEZdHqsp0
>>175

知るかよ! 強くなんのは男のロマンだっての!

【昔から――――まだ普通の人間として生活していた頃から、レグルスは強さに憧れていた。そしてそれを自らのものにする事を、喜びとしていた】
【棒術をこなし、強くなった実感があった。その上に、魔術が立ち塞がり、それをも修めようと努力した。その帰結が、今のレグルスの姿だ】

まぁ、そうだろうな! 人間でそんな真似をする化け物なんざ、俺も見た事ねぇよ!
(……しかし、形態を維持するために冷凍庫を使ったって事ぁ……どれもこれも相応に固いってこったな……面倒の上乗せだぜ、畜生……!)

【口先では軽く流してみせるが、レグルスは事態が思ったよりも悪い方へと向かっている事を痛感していた】
【これが冷凍庫でなければ、あるいは腐り落ちたり、元の有機体の筋肉として柔らかかったりしたのだろうが】
【凍っていては、言ってしまえば弾丸も一緒だ。それを無尽蔵に保管していると言う事は――――魔力を半分ほど消耗しているレグルスには良くない話だった】

(……矢玉のちょうど良い所見繕って、あるいは油断した所を本丸を叩くか……どっちにしろ、チャンスを待たねぇと……!)

【この弾が尽きてしまえば、恐らく実利は自分に対抗する手段を失う事になる。それを出来れば、勝利をモノに出来るとは予想がついた】
【だが、今はそれを仕掛けられる状態に無い。ほぼ断続的に、次の弾が飛んでくる状況で】
【しかも、実利本人を攻撃するのは成功の可能性が高くない。確実な一手を、レグルスは欠いていた】

――――ッッ!!

【そうして、動きながらも最低限の頭の余裕で思索に暮れていた所に、再び飛来する次の一手】
【眼前の動きに集中して、レグルスは棍を構える。が――――4発同時は不味い。棍の一撃で全てを振り払いきれないからだ】
【出来るのは、2つを振り払って、何とか身のこなしで回避して見せる事ぐらい。それも確実とは言えない】

うっ――――ぉぉぉぉおおおおおおッッ!!

【レグルスは、咄嗟に両足を狙う2尾を棍で打ち砕く。足を狙われて機動力を奪われるのは、何より不味い】
【先ほど自分が実利に仕掛けた様に、その効果は計り知れないからだ】
【何よりそのダメージだけを負う訳にはいかず、レグルスは足を優先した。腕の攻撃力を奪われても、最悪魔術が残っていると言う計算もある】

ッ――――――――がぁッ!!

【だがそれは同時に、両腕が無防備に近いと言う事も意味する。咄嗟に身体を捻ったが、右腕に魚が痛く突き刺さった】
【左腕はどうにか回避できたが――――利き腕に深く突き立つと言うのは、状況として不味い】

(ッッ、くそ…………だが、光明は見えた…………何とか、チャンスを……次の一撃で…………!)

【負傷して、状況は悪化するが、その中にレグルスはとある策を見出す】
【棍を左手に持ち替え、まともに振るえるかどうかも分からないが、ともあれそのチャンスを見出すべく、レグルスは身構える】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/28(日) 00:38:13.44 ID:SuWGQS0fo
>>182

男のロマンか、実に説得力のある一言だね
私にはよくわからないけど……ごほっ!

【言葉の途中で咳き込み、吐血する】
【体はすでに大きなダメージを受け、なんとか「煙」の効果でごまかしている状態だ】
【しかし、それも少し綻んできていた】

けほっ……
(4発中1発命中か、上出来だね)

その魚はプレゼントするよ
君の魔術で焼き魚にでもするといい

【自らの体力の衰えをごまかすように、相手に挑発の言葉を放つ】

【棍を左手に持ち替えたということは、右腕を実質機能停止できたと考えても良いだろう】
【勿論、それだけで棍を振るえなくなるような男ではないだろうが――】

(相手はこちらの様子を伺ってる……何かする気かもしれないけど……
今は攻めの手を緩めちゃまずいね)

【さらに指を鳴らせば、今度は後方の箱から2つの肉片が飛び出し、レグルスに向かう】
【大きさは最初に放ったものと同じ程度だ】

たぶん豚肉だね
ソテーにすると美味しいんじゃない?
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/28(日) 00:41:19.67 ID:1JBexkDio
>>176

“掴めんかった”……それだけやわ。
打ち所がええようで何より……

【生きていたのか。そんな視線だった】
【だがそれは残念だとか、そういったアイロニーを感じさせる類いでは無くて】
【まさか、安堵など―― 一瞬の見間違いのような表情はすぐにしかめ面に戻る】


【状況は目まぐるしく変化し、結果的に転送された先にて】
【聞かされた過去が僅かに似ていた。ただし決定的に違うのは、其処に相手の意思が無かったと言うことだが】
【所詮は、それだけだ。そう切り捨てる思考ならば、かつて暴虐を振るった淫魔の彼女と同じように冷え切っていた】

――……

【放つ言葉はなく、昔話に拍手をするでもなく。すうと上げた片手は攻撃の準備だ】
【十二の神将が武器を携え、比較すれば酷くちっぽけに見える少女へ狙いを定める】

【止める者がいないならば、止める力が無いならば】
【神将は月彗の合図で一斉に“浄化”の力を振りかざし、】


【少女の――背後の、化け物へと襲い掛かる】

【天部の神将は教えに従わぬ者を懲らしめ、“悟らせる”事を意義としている】
【この場合で言うなら。まさかマグダラのマリアのように、と?】

――…………

【行動にするのは其処までであり、月彗はそれ以上の何かもしなければ、答えも語らない】
【後は他の者に委ねた。つまりはそういうことだった】
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [saga]:2013/07/28(日) 00:44:57.95 ID:5TunzH080
>>171-172

部下? ・・・部下? 俺が君の?
そいつは、傑作ジョークだ。俺は正義の味方だってのに?

【邪禍を穿った『触腕』は緩く蠢き、掃除機コードめいて縮む。】
【自由自在、伸縮自在の触腕。それが戦において、この男の『楽器』――悲鳴の音を奏でる為の。】

【薄気味悪い笑みを浮かべつつ、広範囲を焼く光を回避。】
【とはいえ、『軽く』とは・・・とても言えないだろう。数カ所に掠める。】

ああ、痛・・・全部は避けきれないね。いい攻撃だ。

【ハットを抑える。嗤う。】

【そして、攻撃する。】

じゃあ、次は・・・こいつで、『奏で』てみよう。
君もわりかし、いい音がしそうだからね・・・

【触腕は『力』だ。不気味な宝玉が彼に与えた殺戮のためのアイテムだ。】
【故に、扱う。自由自在に。触腕の尖端が『刃』状と成る。】

うふふ、斬れ味は保証するよ。
君のその悪人ヅラをバラバラにしてあげよう。

【悪人ヅラは、この男も同じであるのだが。】
【そんなことは関係ない。触腕が再び伸びる・・・速い! 先程よりわずかに速い。】

【横薙ぎに、邪禍の顔を斬りつける動き。】
【だが、シンプル。ゆえに、回避はたやすい・・・これが、1vs1ならば。】

【また、彼の左腰からも僅かに触腕が伸び・・・その尖端が、開き始めている?】
【何か、仕掛ける気か――少なくとも今は、準備段階か。】

>>180

【彼の目にも、無論、あなたの姿は映っている。】
【相変わらず、正義の目では無い。殺人鬼のそれだ。しかし、正義なのだ。】

【此方からは、何も語るコトはしない。】
【だが――少なくとも、今は仲間である。つまり『正義』だ。】

【この場の全てが・・・邪禍すらも正義。ミストドラゴンはそう考える。】
【そして、敵対する正義は、ねじ伏せる。それが、ミストドラゴンであった。】

【繰り返すが――ミストドラゴンがねじ伏せるのは、『敵対』する正義。】
【相対すれど、ロウとミストドラゴンの正義は今、敵対しない。ゆえに協力する。】

>>166

【一方、剛太郎のコトを、ミストドラゴンは『知らない』】
【ゆえに、協力に何の問題もないのだ。それは、剛太郎→ミストドラゴンについても、恐らくは同じだろう。】

【ミストドラゴンとしては、三人が協力するコトに異論は無い。何の問題もない。】
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/07/28(日) 00:48:01.34 ID:fEqkZfaao
>>179
【カウンターで繰り出される蹴り】
【このままいけば、自分が死ぬか相手が死ぬか、この蹴りの成否で決まるのだろう】

(私が、殺す……?)




【───次の瞬間、十字剣、否、長剣が宙を舞っていた】
【蹴り上げられたわけではない。短剣との接続を解除して上方へ、前方へ放り投げたのだ】
【そして少女自身は進行方向を逸らし、勢いは殆ど落とさずに横を飛び抜ける動き】

はん、あんたみたいな下朗と真っ直ぐぶつかり合うなんて勘弁ね
この私に畜生だなんて失礼なこと言うようなやつと、何時までも関わりあってたくないわ

【長剣の落下先に回り込んで回収すれば、短剣を背に戻して宝玉の欠片を取り出して】

ま、今回は初めてだから見逃してあげるけど、もし次もそんな口聞いたら今度は叩き斬るから、そのつもりでいなさい

【入り口から入って横を通り抜けて、それからまた後ろに回ったならそちらはまた入り口側となっている】
【一瞬入り口の方が炎で見えなくなれば、その後には少女の姿はなくなっているだろう】
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/28(日) 00:50:04.58 ID:+NfN38z0o
>>172>>180>>185

【ぐ、と即座に腕を引いて貫手を戻す、手ごたえは確かにあった】
【だが剛太郎の戦いの感はまだ警戒を解くなと己に告げている、集中を切らず悪魔への戦意をぶつけ続ける】
【しかし、次の一手にて放たれた悪魔の高熱の光が降り注ぎ、剛太郎に痛みを与え続ける】


――――っ、無差別攻撃かよ……!
結構キツイかも……ムクは大丈夫か?

「じゃからいつも貴様がやっちょるサシでの決闘とは違うと言うちょろう
ここは戦場、どんな手が飛び出してきてもおかしくはない、二年もこの世界にいてまだわかっちょらんとも思えんが

―――そろそろワシも介入する。見せてやれい剛の字!」


【ムクと呼ばれた犬が、首に下げていた複数の鍵の中から赤色の宝石が施された鍵を口で取り外すと】
【首で器用に剛太郎めがけて投げる、剛太郎も難なく受け取ると、ポケットから横長の六角形の錠前を取り出して前に突き出す】
【すると、彼の腰回りに光が灯り、ほんの一瞬で彼が引いてきた棺型の魔術礼装と同じ装飾のベルトが発現する】

【錠前とカギを持った両手をクロスして前に威圧するように差し出して…次に肘を引いてカギを持つ右手を顔の横まで引く】
【そしてその錠前を持つ左手を右手へと持って行きそのままカギ穴に差し込んでガチャリとひねる】
【するともう一度錠前の外殻が凹凸状の溝にそって割れ、内側から赤い輝きを放つ】
【そのまま引き抜いて錠前を前に威圧するように差し出すと、錠前の内側から吹きこまれたような声が響く】


「―――『Flare≪フレア≫』 Lock-free』

変 身 ッ !


【内側から赤く開いた錠前をベルトの中央部に押しこむと金属を叩き割る様な甲高い音が鳴り響く】
【ブル、と空気が震え剛太郎の身体が銀色の、というか鉄の色をした何かのエネルギーに包まれてる、その同時棺桶型の魔術礼装が彼の後ろに移動する】
【錠前に連動するかのように棺桶が開くと……そこから赤いエネルギー玉に包まれた炎のナイフのような物が姿を変えて行く剛太郎に接触する】

【バリン!と割れると…無機質でのっぺりしたシルエットの戦士が登場すると同時、赤い炎のナイフが入ったエネルギーが肩や胸のプロテクター、仮面のパーツになる】
【胸と肩などでつなぎ合わせその顔の前面に仮面のパーツががっしりとはまれば…】

【顔の正中線を赤い刃が突き出した横縞の溝のついた防護の鉄仮面の下から赤い複眼を覗かせた異形の顔立ち】
【肩や胸に肩衣半袴を思わせるデザインの堅いプロテクターで覆われた肘や膝に鮫肌のようにザラリとした手触りのサポート】
【手の淵や踵は鋭く尖った鉄となっており……本気を出して叩きつければ本当に斬れそうなデザイン】


「見せてやれい剛の字、お前の技と、ワシの最高傑作、武者型魔装一号機『炎牙』の力を!
魔術の起動は全てワシが行う、お前はいつも通り、長年鍛え上げたその葉隠の技を打てばよい!」

―――応ッ!まかせておけよムク!サポートは任せた!――葉隠流『椿』!


【全身を魔術の鎧で覆い、異形の戦士と化した剛太郎】
【次の技や新しい召喚を行われるよりも早く、一度クラウチングスタートの様に姿勢を低く取ってからの突撃】
【彼の最も得意とする距離を取るべく、ガンマンの攻撃が放たれたと同時、楽器持ちの男の斬撃の後ろから付いていく形で飛びかかり】

【悪魔がシンプルな斬撃を斜め後ろに避ける動作をすると踏み―――その回避行動を終えた所で腹部目がけ己の額を勢いよく叩きつけるつもりだ!】
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/28(日) 00:55:08.07 ID:OEZdHqsp0
>>182

……その為に生きるってのも、乙なもんだろうが!

【レグルスの怒号が響く。冗談みたいな一言だが、レグルスからしてみれば半分本気の言葉だ】
【何もかもを失った怒り・悲しみ。それらを、魔術の道に入り、ひたすらに没頭する事で、上手く昇華出来たのだから】
【ロマンの為に生きると言う、直情的な言葉も、かつてはレグルスの心を救った事があった】

(……ッ!? 咳き込んでる…………そうか、チャンス……!)

【挑発の言葉よりも、そこに混じる咳にこそ、レグルスの意識は向いた】
【この能力、実利は己の生命力を削って使用している。ならば、今もその体力は緩慢に消費されていると言う事でもある】
【それがとうとう負担として表われてきた――――今をチャンスと言わずに、いつをチャンスと言うのか】

(……耐えられるか? いや、気張ってみせるぜ……!)

【飛び込んできた肉片2つ。利き腕が封じられている以上、それを確実に落とす事は出来ない】
【だが、実利の消耗を考えれば、今を仕掛けるのが最高のタイミングのはずだ】
【ここは、自らも消耗覚悟で飛び込んで見せるのが正解のはずで】

――――――――知ってるか? 中華料理の極意は『強火で手早く』だ…………この食糧庫全部、料理してやろうじゃねぇか……!
…………バル(火)・フェン(飛翔)・イム(怒り)・ラン(レベル5)…………『マジックボム』!!
――――全部だ、全部吹っ飛びやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!

【棍を外した右腕に、ぐっと力を込めると前方へと突き出し、叫ぶようにスペルを詠唱する】
【瞬間――――右腕に、ハッキリと目視できるほどの魔力の流れが集まり、サッカーボールほどはある、巨大な火球が冷凍庫目掛けて発射される】
【最初に牽制として放った、爆発する火球と同質の魔術だ――――ただし、そこに込められた魔力は比べ物にならない】
【滅多な事では使用しない、最高レベルの魔力を込めて、レグルスはそれを解き放った】

(……札が影響してるなら、全部燃えちまえば同じだろうが!! それでなくても、解凍されちまえば武器としての効果は激減……!)

【レグルスの策は、結局のところ『敵の攻撃は炎に弱い』と言う予測に依っている】
【全て焼き払ってしまえば、貯蔵されている弾丸は、ほとんどがその機能を失うはずだろうと】
【それをするのは、実利の消耗が見えている今が何よりのチャンスのはずだと考え、冷凍庫そのものを吹き飛ばさんほどの勢いで、その魔術を放ったのだ】

ぉおあああああああッッ!! ――――――――ぐ、はっ…………ッ!!

【だが、言ってしまえば飛来する2発にはほとんどノーガードの姿勢での一撃と言う事でもあり】
【まともに腹に喰らったレグルスは、後方へと吹っ飛ばされ、その場にダウンしてしまう】
【すぐさま起き上がらなければならないのだろうが、流石に衝撃は大きく、絶息したまま動けなくなってしまう】

【残存魔力 5/17】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/28(日) 01:01:07.61 ID:2plqTAVK0
>>174

【……戦闘狂。観た事は数あれど、未だ共感は出来ずにいた存在の言葉、】
【彼女には―――――― “手段” であり、それそのものへの興味などなく、 】
【だが男には “目的” なのだろう。無為の戦いを、言葉から繋がる不意の防御が、降り注ぐかの液体が、返される一撃が繋ぎ、続けて】

(――――――――……っ……!)

【酒気に顔を顰めながらも怯まずに退避―――― この類の “殺せぬ” 業でもっとも恐るべきは、そこからの追撃と判断して】
【刃圏を逃れる瞬息が後ろ向きに避けた。……避けたが、鋩がごく浅く胴を撫で斬っていた。】
【だが流れ込んでくる酒気は其れ以上のモノ―――― 一瞬、不意を打たれた意識が混濁しかけて】

……こんな、ものを――――……誰も彼も望めると思うの?

…………いいえ、そんな事はどうでもいいか。
“必要なだけ” 研ぎ澄まし、“必要なだけ” 徹しきる。

……求めた意味はその先にある――――――――― ……その果てへ、この剣が導くだけだ……!

【直ぐに彩度を取り戻すが、“自分でもなく”、“彼でもない”――――― そんな “誰か” の事を少女は口にして/浮かぶのは理解出来ぬ存在への拒絶、】
【だが錯覚とも取れるだろうか、何れ何事も無きが如くに、剣士は新たな手を打つのだろう】

【獣の如く低く身を沈め―――――― 低空から男の右側に踏み込み、そのままの姿勢から急速に上体を反転、】
【天を仰ぐ様な背臥の一瞬/振り返りざまに右脚の脛を “真後ろから” 狙う円軌道の斬撃、】
【翻るコートの裔が時計回りに渦を巻き、その鮮やかな回転の方向を伝えた】

【……“至近距離で”、“足許の低空に”。二重に対処を困難にする神速の一手だが、幾つか、付け入る隙ならばあるのだろう】

【第一に特殊極まりない踏み込みであること。低空を蛇の様に滑る体勢の都合上、そこからの追撃は望めずに】
【第二に急速な “反転”。全身を男の右脚の真横に抉り込ませ、そこから一気に急転させるのだ―――― ほとんど目に見えぬ予備動作に入れば、もはや解除も修正も困難だろう】
【ゆえに重要になるのは発動時の先読みだ。目線を、或いは呼吸を―――――― 】
【読みきれば最善の対応を取り得るか。瞬時に完成するその一撃もまた、絶対的な斬撃ではなく、】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 01:03:46.66 ID:uFzkBZzao
>>186

【一瞬、何が起こったのか男には理解出来なかった】
【蹴りが当たった手応えは感じられず……しかし、光の剣が身を裂く痛みもない、どころか先程まで光を纏っていた長剣が頭上に舞っているではないか】

…………。

【恐らく、少女が自身の手で剣を放り投げたのだろう。考えられる理由は……躊躇だろうか】

はン……まったく、素直じゃねェ子猫ちゃんだぜ。移り気な所も、まさにな。

【―――― 男が、真に邪悪で無かったのが幸いだったものの、もしも、彼女と相対するのが殺気立った戦闘狂だったなら……】
【男は、少女にその事を忠告しようとしたが、思い留まった。それは何故か?】
【……見ての通り、プライドの高い少女だ。こんな“下郎”に忠告されるなど、癪に障るだろう】

……まァよ、なんだァ、そのよ、これまた俺のちょっとしたプライドでよ……、
明らかに年下の、しかも女の子相手に、本気出して、そのうえ命まで取るなんて、無粋な事は、俺もしたくねェ。

【少し舌打ちすると、左手をパーカーの隙間に突っ込み、黒い巻き毛をくるくると指に巻きつけて弄ぶ】

―――― 帰りな。……命は大事にな。

【男がそう言ったのを聞き届けてか否か、少女の姿が一瞬間、燃え上がる炎に遮られたかと思うと、そのまま消えた】
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/07/28(日) 01:06:52.72 ID:iSu1cXqJo
>>176-178>>184

うェ、ぐ……!

【《流星》は、その名の通りの煌めきを残して散り――それを見届けるよりも落下は早く、数度のクッションを介して着地する】
【頼もしい味方の参上に一度そちらを見向きもしたが、エリザベスとマモンの忠告を聞いて、リリアから遠ざかりつつ耳を塞ぐ】
【しっかりと耳の穴を指で塞いでいながらも、体に叩きつけるような音は辛く。首を絞められたように固く息を呑んで耐え忍び】
【やがてリリアに対しての攻撃によって“聲”は途絶え】
【何よりも目を離せぬというようにじっと視線を向けるのは、落ちていくレヴィアタンの姿】

……きれいだ

【アルファルド――うみへび座α星、コル・ヒドレ(蛇の心臓)と、その姿を重ね合わせたのかもしれない】
【彼女の、美しく穏やかな怪物の魔力の輝きをまるでそこに己の愛しく思う大河の姿が有るように見つめて】
【ほんの一瞬、見蕩れるようにそうしてから。再び視線を合わせるのは、昇りゆく黒龍】
【己が力の源とする星々の姿が塗り潰されていく、吐気を起こしたようにくらりと左手を口に当て】
【室内から、彼が引きよせた水の力が失せる。星の煌めきが消える】
【戸惑いのうちに、ナウファルもまた屋上へと転送され――】


【聞かされるのは悲痛にして余りある彼女の過去】
【見せられるのはきっと今の状態でも己は勝てぬのだろうけれど、それでも儚く思えるような彼女の姿】
【“キミ達はさぁ、所詮アリやプランクトンと変わらないんだよ。弱くて、ちっちゃくて、存在する価値も無い”】
【いつの日か、そう言った彼女の声が耳の中に甦るようだった】

……うン。俺は確かに、御前が憎い。そして俺のヨうな者が、御前に掛ける言葉など無いのだロう
御前が生きていればソレだけ被害は拡大し、ソして下手に情けなど抱こうモノなら、多分御前は激昂する
俺は、きっと幸福なイキモノだ

【右手に曲刀を、左手にラピスラズリのペンダントを。瑠璃色の石を握りしめて、麻紐から引きちぎる】
【月彗が、いつか戦った相手が抜け殻のような化物に攻撃を加えたのを見て、一瞬迷うように視線を泳がせたものの】
【星の石をリリアに向けて翳すように持ち、ゆっくりと彼女に向かって歩き出す】

御前トのレナールでの戦いで、俺は自分の甘さに気付かさレた。俺には、目的ノ為に犠牲を払い切り捨テる覚悟が無いと
だから、俺は――“全てを救う覚悟”を決メテ、この討伐隊に参加した
全てを救うコトは不可能だロう。それでも俺は、この手ノ届く限り、足掻きたい
「自前の勝手な正義観に酔って、目の前の現実すら見えなくなった」、ソう言われようトモ

               ミルドラの寛大なる光
――……俺は、《ナウファル・ディヤー・アル=ミルドリー》だ

【手にした星の石は故郷から持ち出した、彼の借りる大河の女神の力を込めた《ラピスラズリ(群青の空の色)》】
【今の彼女になら通じるか、否、いかに星の力といえどヒトの身の力など通用する事は一向に無いのかもしれない】
【血にまみれた少女の額にもしもその石が触れたならば、瑠璃石は内側から砂のように崩壊し】
【それと同時に、水と聖の力を解放するだろう。例えば彼女の内の魔の部分を、押し流すかのような】
【押し流されるものが何かは分からない。力、血筋、あるいは記憶か。それは全て、女神のみぞ知る結果】

【全ては、途中で誰かに止められる事の無ければの、話】
【その誰かは敵か、あるいは味方か、本人の手によってか】
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/28(日) 01:18:36.69 ID:sDacnEBXo
>>176>>177
【月彗の浄化の攻撃。氷の瘤が破壊される。自身の銃撃。水の瘤が弾け飛ぶ】
【自身の攻撃がもたらした成果を確認した次の瞬間。歪な耳を通して脳裏に流れ込む声】

【案内役の女性のものだということは即座に理解できたが、そのあとに続く言葉を自身の内に落とし込んだのは】
【空間を引き裂いて新たな悪魔が現れるのを、一つ目で確認して後のことであった】
【自身の体躯すら遥かに超える、巨大かつ異形の姿】

…………!!! デュアルども!! 戻れ!!
『チッ、俺らの掃除は空振りだったな……』
「このタイミングで隠し玉とはな……」

【この状況下でぼやきながら、デュアル兄弟がカニバディールのそばへ飛ぶ】
【直後、カニバディールの頭部が原型を失い、デュアル兄弟へと伸びて彼らの身体を覆い隠した】
【自身の肉を用いて、計六つの耳を塞いで見せたのだ。厚い肉壁が、リリアが放つ狂想曲から三人を防衛する】
【しかし、10秒で人を破壊する歌だ。完全に防御はしきれない。音が響く間、内側からさらに肉が膨らみ継ぎ足されていく】

【轟音。セリーナの零距離射撃。それを受けて、ようやく肉のガードを解く】
【歌の余波を受けて、ふらつく足を何とか抑え込み。現状を確認すべく、辺りへ視線を巡らせる】

【壁から外へとずり落ちていく巨体。入れ替わりに現れる少女】
【確か、かの金獅子が機関へ宣戦布告をしてのけた時に、その傍らにいた。そこまで記憶の糸を辿ってから、いったんそれを切る】
【敵はまだ転落しただけ、完全な死を確認せねば安心はできない。疑念を肯定するかのごとく、視界を横切る怪獣の影】


【壁へと近づく三人の異形。五つの瞳は、鮮血に彩られて登りゆく、黒龍の姿を認識する】
【目まぐるしく変わる状況、しかしそれについていけなければ戦場で生き残れはしない】
【だが。さすがに世界が全く違うそれに塗り替えられていく様には、意識を持って行かれた】


……これが、魔界というやつか
「生きているうちに、こんなものにお目にかかれるとはな」
『いかにも、それらしいとこじゃねえか。悪魔どもには似合いの土地だぜ』

【三者三様の言葉を漏らす彼らの耳に届く、アモンの独白。次の瞬間、転送。あの日、リリアによって火山の中へ誘われた瞬間を思い出す】
【魔界を一望できる、果てしなく高い塔の頂点。塔の主は、そこに横たわっていた。仇敵が、巨体から排出される――】
【五つの瞳が、形を変えた。幼い少女の姿。そして、アモンの口から語られていく、過酷な境遇】


悪魔を滅ぼす……なるほど、それが目的だったというわけか。そのためだけに、こちらの世界を乗っ取るつもりだった、と
『13歳……こんな小娘にさんざいいようにされてたわけか。つーか、わざわざこんなとこまで出張ってきたってのに、俺ら何もしてねえなあ』
「言うな、弟よ。空しい。……さて、カニバ。ここまでくれば、我らは傍観に徹することにする」

【話を聞き終えた三人。デュアル兄弟は感慨も特に湧いた様子もない。彼らとて、泥を啜り、砂を噛んで生きてきたのだ】
【仇敵の過去を聞いたところで、対して思うところもない、といった様子だった】

【カニバディールは、一つ目でじっとりと少女を見据えていた。粘つく視線。値踏みをするかのような、無遠慮な視線】
【やがて、その唇が歪む。両手に持ったアンチ・フリークス・ブラスターのスライドを引き。ゆっくりと構える】
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/28(日) 01:19:02.91 ID:sDacnEBXo
>>178
【視線も、銃口の狙いも些かもぶれはしない。狙いは、少女の頭部だ】
【その体勢のまま、口から静かに漏れ出る言葉。周囲の者はすでに省みず、リリアのみを見据えて】

……お前がやったことで死んだ者のことは私の知ったことではない。私は、利己主義者だ
ベケンプフェン様と同盟を組んだのは、お前が機関の中でのさばっていたから……ここに至っては、すでに盟約は果たされた、と私は判断する
お前も今更、機関に返り咲く気はあるまいな?
彼女の語った機関への罪に関しては、下っ端の私は裁く権利を持ち合わせていない


ならば、私がお前と関わって失ったものは、両眼と両耳と両の親指。それだけだ。とはいえ、肉体を引きちぎったのは、もとはと言えば私の意思だ
失った部位全てを引きちぎる、というのも、意趣返しというには少々違う気はするな
参謀閣下から承った分は……この銃の実地テストと、お前に撃ちこんだ二発で清算、ということにしておこう


……さて。ならば、この辺りが落とし所だろう
今から、この銃でお前の右耳を狙う。参謀閣下特製の対魔銃だ。下手をすれば死ぬかもしれんが、その時はその時だ
一発。お前の右耳を狙って撃つ。私からは、それでお終いだ


【長々と一人で言葉を吐き連ねる。リリアがこれを聞いているかいないかは、問題にしていない】
【言葉を終えれば、言葉通りに。カニバディールはアンチ・フリークス・ブラスターの狙いを頭部からずらし、少女の右耳に照準を合わせる】
【先ほどまでと同じように躊躇いなく、引き金を引き絞る。銃声。特殊な対魔弾が少女の右耳めがけて飛んでいく】

【わざわざ宣言までした以上、軌道の予測はたやすいだろう。とはいえ、対魔の銃。右耳を吹き飛ばすだけでおさまるか、それはカニバディールにはわからない】
【撃ち終えれば、後は言葉通り。銃を下して、その場の流れを静観する構えに入るだろう】
【他のメンバーやアモンが何をしようと、カニバディールとデュアル兄弟が邪魔をすることはない】
【無論、自分たちに塁が及ぶ可能性が出てくれば、話は別だが】
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/28(日) 01:19:51.67 ID:x7HR/Y9ho
>>190
【真に邪悪な者が相手であれば、躊躇などなく斬り裂くこともできたのだろうか】
【その辺りは若いながらも色々と経験を積んでいるのか、元々そういった面で敏感なのか、かぎ分けていたのかも知れない】

【──因みに、やたらプライドが高いのでよく下朗、下朗と言っているので悪しからず】


/お疲れ様でしたー!
/下の部分はちょっと気にしないでくだちい

-----------

【時間は変わって、諸々終わった後の帰り道】

はぁ……能力なし、剣だけで戦うのってやっぱり限界あるわよね……
宝玉もいいけど、また色々考えないと……って、何あれ?

【少女がその女と出会ったのは、そんな時の事だった】
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/28(日) 01:22:08.43 ID:bdU45buUo
>>176-179

【―――ジジ、ジジジという。不快な機会音は、破壊された魔導機関――魔力製造エンジンが限界を向かえ】
【機構の半分以上を損失し正確に鎧<アーマー>へと魔力を供給できなくなり、彼方此方へとエネルギーを放出している証拠だろう。】
【各部のパワー・アシストを受け付ける外骨格・関節部分の魔力循環チューブは千切れ、バチバチと火花を散らし】
【肝心の防弾・防刃・対衝撃仕様の装甲部分はといえば――粉々に砕けた箇所と、罅割れた箇所、吹き飛んで中身が見えている箇所等】
【損傷状態すらもバリエーションに富むような状況――余りにも強烈な突進を正面からマトモに喰らい】
【さしものティターン・アーマーといえどもはや稼動など絶対に不可能な状況にまで"破壊"されていた。】
【幸い、木っ端微塵にこそなっていなかったものの、原形を留めている装甲部分など全身見回してもほぼ、無いといえたし】
【動力機関も故障し、魔力が循環していない情況では――まして、中身の――そう、中身が"倒れ付したまま"では】

【―――再起動の可能性などゼロに等しい。鎧は鎧、装着する人間が息を吹き返さない限り――もう、動く事も無いのだった。】
【セリーナ・ザ・"キッド"はドラグーン・キャノンを発射したその直後、激しいダメージで意識を飛ばされていた。】
【砕けた鎧からは内部のセリーナがズタボロに、血を流し死に掛けている状態が見えるだろう。】
【纏っていた洋服すらも引き裂かれ、頭部のメット部分も完全に割れていて――目を閉じたままの彼女と】
【綺麗な筈の金髪が鮮血で真っ赤になっているのが覗ける―――傍目には、完全に彼女は戦線離脱状態だと、そう思える状況。だが】

【―――しかし、此処で龍がセリーナを通り過ぎて、落下していた事が幸いした。追撃が無いという事は――誰かに救出されれば】
【息を吹き返すだけの猶予は存在するという事――問題は誰がこうなった彼女を救おうとするか、という部分だったのだが――。】

【―――どこか、遠くのほうで声がした。】

【―――聞きなれた声。しかし、実際に耳にするのはなんだか、とても――久しい気すらするような、そんな―――そう。】

【懐かしく―――暖かい、声だ。これは――――?いや、そうか―――忘れる筈が、なかった。】



(―――・・・ここまで、かな。まさか、塞き止められずに直撃するとは、ね。なっさけない終わり方だなぁ、もう・・・。)
(でも――もう、無理だ。感覚が無い、意識も朦朧としてて――体が、ちっとも・・・動かない。)
(銃は・・・銃すら、握れないなんて・・・えへへ、取り得がなくなっちゃ――・・・て・・・?)

(―――・・・違う、これは・・・アタシの声じゃない、誰かの―――嗚呼、違う。)

(―――"誰か"じゃない、この声は――――この、声は・・・っ・・・!!)



【―――ドクン、という、鼓動の音が鳴り響く。瞬間、魔導機関は唸りだす―――ッ!!】
【破壊された部分に無理矢理、なんと循環機能を用いずほぼ、魔力をばら撒いて粒子状にしたものを纏う様な形で、動き出した――ッ!!】
【関節が息を吹き返す、HUDにライトが灯る―――なにより装着者の意識が、確かに、今――】


―――あ、あ・・・ッ!

―――アン、ジェルッ・・・ッ!!


【――覚醒。呼び声に、叫びに、涙の零れる音に呼応するよう――セリーナの瞳が、ブルーとも、翡翠とも取れるような神秘的な輝きの其れが】
【再び、開かれたとき――眼前に飛び込んできたのはずっとずっと、会いたくて仕方の無かった"彼女"の姿で―――!!】
【叫んだ、その名を、眼に涙を一杯に浮かべて――そう、セリーナは泣いていた。確かに、今――誰にも見せないであろう、涙を見せて。】
【龍の紋章の象られたバッジが、強力な魔力でアーマーを擬似的に復活させたのだとしたら】
【刀を持った少女の――アンジェルの声は、セリーナのハートという名の機関に、しっかりと届いていたのだ――これで、ピースが揃った。】

【――ウォン、という重い音を立てて――ティターン・アーマーは"騎士怪醒"するだろう・・・ッ!】
【息を吹き返したセリーナが、魔力の力で段々と、感覚能力を取り戻していく――ッ!全快時の10パーセントにも満たない力だが】
【それでもきっと、この勝負、"立ち上がる事"にこそ意味があるのだと、そう、信じて――ッ!!】

―――は、ぁ・・・っ!!ハァ・・・ッ!!、く、ぅ・・・んっ・・・!!

―――、ぁあああああああッ!!
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/28(日) 01:23:12.85 ID:bdU45buUo
>>176-179

【片腕が地面を突き、体重を持ち上げ、膝が立ち、そしてセリーナ・ザ・"キッド"はとうとう、立った。】
【今度こそ、全てを終わらせる為に――破損したアーマーから、官能的な肉体を露出させ――】
【残り2発となった"弾"末魔を、構え。撃鉄を起こし、そして――転送。】

【気がついたときには、既に"マモン"の力により屋上へと運び出された、その後で。】
【ただ――真に驚いたのは、いやセリーナの胸を打ったのは、この光景そのものでもマモンの威圧感でもなく――】

【その口から語られる、余りにも悲惨すぎる"彼女"の過去と――本来の彼女の姿、であった。】

【――恨んでいるだろう、という言葉。もはや倒すだけの存在へと成り下がってしまった、リリアの状態。】
【怒りと、恨みを募らせ、結局復讐も遂げられぬまま――彼女は、撃ち滅ぼされなければならない。】
【果たして、それで"良い"のだろうか。果たして、それで"済む"のだろうか。】

【仮に――此処で彼女を"仕留めなかった"として――マモンがそのまま、許すとも思えない。】
【であればもはや、選択の余地も熟考の余地もあるはずが無く。セリーナは、ただ――"弾"末魔を、構えた。】


【――――"マモン"に、向けて。】

【もう一度言う。"リリア"ではなく―――"マモン"に向けて、だ。】


―――・・・ふぅ・・・。何の因果か・・・アタシは息を吹き返してしまった。ホントなら、さっきあそこで・・・っ、
倒れたまま、十数分もすれば彼岸の向こうに行くのは間違いなかったのに・・・ここに戻ってきてしまった。
ううん、"戻ってきた"。そう、アタシが――アンジェルに呼ばれて、アタシも戻りたいと、思えたから。

――なんでだろうね。さっきからさ・・・煮え切らないんだ。
同情とか、可愛そうだとか、殺したくないだとか、偽善だとか・・・きっと貴方<マモン>は思うかもしれないけれど
"そういう結末もあるんだ"っていう、大人が良く使う都合の良い台詞で――・・・アタシは彼女を、撃ちたくない。

――最初は、絶対に倒さなきゃいけないって思ってた。綾ちゃんに意地悪した事も
風の国を滅茶苦茶にした事も、アンジェルをいたぶった事も、絶対絶対許せない、って・・・そう、思ってた。

事実、なにも許してなんかないよ。アタシはリリアを、許せないと思う。けどね、アタシは――これじゃ、ダメだと思う。

【破砕した胸部装甲を、自力でひっぺがすと――セリーナはシャツの胸元を破り去り、其処に記された大きな"印"を――見せ付けた。】

――・・・覚えているでしょ。リリア、アンタがアタシにつけたこの刻印。痛かったよ、毎晩毎晩、ずっと疼いて、心がどんどん犯されて。
夢でもアンタが出てきて、アタシの仲間を殺したり、それを嘲笑ったりし続けた。その度に苦しくて、死にたくて、どうしていいかわからなくて。
恨んで恨んで、アンタを倒すことだけを考えてきた。けどね――いつからか、夜を越えるのがもっと違う意味で、苦しくなってきたんだ。

―――夢の中で、アンタは怒ってた。人間にも、悪魔にも、何もかもを憎むような眼差しで――・・・憎悪をむき出しにして。
単純に見たら悪いヤツかもしれないよ?けど――怒ってる、ってことは・・・苦しんでる、ってことなんだ。
アタシはそれを、自分がこの印を付けられた事でやっと理解できた。

あの夢の中で――今日までの苦しみの中で、結局全員が――登場人物全員が、傷ついていた。
"誰か一人くらい"――なんて、言わないよ。ホントはみんなが、救われるようにしてやるべきなんだ。
殺す勇気も勇気だ。けど――今、アンタがなんで怒ってたのか、その根底のところを聞くことが出来て、わかったんだ。

―――生きなきゃいけないよ。アンタの罪は、アンタが背負ってる業は、アタシの弾丸一発で終えられるものじゃない。
命一つ失う事で、償えるようなものなんかじゃない。

―――だから、アタシは撃たない。マモン、貴方にも彼女を殺させたくない。

―――これが、アタシの選択だよ。大人も子供も・・・悪い事したら反省、でしょ?

【―――何を言い出すかと思えば。今や瀕死のガンマン一人、この場を制止できる筈も無い。】
【ただ――それでもきっと、彼女は撃たないだろう。代わりに、捕まえて封印する事を提案する筈だ。】
【"晒し揚げる"という選択についても異論は無い、ただ――命を奪うのは、よくないと。そう、告げた。】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 01:27:42.31 ID:uFzkBZzao
>>194

【それから――――】
【少女が去って、今回の事件も終息に向かっている頃……】

さて……と。
―――― 仕事しますか。

【男は左手をパーカーの隙間に突っ込み、巻き毛質の黒髪を弄びつつ、立ち上がる】

【カノッサ機関No.128 トレーサー・ホーキング。彼の役目は“死体回収屋”、戦闘要員ではない】

//お疲れ様でした。
//舞台設定も相まって非常に一方的なロールをしていたようで……申し訳ありません@@
//ともあれ、ありがとうございました。またどうぞ。遅筆御免。
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/28(日) 01:29:13.54 ID:SuWGQS0fo
>>188

うん、生きる目標は、大事だね
私にも、君にもそれがあるからこそ、こうして戦ってるんだから

【実利もレグルスも、目的は違えど、そのために命を捨てて戦いに身を投じていることに違いは無い】
【だからこそ、互いに退けないのだが】

知らないよ、私は和食派だからっ――!?

【飛ばした肉片に、当然レグルスは防御の態勢をとる――そう思っていたが】
【違った。レグルスは渾身の攻撃を放ってきた】
【先ほどとは桁違いの火球は、冷凍庫の中に飛び込み――着弾し、爆炎を上げる】

そんなっ……!

【木箱、ダンボール箱、紙袋――食料を包み込むそれは、どれも燃えやすい物】
【箱から箱、袋から袋へ、炎はたちまち燃え広がる】
【そして「御札」も、魔術や陰陽術に対する防御の術式は施してはいるものの】
【魔術によって二次的に発生した炎の前では、ただの紙きれ】
【箱や袋と同時に燃え散ってゆく】

うあぁあああああ!

【「黒紫の煙」を押さえていた御札が燃え――そこら中から「煙」が溢れだす】
【実利は、多くを御札で押さえ、自分が操れる数だけ御札を剥がしながら「黒紫の煙」を制御していた】

【それらが強制的に全て解除されたとなれば、起こるのは「生命力の強制的な霧散」】
【次々と御札が燃え、倉庫内は行き場を失った「黒紫の煙」で一時充満する】

も、戻れ!

【懐から御札を取り出し、何やら呪文のようなものをぶつぶつと唱えれば、「煙」の一部が実利の口へ吸い込まれる】
【しかし、ほとんどの「煙」は実利の体には戻らず、霧散してどこかに消えていった】

あぁ……あ……

【やがて、実利は崩れ落ちる】
【体と精神が限界を迎え、意識は朦朧とし――もはや動くことはできないだろう】
【レグルスの方もどうやら、ダメージを受け倒れているようだが】

【どの道、このまま動かなければ――――両者とも部屋の冷気に蝕まれて行くだろう】






199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/28(日) 01:34:34.72 ID:yvRQuxW1o
【これだけ広範囲ならば、悪魔側も当たっていておかしくないのだが――】
【……ただの大きな蛇ではない、そちら側に当たらないように反射方向までもある程度コントロールしていたのだ】

【そして、どうやら、彼らに対する光の柱の命中は悪魔の気を良くしたようで】
【それはこの悪魔の性格の現れ。らしいといえば、らしい】 【しかし、それは弱点の一つでもある】


>>180

ヒャハハハ、……うゥ〜ん、良ォい声だ
さァー、もォっと聞かせろ! もォーっとだ! 喉が枯ァれるまでなァッ!!
……しィかし……(感づかれたか? アビスゲート……)……――

【そう、例えば、力強い眼が悪魔を突き刺していても、それに気づかないほどの――】

おォっと、俺様はこォっちだ……ちァゃんと狙いなッ!!

【ロウが放った弾丸も、ただの無駄撃ちだと油断していた――】
【気づいた頃には既に遅すぎた、最終的に右肩へ向かう弾丸に対して飛ばした魔力は、スカった】 【真っ黒な血が流れる】

……グゥゥルルルル、糞が、狙いはちァゃんとしてたってか!

【幾ら悪魔といおうと、今は二足歩行だ――左太腿へのダメージを負えば、更に油断していたとなれば、転ぶ。】
【そして先程"触腕"を受け穴の開いた右腕、そして今回の跳弾――右腕はだいぶ手痛いダメージを負っているはずだ】
【しかし、右腕一本はこの悪魔にとってどれほどの痛手なのだろうか――?】


>>185

安心しなァ、俺様はマジだぜ?
何ァ故か? ……俺様の手にかかれば、皆俺様に従わざるを得なくなるからなァッ!

【くいっと、大蛇の方を左親指で示す――"こんな感じでな"、直接言わずともそう聞こえてくるかのように】

――あァ、俺様の素ゥ晴らしくビューティフルで美しい身体に穴を開ァけやがって!
そォーだな……バァラバラにしてから再構築って言うのも悪くねェな……!

【この悪魔は、単純だ――攻撃が当たれば喜び、攻撃を受ければ怒り】
【そして、本来ならばバックステップなりなんなりで触腕を回避しようとしていただろう、……だが】
【その触腕が辿り着く前、転んでいた。】 【右脚と左腕の力を利用し、立ち上がった。】 【……気づくと、触腕が迫っていた】

【一歩後ろに引きつつ眼から魔力を垂れ流し、軽いガードは何とか出来たようだが……斬られたことには、変わりなかった】
【斬られた位置は、眼と角の根元の間――自身の血が、視界を遮る】


/続きます!
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/28(日) 01:37:27.35 ID:yvRQuxW1o
>>187

ほォー、そォの状態で合成をかけるのも興味あるが……
まァずはいィっぺんぶっ殺してからだ、安心しな……砕いた"魂"は俺様が喰ゥっておくからなッ!

【"変身"という言葉とともに、その姿を変えた剛太郎――】
【少なからず近い技を持っているためか、それに対して強い興味を持ったようだ】
【……そんな興味を持っている間に、銃弾が、触腕が、それぞれ悪魔に被害を与えていて】

【濁る視界が捉えた剛太郎の姿、……誤算と思える点は、後ろに下がった距離が短く、斬撃を受けていた事だろうか】
【叩きつけられる額の位置は、おそらく本来の狙いより上方。――今回は転ばなかったようだが、……】
【やはり、胴体への攻撃は内部に響きやすい、……表情に浮かぶ苦しさ、後方へのよろめき、呻き声――中々良い当たりのようだ】


>>ALL

【……ところで、傷を負って痛みも感じている悪魔なのだが】
【真っ黒でわかりづらいとはいえ、傷が徐々に塞がっているように見える――出血量が少しずつ減っている、減った魔力が満ちてゆく】
【そう、ここは、"混沌と深淵"に満たされ閉ざされた空間。――この悪魔にとって、酷く住みやすいのは言うまでもない】
【この状況をどうにかするには……回復が追いつかない程の攻撃を与えて一気にケリを付けるか、あるいは――】

グ……うグぐぐ……あァァアアッ!! どォいつもこォいつも……!!

――――"オメテオトル"ッ! さァっきの怨み有るだろォ? ……好ゥきにぶっ放しなッ!!
今晩はハァンバーグだッ!! ――粉々のミィンチにしてくれるわッ!!

【凍傷を負った舌をチロチロさせる大蛇――それは悪魔に対する同意のように見えて、だが別の何かも含まれている様な気がして】
【大蛇の尾が、大きく動く――まず、大きく上げたかと思えば、……勢い良く振り下ろすッ!】
【……狙いは、"ロウ"】 【大振りだが、幾ら尾の方が細いとは言えども胴体の太さが悪魔の身長以上もある大蛇だ――】
【回避時に地面が大きく砕けるのを見れば、勿論直撃すれば大変なことになるだろうし、瓦礫は飛ぶし、周囲への風圧も結構なものである】
【故に、直接狙っていない二人も、攻撃の余波を多少受ける可能性がある】

【そして、頭部の位置が――地面とおよそ50cm程の隙間がある程度まで下がる】
【胴体よりも若干太いそれ、口部が大きく開いたかと思えば――喰らわんとするのは、"ミストドラゴン"ッ!】

【彼から見て――上顎を左、下顎を右にしての、噛み付きである。こちらも大振りで、周りに風圧も生む】
【牙の位置の都合上、口先で噛もうとする形になるだろうか――】
【大蛇だけあって、牙も太く鋭い。――顎の力も、通常の蛇とは段違いだ】 【――そして、"口内の空間"も。】
【その口内に負っているのは、"凍傷"――無理矢理解凍したところで、凍った事実には変わりなく、傷んでいた】

【また、辺りに浮遊している小さな塊が、最初に放たれたレーザーによって抉れた地面に集まってゆく――まだ何も起きていないようだが】

【――大蛇の背後の壷が、何となく見えやすくなった】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/28(日) 01:49:40.80 ID:OEZdHqsp0
>>198

……それがなきゃ、生きててもしょうがねぇからな……!

【生きる意味。生きる目標。それがあればこそ、人はその命を輝かせる事が出来る】
【命を危険にさらしてもなお、戦いの舞台へと立つのもそのためだ。それは、実利の言う通り、互いに変わらない根本である】

――――っ、ビンゴ……! よっしゃぁ……!

【激しく燃え上がる冷凍庫の中身、そして明らかな失調を見せた実利】
【残った魔力の、更にその半分を投じての大きな一撃は、どうやら成功したようで】
【この一撃で実利の無力化は、ほぼ成功したと言っても良いだろう】

っぐ…………ごっふぇ…………ッ!!

【だが、先ほどレグルスに直撃した肉片の質量は、決して小さいものではない】
【未だ、レグルスの呼吸は整わず、まともな呼吸を阻害されて咳が漏れ出る】

っっ…………だが…………どうやら、この勝負、ものにしたのは俺の様だぜ……!

【それでも、一撃の衝撃が身体から引けば、まだレグルスは立ち上がるだけの力を残している】
【ふらつきながらも、レグルスは棍を杖代わりに、しっかりとその場に立ち上がってみせた】
【そこは、流石にその体躯の齎す体力の賜物と言ったところか】

……チッ、けど…………もう、こっちも限界、近い様だな……
流石に、今から中枢に殴り込みを掛けるのは無謀か…………

【それでも、肉体のコンディションは決して良くは無い。既に体力・魔力共に消耗し切っている】
【ここを突破したとはいえ、この状態で更に奥へと踏み入っていくのは、自殺行為に等しいし、仲間の足をも引っ張りかねない】
【――――ここは、退却するしかないようだ】

――――凍え死ぬなら、それもそれまで……お前の結末って奴だ…………敵に情けなんか、掛けてもらいたくないだろ、お前もよ…………
……死んだらそれまでだったと、あの世って奴で諦めるんだな…………!

【ふと、足元に倒れ伏す実利を見つめる。このままこの部屋に放置すれば、あるいは凍死する事もあり得るだろう】
【だが――――レグルスは彼女を助けない。同時に止めも刺さない。理由は単純。そんな事をしている場合ではないからだ】
【要は、生きるも死ぬも実利次第――――匙を投げたと言って良い。レグルス自身、まずは安全圏まで脱出する事を考えなければならないのだ】

――――――――すまねぇ、セリーナ…………結局この戦い、あんたの役には立てなかったよ…………
けど…………俺の託した得物、頼むぜ…………きっちり始末つけてくれよ…………この塔の主気取りの、悪魔にな…………

【今もどこかで戦ってるであろう、仲間の事を想いながら、レグルスは撤退する】
【力になると言いながら、共に戦えなかった己のふがいなさを噛みしめながら――――】

/遅くまで乙でしたー!
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/28(日) 01:52:11.23 ID:4lQOF+Dpo
>>184

【肩で息をしながら、リリアは月彗に目を向けた。思えば、塔の維持もこの半魔一人の成せる技】
【既に限界が近いのだろう。それこそ、ただ放っておくだけで倒れそうなほどに】

【―――月彗が手を上げ、攻撃の合図をする。思わず、彼女は目を細めて】
【子供らしく咄嗟に、小さな角の見え隠れする頭部を両手で覆った】
【勿論、そこで彼女が攻撃されることはなく――何事かと見上げれば、攻撃されたのは黒龍で】

ぐ、っ……ッ!何故…どうして私を攻撃しないのっ、月彗ッ!!
恨み骨髄だろうがッ!…情け?そんなものなら、いっそ殺し――っ!!

【わなわな、と。怒りか、羞恥か、情けなさか。身体を震わせて、甲高い声を上げた】
【最早維持も精一杯の黒龍は、卵の魔力を以ってしてもハリボテと相違なく】
【十二神将の攻撃によって静かに瓦解して、そのうろこや肉塊が灰となって周囲に降り始め】

>>191>>192-193

【僅かにビクつきながら、その手に小さな火球を燃え上がらせる。こうなると、体躯の差が恐ろしいのか】
【畏怖の対象であったリリアが、燃料切れになりかけの少女となり下がる――当人が一番怖いに違いない】
【故に、ナウファルが近付くとイヤイヤと頭を振りながら、威嚇するように火を大きくして―――】

 【――ダァン!≠ニいう発砲音と、少女がしゃがみ込んだのは殆ど同じタイミング】
 【ぽたぽた、と。少女は思わず火球をかき消して両手でその右耳を押さえていた】


【退魔の弾丸が、焼けるような痛みに加えて激しい頭痛や目眩を引き起こす】
【故に、ナウファルの寛容な言葉にも、カニバディールのいくつかの質問にも答えはなかった】
【ただ彼女はまるで人間の子供のように、血だけではなく――そう、始めて流す涙を零し】
【自然とうずくまる姿――頭を平に下げるような格好をしながらも、ナウファルが近づくと、何をするんだと顔を上げて】

>>195-196

【セリーナのマモンへの言葉が、自然とリリアにも聞こえてきた。何か、異様な感じがした】
【言い訳が出来る理由もない。虐殺も何も全て自分の意志でやったことであって、黒幕が居るのでもない】
【卵の魔力に飲まれたわけでも無ければ、仕方なしにやったことなども全くなかった】

【ただ――ただ、自分の恨みを晴らすため。魔族を殺すために、結果的に人をも殺す事になっただけ】
【怒っていた、憎んでいた。それも事実だった。何か自分の内面を晒されるようで、心臓が高鳴って】

 【ナウファルの手にしたラピスラズリが少女の額に当たって崩壊したのが、そんな折】
 【眩い光が一瞬満ちて――リリアは痛みに藻掻くことも、感情のせめぎあいに身体を震わせることも】
 【そして最早、抵抗することも、止めていて。面々を見て、言葉も気持ちも無く、理由も分からず涙を流した】
 【泣いていたのだ、ただただ泣いていた―――それがなんだと、横面を張り倒されても仕方がないというのに―――】

/続きます
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/28(日) 01:54:24.84 ID:TR6ddqgUo
>>189
───誰も彼も望めだなんて、んなこたぁ言わねぇさ
だが、お前は確実にこっち側≠セよ、そうだろう?

【八攫が引いたそのすぐさま、男は瓢箪を帯に吊り下げ、代わりに左手には鞘を持つ】
【右手の刀を鞘に納めて、ようやく取るは居合抜きの構え───脱力した、以下様にも形の変わる構え方】

【返す言葉は『否』、戦闘狂と言えど、誰彼戦えと申す訳ではない。彼が望むのは強者との戦い、自分と同じ修羅か夜叉か、鬼のような戦いに生きる者との戦い】
【八攫もまた同じ物だ、と男は語る、酔っ払いの殺気は、いつのまにかぬるりと這い出していて】

【こちらからは動き出さない、最初に見せた素早い動きなら、どんな距離だろうと間合を詰めるのは容易いだろう、しかしその必要は無かった】
【相手の方から近寄るなら是非も無し、そこに突っ立ったままの男と八攫が再び肉薄する瞬間、世界の時が緩く流れた錯覚がした】
【半開きの、ぼんやりとした眼───しかしその瞳は、八攫を追っている】

肉を斬る。血を浴びる。骨を砕く。畏れを向けられる。
斬って、斬られて、返り血の掛け合い浴び合い、言葉も綺麗事も何もねぇただの命の取り合いよ
剣っつーもんは、剣士っつーもんはそれでこそ活きる、その為にいる。剣を振らない剣士なんざそれこそ異常よ
オイラや嬢ちゃんは斬るから剣士、斬るから自分だ、それじゃあ愉しまなきゃ損だろ?

【語るは自らの───八攫をも巻き込んだアイデンティティの在り方について、剣を持つ者としての存在について】
【剣は斬らなければ剣ではなく、また剣を持つ者も戦わなければ剣士ではない、ならば戦いに生きてこそが剣士であり、そうであることを愉しむのが剣士】
【───普通に聞けばとんでもなく馬鹿げている、戦闘狂の言い分だ。だが、真剣だ】

【それを語る男は、首を捻り八攫に背中を向けて語っている、振り向く顔は、ニヤついた表情】
【八攫の刃を防いだのは、左手に持つ鞘。納刀したままのそれを、左腕を後ろに回す様な最小限の動作で受け止めている】

嬢ちゃんも分かっている筈だぜ?斬るからこそ自分だ
斬るっつーのは愉しいだろ?それを我慢しちゃいけねぇなぁ。愉しいなら愉しいと言っていいんだぜ?

【八攫の刀を先端部分で留める鞘に、右手がゆっくりと伸びる。いつしか両手を背中に回して抜刀の手つきを取る不思議な体制に】
【普通に刀を扱う者ならすぐに理解する、『こんな体制で抜刀などあり得ない』と。だがこの男は生憎普通ではない】
【まさか、背中側に構えた刀をそのまま抜刀するなどと、誰が思うか、しかし彼は何事もなくやってのける】

【抜刀し、斬り上げた刃はしかし体制の低い八攫には当たらない、刹那の瞬間には反時計回りで八攫の刀を受け流しながら振り向いた】
【そのまま、振り向く捻りを加えた上からの振り下ろし。単純であるが、威力は高い】
【しかし如何に変則的であろうと抜刀し振り向いた隙は大きい、回避どころか反撃を狙う隙すらある】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/28(日) 01:54:42.46 ID:4lQOF+Dpo
>>ALL


―――なんじゃ、お主ら。同輩が殺され、醜い印を押され、侮辱され、嬲られ、それで許すと云うたか?
 よくまあ……ほう、分かっておるようじゃから正面切って言うてやる。――『美談』にしたいのか?

 コイツはのう、悪魔も人間も大勢殺した。別の世界を無理矢理につなぎ合わせ、魔界の武具術具を持ちだした。
 貴様らの世界で『旧遺物』と呼ばれる物がそれじゃ……世界各地に散らばったから良かったものの
 もしも奴が全てを集めたらどうなっていた?貴様らキレイ事を抜かしておるが、死んでからではどうにもならぬのだぞ?


【――巨躯の悪魔が、リリアへと歩いて行く。『どけい小童』とナウファルを退け、リリアの前に立ち】
【彼女の小さな角を掴むと引っ張りあげて、術を行使し一瞬でその身を鉄鎖により拘束する】


 ……、………………まあ、なんといっても聞かない時が在るのが人間よな。
  儂も何千年とそれを見とる。馬鹿ではない。だが罪は罪……砂漠の小僧が、好いことをした
  それに免じて、コヤツは殺さずに置く。セリーナとか言ったか……そこな魔銃使いの言も、聞き入れよう。

  「格好を付けても無駄ですよマモン様。我々人類は、あなたが提案した作戦に人命を幾つも賭けたのです
   我々は提案に乗り、実際に行動した。悪魔が約束事に弱いのなどは、最早周知の事実。
   何を言おうが逆らえないのですから、早々にお帰り下さいますよう。それと、借金の件もどうぞよろしく。」

  ……ふん。可愛くもない人間どもじゃ。捻くれ者の人形遣いに、此方側の様な肉屋と兄弟。
   どこまでも甘い砂漠の民に、銃士。まあよいとも……たまにはこういうのも、悪くない。


【角ではなく鉄鎖を掴んで、悪魔は少女を小脇に抱える。ドクロだから表情は分からないが――】
【どことなく諦めたようなその声色で、全てが察せられるだろう――上手くしてやられた、と】
【文句の一つでも言いたそうにしながら、やがて悪魔は指をパチン、と鳴らして――そして、消えた】


【――周囲の光景が、ゆっくりと現世の物に戻っていく。暗いが澄んだ空に、遠くには太陽】
【海と雲のコントラスト、何処かの街の明かり、星々―――セリーナの胸の傷は、じわりと沁みた後に、治っていって】
【『――――――……帰ろう、か。』と。誰ともなく、そんな呟きが静かに塔の屋上へ響いていた。】


/これにて、対主催は終了となります。イベント全体のまとめはまだ後ですが……

/もし状況を継続したい方がいらっしゃれば、続けて頂いても構いませんし
/時間も時間ですので、一先ずここで、と言うのも全く問題有りません。
/とりあえず……皆様、大変お疲れ様でしたっ!
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/28(日) 02:05:04.79 ID:oUuVGE00o
>>185>>200

……ッハァ、はぁ、はぁ……まだ吼える程元気なのかよ―――
(―――やっぱり、あの壺しかねェ……!! こっちは3人……どうしても同時に3人は相手にできねーだろ……!!)

【霞む視界、重い足取り、痺れる背中。体力と集中力を多く浪費する戦闘スタイルの要する彼にとって、躰の限界は近かった】
【―――しかも右足首は庇わなくてはいけない程脆いため、機動力も低い。左足一本の踏切で動ける範囲でしか躱すことは出来ず、従って―――】
【大きな尻尾が振り下ろされても、躱すなんて無理である。氷柱の盾? ―――いや、簡単に粉砕され、自分もろとも潰される】

―――〜〜〜ッッ、やるしか―――ねェ、か―――!!

【―――大蛇の尾による強打への対抗策は、無い様に思えた。しかし1つだけ、1つだけある―――が、それは】
【使えば最後、能力を一定時間使役できなくなる。一定時間と言っても、1分とかの短時間ではなく―――数時間。つまりそこで決められなければ、絶望だ】
【だが、やらなければ死ぬ。迷っている時間など無かった。ロウは唇を強く噛み締めながら、素早く両の銃のグリップ同士を合わせた。すると―――】

久しぶりだな……『Boreas』―――

【朱と蒼の綺羅びやかな光を放ちながら銃が融合し、彼の両手に握られるは―――艶やかな紫に染まった、スナイパーライフル】
【同時に、膨れ上がる超高密度の魔翌力。ロウは紫の銃口を振り下ろされた尻尾に向け―――トリガーを、引いた】

                     <<――――――――-!!!!!!!!>>

                       【―――塔を揺らしかねない程の、轟音―――】
    【其れは超高速、超威力の風の弾丸に変換され―――尻尾に向かって、ロウの全力が銃口から解き放たれた】
【尻尾そのものを―――弾き返す。普通の弾丸では出来るはずもないことだが、この超威力の風の弾丸なら―――そのあり得ない筈の事が可能だと信じていた】
【―――奥伝・神風ショット。正真正銘、彼の最高の技。繰り出したと同時に、銃は霧散して―――膝から男は崩れ落ちる】


>>187

【彼の全身全霊の銃撃を放つ前に、視線をチラリと青年に送った。そしてこう叫んだのである―――】

―――大蛇の奥の壺をやれぇぇぇぇええええッッ!!! 

【悪魔が語る、アビスゲート。それは恐らく、奥の壺のことを指している―――故に、唯一悪魔が攻撃をしていない青年へと声を飛ばしたのだった】
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/07/28(日) 02:11:10.67 ID:SuWGQS0fo
>>201

【敵に情けを掛けてほしくない、その通りだった】
【実利は一度、敵に命を救われたことがあったが―――そのような屈辱は二度と味わいたくない】

ふぅー、ふぅー……

【地面に這いつくばり、虫の息で】
【去りゆくレグルスを見送る】

ごほっ……でも、ここで死ぬわけには行かない……
何としても生き延びて……

もっともっと、機関の「深部」へっ……!

【這いずりながら、ゆっくりと倉庫から離れる】
【無様な姿だが、今は生きることがすべて。体面など気にしていられない】
【レグルスは扉を閉めていかなかった―――】

【つまりある程度外に近づけば、外気によって体を温めることができる】
【意識のあるうちに、なんとか冷気から逃れることはできそうだ】

はぁ、レグルス、君のことは忘れないよ
忘れたくても……無理だろうけど

【戦いで生まれる「人と人との繋がり」】
【今日の出会いも、また何かと繋がっていくのかもしれない――】

/乙でした!
/楽しかったです!


207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/28(日) 02:12:53.05 ID:5TunzH080
>>200

ふふ、良い斬れ味だろ………

【右触腕をやや縮めつつ、バックステップで後退。】
【そして――】

でも、斬るだけが、脳じゃあないのさ・・・
どぉれ、試してみるかい?

【左触腕の尖端から、エネルギー弾を三発発射。】
【その狙いは――『壺』! 有効なダメージソースだというのなら活用するのは必然!】

【だが・・・壺狙いは二発。】
【残り一発は? ――ロウを狙う尾を狙う! つまりサポートだ。この場において、正義は協力する!】

・・・!

・・・うっ、こいつは・・・ちょっと、まずいね。

【だが、尾の動きそのものは止められない。当然だ。】
【故に攻撃の余波、瓦礫に、風圧に、体勢を崩した所に『頭』の接近――!】
【更に、砲撃により自然生まれた左触腕の隙! これは、まずい。】

【そこで、自ら仰向けに倒れる事を選択する。】
【トチ狂ったワケではない! これは策、頭が到来するまでの時間を僅かでも伸ばす為の!】

・・・大口開けて。なんだかムカつく蛇だ。
奏でてやるよ、せめて美しく。

【右触腕を操作、その切っ先を口内へと伸ばす!】
【咽を貫き、一撃で仕留める。そういう算段だ・・・無論、触腕は噛みちぎられるかもしれない! 然し、殺戮が優先だ。】

【タイミングはシビア、故に失敗もありえる場面。】
【さて、どうなる――!?】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/07/28(日) 02:22:36.32 ID:bdU45buUo
>>202>>204

【―――ほんの少し、前のセリーナであれば。】
【―――あの戦いで、傷を負っていなければ。】
【結果は違っていたかもしれない、容赦なく頭蓋骨めがけ引き金を引いたかもしれない。】
【或いは、Dead orAliveでないのだから生かして帰らないと賞金がもらえない――なんて言ったかもしれない。】
【しかし、今はまた少し違っていた。選んだ選択は、どう言い訳しても撃たない、若しくは――撃てない、というものだった。】
【彼女は甘くなってしまっている事に嫌気が差す自分と、これもまた変化の一つと受け入れている自分が共存している事に】
【納得がいったような、いっていないような複雑な気持ちを抱えたまま――それでも、表情は明るいはず。】

【――鎧が、パージされる。と同時に、外骨格による支えを失ったセリーナの身体は今度こそ、崩れ落ちて。】
【もはや歩く事すらも、ままならないか。休養が必要だ、そういえば少し前まで入院していたのだが――まあ、仕方が無いか。】
【きっと帰ったらまたとんでもない量の書類が埋もれているのだろう、と事後のことを考えて頭を痛めつつ――】

【―――バタン、とその場に倒れこんだ。カラ、カラと"弾"末魔が地面に叩きつけられる。】
【一瞬、聞こえるものには聞こえただろうか――この場にはいない男性の声で『痛・・・乱暴に扱うな・・・』とぼやいたのが。】
【それこそ彼女の相棒たる銃器が発した声だったのだが――また、それは別の話。】

【―――痛みが消えていく。胸の傷跡が、治っていくのを静かに、感じながら――瞳が閉じようと、して――――】



・・・あ、いっけない。そういえば記憶失って入院してるときのアンジェルに衣服とか持ってこうと思って

下着とか洗ってUTの事務所に干してたんだよね・・・誰かに見られて無いかな。

忙しくてすっかり忘れてたけど――・・・ま、いっか。


【――なんだかとんでもなく物騒なことを呟く。まさかとは思うが事務所のほうに部屋干ししているなんて事は――ありそうで困る。】
【ともかく、そのまま眠ってしまった。当然だ、病み上がりだったというのに城の件といい、暴れすぎたのが祟った。】
【今度こそ、静かに瞳を閉じて――すう、と寝息を立て始める。しかし重症の怪我人だ、寝てはいるが――治療も必要か。】
【・・・いや、ほうっておいても良いかもしれない。案外どうにかなるんではないだろうか、と言うほどの安らいだ寝顔で】
【――これでようやく、静かな夜が過ごせるのだろう。今度は、誰かが傷つく事の無い夢を――出来れば】
【お酒とお金に囲まれてる夢が見れますように、なんて―――そう、祈りながら。】

/お疲れ様でした〜!レスを続けたかったのですがちょっと、流石に瀕死なのでここまででっ!
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/28(日) 02:24:06.31 ID:+NfN38z0o
>>200

まずまずの当たり、って所だな!
そして、馬鹿言ってんじゃねえ、俺の魂が食えるもんかい

「余裕をかくな、集中せい剛の字!奴の傷が癒えていくのが見えぬのかッ!!
地形効果によるものじゃあ、奴の様な生き物は環境を己の味方とする術を身に着けておる者ばかりじゃあ」


【かわいらしい見た目と裏腹に、まるで初老の男性の様な声で叫ぶ子犬】
【しかし、冷静に場を見ている―――この犬もまた気が付いていたのだ、悪魔がどうやって己の力を高めているか】
【一方で奴は少しづつ追い詰められてきている、苦し紛れに大蛇を動かして味方の二人を攻撃してくる!】

【―――同時に剛太郎に好機が巡る!奴にはもう剛太郎を攻撃する余裕がない!】


「その悪魔はワシが抑えるッ!!剛の字!『鎖』のカギじゃあッ!」

なるほどあの壺か!ありがとうマーシャル!それじゃあムク!
ほんの数秒だけでいい、こいつを宜しく!

『――――「Chain≪チェイン≫」 Lock-free』


【ムクが棺桶の蓋を開きながら一本のカギを剛太郎に放り、内部に乗り込み蓋を閉じる】
【そして剛太郎は開いたベルトの錠前を閉じ、その手渡されたカギを鍵穴に差して再び開くと、音声が流れる】
【すると離れた位置の棺桶が浮き上がり、蓋を再び開きながら――――その虚空の中から九本の鎖を放ってくる!】

【それらはそれぞれ両手両足に計六本、胴体に二本、首に一本狙いを定め悪魔を絡め取ってくるだろう】
【だがそれはあくまで囮、本命はその対応で足止めさせてその隙に壺を穿つのが目的である】
【剛太郎はわき見も振らず壺目がけて走り、貫手を構える――――その両の手を彼自身の魔翌力を変換させた炎で纏わせて】


―――――葉隠流、奥義!『快刀乱麻』!――――せいやぁッ!!


【壺目がけて放つのは葉隠流 両の貫手での斬撃系奥義『快刀乱麻』!】
【突撃と共に両の貫手を中央めがけて放ち、こじ開ける様に両手を開いて壺を文字通り『引き千切る』気である!】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/07/28(日) 02:28:07.43 ID:sDacnEBXo
>>202
【自身が放った銃声は、狙い違わず右耳を撃ち抜いた】
【一つ目でその成果を確認すると、首に手を当ててコキリと音を鳴らす】
【終わった。少なくとも、自分が関わる因縁は、これで決着がついた。そう判断したのだろう】

【啜り泣くリリアの存在は、もはや一顧だにせず。デュアル兄弟もそれは同様】
【三人そろってリリアから視線を切り、アモンへと向き直る】

>>204
『美談』か。確かに、そう取られても仕方あるまいな
しかし、私にとってはもはやどうでもいいことなのだよ、悪魔
この女が『旧遺物』を全て集め、私がそれで不利益を被ることになっていたら、その時は全力で抵抗したとも

しかし、結果は見ての通りだ。私の受けた不利益は、あの一発で清算した
私にとって重要なのはそこだけだ。ただ、死んでからでは遅い、というのは教訓として聞かせてもらおう

【相手を見上げながら話す、というこの男にはあまり経験のない行為をしつつ】
【アモンの言葉に返答しながら後の流れをただ眺める。鎖で拘束されたリリア】
【彼女が抱え上げられ、アモンが傍らのメイドと言葉を交わす。どっちが悪魔かわからない有り様だ】
【可愛くもない、という言葉には、我らを見て可愛気を見出す奴がいたら見てみたい、などと返す】

【やがて、悪魔は消える。三人の異形は、それをただ最後まで見届けた】


【幻想的な光景が、再び展開される。魔界はその姿を消し、見慣れた世界の空が】
【自分たちが醜い争いを繰り広げていることなど、どこ吹く風と言わんばかりの変わらぬ景色】

……さて、帰るとしよう。スマートな結果とは言い難いが、参謀閣下には包み隠さずご報告申し上げねば
『ほんっと、悪党としてはなーんか締まらねえよなあ』
「まったくだ……」

【ぼやく三人の耳に、塔の屋上に近づいてくるプロペラ音が聞こえてくる】
【姿を現したのは、一機のヘリ。運転席に座っているのは、両耳と口元にピアスを付けた、くすんだ鉛色の髪をオールバックにした男だ】
【その姿を見て、三人は減りの近くに歩み寄る。ヘリから縄梯子が下ろされる】

出迎え御苦労、スカーベッジ。珍しい土産話がずいぶん出来たぞ

[ひっひっひ、そいつぁ楽しみですなぁ。帰りの道すがら、ぜひ聞かせてくださいや]

『ああ、わりぃけど俺らは寝てるぜ……』
「無駄に体力を消耗した……」


【素早く縄梯子を上って、まずはデュアル兄弟がヘリに乗り込む】
【続いて、カニバディールが巨体を機内へ引き上げる。その直前に振り返って】
【月彗のほうを見る。かける言葉はない。ただ、頭を下げて一礼した】

【三人がヘリに乗り込むと、スカーベッジが即座にその場から発進させる】
【やがて、プロペラ音も収束していき。その機影も済んだ空の向こうへと消えていくだろう】

/主催者様、参加者の皆さま、お疲れさまでした!!!
/そろそろ眠気が怪しいので、失礼させていただきたく。ありがとうございました!!
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/07/28(日) 02:53:26.53 ID:iSu1cXqJo
>>202-203

【押し流されたものが何かは知らない。力、血筋、あるいは記憶か。少なくとも、命ではなかった】
【砂のように零れ落ちる均一では無い青色、もう一つの砂漠の青は陽の光にきらきらと輝きながら空へと流されていき】
【子供のように泣きじゃくる少女に、ただただいつも通りの笑みを向けた】
【許される罪では無い。山へ昇った命は多い。けれども救われてはいけない理由では無い】
【そしてヒトである己の身が、決めるべき運命ではない】

……いいンだ。どんな結果になろうとも、コレが俺ノ信じた道だから
ソレに怒りのままに吠エテいるより、高慢な口ヲ叩いている方が、それらしい

【大人しくマモンに退かされると、そのまま連れられて行くリリアとマモンが去るまでその姿を見送る】
【結局は甘いだけで、絆されただけだ。巨躯の悪魔が言うとおり、過ぎてからでは遅い事だろう】
【自らの手を汚したくなかったが為に全ての執行をマモンに任せた、そう言われても仕方が無い程に】
【瞬きをするかのように姿を消したその地点をしばらく見つめて、それから長い溜息をついた】

はー……本当は、目的ノ物の為に使エって、言われてたのになあ
こんな使い方ヲしたって知レたら、爺さんにどやさレそうだ

【曲刀を背中側の鞘へと差し込み、抉れた背中を軽くさする。火に焼かれた所為かお陰か、出血は見た目程では無い】
【ペンダントトップを失くした麻紐を首から外すと、もう要らないとばかりに屋上から投げ捨てた】
【ふと、思い出したように此処に居る面々を見遣る】

コレでひと段落したから……幾人かは、次会う時は敵かな。俺自体は、機関には随分噛みついテ来たし
色々と問い詰メたい事も、無いわけじゃないケド……ま、いいや
つつ、なンだか背中ばっかり怪我するなァ……

【本人は知らないが姿の知れているカニバディール、いつか対峙した月彗、そして――ベイゼ】
【昇る太陽と同じ色の瞳はそれぞれに視線を移しながらも、ぱっと頭の後ろで手を組んで小さく笑う】
【もしもシルフ≠ェ自分たちを地上に下ろしてくれるなら、そっと目を閉じたセリーナを抱きあげて乗り込ませてもらおうか】
【誰か治療できるものがいるのなら、己も背中の抉れ傷を頼みたい処】

……今回も、アレは見つからなかったな……

【一人ごちるようにそう呟いて、青色の中に煌めく星々を見上げる】
【乳香、ムスク、サンダルウッド。砂漠の匂いが、微かに薫る――】
【????? ?? ??】


/皆様に続いてこちらもこれで〆とさせていただきます!
/なんやかんや色々話したかった気がするけどもよく形にできない(゚ω゚)
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/07/28(日) 02:54:45.63 ID:iSu1cXqJo
/>>211の安価、>>202>>204でした……
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/28(日) 03:07:03.33 ID:X7CSkn4D0
>>203

(……っ、――――――――)

【“同種”、僅かに歪む瞳は、表情は否定の念を――――― けれど否定しきれぬ葛藤を浮かべて】
【だがやはり己を“徹させた”。冷徹に凪いだ双眸が月光の如くに決意を帯びる、】
【“強者とのみ戦うのならば、己が迎え撃てれば問題ない筈”――――――】
【……ならば確実に戦い通せねばならない。敗れれば、斃れれば果たせる其れすらも消えて失せる。】

【――――――― 研ぎ澄ます、】

……愉しむ、か―――――――――今の私には不要な思考ね。
斬るために……そんなことは、必要ない。

【……“必要なだけ”。要・不要の問題だと先送りにする。】

【急速な体重移動からの踏み込みが導き、天地の入れ替わる刹那に脛への斬撃を放った。】
【だが背後からのそれをただ一手を以て男は防ぎ/見開かれた橡色の瞳、―――――― 語り続けて反撃を放つ、】

【それら総てがじわりと蝕む。】

【刀の酒気の様なものだろう、幾度も投げられる “修羅” の肯定の言葉は。】
【一撃ならば容易に無効化できるが―――――幾度も受ければそれだけ蓄積する。】
【……“早急に決着させたならば”。その条件に於いてのみ、完全にあらゆる影響を排除できた、のだが―――――】

(……ッ――――――――――――――……拙い……!)

【巡る太刀が振り下ろされる/肘から先で繰る太刀で咄嗟に備える、】
【反動を利用し、膝立ちの体勢を取って刀身を迎えた/大上段からの凄まじい衝撃が全身を襲った、】

………、はッ……――――――――――――。

【だが響いたのは迎撃の音色/上段から振り下ろされた刀の一撃は、真横に構えた太刀に受け止められて】
【―――――“終わらない”、】
【は、と覚悟を決める様に紡ぎ出された吐息、】

【キィン、と戒めを解き放つが如く唸りを上げ、】
【―――――――――――――― 切断概念を帯びる白銀の刀身。かたちあるもの総てを断つべく、禍々しいまでに耀きを帯びる。】
【或いは、本来は常時発動するそれを “ここまでは” 抑えていたのか―――――― この局面に於いて漸く、刀身の両断を目的に解き放たれていた】
【だが、相当の業物であるならば耐え得るだろう。ぎりぎりと鍔競り合う音色の接点は徐々に、年若い剣士の側へと押し込まれていて―――――、】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/28(日) 03:31:08.30 ID:yvRQuxW1o
>>209

糞がッ、だァから遠くからレーザーばァっかり撃ゥってりゃ良ォいとあァれ程……!
あァ? 俺様が好ゥきにしろって言ったって? 知ィるかッ!!

【部下のミスは、上司のミス。――軽い仲間割れを起こしているようにも見える】
【戦場で喧嘩をするという行為は、言わずもなく……愚かだ】

グゥルルッ……!

【迫り来る鎖だって、万全の体勢で対応していれば、もっと別の結果が出ていたに違いない】
【左手で近くの塊を掴めば、魔力を流しこみ……そして、それは蠢く生き物の様なモノにと変化した】
【元の塊より大きさがましたそれを……鎖の一本の囮にする】 【絡まれれば、抵抗する――暴れる】

【もう八本への対策はといえば――魔力棒を生成し、それを振り回す事で行なっていた】
【……剣と同様に強度不足で、簡単に割れてしまったモノの、内2本は逸らすことが出来た】
【そして、――あの、胴を貫かれ瀕死だった蜘蛛が動いた】 【鎖の内の一本に電気を帯びた糸を吐き出し、それの動きを止めようとするのだ】

【その行為の後蜘蛛は息絶えて……悪魔に対して鎖は――首に一本、胴に一本、両手足に3本巻き付く】
【壷への対策なんて、勿論出来なかった】

>>ALL

【しかし……壷は硬い、硬すぎるッ!】 【"外部"への攻撃を一切通さないと言わんばかりに!】
【もし貫手が外部へ行われていたならば、軽く弾かれて引きちぎることすらままならない】
【剛太郎ならば、近づいた時に見えるだろうか――絶え間なく、"内部"から吹き出す"混沌と深淵"が】
【周りと全く同じ色なため、はっきりと捉えることは不可能だ】 【だが、認識するには十分!】

【そして……運良く、うまく反射して壷の中に、ミストドラゴンの放った弾が1つだけ入っていった】
【その瞬間、吹き出すモノの勢いが弱まって――】

……はッ! "アビスゲート"がッ!

【隙を突かれ、壷へ攻撃が行っていた事に……鎖を巻かれながら気付く悪魔】
【その表情を見れば、いかに大切にしていたか、大事なのかが丸分かりだ】

気ィ付かれたか……糞がッ! あァ、糞がッ! しィかもあの貫手……内部にやァられちまったら……グゥゥルルルッ!!!!

【また、一瞬吹き出すモノが弱まった影響か……今まで受けていた傷口の修復が止まり、】
【更に、血の色も真っ黒ではなく"本来の赤"を取り戻していた】
【そして、一気に怒りが爆発し――身体に入る亀裂、噴き出る魔力。血は出なくとも、非常にまずい状況だ】
【……このままでは"母蛇"も、"アビスゲート"も、己も大きな被害を負いかねない、ならば取る行動は】

……ちィッ! 俺としたことが怒り過ぎた……一周する程度に怒っておきゃア、悪化しなかったが……糞ッ

【塊が集まっていた場所に現れる魔法陣、それに悪魔と母蛇と壷、そして周りの"混沌と深淵"が闇となり吸い込まれる】
【魔法陣が消えれば……やがて、この部屋はだだっ広いだけの何もないただの部屋に戻るだろう】

/すみません、流石に時間帯がヤバイですし、この辺りでお疲れ様でした!
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/28(日) 03:33:02.02 ID:yvRQuxW1o
>>205,207

――だァから言ィっただろォッ! 俺様は超強ェー悪魔だとなァァアア!
行ィけェッ! そォのまま、銃ごとミィンチにしちまえッ!

【吠える、怒りが湧くままに。】 【叫ぶ、己を高く見せる為に。】
【例え、"怒り過ぎが己に悪い"とわかっていても、――わかっていようがいまいが、感情を抑えられない】
【そう、自称"超強い"と名乗っておきながら、国の一つも取れていない理由は、単純に今は力が不足しているとかそんな事よりも】
【……きっと、性格の問題に間違いない】

【大蛇は、回避は予測していた――横への回避ならば薙げば良いし、後方ならば突き出せば良い】
【まさか、強力な風の弾丸を撃ち込んで来るとは、こんな隠し球を持っていたとは――予測していなかった】

ッ……! こォいつは……糞ッ!

【大きさ故に丈夫な鱗も、強靭な尾も、風の衝撃をモロに受けた】
【だが、桁違いのパワーで強引にこのまま押し切れるだろう――悪魔の判断は、そうだった】

【しかし、ミストドラゴンが放った弾で一瞬怯んだ隙に、……そのまま強引に潰すつもりで振るったそれは――あえなく撃沈】
【振るった方向とは、180度真逆に……とまでは行かなかったモノの、高い位置の壁を軽くぶっ壊す程度には弾き飛ばされたようだ】

【また、衝撃で若干の鱗が剥がれ落ち、地面に落ちるが――その鱗が彼らに当たる事はまず無いだろう】

【そして、この"サポート"は、結果的に自分自身にへと帰ってくることとなる】
【……大蛇は、自身の尾が意図せず壁に叩きつけられて、僅かとはいえ怯んでいた、一瞬動きが止まっていた】
【それでも、喰らわんとする行為は止めない――が、ミストドラゴンの一手の方が先だった】

【"鱗"という鎧がない口内は、簡単に攻撃を通してくれる】
【眼の位置的にも、非常に見えづらい為――急所に近い場所だろうか】
【特に喉は呼吸器に直結する場所――触腕が喉を貫けば、そこから溢れんばかりの血が出る】
【幾ら大きくなろうと、生物の枠に納まっているならば、それは致命傷。】 【……まだ息があるあたり、生命力もかなりのモノの様だが】

【そして、大蛇は無抵抗に喉を貫かれる訳はではない――もしそのまま触腕を喉に入れ続けていれば、貫き続ければ】
【"溶ける"とはまた違った――"分離"のような、……その触腕は、"触腕だったらしいバラバラなモノ"にへと変貌してしまうだろう】
【この効果は、大蛇に触れている部分のみに発生する――正確には、大蛇が分泌した液体に触れると――だが】

/ミスった……ここから>>214に続きます
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/28(日) 03:38:52.74 ID:TR6ddqgUo
>>213
【───この程度なら、まだ当然=z
【振り下ろした刀を鍔迫り合いながら、男は『未だ足りぬ』とニヤついた】

───不要?んなこたぁねぇさ、口ではそう言いながらも、嬢ちゃんだって思ってる
その刀が相手を斬った時、邪魔物を斬り伏せた時、嬉しい筈だ、愉しい筈だ
嬢ちゃんが何かを成し遂げる為に剣を握るのは、斬るのが好きだからだろう?そうでなきゃそんなもん持たねぇやな
好きなら、愉しくないなんて筈はねぇぜ?なぁ?

【鍔迫り合い、片手だと言うのに男は一歩も引かず、かつべらべらと舌を回す余裕もある】
【物体切断の能力を持ってしても簡単に刀が斬れないのは、刀が業物だからか、滴る酒に八攫の太刀すら酔ってしまったか】
【だが、いつしかは負ける───どちらが先になるかは、まだ分からないが】

互いに互いの命取り合う戦い程愉しいもんはねぇぜ?嬢ちゃん
───教えてやるよ、殺す気の愉しさ

【こうして語る、揺らがせる男の語り口、望む物は殺戮を愉しむ修羅が如く相手】
【八攫にはその素質があると見たのだろう、自分が望む相手の材料がすぐ目の前にあるとして、まだ及んでいない一歩を引き込みたいのだ】
【修羅と修羅との殺し合い、欲しいのはただそれだけ】

【ゆらゆらと不安定に漂うような男の殺気、しかしその一瞬、何よりも冷たく鋭く、刃の様な冷徹な殺気となる】
【次の瞬間繰り出されるのは脚、男の右足が蹴り出され八攫を狙う、蹴り付けと同時に反動で後ろに跳んで距離を離す腹積もりだ】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/07/28(日) 03:44:03.20 ID:oUuVGE00o
>>214>>215

【―――膝を崩してへたり込む男が感じたのは、「急に身体が軽くなったような感触」だった。それでも尚、立つことすら危ういレベルなのだが】
【そして辺りを見回し、ようやく勝利したことを理解するが―――どうやら、悪魔は逃げてしまったようで】
【いや、どうせ能力すら今は使えない身、捕まえることは不可能だっただろう―――】

……何とか、凌いだみたいだ……な……

【魔翌力を完全に使い切り、精神・体力共に多く消耗した。更に重苦しい混沌と深淵の中での戦闘が更なる披露を呼び込み】
【肩で息をしながら、掠れた言葉を漏らす。その瞬間、自分の中で何かが事切れて―――仰向けに倒れこみ、気絶した】

/皆さんお疲れ様でしたー!
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/28(日) 04:11:56.36 ID:+NfN38z0o
>>214>>215


手ごたえありッ!―――おっと、逃がしちまったか

「まあええ、無理に追うでないわ
ひとまず、言われた通りなかなかの仕事は出来たと思うぞ」


【ベルトの錠前を外し、再び閉じると異形の鎧が焼失し、元の青年の姿に戻る剛太郎】
【ややお疲れの様子で肩を回してダメージと疲れを確認したものの、特に異常はなさそうだ】

【別のカギを差し込むと、棺桶はなんとバイクに変形、ヘルメットをかぶりながらそれにまたがると】


それじゃあな、また戦いがあればいずれ共闘する事もあるだろうな
その時はまたよろしくな


【残る二人にそういうと、彼はバイクを乗り回しやや不調を見せながらも颯爽とその場から去って行ったのだった】
【←To Be Continued...】

/お疲れ様ですーでは私は寝ます
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2013/07/28(日) 04:12:46.03 ID:5TunzH080
>>214-215

あらら、逃げられたか。

【蛇により、触腕は崩壊した。問題はない、回復するものだ。痛い気はするが損害はない。】
【・・・敵がいない以上、もはや留まる意味はあるまい。】

ふふ、久しぶりだね、マーシャル・T・ロウ。だが、今日はここまでだ。

まっ、今日は君も正義の話が出来るほど元気ではなさそうだし・・・
また会うだろうさ・・・正義である限りは、ね・・・

【去る。この場に用は無いし、あまり暇でも無いのだ。】
【もう、夜も遅い・・・寝床も捜さなくては。とにかく、立ち去ろう。】

じゃ、また会おう、正義諸君。

【一応挨拶はしておいて、ようやく、その場を去った。】

/お疲れ様でした。楽しめました。
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/28(日) 04:58:32.40 ID:oW3aJZhQ0
>>216

【細腕のゆえか、体勢のためか。或いは単純に男の膂力が優れるのか――――― カタカタと鳴る刀身が持続力の危急を告げて】
【少女は、状況を漸く理解した様に俯く、】

……剣は断つもの、剣士は斬るもの。
なるほど、確かに真理ではある……か―――――――


【ふ、と零れた笑む様な吐息。受け入れる様な/望んだ未来を諦める様な、】
【どこかか細くも透る声。それは刻を悟る様な穏やかさを孕んで、】
【刹那蹴り込む男の右脚が動き――――――― 瞬間に拮抗する一点をずらした、】

(…………ッ!)

【結果右の鎖骨近くに剣を受けた。そのまま逃れられ、それに伴って抉られるが――――― 同時、男の蹴り足の脛を抉り抜く様に太刀が翻った。】
【――――――― 踏み込みを始めとする足回り全般を弱めるための一撃だ。通れば、あの異常な切れ味で切り裂かれる。】
【だがそれでも蹴りの直撃を受けるだろう。大きく吹き飛ばされ/跳び退る男との距離が開く、】

【平然と己が命を使いきる、その “生” に価値を見ていない者の闘法、】
【それは、既に彼女が修羅の巷にあることの証左の様で――――――――、】
【だが、】

【こころは/折れない、】

舐めるな狂犬―――――――何を断つのかは私の意思だッ!

何を望み、何を生きるか。
何を戦い、何のため命を燃やすのか――――――――

……二度と私は失わない。命も、心も、刃も、意志も―――――― 貫き通すために私はいる!
“生きて” 私に許されない優しい日々を、護りきれればそれでいい。

最後まで……その安らぎを生きるだけだ……ッ!

【――――――― 生まれついたのが、その本質が修羅であったとしても、】
【如何に生きるのかは己の意志だと―――――――――――――】
【二度と零さぬその “生” を誓い。殺す歓喜など不要と断じて、少女は、今、ここで生きている。】
【己が修羅と彼とに殺されかけて、けれど “信じる” 己を信じて――――――、】

……ッ、はぁ……っ……―――――――――――!

【立ち上がる――――――― 揺るがぬ様に。】
【今一度少女が太刀を構える――――――――― 立ち向かう刃でいられる様に。】
【……呼吸が変わる。勝負を、今宵最後の交錯に懸けんと望んで。】
【鋩を下段に置いた其れは、彼との邂逅に於いて未だ見せぬ一撃への構え―――――】

【……“応じて”、彼は応えるのだろうか? 今や流された血は地に染みて。】
【全精力を注ぐ/注がれる次の必殺の刃が、彼との “結末” になる筈であって―――――――、】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/28(日) 05:21:38.78 ID:TR6ddqgUo
>>220



ならば、殺せ

生きたいなら、守りたいなら、殺すしかなかろうよ。殺して、殺されないようにするしかねぇさ
そうして誰もがいつか修羅になる、悪鬼になって喰らい合うのさ

【───いつしか、室内の空からは雨が降っていた】
【奇怪な空間は雨すらも降って、互いの流した血を洗い流す】
【男の右脚から流れる赤い血液が、着物に染み込み染めて行く】
【雨に濡れた髪が顔に張り付いて、刀を納めてあけた右手でうざったそうに髪を撫でれば、顕れた左眼には痛々しい刀傷、閉じられた眼は開かない】

殺す気でこいよ、死にたくねぇなら

【納めた刀を腰の位置へ、右手を添えた居合抜きの構え。腰を落として息を整える】
【これから起こるは小細工無しの一本勝負、斬るか斬らるるかの二つに一つ、一瞬の内に勝負は着く】
【冷たい雨はにわか雨、辺り一帯を濡らした雨は嘘の様に止んで、雲の隙間から光が降りる】

【ポタン、とどちらかの髪の先から雫が落ちた、それを合図に神速の疾駆】

【最早それは風である───白き尾を引く風の様に、男はとんでもない速度で八攫へと突っ込んでいく】
【ただの真っ直ぐ、『まさかこの後に及んで小細工など』と言い聞かせるが如き単純に、八攫へと接近して】
【刹那に抜く居合もまた神速、ただの切り上げ、しかし速い、ただ速い】
【受けるか躱すか二つに一つ、迷う暇は一切無い、即決と即行動が重ならなければ、技術云々の前にまず斬られる】

【殺さない手加減など、以ての外───】
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/28(日) 06:32:54.47 ID:00eX6lVE0
>>221

……“譲れない” ことは理屈じゃないのよ。

可能、不可能など知った事じゃない――――――
……そう生きることしか、私は知らない。

【……生きること、護ること。殺さぬこと、誰も彼もを護りきること。】
【いっそ凪いだ表情で。剣に生きるものの頑なさを以て、けれど穏やかな声で “かれの答え” の拒絶を紡いだ】

【驟雨を頬に感じながら、だが、意識は彼我の間合いにだけ五感を置いて――――――、】

【……求める結末を再び、想う。失わない/失わせない、】
【その為に砥ぎ上げた孤剣(つるぎ)の力――――――――― 撃ち破れるならば撃ち破れ、今宵を別つ修羅なる刀刃ッ!】


【捻りを加えて刀身を掲げ、旋る様に構える上段の太刀筋、】
【接地点から全身に巡らす、刃筋の流れに添って渦動する “力” ―――――――― 腱のひとすじに到るまで、総身を刀刃の加速に充てる、】
【踏み込む、互いが互いの死線を越える/胴に抉り込む様に放つ刀身、】

……焔翅、剣葬――――――――――――――――

【太刀 “金翅鳥” の火の力の完全開放―――――――― 極限まで高められた剣圧と剣速による断熱圧縮、】

                         ―――――――――――――――――――――― 迦楼羅ッッ!!


【――――――――――――――――――――― 最大最強の一撃が、獄炎の大渦と化して解き放たれた。】
【その狙う先は抜き放たれるかの刀身――――――――】
【刃と刃が交錯し、金属音が響き渡る。己に向かう刃を逸らし、向かわせる刃の致命を避けるため。】
【されどその結末はやはり未知で、】
【“擦れ違えば”、“半寸でも斬閃を読み違えれば”。それだけで居合抜きの直撃を受け、彼女は息絶えるのだろう】
【だが太刀筋には迷いが無い。切り裂くべき軌道をただ追った。】

【狙うのは充分な破壊を齎しながら、けれど急所だけは避ける超灼熱の斬撃――――――】
【―――――――――――――――― そう確信できるまでに。 砥ぎ上げたゆえに、白銀の刃は此処に挑むのだ。】

【相手は悉く想定を越えてきた彼だ。客観的には、状況は如何なる結末をも迎え得て】
【だが、その “命” は何処までも輝いていた。ただひとつの “道” への誇りを以て、刹那に懸けた全霊であった。】
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/28(日) 06:52:05.53 ID:TR6ddqgUo
>>222
【一瞬の出来事である。空気が震え、音が消えた】

【高い金属音が、刀同士のぶつかり合いを示し、しかしそれらは留まらず、滑る様に互いを切り裂く】

【二人の刃は、お互いに急所を逸れて、それでも───少なくとも、彼の方は───浅く無い傷が、体に刻まれる】

───……

【抜き放った刀を鞘に納める、ゆっくりゆっくりと、残心のように、ゆっくり刀身を滑らせて】
【最早自分を濡らすのは己の血か相手の血かも分からないが、それでも体に走る激痛は確かに斬られたのだと知る】

【───そろそろ終わる=B名残惜しいが、肌身で終結を感じ取った彼は、カチンと刀を納めて】

…これにてお開き───て、ネェ

【全霊の一刀を受けて尚、しかしまだ戦えそうな余裕そうな雰囲気を残しながら、男は鞘を帯に押し込んだ】

いい剣だ、だがまだ浅い=c
…殺す気でやらなきゃオイラは殺せねぇ、なぁ

くっくっく…だが、いいねぇ、その太刀筋…こっちまで燃えそうだ
次に会った時は殺すつもりでやってみな、その方がきっと愉しいさなぁ

【ゆらり、少しふらついてはいるが、足取りはしっかりとして、踵を返したかと思えば、向かう先は半開きの扉】
【扉の前にて、顔だけ振り向きながら八攫に一言言い残し、扉を潜って行く】
【一匹の修羅が去った後、それはかの半魔に終結が来たる寸前の事であった───】

/お疲れ様でした
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/07/28(日) 08:09:57.46 ID:yZBOnZfq0
>>223


【刃は届いた/だが “浅かった”、】
【常軌を逸した一撃を以て、殺さず、奪わずに当てつつ敵する刃を逸らしきる、】
【その離れ業に費やされたエネルギーは膨大だろう。……単純に、向かう刃が逸れすぎた面もあるのだろうが。】
【そして同時放たれた刃が意味を為し、】

――――――――……ッ!

【右腕に少女もまた斬撃を受けた。大きく逸れたが、なおも鋭い痛みが迸った】
【比較的軽傷で済んだのは、斬撃を放った体勢ゆえだろうか。……或いは、装備にその理由があるのか。】
【何れ、嘗ての彼女ならば今以上には傷を負っていた筈だが―――――、】

【傷を負った躰でなおも消えぬ闘志/だがそれが急な転調を迎える、】
【……男の言葉に、瞳が男に対しての戦意を封じ込めた。】
【“力” の絶えた訳ではない。……単純に、今宵の男との戦いが終わり―――――― 本来の目的が現れていた。】

【“理由” すら持ち合わせなかった彼への言葉だからだろうか、紡ぐ返答は、“敵” に対する其れにしてもそっけなくて】

……言ったでしょう、単なる殺し合いに興じる趣味はない。
何れ、貴方とも決着はつけるけど―――――

(……無事、かしら。何人かではいる筈だけど―――――)

【先を急ぐ―――――― そう、逸る様に結論して】
【……決着と、“誰も死ななかった” 結末を知るのはまた別の話。】
【大きな安堵と、十分すぎる充足感――――― 祝勝の想いはゆらり煌めいて、灯火を心に灯す様だった】

/お疲れ様でしたっ
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/07/28(日) 11:25:54.58 ID:vxPeGytoo
 【――――戦いは終わった。半魔リリアは紆余曲折あって魔界の者に拿捕され、二度と戻ることはないはずだった】
 【少なくとも人間の感覚で、あと何百世代かは。そして、全ての方がようやく付いた】

 【三名の半魔は、リリアは先の通り、残りの二人は確実に死亡した事が確認され】
 【怪獣レヴィアタンや、ATLAS付近の怪物も、尽くが消滅し、或いはどこかへ行ってしまい】
 【何より巨塔ATLASは―――戦いより数時間のラグを挟んで、ゆっくりと崩壊していった】
 【流石は魔界の建物と言うべきか、瓦礫は草原に残らず、その全てが異界へと消えていった】


【―――あとに残ったのはレナールの廃墟と、世界各地での怨嗟の声と、幾つもの墓だけだった】

【民衆の中には、不満を漏らすものも居る。何故人間の手で捕まえてなぶり殺しにしなかったんだ、と】
【至極当然の意見だった。塔の上階でのやり取りは公表されなかったが、知られた所でどう変わったものか】
【それを予期して、討伐隊は余計なコメントもせず、粛々と解散し、草原地帯の再興ボランティアに姿を変えた】

【このボランティア団体には幾らかの能力者も加わった。具体的に上げるのなら、先ずこの二人】
【元<<Cドのエリザベス・カーライルと、技師のザクセン・シェルナであった】


  【それから、草原地帯ということで話題に上がるのは彷徨う古城≠ナあったが】
  【こちらは元の主である綾津妃が戻ったことで、見事に都市伝説の地位を取り戻した】
  【時折、草原を行く人の前に現れて、其処では死者に会えるとか、財宝が拾えるとか】
  【そういう話題を風のうわさ≠ニして提供する程度には、庶民に受け入れられることとなる】


 【戦後の処理で最も紛糾したのは機関関係の諸君だろう。どちら側に付いたとか、誰に攻撃されたとか】
 【そういうやり取りや、そもそもナンバーズが六罪王を引きずり降ろせるのか、だとか】
 【何かと面倒な事が多く、そういう意味で一番苦労したのはベイゼ・べケンプフェンであった】
 【諸方に仲裁に向かい、六罪王が抜けた穴を繕い、自らの整合性をしばしば説明しなければならないのが玉に瑕だったが】
 【それでも彼女は自分の地位を投げ出したりはしなかったし――暫くすると、元の怠惰なベイゼに戻っていった】


【UTに関しては、2つの出来事があった。一つは勿論、アンジェル・ベルジュロンの帰還と】
【それからシェン・ロンドによる物資の提供だった。資金援助、と言ってもいい】
【『自分で稼いだ綺麗なヤツだから』というメモがあった他、これに関してはあまり詳しく分かっていない】
【ただ、一緒に大刀剣――彼の獲物、が置かれていて、『飾りにでもしてくれ』という旨だった】
【一部界隈では隠居とか、そういう話もあったのだが―――真相は依然として霧の中である】


   【他にも、語り尽くせないほどの影響が存在したが―――その全てを述べるのは、不可能で】
   【それにそもそも、世界は何か一つを中心には回っていない。話題なんて人によってそれぞれだ】
   【だが、いずれ風化するこの半魔騒動が誰かの心に何かを刻めたのなら―――それはそれで、意味が在るのかも知れなかった。】




【ちなみに、後にエリザベス・カーライルを通してUTに伝えられた続報は以下のようなものである】

 【 リリアの刑罰は懲役5000年。但し大悪魔マモンの監視下にある場合は、場所を限らずこれを役に服しているものと見なす=z
 【 また、奉仕活動として年に28冊の図書の翻訳業務を行うこと。―――文句なかろう、銃士?=z  【――と、そんな内容だったそうな。】


/これにて一連の半魔関連イベントを完全に終了と致します。皆様、長らくお付き合い頂き本当にありがとうございました
/当イベントの報酬などについては舞台裏に書き込みますので、そちらをご参照下さいませ!
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/28(日) 13:40:01.56 ID:1JBexkDio
>>202>>204

――……憎いから殺したる、ゆうんは。間違いやわ

【俄に、その口から零れたとは思えない言葉が】
【言う本人は微笑んでさえいた。見間違い、幻覚、極限状態での錯覚?】

【違う。月彗は、嗤っていた】

衆生に長らえて苦しめ。殺せと願えども叶わない、無間地獄で玉を吐け
簡単に死に逃がす訳が無い……生きながら死ね。そうして廻れ

【破壊を終えた十二神将を背後に控え、喪服の男は滔々と告げた】
【慈愛じゃない。美談でもない。与えたのは、生きるというただの終わらない悪夢だ】

【――廻れ。その言葉にだけ、言い知れぬ強さを乗せて】


【別れ際、ベイゼには「精々頑張れ」という旨の言葉を掛けた】
【機関はこの後が大変になるだろう、という事。それがナウファルの耳にも届いたなら、】
【月彗が既に機関に携わる身で無い事も知れる。勿論、善人として生きると言った訳でもない】

【意識を無くしたセリーナには、掛ける言葉は勿論の事、手助けなどする筈もない】
【――が、その隙をついて何かを懐なりに仕込もうとする。正体は藍色友禅の和紙で折られた一羽の鶴だ】
【開けば内側にただ一言が流麗な草書で認められていた。“あ可よろし”――これだけでは、意味が分からないのだが】

【カニバディールの一礼に、月彗はただ視線を向けただけであったが】
【その姿が見えなくなるまで、送る視線を外さない。微かに動いた口許は何を告げたのか】
【彼も己の野望を持っている。いつか道が重なれば、またこうして手を結ぶ事となるか。或いは、――】


 【心の蔵と名が付いた時計の針を確かに刻む】
 【既に針を無くした兄達にそれは叶わない】
 【今宵もまた喪に服す。奇書の葬列へ】

/遅れましたが、以上で〆とします
/皆様お疲れ様でした、ありがとう御座いました!
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/28(日) 14:38:36.44 ID:+V8LfHgl0

【とある街に存在するカジノ。それなりに有名なので、昼夜問わず人で賑わっていて】
【――――その店の中心での出来事。一人の少年が、体中を赤く腫れさせながらも黒服の男達に更に打たれていた】
【誰一人として助けようとはしない。寧ろ、其れを見て嘲笑う者達も居る始末】
【――――不意にざわめきが止んだかと思えば、人混みの中から現れるのは一人の男で】


「ふーん……君か。自警団からの回し者って言うのは
いやいや、困ったねぇ……そう嗅ぎ回られちゃ、見逃す物も見逃せないんだよ
分かるだろう?分かるよな?…………おい!!何か言ってみろよ!!」

【派手な衣装。贅沢な光り物。悪趣味とも言えるセンスの指輪の数々】
【恐らくは、このカジノの支配人。黙りを決め込む――――或いは、最早喋ることも出来なくなった少年の顔に拳をめり込ませて】
【口から溢れ出る血を辺り撒き散らしても気に留めることは無く】


「自警団のヤツ等には知られてねェんだよな?
……なら、殺すなり腹を開いて売っちまうなり好きにしろ」

【非情な言葉だけを残して、その場を去ろうとするだろう】
【――――裏では様々な組織に手を貸していたり、人を拉致して売り捌いていると黒い噂が絶えないこのカジノ】
【日頃、自警団等々の者が潜り込んでいる事もあって――――あの少年以外にも誰か居たって、不思議な話では無い】
【或いは、正義感の強い者が止めに入るのか……それは、定かでは無いが】








【波の音だけが聞こえる海岸――――しかし、其処は普通の海に面していないと有名で】
【冷たいわけで無く、逆に心地よい暖かさを秘めているとの噂。よくよく見れば、湯気だっている事が分かるだろうか】
【一人ぽつんとその浜辺に座り、月を眺める姿が一つ在って】


「……そんなに、心配しなくても……大丈夫です……
えっと……多分、悪い人だって居ませんから……えっと……へ……?
そ、そんな……せ、世間知らずなんかじゃ……無いです……」

【巫女装束を纏った、少女の姿。狐の金色の毛並みを持った狐の尾や耳も見え隠れしていて】
【――――辺り一面に漂うのは、妖気。所謂、妖狐の其れなのだけれど】
【近くに人が居る訳でも無し。それでも、呟くのは独り言とは遠く、まるで誰かと会話している様】


「……沙蔓は……心配しすぎです、よ……?
大丈夫です……ちゃんと、直ぐに戻りますから……」

【小さな溜息が一つ。申し訳程度に辺りを見回すけれど、直ぐに視線は海へと戻されて】
【歳にしてみれば、恐らく十七前後。だけれど、誰か居る訳でも無いのに常に不安そうに眉を八の字にしていて】
【――――其れなりに有名なこの場所。この時間に訪れる者が居たって、何ら可笑しな事は無い】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 16:41:22.87 ID:Be1YBSDd0
>>227
//まだいらっしゃいますかね?
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/28(日) 19:14:57.72 ID:1JBexkDio
【路地裏】

【薄汚れた壁に叩き付けられた若い男が、ずりずりと地に腰を下とす】
【だがそれをよしとしないように――巨大な蜘蛛の脚が頚を掴み、壁へ留める】
【反射的にその脚を掴んで、息の吐ける最低限を保ちながら男は相対する者へと声を振り絞った】

「っッ……だから、もう幻獣稼業からは手を引いてると、」

駄目。だって……まだ怒ってるもん、ヴァネッサ

【名を呼ばれ荒く何事かを叫んだ蜘蛛は、女の上半身を持ち全長が2m程もある】
【それに頚を掴まれているのは、紅茶色の長髪に左右で瞳孔の大きさが違うオリーブ色の目をした若い男】
【黒の祭服を纏い、踵の高い靴を履き、長めの爪は紫色に染められている】

【一方で、蜘蛛を従え彼を追い詰めているのは、行動の割に酷く気弱そうな印象を与える少女だった】
【長めの前髪で右目が隠れているが、隠れていない左は明るいグリーンの色合い】
【ローズブラウンの腰までの髪は緩く巻かれ、黒い小さなハットを斜めに被っている】
【肌の色は白く、大きな瞳は斜め下に向けられがちで人を直視する事が少ない】
【黒いベルベット地に銀糸と薄桃で刺繍を施した膝上丈のディアンドルに、同色の低い踵のシューズ】
【右手にのみ、黒のハードレザー製でチェーンの装飾が付いた、少し強気なデザインの指貫グローブを付けている】

「だったら、ッ……どう、しろと?
 謝れば良いのか、死なないと、ッ気が、済まないのか」

――え、それは……
ヴァネッサ、どうしよう? ……殺しちゃう、の?

【何も考えていなかったのだろう。少女は困ったように従者たる蜘蛛の意思を問うが】
【蜘蛛はひたすら怒りのままに男に苦悶の表情を浮かばせるのみで――逼迫した中、彼の吐き出す息に呆れが混ざった】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 20:11:35.73 ID:Be1YBSDd0
>>229
【少女の背後から、革靴によるモノと思われる、必要以上に大きな足音が聞こえてくる】
【徐々に音量とサイクルを上げながら路地裏へと響き渡るその足音は、何者かの乱入の前兆】
【やがてその足音は少女の真後ろ、すぐ近くに達した瞬間に止み―――続いて、息を整えるような音が聞こえてくる】

ちょっと待った!! 僕の目が黒い間はそれ以上の凶行を許すつもりは無いよ!!

【わざわざ大声を上げて制止を促すその声に少女が振り返ったならば】
【そこに居るのは襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、真に奇妙な人物で】

【ついでにその青年の側には、夜の闇にも似た漆黒の毛並みを持った“奇妙”な猫が寄り添っている】
【“奇妙”と呼んだ理由はその満月に似た目―――覗き込もうとすると、酷く眠気に襲われるのである】

ま、正直なところ出遭ったばかりで顔も名前も知らないそいつを助ける義理は僕には無い!!
――――でも僕にも役割ってモノがあるからね……怒りを静めて巣にお帰り!!いい子だから!!

【見たところ20歳前後に思えるこの青年、襲われている男の顔を一瞥し―――特に興味も無いのか、一瞬で視線を蜘蛛に移す】
【そして、青年は蜘蛛に大声を出して語りかけ身振り手振りで制止を促し始める―――どこか滑稽にも思える必死な表情を浮かべながら】

【さて、そんな奇妙な格好をした青年だが、もしもその場に感じ取ることが出来る者が居るのであれば】
【強い霊力を持った、退魔師に相当する存在であることを知ることが出来るだろう】
【おまけに、側の黒猫がその姿からは考えられないほど強い魔力を持った存在であるということも】
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/28(日) 20:35:38.05 ID:1JBexkDio
>>230

【声にあからさまに肩を震わせて、少女は心やましい場面を見られてしまったと】
【そうありありとわかる表情で(ついでに言うなら今にも泣きそうだ)、相手を見る】

――っあ、ごめんなさいっ、だって、……ふぁ

「…………、」

【肩の猫に視線を合わせてしまったのだろう。少女の体がぐらと揺らいで】
【慌てたように、蜘蛛が男から手を離して少女に駆け寄り抱き止める】
【威嚇のように一言相手に向かって叫ぶ声は酷く耳障りな音質で、間近で聞かされた男が頭を押さえた】
【この男、あろうことか助けに来た相手を一度期待外れな顔で見たのだが――その霊力に気付いたのか僅かに瞠目し】

“……――”

【そしてそれは、蜘蛛も同じ。主たる少女が気を失った今下手な手出しが出来る相手でないと見たか】
【だが、怒りは収まらないのだろう。乱入者たる彼にギリギリと歯を鳴らした彼女は】
【一言、恐ろしく甲高い鳴き声を上げた。まともに聞けば平衡感覚がずれる程のもので】
【同時に片脚を振り上げ、粘着性の糸の塊を相手目掛けて思い切り投げ付けた】

【直撃、回避、それらの結果を見届けないまま蜘蛛は少女を抱え逃走を図ろうとするが】
【一撃を喰らわせるなら、まだそう遠い距離までは逃げられない】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 21:12:21.63 ID:Be1YBSDd0
>>231
【青年へと向けられた少女の表情―――そこには“憤怒”や“狂気”と呼ばれる物は混じっては居なかった】
【まだ、話は通じる方か―――と、判断した青年は今度は少女に向かって話しかけようとするが】

君、ちょっと……ッ!! 蜘蛛の癖に吼えるのか、彼女の友達は!!

【突如発した蜘蛛の叫び声に遮られ、青年は苦悶の表情を浮かべて耳を塞ぐ】
【相手の敵意が此方に向いたことを確認し、第一の目的は達成したと安堵する青年だったが】
【問題はここから―――と、インバネス・コートのケープをはためかせ、臨戦態勢に移る】

【蜘蛛が敵意を向けた相手に行うことの予想は既に付いている―――即ち、粘着質の糸を吐きかけること】
【ならば先手必勝、青年はコートの左袖から1枚のトランプに似た質感の札を取り出し、地面へと放る】

ゼラチナス……ッ!! 糞ッ!! また叫び声か!!
逃げるつもりだね……でもまだ逃がすわけにはいかないな!!

【次の瞬間、その場所から競り上がるはゼラチン質の水色の壁、それは粘着質の糸から青年を悉く守り通す】
【だが、流石の壁も音波まで完全に軽減することは出来ない―――少々威力は弱まるがそれでも青年は耳を塞いで耐える】

話を聞かせてもらうとしよう―――「陰行法・八咫烏」ッ!!

【その場から逃走を図ろうとする蜘蛛の姿を見て、青年は側の黒猫に何やら指示を飛ばす】
【すると、黒猫の目が妖しく輝き―――騒々しい無数の羽音と共に、どこからともなく大量のカラスが現れて蜘蛛の視界を防ぐ】
【いや、それだけではない―――現れたカラスの数はその一帯を覆い尽くすほど膨大で】
【しかし、そのカラスはどれも偽者、すなわち幻影であり、触れようとしてもその手を通り抜けてしまうだろう】

……セィッ!!

【だが、“隠れるだけ”では蜘蛛の足を止めることは出来ない】
【青年はカラスでその一帯を覆い尽くした直後、体をばねの様にして地面を駆け、蜘蛛へと飛び掛る】
【そして拳を振りかぶり―――蜘蛛の背中へと拳の一撃を叩き込もうとする】
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/28(日) 21:14:57.21 ID:TR6ddqgUo
【───風の国、草原】
【遥か彼方に見えるレナールには、既に天地結ぶ巨塔は存在を消した、見えているのは街並みだった&ィ】

【眺める者は一人、草原に二つ車輪の跡を残して立ち止まる、静かに佇む、車椅子】
【飾り気の無い車椅子に座る白い人影、後ろから見れば何もかもが本当に真っ白な、小柄な少女】

《───ひとつ、終わり…しかしまた他の悪が動き出すか》
《枯れた花は種を残して散る物だ、いずれまた始まるさ》

《なぁ、正義の味方共───人の悪は終わらない、いつまで抗って見せてくれる?》

【白く流れる長い髪、小柄な体に会わない白衣、白いワンピースに白い肌。全てが白く不気味な眩さの中に、紅い二つの双眼だけが冷たく輝いていて】
【膝に置いた本に手を置いて、誰にとも無く呟いた声は、大人を気取る少女のような声】

【静かに響いたその声は、確かに静かな草原に渡った───】
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/28(日) 21:33:38.64 ID:1JBexkDio
>>232

【暗幕に酷似した鴉達に包囲された蜘蛛は空いた脚を振り回してそれを追い払おうと躍起になるが】
【幻影に通じるはずもない。背に襲い掛かる青年の気配に気付けたのはだいぶ後の事となって】

【殴り付けられ、またも耳障りな悲鳴が上がる】
【だがその背の感触は酷く固く、決定打にはなりえない。恐らくは背に青年を乗せる格好となるのだろうが、】
【蜘蛛はその状態から無理矢理に二本の脚を、間接から歪な音を上げてまで背に向けて反り返らせ】
【至近距離から、再びあの粘着性の糸を吐き出そうと脚の先へ魔力を結集させる――だが】

――《ドグラ・マグラ》

【頚を締め付けられていたがために少し掠れた男の声が、呪言めいたものを紡ぐ】
【同時に、蜘蛛と相手の間に黄緑の燐光が結集し、両者を強く反発させる性質の力が放たれる】
【磁力反発にも似たその効力が通れば、相手は蜘蛛の攻撃から逃れられると共に、幾らか距離を取れる筈だ】
【蜘蛛は攻撃のラグで動けない。まさに、やるならその瞬間が好機と言え】
【腕に抱かれた少女は目を覚ます気配もなく、蜘蛛は最後の宝物のように必死にそれを抱き締めるのみだ】

【霊力に気付いた男は、相手を術士と判断し距離を取らせる手を打ったようだが――果たして】
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/28(日) 21:59:34.37 ID:+V8LfHgl0
【街の中――――普段は喧噪で賑わう其処だけれど、今日ばかりは静かで】
【その街の中央に立つのは、一人の巫女。瞑想の如く目を瞑り、風に黒髪を靡かせている姿は幻想的に見えるかも知れないか】
【不意に手を横に伸ばしたならば、その腕に止まるのは一羽の鳩。真っ白で、僅かな耀きを放っていて】


「ご苦労様でした
――そうですか。異常はありませんでしたか。でしたら、何よりです
ゆっくり休んで下さい」

【空いた片手が鳩を撫でたならば、其れは瞬時に一枚の符へと変わるのだろう】
【所謂、式神。櫻の国ならば、それなりにメジャーな術であろうか】
【そのまま袂の中に手を入れれば、一枚の煎餅を手にとって】


「……可笑しいですね。何も無いという筈は無いのですが
まあ、良いでしょう。面倒事は嫌いですし
そんな事よりも、この空腹を満たすことが先です」

【ゆるりと小首を傾げるけれど、結局は自分に言い聞かせ、納得するのだろう】









【薄暗い森の中。がさがさと動く影が一つ】
【濃い青色をした其れを纏っている所を見れば――――修道女であろうか】
【月の光を鋭く反射させる銀の髪。困った様に、ウロウロとさせる双眸】


「あの……そろそろ、離れて貰えませんか?
私も飼いたいのはやまやまなのですが……あなたを育ててあげれるだけのお金も無いのです
それに、野生のままの方があなたにもきっと……と言っても、分かりませんよね」

【悩みの原因。其れは、頭の上で丸まっている奇妙な生き物】
【ふわふわとした毛並み。まるで、ハムスターの様にも思える外見】
【眠っているのだろう。時折心地よさそうな小さな寝息が聞こえて】


「このままこの子を置いて行くと、獣や魔物に食べられてしまいそうですし……
かといって、連れて帰るわけにもいきません。……どうしたものでしょうか……」

【その毛玉を乗せたまま、ウロウロとする姿は何とも滑稽】
【時間も時間。そしてそんな奇妙な行動が合わされば、自然と目立つ事になろうか】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 22:01:14.34 ID:Be1YBSDd0
>>234
【拳による一撃が命中し、その鈍く固い感触に青年は苦い顔を浮かべる】
【だが、表情は即座に不敵な笑みへと変化して―――青年のコートの右袖から、新たな札が零れ落ちて蜘蛛の背中に張り付いた】

ッ!! 思ったより硬いね!! 蜘蛛の癖に外骨格でも持っているのかな?
―――ま、そんなことは“もうどうでもいい”けどね……

【“目的”を達成した青年は蜘蛛の反撃を予期し、即座に退避行動に移ろうとする】
【蜘蛛の足が反り返り、再び糸が吐き出される前に急いで飛び退こうとするが】
【その行動に移ろうとする瞬間、青年の目の前に黄緑の燐光が結集する】

すぐさま退避を―――何これッ!?

【その存在に疑問を抱く間も与えられず、青年は後方へと吹き飛ばされて蜘蛛から引き離される】
【空中で何とか体勢を立て直し、衝撃をうまく殺して綺麗に着地すると、驚いた表情で男へと振り返った】
【既に役目を終えたカラス達はどこへともなく消え去って、開けた視界の中には黒猫がぽつりと佇んでいる】

何だ君、術士だったのか……あのままでも多分大丈夫だったけど、一応礼を言っておくよ
―――ぶっちゃけ、僕の助けとか要らなかったとかそういうアレかな?

【側から見れば一方的にやられているように見えた男が術士であったことに疑念を抱いた青年】
【率直な疑問を男へと投げかけた後、うずくまっている蜘蛛へと視線を戻す】

そういえばまだ終わっていなかったね―――「爆ぜろ」ッ!!

【青年が声を上げ、パチン、と指を鳴らした瞬間、蜘蛛の背中に貼り付けられた札が紅に変色し】
【さらに次の瞬間、轟音と共に爆発を引き起こす―――即座に爆風が青年達を襲う】
【渾身の力を込めて踏ん張り、どうにか吹き飛ばされないように耐えながら青年は砂煙に隠れた、蜘蛛の居た場所を見つめている】
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/28(日) 22:24:13.17 ID:1JBexkDio
>>236

【背に貼り付けられた札には気が付かない。燐光に弾かれ蹌踉めく蜘蛛の背でそれが爆発し】
【一際鋭い叫びを残して――煙が晴れた跡には、蜘蛛の身体が散り散りとなっていた】
【巻き込まれた少女の生死は知れない。火が燻る瓦礫と化した骸の下に身体は有るらしいが】

――……生かしておけば、良い値で売れたのですがね。

【第一声がそれだった。やれやれと言ったように砂埃を払って男は立ち上がり】
【残念そうに蜘蛛の遺骸を一瞥する。少女の結末には別段の興味を持っていないようだった】
【すぐに飽きた玩具に対したように蜘蛛から視線を外し、青年の喉元辺りに視線を留める】

どうも。お陰で窒息せずに済みました
服が煤で汚れた事は不問にしましょう……何か礼をせねばね

【――少女とこの男の立場が逆であったならば青年にとっては役得だっただろうに】
【愛想など欠片もない礼をした男は、再びあの黄緑色の燐光を掌中に集め出す】
【一応、謝礼は貰えるようだ。どうやら青年の行為も、無駄骨にはならずに済みそうだが】
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 22:55:14.14 ID:Be1YBSDd0
>>237
【煙が晴れ、散り散りになった蜘蛛の体を見やった青年は静かに安堵の息を漏らす】
【―――爆発に巻き込まれ、骸の下敷きとなった少女の安否を密かに気にした青年だったが】
【一応、少女の手足が吹き飛ばない程度の加減はしていたため、自分の実力を信じることにした】

―――人に危害を加えた化生を殺すところまでが僕の仕事の範囲なんでね……
あと、僕は何分不器用なモンで……手心を加えるだけの余裕がなかったんだよ

【―――さて、当初の目的を達成した青年は男へと向き直り、蜘蛛を殺したことへの口先だけの弁明をする】
【思えばある種の“流れ”で助太刀したようなものだが―――青年はこの男を最初から訝しんでいた】
【駆け付ける前に少しだけ聞こえていた会話もそうだが、今現在男が取っている行動もどこか人間的ではないように思えて】

お礼?していただけるのは有り難いんですけど……お金のほうは基本間に合っているというか……
でも現物ならば受け取らないといけないかな!?……みたいな……

【櫻の国の礼儀作法に従って一応断るような素振りを見せながら、青年は静かに男の仕草を観察する】
【―――この仕草を観察する行為、少女と男の立場が逆であれば役得であったのに、などと考えて】

―――“お名前を教えてください”とかそういうのは無いんです?

【終始無愛想な男の表情を見て、青年は少しだけ男を助けたことに後悔しながら】
【コートの中に手をやって、なにやらゴソゴソとさせ始めた】
【―――最初、青年の側に居た猫は爆発に巻き込まれたのか、既に姿形も無かった】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/07/28(日) 23:07:10.05 ID:nnVZDoCRo
>>235
//>>227の上の投下文にてロールしたいのですが、いらっしゃいますか?
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/28(日) 23:09:29.85 ID:+V8LfHgl0
>>239
/はいな、居りますよー!
/宜しくお願い致しますです!
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/28(日) 23:14:41.81 ID:1JBexkDio
>>238

覚えていられる自信がないので。
……どうせ聞いた所で「名乗る程の者では」なんて格好付けるのでしょう

【青年のいう理屈が無かったなら、少女に味方して男を殺った方がマシだったかも知れないと】
【そう感じさせるに余りある態度ながら――手に呼び出したのは重厚な黒塗りの箱一つ。それが謝礼らしい】
【だが相手ならば気付けるか。箱からは禍々しい呪力が止めどなく溢れている――触れられない程では無いが】

どうぞ。恐らくそちらならば、上手く使えるかと
くれた彼女も喜ぶでしょう……綾津妃の名は、ご存知でしょうか

【箱の中身は以下の通り。差し出したそれを取る取らないは勿論、相手の自由だ】

 【『黒水晶の髑髏』 所謂 『クリスタル・スカル』 。】
 【珍しい黒水晶から生成されているため、 美術的価値も高く 、 魔術・呪術の媒体 としても優秀。】

【一方で、少女の呻く声が微かにした。相手の加減もあって命は繋がっているようだ】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/07/28(日) 23:43:10.99 ID:nnVZDoCRo
>>227
【捨てる神あらば何とやら。満身創痍の少年に、その姿が見えているかは定かでないが】
【ボルサリーノを押し上げ、ひょいと軽やかな足取りで人混みを掻き分け、強面の黒服どもなんかもすり抜けて】
【長身の男が一人、旧知さながら親しげに、支配人へと歩み寄る。そうして、出来ることなら気安く肩など叩いてから】

「……あー、ちょっとそこの旦那さん。売るなり[ピーーー]なりって、そりゃあ非道すぎやしませんか?
 たとい鼠だろうが自警団だろうが客は客、良い夢見せてやるのが主人(オーナー)の度量だろうに」

【なんて、畏れ多くものたまった】
【言いながら懐から取り出すのは、一挺の拳銃。ステンレス・シルバーの銃身が、照明を受けてぎらつく】
【さて。彼が銃口を支配人に向ければ、いよいよもって勧善懲悪の一大活劇の幕開け──と、相成るのだろうが】
【どういう訳かその照準は、少年に合わせられている】

「なんて訳で、一丁どうです。この哀れで無謀な少年に、チャンスをくれてやるってのは。
 カジノらしく運を天に任せて、一か八かの大博打だ。賭け代が命とありゃあ──俄然、観客も燃えるってもんでしょう」

【ひゅうと下手くそな口笛一つ。口の端を歪めて、青年は「最高の見世物ですよ」とうそぶいた】
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/28(日) 23:47:46.19 ID:Be1YBSDd0
>>241
【男の指摘に青年は一瞬、ギクリ、とした表情を浮かべたが、すぐさま取り直して】

ハハハ……まさか。1回はそれを口にするけど結果的には教えるだろうさ
―――とにかく、お礼はその黒い箱かな?……これってやばい代物だよね?

【強張った笑顔で弁明してその場を取り繕うと、再び訝しみの視線を今度は差し出された黒い箱へと向ける】
【禍々しい呪力が止め処なく溢れ続けるその箱は、青年にとっては触れることも難しいものではないであろうが】
【一般人にとっては猛毒のように思えて―――男への疑念を強くしつつも、静かに箱を受け取った】

綾津妃?―――ああ、名前くらいは知っているけど……まさか!?

【あまり礼儀作法的に宜しくない事を知りつつも、箱の中身への好奇心には勝てずに覗き込んでしまう】
【中に入っていたものは黒水晶の髑髏―――その正体を知った青年の顔は驚愕を隠せない】

……そうだね……僕は、君がこの箱を僕に渡そうとする理屈は分かる……こんな物普通持っては居られないだろう
だが、“何故こんな物を持っていられたのか”“そもそも何処で手に入れた物なのか”については見当も付かない!!
―――マジで、係わり合いにならない方がよかったのかもね……

【男の正体への疑問が次々に膨れ上がる青年でだったが―――あえて、その質問はしないことにした】
【そして中身を覗き込んだ黒い箱は、抱え込むようにしてインバネス・コートの中へと取り込むと】
【次の瞬間、何処へともなく消えて―――青年の持つ倉庫のような場所へと送られたのだろう】

使えと言われたからには使うつもりだけど―――とりあえず、此方からも礼を言っておくとしよう
……ん?―――どうやら生きていたみたいだね……規則だから救出しないと、「鎌鼬」ッ!!

【男の“些細な贈り物”に礼を返した後、青年は少女の微かな声を耳にする】
【骸の下敷きとなった彼女を救出するために、青年は懐からまた新たな札を取り出して】
【指に挟んだそれを少女に覆いかぶさった骸に向けて、静かに霊力を込める】
【すると、緑色の光と共に突風が吹き荒れて、少女に覆いかぶさる骸だけを綺麗に吹き飛ばしてしまうだろう】
【突風が吹き荒れた結果を確認する間も無く、青年は急いで少女の側へと駆けつけようとする】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/29(月) 00:02:12.91 ID:lQG7p0Rso
>>233

【そんな時、背後からガタゴトと何かが近づいてくる】
【機械が動いているような回転音、タイヤが草原を踏みしめる音】
【例えるなら馬車やトラックのようなそんな音だ】

【振り返ると見えるのは確かに幌の付いた大きな荷台がゴロゴロと】
【ただその先頭は大きな三輪バギーでヘッドライトが煌々と煌めいている】
【そして特筆すべき特徴はそのバギーの下にタイヤはなく紫の雷が回転している】
【バギーは人間の膝ぐらいの高さに浮き上がりながら走行していた】

いやはや、いい夜ですなあ。フロイリーネ
少々、やかましくなりますのですが…ハッハ、ご容赦願いますな

【彼女の近くでそれらは停まるとドライバーの男が降りてくる】
【シルクハットにスリーピースを着込んだ白髪交じりの偉丈夫】
【カイゼル髭のような白い口ひげを生やしているが老人というわけでもなさそうだ】
【シルクハットをとって、静かに礼をした】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/07/29(月) 00:06:47.50 ID:aynlrjj9o
>>243

大事にして下さいね。
……、――――

【少女の意識が戻った。ならば長居は出来ない――青年がそちらへ駆け寄った隙に】
【黄緑色の燐光が一際強く瞬く。振り向いたなら、姿くらましのように男の姿は無かった】

「……ぁ、ヴァネッサ、っッ……!
 貴方、あの人は、っ――――」

【ぽろぽろと溢れている涙は何を意味するのか。身体には外傷もそうある訳ではない】
【落ちていた蜘蛛の脚の残骸を掴んで涙するなら――考えない方がいいのだろう。相手の行為はあの場で確かに善だった】

【だが問い質す間もなく、少女は再び意識を失ってしまう。身には所属に繋がる物を持っておらず】
【自警団か、病院にでも投げてくれたなら十分に親切だ。放置するも命を奪うも相手の自由であって】

【――相手が垣間見たのは、善か悪か。答えを教えてくれる手掛かりは、男の残した黒水晶以外にないだろう】

/この辺りで失礼します、お疲れ様でした!
/絡みづらい奴に相手して頂いてありがとう御座いました
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/29(月) 00:07:26.72 ID:ruoWjekc0
>>242
【叩かれた肩。自然と視線は其方と変わり、立ち去るべく動かしていた脚も止まっていた】
【何が言いたい。まるでそう言わんばかりに片眉を挙げたのだが――――その言葉を聞けば、醜悪な笑みを漏らす】
【唇から覗くのは、黄金に輝く歯。押さえつけよう、或いは店から放り出そうとする黒服の男達を、一瞥で制して】


「……フン。生憎俺も生きる為の商売でねぇ
お前さんの言うことは尤もだが、何より自警団に知られちまえばそれこそ折角の良い夢が悪夢へと変わっちまう
カノッサに頼めばンな事気にしなくてもいいんだろうが……見返りに何を求められるか分かったもんじゃねぇ
そんな訳だ、物好きさんよ。お前さんもバラされて売られたくなけりゃさっさと消えた方が良いぜ?」

【肩に置かれていた手を払い、野次馬達にも散るよう言葉を投げかけようとした――――が】
【その銃身を見たならば、険しい表情へと変わった事だろう。次の瞬間には、派手な争いが繰り広げられる】
【……訳でも無く。その提案をもまるで馬鹿馬鹿しいとでも言いたげに首を竦め、立ち去ろうとするけれど】
【――――続々と上げられる声。良く聞けば、青年の提案に賛同する者達の其れ。やがては収集がつかないほどに大きくなり、流石の支配人も苦渋の表情を浮かべて】


「――――まあ、良いだろう。客を楽しませんなら、俺としても悪い事じゃねぇ……
だが、勘違いするなよ?もう決まってた命を、お前さんが勝手に拾っちまったんだ
……なら、お前さんもBETするのが普通だよなぁ?
このガキが勝てば、お前さんに所有権をくれてやるよ。だが、負けたら……お前さんのその身体、隅々まで使わせて貰うぜ?」

【口を挟む余地も無く進んでいく会話。殴られ、地面へと伏す少年は、それでも強気な表情を浮かべて居た】
【……だが、所詮まだ子供。恐怖心を抑える事は出来ず、微かに震える身体。誤魔化すように自分の身を抱くけれど、其れでも止める事なんて出来ず】
【対して、男。青年の提案を飲むが……ただでは転ばぬ様。出された条件は、青年の命という其れ】
【――――観客達の熱も最高潮に達すれば、辺りからは野次やら何やらが飛んできて】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/29(月) 00:20:15.04 ID:19DiHxr9o
>>244
《…何処の英国紳士だ、貴様は》

【背後から聞こえる不穏な物音に、こうまでどっしりと構える少女等いるだろうか。バギーが近くに停車し、紳士が降りてくるまで振り向きもしなかった】
【紳士が話しかけて来てからやっと、眼をそちらに向けて言い返す、見た目に反する威圧的な態度である】

《中々面白い物を持っているじゃないか。ホバーか…私のもそろそろそのように足回りを改造してみるか》
《こんな所で何の用事かは知らんが、まぁ許す。見届けてやろう》

【まず、その興味はタイヤの無いバギーに向いた、といっても技術は既知なようであって、それを使う紳士のチョイス自体に興味が出たというか何と言うか】
【自らの土地でもないのに、寛大に頷いて返せば、車椅子を反転させて振り向き、「で?何をするつもりだ?」と囃し立てる】
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/29(月) 00:36:20.11 ID:I/tjJwdA0
>>245
【少女へと駆け寄ろうとする青年が、ふと背後を見やると既にそこには男の姿はなく】
【―――少女が目を覚ましたのなら逃げるのは当然か、と納得した青年はそれ以上考えようとはしなかった】
【そして青年は少女の下へと駆けつけ、少女の言葉に静かに耳を傾ける】

ヴァネッサ?―――ああ、あの蜘蛛のことだね……可哀想に!!
襲い掛かってきた男から君のことを守って殉職したんだよ……
もちろん、その後僕が男を追い払ったけどね!!

【人当たりのいい笑顔を浮かべながら、さらっと少女に大嘘を吹き込もうとする青年】
【実際のところ、“男”から少女を守って殉職したことには変わり無い】
【その上で真実を語るべき男の姿は既に無く、蜘蛛も既に天国へと旅立ってしまった後】
【―――故に、青年の嘘を覆そうとする者などこの場には存在していなかった】

―――また意識を失ってしまったか。しょうがない、近くの自警団にでも投げに行くとするかね……
ルーナ!! このまま僕が運ぶと危ない人に見えちゃうだろうから君が運んでくれないか?

「…………」

【少女が再び意識を失ったのを確認すると、青年は背後へと振り返って何者かの名前を呼ぶ】
【すると、宵闇の中から漆黒のコートに身を包んだ幼い黒髪の少女が青年の下へと駆け寄って】
【そのまま、見た目に似合わないほど強い力で横たわる少女を抱え挙げて歩き出す】

ふぅ……今日はとんでもない目にあってしまったね……
特に一番の問題は―――あの、黒水晶の髑髏に他ならない
アレをどう使うべきか……答えは決まってしまっているんだけどさ

「…………そう」

【黒髪の少女へと語りかけながら、青年はゆっくりと自警団に向かって歩き始める】
【聞き手の少女は無愛想に相槌を打ちながら、少女を抱えて運んでいく】

【自分が今日行ったことは“善”であるとは信じたいが―――それが“正しい”かどうかは分からない】
【青年はそんな自問自答を、少女の身柄を自警団に預けるまで続けることになるだろう】

/こちらこそお疲れ様でした!! 絡みありがとうございます!!
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/29(月) 00:38:04.17 ID:lQG7p0Rso
>>247
英国?ハッハッハ、それはまた古い言い方ですな…
いやいや、私はそちらの方が好みです。ありがとうございます

【バギーの横に取り付けてある革製のカバンから手袋を取り出して】
【その他、万年筆や、わら半紙、何かの書類、丸メガネ等などを辺りに用意して】

ホバーというのは大量の空気を無理に送り込んで浮翌遊するらしいですなあ
いやはや、それはナンセンス。私のはフォトニックレゾナイザー搭載のニューティノエネルギー減退式
フォトニックアンチグラウンドクラウドカー(トライク型)……正式名称は未定です

この世界じゃフォトニックエレクトロニカというジャンルは絶滅危惧種ですから……珍しいでしょう?

【自慢気に高らかに自らの発明品を理解不明な言葉とともに名乗ると】
【ハッハッハと楽しそうに笑いながら、荷台にヒョイと乗り移って】
【幌をバッサバッサと払えばそこには何やら機械と、折りたたまれたアンテナ】

古式の指向性電探儀…まあ、レーダーですな…それを元に改造しましてな…

【ケーブルを繋げたり、アンテナを広げたり、バイクの機関につなげたりと作業中だ】
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/07/29(月) 00:57:29.84 ID:ZGprBS12o
>>246

「へえへえ、分かりましたよ旦那さん。俺の命なんぞで良けりゃあ、どうぞお好きに。
 しかし随分とまあ、好き者の多い店だこって──噂に違わぬ、良い店だ。く、ふふ、ふふふふふ」

【青年は脅し付けられてもさして臆した風もなく、悪戯を叱り付けられた悪餓鬼のようにへらへら笑うと】
【やたら大袈裟な身ぶりで一礼し、恭順の意志を示してみせれば】
【割れんばかりの歓声を背中に浴びて、一歩、また一歩と少年に歩み寄ってゆく】

「ほらほら坊っちゃん、男ならしゃんとしな。
 舞台の主役がそんなんじゃあ、観客だってどっ白けだ。
 どっちみち他に選択肢は無いんだよ。さあ、立った立った!」

【彼の抵抗が無ければ肩を掴んで、ひょいと容易く持ち上げ、立ち上がらせることだろう】
【頭をぽんと軽く小突いて、賭けに乗るよう促す青年。成りこそいかにも優男風の頼りなさげな細身だが】
【その腕は意外なほどに──着込んだベストとシャツの下の、鍛え込まれた肉体を嫌が応にも想起させるほどに──力強い】
【細めた瞼の奥の眼は、有無を言わさぬ剣呑な輝きを帯びている】

「……弾が一発じゃ面白くない、どうせなら五発は入れてみましょうか。
 そこのお兄さん、前に。ささ、どうぞ遠慮なく、ぐいっと回しちゃって下さいな──」

【青年は言うが早いか、六連式の回転弾倉から弾を一発引き抜いて、いかさまが無い事を観衆に示して回り】
【道すがらその中から一人選んで、弾倉を回転させる役を押し付ける】
【目を閉じ耳を塞いで深呼吸、用意が済んだら銃を手に取り、少年の頭に突き付けた】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/29(月) 01:16:26.84 ID:19DiHxr9o
>>249
《ふむ、確かに珍しい…ならば私は湾曲空間技術による非常にクリーンな方法で…》
《…しかし、それ程の物を持っているのに中身は随分とアナログだな、いや嫌いではないぞ》

【紳士が次々に用意していく数々の物品を眺めながら、車椅子が駆動して近付いていく】
【ふむ、と右手を顎にやり、幌の下に隠れていたカオスな機器に興味しんしん】

《ラジオでも聞く気か…と、あいつなら言うのだろうな、発想の貧弱な頭で》
《…貴様ひとりで全て改造したのか?見た目に合わん事この上ない》

【酷い毒舌だ、興味があるのに関わらずに尊敬や遠慮なんて全くない、本気にナチュラルな毒舌】
【組み立てられるアンテナを見ながら、英国紳士的な見た目には合わない呟いた
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/29(月) 01:20:40.57 ID:ruoWjekc0
>>250

「その言葉に嘘はねェよな
ヘビースモーカーだろうが疾患持ちだろうが、売れるモンは売れんだ
泣こうが喚こうが、俺は知らねェぜ?……ハッ。いっその事スナッフビデオでも作っちまった方が高値で売れるか?」

【微塵も臆する事が無い。それどころか飄々とした態度が男の鼻についたのだろう】
【鼻で笑えば、吐き捨てる言葉。けれども皮肉な事に、この場では其れすらも客達を喜ばせる材料に過ぎない】
【だからこそ――――一層険しい表情へと変わったのだろう。ゆっくりと、黒服の男達が辺りを囲い始めた】
【…………無論、失敗の際手際よく事を終わらせる為。屈強な男達が一人の青年――――そして少年を囲むのは、何とも異質だが】


『ぼ……お、俺は、そんな賭け事なんか…………っ!』

【存外に軽い身体。しなやかさは有れど、筋肉の重みも無い故に苦労する事無く持ち上げられる事だろう】
【自分の命が掛かったそのゲーム。嫌だと首を振ろうとするが、頭を小突かれたならば思わず抑えてしまって】
【――――言葉に詰まったのは、その事もある。けれど、何よりもその双眸を直視してしまったが故にだろう】
【観客達は無言の肯定と取ったか、黙ったまま俯く少年。そして青年へと様々な言葉を贈るが――――】
【情けなくガクガクと震える脚。小さなプライドが涙を零さぬようにとしていたが、一筋の雫が頬を伝い、足元へと落ちて】


「……ほう?自分の命を更に縮めるのか
生粋のギャンブラーだな、お前さんは。だが、此処は俺の支配下だ
ツキは常に俺の方に向いてるんたぜ?」

【一発所では無いロシアンルーレット。無論、撃たれる役としては身体が強ばっても仕方ない】
【我先にと沢山の手がその銃へと伸ばされるだろうが、誰が回したって結果は同じ事】
【――――支配人の最後の野次を最後に、周りの人々はその時を待つのだろう】
【勿論、少年が助かる事を望む者は少なからず居る。だが、大半はこの場に脳髄をブチ撒ける事を期待しているのは間違い無いであろう】
【――――少年は目を瞑り、ぎゅ――と唇を噛み締める。何が起きるのか、其れは青年が引き金を引いたその時に分かる事】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/29(月) 01:47:29.23 ID:lQG7p0Rso
>>251

アナログということは非常に単純。つまりは、勝手が利きやすいというわけですな
コンピュータプログラムだとどうしてもバグが生まれてしまうらしいですが…アナログは全てが純粋
必要な機能だけを備えていればよいのですよ。私はね

【髭を撫でながら、あちこち歩きまわり。カバンを開けたかと思うと】

まあ、実際はそんな資金が無いだけで…廃品処理ならタダ同然というわけですな
…ハッハッハ、チョコレートはお好きですかな?私はとても!だから、欠かさずですな

【そう言って、少女がイエス、ノー、どちらを言ったとしても押し付けて】
【髭の触りながら、また作業に戻っていった】

身の上話は省略して、元の世界からこの世界に急に来て数ヶ月。
研究所もジャンクヤード。研究員どころか助手も居らず、猫の手も4,5本ほど借りましたな
ハッハ、冗談冗談。

なに、科学者や発明家がファッションに疎いというルールはありますまい
食事と運動を好んで、唄を歌うのもまた新たな研究者のステイタスにするのも宜しいかと

【毒舌も笑いながら受け止める態度はまさに、紳士か】
【それとも単に相手を子どもとしか見ていないからか】

【男がそのレーダーの機械ボックスのスイッチを入れると】
【バギーのエンジンは唸りながら紫の雷をバチバチと散らす】
【色んな作動音にまみれながら、古臭いレーダーの画面は薄っすら光り始める】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/07/29(月) 02:25:07.95 ID:ZGprBS12o
>>

「お言葉ですが旦那さん。仮に俺が負けたとして、無事に逃げ出せるとお思いで?
 まさかそんな訳きゃあないでしょう。尻尾巻く素振りでも見せた日にゃあ、俺ァたちまちお客さんらに袋叩きだ」

「正義の味方ぶりたいんなら、もっと賢い遣り方が幾らもあるでしょう。俺は賭け事をしに来たんだ。
 だからこの坊っちゃんが生きようが死のうが、そんなのは知った事じゃあ──ありません、ね!」

【支配人の過剰な警戒を不粋と鼻で笑い返す青年、舌先三寸で観客の興奮を煽りに煽れば】
【引き金に指を掛けたまま、固唾を呑む観客の反応を焦らすようにして伺ったのち、満を持して引き金を引く】
【次の瞬間、撃鉄が落ちて──ぱぁん! 耳を劈く大音響が、この場の全員の鼓膜を震わせた】


「なんつって……いやはや、お粗末様でした。それじゃあお約束通り、配当は頂きますよっと」


【そう、『全員の』だ】
【突き付けられた銃口が火を吹く事は終ぞなく、少年もまたその音を生きて耳にする事となる】
【結論から言うと、それはただの口真似だった。──それも、飛び切り下手くそな部類のだ】

「で、ツキが──何ですって?」

【ぺろりと一つ舌を出し、不敵に笑って勝ち名乗りを挙げる青年。笑った両目のその奥に、有無を言わさぬ光を込めて】
【カジノは他に幾らもあるんだ。賭けの結果にいちゃもん一つでも付けて、俺に危害を加えてみろ】
【そんな無粋な主人の店は、間違いなく客に見限られるぞと、言外に支配人を威圧する】
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/07/29(月) 02:25:39.83 ID:ZGprBS12o
/>>254>>252
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/29(月) 02:28:00.55 ID:19DiHxr9o
>>253
《確かに、精密無比な機械やプログラムには何処かに綻びが生まれる物だ》
《だがしかし私は思うのだよ、どうしても生まれてくる綻びを、異端を正していく事こそが楽しいのだと》
《人の世もそうだよ、一見完璧な中にも無駄と悪性があるからこそ、そしてそれを正す行動こそが調律を作る》

《───廃品か、リサイクルは大切だからな。よければ私の研究所の廃品も回収してくれ、そろそろ島が出来そうだ》

【答える前に手渡されたチョコレートを無表情で貪りながら、紳士の背中を眺めて呟く】
【彼女もまた発明者で研究者、そして更に立場を持つ、悪意の風船】
【語る言葉のそこかしこがきな臭く独自の世界観を持っているようで】

《異世界人か、どうだこの世界は?さして悪い物でもあるまい》
《猫と共に唄って踊ってミュージカル発明か、三流劇場にでもありそうだ》

【「はっはっは」、と自分で言った冗談に棒読みの笑いを繋げて。車椅子を移動させる】
【覗き込むのはレーダーの画面、少女らしからぬ光の無い紅い眼が画面を勝手に見詰めて】

《…爆発なんて言うベタなオチはいらんからな?》

257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/29(月) 02:54:13.89 ID:ruoWjekc0
>>254
『――――ッ?!』

【揺れる身体。思わず耳を塞ぐ行動――――塞ぐ?】
【さて、死んでいたならば勿論出来る筈も無いその仕草。けれど、耳に当たる自分の掌の感触は偽りでは無い】
【―――分かりやすいくらいに、嬉しそうな表情を浮かべれば、堪えていた涙も数滴ポトリポトリと落ちて】


【響いた音。首を竦める者や身を乗り出す者、目を覆う者等々に実に十人十色】
【けれど、皆に共通する事。予想と結果は異なれど、喜色に染まった表情へと変わっていったこと】
【――――ただ一人、酷く不満げな男の表情を覗けば、だが】
【握られた拳。少年とはまた意味が異なった、震え】
【今にも殴りかからん勢いではあったが、理性が其れを引き留めて】


「――――チッ……
そんな美味い話があると本当に思ったのか?
テメェにゃ渡さねぇよ。痛い目見たくなけりゃさっさと出て行け――――と言いたいが、約束は約束だ」

【凄みを浴びせられようとも、逆に剣呑な其れで返して】
【男達に顎で示せば、今すぐにでも乱闘が起きそうな雰囲気であったが――――不意に、その空気も崩れる事だろう】
【囲んでいた男達も下がり、出口へと作られる一本の道。賭け事の勝者に相応しい道とも言えるだろうか】


「そのガキを連れてとっとと此処から出て行け。ついでに、二度と面を見せるんじゃねぇ
お前さんのせいでどうも俺のツキが逃げちまうんだよ

そのガキはどう扱おうったって知った事じゃねぇ。だが、覚えとけよ
自警団やらに言う様な事があったら――――ガキだけじゃなく、お前さんも一緒に死んで貰うからな
……それとな、今時の女子供でももっと上手く口真似するだろうよ」

【手の甲で払う仕草をすれば、さっさとこの場から出て行けと示唆する様で】
【未だ警戒する様に青年の背に隠れる少年と、その仕草を一睨みして鼻を鳴らす支配人】
【無言の内に、裾を掴んで後ろへと引っ張る動作――――まるでこの場からの逃走を示唆したいかの様】
【――――支配人の機嫌が更に悪くなる前に、或いは自分の賭け事を提案する前にこの場から去るのが得策であろうか】

/申し訳ないです……今日もお仕事なので、今夜への持ち越しは可能でしょうか?
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/29(月) 02:57:12.24 ID:lQG7p0Rso
>>256

それはわかる。だが、それがほぼ永久に綻び続けるのが私は好かない…
放置するとそれはいつの間にか重大なシークエンスになる可能性をはらんでいるのであれば…
だったら、古臭くても信頼出来るが私は好ましいですねえ…いや、まあ私がコンピュータプログラムが苦手なのもありますがね

島ですか…ハッハ、それはいいですねえ。だったら私のウチを持っていったほうが早そうだ
なあに、此の身一つあれば十分ですから

【画面に移る黄緑単色の発光の点々とグラフの曲線を丸眼鏡越しに見ながら】
【幾つもくっついたダイアルやアンテナを微調整したりしている】

素晴らしい世界ですね全くもって!自由と好奇心に満ちあふれている!ハッハ!!
こちらにもこちらなりの問題もあるようですがね。ハッハッハ、それは何処も同じ事です
だったら、せめて此のように夜空のしたで科学を追い求めるほうが良いものですなあ

【両手を振り上げてアクションをしながらそちらに笑いかける】

一流が何もかも優秀かと思えばそういうわけでもありますまい。ハンバーガーは三流でも一流ですからな
私の劇場は猫も鳩もお客にして、主演にして、照明係にするとしましょう

【映しだされた数値をわら半紙に書きとめながら計算尺で数値を出していく】

ご心配なさらずに。既に3回めの観測実験ですから
…しかし、何があるかわからないのが科学の骨頂では?ハッハッハ!

【ベラベラと喋りながらも手を動かすのはそれなりに賢いからか】
【しかし、何をやっているのかは数字とグラフから読み取るのは易くはない】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/29(月) 03:20:29.11 ID:ZGprBS12o
>>257
/把握です。こちらこそ申し訳ない
/では、今日のところはお休みなさいまし
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/29(月) 03:35:40.65 ID:19DiHxr9o
>>258
《やれやれ、完璧主義はこれだから好かんのだ》
《植物の芽を愛でるように綻びを育て、巨大になった所で処理するカタルシス、素晴らしいではないか》

《この時代、アナログ趣味では厳しいぞ?なんなら私のゴミ処理役にでも任命してやろうか?》
《貴様は住処と発明材料を得て、私は廃棄物の処理を任せる、win-winだ》

【目に映るのは様々な色の点とグラフ、それだけでは普通なんなのか理解出来よう筈もないが、彼女に至っては質問も疑問も浮かべない】
【機材を弄る紳士を面倒そうに眺めるだけで、それについては興味が無い≠ニいうよりも見飽きた≠ゥのような反応で】

《問題の無い世界などないさ、もしあったらそれはその世界そのものが問題だ》
《ただ科学を追い求めていても、何方かの方向に傾くのがこの世界だよ、何より奇妙な科学者がこの世界には多過ぎる》
《貴様のように愉快なのは中々いないがな、そういう意味ではキャラが立ってるよ、貴様》

《…しかし、随分と面倒なやり方をする、アナログ趣味にしても効率が悪いな》
《あとどれくらいで終わる?対外私も飽きるぞ》

【まるで女王か何かのような傲慢不遜な態度、本当に科学者なのかすら怪しくなるような性格だ】
【気怠そうに言うと、紳士の手元から画面へと目線を移して】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/29(月) 04:09:39.46 ID:lQG7p0Rso
>>260

ハッハッハ、日和見主義よりは科学者らしいでしょう?
私はそんな綻びを縫うほどの時間があるなら別のものを作りたいんです
なら、初めからキッカリキッチリ作ったほうが…効率化というものですな、所謂

文明が滅びた時に、私が生きていたのなら私は最後の文明人である自信がありますな
私は発明家であり、歴史家でもあろうと思ってます故。ハッハッハ

うーむ、しかし…移り住んだとて、90%はまた廃棄物になるでしょうなあ。辞めておきましょう
それに、作りかけのものが山積みでしてな。持ち運べるものでもありませんので

【万年筆のキャップを戻して、紙の束を軽く纏める】
【男は一枚の紙を画面と見比べてから、レーダーのスイッチを切った】

だが…世界自体が問題だと、だあれも気が付かいないものでしてな…おっと。つまらん昔話は止めてと
愉快ですかな?私。…ハッハッハ!それは良い!周りには悪目立ちとはよく言われていましたが

さて…ええ、ああ…此処はもう仕舞いでしてな、まあ後何箇所か観測場所を点々とするつもりですよ
しかしまあ、あの巨塔が消えてしまうとは、ハッハッハやはり面白いですなあ
ほら、以前の観測時よりも感知した魔翌力の波形が弱くなっている。
まあ、雑な探知儀なせいもありますがね、出力がこれで、コレとは面白い

【無理矢理に視界に紙を見せながら楽しげに語る】
【どうやら、魔翌力か何かを探知する機械だったらしい】
【魔法と科学を無理やり結びつける彼はやはり何かしらの力を持っているのかだろうか】
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/29(月) 04:35:30.74 ID:19DiHxr9o
>>261
《───世界自体が問題となった世界で、それを問題だと思う人間はいない、そういう奴らが蔓延ったが故に結果となった世界だ》
《私はそんな世界は認めんよ、例え世界が滅びようとも私はただ一つの、世界に綻びを産む存在であり続ける》
《まぁ貴様も…過去あっての自分という事を忘るるなかれだ》

《全く、まだ内部の調査は僅かだと言うのにあれだ、仕事熱心はいいが仕事が早過ぎるな》
《あの中には魔界の技術や物品も山程あったろうに…こんな事ならば無理矢理にでも調査に行かせるべきであったか》

【消えた巨塔───レナールに突き刺さっていたATLASは、影も形も綺麗さっぱり見事に無くなっていた、残骸すらも残っていない】
【残ったのは少しばかりの魔力と脅威の爪痕くらいで、かの宝の山は一瞬にして消えたのだ。世界にとってはいい事であっても、彼女にとっては惜しい事】

【見せられたデータを一瞥して、「ふん」と鼻を鳴らす】

《人の頭でそれだけの計算をその早さで、しかも無駄に口を回しながらやり切る回転の早さは確かに賞賛に値するな》
《だがまぁ、私ならもっと早くその結果まで辿り着けた、単純計算は機械に任せるに限る》

《…しかし貴様は気に入った、この世界で何か入り用なら私が手解きしてやってもいい》
《大神研究所=A何かあれば尋ねてみるといい、WEBサイトも開設してるからな》

【褒めたいのか貶したいのか自慢したいのか、なんだかよくわからないが紳士を認めているという事は確からしい】
【車椅子を反転させ、ある程度進んでから、冗談まじりに言い残し指を鳴らす】
【足元から浮かんだ魔法陣が輝いて、光に呑まれるように少女は消えた、転移によって去って行った───】

/お疲れ様でした
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/29(月) 20:48:07.59 ID:5hOy+9Sn0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 公園】

「風の国の方は、無事に終わったみたいだね……」
あぁ……みんなが無事ですんだかどうかは分からねぇが……あの悪魔は間違いなく、叩きのめされたんだろうよ……
俺の出る幕じゃ無かったってのは、ちょっと歯がゆいもんがあるけどよぉ……

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【並んでベンチに座り、その手に思い思いの缶飲料を携えて、雑談に興じている】
【居丈夫は、どこか身体をふらつかせており、そのそばで青年がその身体を支えていた】

まぁ、たんまり報酬は頂いたし、レナールの騒動も一段落ついたし……これからどうするか、だなぁ?
「まだまだ、世に動乱の種は尽きまじと言ったところだけどね……」

【どこか遠い目をしながら満足げな表情を浮かべる居丈夫と、その横顔をじっと見つめる青年】
【街灯の下で、2人の魔術師は静かに時を過ごしている――――】



【――――所変わって、雷の国 ルート55】

……もう、あらかたここら辺の人間はいなくなったか……
「……みんな、逃げたか、死んだね……」
<…………>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【国道55線を走るトレーラーの荷台の『上』に陣取り、夜の荒野を眺めている】
【それを運転手も承知しているのか、トレーラーの走行速度は、比較的緩やかなものである】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

……セードムシティは今のところ、破られる心配もなさそうだし……内乱の類も、大体は芽を摘んであるし……
「……なんだか、ちょっと、つまんない……」
良いんじゃないの? 食べものはたんまりあるんだし……これから嫌でもえらい目に遭うんだから、息抜きって思えばね?
<…………>

【トレーラーは、機関によって占領された『セードムシティ』へと向かうルートを通っている】
【遠くに雷の音が聞こえてくる。それは、遠からず嵐がやってくる合図だろうか――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/29(月) 21:29:13.72 ID:5hOy+9Sn0
/>>263取り消しでー
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/29(月) 22:43:20.58 ID:ZOiyUgXK0
【郊外――集落の気配だけを残した草原】
【ばらばらの長さで伸びた草の鳴る音、風吹くたびに光の波がさざめいて】
【半分の月に照らし出される草葉の海、ぽつ、ぽつ、と。天から堕ちたよに散るひとの残骸】
【朽ちた椅子だったり、壁の残骸だったり、――それこそ、白く掠れた人骨の残滓だったり、】

……、……――

【――ざあと風に撓った枝から零れ落ちて舞い上がる、無数の桜色が、どこまでも、異質だった】

【夜風に舞い上がるのが夜空めいた黒髪、桜の色合いを映しこんで艶めいて、】
【目に刺さるよな長さの前髪越しには黒赤のオッドアイ、蛇のような丸みは緩やかに伏せられて、足先を撫で】
【赤でそっと飾った編み上げワンピースの黒、ふわと膨らませたスカートが柔らかな曲線を描いて】
【細かな刺繍を刻んだアームカバーで包んだ両手はぎゅっと背中を預けた幹へと触れたきり、】
【投げ出して座る足先が底の厚いブーツ、草いきれを数本どこでなく押し倒していた】

――おっきく、ったって、できるん、だから、……。

【――張り裂けた幹は雷にでも打たれたのだろうか、とうの昔に枯れているなら、葉すら吹かないのに】
【強制的に桜色の彩りを添えられたなら朽ちた死の色がひどく浮き上がるのが、遠目で見たって違和感なりうる】
【そもそも時期違いだ、一般的には夏に咲くよな花でない。まして薄らと燐光零すよな性質などないのだし、】
【(咲き誇る花や舞い散る花弁の総てが魔力で構成されているなら、どうみたって、自然のものじゃない)】

【どこか拗ねたよな声で零すなら、やはり根源は根元に座る少女、であるらしい】
【時期外れに死んだ樹を飾り立てる意味、どうにも謎でも――その声を辿れば、何か、競争でもしているような】
【――ひどく澄んだ水の魔力と、人外めいた気配と、垂れ流したなら。場の異質を余計に飾り立てるようだった】
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/07/30(火) 00:04:13.73 ID:S/uYOaNQo
>>262

世界というものは極少数の人間が作り上げた虚構だと私は思いますな
いや何…これは単なるイメージの話ですよ。ハッハッハ

【遠くの巨塔があっただろう方向を腰に手をやって一息つきながら眺めて】
【髭を撫でながら、歩きまわり、その手の紙の束をカバンに押し込めた】

こう見えて、計算が私の本職でしてな。数学は全てに用いることが出来るものです
おや、そうですかな?コレぐらいの単純計算なら私のほうが早く、正確ですよ?

【謎の自信を持っているらしい、語尾の笑い声にはその自信がたっぷり乗っている】
【引っこ抜いたケーブルを振り回りながら楽しげである】

それは恐れ入りますな、何分未だに右も左もわからぬ故…ありがとうございます
しかし……オーカミ研究所ですか……それはその……っと!っと!っと?!

【腕を組んで考え事をしていると魔法陣が出現して輝く】
【男は驚きながらその方へ駆け寄るがそれは既に転移された後】
【バッチリのリアクションで辺りを見回してから、ひとりごとのように呟きながら】

…オオカミ。ヴォルフですかな?ハッハッハ、それはそれは勇ましい
さて、次の所に行かなければ…

【男は手を軽く叩くと、また作業に戻っていった】

/遅くなりましたがレスしておきます。遅くまでありがとうございました!
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/30(火) 19:50:22.37 ID:tmkN8Vj10
これ絶ッ対サボってる連中がいるだろ…絶対そうだ……

【そんな呟きが木霊する。その場所は皆が憩いを求めて集まる、それはそれは平凡な公園】
【すっかり日も落ちて、公園を照らす光はいくらかある外灯が発する物のみで、】
【だがその中に一つ強い光が混じっていた。今回の劇中に登場する人物が手にしている、タブレット端末が発する光だった】

【「彼」はそのタブレット端末を手に、一人愚痴を零す。時折画面を指でスライドしては、小さくため息が漏れる】
【その一連の動作は、一般の会社に勤める平社員を髣髴とさせる物がある】
【が、今回ばかりはそんな平凡な日常の話では無い様で、】

この時勢だから仕事が増えるのは当然だけどよォ……
処理サボってるナンバーズ連中が大量にいるだろこれ……滅茶苦茶しわ寄せが来てるぞオイ……

【物騒な単語が平然と混じる辺り、今の公園には「異常」が発生していた】
【それも必然だったのかもしれない。如何せん、その「彼」の姿こそ、何よりも「異常」だったからだ】

【軽く2メートルを超えるかという巨躯。体中を覆う虎模様の毛皮】
【臀部から伸びる猫の物と思わしき長い尻尾が時折、背中に掲げられた逆五芒星の存在を遮ったりしている】
【装着された金色に輝く金属製のグローブとブーツが、彼が人間であることを辛うじて主張していて、】
【欠けた左耳の上を駆ける様に右目に掛けられたアイパッチと、ピンク色の蝶ネクタイが"彼"の異質さを際立たせている】
【兎も角、そんな奇天烈で破天荒な、虎ネコの"キグルミ"を身に着けた人物が、ベンチに腰をかけてタブレット端末を除いていたのだ】

100番内の連中が担当する様な物ばっかじゃねェかよォ……何だよ「敵対勢力本部強襲」って…俺に「死ね」ってかァ…?

【どうやらそのキグルミの男は、上司の失態をフォローする部下の様な悩みを抱えているらしく、】
【人気が無い事を良い事に、いるだけで騒ぎになる場所に堂々と居座っていたのだった】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/30(火) 20:05:30.87 ID:kPatSXTzo
>>267

【公園内の照明が、重なるように貴方を照らしていたなら】
【その光に影が交じることに気づくだろう――――――すぅと雲間から曇天が覗いたかのように】
【死線を上げてみれば、貴方のすぐ上に、覗きこむような小さな人影が一つ】

【巨躯の貴方が座っているからこそ、小柄な彼女は背伸びをしてタブレットを覗きこむことができたのだろう】
【こちらへと死線が向けられたなら、一歩下がって貴方の返事を待つだろう】


ふふ……お兄様ったら――――――何やらよからぬ事を、お考えになっているようで
とっても可愛らしい召し物ですもの、何をなさっても、きっと滑稽に映るのでしょうね


【宵月が伸ばすその影は、小さいながらも起伏に富んでいて】
【僅かに金色のかかった長い黒髪を蒼の細いリボンと質素な簪で二つに結って】
【丈の短い黒のミニスカ着物、長い袂から零れるのは白いレースのフリル】
【同じく白レースの帯をリボン結びにして細いウエストをぎゅっと絞っている】

【沢山の櫻の模様が刻まれている着物とは違い乳白色の素肌に煌く黒のサイハイソックス】
【黒の厚底草履を履いた小柄で華奢な蜂蜜色の瞳の少女】
【胸元に抱きかかえる150cmほどの身の丈以上の細長い刀、漆黒の鞘には同じく櫻の花弁がいくつか描かれている】


良ければお兄様――――――その良からぬこと、私に教えてくださらない?


【唇に落ちる人差し指、刀を腕でそっと抱きかかえながら、口元を濡らす】
【白百合のように可憐なその色合いが滲んだなら、そこに浮かぶ閃光のような瞬きを残して】
【やがて響き渡るすずらんの音色が、ただ静かに響くのだろう】

269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/30(火) 20:32:13.40 ID:tmkN8Vj10
>>268

【端末から光が発せられる。とは言え、その光量には限度というものがある】
【少なくとも、そこに刺す陰りを認識する事が出来るのは、言うまでもない事で、】

【その影がさせば、そのキグルミは顔を上げた。その視界に和装……と言うには少々華美な少女の姿が映る】
【正確には、キグルミ型の戦闘服に付けられたカメラに、だが】


んー……?別に不審者じゃねーぞ……
真面目に仕事しているだけだっての

…っていうか滑稽は余計だ。これでも真面目にやるとそこそこ凄いんだぜ?可愛いは認めてやるがよォ

【その姿を認めたキグルミは、手元のタブレットを二、三回小突いて言葉を続ける】
【この中で、「余計だ」と言ってのけた時、尻尾がピクリと反応を返してみせる。なるほど、滑稽だった】

【その後に続けられた少女の言葉は、当然といえば当然、その「よからぬ事」についての問いだった】
【知ってか知らずか、この少女はかのカノッサ機関の業務について興味を示している事になる。命知らずだな。そんな感想が頭を走る】
【さて、答えてやるか否か。キグルミは少し考えた】

【どうせこの少女に何か言った所で何かが変わるとは思えない。ましてや、ここで自分を排除しようと動くとも思えない】
【それに、何か重要な機密を漏らす訳でもない。ただ単に自分の仕事を紹介するだけだ】
【そう考えが及び、彼の中で【納得】が下る。「しょうがねェな……」と彼は呟く様に言うと、説明を始めた】 

いやァよォ?最近…リリア…って奴を知ってるか?あのクソ野郎……いやババアか?まあこの際それはいいけどよォ…
最近情勢に大きな動きがあったろ?そのせいで事後処理だのが重なっててなァ……

それに加えて地域毎の慈善組織連中が活気だっててな……それの対処もしなきゃなんねェ……
…んで、そういうゴタゴタを上司の連中が対処しないから、俺みたいな末端に圧し掛かってきている訳よ7

【その説明を言い終えると、彼は再びタブレット端末に視線を落とす】
【一見すると、少女に関心が向いてない様に見える。だが、スライドする指の動きが無い事を見る限り、そうでは無いようだ】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/07/30(火) 20:37:21.85 ID:BT6lRWOQo
【路地裏】

【発砲――二発、三発、四発五発六発、リロード。もう一発】
【逃げる足音とそれを追い込んでいく足音は狙ったようにつかず離れず、いやらしい】
【銃を持つのは追っ手側のみらしい。逃げる獣を甚振りながら追い詰めていくかのようだ】

「きッ、ひャハハハぁッ!!
 どこまで逃げやがンだよォ左翼野郎っ!!」

ッく、畜生が……ッ!!

【追う側は信じがたいが、自警団だ】
【なめずる舌にピアス、捲る腕には刺青、誇るべき制服は規律に沿わない雑な着こなしだった】

【追われる側は、頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、黒服姿の若い男】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

【右足を撃ち抜かれ、黒服の男が大きくよろめいて壁に手をついた】
【その背に向けて自警団の男がニタニタと笑いながら銃を構え――絶体絶命、か】
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/30(火) 20:43:16.89 ID:kPatSXTzo
>>269

【貴方の言葉に釣られて頬を綻ばせたなら柔らかい笑みがそこに浮かんで】
【歳相応の幼げなほほ笑みは、それこそ無邪気な少女のそれであって】
【舌先でとろける蜜のような香りを、そこに浮かべているのだろう】


やーっだ、そんなコト言っててもそんな風にしてたら説得力ありませんよぅ
それに、そんな格好してまともに仕事してる、だなんて……あんまり信用できないのですが

……それはそれは、とっても大変なお仕事なのですね――――――
その事後処理、というものは


【揺れる尻尾を見て再び微笑んだ、微笑みがその華奢な表情にピッタリな色に染まったなら】
【夜桜色の着物の裾が揺れた、口元に浮かぶ笑みを両手で隠した、から】
【見つめる蜂蜜色がトロけたなら、そこに一閃奔る色合いを捉えられるだろう】

【タブレットに視線を落としながらも、貴方になら理解できるだろう】
【静かに答えながらも、少女のはらむ雰囲気が変化してきたことが】
【ねぇ、だなんて紡ぐ言葉はいっちょ前に耽美な色合いなのだろう】


――――――お兄様はやはり、カノッサの……機関の方でいらして?
でしたらとっても残念、こんな可愛らしいお兄様を始末せなばならないんですもの

お兄様もそう、思いになって――――――?


【彼女の華奢な身体が揺れた、短いスカートの丈が翻ったなら】
【白いフリルが目の前に移動するだろう、タブレットから顔を上げたなら、すぐ側に彼女がいる】
【蜂蜜色が微笑みの中に溶けたなら、両手で抱いた刀が揺れた】

【貴方から一歩距離を置いたなら、彼女は刀の鞘を左手で握って、柄を右手で握る】
【身体以上の長さの太刀――――――それを一体、どのように操ろうと、言うのか】
【微笑む姿だけは最初と変わらず、とても無垢なままで】
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/30(火) 21:12:55.45 ID:tmkN8Vj10
>>271

【再び顔を上げれば、少女の様子をカメラが粛々と写し続ける。格好こそ変だが、まあ普通の無邪気な少女にしか見えない】
【そう言えば子供の笑う顔なんて久しぶりに見た。ここ最近働き詰めだったのもあるのであろうが】
【今度故郷に帰って後輩のガキ共の世話でも見に行ってやろうか。そんな事を考えた】

ああ、そうだな。俺もそう思うよ
だけどなァ?これでも何人も部下がいる身なんだぜ?流石に上司の数の方が多いけどなァ
それに、大変な大変な事後処理が回ってくるってのも、まあ上に分かってもらってるって事だしなァ

【そんな事を言いながら、彼は少女の視線が尻尾に向いている事に気付く】
【どうやらまた勝手に動いていたらしい。開発部の茶目っ気で付けられた物だが随分と高性能だと再認識させられる。クソッタレ】
【まあいいや。と彼はタブレットの電源を落とす。液晶の光が失せると、キグルミの顔に深い陰りが刺す】
【その陰りは勿論光源の問題で事実の話だが、彼はそれ以外に刺した陰りの方に意識が向く】
【少女の僅かな雰囲気の変化。「無い」と高を括っていた影に】

ん?そうだが……は?始末?
オイオイ嬢ちゃん、寝言ならお家のベッドで言えよ

……いやいや残念とか思わねーから。オイ嬢ちゃ―――ああ…糞が…

【その後に少女が続けた言葉に思わず呆気に取られる。職業柄こういう事が無いわけでは無いが、それでもそれをこの少女が行うとは考えてなかったのだ】
【え?お前戦うの?そういう奴なの?だってお前話し聞いてクスクス笑ってるのがお似合いじゃん。戦うの?うっそだぁ。そんな感じである】

【だが、それでも「やる」というのならば、彼はそれに応えない様な奴では無い】

……いいぜェ?仕事の前にお稽古の時間だ……
レッスン1!典型的なパワータイプへの常套対処法の講義だ!"スクラップ・スター"!出ろ!!

【彼はベンチから立ち上がると、手に持ったタブレット端末を真上に放り投げる。情報の入った物だが問題ない。元々任務の一覧を見るためだけの物で、それ以上の情報は入っていない】
【それでもこのタブレットには最後の仕事が待っている。投げられたタブレットに少女の視線が一瞬でも奪われる事を期待しての行動だったからだ】

【その行動から一瞬の間も無く、彼は少女に左手を向ける。それもまた同時に、彼の体躯から金属の塊が現出する】
【適当な鉄屑を寄り集めて、鉄板で無理矢理形作ったようなそれは、それはそれは大きな"左手"を象った鉄の拳】

【一般にはマインドと呼ばれる能力の一つ。それが握りこぶしを作り、少女の眼前へと迫ってくるだろう】
【金属塊という単純極まりない質量の暴力。名の知れた剣豪でも切り裂く事を諦めるであろう悪夢が、少女を破砕しようとする】
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/30(火) 21:23:00.63 ID:kPatSXTzo
>>272

【フリルに彩られる着物の袂、零れ落ちる白磁の指先が月夜にさらされる】
【ソレはどこまでも儚くて、刃を握るなど考えられもしないぐらいに】
【けれども彼女が掴むのはどこまでも無骨な人切り包丁でしかないのだ】


ふふ、お稽古だなんて――――――とっても可愛らしい言い方をなさるんですね
けれどもお兄様、そんな言い方してる余裕はあって?
D.R.U.G.S.℃P下黒幇¥椛ョ……綵シャナ

うとうとしていらしたらお兄様の可愛らしい召し物ごと、叩き切ってさしあげますの


【眼前に迫る貴方の左手≠ウすがの彼女もソレを切り伏せることはできないのだろう】
【彼女から見て左側に足を踏み出したなら身体を前に倒し斜め前に出ることで回避するだろう】
【その状態で互いの距離は数mほどだろう、彼女の刀の間合いには少し遠い】

【タブレットには視線を動かすだけで大した反応は示さなかった、流石というべきか、或いは】
【――――――或いは彼女の興味はそんなタブレットなどには無くて】
【眼前の貴方、ただ一人に注がれているのかもしれなかった】


行きますわ可愛らしいお兄様、一息で果てるだなんて興ざめな事はやめてくださいな
よく目を凝らしてくださいませ、ホントにホント、一瞬でいらっしゃるから


【左手で鞘を握ったならその鞘の先端を左脇に抱えるだろう】
【右手は柄を握ったまま、すぅと前のめりになるように刀を倒したなら】
【そのまま一歩、一歩だけ、右足を強く踏み込ませた】

【刹那――――――風が切り裂かれる音がするだろう、一陣の突風が彼女を中心に吹き荒れた】
【それはまるで小規模の嵐のよう、弾ける音の破片だけが、断片だけ辿られるような】
【抜刀、そして納刀、その一連の動作は目を凝らしていなければ見逃してしまう神速≠フ居合】

【踏み込んだ右足を支えに居合を放ったのだ、振りぬいた刃は先端が貴方の腹部を横に浅く切り裂く軌道で】
【刃を振りぬいたならそのまま最短距離で納刀、そして右足で地面を蹴って後方へと飛ぶだろう】
【一連の動作を終えたなら、先ほどと変わらぬまま鞘に収まった刀を持つ彼女がいるだろう】

【――――――非常に早く鋭い攻撃、だが様子見の攻撃だ、直撃しても薄皮一枚切られるだけに済むだろうか】
【居合=\―――――なるほど、彼女の戦闘スタイルが、見えてくるはずだ】

【月光が照らし出す二つの影、交錯する蜂蜜色と貴方の視線】
【そこに宿るのは確かな意思の成れの果てのようでもあって】
【端正な顔たちに滲む彩りすらも、たどれないままに】
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/30(火) 21:55:46.60 ID:tmkN8Vj10
>>273

っへー……へー!D.R.U.G.S.≠フ人間に会えるたァ恵まれてるねェ!
俺は戦闘工作員のコードネーム「トラネコ」!今日限りの特別講師だァ!

というかよォ!?何でこうも揃いも揃ってガキばっかなんだァ!?
UTのフォーチュンとか言う奴もガキだったしよォ!!

【彼は少女の名乗りを聞くと、自らも名乗り返すと同時に大きな感嘆を見せた】
【自分は運が良い。良い経験と本部への情報の土産。それを同時に手に入れたのだから、嬉しくないわけが無い】

【その間、彼はそんな疑問を漏らしたが、その思考は吹きすさぶ疾風によって瞬時に上塗りされる】
【その視界に認められたのは、最早無垢な少女などでは無い。その一挙一動が、自分の命を摘み取るためだけに行われる】
【決して舐めきっていたわけは無い。ただもう少し柔らかだと思っていた。と言っても最早言い訳にすらなりはしない】
【死期を悟った脊髄が彼の右手を動かした。右のグローブの金属部を、盾の様に刃にぶつける】
【幸いそれが様子見の攻撃であったのも含めて、その結果がグローブの破損と手の甲からの出血で済んだのは幸運だった】

―――おおー早い早いー
やっぱ体が小さいと軽くていいよなァ?

【一連の動作が済むと彼は少女に向き直り、軽口を叩いて見せる。その様子は苦し紛れに余裕綽々と言ったようで、】
【その内心、彼は焦っていた】
【何事にも相性という物がある。水をかければ火は消える。電気を流せば水は分解する。土へ落ちれば電気は霧散する】
【気合でも努力でも才能でも覆らない、自然の理の一つ】【「少女はスピードタイプだ」】【それだけの理解が脳裏を走る】
【彼は焦っていた。速さを得意とする相手は、自分も、自分のマインドも天敵としている。典型的な鈍足重戦車タイプでは歯が立たない】
【正直言えば、「それ」というだけで勝機はゼロ。ああ、残念、キグルミの冒険はここで終ってしまった】

【が、それで諦める訳にはいかない。背負った紋章に誇りなど無いが、それでも背負っている物の重さくらいは自覚していた】

【彼は左手を大きく真上へ突き上げると、それを大振りに振り下ろす】
【その動きに"スクラップ・スター"が追従する。重力に引かれる様に地面に吸い込まれた質量の暴力は、そのまま地面へと伝わる】
【重機の如き衝撃に耐えかねた地面に亀裂が走る。やがてそれは大きなクモの巣の様に広がり、】

もうイッッッパァァァァァァツ!!!

【更にキグルミは同じ行動を繰り返した。亀裂だらけの地面が再び破砕する様な断末魔を上げる】
【だが今度は亀裂で終らない。強力無比な衝撃に耐えかねた土石は、見るも無残に破砕し、広範囲の地面に大量の凹凸を作る】

【少女にはその意図が何となく分かるだろう。居合いには踏み込みが不可欠。それが無ければ論外】
【そして、その踏み込むための地面はどうなっているか?】
【そこら中亀裂だらけ穴だらけ。凸凹で何処を押せば何処が飛び出るかすら分からない。その状況でまともな踏み込むが出来るとは、到底思えない】

(さあ…どうするよお嬢ちゃん…?)

【これだけの行動で彼のターンは修了する。彼はそのまま、少女の次の攻撃を待ち受けるだろう】
【彼女が動ける量に対して彼の動作は少ない。それだけ有効打が要求される。これは有効打になり得たのだろうか……】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/30(火) 22:08:35.83 ID:kPatSXTzo
>>274

【彼女は再び居合の体勢に移行したまま、貴方の攻撃を見た】
【否――――――攻撃とまではいかないだろう、貴方の行動は彼女の妨害に近い】
【効果は覿面であろう、ボロボロになった地面に彼女の表情がわずかに曇った】


っ……お兄様ったら……意外と酷いご趣味をお持ちですこと
公園は皆が扱う場ですのに……このように目茶苦茶にしてしまいましたら、沢山の人が困りますわ

――――――目茶苦茶にするのは、私だけで十分ですのに

……それに、お兄様の努力は、あいにくと無意味――――――なのですから


【左脇に挟み込む刀の鞘、前のめりの体勢にぐっと姿勢を倒す】
【鞘の先端が斜め上をむいたなら、地面へと向いた柄の先を右手で握り締める】
【貴方と彼女の距離は5mほど、だがそこに至るまでの地面は既にボロボロで】

【それでも彼女の、小悪魔のように華奢なほほ笑みは揺らがない】
【そこに浮かぶのはどこか不遜で、どこか楽しげな愉悦にも似た微笑みの形】
【――――――きっと、武士というのは、こういうものを言うのだろう】


例え子どもでも……刀を持ったならソレは剣士
命の一つや二つ、賭ける覚悟はございまして

ではお兄様に、その覚悟はおありかしら――――――?


【強く地面を蹴ったなら、前ではなく上≠ヨと彼女は跳躍した】
【正確には斜め前へと飛び込む形だ、地面は凸凹であり、その判断は間違っていないと言えよう】
【だが距離はある、このままでは目茶苦茶な地面に着地せねばならない、が】

【刹那――――――夜に一滴の線が落ちるだろう】
【跳躍した彼女が地面に着地するより早く、彼女の鞘の先端が地面に突き刺さったのだ】
【左手で鞘を握ったなら空中で身体を捻るだろう、夜空にほころぶ横顔に僅かな苦しさが見えた】

【地面に鞘をつきたて、その場で一閃、下から上へ切り上げるように縦に貴方へと刀による一閃を放とうとするだろう】
【貴方のすぐ目の前に突き刺さったであろう鞘、ソレを支点に横≠フ居合ではなく縦≠フ居合を試みたのだ】
【地面に踏み込めなければ、踏み込まなければ良いと、半ば強引にその攻撃を放った】

【鞘を支点にバク宙をしつつ居合を放つ――――――とんでもない身体能力ではあるが、彼女はそれを為すだろう】
【ソレはさながら逆流を登る龍のよう、滝登りと呼ぶには少々可憐すぎたか】
【だが無茶であることには代わりはない、受け身を捕れるはずはなく、地面に背中から叩きつけられるだろう】

276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/30(火) 22:39:43.52 ID:tmkN8Vj10
>>275

【僅かに曇る彼女の表情を捉えたならば、被り物に隠れた顔が嫌味に笑う】
【僅かだが、極々僅かだが、勝機はある。それを確信出来たのだから、無意識に士気は高まっていく】

ハッ!公園どころか人サマの脳味噌をグチャグチャに掻き回す物を流すのが趣味なお前らには言われたくは無いなァ!!
人に説教垂れる前にまずは自分の出資手帳でも見直すンだなァ!!

第一よォ……ホントに無意味ならそんな顔しねェだろォ?可愛くないぜェ?その顔はよォー

【彼は「ハッ」と笑い、大げさに顔を背けて言葉を連ねる。煽りもあるが、単純な嫌味でもある】
【その声には「してやったり」という念と、「お前が言うな」という念がこめられていた】

……ああ、認めてやるよ
嬢ちゃん……アンタは立派な剣豪だ。そしてそれを、見た目だけで弱いとか決め付けてた…全部ひっくるめて認めてやらァ……

だからあえて言い返してやンよ……「命を賭ける必要は無ェ。俺が勝つ」
行くぜェ…俺の"スクラップ・スター"。……――あのクソ生意気な剣豪を刀ごと鍛え直してやるッ!!

【彼は左手を大きく引き、マインドを手元に手繰り寄せる。綵の放った鞘が地面へと突き刺さるのは、それと同時だった】
【外したのか?彼は一瞬そう考えたが、それは違う。剣を扱わない彼でも察する事が出来た。これは即席の足場なのだ、と】

【だがそこからを間違えた。綵は其処に着地する。そこから一足で跳躍し切り裂いてくる。そう考えていたのだ】
【だから彼は踏み込んだ。突き刺さった鞘へ、そこを支点とする少女へ接近した。「斬りつける前に直接組み伏せる」。その策だった】
【彼は近接戦闘が出来ない訳ではない。ただ苦手なだけだ。そこから策を変え、実行する事は不可能】
【寸でで体躯を捻るが時既に遅し、少女の放った昇竜の剣は、一閃に彼の右腿から左胸の手前までに大きな裂傷を残した】

流石だなお嬢ちゃんン!?まさかそんな攻撃をしてくるたァ考えても無かったぜェ!?

だけどよォ…スピードタイプもよォ……やっぱり攻撃の後は遅いんだろうなァ…?
……そこだ!捕まえろ!

【が、それで怯んで行動をやめる事は無かった。彼は再び"スクラップ・スター"を操る】
【狙いは当然、無様に叩き付けられ、無防備な少女。巨大な鉄のマインドは握りこぶしを解き、少女の上に覆いかぶさる様に迫るだろう】
【もし逃げる事に失敗すれば、もしここで「攻め」を考えてしまったならば、その超大な暴力に抑え込まれ、ゲームオーバー、となってしまってもおかしくはない】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/30(火) 22:48:39.02 ID:kPatSXTzo
>>276

【普通であったなら刀で切られた相手は刀に躊躇する】
【だからこそ、だ、確実に切った、先ほどとは違いこちらから見ても見える裂傷だ】
【――――――怯むと、思っていたのだ】


なっ……!!お兄様ってば……随分と、果敢なコト……っ!!
ダメ――――――間に合わっ……!!


