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【ここだけ】永夜世界part1【なりきり】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2014/09/24(水) 21:02:38.02 ID:QNcL1irM0
【ここだけ】永夜世界【なりきり】
────────────────

【永夜世界とは】
ようこそ、永夜世界へ!
このスレは二ヶ月間の期間限定のスレです!三大イベント攻略、エンディングを目指してロールプレイ、なりきりをするスレです
貴方は今、《夜》という破壊と崩壊の性質を持った漆黒の龍に空を覆い尽くされ、食い荒らされた世界にいます
そこで貴方は《夜》から産み出された魔獣達と戦いつつも、《夜》の打破、もしくは魔獣となり人々を殲滅してもらいます

◇人間側は、非常に強力で、魔獣と対等又はそれ以上に渡り合う事が可能だが、使う毎に魔獣へと近づいて行く《焔装》があります
◇もしくは《焔装》の模倣品ではあるが、非常に未来性があるものの、《焔装》には劣る《月装》を用いて《夜》に立ち向かってもらいます

◆夜陣営では知能のある魔獣になり、人間を喰らい、ひたすら破壊と殲滅の限りを尽くしてもらいます
◆夜陣営では人型、獣型などの様々な容姿、高い知能指数など持ち合わせる特殊な魔獣となることができます!

他にも両陣営とも各々の特性を抱えておりますが、詳細はwikiなどをご覧ください
《人間陣営》もしくは《夜陣営》を選び、規定にしたがってキャラメイクした後、ロールプレイを楽しみましょう!

────────────────


────────────────

【お役立ちリンク等】
これはテンプレートなので詳細等は書いておりません
世界観、ルールの詳細などはwiki、その他のお役立ちリンク等は下記の通りです

・@wiki: http://www63.atwiki.jp/yeh-yah/pages/7.html
・twitter:@eiya_sekai
・したらば:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/subject.cgi/sports/42093/
・mail:eiyasekai@gmail.com

────────────────
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 :Dr.P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/24(水) 21:03:37.71 ID:jUWExjcso
>>1
乙です
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2014/09/24(水) 21:04:38.69 ID:fX+SFEkro
おつです
4 :珠悸</b> ◇/3PSsMeb9c<b> [sage]:2014/09/24(水) 21:05:06.65 ID:Qdbljadg0
>>1
乙です!
5 :珠悸 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/24(水) 21:05:20.09 ID:Qdbljadg0
>>1
乙です!
6 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/24(水) 21:05:25.84 ID:pQwzGIYUO
>>1乙です!
7 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [sage]:2014/09/24(水) 21:05:40.51 ID:CdvYOa2Io
>>1乙!!
8 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/24(水) 21:06:13.51 ID:zqDVR1dj0
>>1乙です!
9 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/24(水) 21:06:27.61 ID:609n1WkU0
>>1おつです!
まっず……。
たまにゃァ食いたいねェ……甘いモンとか、濃いモノとかさ。

【空腹を訴える腹へと保存食を送り込み】【碌な味のしないソレに、乾いた吐息を小さく上げる】
【学生服に身を包む、灰色の髪の少女――エイルは、自治会にいた】
【焔装の保持者だが、精神状態は至って良好……となれば、それなりに人の噂に乗っているかもしれない】
【正確には、その屋上。地べたに座り込んで、胡坐をかいて月を眺める】
【小学校を根城として作った医療機関。エイルはそこに用がある訳でもなく足を運んだ】
【何も無く過ぎる時に飽き】【する事も無く眺める空】
【明日になれば情勢は悪化する】【明後日になれば更に悪くなる】
【阿鼻叫喚の常世に堪え、怒りを募らせる物も少なくない。そんな世界で】

見る景色はいーんだけどねェー……。
お供えにしちゃお粗末っつーかよォ。

【少女は、呆然と明日を求めていた】
【理由を捻るなら、景色のいい夜空が欲しい=A欲しかった】


10 :久良岐 未散 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/24(水) 21:06:55.05 ID:978IMN69o
>>1
11 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/24(水) 21:06:55.56 ID:T/57oqw+o
>>1乙です!
楽しみましょう!
12 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs [sage]:2014/09/24(水) 21:07:31.91 ID:pQwzGIYUO
//早速ですが投下します

「ーーーーーーー」

荒廃した街の一角、半壊されつつあるビルの上で胡坐をかき、静かに目を閉じて瞑想する。
強者を求め、人間の街へ侵入した彼は今か今かと自分に挑戦する者を待ち続けていた。
彼の信条は「強者こそ全て」。その強者が例え女子供であっても全力を惜しまず、自らの「誇り」をかけてねじ伏せるのを生き甲斐としていた。

「ーーーーーしかし、ここも随分と静かになったか」
「ニンゲンでも魔獣でも構いやしないが…こうも相手がいなければ仕方ないのだろうーーー!」

目を開き、立ち上がる。そして腕や脚に体内を通る電気を帯びさせる。
彼は見つけた。自分に値するだろう「強者」に。

「久々に…腕が鳴るな、心も躍る」
13 :梢 里佳 ◆hjAE94JkIU :2014/09/24(水) 21:09:16.47 ID:zWo8vBjy0
>>1乙です
14 :今 清正 ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/24(水) 21:16:29.55 ID:jUWExjcso
>>12
「照射!!」

声が響いた。男の眼前を、光が駆け抜けただろう。
そして続くのは轟音。響き渡るそれは、戦いが起こっていることを表す狼煙。

「照射ッ!!」

再度の声。そして、同じように駆け抜ける閃光。
響く獣の雄叫び。地面を叩く轟音が響く。そして――直後。

「照射ァッ!!」

再度の閃光。その後そこを満たしていたのは、沈黙ばかりで。
そして、その沈黙の震源地に男が向かえば、そこには一人の男が居るのが見えるだろう。
服装はカーキのカーゴパンツに、同じくカーキのミリタリージャケット。
そして、両手には懐中電灯にしては長大で、そして高い光量を持つライトが握られていた。
プラチナブロンドにショッキングピンクのメッシュを入れた長髪、長身が目立つ。

「……ッハ、これで一匹。今日の再殺≠ヘ幸先が良いなオイ――――」

僅かな闇の隙間から差し込む月光を見上げ、そしておもむろに男は振り向いた。

「――――そう思うだろ。テメェもよ」

投げかけた言葉、口に浮かべる笑み。笑顔の本来の意味、攻撃性を包み隠さないそれ。
そこにいたのは、焔装使い。何処にでも居る、ただの不幸な焔装使いが、そこには立っていた。

//宜しくお願い致します
15 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/24(水) 21:16:52.75 ID:fX+SFEkro
【朽ち果てた教会の出入り口】
【端の方に壁を預け棺桶のような大きいケースに座る真っ白い髪が特徴的な青年】
【彼の両手には支給された温くなったシチューと木製のスプーン】

あぁ……おいちぃ、おいちぃなぁ……

【黒々とした空を眺めながら呆然とシチューを口に運ぶ】
【――ふと気付けば目の前に薄汚れた子供】

――うあッ! お、おお……

【それに気づかずにいると子供は青年の両手から器を奪い走り去っていった――】
【最早怒る気力すらないようだ】


16 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/24(水) 21:17:08.28 ID:uuwrfGNbo
>>1おっかれ

 日が落ちた。
 空は暗く闇に覆われ《人》の時間が終わり《魔獣》の蔓延る《夜》の世界。
 力無き者は息を潜めて眠り《朝》が来るまで震えて過ごす。
 死臭漂う暗空下を我が物顔で闊歩するは《夜》に連なる黒いケモノに他ならない。
 巨体が震え、天を仰ぎ、人のあたまを丸呑みにするほどの大口を開いた。

 ――咆哮。

 これから始まるは、人を食い散らかす狩りの時であると、黒いケモノは響かせる。
 今いる森を抜け出し、遠くに見える人の街へ。そこから這い出す獲物を求めて。
 近寄れはせぬ。だが、むざむざと出歩く愚かな命を奪うには事足りる。
 太い丸太のように脚を動かして、黒いケモノは動き出した。
17 :梢 里佳 ◆hjAE94JkIU :2014/09/24(水) 21:17:30.18 ID:zWo8vBjy0
【一人、荒れ果てた街を歩く】
【静かになった街に吹き抜ける風が少女の長い髪を揺らす】

【ある一つの、今はもう灯の灯らない家屋の前で立ち止まる】

ッ──
……

【何かを言おうとして口を少し開けるが、その喉から音は発されなかった】

【その代わりに、少女は強く拳を握りしめ、光の無い目で家屋を鋭く睨みつけた】
【まるで、自分の中でのスイッチを入れたかのように】


【風が一際強く吹いた】
【それは"何か"を、呼び寄せるような風だった】
18 :茶毘川 端子</b> ◇Z4w/LkAiG2<b> [sage saga]:2014/09/24(水) 21:24:40.57 ID:gwnESumB0
いつも通りの常夜。月の無い世界は、それだけで随分と静けさが増したように物寂しく。
瓦礫の天辺で、白い髪がふわりと跳ねる。

「あ〜〜……――――お腹減った」

病的な青白い肌に黒ずんだ赤ジャージ。エプロンにはその性を示すように『貧』の字を冠する少女。
だけならばまだ普通と言えようか。しかしこの世界では必須の、物々しい装備や危険な凶器の類は見当たらず。
なのに、その周囲には生臭い臭気が満ち満ちていた。

手を叩けば、ぽたぽたと其れが流れる。
衣服に染み付いた汚れはもう固まって、洗ったくらいでは落ちそうにない。
手にまで付いた汚い液は裾で拭っても、そう簡単に元には戻らず。

瓦礫の上、足元には息絶えたばかりの魔獣の骸。
その上に腰かけて休もうとして――――その静寂は容易く打ち砕かれる。

『ギャハハハッ、今日もいつも通りツキに見放されてるみたいだな貧乏人!』
『お疲れのところ悪いが、見ろよあの群れ、どう見てもお前の血汐をアツく所望してるぜ!』

声の主は顔と手だけのイカれたピエロ。異能を持つ者にしか見えない異形の存在。
共通項は狂っているという点だけ。ドーランと口紅を塗りたくった顔がにたにたと、嬉しそうに瓦礫の向こうを指で示す。
つられて見やれば、遠目に蠢く闇の衣を纏った異形。暗さに慣れた目でなくとも、それが死の権化であると本能が明確に伝えてくれる。

「……糞ピエロ。 お前が呼んだんだろ」
『俺を疑うってのか? なんて酷いヤツだ!! ホームレス予備軍の風上にも置けねぇ!』

胡散臭い笑いを押しのけ、溜息まじりに血糊をエプロンで拭き取り、ポケットからガマ口の財布を取り出す。
世界が終ってから何度も繰り返した作法。取り出した硬貨を一枚、ぴんと指で跳ね上げて――――


「――さあ来い魔獣ども、私を素寒貧にしてみろよ」



/雑談から戦闘まで何でもどうぞ
19 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/24(水) 21:26:14.27 ID:pQwzGIYUO
>>14
その光はスカヤの視線を奪い、そして発射した者を見下ろす。
見るからにして「ニンゲン」。自分が倒すべきモノ。
だが、スカヤにとってはニンゲンであれ魔獣であれ「強者」であれば倒すことは必須であった。

「その姿…ニンゲンか?」

そしてスカヤは降り立つ。彼の元へ。
そして問う。彼が自分に値するかどうかを。

「攻撃性、能力の強さ…ニンゲンにしてはなかなか良い個体のようだな」
「ならば問おう、貴様は強者か?」

もしこの問いに答えて戦うならば奴は変身し、戦いを挑むだろう。
誇りの為に、「逃げ」や「命乞い」などスカヤには到底出来ないからだ。
20 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/24(水) 21:32:27.09 ID:uuwrfGNbo
>>15
 瓦礫の森を出て黒いケモノは人の世界を歩いた。出歩くシチュー皿を抱えた子供を見つける。
 丸太の如き太い脚が撓み獣は風と化す。転瞬、ひきつった顔を浮かべた子供は分解された。
 ぽたりと爪から垂れ落ちる子供の血を振り払い、シチュー皿から匂う香りに鼻をひくつかせる。

 糸を引くように匂いが続いていた。そこに生活があれば、人がいる。すなわち獲物である。
 黒いケモノはぐしゃりとトマトのように子供の頭を踏みつぶして歩き出した。
 たどり着いたのは朽ちた教会。中からは人の気配がする。黒いケモノはシィと呼気を吐く。
 ヒュン、と太い腕が振りかぶられた。朽ちていた教会のドアがそれで崩れ落ちた。

 黒いケモノは、中に居る青年を見つけて眼光を強めた。
 鋭く尖る歯をむき出しにし、狩りをするつもりである。
 ぎちり、と一瞬だけ脚を折り曲げ、跳躍するかのように青年へ向けて疾駆した。
 近寄ったのなら正面より爪を振るうつもりである。
21 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [sage]:2014/09/24(水) 21:34:38.92 ID:CdvYOa2Io
荒れ果てた街の中で、彼女は正にそれを体現していた。
大通り、その中央で、癖毛の、隻腕の女が、痩せこけた男の胸倉を掴んで、其の身体を引き摺り倒した。
男の持っていた保存食を詰めた缶詰が、彼女の足下に転がってくると、それを拾い上げて、その表記を眺める。
マジックペンで書き込まれた、味気のない、ただ一言だけ書いてある製品名を一瞥して、其処から去ろうとすると。
その男が、彼女の左足を掴み、懇願する。
勘弁してくれ。自分には妻子がいる。俺は良いんだ、でもあいつらを食わせてやらなきゃならないんだ。
忌々しげに、顔を歪める。

「うっぜぇな……立ち向かう事も出来ない弱者には、飯食う権利は存在しねーよ!!」

右脚を掴む手を振り払い、そのついでとばかりに彼の顔面に爪先を叩き込むと、心地の良い感触と音を伴って、それが引きはがされる。

隻腕の焔装使い。それにこんな振る舞いを繰り返していれば、嫌でも名が知れていく。

通りがかる人々は、出来る限り目を合わせないように、視線を下に向けて通り過ぎ。
忌々しげな表情のまま、激痛にのたうち回るそれに背を向けて、歩き始めた。
22 :今 清正 ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/24(水) 21:35:26.57 ID:jUWExjcso
>>19
「――ア゛ァ? それ以外の何に見えるってんだよ、畜生がよ」

酒やけした声、胡乱とした目。狂気と正気と無力に彩られた混沌とした瞳。
要は、この世界にありふれた人間でしか無い。そう、何処にでも居る、この世界にありふれた悲劇を経験した、ありふれた焔装使いだ。
だが、ありふれた焔装使い自体、この世にはそう多くない。擁するに、ありふれた強者であるということだ。
だからこの男は、強者の中で強いかは置いておくにしろ、人類の平均からすれば確実に平均以上の実力を保持していると言えただろう。

「さあなァ。元『戦力外部隊』。現『再殺部隊』。――今 清正。
強いかどうかはてめェがその目で焼き付けて確かめな。俺も問うぜ?」

相手の問いに対して、間延びした言葉を述べる男。
戦力外部隊。その言葉だけを聞けば、弱者であるかのような印象を覚えさせる。
だが、煤けた気配、擦り切れた存在感。それらは、彼が少なくとも戦いを知っていることを如実に物語る。
そして、男は細めた瞳をぎょろりと開き、相手に向けて問いかける。確固とした殺意を、相手に一心に向けながら。

「お前は人間だった≠ゥ?」

両手に持つマグライトを器用にジャグリングする。
そして、その双眸が殺意を帯びる、戦意を帯びる。
高い音を立てて、両の手に順手に握られた一対のマグライト、光量は最大となる。
この問の是非によらず男は相手に対し、敵対行動を取る事は確定している。その為に此処に存在しているからだ。
だが、この問に対する解答次第では、この戦いの激化の方向性は大きく変わることとなるだろう。
23 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/24(水) 21:35:29.18 ID:sfygx2mM0
夜と魔獣のせいで荒れ果てた町
その廃墟の中で一人建物を背にして眠る男

「――そろそろか」

突然目を覚まし、立ち上がる
一度上を向き、空に浮かぶ巨大な月を見て笑うと正面に向けて歩き出す
進行方向には壁があり行き止まりになっているのだが構わず進む
そして、壁の前につくと壁に向けて蹴りを放ちその異常な身体能力と『能力』で壁を蹴り砕く

「さぁ、俺達を襲う死のルールを破壊しに行くか」

そして軽く笑みを浮かべると、廃墟を出て歩き出した
24 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/24(水) 21:36:22.91 ID:Qdbljadg0

「ばいばーい、また明日も来てくださいにゃあ〜。」

倒壊仕掛けた街の建造物の中で、其処まで損傷が軽い部類に入る建物…平和な時代では学校と呼ばれたもの。
全てが暗闇に閉ざされた世界にしては、若干軽い、というかなんとも明るい声が辺りに響く。
声の主は齢10代後半に見える一人の少女だ。夜に溶け込むような黒髪が少女が大きく手を降る度に揺れる。
彼女が、手を振っている相手は数人の小さな子供。皹の入った窓ガラスだらけの廊下を此方も手を振り替えして少女に踵を返す。

「……ふぅ、」

子供達の姿が見えなくなると、ホッと一息。
先程迄、子供達と授業をしていた教室に入れば教卓に置いた角が丸くなった教科書と短くなった鉛筆、
インク切れ気味な蛍光ペン入ったケースを手にとって机周りを整理し始める。

「んにゃぁ……お腹減ったなぁ……」

きゅぅ、と何とも情けない音が腹部の内側から唸りをあげる。
そういえば、時刻は確かご飯時。そろそろ子供達以外の人達も此処に来て、食料の支給も始まる頃だ。
早くこっちの支度を終わらせて、食料分配の方も手伝いに行かなければ……。


/他の方達と比べれば絡みにくいかもしれませんが…!
25 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/24(水) 21:41:43.02 ID:978IMN69o
>>9

「月はいつ見てもそう変わらない。誰と見るか、それだけの問題だ」

口説き文句とも取れる言葉。
その割に、少女に話しかけてきた長身の男はまるで相手を見ていない。
ただの独り言だとでも言うように、月を見つめてそれっきり。自分の世界に籠っている。


タキシードに白ネクタイ。スラックスから革靴に至るまで、上から下まで完璧な礼装。
別に今日が特別な日というわけではない。その証拠に、よく見れば細かな傷と雑な補修痕とが服の至る所に残っている。
くたびれた礼服は相当長く使われ続けているのだろう。

服の傷など夜の下では気にならないが、やはりその服装は場違いだ。
月明かりを受けて浮かび上がる引き締まったシルエットは妙に絵になっていて、それがまた一層、場違いだった。

「この時間に出歩く奴は、ただの馬鹿か、戦える馬鹿と決まっている。どっちだ?」

相変わらず視線を合わせないまま、男は問いかけた。
26 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/24(水) 21:44:40.22 ID:pQwzGIYUO
>>22
「そういう貴様は…ニンゲンでいう、エンソウとやらを用いる者だな?」
「その身なり、その欠落した人格…まさしく我等に近しいモノか」

全身に電気が走る。まるでこれから戦う為の「準備体操」のように首を回し、睨みつける。

「確かに、俺は「人間」だった」
「が、今は関係ない…魔獣に成り下がった今、俺は魔獣の本能に流されているからな」

そして徐々に身体にオーラが纏い始める。
そう、彼の能力である「怪人化」を発動しつつあるからだ。

「言っておくが、敵対するからには全力で[ピーーー]」
「人は人のままで良い……抗うならば全力でねじ伏せるがな」

目が紅く光る、頭部からナニカが突き出始める、腕からは奇妙な爪が生え始める。
彼が「魔獣」らしい身体になるまで時間はかからなかった。
27 :司馬 重座右衛門 道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/24(水) 21:46:27.86 ID:Z0R1k04po
「もう見飽きた、こんな闇は」

音も灯のひとつも無い世界、男が不意に呟いた一言が静かに谺して段々と消え行く、儚く闇き夜中に溶けた
仰げば藍色の空が途方も無く広がっている。この景色は何度見ただろうか、もう飽き飽きだ、こんな詰まらなく沈むような景色は
―――――嗚呼、こんな夜は早急に終わらせて、早く朝が見たい。と切に願う。何時もの事だ

「もう居飽きた、こんな世界は」

世界が夜に包まれて以来、進化を続ける魔獣との闘争ばかりだ。故に戦闘能力も向上した、それに私は確かに戦闘が好きだ、だがこんな世界を望んだ訳では無い
また平凡な世へ戻りたい。そんな思いを心に馳せる
だからこそ、だからこそだ、今日も魔獣という忌々しい存在と終局の見えない闘争を幾度も繰り返す理由は

「さて、見飽きて居飽きたこの世界なぞ、さっさと元の姿へとに戻(か)えてやる」

黒塗りの鞘より抜刀、其は三刀水内、薄く刀身に水を纏う操作性が頭一ついや二つ分抜けた短刀である
まるで山中を流れる小川の様な清流の澄んだ音、それが殆ど無音の世界へと抜刀の残響として広がる
忌々しい魔獣は何処に居る。目を光らせて周囲を探る
短くなった銜え煙草から燻る紫煙が面白味の無い闇を微かに彩った


/一乙
28 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/24(水) 21:51:35.87 ID:609n1WkU0
>>25
【その返事を聞き、まず少女は頭に意識を巡らせた】【文学的な文章だと感じて、頭に引っかかる何かがあるかと検索をかけるが】
【少女の頭ではそれは引っかからない】【それとも、聞いても忘れているだけの可能性もあるが】

あー……それ誰の台詞だ?
随分と洒落た一言くれるじゃねェか。

【だが】【その言葉が嫌だったかといえば、そうではない】
【少女も口説かれた等と思ってはいないのだから】【瞳を向ければ、同じく月に焦点を当てている】

その台詞、自分に返ってくるんじゃねーの?
遠回しな自虐なら、悪かったよ。

【語尾に謝罪の意は感じられない】【むしろニヒルに笑い、冗句で返す】

んで、あたしゃ馬鹿だからよ、あんたが何で出歩いてるか気になるんだ。
同じ理由か? いっちょ運命でも感じとくか?