【その姿は苛烈で、その姿勢はどこまでも勇猛であった】
【それこそ機関≠フ狗と思うには無理があるほどに、ダメージに怯えることなく向かってくる様子が】
【月明かりに照らされる裂傷が、まるで勲章のように輝いていたのだろう】

【舌打ち一つ彼女らしからぬ焦りの見える表情、紡ぐ言葉はギリギリの音律】
【迎撃など考えられなかった、背中から地面に着地して、なんとか上半身だけを上げている状態だ】
【必死に手で地面を叩いて後退する――――――けれども、地面は先程貴方が壊していた、から】


きゃっ……ぁっ……!!うっ……くっ……んぅ……!!
乱暴で……ひゃぁ……いらっしゃること……っ……女性に対する、扱いですの……っ


【右足が深く巻き込まれた、ひざ下の辺りまで、その巨大な掌に食われてしまった】
【なんとか引き抜こうとするも、少し力を入れただけで、脳天まで引きぬかれそうな痛みが襲って】
【小さな唇から吐息が漏れた、それはまるで春風のように彼女の濡れた言葉を満たして】

【上半身を何とか起こして、蜂蜜色の瞳を、真っ直ぐに貴方へと向けるだろう】
【機動力を奪った、ならば――――――貴方の絶対的優位はそこに在るだろう】
【鞘は既に捨ててしまった抜き身の刀を、まるでお守りのように両手で握って】

【――――――震えていた、この圧倒的不利な状況で】
【ソレはまるで支えを失った子猫のよう、震えるその横顔は】
【ただただ華奢な一つの少女の姿であるのだから】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/30(火) 23:08:47.62 ID:jwjhQDv00

【UTのお店。そのカウンターに座り、何やらじっと鉢を眺める少女が一人】
【色鮮やかな着物を纏い、金色の髪を分けて見えるのは、狼の耳】
【椅子に座り、気紛れにゆらりゆらりと尻尾を揺らして――――金魚鉢の中で泳ぐ小さな金魚を見つめれば、小首を傾げた】


「――お魚――小さい
まだ――小さいから――みんなで――食べれない
セリーナ――言えば――育てさせて――くれる――?」

【一言一言、まるで自分で確かめるかのような辿々しい言葉の紡ぎ】
【蒼い双眸はしっかりと金魚の動きを追っていて、それがまた野生を連想させることだろうか】
【その場で停止すれば、金魚鉢を指先で突いたり――――金魚からすれば、たまったものでは無いけれど】


「――一匹だけ――寂しそう
でも――ちゃんと育てれば――セリーナも――いいよって言ってくれる?
だんちょーと――柊と――みんなで――沢山分ける――」

【何処かの縁日で獲ってきたのであろう金魚。其れを食べようというのだから物騒な話】
【暫くの間、じっと見つめて居たけれど――――】
【其処に来客、或いはメンバーの姿が見えたならばそちらへと視線を移し、又もやゆっくりと小首を捻るのだろう】
【発せられる言葉無いけれど――――獲物を狩る目で金魚を見ていたのだから、どう思うだろうか】










【街の中――――普段は喧噪で賑わう其処だけれど、今日ばかりは静かで】
【その街の中央に立つのは、一人の巫女。瞑想の如く目を瞑り、風に黒髪を靡かせている姿は幻想的に見えるかも知れないか】
【不意に手を横に伸ばしたならば、その腕に止まるのは一羽の鳩。真っ白で、僅かな耀きを放っていて】


「ご苦労様でした
――そうですか。異常はありませんでしたか。でしたら、何よりです
ゆっくり休んで下さい」

【空いた片手が鳩を撫でたならば、其れは瞬時に一枚の符へと変わるのだろう】
【所謂、式神。櫻の国ならば、それなりにメジャーな術であろうか】
【そのまま袂の中に手を入れれば、一枚の煎餅を手にとって】


「……可笑しいですね。何も無いという筈は無いのですが
まあ、良いでしょう。面倒事は嫌いですし
そんな事よりも、この空腹を満たすことが先です」

【ゆるりと小首を傾げるけれど、結局は自分に言い聞かせ、納得するのだろう】
【パリパリと食べながら、お腹が空いた何て言うが――――手に提げている袋には、大量の中華まんの飽き袋があったりするのは、余談だろうか】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/30(火) 23:20:49.16 ID:tmkN8Vj10
>>277

【鮮血が舞う。重たい音が周囲に木霊する。拘束は、成功した】
【周囲がしばらく忘れていた静寂を取り戻す。聞こえるのは、砕けた土石の間を風が縫う音くらいだ】

【ファイティングポーズを解くと、彼は右手で傷を確認する。傷に触れた際に走る鈍痛に体を跳ねさせる】
【触れた手を見てみれば、随分とべったり血が付着していた】

……ま、どっこいどっこいってとこか

【それと見比べる様に少女に視線を移す。傷らしい傷は殆ど無い。だが、拘束はされている】
【それを踏まえた上での「どっこいどっこい」なのだろう】

おお艶かしい艶かしい。そうだ。アンタがちみっこいマセガキだから"それ"で終わりなんだよ

俺は今までこの"相棒"の拳がクリーンヒットして原型を保っていられた奴を見た事がねェ
男ならまだ見込みはあったんだがなァ?お前は無理だろォ?

【その言葉に偽りは無かった。彼は今までこの能力を駆使し、回避や防御を掻い潜って一撃を決める。それで全てを終らせてきた】
【「素早くは無いが、この世の全ての能力を超越する比類なきパワー」。それこそが彼の誇りであり、生き甲斐であった】
【単純に、無駄に人を殺傷するのは好まない。というのもあるのだが】

【さて、この反抗的な目で見据える臆病な子猫をどう調理してやろうか。それを考えた】
【一瞬"スクラップ・スター"でそのまま宙吊りにしてやる事も考えたが、それは彼女の名誉の為に止しておく事にして、だ、】
【彼はマインドの拘束をそのままにして、地面に突き刺さった鞘を引き抜く。随分と長い刀身だ。よくこんな物を扱える物だ。彼は再び感心する】
【その思いはさておき、彼は鞘を回収すると再び少女へと近づき、刃を振りかざして抵抗してくる様ならば腕を引っ掴んででも止めて、】
【その手に持った鞘を、彼女の手に握られた刀へと被せ、多少強引にでも納刀させるだろう】

【まるで、「はい、剣を納めたからお終いな」とでも言いたげで。命を奪う気など更々無い様であった】
【それからは彼は少し離れた所から少女の言葉を待つだろう。「殺せ」でも「参った」でも、好きに言えば良い。と言った様子だ】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/30(火) 23:30:35.37 ID:kPatSXTzo
>>279

【風に舞う彼女の刃、宵闇を切り裂く暁のような閃光が奔る――――――】
【否、貴方の感じた通りだ、自身の身長より長い刀を扱うのは並大抵の腕ではない】
【居合≠ニいう手段が無ければ、彼女には刀を満足に扱うことは、できないから】

【腕だけで振る反抗の刃、むぅと頬を膨らませながら振るうのだろう】
【袂から零れる細く華奢な手首を貴方に握られたなら、刀はきっとあるべきところへ戻って】
【自分から離れていく貴方の背中が、やけに大きく見えた】


っ……ばかっ……ばかぁ!やるんなら……最期までやりなさいよっ……
こんなの……こんなの……恥ずかしすぎるよっ……!!


【声が漏れた、精一杯にためた両手のダムではもう、抑えきれなくて】
【コップから零れる幾重もの思いは、沢山の思いが溶けたシロップみたいで】
【白い両手を濡らしていく、どこか怠惰な響きを含んでいくのだろう】

【先程までの取り繕った、言い換えれば背伸びした言葉とは違う生の言葉】
【きっと、彼女という存在の、彼女という意味合いが確かな言葉を得たならば】
【等身大の台詞に寄せた、身勝手な思いの成れの果てがそこにあるのだろう】


見てなさいよっ……次は絶対……勝つんだからっ……


【目尻一杯に涙をためてもそれをこぼすことはしなくて】
【蜂蜜色を潤わせたまま、左膝をぎゅっと自分によせて両手で抱える】
【膨らんだ頬を隠そうと、顎が三角座りの膝を揺らしたなら】

【まだ拘束されたままの右足が不便そうに】
【泣き声を紡ぐその先の、貴方へと向けた言葉が揺らめいた】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/30(火) 23:37:52.23 ID:mSr6E3Igo
>>278
【UNITED TRIGGER、略してUT ―――― 未だ規模は小さいものの、世界秩序を守る正義の雄として期待されている組織である】
【悪、即ちカノッサに対する正義を標とし結成されたこの組織は、風の国での一連の騒動を皮切りに、その知名度、戦力を確実に増幅させていった】
【そしてそのUTが用意した拠点兼事務所―――――― そこに"その女"は居た】

【蛍光ピンクの色をした長い髪の毛が特徴的な若い女だった】

へェ……

【女は事務所の中をじろじろと見回しては、あれこれ目に付く物すべてに感嘆の声を上げる】

事務所と店と集会所を兼ねてるってのは聞いてたけど……。
―――― ふぅん、結構、和気藹々とやってるのね。

【現在のカノッサに唯一対立出来るであろうと目されている組織、UTの拠点】
【それはおおよそ彼女が想像し得るモノとは大きく違っていて、そこはごくありふれた日常の空気で汚染されているように思えた】


【暫くの間、辺りを眺めていると、一人の少女が目に入った】
【獣の耳を持ち、たいそう絢爛な着物を纏っている―――― 一見して、異質であった】

【少女は、金魚鉢を指先でツンツンと突いてみたり、かと思えばじっと金魚の動向に目を凝らしたり】
【女はふとそんな少女が気になって、脅かさないように少し顔を緩めて、近寄る】

―――― お魚、好きなんだ?

【そう声をかけると、少女がふっと振り向く】
【首を傾げる―――― 少女のそんな歳相応のしぐさが可愛らしく思えた】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/30(火) 23:53:12.29 ID:tmkN8Vj10
>>280

【刃を納めさせた彼は言葉を待った。潔く死を求めるか、命乞いをするか。いずれにしても彼はそれを受け入れる覚悟くらいはしていた】
【やがて木霊したのは少女の慟哭。それを受け取った彼は、おおよそ周囲には予想も着かない行動に出る】

ハッハッハァッ!!そうだ恥じろ恥じろ!そっちの顔の方が似合ってるぜェお前ェ!?

【泣き叫び、包み隠さず走る少女の言葉を、キグルミの男は軽快に笑い飛ばしたのだった】
【辛らつな言葉をかける訳でもなく、いさめる様な教えを解くわけでも無く、ただそのまま受け止めた様に笑い飛ばして見せる】
【その言葉は、敗者を嘲笑う強者というよりは、どちらかと言えば近所の兄ちゃんが微笑みながら投げかける様な言葉であった】

【キグルミの男は首を左右に傾け、背中を大きく伸ばして体をほぐす。その際、「いってェ」と声が漏れたのは当然の事】
【気を取り直す様に腕を組んで少女を見下ろすと、キグルミの男は少女の宣言に返事を返した】

生憎と殺されてはやれねェなァ?友人と生きて逢う約束してんだからよォ

……でもまァ、楽しみにしとくぜェ……綵?

【右の親指を立てて見せ、その手を開いてヒラヒラと振る。それから背を向けると、彼はそのまま夜闇へと消えていくのだろう】
【金属の手は未だ少女、綵を拘束したままだが、それもキグルミの男が5m離れた所で、空へ溶ける様に姿を消してしまう】
【拘束が完全に解け、少女が立ち上がる頃には、恐らく全てが終わっているのだろう】
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/30(火) 23:54:49.96 ID:jwjhQDv00
>>281
【聞いているのかいないのか。ピクピクと動かされる耳】
【視線は確かに女性へと向けられて居るのだけれど、その奥の感情はどうにも読み取りがたくて】
【――――或いは、本当に希薄なのかもしれないけれど】
【コクリ、と小さく頷くのはたっぷり時間を掛けた数秒後。その後も、やっぱり金魚にちょっかいを掛け始め】


「――お魚――美味しいから――好き
そのままでも――美味しい――でも――まだ――この子――小さい
みんなと――食べれない」

【一つ一つが辿々しく、けれど聞き取れないという程でも無いであろう】
【女性の言うとおり、確かに好きなのだろうけれど――――それは、食物としての意味なのか】
【何処か残念そうに垂れた耳と尻尾。けれど、蒼の双眸を向ければ獣人の象徴たる其れをピコピコ動かして】


「――多分――セリーナの――お仕事――する所
いっつも――お酒飲んでるから――分からない――けど――それも――多分――お仕事
…………セリーナに――用事――?」

【果たして本当にお酒を飲んでいるのか、真偽の程は謎に包まれるが……飽くまでこの少女から見た印象、程度に捉えるのが良いであろう】
【女性が何故此処に来たのだろう。それは、恐らく少女が考え辿り着いた結果の紡ぎ】
【そうだ。と答えたならば、今は何処に居るか分からない何て旨の言葉が返されて】
【――――何処かへと行ったかと思えば、水を注いだコップを持ってきてカウンターへと置くのだろう。言葉は無いけれど、まるで其処に座れとでも言うかの様で】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/30(火) 23:56:59.21 ID:kPatSXTzo
>>282

【消えていく貴方の背中、しばらくしたなら拘束も解かれて】
【立ち上がったなら少し考えこむように、じーっとしているのだろう】
【やがてため息一つ、こぼれた後の形を見せた】


トラネコ≠セっけ……次あったら、絶対、ぜーったい倒してあげるんだから……っ……
でも、あぅ……奥様になんて説明したらいいの……負けたなんて、言えないよぅ……


【一人夜空の下、帰る足取りはきっと重くて】
【また次の再戦に向けて、やがて或いは――――――と願い続けて】
【宵月の形をただ、見つめ続けるように】


/お疲れ様でしたー!
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2013/07/30(火) 23:58:25.57 ID:tmkN8Vj10
>>284
/お疲れ様でした!
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/31(水) 00:23:01.63 ID:7nkl0mmoo
>>283

ふふ、見るのじゃなくて食べるのが好きなのね……。私も見るのはもちろん、食べるのも大好きよ。

【少女の思いもよらぬ返答に思わず失笑してしまう】
【目の前に居るのは金魚だ、魚料理が好きなのは事実だが、生憎、金魚を食べるという話は聞いたことがない】

―――― そうね……、金魚もサクっと揚げれば食べられるらしいけれど……。
一匹しか居ないんじゃあ、みんなと一緒には食べれないわね……。

【そんなことを何故か真剣に考えてしまう。彼女自身も、金魚を食べるという事に少なからず興味があった結果であろうか】
【ともあれ、女はここに金魚の食べ方を議論しに来たわけではないのだ】

お酒かァ、あの女、お酒好きそうだもんね。お酒呑みながら食べるお魚は美味しいのよ?
―――― お酒飲むのも仕事だなんて……羨ましいわぁ、私もUTにしとけばよかったかしら!

【などと言いながら、少女が運んできてくれた冷水を立ったまま、一気に飲み干す】

なァんだ、ただの水……。てっきり水割りでも持ってきてくれたのかと……。
……と、違った違った。そんな話はどうでもいいの!

【冷水が入っていたコップをテーブルの上に置き返すと蛍光色した髪の毛に軽く手櫛を通しこう言う】

あー、あの女に会えるなら越したことはないんだけど……、今は留守なんでしょ?
まあ、良いわ、私はUTに用事があって来たんだから!

【そう言って少女に微笑みを向ける】

で、その用事っていうのが……っと、その前に!
―――― あなた、UTの人間?まあ、あの女の事もよく知ってるみたいだし、関係者なのかな?
あ、違ったらゴメンなさいね。でも、正直に答えてね。これ、結構ジューヨーな事なの!
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/31(水) 00:39:12.48 ID:8b50tJvJ0
>>286

「――この子も――育てれば――大きくなるから――みんなで――食べれる
みんなで――食べると――美味しい――から――頑張って――育てる
大きくなったら――一緒に――食べる?」

【大きくなるとはいっても所詮金魚。其処まで巨大化させるには何年かかるのか――――だけれど、その夢を疑う事無く信じ続ける程度には純粋なのか】
【みんなで食べれば美味しいという言葉から、感情は薄くともこの少女の思考を何となく察する事は出来るか】
【ゆるりと首を傾ければ、その時が来たら共に食べるかと訊ねるけれど――――その時なんて、来ることが無い】
【続けられた言葉には、耳を傾けて】


「……お酒――嫌いだから――駄目
ふらふらって――なって――倒れるから――危ない」

【紡がれたのは、どうでもいいお酒への偏見】
【酔うから駄目だとか、周りの人に迷惑を掛けるから駄目だとか――――本当に、至極どうでもいい事】
【……女性のその先の言葉が本題だと知れば、椅子に座り直し】


「――ん。もう一人の――私が――そうだから――私も――同じ
セリーナじゃなくて――此処に――用事?
――私も――UTの――一人」

【重要だ、と念を押されれば考える素振りを見せ、やがては頷いた】
【何やら奇妙な事も口走った気がするが――――この場では、どうだって良い事】
【取り敢えずは、目前の少女はUTの一員と見て間違い無い様だけれど】
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/31(水) 01:09:32.98 ID:7nkl0mmoo
>>287

そう、私、今までにいろんなお魚食べてきたけど、金魚はまだなのよ。
その金魚が大きくなったら、是非、ご一緒させてもらうわ。

【そう少しおどけて言ってみせる】
【育て方に依れば、金魚パーティーでも開けるくらいには巨大化するらしいが、こんな小さな金魚鉢では……。生育時間も相まってどちらにせよあり得ない話だ】

あら?それがキモチいいのよ!
―――― なーんにもわかんなくなるの。目が回って、くるくる、くるくるって……上も下もわからなくなっちゃうの!
それで最後は死んだように眠る。次の日、頭が痛くなるのが唯一の欠点だけどね。

【ピエロの様なジェスチャー、指を天井に向けてくるくる回したりと言ったあれこれを交えながら説明する】
【実際、彼女は大の酒好きであった。しかし、彼女が説明した感覚は、少女には解るまい】
【いずれ解る時が来るのだろうか、その時には金魚パーティーも開けるくらい大きくなっているだろうか―――― まあ、そんな事はどうでもよくて】

“もう一人の私”?んー、ま、あなたがどこの人間か判ればいいわ。
―――― つまり、部外者ではない、ってコトよね?

【よくわからない事を言う少女だ。初見の時にも感じたが、やはり異質である。そう思う根拠は、何も容姿だけではないようだ】

ま、良いわ。
……そう、それでね、用事ってのは、他でもないんだけど……。

――――………… ここの“もっと奥”を見せてくれない?

【そう言うと、女は少女の目の前で手を合わせて、続け様にお願い、と小さな声で言った】
【“もっと奥”とはそれ即ち、この事務所の地下に存在すると噂されるUTの『秘密基地』の事だろう】

や、勿論、そんな簡単に見せてもらえるわけ無いとは思うけどさ……。
私、そういうのにすーっごく興味があるんだ!ほら、秘密基地とか、すごい機械とか、サ!カッコイイし!

【お願い、この通り、と再び強く手を合してみる】

ダメ、かな……?
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/31(水) 01:28:21.88 ID:8b50tJvJ0
>>288

「――でも――臭くなるの――嫌い
お酒――飲むと――臭くなる――だから――嫌
セリーナ――好き――だけど――お酒――臭いと――嫌い
頭――痛いのも――嫌い」

【何処かむっとしたような表情を浮かべつつ、どんなに諭されてもお酒は嫌だ――――なんて】
【過去に酒絡みで嫌な体験をしたのか、それとも言う様に本当に臭いが嫌いなのか、或いはまた別な理由が存在するのか】
【何れにしたって、お酒は嫌だと言い張ってしまえば……何処か、歳相応の意地を張る姿にも見えるだろうか】


「もっと――奥――?」

【最初は、その言葉の意味を解せなかったのだろう】
【きょろきょろと辺りを見回してみたり、じーっと見つめて小首を傾げてみたり】
【やがて女性の言っているその意味を理解すれば、珍しく戸惑った様な表情を見せた】
【視線が行ったり来たり。どうしたものか――――そう思案している事は明白で】


「――私じゃ――決められない
だって――秘密――だから――セリーナに――聞かなきゃ――駄目
勝手に――教えたら――怒られちゃう――から」

【シュンと耳を垂れさせれば、告げられた答えは無理だという其れ】
【自分一人で決めるには、荷が重かったのであろう。散々迷った挙げ句に出された答えであって】
【秘密と称される其れ――――万が一カノッサへと漏れればどうなってしまうか容易に想像が出来るから、迷っていたのだろう】
【――――けれど、否定しないと言う事は噂される『秘密基地』の存在を示唆している事にもなって】
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/31(水) 01:52:16.60 ID:7nkl0mmoo
>>289

ふぅん……。そっかぁ、まあ、人それぞれよネ?
それに、お酒なんて飲まなくていいなら飲まないほうが良いに決まってるわ。
でも、オトナになると、飲まないとやってられなくなるのよね……。

【半ば愚痴でも漏らすように、陰鬱とした表情でそう言う】
【その表情から、彼女が日常、あるいは仕事で、どれだけ苦労を感じているか察せられるだろう】


そっかぁ……。まあ、普通に考えてダメだよね、うん。
―――― あっ!でもでも、『秘密』って事は、やっぱりあるんだ、秘密基地!!

【女の中で噂が事実に変わった。あくまで彼女の中で『秘密基地』の存在は、“あるかもしれない”程度の認識だった】

うーん、そっかぁ、でも見たいなァ……。だってほら、なんか秘密のトレーニング場みたいなのとかあるんでしょ!
そういうのって、すっごくワクワクするじゃない?

……あの女が居れば、ちょうど良かったのになァ……。

【“あの女”とは勿論セリーナの事である。しかし、この女が彼女の事をそう呼ぶのは、何か理由があっての事なのだろうか】

ま、でもダメなモノはダメだよね。ごめんね、困らせちゃって。
んっと……、まあ、用事はそれだけなんだケド……。

【照れ隠しに笑顔を作って、少女に向ける】

―――― あー、そうだ。無理言っちゃったお詫びに、この子あげるね。

【思いついたように女は金魚鉢に歩み寄り、金魚鉢の“くち”に掌で蓋をする様に手をかざす】
【すると、女の掌から、金魚鉢の中にポチャンと"何か"が落ちた】

【その"何か"の正体は、見てみれば直ぐに判るだろう―――― 金魚だ】

ほら、金魚をさ、皆で食べたいって言ってたからサ。

【一体“それ”がどこから出てきたのかは分からない。各々の目を信用するならば、まさしくそれは女の掌から出てきたのだが】

―――― それに、この金魚、一人ぼっちで可哀想じゃない?
お友達でも居ないとさ……、寂しいかなあと思って……。
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/31(水) 02:22:25.66 ID:8b50tJvJ0
>>290
「――大変――だけど――でも――私は――ずっと――子供が――良い
大事な――お友達と――話すと――嫌な事も――忘れる――から」

【――――だから、酒には頼らない。どうも、理屈の通っていない言い訳】
【言うなれば、世間を知らない子供の戯言とも取れるであろうけれど】


「――セリーナとは――お友達――?
――私が――話した事――秘密に――してて――くれる?
セリーナに――ばれたら――怒られちゃう――から」

【気にするなとも取れるような頷き一つで返して】
【続けた言葉は、件のリーダー。その呼び名に対する引っかかり。もし、知りあいならば――――今宵の話は黙ってて欲しいとの事】
【本当に怒られるのか、さて、それは実際に言ってみなければ分からない故……この場で適当に口約束して、後でこっそりと言ってしまうのも一つの手だけれど】
【――――逃げる事も無く、隠すことも無く。金魚鉢に翳される手を大人しく見る程度には信用しているのか】

【魔法の様に突如現れた其れ】
【……もう一匹。合わせて二匹が仲よく泳ぎ始めた光景を見れば、変化の乏しい顔も、最初こそ目を丸くしていたが、直ぐに綻んで】


「――ん。もう――これで――この子も――寂しくない
有り難う――えっと――お姉、さん――?」

【お友達が増えた……言い方を変えてしまえば、食料の増えた鉢を大切そうに抱いて】
【名前と共に礼を言いたかったが、そういうわけにもいかなくて――――だから、代わりに“お姉さん”】
【元々辿々しい言葉であったけれど、その部分は更に危うくなるが……ご愛敬、という事にしておこうか】
【視線は、新たに仲間となった一匹。そして女性の不思議な掌へと向けられたが――――不意に、小さな小指を絡めて】


「この子達が――大きくなったら――みんなと――一緒に――食べる約束
嘘吐いたら――針千本」

【叶う方が珍しい位の口約束。こんな小さな鉢で二匹がどの程度生きる事が出来るかは分からないが】
【――――念を押すように、或いは確かめる様に揺れない双眸が見つめて居たが、やがては短い挨拶一つと共に嬉しそうに鉢を抱え、尻尾を左右に振りつつ何処かへと行ってしまうのだろう】
【自由奔放、と言ってしまえば其れまで。歳相応、とも考えられるかも知れないが】

【――――後日。セリーナの許可を得られたら、の話だけれど】
【店内の何処かには「さしみ」「やきざかな」と名付けられた金魚が二匹、鉢の中で仲よく泳いでいた事だろう】

/申し訳ないです……今日は朝早いので、これにて失礼させて頂きたいであります……!
/お疲れ様でした!お相手、有り難う御座いました―!
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/07/31(水) 02:55:36.37 ID:7nkl0mmoo
>>291

そう、なら、そういうお友達は大事にしなきゃダメよ。

【自分もこれくらいの年齢の子供だったならば、“友達”と話すことで嫌なことも忘れられただろうか】
【少し子供が羨ましくなる。おかしな話だ、この女にも、子供だった時代もあったろうに】

あの女とは、お友達……ではないわね。ケド、今日の事は秘密にしておくわ。

【果たして、セリーナとは何らかの確執があるのだろうか。女は明かさなかったが、思わせぶりではある】
【ともかく、今晩の事は秘密にすると、固く約束する】

はい、どういたしまして。可愛いお嬢さん。
大事にしてあげてネ、大っきく育てて、皆で一緒に食べるんだからサ。

【翳していた手を離す。先ほどと変わらぬ、何の変哲も無い掌。一体あの金魚がどこから出てきたのかは、謎のまま】
【お礼を言う少女に名前を尋ね、また、自分の名前を明かしておこうかと思ったが、やはり止めておいた】
【少女の言葉が真実ならば、少女とてUTの構成員、そう易々と身元を明かす訳には行かないだろう、と察しての事だ】
【と、もう一つ。少女の記憶に、自分の事を残しておきたくはなかったのだ】
【少女は子供だ、女のことも直に忘れてしまうだろう。それで良いのだ。記憶に埋もれてしまえばいい。勿論、それも理由があっての事なのだが――――】


【少女が差し出す小指。それにこちらからも小指を絡めて応じる。肉の柔らかい感覚が、指先に感じられて心地よかった】

はい、指きりげんまん。嘘ついたら、針千本でもなんでも飲むわ、お酒も用意しておいてネ。

【中腰になって、少女に目線を合わせて、そんな約束をする】
【こんな約束の仕方も、久しいモノだ。大人になると、指切りの代わりに、書類へのサインになってしまうのだから】

―――― さ、それじゃあ、私もそろそろ帰るわ。『秘密基地』の存在も判明した事だしネ!

【そう言うと、少女に軽く手を振ってから、踵を返す。蛍光ピンクの長髪がふわりと宙を旋回した】
【店の扉をゆっくりと開ける。夏の夜の、涼しげな風と、どこかノスタルジーを孕んだ薫りとが混ざって、心を憂いさせた】



【しばらくして、店から大分と離れた道の上で、女は少々の暑さを感じ、着ていた服の胸元を少しはだけさせた】

……………………。

【UT、正義の組織。悪への敵対組織…………対して悪、世界に対する絶対悪。カノッサ機関】

……やっぱり、あるんじゃない。『秘密基地』。

【女の胸元には、丸いタトゥーが刻まれていた。夜の影が邪魔をして、詳しくは見えなかったが、それは…………】

//なんだかよくわからない絡みで申し訳ありませんでした@@
//お疲れ様でした、おやすみなさい……。
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/31(水) 20:21:11.13 ID:0VYs8sAV0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 路地裏】

「……なんで、こんな、ところまで……?」
今ここは、レナールの事で湧き立ってるでしょ? なら、警戒も薄れてるって事……
だから、ね……それに、たまには新鮮なのも食べたいでしょ?
<グァ……アハハハハ……!>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【3体の人間の死体を取り囲む様に座り込み、その死体を更にバラバラに引き裂いている】
【更に――――むしった肉片を、折々に自分たちの口へと放り込んでいた】
【お陰で辺りは、赤いペンキをぶちまけた様な凄惨な有様となっている。もっとも、暗くて見えにくいのが幸いと言えば幸いだが】

保存肉は癖が無くて穏やかって奴だけど、やっぱりこの強烈な血の匂い……たまに恋しくなっちゃうのよねぇ
「……分かるよ、僕も、好き……」
<ム、グッ……オホッオホッ……!>
あぁもう、そんなにがっつかないで……むせちゃってるじゃない……

【――――風は狭い所から広い方へと吹き抜ける。あるいは、この強烈な血の匂いが表通りまで漂っていく事もあり得るかもしれない】



【――――所変わって、風の国 公園】

……「『ATLAS』壊滅」……かぁ……
「ちょっと、遅かったみてぇだな……なんか良い物手に入るかと思ったんだけどよ……」
<まぁ、『虎穴に入らずんば虎児を得ず』とは言うけど、『君子危うきに近寄らず』とも言うしねぇ……過ぎた事はしょうがないわよ、この際……>

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【ベンチに座り、街灯の明かりを頼りに拾ったと思しき新聞をしげしげと眺めている】
【――――そばには、赤と青の人魂の様なものが浮かび、それぞれ男と女の声で、少女と会話を交わしていた】

「だが……こうなるとアテはもう少ねぇぞ……どうする?」
<そうよね……やっぱり、取れる選択肢を増やす方向で動いた方が、正解なのかもしれないわ……>
……その為には、やっぱり……

【ぼうっと星空を見上げる少女を宥める様に、フッと一陣の風が駆け抜ける】
【人気の無い、夏の夜の公園。そこに吹く風は、不思議な程に優しいものだった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/31(水) 21:08:25.93 ID:lKAmeh9Do
>>293
/まだいらっしゃいますかー?
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/31(水) 21:12:58.06 ID:0VYs8sAV0
>>294
/ぎりぎり残ってました。いますよ
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/31(水) 21:24:08.06 ID:+uDUCeb10
【街外れ――人家もだいぶ減った道沿い】
【三日月がそっと照らす石畳の白さ、黒点のようなひとかげひとつと、ついと伸びる影がひとつ】
【涼しげな風がざぁと揺らいでなびかせるなら、長い髪。どうやら少女らしいと、遠目でも窺えた】

……――、こんばんは

【――夜に溶け込む色をした髪が膝までの長さ、細く編まれた三つ編みがふたふさ、そっと混じりこんで】
【長めの前髪の向こう側、白肌に映える黒赤のオッドアイは道から外れた草むらの中へ落とされて】
【チョコレート色をしたブラウス、腰元をきゅとリボンで編んだデザイン、ひらと長めの裾】
【黒いラインで裾を飾る灰色のプリーツスカート、足は白肌透かす黒のストッキング、編み上げのブーツが地を緩く擦る音】
【スカートの背面を気にしてからそうとしゃがみ込むなら、袖に隠れるような指先が、草むらへ延ばされて――】

――、ごはん食べてきたの? そう、蛙……かな、

【まるで鈴の喋るような声音、そうと落とすなら――何かに話し掛けるようで、暖かなもの】
【もしも通りすがるひとが居たとして、見下ろせば目に入るのは、草むらにぞろり長い身体を紛れさせるいきもの】
【濃茶色に赤と黒の斑模様を着飾るのは蛇がいっぴき、まぁるい瞳にまぁるい瞳孔、声を投げて落とす少女の目付きとどこか似通った、】
【――櫻のほうでは山楝蛇だなんて呼ばれる蛇。存外に強い毒を持つ種類だったりするのだけれど】

違うの? ――何言ってるのか、分かんないんだけど。

【「まあいいか」なんてひどく適当に紡いだ声が夜に良く目立つ、ちいさく笑うのが、そっと尾のように引いて】
【延ばした手はそんな蛇の顔の目の前でも、まるで威嚇されていないのが少しばかりの違和感なりえて】
【魔力への感受性の強いひとならば。涼しさすら覚えそうに垂れ流すのが水の魔力、そっと飾る人外の気配――】
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/31(水) 21:24:37.58 ID:lKAmeh9Do
>>293>>295
/ではではー

【血と死臭のひどい芳香が表通りへと流れていった帰結――――――】
【小さな足音が響いたなら、月光がすぅとそちらへと流れこむのだろう】
【路地裏の更に奥、歩みを寄せたその人影は】

【まるで貴方達のよう――――――負けず劣らず暗い、闇夜の住人なのだから】


ふふ、何やら嗅ぎ慣れた香りがすると思ったらぁ……とっても素敵なコトしてるねぇ♪
そーいうの、最近見てなかったからさぁ、ボクとしても興味が惹かれるってわけっ

ねぇねぇ、混ぜてくれない、あっ別にアナタ達のおこぼれが欲しいわけじゃないの
ボクわね、アナタ達の食べてるソレを、3つ追加するだけだからさぁ♪


【月光が映し出すシルエット、小柄な輪郭と、それに付随する違和感=z
【耽美な声が漏れた、少女らしい淡いソプラノの音と、まとわりつく蜂蜜のような芳香】
【色気と幼気が混じったなら、そこに描かれるのは和音が如く冷たい音色】

【小柄ながら豊満な身体を大きく露出したホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ意外は白く肉感的な素肌を晒している少女】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて真紅の瞳を濡らす】

【背中には巨大な悪魔羽根が揺れて彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに愛らしい雰囲気を創りだす】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/31(水) 21:37:06.03 ID:0VYs8sAV0
>>297

「……待って、2人とも……」
? ……どうかしたの?
<……!?>
「うん……誰か、来る……」
…………ッ!!

【死肉を引き裂き、思い思いに咀嚼していた面々の、ブロンドの髪をした少年が近付いてくる足音に気づく】
【飛ばされた警告に反応して、残りの2人の少女もすっと顔を上げる】

っ、誰だ――――――――っ、え……!?
「……この人……悪魔、だよね……?」
<…………!?>

【ハッと顔を上げて、入り込んできた人物の姿を目に留めた3人だが――――張り詰めた様な警戒の色は、一瞬どこかに消し飛んでしまう】
【幼い悪魔――――そう表現するより他は無い人物が、そこに居たのだから】
【何があってもおかしくは無い、そう分かっているはずの3人であっても、その唐突な遭遇には、驚愕を覚えずにはいられなかったのだ】

…………3つ追加……ね……
どこから持ってくるつもり? ここには私たち『3人』と、あんたしかいないわよ……?
「(……!!)」<(……!!)>

【そのショックから最も早く立ち直ったのは、東洋系の顔立ちをした少女だった】
【ゆっくりと立ち上がりながら、血にまみれた口元を鋼鉄の腕で拭い、悪魔の少女を睨みつけながら、これ見よがしに笑みを作ってみせる】
【だが――――相手の存在が、どうあれ危険なものなのかもしれないと言う事を、少女は感づいて、さりげない言葉で残る2人に警戒を促す】
【「死体を『3つ』追加したい」――――ここにいる『3人』を、死体にするとも取れるその言葉】
【そこに気づいてか、残る2人もゆっくりとその場に立ち上がった】

(……何やらかすか、分からない……この手の類の相手は、超常的な能力を持ってる可能性もある……
敵に回ったら厄介ね……――――――――でも、こいつ……とても旨そうね……!!)

【じっと悪魔の少女を見据えながら、東洋系の少女の浮かべている笑みが、徐々に歪んでいく】
【警戒と、それに呼応する様な戦意――――むしろ『狂気』と表現するべきかもしれないが、それらが少女の中で大きく立ち上がっていた】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/31(水) 21:46:45.68 ID:lKAmeh9Do
>>298

【ピョコン、とまるで猫耳でもあったならそれを立ててそうなリアクションで】
【悪魔=\―――――と紡がれた言葉に嬉しそうな反応を見せた】
【アハハと軽い笑みを一つ、そして追従するように口元へと右手の人差し指を揺らす】

【キュートな形をした潤んだ唇を人差し指で触れたなら、目元に僅かな鋭さを弾かせた】


そう悪魔、でもねっあーんな野蛮でダサい奴らとはぜーんぜんっ違うんだからぁ♪
ボクは病魔=\―――――だからね、あんなのと一緒こたにしちゃ怒っちゃうぞっ
具体的には……そうだね、キミ達を不治の病で永遠に苦しめちゃったりぃ?

ねぇどう?それってとってもヒロインチックでやらしいって思わないかなっ


【零れ落ちる舌先、柔らかげなその先端が直ぐ側によっていた右手の人差し指を濡らす】
【粘液が夜に広がった、透明色が月光に照らされて輝くのだろう】
【彼女の体液が世界に零れたなら、白く肉感的な身体がわずかに潤いを浴びて】

【病魔≠ニ自身を形容して、病気に関する事を口走った】
【その言動を本気にしたならば、恐らく病≠司る悪魔とでも言う気であろうか】
【――――――ひょっとしたら本当にその不治の病もできるのかもしれない】


そーだねっじゃぁどうしよっか、ボクが死体になるわけないからさ
分かるでしょ?人間♪

お姫様はキミ達の命をごしょうもなのだーっ――――――ってね♪

――――――Killer Likes Candy


【右手を唇から離したなら左手をすっと前に伸ばすだろう、細い腕と小さな手のひらが揺れる】
【腰をくびれの辺りで傾けたなら、細く魅力的なウェストが真っ白に曝け出されて】
【ギリギリの布面積で覆う彼女の豊満な身体をこれでもかと強調するのだろう】

【三人の目の前の空間に、僅かな揺れが生じるだろう、黒い球体が少し後に出現する】
【一瞬の間をおいてそのバレーボール大の球体が炸裂、やや大きめの破片を撒き散らす】
【回避は容易だろう――――――更にいくつもの死線を超えてきたアナタ達なら分かるはずだ】

【その破片に触れる≠アとが危険である、と理解できるはずだ】
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/31(水) 22:06:01.40 ID:0VYs8sAV0
>>299

……っ、……?
「……不治の、病って、どんな……?」
……気にするところは、そこじゃないでしょ……!
<…………ッ>
……ヒロインチックでいやらしい? 冗談……不健全で性質が悪い、の間違いでしょ……!

【まだ、その姿に対して戸惑っているのだろう少年に突っ込みを入れつつ、言葉を突っぱねる東洋系の少女】
【『悪魔』も『病魔』も似たようなもの――――言葉を聞いて一瞬、そんな言葉が口をついて溢れそうになったが】
【自分たちも、人間と一緒くたにされても困る存在である事を思い出し、寸でのところでその言葉を飲み込んだ】
【――――その代わりに、軽口には軽口で返すとばかりに、『病魔』の少女の言葉にリプライを返すのだが】

「……人間、じゃない、僕たちは……!」
<グゥ……ッ!!>
…………『食人鬼兵(グールソルジャー)』…………人間は私たちにとって獲物よ。一緒にしないでくれる……ッ!?

【――――やはり面と向かって『人間』と言われると、彼らの胸中は穏やかなものではない】
【普段、自分たちが踏みにじり、喰らい尽くしている存在と一緒に扱われるのは、侮辱されるに等しい屈辱だと、2人は――――喋れないらしい赤髪の少女を除いて――――吼える】
【グールの名を冠する3人組――――カノッサの逆五芒星をその身に纏う事もあり、やはり彼らも穏やかならぬ存在である事は間違いないらしい】
【――――もっとも、その事は最初に彼らが死体を貪っていた事から、既に分かる事なのかもしれないが】

<……ッッッ!!>
……なんかヤバい! 2人とも、上手く避けてッ!!

【ともあれ、『病魔』の言葉は3人に臨戦態勢を取らせたのは確かだ】
【放たれる破片を確認すると、一層その表情を張り詰めさせる3人。既に存在そのものが危険であると分かっていたが、この奇妙な攻撃を仕掛けてくるにあたって確信した】
【――――本当に、人外の存在。もしくは、そうしたものに深く関わっている存在なのだと】

「……っ、う、わっ!」
……っ、喰らったの、ジ・エンブリオン!?
「……こんなの、なんでも、ない……っ!!」

【だが、夜道に黒い破片――――その回避は、流石に完全とはいかなかった様で、少年――――ジ・エンブリオンの右掌に、その破片は突き刺さる】
【何が起こるか分からない攻撃を被弾した――――その事実に東洋系の少女は焦った様子を見せるが、ジ・エンブリオンは強気の表情を崩さない】

「……僕の細胞は、病気なんかに、屈しない……ッ!」

【ジ・エンブリオンは、立ち止まったまま右掌を『病魔』へと向ける。その瞬間、その右手は、手首ごと切り離されて飛び出し】
【更に、その右手首は、突如輪郭が崩れたかと思うと、空中でアルマジロに姿を変え、『病魔』に対して飛びかかる】
【――――切り離された細胞が、姿を変えたのだろう。それがジ・エンブリオンの力だ】

「……多分、僕が、行ける…………2人は、下がって、サポートして……!」
……分かったわ。無理しない様に……!
<…………!>

【肉体を特殊な細胞で構成されているジ・エンブリオンは、自分が『病魔』に対して相性が良いと判断したようで、一歩前へと進み出る】
【それを受けて、残った2人の少女は、逆に一歩下がる――――後方から、援護に徹しようと言うのだろう】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/31(水) 22:20:20.29 ID:lKAmeh9Do
>>300

【翼が夜を切り裂く、月光に照らし出されるシルエットは病にも似た陰鬱な姿】
【三人を相手にしても鈴を転がすような音色は変わらなくて、甘く蕩ける声色を響かせる】
【それは余裕の現れか、もしくはもっと別の理由があるのか】


ぐーるそるじゃー?それがどうしたの?
ねぇねぇ、キミたちはさーっ、一匹一匹虫に違いがあるか分かるの?
服についた虫を見てさ、これはどんな種類の虫か、分かっちゃうタイプ?

あのさ、それと一緒なんだよねぇ、ぐーるだかうーるだかしれないけど
どんな冠詞付けたって人間と変わらないじゃん
――――――だってほら、首切ったら死ぬんでしょっアハっ♪


【クスクスと笑う彼女の横顔、その姿は幼い少女のそれで】
【無邪気な色合いを含んでいるわけでもなく、少し背伸びした形を見せるのはきっと】
【――――――小悪魔の微笑みとはこういうものなのだろう、と】


……あっなーにそれ、キミ変な身体してるんだね
ふつーの配合じゃ効かないみたい、うーん残念♪
ちなみに今のはとーっても痛い頭痛の病気、特別に配合したげたからね天国見れたのにさーっ

ホント、空気よめない子は嫌われちゃうぞっ♪


【右手をふらりと揺らしたなら、彼女の手元に黒いお盆のような盾が出現する】
【彼女へと飛びかかってきたアルマジロをそれで弾いたなら、盾の隙間からウィンク一つ】
【長い睫毛が白百合のような素肌に溶けたなら、そこに残るのは後味の悪い笑みのように】


それにいいのかなーそんな風に一人で出てきちゃって
キミみたいなちびっ子一人でボクの愛の結晶、受け止められるのかなぁ
おねーさん、不安になっちゃうよ!!


【右手の盾を消したなら、伸ばした左手にそっと這わせる】
【絡み合う素肌と素肌、肩幅に開いた両足がやや内股気味に瞬いたなら】
【細いその美しい足のラインが絵画のように刻まれる】

【左手から放たれるやや大きめの刃の形をした黒い塊】
【間髪入れずに発射されたなら、真っ直ぐに少年へとむかうだろう】
【だが少年へとぶつかる寸前に上昇、そして下降】

【ちょうど少年を乗り越える形で後方の――――――彼女から見て右手にいる少女へと襲いかかる】
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/07/31(水) 22:34:39.44 ID:8b50tJvJ0

【霧雨のように、しっとりと身体を濡らす雨が降る街の中――――けれど、未だ喧噪は消えていなくて】
【そんな街の中、この時間帯に出歩くには大凡不釣り合いとも思える小柄な影が一つあり】
【特筆すべきは右目を覆う眼帯。ダークグレーと蒼を基調にした軍服。腰に提げた軍刀は、通常よりも長い其れで】
【男性が纏う其れだけれど……身体のラインを見るに、その影の主は恐らく女性――――否、少女】


「先輩ー。何処に行ったでありますかー
せんぱーい?……むぅ、困ったでありますね
都合が悪くなったら直ぐに逃げる癖をどうにかして欲しいものであります」

【よく手入れされた、藍色の髪。濡れていることもあって、街灯や月光を眩く反射させているけれど】
【漏れる溜息。――――その表情は、何処か浮かない様子】
【背伸びをして辺りを見回すようにしてみるけれど、諦めた様子を見せれば再び踵を地に着けて】


「その内ひょっこりと顔を出すのでありましょうが……それじゃあ、色々と遅いのであります
全く……先輩にはもっと自警団としての意識をしっかりと――――――」

【よくよく見れば、腕を潜らせている物は自警団の一員である事を証明する腕章】
【――――となれば、“先輩”とは必然的に自分の上司の事なのだろう。辺りに居ない事を確認して、小言を漏らそうとすれば……】
【“ぐぅ〜”なんて間抜けな音。思いの外響いた音は、少女の顔を真っ赤にさせるには十分な要因】
【……幾ら自警団と言えども、この時間に少女が出歩く姿は其れなりに目立つ。何よりも、先程の腹の虫が一層存在感を引き立ててしまっていて】










【誰一人として出歩く事の無い夜の街】
【――――其れもその筈。この街の中心に瘴気が漂っているのだから】
【不審に思って辿ったのならば、やがては一人の少女が視界に映るであろうか】
【紅いドレスを纏い、耀きを放つ金色の髪を持った少女。それと、その場に似合わぬ、ティーセット】
【一つの椅子に腰を掛けたのならば、カップに紅茶を注いで】


「誰も居ないのね。こんな素敵な夜なのに、誰も居ないなんて不思議ね。とっても、不思議
星だって沢山輝いているのに、誰も見ていないのかしら
こんなに綺麗なのに、何も見る事が無いなんて残念ね。残念」

【瘴気の元は、紛れもなくこの少女なのだろう】
【住民の誰もが関わるまいと窓を閉め切って、カーテンで閉ざしてしまって】
【――――クスリ。一人笑えば、やがてこの場を訪れた者へと視線を移すのだろう】
【見てくれだけは、ただの少女と何ら変わりない。だけれど、纏う気配だけは完全に別な種族で在ると告げている様】


「あなたはどう思うかしら?
星も綺麗で、とっても素敵な夜だと思わない?
…………それとも、真逆かしら。月が出ている夜は嫌い?」

【相手が話し掛けるよりも早く、投げかけられる問い】
【ゆるりと小首を傾げれば、答えを求めるけれど――――】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/31(水) 22:40:02.44 ID:0VYs8sAV0
>>300

……じゃあお前も『悪魔』と一緒ね……そんな七面倒な区別、してらんないんでしょ……!?

【一行のリーダー格らしい東洋系の少女は、怒りを引っ込めるように憮然とした表情で、『病魔』の言葉に反論する】
【――――『悪魔』か『病魔』かなど、この3人にとっては、『病魔』が彼らを『人間』か『食人鬼兵』か、どっちでも良いと思っているのと同じ程度の問題でしかない】
【癇に障る言葉を、そうと分かっていて口にしてくるなら、こちらも遠慮はいらないだろう――――要は、「売り言葉に買い言葉」と言うやつである】

「……僕は、命の、胚……! 病気、なんかじゃ、負けないよ……!」

【千切り飛ばした右の手首を、既にその中ほどまで再生させながら、ジ・エンブリオンは、幼いなりにギッと『病魔』を睨みつける】
【――――人間としての肉体を構成していた一部が、別の生物になる――――普通に考えればあり得ない事にも拘らず、彼はそれをやってのけた】
【つまりそれは、常識を超えた生物の力を、彼が身につけている事の証左に他ならない】

【――――弾き飛ばされたアルマジロは、地面を転がり、その場で激しい痙攣を起こし始める】
【どうやら、打ち込まれた破片からの『病気』が、変化させた細胞にも作用している様で】
【本体が冒される前に切り離して捨てると言う意味では、ジ・エンブリオンの取った行動も正解だと言えるのだろう】

「……何が、来ても、受け止める……! 僕を、甘く、見るな……ッ!!」

【グッと右腕を突き出しながら、ジ・エンブリオンは『病魔』をじっと見据える】
【――――突き出した右腕の肘から先が、硬質化した1本の尖った突起になり】
【まるで、ジ・エンブリオンの右腕の肘から先が、巨大生物の骨か角の様な形に変形したようにも見えるだろう】

「……ッ、っな、あ…………!?」
っ、危ない……ッ!?
<…………ッッ!!>

【その突起で、飛来する塊を横に弾き飛ばそうと――――避ければ後ろに流れてしまう――――したのだが、塊の軌道はそれを読んでいる様で】
【あっさりとスルーされたジ・エンブリオンを尻目に、赤髪の狂笑を浮かべている少女へと飛来する】
【咄嗟に、東洋系の少女が警告を飛ばすも、既に間に合わない――――はず、だっただろう。それが普通なら】

<――――イィッヒヒヒィィィッッ!!>

【その時、赤髪の少女が見せた回避動作は、異常としか言いようの無いものだった】
【その場で後ろに、まるで立て看板が倒れる様に真っすぐに身体を倒して、塊をやり過ごす。だが、そのままでは自ら地面に後頭部を叩きつけるだけである】
【その瞬間、赤髪の少女が見せていた姿勢は――――体操のブリッジ。後ろに倒れ込むと言う危険な動作から、そのままブリッジに移行して見せたのである】
【――――尋常な判断力、身体能力、何より精神状態では、到底できない業だろう】

……っ!? 止まるな、ジ・エンブリオン!! そのまま攻めてッ!!

【一連の動作を見ていた東洋系の少女は、咄嗟に『病魔』に向けて、肩から1条のビームを発射する】
【ジャッ――――と言う中低音と共に、『病魔』の足目掛けて発射されるビーム。威力はさほどでもないが、速度はそれなりに早い】
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/31(水) 22:40:53.47 ID:0VYs8sAV0
/>>303安価ミス
/>>300>>301
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/31(水) 22:52:21.44 ID:lKAmeh9Do
>>303

【返ってくる言葉に彼女の微笑みがわずかに滲んだ、返す言葉が思いつかなくて表情が曇る】
【もぅ、と膨らむ頬、それだけ切り取れば少女らしい仕草と形容されるべきなのだろう】
【けれどもそこから生まれる行動は、悪戯なんかじゃ済まされないレベルで】


むぅ……言ってくれるね、嫌いじゃないよそーいうの
でも、やっぱりムカツクのはムカツクけどっ……!


【地面に付着する両足、素足ではあるものの汚れた様子はなく】
【尻尾が揺れたなら、その存在が強く強調されるのだろうか】
【何と言おうと何と紡ごうと彼女は人ではないのだから】


アハ♪なーるほどっ随分と便利な身体、してるんだねっ!
それってさ片っ端から切り取って生やすことできるってことだよねー♪
いいなーそういうの、だってそうじゃない

キミの心が壊れるまで犯し尽くせるんだからさぁーっ


【曲がる塊、声とともに揺れ動くその様子は彼女のトリッキーさを表していて】
【微笑みが妖しく歪んだ、もらった、と小さく声が漏れそう】
【けれどもそれが、まるで氷付けられたかのように固まった】


っ!!なぁにそれっ!ありえないしぃずっるーいの!
そんなんだーめっ……!ってはや――――――っ


【頬をふくらませて、少女の超人的な回避にやいのやいの言うのだろう】
【その状態で間髪入れずに放たれるレーザー、弾速の速さもあって彼女の反応を上回るのだろう】
【右足を貫かれたなら鮮血が舞った、数敵地面に落ちたなら、後は傷口は固まる】

【声にならない声が漏れた、表情に苦悶の色が混じったなら減らず口が止まるだろう】
【細く小さな火傷の痕、貫かれその高音で火傷したのだろう新雪のように汚れない細身の足が濡れた】
【――――――だが、赤髪の少女なら気づくだろうか、僅かに空気が汚されているかのような感触に】

【彼女の放つ病=\―――――着弾せずとも、その影響は広がるのだろうか】
【通常時と比べて、僅かにめまいを感じるかもしれない】
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/07/31(水) 23:03:09.25 ID:PMXb9hLao
【ゴーストタウン――廃墟】
【ここは、鼠一匹すらもはや姿を見せぬ死の世界だった】
【しかし今、その一角に小さな邪悪が生まれていた】

【――とある一つの廃墟が、いつの間にか生まれ変わり"禍々しい神殿"になっていたのだ】
【大きさは100坪程度+庭】 【……一体誰が何のために作ったのだろうか?】

【そして、その神殿の入り口を護るのは、人ならざる存在――二人の"亜人系の魔物"だった】
【羽毛の塊のような、しかし鳥とはまた違う羽を背に6つ持ち、上2本は長く下4本は短めで、頭部にも長いそれを1つ持っており】
【鳥のような手足を持ち、全身に鱗を持っており、そして場所によってその大きさが違っていた】

「……なあ、俺達いつまでここの見張りしてりゃ良いんだ?」
『知らなぁーい、なんだっけー、なんか邪禍様が言ってた鼠がくるまでじゃあないのぉー?』
「はぁ……もう一週間は経ってんじゃあねえか……何日か前にはどっかに遊び行ってたしよ……明日の発売日まで間に合うのかよ……」
『ゲームなんてぇー、すぐに買わなくても大丈夫じゃあーん』

【こうやって雑談をしている姿は完全に"人間"――声だけならば、簡単に騙されるだろう】

【そして……中から感じるのは、邪悪な気配】 【迂闊に入らない方が良さそうだ】
【だが、危険に首を突っ込みたくなるのが人の性と言うものであって……――】
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/31(水) 23:09:02.74 ID:0VYs8sAV0
>>305

フン……お互い様って奴よ……! 嫌ならさっきの言葉、取り消す事ね……!

【彼らにしても、『病魔』の言葉はプライドに関わる、無視できない言葉だったのだ】
【『病魔』が東洋系の少女の言葉に感情を損ねたなら、それは彼らにも共通する心のざわめき】
【とは言え、それ以上の怒りは現出させても意味がない。自らの内に押し殺す様に、東洋系の少女はなお『病魔』を睨みつけた】

(……でも、こんな歪な存在の相手なんて、した事無い…………どうすれば、良策……!?)

【ふと、視界の隅に揺れるものを捉える東洋系の少女。それは『病魔』の持つ尻尾】
【これまで、能力者相手の戦闘はいくらか経験しているが、人外の――――普通の動物と言う意味ではない――――相手はした事がない】
【何か、思いもよらない攻撃を、他にも何か仕掛けてくるのではないかと、なまじ戦前から遠ざかっているだけに、思考が空転してしまっていた】

「……僕は、絶対、壊れない……! これは、生きる、力だから……!」

【鋭い突起へと変質させた右腕をかざしながら、言葉足らずに吼えるジ・エンブリオン】
【自らの細胞の力を、彼は彼なりに理解しているのだろう。生半な事では、それを『壊す』事など出来ないと、ハッキリと宣言する】

「ッッ、分かった、シュバルツガイスト!! そこだ、喰らえっ、『病魔』!!」

【背後から飛んでくる、東洋系の少女――――シュバルツガイストの叱咤の声と、援護射撃】
【それをチャンスと受け取ったジ・エンブリオンは、一気に踏み込んで『病魔』へと仕掛ける】
【足に援護射撃を被弾させた『病魔』に対し、被弾のショックから立ち直る前に一撃を加えるべきと判断したのだ】
【――――突起と化している右腕を、その白い腹部に叩きこむ様に、ジ・エンブリオンは走り込みながら腕を繰り出した】

<――――ウ、ァ!? アアッ、アァッ!!>
ッ!? ど、どうしたのよクロス・ザ・ルビコン!?
ちょっと……ねぇ、落ち着きなさい!!

【ブリッジから体勢を立て直し、再びその場に立ち上がってみせる赤髪の少女――――クロス・ザ・ルビコンだったが、突如異変を察知して奇声を上げる】
【だが、シュバルツガイストはその訴えに気づかない。故あって言葉を話す事の出来ないクロス・ザ・ルビコンの喚き声だけでは、どうしようもなかったのだ】
【空気の汚染と言う、目に見えない異常であった事も、シュバルツガイストには酷だった】
【クロス・ザ・ルビコンへの対応の為、踏み込んでいくジ・エンブリオンへの更なる援護が、途切れてしまっていた】
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/31(水) 23:24:59.64 ID:lKAmeh9Do
>>307

【かくんと彼女の細い両足が乱れた、怪我した右足の方へと身体が傾いて】
【怪我の様子を見ようと彼女の顔が俯いたなら、無防備な腹部が曝け出される】
【一撃で吹き飛んでしまいそうなその腹部へ、狙いは完璧であろう】


……ホント、どーして理解できないのかなぁ……


【俯いたまま彼女は左手をすっと前へと差し出すだろう】
【そして手元から黒い闇が彼女の掌へと集まっていく】
【やがて闇は一つの形を模して――――――手元から錬成されるように一本の細い棒となるだろう】

【その速度は早い、非常に鋭くその棒が錬成されていくだろう】
【それはまるで槍のよう、彼女へと攻撃を加えようとする貴方の腹部を逆に貫こうとするだろう】
【成功したなら貴方の腹部に突き刺さった状態でその棒が巨大な鎌≠ニなる】

【――――――つまり、貴方の腹部をえぐる形で鎌の刃が生えてくるのだ】
【だがいずれの場合にも傷口から出血はしないだろう見た目よりはダメージは少ないはずだ】
【けれども傷口はまるで焼かれているように痛むはずだろう】


さっきもゆったでしょ、ボクは3つ℃体を作りたいの
キミが一人でこっちに向かって来ちゃったらキミを殺した瞬間、他のコ逃げちゃうのっ!

卑怯だなんて無粋なコトゆわないからさぁもっと本気で来なきゃ
キミたち全員死ぬより恐ろしい目にあっちゃうよ――――――なんてね♪


【いたずらっこっぽく付け足す言葉は冗談に聞こえない真剣みを帯びていて】
【ほほえみを一つ揺らして、右手を腰元に当てて、くいっと腰を曲げてみたりする】
【巧妙に隠しながらも右足を庇うような仕草だ、ダメージを決して受けていないというわけではないのだろう】

【もし攻撃に成功していたなら強引に鎌≠引きぬき】
【くるくると左手で回転、すっと腕を伸ばして自分の前で構えるのだろう】
【歪んだ刃の形が彼女の異常さを際立たせる】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/07/31(水) 23:36:14.77 ID:xeC7nGUso
【夜・公園】

──あー面倒クセェ!二度と事務作業なんかやってやるかよ、クソ……!
大体リリアの件に関しちゃソーンの野郎も噛んでんだ、あの爺様が働きゃあいいじゃねェか!

【そこで一人、派手に愚痴を吐いてベンチにどっかりと腰掛ける女性が居た】
【赤髪の彼女はレザーのホットパンツと深紅のジャケットを着た、やや際どい格好で】
【わざわざ向かい側のベンチを引っ張り、投げ出した足をそれに乗せていた】

ったく、こっちはNo.3だってのに監禁だの出汁にされるだの良いとこもねーし
この際は、そうだな……ソーンの爺様も実はリリア側だったとでっち上げて……────。

【その愚痴はまだ続く。夜の公園ともなると声も響き、通りにまで届くだろうか】
【内容は、分かるものには相当過激なもの。そうでない者であっても──】
【彼女の側に転がる安酒の缶と、まだ開けていない10本近くの同じ者を見れば】
【恐らくはさぞ容易に、彼女に余程のことがあり、自棄酒をしているのだと分かるだろう。】
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/07/31(水) 23:43:47.06 ID:0VYs8sAV0
>>308

「……よし……貰った……ッ!」

【狙いはガラ空き。踏み込んで一撃を叩きこむ事が出来れば、如何な『病魔』であっても、手痛いダメージとなるだろう】
【身体に直接触れる形の攻撃となれば、彼女の『病気』が逆流してくる可能性もあるが、最悪先ほどの様に右腕を切り捨てるだけで良い】
【時間さえかければ、再生も決して不可能な事ではないのだから――――そんな事を考えていたのだが】

「……っご、うぁ……う……?」

【――――ゾブッと、嫌な音が聞こえた】
【突き出した右腕は空を切り、代わりに黒い何かがジ・エンブリオンの腹から生えている。こんな細胞操作をした覚えは無いのに】
【――――事実は逆。黒いそれはジ・エンブリオン『から』ではなく、ジ・エンブリオン『へ』生えているもの】
【そして、攻撃を成功させたのはジ・エンブリオンではなく、『病魔』の方だと言うのも、想定したものとは逆の結果だった】

「――――う、あ、ぅ、ぐぁ、う、ぎ、ぃ、ひっ、が…………っっっぐぅぅぅぅああああああアアアぁぁぁッッ!!」
<!?>
まさか……ジ・エンブリオン!!

【更に展開される刃に、ジ・エンブリオンの絶叫が響く。それを耳にして、後方に控えていた2人も驚愕と共にそれを見る】
【――――これまで、ジ・エンブリオンのここまで切羽詰まった悲鳴など、聞いた事は無かったのだから】

「うああああああああああぁぁぁぁぁぁッッ!!」

【ブシャッと、ジ・エンブリオンの首が――――首と、鎌の通っていない胸部の一部が、鎌を嫌う様にはじけ飛ぶ】
【同時に、その輪郭は曖昧に溶けて行き――――完全に姿を変じさせた】

【青白い光を放つ半透明の物質で形作られた、宙に浮かぶ巨大な海月の様な姿の中に】
【人間の脳髄と、そこに突き刺さる『青い石』が内包された、ゲル状の生命体】

【本来なら、ジ・エンブリオンの最も効率の良い姿だが、今回ばかりは緊急回避的にこの姿にならざるを得なかったので、何時もより小さな身体となっていた】
【投げ捨てられたジ・エンブリオンの細胞の大部分は、鎌を引き抜かれて解けていき、奇妙な液体となって足元の死体の血に溶け込んでいった】

「……気をつけて……こいつ、強い……!」
――――みなまで言われなくても、もう分かってるわよ……! クロス・ザ・ルビコン、新装備を解禁! 本気で私をサポートして!
<アウッ!!>

【フラフラと後方へと下がるジ・エンブリオンを庇う様に、2人は前へ出る。事ここに至っては、『病魔』の言う通り本気にならざるを得なかった】
【シュバルツガイストの肩と腰から、2門ずつ触手の先に設置された砲台が展開され、更に両腕の側面から刃が展開される】
【更に、クロス・ザ・ルビコンは、腰に巻きつけられていたコントロールボックスを操作すると、背中から2本の細い翼の様なものが展開され、更に左手には拳銃の様なものが握られていた】

――――――――行くわよ『悪魔』……私たちを本気にさせた事、失策だったって教えてあげるわ……!

【その言葉を残して、シュバルツガイストは前方へと飛び出す。両肩から2条のビームを『病魔』へと発射しながら】
【まだ踏み込みは浅い。牽制に留まっているのだろう。ビームの狙いは胸元と足――――先ほどの被弾への追い打ちと、全く異なる場所への一撃だ】

<――――オオオォォォッッ!!>

【クロス・ザ・ルビコンは、背中の翼からのジェット噴射で、宙へと舞い上がった。その大仰な装備は、生身で空を飛ぶためのものだったのだ】
【頭上にホバリングしながら、クロス・ザ・ルビコンは自分の付け入るチャンスを窺っているようだった】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/31(水) 23:58:54.36 ID:lKAmeh9Do
>>308

【弾け飛んだ少年の残り香=\―――――細胞が地面へと降り注ぐ】
【その奥で大きな鎌を片手に佇む悪魔羽根の少女の姿】
【ソレはどこまでも蠱惑的でどこまでも幻想的で、どこまでも残酷なのだろう】


アハハ♪きったなーい、こーんなの撒き散らさないでよぅ
それになーんか変なの出てきたね、ひょっとしてこれさっき襲ってきたコ?

うわぁ、ひっさーんそんな情けない姿女の子の前にさらけ出すんだったらさぁ
死んじゃった方がいいんじゃないのぅ


【右手をそっと口元に当てたなら、細くしなやかな指先から真紅の瞳を覗かせる】
【嘲笑の声が響いたなら、その嬌声のような淡い声色が溶け込むだろう】
【神経を逆撫でするような猫なで声が微かな音色を刻んだなら】

【視線の奥で残った二人が前線へと躍り出ることになるのだろうか】
【大鎌の根元へと左手の鎌を持ち替えたなら、左足を伸ばして、右足を後方につける】
【ふふん、と微笑み一つ細い腰元のラインを一層強調して】


良いわよ人間≠セったらボクはもっと早く本気になるべきだったって思わせたげる♪
――――――だーってもう、手遅れ、だーかーら


【彼女の言葉にクロス・ザ・ルビコンなら察することができるだろう、先ほど感じた異変=z
【病の種は気づかぬ内に進行し、病巣を徹底的に隠し侵食していく――――――】
【彼女の言葉を引き金に、めまいが一瞬強く前線の二人を襲うかもしれない】

【間髪入れずに彼女が跳躍≠オた、攻撃を回避しつつ夜空へと舞い上がる小柄な少女の姿】
【大きく開いた悪魔羽根、満月を背にしたなら、そのシルエットが月を切り抜いて】
【その姿は人ならざる者の人ならざる美しさを表している、ようで】

【クロス・ザ・ルビコンの更に上、上空へと舞い上がったなら両手で大鎌を握る】
【そしておおきく振りかぶって、背中の翼をむしり取るように大鎌を振り下ろすだろう】
【むしり取れずとも直撃したなら肩から腕にかけて深い裂傷が奔るだろう】

【――――――そしてもし掠ったなら一瞬だけ全身が麻痺するだろう】
【空中でその症状が起きたなら、空中で静止し続けることは困難、かもしれない】
【まるで空を飛ぶのは私一人でいいと言いたげに彼女は高度を下げ地面から1mの辺りで】

【翼を大きく広げて佇むのだあろうか】
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/07/31(水) 23:59:32.16 ID:lKAmeh9Do
>>311
/安価ミスー>>310です
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/01(木) 00:16:21.48 ID:sOk3DYH50
>>311

「……うっ……こ、この……ッ!!」

【宙に浮かぶ海月の様な姿となり果てたジ・エンブリオンが、声を震わせる】
【だが、何も言い返せないのだろう。ここまで追い込まれてしまった事は、どうしようもない事実なのだから】
【別に『ええかっこしい』と言う訳ではないのだが、その思考はむしろ子供に近い。純粋にからかわれた事に悔しさを滲ませているのだろう】

ジ・エンブリオンはあんなだから、もう援護は引き出せそうにない!
クロス・ザ・ルビコン、だからそこを気をつけて――――――――ッ……な……!?
<ァァァアアァウゥッ!?>

【刃を展開し、制射を加えながら接近しようとしたシュバルツガイストと、上空から機を窺っていたクロス・ザ・ルビコン】
【二人とも、急に意識が混濁する様な、奇妙な感覚に襲われる】
【そこから復帰するよりも早く、シュバルツガイストの眼前に居たはずの『病魔』は飛翔しており、クロス・ザ・ルビコンへと向かっていた】

(――――――――こうなったら一か八かの賭けね……! まだ試した事の無い武装だけど……!)

【コンディションを狂わされた上、仲間の1人が戦闘不能に追い込まれた状態にあり、シュバルツガイストは上空へ逃れた『病魔』を見据えながら1つの覚悟を固める】

<ウアッ!?>

【そして、上空のクロス・ザ・ルビコンへと襲いかかってくる『病魔』】
【咄嗟に左手の銃を向けるが、それより早く背中の翼への一撃が決まって】

――――せめて一撃を浴びせて、お願いッ!!
<!! ァァァアアアアアアアァッッ!!>

【推進力を失い、身体に痺れを感じながらも、クロス・ザ・ルビコンは左手の銃を『病魔』へと向けて、引き金を――――その前に親指で何かの操作をして――――弾く】
【その瞬間、銃口ではなく、そのすぐ下に備えられた針の様なものが、『病魔』へと発射される。その尻にワイヤーを繋いだまま】
【命中すれば、そこからスタンガンのような電撃が、バチバチと『病魔』の身体を駆け抜けるだろう】

「……クロス・ザ・ルビコン、危ない……ッ!!」

【しかし、いずれにしろクロス・ザ・ルビコンの空中での推進力は失われてしまう。咄嗟にジ・エンブリオンが無理に細胞を増殖させ、クロス・ザ・ルビコンを受け止めるクッションを形成】
【クロス・ザ・ルビコンはその中へと落ち込んで、落下のダメージを和らげた】

――――チャージ、エナジー砲台4機とも健在……胴体砲口との同期を確認……!

【そして、残ったシュバルツガイストは、自分のスーツの前面を破り捨てて、思いきり露出させる】
【――――まだ14歳の身体である以上、その身体は未成熟なものであるが、その腹部にいくつかの箍(タガ)、そして1つの砲口の様なものが備わっていて】
【そこを囲う様に、展開されていた4機の砲台触手が陣取り、光が集っていく――――】

【――――クロス・ザ・ルビコンが必死に作った隙を活かすべく、シュバルツガイストが全力を出す準備動作をしている】
【一連の動きを端的に表すと、そう言う事になるだろう】
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/01(木) 00:33:43.34 ID:AWdmNtIGo
>>313

【確かな感触、肉を抉るその指ざわりは、彼女にとってはまた別の快感で】
【それはきっと、他者を病に犯すことよりももっとずっと愉悦なのだろうか】
【――――――刹那、電撃が彼女の身を貫いた】


きゃあああああぁぁぁぁぁ!!!!――――――


――――――なーんて、これぐらいで怯むと思ったのぅ?
バーカっボクは病魔なんだから、誰よりも病と親しいの
電撃なんか比べ物にならないぐらい痺れる病気だって、あるんだからさっ♪

Killer Likes Candy=I!


【空中で大げさに声をあげたなら、次の瞬間、空中で腕を組んでふふっと笑うのだろう】
【電撃が効いていないわけではない、だが通常と比べたなら効きづらいのだろう】
【攻撃を直撃させるには、やや隙が足りない、だが彼女が追撃を加えるなら当てるチャンスはあった】

【右手が開いたなら刹那、シュヴァルツガイストの前に黒い壁が出現するだろう】
【2mほどの壁だ、彼女と貴方達を遮るような壁――――――】
【そして空中に飛び上がる彼女が見上げるような上空へと踊り出る】


さーてと、今日はこんなとこかなぁ暇つぶしも済んだしねっ
キミ達を死体にできないのは残念だけどぅ……機関≠フコなら、また会うかもしれないしぃ
その時までお預けーそれまでたーっぷりボクのコト、覚えておいてっ♪

IL=Nightwish――――――この世で最も恐ろしいIll=i病)の名前
じゃぁまたね、今度はもう少し本気で戦わせてほしいなっ♪


――――――流石に今、ソレに当たっちゃったらただじゃすまないしね


【翼を開いて紡ぐ彼女、戦いの切り上げを告げる少女の音色】
【藍色の髪が夜に零れたなら、白く細い首筋を飾り立てて】
【次は本気、などと子供っぽい捨て台詞を吐いて、その場を飛び去るのだろう】

【最後に零す言葉は本音に近い台詞、殺し合いをするには分の悪い状況といったところか】
【偉そうな事を言いつつも、勝ち逃げと言うよりは退却に近いのだろう】
【IL=\―――――イルと名乗った少女は夜へと溶けていくように、夜空へと舞い降りていく】


/お疲れ様でしたー!中途半端でごめんなさい!
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/01(木) 00:45:46.00 ID:sOk3DYH50
>>314

「……あれを、喰らっても、まだ……!」
<ガァァッ!!>
そんなッ……これじゃ……ッ!!

【ワイヤーからの電撃は、確かに通った。だが、想定していたよりも効果が薄く、十全な隙を生み出す事が出来なかった】
【地上で、海月と化したジ・エンブリオンが、クッションに沈みこんだクロス・ザ・ルビコンが、砲台を展開したままのシュバルツガイストが、思わず呻く】

……イル=ナイトウィッシュ…………ッ!!

【壁に阻まれながらも、名乗る『病魔』――――イルの言葉をリフレインし、己の内に刻み込むシュバルツガイスト】
【事ここに至っては、ここからの最後の一撃を叩きこむ事は不可能だろう】
【ならばせめて、その残滓だけでも自分の内に叩きこんでおかなければならない】
【――――これで済ませるつもりなど、3人共に無いのだから】

――――――――うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!

【飛び去るイルの姿を見送り、シュバルツガイストはチャージの完了していないその砲撃を、咆哮と共に解き放つ】
【――――強力なビームと化したその怒りは、展開された壁を容赦なく打ち砕き、飲み込み】
【それでも――――最も重要な敵を撃破するには、役に立たなかった】

……遊ばれた……っ、くそぅ…………――――――――っ、あ…………うぁ……っ
<ウ、グァ――――…………>
「ふ、二人とも…………! ……毒か、病気が、残ってるんだ…………くそ……!」

【悔しさに呻く余裕すら失い、身体を蝕む病魔に倒れ伏してしまうシュバルツガイストとクロス・ザ・ルビコン】
【それを目の当たりにして焦るジ・エンブリオンだが、今の状態では彼女らにしてやれる事もない】
【細胞を失い過ぎて、そもそもの質量がまるで足らないのだから。彼は彼で、悔しさを滲ませる暇もなかった】

【――――結局、ジ・エンブリオンが元の身体を取り戻すまでに細胞を再生させる約30分間、彼らはそこから動けなかった】
【年少の彼が、2人を担いで拠点まで戻るのは、多大な労力を必要としたと言う――――】

/乙でしたー!
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/01(木) 21:13:26.71 ID:8iak79Q6o
【廃聖堂】

――早よ、迎え行かんとやろか。
まぁ……ええか、機を見てで

【「急いては事を――」と続く独り言の出所は荘厳なステンドグラスの手前から】
【象牙色の鍵盤を二段に配置し、天井高くまで伸びる精緻な配列のパイプオルガン】
【埃を帯びて鈍く光るそれの前、真紅だった色合いの豪奢な掛け椅子に、人影があった】

【肩で切り揃えた白い髪に、青藍色の燐光を零す黒彼岸花を挿した若い男】
【黒い紋羽織を着た古風な和服姿で、切れ長の目は深い葡萄色】

【入口は酷く崩壊し、何者の侵入をも拒まない】
【散る硝子と瓦礫が鳴子のように音を誘発する以外は――静寂で】
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/01(木) 21:13:36.62 ID:lnYkjIAGo
【自然公園の中央】
【日が落ちても蒸し暑い時期、それでもこの辺りは夜中になれば涼しくなる】
【そのため、まれに夜にこの場所に涼みに来る者たちが現れる】

【今日この場所に現れるのは一人と一匹、まるで宴会でも始めたかのようなどんちゃん騒ぎだ】


風の国の塔での一件はひとまず一件落着、と考えてもいいのかな
まあ難しい事は考えず、とりあえず乾杯!

「うむ、対して活躍し取らんがの、とりあえず今日の業務もお疲れさん」


【さらっとした柑橘系の整髪料の匂いが漂うさらっとした茶の短髪にきりっとした目に真っ赤な瞳に整った鼻筋】
【水色の質素な短袖シャツを白い柄シャツの上から羽織り、ひざ下まで伸びた黒よりの灰と黒のストライプのハーフパンツに赤のスニーカーの青年】
【肩にはリュックサック風のバックを持ち、首には赤いマフラーを巻いている】

【その青年は全長2mほどの上から見ると細長い六角形のような形をした重厚な箱―――人一人が入れそうな高級感の溢れる箱を引いていた】
【形はさながら棺、と言う他ないその上に居座るトイプードルが上を向きながらその青年と応答し合っている】


しかし機関も今後はどうするのかな、リリアってのは悪魔の親玉に逮捕されちゃったから
六罪王一人減っちゃったんだろ?じゃあこれからは五罪王なのか?

「さてのう、奴らのシステムなんぞわからんわい」


【まさか現状も四罪王だなど彼らが知る由もなく、この若い青年はまた一つ安酒の缶を開けながら】
【棺桶の上でハーハー舌出して熱そうにしている犬と和気藹々と戯れているようだ】
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/01(木) 21:45:02.77 ID:tbCNHv0O0
>>317
【青年とトイプードルがどんちゃん騒ぎに興じている自然公園の入り口に】
【茹だる様な暑さを避けて涼みに来たと思われる新たな来訪者が一人と一匹】

ふぅ……今日も暑いな―――ん!?
何か、変な奴が居るぞ!!

【青年の奇妙な格好―――特に、引きずった棺に驚いた様子の来訪者は、青年と同じ年頃の男で】
【彼は立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、人のことを言えないレベルの真に奇妙な人物であった】

【その男の側には、夜の闇にも似た漆黒の毛並みを持った“奇妙”な猫が寄り添っている】
【“奇妙”と呼んだ理由はその満月に似た目―――覗き込もうとすると、酷く眠気に襲われるのである】

―――なんか……その……なんというか……
君、ヴァンパイアハンターとかやってます?

【ひとしきり青年の格好に驚愕するのを終えた男は、赤いマフラーの青年へと歩み寄り】
【少し言いにくそうにしながら、青年がそのような奇妙な格好でいる理由を暗に問うことにした】
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/01(木) 22:06:30.28 ID:lnYkjIAGo
>>318

【喋る犬相手に、しばらく機嫌良さそうに喋っていたその青年だったが】
【やがて自分たちのいる場所に誰かが来た気配を感じ取る―――ちらり、と目線を一度来訪者に向けると】
【屈託ない笑みを浮かべながら爽やかな印象の青年は喋りかけて来る】


ん?別に俺はヴァンパイアハンターじゃないよ、王立図書館の警備員!
この棺桶はムクが作った魔術礼装だ、特にこれと言って何かが眠っているわけでもない
そういうおまえこそ変な格好してるじゃあないか

「えらくずけずけと言う奴じゃのうお前と言う奴は」


【やや呆れ気味に後ろ足で耳をかく犬の事は気にせず、マフラーの青年はその手の安酒を手に持つと】
【ちょいちょい、とこっちに来るよう友好的に手招きしてくる】


おまえも夕涼みか?俺も仕事の帰りに寄った所だ
俺は剛田 剛太郎、こっちはムクだ―――おまえは誰だ?


【リュックからもう二本ほど飲み物類を取り出しながら、遠慮なく質問をかけてくる】
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/01(木) 22:38:33.25 ID:tbCNHv0O0
>>319
【はえ〜、と青年の答えに一瞬、納得したような表情を浮かべた男だったが】
【よくよく考えると、王立図書館の警備員が持つにしては少々やりすぎな装備に思えてならなかった】
【とはいえ、今度は此方が質問されている番―――男は青年の屈託のない笑顔に負けじと柔和な笑顔で返事を返した】

おっと、それは失敬……思ってみれば僕もまともな格好をして居なかったね
一応言っておくと、僕のコレも魔術礼装―――魔眼封じの魔術が付与されているのさ
ま、それはそれとして……

【男は一旦背後を振り返り、ちょうど暇そうに欠伸をしていた黒猫に手招きをすると】
【青年の手招きに応じて、黒猫共々歩み寄っては地面に胡坐をかいて座り込んだ】

僕かい?僕の名前は玉藻狂死郎、職業は―――ま、退魔師って所かな
夕涼みに来たのも“仕事”の帰りに寄ったところなのも君と同じだよ

【終始友好的な態度を取る青年に対し、普段は警戒心が強いこの男―――狂死郎も心を少し許しているのか】
【少しだけ聞こえていた先程の会話の内容から、少なくとも機関員ではないことが知れたからか】
【とにかく、青年ともう少し話がしてみたくなったらしい】

あ、僕はお酒飲めないから……正直甘酒やお神酒を一口くらいしか飲んだことはないね
それはともかく……君の連れているそれ、ただの犬には見えないが……かといって魔族の気配は感じ取れない
だとすれば……そうだね、もしかして……魔術師ってやつかな?

【青年が飲み物類を取り出そうとしているのを見て、即座に狂死郎は断りを入れる】
【そして彼の話は青年の連れていた犬―――ムクの話題へと移り変わる】
【ムクを指差して追求する狂死郎曰く、以前そういうことが得意な魔術師が居たことを思い出したのだとか】

【―――退魔師を名乗るだけあって、狂死郎の体からはどことなく“聖”なる力を感じ取ることが出来る】
【だが、それと同時に彼の側、黒猫の体からは―――仮に青年が体験した経験があるのならば―――魔族の気配が感じ取れるだろう】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/01(木) 22:46:15.52 ID:Msmn6W0D0

【櫻の国。その、山の奥】
【妖怪が住んでいるという噂が流れている為、訪れる者は早々居ないけれど】
【それでも、隠された財宝の情報を得た者や、不運にも道に迷ってしまった者。力試しに訪れる者】
【――――少なからずも確かに、その場を訪れる者達も居る筈で】


「…………ふぁ〜。平和だねぇ
いや、平和が悪いって訳じゃ無いんだけどさー……
ここら辺の人間は張り合いが無いから、奪われた場所だって直ぐに奪い返せるし、女の人だってみんな遠くに逃げちゃうしさ……」

【大樹の下。大きな欠伸をすれば、その背中を預ける妖怪が一匹】
【山伏の服。背中に生えるのは大きな翼。所謂、烏天狗であろうか】
【少女と間違えても可笑しくないその顔に、涙を浮かべていて】


「別に良いんだけどねー……でも、女の人が居なくなるのは嫌だなー……
別に攫ったりする訳じゃ無いけどさ。デートとか……ねぇ」

【ズリズリと下がっていく尻。やがては、地面へと着いて】
【もし、この場を訪れる者が居たならば、そんな気さくな妖怪の姿を目にすることになるだろうか】
【土を踏みしめる音が聞こえたならば、再び欠伸をしつつ、其方を見遣るけれど】













【霧雨のように、しっとりと身体を濡らす雨が降る街の中――――けれど、未だ喧噪は消えていなくて】
【そんな街の中、この時間帯に出歩くには大凡不釣り合いとも思える小柄な影が一つあり】
【特筆すべきは右目を覆う眼帯。ダークグレーと蒼を基調にした軍服。腰に提げた軍刀は、通常よりも長い其れで】
【男性が纏う其れだけれど……身体のラインを見るに、その影の主は恐らく女性――――否、少女】


「先輩ー。何処に行ったでありますかー
せんぱーい?……むぅ、困ったでありますね
都合が悪くなったら直ぐに逃げる癖をどうにかして欲しいものであります」

【よく手入れされた、藍色の髪。濡れていることもあって、街灯や月光を眩く反射させているけれど】
【漏れる溜息。――――その表情は、何処か浮かない様子】
【背伸びをして辺りを見回すようにしてみるけれど、諦めた様子を見せれば再び踵を地に着けて】


「その内ひょっこりと顔を出すのでありましょうが……それじゃあ、色々と遅いのであります
全く……先輩にはもっと自警団としての意識をしっかりと――――――」

【よくよく見れば、腕を潜らせている物は自警団の一員である事を証明する腕章】
【――――となれば、“先輩”とは必然的に自分の上司の事なのだろう。辺りに居ない事を確認して、小言を漏らそうとすれば……】
【“ぐぅ〜”なんて間抜けな音。思いの外響いた音は、少女の顔を真っ赤にさせるには十分な要因】
【……幾ら自警団と言えども、この時間に少女が出歩く姿は其れなりに目立つ。何よりも、先程の腹の虫が一層存在感を引き立ててしまっていて】
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/01(木) 23:18:51.92 ID:lnYkjIAGo
>>320

【青年たちが意気投合している横で、ムクは相棒と変わらず抜けた様子の男だとか失礼な事を考えていたが】
【一方で、狂死郎や隣の猫から通常と違う、なにか『ただならぬ気配』をすでに感じ取っていた】
【しかしその事には特に口を出さない事に決めたらしく、棺桶の上にそのまま四本足で立ち上がり見上げてくる】

【一方の剛太郎は酒を断られたことを口を尖らせながら残念だなー、とか軽い調子で呟きながら】
【子供の様に感心した様子で、じろじろと彼の服装を見比べている】


へえ〜、そのカッコ魔眼封じなんだ、バステ技対策って事か?
デザインとか材質とかがまさにそれっぽく見えるな、退魔師の仕事着って所か?
俺の日ごろの仕事より大変そうだな、お疲れ様狂死郎

「一般的に魔眼と呼ばれるものはほとんどが魅了や石化といった厄介なモンを使って
来るからのう、そのほとんどが一時的な効果だが、防ぐ術があるに越したことはないわい
お前が日ごろ引きずっちょる物にも似たような効果はそなわっとる、覚えておくんじゃあ剛の字」


【そーなんだ、とほとんど執着無さそうな様子でポンポンと棺桶のふたを叩きつつレクチャーを受ける剛太郎】
【彼自身はほとんどこの礼装の効果を把握していないのだろうか?あるいはそういった部分をカバーするためにムクがいるのかもしれない】
【もしもムクの正体が狂死郎の察した通りならば、ほぼ間違いなく決まりだろう】

【そして、それは図星だったらしく―――ひょい、と剛太郎の前に出ながらムクは狂死郎の顔を見上げる】


「察しがいいな小僧、いかにもワシはしがない魔術師をやっちょるモンじゃあ
まあここからちょいと離れた所から魔術でワシの愛犬に言葉を伝えさせちょる
そういうお前さんが連れておる猫の方は……魔物の類、とワシの鼻が告げておるようじゃが」

へぇ〜、俺で言うムクみたいな……狂死郎の相棒みたいな物かな?


【この犬の性別は雌、その割に聞こえてくる声は初老の男性の物―――年老いた男の魔術師が声を飛ばしているのだろうか】
【剛太郎の方は特に猫の事を警戒する様子もなく、す、と手を前に差し出して手招きを始めた】
【近付いてきたら、喉でも撫でてやろうかという意図が感じ取れる……一見、得体のしれない相手でも特に物怖じしない気質の人間の用だ】
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/01(木) 23:50:11.80 ID:/294gbU80
【路地裏――壁に拒まれる突き当たり】
【道というよりは建物の隙間と言うのが正しいよな小道、月明かりだけがそっと照らして】
【つうと伸びる長い影がコンクリの灰に濃淡をひとつ加えて、――がっしゃんなんて、音がした】

あ――……、……崩しちゃった、

【――もしも誰かが音に惹かれてやってきたりしたならば。夜闇にぱっと舞うきらめきが、ひどく目立つはず】
【薄らと燐光を放って踊るのは無数の桜色の煌き、季節はずれに吹雪く満開のよう。黄緑色を衣のように纏って、】
【差し向けた手の白さにぞろり巻きつくように這う同色もあったなら――白蛇を従えたようにも見えた】

【路地裏の闇に溶け込む色をした髪、それなりの高さで纏め上げても長いなら、元は膝丈】
【場に舞う桜と黄緑の明かりを受けて艶めく両眼が黒と赤のオッドアイ、そうと注ぎ込む足元の先】
【腰元をコルセットで締めた黒のシャツと、編み上げのアームカバー。すらと伸びる指先ぎりぎりまでを包帯がくるんで】
【ふわぁと咲くように膨らんだスカートもまた黒いなら、足先までもがぜーんぶ、黒に包まれて】
【かつと汚れた地面を打つのがヒールの高いサンダル、飾りのチェーンがちゃらり、そっと夜に鳴くなら】
【――零す声が鈴の音めいた少女のもの。困ったよな口元に添える左手、薬指に指輪めいた、黒蛇の痣】

戻さないと駄目、かな、……――駄目、だよね?

【ふらりと足先を向けてみたなら。その先には、いくつか積み上げられていた木箱、ぐちゃらと散って】
【無事なものもあれば釘の折れて中身の散ったものもある、不思議なデザインの雑貨――傍の雑貨屋の在庫か何からしく】

んー……〜〜!

【口元からそっと指先を落とせば顎を通りすぎて首を撫でる、包帯で隠された細さに数秒触れたなら、】
【ようやく腰を折って伸ばす手。木箱にそっと指先を掛けて、持ち上げようと――していた、のだけれど】
【どうにも重さが細腕の限界を超えているらしい、ずずりと木箱の擦れる音ばっかり、夜に揺れていた】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/01(木) 23:58:08.79 ID:tbCNHv0O0
>>322
【己を労う言葉を青年から聞かされ、狂死郎は素直に礼を言って返しながら―――ムクのことを常に観察していた】
【ムクの身にまとう雰囲気からも、その豊富な知識からも、狂死郎はその正体に確信を持つ】

へえ、やっぱり当たっていたのか……それと似たようなことは僕にも出来るからね
僕達はそれを『式神』だとか、『ヒトガタ』だとか言ってるけど……ま、原理は同じだよ

【―――ムクの正体である魔術師が、どれほどの力量であるかはこの場で確認をすることは出来ない】
【だが、その言葉尻から青年の背負った棺桶の製作者であることを疑って】
【そうであるならば、少なくとも魔術礼装の作製において優秀な魔術師なのだろう、とあたりをつけた】

ん?この子の正体か……魔獣とはちょっと違うんだな、これが
実際の所、僕も正体を完全に把握しているわけじゃないんだけどね

「…………」

【側の黒猫の正体について問われた狂死郎は、胡坐を掻きながらどう説明しようかと頭を捻る】
【そうこうしているうちに、黒猫は手招きをする青年にゆっくりと歩み寄るが】
【近寄るに連れて青年が撫でて来ようとするのを知ったか、突然ぷい、とそっぽを向いて離れていってしまった】

あっ……残念だったね。ま、猫ってのはこの世でもっとも気まぐれな生き物だって言われているからさ、
そう気を病むことは無いと思うよ?―――おいで、ルーナ

「…………ニャー」

【青年にフォローを入れながら、狂死郎は振り向いて黒猫に手招きをし、その名前―――ルーナを呼んだ】
【呼ばれたルーナはそそくさと主人の下へと歩み寄り、一鳴きしてその背後に隠れてしまう】

【そして狂死郎の背後から今度は、彼に似た黒いコートに身を包み、腰まで届きそうなほど長く美しい黒髪を持ち】
【黒猫のものに良く似た、満月のような双眸を持つ幼い少女が顔を覗かせている】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/02(金) 00:21:32.42 ID:oz6fQFVso
>>324

【ムクの方は気にも留めず、ファ〜、と大きく口を開けて欠伸をしながら】
【彼の服装の袖口や懐のあたりを観察しながら、ややぶっきらぼうな口調で続ける】


「むしろこの手の偵察や伝達を担う使いを遠くに放つ術は、お前さんたちのような
陰陽の術を使う者たちが得意とするものじゃからのう、ワシの場合これが犬相手にしか使えん
まあ、開発中に騒がしい連中が訪ねて来られたら煩わしいからやっとるだけじゃしのう」

陰陽師って阿部晴明とかしか知らないな、ていうかムク思いのほかいろいろとかじってるんだな


【どうもムク自身は少々気難しい性格の魔術師なのか、人と会いたがらないらしい】
【そのためにこうして犬を通じて外界の人間と必要な話をしていると言う事なのだろうか】
【だがその割にムクは、割と頻繁に剛太郎の面倒を見ているらしい―――そこは剛太郎の人徳のなせる技か?】

【一方で、しばらく残念そうな顔をしていた剛太郎だったが……やがてルーナと呼ばれた猫が狂死郎の後ろに隠れ】
【再び姿を現すと、黒髪の少女が現れた事でおお!?と目を見開いて子供の様に驚いた】


女の子になった!?

「そりゃあお前、人に化けるくらいの事はしてもおかしくはないじゃろう
猫又も見たことがないのか剛の字?……まあこやつの場合は猫又とはまた趣の違う魍魎のようじゃが」

う、うーん……まだまだなじめない、俺も庶民気質が抜けてねーって言うか、なんというか……


【ややバツが悪そうに頬を人差し指でかきながら、彼は次に現れた黒髪の少女に目を向ける】
【人の姿こそ取っている物の、その気配はやはりまた別の生き物のそれであることが感じ取れる】

【奇妙で、しかしどこか可憐な雰囲気、どうしたことか緊張するが……しかし悪い気はしない、自然に笑顔を溢している】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/02(金) 00:22:32.80 ID:oz6fQFVso
/おっと、明日も早いので申し訳ありませんが続きは明日でも大丈夫でしょうか?
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/02(金) 00:28:28.03 ID:v/3W4v370
>>326
/全然かまいませんぜ!後で自分が返信しておきますので…
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/02(金) 00:31:01.25 ID:BYWQ0AWMo
>>323
/まだいらっしゃいますか?
/あまり長くは無理かもですが……
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/02(金) 00:33:10.10 ID:bHi72o8e0
>>328
/あなたの うしろに いるよ
/大丈夫ですよー!
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/02(金) 00:33:46.38 ID:oz6fQFVso
>>327
/あいです、明日も8〜9時くらいになるかな?
/ではおやすみなさい
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/02(金) 00:41:09.69 ID:BYWQ0AWMo
>>323
【路地裏の闇に咲く、黒と白のコントラスト。それを彩る桜色と黄緑】
【そして、黒赤のオッドアイと、黒づくめの服装と指の包帯。路地裏の闇において、くっきりと浮かび上がる】

【そんな幻想的ともいえる光景を踏みにじるかのように。周囲を取り囲む冷たい石壁に反響する重々しい足音】
【木箱が崩れる音に引きつけられたのか。足音の主は、突き当たりの入口に姿を現した】


【身長2メートルを超えているであろう、大男だ。角ばった顔つき、短めに切りそろえられた黒髪】
【薄汚れた灰色の作業着の上に、黒いラバー地のエプロン。路地裏の地面を踏み締める黒いゴム長靴】
【それだけを見れば、いつか寂れた裏町で遭遇した男であるとわかるかもしれない】

【そう、男の姿はあの時とは別物になっていた。両手の親指はドス黒く変色し、他の指よりも細長い】
【両耳も黒く染まり、形はひどく歪んでいる。そして、何よりその額。面積一杯に広がる、巨大な一つ目が埋まっている】
【本来の両眼も存在してはいたが、黒い瞳のそれらは生気がない。観察すれば、それらが義眼である、とわかるだろうか】


……久しい顔に会ったな。危険な場所をうろつくのも相変わらずらしい
私のことは覚えているかね? 以前会った時とは、面相が変わってしまったが……

【月明かりに照らし出される彼女の影を踏み、異形の大男はゆっくりと突き当たりの空間に踏み込んだ】
【拒まれることがなければ、そのまま彼女に近づき、落ちた木箱を太い両腕で掴んで】
【元の位置に積み直そうとするだろう。少女へ向けた意識は外さず】
【知った顔とはいえ、味方とは程遠い。下手をすれば、今度こそ溶かされるかもしれない】

さて、例の半魔は、とうとうこの世界から叩き出されたわけだが……
お前の因縁は、ケリが付いたのか?

【にも関わらず近づいたわけ。聞きたかったこと。単に野次馬根性に近いものだが】
【一つ目でじっとりと彼女に視線を送りつつ。大男はそう問いかけた】


>>329
/何やら背筋がぞわりと……
/ありがとうございます! お願いします!!
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/02(金) 01:12:47.38 ID:v/3W4v370
>>325
ハハハ!! ……おっと、失敬!!

【ルーナの真の姿を見て驚いた青年の様子を見て、狂死郎はいたずらっぽく笑ってみせる】
【―――実際、この姿を始めて見た人間はおおよそ青年と同じような反応を示すことを彼は知っている】
【つまり、この結果は彼の予想通りであり―――だからこそ、まるでいたずら小僧のような笑みを浮かべるのだった】

それじゃあ彼女の正体の話をしようか?
実は彼女は今“人に化けて見せた”のではなくて、“猫に化けるのを止めた”んだ
つまり、これが彼女の本当の姿で―――所謂、夢魔と呼ばれる魔族の一種だと僕は考えている

『…………』

【狂死郎曰く、猫の姿を取っていたのは魔力の消費軽減その他諸々の事情があってのことらしい】
【相棒として連れ歩く以上、少女の姿のままで居ることは色々とまずいこともあるのだとか】

【さて、その正体が分かったルーナであるが、もう猫の振りをする必要が無いと言うのに何故か無口で】
【しゃべれない、ということではないようであるが―――どうやら話をすることは苦手らしい】

ちなみに夢魔という種族はだね、多かれ少なかれ人にとって美しい姿で人を魅了するが……
それだけではなくて、意識せずとも常に人の心を魅了するための魔力を振りまいているものなのさ
―――つまり、そこの彼は結構ヤバイ状態なんだ。“悪意”は無いから心配しなくてもいいけど

『…………にゃん』

【ルーナの姿に魅了されている様子の青年を見て、狂死郎は一応ムクに忠告しておくことにした】
【―――放っておいても害はないのは確かだが、これ以上話を進めるには向かない状態だろう】
【狂死郎はとりあえず青年のことは放っておいて、ムクとの話を続けることにした】

【一方、ルーナは此方を見つめてくる青年に何か言わなくてはならないと思ったのか】
【話すことはしなかったが、口を開いて猫の鳴き真似をすることにしたらしい】

僕がどうして彼女を従えているのかっていうと……説明が面倒だな
ま、僕の一族が魔族との契約が得意な特別な一族だからってことにしておいて欲しい

それじゃあ今度は僕が質問してもいいかな?何、簡単なことだよ……
――――どうして君はあの青年に協力しているんだい?

【これ以上の説明は長くなる、と判断した狂死郎は適当に話を切り替えて】
【今度は自分が気になっていた質問―――老練な魔術師が、何故若造に協力しているのかについて問いただす】

【思えば先程から、ムクに対しても砕けた態度を取り続ける狂死郎だが】
【やはり目に映る姿が犬のままだと年上の実感が沸き難い、ということもあるのかもしれない】
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/02(金) 01:15:23.88 ID:bHi72o8e0
>>331

【ず、ざり、かしゃり、――引けば動く、動くけれど、ほんの数センチ持ち上げることも叶わないなら】
【幸いにも崩れなかった木箱の上に戻そうなんてどだい無理な話、(昔なら出来たとか、それこそ余談でしかない)】
【むうと拗ねたように瞳を伏せれば何が変わると言うわけでもない、――そっと指を離してしまう、諦めが漂って】

【――散らばってしまった分だけを拾おうと思った。そうして隅にでも寄せておけば、一応反省めいて見えるかと思って】

……、……――、

【ふわと膨らんだスカートの布地をお尻に沿わせてしゃがみこもうとした、彼が見るのはそんな頃合だろうか】
【ちょんと膝を揃えてすわり込んでしまえば大柄な彼からはきっと子どもみたいに見えるのだろう、ちっぽけで】
【――足音に気付いて。気配に気付いて。やがて姿を認めた、色の揃わない一対がじぃと彼を見上げたなら、】

ごきげんよう。

【ひとりで居たときに比べて僅かに視線が褪めるのは、彼の立ち位置を知っているからでも、かつてよりはいくらもましで】
【敵とも味方とも言い切れない関係の曖昧な危うさ、刃の上で綱渡りをするような――けれど、明確に警戒を示すでもない】

【(きらと舞う桜色だって。あの時みたいに敵意を持って示されるわけでもない、ただ、ただ、夜を彩って)】

【――持ち上げられた木箱の中で硬質の音がする、ずしと両腕に伝わる重さもあるなら、中身の想像も大まかにつくようで】
【ぱちと瞬いてその様子を見ているならば、僅かに驚いているようにも見えた。やがてふらと緩やかに立ち上がるなら、】

……覚えてるけど。今日は血のにおい、しないのね。

【こつ、こん――、ほんの僅かに取ろうとする距離が歩幅ふたつ分。指先が歪んだスカートの裾を撫で】
【そうと直していくのが毛繕いめいて平和な風でも、紡ぐ言葉が。どうしても温度差を感じさせるようで――】

あの後会ったよ、会ったけど――……お父さんのこと、リリアじゃなかったみたいだから。
ねえ、あの子、死んだの? シェンは殺すって言ってたけど……――

――……そう、あの時に居た男の名前も分かったの。いまね、同じおうちに居るよ? たまにお話するの

【――例の半魔といえば彼女だろう、ならば、かつて喉に小骨の掛かるように気にしていたこと、本人へ聞いて】
【いくつか気になることも聞いたりしていたなら、父親の違和感とは違うらしいと判断、ならばこんなにも緩やかで】
【それから尋ねてみるのがその顛末だ、何ともなしに洩らす名は、そちらとの繋がりもそうと示していた】

【――間に別の話題を挟んで。尋ねまでして。それで終えてから思い出したように付け足す言葉があったなら】
【緩やかに右往左往する話題の振れ幅、前の邂逅を覚えているならば辛うじて追えるだろうか、そんな、不安定】

【(夜を飾って煌く色がじりりと薄れ始めていた、敵意は見えないまま、やがて、消えてしまうのだろうか)】
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/02(金) 01:54:58.69 ID:BYWQ0AWMo
>>333
【大男の一つ目が、少女を見下ろす。誰かがこの光景を目にしたならば、間違いなく通報者だろう】
【オッドアイに下から射抜かれても、失われた両眼は動くことはない。代わりに視線を受けるのは、異形の一つ目】
【ちっぽけではあっても、やはりそこから感じられる魔力。たかが子供、などと侮ることはしない】

……ああ、ごきげんよう。月の綺麗な夜だな

【相手に合わせて、挨拶の言葉を返す。以前に比べて、それほどの敵意や警戒は感じない】
【なんとも奇妙な間柄ではあるが、奇縁もまた縁。大男のほうからも、油断はせずとも害意も感じられない】
【宵闇を彩る桜色が舞い散る。幻想的な美しさが、醜悪な大男とのコントラストを描き出す】


【木箱の重みと硬質な音。雑貨屋の裏手であることから、さして危険なものでもないか】
【それよりも、眼前の少女に意識はむく。少し驚いたような表情。立ち上がる姿もどこか優雅に】


光栄だな。忘れられているかと思っていたよ
私とて、起きてる間中、常に人殺しをしているわけではないのでね。今宵は、至って穏やかな時間を過ごしている

【彼女がわずかに距離を取るなら、大男もわずかに後ずさってから足を固定する。このくらいの距離が、お互いちょうどいいだろう】
【細い指先がスカートの歪みを直していくのを、見るともなしにみながら、大男もまた、言葉を紡ぐ】

おや、そうだったか。あれと対面してよく無事でいたな。いや、喧嘩を吹っ掛けられた、というわけでもないようだな
勘違いだったとはいえ、ケリがついたのなら何よりだ

……かの金獅子とも知り合いなのかね。存外に顔が広いじゃあないか
彼奴は……リリアは死んではいない。私も、討伐に加わっていたから間違いない
右耳は、私が吹き飛ばしてやったがね

だが、もう戻っても来られないだろうな。討伐隊との戦闘の後、彼奴と同郷らしい悪魔に捕えられたよ
悪魔の世界の刑罰がいかほどのものかは知らないが、罪状から考えれば、少なくとも数百年か数千年か
いずれにせよ、我々が再び会うことは叶うまい。私としては、ありがたいがね

そうだ、面白い話もある。あの半魔め、人前ではあんな姿をしておきながら……彼奴の正体は13歳の小娘だった
信じられるかね? かつては同じ悪魔に奴隷にされていたらしいぞ……あれほどの力を持った存在に、よくもやったものだ
悪魔も人間とやることはさほど変わらないらしいな

【彼女の読み通り、話題はリリアのことだ】
【彼女の起こした事件のことは、己の内にも刻み込まれている出来事だ。この件については、ずいぶんと饒舌になっている】
【父親への変わらぬ執着もまた、その言葉の端々から読み取りはしたが、表には出さず】

【ペラペラとまくしたてていた唇が、ふと閉口する。また興味深い話題が彼女の口から飛び出したからだ】


ほう、それはまた興味深いな。それも、同居しているとは
よければ、なんという名前の男か、教えてくれないかね?

【以前の会話、最後に告げられた情報。結局、自分ではたどり着くことが出来なかったが】
【そのわずかな話題の揺れに、大男の興味は向いた。それが、自分の知らぬ彼女らの関係に手をかけるものとは知らず】

【闇に浮かぶ魔力の色が薄れていくのを横目で追いつつ、大男は彼女の答えを待つ】
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/02(金) 02:47:15.76 ID:bHi72o8e0
>>334

【「お月様は見飽きちゃった」、なんて。首を傾げながらに紡いでみれば、ついと持ち上がる視線】
【終わらない夜の中に住まっていればどうしようもなく常に月夜だ、そうなれば夜の冥さがひどく馴染む】
【明るく降りてくる月明かりの根源を探そうとしてみても建物と建物の肩寄せあう中では、見えなくて】

……そうかな、覚えてるよ。自分のところの偉いひとのこと、わたしなんかに教えちゃうひと。
でも黙っててあげる、木箱いっこぶん――でもわたしたちの邪魔したら、ジュースにしちゃうからね

【やがて舞い下りる視線、それでも彼と話すなら、どうしても上目がちになる身長差】
【じっと見上げるのはどうにもそんな高さに慣れているような節がある、退屈したような指先が、もう片方の手を飾る包帯を弄んで】
【――黙っていると言う約束はどうやらきちんと守っていたよう、そして、木箱の分だけ、黙ると言う約束が重くなる】
【それでも。やはりこちらの縄張りに土足で踏み入ると言うならば剥くらしい牙は、想像しやすく紡ぐから――】

夢の中で遭ったの、それから、ちょっとだけ話して、……昔襲われたの、二年ぐらい前かな、
――カリナトゥスって知ってるかな、そいつと、シェンと……お前たちの卵、孕んだの

……でも約束を守ってくれたからいいの、シェン・ロンドは赦してあげたの。

【無事と言えば無事なのだろう、ただ、どうしても勝てないと思い知ったのはあの日のこと。もう、関係ないのだろうけれど】
【そんな話題が(彼女はその呼び名を知らなかったけれど)金獅子へと移ろえば伏せる視線、ふわと笑う口角の冷たさ】
【挙げた名は過去の記録でも漁れば出てくるだろうか、機関に所属していた人間の名、「たち」と連ねるなら、示すのは、】
【――やっぱり彼女は機関の味方にはなり得ないのだろう、それは、どこまでも、思い知らせるようで】
【(既に機関に居ないひとのみを指して言うのだから、尚更に強調するよう。互いにあけた距離間、埋まる日は、きっと、来ない)】

――生きてるんだ? そう、……数千年とか、よく、分かんないけど、――じゅうさん?
……そう、あの子、十三だったんだ、――そっか。

【そして半魔のお話。生きていると聞けば、少しだけの感情を示すのも、どうやら大丈夫らしいと思えば、ふわとほどけて】
【数百年も知らないのに数千年なんてもっと知らない時間の長さ、そんな先のことなんて、考えようとしたって、】
【――ならば、良く分からないなんて言葉が零れる。そんな風な考えごとをしていたら、どうにも、不思議な数字聞こえた気がしたけれど】
【(そっかぁなんてあっさり納得してしまう軽さ、自分だって年齢を偽っているから――だなんて、言わなくて)】

だってお父さんの弟だって言うの――……邪魔しないなら、いいかなって、
――月彗って、知ってる? お前たちのところ、居たんでしょう?

【彼女の持つひどく狂った天秤には何よりも重い存在が乗っている、ならば。紡ぐこと、少しだけ違和感めく】
【それこそ縄張りに踏み入る行為を受け入れたのだろうか、そっとあわせた両手、口元を隠すようにして】
【僅かに伏せた視線は或いは迷うようでもある、それでもやがて鈴の音が紡ぎだす名は、】
【――彼にしてみれば知っているどころではないだろう、ここで繋がる関係の輪っか、ならば、この少女、……姪?】

【ふたりの間にある関係を知らないならば大した感慨もなく緩く傾げるだけの首、左の手が添えるようにして】
【く、と。皮膚を押すようにした指先が少しだけ跳ねたなら、――痛むのだろうか、ゆるゆると両手ともがおなかの方まで落ちた】
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/02(金) 03:26:03.98 ID:63PXJ+QMo
>>335
【少女の言葉と視線につられて、角ばった顔が上を向く】
【常に宵闇の中を歩く人種である、という点では大男も共通している。暗闇にもまた住人はいるのだ】
【頭上から圧迫してくるかのようにひしめくコンクリート。あの日、巨塔の上からの景色を思い出す】
【自分たちの血みどろの戦いなど、等しく小さいと言わんばかりの絶景を。ならば、自分にはこの程度が似合っているか】

ハハ、それを言われるとぐうの音も出ないな
それはありがたい、人助けの真似事もやってみるものだ

……私としても、なるべくお前たちを敵に回したくないね

【彼女に合わせて大男も視線を落とす。見下ろす体勢ではあるが、自分から逸らされないオッドアイ】
【件の父親も、背の高い男なのだろうか、などと想像しつつ、包帯を弄ぶ指先を目で追う】

【守られていた約束には、素直にありがたく思い。最後に付け加えた言葉もまた、本心】
【己の居場所を守るためなら、彼女は手段を選ばないだろう。無闇に敵を作ることは避けたかった】
【機関員との邂逅を生き抜いてきたらしい、彼女が相手なら、なおのことだ】


夢の中とは。夢魔のようなことも出来たのだな、彼奴は
私がそうされなくてよかった。夢にまで出てこられてはかなわない

カリナトゥス。名前は知っている。かつての機関のNo.2。過去の資料を見るに、ずいぶんと恐ろしい女だったようだな
人道に対するありとあらゆる罪を犯した、とか……
しかし、金獅子とカリナトゥス、双方に襲われていたとは驚いた。思った以上の修羅場を経験しているのだな

(金獅子相手に、「赦してあげた」か……やはり、敵にはしたくない存在だ)
(だが、その頃から機関と敵対していたなら、あるいは参謀閣下とも……? あの御方の害になるなら、敵対を嫌がってもいられないな)

【彼女の内に宿る「卵」。現No.99に埋め込まれる以前から、あったということか】
【あの日感じた二重に見える魔翌力も、これに関連するものか、などと推測を重ねる】
【カリナトゥスのことは、名前と資料で確認できる範囲の所業しか知らなかったが、それだけでもその恐ろしさは察するに余りあった】

【そんな猛者たちとの戦闘を生き抜いた少女が、今目の前で、機関への絶対的な断絶を漸減している】
【彼女の言葉から、それを汲み取り、やはり自分だけでもその被害に及ばない位置にいたい、などと身勝手な思考に浸る】
【ただ一人、己が見込んだ男、その身への危害だけは及ばせるまい、と思考はそこで一時途切れる】


さすがに意外だったろう? 見た目も、年相応の華奢なものだった
……ずいぶんあっさり受け入れるのだな。まあ、いいが

【半魔の存命を聞いて解ける感情。父親が絡んでいなければ、さほどの激しさは見られない】
【彼女の受け入れの軽さに多少の違和感は覚えるも、まさか彼女も偽りを抱えている、などとは露知らず】
【そんな勘ぐりも、告げられた名前の前に吹き飛んでいった】


……知っている。よく知っているとも
驚いたな。ずいぶんと奇妙な縁だ……

そもそも、彼が――月彗さんが私にリリアの正体を教えてくれたことが、私が一連の騒動に関わるきっかけだった
月彗さんには感謝している。彼が教えてくれなければ、もっとろくでもないことになっていたかもしれない
リリアの討伐にも加わっていたよ。彼もまた、リリアにとどめを刺そうとはしなかった

お前の父親と月彗さんが兄弟、ということは……お前は月彗さんの姪に当たるのかね?
先ほどお前が言った「私たち」に、彼も含まれるのならば……
本当に、敵対は避けたいものだよ。彼と争うのは、本意ではない。恩義、という点では無論のこと、戦ったとして、まともにやりあうことさえ出来るかどうか

【彼女の縄張りにわずかに踏み込んだことすら今は意識から外れる。ここでその名を聞いたことは、それほどの驚きだったようだ】
【月彗に対しては、畏敬の念を覗かせつつ話す。、横柄な態度を取ることが多いこの男には珍しいことだ】

【迷いを含ませた視線や口元を隠す両手は、目ざとく視界に入れてはいたが。鈴の音の内容に不意を突かれたことには変りなく】
【腹部まで落ちる両手を一つ目で無意識に追いつつ、彼ら兄弟と眼前の少女】
【彼らとの奇縁に思いを巡らせ続ける。この広い世界で、奇妙なことだ、と】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/02(金) 03:28:23.32 ID:63PXJ+QMo
>>336
/すみません、訂正です
/今目の前で、機関への絶対的な断絶を漸減している→今目の前で、機関への絶対的な断絶を宣言している
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/02(金) 04:23:21.78 ID:bHi72o8e0
>>336

【敵に回したくないと彼は言う、土足で踏みにじられなければ敵にしたくないと思う、ならば、】
【ずーっと大きな機関総てひっくるめてしまえば違うのだろうけれど、今この場、たったふたりの中でなら、利害が一致する】
【――そういえば前もそんな約束ごとをした。敵でも味方でもない曖昧さ、埋まらない距離、そっと未来へ引き継ぐよう】

…………あのひとだいきらい。

【そんな表情がぐうと歪められてぽつり呟く声が低く低く褪めるなら、それは当然と言えるだろう】
【いい思い出があるはずもない。連想ゲーム染みて繋がる記憶の糸が齎すものだって、結局破綻へ向かうなら、】
【ふらと揺らす頭で総て断ち切るようにして黙りこむ、右手がぎゅっと首の細いのを押さえて――ぎり、と】

【(その名前は知らなかった。関わらないならば関わらないままで居たがるのは昔から同じ挙動、だから、知らない)】

【立てた爪が薄ぺらく包帯越しに皮膚を肉を掻く、自傷にもどこか似るのは、ただ、(最愛の手を思い出したかったから)】
【僅かに縒れてしまった部分があった。微かに覗く白肌、けれど、そこにあるのが傷口の鮮やかな赤色ではないなら、】
【赤紫色、紫色、黄色、鬱血した色。――まるで締められたあとに出来る首輪めいた痣のような、そんな、断片】

【――元からまぁるい瞳がもう少しだけ丸くなって、ぱちと瞬き。長く黒く縁取るのが、白肌にきっとよく映えて】
【元は同じ場所のひとたちなのだから名前ぐらいは知っているんだろうかなんて思ったのを、裏切られたなら】
【(お友達?)なんて微かに廻る思考、僅かに傾げる首はなんら意味はないまま、さらと結わえた髪が揺らいで】

――そうなの?

【同じ屋根の下に住まうとは言え、階下と階上、あまり頻繁に絡むでもないなら、お話したことも多くない】
【数度遊んで貰ったりしても彼がどんなひとかを定義するにはきっと足りない、紡ぐのは、どこか驚いたような、】
【(殺しそうなのに)なんて続きそうなのはひどく偏見めいた思考の偏りだ、当然その場の空気も知らないならば、余計に】
【ついと逸れる視線はそうなんだなんて記憶に混ぜ込むようで、少しだけの沈黙は、瞬きみっつ分ほど】

あんまりお話しないの、お部屋、遠いし……。……この前遊んでくれたけど。
お父さんがそうしろって言うならそうする、――でもそのうち出て行くって

【住所的には同じ、けれど、その間にはどうにも距離のあるよう。仲良しというわけではないようで】
【お父さんと呼びはすれ少女の左手を見ればどうにも曖昧に暈ける関係性は、必然的にその兄弟との関係までも暈して】
【――それでもそんな風に言うのなら。怨みそうな出会いだって、今では、そんなに悪い風でもないと分かるはず】
【(何にも言われなくたって、ふたりを害さない範囲で困っていたなら、きっと、気紛れを起こしてみるぐらいには、)】

【(そして。縄張りに程近いのをぽつぽつだって零していくなら、そんな気紛れ――信用と、少しだけ、似るのかも)】
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/02(金) 04:53:29.35 ID:63PXJ+QMo
>>338
【利害の一致。この大男にとっては、何より信頼に足る要素だった】
【曖昧で埋まらない距離感。しかし、それが互いのため。出来れば、このまま埋まらないままでいられれば】
【戦場で、命奪いあう羽目にならずにいたいものだ、と。大男はその未来を望む】

……よほど、嫌な思い出があることはわかった。お前も、災難だな

【柄にもなく、同情するような言葉すら滲ませる。会ったこともない女のことで】
【しかし、世界に名だたる邪悪、カノッサ機関の中において、「人道に対するありとあらゆる罪」に問われている】
【それがどれほどおぞましいことか、それくらいは想像できる。であれば、良い思い出などあるはずもないだろう】
【彼女の沈黙に、それ以上追及することもなく。右手が痛々しいほど強く締め付けるのを眺める】

【包帯の隙間から覗く、痣の片鱗。路地裏の闇の中でも浮かび上がる、鬱血色】
【首輪にも見える、その痣にどんな意味があるのかまでは知らないが。彼女の歩んできた道を示すものではあるのかもしれない】
【参謀に関わる懸念が杞憂に終わったことは知らず。勝手にいらう気苦労を背負い込む】


【丸い瞳がさらに丸く、ぱちりと瞬き。透き通るような肌の上で映えるその光景】
【実際には、友達とは言い難く、かといって敵というわけでもない、奇しくもこの場の二人に似た奇妙な関係であるのだが】
【彼女の傾げた首から、その思考を読み取るまではさすがに出来ない】
【ただ、自身の言葉に対する少女の反応には、一瞬面食らった】

……一般的には、父親の兄弟のことを叔父と呼ぶ
月彗さんは、お前の叔父に、当たるはず、なのだが……
まあ、あまり重要なことでもないのだろう

【彼ら二人もまた、大男の預かり知らぬところで、なんとも奇妙な距離感】
【知らぬ身では、彼女の内の思考の動き、その偏りはわからない】
【視線がそれて、瞬き三つ。その間に大男は、わからないことに思考を巡らせることをやめた】


お前と月彗さんも、また微妙な間柄らしいな……彼が遊んでくれる、というのは失礼ながら想像しがたいが
しかしそうか、彼も長居する気はない、と。ならば、また会うこともあるかもしれないな……

【この場の二人の間の交錯、それ以上に曖昧でおぼろげな彼らの関係性】
【霧の向こうであるかのように、大男にはそれを見通す術はなく】
【だがそれは、互いに敵対しているわけでもない、とわかるものでもあった】
【己の恩人と言うべき男に彼女が敵意を持たないなら。それはそれで大男にとっても悪いことではなかった】


……これまた、奇妙にも以前会った時と同じだな。話しこんでいたら、夜が明ける
私は暑さが苦手でね……日光にさらされる前にそろそろ御暇させてもらおう

なかなか有意義な時間だった。いろいろと聞かせてくれて感謝する
お前の父親にもよろしく伝えて――いや、よそう。私のような男と愛娘が二度も朝方まで会話していた、などと知れたら
下手をすれば八つ裂きにされかねない。やはり黙っておいてくれ

そうだな、代わりに月彗さんによろしく伝えておいてくれないか。無論、機会があればで構わない

【彼女の気紛れ、あるいはほんのわずか信用、それにこちらからも返礼】
【大男なりの真摯さでもって、今宵の邂逅に感謝の意を示す】

【やがて、日の光が月光の代わりに建物の隙間から差し込んでくれば】
【それを避けるように、大男は路地裏の奥へと身を向ける】


……それではな、鈴音。縁があれば、いずれまた

【最後に、彼女の名を呼んで別れを告げる。この奇妙な縁が、いつか何かをもたらすこともあるかもしれない】
【いつかと同じように、大男の巨躯が闇へ沈んでいく。もうすぐ、夜が明ける。また、この世界は回り出す】
【大男も、彼女も、彼女の父も、その兄弟も、他のすべても等しく乗せて】


/大変申し訳ない、そろそろ限界が近く……
/ここらで締めとさせていただきたいです。遅くまでお付き合いいただき、ありがとうござました!!
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/02(金) 15:44:05.61 ID:bHi72o8e0
>>339

【昔には嫌な思い出が多すぎる、それを分かっていて、分かっているのに、】
【どうしても過去ばかりに馳せてしまうなら、それも或いは歪みだなんて呼べるのだろう】
【未来はいつだって暗幕の向こう側で、そっと覗いてみたって、ひとつの明かりも見出せないなら、怖いだけ】
【――誰かに手を引いて欲しかった。そうすれば何も見えない中だって、歩けるような気がしたから】

【(だから、そっと自分の首を絞める。白肌に浮かぶ痣の中から、その手の残滓を探し出そうとするように)】

【堕ちて毀れた明かり、暗がりの中で見えるのはいつだって最愛ばかりだ、そういう視界へと、あの日、決定付けられたのだから】
【かたちない水のような性質に据え“られて”いた。堕とされた悪意の卵はぱっと鮮やかに散って染め上げた、ただそれだけ】

【(そして。孵った双子が巣立った今も、濁った水は濁ったまま、何かを違えて、戻れないまま)】

……多分そうなの、でも、違うのがいいな。

【――そんな暗がりの中で見間違えたのが始まりだった、似たような力に惹かれて、そう呼んで、】
【今だってそう呼ぶのに、けれど左の薬指に誓いを懇願したのが自分からなら、紡ぐ言葉に微かでも篭める意味があるなら、】
【主観だけでなら真っ直ぐ進んでいるような気がした、するだけ。傍からみればぐねりうねった道、気付けなくて】

――――分かった、よろしくって言っておくの。

【ようやく首から離れた手がふわと背面で組まれる、白い指を絡ませるようにして――僅か、目を細めるなら】
【どこか悪戯めいた色を孕むけれど――彼の命運を八つ裂きのほうへ緩く引こうとすることもない、ちょっぴり、思っただけ】
【同じ家の中だ、機会はいくらでもあるのだろうけれど。……まあ、期待半分ぐらいが、きっとちょうどいい】

次も、――そのままで帰れるようにしてね、そうじゃないと……――

【少しずつ遠ざかっていく背中、足音、投げる声はそんなに大きなものでなくとも、きっと夜によく響くなら】
【こんな意味合いを向けるのは何度目だろうか、「――溶かしちゃうよ」なんて、明確に示す言葉だって、鮮明に】
【次に会うときが殺し合う場でないといいな、微かに思うのは、狂った回路で平和を平穏を願う純粋の、かたち】

 【足元に散らばしてしまっていた雑貨のことをようやく思い出した。せっせと拾って、木箱に戻して】
 【結局家へと戻ったのはお日様の昇りきった後のことだ、それでも彼の地に太陽なんて、ないのだけれど】
 【寝る支度もそこそこに寝台へと潜り込んで、柔らかな枕に顔を埋め込んで、――どうにも平和に、夢を見た】

/というわけで遅ればせながら。おつかれさまでした!
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/02(金) 20:01:04.16 ID:lGmwAgtro
【カフェ;テラス席】

……やっぱり、死んだのか?
これだけ潜って欠片も引っ掛からないとなると……

【街路に行き交う車のライトと疎らな人の流れを見やるでもなく】
【手に持って眺めていた物を懐に押し込め、広い机に頬杖をつくのは】

【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、黒服姿の若い男】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

――……また、名前か男でも変えて生きてると良いが。

【一人ごちるように言って、珈琲を口に運ぶ】
342 :天 空 の 城 ラ ピ ュ タ [saga sage]:2013/08/02(金) 21:13:11.49 ID:ju07Szyh0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 公園】

「――――っ、ハッ!!」
……ッ、であぉっ!!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】

【互いに手に持つ棍と杖をぶつけあい、激しく火花を散らしている】

【居丈夫の懐に飛び込み、杖の先端で突き刺さんとする青年。それを身体の外側へといなし、風車の如く一回転する棍を叩きこまんとする居丈夫】
【上手く身を翻した青年は、バックステップでわずかに距離を取り、ゆっくりと身体を動かしながら、居丈夫の隙を窺う】
【――――再び飛び込んだ青年を迎撃しようとする居丈夫だが、青年はその棍を身体を逸らして回避すると、杖をわき腹目掛けて突き出す】
【慌てて居丈夫は、身を投げ出して刺突の一撃をやり過ごす――――相応に戦い慣れている事を思わせる流れだ】

「……なんだか、腕を上げたんじゃないかい? 今のが届かないなんて……」
そりゃこっちのセリフだぜ……フェイントの掛け方、上手かったんじゃねぇか? 下手な一撃出しちまったよ……

【――――魔術師然とした2人の、武器を操る格闘戦。人気の無い公園のその演武は、奇妙なものだった】



【――――所変わって、風の国 公園】

……今日は、ここで休むかな……
「(木から落ちないようにだけ、気をつけろよ?)」
分かってるよ……そんな事で怪我したら、嫌だもん……
<(……しかし、すっかり板に付いちゃったわよねぇ……今の生活……)>

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【公園の中にそびえ立つ、1本の大木の枝に身体を預け、身体を横たえている】
【地面からは、大人でも首を上に向ける程度には、高さのある場所で、普通に通り過ぎる程度ではその姿を見る事は出来ないだろう】

「(……ま、今日も一日ご苦労さんって事だな……もうゆっくり休んで、明日また、なんかの情報を探そうじゃねぇか)」
そうだね……その為にも、今日はちゃんと身体を休めておかないと……後、風邪とかひかないように、だね……

【だが、身体を休めている事もあってか、少女も気が緩んでいた様だ】
【タイミング良く近くを通りかかれば、あるいは木の上での少女の独り言の様な声が、聞こえてくるかもしれない】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/02(金) 21:49:40.99 ID:bHi72o8e0
【街外れ――倒壊しかかったよな廃ビル】
【ちょうど背面に薄ぺらの三日月を背負う立地、夜に長い影を落とす】
【周りに目立つ建物も少ないなら、朽ちた姿は余計に目立つようで――】
【――柵の外に立つ影がひとつあったなら、余計に、誰かの視線を惹くのだろうか】

わあ、高ッかい――。

【夜空の色に溶け込むよな冥い黒髪が風に踊るなら、膝丈の長さ、そのシルエットを隠し込むよう】
【白磁に埋め込んだ宝石のような黒赤のオッドアイは眼下についと落とされて、時折ぱちくり瞬く】
【白いワイシャツに重ねたジャンパースカートの深い赤色、編み上げた胸元で、ふうわりとリボン飾りが揺れて】
【黒のフリルで縁取ったスカートが膝上の短さ、――下からならば覗けたかもしれないとは、ひどく余談でも】
【ひとがようやく立てるほどの狭さをヒールの高いサンダルが踏んで。飾りの鎖がちゃりと微かに鳴いた】
【首と両手にくるり包帯が巻かれていたなら怪我でもしているのだろうか、呟く声の高さ、少女のもの】

あ、……――綺麗、かも、

【高い水準で紡がれていく声、金属質めいた余韻を残すなら、どこか鈴を鳴らしたような声音、夜に良く抜けて】
【ふわと手を伸ばしてみたならば――遠くに見える街明かりの夜景、そっと指先で掬い上げるように】
【けれど当然届かないならばそれすら楽しむように笑い声を零す、――近場で見れば、そんな、平和なのだけれど】

【――遠目で見たなら、どうしたって志願者めいて見えるのかもしれない、なんて】

【(そして。そんな少女の纏うもの、どこまでも澄んだ水の魔力と、ヒトから外れたモノの気配。隠さないなら、きっと、よく目立った)】
344 :パズー「ああ・・・」 [sage sage]:2013/08/02(金) 21:51:49.31 ID:8Q7gr/61o
>>342

【ふらりと人影が差したのは、後者――】
【風の国での閑散とした夜の公園での出来事】

【なんの運命でもなくただの偶然で木の下へとやってきた男は少し奇妙な出で立ちをしていた】
【夜闇に飲まれぬサイケデリックな原色の赤毛を、後ろで一本の尻尾のように伸ばした髪型】
【フードの付いたダークスーツと、髪と同じ赤いシャツという格好は売れないホストを思わせる】
【けれど一番奇怪なのは顔――彼の顔面には一つ目の書かれた布が張り付けてあるだけだった】
【ホストというにはあまりにも奇怪な男は、何かを探すようにあたりを見渡している】

【……彼の訪れた、ほんの数秒後】
【少女の乗る枝に相席するように、ぶにゃりと乗り込む影があった】
【それは野良猫にしては丸々と太った猫。白い毛並みも艶やかで、憎たらしい顔だちをしている】
【にゃーご、と一つ低く鳴いた[ピザ]猫の声にばっと上を向いた男は、おそらく彼女も予想出来ただろう言葉を吐いた】

――ッあぁあ!見付けた!ようやっとだ!
お嬢さん、ソイツ、捕まえてくれ!


/まだいらっしゃいますかー
345 :パズー「っくっは、っは、・・・うっ・・・う、う・・・。」 [saga sage]:2013/08/02(金) 22:01:02.85 ID:ju07Szyh0
>>344

じゃあ……今日もお休み……――――――――っ、え!?

【身体を横たえ――――正確に言えば、斜めに反る様な恰好だが、そのまま眼を瞑って眠りに入る準備をしていた少女の下に】
【猫と、同時に男の声がやってきて、少女は驚いた様子で身体を起こして状況を確認しようとする】

「(猫……アイツだぜ!)」
あ……えっと……っ、……!

【そうして、眼下の男が枝に乗っかっている猫を探しているのだと把握した少女は、枝から落ちないようにゆっくりと姿勢を整えると】
【ガシッと猫の身体を、その両手で抑えつけて持ちあげる】

よしっ……!
――――っと、この子ですか?

【腕の中で猫が暴れないうちに、少女は枝からそのまま飛び降りると、先ほどの声の主と思われる男の元へと猫を差し出す】
【せっかく休もうとしていたのがおかしな事になってしまったが、ともあれ少女はその声を無視する事など、するつもりは無かったのだ】

(…………っ、え……なに、この人……?)

【だが、真正面から見た男の顔に、思わず少女は顔を顰める】
【奇妙なマスクをしている様な男の姿に、不信感が心の中で顔を覗かせたのだ】

/ぎりぎり残ってました。ただ、ちょっと短めになるかもしれないです
346 :おばあさん「『リーテ・・・ラトバリタ・・・ウルス。アリアロス・・・バル・・・ネトリール。』」 [sage]:2013/08/02(金) 22:06:51.82 ID:oz6fQFVso
>>332

【猫ではなく少女の姿の方が本当の姿らしい事に剛太郎は感心した様子で眺める】
【抜けたような声で、きょろきょろとルーナの身なりを見ながら腕を組んで頷いている】

【そして、夢魔の魅了の魔翌力については、ムクの方を見ながら素直に感心した様子のまま少女を指さし】


へぇ〜、俺魅了されてるかもしれないんだってさ、ムク
言われてみれば俺確かにこいつの事気に入ったな……うん、可愛いと思うよ!

「魅了……されとるのか?こいつは
見た目普段とあんまり変わらんから違いが分からんわい……あれか
『馬鹿は風邪をひかない』と言うが、実際は馬鹿だから風邪引いとる事わかっちょらんのと同じか」


【にっこり笑いながらひとまず今の感想を述べている剛太郎、何から何まで素直な男だ】
【ムク自身も、あまりに日ごろと変化がないので呆れ果てたようにフー、とため息を突いている】
【この剛田 剛太郎という青年、そこぬけに素直な性格のようだが、なんというかちょっと天然気味だ】

【深く考えない事にしたムクは、ひとまず狂死郎の言葉に答えを返す事にする】


「なるほどのう……比較的話の通じる妖物の類と手を組んで
そやつらの術を利用して退魔を成す輩はこれまでに何度も見かけた、お前さんも
それらの類じゃろう?」

俺もはか……じゃなくて、"WILD"にそういう力を持っている奴らの話を聞かせてもらった事があるよ


【そしてもう一つ、狂死郎の問いかけた疑問に対しては、非常に困った様子を見せながら】


「……うーむ、なんでじゃろうな、実の所ワシもようわからん
奴と初めて出会ったのは二年前、よくわからないうちに手を組むことになっちょったわい……」

ムクとは俺が二年前日本からこの世界に飛んできたばかりの頃に出会ったんだ
こっちに飛ばされた奴らを探して旅をしてた頃にさ、右も左もわからなかった所をいろいろと教えてもらったんだよな


【あの時は助かったぜ〜、なんて頭をかきながら律儀に教えてくれたが】
【今彼は確かに言った、この剛太郎……日本から飛ばされてきた来訪者だったのか?】

/ではお返事いたしますー
347 :ドーラ「おばさん、もっと寄せて!」 [sage sage]:2013/08/02(金) 22:17:44.82 ID:8Q7gr/61o
>>345

【[ピザ]猫が重低音で甘えた声をあげるのは、やはり相手が女の子だからなのか】
【暴れる素振りなど微塵もなく腕の中に納まった猫はなかなかの重量で媚を売っている】
【一方、男はというと彼女が捕獲する様子を見ていたのか、万歳と両手をあげていた】
【喜ぶにしてはやや古典的といえ素直な表現だった】

わーい、ありがとう!
いやぁコイツ、ほんっと男嫌いでさぁ。女の子じゃないと捕まらないんだ。
しかしこれで怒られなくて済む。ほんと、ありがとね

【身長140程度の彼女に180以上あると思われる男がそのまま絡むのもあれかとおもったのか、】
【膝を折って僅かに高さを調整しつつそんな裏話を吐露する男は、声からして笑ってるらしい】
【けれど一つ目のぎょろりとしたシンプルなイラストに隠された顔は露出せず、】
【奇妙な気持ち悪さは確かに相手を警戒させるだけの不気味な何かが潜んでいた】


/ありがとうございますー。よろしくお願いします!
348 :天 空 の 城 ラ ピ ュ タ [saga sage]:2013/08/02(金) 22:28:26.32 ID:ju07Szyh0
>>347

(うーん……ちょっと、可愛くない、かな……?
どら猫の声……本当にどら声って言うんだ……)

【抱きあげた猫を一瞥して、微かに少女はそんな事を考える】
【割合太っている猫の体型はともかく、低めのその鳴き声があまり少女には受け入れられなかった様だ】

……?
……あなたの飼い猫じゃ、無いんですか……随分、人に慣れてる感じがしますけど……

【猫を差し出しながら、少女はそう問いかける】
【暴れる事を危惧してさっさと差し出したのだが、さほど暴れる様子も見せない】
【男の言葉通りなら、割と『人を見る』猫の様で、それでいて自分の飼い猫じゃないと言うのは、不思議に思えたのかもしれない】

(……やっぱり変、だよね……普通の人は、こんなマスクしないよ……?)
「(って事は普通じゃねぇって事だ……ま、猫連れてなにする訳でもねぇだろ……ちょっと心の準備だけしときゃ、十分じゃねぇか?)」
<(……そうね。とりあえず、何かが起こるとも限らないわ……そこまで警戒しなくても、今はまだ大丈夫じゃないかしらぁ?)>

【――――何とか表情を繕いながら、少女は内心で男に対する警戒心を、少しづつ強めていった】
349 :天 空 の 城 ラ ピ ュ タ [sage saga]:2013/08/02(金) 22:42:19.33 ID:eGiZzH66o
>>348

【受け入れなくてもなんのその、「我可愛いじゃろ?メロメロきゅんじゃろ?」というように】
【可愛さを押し売りしてくるデブ猫は、彼女のことがとてもとてもお気に召したようだ】
【そんな様子を外に男が取り出したのはペットを持ち運ぶための専用バック】
【「ありがと」と緩めの礼と共に受け渡された猫を即座にぶち込み、鍵を掛けてしまえば】
【フギャーだとかグニャーだとか、事情を知らない人には虐待と思われそうな声をあげて】
【彼女の同情を引くように泣き喚くデブ猫を一瞥後、無視しはじめた】

いーや、違うよ。私の贔屓にしてる飲み屋の女将の猫なんだ。
だからほら、ね?捕まえられないとまずったんだ。

【警戒を強められていることに気付いているのか、ないのか、或いはあえて無視してるか慣れなのか】
【態度を全く変えぬままでありがたそうに再三お礼を言ってようやく立ち上がった青年の背後】
【腰のベルトから伸びた二本の紐で、太股半ばあたりの場所に刀が括りつけられていた】
【一見すればただの刀だが――詳しく観察すれば柄と鞘の太さが合わないのがわかる】

あ、そうだ。お礼がいるな。
飲み物でよければ奢るけど、どう?

【さも親切を装っているようにも、ただの馬鹿のようにも見えるが、不審者なことに違いはない】
350 :天 空 の 城 ラ ピ ュ タ [saga sage]:2013/08/02(金) 22:56:07.37 ID:ju07Szyh0
>>349

(……あーあ……なんだろう、これ……よっぽど家に帰るのが嫌なんだろうなぁ……)

【捉えられ、それこそどら声を響かせる猫の仕草に、どこか呆れにも似た感情を抱く少女】
【ケースに押し込められるのは大抵の猫の嫌がる事なのだが、その度合いが桁外れている】
【下手に関わらない方が良いかもしれないと、無意識に少女は視線を向ける事を止めていた】

あ……なるほど、頼まれたんですね……
……飼い主が女性の方だから、男の人に慣れないんですかね……?

【頼まれた相手、と言うのを聞いて、少女はそう考える】
【人を見て態度を変える猫なら、そうした分別を持っていたとしてもおかしくは無い】
【その原因は、飼い主から既に始まっていたのかもしれないと、そう思って】

(……っ、刀……!? ……でも、護身用に持ってても、おかしくは無いよね……?)
「(……いや、なんかおかしいぜアレ……?)」
(そ、そうなの……?)
<(……少なくとも、ただの剣じゃないわよねぇ……まぁ、剣の素性は持ち主と必ずしも繋がる訳でもないだろうけど……)>

【ともすれば見逃しそうになるその違和感を、少女の中の『何か』が正確に捉える】
【何でも無い顔を保ち続けている少女の、心臓の鼓動が少し早まった】

え……でも、大した事してないですし……――――じゃ、じゃあ、そこの自販機で何か、頂ければ……

【ただ単に猫を捕まえただけで、少女は大した事をしていないと遠慮する態度を見せたが】
【野外に寝ていて疲れたのか、あるいは単なる気まぐれか、公園の隅にある自動販売機を指さした】
351 :天 空 の 城 ラ ピ ュ タ [sage saga]:2013/08/02(金) 22:56:58.77 ID:v/3W4v370
>>346
【自分の魅了の魔力のお陰で話がこじれてしまったことを感じ取ったのか】
【ルーナは狂死郎の表情を伺いながら、再びその背後に隠れてしまった】
【終始無口で無表情な彼女だが、感情が存在していない、というわけではないらしい】

ん?――――ああ、そういうことか……気にしなくてもいいのに
でも、僕がちゃんと契約を履行していることを証明するついでに、君を帰還させようかな

【そんな彼女の様子を見てか、狂死郎は慰める言葉をかけながら、パチン、と指を鳴らした】
【その瞬間、ルーナの体は無数の光の粒子となって消え――――その足跡だけが存在の証明として残った】

と、言うわけで君の言うように僕もそういった退魔師の一人なんだけど……
何人か会った事があるってのはすごいね!! 僕は一族以外にそういう人に会った事がないや

【狂死郎は改めてムクの豊富な知識に感銘を受け、称賛を送る】
【そして今度は青年の方へと向き直り、じろじろと観察をする】

ふ〜ん……ま、悪い奴ではないってことは分かるし、何か協力したくなる気持ちも分からないでもないかな?
――――それで、日本って言ったっけ? 知らない単語だけど……異世界からの来訪者ってのには会った事がある
思い出せば……そうだね、色々と君に良く似ていたよ。特に君の素直で(馬鹿)正直なところとかさ

【異世界からの来訪者――――そう青年から聞かされた狂死郎は静かに以前あった男のことを思い出していた】
【その男は“正義の味方”と呼んでもいいほどの素直で、馬鹿正直な男――――“だったようなのだが”】
【狂死郎がその男と知り合ったとき、彼は“己の正義”に押しつぶされそうになってしまっていたのである】
【目の前の青年が彼と同じ道を歩まぬように――――願わくば、彼もまた本来の自分を取り戻してくれるように】
【心の中で密かに祈りながら、狂死郎はひとまず話を続けることにした】

ま、日本のことはどうでもいいや……どうせ行く事も無いだろうし
僕が気になったのは、君の現在の仕事だよ。王立図書館の警備員だっけ?
どう考えても君がなれるとは思わないし……それに、警備員にその装備は過剰すぎないかな?

【狂死郎が気になっていたのは青年の“現在”――――未来へと繋がる道である】
【先程から長いこと頭を捻ってはいたものの、どうしても分からないことが多すぎるのだと彼は言う】
352 :天 空 の 城 ラ ピ ュ タ [sage saga]:2013/08/02(金) 23:08:18.85 ID:fywJhmLS0


【波の音だけが聞こえる海岸――――しかし、其処は普通の海に面していないと有名で】
【冷たいわけで無く、逆に心地よい暖かさを秘めているとの噂。よくよく見れば、湯気だっている事が分かるだろうか】
【一人ぽつんとその浜辺に座り、月を眺める姿が一つ在って】


「……そんなに、心配しなくても……大丈夫です……
えっと……多分、悪い人だって居ませんから……えっと……へ……?
そ、そんな……せ、世間知らずなんかじゃ……無いです……」

【巫女装束を纏った、少女の姿。狐の金色の毛並みを持った狐の尾や耳も見え隠れしていて】
【――――辺り一面に漂うのは、妖気。所謂、妖狐の其れなのだけれど】
【近くに人が居る訳でも無し。それでも、呟くのは独り言とは遠く、まるで誰かと会話している様】


「……沙蔓は……心配しすぎです、よ……?
大丈夫です……ちゃんと、直ぐに戻りますから……」

【小さな溜息が一つ。申し訳程度に辺りを見回すけれど、直ぐに視線は海へと戻されて】
【歳にしてみれば、恐らく十七前後。だけれど、誰か居る訳でも無いのに常に不安そうに眉を八の字にしていて】
【――――其れなりに有名なこの場所。この時間に訪れる者が居たって、何ら可笑しな事は無い】








【薄暗い森の中。がさがさと動く影が一つ】
【濃い青色をした其れを纏っている所を見れば――――修道女であろうか】
【月の光を鋭く反射させる銀の髪。困った様に、ウロウロとさせる双眸】


「あの……そろそろ、離れて貰えませんか?
私も飼いたいのはやまやまなのですが……あなたを育ててあげれるだけのお金も無いのです
それに、野生のままの方があなたにもきっと……と言っても、分かりませんよね」

【悩みの原因。其れは、頭の上で丸まっている奇妙な生き物】
【ふわふわとした毛並み。まるで、ハムスターの様にも思える外見】
【眠っているのだろう。時折心地よさそうな小さな寝息が聞こえて】


「このままこの子を置いて行くと、獣や魔物に食べられてしまいそうですし……
かといって、連れて帰るわけにもいきません。……どうしたものでしょうか……」

【その毛玉を乗せたまま、ウロウロとする姿は何とも滑稽】
【時間も時間。そしてそんな奇妙な行動が合わされば、自然と目立つ事になろうか】
353 :天 空 の 城 ラ ピ ュ タ [sage saga]:2013/08/02(金) 23:10:38.76 ID:C2gQpwGYo
>>350

【その正体がただの若い子が大好きな老デブ猫と知ったら彼女はどうするだろうか】
【小煩いカバンに布をかけて光を遮断し、内部を夜と同じにする手段を実行しながら】
【呆れたような彼女の目に此方も同感だとおもってしまった】
【猫だって抱かれるなら若くて可愛い女の子の腕がいいんだろう。そういう話だ】

そうらしいよ?
まぁ捨て猫だったらしくて拾われるまでに男になんかされたのかもしれないがね。

【ふわりと風が吹いて顔を隠す布が揺れるが絶妙な角度で輪郭を隠し通すそれの下で】
【どうやら微笑んだのだろう――柔らかくしなる声だけならば、好青年もいいとこなのだが】

【腰に差されていない刀は細く長い】
【見落としそうになる違和感の原因はわからないが、なにか一般のものとは異なるのだろう】

うん、わかった。
どれがいい?

【コレが盗まれることなどないだろうとあっさり猫のケースを放置して自販機に近付けば】
【並ぶ数々の飲み物を前に、財布を出しつつ問いかけて】
354 :アンリ「ママ、見て!釜の底が抜ける・・・!!」 [saga sage]:2013/08/02(金) 23:23:12.46 ID:ju07Szyh0
>>353

(……まぁ、良いかな)

【内外の光を完全に遮断されると、少女の興味も薄れていく】
【いずれにしろ、この猫とはもうそうそう顔を合わせる事もないだろう】
【――――変な懐かれ方をされても、少女としても困るだけなのだ】

……捨て猫なんですか
道理で、良く人を見る訳ですね……最初から飼い猫よりも、賢いはずですし……

【それは事実だ。野良は野良なりの目端のききと言うものを持っている。ある種『野生の感』と表現されるものに、非常に近い物だ】
【そうした感覚を持っているなら、敵味方を明確に区別する感覚も持ち合わせているはずで――――と、少女は1人で納得していた】
【ただの好色猫とは、終ぞ知らないのだから無理もないのだが】

「(……へっ、変な業物を使いやがるとはよぉ……)」
<(ま、危ない所に踏み込んじゃう前に、穏やかに済ませちゃうのが吉かもねぇ……敵対する理由を作らせたら、厄介かもよ?)>

【奇妙なマスクに、奇妙な刀――――その人となりがどうしても怪しく見えて来てしまう以上、警戒するのも無理からぬ事だった】

じゃあ……このオレンジジュースを頂けますか?

【少女が選んだのはペットボトルのオレンジジュース】
【缶飲料とは違って、一時的に蓋をして持ち運べるものを、という理由で選んだのだろう】
【――――ちょっとした手伝いの代償としては、妥当と言ったところだろうか】
355 : いつかきっと出逢う 僕らをのせて [sage]:2013/08/02(金) 23:30:58.20 ID:6cRTaVf/o
【とある公園】

【夜の帳の中に暑い熱気は閉じ込められていて】
【結局、日中とそれほど暑さは変わらなかった夜】

降りるとあっちぃなあ……どうなってんだ夏ってやつは

【ぶつくさ言いながら公園を歩く男】
【男の横にはクラシックタイプのバイク。エンジンを切って手で押している】
【しかし、サビつき具合やその漂う雰囲気からただ古いだけという感じがある】

【サングラス、白いシャツ、ダークブルーのネクタイ、10ホールの黒いブーツ、ダブルのレザージャケット】
【ジャケットのファスナーはフルオープンで。男は気怠そうに髪を掻き上げた】

ったく…煙草吸うだけでバイクに乗るとはな…今日はついてない
酒を飲みに行く暇なかったし……暑いし

【この辺りで公共の喫煙できる場所は今は此処ぐらいしか無い】
【しかし、公園は木々のお陰で他よりはまだギリギリマシな程度には涼しい】
【寝付けない人々がここを何となく歩くには丁度いい】

【男は灰皿のあるベンチにたどり着くと、バイクをとめて】
【煙草の箱から一本取り出して、これまた古そうなライターで火をつけた】
356 :キーワードは「バ ル ス」 [sage saga]:2013/08/02(金) 23:35:37.58 ID:yd78iIRBo
>>354

うん、まぁそういう部分もあったと思うけど。
あの猫に好かれたってことはお嬢さんは悪人じゃないって感じかな。

【好色猫だから決してそういう類の証明にはならないが、そういうことにしてしまって】
【どれだけ警戒されようとも言葉の端々から彼女と、少なくともいまだけは友好的に過ごそうという】
【温暖な気配がそこには先程から確かに存在していた。――人攫いの手段と言われれば返す言葉はない】

【圧倒的に警戒されていることに気付いてないのかわからないが】
【少なくとも歩く度に太股をべしんべしんと打ち付ける刀の持ち運び方は怪しいとか以前に利がひとつもない】
【……時たま膝裏にぶつかりグラっと体勢を崩す姿は馬鹿としかいいようがなかった】

【趣味的変人のような有様の青年は、けれどどこまでも親切に振る舞おうとはしているらしく】
【言われるままにオレンジジュースのペットボトルを、サイズの大きい方を選択して購入した】

はい、どうぞ
お嬢さんはアレか、旅人とか?

【それをなにか仕込む隙など作らないように手早く渡す仕草は、たぶん自分の怪しさを自覚しているからだ】
【向けた雑談としての話題は、当たり障りもなくなんとでもできる程度のもので】
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/02(金) 23:49:56.09 ID:ju07Szyh0
>>356

うーん……どうなんでしょう?
動物って、そこまで人を見る訳じゃないと思いますよ……?

【動物が見るのは、『自分にとって』有害か無害か、と言った側面だろう】
【決して、先ほどの猫の反応だけで、自分の立場が証明された訳ではない】
【――――別に、自分が善人だと言う事を否定したい訳でもないのだが。ただ、ここで謙遜するのもおかしいので、敢えて黙る事にしたのだ】

あ……ありがとうございます……

【ペットボトルを受け取り、すぐには封を切らず、ギュッと大切そうに手の中で握り締める少女】
【流石に、渡されたそばから飲み始めるのははしたないと、そんな事を考えたのだろう】

(……どう答えるかな……?)
「(……ハッキリ言って、この男に本当の事を話すのは良くねぇと思うぜ?)」
<(そうね……手放しで信頼できそうもない状況だし、適当にお茶を濁しちゃいましょう?)>
(……うん、分かった……)

【振られた言葉に、なんと答えるべきか逡巡する。のっぴきならない事情があると言えばそうなのだが】
【しかし、少女はまだ男の事を完全に信用できないでいた。その奇妙ないでたちを思えば、当たり前と言う事も出来るかもしれないが】
【……その事情については、口外しない事に決めたようだ】

……はい。取り立ててどこかに行くアテは無いんですけど……あちこち回っています……

【放浪していると言う意味では、それは一面では本当だ。雑談らしく適当に調子を合わせる事にした】
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage]:2013/08/02(金) 23:50:46.88 ID:Q4oTUExLo
>>352
まだいらっしゃいますでしょうか?
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/02(金) 23:55:32.61 ID:oz6fQFVso
>>351

【ルーナが帰還してしまった後の痕跡をしばらく見続けていた後、狂死郎の方を向き】


ここ2年各地を回っていたからな、ムクが昔競っていた間柄の魔術師仲間と会った事もあるぜ
俺と同じ日本から来た人たちにも会ったよ、もともと俺は7年前に跡形もなく消えちまった心の友を探すため
日本でその事件を調べてたんだ、でもこの世界に飛ばされた俺の心の友とも再会できた

……片方1年半くらい前に生死不明になって、もう片方公然わいせつ罪でブタ箱に叩き込まれたけどな
ツッコんでもいいんだぞ?『片方何やってんだよ!』って


【自分から言ってツッコミ待ちをしてしまうあたり、芸人の才能はなさそうな剛太郎だった……】
【しかし、一方で彼のいろいろな疑問に答えるべく、うーんと頭を捻りながら順序立てて説明しようとする】


うん、まず最初はムクとか利織とかの口添えで魔術協会の図書館に面接させてもらう事になって
みごと就職はできたんだけど、去年の終わりに異動になってさ……さらに重要な書物がある図書館ってんで
もっと気合を入れて頑張ってくれよ、と言われて今に至る感じ

で、装備だけど……これはムクに預かれって言われてるんだ、本来ムクが渡すつもりだった
昔の友人の吉川さんって人が亡くなってた事が分かったからさ……まあぶっちゃけ、あって困る事はないけど
俺自身は無くて困るわけでもないなあ、俺には母ちゃんから十年叩き込まれた葉隠の武術があるし


【ぐ、と自身の右腕の力こぶに左手を添えて力強さをアピールする動きを始める剛太郎】
【どうも彼自身には戦いの心得があるらしく、警備員に推薦してもらったのは彼の実力を買われたからという背景があるようだ】

【しかし、彼の説明を聞いている途中でムクがムッとした様子で首を突っ込んで来た】


「なんじゃと?生意気な口を聞くのう剛の字!お前の貧弱な田舎武術だけでこの殺伐さあふれる世を
渡っていけると思っちょるのか?機関のイカレ共にハイカラヤクザ者、後あの「くれむりん」とかいう怪人共!

純粋な武道の試合でもこの世界に来た最初の年に、水の国の旧闘技場で鬼の大女に叩きのめされ、
今年の大会でも異人の小娘の銃にねじ伏せられたばっかりじゃろうがこの未熟者の若造が!」

な、なんだようっせぇな!そりゃソニアたちがその時の俺より実力が上回ってたんだから仕方ねぇだろ!
悪かったなまだまだ未熟者で!


【途中から、ムッとした様子で剛太郎とムクがにらみ合いの言い合いになってきた】
【一応止めた方がいいかもしれない】
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/03(土) 00:05:19.59 ID:aghwp+rRo
>>357

見るよ、それなりに。
少なくともこんな怪しいカッコの男よりはお嬢さんのが好かれるって。

【幸い、自覚症状はあったらしい】
【礼を言われてへらりと笑ったような気配のあと、自分も同じ飲み物を購入すれば】
【さり気なく気遣いとして、彼女にベンチを指し示すだろう。無視するのも別に構わない】

【内部での相談を聞いているわけがないのにどこか苦笑が滲む様子で肩を竦めた男は、】
【再び彼女と視線を合わせるように腰を屈めて一つ問いかけた】

私、警戒されてるかい?

【ド直球、隠し玉無しの問いかけは、そこまでの攻撃力はないはずだ】
【だって怪しいのだ。怪しいものを怪しいと答えて、彼女になんら非はない】
【どう?どうなの?と答えを聞きたそうに促してくる男の腹の中といえば、】
【ただ単に、そこまで警戒されると切ないというだけのものだったりするのだが】
361 :358 [sage]:2013/08/03(土) 00:16:08.23 ID:6i/ri56Go
>>352
いないようですね
またの機会でお願いしますー
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/03(土) 00:18:58.32 ID:ShNg0PeC0
>>360

あ……あはは……そ、そうですかね?

【自分の恰好をハッキリと『怪しい』と言い切った男に、つい乾いた笑いが漏れてしまいながらも、少女は返答を詰まらせていた】
【これまで、全くその事に触れてこなかった以上、本人としては正常なつもりでいたのかもしれないと思っていて】
【全く唐突に、しかも相手を立てて自分を下げる形でその事に触れられては、返す言葉も見当たらかなかったのだ】

――――っ、え……!?
「(……っ)」
<(……不味いかしら、ね?)>

【そんな『当たり障りのない会話に専念』していた少女に対する、男のハッキリとした問い】
【先ほどとは違う意味で、少女は答えを詰まらせる。明らかに動揺している様が見えた】

いえ……その……っ、……はい、ごめんなさい……
でも、悪い人じゃないって思います……!
……あんな猫連れて、悪い事なんてできませんよ……足手まといになりそうですし……

【どうにか誤魔化そうとした少女だったが、やがて観念した様子で首を縦に振る】
【色々と、怪しいと感じる要素はあった。故にごく自然に警戒していたが】
【考えてみれば、あの猫を連れている以上、それは過剰反応だったかもしれないと、自分の言葉に少女は気づかされる】



…………ごめんなさい。それとは関係ないんですけど、私、そろそろ行かなきゃ……
――――オレンジジュース、ありがとうございました……

【ふと、腕時計で時間を確認すると、少女は深く男に頭を下げて、その場を後にする】
【――――別に行く場所などないのだが、浮浪者と言うのもどこに居るか分からない】
【先ほど確保した『ねぐら』を奪われてはたまらないと、少女は背中を見せ――――やはり無礼にならない様に、早足にならない事を意識しながら、歩き去っていった】

/すみません、明日が早いのでそろそろ限界です……勝手ながらこれにて、乙でしたー!
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/03(土) 00:33:34.84 ID:Eh3+g2oMo
>>360

あー……

【去っていってしまった少女になにかいおうとしたのか、中途半端に差し出していた手は空を掻いた】
【いや別に特になにかするわけでもなかったのだが、と、思いつつもモノ寂しいさまで立ち上がれば】
【一つ目の布はひらひらと輪郭を僅かにだけ晒しながらも彼の素性を伺わせることはない】

……まぁいっか
しかしそっか、怪しいかぁ。ま、仕方ないものだ

【「あーあ、早く慣れねぇと」。小さく独り言を呟けば猫の籠を掴んで歩き始める】
【先ほどと違って不思議なくらい静かだ――街灯の明かりで原色の赤が透ける】

【しゃりん、と、涼やかな金属の音だけが一度響いた】
【そのあとには、赤と黒のツートンカラーの姿はどこにもなかった】


/絡みありがとうございました!お疲れ様でしたー
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/03(土) 00:43:11.81 ID:P0SUf97z0
>>359
【青年とムクの顛末――――その話を興味深げに聞いていた狂死郎であったが】
【途中から雲行きが怪しくなってきたことに気が付いて、その様子を注視し始める】

(――――急に言い争いが始まってしまったな……止めたほうがいいのかな?)

【自分を蚊帳の外にした言い争いをしばらく見物していた狂死郎であったが――――流石にこれ以上はまずいと思ったか】
【スッ、と立ち上がると、青年とムクの間に割って入り、2人を制止しようとする】

はいはい、そこまでそこまで!! 夫婦喧嘩は犬も食わない……これは状況にあった言葉じゃないか?
――――とにかく、それ以上の話は無意味だ。これから有益な話をするとしよう

【そして狂死郎は2人の間に入ったまま、話を続ける】

まず、君の力量についてだけど……僕が見たところ、ウルフェンと同じぐらいの力量はあるんじゃない?
あ、ウルフェンってのは僕が連れている狼の獣人のことで……つまり、それなりの高評価ではある

――――が、それでも無能力者に変わりはない。いくら身体能力が高いと言ってもそれだけじゃね……
ほら、君のその腕なら弓矢ぐらいは弾き飛ばせそうだけど……炎球を弾き飛ばせはしないだろう?
全面的にムク君に同意してしまうことになるが……それだけでやっていけるほど甘くはないことは事実だね

【狂死郎は青年の力量を称賛しつつ、それでも不足があることを告げる】
【さらに話は続き――――】

さらに言うと、自分の力量への自信ってのは崩されたときに結構きついダメージを貰ってしまうものなんだ
自分に自信が持てないってのは決していいことじゃないけど、過信も同じぐらい悪いことだよ
――――何事も、ほどほどが丁度いいってことさ

付け加えて言うならば、ムクが力を込めて作ってくれた魔術礼装をあっさりと使わせてくれることにもっと感謝してもいいんじゃないかな?
使うからには大切に使うってやるといい。出来れば『この礼装のお陰で命を救われました!!』みたいなお世辞も忘れずにね

【その内容は青年をたしなめる様なものであったが、所々に相手への気遣いが感じられるもので】
【――――こう見えてかなりのお節介焼き、ということだろうか】
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/03(土) 01:36:54.69 ID:0NBMQmTQo
>>364

【制止を受け、バツが悪そうに頬をかきながら彼は言葉を聞く姿勢になった】


あ、うん……そうだね、そんな物はムクも食わないだろ
そうだな、鬼種はともかく獣人とやり合う程度の実力はあるつもりだよ
ただ……実際、機関の悪魔とやり合う時はムクの力が必要だった

「魔術の才はからっきしとは言えワシの教えた術を組み合わせ『梅花』の奥義を編み出したのは
素直に上出来と認めよう、うまく武道の才で埋め合わせている
しかし、いくら武道の才を持っておると言っても銃弾飛び交う戦場で数多を屠る力などないじゃろう」

そう、だな……少し言い過ぎたよムク、ゴメンな……いつもありがとう
狂死郎も、世話を焼かせちまったな


【剛太郎はややバツが悪そうに狂死郎に頭を下げた後、彼は棺桶の鎖を持つ】
【ひょい、とムクが軽々とその上に乗ると、彼は背を向けて】


会えて楽しかったぜ狂死郎、またどこかで会う事もあるかもな
お互い戦いで忙しい身だしな……肩を並べる事もあったりして

「その時は『誘って』やってもええかものう、そんじゃあな小僧」


【そう言い残し、彼はずるずると棺桶を引きずってその場を去って行ったのだった……】

【←To Be Continued...】

/途中、マシントラブルで返事が大幅に遅れましたが、ひとまずここで区切ります!
/二日間どうもありがとうございましたー、後いろいろ遅れてすいません
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/03(土) 01:48:16.38 ID:P0SUf97z0
>>365
//こちらこそどうもです!! 此方の締めはまた明日に……
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/03(土) 14:37:11.66 ID:P0SUf97z0
>>365
【青年が背を向け、帰り支度を始めたことを確認した狂死郎は、静かに会釈を返した】

いや……僕もちょっと言いすぎたような気がするよ。ちょっと説教臭くなってしまったかな?
――――それで、もう帰るのかい?案外急がしいんだね……体に気をつけてくれ
僕?僕は仕事があるときと無いときの差が激しいから……お金には困っていないんだけどね

【長話をしてしまった事を青年に謝罪した狂死郎は、ついでとばかりに労いの言葉をかける】
【――――自分のことについては心配する必要はない、と注釈を加えながら】

ああ、また会おう……今度は人間と化け物の区別の付け方について教授するとしようかな?
見れば分かるって?――――僕が言ってるのは“精神性”の話だよ、剛田君
それから、もし良かったら手合わせでも……軽く、揉んであげるとしようか

【再開を誓う言葉を青年に返し、その場から立ち去っていく背中に何度も手を振って】

――――願わくば、あの青年の“刃”が砕けることなきように……

【そんな言葉を言い残し、狂死郎は再び夜の雑踏へとその姿を眩ませた】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 19:31:25.10 ID:vHN4nRvxo
【サーチライトに照らされる高層ホテルの姿は、さながら夜景に浮かびあがる一つの終着点のよう】
【夜闇の深さの中輪郭だけを切り取られたならきっと、無機質ながらも確かな存在感を持って】
【内部にはもう先遣隊とも言える能力者達と大人数の部隊が突入していた】

【一般客及び従業員達は避難を終え中に取り残されるのは】
【Diaspora≠フ灯に導かれた蝶達で】
【そこに待ち受ける蜘蛛の巣を知りながらも羽ばたきを止めないのだろう】

【そしてその屋上、ヘリポートを兼ねた高いフェンスに囲まれた無機質な床の上】
【照らし出されるまでもない醜悪な姿が一つ、高い月から見下されたなら】
【根元まで燃え尽きたタバコの火を足で踏み潰すのだろうか】


――――――始まりは伯父の趣味だった、時計弄りの好きな伯父の
ゴツゴツとした無骨な手、ソレが動いて繊細な歯車を組み合わせる姿

ソレはとてつもなく、美しかった……


【よれよれの白いワイシャツに、少しくたびれたスラックス】
【茶色の髪はやや後退しつつも、それなりの量を未だ残していて】
【眉骨が強く出た人相の悪い一重の中肉中背の中年男性の影が一つ伸びたなら】

【轟音が響くのだろう、視線を傾ければ軍用のヘリが一機、ホテルの屋上へと近づいてきた】
【加速度的に速度を増したなら、人の身では対応できそうもない力を持つのだろう】
【――――――発射される数発のミサイル、人目掛けて放つ火薬量ではない】

【夜空に描かれるミサイルの軌跡、統一感を保ったまま筆先がなぞり立てる】
【一直線に影が伸びたなら、その証左すらも残らないほどの勢いで――――――】


時計技師が行き着く先にしちゃ、随分と物騒なもんだが
それでも良いと思えるぐらい俺は組織≠ノ居場所を感じていた
だからこそ……だからこそ、その名を冠せていたのだろう

爆弾狂≠フ名を


【刹那弾け散る金属片、彼に着弾するより早く、ミサイルが爆散した】
【湧き上がる悲鳴、ミサイルの破片が地面へと降り注いだなら、巻き上がる煙がやけに暗くて】
【紅蓮が夜に僅かな色合いを滲ませると、彼の視線はヘリへと向かう】


正しいや正しくないではない、正しくないといけないのだ
それを正しくするために、俺は……俺は――――――

――――――Breaking Benjamin


【僅かな金属音が響いた、呼吸の音が一つ、無風の空の下に刻まれたなら】
【一瞬の隙間の後、夜空を塗りつぶす赤色の滲む跡】
【炸裂する巨大な金属の塊、ソレをさも当然と言いたげに見捨てる】

【視線は静かに前へと向くのだろう、彼を止める誰かの元へと】
【階段を登った先、屋上への扉を開けたなら、そこに一つの形が残る】
【その輪郭をハッキリと辿れるぐらいには、月明かりはきっと、眩しいぐらいに】


/ジーノ=スカルノフです!柊さんの方はこちらへー
/同時にイベントの開始ですので舞衣さんの方、投下お願いします
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 19:31:53.52 ID:vHN4nRvxo
【ホテル内の一室、巨大なパーティ会場がそこには在った】
【政治家のパーティなども開かれる会場内、ちょっとした体育館が2つほど入りそうなその室内】
【シャンデリアが照らす光量の下、広がる光景はこの世のものと形容するには少々の憚りが必要であった】

【汚れ一つなかった赤いカーペットには、その高級感ある赤とは違う】
【真新しい鉄さびの香りを残した鮮血がカーペットを覆い尽くすほどに広がっていた】
【そしてその血だまりの中、立ち尽くす人影が僅かに揺れた】


あーあ、期待してたほどじゃねーなぁ
機関≠竍UNITED TRIGGER≠ェ来るっつーから折角ウキウキしてたのによぉ
迷い込んで来たのは十把一絡げの雑魚ども、と

そりゃ俺様が萎えるのもしゃーねぇわな、んなもん狩っても腹の足しにもなりやしねぇ
お遊戯レベルの悪の組織と見当違いの正義の組織に

ホンモンの悪っつーもんを叩きこんでやろうと思ったのにな


【指先が落ちる、赤い沼へと滴り落ちる黒い指先の破片】
【右手にべっとりと血液を付着させたなら、鼻歌まじりでシャンデリアの下にさらけ出す】
【光陰が色を得る、モノクロームに色がついたなら、そこに確かな存在を燻り出す】

【雪のように真っ白なメイクを肌に塗りたくり、それでいて唇は血のように真っ赤】
【生き物が如く蠢く舌を覗かせたなら目元は漆黒と仄かに紅の交じるアイシャドウに染まっている】
【セミショートの黒髪を黒いハットで押さえつけたなら紅白黒の三色しか素肌には描かれていない】

【長身を黒のストライプのシャツに包んで更に濃い色のスーツとネクタイを身につける】
【レザーの黒手袋によって肌の露出を最小限にした不気味な雰囲気の男性】
【口元に右の手を持っていく、白い肌のすぐ側に指先を擦りつけた】


どうすンだろうな、この疼き――――――ちっとやそっとじゃ収まらねぇぜ
上でふんぞり返ってる中年ジジイか偉そうな顔した牝犬を嬲っても足りねェ
ワイルドカードを出したんだ、生半可なベットじゃ搾り取られるだけなんだからよぉ

俺はゴミ処理するためでも、後掃除するために呼ばれたんじゃねぇよ
殺しに来たんだよ、中途半端なコトして満足する偽善者と偽悪者共を
そこにこそ俺が捲られた意味があるってもんだ


【照らし出される全景、パーティ会場に確かな姿が浮かび上がったなら】
【足元の赤い鮮血が鮮血≠ナはない、ということに誰でも気づくことができるだろう】
【それは死体=\―――――カーペットぐらいに薄く引き伸ばされた死体】

【否、最早死体と呼ぶこともためらわれるほど、原型などどうしても届かないぐらいに】
【その当事者と言えば、血だまりの中、立ち尽くす姿が白縫いの化け物のよう】
【病気のように赤い唇から悪趣味な舌先をのぞかせて】

【鼻孔を擽る死臭の香り、熱気の孕んだ会場内部は噎せ返るほどに暑く気怠い】
【ソレでもその舞台の上に立ちふさがるたった一枚の切り札は】
【白磁の肌に僅かな乱れも見せず、黒塗りの視線を扉へと向けていた】

/JOKER》he Dope Showです!お二方はこちらへー!
/乱入歓迎ですので良ければこちらへ突撃お願いします!
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/03(土) 19:40:49.64 ID:NdYiD1Y7o
【同時刻、地下――劇場ホール】

【重厚な扉、真っ赤な絨毯、古代ギリシアのような内装】
【優雅さすら感じさせる傾斜に配置された幾つもの席】
【そして室内の照明とは別にまた映された十分な広さの舞台…それを見下ろすように】
【美しい楽園と天使たちの戯れを描いた天井画が一面にある】

【ここより地下は既に封鎖されていた。爆弾のことも建築も分からないが】
【まずはここの基礎の重要な部分を爆破してあれやこれやが効果的らしい】
【彼女はこれだけのカネを一発で無価値にするのは少し勿体無いと思っていた】

【長い黒髪を頭の後ろで一つに束ねて、ポニーテイルにしている彼女】
【背は高く、スラリとして、切れ長の目は冷ややかな雰囲気を持っていた】
【グレイのパンツスーツに身を包み、腰には2つの朱の鞘の刀が吊るしている】

【彼女はライトの当たる、舞台の中心に椅子を持ってきて足を組んで座っている】
【暇つぶしで曲をかけていた。似つかわしくないR&Bが劇場に綺麗に木霊する】

【彼女任務はこの下に誰も生かせないこと。階段などは物理的に塞ぐことが出来たが】
【しかし、どうすることも出来ない抜け道が1つだけ存在した】
【それはこの舞台下――所謂、『奈落』だ】
【この舞台袖のハシゴから奈落に降りて、階段を降りれば行ける】
【それはこれから来る来訪者も事前にホテル側から聞かされていることだろう…】

だから、派閥違いの私が此処なのね…全く

【もっとも責任が重く、脱出するのが大変な場所に居ることにため息を付いた】

/霧崎です。ラッシュさん本日はよろしくお願いします
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/08/03(土) 19:56:41.18 ID:LLKTTdwdo
>>369

【赤く染まったその空間に、やってくるのは1つ……否、"2つ"の正義】
【UNITED TRIGGERの者か?】 【……違う、しかし、……無関係ではない】

……あー、クソッ
なァーんで便所探しったったのに、俺はこォーんな所に居んだか
俺が探してんのはトイレだっつゥーの、爆弾じゃあねェーっつゥーの!
方向音痴も大概にしてくれっつゥーの……ったく……はァ……

【――それはぱっと見三白眼の強面で、約190cmで細いが引き締まった体型で30代後半の男だった】
【一重かつ褐色虹彩で、いかついサングラスをかけていて、髪型は整っていないリーゼントもどき、姿勢はやや猫背気味】
【やや派手目の金色模様がある黒いコートに、エメラルドグリーンで波のような模様のあるシャツ、紺色のジーパン、白い靴下】
【また、スキーヤーが装備しているような黒色のネックウォーマーを身に着けていて……さて、季節はいつだったか】
【そして、軍手をはめていて、改造されたベルトにより左腰に差された木刀、左手首には腕輪のように鈴が身につけられている】

【……どこかの不審者やらなにやらと間違えられてもおかしくはないが】

そォーだな、せっかくだしお前、……俺の身体に巣食う"O-157"でも殺してくれやァ
殺しに来たんだろォ? なァ?

【くいっ、と顎を軽く上げながら、威圧的にJOKERに話しかけつつ、ゆっくりと歩み寄り――ネックウォーマーを身に着けているわりには、通る声】
【……しかし、10m前後の距離以上に近づこうとはせず】 【腰に提げた木刀を右手で抜けば、その先をJOKERに向けて】

ついでにトイレの場所も頼むぞ?

【その眼差しは、木刀は、場所を聞くために向けられてはいない】 【向けるは、明らかな"敵意"】
【……周りの惨状に一ミリも触れない様な立ち振舞だが、眼の奥には確かな正義が宿っていた】
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/08/03(土) 20:04:47.57 ID:Ik2hK5+yo
>>369

【――時折、考える事がある。美しさとは何か、と。】
【まだ答えは出ないけれど、それでも幾度となく悩み、そうして一つ、自分の中の趣向に気付く時】
【初めて人は邂逅する――自分の知らない、本当の自分と。】

【相対する二つの光は赤と、金。】
【煌びやかな室内を"人だった"物の欠片が紅く、赤く染め上げていく。】
【その様はどこか、現実離れしていて浮世絵だった雰囲気さえ醸し出している。】
【豪華絢爛なテーブルやカーペット、それを照らすシャンデリアを汚すように、血液がべったりと影を落として】

――まるで絵画のよう、と形容したならばアナタはどう思いますか?ミスター・・・ミスター、失礼。なんとお呼びすればよいでしょうか。

おっと、自分から名乗らないのも可笑しな話デスね!
ワタクシの名前は―――"シック・ボーイ"。カノッサ機関のアンダーナンバー、No.916で御座いマス。

もはや"ボウイ"などと言われる年齢でも外見でもないのですが、
"心"だけは――そう心だけは、山野で虫を追いかけ、捲りあがる少女のスカートに魂を振るわせたあのボーイ<少年>の頃のまま、デスとも!
んうふふふふふふふっ・・・ふ、ふふふふふっ・・・!!

【殺戮の嵐が過ぎ去った室内に、忍び寄る影がまず、一つ。】
【男――だろう。彼のシルエットは少し、異様であった。】
【まず細い。身体が折れてしまうのではないかと思うほどに細く、そして長い。高身長、というには聊か頼りがいが無さ過ぎる体型。】
【丈で言えば190を優に超えるであろう姿、その身体を漆黒のタキシード――よく手入れされた綺麗な黒衣に包み込んで】
【特徴的なのは頭部、これまた真っ黒なシルク・ハットに銀縁の片眼鏡を装着し、更には両手も純白の手袋で覆い】
【全身、肌が出ているところと言えば顔だけ――男が与える印象はまず、"黒"だろう。】
【物腰柔らかな態度と口調は、どこか英国紳士染みたものを感じさせるが――根本にあるのは"狂気"】
【シック・ボーイと、そう名乗った彼は――手に持った高級そうな傘でカーペットをとん、と突いて。目の前の男を、見つめた。】

――ところで一つ質問があります。ああいえ、面倒であれば答えていただかなくても結構、結構!
年寄りの話は長くて退屈だと不評でしてネ!ですがアナタにはなんだかそう、分かっていただけそうな気がするのです。

――美しさ、とはなんだと思いますか?ワタクシはそれを考え続けて数十年、答えが出ぬままこんな歳になってしまいました!
写実主義?シュールレアリズム?現代アートの方がお好きデスか?それも素晴らしい、デスが――
ワタクシはそれらを、"美しい"と思えないのです。

ブラッド・バス――とでも表現しましょうか。この部屋は良い。良い・・・ああ、イイ・・・熱気と殺気と狂気と凶器と驚喜が混ざり合って――
スバラシィィィィィッ!!美しいィィィィィッ!!ああ、見惚れてしまいそうなほど――からだ、が、アツ、く・・・う、ふふふ・・・んふふふふふ・・・っ!!
望むべくは"相対性"なのデスッ!!

本来人が居るべき所に人は居らず、代わりに数を数えるのも億劫なほど大量の死体が転がっている!!
歓喜に包まれ大人は踊り子供は食事をするそういうべきであるはずの場所がこうも蹂躙されッ!!
そうして誰もいなくなったかと思えばアナタはそう――この"芸術品"を生み出したアーティストたるアナタだけはッ!まだ・・・ここにいる。

――こんなに美しい崩壊はそう、見れない。ワタクシの求める"美"が――破壊の芸術が、ここにはあるのデスよ・・・

――だからそう、機関員だから、とか・・・アナタがD.R.U.G.Sのメンバーだから、だとか――そういうのはもう、イラナイ。
必要ないのです、ワタクシとアナタの間にはただ一つ――"芸術"だけ存在していればイイ。
そしてこの――・・・完成された空間内に、アナタの・・・

作家の死体を添えれば――・・・ふふ、ふふふふふ・・・・んんんんゥゥゥッ!!


さあ、遊びましょう?紳士の時間の始まりデスッ!!

【――刹那、男は奔った。猛スピードで細身の肉体が動く様はまるでアニメーションのよう、現実離れした光景だが】
【紳士と名乗ったシックボーイはJOKERめがけ疾走、握り締めた傘を剣のように構え、首元を狙い強烈な突きを放つ――!!】

/バンチョーさん、主催さん宜しくお願いします!
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/03(土) 20:07:28.08 ID:6bqD9XHoo
【植物園;噴水前】

【作動装置が止められ水の音さえもしない場所は静まり返っている】
【疎らな街灯が照らす深夜の草花は、蕾を閉じているものが多い】
【高めに作られた縁に腰掛け、服の襟元をぱたぱたと扇ぐ長躯の人影があった】

――……暑い

【紅茶色の腰に届く長髪に、左右で瞳孔の大きさが違うオリーブ色の目をした若い男】
【黒の祭服を纏い、踵の高い靴を履き、長めの爪は紫色に染められている】

【一度ちらと周囲を見た後、周囲に人影がないと判断したか】
【彼は首元まで律儀に詰められている祭服の留め具を外していく】
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 20:13:40.09 ID:vHN4nRvxo
>>371-372

【声がした、その方向へと視線を向けたなら、人影がその輪郭を浮かべていて】
【白塗りの素肌に浮かぶ瞳が眺める、ソレはさながら値定めするような――――――】
【否、ソレほどまでに高貴なものではなかった】

【もっと暗く、もっと黒く、それでいて酷く怠惰な視線の形】
【それは失望に似ていた、或いは……或いはもっと乱れた色合い】
【例えるならその視線はそれだけで嫌悪感を感じさせる、そんな醜悪な彩り】


ヒャハハハハハハハ!!!ハハハハハハッ!!
なんだなんだァ!!どんな奴らが来るかと思ったらよぉ

きったねぇ格好したオッサンに気持ち悪ィ親父かよ
なんだよその肩透かし、こんなんじゃわざわざ来た意味もねぇな

俺ァもっとアホな奴が来て欲しかったんだよ、夢に希望に理想に燃えるアホに
そいつらに現実叩きつけて足蹴にしてほんでもって夕餉にして終わりにしてぇんだよ

テメェらみたいな筋張ったオッサン共、[ピーーー]価値もねーよ
仕方ねぇからキッチリきっかり掃除してやるよ、屑は屑箱に叩きこむのが道理だろ?


【黒い手袋に包まれたその手を彼は額に当てたなら】
【心の底から可笑しそうに大笑いを返すだろう、ソレは静かな闘志を燃やすバンチョーにも】
【狂った声を響かせるシック・ボーイにも、その両方にも向けた言葉のよう】

【だがソレはすぐにスイッチが切れたかのように止まる、ため息一つ口元で濡らしたなら】
【そこにはもう、笑みの形は存在していなかった】


JOKER》he Dope Show――――――良い名前だろ?俺も気に入ってンだ
ついでだ質問に答えてやるよオッサン、俺が美しいと思うモノ――――――

単純だよ、至極単純な、絶望する姿
青い青いクソガキが!真実を知って絶望するその表情!
この世を美しいモノと信じ切ってるクソ共に正体を叩きつけてやった時の姿!

ソレだよ、俺が見たいものは、ま、テメェらには期待してねぇけどな
だから精々、足掻いてみせろよなァ――――――!!


【彼の左手が弾けた、シック・ボーイの傘の先端を回避するように右前へと身体を流す】
【そしてその先端を左手で掴もうとし、成功したならそのまま振りぬき後方へと投げ飛ばそうとするだろう】
【左手一本で大の男一人を投げ飛ばせるほどの筋力、並の人間とは思えないだろう】

【白塗りの姿が濡れた、視線の向かう先はもう一人のバンチョーへと】
【間髪入れずに地面を蹴って正面へと飛んだなら、10m近い間合いを瞬時に埋めようとし】
【成功したなら右手の拳を貴方の腹部へと叩きこもうとするだろう】

【今のところ武器は見えない、素手で二人の相手を相手している】
【それは余裕か、或いはそれが実力なのか】
【ワイルドカードの浮かべる表情だけは白く、塗り尽くされているように】
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/03(土) 20:27:37.01 ID:a01MXEw60
>>388

【月明かりのなか、闇が舞う。濃藍のコートを翻し、爆炎と鋼の悲鳴踊る刹那へと斬り込んだ。】
【黒髪の色は煌々と、けれど黒曜の冷たさをその艶に保って。白磁の掌の感触とともに、ドアを開く音が軽くしたなら、未だ縮まらぬ距離に彼は見るのだろう】


【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【右腕に漆黒の鎧甲を纏わせ、その指先で太刀を繰るもの――――― この局面に姿現わしたそれは、そんな形容の出来る人影だった】


久し振り、と言うべきかしら。
あの事件から四度月が廻ったけれど、昨日の様に思い出せる―――――

……やはり貴方も関わっていたのね。
爆弾狂<Wーノ・スカルノフ―――――――

【人影はおもむろに口を開く。想えば、想えた対面のように。】
【――――― 人影は、あの夜を憶えている。受けた数多の傷を、熱を。】
【一軍を統べるもの自らが命じたその奪還―――――― 相応しい脅威であり、事実として、己は介入の末の成就を許したのだと追想した。】
【決して油断の赦される相手ではなく。だが、だからこそ……。】

―――――――― あの夜の “先” を果たしましょう。
為すべきは斬壊、護るべきはあらゆる日々の平穏――――――― ……望む勝利に、躊躇いもない……!

【―――――――――――――この男は、此処で打ち倒さねばならない。求め、強く己を斯く在らしめる。】
【破壊を以て破壊を断ちきる。そのために割かれる犠牲など不要――――――― 橡色が刀刃の如く研ぎ澄ます光を湛え、戦意を追う様にゆらり、鋩が前方に向けて構えられた】
【けれど迂闊に跳び込む事はなく。ゆえ先手は彼に譲られて―――――。】

/遅れてすみませんっ、よろしくお願いします……!
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/03(土) 20:31:44.55 ID:a01MXEw60
/ミス……! ×>>388>>368 ですっ
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/03(土) 20:36:32.46 ID:FCNQZckao
>>370
【重厚で高級そうな扉を、血の着いた手で押し開けると、漏れていた音楽が隙間から雪崩れ込んで来た】
【背後にある死体の山を振り返らず、後ろ手に扉を閉じれば、この場は貸切ワンマンショー】

ヘイ主演女優、開演には間に合ったか?
チケットは無くしちまったんだが…

【右手に持つのは、白銀の輝きを放つ刀、腰に提げた鞘と柄は機械的な物質で出来ている】
【黒いスーツ、革靴、それに爪痕柄のネクタイと、右眼の眼帯】
【無精髭と撫で付けた短い黒髪が微妙な野暮ったさを演出している、男だ】

【冗談めかして開口一番に言いながら、ゆっくりと客席の階段を降りながら、刀の背中で肩を叩きつつ】
【気怠そうな口調と雰囲気でありながら、単身ここに来るとなれば、只者ではないのは一目瞭然】

【眼帯に刻まれた、『紅い剣を咥えた黒い狼』のエンブレムが霧崎を睨み付けていた】

/遅れてしまい申し訳ありません
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 20:39:05.57 ID:vHN4nRvxo
>>375

【――――――やはり、現れた、艶やかな黒髪の色合いがかつての死合いを思わせる】
【かつて殺された¢且閨Aかつて邪魔された¢且閨z
【今宵は違う、今宵は、彼の誇るべき仕事の夜であるのだから】

【例え相手が少女であっても、例え相手が剣姫であっても】
【彼は真っ直ぐに相手するしか無かった、それが彼の礼儀であるから】
【そうでなければ爆弾狂≠フ名など存在することはないのだから】


また、またアンタか、俺の行動をどうしても邪魔したいらしいな
悪いがあの夜に先はねぇ、あの夜はもう明けたんだよ
俺とアンタの汚い因縁も面倒な宿縁も暁の前で溶けたんだ

アンタが俺の前に立つってことはソレは本物の敵対≠セ
分かってるのか?敵に回すって事だD.R.U.G.S.≠フ全てを敵に回すこと

俺の仕事を邪魔するってことは、それだけの意味を持つんだよ


【スラックスのポケットに両手を突っ込んだなら、空を見上げながら紡ぐ】
【酒やけした声は、いくらか健康的な色合いを戻していた、少しは聞くに耐える声だろう】
【ソレはつまり、回復したということだ、10年の刑務所生活のブランクを、既に埋め終えたのだ】

【視線を絡みつかせたなら、そこに存在する可憐な少女の姿】
【刃をその手に握るその姿は彼と比べたならどうしても美しく】
【どこまでも真っ直ぐな刀剣でしかないように思えた】


勝利を望むなら敗北を教えてやる、護るものがあるならソレを壊す
躊躇いが無いのなら、躊躇う理由を作ってやる

ソレが大人のやり方ってやつだ、悪いな、嬢ちゃん

Breakig Benjamin


【彼の体勢が僅かに低くなった、背筋を曲げたなら、右手が動く】
【ポケットの中から取り出される拳銃、間髪入れずに発砲するだろう】
【狙いは貴方の目の前の地面、足のすぐ先の地面に向かって銃弾を放つ】

【銃声が響いたなら、同時に凄まじい爆音が重なる】
【音と音の協奏曲、耳の弱い人間であったなら気絶しても、おかしくないほどに】
【銃弾が着弾した地面が爆発するだろう、大きくはない爆発】

【けれども回避しなければ爆発に巻き込まれるのは間違いないだろう】
【足にダメージを加えるための爆発、その名を伊達ではない、と示すがごとく】
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/08/03(土) 20:40:36.44 ID:LLKTTdwdo
>>372,374

って……なァーんで機関員まで居んだよ
しかも、そんじょそこらの悪党……っつゥーより、変人じゃねェーか
あれか、変態と言う名の紳士なのか……って、そォー言うのはどォーでも良い

【木刀を持った右手で頭を抱え、その肩を軽い調子で叩くのは……先程まではいなかった、ナニカ】
【それは額に竜のような鰭を1つ持った鱸の頭に、海水を主とした濁ったゲル状の物で出来た人の様な姿を持つモノだった】
【手の甲や背には魚の背鰭が、踵上部には魚の鰭が、尻には魚の尾があり】
【頭部や尾、鰭の断面は虚空の様に見え、ゲル状の物がそこから出ていて――生えていると言った方が適切か】

『アレダロ、此処爆破サレタラ機関ガ困ルンダロ』
うおッ! ……お前はいきなり出てくんな 『サーセン』

……まァー良い、よくわからんがあっちの機関員もあれと敵対……してんのか?
だったら目的は大体同じだ、……そこのお前、……シック・ボーイとか言ったか?
あんまり気乗りはしねェーが、……協……力……してやっても、良い、ぞ

【ふぅーっと、大きな溜息を一つ付けば、再び顔をJOKERの方に向けて】

すまんなァ、期待に添えんくてよォ
俺の知り合いの"大アホ"は精神病んでどっか行っちまったからな、いつの間にか追跡機まで壊されてやがる
まッ、あっちのアホは多分現実知ってっけどよ……っと、……


さっき言っただろォ? 俺が探してんのは便所だ便所、腹パンなんて穴からテロるぞ?