/宜しくお願いしますね!
29 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/24(水) 21:52:05.68 ID:Wtnr0PQzo
【その男は異端だった。夜を避けて生き抜く人間が殆どを占める中で、男は堂々と荒れた街中を一人で闊歩していた】
【その男は異端だった。夜と闘う者の中でも、夜に対する怨念と云うものはそれほど持っていなかった】
【その男は異端だった。この荒廃した世界を、力がモノを言うこの弱肉強食の世界を、獣の其れと全く変わらない世界を――――どこか歓迎していた】

……来いよ。居るんだろ? こんな時間に此処に居るのは夜くらいだ、もしそうじゃないならさっさと失せな……
俺は夜のバケモノ共を殺しに来たんだ……否、正確に言えば。――――バケモノを殺す事を楽しみに来たんだよ

【ソフトモヒカンの髪を軽く掻き上げ、獣のような笑みと共に言葉を飛ばす。誰に向けられた言葉なのかは明確だった】
【夜か人間かまでは分からないが、別の気配は確かに感じられる。肌がその異変を感じ取れば男は立ち止まり、指の関節を鳴らしてそう告げた】
【姿はまだ見えない。しかし男は構える。両膝を軽く曲げ右足前の半身になり、左足の踵を僅かに上げて両脇を締める。格闘技に精通していると直ぐに分かる姿だった】

……恨み? んなもんはねェ。確かに不便な世界になったかも知れねぇが寧ろ俺は感謝してるんだよ……力が全ての世界になったことをよォ。
俺はただぶっ飛ばしてェだけだ。ぶん殴りてぇだけだ。夜相手なら相手を殴り殺して賞賛されるんだ こんなに素晴らしいことはねェよ

【漆黒の双眸を光らせ、相手の姿が現れるのを待つ。夜にとっては人は獲物なのに、彼はまるで夜が獲物と言わんばかりで。例えるなら――――そう、餓狼】
30 :今 清正 ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/24(水) 21:52:27.31 ID:jUWExjcso
>>26
「ああそうだ。確かに俺は焔装使いだよ。そして、確かにお前らとはお隣さんくらいには近いだろうよ。
だが、俺はお前らじゃあない。だから俺はお前らを殺すよ。ましてや――――」

顔を俯かせ、低く喉を震わせて笑い声を響かせる。己を奮い立たせるような、己の震えを隠すような。
足が震えていた、躯が震えていた。それは恐怖から由来するものなのか。否。
俯いていた顔が、途端に振り上げられる。前を向く、目を剥く、相手を睨めつける。目で殺すと言える凶眼の凶相がそこにある。

「――――てめえが『人間だった』と聞いたらなおさらだ」

その震えは、歓喜が喚起した武者震い。両手のマグライトの閃光がマグライトから剥離し、男の手中に收められる。
光は収束し、圧縮され5つの光球を作り出す。その光は次第にその強さを増していく。
夜を塗りつぶすような光ではない。だが、夜に対向するための光が、そこには有った。

「――――『サーチライト』は『月の光』と共に」

一言、静かにつぶやいた。相手が変身を終える頃には、男の周囲は太陽が有った頃の昼間のように明るくなっていた。
眼前に光球を一つ移動させる。それが、急速にそのサイズを縮めていき。
男がぴゅぅと高い音で口笛を吹いた瞬間に、光線となって相手の土手っ腹目掛けて射出された。
威力は然程でもないが、速度は十分。相手の防御力次第だが、通常の人間ならば風穴が開くか開かないか程度の威力を誇る光線だった。
31 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/24(水) 21:54:42.48 ID:rQhVzPSlo
>>24
「もうこんな時間か。配給はそろそろかな…」
校舎の職員室、片隅のソファーで寝転がる一人の女が居た。
足を組んで天井を見上げる姿は実にだらしない。

「少ないパイを取り合うご時世、ねぇ…
 夢なら早く醒めて欲しいよ、まったく」
足を組むのをやめ、上半身を起こして据付の時計を確認する。
時間はまだのようで、手元に1挺の銃を出現させ右手でクルクルと回し始めた。
32 :梢 里佳 ◆hjAE94JkIU [sage]:2014/09/24(水) 21:54:57.24 ID:zWo8vBjy0
>>23
【少女の耳に届いたのは、どこか近くで壁が崩れる音】
【自然に崩れたものじゃない。人為的なものだろう】

……魔獣?

【だとすれば、一刻も早く倒さなければ街に被害が出てしまうだろう】

……《月装》、発動準備

【街を守るか、自身の安全か】
【少し迷った末、少女は後者を選んだ】


誰?

【音の方向の記憶を頼りに、壁が崩れた地点へ到着し、暗闇へ声を投げかけた】

魔獣なら、情け容赦はしない
人間なら……

…《夜堕ち》の危険性があれば、[ピーーー]


【少女の声が震えているのは、相手が何者か分からない、恐怖心からだろうか?】
【はたまた、家族を殺されたというトラウマからだろうか?】
33 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/24(水) 21:55:07.00 ID:WDic7l/qO
>>20

――

【走り去ってしまった少年の末など知るよしもない】
【唯――近づいた圧倒的な存在感については察知することができる】
【そいつがもうすぐ此処へ現れることも推測する】
【ケースから大鎌を取り出し――】

――よォ、俺の名前は藤治だ。分かるか ?

【態々名乗るのに何か意味があるのか――少なくとも彼は何かを期待したかのように現れたケモノに名乗る】
【同時に取り出した鎌の柄を床と平行にし先端をそちらへ向け――三日月型の刃の先を床へ向けて】
【どうせケモノが現れた際にそこに居合わせた人間など散るように逃げているから彼らを考慮に入れる必要はない】

――分かる訳ねェか…おらよッ!

【――腰を下ろしている彼へ振るわれた爪を刃の背で受けようと前方へ向けた柄の先端をはねあげる】
【刃の動きと伴って床から上へと沸き上がるのは――"鎌鼬"――無数の小さな空気の刃だ】
34 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】</b> ◇H07LoveCPs<b> :2014/09/24(水) 22:00:13.28 ID:h9w9dwHH0
>>27

「あら……生活に飽き飽きしてらっしゃるの?」

【身体のラインを強調するような、濃紫のの薄衣を纏った妙齢の女性が、
 まるで闇の中から出現したかのように、武士風の男の目の前に現れる】

「だったら――この先のCLUB……、【エヴァー・ディープ】にいらっしゃいません事?
 永夜が覆った世界でただ一つ、
 音楽と色彩と、官能のある場所――
 もはや忘れ去られようとしている享楽の場よ」

【どうやら、立娼婦のようだ】
【二人がいる場所は、おそらく街のはずれ】
【しかし、娼婦が深紅のマニキュアを塗った指先で示す先には、
 妖艶なネオンの輝きがひっそりと照っていた】
【僅かな電力でも惜しいこの世界において、あのような無駄な電力を遣っているのは珍しく】
【そして不謹慎な事でもある】

「闇夜に飽き飽きしているんでしょう?
 私と一緒に……永遠に深い官能に、酔いしれません?
 ちょっとだけど、密造酒だってあるのよ……」

【やや年増に見えるが、なまめかしい肢体の娼婦は、武士にしなだれかかろうと近づいてくる】
【その距離、10メートルほどだ】
【周囲はビルの残骸などが散らばっているが、比較的開けた道路であり、刀を振るうにはなんら障害はない】
35 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/24(水) 22:06:02.57 ID:978IMN69o
>>28

「俺の言葉ではない。そして彼女の名を出すつもりも無い。
だが、いい言葉だろう? 俺も気に入っている」

自分の言葉ではない、と言っておきながら何故か誇らしげに。
わざわざ表情を見なくても、笑っているのだと分かるような声だった。


「そしてあの子は質問に質問で返すようなことはしなかった」

一歩、少女に近づきながらの返答。
同時に、その心は余計に遠くに流れて行っていることが伺える一言。

「一人で月を楽しむ風流は解せん。初対面の相手と共に月を見る気もない。
俺はただ単に、戦える馬鹿を探していただけだ。馬鹿は高いところが好きなものと相場が決まっている。
俺も、屋上に彼女を呼び出したときは相当な馬鹿だったものだ」

/よろしくお願いします
36 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/24(水) 22:07:15.32 ID:pQwzGIYUO
>>30
急に明るくなった視界。そのライトから照らされた光こそ彼の能力だと悟った瞬間に感知する直感。

「ーーーーーヌゥ!?」

直ぐに変身を終え、腹部に力を込めるが……その光は「貫く」ことは無かったがスカヤの身体を200m以上も前に吹き飛ばすには充分な威力があった。

「………流石は「エンソウ」使い。そこらの「ゲッソウ」使いより強者だ…。」
「強者こそ正義、ならば俺も応えるのが道理だ」

身体に電気が流れ、筋肉が軋む。そしてクラウチングスタートのような体制を取り、脚に力を込める。
ーーーーー瞬間、生き物には到底出せないような轟音を放ちながら、「ひとっ飛び」で清正のいる位置まで跳び、同じように腹部へ強烈なパンチを放とうと振り上げる。
もし、この一撃が当たる前までに避けなければ普通の人間ならば簡単にブチ抜かれてしまうだろう。
37 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/24(水) 22:08:03.53 ID:Qdbljadg0
>>31
(…あ、職員室に忘れ物しちゃった。)

配給所へ向かう途中、珠悸はふとそんなことを思い出した。
忘れた品はエプロン…まあ、配給する際に着用はしているものの、衛生面は布一枚があるだけで安全とは言い切れない。この世界なら尚更。
結局は、自分の為の気休め。そんなことを考えつつ職員室の扉を開ける…と、其処には一人の女性の姿が。

「あ、…あれ?あの〜そこのお方?早く行かないと配給なくなっちゃいますよぅ?
 早く行ったほうが…。」

少し困った表情で配給所の方向を指差して説明する。
この時間に人が居るとは予想していなかったせいか若干面食らった様子だ。
38 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/24(水) 22:12:28.81 ID:uuwrfGNbo
>>33
 青年の言葉は想像どおり空振りに終わった。黒いケモノより返事はない。
 そして地より擦り上がる鎌より放たれる小さき風刃の群れがプツプツと毛皮を切り裂く。
 直後、その毛皮から湧き上がるように黒い霧が噴き出た。黒い霧と風の刃が触れた。
 金属と金属を幾重にもこすり合わせる様な耳障りな音が弾けた。

 鉄砂のような黒い霧によって《風の刃》が防がれ、同時に風力《エネルギー》が削れる。
 それを通る刃黒いケモノの皮が裂き血が垂れ落ちる。黒いケモノはニイを牙をむき出しにした。
 傷は浅い。すくなくとも戦闘に支障があるものではない。であれば、獲物を狩るには足りる。
 反撃は爪ではなく、《黒い霧》によって行われた。

 青年の全身へ浴びせられるように《黒い霧》を噴きつけるごとく放った。
 鉄砂の如き霧は鑢のように全身の皮膚、粘膜、鎌自身、あらゆるものを傷つけ削り取るであろう。
 そして生命力、体力、精神力、あらゆるものを削り取り疲労させ無気力へと誘うものだ。
 例えるのなら強制的にフルマラソンを走らせ活力を奪い、全身をヤスリで傷つけるに等しい。
39 :司馬 重座右衛門 道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/24(水) 22:15:00.65 ID:Z0R1k04po
>>34
まるで闇より顕現した様に、眼前に現れた女の身体は誰もが魅入ってしまうように美しく艶かしい
深紅交じりの細い指先が男をネオンの光が包む誘惑へと誘う。だが男はその場から動じず、短刀構えて眼前から一人しなだれ掛かる様に寄ってくる女を睥睨
粘り気があり妖艶なその声も、その囁きも男の耳には右から左へと全て抜けて行き、果たして男が言葉を返す事は一切無かった 

「……すまないが、今の話と全く関係の無い事を聞く、貴様…―――
 ――――――…人間か?それとも…――魔獣か?」

「返答次第で……――――」

態度は変る。と、決して言葉にすることはせずとも黒く煌き突き刺す眼で語った
人間と答えようが、男は女に警戒して刀を向けたままにしているだろうが、魔獣と答えたならば―――
恐らく、いや確実に、幾度目かの闘争となることはもう、間違いは無い
40 :今 清正 ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/24(水) 22:15:42.06 ID:jUWExjcso
>>36
「俺の『月光照射/サーチライト』は、てめえらの全てを照らしだすために有る。

人でなくなったてめえを魔獣として殺して人としても殺す為に俺の力はあるのさ、正義もクソもねえんだ」
独り言のように、呟きを漏らす。そして、光が男の周囲を乱舞する。
夜に有ってなお輝きを持つそれは、夜の魔獣を昼のごとくに照らしだす。
まるで、闇に沈んで堕ちた者の本来の姿すら暴いてしまうかのごとく、凛然と煌々と。

「俺は」

相手が地面を蹴り砕いた轟音と同時、男が一歩地面をけると同時に、口笛を吹く。
男の周囲を乱舞していた光球が2つはじけ飛ぶ。一つは莫大な閃光を辺りに振りまき視界を潰す効力を発揮する。
相手の拳に、何かを捉えるような感触は有ったろう。だがそれは、殴り飛ばすには至らない程度。
そして、直後に相手の周囲からキン、と高い音が響くはずだ。直後の事だ。

「魔獣を全部人として殺してやる」

雨粒のように細く、破壊力の低いそれはしかしながら高密度に収束された光線。
光線の驟雨が相手の厚い装甲に針の穴のような傷を作ろうと、四方八方から降り注ぐこととなる。
閃光が晴れれば、右頬の肉が千切れ飛んだ男がマグライトを相手にかざしている姿が有るはずだ。その先端には、先程までの光球より明らかに大きな光球が収束されつつ有る。
41 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/24(水) 22:17:30.55 ID:609n1WkU0
>>35
あ? あー……んだよ、コレ持ちか?

【小指を突き立てる】【まるで面白い物を見つけたといわんばかりに、頬を緩ませ悪戯に笑みを作り】
【視線は既に月から男へ】【その様子は、暇が潰れそうだと喜んでいるだけだが】

お前、ひっでェー奴だな。
女の前で別の女の名前出すかよ。最初の洒落た一言は何処いったんだ?

【ケタケタと笑いながら、引き合いに出されるあの子とやら】
【女々しい奴だなあと】【面白い奴だなあと少女は思った】
【落ち着いているかと思えば、何処かズレてる】【の割には、とても理性的な返事をする】

んで、あたしはアンタの風流に付き合わされる訳だ。
そんで、何目的だよ。あたしにあの子とやらの話を聞いてくれてってか?
勘弁してくれ。あんたのお月様は、あたしのお月様じゃねェんだぜ?
42 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/24(水) 22:18:45.93 ID:rQhVzPSlo
>>37
「んー。先に並んで取りに行くって柄じゃないし」
ニコニコと笑みを浮かべ、ゆっくりした速度でガンスピンを披露する。
黒に黄のラインが入った異形の銃。彼女の月装のようだ。

「じゃ、一緒に行くかい?…まだ猶予はあると思うよ」
この17程の女は長い事この場所に居座っている。
校舎といえば避難先だ。災害が起きたら避難生活の拠点に挙がる。
用心棒を気取っているようで、自信に満ちた表情を浮かべていた。
43 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs :2014/09/24(水) 22:22:09.76 ID:ipr+PdId0
>>39

「あら、随分無粋ね……」

【娼婦は、幾分軽蔑のまなざしを武士に送る】
【武器も持たない娼婦に、剣を抜き構える男を、ひどく臆病者だと思ったようだ】

「いまのこの世界、
 ヒトも魔獣も、私にとっては何の変わりもないわ。
 私の瞳に映るのは、ただ、イイ男か、つまらない男のどちらか。
 あなたは、そうね……
 世界に飽きたと言いながら、自分からはその飽きを埋めるモノを持たない、
 タイクツな男ってトコロかしらね……」

【距離は5メートルで立ち止まる娼婦】
【返答にはまともに答えず、そこでくるりと背を向ける】

「タイクツを少しでも埋めてみたいなら、
 ……こっちへ来てごらん、ボウヤ。
 カラダだけはイイもの持ってそうなんだから、
 可愛がってあげるわ……」

【そう言うと、娼婦は逆方向に再び歩き出す】
【どうやらあのネオン看板のある店に誘っているようだが……?】
44 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/24(水) 22:22:18.01 ID:sfygx2mM0
>>32
「あぁ?お前こそ誰だよ」
「見たとこ魔獣じゃねぇみたいだが人間か?」

歩いていると後ろから声をかけられ振り向く
焔装により強化された視力で里佳の姿は捉えているが幻術使いの魔獣という線もある
警戒は解かずに問いかける

「[ピーーー]、ねぇ」
「その俺達の焔装のパチモンみたいなので俺を殺せるとでも?」

少女のはいている物資不足の町には不似合いなブーツ
そして発言から月装使いであると推測する
それを理解した上でヘラヘラと笑いながら挑発するように言う


/遅くなってすいません!
45 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/24(水) 22:23:59.18 ID:gwnESumB0
>>21

得物を奪った強者が睥睨すると、弱者たちは一斉に視線を逸らす。
ジャージ姿の白髪女もその一人。人混みの中、痛そうに転がる男にうへえと舌を出す。

「弱肉強食って、どっちの側が言っても説得力無いよね」

慰めにもならない一言。言葉だけで腹が満たせるなら配給は要らない。
食べかけのクッキーを指で弾くと、男の後頭部に貼り付く。歩き出しつつ、袋を振り振り。直ぐに怪訝な顔になる。
逆さに振っても粉さえ落ちない。ちょうど最後の一枚だった。

「まっ、いいか。 缶詰おくれ〜」

壁から身を剥がし、隻腕の背に声を投げる。
返ってくる返事など殆ど予想がつくであろうに。

/まだ宜しければ……
46 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/24(水) 22:28:43.36 ID:fX+SFEkro
>>38

(霧――? いや…、な ッ…)

【吹き出した霧に当てられヒリヒリと躯中が"やけに熱く"感じられる】
【同時に襲いかかる脱力感――原理かどうであれこの霧によるものであることは違いない】
【座り込んでいるのに体力が削られる矛盾――何によるかは分かったがその事実が彼の神経を削らせた】

――ざけンな糞が ッ !

【――敵の能力がこの黒い霧によるものであるのならば――】
【ここでしんでたまるかという強い意地で体力の消耗を振り払うように立ち上がり立てた柄の後部に蹴りをかます】
【大鎌の柄の後部が刃を中心点に弧を描くように前方へ】
【刃は向きだけを変える動きを見せ、応じるように鎌鼬が辺りに拡散する】
【――相手が霧ならば此方は風だ、有毒な霧など"霧散"させてしまえばいい】
【強く蹴られた柄の後部はそのまま相手の前腕へと向かう――相手の腕を跳ねさすことも狙いだ――】
47 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/24(水) 22:29:47.34 ID:hkeBDcEUO
「……………」

光が失われようとしている世界。何もかもが《夜》によって喰われ殺され破壊され尽くされかけている世界。
此処が、この街が人類最後の砦。此処がやられれば全てが終わる。人類の敗北、絶滅という形で幕引きとなる。
今こそ力を合わせ、立ち向かう時。だのに、人間はこんな状況下においても一致団結をしない。皆一様に戦い、そして死んでいく。
月明かりに照らされる道路。そこで、小型の獣の形をした魔獣に囲まれ、相対している少年もその一人。

「………………雑魚が」

低く、小さく吐き捨てる。見たところ少年は得物らしき物を持っておらず、丸腰の状態。
敵の数は占めて7体。四方八方を囲まれており、逃げ場はない。常人から見れば明らかに危機に陥っていると見れるだろう。
少年はたった独り。ほんのりと肌を撫でる風に灰色の髪が靡く。深い紫色の右目の瞳は、深淵を覗くかのように敵を覗きこんでいる。
誰も動かない。静寂が場を支配する。
それを破ったのは敵のうちの一体。月光に反射する鋭い爪と牙は、真っ直ぐに少年目掛けて突っ込んでいく。
この場面に遭遇する者はいるだろうか。いるとすれば、その者が起こす行動とは―――――?
48 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/24(水) 22:31:29.09 ID:Qdbljadg0
>>42
「んにゃぁ…まだまだ成長期なんだから並んででも食べないと駄目じゃないですか。 
 …あと、あんまり武器を振り回しちゃ危ないですにゃぁ。」

くるくると相手の手の内で回り廻る銃。恐らく彼女の月装、又は通常武器だろう。
だらしない格好ながら器用な物だと内心関心しつつも、相手に呟く言葉は少し諭したような口調だ。
こんな口調でも珠悸は一応19歳、自分も若い癖に、成長期云々言えるのは既に身長が止まっているせいか。

(んー…たまはどっちかって言うと配る係なんですけど…まあ、食べてくれるならいっかぁ…)
「うーん、…そうですにゃぁ、一緒に行きますかぁ。」

少しニヒルに笑う少女に若干押され気味な珠悸。
軽く唸りつつ、まあ、たまには貰う側でもいいかと思いつつ、言葉を並べる。
これはエプロン取りに行く手間は無駄だったかな、と声には出さぬものの僅かに苦笑しつつ。
49 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/24(水) 22:35:08.86 ID:978IMN69o
>>41

「ああ。よくできた子だ。俺の口から出る洒落た言い回しは、全て彼女の受け売りだ」

『彼女』『あの子』と口に出すとき、はっきりと頬が緩む。濁った眼に、そのときだけ力が入る。
今はいない誰かを思い起こしている間だけ、人間らしさが戻る。

だから、彼が人間らしいことを考えているなら、その基準はいつだって一つだ。

あの子はそんなに汚い喋り方はしない。あの子はそんなに急に人との距離を詰めてこない。
笑い方に愛が無い。情がない。人も月も同じ娯楽用品だとでも思っているのか。
あの子とは似ても似つかない。

――だから、良い。 こいつとなら、何をどう間違っても浮気にはなるまい。

「聞きたいならいくらでも語ってやるんだがな。興味が無いならそれでもかまわん。
俺は、味方が欲しいんだ。魔獣から人を守る消極的な同盟じゃない。生存圏を離れて、魔獣を殺しにいく馬鹿が欲しい。
一人でできるんなら一人でやるところだが、生憎と俺の能力は前衛向きじゃなくてな」
50 :シャーロット</b> ◇PWPXgddfYg<b> [saga]:2014/09/24(水) 22:35:39.00 ID:P+I5bZed0
人類最後の生活圏となった《都市》から、ほんの数kmばかりを隔てた先の廃ビル群。
一般に「城壁」と認識されている区域の外縁にあたるこの場所を、ひとりの少女が見回っていた。

「……変動重力域ぎりぎりまで来ても、もうこんな距離しか歩くことができない。
 わたし達の街は――まるで、死刑囚が執行を待つ牢獄ね」

西欧に出自を持つことを伺わせる、外ハネしたブロンドの長髪が冷たい風に揺れる。
チェックスカートとブラウスに防寒用カーディガンを合わせた服装は、一昔前なら学生のそれだった。
今となっては、人類が中高等教育にかけるリソースなど存在しない。

そしてそのか細い右手には、十字鍔の長剣――清い白の波動を薄ら纏った、《月装》が握られている。

《都市》の自警団に属する《月装》使いである彼女に与えられた任務は、後方で作業するジャンク屋の安全確保だ。
ジャンク屋とは市街地の遺構を漁る仕事につく人たちのことで、資源の調達と文化の保持を担っている。
事が恙無く進んでいるならば、あと三十分ほどで今日の当番は現場から撤退するはずだが。

時が止まった廃墟で睨みを利かす少女。その前に現れる者は、果たして――。
51 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/24(水) 22:36:01.46 ID:CdvYOa2Io
>>45
歩みを止める。

唯の媚び諂うだけの乞食ならば、彼女はそんな物には目をくれず、さっさと其処から去っていく事だろう。
珍しくも無いのだ、『強者』に諂い、お零れを貰おうとする弱者、首相にも身の程を弁え、立ち向かうのを忘れた弱者は。
だが、其の声はそう言う物とは違う。何といえばいいか……そのまま真っ直ぐに言えば、"ふざけている"としか思えないような。

「―――― あぁ?」

右眼はぴったりと閉ざされたまま、左眼だけが思い切り顰められて、彼女へと向けられる。
それが映す彼女の姿は、如何にもその辺にいる者と大して変わらない様に見えた。
ボロボロのジャージ姿、特に珍しくも無い服装―――――――― だが。

「……何者だ、テメェは」

直感とでもいうべきか。
彼女が発したのは、罵倒でも、暴力でも無い。まだそれよりは少しは穏やかな、問い掛け。

/大丈夫です!よろしくお願いしますー
52 :司馬 重座右衛門 道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/24(水) 22:36:47.35 ID:Z0R1k04po
>>43
「フン……――退屈で結構」

向けられた軽蔑の念に、男は修羅の如き睥睨で返しそれから眼を瞑る。短刀を鞘へと納めると、甲高い金属音が冷たく無機質に周囲へと谺する
こちらからの問いの答えこそ濁されたものの、女自身からは闘争心は今の所感じられはしなかった。故に警戒心というものも若干揺らぎ解かれたのだろう
隙だらけに、男へ背を見せてネオンが煌く方へと歩き出す。帯刀している男が後ろにいるのだ、ましてやこんな世の中、斬られるなどとは考えないのだろうか?それが男としては些か疑問として脳内に残った

「(まァ、奴(あいつ)が魔獣(ケモノ)だった時には殺すのみ、それだけの事)」

ふたりの間は約五メートルから七メートルほど開けて男は荒廃した地を踏み女が向かう方向へと歩み出す
退屈な男が退屈な夜空を飽きもせず、―――いや、飽きはしているだろうがほぼ無意識の内に仰げば
やはり代わり映えしない、面白味の無い空は男を嗤う
53 :紅【大鎌型月装】</b> ◇IGAxpayaDs<b> :2014/09/24(水) 22:37:37.86 ID:cBAi/2b20
【道端に和服の青年が佇んでいる】
【足元には大量の魔獣の死骸が転がっており、そのどれもが切り刻まれている】
「・・・・・もういないか・・・」
【青年はそう呟くと足元の死骸を蹴飛ばす】
「ったく・・・・・いつになりゃ全滅すんだよこいつらは・・・」

「・・・・・考えてもしょうがねぇな、飯食うか」
【そう呟き、青年は気だるそうに歩き出す】
54 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/24(水) 22:45:10.29 ID:/M3yQhub0
>>40
「ーーークッ!目くらまし…かッ!」
「ーーーーーだが、問題は無い!」

視力を奪われ、狼狽える筈のスカヤにはまだ「手段」がある。それは頭部から生えてきた。

「これからは、「触角」で感じよう…お前の動き、光、何もかもだ」

その後に襲いかかる光の嵐を、跳躍を繰り返して避け、清正が持つ大きな「光」を「感じる」。それも強力で、当たれば「魔獣」の身体とて重傷を負いかねない程の。

「流石にその光、強く「感じる」な…だが面白いッ! 一度試してみたかったのだ、「光」と「電気」ならどちらが強いと、な!」

身体中から集め、両手から溜めた電気は彼の「光」同様大きく光出す。

「目は見えなくとも、お前の殺気もこの触角にひしひしと伝わる…良い殺気だ」

55 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/24(水) 22:45:38.28 ID:uuwrfGNbo
>>46
 青年の蹴りによって弾かれた柄と共に、広がる鎌鼬が《黒い霧》を晴らした。
 ふたたび黒い毛皮を切り裂き血を噴出させるが、それは決定打ではない。
 同時に蹴られた柄が、黒いケモノの腕を弾くべく放たれている。一行動で複数効果を得る有効な手段だ。

 ――もしそれが同程度のあいてであったのならば。

 黒いケモノは弾かれた柄を右腕で受けとめ、強く握り締めた。
 四足歩行ならばともかく、二足歩行の獣人には悪手だ。動体視力、神経反応、身体能力。
 あらゆる性能が獲物とケモノでは差がある。技もなくただ弾かれた棒など、と獣は青年を見下した。

 黒いケモノは反対の左腕の鋭く輝くナイフのような爪を青年の心臓向かって突き出す。
 《霧》が《風》に散らされるのならば密集させよう。そう結論に至るのは当然の帰結だ。
 霧は規模を絞り、青年のあたまへと《水の弾》のようにして放たれた。
 当たれば密集している以上《霧》の程度すまない。皮膚が、目が、思考力が、判断力が、あらゆるものが削れ行くであろう。
56 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/24(水) 22:46:45.15 ID:rQhVzPSlo
>>48
「まだまだ成長期かぁ、私も先輩みたいに伸びるかな?」
ソファーから立ち上がり、声を掛けてきた女性と身長を見比べる。
9センチくらい負けた。長めの髪、少々幼げさが残る表情…
有子は自分が後輩ポジなんだろうと悟る。

「この学校も、随分と様変わりしたもんだね…
 …全く、どうしてこうなってしまったのやら」
少女は珠悸の後を歩く。配給へのルートは慣れている様子だった。
しかし時折窓を見て、明るい表情に陰りが差す。

57 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs :2014/09/24(水) 22:47:24.85 ID:ipr+PdId0
>>52

「どうしたの? わたしがそんなに、コ・ワ・イ?」

【間をあけて歩いてくる武士を、挑発するように後ろに振り返り流し目を送る】
【この世界でどこで手に入れたのか、かつてこの世界で作られていた正規品のつけまつげが艶やかさを保っている】

【武士がそのままついてくるようであれば、
 二人はこの世界で唯一の歓楽場ともいえる
 【エヴァー・ディープ】に足を踏み入れる事であろう】

【そこは地下にある、性的な奉仕のあるバー。】
【教室大の大きさの空間には、簡易なステージに、手錠、縄や拘束ベルトなどがディスプレイされている】
【太刀を振るうには若干狭いものの、小太刀であれば制限を受ける事はない程度の手狭さだ】

【中では"人間"の男の他に――】
【明らかに"魔獣"とおぼしき者たちが、羽マスクをつけて酒を飲み交わしたり、時に情事にふけっている者もいる】

「ふふ、驚いた……?
 ここには魔獣も人間も、性の刺激を求めてやってくるの。
 もっとも、ここにいる魔獣はいわば、モドキ。
 人間の中にもボウヤみたいなかわいい男がいるのと同じように、
 魔獣の中にも、あまりにも戦闘能力が低くい生き物もいるってことよ。
 あんまりイジめないであげてね、ボウヤ――」

【とはいえ、魔獣は人間側の天敵である】
【そもそも、彼女の言葉が真実かどうかは、運営に聞いてみないとわからない】

【娼婦は微笑みながらバーカウンターの奥に座り、
 武士に隣に座るよう促している――】
58 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/24(水) 22:48:37.16 ID:gwnESumB0
>>51

「茶毘川 端子(さびかわ はし)――――って言っても分かんないよね」

色よい返事、に反射的に答えて軽く自己ツッコミ。
思ったよりは話が早い――――という訳ではないか。
しかし彼女もまた、勘の良い所を見せてくれる。それだけで満足げににこりと。

「ま、一言で言うなら、同類(なかま)、かな?」
『100%間違いねぇ! 俺の血統書付の嗅覚がそう言って――「あんた今鼻無いじゃん。」

聞き慣れぬ声はがなり立てるように唐突に。
女が肩を竦めれば、顔と手だけのピエロが脇に前触れなく浮かび上がる。
能力者に視える、みられる、狂者の証。女に指摘され慌てて付け鼻を装着する様子は、ユーモラスを通り越してどこかお寒い。
59 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/24(水) 22:49:48.69 ID:609n1WkU0
>>49
へぇー……随分と大和撫子って奴だったんだろうな。
一度話してみてーけどなぁ……。その子は地獄行きか?

【少女は自分が昇って逝けるとは考えていないらしい】
【人差し指で上を向けた後、その後に下を指す】【僅かに首を揺らしながら、さあどっちだと尋ねる風に】

興味がねえ訳じゃねえがよー。あたしだって仏頂面より笑ってる顔の方が気分が良いっつぅの。
だけどよ、人の惚気は誰も喜ばねえぞ? 廃れたここで話したら、そりゃもう場違いもいい所だよな。今のお前の服装みたいによ。

【まあ聞いてやらない事もない、と言葉を濁しながら】【それでも反応は是非聞かせてくれ、という程食いつく様子もない】
【んな事はどうでもいい、と話を切り上げて】

んー……あたしも後ろから狙う方なんだがよ。どうする?
後は野となれ山となれーってのは正直正気じゃねえぞ。
60 :日向 未来</b> ◇eM6iMPNsZk<b> [sage]:2014/09/24(水) 22:54:28.36 ID:Mx4axheR0
>>50
「私も人のことを言えないけど一人は危なくないかな?」

廃墟群の中で見回りの任務についている少女に声をかけたのは17の少女であった。
服装は一般的な学生服。恐らく平和な世の中であれば街中で見かけられるであろう一般的な女の子。
魔獣と遭遇しすぐにでも戦場となり得るこの場所でうら若き乙女同士が遭遇するのは人手が不足しているのも原因の一つか。

「今日はフリーだし手伝おうか?」

手に握った剣の《月装》、それを見せるかのように掲げてシャーロットへと近づいていった。





61 :今 清正 ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/24(水) 22:55:44.72 ID:jUWExjcso
>>54
「照射!」

男のかざしたライトの先、一際強い輝きを放つ光球が、その大きさを手のひら大まで圧縮してみせた。
直後、男の周りの2つの光球が、無数の細い光の線となって天に打ち上げられる。
無数の光の線が、空中で渦をまき、円を描く。光は混ざり、束ねられて、真円を作り始める。。

「照射ァ!!」

ライトは天を指す。一際強い閃光が、夜空に射出。真円の中心へと光球が鎮座。
満月が見えることすら稀な夜の世界に、気高く輝く満月が顕現する。
光球に光の線は収束し、加速度的にその光量を増していく。天から注ぐ光は、清正とスカヤを影を消し飛ばして照らしだすようで。

「照射ァッ!!!」

防御を完全に度外視し、最大火力での天からのレーザーの射出。
それは紛れも無く『月光照射』であり、相手を捉え逃がさない『サーチライト』であった。
光の滝とも言えるものが、相手の頭上から降り注ぐ。これこそが、この男の本気の一端。
己の躯から漏れだす、魔獣と同質の気配、夜に近づくその危うさすらも消し飛ばすほどの強すぎる閃光。相手の電撃を防ぐすべはない。だが、その分この攻撃は必殺といえる威力を誇るだろう。
62 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ [saga]:2014/09/24(水) 22:55:55.95 ID:QVf+k2+J0
>>47

見つけた……魔獣

【ずしん、ずしんと地響きが鳴り響く】
【魔獣か、少年がその音に釣られて周囲を見渡せば、少し離れた所で上空5mを臀部に近い当たりの背中から生やした、紫の二本の巨腕で器用に歩く人が目に入るはず】

殺す…あいつら一匹残らず。

【その人の背中から、更に紫の巨腕が三本姿を現す】
【その巨腕は、其々少年に襲い掛かろうとする一匹と、囲んでいる二匹を叩き潰そうと、その頭上に襲い掛かる】

//ド下手ですが、宜しければお願いします!(´;ω;`)
63 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/24(水) 22:59:25.65 ID:ZtezSbg9O
>>53
・・・驚いたな

【青年が歩き出そうと前を向いた、その視線の先】
【今は無き月を思わせる癖っ毛を首まで伸ばした少年が、双頭の魔獣の上に佇んでいた】
【顔立ちも体つきも中性的で、一目では性別がわかりにくいだろうか】
【着飾る服も赤と白のゴシックドレスと、尚更性別を隠してしまう】

僕の魔獣が全滅してるじゃないか
月装か、焔装か、どっちにしろ面白いね

【薄ら笑いの張り付いた少年の表情は】
【まるで人形のように整っていて、不気味で】
【人の姿をしていても、全身から放つ雰囲気は魔獣の禍々しさそのものせ】

//爆乳じゃないですが、よろしければお願いします!
64 :司馬 重座右衛門 道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/24(水) 23:01:20.77 ID:Z0R1k04po
>>57
男を挑発する様に送られた流し目に嫌悪感を示して眉を顰める。舌打ちを一つと溜息も同様に一つ零す
暫く歩けば近付くネオン、荒廃し切ったはずのこの世界にこんなに光が溢れているのは物珍しく、久方振りに見た満ちる光に思わず頬さえ綻んでしまいそうだったが、だがこれは所詮人工物、天然の陽の光とは余りにも程遠く、それを再認した男はまた溜息、これでは幾つもの幸せが逃げて行ってしまう

「―――……穢らわしい…実に不愉快な場所だ」

階段を下りて着いた所は、魔獣と人間が入り交じっている、この男からすれば何とも不愉快極まる空間
両拳を強く握り顔を顰めてそう呟く、今にもはち切れんばかりの憤りを隠してカウンターの奥へと座り込んで男の着席を促す女のもとへと歩みを進める

「……… ………」

無言のままに奥へ座る女の向いのカウンター席へ座り込み腕を組んで鼻を鳴らす
そうすれば男は女へと修羅の如き顰めた面を向け、だが何も口を開くことはなくただただ睥睨していた
65 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/24(水) 23:01:25.77 ID:CdvYOa2Io
>>58
茶毘川 端子―――― 彼女自身がそう言う通り、聞かない名だった。
焔装使い、月装使いには目立つ人間もいれば無論、目立たない人間もいる。悪い意味でも、良い意味でも。
隻腕の女、陽遥は悪い意味での前者であり、彼女がどちらの性質を持った物かは知らないが、後者なのだろうか。
だが解せないのは、先の缶詰を求める言葉。

「茶毘川、お前……―――――――― ッ!!」

その、内容は乞食のそれそのものだと言うのに、余りにも軽い口調への疑問を投げ掛けようとした時だった。
彼女の前に現れるのは―――― 顔と手だけが浮かび上がる、ピエロの形をした何か。
缶詰を放り出して、反射的に彼女はそれを発動した。
中途で途切れた右腕を突き出すと、ライダースジャケットの袖から頭を擡げるのは、漆黒の"捕食形態"。
鋭い牙だけがズラリと並ぶ、肉食動物の口だけを切り出した様なそれが、彼女達を睨み付けた。

「……何のつもりだ!!」

警戒心と言えば聞こえは良い―――――――― 事実彼女自身は、そう思い込んでいるが。
何の事は無い、煽られた恐怖心のままに≪焔装≫を起動した。
66 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/24(水) 23:03:28.01 ID:fX+SFEkro
>>55

【現在の状況はケモノが大鎌の柄の後部を握り締めている場面】
【刃の根元付近の柄を掴む手、右の肩口に刃の根元を乗せるように支え】
【もう一方の手も同じように柄のその辺りをぎゅぅと握り真半身となり左の肩でその強い突を受ける】

ぐぐッ…!

【血を滴らせながら跳躍、同時に全体重が大鎌の先端へと掛かる】
【その重みに加えて跳躍して地を離れた両足は大鎌の柄の後部を掴むケモノの肩を強く蹴り出そうとしている】

【――密集したケモノの玉はこうなっては防ぎきれない】
【ドロップキックの正否に問わず、彼の片足、あるいは両足にぶつかり、酷く支障を来すのは言うまでもない】
67 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/24(水) 23:06:34.85 ID:Qdbljadg0
>>56

「ちゃんと栄養摂っておけばちゃーんと貴方も成長しますよ。だから毎日ご飯は食べなきゃ駄目ですにゃん。」

身長を気にしているのだろうか、武器を使い馴れている様子とは裏腹に自分よりも目下な身長なの所が、少し可愛らしい。
先輩と呼ばれた照れ臭さもあってか、肩を少しだけすくめてはにかめば、しっかり相手の少女にもフォローを入れておく。
身長を抜かされる時があったら何かお祝いでもしてあげよう。多分細やかなものだろうけど。

「……そうですにゃあ、多分それは、たまにも、偉い人にも…神様にだって分からなかったと思います。
 街も、世界も、殆ど壊れてしまったんですもの。でも、」

まだ、全部終わった訳ではない。そう何処か力強く、振り返らずに相手に向けて呟く。
明るい声色、相手を励ます口調ではあるが、その表情をうかがい知る事は出来ないだろう。

「…まぁ、この世界は分からない事だらけだけど皆で一歩一歩、少しでも“今”を理解できるよう頑張っていきましょう…
 …そして、その為にはゴハンゴハン!元気を付けなきゃ駄目なんですよ!」

そう自分にも相手にも言い聞かせれば、びしっと前方を指差す。其処は目的地である支給所。
そこでようやく相手に向き直ると、悪戯っぽく微笑んだ。

「さ、行きましょ!」
68 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/24(水) 23:06:53.91 ID:hkeBDcEUO
>>62
「…………!」

少年を喰らわんと飛びかかる一体の魔獣。少年は身構えてそれに対応しようとするが。
ずしん、ずしん。
そんな地響きのような音が周囲に木霊する。思わずその音に気を取られて、周囲を見渡す。
すると、人間の姿が見えた。空中に浮いている、否、背中から生やした紫の二本の巨腕で体を空中で支え、その腕で器用に歩いているのだ。同じ人間、ならば味方か。余計な事を。

「ちっ…………!」

余計な事を考えていたら反撃が遅れてしまった。仕方なしに、その場から脇に飛び込んで魔獣の攻撃を回避しようとする。
だが、そんな必要はなかった。三本の巨腕が、飛びかかる魔獣とその背後の二匹を叩き潰したのだ。残り、四体。

「ちっ、余計な真似を………!」

それを見た二体の魔獣は、背中から翼を生やし、飛翔。空を裂きながら、少女に接近し牙を突き立てようとする。
もう二体は、少年と対峙している。同じように、少年目掛けて今度は二体同時に飛びかかってきた。

/此方こそド下手ですので…よろしくお願いします!
69 :紅【大鎌型月装】 ◆IGAxpayaDs :2014/09/24(水) 23:07:49.26 ID:cBAi/2b20
>>63
・・・・・んぁ?
はぁ・・・また魔獣かよ
【前に出そうとした足を止め桐谷を睨み付ける】

『僕の』?なんだ、てめぇのだったか
面白い?俺は面白くねぇな
【薄ら笑いを浮かべる桐谷にイラついたような顔をする】
こちとら腹減ってんだ・・・・・
【大鎌を桐谷に向けて臨戦態勢を取る】

/こちらこそよろしくお願いします!
70 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs :2014/09/24(水) 23:08:02.31 ID:ipr+PdId0
>>64

「そんな、ニラまないでよ……
 ステブドウの密造酒でもいかが?」

【娼婦はバーテンダーのモドキ魔獣に頼むと、
 欠けたグラスに注がれるのは、どす黒い色をした密造酒である】
【ほのかに、鉄の匂いのする酒だ。それが二人の前に置かれる】
【度数はだいぶ高めなようだ】

「出会う人全員に、魔獣かヒトかを剣を抜いて尋ね回っているの?
 ……ずいぶんな戦士ぶりね。魔獣に勝てる自信でもおありなの?」

【手を伸ばし、その鋭いアゴになれなれしく触れようとする娼婦……】
【この女の目的は、はたして?】
71 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/24(水) 23:11:07.18 ID:P+I5bZed0
>>60

「ええ、危ないわ。けれど、わたしが戦わなければもっと沢山の人が危ないもの」

来訪者へと眼を向けて、金髪の少女は何の衒いもなく微笑む。
背格好や制服の仕様からすると未来のほうが少し年上かもしれないが、年功序列はだいぶ前に無意味となった。
口調は丁寧だが、相手を先輩と思ってやけに畏まる様子もない。

「うん……あと30分ぐらいだけれどお願いするわ。
 わたしはシャーロット・プランケット。お互い剣使いだなんて、奇遇ね」

目の前の少女は――確か、日向と言っただろうか。同じく自警団の《月装》使いのはずだが、今まで濃厚な接触は無かった。
日に日に人類が追い詰められていく中で、《月装》と《焔装》を持つ者は斃れていき、個々人の負担は膨れ上がるばかり。
今のようにひとりで巡回することが珍しくなくなったこの状況においては、面識が希薄なのも当然かもしれない。
72 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/24(水) 23:11:13.14 ID:978IMN69o
>>59

「日の光が消えた今の世界こそ、地獄というものだろう。
彼女は、まだこの地獄に残っている」

確信をもって断言する。はっきりとした根拠は無いが、関係無い。

夜に呑まれて変わり果てた彼女の行方については、既に手を尽くして探っている。
それでも何の情報も出てこないなら、捻じれた重力場を越えるだけの力が無いか、
会った奴が一人も生き残っていないほど強い魔獣と化しているのか。

どちらにせよ、会うには力が要る。

既に消えているなんて可能性は、微塵も考えていない。


「俺は中身の無い男だからな。彼女のことを話すなと言われたら、もう他に話題は無い。
だが今日は珍しく、まだ話を続けられそうだ」

彼女の選んだ服にケチをつけるな、と付け足して。話題が変わってしまえば、表情も変わる。
必要以上に深入りしない点は評価していい。もう少し動作が控えめなら――と比較を終わると、顔からげっそりと生気が消える。

タキシードを本体としたマネキン。自分より服を前面に出そうとする立ち姿は、そう表せる。
冷たいモノ、過去の遺物はどこにあっても、今の世界に馴染むもの。男の異物感がいくらか和らいだ。

「お前を引き連れてもう一人探す、というのでも俺はいっこうに構わないが
誰か、知り合いを紹介してもらえればなお良い。最悪、俺が前衛をやれないわけでもないが、他に当てがあるうちはやりたくないな」
73 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/24(水) 23:11:25.68 ID:gwnESumB0
>>65

「『あぁッ!』」

それはどちらが上げたものだったか。
周囲の悲鳴よりいち早く、ピエロと女の悲鳴。
牙がズラリと並ぶ食腕、女はそれを――――


「おっ、落ちる〜〜っ!」

一瞥もせず、放物線を描いて飛んだ缶詰めを、スライディングで辛くも受け止めた。

「割れてない? 割れてない? ……ふぅ〜〜、ビックリしたぜぃ」

「――――えと、何の話だったっけ」『いや、お前の行動に吃驚だわ』

一拍置いて、何のつもりだ、の声に首を傾げながら、缶詰を指差す。
やつれながらの照れた笑みは、つまりはその、言葉通りの意味で。
74 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/24(水) 23:14:02.33 ID:/M3yQhub0
>>61
「ニンゲンとは、こうも可能性を見出すのか!」

スカヤは驚嘆した、そして…「尊敬」した。彼の放つ闘志、殺気、[ピーーー]事に関する美学に。
その光には言葉で表さなくても清正の精神を見出すことが出来た。だが、だからこそスカヤは嗤い、その光に向かって両手を構える。

「ここまで見せてくれたのだ、俺にも見せる道理がある…魔獣になっても、こうも愉しませてくれるとはニンゲン、尊敬するぞッ!」

身体中の電気は大きな電撃と化し、その形は光を貫く為の「槍」。まるで「ゼウスのイカズチ」の如く、剛健で力強い槍を目一杯身体を絞り、その光へ大きくブン投げた。
大柄なスカヤすら覆う程の光に向かい、貫かんとする雷を束ねた槍。何処まで進み、何処で朽ち果てるか。
75 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/24(水) 23:17:37.50 ID:ZtezSbg9O
>>69
そう、魔獣だよ。
君たちの憎い憎い、魔獣。

【相も変わらぬ薄ら笑いで。何が楽しいのやら】

僕は『魔獣使い』の桐谷 真。
イラつきってやつかな。その顔は
それで空腹かぁ・・・
うらやましいな。僕はそう言うモノを感じられないからさ

【ため息をつき、向けられる大鎌を確認すると】

戦う気はなかったんだけど、まあいいや
行け 『オルトロス』

【少年は魔獣から飛び降り、持っていた小剣を振るう】
【それをあいずに魔獣は牙を鳴らし、青年に飛びかかった】
76 :安藤静哉  ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/24(水) 23:18:43.34 ID:4v8mneANo
//>>1乙です

人も寄りつかないような都市の外れにて、二メートルはあろう犬型の魔獣と、学ランを着崩した青年が激突していた。
青年の体は至る所を爪で裂かれ、牙で貫かれ、満身創痍と形容して相違無い状態だった。
対して魔獣はダメージはある程度入っているものの、青年に比べれば大したことはない。
見るからに魔獣優勢――当然だろう、青年の武器は《月装》であり、月装に魔獣を圧倒する力は無い。