【その割には動きは軽いが――】 【りぃん、鈴の音がひとつ鳴った】
【……相手に身体能力で勝るのは無理だろう、そう認識したならば】
【己と拳の間に、一枚の鉄板――30cm四方×1mm程で何の変哲も無いそれを、鈴によって生成し】
【先程突然現れたナニカ――相棒がそれに向けて垂直に海水を口からぶっ放しつつ】
【その反動を利用して後退し、拳を凌ぐつもりなのだろう】

【鉄板はいずれ地面に落ち、そちらに水が掛かるかもしれないが――水自体はしみる以外に害はない、ただの海水だからだ】

【問題は、木刀を振るって生成した2つの種をその水流に乗せた、ということだ】
【例え鉄板が落ちても、例え拳が再び向かってきても、吐かれる水は止まらず、むしろJOKERを狙う】
【……その種たちは水流に乗せられる内に発芽し、直径2cm程で尖った木の根をそれぞれ1本ずつ伸ばす】
【そして、JOKERを突き刺そうと2つの根が襲いかかるッ!】 【――水流の出処上、狙いは腹部の高さ、となるだろう】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/03(土) 21:06:14.79 ID:NdYiD1Y7o
>>377

ここまで演出したのですから、2枚ほど買っていただきたいものです。

【ジョークをジョークで返してみたもののその口調は事務的で】
【一瞥してからは目もくれず、ジャケットのポケットからシガーケースを取り出して】
【紙巻きの煙草をくわえて、火をつけて、一口目の煙を吐き出して】
【スッと、立ち上がると、椅子の背を掴んで舞台袖へと持っていった】

さて……爆破まで時間は十分ありますけど…何かの拍子で爆発しても困りますし
手早く済ませられるよう、ご協力お願いします。

【邪魔なモノを片付けて、舞台中央へと戻ってきた霧崎】
【冷ややかな口調と態度は静かな威厳を放つ】

【ジャケットの胸に付けられた金のピンバッチがライトを反射する】
【それはマフィアではなく…ヤクザである証明だった】

…何かご質問や説得とか交渉のセールストークはございますか?

【そう言いつつ、刀の柄に手を触れるか触れないかの所で待機させている】
【薄く口紅の引いた唇は刃のような冷たい微笑を浮かべている】
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/08/03(土) 21:11:39.97 ID:Ik2hK5+yo
>>374>>379

【はて――自分一人に相手も一人、そう思っていたのだがどうやら認識を改める必要が在りそうだ。】
【どうやら一対一の戦闘、という訳でもないらしい――此方へ向けて変態だと言ってくるバンチョーに対し】
【シック・ボーイは半ば嬉しそうに――そう、変態と呼ばれる事にどこか喜びすら感じて、叫ぶ。】

おやおやおやおや、おやぁッ!!まさかこんな辺境のアトリエにワタクシ以外のお客サンがいるなんてぇッ!
これはこれは、ワタクシカノッサのNo.961<シック・ボーイ>という者で――ワッツ!?

【瞬間、突き出していた傘の先端がひょい、とJOKERに回避されて、更には腕で引っつかまれれば、軽いシックの身体は揺れて】
【そのまま体勢を崩し、更には怪力で振り回されれば――驚くほど軽い、と感じるだろう。彼は投げ飛ばされた。】

―――――ノォォォォォォォォウ!?

【――どんがらがっしゃん、と効果音をつけても良い。テーブルやら死体やらなにやらがごちゃ混ぜになっている中へと】
【"紳士"は吹き飛ばされて、そして沈黙――否。すかさず飛び起き、タキシードに付着した血痕を甘美な表情で見つめ――。】

あ―――アァ、あ、あ、あ、あ―――イイ。ヒト<他人>の血は―――んんん、エロス、と言っても過言ではない・・・く、ひゅふふふ・・・ッ!!

そこのアナタッ!木刀使いのサムライサン!?ワタクシは機関員、そして極秘任務で今夜は此方に参りました。
いえ実はですね、前々から"お薬やサン"のマフィア達とは少々関係がありまして――
大人の事情、と言うわけでご協力いたしましょうッ!!さぁ、アナタはお好きに暴れなさい。
ワタクシは――ワタクシで最大限、アナタを援護しましょうぞ、ふふ――ふふふふふっふふっふふッ!!

【バンチョーに対し、サムライさん――という適当にも程がある渾名をつけて呼びかける。】
【どうやら共闘自体は問題ないようだ、しかし見たところこの紳士、ただの"人間"だが――】
【バンチョーに比べて聊か無力にも見えるだろうか、しかし。】

          
                                <FUSION INSECTS>


  <COOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOK ROAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAACH!!>

【シック・ボーイは叫ぶ。全身から汗を滾らせ、両手を眼一杯に広げて、ホールのど真ん中、まるでオペラの歌手のように――謳う。】
【彼が口にした"FUSION"そして"COCK ROACH"という二つの単語、直訳で言えば"融合"そして――"ゴキブリ"】
【瞬間、シャンデリアのライトに照らされた彼の身体の真下、伸びていた黒い影が大きく揺らめき、異常な変化を来す――!】
【まるで触手のように影が立体化、絡みついてシックの全身を漆黒の生体細胞で覆っていく――!】
【シックはといえば、這い回るような触手の感覚に恍惚の笑みで身体を震わせ、そして―――】

【――紳士は紳士で、なくなっていた。】

【全身を覆うのは真っ黒い"甲虫"を思わせる生体装甲、関節部分はギチギチと音を立てて可動し】
【頭部には丸く、大きな昆虫を思わせる複眼、更には後頭部から地面につくのではないかと言うほど長く、伸びた二対の触角】
【ありていにいえば、"ゴキブリの怪人"――ヒトと、昆虫が融合して生まれたバケモノと化し、シックは吠える――!!】

うひひひひひひひひひっひひぃぃぃぃッ!!さぁさぁさぁさぁパーティはコレからデスよJOKERさんッ!!
切り札は最期まで取っておかないと台無しになる事間違いなしッ!!最初に切り札を名乗るアナタの運命はほぼ、見えたも同然ッ!!
此処で朽ちて、アナタも芸術と化すのですッ!!

【直後、再びの疾走――しかし先程とは比較にならない速度だ、まるで隼か――ッ!】
【カサカサカサカサカサカ、ととんでもない速度で両足を動かし、JOKERの周囲を牽制するように超・高速移動――!】
【気持ち悪い、という一言以外には何も出てこないであろうか、しかしそれでもその実力は凄まじい。】
【力で敵わないのであれば、速度で対抗するべし――ゴキブリと化したシックの狙い済ました一撃は、バンチョーの放つ根と】
【ほぼ、同時のタイミングで――此方は腹部ではなく、腕部を狙って放たれる――!】
【攻撃は同じ、先程同様に手に握った傘による刺突。しかし速さは段違いだ、まるで銃弾かと思えるほどに早く、そして鋭い――!】

/遅くなり申し訳ありません。
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 21:22:51.44 ID:vHN4nRvxo
>>379>>381

【シャンデリアから落ちた月明かりのような灯火、そのスクリーンに映る白蛇】
【スーツ姿の悪鬼は二つの実力者を前にしても一笑を叩きつけ、嘲笑を零す】
【血のように赤くそれでいて深い唇が零すルージュの断片が僅かな欠片も乱れずに】

【呼吸の香りが響いたなら、口元から漏れるのは散弾銃のような呪詛が如く】
【紅が蠢く、言葉の渦中、そこに刻み込まれた音律は不協和音よりも禍々しい音色】
【両足を肩幅にまで開いたら、落ちそうなハットを左手で抑えてわめき声一つ】


なんだなんだなんだァ!!メインディッシュかと思ったらこの程度かよ!!
んなんじゃぁそこらでカーペットになってるクソ共と大差ないぜェ!?
鴨がネギしょって鍋に浸かってその素っ首自分で切り落とすとかやめてくれよ!

ホテルが爆破されようが爆破されまいが此処に居る時点で関係ねぇだろ?
殺人鬼の前に立ったならそこに理想も奇想も愚想もねぇだろ?
俺に殺されるか俺に嬲られるかそのどっちかだよ

テメェらみたいなブタじゃジョーカーには勝てねぇって


【シック・ボーイの撒き散らす狂気とも、バンチョーの身にまとう闘気とも違う】
【舌先を恥じること無く轟かすその姿は止めどなく自由な姿であって】
【何色に染まることもないドス黒い漆黒であると理解することは可能だろう】

【歪む目元、黒が白を侵略していく】
【侵食する黒さの中に描かれる僅かな紅のフラグメント】
【それはまるでサブリミナルで刻み込まれる死のイメージが如く】

【腹部への攻撃を防ぐ形で生成されたバンチョーの鉄板、舌打ち一つ零して拳を止めたなら】
【こちらへと放たれた海水の欠片に、やや気に入らなさそうな表情を浮かべる】
【刹那、根が彼へと向かってきた、攻撃と防御を同時に行う良い手であるが……】



便所便所うっせーな、汚ねぇのはテメェの顔だけにしとけよ
それに便所が欲しいならテメェのすぐ側に便器みたいな顔した相棒がいんだろ?

ヒャハハハハ!!そっちのオッサンもゴキブリになってるじゃねぇか!!
いいね、いいね、お前らもう付き合っちまえよってぐらい相性最高だろ!!

汚物と便器とゴキブリィ!ぴったりじゃねぇか!!ホラホラ!!仲良いトコ見せてみろや!!


【零れるのはまともに聞くに耐えない汚く下品な言葉】
【マトモな人間であれば相手しようなどと思えないほどにソレは醜く】
【それでもそのマトモさを染めてこようとする、厄介な音】

【けれども彼はニヤリとその白い肌を歪めるのだろう】
【防御だけに終わらず攻撃に転化させる、しかもそれが能力を使った攻撃だ】
【彼の興味をわかせるのに、闘争心に火をつけるには十分すぎる】


――――――いいねぇそういうの、及第点やってもいいぜ
ブタとしては及第点だよ、威勢よく燃え尽きちまいな

Circus Maximus=I!!!!!


【響き渡る彼の怒号と右手の指を鳴らす音、スタッカートを一つ楽譜に刻み込んだなら】
【燃え上がる木の根、どこからともなく火種が出現し、木の根を燃やし尽くそうとするだろう】
【水で濡れた木、だがソレを物ともせずに燃え尽きるかもしれない】

/続きます
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 21:23:36.49 ID:vHN4nRvxo
>>379>>381

【ソレほどまでに火の手は派手であり、火の勢いは強力であった】
【間違った言葉を、自分勝手な理論を、押し付ける彼の自我が如く】
【火の粉が降りかかる、その雨の中で彼は】

【両手を何度も縦に叩いて、高笑いを上げているのだろう】
【赤く塗られた唇が喚く、響かせる旋律の迷いない原色が】
【止めどなくかき鳴らされる轟音が如く積み上げられる】

【一瞬天井まで巻き上がろうかという強大な炎の柱、そしてそれは一瞬にして潰えるだろう】
【さながら栄華のよう、消え果てるときは、どうしようもなく刹那で途切れる、その香りに似て】
【そしてその下で高笑いを響かせる彼の姿は妄想にとりつかれた革命家の笑みはすぐに潰えた】

【腕を傘で貫かれる、零れ落ちるあっ?という声】
【湧き上がる新たな鮮血、すっかりバンチョーに気を取られていた彼は】
【バンチョーの根に合わせた高速のシック・ボーイの攻撃に対応できなかった】

【だらしなく舌を垂らしたなら、潤んだ舌先で唇をねっとりとなぞる】
【潤いを浴びた唇は、病的なその紅の香りをこれでもかと強調して】
【プリズムのような光を浴びて、眩く照り輝くのだろう】


ッ……おいおい中々面白くなってきたじゃねぇか!やれば出来んだろそういうの!
見てみろよ!その辺りで寝そべってる羽虫共を!テメェらはコイツらとは違うよな?
だったらこんな汚いクズどもなんて必要ないよな?見たくもないよなぁ?

それじゃさっそくぅ!!消し炭にしちまいましょうかぁ!!
この世界にはクズどもを葬る墓地も時間も余裕も手間もないのでぇ
きっちりきっかりしっかりこの俺様が全員転生させてやりますよ!!

アンタらをかっ消す灼熱になァ!ヒャハハハハハハ!!!
踊り狂えCircus Maximus=I!!!!!


【傘の突き刺さったままの左手の、その指先を彼は自身のこめかみに当てるだろう】
【止まること無い急流のような舌先を震わせたまま終ること無い声を響かせる】
【痛みを感じていないというわけではない、響く声が微かに息継ぎを多くしていた】

【けれどもソレを補って余るほどの声の大きさ、そして言葉の汚さ】
【左手をそのままに右手をすっと前に伸ばしたなら、勢い良く指を鳴らすだろう】
【刹那、彼を中心に爆発が起きる、かのように――――――】

【正確に言えば、彼を中心に炎の渦が外側へと拡散するように発生した】
【シック・ボーイ、バンチョー、それぞれが後方へと退避しなければ巻き込まれる軌道で】
【炎の渦は高温ではあるが、ダメージ自体はそこまでではないだろう、問題は、渦が地面へとついた瞬間だ】

【渦は広がった後、地面へと落ちる、その刹那カーペットと化していた死体が爆発する】
【元々は兵士≠ナあった死体だ、圧縮されカーペットになってたが故、その死体の持つ銃弾はまだ足元】
【故に渦が地面に触れた瞬間、銃弾の火薬と反応、小規模の爆発があちこちで起こるだろう】

【高笑いの最中、響き渡る爆発が、いくつもの音を刻む】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/03(土) 21:31:10.45 ID:FCNQZckao
>>380
悪いが金欠でな

【「ハッ」と笑いながら言い返せば、同じように煙草を取り出し、火を点け煙を吐く】
【灰が落ちるのを気にせず口に咥えたままでいれば、立ち止まって】

期待してもらって悪いが、女口説くのは得意じゃねぇんだ
高い所よりゃマシだが生き埋めも勘弁願いてぇんでな、さっさとやらせて貰うぜ

【気の利いた言葉も無い、果たすべき使命も、護りたい物も無い───これはビジネスだ】
【雇われて、頼まれたからこの場にいる、ただそれだけ】
【目の前の女とは因縁も関係もないただの障害という関連しか有り得ない、しからば反応は当然の事】

…正義の為とか、そういうのは俺以外の奴の仕事だ

【歩くスピードは段々と速く、やがては長い階段を転びそうな勢いで駆け下りていき、霧崎との距離をつめる】
【緩い音楽が包む中、壇上に飛び乗ったなら、そのままの勢いで片手に持った刀を袈裟懸けに振り下ろすだろう】
【混じりっ気のない白銀の刃は、紅い輝きの軌跡を描く───】
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/03(土) 21:35:30.00 ID:a01MXEw60
>>378

【“因縁は消えた”、その答えに、今更とでも語る様に口元が緩んだ、】


このホテルを爆破するのでしょう?
貴方の意向が何であれ、その事実だけで“敵対”には十分過ぎる―――――

……譬えD.R.U.G.S.¢高トが相手でも、必要なら私は “断ち切れる”。
その為の “力” が私であり、そのための刃がこの手にはある。

…………導火線ごと断ち切ってあげるわ。
繰り返しはもう必要ない――――――――
貴方たちの様なものに、これ以上何も奪わせていい筈もない……!

【その口元に浮かぶのは闘争の意志/口にするのは “彼ら” の総滅。……夢物語の様な、結末。】
【億に一つ、兆に一つ―――――― そんな程度の可能性の話。だが、それを求める意志には一切の交じり気がなかった】
【終わりの時には刃の様に。瞳は、表情は凍てついて】
【問答が終わる/闇満たす殺意/空気が変わる、】

【タン――――――― 床面を蹴り抜いた音。ごく軽いそれは風を巻き込み、総身の加速として踏み込む。】
【着弾/爆轟―――――― 破壊圏を逃れ闇に舞う躰、阻まれねば、弾丸の如く翔けるそれが男に迫る、】
【 その道程は “ただの一歩” より大きく伸びる/だが所要時間はごく短い、】

【通常より僅かに長い程度の接地から、それだけの加速を生み出していた。瞬時、その一歩は距離を詰めるのだろう】


【踏み込めたならば、少女はジーノの右腕を狙う。中段から抉り込む様に取り廻し、上腕を深く切り裂こうとする。】
【威力は折り紙つき―――――― 迅速く、鋭く。以前同様のそれは躱せども、“受ける” ことは至難だろうか】

【……接近を阻まれたならば届かない。平衡感覚の揺れもあった。】
【互いに打った初手の推移―――――― 受ける側に結末はあり、】
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 21:51:03.49 ID:vHN4nRvxo
>>385

【宵月が雲間から顔を出す、未熟な月のそれでいて揺蕩うような影】
【貴女は月下に存在を赦されたどこまでも美しく真っ直ぐな灯のよう】
【ソレに対して彼は、どこまでも醜く歪な影にも満たない闇なのだろう】

【涼しげな声が帰る、最後通牒と呼ぶには口下手すぎた彼の言葉】
【警笛とするには響き渡らなかった小声が重なったなら】
【残るのはきっと、涙にも満たない口の中で跳ねるリップノイズ】


だったら余計嬢ちゃんを生かしておくわけにはいかねぇな……!
アンタを生かしておいちゃ俺のボスに不利益が生じるんだ
それは許されねぇし許す気も俺たちにはない……!!

悪いがアンタが導火線を断ち切るより早く
その爆弾でアンタの剣が吹っ飛んでしまうぜ……!!



【爆発の音、残響と呼ぶには微かすぎる名残の音色】
【僅かにめくれ上がった煙の形、結果を確認するより早く人影の疾走が見えた】
【少女の身体能力の高さを伺わせるその接近、許すのはある種の道理と言えよう】

【汗が零れた、頬を濡らす汗の形は、突き出た頬骨をそっと撫でて】
【接近を許した、とたんに背筋に冷たいものが宿った】
【剣士の間合いで、刃の届く距離で、命をさらけ出す恐ろしさは十分に知っている】

【神速の抜刀、振りぬかれる人斬り包丁は、触れたモノを弾いてもまだ終らない】
【それは拒絶の証であり、それと同時に貴女の象徴でもあるのだろう】
【だからこそ、彼は負けるわけにはいかなかった】


っ……ぐぁ……!!キツイな……やっぱり……っ!!
だが、だがなぁ……今の俺は、以前の俺とは違うんだぜ……?
ロートル扱いされるには!衰えちゃいねぇよ……っ


【躱された°M女の腕前からしてみれば、それと同然の行為】
【舞い散る鮮血は、薄皮一枚と僅かな肉を抉っただけなのだから】
【左へと飛び退く形で犠牲を最小に彼は回避するのだろう】

【右腕の付け根の下の部分を薄く切り裂かれた、だがソレで終わりだ】
【けれども回避したとはいえ、刃の間合いに居ることは違いない】
【しかしながら、彼の表情に恐れはない、ニヤリと少しだけ表情が緩んだ】


何の策もなく接近を許したわけじゃないぜ
俺だってこう見えても幾つもの死線を超えてんだ……
アンタがどれだけ優れた剣士でもなぁ!!殺した数じゃ負けねぇよ!!
Breaking Benjamin=I!!!


【刹那、貴女の目の前で爆発が起こるだろう、正体は彼の薄皮と肉】
【貴女によって切り裂かれ空中へと舞った肉が爆発したのだ】
【爆発の規模は大きくない、ダメージは普通ならそこまで無いだろうが】

【もし貴女が、最初の攻撃を回避した彼に追撃を加えようと彼の元へと踏み込んでいたならば】
【それだけその肉片との距離も近づき、ダメージも大きくなるだろう】
【状況次第ではあるが、リターンも大きい攻撃と言えるだろうか】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/03(土) 22:00:01.21 ID:NdYiD1Y7o
>>384

貸切なんですから。高く付きますよ?

【駆け下りる相手を見、刀の柄にぎりぎりのところで保ちながら】
【腰を落として、体を捻り、居合の体勢を取る】
【その状態で重力を用いて加速していく相手を待つ】

【そして相手が跳んだ時、相手の勢いが殺されていないとわかった時】
【彼女は刀を振り上げる相手に向かって、前傾に体を倒して】
【倒れそうになった時に、一歩、踏み出すその勢いと、捻った体のバネの力】
【そして、筋力を用いて、斜め下から、刀を振り上げた】

そういう貴方はご立派に正義の為の行動をしてるじゃありませんか。

【金属がぶつかり合って、歪んだ音と劈くような高音が交じり合ったような金属音が響く】
【お互いにこの程度でヘタれる刀を持ってきては居ないだろう】

【彼女は数歩バックステップで下がって、距離をとって立て直す】
【鍔迫り合いも、近距離の連続攻撃も女性であるこちらが不利なのは見ての通り】

【彼女は右手で刀を持って、左半身を下げて、まるでフェイシングのように構えている】
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/08/03(土) 22:04:47.21 ID:LLKTTdwdo
>>381-383

ふん、俺はサムライなんかじゃあねェ、……ただのしがない裏方親父さ
まッ、共闘は今回限りだ、次会った時は〆てやっから安心しな
……ホイホイと冷凍スプレーのどっちが良いのやら

【木の根は、能力によって作られた以外は何の変哲も無いただの木の根だ】
【燃やされないだとかそんな特別な力など無く、燃やし尽くされるならば尽くされるのみで――残るのは、蒸発した水と、塩分だろう】

ったく、……悪かったなァ、便所便所うるさくてよォ、こちとら牡蠣食って当たって便所目当てで迷ってうん時間なんだよ

まッ、そんなのどォーでも良いな、こォーして狂った奴らに囲まれたんじゃあ
爆破も便所もそっちのけにせざるを得ねェしよ

【直後、吹き荒れる熱風―― 一瞬、相棒の吐く水が止まったかと思えば、今度は上方に向けて吐き出した】
【勢いが弱いそれは、バンチョーの周りに豪雨の如く降り注ぎ――その海水は先程と違って"守護"の魔力を持っている】

……ちッ、爆発が……ッ

【熱風自体は、海水を蒸発させながら防いだものの――防ぎきったと思った時点で止めたのがまずかった】
【あちこちで巻き起こる爆発、防御後の隙のせいもあってそれ巻き込まれてしまったようだ】
【――そして、軽く吹き飛ばされつつ、引火したマフラーを投げ捨てると】 【日焼けしたとか、それとは別ベクトルで色の悪い肌が覗く】
【見ようによっては、胴体から頭部へ侵食しているようにも見えるが――】

被害ァ……主に、右脚と、……マフラーか……このくらいならまだまだだ
(……この、金箔みてェーに引き伸ばされた死体に、炎――能力を複数持ってるのか?)

【……気がつくと、爆発のどさくさで"相棒が居なくなって"しまっていた】
【そんな事を意に介せず、鈴の音を響かせながら木刀を振るって、何やら木で出来た10cm程の球を生成すれば】
【それを、JOKERに向けてひょいっと、放り投げた】

そォーだな、こんだけ広けりゃ、ちょっとした爆発なんて問題ねェーな
第一こォーんなだだっ広いホテルが防火してねェーなんてこたァねェだろォーしよ
今ので仕掛けた多分でけェ爆弾が起爆してねェってこたァ、もっと燃やされそうだ……おォー怖い怖い

【……これ自体に当たっても大したダメージにはならない。ならない、が】
【この球は二層構造である。――僅か数mmの表皮と、詰め込まれたアルミ粉末の、だ】
【何らかの要因で途中で割れた場合は――辺りに、濃い密度かつ狭い範囲にアルミの粉末がばら撒かれるだろう】
【地面近くで割れれば無害に等しい、が】 【そこそこ高い位置で割れた場合は、そしてもしそれに何らかの火種が紛れた場合は】

――まッ、機関員が居て護りに入ってるってェーこたァ、多分裏が黒いんだろ
それに、"アレ"は生命力と素早さが糞高いと相場が決まっとる、……まッ、問題ねェんじゃあねェかな?

【――爆発する。】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/08/03(土) 22:14:08.87 ID:LLKTTdwdo
>>388
/特に行動などに変化はありませんが、マフラー→ネックウォーマーです
/ついでに、蝕まれていた範囲も、口部と鼻の間位までにしときます
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/03(土) 22:24:07.81 ID:tXgX1cM3o
【公園/噴水広場】

「夜空を明るく彩る、満天の星々――んーっ、夏の星空はすばらしいですねっ!」
「実に平和な静けさです、嵐の前の――なにかの前触れでなきゃいーんですけど。」

【噴水の縁に腰掛けて夏ノ夜空を眺めるは真紅の髪と瞳を持った一人の少女】
【純白のワンピースに身を包み、無防備に遙か夜空を仰ぎ見る】

【ジメジメと蒸すように暑い熱帯夜――噴水から弾け飛ぶ幾万の水飛沫は火照った体を冷まし、やけにやけに心地がいい】
【時折、少女は右手を水に浸けてはその冷ややかさを確認する】

「うーん、冷たくて気持ちいい!」
「ホントなら、水浴びのひとつでもしたいんですけどねー」


//舞台裏の>>681です、よろしくお願いします。
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/03(土) 22:27:09.64 ID:U83kDefH0
>>386

【銀光が閃いた―――――――― 過たず標的を斬撃は捉えた、】
【金属音から肉を断つ音が繋がる。……だが、柄越しの手応えが想定した其れとは違う。】
【“浅い”、そう判断する瞬間に追撃を決める。射線を避ける目的も兼ねて上体を傾げ、踏み込みと同時の鋭い一閃を以て叩き斬らんと―――――】
【――――― した、その空白を爆風が襲った。咄嗟に体重の移動から衝撃を逃し、受け流すが、】   

――――――― く……!?

【胴体を中心に衝撃波が襲った。拘束具の如く、その動きを抑え込む。】
【初動から封じられたその体勢は、一定の回復を要するもので】

(……確かに、あの時以上にジーノは手強い。けれど、それで終わる私でもない……!)

越えた死線の重みの違いは――――――― “殺した” 数じゃないと教えてあげる……!

【少女は全身を軽く撓める。刃を、雨滴の滴る様に脱力させる。】
【爆圧による打撃の残滓から回復しつつ、最適解たる一手を打つため大嵐に訪れる一瞬の凪ぎ―――――】
【……対応型の無形の位だ。彼の行動に併せ“次”に繋げる。】
【だが回復するより早く追撃したなら、その空隙を利用も出来るだろうか。……何れ、反撃までには未だ早い。】


392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/08/03(土) 22:31:13.31 ID:Ik2hK5+yo
>>383-384>>388

【ボウ、と炎が滾った。シック・ボーイの軽い身体を吹き飛ばすかのよう、凄まじい勢いで室内を埋め尽くす爆炎。】
【とてもではないが近寄る事が出来ない、筈であったが――シックは甲虫の鎧に包まれた全身を躍動させ】
【火の粉を浴びながらもなんとか、まずは一撃目を命中させる事に成功した。これで向こうにもダメージが、通ったか。】

―――あ、がぁ・・・ッ!!ア、ツゥゥイ・・・ッ!!ん、ふぅぅぅふふふ・・・ッ!
どうにも、矢張り"この肉体"は"熱"に滅法弱くてデスね、ワタクシ好物のホット・ティーもアツアツだと飲めないくらいでして――って
OH!!それはワタクシが単に猫舌だからデスね!!ゴキブリなのに猫舌とはこれまた、紳士ジョークです!お気に召しましたか?

――道化さん。ふ、ふふふふ・・・ッ!!

【傘は突き刺さったままだ。放って置けば更なるダメージが狙えるかも、知れないが――不味い。】
【JOKERというこの男、悪意の塊かそれ以上の狂気を持ち合わせている。このまま近寄っていれば此方が大きなダメージを喰らうだろう。】
【とてもではないが回避しないわけにはいかず、あえなく傘を"手放し"――シックは後方へと飛び退ける、その速度の速い事。】
【急いでバックステップを刻むも、足元まで到達した炎とそれによる二次災害――弾薬への引火は対処できず。】
【ドウ、ドウ――と彼方此方で起こる爆発が、シックをもそしてバンチョーをも襲ったその時、彼は逃げ道を見出す。即ち――】

――――ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!ギュィィィィィィィィィィィィイン!!
今時の紳士は飛べないとやっていけないのデース!!

【――飛翔。そう、ゴキブリは空を飛ぶ。勿論、人間と融合している以上元来ほどの飛翔能力は有さない】
【がしかし、爆風に乗るようにしてバサバサバサバと気味の悪い羽音を響かせ、彼は飛翔――爆発はなんとか、回避した。】
【もっとも、対処は少し遅れていたため足元の爆発で多少なり、機動力をそがれてはいたが――尚、健在。】

――んんんぅぅッ!JOKERさん、アナタのその、心の篭った悪辣な言葉の数々、実に染み入りますね・・・!
ゴキブリは確かに、厠に多く生息する生き物です。それはそれは不潔で、気味悪く映る事でショウ。デスがぁ、しかぁぁし!!
そんな酷い環境でも生き抜けるという肉体の頑丈さッ!そしてどんな場所でも自分を見失わず気持ち悪さ全開でいられる気高い精神ッ!
そういった素晴らしい能力を沢山沢山兼ね備えているのデーッス!ゴキブリを馬鹿にしてはいけませんよ?
ワタクシからのアドバイスです、昆虫や老人を甘く見ると――痛い目を、見ますよ。

【爆発が収まると同時、素早く着地したシックは再び、疾走――しかし今度は旋回する事もなく、直進でJOKERへと突き進むッ!】
【何のためらいも無い、もしまた炎を操り迎撃するのであれば結構、それもまた闘争の面白いところ、程度に考えているのだ】
【ただ――躊躇いこそ無いが、何の考えもなしに、というワケではない。彼は圧縮された兵士達の足元にあった】
【重火器類を二つ、三つと蹴り上げて――それはもう、強化された筋力と爆発的な脚力により"蹴飛ばして"】
【JOKERへと撃ち放ち、これを"めくらまし"とし――更に言えばそれによりバンチョーの放った"球体"へと、JOKERが反撃するのを妨害する】

――はて。木刀使いの"オヤブン"さん。
ゴキブリを殺したくば、化学薬品や丸めた新聞紙に頼っても良いでしょうが――目の前にいるのは"紳士"ですよ。
紳士を殺したくば――美味しい紅茶と、綺麗なお嬢さんを連れてくる事ですね。
そうすれば、ワタクシもアナタのような若人でも、お相手いたしましょう。ふふ、ふふふふふふふふふ・・・ッ!!

【そして自身は、仮に球体が爆発しようがJOKERが炎を放とうが構うまいと、正面から一気に加速、加速、加速――!】
【拳を振り上げ、速度を乗せた強烈なパンチを――其れこそ人間ではなしえない超絶的な威力の拳を、突き出すッ!】
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/03(土) 22:33:43.32 ID:RpfLiA6Eo
【表通りから一本、二本、さらにその先へと、奥へ進んで行けば】
【建物のすきまから漏れる光も、だんだんと細くなっていく】
【ここは路地裏。アスファルトが蒸した空気を充満させて、何とも不快な環境だ】

……ふ、ふふふ、ふっ……あぁ、次逢ったら絶対、ぜったいに……
締め上げて引き摺り回して叩き付け、て……それから、ええと……

【その上を叩く、ぺたぺたとした軽い音。おそらく人の裸足が立てる足音だ】
【それは随分と不規則に、弱弱しく鳴っていて、頼りなさと心細さとを引き立たせる】
【乗っかるようにして、やや震え気味のこどもの声。けれども紡ぐ言葉はいたって物騒】

【長い黒髪を二つの三つ編みにして垂らし、その上から赤い頭巾を被った少女の姿――それが、音の主だった】
【喪服じみた黒いワンピースの裾から伸びる素足には痣や傷跡が見られ、靴も履いていない】
【貼り付けられたような笑顔に爛々と輝く黄金の瞳、口元から覗くギザついた歯列が特徴的だ】

……よく、わからないや……けほっ、

【よくよく見ればその少女、体のあちこちに怪我を拵えており】
【それにこの暑さと環境の悪さが加われば、なるほどここまで弱るのもおかしくはない】
【一歩、二歩と危なっかしく壁伝いに歩みを進めていたが、ついにはそれも止まってしまう】

………………おなかすいた。

【ずるり。壁に背中を預け、滑らせて、地面にへたり込んで息を吐く】
【擡げた頭、薄汚れた真赤な頭巾。そこへ聖人のごとく手を差し伸べるのか、】
【はたまた微塵の容赦もなく蹴りでも入れようとするのかは、きっとあなた次第だ】


//文章使い回しで失礼します……!
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/03(土) 22:37:30.89 ID:FCNQZckao
>>387
【最初の一撃は防がれて、しかしそれは予想通り。同じ壇上に立てば、ライトに二人照らされるステージ】
【男女の二人舞台にしては物騒がすぎるが、観客がいないならブーイングもない】

ま、仕事だからな。正義の味方も金次第だ

【何事もないように涼しい顔で返しながら、刀をブンと片手で振って、構えずに降ろす】
【空いた左手は、煙草を掴んで弾き落とす】

───やる事はやるけどな

【落とした煙草が床に落ちるより速く、下ろしていた刀の先端でそれを弾き、霧崎の顔目掛けて弾き飛ばす】
【不意打ちの囮だ、顔面目掛けて小さな火に気を取らせようとしながら、弾き飛ばした動作からそのまま振り上げた刀を肩の高さに構えながら接近し。閉じた腕を開く様な横一閃を、霧崎に向かって放った】
【正義の味方と言うには、余りにも姑息。それがこの男たる所以】
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/03(土) 22:41:34.51 ID:smIfvaU4o
>>390
【ビュウと強い風が一つ、広場を吹き抜けて】

したいのならすればよいではないか。
我慢は体に良くないぞ?気ままに生きるのが一番じゃ。

【いつからそこに居たのか、噴水の縁、少し離れた所に一人の女の姿】
【桜色の浴衣を着た女は、素足を水に浸しながら長い金髪を指で弄んでいる】

何かの前触れのう……面白いことであれば余は大歓迎なのじゃが。

【その言葉はきっと、少女に向けられたものであろうが、その目は一切少女を見ず】
【ただぼんやりと空を見上げている】
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 22:45:15.94 ID:vHN4nRvxo
>>388>>392

【シック・ボーイの姿はまさしく異形と言うべき姿なのだろう】
【嫌悪感を感じさせるそのフィルムは決して好まれる姿ではなくて】
【それと引き換えに高められた身体能力は彼に対しても効果的であった】

【巻き起こされる炎と爆発のコンチェルト、その中心で指揮者のように立ち尽くす異形=z
【人の身でありながら白と黒と赤に彩られた彼、その汚く猥雑な言葉も含めて彼もまた異形なのだろう】
【そんな彼の左手に突き刺さった傘、そこから零れる血液は、少なくはなかった】

【それでも彼の嘲笑は砕けない、高笑いが響く意味合いも、溶けること無く続く】


ヒャハハハハハハ!!!ハハハハハハハ!!!
どうだいお二人さぁん!?まだ生きてるよなぁ!!
んなんで死んじゃいけねぇぜ?死んだらコイツらみたいになるからよぉ

惨めだろ、無残だろ、そうだろ、死んじゃ面白くねェんだよ
生きてこそさ、生きてこそ漸く面白い事ができるし見れるし理解(わ)かる

生きることが唯一の正義≠ウ、そうだろ?
善悪も道徳も良識も理性も俺にとっちゃ言い訳にすぎねぇ
どんな聖人君子だってバラバラになっちゃ誰も救えねェだろ?


【語りと呼ぶには理論も何もない、騙りと呼ぶに相応しい彼の言葉】
【生きることだけを正しさと呼び彼は道徳を徹底的に無視するのだろう】
【ソレを狂った等と形容するのはまた違う誤解を生むのだろうか】

【一面はまさに地獄絵図と言うべきであろう、大量の死体は燃えて爆発した】
【黒焦げの炭と血液と燃え尽きたカーペットの断片が混沌の色合いを作ったなら】
【死臭と血液の香りと脂肪の焦げた香りだけが漂っていた】


そうさ俺もお前らも皆、狂った奴らばっかさ、世の中なんてな
言ってしまえば質の悪いジョークでしかないんだよ
下卑な週刊誌でも今時取り上げもしねぇジョークさ

だったらどうする?そんな世の中どうやって生きてきゃいい?
D.R.U.G.S.≠ヘその手段さ、一発決めてハイになってトリップしちまえばいい
それが俺さ、俺の存在そのものがDope(麻薬)の見せるイマジネーションの産物なんだから


【右の手を顔にべったりと当てる、自分で自分の顔を抉り取らんとするほどに深く強く】
【指先にねっとりとこびり付く白いメイクの跡、それでも素肌が見えないのはよっぽど濃く塗っているのだろう】
【厚化粧の下の表情は未だ、狂気の色しか見えない】


/続きます
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 22:45:47.13 ID:vHN4nRvxo
>>388>>392

【侵食≠フような黒塗りを見せるバンチョーその姿に、ほうと一息ついたなら】
【間髪入れずに高笑いを被せるのだろう、嘲笑と呼ぶには嘲りすぎているそれを】
【その姿を見て笑う彼の姿は、クラウンを見下す屑のよう】


ぷっ……ハハハハハハ!!!なんだなんだ!滑稽な格好じゃねーのっ!!
病気か呪いかそれか火傷の痕か何かかよ?
あーキモイキモイ、んな格好を人様に見せてんじゃねぇよ!!


【悪態一つついたなら、シック・ボーイの言葉へと耳を傾けるだろう】
【二人を相手してもなお、彼のペースは乱れること無く】
【むしろより一層どす黒く染まっているようにも思えるだろうか】


痛い目ね、この世界で生きてちゃこんな社会で生きてちゃ見飽きるぐらいだろうな
だけどそんな俺様でも害虫と老人に一泡吹かされたことなんか無いぜ?
分かるかジジイ、てめぇの半分死んでる脳細胞の考えなんざ読み切ってるってワケだ

ヒャハハハハハ!!害虫は所詮害虫だろうが!!
人間になってから出直しな、だがジジイじゃそれも意味ねぇな

50年おせェよ――――――なぁ!!!!

そしてこの程度かよ!もういいな、テメェとはもう遊び飽きたぜ
あばよ、その死体使ってもう一個のゴミを処理してやるよ!!


【こちらへと蹴りつけられる銃火器類、流石に質量が多すぎる、迎撃するのは難しいだろう】
【一歩、また一歩と右へと飛び出し回避、結果として球体への反応が遅れる】
【死線を向けた時には彼の目の前にソレはあって】


んだこりゃぁ――――――アルミ片かよ、何入れてんだかなぁ!
脳みそん中まで腐ってんじゃねーのっ!!!


【彼の右手がまっすぐに伸びて指を一つ鳴らす、彼の目の前にまで近づいていた球体に火を点けるだろう】
【その刹那彼の表情が真剣みを帯びた、その球体内部に溜まっているアルミに気がついたからだ】
【表皮を割った瞬間撒き散らされる粉塵=\―――――叫ぶ声が響き渡った】


――――――粉塵爆発かよ……っ!!!!


【彼にシック・ボーイのパンチが触れるよりはやく、凄まじい爆音が響き渡るだろう】
【先ほどの比ではない大爆発、ホテル全体が揺れるかと思うほどにその勢いは激しく】
【またその衝撃の量は尋常ではない、ソレこそ普通の人間ならば耐えられないほどに】

【けれども、バンチョーにとっても、不思議な事が起こるだろう】
【爆発の規模が非常に大きい、それこそバンチョーを巻き込んでも余りあるほど、に】
【更に爆発の規模や音は大きいが、火種はそこまで大きくない、ボリュームほどにダメージはないだろう】

【恐らくは彼を含む三人、全員を巻き込みかねない大爆発】
【ダメージが薄いということはないだろう】
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 22:49:43.41 ID:vHN4nRvxo
>>391

【薄皮一枚で貴女の猛攻を防げたのだ、最初の斬り合いは彼の勝利と言って良いだろう】
【裏を返せば、彼は自身の身体をも爆発させることのできる力を持っている】
【けれども、ソレは決して得策ではないことは聡明な貴女ならば理解できるだろう】

【もしダメージを受けて、反撃できなかった場合、取り返すことの出来ない致命傷となるのだ】
【故に、このカウンターは殆ど一度きり、といっていいだろう】
【防ぎきった分、彼の失った攻撃手段は大きかった】


相変わらず口も達者な……嬢ちゃんだな……っ!!
だがなどうするよ、この状況は、俺が圧倒的に有利だ
アンタがいくら剣が立つっても……銃に敵うかな


【至近距離、互いにダメージを負った状態で、先に動くのは彼だ】
【右手で握った拳銃、その銃口を再び貴女へと向けるだろう】
【狙いをつけるのに時間がかかる、右腕をきられたダメージは低くはない】

【だが、ソレと同時に貴女は攻撃する体勢になかった】
【ギリギリのタイミングだろう、彼が銃口を向けきるより早くその体勢に移れるか】
【数mの距離、切り裂くには数歩踏み出す必要がある】


……あばよ、嫌いじゃなかったぜ、アンタのこと……っ!!


【狙いは心臓、手加減をするような人間でなく】
【また同時にそのような覚悟ができていないわけではなかった】
【引き金を引く指先、僅かな時間の後、確実に銃弾は発射される――――――】
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/03(土) 22:55:16.13 ID:tXgX1cM3o
>>395
「……!」

(いつからいたんでしょ…全然気づかなかった…)

「我慢はカラダによくない、ですか…」
「それはごもっともです、いましなければ――きっと永久にその機会を失うでしょう」

「大人になるというのはきっとそういうことでしょうからね。」

【言いつつ彼女は右のクツを、続けて――左のクツに手を掛け脱がしてゆく】
【くるり――彼女は噴水のほうへと向きかえり、素足のまま噴水に足を浸けた】

【軽く足をぱちゃぱちゃと揺らし、小さく飛沫を上げ――やがて少女は立ち上がった】
【ゆっくりゆっくりと、噴水の中央へと歩いては多量の流水と飛沫を直接その身に浴びた】

「面白い事、ですか――嵐は来ないに越したことはない。」
「平穏であれば―――平和であれば――そして、平常で平静であればそれが一番です。」

「私としてはそう思うのですが、ね。」
「けれども、面白い事に関しては大いに同意です――。」
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/08/03(土) 23:11:55.68 ID:LLKTTdwdo
>>392,396-397

(…………)

【今、被害を"眼"で確認していた、その事実に驚くようで……】
【しかし、どこか"必然"であったかのような、そんな思いも抱いていて】
【――けれども、そんな事を知るのは、己と、己の相棒しかいなかった】

――ちッ

【よく見れば、銃弾の破片の幾つかも服や身体に刺さっていたではないか――】
【爆風でダメージを受けた部位だって、右脚以外にもあった】 【それらのダメージは、あまり支障のないレベルの様だが】


そォーだな、紳士さんよォ――あいつをぶっ倒したらそれ用意してやんよ
まッ、俺は緑茶派なんで紅茶じゃなくて緑茶出すし、女なんて渡さんがな


さァ、なんの痕やら……見せさせたのはお前の方だぜ?
後、勘違いすんじゃあねェぞ――俺はただの通りすがりだ、正義なんてもんじゃあねェ

【ドス黒く蝕まれている様なそれ――よく見れば、毛穴の一つ一つに吹き出物――の様なモノが出来ていて】
【……非常に気持ち悪いこと、この上ない】

――――まッ、それがお前の正義なら否定はしねェよ
ただ、個人的に気に入らねェんで叩くけどな……ッ!

【――爆発が想定より大きすぎる、幾ら相手が炎を使うとは言え少なからずの効果を期待してたが】
【利用されたか?】 【それとも――】

【――――】

【……爆発が止む頃、そこには黒焦げたバンチョーの姿があった】
【一応立っているようだが、先程の位置よりやや後退している】 【間違いない、爆発を防御も何もせずに受けたのだろう】

【何故生身で受けたのか、その理由は――】

『熱イゾ馬鹿!』 それ、俺のセリフ……ってか、馬鹿はお前だ、不意打つ側が喋んな

【――背後から、JOKERの両脚から背にかけてを縦に斬ろうとする、謎の気配】
【その正体は、先程姿を消した相棒である】 【……爆発だろうとなんだろうと、潜ってしまえばある程度の熱のみに抑えられるのだ】
【とは言え、本体が負ったダメージの幾らかがフィードバックしており、軽い焼き魚状態なのだが】

【……その両手にあるヒレは、刀に比べたらよっぽど鈍い切れ味だ】
【しかし、"人"を斬るには十分な切れ味は持っている】

【背後の地面から突如飛び出す存在、しかし――気配も声もする、全くの不意打ちとまでは行かないだろう】
【成功失敗問わず、相棒はその脚が地上から2m程離れた位置で"浮遊"する】
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/03(土) 23:23:37.88 ID:smIfvaU4o
>>399

人の子は儚いからの、我慢などすれば何もできぬまま死ぬ事になる。
ただでさえ寿命が短いというのに、そのうえ人の子同士で殺しあうのだから困ったものよ。

【多くの能力者達が争いあうこの世界。程度の多少はあれど毎日のように人死にがあるという】
【しかしそんな事も他人事だと言うような、そんな口調で女は語る】

平穏のう……何も変わらぬ日々など詰まらんではないか。
そんな時間に比べれば嵐もまた楽しいものだぞ?

移ろい行くものを眺めるのも一興。自ら移ろわせるのも一興。
物事の変化というのは面白いものよ。人の子は理解できん者が多いようじゃがな。

【そこまで話して初めて、その金色の瞳を少女に向ける】
【その眼差しはまるで、少女を見定めようとするようで】
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/03(土) 23:31:34.85 ID:EAfLcrCv0
>>398

……随分と、気が早いのね。
私の命は未だ続いてる―――――――……銃弾如きに、この孤剣(つるぎ)は決して折れはしない。

【“気が早い”、既に殺した気でいる事に対してだろう。】

(けれど、それも当然か。……勝たなければ、私も、貴方も、何も為せない――――――――)

【ふっとこの状況に言葉を零した。同時、この夜に懸かった大いなるものを想う/破壊と防衛、】
【―――――“救えなければ”、“護れなければ”。この身に、在り続ける意味などない。】
【銃と剣とのクイックドロウ――――――― 賭けるには十分だろうと、己を載せた】

【心臓を照準する銃口が向けられる―――――― 少女は太刀を右腕側の虚空に構える、】
【撃ち放たれた一射が爆炎をくぐる――――――― しならせた腕が刀身を舞わせ、鉛が、その傾斜部に接した―――――― 反転、】
【鞭うつ様な円弧の動きが、銃弾をジーノ・スカルノフへと受け流し撃ち返す。】

【狙いは右腿。そして何より “隙” を生む事―――――――――― 意識に空隙が生じたならば、刹那に数歩を少女は刻む。】
【そのまま近付けたならば斬り捨てるだろう。懸り打ちの要領で右脇腹を、腰溜めの一刀から斜め上に斬り抜く一斬の美麗、】

【……ただの銃撃など到底通じまい。だが剣は、この反撃の瞬間に男を間合いに捉えてはいなかった。】
【彼我の接近の阻止も、反撃を押し潰しての追撃も。男には、未だ対応次第で狙い得る―――――、】
【異能者と異能者の屋上の死合。確実に訪れる終わりへと、交錯は加速度を上げてゆく。】
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/08/03(土) 23:32:37.75 ID:Ik2hK5+yo
>>396-397>>400

【――二度目の、大爆発。今度は地響きが起こるほど、ホテルの一角であるこの部屋が揺れるばかりか】
【空気が破裂したのではないかと言うくらいに巨大な轟音、建物全体が震える勢い――】
【相手はどうなったか、バンチョーはどうなったか。倒れたのか、生きているのか、はたまたそのどちらでもないのか――】

【――少なくとも、煙が晴れたその次の瞬間。シック・ボーイはズタボロの状態で床へと付していた。】
【当然だ、あの破壊力の爆風を至近距離で受けたのだ。無事である筈が無い。】
【もはやカサカサと動く事も、歌手のように叫ぶ事もせず。ただ――伏す。】


【しかし両名は気がついただろうか】
【未だ変身が解けてはいない事――そして、彼の頭部から伸びた二対の長く、細い触手の内片方がピクリ、と動いた事に。】

――・・・。

【シック・ボーイは黙ったままで。自分に注意が行くのか、行かないのかまでは分からなかったが。】
【静かに、息を潜めたまま――触覚だけで周囲の状況を探る、聞こえてくるのは、感じるのはバンチョーと彼の相棒の、躍動。】
【どうやらまだ、戦闘は終わっていないらしい。少なくとも、バカ正直に突っ込んで致命傷を負った自分とは正反対に】
【バンチョーは生きている――そしてJOKERも、恐らくは彼も生きているのだろう。で、あれば―――】

――に、ガ、サ――な、いデスよ

【仮に回避をしようと、しまいと。シックは手を伸ばし、JOKERの脚にすがり付こうとするだろう。】
【蹴り飛ばされても構わない。吹き飛ばされても構わない。ただ、妨げになればそれでいい。】
【ゴキブリと化した複眼から、JOKERの狂気をしっかりと、認識しつつ――シックの声は、弾んだ。】
【まだ終わりではない――と、そう言うかのように。】

【この強靭な生命力、まさに冗談かなにかのよう――否、ゴキブリそのもの、か。】
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/03(土) 23:32:42.24 ID:NdYiD1Y7o
>>394

【ゆらりゆらりと流れる音楽はとても場違いに感傷的で】
【今は刀を持った二人の不気味さを演出するのに一役買っていた】
【反響して、エコーのかかった音が雑音を消して居る】

【ライトの当たる壇上は上は汗が滲むぐらい暑い】
【両者の刃の上をライトの光がなめる】

恥ずかしがらずに、正義でいいじゃないですか。

【彼女は刀の刃の背を肩の上へ、そして、その先をもう片方の手でつまみ】
【まるで、弓を引くかのような姿勢を作る】

【飛んできた、煙草の吸殻。避けようかと思ったが相手がこちらに向かってきた】
【なら、こちらもそれを使ってやる。彼女は無表情の内側で笑っていた】

【体を捻り、片足を出して、体を前へ】
【刀を勢い良く、跳ねるように、シュンと降り落ちて、吸殻を切り捨てる】
【そしてそのまま、肩を入れて、体を丸め込み、ローリング。】
【横一閃の剣撃をくぐり抜けて、踏み込んで振るう相手の横を通り過ぎ、その斜め後方を陣取る】

……この”秋水”はどんな時も、二度刺す

【転がった、彼女は立ち膝の状態から体を捻り】
【刀をそれに合わせるように相手の背へと振り上げる】

/返信が遅れてしまってすみません!
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/03(土) 23:42:01.64 ID:tXgX1cM3o
>>401
「人生たったの三四半世紀(75年)――良くても一世紀ほどしかありませんね。」
「この夏という季節が見れるのも――たったの50回と僅かほど」

「短い――短いですね人生は…」

【水を吸ったワンピースが肌に張り付く――冷たくて心地がいい反面、ちょっぴり気持ち悪い】
【水浴びが気持ちいいのは夏だから――暑いから、たったそれだけのシンプルな理由だ】

【ワンピースの胸元をパタパタとはためかせ、服の中へと空気を送り込む】

「平穏――変わらない日々、確かに退屈です。退屈で退屈で死にそうです。」
「―――でも、実際に死ぬような事態になるよりはそれでもマシとは思いませんか?」

「もちろん、加減次第ではあるのでしょうけど――。」

【不意に、視線に気付いてか視線を女のほうへ遣った】
【炎のように――鮮血のように赤い赫い紅玉の瞳――】

【ジッと見つめられるのはなんだか気恥ずかしいようでむずむずするようで】
【誤魔化すように誤魔化すように紅玉の瞳の少女は言葉に紡いだ――】


「私の名前はルビィ・スピネル――あなたのお名前を、お聞かせ願えませんか?」
「もちろん、不快でなければで結構ですので――」
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 23:43:23.72 ID:vHN4nRvxo
【月夜が静かな形を見せる、夜が深まったなら宵闇は書き消されて】
【刃と銃弾、重なった交錯の先にある思いの果てを誰が辿ることができるのだろうか】
【揺れる、揺らぐ、思いの破片、零れるその瞬間を見ることも出来ずに】


(ヤバイな……一瞬も気を抜けないのが、こんなに神経を使うとは……っ
これも年齢ってやつか……流石にこんな決着は嫌だぜ……)


【汗を左腕で拭う、服に染み入るその水の欠片】
【彼と貴女の決定的な差、ソレは年齢にこそあるのだろう】
【彼はもうロートルであって、ソレは長く戦闘する身体ではなかった】

【ただでさえ身を切るような思いをして一手一手刻んでいる状態なのだから】
【僅かな油断がその瞬間に首を断たれる結果になり得る、ソレは彼へのプレッシャーとなって】
【また一つ背筋を冷たい汗が流れ落ちた】


わかってねぇな嬢ちゃん、俺のBreaking Benjamin≠フことを
この至近距離で銃弾を放った時点で、俺の勝ちは確定してんだよ


【彼の能力は、もう理解できているだろう爆発≠フ能力】
【触れたものを介する爆破、恐れくソレは銃弾を介しても可能だ】
【彼が心臓に向けて銃弾を放った瞬間、彼は勝利を確信する】

【剣で触れた瞬間に爆破すればいい、そうしたなら彼の有利は絶対なのだから】
【滲む笑みの欠片、勝利を確信するということはつまり、その美酒を飲み干すこと】
【終わりへと踏み出した一歩を、確かな瞬間に刻んだ】


馬鹿が血迷ったか!!……銃弾に触れた瞬間に爆破――――――っ!!
何ッ!!何だとッ!!アンタ……まさかッ!!!

銃弾を、銃弾を弾き返した≠セとッ!!!!!


【湧き上がる鮮血、舞い上がるその姿はステンドグラスを濡らした一瞬の欠片】
【右太ももへと食い込む銃弾に彼の表情が苦悶に染まる】
【腹部に迫る一閃、直撃したならソレで彼の命は終る=z

【――――――だからこそ、だ】


知ってる……知ってるだろ嬢ちゃん、俺は……俺は爆弾狂≠セって
アンタはわかってねぇよ、ソレで俺を切り裂けると思ったら、俺の覚悟を切り裂けると思ったら……っ
百年はええよ!!若造があああああああああ

――――――Breaking Benjamin=I!!!


【爆発、何を爆発させたか、その対象は一つしか無い】
【右足≠セ、彼の右腿へと食い込んだ銃弾を爆発させたのだ】
【当然右足が無事なはずはない、爆発に巻き込まれたソレは消える=z

【吹き飛ばされる彼の残りの身体、地面に叩きつけられる残り香】
【右足は根元からはじけ飛び、血が溢れ出ているだろう】
【だがきっと貴女の攻撃は回避できるはずだ、ならば次は彼の番だ】

【――――――右手の銃口が、貴女の頭へと向いて】
【放たれる銃弾、正真正銘、彼の最期の一手だ】
【タイミングは完璧に近い、少しの油断も、躊躇もソレが貴女の死へと直結するほど、に】

【死合いの終わりを告げるベルには、十分すぎるほどに】
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/03(土) 23:43:47.41 ID:vHN4nRvxo
>>406>>402へです
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/03(土) 23:59:31.33 ID:OOgnFLKO0

【霧雨のように、しっとりと身体を濡らす雨が降る街の中――――けれど、未だ喧噪は消えていなくて】
【そんな街の中、この時間帯に出歩くには大凡不釣り合いとも思える小柄な影が一つあり】
【特筆すべきは右目を覆う眼帯。ダークグレーと蒼を基調にした軍服。腰に提げた軍刀は、通常よりも長い其れで】
【男性が纏う其れだけれど……身体のラインを見るに、その影の主は恐らく女性――――否、少女】


「先輩ー。何処に行ったでありますかー
せんぱーい?……むぅ、困ったでありますね
都合が悪くなったら直ぐに逃げる癖をどうにかして欲しいものであります」

【よく手入れされた、藍色の髪。濡れていることもあって、街灯や月光を眩く反射させているけれど】
【漏れる溜息。――――その表情は、何処か浮かない様子】
【背伸びをして辺りを見回すようにしてみるけれど、諦めた様子を見せれば再び踵を地に着けて】


「その内ひょっこりと顔を出すのでありましょうが……それじゃあ、色々と遅いのであります
全く……先輩にはもっと自警団としての意識をしっかりと――――――」

【よくよく見れば、腕を潜らせている物は自警団の一員である事を証明する腕章】
【――――となれば、“先輩”とは必然的に自分の上司の事なのだろう。辺りに居ない事を確認して、小言を漏らそうとすれば……】
【“ぐぅ〜”なんて間抜けな音。思いの外響いた音は、少女の顔を真っ赤にさせるには十分な要因】
【……幾ら自警団と言えども、この時間に少女が出歩く姿は其れなりに目立つ。何よりも、先程の腹の虫が一層存在感を引き立ててしまっていて】
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/04(日) 00:01:08.15 ID:kPKKqLJio
>>400>>403

【ミシリと壁に罅が入る音が聞こえるだろうか、連続の爆発により壁の耐久も減ってきているのだろう】
【煙が晴れたなら、そこに映るのは佇む一つの人影の形】
【ソレはやがて消え入るような微かな色合いでもあるのだろうか】

【爆発に巻き込まれたシック・ボーイとバンチョーと違い彼は爆発の直撃を受けた】
【流石に無事というわけではなく、肩幅に開いた両足がやや砕けそうになり】
【左腕をだらんと垂らしたまま、少し乱れた呼吸を曝け出していた】


チッ……効いたぜ今のは……骨の髄まで焼き尽くされた気分だ
湧いてくるよなァ!!生きてるって実感がよぉ!!心の底からなァ!!
これでこそCircus Maximus≠使った甲斐があるってもんだ


【ダメージの量は中々外見からは判断できない、白塗りの素肌は未だに表情を見せない】
【それでも声の調子から決して軽いダメージだとは言えないだろう】
【むしろ、立っているだけ奇跡に近い、そんな印象を受けても仕方ないくらい】

【けれども、彼の表情はまだ死んではいない、むしろこれからだ、と言いたげに】
【それほどまでに彼は余力を残していた、能力によりダメージを減らしたのだろうか】
【しかしソレを含めてもなお、ここまで追い詰められているのは、その二人のコンビネーション故か】


ぷっ……ぷぷっ……ハハハハハ!!!馬鹿だろてめぇら!!不意打ちしようとして種明かしかよ!!
コイツぁ傑作だ!テメェらは最期の!唯一の!チャンスを溝に叩き捨てたんだぜ!
ハハハハハ……うかばれねぇよな、うかばれねぇよこりゃぁよぉ!!

さっきまでのゴミみたいな屑みたいな死体どももテメェらを地獄で待ってるぜぇ
やべぇな期待しとけよ、テメェのその腐った泥みたいな身体ボロボロのずたずたにされちまうぜ!!

まぁその前に俺様のCircus Maximus≠ナ燃やし尽くしてやるからよぉ!!
身体は地獄にとっときなぁあああああ!!!!


【高笑い嘲笑、その音は確かに響き渡る絶望の音が如く】
【事実そうであろう、不意打ちのチャンスを、バンチョーが自身で潰したからだ】
【種明かしさえあれば、彼ほどの実力者が選択をミスすることなどないのだから】

【天空へと振りかざす右腕、高く挙げられたなら舌を口から零した】
【赤い舌先が覗く、傾いた顔と視線は嘲り笑うようにバンチョーを見つめて】
【開かれた瞳孔が煌めく、その指先に零れたため息のように】

【右手の指先が鳴り響いたなら、右手の上に出現する巨大な火球】
【不意打ちが分かっているのだ――――――ソレを回避し、バンチョーに叩きこめば終わりだろう】


これにて幕引きだ……楽しかったぜ、雑魚ども!!!
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/04(日) 00:01:41.24 ID:kPKKqLJio
>>400>>403

【彼ほどの実力者が選択をミスすることなど無い、と言ってしまうのであれば】
【ソレは彼の足元の貴方≠煦齒盾ネのであろう】
【気づくのは少し後、火球が強さを増した、その後】

【不意打ちを前に出て回避しようとした、その瞬間に脚が止まった】
【足に感じる違和感、そこに在るのは、一つのボロボロの姿】
【一笑、その必死な姿に哀れさをも感じるほどに】


ヒャハハハハハハ!!!なんじゃそりゃ!!すげぇな今のでまだ生きてんのかよ!!
ったく称賛に値する頑丈さだぜ、ゴキブリ並みの生命力――――――いやゴキブリそのものか!!
まさかよぉ、この俺様が、そんなゴキブリなんかに、脚を掬われるたぁよぉ!!!!!!!!!!


【脚を掴まれた、その瞬間に、彼の回避する手段は消えてなくなった】
【あるのはただ終わりにも似た、笑い声、高笑いの声が響き渡るなら】
【そこには嗚咽も苦しみもなく、ただひたすらに笑い続けるだけで】

【シック・ボーイのダメージと比べたなら、彼の方はダメージを受けていないように見える】
【ソレはつまり彼の能力が何かを行った、ということであろうか】
【けれどもソレを含めてもなお、ここまで追い詰められているのは、そのコンビネーション故か】


アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!ヒャハハハハハハ!!!!
ハーッハハハハハハッハ!!!!!ヒャハハハハ!!!!


【不意打ちを受け、体勢を崩す彼、その一撃できっと十分だろう】
【彼のコントロールから離れ、巨大になった火球が、彼へと落ちてくる=z
【シック・ボーイは離れたなら巻き込まれない距離、だが彼へはきっと直撃する】

【巨大な火球に押しつぶされる、燃えつかされるその一瞬になってもただ】
【彼の笑い声はどこまでもそのパーティ会場に響き渡るが如く】

【機関≠ニ正義≠ニ、絡み合うにはありえない存在に思えた】
【けれどもソレが確かに手を組んだのは、偏に共通の敵がいたから、か】
【悪役も楽じゃないな、思ったのはきっと、まだマトモな彼≠フよう】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/04(日) 00:09:29.71 ID:22+rlLnMo
>>405

ああ、実に短いものよ。
しかし、短き生を存分に楽しむ為に必死に生きる様もまた、美しい。

そんな必死さなど、余はとうに忘れてしまったからのう……
隣の芝は何とやら、じゃな

【懐から取り出した鉄扇で自らを扇げば、僅かに目を細める】
【風が涼しいからなのか、少女の姿を見てなのか、その顔は微笑んでいるようにも見えて】

……生憎と、余はそうそう死なぬものでなあ。
しかしまあ、人の子らはそういうものなのかの。


余の名か?余は瑚蝶。櫻に生まれ、夜に住む一匹の狐よ。

【少女─ルビィの問いかけに応えて告げる名前とその正体】
【遥か永き時を生きた狐は妖狐となるというが、きっと女もその類いの存在なのだろう】
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/04(日) 00:09:42.21 ID:orjF1QpFo
>>404
【構えがおかしい───変速的な構え等、今更驚く事は無い】
【だが───不味い】

【視線ですら、追うのがやっと。体に至っては当然の如く追いつかない───速いッ!?】

……ッ!

【振り向くのは間に合わない、防御は叶わず、しかしせめてもの抵抗として少しでも前に進み傷を浅く収めた】
【そのまま、踏み出した足で床板を強く踏み、軸足に固定して───】

ぅおらぁ!!

【ようやく振り向く。一瞬の事でも、戦いの場に於いては短くはない刹那】
【振り向きながら空いた脚を伸ばし、背後の霧崎に蹴りを放つ】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/08/04(日) 00:21:30.89 ID:DV/gZY6To
>>408
その少女も中々に目立つものだけれども、霧雨が降るこの街で、同等に、いやそれ以上に目立つ影が一つ。

「……あー。調子出ねーな、全く……」

ぼやくその影は、有り体に言えば『魔法使い』だった。
まず目に付くのは、紫色で、大きな庇が付いた三角帽子。同色で縁に金色の刺繍が施されたローブ。
そして先端が丸められ、まるで植物のゼンマイのような形をした木製の杖。
時代錯誤とかそんなレベルでないそんな服装をするのは、帽子で見えにくいが、銀色の髪を持った男だった。

闇夜にぽつんと光る外灯を何気なしに見ながら呟、少女と同じく浮かない表情だ。
やがて見るのにも飽きたのか、再び歩みを進めるのだがその表情は全く変わらない。


「……んあ? ―――どうした? 腹減ってんのか?」


とまぁそんな調子で街まで進んできたのだが、やることもない。因みに今日泊まるところも決まってないときた。
さてどうするとようやく考え始めた所で、ぐぅ〜・・・と。そんな腹の音が聞こえたのは男の前方。同じ方を向く少女からだったらしい。

人助けが仕事だと言い張るこの無職は、佇む少女の後方から、ぬっと現れて開口一番そんな言葉を口にする。
しかし、男は迂闊であった。二つ、間違いを犯す。
一つは自分の服装が結構な不審者であることに全く気づいていないということ。
そしてもう一つは彼女が自警団の人間だということを知らなかった点だ。

/かなーり遅れましたが、よろしくおねがいします!
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 00:26:32.75 ID:GlVjrCnco
>>411
「人生は花のようなものとも、宝石のようなものとも比喩されます。」
「できることなら私の人生は宝石のように光り輝いて――そんな風になりたいです。」

「余裕綽々とは――私には無縁そうです…きっとずっと生きるのに必死なんでしょうね私は」

【噴水の外へと向けて歩き出す――水浴びにはもう満足したようで、静かに水辺から陸へと歩んだ】
【濡れた服から――髪から――身体から――ぽたぽたと雫が垂れる】

【「そうそう死ねない」――その女、胡蝶の言う言葉を心の中で半数する】
【ただの人間≠ナある少女ルビィにとって、死とは身近で遠いもの――生きてる限りは無縁なもの】

「そーゆーものなのです。」
「死ぬのは怖いですし、こう見えて私けっこう簡単に死にますよ?」

「えーと、胡蝶さん…」
「夜に住む一匹の狐さん、には――人間の死は理解しがたい話かも知れませんが…」

【ボッ、と――音を立ててルビィの身体が紅き炎に包まれる――】
【服を焦がさぬよう、加減しながら紅蓮の炎を燃やして服を乾かしてゆく】


【たとえば――たとえばこれは例え話だ】
【セミにとっての死は、セミに死を理解≠キる事ができたとして――】
【その死は人間と平等な死と呼べるだろうか?】

【ルビィの考えとしては、平等ではない――セミはきっと人間以上に死を意識するだろう】
【規模が違えど、人間と妖狐≠ナも――きっとおそらくそれは同じ】
【ルビィはそう考えた】


「さて、と――服が乾いたら私はお暇致しましょうかね。」
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 00:32:33.54 ID:CtR46Zwao
>>412

【女性という体格と、相手の発想を飛び越える発想】
【持ちうるものを十分に活かして、相手を惑わし、こちらの調子へ引きずり込むことこそ】
【兵法の基本であり、彼女の得意とする戦法であった】

【重厚にミステリアスで魅惑的なこの場所も曲も全ては自分のため】
【斬り上げると共に、彼女は上手くいっている事に微笑した】

………クッ!!

【相手の蹴りに大して、腕を自らの前でクロスして、ガードする】
【が勢いのついたその蹴りにこちらは持っていかれて、ゴロゴロと舞台の上を転がる】

……チッ、一つ落とした

【刀がその衝撃で手から離れて、舞台を転がって壇上から落ちていった】
【仰向けの状態から、両手を床に、板を勢い良く踏みつけ跳ね起きて】
【手首のグルグルと回して、感触を確かめる。関節は大丈夫だ。怪我はない】

【それを確かめると、もう一本、下げてあった刀を数センチだけ刃が見えるように、鞘から引き抜いた】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/08/04(日) 00:33:15.93 ID:/47ZzVbTo
>>403,409-410

……悪手打っちまってすまんなァ

後……相棒、いい加減よォ、不意打つ時喋んの止めろ、相手の言う通り不意打ちにならん……あっつッ

【彼自身は殆ど移動していない、むしろ遠ざかっていた――が】
【相棒は違っていた、幾ら地上2mの距離とはいえ、背面からの斬り裂きだったとはいえ、巨大な火球の熱が全く来ないわけはないだろう】
【――とは言え、熱を嫌う相棒は、空を"泳いで"バンチョーの許にへと即座に帰って……行くとみせかけて】

『ハイハイサーセンサーセン』

【―――― 一時的とは言え共闘をした相手だ、そう易々と見逃せなかったのだろう】
【シック・ボーイ"のみ"を抱えて、火球の範囲外ギリギリにへと逃がそうとする相棒】
【とは言え、自力で逃げられそうならば何もせずに、やはりバンチョーの許にへと帰るのだろうが】

……なァ、……いや………… 『ン?』 『水カ?』 『喉デモ渇イタノカ?』
…………違う、そんな気はするけどよ、……

……ッ

【そういえば。】 【当たり前だが、黒焦げたのは服だけではない】
【刺さっていた小さな欠片も、爆風が押し込んで更に体内へと向かっていた】
【幾らシック・ボーイと比べたら爆心地より遠かったとは言え、打たれ強さには自信があるとは言え、】
【爆風を、何の変哲も無い人の生身で受けていたのだ……それなのに、……――――】


…………

【相手の最後のあがきを警戒しているのだろうか、何かに警戒しているのだろうか、バンチョー自身はその場から一歩も動かない】
【熱を受けても一ミリも焼けなかった木刀も、紐の部分のみ幾らか焼けた鈴も、構えたまま】

……もう、便所じゃなくて良い、森でも、なんでも………… 『止メロ堪エロ』
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 00:38:20.63 ID:ajoGsX9R0
>>413
「そういえばお昼ご飯も晩ご飯も全て先輩に取られ、何も食べないままで今まで勤務していたでありますね……
うぅ、思い出したら更にお腹が…………――わっ?!なななな、何者でありますか?!」

【過ぎゆく人々が持って居るサンドイッチやらを羨ましそうに眺めているが、其れではいけないと自分を戒めて】
【大きく振られたかぶり。煩悩を追い出そうとするも、意識すればするほど自分の空腹具合もしっかりと強まり】
【――――そんな時の事。ぬっと顔を見せた男性を見れば、慌てて後ろへと下がるのだろう】
【軍刀の柄に手を掛ける事は無いが、其れでも警戒している事は容易に分かる程であり】


「べ、別に其処までお腹が空いているわけでは―――――……
空いている訳では無いのであります!」

【言葉の途中。虚しくも、響き渡る腹の虫の音】
【カァ、と顔を真っ赤に上気させつつも、オーバーなまでに首を振れば男性の言葉を否定して】


「それに、知らない人の言葉には気を付けろとも言っていたのであります!
……見るからに怪しいその姿、職務質問をさせて貰うのでありますよ!!」

【髪と同じく、藍色の双眸が男性へと向けられる事だろう】
【責め立てるものでは無いけれど、間違い無く不審者と見る其れ。何よりも、職務質問という言葉――――】
【無職である男性にとって、さてどの様に聞こえるであろうか】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/04(日) 00:55:32.38 ID:aHpGs/kxo
>>414

光輝きたい、と言うか。ココ、お主は欲張りよのう。
ならば必死に生きるがよいぞ、小娘よ。
必死でなければ、他の者が何と言おうとも余は"宝石"とは認めんからな。

【そう言ってルビィを見る目はどこか満足げで、ココ、と喉を鳴らして笑いをまた一つ】

【噴水から出ていくその姿を目で追いつつ、す、と立ち上がればこちらは噴水の中心へと近づいて】

まあ、そうじゃろうな。余らに比べて人の子はひどく脆い。

──しかし、脆く、儚い者の方が死というものの事はわかるのであろうな。
まったく、大抵の事は長く生きる者の方がよくわかるというのに、おかしなことよなぁ。

【命が短い者ほど、"死"は近い存在となって】
【それ故に"死"への恐怖は強く、そして生への"必死さ"も増すのであろうか──】

ん、帰るのかえ?ならば余も帰ることにしようかの。

──ではな、ルビィよ。今宵はなかなかに楽しい夜であったぞ。

【また一つ、風が吹き抜けて】
【風が通った後にはもう、狐の姿はそこには無かった】


/お疲れ様でしたー
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/08/04(日) 00:57:29.88 ID:DV/gZY6To
>>417
思えば、男の行動は初めから間違っていた。
少女がいかなる事情で外に居るのかは知らないが、そもそもこんな時間に少女に声をかけるというのが間違いだったのだ。
しかし、日常的に人助けをしているこの男にとっては、最早困っている人に声をかけるというのは半ば反射的な動作。
仕方がないといえばそれまでだが、今回は相手が悪かったらしい。

「……いや、別に笑ってるわけじゃねーんだから強がらなくても……」

どうしても肯定するのが嫌なのか首を振る少女に男は、まずは落ち着けと声を掛けて。
其処で気づいた。少女の服装。それは忘れもしない、過去、自分を留置場にぶち込んだ自警団の制服ではなかろうか。
そして己の格好にも気がついた。先ほど例の人助けをしてきたばかりで着替えていないその衣服は、魔法使いスタイル。
―――人助け中に自警団に見つかると、ほぼ100%の確率で不審者に見られる格好である。
……冷や汗が出てきた。

「ま、待とうぜ嬢ちゃん。 俺はただ嬢ちゃんが困ってるのを見過ごせなかっただけでだな……」

まぁまぁ落ち着こうぜ……、と冷や汗をかきながら両手を前に出し、一歩後ずさる男。
もう捕まるのはゴメンだとそう思っての行動なのだが、悲しきかな、男の不審性をグングンをアップさせている結果にほかならない。
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/08/04(日) 01:03:54.77 ID:7Ehg3aJGo
>>409-410>>416

―――本当、ならば・・・く、ふふふ・・・ッ!もう、ワタクシ、も・・・朽ちて可笑しくは、ないの、デスが、ね・・・ッ!
D.R.U.G.Sとは――・・・前にも、一度・・・"踊って"もらいました、アレは――あの夜は、いい白銀の夜、デシた・・・
まだ――終わって、いないのですよ。ワタクシと、ワタクシ"達"と、アナタ方との、抗争は――・・・

血で、血を贖う――・・・夜はまだ、更けていないのデス。

―――アナタの、笑い声は――・・・嫌いでは、ない。

【捕まえた脚部。放す事は無い。自身にかけられる罵倒にすら、シックは悠然と答えるだろう。】
【理由や目的のある戦闘、ではないのだ――シックはただ、争いの中にこそ身を置きたかった。】
【かつて戦争と言う果てない海の中に身を宿す事を、"溺れる"と形容し銃を向け合ったあの――"彼"の為にも。】
【シックは、溺れ続けていなければならなかった。息をすることすらも忘れ。ただ、水の中で喘ぎ、もがく。】

【――いつかその水流が、血で染められるその瞬間まで。もしかすれば、それは今なのかもしれなかった。】
【が――しかし。どうやら、今宵の闘争はそういった終焉を迎えないようだ。】

【少なくとも、シックが作った隙により火炎が――業火の火球が落下してくる其れだけは理解が出来た。】
【避けようにも、動かない。身体が反応しないのだが――なんと、自分の身体が勝手に、動き。】
【否――"引っ張られた"のだった、誰だか分からないが――そう、誰かに、助けられて。】
【シックの身体は抱えられ、その瞬間に"融合"が解除され始める――力を使いすぎた、その証だろう。】

【ただ、彼はバンチョーの『相棒』によって命を拾った。これでなんとか、火炎からは逃れられるか――。】

――・・・おや、おや、おや。老体が――・・・ぐっ、ふぅ・・・ふふふっ・・・!恥を、かいて、しまったようデス・・・ね。
もうしわけ、アリマセン・・・手を差し伸べてくれた事に、感謝・・・しますよ・・・。

【それにしても――問題はJOKERの異常なまでの撃たれ強さか。】
【シックとほぼ同じ位置で爆撃を受けたにも拘らず、あの程度のダメージで済む能力。】
【何らかの術で軽減したか、それとも元来の身体能力か・・・シックは自身の身体が回収される寸前、】
【カーペットに堕ちていた"愛用の傘"を、そっと拾い上げて――カシャリ、と柄の部分のスイッチを押す。】
【先端部分が展開し、バレルが開口、アイアン・サイトが持ち上がって――傘は仕込み銃と化した。】
【仮にJOKERが炎の中から立ち上がるのであれば――最後の意識を込めて、傘から銃撃を放つつもりだろう。】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 01:04:17.64 ID:Q2Adr6dO0
【街外れ――ひとの手の入った森】
【頭上で拡がる枝葉は十分に整理され、それならば零れ落ちる三日月の細い明かり、暗がりを照らして】
【ウッドチップで覆われた地面はふわり柔らかで、時折生える草だってちっぽけなもの、歩く邪魔には足りないなら】
【きちんとした間隔で立派に生える木だって、向こう側の視界を邪魔するほどでもない――不自然と自然の、狭間の場所】

……――、

【そんな木の向こう側できらり瞬いて踊る影があったなら、或いは、誰かの興味を惹くのだろうか】
【黄緑色をヴェールのように纏った桜色の魔力の塊。ぞろり長く伸びるなら、まるで蛇の舞うようでもある】
【ちぢりりと花弁めいた残滓を散らす軌跡の尾を引いて――そのすぐ傍に、ひとかげがひとつ、あった】

【夜よりも冥い色をした髪が月明かりに照らされて艶めく、膝と並ぶほどの長さが夜風に揺らぐなら】
【長い前髪に隠れがちな瞳が晒される、黒と赤のオッドアイ、蛇めいて丸い瞳が追いかけるのは、ひたすらに眼前】
【白のシャツに締めた黒のコルセット、ひらり膨らんで揺れるのが暗い赤色、ミニ丈のスカートで】
【全体的にフリルが多め――だなんて余談。長く薄手のソックスが素肌を透かして、足元がショートの編み上げブーツ】
【――おなかの前で繋ぐように組む両手と、首。くるり白い包帯で飾るなら、肌の白いのが良く目立つ】
【そんな白さの中、左の薬指に明確に刻まれているのが指輪めいて黒蛇の痣、何かを誓った証のような、】

――っ、

【――そんな少女が、ふわと息を吸い込めばざざと揺らぐ桜色の輪郭、夜にひどく目立って】
【もしも少女の表情を確かめられるよな位置に誰かが立つならば。きっと、そこには疲弊めいた色があるはずだ】

【(木々の間の僅かなスペースを、どこまでも清く澄んだ水の気配が満たしていたなら、)】
【(その根源が彼女だと気付くのは容易いはず。色濃く、隠しもせずに、湛えていた)】
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/04(日) 01:04:27.28 ID:WSFHv1aV0
>>406

【撃ち返した弾丸が標的に突き刺さり、動きを留めた一瞬に踏み込む斬撃、】
【鮮血と爆風が手応えに代わり―――――――― 空を切る感触だけがその手には残る】

(――――――……ッ!?)

【“右脚を吹き飛ばし難を逃れた”、衝撃波に眩む視界で認識する。】
【斬撃の不発を悟るとともに、片脚の男に向けられた銃口――――――― 軸をずらし射線を躱さんとするが躱せず】

――――――……っ……ぁ……!

【―――――― 左の肩口に深々と、鮮血を噴き上げて銃弾が食い込む。受けて、防げぬ衝撃に上体が傾ぐ。】
【爆破すればそれで終いだ―――――― 肺近くにまで埋め込まれた鉛の爆薬が、確実にその命を奪うのだろう】

【―――――――――“その殺意にこそ、最後の勝機を見た”。】

【譬え共倒れになるつもりだったとしても―――――― 任意による能力の発動ならば、“意識する” 必要はある筈、】
【着弾からそれまでに斬撃を叩き込む。無意識よりもなお迅速く、痛覚ごと総ての感覚を砥ぎ澄ます最速の一閃――――――、】
【可能性など僅かだった。だが、“このまま”、賭け尽くさぬままに終われぬと】


……分かって、ないわね……百年後じゃもう遅いのよ。
何一つ、この世に同じものなんてない。
……“今”も“命”も、きっと夜だってそれは同じ――――――――

……私の護りたい大切なものは、今ここにあるこの世界にしかない……!!


【……銃弾ごと、全身を一個の加速装置が如く。あらゆる力を刃に載せて、上体が斜めに両腕を振り下ろして】


…………はぁあああッ――――――――――――――――!!

【放つ一撃は袈裟掛けの斬りおろし。左肩口から右脇腹へと斜めに断たんと、強く、強く足許を踏み締めた。】

【これで絶てねば命運は尽きる――――――― 爆弾狂の異能は逃れ得ず、少女の躰が耐え得る筈もない。】
【死の間際でも揺れぬ心は、だからこそ、“終わりまで” 己として戦う燃焼に総てを賭けて、】
【殺意を含まず/だが “殺さずに済むか” の分からぬ一閃。けれどその最良の可能性に賭けるため、振り絞る全霊に刃が迸った。】
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/04(日) 01:10:01.93 ID:kPKKqLJio
>>416>>420

【火球が落ちる、床へと落ちた瞬間に、その勢いを増すかのように】
【灼熱で焼かれ紅蓮に巻かれながらも彼は高笑いをかき消さなかった】
【ソレはまるでこの世に残す怨嗟と怨恨の呪いが如く】

【その刹那、大きくガタンと会場内部が揺れるだろう】
【そして間髪入れずに凄まじい轟音が内部に響き渡る】
【地鳴りのような炸裂音が聞こえたなら――――――】

【火球の落ちた地点に巨大な穴が開いているだろう】
【数度の爆発にこの火球、凄まじい耐久度を持つ会場が先に音を上げた】
【――――――だが声は止まっている、彼はもう死んだのだろうか】


ヒャハハハハハハハハ!!!ハハハハハハハハハ!!!
聞こえてるかい愛しのゴキブリ共!!聞こえてるなら返事してくれよ
さっきまでみたいに耳障りなノイズを響かせてくれよ!!ヒャハハハハ!!!

お前らのお陰だよ、焼却炉に突っ込まれる気分が分かったぜ!!
火葬の愉しみはこれで堪能したからよぉ、今度は是非テメェらも味わってみろよ
俺に任せてくれたらよぉキッチリさじ加減間違えてやっからよ!!!

骨どころか消し炭も残らねぇようにしてやるよ!!ハハハハハハ!!!


【声が響き渡る、相変わらずの下卑た最低の口調が慣れたようになぞられる】
【外だ、パーティの窓から覗いたなら、ヘリコプターから降りた縄はしごを握る彼の姿があるだろう】
【窓を突き破って響く声、ソレはまるで轟音が如く、一体どこからそんな声量が出るのか】

【月光に照らし出されるその姿はその傷の大きさを物語っていた】
【白塗りのメイクのほとんどは剥がれて、醜い火傷の痕がその顔の大半を覆っている】
【その生々しさはついさっき付けられたばかりなのだろう、それでも彼は笑う】

【きっと彼にとっては彼すらもジョークの道具に過ぎなくて】
【苦痛を受けたならば、苦悶に染まったならば、その量だけ相手に対する加虐を考える】
【それこそが彼の存在意義にして、存在理由、とも言える】


あばよ、ゴキブリども、次は絶対に駆逐してやるぜ
俺の顔を焼いて下さったキミたちの全身を焼きつくすサービスだってなぁ!!
アフターケアだって万全だぜ?キッチリこの脚で踏み躙ってやるよ!!

ヒャハハハハハハハ!!!ハハハハハハハハ!!!


【Dope≠ノ染められた宴はこれで終わりを告げるのだろう、確かな傷跡を残して】
【やがて訪れる静寂は、ソレまでの騒音と比べたなら微々たるものなのだろう】
【だからこそ、響き渡るその無音が、どうにも痛いかもしれない】

【完勝とは言いがたい、けれども勝利には間違いないのだろう】
【機関≠ニ正義=\―――――その両立は不可能ではない、と】
【去っていくヘリコプターに揺られるJOKER≠ェ証明したのだろう】


/お二人様お疲れ様でした
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 01:10:57.01 ID:ajoGsX9R0
>>419

【本来ならば、声を掛けてきてくれた男性に感謝すべき場面――――なのだろうけれど】
【少女の面持ちを見れば、不審こそあれど感謝の気持ちなど微塵も持って居ない事が分かるだろう】
【ジロリ、睨み付けるような視線。強がるな、との言葉にはその視線も強くして】


「別に、強がっていないであります
そんな事よりも、私は貴方の事に訊ねているのでありますよ
別に秘密を吐けといっている訳では無いのでありますから、リラックスして答えて欲しいのであります」

【一歩、踏み込んで男性へと近づく】
【――――冷や汗の存在に気付いたのかは不明だが、それでもマジマジと顔を見ている事から察すれば……】
【後ずさりをされれば、更に一歩近づいて、依然変わらぬ距離】


「年齢、職業を答えて欲しいのであります
……別に、それ以外の事は聞くつもりがないので大丈夫でありますよ?
困っている人を見過ごせないのは、私も同じであります
そして、人を困らせるであろう人も、見逃せないのであります
……どう見ても、貴方の服装は健全な其れには思えないのであのますが?」

【ズンズンと迫る距離。さあ、吐けとでも言うかのように、聴取用のメモとペンを懐から取り出して】
【……何処か、堅い印象を与えるであろうか】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 01:12:09.12 ID:GlVjrCnco
>>418
「花のように朽ちるより、ずっとずっと輝かしい――。」
「もちろん、どんな宝石も磨かなければただの石――自分を磨かなければ輝きはしません。」

(もっとも、磨いて輝くかどうかもわからないのでしょうが…)

【再び、噴水の縁に腰掛けて一足ずつクツを履き揃える――。】
【このクツも、人間の体の脆さゆえに必要なものだ――決して、飾りなどではない】

【人間は全てにおいて脆い――毛皮や強靭な皮膚、牙や爪――その全てを失った。】


「百聞は一見にしかず――とは言え、実際の死がどうであるかは死ぬまでわからない。」
「そして――ただの動物≠ヘ死を理解できない――。」

「人間くらいのものです――獣としての強靭さと引き換えに心を得て、死に恐怖する愚かな生き物は」

【幸せに生きよ――】


「えぇ、さよならです胡蝶さん――またいつか、どこかできっとお会いしましょう。」

【刹那に消えた妖狐の姿――それを確認するとルビィは再び空を仰いだ】

【死を理解するからこそ、生きる力を得る――二律背反のようでどうにも面白おかしい】
【あの妖狐の紡いだ言葉の一つ一つを、ルビィは強く噛み締めた】


//お疲れ様ですー、お付き合いありがとうございました
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/04(日) 01:12:48.72 ID:orjF1QpFo
>>415

【霧崎を蹴り飛ばし、壇上から追放する事に成功したラッシュは、しかしそれでは終わらない】
【そもそもこの程度で終わる訳が無い、追撃を狙いラッシュは既に動いていた】

悪いな、『女は斬れねぇ』とか言ってる余裕もねぇんだ

【駆け出したラッシュが狙うのは、落ちた霧崎】
【両手に刀をしっかりと持ち、ネクタイとスーツの裾を揺らしながらラッシュは壇上から跳んだ】
【馬鹿みたいな飛び込み、馬鹿みたいな振り上げ、馬鹿みたいな攻撃───大上段に振り上げた刀を、落下の勢いを込めて兜割に振り下ろす】
【体重と落下を最大限に利用した威力重視の攻撃だ】
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/04(日) 01:22:41.88 ID:39zr4Vbbo
>>421

【薄弱とした三日月の帳の閑静な影絵の中でちらりと紛れ込む息を潜めた原色があった】
【西陽の残滓など見つけられない時刻、音を不思議なほど飲み込んでしまう靴は】
【勿論それが特別性というわけでもなく、歩き方の問題でどこまでも密やかに距離をつめていく】
【チラチラとモノトーンの景色に差し入るサイケデリックレッドは、確かに魔力を追っていた】

【やがて、彼が己の行動で許した音は跳躍前の小さな踏み込みのそれだった】

【――夜中の目にはキツい、原色の赤毛をした長身の男が落ちてきた】
【後ろ髪の伸ばされた一部分がゆらりと風に棚引いて、しっぽのようにも映る】
【一つ目の模様が描かれた布で顔は隠れて表情など見えないが額に張り付けているのだろうか?】
【フード付きのダークスーツに赤いシャツとホストのような出で立ちは、とてもとても異質で】
【太腿半ばにくるようベルトから伸びた紐で吊るされた刀を握った手は男にしては小さくみえた】

【そんな風体の奇人は、彼女の正面に木の上からの落下で姿を表したあと】
【アッパーでも決める形で柄を彼女のほうに伸ばす――しかしそれは攻撃のものではない】
【棒立ちでいれば顎に触れる前に止まり、やがて、キィンと軋む音色が夜を抜けた】
【それは彼女の放つ魔力が芳醇で澱みなく純粋なものであるほど――キィキィと、鳴き喚き、とまらない】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/04(日) 01:25:14.39 ID:kPKKqLJio
>>422

【薄れゆく視界、右足の切断箇所から零れる大量の血液】
【もう数分ももたないだろう、それだけの大きな傷だ、生きて帰れるとはもう思えない】
【だからこそ、最期に――――――せめて、組織のために忠を尽くしたかった】

【マフィアとは家族≠ナあり、誰よりも深い親族≠ナあるのだから】
【死を無為にしない組織であるファミリーの死はファミリーの生を助ける】
【息途切れる最期の瞬間まで、生き続けていたかった】

【そして願わくばそれからも、誰かの中で、生きていけるように、と】


悪いな嬢ちゃん、アンタだけに護りたい物が有ると思ってんじゃねぇよ
俺はアンタよりもずっと重く大きな物を護るんだよ、アンタにとっての世界より大きく重い物をな!
覚悟の差だよ、護りたい物の差が……アンタを殺 すんだ

叫べBreaking Benjamin=I!!俺の最期の……爆弾だ――――――ッ!!!!


【返す言葉、ソレは最早本能のようなもの】
【確かに彼の能力は意識≠ェ必要だ、けれどもその速度はほぼ光速と言っていいほど】
【電気信号による通信は何よりも早く、それでいて何よりも鋭い=z

【――――――けれどもそれは、可能性の話でしか、ないから】

【ソレはまさしく神速≠ナあったのだろう、常人では決して到達し得ない地点】
【高みに踏み込んだ、神域の抜刀、その速度はきっと光すらも置き去りにする程に】
【切り裂くその一瞬、切り裂かれるその一瞬――――――貴女の刃が閃光のように見えた】


【――――――弾ける鮮血が、貴女を濡らすのだろうか】


ガッ……!!!ああっ……ぁっ……!!!ぐあぁぁああ……!!

ありがと……よ……嬢ちゃん……ッ……
最期の……最期……イイもん見せて……もらった……っ……!!

……俺みたいな死に方、すんじゃ……ねーぞ……


【切り裂かれ倒れこむ彼、フェンスに背中を当てて、顔を項垂れさせる】
【最期の最期に僅かに顔を上げたなら、既に力の入らない右手を貴女に伸ばして】
【けれどもそれは、貴女に触れること無く倒れるだろう、顔は再びうつむく】

【爆弾狂は最期の爆弾を爆破できなかった、けれどもそれはもう心残りではなくて】
【彼の死に顔がほんの少しだけ笑みをはらんでいるようにみえるのは、間違いではないのだろう】

【夜は深くなる、暁はまだ遠いよう、夜明け前にはまだ巡り会えない】
【それでもただ、戦いは終わって後に残るのは静かな勝利の証のよう】
【消えいく姿をただいつまでも、見つめていて欲しかったのだろうか】


/これで終わりです!お疲れ様でしたー!
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 01:33:39.47 ID:CtR46Zwao
>>426

【ダンダンダンと駆けて来る足音が聞こえる】
【女は刀を抜いて、相手が来るのを待っていた】

【そして、彼奴は跳んだ。大ぶりの振り上げだスキだらけだ】
【こんなものを安安と見逃すほど甘い奴はこの場には居ない】

【彼女は相手を見ると、直ぐ様刀を投げた】
【縦に、槍投げのように相手目掛けて投げつけると】
【座席と座席の間に割りこむように振り下ろしの直撃を回避しようと動く】

【彼女の腰の鞘は2本とも空っぽだ】
【だがしかし、彼女はまた刀を握り締めている】

【何故か、それは辺りを見れば明らかだった】

…物語が進めば、舞台は変わるものですから

【舞台も、赤い絨毯も、高級な座席も、ギリシアのような柱も】
【全てに数えきれないほどの刀が視界に入るところ全てに突き刺さっていた】
【それは一瞬の出来事で、触れることは出来ない】
【しかし、彼女はその幻想の剣を構えている】
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/08/04(日) 01:33:45.87 ID:DV/gZY6To
>>424
俺は、ただ目の前の困ってる人を助けてあげようと声を掛けただけなのに。
自分のミスに気づいた男だが、それでも少女のその感謝など全く感じていない目つきに思わず縮こまってしまう。

(俺って、そんな怪しい行動をしてたか……?)

ミスといっても気づいたのは服装だけで、その行動も致命的に怪しかったことにいまだ気づいていないのだが。

「え、あー、年齢は22。職業は……」

答えに詰まる。まず、自分は現在進行形で無職である。だが、そんな答えは正直自分のプライドが許さない。
人助けをしているからヒーローとかどうだろうか。……それもちょっと違う。
数秒間、うーんうーんと小さく唸りながら――コレも結構怪しい――出した結論は。

「……ま、魔法使いだ。うん。……後この服装は―――魔法使いの正装だ」

やはり意地でも無職なんて言いたくなかったのか、そんな職業と答えても良いのかすらわからないことを口に出してしまった。
尚、服装の件に関してはあながち間違ってもない。人助け時には何時も着用しているのだから。


見た目こそ可愛らしい少女だが、中身は全く違うらしく。まるでベテラン自警団員のような雰囲気さえ感じられる。
そんな少女が果たして、男の言葉を信じてくれるのだろうか。内心男は、ちょっとあきらめ気味である。
あぁ、また詰所とかに連れて行かれるのかなぁ……なんて。それはもうご勘弁願いたいのだが。
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/08/04(日) 01:34:36.28 ID:/47ZzVbTo
>>420,422-423

……ふん、……相棒の手癖が悪ぃだけだ

【礼を素直に受け止める、それは出来ない――機関員だからか?】 【……違う、元からだ】

【このままJOKERが立ち去るのを見届けるのはごめんだ、そう言わんばかりに振るわれる木刀】
【しかしそれは……途中、力が抜けてからんと地面に落ちる】
【結果、ただただJOKERが立ち去るのを見ているしか出来なかった】

ったく、まともじゃあねェ奴らの相手は疲れっぜ
瞬間移動だかすり替えておいたのかは知らんが、次は……
…………まァ、俺は甘ちゃんじゃあねェからな、真っ二つにでもしてやんよ

……よう、ゴキブリさんよォ
俺、当初の目的果たして来るわ――ちょっと、敵に塩送ってる余裕がねェくれェ、切羽詰まってきた
まッ、一日限りの共闘の縁がある、……後で骨くれェは拾っといてやっから安心しな

【ぺっ、と何か黒いモノを地面に吐き捨てれば――】
【痛みもダメージも感じさせぬ、最初と変わらぬ足取りでどこかにへと去っていくのだろう】

【どこかへ、その小さな黒いモノが羽ばたいていくのも見ずに――】



【――そして、ここは……あの街を外れた所のどこか】
【どんどん少なくなりゆく人っ気、明るさ――とぼとぼと、何かが歩く】

……はァ
こんなひっでェダメージで痛みも感じず何事もなかったかのように歩けるなんて、……夢みてェだな

…………こんな夢いらねェっつゥーの


"あいつら"に、挨拶くれェはしておきたァったなァ――
ったく、ユウトさんのせいだかっな……あの"大馬鹿もん"め

【そこには、生気のない目でひとりどこかへと彷徨う、中年の姿があった】


/お疲れ様でしたー
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 01:45:32.17 ID:ajoGsX9R0
>>430

「二十二歳?私よりも四つも年上でありましたか……まあ、この場ではどうでも良いことであります
それで、職業について早く答えて欲しいのでありますが
……そんなに言い難い職業でありますか?カノッサ、なんて言葉が出たらその時点で仲間を大勢呼ぶことになるでありますが」

【唸っている時間に比例して、その表情の怪訝さも増していく事だろう】
【――――走らせたペン。開いたページを見れば、今までにも何人も職務質問をしていた事が分かるであろう】
【仕事熱心。そう思わせるのは、何も外見や言葉だけでは内容で】
【余談ではあるが――――少女の言葉が本当であれば、18歳という事になるか】


「……随分と古典的な魔法使いでありますね
ハロウィンはまだまだ先でありますよ?」

【嘘を見通すかのような双眸。まるで吸い込まれるような錯覚を起こさせるような、深い色合い】
【マジマジと見つめて居たが――――やがては、「ふむ」と声を発して】


「かといって、嘘を言っている様にも思えないでありますね
……職業が魔法使い、という言葉を信じるでありますよ
ああ、最後に名前だけを教えて欲しいであります。一応、仲間達にも見せなくてればいけないのでありますよ」

【先程までの表情とは一転。微笑みを向ければ、小さく頷いた】
【……予想に反して、どうやら職業魔法使いを信じた様】
【小首を捻れば、名前を問うて――――素直に話してくれれば、その通りにペンを走らせるのだろう】
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 01:51:12.10 ID:Q2Adr6dO0
>>427

【薄ぺらな三日月の帳は不自由のない程度には夜を照らして見せてくれるけれど】
【黄緑を纏って踊りくねる蛇の零す燐光の性質、それが魔力に因るものならば、見た目以上に良く目立つ】
【宙を舞うのは魔力由来のモノだからというので説明が付くのだろう、――少女の視線の通りに、それは、繰られていた】

【――けれどそんな視線が。先に記したように疲弊色で濡れるなら、蛇の動きだって、どこかぎこちなさがある】
【それはさながら枚数の足りないパラパラ漫画を見るかのよう。右向けば右へ靡いて、上向けば上へ靡いて、】

―― 、    ――!

【夜の中で光纏うものを見つめ続ければ少しぐらい視界だって濁るだろう、けれど、原色の赤は鮮烈過ぎた】
【元から丸いかたちをした双眸が余計に丸く見開かれる、吐息が僅かに途切れる、瞬きも無いままに、追いかける】

【――何かが降ってきた。小動物の類ではない、ヒトのカタチをしている、男、だろうか、】
【――敵意は。害意は。いつから居たのか、どうして気付かなかったのか、集中の深さを言い訳にして片付ける、】

【彼がその姿を見せてから着地するまでの間、大雑把に思考を追いつかせれば、じと貫くような視線が褪める】
【見とめてより逸れないのがずっと――それこそ穴でも開けるかのようだ、五寸釘でも打ち込むよな鋭さがあって】

――ごきげんよう

【――伸ばされる柄とすれ違うように伸ばされる白さがあった、そして、それは、少女の右腕で】
【宙で踊っていた蛇がほどけるようにして毀れていくのが視界の隅ででも見えるだろうか、ぢぢりと残滓の花弁舞うたびに】
【蛇のかたちから分離していく魔力の残滓が少女へと引き摺り戻されていく、やがて、蛇は消えてしまうのだろうけれど】
【その変わりめいて右腕にぐるり渦巻いて顕現するものがあった。――威嚇めいて頭を揺らす蛇のかたち、再び魔力で模って】

【ぴたりと顎先に添えられたのを僅かに視線が堕ちて確認して、彼へと戻されるなら】
【人間と違った気配で立つひとのかたちの内でごぼり沸き立つ水の魔力、気付くことはなんら難しいことでもない】

【鈴のような響きを持つ声は研いだように鋭く尖って、満たすのが警戒と敵意だ、そしてそれを眼前に総て向ける】
【白く細く幽かな身体に底抜けの容量で湛えるのは猛毒染みて澄み過ぎた水の魔力、ならば、夜に鳴く音、よく響くのだろう】
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/04(日) 01:59:11.45 ID:orjF1QpFo
>>429
【───地面を、打ち砕いた】
【着地と同時に、紅い残光が刀身に吸い込まれ、床板に突き立つ刀の切っ先】
【つぅ、と頬から流れた血、背中よりはまだ浅い】

…はん、武器を無くしちゃどうしようもねぇな

【勝機、とラッシュは見た。二振りの刀を両方無くした霧崎に、抵抗の方法は無いと】
【立ち上がり、刀を持ち上げ、座席の間にいる霧崎を見る───】
【霧崎を、霧崎が握る刀を、刀が萌えた幻想の風景を───】

【顔に浮かんだのは、苦笑い。頭に浮かんだのは、愕然】

……ちぃ、能力者か……つーか厄介な……!

【霧崎は武器を無くしてはいない───そうと分かったラッシュは、同時に自分が今おかれた状況を理解する】
【理解して、溜息をつく】

悪いが、舞台は終演だ、女優はさっさと退場の時間だぜ

【する事と言えば、一見無策、無謀、無駄な足掻きの接近行動だ】
【完全に霧崎のフィールドになったこの場を、臆さずに駆け抜け接近する】
【接近すれば、右から左へ刀を振るう。それでは終わらず、踏み込みながら返す刀で左から右へ、振り上げた刀で上から下へ。三段斬りの連続攻撃を繋げる】
【ただのゴリ押し、防御策や後先など無い、多少の迎撃なら上等とそのまま突っ込むだけだ】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/08/04(日) 02:04:10.54 ID:DV/gZY6To
>>432
この世界ならば、例えば12歳で殺し屋やってたり、もっと幼い年齢で何か仕事をしてたりする人間が居ても良さそうな物だが、
それでも少女が未成人だというのには驚き、小さく眉を顰める男。……というより。

(18の子が自警団やってんのに22で無職って……)

男には何だか、自分がやっていることが全て自己満足のように思えてきた気がした。
コレでは過去の功績が全て無に帰してしまうような気がして―――あれ、そういえば。
過去に自分は、自分の事を何かと名乗っていたような気がするが。なんだっけか。

「何だか怪しいであります」とか何とか言われてまた詰め寄られるのを覚悟していた男だったが、
意外にも少女はその言葉を信用してくれたらしく、無職とか言わないで良かったと、ほっと胸を撫で下ろす。
最後に、少女は名前を聞いてきて。コレばっかりは間違えようもないので即答しようとした折、先ほどのつっかえが外れた。


「ライラ=フェルンストレーム。……そうそう、さっきの職業なんだけど。
 『カノッサ機関ハンター』ってのを追加してくれねーか? コレでも俺、カノッサ機関員と戦ってたんだぜ?」

自信を持って、そう答える。
まず、その名前を少女が同僚達に見せれば、数人かは「そいつか」と呆れることだろう。どうやら、結構悪い意味で名が知れているらしい。
そして、カノッサ機関ハンターという言葉。ともすれば、先ほどの魔法使いより聞こえは悪く感じるられるかもしれない。
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/04(日) 02:05:38.31 ID:ax80HTYAo
>>433

【曇りもくすみも濁りすらない、カラーペイントのような塗りつぶされたひたすらの赤】
【尻尾髪以外はさっぱりと切り揃えられたそれが季節外れの紅葉のように舞う】
【堅牢な視線の釘で射止められるほどのものではなく、けれどそれに何も思わぬほど落ちてもなく】
【表情の一切伺えない一つ目模様の輪郭すら隠した布の下でそろりと忍び寄るものがあった。苦笑の気配】

こんばんは、お嬢さん
急にすまない。私もコレを引くのでその物騒なものを引いて、……仕舞ってくれないか

【答えを聞く前に顎先に突き付けられた柄は彼の手元に戻り、けれど仕舞われはせず】
【視線の気配はわかるだろうか?彼の目は、どうにも執拗に彼女の魔力から逸らされているようだった】
【かわりに壊れる前の宝石のような慟哭を止めない刀は、先程から青年の手の中で鼓動を繰り返してさわがしい】
【……鼓動?】

……先に、言い訳
この刀は美食家で、魔力を喰らう性質がある。それに引かれてきたんだ。信じてもらうためならジュースくらい奢るよ

【怪しい格好と登場でぬけぬけとそんなことを言う青年が信じられるかはともかくとして、】
【餌を前にした飢狼が顎を打ち鳴らして餌を欲しがる姿に、確かに刀はよく似ている】
【今は持ち主の手に物理で押さえつけられているが――どうだろうか。これを離されたら、どうなるのだろう?】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2013/08/04(日) 02:13:56.43 ID:7Ehg3aJGo
>>423>>431

【――高笑いだけが、消えない。狂騒の果て、獄炎に包まれた終焉。】
【しかし、まだ彼の異常と言って差し支えの無い狂気染みた笑い声だけは、消えず。】
【つまり――この狂った一夜がまだ、完全なエンド・ロールを迎えていないことを意味していた。】

【揺れる会場内、轟音、もはや情報が多すぎてシックの脳内では処理しきれず――】
【彼もただ、眺めていた。もしJOKERが名前の通り、最後の切り札をまだ隠し持っているとすれば】
【その時はその時、出来る事をするまでだ。そう、溺れるその瞬間までは。】

【視界が開ける、彼がいた場所、即ち火球が直下した場所にはもう、彼の姿は無い。】
【であれば粉々に散ったか、それとも――いや】
【確かに聞こえてきた、一瞬止んだかと思えたその笑い声が、再び――地獄の再来を告げるように、また、響いた。】

――ぐ、ふ・・・・・・ッ!!ん、ふふ・・・!なんと、も・・・"愛しの"、ですか。
もはや大声でお返事をすることなど出来はしませんが――ええ、勿論。まだ、ワタクシも若人も死してはいませんよ。
それにしても、老人の言葉を耳障りとは、手厳シィ・・・最近の人はコワイですねぇ?ん、ふふふふ・・・ッ!

しかし――お言葉ですが、ワタクシ死ぬなら炎の中ではなく水の中、と決めておりましてね。
ゴキブリはアッツイのがニガテなのデス!!つまり――アナタとは決着をつける、ということデス。
望むところですとも、"切り札"サン。ぜひともこの老人めを地獄へと導きたまえ。――出来る事なら、静かに、ね。

――にしても、存在そのものがジョーク、という感じデショウか!いやはや、圧倒されっぱなしデシタよ。
ですが彼の――笑う声は嫌いじゃあない。またこんど、聞きたいものですねぇ。
悲鳴に変わるまで、たっぷりと・・・、ふふ・・・ん、ふふふふふふふふ・・・!

【――ヘリまで用意しているとは。当たり前と言えば当たり前だが、手際の良いJOKERの逃走手段に呆気に取られ】
【それでも矢張り死んでいなかったか、と口元を歪ませ、笑った。面白い、こうでなくては――これだからやめられない。】
【次に会うとき、如何なる方法で彼を嬲るか、想像して恍惚の表情に浸りながら――シックは傘を閉じた。】
【そして、命を救ってくれたバンチョーへと向き合って。】

・・・ゴキブリさ、、ワタクシ、名前はシックボーイと――ふふ、まあそれも、良いデショう!
ご安心を、一度ならず二度まで命を救えとは言いません。感謝しているのですからね、若人サン。
それにワタクシもまだ――・・・どうやら、倒れるわけにはいかないようです。骨を残すどころか、肉も魂も残っているんですよ。ふふふふ。
ええ、それでは失礼を――っと、アナタの名前は・・・、ふむ。行ってしまわれました、か。

【去り行くその姿を見送る事しか出来ず。シックもボロボロの身体をよろよろと持ち上げ、なんとか立ち上がると】
【ふらり、ふらりと窓の方へ向かい――そして、身を投げる。空中へと飛び出して――・・・】




「――大きな作戦が始まる。勝手な行動は謹んで欲しいのだがね、シック?」

申し訳ありまセン。ですが・・・お気に入りなのですよ、あのマフィアさん達はね。

「まったく、瘴気に当てられたか?・・・まあ良い。直ぐに私の部屋へ戻れ、プログラムを本格起動させるぞ。」

――ほう。では・・・ようやく、"お目覚め"ですか。我々の"切り札"が――・・・。

「その通りだ。始動の瞬間には立ち会って欲しい。しかし随分疲れているようだが――大丈夫かね?迎えを出そうか?」

・・・いえいえ。此れは自分で始めた事ですから。貴方は基地にいてください、"参謀殿"。

「――倒れられては困る。身体を大事にしてくれたまえ、シック?では――通信は終わりだ。」

「――マフィアと戯れるのも良いがね。我々の目的はなんだったか、しっかり思い出すことだ。以上。」

【路地裏。ホテルから少し離れた地で、シックは無線のスイッチを切る。そして――呟いた。】
【戯れではない――と。】

/お二人ともお疲れ様でしたー!
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 02:18:06.78 ID:ajoGsX9R0
>>435

「……長いのでライラと割愛するのであります
カノッサ機関ハンターでありますか?……プッ…………あ、失礼したであります」

【真面目な表情を繕っていたのだが、その肩書きが耳を通れば――――思わずの失笑か】
【再び澄ました顔で謝罪を述べるも、未だに口元が緩んでいるのは何故であろうか】
【プルプルと震えたり、口元を隠してみたりするが……態度は騙せず】


「こほん……ライラが望むのであれば、付け加えるでありますよ
その言葉が事実か嘘かは分からないでありますが……どっちにしても私個人としてはあまり勧めない事でありますが
カノッサに狙われるからでは無いであります。その……まるで……い、いえ、何でも無いであります
本当に、付け加えてしまっても良いでありますか?」

【うっすらと書き加えた文字。其処に視線を落とせば――――思わず、にやりとしてしまって】
【飽くまで、少女個人としての助言。あまり好ましくは無いのでは――――なんて事】
【言い終われば、思い出したかのように再び「ぐぅ」と小さく鳴るけれど】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 02:21:37.98 ID:CtR46Zwao
>>434

【彼女は刀を構えて、一点に集中していた】
【頭のなかで相手の首をとるイメージを描く】
【それが彼女の戦闘中の集中の仕方にしていた】

【しかし、それは途切れる】

【ポケットの中の携帯電話が振動する。これは合図だった】
【兎に角、なれば引き上げても良いという合図だった】

【相手がため息をついて、コチラに台詞を吐く、彼女はそれにかぶせるように】

失礼。状況が変わりました。少々、お待ちください。

【刀を片手に構えたまま、ポケットの携帯を取り出して通話ボタンを押した】

コチラ霧崎……ええ、はい……諒解です。放棄してそちらに向かいます。

【淡々と会話して、電話を切り上げると、ポケットに戻して】

こちらのリーダーが死亡しまして。直ぐに撤退しろとのことでして
……刀を拾って、帰りますから…後は、お好きな様に。

【音楽は止んでいた。女は刀を適当な座席に突き刺した】
【依然、剣の山が消えていないのはまだ、一応警戒しているようだ】
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/08/04(日) 02:36:55.94 ID:DV/gZY6To
>>438
「……」

笑われた。……直後襲い来る虚脱感が全身を駆け回って立ち直れなくなる前に、何とか食い止めるこの男。
自分としては真面目くさってこの職業を口に出したはずなのだが、今になってみれば、ここ数日は口に出せそうにない様な心細さ。
人に笑われて気分を落とすということを、身を持って実感した男だった。

……しかし、だがしかし。
少女にどう思われているのかはいざ知らず、自分がカノッサ機関と戦うということには誇りを持っている。
それが簡単に折れてしまっていいのか。良いわけがないだろう。

カクーンと肩を落としていた男だったが、本当に書いてもいいのかという問には、首を縦に振った。

「……何がおかしいのかは知らねーけど、本当だからな。書いといてくれよ」

因みに、名前を聞いて呆れた少女の同僚がその職業を聞けば、揃って「そう言ってた」なんて答えを返すだろう。
中には「アホかと思った」なんて返す奴も居たとか何とか。それはさておき。

「……腹減ってんだろ? だったらコレでも食いな。―――【GATE・OPEN】」

再び鳴った少女のお腹に、男はどうして少女に声を掛けたかを思い出して。
男が紡いだそんな一文の後、男の右側に1mほどの『穴』が開く。
穴の中は真っ黒で何も見えないが、男が其処へ手を突っ込み、再び手を戻した時に其処に握られているのは、街中で売られているカロリー補助食品だ。
「魔法使い」―――彼女は信じてくれたようだが、その片鱗が少しだけ見えた……のかも知れない。
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 02:42:59.04 ID:Q2Adr6dO0
>>436

【原色の赤に比べればどうしても地味に見える純黒色の髪が、彼の生んだ風に微か、揺れる】
【ぞろりと重たく見えるのは存外に繊細な細さと柔らかさの塊であるらしい、烏羽めいて月に照らされて――】
【――苦笑の気配には気付いているのだろうか。ぴくとも振れない表情は、ひたすら、警戒の色ばかり】

……顔に変な紙貼り付けたひとの言うことは聞いちゃ駄目って、お父さんが言ってたもの。

【「信じない」と、瞳が、態度が、何もかもが。きっとそう語っている、特に顕著なのが瞳の色合い】
【まぁるくつったのが本来目のあるだろう位置を貫くばかりに睨みつけていた、さも当然のように右は差し向けられたまま】
【そうして紡ぐのは――まあ嘘である。信じない理由として適当に論ってみた、たったのそれだけの言葉】

【――そんな瞳が初めてまともに逸れるのだろう、本来聞こえないはずの音、源を探すように】
【やがて視線が彼の手の内に握られる刀を捉える。微かに眼を伏せたなら、なぞるように先端までを追いかけて】

【(かつて、とあるいきものの牙を刀のかたちで借り受けていることがあった。ならば、そんな類だろうかと思考して、)】

…………、……――、
ジュースなんて欲しくない、そんなので釣られちゃうぐらい、簡単じゃないの――、……。

【信じないともう一度告げるようだった瞳が彼の言葉に瞬く、刀をもう一度見つめて、彼を見て、刀を、――眉を顰めた】
【さながら舌打ちでもしそうな表情が見えるのだろうか、不愉快を精一杯に燻らせたような色を満たして】
【――そろと右が降ろされる、ぐるり巻きついていた蛇も夜に溶けるように消えて。ただ、睨みつけるのが変わらないまま】

【ふらと一歩距離を取りたがるのだろう、引かれる足。そんな様子は、信じないなりに彼の言葉を警戒するようで】

【(魔力を喰われるのはそのまま血でも抜き取られるよなダメージになるのだから。それを避けたいのは、当然のこと)】

【黄緑を纏う桜色の御衣黄桜めいた煌きが空間から総て消えて失せる、――けれど、彼女本体から絶えず零れるのが、止まないなら?】
【山中で水の音を聞いたような、水の匂いを感じたような。そんなだって、確かに、存在しているのが、残っていた】
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/04(日) 02:49:08.81 ID:orjF1QpFo
>>439
【さて、相手はどう出るか───これだけある刀の山、一つ一つの強度はどうだろうか】
【まだ、溜まり切って≠ヘいない、迎撃上等。などと諸々考えながら、無策に見えながらその実頭を回しながら攻撃に出る】

【───が、しかし、空気を読まない携帯のバイブレーションが、簡単にラッシュの動きを止める】
【自分の───ではない、とぼけた顔で刀を持つ手を下ろし、通話を始めた霧崎を見る】

…電源切っとけよ

【劇場では、通話はご法度。今の状況で言うような事でもないが】
【左手を刀から離し、頭を掻きながら霧崎の通話が終わるのを律儀に待つ。お預けを食らって少し苛立った様子で】

【霧崎が短い会話を終え、携帯をしまうのを見届け、再び刀を両手で持つ】
【そして、一時停止が再生されたかのように駆け出し───いや、一歩すら踏み出す前に霧崎の言葉が遮り、動きが止まる】

【一度ならず二度までも中断をくらい、むしゃくしゃする様子をブランと下ろした両腕に表して】

……事務的過ぎだろ、愛嬌のねぇ……

【「こちとらこれから見せ場だってのによ」と続けながら、刀を右肩に担いで左手を腰に、しかめっ面を見せる】
【だが、あくまで仕事はこの場を収める事、霧崎が撤退するとなれば深追いする理由は全く無い】
【というか、この状況で噛み付くのは何か…カッコ悪い気がする】

まぁいい、大人しく帰るんならさっさと帰りな
言っておくが騙し討ちはきかねぇからな?やったらマジで殴るからな、グーで

【選ぶ言葉は冗談のようだが、刀を納めないのは霧崎と同じ理由、つまりは警戒を解いていない証だ】
【とはいえ深追いする様子はない、引き際を相手が弁えているなら由とする】
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/04(日) 02:51:16.99 ID:yjZSLhTy0
>>428

……私には、私の宝物が何より重い。
“譲れない” のは貴方だけじゃない――――――― 覚悟の言葉なら、この胸にある……ッ!

【――――― だから、人は戦うのだろう。】
【大切なものが違うから。……護りたいものが、違ってしまうそこにあるから。】
【その失えぬ意味を貫くために――――― 存在を賭けて激突した両者の最後の交錯、】

【かれを斬りさく刃がその結末だった。手応えが少女の掌に伝わり、舞い散る紅が月光に煌めいて】
【ガタン、と鳴り響く音が現実に引き戻した。橡色の瞳が、フェンスに凭れ掛かるジーノの姿を映していた。】
【……思い返す様にさけびを聞いて。最後の微笑みが、穏やかな言葉が凪いだ心に波紋を広げて―――――、】


…………心得てるわ。
あなたが見届けてくれるかは、きっと……私には分からないけれど―――――

【どこか押し殺す様な硬質な言葉。……受け止める様に、穏やかに紡ぐ。】
【 命の灯が消える間際までを見届けて、静かに一人目を瞑る。想い描き、穏やかにこころに包む様に。】

(……忘れ、ない……私は、ずっと忘れない。)
(あなたが生きた戦いを……ずっと、こころに焼きつけておく――――――)

【――――― この手で、戮したその感触も。この夜の終わりにジーノの浮かべた、星空の様な柔らかな表情も。】
【どんな風に彼が生きて。どんな風に、最後まで生きて、ひとり、戦ったのか――――。】
【たった二度の邂逅でも、それが彼女には彼の凡てだ。ならば何一つ忘れまい。抱き続けて、その身に、総てに刻んでいった。 】

(………、―――――――――。)

【その感情のいろが如何なるものであったのかは―――― きっと、別の物語であるのだろう。月明かりが、その終わりまでを見届けていた。】

/凄い遅レスですみませんっ……、遅くまでお疲れ様でしたー!
/イベント主催、本当にお疲れ様でした……! ありがとうございましたっ
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 02:52:35.08 ID:ajoGsX9R0
>>440

「……」

笑われた。……直後襲い来る虚脱感が全身を駆け回って立ち直れなくなる前に、何とか食い止めるこの男。
自分としては真面目くさってこの職業を口に出したはずなのだが、今になってみれば、ここ数日は口に出せそうにない様な心細さ。
人に笑われて気分を落とすということを、身を持って実感した男だった。

……しかし、だがしかし。
少女にどう思われているのかはいざ知らず、自分がカノッサ機関と戦うということには誇りを持っている。
それが簡単に折れてしまっていいのか。良いわけがないだろう。

カクーンと肩を落としていた男だったが、本当に書いてもいいのかという問には、首を縦に振った。

「……何がおかしいのかは知らねーけど、本当だからな。書いといてくれよ」

因みに、名前を聞いて呆れた少女の同僚がその職業を聞けば、揃って「そう言ってた」なんて答えを返すだろう。
中には「アホかと思った」なんて返す奴も居たとか何とか。それはさておき。

「……腹減ってんだろ? だったらコレでも食いな。―――【GATE・OPEN】」

再び鳴った少女のお腹に、男はどうして少女に声を掛けたかを思い出して。
男が紡いだそんな一文の後、男の右側に1mほどの『穴』が開く。
穴の中は真っ黒で何も見えないが、男が其処へ手を突っ込み、再び手を戻した時に其処に握られているのは、街中で売られているカロリー補助食品だ。
「魔法使い」―――彼女は信じてくれたようだが、その片鱗が少しだけ見えた……のかも知れない。
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/04(日) 03:00:37.55 ID:h5T59E5io
>> 441

【警戒の色を薄めないのは、彼自身からすれば困ったものだが世間的には普通の反応】
【蛇というよりは猫を彷彿とさせる雰囲気にますます苦笑いの気配は深まって】
【参ったなぁ、と、内心でつぶやく。猫に好かれないタイプなんだ】

【でも、別に警戒されることには構わない。】
【この刀が眼前の他人の魔力を勝手に喰い荒らす可能性の方が、おそろしかった】

【差し出されるように、というわけではないけれど、地面と水平になるように掴まれている刀】
【彼女の視線の動きに反応してキィキィと食欲の断末魔を響かせてどことなく威圧的だ】
【武器が意志を持って己を武器と認識し、自身の役割を受け止めているならば、】
【きっとこんな酷薄な嘶きをあげるに違いないというような、音】

そうか。ジュースより高いものは奢れないな、懐的に。
でもありがとう、これで、……?

【餌が仕舞い込まれればないものねだりをするほどの脳のない刀の鳴き声が、やまない】
【別の誰かがいるのかとあたりを見渡せど闇夜の中で動く絵は自分のほかに彼女だけで】
【貪欲な刀はお預けを拒むのか、青年の手中で暴れ始めるそれを柄と太さが噛み合わない鞘までもう片方の手で押さえつけて】

えー、と。
……仕舞って、くれたんだよね?

【思わず、再確認】
【この青年、魔力探知に疎く、大雑把なものしか識別できないのだ】
【縷々と流れる湧き水のような感触のそれは、彼の五感を通り抜けていってしまう】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 03:07:02.83 ID:ajoGsX9R0
>>440

【悪の象徴とも思えるカノッサ機関。其れに対抗するならば相応の力がある筈で、目の前の男性は其れに違わない筈】
【尊敬こそあっても、笑われる事は無い筈――――だが、少女はその肩書きを見る度にどういう訳か取り澄ましている顔が崩れてしまって】
【その都度口元を隠すが――――一度露顕してしまった事を、今更隠したって仕方ない】


「別に可笑しいとは思っていないでありますよ?
……本当であります。別に、昔見ていた○○レンジャーの様なネーミングだとは微塵も……
兎に角、ライラが良いと言うのでありましたら望み通り書き加えるであります」

【この少女。存外頭が軽いらしい】
【其れ即ち自らこの様に思っていますと教えてしまっているも同然】
【首肯をしっかりと確認した後に、もう一度ペンを走らせて。きっと、名前の横にはしっかりとその肩書きが付け加えられているはずだ】
【――――何処か、文字が震えている気がするが】



「…………貰ってしまっても、良いのでありますか?
……何処かから盗んできた訳では無いでありますよね?」

【突如現れた空間の穴。継いで、男性の手に握られた物】
【目を丸くして一連の出来事を眺めていた後、小さな両手で食べ物を受け取るが】
【返された言葉。魔法使いを信用していても、男性が善人と思っていない様な言葉】
【受け取った物と男性の顔。藍色の瞳が、忙しなく行き来していて】




/コピペミス申し訳ありませぬ……
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 03:20:14.09 ID:CtR46Zwao
>>442

【相手も刀を下ろしたのを見て、彼女も刀を消した】
【辺りはただの劇場に戻る。静かな、外部から遮断されら世界だ】
【外は今頃、大混乱になっているんだろうか。そんなこともわからない場所だ】

こちらも仕事ですので…というより本業は事務作業なんですよ
片手間にホテルを枕に爆弾抱えて死のうという気もないですし。

【冷静に投げた刀を拾い集めて、鞘に収めていく】
【ひと通り済ませると、ドコかに行ってしまった吸いかけの煙草の代わりに】
【また別の煙草を取り出して火をつけた】

それでは、お先に失礼します。…爆弾でも手土産に持って帰ったらいかがですか?

【カツカツと規則的な歩調で階段を登っていく】
【ドアに手をかけて、押し開ける】
【そのとき、髪を揺らして、振り返って声をかける】

…ネクタイ曲がってますよ?

【唇に指を当てて、口元だけで笑ってから、彼女は劇場を離れていった】


/遅くなりましたがこれにて〆でございます
/どうもお疲れ様でした。またの機会を楽しみにしています!
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/08/04(日) 03:28:54.32 ID:DV/gZY6To
>>446
「……だろ? 物事をストレートに表してて、良い名前だと思わねーか?」

少女がお察しの通り、男のネーミングセンスというのは壊滅的だ。
しかし、男としては今まで――それこそ件のカノッサ機関員にも――笑われたことが無かったし、その名前に自信を持っていた。
何より、自分のネーミング能力がそうであることに気づいていないというのは最早致命的でも有る。
少女の出した頭の軽さに気づかないことからも、それは明白だ。……こんなヤツも正義の味方になれるのだから恐ろしい。


……まぁ、しかし。堅物だと思っていた少女は、案外年頃の少女だったことがわかった。
それがライラの得になるかといえばそうではないが、随分話しやすいというものだ。
コレはライラの師匠がとても堅物だったためであるのだが―――まぁ、ともかくとして。


「あたりめーだろ。盗んだ訳じゃねー、自分で買ったんだよ。
 俺が悪人なら、こんな事しねーぜ? さ、早く食っちまえって」

少しだけ崩れた男の少女に対するイメージだったが、やはり疑り深いの自警団の宿命なのか。
そんな少女に、男は笑ってそう告げた。その言葉に、嘘らしき言葉の揺れなんかは一切見当たらないだろう。
確かに、疑われてもしょーがねーけど……とは付け足すものの、主張は変わらないようだ。
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 03:32:25.77 ID:Q2Adr6dO0
>>445

【じとりとした視線を向けたまま、始めにあった疲弊などどこかへ投げてしまった少女の鋭さ】
【どちらにせよ威嚇を繰り返す野生動物染みた態度であることには変わりがないなら、猫か蛇かなんて些細なこと】
【猫だって蛇だって鼠を喰うし日向ぼっこをするし、まん丸の瞳だって、きっと似通って――?】

【(或いは。この少女とその刀だって、どこか似るところがあるのかも)】
【(ひとのかたちをしているだけで本質は魔力を喰う類のいきものだ。それも、他者に寄生するタイプの)】
【(かつては神と崇められたこともある白蛇に寄生していた、いまは、父と呼ぶ人間に、寄生している)】

【――とりあえず。きぃきぃと鳴く刀に対して、ふーっと威嚇を返さないなら、まだマシなのだろう】

…………、?

【瞳は型枠から逸れようと、真っ黒な髪、身体つきが櫻のほうに住まうひとたちの系譜を踏むよう、似てたなら】
【まあ、ただの好みなのだろうけれど――ジュースよりも茶のほうを好む性質だ、フレッシュジュースは好きだけれど】
【ジュースを断ったのにはそんな理由がちょっぴりはあるというのはひどく平和めいた余談――】

【――彼に尋ねられたなら、つんとしていた瞳が僅かに丸みを思い出したよう、ぱちり瞬くのだろう】
【そうしたら視線は刀へと再び向けられる、押さえてくれているらしい腕の中でかたかた暴れるのを、見つめて、】

【(例えば彼がその手を諦めたならばどうなるんだろう、なんて。薄らと寒さを覚えるのは、夜のせいではないはず)】

――、なに、よ、

【――隠さない、違う、隠せない。気付いてすらいないのに、どうして隠すことが出来ようか】
【自らのにおいに気付くことが難しいように。何よりも近くで起こり続ける現象、微かずつなら、もう慣れてしまった】

【(宿主に深く深く降ろしていた術式の根っこを無理やり引きちぎったあの日、そしてそれを別人へと植えつけた日、)】
【(ほんのちょっぴりだけミスがあった。本当に些細な罅割れがじりりと拡がって、零れて、――今、夜に漂う)】

【またひとつ、ふたつ、距離を開けようとするのだろう。さくりと踏むウッドチップの音がいやに軽いなら】
【どこかひととずれて纏う気配どおりに人間でないことを裏付けるようでもある。ぎゅっと胸元の布地を、右手が握った】
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/04(日) 03:33:04.43 ID:orjF1QpFo
>>447
それで事務員かよ、冗談キツイぜ

【霧崎が刀を納めてから、ラッシュも刀を鞘に納める。カチンとロックした音が鳴った】
【こんなに武闘派な事務員がいるか、と毒づきながら、煙草を咥えた】

…いらねーよそんなも…ん?

…やべ

【煙草に火を点け、煙を吐いて、霧崎の残す言葉を軽くあしらい───気付いた、爆弾
=z
【そういえば、この事件はホテルに爆弾を仕掛けられたのが発端、しかもここにそのマフィアがいるとなれば───】

くっそ!すっかり忘れてたぜ!
爆弾!爆弾何処だ!?おいお前ちょっと待……もういねぇし…!

【曲がったネクタイを直しながら、ラッシュは今まで自分が戦っていた場所を振り向く】
【急いで爆弾を探し、無力化しなくては───本当の戦いは、これからだ】





【今度こそ、死ぬかもしれない】

/お疲れ様でした
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 03:45:36.32 ID:ajoGsX9R0
>>448

「……だろ? 物事をストレートに表してて、良い名前だと思わねーか?」

少女がお察しの通り、男のネーミングセンスというのは壊滅的だ。
しかし、男としては今まで――それこそ件のカノッサ機関員にも――笑われたことが無かったし、その名前に自信を持っていた。
何より、自分のネーミング能力がそうであることに気づいていないというのは最早致命的でも有る。
少女の出した頭の軽さに気づかないことからも、それは明白だ。……こんなヤツも正義の味方になれるのだから恐ろしい。


……まぁ、しかし。堅物だと思っていた少女は、案外年頃の少女だったことがわかった。
それがライラの得になるかといえばそうではないが、随分話しやすいというものだ。
コレはライラの師匠がとても堅物だったためであるのだが―――まぁ、ともかくとして。


「あたりめーだろ。盗んだ訳じゃねー、自分で買ったんだよ。
 俺が悪人なら、こんな事しねーぜ? さ、早く食っちまえって」

少しだけ崩れた男の少女に対するイメージだったが、やはり疑り深いの自警団の宿命なのか。
そんな少女に、男は笑ってそう告げた。その言葉に、嘘らしき言葉の揺れなんかは一切見当たらないだろう。
確かに、疑われてもしょーがねーけど……とは付け足すものの、主張は変わらないようだ。
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 03:46:17.11 ID:ajoGsX9R0
>>448

「もっと捻るべきだと思うでありますよ?
どうと言われれば、直ぐには出ないでありますが……
何と言うべきでありますか、小学生が夏の課題として出された作文に載っていそうだと思ったのが素直な感想であります」

【人の心情を察することも無くまるで雑談の延長線の様に言い放つのだから、これまた恐ろしい】
【良い名前と自負する男性の前で、まるで小学生の作文染みているなんて、酷評も良い所だろう】
【笑って言うならば、まだ冗談としても取れる。だが、少女の顔には笑みなんて物は存在していない様で】
【――――其れが良いのか悪いのか。取る人によって異なるだろうけれど】


「本当でありますか?腹いせに私も共犯にしようとしていたならば、後が怖いでありますよ?
……取り敢えず、ライラを信用して今日の所は食べるでありますが」

【軍服に制帽。乱れなくキッチリと着こなしている姿は、どうにも堅物。けれど、男性の思うとおり年頃の少女の姿も確かにあるのだろう】
【空きっ腹に食べる物。どんな物でも美味しく感じられるが故に浮かぶ微笑。まるで小動物の様に少しずつ食んでいたのだが】
【――――チラリと男性を見れば、食べかけの其れを半分にして】


「……万が一の事も考えられるであります
ライラにもコレを食べて貰い、証明して貰うでありますよ
―――――そういえば、ライラは何故……んー……魔法使い。延いてはカノッサ機関はんたぁーになろうと思ったでありますか?」

【気を利かせたのか、それとも言葉通り万が一の保険として男性をも共犯に仕立て上げようとしているのか――――】
【半ば押しつける様に手渡せば、自分の分を再び食べ始めて】
【問いが投げられたのは、一本を食べ終わった頃】
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/04(日) 03:53:13.08 ID:qgAh33h3o
>>449

【青年と刀の関係性は今のところ不明瞭】
【ただ分かるのは、彼はこの刀を持て余しているような挙動を取り、刀は飢えている】
【少しだけ普通と違う刀は、先程からずぅっとキチキチ細かな音を奏でていて】
【魔力に寄生して生きるものだとしても、これでは、寄生の前に食い荒らすこと請け合いのそれだ】

【他人を虚仮にしたような目玉模様の布が揺れる】
【瞬く瞳に戻る幼さに布の下で漏れた奇妙な笑いは決して下向きのものではない】
【警戒心の剣呑さに呑まれていたが目が丸むときの表情は愛らしいなぁと】
【こんなに危険な状況下で年下へのそんな簡単な感想を抱いた、それだけなのだ】

……魔力が消えてない。
まだ、なにか、してる?

【キィキィ、キィ、と、喚く声が大きくなる】
【喰らえ、貪れ、食せと、命じているような気持ち悪くなる響きだ】
【とりあえず問うけれど、彼女の様子では意識的なものでないらしい。どうしよう】
【自分が撤退すればいいだけなのだけれど、――それはすこし、寂しい】
【もう少しだけ、と、腕に力を込めて、答えを待つ】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) :2013/08/04(日) 04:14:42.46 ID:DV/gZY6To
>>452
「んなこと言ってもなー……考えついた時にはそれが精一杯だったし、それで通してるから変えるのもな。
 ……小学生レベルかよ……。いや、でもこの名前は変えないぜ。結構この名前も慣れてきたところだからな……」

笑顔でないどストレートな物言いに、思わず再び肩を落とすライラ。
どうやら、自分のネーミングセンスも少しは自覚を持ったようである。
しかしながら、その名前を変えることは無さそうだ。この名前、男には相当思い入れが有るようで。


「……さすがに初対面の子に窃盗の罪を被せようなんて思わねーって……」

しかも自警団の子に………・、と。結局は食べるようだが、少女の疑り深さに思わずため息を吐いてしまう。何処まで疑う気なんだ、と。
食べている少女の姿を見ているとやはり普通の女の子のようなのだが、軍服と制帽、そしてこの性格。
ギャップというものは、恐ろしいものであるらしかった。

「―――はいはい、サンキューな。
 ―――そうだな……、魔法使いになったのは、俺の師匠が行き倒れの俺を助けてくれたからだな。
 で、カノッサ機関ハンターは、……………………カノッサ機関の存在を知って、許せないと思ったからだな。ただそれだけ」

男は後者の方を思った。疑い深い少女のことだから、きっと自分にも食べさせて共犯にしようとしてるんだろうと。
勿論そんなことはないのだが、疑り深いだけでなく、計算高いのかな、とも男は感じて。

魔法使いになった経歴はスラスラと出てきたが、カノッサ機関ハンターの方といえば、少しだけ詰まって、また喋り出した。
その時のライラの頭の中には、一つの文章が浮かび上がっていた。

(言えない、まさか勘違いでカノッサ機関人を助けちゃって逆ギレしたからとか……)

幸いにも咄嗟に出てきた言葉は、嘘ではなかった。
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 04:22:22.67 ID:Q2Adr6dO0
>>453

【――ずうと鳴き止まない音は、きっと、ずっと、少女の抱くのを欲しているのだろう】
【どこまでも覗き込めるように澄み過ぎた魔力はひとがたに詰め込むにはずっと多い量】
【そしてそれが水の湧き上がるように溢れ続けるのだから――膨大な量、しんと甘く誘うよう】

【(その結果にあるのが少女の活動停止だとしても、まあ、刀には関係のないことだろうから)】

……知らない、何もしてない。――しつけが、なってないんじゃ、ないの。

【ぎゅ、と。握る右手に左手がそうと添えられる、薬指に刻んだ指輪めいた痣が、強調されるようで――】
【ふらふらと頭を揺らすなら。言葉通りの否定を返して、視線はいつの頃からか、刀のほうばかりを気にしていた】
【それでも――押さえていてくれる手があるならば、そんな風に紡いでみるぐらいの余裕は僅か、残っているようでも】

…………――それ、はなしたら、どうなるの

【――例えばそれはロデオめいて暴れるのを伏せてやろうだなんていう色の問い掛けではない】
【もっと。自らの身を案じて、気にして、尋ねるような色合い、ふわと上げた視線が描かれたひとつめを捉える】
【先の剣呑にじわじわと混ぜ込んでいくのが恐怖めいたものならば――年頃より微かに幼く見える表情、浮かべるのだろう】

【――答えによっては逃げ出してしまいそうでもあった。この場を離れようというのは、彼の思うのとも、似ていて】
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 04:33:14.46 ID:ajoGsX9R0
>>454

「別に非難している訳では無いのであります
ライラが良いといっているなら、恐らくは其れが正解でありますから、私が口を挟む余地も無いのであります」

【肩を落とした姿を見れば、フォローにならないフォローを入れるが】
【少女からしてみれば、自分には関係の無い事――――だから、流してしまったとも取れるだろうか】
【様々な事が書かれた其れを仕舞うと、一つ息を吐いて】


「……何だか、カノッサ機関はんたぁーに関しては随分と間があったような気がするでありますよ?
本当に、それだけが経緯でありますか?」

【どうやら、変なところだけ鋭い様】
【その詰まりを敏感に察知すれば、再び職務質問が始まりそうな勢いであったが――――】
【ふと外した視線。驚いた様に見開けば、再び男性へと視線を移して】


「ちゆ姉……えっと、先輩を見つけたであります!
私は今から職に戻るでありますよ!ライラも十分気を付けて家に帰って欲しいであります!」

【食べさせてくれたお礼か、完璧なまでのお辞儀を一つ】
【そのまま別れの言葉を告げれば、慌ただしく何処かへと走っていって――――】
【その姿を追っていたならば、やがては巫女装束を纏った女性へと行き着くことであろう】
【巫女と軍服とが歩く姿は異様。尤も――――その姿も、直ぐに人混みに消えてしまうのだが】

/そろそろ良いお時間ですのでこれにて失礼させて頂きたく……!
/お相手、有り難う御座いましたですよ!お休みなさいませー!
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/08/04(日) 04:48:51.95 ID:DV/gZY6To
>>456
「うっ……ほ、本当だって。別になんか有ったとかそういうわけじゃないからよ」

痛いところを突かれた男はわずかに身動ぎする。
少女程ではないが、少女と同じ様に頭の軽い男はそう口走ってしまう。少女に優っているのは、文章を曖昧に出来る能力くらいか。

しかし、そこで男を救ったのは意外にも少女の仲間であるらしかった。
ちゆ姉と少女は言っていたが、その首が向く方を見てみれば、どうやら巫女装束の女性がそのちゆ姉であるらしく。

「お、おう。じゃあな、自警団の嬢ちゃん」

此処は堅物な性格が出ているのか、完璧なお辞儀にこちらは軽く頭を下げるだけで対応し、
少女とちゆ姉が歩き去っていく様を見ていると、唐突に気付く。

(……そういえばまだ宿決まってねぇ!)

急いで男も駆けて行き、やがて其処にはいつもの風景が戻ったのだった。
―――今日は変な自警団員に会った。男の日記のページは、そんな書き出しから始まることだろう。

/はい、ありがとうございました! ロール久しぶりでgdgdしてしまい、誠に申し訳ない……。
/それでは、おやすみなさいませ!
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sagesaga]:2013/08/04(日) 20:24:53.77 ID:/47ZzVbTo
【此処は、人里離れたとある草原】
【ところどころに、どこからか流れ着いた木の種が成長した姿が見られる】
【――そこを歩く一人の人物は、明らかに正常ではなかった】

【それはぱっと見三白眼の強面で、約190cmで細いが引き締まった体型で30代後半の男だ】 【一重かつ褐色虹彩で、姿勢はやや猫背気味】
【改造されたベルトにより左腰に差された木刀、左手首には腕輪のように鈴が身につけられている】

【服は上下共に長袖のようだが――酷く焼け焦げていて、しかもボロボロで、元の色など全くわからない】
【同じように軍手も焼け焦げているが、顔から首を覆うように巻いたボロい布切れのみは焼け焦げておらず、土くれにまみれてるのみ】
【その布切れの一部分を無理矢理引き裂き、眼のみを露出しているようだ】

【淀んでいて死んだ様に見える眼、その周りに見える僅かな皮膚は、火傷を負っているばかりでなく、なにか――どす黒い何かに蝕まれていた】

「や…と……け……、…ウ………」 「…あ、……く……る…」

【数m程度の若い木に抱きつきながら、何かを言っているようだが――】 【遠くからではよく聞こえない、小さな声だ】

「ち……、ま……ち………」

【そして、その若い木と何かを勘違いしていたことに気づけば、抱きつくのをやめて再びふらふらと歩き始める】
【その動きは、数日間何も食べていない様にも見えるし、高熱を出している様にも見えるし――とにかく、病的】

「ど……っ…、ユ…………」
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2013/08/04(日) 22:31:02.54 ID:qW8hi90bo
【風の国――エルジオ露天商店街】

【――とは言っても、今は月も昇りに昇ってほとんどの商店は店じまいをしてしまって】
【広い市場はしんと静まり返り、僅かばかりの灯りがとじたテントを照らしている】

あっツツツ、痛い、痛いってェ
塞がったノは表面だけなンだから、容赦しテくれよ

【静寂を断ち切って聞こえるのは悲鳴、されど切羽詰まった様な張り詰めたものでは無く】
【すぐ後に聞こえるふてくされた様な軽口が、状況の至って平和な事を語るだろう】

【片方は「いかにも怪しげな呪医」といった様相の老人】
【片方は一目見て砂漠の生まれだろうと分かるほど民族色の濃い異装をした、長身の青年】
【黒い髪はツーブロックのベリーショート、目は金色のどんぐり眼】
【色黒で口が大きく、目鼻立ちのしっかりした彫りの深い顔をして】
【服装はややくすんだ赤のベストと裾を絞ったゆったりとしたズボン】
【各所には濃い緑の布製・石製のアクセサリーがちりばめられ、派手な装いだ】

痛いノはまだ治る証拠ッテ、そうかもしれないケレド……
いい加減な爺さんだなァ、本当

【一人置いて行かれた青年は、白い包帯を自分で体に巻きつつ背中をさする】
【星明かりの射す市場は静かで、ぬるい空気を体に感じながら空を見上げた】
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/04(日) 23:30:56.73 ID:ajoGsX9R0
【街の中――――普段は喧噪で賑わう其処だけれど、今日ばかりは静かで】
【その街の中央に立つのは、一人の巫女。瞑想の如く目を瞑り、風に黒髪を靡かせている姿は幻想的に見えるかも知れないか】
【不意に手を横に伸ばしたならば、その腕に止まるのは一羽の鳩。真っ白で、僅かな耀きを放っていて】


「ご苦労様でした
――そうですか。異常はありませんでしたか。でしたら、何よりです
ゆっくり休んで下さい」

【空いた片手が鳩を撫でたならば、其れは瞬時に一枚の符へと変わるのだろう】
【所謂、式神。櫻の国ならば、それなりにメジャーな術であろうか】
【そのまま袂の中に手を入れれば、一枚の煎餅を手にとって】


「……可笑しいですね。何も無いという筈は無いのですが
まあ、良いでしょう。面倒事は嫌いですし
そんな事よりも、この空腹を満たすことが先です」

【ゆるりと小首を傾げるけれど、結局は自分に言い聞かせ、納得するのだろう】
【パリパリと食べながら、お腹が空いた何て言うが――――手に提げている袋には、大量の中華まんの飽き袋があったりするのは、余談だろうか】







【船も全て出航してしまった港。作業員が居る訳でも無く実に静かであるけれど】
【――――カツ、カツと響く足音。其れは何処か、幼さを連想させる位には小さく】
【やがて現れたのは、瘴気を纏う少女。紅いドレスを纏い、金色耀きを放つ髪を持った人外】


「綺麗ね。とっても綺麗
此処には月しかないのに、それでもとっても明るいのね」

【外見だけ見たならば、この時間帯に出歩くには大凡相応しくないであろう】
【だけれど――――少し離れていても感じ取れるような瘴気が、実に不快で】
【クスリ。一人笑えば水面へと手を伸ばし――――何かを掬い上げる動作を行ったならば、それに従うかのように僅かな面積の海面が持ち上がって】


「残念ね。船に乗ってみたかったけれど……とっても、残念
――――仕方ないから、お月様の下でお散歩でもしていようからしら
人魚姫も、もう寝てしまっているでしょうけど……お散歩、してみようかしら」

【何の躊躇も無く、其処に足の裏を着けたならば、まるで地面が延長しているかの如く浮くのだろう】
【水の上に立つ。なんて、非常識】
【人気が無い事――――そして、隠すことも無く放たれる瘴気。きっと、目立つには十分すぎる事か】
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/05(月) 21:05:35.39 ID:mxjevxz40
【街中――路地裏】
【ひどく薄ぺらの三日月だけが照らす心許ない暗がりの中、ひるりと風が抜けて】
【篭ったような臭いが揺れるなら、同じ動きで揺らされる髪先、服の布、誰かが居ると示すなら】
【さり、と。壁をなぞって落とす指先の動き、灰色の地面に影として落ちていた】

――……、?

【夜に融けるような冥い色をした髪、膝までの長さには細こい三つ編みがふたつ、紛れ込んで】
【長めの前髪の向こう側で瞬くのが黒色と赤色のオッドアイ、なぞる指先を丁寧に丁寧に追いかけるよう】
【パーカーを真似たよなデザインのワンピース、黒を基調にした色合い、淡いピンク色のレースが縁取って】
【ポケットにしまいこんだ左手、手首に僅か包帯の巻かれるのが見えたなら。壁に添える右手にも、包帯がくるり彩り】
【踝丈の黒いソックスをひらり縁取るレース、踵の厚い高いサンダル、ころり地面を引っ掻く音がして】
【そうと傾げる首――そこにも、白く飾る包帯がくるくると巻かれていた――、ぽつと佇むのが、少女ひとり】

……なんだろ、これ。

【――見つめてなぞる壁、見てみれば壁をキャンパスに描かれたスプレーアート、大きく存在していて】
【近くには捨てられたスプレー缶がいくつも転がるなら、壁面のそれも、いくつもの色を重ねたカラフルなもの】
【もう一度傾げる首。考えこむように伏せる瞳、――どうにも前衛的過ぎるなら、何を描いているのかはどうにも曖昧で】
【夕焼けに飛ぶ鳥にも見えればひき潰された蛙にも見える、因幡の素兎を描いたようにも、――とりあえず、赤くて】
【何かを連想させたがるロールシャッハめいた壁画、路地裏でたったひとつの絵のために開かれた絵画展の、ような】

【――何か。ヒトとは決定的に違えた気配、場に薄ら薄らと漂っていた。元凶は間違いなくこの少女で、――】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/05(月) 21:09:33.68 ID:ENZAfwSG0
【水の国 繁華街】

――――こぉの、馬鹿野郎がぁッ!!

【突如通りに響く怒号。何事かと往来の人々が声のする方へ視線を向けると】
【一軒の酒場の入口から、大柄の男が『吹き飛ばされて』外へと叩きだされる】
【その男は相当に酔っている様であり、強く身体を打ちつけた様子がないにもかかわらず、中々立ち上がる事が出来ない様だった】

――――てめぇ、あんなガキに手ぇ出そうとしやがったのが、どういう事か分かってんのか、あぁ!?
酒に飲まれるってだけでみっともねぇのに、あんな大勢の前でガキに恥かかせやがって……!
おら、何とか言ってみろよこの糞猿!!
「……やり過ぎだとは思うけど、概ね同意するね……お前のさっきの所業、黙って見過ごせるものじゃないよ……!?」

【程なくして、その男を店の中から叩きだした張本人と思われる人影が、罵声を浴びせながら姿を現した】

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫と】

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年】

【仁王立ちしながらひたすら大声で男を罵倒する居丈夫と、そのそばに控えながら冷たい目で男を見下ろす青年】
【居丈夫の肌はやや紅潮し、息もわずかに弾んでいるところを見ると、居丈夫の方も客として、先頃まで酒を飲んでいた事が分かるだろう】

それとも何か?
そんなに酒に飲まれてぇなら、酒樽に頭から突っ込んで漬物にしてやるかよ、おい!
「……随分下賤な珍味になりそうだね……」

【何事かと近辺の店から顔を出す人々や、足を止めた往来も集まって、男たちの周辺は人だかりが出来つつあった】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/05(月) 21:43:05.61 ID:ENZAfwSG0
/>>462取り消しでー
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/05(月) 22:01:26.29 ID:Ydji1NpLo
【路地裏】

……相変わらず、綺麗だな

【側壁一面に高く積まれた旧型のモニター群は一様に同じ人物を映していた】
【一昔前にお騒がせ女優として悪名を馳せた顔が、映る箱の大きさや壊れ具合で形を変え】
【また男を変えたとか、さしたる価値もない報道は好き者の腹だけを満たしていくのだろう】

【そのさながら巨大モニターを前にして、反対側の壁に背を預け一服していたのは】
【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、黒服姿の若い男だった】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

――……とんだ馬鹿野郎だ

【一人ごちて、煙草の火を揉み消す】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/05(月) 23:08:48.11 ID:qrhRdhGY0

【――――夜の公園。明るい時間では子供達で溢れかえっていた其処も、今や別な顔を覗かせて居る】
【泣きじゃくる少年と手を繋いでいた少女が一人、その場に居て】
【一切の着崩しが見られない軍服。制帽。腰に提げた軍刀と右目を覆う眼帯とが、堅物を演出させているが】


「……もう大丈夫でありますよ。悪い人達は私がやっつけたであります
さあ、両親が心配しているから、早く帰ってあげるでありますよ」

【繋いでいた手を離せば、少年の背中を押してその場から去ることを促した】
【……よく見てみれば、公園内でのびている数人の男。所謂、悪い人達であろう】
【右腕に通された腕章からは、少女が自警団の一人であると分かるのだが】


「――――貴方達は未遂という事で、今日は見逃してあげるでありますよ
次に同じ事をしようとしたら、その時は本当に拘置所に放り込むであります」

【男の一人が、震える声で「化け物」なんて言うけれど】
【――――当の本人は、素知らぬ顔。追撃を行うことも無く、その場を去ろうとするけれど】
【…………小石に躓いて、見事なまでの転び様。そのまま藍色の髪を靡かせて華麗に立ち去れたのならば、様になったのだろうけれど】







【波の音だけが聞こえる海岸――――しかし、其処は普通の海に面していないと有名で】
【冷たいわけで無く、逆に心地よい暖かさを秘めているとの噂。よくよく見れば、湯気だっている事が分かるだろうか】
【一人ぽつんとその浜辺に座り、月を眺める姿が一つ在って】


「……そんなに、心配しなくても……大丈夫です……
えっと……多分、悪い人だって居ませんから……えっと……へ……?
そ、そんな……せ、世間知らずなんかじゃ……無いです……」

【巫女装束を纏った、少女の姿。狐の金色の毛並みを持った狐の尾や耳も見え隠れしていて】
【――――辺り一面に漂うのは、妖気。所謂、妖狐の其れなのだけれど】
【近くに人が居る訳でも無し。それでも、呟くのは独り言とは遠く、まるで誰かと会話している様】


「……沙蔓は……心配しすぎです、よ……?
大丈夫です……ちゃんと、直ぐに戻りますから……」

【小さな溜息が一つ。申し訳程度に辺りを見回すけれど、直ぐに視線は海へと戻されて】
【歳にしてみれば、恐らく十七前後。だけれど、誰か居る訳でも無いのに常に不安そうに眉を八の字にしていて】
【――――其れなりに有名なこの場所。この時間に訪れる者が居たって、何ら可笑しな事は無い】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/05(月) 23:14:50.25 ID:ph37o8INo
【夜・公園】

──あー面倒クセェ!二度と事務作業なんかやってやるかよ、クソ……!
大体リリアの件に関しちゃソーンの野郎も噛んでんだ、あの爺様が働きゃあいいじゃねェか!

【そこで一人、派手に愚痴を吐いてベンチにどっかりと腰掛ける女性が居た】
【赤髪の彼女はレザーのホットパンツと深紅のジャケットを着た、やや際どい格好で】
【わざわざ向かい側のベンチを引っ張り、投げ出した足をそれに乗せていた】

ったく、こっちはNo.3だってのに監禁だの出汁にされるだの良いとこもねーし
この際は、そうだな……ソーンの爺様も実はリリア側だったとでっち上げて……────。

【その愚痴はまだ続く。夜の公園ともなると声も響き、通りにまで届くだろうか】
【内容は、分かるものには相当過激なもの。そうでない者であっても──】
【彼女の側に転がる安酒の缶と、まだ開けていない10本近くの同じ者を見れば】
【恐らくはさぞ容易に、彼女に余程のことがあり、自棄酒をしているのだと分かるだろう。】

/再利用ですがよろしければっ……
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/05(月) 23:35:43.07 ID:GkWpUwnxo
>>466

【静かな夜に消える愚痴、そこに足音が段々と近づいてきた】

あっちぃな、クソ…こっちの気持ちも考えろよ…
暑くない夏もあったっていいわけだ…しかしまあ一段と熱されやがって

【夜の帳の中に籠った熱気にウダウダ言いながら】
【片手をかざしながらくわえた煙草に火をつけつつ歩く、背の高い男】
【暑い暑いと言いつつ黒いスーツにダークブルーのネクタイをしっかりしめて】
【足元は10ホールのブーツ、そして黒いサングラスと着ている】

ったく…あの店もいい加減…エアコンつけろよ…エアー…エアーコン?
……エアー…何なんだろ、エアー……ウッ…ゴホッ!ごほっ…あークソ

【煙を吐き出して、くわえつつボンヤリ考え事をしてみる】
【男はこの公園唯一…いやこの辺りで唯一公共のスタンド灰皿で立ち止まり】
【大体の位置は男の立ち位置はズレたベンチが元あった辺りに居て】
【コンビニエンスは違うよな…などと言いながら、煙草が咽ていた】

【イライラしてる時に更にストレスを与えるような態度はさぞ目障りだろう】
【ただ、男の方は夜中にサングラスをしてるからかそちらの方は素知らぬ様子だ】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/05(月) 23:56:18.46 ID:27MDGaiHo
>>467

(あァー……夜中だってのに黒づくめでサングラスまで、ありゃ変人だな)
(近付かねーようにしとこ。かかわり合いになると面倒なタイプだってハッキリ分かるぜ……)

【──そんな失礼で『お前が言うな』ということを、男を見た女性は第一に思った】
【公園でベンチ二つ使っての自棄酒と比べれば、黒い服など可愛い気もするが、それはそれ】
【彼女はしばらくすると視線を外し、空を見上げて缶をあける】


【ところが───少しすると、男の暑いあついという言葉や、その咽せ具合に気でも引かれたのか】
【再度そちらを向くと、開けたばかりの缶は口にくわえ、未開封のモノを両手で取って───】

……サードのベイゼ選手、振りかぶってェー…───。

【“ギュおン!”という、風の唸りすら聞こえるような速度でそれを男性に向けてブン投げた】
【中身はたっぷりの安酒だ、アルミ缶とはいえ気付かず当たれば危険きわまりない】
【けれども、そこは静かな公園だ。飛来する音は、余程のことがなければ分かるはずだった】

【それから──缶自体は、冷えていてとても心地良い、と追記しておく。】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/06(火) 00:20:59.88 ID:86huHyYIo
>>468

………よし、もうエアコンはエアコンでいいか…
カラオケとかプリクラとかそんなヤツと一緒ってことにしちまおう…

【男は自分なりに自分を納得させる理論を自分に押し付けて納得させた】
【しかし彼が引き合いに出したカラオケもそれが商品名でなく略称だということを】
【気がつくこともなく、胸につかえていたモノとともに煙草の煙を吐き出した】

【そんなもんだから、ぼんやりと電灯の明かりなんて見ていたから】
【内角を刺してくるその納涼物に気がつくこともなく―――】

……痛っってっ!!

【ゴッっと鈍い音と共に彼の肩にデッドボール】
【つまんでいた煙草はピッっと指からはじけ飛んで】
【男はタクシーにでもはねられたようにクルクルフラフラと回りながら倒れる】
【彼もまた此処に来るまでの間に相当なアルコールを摂取していたのが効果的だったようだ】

【暫く、動かない…………】

【そして、急に仰向けになったかと思うと】
【手探りで、飛んできた酒を探し、掴んではムクリと上体を起こして】
【プルトップを開けると、それを思いっきり飲んだ】

あー…美味いな………美味いけどこれ安いやつだろ?
それだと、あれなんだよ……次の日結構キツイよ、二日酔いが…

【缶のラベルを見ながらそうやって何気ない感じに話しかけてくる】
【ノーダメージかと思われたが、片手で肩を押さえてたまに痛てえなどともらしている】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga !red_res]:2013/08/06(火) 00:37:15.13 ID:w1GghraNo
>>469

……うわぁ、ドストライクじゃん。野球選手に転向するかァ?
つーか動かねェし……けいさt……いや、死体処理班呼ばねぇと……。

【「あァー面倒くせェ」と物騒なことをボヤきながらも、女性は動かない】
【ダルそうに手で酒の缶を持てばその中身をグイとあおり】
【そんな折に男性が起き上がって、同じように酒を飲み、話しかけてくれば】

……おっ、分かってんじゃねェの。ってか、俺はその安いのが好きなンだよ
テキトーな炭酸にテキトーなアルコールにテキトーな味、ソレが良いんだ

それに俺、働きたくなかったらサボれる位には偉いしよォ……
いわゆる美味い酒≠ネんてのも、そりゃ飲んだことがないわけじゃないが
結局のところ、そこらで大量に買える安酒が好きで……あ、そういえばテメー、暑苦しいから服脱げよ。

【「今すぐなァ」――と。どれだけ偉いのか全く想像も付かない風体だが、酔っぱらいは面倒臭いものだ】
【服を脱げ、なんて言葉、聞く必要は無いし、大体酒缶を投げつけられたわけで】

【男性が望むのなら、それこそこの女に殴りかかったって一発くらいは許されそうだし】
【逆に酒の力で仲良くなろうだとか思うなら、ベンチはまだそこらに空きがある】
【この面倒そうな酒飲みの女にどう対応するかは、全て彼自身に委ねられているのだ】
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/06(火) 00:38:51.02 ID:w1GghraNo
/文字が赤いのはどうぞ気にしないで頂けると…ッ!
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/06(火) 00:59:21.22 ID:86huHyYIo
>>470

ああ、そうだな、コレが美味くなっても、それじゃ不味いんだよ

【そう言いながら酒を呑む、立ち上がろうともしないで飲む】

……そういってもさあ、唯でさえ朝起きるのがダルいのに
それに二日酔いつくのがダルいだろ?休みだろうと何だろうと
レッドアイに胡椒を振るのすらダルい

【ビールと生卵、トマトジュース。レッドアイはバーテンダーの朝飯とも呼ばれている】
【知っていればこの男をバーテンと思うだろうか、それともただの迎え酒するアルコール馬鹿か】

脱げだって?うるせーな、暑いならテメェが脱げよ
偉い人が行ってたぜ?『ロックンローラーはレザーを着ろ。8月以外は』ってさ

【特に怒っているわけでも無さそうだ。まあ、投げつけられても何も言わない所に】
【器のデカさか器の壊れ具合が見て取れるが】
【男はそう言い捨てると、先ほど何処かに行ってしまった煙草の代わりに火をつけていた】

【そして、男はようやっと立ち上がっては、暑い暑いと言いながら歩いて】
【黒のテーラードジャケットを脱いで適当なベンチの背にかけて】
【また先程の灰皿の横に立った。正確にはその直ぐ横の街灯にもたれたという方が近い】
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/06(火) 01:14:59.55 ID:w1GghraNo
>>472

【男が話しを切るのを見計らって、また一本の結露した水が滴る缶を放り投げる】
【そしてほんの一瞬だけ――鎧の様なヒトガタが見えるはずだが――とにかく】
【それは当然酒の缶で、つまり彼女は男性を“酒飲みだな”と判断したらしい】

【加えて、彼女は「テメェが脱げ」と言われればそれもそうかと渋々深紅のジャケットを脱ぎ始め】
【胸元で編み上げるタイプの黒いチューブトップ姿に早変わりする】
【当然、肩や豊かな胸元、そして引き締まった腹部に至るまでがよくよく見えるわけだが】
【当人は涼しくなったななんて呟いている辺り、どうも魅力が減退し】

俺はロックンローラーじゃねェし、今は8月だからレザージャケットはバイバイだな
つーか、これでも暑いってどういう気候だっての……フザケてるよなぁ?

こちとら平均体温が人より二度ばかし高い上、二日酔いの面白味も無ェ身体なのによォ
……あァ、だから俺、別に酒飲み過ぎて翌日ダルいとか無ェーんだわ
ところでテメェ良いモノ持ってるじゃねェか、俺にも一本くれよ、酒の代わりに。

【此処に来てようやく立ち上がり、片手にジャケットを持ちながら女は彼に近づいて行く】
【目的はただ一本のタバコ。普段は吸わないのだが、ふと吸いたくなる時もある】

【そして近付けば男が理解できるだろうことは、女性の意外な背の高さと】
【見てくれだけは良いプロポーションだろうか。ちなみにブーツのためか、背は170cm以上あった。】
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/06(火) 01:40:27.39 ID:86huHyYIo
>>473

サンキュー、Baby

【ニッと笑って、今度は放物線を描くモノを掴む】
【飲み干した第一陣は灰皿の足元に置いて、二本目を開ける】

【ゴソゴソと上着を脱ぐ姿をジロジロと眺めてたわけじゃないが】
【ふと目に入ったところでは結構、イケてるなと何となく思ったが】
【ただこの男は今年で29。枯れちゃいないが喜んで口説く歳でもない】
【単純に、口紅ぐらいすりゃあいいのに、と思ったぐらいだ】

赤道の線が太くなったんじゃない?最近、都会じゃスコールが降るらしいぜ
ゲリラ的に……バイクが錆びるから最近は気が抜けなくてさ……

へえ……体温ねえ……二日酔いないんだ。そりゃあ、羨ましい…
……ああ、いや…別にいいかなあ、たまにはダルいぐらいが俺には丁度いいや
たまには反省するキッカケもあったほうが長生きできそうだからな

おう、マルボロは好きなだけ

【ポケットからソフトの煙草の箱を取り出すと手首のスナップで一本が口から出てくる】
【それを取ったなら、紙箱と交換でジッポを取り出して、火をそちらにかざす】

【遠目見る印象より、背が高い彼女だがこちらも186+ブーツ】
【頭一つ分ぐらいは見下ろす形になるのは彼にはいつもの事だ】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/06(火) 02:02:26.79 ID:w1GghraNo
>>474

どーいたしまして、お調子者ののんだくれさんよ。
しかし赤道の線だろうが神サマの尺度だろうがいい加減にして欲しいよなァ

俺もよォ、家の窓から外を眺めるのが好きだったりするんだが……
そのクソスコールのせいで景色も情緒も合ったもんじゃねぇんだよな
テメェのバイクといい、やってらんねーよな。夏なんてクソ食らえだぜ

【ハァ、と酒臭いため息を吐きながら男の言葉を聞き止めると】
【女性は「長生きもクソ食らえだな」なんて口を叩く。どうやら、残念なのは容姿だけではないらしい】

【それはさておき―――タバコを差し出されると右手に取って、口元に運び】
【相手の好意は当然のように受け止めて、ジッポの火を素直に貰い受ける】
【煙が漂うと、落ち着いたようにまた一息。今度は臭いだけでは無かったが、まあ良しとして】

……ふぅ。たまには夜の散歩みてェなのも悪くねーな、そう思うだろ?
少なくとも昼よりは暑くねェ…まあ、暑いが……とにかくマシだ。

でもまァ、そろそろ帰っかな。飲み疲れたわ、残りが欲しけりゃやるぜ、アンタ……
あー……名前は知らねェが、オッサンよォ。全部安酒だけどな、ハッ――。

【「そんじゃァ」――と、彼女はそれだけ言い残して、ジャケットを担ぐようにして歩き出した】
【なんとも、深夜の奇人対談というのは、始まりも妙なら終わりもあっさりとしたものらしい】
【ちなみに残っているのは3本ばかり。ベンチもそのままに、やがて女性はブーツの音すら聞こえなくなって】
【しっとりと結露した安酒の缶達から滴り落ちた数滴の水が、僅かに清涼感を誘っていた。】

/折角の絡みなのですが申し訳ない、眠気が危ういのでここらで……っ!
/またよろしくお願いしますです!お疲れ様でしたー!
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/06(火) 02:30:12.08 ID:86huHyYIo
>>475

お調子も呑んだくれも一緒だろうよ

夏に中指立てても、スコールは降るし、セミは鳴くし、夜は暑いんだ……
まあ、酒が美味いからいいじゃねえか……別に年中何時でもサイコーだけどさ

……分かんねーよ?クソかどうか長生きしてみねえとさ…
手に入らなそーなもんの方が綺麗に見えるってなだけだ

【毒を吐く女性の顔を見てからニッっと笑って】
【何にもない前方を何となく見ていた】

ああ、そうだな……煙草吸ってたら酒が飲めたんだ
それに美味いって言える相手も居るんだから、サイコーだ

おう………じゃあな。…酒は任せろ。有り難くいただくからな
……安いから良いんだろ?名前も知らねえから良いんだよ

【グッドラックと缶を掴む手を上げたがそれは投げつけられた腕で】
【肩が痛んだので直ぐに逆の手を挙げて挨拶をした】

【男は煙草をくわえて、煙を立ち上らせながら】
【去って行く赤い後ろ姿を何と無く見ていた】
【暫くして酒の方に歩いて行く。ベンチに座って、一本掴むが】
【それじゃ灰皿が遠いなと、結果的にベンチを戻す事になっていた】

【こうして、男はいつの間にか蒸し暑いベンチの上で朝日を浴びることとなった……】

/お疲れ様でした!飲み交わしロールは大好きなので楽しかったです!遅くまでありがとうございました
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/06(火) 19:36:20.36 ID:VZlemxf9o
【夏祭り――神社】

……まだ食うんかいな?
ええわ、早よ買うてきいな……疲れたわ

【ぱたぱたと階段を下りていく下駄の足音を背にして、】
【古ぼけた千社札の張られた柱に背を預け、戸の格子越しに本殿の中を眺める姿がある】
【暗がりの内部は赤提灯の光でぼんやりと見えており、何かの像が鎮座しているようだった】

【それを凝視しつつ、手にした団扇を時折動かし涼を取っているのは】
【肩で切り揃えた白い髪に、青藍色の燐光を零す黒彼岸花を挿した若い男】
【黒い紋羽織を着た古風な和服姿で、切れ長の目は深い葡萄色をしている】

愛染明王、か……

【参道からの喧噪を一段静めるように、伽藍に吊るされた鉄製の風鈴が涼やかに鳴った】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/06(火) 21:08:11.38 ID:ca5egVbco
>>477
/まだいらっしゃったり?
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/06(火) 21:08:45.25 ID:VZlemxf9o
>>478
/こちらにおりますよー!
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/06(火) 21:17:43.95 ID:ca5egVbco
>>479
/やったー!

>>477

【活気を見せる縁日の様相、歓声に近い声は少々不思議な音色であろう】
【もしそれが貴方の興味をひいたなら、神社の前の辺りの出店の姿が眼に入るだろう】
【射的を出し物にしているその出店で、驚嘆を含んだ歓声が響いた】


……もいっこ……今度はね、あのくまさん、とるの……


【その歓声の正体、射的の台に一人で銃を構えてる少女が目に入るだろうか】
【ギャラリーはその少女を取り囲むように、その小柄な一挙手一投足を眺めて】
【刹那、引き金を引いたなら、銃から放たれるコルクが、彼女の狙うくまのぬいぐるみをたたき落とした】

【小柄な彼女は用意された台に立って、慣れた様子で新しいコルクを詰め替えるのだろう】
【見たところ、射的場の上の段一列は彼女によって撃ち落とされているようだ】
【店主はため息一つ、ギャラリーは歓声一つ交えながら、その少女を見た】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【藍色の可愛らしい浴衣に薄桃色の帯で細いウェストを締め上げ】
【黒を基調とした草履をちょこんと履いた雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【足元には大きな大きなバイオリンケースを立てかけて、両手で射撃の銃を握っていた】
【その銃の扱いは一般人とは大きくかけ離れていて、興味を引く可能性も、あるかもしれない】
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/06(火) 21:34:40.53 ID:VZlemxf9o
>>480

【どよめきを耳に捉えて適当に投げた視線がその姿を見つけ、扇ぐ手がひたと止まる】
【見覚えのある姿だった。一旦は迷う素振りを見せた男だったが】
【徐に背を預けていた柱から離れると、まずは近くの面屋に声を掛けた】

――……

【手にしたのは狐の面、男――月彗は顔を隠すようにそれを付けると】
【射的の屋台に歩み寄り、恐らくはまだ銃を握っているだろうか、少女の傍へと近寄る】

【もしかすれば、次の獲物へと一心に狙いをつけている最中かも知れない】
【そんな状況で、叶えば吐息が耳に触れそうな距離で】

……見ィつけた

【そう囁いて、面の下で悪趣味に笑った】
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/06(火) 21:44:08.36 ID:ca5egVbco
>>481

【幸いと言うべきか、何と言うべきか、ギャラリーはその狐面には気づかずに】
【少女がピンと指さした、一際大きな獲物に、どよめきが起こっていた】
【空っぽになったその更に上、特設の段に設置された巨大な猫のぬいぐるみへ、と】

【大きな袂が僅かに濡れた、零れ落ちる指先と細い手首】
【白百合が如くその肌の色は儚さを帯びていて、小さな横顔が真剣みを増した】
【当然、貴方の姿には気づく様相もなく】


……いくの、あの、おっきな猫さん……最後にね、持って帰るの
そしたら、ソニアの、かんぜんしょう……ぃ――――――ひゃぁっ!ぅ……


【力がこもった、銃身を支える伸びた左腕と、ぎゅっと脇を閉めた右手】
【右目を閉じて、ぱっちりと明けた左目が、じぃーっとその獲物だけを見つめていたから】
【プラチナブロンドの長い髪、まるで宝物のように隠された小さな小さな耳へと】

【貴方の吐息が、確かな温もりを持って触れたのだ】
【ぞくり、背筋を撫でる感触が、反射を呼び起こす、銃口が上を向いて、あさっての方向へと飛んでいった】
【ぶるぶる、と大きく身体を反らせたなら、その後に訪れる快感に一瞬だけ恍惚の色合いを見せて】


わぁっ……ぁっ……ぁー……ソ、ソニアのぅ……ソニアの猫さん……っ
Выполнение что(なにするの)!!…… глупый(馬鹿ぁ)……


【外した、その事実は彼女にはあまりにもショックだったようで】
【しゅるしゅると力が抜けたと思ったなら、ぱたんと台の上に膝をついて】
【少ししたら立ち上がって、すぐ側の貴方へと視線を向けるのだろう】

【台の上にたってもまだ、貴方に見下されるような小柄な彼女】
【ほっぺた一杯に怒りをためて、膨らんだなら、思わず故郷の言葉がこぼれて】
【伝わったかもわからない言葉を返したなら、しょぼん、と表情をしぼませるのだろう】

【マリンブルーの瞳の下、僅かに濡れた涙の痕のように】
【まだ貴方の正体には、気づいていないご様子】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/06(火) 22:01:25.74 ID:VZlemxf9o
>>482

くくっ……上手く行ったわ、思った通りに

【外した様を見てあろうことか楽しげに笑った低音は、その記憶に在るだろうか】
【一頻り面白そうにした後に、少女に視線を向けられた狐面の男は】
【通じないのだからこれ幸いとばかりに、罵倒されているのだろうと分かっても知らぬ顔をしていた】

しッかし、もう上一段無うなっとるやないか……
香具師を破産させる気ィかいな阿呆、手加減したりぃや

【そのままでは見辛かったのか、男はついと面を半分ほど持ち上げて店の中を見回す】
【薄い唇、通った鼻筋、ほんの僅かに覗く細められた――葡萄色】
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/06(火) 22:08:52.74 ID:ca5egVbco
>>483

【低音が耳元から流れこんできて、身体の中に染みこんでいく】
【グラスの中に浮いている氷を、指先でそうっと突くかのように】
【でも今の彼女にとっては、それよりも大事なことがあって】


こんなとこに、お店出すの……悪いと思うの
ソレにね、お店の人、ソニアならって、弾もおまけしてくれたの
だからね、だったらね……全部もらわなきゃって、思ったの


【むぅとほっぺたをふくらませたなら、まるで欲張りなリスか何かのように】
【なれない浴衣でこじんまりと佇む様子は、ソレこそおまけしても仕方がない彼女であったのだろう】
【腰回りに巻かれた帯、かなりきつく巻いてもまだ落ちそうなくらいにウェストは細くて】

【そんな彼女であったが、面の下、その貴方の表情を見て僅かな揺れを見せた】
【まん丸のマリンブルーが見開かれたなら、あっ、なんて華奢な声が漏れて】
【小さな桃色の唇が、僅かな濡れた色合いを見せるのが、貴方のぶどう色に辿られるだろうか】


っ……お兄さん、まさか……なんで、こんなとこ、いる……の……
こっち、来るの……ここいっぱい、いるの……っ


【ぐい、っと彼女の小さな手のひらが伸びた、貴方の袖をその手で握ろうとして】
【もう片方の手でバイオリンケースを握ったなら、そのまま駆け出していくだろう】
【貴方の最初にいた神社の側へと、連れて行こうとして】

【人気の少ないそこへと呼び出せたなら、バイオリンケースを両手で抱きしめるだろう】
【見上げる視線は警戒の色合いを残しながらも、どこか不安げな上目遣いで】
【慣れていないはだけた浴衣の形、壊れそうなぐらいに脆い右肩がはっきりと見えるだろうか】
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/06(火) 22:27:36.91 ID:VZlemxf9o
>>484

【掴まれた袖を払う事はせず、引かれるままに元いた神社の前へと辿り着くと】
【其処には誰か人探しをしている様子の女が一人いた。女はやって来た二人を見て、】
【まずは狐面を、次にソニアへと視線を移し――くすと笑うと、すれ違いに階段を下りて行った】

何なんあの阿呆……嗚呼そッちやない、気にせんでええ

【二人に遠慮するよう去って行った女は知己の者なのか、眉を顰めて見送っていたが】
【やがてその姿が見えなくなると、男――月彗はソニアの方へ向き直った】
【もう付けている必要も無いと判断したか、狐面を外した顔は矢張り彼女の知る彼のもので】

……おい、浴衣はだけとるんやけど。
直したるから早よそれ下ろしな……別に、何もせんから

【目敏く浴衣の乱れを見つけると月彗は背を屈め、ソニアと同じ位置に目線を下げる】
【バイオリンケースを抱えたままではやりづらい、という事らしいが――】
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/06(火) 22:34:31.86 ID:ca5egVbco
>>485

【信用できる、とはあまり言えなかった、貴方に対しては二つのイメージが混在しているから】
【だからこそか、決して悪い側面だけを知っているわけじゃないのだから】
【バイオリンケースを足元へと下ろしたなら、じぃと貴方へと視線を向ける】


……知ってるの……月彗がそんな人じゃ、ないのぐらい……
でも……なんでね、こっちの人ね、こんなの着るの、かな……
薄いし、すぐ崩れるし……とっても、歩きにくい、の


【貴方の前へと立ちながらすっと右手を曲げてみたりして不満そうに呟く】
【事実すぐ動くだけでするすると脱げてしまうだろう、それこそ危ないぐらいに】
【それなりに起伏に富んだ身体をしているため、問題は無さそうに見えるが】

【浴衣をただしていけばその理由が分かるだろう、細すぎるウェストに帯が余ってしまうのだ】
【それこそお腹に何か詰め物をしなきゃいけないぐらいに、細くて】
【儚いと形容される彼女の存在感、その理由は、この辺りにも転がっているのだろう】


……月彗は、何、してたの……この辺りで……
さっきのお姉さん、知り合い……?……とっても、綺麗だった、の


【きっと貴方に正してもらっている間、暇なのだろう】
【ゆっくりと彼女のリズムで刻まれる言葉は、疑問形が多くて】
【答えている間にも、その細い首筋がゆらゆらと揺れるが如く】

【プラチナブロンドの髪の色が貴方の視線に捉えられたなら】
【落ちる月光の僅かな光陰が、彼女のその細やかな彩りを染め上げていく】
【混ざり合う光の芸術は、貴方のそばに居ても褪せないぐらいには輝いているのだろうか】
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/06(火) 22:49:30.83 ID:VZlemxf9o
>>486

……慣れればそうでも無いんやけど。
まあ四六時中着ればの話……祭りの日だけひょいと着て、
そんですんなり歩ける思うたら、間違いやろ

【見た目だけなら静かな様子からは、以前ソニアに詰め寄った時のあの昏さは窺えない】
【伸ばした手が襟に触れ、肌に触れたなら僅かに冷たい指先は丁寧に浴衣を整えていく】

別に、付き合うてやっただけ……たまにはって思うてな
……嗚呼、あれは―― 教えん。

【――流石に帯までは直すのもどうかと判断し、襟だけ直すに留めて月彗は手を引いた】
【そして問いには言葉短に返して、最後に仕上がりを確認し屈めていた背を伸ばして立つ】
【教えない、と言う前の僅かな間に、先刻の射的を邪魔した際とよく似た空気があった】
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/06(火) 22:58:07.10 ID:ca5egVbco
>>487

【貴方の指先の冷たさと同じぐらいに、彼女の素肌は冷たいのだろう】
【それはまるで陶器の冷たさのよう、それでいてどこか儚い宝石の冷たさ】
【触れる指先の染み入る僅かな体温を、二人で分け合うようにと思い続けて】


お祭り……?こっちのお祭りって……こういうの、なの?
ソニア、お祭り……殆ど知らなくて……それでね、よくわからない、の


【祭り、との貴方の言葉に視線が傾いた、マリンブルーの水面を流れるように睫毛が奏でる】
【長い睫毛がタレ目加減の大きな瞳を修飾したなら、横髪がふわりと頬を撫でる】
【見上げる視線の透き通った色合いはきっと、貴方の心を覗き込もうとして】

【彼女にとってのお祭りとは、祖国にあってお祭りの写し鏡なのだろう】
【こちらの所謂縁日とは違った、どちらかと言えば収穫祭に近いもので】
【射的、というのもある意味、初めての体験だったのであろうか】


むぅ……いじわる……教えてくれたって、いいのに……
それとも、ソニアには、教えられない人、なの?

――――――月彗の、大切な……人?


【まるで目の前に餌をぶら下げられた子猫のよう、ぴきーんと反応してみせて】
【キラキラと僅かに目を輝かせたなら、ねーねーと貴方の服の裾を掴む】
【教えて欲しいのと見上げるその様子は、父親にねだる娘が如く】

【いくら幼くて、いくら普通の少女とは違う体験をしていても】
【彼女はある意味一人前の立派な女の子であって】
【そーいう話は、嫌いじゃない、むしろ大好き】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/06(火) 23:22:02.17 ID:gxVfFV2+0


【薄暗い森の中。がさがさと動く影が一つ】
【濃い青色をした其れを纏っている所を見れば――――修道女であろうか】
【月の光を鋭く反射させる銀の髪。困った様に、ウロウロとさせる双眸】


「あの……そろそろ、離れて貰えませんか?
私も飼いたいのはやまやまなのですが……あなたを育ててあげれるだけのお金も無いのです
それに、野生のままの方があなたにもきっと……と言っても、分かりませんよね」

【悩みの原因。其れは、頭の上で丸まっている奇妙な生き物】
【ふわふわとした毛並み。まるで、ハムスターの様にも思える外見】
【眠っているのだろう。時折心地よさそうな小さな寝息が聞こえて】


「このままこの子を置いて行くと、獣や魔物に食べられてしまいそうですし……
かといって、連れて帰るわけにもいきません。……どうしたものでしょうか……」

【その毛玉を乗せたまま、ウロウロとする姿は何とも滑稽】
【時間も時間。そしてそんな奇妙な行動が合わされば、自然と目立つ事になろうか】








【その街のシンボルでもある時計台の下】
【やたらと香ばしい匂いを漂わせる袋を手にした女が、一人佇んでいて】
【纏っている物は所謂巫女装束。手にしているのは――――揚げたてのポテトチップスか】


「さて、今日も特に問題無く一日が過ぎていきますね
――――いえ、時間が過ぎれば過ぎるほどコレの風味も落ちてしまうので困ったものです」

【恐らくは自警団の一人。そして恐らくは見回り中――――の筈なのだが】
【真面目な装いをしながらもその手はひっきりなしにポテチを掴めば口の中に放り込んで】
【……機関等の事もあり、緊迫した状況の中でここまで奔放な者もあまり居ないのでは無いだろうか】
【果たして仕事一徹な者が見たら何と思うのだろう】


「――――後はこのまま何事も無く勤務時間が過ぎていけば良いのですが」

【パリっとまた一枚囓る音】
【近くを通り過ぎる者達の中には白い視線を送る者も居るが、そんなのは何処吹く風で】
【――――人々から送られる視線。そしてその匂いの事もあって近くを通りかかった者の興味を自然と惹くだろう】
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/06(火) 23:22:14.35 ID:VZlemxf9o
>>488

【訊ねられて、相手を見下ろす形で据えた目は】
【どうにも少々アテが外れたというように、僅かに瞠られていた】

【珍しくも次の反応に悩んでいたような顔は裾を掴まれると途端に眉を寄せ、】
【呆れたようにソニアを見やり――幾らかの間があって、漸く口を開いた】

……ただの阿呆や。
本当に構わんでええわ、別にどうでもええんやから……

元同僚、それだけ。 満足したか?