「はぁ……っはぁ……、はっ……まぁ、少し待てって。そろそろだからよ」

押されているのにも関わらず、実に愉快だと言わんばかりに青年は笑っていた。
痛い。痛いからこそ、生を実感出来る。熱い傷口が、溢れ出る血が、明滅する視界の何もかもが愛おしい。
生きている。生きている。自分はまだ生きている――――だから死ぬな、永遠に戦い続けさせてくれ。
しかし祈りは届かない。戦いを終息させようとしているのは、間違いなく彼自身だったからだ。
彼の月装は時間経過と共に重さを増していく――――そして魔獣をも屠れる重さに達した瞬間、彼は一歩を踏み出した。
同時に駆け出す魔獣、交錯は一瞬だった。魔獣の牙が青年の右肩を抉り、青年の超重量の一撃が魔獣の腹部を貫く。
そして右腕を引き抜くと同時に左腕を振り下ろし魔獣を地面に叩きつけ、怯んだその隙に右足で魔獣の頭を踏み潰した――――あぁ、終わってしまった。

「…………チッ」

相手は弱小の部類に入る魔獣、月装で立ち向かえるギリギリの強さと言ってもいい。
そんな相手に此の様だ。自分の弱さに辟易しながら、終わってしまったことへの虚無感に舌打ちをする。
こうして今日も人間陣営の嫌われ者――――安藤静哉は、戦いを求めて彷徨い始める。
77 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/24(水) 23:19:51.24 ID:rQhVzPSlo
>>67
「いいのかな、私みたいな用心棒が毎日食べて…。
 途中で倒れられても困る、ってのは分かるけどさ」
移動中の彼女は、常に右手に銃が握られていた。
常にトリガーガードに人差し指を掛けており、いつでも撃てる状態にあった。
銃口を天井に向け、ぼんやりとした表情を浮かべて。

「現状を理解し、把握する…
 被災者ってのは、自分がなってみないと分からないもんね。
 何もかもぶっ壊されて、それでも生きようとする人間がココには大勢来る」
災害は、今も続いている。またいつ襲ってくるか分からない。
少女の声のトーンは、出会った時よりも低い。

「ああ、考えるのは腹を満たしてからにするよ」
珠悸の笑みに釣られて、落ち着いた表情を浮かべて小さく微笑んだ。
作り笑いではなく、自然に笑っていたようにみえた。
銃を降ろし手元から銃が光となって消え、右手に黒いブレスレットが現れた。
78 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/24(水) 23:20:11.67 ID:uuwrfGNbo
>>66
 突き出した腕を引く時間もなく、反撃に転じた青年の覚悟は見事だろう。
 獣の反射神経であろうとそれは躱すことが難しい。鎌の柄を手放し、わずかに躰を横へ逸らす。
 できたのはそれがせいぜいで、全体重を乗せた両足の跳び蹴りは黒いケモノを突き飛ばした。
 たたらを踏んで数歩下がり、青年との距離が空いた。全身の傷が開いて血が垂れ落ちる。

 だがその脚は密集した《霧》に触れていた。であれば肉は削げ《脚力》も削れるであろう。
 獲物が逃げる心配は消えた。傷を負った黒いケモノは隙を与えるつもりもない。
 距離が空いた青年へ向けて《黒い霧》を鎌鼬のように無数の《刃》へと変えて放った。
 一つ一つは小さくとも密度のあるそれはやはり皮膚を裂き肉を削ぎ落とすものだ。

 そして悠々とすら表現できそうなほどの歩みで、黒いケモノは青年へじっくりと距離を詰めるつもりだ。
79 :司馬 重座右衛門 道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/24(水) 23:22:10.70 ID:Z0R1k04po
>>70
「――……酒は苦手だ」

魔獣(ケモノ)が男と女の眼前にことりと置いた密造酒からは仄かに鉄分を含んだ匂いが漂う。ただひとつ酒嫌いとだけ呟いた男は嫌悪感を示して顔を逸らした
不意にか細い手を伸ばして男の顎へと触れようとする女、然しながらそれは男の掌により払い除けられて、馴れ馴れしそうにしてきた女を男はまたもや睥睨した
女の目的などは知る由もなく、男自身警戒心も殆ど無いに等しかった

「……こんな世界になってしまったのでな、そうする他ないだろう
 何時殺されるか、何時夜の方へ堕とされてしまうのかそれは分からないのだ
 自信? あるさ、あるに決まっている
 寧ろ無い訳がないだろうに、あって損するものではないし、現に数体か魔獣を斃した事もある
 ………まァ、どれもギリギリでの勝利だったのだがな、だがそれも、勝利には変わりないさ」

この男にしてはかなり珍しく饒舌に言の葉を紡いでゆく、言い終えたあと、少しハッとしてカウンターへと両肘をつき掌を組む。而してまた溜息を漏らした
80 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/24(水) 23:22:58.83 ID:CdvYOa2Io
>>73
彼女が反応したのは、当初の言葉通り。ただ、缶詰だけだった。
――――――――それに突き動かされるままに、彼女の下へと、ブーツを思い切り地面へと叩き付け乍ら、歩み寄る。

「私を―――――――――」

≪焔装≫が"腕"の形へと姿を変える。そしてその両腕を使って、彼女の胸倉へと掴み掛った。
其処で点火された感情は、愚弄されたことによる怒り―――――――― 表側から見れば、そして彼女が認識している物はそう。

「馬鹿にしてんのか、茶毘川ァ!!!」

その、何らかの異能であろうピエロの存在さえも忘れて、彼女へと向けて叫ぶ。
本来の、彼女を動かしたのは何て事は無い、"驚いた"事、"驚かされた"事と、"怯え"から来る物だった。
強い言葉とは裏腹に、"強者として振る舞う彼女とは裏腹に、不自然に汗をかいていて、額から流れたそれが頬を伝った。
81 :今 清正 ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/24(水) 23:23:51.10 ID:jUWExjcso
>>74
「――尊敬ついでに死んでくれやァァッ!」

天から降り注ぐ光、そしてそれに呼応する豪槍。
閃光と雷光が衝突し、そして轟音を響かせる。辺りの廃墟群に拡散する雷撃と光撃の群れ。
辺りの建造物に無数の風穴が空きながらも、その閃光は拮抗し、そして直後。

「裂けろッ!!」

直後、雷槍がそのまま光を突き抜けた。暗い夜に吸い込まれていく雷。
そして、光は拮抗の末砕けることはなかった。無数に炸裂し、相手の周囲を囲むように降り注いだのだ。
相手の強い装甲を破壊する事は難しいが、コンクリートを破壊することくらいは難しくない威力を誇るそれは、大地を捲れ上がらせ辺りを土埃で覆い隠す。

「……ち。中々硬いし強い。ムカつくぜ、てめぇを楽に殺して殺れない事によ」

土埃は、本来のそれに比べて明らかに多量。そう、まるで水増し≠ウれているかのように。
これもまた、『サーチライト』の応用。光の操作によって光を歪ませ、土埃の視界阻害を強化したのだ。
びちゃり、と水音が響く。そして、生々しい鉄、血の臭いがそれに続いた。先の拮抗の余波で、防御を度外視していた男はすでに大きな傷を負っていたのだ。
ずるり、と足音が響く。相手の触覚でならば悟れるだろうか。男はそう。迷わず逃走を選んでいる事を。
82 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/24(水) 23:25:43.83 ID:609n1WkU0
>>72
違いねぇな。……あ、居るのか?
じゃあ何で――

【かつての勢いは何処へやら、腐る程いた人達は今や都市一つに纏められる程数が無い】
【それ所か領土もない。最終防衛線を引き、それで拮抗をするのが限界】
【――何て、辛気臭い考えから、彼女はネガティブにはならなかった】
【ロボトミー手術で前頭葉がないから、何て結論は、本人が知る由はない】
【そんな事よりも、居ると答えた男に疑問を生じて、言葉を綴った所で気づき】

……悪い、話変えるか。

【彼女は暇に押し潰されそうなだけで、何も感性が狂っている訳じゃない】【少し、頭は悪いかもしれないが】

あんたの良い人のセンスにいってんじゃねーよ。こんな時に来てるあんたに言ってんだ。
四六時中着て欲しくて選んだ訳じゃねーだろ、そういうこった。

【話しが変われば、表情も変わる。張り付いた氷染みたそれを見れば】
【やれやれと溜息をついて、筋金入りだ事、と一言零す】

あー、なら当たってみる。知り合いは多くねーんだ。
片っ端でいいか? 駄目なら先にそいつの特徴教えてくれ。
83 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/24(水) 23:26:17.85 ID:Mx4axheR0
>>71
「あと30分かー、それまで魔獣と遭遇しなければいいね。聞いた話によると《月装》の二人が同じ場所で死体で発見されたこともあるそうだから……」

思わず出た本音。後半の内容は話す必要はなかったか、と軽く後悔するも再び自分自身に喝を入れ表情を引き締める。、
戦闘能力を持つにしろ同じ人間の《焔装》にも劣る力。多少の隙や油断でもあればたちまち蹂躙される程度の力。
ただの見回りといっても警戒心を欠くことは決して出来ない。

「ねえ、私達が《夜》に打ち勝つにはどうすればいいと思うかな?」

しかし30分という時間を極力有効に使う為、力の劣る《月装》である我々が何を出来るかと尋ねてみた。
84 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/24(水) 23:29:54.90 ID:fX+SFEkro
>>78

終始無言だなてめェ…、

【人はどうしようもなくなったときには、笑うしかないのか、それとも泣くしかないのか】
【元々痩せこけていた彼の肉が削げるだけで致命傷になり的になることを避けられなくなる】
【立つことも困難、傷だらけの躯なよに――強がりを言いながら彼の口角は歪むようにつり上がっていた】

――…、

【跪き大鎌を支えにして相手を見上げた】
【元々敵うはずがないと諦めの気持ちを抱いていた夜が相手だ】
【いかに自分が助かるために月装を手にしていたって、その時は来る】

【結局彼にできることは、相手が気まぐれにその場を去ることを祈ることのみだ――】
85 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs :2014/09/24(水) 23:31:14.50 ID:ipr+PdId0
>>79

「あら、つまりそれって――
 あなた、≪焔装≫の使い手っていう事かしら?」

【払い避けられた手をさすりながら、娼婦は幾分鋭さを保つ言葉で、饒舌になった男に尋ねる】

「≪夜≫を切り裂くために突然この世界に出現した≪焔装≫……
 それを遣う男は、心に深い闇をたゆたわせていると聞いているわ。
 フフフッ、……アハハハ」

【不意に笑いだす娼婦】
【その笑い声を聞いて……従業員のモドキ魔獣や常連客の人間たちに、一種の緊張感が走る】

「――でも、貴方からは「心の闇」を感じられないわ。
 せいぜい≪焔装≫のなりそこないの≪月装≫の使い手、って所かしら……
 へーえ、ギリギリの勝利ねぇ。よっぽど弱い魔獣を殺して、悦にイってたのねン。
 本当……かわいい仔――!」

【どうやら、彼女にとってはハズレだったようだ】
【そして……もう一度娼婦の左手は、武士の首に触れようと手を伸ばす】
【だが、そこに、先ほどとは違い僅かな殺気が込められているのに、武士は気づけるだろうか?】
86 :紅【大鎌型月装】 ◆IGAxpayaDs :2014/09/24(水) 23:35:16.50 ID:cBAi/2b20
>>75
ニヤニヤしやがって・・・・・
【かなり苛立っているようだ】

桐谷・・・・・か何時間かは覚えておいてやる
俺は紅、てめぇを[ピーーー]男だ
魔獣なんかにはわかんねぇよ

うおっと!
【飛び掛ってくるオルトロスを横に飛んで回避する】
いきなりだなおい
【オルトロスに向き直り鎌を向ける】
87 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/24(水) 23:37:00.57 ID:gwnESumB0
>>80

立ち上がる暇もなく、胸ぐらをつかまれる女。
頭半分ほどの身長差は、異形の腕によってたちまち同じ高さにまで持ち上げられる。

「まぁまぁ、落ち着いてよ……――えっと、なんとかちゃん」
「そんなに食べたかったら返すからさ……あ、でもヤバい、今返すとルーレット廻っちゃうかも――――」

最初にそれを見せたのは、同類の証明の為だけである。ピエロ自体に脅威はなく、女の抵抗力も細腕に違わぬ非力な其れ。
にもかかわらず、焦りとは別の冷や汗を流し目を泳がせる女は、噛み合わない独り言を暫しぶつぶつと。

『いーんじゃねぇのォ? 程よく追い詰められてるし、今なら良い目が出るかもしれないぜ?』
「どっちの味方だ糞ピエロ。――――えーと、なんとかちゃん。取り敢えず焔装(ソレ)、矢鱈と使わない方が良いんでないかい?」

馬鹿にしているとは、言い得て妙な言葉だろう。少なくとも焔装の仕組みを理解したうえで、相手を心配できる程度には、相手を脅威と見なしていないのであるから。
顔の前でどうどうと、宥める手付き。しかし缶詰は放さないという矛盾。追い打ちを掛けるようにぐぅとなるお腹。
二人(?)合わせて色々と忙しいものであった。
88 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/24(水) 23:38:35.70 ID:/M3yQhub0
>>81
「ーーーーーほう、光を分散…そして広範囲攻撃か。貴様、ニンゲンではあるが極めて巧妙な策士であったが……」
「如何せん相手が悪かったな、俺は魔獣で「ニンゲン」ではない」

その分散した光は甲虫とも呼べるカブトムシの甲羅を持つスカヤには擦り傷程度に過ぎなかった。

「しかし…逃げたか、ニンゲン? 今までの殺気を感じられないぞ?」

その触角は何かを弄るようにして蠢く。そして掴む…彼の位置を、逃走経路を。
ーーーーだがスカヤは追いかけず、変身を解いた。

「別にセンチになったわけじゃないが見逃してやろう、まだ強いニンゲンを倒すにはつまらなさすぎる…」
「それに奴、この戦いで何処まで我等に近づいたのだろうか……まあ、アレだけのエンソウを使えば我等になるのも「時間の問題」というわけだな」

スカヤはまた姿を消す。今度は自分から探しに行こう、次はどんな強者と出会えるか。奴の心からは既に清正の事はまるで無かった。

//すいません、これで終わりにしてもよろしいでしょうか?
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2014/09/24(水) 23:39:17.63 ID:EAKkQ/D+0
>>68

[ピーーー]ぇえ!

【少女は少年から相応に離れている、人であることしか認識出来ない筈】
【少女の口から紡がれる、魔獣への憎悪が篭った言の葉も届かないだろう】
【此方に飛翔して迫り来る魔獣、少年を襲っていた魔獣を叩き潰した巨腕を戻して一匹を握り、そのまま潰さんと】
【もう一匹は自身の体を支えていた一本の腕で同じように、対処しようとする】
【少女の小さな体を支えるだけなら、腕一本で事足りる】
【要らぬ世話かもしれないが少年に飛び掛かる魔獣二匹へ、拳が素早く方向転換して向かう】
【因みに少年に向かう魔獣への拳には、先程とは違って触れたものを爆発させる効果を付与している】


//遅くてすみません!
90 :相沢 雅樹 </b> ◇AIZAWA1Eodj0<b> [saga]:2014/09/24(水) 23:42:04.44 ID:H6hFZKzw0
>>1

「……ハァッ…………ハァッ…………ハァッ………!」

思わず思い切り感情を吐露し、大声で叫んでしまいたい衝動を必死に抑え。声に出るかでないかギリギリの声量で悪態をつく。
街の外へと何かないかと探索中魔獣の群れに出会い、自らの能力によって身を隠してから二十分。魔獣の数は約三体。
どちらかと言えば弱い固体である故、彼の様な底辺に近い月装使いでも不意打ちで一匹は倒せるような強さの敵。
郊外に出た瞬間からステルスを常に発動させていたため、合計時間は総合して四時間四十分。調子に乗って少しだけ遠くに出向いてしまったのがそもそもの原因か。

もし俺が焔装を持っていたならば、颯爽と魔獣三体を狩って街へと戻っていただろう。もし俺の月装がもう少し強ければ、やはり魔獣を殺せていただろう。
だが、俺にはそれが敵わなかった。運よく不意打ちで一体を殺せたとしても、残りの二体に体を砕かれるのが落ちだ。そうやって死んでいった月装使いを、俺は何度も見てきたんだ。
弱い、弱い。出会ったのは廃墟のような場所で運よく近くに建物―――ビルの様なナニカ―――があったからそこに隠れられたものの。恐らく少しでも余計な動きをとれば即座に反応されてしまうだろう程度には距離が近い。
速くどこかに行ってくれと汗ばむ体と頭で願っては見るが――どうやらここはアイツラの住処らしい。先ほどから少し移動する動きはあるものの、このエリアから動く様子は微塵も無かった。

月装によって生成されていた魔力が段々と尽きてきているため、ステルス機能は殆どの機能を停止している。視覚的な面では建物の陰にいることにより見つかる事が無いと思い、音と臭いの低減に出力を絞る。
故に、彼の姿は隠れていない。視認することは容易で、魔獣に神経を裂いているため近づくのも恐らくは簡単な筈だ。
91 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/24(水) 23:43:35.97 ID:978IMN69o
「次に会うときに着てみせる約束だった」

そのまま彼女の話を続けようとして、口を開いてから「すまん」と言葉を切る。この話題は終わりだったな、と。
相手のことを思っているのではなく、自分のせいで彼女が悪く思われることを避けようとしただけ。
一転して済まなそうに頭が下げるが、結局その気持ちは目の前には向かない。

気遣いができるのはいいことだ、と比較するだけ。自分の何を気遣われたのかすら、あまり分かっていない。
言葉足らずに見えて、自分のことを思ってくれるらしき姿を好ましく思いつつ、代わりを欲している自分に憤る。

「人の気持ちを推し図るのは苦手だ。女性からの助言はありがたい。機会があればまた言ってくれ。
ただ、この服を脱ぐつもりは無い。自分で持っていたものは――いや、この話題は終わりだったな」

何を話そうとしても、そこに繋がってしまう。それを避けるなら、唯一共通の話題しかない。


「片っ端で構わない。教えてくれ。情報が多いに越したことはない」
92 :今 清正 ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/24(水) 23:44:25.25 ID:jUWExjcso
>>88
スカヤが興味を失った頃、どこかの民家の部屋の隅で、男が蹲っていた。
膝を抱えて、小さく小さく、己の膝を抱え込む。
己がここに居るということを確かめるように。数刻して、ライトをつけて部屋を照らしだす。

「――視界が、白い。……ち……、見逃されたか。
舐めてやがる。だが、舐めてやがるなら――殺せるって事だ。覚えてろ、よ。ボケナスが……」

右脇腹の風穴と右頬の千切れた肉を治療しながら。
『獣のような笑み』を浮かべて、男は殺意を募らせ続けるのだった。

//ありがとうございます、また今度時間のあるときにじっくりと! お疲れ様でした!
93 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/24(水) 23:44:39.64 ID:uuwrfGNbo
>>84
 最期の瞬間まで戦う覚悟を見せる。青年の気概は戦士として最上と言える。
 嘲るように、あるいは祈るようにケモノに会話を求めるのは活路を見出すものか。
 どちらにしろそれは他の魔獣ならばともかく黒いケモノに関して言えば効果がなかった。
 元より人語を介さず、ただ戦うのみ。容赦など存在しないのは生存戦争であるからこそ。

 ならば狩猟者としてウサギをを狩るにも全力を尽くすことが覚悟への礼儀になろう。
 左手を開き、その中に《霧》が集束され形を成す。それは青年の持つ《大鎌の刃》。
 塗料を零したように一片の艶輝きのないそれは漆黒というよりは深淵、奈落の類だ。
 獲物を甚振る趣味もない。生へ向かう《エネルギー》を刹那に削り取り、楽にするつもりだ。

 毛皮が血に塗れ垂れ落ちる姿は、ローブを羽織る死神にも見えるだろうか。
 幽鬼の如く進む黒いケモノは、青年の命を刈り取るべく近づこう。
 そして青年が逃げ切ることがなかったのなら、首へ《黒霧の鎌》を振り下ろそう。
94 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/24(水) 23:44:40.45 ID:978IMN69o
すいません >>91>>82宛てです
95 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/24(水) 23:45:44.20 ID:ZtezSbg9O
>>86
いいね。そうやって吠えてくれる人間は好きだよ僕。

【つり上がる口角は苛立ちを煽るように】

わからないからわかりたいのさ。
僕は君たちのその、感情とやらに興味があってね

【近くの瓦礫に座り込み、余裕をかましながら少年は語る】

ほら、早く反撃しないと。語る暇が無くなっちゃう
『オルトロス』はそこそこ強めに作ってあるんだから

【横に回避され、無防備に晒されたかのように見えた魔獣の側面】
【だがこの魔獣は双頭の魔犬オルトロス。片方の首がぐるり180度回り、紅を噛みつこうとする】
【この攻撃をよければ、今度こそ魔獣は無防備】
【少年はこの男は避けてくれるか、なんて期待の眼差しをむけていた】
96 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/24(水) 23:45:59.24 ID:Qdbljadg0
>>77
「そんなこと言ったら、私なんてただ食いに等しいんです…にゃあ。
 戦う力があってそれでたま達を守ってる。それだけで十分なんですよ。」

用心棒なんか、なんて。自虐的ですよ、と言っておく。
相手は自分よりも前線に立って戦ってくれてるのだから、ご飯位自由に食べさせてやりたいものだ。
…それすらも上手くいかないこの世界が少しだけもどかしかったけれど。

「……はい!その意気です。」

そう相手の言葉に頷き、微笑むと不意に自分を呼ぶ声が聞こえた。
見れば、配膳係となっている女性の一人。どうやら見つかってしまったらしい。
人手がないから手伝ってくれと叫ばれ、大いに珠悸は慌てる。こんなことならエプロン持ってこればよかったのに。

「――あ、わわっ!ごめんなさい!わ、私、じゃない!たま、ちょっと手伝ってきます!
 えっと…あっちの列から並べば、まだ食べ物は間に合うと思うので!」

急いだ様子で、相手に比較的食べ物を取りやすい場所を教えれば、珠悸はその逆方向へと走り去ろうとする。
引き留めなければ、そのまま何処かの手伝いに行ってしまうだろう。

/すみません!そろそろ眠気の限界なので強引ですがここで〆でお願いできないでしょうか…?
/せっかく絡んでくださったのに申し訳ありません…
97 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/24(水) 23:47:28.59 ID:/M3yQhub0
>>92
//いえいえ、こちらこそ有意義な時間を過ごさせていただきました!
//また機会があればよろしくお願いします!
98 :司馬 重座右衛門 道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/24(水) 23:48:38.79 ID:Z0R1k04po
>>85
「貴様の言葉は真に…―――――」

薄桃色の雰囲気漂う店に奔る一種の緊張感。その中に異質さを以って谺する笑い声は女が発したものである
焔装かと推測そして違うとして、月装だと断定した女に対して男も同様に薄ら笑みを顔面へ貼り付けていた
而してまた、伸ばされる女の左手、それは男の首元を狙っており、明らかに先ほどとは違う、言うなれば殺意の籠っていたことに男は勿論の事気が付いていた
当り前の事だ、幾ら気を抜いていようが男は根からの武士、しかもその精神を長年に渡り培ってきたのだから

「―――――某を苛付かせるのに適しているのだな」

顕現するは五の刀――事解之男、男が主に防御に使用する運動エネルギーの分散の効果を持った月装である。それを女の左手が迫りくる軌道上に浮遊させて若干の余裕を持ち、ちらりとそちらに一瞥を与えた

その後、立ち上がって女から距離を取るべく半歩身を引き鞘に収めた三刀水内を清澄の音を伴って抜刀
而して構え、目を見開いて口元を笑みに歪ませてみた
99 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/24(水) 23:50:55.34 ID:CdvYOa2Io
>>87
「……はぁ、はぁ……!」

彼女の身体を持ち上げたまま、幾許か彼女を睨み付けていた。興奮によって煽られた息が上がり、顔が赤く上気する。
それから、手を離した。彼女の言うとおりにした、と言う訳では無く……ただ単に、無害だと判断した。
その細腕と、よく分からないピエロは攻撃行動を行う素振りは見せず、只々彼女と会話をするばかり。
故に≪焔装≫も一旦は消去した。こればかりは彼女の言う通り、無暗に使ってもいい物では無い。

「もういい、そんな物はいい、くれてやる―――――――― 弱者め。
 それに私の名前は"なんとか"じゃない……陽遥(ひよう)だ、覚えておけ」

≪焔装≫を目の当たりにした上で、感情を高ぶらせた結果か―――― 右眼が酷く痛むのを、左手が抑える。

「焔装を持ちながら乞食に身を窶すような者が……物乞い以外に、用が無いなら。
 さっさとそれを持って失せろ!」
100 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/24(水) 23:52:08.83 ID:P+I5bZed0
>>83

「《夜》に堕ちるか、《夜》に狩られるか……まったく、悪趣味な二択だわ」

それでも、ビルの谷間に隠れて怯える立場ではないだけマシだとシャーロットは考えてしまう。
世の中には戦いたくても戦うことができない者がいる。ありったけの憎しみを、後方で燻らせる人々が。
今日仕事を依頼してくれたジャンク屋たちだって、こんな子どもに守られたくは無かっただろう。

「それについては、わたしもひとりで居る時によく考えているの。
 魔獣より弱く、《焔装》にも敵わない――わたし達の力に、時間稼ぎ以上の何ができるかって」

髪をふわりと掻きあげれば、微かに甘い匂いが溢れた。
《装》によって戦う者たちは、タイミングがよければ風呂の優先使用や少しばかり上質な食事が許可される。
戦いに強い覚悟を持って臨む彼女でさえ、それぐらいの気晴らしが無ければ折れてしまう。

「わたし達は死以外に何のリスクも背負っていないわ。そして、戦いの中で冷静であり続けることができる。
 《焔装》を生み出すのは、負の感情――強くなろうとすればするほど、自分を壊していってしまうわ。
 だけれど《月装》は、『長所』で戦う。この違いって、いつも思っているより大きいはずよ」

世界を取り戻すまで戦うつもりならね、と、シャーロットは謹厳な口ぶりで付け加えた。
101 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/24(水) 23:58:37.49 ID:609n1WkU0
>>91
……そっか。

【口数が減ったのは、流石に空気を察したからか】
【着て見せる約束だったといわれれば、確かに着てみたくなる気持ちもわかる】

わーったよ、じゃあまた今度ここで待合わせ。
お前もあたし便りにすんなよ、誘ってきたのはお前なんだからな。

【なら、これ以上の話は業務連絡になる】【それに了承を伝えれば、それ以上の返事はいらない】

……。

【要らないのだが――】

っだぁーもう! てめーの惚気でいいから聞かせろ! 辛気臭い空気にしやがって!
大体、こっちは暇してたんだよ。このまま重い空気持ってって終わりとか承知しねーぞ!