【相手の期待を裏切るように冷えた言葉は、その通りの関係性だという事か】
【それでも違和感と疑問点が幾つも浮かんでいるのは理解しているようで、】
【ひとつ舌打ちすると、下駄を鳴らして境内の方へと来た道を進み出し】

――……どういうもんか、此処でもう少し自分で勉強してみいな

【途中でソニアへと振り返り、祭りを楽しめという旨を酷く遠回しに告げると】
【自分のすることは全て済んだと言うように、月彗はついと背を向ける】
【向かう方向には矢張り先程の女がいて、遠目にも微笑んでいるのが見えた】

/短めで申し訳ないですが、この辺りで……
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/06(火) 23:27:27.88 ID:ca5egVbco
>>490

【夜に溶ける吐息の形、筆洗の中で気ままに溶かす白い絵の具】
【筆先についた言葉が零れた、形にならない音が浮かび上がったなら】
【えー……なんて不満そうな声が漸く意味合いを見せるのだろう】


そう……でもね……それならまだ、大切な人に、なれるってことなの
うん、分かったの……それじゃぁね、月彗


【手を振るその残影、歩みを進めたなら、やがて消える僅かな水面のよう】
【バイオリンケースを握るその掌の形が、さよならを伝えたなら】
【しばしなれない浴衣姿でその道中を楽しむのだろうか】


/お疲れ様でしたー!
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/07(水) 20:30:07.15 ID:/qvzwrxL0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 公園】

……煮リンゴってのか、こいつは悪くねぇな……
ちょっと食感がべったりしててくどいが、甘みと酸味のバランスが良いじゃねぇか……!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【ベンチに腰掛けながら、発泡スチロールの容器に入った、トロリとした蜜の様なものがかかったリンゴを頬張っている】
【街の中心の方では、祭りでも行われているのか、賑やかな雰囲気が漂っており、この公園ではそこから外れた落ち着いた場所となっていた】

……けど、今日がこんなに賑わってるってのは、計算外だったなぁ……
これじゃ、どこの飲み屋も似た様な状態になっちまってるだろうしなぁ……

【恐らく、手にしているリンゴはどこかの屋台ででも買ってきたのだろうが、居丈夫はいささか苦笑いしながらそれを口に運ぶ】
【夏は夜――――祭りの賑わいを避ける様に、彼は静かに時間の流れるのを楽しんでいる様だった】



【――――所変わって、風の国 路地裏】

……調子にのんじゃねぇぞ、ザコども……
ま、こんな女を狙うくらいなら、最初からザコだって予想はついてたけどな? ……情けねぇったらありゃしねぇ……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、赤色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女が】
【足元に倒れ伏す4人の不良達を見下ろしながら、呆れた様子で肩をすくめている】
【倒れている面々は、命に別条こそない様だが、相当に強烈な一撃を身に浴びたのか、中々起き上がる事が出来ない様だった】

……ま、んじゃ慰謝料代わりに頂いてくぜ? こちとら、こういう収入は死活問題なんでよぉ……
お前らだって、どうせ真っ当な稼ぎじゃ無ぇんだろ? 自分たちの見る目の無さを、精々悔いるんだな……

【そうして不良達を見下ろす少女の手には、4つの財布がしっかりと握り締められていて】
【ひらひらとそれを振ってみせる少女の表情は、やけにすっきりと晴々しいものだった】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/07(水) 21:21:00.45 ID:/qvzwrxL0
/>>492取り消しでー
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/07(水) 22:14:40.72 ID:WvXi4QQd0

【――――夜の公園。明るい時間では子供達で溢れかえっていた其処も、今や別な顔を覗かせて居る】
【泣きじゃくる少年と手を繋いでいた少女が一人、その場に居て】
【一切の着崩しが見られない軍服。制帽。腰に提げた軍刀と右目を覆う眼帯とが、堅物を演出させているが】


「……もう大丈夫でありますよ。悪い人達は私がやっつけたであります
さあ、両親が心配しているから、早く帰ってあげるでありますよ」

【繋いでいた手を離せば、少年の背中を押してその場から去ることを促した】
【……よく見てみれば、公園内でのびている数人の男。所謂、悪い人達であろう】
【右腕に通された腕章からは、少女が自警団の一人であると分かるのだが】


「――――貴方達は未遂という事で、今日は見逃してあげるでありますよ
次に同じ事をしようとしたら、その時は本当に拘置所に放り込むであります」

【男の一人が、震える声で「化け物」なんて言うけれど】
【――――当の本人は、素知らぬ顔。追撃を行うことも無く、その場を去ろうとするけれど】
【…………小石に躓いて、見事なまでの転び様。そのまま藍色の髪を靡かせて華麗に立ち去れたのならば、様になったのだろうけれど】










【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【その入口付近で、何やらギャーギャーと喚き立てる声があって】


「納得がいかないです!何故、ソフトクリームを切らしているのです!」

【どうやら、食堂付近で一悶着あった様】
【額から一本の角を生やし、汚れを知らないような真っ白な髪を持った少女が、従業員と思われる者に噛み付いていて】
【――――車椅子に、入院服。その姿を見れば、この病院の入院患者と見て間違いは無いであろう】


「暑くて、みんな買っていってしまったから、です?
そんなの理由にならないです!私だって暑いですし、何より需要が分かっているのに供給出来ないなら失格なのです!」

【ガルルと吠えれば、噛み付いて】
【側を通る医師や看護師達が苦笑している所を見れば、最早“お馴染み”の光景なのだろう】
【未だに食い下がっては離れないけれど、果たしてそん少女に声を掛けようという奇特な者は居るのだろうか
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/07(水) 22:41:46.59 ID:9BaF8bvao
>>494

【公園の近くを、一人の男が歩いていた】
【話声に気付き、ふとそちらを向くと】
【倒れている数人の男と、少女と少年】

へえ、これはこれは

【男は白髪交じりの黒髪の―――30代くらいで】
【黒いパンツに白いシャツというシンプルな格好で、上にカーキ色のコートを羽織り】
【いかにも旅人という風な大きめのリュックサックを背負っている】
【―――さらに、リュックと共に男が堂々と肩にかけている、長い形のソフトケース】
【多少でも戦いに詳しいものが見れば、その中身が銃器であることは一目瞭然だろう】

お勤めご苦労、自警団の御嬢さん

【少女に興味を持ったらしく、男は公園へ入ろうとするが】
【丁度、男が公園に足を踏み入れた瞬間に、少女が転び】
【転倒と同時に話しかけることになった】

おっと、どうした?怪我でもしたか?
そこで倒れてる奴らとやり合ったみたいだが……
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/07(水) 22:57:04.19 ID:WvXi4QQd0
>>485
【両手を前に突きだした格好。数瞬前には、ビタンという音】
【――――まあ、見れば見るほど間抜けに思えてしまうその姿。少年は、少女の言葉通り何処かへと去って】
【男達も、そそくさと逃げていく事だろう】


「――――やり合った訳では無いのであります
ただ、あの子……先程走り去っていった少年の事でありますが、虐められていたので見逃せなかったのであります
……結果的には、やり合ったという言葉に違いは無いのかもしれないでありますが」

【地面から見上げる瞳は一つだけ。双眸で無いのは、言わずもがな。その眼帯が、片目を覆っているから】
【その体勢のまま見上げていたけれど――――ふと、疑問にを持った事が表情を通じて伝わるだろうか】
【立ち上がれば転がった制帽を被り直し、軍服に付いた土を払い落とせば、姿勢を正す】


「どちらにしても、過ぎたことであります。あの少年は無事であり、男達も反省しているから良いのでありますよ
……そんな事よりも、貴方が持って居る物の方が問題であります。何故持って居るのか、理由を聞かせて貰っても良いでありますか?」

【藍色の瞳が、キツイ色合いを持ち始めた】
【この世界、職業やら自衛やらで武器を持つこと何て珍しくないだろうけれど――――この時間に其れ等を持ち歩く姿に、疑問を持ったのだろうか】
【そんな事を態々聞くなんて生真面目とも思えるが……一切の乱れも無い着こなしから、何となく感じ取れていた事だろう】
【言葉と共に、距離も詰めて。その様はまるで尋問の様にも思えるが】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/07(水) 23:14:04.84 ID:9BaF8bvao
>>496

男たちが集まって少年を虐め、ねえ
ま、理由はよくわからねえが……さすがは自警団って感じだな
あんたみたいな女の子でも男どもを倒しちまうんだから

【男たちは、逃げられるほどの体力が残っていながら】
【少女と再び戦おうとはしなかった―――つまり完全に戦意を喪失させるほどの実力差があったことが伺える】
【などと考えていれば、少女の矛先が自分に向かってきた】

ああ、これか?これは見ての通りあれだよ、ライフル的な何かだ
何故持ってるのかと言われてもねえ、あんたが刀を提げてるのと同じ理由じゃねえか?
つーか、この世に武器を持つ理由なんて一つしかないだろ?

【少女の質問に対し、何やら屁理屈で返し―――はぐらかしたつもりになったのか】
【さらに別の質問を勝手に投げかける】

――にしても、軍刀もそうだが、その服装かっこいいな
自警団って大体私服だろ?
つーことはその服装にも御嬢さんなりのこだわりがあったりするのかね?


498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/07(水) 23:34:21.59 ID:WvXi4QQd0
>>497

「その程度であっただけでありますよ。自警団で無くても、簡単に倒せる程度の実力しか持っていなかっただけであります
集団で虐める位なのだから、所詮は弱いのであります
……そんな事よりも、しっかりと理由を聞かせてもらうでありますよ」

【崩さぬ表情。一言で言ってしまえば堅物であるが、その性格を考えると自警団と言う事を除いても自ら助けに行った――――のかは分からない】
【ジットリとした片目の視線は、真っ直ぐに男性の瞳を見ていたことだろう】
【まるで一つの嘘も見逃さない――――と言った様子であったが、次の言葉には其れも崩れ】


「あ……ぅぅ……わ、私は人々を守る為にこの刀を手にしているのであります
それに、貴方がその言葉が本当かどうかなんて……わ、分からないであります
で、でありますから、故に…………もう、良いであります」

【言葉に窮するとはこの事か。普通ならば屁理屈に対して問い詰め、やがては吐かせるのだろうが――――】
【生憎、闘う事に関する実力はあっても尋問に関する実力は殆ど皆無と言っても良い位に低く】
【最初こそ何か言おうとしていたけれど、最後には頬をプゥと膨らませればそっぽを向いて】


「兎に角、自警団の目は常に光っているのだから下手な事をしたら直ぐに拘束するでありますよ
……別に拘りは無いのであります。有ったとしても、態々初対面の貴方に話す物では無いのであります
――――この刀だって、同じであります」

【それでも律儀に言葉を返す辺り、実にこの少女らしい】
【言葉から察すれば、この身なりには少女なりに意味があるらしい――――が、話したくない何て】
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/07(水) 23:58:08.94 ID:9BaF8bvao
>>498

【喧嘩は強くても口喧嘩が苦手なタイプだろうか】
【少女は意外と早く引き下がった】

おいおい、俺が言うのもなんだが、それでいいのかよ自警団さん
……そう拗ねるなって

【言葉に窮した少女をフォローするかのような口ぶりで】

まあ、俺はお尋ね者じゃあないからな
俺を取り逃がしたことであんたが上司、いや上官って言うのか?
とにかく偉い人に怒られることはねえさ
それに、この銃には弾が入ってないし持ってもいないから安心してくれ

【銃は持っているが弾は持っていない】
【男の言葉が本当ならば、少々奇特だが――】

そうかい、初対面の俺に話す物では無い程度には、意味があるってことか……
なら、俺が聞いていいことじゃねえな

―――ああ、せいぜい拘束されないように気を付けるよ、自警団の……えっと?

【そう言って、今度は名乗りを促す】
【尤も、これに関しても見ず知らずの男に名乗る義理は無いのだが】
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 00:15:04.11 ID:5BhXt9dL0
>>499
「別に慰めは必要無いであります
貴方に慰められると、余計に悲しくなるであります」

【何とも酷い言い草ではあるが、その性格からして何となく察せようか】
【事務的な表情へと移り変われば、ただ言い放つだけ。それに対するフォローは、無い】


「……弾が入っていないのに持ち歩いているでありますか?
安心しろと言っても、魔道具の可能性もあるのでそこまで安心できないのは事実であります
まぁ、確かに怒られる事は無いのでありますが……」

【必要以上の警戒。自分の身が危険だからでは無く、街の住民達に危険が及ばぬ様にと】
【――――言葉でこそ、そうだけれど。柄に手を伸ばしていない所を見れば、実際には然程警戒する必要は無いと、言葉のやり取りで判断したのか】
【先程の男達のやられ様を見れば、徒手も其れなりに熟練しているようだ。と言うのは余談か】


「……オラークル・スティンガー。私の名であります
私の名を言ったのでありますから、そちらの名も伝えるのが道理と思うでありますよ?」

【まるで、男の様な名前。だけれど、身体の起伏を見るに間違い無く性別は女性】
【藍色の一つだけの瞳がジッと見れば、ゆっくりと小首を傾げて】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/08(木) 00:37:59.86 ID:VpXtIWfwo
>>500

元気出せよ
例えばの話だ、さっきあんたが助けた少年が将来、あんたに憧れて自警団に入ったとして
カッコよく助けてくれた正義の味方が、俺みたいなよくわからない人間ごときに気分を左右されてるようじゃ
がっかりするだろ?
……うん、よく分からない例えだったな。忘れてくれ

【どうやら、男の方もそれなりに口下手なようで】
【少なくとも悪気は無いらしい】

はは、違いねえ
魔道具とかそういうのだっていくらでも出回ってるもんなあ、最近は

【――そもそも、弾が入っていないという言葉も信用できる世の中じゃないけどな】
【男はそう付けたし、笑った】

へえ、良い名前じゃねえか
――これは職質とかじゃないよな?礼儀として名乗るんだからな

バニセイド・ベノシェルフだ。よろしく

御嬢さん……いや、自警団のスティンガーさん?
なんかしっくりこないな、なんて呼べばいい?
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 00:51:57.14 ID:5BhXt9dL0
>>501
「…………よく分からない例え話でありますね
ただ……貴方に害意は無いと言う事だけは留めておくでありますよ
尤も、今夜は。という言葉を付け足すでありますが」

【その悪気の無さを感じ取ったのか、クスリと小さく笑えば言葉を足して】
【――――しかし、自警団とはいえ明らかに自分よりも年上であろう男性に対してこの態度】
【高圧的という訳でも無いが、かといってフレンドリーという訳でも無くて】


「先輩や仲間からはステン。又はクルと呼ばれているであります
……呼び方は好きにすると良いでありますよ
バニセイドでありますね。一応、記憶しておくであります
今後何か問題を起こしたら、直ぐに駆けつけるのでそのつもりで居てほしいであります」

【相性だけを聞くならば、それなり】
【――――まあ、堅物の少女に「クルちゃん」何て名前は少々合わない気もするが、本人は然程気にしてもいないらしく】
「職質では無いという確認には頷くが――――よくよく見ずとも、手帳に男性の名前が綴られている事が分かるだろう」
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/08(木) 01:01:19.34 ID:dpqExdjZ0
やっぱりこの時期は蒸すねぇ
だから嫌いだよ。何になろうが、変わろうがどうしようもないんだから

【ぼんやりと、しかし闇の中で存在感を放つ街頭の下。その街灯が示す場所】
【もう夜遅く、空車の車両だけが時々走るだけの蝉の鳴き声だけが辺りにしみ込む踏み切りの下】
【少年が、一人その真ん中に立っていた】

冬は好きだけどね
毛皮なりなんなり手に入れればどうとでもなるんだから

【少年は、嗤いながら誰かに話しかけるように、キャスケットかハンチングか判別しがたい帽子を指クルクル回しながら呟いている】
【擦り切れたブラウンのコートを腰に巻いて、サスペンダーをしたすす汚れたカッターシャツと黒いスラリと脚線美を浮かばせるその姿は見た目に反してどこか大人びて見える】
【だが、その足元に纏った少年の足のサイズより少しぶかいスーツを見ればそれは逆転して外見以上に子供っぽく見える】
【つまるところどこかちぐはぐな感覚を見せる少年だった】

それにしても、どうにも世間の情報が分らないと世間から隔離された感覚を感じるね
まるで世界で僕一人かのように……いや、まあいつでもひとりぼっちなんだけどさ

【そういうと、少年はその場にかがみこんだ】
【甲高い音を鳴らせながら、踏み切りの柵が降りてゆく】
【少年はそれに気づいているのか、それともあえて無視しているのか只ジッとかがみ込んで何かを見つめているようだった】
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/08(木) 01:18:04.05 ID:VpXtIWfwo
>>502

お、おう

【少女――オラークルがクスリと小さくだが、笑った】
【堅物な雰囲気だった少女が笑ったことに、小さな達成感を覚えるが】
【口には出さなかった。口下手な自分が余計なことを言うとまた機嫌を損ねてしまうかもしれない】

そうか、じゃあステンと呼ばせてもらうぜ
中々可愛いニックネームセンスだな、その先輩や仲間ってのは

……問題を起こせばその軍刀捌きを拝めるのかい?
なんて、もちろん冗談だけどな

しかし手帳に堂々と書かれてるとやっぱり職質みたいだな

【少女が手帳にメモしているのを見ながら―――】
【やはり自警団の職業柄なのだろうかと、なんとなく思っていれば】
【ふと、思い立つ】

そういや、腕章をつけてるってことは、パトロールか何かの仕事中だろ?

長く引き止めちまったな。邪魔して悪かったよ

【この物騒な社会。自警団も暇ではないだろう】

というわけで、そろそろ行くとするわ
じゃあなステン。暗いから気を付けてな

【自警団員相手に気を付けてと言うのは妙だが】
【男からすれば、自警団員ではなく、1人の女の子への言葉のつもりだ】
【軽く手を振れば、男は公園から出て――元の道を歩み始めた】


/このあたりで失礼します!
/ありがとうございました!
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 01:27:07.65 ID:w3QHdN9N0
【街外れ――大型の店、の駐車場】
【ぽつぽつ設置された街灯と、刃めいて薄ぺらい三日月だけが、そうと照らす世界】
【とうに閉まった店からは非常灯の明るい緑色だけ、そっと、零れ落ちて】

……――、

【――かつん、と。足音がしたなら、誰かが置き去りの車でも迎えに来たようでも、】
【きっちり施錠された入り口を思えばきっと違うはず。事実、足音は、それなりの時間鳴いていた】

【夜空に融け込むような色をした髪、膝まである長さには細い三つ編みがふたつ、混ぜ込まれて】
【長い前髪の向こう側で瞬くのが黒赤のオッドアイ、蛇めいて丸い瞳は真っ直ぐに眼前、落とされたまま】
【ふらと広げた両腕の元で長めの袖が揺れる、黒のブラウス、首に撒かれた包帯の白、余計に映えるよう】
【その上に重ねたのがチョコレート色のジャンパースカート、腰をきゅと編み上げたデザイン、アシンメトリーな裾が揺れて】
【深く刻まれたスリットにぎゅーっと詰め込まれる無数のフリルの波、深い赤色、そっと彩りを混ぜ込んだなら】
【薄手のタイツに包まれた足、編み上げのブーツの踵、高く細いのが、もうひとつかつりと夜に音を混ぜ込んだ】
【――月明かりにひどく微かな影が落ち込む、その元凶を辿れば、そこに立つのは、少女がひとり】

――わ、きゃっ……、

【十字めいて広げた両腕、落とされた視線、どうやら足元の白線を追っているらしい、と見れば分かるはず】
【そんな足先がぐちゃらと絡んだなら。びっくりしたように洩らす声、鈴の音めいた金属質を引き連れて、夜に良く響く】
【転んでしまいそうに空を引っ掻いた指――そのぎりぎりまで、また、包帯が巻かれていて】

【(――それと。彼女の纏うヒトとはズレた気配、それもまた、きっと夜によく目立っていた)】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 01:33:38.58 ID:5BhXt9dL0
>>504
「主に先輩が付けたであります
その先輩の胃袋もブラックホールみたいで困っている所で――――っとと、先輩の愚痴は駄目でありました

コレは飾りで付けている物では無いでありますよ
鎮圧でも無く、どうしようも無い人を切り伏せる為にある物であります
…………見たければ、それ相応の問題を起こす事でありますね。そんな事をすれば、二度と心臓を動かすことも無くなるでありますが」

【――――何処か厳しい視線。遊びで面倒後事を増やすなと、言外で語っているかの様】
【手帳を仕舞えば、「絶対に駄目であります」と今一度呟いて】
【……切り伏せる、といえる程度には実力を持っているようだけれど、詳しくは何時か分かる事であろう】


「ご名答であります。また問題が起きていないか見回りをしている所でありました
……気を付けろとはこちらの台詞でありますよ
まあ、困った事があればそこら辺に居る自警団に頼って欲しいであります」

【手を振り返す代わりに一瞥して、そのまま踵を返して立ち去る事だろう】
【――――誰か探して居る人を見つけたのか、途中で小走りになったが……それはまた、別なお話】

/はいな!お疲れ様でありましたですよー!
/お休みなさいませ―!
507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/08(木) 19:49:55.73 ID:gwBqvkp1o
【河沿いの通り】

暑い、腐るぞいい加減……

【灰白色の煉瓦造りの街並み、通り沿いの建物の戸にはオレンジ色のランプが灯り】
【個人経営の喫茶店やバーを有しながらも、時折通る馬車の音以外は閑静な場所】

蛆が沸いたらどうするんだ……

【そんな通りに立つ街灯の下、黒い澱のような静かな河を眺める一つの影があった】
【光が無いながらも鋭く細めた灰色の目に、癖のある黒髪、よれた黒服姿の若い男】
【その右頬には、特徴的でどこか不吉な「牛の生首が乗った皿」の刺青がある】

……危険な臭いは、まだしない、よな

【熱気に魘されるように独り言を並べていた男は、暫しの間があってから】
【確認するように自分の手の甲を嗅ぎ、首を傾げ――ヤバいか、と一人ごちる】

【こわごわもう一度確かめようとしている最中に蛾が寄って来たらしく、】
【明かりの下であるせいかそれ以外の要因か意外に数の多いそれらに男は悪戦苦闘し】
【二三罵声を吐きながら大きく手を振って虫を払う姿は、遠目に見れば挙動不審そのものだった】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 20:27:36.16 ID:w3QHdN9N0
【街外れ――遮蔽物の存在しない草原】
【薄ぺらい三日月が堕とす蒼白い光の帳、照らしこむのは若草色の絨毯】
【緑色が鮮やかに吹いて地を覆うなら、暗がりの夜空とが互いの色を引き立てるよう】
【ざぁとひとつ強めの風が吹きぬけたなら。緑色の中に一点堕ちる、不協和音めいた黒色、きっとよく、目立った】

…… 、……――、

【――天蓋の色を真似たように冥い色の髪、本来膝まである長さは地に投げ出され、好き勝手ぐると渦巻いて】
【時折風に揺れる長さに隠すような黒赤のオッドアイがぼうと開けられるまま、虚空に釘付けにされるまま】
【灰色基調のワンピース、たっぷりのレースで飾り立てた膝丈、パニエを詰め込めば、もう少しだけ短めな顔を見せて】
【足のほとんどを包む黒地のソックス、編み上げた風の柄――片っ方の足にだけ、底の厚いパンプス、嵌められて】
【裸足の足のすぐ横にもう一足を投げ出して、両足も投げ出して、――胎内の赤子めいて身体を丸めて寝そべる、少女】

【どうにも行き倒れめいた姿。それでも、どこかで製作してきたらしいしろつめくさの冠を載せているなら、微かな違和感】
【それよりも先に右手が首の辺りを気にするように弄っていたのだから。どうやら、意識自体はあるよう】

…………あ、つい、

【――ぽそりと呟いた声、鈴の音色が風に乗せられたなら、きっと、思っている以上によく響く】
【そんな声と一緒に人外めいた気配を風に躍らせて、――するり、首元から抜き取ったもの、純白色の包帯】
【白色をしばし風に靡かせる手にも。くるりと巻かれているのが包帯ならば、どうやら怪我人のようでは、あったけれど】
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/08(木) 20:30:21.54 ID:XzqbVQ6lo
【街中・商店街】
【日が沈んでもなお気温が下がらない商店街の真ん中を、ひらり、と大きなスカートをはためかせて歩く者がいる】
【歩くたびに、かちゃん、かちゃんと金属の音が鳴るその少女は、買い物籠を左手にかけて辺りを見回しながら歩いていた】


今日は鯛の塩焼きとー、エビトマトサラダに、ご飯に乗せる明太子も買わないとデスヨー

……あ、そういえば、明日はUTに出向いてセキュリティの増築を行うよう"WILD"に
言われていたのデスヨー、ゴウさんやゼンさん明日空いているでしょうか


【その少女は純金の三日月の髪飾りで長くつややかな黒髪をポニーテールにして整えていた】
【耳をアンテナヘッドホンのような機械で覆い隠した、銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレス】
【その上にフリルだらけの常に汚れ一つない真っ白なポケット付きエプロンを着用して、メタリックカラーの小さなブーツを履いた…俗に言う侍女服の少女】

【そして、この蒸し暑い中そんな分厚い服装で動き回っているにもかかわらず、汗ひとつかいていない『不自然』な特徴が見て取れる少女だった】


……思えば、この辺の土地も一昔前の殺伐とした空気が嘘のように平穏になったのデスヨー
当時の皆さんのがんばりがあったからこそと考えると、なおの事今動いている我々もがんばらなくては
いけないな、と思ってしまうのデスヨー

……と、そういえばパピコもうそろそろ切れる頃なのデスヨー、後で買いに行かなくては


【不意に、そんな呑気な事を思い出した侍女服の少女は、しばらく止めていた足をまた動かし始める】
【服装の割にえらく庶民的な事ばかり口にしている、それが逆に極めて印象に残るかもしれない、そんな少女だった】
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/08(木) 21:04:26.80 ID:dpqExdjZ0
>>508
夏になると、さすがに日が長くなるね
……まあこの時間になると、そうでもないけどね

【羽音を鳴らせて、新たに黒点が一つその場に落ちた】
【その場に降りたちた鴉は、青白く光る月を見上げると音を立てて翼を広げた】
【次に写る光景は、ぐにゃりと粘土がごとく曲がる鴉】
【骨も筋肉も一切合財を感じさせないほど不気味に曲がり潰れうごめく】

……さて、空を飛んでいて気づいたから気になって見にきたんだけど
もう死んでるかな?生きてるかな

【鴉だったものはぼんやりと立ち上がって人形へと変わって言った】
【一歩、一歩と動くたびにその姿は石膏を削りくり貫いて石膏像に変わるように、その姿を段々とはっきりさせていく】
【そして、少女の下へとたどり着き見下ろすように頭を下に向けるとその姿は確かにはっきりと分るようになる】

ハロー、ヒューマン

【姿をはっきりとさせた鴉だったものは、少年は風で飛んでいきそうなハンチングかキャスケットカ判別しがたい帽子を被り押えながら少女に話しかけた】
【サスペンダーをしたすす汚れたカッターシャツに、脚のシルエットが浮かび上がるような黒いスラックスを履いたその姿はどこか大人びて見える】
【反面、その腰に巻かれた擦り切れたブラウンのコートと少年の足には少しサイズの大きいブーツは逆に年以上に少年を幼く見せた】

起きてるかい

【風が吹き抜ける草原で、少年の声が響く】
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/08(木) 21:05:44.15 ID:IEgY2lZC0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 公園】

……『ATLAS』も、遂に滅んだか……ぁ
六罪王の1人も消えて……状況は好転したと言うべきなのかな、ぁ……?

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年が】
【人気の無い公園で、ブランコに腰掛け俯いたまま、ぶつぶつと独り言を零している】
【まともとは言い難い服装に加えて、人気の無い暗がりに居るその姿は、浮浪者と言う印象を与えるかもしれない】

……でも、本当に僕らが目指しているのは、もっと別にあるんだ……ぁ
これはただ、風向きが少し良くなった、程度の話でしかないはずだねぇ……ぇ

【吹き抜けた風に煽られてか、青年の隣のブランコがキィ――――と揺れる】
【爽やかなはずのこの国の風が、何故か青年のそばを吹き抜ける時、不吉な色を孕んでいる様に感ぜられた】



【――――所変わって、雷の国 荒野】

……脱走者の始末、完了……っと
「……無理は、しないで、2人とも……」
分かってるわよ、病み上がりなんだし……て言うか、散々病ませてくれたわよねぇ……
<……ガァッ!>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【横転して炎上するバギーと、そのそばに転がる5人の人間の死体を見つめながら、ため息をついている】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

……でも、おじいちゃんはここから進撃しないのかしら……?
「……まだ、準備が、あるのかも……」
うーん……でも、街1個抑えただけじゃ、その内ジリ貧になると思うのよねぇ……『セードムシティ』から先に、もっと攻め入らないと……

【周囲に可燃物はそれほど多くなく、またスコールの多いこの国の気候を考えれば、放置しても炎上バギーは問題ないのだろう】
【3人は、どこか白けた様子で燃え盛る炎を見つめていた】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/08/08(木) 21:21:16.22 ID:DBOupEtHo
【水の国・公園】

【無人の公園に焔の鳥が落ちた。紫の火の粉を散らし、夏の夜空に輝く姿はまるで花火である―――のだが】
【その美しさには何というか、不気味な何かが内包されていて。焔が象った鳥が不吉の象徴の烏に見えるのである】
【流星の尾を引いて落ちていく其れは、幾つもの瞳に、または携帯電話のカメラに収まったのだろうか】
【―――全く、呑気なものである。……その鳥の背に、かつてこの国を絶望に陥れた革命家がいるとも知らずに―――】


「……久しぶりだな、水の国―――……ククク、何れ混沌の中心となる豊かな国よ」
「フルーソの交差点のド真ん中にぶち落としても良かったが―――目立ち過ぎもいかんだろうからなァ……ククククク」

「島に缶詰めの状態が続いていたのだ……偶には羽根を伸ばさせて貰おうか。 間抜けで怠惰な半死人の面を拝みに……ナァ」


【紫炎に象られた鳥が公園の中央に降り立ち霧散すれば、其処に君臨するは一人の男。辺りをゆっくりと見回し、口角を微かに上げた】

【蝉が鳥が、一斉に公園から飛び立つ。その様子は明らかに彼を避ける動き―――恐らく、本能で解るのだろう。彼がいかに常人から逸脱しているかを】
【夏の匂いを上書きするのは―――辺りが歪むかのような、強烈な悪意。そして腐乱臭を放つ特有の魔翌力―――其処に立っているだけで、辺りが地獄に見えるようで】
【其れがカノッサ六罪王の貫禄、とでも言えるのだろうか。金の長髪を掻き揚げ、漆黒のコートを翻し、サングラス越しの瞳で革命家は天を仰ぐ……】
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 21:25:26.90 ID:w3QHdN9N0
>>510

【ほんの少しだって熱を逃がそうと解いた純白色、夜にひらり靡かせたところで】
【元々包帯なんて通気性の高いもの、変わるとすれば――露出度が僅かに上がるだけ、何の意味もない】
【やがてそんなことにだって気付いたのだろう、ぱたんと倒れこむ手、言葉もないなら――今度こそ、行き倒れめいた】

【――そんな場所に舞い下りる新たな黒点、揺れる風に、音に、気配に。気だるげな瞬きがひとつ、視線が上がる】
【けれど、視線を向けてもどうにも不明瞭なものしか入ってこないならば、(既知の紫色とは違うらしいと判断ひとつ)】
【ちょうどその姿が明瞭に澄む頃だろうか、だいぶ距離が近くなってから――ぐうと両手でついて起こす身体、華奢なもの】

……――ざんねんでした。

【汚れるなど気にせずにぶちまけていたのだから当然のこと、ばさり滑り落ちる髪には、草切れや土くれがいくらも付着して】
【華奢な身体の線を、透けるような肌の白を、有象無象滅茶苦茶に覆い隠して、それでも足りずに地に余る】
【そうしながらに紡ぐのは常より少しだけ、低い高さなのだけれど――それよりも、気になるのはその意味のほうだろうか】
【(黒白の少女にはぞろり尾めいて付属するものがあった、ひどく澄んだ水の気配と、人外の気配、どちらも異質なもの)】
【それを察することが出来るなら、言葉の意味も自然に分かる――だろうか? にんげんじゃないと、あっさり、告げていた】

起きてるけど、……なぁに、何か用事? わたし、忙しいの――暑いから……。

【身体を起こしても立ち上がろうなんて気はしないらしい、起こしたせいでぼすり堕ちた花の冠、そうと拾い上げて】
【髪や身体には頓着しないくせにこちらは気にするよう、毀さないようにとそっと、土の汚れを払い落とす、指先】
【膝に安置してしまえば再び被るでもない、今度は握ったままの包帯を畳むようにしながら、ようやく視線は、持ち上げられる】

【――まぁるくまあるく、硝子玉みたいに澄んだ瞳。ぱちくり瞬けば、そっと傾げる首、ざらり髪の流れる音】
【そんな首筋で。ブラインドめいて髪に隠されていた肌が露出したなら、――そこに嵌められていた、無数の首輪】
【多種多様あざの色で取り揃えたのはきっと間違いなく手のかたちをしていた。絞められた痕だと気付くこと、難しくなくて】
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/08(木) 21:40:21.02 ID:XFxlJbJz0
>>511
/明日早いので、あまり遅くまではいられないのですが……未だいらっしゃいますかー?
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/08(木) 21:43:17.45 ID:IEgY2lZC0
>>514
/いますよー
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/08/08(木) 21:46:29.11 ID:+Gqlzi0Ho
>>512

【公園に見合わぬ膨大な量の魔力は――――――さながら威圧感が如く】
【生半可な人間であったならば、対峙することも出来ずに倒れてしまう程に濃い】
【だからこそ、だろう、落ちる一つの宵月の鱗片が紡ぐ旋律のあやが】

【貴方の魔力を飲み込むが如く】
【宵闇に紛れるその静かな輪郭をも、羽ばたく前触れと教えてしまうみたいに】


だぁめ、だめ、そーゆー風にぃのーこぅな気配垂らしてたらさ、ふつーの人が気づいちゃうよ?
あっこっちになんかヤバイ人いる!って具合にさっ
別にそーゆー厄介事に巻き込まれたいドMさんなら別にいいけどぅ

ヤバイ人が居るって分かった上で来るのってぇ
おにーさんに負けず劣らずヤバイモノ≠セと思うんだけどね

ちょうど、ボクみたいにさっ♪


【月に満ちる雲の形、月食が如く一面に闇が蔓延るかと思ったなら】
【彼女の輪郭が月の下に曝け出されて、小悪魔調のソプラノが紡がれる】
【視線を向けた先、そこに訪れた使者の姿が――――――】

【月夜を裂く大鎌が如く、鋭いフォルムをしていたのだろうか】

【小柄ながら豊満な身体を大きく露出したホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ意外は白く肉感的な素肌を晒している少女】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて真紅の瞳を濡らす】

【背中には巨大な悪魔羽根が揺れて彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに愛らしい雰囲気を創りだす】

【彼女は一つ貴方へと歩み寄ったなら、はろーっだなんて軽い口調で小馬鹿にしたように右手を振るだろう】
【貴方のその猛毒が如く激しい魔力を物ともせずに貴方へと歩み寄るその様子は】
【彼女もまた、それなりの実力者である、ということを示しているのであろうか】
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/08(木) 21:49:23.44 ID:3y4Ymkfao
>>509
/まだいらっしゃいますか?
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/08(木) 21:49:23.85 ID:dcTkpe6jo
>>513
【無言で少年は、少女が身体を起こすまでを見て何をするでもなくじっとしていた】
【身体を起こして、目に写ったその土と草とで汚れ纏った髪を見て暑苦しいとでも言いたいように視線を泳がせて暫く帽子で風を仰ぐと再度視線を戻した】
【否、戻すしか無かった】
【少女の人外の異質な感覚と、水のように澄んだような、微かな、少年には理解のしがたい気配】
【それを感じて、少年は視線を戻す他なかった】

なんだ、人間じゃないのか

【ガッカリしたようなその言葉】
【しかし、その表情は笑っている】
【少女の水のような澄んだ気配とは真逆の苔が下層部で躍り寄生虫の卵が産み付けられている腐り嗚咽を感じさせるような気配を感じさせる】
【そんな雰囲気を漂わせ、振り撒いて】

別に用は無かったんだけどね
死体か何かなら持ち帰ろうと思ったんだけど

【少年は、帽子を被りなおして愉しそうに口を開いた】
【そして、その様子は少女が大事そうに目映く思えるように扱う冠を見て手のひらを返すように変わった】

いや、やっぱり用事は無かったかな
気まぐれだね、うん気紛れ

【ほんの数秒前の愉しそうな雰囲気はどこへやら、その様子は最初から特に何も思っていなかったように】
【少年は、手を上げ軽く振って先程までの感情を追い払うような仕草をするとチラリと少女の首筋に目をやった】
【そして、わざとらしそうに心配そうな顔をしてその無数の痣の首輪をじろじろと見つめた】
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/08/08(木) 21:53:37.28 ID:HgM7KOy4o
>>512
【「やけに大きな流れ星もあるものだ」】
【「願い事をするの、忘れちゃったなあ」】
【「鳥みたいに見えなかった?」「そうか? 見てなかったからよく分かんねーわ」】

【市井を往来する或る種幸せな人々にとって、『それ』は単なる、些細な非日常の一頁でしかあり得ない】
【ほんの一時目を惹かれても、記憶に残る事はなく。暫くすればまたそれぞれがそれぞれの、安穏とした日常に立ち返って行く】

【きっと誰もが気付かない。いや、気付こうとしない】
【自分達の日常が、その『流れ星』に──公園に降り立つかの革命家の機嫌一つで、如何様にも転ぶ風前の灯である事を】
【──しかし、そう。『しかし』だ。そうでない者も、此処には居る。この、『水の国』には】

……死人、死人か。言い得て妙ではあるが、しかし考えようによっては、てんで見当違いな言葉にも取れる。

【ふと──佇む男の鼻孔を擽る、あり得ざる夏の薫り】
【公園に隣接した林の中から響く澄んだ声音が、何らかの作用によって──ほんの束の間ではあるが──彼の纏う魔翌力流を、断ち割った】
【右、前方。彼我距離にして30m】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2013/08/08(木) 21:55:20.87 ID:HgM7KOy4o
//途中投稿の上に先客がいらっしゃったという……あわわわわどうしましょ
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/08(木) 22:00:54.04 ID:teGb+V5Xo
【櫻の国――河川敷】


【今日はどうやら、大きなお祭りがあったらしい=z
【悲しいかな、相応しい場所に捨てられなかった沢山のゴミ達がそれを証明している】

【お祭りの目玉は川の上から打ち上げられる花火だった】
【今はその面影もなく、水の流れる音とかすかに響く虫の音がこの場を満たしていた】
【時計の針はもうあと二周程で、明日を告げようとしている】


(櫻の国まで来た甲斐がありました)


【すっかり人もいなくなったというのに、適当な場所に腰掛けている一つの影があった】
【パールブルーの長髪に同色の瞳、それによく映える腰の大きな青色のリボンが特徴の、青みがかった白いワンピースを身に纏い】
【動きやすそうなサンダルと小さなひまわりの飾りがアクセントの麦わら帽を着用した、温厚そうな顔つきの少女だ】

【傍らに大きめのショルダーバッグ、手にはスケッチブック――見ればそこには色鉛筆で描かれた花火の絵があることだろう】
【指差し喜ぶ子供、手を合わせ感嘆する大人、そして大きく輝く色取り取りの花火】
【既に完成されきったそれらが、今日のお祭りの様子だと想像するのは難くない】


(お祭りは楽しかったけれど、たまには誰かと一緒に来たい、かな)


【そんなことを考えながら、何となく空を見つめて】
【手と手を合わせたなら一度ぐっと、伸びをするのだった】

【――さて、イベントが終わってしまったこの場所に、新たな人影はやってくるのだろうか】
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/08(木) 22:03:19.57 ID:+Gqlzi0Ho
>>520
/私は複数でもいいのですよ!
523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 22:03:20.44 ID:w3QHdN9N0
>>518

【――実際。黒一色に長たらしい黒髪は、ひどく重たそうに、暑苦しそうに、見えるのだろう】
【時折彩りを添える緑や茶色が緩く振った首の動きに滑り落ちていく、それでも、いくらか、黒色に遺して】

……だめ? 人間が欲しいなら、別のところ――行ったほうが、いいと思うけど。

【がっかりしたような言葉に対するもの、こんな風に告げるなら、やっぱり人間じゃないのとそんな裏づけ】
【別のところ――と視線を向けるのは遠く遠く、緑色の向こうにかすんで見える街の明かり、散りばめた宝石のような】
【それから彼へと視線を戻せば、彼の纏うもの。じぃと観察するように眼が細められるのだろうか】

それなら尚更残念でした、――なあに、死体趣味? それとも食べちゃうのかな
……死ぬつもりも食べられちゃうつもりもないの、今日の今は諦めてね。

【ただただ投げ出していた足、そろと引き寄せて、そっと座り直す。あひる座りだとか呼ばれる、そんな風へ】
【そうしながらに返すのは、つまり。お持ち帰りの類はNGだと言うことで、それは当然といえることだとしても】
【恐れる、忌む、そんな感情を少しも見せないならば。ただ蛇の瞳をぱちくり瞬かせるだけ、綺麗な世界の住人というわけでもないらしい】

…………、――、 これ、あげる。

【座っているのと、立っているのと。明確な身長差を埋めるようにひたすら持ち上げていた視線、】
【それならば。彼の視線の向く方向、気付くのだってそれなりに早く――まるで隠すように顔ごと伏せるのが、少しだけ子どもぽく】

【ひょい、と持ち上げられた花の冠。次の刹那には放るように彼のほうへ投げられていたなら――或いは、驚かせてしまうかも】
【その行動がどうなろうと結果を追わない瞳は、せっかく畳んだ包帯をばららとほどくほうへ、どうやら向いていて】
【一度後ろへばさり黒髪を払ってから。首へと包帯をくるくる戻していく、(まるで、宝物をひとりじめするような、挙動だった)】
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/08/08(木) 22:03:54.35 ID:DBOupEtHo
>>520
/自分は2人でも構いませぬが、>>516の方はどうお思いでしょうか?
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/08(木) 22:06:49.77 ID:+Gqlzi0Ho
>>524
/>>522のとおりですよー
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/08/08(木) 22:11:50.90 ID:HgM7KOy4o
>>522>>524
//それでは、恐縮ですがお言葉に甘えさせていただきます
//役者不足な感はありますが、何卒よしなに
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/08(木) 22:15:02.67 ID:XzqbVQ6lo
>>517
/すいません、途中であきらめてワンパンマン見てました
/います
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/08/08(木) 22:16:56.12 ID:HgM7KOy4o
>>526に追記
//>>519のレスの事ですが、テンポを損なう虞もありますし書き直さずに行かせていただきます
//途中投稿ではありますが、一応このままでも意味は通りますので
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/08(木) 22:20:16.18 ID:8SJWV1FY0
>>511

【都市の灯りは都市を照らす。人の営みに得難い恵み与えるそれは、けれどそのすべてを掬い上げはしないのだろう】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】

【その公園前の歩道に差しかかる足音の主は、そんな形容の出来る人影だった】

(……あの街での戦いは終わった、か。それ以外の作業も、大半はこれで楽になる――――)
(これで、漸く……?)

【――――疲弊した光を湛える瞳。けれど、どこか充足の入り混じる色合い。】
【――――視えぬ鎖を引く様な重い足取り。同時に、何らかの意志を感じさせる靴音。】
【そんな中途で目を留めた先。都市に取り残された様な昏闇に、嘗て盟約を結んだ彼の姿はあった】

…………あの夜以来になるのかしらね。
こんばんは――――― シャッテン・シュティンゲル。

“今夜も”、斬り合うつもりはないけれど……
……貴方の方は、何かあれからの進展はあった?


【一瞬の空白―――意識と風音の静寂から声をかけ、ブランコの脇へと歩んで――― 淡い明るさで紡がれる言葉、】
【まるで、彼我の無事を寿ぐが如く。それは小さな変化だが、確かな変化で表情は和らぐのだろう】

【けれど相反する翳りの色合いが、ふとした一瞬を憩う様な様な表情にはあって】
【彼は、そこに疲弊のいろを観るのかもしれない。或いは、また別の意味を見出すのかもしれなかったが】

/それではよろしくお願いしますっ
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/08(木) 22:26:45.95 ID:dcTkpe6jo
>>523
いや、どちらでも構わないよ
僕は差別主義者じゃないしね

【愛想笑いを浮かべながら、少女の言葉を否定しながら手を振った】
【今度は、先程の自分の感情を追い払うような意味とは違って少女の言葉をやんわりと否定するように】

いや、死体趣味とか死体食者とかじゃないよ
死体は、ほらそういう専門の所に送っとかないとね?
一つゴミをほっておくと、段々とゴミが増えてくみたいに死体を放っておくと治安が悪くなったりして困るからね

【少女の言葉に、戸惑うような仕草をして否定するように手をブンブンと振って否定した】
【そして、いまさっき考えた言葉を口に出して招いた誤解を溶くように高説する】
【その様子からすると、逆にあらぬ誤解を受けそうな感じもまたする。しかし、ある意味ではそれは誤解ではないだろう】
【勿論、少年は別にカニバリズムの気はない。死体愛好の趣味もない】
【しかし、死体を何かしら弄ぶつもりだったのは本当のことなのだから】

......って

【そうして、大袈裟に手振り身ぶりして誤解を溶こうとしてるうちに手元になにかが飛んできて】
【反射的にそれを掴むと、その正体を知って少し驚きの表情を見せると視線を少女に移して首を傾げる】

これ、大事なものじゃないのかい?

【問いかけながら、少年は少女が首元へ包帯を巻くのを見つつ】
【暫く少女と冠とを見比べるのである】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/08(木) 22:37:29.64 ID:IEgY2lZC0
>>529

……アイツも、これで自分の思いを果たせた事になるのかな……ぁ?
……その後、どうするつもりなのか……やはり今も、探しているのかも――――――――っ?

【変わらず、俯き加減のままで何事かを口中でぶつぶつと呟いていた青年――――シャッテンだったが】
【ふと声を掛けられ、顔を上げる。静かな声音での声に、シャッテンの方も静かなリアクションを見せて】

…………っ、柊……!
どうやら、無事だったようだね……まだ、君の命の炎は、強く燃え盛っているようだ……ぁ

【少女――――八攫の姿を認めて、一瞬瞳に喜色を滲ませるシャッテン】
【腰を下ろしていたブランコから立ち上がり、軽い安堵をその表情に湛えて相対する】
【――――ハッキリと認めた、命の尊さを、輝きを持っている八攫に対する敬重の念は、今でもシャッテンの中にあるらしい】

……いや、大した進展は無かったね……ぇ
敢えて言うなら……機関の≪No.2≫だった人間が機関を抜けている事を、確認したぐらいかな……ぁ?
――――それと、マーシャル・T・ロウとか言う、半端者と面識を持ったぐらいかな、ぁ……?
……元≪No.2≫の方とは、コーネリアスと六罪王リリアを、二虎競食させる事も出来るんじゃないか……とか言葉を交わしたけど、リリアの方が思ったより早く倒れちゃったからね……ぇ

【全開の邂逅から今まで。その中でシャッテンは機関に絡むであろう経験の概要を、八攫に話す】
【今のところ積極的とは言えないまでも、シャッテンもシャッテンで動きは取っている様だ】

……出来るなら、『UNITED TRIGGER』にも何らかの働きかけをしたいと思ってる所でもあるね、ぇ……
国軍も、公安も、ましてや自警団も、アテになんて出来るもんじゃない……ぃ
機関を相手取って、まともにやりあえる組織は、『UNITED TRIGGER』だけだろうから、ね……ぇ

【『二虎競食』の発想の中には、『UNITED TRIGGER』の存在も勘定に入っていた】
【纏まった力で対抗するためには、『UNITED TRIGGER』を動かさなければ話にならないと言う認識が、シャッテンの中にあったのだろう】
【無論、『UNITED TRIGGER』も『UNITED TRIGGER』で機関に対して動きは見せているのだろうが、シャッテンは特にコーネリアスに対するアクションを、引き出したい考えの様で】

――――ところで柊……大分身体を酷使しているんじゃないのかい……ぃ?
今までずっと、戦い続けてきたんじゃないのか……ぁ?

【ふと、シャッテンは八攫の見せる、疲れの色が気になって声を掛けてみる】
【盟約を結んだ『同志』として、それを看過するのは得策ではないと思ったのかもしれない】
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/08/08(木) 22:38:14.52 ID:DBOupEtHo
>>516

【天へと伸びるサングラス越しの視線が、その声に誘われて彼女の方へと向いた】
【―――全く、殺意は込められていない。それでも、眼光は絶対零度の如きモノ。黒いレンズに隠された瞳の重さ、暗さ、深さが否が応にも解る程】
【不自然なほど長い沈黙を置いてから―――男はボソリと言葉を零し首をやや傾けて】

「……ふむ、これでも抑えていたつもりだが―――久しぶり故に抑える感覚が思い出せていないのだろうな」
「だが―――抑えていたとしても、俺の魔翌力に何喰わぬ顔で寄ってくるか……ククク、流石人外と言う訳だ」

【渇いた笑い声を漏らすと同時に、辺りを包んでいた悪意が、腐乱臭が突如姿を消した。完全に気配を抑えたようだ】
【両の瞳は彼女の羽根や尾を確かめて、今相手にしている彼女は娼婦でも何でもなく異なった種族の生き物―――悪魔だと理解する】
【驚きはない。なんせ同じ六罪王「だった」人物がその悪魔なのだから】

「ところで―――貴様も地獄界から羽根を伸ばしに人間界にやって来たのか……?そうならば、もう少し待ってから来た方が愉快だっただろうな」
「―――その頃には、絶望に浸る弱者の表情、そして強者同士が命を削り合う桃源郷が出来上がっているのだからな……クク、クカカカカカ……」

【驚きは無いが―――興味ならある。自分から彼に近づいてきた彼女に、そして悪魔というものに】


>>520

【乾いた笑いを続ける男だが―――妙な感覚が、微かに―――薄くだが身体を駆け巡っていた】
【女悪魔に言葉を飛ばしながらも、確かに魔翌力を断ち切ったナニカの存在は確認できた。感覚が伝わってきた方角を凝視し、そのナニカを確かめて】
【―――そして男の声を耳に入れれば、一度締まった顔がまた段々と緩み始めて―――】

「……貴様か。全く、やはり俺には人を惹き付けるモノがあるらしいな……いや、人ではないヤツが此処にいるではないか―――クク……」
「クハハハハハハハッ……ハーーーーッハハハハハハハァッ!!!! ……良い……!! やはり俺は恵まれているッッ……!!」

「其処に降り立つだけで……輝いた命を持つであろう者が2人もォォッ!! 強者は惹かれ合う……というのは真だったかッッ!! ハーーーッハッハッハ!!!」

【―――高笑い。過去に全世界の電波に晒した気味の悪い笑い声と、全くと言っていいほど同じ。これが本物の―――いや、証拠は先程の雰囲気だけで十分だ】
【笑いと共に、一度抑えた魔翌力が再度姿を一瞬だけ現しまた抑えられて消える。その刹那は、まるで熱風を顔に浴びるかのような感触がするだろうか―――】

>>ALL

「……理解できるか、見えるか―――この革命家が見ている地平は。 ―――闘わざるもの人に非ず。輝かぬ命は命に在らざる……それだけ だ 」

【そのような言葉を飛ばせば、警戒など1mmも見せずに近くのベンチへと歩き、どかっと乱暴に腰を下ろし寛いだ】
【煙草をコートから取り出して口に咥え―――目の前に人差し指をピンと伸ばした手を持っていく。ボウッ、と指から紫炎が表れ、ライター代わりとして使われ】
【男はゆっくりと煙で肺を満たし、大きく煙を吐き出して「ふぅ」と溜息を漏らした。2人の前でも、全くペースを崩さない自分勝手な男だった】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 22:44:26.85 ID:w3QHdN9N0
>>530

【――じとり、と。梅雨時に湿るような、そんな視線、いつの間にか向けているなら】
【戸惑うよな仕草、手を振ってまで否定すること、どうにも怪しく見ているらしいと、気付けるだろうか】
【満月のような瞳が半月ぐらいまで伏せられていた――けれど、悲鳴でも上げて誰かに助けを乞うわけでもないなら、】
【逃げ出すような素振りだって見せない。流石に、自分にそれが向けられるというなら、話は変わるのだろうけれど――】

……そう。放っておいても、虫とか、獣とか、食べると思うけど。

【――疑るようでも、ならば自ら死体になって確かめてやろうなんてことが、あるはずもない】
【じぃっとり重たい視線がようやく薄れていくのは少し経った頃合だ。――彼がするつもりだったこと、知らないから】
【(もしくは。知ったとしても大した反応をしなかったのかもしれない、なんて。ほんの少しだけの、余談)】

――要らない。だってお父さん、お花嫌いって言ってたもの。
どうせ捨てるつもりだったの、作ってみたけど――……あげる

【そうして紡ぐのがどこか拗ねたような声色だったなら、――やっぱり玩具をせなに隠す子どものよう】
【慣れた風に純白色で真っ白の肌を覆い隠していく、そのたびに、その都度に、鬱血色の首輪は、見えなくなって――】
【やがて。白色が綺麗に首を隠し込む、最初から何にもなかったように、白色が、目隠しして】

ただのしろつめくさだし……要らなかったら捨てていいよ、それ。

【首の包帯の下には首輪。ならば、手にも巻かれている包帯の下には手錠でもあるのだろうか、見えなくても】
【きっと全うな傷でないだろうことは想像できるようで――放り投げたもの、そんな風、判断を彼へ丸投げした】
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/08(木) 22:44:39.54 ID:5A4pYCSAO
>>521

【――ふと、河川敷の向こうの方から、ぼんやりと薄暗い光が少女の方へとやって来る】
【それが霊魂などの心霊現象でないことは、さほど時間も掛からぬ内に解ることだろう】
【光の正体は、片手に提げられた古提灯。持ち主は、何やら不平不満をこぼす一人の女】

…………祭りに浮かれた馬鹿どもが、余計な仕事を増やしおって……
とんだありがた迷惑だ、のら畜生が……!

【やがて古提灯の他に、大きなビニール袋と火ばさみを力一杯握りながら、】
【あの辺やその辺に散らかるゴミを拾っては袋に放り込む姿が目に入るだろう】
【はてボランティアだろうかいや違う、よく見ればなるほど彼女は――――】

【アッシュブロンドの長髪を高い位置でポニーテールに纏めた、精悍な顔立ちと琥珀色の双眸が特徴的な若い女】
【袖の無いハイネックのシャツにレザースキニーパンツ、長いアームカバーと履き潰したブーツを着用している】
【シンプルな小振りのウエストポーチを携え、左胸に輝いているのは『自警団』の所属を証明するバッジが一つ】
【身に着けているものは殆どが黒色に統一されており、さながら影のごとき黒尽くめの様相を呈していたものの】
【腰に提げた『細長い棒状の柄のようなもの』だけは鮮烈なピンク色をしていて、毒々しい存在感を放っていた】

【――――と、自警団の者らしい。少しの時間を置いて、ようやく独り座る少女に気付けば】
【ゴミを拾うのも即座にやめ、ぱっと提灯をそちらへ向けて、つかつかと歩み寄りながら】

……………………おい
お前……ここで何してる?

【いかにも不機嫌そうな声色と剣幕で、そう尋ねてきた】

/まだいらっしゃいますかー?
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/08(木) 22:46:18.53 ID:3y4Ymkfao
>>509
【日中の炎天下とはまた違う、じっとりとした暑さの中、商店街を歩く男が一人】
【カーキ色のジャケット、その上にポケットがいくつもついた黒いベスト。迷彩柄のズボンに黒く厚い軍用ブーツ】
【背中には、やはりポケットがいくつもついた、大きなリュックサックを背負っている】
【くすんだ鉛色の髪をオールバックにしたその男の両耳と口元には、髪と同じ色のピアスがついていた】

【怪しげな気配を漂わせたその男が少女の前方から歩いてくる】
【そのまま何事もなくすれ違い――男は足を止めてゆっくりと振り向き、彫りの深い顔立ちをその後ろ姿に向けた】

(……この気温で汗一つかかず、それにあの妙な耳の機械に歩く時の妙な音……)
(それに、UT……? 臭うなあぁ、金になりそうな臭いがするぜえぇ……)


【ピアス男はそのまま身体を反転させ、侍女服の少女の後ろを歩き始める】
【純金の三日月の髪飾り、銀色のカフスボタン、メタリックカラーの小さなブーツ】
【ピアス男の下卑た視線が、歩きながらそれらの上を這いまわる】

【少女の言葉にも聞き耳を立てている。服装や気配に似合わぬ、庶民的な言葉】
【見込み違いでは、と自身のうちに湧きあがる疑念を押しとどめつつ、ピアス男は彼女の後をつけていく】
【商店街の中にあっては、ある程度溶け込んではいるものの、その邪悪な気配を感じ取ることは出来るだろうか】


>>527
/反応遅れまして申し訳ありません
/よろしければ、お願いいたします
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/08(木) 22:49:39.02 ID:+Gqlzi0Ho
>>520>>532

【夜が深く満ちていく、インク色に染まる暁の名も無い夜更けが如く】
【輪郭を伸ばす乳白色の素肌の色、柔肌と呼ぶには柔らかすぎる彼女の肌の形】
【小さな顔が綻ぶその様子はある意味殺意にも似た仄かな刃を潜めていて】

【白い頬に浮かべるその嘲笑にも似た微笑みは、六罪王を前にしても崩れず】
【相手の実力の程も測れない愚者が、或いはその同列か】
【一杯に肌を露出しながらも、背中の悪魔羽根はその存在感を薄めない】


アハハ、おにーさんってば冗談きついなーもぅ
ボクにとっちゃさ、魔翌力の量だなんて時代遅れの服飾と一緒なのっ
分かるでしょ?いまどきさ、魔翌力を垂れ流してるだなんて――――――ばっかみたい♪

でも気にしないし責めないよ、お山の大将気取るには十分だしさぁ
んー……それにぃ、もう一人野次馬が増えちゃったみたい


【口元に当てる右の手のひら、小さな指先がすずらんのように揺れる】
【瞼を溶かしたなら、長い睫毛が揺れる、風に乱れる髪の毛が如く】
【藍色のセミロングの髪は彼女の首筋に絡みついて、その細さを強調するのだろう】

【真紅の瞳の端で辿るもう一つの迷い香】
【小さなを微かに揺らしたなら、舌先が濡れた感触を感じさせる】
【肉感的で、それでいてキュートな唇がふふ、と瞬いた】


……ほーんと、人間の悪い奴って考えることがどの子もこの子も一緒だよねぇ
絶望だとか命だとか、そーゆーの何が楽しいんだか

少しは成長してから出なおしてきたらぁ?そっちの人もそー思うよね?


【挑発半分な言葉、あからさますぎると言われても仕方ないくらいに】
【娼婦にしては気取った言葉と、男に対して媚びない言葉と】
【一つ踏み出したなら無垢な腰のラインがハッキリと照らされるだろう】

【曝け出された腹部、汚れ一つない完璧なラインは陶器のように滑らかで】
【貴方のすぐ側へと降りたったなら、一回振り返って後方に居るもう一人へと媚びたなら】
【僅かに首を傾けさせて子猫のように整ったほほえみを向けた】


んーボクにはその革命家とやらが見てる景色なんて、ちっとも理解できないけどねっ
命だなんてどう輝かせようが燻らせようが人の勝手じゃん
まぁボクは人じゃないんだけどね、知ってた?


【今更、な言の葉を揺らしながら、可能ならば貴方の側にちょこんと腰掛けようとするのだろうか】
【羽根はベンチの外で開ける形で成功したならむき出しの肩をそっと貴方に添えさせるが如く】
【小柄な彼女の視線が、なぞるように貴方をたどった】

537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/08(木) 22:58:38.51 ID:cq6gCKuw0
【夜の国―――地方都市=z

【夜の国の首都から遠い地方都市………住んでいる人々も原住民の血が流れている者も多い古き時代から続く街だ。】
【本来ならば首都ルルーメンなどで起きている出来事などにもそれほど関心がなくただ止まったような時間を過ごすだけであるが………】
【もはや魔の手はそんな場所ですら侵食しようとしていた………。】

【―――明るい。日の出ないこの夜の国にも関わらずまるで昼のように街は光につつまれている―――その光の源とは】
【炎だ………轟々と燃え盛る炎に都市全体が包み込まれている………街中は逃げまどう人々の悲鳴や血の臭いで充満しまさにこの世の煉獄だ】
【建物は破壊され、燃やされ、人々は傷つけられ―――この街にすまう人々の尊厳は完膚なきまでに蹂躙されてしまっているのである】

【そんな中で、街中を見渡せる高さのある鉄塔、そこのてっぺんに上ってまるで指揮者のように眼下の惨劇を眺めている人物がいる】

流石は片田舎………防衛戦力もひよこちゃんみたいに脆弱でしたねぇ………ふぁ………、退屈ですわ。
ようやく裏での亀裂≠フ制御が終わって我々も表≠ノ出てこれたというのに―――これでは鈍った身体のカンも戻らない
まぁヴァルコラキの坊ちゃんや上姉さまの手を煩わせるわけにもいきませんし………こういった雑務は私のような者がやるべきですね
それに………我々≠フ舞台はここではないですし………。

しかし―――流石は太古からこの地に住まう民族の純血たる末裔………血≠ヘ非常に上質ですわね………うん美味しいですわ。

【ワインレッドを強調した配色のエプロンドレスを身に纏いタイツに高いヒールの靴、長手袋といった所謂メイドの服装】
【明るい赤みがかった長髪を編み込んで腰下あたりまで下げてワインレッドの軍帽を被って眼鏡をかけた紅い瞳の長身の女性である】

【如何せん戦場、惨劇に似つかわしくない格好と容姿をしているがその言動、全身から溢れる血の臭いからこの女性が襲撃の首謀者なのだろう】
【女性は手袋についていた血液を舐めとると―――その味に舌鼓を打ちながら、月光と炎の明かりが反射する紅い瞳を鋭く光らせ笑った。】

さてさて―――このまま作業は終わりでしょうか………今は機嫌がいいので多少遊びたい°C分なんですが………。
まぁ………ゆっくりと住民の味≠愉しむのも一興―――というかしら。

【さて―――この閉鎖された惨劇の舞台に姿を現すのは………果たして。】


538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/08(木) 22:59:01.27 ID:XzqbVQ6lo
>>535
/あの、非常に申し訳ないのですが
/この絡み、明日に延期していただいてもよろしいでしょうか
/思いのほかスタートが遅れてしまったので、今から始めたら眠れないので……
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/08(木) 23:00:41.56 ID:3y4Ymkfao
>>538
/こちらこそ申し訳ないです、遅くなってしまいまして……
/了解です、明日にまたよろしくお願いいたします
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/08(木) 23:01:44.29 ID:teGb+V5Xo
>>534

【彼女は空から川へと視線を移し、その流れをぼんやりと見つめながら】
【これからどうしよっかなーなんて、呑気に考えていた】


――!


【――ので、もちろん歩み寄る人影になど気付きもせず】
【その不機嫌そうな声色にビクリと肩を震わせて……それからそちらを窺うようにそーっと、顔を向けるのだろう】

【最初に見た物はやはり、よく目立つピンク色の棒】
【そして正体を探るように視線をそろりと動かして見つけた、自警団のバッジ】
【不良にでも絡まれたのかと思ったが、幾分か胸を撫で下ろし――】

【そうして彼女は、質問に答えないままスケッチブックを捲るだろう】
【バッグから新たにペンを取り出すと、驚異のスピードで何かを書き連ねてゆく】


『花火が終わったので、ここで涼んでいました。怪しい者じゃないですよ。』


【書き終わると、スケッチブックをひっくり返して、その文字を少女へと示すだろう】
【つまり筆談だ。勘が良ければ声を出すことができないのだと、察することができるだろうか】

【ちなみに彼女は夜光ペンという、インク自体が光る特殊なペンを用いている】
【女の子らしい丸い字だが、暗闇でも文字ははっきりと見えるはずだ】

/いますよー!よろしくお願いします!
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/08(木) 23:05:23.17 ID:DTpX4XUDO
新規ですが参加してよろしいですか?
542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/08(木) 23:07:45.08 ID:+Gqlzi0Ho
>>541
/勿論!ウェルカムなのですよー
/とりあえず↓の舞台裏の方へ移動をお願いしますのですよっ
/http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14029/1374170023/
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/08(木) 23:08:58.62 ID:dcTkpe6jo
>>533
ま、それもそうだね
何をしようが最後には、地に還ってしまうものだしね

【少女から、疑惑の瞳が消えて安堵したのか、胸を撫で下ろすと少年は愛想笑いをしながら、けれど哀しそうに呟いた】
【それは、憂いているというよりは手に入らないものへの憧れじみた気配も含まれていて】
【暫く視線を泳がせると、少年はため息をつくと少女を見て軽く微笑んで】
【そして、暫く困った様に首を傾げて少女と冠を見比べると優しく冠を少女へと投げ返した】

や、やっぱいいや
他の人にあげなよ、僕にはおおよそ似合わない代物だから

【そう言って、少年は自分の帽子を深く被り直した】
【既に自分には冠があるから、もう被る場所など既にない】
【そう伝えるかのように】

ところで、さっきの痣はなんだったんだい?
もしかして、暴力を奮われたとか

【少年は視線を、もう既に見えなくなった首の痣へとやると心配そうな声で尋ねた】
【ゆっくりと、低い声で、まるで自分の首もまた締められていたかのように細い指で首を抑えながら】
【歪んだ笑顔で問うのだった】
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/08/08(木) 23:28:34.60 ID:HgM7KOy4o
>>532>>536

(ようやっと止んだか。……鼻が曲がるかと思った。心底、空きっ腹で良かったな)

【ゆらり、一寸そこまで買い出しにでも出掛けるような趣で、林よりこの地獄へと足を踏み入れる命知らず】
【その正体は、まだ若い女だった。白皙に青みのかかった烏色の髪、中性的な面立ち】
【立ち居振舞いは凛としていながら、気配は幽霊然として掴み所がなく】
【藍染めの紬を涼しげに着流し、素足に塗下駄。腰には刀を二本差しと言わず、三振りも四振りも帯びている】

傍迷惑な臭いを撒き散らしておいて、随分な言いようだな。
強者強者と耳にも障るし、おまけに先刻からやたら熱くてむさ苦しい。
三重苦だ。……いっそお前の機嫌の良さを分けて欲しいくらいだ、畜生。

【切れ長の黒い眼に剣呑な光を湛えて、場を一瞥。さも不愉快と言わんばかりに鼻を鳴らせば】
【ぶつぶつと恨み言を並べつつ、一歩、二歩と足早に歩み寄る】
【身体に纏わりつくような地獄の熱気を、鬱陶しげに片手で扇ぎ払いのけ】

問答が所望か。なら放送局でも乗っ取って、訳知り顔のコメンテーターどもと好きなだけやるが良いさ。失せろ。
──と言いたい気分だが、職務柄不逞の輩を見逃すわけにもいかない。難儀な事だが、付き合おう。

さて。私の見解は大体そこのそいつと同じだ。が、一つ疑問がある。
六罪の王、或いは紫の革命家。そして、女悪魔──お前らはそもそも、何を以て『闘い』とする?やはり、武力か。

【男と擦れ違い様、懐に手をやって──何を取り出すかと思えば、何の事はない巾着袋】
【ベンチの傍らの自販機に小銭を注ぎ込みながら、鷹揚に問いを投げて寄越す】

【一触即発の空気の中にありながら、三様にその振る舞いは全くの自然体】
【戦闘能力に関しては定かではないが、こと態度の大きさを比べるならば、この三者は全くの互角と言えた】
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/08(木) 23:28:48.54 ID:w3QHdN9N0
>>543

【本来イキモノが辿るべき輪廻の輪、いつ毀れてしまったのかなんて分からないぐらい、昔のこと】
【何日何月何年待っても絶対に訪れない(と定められた)もの、けれど、彼の抱くようなもの、微かもないのは】
【現世(このばしょ)に居たいと思う理由があるから、ずっと一緒に居たいと思うひとが居るから、――ありきたりだって】
【流れて見失うぐらいならば流れなくたっていい、そんな、――人外にだけ赦される、覚悟、】

じゃ、捨てておいて――、――……。

【要らないならば勝手に捨てておいて欲しい――最初から捨てるつもりで手折ったくせ、そんな風に紡ぐなら】
【投げ返される白と緑の輪、掴んでしまえば。そっと地面の上に置いて、拗ねたような目をするばかり】
【このまま放っておくならばそれこそ地に還るのだろう、地に置いて、総て終わったような顔をして、】

……――、

【――そんな表情が、ころり、と。まるで掌から取り落としてしまったように、変わるなら】
【どこか幼さの窺えるような表情をすることが多かった、それなのに――急激に褪めるのは、どこか、違和感なり得て】

――なに、それ? ……お父さんはそんなこと、しないんだから
いっつも、愛してるって、ぎゅうって、やさしく、――いっぱい、いっぱい、してくれるの

……――路地裏とかに居るようなひとたちと一緒にしないで、あんなやつらとは、全然違うのに

【高い水準で震える鈴の音色をした声も、また。砥石で研ぎ澄ましたように鋭く冷え切って、金属めいたのが余計に目立つ】
【湿っぽくじとり睨みつけるのとも違う、そんな視線は彼の首を見てから、瞳の方へと持ち上がって、真っ直ぐに】
【――紡ぐのは、どうしようもなくおかしいことなのに。それがさも当然とばかり、それが、愛情表現であるみたいに】
【けれどその言葉を軸に考えるならば、先ほど首を隠した理由だって分かりそうなもの。やっぱり、ひとりじめ、したがっていた】

【その行為をどう捉えるかの視線が歪みきっていた。彼がそうするように首に這わす指先は、ひどく愛おしいものを探るよう――】
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/08(木) 23:39:27.90 ID:5A4pYCSAO
>>540

【近付く足取りは粗暴ではあったが、ちょうどいい距離を探すように緩やかな速度を保ち】
【そうしてある程度の場所で立ち止まると、古提灯を持ち上げて互いを温かい光で照らし出す】

おいどうした、早く答え――、

【彼女は相当せっかちな性分らしい。質問に答えない少女に、女は少々声を荒らげるものの】
【示されたその文章を目に留めると、眉をひくりと動かして、言葉を呑み込み、口をつぐむ】
【少女は声を出すことが出来ない、ということはすぐに理解した。そうして一つ、小さく頷いた】

――ははあ、小娘……なるほど、お前、声が出せないんだな?
いや、急かしたな。ゆっくり書いて良いぞ、私にも休憩が要る

【鋭い目付きはそのままに、傲慢さ溢れる態度も包み隠さず、手元のゴミ袋を足元へと落とす】
【その上に火ばさみを置いたなら、指や手首やあらゆる関節から、バキバキと小気味良い音を鳴らした】
【そうしながらも、目線は手持ち無沙汰に空へ川へと巡り巡って、最終的には少女の方へと向けられる】

さてお前、怪しいもんじゃない――とは言ったが……
私がさっき掃除したゴロツキ共も、全く同じことを言っていたぞ

せっかくの祭りだったんだ、私も出来るだけ仕事は減らしたい……
……本当に。ゴミやら何やらを、“散らかしたり”はしてないだろうな?
何か隠し事があろうものなら、場合によっては、……――

【更にまた、随分と疑り深い性格のようだ自警団としては最適なのかもしれないが、】
【それにしたって、少女に対してあんまりな態度ではなかろうか】
【不機嫌さも相俟ってか、先ほどよりも物凄い剣幕となっている】

【……少女に、何か『証明できるもの』があれば良いのだが――?】


/よろしくお願いします!
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/08(木) 23:42:22.93 ID:uomdH0B/0
>>531

……無事――――……と言えばそうなのだけど、言われるとくすぐったくなるわね……。
貴方もそうみたいで安心した……、―――――――。

【……擽ったそうに少しだけ崩れる表情。内心の安堵は柔らかな雰囲気を瞳に宿して、年相応にも見える小さな笑み、】
【紡ぐ筈でなかった内心と安らいだ吐息は―――――けれど、彼女の本心そのままの様で】
【返るシャッテンの答えを少女は聴きとめた。些かの驚きと、ふと閃く様な声が付随した。】

……No.2が?
…………、……、……――――――――。

……ありがとう、いろいろと初耳だったわ。
こうして知る事が出来なければ……私は、あの男に斬りかかっていたかもしれない。

【意外そうな、訝しげというよりは思索する様な言葉―――――、】

【―――――― この国に於いて、“No.2”と直接交戦した過去の体験。】
【3名が撃破に当たり、人的被害は小なれども街並みを大きく破壊した一夜の激戦―――――、】
【半端者、との言葉も気にはなったが――――― 鮮烈に残るその記憶ゆえに、強い現実味を帯びて聞こえたのだろう。思う所はあれど、重要な情報として憶えた様子だった】


コーネリアスに関する情報は、私もあまり持ち合わせがないけど……
貴方も、貴方として戦っていたのね。
……自分とは違う人だからこそ、共に戦う意味も大きい、か――――。

【『UT』との協力。……彼女の想うことはない、二虎競食の勝利への一手。】
【対コーネリアスを重視する意味では、彼女にも通じる所はあって】
【青年が本気でいる事へのそれなのだろう。声にも、敬意の様な感情があった】

【そして少女の身を慮る青年の言葉。……柔らかな声が、返答する。】

……いつも通り、“必要なだけ” よ。

なぜだか良く分からないけど、私は普通の人たちより回復が早い。
だから疲れ切る様な作業をしても、少し休むだけで元に戻れる―――――

……私が壊れにくいのは知ってるでしょう?
慣れてしまえば……そう大した事でもないと思うけれど。


【戦い、護るべき “今” がために剣を揮う、】
【疲れ切るまで歩みを重ねて―――― “果たし”、勝ち得たひとときの平穏から休息に繋ぐ。】
【そんな繰り返しを想えども、躊躇いなどないのだろう。……安心させる様な微笑とともに、余裕めいたその声を紡いで】


……そう、“果たせれば”――――――……それで私は構わない。

何も、もう失わなければいい……。

【続くのは自分に言い聞かせる様な “強さ” の言葉。……疲弊のいろを、殺す様に。】

【―――――― “二度と、誰も失わないこと”。】
【その意味に対する強固な価値観は、今も彼女の内に強くあるのだと、その言動からは窺えるのかもしれず】
【……或いはそれは、彼らの共通の敵―――――― 六罪王コーネリアスにすらも当て嵌められるのか。そう、彼の脳裏に浮かばせるのかも知れなかった】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/08(木) 23:47:46.82 ID:dpqExdjZ0
>>545
なんだ、本当に捨てちゃうのかもったいない

【自分でいらないと言っておきながら、言った本人が少々名残惜しそうな顔を見せる】
【それは、きっと手放したからではない。少女が態々作った物をその場に捨てる】
【その少々なりとも苦労したであろう物を、時間をかけたものを無に帰すのは少年にとっては戸惑いを感じるものだった】
【だが、だからといって何も無い。少年にはそんなものは関係ない】
【そう切り替えると、少年はもう冠のことなど気にも留めないでいた】

そぉう、そうなの
君のお父さんは愛情に溢れた素晴らしい人なんだね

【少女の急変した態度に、声に、瞳に、否定せずに、只ゆっくりと称えた】
【段々と少年が首に這わしていた手は、己で己の首を絞めるかのように強くなっていった】
【その表情も、段々と歪み狂って可笑しくなって、その半月のような瞳は混沌がぐるぐると渦巻いてその中心から暗い光が毀れ出ていた】

……ねえ

【しかし、暫く歪んだ笑みで、混沌渦巻く瞳で、少女の様を見つめていると、やがて我に帰ったかのように首の手をだらんと離し】
【先ほどまでの表情を、先ほどまでの感情を、薄汚い物を拭い取るように手で多い掴み払って】

君は、路地裏の空っぽな奴らが全部全部消えうせて
そのお父さんから、もっと愛をもらえると素晴らしいと思わないかい?
世界から一切合財の争いや差別が消えて、階級が消えて、平和な世の中で君はお父さんと永遠に過ごすんだよ

【少年は、今度は慈愛に満ちたような表情ではにかむようにして少女に問うた】
【低く、ゆっくりとして、誘うかのように問うた】
【まるで、宗教に勧誘しようとするようなカルト新興宗教の教祖のように】
【手を前に差し出して、少女の手を引いてどこかへ連れて行くようにして】
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/08/08(木) 23:49:09.91 ID:DBOupEtHo
>>536>>544

【豪快に大量の煙を吐き散らしながら、彼女の挑発に何故かフン、と鼻をならして微笑みの表情をちらつかせる男】
【眉を上げながらもう一人の男へと視線を投げかけ、肩をすくめるジェスチャーを見せる。―――この女、どう思う? と無言で問いかけて】
【そして再度彼女へと振り向けば―――また、大袈裟な笑い声を公園中に響かせた。同時に、微かに強烈な悪意が一瞬だけ漏れた】

「―――……ククククク、クカカカカ……ハーーーッハハハハハハハハ!!! どうやら知能の低い下等な悪魔だな……ウクク……ププッ!!」
「革命家が『いまどき』を気にするかァァ? んなワケねーだろッ……カカカカカッ……! 流行りに流されるなんて何とも『軽い』人間……いや、人に在るまじき者だったな」

「革命家という者は……重い腰をどっしりと降ろしていなければならない……少なくとも、貴様のような小物には無理な話だな。 悪魔のボスと話をさせろよ、ボ・ス・と」
「悪魔というのはどうやら人間を見下す傾向に在るようだが……俺に言わせれば人間の方が位は上……」


                                     「何故なら俺が 人間だから」


「フン……貴様はそこら辺でうろちょろしている怠惰なクズをナンパしているのがお似合いだ―――少なくともその下品な格好で釣れるだろう」

【にやけた顔は収まりを知らず、彼女の挑発に挑発を重ねれば、顔がぐるりと向きを変え―――もう一人の方へと向く。悪魔へと向かった興味は、既に男へと移行した】
【彼女の思想に、微かな失望を感じた為だった。悪魔なら、俺の思想に同意するのではないか―――という希望も、すかされたから】
【期待はもう一人へと移されたが、此方も期待はずれ―――男が求めていない意見。やれやれ、ともう一度煙を吐き散らす】


「―――これだから女と言うモノは……何だ、そちらから話しかけておいて『失せろ』か? その上勝手に「付き会おう」と……立場を弁えないにも程が有るとは思わないのか」
「傍迷惑な魔翌力と貴様が思い鼻を摘んだのなら、其れは本来俺に近づく程のレベルが無いだけだろう。先程そこの悪魔が『出直せ』と言ったな……その言葉を俺はお前に向ける」

【―――劣っている。カノッサの精鋭に比べて、コイツラハ。 そのように見下し、そして態度に言葉に露わにする】

「だから質問に答えてやる代わりに『失せろ』―――。 『戦い』……俺の存在を知っているのなら、『武力』こそが『戦い』だと思っている、『と思っている』だろうな」
「だが違う……戦いは武力だけではないことは、命の輝きが戦闘だけでは無いことは十分に把握している」

「しかしながら―――命が輝いている者だけの世界を作るとなると、難しい。いちいちそいつの生活を調べる訳にもいかない」
「だから―――俺は武力に絞ったまでだ。テロを起こせば―――自然と弱者は死に、強者は残る。簡単に選別が出来るというわけだ」

【煙草を地面に落とし、踏みにじれば―――ふぅ、と一息を再度付く。だが、未だに殺意や怒りは言葉だけで―――雰囲気からは感じられない、いや抑えているのだ】
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/08/08(木) 23:58:56.94 ID:+Gqlzi0Ho
>>544>>549
【異なった力を持つであろう実力者たちを前に、取った行動がその人柄を決めるとしたら】
【きっと彼女が一番小者≠ニ称されるべき行動なのであろう】
【娼婦が如く、遊女が如く、その豊満な身体を目いっぱいに曝け出して】

【吐き捨てるように紡ぐ刃を携えた貴方、その様子につれないのっと不満顔一つ】
【膨らんだほっぺたはマシュマロのような柔らかさをその表層に浮かべて】
【ふわふわと濡れた香りをそこに浮かべたなら人差し指を唇の上に沈めた】

【柔らかく溶けるルージュの彩り、白磁の指先を包み込んだなら】
【――――――頬が綻んだ、くしゃっと微笑んだならそこに浮かべるのは三日月が如く】
【夜空に浮かぶ笑みの輪郭その鋭利さはきっと、残酷さにも似た無邪気さ】

アハハ♪そっちのおねーさんもいきなり変なこと聞くんだねーっ
うーんとねぇ、じゃぁ聞くけどさ、おねーさんのゆう闘い≠チてなぁに?
互いに武器持って互いの身体を傷つけあうやつぅ?ふふ、そんなの今時人間しかしないってばっ

だってさぁ、そうゆう闘い≠ノなっちゃったら
ボクのやーらしぃ身体なんかまたまたボロボロにされちゃうよっ♪
そーゆーのあんまり好きじゃないんだよねぇ、痛いのとか喜ぶタイプじゃないしぃ

【狂言回しのような彼女の言葉、嘲笑めいた微笑みをもう一つ零したならば】
【夜空に瞬く鈴蘭の旋律が如く、ころころと転がす白銀の鈴の音】
【ソプラノボイスが紡ぐ躊躇いのない言葉は、少しもどかしい遠回しな音】

【クスクスと微笑み混じりで答えたなら、長い睫毛がすぅと頬に溶けた】
【藍色の髪の告げる夜明けのような髪の音色、涼し気なその表情が揺れたなら】
【真紅の瞳が大きく開かれた、丸くて大きなとってもキュートな瞳が】

ボクにとっての闘い≠ヘ食後の運動みたいなものかなー
ついついお菓子とか食べ過ぎちゃってさ、いけないいけない♪って思っちゃうのっ
ほらボクこんなやーらしぃプロポーションでしょっ?維持するの大変なんだよね、ホント

……でもさ、そこに種族の違いがあるんじゃないの
ボクにとってのかるぅい食後の運動でもさ
キミ達にとっては裁きにでもなるんじゃない?アハハ♪

【話の途中で立ち上がって、くいっとお尻を後ろに下げて上半身を前に突き出す】
【小柄ながらも一杯に詰め込んだわがままな身体は柔らかさを一杯に孕んでいて】
【最小限の面積で露出したそのボディラインを、彼女は曝け出すのだろう】

【アハハと笑いながら、頬に右手の人差し指をつけて、その頬のラインをなぞる】
【唇のすぐ側にまで来たなら、ぷにぷにと触って、楽しげに揺らめかせるのだろう】
【悪戯混じりの言葉が、嬌声にも似た柔らかな声色に染まる】

【そんな風に余裕そうな彼女であったが、コーネリアスの言葉にいくらか思うところがあったのだろう】
【カチン、と来たようで、むっとほっぺたを膨らませて、一杯に不満を示そうとした、刹那――――――】
【――――――そんな気の抜けた表情が変わった、その表層に確かな真剣味を浮かべて】

【ヤバイ≠ニ一瞬で判断できたのは、人ならざる者故なのだろう、翼が大きく羽ばたいたなら空中に浮かび上がって】
【まるで逃げるかのよう、コーネリアスから数mほど距離をとったなら、もう一人の女性と近い距離へと降り立つ】
【相対するように向き直ったなら、そこに普段の微笑みの色は無かった】


……言ってくれるじゃない随分と、勘違いもここまで来たらさ、褒め言葉の一つでもかけてあげたくなるよ
人間だとかそうじゃないとかじゃなくてさ、一つの存在として、そういう風に自惚れられるの
ナルシストもここまできたら一つの才能だよね……って!!


【右手を外側へと伸ばした、その動きに連動して背中の翼が大きく開かれるだろう】
【悪魔羽は確かな存在感をそこに浮かべて、夜を切り裂くその鋭利さを曝け出す】
【それはまるで刀剣が如く、その美しさすらも、フォルムの中に閉じ込めて】

【細く美しい眉がひそめられる、斜めに傾いたなら、その横顔すらもどこか扇情的で】
【敵意を向けるのだろう、誰よりも早く、誰よりも未熟に、一番最初に手を出しそうなほどに】
【いくら力があろうとそういう意味で、未熟、なのかもしれない】
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 00:06:11.61 ID:7YYlgkDFo
>>546

【確かめるような問いかけには、こくこくと何度か首を縦に振って肯定する】
【そして関節を鳴らす音が響くと、彼女は怯えるように萎縮するだろう】

【ちなみにその様は表情や仕草にもはっきり表れている】
【気遣う言葉をもらったものの、女性の一挙一動を捉えようと先程から目が動きっぱなしである】
【要するに――この時点で相当気圧されていた】


【さらに耳に飛び込んできたのは掃除とかなんとか、そんなワードで】
【ゴミを散らかしてないかなんて訊かれても証明できるものなんてありはしなくて】
【――次第に頭の中が警鐘で満たされていく】


『そういうのはあまり快く思わないのでしてないのですが……

 では、私が一緒にゴミ拾いのお手伝いをする、というのはどうですか?
 それをポイ捨てしてないことの証明にしてください。』


【ペンを握り直すと、スケッチブックにそう書き連ね女性へと示すだろう】
【明らかにゴミ拾いの最中だし、万が一ゴミを捨てていたと決定付けられてもなんとかノーカンに持っていけるはず】
【仕事も早く片付くし、一石二鳥であり――まあ、妥当な提案、だろうか】
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/09(金) 00:09:22.70 ID:c75MfwY60
>>547

……君の命の輝きは、亡くしてしまうには余りに惜しいからね……ぇ
今、こうしてピンピンしている事は、とても喜ばしい事さ、ぁ……

【青年はと言えば、実のところ前回の邂逅以後、直接戦場に立った事が無く、然程命の危険に置かれた状況に遭っていなかった】
【それを思うと、自分の無事を「安心した」とポジティブに捉えられる事に若干の後ろめたさがあって】
【それよりもなお、八攫の無事が自分にとってどれだけ大事な事か、シャッテンは言葉に紡いでみせた】

……あいつにも、色々事情がある様だったからね、ぇ……もう機関に居る意味が、無くなってしまった様だよ……ぉ
まぁ、こんな情報が役に立ってくれたのなら、僕としても良かったけどね……ぇ

【かつて、相対してその事を話した事を思い出しながら、シャッテンはそう付け加える】
【――――己の『心臓』を、もっとも大事なものを取り戻すために。その為に動いている姿を思い出して】
【その詳細は、無闇に話す事でもないと、シャッテンはその部分には敢えて深く言及しなかった】
【それでも、同士打ちの可能性を1つ潰す事が出来たのは、幸いと言うべきだろう】

……特に、『UNITED TRIGGER』は大事な存在だ……ぁ
あの場に所属するって事は、彼らもまた、命の輝きを持っている人間たちであると思えるよ……ぉ
それに……機関は『群』だ……そこに対して、僕らが『個』で相対してたら、いずれ限界が来てしまう……ぅ
……団結と数の力、機関と戦うには、いずれその要素がある程度必要になってくるはずだよ……ぉ

【シャッテンはシャッテンなりに、少ない情報から現状を分析し、良かれと思われる手を打とうと考えていたのだろう】
【機関と戦うのに必要なファクターを『組織力』と見定め、それを使うには『UNITED TRIGGER』が必要だと考えたのだろう】

ただ、問題は……あの連中がそう簡単に動いてくれるかって事だね……ぇ
……僕が直接赴くと、それはそれで面倒な事になりそうだしね、ぇ……上手く、焚きつけられる方法があれば良いんだけど、ぉ……

【ただ、『UNITED TRIGGER』を上手く流れの中に引き入れる方策が、現在のシャッテンには不在だった】
【今は、八攫との約束の為に人死にを控えているのだが、それでも自分の言葉を素直に受け入れられるか、不透明な部分がある】
【故に、シャッテンは間接的に『UNITED TRIGGER』を動かす、何らかの手段を欲している様だった】

――――なら、今日はゆっくり休むと良いよ、柊……
『張り詰めた弓はいつか緩む』って言葉もあるじゃないか……ぁ。今日の君は、休息を得るべきだと思うね……ぇ

【八攫の言葉に、シャッテンは一つ頷きながら、休息を勧める言葉を紡ぐ】
【八攫の言葉を信じるならば、オンとオフをハッキリと使いこなせるタイプなのだろう。なら、今はオフであるべきで】
【情報の交換を済ませたのなら、シャッテンが気遣うべき事柄は、八攫の身体に移り変わっていた】

――――――――そうだ。ちょっと待っていてくれ……柊、すぐ戻るから……ぁ

【そこで、何かを思いつくと、シャッテンは「少し待っていてくれ」と言い残し、足元に闇を展開させてその中へと消えていく】
【どこかへと瞬間移動する為の動作だと、八攫は思い出す事が出来るだろう】

(……何も、失わずに……か。まるであの半端者の様な言葉を……!
――――いや、柊に限って、そんな心配は無いさ……一度刃を交えたからこそ分かる……殺す勇気もない『正義』と、柊は違う……)

【闇の中へ身を沈めながら、シャッテンはふと先ほどの言葉を捉えて考え込む。まるで、八攫が不殺を胸に抱いている様に感じられたからだ】
【だが、その心配もシャッテンはすぐに消化して、心の片隅にどけてしまう。一度は本気で戦ったからこそ、八攫には『敵を殺す覚悟』があると、信じているのだ】

/遅くまでは出来ないとの事でしたが、大丈夫ですか?
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/09(金) 00:14:55.75 ID:gCwYLD1U0
>>552
/一応あと1レスくらいは大丈夫そうですが、既にちょっとフラフラなのでお待たせするのも……、という感じです……orz
/明日はまた来られると思うのですが、そちらはどうでしょうか?
/難しければ置きレススレで……か、明後日にでもお願いしたい感じなのですが……
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/09(金) 00:17:23.73 ID:c75MfwY60
>>553
/実を言うと、こっちもちょっと眠気に浸食されていると言うか……
/明日は問題なく来れると思います。なので、出来れば明日続きをお願いしたいです
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/09(金) 00:17:34.70 ID:sktAAe2x0
>>548

【彼女の言うお父さんを否定することがたくさんあるスイッチのうちのひとつ、そして彼はそれを踏んで、】
【ひどく褪めて堕ちるのが結果なのだろう、こんなにもすぐに変わってしまうぐらいに、だいじなひと――】

――そう、そうなの。いっぱいいっぱい……いーっぱい、して、くれるんだから。

【――だから。それを認めてやったとなれば、刹那に訝しげな表情を浮かべても、また、すぐに変わる】
【ふわと笑うのが見た目よりもいくらか幼くたって、純粋な色。してくれるというのも、きっと、そうなのに】
【細い首筋をなぞっていく指先に微か篭める力が刻んだ痣を押すたびに零れる甘い痛み、瞳を細めたなら】
【子どもぽさと大人ぽさをぐちゃら混ぜたような色合い、少女の年頃に浮かべるようなものとも、すこしだけ、ずれて】
【けれど蕩けてしまいそうに甘たるいことは変わらない、いろんな意味での“だいすき”をぎゅっと集めた、飴玉のよう】

【(見た目と、中身と、過ごした時間とが全部狂っていた。だから、こんなにも、曖昧なかたち、映しこんで)】

――……、?

【たいせつな、だいすきな、おもちゃ。自慢するときの子どもみたいな表情が、ふわり停止して】
【きょとんと瞬く瞳、傾げる首、彼の次ぐ言葉を待つような間が、少し――空いたなら、】

……世界なんてどうでもいいの、争いも差別も階級も、そんなの、ぜんぶ、どうでもいいし。
ぜんぶ、ぜんぶ、なにもかも、――真っ黒の中で、お父さんとわたしだけ、色があればいいの

【たっぷりと真っ黒の睫毛で縁取った目蓋、そうと落としたなら、細める瞳はどこかを見るよう】
【様々なことは紙くずと同じ、どれだけ重ねて集めようとも、何よりも重たいものには、敵わなくて】
【ならば、そんなことぜーんぶどうでもいいなんて、心底そうであるように紡ぐのだろう、無意味、緩やかに首を傾げたまま】

【(けれど。新興宗教めいた言葉、どこか甘く漂うのは、終わりに添えられた言葉のせい、だろうか)】

……――それに、わたし、お父さん以外の男の手なんて、取らないんだから。

【――わざとらしいぐらいににこりと浮かべられる笑み、それと同じころ、差し伸べられる手に掛けられるだろう重み】
【言葉通りならば手なんて取らないのだろう、ならば何をしたのかと視線を落としたりしてみたならば、】
【フックに鞄でも掛けるような気楽さで預けられるのはしろつめくさの冠、――先に気付いて拒むようなら、地に堕とされる】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/09(金) 00:21:08.79 ID:gCwYLD1U0
>>554
/了解ですっ、それではまた明日(9日)にお願いしたく……!
/今日よりは早く来られると思いますが、遅くなりそうなら早めに連絡を入れますねっ。それでは、一旦お疲れ様でしたー!
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/09(金) 00:23:24.50 ID:c75MfwY60
>>556
/了解です。宜しくお願いしますねー!
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/09(金) 00:32:40.83 ID:YaBFHzhh0
>>555
それは羨ましいね
僕は、僕はねもうそういう人は死んじまったから

【少年は妖艶な笑みを浮かべながら少女の言葉を頷き聴く】
【最初、首下へ目をやったときの少女の仕草と父親への言葉。それを聴いた時少年はなんとなく直感していたのだ】
【この少女は、どこか病んでいて堕ちている様な人物だと】
【そして、そんな相手を否定して百害会っても一利ないことも知っていた。だからこそ彼女の言葉を肯定したのだ】
【そうすれば、最悪な結果は避けられるだろうと思ったから。自分に有利に会話できるだろうと思ったからだ】

(……まあ、それだけじゃないよね)

【同時に、それが建前である本の一部だということも理解していて本音は違うと分っている】
【それを否定できずに、心の一部でしようがないと思いながら肯定して】

……そう、そうなんだ
ちょっと、残念かな

【誘いに乗らず、世界なんてどうでも良いと答えた少女に少し失望したような表情になり】
【帽子の唾を弄りながら、溜め息をつくと手の力をだらんと抜いてぶらりと下がる】
【まあ、最初から賛同するなんて思っちゃあいないけど。と小さく呟いて視線を戻す】

これは、どういう事なのかな?

【そして、手に掛けられたシロツメクサの冠に視線を移すとその意図を問うた】
【先ほど捨てたものを、また手渡されるという行為を上手く理解できず】
【少年は不可解といった様子で首をかしげて、じっと少女を見つめる】
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/09(金) 00:36:29.38 ID:mFCh9QWAO
>>551

………………

【女は口を“への字”に固く結んだまま、示された文章を読み進めていく】
【しかめた表情は解けることなく、寧ろ更に棘を増したようにも思えた】
【……未だに和らがない雰囲気は、少女をもっと不安にさせてしまうに違いない】

【そうして、ようやっと口を開いたかと思えば――】

――――いいや、ダメだ、断る。

【まさかの拒否の言葉が出てきた。しかもゆるりとかぶりを振りながら、だ】
【少女の申し出は認められなかったということだろうか――いや、そうではない】
【ずい、と押しつけるように提灯を前へと突き出しながら、女は淡々と言った】

共同で仕事を行うのは私の性分に合わんでな、その気持ちだけ受け取ってやる
そこまでして証明してもらおうとは全く考えてないしな、ありがたく思えよ

……それにな、お前。手伝いなんかしたら、手が塞がって話が出来んだろう

【――と、手伝いの申し出を断ったのは、どうにもそういうことらしい。】
【自警団としての職務を全うする義務感の陰には、「話がしたい」なんて気持ちもあったようだ】
【一貫した傲岸不遜な態度はひどく鼻につくが、しかし率直に過ぎる人となりも垣間見える】

【そんなことを強面のまま、くそ真面目に言うもんだから――】
【――なんだか、ちぐはぐな感じにも思えたかもしれない】
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/08/09(金) 00:48:47.46 ID:+OxAjl9Bo
>>549ー550
立場を弁えろ? レベルが低いから出直してこい? 私の知った事じゃあない。
だいたい、言うだけ無駄だとは思わないのか。一目見れば判る事だろう?
お互い、「失せろ」と言われて「はいそうですか」と尻尾を巻くようなタマじゃないのは。……女。お前もそうだろう?

……まあ、お互いこういう性分だ。許せ。私も許す。

【ボタンを押して、取り出し口に手を差し入れる。ペットボトルの蓋を捻って、一口。パッケージから推察するに、緑茶だろう】
【喉を湿らせ継いだ二の句はこれまた傲岸ながら、暗に「まだ時期ではない。争い合うのは無駄だ」と男を牽制するもの】

つまり、遊びって事か。誰も手の届かない高い位置から、自分の思うが儘に他人を弄びたいと。
良い趣味だな。けだもの以下だ。他者の力を軽んじるのは、お前らのような種族に有りがちの持病とは言え……

その癖を向こう十年以内に矯正しとかないと、お前、長生きできないよ。

【次いで女を見遣れば、遊女めいて婉曲な物言いに溜め息をこぼして】
【軽く肩を竦めつ、相も変わらぬ皮肉に僅かだが忠告を混ぜて、そちらへと投げかける】

で、そっちは……成る程。腐っても六罪王、兵站を軽んじるような馬鹿でもないか。
鼻持ちならない奴だが、中々どうして侮れない男だ。敬意を表して、洗いざらい本音をぶちまけてやるとしよう。

【次いで男に向き直り、何を思ったか隣のベンチに腰掛けた。二、三深呼吸をして、女悪魔の舞う空を見上げ】

確かに私も、この世界には、お前の言う所の『輝かぬ命』とやらが多すぎると常々思う。

そうだな、例えば──UTを取り巻く一部の世論の動きを見れば、判りやすい。
なんら具体的な意見も述べず、カノッサに抗する彼らの事を藪蛇だのどうのと貶し放題。
しかし、どうだろう。いざ六罪王の一角が墜ちてみれば、一転、掌を返して彼らを英雄と誉めそやす。

その前もそのまた前も、何時だってそういうものだ。
狡兎死すれば走狗は煮られるのが世の常。世に言う『正義の味方』の実状なんて、そんなものだ。

────武力行使は汚れ役の仕事。仕方ないさと、頭では『理解』している。
    だが、心(ここ)が『納得』しない。どうしても、ああいう安穏と肥え太った輩に、血ヘドを吐かせてやりたいと思ってしまう。

【己の左胸に手を当てて、遠くを見るように目を眇めつつ。心底憎々しげに、呟いた】
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/09(金) 00:58:42.96 ID:sktAAe2x0
>>558

【きっと彼女は狂っていて、毀れていて、――至極一般的な思考とは、外れてしまっているのだろう】
【けれど。世界中に蠢くいきものの中からたったひとりだけ、お父さんと呼んで愛するひとだけ、存在すれば】
【それだけできっとしあわせに笑って生きていけちゃうような、――本当の最初に欲したのは、ただの愛情だったのに】
【罅割れた地面が水を欲しがるように、吸ってもすぐに乾いてしまうように、欲しがって、欲しがっていたら】
【――何もかもが狂って、歪んで、毀れてしまったのに。それもまた気付けないのだから、どうしようもない】

【彼の思ったことは、対応は。合っていたのだろう、嘘だって、肯定するふりで頷いてやれば、それでいいのだから】
【剥かなければ牙だって他者を傷つけることもない、彼女の牙も、今はきちんと大人しくしているのだし――】

……さあ? なんとなく。

【失望の色。確かに見上げて見とめたのに、何にも見なかったように振れないその表情】
【それから堕ちる視線は目の前でしろつめくさの催眠術めいた輪のふらふら揺れるのを追いかけて、】
【――紡ぐ言葉は、つまり、何の意味もなかったらしい。ちょうど良さげなものがあったから、とでも言うよな軽さ】
【首をかしげる仕草に釣られた髪がさらさらと肩を背中を滑り落ちていく、その都度都度、髪に浮く光の輪が千々乱れ】

わたしたちの世界は真っ黒な部屋の中でいいの、……――だから、邪魔したら、

【そっと膝が立てられるなら、スカートの布地がひらと揺らいで。危うい――なんて思う前に、立ち上がるのだろう】
【百六十センチに靴の底を足した身長、なのだけれど。片っ方だけ脱ぎ捨てた今は、どうにもちぐはぐな風】
【やがて横着したように足先で靴を手繰り寄せながら――口にするのは、つまり、関わるなと、そんな色合い】
【自分の世界はそこだと定めた。ならば、外には興味がないのは既に知られたこと、――けれど、内に立ち入るならば、】

【その先は続けるまでもないだろう、明確に敵対するスイッチのありかを、そうと示した】
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 01:02:33.88 ID:7YYlgkDFo
>>559

【こういう時は凄く緊張するものだ】
【相手が文を読んでいる間、どんな反応が返ってくるのか未知なのだから】
【しかしどう転ぼうとも安心できる策ではあったはず――】


(え!?)


【ではなかった。怯えを凌駕して驚きで目を丸くさせるだろう】
【まさか断られるとは思ってもみなかった。代わりに証明できる物なんてない】
【終わった。相手にとってこの時点でもう自分も半分ゴミ扱いだ。粗大ゴミとして掃除され――】


……。


【どうなったのだろうか。助かったのだろうか。というか断った理由がものすごく――】
【複雑な気持ちを抱えたまま、彼女はペンを握る。そして素直に、真っ先に受けた印象を書いて】


『……真面目、なんですね。』


【それだけを、女性へと示すのだろう】
【自分の仕事は自分で片付ける――真面目さが垣間見えた瞬間だった】
【一人で行動するのが好きなだけ、という可能性も十分にありえるけれど】

【それに不遜な態度の裏に、相手への配慮があると認識できた】
【何となくだが、掃除される心配はなさそうだ。後は、相手の反応を待つだけだが――】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/09(金) 01:11:44.96 ID:rn58ntRDO
>>542キャラ設定終わりました〜
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/08/09(金) 01:15:32.93 ID:e5jEJF70o
>>550>>560

【2本目の煙草を取り出して同じ方法で火を灯し口に咥えれば、ふんぞり返って―――絶対に届かないが、彼女に噴きかけるかのように煙を飛ばす】
【彼女が彼をナルシストと語るように、この男は絶対の自信を抱いていた。自分を信じると書いて、自信。その態度は、まるで自分が世界で一番偉いと言わんばかりだ】
【実際は、少し違う。―――彼は、自分は世界で2番目に偉いと思っていた。1番はカノッサ機関総帥、スペルビオ。彼には恩がある故に逆らえない。そして自分はその次だと】

「……『戦い』を舐め腐った輩には、俺も舐め腐った態度で応戦すると決めている」
「革命家は何時の時代も認められないモノだ……そして革命家は人を動かす故に革命家……悪魔の意見など、取り合う筈がない」

「……ああ、訂正しておこう。貴様の命は輝いてなどいなかった。戦いを軽視しているのであれば―――戦いは砥石の役割を示さない。腐った命……醜い命だ」
「自分を棚に上げて俺をナルシストと言う所もな……貴様もどう見てもナルシストだろうが」

【吸いかけの煙草を指で挟んで口から取り、煙草で彼女を指して嘲り笑う。悪魔が怪しげな刃を煌かせても、リラックスした体勢は変わらず】
【寧ろ余計に挑発的な笑みを、白い歯を見せて煙草の煙をまた吐きかければ視線は人間の女へと向き―――】

「……長生きできないのは貴様だ、人間の女―――俺は自分より強い奴がいれば従う、が……其れ即ち総帥のみが俺を支配できるということ」
「俺も総帥に失せろと言われれば失せるさ―――最も、そんな事は在るはずも無いが。其れに比べて貴様はどうだ、俺に従っていない……」
「弱肉強食はこの世の摂理、貴様は俺にとって唯の野兎に過ぎない癖に、無駄に虚勢を張っている―――獅子が爪を振るえば、一瞬で終わるというのに」

「貴様が二本足で立っていられるのは、偶々獅子が腹を空かせていないからに過ぎない……いや、そもそも餌に見られていないのかも知れないな、ククク」
「獅子の餌……子鹿程度にも見られていないか―――何方かは自分で考えろ」

【彼女が悪魔の女へと零した罵倒に、何故か横槍を入れて厳しい言葉を投げかける。ここで言う獅子は―――彼自身を指しており】
【要は「身の程を知れ」と言う言葉を長ったらしく遠回しに述べたに過ぎないのだった。明らかに見下していた、のだが―――】
【その後に続いた彼女の言葉に、一瞬今までの見下したモノとは違った笑みが零れた】

「何故力無き者、生命の濁ったクズ共を守ろうとするのだろうな……。奴らはおんぶにだっこ……いや、赤ん坊よりも脚を引っ張る鉄球付きの足枷だ」
「―――そんなものは簡単だ。殺っちゃえばいいじゃん♪ 黙らせればいいじゃん♪ 正義の味方なんてやめちゃえばいいじゃん♪」
「とってもス〜〜〜ッキリするぞッッッ!!! 其れは何よりも―――だッッ!!! 朝起きて、キンキンに冷えたサイダーを喉に通すよりもッッ!!」

「……そもそも、そもそもォォッッッ!! 人は人を……救うべきではない……。 いつだって苦しみは一人……乗り越えられなければ命は輝かんッッ!!」

【テンションを上げて、表情を巧みに操り―――革命家が演説を始めるかのように饒舌に喋り始めた。さすが革命家と言わんばかりの、演説―――】
【全く道理に合っていないことだとしても、彼が喋れば妙に納得してしまうような、妙な魔翌力―――本当に馬鹿な民衆ならば、首を縦に振ることも無くはない程の】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/09(金) 01:23:03.87 ID:YaBFHzhh0
>>561
……ふぅん
ま、別にいちいち理由を求めやしないけどね

【ぐっと、冠を掴むと勢いよく腕を振ってその手を離した】
【一々意味を求めはしないが、意味の無いものなら持っていても今は無駄だと言うように投げ捨てたのだ】
【そして、少年は少女の姿を見て――そして確信をしたのだった】
【自身の同志としてではなく、自身一人が信者の宗教の同志ではなく、むしろ真逆の敵だということに】

そう、そう……君の――いや君たちの世界は真っ暗な世界でいいんだ
だから、邪魔しないでって……?

【少女の敵対へのスイッチ、それはヒシヒシと少年に伝わって】
【ある種不気味と感じたそれは、少年の首筋につめたい汗を流すに十分だった】
【だが、少年はそんな自分の感情を押し殺して腕組みをして両の手で自分の左右の腕を抱きしめるようにすると告げるのだ】

けど、外の世界はそうも行かないよ
外の世界は否応なしで君たちに干渉する。過干渉をする
それはカノッサも最近できたとか言う自称正義の集団でも自警団でもあるいはそれ以外でも関係ない
君と関係ない奴らが確実に、関係ある奴は絶対に、君の世界に干渉する
干渉して、掻き乱すか壊すかをしてくるだろ
今の世界が干渉しなくても、未来の世界が干渉しないでも
僕の目指す世界は君たちに確実に干渉する

【神妙な顔をして、少年は宣告をする】
【いつか、その内敵対するという旨を少女へと――少年の世界に少女の世界は無いということを】

僕の望むすべてが最低で、平等で、上の無い天国は確実に君たちの世界にも入り込む
すべてがすべてそうでないと、不平等だからね

【言葉を紡ぐほどに、少年は自分の理想とする世界を考えて笑いがこみ上げてくる】
【くすくすと笑う声に混じる言葉はひどく支離滅裂で、滑稽な内容だった】
【まるで、音割れした音楽に混じるノイズのように不快な喋り方で声で内容だった】

だから、『だから』て言葉は間違いだよ
必ず敵対するに決まっているんだから

【諸手を挙げて、拍手喝采を浴びるスターのような表情をしながら少年はそう断言する】
【それがいつかは分らないが、必ず少年は少女と敵対するということを】
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2013/08/09(金) 01:25:30.28 ID:5d9+aedFo
>>560>>564

【夜風が低く瞬いた、すり抜ける風は夜の名残を一杯に含んでいて】
【貴女の注意に対してはあまり素直なタイプじゃないようで、頬を膨らませて一つ】
【返す言葉はきっと、少女のまま時の止まった懐中時計のようでもあった】

【頬を膨らませて一体何を返すのかと思いきや、続く言葉を聞いて彼女の声が漏れた】
【上品とは言えない、もっと、もっと澄んだソプラノの音は女性ではなく少女の声】
【真紅の瞳が真っ直ぐに二つの双眸を射止めたなら、続く意味合いを重ねて】


アハハ!そういうアンタもボクと同じじゃないか!
舐め腐った連中に、安住してる傍観者に、鉄槌を下したいって思ってるんでしょぅ?
納得する理由付けも、辻褄合わせどころか答え合わせでしかないってこーっと♪

……そーでしょ、下手に自分を肯定しようとするから苦しいの
自分で自分を束縛してるんだから、立派な病気だよ、今すぐにでも治療が必要なね
だから治療しちゃえばいいの、自分の思うこと悩むこと全部、ぶつけちゃってさっ


【風が歪んだ、翼が一葉、言の葉を巻き上げたなら、あとに残る残響をくちゃくちゃに濡らして】
【消えいく彼女の淡い声の残り香を、自分自身の妖艶なパフュームで塗り尽くしていく】
【後に残るのはただただ、自分勝手で我侭な女王様気取り】

【翼が羽ばたいたなら二人の前へと近づくのだろう、小さな彼女が少しでも視線を合わせられるようにと】
【両足を曲げた状態で空中に浮遊して、曝け出された無垢な太ももの間に華奢な両手を落としこむ】
【胸を強調しながら語りかける様子は――――――どこか滑稽な姿に映るかもしれない】

【それはさながら、構ってもらいたがっている娘のような、そんな哀れで可憐な姿】
【六罪王の一端たるコーネリアスと、その思想に付いて行く精神の持ち主である女性と】
【比べたならば彼女はきっとそれこそ狂言回しの道化師でしかないから】


ボクのどこがナルシストってゆうのさ、教えて欲しいな、おにーさんっ
……ボクは少なくとも自分勝手な理論に酔って、大衆を扇動なんかしないし
自分自身の力を過信して、無謀な闘いをしかけたりなんかしない

凄いよ革命家<Lミはボクなんか以上に、やり手でヤり手だと思うよ
つまりさ、悪魔なんかよりずっと、醜くて汚いってこと♪
一体どれだけの人間を、その悪魔的な口先で騙したんだろうね

そう、ボクなんかより、ずっとね――――――


【ビキニから零れるほど豊満な胸に触れるように右の手を己に触れる】
【アハハと響く笑い声は耳元でそっと撫でて触れるような、そんな妖しげな香り】
【それでもずっと、貴方よりはマシだろう、革命家の嵐のような弁論術よりかは】

【軽口を叩いてはいるものの、貴方の言葉一つ一つに込められる重さ】
【オーバーともいえるその表情と、それを修飾する巧みな話術と】
【大衆が惹かれるのも民衆が導かれるのも、納得できて】

【――――――だからこそ、危機感を覚えるのだろうか】
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/09(金) 01:28:20.13 ID:mFCh9QWAO
>>562

【『真面目』。その三文字を見た時、不動だった顔が、口の右端だけ吊り上がった】
【多分、効果音を入れるならば「ニヤリ」が最適だ。恐らくこれは薄ら笑いなのだ】
【嬉しいのかそれとは違う感情なのか全く見当も付かないが、確かに彼女は笑っていた】
【それは初めて鬼面が緩んだ瞬間――だった、のかもしれない】

ふん……そうだぞ、私は真面目なんだ
お陰様で悪い噂が絶えないけどな。

【ニヤリ口のまま、ためらいもなくそう言ってのける。単なるくだらない冗句だ】
【尤も、真実と冗談との区別がつかないくらい声色に変化はなかったのだが――】
【――まあ、それは微かに変化のあった表情の方から読み取れることだろう】

さて、そうだな。代わりと言っては何だが……
幾つか形式的な質問に答えてもらうとしようか

……小娘、そのペンとスケッチブックを貸せ。
今から書いたものはこちらが預かる、拒否は要らん

【そうして女はそう言いながら、空いている手を少女に差し出した】
【簡単な質問のやり取りを筆談で行う、ということになるのだろうか】
【彼女の真っ直ぐ、鋭く、貫くような視線は、何処となく脅迫染みている】
【訴えかけるそれとは異なり、完全に仕事の目――と言うようなものだった】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 01:41:28.03 ID:7YYlgkDFo
>>567

(き、気に障ったかな……)

【反応はあったものの、喜ばしいものとは思えない。冗談もあまりいいものとは思えなかった】
【どっちにしたってまだまだ尋問は終わらないのだろう。平穏が、遠い】


【こくこくと頷いて、彼女は言われたままペンとスケッチブックを差し出すだろう】
【断るという選択肢は言われるでもなく無かった。今断れば一体何をされるか――】

【スケッチブックを捲ったなら、先程の花火の絵、】
【更にはカスタードクレープ一つくださいだとか、りんごあめ一つくださいだとか】
【お祭りの最中、屋台での注文に使った文章があることだろう。このスケッチブックは、それだけである】


【もし筆談でやりとりをするとわかれば、彼女はバッグから新たにペンとメモ帳を取り出すことだろう】
【もちろん、不要と言われれば下げるだろうが――】
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/09(金) 01:51:22.84 ID:sktAAe2x0
>>565

【少しだけ離れたところ――地面であることには変わらないけれど――へと叩きつけられれば、ばらり、千切れて花が舞う】
【その終わりを対を間違えたようなオッドアイが追いかけたのは刹那だけ、ちろり舐めるようにして、逸らされた】

……そんなの。わたしが全部毀してあげるの、思惑も、ぜーんぶ、どろどろに?
蕩かしちゃえば誰も邪魔できないよね、誰も毀せないし、毀させないし……。

【邪魔するもの――それが例えば人間だって壁だって刃だって、何だって。万物平等に毀す手段が、内にある】
【纏う水の気配が微かに強くなった気がした。山の中でそっと紛れ込んだ水の香りのように、確かに、感じさせて】
【天井まで放しておいた風船が翌朝に落ちていたようにするすると堕ちるテンション、褪める鈴の音、再び低く震えて】

【神妙な表情も、笑うのも、全部――全部見ても、緩やかに首を傾げるだけ、それも何の意味もないなら】
【さっきのしろつめくさとまるで同じ。ただの無意識、ただの癖、たったひとつの意味さえ、抱けないまま】
【けれど、つめたくひえた表情があったなら――先の行為よりも、ずっと、感情を載せていた】

お父さんにも同じこと言ってごらん、全部邪魔するって――それでも邪魔するなら、ね、
そうしたら、おまえ、……生まれてきたこと、今まで生きてきたこと、全部後悔しちゃうぐらい殺してあげるわ

――最低も平等もひとりでどうぞ。わたし、そんなのに付き合ってあげるぐらい、暇じゃないの。
お掃除も、お洗濯も、ごはんも作って、いっぱいいっぱい、愛してもらわなきゃいけないんだから、ね?

【――ついと寄せた靴、裸足の片っ方にそうと嵌めれば、きちと立つ高さ。夜風に煽られた髪がぶわと孕んで膨らんで】
【風の生まれていくと一緒にひらふわ落ちて、やがてそうと元の位置へと舞い戻る。そんなのが、繰り返される】

【やがてそうっと口元に添える左の手、薬指にぴたと嵌まるのは、けれど、指輪そのものではなく】
【指輪を模したような痣――黒く刻まれるのは、くるりと巻きつく蛇を模したようなもの、関係を誓ったように】

……ばいばい、さよなら

【――そっと隠しこまれた唇が薄く紡ぐ、少しだけ唐突なのは、ただ、言いたいことは言ったという風でもあって】
【ふらとそっぽへ向けた足、ひとつ、ふたつ、刻んで――声を掛けたって立ち止まらないけれど、背中に投げれば聞こえるだろうか】
【やがて。そんな姿は描き忘れられたようにふつと消えてしまう、きらり煌く黄緑色の燐光をひとすじ、置き去りにして】

/おつかれさまでした!
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/09(金) 02:07:12.95 ID:YaBFHzhh0
>>569
[ピーーー]?
誰を?僕を?

【少年は、きょとんとした表情で少女の言葉を受けるとクスクスと嗤う】
【自分を[ピーーー]と告げる少女の言葉に何が可笑しいのか、クスクスと】
【やがて、笑いが落ち着くと溜め息をついて腕組みを解いて首下を手で軽く押えた】
【そして、あいも変わらず何も表情を変えない少女を見て何か呆れたようにまた溜め息をする】

どうやら、本当に眼中に無いらしいね
まるで独り相撲している気分だよ

【少年は困ったようにそう呟き、視線を宙へと泳がせる】
【そして、少女の蛇のような痣の指輪を見ると再度確信したように頷いて】
【やがて、その体は炎天下の中で解けてゆく氷のように形が崩れて行き】

その、さよならはどっちの意味かな

【去り行く少女へと、そう声をかけたころには少年の姿はもう既になく】
【そこにあるのは緑色の絨緞のような草原と、どろどろの粘土のような形へと変わっていた少年】
【やがて少女がその姿を完全に消した跡には、一匹の白狼がどこへかと掛けていって】
【黒滔々とした夜の下、草が風の流れるのと共に騒ぐだけだ】

/ありがとうございましたー
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/09(金) 02:09:40.70 ID:mFCh9QWAO
>>568

【ものを受けとる仕草は何故か、相手の肌に極力触れないよう気を遣ったそっと静かなもの】
【ぱら、ぱら、ぱらり、とページを捲れば、祭りの一部が詰まっているのがよく解った】
【花火の絵なんてじっくりと見詰めたなら――パタンと閉じつつ、真新しいところを開く】

…………ふぅん、楽しそうじゃないか

【瞳を僅かに伏せ、ぽつりと小さく溢した言葉は、少しだけ感慨の響きを伴っていた】
【取り出されようとするペンとメモ帳は、少女に手のひらを示すだけで無言で制し】
【手元のペンを使って、スケッチブックにさらさらと何かを書き込んでいく】

【書く速度は少女には到底及ばないが、なるべく待たせぬよう早めに済ませたなら】
【借りた二つを返すべく、そっと相手に差し出すことだろう】

そいつを書いたら破りとって私に寄越せ……答えられるものだけ答えれば良い
ああ、そういえば申し遅れたな。私はバーサ・アーカー、見ての通り自警団員だ
治安の改善と維持に努めている……まあ、ぶっちゃけこれも形式的なものだがな

【何やらを尋ねるついでと、自警団員の女は業務内容を添えてバーサと名乗った】
【治安維持とは言うものの、恐らく請け負っているのは“掃除役”のようなものだ】

【さて――――名前、年齢、性別、所属又は職業、能力者か否か】
【スケッチブックに流れるような文字で記されている質問は、これだけだ】
【形式的な質問とも答えられるならとも、あらかじめ女は言ってある】
【全てを本気で答える必要は無い。それは尋ねた本人も承知のことだ】
【女は少女の反応だけを、大人しく待った】
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2013/08/09(金) 02:15:12.05 ID:+OxAjl9Bo
>>564>>566
【和装の女は、人に傅く事を嫌う性質だ。故に世辞や追従で六罪王に同調するのではない】
【現にその語調には、嘘偽りのない殺意が──世に遍く満ちる『輝かぬ命』への敵意が色濃く顕れている】
【低く圧し殺した声だった。或いは、鞘から抜き放たれる時を待つ、一振りの太刀のような】

全く、全くお前達の言う通りだ。足を引っ張り、出る杭を叩き、出過ぎた杭は切り倒す。
そうして他者を引きずり落とせば自分がより高みに至れるのだと、思い上がった亡者ども。
そいつらに御輿を担がせて、その上で安穏と遊興に耽る飽食の豚。
奴らを等しく地の底に叩き伏せ、頭を踏み躙って泥を嘗めさせてやりたい。

自分達だけは死なないんだ。戦争なんて何処か遠くの出来事で、自分達とは縁も所縁もない事だ──
そんな風に勘違いしたお気楽思考の屑どもに、死の足音を聴かせてやりたい。
私は私が『理不尽だ』と感じた、全ての物事をぶち壊してやりたいと、常日頃から思っている。

【そうして強く、固く、爪が掌に食い込む程に拳を握り、この世の全てを呪殺せんばかりに眼光鋭く夜空を睨んで──しかし】
【女は、『だが』と更に続ける。継いだ言葉は、酷く場違いなものだった。『旨い、小料理屋がある』】

良い店だ。中々に繁盛している。主人の人柄もまた、好ましい。
変に気取ったような所がないし、何時行っても旨いものを食わす。手を抜かず、ひた向きに飯を食わす。

……これは一つの例だ。物を壊すための戦いがあれば、物を創るための戦いもある。という事を示す、な。
何かしらにひた向きに打ち込む奴の眼には、大なり小なりお前の言う所の『命の輝き』とやらがある。

私が我を忘れて殺しに殺しまくれば、真っ先に割を食うのはそういう奴らだ。真っ当に、日の当たる場所で生きる奴らだ。
『適者生存』……武力なき輝きは全てが無意味だと言って、それを切り捨てられるか否か。
それが、それだけが私とお前の違いだ。コーネリアス。 そこの女悪魔もだ。

【ペットボトルを一度煽って、また話し出す。たかが輝かぬ命のために、輝ける命を切り捨てるのは馬鹿らしい】
【話を要約すると、女が言っているのはそういう事だ。革命家と悪魔の論に真っ向から向き合い、受け止めながら】
【しかし彼女の結論は、その真逆を行くものだった。怒りを腹の底に鎮め、力なき輝きを守る力に変えて、彼女は悪に相対すのだ】

──自分で自分を律する事が、病気?違うよ、女。これはれっきとした人の機能だ。
人は誰しも、万事を自分の思うが儘にしたいと思っている。好きなものが好きなだけ欲しいし、気に食わないものは消してしまいたい。
だが、これを全てそのまま行動に移してしまうものは、もはや人ではない。獣か、それ以下の何かだ。

私に言わせれば、『自分の感情一つ自由にできない奴』こそが病気なのさ。

【そちらを睥睨する一対の瞳に点る、玲瓏たる蒼い意志の焔】
【悪魔の誘惑をにべもなく切り捨て、女は涼やかに笑う。誰を嘲る事もなく】
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 02:27:11.03 ID:7YYlgkDFo
>>571

【――その呟きは何を思ってのことだったのだろうか】
【彼女にはわからないし、そもそも今は口出しすらできない】
【でもアーカーの中で完結しているものだろうから、下手に口を挟むこともなかった】


【筆記具を返してもらったなら、一度首肯を返す】
【身分証明のようなものだろうか。さっと目を通し、相手の言葉を聞き終わった後書き始めるだろう】


【ものの数十秒もしないうちに書き終わり、そのページを破ってアーカーに差し出すだろう】
【そこには以下の情報が記載されている】


【名前はホプス・ブライト。年齢は17。性別は女】
【所属と職は無く、代わりに喫茶店でアルバイトをしているようだった】
【そして能力者かどうかの欄には――能力者であると書かれている】

【アーカーは自警団だからということで、書き始めから最後まで疑うような素振りは一切無いことだろう】
【つまり、素直に事実だけが述べられていた】
574 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/08/09(金) 02:37:50.19 ID:e5jEJF70o
>>566>>572

【煙を鼻から吐き出して―――クククと渇いた笑いを零しては彼女にサングラス越しの視線を向け、足を組み―――】
【自分のリズムで、今度は演説とは違ったゆっくりとしたテンポで言葉を紡ぎ―――】

「その格好、その仕草―――その発言。自分が魅力的だと思っているから故の行動だろう……?」
「こんなものは誰でも解るレベルじゃないのか、なぁ人間の女よ……」
「まぁ事実、『心以外は』魅力的なんだろうが―――貴様は『自分が魅力的だ』ということを押し付けたくて堪らない」
「俺が強さ……生命の輝きに固執し、アピールするのと同じだ……一体どれだけの馬鹿な男を抱いてきたのやら」

「後―――悪魔は醜くて汚い程位が高いと言うイメージなのだが、違うのか……? 悪魔に恐れられるとは、更に自信になるよ……ククク」

【妖艶な雰囲気、そして白く美しい肌と抜群のプロポーション。歴史には国王を狂わせた美女が何人かいたが、きっと彼女もその美女たちに引けを取らない存在なのだろう】
【最もコーネリアスは生命の輝きを何よりも重視する為に、彼を狂わせるというわけにはいかないが―――彼女の外見の美しさは、誰もが、コーネリアスも認めていた】
【彼にとっては是非とも惜しい存在―――もし心が気高き女騎士の其れであれば、その演説の技術を総動員して彼女を口説こうとしていた】

【―――彼女が悪魔である事実。そして抑えていたとはいえ彼の魔翌力に平然と近づける力量を持つ事実。其れよりも彼女が「美しい外見」を持っている事実が―――】
【少しの不安要素として募ったことは、表情からも読み取ることは出来ないだろう。自分が彼女に負ける―――なんて事は1mmも思ってはいない、が】
【カノッサを「崩す」にはうってつけ―――其れが彼女の美貌というモノだと危惧する。とは言え、悪魔がカノッサに敵対などと彼は想像してはいないのだが】

【―――少し神妙な顔つきに変わった所に耳に届くは、人間の彼女。彼女の続ける言葉もまた、まるで演説のようで】
【其れを煙草を踏みにじりながら、腕を組んで聞き入れ―――そして閉じた口が再度開く】

「俺も出来る事ならば、彼らの輝きを保護してあげたい―――が其れは無理な話だ」
「全ての人間が、輝かしい命を持つ世界―――其れが俺の理想だが、先程言った様に選別は不可能」
「無意味ではない……唯、簡単に、迅速に判別できる輝きが、戦闘だっただけだ―――ライオンが子供を崖から突き落とすように、俺は全国民を崖から突き落とし―――」

「……生還したものだけを、新たなる世界の民として受け入れる。その崖から突き落とす作業が『カノッサのテロ行為』であっただけの話だ」
「切り捨てたくないが―――切り捨てるしか無い。革命に求められるモノ……其れは『速度』。一度崩したのなら一気に制圧しなければならないからな……」

【このコーネリアス、唯の戦闘ジャンキーに思われがちだろうが、本質は其れに非ず。彼女が例に出した「力なき者の輝き」を理解した上での結論】
【全ての輝きを護り、濁った生命と判別し駆除するのは不可能―――故の最善策が、『輝きを戦闘によるものに絞る』というもの】
【初めて見せた、寂しげな声色―――そして真剣味の感じられる、落ち着いた雰囲気。先程高笑いしていた彼と、同じとは思えないほどの高低差だった】

【そして珍しげな雰囲気を醸し出した彼は、ふと立ち上がり―――無言で腕を突き上げ、指を鳴らした……と同時―――】
【膨大な魔翌力の奔流が公園中を包み込み―――またあの、地獄の瘴気と言わんばかりの劣悪な狂気、魔翌力が辺りを侵食する】

「……煉獄鳥―――」

【その名を呟けば―――指先から大量の紫炎が発生し、大きな鳥を象った。圧倒的光量、圧倒的魔翌力】
【―――殺気は全く練られていないにも関わらず、圧力が空気を震え上がらせる。革命家はその鳥に飛び乗れば―――別れの挨拶を告げる】

「……貴様等の名を教えろ。 我が名は言わずと知れた革命家……カノッサ六罪王、コーネリアス・F・ラインハルト」
「そして世界を戦乱……輝いた命だけの桃源郷を生み出す者 ―――では、革命後にでもまた会おう」

【―――また、夜空に一筋の流星が流れた。その星が破滅の星と知らずに、呑気にカメラを向ける連中は―――何と滑稽なのだろうか】

/ここらで〆にします! ありがとうございました、悪口ばっかですみません!
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/09(金) 02:45:11.88 ID:5d9+aedFo
>>572>>574

【女性の言葉、そこには彼女のような驕りや昂ぶりは無かった】
【ただ静かにただ正しく、己が信じる信念を伝えてくるように】
【その姿が無性にムカついて――――――無性に、羨ましくて】

【二つのある種高貴な精神と違って、彼女の心は未だ不安定な天秤であって】
【コーネリアスの皮肉めいた賛辞すらも素直には受け入れられないように】
【舌打ちの一つでも、零したくなって】

【唇の端が頬の中に溶けた、白百合のような華奢な頬の色に】
【納得しようとは思わなかった、それでも理解は出来た】
【だからこそ、だからこそ――――――その言葉が受け入れられなかった】


……ご高説どうもありがと、耳が痛くて腐り落ちちゃいそうな言葉だったよ
でもねおねーさん、それと革命家……アンタにも聞いておいて欲しいな
根本的に違うの、ボクにとっての闘い≠ヘキミたちの定義する闘い≠ニね

ボクは病魔=\―――――病を司る、悪魔だもの

人にとってのボクとの闘いは闘病であって
ボクにとっての闘いは自分勝手なパンデミックでしかなーぃの♪
だってほら、ボクが好き勝手に病を振りまかないとお医者さんのお仕事、なくなっちゃうじゃない


【病が翼を広げる、月を背に翼が彼女に絡みつく】
【夜に浮かぶ黒と白、唇の色合いだけが確かな原色を携えていて】
【より深くよりはっきりと、その彩りを強めるのだろうか】

【口元に右手を当てて、なーんてね、と冗談半分に笑う様子】
【その言葉が正しいとは分からない、もし真実であったとしても、突拍子もないことには変わりなくて】
【正しいことは一つ、彼女の闘いはコーネリアスの言う闘いとも女性の言う闘いともまた違うこと】

【けれどもそこに信念≠ヘ無かった、世界中の人を病に冒そうだなんて考えてはいない】
【彼女の言葉を借りるなら、食後の運動に通り魔的に病を咲かせるだけなのだから】
【それならばまた疑念が生じるだろう、ならば何故この世界にいるのか、と】


今日はありがとう二人共、二人のお陰で人間のこともっと深く知れたよ
もっと侵すべきかそうじゃないか、ボクの中で決まった気もするかな♪
合法的に誰かをぶっ殺したい時、合法的にどこかをぶっ壊したい時

気軽に呼んで欲しいなぁ、だってボクとキミ達の仲でしょ?

そのお詫びにキミ達が人生に絶望した時――――――
ボクがきっちりきっかり静かな病を、送ってあげるよ♪

――――――IL=¨ightwish、世界で最も優しい病を、ね


【世界を覆い尽くすかと思うほどの巨大な煉獄の鳥、それを傍目に彼女は翼を羽ばたかせる】
【華奢な姿が夜空に浮かび上がったなら、くるりと下方向へと視線を向けて】
【ばいばーい、だなんて軽く手を振る辺り、余裕でも見せようとしているのだろうか】

【残る芳香の濃くもまたピュアな香りが、どこまでもしみ続けて】


/お疲れ様でしたー!
576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/09(金) 03:00:52.47 ID:mFCh9QWAO
>>573

【受け取った紙面をさっと読み進めると、女はそれを小さく折り畳んでポーチへと納めた】
【置いたゴミ袋と火ばさみを持ちながら、また、口の右端のみを吊り上げる笑みを浮かべる】
【現時点で浮かべることの出来る精一杯の笑顔がこれなのだろう。どうやら、笑い慣れていないらしかった】

…………ふん、お前も相当真面目じゃないか、ホプス・ブライト
何、個人情報の悪用はせんから心配するな。協力、感謝する

【気持ちの籠っていないような口先だけの礼を述べながら、ホプスに半身を向けて】
【ぱちりと火ばさみを軽く打ち鳴らしたなら、ゴミ袋を少し持ち上げてみせる】

それじゃあ質問も終わったことだ、私は残りの仕事を片付けるとしよう
お前もさっさと帰って寝るんだな……櫻の幽霊に食われても知らんぞ

【帰ってくるかもしれない別れの言葉も待たないで、バーサは足を進ませる】
【時折仕事をしながら緩やかに歩き続け、やがては少女へと背中を見せた】

それから……仕事上、また祭りか何かの催し物で会うことが多いかもしれん
その時は、こうして再び言葉を交わしたりすることがあるかも分からんな

――そうだな。祭りはやはり林檎飴と綿飴がいい

【そうして肩越しに投げ掛けられるのは「また会おう」という意味を内包した言葉だ】
【呟かれた独り言には、「祭りを誰かと楽しみたい」なんて気持ちも少なからずあったのだろう】
【――率直であっても素直ではない女は、それからは愚痴を一つもこぼさないで、去っていった】

/遅くまでありがとうございます!お疲れ様でしたー!
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 03:17:49.08 ID:7YYlgkDFo
>>576

【正直に記入したことを言われているのだろう、ばつの悪そうに頬をかいた】
【そして、アーカーの背を見ることになる。それはつまり彼女にとって、言葉を交わすことができないのと同義】


【去る彼女の言葉を最後まで聞き取って、案外怖い人でもないのかもと思った】
【への字が波線みたいになるだけの笑顔もそう――ただ不器用なだけなのかも、と】


【――今度もし催し物で彼女と会ったなら、仕事の邪魔にならない程度に付き合ってもらおうとか】
【そんなことを考えながら、ブライトは手を振ることだろう】

【またいつか≠ニ、最後にせめてもの別れの言葉を無音のうちに紡いで】
【そして、彼女も去ってゆくのだろう――】


/お疲れ様でしたっ!
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/09(金) 07:32:12.09 ID:+OxAjl9Bo
>>574
【顎先に手を添えて、思案に耽るかのように、コーネリアスを見据える女】
【その瞳は確かに眼前の六罪王を映していながら、彼を通して何か違うものを見ているようだった】
【言葉を選ぶように唇を小さく動かし、何やら口中でもごもごとやって、ややあって口を開く】

──かつて、お前のような革命家が居た。直接相対した事はないが、彼にとって戦争は『鐘の音』だった。
夜明けの鐘──安寧の内に眠れる民草をいま一度目覚めさせ、命の輝きを強く実感させるものだ。

かつて私は、思想なく彼らと対峙した。私的な感情の赴くままに、闘争本能を満たさんとした。
私は彼らを否定しながら、彼らの理想に立ち向かう為の対案を持たなかった。だが、今ならば言える。

今は眠らせておけば良い。無理矢理に叩き起こされたのでは、世界も寝覚めが悪かろうよ、とな。
私のすべき事は、何れ来る『その時』の……世界が目覚める時の為の露払いだ。
僅かずつでも確実に前へと進み、そうして勝ち得たものを、確かに次代に引き継ぐ事だ。罷り間違っても、革命じゃあない。

【如何に一般には『悪』と称される機関員の言葉であれ、そこに一抹の理があるならば】
【同じく確固たる思想を持って当たらねばならない。それが彼女なりの流儀であり、彼に対する敬意の顕れだ】
【ゆるりと首を左右に振り、先程とは打って変わって穏やかな語調で、彼の革命を再度否定しつつも】
【遠くを見つめる彼女の仕種には、或いは彼も巡り合わせが違っていれば──という、幽かな感傷が含まれていた】

えらく遠回りな道だ。だから、思い切った行動を取れるお前の立場が少しだけ羨ましくもある。
しかし私にも惜しい物がある。何たって、不味い飯を喰いたくはないからな。

して、そっちは──病、病と来たか。病魔をして『耳が腐る』とは、私も随分な綺麗事を言ったものだ……しかし、ふむ。
成る程。確かに病が罹る相手を態々選んでやる道理もないな。これは失礼な事をした。
だが病あらば必ず云々と昔から言うように、人は数多くの病を克服してきた。甘く見ているとお前も消毒されるぞ?

【イルとコーネリアス、二人を見回して軽く冗談めかせば、くつくつと喉を鳴らして笑う】
【と、彼に続いて立ち上がり、おもむろにひょいと横合いに飛び退いて】
【すらり。鯉口を切って鞘鳴りもなく抜刀すれば正眼に取り、鋒を空へ──男と女悪魔へと据えた。右足を半歩前に。重心は低く】
【呼吸は深く、長く。丹田に呼気を落とし込む。地獄の魔翌力流の内にあって尚、構えは乱さない】

私こそは櫻が月ヶ瀬、領主識槻≠ェ次妹にして──Justice≠フ末席、朔夜。
病魔イル、そして六罪王コーネリアス。この剣に懸けて、私は貴様らを討つと誓おう。
此所水の国にて無法を働かんと欲するのならば、先ずはこの屍を越えて往くがいい。

────尤も、出来るものならの話だが、な。

【傲岸不遜に名乗りを上げて刀身を翻し、切り上げ一閃、風を巻いて打ち込めば】
【紫色の業火と黒い闇の名残を、青光りする剣閃が真っ二つに断ち切り、掻き消す】
【挑発などという安いものではない。それは紛れもない、彼女の武人たる誇りに懸けた宣戦布告だった】

そうだ。コーネリアス──もしもまだ聞こえているのなら、一つだけ忠告しよう。
努々、蛇≠ノは寝首を掻かれないよう気を付ける事だ。カノッサは混沌だ。一枚岩でないのはお前とて知っているだろうが、

【それから暫くして。油断なく残身を取りつつ紫の流星を見上げ、ふと思い出したように女は呟く】
【カノッサ機関の蛇≠ニ言えば、今となってはかの六罪王只一人だが──これは見え透いた計略か、或いは】

あれは、悪意によって人の世を停滞させる二重概念≠フ魔人。間違いなく、お前とは思想を異にする者だ────。

【言うが早いか、彼女は身を翻して夜の林へと消える。真実は杳として知れず、かくして公園には沈黙だけが残った】
//盛大に寝落ちちゃいました、すみません……お疲れさまですー
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/09(金) 09:25:57.48 ID:rn58ntRDO
【――森の奥――】
【人の気配はなくただ静粛だけがその場を支配していた】
【その男――古く擦りきれたコートを着た――は長いことそこにいた】
【彼には記憶がなかった。いつからそこにいるかも、なぜそこにいるかも、自分が誰なのかも全く覚えていなかった】
【ただひとつ――男は覚えていた】
――あれは…少女…か? ――泣いて…いる…?
――俺は…なぜここにいる…?
――俺は…だれだ…!? 【長い間この森を支配していた静粛が破られた。】 【それは男の絶叫だった。長く長く、まるで男の失われた記憶の期間のように長く叫び続けた】
/はじめてなんで下手くそですがよろしくお願いします。



580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(新潟県) [sage]:2013/08/09(金) 20:17:44.26 ID:e5jEJF70o
【水の国・路地裏】

【―――ガン、ガン。痛烈な音色が、狭く暗い空間に残響し続けていた。時計の秒針のように、寸分狂うこともなく一定のリズムで―――ガン、ガンと】
【その音を奏でる演奏者は、二人―――と言っても良いのだろうかは、悩ましい所だ。何故悩ましいかは、その光景を見れば明らかで……】

……ッフー、ッフー、っふー……!!

【肩を激しく上下させて息を荒げる20代程の男―――が、突っ伏す女性の頭を片手で掴み―――何度も、何度も地面に打ち付ける】
【路地裏の石畳は、既に女性の血で朱く染め上げられており、明らかに致死量を超えている。……実際、彼女の命はとっくの間に潰えていた】
【それでも尚、その行為をやめない男―――その焦茶の瞳は限界まで開き切っており、明らかに異常者の、何かリミッターの外れたかのような様子で】
【そして血に染まったワイシャツの左胸、心臓の部分にはポッカリと「穴」が開いており、そして其処に―――「白い焔」が灯っていた】

【そしてその惨劇を、小さなビルの屋上から見下ろしてほくそ笑む男が一人―――】
【左手に冷えたワイングラスを持ち、赤ワインを口に含む。金の長髪を掻き揚げて満足そうな顔を浮かべ、人の死を嘲り笑う悪魔の様な男―――】
【其れは六罪王、コーネリアス・F・ラインハルト。彼はサングラスを月光に煌かせながら、「操り人形」の更なる暴走を期待して】

「……ふむ、凶暴性は上々か―――今度は、見世物にでもしてみようか……ククク」
「この『元一般人』が一時間に何人仕留めるか……良い賭け事になりそうじゃないかァ……」

「そうじゃなくても、こんなに愉快な事は無いぞ……今まで命を濁らせ、腐らせてきたクズ共が最後に見せる輝き―――ああ、ワインが進む」

【他人の生命をつまみに、上質なワインを愉しむのであった―――】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/09(金) 21:05:30.82 ID:qcmC4fYgo
>>535

【当の少女は後を付け始めて一分くらいは特に行動を止めずしばらく買い物にいそしんでいたが】
【やがて―――ぴたり、と何の前触れもなく侍女服の少女はその場に止まる】
【そして勢いよく後ろを振り向いた後、ピアスの男に対して真っ直ぐと疑惑を含まぬ視線を男に向けていた】

【間合いは5mほどだろうか、その距離を保ったままその男の方向を見つめている】


―――失礼いたしますが、先ほどからどうかなさいましたデスヨー?
ここ一分ほど、ずっとワタシの後を尾行していらっしゃったようですけれども……

ご用件がございましたら、遠慮なく声をかけていただいても一向に構いませんデスヨー


【無機質な瞳に感情を感じさせるほどに自然な柔らかい笑みを浮かべるその少女だが】
【一方で飴玉を転がすような甘い声色からは、それに反比例して敵意を感じることが出来る】
【自分を尾行していたその人物の悪意を感じ取ったからなのだろうか、見た目にそぐわぬ鋭い感覚を持っているようだ】

/ではこちらよりお返しいたします
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/09(金) 21:35:10.41 ID:ayLrG93io
【街の外れ――酒場前】

【彼が居るのはとある街のダウンタウンから外れた、とある酒場】
【メインの通りから外れて、品も治安もワンランクぐらい下がっているような場所】

【酒の飲める場所なんてこの街にも幾つもあるわけだが全て同じってわけもなく】
【自分にあったお気に入りの店ってのはなかなか無い】
【ただ、この街で店を構えて長くやっていくのは中々に難しい】

…店内改装中…暫く休みます…っつーかドアどころか壁もねーじゃん

【ロケット弾でも撃ち込まれたかのように破壊されている店】
【傾いた看板の上にペンキで投げやりな一言が書かれていた】
【くわえタバコの男は片手で頭をかきながら、それを読んでいた】

【男はクラシックタイプのバイクに跨ったまま、ハンドルの上に突っ伏していた】
【エンジンが気管支を患ったような不規則ない息継ぎでアイドリングしている】
【見てくれのサビつき具合やその漂う雰囲気からアンティークというより古いだけという感じがある】

久しぶりに来てみれば……なんだよ、酒を薄めすぎたか
それとも、シャバ代ケチったか…まあ、全部かな

【サングラス、カッターシャツ、聖母マリアのシルバーアクセサリを首からさげて】
【10ホールの黒いブーツ、ダブルのレザージャケット、ファスナーはフルオープンで】
【必要以上に痩せて、必要以上に長身の男は気怠そうに髪を掻き上げた】

この辺りに…何か良さそうなのあったっけなあ

【バイクに跨ったまま、どうしようかと考える】
【スロットルを捻るとしゃがれた音のエンジンをふかした】
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 21:35:52.85 ID:qNmhyTxbo
>>581
【尾行の経験は、幾度となくあった。あっさりと気付かれるほど迂闊なやり方はしていなかったはずだ】
【しかし、気付かれた。前触れなく歩みを止め、こちらを振り返る少女】
【ピアス男も足を止めると、淀みきった鉛色の視線で少女の視線に正面から相対する】


――いやあ、大変失礼いたしやした
いや何、大した用件があるってわけじゃないんですがね、お嬢さん

先ほどのお嬢さんの独り言……あの正義組織、UTの関係者の方ですかい?
でしたら、いろいろとお聞きしたいことがありやしてね。あの人たちには、身内がお世話になりましたもんで……


【少女の柔らかい笑みに対して、ピアス男の浮かべた笑みは悪意を多分に含んだ邪悪なものだ】
【無機質でありながら自然な振る舞いを見せる彼女に比べて、どちらが人間かわからない有り様】

【ピアス男の声音にも、すでに敵意が滲んでいる。彼女を尾行し始めた時から、予測の範囲にあった事態なのだろう】
【ピアス男は、おもむろに背中にかついでいた黒いリュックを降ろした。ファスナーを開ける。すると、その中から何かが浮き上がってきた】


【それは、人間の生首だった。生首がリュックの中から現れ、空中に浮かびあがったのだ】
【ごつごつとした厳つい顔つきに、くすんだ鉛色の瞳。太い鼻筋には、三本のボルトが縦に並んで刺さっている】
【頭からは、頭頂部に向かってねじ曲がるような形で、短い鋼鉄の角が十数本生え】
【首の断面はすり鉢状になっており、首周りには鈍い光沢を放つ鋼鉄の首輪がはまっていた】


ブレインデッド。応援呼んで来い。近くにデュアルの兄貴たちが来てたはずだ

「り、り、了解した」

【生首はそのまま方向転換し、脇にあった路地裏の入口に向かって、空中を漂うように移動していく】
【ピアス男のほうは、少女に向かって軍用ブーツの歩を進めようとする。足を上げ、一歩踏み出す】


さてお嬢さん。出来れば穏便にお話したいところなんですがね……

【言葉とは裏腹に口元の歪みはますます深まり、下卑た気配は獰猛な色を見せ始める】
【さらに距離を詰めようと、ピアス男が歩を踏み出そうとする】
【空中に浮かんだ生首男のほうは移動速度が遅く、まだ路地裏に入り込んではいない】
【現時点では、少女はどちらも視界に捉えているだろう。どちらに対しても、何らかの対処は打てるはずだ】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/08/09(金) 21:44:01.60 ID:0a6ca7ibo
>>579

【男の絶叫が大気を震わし、森の中に響き渡る】

【その声を耳にした者が、偶然にもその近くのどこかにいた】

……?
誰か、いるのか?

【男の叫びはなおも続く。悲痛な声を辿り、木の陰から顔を出したのは奇妙な姿をした少年だった】

【少し癖のついた、炎のような澄んだ緋色のショートカット、ガーネット色に輝く瞳】
【薄灰色の丈の大きいやや薄手のトレンチコートを羽織り、黒い長ズボンを穿いている】
【首には竜をかたどったペンダントを提げていて、額に傷があるのか包帯を巻いている】
【背中には、魔翌力を帯びた「竜の翼」と思われるものが生えている】
【そんな格好をした、14、5歳程に見える少年だ】

――大丈夫か?

【心配そうな表情で男に駆け寄り、問いかける】
【敵意や悪意の類は感じられないだろう。しかし、心を許すかは男次第だ】

/まだいますか?
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/09(金) 21:46:07.68 ID:0TJf8bCN0
>>552

……私には、他の命の方が余程重いのだけど……
……今は素直に受け取っておくわ。……ありがとう。

【生存を喜ばれること―――― 彼女には、それなり以上に嬉しいのだろう】
【素直さには欠ける言葉でも。声には、年相応の瑞々しさがあった】
【けれども/そして、】

焚き付ける、か……あまり好きな言葉ではないけれど、今、この状況を思えば少しは仕方がないか。 
無視できるものじゃない情報があれば、どんな組織でも動くと思うけれど……。

【『UT』。必要な “力” として語るシャッテンの言葉に、僅かばかり柊は眉を顰める】
【――――― 個としての限界。彼女に認める訳には行かず、けれど少なからず頷ける部分のある指摘なのだろう】
【“総て負う” のが己であり―――――――、他にリスクを “負わせる” ならば、その誰をも失わぬ様、一層の苛烈さで戦う必要があった】
【彼の提案に添えた助言は、その上で紡ぐ覚悟からの力添えだ。“彼ら” を動かすに足る情報を以て、最善の結果をともに求める。】
【……今は、その提案だけを以て終いとした。……未だ、肯定しきれない部分があった。】

【休息を勧められれば、困惑と安堵の入り混じる表情でくす、と、】

……そうなのかしら?
確かに、今夜はそうするべきなのかも知れないわね……丁度、作業にも一区切りついた所だったもの。

【――――“作業”。その正体は、ある程度の見当は付くだろうか】
【何れ戦い続けではあったのだろう。漸く得た暫しの平穏に、少女は心躍らせている様だった】
【そして―――――「すぐ戻る」、】

……? 良いけど、どうかしたの?

【彼の言葉に軽く瞬いて――― 向けるのは意外そうな言葉だったが、其れ以上は言わずにシャッテンを見送るのだろう】
【 彼は “すぐ戻る” と言っていた―――― ならば案ずる事もないのだろう、と】
【穏やかな面持ちでふと目を瞑るのは、寄せた信頼の顕れだろうか。何れ、きっと、待つのはそう長くはなくて】

/では、よろしくお願いしますっ
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 22:02:44.59 ID:7YYlgkDFo
【水の国――路地裏】


【そこはオフィスビルの立ち並ぶ地域だった。既に夜も遅い】
【ビルにはちらほらとしか灯りはなくて――同じような造りの建物が続く通りは夏だというのにどこか冷たい印象を受ける】


(この辺り……のはずなんだけどなぁ)


【そんな場所を――もっと詳しく言えば、路地裏の入り口付近を行ったり来たりする人影があった】
【パールブルーの長髪に同色の瞳を持ち、腰の大きな青色のリボンが特徴の、青みがかった白いワンピースを身に纏い】
【動きやすそうなサンダルと小さなひまわりの飾りがついた麦わら帽を着用した、温厚そうな顔つきの少女だ】

【大きめのショルダーバッグを肩にかけ、手にマップを持ちながら移動する彼女】
【時折場所を確認するも、すぐに首を傾げて隣の路地を見に行ったりして――】

【そんな挙動不審な彼女の様子は、何かを探しているようにも、困っているようにも見えるかもしれない】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/09(金) 22:06:02.31 ID:c75MfwY60
>>585

……君の信条は、いずれ変わらぬみたいだね……ぇ
その意味でも、安心したよ……その輝きも、いささかも色褪せてない……ぃ
――――僕にとり、この世界にとり、それはとても良い事だ……ぁ

【ふとした言葉であっても、そこには八攫の信条が表われている。一人でも多くの人を救うために剣を振るう、と言う――――】
【その想いの為に、文字通り命を賭けているその姿もまた、かつて会った時と何も変わっていない】
【シャッテンにとって、その事もまた、嬉しく思う事だったのだ】

【――――見切ってしまえば、躊躇いなく人をその手に掛けられるシャッテンと、こうして心から他人を想うシャッテン】
【そのどちらも、偽らざる彼の心である。そして、そうした矛盾を人格として統合してみせるのも、また人間の人間たる所以なのだろう】

……情報……そうだね、ぇ…………僕には、いまいち得意な分野じゃないけど……
……組織を動かせるほどの情報、か……ぁ…………難しい所だね、ぇ……

【八攫の言葉はもっともだ。個人の志向に働きかけるなら、利益なり情なりに訴えかける事も出来る】
【だが、組織となるとそうはいかない――――基本的に、『理』を通さなければ意味の無い働きかけになってしまう】
【――――少なくともシャッテンは、機関に有効打を与え、戦況を優位に持ちこむためには『UNITED TRIGGER』の協力が必要だと考えていた】
【『数』に対して『個』で相対しているだけでは、いずれ疲弊してしまうのだから】

――――その為に、僕に協力させてくれ……心当たりがあるんだ、ぁ……

【休息も必要。その為にシャッテンは自分に出来る事がある事を思い出したのだ】
【闇の中に身を沈め、1分ほど――――再び足元に闇が広がり、シャッテンは姿を現わした】

――――これを持って行っておくれよ、柊……休息にも、傷の手当てにも、使える品のはずさ……ぁ

【握り締めた何かを、シャッテンは八攫へと差し出す。それは白い円錐形の固形物で、丁度何らかの生物の角の様な代物だった】

……この先で、妙な品物を売ってるオーガがいた事を思い出してね、ぇ……これは『ユニコーンの角』って言うものらしいよ……ぉ
――――削って粉末を飲むもよし、緊急時には身体に直接突き刺すもよし……強力な治癒の力を秘めているらしいからさ、ぁ……
インチキ品でも無い様だし、是非使っておくれよ、柊……

【――――マジックアイテム『ユニコーンの角』】
【時にその存在を噂に聞く事もあるだろう。強力な治癒の力を秘めた角を持つ一角獣の名を冠した品物である】
【実際、手に触れれば不思議な力を――――魔力を帯びている品である事を感じ取れるだろう。それ相応の力を持っている様で】
【――――それを商っているオーガと言うのも、あるいは心当たりがある存在かもしれないが――――】
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/09(金) 22:19:12.76 ID:qcmC4fYgo
>>583


ええ、あちらの組織の方々とは大変仲良くさせていただいておりますデスヨー
最近お店の方が忙しくってなかなか顔を合わせることが出来ませんが、その活躍ぶりは
こうしていても聞こえて参りますので、心配はしておりませんデスヨー


【口ぶりからは、彼女自身はUTのメンバーではないらしい事が察せられるが、協力者か何かか】
【明確に怪しい相手に対して答える口ぶりにも、礼儀が込められている―――根っからの侍女と言える身のこなしだ】
【だが男の敵意を確信すればするほど、その両手の指を固く握りしめ、戦闘の体制を取っていた】

【やがて相手がリュックの中から空を飛ぶ生首を取り出した瞬間に、やや苦々しそうな顔を見せる】
【趣味が悪い、とでも言いたそうな顔になったが、すぐに凛と張り詰めた表情を取り戻して】


穏便に話をするのにどうして応援を呼ぶ必要があるのデスヨー?
大変失礼なのですが、すでにワタシに対してそんな穏便に済ませようとする意図が全く見えませんデスヨー!


【そう指摘した後、彼女はエプロンのポケットに右手を入れ、指の間に3つほど挟むようにして何かを取り出す】
【手のひらサイズの球状、緑色に輝くそのアイテム―――ピアスの男たちが彼の組織に関係する者だったらならば】
【……それが見紛いようのない『あの』アイテムだと一目で理解できるその形状】

【どういう訳かこの少女、『哲学者の卵』を複数所有している――――?】


一対一でよろしいではございませんかデスヨー
よって、その手の無粋な手段は少々封じさせていただきます!

――――Happy Birthday!!

『キョォォォォォ―――ン!!』『ギチッ!ギチッ!』


【その場から離れようとした空中の生首めがけて鋭くその卵を投擲した瞬間、ピアス男を通り過ぎたあたりでひび割れる音が聞こえる】
【空中でひび割れた卵からは、赤い縁取りをされた機械の鳥と深緑色の縁取りの機械クワガタが産声を上げ】
【そのまま鳥は生首の側頭部めがけて体当たり、クワガタ虫は左耳をその顎でギリギリと挟んでくるだろう!】
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/09(金) 22:20:01.30 ID:rn58ntRDO
>>579
【男は気配に気付いた】
――…誰だ…
【男は突然の来訪者に戸惑ったが、平静を装い静かに問いかけた】
【まだ幼い…が少なくとも 眼は――修羅場を潜ってきたような――をしている】
(しかし…こいつ…)
【男はこの少年が普通の子どもではないことを早くに気づいた】
【20代に見えなくもないその男は少年をじっと睨みつけた】
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/09(金) 22:21:33.76 ID:rn58ntRDO
/安価間違えました
>>584ですすみません
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/09(金) 22:42:07.36 ID:fuTUyP900
【夜の国―――うち捨てられた都市=z

【近年夜の国の発展・開発が目覚ましい事は周知の事実であるが、それに伴い利便性の無い地区は淘汰されていくものだ】
【この都市もそうだ―――以前は首都並の活気に満ちて様々な貿易が行われ、様々な人が行き来していた都市であったのだが】
【貿易都市カンバラ≠竍首都ルルーメン≠ネどそれぞれ特化≠オた都市が出来上がってきた事により自然と人は去って行った】
【今では廃墟のビル街………若者の肝試しですら訪れない文字通り死んだ街≠ナある―――。】

【以前はしっかりと舗装されていた道路も木々の根が侵食し、所狭しと並ぶ商業ビルの廃墟は窓ガラスが砕け散り内部は無残な有様だ】
【へしゃげた信号機のポールが頭を垂れてその街並みを見下ろしている―――そんな中、コッコッコと規則正しい靴音が響いてくる………】

さてさて………随分と時間がかかりましたがこれで大小合わせて歪み≠ヘ二十弱といった所ですか………あと少しでしょうかね。
幻影城の一件から自警団や財団も調子づいてきておりますし―――そろそろ死夜計画≠燻氓フフェイズに移行しましょうか。

しかし―――まさか彼女≠ェ斃れてしまうとは………思ってもみませんでしたよ、半魔≠フ細胞………手に入れておきたかったのですが
まぁあくまで保険≠ニしてですかね―――私は私なりの方法で対策を講じるとしましょう―――後は、革命家≠ェどう動くか、ですかね…フフ………さぁて新しいカード≠追加でもしましょうかね。

【ポツポツと独り言を呟きながら廃墟となった都市を携帯端末片手に歩く人物。】
【シャギーのかかった肩ほどまで伸びている金色の髪、眼は切れ長の糸目で縁のハーフフレームの眼鏡でそれを覆っているが】
【その奥には細長い瞳孔を持つ金色の蛇の瞳≠ェ潜んでいる、服装は細いダークグレーのスーツをきており高級そうな革靴を履いている】
【背は180m程でスラリと高く顔には柔和な笑みが浮かんでいるがどこか歪な雰囲気≠纏っている】

【廃墟に似つかわしくない小奇麗な格好………しかしそのうちに秘めた邪悪な、歪な狂気を垂れ流すように口元を三日月に歪めながら歩く】
【さて、この魔人≠ノ邂逅するのは迷い子か、それとも戦士か………それとも同じく狂気≠纏った怪物≠ゥ………】
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/08/09(金) 22:44:48.02 ID:0a6ca7ibo
>>589

――少なくとも、会話はできるみたいだ。よかった。

【少年は安心したように、ふぅと安堵の溜め息をつく】

オレはフォンチュン。UNITED TRIGGERっていう組織で働いてる。

お前の、名前は?なんでこんなところに?

【簡単な自己紹介をし、男へ質問を投げかける】
【男に何があったのかわからないし、とにかく事情を把握しなければ何をすべきか分からないからだ】

安心して。オレにできる事ならなんでもする。

【男の目をじっと見つめる。真摯な表情だ、しかし心を許すかはやはり男次第】
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 22:46:59.41 ID:qNmhyTxbo
>>588
それはそれは。あの組織は名前に違わず、顔が広いようですなあ
あたくしは、あそこのメンバーの一人にしかお目にかかったこたぁありやせんが、活躍はあたくしも聞いておりやすよ

【UTのメンバーではないことは察せられたが、とすれば彼女は何者か】
【あるいは、UTのメンバーと接触するよりも価値のある情報を得られる可能性もある。舌舐めずり。舌の外周を埋めるピアスが外気に触れる】
【この事態でも礼儀を崩さぬ、でありながら確かな戦闘態勢。皮算用ばかりをしてはいられない】


ひっひっひ、こりゃあ一本取られましたなあ
あたくしらの業界では、これでも穏便なほうだったんですがねえ

【ピアス男もベストに手を差し入れ、何かを取り出して右手に握り込む。指の間からはみ出る、鋭利な先端。どうやら、ガラス片らしい】
【と、鉛色の瞳が見開かれる。彼女が指に挟み込んでいる代物。自分たちのボスに以前見せられたことがあるもの】


……それをどこで手に入れなさったんです? いよいよもって、話を聞かせてもらわないとならなくなりましたなあ……

【ピアス男が右手を掲げる。が、彼女の動きのほうが早かった】
【空中で卵が孵化し、そこから現れる機械仕掛けの生物たち。予想を超える攻撃に、二人は不意を打たれた】


「ぬ、ぐおおおおおお!!」


ブレインデッド!! あんた、一対一とか言っといていきなり助っ人たあ、やってくれますなあぁ!!
こんの、離しやがれ!!!

【生首は機械の鳥の体当たりを受けて弾き飛ばされ、空中でふらついたがどうにか体勢を立て直す】
【しかし、続いてクワガタ虫に襲われて、低い苦悶の声を上げる。ピアス男が生首に駆け寄ると】
【右腕を振り上げる。すると、右手に握り込まれていたガラス片がピアス男の手に取り込まれた】
【次の瞬間にはピアス男の右腕は、肘から先が巨大なガラス片のブレードと化していた】

【ピアス男がガラス片の腕を振りおろし、クワガタ虫を切り落とそうとする。成功すれば、生首が再び空中に浮かびあがり】
【機械の鳥に襲いかかろうとするだろう。生首の首輪、そこから丸い鋼鉄の刃が飛び出す。これで体当たりを仕返すつもりらしい】


【突然の攻撃に先手を取られた二人。少女への攻撃には時間を割けず。隙を突くことも可能だろうか】
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/09(金) 23:06:33.23 ID:YaBFHzhh0
【夜の国】
【日の昇らぬ朝。明けない夜。――そう証するのが最も正しいとされる国】
【太陽の無い世界では、もう夜遅くも何も感じることは無い】

【そんな国の、一見の喫茶店の中で擦り切れたブラウンのコートを椅子に掛けた一人の少年がサイコロを廻していた】
【机に並べられたカードとサイコロ二つ、キャスケットかハンチングか判別しがたい帽子を被った少年は一人しかいないその場所で何が楽しいのかサイコロをコロコロと転がすだけだった】
【サスペンダーをした煤汚れたカッターシャツは、喫茶店の清楚な雰囲気を損ねていて周りからどこか孤立した雰囲気を醸していた】

……固まってるね

【やがて、それに飽きたのか少年は並べていた裏返しのカードをめくると呟いた】
【そして、並べていたカードを纏めてシャッフルを開始した】
【どうやらカードがきちんとばらけずにいたらしく、完全に混ざるように切りなおしたようだった】

……今度はどうかな

【そういうと、少年はまたカードを裏返しに並べてサイコロを弄りだした】
【その様子は、誰か待っているかのようだった】


【――また一方で水の国】
【夜の国とは反して、キチンと朝と昼と夜の訪れる国。眠らない国】
【豊かさの象徴であり、同時に動乱の始まりとも言われる場所】
【その駅前の公園で待ち人や休憩を行っている群集の中から一歩離れている場所にそれはいた】

【街灯を反射して、煌く白髪の神父服を来た人物だった】
【左側の額から右目付近に掛けて、一文字の刃傷がありその血が目に入り込んだかと思うほど爛々と輝く紅玉の瞳を持った】
【口元を包帯のような布で巻いて隠した中性的な人物だった】

さすがにこの格好も、いい加減暑苦しいですね
かと言って他にいいものは無いですし

【神父は、その低すぎず高すぎず。男にも女にも取れる神父服で一言呟くと、手にしていた天然水を口に含んで唇を潤した】
【そして、暑さで詰まっていたような息を溜め息と共に吐き出せば未だ目の前の駅から出て行く人々を見つめていた】

……さて、今日はどこで休もうか

【帰るべき場所へと、帰っていこうとする人々を見て微笑むと】
【彼はその一言だけを述べて空を見上げた】

【二つの存在は、今確かにそこに存在する】
【彼らが誰かと出会い、時を歩むのか。あるいはそのまま独りでいるのか】
【どちらなのかは、彼らにはまだわからない】
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/09(金) 23:09:05.47 ID:rn58ntRDO
…俺の…名前…名前は… (思いだせない…おれは…何だ…何者なんだ)
【男の脳裏には微かな記憶が蘇った。――少女…手に持っているのは…缶…ドロップの缶…――】
…俺の名前は…サクマだ…ここはどこだ?UNITED・TRRIGERてなんだ?
【男の疑問は次々と浮かぶ】
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/09(金) 23:12:07.24 ID:ik9qOO/Yo
>>591
/まだいらっしゃいますかー?
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/09(金) 23:12:45.04 ID:0TJf8bCN0
>>587

……私の側でも、そのための情報は捜してみるわ。
約束する事は出来ないけれど―――――……それが必要なら、躊躇う理由も理屈もないわね。

【……多数の “情報屋” との縁。想うのは、そうして得た情報から戦いに身を投じて来たこの日々。】
【やはり己が信条から確約はせずに、だが、“その上で望み得る理想の未来” からか、一定の協力を示唆して―――― 柊は、青年の案への言葉を結んだ】

【……そして帰って来るシャッテンの手渡す品は、彼女の想像を遥か越えたものだった。】
【なにか、得られると思っていた訳でもない。けれど心のどこかで願っていた “癒し” 、その力に、柊は双眸を見開かせて――――、】


…………本当に……ありがとう。
大切に使うわ―――――……絶対に、この力を無駄にはしない。
これで、もしもの事があっても、二度と、あんな無力には―――――。

【 輝きのままに震える声は、穏やかな歓喜に満ちていた。】 

【 人並み外れた生命力、修羅として砥ぎ上げた己が戦闘能力。】
【そこに “癒し” の力が加わったなら――――― これまで以上の頻度での戦いと、緊急時への十全の備えを望める。】
【その事が、そしてそれを彼が願ってくれた事が嬉しいのだろう】
【受け取れば、壊さぬ様にと繊細に、けれど包み込む様に大切に―――― 歓びの表情を指先に映すその掌は、両の手で白の秘宝を胸に抱いた】

【不穏な言葉を聞き留めるかは青年次第で。……きっと、彼女自身は気付かなかった。】

(……本当に、得難いものを得られたわね。……癒し、か。)
(もしかしたら、こんな支え合う関係こそが―――――。)

【 或いは、これも単なる “個” ならぬものの生む力なのかも知れない。 】
【壊し合うのでも奪い合うでもなく、互いの “意味” を高め合う絆――――】


……そういえば……この先、と言ったかしら?
今でもそこにいるのなら、一度会っておきたいわね……。
……ちょっとした知り合いを思い出したの。よければ、貴方も一緒に来ないかしら。

【「不思議な品を売っているオーガ」。彼女には、心当たりは一人だけで】
【口にするのは提案と希望。……彼も、未だそこにあるならば共に会おう、と。】
【どちらでも彼女には構わなかった。……けれど、遇えるなら会わぬ理由がなかった。】
【一度会って交渉に移れたのなら、彼らは、特に険悪な仲でもないのだろうし――――】
【……それに、一度味わってみたくなったのだ。ヒトと人とが憩う場の、“彼ら” の、ふたつとしてないその空間を。】
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/09(金) 23:14:35.74 ID:fuTUyP900
>>596
//イマスヨ―
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/09(金) 23:22:51.70 ID:qcmC4fYgo
>>593

【少女は洗練されたその身のこなしを絶やさない、両手でそのロングスカートをつまむと】
【真っ直ぐと背を伸ばしたまま綺麗な角度でピアスの男に向けてお辞儀を行う】


お初にお目にかかります、『財団W』グループ系列店、喫茶『フルメタルジャケット』にて
店長を務めております、ジャンクちゃんと申しますデスヨー

こちら我々が誇る、護身用アイテムシリーズ≪エッグロイド≫、No,1『ベニハヤブサ』にNo,5『フカミガタ』でございます
お値段一つ500ほどとなっておりますのでどうぞ、偵察、感知、機関員に投げつけるなどの用途でご利用くださいデスヨー!


【突如、投げつけたアイテムについて、店頭販売っぽく口調をセールストークに変えて説明を始める】
【このジャンクちゃんと名乗る侍女、極めて小柄な体躯ながらそうとう仕事のできる子らしい】
【機関の卵をあろうことか、護衛用のアイテムに改造しているらしく、彼女の背後にいる人間はそうとう面の皮の厚い人物のようだ】

【だがガラス片のブレードをあっさりと受けた『フカミガタ』はガキンッ!と金属音を鳴らして、切り落とされこそしなかったがそのまま地面に落ちる】
【その攻撃が成功すれば、生首の追撃も『ベニハヤブサ』に激突して地に落ちる……だが断ち切れない所を見るとそこそこの強度を持っているようだ】

【無論その間ジャンクちゃんは何もせず指を咥えて傍観しているつもりはないらしい、そのままピアスの男に飛びかかるように距離を詰め】


―――先手必殺!ど根性ォォォッ!!右ストレートォォォ――――ッ!!!


【鳥とクワガタに気を回している隙をついて、その勢いで右の拳を握りしめ横っ腹に叩き込んでくる!】
【見かけによらずその拳は鋼の様に堅く、威力の乗った一撃―――まともに食らえば痛いですまないかもしれない】
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/09(金) 23:27:23.06 ID:rn58ntRDO
>>595
また安価つけ忘れましたすみません!
>>592
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/08/09(金) 23:29:15.83 ID:0a6ca7ibo
>>595

サクマ。わかった。
UNITED TRIGGERっていうのは、悪い奴らをやっつけたり、困ってる人を助けたり――

【組織の説明を始めたところで、少年の口が硬直する】

――待って。「ここはどこだ」って言った?
ここは見てのとおり森だけど、訊きたいのはそれじゃないよね。
道に迷った風には見えないし……

【UNITED TRIGGERは、今ではそれなりに有名な組織だ。それを知らず、しかも男の様子そのものも正常とは言い難い】
【「まさか、記憶が混濁しているのか?」と、少年はそう考えた】

まさかとは思うけど、記憶喪失じゃあ、ないよな?

【しかし、確証がある訳ではない。念のために確認する】
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/09(金) 23:33:08.60 ID:c75MfwY60
>>597

……っ、あぁ……是非とも、お願いするよ……ぉ!
それが出来れば、機関の力を大きく殺ぐ事が出来るはずさ、ぁ……!
そうすれば……輝ける命が、死の嵐に巻き込まれる事も、遠ざける事が出来る……ッ!
――――助かるよ、柊……ありがとう……ッ!

【八攫から引き出せた協力の約束は、シャッテンにとっても意義深いものだった】
【『己の命を輝かせられる人間』を、無意味に死なせない事。それが今のシャッテンの全てと言って良い、絶対の行動方針】
【『UNITED TRIGGER』の力を引き出す事が出来れば、その願いも大きく進める事が出来る】
【偽らざる感謝の言葉が、シャッテンの口から紡がれた】

あぁ……是非とも、そうしておくれよ……ッ!
君が、君の道を往く、その助けになれば――――――――ッ?

【『ユニコーンの角』を手渡しながら、シャッテンは大きく、強く、頷いて見せる】
【命を輝かせている人間がいるなら、そこに対する助力を惜しむ理由は無い。八攫の進む道は、極まれば極まる程に、この世界を良くしてくれるはずで】
【それは同時に、シャッテンの望む事でもある。だからこそ、こうして希少なアイテムを譲渡する事も、躊躇なく行えるのだろう】
【だが――――八攫の言葉にシャッテンは、引っ掛かるものを感じていた】

――――何か、あったのかい、ぃ……?
無力だなんて……君らしくない言葉の様に思えるけど……ぉ?

【ほんのわずかな言葉尻。しかしシャッテンはそこに意識を取られずにはいられなかった】
【何かがあったのか――――漠然とした疑問を感じながら、シャッテンはそれを問う】

……あぁ、露店を開いていたね、ぇ……今もいるはずさ……ぁ
……僕は、構わないけど……?

【知り合いを思い出したと言う八攫に、首をかしげながらも頷いて見せるシャッテン】
【――――シャッテン自身は、その『オーガ』とは特別親しい間柄と言う訳でもないのだろう。それが知り合いだと言う言葉にしっくりこないらしく】
【ともあれ、八攫を案内するように、先導して歩を進め、公園から外へと出るだろう】



「……ふむ、今日は実入りが大きいな……あんな高価なモノが売れるとは……ついていると言うべきか……?」

【やがて、商店街の通りの隅に、テントを広げて明かりを灯している、その場所へと行きつくだろう】
【テントの入り口には、大きな人影が座り込んでいる】

【分厚い筋肉質の肉体を暗緑色の皮膚で覆い、赤茶けた髪をもっさりと生やしている】
【何かの獣の皮革を材料としたらしいと思しき頑丈な半ズボンに、両腰に巨大な短斧(柄の短い斧)をぶら下げた】
【素肌を晒している上半身の、その胸元に焼きごてらしきもので魔方陣の様なものを焼きいれている、身長220cm程の巨人】

【――――八攫の心当たりであろうその人、ヴォーダン=ドグラの姿があった】
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/09(金) 23:35:42.48 ID:0EpQhc8wo
>>591

―――よォ六罪王サマ。前を見ないで歩いてると足元を掬われるぜェ?
なァに、他意は無ェさ……ただ、この先で路面が陥没してるって教えたくてね

【そんな無粋で、実に雰囲気に似合わない――敢えて表現するなら“粗野”な声】
【かけられるのは上からで、ふと見あげれば砕けたビルの壁に一人の女が腰掛けている】

【目立つのは赤い髪に整った顔つき、そしてニヤニヤとしたいっそ下品なまでの笑み】
【服装は深紅のジャケットに白皮のホットパンツ、加えて焦げ茶のブーツであり】
【左耳の黒いイヤリング以外に目立つアクセサリーも無い彼女は、容姿も併せて娼婦のようだったが】

……で、何がお求めだって?『半魔の細胞』だなんて聞こえたが
生憎と私は半魔≠チてのを何人か知ってるもんでね、誰か分からないと提供も……っと。

まずは名乗りかァ?いや、六罪王サマが俺を覚えていてくれりゃ僥倖なんだがな
どうも最近は事後処理で事務作業ばっかりやってたから、表に出ることも少なくてさァ
嫌だよな、事務作業。栄えある機関員がやる仕事じゃねえよ……フフッ―――。

【その手には幾つかの小瓶があった。と言うより、正しくサンプル回収用の器具だろうか】
【上から見下ろす格好でそれを見せびらかしつつ、ふと思いついたように『私がわかるか?』と】
【見たところ逆五芒星も見当たらないが、機関員らしい彼女は問いかけた】

【―――対応は大事だ。彼女をただの馬鹿で短慮な女と取るのなら、それも良し】
【あるいは機関内の細かな噂を知っているならその判断は誤りだと思えるかもしれないし―――さて?】

/居らっしゃるならば突撃ー!PCに移行しましたが>>596の者です、よろしくお願い致します!
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/09(金) 23:54:10.84 ID:qNmhyTxbo
>>599
【戦闘の中において、磨き上げられた身のこなしと礼儀正しさを自然と見せてのける】
【人によっては、ふざけているようにも見て取れるかもしれない。しかし、ピアス男はそうは見なかった】


(この状況下でよくもまあ……よほど腕に自信がありなさるのか……こいつは思ったよりか面倒そうだ)

ご丁寧にどうもおぉ!! あたくしは卑しいゴミ漁りのスカーベッジ・トラーシュってもんです
カノッサ機関一般構成員のさらに下請け、下っ端の下っ端、盗賊団『スクラップズ』の首領代理でさ
こっちの生首は、あたくしの手下でブレインデッドと申しやす

護身用アイテムに『哲学者の卵』とは、ずいぶんとブラックな冗談ですなあ
失礼ながら、お宅の『財団W』ってとこはなかなかの曲者とお見受けしますぜ……

上に経費で落としてもらえたら、ぜひとも買ってみたいもんですな!!


【戦闘の最中、敵に対してセールストーク。ピアス男も名乗りと共に冗談交じりに叫び返すが】
【鉛色の瞳からは余裕は消え去っている。どうやら、分不相応な相手に手を出したか】

【しかし、彼女の言葉からくみ取れる情報はやはり価値あるものだ、と直感する】
【ならば、リスクを冒してでもこの有能極まる侍女に挑むだけの意味はある】

【『フカミガタ』と『ベニハヤブサ』を止めることには成功、しかしながら手ごたえは完全な破壊には失敗したことを伝えてくる】
【だが、今気にすべきは少女のほうだ。ピアス男が意識を切り替え、正面に向き直ったときには、すでに】


んなっ!!! ちっきしょ……がはっ――――!!!!!!!

【飛びかかってくる侍女服の少女、咄嗟に右腕のガラス片ブレードを盾に差し出す】
【直撃は避けたものの、ブレードは完全に砕け散り、元の男の右腕に戻る】
【勢いそのままに、ピアス男の体は商店街の地面を無様に転がる。意識は保っているようだが、右腕はだらりと垂れ下がっている】

ぐお……クソッタレ……

「ぐ、ぐぐ……」

【身体を引きずってピアス男が立ち上がろうとするが、すぐには体勢を整えきれない。強烈な右ストレートのダメージは大きい】
【それを見た生首が空中でうめきを上げる。その無機質な瞳に、不気味な光が灯る】
【すると、周囲の地面に落ちていた小石や小さなゴミが一斉に空中に浮かびあがった】

【ゴミや小石は周囲にゆっくりと浮かびながら広がっていく。ピアス男の盾となるかのように】
【浮翌遊物は攻撃を加えれば簡単に叩き落とせる。しかし、攻撃しようという意思を持たずにそれらに触れれば】
【空中に固定されたものに身体を引っかけたかのごとく、その身を裂かれることになるだろう】


「(ぬ……ぬ、ぬ……)」

【しかし、生首の狙いは別にあった。浮翌遊物の大半は、周囲の建物のガラス窓に向かっているのだ】
【少女が気付かぬままそれらが放置されれば、浮翌遊物は周囲のガラス窓を一斉に叩き割るだろう】
【目的は一つ。表通りで騒ぎを起こし、先ほど口にしていた応援にこの事態を知らせるためだ】

【このような手段に出ている時点で、すでに二人は劣勢に立たされている。少女なら二人にさらなる追撃を加えることも可能だろう】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 00:02:08.27 ID:yBazCWuDO
>>601
【男は自分が能力者であることすら覚えていない。】 【――千年前――男は能力を解放した。能力の名はJOKER――スピード、パワー、全てが驚異的に上がり並の能力者ならほぼ一撃で倒せるモンスターJOKERに変身する――それにより某国の人口の半分を虐殺した。その代償にそれまでの記憶を失い千年間の眠りに入った。】
【勿論UNITED・TRRIGERなる組織を知るはずもない】一体俺はいつからここにいるんだ?俺は誰なんだ? 【男は再び少年に問いただした】

606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/10(土) 00:03:38.76 ID:s289JASv0
>>603

―――これはこれはどうもご丁寧に………。

【かけられた声に眼を細めながら上を見上げて、そして指摘された通りに路面へと視線を落として陥没した路面を跨ぐ】
【そしてスーツの内ポケットへと端末を仕舞い込みながらもう一度頭上を見上げてにっこりと柔和な笑みを相手に向けて放つ】
【月光の反射する黄金の瞳は、全てを凍りつかせるかのごとく妖しく輝いている。】

フフ………そんな事は皆まで言わなくても分かるでしょう………?元カノッサ機関六罪王…リリア
彼女の持つ力≠ノ興味がありましてね―――少し研究をするために細胞が欲しかったんですよ………ベイゼ・べケンプフェン さん?

ハハハハ、機関に居て貴女を知らないモノはいないでしょう―――なんたって

           UTに捉えられて機関総出で救出作戦を行ったのですからね、フフ。

いやぁ私も最近は裏での工作ばかりでまるで表に出れていなかったのですよ―――ですから身体が鈍ってしまって…。

【柔和な笑みを崩さないまま相手の挑発的な口調に対して挑発的に返答する………だが相手を侮って、という訳ではないようだが】
【―――次の瞬間、男の身体を黒い靄のようなオーラが包み込み、一瞬姿が闇に包まれる―――そして黒い靄が晴れた瞬間―――、】
【男はベイゼの隣、つまり砕けたビルの外壁の立っており、今まで自分が立っていた地点を見下ろして笑っている。】

手前こそ目的は何だ………?あの女≠始末した次は俺を始末しに来たのか………?
それとも―――この俺に何か御用かな………?

まぁこっちもさっき言った通り随分と身体が鈍っててよ、だから………少し遊んで差し上げましょうか=H

【ベイゼの方へと顔を向けて、鋭い蛇の瞳≠ぎらつかせながら、先ほどとは真逆の、ベイゼと同じような粗暴な口調へと変化する】
【威圧の為か―――それとも仮面≠ェ無意味だと考えたのか………再び口調を丁寧にし全身から再び黒い靄を沸き立たせながら口元を大きく歪める】
【さて、男の問いに対して女性はどのような回答をするのか………事の次第によっては、大きな混沌が生じる………それほどの邂逅が齎された】

//お願いします!
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/10(土) 00:22:18.57 ID:VRZa9TFgo
>>606

へェ〜、リリアのねェ……なら偶然だ、今此処に奴の最終形態時のサンプルが在る。
私も伊達や酔狂でNo.3≠名乗ってるわけじゃあない、最後の戦場にもキチンと居たのさ

……まあ、確かにUTに捕らえられていたのは確かだがァ?
それ自体がかのリリアの謀略の一部で、どうも他の六罪王様は誰も見ぬいてくれなかったようだしィ?
いや別に、俺も『上司』を責めるようなつもりは無ェさ……事実≠述べたまでだ。

【不遜な態度――いや、違うか。この女、つまりベイゼには幾つかの逸話じみたものが在る】
【『外見・口調と乖離した内面性』や『人ではなく機関そのものに忠誠を誓っている』というそれだが】

【この態度はつまり、後者のそれだ。建前として服従してはいるが、無条件に尊崇するはずもない、と】
【こちらに向いた視線には鈍色の力強い双眸を返すが――しかしそれらを持ってしても】
【やはり、格の違いは存在する。突如として彼が隣に移動すれば、流石に半歩たじろいで】
【一瞬だけ、警戒するように黒い人型、彼女のマインドを発現させてしまい――が、尚もニヤリと笑えば】

ハッ……!いやだねぇ、権威と力だけでそーゆー態度になるタイプの男は……。
裏工作も結構だが……あんたらが動かないお陰で、こっちは大変だったんだぜ?

大体、実際にリリアを倒したのは六罪王でも俺も無い、ただの機関員であるカニバディール……
そして、デュアル兄弟や参謀のソーン、No.4……どっちかって言えば、俺は奴らのような行動力の在る奴らのが好きだ
そんな風に力を振りかざしたり、女を威圧したりしない分、特に……――――さて。

下らねェおしゃべりはともかくとして、だ。……なんだ、怒ってるんじゃねぇよなァ?
俺はアンタに話が在るのさ。なんでも聞く所によれば、以前は水の国支部を治めていた、とか
そこで良からぬ人体実験だのをしたなんて噂も有るが……本当なら、聞きたいことがあってよォ。

【マインドなどそもそも存在しなかった、というような素振りで、平然と彼女は話しを続ける】
【要件はあるし、それは随分と具体的。但し過程に問題有り――主導権はあくまで、レギンにある。】
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/08/10(土) 00:25:42.96 ID:kZs29m1mo
>>605

――そ、そんな事訊かれてもな……

【男の質問に、少年が答えられるはずもない】

本当に記憶喪失か……参ったな。

【顎に手を当て、うーむと考え込む。しばらくして、思いついたように顔を上げる】

そうだ。うちに来てよ、サクマ。
一晩くらいなら、泊められると思う。

【「うち」というのは、もちろんUNITED TRIGGERの事だ】
【「よし、オレについてきて」と言って、少年はどこかに向かって歩き始める】

【少年について行けば、UNITED TRIGGERの本拠地が見えてくるだろう。見た目は普通の事務所だ】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/10(土) 00:40:03.89 ID:vJtutIMNo
>>604

【小首を前にちょこんと倒して頷く動作を見せると、改めて両拳を握り前に向ける】


スカーベッジ・トラーシュ、スクラップズの首領代理……全部ゴミって意味じゃありませんでしたっけ
なにも、そこまで卑屈な名前を名乗らないでも……ああでもワタシもジャンクちゃんって名乗ってるのデスヨー
人の事言える立場じゃないのデスヨー

長年バイクと玩具と婦人服売って稼いだお金で作りましたからねこの財団
正義の味方を影から支えながら……昔も、今もやってる事は別に変ってないのデスヨー


【狙いは防がれた物の、右腕に大きなダメージを与える事に成功、もはやあの右腕は使えないだろう】
【そう確信した後すぐに発動するスカーベッジの能力に防御姿勢を即座に取りながら】
【一歩、後ろに下がって様子を見る体制のまま、冷静に飛んでくる飛来物に両手からジャブを放って対処する】


ウリャ―――!

む、ガラス窓を……?えらく派手な音を立てて割った……
狙いは今呼ぼうとしていた支援メンバーに危機を知らせるため、デスヨー
その人物、どうやら相当に頼りがいのある人物と考えてよさそうデスヨー

―――『ヘッドレス・クロス』ッ!!まずはこの二人の行動を縛るッ!


【そう叫びながら二人の間に砂鉄を磁石でくっつけて固めたような何かを二人めがけて投げつける】
【接触に成功したならば、その二人を覆うように砂鉄が広がり、鋼の縄状になって纏めて縛り上げてくるだろう】
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/10(土) 00:50:27.50 ID:MU2ql7Mq0
>>602

【ふっと笑って頷いたのは、彼女なりの照れ隠しなのだろう。きっと言葉よりは分かりやすい、“護る戦い” への共感だった】
【……彼が、本気で人々を護ろうとして見出した答えであり。彼女にも、間違いなく “最善” を望み得るひとつの道――――、】

(……そうだ。ただ、私が無限に強くありさえすれば良い――――)
(私たちの戦いには、確実に助けになるはずだもの。……必要な事は、“いつも通りに” 果たせばいいわね)

【そのための覚悟を改めて決めた。……本気で、その道を貫き征くのだと。】
【それは、確実に、彼の――――― シャッテンの覚悟と願いへの想いが大きくあって】


……っ……!?

……そう、か……未だ私も甘かったわ。
その話は少し長くなるから、歩きながらでも構わない?


【刹那 “無力”、その言葉への問いかけが双眸を暫し凍らせた。けれど、苦笑する様な声からもとの色合いを取り戻せば】
【シャッテンの歩みとともに、彼に伴う足音が続くのだろう。……先に延ばした返答を、透る声に乗せて。】


……もう、大分前の話になるわね。
最後に貴方と会ったよりは後で、創世戦団との決着より前―――――

ある夜に偶然訪れた森で、ひどい怪我をした友達を見たわ。
“怪我をした” というよりは、襲われている最中で、その相手を……私は、この手で討ち倒すことすら出来なかった。

……大事な絆を……また、私の弱さのせいで奪われかけたのよ。
偶然出逢えた人のお陰で、最悪の事態には到らなかったけれど……そうでなければ、何もかもが御終いだった。

…………だからもう、私は、どんな弱さを自分に許す訳にも行かない。

求めるものはただ力、護りきるための絶対の孤剣(つるぎ)―――――――
……二度と失わないために生きて死ぬって、その時、私はもう一度覚悟を決めた。

【――――― 幼い柊の命を救い、そのために逝ったという “彼女”。】
【その時とは形こそ違えど、己が無力ゆえに、かくも大切な存在を、今一度奪われかけたのだと】
【……二度も同じ絶望を味わったゆえに、二度とそれを生めぬのだと。紡ぎ、覚悟を言葉に代えた】
【足取りと同様に、あくまで声は自然なままで、】

……その娘の傷は治せたけれど、今はそのための “力” はないの。
……だから貴方のくれたユニコーンの角が、今の私には本当に嬉しい。
これで……“間に合わない” 事もずっと減るわ。

【“癒し” の力。戦闘特化型の異能を持つ彼女には、確実に大きな助けとなるのだろう、】
【軽やかな声が喜びを伝えた。やがてそう長くもかからぬうちに、彼らはかの「オーガ」の行商の場へと到るだろうか】


……こんばんは、ヴォーダン。

いつもの『雫』と、2人分のお守りと――――……それに、3、4人分のお茶はある?
淹れてくれる事まで求めるのは……少し不躾かもしれないけれど。

【普段の表情で、穏やかな声で。挨拶と、早速の商談を彼女は始めようとした】
【最後の数節の意味には、シャッテンが気付くのが早いだろうか。……この三人で茶会でも開きたかった、と、】
【紡ぐ表情はどこか悪戯っぽくて。心待ちにしていた証左には、十分すぎるくらいだったのだろう】

【――――守りたいものはそれぞれの日常。彼女の大好きな優しい日々が、彼女には、失えぬ命の輝きだった。】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/10(土) 00:51:08.73 ID:s289JASv0
>>607

そいつは僥倖………なんだ?わざわざそいつを届けに来てくれたって訳か………まぁんな訳はないよな。
こいつは耳が痛い―――確かにあの女の策略を見抜けずに好き勝手≠竄轤ケていたのはこちらの落ち度ですね…申し訳ありません。

それと―――冗談≠ナす………いやはや下らない真似をして申し訳ありません、どうにも本調子≠ナはなくて

【丁寧な口調と粗暴な口調―――両方がコロコロと変化する………まるで複数の人格が入れ替わるかのように不安定≠セ】
【最後は元の丁寧な口調に戻るとぺこりと相手へと頭を下げる―――どうやらやりあう気はなかったようだが………どこか様子がおかしい】
【全身から噴き出していた黒い靄もいつの間にか消滅していた………ふぅ、と男は一度眼鏡の位置を整えると柔和な笑みを浮かべる】
【ベイゼの続く言葉には肩を竦めてわざとらしく苦笑する。】

いやはや………最近はこの国につきっきりでしてどうにも他には手が回らなかったんですよ、面目ない。
確かにカニバディールさんのような有能な人材が増えればこちらもやりやすくなりますねぇ、あぁ、彼とは協力関係にありましてね。

フフ………それは過去の栄光ですが―――何かソレ≠ノ関係のある事柄で何か用でしょうか?

【丁寧な物腰で言葉を続けながら、ベイゼから来た意外な単語に少し面を喰らったような表情になるが直ぐに笑みを戻し一歩接近する】
【どうやら完全に敵意はないようだ―――逆に水の国支部℃梠繧持ちだしてきたベイゼに対し興味を持ったような視線を向ける。】
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 00:57:40.57 ID:yBazCWuDO
>>608
【男はしばらく考えた】 【が、考えたところで答えが出るわけでもない】
……そうだな
(何かが分かるかもしれない…)
【その時だった。男の内なる破壊の意志が話し掛けた】
(戦え…戦え…壊せ…殺せ!!)
【男は無意識のうちに少年に殴りかかっていた】
【まだJOKERの力を意識的に使えず変身はできない】【がそのパンチの威力はまともにヒットすれば相手は数m吹っ飛ばされるほどである】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/10(土) 01:08:30.97 ID:VRZa9TFgo
>>611

そうとも、まさかくれてやるわけもない。交渉材料に決まってる、だろ?
俺は、少なくともアンタは激昂こそすれ、普段は利のわかる人間だと思ってる

……あぁ、まあ、そんな感じでな。で、だからこそアンタを探して来たわけだ
どうも質問の答えはYES≠フようだし、単刀直入に行くぜ
普通に答えて協力するなら、直ぐにサンプルを渡して帰るからよォ……?

へェ……カニバディールの野郎、月彗やソーンとも知った仲らしいし
意外に顔が広いのか。まあそれはよしとして……こんな研究所に覚えはないか?

【相手の変貌、頭を下げるという行為、そして眼鏡を戻す動作――黒い靄の消失】
【すべてが異質ではあった。だが、異質というだけで怯えるベイゼではない】
【確かに内心狼狽したが――直ぐに立て直し、研究所についての話しを始めた】


  【曰く、その存在は中々に古く、10年以上前にまで遡るという】
  【水の国支部の権力下に在る無数の研究所の一つで、名は“APO研究所”】
  
  【APOとはApotheker――薬剤師を表す。つまり、薬物を用いた人体研究の場であり】
  【データベースを調べればわかるが、ベイゼは其処で幼少から成人辺りまでを過ごし】
  【また、能力を手に入れた存在で――既に研究所は敵≠フ襲来で壊滅してこそいるものの】

  【もしかしたら、そのバックアップデータが水の国支部に届けられていたかも知れず】
  【そして、そのデータの存在を知らないか、と。ベイゼが言うのは、つまりそういうことであり――】


――別に、今更過去に拘ろうってわけじゃあない。ただ、手がかりを無くしてな
そこの主任研究者で私の担当だったやつから託された、幾つかの錠剤をUTで盗られたんだ

それがないと死ぬってわけでもないが……何せ、時間が掛かり過ぎるとはいえ
たった1錠飲むだけで能力を発現させる様なモノを創りだした男の処方箋だ
バックアップデータがあれば、俺の頭に詰め込んだやり方で何かしら引き出せるんじゃないか、と思ってね

勿論、礼はするぜ?さっき言った通り、サンプルは渡す。新たに何か分かれば、その情報もくれてやる。
どうだい、六罪王サマ……?悪い話じゃないし、知らないなら元より無かった話……世話話し代として―――

【――最終的にサンプルは渡しても良い。そう、ベイゼ・べケンプフェンは言ってから口をつぐんだ】
【別に難しい話ではない。データが残っているのなら、それを調べるだけでいい】
【そして可能であるのなら、それを彼女に渡せば良い。存在しないなら、それはそれでレギンには得な事】

【―――――実際、仕掛けや落とし穴のようなものは何もない。語句も口調も整った、ごく理知的な交渉だった。】
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/08/10(土) 01:11:14.50 ID:kZs29m1mo
>>612

【数歩歩き出した時だった。少年は、不意打ちの可能性などこれっぽっちも考えていなかった】

――えっ

【気づいたときには、男の拳が少年の頬にめり込んでいた】
【受身を取る余裕もなく数m吹っ飛び、背中から木にたたきつけられる】

……え……?

【衝撃で口の中を切ったのか、口の端から血が垂れる】

何の、つもり……?

【よろよろと起き上がり、男を見つめる】
【少年からはまだ仕掛けない。記憶喪失のショックで不安定になっているだけだと思ったのだ】
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/10(土) 01:17:40.27 ID:QXKm1enO0
>>610

(……やはり、素晴らしい……柊、君の命の輝きは、僕が見てきた誰よりも……ッ!)

【自らの生きる道を見定め、その為に全力を尽くしている人間。そうした人間をシャッテンはなによりも尊重する】
【――――そうした人間が、その輝きを十全に発揮する事叶わず、その多くが埋もれていってしまっているのが、今の世界である】
【そんな世界を変える為に――――シャッテンの行う助力も、殺戮も――――かつての盟約に従い、今はなりを潜めているが――――全てはそこにある】

(……その鮮烈な輝き、僕なんかじゃ、到底敵わないな……)

【――――初めに顔を会わせ、刃を交えた事を思い出す。その後もう一度出会い、互いの信条を、心を、想いを確かめ合った事を思い出す】
【――――互いの生き方は、どうしても交じり合う事は出来ないだろうと、シャッテンはその時口にしていた】
【その想いが、今になってなお一層、強まった気がして】

……あぁ、僕は構わないよ……ぉ

【長くなる話――――根深い所で、何かがあるのだろう。それはシャッテンとしてもすぐに理解できて、口を挟まずに聞きに徹する】

――――――――なるほど、そんな事が……ね、ぇ…………
…………失う痛みは、そうそう慣れるものじゃない……それが、大切な絆だって言うのなら、それは尚更さ……ぁ

【八攫の話す内容をじっくりと己の内に受け止めて、シャッテンはゆっくりと頷いて見せる】
【互いに、喪失の痛みは良く分かっている。それを繰り返したくないと言うのも、道理だろう】
【――――かつて、大切な仲間や恩師、そして恋人を失ったシャッテンも、その痛みには共感する事が出来た】

――――そうだ……僕も、あの時のみんなの死を、繰り返させるなんて、もう二度とごめんさ……ぁ
サーシャも……僕の大切な人も、これ以上死に続けて欲しくは無い……この世界を、悲しみの天国にしたくは無い……ッ
……道を往く本人にとっては、辛い道行なのかもしれないけど……その痛みは、二度と繰り返させないために……だよね、ぇ?

【悲しみの天国――――シャッテンは、それを何としても食い止めたいと願っていた】
【悲劇が、無差別に様々なものを喰らい尽くして行く、そんな世界の有様――――それを跳ねのける為に、シャッテンは戦っている】
【それは、個人的な痛みから出発している。ひたすら己を高めるその道は、孤独で切り詰めた道だが――――だからこそ往くのだろうと、シャッテンは確認するように問う】

……本当なら、君自身の癒しの為に、と思ったんだけどね、ぇ……どう扱うかは、君に任せるよ、柊…………
どうあっても、君なら下らない事に使い潰しはしないだろう…………僕は、そう信じてるからね、ぇ……

【その癒しの力は、本来なら八攫自身にこそ使って欲しいとシャッテンは言う。だが、同時に八攫の求める目的の為なら、それは無駄ではないとも告げて】
【あるいは自分以外の誰かの為に、八攫が『ユニコーンの角』を使う事があっても、シャッテンは何も言わずに受け入れるのだろう】
【――――シャッテンがどれだけ八攫の事を、手放しで信用しているのか、その一端が垣間見えるかもしれない】



「む――――!? 八攫 柊……!
それに、そこに居るのはさっきの……何とも、驚いたものだな……」

【八攫に声を掛けられ、ヴォーダンも驚いた様子で顔を上げる。この3人での顔合わせと言うのは、ヴォーダンも予想していなかったのだろう】

「あぁ、『ザントマンの雫』なら、君の為に用意してあるぞ。だが、お守り…………うむぅ、少し待っていてくれるか?」

【並べられている中から、ヴォーダンはすぐに『ザントマンの雫』の小瓶を取り上げて、八攫に渡そうとするが、お守りと言われて少し首をかしげると、大きなリュックの中を覗きこみ始める】
【品そのものがないと言う訳ではないのだろう。だが、何を見せるべきか迷っている様だ】

「お茶か……丁度紅茶があるな。そっちの男は、さっき随分と高価な買い物をしてくれてな……アフターサービスとさせてもらおうか……!」
……なら、僕も頂こうかな……ぁ

【横に退けてあった紙箱と、紅茶道具の一式を持ち出すヴォーダンと、茶と言う意外な言葉に肩をすくめながらも、軽く笑んで見せるシャッテン】
【――――露店のテントはこの瞬間、3人の茶会の席となった】

/すみません、今日もちょっと眠気がやってきました……
/明日は大丈夫でしょうか……?
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/10(土) 01:23:14.92 ID:MU2ql7Mq0
>>615
/了解ですっ。連日遅くまでお付き合い頂けて、本当に感謝しきりです……!
/もしかしたら来られるのは10時くらいになるかもですが、明日も一応大丈夫そうです。
/それでは、また一旦お疲れ様でした。ありがとうございましたー!
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 01:24:44.10 ID:yBazCWuDO
【男は更に仕掛けようと間合いを詰める】

(殺せ!!こいつを殺せ!!)
【男の意識にはっきりと破壊の意志が呼び掛けた】
【男は叫び声をあげた。それはおおよそ人の声ではなく化物のあげた咆哮だった】
【その瞬間男の意識は遠のいた。そのまま男はがくりと倒れた】
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/10(土) 01:26:25.54 ID:QXKm1enO0
>>616
/了解です。何度も引き延ばしてしまって済まないです……
/では、明日もよろしくお願いしますー!
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/10(土) 01:29:41.50 ID:s289JASv0
>>613

フフ、それはそうですね―――いやはや、貴女はかなりやり手と聞いていますからね、それも機関で1、2を争う程に…。
ですから、件の半魔≠フように私の首も文字通りに狩られるのではないかと、少し緊張しておりまして………重ね重ね非礼を詫びます。

カニバディールさんは非常にしたたかな方ですからね………本来ならば上位ナンバーを与えられるべき存在ですが
自ら今の場所にいるとか………まぁ彼の事は貴女も良く知っていますか。

【少し汗ばんだような手でもう一度眼鏡のズレを整えてから相手の言葉に耳を傾け、考え込むように顎に手を当てる】
【それから端末を取り出して少し操作するが―――ある程度操作し終えると小さなため息と共に肩を竦めて相手を見る。】

確かに聞き覚えのある研究機関ですが………なにせ傘下には無数の研究所があったのでその一つの詳細な情報までは記憶していませんね
だが―――現在廃墟である旧水の国支部≠ノはまだマスターのデータがあるかもしれませんね………もしくは

私が現在預かっている研究機関GNOSIS工房=c……貴女から聞いた詳細を元にそちらで模倣品≠造らせても構いませんが………。
いかがしますか?もしマスターを探しに行くと言うなら、こちらに旧支部≠フIDカードも御座いますが………。
私が回収に行っても構わないのですが―――見られたくない℃魔ゥもしれませんしね、選択肢は与えましょう………どうします?

【いつの間にかレギンの右手には黒いIDカードが握られている、先ほどまでの対応と違って随分と手際が良く用意が良い事だ】
【さて、与えられた複数の選択肢の内どれを選ぶのもベイゼの自由だ、レギンにとってもどの方法を選ばれようが大した差はないだろう】

【ふとレギンの顔を見れば―――先ほどの獰猛な視線とは異なり、値定めするようにただ静かに黄金の瞳がベイゼを見据えていた。】
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/10(土) 01:43:29.48 ID:VRZa9TFgo
>>619

冗談。俺は自分が出来る奴だと自覚はしてるが、全部作られた才能でね
能力然り、戦闘然り、頭脳も然り。人間、時間をかければ秀才は作れるのさ
問題はそれに10年近くかかっちまうから、とてもじゃねえが実用不可能って事か

それと首狩りだなんて人聞きが悪いぜ?リリアの野郎は機関の敵だったんだ
少なくともアンタが俺たちの王様≠フうちは、嫌でも同僚扱いさ。

……おっ、アンタもそう思うか?何なら、今度あった時にでも上位ナンバーの件、言ってみるかな
今まではリリア関連の話が主だったから、あまりヤツのことは知らなくてね。

【世話話をしながらも、その目はレギンが操る端末の手元に向かう】
【やがて肩を竦めるジェスチャー――此処ではお手上げ、と言われれば】
【面倒そうにがしがしと赤毛を掻いて、次いで其処に現れたIDカードに視線を落とし】

そうだな……別に見られたくない、というわけでもないが……
……成長記録でも見つけられたら癪か。オーライ、自分で回収に行かせてもらうよ

データ自体はあるってことなら探すのはそう手間でも無いし
模倣品≠ヘ所詮コピーに過ぎない……オリジナルの構築式は、燃えた手書きのメモファイル以外だと
生憎俺の頭の中に打ち込まれたものだけでね。さほど、慎重な作業でも無し。

……だから、回収は俺がやって、復元も機関の本部で適当にやるとするさ
言うほど重要な物でもないってのは、言えば言うほど気になるしクドいだろうが、な――よし。

【言葉を切ると、ベイゼは手の内にあるサンプルを差し出し、同時にもう一方の手を伸ばして】
【相手が同じタイミングで受け取りを行えるように図りながら――IDカードを取ろうとする】
【ちなみにサンプルは近くで見ればわかるが、本物だ。龍の鱗と、筋繊維のようなものが見て取れた。】
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/08/10(土) 01:55:34.97 ID:kZs29m1mo
>>617

――ッ

【男はさらに間合いを詰めてくる。距離を離そうにも、背後は木が邪魔している】
【少年は立ち上がり、ファイティングポーズをとる。男からは殺気のようなものが感じられた、本気で相手しないとやられると思ったのだ】


【男は咆哮を上げる。恐怖から少年の全身に鳥肌が立つ】
【しかしここでひるむ訳にはいかない、少年は男を睨みつける】

(――?)

【そのまま男が襲ってくると思いきや、男はその場に倒れ伏した】
【きょとんとした表情で数回瞬きをし、警戒しながら男に近づいていく】

……おい、サクマ?おい?

【とんとんと肩を軽く叩き、声をかける】
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 02:03:12.39 ID:yBazCWuDO
>>621
【少年の呼び掛けに男はピクリとも反応しない】

(戦え!!こいつを殺せ!!)

(………)

【男は端からみていても分かるほど完全に気絶していた】


623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/10(土) 02:06:08.98 ID:s289JASv0
>>620

フフ………所詮この世は全て造られた<cmでしかないんですよ………それに造られた≠ニはいえ
その力は今は貴女のモノだ―――その事実は変わりませんよ。

―――無能で怠惰な王も制裁の対象になりそうですからね、これからは御眼鏡に敵うように尽力しましょう
とはいえ何分今の計画はデリケートでしてゆっくりと進めていますがね。

さてどうでしょう、彼は他人≠ゥら与えられた地位はあまり好まないようですし………まぁ打診だけしてみるのもいいかもしれません
私も彼や貴女にはもっと前に出て頂きたいですねぇ………今の機関には人材が不足している。

【IDとサンプルを交換しながら相手の世間話に返答し、柔和な笑みを作って元々の糸目をさらに細めて喉を鳴らす】
【この笑みの奥には先ほどのような激情が潜んでいるのか、それともこれは本心からの言葉なのか………それは窺い知ることが出来ないが】
【とにかく、最初にもつれはしたものの交渉自体は恙なく終了した。】

旧支部≠ヘこの前のとある一件≠ナ全体の破壊が進んでおり倒壊の危険もありますのでご注意を………
まぁ私が必要な物はほぼ回収済みですので跡形もなく消えても問題はありませんが―――ね。

データとは別に現在申請する事はありませんか?情報、兵器、兵、先ほどの事もありますし出来うる限りはご助力致しますが。
カニバディールさんにも先日爆薬を差し上げた所ですのでどうぞご遠慮なく。

【受け取ったサンプルを月光にかざして一度振った後に丁重にスーツのポケットへと仕舞い込みながら相手に問いかける】
【とある一件=c……というのはシェン・ロンドと交戦した件の事だろう………そのシェン・ロンドも現在では再び動き出していると聞くが…】
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [sage]:2013/08/10(土) 02:18:00.19 ID:kZs29m1mo
>>622

気絶、してるのかな?

【何をしても、男は襲い掛かるどころか目覚める様子すらもなかった】

でも、どうしようか……

【口の端に垂れた血を拭い、考え込む】

うちに連れてって暴れたら困るし、かといってこのまま放っておくわけにもいかないし……

【少し考えた後、このまま放っておいても仕方がないと思い、男を抱きかかえる】

町には連れてった方がいいよな。
よし……!

【男を抱え、おぼつかない足取りで森を後にする】




【男が目を覚ました時には、そこは森ではなく路地裏の入り口のあたりになっているだろう】
【少年が男をそこに運び込んだのだ、しかし少年はその近くにはもういないだろう】

/お疲れ様でした、ありがとうございました!
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/10(土) 02:20:08.29 ID:VRZa9TFgo
>>623

そう言ってもらえると嬉しいねェ……ま、精々上手く使ってみせるさ
俺の方も何かと用事が多いが、この力が必要なら何時でも呼んでくれ、ってな

フッ……流石に、居るだけの王なら何もしないさ。それで機関が動きを止めるならまだしも
暴君でも無いのなら、俺がどうこうするような領分でもないからな
カニバディールの件もあくまで話半分さ。そこまで真面目には……あァ、人材ね。

【確かに、と言葉を濁す。思うところは在るらしいが、それを言っても始まらない】
【あくまでもこれからの事を、と考えたベイゼは、ふと話題を変えてサンプルの事を話し始める】

【内容は――サンプルはリリアの『魔力を吸収して複製・回復・増幅する』性質を孕み=z
【仮に哲学者の卵などを近づけると吸収するため、取り扱いに気を付ける事=z
【加えて魔力を与えて復元を進めても遺伝子情報が破壊されている為、不完全体にしかならない=z

【――等など、幾つかの要件を伝えた。その程度は彼女個人で調べあげた、ということか】
【とすると自分一人で事を終わらせると言い切れるのも、まあ頷けようものだが】

(……シェン・ロンドと一時的にでも共闘した件は、下手に言わないほうがよさそうだな)

いや、今のところは特に欲しい情報なんかは無いね。戦争やるつもりもないし
だが……あぁそうだ、良ければコレ≠フ対になるようなの、くれよ
無理強いはしないぜ?アンタ、女性にアクセサリーのプレゼントとか慣れてなさそうだしな

【ニヤリ。意地の悪い笑みを浮かべながら、彼女はコレ=\―耳元の黒いイヤリングを指した】
【それは闇の魔力で拵えた品で、情報によれば戦闘時は大鎌に変形するとか】
【なんでも『罪神』に与えられたもの、とも言うが―――半分は冗談だ。聞き流しても、問題はない。】
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 02:22:31.47 ID:yBazCWuDO
>>624
/こちらこそありがとうございました!
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/10(土) 02:42:35.76 ID:s289JASv0
>>625

ではアテにさせていただくとしますよ………フフ。

まぁ機関が一枚岩ではないのは周知の事実ですからね………余計な派閥争いで戦力を分散するのも如何とも思いますが
私は中立的な立場の王≠ニしていたいものです―――旧時代の異物としてもね………。

【『魔翌力を吸収して複製・回復・増幅する』性質―――それはレギンにとっては非常に重要なモノであった………。】
【なぜならレギンもリリアと同様に、決定的な弱点が存在しているからだ―――このサンプルはそれを打開するカードになりえる】
【相手の説明を聞きながらそれを思案し………口の端をを少し吊り上げる。】

フ、そう見えますか?これでも女性の扱いはそれなりに得意な方なんですがね………貴女のようなタイプは苦手ですが。

【最後の言葉をぼそっと聞こえるか聞こえないかの声量で言うと、一度ベイゼの左耳のイヤリングを眺めて頷く】

承知しました、それでは後日最新技術で造りだした白いイヤリング≠お送りします………フフ。
そうですね………高周波により周囲数十mの物音を拾い、戦闘時には白い小型の鎖鎌≠転送できるようにしましょうか
鎖鎌の刃には、フォトン粒子を纏わせ切れ味と熱を付加するとしましょう―――ふむ、そんな感じでよろしいでしょうか………?

【黒いイヤリングを眺めながらつらつらと端末を操作し瞬く間にその対≠ニなるイヤリングの設計を開始する】
【流石は研究部門の一翼を担う者という訳か、その手際の良さは中々のモノだ、コンセプトとなる対≠燒桙スしているといえる】
【もし気に喰わないのであれば今の内に訂正を要求しないと凄まじい速度で完成させてしまうかもしれない。】
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/10(土) 02:57:11.13 ID:VRZa9TFgo
>>627

女性の扱いがお得意なら、是非UTの連中を一人か二人誑かして欲しいもんだな
意外に女も多いし……いや、一癖も二癖も在る連中揃いだが
少なくとも俺と話すよりは男女の意味で建設的だと思うぜ?なんてな

【相手の最後の呟きもしっかり拾って、両手を腰に当て、右目を瞑り】
【そして左目だけで彼を見遣りながら口元は笑み――確実に茶化していたのだが】

【それも、レギンが凄まじい速さでイヤリングのコンセプトを形にしていくと唖然としたものになり】
【気付けば白いイヤリングとその力について考え始めている自分がいて】
【腰に当てた手の一方を黒いイヤリングに伸ばしながら――考えが纏まったか、口を開き】

……しかし、よくまあそうつらつらとアイデアが湧いてくるねェ
そういうところだけ見てると、研究一筋の人間に思えてくるぜ

っと、異論は無いさ。前から大鎌とマインドばかりじゃ大振りすぎる、とは思ってたんだ
鎖鎌となると扱いは難しそうだが、何かと便利そうじゃねェか
何より周囲の物音を拾えるってのは何時でも役立つ……それで頼むぜ、御大将。

【こくりと一度頷いて、これまた茶化した様な言い回しで相手を褒めた】
【どうにも素直ではないが、それが彼女なのか。口調や外見と、何から何まで無茶な女だった。】
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/10(土) 03:15:01.32 ID:s289JASv0
>>628

ハハハ、セリーナさんには一度どてっぱらと急所に穴を開けられかけたので遠慮したいですねぇ………。
むしろ貴女が一番彼ら≠フ事は理解し誑かしているのではないですか………拘束中に何も絡まなかった訳ではないでしょう。

研究はあくまで趣味≠フ色が濃いですかね、他人の求めるニーズに答えて設計するのは中々面白いモノですよ?
あぁ………名前≠ヘ貴女にお任せしますよ………そちらの方が愛着も沸くでしょうしね。

さて、それではまだ用事≠フ途中でしたので………用事も終わったようですしこれにて失礼させて頂きますよ。

【相手の冗談に対して肩を竦めてこちらも冗談っぽく返し、柔和に笑ってから外壁から眼下の路面へと飛び降りる―――。】
【すたりと音もなく着地すると………服や眼鏡を正しながら一度ベイゼの方へと黄金の蛇の視線を向ける。】

その竹を割ったような性格………俺は嫌いではないが………その筋を通しすぎるのを利用されないように気をつけるんだな
いくらお前に力と機転があっても………抗えない渦≠ニいうものは存在するんだからな………クク。

それでは―――明日には品物が届くようにしておきます………また会える日を楽しみにしております。

【最後に………最初に見せた粗暴な言動とも、今までの礼儀正しい言動とも違う雰囲気を漂わせてそうひっそりと告げると】
【再び柔和な笑みを浮かべて会釈するとそのまま路面を歩いて闇へと溶け込んでいく………止めなければそのまま気配は遠のいて行くだろう】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/10(土) 03:29:21.20 ID:VRZa9TFgo
>>629

さて、ね。忠告はありがたいがよォ、俺を利用できる奴を探してから言うんだな
確かに俺は筋は通す。が、通すべき相手とそうでない奴くらいは見抜けるぜ
……大体、俺だって誇り高き世界悪の機関員なんだってのを忘れて――って

ふん……あばよ六罪王さん、プレゼントを心待ちにして寝るとするさ。

【言いたいことは山々、しかし一方でコレ以上一緒に居たくないというのも大きい】
【生理的嫌悪感とでも言おうか――普段全く感じないそれを、相手に感じ取ったのだ】

【そして幸いにも彼は元の用事へと戻っていく。ならば、声をかけなければ良い】
【―――数分もすると、ゴーストタウンには虫や鳥の声も聞こえなくなり】
【ベイゼはビルから飛び降りて、レギンが向かったのとは反対へ歩き出し】

誑かす、ね……むしろ情に絆された、とは口が裂けても言えねェわな
だがそうだ、俺は機関員だ。リリアに関しちゃ、いくらか手を貸すこともあったが……

……、…そういえばアイツ、アクセサリーに名前とか言ってたな
自分の靴一足から車に至るまで名付けたがるタイプか?いや、それともそれって普通なのか?
イマイチその辺、知らねえからな……あー面倒くせェ、考えんの止めて帰って寝るかァ―――。

【聞こえはしないだろうと思いながら愚痴だのボヤキだのを漏らしつつ、街を去る】
【耳のイヤリングに込められた本部への転送魔術を最後に―――その姿は完全に消え去った。】

/深夜まで、濃厚で素敵な絡みをありがとうございました!お疲れ様でしたー!
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) :2013/08/10(土) 03:32:48.78 ID:s289JASv0
>>630
//お疲れ様でした!
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/10(土) 17:24:49.86 ID:6ks9PYcco
【夜の国――墓地】

――……

【逆十字を立てた黒石の墓標、其処に黒い霞が集まり出して人の形を成す】
【モーニングドレスを纏った黒ずくめな女の亡霊、唇には黒のルージュを】
【ワンレングスボブの黒髪にはハットを目深に被っており、目許が窺えない】

……皆、死んでしまえば、どんなにか良いのにね?
ふふ、ふふふ、ふふふふ――、……

【俯いた亡霊は深くハットを被り直して、目を拭うような動作があった】
【夕日が落ちかけた薄暗い墓地は、微かに震える吐息の音以外は静寂であって】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 19:41:35.14 ID:yBazCWuDO
【人気のない路地裏――】
【男は目が覚めた】

――…どこだここは…

――…確か…俺は…

【男は必死に記憶の糸を手繰り寄せたがおぼろげながらにしか思いだせない】
(――確か…俺は森の奥にいたはずだ…なのに…なぜ…)
(…そういえば…UNITED・TRRIGER―そこに行けば何かが分かるかもしれない…) 【男は右も左も分からないこの街を歩き始めた】
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/10(土) 20:30:13.98 ID:6ks9PYcco
>>633

……おい、あんた大丈夫か?

【相手のどこか迷っているような姿が目に付いたのだろう】
【路地の奥から姿を見せたのは、よれた黒服姿の若い男だった】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

こんな道、うろうろしてるとどんな奴が襲ってくるか分からないぞ……
って、まさかそんな事も知らないで歩いてる訳じゃない……よな

【――その右頬には「牛の生首が乗った皿」の刺青がある】
【この男自身、見た目としては十分過ぎる程度に不穏であるのだが】

/いらっしゃいますでしょーかっ
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 21:17:10.87 ID:yBazCWuDO
>>634
…ああ
【男はいきなり現れた同世代ほどの男に不審がりつつも答えた】
【男は古ぼけたコートを着ていた…装飾品は何も身につけておらず、それがまた異様な――人間ではないようなオーラを放っていた】
――…なあお前名前は?
【低いがしっかりとした声で尋ねた】


636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/10(土) 21:36:41.54 ID:6ks9PYcco
>>635

……あ? 名前って……俺のか?
いや……まあ、そうだよな。 俺も得体が知れないって事か

【名前を問われ戸惑ったように頭を掻くと、男は改めて相手の格好に目をやるが】
【何故か、余り不思議には思わなかったようで、すぐについと視線を逸らした】

俺は名乗る程のアレでもないが……
そうだな、しいて言うなら……お節介なおっさんさ

……あんたは?
いや、何か気になっただけなんだがな……
自殺志願者だったら困るし、ないとは思うが迷子なら……

迷子なら……自警団は無理だが、別の自治組織までの道は知ってる

【答えるにも、答える程の名でも無い】
【現状を表すにもそれ以外にない。 逆に相手の素性を訊ねた】

【――およそ親切など似合わない顔の刺青、生気のない肌】
【纏う気配は、どこか相手とも似通っているかも知れない】
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/10(土) 21:39:54.20 ID:QcToXDrvo
【街の外れ――酒場前】

【彼が居るのはとある街のダウンタウンから外れた、とある酒場】
【メインの通りから外れて、品も治安もワンランクぐらい下がっているような場所】

【酒の飲める場所なんてこの街にも幾つもあるわけだが全て同じってわけもなく】
【自分にあったお気に入りの店ってのはなかなか無い】
【ただ、この街で店を構えて長くやっていくのは中々に難しい】

…店内改装中…暫く休みます…っつーかドアどころか壁もねーじゃん

【ロケット弾でも撃ち込まれたかのように破壊されている店】
【傾いた看板の上にペンキで投げやりな一言が書かれていた】
【くわえタバコの男は片手で頭をかきながら、それを読んでいた】

【男はクラシックタイプのバイクに跨ったまま、ハンドルの上に突っ伏していた】
【エンジンが気管支を患ったような不規則ない息継ぎでアイドリングしている】
【見てくれのサビつき具合やその漂う雰囲気からアンティークというより古いだけという感じがある】

久しぶりに来てみれば……なんだよ、酒を薄めすぎたか
それとも、シャバ代ケチったか…まあ、全部かな

【サングラス、カッターシャツ、聖母マリアのシルバーアクセサリを首からさげて】
【10ホールの黒いブーツ、ダブルのレザージャケット、ファスナーはフルオープンで】
【必要以上に痩せて、必要以上に長身の男は気怠そうに髪を掻き上げた】

この辺りに…何か良さそうなのあったっけなあ

【バイクに跨ったまま、どうしようかと考える】
【スロットルを捻るとしゃがれた音のエンジンをふかした】


/リサイクルですが宜しければ
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/10(土) 21:44:33.18 ID:qiLRg/c70
>>594で再投下します
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 22:04:46.12 ID:yBazCWuDO
…俺には…記憶がないんだ…
【男はゆっくりと口を開いた】

…気付いたら森の奥にいたんだ…そしたら子どもに出会ったんだ…名前は…確か…フォンチュンとかいったな…

【男はポツリポツリと語りだした】

そいつと一緒にUNITTED・TRRIGERとかいう組織に向かっていたんだ…そしたらいつのまにかここにいたんだ…

…なあ、そのあんたの言ってる組織はどこなんだ?そしてここはどこなんだ?

【男は自分と似通った雰囲気を持った男に気を許しかけていた】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage]:2013/08/10(土) 22:16:51.42 ID:RGsGDUJzo
>>637
//まだ大丈夫でしょうか?
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/10(土) 22:17:51.53 ID:6ks9PYcco
>>639

……記憶が?
そうか……夢遊病とか、そんな簡単な話じゃなさそうだ

【相手の素性を、男は顔に似合ない真摯な表情で聞いていた】
【偏見などを持たない性格であるのか、相手の異様な気配にも言及せずに】

【だが、UNITTED TRRIGERの名を聞くと少しだけ、表情が苦いものに変わる】

UT、か……いや、実は俺が言った自治組織ってのが其処なんだ
前に一時期所属していてな……いろいろあって、今は抜けたんだが

昔の話だしもうツテもないが、店までの案内位ならしてやれる
……どうする?

【行き辛いような顔をしてはいたが、場所を教える位なら出来ると男は言う】
【灰色の目は依然鋭いものの、それは元からの造形らしく相手を疑う風ではない】
【その奥に似つかわしくない気づかわしげな色さえあるのが、どこか滑稽だった】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/10(土) 22:24:33.78 ID:QcToXDrvo
>>640
/大丈夫ですよ!
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage]:2013/08/10(土) 22:28:01.90 ID:RGsGDUJzo
>>639

【――負傷もほとんど回復し、リハビリを兼ねた夜の散歩】
【特に目的も無く歩いていれば、人間は音の方へと自然と反応する傾向があるらしい】
【街の外れで響く大きなエンジン音は、どちらかといわれれば不快な存在】
【だけれど目的をもたない青年には、なにとなく惹かれるものがあって、わけも分からずその方向へと歩いてしまう】

【エンジンの音に導かれて歩くと、なにかの廃墟へとたどり着いた】
【かつては何らかの建物が此処にあった様子だが、今は瓦礫の山しか残されていない】
【その瓦礫の山の前にはひとつの人影があって、どうやらその瓦礫の山を眺めている様子であった】

【おそらく、廃墟になる以前の建物に関係のあった人物なのだろう】
【瓦礫の山を眺める理由はそれくらいしか、考えられない】
【そんな姿には、不思議と興味が沸く】

【長身の男性の方へと、視線を向ける。 よほど特別な事情が無い限り、青年が近づいていることには事前に気がつけるだろう】
【身長に差があるため、見上げるような形になってしまう】
「ねえ……一体、何があったんだい?」

【黒いベストに黒いズボンを身に着け、全体的にフォーマルな格好に仕上がっている。】
【が、靴は他の衣服に似合わない有名スポーツブランドのスニーカーであり、足下だけ浮いた印象がある】
【少々小柄なぐらいの体格だが、長身の男と比べられればいつも以上に小さくみえ、白い肌と合わさって周囲には脆弱な印象を与えるだろう】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage]:2013/08/10(土) 22:53:36.92 ID:RGsGDUJzo
>>643
//ああ、安価が間違っていました……
//正しくは>>637です
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage]:2013/08/10(土) 22:54:51.29 ID:RGsGDUJzo
//というかすみません、急な用事がががががが
//申し訳ありませんが、やはりキャンセルさせて下さいごめんなさい
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/10(土) 22:58:03.61 ID:QcToXDrvo
>>645
/わかりました。お気になさらずにー


>>637は引き続き募集中です
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/10(土) 23:05:05.31 ID:3ZFYvRJB0
>>615

…………慣れたくは……ないわね。
どんな人でも、犠牲なんて―――――

【自分以外が傷つくこと。……それを避けたいと願った心。】
【“その痛み” を感じる事も、或いは彼女であり、彼なのかも知れない】
【人でいることは、時に苦しみを伴うのかも知れなかったが―――― それで良いと】

(……本当なら、貴方にも――――)
(…………、……。)


…………ええ、その通りね。
私たちが戦い続けて、望む未来を勝ち取るしかない――――
教えてくれた大切なことを……無駄にする訳には行かないもの。

【―――― “犠牲” をもう生まない事。もう変えられない過去の出来事を、明日への礎として自らの内に留め置くこと。】
【それが彼らの “誓い” の共通項なのだろう―――― 護りたいものに違いはあれど、失えぬそれら想いに嘘はなく】
【彼女には代われぬ彼の戦い―――― 物思いの様に目を瞑り、向けかけた言葉をそっと呑み込んだ】

【慮るはずのその言葉。彼の齎した品に話題が移れば、また自然な調子で口を開いて】

……肝に銘じておくわ。“必要なときに”、必要な様に使う様に……ね?

【頷く固い言葉/けれど柔らかな調子に本心を込めて、彼の信頼への返答とした。】
【それで十分だと少女は思ったから。……その言葉が嬉しかったのも、きっとある程度以上にあるのだが。】

【やがて到着したテント。品のひとつは、店主たる彼に悩みどころを齎した様で――――察すれば、】


……出来れば、命を護ってくれる様なものがいい。
それに、ふたつ違うデザインで―――― 持ち歩いて邪魔にならない様なものが嬉しいわね。


【真剣に考え込む彼を好ましく思ったのか、簡潔に要望を口にした】
【デザインについて口にしたのは、ほんの付加要素程度の考えか。好いに越した事はないのだろうが、外形の大小をより重視したい様子だった】
【彼が品を勧めるなら受け取るなり、“茶会” の間は持っておいてもらうなりして】


……それじゃ私もお邪魔して―――
……コートのままで構わない? 多分……溢しはしないでしょうから。

【少女は卓につくのだろう。ふっと、この光景に物珍しさを憶えながら。】


……そういえば、どんな風にしてあの角は手に入れたの?
かなり珍しい品だと思うのだけど―――――、

【彼らふたりの交わす会話を傍らで、どこか穏やかに眺めてみたり。或いはこんな風に話題を投げて、小さな変化を生じさせてみたり。】
【何れきっと少女らしい表情で――――― このどこかおかしな歓談を、心ゆくまで楽しむのだった】
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 23:16:05.77 ID:yBazCWuDO
>>641
……そうか…それなら頼む
(そこに行けば…)

【男はUTという組織に期待を寄せていた】

【その時だった。内なる破壊の意志が再び男に話し掛けた】

(戦え…戦え…)

(またか…またか?なぜ俺はこの事をしっている?)
【男の全身から汗が吹き出た。】

(静まれ…静まれ…)

――静まれ!!

【男はどうにかこの意識を抑え込んだその表情は人のものではなかった】

―…案内を頼む…

【男は再び案内を頼んだ】
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/10(土) 23:22:14.11 ID:QXKm1enO0
>>647

……慣れる頃には、心は正常ではいられないだろうね、ぇ……
(……君は、そうだったね……「どんな人でも」、か……)

【耐え難い痛みを耐える事の出来る心――――それは既に、平常無事な形を留めてはいないのだろう】
【それを耐える事の出来る人間など、既に心を歪めてしまっているに違いない】
【――――痛みで歪んでしまった様なシャッテンだが、その事は良く分かっていた。心は、良くも悪くも変形していくもの。時に、あってはならない形になる事もある】

……そうだね、ぇ……みんなの死は……同時に、かけがえの無い物を……往くべき道を、しるしてくれたんだ……ぁ
……それを無駄にする事だけは、あっちゃいけない……そうだよね……ぇ

【シャッテンにしても、あるいは八攫もそうなのかもしれないが、自らの往く道をハッキリと見定めたのは、大切な人間の死である】
【それは、もう二度と繰り返したくない事であると同時に、決して忘れてはならない事でもあった】
【その意志を、その意義を、忘れさえしなければ――――彼らの命が無駄になる事は、無いのだろうから】



「……うむ、なら……この辺りだろうか……?
……君にお勧めできるとすれば、この『魂の絆』と『ブロッケンの霧』のどちらかだと思う……
『魂の絆』の方は、ペアになっているアイテムで……2人の人間が指にはめれば、互いの力の波長を合わせる事が出来ると言う……不完全ながらも、相手の能力を使えると言えば分かりやすいか……?
『ブロッケンの霧』の方は、1つでも効果がある……一定周期で魔力を蓄え、その魔力で姿をくらます霧を、自分の周りに張る事が出来る……
君の役に立つだろうモノとしては、このどちらかだと思うが……
……『魂の絆』の方は、それなりに高価だ……容易に生み出せるマジックアイテムと言う訳ではないからな……『ブロッケンの霧』の方は、そこまででもないが……」

【ヴォーダンは、首をひねりながらも2つの――――対となっている指輪と腕輪を、リュックの中から取りだした】
【指輪の方は『魂の絆』と言い、2人の人間がはめれば、互いに相手の技能を、不完全ながらも使いこなす事が出来る様になると言う】
【ペアとなっている相手の能力を、ワンランク落としつつも自ら使用できるようになる、と言うのが分かりやすい説明だろうか】
【一方の腕輪の方は『ブロッケンの霧』と言い、魔力の霧で煙幕を張る事によって、幻影を見せたり敵の目を眩ましたりする事で、身を守る事が出来ると言う】
【一度使うと、蓄えられた魔力が空になる為、連続使用は出来ないが、それ自体が魔力をチャージする力を持っているらしく、緊急時に使うには、十分に役を成すだろう】

「あぁ、構いはしない……そっちのお客さんも、遠慮せずに座ってくれ……」
……なら、失礼するよ……ぉ

【卓につく八攫に首肯を返して、シャッテンにも席につくよう促すヴォーダン】
【その間にも、ヴォーダンは紅茶を入れる準備を整え――――湯を沸かし、カップを整え、茶葉を選び出し――――程なく、紅茶が3人分、用意される】

「む……? あぁ、『魔海』の中で、他の種族や部族などとのコネクションを用いてな……人間界の品物の一部は、『魔海』の中でも相応に良い値がつく……そこから商いをする訳だ
場合によっては、マジックアイテムの一部は、ドワーフ辺りに依頼して、製作してもらう事もあるがな……
……自力で調達する、と言うのはそれほど多くは無い。皆無とは言わんがな……
……『ユニコーンの角』は、割合貴重品だが、泉の近くで手に入る事が多いのだ。そういう時は、生え換わりか何らかの事情で折れたかだな……」
……知らない世界の話だけど、随分興味深いね……ぇ

【砂糖と、ちょっとした茶菓子と言う事なのか、市販の菓子を机に添えて、ヴォーダンも席につく】
【そのまま、八攫の質問に答えるヴォーダンの話を、シャッテンも興味深げに耳を傾けていた】
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/10(土) 23:35:37.00 ID:6ks9PYcco
>>648

ああ、此処からそう遠くは――……?

【案内しようとしてふと見ると、相手の雰囲気が変わっていた】
【怪訝な表情で見ていた男だったが、】
【叫ぶ声には流石に驚いたか肩が跳ねて、相手と反対に冷や汗を浮かべる】

……お前、本当に大丈夫か……?

一応……俺の、元の仲間のいる場所に案内する訳だ
お前を疑うって訳じゃないんだが……一つだけ、答えて欲しい
もう……嫌なんだ、俺の所為で、セリーナに迷惑を掛けるのが

【静かに語り掛ける口調、見据える視線は、淡々とした言葉以上に痛切だった】
【何か、過去に起因するものがあっての言葉だろうか。】
【抜けたという今でも、組織への思いが変わっていないのは確かであった】

……別に、全うな人間かどうかって話じゃない
俺が言えた話じゃないからな……見ての通り

だが、これだけは知りたい……知っておかなければ、連れていけない

――UTに行って、お前は何がしたいんだ?

【鋭い視線が相手を見据える】
【敵意とも違う、もっと深い何かが其処にある】
【信じたい、裏切りたくない、そんな叫びが――声無く、色濃く】
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/10(土) 23:56:06.96 ID:yBazCWuDO
>>650
【男は鼻で息ができるまで呼吸を整えると落ち着いて話し始めた】
……さっき言った通り俺には記憶が…ないんだ…自分の名前さえ…だからじゃないが…そこに行けばなにかを思い出せるかもしれないんだ…

【男の表情はもう化物じみたものではなく、記憶を取り戻すための決意と信念に満ちていた】

……俺のことは…サクマとでも呼んでくれ…
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/11(日) 00:15:18.19 ID:BTNv6eqzo
>>651

【――数秒の間、男は相手の目を見据えていたが】
【やがて納得したように一つ頷き、鋭く向けていた視線を外す】

……分かった。 俺は、お前を信じる
お前のその“目”をな……信じるぜ

【安堵したように、固く結ばれていた口元をふっと緩め】

サクマ、だな。
俺は……俺の名は、悦那だ

【問われて一度答えるのを拒否した名前を、今度こそ口にし】
【「ついて来てくれ」と声を掛け歩き出す――言った通り、そう遠くも無く】

【事務所の前の通りまで出れば、悦那は其処で足を止める】

ほら、見えるだろ? UTの事務所は、あの建物だ
入ると飲み屋に似ていて驚くだろうが……まあ、気構えて入るような雰囲気じゃない
リーダーのセリーナに会えるかは運次第だが、根気強く通えば他の仲間にも会えるだろうさ

それで……悪いが、俺はさっき言った通りで店まではいけない
……俺の代わりに、宜しく言っておいてくれ

【先の通り、後ろめたいことがあって事務所には入れない、という事らしい】
【用を終えれば悦那は「頑張れよ」、と一言残し、可能ならサクマの肩をポンと叩いて】
【そのまま、再び路地の奥へと去っていき――その後には、煙草の香に混じる微かな死の香りがあった】

/この辺り、でしょうか!
/ロール内で延べた通り、関係者ではないので入団案内までは出来ず申し訳ない
/舞台裏でUT関係の方に声を掛けてみると良いかと、それではお疲れ様でしたー!
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/11(日) 00:21:43.15 ID:18RCaw6N0
>>649

【青年の言葉は静かに聞こえた。それは、かれの迷いのなさの顕れの様でもあって】
【“戦い” を生きる彼らの答え―――― “生きた” その先にある世界こそを、それぞれの未来だと少女は願うのだろう】
【……二律背反の未来。けれど、この夜は優しく包んでいた。】
【場面は変わって三人と天幕、】

【ヴォーダンの説明は真剣な面持ちで聞き届けた。少女は、少なからず本気の様だったが】
【少し考え込む様子を見せて――――結論、】

『ブロッケンの霧』 をひとつ――――と、鉱石の様なものがあればそれも。
ザントマンの雫と一緒なら……幾ら? お茶代もなら払うけれど。

【額の多寡に関わらず少女は支払いを済ませただろう。……それが終われば、“お楽しみ” だった。】

……ふぅん……人間の交易と、そこまで大きくは変わらないのね。
どちらかといえば直接手に入れるイメージが強かったのだけど、何事も適任はある、か……。

それに何となく安心したわ。……生きたままもぎ取った、なんて話じゃなくて。

【興味深そうに述べた後、安堵と可笑しさが交じったのだろう――――― 控え目にだが柔らかく、笑う表情と吐息を少女はくすくすと零した】

【そうして暫く談笑して、きっと色々な話題が移り変わったのだろう。十分な休息を取れた様子で、柊には、顔色にも少なからぬ改善があった】
【そんな雰囲気の吐息をひとつ。見れば、月は少しだけ東に傾いていて】

そろそろお暇する時間かしら? ……時間が経つのは早いものね。
……ありがとう、今夜は楽しかった。

……貴方達二人とのお茶会なんて、滅多に出来る事でもないわね。

【そういって席を発とうとする―――― のだが、シャッテンも道を同じくするのなら、ふと呼ぶ彼女の声が届くかもしれない】
【……最後にひとつだけ、と。少女は、何か考えている事のある様だった】
【受け入れても良し、彼が先を急ごうともそれはそれで構わなくて―――――、】
【ただ、機会として貴重に―――― 貴く思う心があった。……彼とは、幾度となくある夜でもないから。】
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/11(日) 00:36:07.90 ID:di15gpfDO
……ここか――
【男はその雰囲気に若干戸惑いつつもその門の前に立っていた】
―…セリーナ…そしてフォンチュン…
(きっとあの男はセリーナという女に好意を抱いていたのだろう)
(…そんなことは関係ない…俺は…記憶を取り戻す…必ず…!!)
【男は扉を叩いた――】


/>>651ありがとうございました!

/このロールをUTの誰かが繋いで頂いたら幸いです

655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/11(日) 00:42:49.47 ID:O0h2RQOc0
>>653

「うん……『ブロッケンの霧』だな。鉱石となると…………これは『魔海』産ではなく、櫻の国の物だが、『銀鋼(ぎんはがね)』が5kgほどある……
……お茶は、俺からのサービスだ、そこは勘定に入れなくてもいい……代金は…………68000辺りになるだろうかな
なにしろ銀鋼は希少だ。ついでに、加工用の薬品も渡しておこう。変型・成形する時は、この薬品を使うと良いだろう……」

【八攫の選んだ『ブロッケンの霧』、そして櫻の国の希少な古代合金『銀鋼』、先ほど渡した『ザントマンの雫』の代金を受け取り、品物を手渡すヴォーダン】
【なにしろ銀鋼の代金が高かった。しかし、それでもヴォーダンは多少の値引きをしていたのだ】

(……『ユニコーンの角』がこうもあっけなく売れるとは、思わなかったからな……多少は、還元させてもらおう……)

【――――銀鋼の代金を差し引いて、お茶のサービスを振る舞い、なお利益が余るほどまでに、シャッテンが買い取った『ユニコーンの角』は高価だったのだろう】

「……あぁ、そうだな。『魔海』の中にも集落はあり、ある程度の流通もある……無論、文明を持つ集団と言う前提はあるが……
……時に、他者には到底真似のできない生産を行う所もあるから、面白いと言えば面白いだろうか?」

【自分の故郷である『魔海』の事を話すヴォーダン。普通なら、人間がそう簡単に踏み入れる土地でもない為、その語る内容は中々聞けないものかもしれない】

「……ユニコーンは、そのままでは癒しの力に反する、気性の荒い存在だからな……
無論、力づくでと言う事も出来なくはないが……ユニコーンそのものも、相応に希少な存在……そんな野蛮な事は、おいそれとは出来ないはずだ……」
……凄いね、ぇ……まるで知らない事だらけだよ……ぉ
「……こう言う事は、あの男に聞けば、もっと面白い事も聞けるのかもしれんがな……
俺の友人に、人間の身で『魔海』に度々足を向けている男がいる。世界を冒険していると言うが……今はどこで何をしているのやらな……」

【カップから立ち上る紅茶の香りを楽しみながら、ヴォーダンも会話が弾む】
【シャッテンは、むしろ聞きに徹しているようで、時折興味深げに相槌を打ってみせる】
【――――ただの人間であった頃には、シャッテンも学者畑の人間だったのだ。知的好奇心を刺激される話は、シャッテンとしても興味があったらしい】

【そうして、しばしの安らかな時間も過ぎ去って――――】

「……うむ。こちらこそ、今日は良い商売をさせてもらって、助かったよ……
また何かあれば、声を掛けてくれ……俺の力の及ぶ範囲でなら、出来る限り答えよう……今後ともごひいきに頼む、八攫 柊、シャッテン=シュティンゲル……」
……じゃあね、ヴォーダン=ドグラ……

【テントの外まで見送りに出るヴォーダンに、別れの挨拶をすませるシャッテン】
【既に人気も少なくなってきた夜。恐らくヴォーダンはそのまま撤収準備に入るのだろう。2人は、その場を後にして――――】

――――――――っ?
……どうしたんだい、柊……?

【別れ際、シャッテンは八攫の呼ぶ声に応えて、振り返る】
【改まった言葉に、何か重要な事でもあるのかもしれないと、足を止めたのだ】
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/11(日) 01:51:27.50 ID:18RCaw6N0
>>655

……銀鋼?
或る意味、これも縁になるのかしら……頂くわ、これで丁度……うん、合ってるわね。

【刀剣との、或いは櫻の鍛冶との縁。改めて其れを感じたのか、値と嵩の張る鋼塊を購入して、全ての品の代金を支払うと】
【あとはヴォーダンの話に耳を傾けただろう。少しだけ意外な一面を見せるシャッテンの姿も、彼女には心を楽しませるものであった。】
【……やがて茶会は終わりを迎えて。この夜にも、静かに終わりが訪れる。】

いつかその人にも会ってみたいわね……
またね。貴方も元気で。

【ヴォーダンを見送った末の会話。……残ってくれた彼への、返礼。】


……少しだけ待っていて。そう長くは、かからない筈だから―――――……、

【銀鋼の塊。橡色が向けられる。】
【早速薬品を用いて―――― 顕現するのは彼女の太刀、片手の振りで数mm厚の鋼板を切り落として/鋭く息を吐き、】

【鋼板全体にまた薬品を塗し―――― 軽く投げ上げる、】
【刹那闇に閃いた数百もの白銀の斬光――――― 弧を描くひとつひとつが鋼板を精密に削り、或いは滑らかに斬り込んで “かたち” を変えて】
【やがて櫻様の小刀を生み出した。……最後に表面を整える様に、幾度か風が吹き抜けた。】
【ショットピーニングという硬化処理がある。本来は鋼球で行われるそれを、斬撃の余波で銀鋼同志を衝突させる事で行ったのだろう】

【落下する “品” を左手に収める。それ自体の確認を終え、】
【作業の終わりに傷一つ、曇りひとつない太刀を確かめると、安堵した様にひとつ息を吐いて】

……貴方にもこれを。

貰ってばかりじゃ悪いし、生きてて欲しいのは私も同じ――――……
……そのための、せめてもの力添えがしたいの。

【向ける言葉は簡潔で。慣れない言葉を、けれど迷い無く柊は紡ぐと】

【風が粉を打ち払ったのか、綺麗に整った柄を受け手に向けて、小刀を、そのまま青年に手渡そうとするだろう】
【柄までもが金属で構成されたそれは、戦闘にも作業にも――― 如何様にも扱える様だったが】
【彼は、今は殺戮のために揮いはしない、と。柊はシャッテンとの盟約を、心から信じている様だった】

……また生きて会いましょう?
それがどんな形であっても、私には………再会の約束を違えるよりはずっといい。

【そしてその場を立ち去るのだろう、】
【……“彼にも、彼女は生きていて欲しい”。メッセージとしては簡潔で、方向としては青年のそれと同じだっただろうか】

【……再び彼らが相見える時、コーネリアスとの決着は着いているのか。】
【彼らは何時まで “同盟者” で居られるのか―――――、】
【少なくとも、あと数日――― 或いは数ヶ月は確かなのだろう。いつか訪れる “その時” までは、彼女の意識もけして変わらない様だった。】


/この辺りでしょうか……3日間、遅くまでお疲れ様でしたっ!
/ありがとうございましたー!
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/11(日) 02:06:37.75 ID:O0h2RQOc0
>>656

「……もし会う事があれば、俺が久しぶりに顔を見たいと言っていた、と伝えてくれ……」

【別れ際、そう付け加えるヴォーダン。どうやら、件の人物とは相応に打ち解けた間柄であるらしい】
【故に、しばらく顔を見ていないと言う事で、安否を案じている所もあるのかもしれない】
【なにしろ、冒険家だと言う事だったのだ――――】

っ、何が……?

【八攫の始める作業に、いささか面食らいつつも、じっとそれを見守る】
【豪快に鉱物同士がぶつかる様をじっと見つめながら、シャッテンは銀色のその輝きにいつしか見入られていたのかもしれない】

……っ、これは……!
――――ありがたく、受け取っておくよ、ぉ……柊……君からも、僕をそう想ってもらえるとは……嬉しい誤算さ、ぁ……!

【差し出された小刀を、そっと両手で受け取る。希少な金属であると言う事は既に分かっているが、それを大枚はたいて買い求めた上に、自分に譲渡してくれると言うのは意外だった】
【――――シャッテンが八攫に『ユニコーンの角』を送った時の様に、送り手の真心は、その時に初めて分かるのだろう】
【シャッテンが八攫に援助を惜しまない姿勢を見せた様に、八攫もまた、シャッテンを助けてくれる。この小刀は、その象徴なのかもしれない】

あぁ……勿論さ、ぁ…………つまらない所で、命を落とすつもりはないよ、ぉ……
…………元気で、柊……!

【渡された小刀をそっとジーンズのベルトへと差し込み、去っていく八攫の背中に、シャッテンは別れの挨拶を告げる】
【――――コーネリアスを倒す為の盟約。その繋がりは、両者ともに意外なほどに固いものだと、良く分かった】
【これならば、戦いにおける力の差も埋められるかもしれないと、そんな事を思い】

(…………敵わないなぁ…………柊には…………)

【――――本人を前にしても、終ぞ見せた事の無い、全くの穏やかな――――身に纏っている邪気が完全に揮発した様な、1人の普通の青年の表情を、見せていた】

/3日間、遅くまで乙でしたー!
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 19:30:44.25 ID:0C8Yafaao
【風の国エルジオ中央博物館、展示スペースDer Tod und das Madchen=z
【死と乙女と名付けられたそのスペースには古今東西、ありとあらゆる病≠ノ関する品物が集められていた】
【体育館ほどの大きさの会場では、まだ公開前であるため、殆ど品物は並べられていなかった】

【けれどもその目玉≠セけはその会場の一番奥の壁を背にガラスケースに既に込められていた】
【世界最古の病と呼ばれるAmy Syndrome≠サの病原体が収められたカプセル】
【一般の客にとってソレは、単なる珍物でしか無かった、彼らの興味を一瞬惹くだけの、代物でしか】


……物の価値とはいつでもそうです、理解できる者にしか理解(わか)りません
無銘の刀であっても使う人物によって名刀にも鈍らにもなるのでしょう
ただの病気のカプセルと思ってる方々にとっては、ソレはそれだけの価値しかないのでしょうね


【響き渡る静かな声、閉じられた扉のその奥から、ゆったりとした足音と共に奏でられる】
【展示スペースの扉までには重装備の警備員達が数百人単位で警護している筈だ】
【にも関わらず声の主は、招かねざる客は、その歩みを僅かにも乱されず】

【扉が開くだろう、既に警護に当たっていた能力者達にはその姿が映る筈だ】
【非常用の照明は人工的な灯で、決して高級感は感じさせない】
【けれども扉を開き中へと入ってくるその姿はその太陽の下でも、変わらず】


にも関わらず彼らは人の名によって物事を判断します
一人の人間が博物館に展示品を見に来るというだけで、こうして大騒ぎをし大掛かりをなさる
博物館見学も満足にできないのでしたら
礼服など着てくるべきでは無かったのかもしれませんね


【肩まで伸びた襟足の長い夜闇よりも深く濃い漆黒の長髪】
【それと正反対の素肌は雪国育ちの少女が如く白くしなやかで】
【無駄な肉を削ぎ落した身体を髪と同系色の燕尾服で包む】

【白のストライプのシャツと黒のネクタイ、白の手袋と極力露出を避ける格好は】
【およそ機能的とは言えず、むしろ例に沿った姿であると認識できるだろう】
【ソレはさながら死者を弔う喪服が如く、その姿形には黒と白しか存在しない】

【端正な横顔は静かな雰囲気を保っていて、薄く口紅の塗られた唇の色は肉感的で】
【長い睫毛が瞳を濡らしたなら、その奥の瞳の形は美しい曲線を描いていて】
【高貴≠ニいう言葉をその身で体現した男性と、形容されるべき存在なのであろう】


役者は出揃いました、私を相手にしても不足しない
それほどの方々と認識させていただきましょう
貴方がたを打ち倒して在るべきモノを在るべき場所へ還すことに致しましょう


【ルージュが躍動する、一つ踏み出す度に周囲の雰囲気を彼の色に塗り尽くしていく】
【長い服の裾が揺れたなら光を侵食する黒色が彩りを明らかにしたなら】
【モノクロームが勢いを増す、ただただ強くくすぶり続けるが如く】

【背筋を律したなら、片手を腹部に寄せ、深く一礼をする】
【顔を上げたなら、どうぞとばかりに微かな微笑みを浮かべるのだろう】
【ペルソナに歪みが生じたなら、それはただ名ばかりの、愛想笑いがごとく】

/イベント開始です!防衛側の皆様はこちらにレスを!
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/11(日) 19:38:13.08 ID:O+eCQ9+Y0
ならなら書きすぎ。鹿かよ
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/11(日) 19:53:23.77 ID:O0h2RQOc0
>>658

……………………

【――――扉が開かれ、今日の事態を引き起こした張本人が姿を現してなお、その人影はただ視線を向けるのみ】
【薄く開かれた瞳は、虚ろな光を宿しながら入ってきた男性を見据える】

――――『死』の展示……私は良いと思う…………
言うまでもなく、死を覚悟で奪いに来たんだろうし、ね…………
……どんなに嫌でも、人は死を見つめなきゃいけない……すぐに分かる事……

【その言葉は、あるいは自らに言い聞かせる為に紡いでいるのかもしれない】
【強く『死』を意識した一連の言葉を口にしながら、人影はハッキリと目を開き、入ってきた男性を見据えた】

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女】

【この場に配置された能力者であると言う事を勘案しなければ、あるいは場違いな姿でもある】
【だが――――その身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】
【確かにその少女は、備えの為に――――戦いの為に現われたのだろう】

……敗れる事に悔いはない…………いずれ、同じ事なんだから……
――――殺す事に、躊躇いは無い……だから、そっちも躊躇いなく、殺しに来ると良いよ……!

【――――身に纏っていた魔力が蠢き、少女の身体に走り始める】
【『死』を冠された舞台に、濃厚な『死』の気配を漂わせ、少女は戦いに臨む】

――――私も、今は『死』を見つめている…………!

【虚ろな瞳を据えたまま、その表情は戦士の鋭さを宿していた】

/ラベンダァイスです、よろしくお願いしますー!
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/11(日) 20:02:33.41 ID:gP2E4qdOo
>>658
【エルジオ中央博物館。かつてカノッサ機関による襲撃で、多大な被害を被った場所】
【その場所が今再び、戦場とならんとしていた。カノッサと並ぶ巨大組織、D.R.U.G.S.≠ノよって】
【迎え撃つは歴戦の猛者たち。その中で一人、他に比べて明らかに不釣り合いな青年が一人】


【少し長めの茶髪に青い瞳。白いシャツの上に青いジャケット、深緑のカーゴパンツと黒いスニーカーで身を固めた】
【中肉中背で細面の青年だ。武器を持っている様子もなく、強者の気配がするでもない】
【自身のうちの恐怖を必死に押し[ピーーー]その姿は、強者たちから見れば滑稽にすら映るかもしれない】

【されど、両足でしっかりと博物館の床を踏み締めて、青年は立っていた】
【世界最古の病、ガラスケースに収められた目玉≠背にして。来るべき敵の前に、軟弱な精神でもって、立ちふさがるように】


(――――!!!!! あれが……D.R.U.G.S.≠フ頂点……!!!)

【やがて響いてくる足音と共に、優雅にすら思える姿で入り込んできた相手を見て】
【青年の体はますます強張った。音に聞こえたマフィア組織D.R.U.G.S.=Bその傘下にいくつものファミリーを従えた巨大な存在】
【そのトップ自らが、自分の目の前にいる。平静を保つことで必死だった】

【数百人もの警備がいたはずなのに、まったく調子を崩さずに入り込んでくる彼。マフィアの頂点にふさわしい威圧感】
【青年はごくりと生唾を飲み込み、己を必死に鼓舞しながら戦闘態勢をとる】


……在るべきモノを在るべき場所へ、か。貴方が何の目的でこんなことをするのかは知らないし
これにどんな価値を見出しているかも知らない

僕に分かるのは、貴方の名前はこの事態を引き起こすには十分すぎるほど重い、ということだけだ
D.R.U.G.S.℃領Cypress=c…

どこまでやれるかわからないけど
全力で、止めさせてもらう


【およそマフィアの首領とは思えない、高貴さを感じさせる佇まい】
【比べて、どこまでも凡庸に近い青年。彼の眼鏡にかなうほどの存在とは思えないが】
【それでも、瞳は逸らさない。それだけはすまい、と心に誓った】

【Cypress≠フ一礼と、美麗を保ったままの微笑に】
【青年はもはや言葉を発することなく対峙した。足の震えを抑えつけながら】


/ギア・ボックスです
/主催者様、皆さま、よろしくお願いいたします
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/11(日) 20:13:26.83 ID:JvCI8EMco
>>658

【腕利きの用心棒が欲しい、という外部協力者に対する出動要請が発せられた事で】
【ここに数名、確かに通常とは毛色の違う面々が顔を合わせている】
【その中でも、ひときわ―――服装が一見戦闘に不向きそうに見える、という意味では特に変わった外見の者がいた】


D.R.U.G.S.≠フお話を聞いた時からワタシも"WILD"も一体どんな輩が
そのトップを務めているのかと気にはなっていましたが……なるほど、マフィアのボスを
務めるほどの人間なだけあって……ええ、極めて品のいい風格を醸し出しているのデスヨー

ですが、表情を見て一目で『これから大事を起こす』と見抜かれてしまうのはちょっと困り者デスヨー


【その少女は純金の三日月の髪飾りで長くつややかな黒髪をポニーテールにして整えていた】
【耳をアンテナヘッドホンのような機械で覆い隠した、銀色のカフスボタンが袖に付いた黒を基調とした丈がくるぶし部分まであるロングドレス】
【その上にフリルだらけの常に汚れ一つない真っ白なポケット付きエプロンを着用して、メタリックカラーの小さなブーツを履いた…俗に言う侍女服の少女】

【見た目だけを上げるならば、一見、この博物館にて丁寧に案内してくれそうにも見えるのだが】
【この少女は、ロングスカートを摘み深々と丁寧なお辞儀を向けながらも……その戦意が小さな体からにじみ出ているのを感じ取れる】

【一目で理解できるのはこの少女も同じ―――こいつも『敵』だ】


お初にお目にかかります、『財団W』グループ系列店、喫茶『フルメタルジャケット』にて
店長を務めております、ジャンクちゃんと申しますデスヨー

ご用件はどうぞ手短にお願いいたしますデスヨー、何分この後主より
『帰りにハーゲンダッツのストロベリー買ってきてくれ』と申しつけられておりますので


【冗談交じりの口上を述べた後、彼女は構える】
【位置は他の者たちよりもやや後ろより―――すぐには間合いに飛び込んで来ないかもしれない】

/では、ジャンクちゃんの最初の返答ですー
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/11(日) 20:14:50.96 ID:FQnajMiE0
>>658

【闇を塗り替える光があった。……その訪れが、 この夜の開幕を伝えた。】

【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。】



【劫火顕れる太刀を手に、彼の進路上に立ち塞がるのは、そんな形容の出来る人影だった。】
【舞い散る黄金火は地を舐める燎原の火。携える白き刃の煌めきが、凍てし月の如くに地上を染め上げて】

……御託は良いわ。
為すべき役目を果たすため、自らの意志でここにいる……それで、何を選ぶのかという “答え” には足りる。

…………始めましょうCypress=B奪い奪われる戦いの果ては、この夜に流れる血だけでいい……!

【――――― ここに戦場が現出する。天地総てを塗り替えて。】
【不退転であり、修羅の瞳だろう。彼らには譲れぬもののあるゆえに、もはや、言葉は必要ないと―――――、】
【既にこの夜の口火は切られた――――― そこには存在を賭けて激突する、幾つもの命の輝きがあった。】

/八攫 柊となります。それでは……よろしくお願いしますっ!
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 20:44:47.49 ID:0C8Yafaao
>>660
【視線の中に捉える人影、浮かび上がる輪郭はまだ小柄な少女のようで】
【本来ならばこのような闘争の場に、あって良い姿でも年齢でもないように思えた】
【けれども舌先に触れる風の味が、彼にその密度の濃さを伝えたなら】

【――――――確かな意味合いを持つのだろう、ここに貴女が居るその意味を】
【膨大すぎる魔翌力、彼に匹敵するほどに大量の力をその小柄な身に含んでいるのだろう】
【僅かに目を細めたなら、細く整えられた眉の形が潜んだ】

お言葉ですがお嬢さん、私は貴女を葬るのに少々の躊躇いがあります
貴女のその可憐な身の丈に合わないコートは、貴女の最期の召し物とするには物足りないでしょう
そして私からすれば、そのような少女を殺める行為は私の美学に反します

覚悟も躊躇も十分でしょうが……いささか準備が不足していらっしゃるかと

【返す言葉は少々人を喰ったような、本質をつかない言葉であろう】
【飄々としているとも言えるその返答は、静かな気品を満たしながら】
【困ったように笑う格好だけはきっと、一流と言えるのだろう】

【ふむ、どうしましょう、と右手をすっと口元に添えたなら】
【その右手を支えるように左手でその肘を支える】
【悪戯っ子のように微笑む姿は形だけは十分であった】

今からでも遅くはありませんから、準備をどうぞ、と申し上げたいところですが
私の予定している時刻まであと少々しかございません
ですから申し訳ありません、服飾の心配は墓場の下でお願い致します

【口元に当てていた右手を離す、空中で手を閉じて開いたなら】
【白い手袋の中に出現する純金の懐中時計、ふむ、と視線を落として】
【ぱちんと音を響かせて懐中時計の蓋を閉じ、言葉を返す】

【掌の上に広げた懐中時計、貴女に見せつけるように掌の上で転がしたなら】
【腐食することない金が、刹那に崩れ始め、やがて塵となり消えていく】
【空っぽになった右手を、彼はひらひらと振って片付ける】

>>661
【少なくとも彼は、人を見た目だけで判断するほど愚かな人間ではなかった】
【人の上に立つ人間であるが故に、人の力量を資質を見抜く力は人一倍あると言って良い】
【だからこそ彼は感じる、目の前の青年が、彼の踏破した数百人の警備よりも優れている、と】

【右手の手袋の根元を直す、はめ直したなら一回二回と手の動きを確かめる】
【頷いたなら視線を貴方に向けて、静かな表情をそこに描くのだろうか】
【見つめるその双眸は貴方という存在を全て確かめるが、如く】

私の名前を重いと形容するのでしたら、貴方の名前は一体どうなるのでしょうね
貴方は自身の名前を、私を止めるのに十分すぎるほど重いと思っていらっしゃるのでしょうか
逆に言わせていただくのなら、そう思えないなら私を止めることはできないでしょう

そのような貴方の全力は、私の余力にも及びませんよ


【貴方の脚の震えを見抜いてか見抜かずか、その真意は見えないけれども】
【貴方に向けて語る言葉は少し厳しい旋律を含んでいるのだろう】
【真っ直ぐに向き直ったならそこに浮かぶ瞳の形が強く描かれる】

【自分に自信を持てと遠回しに伝えるような言葉なのであろうか】
【少なくともそのような心構えでは止めることができないと】
【言葉の理由は掴めなくても、言葉の意味は掴めるはずだ】

――――――Cypress≠サの名に対峙するに相応しいと思うのであれば
貴方の名前を、私に向けなさい、私に、突き刺しなさい

【刃が如く傾くその視線が、捉える貴方の姿は】
【彼にとってはいかなる形に映るのであろうか】
【輪郭すらもきっと、伝わらなくても】

【――――――彩色ぐらいなら彼でも感じ取れるから】
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 20:45:16.30 ID:0C8Yafaao
>>662

【貴女の姿を捉えたなら彼の口元が揺れた、ほぅと傾くその形は少々奇妙で】
【冷静沈着といった形の彼には珍しい、動揺にも似た形とも言えるのだろう】
【それほどまでに貴女の姿は彼の興味を引いたのだから】


これはこれは、私には過ぎた言葉を有難うございます
貴女もまた、私などとは比べ物にならないほど品の良い方と
本当に壊すのが勿体無く思えるほどに、ね


【揺れる貴女のロングスカートの残像、視線の隅に絡みつくその形は】
【優雅さと美しさを同時に兼ね備えたような姿であって】
【唇の端に笑みを浮かべたなら、その意味合いも伝わるはずだろうか】

【返す言葉は少々悪戯気味の言葉なのであろう】
【冗談ですよと言いたげに微笑みを一つ添えたならば】
【冗談じゃないと言いたげな笑っていない瞳が映るだろう】


お時間は取らせませんよレディ、それほど時間がかかるとは私も思ってはおりません
誤差の範疇ですよ、私にとっても貴女の主人にとっても
私の計画に支障をきたすほどの障害ではありませんから


【返す言葉に乗せて向ける視線は、微笑みをかき消す冷たい色合い】
【これがきっと、彼の正体なのだろう、誰に対しても向ける形は一緒だ】
【例えそれが、誰であったとしても】


>>663

【視界の端に写った少女の姿、その形と名前は十分に知っていた】
【仇≠ニ言っても良かった彼の部下を殺したその名前は】
【八攫 柊の名前は、ここにいる誰よりも知っていた】


この夜を果てにするほど私は貴女より生き急ぎはしておりません
私が求めるのは永遠なのですから、貴女が思うよりも、想像するよりも長い
永劫に比べるのならこの一瞬など深い意味合いを持たない


【淡々と言葉を返したなら、彼の思想が僅かにこぼれ出た】
【永遠を求めるというその言葉は、どこまでが正しいのであろうか】
【或いはまた戯曲の中の絡めとるような言葉のように】

【意味合いを持たず、音律だけを重視した言葉のであろうか】


……それに私が貴女に向ける言葉はこんなキレイ事ではありません
ただ一言、ジーノがお世話になりましたね、と――――――
その一言だけで十分でしょう


【――――――風が微かに瞬いた、閉じられた室内で吹いた風が】
【死の臭いを運ぶ風、扉の奥で倒れ、死した骸たちの香りが】
【風にのって香るだろう、それはどこまでも、何よりも濃く、深くて】

【Cypress≠フ纏う雰囲気が一線を画した】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 20:45:29.15 ID:0C8Yafaao
>>ALL>>660-663

【柊へと言葉を返したなら、一端彼は両の手を燕尾服のポケットの中に突っ込むのだろう】
【右の手がこぼれ落ちたなら、その手には一本の細いメスが握られている】
【照明に映る白銀が、キラキラと反芻して、確かな彩りを浮かべた】


先程も申し上げましたが、今宵の私は礼服で参りました
申し訳ありませんがこれ以上の武器を持ち運ぶほど私は野蛮人ではありませんので
これ一本で貴方がたの終わりを演出してさしあげましょう

それがせめてもの私の手向けですから


【一歩、深く踏み出したなら、弾けるような音が聞こえるかもしれない】
【空気が膨張するかの音、室内の風が彼を避けるかのような音】
【まるで自然すらも彼に殺されることを、恐れるが如く】

【右手を外側に向けたなら、メスの切っ先を外へと向けて】
【その刀身は地面に向いたまま、ゆらゆらと揺れるのだろう】
【呼吸一つ乱れることもなく、傾く音律を響かせていた】


D.R.U.G.S.℃領Cypress
参りましょう、どうかお見過ごしのないよう――――――


【風が吹く、巻き上がる嵐のような旋風が周囲に吹き荒れるだろう】
【後ろに下がったジャンクちゃん以外の三人の元へと彼の姿が歩み寄った】
【間合いは殆ど零に近い、何が起こったか理解する時間も与えないほどに早く彼の姿が移動した】

【前へと踏み出した彼の右手に居るであろう柊へと彼は右手のメスを向ける】
【下から上へ切り上げるその一閃、切っ先が貴方の右手の皮膚を縦に切り裂くような一閃だ】
【集中していれば回避できるだろう、だがわずかでも意識を逸らしたならば焼けるような痛覚を意識するだけの一閃】

【柊への攻撃と同時にギア・ボックスへと彼の左手が伸びた、彼の左手側にいるであろう貴方に向けて彼の左手が襲う】
【貴方の頭を鷲掴みするようなその左手、刹那の隙間も見せずに、彼は左手で最短距離を行く】
【成功したならば、左手を振り下ろし貴方を地面に叩きつけようとするだろう】

【そして同時に、貴方の腹部を踏みつけようと左足を踏み出した】

【ラベンダァとジャンクちゃんには攻撃を加えないだろう、まずは二つ両手を使い攻撃をする】
【まだ能力を使ったような痕跡はない、狙うならば今なのだろうか】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/11(日) 21:00:27.35 ID:O0h2RQOc0
>>664>>666

…………っ、いや……死ぬ時は、このコートと一緒……!
――――それだけは、絶対に譲れない……ッ!

【――――明らかに、少女の本来身につけるべき服装ではない、そのコート】
【だが、少女にとってそれは、強い意味を持ち、死装束としてどうしても外せないものだった】

(……お父さん、私も……遠からず『そっち』に、いくから……!)

【――――大切な人の形見。正にその人も、死の瞬間まで身につけていた、思い出の品】
【だからこそ、死に際してはこの服装でいたいと言う、少女の密やかで、頑なな思いがそこには宿っていた】

……それに、飾りになる服なんて、いらない……!
――――ッ!?
(壊れた……いや、崩壊させた……!? ……相応に強そうな人……間違いないか、それは……でも、だからって……!)

【懐中時計を分解してしまう、そのパフォーマンスに、少女はなお一層表情を険しくする】
【1人で乗り込んでくる時点で、半ば予想はついていたが、相当の力を秘めている人物だと言うのが、これで確信できた】
【だが――――繰り返すようだが、少女も戦士なのだ。それで戦意を失ったり、及び腰になる様な人物ではない――――】



――――っ、メス……!?
(レンジが短いけど、刀みたいに斬れるはず……それで戦うの!?)

【男性――――Cypress≠フ取りだしたその武器に、一瞬信じられないと言った様子を見せる】
【確かに鋭い刃物ではあるが、武器として使うには、いささか剛性と長さが足りない刃物である】
【他にも相応の性能を秘めて、より適した武器はあるだろうに、何故それを選んだのか――――少女は一瞬、Cypress≠フ意図を疑った】

(……っ、考えてる場合じゃない! すぐに来るッ!
――――今日は、味方が何人かいる、なら……これが使えるッ!)
――――『タートル・フォース』!!

【一瞬の志向の空白を突いて、Cypress≠ェ突進してくる。その狙いが自分に向けられていない事で、少女にはチャンスが生まれた】
【だが、少女が戦場に立つには、準備が必要だった。その準備にこの空白は費やす事になる――――それほど決定的なチャンスとは言えなかったのかもしれない】
【少女の身体が閃光を放つと、その姿を変じさせていた】

【成人した人間が一人座れる程度の大きさの亀】
【その甲羅は、ラベンダー色の鱗に覆われ、堅牢な様子を演出している】

【――――能力『セブン・フォース』による変身。姿はおろか、その力、性質まで変じさせてしまう、少女の戦闘スタイルだ】

まずは、牽制……!

【その背中の甲羅から、魔力によるビームを1条、Cypress≠ヨと向けて発射する】
【そこそこの弾速と威力を備えている攻撃ではあるが、まだ連射はしない。そこに何を隠しているのか、それを見極めるのが先決だった】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/11(日) 21:21:09.80 ID:A7cC6j060
>>664-666

【……ジーノ=スカルノフ。きっと忘れる事のない名を、少女は赫怒とともに向けられる。】

【受け止めた瞳に浮かぶ感情、】
【悔恨でなく、赦しを乞うでなく――――― ただ、痛みと、それを受け入れる様な儚くも凪いだ微笑みだった。】
【思考は戦闘を離さない。放たれるメスの一閃を軽く後方に躱し、寸でのところで逃れた鋭さを想う。】
【だが、見過ごせぬ彼我の齟齬はあった】

【“奪わせなどしない”。この刹那に生き、永遠など無き人として果たすだけだ。】

……私は私の意志で切り裂き、ジーノ=スカルノフを死に到らしめた――――― 否定はしないし憎まれても良い。

(――――― けれど……)

【男の狙いは “最古の病”。未だ滅びざる古の災い。】

【―――― 奪われれば、何を為すという? 略奪と支配とを本分とする彼らは、如何なる惨劇を生むという。】
【ゆえに奪われて構わないのはこの血だけ―――――】
【……その程度の覚悟は、疾うの昔に決めていたから。】


―――――――――――― はぁああッ!


【既に交わす言葉はなく、裂帛の声は少女のそれ。修羅なる剣気が光を切り裂いて】
【やや低い位置に太刀を構え、抜き放つ様に前方に再推進。腕と脚との連動を以て、加速を全身に与えれば】


【低空を突き進む神速の一歩―――――― 瞬時に刀剣の間合いを彼の許まで延ばすそれが、影すらも置き去りに踏み込んで】 
【躰の捻りから放ち胴を薙ぐ一閃。男から見て右側から、弧を描く斬撃が地上80センチの高度を刻んだ】

【“かたちあるものを斬る” 概念を得た絶対域の切断能力。並みの重合金装甲程度ならば、薄紙同然に断割する、が――――、】
【それはかの爆弾狂との二度の闘争に於いて、何れも十全の威力を発揮したものだ。】
【間合いでない限りは彼に届かず、また “触れなければ” 何を断つこともない――― 】
【それゆえに深く、鋭く彼女は踏み込んだのだろう。単なる後退で躱せる域を越え、放てさえすれば、広く深く断つ斬撃だった】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/11(日) 21:24:20.09 ID:gP2E4qdOo
>>664>
【さざ波すら立たないほど静かな表情、そこから自身へと放たれる視線】
【自身のすべてを見透かされるかのようなそれに、心臓がすくみあがる】
【青年も、見た目で相手を判断するようなことはないが、眼前の相手のあまりに大きな器】
【青年に推し量れるほどのものではなかった。手袋をはめ直すその仕草にすら、風格が感じられる】


……ああ、その通りだな
最初から気圧されているようじゃ、勝てるものも勝てない。まして相手はD.R.U.G.S.℃領だ

ギア・ボックス。この名前で、Cypress=Aお前を貫く――――!!!


【自分に向けられた言葉は、意外にもどこか諭すような、それでいて厳しさを含んだものだった】
【彼もまた真っ直ぐに対峙している。青年に彼の深遠なる真意をつかむことは出来ずとも】
【その言葉の意味するところは察知した。こんな精神で彼に対峙するなど、愚の骨頂】

【ならば。他の勇士たちと同じように、自分も立つ。自分を信じ、覚悟を決め、全身全霊で対峙する】
【言葉は拙く、しかし瞳は鋭く。おもちゃ売りの青年・ギアは名乗りを上げた】



>666
【燕尾服から抜かれる細いメス、彼の手にかかればどれほど恐ろしい凶器となることだろう】
【白銀の光に照らされ、ギアの青い瞳が少し細まる】


…………!!!!!!!!

【メス一本のみを手に、それだけでこの場の全員を斃して見せる。そう豪語する彼に、ギアも何か言い返そうとして】
【声に成らなかった。代わりにこの空間を支配したのは、弾け飛ぶような音。自然が彼に道を開けたかのように】

【瞬間移動か、と思うほどの彼の速度。ギアなどに対処しきれるものではなかった】
【メスの一閃が横に居た女性に襲いかかる、それを知覚した時にはすでにギアの頭は掴まれていた】


ぐ――――!!!!!

【漏れた悲鳴も一言だけ。頭部が博物館の地面に叩きつけられる。意識が一瞬飛んで行った】
【頭の中で光が弾ける。状況を理解するのに、また数瞬要した。戦闘の中では致命的な時間だ】
【しかし、意識は付いて行かなくとも、ギアの腕は違った。幾度も幾度も繰り返してきた動作は、ギアの身体にしみついていた】

【すなわち、叩きつけられると同時、ギアの両腕は素早く腹部にあてがわれたのだ。両手が腹部の中にめり込んだ】
【引きだされた手には、一本のナイフが握られていた。何の変哲もないナイフ】

【自身の腹部を狙って振り下ろされようとするCypress≠フ左足へ向かって、両手で握りしめたギアのナイフが突き出されんとする】
【半ば反射的な行動、この後体勢を立て直すのには、さらに時間を要するだろう】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 21:58:51.32 ID:0C8Yafaao
>>667

【彼の言葉に返される貴女の言の葉、揺れる言葉には確かな過去があって】
【それを踏み躙る程には彼は下衆の仮面を被っているわけではなかった】
【ふむ、と一つ口の中で砕いたならその意味合いを感じ取った】


……なるほど、言葉を訂正しましょう
貴女にとってそのコートは最期を伴するのに相応しい物
ならば十分でしょう、私に殺される準備にはね


【踏み入るのは決死の間合い、僅かな呼吸の乱れも躊躇も全てが死に直結する間合い】
【零距離に近いインファイトを四人の能力者相手に挑んでみせる】
【そこに一つの恐れも無ければ、同時に微かな迷いも無かった】

【両手は柊とギア・ボックスへ――――――ならば貴女とジャンクちゃんには十分な余裕があるだろう】
【その隙を縫っての射撃……牽制と呼ぶには十分すぎる一撃であろう】
【彼が相手でなければ、の話であるが】


変化の能力でしょうか、亀に姿を変えたとそう解釈して良さそうです
ですがこの間合で、私相手にそのような姿に変化させるのは本当に正しいのでしょうか
刹那の時間さえあれば、そのような愚鈍な動物、殺し尽くしてもまだ余ります


【弾速は中々の速さだ、通常であれば回避するのに力を使わなくてはならないだろう】
【けれども多人数を同時に相手している状態で、その行動は殆ど自殺行為と言っても良い】
【だがしかし、貴女なら理解できるはずだ、彼の速度相手に、そのビームでは遅すぎる、と】

【二人の能力者を相手にしながら、一瞬だけメスから彼は手を離した】
【メスを空中に置いたまま右の手を虚空へと翻し、右手に当たるはずであったビームを回避するだろう】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 21:59:10.54 ID:0C8Yafaao
>>668-669

【確かに貴女はジーノの仇と言っていい、そして彼は仇と言って誰かを殺めることができるだろう】
【けれども、彼はソレを理由にしたいわけではなかった、かと言ってそれを理由にしないこともなかった】
【一因とするには重すぎる理由を、彼はそこに描いていたから】


憎まれていい、その言葉を貴女は本当に理解しているのでしょうか
私が出てきたのはただの偶然でしょう、私の出てきた先に貴女が居た事も
けれども、偶然は続きません、次のそしてまた次の誰かはソレを理由に貴女を憎むのでしょう

――――――それが嫌なら此処で終わりに致しましょう
私にはそれを可能にする力がございます


【ジーノの死を理由にするのは彼よりもむしろ、他の人員であると彼は言う】
【D.R.U.G.S.≠フ敵となるには十分すぎる仇であるから】
【それを含めてもなお、彼の紡ぐ言葉の意味には足りない】

【貴女に言葉を向けた後、彼はギア・ボックスの名乗りを聞いた】
【頬の端が僅かに緩む程に、その口上は一人の戦士と呼ぶには十分すぎるもので】
【そこに宿る確かな意思を感じ取れた気がした】


良い言葉です、そしてその意思を常に持つことです
そうでなければ、私の攻撃を視る≠アとすらできません
……この声も、聞こえているかは分からないのですが、ね


【空中に跳ね上がる左手、ギア・ボックスを叩きつけた刹那に左手は貴方を開放する】
【だが地面にたたきつけた衝撃は消えるわけはない、貴方の硬直は僅かだが続くだろう】
【その瞬間を狙った彼の左足だ――――――だが貴方も、ただでは倒れないだろう】

【左足を襲うナイフ、それに対応しようとした刹那、柊の構えが視界に入った】
【それを単なる攻撃であると判断するほどに彼の目は曇ってはいなくて】
【はじき出す答えの正しさを、理解できるには少々時間が必要だった】

【貴女の放つ、神速の一閃、それはさながら炸裂する爆薬が如く】
【触れるモノが何であっても消し去ってしまうのに十分な程に】
【そして穿たれるその速度は、視界に捉えた瞬間に蒸発しかねない速度で】


それで良くジーノを殺せたものですその程度の速度で
彼がその生命を賭けて闘い、そして負けたのはこの程度の剣士だったのでしょうか
でしたらジーノも、彼も老いには勝てなかった、そういうことなのでしょう



【貴方が彼を切り裂くよりも早く、彼の左足がギア・ボックスのナイフを踏みつけるだろう】
【左足を狙って振るわれたナイフそれを回避すると同時に防御に転化して】
【ナイフを踏みつける反動で彼の身体が空中に浮かび上がった】

【地面に倒れたギア・ボックスの後方へと飛び降りる形で、跳躍することで柊を回避するのだろう】
【翻る燕尾服の長い裾、それはさながら翼のように彼を彩って】
【光の中に浮かぶ闇夜が僅かな意思をそこに浮かべるのだろうか】

【――――――柊ならば理解できるかもしれない、彼の行動は不思議なほどに早いと】
【貴方の刃の速度なら本来ならこのように回避するのは難しい筈であるのだから】
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 21:59:32.75 ID:0C8Yafaao
>>667-669

【閃光が如く跳躍するメス、後に映るのは残影が如き白銀だけ】
【間違いないと理解できるだろう、事実であると納得できるはずだ】
【彼はこのメス一本で、数百人の警備を解体し尽くしたのだ、と】

【一般人であれば目で追うのがやっとの程の運動を終えても】
【その端正な横顔には汗一つ浮かべず、涼し気な表情を崩そうともしない】
【それは余裕の現れか、それとも……】


このメス一本で貴方がたを片付ける……その言葉に嘘偽りはございません
貴方がたが捉えているのは私の影に過ぎません
歩く度に剥がれる私の仮面を、本質と勘違いしているだけなのですから

そちらの少女が亀へと姿を変化させましたが
私にしてみれば貴方がたもその亀と大差ありません


【言葉に驕りは無くかといって騙りも無い】
【ただひたすらに紡ぐ言葉は彼にとっての真実で事実】
【その意味を読み取ることができたなら、彼という存在を理解できるのだろうか】

【言葉と同時に彼の右手が振り上げられる、右手に握られたメスが天井へと触れる】
【その刹那、室内全体が揺れだすだろう、ただ一つの小さなメスが触れただけで】
【地響きと振動の中、彼の言葉だけが確かな形を彩る】


――――――期待はずれ、と私を思わせるのでしたら、それまでのこと
約束の時間にはもう少々ありますが、早めに幕を引きましょう

――――――――Die Young


【崩落する天井、大小様々な瓦礫が周囲に降り注ぐだろう】
【広い範囲に大きな質量の攻撃だ、回避するのは単純な技では難しい】
【彼はその中から落ちてきたメスを掴むと、一歩強く踏み出した】

【瓦礫が降り注ぐ中でも先ほどの異様な速度を崩さず彼は疾走する】
【狙いは一歩後方に引いていたジャンクちゃんへ、メスを持って一閃懐へと突き刺そうとする】
【可能であれば深く切り裂くように外側へとメスを振りぬくだろう】

【――――――ジャンクちゃんならば、彼の動きを捉えられるかもしれない】
【恐らくラベンダァイス、柊、ギア・ボックスよりも容易に彼の姿を視認し回避することも】
【彼の一閃を回避し、反撃に転じることが、可能かもしれない】
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/11(日) 22:23:44.75 ID:O0h2RQOc0
>>670>>672

……そう、十分だ……!
……だから言った……躊躇いは、無い……!

【Cypress≠フ言葉に、亀と化した少女は固く籠った言葉を返す】
【『躊躇いは無い』――――死ぬ覚悟も、既にできていると言う事なのだろう。だからこそ、この戦場に立っているのだとも】
【少女にとっては、強敵であるCypress≠相手にするのは、そうした通常とは異なった意味合いの思いを孕んでいる】

……ただの亀、なんかじゃない……姿だけでそう考えるなら、それも早計に過ぎるって、見せてあげる……!

【確かに、鈍重で、力強さに欠ける、戦場にはあまり相応しくない姿なのかもしれない】
【しかし、少女には少女なりに、この姿を選んだ理由と言うものがある】
【それを覆すほどの強敵かもしれないと言う事は理解しつつも、この形態を選んだ事には少女なりの計算があった】

(……前線を抑える味方がいるなら、ここから援護をするのも1つの手……!
それに……守りを固めるなら、『ギガンテス・フォース』か『タートル・フォース』のどっちかが鉄板……!
……私は、今はこの役を……!)

【――――堅牢な防御力と、砲撃による遠距離攻撃能力。それが『タートル・フォース』の強みである】
【それを最大限に活かせるのは、味方を伴った戦場での、援護砲台としての機能】
【だからこそ、1対1ではなく、多対一の状況にあるこの場で、前衛に立つ他の能力者のバックアップをせんと、『タートル・フォース』を選んだのだ】

――――っ、速い……!?

【だが、必要最低限の動作だけで、牽制のビームをあっさりと回避してしまうCypress≠フ動きに、さしもの少女も驚きを隠せなかった】
【身ごと翻す事もなく、ただ腕を引っ込めるだけ――――この乱戦で、そこまで的確に『最低限』を見極める的確さは、恐ろしいものがある】
【このままでは、援護にもならない――――少女は、わずかに苛立ちと焦りを感じ、口元を歪めた】



――――急所を一撃すれば、そんな刃物でも十分……そう言う事……!?
そうすれば、リーチの短さは逆に、取り回しの早さになる……!

【先ほどの素早く的確な回避と合わせて、少女はCypress≠フ強さをそう分析した】
【アレほどの回避を見せるなら、敵の懐へと飛び込んだり、一斉攻撃を往なしたりすることも訳無いだろう】
【後は、そのスピードを活かす事――――それを考えれば、逆にメスは合理的な選択なのかもしれない】

…………ッ!? 天井が――――!

【だが、あるいはその予測を裏切る様な能力の行使が、行われる。それによって、天井の崩落が引き起こされて】
【咄嗟に少女は、背中の甲羅を展開する。鱗の中から放たれた魔力の光が、全身を覆う光の鎧となって】
【押し潰そうと降り注ぐその質量から、己の肉体をしっかりと守り切った】

(……なら、こっちも大技を……! 味方がいるなら、その隙も何とか…………!)

【瓦礫から身を守る事には成功したが、自分の周囲に降り注いだそれは、視界や足元の状況を悪くして、戦闘行動そのものを難しくする】
【ならばと――――少女は逆に大きく打って出る事を選んだ。背中の甲羅の中から、透明なドーム状の何かが顔を出して、そこに魔力の光が収束していく】
【――――無力化されたと偽って、逆に一気呵責に攻める為の下準備を済ませてしまおうと言うのである】
【自分一人に意識を向けてばかりもいられないだろうと言う、味方への負担を考慮したいささかドライな計算もそこには働いていた】
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/11(日) 22:28:34.88 ID:JvCI8EMco
>>665>>666>>672

おやおや、見た目に惑わされるのはお互い様と言ったところでしょうか
はたして、そう容易くワタシを破壊することができますか?

(―――さて、気にかかるのは得物は右手のメス一本のみという点
あのCypress≠ノは、あれでこの場にいる全員を斃す事が可能だと言うのデスヨー?)


【首領にしては気持ち装備が足りていない、それがジャンクちゃんが最初に抱いた違和感だった】
【ゆえにジャンクちゃんは何か企んでいるような気がしてならない、そう考え―――やや離れた間合いより冷静に首領と名乗る男の手並みを見る】
【目に飛び込んで来たのは、彼の予想を超える近接での戦闘技能、バリバリの武闘派マフィアと評価を改めなければならなくなった】


―――なんという動き!奴の『メス一本で全員片付ける』という言葉は本物デスヨー!
可能であるからこその嘘偽りない宣告と言う事!この体術だけでもすでに"WILD"と並ぶかあるいは……

しかし問題はございません、タイミング、間合い、攻撃軌道、対処できない事はございませんデスヨー


【突然の天井の崩壊、瓦礫が自分たちに目がけて降り注いでくる中、彼は真っ直ぐと自分目がけてそのメスを向けてくる】
【あの切れ味ならば胴体や額、手の甲であれば受け切る事も出来るかもしれない、しかし首や手足のアキレス腱部位を切断されば戦闘の続行も不可能になるかもしれない】
【そこまで判断した後、それでもジャンクちゃんは『依然問題ない』と判断した】

【ボクシングの様に両腕を前に構え、彼女も迎え撃つように前進を開始する】
【Cypress≠ェそうしているようにジャンクちゃんもまた上から降り注ぐ瓦礫の軌道を把握しながらそのフットワークで縦横無尽に回避】
【そうして互いが攻撃の間合いに入った時、コンマ一秒単位で思考をめぐらせメスの軌道を読む】

【むしろこの初撃はこちらが有利、カウンターの要領でこちらの一撃を叩き込むことが出来ると判断!】


ウリャ――――――――――――――ッ!!!


【相手のメスに対しこちらも固く握りしめた鋼鉄の『右ストレート』彼の胸部めがけ渾身の力を持って振るう!】
【交錯する刃と拳、見切った刃はしかしそれでも少女の左頬をかすめ切り傷を作るが全く気に留める様子もない】

【―――しかも、決して小さくない切り傷のはずなのだがこの少女、『頬から一滴も血が流れていない』―――?】
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/11(日) 22:35:21.85 ID:gP2E4qdOo
>>671>>672
【彼の声は、聞こえていた。揺れる意識の中で、彼の声と柊の放った斬撃の音だけがクリアに響いた】
【それに返すことは出来なかったが。意思はまだ折れず。歯を食いしばって、両手に握ったナイフの感触で己を取り戻す】

【次の瞬間には、ナイフに伝わる衝撃。それが、Cypress≠フナイフを踏みつけられtことによるものだと】
【ギアが認識できたのは、彼が跳躍して自身の後方に飛び降りた後だった】
【その身が見せる異様なほどの速さ。彼のふらつく脳では、それをはっきり認識することは叶わなかった】


く……クソ……

【どうにか硬直からギアが立ち直り、恐怖ではなくダメージによって震える膝で立ち上がる】
【光の速さと見紛うばがりのメスの速度、意識の端でそれをとらえる。Cypress≠ヘ本気で、メス一本でこの場を攻略するつもりだ】
【今更になって、それを今一度認識させられる。滲む視界が回復した時、最初に見えたのは未だ戦闘の痕跡すら見せぬ彼の涼しげな顔】

【続いて、耳がその轟音を捉えた。彼が唯一の得物であるはずのメスを天井へ放ったと同時に】
【自然災害かと思うほどの、大規模破壊。ただ、メス一本だけで。続く彼の言葉。やはり返す余裕もなく】
【襲いかかる瓦礫の雨。かわし切ることは出来ない。かといってこのままでは潰される】


ぐ、うああああああああああああああああ!!!


【悲鳴を上げる身体に鞭打って、ギアが動く。小さめの瓦礫にその身を削られながら必死に崩落の軌道を見極め】
【ひときわ大きな瓦礫の上にその身を避難させた。大きな瓦礫の上に乗れば、それ以上大きな瓦礫が同じ位置に落ちる可能性は低い、と踏んでだ】

【しかし、先ほどからのダメージも糸を引いている。すぐに攻撃に移ることは出来ず】
【この瞬間は、ジャンクちゃんがCypress≠ノ攻撃を加える姿を、視界に収めるだけに留まることとなった】
【体勢は整えつつある。次の相手の行動には対処できるよう、Cypress≠ゥら青い瞳の視線は切らない】
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/11(日) 22:49:44.72 ID:A7cC6j060
>>670-672

―――――……ッ……!?

【既に間合いに捉え―――― 一撃を叩き込まんとした初動は不発、】
【想定より遥かに薄い効果には構わずに、十数度の追撃の準備を終えて―――――、】
【一切の余裕を与えぬ事で、あらゆる策を封殺する苛烈。……その発動を待たず、男は急転する飛翔の軌跡を描いていた。】

(……言ってくれるわ―――――― だけど、まるで突破口の見えない訳じゃない……)

【―――――より迅速き敵にはより迅速き業を。そして、それだけに頼らぬ砥ぎ上げた剣を――――、】
【圧倒的強者に対する消えぬ戦意。……越えて来た痛みが、それを支えた。】

……ただの罪ならば幾らでも。
譬え茨の道だとしても、それで犠牲を認めるほどに――――――……私は、柔な心はしていないッ……!


【……幾度でも迎え撃つ。幾度でも切り裂きその “意味” を果たす、】
【それが諦観に過ぎぬなら、与えられる安息など必要ないと――――― 彼女にはなお重き人々(もの)が、その意志にあった】

【応えるのは男の圧倒的な “力”。崩落する天が降り注いで】

(天井が……何かの “力” か、それとも―――――、)
(……何れ為すことに変わりはないか。期待外れに終わるかどうか、その返礼に教えてあげる―――――!)

【折れぬ意志のままに深く身を沈めると、旋る風が如きしなやかさで全身の発条を解き放って】
【それを、解き放つ刃の加速と総て転じた。】


【―――――― 一瞬で構築される球状の刃圏。】
【崩落する天井の残滓を砕き、無数の銀光が彼女の周囲で斬撃の結界を織り成す。】
【可能な限りを刻み墜とした。必要ならば、共闘者への負荷も軽減しようと――――、】
【だが追撃を図るほどの余裕がある訳でもない。……少なくとも、守勢に回らざるを得ないこの一瞬は。】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 23:04:14.82 ID:0C8Yafaao
>>673

【振りぬいたメス、白銀の斜光が彼の手に零れていく】
【白手袋に包まれた指先が辿るその行き先を、誰にも知られぬままに】
【指先に感じる重さとその力の形を、少しだけ違和感のように感じた】


……勘違いなさらぬよう、先程も申し上げましたが
今宵の私は礼服にございます、必然、武器を携帯するなど無粋な人間ではないのです
メス以上の武器を携帯していない、ただそれだけの事にございます

そしてソレ以上に必要ないということも、また事実なのでしょうね


【貴女の判断、或いはその解析も間違っては居ない】
【正確に言ってしまえば、彼の言葉を真実と捉えるなら】
【ただ当座の武器としてメスを使っているだけ、なのだ】

【右手に握り直したメス、肩越しに視線を向けたならば】
【向ける視線の形は、先程までと比べると確かな意思を持っているように感じる】
【それはつまり、彼が余裕を持って戦っているということは決して真実ではない、ということ】


なるほど、愚鈍ながらも中々侮れない存在ですね
何かしら狙っているようではいますが……ただ一言
貴女のその攻撃が、本当に私に当たると思っていらっしゃるのでしょうか


【攻撃の最中、ジャンクちゃんへと疾走を続ける途中で】
【貴女に向けて零した言葉は、半ば侮蔑に近い言葉なのであろう】
【そんな攻撃が当たるはずがない、と高をくくるような言葉】

【偽りはなかった、また同時に嘘も無いのだろう】
【ソレは確かな事実であると彼は感じているから】
【――――――裏を返したなら、彼の油断は確かな隙であろうか】


678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 23:04:24.89 ID:0C8Yafaao
>>675

【ほう、と彼は口の中でもう一つの言葉を乱した】
【意外であったからだ、ギア・ボックスがただの凡人≠ナはないと思い知らされたから】
【その認識の違いは、ある種彼の余裕の裏返しとも言えるのだろうが】


評価を改めないといけませんね、ダメージを負った身体で瓦礫を良くも回避できたものです
――――――いえ、回避したとの言葉は正しくありませんね
痛む身体を更に傷つけ、死を漸く逃れた、その辺りでしょうか


【特にギア・ボックスと柊は彼の猛攻を至近距離で受けたのだ】
【攻撃追撃そして止めの一撃とも言える一連の流れは流石に首領といえるだけの力のもので】
【それを耐え切ったのは流石に能力者といえるものであろうか】

【賞賛に値する、と彼の言葉の裏を読んだならばそう読み取れるだろう】
【けれどもそれは、言い換えたなら上から目線の言葉でしか無い】
【貴方だけでなくここにいる能力者全てを、見下した、台詞】


……苦しいならば見ていなさい、直に終わります


【残した言葉は僅かな驕りを感じさせる言葉であろう】
【言の葉の形は立派だが、その色合いはきっと黒よりも深く澱んだ色】
【或いは澄み切った漆黒とも言えるその表情は乱れること無く】

【彼の歩みは止まらない、歩みといえる速度を超えた疾走】
【万が一にも止めることが出来ないと思えるぐらいに、ソレは鋭く】
【瞬きしている間も無いほどに、濃くそれでいて深い】

>>676

【地面に落ちるであろう瓦礫、それはつまり貴女の動きを封じる意味もあるだろう】
【メスという得物を使う分彼は刀を使うより少ないスペースだけで十分と言えよう】
【――――――その辺りも考えての一撃であろうか、防げたとしても布石にはなる】


良い心がけでしょう、それでこそ叩き潰す価値があるというものです
……ですが口だけではなく、せめてその腕前で
貴女が本当にジーノを殺めた、と証明していただきたいものですね


【返す言葉はどこか挑発するような響きを含んでいるのだろうか】
【冗談めいてはいた、けれどもそこには確かな願望もあったのだろうか】
【微笑みと呼ぶには危うすぎる表情を確かに浮かべて】

【攻撃を防ぐ貴女の腕前はきっと、彼に相対するに十分であろう】
【ならば後は彼の身へとその確かな傷をつけるだけ、か】
【一人で叶う願いであるかは、確かではないのだろうが】
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/11(日) 23:04:36.23 ID:0C8Yafaao
>>674

【降り注ぐ瓦礫、彼の疾走を止めるにはあまりにも無力すぎた】
【それは貴女にとっても同じなのであろう、ハードルと呼ぶには軽く飛び越えることができよう】
【瓦礫の雨を潜り抜けながら、貴女のその動きに賞賛の声一つ】


回避することぐらいはできるようですね、そうでなければ此方に来た意味がないというもの
ですがレディ、貴女の出番は此処ではございません――――――
傅くお相手を間違え、歯向かうお相手を間違えた

その時点で貴女の運命は決まったも同然なのでしょう


【余裕めいた微笑み一つ、彼と敵対したことが間違いだと言い切って】
【右手のメスを握り直したなら、指先に確かな力を込める】
【そうなったらもう、誰に求められないと彼自身がそう思うほどに】

【闇を切り裂く一陣の光、触れる指先よりも強く淡く輝き続けて】
【カウンターか、と相手の動きから判断、触れるよりも早く離脱できると思った】
【メスの白銀が闇夜に一陣、零れ落ちたなら――――――】

>>ALL >>673-676

【ジャンクちゃん以外の人間には驚くべき光景が映っているだろうか】
【Cypress≠フ身体が弾き飛ばされたのだ、ジャンクちゃんのカウンターが見事に彼の胸部を貫いた】
【身体が後方に飛ばされたなら地面に腰から倒れこみそうになる】

【――――――だが、そこはさすがと言うべきか、空中で受け身をとったなら】
【右膝を地面にすらせる形で着地、すかさず立ち上がるだろう】
【だがその表情には、確かな驚きが浮かんでいた】

【更に言葉を付け加えるなら、ジャンクちゃん以外の人間にはジャンクちゃんの攻撃が】
【彼の攻撃に匹敵するほどに速く=\―――――見えた筈だ】
【それこそ神速と、柊の放った一閃と同じ速度と思えるほどに】


っ……!!……まさか……っ!!私に一撃を……!!


【すかさず立ち上がるが彼の身体がぐらりと揺れた】
【表情が乱れた、何、と漏れた言葉は彼らしくない余裕が消えた言葉】
【踏み出そうとして脚が崩れそうになる、ダメージは決して緩くなくて】

【視線をあげた、そこに浮かぶのはジャンクちゃんの傷ついた頬】
【彼の目が見開かれた、血の流れない貴女のその頬を見て】
【なるほど――――――口元に浮かんだ言葉は、確かなゆらぎがあった】


……フフ……ハハハ……私も、老いたものですね……っ!!
だがここに居るキミ達より動きが悪いとは、思いたくはありません……ッ
貴女もですよ、レディ……すっかりと、騙されまし――――――っ!!


【右手のメスが虚空を切り裂くかのよう、再び外側へと切り開かれたなら】
【彼の身体が前にぐっと倒されるかのように、前向きに構える】
【先ほどとは違い一瞬のためがあった、次の攻撃へのためであろう】

【――――――だが、身体に負ったダメージは決して少なくはなかった】
【再び崩れかかる彼の身体、すぐさま立てなおそうとするも、燕尾服では中々うまくいかない】
【一瞬で体勢を戻すも、そこには確かな隙≠ェあった】
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/08/11(日) 23:08:38.36 ID:pHfMG/who
夜も更け、明かりといえばそこらに点在する外灯だけとなったこの街の、とある公園。
日中ならば親子連れも居ようものだが、勿論今は人気も無く、ただひっそりとした雰囲気を醸し出している。
だが、薄暗いその中を通りがかる者が居るならば、灯りに一瞬反射する何か金属質な物と、微かな人気を感じるかもしれない


その人気の正体は、まさしく『看護婦』と言った風貌の女だった。外灯が女を照らし、その風貌が明らかになっている。
後頭部でお団子のように丸めた黒曜石のような深い色の髪に、同色の透き通るような優しげな瞳。
染み1つ無い純白のナースキャップを被り、同じく染み1つ無いナース服からは、適度に膨らんだ胸や細い体のラインが見える。
ナース服は膝まで伸びており、その下は肌色が薄く透けた白色のストッキング。運動靴のような白いナースシューズ。
女性にしては少し小柄で、服装は白が多い肌の色と相まって清潔感を際立たせていた。……ただ、立っているのは清潔とはかけ離れた地面の上だ。

そんな女はまず、手元に何かを召喚する。視力の良い物なら直ぐに分かるし、近づけば誰だって分かる。あれは、注射器だ。
しかし当然針が付いているはずの切っ先は、なぜかメスかナイフかと思うような刃となっている。
ナースと注射器、有りそうな組み合わせだが此処は公演。そもそも何処にも看護対象など居ないはず……。

「―――……そりゃぁっ!」

『投げた』。手元に召喚したナイフ注射器を、10mほど先に立つ木に向かって、野球選手の如きオーバースローで。
全力で放られた注射器は一直線に木へと向かい、そのナイフ部分が街灯の光に反射して一瞬の煌めきを放った。
……よく見ればその木には射撃で使われるような白黒のターゲットが描かれた紙が注射器で固定されており、その中央には幾多ものナイフ注射器が突き刺さっている。
そして、今放たれたナイフ注射器もターゲット中央を貫き、もう、中央の黒丸は注射器で埋め尽くされて見えなくなっていた。

「んー……ちょっと右寄りですかね……。やっぱり、毎日練習しないと……」

残心を決めると、自分なりに注射器が刺さった位置の考察を始めるこのナース服の女。こんな彼女の元に現れるのは、一体何処の誰であろうか。
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/11(日) 23:23:52.55 ID:O0h2RQOc0
>>677>>679

…………ッ!!
……戦いを、舐めているのか……あなたは……!
自己演出の為の服装に……服装の方に合わせた戦い方なんて……ッ!

【信じられない言葉を聞いたとでも言いたげに、少女の言葉は驚きの色を孕んでいた】
【同時に、抑え難く心の内からわき上がってくる苛立ちの感情もまた、少女の声には含まれていた】
【要するに――――Cypress≠ヘ、全力を出せない事を承知で、敢えてその戦い方を選んだ事になる。しかも全く理不尽な『礼服だから』と言う理由だけで――――】
【それでこれだけの立ち回りを見せる事、その事自体も十分脅威に値するものなのだが、それでも少女には、相手が『ふざけている』と映って仕方がなかった】

…………っく!
(ダメか……全くこっちから気を逸らしてない……ちゃんと、戦場全体を把握して立ち回ってるんだ……!
舐められてるのは分かるけど、それを差し引いても…………この男、相当強い……!)

【その苛立ちとは別に、心の中の冷めた部分がCypress≠フ実力を十分に組み上げ、感情が逸るのにストップをかけていた】
【自分以外の3人への対応だけでも手いっぱいだろうと踏んでいたのに、そんな事をまるで問題にしない様に、自分の仕込みに気づいている】
【その実力は、そうした慢心とも取れる行動にも説得力を与えるだけの、大きな力となって見えていた】
【思わず少女は呻く。身を入れていない戦い方であってなお、埋め難い戦力差が彼我の間に見えている様な気がして】
【――――死を恐れていない少女にとっては、それが戦意を殺ぐ理由にもならないのだが】



(――――――――っ、僥倖ッッ!!)

【だが――――その瞬間だった。味方の1人――――ジャンクちゃんの攻撃が、Cypress≠ノクリーンヒットしたのは】
【明らかに体勢を崩したCypress=Bこれは決定的な隙と少女には見えた】
【――――魔力は十分に溜まっている。今攻撃を放たずに、いつ攻撃を放つと言うのだろうか】
【マークされていた状態も、この隙が帳消しにしてくれるだろう。今こそ勝負の一撃を放つ時だと――――】

――――――――――――――――『ユグドラシル・レイ』!!

【その瞬間を捉えて、少女は力を解き放つ。背中のドーム状の物体に溜められた魔力を、極大の魔力ビームとして】
【青白い中に、ラベンダー色の輝きを見せるその強烈な光線は、体勢を崩したCypress≠飲み込まんと、自分の周囲の邪魔な瓦礫を塵に変えながら撃ちだされる】
【――――少女の作為に気づいていたなら、回避もまだ可能なレベルかもしれないが、もし真っ向から喰らえば、ただでは済まないだろう】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/11(日) 23:43:59.61 ID:gP2E4qdOo
>>678
【旅の商人として、それなりの修羅場は経験しているギアだったが、今回の動きはそれだけには留まらず】
【曲がりなりにも、命がけの鉄火場に身を置いたことで身に付いた、ギアの恐怖と戦う力によるものであった】
【Cypress≠フ言葉通り、それをもってしても紙一重で死を免れたにすぎなかったが】


ぐ……言ってくれるよ、まったく……


【見下されるのも仕方ない、実際にギアはCypress≠ノは遥か遠く及ぶまい】
【たとえ彼の攻撃を耐えきったとしても、状況が好転したわけでもない。それに、ダメージはしっかりと身体を蝕んでいる】

【Cypress≠フ称賛あるいは見下しに、震える減らず口を返す。精神まで屈することだけは、己が許さなかった】
【続く驕りを含んだ言葉を受けて、ギアは瓦礫から降り立って答えた】


……苦しいさ。でも、見てるだけなんてごめんだ!!


【相も変わらず揺らがぬ表情、声音が含む澱み切った闇色】
【人間離れした速度、触れただけで切れ裂かれると思わされる鋭さ、底の見えない深淵】
【恐怖は必死に心に訴える。逃げろ。勝てる相手じゃない】
【だが、心はそれに抗う。嫌だ。もう逃げはしない】


>>679
【眼前に展開された光景。自分のみならず、Cypress≠ワでもが意表を突かれたようだ】
【侍女服の少女が、メスを受けながら一滴も血を流さずに、それどころか反撃して見せたのだ】
【それも、目にも止まらぬ速さ。この場にいるものたちの何人が、これほどの神速をその身に秘めているのだろう】

【見事に決まったカウンター、しかし空中で受け身を取って体勢を立て直すCypress≠フ技量】
【つくづく、じぶんとはレベルの違う世界であることを思い知らされる】


(……今だっ!!!)

【先ほどの自分と同じように、ダメージに襲われる彼の姿。今なら、自分でも付けいる隙があるはずだ】
【右腕を胸に突っ込む。引き出す。プレゼント包装を施された箱が一つ、ギアの右手に握られていた】

【体勢を立て直す彼に向って、箱を投げつける。その身に届く前に、箱は空中で破裂】
【7つの小さな鉄球が打ちだされる。身体に直撃すれば、肉に食い込み、破壊する威力を発揮するだろう】
【さらに、ギアの念を込められた箱は、ギアの意思を正確に反映して作動していた】

>>681の放った魔翌力レーザーを見たうえで、その軌道の左右を塞ぐ形で3つずつ、低空に飛ぶ】
【最後の1つのみが、Cypress≠フ右足首めがけて、直接飛んでいく】

【左右どちらかにレーザーをかわせば、どちらかの3つの鉄球の攻撃範囲が両足を捉えるはず】
【その場にとどまれば、最後の一つが右足首を狙う】

【神速のCypress≠ヨの命中率を、少しでも上げるための分散。果たしてうまくいくか】
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/11(日) 23:54:52.93 ID:JvCI8EMco
>>679

【敵対したことが間違いだ、目の前の強者はそう自分に宣言する】
【対し、ジャンクちゃんの反応も依然曲がる気配がない、彼女は今この時も笑みを崩さずに】


運命がどのように決まっているか、どうして貴方に知る事が可能なのデスヨー?
ワタシたちの目の前の運命は、いわば掘り起こされた原石そのもの……切り開いていない運命を
断じるとは愚の骨頂也!デスヨー!


【手応え有り――――右腕より放った最初の一打は確かにCypress≠ノ通った】
【対能力者制圧用に設計された己の腕は成人男性程度とは比べ物にならない威力を誇るパンチを放てる】
【―――しかし極めて洗練された受け身の動きを持ってその威力は半分程度に殺されてしまっている】


空白の二年間、ワタシたちとて何もしてこなかったわけではございませんデスヨー
―――いいえ、むしろ最初の大敗を味わってからの五年半と少々、技能の研鑽、性能の向上
高める余地のあるところは時間のある限りどこまでも伸ばしてきたつもりデスヨー

敗北の悔しさをバネにして――――何分ワタシも"WILD"も負けず嫌いでございますので


【下にみるのはやめていただきたい、と暗に行動で語ってみせた侍女服の少女】
【だが当然ながらこちらの一撃程度では無力化などまだ遠い、次の行動への挙動が見て取れる】
【予感がする、この動きは"隙"を見せる内に潰しておいた方がよさそうだ!】


これしきの攻撃で打ち取れるとは到底思えませんデスヨー!皆様!追撃の用意を!
大きな行動を取られる前に仕留めなければならない!

―――くらえッ!『ロケットパンチ』ッ!!


【間髪入れずに距離を取りながら、左の拳を前に突き出して再びCypress≠ノ狙いを定める】
【同時、彼女の腕から炸裂音が鳴ると共に、固く握りしめられた拳が再びその男目がけ発射される!】
【この少女、やはりそのボディの全てが『人間の物ではない』――――自動人形だ!】
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/12(月) 00:01:15.73 ID:xM5Ity8F0
>>677-679

【挑発に返る言葉はない。ただ戦意を燃やす双眸が、返答を代行してその影を追った。刹那、】

(……なっ……!?)

【男に叩き込まれたカウンターが凄まじい音を立て、衝撃が現実のものである事を全員に伝えた。】
【……目を見開く。“彼女だけ” ならば未だあり得ないこの状況―――――、】
【理解する。観測する。帰結する――――――、】

(……成程ね。アイオーンと似た型の異能か――――― )

【ごく狭い範囲で、周囲を巻き込んで行う超加速――――― CYPRESS≠フ能力を柊はそう判断していた】
【或いは時間加速の能力だろうか、何れにせよ彼我を高める事に変わりはなく】

【超至近距離で彼が用いる “加速”―――――― その流れをも得たならば、刃は、さらに跳ね上がる速力を得るのだろう】
【仮定に仮定を重ねた話であり、未だ其れは可能性だったが……彼女には、勝機を賭けるのには十分だった】



【瞬間的に予備動作を終える。身に添う様に腕を構え脚を撓める。】
【筋肉の収縮、体重の移動、腱の弾性―――――― あらゆる力を束ね上げ、数段上の加速を生み出すそれを。】
【そう長く保つものではない。身の軋む音が骨伝いに聞こえ、鼓動すらも圧力を増して―――――、】

―――――――――――――――――――……はぁああぁッ!!

【―――――――――――開放、旋風すら纏いながら藍色が踏み込んだ。】
【たわめた脚を一気に離す、地よりの跳躍とも呼ぶべき超疾の移動。】
【それを以て接近を図れたのなら、拳が届く程度の至近距離で着地、腕を自らの胴に添わせ、前腕だけの“短い”間合いから時計回りに相手の胴を一閃―――――】

【CYPRESS≠フ異能、共闘する彼らの生み出した隙、それらをも用いて叩き込まんとするのだろう】
【或いは彼女の一手もまた、次に繋ぐ “隙” を男に生むのかも知れないが―――――。】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/12(月) 00:20:36.00 ID:Fps53hyco
>>681-684

【彼の高い身体が乱れる、燕尾服に包まれた身体はまるで風が如く】
【沈むその一瞬すらも刻まれない墓碑銘のような僅かな願い】
【祈りが届く意味合いも誰も知らないのだろうかと感じて】

【確かに彼は一瞬の隙を見せた、かと言ってソレが敗北につながる訳ではない】
【一手の遅れなど容易に取り戻してみせる力が彼にはあるから】
【そしてそれを実行して見せる行動力も、彼にはまた、あった】

【彼の武器は高い身体能力だけにとどまらないのだから】
【冷静な判断力、身体が軋みダメージを伝えた瞬間に、ラベンダァイスの事を思い出す】
【――――――狙い打たれる、それを読むことが、できるくらいには】


……なるほど、それは想定していなかったな……レディ
人間でないのならば、最初にそう言っていただかないと……
人ならざる者にはそれ相応の対応をしなければ、ならないでしょう

相手に対しては出方を変えなければ、マフィアは成り立ちません


【紡ぐ言葉はジャンクちゃんへと向けた言葉、紡ぐ音律が歪みを見せる】
【縦に引き裂く一閃、右手に握られたメスが羽ばたいたならば白銀が一葉舞って】
【彼へと接近する追撃のロケットパンチを一振りで斬り裂かんと為すだろう】

【それはさながら一つの交響曲の、タクトを振るう指揮者が如く】
【隙を見せても尚、それを一人で埋める、その気概を感じさせるほどに】
【振りぬいたメスの一閃が、室内に鳴り響いたなら】


それは貴女にも言えること、と分かっているのでしょうか
何の策も講じず向かってくるほど愚かではない、と思っていましたが……
それとも、ある種の考えがあってのことでしょうか、ですが

――――――その考えが間違ってるとは思われなかったのでしょうか


【ジャンクちゃんの攻撃を切り裂き縦に振りぬいたメスが下へと振り下ろされる】
【横薙ぎの貴女の一閃を縦に叩き落さん、と――――――そう願って】
【加速≠ニは違う彼の能力は、そうではない、とその一瞬に理解できるだろう】

【力を込め、体重を加えたその一撃を、彼はメス一本で防ぐことができる筈だ】
【彼の力が強いというわけではない、彼の速度が速いというわけではない】
【貴女の力が減少しているのだ、とハッキリと感じ取れるだろう】


闘いを舐めている訳ではありません、そもそもこれは闘いとすら言えないのですから
貴女で最後です、貴女の切り札を切り裂き、今宵の終幕と致しましょう
そろそろ――――――時間で――――――ッ!!!!


【視線を傾けた、ラベンダァイスへと、貴女が攻撃を放つコンマ数秒の差】
【回避しようと踏み出した脚が貫かれた=\―――――3つの鉄球が彼の脚に絡め取られる】
【表情に焦りが見えた、どこだ、どこから、零れた汗は確かな形で】

【視線の先、今まで見下していたギア・ボックスの姿がそこには在った】
【生まれた僅かな隙、それを補うためにジャンクちゃんと柊へと全神経を集中させた】
【故に周囲への注意が遅れた、僅かでも傾けていれば柊の一閃は潰せなかったであろうから】

【きっと、心の奥底に在った、ギア・ボックスへの余裕が、ソレは言葉からも理解できるだろう】
【唇の端を噛み締める、その音すらも巻き込むラベンダーの奔流が彼を包み込んだ】
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/12(月) 00:20:49.40 ID:Fps53hyco
>>681-684


【直撃するユグドラシル・レイ≠サの大きさは彼を包み込むには十分すぎるほどに】
【ラベンダー色の光線が彼を包み込んだなら、まるでそれは雨の中に葬られる弔いのよう】
【消えるその一瞬すらも辿れぬ彗星が如く、瞬きを続けて――――――】

【生身の人間ならばひとたまりもない威力であろう、それはきっと彼を相手しても変わることはない】
【人一人蒸発させてもまだ余るエネルギーの攻撃である、本来ならば当たるはずのない攻撃】
【それが直撃することができたのは一人の力ではきっと成し得ない出来事であろう】

【四者四様の能力、或いはその存在すらもが彼にとってのイレギュラーであって】
【故に、圧倒的な力を見せていた彼を掴むことが出来たのだから】
【孤高の勝利者などこの世界には存在しないと、伝えるように――――――見えた】


――――――――――――Die Young=\――――――――


【光の中から声が聞こえるだろう、静かな、それでいて怒りを秘めた言葉】
【その光景を見ていたなら気づくことができるだろう、ラベンダァイスの攻撃は直撃していない、と】
【否、正確に言えば、彼に触れた側から少しずつ減衰していっている、と】

【光が枯れていく、ラベンダーの中に佇む彼の姿がハッキリと浮かび上がる】
【ダメージは受けていた、燕尾服にはところどころ傷がつき、そこから赤い血が流れていた】
【けれども致命傷とは言い難い、表情は静かに僅かな怒りを感じさせるぐらいには】

【光にかき消されていた彼の姿が完全に見えるだろう】
【右手がユグドラシル・レイ≠ヨと伸ばされて、そしてその先にはメスがあった】
【けれどもメスはその直撃に耐え切れず、その形を崩して地面に落ちる】

【メス一本で殲滅する、その言葉は既に意味をなくして、その方法も無くした】
【後に残ったのはダメージを負った彼と、未だ生を残す彼ら】
【一歩、前へと踏み出したなら彼の言葉が風を切った】


……老い=\―――――それが私の能力です――――――
私の周囲に居る人物は老い続ける……老いた筋力や視力では、私は捉えられない
だが、ここに老いを受け入れない人物≠ェいらっしゃったとは、完敗です

――――――ですからもう、終わりに致しましょう
此処にもう生きていい人間など居ないのですから……ッ!!!


Die Young=\―――――――――――


【空っぽになった右手が空中に上がる、彼の手を中心に黒い魔翌力が集まっていく】
【彼の言う老い≠フ魔翌力であろう、触れたならきっと、高いダメージを負うはずだ】
【接触したならその部位を老化させ破壊する、掠っただけでも大ダメージは避けられない】

【僅かな間の後、弾けるだろう、室内全域に波動として魔翌力がはじけていく】
【生半可な回避や迎撃では足りない、各々の全力が、求められるだろう】
【正真正銘の全力である、と言っていいほどの攻撃】

【そしてそれは機械であろうと例外ではないだろう】
【ジャンクちゃんに触れたなら、その部品を老朽化させ、破壊する、それほどの性能があって】
【――――――当然Amy Syndrome≠覆う硝子を破壊し、その中のカプセルすらも、破壊されるほどに】

【目的を捨て攻撃に転じた、そこまで追い詰められた、ということであろう】
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/12(月) 00:22:45.33 ID:+qSKnbiq0
>>680
/まだいますか?
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/08/12(月) 00:28:27.51 ID:2hTb42dto
>>687
/まだ居ますよー!
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/12(月) 00:45:00.20 ID:4Ne1td1U0
>>685-686

……………………ッ!

【攻撃は、確かに決まった。ジャンクちゃんが――――かつて、『第八回水の国大会』で戦った経験がある味方が切り開いた隙を縫って】
【余りに遠い記憶で、既に少女も半ば忘れてしまっているが、そこには確かに因縁があった】
【そしてその隙を、ギアが抑え、八攫が切り開き、少女の放った『ユグドラシル・レイ』が、Cypress≠完全に飲み込んだ――――――――はずだった】

え……っ、これは……!?

【しかし、少女はその光景の中に、Cypress≠フ無事を確認してしまう】
【下手をすれば装甲兵器ですら大破させかねない程の強烈な光線を、ほんの重傷程度――――まだ戦闘能力を継続し得る程度にまで減退させている】
【想定外――――と言う他なかった。回避されてしまうならまだ分かる。だが、減退させられると言うのは――――】

…………っ、全てを衰えさせる、能力……!
……さっきの時計も、あれは風化して……!?

【Cypress≠フ口から放たれる、その力の正体。これは不味いと少女の胸中で警鐘が鳴り響く】
【敵への攻撃と弱体化、その両方を同時に成し遂げてしまう能力であり、今見た様に、身に浴びる攻撃の勢いさえも衰えさせてしまう】
【――――『ユグドラシル・レイ』の一撃は、少女の持つ力でも最大火力に近いものだった。それであそこまで減退されると――――】
【少女の持つ攻撃手段で、決定的な有効打を与えるのは限りなく難しいと言えるだろう。それどころか――――】

(――――っ、不味い……もしそれが本当なら、『タートル・フォース』のバリアなんかじゃ、全然足りない……ッ!
きっとあの魔力に触れれば、バリアごともって行かれる……受けに回ったら、押し潰される……!)

【Cypress≠フその手に、魔力の塊が渦巻いて行くのを見てとり、少女は焦る。次の一撃は、向こうの能力を攻撃へと転じてくるものだと、確信して】
【『ユグドラシル・レイ』ですらあそこまで減退させられた魔力を浴びせられれば、如何に強固とは言え『タートル・フォース』のバリアも砕いてしまえるはずで】
【そうすれば、後はあの懐中時計と同じく、バラバラに破壊されてしまう結果が待っているだけ】

(――――避けなきゃいけない……でも、『セイバー・フォース』の跳躍力や『サキュバス・フォース』の翼じゃ、多分……翼……?
……跳躍じゃなくて、飛翔しかない…………ッ!)

【防御は恐らく当てにできない。なら回避するしかないが、その手段は不在だと、少女は一瞬諦めかけた】
【だが『飛翔』と言うキーワードが脳裏をかすめた時――――そこに活路が見えた】

――――――――『イーグル・フォース』!!

【その活路を往かんと、少女は力の限りに叫んだ。閃光が、亀の身体を包み――――】

【ラベンダー色の羽毛を持った、巨大な鷲】
【鋭い嘴と鉤爪を持っており、翼は片翼だけで3m近くあるだろう】

【――――その姿を、鷲へと変じさせた。空の支配者である鳥の姿へ――――】
【そう――――Cypress≠ェ天井を崩落させているからこそ、上へと逃げる希望がそこにはあった】
【空中へと逃れられれば――――それこそ、鳥は空の支配者だ。如何様にも逃げようはある】

――――――――――――――――ッ!!

【咄嗟に羽ばたき、飛翔――――Die Young≠フ荒れ狂う室内から、飛び出す】
【全方位に放たれた波動が、崩落した天井からも溢れてくる。その余波に巻き込まれて、左足と尾翼の一部が萎縮を起こし、壊死していく】
【だが、今は生きるか死ぬかの瀬戸際。その痛みすらも意識の外へと放り出し、鷲と化した少女は高く高く飛び立った】
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2013/08/12(月) 00:45:12.87 ID:+qSKnbiq0
>>680
【砂を踏みしめるざらりとした音を響かせながら、看護婦の元へと足音の主は向かう】
【看護婦の後ろから近づく足音の主は、夜の街灯の光を反射させる白髪と爛々と光る紅玉の瞳を闇の中で浮かび上がらせ】
【口を覆った包帯のような布を棚引かせたこの夏の日には熱く苦しい見た目の神父服の中性的な人物だった】

この夜更けに誰か気配すると思えば

【神父服の人物は高すぎず低すぎず、女性とも男性とも取れる声で一言だけ呟いた】
【冷静な声に、聞こえるがその声にはどこか舌足らずな――というか眠たげな間隔が混じっていた】
【どうやらこの近くで野宿か何かをしていたようだった】

治療の修練中……ではないようですね

【神父服の人物はそう告げると、紅く光る血球の瞳を半月の形へ変えると】
【ターゲットであった木のほうへと近づくと、その様子をジロジロと眺めて調べている】
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/12(月) 00:59:08.42 ID:Si4kaFXWo
>>685
【D.R.U.G.S.℃領Cypress=B数多くのマフィア組織の頂点に立つ男】
【幾度か戦場に立った程度のギアなど、アリに等しいだろう】
【しかし、ここにいるのはギアだけではない。数多くの戦いを生き抜いてきた、彼女たちがいる】


(やった……!!)

【指揮者のようにメスを振るい、ここに至ってもまだ優雅であった彼が、崩れた】
【二人の戦士がいたからこそ、通った攻撃。ギアの『サプライズ・キューブ』は、確かにCypress≠撃ち抜いた】

【自分の攻撃など、アリの一噛み。だが、戦場においては時にそれが生死の境界線とも成り得る】
【ギアが彼の目にもはや留まっていなかったからこそ、そして何より彼女ら三人がいたからこそ、アリの存在が活きた】


『サプライズ・キューブ』……僕の作った武器だ
僕の名前と共に、お前を貫いた≠アいつの名を刻み込め!!

【初めて自分に向けられた焦りを含んだ視線と言葉に、己の生命線である玩具武器の名と共に】
【今一度、彼に言葉を叩きつける。次の瞬間には、彼の姿が光のなかへ――】


>>686
なっ……あれを食らって、まだ……!?

【ユグドラシル・レイ≠フ威力は、素人目に見てもまともに食らって生きていられるものとは思えなかった】
【光を押しのけて現れるその男、傷を受けてはいても致命傷には遠く、今や表情には怒りすら滲ませて】
【彼の宣言と共に崩れ落ちて消えるメス、そして彼の発する言葉とが、ギアの脳髄に流れ込んでくる】


老い……速かったんじゃなくて、こっちが衰えていたのか……
Die Young=c…なんて力だ……

――――いや、まだだ。まだ、諦めない!!

【Die Young≠ェ猛威をふるう。Cypress≠ェ発する終了宣言。あらゆる命に絶命を命ずる、絶対的な老い≠フ力】
【あれに巻き込まれれば、20代にして老衰であの世逝きに成りかねない。かといって、あの強力な魔力】
【室内全てが、その攻撃の範囲内であろう。今から出口に走っても間に合わない。彼を攻撃するのも間に合わない】

【魔力が弾けて、室内を侵食するまでの僅かな間に、ギアは靴に仕込んだそれを発動させた】


『スプリング・シューズ』!!!

【活路を見出せるのは、上。Cypress℃ゥ身が空けた穴。靴に仕込んだバネが靴底を破って飛び出し】
【ギアの身体を空中へ運んだ。直後、足元から上りくる波動。飛び出したバネがまず巻き込まれ、急速に錆びつき。砕けていく】
【足元から迫る老い≠ゥら、逃れられるか。バネの力は強力だが、滞空時間がどこまで持つか】

【ラベンダァイスのそれとは違い、ただの飛び跳ねにすぎない。いずれは、重力に引かれて展示室に落下することになる】
【分の悪い賭けだが、果たして――?】
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/08/12(月) 01:04:53.96 ID:2hTb42dto
>>690
「―――やっぱり、投げ方を変えたほうが良いんですかね……」

女の方はといえば、注射器を投げまくった挙句スロースタイルの考察を始めてしまう始末。
神父服の人物に気づかない辺り真面目に考えているらしい女は、二三回その場で軽くオーバースローの投げ方を注射器を持たずにやってみる。
……彼女曰く「ちょっと右寄り」らしいが、中央に刺さっている何十本の注射器しか神父服の人物には見えないだろう。

「よーし、そうと決まれば後もうちょっと……ひゃっ!?」

まるで野球に熱中する子供のような眼差しで木へと視線を向け―――其処で気づいた。神父服の人物に。
最初こそ口を覆う包帯とか白髪に疑が浮かんだり、神父服ってものすごく暑そうだな、などと考えていた女だったが、
その闇夜に浮かび上がる紅い瞳。それを注視した途端、どっと汗が溢れてくる。
……その内女は、手に現出させていた注射器を消した後、両手を上に挙げた。

「……た、食べても美味しくないですよ……」

場違いなことを神父服の人物に言いながら、所謂ホールドアップの体勢。彼(?)に恐怖の感情を抱いたらしい女の顔は、軽くこわばっていた。
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2013/08/12(月) 01:35:13.29 ID:+qSKnbiq0
>>692
(右よりといっても殆ど真ん中と思うのだが)

【神父はというと、こちらもまた注射器のほうに興味をやっていて女の様子は気にしていない】
【凡そ武器らしく見えないその見た目、もしくは能力というものに惹かれたのかそれを調べんと顎に手をやり考えて】
【息を、あるいは内部に溜まった熱を抜くように口元の布を少し緩めると空を見上げて溜め息をついた】

【そして、看護婦の驚きの声と眼差しに気がつけばゆっくりと振り返って軽く微笑んだ】
【と、言っても口元の見えない外見と細く零れる紅とで逆に妖しくも見えるかもしれない】
【だが、神父服の人物に至って邪心めいたものは無い。それを示しての微笑なのだが――如何せん見た目に説得力が無いとも言える】

私はカニバリズミアンじゃないですよ
そも神父ですから、殺人は起しませんからそんなに強張らないでください

【微笑を浮かべたまま、諸手を開いて告げる】
【……だが、その服の奥にはギラリと光る物――刃の類がちらりちらりと見え隠れする】
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/12(月) 01:36:44.88 ID:xM5Ity8F0
>>685-686

【斬撃のいなされた事実が己が衰えを、けれどその直後の暗器が、閃光がそれが無駄でなかったことを伝えて】

(……やった、の……―――――――……ッ!?)

【撃破の失敗が生む衝撃、だが気を取られている暇など無く―――― “老い” の語りがその完全な真相を伝える、】
【続く言葉がけして彼らの生を許さぬと謳う、】

【 ……こころが、意思が拒絶する。】

……それは貴方の決める事じゃない――――――
誰にも、それを決める権利なんて無い……ッ……!

【躰は既に限界が近い。……あの異能を受けた上での過負荷が、全身をひどく痛めつけていた。】
【…………だが、】

(……この一時だけがあれば、貴方への勝利には事足りる―――――――――)

【―――――――あと、一撃。それまで保たせる。】
【初めて共闘う “彼ら” がいる。その光はこの闇にも輝いていて―――――もう一度、生きて語らいたいと今、思う。】
【ならば敗けられない、この程度の絶望如きに膝は折れないと振り絞る―――――――】


【…………出た答えは、ひとつだけだった。】
【“今” だけを往く、】

―――――――――――――……っ……くぅ……ッ……!!

【踏み込む―――――――断ち切るために、】

【辿り着こうとしたのは魔力波動の最深部。……打ち砕くには、最良の部位。】
【正面に構えたのは太刀と――――懐から取り出した石の変じた、漆黒の装甲を纏う右の前腕、】
【三角形に近い構えで主を護るふたつの武具だ。ただのそれらならば容易く朽ちるのだろうが、耐え凌いだ事実にも、少女の胸に驚きはなかった】


(…………“記憶石” の腕甲――――― “記憶” のままにかたちを保って……!)

【――――― 記憶は、この胸にある刹那は永遠だから。】
【譬えこの身が朽ち果てたとしても、あれに触れさせないと誓うから。】
【幾度でも、幾度でも必ず思い出そう―――――― 最後まで共にありたいと願う/辿り着く/剣を揮う、】


……焔翅、剣葬―――――――――――――――

  【  解き放つ火の力が圧縮される、 】

    ――――――――――――――――――――迦楼羅ッッ!!

【―――――――――― 斬撃として翔ける黄金の劫火。深く深く斬り込んだ横一文字の刃が、全霊の一閃を魔力に放った。】
【その中心部を灼き尽くし、総て断つ超灼熱の秘剣――――――― 彼らが在らずば勝利の有り得ぬ、何よりも迎撃を試みた一手。】
【叶うならCYPRESS≠烽ともに打ち払わんと――――――絶望を、共に切り拓く刃(ありかた)だった】
【……これ以上は“彼ら” に任せる他なくて。あとは、隙を晒すのだろうが―――――、】
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/12(月) 01:38:41.48 ID:sgAGERmHo
>>685

【放った二撃目のロケットパンチを、彼はその手元のメスを使用する事で叩き落とされたのを見て】
【ここで少々苦い顔を見せるジャンクちゃん、あんな細いメスで防御されるとは……】
【それだけではない、今まさに自分が発射した片腕はあっさりと切り裂かれてしまった―――?】


手札を切るタイミングという物は適切に選べと常に仰せつかっておりますのデスヨー
しかし、ワタシのロケットパンチを切り裂くとは……後で修理しないとお料理も出来ませんデスヨー

(指の駆動部分に沿って切り裂いた―――だけでは説明がつかない、切り結ぶだけならともかく
ワタシの鋼鉄の手、その強度を切り裂くほどの何か、攻撃の『加速』だけでは説明がつかない)


【相手は間違いなく、何か攻撃の効果を上げる『能力』を身につけていると見た】
【次の行動までにそれを見抜かなければ時間がない、一体何がある?すでにヒントがいくつかある】
【最初の様子見で全く当たらなかった攻撃、なのに思いのほか容易く当てる事の出来た自分の攻撃】

【答えはその次の行動と共にジャンクちゃんの目前に飛び込んで来た!】


老いを与える能力――――!身体能力だけでは説明のつかないほどの回避は
時間を重ねるごとにこちらの方が急激に衰えて行ってしまう、ワタシだけが変化が薄かったのはそれデスヨー
なかなか運が悪いようで、たしかにその能力ではワタシとは少々『相性が悪い』デスヨー

これで、メス一本で殲滅する……まず、その目的は阻止完了したのデスヨー


【だが一方で、『相性が悪い』だけと言うのも理解した、同時に理解したのだ】
【自分のロケットパンチをメスで切り裂いた、と言う事は自分の拳もあの時メスで切れるほどのひずみ、『劣化』が起きていたと言う事】
【この能力は生物限定の力ではない……この力で劣化させる事で自分の鋼鉄の防御力を突破する事も可能!】


(相性が悪いようでいて、なかなかに手におえない!これが一組織のボスの力……!
一団体をまとめ上げるだけあって、その実力は六罪王に匹敵する―――!)

"老い"の魔翌力の爆発―――!まずいデスヨー!この攻撃は―――!
なんとか対ショック態勢を――――あ、ぐぅ……ッ!


【残った右腕で庇うように魔翌力の爆発に全力で防御を図るが、これは相当に厳しい】
【ただ威力だけで吹き飛ばされるだけでなく、全身から異常なきしみを感知する、全身が劣化を始めている―――!】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/12(月) 01:45:42.13 ID:Fps53hyco
>>689>>691>>694-695

【上へ逃げるという判断は正しいと言って良いだろう】
【本来ならば天井に阻まれたいた逃げ道が、彼の崩落によって切り開かれたのだ】
【少なくとも波動を回避するには十分なほど滞空できるだろう】

【上から下へと彼の様子を眺めたなら、その攻撃の後ふらつく彼の姿が映るだろうか】
【全力のDie Young≠ノよる攻撃それは非常に高く強烈な効果を持つ】
【かと言って連続で扱うことも出来なうのだろう、それほど高い出力を持つ】

【けれども組織の長たる人間が放つ一撃が、その全力の一撃が、それほど淡いものであるというわけはなかった】
【波動は地面で燻るだけではない、壁へと伝搬し、天井からも降り注ぐが如く】
【ラベンダァイスの一部を老化させるほどに、その力は高い】

【軋んだ音を感じさせるジャンクちゃんの姿、それでもなおDie Young≠ヘ衰える気配はない】
【それこそが彼の能力の恐ろしさであろうか、全力を持って放たれた老化は誰をも救わず】
【――――――そして、永久に燃え続ける、筈であった】


――――――――――――!!!!!!!!


【弾ける轟音、響き続けた彼の波動が砕ける音がするだろう】
【柊の一撃が彼のDie Young≠真正面から打ち砕いたのだ、死が晴れる音がする】
【炸裂する波動、灼熱が包み込み、死を浄化していくのだろうか】

【炎の勢いは衰えること無く、響き続けて】

【割れる硝子の砕けた音色、落ちる破片の中にカプセルは巻き込まれて】
【最古の病原菌と呼ばれていた遺物は、風の中に溶けていくのだろう】
【無音が室内を包む――――――そうなると思われていたが】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [!nasu_res]:2013/08/12(月) 01:46:18.22 ID:Fps53hyco
>>689>>691>>694-695

【壁が崩れる音がした、視線を向けてみれば、硝子の裏の壁が切り裂かれたかのように開いて】
【崩落した壁の奥からに満点の星空が、浮かぶ姿を見ることができるだろう】
【そしてそこに浮かぶ月の下、夜から切り取られた輪郭を見つけることも】


「ほーんとっ人使いあらいんだからぁ、ボクが居なかったら折角の病が台無しだよ♪
でもまさか、此処まで全力だすとは思わなかったよ、苦戦したって、ことかしら?
ねぇねぇ、見せて見せて、キミが苦戦するほどの相手の姿、ボクも見てみたいなーっ♪」


【響くのは甘ったるい脳を蕩かすような少女の声】
【猫撫で声が貴方達にも届いたなら、そこに浮かぶ姿を捉えることが出来るのだろう】
【月を背に浮かぶ少女の形は、どう考えても人ではなくて】

【小柄ながら豊満な身体を大きく露出したホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ意外は白く肉感的な素肌を晒している少女】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて真紅の瞳を濡らす】

【背中には巨大な悪魔羽根が揺れて彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに愛らしい雰囲気を創りだす】


……今日の所は何も言わないでおきましょう、それほどまでに責められる内容でした
貴女が此処に来たということは、時間、という訳ですね――――――
約束の品、期待しても宜しいのでしょうか

「大丈夫、大丈夫♪一端ボクの虜になっちゃったらっ
Toxic≠ヘボクのしもべも同然だよっ♪」


【彼の側まで少女がふわふわと浮かびながら近づいてきたなら】
【そっとその身を、まるで混ぜ合わせるように密着させるのだろう】
【そうして耳元でそっと息を零したなら、その生の掌にカプセルが浮かび上がる】

【彼が破壊したAmy Syndrome≠少女が復元した、ということであろうか】
【彼はソレを握ったなら、大きく一度、がくんと膝を崩した】
【再び立ち上がると、視線を残った能力者たちに向けるのだろう】


「ほーんとっD.R.U.G.S.≠フトップがすっごい姿にされてるねっ驚いちゃった
はいはいみんなちゅーもくっ♪今回はこっちの負けかな、組織のトップがここまでボロボロにされちゃったんだもん
でもね、次はこーはいかないよ、ひょっとしたらボクの出番も、あるかもしれないしね♪
IL=Nightwish、気ままな病魔が、キミ達にホントの病を教えてあげるんだから」


【刹那、機械音が響き渡るだろう、サーチライトが夜から零れ落ちた】
【壁に空いた穴、そこから覗くのは一機のヘリコプターで】
【ILとCypressはくるりと踵を返して、ヘリコプターに乗り込み、その場を後にするのだろう】

【死の暴風が吹いた後には、壊れ尽くされた死の世界が広がって】
【それでも生き残った生命は、確かにCypressへと大きな打撃を当てたのだ】
【Der Tod und das Madchen℃と乙女が去った後には、素晴らしい生だけがあった】

/これにてイベント終了です!お疲れ様でした!
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage]:2013/08/12(月) 01:50:13.16 ID:2hTb42dto
>>693
あわわわわ……と、何処かに連れ去られたりする可能性などを考えていた女は、
振り返った神父の――口元の布でよく分からなかったが、多分――微笑と、その言葉で手をおろし、一旦落ち着くことに成功する。
そうだ、神父服を来ているということは、敬虔な信者のはずだ。ならば、そんな心配は無用……。

「……ホ、ホントですか……?」

そう判断した女だが、やはり見た目の怪しさからか素直に納得する気になれないようである。
因みに普段は踏ん切りがよく、幾らでも詐欺に引っかかってしまいそうな性格であるが……警戒すべき所は確り分かっているといったところか。
女が注意深く神父を、神父が木を観察していると、その内木に突き刺さった注射器が次々と消えていくだろう。

「あ、注射器は突き刺さるとその内消えていくようになってるんですよ―――……!?」

其れに気づいた女は、神父に説明するかのようにそう告げていく。
それを見れば――見なくとも先程までで分かっているかも知れないが――女が能力者であると、神父にははっきりわかるはずだ。

さて、説明を終えた直後、女の目が何かを捉えた。……刃物。神父の服の奥にチラリと見えた、外灯に反射する光だ。
先ほど神父はああ言ってはいたが、此処は能力者の世界。それは、さすがに女にもよく分かっていることであって。

「……本当に、大丈夫なんですよね……?」

確認するかのように、一言絞りだす。先ほどと違っているのは、手元に注射器が一本、召喚されていることだけだ。
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2013/08/12(月) 02:03:22.80 ID:+qSKnbiq0
>>698
【落ち着いたであろう女性を目にすると、神父服の人物は誤解が解けたであろうと判断した】
【そして、少々寝起きゆえか乱れていた服装を正すと埃をはたいて】

神に誓って

【女性の納得できないような声に対して、自分の右手を胸にやって背筋をぴんとはって断言した】
【どうやら見た目よりかは幾分と穏やかそうな性格のようである】
【そして、何か違和感を感じてまた木の方へと視線をやれば次々と消えてゆく注射器にほぅ……と小さく呟いてその様子を注視した】

回収してるんですか?それとも、使い捨て……?

【神父が、そう問いながらまた女性へと振り返ると女性は先ほど以上に警戒しているように神父服は思えて】
【理由も分らず首を傾げながら、その視線の場所へと目をやれば――ああと納得したように頷いて】
【服の奥に仕込んでいる刃物の一つ――小剣を一本取り出した】

大丈夫ですよ
あくまで神に仕える身ですから、『人は』殺しませんよ

【再度微笑を浮かべながら、神父服の人物はその十字架のような小剣を弄りながら答えた】
【だが、その言い方はまるで人外ならば容赦なく[ピーーー]とでも言わんが言葉だ】
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/12(月) 02:04:48.27 ID:4Ne1td1U0
>>696-697

……っぐ、うっ……!

【――――部屋の中で、味方の誰かがCypress≠フDie Young≠打ち破った様子が見えた】
【だが、それ以上の事を確認する前に、崩壊した左足と尾翼から突き上げる痛みが、意識を混濁させる】
【懸命に羽ばたきながら、先ほどまで意識の外へと追いやっていた痛みによって、呻き声が漏れ出た】

――――っ、そんな……ここにきて、増援……!?

【一応、空へと逃れた少女だったが、そこに、全く別の方角から――――奇しくも、自分と同じ空から、戦場全体に響く声が聞こえる】
【――――まるで『サキュバス・フォース』を用いている時の自分を見ている様な、そんな奇妙な少女が、そこに居た】

……不味い、っ……防衛対象が……!

【そして、その少女とCypress≠ェ、自分たちが守るべき代物であるカプセルをその手に確保している事も見てとる】
【これでは、自分たちの負けとも取られかねない結果となってしまう――――意識の中から強引に痛みを押しだして、少女は再び戦いの構えを取ろうとする】

――――――――――――――――っ、え…………!?

【だが――――現われた増援の少女――――IL=Nightwishの名乗りに、少女の頭が真っ白になる】
【『イル』――――その言葉は、少女にとって禁忌の様なものだった】

…………ッ、っ……ディザスター…………ッ!!
あ、あぁ…………ぁぁぁぁあああああッッ!!

【――――イル・ディザスター。かつて、少女の『父』の肉体を奪い、世界を死滅させんと暗躍し、『父』の肉体もろとも消え果てた精神体】
【名前の一致は、偶然でしかなかったはずなのだが、しかしそれでも、少女の心に耐え難い衝撃を――――あるいは、この戦闘でのダメージよりも大きなものを】
【少女の心に、そのふわふわした声音は叩きつけていったのかもしれない】

ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ…………ッッッ!!
――――次があるなら、『消して』やる……っ、絶対に……絶対にぃッ!!
もう、世界に悪意の災厄なんて、起こさせない…………私が、絶対にぃッ!!

【少女のトラウマが刺激されたか、少女は去っていくそのヘリコプターに、もはや意味の無い怒号を叩きつける】
【――――全てが壊れてしまったあの瞬間を、二度と繰り返さないために。全てを救済する『死』を、渇望するように】
【――――その瞬間、そこにいたのは戦士では無く、ただの身よりのいない1人の少女の姿だった】

…………ぐ、ぁが…………『サキュバス・フォース』……

【ともあれ、戦闘は終了した。今は傷を癒す事を優先しなければいけないと、少女は最後の変身を行う】

【背中にラベンダー色の翼膜をした、悪魔の様な翼が生えた事を除けば、素体そのままの姿だが】
【見に纏う魔力は質量を増大させており】
【翼からは、光の粒の様なものが燦々とこぼれている】

【身軽なこの姿になって、少女はいずこともなく飛び去っていった。左足のふくらはぎと、背中から腰にかけての部位に、剥き出しになった傷を抱えながら】
【そして心には――――父を殺した人間と同じ名前の敵を迎えた、心の傷を痛めながら――――】

/遅くまで乙でしたー!
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/12(月) 02:17:55.39 ID:Si4kaFXWo
>>696>>697
【バネの力で空中に留まる僅かの間、どうにか老化の力からは逃れられたようだ】
【見下ろせば、足元がおぼつかないCypress≠フ姿】
【続いて、柊の秘剣が死の波動を砕く光景が飛び込んでくる】

【あれほどの強力な波動を放つCypress≠焉Aそれを正面から撃ち破った柊も】
【とんでもない強者たちだ。落下中であるにも関わらず、一時ギアはそれに目を奪われた】


う、わ――――ぐっ!!!

【ギアを地面へ引き戻す重力が、意識をその光景から現実へと引き戻し、口から洩れる悲鳴】
【数瞬後には、ギアの身体は展示室の床に叩きつけられていた】
【全身を蝕む痛みに刃向かいつつ、必死にギアが身を起こすと。そこには――】


…………!?
なん、だ……悪魔――いや、病魔、だって……?

【人とは異なる魔の存在。自身も参画した、風の国の戦いで敵の大将であった半魔の名が想起される】
【ギアはその半魔と直接会ったわけではない。これが、初めての魔との邂逅だった】
【官能的な姿、蕩ける甘い声音、悪魔羽根と尻尾。妖しさと異様を兼ね備えた姿】

【目の前の出来事に思考が追い付かない。何とか理解できるのは、Cypress≠ェ魔のモノと繋がっていたことと】
【古代のウイルスの防衛に失敗したらしいこと。それだけだった】
【思考が途切れた途端、全身の痛覚が覚醒する。ギアの身体が崩折れる】


ぐ……そう簡単に、好きにさせる、か……
う、ぐ……

【力を振り絞って、やっとそれだけ。言葉を吐いたら、後は消えていく二人を見送るしか出来ず】
【死と乙女が去り、残った己の生を噛み締めながら。ギアは展示室の床にその身を横たえる】
【今はただ、傷と疲れを癒すことしかできなかったから】


/楽しませていただきました!! ありがとうございました!!
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage saga]:2013/08/12(月) 02:24:30.09 ID:2hTb42dto
>>699
「……使い捨て……ですかね。私の注射器は能力で出来ているので、そういう風になってるんです、けれども……」

やはり、気になるのは服から見える刃。そう話している内にも、女の視線は何度かその鋭い反射光のチラつく服の隙間に向く。
そうして神父が小剣を取り出せば、その顔は一層険しくなって、召喚した注射器も何時でもスローイングが出来る体勢で落ち着いた。
……その警戒は、要らぬものだったのかもしれないが。

「―――……そう、ですか。分かりました、貴方の事を信用します!」

神父の言葉には何か引っかかりを感じた。「人『は』」。それは、人間を殺さずとも人外は殺せるという、そう解釈が出来る。
勿論、神父が意図してそういった言葉を使ったのかは、女には分からない。
だが、人は殺さないと言ったことで心に余裕が持てたか、女はとりあえず、その注射器を再び虚空へ溶かすと、そう言い切った。
それは、神父のみならず、「人外ならば殺す」という言葉に対してもの言葉。そんな事してほしくないといった、純粋な願い。


「……えーっと、……神父さんはこんな所で何をされてるんですか?」

次いで出たのは、疑問。自分が言えたことではないが、もう夜はとっくに更けている。
散歩とかそんな感じなのかなとは思うが、自分がこんなことをしているのだから、また違ったことなのかもしれない。
因みに、少し言葉に詰まったのは神父の名前を知らなかったからである。
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2013/08/12(月) 02:43:52.93 ID:+qSKnbiqo
>>702
そうなんですか
やはり、能力というのは多種多様ですね
私にはまだ把握できぬ事ばかりです

【感嘆の声と、愉悦そうな表情でそう告げると】
【体勢を変えた女性に、反射的に険しい顔で、構えてしまう】
【向けられた敵意を、放たれた刃を、あくまで振り落とさんという為の行為でそこに敵意はないのだが、ある意味では誤解を招きかねない】
【如何せん、人の肉体に刻まれた記憶は意志と関係ないらしいのだ】

そうですか、それは良かった
私としても無駄な争いは本意ではないので

【虚空に解けた注射器を確認すると、神父服の人物もまたその小剣を光を走らせ消した】
【女性のが能力であるのに対して、神父服の人のそれは魔術と言うのが正しいのかもしれない】

あー、いえ
恥ずかしながら寝ておりました
もう少し先にあるベンチの方で

【女性の問いかけに神父服の人は恥ずかしそうに答えた】
【ホームレスか何かの類らしい、服装とはおおよそ似つかぬ理由であった】

一応、訳があるんですよ?
このシーズンで近くの宿が取れなかったという訳が

【神父服の人物は弁解しているが、間抜けな理由だ】
【呆れられ、馬鹿にされても文句の言えない理由だった】
【だが神父服の人には大変な事らしく、半ば大袈裟に弁明している】
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/12(月) 02:51:58.53 ID:xM5Ity8F0
>>696-697

【灼熱の斬光が告死の波動を迎撃し―――――― 撃ち放った斬撃の体勢のまま、ぐらり、傾ぐ躰が膝を衝いた】

【……既に限界近かった躰を駆り立て、全霊の一撃を放ったのだ。その身に、余力などある筈もなかった】
【乱れた呼吸、動かぬ躰。回復には、今暫くの時を要するのだろう】

(……だけど、これで―――――、)

【座り込んだ姿勢のまま光景に向ける視線。】
【敵の傷は深く、同じく最大の力で激突を迎えた以上、“力” の大半は尽きた筈――――、】
【……標的であったウイルスも砕かれた今、男の目論みに見込みはないのだろう】
【状況を判断する橡色の瞳は彼の姿を映し、】

【見開いた、】

【予期せぬ新手が試練を笑う。笑い、かりそめの勝利を謳って結末を紡ぐ。】

……待っ―――――――――……っ……

【修復された標的を持ち去る “敵”―――― 引き留めるその声は届くことなく、】

【叫びとともに飛び去る少女。戦いの終わりに横たわる青年。】
【あとひとりの共闘者の姿を確かめたかったが、鎌首を擡げる疑問はあって】

(……一度、あの力を私は目にしている……?)

【D.R.U.G.S.≠ニの初邂逅を迎えた夜。救援した何者かは姿が違えど、手口としては酷似する様で――――、】
【偶然の一致か、役割を同じくするものの類似か。……何れであれ、この夜はこれで終わりへと到る様だった】

/お疲れ様でしたっ……!
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage saga]:2013/08/12(月) 03:01:38.23 ID:2hTb42dto
>>703
「私もです! やっぱり、争い事は避けたほうが良いですもんね!」

……木に刺さって抜け落ちないほど鋭いナイフを投擲していた女の言葉とは思えないと、思われるかもしれない。
だが、女のこの技術はあくまで防衛のため。誰かを守るための物。
この服装も相まって、女の言わんとしていることが神父からも理解できるかもしれない。

「なるほど、寝てたんですか―――ってベンチでですか!? ダメですよ、ベンチは硬いので体幹が曲がっちゃうかもしれませんし……」

ふむふむと納得したような表情を取れば、次の瞬間には驚いている。感情豊かであることがわかるだろうか。
ナースらしく随分と医学的な事を言いつつも、神父の健康を真剣に心配している女。
それと同時に、傍から見れば立派な神父が路傍で寝ている事に対しても疑問が浮かんでくる。

「……えっと、どういう訳か教えてください。理由によっては、私が宿を取ることも可能ですけれども……」

困っている人を放っておけない。それは、彼女のポリシーともいうべき守るべき信条であった。
何処かにツテがあるのか、全く逡巡する事もなくそう言ってのける女。「理由によっては」とは言ったが、この人ならば大丈夫だろう、そうとも思って。
神父の言い分を聞くため、しばし耳を傾けるのだった。
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2013/08/12(月) 03:25:34.15 ID:+qSKnbiqo
>>705
えぇ、力は持つべきですが傷つけるのではなく守護にこそあるべきです
貴方のような人にこそ力は相応しい

【女性の言葉に感服の意を示して、神父は軽く会釈して讃えた】
【その心情は神父もまた同じ考えの持ち主のようで】

いえ、大丈夫ですよ
臥薪嘗胆という言葉があるように、この苦難もまた試練ですきっと

【神父服の人物は、軽い笑いをあげながらどうもピンボケのした意見を述べた】
【そして、自分を心配してくれた女性に礼を述べて頭を下げた】
【次に問われた女性の問を、少し困った表情を浮かべて、腕を組んで】

あまり、詳しくは言えないんですがね
ある物を探していましてね
それで各地を廻っているのですが...
今が、夏であるのを忘れてまして...夜が更けてから宿を探したものですから

【苦笑いをしながら(まあ、口元が見えないので他の笑と比べると余計に分かりづらいのだが)恥ずかしそうに応えた】
【無計画さが祟ってしまった結果らしい】
【同胞の教会に頼もうにも、能力者の世界の昨今。その教会の数も少なく見当たらなかったようで】
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(岐阜県) [sage saga]:2013/08/12(月) 03:53:25.48 ID:2hTb42dto
>>706
「えへへ……そ、そう言われると照れちゃいますね……ありがとうございます」

まさか神父サマからそんなお言葉が頂けるなんて。
思わずニヤけそうになる顔をあちらこちらに視線を動かすことで耐え切って、ポリポリと頬を指で掻いた。
……嬉しさの原因はそれよりも、同じ考えを持つ人間だったことが分かったのも大きかったりする。

「……そ、そうですか。大丈夫ならいいんですけども……。
 何か、すみません。医療に通じている身としては見逃せなくて……」

良く外見からして大丈夫そうでない人間が大丈夫なんて言うのはドラマとかでよく見るが、この神父はといえば、そういったことは無さそうだ。
医療従事者の性ででしゃばる真似をしたのが少し自分で気に食わなかったらしく、頭を下げる神父にこちらも、すみませんと頭を垂れた。

「……なるほど。探し物ですか。……確かに、夏は日が落ちるのが遅いですから、時間も遅くなっちゃいますよね。
 お疲れのようですし、やっぱり宿で休んだほうが良いと思います!」

各地を回らなければ見つからないほど壮大な捜し物。となれば、相当な距離を移動しているはず。
そんな神父がベンチで寝るといった、ホームレス紛いの事をしていると思うと、女はいてもたっても居られなかった。
言い終わるなりナース服のポケットから携帯デバイスを取り出すと、どこかに向かって電話をかけ始めた。
相手は友人らしく気軽な様子で話を進めていく女。
―――数分後に通話を切ると、ポケットから取り出したメモ用紙に紙にペンで何やら書いて、書き終わると神父に歩み寄って手渡そうとする。

「この住所に行けば、小さいですがホテルがあります。一部屋空いていたらしいので、お泊りになってはどうですか?
 『ベルジュ・フローレンスに教えてもらった』とフロントで言って貰えば、今日だけですが宿泊費は私が負担するので!」

……どうやら、相当ツテが有るらしい。外見的には至って普通の看護婦なのだが。
会話の中で出てきた「ベルジュ・フローレンス」とは、恐らく女の名前であろう。
其れに気づいても気づかずとも、神父がそれを承諾すれば、女……ベルは大喜びであろう。人を助けた、その喜びだ。
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2013/08/12(月) 04:18:35.51 ID:+qSKnbiqo
>>707
あー、いえそんなことはないですよ?
医療は人を癒す力ですから
ある種神の力をたもうた賢人なのですから、むねをはってください

【神父服の人物はそう言って、会釈した】
【神に仕える身として、人を癒し助けるその技術と思想は尊敬すべきものであると考えているらしい】
【故に、彼は女性を讃え、尊敬し、その気遣いに感謝した】

えぇ、そうですね
感覚で過ごすのは良くないですね
人と動物は違うんですから、やはり人は規律を持って生きるべきでした

【恥ずかしそうに告げながら、不思議そうに女性の姿を見ていた】
【やがて、女性の勢いに押されて紙を受け取るとそれをまじまじと見て、女性と紙とを見比べた】
【女性の意図を理解すると、暫く神父服の人はじっと沈黙して女性を見つめて】

感謝の極みです
今宵の出逢いに心より喜びと感謝と感激を覚えます

【スッと、姿勢を正してぴしりとした態度で頭を下げて感謝の意を述べるとその紙を丁重に畳んで懐にしまった】
【そして、女性の名であろう事を聞き取ると神父服の人物はしばし考え込んだ】

ベルジュフローレンスと言うのは貴方の名前、ですか?
.......恩人にこう告げるのは、何ですが私の戸籍はもう鬼籍扱いなので名を告げられないのです
折角、名を教えていただいたというのに無礼で申し訳ないのですが

【告げて、自身の不甲斐なさに嘆くような表情をして暫く考え込んで】
【仕方なし、という様な顔で女性に向き直した】

では、私の名前はアポストロと呼んで頂ければ
あくまでコードネームの様なものなのですが、名を名乗らない無礼さよりマシかと思いまして

【そう告げて、神父服の人物は深く頭を下げた】
【目の前の優しく活動的な女性と違う自身の無礼さの非を恥じているようだった】
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/12(月) 04:39:21.22 ID:2hTb42dto
>>708
「け、賢人……エヘヘ……」

先程の言葉でさえ照れていたベルが、その神父の言葉に気を良くしないわけがなく。
顔が赤く、照れ笑いながらも、その笑顔は確りと神父に見せつけられることだろう。

「い、いえ! 困ってる人を助けるのは当たり前の事ですから!
 ……あ、はい、そうです! ちょっと長いので、ベルって呼んで下さいね!
 アポストロ……さん、ですね。わかりました! それではそう呼ばせてもらうことに……」

神父のその改まった礼を見ると、ベルには自分が物凄いことをやったような気がしてならず。
たまらず神父へとそう告げる。又それも、神父の新たな礼を誘ってしまうかもしれないのに。
神父の疑問には首を縦に振って肯定し、自分がいつも言っている呼び名を神父にも教えるベル。
ベルがそう呼び名を教えるのは、親しくなったからではない。困っている人に、気軽に呼びかけて欲しいと、そんな願いからだった。
アポストロ。それがコードネームであるというのは、微かにベルへ疑念を抱かせた。
けれど、ベルは思う。人を敬うことが出来るこの神父は、きっと悪い人ではない、と。

その直後、先ほど通話をしたデバイスから音が鳴った。着信音らしく、先程のように耳に当てて何やら誰かと通話をしているようだ。
数十秒後、ベルは電話を切ると少し慌てた様子でアポストロへと向き直った。

「す、すいませんアポストロさん! ちょっと急用が入っちゃって……私はコレで失礼します!
 ベッドでお休みになって、疲れを癒して下さい! それでは!」

最後の最後までアポストロを心配するのは、ベルらしいといったところか。ともあれ、ベルはアポストロより先に公園を出ることとなった。
良い人に出会った。その夜ベルが書く日記では、アポストロという人物が聖人のように書かれている―――。

/多少強引っぽいですが、眠たくなってきたのでコレで〆させてもらいます!
/深夜のロールお疲れ様です! そしてありがとうございました!
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2013/08/12(月) 04:58:15.57 ID:+qSKnbiqo
>>709
素晴らしい、心構えですね
えぇと、ベルさん

【神父服の人物は微笑みながら告げて、女性の名を復唱した】
【名はその人自身そのものである。そう思って、その名をしっかり覚えるように】

えぇ、了承しました
もう朝近いので、あまり無理は為されないように
改めて、お礼を申し上げます

【ベルのその言葉に、神父服の人物は頷き】
【やがて、ベルが見えなくなると神父服の人物もまた歩き出した】
【記された住所まではそう遠くはなさそうだ】
【そして、こんな時代であれまだあのような優しい人が存在することに――高説ではなく、純真な優しさのある者がいる事を喜んでいた】

/お疲れ様でした
/こんな時間まで付き合ってもらって申し訳のない
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/12(月) 19:18:22.07 ID:Yz4xJ1DDO
【とある酒場――】
【全ての記憶を失った男――サクマは数日間、決まってこの時間になるとその酒場にフラりと現れた】

―…俺は…一体何なんだ…
【誰に言うでもなく一人呟いた】

【男はもっぱら水しか飲まない。酒を飲むことにより記憶を失くしてしまうのではないかと恐れているのだ】

【しかし記憶を失くしたのは酒が原因ではなく自らの大罪――即ち能力の完全解放――によるものである】
――ここにいても何かが思い出せる訳でもないか…
【男は酒場を出ようと思い立ち上がった】

【男のいたテーブルには水の入ったグラスだけが残る形となった
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2013/08/12(月) 21:05:11.18 ID:vx/JWsKio
邪気眼、厨二、ファンタジー系なりきりのゴミ溜め
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/net/1369489901/
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/12(月) 22:54:06.37 ID:7TzpyXMoo
【酒場前】

【彼が居るのはとある街のダウンタウンにある、とある酒場】
【酒の飲める場所なんてこの街にも幾つもあるわけだが全て同じってわけもなく】
【自分にあったお気に入りの店ってのはなかなか無い】
【ただ、この街で店を構えて長くやっていくのは中々、難しい】

…店内改装中…暫く休みます…っつーかドアどころか壁もねーじゃん

【ロケット弾でも撃ち込まれたかのように破壊されている店】
【傾いた看板の上にペンキで投げやりな一言が書かれていた】
【くわえタバコの男は片手で頭をかきながら、それを読んでいた】

【男はクラシックタイプのバイクに跨ったまま、ハンドルの上に突っ伏していた】
【エンジンが気管支を患ったような不規則ない息継ぎでアイドリングしている】
【見てくれのサビつき具合やその漂う雰囲気からアンティークというより古いだけという感じがある】

久しぶりに来てみれば……なんだよ、酒を薄めすぎたか
それとも、シャバ代ケチったか…まあ、全部かな

【サングラス、カッターシャツ、聖母マリアのシルバーアクセサリ、10ホールの黒いブーツ、ダブルのレザージャケット】
【ジャケットのファスナーはフルオープンで。男は気怠そうに髪を掻き上げた】

この辺りに…何か良さそうなのあったっけなあ

【バイクに跨ったまま、どうしようかと考える】
【スロットルを捻るとしゃがれた音のエンジンをふかした】

/再利用ですがよろしければ
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/12(月) 23:10:29.02 ID:Dx4d5BfCo
【大型の港湾に属するするコンテナターミナル】
【夜中なので作業は行われていないが、大量のコンテナを積んだ輸送船が接岸している】

……うん、この船で間違いないな

【その船の前に立ち、積まれたコンテナを見つめる女性が1人――】
【矢羽模様の小袖に紺色の袴という装いで】
【黒髪をうなじの上でピンでまとめ、黒い瞳の上には縁のない眼鏡をかけている】
【そして、首には櫻の国の古い言葉が書き込まれた長方形の紙――所謂「御札」が巻きつくように何枚もべったりと貼り付いていて――】
【若い見た目だが――竹製の杖を両手でつき、体重を預けている】

えっと、XXIU439XXX……あった、あのコンテナだ

【女性はコンテナに振られた番号を確認していたようで――目当てのコンテナを発見したようだ】

「おいアンタ!一般人は立ち入り禁止だよ!」

【その時――夜勤中と思われる、湾港作業員の男が女性に話しかけた】
【女性は驚く様子もなく、口を開き】

あ、ちょうど良かった。君、クレーンの運転できる?
ちょっとあそこのコンテナを降ろしてほしいんだけど

「は?ダメに決まってんだろ……怪しい奴だな、警察を……っ!」

【男の目が大きく見開く】
【女性が男の手に握らせたのは、札束――パッと見ただけでも数十枚はある――】

ね、いいでしょ?

「……しょ、しょうがねえな……わかったよ」

【男は札束を胸のポケットに押し込むと、踵を返してクレーンに向かう】
【もし誰かがこの近くを通ったならば――夜に響く会話が嫌でも耳に入り、このやりとりを目撃することになるかもしれない――】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/12(月) 23:18:49.90 ID:WR89eLdDo
【噴水広場】

あっいっすー、あっいっすー
あっついひっの、あっいっすー

【音程も何もあったものではない歌】
【周囲に響くその音の中心に居るのは、一人の少年だ】

【白のチェック模様の長袖シャツを着て、その下に黒いズボンを履いている】
【その少し上を見ると肩まで届く黒い髪】
【ベンチに座っていて、横にはアイスのたっぷり入ったビニール袋】
【歌っているその表情は無表情、など謎の組み合わせ】
【さらに付け足すのならば歌に抑揚がない】

はあ、暑い
無意味な歌なんか歌ってもさすがに変わんないかー
買いすぎたし少し食ってこうかな

【ただ、なんとなく歌っただけの様だがその歌があまりに残念すぎた】
【今は少年に注目するものもいないようだが、誰かに聞かれていたかもしれない】
【もし聞いていた人物がいて、もしそれに少年が気付いたら、少年も羞恥心を表すのだろう】
【一人で居る今は平和なだけであって……】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage]:2013/08/12(月) 23:26:23.57 ID:lvpwWV9AO
>>713

【エンジン音が鳴り響いたちょうどその時、向こうの方から細い光が照らされるだろう】
【徐々に近付いてくるそれが、懐中電灯の光であると解るのにさほど時間は要らない筈だ】
【光源の持ち主は、もう片方の手に火ばさみと大きなビニール袋を握りしめた女だった】

…………おい、そこのお前
一体そこで何してる?

【アッシュブロンドの長髪を高い位置でポニーテールに纏めた、精悍な顔立ちと琥珀色の双眸が特徴的な若い女】
【袖の無いハイネックのシャツにレザースキニーパンツ、長いアームカバーと履き潰したブーツを着用している】
【身に着けているものは殆どが黒色に統一されており、さながら影のごとき黒尽くめの様相を呈していたものの】
【腰に提げた『細長い棒状の柄のようなもの』だけは鮮烈なピンク色をしていて、毒々しい存在感を放っていた】

【バイクに跨がる男に話し掛けるその声には、どうにも疑わしげな色を含んでいる】
【近付いてきながら無惨な姿にされた「改装中の店」を見れば、左眉をピクリと動かして】

……これは、随分とまた派手にやられたな

【僅か溜め息混じりに、そう呟いた】

【女の腰には、シンプルな小振りのウエストポーチ。体のメリハリを際立たせて】
【左胸には、『自警団』の所属を証明するバッジが一つ。輝いている】
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/12(月) 23:31:56.47 ID:sgAGERmHo
>>696>>697

う、うう……攻撃が収まったの……デスヨー、奴はいったいどうなったデスヨー?
誰かが仕留める事には……いえ、あれは!?


【爆破に込められた『劣化』の効果で身体の各部パーツが要交換状態に陥ってしまった事を】
【すでにセルフメンテナンスを行うまでもなく、ジャンクちゃんは理解していた】
【相手は通常と違い自分を老いさせて攻撃を鈍らせることは出来ない代わりに、自分の防御を減退させることが出来る】

【一長一短、別の意味でまたジャンクちゃんにとって厄介なその攻撃はやがて自然に止んでいた】

【だが、あと一歩の所で現れた救援、その人ならざる存在を前に、背中を細指でかき撫でるような感覚に捕らわれる】
【一見幼く見えながらも、口から脳髄にかけて甘い猛毒で溶解していくような魔性の色香を感じさせる人外の少女】

【D.R.U.G.S.≠フ首領を助けたのは――――『悪魔』か?あのマフィアは悪魔と手を組んでいる?】


……なんとまあ、戦い抜いた果てに衝撃の新事実が飛び込んで来たのデスヨー
悪魔、いえ病魔?とやらに魂を売った事が此度のD.R.U.G.S.℃膜盾フ発端なのでしょうか、しかし……

―――なんて、はしたない……この場に"WILD"がいなくて本当に良かったデスヨー


【ぎり、と拳を握りしめて余計な手間がかからなかった事を心から感謝すると同時、みし、と拳から嫌な音を聞き】
【あわわ、とやや慌てふためきながら右拳を左手で添えるように庇い、ヘリコプターで逃走した二人組を見送るのだった】


――――Cypress=c…そしてIL=Nightwish、次会い見えます時は
必ずや貴方方から勝利をもぎ取り、主へと捧げさせていただきましょう、デスヨー……


【←To Be Continued...】

/大変遅れましたが、昨日のお返事をお返しさせていただきます
/それではまたいずれー
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/12(月) 23:36:33.64 ID:ZF2tMShuo
>>714

【男が踵を返した瞬間に、足音が一つ響き渡った】
【重なったその音色、何事かと視線を傾けてみたならば】
【札束を受け取った男の手をにぎる小さな指先の断片が見えるだろう】


……ダメ、なの……そういうの、ソニア、良くないって、知ってるの……
おねーさんも、おにーさんも、悪いことしちゃ、だめ


【男より頭二つほども低い人影が揺れたなら、札束をポケットからすり抜いて】
【一歩踏み出して男と女の間に踊り出るのだろう】
【真っ直ぐに貴女へと札束をつきだして】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【片手で握るのは大きな大きなバイオリンケース、両手を伸ばしてふらふらと揺れた】
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/12(月) 23:57:35.38 ID:m0/mHzml0
>>715

【――さり、と。硬い靴底で砂粒を擦るような音がした、ほんの微かな音でも】
【しんと夜の暗がりに潜める気配もあったなら、辿るのだっていくらかは簡単になるけれど】
【お世辞にも上手いとは言えないような歌の中ならば紛れ込んでしまいそうな、そんな――背後の、闇から】

……――まあ、お上手。

【紡がれるのは春先の猫のよう。甘ったるく響くような、そんな声音】
【薄く付属するのが布越しに拍手してみせる音だ、素肌と違ったくぐもった音、数度鳴らして】
【敵意も殺意もなくったって。それまでの気配を辿られていなかったなら唐突なこと、それも、背後なのだから】

【――黒猫めいた黒髪は曖昧な位置で結われたポニーテール、毛先が尾っぽのようにふうらり揺れて】
【丸く煌くのがグリーンアップル色の双眸、ぱちくり瞬いてみたなら笑んでみせる口元、どこか慣れたように】
【黒無地のワンピースはぱっと見だけが地味なもの、ベルベットの布地には月明かりが薄らと波模様を描いて】
【腰元をきゅうと結わくならただでさえ強調されるデザインの胸元が余計に目立つよう、丈だって、短くて】
【歩きやすい程度に底の高いパンプス、そこまでの脚は全部露出されて。ただただ、色白、見せるように】

【順当に振り返ってみれば後ろに立つのはそんな女だ、やがてドレスグローブに覆われた指先を口先に添えれば、】
【人懐こいような笑みを浮かべているのだろう、けれど――そこらを出歩くよな服でないことは、確かで】
【それならば路地裏辺りに潜んでいるのがきっと似合う、微かに引き連れる香水めいた香りが、甘く尾を引いて】

ごきげんよう――、いい月夜ですわね? なんでも、流星群だとか……

……よろしければお一つ売っていただけますかしら、店屋に行くまでに暑くて暑くて倒れてしまいそう――ですもの。
もちろんお金は支払いましてよ、……――いま、小銭を切らしてますので、札になりますけれど。

【右の手が口に添えられたまま、左の手は緩く腰の上を抱くようにして、ふらりと】
【歩もうとするのは害するためでなくとも、どうしようもなく怪しいこと、たしかなこと】
【それでも近づくことを拒まないままならやがてベンチの背もたれにそうと手を突いて】
【尋ねること――アイス売ってくれということだって、添えるのがそんなことなら、やっぱり、疑りたくなるような】
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/12(月) 23:57:51.48 ID:Dx4d5BfCo
>>718

「え……な!?」

【不意の出来事に、男はうろたえる】

……へえ

【女性は、差し出された札束を受け取り】
【興味深そうな目で少女を見つめる】

あ、ごめんごめん、君は気にしないでクレーンを……

【女性が再び男に札束を渡そうとするが――すでに男は駆け足でその場を後にしていた】
【少女のただならぬ雰囲気に直感で危機を感じたのだろう――この街で長生きするには、妙なことに関わらないのが一番だ】

あらあら……まああの様子だと通報とかはしなそうだね
――さて

【少女に向き直り、幼児に諭すような口調で――】

過ぎたことはしょうがないけどさ、意味もなく人のお仕事を邪魔しちゃいけないよ?
悪いことって言うけど、いったい何が悪いの?
私のお金で、作業員さんにお仕事をお願いしたんだよ?

721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/12(月) 23:58:50.69 ID:7TzpyXMoo
>>716

【男は煙草を指で挟んで、煙を細く長く、口から吐き出すと】
【やって来る明かりを、サングラス越しに見てはかなり遠くの所で女性だと認識できた】

ビールを飲んでポーカーをしているはずだったんだけど…。ご覧のとおり……
仕方ないから、手持ち無沙汰に煙草を吸っている…って感じかな

【男も割と黒い服装だが、白いシャツとシルバーアクセサリでまだ中和されていた】
【しかし夜に黒いサングラスというのが服装ではなく存在を黒】
【つまりは、怪しい人物にしていた。だから話しかけられたんだろう】

【そんな風に怪訝に思われようと男はどこ吹く風で】
【バイクの上で肩をすくめては冗談を言うように返す】

客もチョット変わったのが多かったから…まあ、運がなかったんだよ
ま……この時期なら…屋根のない店もいいんじゃないの?

【ニッっと笑ってはタバコを吸って、吐き出して】

で、お嬢さんはゴミ拾い……ついでのパトロール?
吸殻を幾つ拾ったところでこの辺りの治安は変わらないぜ
メインストリートの方でやりなよ。……爆発してからじゃ遅いよ?

【自警団のバッチを見たからかそうやって冗談交じりに言う男】
【しゃがれた声に優しげな口調で心配して言ったようだが】
【自警団を挑発するチンピラとも取れなくもない】
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/13(火) 00:06:55.34 ID:yBBIZLrjo
>>720

【夜風が頬を撫でる調べ、漣の音が微かな揺らぎを見せたなら】
【風に乗ったプラチナブロンドの髪が傾く、横顔に確かな憂いを与えて】
【それでも尚貴女の視線の下に居る彼女は儚い印象を薄めなくて】

【真っ直ぐに見つめ返すマリンブルーだけが、貴女を推し量るように】


……確かに、お金を払って、お仕事頼むの……当然なの、ソニアだってね、分かるの
でも、それはね、ホントはきちんと手順を、踏む必要あるの……

だからね、だからね……いけないこと、なの


【指先でくちゃくちゃになぞったみたいな、そんな幼いソプラノの音】
【右の手で首にぶら下げたロザリオを揺らしたなら、見つめる色合いが歪んで】
【擽ったそうに揺れる頬の白い雪の彩りは貴女の言葉に相応しい少女のまま】

【小柄な彼女は貴女の首の辺りの高さなのであろうか】
【首に巻かれた御札に僅かな興味を抱きながらも】
【ゴシック調のブラウスの姫袖から零れる小さな指先をしっかりと握っていた】


……もしね、おねーさんが悪いこと、してなかったらね、ソニア、悪い子なの
だから、怒られても、叱られても……仕方ないけど……
今度はちゃんと、おねーさん、お願いしたらいいと、思うの


【不安を伝えるように両手が胸のあたりで一つに重なった】
【細くしなやかな指先は花弁が如く薄い形であって】
【からみ合って漸く、一つの形に見えるが如く】

【――――――僅かに細い眉を潜めて、長いまつげを揺らすのは、貴女の言葉もある意味正しいから】
【答える言葉は、貴女が悪いことをしていなければ、彼女が全面的に悪いことを認めるけど】
【その代わり、やましいことがないのなら、また改めて頼めば良いと、そう響いて】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/13(火) 00:21:58.78 ID:IQb64ouoo
>>719
ふえ!?
え、えっと、ひゃひ!

【返答しようと思っても、言葉にならなくて】
【完全に気を抜いていて周りを気にしていなかった、近づいていても気付けるわけはなくて】
【あまりにひどすぎる歌を聞かれていた恥ずかしさ】
【しかもそれを褒められなんてしたら、もう頭の中はひどいことになっていて】
【漫画のように真っ赤、なんてことはなくても頬は十分赤く染まってきた】

【普段なら本気で、あるいは冗談でも現れた女性の色っぽさには反応していただろう】
【自分は思春期の子供であると理解しているしそういった反応が正しいとも思う】
【しかし今回は完全に別、自分でもひどいと思ってる歌に反応されて、落ち着くことも出来ない】


え、えと、お金はにゃ……なくて大丈夫です、いっぱいあるので
欲しいのを、ご自由にどうぞ

【怪しい人なんて大量に出会ってきたし、別にアイスが欲しかっただけと考えればそれでいい】
【何でもかんでも疑って生きててるのは疲れる、女性が近づくのを拒むことはない】
【焦り過ぎて拒むことを考える前に近づかれた、ということもあるが】

【多少は落ち着いてきたようで少しは言葉も聞き取りやすくなったが、盛大に噛んだ】
【しかしなかったことにしたいのか自分で触れることはなく、続く内容は簡潔なもの】
【それを言いながら、女性が座ることを考慮して占領していたベンチの半分ほどを開ける】
【買ってからそれほど時間がたっていないのか、あるいは冷やす手段があるのかアイスが溶けていることはない】
【そして、移動した後にはアイスを取り出しやすいようにビニール袋の口を開いた】
【その中身は棒アイスやカップアイス、安売りの物から少しお高めのものまで種類は豊富だ】
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/13(火) 00:29:01.96 ID:e5UtzWs/o
>>722

【正論――少女に言われた言葉はまさにそれ】
【真っ直ぐに見つめられ、女性は一瞬言葉を詰まらせる】

……そうだね、確かに君の言うとおり、ちゃんとした手順は踏んでないよ

【でもね、と女性は言葉を付け足す】
【眼鏡の下の瞳が、少女を見つめ返す】

世の中にはね、色々な流れってものがあるんだよ
綺麗な流れの上に乗るだけじゃどうにもならないことだってある
私もそう、目的の為なら良くないことだってする

――だけどソニアちゃん、でいいのかな?
ソニアちゃんは悪い子じゃないし、間違ってないよ
君は君のまま、綺麗な流れの上で生きるんだ

【この少女と話し合っても、論破できる気がしない】
【マリンブルーの瞳で真っ直ぐ見つめられると、吸い込まれそうになる】
【だが、目的を捨てるわけには行かない】

じゃ、私はこれからがんばってクレーンを運転しないといけないから、失礼するね
それでも私を止めたいと言うなら、心苦しいけど――ちょっとだけ強硬手段を使わせてもらうよ?
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/13(火) 00:39:41.67 ID:yBBIZLrjo
>>724

【吹き抜けるもう一陣の風、先ほど頬を撫でた夜風とは違う風】
【それはまるで貴女のその優しげな指先で触れられるかのような感触】
【奏でられる音律は優しくその口どけは甘くて】

【瞼を閉じて、ずっと聞いていたくなるぐらいに、貴女の言葉は優しくて】
【きっと、彼女でなかったなら、もう少し利口な人間であったならば懐柔もされよう】
【でもきっと、彼女であったから、貴女に対して反抗をするのだろう】


……ごめんなさい、おねーさん……それはね、ソニアの……ソニアの思う、綺麗じゃ、ないの
ソニアだけが、綺麗な流れの上で、生きるの……それはね、間違ってるの
綺麗な流れじゃ、どうにもならないならね……どうにでもするの

だからね、おねーさん……悪いこと、しないで欲しいの……
それでもおねーさんを止めたいからね、強硬手段を、使うの


【マリンブルーの瞳が貴女を見上げた、背伸びをするように交錯する視線】
【どこまでも澄んだ色だから、どこまでも不器用に前だけ見つめる少女の形】
【ごめんなさい、返す言葉が不思議な音律を揺らしたなら彼女の髪が一つ靡いた】

【右手の姫袖から零れ落ちる一丁の拳銃、スチェッキンと呼ばれるソレがその手に握られて】
【彼女の瞳と一直線に交錯する位置で、真っ直ぐ貴女の顔目掛けて伸ばされるのだろう】
【銃口が貴女へと向いたなら、その奥に彼女の表情が揺れた】


良くないこと……おねーさんが良くないこと、するなら……それを邪魔するソニアも、良くない子、でしょ
……それでもね、おねーさんは、良くないこと……するの

ソニアは……ソニアは、やだな……
良いことしないの、とっても、辛いの


【不器用な言葉だろう、とぎれとぎれの言葉は、彼女がこの言葉に慣れてない事を伺わせる】
【プラチナブロンドの髪の毛の隙間から見える白百合のような柔肌の色合いは】
【雪国に生まれた幻のような存在と、彼女を形容するのだろう】

【左手一本でバイオリンケースを握って、右足を少し前に踏み出して】
【短いスカートが風に揺らされたなら、髪の毛もそれに追従して】
【肌に溶ける横髪だけが、悲しげな横顔を修飾する】
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/13(火) 00:43:55.58 ID:Wkknx5DAO
>>721

【女は仏頂面のまま冗談混じりの言葉を聞きつつ、懐中電灯で破壊の痕を照らしていく】
【やがて「改装中」の文字をそこに見つければ、嘲笑うようにふん、と鼻を鳴らした】

……ふぅむ、なるほどそれは非常に災難だったな?
怪しさ満点の格好でぶっ壊れた店の前にいるもんだからな、
てっきり火事泥の品定めかと勘繰ったが……そうか、酒か

そこで流れる星を酒の肴に――なんて言えば、今時珍しいロマンチストだったのにな

【「への字」に曲げた口を右端だけ吊り上げてみせる。これで笑っているつもり、らしい】
【どうやらこちらも冗談を言っているようだが、表情が表情だ。些か分かりづらいかもしれない】
【とは言え、男に――怪しんではいたものの――敵意はあまり無い様子だ。気を悪くしたようでもない】

ご名答。ついでに言えば、正しくはパトロールついでの“ゴミ掃除”だ
もっと言えば、私が今拾っているのは吐き散らした吸殻じゃあない

…………シケた路地裏で馬鹿どもが、宴会をやっていたみたいでな

【肯定に否定を重ねたならば、女はビニール袋をずいと突き出してみせる】
【その中身は確かに吸殻ではなく――酒類だ。それも未開封のものばかり】
【中には、目の前の店でしか取り扱っていなかったであろう酒も見える】

一応「ゴミ」と称するべきものは、先程片付けてきたばかりなんだ
それに私は人が多い場所が好きでない、だから表は他の奴に任せてある

【――随分と竹を割ったような、というか、自己中心的で傲慢な性格のようだ】
【男の案ずる気持ちを察したのか果たして定かではないが――最後に、「心配するな」と一言添えた】

【そうしてふと、何やら思い出したようにビニール袋を掲げると】

……そうだな。話は変わるが、“これ”の処分には大分手間と時間が掛かる
どうすれば良いものか……お前、何か最高の手段は思い付かないか?