【――重い空気を嫌うのは、この世界では異端的な考え方なのだが】
【一人の空気を壊されて、尚且つ後味だけ悪くなったと少女は考えている……のだが、それも考えの及ぶ所ではないか】
102 :紅【大鎌型月装】 ◆IGAxpayaDs :2014/09/24(水) 23:58:38.90 ID:cBAi/2b20
>>95
ちっ・・・・・あとで絶対ぶっ飛ばすからな
【一瞬だけ桐谷を見る】

ああそうかい、話なら後で聞いてやるよ
こんな犬っころ、楽勝だ
【不敵な笑みを浮かべる】

そんなんじゃあたらねぇぞ
【上に大きく飛び上がりオルトロスの攻撃を回避する】
そら、お返しだ!
【落ちる時の勢いを利用してオルトロスの首を狙って鎌を振り下ろす】
103 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/25(木) 00:04:12.08 ID:l2zNvkCZo
>>96
「先輩は、皆を生かす為に頑張っている。それでいいじゃないですか。
 私も…自分のことで精一杯なんて言ってられない」
鋭い目つきになり、夜空を見上げる。
職員室に居た時とは違い、士気が上がったようで…

「私も、簡単に倒れないように気をつけます。
 先輩も変な所で倒れてたりしないで下さいね」
有子は列に混じる。「いつもは遅く来るのに」と野次が飛ぶ。

「私は月城有子!生きてたら…また会いましょう、先輩!」
並んでる列の方から、大きな声で自身の名を叫んだ。

//おちかーれ 此方もFO
104 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/25(木) 00:04:14.91 ID:o4K4el8PO
>>89
所詮は、最下級の魔獣。数の利に頼って、物量だけで敵を押しつぶす事だけが取り柄の彼らなど、実際のところ恐るるに足りないものだろう。
少女が何を言ってるのか、自分を助けに来たのか、何のために此処に来たのかは分からない。
ただ、役に立ってくれるならそれで良い。どうせ利害が一致しているのだ、文句を言う道理などどこにもない。
二匹の魔獣は握り潰された。闇が飛散し、跡形も残らず消滅した。

一方その頃、少年に襲いかかってきた魔獣。少年は動かない。代わりに、右腕を構えて何やら力を溜めている。
魔獣が少年へと迫る。あと一歩で、その牙が少年を捉える――――――――

「――――――消えろっ!!」

刹那、少年は右腕を横に薙いだ。すると、暗黒色をした真っ黒の衝撃波が二体の魔獣目掛けて放たれる。
それは一瞬だった。あっさりと、勝負の決着は着いた。
衝撃波を受けた二体の魔獣は、まるでその場にいなかったかのように消滅した。また、衝撃波を受けた電柱の柱部分の一部はぽっかりと空洞になっていた。
これで終いか、少年は息を付いて援護してくれた少女を見上げる。その瞳に、感謝の色は見受けられないが。
105 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs :2014/09/25(木) 00:05:52.64 ID:mmggzmgT0
>>98

【力が、激突し、そして霧散した!】
【女の指先は、先ほどの細指ではなく、甲殻類の鋭利な刃の一部と化していたのだった】

「あらあら、図星だったかしらン」

【バー内は不穏な空気になる。事態を察し逃げる全裸の人間男もいたが】

「楽隊ッ! ミュージック!」

【太く美しい腹から出た声で鼓舞すると、弾かれたように隅にいたアコースティックバンド隊が音楽を奏でる】
【ミラーボールの電源が入れられると、距離をとる武士とは反対に、娼婦はミニステージに上がる】
【どこから取り出したのか、マイクを片手に歌いだす】

「♪ 夜には遠い 闇を見ましょう
   永遠より深い 強い男の胸の中に
   夜には遠い 闇を見ましょう
   刹那より深い 哀しい女の夢の中に……」

【ムーディな音楽と共に、バンド隊の音楽は力強く鳴る――】

「ウェルカム【エヴァー・ディープ】……
 私はここの店の主。人は私を――LOVE、そう。
 【ミセス・ラブクラブ】とは私の事。
 ――≪月装≫のボウヤ……今宵は貴方を、「食べて、あげない」。
 次会う時は、せめて、私に食べられるくらい深い……闇を見せてくれるようになって頂戴……。今日の所は、お帰り。」

【ギリ、ギリ……とステージのカーテン奥に、彼女が産み、育て飼っている子魔獣の目が光っている】

「おいしくお酒が飲める位、深いオトナになるのよ、ボーヤ」

【彼女の左手首は、巨大な蟹の刃に変形している】
【どうやらここは、彼女のホームのようだ】
【彼女は≪焔装≫の男を探していたようだが、どうやら武士は不適格と思われたようだ……】
106 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/25(木) 00:06:32.52 ID:EcEG0I5A0
>>99

すとんと腰から落とされる。尻餅ついてぶうぶうと抗議の声。
年の頃はそう変わらないのに、女の方はあまり交渉は得意でないようである。

「乞食言うなし! ひようっち。じゃなかった、ひよこっち本当に要らないん?」
『貰っとけよ。どうせ弱肉強食ヒャッハーとかいってドヤ顔でぶんどった奴だ』「じゃあ遠慮なく!」

二日ぶりのまともな食料ゲットー! と喜び合う一人と一体。缶詰を掲げて一頻り喜びのダンスを踊る。
が、顔色の変化には敏感に。動きを止めて缶詰の影から恐る恐る様子を窺うように。

「……いやさ、ひよこっちなんで態々カツアゲなんかするんだい」
「焔装的に、普通に世の為人の為に戦ってヒーローごっこで飯貰った方が、アゲアゲで精神も平穏(ハッピー)じゃね?」
『カリカリしてるとあっちゅう間に魔獣街道まっしぐらになっちまうぜ〜。その方が面白いけどな!』

本音ダダ漏れのピエロを足蹴にし、少しだけ真剣な眼差しで問いかける。
107 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 00:07:38.18 ID:jyVm89y9o
>>93

――ふぅ…

…ただじゃ死なねェぞばーか

【死中に活を見出だす――密閉とは言わないが建築物の内部】
【霧散したとは言え相手の"削る"といった効果の気体が朽ちた教会に満ちている】
【――本人にそんな思慮があったとは思えない、ただ先程散らした鎌鼬の影響があると――】

――互いに生き延びたらいいな

【――ただ自分の躯を支える大鎌をくるくると素早く回しただけだ】
【だがついには両手を交え火を起こすように回転させる】

【――青年を中心として巻き起こる――小さい刃の"渦"】
【"それまでの"相手の攻撃を防ぐ一種の防御癖となり加えて老朽化した教会を崩す決定打となる】

【――教会が大きく音を立てて崩れ出す。鎌を持つ死神の戯れに水を差すように】
108 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 00:09:16.34 ID:+EMdP9oa0
>>100
「同じ生き残る為でもただ漠然と死にたくないから戦うのと世界を取り戻す為に戦うのでは戦いの中で自分を支える力が全然違うもんね。」

《焔装》が負の力ならば《月装》は正の力か。リスクとリターンの関係でしかその二つを考えたことが無かった、と心の中に考え方の一つとしてしまい込む。
しかし、歳が15とは思えない程しっかりとした口調で話すシャーロットとは対照的に未来の口調はどこか軽いようだ。

空いた手で自分の頭を指先で叩きながら未来は言葉を続ける。

「時間稼ぎ出来るってのも割と重要だと思うよ。正直、《夜》をどうにかするのに魔獣と戦う必要が無い可能性もあるとは思わないかな?」

109 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 00:11:33.50 ID:pfINzF2YO
>>102
【空を裂く牙、振り下ろされる鎌】
【鎌の刃は肉を抉り、オルトロスの首を刈る事に成功する】
【片割れを失ったもう一つの首は怒りにうなり、また紅に飛びかかろうと踏み出すが】
【踏み出した足は地面をとらえる事なく、オルトロスは地を舐めることになった】
【いかに魔獣といえど、首を一つ失えば動くことは出来なかったのだ】

あっさりやられちゃったよ。中々強いね
さて、これから僕はぶっ飛ばされるのかな
困った困った。僕はもう戦う気はないのに

【振るっていた小剣を納め、両手を挙げ、戦闘の意思が無いことをアピールする】
【───もちろん、殺される気はないらしいが】
【小剣は納められたが、足は肩幅に開かれいつでも動ける体制だ】
110 :雷属性男子生徒【槍術科】 召喚:雷槍 :2014/09/25(木) 00:17:31.29 ID:MqRgBhtJ0
>>109
・・・・・ふぅ、案外脆かったな
【手に持った鎌を縮めてポケットへとしまう】
ダッセェなぁ
【オルトロスを見て呟く】


さてと、てめぇをぶっとばす
【桐谷の方を見る】
・・・・・と言いたい所だが止めといてやるよ
おら、どっか行け
111 : ◆IGAxpayaDs :2014/09/25(木) 00:18:29.09 ID:MqRgBhtJ0
>>109
・・・・・ふぅ、案外脆かったな
【手に持った鎌を縮めてポケットへとしまう】
ダッセェなぁ
【オルトロスを見て呟く】


さてと、てめぇをぶっとばす
【桐谷の方を見る】
・・・・・と言いたい所だが止めといてやるよ
おら、どっか行け
112 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/25(木) 00:18:29.60 ID:e3ufj9aMo
>>101

「ああ。それでいい。夜のもっとも暗い時間には、ここに戻っている予定だ。姿を見せなければ死んだと思ってくれ」

今では定型文となった待ち合わせ文句。最近では当たり前すぎて、後半部は省略されることも多くなった。

個性の無い言葉を、抑揚無く投げ捨てる。
手を振って別れを告げて、それでその場を離れようとした久良岐を、少女の言葉が引き留める。


「その話題は終わりでは無かったか? 女性の考えることは分からん。
聞くつもりは無いが、そういう形で会話を終えることに意味がある、といった高等コミュニケーションは無理だ。
それに自慢ではないが、俺は彼女といる時間以外は無駄に重い空気を纏っているらしい。彼女に言われたから間違いない。
この空気が嫌なら、俺を引き留めないでいた方がよかったのではないか?」


彼女以外の女と仲良くなるつもりは無い、という拒絶――誓いを自分の中で再確認しつつ、意識して冷たく言い放つ。
平時から無関心で無感情な男が、わざわざ言葉に意識を込めているということ自体、相手との距離が縮まっている証拠だとは気付いていない。

そして、そんなことを言っておきながら

「まあ、聞きたいというのなら話してもいい。何を話せばいい? 馴れ初めか? 初デートか?」

結局この話題にだけは、露骨に嬉しそうな色を覗かせるのだ。
113 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/25(木) 00:20:03.13 ID:a6MnguHjo
>>106
尻餅をついて、彼女へと抗議を突きつけたのも束の間―――― 厳禁にも、缶詰を掲げて踊り出す彼女に思い切り左眼を顰めた。
右眼の痛みが、ゆっくりと引いてくるのに合わせて、その右手がゆっくりとどかされる。
その問い掛けに対する答えは―――― それから、数拍空けて返ってくるだろう。

「貴様も、否。貴様等も見たんだろうな、その口振りなら!
 貴様等が貪るその食料を持っていた男を。強い者に立ち向かおうともしない、やる事は只嘆願するだけ。
 ただ力ある者に救いを求めるだけ―――――――― 立ち向かう覚悟も無い弱者など救う価値など一切ない!
 全員雁首揃えて魔獣に頭を垂れて、脳髄を啜られればいい!!」

「私は違う……私は魔獣を喰らい、月装を喰らい、そして焔装を喰らい―――― やがては≪夜≫をも支配する!」

「貴様等の様な弱き者達とは違う!私は支配者と成る、捕食者と成る……奴等の上位存在になってやる!
 其の為ならば、魔獣へと身を堕としても構わない……」

それを本心と勘違いし。然しそれもまた、虚栄心に過ぎない。
只々、恐怖心を強い主張で塗り固めた―――― 張りぼての強者。





「―――――――― そして私を、ひよこと呼ぶな!!」
114 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 00:20:13.29 ID:3uZp0xGZo
>>107
 その崩落は積み重ねた青年の執念か、もしくは手繰り寄せた必然か。
 生存まですればそこまで粘った青年の勝ちと言えるものだろう。

 嫌な音を聞いた黒いケモノは崩れ落ちてくる屋根を睨んだ。そして手の中の鎌を解き放つ。
 濃度の濃い《黒い霧》となった《鎌》は対流しながら獣の頭上の屋根へ流れた。
 落下の《運動エネルギー》を削り取り、ゆっくりと落ちる屋根を右腕の一撃で粉砕する。
 黒いケモノの周囲には、崩れ落ちた教会の痕だけがあった。こうなっては青年も見えない。

 死したか、あるいは生き延びたか。どちらにしろそれは覚悟で掴み取った結末だ。
 黒いケモノは一度だけ咆えた。それは悲しくも聞こえ雄々しくも聞こえる響き。
 狩り――戦いは途中で終わった。であればケモノは傷を癒やすために休もう。
 毛皮に張りついて固まった血を霧で削り落としながら、獣はその場を走って立ち去っていく。

/時刻も深いですしこんなところで〆ですかね。ありがとうございました!
115 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 00:22:51.11 ID:jyVm89y9o
>>114

【結論から述べれば彼は辛うじて生き延びた――】
【刃の渦が彼の頭上に落ちる瓦礫を砕き一命をとりとめたのだった】


/お疲れさまでした
116 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 00:25:31.00 ID:pfINzF2YO
>>111
・・・意外だね。
感情に任せて殴りかかってくるかと思ったけど

見逃してくれるなら、ついでに質問をさせてほしいな
君は今、どんな『感情』でオルトロスを殺して、僕を見逃そうとしたんだい?

【少年は子供のように目を輝かせて】
117 :司馬 重座右衛門 道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 00:26:22.50 ID:CvdA66Ujo
>>105
「矢張り貴様は魔獣(ケモノ)だったか、いやはや、某としたことが真に不覚であった」

五の刀――事解之男と邂逅而して刹那の衝突を果たしその力が霧散。しかもある筈のか細い腕は何処へやらあるのは甲殻類特有の鋭さのある刃だけ、それこそが当に五の刀――事解之男と鍔迫り合っていたのである
故に魔獣(ケモノ)だと即刻断定、だが男に動揺はなく自らの油断に悔いているほど。溜息と舌打ちを交互にひとつずつ、今日はもう何度目だろうかとふと考えた

腹底から出た声で鼓舞すれば、隅にいたバンド隊が返事もなく演奏を開始。そして天井より吊られたミラーボールが無数に光を反射してゆっくりと回転を始める
而して歌い始める女、暫時唖然とその様子を見ていた男であったが、歌が終わればまた眼光らせて短刀を構える。そうしてミニステージの上に居る女―――――ミセス・ラブクラブの話を今度は流さずに然と聞き入る

幾つかの魔獣が男を睥睨。ラブクラブの帰れという言葉と同じ意味を持っているらしい。その眼差しは正に

「――――…多勢に無勢、武士失格であるな、某は」

そんな呟きは魔獣共に届いただろうか、だがそれは別段知らなくたって良いことである。故に気にはしない
もう今日だけで幾度目か、深く深く溜息を吐露、煙草を銜えるがまだ火を点けることはなく、三刀水内を納刀次いで事解之男を消滅させて、やっと煙草へと点火
紫煙を燻らせ、気分を害す店に充満させると、くるりと踵を翻して方向転換し、出口へと向けて歩き始める

 ――店を出れば嗤う闇の空、もうこの空には真に飽いたのだ
118 :司馬 重座右衛門 道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 00:27:43.03 ID:CvdA66Ujo
>>105
/取り敢えずこれで〆という事でお願いします
/非常に楽しい絡みとなりました。ありがうございました。また機会があればよろしくお願いします
119 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/25(木) 00:32:40.43 ID:jJZFQIJy0
>>112
次あたしに会うまでは死ぬなよ? 言葉に責任持てって。

【その定型文を知らない訳じゃないが、そう聞かされると何処か心の中が悶々とする】
【だから、一応くぎを刺す……それが意味あるかは別として】

だーかーらー! ……お前どうやってその子と付き合ったんだよ。
お前、あたしが何でここにいるか分かってないよな。というか言葉くらい読み取れよ。

【まさかここまで勘違いしているとは……と、ここで少女は男が自らの言葉の意味を勘違いしている事に気づいたのだが】
【その言葉の読み取り用はないだろ、と溜息を零してじと、と目を向ける】

あー、馴れ初めだ馴れ初め、一周回って気になってきた。
ってか、お前感情の移り変わり激しいな。
120 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 00:36:12.79 ID:wZBVbNwH0
>>104

【二匹の魔獣を屠り、少年と魔獣の方に視線を向ける】
【少年は右腕を構えて力を溜めていて右腕を横に薙ぐと、漆黒の衝撃波が放たれ】【自分の腕が魔獣に達するよりも早く魔獣に衝撃波が命中し、魔獣と衝撃波を受けた電柱の柱部分の一部が消滅していた】
【勝負の決着は着いた、近くに魔獣の気配も感じられない】
【背中から生える一本の手が、少女の身体を包み込んで地面へと優しく降ろす】
【魔翌力で構成された腕は、霧散してその姿を消した】

えーっと…名前は?…、私は、凪沙 巫(なぎさ かんなぎ)って言うんだけど…
あっ、怪我とかしてない?


【降りるとスタスタと少年に歩み寄る、別に礼を言われたいが為に援護したわけではないので、感謝は必要ない】
【近付いて来て、はっきりとその姿を見れば12歳程にしか見えないであろう】
【実際は14歳だが、身体的成長が12歳の時から停止しているのだ】
【少し少年の人を寄せ付けない雰囲気に物怖じし、人差し指をツンツンと何度か合わせながら言葉を紡ぐ】
【治療道具を持ち合わせているわけではないので、何もできないが】

…後、この近くに人が集まってる場所は無いかなー……、なんて……

【少女はここに来たばかりでまだ何も知らない。少年が知らないかなー…と期待を寄せて問いをぶつけた】
121 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/25(木) 00:36:31.13 ID:mmggzmgT0
>>117

「ふふ……名乗りもしないでイってしまったわ。
 この世界、闇を抱えない男はいない……
 次に会う時は、少しはマシな男になっているといいわね――」

【武士の男が去っていくのを見届けると、女は手を元に戻し、
 カウンターに座る】
【バーテンのモドキ魔獣は、店内が荒れずに済んでホッとしているようだ】

・・・・・

【この世界の人間側の街に、ひっそりと存在する禁断のクラブ、
 【エヴァー・ディープ】
 そこでは、≪焔装≫を身にまとう、闇を抱えた男を手ぐすね引いて待っている魔獣が身をひそめていた――】

【破壊と殺戮の世界に、官能の歌声を響かせる蟹怪女・ラブクラブ】
【彼女の求める闇は、深く、より冥い……】

/こちらこそ、長文でおまたせして申し訳なかったです。
/ありがとうございました
122 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/25(木) 00:37:08.94 ID:KGMMR4TI0
>>108

「《夜》そのものを叩く、ということかしら?
 確かに言われてみれば、《都市》だけが《夜》の侵食に耐える最後の土地になったのだって奇妙よね。
 もしかしたら――手が届く距離のどこかに、宵闇を払いのける決定的な鍵があるのかも」

《都市》の周辺以外がすべて黒塗りになった世界地図が、ふと脳裏をよぎる。
自警団本部の会議室や訓練所に反抗の象徴として飾られているそれは、絶望と同時に希望をも示している。
すなわち、《都市》にだけは、《夜》に報いうる何かが未だ秘められているということ。
でなければ、他に焔装や月装使いに守られたコミュニティが現存していないのはおかしい。
……尤もこれは全くの憶測で、見当違いかもしれない。

「でも、今やるべきことは魔獣を迎え撃つことよ。
 今だって、いつ連中が飛び出してくるか」

言いかけた所でシャーロットは口を噤み、未来に手で注意を促す。
神経を集中すれば、耳朶は微かな足音と低い唸り声を拾うだろう――そう、魔獣だ。
恐らく単体で、噎せ返るようなオーラも感じられないが、敵は敵。

「……多分、四足の下級魔獣ね。
 注意を引きつけるから、あなたはあの階段を登り、踊り場から脳天に飛びかかって。合図はわたしの指笛よ。
 ところどころ崩れかけているから、足元には注意してね」

そう告げて、彼女はビル影を伝いながらゆっくりと魔獣へ近付いていくだろう。

/ほぼ攻撃演出で終わる戦闘になる予定なので、カッコよく決めてください!
123 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/25(木) 00:40:43.21 ID:EcEG0I5A0
>>113

「まま、落ち着いて。こうなっちゃいけませんよ、こう」

顔の両脇に手を翳し、しゅっしゅっと突き出す仕草。

『見方が狭いって言いたいらしいな』

それをピエロが補足して頷く。
しかし相手の言い分も尤もで、街にの大半はああいった他力本願が蔓延しているのも事実。

「まあ無価値って言う意味じゃ、私も似たようなもんかねぇ。 腹が減っては戦も出来やしねー」
『生粋の貧乏人が言うと、言葉に無駄に重みがアリマスネー』

「うー。怒るけどさー、怒ってるうちはひよこっちはひよこっちじゃん? ただの見栄坊。かわいー♪」
「でも魔獣になったらひよこっちじゃあなくなるし、そん時は飯の種として首チョンパしてやるさ」

「それまでは精々仲良くしようぜー。敵は手強いんだし、のんびりが丁度いいんでね?」

諦めとも違う、正論でもない、狂気というには貧乏臭い。
自分が相手の上位につけているという自負心だけは、其処彼処にちりばめられて。

『――タカる相手見ーつけた、と訳し。』

へらへら笑いの下で、ピエロが要約した一文をぼそりと呟いた。
124 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/25(木) 00:51:48.51 ID:o4K4el8PO
>>120
「………………お前に僕の名前を教える道理があるのかよ」
「………ちっ、崩月真夢だ。別に覚えなくても良いし寧ろ忘れてくれた方がありがたいね。あと、無傷だから余計な心配もいらない」

そのままどこかに行ってくれれば良かったのだが、あろう事か少女が近づいてきてしまった。しかも、余計な心配までしてくると来た。
舌打ちを一つして、結局名乗る。明らかに鬱陶しがっている様子が、少女には伝わるだろうか。少年に悪気あっての事ではないのだが。

「人が集まってる所……?あぁ、確かにお前みたいな子供はさっさとそこに行った方が良いかもな」

人類最後の砦である街を目指しているのだろうか。一応、少年もそこで暮らしてはいる。
このまま放っておけば、また魔獣に襲われたりして面倒な事になりそうだ。少年はそう考える。

「…………案内くらいはしてやる、ついて来いよ」

他人と関わるのが特別嫌なわけではない。ただ、必要ないだけで。
少年だって人間、人の心くらいは持ち合わせている。
そんなわけで、足早に歩いて少女を案内するだろう。終始、不機嫌そうな顔ではあったが。

しばらく歩いた先―――――――――そこには人類最後のユートピアが広がっていた。

「着いた、というわけで後は頑張りな」

人間が集まっているこの場所。助けを求めれば快く周囲の人間は応えてくれるであろう。
少年はその場を立ち去る。ただ、少女が怖いというのならばそれに付いて行けば良い。あからさまに不機嫌にはなるが、なんだかんだで面倒を見るはずだから。
どちらにせよ、少年は夜の街中に消えていく。

/すいません!時間も時間なので無理やり気味ですがここで〆させて頂きます!
/楽しかったです!ありがとうございました!
125 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 00:54:35.11 ID:qNlRpjPT0
>>124
ありがとうございました!
126 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/25(木) 00:57:11.85 ID:e3ufj9aMo
>>119

「善処する」とだけ返す。彼女も分かっている通り、この言葉に意味は無いだろう。
そういえば彼女にも「責任から逃げるのはよくない」といった趣旨のことを言われたな、と男はそんなことを考えている。
そういえば彼女もこんな学生服を着ていた時期があった。でも襟が違う。リボンが無い――。


「感情の移り変わりが激しい、か。その評価は彼女からは聞いたことが無い。が、最近はたまに言われるな。
焔装の副作用だろうか。女、どう思う。もしそうなら、多少気を付けた方がよさそうだが」

形だけ相手に語りかけながらの、独り言。きっとこの言葉の後に続く会話も、何ら男を変えはしない。
とりあえず返答だけは待ってから、男は自分の馴れ初めを話し始める。


特に珍しいものでもない、ありふれた恋愛話。そこそこ名のある旧家同士、確か誰かの葬式の日のことだった……
なんて仰々しい始まりのわりに、その先はベタな思い出話だった。異様に細かく会話を覚えている点だけは特筆してもいいだろう。
会話の中身は至極真っ当。今の彼ほど人心が分からないわけでも、今の彼ほど偏っているわけでもない。普通の青年像が浮かんでくる。


このまま止めなければ、時折彼女の台詞を裏声で再生しつつ、告白までの遠い道のりを話し続けていく。
ただでさえ急上昇したテンションがさらに上がり続ける様子を見るのは、なかなか良い暇つぶしになるだろうが、いつまでも付き合っているわけにはいかないだろう。
127 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 00:57:31.25 ID:+EMdP9oa0
>>122
「《焔装》をもたらした《月》も怪しいし《夜》の原因、魔獣の目的もはっきりしない。怪しいことだらけだね。兎にも角にも情報を集めなきゃ」

食糧や人員、また精神面でもジリ貧といっていい状況ではあるが、これを打開するのは思考出来る程度の冷静さを持つ人間ではないだろうか。
まだ世界に絶望していない人間が生き残っているなら、まだ敗北した訳ではない。
戦闘に目的を絞らなければ《月装》のを持つ人間の力は、また武力を持たない人間でさえ役割があるのだろう。

「相手の足音も複数では無いみたいだけど、周囲も警戒はしておいてね」

未来の《月装》の能力の一部を持ってすればこの程度の距離ならば判別はつく。しかし注意するに越した事はない。
シャーロットの提案通り、指示された場所へ相手に気取られないように配置についた。
後はタイミングのみ。目的を定め精神を研ぎ澄ませつつ合図を待った。

/りょーかいです!
128 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/25(木) 01:00:23.16 ID:a6MnguHjo
>>123

見栄坊。彼女はそうとは思っていないけれども、その心の奥底はその通り。
≪焔装≫に呑み込まれるのは恐ろしい。恐ろしくて仕方ない―――― 故に、彼女はそう叫ぶ。
≪夜≫を支配する、と。それが可能な筈が無い事を、自分自身よく分かっている筈なのに。

「貴様等……!見栄などでは無い、これは私の本心だ、甞めるな!!」

ギリッ、と奥歯を噛む。妙なあだ名を付けられたから、と言う訳では無い。
自分の意見に大して、おかしなジェスチャーと共に「見方が狭い」などと言われた事もある、が。
それよりも相手は……自分よりも上だと思っている。そう思われている事に腹が立った。これは偽り無く本心だった。
だが。それを覆す方法が無いのを心の内で理解している故に、深い追及はしなかった。無意識に、それはセーブされた。
何処までも、弱い心を護る為。偽りの自尊心が機能として働き続ける。

「私は無価値な者と馴れ合うつもりはない……私と協力関係で在りたければ、強さを証明しろ!!

 それが出来なければ……唯一の価値として、貴様の≪焔装≫、私が喰らってくれる」

これは彼女なりの譲歩であり―――― そして逃走でもある。
彼女達から背を向けて、歩み出した。今日は食事をする気も失せた、帰ってすぐに寝てしまおう、と。
数歩、歩いて。思い出したように立ち止まると、振り返る事はせずに。彼女等へと絞り出すように、最後にこう言う。


「……"ひよこ"と呼ぶなと、言っただろうが……!!」


それからまた、足早に其処から去って行った。


/こんなもんで、今日は〆で……!絡みありがとうございました!!
129 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/25(木) 01:06:36.74 ID:NlF7IzfP0
>>32
「悪いが今はお前程度は構ってやる余裕がないんだ」

そういうと里佳に背を向け再び歩き出す

「俺は魔獣をかりにいかなくちゃいけないんでな」
「どうしてもっていうんならかかってこい秒殺してやるから」

そしてそのままその場をさろうとする


/無理やりですがこれで切らせて貰いますね
130 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/25(木) 01:10:07.32 ID:jJZFQIJy0
>>126
なあお前、善処する気あるか?
流石にあたしでもその言葉の意味くらいはわかんだぞ? なぁ?

【あまりにそっけない返事を返されて、疑るように答えを訪ねなおす】
【けれども】【なんとも淡白なその返事は、ただ言葉だけの物だったのかも、と少女も考え始める】

っつーかよ、お前の好きな子ってのと、他のこと話す時の差が激しいっつうか……
――おいっ!、お前聞いてねェだろ!

【少女の返事が終わった直後に挟まる馴れ初め】【とりあえず言葉が途切れるのを待っていただけなんじゃないか】
【そう思って言葉を飛ばすが、届かない】【こいつ自分の世界に入ってやがる、と思いながら話を聞いて】

(……うっぜェ……果てしなくうっぜェ……)

【何がって、裏声とか】【一々長いとか】【逐一話した内容を覚えていたりとか】
【なんだこいつ】【ストーカーだったんじゃないだろうな】

あーわかったわかった! あんたは昔は堅物じゃなかったんだな!
よし次はデートだな、はいデートの話だ、いやー楽しみだなー

【暇とは言ったが、まさかそれ以上の退屈を持ってこられるとは思っておらず】
【はやく話を終わらせようと、と会話を区切り強制終了】【次の話を催促する】
131 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/25(木) 01:17:21.42 ID:EcEG0I5A0
>>128

「ほうほう、まあそういう事にしておきましょうぞ」『うむ、ひよこが言うのだから間違いあるまい』

理解あるという顔つきで頷きあう女とピエロ。
相手程感情の機微に振れ幅が無く、日々を単純に生きている者ほど動じる事は少ないようで。

『喰らってくれるってよ、良かったな』
「マゾで、じゃなかったマジで? ひよこっちMなん? 引くわぁ……」

ここだけやけに迫真の可哀相なヒトを見る眼差し。

「じゃあね、ひよこっち! 次はスイーツ希望!」『キムチ食いてぇ』

ここまで怒らせてついて行く度胸は流石に無いようで、しかし最後まで図太くバラバラの要望を投げ掛けつつ。
一頻り見送ると、今度は二人してごくりと喉を鳴らす。ワクワクを抑えられない手で缶詰の蓋を開け、中を覗き込んでも一度やったーと歓声。

「よっしゃ。二人じゃちと多いからさ、さっきのおっさんと分けようぜぃ」
『……お前、普通にオレ抜きでもがんがんリスク増やしてるよな』

そうして相棒に呆れられつつ、女は最初にクッキーを投げた男の姿をきょろきょろと探すのであった。


/絡みありがとうございました!
132 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/25(木) 01:19:50.47 ID:KGMMR4TI0
>>127

ネコ科の大型動物の吠え声と赤子の鳴き声を混ぜたかのような、おぞましい咆哮が轟く。
魔獣が地を強く蹴れば、肩までで3m近い巨体が軽やかに跳躍した。
隠れている未来はそれを直接目にはしないだろうが、地響きとして感じるに違いない。
『下級』であっても『破滅』そのもの。《夜》の尖兵とは、そういうものだ。

稲妻の如く飛びかかってきた獣の爪牙を辛くもかわし、シャーロットは剣を頭上に構える。
すると驚くべきことに、その刀身は幾つもの断片に分割され、宛ら刃付きの鎖のような様相を呈した。

「さあ食餌の時間よ、≪クロウ・クルワッハ≫!」

しゅん、と鋭い風切り音を立てて振るわれたその《月装》は、向き直ろうとする魔獣の首元に巻き付く。
異貌の獣に先を読む知能はなく、間合いの外から迫る一撃に対応しきれない。
少女の全体重をかけた締め付けに苦しみ、よりいっそう気味の悪い声を上げながら、怪物は頭を垂れ――

――その時、異音を引き裂くようにして合図の指笛が響いた!
133 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/25(木) 01:32:02.82 ID:e3ufj9aMo
>>130

「初デートか。俺は初デートを通して、一日まるまる計画を立てたデートの前には、入念な事前練習が必要なことを知った。
俺たちには図書館や喫茶店で他愛のない話を続けるタイプの逢瀬が合っているという合意に達するまでの時間は苦い失敗だったが
今となってはあの経験もかけがえのない思い出だ」

「そう、初デートの話は俺の方から切り出した! まだ電話が通じていた頃の話だ。
暮れていく夕日を見ながら、あの日が消えるまでには通話ボタンを押そうと心に言い聞かせていた。
結局日が落ちてしまった後になったが、彼女は『ちょうど私も話したかったところです』と――」


そんな話を心底楽しそうに、男は話し続ける。
時折、自分のした失敗について意見を求めるときにだけ、少し少女に心を開く。
「参考にさせてもらう」という言葉は、話が続くたびに、少しずつ重みを増していく。


けれど、そんな時間はいつまでもは続かない。この男と分かり合おうなんて――今風に言えば、夜が明けるのを待つような話だ。
次に少女が話を区切ったら、男は「そこそこ、ここまでにしようか」と別れを告げる。

/そろそろこのあたりで〆させてもらいます ありがとうございました!
134 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 01:41:31.55 ID:+EMdP9oa0
魔獣の跳躍、そしてその回避に多少の心配を持つがここはシャーロットを信じる以外の道は無い。
シャーロット本人が言い出したのだ。恐らく成功させてくるれる。今必要なのは自分の為すべきことに集中することだけだ。

魔獣の図体を見ると残念ながら胴体を真っ二つに出来るかは怪しい。ならば狙うは首。そう狙いを見定めた瞬間に指笛が空を切り裂く。

地面を蹴り壁を蹴り、シャーロットの剣と打ち合わないように剣を振りぬく。目的は切断。《月装》はその意思に答える。
結果として胴と首を分断された魔獣はその瞬間に存在が消滅した。

「ふぅー……、成功してよかったよホント。」

怪我が無くて何より。そう付け加えたところで人間の男達の声が聞こえてきた。どうやらジャンク屋もその任務を終えたところらしい。

「私も帰るのについていっていいよね。こんな戦いでもやっぱり精神を使うよ。何よりまだ話したいことが色々あるし……」
135 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 01:41:52.69 ID:+EMdP9oa0
>>132
魔獣の跳躍、そしてその回避に多少の心配を持つがここはシャーロットを信じる以外の道は無い。
シャーロット本人が言い出したのだ。恐らく成功させてくるれる。今必要なのは自分の為すべきことに集中することだけだ。

魔獣の図体を見ると残念ながら胴体を真っ二つに出来るかは怪しい。ならば狙うは首。そう狙いを見定めた瞬間に指笛が空を切り裂く。

地面を蹴り壁を蹴り、シャーロットの剣と打ち合わないように剣を振りぬく。目的は切断。《月装》はその意思に答える。
結果として胴と首を分断された魔獣はその瞬間に存在が消滅した。

「ふぅー……、成功してよかったよホント。」

怪我が無くて何より。そう付け加えたところで人間の男達の声が聞こえてきた。どうやらジャンク屋もその任務を終えたところらしい。

「私も帰るのについていっていいよね。こんな戦いでもやっぱり精神を使うよ。何よりまだ話したいことが色々あるし……」
136 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/25(木) 02:02:48.14 ID:jJZFQIJy0
>>133
/反映されていなかったみたいで、ごめんなさい!
今更になりますが、絡みありがとうございました!
137 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/25(木) 02:12:16.34 ID:KGMMR4TI0
>>135

魔獣が雲散霧消すると、その首を戒めていた鎖も縮んでいき、剣の形に戻った。
こう言うものを、昔この地球に存在していた文化においては『蛇腹剣』と呼んでいたらしい。

「ありがとう。こんなに首尾よく倒せたのは、ミライのお陰」

一人でも出来ないことはない仕事だったが、無傷で秒殺ともなるとそうは行かないだろう。
ただでさえ損耗率が高い《月装》使いが生き残るには、協力して戦うしかない。
例えその結果として、道連れの死や残された者の苦悶が待ち受けているとしても。

「うん。折角だから、一緒に帰りましょう。
 共に戦う者として親交を深めておいて損は無いわ」

この時代にあって快活に振る舞う彼女を見つめると、失うことへの恐怖が背筋を撫でるのを感じる。
共に戦うということは、いつお互いの死を看取っても――或いは、知らぬ間に消えていてもおかしくないということだ。
それでも、シャーロットは日向と新たな絆を結びたいと願った。

「……それに自警団で仕事漬けだと、年頃の友達を探すのにも苦労するもの」

傷痕疼く内心を押し隠して、シャーロットは邂逅の時と同じ柔らかな笑みを浮かべ
月装を持たない左手で日向の手を取ろうとする。
……戦うために、朋友の温もりというものをよく覚えておきたかった。

/そろそろ撤退しつつシメの方向ですね!
138 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 02:27:32.72 ID:+EMdP9oa0
>>137
残る仕事はジャンク屋の護衛。荷物を背負った男達の殿を務める。
妙にも見えるがこの世界では普通の光景。
ただし少し変わったところがあるとしたら――

「同い年の人を見つけても目が死んでいる場合が多いもんね。まあ気持ちは理解できるけど」

彼女達の様子だろう。先が見えない絶望的な環境で、しかしそれでも懸命に生きる姿。
また明日にはなんらかの事柄が起こるのだろう。しかし今この時は他愛も無い会話に花を咲かせていた。

/こんな感じの〆で
/ありがとうございました!
139 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/25(木) 02:30:26.98 ID:KGMMR4TI0
>>138
/お疲れ様でした! ロールありがとうございますっ
140 :シャルル・フルラ・モンブラン ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 18:25:52.32 ID:CvdA66Ujo
 所々が崩れ盛り上がりもう全く意味を成さなくなったコンクリの道路。
 倒壊し石造りの骸のみを跡地に残す建造物群。所謂摩天楼。その残骸。
 殆ど真横の方へと傾き、電線は千切れた、哀れで無機質な崩壊の末路を遂げた電柱の数々。 
 その荒廃し切る全て、而して空覆う一面の闇、つまり夜、それらが物語っているのは。

 ――迫る終焉。

 微かに地に差す光も全て人工物、天然によるものはほんの一つも無い。

 「良い闇ね…――とても、とっても素敵な色をしているわ」

 乳房を覆う闇が蠢き徐々に肥大化を始めると、ただ独り言葉を紡ぐ女。
 恍惚として人差し指を銜えて舌で舐めれば誰に向けてか嬌声を上げた。
 蠢き肥大する闇は女の背部までをも覆い、果たして翼の様な形を成す。
 其を一度、いや二度か、幾度か羽撃かせ、而して行うは。
 
 ――飛翔。
 
 漆黒の色をした翼は真ッ暗闇な空に同化し、最早見分けをつけるのは難しい。
 故に翔ぶ女は正しく、翼無しに空を飛んでいると見紛う可能性も有り得る。

 終末感漂う世界を覆う夜闇。而して女の躯を覆うのも真ッ暗な闇。
141 :春野陽奈≪月装≫【太刀】</b> ◇icyNVh3d1g<b> [sage]:2014/09/25(木) 18:27:42.94 ID:ZuG0foZP0
【黒よりも更に暗い鈍色が空を覆い、陽の光という概念が食い尽くされた闇の世界】
【瓦礫が視界を埋め尽くすかつては街だった所で一人の少女「春野陽奈」は陽のあるべきはずの空を仰ぐ】

「もう、あれから何年経つんだろう………」

【空を見つめる陽奈の顔には影がかかり、何処か絶望したようで物悲しさを感じさせる】
【空を覆うは永遠の夜。夜が現れて以来、人間に安息の時間など無く何時死ぬかも分からない日常を過ごすことを余儀なくされた】
【そして皆誰かを……或いは何かを失った。陽奈も両親と住むべき家を奪われた。残ったのはちっぽけな自分だけ】
【まだ齢18の精神的に未熟な陽奈が暗い表情をしてしまうのも、無理はないだろう】

「早く……、一刻も早く魔獣達を殲滅しなきゃ………」

【小さく呟く陽奈の目に映るのは意志の炎。強く鋭い夜への恨みがその炎を冷たく燃え上がらせている】
【そんな中ふと感じる誰かの気配。陽奈はその「誰か」の居る方へと顔を向けてこう声をかける】

「こんばんは――――しか言えないなんて悲しいと思いませんか?」
142 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 19:06:21.68 ID:Vh2QIAvZ0
>>140

【人間とは違う不穏な気配。其れは忌々しい魔獣のもの】
【それを発する存在を捉えようと周囲を見渡せば、飛んでいる女】
【この夜闇の中。漆黒の翼は視認出来ないが、飛んでいる理由等どうでも良い。】

魔獣…ッ!…お前らなんて、一匹残らず消してやる…!