【判断を委ねるような物言いをして、男の顔をちらりと一瞥することだろう】
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/13(火) 00:44:53.47 ID:ft1stCCu0
>>719

【――そんな彼の慌てぶり、くすりと笑ってみせる、それが女の反応のほぼ全て】
【「どうしましたの?」なんて首を傾げてみれば、確信犯めいた表情、流れる前髪が白肌にばらばらの影を落として】
【叶うならば、そっと――彼の顔、覗きこもうとまでするのだから。からかうような、そんな仕草で】

まあ、そうですの ――でも、いけませんわ、ね?
物品にはきちんと対価を支払いませんと。臨時収入のあった直後ですので、遠慮なさらずに。

【顔に施した化粧、あまりきちりしたものでなくとも、全体を軽く整える程度には薄く、施されて】
【そうと覗き込んでみる仕草を許容したならば微かに香るのは化粧品の香り、どこかで直してきたばかりのように】
【無償でいいという言葉には何の屈託もない風に嬉しそうに笑ってみせるのだろう、声までも一つ繰り上げて、高く紡いで】
【――それでも、次の刹那には元へ戻されている。くすり笑う声一つ夜に置けば、ようやく体を離す、だろうか】
【(もちろん、最初の行動を拒否していれば、そんな仕草も、無いけれど)】

【さらと懐でも探るような音がする。彼の視界から零れる音、やがてそっと袋に伸ばされる手――】
【かさりと潜り込ませて、やがて摘み上げるもの。安っぽい水色、実際安い値段の棒アイス】

なら、これをいただきましょうかしら――。

【――そっとしゃがみ込んで背もたれに沿わせて腕を落とす、そうして動かないなら、その間を拒否するよう】
【けれど立ち去らないなら彼ごと拒否するようなものでもなく――なら、大した実害もないのだけれど】
【人によっては気分を損ねたりもするのかも。ずうと笑いきりの表情だって、どうにも、揺らがないのだから】

――いただきます、

【びりと包装を破き取る音がして数秒。そうして紡ぐ声は、明確に彼の瞳へ向けられた笑顔と一緒に】
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/13(火) 00:59:14.42 ID:e5UtzWs/o
>>725

どの流れに乗るかなんて、それぞれでいいじゃない
川の上を漂う落ち葉もあれば、川の中を泳ぐ魚もいて……川底の泥の中に住むドジョウみたいな生き物もいる

【少女の言葉は少ないが、一つ一つには確かな意思を感じた】
【できることならこのまま会話を続けたいところだが――】

銃……?
普通じゃない雰囲気だとは思ってたけどねえ、まさかそんなものを仕込んでるなんて
そもそも君も綺麗な流れの上だけで生きてきたわけじゃなさそうだね

とこで君の所属は?

【儚げなイメージの少女とは正反対の印象の、拳銃】
【それをためらうことなく自らの顔に向けてきた】
【――どうやら穏便に済まない事態になりつつあるが】
【女性にとっては、ソニアという少女への興味が増したようだ】

ああ、私の名前はみのり。尾月実利だよ

【名乗りながら、竹の杖を片手で前方に構え、もう片方の手で動かせば】
【杖の中から真っ直ぐな刀身、所謂仕込み刀が姿を現す】
【が、銃を向けられている状況――アドバンテージは相手にあり】
【その場からは、動けない】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/13(火) 01:11:24.17 ID:yBBIZLrjo
>>728

【貴女なら読み取れるだろう、彼女の真っ直ぐなマリンブルーの瞳の真意を】
【それはさながら、渓流に流れる雪解け水が如く、覗いたなら川底すら覗けそうなぐらい無垢で】
【嗚呼きっと、彼女はきっと、貴女を撃ちぬくことなんてできない、って】

【向ける銃口は威嚇以上でもそれ以下でもない、ただ一筋の意思のよう】
【裏を返せば、人に向けることの意味合いを知っているのだろう】
【細めた目の、長い睫毛が揺れる跡形を知って欲しかった】


……それは違うの、確かに、どんな流れなのか、人それぞれ、ソニアも思うの……でも
汚れた水とか、濁った水とか……そういうの、好きな人、きっと、いないから……
だからね、ソニアは……おねーさんには、綺麗な水の上で、生きていて、欲しいの

……今までが、そうじゃなかったらね……今から、でも


【綺麗事だ、どこまでも、汚いことはやめて欲しいと訴える言葉はずっと】
【汚泥も汚濁も、彼女の中には無いかのように、簡単に言ってしまうが如く】
【でもそれは違うのだから、彼女が真っ直ぐな言葉を向ける意味を貴女は理解できるだろうか】

【響く刀身の形、月光が傾く切り取られた刃の光】
【ソレを前にしてもまだ、彼女はその真っ直ぐな表情と腕を崩さず】
【細い腕に絡みつくブラウス、表面に付けられたリボンが彩られる】


おねーさんの……言うとおり、なの……ソニアもね、とっても悪い子
でもね、悪い子のままじゃ、誰にも、褒めてもらえないの……それってとっても、寂しいの

UNITED TRIGGER¥椛ョ、ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
……みのりにね、良い子、良い子……なってほしいの


【それはどこまでもお願いの域を出ず、願いの領分を超えない】
【彼女は邪魔はできる、妨害も出来るだろう、いざとなれば実力行使も行おう】
【けれどもそこまでだ、その先にはいけない、から】

【言葉がどこまでも真っ直ぐなのは、どこまでも純粋なのは】
【ソレ以外に騙る武器を、彼女は持っていないから】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/13(火) 01:15:56.31 ID:0BDuwUvxo
>>726

宝石店か銀行で爆発に出くわしたら…まあ考えなくもないね
だけど、火事場ドロがこんな夜ふけにバイク吹かしてチンタラやってるようなら
真面目に働いたほうが好さそうだ…ソイツは向いてないよ

………こんな街で酒飲んで見える星なんてニセモノだよニセモン
ロマンティストが見たけりゃ一流ホテルのバーに幾らでも揃ってるぜ

【ジョークというより皮肉に近い言い方だ】
【ロマンチックなんか下らないとでも言いたげに吐き捨てる】
【そんな男だから夜にサングラスをかけるし、こんな場所を好むんだろう】

シケた馬鹿だから路地裏で宴会するんだよ。馬鹿だったら表で宴会やるだろうからな

…ま、そりゃあ掃き溜めでご苦労だったな。ここの店主も喜ぶだろうよ
今回はカタナを新しく買う必要がなさそうだって………少しは吸殻も減ることだろうさ

【男はバイクのタコメータの近くに括りつけられた灰皿の蓋を開けて】
【そこに短くなった煙草を捨てて、パコッと蓋を閉める】

…最近は煙草の肩身も狭くてさ。気が抜けないよ

【女の持つ袋を覗きこんで酒のラベルを見ては、中々いいなと思う】
【男は酒には目がない。というより今はなんでもいいから飲みたい状況】
【一旦、相手の目をジッと見ては、手を突っ込んで小瓶のビールの瓶を掴んで】
【バイクのブレーキハンドルで蓋を開けて男は飲む】

……しかし、あのゴミたちは盗んだ酒を全部飲んじまったんだってなあ。全部…
全部飲んでしまったもんは取り返せねえなあ…野郎どもは最低だな


【ニヤリととても楽しそうに笑って声を押し[ピーーー]ように笑う】
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/13(火) 01:21:53.81 ID:IQb64ouoo
>>727
【心の余裕があろうとなかろうと、今回は後者だっただけで、自分に対して害のないような行動を遮ることはまずない】
【覗き込んで見えるのは、前髪で少しだけ隠れた少年の顔】
【タイミングを計ったのかどうか、少し遅れて邪魔な前髪をかき上げる】
【その顔は、世辞に世辞を重ね、嘘を固めればようやく美少年とも言えるかもしれない程度】
【決して醜悪な訳ではないが、良いとは決して言えない、そんな程度】

それじゃあ……色っぽい貴女のお体を見れて、ということでいいでしょうか
こんな思春期の子供には、それで十分です
それでもダメなら、金持ちの道楽ということで、よく分からない趣味ということにして置いてください

【冗談らしく、くすっと笑いながら、少しオッサン臭いような台詞を口からこぼす】
【台詞の割には視線の先は女性の顔、というよりも眼、それと女性の手の行く先だけではあるのだが】
【さらに言えば、余裕がある風ではなく時折言葉に詰まってはいる】
【ちゃんと落ち着いたわけではなく、表面上落ち着いたように見せたい、といった程度】
【最低限自分の財布や携帯電話が盗られる、もしくは落ちない程度に気を張れる位には平静を保っているが】

はい、どうぞ
じゃ、俺もいただきます

【女性が選び終わったのを確認してから、制止などがなければ自分の分も袋から取り出すのだろう】
【取り出す物は、少しだけ値の張る棒アイス】
【袋を開けて、口に運ぶその姿は幼子供同様の、逆に年齢不相応なほどの笑顔で】
【先ほどの発言はどこへやら、幸せそうな顔である】
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/13(火) 01:37:14.22 ID:e5UtzWs/o
>>729

綺麗な水の上を生きろ、か
……銃を向けて言うセリフじゃあないね

【確かに、元より汚い生き方を望んでいたわけではない】
【実利の目的のための手段が「悪事」だっただけだ】
【――しかし】

もうできないんだよ、もう
ここまできて後戻りはできないんだよ

……UNITED TRIGGERか
尚更君とは相容れないようだね……私の所属は『機関』

【世間で言うところの、「正義の組織」と「悪の組織」】
【2人を結ぶのは、あまりにもわかりやすい"敵と味方"という関係】

良い子になれ、か。そんな言葉何年ぶりに言われたのかな……
だけどまあ、私は良い子じゃないけど馬鹿な子じゃない
君とやり合うのは、難しそうだ

UTなら知ってるかな?先日の”ATLAS”での戦い――
そこで魔術師だか格闘家だかわからないけどとにかく強い男と戦闘して負傷しちゃってね
まだ完治してないんだ

【UT所属ということは――当然それだけの力を持っているということだろう】
【ここで戦うのは得策ではない、自然とその考えに至る】
【……そこに、自分を見つめるマリンブルーの瞳、その表情が影響したかまでは定かではないが】
【とにかく、彼女は抜いたばかりの刀を、降ろした】


733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/13(火) 01:50:59.62 ID:yBBIZLrjo
>>732

【熱帯夜が満ちていく、肌にまとわりつく温度がねっとりとした暑さを感じさせる】
【けれども貴女の目の前の彼女は、その小さな表情に僅かな乱れも魅せない】
【悲しげな表情を絵画のように描いたまま、じぃっと貴女の言葉を聞いて】


……ねぇみのり、みのりにとって機関≠ノ居ることって、そんなに、大切なことなの、かな
ソニアがねUNITED TRIGGER≠ノいることって、そんなに、大切なことなの、かな
どこに所属してるか、なんて……理由にならないと、思うの……

居る場所で、着る服で、話す言葉で、人のことが決まっちゃったら……
それってとっても、悲しいことだって……思うの……

ごめんね……ソニア……まだ子どもだから……難しいこと、わからない、けど
みのりが悪いことして欲しくないって思うこと、間違ってるの、かな


【彼女の言葉の理由、機関に居ることは、彼女にとって敵対する理由ではないから】
【それはきっと、知っているから、機関に居ても尚、彼女が心を通じさせたいと思う人間がいるということ】
【――――――だからこそだ、その相手が未だに悪事を働いている以上】

【それはとっても苦しくて、それはとっても悔しくて】
【風がもう一陣羽ばたいたなら、それは最早停滞する熱ではなく】
【夜明けへと向けて刻みだした暁の名残が如く】

【雪のような素肌に微かな表情が満ちたなら】
【彼女はスチェッキンの引き金を引くのだろう、響き渡る空っぽの音】
【綺麗事を銃を向けて言ったのは、彼女は最初から銃弾を込めてなかったから】


ソニアも……戦うつもり、ないの……戦うことは、とっても……辛くて、悲しい、から
でも、1つだけ、覚えておいて……もしね、みのりが、まだ、悪いこと、続けて……
それでね、人を、もしくは……ソニアの、家族を……UNITED TRIGGER≠フ誰かを傷つけたら

――――――その時は、ソニアも……本気で、みのりに伝えるの
できたら、そんな時が、来て欲しくない、から……
バイバイ、みのり……次会う時はね、もっと涼しい場所がいいな


【綻んだ彼女の表情、銃を下げて一歩引いたならスチェッキンを袖に片付けて】
【くるりと背を向けたなら、両手でバイオリンケースを握るのだろう、スカートの下からもふもふの尻尾が揺れる】
【肩越しに振り向く彼女、横顔はとても華奢で可憐な輪郭に包まれていて】

【微笑みが零れた、静かに言葉を向けていた少女の、初めての笑みの色は】
【柔らかな頬のラインに刻まれる瞬きのような眩さが、一杯に散りばめられていて】
【初々しいさをふんだんに含ませて、貴女へと向けられるのだろう】

【――――――踏み出す足取りが、彼女の小ささを刻んだなら】
【夜へと消えていく小柄な背中がいつまでも揺れていたのだろう】


/この辺りでしょうか!お疲れ様でしたー!
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/13(火) 01:52:37.10 ID:ft1stCCu0
>>731

【対するこちら――とは言え、薄らだって化粧を施した顔では、比べるのも難しいだろう】
【ほんの少しの手間で顔の印象なんてまるで変わってしまう、今の顔が本物かなんて、きっと分からなくて】
【それでも。どこか猫を連想させるような眼の形、ずうっと笑いながら、彼へ向けたまま】

そうかしら? ふふ、それならそう言うことにしておきましょう、か。

【そんな風に笑ってみせるのだろう、惜しげもなく晒す体(しょうひん)、世辞だとしても】
【褒められるならば悪い気持ちがするわけでもない、――そもそも、あんまりまともに取っていないようでもあったけれど】
【にこりと笑んだ顔のどこかに悪戯ぽい色が混じりこんだ気がするのだけれど――気付ける、だろうか】

【――鮮やかな水色ががしゅなんて音と一緒に噛み砕かれる、冷たくて甘いのを、嚥下して】
【粘こく残る夜の暑さの中ならば自然と表情も緩む、ふわと浮かべたのは、微かでも、自然な色合いのもの】
【それでいてがしがし噛み砕いていくのは、――或いは、性格の一端、辿れるのかも】

……――ごちそうさまでし、た

【――当然そんなスペースで食べていれば、最後に残るのは棒切れだけ】
【何にも書いてないのを元の袋にぐしゃり押し込めば、ふらと立ち上がる、黒髪が夜に軌跡を引いて】

家に棘の凄い薔薇を待たせているのでそろそろ帰ります、早々に水をやらねば怒られそうですので――。
アイスもありがとうございました、久々に食べましたけれど……おいしかったです。

【始めにそうしたように再び口元に添える指先。残念そうにしゅんと落ちる眉、視線も逸れて、声だって、落ちる】
【それからちろりと赤い舌先を見せる、それもまた、指先に隠しこんで――その向こう側、色濃く笑んだなら】

……――夜中にわたくしに逢いたくなったら、いつでも呼んでくださいませな?

【耳元に寄せる口、ふわと吐息を感じさせるように囁く声の、甘たるさは】
【寸前に食べたアイスキャンディの甘さすら孕んだよう、――けれど、それも、数秒のことで】
【「二谷音々子(ふたやねねこ)と申します」なんて言い置けば挨拶一つ、ふらと夜に溶けていくのが最初のよう】
【そのうちに背中は夜に見えなくなって、――遠くで時間を間違えた蝉の鳴く声がする、そんな静寂が、元通り】

【(家に帰ったときにでも気付くだろうか、アイス入りの袋の奥底に隠されたもの)】
【(小さく畳まれた紙幣。一番安いものだけれど、アイスに支払う代金としてはずっと大きいもの)】
【(そうして考えれば悪戯ぽく笑ってみたのも納得できるよう。存外そんな性格だとか、余談でしかないけれど)】

/おつかれさまでした!
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/13(火) 02:06:18.40 ID:Wkknx5DAO
>>730

まあ、だろうな、近付いてよく見れば……お前はそんなナリには見えん
当て嵌めるならゴロツキだとか、巷で流行りのマフィアだとか、その辺りか?
どちらにせよそんな身形じゃあ、真面目に働いている風でも無さそうだがな

……ふん、それもそうか。
いやな、個人的にはロマンチストよりニヒリストの方が好感が持てるぞ
私もお前もきっとそうだろう? 恐らくは上より前を向いて歩くタイプだ

【相手から受けた印象を、女はあくまで率直に言葉にする。皮肉でなく、また冗句でもなく】
【言っている時の顔は「への字」の口のままで、なんと言うか非常に……くそ真面目な感じだ】
【本音を本音のまま臆することなく曝け出す様は、なんとなく、頭がお堅そうにも見えた】

……どうも。こんな場所だから直ぐにくたびれてしまって敵わん

お前、そのまま気を抜くなよ。吸殻が減れば私の仕事も減って万々歳だ
……あとな、煙草をふかすのは構わんが、バイクをふかすのは止めろ
やかましくて話の肴にもならん、少しの間だけ黙らせておけ

【次いで言葉に紡ぐのは、ポイ捨てに対する念押しと、騒音に対しての注意喚起】
【自警団員らしい行為だと思いきや、双方ともに「自分の迷惑になるから」との理由だった】
【女王様気質という訳ではなさそうだが、相手が相手ならすぐにでも火を点けてしまいそうなほど】

【……それでも、男が酒の袋へと手を突っ込んできた時――】

――――――っ、……!

【口を固く真一文字に結び、怯えたように反射的に手を引っ込めようとしたのを、】
【本当に一瞬の、ごく僅かな変化ではあったが――察することが出来ただろう】
【さて、気を取り直した女は懐中電灯を脇に挟み、袋の中の酒を適当に数本掴んで】

…………なら、飲まれた酒の分だけとっちめてしまえ
それで、自警団なり警察なりに突き出してくれたなら……

【「――――やっぱり、私の仕事が減って万々歳だ」】
【そう言いながら、掴んだ酒瓶を躊躇いなく男へと放り投げるだろう】
【中身がどんなものであれ、彼がキャッチ出来なくても素知らぬ顔をする、が】
【唇の、右端だけが吊り上がる。彼女が楽しんでいることには、違いなかった】
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/13(火) 02:09:12.84 ID:e5UtzWs/o
>>733

大切かどうかは、自分が決めることだよ
……言いたいことはわかるよ、でも人間は、文字通り人と人との間で生きていかなきゃいけないんだ
所属から人となりを判断されるのは多少は仕方のないことだと私は思う

もう、その目で見つめないでくれるかな
苦手なんだよ、私みたいな捻くれものにとって、君みたいに真っ直ぐに気持ちを伝えてくる子は……
どうして私みたいな悪人を憎まないで、良い子になれなんてそう本気で言ってくれるんだか……

【自分をじっと見つめ続けた少女の瞳】
【少女の表情が僅かに変化すれば、ついに、気まずそうに眼を逸らし】
【空の銃声が鳴り響いた】

はは、最初から、私を撃とうとしてなかったわけね……敵わないよ
やっぱり君みたいな子は苦手だ

私はまだしばらく悪い子でいなきゃいけない
目的を達成するためにね
うん、そうだね……もしその時は私を良い子にさせてみてよ。今度は全力で受けて立つから

【バイバイと言われれば、実利もそれに答え――手を振り】
【少女を見送った】

ふう、こうなったら面倒だけど、正式な通関手続きをしなきゃだめか……
早くあのコンテナの「中身」を手に入れたかったんだけど、ま、今回はしょうがない
戦いにならなかったことを良しとしようかな

【少しつぶやけば、実利も船に背を向け】
【その場を後にした】


/お付き合いありがとうございました!
/お疲れ様です!
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/13(火) 02:20:03.08 ID:IQb64ouoo
>>734
【少年の食べる速度も、似たようにとても早いもの】
【半分より少し多いほどの量が一口で消えて、もう一口で消えるのかと思ったらチラッと視線をずらして】
【少し速度を遅らせて、結果はほぼ同時に食べ終わるようにあわせたのだった】

はい、お粗末さまでした

【口の周りに残った少しのアイスは指で拭って】
【勿体無いとばかりに指を舐めればそれで最後】

薔薇ですか、なら少し水やりに気をつけないとですね
……頑張ってくださいね

【ちょっと心配そうに声を沈めて、でもそんなのも一瞬】
【名前を聞いて、でも自分が名乗らないのもやだ】
【そんな簡単な思考の元】

俺はもくれんと言います
木の蓮で木蓮、花の名前です

【なんて、背中に向かって少し早口で言い切るのだった】

【その後もアイスを減らす目的で少し食べていたら、袋の底に違和感】
【気付いて出るのはちょっとしたぼやきだけ】

金持ちの道楽ってのは冗談じゃなかったんだけどな……

/お疲れ様でした、ありがとうございました!
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/13(火) 02:42:24.57 ID:0BDuwUvxo
>>735

マフィアね……誘われたことはあるけど偉い奴が居るのは嫌いだ
……真面目には働いてるつもりだけど…まあ…そうだなあ
立派な仕事だったらこんなところで酒なんか飲まないって事で…

【苦笑いをしながらのらりくらりと身分を誤魔化す】
【態度から大した職業じゃ無いのは確実だ、働いているかも怪しい】

皮肉屋がモテるなんて、いい時代だ。今までは嫌われてしょうがなかったからさ…
……俺はちょっと違うな………。俺は目をつぶって前に突っ走るタイプだ、心臓が止まるまでな

【ビールを飲んで、ニヤつく男は楽しそうに言って】
【勿論、この会話の間もバイクのエンジンは不規則に唸っていて】

……コイツ、一回切るとエンジンかけるのに中々骨が折れるんだよなあ…
40マイル以上出さないと調子が出ない…ポンコツ何だか……

【ちょっとグチグチ言いつつもエンジンを切る】
【バイクに跨ったマフィアのような野郎だが中身は随分と柔いらしい】
【飄々とした雰囲気でビールを飲む姿は飾り気もなく、悪意も無さそうで】

【そんな、男でも相手の怯えたような瞬間は見逃すこともなく】
【サングラスの内側の目はストレートに射抜いていたが男は】

…おう、悪党を討つってのもたまには悪くないね

【白い歯を軽く見せて笑いながら、飛んできた瓶を軽くキャッチして】

……アンタは飲まないの?…ああ…いや…もしかしてティーンエージャー?

【そう言って、ビールを飲む姿は何も変わらない】
【酒瓶を足元のアスファルトに置いて、ポケットから煙草を取り出して】
【また、火をつけている。かなりのヘビースモーカーなんだろう】

【聞かないほうがよさそうな事は聞かない、そうあるべきだろうと思っていたし】
【むしろ、俺が悪いんじゃない?ぐらいの気持ちであったので】
【男は相手の楽しげな唇のサインを見て、内心少し安心した】
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/13(火) 03:18:53.94 ID:Wkknx5DAO
>>738

【身分を隠すような素振りを見て女は、この時は特に追及もせずふうむと頷くだけ】
【上機嫌そうな様子の男のその後の言葉には、少しばかり訝しげに首を捻った】

……なんだ、皮肉屋かと思えば意外と猪突猛進でがむしゃらな奴なのかお前は?
そんなんじゃ生傷やらが絶えんで、心臓が止まる前に別な理由で死にかねんぞ
尤も……そういう趣味嗜好だと言うなら、私からはもう何も言えんが

【相手のことを一応は心配しているのだろう、そんな言葉を投げ掛ける】
【もしかしたらこれも皮肉の内なんだろうか、という可能性も考慮しつつ】

そりゃ間違いなくポンコツだ、今すぐにでも新しいのと換えたほうが良かろう
何ならソレを廃車にする手伝いをしてやらんこともないぞ、さあどうする?

【…………なんてくそ真面目な顔で宣うのだが、もちろん冗談だ】

そうだ、「ヒーロー」なんて肩書きを引っ提げるのも中々心地が良いものだぞ
……ヒーローはヒーローでも、「ダークヒーロー」の方だが、な
しかもそれの仕事が治安維持だとか改善だとか言うもんだから……

【「滑稽な話だろう?」――――そう呟いて、女は右口角をますます吊り上げた】
【そうしながらも袋と火ばさみを足元に置きつつ、ポーチからペンとメモ帳を取り出す】
【目線を落としてぱらぱらとページを捲り、何も書かれていない真っ白な紙面を開くと】

いいや、今年で二十代の半ばだ……
業務に支障が出るんでな、飲酒は一切しないことにしている
別に飲まずとも生きていけるし……まあ、飲んだくれには分かるまい

【カチ、とペンを鳴らして、それをスイッチと言わんばかりに、途端に仏頂面に戻る】
【これが彼女の真顔であると同時に、仕事の顔でもあるのだろう】

……さて、道草を食い過ぎたか。私にも仕事があってな
これは形式的なものだが、少々質問に答えてもらうぞ

名前、年齢、性別、所属又は職業、そして能力者か否か……
以上だ、あくまで形式的な質問だからな? 答えられるものだけ答えれば良い

申し遅れたが、私はバーサ・アーカー。見ての通り自警団員だ

【そうして単刀直入に男に問うたのは、いわゆる“職務質問”のようなものだった】
【答えられるものだけ――バーサと名乗る女の今までの態度を見る限り、その言葉に他意は無い】
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/13(火) 03:58:16.85 ID:0BDuwUvxo
>>739

地球だって真ん中は熱いんだ、俺も一緒だよ
…ニヒルでクールで最高にホットだったら中々、カッコイイんじゃない?
趣味っつーか、それしか出来ないんだからしょうがないさ……

【男はつまり、死んだっていいと言ったようなもんで】
【酒を飲んで、タバコを吸ってバイクを乗り回す辺りに】
【その後先考えない片鱗は見えているだろう】

馬鹿言え、安くて古くて……んで、雰囲気がイイやつってのは中々ないんだ
どうせもうスグ寿命なんだからヘタれるまで付きやってやるんだよ俺は

【相手が冗談で言っているのは男も慣れてきたので気づいたが】
【好きなものに関してはジョークの抜けたストレートな言葉がつい出てきてしまう】

……さあね、ダークヒーローだろうとダーティハリーだろうと知ったこっちゃない
他所の奴に感謝されてそれで飯が食えるのなら何だって良いんじゃない?

おう、飲んでないと生きていけない俺にはわからなくて十分
寧ろ、少しアルコールで目覚めたほうが業務が円滑に進むよ……俺は

【ニヤけながらビールを飲み干してしまって】
【そしたら、もう足元にある酒瓶をなんでもいいから掴んで口を開ける】
【それがバーボンの瓶だとしてもそのまま飲む辺り、かなりの酒飲みだと明確にわかる】

オーライ、別にこんなんだから初めてじゃないさ
…名前はヒライ、アキタケ…後ろがファーストネームだから……で、歳が29
で男で、職業は……まあ、色々なんだよな…言いたくないっていうか説明しづらいっつーか…

ああ、そうだ。知り合いにUT…あーっと…なんつったっけ…ユナイテッド何だかのボスが居るから
疑わしかったら電話でもかければ…まあ、悪いやつじゃないって説明してくれる…と思うけど
いや、入ってるとかじゃないんだ……。えーっと友達?酒関係の

それで…能力者…まあ、違うかな。ただ、まあ拳銃は持ち歩いてるよ……他にご質問は?

【そう言って、ジャケットを軽くめくって、ベルトのリボルバーを2つ見せる】
【煙草を吸い込んで、先を赤く火を灯しながら相手の反応を見ている】

【男がごまかした職業はしいて言えば、強盗団のリーダーである】
【世間じゃ義賊扱いではあるが絶賛、指名手配中である】
【ただ顔も名前も知られていないのでバレる心配はほぼゼロに近いわけだが】

【それと能力が無いというのも微妙な線で彼のサングラスで隠した目は】
【白目は赤く、瞳は黒い特殊なもので、とても目が良い。基本これだけである】
741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山陽) [sage saga]:2013/08/13(火) 04:38:41.52 ID:Wkknx5DAO
>>740

……………………ふん、一途なやつめ

【いかにも煙たそうな顔をしたのは、恐らく煙草の先から燻る煙のせいだけではない】
【眩しくてまるで直視していられないと言うような感情が、垣間見えたかもしれない】
【酒を手当たり次第に飲むその姿が見るに堪えなかったというのもあるのだろうが……】

【……それはさておき、得られた情報を手元のメモ帳に淡々と書き連ねていく】
【時折言葉で復唱しながら、UTの部分で僅かに感心したような表情を見せた】

ほう、ヒライ・アキタケ……お前、かの有名なUNITED TRIGGERのリーダーと知り合いなのか
はて、名前は何と言ったかな……思い出せんがまあいい。来るべき時が来るはずだ

……しかしな、それはもしかして飲みの友人ということか? だとしたら相当な……

【そこまで言って、うげえみたいな顔をした。どうやら酒にはあまり強くないらしい】
【酒豪同士の酌み交わしを想像してしまったのか、ちょっぴり具合が悪そうだ】
【そうこうしている内にメモをし終えて、筆記具を仕舞い、火ばさみと懐中電灯を握り直す】

…………いいや、他には無い
追及したところで互いに面倒だろう? 簡潔に終わらせるのがベストだからな
“こいつ”はお前にやろう、ちょっとした礼の代わりだ。協力、感謝する

【“こいつ”――すなわち酒類のかき集められたビニール袋のことだ】
【礼の代わりとは言うものの、先程言った通り処分の代わりでもある】
【愛想の欠片もない礼を言葉でも述べると、バーサは歩みを進めるだろう】

さて……それじゃあ、私は残りの仕事を片付けねばならん
お前はさっさと帰って寝ろ……バイクの機嫌を損ねん内にな

【ヒライの傍を通り過ぎ、肩越しに捨て台詞めいた言葉を残して、その場を去る】
【彼の異能染みた双眸が捉えられなくなるまで、彼女の足取りに迷いは無かった】


/長時間ありがとうございました!お疲れ様でしたー!!
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/13(火) 19:21:06.08 ID:5SmGoayHo
【街中】

う〜む……どういうのがいいんだこりゃ?
さっぱりわからねえやな

【とある店先で、思案するように呻く老人の声がしていた】

【2mを超える大柄な身体を僧衣のような紺色の民族衣装で身を包み】
【露出した肌に生やすは黄褐色と黒の縞を描く体毛】
【背に括りつけるようにして螺旋の金属飾りのついた長い木杖を携えたその者は】

【虎の頭部をし、ふらりと尻尾を揺らす獣人であった】
【二足歩行の虎が服を着たような姿を言えばわかり易いであろうか】
【鼻先に引っ掛けるようにして、少し奥行きのある特殊な形状の眼鏡をかけている】

【その店はピンクを基本とした派手な看板を下げたファンシーショップ】
【虎人はショーウィンドウに肉球をぷにっと押し付けながら】
【そこから見える様々な動物のぬいぐるみなどを凝視していた】

犬か猫か……熊も、人気があるのかね?
熊なんてのはそんな可愛げある野郎じゃねえと思うんだがなぁ……

【大柄で厳つい虎男がファンシーショップの店先に張り付いている姿は】
【周囲から奇異の目で見られており、雑踏の中であっても一際浮いた光景であった】
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/13(火) 19:30:58.84 ID:0BDuwUvxo
>>741

不器用なだけだよ

【煙草をくわえながら、ハニカミながら言う】

何かとね、長生きするにはコネクションってのは大事なもんだ
折角ならビッグな方が良いし、それにアイツは良いやつだ

…アルコールに関してはザルって言うより単なる空洞だからな俺は

【その顔を見ながら男は笑う】
【酒豪が二人いればそこは空き瓶と気化したアルコールが充満した場所となる】
【想像通り通りががるだけで具合が悪くなるような凄惨な現場であることは間違いないだろう】

そうかい、そりゃあ助かる。面倒事は苦手でね…皮肉屋の割に嘘も苦手でさ

…ああ、サンキュー。じっくりコイツラは俺の腹の中で反省させるとするさ

【煙草を指の間に挟みながら握った酒瓶の掲げて挨拶】
【その勢いで中身をあおる姿は完全なる陽気な酒飲みだ】

おう、気をつけて帰れよ…ああ、仕事か、じゃあ気をつけて仕事しろよ
俺も飲んだら帰るよ…いやツマミを探しに行くさ。…バイクの機嫌はどうだろう、後で聞いてみるよ
グッバイ、バーサ・アーカー。酒の処分は任せろよ

【去って行く背中にアルコールまみれの声をかけて別れた】
【それから30分ぐらいはバイクの不機嫌そうな音と格闘していたようだ…】

/最後の最後で眠気に勝てず、遅れての返信すみません
/遅くまでお付き合いいただいてありがとうございました。またの機会楽しみしています!
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/13(火) 20:24:28.23 ID:aPUgzZCf0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――風の国 高原】

【人気の絶えた、標高の高い草原。時折、キャンプのロケーションとして使われる事もある場所だが、この夜では立てられたテントなどは存在しない】
【ただ、雄大に開けた麓を見下ろす様に、立ち尽くしている1つの人影があった】

――――バル(火)・フェン(飛翔)・ビン(レベル2)……『ファイヤーボール』!!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【その手から火球を上空へと向けて、撃ち出した。まるで天へと昇っていく流星の様なそれは、炎の尾を引きながら遠くなっていき、やがて消える】

……ふぅ……みんな、そっちじゃ元気してるのか……?
『あの世』って奴は、こっちと違って住みよい場所なのかよ……?

【どこか寂しそうに眼下の雄大な光景を見下ろしながら、居丈夫は懐から小さな酒瓶を取り出す】
【その封を切って、口元へと運ぼうとするが――――寸での所で止まってしまい、じっと手元に視線を注ぐ】
【何かを弔う様なその姿を見守る様に、高原の風が吹き抜けた】



【――――所変わって、雷の国 荒野】

……どう、状況は?
「……特に、変わって、無いみたい……」
<…………>

【艶のある黒髪を肩ほどに垂らして、茜色の瞳を鈍く輝かせた、東洋系と分かる顔立ちに特徴がある】
【左手に、逆五芒星のプリントがされたハンドグローブをはめている、身長150cm前後の少女と】

【ブロンド色のさらさらした髪を短く切り揃え、炭団の様に濁った灰色の瞳をした】
【首筋に、逆五芒星の刻印を刻みつけている、身長130cm前後の少年と】

【短いボブカットの赤髪に、奇妙な笑みに近い表情を見せる、ぎらついた紅色の瞳をした】
【右の頬に、逆五芒星の刻印が刻みつけられている、身長160cm前後の少女が】

【街の光を遠くに望む荒野に立ち尽くし、じっとその光に視線を注いでいる】
【少年の手元には、双眼鏡が握られており、時折それを覗きこんで、街へと向けていた】

【それぞれに、身の丈に合わせて設えられたと思しき、ハードレザーとソフトレザーを組み合わせた黒いスーツで全身を覆っている】

「……でも、本当に、大丈夫?」
……いずれ、あの街にも攻撃を仕掛ける事になるんじゃないかしら? それに、あくまでここから様子を窺うだけよ……
向こうだって、今わざわざこっちに出向いてこようなんて、思わないんじゃないの?
<…………>

【――――街では、時折軍事車両の出入りがあり、どこか物々しい雰囲気を湛えていた】
【――――『セードムシティ』に隣接する某市。緊張状態にあるのも、仕方の無い事なのかもしれない】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/13(火) 21:32:25.96 ID:aPUgzZCf0
/>>744取り消しでー
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/13(火) 22:41:50.91 ID:BfXIENgt0
【波の音だけが聞こえる海岸――――しかし、其処は普通の海に面していないと有名で】
【冷たいわけで無く、逆に心地よい暖かさを秘めているとの噂。よくよく見れば、湯気だっている事が分かるだろうか】
【一人ぽつんとその浜辺に座り、月を眺める姿が一つ在って】


「……そんなに、心配しなくても……大丈夫です……
えっと……多分、悪い人だって居ませんから……えっと……へ……?
そ、そんな……せ、世間知らずなんかじゃ……無いです……」

【巫女装束を纏った、少女の姿。狐の金色の毛並みを持った狐の尾や耳も見え隠れしていて】
【――――辺り一面に漂うのは、妖気。所謂、妖狐の其れなのだけれど】
【近くに人が居る訳でも無し。それでも、呟くのは独り言とは遠く、まるで誰かと会話している様】


「……沙蔓は……心配しすぎです、よ……?
大丈夫です……ちゃんと、直ぐに戻りますから……」

【小さな溜息が一つ。申し訳程度に辺りを見回すけれど、直ぐに視線は海へと戻されて】
【歳にしてみれば、恐らく十七前後。だけれど、誰か居る訳でも無いのに常に不安そうに眉を八の字にしていて】
【――――其れなりに有名なこの場所。この時間に訪れる者が居たって、何ら可笑しな事は無い】












【誰一人として出歩く事の無い夜の街】
【――――其れもその筈。この街の中心に瘴気が漂っているのだから】
【不審に思って辿ったのならば、やがては一人の少女が視界に映るであろうか】
【紅いドレスを纏い、耀きを放つ金色の髪を持った少女。それと、その場に似合わぬ、ティーセット】
【一つの椅子に腰を掛けたのならば、カップに紅茶を注いで】


「誰も居ないのね。こんな素敵な夜なのに、誰も居ないなんて不思議ね。とっても、不思議
星だって沢山輝いているのに、誰も見ていないのかしら
こんなに綺麗なのに、何も見る事が無いなんて残念ね。残念」

【瘴気の元は、紛れもなくこの少女なのだろう】
【住民の誰もが関わるまいと窓を閉め切って、カーテンで閉ざしてしまって】
【――――クスリ。一人笑えば、やがてこの場を訪れた者へと視線を移すのだろう】
【見てくれだけは、ただの少女と何ら変わりない。だけれど、纏う気配だけは完全に別な種族で在ると告げている様】


「あなたはどう思うかしら?
星も綺麗で、とっても素敵な夜だと思わない?
…………それとも、真逆かしら。月が出ている夜は嫌い?」

【相手が話し掛けるよりも早く、投げかけられる問い】
【ゆるりと小首を傾げれば、答えを求めるけれど――――】
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/13(火) 23:19:19.36 ID:0z1bciCko
>>746
【海岸に漂う妖気に誘われてか、人影が一つ、ふらふらと現れて】

このような所で同族に会うとは、珍しい事もあったものよのう。
しかし……まあ、余よりは幾分も若いようじゃが。

【少女の後ろから声をかけるのは一人の女。見た目としては20代の半ば程であろうか】
【腰の上まで伸びた髪は少女の尾に似た金色で、同じく金色の、切れ長の目を僅かに細めて少女を見ている】

だがのう、こうも妖気が流れ出ておると厄介なものを呼びかねんぞ?
人の子の中には妖を倒す事に特化したようなようわからん者もおるのだからな。

【ただでさえ胸元が開いていた着物を、更に緩めるようにして手で扇ぎながら】
【『来たのが余で良かったのう?』、と言う様はかなり尊大である】
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/13(火) 23:38:57.55 ID:BfXIENgt0
>>747

「…………?」

【振り向いてみれば、その通りの女性。耳をピンと立てて、硬直する様の裏には果たして何を思っているのだろうか】
【沈黙が数秒間続けば、手にしていた札を懐へと仕舞い、パタパタとそちらへ数歩近寄るのだろう】
【可笑しな事に、その姿は人間が纏うべき巫女装束。奇しくも、女性の言う妖を倒す事に特化したした者を象徴する一人】


「えっと……お狐さん……ですか……?
あ、あの……私、妖狐の……あの――――」

【人見知りを体現したような性格であると言う事は、その言動から分かるだろうか】
【おどおどとするような言葉。けれど、同じ妖怪、そして狐ともなれば、僅かながらの嬉しさが交えている事も垣間見えて】
【視線は下へと向けられて居るものの、言葉は確かに女性へと向けられて居る】


「抑えたい……ですが……今日は……その……“ヒトガタ”では……無いので……
えっと……ごめんなさい……」

【意味の無い謝罪。言葉からは、普段はヒトガタを用いて出歩いている事を感じ取らせるが】
【困った様に眉を八の字に曲げれば、もう一度ごめんなさいと言葉が漏らされて】
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/14(水) 00:10:10.55 ID:T+NwWfpZo
>>748

狐……妖狐の類、という事になるかの。
ほれ、この通りじゃ。

【少女とは対照的に、人見知りの“ひ”の字も感じさせない女の物言い】
【『ほれ』、と言って軽く後ろを向けば、着物のどこから出ているのか、金色の毛に覆われた九本の尻尾】
【ゆらゆらと揺れるその尻尾は正しく狐のそれであり、女が妖狐である、というのはまず間違いないだろう】

何を謝っておる、別に責めた訳ではないぞ。
――しかし、“ヒトガタ”とな?
お主、その服といい、人の子のような事をするのじゃなあ


【少女の口から出る謝罪に、呆れたような笑みを浮かべる女】
【しかし“ヒトガタ”という言葉に食いついたか、女は面白そうにニヤリと笑い、改めて少女の服装を眺めている】
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 00:27:04.55 ID:b3RXHj170
>>749

【ユラリユラリと揺れる女性の尻尾に反応するかの様に、少女の一本だけの尾が左右に揺れて】
【女性の持つ、9本の内の一本を視線が追いかけていたのだが――――目が回ったのか、頭を小さく左右に振り】
【警戒心が僅かに溶けたように見えるのは、女性が自分と同じ種族だから……という面も大きいのであろう】


「あ……えっと……ごめんなさい……
……何時もは、本家で……結界を張っているので、お外に出る時は……あの……ヒトガタを使って……」

【意味の無い謝罪にをしてしまったことに対する謝罪。ある意味では負のスパイラル】
【少し話しただけでも、何となく少女の性格の一端を感じ取れそうだが――――それはさて置き】
【語る言葉が事実であれば、普段はこの容姿とは異なっているという事だろうか】
【本家とやらを守る為の結界を張りつつも、ヒトガタに意識を移す程度の技量は持ち合わせている様で】


「……もっと、小さい頃に……天鬼家の方に、拾われて……巫女として、育てられましたから……
その……人の子のようなと言いますか……えっと……
――――あ、あの……よかったら……あなたのお話も、少し……聞きたい……です」

【孤児であった所を拾われ、今に至るという簡単な経緯】
【色々と言葉が思い浮かび、其れを伝えようとするも上手く纏める事が出来ず】
【――――だから、其れを誤魔化すかのように女性へと話をシフトさせて】
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/14(水) 00:54:35.19 ID:cg68ZL/qo
>>750
【繰り返し告げられる『ごめんなさい』の言葉に、ココ、と喉を鳴らすように笑う女】
【笑みが浮かぶその顔は、どことなく子を見る親のようにも見えるか】

全く、愛いやつよのう、お主。

……成程、人の子に育てられたのであれば筋は通っておるか。
じゃが、妖狐が巫女、というのはやはり何処かおかしな話ではあるがのう?

【顎に右手を当てて、考えるように話を聞いていたが、その経緯を聞けば納得した様子を見せる】
【しかしながら、妖が神職にある、という事は女にとっては奇妙な事であったようで、またもココ、と笑って】

余の話のう……随分と長く生きておるから、何を話したものか、の。
お主は余の何を聞きたいのじゃ?覚えている範囲ならば答えようぞ。

【訊ねられたはいいが何を話すべきか。そんなことを悩んでみたが思い付かず】
【結局少女に質問を投げ返す形にはなったが―――】
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 01:11:16.06 ID:b3RXHj170
>>751

【そんな言葉に対しても、困った表情――――では無く】
【何処か、むっとした様な表情を向け】


「ぎんぎんにも……えっと……私のお友達にも、同じ事……言われました……
でも……私は、愛いくなんか……無い、です……」

【その様な言葉を言われたならば、反抗したくなるような年頃】
【口調こそ変わらずとも、その中身は今までとは異なっている事がハッキリと分かるであろうか】
【心無しか僅かに膨らんだ頬。まるで。子供がむつける様な行動】
【しかし――――最初に出てきたぎんぎんとは、さてはて】


「やっぱり……可笑しい、ですか……?
妖が、人間と妖怪と……間を保とうとするなん……」

【その異質を自覚しているが故に漏れた言葉】
【さっきまでの小さな強気は何処へやら、今度はしゅんと落ち込んでしまって】
【――――妖怪でありながら巫女を務めている事に対して、負い目を感じている。とも取れるか】


「えっと……あの………………お名前とか……好きな事……とか、です……」

【言葉を返されたならば、ビクリと尾が小さく震え】
【予想外の言葉であったのだろう――――たっぷり数秒間の長考の後、やっと聞きたい事を呟いたのはいいのだが】
【名前やら趣味やら、実にどうでも良さそうな事。……謂わば、自己紹介とでも言うべきだろうか】
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/14(水) 01:52:31.21 ID:u3tKmKZfo
>>752

はて、褒めておるというのに何を拗ねておるのじゃ?……ますます愛いやつよ。
しかし、友達、とはまた久しい響きよのう……

【少女が拗ねたような様子を見せると、からかうかの様に言葉を重ねる】
【そうして懐から扇子を取り出して軽く自らに風を送るように扇いで】

可笑しい……と言うよりもまあ、珍しいといったところかの。
別にお主が好きでしておるのならそれで良かろ。余が口出しする事でもなし。

【己に目立って影響を及ぼす事でなければ傍観者、というのが女の基本的なスタンス】
【――しかしあくまで気分屋なので、いつもそう、とは限らないが】

おお、名前か。余の名は……瑚蝶と呼べば良い。
真名はちと長過ぎるしの、この姿にはこれ位人の子らしい名の方が合う。
歳は……途中で数えるのを止めたからの、これはやめておこう。

好きな事、と言うとやはり酒を呑む事、かの。
酒は良い。人の子も良い物を作ったものじゃ。

【好きな事、という質問に少しばかり考えていたが、出した答えは如何にも飲んだくれ、といったもので】
【それはさておき、齢を数えるのを止めた、というのはそれ程に長く生きているということであろうか】

【他にも、櫻の国出身であること、今は夜の国の山中に拠点を構えていることなどを話して】
【不意に、『そういえばお主の名を聞いておらんの』と思い出したように一言】
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 02:13:02.83 ID:b3RXHj170
>>753

「……拗ねて……無いです……
……えっと……あなたも……もう、お友達……と思っても良いですか……?」

【その反応が拗ねているというのだが……指摘すれば、ぷいと顔を背けてしまう事だろう】
【やがては友達と思っても良いのかと訊ねるけれど――――態々そんな事を訊ねるのも、何だか可笑しくて】


「瑚蝶さん……ですね……
私は……その……天鬼桔梗、と……

――――あ、後……瑚蝶さんが……私と同じ位の時のお話も……」

【お酒はあんまり好きじゃ無いだの、夜の国には行ったことが無いから話を聞きたいだの】
【妖怪。外見とは比例しない年齢。女性も其れが当てはまると知れば、自分と同じ位の歳の頃の出来事を聞きたがるが】
【――――夜空で一鳴きする、白い烏。見上げたならば、何処か残念そうな表情を浮かべて】


「聞きたかった……ですけど……もうそろそろ、帰らなきゃ……いけないみたいです……
えっと……瑚蝶さん……あの……今日は、有り難う御座いました……」

【ペコリとお辞儀を一つすれば、懐から一枚の符を取り出して】
【地面へと置き、細い指先が印を組んだならば、現れるのは鹿の式神】
【――――何か、別れの言葉を言おうとするけれど、それが言葉にならず】
【もう一度お辞儀をすれば、式神に乗ってその場から去ってしまうが……少女らしい別れ方と言えよう】

/そろそろ寝ないと不味いのでこの辺りで失礼致しまする!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2013/08/14(水) 02:28:15.70 ID:cg68ZL/qo
>>754

余が友達、とな?面白いではないか、良かろ、好きにするが良いぞ。

【遥かに歳の離れた少女が自分の事を“友達”という、それが女にとっては可笑しく】
【しかしそれも面白いと、退屈な日常に変化をもたらす切っ掛けとなるかと、そう考えて】

ふむ、桔梗か。憶えておこう。
お主の齢の頃のう……あまりはっきりとは覚えて……って何じゃ、帰るのかえ?
まあ、仕方あるまいの。話の続きはまた会うた時にしよう。

また何時かな、桔梗。

【少女、桔梗の問いに応じようとしたがどうやら時間切れのようで、どこか拍子抜けしたような顔をして】
【しかし別れ際にはまた笑みを浮かべながら見送るのであった】

―――さて、帰ったら呑むかの

【一言呟いて、何処かへ消えていったそうな】


/お疲れ様でしたー!
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 20:31:07.36 ID:xcDvZTV6o
【海辺】

……当面の脅威は、一先ず排除と。
ならば次は……安寧の享受? ふふ、それも良い

【堤防の上に腰掛け、月明りで薄青い夜空を眺める人影がある】
【第三世界でいう旧暦の七夕の夜に相応しく幾筋かの流星が垣間見え】
【煌めいては消えていくそれらにオリーブ色の目を細める、若い男】

そう、何も邪魔する者はない……筈だのに

【紅茶色の長い髪を右側で纏め、前髪を後ろへ流し】
【水色と黒のストライプシャツにブラウンのスラックス】
【目に付くのは、紫色に染めた爪と踵の高い黒革の靴】

何かが、邪魔をする……何かが、

【――また一筋、星が流れていく】
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 21:26:38.35 ID:xcDvZTV6o
【眺めていた星から視線を外し、無意味に開いた掌を見据えた】
【左手の薬指には誓約の証めいた指輪を模して巻き付く、黒蛇の痣がある】

或いは私が……?
いや違う、そんな筈は無いな

【――手鏡は、癖だろうか】
【男は一人小さく呟くと、緩く握ったり開いたりする掌を何とはなしに見続ける】

【その目は左右で瞳孔の幅が大きく異なり、オッドアイに酷似していた】
【奇妙な“呪詛”の気配を纏った視線は掌から離れないまま、】
【男の頭上で止むことのない星達がひとつふたつと流れていく】
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 21:40:33.03 ID:xcDvZTV6o
/>>756>>757取り消します
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/14(水) 21:45:09.78 ID:J46FLKca0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 森】

……死者の霊魂を迎える……そんな火を焚く時期でもあるって言うね……
……逢えるものなら、もう一度……

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【人気の無い、暗くて深い森の中、焚き火を前にして1人座り込んでいる】
【煌々と燃える焚き火は、少しばかり掘り返したらしき柔らかい土の上で、踊る様に揺らめいている】

……未練だな。生と死は、絶対の別れだって言うのに……死者に逢う、か……
幻想を追い求めても仕方がないって、分かっていたはずなのに……

【周囲に街の明かりの無いここでは、焚き火をしていようとも、頭上の星空が映える】
【物憂げな表情を更に深めて、青年は夜空を見上げていた】



【――――所変わって、風の国 公園】

……良いのかな、こんな良い物を食べちゃって……お金も、そんなに余裕がある訳じゃないのに……
「たまにゃあ良いもん喰わねぇとな……身体がもたねぇぜ?」
<そうよぉ、こうなった以上、身体が資本なんだから……しっかり体力はつけておかなきゃね?>
……確かに、それはそうかもしれないけど……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【ベンチに座り、持ち帰り用の弁当と思しき店売りの弁当を食べている】
【すぐ横には自販機から購入したらしい缶飲料も携えられており、少し遅めの夕食と言った光景だった】

「……それと、そろそろ腹をくくらねぇとな……今のままじゃ、何も前進しねぇ……」
<恐らく、答えは1つだけなんでしょうけど……そのアテも外れたら、それこそ手詰まりね……その後をどうするかも、一応考えておかなきゃ……>
……うん、そうだよね……

【しかし、その光景を異質なものに飾り立てているのが、少女のそばを浮遊する、赤と青の人魂と思しき光で】
【少女は、深く考え込む様子を見せながら、その人魂と言葉を交わして食事を進めていた】
【――――人気がないとはいえ、ある種異常な光景であると言えるだろう】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/14(水) 22:19:30.11 ID:J46FLKca0
/>>759取り消しでー
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 22:32:00.66 ID:b3RXHj170
【人々でごった返している街の中。その通りの隅に設置されたベンチに座るのは、一人の少女】
【一切の乱れが見えない、軍服の着こなし。制帽を被り、眼帯で片目を覆っていて】
【――――通常の其れよりも長い軍刀を膝の上で寝かせていれば、手に持っていた缶コーヒーを凝視しているけれど】


「む、むむむむ……今日ツついていない日でありますね
折角飲もうと思ったのに、何故こうもプルタブが外れるでありますか」

【手に持った缶――――どうやら開ける為の其れが外れてしまった様】
【ぐぬぬ何て言葉を零しながら見つめて居るが、起きた事はもう仕方ない】
【やがて吐かれた溜息は諦めた事を示唆しているのだろう。自分の横に缶を置けば、人混みへと視線を移して】


「……仕方ないであります。今日の珈琲は我慢するでありますよ
それにしても、今日は何時もより賑やかでありますね。お祭りでも行っているのでありますか?」

【――――数百メートル先で祭りが開催されているなんていざ知らず】
【人々が浮かれる中、缶コーヒーを見つめて沈んでいる様は――――別な意味で浮いている事だろう】







【木々の隙間から月の光が差し込む森の中】
【何時もならば、野鳥が鳴いているのだけれど、不思議と今宵は風に揺らされる葉の音しか聞こえず】
【――――けれど、漂うのは異質な気配。妖気、だろうか】
【其れを辿ったのならば、やがては開けた場所へと出る筈で】


「ふむ……もう、夏かや
道理で暑いと思ったのじゃよ。まぁ、けれど……夏には夏の良さがあるという物
それに……うむ。夏には妖怪、かの」

【切り株に腰を掛けているのは、一人の少女】
【着物を纏い、その帯には二振りの刀が提げられていて】
【妖気は勿論の事、月明かりを鋭く反射させる銀の髪はこの森の中では嘸かし目立つ事だろう】


「――――どれ、盆も故に櫻の地に一度戻るかの
果たして、顔見知りが居るかは分からぬが……」

【地面に届かない脚を宙でぶらりぶらりと遊ばせて】
【――――物思いに耽るかの様な、独り言】
【だけれど、新たな人物がこの場に着たことを悟れば、そちらへと視線を向けるのだろう】
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 23:12:29.60 ID:qqBl88jd0
>>761

【からりころ鳴る下駄の音色、楽しげに通り過ぎていく笑い声、交じり合う様々な食べ物の匂い】
【むっとした夜の温度までも加わったなら、お祭の楽しさに夜だって浮かれてしまったよう、そんな場所で】

【――ひたりと冷たく水を纏ったような気配が後ろに立った、ひととはどこかずれた気配、一緒に抱いて】
【そうして伸ばされるもの――くるると包帯を巻いた白さは、どうやら、両腕のようで】

……貸して、

【そっと紡ぐ声は涼やかな鈴の音色、害意なんてものを微塵も抱かないようでも、唐突だったなら、警戒させてしまうのかも】

【夜よりも冥い色合いをした髪、好き勝手に落とすのは膝丈の長さ、様々な明かりに照らされたハイライト、艶めかせて】
【そんな前髪越しに覗くのが黒赤のオッドアイ、少し視線を落とせば、首筋にも巻かれる包帯、見えるはず】
【腰と袖を編み上げるよなデザインの白のブラウスとたくさんの布地をぎゅっと寄せた黒布のミニスカート】
【長い靴下は肌の透けるぐらい薄手のもの、ショートブーツは底のいくらか高いもの、どちらもが黒色で】
【――そんな少女、に見えた。けれど纏うのを思えば、少しだけ疑いたくなる、ような】

開けてあげるから

【手を拒まないならやがてその手が缶へ触れるのだろう、温度なんてないような純白色、か細くても】
【スチールだってアルミだってそれなりの硬さはあるはず。それを、或いは素手で開けてやる、だなんて】
【怪しさで言えば十分すぎるぐらい、いいかと尋ねるように傾げてみせる首、ざらと髪が流れて】
【――左手の薬指、誰かと誓ったような輪が刻まれていた。黒蛇を模って嵌める、痣の指輪】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 23:29:06.15 ID:b3RXHj170
>>762
【今日は我慢する、何て事を言いながらも名残惜しげに缶コーヒーを見つめて居て】
【飲みたい。けれど、飲めない。どうしようも無い現実を嘆くかのように、ただの缶となってしまった其れをクルクルと手中で弄んで】
【コトンと缶を置いた頃合いと、少女が声を投げかけてくる頃合い。丁度、同じ時】


「――――貴女がコレを開けるでありますか?」

【最初に浮かんだ瞳の色合いは、敵意は無いけれど、明確な警戒色】
【反射的に軍刀の柄へと手が伸びかけるけれど、理性がその必要は無いと囁いたのであろう。直ぐに、膝の上へと戻って】
【藍色の瞳は、少女と缶との間を行ったり来たり。警戒の色は、疑いの色合いへと移り変わり】


「あんまり勤務中の自警団をからかう事は良くないと思うでありますよ
……そんな事よりも、貴女のその包帯の方が気になるであります。怪我をしたのならば医務室にでも運んで――――
ほ、本当にする気でありますか?」

【ピンと立てた人差し指に諭す様な言葉。少女の細腕を見れば、そんな言葉が漏れてしまっても仕方の無いことであろうか】
【――――そのまま紡ぐのは、少女が包帯を巻くその理由であろう。必要であるならば、医務室へと運んで然るべき治療を行う】
【その継いで、“堅物”の雰囲気を纏わせる少女は其れに至るまでの経緯を聞き出そうとしたのだが】

【缶へと伸ばされた手を、払うことは無い。――――所詮、子供の戯れだと決めつけているから】
【傾げる首には、小さな首肯で返して。眼帯によって隠れた、一つだけの瞳がじーっと見つめる事だろう】
【……どうせ開けられないで、直ぐに返してくる。そう思っている様だけれど……果たして】
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/14(水) 23:59:39.98 ID:qqBl88jd0
>>763

【やがて両の掌が挟み込むようにして缶を捕まえる、そうすればふわと胸のほうへと引き寄せて】
【指先までは巻かれていない包帯、ついと淵をなぞってみる指先、缶の銀色にそっと影を落としこんで】

【――そんな指先が。ぴくり強張るように跳ねたこと、気付けるだろうか?】
【それはちょうど軍服の少女が自衛団所属だと名乗った瞬間とちょうど重なる、重なってしまうなら、】
【怪しさでそっと飾るよう。だって、そんな反応をするのは、何にもなかったように振舞うのだって、――】

……怪我、? ――怪我なんて、してないんだから。

【言葉を紡ぐのにほんの少しだけの間が空く、鸚鵡返しは微かに首を傾げながら、紡がれて】
【やがて合点行ったように否定してみせるのがどこかむきになるよな色合い、伏せて向ける視線、どこか先より距離がある】
【話し掛ける前より話し掛けた後に距離を作るというのもどこかおかしな風で――その下、見せたくないと言うかのよう】
【(医務室に、まして自衛団にパクられるなんて、絶対、絶対、避けたいようなことだったから)】

【――ベンチの表へ回らないのはそんな距離間を一生懸命に表すよう、こちらからも向け返す警戒、気付けるはず】

…………、――、

【――できるともできないとも言わずに取り掛かるのは、見方によっては話題を捻じ曲げようとしているようにも】
【ついと淵をなぞる指先に煌いて溢れるもの、桜色の魔力――浴びせられた缶のかたちが、秒速で歪み曲がっていくなら、】
【やがて残るのは飲むにちょうどいいぐらいの穴が開けられた缶、まるで強酸でもぶちまけたような、その結果は】

ほら、

【――なんて風に、いかにもなんてことない風に差し出されても、きっと困るはず】
【これが彼女の異能なのだろう、そこまではいいとして。これは飲んでいいものなのか、そんな、不安】
【一応缶を溶かすほどの酸性は失せている、けれどそれは見て分からないし、溶けた缶が身体にいいのかも不明なら、】
【ふわと柔らかに溢れ出す珈琲の香りだって、信用出来ないようで――何もかもが、軍服の少女次第】

【(自衛団に所属する彼女なら、或いは、知っている/覚えているのかも、しれない)】
【(何の周期性も見出せないランダムに発生する路地裏の事件、けれど、手口が同じならば、同一と疑られるもの)】
【(きっと人間だったと推測できる程度にどろどろに溶かされてしまった被害者、数人を越えて、数百人よりは少ない)】
【(それをしたのが眼前の彼女とは限らないけれど。自衛団という単語に反応した。ならば、純白の立場でもないのだろう)】
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 00:28:06.76 ID:y8hsoUqu0
>>764
【小馬鹿にする、とは異なった反応。まるで、子供が興味津々といった様子で覗き込んでいるかのようにも思える】
【――――それで、少女の違和感を見逃したのかと言えば、答えは否】
【その反応だって、不自然に開いた距離だって、感じ取っているのだろう。けれど、追求は無い。……少なくとも、今は】


「怪我をしていないのに包帯を巻くとなると……趣味でありますか?
……まあ、深くは聞かないでありますよ。自由に動かせるのなら、強ち嘘でも無いのでありましょう」

【少女を逃がさない為の言葉か、それとも何の下心も無く発せられた言葉か】
【――――自警団、という言葉に負い目等を抱いているならば、要らぬ妄想までも抱えてしまいそうだけれど】
【さて、魔力を敏感に感じ取ったならば再び浮かぶ警戒の色。だけれど、自分に向けられた物では無いと悟れば、ベンチから立つ事は無く】
【…………無論、さも当然の様に差し出されれば、受け取りはしても少し戸惑いを見せて】


「てっきり、力で開けるかと思っていたでありますよ……いや、確かにコレも力の一つでありますが……
…………取り敢えず、ありがとうでありますよ」

【受け取った缶コーヒー。その溶かし口をマジマジと見つめ、ちょっと掌に垂らしてみたり】
【――――開けてくれた。否、飲めるようにしてくれた本人の前でするのは少し失礼にも思えるけれど、仕方の無い事だろうか】
【皮膚に異常が無い事を確認すれば、一口二口と飲むが――――何処か 警戒という物が足りないようにも思えるか】


「――――……別に、理由無くいきなり傷付けるつもりは無いでありますよ?
貴女が問題を起こそうとしなければの話でありますが
……失礼しましたであります。いきなり言われても困るでありますよね
事件を纏めたファイルの中に、貴女と似たような力を持った者が行ったと思われる事が幾つかあったのでありますよ
生憎、私はその事件を追っても担当しても居ないので詳しくは分からないでありますが――――もしかしたら、の話でありますよ」

【――――不意に紡がれる言の葉。傷付けるつもりは無いなんて物騒だけれど、その言葉通りベンチから立ち上がったり、何か能力を使う前兆が見られる訳でも無く】
【ベンチの背に手を掛ければ、上半身だけを捻りつつ珈琲をまた一口】
【今までの反応。そして異能から、ふと導き出された答え。確信なんて無いけれど――――】
【最後に起きたのは、何時の日だったか。腕の包帯だって、果たして本当に怪我を隠していないのか怪しい】
【…………それでも、やはり警戒が足りないのか立ち上がる事は無い。逃げれば人混みに紛れて振り切れるだろうし、そもそも追ってこないかもしれない】
【言葉を信じてもう少し会話を重ねるか、それとも逃げ出してしまうか――――それは、少女の自由で】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 00:58:54.13 ID:JJqRy2sI0
>>765

【「お父さんが巻いてくれたの」と返したのは嘘ではない、ならば父の趣味だと言う返答とも取れるけれど】
【その下の有無に触れないのはどこまでも意図的、触れられない限りは黙っていようと、そんな、隠し事めいて】
【細い首に巻かれる包帯だってそうだ、暴かれない限りはその下を隠し通そうとするのだろう、その純白で】

【――疑るようだった彼女の視線、こうして行為でちゃんと示したなら、ちょっとだけ得意そうな表情は】
【ほんのちょっと踏み外せばぴりぴりと張り詰めそうな空気の中に添える子どもぽさ、少しだけの、平和】

【見つめてみたり、掌に零してみたり。そんな行為にはなんらご機嫌を損ねる要素はなかったよう】
【強いて言えば、「大丈夫なのに」なんて言いたげな目で見つめたくらいだろうか、――毒物染みた混入はなく】
【飲み進めるのを見れば――最初の目標は完遂したと、立ち去ろうとするよな仕草を見せた、のに、】

――――なに、それ。知らないよ? ……そんなの、知らない。
路地裏とか……行かないし。わたしじゃ、ないもの、……きっと、別のひとなの。

【――このまま立ち去ってしまうのはいかにも怪しいように思えたから。たっぷりの間は、それだけで怪しいのに】
【そっと首を振って否定を重ねる、さらさらと髪同士がぶつかって微かにささやかに鳴る音、言葉尻に彩りを添えるよう】
【長めの前髪の向こう側で、ほんの少しだけ。眉が顰められていたけれど、それを見つけるのはきっと、難しいはず】

――わたしのこと、疑ってるの?

【ぎゅうと胸元に添えた右手を左手で握り締める、じぃと彼女の視線へ注ごうとする視線は、ひどく真っ直ぐで】
【言葉以上に確認するような強さを抱いているなら、――彼女の言葉に、反応しすぎているきらいがある】
【「路地裏とか」なんて挙げるのは危ない場所であるという意識から来るのかもしれないけれど、誰も、そんなことは言ってない】
【少しずつ少しずつ混ぜ込まれる言葉の空白だって……黒、或いは黒にほど近いグレー。少なくとも、何かしらの心当たりがあるはず】

【逃げ出さないというよりは逃げ出せない、このまま何もなかったように話して、帰るのが、きっと一番怪しくないから】
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 01:21:37.59 ID:y8hsoUqu0
>>766
【てっきり、逃げ出すのだと思っていたから。このまま、問題が起きないよう監視しつつ珈琲を啜っていようと考えて居たから】
【――――だから、少女が逃げないことを知れば、何処か意外そうな表情を浮かべて】


「それは随分と優しい父上でありますね……いえ、それとも病院へ連れて行ってくれない酷い父上でありますか?
……貴女が其れでいいのなら、私は特には咎めないでありますが」

【その下に獲物を持って居るという事は無さそう――――ならば、必要以上に触れる事は無いのであろう】
【“お父さん”に対して非難する様な言葉を投げかけるけれど、それは本心からでは無い】
【其れよりも、気になったのは、一言一言を考えるかのような少女の反応。そして、其れ故に出過ぎた言葉】


「…………別に、路地裏で起きたとは言っていないでありますよ?
つい最近まで事の中心であった風の国等も十分に考えられる筈でありますが……何故、その事件が起きた路地裏が真っ先に出てきたのでありますか?」

【指摘せずに、そのまま流してしまえば更に不必要な言葉を漏らしていたのだろうか】
【だけれど、職業柄つい癖で――――何より、揺さぶりを掛ければ、更に動揺して零すと考えて居たから】
【他の“例えば”の場所を先に取り上げてしまえば、少しずつ逃げ道を潰していって】


「……正直に言えば、疑い半分と言った所でありますね
貴女が本当にその犯人なら、不意を打って私を殺す事も出来た筈でありますから
それに、辛うじて元の姿を判別出来るほどにまで溶かしてしまうならば、それ相応の残忍性があると考えていたでありますが……
どうも、貴女はそう思えるような性格では無い様に思える出あります
……尤も、私を必死に騙そうとしているなら分からないでありますが」

【真っ直ぐに見つめられならば、それ相応に返される隻眼】
【何処までも深く沈む様に錯覚してしまう藍色の瞳。まるで心の内に何かを隠す者に対して、プレッシャーを与えるかのよう】
【……「では、何か少しでも知らないでありますか?」何て言葉が投げかけられたのは、数秒後の事】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 02:16:57.80 ID:JJqRy2sI0
>>767

【――ふわ、と。表情が変わる、自衛団だと名乗られた時よりも、疑われているような時よりも、】
【本心でなくたって紡いだ言葉の音の連なるは同じ、父に関すること――ぐうと歪めて】

ち、がう、もの。お父さんがしてくれるから、病院なんて、要らないの――
要らないから行かない。医務室なんかも行かない、お前たちのところなんか、行かない、

【つまりは。その下にあるのは傷や怪我ということでいいのだろう。手首の包帯、確かめるようにぎゅうと握って】
【それにしても、その位置。手首だって、両方怪我をしているというのもおかしな話、まして、首なんて滅多に怪我しないはず】
【手首を切ったり首を絞めたりする自傷行為かと思えばどうやら父親公認であるらしい、それもまた、おかしいなら、さて】
【――言葉のお終いにどうやら本性らしきが微かに覗いていた。この空気と、父を非難することと、スイッチになって】
【(病院や医者を嫌っているのは元からだとか、余談でも。そこが自衛団の場所ならば、もっと、ずっと、嫌だから)】

……、……――リリアはもっと、違うもの。そんな、……、……一番ありそうな場所、だから、

【――黙り込むのが絶句に似た色合い。自分で撒いた種から吹いた芽に脚を取られて、墓穴に堕ちる】
【結局数秒近い空白を横たえるのだろう、やがて紡ぐのは――風の国のこと、あの半魔を知っているよな口ぶりなら】
【自分と近い異能を以ってして行われたこと、考えに登らないのはまあ当然と言えるのだろうか】

【(答えを間違えたらどうなるんだろう、なんて。思えば思うほどにぐらぐらする、帰れなくなることだけ、どうしようもないぐらい、怖くて)】

――……、――しらない、なんにも

【結局返したのなんてそれだけだ、はじめよりも低い水準で紡がれる声、ぐちゃらと絡む思考を微かに透かす表情、浮かべるなら】
【彼女が実行犯だったとして――病的なぐらいに自分を責めたてたような跡、あったとしても。それは反省とは違っていて】
【反省するとすれば見つかるような、疑られるような、そんな風にしてしまったこと。それと、今夜、話し掛けたこと】
【如何にして今とこれからを保身するかを考えるようなのは、――けれど、悪戯を誤魔化そうとする子どもにも、ひどく似通って】

【(子どもが気に食わない玩具を投げて毀してしまうようなものだったのだから、怨みなんて、最初からなくて)】
【(抱き締めてくれるひとを見つけて以来は、“本当に彼女のしたものは”、ほとんどないぐらいの僅かでも】
【(大事な螺子の折れてしまっているのは確かなこと、溜め込んだ鬱屈から散る苛立ちの火花で他者を毀してしまう、危険なひずみ)】

【(いのちの重さとか。傷つけることの重さとか。そんなのとっくに見失って、なくしてしまったのだから)】

【――ふら、と。距離が一歩作られた、始めに来たほうとは違う、ひとごみのあるほうへ】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 02:46:53.93 ID:y8hsoUqu0
>>768


「……何故、其処まで過剰に自警団を嫌うのでありますか?
私達は、自分たちを。延いては、貴女達を守る事が役割だと、私は考えて居るであります。勿論、悪人で無ければでありますが
――――自らそう逃げるなんて、私には自分を悪と伝えている様にしか思えないでありますよ?」

【さっきだって、そう。自警団の言葉に対する反応は、一般人の其れとは異なっていた】
【だからこそ、引っ掛かる。だからこそ、疑ってしまう。本当に少女が犯人では無いだろうか――――と】
【距離を詰めれば、明確な反応を示すのだろうか。だけれど、もしも能力を用いてきたら――――?】
【仮に自分が防げたとしても、周りの人々を守るほどの自信は無い。下手に動けなかったのは、この少女も同じであったか】


「……リリア、でありますか?
……ああ、そう言えばあの事件の主犯が、そんな名前でありましたね
――――では、貴女のお陰でまた一つ選択肢が減った訳であります。あの少なくとも半魔と仲間は、関与していない……という事でありますね」

【まさか、少女が主犯たる悪魔と知り合いであった事は想定外だったが】
【――――また一つ、道を潰していく。「あの半魔がやった」と言えば、力が違う筈だと詰めていったのだろうか】
【空き缶を放物線状に投げれば、カランとゴミ箱に入った音】

【……目を細くしたのは、何も嬉しさからでは無い。殆ど、少女を黒と判断したから】
【一歩離れたって、その一歩を詰める事は無いのだろう。最初と同じ様に、ベンチの背もたれに己の背を預けて】


「……分かったでありますよ。貴女が其処まで拒むなら、今日はこれでお終いにするであります
――――“今日は”でありますが。先に言ってしまえば、もう殆ど貴女が犯人であると思っているでありますよ?
だけど、少なくとも今は見境無く襲っている訳でも無い様でありますから
……無事に帰ったら、父上に宜しくお願いしますでありますよ」

【それ以上、言葉が紡がれることは無い】
【――――投げかけたって、反応は無いのだろう。ただ、最初と同じ様に自分の勤めに戻るだけ】

【……自警団全てに、少女の事が知らされる何て事は無かったであろう】
【だけれど、手帳には少女の特徴が記されていた――――なんて話は、余談】


/お時間も丁度良い感じですのでこの辺りで……!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!お休みなさいませであります!
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 03:28:10.96 ID:JJqRy2sI0
>>769

【――不信のはじめになったのは、ずうっと昔の、経験から来ることで】
【それがいつの日からか変わってしまった、信じないじゃなくて、近づいてはいけないひとたち】
【悪いことをすると消えてしまう、消されてしまう、――だから、近づかないはずだったのに】

【(困っているようだったから。気になったから。そんな気紛れを、いま、悔やんで)】

助けてくれなかったくせに――…………

【初めよりも幾分かひとどおりの減った道、賑やかさも当然減っているなら、……紡ぐ言葉が小さくても、微かに聞こえるだろうか】
【それはいつのことを指すのだろう。少なくとも、眼前の彼女に関係している事柄ではないはずだ、初対面なのだから】
【そちらからすれば一個人、こちらからすれば、同じ名を掲げる集団ひとつ。個人なんて、あんまり見ていないのかも】

【今にでも舌打ちを零しそうな表情、それが最後に置き去りにしたもの、黒髪の長さを引き摺って、ひとごみに紛れ込んで】
【それでも「どうしよう」と頭を抱えたくなるのは、――父親と引き離されることだけ、どうしようもない、不安から】
【過去の行いを悔いるわけでもない、ひとりひとりなんて覚えていない、ただひとり、元凶を怨んで腐るだけ】

【(あいつさえ居なければ、あいつにさえ出遭わなければ、なにもかも、なにもかも、――)】

【――二年前のある日から路地裏を主にして起こりだしたこと、共通点も見出せないぐらいの、八つ当たりは】
【強いて言うならば男狙い、それも特定の身体的特徴持ちを狙ったのは、擬似的に何度も何度も同じ誰かを殺すように】
【少しずつ少しずつひどくなっていくエスカレートは過去の記録でも漁れば分かるだろう、少女の毀れていく過程】

【それががくりと減ったのは去年の暮れ頃から、それは別に隠し込む技術の向上なんかでない、純粋な数の減少】
【欠けたものを見つけた。抉られた傷を埋めてくれるひとを見つけた。――けれど、狂いきった振れ幅は直らないまま】

【誰かに追われてるんじゃないかと強く思い込めば早くなる足、知らないひとにぶつかってぶつかって、路地裏に逃げ込めば】
【ちらと背後を確認して――たったひとつぶの黄緑色を残して夜から夜へ消える姿、途切れた足跡は辿れなくて】
【頭と背中がぎりぎり痛むのを、引き離されるかもしれない不安を、噛み潰すような表情、ひたすらに薄めてほしいなら】
【ぎゅうと抱き締める、抱き締めてもらう、――たったのそれだけで、なんてことのないように思える錯覚、麻薬のように、甘く歪んだ】

/おつかれさまでした!
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 19:46:31.86 ID:ABiejdd7o
【昼の国 首都グランツ 公会堂】

【公会堂の外は、人々の営みの音で満ちている。足音、衣擦れ、会話】
【そこから切り離されたようなこの空間。ここに集うのは、皆大なり小なり修羅場を潜ってきた勇士たちだ】
【脛に傷のありそうな面々もいたが、精悍な顔つきの者たちも多く見られる】


【やがて、公会堂の壇上に一人の男が現れる。高級そうなスーツを着た、恰幅のいい初老の男。顔には、柔和な笑顔を浮かべ】
【男は壇上にて一礼し、マイクを手に取ると、公会堂に集った者たちの上に言葉を送り出す】

皆さん、はじめまして。私が、今回皆さんに市内警備の依頼をした、デズモンド・ゴルドーです
長ったらしい挨拶は抜きにして、本題に入りましょう

ご存知の方もおられるやもしれませんが、今グランツでは私の持ち店の無料開放キャンペーンを行っております
現時点でも、市内は相当な混雑。私としては喜ばしいことですが、懸念もあります

昨今の事件の数々……カノッサ機関をはじめとした者たちによる、恐ろしい事件
いつ何時、どこで起きてもおかしくはないでしょう。多くの人々が集まっている今、この場でそんな事態になることもありうるのです
自警団の方々も警戒に当たって下さってはいますが、不安はどうにも拭い難い


そこで、皆さんをお呼びしたのです。無料開放の期間中はグランツ市内を見回り、有事の際には存分にその腕をふるっていただきたい
報酬は、先払いで300万用意してあります。受取方法は、皆さんのご希望に添いましょう

私からは以上です。必要なものなどあれば、ここにいる私の部下たちにお申し付けください
では、皆さん。よろしくお願い致します


【来た時と同じように、ゴルドーが壇上で一礼し、その場から去っていく】
【終始、満面の笑顔は変わりなかったが。その口元の歪みに、邪な気配を感じ取った者も、中にはいるかもしれない】



「……ゴルドー様、本当によろしいのですか? 我々のやっていることが漏れたりしたら、あの連中の中からも敵に回る者が出るでしょう」

何、そう簡単には漏れはせん。そのために、これほどの散財をしてまでこの地に人を呼び集めたのだ
木を隠すなら何とやらだ、今なら密輸もやりやすい。薬や物、それに人も出し入れが格段に容易になる
地の国の人身売買オークションが潰れてからというもの、供給が不足している今がチャンスだ

……それに、ここのところは、“D.R.U.G.S.”でも不審な動きが多い。カノッサ機関のこともある
今のうちに備えをしておかねばならんのだ


万が一何かが起きたとしても、こうしておけばわしが手を打っていたという既成事実にもなる
それより、例の移送の準備は抜かりないだろうな?

「はい、そちらは万事順調でございます」

よし、では立食パーティーに出向くとしようか


【部下たちに周囲を固めさせて、ゴルドーが公会堂を後にする。その胸中に、ドス黒いものを渦巻かせながら】
【しかし、彼らは詰めが甘かった。気付かなかったのだ。公会堂の椅子の一つ、その裏に取り付けられていた“筒型の物体”に――】


/本日のイベントにて、ゴルドーに雇われた形での防衛側参加の方へ向けたプロローグ文です
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 19:47:46.51 ID:ABiejdd7o
【昼の国 首都グランツ】


【日ごろから賑わいを見せている場所だが、今日はいつも以上に活気があふれていた】
【デスモンド・ゴルドー。地元では名士として名が通った資産家。彼の有するレストランやホテルが、期間限定で無料開放されているのだ】

【要は、ゴルドーの奢りで自由に飲み食いが出来るということ。観光名所として知られることもあり、多くの人々がタダ飯にありつきにやってくる】
【集まった人々を相手に商売をしようと、商人たちもいつも以上に精を出していた。市内各所が人の波となっている】


【ゴルドーの自宅でもある豪邸の前の広場では、立食パーティーが催されていた。ゴルドー本人も、立食パーティーの参加者たちの間を歩き回って愛想を振りまいていた】
【恰幅のいい身体を、高級そうなスーツで包んだ初老の男性がゴルドーである。浮かべる笑みは穏やかなものだ。しかし、彼には黒い噂もある】

【“D.R.U.G.S.”を始めとした、裏世界との癒着。だが、噂を囁く人々の中に確証を持ったものは誰もいなかった】
【それも当然、彼は巧妙に隠していた。持ち店の無料開放という散財をしているのも、この賑わいを利用して非合法の取引を覆い隠すため】


{これはどうも、ミスター・ギル、ご機嫌麗しゅう……ええ、先日は助かりました。“お礼”は後ほど}

{おお、これはこれはミスター・リー、本日はお日柄もよく……はい、お陰さまで繁盛しておりますよ}

【立食パーティー参加者と話しながら、会場を回るゴルドー。結託している悪徳商人や裏社会の面々が、すでにこの場を訪れているのだ】
【会場の周囲では眼光鋭い荒事担当の者たちが隠れ潜み、密かに警戒態勢をとっている】


【それだけでなく、ゴルドーは自警団や有志の能力者にまで、無料開放の期間中の市内警備を依頼していた】
【人々の賑わいに隠れて、闇の商売をグランツ各所で行っているにも関わらず、である】

【自身が闇に手を染めておきながら、その現場を間接的にとはいえ正義の使徒に守らせようとする】
【慎重でありつつ、このように大胆に立ち回る。こうやって、彼は闇の世界との繋がりを保ってここまで登り詰めてきた】


【しかし、昼の国に蠢く闇の住人である彼らですら知らなかった。今日この場に迫りくる、さらなる闇を】

/続きます
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]]:2013/08/15(木) 19:48:58.53 ID:ABiejdd7o
……よし、全員予定時刻までその場で待機だ。起爆の直後から行動を開始する
任務に支障が出ない範囲でなら、略奪も許可する。以上だ

【路地裏に立つ雑居ビル。その屋上に声の主はいた。少し離れたところには、活気あふれるグランツの街並みが見える】
【手にしていた携帯端末の通信を切り、その大男は眼下に広がる首都の景色を、額一杯を埋める一つ目で見下ろした】

【身長は2メートルを超えているであろう。薄汚れた灰色の作業着の上に黒いラバー地のエプロン、足には黒いゴム長靴】
【角ばった顔つき。口元から覗く異様に長い舌と鋭い歯。ドス黒く変色し、形の歪んだ両耳と両の親指。どれ一つとっても“異形”】


『しっかし、コーネリアスさん始め機関のお歴々のやり口をパクった、って割には中身がせこいよなあ。最初の爆破以外はこけおどしだろ?』
「我々では彼らほど大規模な計画を実行することは出来ん。仕方あるまい」
『にしたってよ、雷の国のあれだ、グラトンさん? ただでさえ、あの人の後塵を拝す形になってんのによぉ……』
「……半魔の件もまだ記憶に新しく、D.R.U.G.S.≠燉ァて続けに事件を起こしている。確かにそれらに比べると、あまりにスケールが小さくはあるな」


【大男の後ろで声をあげた二人も、また“異形”。佇むのは身長180前後の、一人分の身体。それに、二つの頭と四本の腕が付いている】
【二人の男が一つの身体を共有しているのだ。その身を包むスーツは中央から右が白、左が黒に色分けされ、その異様さを際立たせる】

【向かって右側の頭は、病的に青白い肌をしたほっそりとした顔つき。後ろで一つに束ねた白い長髪。落ちくぼんだ目。白濁した瞳】
【向かって左側の頭は、浅黒い肌に突き出た顎のがっしりとした顔つき。ボサボサに乱した黒い短髪。吊りあがった目。爛々と光る黒い瞳】

【四つの袖口があるスーツからは、本来の腕の位置から青白く細い腕が、脇の下辺りから浅黒く太い腕が伸び】
【その両胸のポケットには、白地の側が黒い糸で、黒地の側が白い糸で、それぞれ「No.50」と刺繍されている】



まあ、そういうな。我々には我々のやり方というものがある。そうだろう? 小物は小物らしく、ほどほどにいこうじゃあないか
さて、スカーベッジ。今回のメインはお前たちだ。準備はいいだろうな?

[いつでもいけますぜ、ボス]

【双子に向けて苦笑を漏らした後、大男・カニバディールは後ろに控えるもう一人に言葉を向けた】
【くすんだ鉛色の髪をオールバックにした、彫りの深い顔立ちの男だ。髪と同じく鉛色の瞳をカニバディールに向け、口元には獰猛な笑みを浮かべている】

【カーキ色のジャケットの上にポケットがいくつもついた黒いベスト、迷彩柄のズボンに黒く厚い軍用ブーツで身を固め】
【両耳と口元には鉛色のピアス、にやついた口から覗く舌の外周にもびっしりとピアスが付いている】


お前には、グランツ市内の攻撃を任せる。『スクラップズ』は無論のこと、必要なら機関兵も動員しろ
さて、『RB-コバルト・ボマー』を起爆し終えたら我々も散開だ。混乱が持続しているうちに、事を終えねばならん。抜かるなよ

『おうよ』「承知した」[合点でさ]



【カニバディールは携帯端末の時刻表示に額からの視線を落とし――やがて、その瞬間が訪れた】


時間だ。始めよう


【首謀者の短い開始の言葉。起爆スイッチを押す小さな音。そして、グランツ全体に響き渡るほどの轟音と、巻き起こる“蒼い閃光と爆炎”】
【自信に満ちた犯行予告も、崇高な理念を語る大演説もなく。ただ、それらのみを持って襲撃は開始された】

/続きます
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 19:50:31.98 ID:ABiejdd7o
【最初の一つが爆発した時、人々は何が起きたのかわからなかった。ただ、耳をつんざく爆音と肌身に感じる爆風の余波のみを知覚した】
【前世代より機関に君臨してきた男、六罪王レギン。彼特性の爆弾、『RB-コバルト・ボマー』。その威力たるや、この一発でまずは報道機関の本社を半壊させた】
【続いて、二回。自警団の詰め所と発電所が、立て続けにその機能を失う。今度は、人々の目にもグランツを蹂躙する“蒼”が映り込んだ】
【混乱し始めた大通りへ、どこからか駆けてくる者が十数人。一様におびえ切った顔。彼らは、声を限りに叫びまわった】


「逃げろ!! 囲まれてるぞ!! 早く逃げろお!!!」    

                                                    「あちこちで火事だ!! どんどん燃え広がってる!!」

     「カノッサだ!! カノッサ機関の襲撃だ!!」


                        「逃げろ!! 皆殺しにされるぞ!! 逃げろおおおおおおおおおお!!!!!」


【その叫びに呼応するかのように、四回目、五回目。爆音と共に、“蒼”が迸る。外部からグランツに繋がる道路の一つが爆破されたのだ】
【さらに、大通りに君臨していた公会堂までもが、六回目の爆破に飲み込まれる。人々の目と鼻の先で】

【グランツ全域が、混乱と恐慌の渦に叩き込まれた。我先に逃げ出そうとする市民たち。警備にあたっていた自警団員らでは、抑えきれなかった】
【自警団の詰め所は吹き飛んでいる。この状態では、いつものような連携は難しいだろう。報道機関へのダメージで、情報も錯綜するばかり】
【眼前の閃光と爆炎、グランツのあちこちでカノッサの襲撃を告げて回る者たちの叫び、それらだけが確かなものだった】

【しかし、人々は気付かない。先ほどまで恐怖に満ちた表情でカノッサの襲撃だと叫んでいた者たちが、やがてその表情を消して】
【パニックに紛れて、密かに路地裏へと消えていったことを。その者たちの身体に、“逆五芒星”が刻まれていたことを】
【混乱を煽り立てた者たちと入れ替わりに現れたのは、路地裏のならず者たちだった】


『おいおい、本当に聞いてた通りだぜ!!』     『今ならやりたい放題だ!!』    『早いもん勝ちだ、急げ!!』

【両の眼を欲望にぎらつかせたならず者たちは、この状況をいいことに暴れまわる】
【ある者は人々が逃げ散った店から窃盗を働き、ある者は市民たちに襲いかかる】
【それを止めようと、警備にあたっていた自警団員らが応戦する。鮮血が飛び散り、悲鳴と怒号が飛び交い、さらに混乱は加速していく】


【そこに追い打ちをかけるかのように、連続する銃声と雄たけび。さらには、先ほどより小さいながら、またも爆音】
【カノッサの大軍隊が攻め寄せてきた。グランツにいた人々の脳裏には、自然とその結論が浮かんでくる】

【響く銃声も雄たけびも爆音も、市内各所に仕込まれた隠しスピーカーからの、偽の音声に過ぎないというのに】
【間違いなくカノッサ機関の襲撃であるにも関わらず、機関員は攻撃を行っていない、という異様な状況】
【しかし、それも一時のことだ。やがては、こけおどしとはわけが違う真の襲撃者たちが動き出すだろう】


【豪邸の前で立食パーティーを開いていたゴルドーも、この事態には凍りついた】
【彼らのいる場所からも、それは認識できた。沈まない太陽の光の下でなお、空間を切り裂いて見せる“蒼い閃光と爆炎”】

{みなさん、どうか落ち着いて!! 落ち着いて、避難してください!!}
{自警団の避難誘導に従って!! パニックを起こしてはいけません!!}

【しかし、どうにか冷静さを取り戻し、パーティー参加者らに呼び掛ける】
【彼らが避難を始めると、ゴルドーは集まってきた部下たちに自身を護衛させながら、自分の豪邸へと向かっていった】

{(市内は雇った連中に任せればいい、やつらはそのための「盾」だ……とにかく、まずは確保を急がねば……)}

【その胸中は、すでに自分の都合でいっぱいだ。グランツの大混乱をしり目に、ゴルドーは自身のために行動を開始した】


【渦中のグランツに存在するのは、三つ。何も知らないままに慄く民。首謀者を含む邪悪なる襲撃者たち】
【そして、熱き血潮と鋼の意思を持つ、正義の使徒たち】
【今日、この都市は戦場となる】


/これよりイベントを開始致します。襲撃側の方は投下をお願いします
/vs主催の方は、次の私の投下文にレスをお願いします
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 19:51:39.68 ID:ABiejdd7o
【襲撃開始より、しばし後。ゴルドー邸前の広場】


【持ち主の財力を誇示するかのようにそびえ立つゴルドー邸を背後に、円状に広がる広い空間だ】
【地面は石畳。中央には塔のようなモニュメントが設置されている。塔の頂上にある球体は、昼の国の象徴ともいえる太陽を現したものらしい】


【広場には、蹴倒されたテーブルや残された料理、立食パーティーの残骸が点在している。さらには、人間の死体も複数】
【この場ですでに小競り合いがあったらしい。倒れている者は、多くが黒いスーツや装甲服に身を包んでいる】
【中には、自警団の制服を着ている者や、ならず者らしい柄の悪い恰好をした者。そして、その身に“逆五芒星”を刻んだ死体も見て取れる】

【そういったものが散らばっているとはいえ、この広場は広大だ。動き回るのに、重大な障害にまでは成り得ないだろう】


【広場の端々からはグランツ各所へ通じる街道が伸び、周辺にはゴルドー邸には及ばずとも、豪奢な屋敷が並んでいる】
【この周辺は、富裕層の住む地帯であるらしい。それら、市内でも特に煌びやかな一角が、今】

【赤々と燃え盛る炎に包まれていた。ガラスが割れる音、それが立て続けに響いたかと思うと】
【次の瞬間には火が瞬く間に燃え上がり、周辺に燃え移り、火勢はさらに広がっていく】
【炎の惨劇の中、動きまわる人影があった】



【カーキ色のジャケット、ポケットがいくつもついた黒いベスト、迷彩柄のズボン、黒い軍用ブーツ。両耳と口元のピアス】
【オールバックにされた、くすんだ鉛色の髪。それと同色の瞳が悪意に輝いている】
【襲撃者の一人、スカーベッジ・トラーシュ。乾いた唇を舌が舐める。舌の外周を埋めるピアス群が、炎が放つ光を反射する】

【小脇に大きな黒いカバンを抱えて、広場をうろうろと歩き回るスカーベッジ。その傍らには、何かが二つ浮かんでいた】
【一つは銀色のオイルライター。もうひとつは、人間の生首だった】


【そう、人間の生首だ。それが、宙に浮いているのだ】
【ごつごつとした厳つい顔つきに、血色の悪い肌。冷たい鉄の如き無表情。くすんだ鉛色の瞳。太い鼻筋に、縦に並んで刺さっている三本のボルト】
【頭髪のない頭からは、頭頂部に向かってねじ曲がるような形で、短い鋼鉄の角が十数本生えている】
【首の断面はすり鉢状になっており、首周りには鈍い光沢を放つ鋼鉄の首輪がはまっていた】
【スカーベッジの傍らのライターを宙に浮かべているのは、どうやらこの生首の能力らしい】



ひひっひひひっ!! ひぃっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひっひ!!! ひゃっははははははははははは!!
やっぱ放火はいいなあぁ、昔を思い出すぜえぇ!! あたくしら激安野郎どもの本格的犯罪入門、っていやぁ放火と相場が決まってたもんだ!!
しかも表通りを堂々と歩きながら出来るんだからたまんねえやな!! ボスについてきて正解だったぜえぇ!!
なあぁ、ブレインデッド!!

「ど、ど、同意する」



【下衆な気配を剥き出しにして、引きつけを起こしたかのように哄笑するスカーベッジに、生首男・ブレインデッドは機械的な声音で返答する】
【そんな手下の様子も気にせず、スカーベッジは次々に周辺の屋敷に火を付ける。抱えたカバンに詰まったガラス瓶を取り出し】
【傍らに浮いたライターで、瓶の口から突き出た布に点火。続いて石やクズ鉄を投げては屋敷の窓ガラスを割り、即座に瓶を投げ入れる】
【中身がガソリンで満たされた火炎瓶が効力を発揮し、豪勢な屋敷を炎で蹂躙していく。そのたびに広場に響き渡るスカーベッジの下卑た笑い声】

【そんな乱暴狼藉もこの場においては咎め立てするものもおらず……いや、もう近くまで彼らは、正義の徒たちは、来ているはずだ】


/対主催の方はこちらにレスをお願いします。今夜は、よろしくお願い致します!!
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 19:59:50.18 ID:EA5voQqxo
 【昼の国・首都グランツ】

 【季節は夏――ただでさえ常夏のこの国は、まさに一時ばかりの世界の中心だ】
 【そこに資産家であるデズモンド・ゴルドー企画の各所施設無料開放――。】

 ―――そりゃまあ、死ぬほど人が居るのも頷けるよなァ
 爆破テロを仕込むならこれ以上ない好環境……タイミングもバッチリだ

 何時ぞやの礼返し、なんて積もりで来たが、やっぱりアイツは誘うべきか…?
 それとも嫌がるのは目に見えてるし、あくまで高評価な平機関員としてみるか……。
 どっちにしても、そう……――――今は誰一人逃さず、ってのが俺の仕事なワケだが


【場所は、とある高級ホテルの前に広がる大通り。街の中心を走るメインストリートだ】
【並びには高級時計ブランドに、精密機器に、アクセサリーに――とにかく、金が唸っていた】
【そして今。それらの幾つかは誰かが声を上げる間もなく吹っ飛んで、ホテルの奥もまた然り】
【開放された会食場からは我先にと人々がかけ出して、外に救いを求めて来る】

【ベイゼ・べケンプフェン――赤髪の、ホットパンツに深紅のジャケット姿の女性の今宵の仕事は】
【そんな彼らを一人残さず鏖殺することであり、手段はいくらでもあるようだった】

【ある男性は彼女が発現させたマインド――黒い鎧をまとった、流線型のヒトガタに打ち殺され】
【またある女性は彼女が黒いイヤリングを変形させた大鎌に自慢のドレスごと真っ二つに切り裂かれ】
【逃げ出そうとした警備員は、白いイヤリングが同様に変化した鎖鎌の分銅に頭を割られ、倒れ伏した】

【――周囲の店舗では、モラルも何もない若者や窃盗団によって無数の金品が運び出されている】
【あるいは、若い女性などは引きずられて行くのも見える。ただそれだけで、イナゴのように彼らは消えていく】

【だが彼女は――赤髪の女は、死体と煙と、2つが混ざった血臭・死臭の中を気だるそうに歩くだけで】
【決して場を退くこともなく、左耳に黒と白のイヤリングを揺らしながらそこに居続けた】
【まるで『コレをやったのは私だ』と云うように。まるで、誰かがその撒き餌≠ノ引っかかるのを待つように―――!】

/こちら機関側ベイゼ・べケンプフェンです
/エルフェスの方、リベルの方、今夜はよろしくお願い致します!
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/15(木) 20:12:04.75 ID:xC5E/ilY0
>>776

「――――あぁっ、畜生! タダ飯たかりに来たと思ったらコレだ!」
<情けないわよねぇ……けど、事実こんな所で死ぬつもりもないんだし……>
と……とにかく、早くここから逃げないと……ッ!

【ホテルから避難してくる人ごみの中から、敢えて人気を避けて飛び出してきた様な、1つの小さな影があった】

「……とりあえず、こんな大仰な事をやらかすような連中に、真っ向から喧嘩を売るのは自殺行為だぜ!
ともあれ、交戦は最小限に抑えて、何とか逃れてしまうしか――――ッ!?」
<あーあ、残念……人波を避ければ、って思ってたのに……とびきり危なそうなのに当たっちゃったわねぇ……!>
っ…………そんな…………!

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットと、緑色の瞳が印象的な、身長140cm前後の少女】

【――――恐らくは、ホテルの無料開放を目的にやってきていた、一参加者なのだろう】
【しかし、少女を一般人とは明確に区別させる存在が、少女のすぐそばに浮遊していた】
【赤と青の、人魂の様な光の球。それが少女を人ごみからここまで逃げさせたのだろう】
【――――結果的に、場を預かっているらしい女性の前に、堂々と飛び出してしまった事になるのだが】

「……やべぇな、こいつはやべぇ……!」
<どうするの? こうなったら、もう見て見ぬふりも知らぬ存ぜぬも、通りそうにないけど……>
――――私が、何とかしなくちゃ……!
<……そう。でも気をつけなさい……死んだら元も子もないのよ?>
「……ハッ、俺たちがさせねぇさ……そうだろ?」
<……あなたも軽く言うわねぇ……ま、腹を括りますか……!>

【それまで、抵抗するよりは逃げる事を優先していたらしい少女と2つの人魂は、観念した様子でその場に立ち止まる】
【少女の肉体に人魂はすぅ――――と吸いこまれていき、少女はゆっくりと腰を落として身構えた】

……こんな所で死ぬわけにはいかないんです……!
――――ここを、通してもらいます……!

【微かに震える唇で、しかし少女は力強く言い放つ。他の面々の様に、殺される訳にはいかないと――――】

/リベル=アシェルです。今日はよろしくお願いしますー!
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/15(木) 20:15:28.65 ID:Zv+GGyR8o
>>775

【夜闇が灼熱に包み込まれる、燃え上がる焔の海が世界を靡かせる】
【宵の月が傾いたその形を三日月と称しているのであれば】
【どこまでも陰鬱な月夜に、僅かな雪が、舞うかのごとく】

【広場の中心で全てを蹂躙するピアスに塗れた暴徒】
【夜空のキャンパスに一葉、線が零れたなら、ほうき星のような彩りを残して】
【震える夜闇の確かな断片にも似せたかのように】

【――――――流星が瞬いた、視線を向けたなら、斜め前方から一筋の光が落ちて】
【その場から動かなければ貴方の左耳のピアスが弾け飛ぶだろう、察しが良ければ気づくはずだ】
【光の正体が、一本の銃弾であった、ことに】


Красный(赤)――――――とっても、嫌な……赤
みんな、みんなね……ここに、死ぬために、来たんじゃない、の
大人も、子どもも、おにーさんも、おねーさんも、みんな、みんな……

こんな風に、こんな風に……っ……殺されるために、来たんじゃない、の……っ!
貴方に、貴方達に……そんな権利なんて、ないの――――――!!


【風が瞬いた、灼熱を飲み込んだ夜風は、まるで溶けそうなぐらいに熱くて】
【その中に浮かぶ夜の影、羽ばたくその姿は、雪のように白くて――――――】
【天使と呼んでも差し支えないほどに、その儚さを揺らめかせていた】

【仄かに金色の混じったプラチナブロンドの長い髪、大きなマリンブルーの瞳】
【透き通るような素肌に女性としてはやや小柄で華奢な体躯、それでいて膨らんだ大きな胸】
【ゴシック調の紅いミニシルクハットと同じくゴシック調の白いブラウス、首元には紅のリボンタイ】
【紅いチェックのミニスカートの上から黒いコルセットで細いウェストを締め上げ】
【編み上げブーツに黒いニーソックスの雪のように儚い印象の少女】

【銀の十字架のロザリオを首につけて、その先端は膨らんだ胸元に乗って】
【スカートの下から伸びて、ふりふりと揺れるのは猫を模したやや長めの尻尾】
【彼女の身長ほどもあろうかという長い銃身の狙撃銃を左手で銃身を握り、右脇に抱えていた】


UNITED TRIGGER=\―――――ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ
……気をつけてね、数秒後には、そのピアスみたいに、なっちゃうよ


【夜に鎮座するが如く5mほど上空にその身を浮かせることができるのは】
【背中に生えた一対の巨大な硝子で出来た翼が故であろう】
【正確には硝子ではなく鏡、羽ばたくたびに落ちる羽根は硝子細工のように精巧で】

【機械音が響いたなら空っぽの薬莢が地面に落ちて、彼女は新しい銃弾を右手で装填する】
【空中に揺れる両足はやや内股気味で伸ばされて、強い風が吹いたなら吹き飛ばされそうな、ほど】
【それでもただ真っ直ぐマリンブルーが貴方を見据えているのだろう】
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 20:19:38.12 ID:Rd+hGGDho
>>775

……300万あれば、10年は生きられるな
いや……「維持できる」の方が正しいのか?

生きていれば、ゴルドーの奢りで飯食う方を取ったんだがな……
ただの警備に300万、これは……ま、何もなければ儲けものだが。

【もはや癖に近い、捻くれた考えをしながら】
【公会堂で雇い主の声を聴いたのが数刻前になるだろうか】


【今や街は惨憺たる有様であり――累々たる屍に、】
【既に“そう”だと分かっていながらも、一々足を止め確かめては唇を噛んだ】

(単純明快、故に何より性質が悪い……)

【願いつつ掴んではみたが、案の定息のなかった煤けた手を離し】
【顔を上げると、赤々と燃える富裕層の居住区域が見えた】

……畜生共がッ!!

【ぎり、と奥歯を噛みしめて、広場へ続く荒廃した街道を駆け出す】
【さながら炎に誘われる虫か。理解していながら、望んで火に入るのだ】


【――そうして、広場の中央】
【暴虐の限りを尽くす彼等の前に立ちはだかるのは】

【右頬に「牛の生首が乗った皿」の刺青を持つ、黒服姿の若い男】
【癖のある黒髪、鋭い灰色の目、肌は死人めいて酷く血色が悪い】

……革命とは、無音、そして無痛。
お前達には芸がない。 俺はそのやり方を絶対に認めない!

【肩で息をしながら睨み据える視線は強く、刃物のように鈍く光る】
【周囲で赤い燐光が舞う。一方で、それは壊れた立食の残骸にも纏わりついていた】

/悦那です、皆様よろしくお願いします
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 20:30:25.43 ID:QnPfa+/Ho
>>776

【常ならざる時に、人はその薄皮一枚の下にあるものを晒す】
【即ち「欲望」……言ってしまえば「自分にとっての快楽であるもの全て」】
【それは本能を根源として現れるもので、あらゆる個体にとっての絶対命令ですらある】

【だからこの醜悪でしかない情景も、人の一面として確かに認めなければなるまい】


【カツンとなるのは靴の音、おそらくはブーツのそれは確実にそちらへと近づく】
【渦中に自ら巻き込まれるなど、その先に何があるかを知っているならば尚始末に負えない】
【しかしながら揺れる白髪は躊躇いなくゆらりゆらりと……】

随分と分かり易い撒き餌で助かる、でもそれにしたって派手過ぎやしないか
装飾過多だと気後れする奴だっているんだぜ

【黒いロングTシャツに同色のタクティカルベスト、暗い迷彩柄のズボン】
【彼の瞳はオッドアイ、右は赤で左は玻璃のような紫……夜を見透かすような2つは淡く光っても見えるか】
【長い白髪を纏めて後ろに流す、しめ縄のようなその先に在るのは「銀のナイフ」】

【擦れる音と共に引き抜いて無造作に構えるそれの小ささはこれから始まる戦いには相応しくない】
【否、その銀色に姿はなく現在ナイフの姿であろうが瞬きの間にカタチを変える代物、錬金術か魔術かを根源とした装具】
【淡雪のように溢れる銀の粒子がそれを証明して】

まあそれはともかくとしてとっととやっちまおうぜ、その為の舞台なんだろどうせ?
だったら有効活用してやらないと勿体無い……ほらほら獲物が餌に惹かれたんだ早くしろよ、精々噛み付かれないように注意しながらさ

【右に左にナイフを回し最後は切先をそちらへと】
【宣戦布告は滞り無く、刃は違えず、ならば始まるべきは戦いに他ならない】

/エルフェスです、よろしくお願い致します
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 20:32:55.10 ID:VWb+sAvuo
>>775
「いやー、ツいてねぇツいてねぇ……」

その心底残念そうな声は、さて数多の豪邸に火を放ち続ける男達に聞こえるのだろうか。

昼の国で行われる大富豪の大盤振る舞い。其処で起こった唐突な襲撃。
男も元はといえば、そのレストランの無料開放で腹いっぱいタダ飯を食らおうと画策していた一人であった。
なのにこれだ。まったく、折角払った旅費も何もかもが台無しではないか。

「ま、俺にとってもツいてねぇが……テメェらもツいてねぇ」

魔女が被るような紫色の大きなツバが付いた三角帽子に、同色で縁に金色の豪華な装飾が施されたローブ。
そして、男の身長ほども有る大きな木製の杖で肩を叩く人影、声は男のそれだ。
帽子からはみ出た髪は銀。ちらりと見えるローブの中は現代風の服装だ。ま、観光で来ていたために仕方ないとも言える。

「なんたって、俺が……この俺が来てしまったんだからな……!」

ローブから伸びた手首には、5個のブレスレットがはめられており、それぞれ色が付けられている。
今では青と、緑が淡く光っていた。その意味は、男と戦ったものにしかわからないだろうけれども。


「カノッサ機関ハンター、ライラ=フェルンストレーム! テメェらをぶっ潰すために、此処に参上!!」


ふざけている様子はないのだが、それはともかく。
広間の中心にいるその暴徒に向けて、杖を翳す。言うまでもない、宣戦布告。
飛び込んできた魔法使いは、その矛先を目の前の敵へ……カノッサ機関へと向ける。

/ライラ=フェルンストレームです。よろしくお願いします。飛び込み乗車ですが、よろしくおねがいします!
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/15(木) 20:34:34.11 ID:qsZwPp400
>>775
【瞬く間に戦場と化した街中を、逃げ惑う人波押しのけて広場へと急ぐ影が一つ】
【襲い掛かる有象無象を徒手空拳の身で切り抜けながら、影は目的地へと到着した】

――――パーティの主催が怪しいってんで、依頼を受けて探りを入れていたら……
とんでもない騒動に巻き込まれてしまうとは……とことんついてないね、僕。

【溜め息を一つ付きながら、死屍累々の広場へと辿り着いたのは20歳前後の青年】
【彼は立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、真に奇妙な人物で】

エーミールには連絡を入れたんだけどね……生憎尾行中でさ、直ぐにはこの場所に来れないって言うんだよ。
全く……何が『有事の際は問題ない、すぐに駆けつける』だよ!!後でお前の昆虫標本握り潰すぞ!!
――――って、切れてばかりじゃ始まらないね。何とか時間を稼がせてもらうとしよう!!

【しばらく独り言のような愚痴を矢継ぎ早にはき捨てた後、大きく息をついて】
【一先ず啖呵を切った青年は、スカーベッジとブレインデッドに向けて大見得を切る】
【――――同時に、その異様な風貌を再確認して冷ややかな笑みを浮かべた】

カモ〜ン、バッドボーイズ。僕は他の人たちと違って“命の価値”とやらを君達に教授するつもりは無いよ。
だって無駄じゃない?万が一!!いいかい?万が一にだよ!?君達が突如改心して正義に目覚めたとして!!
君達が此れまで肉塊にしてきた人々の思いはどうなるのさ!!――――って結局同じこと言ってる?

【何だかんだと御託を並べてから、青年はふと永遠に続く昼の国の青空を見つめる】
【――――再び青年は大きく溜め息をついてから、殺すべき怨敵の姿を双眸に捉えた】
【そしてインバネス・コートの中に隠した脇差を手に取り、名乗りを上げる】

まあ、御託はいい――――そろそろ始めるとしよう!!
――――玉藻狂死郎……参る!!

【青年――――玉藻狂死郎は一旦足の力を全て抜き、体重の全てを大地を蹴る力へと変換して、弾丸のように駆け出す】
【一気に夷狄との距離を詰めながら、脇差を抜き身にすると同時に、ブレインデッドに向けて斬り上げる様に得物を振るう】
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 20:38:54.98 ID:JJ/c0/EJo
【街中】

【未だ人通りの止まない夜の街】
【その中で一際煌びやかな装飾の看板を下げた店があった】
【そこは最近評判のスィーツ専門店】
【若い女性を中心として強い人気を誇る有名店であった】

【その店のウィンドウに、ぺたりと張り付く布の塊のようなものがあった】
【よくみればそれが、白いブカブカのローブを被った小柄な人間であると分かるだろう】

【身長の頃140cm程度であろうか?その人物は目元までを深くフードを被って隠し】
【幼い小さな手をペタリと窓に貼り付けて店内の様子を窺っていた】

『おお……見ているだけで腹が鳴る』
『あの"ぱふぇ"はどんな味がするのだ……?』
『うむむぅ……お小遣いに余裕さえあれば、今すぐにでも飛びつくものを……』

【ローブの人物は、"声を発してはいなかった"】
【肩口から漫画の吹き出しのような形状の、薄く白い板が飛び出しており】
【そこに書かれた黒い文字が、言葉を代弁するかのようにうぞうぞと動き変化している】

【行動も怪しければ格好なども極めて奇妙な小さな人物は】
【通りすがる人々や、店内で覗かれている客などから「なんだありゃ」と言わんばかりの視線を受けていたが】
【スィーツを凝視する彼、もしくは彼女はそれに気づいていなかった】

/予約であります!
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 20:44:56.57 ID:EA5voQqxo
>>777

【『一先ず落ち着いたか――』―――なんて、赤髪の女が呟いた折の出来事だった】
【まさに目の前、眼前に飛び出したのは少女。それも、“如何にも”な人魂を従えて】
【オマケに云うなら逃げすらしない。当たり≠セと踏んでか、ニヤリとした笑みを見せ】

ここを通りたいってェ?別に良いぜ、通れるならな
……って、決まり文句返しといてやるよクソガキ。

まあでもせっかくだ、交渉次第じゃ無傷で帰してやらないでもないぜ?
こっちの要求は単純さ、俺についてくればそれで良い
機関員になれって訳じゃあない、が……何かと人材は入り用でね

見たところテメェは能力者だ。そう構えるなよ、俺は割りと高く評価してるんだ
まして少女≠ニもなれば機関内でも……嫌ならいいさ、『持って帰る』だけだからなァ――?

【下品な、醜悪な誘い。少女に対する利点など一欠片もない、恐らくは交渉する気もないムダな時間】
【その間に女――ベイゼは白のイヤリングを鎖鎌に変化させて、鎖分銅を左手で振り回し】
【言葉が切れるやいなや、それを相手の右すね目掛けて思い切り投擲した】

【まずは機動力を削ぐ。近接タイプに思える少女の特性を潰すのが目的だ】
【最も、回避はそう難しくない。小手調べにも思える、全体を通して少女を侮辱した初手だった】

>>780

果たして鯛や鮪を釣ろうとする漁師たちは、他の雑魚を釣り上げる用意をするか否か……?
テメェが口にしてるのはそんなところだぜ若白髪。
俺はこの撒き餌に食いつく奴だけを求めてるのさ。UT≠主とした、そういう連中をな

……でェ?テメェも接近戦かよ、おそろいの男女カップルだぜ
だったら俺も同じように相手してやるぜ、ただし――――!

【ドッ―!≠ニいう音と共に出現した流線型の黒いヒトガタが、彼に向かって突撃していく】
【僅かに宙に浮いたそれは確かに近接戦闘が得意なのだろう】
【近付くなり、豪腕の右ストレートをその腹部に向けて叩き込もうとするのがその証拠だ】

【――ところが、先に見た通りこの人型は全身が黒い鎧で覆われているのである】
【武器がただの<iイフならば、接近戦は接近戦でも圧倒的にヒトガタの有利だ】
【この撒き餌といい、使役者である女の性格が窺える。未だ両者の距離は、到底刃物が届くほどではない。】
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 20:59:19.05 ID:zM9Ni7vR0
>>783

【――窓越しに覗き込んだ店内、あるいは、彼女の存在には先に気付けていたのかも】
【流石に声までは聞こえないだろうけれど。その小柄さは大人のものと違った、未発達の拙さで】
【お店のヒトと数言交わしているようだった、表情から見れば、何か、気に食わないような色――】

【数分の後にドアが押し開かれれば、ふわと辺りに溢れ出す冷たい温度と、からりベルの音】
【むーっと頬膨らませて出てくるのは。やはりと言うべきか、中で揉めていたちいさなおんなのこ】
【「お金あるのに……」「お母さんが来てくれないのが悪いんだから」――そんな独り言、聴こえてくるだろうか】

【柔らかい毛質でふわふわと揺れるクリーム色の髪、高い位置で一つに結わいた、根元の髪飾りが赤いお花】
【昼間の空を切り取ってきたような色合いの双眸は拗ねた色に細められて、右目の下に刻まれるのは紫色した蝶のタトゥ】
【白地をレースやステッチで飾った白のワンピース、足元にはちょっとだけ背伸びしたデザインのサンダルを嵌めて】
【下げているポシェットは子どもらしいかわいらしいデザインのもの、それを両手でぷいと背面に押しやれば】
【やっぱり頬膨らませたまま、立ち去ろうとするのだろうけれど――蒼穹の双眸が、おかしなヒトを見出したなら】

【――じいと見つめてみるのが数秒ばかしあった。漫画めいた表現方法、やっぱりどうしても気を引くけど、それより、】

――ねえ、あのね、お姉さん? ……お兄さんかな、あのね、こんばんは!

【かつんと足音を鳴らしてそちらへ歩んでみる、そうして掛けるのがそのまま子どもの明るい声音】
【大人と比べれば小さいだろう相手だって、就学前ぐらいに見える幼子からすれば、十分に大きい背丈】
【叶うならば横にちょんと立とうとして――、さらに叶うならば、その顔を覗きこむようにしながら】

あのね、あのね、私もね、中に入りたいんだけど……保護者が居なきゃ駄目ーって、意地悪するの!
だからね、あのね、――あのね、良かったらね、私の保護者になってくださいなの!
――それならね、お金は私が払うから、パフェ食べられるよ?

【――あまりにも唐突なお誘いは、つまり、堂々と店に入りなおして何か食べるための言い訳になってくれというもの】
【保護者ですと言い張ってくださいなんて言うのは唐突でも。受けてやればどうやら、パフェにありつけるようだけれど――?】
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/15(木) 20:59:31.54 ID:xC5E/ilY0
>>784

…………ッ!!
「(この女郎……実験材料だの慰みものだのに、お前を使う気だぜ……!)」
<(大した話よねぇ……ひょっとしたら、この子も散々そう言う扱い受けたのかしらぁ?)>

【女性の言葉に、思わず息を飲む少女。そんな少女の思考の中に、先ほどの人魂の声が響いてくる】
【――――人魂2つが、少女のナビゲートやアドバイスを行う。そんなところだろうか】
【ともあれ――――どちらにせよ、何らかの消耗品として自分が目をつけられたと言う事は、少女もハッキリと理解した】

――――嫌です。私は……元の世界に帰らなきゃいけない……!
こんな所で、あの≪No.4≫みたいなあなたたちに捕まれば……もう二度と、元の世界には帰れない……!
……なるべく、この世界の情勢には関わらないつもりでしたけど…………火の粉は払います!

【はっきりと、拒絶の意志を明確にした少女。同時に、自分が「この世界の人間ではない」事を宣言して】
【かつて、機関≪No.4≫との遭遇戦も経験していた少女は、この世界の事に疎いなりに、カノッサ機関の事を警戒していたのだろう】
【自分の身を守るためなら、異世界とは言え戦う事は厭わない――――元の世界に帰る方法を探す日々を送っていた少女でも、戦う手段はあるらしい】

――――ッ!
「(来たぜ! 落ち着いて対処、な!?)」
分かってる……! っ……えぇい!!

【女性の投擲してくる鎖分銅。当たっても致命傷になる様な軌道ではないが、足を痛めつけられるのは不味い】
【一瞬、再び息を飲みかける少女だが、その一瞬後には、呼吸を整えて飛来する分銅をハッキリと見据える】

【そして次の瞬間、少女の身体は『黒い闘気』を纏い、更に突き出した右腕にそれが収束する】
【そうして、少女の手から3発の黒い気弾が発射された。1つは迫ってくる分銅を弾き飛ばす為に】
【そして残りの2発は、女性本人を狙って。1発は円錐状で早く、1発は球状で少し遅めの気弾として】

「(そうだぜ……鋭くすれば貫通力と速度に、面を広げれば破壊力に優れる……!)」

【少女としても、攻撃を往なす事を優先し、この気弾そのものは牽制の心づもりなのだろう】
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 21:13:47.65 ID:JJ/c0/EJo
>>785

『むむ……?誰だ?』

【発せられた声が、自身に向けられたものだと気づいたのか】
【ローブの人物はウィンドウから手を離して】
【少女の方へとフードの下から薄らと視線を向けて文字を変化させる】

【人間ではなく甘味に集中していたため】
【少女が揉めていた様子には目が行ってなかったのであろう】
【声をかけられて初めてその存在に気がついたようであった】
【隣に並ぶことを阻止することもなく、覗き込むことも可能だ】
【しかし、途中に何か遮るものでもあるのか】
【鼻先までは見ることは出来ても、目までを確認することは適わない】


【ローブの人物は少女の言葉を全て聴き終えると】
【ふむふむ、と首を傾けて吟味した後】
【口元をニヤリ……と吊り上げて、板の文字を組み替える】

『ほほぅ……それは災難であったな』
『そういう事情であれば、"あだると"なこの私が特別に付き合ってやるのだ!』
『ふふふ、私の海より広い心に感謝するといいぞ!』

【小学生ほどの背丈のローブの人物は】
【恐らくフードの中でドヤ顔を浮かべながら、無い胸を張って堂々と自分を"あだると"】
【などと言い放ち、やたらと偉そうな口調(?)で彼女の誘いを承諾した】

『して、お金はそちらが払うというのは信じていいのだろうな?』

【海より広い心と自称する割に、下心丸出しであったが】
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 21:18:06.44 ID:ABiejdd7o
>>778
【自身の放った火の色と、人々の悲鳴に魅せられていたスカーベッジは、気付くことが出来なかった。自身へ飛来する光に】
【しかし、気付いていたところで何ができただろうか。それを放った少女は、かのUNITED TRIGGER≠ェ誇る狙撃手】
【彼女の放った銃弾は流星となり、恐ろしいまでの正確さでもって、スカーベッジの左耳のピアスを撃ち抜いた】


づああっ!!! いきなりご挨拶ですなあぁ!!! この素晴らしい放火日和に、なんと無粋なことをなさる!!!
おっと、アンタ……いつぞや、路地裏でチラとお見かけしましたな……ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフさん

ひっひっひ……あたくしらにそんな権利がないことなんざ百も承知ですとも
その、絶対に許されないことをやる=Aそこにこそ悪の魅力ってもんがあるんです
かけがえのない人生が、あたくしらのような悪党どもにあっさりと叩き潰される……その家族・友人、多くの人生がめちゃくちゃになる!!

この快感を知っちまった後じゃあ、酒も女もシャブも霞むってえもんですぜ!! ひぃっひっひっひ!!!
アンタのほうこそ、このピアスのお返しをきっちり受ける覚悟はできてんでしょうなあぁ……

【左耳からの流血も、この状況下で興奮しきっているスカーベッジにはさほど気にならなかったようだ】
【気高さと可憐さと儚さを併せ持つ、天使のごとき凛とした姿の彼女、ソニアに向けて叩きつけられる、どこまでも腐りきった言葉】

【宙に浮かぶその姿、硝子のごとき鏡の翼。この地獄の中にあって、なんという美しさか】
【それを睨む鉛色の瞳は、やはりどこまでも下卑た色を崩さず。マリンブルーと鉛が交差する】


>>779
【広場に駆け込む今一人。死人めいた、されど眼の光は死なず】
【この状況に望んで踏み入る。飛んで火に居るなんとやら、などという嘲笑はない。スカーベッジにもわかっているのだ】
【眼前の黒服の男性が、まぎれもない実力者であると】


革命? アンタ、革命家の方なんですかい? そんなお方が、はてこんなところに何の御用で?
あのゴルドーの旦那に雇われたってとこですかねえぇ……まったくあの旦那も侮れませんなあ、ずいぶんと厄介な方を揃えてこられた

芸がない、とは手厳しいお言葉だ……ひっひっひ

【赤い燐光の中に立つ男性、刃物のごとき鋭い視線。対するスカーベッジ、濁った鉛色の視線】
【炎の中で交錯し、この戦場に火花を散らす】


>>781
【三人目、心の底からおのれの不運を嘆く彼の声に反応し、スカーベッジがそちらに向き直る】
【銀髪にローブ。三角帽子に杖。おとぎ話の魔法使いさながら。彼の姿を確認した途端、スカーベッジは眼の色を変えた】

ひひっ……ひっひひひひ……いやあ、ついてないとも言えませんぜ。むしろ、幸運ですらありやすよおぉ……
アンタのことはボスから聞いてますぜ、カノッサ機関ハンターのライラさん。一度お会いしたいと思ってたんだ……

アンタの首を持って帰れば、ボスへの……カニバディールの旦那への最高の手土産になるってえもんだ!! ひっひっひっひっひ!!!

【スカーベッジの口から放たれる、その名前。杖を構えて凛と立つ彼、ライラには恐らく、因縁深い名前だろう】
【すでにスカーベッジの瞳は、皮算用に揺らめいている。眼前に現れた強敵にして、極上の獲物を前にして】

/続きます
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 21:18:42.32 ID:ABiejdd7o
>>782
【最後の一人。上から下までブラックで決めた姿が、奇妙ながらも様になっている】
【炎の中にあって、その姿、その声音は浮いているようにも見えなくもないが、強者たる気配は変わらない】

ひっひっひ、お仲間はお仕事中ですか、それはなんとも難儀なことで
昆虫標本とはいいご趣味だ、潰しちまうなら、あたくしがいただきたいもんですなあぁ


その御心配は全くの御無用!!! あたくしらは、盗賊団『スクラップズ』!!
犯罪世界じゃあ無名なれど、物心ついた時より奪い、壊し、殺し!! 救いようのない根っからのクズどもでさあ!!

あたくしらが唯一美点と呼べるとすれば、ただ一つ!! あたくしらは改心する見込みも同情の余地もない、悪党であること!!
遠慮もなしにぶっ斃しに来てくださいな!! 全力で迎え撃たせていただきやすぜ!!

ひっひっひ、しかしそんな熱いことをおっしゃるあたり、アンタもなかなかの正義っぷりですなあ

【下卑た笑いは最後まで崩さず、スカーベッジは狂死郎に対峙する】
【青空だけは、眼下の惨劇にも関わらず、変わらぬ姿を保っている。脇差が、落ちぬ陽光を反射して輝く】
【青年、玉藻狂死郎が地面を蹴る。弾丸と見紛う速度。狙うは生首、ブレインデッド】

ぬ、ぬ、ぬぬ!!

【自身へと下から斬り上げられる脇差に、ブレインデッドが応戦する。首輪から、丸い鋼鉄の刃が飛び出して】
【脇差の一閃を迎撃した。響き渡る、金属音。直接のダメージは防いだものの、ブレインデッドは空中を飛んでいき、近くの屋敷の壁にぶち当たる】

【それを見たスカーベッジも地面を蹴って移動し、狂死郎から距離を取った。体勢を整えたブレインデッドが、ふらつきつつその傍らに浮かぶ】


>>ALL

さてさてさて、この人数をあたくしらだけというのはさすがに……おおっと

おおぉ、来たなぁ。珍しくいいタイミングだぜぇ、お前ら
こちらの皆さま方のお相手してさしあげろや

【スカーベッジの背後、広場に繋がる道の一つから、この場に入り込んできたのは、歪な姿の人影。三つ】

【まずは、一人目が早足でスカーベッジの前に出て、仁王立ちする。身長は170前後、腰に刀を差した男だ】
【骨と皮ばかりになるほどに痩せこけ、身にまとう擦り切れた白い着物も相まって、死人と見間違えるような風体】
【ほとんどドクロのようになった顔を半ば覆い隠す黒い長髪だけが、女性のように艶やかだった】
【飛び出すのでは、と思うほど大きな両眼がギラギラと光る。くすんだ鉛色の瞳が、4人を睨む】

【着物を着ているにも関わらず、枯れ枝のような足は黒いジャージズボンと白いランニングシューズに包まれ、ひどくアンバランスな服装となっている】
【異様さの極めつけは、男の胸部だった。着物の上からめり込むように、心臓のあるべき部分に小型のエンジンが埋め込まれているのだ】

「……んだ、こりゃあ。なんだあ、こりゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「揃いもそろって小綺麗に決めて、なんだてめえら!! 俺をバカにしてんのか!? 俺がこんな見た目だからって、何来ても死人にしか見えねえからって見下してんのか!?」

「さっきから聞いてりゃあ、綺麗事ばっかほざきゃあがって!! 俺がこんな悪党だからって馬鹿にしてんのか!! てめえらは正義でござい、正しいんですって言いてえのか!!」
「おーおーおー、どうせ俺はこんな面だよ!! 救えねえ悪党だよ!! これで満足か!! え、満足か!?」

【いきなり現れて、支離滅裂な言葉を喚き散らすエンジン男。その心にしみついているのは、極度の被害妄想。周囲全てが自分をバカにしている、そう本気で信じている眼だ】
【しかし、そればかりではない。怒りと共に、胸のエンジンがうなりをあげている。それによって、貧相な男の身体が膨れ上がっていく】


ひっひっひ、そうだマサツネ。こいつらお前をバカにしてやがんだ。怒れ怒れ。ぶった切ってやれ!!


/続きます
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 21:19:57.59 ID:ABiejdd7o
>>ALL
【スカーベッジがエンジン男・マサツネを煽る。その横に控えている二人目】

【二人目は、女物の黒い礼服を着た儚げな女性だった】
【紫色の髪をボブカットにし、くすんだ鉛色の瞳は泣きはらしたように充血している。白い両手は、黒いコウモリ傘を握りしめている】
【礼服の袖から覗く細い両手首には、痛々しい自傷痕が無数に刻まれていた】

【だが、恐らく最も目を引くのは、その女性の下半身だろう。傘のように大きく左右に広がる彼女の黒いスカート。そこから伸びているのは人間の足ではない】
【蜘蛛のそれに似た形状の、太く長い鉄製義足。左右広くに展開して女性の上半身を支えるそれは、動くたびに耳障りな軋みを立てている】


【スカーベッジがエンジン男・マサツネを煽る。その横に控えている二人目】

【二人目は、女物の黒い礼服を着た儚げな女性だった】
【紫色の髪をボブカットにし、くすんだ鉛色の瞳は泣きはらしたように充血している。白い両手は、黒いコウモリ傘を握りしめている】
【礼服の袖から覗く細い両手首には、痛々しい自傷痕が無数に刻まれていた】

【だが、恐らく最も目を引くのは、その女性の下半身だろう。傘のように大きく左右に広がる彼女の黒いスカート。そこから伸びているのは人間の足ではない】
【蜘蛛のそれに似た形状の、太く長い鉄製義足。左右広くに展開して女性の上半身を支えるそれは、動くたびに耳障りな軋みを立てている】

【女性はスカーベッジとマサツネのやりとりを見て、突如顔を両手で覆い、さめざめと泣き始めた】

『うっ…ううううっ……無理、やっぱり無理よお……あたしにこんなの無理よお……』
『マサさんやめてよ、あの人たちとっても強そうだもの……あらしに勝てるわけないわよお……帰りましょうよお……』

てめぇネグティー。ざけてんじゃねえぞおぉ!! いい加減、その猛烈なネガティブ直せ!!

「それはあれか、俺じゃ連中にゃ手も足も出ねえと言いてえのか、ネグティー!! おお!?」


[ホッホッホッホッホッホ]


【そんな様子を見て、最後の一人が笑い声を上げる。、しわがれた老人の声】
【最後の一人は、ベビーカーを押して歩く大柄な人物だった】
【沈まない日の光のもとに、その姿が照らし出される。丸みを帯びた、ピンクの装甲に包まれた身体】
【四肢は関節を挟んで前後が大きく膨らみ、芋虫のようなフォルム。頭部は身体に見合わずひどく小さい】

【唯一露出している顔。それは、あどけない赤ん坊の物だった。大柄な男の身体に、赤子の顔が付いているのだ】
【ピンクの装甲を装着した、大きな身体に赤子の頭の人物。彼らなら、これがマインド≠ナある、と気付くだろうか】


【マインドの主、笑い声を発した最後の一人は、マインドが押すベビーカーの中にいた。フリルをあしらった、巨大なピンク色の電動ベビーカー】
【そこに横たわっているのは、赤子ではなかった。ベビーカーと同じく、フリル付きのピンクの乳児服を着た、老人だった】
【体躯は、それこそ赤子ほどしかない。それでいて頭部は異様に大きい。しわだらけの顔に、醜悪な笑みをたたえている】
【頭からは、頭髪の代わりに太いコードが何本も伸びて、それらがベビーカーと老人を接続していた】


“ママアアアアアアアアアア、ママアアアアアアアアアアアアアア”

[おーおよちよちよち、いい子でちゅねー『サン・オブ・ベビー』ちゃんはいい子でちゅねー]
[大丈夫でちゅよー。ママがあんな奴ら、すぐにやっつけちゃいまちゅよおおおおおおおお]

【赤子の声で泣き始めるマインド、『サン・オブ・ベビー』に老人が呼びかける。しかし、その醜悪な顔は、彼ら四人を向いている】
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 21:21:50.50 ID:QnPfa+/Ho
>>784

大物かどうかは後々分かるだろうさ、でも気付いた時にはもう遅いなんて事にならないようにな
なんせ刃が刺さった後じゃあもう救えない……救う気もさらさら無いけどな

【ぱりん、とガラスの割れるような音】
【それは彼の掌にあったナイフが砕ける音、後には銀色の粒子が細かに】
【そう「銀」は明確な意志を、敵意を宿して夜と踊る】

(見たところ小手調べする余裕もなさそうな相手……)
(なにより黒ってのが縁起が悪い、しかも騎士なんて冗談じゃない――――――)

【粒子を手に纏わせつつ目を細めながら迫る鎧を観察する】
【無論余裕からの行動などではなく、次の一手を吟味する為の行為に他ならない】
【白髪の彼は敵を脅威として認識している……その内に、鎧は近づく】

(八つ……が無難なトコか、リスクを恐れてたら死ぬクラスの相手だろ……多分)

【続いて鳴る音は7つ先程と合わせて8つ、それに合わせて舞う粒子の量も増える】
【掌から渦巻く銀は暴風にも似てその姿を現そうと忙しない】

【そして暴風を使役する彼は、拳を前にして動かない】
【接敵するのももう数える程の間しかない……しかし細く鋭い瞳は諦めた訳である筈がなく】
【槍を思わせる拳が彼を貫こうとする瞬間、彼の手札は開かれる】

――――――――八、巨石ッ!!

【組み上がる瞬間の輝きの後、エルフェスが掌に収めるは巨大な石柱を思わせる「槍」】
【例えるならばオベリスクにも似ている或いは荘厳な神殿を支える柱か、彼の者の表皮に刻まれた碑文の意味は「破壊」】
【質量は膨大でありならば「槍」は突く為でなく殴る為の武装であり、その重さ故に防御としても機能する】

【直後に響いた轟音は「黒の拳」を受け止めた故に】
【2,3歩後ろに押し出されながらも……エルフェスの瞳は濁らずに敵を見やる】

そのナリじゃあ刃物は効かないだろうからなァ!極限までぶっ潰してスクラップだ!!

【柄を両手で構え直し、「槍」を乱暴に横に薙ぐ】
【ただそれだけで空気は居場所なく震えて逃げる、さて彼の者の鎧はどうだろうか】
【猛る銀の前にその黒色は崩れるかそれともその色のまま全てを飲み込むか……】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/15(木) 21:25:53.69 ID:ABiejdd7o
>>ALL
てめえは本当にマイペースだよな、オールドベビー……
さあてさてさて、役者がそろったなあぁ。ブレインデッド、てめえは連絡係だ。いったんここを抜けろ

り、り、了解した

いくぜ、『スクラップズ』!! 皆殺しだあああああああああああああああああああ!!!


【ブレインデッドが浮かび上がり、戦線を離脱する。それを合図としたかのように】
【スカーベッジが雄たけびと共に走り出す。向かう先は>>779の悦那。右腕を振り上げる。その腕の肘から先が突如、ガラス片のブレードと化した】
【そのまま彼に斬りかかろうとする。単純な起動だ。対処は難しくないだろう】


「[ピーーー]!! [ピーーー]!! どいつもこいつも[ピーーー]えええええええええええええええええええ!!!!」

【エンジン男・マサツネが腰の刀を抜く。向かう先は>>782の狂死郎。その身体から、白く高熱の蒸気が噴き出す】
【口から蒸気を吐きつつ、マサツネが狂死郎に刀の先を向けて突進していく。単純きわまる突きの動きだが、口からの高熱蒸気は厄介だろう】


『あああああああああ無理よ、無理よおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』

【蜘蛛足女・ネグティーが泣き叫ぶ。握った蝙蝠傘の先端が、空中に座す>>778のソニアに向く】
【手元のスイッチが押されると、傘の先端が弾丸のように飛び出し、彼女へと向かっていく。当たったところで貫きはしないが、まともに受ければその身に突き刺さるだろう】


“ママアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア”

[よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおちよちよちよちよち!!!!!]

【ベビーカーの老人、オールドベビーのベビーカーが一人でに走り出す。後ろのマインドがベビーカーの後ろに乗る】
【ベビーカーは、徐々に速度を上げ、>>781のライラヘ向かう。そのまま轢くつもりらしい。真っ直ぐに、突っ込んでいく】
【初速は大したことはない。見極めれば対処は可能だろう】

/非常に遅くなりました、申し訳ありません
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 21:26:09.81 ID:zM9Ni7vR0
>>787

【まん丸な瞳が変わっていく文字を追いかけて、ほわぁとした吐息が口元から零れるなら】
【すごいとか、おもしろいとか。そんなことでも考えているのだろう、透かして見せてしまう、幼さは】

あっ……、えっとね、私ね、ファラエナって言うの!
お母さんに来てーって言ったけれど、やだって言われちゃってね、あのね、……ヒドいでしょ!

【さも当然に誰何を打たれれば。少しだけきょとんとした後、そうして名乗るのだろう】
【ぺこと頭を下げれば高い位置のポニーテールがばさぁと散らばって――頭を上げるときは、それらを整理しながら】
【本来の保護者に対する文句を紡いでみる、「もー!」なんて声は、けれど、本当は好きなんだと、分かるはず】

【(そういえば。彼女の名乗った名、どこかの国の言葉で“蛾”を意味する単語だった)】

そうなの、お金あるよって言ってるのにね、子供はだめー! ってね、お店のお姉さんが言うの!
だからね! 我慢したら明日に楽しいこと増えるかな? って思ったんだけれど……。

【――まあ。店側に断られることだって、十分すぎるぐらいに理解できるだろう】
【とうに日なんて落ちきった、早い子供なら寝ていたっておかしくないぐらいの時間に、出歩くなんて】
【まして店屋に入りたがるなら、早くおうちに帰りなさいなんて――言いたくなる気持ち、きっと分かるはず】

うーんとね、お金はね、ちゃんと払うよ! なの。
だからね、えっと。私の……お姉ちゃん? お兄ちゃん? 保護者ですよってね、言って欲しいの!

あのね、だからね、お名前はなんて言うんですか、なの?

【最初は1人で入るつもりだった、ならばお金は当然、持っているわけで】
【自分で働いたわけでなければ親から制限をかけられているわけでもない、それならお金の重さなんて知らなくて】
【知らないヒトのためにいくらか使う分が増えたってなんら問題だとも思わない、あっさりと頷いて了承すれば】
【姉妹のふりをしてくださいというお願いは、――或いは“あだると”だとはあんまり思っていなかったりするのかも】
【――そして後。大事なこと思い出したなんて顔で付け足す問い掛け、相手の名前を知りたがって、首をかしげた】
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/15(木) 21:38:18.89 ID:Zv+GGyR8o
>>788>>792

【それはさながら月へと剣を突き上げる孤高の騎士が如く】
【彼女の長い銃身が天へと向いたなら、内部に補充した銃弾を装填するのだろう】
【振り下ろす刃のように銃身を斜め下の貴方へと向ける、その姿に迷いは無くて】

【羽ばたく度に揺れる長いプラチナブロンドの髪、鏡の翼に反芻してその色合いを強める】
【ゴシック調のブラウスに包まれる華奢な身体で一杯に狙撃銃を駆るその姿は】
【精鋭揃いのUNITED TRIGGER≠フ一員として遜色ないものであったのだろう】


……だったらね、ソニアが……悪いの……前に、会った時……倒していなかった、から
撃ち漏らしちゃったら、狙撃手は終わり――――――だからね
獲物がもう一度前に現れたら、次こそ、撃ちぬくの

絶対にね、許されないこと……そんな事をして、喜ぶならね……
なんで、それが許されないか、知ってるはずなの

Даже если мир позволяет вам
(世界が貴方を赦しても)

Моя пуля не позволяет――――――
(私の弾頭は赦しはしない)

いくよ……RaumKrankheit


【彼女が銃口を向ける刹那、横合いから流れてくる声に気をとられた】
【それはネグティーの声、視線を傾かせたなら、眼前へと迫る傘の先端の弾丸】
【唇の端を噛み締めた、横顔に真剣味が混じったなら銃口をそのまま下へと落とす】

【翼が大きく舞い上がるかのよう、羽ばたく瞬間に広がったなら高く開かれて】
【そのまま大きく翼が歌ったなら、彼女の華奢な身体が前への推進力を得る】
【夜を裂く一陣の白い風、残像すらも白く染め上げられるが如く】

【頬にすらせる形で先端を回避したなら、傘の先端を中心に螺旋の回転を加えるが如く】
【身を捻りながら前へと飛翔、いくつもの硝子の羽根を地面へと落としながら】
【回避と同時に前方へと跳躍、地面との距離を近くしながらネグティーに接近するだろう】



蜘蛛――――――……なの、かな……
でもね、ソニアね……うるさいおねーさん、嫌い……なの
……お酒のんだセリーナとか、ちょっと、嫌い――――――だし


【翼を前に大きく羽ばたかせて、急ブレーキ、反動で僅かに後方へと逸らされる】
【髪の毛が頬を撫でて、思わず衝撃に瞼を肌に溶かしたなら】
【次に起きるマリンブルーの双眸は、真っ直ぐ貴女を捉えるだろう】

【持ち上げる銃身、銃口が真っ直ぐに貴女を捉えたら、下方向へと銃口が傾いた】
【数mほど上空で停滞する彼女、距離はそこまで遠くはないだろう】
【月が傾いたならそこに映るのは確かな光の断片のよう】

【――――――羽ばたく銃弾、弾ける旋律は轟音と呼ぶに相応しい】
【習いは貴女の手、コウモリ傘を持つ手を、撃ち抜こうとして】
【衝撃に翼が揺れた、また少し羽根が落ちていくように】
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 21:43:15.22 ID:EA5voQqxo
>>786

へぇ、No.4と……あの変人と出会って無事なら警戒したほうが良さそうだな
それに加えて『この世界の情勢』とはまた、気になるコメントも頂けたしよォ――

こりゃァ益々、逃すわけにはいかねえよなァ―――ッッ!!?

【少女の纏う、そして放つ黒い闘気。分銅に向かった一つは、見事に責務を成し遂げた】
【ガチャンと地面に落ちたそれを、鎖を引くことで回収しつつ振り回す≠アとで】
【自らに向かう遅い気弾を破壊しようとし、一方で出の早い気弾には――】

……おォっとそうだ、名乗り忘れてたか?こりゃ失礼お嬢サマ
これから連れ去ろうって相手になァんにも教えねェのは悪いよなァ……?

ククッ……俺の名はベイゼだ。カノッサ機関No.3…ベイゼ・べケンプフェン……ッ!
そんなヘボい気弾なんぞで倒れる様なタマじゃあ無いのさ、マヌケがッ!!

【――斬!≠ニいう音が走る。黒いイヤリングを、同色の大鎌に変化させて片手で¥cに振るい】
【そこから暗い魔力の刃が飛ばされ、地面を、死体を切り裂いて進む――そんな音であった】

【その闇の刃は、速度こそやや遅いが巨大であり、気弾を大きさに任せて押しつぶそうと試み】
【同時に血液を巻き上げて、少女の目を覆おうとする――残虐かつ巧緻な一策でもある】
【言うまでもなく回避は容易。ただ、確かにこのまま遠距離戦ではらちが開かないようにも思えるが――?】

>>791

【ビシィ-ッ!≠ニいう耳障りな破砕音が、「槍」を横ざまに受け止めた黒鎧から響く】
【攻撃失敗の直後、今度はこちらが受ける番だというのは直ぐに察していたのだろう】
【見れば両腕や足を上げて胴体を防御する姿勢を作っていて、その腕足の鎧がひび割れていた】

【同時に、離れた位置に居る使役者・ベイゼの両手足にうっすらと傷が浮かび上がり、流血する】
【感覚がリンクしている、ということか。それでも尚、マインドを下げるつもりは無いらしく――】

ヘヘッ、正解だぜ若白髪ァ……!どうせバレてんだ、俺のマインドを教えてやるよ
名前は『欲望』を意味するべギーアデン≠チ!鎧は見せかけさ、刃物には強いが……
その分、衝撃には弱い。まあ最も砕けるのなんて日常茶飯事……全身の鎧を砕いても、俺は倒せねェぜ?

……それで、よォー……俺自身の能力は、そのべギーを発現させることだが……
持ってる<唐セよなァ、もう一つ……べギー自身が、『能力』をよォ――ッ!!!
引き寄せろべギーアデンッ!!お返しに極限までぶっ潰してスクラップにしてやれェェェエエエ!!

【――相手の攻撃が止むほんの一瞬。べギーアデンと云う黒鎧は、即座に反撃を開始する】

【それは大きく固い両拳を用いての、ただひたすらなラッシュ攻撃≠ナある】
【威力は、一発でただの小石を破壊する程度。それも積もれば、かの「槍」ですらも――?】

【ベイゼの狙いは、それだ。そしてもう一つ、べギーアデンの能力についてだが】
【これは言ってしまえば引力≠セった。強く触れれば触れるほど、対象物を引き寄せられる≠フである】
【だから――もしラッシュを受ければ、そうそう「槍」を引き戻す事は叶わないだろうし】
【場合によっては意に反して、べギーの方へと放り捨てるような――そういう事にも、なるかも知れず。】
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 21:44:19.07 ID:JJ/c0/EJo
>>793

『むむ、それとなく事情は理解した』
『最近はどこも物騒だと聞く、幼子を心配する気持ちもあろうな』

『しかし……甘味を食いたいという純粋な気持ちを無碍にするのは許せんものだ!』
『ふふふ、ここは一つギャフンと言わせてやらなくてはな!』

【少女――ファラエナ(どうやら名の由来には気付いてはいないようだ)】
【の幼いながらも感情豊かに訴え掛けるそれを聞き届けると】
【店員の意図に気づいた"上で"ローブの人物はファラエナの味方についた】

『ならばいい、私は生憎と小銭しか持っていないのでな』

『ふむ、そうだな……私の溢れ出る色香であれば母でも通用するだろうが』
『ここはファラエナの意を組んで姉と称させて貰おうか!』

【身長140cm程度で顔も体型も分からない格好で何が色香なのかは知らないが】
【ローブの人物……言葉からしてローブの"少女"と呼ぶべきか】
【少女は名を尋ねるファラエナの言葉に一瞬だけ考えるように首を傾げたあと】

『まあ、名くらいは特に問題ないか』

【と、文字を変化させて独り言を写しだすと】
【隣に立つファラエナの手を、優しく握ろうとしながら】

『私の名はシーナ、シーナだ!今日この日だけはシーナお姉ちゃんと呼ぶことを許そう!』
『では、早速乗り込むとしようかファラエナよ!私は待ちきれないのだ!』

【少女――シーナはそうして自身の名を告げると】
【手を握るのに成功していたならば、その手を引いて店の入口に向かっていこうとするだろう】

【上記の行動が成功していた場合】
【店員に名乗り、店の席に着く辺りまでを省略することも可能であろうか】
【省略せずロールをすることも、また可能である】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 21:55:41.73 ID:VWb+sAvuo
>>788
「……ッ、カニバディール!? ……なるほどな、テメェら、アイツの手駒ってワケだ」

襲撃者が言葉に出す、自らの因縁の相手。二回も取り逃がし、また今日もどこかで暗躍する人喰い肉屋のその名前。
つまりはソイツも此処で襲撃に一枚噛んでいるという事を、男は杖をクルクルと回しながら理解する。
この場にはソイツはいない。いや、もしかしたらもう自分の役目は終わって、撤退しているのかもしれない。

だけども、もし仮にカニバディールの動きを追えたところで、今この場を離れることは出来ない。
このピアス野郎も、襲撃に加担するカノッサ機関の一部と言ってもいい。ならば――――――。

「俺もツイてるかもな……テメェらをぶっ潰せば、カニバディールの野郎もそれなりに損害被るかも知れねぇからな!
 さて行くぜ、覚悟―――」

しとけよ。その言葉は4人の闖入者によって阻まれる。舌ピアスへと群がった4人はそう考えても自分たちの敵であり、
―――そして、その姿は醜悪であった。

「……チッ、増援か……。揃いも揃って何かと精神面に来る姿しやがってよぉ……」

カニバディールがこの集団を配下に選んだのかは知らないが、よくもまぁカニバディールのような姿だと、男は悪態をつく。

……そして自分の相手は、あのベビーカーを押す男……いや、赤子?
他の3人に勝るとも劣らないその姿はむしろ、男のこの戦闘における躊躇というものを全てふっ飛ばした。
男の目つきが、変わる。


「コイツらが相手かよ……ッ! 来いよ頭チェンジ親子! その汚ぇ面をかっ飛ばしてやるぜ!

 ――――――  S  2  !  !   W i n d   C u t t e r ! ! 」


徐々に速度を上げながらこちらへと突っ込んでくるベビーカーは、轢かれれば死にはしないだろうが大怪我必至。
だが、直線的な動きならば男にも避けられないこともない。その足で右へと飛び、一先ずはベビーカーの進路から外れようとする。

そして、罵詈雑言を吐きながらも紡ぐのは呪文。緑のブレスレットがまた淡く輝き、その次の瞬間には光が消える。
代わりに現れたのは、2枚の半月状の板。緑色をした薄いそれらは風の刃であり、ベビーカーの横から、一直線に後ろのマインドを切り裂こうとする。
だが、マインドの装甲にあたったのならば傷がついても小さいものだろう。そもそも、その接近は風の乱れで予感できる。
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/15(木) 21:56:52.95 ID:qsZwPp400
>>792
【ブレインデッドに剣閃を放った直後、狂死郎は地面を強く蹴って後方へと跳躍し、“2人”から距離を大きく離す】
【魔術に関する知識がある者であれば、狂死郎が強い“聖”なる魔力を常に帯びていることを知ることが出来るだろう】
【それに加えて人間離れした身体能力――――察しがよければ、退魔の一族の者であることも知れるだろうか】

“外した”か……ま、しょうがないね。本来はここで援護してくれるんだけどな〜〜何処にいるんだろうな〜〜
――――エーミールの阿呆さっさと帰って来いやァ!!こっちは大変なんですよ!?
ほら!!仲間がまだ居たじゃないか!!――――揃いも揃って偏屈な集団だね……

【“エーミール”と言う彼の味方であろう人物の名前を叫びながら、狂死郎は突如現れた奇妙な影達の姿を一瞥する】
【『此れから奇妙なサーカスを始めます!!』などと宣言しても可笑しくないほどの変人奇人の集団】
【その姿に苦笑を浮かべながらも、狂死郎は脇差の構えを崩さず、不意の一撃への警戒を怠ってはいなかった】

僕の相手は――――そうか、お前か……妖怪被害妄想エンジン男!!
ちなみに僕はお前のことを思いっきり見下しています!!

【そして、狂死郎に向かってマサツネと呼ばれたフランケン・シュタインの怪物染みた奇怪が刀を構えて突進してくる】
【突進自体は単純な動き、戦闘経験に不足は無い狂死郎にとってはサービスと言ってもいいだろう】
【だが、その口から吐き出される高温蒸気は厄介。回避しきることは難しいか?】

(見るからにパワー馬鹿……でもこういうタイプが一番厄介なんだよね。さて、どうするか?魔族は使えないし……)

【いずれにせよ、先ずは攻撃を回避してから――――そう考えた狂死郎は、左方に跳躍して突進を回避する】
【しかし、高温蒸気までは回避しきれずに体を焼き、狂死郎は苦悶の声を漏らす】
【だが同時に、コートの右袖から1枚の札が零れ落ちて、マサツネの足元へと張り付いた】

熱ッ!!……悪いが、少しばかり距離を取らせて貰うとするよ!!

【そうマサツネへと宣言すると同時に、狂死郎はマサツネから見て後方に向かって駆け出すと】
【それに合わせたかのようにマサツネの足元の札から大量の粘着質の液体が噴出して、“足止め”を遂行しようとするだろう】

(エーミールが来るまでの時間稼ぎだが……“アレ”を使わせてもらうとするかな!!)

【“一時撤退”を謀りながら狂死郎はコートの中から1枚の札を取り出して――――それを前方の地面へと貼り付けた】
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 21:57:17.78 ID:Rd+hGGDho
>>788>>789>>790>>792

ッ――、これ以上好きにさせるかよッ!!
必ず此処で止めてやるさ……だからお前ら、力を貸してくれ!!

【スカーベッジの一撃をギリギリで躱すと、やおら悦那は自身の後方へと語り掛ける】
【其処に仲間たる3人がいる訳ではない。あるのは物言わぬ瓦礫のみのはずだった】

【立食会場の残骸――壊れたテーブルや椅子、散らばる銀器に】
【赤い燐光が纏わりつくと、それらは悦那の声に呼応し、意志を持って動き始めた】

【掛けた脚が瓦礫の中から飛んで来て、四足が揃い嬉しげに跳ねる椅子】
【真っ二つに割れた天面を燐光で接着し立ち上がるテーブルも、椅子と同じく木の脚だが】
【硬質さを忘れたようにぐ、と踏ん張るような曲がり方をした。更にはフォークでさえも】
【銀の柄にあるべき硬度を無視して、背伸びのような動きを見せる】

こいつらを此処から追い払って、街を復興させて、
もう一度ド派手に祭りをやり直すんだ―― そうだろ、お前ら!!

【悦那が檄を飛ばすように声を掛けると、それらを覆う燐光が一層強く赤く瞬き】
【机等が一旦がらりとばらけ、雑物と合わせて再び悦那の後方で別な形へと組み上がっていく】

【完成したのは、瓦礫を寄せ集めた3m程の人型――全体像は“貴婦人”】
【片手に盾のように備えたパラソル、もう片手は銀器を寄せ集めた巨大なブレード】
【骨組みはテーブルや椅子の脚、純白のテーブルクロスをドレスのように纏っている】

 “於オ悪唖ア亞ァ――!!”

【遠方で響く雷鳴のような声で咆哮した瓦礫仕掛けの貴婦人は】
【銀器製のブレードを大きく振り上げ、スカーベッジへと思い切り振り下ろす】

【それは切れ味より圧力としてのダメージが大きい攻撃であり、】
【回避しても距離が十分に取れなかった場合は――弾け飛ぶ広場の地面もまた、危険要素となる】
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/15(木) 22:01:43.72 ID:xC5E/ilY0
>>795

……っ、そんな……
「(けっ……敵さん、本気出しちまったようだぜ。こりゃ……!)」
<(……ちょっと、失敗よねぇ……)>

【自分の言葉が、却って戦意を呼び覚ましてしまったと悟り、思わず歯噛みする少女】
【ただの無力な少女を気取って、何とか場をごまかせば良かったかもしれない――――そう考えても後の祭りである】
【もっとも――――能力者と知って興味を寄せてきた女性を、その程度でごまかせるかどうかは、限りなく不透明だが】

…………っ、無事なんかじゃ……!
あんな、人間同士で命を奪いあって、あと一歩で死にそうになるなんて……そんなの、何度も経験したくありません!

【――――≪No.4≫との戦闘で生還できたのは、運が良かったからに過ぎない。ひどい手傷を浴びせられて、少女も死線を彷徨ったのだ】
【そうした、人間同士の戦いは少女の望むところではないらしく、思わず悲痛な叫びとなってこぼれ出る】

――――ッ!!
「(いかん、リベル避けろ!!)」

【だが――――この場は言葉のやり取りではなく、命のやり取りをするための場所なのだ。いつまでも想いを叫ぶ事に拘っていては、命にかかわる】
【正にその事を少女に知らしめるような、魔力の刃が発射され、更に2つの気弾も打ち払われて、少女に迫る】

きゃっ――――うっ、あくっぅ……!!

【咄嗟に横へと飛びのいて、迫る刃を回避しようとした少女。だが、そのステップがワンテンポ遅れたのが災いした】
【少女の左腕が刃にかすり、サクッとパーカーの袖ごと切り裂かれる。鮮やかな赤の線が、腕に走っていた】

…………っ、≪No.3≫……ベイゼ……! っ――――――――っ

【女性――――ベイゼの名乗りを、痛みに引き攣る表情で耳に入れた少女だが、その瞬間、まるで意識がふっと途切れた様に、少女は無表情になる】

――――――――そう……なら、礼儀としてあたしも名乗り返さないとねぇ……?
『この身体』と『さっきの子』が、リベル=アシェル…………『あたし』はルヴァ=レンシス……覚える必要もないかもしれないけど、よろしくね?

【次の瞬間、先ほどまでの気負いと恐怖、そして傷の痛みに震えていた少女の表情はそこには無く】
【まるで相手を品定めする様な、幼さの残る少女にはミスマッチとも取れる妖艶な笑みを浮かべて、少女――――『リベル』はそこに立っていた】
【更によく見ると、先ほどまで緑色をしていたその瞳が『青』へと色彩を変じ、更に己を『ルヴァ』と名乗って、姿そのものも変えていた】
【――――黒と紫の色彩の、シックなドレス。少女がもう少し大人であったなら、きっと妖艶な美しさを発揮させていたであろう、大人の装い】
【そしてその両手には、1本づつのごつい鞭――――その場に立ったまま、『ルヴァ』は右手のそれを思いきり振り抜いた】

この子の身体だけ壊れるのは不公平よね? あなたには、傷ついてもらうわぁ……傷さえ愛おしく、美しく思えるほどにねぇ……!

【ブォン――――と、重々しく空を切る音が響きながら、鞭はベイゼを薙ぎ払おうとする】
【下手をすれば、皮膚を切り裂き、肉に食い込みかねない程の勢い――――そう感じさせるほどに、その空を切る音は重々しいだろう】
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 22:07:33.28 ID:zM9Ni7vR0
>>796

【自分の思いを認めてもらえればやはり嬉しいのだろう、それが少々常識から離れていたとしても】
【断った側が善意だって、断られた側の意識によっては悪意に見える、拗ねてむくれたのは、悪意には程遠いけれど】
【そんな表情がぱあと明るくなって。「ありがとうございますなの!」なんて咲き誇る、向日葵みたいな笑顔】

――あのね、私のお母さんはね、お母さんだけなの!
お姉ちゃんがね、どれだけなりたいーって言ってもね、ダメなんだからっ!

【――それがころりと動く、ころころとよく表情を変えるのは、観察するに飽きないぐらいには元気良く】
【お母さんは1人だけ。腰に両手を当ててぷいと胸を張って宣言するのだろう、やはり母のことは好きであるらしい】
【彼女の自称を聞けば呼び方にも振れがなくなる、その言葉をきちんと信用して】

シーナお姉ちゃん、なのね! それじゃあね……全力前進、なのー!

【こくこくと頷けば真っ直ぐに真っ直ぐに受け取って刻み込む。握られる手はそのままそっと握り返すのだろう】
【小さな手は子供らしく柔らかで暖かい、本当のお姉ちゃんにするように、ぎゅっと、握って――からり、ドアを押す】

【――おねえちゃんとそこの道で会った。彼女は私の姉であり保護者なので、追い払われる謂れはない】
【お金はちゃんとあるし保護者もちゃんと居る、なのでお店に入れてください食べたらちゃんと帰るから、なんて】

【きっとそんなことをお店のヒトに進言したのだろう、2人で言い張ったなら――結局、店側が折れた】
【やがて案内された席、ことりと置かれるお冷の冷たいコップ、微かにレモンの香りがするのを置いて、店員が去れば】

……わあ、あのね、あのね、シーナお姉ちゃんねありがとう!

【外よりはいくらか抑えた声の大きさ、けれど嬉しいのをいっぱいいっぱいに湛えて紡げば、店の中に少しだけ響く】
【子供の目線からすれば絶対に近い大人に勝ったという意識もあるのだろう、ちょっとばかし上乗せしたテンションなら】
【オシャレな高さの椅子にぶらぶらする足を揺らして――つめたいお水を一口、そっと含んで】

だからね、シーナお姉ちゃんが先、選んでいいよ!

【それから。そちらに向けてメニューを差し出すのだろう、それはそのまま1つ食べていいと言うようでもあって】
【ふらふらと足を揺らしながらお店の中を眺めてみたりしているなら、お財布具合も余裕があると見ていいはず――】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 22:13:44.52 ID:QnPfa+/Ho
>>795

へえ、ちょうどいい……こいつをぶっ壊せばお前も壊れるって寸法だ
一挙両得とは正に、だ――――――――

【彼にとってその破砕音は耳心地よく、く――と唇を緩める】
【今は壊すことだけを考えれば良い、話は単純にただ壊せば良い潰せば良い】
【敵は敵として目の前に現れるのだから、羽虫を払うように……消してしまえば良い】

【最中、不意に「ごうん」という何かが起動する音がベイゼに聞こえるか】
【音の主は言わずもがなかの「槍」で、直ぐにでもその正体も分かるだろう】


はんっ!関係ねえなあ、引き寄せられようと知ったこっちゃない!
もうお前はダメだコレを使ったからにはもう止まらない、敵を潰すまでコイツは「暴力」は止まらない!

【「暴力」と「槍」を呼称する彼はどこか箍が外れたように叫ぶ】
【それは「槍」の有するスキル「盲目化」による物だが、それは純粋に戦闘を行う為の盲目】
【他を顧みず己を顧みず相対する敵をただただ滅ぼす為に、有る】

【故に受ける攻撃を避ける事なく必然的に引力は強くなる】
【質量が馬鹿に大きい「槍」など一度その能力を受ければ坂道を転がる石のように後は転がるだけ】

さあエンジンがかかり始めた、全部を真っ黒に焦がす力……
それを受けてお前はどうなる――――――――?

【しかしながら、そうだ「槍」は己の暴力の全てを晒してはいない】
【一撃を受ける毎に外装はパラパラと崩れる、同時に表皮は微かに赤みがかり】
【やがてそれは膨大な熱量として「槍」を赤熱化させその身に陽炎さえ纏い始めるだろう】

【ダメージがリンクしているならばその熱量、生易しい火傷では済まない】
【勿論所有者であるエルフェスも掌を既に焦がして辺りには人の焼ける悪臭がまるで誘うように伸びるか】
【ラッシュを続けるならばかの「槍」は姿を銀色から赤に変えて、その一端を遂に晒し始めるだろう】
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 22:13:53.76 ID:ABiejdd7o
>>794
ひっひっひ、あたくしらは救えぬクズ鉄どもですが、そう簡単に狩れる獲物でもねえですぜ!!!
アンタの弾頭が赦さなくても、カニバの旦那が赦してくれまさあ!!


【スカーベッジが叫び返す声に、彼女が鏡の翼で空間を駆ける音が重なる】
【純白の少女の残像は、醜いクズ鉄どもとの対比を描き出す。放たれたネグティーの初撃をかわす、その姿すら美しく】

【硝子の羽根が広場に舞い散る、次の瞬間には彼女は、ソニアはネグティーに肉薄していた】

「なによお、なによおおおおおおおおおおお!!! 仕方ないじゃない、仕方ないじゃない!! あたしにこんなの無理だもの!!」
「セリーナって貴方達のリーダー!? あたし、あの人みたいに目立つなんて無理よお!! だってだって――ああ!!」

【銃弾が羽ばたき、その美麗に見合わぬ轟音がネグティーの手からコウモリ傘を弾き飛ばす。ネグティーの顔がさらに歪む】

「うあああああああああああああああああ!!! あんまりよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

【凄まじい悲痛の叫び、それと共に彼女の身体から黒い靄のようなものが噴き出す】
【黒い靄が触れた地面から、何かが生えてくる。キノコだった。真っ白なキノコ。普通と違うのは、それに人間の顔がついていることだ】
【ネグティーの能力なのだろう。地面から無数に生えたキノコが叫び出した】

アアアアアアアアアアアアアア、無理ヨオオオオオオオオオオオオオオ
モウダメ、皆オシマイヨオオオオオオオオオオオオオオオオ
ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン

【大小様々な人面キノコが、一斉に絶望的な声でわめき散らす。常人なら、聞くだけで精神をかき乱されるような声】
【そのうちいくつかが、地面から飛び上がった。そのまま、空中のソニアの白魚のごとき腕に、泣き叫びながら噛みつこうとするだろう】
【ネグティー本人は、泣き叫びつつキノコを生み出すばかりで、そこから動いていない】


>>797
ご明答!! ボスに二度も煮え湯を飲ませたアンタだ、あたくしらにとっても因縁深い!!

【スカーベッジの返答。杖を回す彼の姿を鉛色が捉える】
【ライラがいつかの列車事件のように、言葉奪われる。現れる異形の一人が、彼に殺到する】

【しかし、所詮は単純な突進。難なくかわされ、反撃まで食らう。カニバディールも苦しめられた、風の刃】
【2枚の刃がマインドを襲う。マインドの装甲が裂かれる。傷は浅い。しかし、『サン・オブ・ベビー』は悲痛な声を上げる】

“オギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!! 痛イヨオオオオオオオオオオオオオオオ”

[おーおおーおよちよちよち!! ひどいお兄ちゃんでちゅねえええええええええ]

【オールドベビーの鉛色の視線がライラを射抜く。そのベビーカーの側面から、何かが飛び出した】
【二本の、触手型の機械アームだった。ウネウネと不気味にうごめくその姿。先端は人間の手のようになっている】
【アームは泣き叫ぶ『サン・オブ・ベビー』を掴むと持ち上げ、ライラに向けてそのまま振り抜いた】

【『サン・オブ・ベビー』を鈍器のように用いたのである。自分で言っておいて、マインドに対してこの仕打ち。その矛盾に本人は気付いているかどうか】


“抱ッコシテエエエエエエエエエエエエエエエエ”

【『サン・オブ・ベビー』がライラに迫る。いかにも重そうな身体なのに、振り抜きの速度が速い】
【『サン・オブ・ベビー』の能力。自身の重量コントロールが働いているのだ。ぶつかる瞬間には重くなって、威力を底上げする、という戦法】

【ライラの右横から、『サン・オブ・ベビー』の巨体が迫る。まともに食らえば、無傷とはいかないだろう】
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 22:22:36.83 ID:JJ/c0/EJo
>>801

【渋る店員を突破し、二人は無事席に着く】
【シーナはファラエナの対面に腰を下ろすと】
【喜ぶファラエナの姿にどこか微笑ましげに口元を揺るげながら】

『ふふふ、山より高く海より深く感謝するがよい!』
『私としても渡りに船であったしな』

『何にせよ、作戦が成功してよかったのだ』

【店内に入っても深く被ったフードを外さないまま】
【シーナはそういった文字を写してファラエナへと意思を伝える】

『むむ、私から選んでよいのか!』
『我が"妹"ながら、なかなか気が利く娘よな!では……』

【差し出されたメニューを手に取ると】
【シーナはフードに隠れた眼で彩り豊かなスイーツ群を見る】
【溢れる横文字、似たような色合いのパフェやケーキ達】



【時間にして1分ほどだろうか】
【シーナはパタン、とメニュー表をテーブルに置くと】
【ファラエナの方へと視線を送り……】

『どれがいいのか、選べと言われてもさっぱりわからんのだ!』
『以前爺様と似たような店に食べに来たときは』
『毛が散るだの衛生面がどうだので門前払いであったからな!』

【そんな文字を表示させた】
【どうやら何を食べていいのか判断がつかないようである】

『むむむ……憧れてはいたがいざ向き合ってみるとどれがよいやら』
『……ファラエナよ、御主はこういったモノに詳しいのか?』

【メニュー表をススッと差し出しながら、そんな台詞を描き出す】
【意図はみたまま「オススメを教えてくれ」とでもいうべきものだろう】
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 22:30:43.68 ID:ABiejdd7o
>>798
ひっひっひ、そう簡単にはやらせませんよおぉ……
しかしアンタ、なんか嫌な気配がしますな……

【その強力な“聖”なる魔力、身体能力を眼にしても、魔の方面には知識の薄いスカーベッジには】
【彼が退魔の一族であることはわからない。まして、彼に迫るエンジン男に、そんな高尚なことがわかるはずもない】

偏屈!? 偏屈だと!? またバカにしやがったな!! 俺だけでなく『スクラップズ』全員見下すことで
二重に俺を貶めようって腹か!! 俺にはちゃあんとお見通しなんだよ!!

――妖怪被害妄想エンジン男ォ!!? 見下してるゥ!!? おーおーおー、言ってくれるじゃねえか!!
あーあーあー、どうせ俺は被害妄想でエンジン野郎だよ!! じゃあてめえはどうなんだ!! 黒づくめで格好付けやがって、何様だあ!!

【彼ほどの強者ならわかるだろう。マサツネの剣の腕はひどいものだ。この男の脅威は、その増強された筋力と、身体から発する高熱】
【当然、突きはあっさりとかわされる。足元に落ちた札からの粘液も、あっさりと食らう】

うおあああああああ!!! なんだこりゃあ!! てめえ、俺の足止めなんざ、このきたねえ粘液で十分だっていいてえのかあ!!
なめやがって!!なめやがってえええええええええええ!!!!!

【身勝手な怒りは彼の原動力であり、エンジンの発動条件でもある。しかし同時に、冷静ではいられぬ諸刃の剣】
【当然、地面に張り付けられた札には気付かない。足を必死にばたつかせ、粘液から離れようとする】

【同時に、右腕が着物の懐へ。取り出された手には、三本のクナイが握られていた。櫻の国の武器】

くらえや、クソ野郎がああああああああああああ!!!

【叫びと共に放たれるクナイ。三本。剣術と違い、こちらは正確な狙い】
【クナイ自体は大した威力はないが、一本一本が熱を帯びている。あたれば火傷を負うだろう】


>>799
ああっと惜しい!! その身のこなし、できますなアンタ!! 革命家にしとくにゃもったいねえ!!
ってなんです、そんなとこに語りかけて……おおっ!?

【スカーベッジの眼に映る光景。散らばる残骸が意思を持って動き出す】
【さらに、その材質にはありえぬ動き。何が起こっているのか】
【気付いた時には、眼前に立つ“貴婦人”。ゴミを集める自分の能力に近いようでいて、似ても似つかぬ麗しさ】


ひーひひひひ!!!言うだけあって芸達者なお方だ!!
しかし、ちょいと単純すぎる動きじゃあ――あでででで!?

【最初の一撃を横っ跳びで回避するスカーベッジ。しかし、飛び散る石畳の散弾にさらされる】
【その身を抉る破片。穢れた血が辺りに飛び散る】


こんの、やってくれますな!! ゴミ操りなら、あたくしも負けちゃいませんぜ!!!

【スカーベッジが右足を曲げて膝の皿を悦那に向ける。そこは、空洞となっていた。さっきまで何の異常もなかったのに】
【砲台の口のようになった膝から、轟音と共に何かが撃ち出される。それは、鉄くずの塊だった】

【釘やボルトや針金が飛び出した鉄塊が、砲弾となって“貴婦人”の前の悦那にを襲う】
【こちらは、質量の攻撃ではない。鉄塊は何かにあたれば弾けてもとの鉄くずに戻り】
【散弾のごとく、周囲を襲うだろう。先ほどの攻撃の意趣返しか】

【とはいえ、所詮は鉄くず。回避・迎撃、対処はいくらでもあるはずだ】
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/15(木) 22:31:04.38 ID:Zv+GGyR8o
>>803

【纏わりつく夜の感触、ねっとりとした色合いは嫉妬心が絡みつくかのよう】
【にじみ出るその風の意味合いはきっと、この惨状に因る所なのだろう】
【――――――怒りが湧いてくる、この惨状を創りだした相手、への】

【放ち終えた銃弾、空っぽの薬莢が地面へと転がっていく】
【撃ち抜いた、その感触が指先に残ったなら、頬に少し落ち着きが見えた】
【故にか、次の貴女の一手に、彼女は予想以上のダメージを受ける】


っ……ぁ……!!な、にっ……これ……ぇ……
人の……声……なの、それも……っ……それも……っ

……だめっ……ぁ……んぅ……!!


【思わず耳を塞ぎたくなる声、背けたくなる光景、それは彼女も同様で】
【常人離れしていても、切り取ったならばただの幼い少女でしか無いから】
【肩をすくめた、耳を塞ぎたくても、両手は狙撃銃で埋まっているから】

【ぎゅっと抱きしめるRaumKrankheit≠サの確かな質感だけが頼りで】
【なんとか平均台の上で保つ正常、眉を潜めてその表情をくしゃくしゃに濡らそうとも】
【背に貫かれた一本、確かな強さを、そこに秘めて――――――】

【けれども隙は消えない、回避しようと後ろ上へと飛ぶ彼女の左腕を噛み付くきのこ】
【なんとか振り払おうにも、出だしが遅れた、白い彼女の細腕に赤いタトゥーが刻まれる】
【零れる声にならない声、激痛が身を捻る感触が冷たすぎた】


っ……きのこ……厄介、なの……それに……うるさいの……
泣いてちゃ、何も解決しない、の、解決するのは、子供だけの、特権なの
だからね、踏み出さなきゃ、おねーさんも、ソニアも……一緒に

二人共、マイナスだから……ゼロに向かって、歩かなきゃ
――――――Broken Glass Syndrome


【彼女の翼が大きく開かれる、鏡の翼が映しだすのは、泣き叫ぶ貴女本人であろう】
【成功したなら、貴女の周囲に貴女を中心に螺旋状に広がる線が刻まれるだろう】
【貴女が泣き叫ぶ度に揺れるそれ、およそ半径5mの範囲に映しだされて】

【赤く染まった左手で銃身を握り、右手で次の銃弾を装填、そのまま流れる動作で射撃体勢に移行するだろう】
【銃口が一端揺れた、傷ついた左手では長時間支えられないから】
【漏れる声を噛み締めながら、響く銃声だけを頼りにした】

【放たれる銃弾、貴女の側を駆け抜けていくだろう】
【けれども動かなければ、貴女の周囲に出現した、線をその銃弾は貫く】
【成功したなら、数秒ほど貴女がいくら泣き叫ぼうと音は一切ならないだろう】

【――――――彼女の能力が発動したのだ】
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 22:41:51.93 ID:zM9Ni7vR0
>>804

【よく笑うまん丸の瞳がフードの下で“姉”の笑うのを見つけたなら】
【いっそう深く濃く刻まれる笑顔のかたち、浮かべて――あんまりじっと見ないように店内を廻る視線】
【「あれいいな」とか「おいしそう」とかぽつぽつと零したり、思ったり。しながら、彼女の決める間を待つならば】

【ぱたとメニューの倒される音。決まったかと戻される視線は、けれど彼女のそんな言葉を見つけて】
【きょとんとしたよな目で読み進めるよな間が少し。そうして空いてしまうのは、どうにもどうしようもないのだろうけれど】
【やがてそんな意図を理解したなら。差し出されるメニュー、ついと指先で手繰り寄せて、受け取って、】

うーんとね、えっとね……、私はね、あのね、いろんなの好きだけれどね。
シーナお姉ちゃん、あんまり食べたことがないのっ? じゃあね、いろいろなのがいいよねー、なの!

【カラフルに記される文字の羅列、メニューに視線を落としてしまえば、必然的に姉の言葉に目を向けることが出来なくて】
【時間としてはほんの数秒ばかしのこと。悩むように唸りながら考えるなら、喜んでもらえるように、なんて気持ちの透けるよう】

――それならね、えーっと。これとかどうかなってね、思うなーって!

【――そちらに見やすい向きに戻されるメニュー、ちいさな指先がついと差して示すのは、パフェ欄の名前のひとつ】
【ずいぶんと洒落た名前は実体を暈すようでも、写真や一行添えられた説明書きを見ればどんなものかはイメージが付くだろう】
【フルーツやゼリーやフレーク、クリームや一口ケーキ、その他いろいろの甘味を詰め込んだらしいそれは】
【写真で見たって宝石箱めいた煌きが良く分かる、いろいろな味を楽しむにはまさに最適といえそうなもの】
【それでいてカオスにはならないようにきちんと纏められている風なのが、店の力量を示すようでもあって】

【「どう?」なんて尋ねるように首を傾げるのだろう、じーっと向ける真っ直ぐさ、きっと真摯な色】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/15(木) 22:44:38.53 ID:qsZwPp400
>>805
【マサツネと距離を離しながら貼り付けた1枚の札に、狂死郎は縋り付くかのように飛び込むと】
【同時に構えた脇差を札に翳し――――そのまま、一気に貫いた】


「我が肉体は健全にして無欠―――されど我が刃、この手に成り余るモノ也」


「我が精神は剛毅にして足知―――されど我が夢想、未だ成り足りぬモノ也」


【刹那、その切り口から広がるは太極を表す陣―――それは脇差を球状に包み込む】
【次に太極陣から伸びるは2つの柄、一方は純白、もう一方は漆黒に染められて】
【吸い込まれるかのように、狂死郎は両手を以って双方の柄を握り締める】


「為らば、玉藻狂死郎の名において阿吽となす―――主客合一!!」


【そして、渾身の力を込め双方の“刃”を抜き放つ】
【光より生まれ出は漆黒と純白―――陰陽一対の夫婦剣】
【左に握り締めるは月輪の顕現、漆黒の刃。右に握り締めるは日輪の顕現、純白の刃】


それでは往くとするか……「玉藻流退魔術式・悪滅」


【黒白の双剣の担い手は敵を討つべく大地を駆け、黒風の如く相手に迫る】
【魔術的強化に因るものか、先程までの彼と比べても直ぐに実感できるほど、迅速な動作で肉薄しようとする】
【その障害となる投げつけられた3本のクナイも、踊るような動作で次々と双刃を振るって叩き落す】

(今頃、エーミールの気配を感じる……悪いね、このまま僕が貰っちゃうよ!!)

【続いてマサツネの懐へと潜り込むと、そのまま腕を交差させるように双剣を振るい、その腹を引き裂こうとする】
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 22:47:46.21 ID:VWb+sAvuo
>>803

「へっ……だったら其処でテメェも見てな! このデカブツが俺に倒されるザマをよぉ!」

舌ピアスの彼―――スカーヘッジに向かって勝ち気な笑みのままにそう吐き捨てる。

そういえば、列車事件でカニバディールと初めて邂逅した際も、同じような感情を抱いたなとライラは想う。
もしかしてあの時も、カニバディールの姿で余計な感情を捨て去ることが出来たから勝てたのかもしれない。
……ましてやカニバディールよりも奇形のこの二人組ときた。情など、持ちたくても持てない。

マインドの存在は、ライラも既知であった。その外見的特徴は、書物で見たそれと一致しているのであって。
老人頭の赤子に呼ばれたそのマインド、『サン・オブ・ベビー』の泣き声に、ライラは杖を二人に向けたまま、思わず顔をしかめる。

「せめて頭さえチェンジしてなければな――――――うおっ!?」

ライラの表情は、それから一変する。驚きのそれだ。
ベビーカーから出現した二本の手に―――さらに言えばその手が『サン・オブ・ベビー』を掴み、投げ飛ばしたことに。

マインド使いは勿論そのマインドを使って攻撃してくるというが、まさか、投げ飛ばしてくるなどとは思っておらず。
また顔こそ赤子だが体は大柄な男性のそれだ。ピンク色の装甲というおまけまで付いている。
それが飛来してくるこの状況で、取る行動は1つだけ。ライラは足のバネを全力で開放した。


「俺より、そっちの爺のほうがよっぽど扱いが雑じゃねぇか、――――――よッ!


  F  1  !   H e a t i n g ! 」 


全力。次は自分から見て左に飛び、その巨体の抱きつきを回避しようとする。
そうすれば、『サン・オブ・ベビー』の背中はがら空きだろうと、新たに発光した赤と緑のブレスレットを横目にそう予想を立てて。

『サン・オブ・ベビー』がその抱きつきの後に着地するようであれば、赤のブレスレットの光が消え、同時に手に持った杖の先端が赤く発光しだす。
その杖を大上段へと振りかぶり―――『サン・オブ・ベビー』の背中へと打撃を加えんとする。
だがその攻撃は、素人然としたものである。若干の隙もあるために回避できない攻撃ではないだろう。

そして、抱きつき攻撃の後に何かアクションが有るのならば―――その杖での打撃も、中止せざるを得ないのだが。
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 22:54:54.96 ID:VWb+sAvuo
>>809
/しまった……
/「その杖を大上段へと振りかぶり―――『サン・オブ・ベビー』の背中へと打撃を加えんとする。」
/の直後に以下の文を付け足して下さい

それが背中なり何なりにヒットすれば、打撃の衝撃は勿論、杖が木製とは思えないほどに熱を発しているだろう。
およそ100度ほどの杖は、打撃ダメージとともに火傷によるダメージを狙っているわけである。
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 22:56:00.27 ID:Rd+hGGDho
>>805

……こいつらがただのゴミに見えるなら、あんた様はその程度の奴って事だ
いや、言うまでもないな。 人の命さえゴミのように扱うんだからな――!!

【ぐオん、と貴婦人が手にしたパラソルを悦那の前へと降ろす】
【開かれたそれに急速な回転を付けることで塊を弾き飛ばすが、】
【散弾の如く襲う鉄くずの一部が、防ぎ切れなかった盾を裂いた】

っぐ……!!

(同じく操作系、か……!!)

【ボロボロになり用を成さなくなったパラソルが持ち上げられる】
【其処には、腹部から奇妙な青藍色の血液を流す悦那の姿があった】
【裂けた肉はどす黒く腐敗し、生きた人のものではない――腐臭が零れ出す】

【生きた人間ではないのか。苦しげにしている以上、攻撃は通じているようだが】

だがな……ッ、ただ芸も無く操るのとは、訳が違う
“力を借りる”そして、俺が“貸す”――共闘してるんだよ、俺達はな!!

【赤い燐光がボロボロのパラソルに結集すると、奇妙な現象が始まった】
【無機質だったそれが途端に色音痴ともいえるカラフルさに様変わりし、】
【びきりと形状さえ変化して、傘の部分には前衛アートにも似た“顔”が浮かび上がる】

【巨大な両目がぱちりと瞬くと、傘の中央――太く変化した芯の先から、銃弾が放たれた】
【一発、二発、三発。狙いは腹部だったが、形状変化までの隙がやや大きい】
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 22:56:36.58 ID:JJ/c0/EJo
>>807

『ほほぅ、これは……』

【シーナはしばし視線を下げてファラエナの勧めた写真に目を通し】
【数秒の思考の後、顔を上げて再びファラエナの顔を視界に写すと】

『詳しいことは分からんが、これはまた見るだけで食欲を擽る甘味だな!』
『うむうむ!御主、なかなか"せんす"があるではないか!』

【彼女の勧めに対して好意的な反応を返した】
【口元は少しだらしなく緩んでおり、気を抜けば涎でも垂れてきそうな有様だ】

『では、これにしようか!』
『万が一口に合わずともそれ経験の一つ』
『御主を責めるような真似はせんから安心するがよい』

【やたらと上から目線な台詞を板上に表示させると】
【指先でツイッとメニュー表を反転させて、ファラエナの方へと差し出した】

『では、次は御主の番だな』
『待つのも食事の楽しみの一つと聞く、ゆるりと選ぶがよいぞ』

【うむうむ、と自身の腕を胸の前で組む妙に偉そうな仕草を見せた後】
【ファラエナへとそう促し、冷えたグラスを手に取ってクッと水を喉に嚥下した】
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 22:57:12.88 ID:ABiejdd7o
>>806
【彼女の怒り、華奢だが麗しくやさしい心根の彼女の放つ怒り】
【地面に落ちる薬きょうの音を、人面キノコの叫びが蹂躙する】

【キノコの放つ悲鳴が白い少女の肌の上を這いまわる。RaumKrankheit≠フ重みには、とても叶わないが、厄介なことに変わりはあるまい】
【ソニアの顔に負けず劣らず、ネグティーの顔もさらに歪む。絶望的な嘆きの表情】
【それと同じ顔をしたキノコが、ソニアの美しい雪の肌の上に、赤を継ぎ足す】

『うっうっうっ……だってだって、踏み出すなんて……あたし無理よお、こんな足なのよ!? 歩くたびにひどい音がするの!!』
『マイナスから抜けるなんて、どうすればいいの!? 見てよ、あたしの涙は黒いのよ!?』

【ネグティーの言葉通り、その鉛色の瞳から零れ落ちる涙はドス黒かった。歪んだ顔を黒が汚す】
【その彼女を映し出す鏡。一瞬、泣き声すら止めてその翼の美しさと、映し出された己の醜さに対面する】

【刻まれた螺旋に魅入られたように、佇むネグティー。洗練されたソニアの装填になど、気を配れない】
【痛みに揺れる銃口は、しかしはっきりとネグティーを捉える。銃声に思わず身を竦ませ、気付いた時にはその能力の中に居た】

『……何!? 何なのこれえ!! なんでキノコの声、通らないの!!?』

【おどおどと辺りを見回す。ソニアの能力に完全に眼を奪われている。しかし、キノコはその間も数を増やしている】
【それはやがて、ネグティー自身の身体からも生え始める――】


>>808
「ああ!? いきなりわけわからんこと言いだしやがって!! 俺にわからねえこと知ってます、って自慢か!!」

【狂死郎の詠唱に、変わらず意味不明の罵声を浴びせるマサツネ】
【しかし、その彼の口すら一瞬閉ざす、太極陣の出現。抜き放たれる双剣】

「今度はなんだあ!! 白と黒ォ!? どっちもいけます、って自慢か!! なまくら刀一本の俺へのあてつけか!!」
「しかもあっさりクナイ弾き落としやがって!! 俺の武器はもっと大事に扱え!!!」

【粘液から抜け出て、なおも喚き散らすマサツネ。そこへするりと潜り込んでくる狂死郎】
【交錯する双剣が、その腹を薙ごうとする。その一瞬前に、マサツネが後ろに跳躍した。口から蒸気を吐きながら】

「がああああああああああああ!!! いてえんだよ!! バカにしやがって!!!」

【高熱蒸気の勢いで跳び、双剣をかわそうとしたのだ。しかし、狂死郎のほうが早い】
【腹を切られ、着物を鮮血が濡らす】
【しかし、前方に吐きつけられた蒸気。食らえば、またも熱ダメージを負うだろう】
【着地したマサツネは、痛みにうめく。蒸気に耐えきれば、それは隙として狂死郎の眼に映るはずだ】
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 23:11:44.01 ID:zM9Ni7vR0
>>812

【窺うような視線は少しだけの上目遣い、じっと見つめていたけれど――】
【やがて。自らの意見を好意的な色で受け入れてくれたなら。ふわと安堵したような笑み、きっと零して】
【上から目線にも気を悪くした風もないまま。ついと返されるメニュー、指先で真っ直ぐに、整えながら】

……でもね、あのね、ここすーっごくおいしいって! 知らないヒトだけれどね、さっきね、お姉さんが言ってたよ、なの。
だからね、きっとおいしいよって! それにね、たくさん入ってるならね、シーナお姉ちゃんの好きなものもきっとあるよ!