【怒りを露わにして叫ぶ。女がその叫びに気付いて顔を向ければ】
【小さな少女と、その背中か一本の紫の巨腕が女に向けて伸びているのが分かる筈】
【巨腕は女の身体を包み込もうと……、叶えばそのまま握り潰そうとするのだ】
【地上から突然の強襲。女はどうするか】

//下手ですが、どうかよろしくお願いします!(´;ω;`)
そして次は少し遅れるかもしれません!すみません!
143 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 19:19:04.72 ID:Vh2QIAvZ0
強襲→急襲…です!すんません!(´;ω;`)
144 :シャルル・フルラ・モンブラン ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 19:26:20.15 ID:CvdA66Ujo
>>142
 夜空より地を見下ろす。嗚呼、なんて世界は汚れていたのだろうかと再確認。
 そんな穢れた世界の端に、忌々しそうにこちらを睥睨し紫色の巨腕を顕現させる少女一人。
 戦闘を所望か。と、そう受け取った女は表情を笑みに歪ませる。
 勢い良く女へ迫り来る巨腕はそのまま女を握り潰そうと閉じられてゆくが、然しこんな段階で勝敗を決する訳にも行かないと。  
 夜闇を舞い踊り、握り締められた巨腕よりひらりと逃れてみせた。
 
 「あらあら、良く分かったわね、私が魔獣だということを」
  
 空中より少女へ向けて一直線に突き立てた人差し指、二人の距離は数メートルはある。 
 だがそんな距離、女からすれば余りにも短い。
 向けた指先が漆黒に蠢く。蛇の頭の様に小さな物が伸びたかと思えば。
 其の先端が鋭く人を貫く程には尖り、牙を剥き少女へと襲い掛かる。
145 :シャルル・フルラ・モンブラン ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 19:28:50.16 ID:CvdA66Ujo
>>144
/最後の文を
 其の先端が鋭く人を貫く程には尖り、更に伸び而して牙を剥き、少女へと襲い掛かる。
/へ修正。
146 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 19:50:08.51 ID:jyVm89y9o

――いてェ…

【汚い包帯を片足に巻き簡易的な杖で歩く姿】
【比較的安全な自警団の内部、奥のほうで大人しく腰がける――】
【小さく腹が鳴ると丸二日何も腹に入れていないことを思い出し】


【ただ足が怪我してるので思うように動けずため息ついて頬杖ついて】
147 :アンジェリーナ ◆JaKijYspRXPi [saga]:2014/09/25(木) 19:50:30.21 ID:s9NaJP1RO
【倒壊したビルの跡。元は巨大な建築物であっただろうそれは今や屍となって冷たい地に横たわるだけ】
【うず高く積もるビルだった物、その山を往くのは齢十程に見受けられる少女】
【手にはボロボロに擦り切れた布の人形、身に纏う漆黒のドレスはまるで闇から生まれ出たよう】

「…結局、みーんなこうなっちゃうの」

【一人呟く言葉は金糸のような髪と共にさらさらと揺れてきっと何者にも届かない】
【否、少女には誰かに届けるつもりはないのだろう。透き通った蒼の瞳が映すのは生命の息吹など存在しない瓦礫の山だけなのだから】

「どんなに頑張ったって、抗ったって、全部無意味になっちゃうんだよ」

【それでも少女の言葉は続く。足元に眠るビルの亡骸に向けてか、はたまた自分自身に語りかけているのだろうか】
【不意に吹く一陣の風は少女の言葉を掬い取って彼方まで運んでいく。それが少女の意図するにしないに関わらず】
【遥か上空、何かが羽ばたき落とした影は地表に達する前に闇夜に紛れて消えた】
148 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 19:56:04.94 ID:1MEmKQ4H0
>>144
149 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 20:00:54.40 ID:1MEmKQ4H0
>>144

ちいっ…、躱されたっ……

【巨腕は女の華麗な動きによって容易く回避された】
【その様子を見て、悔しそうに顔を歪ませる】

分かるよ
貴方達はみんな
150 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 20:01:35.54 ID:1MEmKQ4H0
あー!すみません!
151 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/25(木) 20:03:10.80 ID:o4K4el8PO
――――――――嗚呼、見上げれば朧月が煌々と煌めいている。その輝きは、我らにとって癒やし。
――――――――嗚呼、見下ろせば破壊の残滓。そうだ、本能の赴くままに破壊せよ。殺戮せよ。それこそが我らの矜持。破壊こそが、我らの存在意義。
思う存分に暴れ乱れろ。我ら《夜》が、それを許す―――――――

見渡せば瓦礫の山、山、山。さらに、あちらこちらに疎らに人間だったものの肉片や体がごろりと転がっている。噎せ返るような死臭だ。
この街も、人間が住んでいたらしい。状況から察するに、破壊されたのは最近の事のようだ。
瓦礫の中心に座するのは、真っ黒なスーツを着た、目深帽子を被りその顔を覆い隠している。すらりとした身長に、胸が少し膨らんでいるような、膨らんでいないような。
どちらにせよ、その性別の判別は難しい。本来、この者に対してそんな事をする必要はないのだが…………
何物であって、何物でもない。決まった形などを持つ必要はない。どこにでもいるし、いないかもしれない。此処にいて、此処にいないかもしれない。
まさしく闇そのもの。誰でもないから誰にでもなれる変幻自在。ただ分かるのは、彼が危険であるという事だけ。
その異常な雰囲気は、かなり広範囲にまで及ぶ。まるで瘴気のようなそれに当てられた者は、吸い込まれるように彼の元へと辿り着くだろう。

「…………今宵も、楽しめそうだ」

男なのか女なのか、どちらとも取れる不思議な声色で、彼は呟いた。
152 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/25(木) 20:07:04.74 ID:o4K4el8PO
/おうふ…急用が入ってしまったのでお返しできるのは9時半くらいになるかと思います…
153 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/25(木) 20:10:31.40 ID:gustsi8lo
【突如現れた《夜》。この街も、その《夜》の圧倒的な暴力に依って半ば消滅した】
【その中で、比較的被害が小さなビル。普段は生き残った者達の寄り合いの場として機能しているその屋上に、女は居た】

「――――――……」

【脚部に大きくスリットが入っており、頭のウィンプルから金髪がはみ出ている事を除けば、極々一般的な修道女だ】
【本来満月が在るべき方向に向かって、2つ掛けた十字架のネックレスを握り、祈る。……人として生きる者なら、願いは1つしか無い】

【《夜》に覆われた世界。にわか雨のように突然降ってきたかと思えば人を喰らい、物を喰らい、世界を喰らう魔獣の群れ】
【満足したのかまた唐突に帰っていき、人々がその復興に本腰を上げかければ、また暴虐の限りを尽くしに地に降り立つ】
【……人間だけを疲弊させていく無限地獄は、この女の精神にもやはり負担をかけていた】

「……そろそろ配給の時間ですか……。私もお手伝いに……」

【"満月"から背を向け、自然と――或いは空元気の様に――柔和な微笑みを顔に戻せば、ビルの階下へと降りていく】
【此処は人々の寄り合いの場所。誰かと何処かですれ違っても、そしてこの女の事を知っていてもおかしくはない】
【"持つ者"の一角、《焔装》。負の感情が具現化したそれを身に宿し、このビルの屋上で毎日祈りを捧げるシスターを風の噂で聞いたなら】
154 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/25(木) 20:15:14.38 ID:32uO6b6f0
>>146

「大丈夫ですかにゃん?」

ふと。杖をついた相手の耳にそんな声が届くだろう。
相手の目の前に立つは、十代後半位の年齢の少女だ。動きやすそうな格好に、何故か耳にはヘッドフォンを付けている。
スピーカー部分から伸びるコードは音楽機器等には繋がれておらず、地面に寸出の所でぶら下がっていた。
声を掛けるや否や、にこりと快活そうな微笑みを浮かべ、相手に話し掛ける。

「お腹が鳴ってましたよぅ。良かったらこれ、食べますか?」

そう言って差し出した少女の手に有るのは、食べ物の缶詰。
尤も、受け取るも受けと取らまいも相手次第だけど。
155 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 20:24:56.19 ID:jyVm89y9o
>>154

――あ、どうも。すいません、丸二日何も食べてないんだよね

【同じ食糧難であるのに自分の分を譲ってくれる少女】
【だが譲ってくれるのであればお言葉に甘え缶詰めを受けとる】
【素手で缶詰めをこじ開け】

ふゥ…助かった…やっぱり魔獣には敵わないな…

【怪我した足の上に乗せてやっと安堵の息を吐く】
156 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 20:25:17.57 ID:yWc0f/+OO
>>144

ちいっ…、躱されたっ……

【巨腕は女の華麗な動きによって容易く回避された】
【その様子を見て、悔しそうに顔を歪ませる】
【この程度で終わってしまうような魔獣など、居ないことは理解しているが】

分かるよ、貴方達はみんな気持ち悪い雰囲気だからね

【魔獣の放つ、不穏で異様な雰囲気】
【其れは特殊な術でも用いなければ、覆い隠せるものではない】

何をっ…!

【女から向けられた人差し指。何か来る…と思って自身の手と同じ程度の腕を顕現させ、体の前に構えた矢先。】
【其れごと少女の左肩下を貫き、貫通して地に突き刺さった】
【鋼鉄並の硬さまで持って行くには、時間が足りなかった】

つああああっ!

【左肩下に奔る激痛、それは少女に悲痛な叫び声を上げさせる】

くうっ…まだまだっ!

【まだ勝敗が決した訳ではない。女が躱した巨腕が女の背中に打撃を与えようと】
【貫かれた腕が再生し、女の腹部目掛けて一直線に伸び行く。その硬さは両方とも鋼鉄並だ】
157 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/25(木) 20:35:50.24 ID:ka+n9Jg2O
スカヤの求める旅は続く。強者を倒し、誇りを守る為に。
先日辺りから潜入した、数少ないニンゲンが潜むこの街でスカヤは昨日のニンゲンのような強者がいるか探していた。

「ーーここのニンゲンは他の街のニンゲン共とは違うナニカを感じる……ゲッソウ使いであれ、エンソウ使いであれ」
「昨日の奴のようなニンゲンがいるのならば、この街は俺を飽かせないのだろうーーー楽しみである」

今まで血が滾るような戦いがあっただろうか。スカヤが戦った相手は最後に命乞いをするなど惨めな奴が多かった…だからこそ、最後の最後まで抗うニンゲンを求めていた。
昨日のように、魔獣を滅ぼす為に生きるような「死狂い」はスカヤを再び闘争本能を剥き出させるのに充分であった。
158 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/25(木) 20:36:41.81 ID:32uO6b6f0
>>155

「どういたしまして〜…って二日間絶食は駄目ですよ!?何してたんです !?」

相手の少年が缶詰を受け取るのを見れば、安心したようにホッと笑顔を浮かべる。
然し、それも束の間。のんびりとした口調からすっとんきょうな声をあげた。
何分、食料支援は配給元である学校ヘ行けば量の制限があるものの、根気よく行けば受け取る事は出来るのだ。
怪我をしているのなら、親切な人がいたら何かしら貰っててもいいはずなんだが……そう少女並みの行きすぎなお人好しはいないということか

「…魔獣?もしかしてその怪我って……」

彼らと戦って?と相手にも問い掛ける。
159 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 20:44:15.24 ID:jyVm89y9o
>>158


子供にシチューを奪われて、立て続けに魔獣に襲われてね…教会犠牲にして助かったよ
見たところ君は――戦えるタイプじゃなさそうだから気を付けた方がいいよ

【苦笑混じりに述べれば缶詰めから口に運び】
【後半部分は少女ががいけんてにに武器になるようなものを装備してないための偏見である】
160 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/25(木) 20:51:50.89 ID:32uO6b6f0
>>159

「あらら、」

これはまた運が悪い人だなぁとか思ったりする。
尤も、本当に運が悪かったら魔獣相手に生きていたかどうかも分からないし…謎だ。

「え?あ、ああ…そうですにゃぁ、確かにたまの力は戦うタイプではないですね。
 ほとんど知り合いはあなたみたいな戦う力ですし、何とも言えないですにゃん。」

相手の言葉にに苦笑気味に答えると、えへへと面目ないと言いたげに頭を掻いた。
161 :春野陽奈 ◆icyNVh3d1g [sage]:2014/09/25(木) 20:53:15.13 ID:ZuG0foZP0
>>157

「飽きるも何も、あんたは此処で終わるんや。クソ魔獣」

【彼の者の後ろから聞こえてくるのは、凜と張り詰めた少女の声】
【彼が後ろ振り向けば10mほど離れたところで、紅白の巫女服を着た少女「春野陽奈」がその目に映るだろう】

「アタシがあんたの求める月装使いやで?
 わざわざ隠れもせず出てきてやったんやから、感謝しいや?」

【余りにも上からな関西弁は、酷く彼の耳を突くことだろう】
【生意気な口を叩く彼女であったが、彼女から感じられるのは余裕ではなく緊張感の伴った殺気】
【陽奈はその手に緋色の太刀を虚空から取り出すと、それを正面に構えて腰を低く据える】
【先ずは様子見。どんな手合いか分からない以上、迂闊に踏み込む勇気が陽奈には無かったから】
162 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 20:56:53.70 ID:jyVm89y9o
>>160

――自分だけでも助かるために月装貰えば?

【彼女の発言を勘違いしてしまい丸っきりただの民間人だと思い込んで】
【空きっ腹のため缶詰めの中身はすぐになくなり】
163 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/25(木) 20:58:55.00 ID:EcEG0I5A0
>>153

「えぇーっ!? なんで駄目なのぉ!?」

ビルの階下に黄色い悲鳴が木霊する。
声色はあからさまにがっかりだが、その周囲の目線に同情の色は一変もなく。
それもそのはずで、声の主はイカれた炎装使い。おまけに各地に出没しては配給所のおじさんおばさんを困らせている迷惑女、赤白の悪魔こと茶毘川 端子であれば最悪の部類だ。

「まだ三杯目じゃん、ケチー!」
「ね、あとちょっと……先っちょだけ、さきっちょだけだから!」

怒ってみたり目を潤ませたり、終いには荒い息で食料の山へにじり寄る白髪の赤ジャージ。
手にはちゃっかりスプーンとアルミ皿を持ち、それを阻止すべくじりじりとスクラムを組む配給員たち。
どちらも一歩も引かず、睨み合いは他の誰かが痺れを切らすまで続けられそうであった。


/まだ宜しければ……
164 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/25(木) 21:01:56.85 ID:ka+n9Jg2O
>>161
「ーーーーームゥ?」
「貴様、女か」

陽菜の言葉に返した言葉はあっさりなモノであった。スカヤにとって強者とは、大概「男」であったからだ……所謂、「女」だからという「アナログ思考」、「ステレオタイプ思考」だった。

「そうか、貴様は「ゲッソウ」使いであるか……果たして、俺の心を満たす戦士か?」
「前は「エンソウ」使いと戦っているーーー面白くなければ容赦はしないと言っておこう」

再び出会えた「ニンゲン」に感謝し、闘争本能を徐々に解放し始める。それは彼の能力、「怪人化」が終わり、戦闘に突入するという事を暗示していた。

//よろしくお願いします
165 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/25(木) 21:02:22.87 ID:32uO6b6f0
>>162

「……え?」

見当違い、というか予想していなかった答えに少女は唖然とした表情になる。
ぽかん、という言葉がよく似合う程。間抜けとも言える顔を暫く初対面の相手に晒し。

「―――ぷ、ふふっ…あははっ!」

その勘違いがなんだか可笑しくて、思わず笑いを堪える事が出来なかった。
相手から見れば、突然少女自身が笑い始めたのだ。怪しく見えても仕方無いだろう。
缶詰がなくなった事には、気を取られて気づかず。
166 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 21:05:22.29 ID:jyVm89y9o
>>165

…? どした?

【高笑いにぽかん、一応真剣にアドバイスしたために首かしげてしまい】
167 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/25(木) 21:14:06.91 ID:32uO6b6f0
>>166

「あははっ…ごめんなさい、ちょっと君が勘違いしてるようみたいで……
 馬鹿にしてる訳じゃないけどね、私、それがおかしくって、つい。」

ぷくくと未だ涌き出る笑いを堪えつつ、相手に事の状況を説明しようとする。
どうやら少女はかなりの笑い上戸であるようだ。それも変な所にツボリところのある。

「これ。たまの月装なんですにゃん。
 あんまりにも日用品っぽいから、勘違いされがちなんですけど。」

そう言ってトン、と耳に嵌めたヘッドフォンをつつく。
一見普通のヘッドフォンのようだが、よくよく見れば所々明滅をしている事が分かるだろうか。
それは正真正銘、少女が持つ月装であることを表している。
168 :春野陽奈 ◆icyNVh3d1g [sage]:2014/09/25(木) 21:14:23.66 ID:ZuG0foZP0
>>164

「なんやお前、女やから弱いとでも言うんか?」

【スカヤの言葉に少しだけ頬を膨らませる陽奈】
【自分自身の技能に関してはこれまでの戦闘を通して若干の自信を得ている】
【ただ、目の前の魔獣に勝てるかどうかもわからないことは重々承知していた】

「焔装使いには及ばんかもしれん。けどな化物、あんたを[ピーーー]って意志は誰にも負けんつもりなんや、でッ!!」

【強く地を蹴り、スカヤへと向かって駆け抜ける陽奈】
【その速さは並の人間のものではなく、人外のそれと言ってなんら問題はなかった】
【スカヤとの間合いを詰めるないなや、手に持った太刀「緋之遥」を横一文字に振り抜く】
【研ぎ澄まされた一閃は大岩をも両断するほどに鋭い】
169 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/25(木) 21:15:56.20 ID:gustsi8lo
>>163
【階下から響く悲鳴のような声に慌てて階段を降りれば、そこには睨み合う1人と数人の姿】
【片方は配給員、そしてもう片方は聞いたことが有った。各地の配給を狙って忍び寄る"赤白の悪魔"が居るやらなんやら】
【このまま睨み合ったままでは、配給もままならない。ふぅ、と溜息を付けば両者の間へと歩いて行く】

「……そんなに足らなければ、私のを少し差し上げましょうか? 確か……茶毘川さん、でしたよね?」

【ニッコリとした笑顔で割って入れば、そう言って手を差し出す。どうやら、彼女の持つアルミ皿を要求しているようで】
【彼女が素直に手渡せば、鼻息混じりに配給の食料を皿へと盛っていくだろう。半人前では有るが】
【そして自分の分としてもう半人前もよそえば、再び彼女の元へと歩いて半人前の配給を手渡すだろう】

「少し、お話をしませんか?」

【ニコッと笑って、そう話しかける。……と、その後ろでは配給員たちにジェスチャーで「配給再開」の合図】
【つまりは"赤白の悪魔"の配給から遠ざけるための処置なのだが、女としては、彼女の話というのも少し聞いてみたかった】
【イカれた焔装使い。その心の底は、何だか悪い人じゃない気がして】

/よろしくお願いします!
/……ですが少しお風呂に行ってくるので返しが少し遅れそうです……すいません!
170 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 21:22:05.97 ID:jyVm89y9o
>>167

――これが?まじで? …ヘッドフォンじゃん

【杖を使って立ち上がり彼女の頭見下ろしヘッドフォンをつつく】
【明滅は発見するが――というよりこんな機械的なものがこの現代にあるのも今思えば不思議なことだが】

どういうのなの?これ

【興味津々に尋ねてみれば再び座り】
171 :シャルル・フルラ・モンブラン ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 21:24:39.67 ID:CvdA66Ujo
>>156
 「ふぅん、気持ち悪いだなんて、貴女中々言ってくれるじゃない……?
  これでも完全に人間になりきれていたと思っていたのだけれど……
  まぁ、それにしても…――実に不愉快ね、貴女」

 不愉快と感ぜさせた少女の言動、而して女は笑みに歪ませていた表情を憤怒へと変える。
 少女を狙い穿とうとした闇を防がんと顕現するは血色の悪い巨腕、然しそれをも貫く闇は。
 そのままに、少女の左肩下部を射抜き、コンクリの地へと突き刺さった。
 
 夜闇を劈くような阿鼻叫喚が痛みに依って少女から絞り出される。
 それを憤怒への表情を以って見詰めるは女、無言のままに闇を少女より引き抜き消滅させた。
 
 「あら、貴女もしかして、私に防御力が無いとでも思って? 
  そうだとすればとっても、―――愚かなことね」
 
 前後より迫り来る巨大なる腕(かいな)、それは正に女を平らに押し潰さんとしていたが。
 突如振り上げられた両の腕、而してそれに指揮されたかの様に鮮やかに顕れた闇の質量は大きく。
 然しながら形状は寒天状、それを自信を覆う様に顕現させた。
 だがそんな事は微塵も気にせず突っ切ってくる。故に腕は闇へ衝突す。
 然し寒天状の闇故その場で止める事とは叶わず、精々勢いを殺す程度。
 
 だがそれだけでいい。勢いを殺す程度でいいのだ。
 何故ならば、――その状態で闇を固形へと変質させれば腕は言わずもがな停止する故に。

 もう一度振り上げられた女の片腕、斜めに振り下ろされる。
 そして始まる寒天状闇の固形への、

 ――変質。



/返信遅れました。申し訳ありません。
172 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/25(木) 21:27:21.06 ID:ka+n9Jg2O
>>168
「ーーーーフッ!」

「変身」を終えたスカヤは少女の持つ刀に警戒し、距離を取る。
少女の放つ剣撃は玄人ーーーいや、それ以上か。多分経験者なのだろう、身体にブレがあるとは見えず、隙もなかなか見せない……スカヤはまた嗤った。


「フム、貴様は剣士か…面白いッ!」
「ならば俺も剣とは言わないが…「刃物」で応じよう!」

腕からクワガタの顎のように鋭く、奇妙に曲がった爪を生やし、頭からまるでニホンのカブトムシのような角を生やす。
その姿はスカヤを全力にさせるモノであり、少女の刀に応じる為、一気に近づき爪を突き立てた。

「ーーーだが、あまりに強気では弱々しく、見栄を張っているようにも見えるぞーー!」
173 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 21:32:35.78 ID:FauCxINP0
【都市の入り口にてふわり、揺れる銀色の癖っ毛】
【人形じみた薄ら笑いを浮かべながら、ゴシックドレスの少年が都市に一歩足を踏み入れた】
【小柄な体、中性的な顔立ち、その少年は性別があいまいで、そして】
【全身から放つ異様な雰囲気は、少年が人間であるかどうかもあいまいにしていた】

さて、と・・・・・・
どんな人間がいるかな

【武器らしきものは見当たらず、殺気を放つこともなく、少年は無防備に都市を歩き始める】
【少年は『魔獣使い』 その気になればここを魔獣で埋めることもできるのに】
【そうしないのは、少年に人間の殲滅以外の目的があるからか】
174 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/25(木) 21:32:38.71 ID:32uO6b6f0
>>170

「んにゃぁ、端的に言えば、これを着けていれば遠くの音でも何でも聞こえますって能力ですにゃぁ。」

コン、と相手がつついた事によって鼓膜はプラスチック素材を弾く音に震える。
…否。先程から彼女の耳はヘッドフォンで耳を覆われているにもかかわらず、しっかりと周囲の音を鮮明に捉えていた。
それは例えば、風に震えるガラスの音だったり、建物の向かいで話す人達のお喋りだったり
目の前の相手である彼の、小さな小さなお腹の音であったり。様々だ。

「状況にも寄りますが、一応は1km先の物音迄なら把握できますにゃん。
 たまは純粋な戦いではなく敵の探索装置として戦闘に同行させてもらってます」

そう誇らしげに、答える。
一対一では分は悪い能力に思えるが少女はそれに満足しているようであった
175 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/25(木) 21:33:43.45 ID:EcEG0I5A0
>>169

互いの牽制が続く中、不意に皿が(女の主観として)掠め取られる。
すかさずむっと睨みつけるが、よく聞けば食事にありつけるとの事。
これは喜ばしいと、野獣のギラつきだった顔に一挙に笑顔が戻る。

「おお! ……えっと――何とかのシスターちゃんじゃん!」『そりゃもう只のシスターだ』

風の噂では焔装使いの修道女がこの辺りを仕切っているとか。
噂に無頓着な女だったが、そこに何処からともなく現れた首だけピエロが耳打ちしてそれを教える。
半盛りの皿を受け取って曰く

「よかろう! 三分だけ待ってやる。その間にご飯を補給するがよいぞ!」

確かに悪い奴ではないのかもしれない。しかし良い奴とも言い難く。
少なくとも善人であれば、彼女の厚意と配給員の苦労を無に帰すような台詞を吐いたりしない。それもこんなキラキラ笑顔で。
尤もその喜色は、単に食事を得られた歓喜のみで占められているだったが――――
皿に視線を釘付けにしながら、今のところ相手に従う女とにやにや笑っているピエロ。傍から見れば(見えれば)あっさり手玉に取られた風だろうか。


/了解です、ごゆっくりどうぞ!
176 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/25(木) 21:34:50.69 ID:NlF7IzfP0
「ハッ、雑魚が群れをなしてうじゃうじゃと」

魔獣に囲まれているガルバ
その足元には一体の魔獣の死体が転がっている
こいつを倒した直後に囲まれたことから考えるとどうやらこいつが能力を使って仲間を呼んだらしい
やけに弱かったのはそのせいか、と周りの魔獣を睨みながら考える


「来いよ、まとめて相手になってやる」

直後、魔獣の死体を正面に蹴り飛ばし相手が怯んだ瞬間に魔獣の頭部を殴り、その頭部を砕く
それが合図となったかのように一気に魔獣が襲いかかってくる
幸いなことに強力な能力や相性の悪い能力を持った個体がいなかった為、孤軍奮闘しその数を残り数体まで減らすも徐々にダメージを負い始める

「クソッ!!」

一体一体なら問題はないだがこうも数が多いとさすがに不味い
どうにかして逃げるべきか
撤退を考えつつ戦っていると、その背後から一体の魔獣が迫る
ガルバは正面の敵に気をとられているせいでその存在に気づけない
そして、ガルバの後ろで魔獣の拳が振り上げられ―――
177 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/25(木) 21:38:07.09 ID:l2zNvkCZo
>>173
ここは廃ビルと住居地区の境にあるダイナーの一軒。
プレハブ型のファミリーレストランといった所だろう。
中の食料や物資の類は全て持ち去られているのは他の施設と同じだ。

「よし、今日も異常なしかな」
カジュアルな佇まいの女がダイナーの屋根の上を陣取り、辺りを見渡している。
異様な雰囲気や殺気の類は外にゴロゴロといる。
しかし彼女にとっては取るに足らないもので、片っ端から殲滅する柄でもない。