【――そうして紡ぐのは、時間にして少しばかし前のこと。ちょうど、この店の前を通り縋ったときの話】
【ちょうど店から出てきた2人組みの女性の話す内容が聞こえた。おいしかったねーなんて楽しそうな、声が】
【そうして惹かれてしまったのは子供らしい単純さ、光に釣られた蛾みたいに、ふらり誘導されて】
【追い出されて。でも店先に居た彼女に声を掛けて。そして今。――嬉しそうにはしゃいで、時間外れの明るさ、振りまきながら】

うーんとね……どれにしようかなー……。

【にこにこと笑んだままで視線を落とす、つううと指先でメニューの文字をひとつひとつなぞるようにしながら】
【いろいろと考えを零しながらの思考ならば待つ時間も対して退屈でもないだろう、途中で一度お水を手繰って、飲んで、――】

――じゃあね、私ね、コレにする! ……あ、お姉ちゃん、飲み物はどうするの、なの?
私ね、私ね、……うーんと、冷たいミルクがいいな! ガムシロップ入れるとね、おいしいんだよ――。

【ことん、とコップを置くのと宣言するのが同じ頃合、ぴしいと指差す先は、チョコレートパフェの文字】
【特に意味なくどやぁとしてみたのもつかの間、飲み物欄に気付けば、もう一度問い掛け、彼女へと投げるだろう】
【メニューをそちらへ返しながら、逆さ文字で読んで――自分はあっさり、決めてしまったようだけれど】
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/15(木) 23:11:46.55 ID:Zv+GGyR8o
>>813

【混乱する相手、けれどもその効果は彼女が狙ったものではなかった】
【貴女の泣き叫ぶ声がトリガーでキノコが増えるモノ、と思っていたから】
【思惑が外れた、それならば、また新たな攻撃の手段を探すだけ】

【貴女の身体すらも蹂躙する大量のキノコ、やがてそれは埋め尽くされるが如く】
【月下に描かれるその光景は、少女にとっては凄惨で残酷で】
【けれども彼女は目をそらそうとはしなかった、それ以上に酷い光景を何度も目にしていて】

【脳裏に浮かぶ、彼の姿、悪魔へと変わってしまった、彼の姿】


ボロボロの……おにーさんの姿より……怖くは、ないの……
どんな脚でも、どんな涙でも……できることはあるの

っ……でもね……でもね……!!死んだらね……何も、できないの
おねーさん達は、そうしたの、何人もの人がね、そうなっちゃったの


【幸運があったとすれば、声が出ないという現象に、貴女が気を取られた、ということか】
【次の銃弾を装填する、空中にもう一度高く飛び上がろうと翼を揺らして】
【なびく髪の形が彼女の頬を描いたなら、柔らかく華奢な輪郭がそこに浮かぶ】

【紡ぐ言葉はハッキリと彼女の意思を告げる言葉】
【拙いソプラノが辿る道標は、彼女の思う正しいと思う道】
【それはどこまでも真っ直ぐで正直な、彼女の信じる道筋】

【翼が歌った、風を切り裂く鏡の翼、眼下に地獄を映しながらも希望を求めて】
【上昇、縦に大きく羽ばたいたなら更に高い位置へとその身をおどらせる】
【足元にはいっぱいのキノコが広がっていて――――――唇の端を噛み締めて】


おねーさん達が、焼いた街……おねーさん達が、壊した街
……きっと、知らないと思うの、その痛さとか、苦しさとか……
だから少し――――――知って欲しいの

Broken Glass Syndrome=\―――――


【刹那、彼女の声と共にあちこちから細かい火の柱が巻き上がるだろう】
【貴女の周囲の足元から、大量のきのこごと、焼きつくすが如く】
【火の勢いは中々強い、その原理は――――――視線を落とせば分かるはずだ】

【彼女が羽ばたく度に落ちた鏡の羽根、その一片一片から炎が巻き上がっている】
【Broken Glass Syndrome≠フ能力、鏡間の転移を使ったのだろう】
【恐らくはいまだ炎上している施設、そこの火を鏡を使い此方へと移動させた】

【――――――ダメージが狙いではない、狙いはきっと足止め】
【視線を上へと向けたなら、7mほど上空、彼女の姿があるだろう】
【滴る血液をそのままに、左手で銃身を握って、銃口を真っ直ぐに落とした彼女の姿が】
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 23:17:20.43 ID:ABiejdd7o
>>809
【ライラが情を抱けないのも無理はない。オールドベビーは『スクラップズ』でも随一の異形だ】
【そのうちに宿る悪意も醜い。斃すのに、躊躇いなど必要はないだろう】

[あのお兄ちゃんひどいでちゅねー。頭を取り換えれば、なんて……かわいい『サン・オブ・ベビー』ちゃんにひどいでちゅねー]

“オギャア、オギャアアアアアアアア!! ヒドイヨオオオオオオオ!!!”

【オールドベビーに投げられて、地面に転がる『サン・オブ・ベビー』が泣き叫ぶ】
【これが、オールドベビーの戦術。マインド『サン・オブ・ベビー』を、いわば生きた鈍器として用い】
【自分はベビーカーで戦場を駆けまわる】

[雑だなんて、失礼な人でちゅねー。ママと『サン・オブ・ベビー』ちゃんは、固い絆で結ばれているんでちゅよおおおおお]

【オールドベビーが笑う、しかしそれが止まる。彼の全力の回避は、見事に初撃を逃れたのだ】
【抱きつき後のアクションもなく、『サン・オブ・ベビー』が隙をさらす。その主、オールドベビーの眼に飛び込んでくる、ブレスレットの発光】
【それに気を取られ、次の攻撃への対処は遅れる。『サン・オブ・ベビー』の背中の装甲を、杖が叩く】


“オギャアアアアアアアアア!!!!!”

[ひいいいいいいいいいいいい!!! 痛いでちゅ、ひどいでちゅねえええええええええええええ!!!]

【悲鳴をあげる『サン・オブ・ベビー』。彼を叩くライラに向けて、同じく叫びながらオールドベビーのベビーカーが突っ込む】
【二本の機械触手を振りかざしつつ。ライラの横を走り抜けながら、触手で殴打するつもりらしい】


>>811
ひひひひひひひ!!! その程度、なんて御挨拶ですな!!
まあ、間違っちゃいませんや!! あたくしらの命には価値がない!! だからこそ、他もゴミ扱いに出来るってもんなんですよお!!

【貴婦人のパラソルの間隙をついて、悦那を襲うクズ鉄を確認し、舌のピアスをむき出しにしてスカーベッジが笑う】
【その鼻がひくつく。ゴミの山で生きてきたスカーベッジは鼻が利く。悦那の放つ腐臭いをかぎつけたらしい】

なんですこの悪臭は? あたくしらにも負けず劣らずじゃあねえですか?
まさか、あんた死人ですかい? 初めて見ましたぜ……

ひひっ、瓦礫と共闘たあ、寂しいもんですな!! 死人の力が為せる業ですかい!?
しかしまたも芸無しとはひどい!! あたくしらの見た目はもはや十分宴会芸だと思われませんかい!?

【自虐を織り交ぜたような、スカーベッジの叫びが、色に埋め尽くされる】
【極彩色の、カラーアート。そこから現れる顔=Bそして、銃弾】


うおお!? 次から次へと、見せてくれますな!!

【形状変化の隙をついて、スカーベッジが飛び退く。一発、二発、回避。しかし、三発が脇腹を掠めた】

ぐおおおおおおおおおおおおお!! いってえええええええええ!!!
ひひっひーひひひひひひ!!!

【その表情には狂気すら滲む。その腕が周囲の瓦礫に触れる。スカーベッジの右腕に、ゴミが集まる】
【みるみる腕が巨大化し、瓦礫で出来た大きな腕となった。重量を支え切れず、スカーベッジがふらつく】

【そのふらつきのまま、腕をふるう。動きは恐ろしく鈍いが、攻撃範囲は広い】
【貴婦人の傘を、貴婦人から見て右横からなぎ払おうと。ゴミの腕が迫り来る】
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/15(木) 23:32:26.02 ID:JJ/c0/EJo
>>814

『繁盛しているからそうだとは思っていたが、やはり良い店だったようだな!』
『ふふふ……私の目に狂いはなかったということか!』

『では口に運ぶ瞬間を楽しみにするとしよう』
『未知を踏破するという感覚はいつも胸が躍るものなのだ』

【子供らしい仕草を見せるファラエナに】
【本当の妹でも見るかのような、微笑ましげな視線をこっそりと送りながら】
【グラスに泳ぐ氷をコロコロと揺らして時を待つ】

『むむむ、それもまた美味そうな"ぱふぇ"であるな』
『飲み物は……そうだな、ファラエナと同じものを頼むとしようか』

『何分私はこの場に於いては初心者と呼んで違いはない』
『ここは経験者の意に乗るのが無難であろう!』

【非常に単純な考え方であるが】
【シーナはそう判断しファラエナの意見に乗った】


【近くにあったボタンを押し、店員を呼ぶと二人分の注文を告げる】
【そして訪れるは食べ物が届くまでも暫しの時間】
【シーナはグラスの氷をコロン……と鳴らすと、残りの水を口にしてテーブルに置く】

『さて、少しだが時間が空いたな』
『この間何もせんというのは少々退屈に過ぎる』

『ふふふ……ここで会ったも何かの縁』
『ここは一つ、可愛い"妹"の話でも聞いてみるとしようか?』

【一拍置いた後、シーナは突然そんなことを言いだした】

『家族の話でも、昨日今日あった小さな出来事でもいい』
『それとそうだな……ファラエナが何度か口にした"母"の話もいいかもしれんな』

『肩肘を張って立派な話をせずともいい』
『数分の時間潰しと思って何か御主のことを、姉に教えてくれんか?』

【足を組んで、何かを期待するような眼差しをフード越しに送りながら】
【シーナはファラエナにそう告げた】
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 23:37:29.84 ID:Rd+hGGDho
>>816

物言わない奴らの方が、よっぽど正直だと思わないか?
……ってそんな事言ってる場合じゃないか、ッ!!

【巨大な腕が振るわれ、受けようとした傘がめしりばきりと破壊される】
【内側にいた悦那も攻撃の余波を受け、弾き飛ばされた先はドレスの内部】

【白いテーブルクロスのフリルへ突っ込んだ体は、】
【空洞であろう内部へ完全に隠れて窺えないが――手ごたえは確かにあったはずだ】

【腕ごと骨組みが飛び散り、貴婦人が前傾気味によろめいた、ように見えた】

 “唖ア亞阿悪オ於――!!”

【スカーベッジの立つ地面に鋭角の影が差すが早いか、唸り声と共に】
【前にのめるほどに、反比例して銀器製のブレードが高く高く振り上げられ】
【そのまま相手を地面へ串刺しにせんが如く、垂直に鋭く振り下ろす】

【狙いはめちゃくちゃだ。ただし先の一撃よりは確かに重く、】
【地面を抉るような攻撃は自然飛ばす瓦礫の大きさも生半可ではない】

【そして攻撃を終えた直後から、術者たる悦那を内部に抱えたまま貴婦人は自壊し始める】
【血液のように巡っていた赤い燐光が目に見えて弱まり――大きな隙であるのは間違いない】
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/15(木) 23:38:20.27 ID:qsZwPp400
>>813

一々五月蝿いねぇ……君。いいかい?人間決めるときはクールになるものなんだよ。

【狂死郎は相変わらず喚き続けるマサツネの腹を切り裂きながら、狂死郎は独り言のように呟いて】
【吹き出るマサツネの鮮血と共に浴びせかかる高温蒸気を、仁王立ちで待ち構えていた】
【再び狂死郎の肌を焼いていく蒸気――――しかし、先程受けた傷に比べて妙に火傷が軽く思えて】
【その証拠と言うべきか、狂死郎の漏らした苦悶の表情も、心なしか軽くなったように思える】

あちち……しかし流石は“干将・莫耶”!!高温蒸気を受けたが支障は無いね!!
そして好機!!悪いけどとっておきの技で決めさせてもらうよ……!!

【狂死郎が両手に担う双剣――――名を“干将・莫耶”と呼ばれる宝剣にして、とある魔族の化身】
【――――文字通りの“陰陽”を表したこの剣の担い手は、守護の力をその体に宿す】
【狂死郎が高温蒸気で受けた火傷が浅かった理由は、物理的でない攻撃から持ち主を守るため】


【そして、狂死郎がこれから放つ奥義も、干将・莫耶の陰陽たる性質を最大限に利用したもの】
【狂死郎はマサツネに向かって駆け出すと同時に、両手の干将・莫耶をそれぞれ弧を描く軌道で投擲する】
【しかし、双剣はマサツネに命中することなく、後方へと外れてしまう――――いや、わざと外したのだ】


先程の様に蒸気の噴出で逃がしたりはしないよ!!


「悪滅惨式

 
 ――――飛 燕 連 斬 !!」


【続けて狂死郎はマサツネの懐へと距離を詰めながら、被っていたカンカン帽を脱ぎ取って】
【その中から“新たな”干将・莫耶を取り出すと、そのまま先程と全く同じ軌道で、マサツネの腹を切り裂こうとする】
【――――先程とは違うのは、マサツネの背後から“新たな”干将・莫耶に吸い寄せられるように投擲した干将・莫耶が迫っていること】
【……そして、さらに付け加えるとするならば、マサツネの斜め上方から一筋の弓矢が腹部を狙い迫っている】
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 23:38:39.03 ID:ABiejdd7o
>>815
【ソニアの思惑が外れたのも無理はない。彼女が泣き叫ぶのは、単純に彼女の性質によるもので、戦闘には無関係だ】
【しかし、常に泣き叫ぶその姿から、それを想像するのは困難だろう。キノコを生み出すのは、彼女の身体から発生する、黒い靄のほうだ】

【やがて、蜘蛛足の鉄製義足と、胸から上以外の身体が、キノコの底に沈む】
【確かに異常な光景だ。しかし、ソニアの脳裏に浮かぶ、彼の姿には及ぶまい。だが、そこに思いを巡らせられるほど、まともな神経をネグティーは持っていない】

『ボロボロのおにーさん!? なんだっていうのよ!! あたしよりひどい状態の人がいるからって、なんなの!!』
『あたしの苦しみは、それじゃ癒えない!! この足で何ができるっていうのよ!! それに、あたしが殺してきた人たちには、何か出来たっていうの!!?』

【ソニアの言葉に、黒い涙を跳び散らかして叫び返す。その温かでしかし厳しい彼女の言葉に、そこまでも平行線を辿るネグティーの身勝手な思考】
【そうしている間も、ネグティーの困惑は解けず。華奢なれど、確かな意思が、柔らかくも気高い姿が、昼の国の空を彩る】
【真っ直ぐで清らかなソニアの道筋と、ドス黒くねじ曲がったネグティーの道筋が、交錯する】

『あなただって、あたしが殺した人たちだって、あたしの苦しさなんて知らないでしょう!! 何が違うっていうの!!』

【ネグティーの叫びを、足元から吹きあがる火柱が掻き消す。キノコがその悲鳴ごと飲み込まれていく】
【足元を見れば、鏡の羽根。あの羽ばたきすら、勝利への伏線だったとは】
【自分たちが放った炎に、自分が捕われる。まさに因果応報。ネグティーが再び顔を上げると、そこには】

『……うあああああああああああああああああああああああ!!! いじめないでよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』

【上空7m、流れ落ちる鮮血すら、その麗しを引きたてる。ソニアの握る銃の先が、ネグティーを睨む】
【それに対して、ネグティーのいく度目かの叫び。彼女の身体に残っていたキノコが収束し】
【巨大なキノコとなって、上空へと伸びていった】

ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

【主そっくりの声を上げながら、キノコが伸びあがる。上空のソニアに向かって】
【大きな悲鳴はそのまま精神を乱す音波となり。その巨大さは、ただ伸びて相手のぶち当たるだけで打撃となる】

【巨大人面キノコの下方からの頭突き。伸びるスピードは対して速くない】
【これをどうにかできれば、ネグティーはもはや的となるだろう。キノコはネグティーを覆う盾とはなれていない】
【蜘蛛足の姿は、ソニアに未だ補足されているはずだ】
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 23:40:34.05 ID:VWb+sAvuo
>>816
(……っぶね……あの巨体……当たれば潰されかねねーぞ……)

杖での殴打は、結果的に成功した―――まぁ、「Heating」の効果はやはり装甲に無効化されたのだろうが。
だが、『サン・オブ・ベビー』の巨体が自分に直撃した時のことを考えると、ゾクリと、悪寒が駆けまわる。

もしもオールドベビーがこの戦術を使い続けるというのならば、その危険に常時晒されていることになる。
そう思うとライラにはそのイメージがいつまでも頭に残り続け、いやに頭の回転を遅くするのだった。

「グッ……くっそ、バカみてーに奇声上げやがって――――――……ぅぐぁっ!?」

果たしてそれは、そのイメージの所為で遅められた頭の回転のせいなのか、
それとも、『サン・オブ・ベビー』とオールドベビー、2人からいっぺんに聞こえてきた奇声の所為なのか、それともどちらもか。

どちらにしろライラは、オールドベビーの触手による殴打に遅れ、対応しきれない。
つまりそれは、肩やら腹やらをめ一杯殴られ、ふっとばされるということであって。勿論、ライラにはそれを防ぐ術など無かった。


「……っは……! あの巨体を持ち上げるだけの、パワーか……ッ!

 ……ッ、  W  2  S  1  ! !   I c e   S p e a r  ! !」


ゴロゴロと吹っ飛んで、ようやく止まってもライラに休む事など許されない。幸いなのは、触手の殴打で気が飛ばされていないことか。
しかしまだ殴られた部位が痛むのか、立膝の体勢になって鋭い視線を再び2人へと据え、またも紡ぐ呪文。

今度はグニグニと形を変える水のような液体が2つ、ライラの頭上に出現する。
その液体はみるみるうちに細長く、先端が細い槍のような形となり、一陣風が吹いたかと思うと瞬間的に凍りついた。大きさにして、全長150cmほどだろうか。
更にそれらは、風の魔力の効果かそれなりに早く一直線に『サン・オブ・ベビー』、オールドベビーへと突進していく。先端は鋭く尖り、氷といえども当たれば装甲にも傷はつくだろう。
欠点といえば、その動きが直線的なことだが―――そのスピードで上手く補っている。
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 23:52:04.40 ID:EA5voQqxo
>>800

【リベルの袖が、腕が綺麗なまでに傷ついて、パッと赤い華が咲く】
【それを見てニィとベイゼは嗤ったが――束の間の後、反撃の鞭が唸りを上げ】
【片手に大鎌、一方に鎖鎌という不安定な状態でそれを受けられるわけもなく――】

――――ッッッ〜〜!!!ク、ヲぉお……!!

格闘系で来るかと思えば、成程……!色は2つ≠セったよなァ……!!
流石にキくぜ、肉を削られるってのは…!だがこれなら、クク……ッ!
あァ……お返し≠しないと、だよなァ…、……?

【強烈な破裂音。大鎌の柄で鞭を受け止めたが、鞭とは撓る物である】
【ぐるりと回転するようにして、鞭はベイゼの首筋から右頬を打ち据えて】
【そこに存在する皮膚も肉も、しっかりと奪っていった。じわり、と脂汗が浮かぶ】

【けれども間髪をいれずにベイゼは反撃に動き、鎖鎌を白いイヤリングに戻すと】
【まずは大鎌で手近な死体を突き刺して――それを両腕の膂力で持ち上げ、リベルへと投げつける】

【実に無造作な行動だったが、女性ながらにそのパワーが窺える】
【また、その死体を投げるという行動も攻撃にはなるが――実際は、もう一つ行動がある】
【それは死体を目隠しとして後を追い、寧ろ接近戦を図ろうというものであり】
【気をつければ、その足音などで警戒は出来るはずだが、放置するとあるいはそのまま、接近戦にもつれ込む可能性もあった】

>>802

【赤熱化する「槍」――それを殴り続けるべギーアデンに影響され、拳が灼ける】
【それを感じ取りつつもベイゼは攻撃を止めさせなかった。やがて、鎧が先に悲鳴を上げ】
【両腕の黒鎧が弾けるのと同時にべギーは攻撃を中止し、ふわりと非人間らしく飛び上がりながら後退する】

【――距離は精々3mほどか。顕になった両腕には、包帯で巻かれた上に鎖が絡んだ細腕が在り】
【その鎖を振るって、マインドは「槍」に絡ませようとするだろう。自らの腕の様に、だ】

『――確かに長く受け続ければ油断ならない程の熱量だが、一時ならば問題ない』
『そして受けるのが人ではなく無機物ならば、問題の無さは尚の事』

『マインド・べギーアデン―――私≠フ身を焼くのは容易だろうが、焼きつくすのは不可と知れ』
『そして思い起こせ。ベイゼ・べケンプフェンは……私は、能力を解除していない』
『引き寄せる力を付与する≠フだ――自らが引き寄せるようにも出来る。』

『―――今であれば太陽の様に。近いものほど……例え術者であれ……引力は平等に振りかかる……!』

【それは、あるいは本当にマインドのものなのか。不意にエルフェスは力≠感じるだろう】
【べギーアデンが拳を砕いてまで殴り続けて力の影響を強めた「槍」に発生する、強烈な引力≠】

【例えば侍が持つ刀が引力を持てば、持ち手は折れ、自らの顔を刃で両断する事になるように】
【何かしらの秘密の能力だとか――そういうのが無い限り、次第に強力に、「槍」は近くの物を引き寄せるだろう】
【もし先にマインドが鎖を絡ませることに成功したなら、引力の増大は加速度的に上昇する】

【――陽炎さえ纏うそれが、果たして一瞬の内に冷却されうるのかどうか】
【した所で多大な質量に突っ込むなら無事なのか。その辺りは、流石にベイゼやマインドも予測し得ないが】
【周囲の物言わぬ死体たちは、とにかく最初の一瞬に限り、「槍」に焼かれんとして引きずられ始めていた。】

/遅くなって本当に申し訳有りませんでした、今後二度とこういう事がないように気をつけます……。
/その上でもし宜しければ、継続して頂けると嬉しいです。本当にすみませんでした
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/15(木) 23:53:03.71 ID:zM9Ni7vR0
>>817

【かろりと解けて動いた氷がコップにぶつかる音、微かに場、涼しげにするよな錯覚】
【冷たさをいっぱいに表現するよう。ガラスの表面に結露した水滴を、小さな指先がついと繋げて、落として】

そうなの、初めてのことってね、いっぱいどきどきするけれどね、とーっても……楽しいでしょっ!
いろんなこと知れば知るほどね、また別のね、面白いこと――見つかるからね、だからね、みーんな。大好き!

今日だってね、このお店がおいしいーって知ったらね、シーナお姉ちゃんに会えたでしょっ?
あのお姉さんたちが居なかったら、私たち、きっとお話しなかったよね――

【初めてのこと、新しいこと、大好きなんて。精一杯に笑いながら紡ぐ傍らで、こんこんと小さな音がするなら】
【机の下で足でも揺らしているのだろう、脚と足のぶつかる音だって、気付くのはなんら難しいことでもなくて】
【きゃらきゃらと笑う声も、ただ、呼ばれた店員さんが来れば、少しだけ静かにして――】

……ふぇ、

【――去っていく背中を緩い目線で追いながらまた水を一口含む、コップを置けば、きょとんとした瞳】
【結露の雫を纏うコップがひとりでにつぅ――と動くのを手で制しながら。「私の?」なんてなぞる言葉】

えっとね……、それならね、あのね。……うーんと、……――あ、そうだ!
この前ね、お母さんにね、ご本買ってもらったんだよ、なの! あのね、ご本って言っても、塗り絵でなんだけれど……、
お花とかね、動物さんとかね、いーっぱい! だからね、とっても難しいんだけれど――すごくね、楽しいのなの!

【元々難しく考えるようなのはあまり得意じゃない性質だ、それでもどんなお話がいいのかななんて、少し考える間】
【そのうちに見つけた話題、――眼をきらきらさせながら紡いでいくなら、買ってもらえたこと、ひどく喜ぶように】
【「葉っぱとか、すーっごく細かくてね、大変なんだよ」――なんて言葉が付け足される、うーっと表情を歪めても】
【結局は楽しいなんて答えで落ち着いてしまう前向きかつプラス方面な思考回路、顔にいっぱいいっぱい、映しこんで】

【――そんな風に話が続いていくのだろう、兎さん抱っこしたいとか猫さん抱っこしたとか、横道に逸れても】
【そこからまた別の方向へ伸びていく、たくさんに分岐して育っていく木の枝でも見ているようで】
【数分どころか数時間ぐらい喋り続けていそうな元気具合、――甘味が届くまでぐらいならば、余裕で持つだろう】
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/15(木) 23:59:16.91 ID:ABiejdd7o
>>818
ひっひっひ、それはその通り!! なんせしゃべらねえんですから、嘘も何もありゃしませんわなあぁ!!

【巨大なゴミの腕は、傘を砕くと同時に崩れ落ちる。貴婦人と違い、所詮有象無象の集合だ】
【しかしながら、攻撃の手ごたえはあり。よろめく貴婦人に嘲笑を浴びせようとして――】

いいっ!!? ちょ、あれを食らってまだ動くんですかい!!
ちょ、待――――!!!

【銀器製のブレード。広場の地面に、大きな影が差す。振り下ろされる。狙いはめちゃくちゃでも、その一撃の威力はそれを補って余りある】
【スカーベッジが必死の形相でそこから逃げ出す。だが、先ほどと同じ攻撃でありながら隙のない瓦礫の散弾】
【わかっているのに避けられない。ある意味、至高の恐怖。飛び来る瓦礫にぶち当たり、スカーベッジが宙を舞う】

か……こんちくしょ……

【飛びながら、スカーベッジが最後の抵抗。腕を貴婦人に向ける】
【今度は、先ほどのように大きくはない。貴婦人の隙を狙って撃ちだされる、鉛玉。クズ鉄を凝縮したもの】

【最後っ屁の成果を見る前に、スカーベッジの身体はぼろきれのように、石畳に叩きつけられるだろう】


>>819
「クールだああぁ!!? 私はクールな色男、ってか!! しかも五月蠅い!? 俺を死人どころか蠅扱いか!!」

【腹の傷から流れ落ちる鮮血が、蒸気に巻き込まれて消えていく。怒りは加速し、熱は天井知らずに上昇していく】
【対して、狂死郎のダメージは浅い。彼の“干将・莫耶”の恩恵。マサツネごときの熱がどれほどあろうと無意味だ】

「んだそりゃ、その妙な剣の名前か!! ご大層な銘を付けやがって!! バカにしてんのかあ!!」

【“陰陽”の担い手。魔族の化身。その強大な力。マサツネの力など、及びもつかぬ】
【続いて、駆けだす狂死郎。刀を構えて、マサツネが迎撃姿勢を取る。しかし、放たれたのは投擲】
【マサツネは不意を突かれる。しかし、刀は弧を描いて自身の後ろへ】

「ケッ、なんだなんだ、かっこつけるから外すんだよ!! ざまあみやがれってんだ、この黒づくめやろ……う……?」

【マサツネが見たのは、自身を狙う一筋の弓矢。自身へ迫り来る狂死郎。背後から迫る二本には気付かず】

「このやろ、わけのわからねえ真似しやがってえええええ!!! ぬぐっ……ぎいやああああああああああああああああ!!!!!」


【マサツネの濁った叫びが虚空を裂く。同じ軌道での狂死郎は自身の刀で受け止めた。だが、腹部を狙う弓矢と】
【死角からの“干将・莫耶”からは逃れられなかった。腹部を矢が貫き、背中を二本が切り裂く】

【マサツネは、狂死郎の剣を受けた勢いのまま後方に飛ばされ、地面に転がった】
【まだ息はあるようだが、ダメージは甚大。反撃はないだろう】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2013/08/16(金) 00:03:17.72 ID:sC7mewOao
>>820

【燃え盛る焔の感触、熱は上へ上へと逃げるが故、空を飛び続ける彼女には不利に働く】
【それでも炎を使ったのはきっと――――――知って欲しかった、から】
【火で焼かれる苦しみを、痛みを、少しでも、貴女に】

【言葉が通じるかは分からない、所詮彼女の言葉は表層をなぞるだけかもしれないから】
【それでも、彼女は一葉一葉刻み続ける、それがいつか届く日が来ると信じて】
【生命を奪わない狙撃手は、殺めることのない銃弾を打ち続ける】


……そうだね……ソニアにはね……おねーさんの気持ち、分からないの
でも、おねーさんも、分からないでしょ、ソニアが……おねーさんを邪魔する気持ち
どっちも分からないなら、分からないままで終わったら、悲しすぎる、から


【宵闇が剥げて、その下の黒夜が浮かび上がってくる】
【夜に浮かぶ彼女の白百合のような頬、大きなマリンブルーが貴女の姿を捉える】
【叫ぶ言葉は叩きつける言葉は、彼女に向けられた刃のよう】

【それを彼女は受け止めながら、真っ直ぐに銃口を向けるのだろう】
【片目を閉じたならもう一方の瞳をスコープに落としこむ、右脇で銃底を抱え抱きしめる】
【銃口は斜め下の貴女へと向けられたまま、真っ直ぐに】


誰も……人の心なんて、分からないの、理解することも、できないの
仲良くしたい相手とできなくて、傷つけあってしまう……それも仕方ない、の
……だから自分の声で、伝えなきゃ……助けてって、伝えなきゃ……

それをしないでね、力に逃げるのは……いけないこと――――――だから


【彼女の言葉の理由――――――大切な人でありながら、仲良くすることのできない相手】
【ベイゼの姿を思い浮かべたなら、頭を振って否定しようとしたくなる】
【ソレは彼女の負い目で、それでも、彼女の強く持ち続けていたいことだから】

【巨大なキノコが彼女の眼前へと迫る、回避しようにも距離が足りない】
【視界のほぼ全てはキノコでうめつくされて、その奥の貴女の姿も見ることはできない】
【絶体絶命と言っていいだろう、狙撃手にとって対処する手段はひとつしか無かった】

【手元のRaumKrankheit#゙女の最初で最期の仲間――――――】
【握り締める感触は冷たく、ひんやりとした鉄の味わいがして】
【それが確かな質感であったから、頷く動作に迷いはなかった】


……世界がおねーさんを赦しても、ソニアは赦さないの――――――
いくよ……RaumKrankheit=\―――――!!!


【引き金を引いたはじかれる銃弾が、夜に一つの波を創りだす】
【それはさながら波紋のように夜に確かな漣を浮かべて】
【銃弾が風を切り裂くその軌跡だけが、美しく彩られているのだろう】

【――――――銃弾の軌道は、キノコを貫くことができたなら、その奥の貴女を貫く軌道だ】
【狙いは右肩、殺戮には至らないまでも戦闘続行不可能なダメージを与えることはできるほど、に】
【狙撃手たる彼女にとって、姿が見えずとも、狙撃することは決して容易いことではなかった】

【足元に広がる鏡の羽根、先ほど火をだしたソレが足元で反射してキノコの後ろの貴女の位置を伝えた】
【その際邪魔になるであろうキノコは先ほど焼き尽くした、のだろうか】
【――――――もし失敗したなら、そのままキノコの攻撃を受け墜落するだろう】
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/16(金) 00:07:40.94 ID:n9tSp3ZQ0
>>822

――――言っておくけど、それじゃ一個足りないのよ?
『この子』と『あたしたち』の数は、2つじゃないわよねぇ?

【人格のスイッチ(切り替わり)と、戦法のスイッチ。確かにそれは、ベイゼの意表を突くに効果を発揮したのだろう】
【だが、実際にはベイゼはその底を捉えてはいない。何故ならもう一つ――――『リベル』と『2つの人魂』、つまり『ルヴァ』と『もう1人』が、この肉体にはいるのだから】
【これは、敢えて手札を晒し、相手にその中身について悩ませ、動きを制しようと言う『ルヴァ』の策略だった】
【戦いの中に、こうした駆け引きを混ぜ込んでくる――――ただ喚くだけの『リベル』よりも、よほど場馴れしているのだろう】

っく、なんてパワー……!
女の子がパワータイプの戦い方なんて、しちゃダメよぉ……!

【一撃が決まり、鞭を引き戻す『ルヴァ』だったが、そこにお返しとして放たれるのは、ベイゼからの死体の投擲】
【相応の膂力が無ければできないその攻撃に、先ほどまでの余裕を見せていた『ルヴァ』もわずかに顔を顰める】
【咄嗟に、両手に持っていた鞭を闘気に還元、今度はそれから大きな盾を形成し、両手で飛んでくる死体を受け止めた】

(――――っ、不味った……! これはブラフ、すぐに突っ込んでくるわ……!)
「(おい、ヤベぇだろうが……どうするんだよ!?)」
<(る、ルヴァ……あの鎌で薙ぎ払われたら……っ!)>
(――――何とかしてみせるわよ。あたしも、伊達に戦士じゃないって事、忘れてないかしらぁ、2人とも?)

【だが、その死体は接近の為の布石であった事に、『ルヴァ』は気づく。だとしたら、防御よりも回避がこの場合の最善手であったはずで】
【盾で受け止めたと言うのは、あまり良い結果を生むとは思えない。下策を取ってしまったと微かに舌打ちをして見せる】
【――――だが同時に、いつの間にか盾に隠れたその表情は、挑発的な女の表情になっていて】

(近づいてくるなら、どうぞご自由になさって……あたしからも、抱きしめてあげるわぁ……)

【ニッ――――と、口角がつり上がっていた】

/了解ですー
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/16(金) 00:11:41.05 ID:Fg3pS/8Do
>>821
【オールドベビーの機械触手が、ライラを襲う。一撃。魔法使いの身体の感触が、触手越しにオールドベビーに伝わる】
【中距離戦とかく乱を得意としながら、パワーも持ち合わせる。その脅威が、ライラを撃ったのだ】

【にやりと笑うオールドベビー。転がるライラに、さらに追撃を加えようと迫る】
【『サン・オブ・ベビー』もゆらりと立ち上がり、ママ≠フ元へと走り寄る】


[ホッホッホ、さあとどめでちゅよおおおおおお]

“バブウウウウウウウウウウウウウウウ”

【異形どもの魔の手が、ライラに迫り――しかし、呪文が紡がれる】
【スライムのように蠢く液体、頭上。異形どもが一瞬立ち止まる】

【その形態が変化していき、さらに凍りつき、現れるは氷の槍というべきか】
【一直線に突撃してくるそれに、オールドベビーが対処する。再び触手で『サン・オブ・ベビー』を持ちあげて】
【その背中を槍へと向ける。赤子をあやすかのように抱え上げて。強固な装甲が槍の一撃を防ぐ】

【――そのはずだった】

“!!? オギャアアアアアア!!! 痛イイイイイイイイイイイイイイイ!!!”

[!!!?? あばばばっばばばばばばばばばばば!!!!!]


【そう、先の杖に一撃。それに宿っていた、「Heating」の熱は、装甲を確かに蝕んでいたのだ】
【熱を帯びていたところに、氷の槍。急激な温度変化。『サン・オブ・ベビー』の装甲は、脆くなって、氷の槍に破られた】

【貫かれた『サン・オブ・ベビー』が悲鳴をあげて暴れる。そのまま、その巨体で主たるオールドベビーの元へと倒れ込み】
【ベビーカーが下敷きになった。オールドベビーの叫びを飲み込んで、ベビーカーは横転。車輪が空回りする】

【ベビーカーの機械触手が垂れ下がり、地面に落ちる。『サン・オブ・ベビー』も動かない。もはや、戦闘続行不能】
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 00:11:50.39 ID:Dz7tjKqlo
>>823

『ほほう、母君との仲は良好なようでなによりだな!』
『母君が来るのを渋ったと聞いて少しだけ心配していたのだが』
『どうやら杞憂であったようだ』

【恐らく一番聞きたかったのはそれだったのだろう】
【幼子一人でこんな場所まで来させてしまう保護者に対しての危惧】
【しかし嬉しげに語る少女の姿に、考えすぎであったと思考を改めた】
【子供は正直者だ、日頃から如何なる触れ合いをしているかは顔を見て察しがついた】

【その後も塗り絵の話や日常の話に耳を傾けながら】
【無邪気に語る少女に相槌を打ち、穏やかに時間を流れていった】


【数分後……十分前後程度であろうか】
【話の途中で店員が注文の品を手に席まで訪れる】
【小さな音を立てて二人の前に置かれていく彩り豊かなパフェとミルク】

『おぉー!写真で見るのとは別物のようであるな!!』
『やはり実際目で見たならば同じものでも違って見えるものなのだ!』

【シーナは、それを見ると待ってましたとばかりに嬉しげに口元を歪める】
【そして、手を合わせて小さく頭を下げると】
【スプーンを手に取って、上に乗ったクリームとアイスを少しずつ削ぎとり口に運ぶ】

【モフモフと舌で味わい、ゆっくりと嚥下】
【一拍の余韻の後……】

『く、口の中で溶けていくようなのだ……!』
『これが夢にまで見た"ぱふぇ"の味というものなのか!!』

【身体をぷるぷると震わせて、大袈裟なリアクションを取る】
【どれだけ憧れていたのだろうか】
【一口食べただけで大作映画でも見たかのような感動を表していた】

『の、の、ファラエナの"ぱふぇ"も私に一口くれないか?』
『私のものも分けてやるのでな!頼むのだ!』

【シーナはファラエナのパフェに視線をやりながらそう懇願する】
【大人ぶった口調もどこへやら、玩具をねだる童女のような反応であった】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 00:12:04.66 ID:KLLmK+2oo
>>824

【崩れ掛けた貴婦人に、スカーベッジの放った鉛玉がとどめを刺し】
【雪崩のような轟音を立てて瓦礫の体が崩れていく】
【大破した上半身、内部にもかなりのダメージが入ったのは明らかだった】

――……

【赤い燐光がふつりと消え――数秒の後、】
【瓦礫の中心で燃え残りのように光る赤があった】
【重たい天板などが浮き上がって、中からぬうと黒服の手が伸びる】

か、……っ、く……

【主に右頭部から青い血液をべちゃらと流した体が、徐々に瓦礫から這い上がって来る】
【頸が曲がり、逆方向へと腰骨が曲がっていた。それでなお這うように動く体は】
【およそ生きた人間とは違う。裂けた部分から一層強く腐臭が漂い出す】

止め……、此処で、俺が、……俺達、が、

【左半身が麻痺したか、右手右足のみでのろりと前進していた体だったが】
【立てた肘がぐねりと曲がるべきでない方向へ曲がり、ぐしゃりと地にうつ伏せに】

……ぐ、――

【微かな譫言を残し、悦那は全ての動きを止めた】
【これ以上の戦闘は見込めない――敗北、であった】
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/16(金) 00:24:15.60 ID:iShHrU3n0
>>824

脳味噌筋肉野郎は罠に掛けるに限る――――ってね!!

【マサツネの虚を衝いて勝負を決めた狂死郎は、不敵な笑みをその顔に浮かべ】
【手にした“干将・莫耶”を格好つけて振り回し、奇妙な決めポーズをやってしまった】
【――――そんな狂死郎の様子を冷ややかに見つめる者が一人、何を隠そう魔弾の射手】

「随分と楽しそうだな、マスター。その様子だと私の助力も必要ではなかったか?」

【皮肉めいた言葉を送る声の正体は、狂死郎が振り返った直ぐ目の前にある建物の屋上に居る青年】
【その端整な顔立から覗かせる尖った耳――――俗に言う“エルフ耳”から人間とはまた違った種族であることが分かるだろう】
【彼は緑の脚絆と緑の軽装鎧の上から緑のマントを羽織った金髪碧眼の男で、どことなくニヒリストな印象を受ける】

エーミール!!よくも抜けぬけと……後で君の昆虫標本を全部押しつぶす!!全部!!全部!!全部だ!!

「そう怒るなマスター。私の方も機関員の襲撃で大変だったのだ。これでも全速力で駆けつけて来たんだぞ?
 ――――ところで、その男はどうする?麻痺矢でも打ち込んでから拘束して、自警団に突き出すのか?」

【出向先から中々戻ってこなかったにも関わらず、おいしい所を持っていったエーミールに怒りをぶつける狂死郎】
【対してエーミールはのらりくらりと受け流しては、仕留めた男の処遇について説き、怒りの矛先を逸らせた】

……そうだね。でもこれ以上痛めつけると死んでしまいそうだし……茨できつく拘束しておいてくれ

「了解した、マスター。“森の茂みよ――――我に恵みを”」

【まんまとエーミールの策に嵌ったか、それとも元々大して怒っては居なかったのか、狂死郎はあっさりと矛を収め】
【命令通りにエーミールは建物の屋根へと手を付いて、森の精霊へと語りかける】
【するとマサツネが横たわる地面から無数の茨が生え、そのまま雁字搦めに拘束しようとするだろう】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 00:31:57.28 ID:NqT4zU0c0
>>828

【――けれど、本当にそうなのだろうか。母親との仲、本当は、どんなかたちなのだろう】
【こんな夜に出歩かせている。紡いでいく内容に、母親は滅多に関わってこない。関わったとして、ほんの僅か】
【どこかに一緒に行ったなどという話がない。遊んでもらったという話がない。“1人でお散歩してて楽しいことを見つけた”話ばかり】

【それで居てお母さん大好きなのという風にいっぱいいっぱい表すなら、その感情ばかりは本当なのだろう】
【元よりどうやらプラスにひどく偏った思考の持ち主のようだし――それもまた、或いは歪みと呼べるのだろうけれど】
【母子仲は良好かはともかくとして最悪ではないと、それは通じるだろうか。ああ、そういえば父親の話が微塵もない】
【いろいろと紡いでいくのは楽しそうで、嬉しそうで、けれどまともではない環境の輪郭を、少しずつ、なぞっていくよう】

【――そんなお話もパフェが来れば終わってしまう、ならば、探って潜り込んでいく日は、きっと今日じゃない】


【大人よりもずっと小さい体で合わない机と椅子を使っている、今。どうしても合わない高さは、パフェを余計に聳えさせて】
【「わあ」なんて吐息交じりの声を零すのだろう。おっきいのもそうだけれど――とっても、とっても、おいしそうで】

……いただきまーす!

【パフェ用の柄の長いスプーンを手にとって。元気に唱えれば、くるり巻いたチョコレートクリームの先端が抉られる】
【ぱくとチョコレート味を含めばふわっと広がる甘さと、チョコレートのかすかな苦味と、――瞳を細めて】

わあ、おいしい――。 ――食べていいよー、なの!
あ、でもでも、あのね、あのね、イチゴとサクランボは食べちゃ駄目だよって……。

【頬を押さえながらに言ってみるのが少しだけ気取った風。けれど、浮かべるのは子供めいた色で】
【シーナのあだるとなメッキが剥がれたのだって気にしない、パフェを押すようにしてそちらに差し出すけれど】
【イチゴとサクランボだけは駄目なのなんて――そんな言葉、ひどく一生懸命に紡ぐのだろう】

【――全体的に甘さ控えめなのは、全部食べたってあんまりクドかったという印象を残さないぐらい】
【そんなチョコレート色を赤く甘酸っぱく彩るのがベリーのソース、見た目にも味にも、ぱっとした彩りを添えて】
【瑞々しいフルーツが添えられたり、薄いチョコレートの飾りが刺さっていたり、丸いアイスクリームのある賑やかな天辺を】
【掘り進んでいけばさくさくのフレークとちゃっかりコーヒーのゼリーが混ざっていたりするけれど】
【いろいろな歯ごたえと味と、それでいてしっかりチョコレートしている出来上がり、チョコレートが好きなら、きっとおいしくって】

【そんなパフェのどこかを掬って食べたなら。こちらからもそっと手を伸ばすのだろう】
【クリームやアイスをちょいと削るようにしてもらっていくだろうか、――口に含めば、おいしいと笑うはずで】
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 00:34:23.43 ID:FWu99Nbfo
>>822

(――――――馬鹿め)

【一瞬の歓喜は鎧の砕けた音の後、しかしそれは愚者の物と相違ない】
【盲目的なまでの執着はただ突き進むのみ、暴力を扱う者がそれに足るならば問題などなかろうに】
【力とは即ち絶対的な物でありならばそれに鎖を纏わせ扱う者は超越者でなければならない】

【結論から言えば……エルフェスは、ただの欠陥品に過ぎない】

鎖程度で、止まると思ってんのかよ――――――――っ!?

【それを思い出させるのは彼の者の「引き寄せる力」絡まる鎖はより強く】
【「槍」の質量は巨大であり、なればその引力は比類なきものになるか】
【始めは辺りの瓦礫から寄せられて躯体に触れて砕けて、そこで漸くエルフェスは気が付く】

【これは手詰まりだ、と】

―――――な、く……重い?……いや違う、これは……!?

【寄せられぬようにと足を踏ん張ろうとも足りない】
【渦巻く赤熱と引力を携えた「槍」は今、主である自分を刈り取ろうと牙を立てる】
【枯れ枝のようにさえ感じる腕を何とか伸ばし「槍」から遠ざけようと、左手を離し右手で逸らす】
【「ぴしり」と鳴る音は、崩壊の音だった――――――――】

……じょ、冗談じゃな……い……自滅なんて……笑えない――――――――!?

【寄る死体、或いはあれこそが自分の末路か】
【死を前にして我を取り戻す、そしてそれは遅く崩壊はもう足元に……そして不意に砕けた】

【先程のガラスの割れるような音ではない、例えるならば複雑な機械が重圧に耐え兼ねて内部破壊したようなそれ】
【――――――――柄を持つエルフェスの右手は力に敗れ無残な姿に捩れていた、もはや「槍」を持つことは叶わない】
【というよりもその右腕は、義手であった右腕は完全に機能不全を起こしただダランと垂れ下がるだけ】

――――――っ、くっそ……!!

【同時に「槍」は地面に落ちて、力を持て余すように一度だけガタガタと揺れて不意に沈静化する】
【術者なき力は力を奮うこと叶わない、手から離れた時点でエンジンは止まる……無論引き寄せる力は継続するのだろうが】
【エルフェスは地面に伏せて全身を使い引力に抗っている、この期に及んでまだ諦めない姿駄犬と呼ぶに相応しく】

【しかし忘れるなかれ、追い詰められた時こそ野犬の牙は尚鋭く尖る】
【彼に残された武器は一つ、ナイフの……9つの内の最後の1つだけ、それが腰元で小さく輝いて……】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 00:39:57.77 ID:ZXqcrCU9o
>>827

「……ッ、ぐぅっ……!!」

氷の槍を放つ前から、ライラは自力ではロクに立ち上がれないということを悟っていた。
脚こそあの触手にぶん殴られていないため傷一つ付いていないが、胴体に貰ったダメージは相当なものだったようで。
立ち上がろうとして、体中に響く鋭い痛みに思わず顔を歪ませる。
どうやら、骨の一本二本をあの触手に持って行かれたようだ。

(くそ……ッ! あのデカブツマインド……、防御も出来るのかよ――――――ッ!?)

自分がこうなっている以上、この攻撃を防がれるとなれば万事休すであった。
相手は自在に動き回る触手ベビーカーと、それに投げられる巨体のマインド。潰されるのは御免被りたい。
……と、そう思っていたライラの目に意外な光景が写った。氷の槍が、『サン・オブ・ベビー』を貫く、そんな光景。
―――実際、「Ice Spear」の先端はある程度鋭かった。でも、こんな容易く……あぁ、効いていたのだ。先ほどの、熱化魔法が。

「へへ……やっぱ、以外なモンでも役に立つ時は有るんだな―――ざまーみろ、頭チェンジ親子が」

魔力を掛け合わせない単体魔法の重要性。それを実感したところで、ライラは2人に向けてそんな軽口を叩く。

さて、この2人はもう動けないようだがどうしようかと考えたところで、拘束してしまおうと思いつくライラ。
炎など拘束にはならないし、氷も溶けてなくなってしまう。それならば、この地中の植物に頼めばいい。火災現場とはいえ、地中の彼らは根強く残っているだろう。


「  F  1  E  2   P l a n t   B i n d  ! ! 」


残っていた赤い発光と、新たに点灯した黄色のブレスレットの光が同時に消えれば、即座に地中から、植物の根が異常に発達して地上へと伸びてくる。
そのまま2人が動かないならば、植物の根は瞬く間に彼らを縛り付けてしまうだろう。それこそ、解けないほどに。
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 00:47:14.82 ID:YGsYhJMYo
>>826

【死体を立てで受けたなら、やがて直ぐにベイゼの姿が見えるだろう】
【力強く地面を踏み切った彼女は、拳を振りかぶりながら突っ込んでくるのだ】

【――けれども、その拳は所々痛々しい程に火傷していて、全身も両手足からの流血が在り】
【もし戦場全体が見渡せるなら、それがマインドによる影響だと気づけるだろうが――まあ、良し】
【とにかく彼女は突っ込んでくる。振りかぶるのは右腕で、鎌はいつの間にかイヤリングに戻っていた】

(あの人魂みたいな物……あれが奴の人格と、恐らくは戦法に関わってやがるな)
(となると、能力ってよりは道具なんかで闘うタイプに属するが……そんなもんはどうでも良い)
(大事なのは、連中を全員まとめてぶん殴るって事ただひとつだからなァ――!)

行くぜェ、オイ……!オラァァアアアアアアアアアアア――!!!!

【そしてもう一つ。もう1つだけ、その拳には変化がある!それは黒い何か≠纏っていることだった】
【マインドの鎧のようにも見えたし、闇の魔力を拳にまとわせているようにも見える――正解は、後者だ】

【――やがて、自由落下と慣性に身を任せた突撃で、ベイゼは右の拳を相手に向かって全力で振りぬかんとする】
【意外や意外、策も何も無いパワフルかつ明快な一撃だ。ただし、当たれば怖いのは言うまでもない】
【拳にまとわせた闇の魔力は大鎌のそれ――あのサイズを拳に、となると、密度は相当なものであり】
【仮にかすっただけでもボカン≠セ。間欠泉が吹き上がるように、魔力は爆発のごとく弾ける事となるだろう】

>>832

【マインドは冷静に事の次第を見つめていた。やったことといえばそれと、鎖を通して引力を増大させること】
【自分の能力だからこそ、その影響を受けずにやり過ごすことは容易。故に、動きがなかった】

【けれども「槍」が動きを止めたなら。彼がその義手を完全にロストしたのなら】
【べギーアデンは鎖を引き、僅かに胸を後ろに引いたような独特の姿勢で腕を組む】
【女性的だが攻撃は男性のように鮮烈だ。まるで外見と内面の差が激しいベイゼ本人の方であって】

『太陽に近付き過ぎた者はその翼を焼かれるものだ。憧れ様が利用しようが、結果は同じ事』
『自らの武具で、術だったとはいえ、過信はよくないと身に沁みたのじゃないか?』

『――さあ、引力は解除したぞ。そのまま続ければ、あるいはお前を圧潰することも出来たろうが』
『残念ながらそこまでの残虐性と勝利への拘りが、ベイゼ・べケンプフェンにはない』
『中途半端な生物兵器だからな……。…、……未だ武器が、或いは闘争の意志が、残っているんだろう――?』

【耳鳴りのように気に障る引力が消え去った今、エルフェスは自由意志で動くことが出来る筈だ】
【それを知ってか知らずか、或いは相手の意志など気にする気もないのか――マインドは動く】

【ゆらり。一歩また一歩と進んでいき、焼けた包帯と鎖を纏いながら、近距離の位置】
【マインドに目があるのかは分からないが――まさか、これだけ戦闘に集中していて腰元の輝きに気付かないはずもない】
【それでいて何もせずに待っているのは、まるで先手を譲るかのよう。立っているだけで、それがべギーの構え≠セった。】
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 00:50:47.33 ID:Dz7tjKqlo
>>831

【今はまだ、シーナはファラエナの歪さに気付くことはない】
【シチュエーションの問題で浮かれているのか、判断能力は鈍り】
【よくよく聞いたならば捉えることが出来たであろう違和を見逃していた】

【"ソレ"について語らう時は今ではない】
【彼女の問題に足を踏み入れることになるのかは……未だ神のみぞ知るである】


『大丈夫だ!私も子供ではない、分別を弁えたお姉さんなのだからな!』
『妹の大事な甘味を貪るような醜態は晒しはしないのだ!』

【そう写した文字はきっと、自制するためのもの】
【微かに宿った肉食動物のような気配を言葉と共に沈めると】
【ソースの掛かった冷たいアイスと】
【チョコレートの端を小さく折ってスプーンに載せて口に運んだ】

『ほぅ……こうして食べる"ちょこれいと"はまた趣が違うものだ!』
『うぅむ、同じ"ぱふぇ"と呼ぶものでもこうも違いがあるとはな』

『今後は研究と実践を重ね、更に甘味を探求していかなくてはならんな』

【もきゅもきゅと幸せそうに口を動かしながら、真面目ぶった文字を表示させる】
【食べながらでも問題なく喋ることが出来るのが、この形式の一つの利点であろうか】

【シーナは、ファラエナがやったように自分のパフェを相手側にそっと動かし】
【その後、少しだけ名残惜しそうにしながらもチョコレートパフェも彼女の方へと返す】

【顔こそ見えづらいが、シーナもまた浮かべているのは笑顔であろう】
【"妹"との触れ合いをこの少女は心から楽しんでいるようであった】


【……十数分もすれば、この穏やかな食事も終わりを告げることになるだろうか】
【楽しい間ほど、早く通り過ぎていくものである】
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/16(金) 01:05:36.60 ID:Fg3pS/8Do
>>825
【巻きあがる炎と熱が、ソニアとネグティーを責め苛む】
【身を持って知ったのだ。炎にまかれる痛みと苦しみ。ネグティーの身体を、火傷が蝕む】

【表層をなぞるだけかもしれない、しかしその言葉はまばゆいばかりに清い】

『わからないわよ!! わかるはずないじゃない!! 分からないままで終わる以外に、どう出来るのよ!!』


【どこまでも、ただ喚くばかり。ソニアの清らかさには、あまりに不釣り合い】
【叩きつけられるソニアの声もまた、ネグティーの穢れた精神を切り裂いた】

【それに関わらず、銃口はただ獲物を狙う。それだけが、RaumKrankheit≠フ使命なのだろう】
【それでいて、その弾丸は不殺。ゆえに、強い】

『……助けて、って伝えても……誰が助けてくれるのよ……? あたしたちが殺してきた人たちを助けた人はいなかったわ……』
『泣いて助けを請うあたしを、助けてくれた人もいなかったの……力に逃げないでいるなんて、無理よ……無理よお……』


【ソニアの脳裏を掠める彼女の姿は、ネグティーには知る由もなく】
【ただ、己の放ったキノコが、ソニアの姿を隠すのを認識した】

『ほら、見なさいよ!! 貴女を助けてきれる人なんて、誰も――!!?』


【仕留めた。そう思ったのだろう。間違いだった。ソニアの強さは、ネグティーにどうにか出来る程度のものではなかった】
【引き金が、引き絞られる。轟音が、陽光を引き裂く。風を裂いて飛ぶ銃弾の軌跡】

【もはや悲鳴も発せられず、巨大キノコが撃ち抜かれた。人面キノコごときが、彼女の強い意思を抱いた銃弾を留め得るはずもなく】
【ソニアの一撃は、狙い違わずネグティーの右肩を貫いた。鮮血。ネグティーの表情が凍りつく】
【鏡の羽根がターゲットを映し出した。最初から最後まで、ネグティーはソニアの能力のうちにいたのだ】


『あっ……あうう……痛いぃ……痛いよお……』

【ネグティーの身体が崩折れる。蜘蛛足の鉄製義足がすさまじい音を立てながら、主の身を石畳に投げ出す】
【倒れうめくその姿に、もはや繊維は感じられない】


>>829
か……かはっ……
ひ、ひひっ……いてえ……ちきしょお……

【崩れ落ちる貴婦人を前に、スカーベッジも、もはや動けない】
【最後っ屁は確かに功を奏したが、所詮は最後っ屁。これ以上は望めない】

【腐臭を放ちつつ、這う彼の姿に言葉を吐く力すらなく。彼のように前身すら出来ず】
【スカーベッジもまた、動きを止めた。この戦いに、そこに立つ勝者の姿はなかった】


>>830
「げ、が……脳味噌筋肉たあ、なんだ……この……」

【減らず口だけは、変わらず。しかし、勝負はあった。彼の奇妙な決めポーズに、放たれる罵声も、もはやない】
【さらに現れる、もう一人。魔弾の射手。“エルフ耳”の青年と、狂死郎のやりとりを聞くしかできない】

【いつものことなのだろうか、そこか洗練された喧嘩のような言葉の応酬は途切れ、マサツネに矛先が向く】
【無数の茨の前になすすべなく、マサツネは縛りあげられる。名実ともに、行動不能】


>>833
【ライラの言葉に、返る寄声はなかった。急速に育った植物の根にからめとられるばかり】
【彼の見事な魔法の融合技。異形の親子では、届かなかった】

【ベビーカーもマインドもいっしょくたに、根の拘束のうちに捕われて。決着は、ついた】
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 01:06:43.43 ID:cj/fTilwo
【路地裏】

「やれ!そこだ!右ストレート!」
『能力者の小娘なんぞやっちまえ!』

【少し騒がしく、男達とわずかな女の声の響く一角】
【男達の厚い壁を抜けたそこでは、小規模なストリートファイトが繰り広げられていた】
【現在の対戦カードは普段連勝している筋骨隆々の大男と、突如現れ連勝をしている少女だ】

【少女は黒いロングヘアで、首元に小さい金の鈴のついた赤いリボンを巻いている】
【白いワンピースに灰色のストールという季節感のあるようなないような、微妙な服装だ】

ほら、ちゃんと当てないと私を倒して賞金は……
って話してる途中でダウンしないでくださいよ、一人で話す痛い人みたいじゃないですか
まあ、いいです、他に挑戦者の方が居ないなら私は賞金貰って帰りますよー?

【男の足元から首に近いところまで触手のようなもので締め付けられ、呻いていた】
【動けないわけではないのか、そのまま少女に殴りかかるが少女に避けられる、そんな状態が続いていた】
【しかしそれも長くは続かず男が気絶し、触手は解かれた】

【少女は男が気絶するまで何かを言っていたが、気絶とほぼ同時に少し不機嫌そうに口元を歪ませた】
【しかしそれも数瞬のことで、すぐに周囲の人間へと次の要件を告げた】
【ここに訪れたなら、試合終わりの少女に何か話しかけるも、少女に挑戦するも自由なことだ】
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/16(金) 01:06:43.83 ID:Fg3pS/8Do
【異形たちが倒れ伏す広場に、新たに響く音。大型車の走行音だった】
【それは、ゴルドー邸の門を突き破って、広場に乱入し、停車した】

【運転席に座っているのは、薄汚れた灰色の作業服の上に黒いラバー地のエプロンをした大男だ】
【生気がなく動かない、黒い瞳の両眼の代わりに、額に埋まった巨大な一つ目がフロントガラス越しに広場の面々を睥睨する】

【助手席に座っている初老の男は、雇われた者たちなら見覚えがあるだろう、昼の国の資産家デズモンド・ゴルドーだ】
【高級そうなスーツに縄を打たれて拘束されている彼は、最初の時の、余裕を保った柔和な表情は消え、恐怖におびえ切っていた】


【一つ目の大男が車を降り、助手席からゴルドーを引きずり出す。そのまま、広場へと歩いてくる】

【その後ろから、さらに二人。人影が歩いてくる】


【一人目は、筋骨隆々の男性だった。分厚い肉体を包むのは、黒いタンクトップと青みがかったニッカボッカ。足には黒い安全靴】
【頭には『安全第一』と表記された、黄色い工事現場用ヘルメットを被り、溶接作業用のマスクを装着して顔を隠している】

【異様なのはタンクトップから伸びる両腕。一目で金属製の義手と分かる、大きく武骨なデザインの両腕。いや、腕の形をした鉄塊というべきか】
【ところどころに錆色も含む二本の義手は、男の体躯と比べても人間離れした太さと長さだ】
【武骨な両の義手が握るのは、両端が尖ったツルハシ。これが男の武器らしい】

[ウィーン……ガシャン、ガシャン……本機ハ、正常ニ起動、シマシタ]

【抑揚のない機械的な声が、溶接マスクの奥から漏れる。動きもぎこちなく、筋肉質な肉体が不格好に揺れる】
【人の体を持ったロボット、とでも言うべきか。溶接マスクの目の部分、細長い覗き窓から見えるくすんだ鉛色の瞳は恐ろしく無機質だ】


【もう一人は、傍らに騎士の甲冑のような鎧を纏った大きな犬を伴った、小柄で幼い少女だった。歩くたびに、縦ロールにされた長い金髪が揺れる】
【年のころは、まだ10代前半だろう。あどけなさを残す顔立ち。『スクラップズ』の他のものとは、似ても似つかない】

【しかし、やはり彼女も彼らの一人であるのだ。至る所に黒いベルトが取り付けられた白い拘束具。そして、その両眼と両耳】
【両眼は黒い糸によって縫い閉じられており、両耳にはヘッドホンのようなものが装着されている。視覚と聴覚が塞がれているのだ】

【首に巻かれたチョーカーには、カメラが付いていた。これが、彼女の眼と耳らしい】
【傍らの犬が、広場の正義の使徒たちを、威嚇するように唸る。その姿から、これもマインドらしいとわかるだろう】

【自身のマインドをなだめながら、少女が広場に立つ】

ああ、かわいそうに……みんなやられちゃったのね。でも大丈夫よ。ほら、ボスが来たわ


【少女の言葉と共に、一つ目の大男がゴム長靴で踏み出す。ソニアとライラには見覚えはあるはず】
【しかし、二人が出会った時とは面相が違うだろう。一つ目と黒い両耳、親指。以前にもまして異様な姿になっている】
【広場をゆっくりと見回して、大男が顔をしかめる。倒れ伏す、手下どもの姿。そして、正義の使徒】


……手ひどくやられたな、スカーベッジ。だが時間稼ぎは果たした。よくやったぞ
ゴルドーの隠し財産は、すでにデュアルたちが運び出している

【そういうと、大男は右手に掴んでいたゴルドーを広場へと投げ出した。無様に転がり、必死に地面を這うゴルドー】
【大男から離れると、声を限りに喚き始める】


/続きます
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 01:07:47.02 ID:FWu99Nbfo
>>834

…………ち

【どうしようもなく耳に痛い言葉、しかしそれは真であるからこそ】
【そうだ自分は道具に扱われていた、かつて同じような事があったというのにこのザマはなんだ】
【怒りは静かに、身を蝕むように溢れて】

(……学習能力無しの大馬鹿かオレは、情けなくて涙も出ないっ)

【焦がす想いに苛まれる、己を呪うように雑念は絶えない】
【右腕は恐らく動かない「槍」も暫くは戻らないだろう、戦えもしない……そう思った矢先】

(バカ言え……もう打つ手なんて――――――――)

【敵から零れたその言葉に、我を見つめなおす】
【完全に諦めているならば何故この身体は立ち上がろうとしているのか何故その左手はナイフに手を伸ばしているのか】
【そして、尚も自分の瞳は敵を見つめているのか……】

……っ、……まだ立てる……か

【金属の冷たい感触が掌に伝わり、覚める】
【気がつけば自分は立っていたそれどころか構えていた】
【右腕が垂れ下がっただらしない構え、どこぞの剣士が見たら笑うだろうか】

【それも悪くはないだろう、足掻くのであれば惨めであるのは当たり前だ】
【称賛されずとも構わない元よりそんな物を求めていない、全ては自分である為に自分はここにいるのではないか】
【左手の力は強く、その切先を示す……敵】

ふん……感謝くらいはしてやるよ、敵
目が覚めたというか……単純なでも一番大事なことを忘れてた……挽回だ、いくぜ―――――――

【無愛想の言葉、後に変わる呼吸を短く】
【意識を鋭く刀の刃のように作り替える、踏み込むのは一瞬】

【疾風の如く、帯を引く白と銀は数える間もなく敵前へ……しかしその直前にエルフェスは跳ぶ】
【頭上を飛び越えるように相手を背後を取る為の跳躍に淀みはなく流麗、着地の直前に首筋無いし頭部に向けて右から左の一閃】
【刀身の短いナイフでは急所を狙わねば致命を与えられない、その動作の成否にかかわらず着地出来たならば一?引き】
【左足で体重をぐいと抑えて再度マインドへと突っ込む準備をするだろう】
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/16(金) 01:10:23.31 ID:Fg3pS/8Do
>>ALL
「ハ、ハ、ハルズマン!!! この死に損ないめがあ!! 今更、復讐にでも来たと言うのか!!」
「お、お前たち、わしの、わしの財産を取り返せ!! 屋敷の地下の密輸トンネルが襲われたのだ、早くせねば全て奪われてしまう!!!」

【恥も外聞もなく、ゴルドーが正義たちに向かって叫ぶ。大男はそれを見下ろし、醜悪な笑みを浮かべた】

ゴルドーさん、まだおわかりでないのですか? あなたはもうおしまいですよ
まさか、“D.R.U.G.S.”の眼すら盗んで、あれほどの財産を隠し持っていたとは……私も驚かされました
私を自警団に売り渡した時に比べて、ずいぶんと豪気になられたものです

それに復讐などと人聞きの悪い。あなたにはむしろ感謝すらしています。こんな形で、恩を仇で返してしまうのは、心苦しいのですよ
貴方の財産は有効に活用させていただきますよ


【言葉も出ずに、口をぱくつかせているゴルドーから視線を切り、大男は正義へと向き直る】


さて、久しい顔もいるが、挨拶しておこう
私が今回の首謀者、盗賊団『スクラップズ』首領、カノッサ機関構成員、カニバディールだ

しかし、ずいぶんとやってくれたものだな……私のかわいい手下たちが台無しだ
いずれ、借りは返すぞ

【一つ目で正義の使徒らを睥睨し、ソニアとライラのところでそれぞれ止めて。にやりと笑う】

ライラにソニア。久しいな。旧交を温めたいところだが、状況が状況だ。いずれまた会う機会もあるだろう
残りの三人も、顔は覚えたぞ

では、我らは撤退させてもらう。ベティー、オートマーダー、やつらを回収しろ

[ガシャン、ガシャン……]

ハーイ!!!


……ブレインデッド!!

“り、り、了解した”


【カニバディールの合図で、いつの間にか現れた生首、ブレインデッドが浮き上がる】
【広場の上で、ブレインデッドが何かを放り出す。筒状の物体。グランツを破壊せしめた、爆弾『RB-コバルト・ボマー』】

【広場の上空で破裂。轟音。青い閃光。それらが広場を照らし出して――おさまった頃には、『スクラップズ』は全員が消えていた】


【異形の盗賊団は去った。彼らは見事に脅威を撃退したのだ――】


【ゴルドー邸広場前の戦い――勝者・ソニア&悦那&玉藻狂死郎&ライラ=フェルンストレーム】


/VS主催はこれにて終了とさせていただきます!!
/参加者の皆さま、本当にありがとうございました!!
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 01:10:26.01 ID:NqT4zU0c0
>>835

ぜーったいだよ、なの! 約束なんだからね!

【――なんて。眉を吊り上げて言うのなら、イチゴとサクランボ、よっぽど大事であるらしい】
【そんな風に言う以上はこちらだって一品ものの重さを分かっている、貰っていくのはクリームやアイスなどばかり】
【「今度来たらこれ食べようかな」なんて風に紡いでみるのは、そのまま気に入ったの意味でいいのだろう】

そうなの、パフェってね、いろいろ入れるからね、みーんな、違うんだよ!
お店によってもね、違うからね、いろんなところで食べたら、きっと楽しいよ、なの。

【入れるものが違えば味も違うのは当然のこと、大雑把には似通ったとて、店ごとにも違ったりするのだから】
【他のお店でも食べてみたら……なんて提案するようにしながら、倒さないようにと気にしながら、パフェを返して】
【手元に戻ってきたチョコレートパフェをまた掬い上げて食べる――口元が、柔らかに綻んで】

……そしたらね、おいしいお店見つけたらね、教えて欲しいな!
それでね、シーナお姉ちゃんのオススメのパフェをね、食べたいの!

【研究と実践、食べ歩きか何かと判断して――今度会うときのこと、ひどく平和な色で浮かべて、描く】
【突き刺したスプーンがフレークの層を引っ掻いた、さくりとした音。微かに響かせて】

 【さくさくとしたフレークを頬張って、クリームとアイスを混ぜて食べて、チョコレートのプレートを食べて】
 【イチゴの種がぷちぷちする食感、水分を帯びたフレークのふにふにした食感、ゼリーの僅か硬い弾力、】
 【器の高さもあってか半分立ち上がりそうなお行儀の悪さ、食べ進めるごとに顕著になって――】
 【最後にサクランボの種を器の中に落として、器の中は空っぽ。微かに残ったクリームを、そっと掬って舐めて、諦める】
 【ちょっぴり残ったアイスミルクの甘さを流し込めば、それで食べるものは全てなくなって。ならば、】

ごちそうさまでしたー、なの。

【からりと長い器の中に長い柄のスプーンを遊ばせて。「おいしかったね」なんて、話し掛けるのだろう】
【シーナのほうも食べ終わっているようなら。そーっと伝票を手繰り寄せる、それなら、お開きが近いこと、きっと知らせて】
【それでも食べ終えたばかりだ。休憩したいような気持ちもあるなら――話したいことあるなら、今のうち】
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/16(金) 01:14:15.48 ID:n9tSp3ZQ0
>>834

「(ッ、来やがるぜ!! しかも……相当なパワーだ!)」
(なんて事……本当に最後までぶっちぎりねぇ……もう少し、女らしさでも持てば良いのにね?)
<(そんな事言ってる場合じゃないよ! あんなの浴びたら――――!)>
(……大丈夫。勝算も無しにこんな事口にしたりしないわぁ……女としても戦士としても、余裕は失っちゃいけないのよ? 覚えときなさいよリベル……)

【大盾を構えたまま、『ルヴァ』はフッとよりその妖艶な笑みを強める】
【このまま受けに徹すれば、押し込まれてしまう――――ベイゼの腕に漲るその魔力の力を、見誤るでも無しに、『ルヴァ』はしっかりと分かっていた】
【それでもなお――――戦場に立つ女として、『ルヴァ』は微笑んで見せるのだ。己の意をそこに示す為に】

さぁ、来なさい……あたしを貫いてご覧なさい……あたしは、受け止めてあげるわぁ……一緒に、血の海に沈んでみせて頂戴!

【ガシッと盾を改めて構え直し、受けの姿勢を作る『ルヴァ』。『リベル』の身体は幼く、また年を考えれば小柄で、力比べに向いているとは言い難い】
【――――闘気をもって戦う。そんな自分たちの特徴にこそ、『ルヴァ』は勝算を見出していたのだ】

――――――――っくっ、ぁぁぁぁあああああああああああッッ!!

【盾に、砲弾でも直撃した様な衝撃が走る。腕が痺れさせられる。身体が、盾越しにギシっと悲鳴を上げる】
【やがて盾は砕け、勢いそのままに、余波を纏いながら飛び込んでくるベイゼ。その姿を目の当たりにして、『ルヴァ』が見せるのは――――色笑にも似た女の笑み】

――――抱きしめてあげるっ……バラバラになるほどに……!

【同時に――――身に纏っているドレスが、幾筋もの薄く細長い何かに、その形を変えていた】
【パラパラとしなるそれは、薄い刃。ドレスから変化した、幾つもの切断の触手。飛び込んできたベイゼを迎え、撫で斬りにするように、ワラワラと揺らめいて】
【まるで変幻自在の刃の嵐に巻き込む様に、ベイゼを上下左右の四方から、叩き、嬲り、切り裂こうとするだろう】

【――――同時に、その素材は『ルヴァ』の――――『リベル』の身に纏っていたドレスなのだ】
【攻撃に割けば割くほど、身を守るためのその衣服としての機能は失われていく】
【――――肩が露わになり、太ももが曝け出され、細い腰と慎ましい臍が顔を覗かせる】
【今の『リベル』の姿は、幼い身体には似合わないビキニの水着を着ている様な姿となっていた】

【――――そうして、防御の為に闘気で形成されていたドレスが薄くなった所に、盾をぶち抜いた余力を伴った拳が、襲い来た】

――――うっ……っくぅぅっ……く、はぁっ……ぅ、あっ……!

【いくら盾で勢いを殺していたとはいえ、その拳の力はやはり強い。咄嗟に両手を十字に構え、その拳が胴に入る事を防いだが】
【その腕が、その分ギシっと悲鳴を上げる。あるいは、骨にひびでも入ったのかもしれない。防御を最低限まで捨ててでも、カウンターの刃の嵐を浴びせる事を選んだのだ】
【――――恐らく、もう『リベル』の身体には、戦闘を継続するだけの余裕はないだろう】
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 01:32:46.61 ID:Dz7tjKqlo
>>841

『むむむ……それでは無限の可能性があるということか』
『考えただけで腹が……いや、腕が鳴るというもの』

『うむ!まずは小金を稼いでこの近隣から制覇していかねばならんな!』

【ファラエナの言葉に、決意を新たにする】
【内容が内容なだけに本人は真剣でもシリアスさの欠片もない其れであったが】
【何はともあれ目標が出来たようであった】

『ああ、約束しよう!』
『今日の礼も兼ねて、いつか私のオススメの店で甘味を奢るのだ』
『今はまだ難しいが……必ずや果たさなくてはな!』

【協力という立場であったが、やはり金銭を払ってもらう以上】
【シーナは借りを返さなくてはという想いがあるようだ】

【それと少し"妹"にお代を払わせたままというのが】
【恥ずかしいという気持ちもある】
【最初は都合がいい程度に考えていたのだが、随分とファラエナに懐いたようである】


『ふぅ……充実したよき時間であった』
『今宵の協力、感謝するぞファラエナよ!』
『お主の協力がなかったならば』
『私は未だこの至高の美味を知らずにいるところであった!』

【スプーンを置き、口元をナプキンで拭くと】
【手を合わせ、小さく頭を下げてファラエナに礼を言った】

『では約束通り、今日のところは御主に甘えさせて貰うのだ』
『……少しばかり心苦しいところだが、約束は約束だからな』

【シーナはそう文字を表すと、伝票を取るファラエナに対して】

『金銭は払えんが、そうだな……今日のところは多少ながらお節介をさせてもらおうか』
『ファラエナよ、御主はここから家までどの程度時間がかかるのだ?』

【席から立ち上がり、店の入口の方へとゆっくり歩を進めようとしながら】
【シーナは彼女に対してそう問いかけた】
【どういう意味があるのか……状況としては会計をしながら話すことになるだろうか】
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/16(金) 01:35:25.90 ID:V3KHjYVfo
>>837

【興奮冷めやらぬといった雰囲気の人だかり】
【その中をかき分けながら進む女性が1人】

すいません、ちょっと通してください
失礼します

【20歳前後の若い女性で、セミロングの金髪に灰色の瞳を持ち】
【小さなリュックを肩にかけ、シルバーグレーの作業着の上下に、白衣を羽織り、手には黒いタブレット端末を持っている】

ああぁー終わっちゃってましたか
能力者がストリートファイトしてると聞いてきたのですが……

【人だかりを掻き分け、なんとか中心までたどり着いた時にはすでに試合は終わっていて】
【女性は肩をがっくり落として落胆を示し】
【人だかりの中心に立つ、勝者と思われる少女を見つめ、話しかける】

えっと、あなたが能力者ですか?
良かったらお話を聞かせてほしいのですが……



845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [saga]:2013/08/16(金) 01:36:57.55 ID:y0gZtBBYo
>>837

【戦いが終わり、僅かに静まった闘技場にポキピキと指を鳴らす音が響いた】
【少し離れた丁度、影になっている場所に、一人の人物がドラム缶に背中を預けて立っていた】


あ゙───〜〜〜……。大の男共がだらしねェのな。

【銀髪の上に唾に切れ目の入った野球帽を被る中性的な容姿の人物だが】
【ジーンズにシャツと上着を羽織ったラフな格好に指ぬきグローブといった装飾や】
【衣服の上から僅かに伺える体つき、凛とした表情は彼≠フ性別をはっきりと示す】


挑発されて、だんまりかよ?情けねぇ。
ちょっと能力者なくらいなら筋肉と質量で押し通せよな、男≠セろ。

【無茶苦茶な事を言ってくれるこの男は、筋骨隆々の大男との戦いが始まった頃にやってきて】
【後ろからこっそりと誰にも気付かれずに観戦をしていた。彼の声に観戦者がぴくりと反応を見せる】
【彼は通称A・キサラギ=B路地裏なら数ほど居る喧嘩屋の一人である。それも少女と同じ、能力者】

【見た目に似合わず腕っ節が自慢らしく。無能力者≠相手にする時は素手で戦うという酔狂な男として一部の人間には名が売れている】
【勝率は、────まあ、程々だ>>837
から有名人という訳ではないが】

【名乗りを上げない観戦者に成り下がった男達を横切りながら、少女の居る中心にやって来ては、親指を立てて、それを自分に突き付ける】


ま、ここは俺≠フ領分だ。任せとけよ。まだ終わってないよな?次は、──俺が相手だ。
ここでヤるのは初めてでな、ベッドは、これで足りるかよ?

【と、ゴソゴソとポケットからサイフを取り出すや、中身を取り出すと思いきや、そのまま投げ捨てた】
【その中身は、持ち歩くには不釣合いな量の札が入っている。彼も、稼いで≠「るのだと伺える】
【そして、サイフを投げつけるその行為は。私は負けないから問題無いです。という挑発に他ならない】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [saga]:2013/08/16(金) 01:37:34.22 ID:y0gZtBBYo
>>845
//うぉーっと、無しで!
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 01:46:54.03 ID:NqT4zU0c0
>>843

【「その意気なの!」なんて、ずいぶんと軽いノリで応援するのも、内容が甘味であるからなのだろう】
【難しいことなんてよく分からないのだから。それなら、パフェやケーキぐらいの方が、分かりやすいのだし】
【ぐっと作ってみせた小さな握りこぶし、頑張ってなんて風、力が篭められていた】

わあ、楽しみにしてるね、なの!
ちゃーんと約束! 忘れちゃったりしちゃ駄目なんだからねっ!
そしたらね、針千本なの……だから、ぜーったいぜーったい、約束なのよ!

【そんな手がふわと合わせられる、手の向こう側にはきらきら煌くような笑顔があって】
【再会を約束するだけで嬉しいのに、そこにさらに上乗せする要素があるのなら。嬉しくないわけがなくて――】
【嬉しさ楽しさ、未来に載せたなら。忘れちゃ駄目だと念押して。最後、小指までも差し出すほど】

【それぐらいにシーナはお友達で、大好きで。お話すればお友達なんて花咲く思考でも、そこに裏なんてものはないなら】
【本当に本心からだと透かして見えるはず――はじめは、ただただ互いの利害が一致していただけだったけれど】

あのね、気にしないでいいよ、なの。だってね、お母さんがくれたお小遣いね、いーっぱい、あるんだよ!

……ふぇ、おうちまで? …………――んーっと、えっと……、あんまり掛からないと、思うよ?

【彼女が立ち上がればこちらも立ち上がる、レジの方へと歩いて――たどり着けば、ちょいと背伸び】
【「おねがいしますなのー」なんて口にして、ポシェットから可愛らしいお財布を取り出せば】
【一番額の高い札をぺーんと無造作に出すのだろう、それならば、その言葉だってきっと本当で】
【気にしないでというよりは自分が一番気にしていない。――幼子にこれだけの金を持たせて夜に放つ母親、やはり、おかしくても】

【「ごちそうさまでしたー!」なんて店員さんに告げる、そんな声を、店内へと響かせて】

【家までの距離を聞かれればうーんなんて悩み出す、おつりを受け取って、財布に、ポシェットに、仕舞いこんで】
【からりとドアを開けて店から出れば、――昼間の熱気が僅かに残る外、夜風がざあとポニーテールをかき乱す】

だってね、あのね、私ね。お空で帰るの!

【――だから正確な時間は分からないという風。指先で示してみるのは夜空の天蓋、ラメのように煌く星空を】
【陸路でなく空路で帰るのだと言う、少しばかし疑いたくなるようでも、あまりにも堂々と言うならきっと本当のこと】
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 01:48:10.16 ID:ZXqcrCU9o
>>836>>838>>840

「いててて……他のヤツらも倒したみてーだな……良かった良かった」

なんとか杖で立ち上がり、辺りを見渡すとどうやら他の異形達も正義の徒によって打ち倒されたらしく。
険しい表情ながらも、其処には達成感と安堵が浮かんでいた。

しかし、そこに突如響き渡るのは門が突き破られる轟音。大型車によるそれは、ライラに反射的に耳を塞がせ、また立膝に戻すには十分なショックであった。
そして、その車から降りてくる面々に、ライラは驚きを隠せない。

今日のレストランやホテルの無料開放を実施した資産家、ライラも少しは見たことが有るらしく、顔は知っていた。
土建屋のような体格に、その体でさえ似合わない無骨な義手と、気味の悪い機械音声の男。……いや、ロボットか。
甲冑を纏う大型犬を伴った小柄な少女は所々に拘束具を付けられている。やはり彼らも、この盗賊団の一味だというのか。

そして、忘れられないあの顔―――いや、この前に会った時とは随分様相が違っていたけども……それも、彼が何らかの経験を経たから。
―――ゴム長靴で、ラバー地エプロンの大男。人喰い肉屋。


「随分とイメチェンしたもんだな―――カニバディール」


居た。やはり異形の彼らを纏め上げる首領として、この混乱を起こした張本人として。
資産家ゴルドーが言う「ハルズマン」……それがカニバディールの本名かと思うが早いか、ゴルドーは自分たちに向かって叫ぶ。
が、その調子ではもう財産は奪われた後だろう。それに密輸などという言葉を使うところを見ると、どうやら危ない噂は本当だったようで。
もはや資産家に何も言うまい。

「それはこっちの台詞だ、俺だって皆だって、手ひどくやられてんだよ。次はぶちのめす、覚悟しとけよ、カニバディール!」

それから十数秒も立たない内に、生首が取り出したのは―――爆弾。
炸裂したそれは膨大な光量でライラの目を一時的に灼き―――気づけば、もう其処には『スクラップズ』は何処にも居なかった。


「……それより、また通院か……はぁ」

医療費がバカにならねーな、なんて思いながら、ズルズルと適当な所に腰を下ろして目を閉じる。
今日は勝利なのだろうが、未だカニバディール、ひいてはカノッサ機関の脅威は去っておらず。
けれども今だけは争いの隙間に生まれた安寧に身を任せて、ちょっとだけ、眠ることにしよう――――――。

/ありがとうございましたー! とても楽しいイベントでした! 主催お疲れ様です!
/他の参加者様もお疲れ様でした!
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 01:53:52.67 ID:YGsYhJMYo
>>839
【エルフェスの言葉にマインドがニヤリと笑ったような、そんな気がするかもしれない】
【実際は尚も健在の鎧で顔は見えないし――意志があったとしても、そこまで人間的なのか。】

【兎にも角にも、最後の一戦が始まる。相手が跳び込むのに合わせ、べギーは右足を振るった】
【鎧によって重く太くなった一撃は、しかし精々が彼の服を一部ボロ布に変える程度】
【何故なら相手が跳躍したからであり、直ぐに追いはしたが、鎧の頭部をザクリと切り開かれる】

【刃物には強い、と行っていたが、強化され洗練されという一撃には耐え切れないのだろう】
【鎧の傷からは血こそ流れなかったが、暖色系の髪色が覗き見えて】


【――直後、相手が引くのに併せて今度はマインド・べギーアデンが跳躍する】
【大地と並行するような飛び方から繰り出されるのは、着地を兼ねた蹴り落とし】

【狙いは相手の左肩にあり、仮に触れればその威力はやはり、計り知ることは出来ないほどで】
【同時にこれは最後の一撃となる。理由は術者を見れば一目瞭然なのだが】
【攻撃後の隙に、エルフェスが何かをするにしろ、しないにしろ―――マインドはベイゼのもとへ向かっていくからだ】

>>842
【飛び込んでいくベイゼに、今更自分の身を可愛がるような気持ちは微塵もなかった】
【加えて、身を守る手段もない。マインドはもう一人の敵に全力で宛てていたし】
【耳のイヤリングは確かに強力ではあったがこういう状況では役に立たないからだ】

【故に――触手の刃とでも言おうか、猛き暴虐の嵐にその身を傷付けられていく】
【何処にどういう怪我をしたかはわからない。終わった時には全身が真っ赤に染まり】

【所によっては青あざが。所によっては皮膚が裂け、或いは肉がむき出しになっていた】
【それでも止まらずに進んだのは正解だったかと朦朧とした中で判断できたのは相手から聞こえる鈍い音】
【そして、覚悟していた連撃が無いこと。胡乱な左目が、相手を見据え―――】

く、っ…!まさか、まさかの攻撃をしてくれるじゃあねーか……っ!!
ガキのなりしてとんでもねえ……益々っ、テメェが欲しくなったぜ…、……ク、はッ!

……俺はよォ…欲しいものは手に入れるんだ……!
能力も今の身体もそうした…ッ、マインドも……今回は運がなかったと、思っといてやるが…っ!
覚えたぜェ…?リベル=アシェルにルヴァ=レンシス……まだ居やがるな……?

へへ、ッ……いいさ、直ぐに傷は治る……!そうしたら、まずはテメェr『そこまでだ、死なれては困る――。』

【――ふらりふらりと後退するベイゼを、じゃらりと耳障りな鎖が捕らえて引っ張っていく】
【その下手人は離れた位置で戦っていたマインド――両腕の鎧は無く、足のものもひび割れて】

【何より、頭部の鎧が切り裂かれ、暖色系の髪色と燃えるような瞳が覗いているのが鮮烈な印象だった】
【独立して行動できるのかしゃべっているのも確認できる。そのマインドは、一度ルヴァ―リベルか―を、睨むように見据え】

>>ALL
『……この爆破テロ、どうやら収束したようだ。遠くに蒼い光が見えたか?』
『あれは事件の主犯が出した信号代わりで、要するに我々が闘う義理はもう無いということになる』

『無論、意見はあるだろう。殺しておいて反論も制裁も許さないとは何事か、と』
『だがお互い引いて身を休める事こそ先決とは思わないか?双方とも、このベイゼのような猪ではないと見受けるが』
『……、…よろしいな?それでは――――あぁ、遺体の処理は宜しくお願いしたい。それでは―――。』

【ベイゼ自身に口を挟ませない程の威圧感。それを醸し出しながら、マインドはくるりと振り返り】
【主を拘束したままその耳に手を伸ばして、イヤリングに触れた瞬間――消えて、居なくなった】

【あまりにも唐突、だが――だが、タイミングは良かったと、特にダメージの大きい両者は思うかもしれない】
【そして因縁を付けられた少女は去り際の、マインドではなくベイゼの目線がひどく気にかかるかもしれなかったし】
【エルフェスもまた、マインドとは少なからぬ縁を感じるやも知れない。殺し合いの螺旋という、嫌なものだったが――】

【――――とにかく。少なくともこの場において、身を先に引いた―つまり退却したのはベイゼであって】
【勝敗を敢えて述べるのであれば―――二人の彼と彼女の勝利は、揺るぎないものである、と。そう誰しもが、認めるだろう――!】

/と、切りが良いのでこの辺りで!お疲れ様でしたー!
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 02:03:28.45 ID:cj/fTilwo
>>844
【中心まで来た女性の姿を見つけ、挑戦者かと一瞬目を輝かせた】
【しかしその様子を見てそれっぽくないとすぐに諦め、話を聞いた】

えーと、取材ということでしょうか
それはいいのですが、質問が一つ、それと条件が一つあります
質問のほうはこちらの条件を飲んでからで大丈夫ですよー

【前置きと共に、一気に話した……つもりなのだろうが全体的に遅い】
【聞き取りづらいというほどではないのだが、人によってはイライラするほど】

で、条件なのですが、場所を変えましょう、ってことです
こんな人の多い場所に用もなく長居したくないです
ちょっとしたお店くらいなら臨時収入があったので出せますから

【挑戦者が居ないことが分かってから少女の足元に投げ込まれた札束】
【それを拾いながら言葉を続けた】
【同意するのなら、少女の言うちょっとした店に行くのだろう、ついて行けばその店にたどり着く】
【あるいは希望の店があるのなら、それを言えば行き先はそちらになるだろう】
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 02:09:10.96 ID:FWu99Nbfo
>>849

(――――――跳躍、一手遅れたかっ!)

【機を読み場を知る、やはり鎧とは相性が悪いかナイフが砕けはしないものの得られた戦果は僅か】
【僅かに覗く髪色……このマインドは些か人間的過ぎるなと頭の片隅で思う、というより本体から完全に独立しているような節さえ……】
【と、思考が逸れた。眼前にはマインドが迫っている踵に力を込めて相うつ】

狙い、分かるぞ――――――!!

【姿勢を極限まで下げる、地面すれすれを掠るような意識で駆けて】
【マインドの下を潜るように蹴りを避け肘先で僅かに触れて逸らすように……】
【その動きのまま右手のナイフを……と動かそうにももはや機能はしない、結末はただ互いに交差するのみに】

―――――……っ、ここで響くのか……
教訓にしちゃあ随分と痛い……ああ、もうっ

【過ぎ去ったであろうマインドを見やる】
【浮かべる瞳はどうにも煮え切らない、といった感じか】

【心情がどうあれ戦いは終わる、出来事は決して永続しない】
【消えた彼ら名残はない、しかし今宵の邂逅に意味はあるだろう】
【横たわる「槍」は嘲笑うように粒子へと姿を戻し還る、ため息は静かに宙に溶けたという】

/お疲れ様でしたー!
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 02:12:06.24 ID:Dz7tjKqlo
>>847

【約束の小さな指切り】
【薄らと重ねると、二、三度と振って静かに離す】
【簡単な儀式ではあるが、少女たちの間で交わされた大切な誓いでもあった】

『沢山のお小遣いとは……羨ま、いや、愛されているのだな』
『いつか御主の母君とも会ってみたいものなのだ!』

【当初お小遣いが足りず窓にへばりついていたシーナは】
【ほんの少しだけ羨望の意識を覗かせるも】
【お姉ちゃん意識によって強制的に排除する】

【相も変わらず、シーナはファラエナが】
【"家族に愛されている"と認識しているようであった】

【場面は移り、店の外】
【ファラエナの空で帰るという言葉に浮かべるは当惑ではなく】

『むむ、空か……ならば私の危惧しているような事はそうはないと思うが』
『お節介をするといった手前だ、そこは通させてもらうとしようか!』

【ほんの少し予定が変わったという反応】
【超常現象などにある程度識があるのだろうか】
【シーナは2、3歩と店から離れると】

『ほれ、出てくるがよい!』

【懐から小石のようなモノを取り出し、宙に向かい放り投げる】
【そしてその動きと連なるようにして】
【手を大きく広げるようにして身体を一回転させた】

【ローブの袖から、大量の何かが噴出し宙の小石に向かい飛んでいく】
【よく見れば分かるだろうか……それは、"砂"であった】
【砂は小石を中心として球体に固まっていき、グニグニと粘土のように中空で形を変えていった】

【時間にして数秒程度であろうか】
【先ほどの砂塊が"翼を羽ばたかせ"、シーナの元に"舞い降りる"】
【それは砂細工の"大鷲"、知識があるものなら分かるだろうが】
【一般的にゴーレム生成と呼ばれる類の術であった】

『近場ならば1刻も掛からん程度か?空路とは言え童女一人では心細いだろう』
『こやつならば多少の手合いは蹴散らせる……1刻程度しか保たんが、連れて行くといい!』

【シーナが腕を上げてファラエナの方を指差すと】
【大鷲が飛翔し、ファラエナと少し離れた場所に滞空した】
【お節介とはこうした護衛をつけることであったようだ】

『では、さらばだファラエナよ……いや、こういう場合はまたね、とでも言うべきなのか?』
『まあ何にせよ、今日は世話になったのだ!帰りには気をつけるのだぞ!』

【シーナはファラエナに手を振ると、身を翻して街中に去っていこうとする】
【何もないならば、これで今日はお別れとなるだろう】
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/16(金) 02:18:07.32 ID:n9tSp3ZQ0
>>849

――――見た目通りの年なのは……リベルだけよぉ……あたし達が、元の世界で……どれだけの……!

【苦しみの中に、勝ち誇った様な笑みを浮かべるルヴァ】
【人魂――――霊魂の様な存在が、リベルの肉体を間借りして動かしているのだろう】
【ともなれば、ルヴァともう1人の人格は、少女の様な外見通りの年ではなく、同時に修羅場慣れしているのも無理からぬ事なのだろう】

……っ、全く……はしたないくらい、熱烈じゃない……
敵じゃなかったら、喜んで受けたいくらいなのよねぇ……

【目をつけられた――――ベイゼの言葉を聞く限り、それは確かだろう】
【厄介な事態なのだが、何故かルヴァは笑みを崩さない。それが、『女としての余裕』と言う事なのだろうか】

――――あなた……確かベイゼの身体に憑いてたのよねぇ……あたしらみたいな……半分実体を持ってるから、また違うのかしらぁ……?
まぁ……あなたの言う通りよ。こっちはもう、やり合う余裕なんてないわぁ……

【マインド――――この世界の住人ではないリベル達は、その呼称は知らないが、ともかくベイゼと深いかかわりのあるその存在が、引き上げると言う言葉を聞き、いささか胸をなでおろす】
【もうこれ以上、戦う余裕などない。胴に入った最後の一撃が、余りに重すぎた】
【ならば――――これ以上事を荒立てず、双方ともに引き揚げてしまった方が得策だ】

(……ランド、病院までこの身体、お願いね……あたしも流石に疲れたわ……)
「(しょうがねぇな……ま、今回は出番がなかったし、それくらいはしてやるよ……)」

【フラッとよろめきかけたリベルの身体。顔を上げた時にはその瞳は『赤』に色を変じさせていた】

(しかし……参ったな。タダ飯食いに来たら、治療費で持ち出しだぜ? いい加減、余裕も無くなってきてねぇか……?)
<(しょうがないわよぉ……『人生万事塞翁が馬』なんだから……先の事なんて、そうそう分からないわ……)>
「(……でも、今のお金でちゃんとした治療、受けられるかな……?)」
(さぁな……そこは、でたとこ勝負しかねぇかも知れねぇが……胴はともかく、腕の切り傷はなおさねぇとな……)

【人格が切り替わり、リベルの衣服も、元のパーカーとスカートに戻る】
【そうして、周囲の喧騒を避ける様に、人目を避けて街の中へ消えていった】

【――――治療費を痛がる彼らが、昼の国政府から恩賞金2000000を送られたのは、正に『人生万事塞翁が馬』だったのだろう】

/乙でしたー!
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga !red_res]:2013/08/16(金) 02:19:54.56 ID:Fg3pS/8Do
【グランツを襲った危機は去った。皮肉にも、こたびの騒動の元凶の一角とも言える、ゴルドーの雇った有志達や】
【己の身を省みずに戦いに身を投じた正義の使徒たち。彼らによって、全ての悪は撃退されたのだ】

【最も甚大な被害を受けたのが、『スクラップズ』の襲撃を受けた富裕層の居住区と】
【かの、No.3 ベイゼ・べケンプフェンに襲われた、高級ホテル前のメインストリートだったが】
【それらも予想以上に早期に事態が収まった】


【防衛者たちの活躍で主だった襲撃者が引きつけられたために、自警団員や他の有志達も動けるようになり】
【グランツ各所で発生していた暴動は次々に鎮圧された。多くのならず者が、あるいは現場で粛清され、あるいは捕われて投獄された】

【戦いに傷ついた防衛者たちのもとにも、救護班が駆けつけてくることだろう】

【予想以上に被害が少なかったのは、まぎれもなく防衛に立った彼ら・彼女らの成果と言える】
【昼の国のみならず、各国からグランツに集まっていた人々は、心底からの感謝と称賛を、彼らに送った】


【後に、防衛に参加した者たちには、昼の国政府より感謝状と勲章、そして礼金200万が贈られることとなる】
【ゴルドーが最初に支払った300万も、無論そのまま彼らへと渡された。正当な報酬だ。当然と言えるだろう。これらをどうするかは、防衛者らの意思に委ねられる】


【資産家、デスモンド・ゴルドーは、今回の件で捕縛され、取り調べられた】
【結果、彼が悪徳商人や裏社会の人間と結託して行ってきた、数々の悪事が次々に明るみに出た。人身売買や麻薬売買、誘拐や殺人まで】
【自身が繋がっていた“D.R.U.G.S.”すら欺いて、私腹を肥やしていたのである】
【地元の名士の邪悪な正体は、グランツに小さくない衝撃を与えた。この波紋は、いずれ昼の国全体に及ぶだろう】

【ゴルドーは自警団の留置場に身柄を送られたが――数日後、首吊り死体で発見された】
【それが自殺なのか、“D.R.U.G.S.”や何者かの制裁なのかは、定かではない】

【ゴルドーと結託していた者たちにも、表からは自警団の捜査の手が、裏からは“D.R.U.G.S.”の制裁の手が伸びることになる】
【失脚は当然、何人がいつまで生きていられるかすらわからない。昼の国裏社会に君臨していた闇のシンジケートは、ここに壊滅することとなった】


【一方、襲撃の現行犯である、盗賊団『スクラップズ』の行方は知れなかった。後にゴルドー邸に調査に入った自警団の報告によると】
【ゴルドー邸の地下には、大きな密輸トンネルが存在していたらしい。ゴルドーはここから隠し財産をどこかへ移送しようとしていたようだ】
【そのトンネルを逆に利用し、『スクラップズ』は隠し財産を全て奪い去ったのである。襲撃の目的はこれだったのだ】
【このためだけに、彼らはこれほどの事件を起こしたのである。昼の国の人々は嘆きと怒りを持って、『スクラップズ』を、そして背後のカノッサ機関を呪った】


【昼の国政府と自警団の後の調べによって、『スクラップズ』たちのかつての罪も判明。それらの罪状も合わせて、カノッサ機関配下 盗賊団『スクラップズ』≠ニして】
【彼らは、各国政府から広域指名手配を受けるに至った。数多くの悪漢たちと共に、彼らの顔と名前も手配書に載るだろう】


【このグランツ市街戦は、新世界のテロの一つとして、新たに歴史の一ページに小さく刻まれた――】

/続きます
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/16(金) 02:20:53.84 ID:Fg3pS/8Do
【密輸トンネルの中を走る、複数台のトラック。機体に描かれた、逆五芒星。カノッサ機関の証】

【トラックの中には今回の戦利品である、数々の財宝・食糧・武器弾薬が積まれている。ゴルドーが溜めこんでいた代物だ】
【生き残った機関兵らも搭乗している。しかし、その数は当初よりかなり減っていた】
【正義の使徒らの活躍で士気を取り戻した自警団や有志らの成果だった】

【トラックのうちのうちの一台に、三人の男の影があった。一つ目の大男と、一つの身体に同居する双子。今回の首謀者、カニバディールとデュアル兄弟】

『いつまでしかめ面してんだよカニバ。やっと投入した『スクラップズ』がこてんぱんにされて、苛立つのはわかるけどよ』
「自警団や雇われの警備らの動きも予想以上に早かった。得たものは大きいが、損害も大きいな」

【二人の言葉を受けて、カニバディールの牙が噛み合い、ギリギリと鳴る】
【額の一つ目が血走る。その口が、重々しく開かれる】


……そうだ。ようやっと投入にこぎつけた『スクラップズ』はあの有り様だ
兵らの損害も、想定を上回った。それに何より、グランツに与えた被害は予定よりはるかに小さい

最も甚大な被害を与えたのは、我らではない。ベケンプフェン様だ。No.3の力まで借りてこの体たらく
これを失態と言わず、何というのだ!!

【カニバディールが巨体を震わせて苛立たしげに叫ぶ。正義の防衛者たちの奮闘は、確かにこの男に大きな打撃を与えていたのだ】


『まあ落ちつけよ。目的のもんは手に入ったんだし、手土産も用意できたんだ。俺らの手際に感謝しろよ?』
「そうだともカニバ。もとはと言えば、それを手に入れるためにことを起こしたのだろう?」

【カニバディールの表情が消え、傍らの箱へと視線が移った。そこに収められた、ボーリングほどの大きさの球体】
【白く光り輝くそれは、光属性を秘めた最高品質のマギタイトだった。ゴルドーが有していた中で、最も価値ある品】


……ああ、そうだな。これを持って、さらに我らは多くを手に入れるのだ
オーギュスト、ギュスターヴ。よくやってくれた

ベケンプフェン様には、後で改めて御礼申し上げねばなるまい。先に報酬を送金しておくとしよう
機関への報告も残っている。まだ手伝ってもらうぞ、デュアルども

『へーへー。めんどくせな、まったく』
「人使いの荒い男だ……」

【双子のぼやきと、大男の悪意を乗せて。トラックは密輸トンネルを駆け抜けていった】


【後に、ベイゼ・べケンプフェンには、襲撃参加への感謝の意が伝えられ、彼女のもとに300万の礼金が贈られるだろう】
【ゴルドーから奪い取った財産の一部だ。その他、奪った物資の大半は、機関へと上納された。金品・食糧・武器弾薬】

【カニバディールと『スクラップズ』は、そこから幾分かの金品と武器弾薬。そして、目的の品であったマギタイトを得るに留まった】


【逆五芒星の悪意は未だ底知れず】


/これを持って、今回のイベントを終了とさせていただきます!!
/参加していただいた皆様、本当にありがとうございました!!!
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/16(金) 02:21:22.07 ID:V3KHjYVfo
>>850

【一瞬目を輝かせた少女の表情の変化に気付き】
【自分が戦えないことを謝る】

挑戦者じゃなくてすいません
取材、といいますか……私は大学で「能力」の研究をしてまして
それでお話を聞きたいんです

条件ですか?ええ、何でも言ってください
私も元よりタダで話をしていただこうとは思ってませんから

【好意的な反応をしてくれた少女に対し、期待の色を隠さない】
【最初から、自分のできる限りの礼はするつもりだった】

そうですね、私もできればじっくりと話をしたいですし

え?いえいえいえ、とんでもない
代金なら当然お願いした私が2人分全額出すべきですよ
お店はお任せしますが……

【「能力者の話」というものは彼女にとって大変貴重なものであり】
【それなりの見返りをして当然、というのが彼女の考えだ】
【――だが、場所を変えることには賛成だ】
【少女について店に向かう道中で、軽く自己紹介をした】

私はピオネルスカヤ。
氷の国の大学生で、色々な能力者のみなさんの話を聞いてデータを録ったりしてる……
要するに「能力マニア」です
あなたの名前も教えて頂けますか?
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 02:30:06.49 ID:NqT4zU0c0
>>852

【くるりと舞う姿、はてなを浮かべながら追いかける――ざあと湧き上がる砂、驚いた色を灯して】
【それでも邪魔にならないようにと距離をいくつか足してみる、興味深そうな視線、きっと彼女を見つめていて】

【――ぐねりとカタチが変わっていくのをまん丸な瞳がずうっと追いかける、そうすれば、成されるものも予想が付きそうなもの】
【ぽつり零した「鳥さん?」疑問系の声、カタチは当ててみても、その仕組みまでは知らなかったようで、言葉には出ず】

……わあ、シーナお姉ちゃん、凄いの! ――わっ、!

【大きな翼がやがて舞い下りるなら。思ったままに出す声、感嘆の混ざった笑顔、ふわと咲かせて】
【それがこちらへと飛んで来るなら――驚いたよな声を出しても、怖がるでもない。おっかなびっくり、手を出してみたりして】

いっこく……、……えっと、この子、いいのっ?
――ありがとうございますなの、これならね、きっとね、楽しいよ、なの!

だって、シーナお姉ちゃんが作ってくれたんだもん、だからね、あのね……、一緒に居るみたいでしょ!

【――時間についてはどうやら曖昧なようだけれど。時間制限付きでも貸してくれるというのは理解して】
【それならば首をかしげて尋ねてはみても――ぺこと下げる頭、どうやら素直に借り受けることにしたよう】
【本人でなくたって彼女と関係のある存在、ならば寂しくないよねなんて、紡いだなら】
【「よろしくねー」と、大鷲に声を掛けてみたりもする。余談だけれど、動物は好きなタイプ】

――うん、また会おうね、なの。そしたらね、いっぱいいっぱいお話して、お姉ちゃんのオススメのパフェを食べるの!

お姉ちゃんもね、ちゃんとね、気をつけてね! 

【その背中にそう声を掛けて。背中を見送ったなら――】

……――じゃあね、行こうね!

【大鷲ににこりと笑いかけて。その背中にふわり作り出されるのは、お日様の暖かさを抱く光の翼】
【木漏れ日めいた陽光を零す魔力で編んだ翼、夜空に羽ばたかせて――どこかへと帰っていく、夜に紛れて】
【あと少しすればお店の明かりだって消えて、おしまいの札が降ろされるのだろう。静かに静かに、夜が積もっていく】

/おつかれさまでした!
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 02:42:39.72 ID:Dz7tjKqlo
>>857

『……うぅむ、これが俗に言う"友達"というものなのか?』
『何やらむず痒いが……悪くはないものだな』

【シーナは誰に見せるでもなくそんな台詞を表示させると】
【人気の無い路地裏へと入っていき】
【きょろきょろと一度周囲を確認、誰もいないことを確認し】

【トン、トン。と地面を叩く】
【その瞬間足元の地面が"砂化"し、シーナはその中へと潜り込んでいった】
【後には誰も残らず、ただ夜闇と静寂のみが辺りを包んでいた】

/お疲れ様でしたー!
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 02:46:48.47 ID:cj/fTilwo
>>856
私はしすいと言います
字は、詩……Poetry,とかの詩に、水、えっとWater,とかの水です

【出身、および現住の国名は言わず名前のみ告げる】
【読みと字に差のある字は櫻の国で主に使われているものではあるが、そうとは言わない】

【そこまで言ったところで突如たちどまる】
【ちょっとした店とは意外と近かったようで、到着も早かった】
【ファミレスの類ではあるがチェーン展開しているような有名店ではなく、どちらかと言えば人は少ないほう】
【だがこの時間まで空いているということで多少の人気はあり、埋まっている席もそこそこある】

ここですー
それほど高くないのでお財布にもやさしめですよ
そのせいで昼間は若年カップルも多いですが、夜はすごしやすいですよ

【ある程度の頻度で来ているようで説明付き】
【その後反応を待たず中へと入っていくのだろう、制止さえなければ】
【その場合、待ち時間もなくすぐに席へと通されるだろう】
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/16(金) 03:00:40.08 ID:V3KHjYVfo
>>859

詩水さん、ですね。よろしくお願いします

【案内されるままにレストランに入り、席に通されれば】
【さっそくとばかりに、黒いタブレットと、タッチペンを構え】
【話を聞く姿勢を作る】

さっきも行ったっ通り、ここ私が出しますので好きなものを注文しちゃってください!
えっと私は、始めて来るお店なので詩水さんと同じ奴を頼みますね

さて、それでは単刀直入な質問をさせていただきたいのですが――
先ほどの大男はどんな能力を使って倒されたんですか?
言える範囲で良いので、教えて頂きたいです

【能力者の中には自分の能力を話したがらない者も多い】
【この少女は、話してくれる姿勢を見せてくれてはいるものの】
【いきなり能力をすべて洗いざらい話してもらおうとするのはあまりに無礼であり、相手の気分を害する可能性もある】

【先刻、試合場所に到着した時には、すでに勝負は決し能力を確認できなかったため】
【まずは、先刻どのような能力で戦ったのか、そこについて尋ねた】

【灰色の瞳を輝かせながら、ピオネルスカヤと名乗った女性は、少女・詩水の答えを待つ】

861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 03:27:24.59 ID:cj/fTilwo
>>860
あ、店員さん、注文いいですか?

これとこれと、あとドリンクバーを、私とこの人の二セットでお願いします

【手の空いている店員をすぐに見つけ、手早く注文を済ませる】
【慣れている店なだけはある】
【ちなみに頼んだものは、大きめのパフェ、イチゴのショートケーキ1/8カットだ】

【そして、ピオネルスカヤに向き直り、言葉を続けた】

で、質問に答える前に、さっき私が言ってた質問です
質問に答えるときにかかわるので、お願いします
私は子供なのでこの質問に答えてもらえなかったら意地で答えません

能力者、能力という言葉の定義について、です
能力者とは能力が扱える者、として
能力とは、能力者でない者が扱えない、何らかの形で特殊な力、という認識をしています
貴方の認識と大きな差はありますか

【質問には答えずまったく別な質問を投げかける】
【事前に言っていた一つの質問だ】
【実際違う考えをしていれば答えはまったく関係のないものになってしまう】
【しかし特に特殊な考えをしているわけではなく、質問の意味はそれほどない】
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/16(金) 03:51:19.33 ID:V3KHjYVfo
>>861

【甘いものが好きなため】
【少女の注文を見て、ひっそりと表情が綻ぶが】

ええ、私に答えられることでしたら

【少女から逆に投げかけられた質問に姿勢を正し真面目に聞き入り】

そうですね、詩水さんの認識と私の考える能力の定義はほぼ同じですが、一応

私の言葉で具体的に言うなら、先天的、後天的問わずに「個人」が持ち得る、生物学上の「種族」としては持っていない「力」。
それが「能力」で、「能力者」はそれを扱える者……ですね。
加えて、魔力、霊力、妖力など――科学の枠を超えた力を技術的に扱う者。所謂「魔道士」や「陰陽師」のような人ですが……
その人たちも「能力者」に分類されると私は考えています。こちらは人によって意見が分かれるところですがね

【簡単に、自分が考える能力者の定義を説明する】
【自らが研究する分野だけに、それについては様々な考え方があることも当然知っているが】
【とりあえずは、会話に支障が出るほど前提の食い違いは無いようだ】

863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 04:08:00.66 ID:cj/fTilwo
>>862
【話を聞き終え、大きな相違がないことに安堵する】
【そして、間を置かずに口を開く】

そうですか、はい、ありがとうございました
じゃあ、さっきの質問に答えますね

【そこでいったん切って、少し間をおく】
【少し話し辛そうに、表情を伺うようにして、そっと言葉を続けた】

……とはいっても、私が思っている能力、口には出したくないものなんです
貴方が考えている中にも入っている、後天的なものなら話せるんですが
そっちはさっきのストリートファイトでは使っていません……
というよりはそっちは日常でしか使っていないので、関係はないです
それで、話を戻しますね
話せる範囲だと、能力を使った変則的な肉弾戦、としか言えないです
これ以上の……能力の中身はトラウマとかもあるので言いたくないので

【長く語ってはいるが、結局のところ聞かれたことは答えられない】
【別のなら言えるからそっちとかの別方向にしてくれ、ということでしかない】
【それで納得されるかはともかく、自分のわがままを突き通すようだ】
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/16(金) 04:20:58.29 ID:V3KHjYVfo
>>863

【誰にだって口に出したくないことはあるだろう】
【能力という、個人に大きく影響を与える物ならなおさらだ】
【だが、完全に何も話したくないのならば最初から断るはず――つまり話せることもあるということ】

話したくないのなら、私がこれ以上聞くことはできませんね
能力を使った肉弾戦……私が戦える人間なら勝負を挑んでそれを見て見たかったのですが、
残念ながらそうもいきません

でしたら、是非その「日常で使用している、後天的な能力」の方の話を聞きたいです
もしここで使える力なら、見せてもらえたらさらにありがたいんですが……

【彼女は「バトルマニア」ではなく「能力マニア」】
【戦闘とは関係なくても、能力であれば等しく興味を持つ】
【ストリートファイトで使った能力の話が駄目でも、話せる能力があるのならばぜひ知りたいということだ】
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 04:40:42.24 ID:cj/fTilwo
>>864
はい、派手さも一切ないし、よっぽど変なところに当たらなければ危なくもないのでここでも大丈夫です
えっと、私とか、教えてくれた人とかは魔法って呼んでたものです
ただ、本当は相当派手なものなんですが、私は落ちこぼれなので見た目は地味です
あと、文明の利器に頼ったほうが、楽で安全で早いです
使える種類だけならいっぱいあるんですが、全部言ってもしょうがないので、二つに絞りますね

【ここまで言って、一呼吸置き、話す内容を整理する】
【そして、注文していたパフェ、ケーキが来て、一口分、口へと運んだ】

一つ目は火の魔法です
本当なら、当たり前のように家を何軒か燃やして危ないです
私は燃えやすい物への着火しか出来ないです
しかも時間もかかるのでライターを使ったほうが早いです

【言い始めから右手の人差し指を立てていたが、言い終わりにようやく小さい火が人差し指の上に灯った】
【いっていた通り火は小さく、着火具を使うほうが楽だろう】

次は、風の魔法です
本当なら、帆を張った大型船を凄く早く動かします
私がやると、団扇より弱いくらいの風です
疲れるし、扇風機や団扇を使ったほうが涼しいです

【同じようにいい始めから準備して、言い終わりにようやく風が吹いた】
【団扇を使って弱く扇いだ程度で、団扇を使ったほうが涼しいというのも分かる程度だ】
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/16(金) 05:04:55.89 ID:V3KHjYVfo
>>865

ほうほう、魔法ですか

【魔法という単語にさらなる期待を持ちつつ】
【詩水の言葉を聞きながら手元のタブレットにタッチペンでメモを取る】
【先ほどの定義の話でも触れたが、彼女にとっては魔法も能力の一種だ】
【運ばれてきたパフェとケーキにも気づいていないかのように詩水を凝視している】

おお、すごい!これなら無人島に遭難しても火が起こせますね!

【まずは火の魔法。続いて風の魔法が披露された】

ああ、今度は風が……
いえいえ、電車にも弱冷房車があるくらいですし、このくらいのそよ風の方がいい場合もありますよ!

【どちらの能力も確かに規模は小さいが、少女が自嘲するようなものでは無く】
【落ちこぼれと言ったが、彼女にとっては、十分魅力的なものだった】
【タブレットに書き込むタッチペンの動きは止まらない】

見せて頂きありがとうございました
詩水さんに魔法を教えた人――詩水さんの師匠みたいな人なのでしょうか
その人は相当な魔力というか実力の持ち主なのでしょうね
いつか会ってみたいものです

【家を何軒も燃やしたり、帆船を動かしたり――】
【本当ならばそれは自然災害のレベル】
【その規模の能力者には、能力研究をしている彼女もそうそう出会えることはない】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 05:20:58.25 ID:cj/fTilwo
>>866
師匠、と言うかなんと言うか、微妙な間柄の人です
……凄い人です、会えたらビックリしますよ、きっと

【パフェを一口一口、食べ進めていく……などというとゆっくりにも感じるが、実際凄まじい速度で量を減らしている】
【そして、パフェがなくなり、次はケーキ、こちらはパフェに比べ少なく、かなりの速度でなくなる】
【自分の分が全てなくなり、それと同時に立ち上がる】

すいません、この後まだ少しやることがあるので失礼します
ごちそうさまでした

【この一言を言い、後は帰っていった】
【言ったことは本当だったのか、少し早歩き気味で】

【ちなみに、詩水の座っていた、ピオネルスカヤからは座っていれば丁度影になる位置】
【そこに札が二枚、一人分とほぼ同額の金が置いてあったという】

/申し訳ありません、かなり眠気が限界のためここで強引に切らせていただきます
/ありがとうございました、お疲れ様でした
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/16(金) 05:32:50.48 ID:V3KHjYVfo
>>867

【パフェを食べ進めていく少女を見て、ようやく自分が食べることを思い出し】
【自分の分に手を付け始める】

そうですか、では……
改めてありがとうございました
今度機会があれば、私の知り合いの能力者に頼んで
詩水さんに勝負を挑んでもらいましょうかね
そして能力で戦っている姿を今度こそ見たいです

【店から彼女が出ていく姿を見送り】
【少々行儀が悪いが――タブレットをいじりながらパフェを食べ】

美味しい……
せっかくドリンクバーも頼んだし、このままここで今度の論文を進めますかね

【その後数時間、店に残っていたという――】


/お付き合い感謝です!
/乙でしたー!
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/16(金) 16:56:55.52 ID:iShHrU3n0
>>836>>838>>840

ふぅ……一段落着いたようだね。僕以外の“正義の味方”の面々も無事のようだ。
――――ところでエーミール、ゴルドーを尾行した成果はどうだったかい?

「そのことだがマスター、やはり依頼者の言うようにあの男は黒も黒、真っ黒のようだ。
 それから付け加えるとするならば、君達が広場で戦闘に入ると同時に突然の襲撃者が……」

【狂死郎は当面の標的を打倒したことに一息をつき、エーミールに尾行調査の報告を求める】
【実際の所、狂死郎の目的は“正義の有志”の仮面を被ってゴルドーの正体を暴くことであり】
【タイミング悪くエーミールが居ない時に発生した、カノッサ機関の襲撃は完全に予想外の出来事である】

【そしてエーミールの報告に耳を傾ける狂死郎に、雑音――――大型車の走行音が聞こえてくる】
【狂死郎が音に驚いて振り返ると、停車した大型車の中から再び奇妙な連中が顔を覗かせた】

増援か!?

「……そう、あの男達だ。あの男達が突如ゴルドーを襲撃し、拘束して連れ去って行った。
 もちろん私は見つかるようなヘマはしなかったがね……“阻止”するべきだったかな?」

――――いや、問題はないよ。黒と判明したのであれば捨て置けばいい。

【新たなる敵の出現に、狂死郎は干将・莫耶を構え直し、エーミールは建物の屋上から飛び降りて、羽のようにふわりと着地した】
【互いに死角を守り合うフォーメーション――――喧嘩はすれどコンビネーションに滞りは無い、ということか】
【戦闘態勢に入ったまま、狂死郎は新たな敵――――カニバディール達をつぶさに観察して隙を覗っていた】
【同時に、哀れなゴルドーの姿に侮蔑の表情を浮かべながら、唾を思いっきり吐き掛けた】

……クズめ。君は命を賭けてまで守るに値しない存在だよ。
それからカニバディール君……だったかな?
僕の名前は玉藻狂死郎……今後ともよろしく……ね!!(クイッ

「(無駄だ。奴らが我が物顔で広場に遣って来た以上、逃走を図るための手段は用意しているだろう)」

【それからカニバディールに向かって見栄を切ると同時に、エーミールにジェスチャーで“射殺命令”を下す】
【しかしエーミールは首を横に振り――――事実言うとおり、コバルト・ボマーの光が広場を包み込み】
【晴れてみれば――――カニバディール達の姿は広場から消え失せていた】

“逃げられたか”――――あの生首をぶった切っていれば袋のネズミに出来たというのに……
ま、これ以上君に怒りをぶつけるのは止めにしよう。目的はきっちりと果たしたんだからね。

「おや?君にしては随分気前がいいな?常にそういう態度で居てくれれば、此方としても都合がよいのだが……」

いや、君の一番大切にしていたクジャクヤママユの標本だけは絶対に押しつぶすけどね?

「そうか。やはり君は――――そういう奴だったんだな」

【これ以上は無用となった戦闘態勢を解除し、干将・莫耶もいつの間にか狂死郎の手からは消え失せていた】
【そして狂死郎は投げ捨てた脇差の鞘を回収し、自警団の面々に報告を行うために歩き始めた】
【エーミールといつものやり取りを行いながら不快な笑みを浮かべる狂死郎は、先程まで人を守るため戦った者とはとても思えない姿だろう】

/遅ればせながらイベントの締め文を……主催者様、改めてお疲れ様でした!!
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2013/08/16(金) 21:24:15.31 ID:68C/hef+0
【暗い路地裏】

まだだ……まだ…足りん!

【突然、闇を引き裂く爆音がとどろく】
【グレンの爆炎が一瞬や闇を照らし二人の男を映し出した】

【一人は乱雑に切られた黒髪に鋭い四白眼の女】
【一見男と見間違うような、たくましい肉体に六尺余りの鉄棒をもって仁王のごとく地に直立している】

【もう一人はすでに衣服も肉体も語りようのないほど酷い有様】
【先ほどの爆撃の直撃を受けすでにこと切れている】

ああ・・・くそっ。

【女はいらつきを表すかのように棒で地面をひっかいている】

871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/16(金) 21:29:21.52 ID:n9tSp3ZQ0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 繁華街】

あー……うぁー……――――あぢぃ……
ったく……糞喰らえってんだ、熱帯夜とかよぉ……!

【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の居丈夫が】
【暑さに参ったと言う様な気の抜けた表情で、フラフラと通りを歩いていた】
【いつもだったら嬉々として飛び込むだろう酒場も、既に何件かスルーしている】

……この暑さでよぉ……酒なんかかっ喰らって、身体火照らせたら世話ぁねぇってんだ……
あーちくしょう、夕涼みも出来ないなら、大人しく部屋に籠ってた方がいいのかよ……?

【夏は夜――――とは言うが、その夜すら暑さに苛まれるのでは、流石にやりきれないだろう】
【そんな様子でプラプラと歩いている居丈夫。もしかしたら、誰かとぶつかってしまう事もあるかもしれない】



【――――所変わって、風の国 路地裏】

…………くっ! 傷の治りが、遅い……!
……やっぱり、あんなのを喰らっちゃったって言うのは、不味かったのかな……っ

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のどこか虚ろなオッドアイを持ち】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女が】
【人気の無い暗い路地裏を、左足を引きずって歩いている】
【暗がりの中で確認はしにくいが、少女の左のふくらはぎは、炎で焼き固められた様な傷が剥き出しになっていて】
【更に、その傷は単に熱によるものとはまた違った、委縮した様な妙な痕跡を残している】

【その身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】

……でも、やっぱりやる事は1つだ……!
それまで…………こんな所で足踏みしてる訳には……!

【普段、不吉な領域とされる路地裏であるが、この時ばかりはただ静寂のみに包まれていて】
【虚脱した様なすかすかした風が、ただその狭い空間を吹き抜けていくだろう】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/08/16(金) 21:36:30.54 ID:z+P6Qguwo
【水の国・路地裏】

【―――ガン、ガン。痛烈な音色が、狭く暗い空間に残響し続けていた。時計の秒針のように、寸分狂うこともなく一定のリズムで―――ガン、ガンと】
【その音を奏でる演奏者は、二人―――と言っても良いのだろうかは、悩ましい所だ。何故悩ましいかは、その光景を見れば明らかで……】

……ッフー、ッフー、っふー……!!

【肩を激しく上下させて息を荒げる20代程の男―――が、突っ伏す女性の頭を片手で掴み―――何度も、何度も地面に打ち付ける】
【路地裏の石畳は、既に女性の血で朱く染め上げられており、明らかに致死量を超えている。……実際、彼女の命はとっくの間に潰えていた】
【それでも尚、その行為をやめない男―――その焦茶の瞳は限界まで開き切っており、明らかに異常者の、何かリミッターの外れたかのような様子で】
【そして血に染まったワイシャツの左胸、心臓の部分にはポッカリと「穴」が開いており、そして其処に―――「白い焔」が灯っていた】

【そしてその惨劇を、小さなビルの屋上から見下ろしてほくそ笑む男が一人―――】
【左手に冷えたワイングラスを持ち、赤ワインを口に含む。金の長髪を掻き揚げて満足そうな顔を浮かべ、人の死を嘲り笑う悪魔の様な男―――】
【其れは六罪王、コーネリアス・F・ラインハルト。彼はサングラスを月光に煌かせながら、「操り人形」の更なる暴走を期待して】

「……ふむ、凶暴性は上々か―――今度は、見世物にでもしてみようか……ククク」
「この『元一般人』が一時間に何人仕留めるか……良い賭け事になりそうじゃないかァ……」

「そうじゃなくても、こんなに愉快な事は無いぞ……今まで命を濁らせ、腐らせてきたクズ共が最後に見せる輝き―――ああ、ワインが進む」

【他人の生命をつまみに、上質なワインを愉しむ。正確には、その生命の「輝き」―――その輝く手段としての「戦い」。其れを見て感じることが、何よりもの愉悦だった】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/16(金) 22:00:48.86 ID:n9tSp3ZQ0
/>>871取り消しでー
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 22:05:14.88 ID:ZXqcrCU9o
>>872
/まだ大丈夫でしょーか?
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/08/16(金) 22:06:18.36 ID:z+P6Qguwo
>>874
/大丈夫ですよー
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2013/08/16(金) 22:19:31.71 ID:+c7loMoeo

…どうして俺はこんな事してんだ?

…いや、考えるまい、考えたら嫌になる

【蒸し暑く、土臭く、真っ暗な夜の森の中に、ガサガサと草を掻き分ける音。それと闇を切り裂く懐中電灯の光が動き回っている】
【どうやらそれは獣や怪物紛いの何かではなく、人のようだ───黒いスーツが、森にミスマッチ】

【黒いビジネススーツ、黒い革靴、爪痕みたいな模様の超絶にダッサいネクタイ】
【疲れた目をした、無精髭面、黒い髪を後ろに撫で付けた髪型の男だ】
【その右目には眼帯を───『紅い剣を咥えた黒い狼』の紋章が刻まれた黒い眼帯を掛けていて】
【機械的な柄を持つ刀を、これまた機械的な鞘に納め、ベルトの左側に挿している】

お、いたいた。結構集まるもんだな
…ガキの頃を思い出すぜ

【片手には懐中電灯、もう片手には虫取り網、肩から沢山掛けた虫カゴ、目の前には蜜に群がる虫たち】
【この蜜は前日から調合し、昼の内に塗っておいた物だ、夜になれば夜行性の甲虫達はこれに群がる】
【…しかし、何故自分はスーツを着てこんな事をしているのだろうか?童心に無理矢理若返らせられているのだろうか?そんな疑問は尽き無い】

【いや、分かっている、ちゃんと分かっているのだ。あの思い付きで不可避の命令を下す上司のせいだというのは】
【理解したくない、理解は出来無いのだが、しようとしたくない】
【木の幹からカブトムシを引き剥がし虫カゴに押し込むみたいに、考えたくない事は脳の隅っこに追いやるのだ】
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 22:19:57.23 ID:ZXqcrCU9o
>>872
「なるほど……所属するにあたって、機関上位の能力という物は一度見てみたかったのだが―――」

路地裏に響く、鈍い音の連続。男が女の頭を執拗に地面へと叩きつける行為は、誰の目から見ても異常。
それが「能力」に依る物であったとしても、最早止める者は居なくて。

そんな小さな惨劇を引き起こした彼の背中に、いつの間にか女は立っていた。

こんな時期には似合わない黒いコート。前のボタンは全て開けられていて、其処からは、紅い花が幾重にも描かれた白いシャツ。
下のカーゴパンツにも、同じように花が散っている。女にしては、色気など皆無の服装。
この人物を女だと理解できるのは、腰まで伸びたストレートの黒髪と、シミ一つ無い人形のような白い肌の顔を見てからか。
尤も、その顔も右目は縦に入れられた切り傷により、固く閉ざされているのだが。

「―――随分と強力だ。死霊術師……聞いたことは有るのだが、実際に見るのは初めてでな。全く―――」

言葉を理解すれば、彼にも分かるだろう。この女が、カノッサ所属の機関員ということが。
……男が続けるその行為を見続けても顔色一つ変えず、淡々と言葉を発す女は、どこか機械のようで。
何より。


「―――カノッサ機関の六罪王サマとやらは、随分と良い趣味を持っているな」


言わば上司も上司。会社で言うならば平社員と幹部の立場にあって、その接し方は全く以て悪の一言だった。

/では、よろしくおねがいしますー
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/16(金) 22:36:38.84 ID:bVnXoQg60
【櫻の国、城下町】

【転移、船舶、旅客機……遊泳。最後のひとつはともあれ、きっと何れもが適う櫻の国。】

【港から程近い交易区の旧市街。中世の趣を伝承する様に、鎮守の森がその外れにはあって】

【誘う様に軽やかに、深緑の薫りを湛える風が吹いていた。さらさらと鳴る葉擦れの音が、夏の日に涼やかな彩りを添える。】
【少しだけ先に歩めば、目立つのは一本の楡の大木―――― その根元近くに小さな姿がひとつ、ある】


【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。 】

【櫻風の意匠のベンチに、どこか楽しげに腰を下ろすのは、そんな形容の出来る人影だった】

【何度かやりとりした手紙。初めて交わすそのなかで決めた、待ち合わせの “その場所” の光景。】


(……目印はあの樹で合っていたわよね? )
(未だ、時間には少しあるか。ゆっくりと来てほしいから、そう早くはしていなかったと思うけれど―――)

【待つ時間は擽ったくも心待ちで。……それも、分かりやすく顔に出ているのかもしれないと思う。】
【弾む様に微笑む表情は、安らぐ様にひとりの友達の姿を待って――――】
【ずっと、楽しみにしていた朝なのだろう。逸る気持ちは、それだけ増して感じられる様だった】


/約束絡みなのです……!
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage]:2013/08/16(金) 22:44:43.18 ID:z+P6Qguwo
>>877

「いや……能力と言っても『コレ』はオマケの方だ」
「言うなれば―――何だ、プロ野球選手が嗜むゴルフ……の様な」

【革命家だけの空間に割り込んだ人物に対して、驚きといったリアクションはない。ワインを口に運ぶ動きが、突然の声色に動きを止める―――ような事もなく】
【相手が敵か味方かが不明な状態であるにもかかわらず、まるで友人と話すかのように彼女の言葉にテンポ良く返事を合わせて】

【ゆっくりとワインの味を確かめ、再度下の狂人に視線を送り鼻から息を吐けば―――ようやく、振り返って彼女の姿をサングラス越しの瞳で捉える】
【余りにもマイペース過ぎる動作に、多少の苛つきを彼女に与えるかもしれないが―――勿論、そんなことを考慮するはずもなかった】
【ジロジロと彼女の姿、雰囲気を目と肌で感じ取れば、ワインをグラスごと外に投げ捨てて腕を組んだ。―――下で、硝子が割れる音が遅れて響く】

「―――……ああ、同士か。 なあに、最近はやたら威勢だけ良い野兎が牙を剥けてくるものだからな……外で会う輩は大体敵だと思っていたよ」
「変わった趣味に思われがちだが、格闘技観戦の趣味が多少過激的になっただけに過ぎないさ……」

「……アンダーナンバーか、それとも躾のなっていないナンバーズか? 俺に敬語を使わない同士となればそう予想出来なくもないが」

【アンダーナンバーは、基本的に訳ありの輩に与えられる称号。彼女の凛とした佇まいと口調から―――そのように感じる「ナニカ」があった】
【会話が進む間の―――その静寂を、狂人の呻きと頭蓋骨の音が埋める。回数を重ねすぎて、まるで其れが日常にありふれた音であるように感じる程だった】
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 22:57:49.85 ID:3UU74OmW0
>>878

【数分後の事――――小さな小さな音。まるで、獣が獲物を狩る時の様な忍び足】
【カサリカサリと草を踏んで近づく気配】
【殺気も敵意も皆無。寧ろ、その逆と言った所だろうか。距離にして残り数歩まて近づいたのならば、一気に駆けて】
【――――不意に、少女の視界が黒に塗りつぶされるであろうか。そして、掌の形をした仄かな暖かさ】


「えへへ……待ったかな?
ちゃんと確認してたから、迷ったりはしなかったんだけどさ……」

【その人物を判別する術は、声しか無いのだけれど――――いきなりそんな事をしてくる人物なんて、簡単に絞られる事だろう】
【パタパタと聞こえる音。……何時もの如く、嬉しそうに尾が振られている証左か】
【可能であるならば、頭をぎゅうと優しく抱きしめて】


「――――って、思ったんだけど……何だか時間にまだ余裕があったみたいだねー……
まあ、それだけ柊と長く居られるから全然悪い事じゃ無いんだけどさ!」

【掌が退けられたのは、この時。或いは、少女が取ろうとしていればもっと前に視界は開けていたであろう】
【身軽な動作でベンチの背もたれを飛び越えれば、隣に座って。――――ご機嫌に耳を動かし微笑みを浮かべながら、「おはよう、柊」なんて言葉】
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/16(金) 23:06:36.24 ID:ZXqcrCU9o
>>879
「ほぉ、オマケ、か。刀を持たなければタダの一般人に等しい私からしてみれば、立派な能力に見えるがな」

彼の動きにイラつきはなかった。そもそも女は、そんなモノで頭に血が上るような性格ではなかった。
あえて言うならば、「六罪王」という物はこういう人物なのだと、現在進行形で理解しているかのよう。
彼がワインの入ったグラスを放れば、女は下で聞こえる死者の蠢きを横目にビルの手すりへと背中を預けた。

「……あぁ、私も同じだ。路地裏に屯する連中も多いせいか、おかげでよく斬れるというものだな」

彼からは見えないだろうが、この直前、女は多数の人間を斬ってきたのだった。もしかすれば、その死臭も漂ってくるのやも知れないが。
格闘技で人が死ぬことは滅多に無いがな、そう付け加えると女はまたチラリと、下を見た。

「No.110……梔子 冴。貴様は確か―――ラインハルト、そう言ったか。
 私が敬語を使わないのは、最早癖だ。心の広い六罪王サマには、許して欲しいものだな」

そこで初めて女は名を名乗る。六罪王であっても知らないかもしれない。
女とそりが合わなければ、同志である機関員さえも斬り殺す。そんなわけで100以下のナンバーを賜る、辻斬りの事を。

言葉では頼み込んではいるものの、表情は全くの無。つまりは、許してほしいなど微塵も思っていない上辺だけの言葉らしく。
まるで、そう許されるのが当然と、そう思っているかのように。

「ところであの男―――貴様によって動かされているようだがアレを『オマケ』と言ったな。
 貴様にはまだ、能力があるのか?」

躊躇など無いとばかりに質問を繰り出すのはやはり、この女の性格ゆえか。
素直に質問に応じるのならば、この女には心が広いと、総認識されてしまうだろう。
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/16(金) 23:08:52.67 ID:5d0PulLwo
【水の国――とある喫茶店】


【その喫茶店は、飲食店が立ち並ぶ通りから少し離れた場所にあった】
【佇まいは立派なものだが小ぢんまりとしているため、いかにもマイナーな印象があることだろう】

【店内は少し暗めで、控えめな照明が穏やかな光に包まれている】
【全体的にアンティークな装いで、落ちついてコーヒーでも飲みながら一休みするには適しているかもしれない】


【カウンターの向こうには恰幅のいいマスターらしき中年男性と――少女が一人、いることだろう】
【パールブルーの長髪に同色の瞳、腰の大きな青色のリボンが特徴の、青みがかった白いワンピースを身に纏い】
【グラディエーターサンダルを履いた、そんな、温厚そうな顔つきの少女だ】

【どうやらアルバイトらしく、紺色のエプロンをつけ、手にはなぜかスケッチブックを持っていた】


【「ああー、暇だぁ」と、マスターが欠伸混じりに呟いた。バイトの少女が苦笑を返す】
【どうやら繁盛とは程遠いようで、実際、店内に客の姿は無い】
【ただいたずらに、壁に掛けられた時計がコチコチと時を進ませていた】


【そんな様子だからきっと――次に入ってくる客は歓迎されるのだろう】
【少なくとも扉を開ければまず、コーヒーの香りが出迎えてくれるはずだ】
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/16(金) 23:10:59.68 ID:1igFesMBo
【廃ビル】

【鳴り散るサイレン。廻る赤いライト】
【ダウンタウンの交差点に面したビルの巨大ヴィジョンでは】
【この街の証券会社のビルと上る煙を生中継で空撮されていた】
【テロップには強盗団の強襲、現在逃走中。新聞社宛、不正取引を暴露】
【昨日の事件に引き続いて、TVのチャンネルは大慌てだ】

【うってかわって、そこから数十キロは離れた場所】
【ここではどの事件も対岸の火事。テレビの中のイベントでしか無い】
【その郊外の落書きだらけのシャッターと空き家だらけのブロックには】
【アスファルトに長い痕を残して横滑りしたバイクがシャッタに突っ込んで死んでいた】

……クソッ…無駄に銃火器ぶっ放しやがって

【そのビルの錆びついた非常階段を駆け上がる人影】
【汚れた黒いスーツ、朱のネクタイ、朱のバンダナで目より下を隠したサングラスの男】
【傷だらけのアタッシェケースと銀色のリボルバーを握り締めている】

あー、こういう時にバイクがぶっ壊れるってのはな……大事に乗ろうと思ってたのによ

【男はドアを捻るが開かない。拳銃の撃鉄を起こして、ドアノブと蝶番を撃ちぬく】
【銃声が3発。辺りに銃声が響いた。】

【男はドアを蹴破って、何もない古いビルの屋上に男は辿り着いた】
【ケースを投げ捨て、バンダナを引き剥がして体も無造作に床に投げ出した】

【男がジャケットを脱ぎ捨てるとシャツの左腕は赤く染まっている】
【バンダナで傷口を縛って、男は煙草を取り出して一服した】

【下の道路をパトカーが回転灯を回しながら走り去った。】
【追ってきた自警団や銃声を聞きつけた者が来るかもしれないが】
【男はダルそうに横になって、煙草の煙をゆっくり吐き出した】
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga]:2013/08/16(金) 23:44:54.70 ID:z+P6Qguwo
>>881

「ククク……口調とは裏腹に随分と仕事熱心な様だなァ、女」
「……通にしか判らない、良い香水を着けているのだな―――ックックックック……」

【「香水」とは―――血に混ざった死臭を指しているのだろう。此処に来る前の彼女が、男の脳裏に容易に浮かんだ】
【彼女も一種の狂人で、恐らく―――「闘い」か、若しくは「斬る」と言う行為にか。何方かに取り憑かれた輩なのではないか……?などと勝手ながら予測をして】
【自分と似た人種であることは間違いないな、と一人でに不気味な笑みを浮かべて声を漏らした】

「……アンダーナンバー。110……―――ふむ、組織というモノを知らぬ問題児がいると何処かで聞いたような気がするが―――」

【毎日届く膨大な報告の中の1つが、その3桁の番号により思い出された。そのような問題児がいる、との報告だが確かその時はどうしただろうか?】
【―――まぁ、こうして彼女が目の前に現れたと言う事は何もしなかったと言うことだろう。何より彼自身も、そこまで問題だとは思っていない】
【……寧ろ、面白い。―――とは思うのだが、「革命家」としてはそうした行為―――同士が同士を殺す、ということは防止しなければならなかった。故に―――】


                               <『「   き   サ   ま   カ   」』>


【快適に外出できるように窮屈になるまで抑えていた魔力を、その雰囲気を―――少々解き放ち脅してみる事にした】
【真夏の夜の温い不快な空気が、一瞬極寒の地の凍てつく其れに化ける。サングラス越しの瞳から突き刺さる瞳は色も形も不明な筈だが―――】
【―――危険過ぎる、とのシグナルを大音量で本能に呼びかける程の眼光で。辺りの何も無い筈の場所が一瞬歪むかのような錯覚が生じ】
【彼女の纏った香水―――血生臭い其れを完全に上回るほどの、腐乱臭に血の混じった、例えるなら地獄の瘴気と言える雰囲気を醸し出し】
【辺りの重力が一瞬重くなったかのような感覚が周りを囲むと同時に、一定のリズムを刻んでいた狂人が操り糸が切れたかのように停止する】

【問題児な彼女を諌める刹那の雰囲気の開放。また直ぐに地獄と化した空間は無と戻る】
【―――今の一瞬が、全てを示していた。彼がアンダーナンバー、そしてナンバーズの上で操る立場の人間、つまり六罪王であると言うことを】

「じゃあその前に、先に答えてくれないカ? 何故貴様は同士を斬るのかを」

【無と戻った後の彼はあっけらかんとしていて、そして何故か貼り付けたような笑顔を浮かべながら陽気な声で問いかけた。先程の4文字とのギャップが、妙に不気味だった】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/16(金) 23:55:00.15 ID:0sFah3aC0
>>880

…………っ!?
ちょ、ちょっといきなり目隠しするなんて――――……私も、ついさっき来たところだけれど……。

【幸せそのものの意識と表情。突然の出来事に生まれるのは無垢な驚愕と―――― そして、肌越しにとくんと感じる温もりの感覚。】
【意識の大半で慌てながら、別のどこかでは安心していた。彼女は、少女にはそういう存在だから。】

……は、早く退けてくれないかしら?
このままじゃ、私が何も見えな、……っ―――

【けれどまた別の感情―――― “逃れたい”、“目隠しから早く解放されたい”。】

【慌てた自分を彼女は見ていて。けれど、その彼女の姿は見られない。……一方的に見るのは、ずるいと思った。】
【そんな抗議の言葉だったが、頭を抱かれればもう紡げなくて。……お互いに表情が分からないのが、せめてもの救いだっただろうか】

【黙ってしまった少女を開放して、ひらり舞い降りる亜人の少女―――― やっと目で見えたその姿に、少女は、ようやくまた口を開いて】

もう……相変わらず悪戯好きね。
……おはよう、ヨハン。あれから元気にしてた?

【心躍るままに浮かぶも控え目な表情、歓びの柔らかないろを湛える双眸。】
【口元が年相応の表情を見せたのは、言葉にない彼女の本心なのだろう。……それ自体気恥ずかしかったが、また会えた喜びを隠しはしない。】


……それじゃ……準備はいい?
“山” であって “林” じゃない、きっと貴女の知らない道程――――……嫌がるのなら今の内よ。
私は、今、あなたを逃がすつもりはないから―――……約束は約束よ?

【ふふふ、と企み事めいて口にする言葉。……ここが、目的地ではないということ。】
【脅しにはてんで使えそうにない其れであって――――― どうあれ、普段の余裕で説明を続けるだろうか】


ここから少し行った所に、言っていた “山” に直通のロープウェイがあるの。
それが、あの山を歩くには一番いい――――……全部歩くのもいいけれど、行ってからも楽しみたいもの。

【透る声。潤った心の発露のように、どこか得意げな、静かな瞳を合わせて紡いだ】 

【彼女と過ごせるこの時を、心ゆくまで楽しみたいという事なのだろう】
【“これから” を思わせる、穏やかにくすり笑う少女の表情――― それは途中の道程で、どんな風にでも弾みながら、どんな風にでも変わる筈】
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 00:21:20.16 ID:aVWS2+32o
>>884

「付いてしまうのだから、仕様が無い。よもや貴様が、この香りを嫌悪するという訳でも無いだろう」

不気味に笑う彼。女はそれに対して初めて表情を崩し、口だけが微笑を浮かべた。
女は、避けようと思えばこの体に纏わりつこうとする血など避ける事が出来たし、そもそも人を斬らなければこんな匂い、付くはずがない。
人を斬ってしまえば、血は付かずとも死臭は篭る。それが、女が人斬りだという一番の理由。目の前の彼には、それが分かっているようであったが。

「ほぉ、私のような者が上に知られているとは―――――――――……」


一瞬。女はこの場所が『死んだ』と思った。気温の急激な低下―――膨大な魔力の発散は言うまでもなく、目の前の彼から―――、
―――いや、『六罪王 コーネリアス・F・ラインハルト』から解き放たれた物であるなど、魔力に疎い女でも容易に理解できた。
この男は近寄ってはいけない類の人間だと、人体中に強制的に理解させるような、凄み……といえば良いのか、まぁ、そんな感じ。

世界を変化させたかのように見せる彼の魔力を前に、女は、立ち尽くしていた。
だけども女は、普通ならば吐き気など体の不調を訴えてもおかしくない程の魔力を目にしながらも、只々其処に立っていた。
……いや、指の先がカタカタと震えていた。あまりのプレッシャーに、女も少しだけ負けてしまったようで。
―――けれども、逆を言えばそれまでだった。他の部分は、全くと言って良い程に彼の魔力に押されることはなかった。


「私が同志の内で斬るのは、今の所ノーナンバーだけだ。時に彼奴等は、私の好かない行動を取ることが有る。
 渾沌―――ソイツらにとって見れば、その行動は渾沌を生み出すという『結果』に近づいているのかもしれん。
 だが、『過程』の快楽へと手を染めすぎるとなれば―――私は、容赦なくソイツらを斬り殺す。この世は、結果こそ全てだ。戦い以外において、過程などまるで要らぬ」

前と寸分違わぬ口調で、女は喋り出す。指のかすかな震えさえ無ければ、まるで彼の魔力放出など無かったかのよう。その震えも、もう既に止まっていた。

結果を重視し、その間の過程などどうでも良いと思っている女にとって、「強盗した金で喜ぶ」などの行為は侮蔑の対象であった。
それが限界を超えれば、時空の間から女は得物の大刀―――いや、もう刀と言っていいのかわからない超大型の剣―――を手にして機関員へと襲いかかる。
さぁ答えたぞと言わんばかりに、女は、その左目で彼を見る。鋭い、鋭い目だ。目線で何かが切れてしまいそうな、そんな目で。
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 00:24:20.17 ID:LD7TgJKG0
>>805
「キミが見えない間は、ボクが代わりに柊の目になってあげるから安心してくれてもいいよ?
キミのお陰で、ちゃんと両方見えるから。…………なーんてね」

【あの頃の傷だって、冗談に用いる位には癒えている筈】
【頭を抱いた時の暖かさも、一緒に横に並ぶ暖かさも、どちらも好きだから――――】
【抗議の声を受けても悪びれる様子を見せるどころか、其れを材料にからかってしまう位には意地の悪い性格】
【尤も、それは少女が相手だから……というのが大きいのだけれど】


「それに……ボクは別に悪戯好きな訳じゃ無いんだよ?
悪戯したくなる柊が悪いんだから……ね」

【対して、亜人の少女は恥じることも無く一杯に喜びを表していて――――けれど、悪戯好きという言葉にはむつけた様に頬を膨らませた】
【ぶーぶーと文句を言えば、そっぽを向いて。締めの言葉では怪しげな笑みを見せれば、自然に指先が伸ばされるのだろう】
【可能であるならば、ツンツンと優しく少女の頬を突いてみたり、或いは額を撫でてみたり】
【――――元気であったかとの問いにも頷き一つ返すだけで済ませ、やはり指先で遊んでいる事だろう】


「……ふふーん。そんな言葉でボクが怖じ気づくなんて思ったら大間違いだよ
山でも林でも海でも、ボクは何処だって平気なんだからさ
それに……ね。一緒に居てくれるんでしょ?柊こそ、逃げちゃ嫌だからね」

【クツリと笑えば、遊ばせていた指を止めて】
【“双眸”を交えさせたならば、少女の説明へと耳を傾けるのだろう】
【――――この少女からしてみれば、もう旅行は始まっているも同然。少しの説明だって、心を躍らせるには十分】


「ロープウェイってアレだよね……何か、えーっと……と、兎に角乗り物!
…………うん。ボクも、出来るだけ長い時間柊と一緒に居たいから――――
ふふ、歩くのも好きだけど、どっちの方が良いかって言われたら……」

【手を繋いだならば、言葉無く立つ事を優しく促し】
【――――浮き足立つ様子は隠しきれず。ずっと、楽しみにして居たのであろう】
【まるでリードを引っ張る犬の様に、少女を急かして】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage]:2013/08/17(土) 00:32:52.43 ID:9deFMsXGo
【綺麗な月が、暗い空の頂点にある頃 町はずれ】
【都心部を外れた場所。あたりいったいは近代的開発に失敗してしまい、使われていない建物が立ち並ぶ寂しい街並みだ】
【日中ならばぽつぽつと人を見かけることができるが、日が落ちるころには人々は居なくなってしまい、獣の遠吠えが木霊するさびしい空間となってしまう】

【人影が無く物静かな空間は、何かをするさいに邪魔なの入らない場所である】
【そのため時々、夜のこの場所を人が訪ね、様々な行動をしていくらしい】

「……はっ!」
【そんな街並みの、廃棄された工場の一つから響く、気合のこもった人間の声。】
【運動着を身にまとった青年の額からは、大量の汗が滴り。肩は激しく上下して、荒い呼吸が口から続いている】

「はあ、もう……!」
【拳を突き出してみたり、蹴りを繰り出してみたり、飛んでみたり、しゃがんでみたり……青年は、がむしゃらに身体を動かす】

【それは、何かと戦うような動き。動作そのものは素人だが、基礎身体能力は高いらしく、動きは機敏だ】
【……もし、運動の様子をよく観察する人物がいたとすれば、そのような印象を感じるだろう】

【――知らなかった。僕に、あんな感情があっただなんて。】
【何時も通りフラフラと街を歩いていて偶然見つけてしまった殺害の現場と、死体の山。】
【無視して通り過ぎることも出来た筈なのに、言葉は勝手に口から溢れ、身体は勝手に動き出していた。】
【本気で、心の底から……世界の中で、こんなことが起こるだなんて嫌だ。 そんな風に感じている自分が居た。】
【正義感だとか、そういうものは、自分とは関係のないものだと考えていたのに――】

【青年がどんな心情で身体を酷使しているのかは、第三者には分からないだろう】
【ただそうして、何かに取りつかれたかのように身体を動かし続ける青年の表情は真剣そのもので、なにかを渇望して苦悩する様子があった】


//起きレススレに投下したものの回収版ですが、よろしければー
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga]:2013/08/17(土) 00:59:59.45 ID:dncf0kBCo
>>886

「ふむ、もう少し力を入れた方が面白い結果が見られたかも知れないなァ……是非とも、君の刃(ココロ)が折れる所も見てみたい所だが―――」
「先日ある奴に魔力を垂れ流すのは良くないと言われたのだ、軽くしたつもりでも大分広がっているらしい故、そんな意地悪は止めておこうか……クスス」

【貼り付けた笑顔は彼らしい裏を匂わせる微笑へと変化する。その変化は、彼女の力量を認める証拠でもあった。「やるな」という笑みだった】
【実は此処で彼女が膝から崩れ落ち、意識を保つことで精一杯であったとしたら―――そのまま葬り去ろうとしていたのは内緒の話】

【彼の隠れた「テスト」をくぐり抜けた彼女は、先程の瘴気の余韻に気分を悪くする様子も見せずに口を動かす。―――上に知られるだけの力は、やはりあるのだろう】

「―――悪くない……俺寄りの思想だ、が―――その行為はカノッサに仇なす行為だ。カノッサを否定する行為とも言える。そしてこの俺を、総帥スペルビオをも」
「貴様は気まぐれに刃を震えるほど偉くは無い……組織を壊す行為は革命を滅ぼす。その行為が混沌に繋がると思うのなら俺と同じ地位にまで昇ってから殺れ」
「俺に、俺以外の六罪王に―――総帥スペルビオに貴様を認めさせろ。地位が無ければ貴様は迷惑な猫に過ぎん……後に貴様に『処理』の命令が下っても可笑しくはない」

「何というか……貴様は身の程知らずだ。やれやれ、機関員によく見るタイプだがその中でも特にこじらせている……悪の組織と言われる我らにも、『礼儀』は必要……」
「……自身より強い輩には従え。従う気が無ければのなら寝首をかけ。その何方の極端な2択だ。間など皆無よッッ……!!」

「故に俺は―――総帥スペルビオに従う。それだけだ―――」

【彼女の思想を受け止め小さく頷きを見せるが―――それでも出て来たのは批判の言葉であった。彼女の行為は自分勝手であり、組織を滅ぼす原因にもなる―――との】
【その行為を正当化するには、少しでも上の立場に―――完全に文句を言わせなくするならば彼の地位が求められる。と】
【『処理』の命令が出るかも、との脅しをかけつつ、その問題児を『従順なカノッサ機関員』にせんと言葉を続ける。彼が思うその従順な機関員は、極端過ぎるのではあったが】

「……え、何? そんなに睨んじゃって」

【刃の如き視線には、耳に手を当ててわざとらしく半笑いで言葉を投げ返した。「さあ答えたぞ」との視線を、おちょくるかのように「知らんぷり」をしたのだ】
【別に、話したくないとかそんな理由は一切ない。唯、相手がこうしてほしいという要求には答えたくなくなるモノだろう、と。そういう子供じみた理由である】
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage]:2013/08/17(土) 01:11:36.19 ID:9deFMsXGo
>>888
//やっぱり取り消させてもらいます
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 01:34:33.10 ID:aVWS2+32o
>>889

「何度やっても同じだ。私の心は絶対に折れず、また『私』も絶対に折れることは無い」

おかしな事を言う女だ。わざわざ、同じ事を二回も言う。
彼が女をそんな巫山戯たことを言う物ではない人物だと評価しているならば、不思議に思われても仕方が無いだろうその言い方は、
つまり女にとってみれば、ごく自然に出てきた言葉なのだろう。―――如何せん、この女には略歴に謎が有る。

「強い者ほど自分の力量は測りきれないというが―――なるほど、今のでわかった気がするな」

テストはどうやら、合格のようだった。女もまさか、何の目的も無しに彼がこんな「脅し」をかけてくるなど思っていなかったようで。
自分を試しているのではないか―――そんな予想は、当たったと言っても良いだろう。
……しかし、彼が軽くと言ったあの魔力放出。今相対している人物が誰なのかを女に改めて認識させるには十分だったようで。

「さすが、『革命家』は言うことが違うな。いや、組織の幹部としては当たり前の注意喚起か。
 
 正直言って、私は私の行為を貴様に言われたからといって自ら咎めるつもりはないし、今まで行ってきたことに後悔するつもりもない。だが―――、

 貴様が一言そう言ったお陰で、私のカノッサに仇なす行為が減るかもしれんし、また無くなるかも知れんな」

口が笑っていた。
彼の言葉は要するに「それをやるならもっと偉くなってから殺れ」と、そういうことだろう。
その問に女は、なんとも曖昧な答えを残したのだ。相手は六罪王。殺されてもおかしくないというのに。先ほどの魔力で、指が微かに震えたというのに。
しかし、口ではそういったものの女の心のなかではもう既に決まっていた。
今まで通りしていればナンバーは上がらない。しかし、下がりもしない。さればどうするかというのを女はとっくに考えていたのだった。


「―――……やはり、六罪王という物はわからん。今は4人いるらしいが、他の3人も貴様のような『イロモノ』なのか?」

巫山戯た質問に付き合う気はないとばかりに突っぱねて、こちらから出るのは彼の第一の能力のことではなく、六罪王.の事。
今まで幹部に君臨してきたことも有り強烈な個性を残す男だと女は思い、又同時に他の六罪王へも思いを馳せた。
……言外に「早く答えろ」と言っているのには、さすがの彼でも容易く気付けることだろう。それでまたおちょくるのかは彼の性格次第だが、さて。
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/17(土) 01:47:43.42 ID:dJyL2UVl0
>>887

【紡がれた “少しだけ” 衝撃的な冗談、】

……それじゃ、よろしくお願いするわ。
貴女の目なら水夫さん並みだし、舵を任せても安心できる―――――― なんてね。

【虚を突かれた様に一瞬黙って――― けれどその後にはお返しと、彼女への感情を、信頼を口にする】
【少女には、本当は涙が出るほど嬉しかったのかもしれない。言葉じゃなくいつも通りに飾らないこころで、ふたりの傷痕を暖めてくれた優しさが。】

【頬を突かれれば少し困った様に見つめ返して、額を撫でられれば気恥ずかしそうに身を竦めて。】
【遊ぶ指先に表情を崩されれば――――そのまま、自然と笑みを零すのだろう】

……っ……ふふっ、良かった。高い所を行くことになるし、怖がられたら大変だったし……
楽しみにしてたこの日から、逃げる理由もないのだし。

それに、ね。それがどんな時であれ、私は何かから逃げるのは嫌。
これは……あなたには話さなかったかしら。

【なんとなしにくす、と笑う言葉と同時、浮かべるのはどことなく余裕のある、悪戯っぽい表情】

【急に伸ばす左腕が亜人の少女の後頭部を優しく抱いて、右腕がその温もりで背中を抱こうとする。】
【出来たなら左の指先は金色の髪を、撫でる様に穏やかに梳こうとして】
【逃れられたならそれまでの話――― きっとそうできるくらいには、優しい隙間のある襲撃だった】

【……どの道、少女は紅くなって自滅する。以前よりはずっと解れていても、この少女は、あの少女のままの様で】

【はしゃぐ笑顔に微笑みを返して、遅れない様にと立ち上がる。】
【亜人の少女よりは、きっとずっと小さな表情の変化―――― けれどこの櫻の少女には、満面の笑顔にも等しいものだったのだろう】
【急く足取りがふたつ続く。続いて、続いて、少しだけ切れた息に少女はまた笑う。】

【言葉通りの道程が終われば、ロープウェイの停留所へと少女ふたりは到るだろうか】
【その場で少しだけ待って――― やって来たのは二人乗りのゴンドラ。幾つか種類のあるであろう内、もっとも少人数を運ぶ其れであって】   
【選んだのか、偶然か。「空いてるわね」 なんて言葉を紡げば、傍らの彼女と一緒に乗り込むのだろう】

【自分が先に乗り込んだなら、安心できる様に寄り添いながら。……はしゃぐ亜人の少女が先なら、圧倒されながらも―――そんな二人を可笑しく感じた様に、笑いながら。】

【そんな、大切な優しい時間。穏やかに流れゆく山のひととき。】

そういえば、頂上に行く予定だって事も初耳かしら?
そこまで長くはならないと、……!?

【ふたり、暫くは楽しげに語らおうとしていた少女だが、やがて急に様子が変わった】
【口数が減って、慌てた様に視線が逃げて。急に暑さのことなんて口にする。】
【その際、仄かに頬が染まったのが―――― 或いは手掛かりになるのだろうか】


……暑い、わね……少し窓を開けましょうか。
……ほ、ほら。ここからでも未だあの場所が見えるわ。折角だし貴女も見た方が――――

【……近い距離、二人きりの状況。思い浮かべたのはこれまでの幾度もの邂逅のこと。】
【“やられた” 事も、“やった” 事も。……穏やかな喜びだけでなく、そのときの感情までも蘇って。】

【遥か眼下の街並みが遠く、遠く、時に木々を越え谷を越えて視界を流れゆく様―――――】
【鳥が大気越しに見る世界が、このふたりだけの時間には共有されていて】
【其れに心惹かれたとしても不思議ではなくて。……頬が染まってさえいなければ、言いわけには十分だったのだろう】

【けれど、彼女は気付くだろうか。……気付いて、また解してくれるだろうか。】
【そんな亜人の少女の温もりを、確かめる様に繋ぐ指先―――― 誰よりもふたりでいる事を、ずっと感じていたかったから。】
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga]:2013/08/17(土) 02:21:32.89 ID:dncf0kBCo
>>891

「うくくくく、如何にもテンプレートな回答よ……そりゃあそう言うだろうな、貴様は」
「絶対に折れないと思わないと折れる―――無理にでも、全く予想がつかずとも、だ」

「貴様と貴様の『心』……どう違うのかは俺には判らないが―――折れないと思うのは、当然の事だろう」

【軽度の嘲笑から言葉を続けるその様子は、やや見下した印象が取れる。部下故に―――などという理由は関係なく、大抵の人間に対しての態度がコレであるのだが】
【絶対に折れない―――と彼女が語るが、この男は勿論そんな筈は無いと思っていた。自分もその様な自信を持っていたが、スペルビオは唯一彼の心を折った】
【やはり、上には上はいる。アリしかいない世界であれば、きっと誰も竹を折ることは出来ないだろう。其れを折れるのは、虎や熊、他の世界の住人だけである】
【一段階上の世界を知らないから、「絶対」と言う言葉が使えるのだろう。自分の場合は、スペルビオが「上の世界の住人」だった為に一度折れたのだ―――】
【―――故に、心内で彼女の『絶対』を嘲笑う】


「―――クックック……とんだ問題児だ、貴様は。 何故貴様がカノッサにいるのか不思議でならん……貴様は組織の人間としては不向きだろう」
「だが、俺は面白い人材だとは思っている……何%かは、そんな「異端」が居ても良いとは思うが―――やり過ぎるのなら、先程の狂人をけしかける」
「ふむ……出来の良い奴を4か5体で事足りるか」


【更正する気を見せない彼女に対し、只々「面白い」という感情が湧き出てくる。が、それはコーネリアスという人間にとってはのコト】
【カノッサを統制する「革命家」の彼からすれば、やはり其れは邪魔なもの。処分とはいかないため、再度脅しをかけるしか無い】
【狂人―――もう既に生命活動を停止した男の事だ。アレはまぁ出来を言うと平凡。兎に角、あのような狂人が5人ほどあれば、彼女をしょっぴくことは可能だと言う】

「ククッ、貴様も十分イロモノだろう。 ……革命家が常人の神経でやっていけるか? 革新的故の革命家というわけだよォォッ」
「―――ああ、他の能力が知りたいのだったな。……まぁそう焦るなよ、帰る時には嫌でも見せなければならなくなるのだからな」

【イロモノであることが、革命家の条件だ―――と彼は語り、そして「しょうがないな」と言わんばかりに鼻から息を吐けば、そんなことを呟いて】
【そして今度は彼女に問いかけた】

「この六罪王が答えてやったのだ、貴様にも話してもらおうか―――能力、そしてカノッサにいる理由を」
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 02:24:24.05 ID:LD7TgJKG0
>>892
「あのねぇ……ボクが怖い物なんて、団長位だよ
別に狭いところも暗い所も平気だし、高い所だって全然――――――
ちょ……!ちょっと……そんな風にされたら歩けないってば……!
もう、悪戯好きなのはボクじゃ無くて柊の方じゃないのかな……」

【視線は前方。もう既に、目指す先を見つめて居て――――故に、少女の思惑に気付く事は出来ず】
【気付いた頃には、腕の中に収まっていて。嫌ならば、振り払うのであろう。だけれど、顔を朱に染めている表情からは、決して負の感情なんて読み取れなくて】
【小さく唸れば悪態を吐くのだけれど、弄られるがまま。スキンシップさる事には弱い。だから、少女に負けない位には赤くなっていた事であろう】
【其れはこの少女の探しにくかった一面。昔は、だけれど】
【口では悪態を吐くも――――悲しいかな。“狼”である少女は、本能のまま嬉しそうに尾が動いていたことだろう】



【繋いだ手を離すこと無く、そのまま歩き続けて】
【余裕があったならば、思い出話なんかしていたのかもしれないけれど――――如何せん、その歩行速度では難しいであろう】
【けれど、それもまた楽しくて。着いた頃には少しばかり乱れる呼吸。それでも、笑みに曇りは無く】

【ゴンドラ、と言う乗り物自体が珍しかったのだろう。目を輝かせてはそれぞれを見比べたり何て事をしてみて】
【――――少女が示したゴンドラへと近づいたならば、引っ張る様にして中へと乗り込むのだろう】
【チョンチョンと腕を動かせば、隣に座るよう促して―――ー叶ったならば、満足そうに微笑んで】


「ずっと楽しみにしてたから、敢えて聞かなかったもんねー……
やっぱりこういう場所はいいねー……あ、ボクは時間掛かったって平気だよ?
こうやってキミとお喋りしてるのだって楽し――――どうかしたの?虫でも入ってきた?」

【木々を眺めていれば、耳だけを少女へと向けていたけれど】
【突然言葉が途切れたならば、怪訝な表情を浮かべて顔を向けるのだろう】
【確かめる様に、更に詰められた距離。さて、少女にとってコレは不幸であろうか】
【金色の瞳が顔を覗き込むようにしていたのだけれど、その言葉に促されれば窓から外を見て】


「うーん……こうやって見ると何だか歩いた事に達成感を覚えるというか……
って言うより、ボクは柊の方が心配なんだけどな
確かに暑いけどさぁ……さっき何か言いかけてたのにいきなりそんな事を言うなんてやっぱり変だよ
熱中症か何かで具合悪くなったなら言って欲しいな」

【――――その軽視を楽しんでいたのも、少しだけ。再び少女へと顔が向けば、心配そうな色を浮かべて】
【或いは、以前ならば何故赤面しているのか直ぐに理解し、からかっていたのかもしれない】
【だけれど、其れよりも距離が近くなっているから――――だから、赤面の理由に気づけなくて】
【繋いだ指先はそのまま。空いた手を少女の頬に添えたならば、こちらへと向かせて】
【所謂、吐息の掛かる距離。何時かの日、共に転んだ時を思い出すような距離】
【じーっと見つめたならば、やがて熱を比べるかの様に額同士を合わせるのだけれど……さて、嘗ての感情が思い出されている今、どう転ぶであろうか】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 02:58:14.94 ID:aVWS2+32o
>>893
「貴様が六罪王で、私とは比較にならないほど高次、高位の存在で有ることを理解した上で私は言おう。『やってみろ』とな。
 私が折れる時、その時はまた、考えるとしてな」

彼がなんと言おうと、女は女の持論を曲げない。しかもこの女、『絶対』などという言葉が通用しない世界だということを知っている。
だから、彼の言葉から彼が暗に自分を嘲笑していることも分かっていた。
それがどんな経験則だったとしても――大方、罪神だろうが――、女には届かない。いや、届いているだろうが弾き返す。

……言うなれば、ただ単に意地を張っているだけ。故に心が折れてしまった時の事を、確りと考えるだけの頭があった。
だけど今は、まだその強固な壁が壊されない限りは、女は意地を張り続けるのだ。高みの存在によって、壁が一瞬で壊されようとも、今は。

「だろうな。私はナンバーなんて物に興味はないが、何故私がアンダーナンバーなのか、その理由くらい分かっているからな。
 
 『アレ』をか? ……ま、貴様の事だ。この短時間で何となく貴様という人間がどんな人間なのかが分かった気がするが―――。
 貴様がそう言うのなら、『アレ』4,5体に私は敗れてしまうのだろうな」

むしろ、女は一般機関員に落とされないのが不思議な位だと思う。やはり女は、自分が組織に与えるダメージというものを分かっている。
今直ぐ『処分』されてもおかしくない状況にも関わらず、女には焦りというものが一切浮かんでいない。そんな感情、無いかのようだ。

女が思うに、目の前の彼は本物の革命家であり、本物の悪。六罪王の椅子に座る彼が、間違った判断を下すとは、女には思えなかった。
けれども女は、あくまでその反抗的な姿勢を崩さない。「だからといって、諦めるつもりは毛頭ない」―――そんな言葉は、胸に仕舞っておいた。


「―――まぁ、過去に貴様が引き起こしたカノッサの動乱は、革新的と言わざるを得ないな。其処は、素直に尊敬する。
 私にはただ斬るだけにしか脳がないからな……やはり、幹部だな、貴様は」

能力については―――、まぁ、そうかと一言残すのみであった。少しながら、不満の声でも有るのだろう。
次いだ彼の質問は、女にとっては少し意外であったらしい。こんな格下の能力を聞いて、何の役に立つのかと。
だが、そんなOPEN可能な情報に一々反抗していても、きりがないのは事実だった。

「私が能力と呼べる物は―――――――――、まぁ、『コレ』になるな。生憎、私自身は無能力者でな。

 後はカノッサにいる理由、だったか? 簡単だ。此処に居た方が『世界の結果』を見易いと思ったまで。
 何かが違っていれば私は今頃、貴様に本当の意味で刃を向けていたかもな」

女が手を伸ばせばそれだけで空間が割れ、その空間の間からは黒い刀が顔を出す。しかし、その刀身は異様に長い。目測、3mはありそうだ。
見るからに重いそれを軽々と持つ女の言葉に、違いは無いのだろう。
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 03:03:44.84 ID:aVWS2+32o
>>895
/途中送信してもーた……最下段から続きます。

結果、結果と、やたら結果を重視しているような女は、やはり異常者だ。
世界の結果―――カノッサの方針に従えば、世界が渾沌に包まれる時。正義にとってみれば、世界平和……だろうか?
要するに、どちらが実現できそうか。どちらがより近いか。その結果、女は罪の無い人間を斬り殺す悪となった。
幾ら六罪王からカノッサに歯向かう行為だと言われた事をやっていても、女は、カノッサの力というものを信じているのだった。
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga]:2013/08/17(土) 03:39:18.10 ID:dncf0kBCo
>>895

「アレ4、5体というのはかなり貴様を評価している証拠なのだが。 上等な死体1体で能力者と五分と計算しているのだぞ」
「もし今度この国でテロを起こすのだったら、貴様を最前線に置きたいくらいにな……実力には文句なしなのだろう、あとは素行だけだ」
「……まぁ、だからアンダーナンバーに収まっているのだろうがな」

【路地裏に転がる2体の死体に一瞬視線を向けながら零した言葉は、先程と違って彼女を評価する言葉】
【―――ついでに、彼が能力者と同等の戦士を生み出せる、という事実も同時に明らかになった。しかしこの能力でも、彼にとっては「オマケ」なのだ】
【そして強力な能力を持っていることは間違いない彼が、六罪王という地位につく彼が、地位で劣る彼女の能力を知りたい理由―――】

【其れは単純に、カノッサを仕切る側の人間ならば部下を知っておく必要があるとの考えを抱いているだけである】
【―――自分の恥じるべき点、カノッサの恥じるべき点としてはまだまだ組織内での交流が足りず、情報が行き交っていないことを彼は上げていた】
【入れ替わりの激しいことはあれど、六罪王が他の六罪王と交流が無いことはやはり可笑しいと思っている】

【自分が彼女の能力を理解していれば、先ほど彼が口にしたようにもしテロがあったとすれば、彼女のパフォーマンスを存分に発揮できる位置に置ける確率は上昇する】
【カノッサの事を思った上での質問が、彼女の能力を問うものだったのだが―――理由の方は、単純に気になったまでだ】

「世間には能力者を優良種、新人類と呼び崇める連中がいるらしいが、俺はそんなことはどうでも良い……」
「能力者=強いという式は決して成り立つとは言えないだろう?無能力者でも強い輩など何人も見てきたしカノッサにもいる」

「……世間が俺の言う事を理解できないように、俺も貴様の思想は良く分からん。……が、混沌に繋がればどんな理由でも構わないさ……ククックック」
「世界の結果―――その答えを少しでも早く見たければ、同士の斬るのは止めろ―――カノッサの流れを、世界の流れを妨げる行為だ」
「―――といっても、お前はどうせ其れを頑なに認めようとしないのだろう。……まぁいい、戦力になるだけで十分だ―――」

【彼女も彼女で歪んだ思想を抱いているらしく、小さく男は息を吐いた。男はゆっくりと片手を上げる。親指と中指を合わせる。擦る。パチリと音が鳴る―――】

「―――こうしないとシレーナ島に帰れないからな……能力自体は単純だが、火力が違う。語るのは其れだけだ」
「では、110の梔子 冴―――だったか。貴様の昇進と改心を心待ちにしているぞ……クハハハハハハハハハハッッ!!」

【掲げた手から大量の紫炎が吐き出され、其れが形を変えていく。象ったのは不死鳥であり―――男が、その背中に乗った】
【不思議とその背中は熱くはないらしい。が、両の翼からは夥しい熱気が上がり、夏の空気を更に気持ち悪いものに染め上げていく】
【焔を生み出し、色々な性質を加えたりできる―――との事がこの光景からは解るハズだ。そしてその焔の翼が上下すれば―――男を乗せた鳥は宙に浮いて】

「世界に革命を……混沌をッッ!! レ ッ ツ ――――レ ッ ボ リ ュ 〜〜〜 シ ョ ン ッ !! 」

【個性的な台詞と共に、そのまま紫の流れ星の如く空を駆けて去っていった―――】


/遅くまですみません、お疲れ様でしたー!
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 03:46:39.61 ID:aVWS2+32o
>>897
/お疲れ様でした! 今はちょっと眠いので、お返しは起きてからすることにします……
/長々とした文で誠に申しわけございませんでした、そしてありがとうございました!
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/17(土) 03:57:16.50 ID:wvwUnoTj0
>>895

万が一そうかもしれないけど、そうなったのは貴女が原因。
眠れる獅子を起こしたのか、寝た子を起こしてしまったのか……かわいそうだけど諦めるのね。

【――― 「逃れる術なんてないのだし」。】
【自信とも好意とも取れる言葉だったが、頬に差した紅みはそのままで。……照れ隠しには強気すぎた言葉に、内心 のだろう】
【“悪戯好きに目覚めていなかった” のか、“昔はそうだった” のか。何れこの少女がこうも解れているのは、きっと、亜人の少女  かった】

【やがて立ち上がった亜人の少女の楽しげな足取りに、少女もまた駆け出して――――、】

【辿り着いたゴンドラの停留所。笑い合えたのも嬉しくて、二人急いでいたのも楽しくて】
【興味津々といった様子の亜人の少女に、知らずのうちに頬が緩んだ。……ずっと見ていたい、心で思った。】
【跳び込む様な勢いに任せて、“彼女らしい” 仕草の――――けれど心の弾むままの、トン、と軽やかな音色が後に続けば】

【訪れるとても暖かな空間。手招きに応じたというよりは、自分からそうしたかった様な様子で、少女もまた腰を下ろすだろう】
【見えた情景は綺麗なもので。けれど其れ以上に心動かすのは、傍にいる亜人の少女のことで――――。】
【繋いだままの指先。弾んで、鈴の鳴る様に心地良く聞こえる声。虫の話が出れば 「あなたは苦手?」 なんて風に誤魔化すが、答えそのものは分かりきっていて】

【……“これまで”を思い返してしまうのは、きっと少女には仕方のないこと。けれど/だから、】

(……あ……!)

【頬に触れられるだけで心臓が跳ねた。けれど跳び上がることは出来ず、抵抗なく顔を向かされて―― 橡色と金色がすぐ傍で向かい合った。】
【いよいよ耳まで真赤になる少女の呼吸――― 熱に浮かされた様に近距離で顔を見つめる意識に、亜人の少女の吐息が柔らかく届いて】

……待って、待って……何でもない、大丈夫だから今は放っておいて。……お願いだから、今だけは……!、―――――!

【堪える様に俯こうとしたその時に、】
【こん、と優しい感触が少女の好きな温もりを伝えた。……それが、決定的な一撃だった。】

【羞恥心が限界に達したのだろう、酸素を求める様に口を開いて――― きゅう、なんて音で喉が鳴れば。ふらり、少女は横向きに体勢を崩して】
【不意に倒れる少女の上体に押されて、ふたり一緒に倒れ込むことになるのだろうか。向かう先は “座っていた” あの座席――――】
【……少しすれば気が付いて、自分を取り戻すのだろうけど。それまではきっと少女を上にした体勢で、ふたり、倒れ込んだままになるのだろう】

【“そうなった” 体勢は亜人の少女次第ともいえて――――― 或いは倒れずにいることも、堪えれば出来るのかもしれなくて、】

/すみません、遅い上に眠気がそろそろ限界に……orz
/明日は9、10時くらいには来られそうですが、明日に持ち越しちゃって大丈夫でしょうか……!?
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 04:01:50.85 ID:LD7TgJKG0
>>899
/いえいえ、お気に為さらずとも!
/こちらも眠気がそろそろ危なかったので持ち越しの方でお願い致しまする……!
/恐らく10時辺りには来れると思うので、その際は雑談所でお呼び致しますね!
/それでは、お疲れ様でありました―!
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/17(土) 04:08:18.75 ID:wvwUnoTj0
>>900
/ありがとうございます……! それでは、一旦お疲れ様でしたー!
/少しでも速度を上げられる様、英気を養っておきます故…orz…!
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 09:20:13.36 ID:aVWS2+32o
>>897
「それはそれは。六罪王である貴様にそう言ってもらえるとは嬉しい事限り無しだな。
 テロなり何なり、大きな事件の時は私だって真面目に相手だけを斬り伏せるさ。決まって能力者が出てくる故、一般機関員の細かな動きなど見てられんからな」

尊敬の「そ」の字も無いような言葉遣いとはいえ、女は女で、彼の事を評価していた。元々強い人間には一定の眼差しを送るのが女のスタンスだ。
対能力者用の戦士をほぼ0から作り出せる――死体など路地裏に山ほど転がっている――。それでさえオマケというのだから、女には彼の力の底が見えなかった。
真面目に―――とはのたまっているが、では普段が真面目ではないのか……その答えは彼にも容易に分かることであろう。

「勿論だ。私も見たことが有るぞ、タダの銃使いにして、その技術を能力の域にまで引き上げた男をな。

 ま、六罪王に言われては仕方が無い。この問題は、要するに私が『短気』だという問題だからな。
 ―――とは言っても、"簡単に治せるような代物ではないがな、これは"」

エルジオで戦ったあのガンマンは、自分と同じで銃が出せる武器召喚系の能力者なのだが……まぁ、それはともかくとして。
ソイツは手負いながらも自分を殺さんとした。事実、殺されかけた。記憶に焼きついた弾丸捌きは、女が強者と認めるには十分すぎたらしい。


「――――――ほう。なるほど、『帰る時』とはそういうことだったか……。
 六罪王、ラインハルト。貴様も貴様で面白いヤツだ。もし私が改心すれば、付いて行くのは貴様の下かもしれんな。ククッ……」

吹き上がる紫色の炎で形作られた不死鳥は、女に能力のほぼ正確な把握を促すには十分で。
背中に乗った彼にそんな柄でもないセリフを言えば、自然とその口角が上がってしまう。それは自虐か、また別の何かか。
しかしその言葉は、100%有り得ない作り話……なんて事もないのだろう。

「レボリューション、か。――――――革命家、その名に偽りは無いな」

彼を見送れば、自然とそんな言葉が口から零れる。
彼は革命家だ。よって私達も強制的に、革命へと参加するのだな、なんて。当たり前の事を思いながら、女はビルを後にするのだった。
残ったのは、死体が二つと割れたグラス。誰が何をしていたのかなんて、それからは想像もつかないのだろう――――――。

/改めてお疲れ様でした!
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 17:24:58.41 ID:LD7TgJKG0
>>899
【虫が苦手か。その言葉には、「どっちかといえば好きな方かな」何て言葉で返してみるけれど】
【真偽の程は、この場では分からない事。ただ、今までの生活や以前は森で暮らしていたことを考えると――――嘘、でも無いような】
【そんな言葉も返せば、後は少女の容態を心配するのみ】
【心情、感情なんていざ知らず。ただ心配するが故に触れているのだが……逆に其れが事態を悪化させている何て皮肉な話】

【頬に触れたときの動機は聞こえずとも、その反応を僅かに感じ取ったのだろうか】
【怪訝な色合いが更に深まって。確かめるかのように、優しく撫でる掌】
【言葉に嘘が無いか探るような瞳。むぅ、何て言葉を漏らしたならば、やはり掌に伝わるのは平熱よりも幾分か暖かい感触】


「何でも無いって言ってもさ、柊はいっつも無理するんだから……
其れにほら、おでこだってこんなに熱いんだから何でも無いって事は無い筈だよ?
折角の旅行なんだから、無理してると――――わっ……大丈――――――ひゃっ?!」

【倒れかかる少女を抑えようとするけれど――――何しろロープ一本が支えであるこの乗り物】
【揺れればそちらの方に気が取られてしまい、気付いた頃には天井を見上げている状態であって】
【いきなりの事態。未だユラリと揺れる室内だけれど、其れよりも気になる事】
【――――自分が下になっている。その現状を認識したならば、徐々に顔が赤くなるのだろう】


「あの……さ……別に重くは無いんだけど……」

【動かすにも動かせない状態。放って置いて欲しかった少女に取っては、状況が悪化したとも考えられるだろうか】
【先程よりも、全体的に近い距離。密着するが故に、亜人の少女の肉付きもよく分かる事であろう】
【それも、倒れたときの四肢の位置や身体の向きによるけれど】
【逆に言えば、亜人の少女も同じ事。だからこそ、面白いほどに紅く染まりつつある】
【何時かの夜は、身体がぶつからない様に両手で支えていたけれど。この日は――――?】


「何て言うか……ちょっぴり、息が辛いかな……
ねぇ柊、起きてるー……?」

【重力の関係上圧迫されるからか、それともまた別な理由か】
【何れにしたって、亜人の少女からは行動を起こし難く。背中を優しく擦ってみるけれど――――】
【明らかに何時もよりぎこちなくて。】


/時間が出来たのでお先に返しておきますね!
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage]:2013/08/17(土) 20:18:34.62 ID:9deFMsXGo
//>>888で、もう一度だけ募集をさせてもらいます
//何度も使いまわすというのは良くないでしょうが……とりあえずもう一度だけお願いします
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 20:45:37.45 ID:S5zdVDkGo
【夜の国――漆黒色の館】

【館内でも普通に履く高い踵の靴の音が、愛娘たる彼女の部屋の前で止まって】
【数回ノックする音があってから掛けられる声は、いつもと何処か異なっていた】

――鈴音、起きているかい?

【眠っているのを気遣うのはいつもの事、だが何故だか少し困った様子の声】
【ドアを開ければ、黒づくめの館内に交じりそうな黒色のローブ姿の“父親”――セシルが其処にいる】
【片手に紫色の火が灯ったカンテラを持ち、目元に縁の無いブラウンの眼鏡を一応の事故防止に掛けていた】

【相手が返事を返したなら、「ついてきて」と言って向かう先は、月彗のいた部屋】
【数日前に階上の居候だった彼が姿を消し、二人きりの館も平常運転であったのだが】
【その際に置き土産(というより厄介払いなのだが)、と残していった物が一山】

【――もっとも、礼など口にするはずもない性格】
【物を渡せば全て済むだろうという考えは兄に似たのか。当然だが可愛くはない】

……何処から運び込んだのだか。
私の記憶には無いのだけれど……要するに、古着らしい

【「あれは昔、櫻で花魁をしていた」――なんて今更な解説がつくなら】
【そもそも性別がどうとか疑問はたくさんあるだろうけれど、】
【とりあえず、月彗がいた部屋に積まれた大量の和服の説明にはなるだろう】

【紫色の指先で手近な一着を摘み上げれば女物、それも浴衣であるらしい】
【几帳面に積まれた別の山を無遠慮に崩して取ったもう一着は男物、これも浴衣で】
【帯や下駄、髪飾りまで整然と並べられているなら――まあ、宿賃にはなるのか】

はぁ……捨てるのも面倒だから、一先ず置いておくとしても。
……嗚呼、これは良いかも知れない。ほら、君に良く似合う

【――時期は、夏祭り】
【近くの山から数枚を引っ張り出し、鈴音に合うものを探し始める“父親”は】
【櫻の出ではないために、其処までは思い至らなかったようであるのだが】
【櫻を知る“叔父”がこれらを置いていったのは――きっと、そういう理由からだろう】

/予約で御座います
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/17(土) 21:23:06.11 ID:q2lr7vGb0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――水の国 路地裏】

…………ほら、これが君のだろう…………?
……後の事は、手前がやっておく……だから、今日は黙って家に帰るんだ……

【黒いコートをしっかりと着込み、魔術師である事を如実に表す黒のハットを被った】
【手には、頭部に青い石が嵌めこまれて先端を鋭く尖らされている、細い金属製の杖を握り締めている】
【漆黒のボブカットと、幼さを残しながらも憂いを帯びた様な瞳をした、身長160cm前後の中性的な青年が】
【ボロボロの衣服に身を包んだ小さな少女に、小さな袋を差し出している】
【少女は袋を受け取ると、怯えた目の中にも感謝の気持ちを湛えて、青年に静かに頭を下げると、闇の中へと駆けていった】

――――さて、覚悟は出来ているか?
あんな子供に手を出そうとした下種に、手前は容赦する心など、持ち合わせてはいない……!

【少女が姿を消すのを見送ると、青年は表情を険しくして、足元を見下ろす】
【そこには、大柄な男が太ももと額から血を流し、微かな呻き声を上げながら倒れていた】



【――――所変わって、風の国 公園】

……やっぱり、カノッサ機関なんかに関わってちゃ、いけないよね……
あんな風に襲われてたら、本当にいつか、殺されちゃうよ……

【灰色のフード付きパーカーに、さっぱりした色合いのチェック柄の入ったスカートを履いた】
【額に、正三角形の形に、赤・青・緑の点が浮かび、それらを繋ぐ様にぼんやりと光の円環が浮かび上がっている】
【少し癖のあるオレンジ色のショートカットが印象的な、身長140cm前後の少女が】
【左手をギプスで固定し、右手で烏龍茶の缶を握り締めながら、公園のベンチに腰掛けている】
【既に人気もまばらな時間帯。街灯の明かりに照らされながら、少女は俯いて座り込んでいた】

……こんな形で、人間同士で戦わなきゃいけないなんて……嫌だよ……!
でも今は、どうしようもない……少なくとも、腕の怪我が治るまでは……

【ガサ――――と、ベンチの隣に放置されている新聞に手を掛ける】
【紙面に目を落とすも、今はそれを真剣に読む気分でも無いのだろう。ため息とともに再び視線を地面へと落とした】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 21:37:25.19 ID:3p/6moP70
>>905

【――遠くからゆっくりと近づいて来る愛おしい音の連なり、緩く落としていた目蓋を開けたなら】
【そっと視線を流した扉、見えないはずの向こう側でも。赤糸で繋いだような感覚を辿れば、姿すら幻視できるよう】
【埋めていたぬいぐるみの柔らかな腹から頭を起こすのと、ノックの音、掛けられる声、ぴたりと重なって】
【けれどそのくせ出てくるのが少しばかし遅いなら――焦らすようでもあっても、なんてことない、ちょっぴりの乙女心】

……おとーさん?

【きいと扉を開けたなら、カーテンどころか窓ごと開け放った室内、月光の蒼白い色に彼の手元の紫色が混ざり込む】
【そうして照らされるぬいぐるみや家具は不思議な光源にそっと自身の色を隠しこんで、真似するよう。光を返して】
【覗き込めば――いつも通り、彼女がぬいぐるみの家に居候しているような。そんな印象、これもまた、平常運転】

【その背中を追いかけて行く黒色の中、溶け込むような黒い毛先が流れて揺れて、時折カンテラの紫を拾い上げて、艶めいて】


【やがて。既に居ない叔父の部屋へと辿り付けば――少しだけ不思議そうな表情、首を傾げるのはいつも通りでも】
【自ら進んで関わったことはあまりないその室内、その様子を見て、どこか理解したよなもの、浮かべるのだろうか】
【たくさんの和服を見るよな機会なんて滅多にないのだし――綺麗とかよりも先に、面白いなんて思ってしまうけれど】

花魁――……、? …………、……。

【――今更な説明が付けられるというなら。やはりというべきだろうか、気になるところ……そっと首を傾げれば】
【流れる黒髪の長い毛先が表情を隠し込むよう。それでもその向こう側にあるものは探れるはず、「解せぬ」とでも言いたげで】
【それと同時。かつて廃墟で会ったときにわざわざ着物なんて持ち歩いていた意味が分かった気がするならば】
【いくらか無理やりだって飲み込むようにして――視線を向ける先は、彼の摘み上げた一枚の浴衣、そうと視線が撫でて】

【(別に遊女の類にいやな感情を抱いているわけでもないのだから。それなら、真っ先に嫌うべきは、あの黒猫なのだし)】

――、お父さん。

【それから、ぽつと呼んでみる声は。きちり揃えられていた和服たちが蹂躙されていくのを静止するものでは、なくて】
【ならば伸ばしてみる手がそのローブの裾を引いて――言葉以上に、気をこちらに向けてもらいたいと言うように】

……――わたし、お祭、行きたい。

【――視線を向けるなら、子どもぽくきらと煌く瞳が真っ直ぐ――と言っても首の辺りだけれど――見つめていて、】
【せっかく浴衣があるのだからと関連付けるようなおねだり、彼が櫻のほうの祭りを知っているならば、確かに彼女の好みそうではある】
【微かでもきちんと裾を捕まえたままの指先がきっと行きたい具合を示すのだろうか、――何の歪みもなく見える、平穏模様】

【(それでも、視線を落とせば。こんなおねだりよりもずっとずっと強く強請る結果の傷痕、あるのだろうか――なんて)】
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 21:54:10.64 ID:S5zdVDkGo
>>907

オイランダユー、と言っていたけれど……
櫻のそういった、職業? だとか、聞いた記憶が――

【正しく理解はしていないのか。音だけで覚えていたらしい単語は曖昧だった】
【山を雑に崩しながら無意識に黒ばかり選んでいた手を止め、引かれた裾に視線を遣る】
【几帳面そうでいて服を脱ぐときも雑だし、書斎の片付けも苦手だとは余談なのだが】

オマツリ、? ……嗚呼、祭り。
そうだね、そんな時期か。 うん――、一緒に行こう

【裾を掴んだままである相手の手に、そっと手を重ねてセシルも薄く微笑んだ】
【知識としてはあるらしい。理解すれば手元の数着を片手に取って比べながら、ふと】

……そうだ、選んでくれるかい?
私の浴衣。 私も、君に合う浴衣を選ぶから

【眼鏡を外した表情は、何処か悪戯を思いついた子供にも似ていた】
【「それと――」と付け足した言葉は、言おうとして何故か飲み込むと】
【重ねた手をそっと外して、手近な髪飾りに伸ばす。どうやら一式全て見繕いたいようで】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/17(土) 21:56:51.83 ID:q2lr7vGb0
/>>906取り消しでー
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/17(土) 22:10:32.97 ID:wF2Q0xkh0
>>903

【追い詰められても聞き届ける言葉。朦朧として全部、浮かべる。】
【……無理……とは、何を意味するのだっただろう? こういう状況に慣れることだっただろうか。それなら、出来そうもないというのに――、】
【その突飛な思考を最後に意識は途絶えて。ゆらり上手く上体が絡まって――― 押し倒す様に躰が傾いで、】



【重なりあう躰と躰。柔らかなその肢体を下にして、上になった少女が倒れ込めば】

【双丘が双丘と押し退けあう、互いが自己主張する感覚があって。それが何なのかに気付かないまま、優しく擦る掌がまた意識を呼び醒まして―――、】


……ん……うん……?

【面を上げる、ぽうっと蕩けた橡色の瞳。亜人の少女と視線が合えば――――  様には、と浅く息を呑んで―――― また一段と熱を帯びて、】
【全体が真っ赤に染まった顔で、覗き込む様に見つめ合うのだろう。少女は言葉を発することも出来ず、静かに、小さく浅い呼吸を重ねた。】

【不思議と、心惹かれる光景だと思った。綺麗な目。こんな状況なのに、顔を紅くした彼女から……こうしているだけでも恥ずかしいのに、ずっと目を離せずにいる。】
【早まる鼓動。さらさらと下の彼女にかかる黒髪に、金色の髪が入り乱れて】
【其処から先で。どちらのものかも分からないくらい、それぞれの香りが交じっていて――――、】

【そんな時間がどれだけ続いただろうか。 】
【「……だ、大丈夫だった?」 ふと我に返った様子で声をかけると、亜人の少女に手を差し延べつつ、自らも身を起こそうとするだろう】

【慌てた様子は既になくて。けれど俯く少女の顔は、未だ、その熱を頬に残した様で。】


……偶には、暑さにもやられてみるものね。
だけど不覚だったわ……私にも、弱点があったみたい。

だけどもう大丈夫。……あんな風になった貴女を見てたら、全部吹き飛んでしまったのかも知れないわね。

【振り返って、少し気恥ずかしそうに微笑う表情――――― 暑さのせいだと誤魔化して、亜人の少女のことだけを話そうとした】
【――――― 自分のことは、これ以上絶対に話題に出そうとしない。……既に限界が近かったから、擽られたら耐えられない。】

【ロープウェイの降り口まで、きっとお話は続いたのだろう】
【其処で手を取って降りるのも好いし、手を取られるのでも少女には楽しい。】
【何れ、ふたりの少女は目的の場所に送り届けられて―――――】

……もうすぐ目的地の一つに着くわ。
それじゃ……行きましょうか。

【何事もなかった様に笑うけれど、交ざった香りはそのままであって】
【目線は道程の先にある森へ。繋ごうとする掌は、隣り合う彼女に差しだされて、】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 22:35:52.48 ID:3p/6moP70
>>908

【花魁というひとたちのことは知っている、知っていたけれど――ひどく上辺を撫でるだけのような知識量】
【それならば曖昧に首を傾げるだけ、良く知らないのだろう父にそれ以上を尋ねる意味も見えないなら、ふつと沈黙】
【やがて「そっか」なんて声を零すのだろうけれど、それ以上の会話の発展は望めないような、そんな、トーンで】

――本当?

【――それよりも。どうしても嬉しそうになってしまうこと、お祭に、それも一緒に行けるというのなら】
【顔にいっぱいの喜色を湛えて笑う、くんと釣り上がる声のトーンだって、嬉しそうな色で飾り立てて】
【ついと背伸びすれば自然と視線も上がる、――それ以上に持ち上げた視線がその瞳を覗き込もうとしかけて、止まって】

【視線がふわと落ち込む、重ねられる手を見つめれば、微かでも色濃く、ただの喜色とも違う風に笑うだろうか】
【裾から離れる指先は叶うならばその指先に絡めようとする、そのままぎゅうと繋ごうとするようにも見えるけれど、】

……っ? 

【そんな指先がふと止まって。持ち上げられる視線は、そこへ思考を向けていなかったのだろうことを表して】
【視線がいちど部屋を廻る、きっとたくさんあるのだろう和服たちを眺めて――ぱちと瞬き、】

うん、――がんばる、ね

【――あれば着ることの出来る経験値は、ただ、ひとへ選ぶとか、そういった方面にはまるで疎くって】
【まして男物だ、それこそ祭りで見るぐらいしか触れる機会もなかったりするのだけれど】
【それでも頷いたのは――彼を好きにしたいと、そんな、独占欲めいた感情】

【そっと外される手にはほんの少しだけ寂しそうな目をするのだろう、それでも緩く握ることで誤魔化せば】
【手近な山へとそっと触れてみる、指先がさらとなぞって――ぞろと引っ張り上げるの、こちらも存外適当だったりする】
【(普段何かしらのこだわりで整理したりしているようだった。そして、そこから外れるのは、結構適当だったりして】

【――髪飾りを合わせたりするならば大人しくされるのだろう、良く手入れされた髪、甘い花の香りがした】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 22:56:26.53 ID:LD7TgJKG0
>>910
【どうにかしようとすればする程に、状況は悪化していくだけ】
【広い場所であったならばまた違ったのだろうけど――――この場では、もがくだけ余計に身体が密着して】
【伝わる激しい鼓動は、果たしてどちらの物であったか……否、恐らくは二人共同じ位の速さ。聞き比べるなんて、難しい事】
【言葉に窮するとは正にこの事か。普段ならば茶化して仕舞いそうな雰囲気だけれど……今まで以上に少女を近く感じるからこそ、ただ気恥ずかしそうに呻くだけ】
【己の瞳に少女の視線が落とし込まれたならとうとう最高潮へと達するが――――視線を逸らす事なんて、出来ない】


【差し伸べられた手をしっかりと掴んで起き上がるけれど、先程と違う雰囲気】
【あれ程五月蠅かったのに、今では誰が見ても分かるくらいに黙ってしまって】
【――――声を掛けられれば、しっかりと返すのだろう。だけれど、それ以外の時は自分の衣服をぎゅっと握って俯いたまま】
【やっと調子が戻って来たのはそれから暫く後の事】


「あんな風になったんじゃなくて、柊がそういう風にしたんだよ……
もう大丈夫なら、ボクも嬉しいけどさ……だけど……
……やっぱり、何でも無いや」

【少女の柔らかな感覚が、まだしっかりと残っているから――――高鳴りが落ち着くまでには、もう少し時間が要りそうだ】
【唇を尖らせて、まるでむつけた様に言葉を放てば、そっぽを向いてしまって】
【嬉しいのに、気恥ずかしい不思議な気持ち。上手く言葉に表せないから、何でも無いなんて誤魔化し文句】
【――――それも終われば、追求されないようにと舌を出して誤魔化すのだけど】

【停留所に止まれば、もういつも通りに戻っていて。少女の手を握ったなら、外へと出るのだろう】
【言葉には笑顔で頷けば、最初よりもゆったりとした足取りで歩み始めて】


「……楽しみにしてるからね?
――――あ、でも。さっきみたいにいきなり倒して来るのは嫌だよ?
ボクだって、凄い恥ずかしかったんだからね。それに、柊ったらボクにぎゅーって身体押しつけてくるし
……んー。ボクが柊を倒しちゃう方なら、別に良いけどさ」

【――――少し歩いたときに、亜人の少女から紡がれる事ば。紛れも無い、ついさっきの出来事】
【お返しとも考えられるし、そんな事を言える位には調子を取り戻したとも考えられる】
【更には繋いでいた手を優しく引っ張って身体を寄せ、耳元で囁くように言うのだから質が悪い】
【表現に難があるが、強ち間違っていない言葉。正すべき所があるとしたならば、その一因として亜人の少女の動きも含まれること】
【反応がどうであれ、からかう様に笑ったならばその手を離すこと無く歩みを続け】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 23:06:09.65 ID:S5zdVDkGo
>>911

君に嘘は言わないよ、分かっているだろう?
これから探すから、少し待っていて。頼んだよ

【くす、と相好を崩すのは平常より機嫌が良いようでもあった】
【お楽しみ、とでも言うように口元に人差し指を当てて片目を閉じて見せると、】
【自分も櫻の装いには不慣れなくせ、意地悪にプレッシャーを掛けた】

さて……

【まずは、先程から手元に集めていた浴衣に視線を落とす】
【そこで無意識に黒ばかり選んで並べていたのに気付いて、】
【顎に手を当て考えると、別の山へ手を伸ばした】

――……

【真剣に選ぶ視線が、赤や黄色にも手を伸ばして、結局は首を捻って手放し】
【青や紫も並べてみては眉を顰め、元々の数の多さも相まって時間が掛かるようで】
【最終的に――恐らくは彼女も選び終えた頃だろうか。提示したのは二組だった】

……どちらが、良いかな

【黒地で襟にレースの意匠がある浴衣。全体的にゴシック調であって】
【もう一つは、薄桃の地に数匹の金魚が泳ぐ浴衣。こちらは純粋に櫻調だった】
【いつもの雰囲気と、少し違った雰囲気とで、彼なりに見繕った結果】
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/17(土) 23:50:14.37 ID:3p/6moP70
>>913

【彼がそうして機嫌良さげにしているならば、こちらだってそうなのだろう】
【意地悪なプレッシャーにもふわと笑って見せたなら、同じ部屋の中だけれど、別の方向を向いて】
【別の小山からまたひとつ引っ張り出してみたりする光景、――誰かに見せたら怒られそうなのだけれど】

【――どうしたって女物より地味なものが多いのを出しては確かめて、時折彼のほうへ向かったかと思えば】
【そっと背中に押し当てて長さを確かめてみたりするのだろう、着方上長さはどうしたって誤魔化せないのだから】
【何か違う気がすれば床に広げて畳んだりもするのだけれど――方法は知っているようでも、やりなれていないのが、どうしようもなくて】

【(それでも。もしも途中でその顔を見たなら、楽しそうで、嬉しそうで――)】

……――こっち、

【そうしてしばらく後。やがてふたつを差し出されて尋ねられたなら、考える間がほんの少しだけ】
【そのうちに差す指と一緒に示す答えはいわゆる普通の浴衣の方、金魚が泳ぐ浴衣を選ぶのだろう】
【――きちんとしたもので合わせたかった、だって、せっかく彼だって浴衣を着るのだから】

これ、……、?

【それから。そっと差し出すのだろう、自分が選んできたいちまい】
【拒まれないならばその身体にあわせようとするのが最終確認めいた行為、慣れない長さに悩んだのが窺えて】
【――濃藍色の生地に暗い赤糸で蚊絣模様を刻んだもの。遠目では分からないよな細かさは、ただ、微かに彩りを添えて】
【そんなに地味すぎるということもない――はず。長さだって、袖が少しばかし長いぐらいで、大した問題もなさそうなら】

【サイズに間違いがなさそうなら少しだけ嬉しそうに笑む瞳は、けれど彼へと向けばすぐに不安がちに変わるだろうか】
【暗めの色合いの方がその紅茶色の鮮やかさが映えるように思えたから――ふらと、首をかしげた】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/18(日) 00:07:47.42 ID:UbIlOrSb0
>>912

【重なる躰、映し合う双眸。】
【ちょっとした事故の生んだ出来事。けれど、彼女にはそれ以上の―――― 大切にしたい想いの高鳴りがあって】


…………そ、それは……―――― っ、あぅっ……!?
貴女こそ急に、そんなことをっ……!……さっきは心配してたけど、もうその必要もなさそうね……ふぅっ。……っ!?

【その時、恥ずかしさが限界に達して。急にふらりとして――― ……気付けば、ふたりでああなっていた。】
【少女にとってはそれが事実で。けれど実際の体感として、自分が、彼女をあんな風に倒した事実はあって――――、】

【……だから囁きがよく響く。思わず身を竦めてしまうのも、また胸が高鳴っているのも……これまでを想えば仕方がなくて。】
【言葉や触れ合いの一つ一つに顔色で反応しながらも、少女は、彼女と伴う歩みを続けるのだろう】

【目に入るのはありとあらゆる自然の緑。葉擦れる木々、虫の翅が柔らかな草を揺らす音。】
【地表から空に祈り届ける様な鳥の囀り。地衣類の隙間を流れる清流のせせらぎ。】

【澄んだ大気の甘みさえも感じ取れたなら――――― 彼女がこの場所を選んだわけが、少しだけでも伝わるだろうか】


……この森が私のお気に入り。
少しでもゆっくりできたなら、私は凄く嬉しいのだけど……

【ひとが、森と調和している。 】
【足を踏み入れた者は一人ではなく。けれど森が小さなものまで生き生きと、その営みを保っていて――――、】
【……小さな音でも、その本当の音色が聞こえてくる様だった。……鼓動も、軽やかなふたり分の足音も。】

……ずっとこうしてるのは……暑いかしら?
……私はそれでも構わないけれど、ね。……ふふっ。

【傍らで味わう様に指を絡める。……温もりが、確かさが伝わる様に。】
【大切な彼女だから、望まれない限りは離れない様に。あの夜の出来事のことも、きっともう大丈夫なのだろうけど――――、】
【……安心して、ふたりでこの距離感を味わいたかった。少しの不安も、あるのなら拭えればいいと想った。】



【やがてその森を抜けたなら。露わになった岩肌と、柔らかな草の絨毯が、空に繋がる様に楕円を描くのだろう】
【その断崖から見えるのは、淡くも華やかな碧をした夏の空。】
【抜ける様な透明感が、鮮やかに意識に残る様】


……ここでお昼にしない?
お腹が空いたし、高い場所で貴女と食べるのも……大分楽しそうだと思った。

【傍らの亜人の少女に振り向いて、少女は、食事時を少し唐突に提案した】
【確かに陽は高く、そろそろ時は正午頃であって。昼食は未だとっていないから、歩いた甲斐あって小腹も空いている筈―――、】

【決まったなら。少女は、しっとりと潤った草地に折り畳み式の蓙を広げて、ふたり分の空間を作るだろう】
【その上で取り出すのは櫻の重箱、】

【玉子焼きや磯部揚げ、法蓮草のゆかり和え―――― まず失敗しないであろう幾つかの品が、けれど丁寧に詰められていて】
【その中に八幡巻きの様なものが交じるのが、彼女らしくもあっただろうか。穴子と牛蒡の織り成す其れは、初心者には容易ならざる味の様だった】

【やけに中身の量の多い重箱、二段重ねを左右に置いて、どちらもふたりから等距離にしたその配置。】
【……少女の箸はひとつだけだけれど。ふたりで食べようと誘っている様でもあって】
【亜人の少女が手をつけるならそれに任せて。そうでないなら、玉子焼き――― 甘い味付けの――― でも箸で差し出して、】
【反応を楽しむ様にくす、と笑みを零すのだろう】

【抵抗されるなら「食べないの?」なんて、からかう様に口にして。】
【結局は空よりも亜人の少女を見ていることが多かったのは―――― 果たして、どんな風に映るのだろうか】
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/18(日) 00:17:17.38 ID:XczZ6jJDo
【廃ビル】

【この世界のマスメディアのニュースはスクープが絶えない】
【カノッサ、UT、マフィア…その他色々な何かが盆を過ぎても常に花火を打ち上げ続けている】
【その中、テロップには強盗団の強襲、現在逃走中。新聞社宛、不正取引を暴露】
【凶悪なテロリズムはその事件性にも関わらず尺は短い。誰もが目をそらしたいからだろう】
【代わりに強盗団がブラックな企業を襲ったニュースは何倍も誇張して報道された】
【その裏には色々な人々な色々な欲と恐怖が取引された結果なのはテレビからは伝わらない】

【うってかわって、そこから数十キロは離れた場所】
【ここではどの事件も対岸の火事。テレビの中のイベントでしか無い】
【その郊外の何かの工場があった空き地。今は広々とした荒れ地と落書きだらけの鉄筋コンクリの建物がある】
【雰囲気のいい廃墟だが交通の便もあまりよろしくない。悪いことをするには持って来いだ】

【そのビルの階段を上がる人影】
【黒いモッズスーツ、朱のネクタイ、黒いサングラスの背の高い痩せた男】
【傷だらけのアタッシェケースとかなり明るい懐中電灯を持っている】
【真っ暗ではないにしろ、この場での明かりは外からだとチラチラと目立つように動いた】

あー、こういう時にバイクがぶっ壊れるってのはな……大事に乗ろうと思ってたのによ

【男は錆びたドアを押し開けて、何もないビルのフロア――今はむき出しのコンクリの内装が見えるだけだ】
【昔は大きなオフィスでもあった場所なんだろう。幾つか机と椅子が残っている】
【遠くには街の明かりが見える。何もない故に景色だけはいい】
【ケースと電灯を残された机の一つに置いて、硝子の割れた窓からその景色を何気なしに眺めた】

【煙草に火をつける。吸い込みながら、ニコチンを取り込んで。蒸し暑さを忘れようと煙を吐き出す】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 00:26:38.57 ID:31OU/32jo
>>914

――ん、……

【背中に当てられるたび律儀に動きを止めて、彼女が満足するまで待つのだが】
【こちらも律儀に、あてられた浴衣はあまり見ないようにしていた】
【決まるまでの楽しみにしたいのだろう。横顔は同じく楽しげだった】

……ふふ、矢張りそちらだった
いや……何となくね、出した時点でそう思っていたんだ

【奇遇、とは少し違う、それより強い感覚の繋がりと言うのだろうか】
【鈴音に提示した時点でセシルとしては薄桃色に傾いていたらしく、】
【それを相手が言い当てた形になって口角が上がる。些細な事が喜ばしい】

【そして、差し出された浴衣の丈は長身にも確りと合っていた】

へえ……良いね、落ち着いている
ちょうど、派手過ぎない柄が着たかった

【「ありがとう」、と目を細めて浴衣を受け取り、その他に帯や下駄も預かったなら】
【こちらも深緑の帯と赤い鼻緒の下駄を添わせて鈴音に渡し、】
【隣の部屋で着替えて来ると言って一旦部屋を出て――】


【鈴音の着替えが終わった頃を見計らって、扉を数回ノックするだろう】
【開ければ髪を下ろしたまま浴衣を纏う姿、地の濃藍に紅茶色が鮮やかに乗る】

【(ひとつだけ、明確な違和感。其処にいたのは二十代の彼だった)】

……どうかな? 色々と、ね
折角だからこの姿で、と思ったのだけれど――

【言い掛けたのは“これ”の事だった。何処か甘ったるい、懐かしい笑い方をして】
【やるならまず浴衣を合わせる前にそうするべきだったのだが、其処まで考えも及ばなかったらしい】

【――少々襟元が乱れている。もっというなら帯も、あまり出来た締め方では無かった】
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/18(日) 00:40:19.03 ID:Pq0gzWkc0
>>916
【足音が聞こえる・・・】
【微々たる音ではあるが少年は目を覚ます】

(いつの間にか寝ちゃってたか・・・)

【顔を覆っていた本を取り】
【眠たそうな目をこすりながら、焦点を次第に合わせていく】
【静かな場所を求めてやってきた少年は】
【オフィスの廃墟へ辿り着いたのだった――――――】

【体を起こそうとしたその時、】
【上に寝ていた椅子がグラっと動く】

(ん・・・うおっ・・・!)

【よくあるオフィスの椅子、足にはローラーがついていた】
【類まれな身体能力のおかげか、不規則な椅子の動きに
 ローラーが鳴る音はしたものの何とか大きな音をたてず耐えた少年だったが】
【その体勢は見るも無残、いそいそと体を起こした・・・】

(えーっとそれで・・・歩いてくる人は・・・んー・・・見えん!)

(なんか敵というか・・・こうすぐ戦ってくるタイプかもしれんしなあ・・・一応・・・)

【近くにあった机の物陰に隠れた少年は】
【とりあえず相手の様子を伺った――――】
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 00:42:24.85 ID:M3pEDGVe0
>>915
「ボクだって息苦しかったんだから、まだ心配してくれたって良いんだよ?
息が出来ないっていってるのに、柊は何か取り乱しちゃってるし……
でも、その分柊にずっとくっついてられたからプラマイ零かな?」

【赤面する顔が、可愛らしくて。もっと困った表情が見てみたくて】
【些細な我が儘は、悪戯心を焚き付け、やがてそれはにやりと笑った表情として表れる事だろう】
【少女の腕を抱きしめるようにすれば、自分の腕を用いて身体に押しつける様にすればで仄かな暖かさを楽しむよう】
【「こんな風にさ」――――なんて言葉もあったけれど、少女に其れを聞くだけの余裕があったのかは、分からなくて】


【歩き辛い――――けれど、少女が拒む事が無ければ暫くそのままで歩くのだろう】
【ご機嫌に揺れる尻尾がその距離故に少女の身体を擽ったり、或いは密着している故に体幹の動き一つ一つが腕に伝わってしまうかも知れないけど】
【――――当の本人は、お構いなし。何故ならば、その森に夢中になっていたから】
【まるで幼子の様に辺りを見回して、一つ一つの音には耳を立てて。言葉は無いけれど、この場所をとても好いている事が容易に分かる仕草】


「…………えへへ、柊のお気に入りっていうだけあってやっぱり凄いね
ボクも今まで沢山の森を見てきたりしたけど……こんなに綺麗な場所は始めてだよ
……連れてきてくれてありがとう、柊」

【お世辞でも何でも無い、本心からの言葉】
【感謝を身体で示す様に、ちょっぴり強く腕を抱きしめたならば――――くすっと小さく笑い】
【一人で居ても、とても美しく見える場所なのだろう。だけれど、少女と共に居れば更に栄えて】


「んー?ボクは別に暑くないよ?
ずっとこうやって柊の腕に抱きついてたって、全然気にならないもん
でも……ちょっぴり、危ないかな。だから、さ。手―――繋ご?」

【思えば、抱きついている間は忙しなく尾が振れていた気がする】
【――――だが、道も安定しないならばその腕を解放して。代わりに指を絡めたのならば、再び歩き出す】
【歩きながら話すどうでも良いこと。くだらない冗談。どんな事だって、少女との会話ならば掛け替えのない宝物】


「それじゃ……お言葉に甘えて……
ふふふ……柊のお手並み拝見だね。こう見えてもボクは食事には五月蠅い方――――

ぼ、ボク一人で食べれるからそんな事しなくたって…………うぅ〜……」

【少女らしい、上品な品の数々。言葉こそ高飛車であるけど、目と心を奪われてしまっていることは誰が見たって一目瞭然】
【向かいへと座れば、其れ等に視線を落としていたけれど――――不意に差し出された卵焼き。挑発のような言葉で、意図を掴み】
【唸ること数秒。やがてパクリと食べれば、美味しいなんて言葉を漏らして咀嚼を終えるも……少女の指に自身の指を絡めれば、優しく箸を奪って】
【摘むのは、同じ卵焼き。仕返しできるとなれば、ピコピコと嬉しそうに動く耳】
【逃げないようにと背に腕を回して、まるで赤子を抱きかかえるようにすれば、少女に食べるように促すけれど】
【――――じっと見つめる、金の色。景色よりも少女を眺めている時間の方が多いのは、きっと同じ事】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/18(日) 01:10:44.83 ID:XczZ6jJDo
>>918

【男は黙って煙草を吸っている】
【そちらに気がついているのかいないのかは分からないが】
【煙草をくわえながら、ケースの方へと歩いて行った】
【男の履いたブーツのソールがカツカツと静まった廃墟に響く】

【バチンと2つカバンの金具を開ける。その中は机の上に転がった電灯の明かりで見ることが出来るだろう】
【綺麗に並べられた札束。映画で見るように紙の帯が巻き付いている札束がギッシリと詰まっている】

【男は懐中電灯を消すと、またケースを閉めた。取っ手を掴んでは】
【そのフロアの何もない広々とした場所に歩いて行った】

【バチンとまた金具を開ける。バサバサ山のようにその場に札束が落ちる】
【空のケースを投げ捨てるとまたウロウロと歩き出して】

――――scared in case I fall off my chair
And I'm wondering how I'll get down the stairs......

【男は鼻歌交じりにパイプ椅子を持ってきては】
【札束の山から少し離れた所にそれを置いて、座っては】

社長のジッポはどれだけ燃えるんだろうな…

【ポケットから取り出した、ジッポーに火をつけて】
【それを火の中に投げ込んだ】

【札束はユックリと燃え上がり始めた】

―――Clowns to the left of me,Jokers to the right, here
Stuck in the middle with you.....

【サングラスの男は鼻歌を再開させながら】
【燃えるカネを眺めていた】
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 01:24:11.77 ID:Rw9J8zfv0
>>917

【偶然よりも必然めいた結果は、或いは双子が問いに同じ答えを返すのにも、似ていたのかも】
【他の誰に分からなくたってふたりきりで分かっていられる関係、そっと小指に結んだ赤糸での、糸電話】
【内緒話を囁くようにこっそり伝えて、――世界中に分からなくたって、ふたりに伝われば、それでいいのだから】

――男のひとの服って、分からないから……、――変じゃないなら、良かった。

【――ふわと吐息を零して紡ぐ安堵の声、彼にならば、言葉以上に伝わるだろうか】
【そして一式を差し出せば、交換するみたいに一式を受け取って、ひらと広げてみたりする仕草】
【それから部屋を出て行く背中を見送って――ばたと扉の閉まる音、ひとつ】


【扉を叩けば内より帰ってくる声、入っちゃ駄目というものでもないなら、ちょうどいい頃合だったと言える】
【月明かりの逆光の中、寝台に腰掛けていたらしいのをふらりと立ち上がれば、こちらはどうやらきちり着られているよう】
【流石に細部まで確認すれば、甘い部位はあったりするのだけれど――まあ、問題ないと言っていい程度】

――――、――似合ってる。 けど……、

【――その姿を見とめれば驚いたように丸くなる瞳は、けれどすぐに綻ぶように細められるのだろう】
【ころり蹴飛ばすような足音を鳴らして数歩、彼の元へ歩くまでが無言。たどり着いたなら、鈴の音色をした声がささめいて】
【そっと手が伸ばされる、頬を軽く擽るように撫でようとしたのが刹那のこと、――そんな指先が首元まで落ちたなら、ぐいと】
【引くのが唐突なのだから――或いは驚かせてしまうのかも。首筋に添えるようにして引いた衿、手直しを入れようとするのだろうか】
【現地で崩れてしまうより今直してしまうほうが楽なはず、――任せておけば、とりあえず程度でもきちんと、直すはずだけれど】

【任せておいたなら。そのうち「出来た」なんて紡ぐのだろう、少し距離を作って確認すれば、見上げて笑って】
【そんな顔。僅かにかいた汗が黒髪を白肌に這わせていた、――降ろしたままの髪は長く、ただ、纏め上げるにも無理があるにょうで】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/18(日) 01:39:56.84 ID:Pq0gzWkc0
>>920

(んー・・・なんか近づいてくるような・・・)
(そんな感じがするなあ・・・いややあ・・・)

【カツカツと音を立てるその足音は】
【1音1音少年の恐怖心をかきたてる】

【物陰で様子を伺っているうちに】
【金属がぶつかったような音が2度聞こえた】
【それから間もなくして】
【男性の声で鼻歌が聞こえてくる】

(なんやなんや・・・すけあーいんけーすあいふぉー・・・)
(アカン・・・日本人じゃないやん・・・)

【廃墟に響く鼻歌は場を和ませつつあったが】
【日本人じゃないというだけで恐怖を覚える少年】
【とりあえずバッグの中に入っている仮面を手探りで取り出した】
【臆病故、初対面の人とは、面と向かって話すことができない】
【しかし話さない訳にはいかない、そんな時少年は猫の仮面をつける】
【仮面をつけるのは失礼だと、そう感じもしたがものの、
 しどろもどろになるよりは良いだろうと、結論に至り、それを習慣としているらしい。】

(あーそれにしても暗いのこわいなあ・・・何か光るもんいれとかなアカンなあ・・・)

【そう感じた瞬間、遠くで光が放たれる】
【まるで焚き火のような――――そんなやわらかい色】
【惹き込まれるようにして少年はその正体を探る】

【辺りは暗い。それを見つけるのに時間はかからなかった】

(パチパチ音しとるやん・・・こんなとこで焚き火か〜・・・ええなあ・・・)
(こんな静かやったら歩いても音するしなあ・・・いっちょ絡んでみるか・・?)

【フードを被りショルダーバッグを背負って】
【警戒しながらも近づいていくのだった】

「えっと・・・はろー・・・ないすとぅみーとぅ・・・」

【灰色のパーカーに茶色のバギーパンツ】
【服はまともに見えるが、明らかに怪しい仮面】
【どう思われるか、賭けに出た少年はビクビクしながらたどたどしい英語で話しかけた】
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 01:50:50.37 ID:31OU/32jo
>>921

君も、とても似合ってる……? 
……ああ、矢張り間違って――、

【一瞬不安げにしたがすぐ、それが着方を指していると気付き、鈴音の手を受け入れ】
【されるがまま直して貰うのだが――不可抗力で、締め方の甘い帯がずれた】

っ、と……

【元々開いていた襟が連鎖的に大きく開き、右肩までずれ落ちるのを】
【慌てたように左手が追う。その薬指には久遠を誓う黒蛇の痣がある】

【(露わになった肩の辺りには、きっと腕に掛けてまで傷痕があるのだろう)】
【(噛み付かれるのを酷く喜んで、その頭を抱え込もうとする位なのだから――)】

――……ありがとう。

【やがて直しが終わると、見上げる彼女にずっと柔らかくなった微笑みを返す】
【年若くなって変わったのは表情の柔らかさだろう。ずっと素直に感情を見せた】

【自分でも部屋の姿見で全身を確認して、酷く嬉しげにしていたが】
【長い髪が纏わりつく感覚を覚え、同じく長髪である鈴音を見遣って少し考える】

……髪、整えても?
と言っても、結い上げるには重いか……

【答えを聞く前から手が伸ばされて、艶やかな黒髪を二、三度梳く】
【感触を楽しむような動きの後に、右側へ流すように纏め束ねて、】
【涼しげな蜻蛉玉の髪留めを手に取った。特に拒否が無ければそのまま留めて】

私の髪も……どうしようかな。
このままでも構わないのだけれど……いや、暑いか

【そう言いつつも、暗に伺うような表情であるのなら――求めているのは、きっと】
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/18(日) 01:54:45.09 ID:fz04LTP+0
>>919

【亜人の少女の体に押し付けられた腕――――― それだけでなく幾つもの温かな感覚が、少女の頬をさらに染めて】
【―――― 「……あぅっ!?」】
【ふとぴくんと躰が跳ねたのに、亜人の少女は気付くだろうか。少女の脇腹を擽るかたちで、尻尾がそのシルエットをなぞっていた。】
【その後は必死で耐えるけれど、触れ合うのに弱いのには変わらない。……熱が、また上がっていった。】

【その末の“ありがとう”、その言葉自体も―――― 彼女が気に入ってくれたことも、少女には、きっと嬉しくて】

…………うん、良かった。
こうして来られた事も、あなたと一緒に歩ける事も……やっぱり私には楽しいみたい。

【照れ隠し気味の言葉を紡いで。“手を繋ごう”、聞けば小さな笑みがきっと応えた。弾む足取り、そして辿り着けた目的の場所――――、】
【始まったのは昼食の時間。少女は、先ずは玉子焼きを差し出して】

【亜人の少女が食べてくれたとき、感想をその口から聞けたとき。嬉しそうに柔らかなかたちで、何れにも瞳が笑みを浮かべたのだろう】
【それはきっと無防備なときで、】

……わ、私も? ……、……、―――――……〜〜っ、あむ……。

【だから仕返しには少なからず動揺して。けれど決して嫌ではなくて。……だから、彼女と同じ様に受け入れていた。】

【目を瞑って、少し気恥ずかしそうに控え目に口を開けて―――― ふわりとした甘みが口一杯に広がって、】
【自分で作ったものなのに、自分で食べるよりずっと美味しく感じていた。】
【……談笑だったり、大切な誰かの存在だったり。】
【空腹は最高のスパイスと言うけれど、それだけじゃないと少女は思って――――、】

【何度も箸をとって、とられて。贈り交わされる幸せな時間。】
【もしも冗談でも言われたのなら、軽く喉を押さえて笑い出したりもして―――― 何れ思いっきり楽しんだ姿が、今宵の少女にはあったのだろう】
【やがてそんなお昼時も終わってしまって。彼女とのひとときを、少女は、思い返す様に口にする】

……っふふっ……本当、楽しかった。

このままここに居るのも良さそうだけれど……実は山頂は別にあるの。
ここからだと少し遠いけど、行く術がない訳じゃない。

ね、貴女は船に酔ったりはする?
大丈夫なら……私の手に掴まっていて。
……絶対、最後まで一緒にいるから。

【“別にある山頂”、“ここからは遠い”。それでも行ける術が、あるとも語って】
【正体は地脈を介した二点間の転移。縮地―――― そう呼ばれることが多いだろうか、仙道に於ける長距離移動の術法であって】
【少女にはあまり縁のない様にも思えるだろうか。少なくとも、その専門家という訳では無さそうだが――――、】
【亜人の少女が乗ってくれるなら、少女は右手を差し出すのだろう】

【……少女の考えていた、この山の頂にあたる場所。】
【きっと彼女と楽しみたい事が、まるで最後の宝物の様に、高鳴る胸に秘めてあって――――、】
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/18(日) 02:02:23.37 ID:XczZ6jJDo
>>922

【男はくわえた煙草の煙を立ち昇らせながら】
【長い足を組んで古いパイプ椅子に座っていた】

【近づいてくる足音にも気がついているだろう】
【ただ気に留めることもなく、鼻歌まじりだ】

オー、イェア!ハロゥグッドガイ、ベイビー

【頭の後ろで手を組み、背もたれにグッと寄りかからせて背伸びをしながら】
【少ししゃがれた声の男は陽気で勢いよく返答した】


…で、こんな夜ふけにどうしたよ。グラフティなら別でやってくれ…引火するから
まあ……適当に座りなよ……リムジンが燃えてるのは中々見れないぜ?

【そんな風にテンションと言語を切り替えて男は続けた】
【割れた窓から風が吹いて、一枚の紙幣が座っている男の足元に飛んでくる】
【男はそれを拾い上げて、ぐしゃぐしゃに丸めて、火に投げ込んだ】
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 02:18:08.06 ID:Rw9J8zfv0
>>923

【――直す最中ならどうしたって布越しだって身体に触れがちだ、それをたまに気にするよな素振りを見せるなら】
【きっと今更感は拭いきれないのだろうけれど。余談と言ってしまえばそれまでの些細な仕草、だったのだけれど】

……っ、あ、ごめ、っ

【流石に大きく肌蹴させてしまったときは慌てたような顔をした、咄嗟に零す声だって、トーンのちぐはぐなもの】
【それでも別所に手を向けていたなら、追いかけることは叶わず――結局、彼の手で以って塞き止められるのだろう】

【――下駄で上げたとは言え彼だってそうなら対して変わらない身長差、目線の高さに肩口があるのなら、】
【半年と少しを越す時間の中でたくさん刻んできたかたちが目に入る、それも、ただの咬み跡とも違う積み重ね】
【数え切れないぐらいの傷を贈り合って初めて身体の仕組みを怨んだ、――だって、どれだけ重ねても消えてしまうのだから】

【(それでも。強く強く無意識まで抉って腐らせた傷は消えないのだから、どうしたものだろう)】
【(背中に一条刻まれた刀傷だけがどうしても消えない。何度死んでも消えない。何度願っても、消えないまま)】

【――けれどそんな仕組みはある意味では便利でもあるのかも。いくら絞めたって切り刻んだって、魔力さえあれば直るのだから】

【大体は同じな身長差のはず、それでもどこか近い風に感じられるなら。表情の柔らかさ、きっとそれが理由なのだろう】
【だからと言ってどちらが好きということもないのだけれど。――どちらも好きで、大好きで。最愛であることに違いない】

……――、お父さんなら、切ってもいいよ。

【きっと言葉と同じころに伸ばされる手、拒むわけもなく受け入れれば、寧ろこちらから差し出すように】
【その胸元に顔を沈めるようにすれば長たらしい黒さ、せめても扱いやすくなる……だろうか、あんまり変わらない気がするけれど】
【指先で梳かれるたびに剥がれ落ちるように甘い甘い香りが零れていく、きっとふわり漂っては鼻腔を擽るのだろうか】
【――紡いでみるのは冗談めいたようにも聞こえるけれど、望まれるならば断りもしないのだろう。されるままに、束ねられて】
【終わればそっと頭を起こして、垂れた毛束を曖昧に三つに分けてみたりも、したけれど――】

何でもいいよ、

【なんでもするから、と。続くような言葉、お返しめいてやりたがるなら、それもきっといつも通り】
【よほど難解なものでなければ出来るらしいというのも分かっているだろう、適当に言ってやれば、そうするはず】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/18(日) 02:20:19.21 ID:Pq0gzWkc0
>>925

【予想外の勢いの良い返事に】
【体がビクッとなってしまった】

(・・・でも・・・悪い人じゃなさそう・・・かも・・・?)

【何もかも経験の浅い少年だからこその感想かもしれない】
【少なくとも親しみを感じた少年は、火に対して男の反対側に腰掛けた】
【そしてフードは脱ぐ、仮面はまだつけたまま。】

【話しかけてくる男】
【何故か話す言語がわかる】
【そして気づく、日本語や、と】

(うひょー・・・なんていうやったっけ、バリバリンガー?)

【くだらない考えはさておき、頭がスッキリしないまま】

「オお、日本語はなせルーンですネー、すごイでーs・・・」

【こう返してしまった】
【あまりの驚きように母国語さえおかしくなる】
【しかし言葉が詰まったのはそのせいではない】

(この焚火・・・木じゃないやん、金やん、
 アカン、このひとワリとアカン人やん・・・ミスったあああ・・・)

【焚き火の材料に気づいた少年は再び恐怖心を顕にする】
【しかし男を無視する訳にはいかない・・・】

(落ち着け・・・落ち着くんや・・・適当に返しとけばなんとかなる・・・はずや・・・)

「え、えーと・・・不良じゃないです・・・静かな場所さがして・・・
 そしてほんよんで・・・ねちゃってて・・・こんなじかんになって・・・です・・・」

(アカン、ビクビクしとるのバレるやん・・・落ち着けえええ・・・・)

「あ、あと・・・それお金ですよ・・・この国の・・・知ってはると思うけど・・・」

【少年は何とか会話を成立させようとする】
【明らかに色んな事を経験しているはずの男を目の前に】
【恐怖心は消えるはずもなかった】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 02:23:06.28 ID:M3pEDGVe0
>>924
【身体の温もりも、言葉の温かさも沢山味わえたのならば――――お礼とばかりに、少女へのお返し】
【何の変哲も無い話し合いに触れ合い。別に、どうという事は無い、些細な事】
【だけど、そんな些細な事が自分には一番大切な事だから……少女が困ると知っていたって、お構いなし】
【偶に自分がされるように頭を撫でてみたり、又はぴっとりと身体をくっつけて甘えてみたり】
【するのもされるのも好きだけれど――――少女が恥ずかしがったり嬉しがったりしてくれる顔を見れるのならば、何より其れが一番好きで】


「当然だよ。ボクだけじゃずるいもんね
ちゃんと柊にも食べさせてあげなきゃ――――」

【言葉を途中で句切れば、新しく差し出された物を嬉しそうに頬張って】
【そんな事が、何度も繰り返される事だろう。食べて、食べさせて。気持ちが慣れてきた頃には、いつも通りの悪戯】
【――――後ろから抱きつくように、寄りかかるようにしながら食べさせてみたり。何て事】
【大好きな友達が作ってくれたから、美味しい。それは当然だけれど、こうやって一緒に食べればまた別格であって】


【――――一緒に後片付けも終わった頃。その言葉が伊貝であった様で、キョトンとした表情を覗かせた】
【船、との言葉には何やら考え込むような素振りを見せるけれど……】

「船は……乗ったことが無いから、分からないけど……
でも、柊が居てくれるなら……」

【その右手を、自身の左手で握って】
【何処か不安げな表情も見えるが――――少女が一緒に居てくれるという言葉を聞けば、其れも幾分か和らぐのだろう】
【誤魔化すように少女の手を優しく握りしめたのならば、“大丈夫”とでも言うかの様に頷きを一つ】
【怖い物なんて無いとか言いながら、船の話になれば不安を現すのだから可笑しな話――――】


「船は、よく分からないけど……離れちゃ嫌、だからね……?」

【やはり、少し恐怖感はあるけど……少女が共に居てくれて、そしてその先にはもっと楽しい事が待っていると考えれば、何だって耐えることが出来そうで】
【念を押すかのような言葉。少女が側に居てくれるなんてわかりきった事――――だけど】
【もう一度だけ、その言葉が聞きたくて】
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 02:38:08.24 ID:31OU/32jo
>>926

……ふふ、慌ててるね? 可愛い

【意地悪くわざと言葉にして笑って見せる――“父親”の歳であった彼ならしないこと】
【そしていつも通りに「お父さん」と呼ばれれば、少しだけ考えるようにしてから】
【一度は纏め終えた髪を、そっと外そうとする】
【何てことはない、編みたそうだったからそうしようという事】

今日だけは……「セシル」って、呼んでくれるかい?
君の“恋人”でいたい。 “父親”じゃなくて、ね

【編む手付きは鍵盤をなぞるように滑らかで、滞りなく綺麗に仕上げていくだろう】
【それはいつも揃いの編み込みを入れているためか、慣れたものだった】
【囁くように告げた言葉は今宵限定の“お願い”――にい、と唇が弧を描いた】

じゃあ……ハーフアップが良いかな。 鈴音がしたい髪型でも良いけれど
顔の横に下がってくるのが嫌でね、お祭りは食べるものもあるんだろう?

【注文は出したが、結局は何でも構わないという旨を告げて】
【話題はこれから行く夏祭りの事。曖昧な知識であるなら、知らない事も多いのだろう】
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/18(日) 02:41:02.25 ID:XczZ6jJDo
>>927

【そちらへは一瞥したぐらいで男はただタバコを吸ったり】
【燃え盛る札束の山を見ていて、基本的には物静かである】

日本語…?まあ、そんな言葉は知らんけど……言葉の壁でさ
通じないってのは間違いだよ…言葉なんて要らないっつーか全部一緒だよ一緒
もっと……なんだろ……大事なもんがありゃあさあ…

【男は飄々とした態度のまま、言葉の区切りの悪いところで黙る】
【人見知りとローテンションが混ざると停滞した気まずい空気が流れる】
【ただ、この男は全くもってそのような空気は察知していない】

…まー……善良でも、優良でも無いとは思うけどね

【そう言いながらニッと軽く笑う姿は気の良さそうな兄ちゃんだ】

【短くなった煙草を火に投げ込む】
【そしたらまた煙草とジッポをポケットから取り出して火をつける】
【ヘビースモーカー……それ以上のチェインスモーカーのようだ】

ああ、そうだな……カネは燃えるよ。インクも紙も高級だからよく燃える……
…まあ、本物はな……あれ全部ニセモンさ。この辺りのギャングが刷ったらしいが…賢くなったもんだ

【空気はまた固まる…というより溶けかけた空気をさらに凍結させたことだろう】
【モッズスーツのグラサンが偽札を燃やしているなんて、不良のほうがマシだろう】
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/18(日) 03:07:20.45 ID:Pq0gzWkc0
>>930

【黙って男の話を聞く】
【まだ幼い少年、それに恐怖心もあってか、聞けば聞くほど】

(まあ、悪い人じゃないやろな・・・うん・・・)

【と、無理にでも確信していく】

「えっと・・・ぼくも・・・そうだと思います・・・
 伝えようとする気持ちが・・・うん・・・」

【少年は言葉が出てこない】
【そして沈黙が続く】

(アカン・・・これはアカン・・・なんとかせなな・・・)

【そう思っていた時、男が意味深な発言をした】
【少年にはその発言の意図どころか、意味すら理解できなかった】

「そ・・・そうなんですね・・・」

【と簡単な相づちしか出来ない】
【その発言の後、男の笑った顔を見た】

「ははは・・・。・・・あ」

【こちらも愛想笑いではあるが微笑み返す】
【少年の警戒心は解けたようだ】

【そして思い出したように少年は仮面をゆっくりと外す】
【10段階評価で言うと8くらいのなかなかのハンサム具合】

【そして目の前のお金が偽札であることを知る】
【驚きつつも少年はじっと男の話に耳を傾ける】
【というより、それしかすることができないのであるが】
【ギャング、という言葉にビクッとなった】
【そしてこう思考を続ける】

(いまギャングゆうた・・・やっぱりアカン・・・あ、でも偽札焼いてるゆうことは
 まあええことやん・・・うんうん・・・使うんじゃないんやもんな・・・)

【そしてこう切り出す】

「えっと・・・ギャンg・・・いや、何でもないです・・・
 そうじゃなくて・・・すみません・・・仮面なんかつけたりして・・・」

【と仮面をつけていた無礼を謝ろうとする】

【男の見た目は一見すると映画で見るようなまさにギャングそのものではあるが】
【男の話し方、笑顔に少年は親しみを覚え、完全に信じこんでいる様子】
【何とかこの場をしのいで、出来れば友好関係を築けたら・・・と考えているようだ】
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 03:12:27.38 ID:Rw9J8zfv0
>>929

【乱れた心の水面、その動きをわざと言葉にされてしまうなら、いっそう思い知らされるよう】
【言い訳でもしようとしたのか曖昧にあいた口がやがて諦めたように閉ざされる、拗ねたように降りる視線が、】
【束ねたのをほどこうと降りてきたのに気付けば、――妨害しない程度に、そっと身体を固めるのだろう】
【それでも視線の合わない程度に見上げたがるのは。いつもと違う彼を、記憶に刻むようでもあって――】

…………、――。

【――見上げているから、そちらからだって見えやすいはず。“恋人”の言葉に、ひどく分かりやすく反応する表情】
【驚いて丸くなった瞳は瞬きを忘れてしまったようだし、唇に微かに生まれた隙間からは真っ白な歯が窺えて】
【雪の上にいちごのシロップを垂らしたような肌だって。――明確に言葉にされること、どうやら弱いようだ、なんて】
【数秒すればようやく思い出して瞬きをする、ふわとたっぷりの睫毛が刹那だけオッドアイを隠しこんで】
【直後。ぐうと胸元に再び顔を埋めようとするのは疑う余地なく逃げだろう、けれどぎゅうと抱きつこうとする腕は】

【(強気なんだか臆病なんだか良く分からなくて。――そういえば誓いを左に欲しがったのだって、彼女から)】

【――胸の中でちいさく頷く、髪のざりりと擦れる音が微かに響くのだろう、編まれる間、そっと体重を預けたままで】

……わかっ、た、

【終わってしまえば嫌でも顔を晒すことになる。――驚きと戸惑いと明確な嬉しさの残る顔、もう一度頷けば】
【自由なままの前髪がふらと揺れる、それからゆっくりと身体を離すのは、身長差もある、見ながらやりたいということで】
【預ければ指でさらさらと髪を梳きながら進めていくのだろう、緩く髪を引くむず痒さ、時折爪が肌に触れる感覚、】
【――希望通りのハーフアップに整えていく、何にもなければ最後。あまり派手でもない和飾りのゴムで留めるのだろう】

【(せっかく振られた話題に黙りこくってしまうのだから。初心な乙女めいて――厳密には、違っていても)】
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 03:34:52.51 ID:31OU/32jo
>>932

【抱き付かれればとんとんとあやすように背を撫でて、】
【そっと一言「恥かしがり屋だね?」と無慈悲に止めを刺して追い詰めて、本当に意地悪く】

【――視線が合わせられたならきっと、もっと甘い時間に出来た】
【望んだ呪縛に僅かばかり後悔した。きっと頬を染めているのだろう表情だってもっと、見ていたい】

……うん、ありがとう。
結構違ってくるね、涼しいし……すっきりした

【黙りこくってしまった分も並べようとする言葉、けれど敢えて短く止めた】
【これからの時間に回したっていい話題だ。今宵の目的、鈴音の望んだ場所で――】

――じゃあ、行こうか?
お手をどうぞ、私のお姫様。

【濃藍の袖から、長い指、平たい掌、上に向けて差し出して柔らかく甘く、笑み掛ける】
【手を重ねたなら、そっとひとつキスを落として――黄緑色の燐光が舞い上がった】


【――誰にも気付かれることなく降り立ったのは、人気の少ない神社の境内】
【参道へと続く階段は幾つもの提灯に照らされて、喧噪も近くに聞こえてくる】

ふぅん……結構、人がいるものだね。
あれらが屋台? こんなに並んでる物なのか……

それで……大丈夫かい? 気分は、悪くない?

【以前、人気の多い華やかな場所へ引っ張ってしまった時の事を思い出してか】
【すぐに踏み出すことはせず、一度鈴音の様子を確認するように、そっと声を掛ける】
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/18(日) 03:44:59.37 ID:XczZ6jJDo
>>931

良いんだよ、別に仮面つけ用がなんだろうと…
自分が好きでやってんなら一々、他所のやつなんか気にしない方がいい
つけたきゃつけりゃあ良いし、喋りたくなきゃ喋らなきゃいい…そんなんでいいだろ
何かしらで表現できりゃあ良いんだよ……ああ、そうだ。……踊ればいい、ツイストを踊れば

【ちりちりと札束は真っ黒な燃えかすになって燻っている】

【煙草を吸いながら、男は立ち上がると歩き出して】
【燃え残った炎をブーツのソールで踏みつけて消した】

ったく…こんなもん手に入れるためにバイク潰しわけじゃないんだけどな

【髪の毛を掻きながら暫くフラフラとしていたが】
【床に投げたカバンを拾って、開いていた口をしめてそれを持った】

じゃ…まあ俺は帰る……用事も済んだしな
まあ…あれだ……あー…何かやりたい事見つけろよ、こんなとこブラブラすんなって
俺みたいにその日暮らしになっちまっても手遅れだからさ

【軽く白い歯を見せつつ、笑いながら男は立ち去ろうとして】

ああ、そうそう…オマエ、勘違してるだろうけど俺、ギャングでもヤクザでもねえよ
俺はいわゆる銀行強盗ってやつで……まあ、テレビ見ろ。……アディオス・アミーゴ

【振り返りながら、キザに指を鳴らす姿もこの男はクドくなくスマートで】
【男は燃えきった札束と煙草の煙を残して立ち去っていった】

【黒い噂のある企業を狙う義賊的な強盗団。その首謀者としてやり玉に挙げられているのは】
【手配名――チンザノ=ロッソ。酒の名前を冠した男は名もわからぬ賞金首として報道されている】


/そろそろ瞼が重くなってきましたので勝手ながら〆にさせていただきます
/遅くまでお付き合いありがとうございました!
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/18(日) 04:03:08.21 ID:Pq0gzWkc0
>>934

「あ・・・すみません・・・」

【最後のほうが良くわからなかったものの大体の意味は理解できた】

(それにしてもさっきからわからん言葉多いなあ・・・)
(外国人なのは外国人なんやろうけど・・・怖いぐらい日本語ペラッペラやなあ・・・)

【男が立ち去ろうと立ち上がる】
【それと同時に少年は目をそちらへ移す】

(なんかよさそうなカバンやなー・・・)

【そんなことを考えるほど、少年には余裕ができていた】

「あ・・・じゃあまたどこかで・・・えっと・・・
 やりたいこと・・・見つけてみます・・・アディオス・・・」

【そして衝撃の一言を聞かされる】

「え、銀行強盗・・・・・・」

(そこまで変わらへんやん・・・やっぱりアカンひとやん・・・)
(いやあれか、ねずみ小僧的な・・・そういうタイプなんやろうな・・・)

【少年は男が立ち去っていくのを姿が見えなくなるまで見つめている】
【残された札束の灰、札束とバレないのかと余計な心配をする】
【完全に燃えきっているようで、それが札束だとわかるはずはなかった】

(なんか変なひとやったなー・・・でもまあ絡んでみてよかったんかもしれん・・・)
(あ・・・ねむい・・・)

【行く宛もない少年はとりあえず朝までこの場で過ごすことにした】
【それから彼の正体を知ることになるのは、そう遠くない出来事である――】

(あ・・・自己紹介とか・・・してなかったな・・・まあええか・・・)

【思い出すも虚しく、少年はそのまま横になった】

//こちらこそありがとうございました!
//何か雰囲気ぶち壊しの茶番ロールで申し訳なかったです・・・
//またよろしくお願いします!
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 04:09:54.94 ID:Rw9J8zfv0
>>933

【――逃げ込んでしまったなら、それ以上の逃げ道なんてどこにもない、本当の行き止まり】
【突き立てられる止めの一言にはどうしようもなくって――ただただ、余計に顔を埋めるばかりなら】
【せっかく整えたのもまた崩れてしまいそう。辛うじて大丈夫なようだけれど――彼よりもずっと余裕のない拙さ、見せて】

【結局。以降室内では黙りきりだった、言葉にされればどうしようもなく意識してしまって、恥ずかしくて、】
【昔に本当の父親に向けていた感情と違うのなんて分かりきっていたのに。この甘さは違うと、知っていたはずなのに】
【――そっと伸ばす手が左側。それならば余計に思い知らせるように、もう一度思い知るように。誓いを晒した】


【微かに昼間の茹だるよな余韻を残す空気、本来ならば多少は涼しいのだろうけれど――】
【ひともたくさん居れば火だって扱う、むっと蒸すような暑さは、けれど境内の中では他人事のよう】
【同じよるだってまるで違う夜に舞い下りれば順応するまでの少しの間。取ったままの手をぎゅっと握って――】

おとう、……、――せし、る、が、悪い、……んだ、もん、

【――至極言いづらそうだったのは、まあ、ご愛嬌だろうか】
【一番真っ直ぐに出てきやすいのが最初に定義した関係での呼び、ずれてしまったいつからも通したそれ】
【そうやって呼ぶのが初めてのようなものなら呼ばれるのだって初めてのようなものだろう、きっと新鮮味溢れて】
【こんな風に言い応えも出来るならば大丈夫そうだ、あの頃は――もっともっと、不安定だったのだし】

【(明かりも何もなしで真っ暗な迷宮を彷徨っているようだった。そんな中に見出した明かりは、)】
【(はじめは本物と間違えただけのはずだったのに。いつしか誰よりも何よりも明るく照らしてくれる、存在になって)】

……――、行こ。

【またつつかれる前にとひとなみに紛れてしまうのを誘う声、そんな視線がふと振れたなら】
【お祭風に飾られた境内の奥、そっと佇む社へと向くのだろう。ほんの微かでも見つめてしまう間は】
【――何を思い出していたのだろうか。すぐに、彼へと戻って、緩く手でも引くのだろう】

【(あの空間はいつの日からかひどく厳重に結界めいたもので覆われてしまっていて)】
【(どれだけ頑張ろうと立ち入れないように阻んでしまう紫色は、あの日以来顔を見せないなら)】
【(もしもその結界の存在に気付いていたなら――外から内を拒むのでなく、逆だとも。気付けていただろうか)】
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/18(日) 04:10:20.53 ID:52izAvLn0
>>928

【少女に訪れるのは、きっと想像通りの変化。……偶に、想像の外のこともあるだろうけど。】
【抱きつかれれば――― 「行儀が悪いわよ?」 なんて言いながら。やっぱり少し恥ずかしそうに、嬉しそうにまた目を瞑ってみたり、】
【そんな時間もやがては移ろえば、不安げな亜人の少女に向かい合って―――― 頷いて、】

【どこか強くも優しい笑みを少女は浮かべた。……きっと、彼女に安心してほしかったから。】

……、約束する。
もしあなたが手を離してしまったとしても、私は、貴女の手だけは離さない――――
……そのために強くなれるんだもの。だから……あなたも私を信じて。

【繋ぐ掌が確信を支える。“傍にいたい”/“その想いで強くなれる”。】
【……彼女が信じてくれるなら。きっとそれだけで何処までも、手を放さずにいられると――――、】
【その掌を繋いでいたなら、】

【ギュン、と全身を引かれる様な感覚が生じるのだろう。けれど不思議と負荷は小さくて、離れることなんてきっとなくて。】
【地を奔り抜ける様な感覚の末、気付けば辿り着いたのは山の北側――――― 山頂へと続く、もっとも確実であろう道だった】

【先ず確かめるのは彼女がいること。……安堵して、その嬉しさに少女は瞬いた。】

……頑張ったわね、ありがとう。
ふふっ……本当に、一緒に来られたのが嬉しい……。

【少女は、彼女の頭と耳を撫でようとして。初めてであろうこの体験を、亜人の少女が越えたことを心から喜んでいて。】
【始まる歩みには仄かなその彩りがあったのだろう。隣り合って―――― 前を向いて視界を歩む。】

【先程抜けたこの山の森――――― それに近く、けれどより広葉樹の古木の密度が高かった】
【縦縞のある黄色の蛇に出くわしたり、珍しい草花に目を輝かせたり。……もこもことした小動物が、すぐ傍で毛づくろいをしていたり。】
【そんな何時間かの道程の末――――― やがて約束した山頂へと、ふたりの少女の足取りは到達して】

938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/18(日) 04:10:57.90 ID:52izAvLn0
>>928

【辺り一面が見渡せただろう。まるで天頂に手が届きそうなくらい、高く。】

天黎山。それが、この山の名前よ……丁度これくらいの時間の空の色。
この時間まで待ってよかった……今が、星が一番綺麗な時みたいね。

【黎―――― 青と黒とが交じる星空のいろ。 】
【無限に広がるその色合いは、少女に、穏やかな言葉を続けさせて、】

……この場所で星空を見る度に、今までのことを全部思い出すの。


昼間にも空は見たわよね。
今も……ほら。雲が流れて行くのが見える?
こんな風に、何時だって空は変わってくわ。


ひとつとして同じ空なんてなくて、だけどその一つ一つが私は好きで―――
その頃私は小さかったから……全部、覚えていたいと思ったの。

忘れないし無くさない。好きなものがある一瞬を、ずっとずっと大切にしたい――――

【“好きなもの”、“大切なもの”、】
【振り向きざまに亜人の少女の手を取って―――― 空いた右手を腰に回して、】


――――――だから今は楽しみましょう?
あなたと過ごせるこの夜は……私には、ふたつとしてない幸せな時間。
ね、こんなにも星が綺麗だもの。

貴女と一緒にいられるだけで、私は、それを最高の夜にしたくなる――――

【初めは男役(リードはわたしが)、そう想い、願ったのは貴女と(はじまりはこの手で)。】
【微笑めば、ふたりの間に流れる時間が、穏やかにリズムをとる様で】
【少しでも亜人の少女が楽しんでくれたなら、少しでも喜んでくれたなら。……きっと、少女はその表情を忘れない。】

【星々が見守るなかいつまでも、いつまでも。初めてのステップを刻みながら、少女は、亜人の少女と時を刻んで――――、】

(……あなたと逢えて、本当によかった。)

【出来る限りを尽くしたその舞い。思うのは、亜人の少女のいろんな表情のくれた安らぎだった。】

【―――― その後は温泉のある宿に泊まったり、二人で寝るまでの余暇の時間を過ごしたり。】
【隣同士の布団で、傍らの彼女に笑いかけてみたり――――、】
【明日もきっと一緒だと。ずっと、一緒にいるのだと。そんな風にも思えるくらい、きっと少女は幸せだった。】
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 05:05:15.73 ID:M3pEDGVe0
>>938
【――――変化した景色。気付くのは、少しだけ後の事】
【離さない様にと握っていた手を解くのも、それと同じ頃】
【開口一番に、「わぁ……」何て感嘆の声をあげて】
【星々が、瞳を輝かせて。天真爛漫――――と言った所か、喜びを隠す事は無く】


「ふふ―――まるで詩人みたいだね。でも、柊の言いたい事はよく分かるかな
ボクも、一つ一つの空は好きだけど……今日は、その中でも一番大好きな空
キミ見せてくれた大切な空だから……キミがくれた、大事な思い出だから

始めて会った日だって、森の湖であった日だって――――全部全部、大事な思い出なんだけどね
柊が真っ赤にした顔も、笑ってくれる顔も…………わひゃっ?!」

【「大好き」――――そんな言葉を紡ごうとした矢先、その通りの形となれば真っ赤になってしまって】
【遠慮無くスキンシップをしていたって、実際は色々な面で初心だから】
【最初こそ指を遊ばせてモジモジとしていたものの、やがては小さく「馬鹿」なんて言葉を放てば、身を預けて】
【――――いきなり馬鹿なんて無礼。だけど】
【親しいからこそ、伝わる声質。何処か何時もより小さく見える姿が、少女の隣へと居る事だろう】


「――――……柊ってば、ボクの隣でそんな恥ずかしい事言っちゃって
でも……嬉しい、かな。ボクも同じ気持ちだから

これらからもずっとずっと一緒に居られたら良いなって……えへへ
こんなに星が沢山あるんだから、叶うよね。一緒に居て欲しい人だって、すぐ隣に居るんだからさ
……ね、柊?」

【自分を此処まで赤面させた少女に対する、ささやかな仕返し。じっとりとした視線を向ければ、“恥ずかしい事”なんて言って】
【――――間も無く小さく笑ったならば、とん――と頭を少女の肩に乗せて】
【尻尾の先が、二人の間を行ったり来たり。また、繋いだ手を頭に乗せさせれば、撫でる事を促したり】
【一つ一つが無垢な表情で、笑ったり恥ずかしがったり――――】
【流れ星か一つ見えたなら、また一緒に出かけられますように……そんな小さな願い事。と、もう一つ呟いたが――――小さな声で、聞こえなくて】
【その腕に収まっている間――――赤面が続いている間。時折気にするように少女の顔を盗み見たりしたのだけど…………】


【温泉に一緒に入ろうとねだってみたり、浴衣にはしゃいでみたり】
【思い出話等をして時を過ごしたならば、やがて訪れる就寝時間】
【――――隣の布団で寝ていた……筈なのに、気がつけば、同じ布団にまで潜り込んで】
【“ずっとずっと一緒に居られますように”……何と無く、指切りの様に結んでみる小指】
【可能ならばそのまま寝てしまって。――――恐らくこの少女の方が先に眠ってしまったなんて話は、余談であろう】

/一日目はこの辺りの〆で大丈夫そうでしょうか……!
/お相手、有り難う御座いましたですよー!
/色々といちゃいちゃ出来て中身も満ぞk……ゲフンゲフン
/また予定が空いている時に二日目を出来たら嬉しいなって思いまする……!
/それでは、お疲れ様でした!お休みなさいですよー!
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/18(日) 05:19:46.63 ID:52izAvLn0
>>939
/お疲れ様でした……! 二日間、遅くまで本当にありがとうございましたー!
/ふふっ、こちらもヨハンちゃんとやりたかった事がやれて嬉しかったのです…!
/それではおやすみなさいっ、二日目のもまたお願いします……! 改めて、ありがとうございましたっ!
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 19:51:07.35 ID:nQwYci69o
【COUNTERSTRIKE=甕rologue≫】
【―――水の国 ブリサマリナ港にて】

【恐ろしいくらいに夜の海は穏やかだった。潮風が辺りを吹き抜ける中、冷たい空気をタップリと肺に含んで、青年は喉を震わせた】
【大きな黒のジャンパーに身を纏った青年は銀髪を掻き上げれば、深い紅色の双眸で≪襲撃≫の参加者を見回す】

……よし、時間だな。―――では今から≪シレーナ島襲撃作戦≫の説明を始める
俺はジャッキー・ハートグレイブス……ガルボ博士っていうこの作戦を考えたヤツのメッセンジャー

―――……ま、後ろに並んだコイツ等見れば、結構スゴイ人ってのが解るだろ?

【―――なんとも異質な光景だろうか。彼の後ろに並ぶは、沢山の女性―――否、アンドロイド】
【見た目は明らかに人なのだが、同じ顔が―――凛とした細面に澄み切った銀髪、そして金色の瞳を持つ彼女が。優に50人以上は並んでいるのだ】
【その内の1人が視線を彼へと向け、表情を1mmも動かさないままポツリと言葉を零す】

『……ジャッキー様、そろそろ。』

―――……うん、そうだな。 ……雑魚は頼むぜ、ミリア

『……正式名称「ミリア・GB-typeS・ALPHA」でお願いします。そうしなければ区別がつきませんので……では、作戦開始します』

【作戦開始の言葉と共に、数多の彼女が夜の海を飛ぶ。背中のジェットを噴射しながら、闇夜に浮かぶシレーナ島へと彼女達は接近を開始する】
【―――シレーナ島。表向きは謎の富豪の所有する無人島だが、裏を覗けばカノッサのアジト】
【テロ現場の近くに堂々と構えていたという事実が、今になってようやく判明したワケだ―――】

【彼女達の背中が徐々に小さくなり、その姿が夜の闇にに消える。銀髪の青年はそれを見届けると、短く強く息を吸い込み視線を参加者の方へと戻して声を飛ばした】


……作戦は単純。―――今行ったアンドロイドが雑魚を一掃して、場が混乱している間に俺達が侵入
恐らくいるだろうコーネリアスを……ぶっ潰す。其れだけだ……!!

ガルボ博士は金持ちだからさ、船は全員分、運転手付き……つまり、全員バラけて全方位から仕掛けるっていう作戦……
島はぐるっと森で囲まれてるが、島の中央には古城が聳え立ってて……恐らく其処にコーネリアスが居る

―――アイツだけは、生かしておけない……絶対に俺が、葬り去るッッ……!!

【徐々に青年の声が激しくなる。黒き憎悪の念が、一言一言に練りこまれている。彼の闇は、夜の海よりも深く暗い―――】
【情報屋に聞いた人も居るだろうが、カノッサが扱う麻薬、beyondの最初の被害者がこの青年で。理由は其れだけではないのだが、その恨みの根は深い】

<―――!!>

【一瞬だけ、夜が消えた。―――島から見えるは星の如く瞬く光。即ち、戦闘が始まった合図】
【逆襲は今始まった―――青年は「よし」と言葉を零し、並べられた船の一つに乗り込む】

……今から敵のアジトに乗り込む!! ―――正直、震えてる俺が居るよ……でも、コレはようやく見つけた「襲撃機会」だ……!!
―――失敗は許されない……このチャンスを逃せば終わり、アジトは潰せても逃げられちまう

少しでも多くの機関員を倒すぞッ!! そしてコーネリアスを地獄に叩き落して―――勝って帰るんだぜッッ!?

【参加者全員が並べられた船に乗り込んだのなら、直ぐに船は動き出す。―――段々と大きく映り出す島からは、爆音が鳴り響いていた】
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 20:02:24.33 ID:nQwYci69o
【―――火薬。血。それらが混じって島全体に広がるは戦場の匂い。しかし戦士達が最上階へと近づくことに、その匂いに交じる「異物」の比率が増していく筈だ】
   【悪意に狂気、殺気―――濃厚な其れが混じって作り出された異物は、正真正銘「あの男」の雰囲気。………コーネリアス・F・ラインハルト】
   【吐き気を催す、紫のオーラ。周囲を捻じ曲げる幻覚を起こしかねない程の其れは、近づく人物全員の脳に「CAUTION」のシグナルを響かせる】

 【……シレーナ城最上階に位置するは、大会議室。其れへと続く道はシレーナ城大階段唯一つ。……数多の段差を昇れば、既に扉が開いていることに気付くか】
     【更に近づけば、腐臭を撒き散らす凶悪な魔力に銀の魔力が混じるのを肌が感じ取れるだろう。点滅するその銀は、ジャッキーのモノ】


      ―――コォォッ……ネリ……アスッッ!!  ……許さ…………〜〜〜ッ!!  ―――……グッ……ッ……!!


【―――大階段へと漏れる枯れた呻き声は、船に乗り込む前に耳にした音。悲痛な響きが流れると共に漂う地獄の瘴気は色を濃くして、現世を混沌へと近づけていく】
        【混沌の中心へと勇敢なる者共が足を進め、大会議室の絨毯を踏みしめたのなら、彼らの目に見えた光景は―――】


『―――ふむ、折角の旧友との再会を邪魔するとは……全く、貴様等は野暮だな―――と言いたい所だが……ククク、生憎コイツと戯れるのも飽きた所だ』
        『詰まらないガラクタ共よりマシかと思えば、そんなこともなく……所詮、プロトタイプのカスと言う事か』

……っざ……けんな……コラ……!! テメェは……カハッ……俺が殺す……って言ってんだろォォッ……!! 殺す……殺す殺す殺す……ッ!!!


【壮麗な造りの演説台の上でジャッキーの首を左手で握り、持ち上げて微笑む「革命家」―――その後ろには、何十体ものスクラップが山となって積もっている】
 【ふと、その山から一つのパーツがこぼれ落ち、侵入者の足元へとゆっくりと転がっていくだろう。転がって静止した其れは、アンドロイドの頭部だった】
  【金色の長髪を流星の尾さながらに靡かせ、サングラス越しにも関わらず凍てつく程の眼光を抱いた男が、漆黒のコートを翻し此方へと向いた】
【―――口角がやや上がっただけで、部屋に強いGが掛かったような……そんな錯覚が、一瞬であるが彼らに襲い掛かる。コレは魔術でもない、唯のプレッシャーである】


      『…………五月蝿いな貴様は。―――どんなに牙を剥こうとも、所詮兎の牙には変わりない……兎に臆する獅子が居るか?』
 『―――いや、貴様は違うな……餌以下の、玩具……。俺に弄ばれ、俺に壊され―――ちっぽけなまま、灰になっていく……クククククッ……』

『クク……ウクク……クハハハハハハハハハハハ!!!! 惨めだなぁ我が玩具よッ!! beyondに狂わされた悲しき青年よォッ!! ならば最期に―――』


                           『もう一度、遊ばせてくれよ』

/続きます
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/18(日) 20:02:33.35 ID:MGaBSgeDo
>>941

【シレーナ島、中心部】
【緑豊かな森を抜ければ、視界が開け――】
【聳え立つ城と、その前に立ちはだかる城門、そして倒れた無数の人間とアンドロイドの残骸が目に飛び込んでくるだろう】

ほら、しっかりして

【そして、その中で声を出す――女性が1人】
【灰色の矢羽模様の小袖に紺色の袴といういかにも櫻の国風な恰好】
【黒髪はうなじの上でピンでまとめ、黒い瞳の上には縁のない眼鏡をかけている】
【そして首には櫻の国の古い言葉が書き込まれた長方形の紙――所謂 「御札」 が巻きつくように何枚もべったりと貼り付いていて】
【地味な格好の中でそこだけが妙に目立つ】

君のことは知らないけど、こんなところで死ぬために兵士になったわけじゃないでしょ?
いや、しゃべらなくていいよ、じっとしてて

【両膝を地面につき、倒れているカノッサ一般兵らしき男の腹を、布で抑え――止血しているようだ】
【だが、男はすでに虫の息――何かを言いたそうに女性の顔を見つめるが、そのまま絶命した】

…………全滅、か

【女性は手を放し、男の目蓋をそっと閉じ】
【脇に置いてあった、竹製の杖――に偽装した仕込み刀を握り、立ち上がる】
【そして、やってくる侵入者の気配を感じたならば、口を開く】

アンドロイドで生身の人間たちを殺すなんて、どっちが悪だかわかったもんじゃないね
……悪いけど退却してもらえないかな?
私はこれから一般兵たちの遺体を埋めて供養しなきゃいけないからね


/尾月実利です
/メル・ギル、ライラ、狂死郎の方よろしくお願いします!
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 20:02:59.42 ID:nQwYci69o

【憎悪を込め続ける青年を嘲笑えば、革命家の右手が白く燃える。その腕を弓を引くかのように引いて、そして―――彼の心臓へと、腕が突き刺さった】
    【―――青年は言葉すら発せずに、地に墜ちる。機関の紋章が描かれた絨毯に力なく突っ伏し……銀の煌めきは、潰えた】
    【崩れ落ちた背中を見下ろせば、直ぐにサングラスの奥の瞳は侵入者達へと送られる。何とも簡単に、青年の命を終わらせて】


     『―――邪魔者は消えた………が、俺の鬱憤は晴れん。こんな程度では、遊び足りない……俺の渇きは、埋められはしない』 
  『貴様等の命を輝きを見届け、其れを踏み潰さねば……この心情が霧から開放されることは無い―――貴様等、よくも……よくも―――』
                
               『 ア  ジ  ト を  汚  し  て  く  れ  た  な  ァ  』


【強烈な悪意が、凍てつく殺意が―――全身の毛穴に突き刺さらんと襲い掛かる。更に腐臭を散らすオーラは大きくなり、空気を重苦しく染め上げる】
【彼の心内に充満していた灼熱のような怒りが徐々に徐々に姿を現し、言葉に重く伸し掛かる。先程の嘲笑から見える余裕は消え去り、眉間に寄った皺が全てを示していた】
【カノッサの領域を侵されたことへの怒り、奇襲により大きな被害を被ることになった屈辱。それらの負の感情が、眼前の戦士達に矛先を向ける】


 『 首を捩じ切って 』 『 腸を突き破って 』 『 頭蓋を粉々にして』 『 眼を抉り取って 』 『 四肢を千切って 』 『 生爪を引き剥がして 』
    
    『カノッサに楯突くことの意味をッッ……!! 肌に……網膜に、脳味噌にッッ……!! 嫌という程に味合わせた後はッッ―――』
                       
     『―――……貴様等……全員……一匹残らず……〜〜〜〜ッッ!!――― 豚 の 餌 だ カ ス 共 が ぁぁぁぁああああああッッッ!!』


【怒号を発する革命家に集まる、圧倒的な紫の魔力。此れこそが六罪王と言わんばかりの、凶悪な圧力。―――シレーナ島最大の闘いが、今始まった】

/シャッテン=シュティンゲル&八攫 柊&ギア・ボックスの方、よろしくお願いします!
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 20:13:56.89 ID:nQwYci69o
/>>944>>942の続きです。
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/18(日) 20:23:38.13 ID:c34ZrkHk0
>>942>>944

【――――じわり、と】
【大会議室の入り口そばの床に、黒い何かが湧き出てくる】
【じわじわと、まるで湧水の様にその様を広げるのは――――闇。深淵と表現すべきと思わせるほどの、闇】

――――――――この世界は、絶望に叫んでいる……ぅ…………何故だと、思うかい……ぃ?

【その闇の中から、残響する様な声が放たれる。どこか間延びした男の声音で、しかし気の抜けると言うよりは、何か苛立ちの様なものを孕んだ、刺々しさを含んで】
【そしてそれに合わせて、まるで舞台装置か何かの如く、その闇の中から人の姿が『せり上がってくる』】
【どことも知れぬ空間と繋がっているその闇から、その人物は現われた】

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年】

【そしてその両手には、手首をすっぽりと覆うドーム状の籠手の先端に、剣の様な刃が取り付けられている、奇妙な武器を嵌めて】
【その刀身は、不思議な黒光りを見せている】

――――人間が、みんなが等しく抱えているその命……その価値を、輝かせる事が出来ないからだ、ぁ…………
どれほどの素晴らしい人間が、その光を発揮する事無く、埋もれていったか……愛おしいほどの無念と共に……ぃ……

【闇から飛び出し、床をしっかりと踏みしめる青年。その瞳は狂気に――――ただの一目でそれと分かるほどに――――輝いて】
【その形相は、鬼の如く憤怒に染まり、ただ眼前のサングラスの男――――コーネリアスを視線で捉え続けて】

…………そんな世界に、正しき歓喜をもたらすには、どうしたら良い…………?
――――貴様の様な存在を許さない事さ……コーネリアス・F・ラインハルトォォォォォ!!

【じわり、じわり、じわり、じわりと、青年の足元の闇が青年の身体を這い上り、そして両腕へと纏い、身体へと染み込んでいく】
【そこにあるのは、ただ憎しみ――――手にした『ルナトリウム』の刃を持った刀剣『パタ』に共鳴する様な、狂気を染め上げる憎しみ】
【――――ギラリと、青年の瞳が幽鬼の様に怪しい輝きを放った】

…………これ以上、この世界を殺し続けさせるつもりはない…………!
――――――――黒い太陽が、お前の事を待っているよぉッ!!

【緩く自分の身体をほどく様に、力を抜いて姿勢を下げ、両腕と瞳に力を込める青年】
【大会議室を覆う死のオーラに、自らの色を注ぎ込む様に、青年の身体からもまた、果てなき闇と殺意が溢れ出始めていた】

/シャッテン=シュティンゲルです。よろしくお願いしますー!
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/08/18(日) 20:30:33.94 ID:QkUv+4fb0
>>943

人斬りの貴方が言いますか……

【隣の男はこう応えた】
【フードで顔は全く見えないが、袖から見える手は銀色に溶けている】
【そこだけでなく、下半身も溶けて銀色に輝いている】

私も出来れば争いはしたくないのですが、これも契約の内なので……

【男の腕は刃に変形していた】

/メル・ギルです。
/皆様、よろしくお願いします!
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 20:37:17.47 ID:933ZE8m9o
>>943>>947
シレーナ島。其処は最早、地獄と化していた。
カノッサの一般兵と、何とかとか言う博士のアンドロイドが戦い、そして散っていた場所。
ついこの間まで昼の国で宿敵相手に戦闘を繰り広げていたこの男は、その光景に思わず眉を顰める。
だが撤退することも出来ない。元々こちらが本命。アチラは巻き込まれただけなのだから。そして。

「『ハンター』としては、こんなチャンス滅多に来るもんでもねーからな……!!」

魔女が被るような大きなツバの付いた紫色の三角帽子、同色で縁に豪奢な金色の刺繍が施されたローブ。
そして男の身長より頭ひとつ分小さい――それでも大きいが――木製の杖を持った、所謂、おとぎ話の魔法使い。
帽子からはみ出た髪は銀、声から察するに男。色々と何かを間違えている男は、しかし自らのすべきことを確りと自覚していた。


「悪りーが、ソイツは出来ねー要求だな。此処に来た損じゃねーか。
 どっちかっつーと、ソッチが心配だな。女を殴るのは嫌いだがよ。―――相手がカノッサ機関なら、俺は容赦しねーぞ。

 勿論、隣のテメーもそうだ。ぶっ飛ばされたくなかったらさっさと逃げろって、一応の忠告はしとくぜ」

コチラへと語りかける彼女へと、前半は冗談交じりに、そして後半は、その青い目を鋭くして、『ハンター』の目になって語り返す。
城内部ではまだ激戦が繰り広げられているのだろうが、こちらは粗方片付いている。多数のアンドロイドの犠牲を伴って。
そんな中見つけたカノッサ機関の彼女は、幾ら女性と言っても、男が口で言うように許せる相手ではなくて。
そして隣の彼は、どうやら腕が刃物らしきものに変形しているらしい。しかし、止まれるわけがない。カノッサは、潰さなくてはならない。一片残らず。

忠告が了承されないのなら、名乗ろう。この前の昼の国のように、カノッサ機関に自らの存在を示すのだ。


「『カノッサ機関ハンター』、ライラ=フェルンストレーム! カノッサの拠点を叩くため、此処に参上!」


杖を彼らに突きつけるように前に出し、そう見得を切った男。手首には、5本の内2本がそれぞれ赤と緑に発光したブレスレットが填められていて。
その光は、男にとっての希望の光だった。

/ライラ=フェルンストレームです。お三人方、今日はよろしくお願い致します!
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/18(日) 20:45:09.46 ID:ljVZpKIlo
>>941>>942>>944
【水の国】

【これまで、幾度この国が脅威に晒されてきただろうか。今日、この国の港から、機関への反撃が開始される】
【今回の発端である青年、ジャッキー・ハートグレイブスの言葉を聞く者の中に混じる男。彼も青年と言える年齢だろう】

【少し長めの茶髪。細面に丸い目、青い瞳。中肉中背の青年だ】
【白いシャツの上に青いジャケットを羽織り、深緑のカーゴパンツと黒いスニーカー】
【湧きあがる恐怖を押し隠し、どうにか引き締めた表情を保って、ジャッキーの言葉を反芻していく】


(アンドロイド……ガルボ博士の名前は、いつだったか聞いたこともあったけど、これほどの技術を……何者なんだろう)
(いや、今は余計なことを考えていられる余裕はない。相手はあの六罪王……)

【ここに至ってもまだ、恐怖が必死に心に訴える。あの日、自分もテレビで見ていた電波ジャック。テレビ越しだというのに、卒倒するかと思うほど】
【彼の気配はあまりに恐ろしく、強すぎた。ゴクリ、と生唾を飲み込む】

【やがて、アンドロイドたちがジェット噴射で空に舞い上がり、一足先に敵地へと向かっていく】
【その雄姿を見送ってから、改めてジャッキーに視線を落とす】
【事情を深く知らない自分にすらわかるほど、激しい憎悪を感じさせる言葉。麻薬・beyond最初の被害者とは聞いていたが、それだけでもないのかもしれない】

【そんな思考を、シレーナ島からの光が打ち消した。戦闘の光。自分も、幾度となく目にしてきた】
【それを確認したジャッキーが船に乗り込む。それを見て自分も一歩踏み出す。早くも震え始める足を叱咤しつつ】

……僕も、正直震えてます。でも、この機会に居合わせられたことに感謝もしています
勝って、生きて帰りましょう

【震える声音でそう返して、青年・ギアも船に乗り込んだ】


【――数刻後。凄惨を極める戦場の中を駆けて、ギアは目的地に近づいていく】
【接近していくごとに、ギアのごとき男ですら感じるほど、強力な「気」】
【この世の悪≠凝縮したかのような、吐き気すら催す紫のオーラ。恐怖が警告する。行ってはならない】

【しかし、自分はそれを拒絶する。行かねばならない。島に君臨する城の大階段を賭け上がって】
【開いた扉。腐臭とすら思える魔力。それに混じる鋭い銀の魔力】
【聞こえてくる声は、つい先刻出発地点の港で聞いた声。ジャッキーの声だ】

(まさか――すでに……!?)

【最悪の事態が頭に浮かぶ。その一瞬だけは、足の震えも忘れて部屋の中へ飛び込んで絨毯を踏み締め】
【――そこには、無残に破壊されたアンドロイドの山、あの電波ジャックで目にした革命家、そして】
【革命家に吊り下げられたジャッキーの姿。勝って帰ろうと、そう言った相手】


あっ――――!!!

【ギアは何か声を上げようとして――出来なかった。圧倒的なプレッシャー。あのレギンとはまた異質の】
【あまりに絶対的な力の片鱗。ギアの足がまた震えに支配される。そして――白い炎を従えた革命家の右手が】
【ジャッキーの命を貫いた。ギアの眼が見開かれる。力なく倒れ伏す彼。途絶える、銀のきらめき】


…………!!! こ、のぉ……!!!!!

【食いしばった歯がギリギリと音を立てる。恐怖は消えない。むしろ増している】
【サングラスの奥から放たれる視線。身も凍らんばかりの悪意と殺意。それが目の前に居るのだ】
【だが、ギアの中に湧いてくるもう一つの感情。怒り。なぜ、これほど理不尽に踏みにじられねばならないのか】

【皮肉にも、ジャッキーの死による怒りが、ギアを恐怖の枷から解き放つこととなった】
【握りしめた拳が震える。だが、視線は前へ。逸らしてはならない】

【あまりに圧倒的な紫の獅子の前に、あまりに儚い兎のごとき青年。滑稽にすら映るだろうか】
【だが、視線は逸らさない。戦意は挫けない。言葉の代わりに、視線と敵意を浴びせる】
【ギアは、戦闘態勢をとる。兎の身で、獅子に相対するために】

/ギア・ボックスです。主催者様、皆さま、よろしくお願いします
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/18(日) 20:52:15.29 ID:APGObGXg0
>>943>>947>>948
【今や壮絶な戦場と化し、いたる場所に築地めいた光景が広がるシレーナ島】
【その中心部にあるカノッサ機関のアジト、シレーナ城に今、3つの影が偏在していた】
【そして、それらを城門の上に陣取って見下ろす新たな影――――玉藻狂死郎、殺戮者のエントリーだ!!】

――――みたいな登場、一度したかったんだよねぇ……

「……ノーコメント……」

【不敵な笑顔で彼らを見下ろすのは、20歳前後の青年と見受けられる容姿の男、玉藻狂死郎】
【彼は立て襟の白い洋シャツに黒の袷と袴というバンカラスタイルに黒いインバネスコートを羽織り】
【頭には黒のカンカン帽に黒の短髪に黒目と兎に角黒尽くめの格好をした、真に奇妙な人物で】

【そばに寄り添うは呆れた表情で首を横に振る、同じ年頃に見えるもう1人の男】
【その端整な顔立から覗かせる尖った耳――――俗に言う“エルフ耳”から人間とはまた違った種族であることが分かるだろう】
【彼は緑の脚絆と緑の軽装鎧の上から緑のマントを羽織った金髪碧眼の男で、どことなくニヒリストな印象を受ける】

ああ、分かってる分かってる!!ちょっと待っていてくれ!!
今そっちに行くから――――あ、エーミールは一先ずここでお留守番ね?

「……了解した。後は手筈通りにだな、マスター。」

【狂死郎は一旦ポーズを決めた後、城門から助走をつけて思いっきり飛び降りて、彼らと同じ大地に立とうとする】
【無論、何の対策も取らなければそのまま周囲の亡骸の仲間入り――――追突寸前で狂死郎は体から淡い光を放ちながら減速し、ふわりと地面に降り立つ】
【エーミールと呼ばれた男は冷ややかな視線を送りながらその様子を見つめた後、城門上の壁に隠れてしまった】

それでは改めてこんばんは……僕の名前は玉藻狂死郎だ。
同郷かな、君?あと、そいつらが供養してもらえるような立場だとか思ってる?

【体制を立て直して狂死郎は尾月へと向き直り、小馬鹿にした態度で質問を投げかける】
【その様子は一見、“単なる小物”にしか見えなかったが――――“同郷”の彼女には分かるだろうか?】
【彼がその身に強い“聖”なる魔力を纏うと同時に、微かだが“魔族”の気配までも纏っているということに】

同感だろう?フードの君も。ちなみに争いをしたくないが契約で……ってのも同感だ。
気が合うね?

【それから狂死郎はメル・ギルへと向き直り、その体が銀色に輝く様子を視認して】
【“切り札”を切る時期を早めるかどうかを思案し、“仲間”の戦力を見てから考察するべきか、と結論を出しては】

おや、君は三日前の魔術師じゃないの!?前から思っていたんだけど君のその称号……
『カノッサ機関ハンター』だっけ?――――クッソダサいので改名を提案するよ。

【ライラへと向き直って、余りにも早い再開に驚愕の表情を浮かべながら憎まれ口を叩いた】
【それから狂死郎はコートの中へと手を伸ばし、鞘に納められたままの“脇差”を取り出すと】

前衛と口火は僕にお任せを。そう簡単に死ぬほど柔な体してないから心配要らないよ?
それじゃあ――――レッツ、ハンティング!!

【一旦足の力を全て抜き、体重の全てを大地を蹴る力へと変換して、弾丸のように駆け出す】
【一気に尾月との距離を詰めながら、脇差を抜き身にすると同時に、標的に向けて斬り上げる様に得物を振るう】
【息を潜めたエーミールの様子は気になるだろうが、当面の敵はこの男と言えるだろう】
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/18(日) 20:56:59.65 ID:+9LH9/rb0

>>941-942、944


【青年とアンドロイドの少女―――――嘗て戦ったミリアの先導。その先で到れた古城に足を踏み入れて】

(――――― この魔力……間違いない、コーネリアスはこの奥の本陣にいる……!)

【死すらも錯覚させる地獄の瘴気。直接の対峙に比べれば遥か薄く、だが確かなその片鱗を城内の闇には感じた。】
【駆け上がる躰は吹き抜ける疾風の如く、幻の腐臭もろともに重圧を吹き裂いて―――――、】

(……ッ…………!?)

【――――― けれど、その迅速ささえも届かない。観えたのは、ひとつの命の塵芥が如く吹き散らされる様。】
【愕然とその光景を瞳に映す黒髪の少女は、 】


【腰までの伸びやかな黒髪が、濡れ羽烏と呼ぶに相応しい色合いで】
【銀の混ざる橡色の瞳をして、濃藍のトレンチコートを纏った―――少女、だろうか】
【移ろい行く刹那を留め、硝子の様な雰囲気を漂わせる。 】

ルルーメンで一度遇ったあの夜以来ね。コーネリアス・F・ラインハルト……。

……貴方と再び相見えるこの時を、長く永く私は待ち侘びていた―――――――

【それは、そんな形容の出来る人影だった。】

【それは掛け値のない事実の発露。その存在を識った夜から、打ち倒さねばならぬと刻んだ魂の音色。】
【因果と呼ぶにはあまりに薄く。けれど、遥か重いものが胸に宿る。】


けれど、そんな事はもうどうでも良い。
貴方は奪い、私はそれを阻めなかった―――――
……その事実が、何も変えられずにあるだけだ。

この夜を征く意味は、二度とその犠牲を許さない事――――――
何に於いても終わらせると、終らせなきゃならないと確信した……ッ!

【霊鳥の形をした炎が虚空より生じ、その内より赤熱の如き光が浅い孤を描きながら伸びる。少女が其れを両手に取り、】
【その光が纏う、黄金の火の粉が音無く爆ぜ散って。現われたのは―――何処までも清冽に美しい、白銀の太刀だった】
【冷たく澄んだ刃の輝きは無謬。極限域の鋭利さを持つ刀身には金象嵌が施されて、その切先を、“敵” の首元へと少女は向ける。】

【帯びるのは紅の脇差し、右腕に顕れる漆黒の装甲――――――、】

【紅灼き力が闇に立ち昇る。代償たる鮮血が脇腹から垂れる。】
【天地焼き尽くさんばかりの嵐の赫怒は、ただ眼前の地獄へと向けられていた。】

――――――――――― 殺す物語はここで御終い、貴方の悪意もここで終わる。
征くわ、“六罪王”―――――― 兎の底力がどんなものか、その身と魂に刻んであげる……!

【戦端を開いたのは彼なのだろう。だがけして彼を逃さぬと、その瞳は紫の闇を強く射貫いていた。】

/八攫 柊です。それではよろしくお願いします……!
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/18(日) 21:16:56.68 ID:MGaBSgeDo
>>947

刀を武器として使うだけで、「人斬り」呼ばわりなんて、言ってくれるね

【隣に立つ男は、すでに能力を使用し、戦闘態勢のようだ】

そもそも私はこの施設にちょっとした事務仕事で来てただけなんだよ
だから君のこともよく分からない――口ぶりからするとカノッサ所属じゃあないのかな?
私は尾月実利。とりあえず君の名前も教えてよ

>>948

【最初に現れたのはライラと名乗る男】
【奇襲に参加したので当然だが――撤退する気など持っていないようだ】

私は尾月実利、カノッサ機関の『分析官』だよ。よろしく
「カノッサ機関ハンター」ねえ、おそろしくわかりやすいネーミングだね
それは君が1人で名乗ってるの?それともそういう集団が存在するのかな?


>>950

【そして、次に現れたのは玉藻狂死郎】
【彼が言うとおり、“同郷”だ】

何回も名乗るのはちょっ恥ずかしいけど念のため名乗っておくよ。
私は尾月実利、察しの通り櫻の国出身。
君、所属は?櫻の国の政府に関係してる場合はちょっと困るんだけど……

【そう言うのは、かつて実利が櫻の国の『禁術』を盗んだからだが―――】

本来なら供養してもらえるような立場じゃないからこそ、私が供養してあげないと―――って思うんだけど
そんな時間は与えてくれないみたいだねっ……!

【脇差を構え、向かってくる狂死郎】
【実利は、自らの首に貼られた御札を一枚剥がす――すると口から『黒紫』の煙が吐き出され】
【狂死郎の接近とほぼ同時に、『煙』が実利の全身と刀を包み込む】
【―――感覚の鋭い者なら、この『黒紫の煙』が「生命力」に似た強いエネルギーを持っていることに気付くかもしれないが―――】

【その刀で、脇差を正面から受け止めた】
【―――鈍い金属音が響く】
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 21:19:35.72 ID:nQwYci69o
>>946

『―――……何かと思えばッッッ……貴様はこの革命家に説教をしに聖地を荒らして分け入ってきたのかァァァあっ!?』
『言葉すら紡がせず葬っても良いが―――敢えて言葉を投げかけるなら……「其れがダイヤの原石だとしても、輝かなければ唯の石」だッッ!!』

『所詮埋もれる程度のモノだったのだッッ!! 本物の輝きは、不遇や差別、その他の不幸など跳ね除けてしまうッッ!!』

【漆黒のコートが魔力の奔流により激しくはためき、コーネリアスは片腕を突き上げながら荒々しく喉を震わせる】
【突如暗黒から姿を現した青年―――その異質な登場に驚きやその他のリアクションは無く。恨みの篭った青年の言葉に対して、露わにするは怒りの感情】

『テメーの考えは甘ぇぇぇぇえぇぇぇんだよぉぉぉおおおおッ!!! 程度の低い輝きなんぞ知るかッッッ!! 混沌の世界に粗悪な輝き必要なしッッ!!』
『せいぜい安物の輝きで満足しておくのが貴様にはお似合い……そして貴様は革命家を否定した―――』

『歴史上でも、革命を避難した者に与えられるのは死……壮絶な処刑により、貴様を本物の暗黒に叩きこんでやろうッッッ!!!』

【青年の殺意をその身に浴びながらも、革命家は更なる殺意と狂気を引っ下げて叱咤する。其れと同時に、両手を禍々しい紫の焔が覆った―――】


>>947

『―――良い表情だ……少しでも長くその無様な顔を維持するがいい―――我が心内の憤怒が、その評定を見るだけで安らぐのだからな』
『……だが少々気になるのは―――何故『怒り』の感情が混ざっているのだ? 純粋に恐怖に怯える顔とは異なっているだろう……』

【無愛想な顔が、そのサングラス越しの視線がギアの方に向いた。凍てつくナニかが、彼の肌に伝わるかも知れない】
【そしてその顔をまじまじと見つめたかと思えば、一瞬地に伏せる死体……ジャッキーへと向いて、そして。】

『―――成程、コイツを殺された事による怒りかァ? ……はぁ? 先程まで赤の他人だったのでは無いのかァ? そんなやつにィ? 感情を揺さぶられるのかァ?』
『ど〜〜〜〜でも良いだろこんなクズはさぁあぁあ!! 寧ろ死んで安心するべきだろーがッ。コイツの死で俺の怖さを、強大さを理解できたんだからよぉぉ!!』

【ギアの内包する怒りの原因を感じ取れば、見下すような笑いと共に転がる死体を蹴飛ばした】
【うつ伏せから仰向けに死体が転がれば、ジャッキーの無念と絶望の表情が見える。そして其れをコーネリアスは小突くように爪先で蹴り飛ばす】

『コイツの死を無駄にしない為には何をすれば良い?……「逃走」だろぉぉっ!? 醜く尻尾巻いて逃げてみろよ、誰一人として逃すつもりは無いがなぁぁぁッ!!!』

【震えながらも構える彼を、更に脅すかのように言葉を並べ―――狂気を空間全体に撒き散らし。青年の戦意が本当のモノかを問う】


>>951

『―――クソ兎共が次々と〜〜〜〜ッ……誰かと思えば貴様か、ルルーメンの……。テメェガタガタと五月蝿ェよ……こちとらアジトぶっ壊されてキレてるんだよォォッ!!』
『終わらせる……? ハぁぁぁああああ!? 終わるのはテメー等の命だッッ!! 輝かせる暇すら与えねぇ……灰にしてやるよ雑魚共が……!!』

【次々に城へと忍び込んで来る彼らに、怒りの灼熱は燃え盛るばかりで。より一層醜悪に、鋭利に尖った魔力が、感情の爆発と共に辺りを包む】
【重力が増したような錯覚が一瞬流れ、城が微かに軋みを上げる。―――突きつけられた刃、そして視線は、苛立ちを与えるモノだった】

『―――馬鹿が……兎が何匹群れようとも同じよッッ……所詮兎、脆弱、貧弱―――獅子に勝てる要素など皆無よぉぉぉっ!!』

【上体を反らしながら感情に任せて怒鳴り散らせば、片腕を前方に付き出して指を動かし「来いよ」と挑発のシグナルを送った】
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/08/18(日) 21:25:20.80 ID:QkUv+4fb0
>>948

忠告ありがとう、機関ハンター殿、しかしこれも仕事なのでね、今更退く事は契約違反にしますから

【その後、男はややからかった様に次の言葉を口にした】
私を「ぶっ飛ばす」と言うのならこちらからも言わせて貰いましょう……

「やってみなさい」とね……

【そうきっぱり言い返すと、男の片腕の周りを銀色の粒が現れ、弾丸の様に変形し始めた】
【そして、腕を横に振り、それを合図に弾丸の形に変形した水銀がまるで機関銃の様に連続発射された】
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/08/18(日) 21:39:48.48 ID:QkUv+4fb0
>>954に付け加えます

>>952
まあ、まだ正式に機関に所属はしてませんが、一応、名乗らせて頂きます。

【男は少し頭を下げ、尾形に名乗った】
私はメル・ギル、雇われた傭兵ではありますが、機関とは今回契約させて頂いております

貴方の剣の邪魔にならぬよう、心掛けましょう。
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/18(日) 21:42:22.76 ID:c34ZrkHk0
>>953

……説教をしに来ただって……? どこまでのぼせれば気が済むんだい?
お前如き害物に、そんな事をする心算などないよぉッ! お前には、申し開きも異議の差し挟みも、許すつもりはないッ!
ただ無為に死ぬがいいッ! お前を受け止めるのは、ただ死滅の暗黒だけさぁッ!!

【元より、青年はコーネリアスの全てを否定するつもりでこの場に赴いたのだ】
【ある種の狂気に陥っている青年に、コーネリアスの放つ威圧や恐怖も、その効果は半減していた】
【そして今の青年には、コーネリアスを殺害する事しか頭にはなかった――――命を落としたジャッキーと言う青年の有様も、思考の外だったのだ】

――――『無駄』の結晶が、これからお前を死に至らしめる……ッ!
地獄の果ての果てまで落ちて、自らの愚かさに泣き喚くが良いッ!!

【す――――と、両手のパタを持ちあげて構える】
【青年はかねてからそれを、「自分にとっては大事だった『無駄』の結晶」と語っていた】
【果たせなかった輝き、閉じられた輝きの、証であり、永遠の到達点であり、絆でもある――――】
【その武器に、青年は己の全ての想いを託した】

(……まずは、どこまでやれるかを見てみなければ始まらないね……
最初は深追いせず、その愚かな力がどれほどのものか、確かめさせてもらうとするよ……!)

【――――言葉の上ではこれ以上なく激昂している青年だったが、思索の中まではそうでもなかった】
【というよりも、もし思考すらも感情に任せて迸らせていれば、容易く隙を突かれて命を落とすだけだろう】
【可能な限り冷静に、己のバイオリズムを崩さずに、青年は戦いの行く末を図る――――】

――――――――『シャドウキャプチャー』!!

【ぐっと床を踏みしめながら、青年はコーネリアスをにらみつける】
【そして、コーネリアスの足元――――その床に、青年が操る闇が湧きだし始め、そこから何本もの『腕』が伸びる】
【闇も、闇の腕も、青年の操る力の一端。その腕は、コーネリアスの身体を絡め取り、強い力で抑え込もうと動く】
【その場から移動すれば、その束縛に捉われる事も無いだろうが、足元の変化に気づく事が出来るだろうか――――?】
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 21:42:22.76 ID:933ZE8m9o
>>950
増援は、意外な人物だった。
どこかで見たことが有る顔……いや、3日前に見た顔だ。昼の国で行われたカニバディール率いる『スクラップズ』との抗争で戦っていた黒いコートの男。
どう考えても時代に乗り遅れてそうなその衣装を身に纏う彼は、しかしその実力を発揮し、『スクラップズ』の一端を破っていた。
もう一人の男は見たことがなかったが、大方彼の戦友だろうと推測し、その姿が消えた際には、やはり狂死郎が戦闘要員なのかと納得。

「それな、前にも言われたぜ。自警団の女の子だったな、確か。
 まぁそんなことはどうでも良いな、見ての通り魔術師だから後方支援だ、前衛は頼む―――って、行っちまったか」

自身の職については……あまり触れられたくないようだった。ちょっとだけ、自信を無くしているから。
けれども彼には、ライラのその情熱というものが分かるだろうか。カノッサに対する、正義の炎が。

>>952
「分析官、な。 直接の戦闘員じゃないみたいだが……戦えるっつーことは、カノッサはよっぽど戦闘員に恵まれてるな。
 ―――さて、どっちだろうな。ま、名乗ってないだけで、ハンターに属する奴ってのはたくさん居るんじゃねーの。
 ……ま、考えてる暇は無さそうだぜ?」

悪い口を叩きつつ、その物静かそうな口調に少々眉を顰めるライラ。
やはり女性の相手というのは苦手だが、カノッサ機関、しかも戦闘員じゃなく、特殊職。彼女を倒せば、カノッサには少なからずダメージが入ると予想して。
そこで狂死郎の鬼気迫る接近を見送りながら、彼女との会話を切断したのだった。

>>954
「テメーもカノッサ機関が世界の敵ってことぐらい知ってんだろ? 仕事に対する情熱は認めるが、今回は少々、相手が悪いようだぜ。
 ―――あぁ、やってやるぜ。 この手でカノッサを潰すためには、俺はこんな所で負けてられね―――――――――!!!」

彼のからかい口調にも決して動じず、ただ淡々と口を開くライラ。
もう一度彼に対してその決意を言葉にすると、飛んできたのは銀色の弾丸。材質が何にしろ、当たるとヤバイことは確実。
彼の腕の動きを見て左側に飛び回避すると、今度はコチラから、杖を突き出して呪文を唱える。


「  F  1  S  1  ! !   F i r e   B a l l  ! ! 」 


赤と緑のブレスレットの発光が止み、代わりにライラの前に出現したのは直径1mほどの火の玉、だろうか。煌々と燃えるそれは実際熱い。
ライラが杖を振れば、メル・ギルの方へとそれは飛んで行く。それなりに早いが、動きは直線的だ。避けることも難しくない。
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/08/18(日) 21:45:08.35 ID:QkUv+4fb0
>>955すみません、誤字の修正です
「尾月」です。
すみません すみません すみません
本当にすみません。すみませんでした。
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/18(日) 21:51:16.32 ID:ljVZpKIlo
>>953
【自分に視線を向けられた時、恐怖は最高潮に達した。その場で倒れかねないほどの】
【だが、それとは別に頭の中が冷えていく。度を越した怒りが、むしろギアの頭を冷やした】

……ああ、そうだよ。ついさっき初めて会った相手だ。でも、言ったんだよ。帰ろう、って
お前は、それを踏みにじった。それだけで十分だ


【蹴り飛ばされるジャッキーの遺体。死者の尊厳すら、とことんまで踏みにじる】
【彼の顔に浮かぶ無念と絶望。あれほど憎悪していた仇敵を前に、かれがどれほどの思いで死んでいったことか】
【ギアは、何も言わなかった。言葉にすらできない怒り。冷え切った心が、青い瞳に冷たい視線を宿らせる】


逃げるつもりはない。それこそ、彼の死を無駄にすることになる

【声の震えが止まっていた。そこに、言葉と共に叩きつけられる狂気】
【理性は、悲鳴を上げ続けている。しかし、ギアはもはやそれを無視していた。空間を支配するコーネリアスの狂気に】
【彼の瞳は、揺らがなかった。冷たい光を保ったままだった】


(さっきの炎……身にまとって攻撃するのか、それとも遠距離に飛ばしたり周囲を焼き尽くすこともできるのか……)
(とにかく、あの炎に好きにさせるわけにはいかない……!!! )

【ギアの両手が挙がり、自身の腹部に突き込まれる。身体の中に手がめり込んだのだ。ギアの有する能力】
【引き出された両手に抱えられたもの。大型のガトリングガンだ。鈍く光る銃身が、コーネリアスを睨む】

【躊躇いなく、引き金が引かれる。そこから放たれたのは無数の銃弾――ではなかった。花火だった】
【目に毒なほどのきつい原色の光を放ちながら、煙を上げて花火が飛ぶ。強力無比の炎を操るコーネリアスに対して花火】
【ギアの玩具武器の一つ、『花火ランチャー』。当たれば火傷くらいは負うだろうが、大した威力はない。ふざけているのか、と思われるかもしれない】


【本命は別にあった。花火に混じって密かに放たれたのは、二つの独楽だった。ほぼ無音で回転しながらコーネリアスの足元に接近していく】
【独楽の周りから飛び出す薄く丸い刃。これで相手の足元を切り裂いて機動力をわずかでも奪おう、という狙いだ】
【ギアの玩具武器、『スピンブレード』】
【持ち主の念を込められた玩具武器たちは、この悪意と狂気渦巻くこの状況下にも影響されることなく、正確に本来の機能を発揮する】


【花火で相手を撹乱しつつの、下段攻撃。果たしてこの程度の攻撃が六罪王に通用するのか――しかし】
【闇雲に立ち向かって勝てる相手ではない。所詮、自分には小細工しか出来ないのだ。ならば、それを全力でやるしかない】
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/18(日) 21:51:29.48 ID:NA7pCD0d0
>>953

(……簡単に激昂する、か。その上で自分を盲信している――――)

【……コーネリアスへの赫怒が消えた訳ではない。だが、装っている可能性を考えつつ分析を、意識の死角を想う事は容易くて】
【激情の嵐のなか、逆に冷静さを増す思考。彼とは全くの逆の表情――――― ふ、と笑う様な双眸は、再び彼の激情を誘う様であって】

(……その傲慢が命取りよ。何れ―――――― 為す戦いに違いはない……ッ!)

【太刀を横向きに構えつつ脚をたわめる―――――― 大きく右に低空を跳躍、間髪入れずに深く身を沈めて】
【……僅か地上五十センチの高さから。深く脚を屈めての踏み込みが、濃藍の風を男に斬り込ませるのだろう】
【接近出来たなら狙うのはコーネリアスの右脚脛部―――――― 左に腰溜めに構えた右手の構えから、居合抜きの要領で斬り飛ばさんと剣を揮って】


―――――…………ふっ!

【擦れ違い様に振り返るのだろう。可能ならば、太刀に左手を添えて更なる追撃に備えて――――、】


【総てが一瞬にも満たないうちに終わる。それほどの異様でありヒトの絶技。】

【超越した速度域での感覚ではあるが、“一瞬”、踏み込みの間際に攻撃の前兆が生じた筈だ】
【それを知覚できるか否か。……それが、明暗を分かつ最大の要因にも為り得るのだろう】
【“かたちあるものを斬る” 概念による絶対の破壊力――――― ……並みの重合金装甲程度ならば、薄紙同然に断割する。】

【……あまりにも強大な、それら力の過負荷。】
【男ほどの存在ならば、気付くのに容易い事ではあって―――、】
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/18(日) 21:53:45.58 ID:APGObGXg0
>>952>>954>>957
君ぃ……分かってないね?屑に供養も墓も必要ないのさぁ!!

【走る狂死郎の剣閃――――それは仕込刀によって防がれ、鍔迫り合いの格好となる】
【尾月の刀を押さえ込む為に力を込めながら、狂死郎は静かに彼女の能力を分析していた】

ふぅん……君のその術、僕の記憶が正しければの話だが――――『禁術』かな?
何故分かるのかって?“陰陽師”の立場上、そういうモノが存在することは知っているし、
その正体は分からないが――――“蝕まれている”ことが分かれば十分だよ。

【尾月が自らの首に貼られた御札を剥がした瞬間、その口から吐き出された『黒煙』】
【実態はまだ分からないが、全身と刀に纏わせた以上“強化系”の術に相当することは間違いない】
【その上で、“封印”していた以上、体に相当な負担が掛かる術であることは間違いない―――そう、狂死郎は確信して】

こういう“リスク付きの強化魔術使い”にはエーミールが役に立つんだが……ま、今は温存だ。
あと君!!見ての通り僕はこいつを抑えるので精一杯の状況な訳だが、手が空いたら援護するよ!!

【もう一方の敵に狙われているライラへと再び向き直り、その援護を約束すると】
【尾月へと顔を移し、鍔迫り合いの状況から抜け出すための行動を開始する】

さて、僕は立場上君をふんじばって櫻の国に送り届ける必要があるわけか。それじゃまずは少し離れようか……

「呪相――――

 鎌 鼬」ッ!!

【狂死郎は鍔迫り合いの態勢から、右足で尾月の腹部に向かって膝蹴りを繰り出す】
【それはただの膝蹴りではなく――――腹部に迫りながら、その膝からは緑の光が放たれて】
【膝は命中する寸前に停止し、膝の先端からは強い威力の鎌鼬が発生して、尾月の腹部を切り裂こうとするだろう】
【同時に狂死郎は鍔迫り合いの態勢から抜け出し、膝を戻すと同時に後方へと飛びのいて距離を離そうとする】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 22:25:59.21 ID:nQwYci69o
>>956

『……害物、か―――この六罪王に向かって、よくもそんな口を聞けたものだ……カノッサに仇なす、害物めが』
『思い知れ力の差を、思い知れ格の違いを、思い知れ―――「カノッサ」を』

【怒り狂う様から一変して、冷静な声色―――しかし濃密な狂気と闇、そして怒りを感じさせるドスの効いたもの】
【付き出した左手をゆっくりと開き、六罪王の視線が青年へと合わさる。青年が様子見の攻撃を仕掛ける―――】
【……その中で。コーネリアスはゆっくりと小さな声で、とびっきりの殺意が込められた言葉の刃を口から零した。視線は足元の闇に向いていた】

『……―――嗚呼、本当に心の底からこのクズを殺したくなったよ。 この六罪王に「様子見」……―――其れが何よりも、障る』

【―――足元の変化に気付かない男ではない。確かに視線は足元に異変に向いたが―――ぼそぼそと口を動かすだけで、脚は動かさなかった】
【明らかに、其れが「故意」だと解る。―――そしてコーネリアスの身体を絡めとる腕。あっさりと、彼の機動力を封じることに成功した】
【……唯、不気味だった。次々と変化していく表情とテンションの彼が、能面の如く無表情で、声色も抑揚のないもので―――言い知れぬモノが、そこにはあった】


>>959

『そんなことで―――? 無駄にカロリーを消費して疲れないのか貴様は……クックック―――戦闘者の眼になった所で、何が変わる』
『精神で埋まる壁では無いことは分かっているだろう……どれだけ勇敢な兎でも、臆病な獅子さえ打ち取れぬ』
『―――が、生命の輝きという観点から見れば素晴らしい。輝け…生命…!!散り際にでもその命の残照を私に見せてみろッ…!!』

【―――さぁ来い。そう言ったと思えば、青年の闇が革命家の身体を縛る。―――その中で繰り出された花火と、其処に隠された刃の独楽】
【動かない敵へと繰り出された攻撃―――当たらない筈がない。そう思われた】

『……技など必要ない』

【紫色の魔力が飛ばされ―――花火を全てかき消す。―――が、隠された独楽までは見えなかった。拘束されている状況下で、視界が下まで回らなかった】
【―――薄い刃が彼の脚に赤い線を生み出す。だが顔は痛みに歪むことはなく、寧ろ笑みへと変わった】

『……弱気な選択肢だなぁ、臆病モノガ』

/続きます
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 22:26:08.60 ID:nQwYci69o

>>960

【―――目線すら合さなかった。意識を割いてすらいなかった。縛られている故に、首が回らなかったのかも知れない】
【ともかくその様な状態の彼ならば、攻撃は命中する―――そう思ったかもしれない。―――1対3。数では有利。視界の隙を狙うのがセオリー】

【―――だが、その前提すら間違っていたのだ】
【……金属音が響いた。人の皮膚を切り裂いた音では無かった。其処に居たのは、『仲間』であり『先導者』だった。一回り大きな黒のジャンパー。空に向いた銀の短髪】
【正真正銘、先程殺された筈の青年―――ジャッキー・ハートグレイブスが、革命家の盾として機能していた】
【両拳に付けた鉄鋼―――コレは能力なのだが、其の右拳が刃を受け止める。彼女と並ぶ速度だった。】

―――……ッ……。

【貫かれた心臓部に、濁った白の焔が灯っている。彼を仕留める際に革命家が右手に纏っていた焔であった】
【色素の薄れた赤の瞳は、力強い動きとは裏腹に生気を全く感じない。まるで、操られているかのような―――そんな印象が持てるだろうか】

『……貴様等を先導したこのカスも―――今では俺の手駒と言う訳だ……!! さぁ俺の為に働くが良い、より強大な力を持って―――』

……―――ァァァアアアアアッッッッッッッ!!!!!

【青年が知性を感じさせない叫びを轟かせれば、ジャンパーの腕部分が、張り詰めてビリリと裂け―――大木のような両腕が姿を現した】
【血管が浮き出ており、彫刻の其れを通り越した造形の筋肉が隆起している。最早、グロテスクなほどに】
【彼は元々怪力の持ち主であったのだが、更にコーネリアスの術により全身の筋肉、特に両腕の部分が膨張。その姿はそう、言うなれば―――破壊神】

【そしてその破壊神が、超速度の左フックを振るう。もとは死体。脱力しきった状態。真の脱力から繰り出される打撃は、威力も破壊神の名に恥じない―――】
【狙いは脇腹。操られた『仲間』の一撃が、彼女を襲う―――】

>>ALL

『チャンスタイムは今だけだ―――こうしなければ、詰まらない。唯の虐殺なら、そこら辺のクズ相手で良いからな』

【縛られていながらも―――高圧的な、余裕を見せる言葉。その言い様は、直ぐにでもこの束縛を破ろうと思えば出来る、と言っているようだった】
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/08/18(日) 22:30:10.56 ID:QkUv+4fb0
>>940

ええ、同じ境遇の人と出会うとは、仕事を受けた甲斐もありましたな
【狂死朗に目線を向け、軽く会釈する、しかし彼は敵、いくら気が合っているといってもやはり敵への殺意が消えることは無かった】
【その僅かな会話もすぐに尾月に向けられた鈍い音へ消えていった】

>>957
【一直線に飛んで来る火の玉、避けることは出来る、しかしあえて受ける事を選択した】
【腕が平たく伸ばされ、盾の様な形へと変形した、そのまま火の玉を受ける】

む、なかなかの火力ですね……

【攻撃を受け、盾から水銀が飛び散る 攻撃を受けきるが、男の作り出した盾には穴があいていた】
【避ける方がやはり最善だと十分理解できた、だがそれをあえて受けたのは彼を詰むための1手を仕掛けるため】

なかなかの威力、そしてあの弾丸を避ける反応の良さ、
ならば近距離攻撃はどうでしょうか?

【男の溶けた片腕や、液状になった下半身から、先が鋭利な紐の様な水銀が、ライラへと伸びていく】
【その数は7本ほどであろうか、ただ横に逃れるだけでは曲がって追撃するだろう】
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/18(日) 22:34:02.33 ID:MGaBSgeDo

【実利が狂死郎と鍔迫り合いを始め―――メル・ギルとライラが交戦する】

>>957

確かに、戦闘員じゃない。どっちかといえば普段は事務員みたいなものだけど
―――戦う力は持ってるつもりだよ。ハンターさん

>>955

君と契約してたってことは、機関側もこの襲撃をある程度予想してたってことかな……?
まあいいや、とりあえずそっちの「機関ハンター」さんのお相手は任せるよ

>>961

【そして、狂死郎から告げられた「予想」】

驚いたね……その通り、これが『禁術』ってことも、文字通り身を削って使ってるってことも正解だよ
成程、それっぽい妖力みたいなものは感じてたけど「陰陽師」か……
厄介だね

【実利の使う『禁術』も、大枠で言えば陰陽術に類するもの】
【対する相手はその専門家である陰陽師。櫻の国出身者として、陰陽師を相手にすることの難儀さは承知している】

そのエーミールってのは、式神か何かかな?さっきから妙な別の気配がするんだけどさ
櫻の国っぽくない名前だから何やら嫌な予感がしてしょうがないんだけど……

逮捕ならまだしも、櫻の国に送られるってのは困るね。非常に困るよ

【狂死郎から放たれる膝蹴り】
【勿論――只の膝蹴りでないことはわかる】
【咄嗟にバックステップで後ろに退く――が、完全には回避できず、着物の上にうっすらと赤い線が滲み出た】

しょうがない、君の言う「供養も墓も必要のない屑」の力を使わせてもらうよ

【実利がそう言いながら刀を振るうと――刀に纏っていた『黒紫の煙』が離れ】
【『煙』はそのまま、近くに倒れていた一般兵の死体に纏わりついた】
【すると死体は生きているかのように――とは言い難い少々ぎこちない、操り人形のような動きで立ち上がり】
【持っていた軍用ナイフを構え、狂死郎に向かって突進する】
【ナイフは狂死郎の体の中心部を狙っているが、兵士の動きは直線的で、戦いに慣れている者なら避けることも受けることもそう難しくは無いだろう】





966 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/18(日) 22:43:05.69 ID:c34ZrkHk0
>>962-963

……思い知るのはお前の方さ……!
人間の命を……その輝きを軽んじたお前は、ただその輝きに焼かれ、全てを失うだけさぁッ!
(……そうだろう、柊……!)

【同じ戦場に立つ少女――――八攫 柊の姿をチラリと横目に確認しながら、青年はやはりコーネリアスに向けて吼える】
【カノッサがどうだろうと、格がどう違おうと、青年には極論してしまえば関係無かったのだ】
【――――同じくこの手は血に汚れている。コーネリアスの存在さえなければ、機関についてあれこれと想いを馳せる事も無かった】
【ただ今は、『命』を冒涜した――――その尊厳を汚したコーネリアスを殺す事。それだけを想っていれば良い】
【その為に必要なものがまた、命の輝き――――不要として切り捨てられていった者達の、その力だ】

(……余裕だな。よほど自分の力に自信があるんだろうね……!
だとしたら、あのキャプチャーぐらいは、その気になれば易々引き裂きそうだ……!
その前に、仕掛けるとしたら――――)

【足を捉えられ、尚もその居住まいを正そうとしないコーネリアスの姿に、青年もすっと目を細めて警戒を強める】
【捉えられるまでに気付かない事なら、十分にあり得るだろう。だが、捉えられて尚気付かないなどと言う事は、普通はあり得ない】
【つまり、意図的に無視している事になるだろう。そしてそれは、コーネリアスの余裕・自信の表れに他ならなかった】
【相手は仮にも六罪王だ――――なら、その自信は当然として、裏打ちのあるものとして考えなければならない】

(……その『チャンスタイム』…………精々有効活用させてもらうとするよ……!)
――――――――『シャドウスパイク』!!

【足を捉えたからには、するべき事は1つ――――攻撃を加える事だけだ】
【ただ、問題があるとするならば、コーネリアスはすぐにその拘束を振り切って反撃に出てくる事】
【そして、回避の目は摘んでも『防御』はあり得ると言う事】
【それを勘案して、青年の打つ手は決まっていた。足元の闇が膨張して、巨大な突起をコーネリアスの足元から突き上げさせる】
【前からではなく、あくまで足元から――――目視の外から、まして2つ目のアクションが先ほどと同じ根源からと言うのは、それ相応のフェイントになるだろう】
【能力を行使する事に、そこまで専心する事は出来ないが、少なくとも距離を空けたままなら、突然の反撃にも対応する事は出来る】
【リスクを分散しつつ、あらゆる形で後々の有利な状況を引き寄せるべく。青年はその一撃を選んだのだ】
967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 22:50:17.33 ID:933ZE8m9o
>>961>>964>>965
「OKだ! 俺も手が空いたら援護する、それまでは持ちこたえろよ!」

丁度1対1の構図。こうなっては2人で1人を集中攻撃するということも出来ない。
尾月の黒煙、そして仕込み刀。狂死郎の脇差しと、そして自分と同じような緑の光から放たれる鎌鼬を横目に、そう狂死郎へと伝える。
尾月の言葉にはめんどくせーと言わんばかりの顔を返し、その顔を戻す。
二人は同郷だと言っていた。―――カノッサと、正義。尾月がどんな目的でカノッサに入ったのかは知らないが、許せるものではなかった。

そして前を向けば、其処には身体で「Fire Ball」を受けきるメル・ギルの姿が。

「こちとら近距離は苦手でなぁ、――――――」

今の、メル・ギルが腕を伸ばし、盾とした瞬間。今まで銀かと思っていたライラは、ようやくその材質に検討をつける。
―――水銀。金属唯一の液体にして猛毒。メル・ギルはそれを自在に操れるのだろうか。
まぁどちらにしろ、あの紐が危険だということは確実、ならば。

「―――ッ!!  ――――――こうするしか、脳がないモンでよぉ!」

前へ。紐が迫る中、自分からそれを受けにいかんとするライラ。
―――勿論自爆する気はない。その証拠に、心許ないが杖で顔面だけは隠してメル・ギルへと突っ込んでいくライラ。
それで無傷なわけがない。先端が鋭利な水銀、ローブや下に着る洋服などはどんどんと切れてしまい、肌にも赤い線が滲み始める。
だが、諦めることはない。 メル・ギルの近くへとたどり着けば、その杖を横に大きく振りかぶり―――

―――水銀でガードしようものならその水銀ごと、メル・ギルの頭をぶん殴ろうとする。
木製とはいってもその長さは150cm程。それなりの重さも有り、殴られればそれ相応のダメージがメル・ギルを襲うだろう。
とはいっても、その動きは大振りだ。リーチこそ長いが、避ける手も有るかも知れない。
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/18(日) 23:01:03.59 ID:ljVZpKIlo
>>962>>963
【疑念が、ギアの心中に充満していた。シャッテンの攻撃をあっさりと受けたコーネリアス。ギアから見ても故意だと分かる】
【そこに、自分の花火が殺到する。しかし、動けない状態のコーネリアスに、それらはあっさりと掻き消される】

【それは想定内だった。放ったのはただの花火、コーネリアスなら眠っていても対処できても不思議ではない】
【しかし、疑念は拭えない。余裕の表れともとれる、しかしその消えていく表情も相まって、あまりに気味が悪い】

本当に、傲慢な男だっ……!!

(何を隠し持っているのかはわからないけど……とにかく、畳みかける!!)


【彼の言葉、自分など塵芥の如き存在にしか見られていない。実際に、それほどの力の差がある】
【はるか高みからの称賛らしきものにも、臆病との誹りにも、もはや何に言葉も返さない】
【とにかく、何かされる前に攻撃を叩きこもうと――】


…………!!? ジャッキーさんっ……

【その耳に響く、金属音。傍らで戦っていた女性の一閃を、彼が受け止めた】
【彼の命を奪ったばかりか、その肉体すら操るその非道】


……クソっ!!!


【ギアの脇腹に手が突き込まれ、引き出される。その手に握られた、プレゼント包装された箱】
【それを、ジャッキーに向けて投擲した。空中で破裂。そこから、7つの鉄球が撃ち出される】

【異常に膨れた筋肉にどこまで通用するかはわからない。しかし、まともに食らえばその肉を抉り、めり込む威力】
【それが、ジャッキーの両肩に向かっていく。左に4つ、右に3つ】
【筋肉を攻撃して、彼の両腕を封じる狙いだ】
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/18(日) 23:11:09.72 ID:APGObGXg0
>>964>>965>>967
【狂死郎は鎌鼬の命中を確認する間も無く、飛び退いて尾月から距離を離し、着地する】
【陰陽師である彼が距離を離す以上、そこから何らかの符術を用いてくるのは明白と言えるだろう】

“仕込み符術”さ……僕のコートには数枚の符が瞬時に符術を発動できるように仕込まれている。
僕の予想は当たっていたみたいだね?それから君の質問も半分は当たりだ。契約上は式神と大差ない。
ただ、僕の“式神”をそこらの式神と一緒にしてもらっちゃあ困るんだよね!!

【そして予想通り――――狂死郎は1枚の符を懐から取り出すと、それを地面へと貼り付ける】
【その符の表には何やら狐耳の少女の姿が描かれていて、同時に強い“魔族”の気配が感じ取れる】
【次いで『黒紫の煙』が纏わり付いて起き上がった一般兵の姿を見ると、狂死郎は背後を振り返り“合図”を送った】

エーミール!!マナの把握は完了した頃だろう?僕とそこの機関ハンターさんに援護を頼む!!
ライラ、早速だが援護だ。そいつを上手く使えよ?

「了解した、マスター。『森の精霊よ――――我が声を聞け!!』」

【その声に答えたエーミールは城門の上に立ち、壁面に手を着いて森の精霊へと語りかける】
【すると突然、狂死郎とライラの目の前に2m四方の茨で出来た壁が出現し、盾となった】
【当然、一般兵の死体の攻撃は茨の壁に阻まれる――――その隙は、狂死郎にとって十分であった】

【続けて狂死郎は脇差を地面に貼り付けた符にかざし―――そのまま、一気に貫いた】


「我が肉体は健全にして無欠―――されど我が刃、この手に成り余るモノ也」

「我が精神は剛毅にして足知―――されど我が夢想、未だ成り足りぬモノ也」


【刹那、その切り口から広がるは太極を表す陣―――それは退魔刀を球状に包み込む】
【次に太極陣から伸びるは2つの柄、一方は純白、もう一方は漆黒に染められて】
【吸い込まれるかのように、狂死郎は両手を以って双方の柄を握り締める】


「為らば、玉藻狂死郎の名において阿吽となす―――主客合一!!」


【そして、渾身の力を込め双方の“刃”を抜き放つ】
【光より生まれ出は漆黒と純白―――陰陽一対の夫婦剣】
【左に握り締めるは月輪の顕現、漆黒の刃。右に握り締めるは日輪の顕現、純白の刃】


またの名を夫婦剣、干将・莫耶。陰陽を具現せし刃――――いざ、参る!!


【黒白の双剣の担い手は敵を討つべく大地を駆け、哀れな一般兵の死体へと迫る】
【先程尾月に迫ったよりも格段に早い速度で接近したその様子は魔術的強化を疑えるだろう】
【そして狂死郎は双刃を交差するように振り下ろし、死体を解体せんとする】
【――――干将・莫耶が持つ“陰陽”の性質故か、掠り傷一つ死体が負えば、その瞬間『黒紫の煙』は効力を失い、“ただの死体”に戻るだろう】

【一方のエーミールは姿勢を整え、手元に黒の大弓を召喚し矢を番えて、“獲物”が現れる瞬間を虎視眈々と狙っている】
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/18(日) 23:12:07.51 ID:NA7pCD0d0
>>962-963

【シャッテンに捕捉されるコーネリアスが観えた。未だ起こらぬ反撃ならば、志を同じくした、共闘する彼らもまた健在―――――】
【重畳と判断し斬りかかったその意識に届くのは、金属が金属に止められるその歪な音色だった。】

【茫然とした一瞬の空白―――――― 再び激情が痛苦を塗り替える、】

(―――――……何処まで、侮辱を重ねる真似を……!)

【踏み躙り、笑い、哂い、嗤った挙句に傀儡と変える―――――、】
【命を、ひとを。塵の様に壊すコーネリアス―――――、】
【……悪魔そのもののこの男に、敗れる訳には行かないだろう。ならば己に為せることを、最高の精度で行わねばならないのだと】


(……あなたも……そうだったのでしょう? )

【冷たく戦意を凍らせて――――――犠牲の、破壊神の拳は確かに視えた。】

【―――――受ければ、斃れる。考えるまでもなく理解出来、構えた太刀が刀身で留める。】
【奔る衝撃に顔を歪めるも、刃を動かした勢いを強引に保って】
【痺れの残る両腕で太刀を取り廻し、右回りに弧を描いて拳を流せば――――、】


【本来の彼女の膂力なら、受けたところで腕を圧し折られていたのだろう。】
【其れを留めたのは圧倒的な力の増大―――――】

【“覚悟の脇差”。自らに突き立てることでその力を引き上げ、“覚悟” に応える櫻の品。】
【―――――精神力の強化は処理能力の向上を。筋力の上昇は全身のあらゆる強化を、それぞれ彼女に齎して】



【――――――結果、この局面がある。受け流す太刀はハウリングの音色を上げ、返す刀でジャッキーの左脇腹を斬り裂きに奔る。】
【軌道は斜め上に――――― 胴体を深々と斬り裂き、引き裂き、右肩まで斬撃を奔り抜けさせんとする】
【だがそれも “届けば” の話だ。防がれるか躱されるか、何れかならば意味はなかった】

【コーネリアスが呪縛されている今だけが、この破壊者に “終わり” を与える唯一の好機、】
【……あの男が解き放たれぬうちに幕引きを。それが、その覚悟を生む必然だったのだろう】
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/18(日) 23:15:20.48 ID:APGObGXg0
>>969
/ぬぐぐ……ちょっと状況がおかしくなってますね
/【すると突然、狂死郎とライラの目の前に2m四方の茨で出来た壁が出現し、盾となった】って部分を
/【すると突然、狂死郎の目の前とライラの背後に2m四方の茨で出来た壁がそれぞれ出現し、盾となった】に変換してください!!
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/08/18(日) 23:34:30.41 ID:QkUv+4fb0
>>967

【杖が顔に直撃する、無謀とも言える策に動揺したために、あと僅か、防御が間に合わなかった】
【フードの中でぐちゃっと音が鳴る、その衝撃でフードの中が見えた】
【そこには、のっぺらぼうと言うのがふさわしい顔があり、攻撃を受けた箇所は凹んでいた】

むぅ……苦手ではなかったのですか?
【のっぺらぼうはこう言い、受け身をとった後、両方の腕を刃に変えて切りかかる】
【その刃は、熱を帯びていた、炎ほどではないが、皮膚に触れれば火傷は確実】
【しかしその腕の変形速度はさっきよりも遅くなっている……?】
【さっきの杖での攻撃で体の再生に体力を消費しているのだろう】
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/18(日) 23:36:24.67 ID:MGaBSgeDo
>>964
>>967

液体金属か……怖い怖い、敵じゃなくて良かったよ
それでハンターさんは炎の魔法使いか……うわあ、嫌なことを思い出しそう

【実利は、魔術師の炎攻撃で大変な目にあった先日の出来事を思い出しつつ】
【メル・ギルとライラの戦いを横目で観察する】
【こちらも狂死郎との戦いで精いっぱいだが、いつ状況が変わるとも限らない――情報は多いほうが良い】


>>969

【茨で出来た壁が出現し、死体の攻撃を阻んだ】

どうも私の知ってる陰陽師の範疇を超えてるね、君は
これは数の暴力に頼るしかなさそうだ……
後でちゃんと埋めてあげるから、勘弁してね

【基本的に『禁術』でしか戦えない実利に対し、手数は相手の方が明らかに上】
【苦笑いしながら、首の御札をさらに1枚、剥がす】
【再び口から『黒紫の煙』を吐き出す】

ア゛ア゛ぁア゛ア゛ぁぁア゛ア゛ア゛ぁア゛

【女性の物とは思えない、醜い唸り声と共に吐き出された『煙』は】
【一部は実利の体に纏い、残りは周囲に倒れる無数の死体へと降りかかる】

【同時に、狂死郎の「夫婦剣」によって、死体が切り裂かれ】
【そのまま崩れ落ちた】

なるほど、退魔の剣ってやつかな
だけど普通の銃弾なら、退魔しようがないよね?

【言いながら実利が指を鳴らすと、狂死郎の近くにいた死体が3体、実利の近くにいた死体が2体、起き上がる】
【狂死郎から見て左右に倒れていた2体はナイフを持ち、先ほどのような動きで両側から狂死郎に突進し】
【そして狂死郎の正面の1体は、小銃を持っており―――合図と同時に1発、発砲した】
【左右から二体の突進、正面からは一発の銃弾――】
【予備動作があったため攻撃の予想はできただろうが――】

【……一方、実利の近くの2体の死体は万一の攻撃に備え、SPのように実利に寄りそっている】

974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 23:48:09.47 ID:nQwYci69o
>>966

『軽んじたのではない。俺の眼が肥えたのだ……そんな光じゃ、そんな輝きじゃ―――ワインのつまみにもならんッッッ』
『そもそも貴様の意見は見当違いだ―――どうすれば全ての命が輝くか……その結論が、俺の革命だ』

『テロを重ねれば自然に強者で淘汰される……強者即ち、輝かしい命を持つ者ッッ……!!』
『そして貴様は恐らく言うだろう。戦闘だけが命を輝かせる手段ではない、と……俺はその事を分かった故で、彼らを切り捨てると言うのだ』
『……貴様は全人民をどうやって区別する?輝いている者、いない者を……そんなことが可能か? 否、出来るわけがない』

『革命に必要なもの―――其れはスピード。迅速に輝いているものだけの世界を作るとなると、手っ取り早い方法は戦闘による区別』
『全人民を崖から蹴落とし―――這い上がってきた者だけで世界を構築するッ!! そう、獅子が子供を蹴落とすそれと全く同じ手段』
『崖から蹴落とす行為が、我々のテロと言うだけだ―――!!』

【動けない状態で口を目まぐるしく回転させ―――行うは演説。話は聞かないと言っていた青年を無視して、彼の持論を投げつける】
【凛とした声を作って。堂々とした雰囲気を広げて。彼にかかれば、どんな暴論でも馬鹿な人間には正論に聞こえる程の力を持っていた】
【―――強く言い切れば、張り詰めた真剣な表情は何処かに消え去り、黒の滲んだ怪しげな笑み。足元の闇の膨張を感じ、口元がにやぁと歪んだ】

【―――パチリ。笑みに遅れて指が音を鳴らした。同時に爆発と熱風が一気に辺りを包む―――眼を開けられない程の熱気が、周りに吐き出される】
【……一瞬煙に隠れた姿が、再度現れれば―――其処には、紫炎で象られた不死鳥に乗る革命家。青年の闇の一撃は、虚空を切った】


>>968

【―――7つの鉄の流星は、死んだ筈の彼の筋肉にめり込んだ。肉が抉れる。朱が滲む。だが―――血の流れは滞っていた】
【彼は死体である。その証拠が―――本当は大量の血が流れ出る筈のこの攻撃で、全く床に朱が滴らないこの光景だ】
【しかし彼は動いている。しかも、鉄鋼付きのグローブと肘パッドを具現化して。胸に開いた白の焔は、濁りながらも燃えていた】

―――ァァヴ……

【口をぽっかり開けながら、両腕がだらりと下がった。其処に襲い掛かる―――八攫の斬撃。ギアの選択は、良いアシストになる―――と思われた】
【不死鳥からゆっくりと降りたコーネリアスが、腕を組んで得意げな顔を浮かべる。ギアに切られた脚―――特に右が深く。左側に体重を乗せて立っていた】
【視線はジャッキーにありながらも、飛ばした言葉はギアに向けられたモノだった】

『……見ていろ、ジャッキー・ハートグレイブスを……10体ある内の「傑作シリーズ」、No.0が今死体となって完成したのだよ……!!』

/続きます
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/18(日) 23:48:56.34 ID:nQwYci69o

>>970

『女剣士よ―――忘れていないか? いや、きっと知らなかったのだろうか……コイツは――――――能力者だ』

【先程の拳のスピードでも間に合わない速さの斬撃。刹那に見えたその刃を捉えて、コーネリアスはそう悟った。それでも彼の敗北を感じてはいなかった】
【拳が流されたと同時に両肘にブースター付きの肘パッドが具現化する。右腕が、ブースターと共に加速する。左脇腹をへの斬撃を受け止めたのは、鉄鋼だった】

―――ヴヴヴ……ァァァアッッ……!! 

『素晴らしいだろう―――能力を使える死体と言うのは。そしてその運動能力―――流石俺のお気に入りの玩具だ……!!』

【しかし音速を超え肉体の限界を超えた代償は死体の身体なれど襲い掛かる。先程のギアの攻撃をもろともしない身体にも、其れは重い】
【―――否、代償に重なってギアの攻撃が響いてきたのだった。右腕が、黒く変色を起こしていた。血の勢いが増し、ギアの生み出した弾痕から朱が流れて床を汚した】
【……六罪王は、甘くない。六罪王の生み出した『玩具』が、彼女の思惑の上を行く。一筋縄ではいかない相手だと言う事は、きっと分かっていただろうが】

>>ALL

『サービスタイム、終……了……!! 結局ちゃっちい独楽が脚を削った位か、なんだ期待はずれだな―――では、そろそろ「絶望の時間」だ』

まずは……<煉獄の巨人>

【両手に紫炎が集まり―――象られていく。脚、胴体、腕―――出来上がったのは、3m程の巨人。夥しい熱気と悪意を放つ、炎の人間】
【巨人と聞いて、動きが遅いイメージが容易に浮かぶだろうがこの煉獄の巨人は―――『玩具』に匹敵する速さで移動する】

【巨人が地を蹴る。床の絨毯が燃えないことから足の部分が異なる性質だと解る。が、両手は大量の熱が帯びていた】
【―――俊敏に駆ける姿に、熱気が動きに遅れて尾を引く。駆けた先には―――シャッテンがいた。巨大な右拳を、炎の右を振り下ろす】
【灼熱の鉄槌―――直撃すれば焼け焦げる。そして相手は『炎』なのだ、対処の仕方が判らない―――】

『君には―――そうだな、一番嫌な事をしてあげよう』

【ギアの方を向いて嘲笑った。ジャッキーが急に床を蹴り出した。―――ギアの方へと一直線に進む。右腕は異変が起きている。故に走りながら左腕が振り被られた】
【生半可な攻撃は通じないと、先程理解しているはずだ。ジャッキーは死んだ瞳で、左腕を付き出してギアの腹に拳を繰り出した】
【―――早いが、単純。細かな動きまでは、再現されていない。―――胸の白い炎が、一段と大きく輝いた。まるで彼の命を燃やしているかのように……】

『……で、女。 ―――貴様は俺が……ハンデ付きで「遊んで」やろう』
『―――此処から一歩も脚を動かさない。どうだ、まだ足りないか―――?』

【首が八攫へと向く。ケタケタと笑いながら、舐めた発言を飛ばす革命家―――】
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/18(日) 23:55:09.91 ID:933ZE8m9o
>>969>>972>>973
呼びかけられて、一瞬後ろを振り返れば其処には巨大な茨の盾。
今は前に居るために恩恵は受けられないが、此の攻撃を終えれば、十分に効果は期待できるだろう。
アイコンタクトで狂死郎へと感謝を送り、そして、目の前。殴ったメル・ギル。

「……ッ!!」

感触がおかしかった。そう気づいた時にはもう彼のフードは取れていて
その中身、目も鼻も口も何もかもが欠落した曲面の頭に、一瞬、ゾクッとした悪寒が体を巡る。
生理的な嫌悪感とでも言おうか、ともかくそれはメル・ギルの腕の変形が遅くなったといえ、ライラの判断を鈍らせるには十分すぎた。

「く……っぁ!! やってくれる、じゃねーか……!!」

その刃を腕に受け、その熱量と、水銀という物質の激痛に一瞬顔をしかめるライラ。
切り傷と火傷は確実。水銀、猛毒物質を腕に受けたことで、腐食も始まっているかもしれない。
だが、仮にもカノッサ機関ハンター。挑戦的な笑みを浮かべてそのままバックステップ。行き着いた先、壁を背にしてライラは杖を掲げる。

ちらりと狂死郎と尾月の戦う姿を確認したライラは、尾月の能力か、機関員の死体が動き様を目撃する。ならばやるべきことは一つしか無い。
先ほどから光っていた赤と緑のブレスレット、そして新たに発光した黄色のブレスレットの光が一斉に消え、掲げる杖の先に、3つの塊が出現する。


「狂死郎! テメーにも援護だ、ありがたく思えよ!

 ―――  F  1  S  1  E  1  ! !   S m a s h   M e t e o ! ! !」


それは先程と同じく1mほどの火の玉に、いや、よく見ると燃え盛る球体の中央には岩石が入っていた。
さながら「隕石」の如く。ライラがその杖を振れば、3つのメテオは空高く飛び上がり、1つはメル・ギルへ、そして残りの2つは尾月が操る死体の元へ。
メル・ギルへと向かった隕石は、そのまま彼の身体を壊さんと斜めに落下してくるだろう。予備動作は大きいぶん、その速度も速い。
そして尾月の操る死体へ向かった2つは、1つは狂死郎に迫る3体の陣形を崩さんと右側のナイフの死体へ落下せんとし、
さらにもう1つは尾月へと、直接落下する。SPは守るだろうが、ライラの目的は、そのSPを破壊することだった。
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/19(月) 00:18:42.05 ID:A8Q9Dla10
【しんと静まりかえった公園。時間が時間であったならば、子供達の楽しそうな笑い声が聞こえるのだけれど】
【今は元気に走り回る姿も無く――――ただ、一人の小柄な人物がベンチに座って空を見上げているだけ】
【その丈に合わぬ大きなパーカーを纏い、フードを被っている故に素顔は分からないけれど――――背に生えた、大きな白い翼が印象的で】


「子供達が遊んでいるのを見るのもいいけど、時には静かな公園も良い。と、呟いてみる
今夜は月も綺麗で、静かに過ごすには良い日だ。と、感慨に浸ってみる
…………チェリは、もう寝たのだろうか。と、心配してみる」

【何処か癖のある話し方。凛と澄んだような声、そしてその身体から察するに、恐らくは少女なのだろう】
【気紛れにバサリ、と翼を一度はためかせ】
【丸い月に向けられて居た視線。今度は、足元へと落として】


「…………もう一人付いているから大丈夫か。と、自分を納得させてみる
折角の休み、だけど、過ごし方なんて知らない。と、ぼーっとしてみる」

【膝の上に乗せていた仮面。指で弄んでいれば、再び言葉が繋げられ】
【――――所謂、休暇なのだろうか。愚痴でも無く、ただ思った事が口から漏れてしまっただけ】
【この時間に、翼を生やした者が一人。よくよく探ってみたならば、聖とも感じ取れる魔力に気づける事か】









【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【その入口付近で、何やらギャーギャーと喚き立てる声があって】


「納得がいかないです!何故、ソフトクリームを切らしているのです!」

【どうやら、食堂付近で一悶着あった様】
【額から一本の角を生やし、汚れを知らないような真っ白な髪を持った少女が、従業員と思われる者に噛み付いていて】
【――――車椅子に、入院服。その姿を見れば、この病院の入院患者と見て間違いは無いであろう】


「暑くて、みんな買っていってしまったから、です?
そんなの理由にならないです!私だって暑いですし、何より需要が分かっているのに供給出来ないなら失格なのです!」

【ガルルと吠えれば、噛み付いて】
【側を通る医師や看護師達が苦笑している所を見れば、最早“お馴染み”の光景なのだろう】
【未だに食い下がっては離れないけれど、果たしてそん少女に声を掛けようという奇特な者は居るのだろうか】

978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/19(月) 00:20:40.67 ID:d2QUy58T0
>>974-975

――――黙れよノータリン、その虚ろな口をそれ以上開くなよ……!!

【狂気に輝く両の瞳が、なお一層紅く、不気味で激烈な光を放つ】
【昂ぶれば、昂ぶるほどに――――コーネリアスの思惑、独演に抗う様に、青年の力が漲っていく】
【始めから、全てを頭ごなしに否定する事など簡単な事だ。ましてや、力で以って互いに命を奪い合っているのだから】
【だが、青年はそうした『問答無用』の態度を、最後まで貫くつもりはなかったようだ】

馬鹿がッ……戦闘による区別だってさ……!!
他者を殺して、壊す事にしか秀でない人間達だけで、どんな世界を作ろうって言うんだい!?
有り余る力と他者への害意だけが選りすぐられた世界なんかで……いや、そんなもの、世界ですらないねッ!!
力の向け先の無くなった連中は、結局自らを滅ぼし合うだろうさ!!
それがお前の『革命』の道行さ……アハハハハッ、おめでとうよ、垂れ流しの知性よ!!
お前の『革命』は成功さ!! 既存のもの、全てをひっくり返した!! 全ての存在すらも、失って……アッハハハハハハハァーッハハハハハ!!

【怒りが――――否、いつの間にかその言葉は嘲りの、制御しえない嘲笑と狂笑にまみれていた】
【――――戦闘による選民が成し得たとして、それは単に『戦いにおいて強く、容赦しない人間たち』が生き残るだけである】
【それ以外の、一切の人間が一掃されたとして――――その後に、世界の秩序や文明が、果たして残り得るものだろうか】
【青年は――――その先に、戦う事でしか自らの存在を確信できない者達が、最後の1人になるまで殺し合う世界を、幻視したのかもしれない】
【――――国家が、軍事だけでは成立しない様に。政治や経済すらも否定した先に未来など無い様に】
【それを声高に『革命』と言い張るコーネリアスが、これ以上なく可笑しかった。だから青年は哂う。狂気の内に、いずれ怒りと随喜が同一化しながら】

…………ッ、とは言え……流石に笑ってばかりもいられない……!
この滑稽さは、お前が砕け散った後で、もう一度楽しませてもらうよぉッ……!!

【とは言え――――今現在が戦闘中であると言う事実までは見失わない。そもそも、その為に青年はここまでやってきたのだ】
【2の目をあっさりと覆されて、青年もわずかに真面目くさった態度を取り戻す。ここから、本当の戦いが始まるのだろうと――――】

…………フン、人形……人間もどきめ……!

【<煉獄の巨人>なる炎の巨人を見上げて、青年はようやく表情に戦意を取り戻す】
【実体のない相手に、どう攻撃するか――――それを考える間もなく、巨人が床を蹴って飛び出してきた】

――――悪いがどんなに速かろうと、やってくる事が予想出来れば対処は出来るんだ……!
――――――――ッッ…………えぇい、『シャドウバインド』!!

【大きさを見れば、実態の有無に関わらず、その体格を活かした攻撃をしてくるだろうと察しはついた。その予想通りに、突進してくる】
【青年は咄嗟に、右手の『パタ』を部屋の壁へと向けて投擲する。ガキィッと、その刃が壁に突き立った】
【そして、その『パタ』の尻の部分は鎖で青年の身体と繋がっている――――その鎖に身体を手繰り寄せて、青年は側面へと跳躍。巨人の一撃を回避する】
【ただ、最後まで回避し切るのは無理だったようで、左足に熱による火傷が走った。かすっても、この場合ダメージとなり得るのだ】

【だが、それでは終わらず、青年は闇を更なる形へ練り、巨人に向けて発射する】
【それは、闇の円環――――巨人の頭上から降り注ぎ、円の中に挟み込み、そして締めあげようとする】
【普通なら、それも『動きを制する』為の拘束用の手段なのだが――――青年の狙いは別にあった】

(……いくら実体がなくても、締めあげて千切ってしまえば、力も弱まるだろうさ……!)

【拘束ではなく、限界まで締めあげる事による切断。実体の無い相手を、魔力によって千切ろうとしたのだ】
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/19(月) 00:22:42.21 ID:HBpoV8o70
>>973>>976
「…………」

【エーミールは未だ大弓を番えたまま、放とうとはせず、ただ城門の上で様子を伺っている】
【“射殺す”好機は幾らでもあるはずだが……何か別の好機を待っているとでも言うのだろうか?】


僕の干将・莫耶は非常に強い“魔力”を帯びた剣……というより、最早“魔力”そのものと言っても良いだろうね。
だからこそ魔術へと干渉することが出来るし、君の言うように“退魔の力”を発揮することが出来るわけだ。

【一方、尾月の操る死体を無力化した狂死郎は、彼女が再び首の御札を剥がすのを目撃する】
【口から大量に吐き出された『黒紫の煙』は周囲の死体に乗り移り、やはり再び操り人形と化す】

――――さて、君は首の御札を剥がす度に『黒紫の煙』を吐き出すことが出来るようだが……
最初に言っておこう。その御札、全て剥がさなければ君に勝機など無いよ。

【狂死郎に迫る3体の死体――――挟み撃ちの格好になるが、苦にする様子も無い】
【まずは正面から迫る銃弾に向かってわざと突っ込み、干将・莫耶を交差させて防ぎ止める】
【次に左右から来る2体のナイフは後方へと跳躍を行って回避することを試みる】
【幸いと言うべきか、ライラの放ったメテオによって右側のナイフの死体は攻撃を阻まれる】
【だが力を込めて跳躍を行う動作を選択したためか、回避動作が遅れて左の腿を少しばかり傷つけた】


援護感謝するよ!!それじゃあ――――飛べッ!!


【左腿の傷にうめき声一つ漏らさず、援護を送ったライラに感謝の言葉を送ると、攻撃の態勢へと移る】
【狂死郎は高く飛び上がって空中で干将・莫耶を構え、弧を描く軌道で双剣を同時に投擲して尾月を狙う】
【2体の死体がカバーに入るだろうが、問題は無い。肉塊やナイフ、銃弾程度で止められるほど投擲の威力は柔ではないのだ】
【文字通り左右から挟み撃ちになる形で、彼女は干将・莫耶に追い詰められることになるだろう】
【もちろん、同時に迫るライラの隕石も無視できる存在ではない】


――――動く死体を量産されるのも面倒だ。纏めて焼却させてもらうとしよう。


【さて、空中に投げ出された狂死郎は、後方の茨の壁の上へと着地し、3体の死体を見下ろす】
【そして狂死郎が左膝を叩くと、その左足が炎に包まれて、瞬く間に茨の壁へと引火する】
【狂死郎は足元が炎に包まれながらも涼しい顔をして、茨の壁を蹴りさらに後方へと跳躍、着地する】
【彼が壁を蹴った瞬間、茨の壁は3体の死体に向けて倒れ掛かり、そのまま周囲の動かぬ死体を巻き込んで炎上し始めるだろう】
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/08/19(月) 00:26:08.02 ID:QDOrBfW10
>>976

尾月殿、そちらに攻撃が向かっていますよ

【一言注意はするものの、こちらもあまり気を配れる状態ではなかった】

【こちらに向かう隕石に似た炎の塊を、男は両腕を盾へと変え、どうにか防ぐが、すさまじい衝撃と速度、盾を厚く作るほどの余裕はなかった為、盾を炎が貫通し、本体へとダメージを与えた】
【またも水銀が飛び散る】
【しかし、攻撃を受けきった後、男は勝ちへ向かう伏線を準備しつつあった】
【ダメージをさらに受け、体の変形速度も戦闘前に比べれば、遅くなってきている事もはっきりと分かる】

(しかし、それは相手も同じはず、傷口の火傷と毒で奴の動きも鈍ってきている)

【次はランスの様な形状に両腕を変化させ、突きを繰り出す】

(むぅ、やはりダメージが蓄積されてきたか……早くあれを……)
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage]:2013/08/19(月) 00:26:11.04 ID:d2QUy58T0
/>>950次スレ立てお願いします
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage]:2013/08/19(月) 00:27:16.07 ID:XRZ2kTS1o
>>974>>975
【自身の放った鉄球が、ジャッキーの肉体を破壊する。すでに、躊躇いはないはずだった】
【あれはもはや、彼であって彼ではない。止めなければならない。心中に湧きおこる感情を押し殺して、自らに言い聞かせる】
【彼のぽっかり空いた口から漏れる呻きと共に、コーネリアスの言葉が耳に飛び込んでくる】

「傑作シリーズ」……!? こんなことを、他にも……

【ジャッキーのこの有り様ですら、彼の「傑作」の一部でしかないという。どこまでも底知れぬ闇のごとき悪意】
【ギアが与えた足の傷も、どこまで効果があるものか。しかし、無傷の足に体重を乗せている】
【奴とて、生きている。ならば、斃せるはずだ。自身を鼓舞するギアの儚い思考は、あっさりと蹴散らされた】


――――!!!

【女性の鋭い剣撃を、具現化した防具が受け止めた。能力を用いる死体。前代未聞の光景だった】
【吠えるジャッキーだったもの。嘲笑うコーネリアス。『玩具』。彼の放つ言葉が、ギアの怒りをさらに冷たくしていく】
【青い瞳は冷静に、巨大な右腕に自身が刻んだ弾痕と、溢れ出す鮮血を確認する】


【そこに、重ねて投げかけられる言葉――宣言。サービスタイム、終了=B六罪王が動き出す】
【部屋の温度が、跳ね上がった。この部屋そのものを溶かしてしまうのでは、と錯覚するほどの熱気。それが構成する巨体】
【<煉獄の巨人>。その姿は、まさに絶望≠サのものだ。炎の拳が、もう一人の青年に向けて振るわれる】

【しかし、ギアに意識を裂く余裕はなかった。自身へと迫り来る、もう一人】
【幾度目かの、コーネリアスの嘲笑を合図にしたかのように、ジャッキーの巨大な左腕が迫る】
【咄嗟に飛び退こうとする、しかし間に合わない。単純なれど、巨体に見合わぬスピード】


がふっ――――!!!

【突きだされた拳が、身をかわしかけていたギアの脇腹を撫でる。それだけで、口から押し出された空気が漏れ出た】
【骨が軋み、内臓がシェイクされ、全神経が絶叫する。宙を舞ったわずかな時間の間、ギアが知覚したのはその激痛と】
【ジャッキーの胸で燃える白い炎のきらめき。それだけだった】
【次の瞬間には、床の上に投げ出される】


ぐっ……く、おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

【痛みを追い払おうと、ギアは吠えた。知覚が激痛を通り越して麻痺し始める】
【ギアが立ち上がり、同時にジャッキーへと駆ける。右手を胸に突き込む】

【取りだされたのは、またもプレゼントの箱。先ほど、ジャッキーの右腕を射抜いた武器、『サプライズ・キューブ』】
【ギアはそれを右手に握ったまま走り、ジャッキーの少し前で強く地面を踏みつけた】


届けえええええええええええええええええええ!!!!!

【ギアの履いているスニーカーの靴底が炸裂した。仕込まれたスプリングが地面を蹴り】
【ギアの身体を跳躍させる。斜め前方、ジャッキーに向かって自分の体を撃ち出したのだ】


【ジャッキーへの接近に成功すれば。ギアはジャッキーの顔の正面で『サプライズ・キューブ』を破裂させようとするだろう】
【自身の武器の中で最大の攻撃翌力を持つ武器。それでも腕を封じるまでしかいかなかった】
【ならば、至近距離で鉄球を撃ち込んだらどうか。それも、腕ではなく急所に】

【ジャッキーの眉間・両眼・口中などを7つの鉄球で狙う算段。至近距離で浴びせれば、あるいは脳にもダメージが浸透するかもしれない】
【そうなれば、動きを封じることもできるかもしれない。兎たる自身が挑むなら、分が悪くとも賭けねばなるまい】


【失敗すれば、致命的だ。ジャッキーの驚異的なパワーの前に、自身を晒すことになる】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/19(月) 00:37:18.16 ID:byBvrPlE0
>>977

「お大事に〜」

【気の強そうな看護師さんが優し目の挨拶】
【患者、と思われるのは15,16歳ほどの少年】
【左手が包帯でぐるぐるされている】

【理由はよく分からないのだが、朝起きてみると大きく腫れていた】
【大きな花壇の近くで寝ていたために、ハチにでもさされていたのだろうか?】
【とにかくのんきな少年はそれに気づかず、朝起きた時びっくりして駆け込んだようだ】

「あー・・・すいませんおてすうかけました〜」

【適当な言葉で挨拶を済ませる】

(ひー・・・たいへんやったなあ・・・会計は・・・ん、あっちか・・・)

【治療代の会計を済ませる】
【お釣りをもらった後、病院を立ち去ろうとした】
【が、遠くのほうで騒ぎが聞こえる】

(んん・・・なんやなんや・・・)

【思わずその方へ目が言ってしまう】
【入院服を着ている、と思われる少女が・・・なにかに怒っているようだ】

(んー・・・最近はモンスターペアレントとかなんとかいうみたいやけど
 このこはあれか、モンスターチルドレンとかそんなかんじかなあ・・・)

(かわいそうやし・・・なんか暴力沙汰とかなったらアカンしなあ・・・)
(とりあえず見といてやるか・・・)

【そう思うと騒ぎの近くのベンチにこしかけ】
【読書をしている・・・振りをして騒ぎの方をちらちら見ている】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/19(月) 00:42:33.56 ID:A8Q9Dla10
>>983
/っと申し訳ないです!
/予約絡みなのでありますよー!
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/19(月) 00:44:21.48 ID:HBpoV8o70
/次スレです
/http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1376840197/
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/19(月) 00:45:14.94 ID:/PDlY2KPo
>>977

【そんな夜の公園にコツンコツンと歩いてくる人影】
【暗いのでよくは見えないだろう男性のようだと言うのとシルクハットだと言うぐらいはわかるか】

ふーむ…一体何故、市民は私の発明に興味が無いのだろう…
全く、もう沢山作ってしまった後なんだがなあ…

【グレーのスリーピースのスーツを着、エンジニアブーツと言うものを履き】
【高く角ばったシルクハットにゴーグルを引っ掛けて被るその男】
【背中には真鍮色の金属で出来た容器のような鞄のようなランドセルぐらいのサイズのものを背負っている】
【その金属の塊にはメーターやケーブル類が幾つか付いているため、どうやら機械のようだ】

【白髪の混じった黒髪のグリースでまとめて、時代錯誤だが綺麗に整えてある口髭】
【偉丈夫と呼べるその体格。一言で言うなら紳士。二言なら謎の紳士だろうか】

【どうにもションボリした様子で、男性は歩いてくると】
【小さな通りを挟んで向かい側のベンチにため息を付きながら腰掛けた】

どうも、フロイリーネ。少し失礼しますよ

【柔和な笑みを浮かべ、軽くハットを挙げながら丁重に挨拶する姿は紳士そのものだ】
【が、背中の機械が耳を澄ますと常に何かが回っているような動作音がしているであった】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2013/08/19(月) 00:47:55.79 ID:GSwkDlxKo
>>972

なんだあれ、のっぺらぼう?
誰が雇ったか知らないけど、さすが機関は奥が深いね……

【想像していなかったメル・ギルの素顔に……多少驚いたようだ】
【戦況は一進一退といったところか。だが、加勢する様子は無い】
【一応味方とはいえ、「悪」の組織側同士。自分の戦いをないがしろにしてそこまでする義理も余裕もない】

>>976
あらあら、せっかく1対1同士になったのに、こっちを巻き込まないでよ

【が、自分に火の粉が降りかかるのならば話は別だ】
【こちらに向かってきた2つの『隕石』】
【一つは狂死郎に迫る1体へ―――こちらはもう仕方ない。どうにでもなれ】
【防ぐべきは自分に向かって飛んできたもう一つの隕石だ】

チッ

【軽く刀を振るうと、それを合図に実利をガードしていた2体のうち1体が】
【実利を守るべく、隕石を受け止めた】
【死体は衝撃で吹き飛ばされ、炎上―――実利のガードは1体となる】

そっちがちょっかいかけてくるんなら、受けて立つよ?

【隕石を受け炎上していた死体は、そのまま立ち上がり――ライラに向かって走り出した】
【―――但し、胴より上は弾け飛び、無くなっている】

どの道死んでるんだ。パーツが多少なくなっても問題ないよ

【燃えながらライラに突進する、下半身だけの死体】
【近付けばそのままタックルをせんと跳びかかるだろう】
【が、死体の動きは例によって単純。目的は殺傷ではなく、メル・ギルとの戦いを邪魔することだ】

>>979
勘弁してよ。御札を全部剥がしたりなんかしたら、私の生命力がすべて煙になって死んじゃうよ

【確かに、操る『煙』の量が多いほど戦力は増すが……それはそれだけの生命力を体から失うことを意味する】
【3体の死体の攻撃をもろともせず、跳びあがり―――】
【双剣を投擲してきた】
【当然、残り一体となった死体が実利をガードするが、そのまま剣に貫かれ、崩れる―――なんとか剣の軌道はそれ、実利を避けた】
【が、もう一つの剣をガードする死体はもうない】
【実利は自らの刀を目の前に構え、受け止めようとするが――勢いは殺せず、剣は実利の左肩あたりを深く抉りながら地面に刺さった】

ぐぅ……

【傷を負った部分を補助するかのごとく、『煙』が集まるが……剣の魔力の所為か、痛みは全く癒えない】
【そして、目の前で焼き尽くされる死体――おそらく操れるほど原型を残してはくれないだろう】
【もはや、実利に残された手は一つしか残ってない】

うぁああぁあああああ!

【叫びと共に、さらに3枚―― 一気に御札を首から剥がす。当初の半分ほどしか御札は残っていない】
【口から、今までとは比にならない量の『黒紫の煙』が溢れ出し、そのすべてが実利と刀に纏わりつく】
【顔には脂汗が浮かび、色も青白く……誰が見ても本人の生命力は薄れている】

……!!

【実利は走り出す。自身の体に外付けした、大量の生命エネルギーを纏い】
【狂死郎に向かって、捨て身の「突き」を放つ――仕込み刀は、刀身が細いため斬ることよりも突くことの方が優れているためだ】
【その突きの速度は、人間の限界を超えた――もはや銃弾に近い。多少の「退魔」の力ではそれを止めることは難しいだろう】



988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/19(月) 00:58:24.47 ID:byBvrPlE0
>>984
/申し訳ない〜
/ではまた今度ということでお願いします〜
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/19(月) 00:59:20.76 ID:A8Q9Dla10
>>986
【――――少女には、感情が無い。……訳でも無いのだろう】
【向かい側に座る事を悟ったならば、ピクリと動く瞼。表情こそ変わることは無いけれど、背負う其れには少なからず好奇な視線が注がれている筈で】
【純白の翼を畳んだならば、暫くの間無言の観察。やがては、口を開くのだが――――】


「……私の名前はフロイリーネでは無い。と、言ってみる
ミール・ビートヴァが私の名前。と、訂正させてみる」

【少女の声は、静かな音色。抑揚こそ無いものの……不快にさせる、という事も無いであろう】
【その言葉の意味が分からず、自分の名と受け取ってしまったならば、返答はとても滑稽な物】
【それでも能面が不満の表情へと変わる事は無く、やはり視線は男性――――否、その背に背負う機械へと向けられたまま】


「さっきの言葉。貴方は発明家か。と、訊ねてみる
ならば、背負っている其れは貴方が作った物?と、疑問に思ってみる」

【嘆きの言葉を、しっかりと聞いていたのだろう】
【先程の言葉から……そして、見たことが無いその機械から考察してみたならば、恐らくは其れが発明品なのでは無いか、と】
【特徴的な話し方。傾げた小首は、「一体どの様な発明品か?」と問うている様でもあって】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/19(月) 01:04:28.29 ID:oTVViQzso
>>979>>980>>987
「はっ! これがタッグバトルって奴だ! 味方同士で助けあってこそ勝てる勝負も有んだよ!」

尾月の愚痴に、力強くそう返すライラ。
せっかく仲間がいるのに、助け合わないで単純に1対1に持ち込むなんてナンセンス。ライラは多くの戦いで、それを学んできた。
尾月のその隕石が、狂死郎の役に立った事を確認すると、自分も目の前の敵へと意識を集中させる。

メル・ギルの予想通り、ライラもライラで、ダメージを負っていることは確かだった。
反応速度は低下、動きも最初に比べれば遅くなっている。―――しかしだからと言って、諦められない。

「ふん、そんな一直線の攻撃―――な、にッ!?」

ふと見た横側、走ってくるのは、先ほど隕石で倒したはずの機関員の死体。
死体に上半身はない。メル・ギルとの戦闘の妨害だと判断するが、同時に2つの攻撃を防御できる手段をライラは持ち合わせていなかった。
―――どうする? 一瞬の思考は、後々のことを考えた結果となった。


「―――――――――ッ………ぐっ、ああぁぁっ!!」


下半身だけの死体を杖で叩き飛ばし、その水銀ランスを「甘んじて受ける」―――コレが最善の策だと、思考したようで。
片腕のランスが、肌を斬るとかそんなもんではない、確かに脇腹を貫く―――浅いが、先ほどまでとは違う激痛にライラは思わず声を荒げる。

しかし、ただでは倒れない。ランスが脇腹を刺す今がチャンスとばかりに、ライラは杖を引き、メル・ギルの頭にその丸まった部分を勢い良く突き出した。
真正面からの打撃攻撃。ともすれば、先ほどの振りかぶりよりも威力は大きいかもしれない。

そしてメル・ギルはそろそろ気付くだろうか。ライラの魔法、詳しく言えば強魔法が連発できないという事に。
今は魔法を使ってこなかった。ならば、次に来るのは何時だろうか。―――先ほどから光っていた青いブレスレット。新たに赤いブレスレットがニ段階にわかれて発光した。
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/19(月) 01:07:22.15 ID:EFXV14la0
>>974-975

【開放されたコーネリアス―――― 今は対応する余裕がない、】
【ギアの援護が骸に突き刺さる。覚悟を強めて刃を振り抜くが――――― ブースターの噴射から繋がる金属音、】

(……っ、な―――――)

【突然の異変に双眸を見開くが其れは止まない。解放されたコーネリアス
【“知らなかったのか”、その通りなのだろう。魔力を感知出来ようと、異能の種別までは察知出来ずに】
【続く状況の急転にも、阻む事も仲間の援護も出来なかっただろう】

――――――……ッ!


【シャッテンを煉獄の巨人が、ギアをジャッキーの骸が襲い―――― ひとり、最大の標的と―――脅威と対峙して】
【……瞬時に状況の判断を終えた。高速でそれを続けたが、不安要素ばかりが増しただろう】

【―――――異常なまでの反応速度。強大極まりない炎熱の異能、多彩にして強力なその応用。】
【複数の能力行使分の負荷があるとて、この太刀も、どれだけあの男に通じるか――――。】

【ギュ、と太刀の柄を握りしめる、】

……その隙を、最後まで使わせてもらうだけよ。
私の戦う意味は何ら変わらない――――――― 躊躇う理由を捨て去って、ただ前に征き続けるだけだ……ッ!

【 恐怖に、絶望に抗う様に。未だ鋩は六罪の王に向けられて】
【刹那透徹した光を湛える橡色の瞳。まっすぐに男へと踏み出す剣士は、キチリ、太刀を構えなおして――――】

――――――――――――――― はぁああああああっ!!

【放つ、多角度から放つ超密度にして高速の刺突。血の代償が越えさせた限界を、さらに遥か上回る連撃を以て男と相対する。】
【斬撃一発分の間に五発を放った。男の左肩から右肩へと、横一文字に点状の銀光が並んで――――、】
【その威力は折り紙つきだ。譬え防壁があろうと諸共に、或いはその隙間を縫って貫かんとするのだろう】

【――――――少しでも、この男に傷を与えられれば。そうして、出来る限り―――― 否、自分には出来ない位にでも、男に傷を与えられれば。】

【彼女が、そう、自分たちの勝利を未だ信じている事は観得るだろうか】
【単なる愚昧と片付けるか、或いは何かを見出すか―――――それは、この男次第ではあって】
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/19(月) 01:09:14.48 ID:EFXV14la0
/あ、ミスが…orz

>>990

【突然の異変に双眸を見開くが其れは止まない。解放されたコーネリアス



【突然の異変に双眸を見開くが其れは止まない。そして解放されたコーネリアスの言葉が届く、】

でした…
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(空) [saga]:2013/08/19(月) 01:11:23.71 ID:EFXV14la0
>>990>>991 …orz
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2013/08/19(月) 01:19:23.12 ID:HBpoV8o70
>>987>>990
【尾月に突き刺さる干将・莫耶が白剣、軌道を逸れて後方へと飛んだ黒剣】
【――――もう、狂死郎に武器は残されていないかのように思えたが、狂死郎は不敵な笑みを浮かべて】

これでもう死体は使えない。干将・莫耶によって魔力を掻き乱され、半端な『黒紫の煙』では意味を成さない。
――――ならば、君に与えられた選択肢は一つ、という訳だね。予想通りだ。

【徒手空拳の身となった狂死郎は、大量の『黒紫の煙』を吐き出した尾月に無手で構えを取る】
【複数枚の御札を剥がして強化を図るところまでは想定内、計画通りとすら言えるだろう】
【これから放たれるのは捨て身の一撃、ならばこれに耐えさえすれば勝利は決定するのだ】

迎え撃とうじゃないか。全力でかかって来るといい!!
その力が――――君を滅ぼすのだからね。

【狂死郎はこちらに突進してくる尾月に対して、こちらから突進するという策に打って出た】
【無手の狂死郎に仕込み刀を止める術など存在しない、どうあがいても体を貫かれる以外に決着は無い】
【だが、わざと突っ込んだのであれば急所を外すことも難しいことではないだろう】
【事実、仕込み刀は狂死郎の脇腹を貫いたが、急所からは見事に外れて致命傷には程遠い】
【そして狂死郎は己の体と両手を使って仕込み刀を固定し、尾月の動きを止める】

うぐッ!!痛いじゃないか……だが、これで終わりだよ。


「射抜け――――
          ミ ス ト ル テ ィ ン
        【光射抜く宿木の枝】ッ!!」


【その刹那、エーミールの番えた大弓から矢が放たれ、一筋の光となって尾月の腹部を貫かんとする】
【本来、限界まで引き絞り放たれた大弓の矢は、エーミールの実力であれば文字通り人を“消し飛ばす”威力があるが】
【この光の矢は、例え尾月に命中したとしても傷一つ負わせずに、その代わりとして“魔力”を根こそぎ奪い取るだろう】
【『黒紫の煙』を纏うことによって得た生命エネルギーも、その全てが“空”になって消えてしまう】
【魔力を奪い去っても光の矢の力が残っていたならば、今度は精神力まで食らって昏睡状態に陥れる可能性も考えられる】

【続けてエーミールは大弓に矢を番え、更なる援護の為に弓を引き絞るだろう】
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2013/08/19(月) 01:20:14.98 ID:/PDlY2KPo
>>989

おや、それは失礼…いやはや、フロイリーネと言いますのは
まあ…私のクニの方言のようなものでしてな、ハッハ
どうも、まだコチラの言葉とは語彙の差異がありましてなあ…
…いやはや、お恥ずかしい。まあ、田舎者の無教養だと思ってお許し下さい。ミス、ミール

私はクエンティン・バベッジ・ブラウンと申しまして…親しい者はドクトルと呼びます
風の国の何もない場所に居を置きつつ、各地で見識を広めるのが現在の仕事ですな

【座ったままだが、ハットを胸に当ててて静かに礼をする】
【頭をあげると、楽しげな顔をしながらハットを被り直すと】

ええ、ええ。臨床するものが医師でそうでないものが医学者とするなら
常に理論ではなく実利を追い求める私は科学者ではなく発明者でしょうなあ

…まあ、まあ。コレは単なる発電機、充電器の類でしかありません。つまらないものでしか無い。
私の今イチオシはコチラのでしてな…

【腰のベルトに拳銃のようにホルスタに収められた何らかの金属の棒】
【それを取り出して、腕を突き出して見せる。見た感じ少し大ぶりの懐中電灯のようで】

これこそ、一般庶民に新たなる光を導く、平等と博愛の精神より生まれた
個人用携帯式フレクトフォトムチャージャー(FFC)搭載型電子発光灯…『ホタルゲンジ』です!

【つまりは見ての通り懐中電灯である】
【その他、止めなければつらつらとセールストークを始めだすが】
【連続使用一週間の寿命が蛍と一緒という儚い設定と値段が微妙に高いという以外は】
【全くもって世間一般の懐中電灯と同じであった】

…というわけで如何ですかな?この光を自由に個人が操れるという神をも恐れぬ発明は!
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2013/08/19(月) 01:34:46.96 ID:A8Q9Dla10
>>995

「クエンティン。そう呼ぶことにする。と、言ってみる
……別に気にしていないから謝る必要は無い。と、付け加えてみる
それにしても……風の国。と、呟いてみる」

【礼をされたならば、申し訳程度に頭を下げるのだが――――ほんの、数ミリだけ】
【馬鹿にしている訳でも無く、これが少女の素である事は、何と無く察せるであろうか】
【男性の名前を聞いたならば、その頭の方だけを告げて】
【風の国――――其れを聞けば、ピクリと眉が動いたけれど】


「説明内容がよく分からないから、早く見せて欲しい。と、急かしてみる

―――――…………駄作」

【オブラートに包むことも無く、キッパリと。余りにも酷い言い方】
【苦笑したりすれば冗談にも聞こえたのかも知れないが……大して表情の変化を見せない、この少女である】
【真顔で言い放つのだから、質が悪い】


「蛍を名乗るのなら、もっと淡い光にするべき。と、告げてみる
其れに、同じ様な物は沢山溢れかえっているから需要も無い。と、斬り捨ててみる
もっと小型化して、勝手に周りを照らしてくれるようにしてから売るべき。と、思ってみる」

【まるで批評家。要約すれば、それじゃあ売れないと思う――――その意を、とてもトゲトゲしく言ったもの】
【本人からすればただ普通に話して居るだけなのだが……発明した本人には、どの様に聞こえてしまうであろうか】
【自分勝手に様々なアドバイスも付け加えてはみるけれど――――?】
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/19(月) 01:36:59.00 ID:3qqdyIsWo
>>978

『―――ククク、そうだよ……。それで何が悪い? 原始の姿に戻るのだ……弱肉強食のッッ!!』
『ヒトも動物……本能とは、戦うことに在り―――弱肉強食のみが掟の世界だ……嗚呼、なんと刺激的なのだろうか』
『文明……其れも人々の命を濁らせた原因の1つだ。自らを滅ぼし合う……その行為が弱肉強食、其れが世界の本質……!!』

『―――言っても判らないか、まぁ革命家という者は認められないモノ……じゃあ、死ね』

【青年が批難する世界。其れを彼は目指していた。世界が長続きするかとか、文明がどうとか、そんなものはどうでも良かった】
【革命―――その先に見据える世界。其れは逆行。原始の世界を目指す動き。命が最も輝かしい世界は、世界の始まりに有る―――其れが彼の思想だった】
【彼のゴールを青年が忌み嫌っていた。絶対に相容れることはない―――革命においては、このような思想を持つ人物は消し去らなければなない】

<ヴォォォォォオオオオ……!!>

【炎獄の巨人が唸り声を上げる。胴体は確実に締まっていたが―――千切るまでにはいかない、が】
【紫炎の中に、異質が見えた。―――白い炎。青年が気にもしていなかった青年の心臓部にも、同じものが灯っていた。そしてそれが、激しく光を放っていた】
【心臓が激しく鼓動する等に、点滅するかのように光を放っている。―――この白は、巨人の心臓。葬るには此処を傷つける必要があった】
【その事実ははジャッキーにおいても変わらない。この白がモノを動かす動力だったのだ。そして締まる円環が、その白に触れた。その瞬間――】

<――――――。>

【―――突然、巨人が霧散。紫炎が形を崩し―――空に消える。巨人の消えた奥で、コーネリアスが眉を潜めていた】
【革命家の白い肌に、一筋の汗が流れた。―――危機感。久しぶりに感じるものだった】


>>982

『どうだ……この気持ち悪い程膨張した腕の威力は―――カカカッ、もうヒトの範囲を通り越して……否、死体はヒトじゃないな……フフフフフ』

【悶絶するギアを見下し、嘲笑うコーネリアス。ぱちん、と指を鳴らし、次で決めろとの合図を送る】
【ジャッキーは無表情で口をぽっかり開け、のしのし、と床を踏みしめて彼に迫る。―――生気の感じさせない瞳が、吼える青年に向けられた】
【パワーもスピードも恐らく此方が格上。負けているとすれば応用力だが、それでも全体のスペックならば此方の圧勝。では何がその差を埋めるのか―――】
【―――精神(ココロ)しか無い。咆哮と共に、ギアの身体が空を割いて飛ぶ。その咆哮に、一瞬だがジャッキーの動きが止まった。気圧されたかどうかは、判らない】
【接近を許した。拳を振るおうとする―――が、右が出ない。左は―――刹那、肩に激痛が走る。間に合わない―――】

【……七つの衝撃が、ジャッキーに襲い掛かる。その内の1つが、偶然か狙ったのか、胸の白い炎に突き刺さった。糸が切れたかのように、ジャッキーが崩れ落ちる】
【倒れこんだジャッキーの身体が―――灰と化していく。……醜く肥大した腕も、その特徴的な銀髪も。襲撃の参加者を見回していた、その真紅の瞳も。全て灰に―――】

『―――な、な、な……俺の……傑作が、玩具が―――明らかに、圧倒していた筈なのにィ〜〜〜〜〜ッッ!!』
『……奴は兎―――怯えていた……生まれ変わったジャッキーは獅子の筈だったッッ……!! なのに何故、こんな雑魚に……!!』

【革命家が狼狽える。その間にも、ジャッキーの死体は灰と化していた。全てが灰になったかと思えば―――炎獄の巨人が撒き散らす熱風が灰を消し去った】
【ジャッキー・ハートグレイブス―――コーネリアスに心臓を貫かれ死亡。その後操られるも、ギア・ボックスにより葬られる。……残りは、コーネリアスだ】

/続きます
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(石川県) [sage saga !nasu_res]:2013/08/19(月) 01:37:16.61 ID:3qqdyIsWo

>>991

【―――初めて動揺の色が表情に見えた。炎獄の巨人、そしてジャッキー。両方を突破されてことは紛れもない事実】
【これで終わりだと確信していたコーネリアスの思惑を、2人が上回った。次は―――この女が上回るのか……?流れが、彼女達に来ている。認めざるを得ない】
【……だが、今から繰り出すのは鉄壁の防御。―――ジャッキーの全力の一撃でも壊れない『門』を持ってすれば、女の斬撃などビクトもしない。と】

            【革命家は両手を合わせる。彼女が一歩進むと同時に、両手を床につけて多くの魔力を注ぎ込んだ―――】
                
                                   ―――< 炎 獄 門 >―――

【分厚く巨大な炎の壁。圧倒的な高密度の魔力。戦車の砲弾をも抑えこんだと言われる、絶対防御が―――彼女の斬撃を受け止める。……4発までは】
【―――紫の熱い壁。炎を限界まで凝縮し、硬度を与えたモノ。決して壊れることのない壁に、不可解な縦線が入った。5発目が、其処から光を生んだ】
【―――決して貫かれない盾だったモノを、貫いた。その奥に潜む革命家の―――右肩をも】

『―――な……んだ、この感触は―――知らないぞ、久しく味わっていないぞ……何だ、何だこの感触はぁぁぁぁああああッッッ!!!!』

【激痛―――のことを指してはいない。微かに感じてしまったのだ。死ぬかも知れない、という恐怖を。傲慢の王の心が、後ろに下がった】
【其れは弱者の心情だ、と革命家は見下した。嫌った。しかし今、その弱者の心情に溺れていた自分が―――居た。許せナイ。恥だ。何よりも。】
【アジトを壊されたことよりも―――彼の不動の強者の心……傲慢な性格に傷を付けた事が。何よりも憎い。憎い。憎い】

>>ALL

『許さんッッ!! 許さんぞ貴様等ぁぁぁあっッッ!!! 獅子が決して浸ることのない感情に!! 何故兎なんぞに味あわせられるのだァァッッ!!』
『殺す……灰にして、全てかき消してやらぁぁぁあぁッッ!! 全員纏めて消えろォォォォオオオッッッ!!!!』

                                    ≪ 紫 炎 大 蛇 ・ 終 ≫ 

【感情が、魔力が爆発する―――。全身から紫炎が燃え盛り、彼の背後で象られていく―――其れは先程の巨人なんかより遥かに大きい、化物】
【禍々しく燃え盛り、脳を揺らすほどの大きな叫びを散らす紫龍。―――巨大な口を限界まで開いた紫龍は、其処にありったけの炎を溜める……!!】
【コーネリアスも限界まで魔力を注ぎ込めば―――口から半分ははみ出すほどの紫炎が、球体となって夥しい熱気を醸し出す】

『死ねっ……死ねっ……!! 死ね死ね死ね死ね死ね死ね紫炎で滅びろぉぉぉぉぉっっぉぉぉぉおおおおおおおッッ!!!!!!』

                                            バイオレットストリーム
                          <『「  終  焉  の  紫  炎  爆  裂  波  」』>

【紫炎の球体から―――無差別に、何本もの炎のビームが襲い掛かる。何本も、何本も何本も。世界が滅びるなら、こんな映像が浮かんでくるような、そんな地獄絵図だった】
【少なくとも一人3〜5本は襲い掛かってくるのだが―――其れだけ、多くの魔力を投入したということ。既に彼の息は上がっており―――貫かれた肩を抑えて、震えた】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) :2013/08/19(月) 01:46:06.86 ID:QDOrBfW10
>>987>>990

援護とは有り難い。しかし……
(なぜ攻撃を受けたのだ?死体が接近する前に焼き払うなりすれば私の突きもかわすチャンスもあった……)
(さきほどから、あのブレスレッド……あれは魔法を放つ時に光っているとおもっていたが、逆か…?あれが一種の動力源だとしたら?)

【しかし、困惑しているうちに、杖は振りおろされた】
【よく見れば体の一部が粘土の様に固まり始めている、再生に使う体力が徐々に減ってきている】
【これ以上の体への負担は避けなければ、そう考えたその時、ついに勝利への道が整った】

貴方の力は、確かに強い……
ですが、これで王手です。
【ダメージを負いながらも、すぐ後ろへと跳び、宙に浮いた、  ように見えるが、よく見れば、銀に光る細い紐のようなものが地面、城門の壁などに張り巡らされていた】

この私の結界からは、逃れられませんよ?触れれば他の場所から水銀が自動発射されます、
スピードは通常なら対応できますが、貴方はその体でいつまで逃げられますかな?

【宙に浮いている男は、水銀の弾丸をまず発射した、それから逃れようとするなら、紐が感知し、連続で弾が飛んでくるであろう】
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2013/08/19(月) 01:49:11.30 ID:ZsCgr9j2o
1000
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
http://ex14.vip2ch.com/part4vip/

ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
ほんとはなーんにもかんがえたくない @ 2013/08/19(月) 01:48:33.56 ID:6u6hyT2Lo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1376844513/

佐天「さ…佐天ライダー!?…」 @ 2013/08/19(月) 01:39:22.21 ID:uloFikpFo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376843962/

リンク「馬鹿でかい壁だな…」 @ 2013/08/19(月) 01:24:39.84 ID:lFBKjvI0o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376843079/

雑談しようぜ Part2 @ 2013/08/19(月) 01:17:03.80 ID:9f8VQ05Wo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376842623/

(´・ω・`)ぴょまえら〜  ・・・ぴょまえら? @ 2013/08/19(月) 01:06:10.30
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1376841970/

モバP「三者面談」 @ 2013/08/19(月) 00:58:36.93 ID:HZXNg6cAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376841516/

シンジ「こうなったら、開き直ってやる・・・w」Part1 @ 2013/08/19(月) 00:49:10.70 ID:+VwSRBN10
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376840950/

コナミ「WRGP予選開始だ」雪乃「ふふ、頑張ってねぼうや」【遊戯王5sタッグフォース】 @ 2013/08/19(月) 00:46:19.22 ID:MWf2ei2d0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376840779/



VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました http://twitter.com/ex14bot/
管理人もやってます http://twitter.com/aramaki_vip2ch/
Powered By VIPService http://vip2ch.com/

1686.39 KB   

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)