「嫌な風、大物が近い…」
目を細め、大きく溜息をつく…彼女はただの見張り番のようだ。
彼女もまた他の人間達と違い、殺気がまるでなかった。
178 :春野陽奈 ◆icyNVh3d1g [sage]:2014/09/25(木) 21:39:04.65 ID:ZuG0foZP0
>>172
「ッ!?」
【突如スカヤから現れたのはカブトムシのような1対の角とクワガタのような2つの鎌】
【その二つは一目でわかるほどに鋭利で、大いなる危険性を孕んでいることをひしひしと陽奈の肌へと伝えている】
「相変わらず、あんた等気持ち悪いなあ。もっとカッコ良くなったりできひんのか?」
【減らず口もここまでくれば賞賛もの。何処かスカヤを挑発しているようにも見える】
「そんなもん、止まって見えるで!
【突き付けられた爪を右方へと跳ねて、危なげもなく避ける】
【と同時に隙を見せる事も無くスカヤと同じように、右手に持った太刀を全力で突き出す】
【狙うはスカヤの右脇。寸分の狂いも無く打ち出された彼女の一撃は当たってしまえば確かなダメージを与えることだろう】
179 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 21:41:39.18 ID:jyVm89y9o
>>174

なるほど――…サポートタイプか
それに…誰よりもいち早く逃げられるな…

【敵の接近にいち早く気づくことができる利点――】
【発言の後半の部分にいち早く気づけば…】

――たまちゃん。俺の名前は吉永 藤治。これから仲良くしようぜ

【握手を求めるように手を差し出す】
【気持ち悪い、裏のある笑みを浮かべる】
180 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 21:42:44.39 ID:3uZp0xGZo
 瓦礫の森に潜むようにしていた黒いケモノは目を覚ました。
 全身の傷は魔獣特有の回復力で癒えつつあるが、未だに引き攣るような痛みを残す。
 万全ではないが八割方のちからは出よう。黒いケモノは瓦礫の森を後にした。

「ひっ――バケ……っ!」

 と、ひきつる《人間/エモノ》の声。それを一顧だにすることなく右爪で切り捨てた。
 出会いがしらに恐怖に震える非力な《月装/ザコ》を倒して躰の調子をたしかめる。
 やはり万全ではない。しかし戦うには十分だと確信して、黒いケモノはあたりを見回す。
 物言わぬ《肉塊/ガラクタ》を黒い霧で跡形もなく削り取り、黒いケモノは徘徊を始める。

 この身に纏う人間の血という香水が、獲物を引きつけてくれるはずだと思いながら。
181 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 21:47:45.90 ID:+EMdP9oa0
>>173
ちょうどその時刻。自警団の一員として見張りの任務を任された少女がいた。
二人体制で、という少女の要望は人手不足との理由で断念されたった一人でその場所にいたのだ。

(私も運が悪いのかなぁ)

遠くから近づいてくるのは魔獣の雰囲気を伴った少年。ならばやることは決まっている。
とある崩れかけた建物の横を少年が通り過ぎようとしたその瞬間、上から少年へ飛びかかる姿があった。
右手に握られているのは剣の《月装》。迷いも無くそれは少年の首へと目掛けて振るわれた。
182 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 21:49:47.05 ID:FauCxINP0
>>177
【きょろきょろと動く少年の視線はダイナーを捉え】
【その屋根にたたずむ女性を発見する】

・・・・・・人間だ

【小さな声で、嬉しそうに呟けばダイナーまで駆け寄って行き】
【屋根の女に手を振ってみる】
【少女からは殺意や敵意は感じないし、少年の目的である『質問』ができるかと考えての行動だ】

【手を振る少年は、女からは異常に映るだろう】
【こんな壊れた世界でやけに豪華な衣服をまとい、それには埃り一つも付いてないのだから】
183 :紅【大鎌型月装】</b> ◇IGAxpayaDs<b> :2014/09/25(木) 21:50:51.36 ID:MqRgBhtJ0
>>176
――――ふっ!
【ガルバに向けて拳を振り上げた魔獣が突如現れた青年によって吹き飛ばされる】

・・・・・ちっ、やるしかねぇか
【青年はそう呟くとどこからか大鎌を取り出し魔獣達に向ける】
今度は俺が相手だ、魔獣共
【そう言って魔獣の群れへと駆け出す】
184 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/25(木) 21:50:55.37 ID:xY0oR8bwo
>>176
獣の徘徊する先、一人の人影が存在していたのを認識できるだろうか。
そこにいたのはずるずるとトレンチコートの裾と袖を引きずりながら歩く、一人の少年だ。
一歩分近づく度に、染み付いた死臭と腐臭と血臭は濃厚さを増していく。
俯きがちに歩いていた少年は、その顔を上げる。比較的整っているが、どことなく不気味さを感じさせる笑み。鋭い犬歯がギラリと闇に煌めく。

「――なんダ。《同類》カ。
そうでなけりゃ食ってたのにサア。……美味しそうな匂イしてるジャん?
臭いかラして、月装使いっテ所かナ?」

破綻者としての存在感、異質感。それらは、もはや人をはみ出した存在と言える。そう、それは人ではない。
人の形をしていたが、そこにいたのは所謂魔獣という存在。
すんすんと鼻を鳴らして、相手の獲物の正体を考察しつつ、殺意でも悪意でも敵意でも好意でもなく食欲≠少年は相手に向けていた。
少年の足元を見れば、地面が凹んでいる事が分かるだろう。この少年、少年の姿をしているが、明らかに少年ではなかった。

//12時頃までですが、それでもよろしければ宜しくお願い致します。
185 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/25(木) 21:51:02.45 ID:ka+n9Jg2O
「ッ……」

闘争本能が功を奏したか、皮一枚を犠牲にして、剣撃を受け切る。

「───フフッ、ハハハ!!」

そして、魔獣から発したのは明らかな嘲笑。少女の攻撃に対するモノだった。

「その剣撃、実に面白い──だが、その玄人に毛が生えた程度の「ゲッソウ」で俺を倒そうと思ったのが誤りだったな」

その瞬間、スカヤ自身の身体から電気が周辺へ放出される。
いくら「ゲッソウ」とて、太刀であるならば鉄、もしくは鋼で出来ているだろう。ならばこの電気は直ぐに太刀に伝わり、本体に間接的にダメージを与えるだろうと踏み込んだスカヤは電気を放出したまま、廃ビルの壁を走り、屋上へ跳ぶ。

「その身体、俺の蹴りで鎮めてみせよう」

そして繰り出される電気を帯びた飛び蹴りは少女へ向かう。もし当たれば、その一撃は彼女に致命的なダメージを与えるだろう。
186 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/25(木) 21:51:38.88 ID:xY0oR8bwo
//すいません、安価ミスってます
//>>184>>180当てです
187 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 21:51:40.99 ID:+EMdP9oa0
//>>181は無しでお願いします
188 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 21:53:04.99 ID:FauCxINP0
>>187
//一応私は複数でも大丈夫ですが、なしでよろしいですか?
189 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/25(木) 21:54:50.83 ID:gustsi8lo
>>175
「アンナ=ラウレベッカと申します。貴女のことは知っていますよ、"赤白の悪魔"さん?」

【突如現れた首だけピエロに最初こそ少し驚いたアンナだったが、元の柔和な微笑みを取り戻すと自らも自己紹介】
【ニコリと笑いかけてはいるが、少々皮肉った言い方なのは彼女を軽く諌めている(つもり)だからだろう】

【うわさに聞く悪魔がこうもあっさりと人の話を聞いてくれることに少しだけ意外そうな顔を見せるが、それもすぐに消えて】
【あちらで話しましょう、と近くの3人掛けソファを指さして歩いて行く。と、同時に悪魔を配給場所から離す】
【どうやら3分待ってくれるようなので、その言葉に甘えて自らの配給を食べることにした。質素な物だが、やはり食べ物は偉大だ】
【大勢の子供が配給へと群がっているのを横目に、配給は半分だけ食べてアンナは彼女へと話しかける】

「ありがとうございます、待って頂いて。
 配給の食料を奪い去っていく、だなんて悪名高い"悪魔"の貴女ですけど、お優しいのですね。少し驚きました」

【噂だけでは分からない物も有るということを改めて思うアンナ。まぁ、余りに悪質ならば噂だけでは留まって居ないはずでは有るが】
【ふと彼女の側を見れば、ふわふわと宙に浮くピエロの首。……やっぱり気になる】

「……あの、そちらのピエロの方は何方ですか?」
190 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/25(木) 21:55:01.39 ID:l2zNvkCZo
>>181
「勝手なエンゲージは避けてもらおうか。
 まぁ、道に迷った子猫ちゃんが取る行動じゃないよね…」
遠くの飲食店の屋根から声。彼女がキャンプしていた地点だ。
増援は見込めそうだ。

>>182
「残念ながら2対1だ。まんまとネズミ捕りに掛かったな」
三日月状に女の口元が歪む。
別の存在が少年へと突撃していったのだ。
殺気は未だ感じられない。突っ込んだ仲間を援護する気も無いのだろうか。
191 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 21:55:34.65 ID:+EMdP9oa0
>>188
/はい、すみません。多人数ロールは時間がかかりそうなので。
/また今度お願いしますね
192 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/25(木) 21:57:29.39 ID:32uO6b6f0
>>179

「ふふん、たまは絶対にそんなことしませんよぅ。
 サポート役を頂いたからには、最後までしっかり役目を全うしますん。」

一応武器は持ってますしね、と付け足しつつ微笑む。
柔らかい笑顔を作ってはいるものの、その言葉にはしっかりとした意思があった。
直接的な力を持たない少女でもこの世界では困窮しがちな戦力。少女自身もそう自覚している為、逃げ出すなんてことは有り得ないだろう。

「藤治さん、ですね。たまはホントの名前は珠悸って言いますにゃん。
 ちょっとした友達でいさせてくださいな。あと……。」

気さくに話せるような友人として、前線に立つ彼等の背中を守る人間として。
少女は返事をすると共に、少し力を込めて相手の手を握り返す。

「―――戦場で出会った時、周囲の様子はたまに任せて。
 皆の命を預かって、戦うから。」
193 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs [sage]:2014/09/25(木) 21:57:59.10 ID:ka+n9Jg2O
//>>185>>178宛です
194 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 21:58:45.05 ID:yWc0f/+OO
>>171

ははっ…、人間になりきれてる?…面白い冗談だね
私も…、貴女が不愉快。今すぐ消えて欲しい。貴女達が来なければ、私達は平和に暮らせてた

【魔獣…少女から家族を、人間から平穏を奪った忌むべき存在】
【一匹残らず屠り去ってやる…と少女は固く誓った。家族を奪われたあの日に】


…だよねー…、それ位予想出来るよ。
でも…さ、こういうのはどうかなー…?

【寒天上状の闇に勢いを殺される二つの腕。少女は其れに特殊な性質を付与する】
【殴ったものを爆発させる、という性質を】
【寒天状の闇が、固形へと変質したタイミングで…双方が先程と同じ様に殴り掛かる。然し、今度は殴打のラッシュが続くのだ】
【そして闇の破壊に成功したのなら、そのまま女に、一撃を入れようとするだろう】

【次いで少女の背中から顕現する三本の巨腕。此れは防御用である為、女に攻撃を仕掛けることはない】
195 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 22:02:07.77 ID:3uZp0xGZo
>>184
 声が聞こえた方へ視線を向ければ、ヒトのようなカタチのケモノが居た。
 疑似餌のようにそういう姿で獲物を狩る魔獣であろうと拙い言葉から判断する。
 人語は話せないが理解は出来る。もっとも、獲物と意思疎通を図るつもりもないが。

 眼前のヒトから向けられるその視線と感情は好意的だとは言い難かった。
 同族ではあっても仲魔ではない。だとすれば相容れることもない。
 小さな姿に似合わぬ密度であることは、沈む地面より察することができた。
 所詮、魔獣。代替可能な装置の一つでもあろう。気に入らないのであれば――、

 黒いケモノは血塗れの指を折り曲げ、自分の方へチョイチョイと揺らす。

 ――掛かって来い。

 黒いケモノを獲物としたいのなら、お前が喰われることも覚悟しろと含めて。
196 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 22:03:16.20 ID:3uZp0xGZo
/時間制限アリならサクっと行きましょう。おなしゃす
197 :リアーヌ・シャリエ</b> ◇CuzworkL76<b> [saga]:2014/09/25(木) 22:04:22.65 ID:TyOR12500
「や……放して!やめなさいよっ……もう!」

「おいおい、つれないこと言うんじゃねえよ」

「戦いばっかの日々にゃ息抜きも必要だろぉ?ちょっとこっち来てぇ、俺らと遊ぼうぜぇ」

夜と魔獣の蹂躙は人間の居住圏に物理的な損害を齎したに留まらない。
否、尤も其れは間接的要因に過ぎないのだが――社会混乱はヒトが性として持つ悪しき心を育て上げ、其れを直接的原因として治安の悪化という結果を以って結実させた。

女戦士リアーヌは魔獣の出現を聞き単身出向き、見事これを撃破したまではよかったが、その場所はこの都市において最も治安の悪い部類に入るスラム街であったのだから幸運でない。
さぁ、見えるだろう、哀れな一匹の雌羊が雄狼の群れに今にも恣に弄ばれんとするのを。

(くっ……一般人相手に「力」を使うわけにはいかないし)
(かといってこのままじゃ敵わないし……どうすればいいの?)

ブロンドヘアーに白皙の肌が美しい女性は苦悩する。両手を完全に3人組の男に抑え込まれながら。
背負っていた一丁のライフルは既にその内の一人に取り上げられている。

嗚呼、所詮「力」がなければ一人の女に過ぎない哀れな者の運命が変わるとすれば、
それは不意にここに訪れる他者によるものであると全く言い切れるのだろう。
198 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/25(木) 22:04:33.61 ID:e3ufj9aMo
人類に残された小さな世界は、大雑把に言って《都市》と、その他の廃墟に二分できる。
その観点から言えば、男が居るのは廃墟の方。中でも異常重力圏の瀬戸際、世界の端点だ。

形容しがたい形にねじくれた金属塊は、元からそういうモニュメントだった……とは考えづらい。
それはきっと、見えない境界線を示す標識。ここから先に進めば狂った力場に押し潰されるぞ、という警告。

「あの子なら、気に入ったかもしれないな。俺には分からないものに、美しさを見出す子だった」


長身の男は冷めた目で向こう側を見ている。
異常重力に守れた境界線上では、ほとんどのモノは無茶苦茶に押し潰されている。
だが中には、かつての遺物がそのままの形を守っていたりする。元は食糧量販店でも立っていたのか、缶詰やペットボトルが目立つ。
そしてそれに目がくらんだのか、中空に浮かぶ捻じ切れた腕が、向こう側の缶詰に向かって手を伸ばしていた。
まだ腐り切っていないところを見るに、最近のことだったのだろう。

「ここまで来る体力がありながら、食料の確保に命を賭ける必要があった理由――衰弱した恋人でもいたのか?」

腕の持ち主について想像を語る男の出で立ちは、タキシードに白ネクタイというもの。妙に整った7:3分けは、ワックスでも使っているのだろうか。
未だに身なりに気を使っている者は珍しい。ほとんどの人類は今日を生きるだけで限界だ。その他のことに手を回す余裕などない。

だから、こんな特徴的な格好をしている奴は、魔獣か、魔獣を狩る者と相場が決まっている。
男の周囲を漂う不気味に黒い霧からすると、前者の可能性が高いか――?
199 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/25(木) 22:06:00.48 ID:jyVm89y9o
>>192

お、おう…

【「しまった」――そう思った】
【責任感たっぷりのセリフ、強固な意思を思わせる物言い】
【そして真剣な面持ち――】

【もしものための逃亡のために協力してもらおうと意図したつもりが――】
【このままでは前線に立たされてしまう、だが時すでに遅し】
【昨夜あれほど敵の強大さを味わったと言うのに――また"あれ"と相対するなど――…】

はァ…宜しくな

【今さらながら"人類の宿命"とやらに嫌気が指してしまった】
【遅かれどそうなる運命にも関わらず――】

――眠くなってきちまった…まだ満足に戦える状態じゃないけど、もしここに危険が迫ってたら教えてくれ…
それと、缶詰めありがとな。…おやすみ。

【欠伸一つ、ぽんぽんと少女の頭を撫でれば座り込む】
【ぎちりと音立てる長いケースに横になって寝息をたて始めた――】

/強引ですがキリがいいのでこの辺で!お疲れさまでした
200 :春野陽奈 ◆icyNVh3d1g [sage]:2014/09/25(木) 22:09:26.64 ID:ZuG0foZP0
>>185

「ぐぁ………!」

【突如として身体に流れるのは激しい電流】
【今までに経験もしたことがないような激痛に陽奈は顔を歪めて、地に膝を付く】
【明滅する視界の中にしっかとスカヤの姿を留めんと駆けて行く彼を見つめる】

「舐めんな!」

【前のめりになるように、前方へと跳んでスカヤの蹴りを間一髪で回避する】
【スカヤの蹴りが当たった地面はまるでクレーターが出来たかの様に崩れその威力の高さを物語る】
【当たっていれば一溜まりも無かっただろう】

「刀(コレ)だけが月装(チカラ)や思うたら大間違いやで?」

【陽奈はスカヤと5m程の距離を取り、体制を立て直す】
【口角を上げて、微笑う陽奈。未だ力の差に絶望すらしていない明るんだもの表情だ】
【そんな彼女に呼応するかのように彼女の手に持った太刀が煌々と輝き出す】

「これがアタシの刀、緋之遥や」

【刀が纏うは太陽の炎。神秘的で邪を討ち払う聖なる炎】

「丸コゲにしてやるでぇ!」

【陽奈は間合いも詰めること無いままに強く右足を踏み込んで、その真炎纏う太刀を再び横一文字に強く振るう】
【真炎はやがて一つの刃となり、スカヤを両断せんと一直線に唸りを上げて進んでゆく】
201 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/25(木) 22:11:06.36 ID:NlF7IzfP0
>>183
「ラァッ!!」

目の前の魔獣をなんとか倒し他の魔獣はどこかと辺りを見回す
そしてその時視界のはしに移った拳を振り上げる魔獣の姿
不味い、と咄嗟に腕で頭をガードしようとするがもう遅い
その拳は無情にもガルバに向けて降り下ろされ―――

「…なに?」

いつまでたっても衝撃がこない
どう言うことだと後ろに振り返るとそこには大鎌をもった青年と吹き飛ばされた魔獣の姿が
どうやら助けられたようだ、一応礼を言うべきかと声をかけようとするがすでに魔獣のもとへ走っていっている
そして一息つく間もなくこちらにも二体の魔獣が迫る

「てめぇが誰かは知らねぇが一応礼は言っておこう」
「見たとこ月装使いみたいだな、ヤバくなったら言え借りは返してやる」

どうやらこちらに会わせて残りの魔獣も別れたらしい
ガルバには主に打撃系の攻撃をするであろう魔獣が二体
紅には腕が伸びるなどの能力を使う魔獣が二体だ


202 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/25(木) 22:11:27.36 ID:EcEG0I5A0
>>189

「酷い! 一文字もあってない! アイアムHASHI SABIKA〜WAデスから!」

見当違いな抗議を上げながら、大人しくとことこついて行く女。当然ピエロもその後ろをふわふわと。
ソファに腰かければ頂きますと二人して手を合わせて――――


「え、ベッキーなんか言った?」

相手の、評価を改めるような言葉を一蹴するようなとぼけ声。返事はするがその視線は2分以上前から列を為す子供らに釘付けで。
女の皿の中身はといえば遠の昔に空で、最初から何も入っていなかったかのような光を放っている。
先程の宣言は相手ではなく配給所へ向けての一時の情けであったのが窺い知れよう。

『訊くまでもなく分かってるんじゃねーのかい? オレ様はコイツの恋び「あ、そんな事実はないんで」

代わりに答えようとするピエロの顔に、皿の底を盛大にめり込ませて笑顔の女。
話があるとはこんな内容だったのだろうか。足元に首を踏んづけたまま、不思議そうに相手を見つめる。
203 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/25(木) 22:11:58.65 ID:xY0oR8bwo
>>195
相手が挑発するように指を揺らした。その直後に――、少年は破顔した。
嬉しそうな、そして乾いた表情。表情に餓え≠ェ表出し始めた。じゅるりと唾液をタップリと含んだ舌で唇を舐める。
敵意も殺意も悪意もなく、純粋な食欲と好奇心だけで少年は、相手に敵対する事を決定した。

「――ハ。なんだ、同類だかラ遠慮してたのニサ。そっちガそのツモりなら、そうスルさ――――」

袖が揺れて、静かに両手が少年の眼前で合わせられる。それは、誰もがこの国で暮らす以上一度は礼儀として習ったことのある物。

「――――いただきます=v

食事前のいただきます。それを契機として、少年はもはや少年ではなくなった。
コートの表面が黒く染まり、コートの背を突き破って生える、10本の腕=B
腕は数十の関節を持つ4mほどの長さを持つ異形の腕でありながら、その先端には人間の手のひらを保持していた。
それぞれの手のひらには、鋭い牙をもった人間の口が存在している。そして、その腕が風切り音と共にしなり、直後。

「サあ。お前の味は何味ダ動物――!!」

10本の腕が、相手の四肢、胴体、顔へと伸びていき、その手で相手を拘束しようとする。
もし、触れたならば手のひらの口が相手の肉体へと喰らいつき、食らいつかれた部位が霧≠ノ還元され、少年に取り込まれる事となる。
少年の能力は、単純明快な捕食。触れたものを補食し、己とし無限に成長し続けるというだけ≠フ能力だった。
204 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 22:14:06.67 ID:FauCxINP0
>>181>>190
【ダイナーへ駆け寄った瞬間、ただでさえ暗い視界がさらに暗くなった】
【その正体は影。上空から少女が首へ剣を振り下ろし―――】

ッ!!

【間一髪、上体を思いっきりそらして断頭は回避するが】
【剣は少年のドレスを引き裂き、白い足が露になる】

まいったな・・・・・・戦う気はなかったんだけど。
それに、この格好も気に入ってたんだけどなぁ・・・・・・

【はぁとため息をつく少年は心底残念そう】

まあ、どうしても僕を殺したいなら相手するけどさ
―――四対二で、ね

【露になった足、それに巻かれたホルダーから小剣を引き抜き、地面に突き立てる】
【少年の能力は物質を魔獣へ変えること】
【三箇所、地面が盛り上がりそれが人型へ、人狼形へ姿を変える】

いけ 『ワーウルフ』

【少年が小剣を振るうと同時、三対の人狼が日向へ襲い掛かる】
【一体は爪を振り上げ、一体は口を大きく広げ噛み付こうとし、一体は飛び掛り攻撃しようと】

さて・・・・・・四対二とは言ったけど、君は数に入れていいのかな?

【いまだ殺気を見せない有子を見つめて】

//長くなり申し訳ない・・・・・・
//生成した魔獣へは確定で攻撃を当てても殺しちゃっても大丈夫です!
205 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/09/25(木) 22:19:21.36 ID:mhCN8WYHo
>>197

ぼんやりとしたオレンジの明かりが近づいてくる。何とも無い、ランタンの明かりだが
夜に覆われた都市には、今の人類には明るすぎる。それはある男の右手に握られていた。

彼は道の真ん中をポツポツと歩いて近づいてきた。騒動に気がついていないかのように
避けもせず割り込むこともなく近づいてきて、少しの間じぃっと黙って立ち止まった。

男がカーキ色の古いコートを着ていた。暗くてよくは見えないが大きな麻袋を持って担いでいる。
短いブロンドの髪の男。若くはないと示すシワが頬と目尻にある。背は高くないが高圧的な冷たい青い目と左目の眼帯は
威圧感と殺気をコレでもかと言うほど醸し出していた。さらに、暗くて見えなかったがスリングベルトで
古いライフル銃も背負っているらしい。珍しいことではないが更に威圧感は増す。

「ふん…。魔獣のほうがマシだな。」

一言だけ冷笑とともに投げかけると、勝手にしろと言わんばかりに一歩踏み出した。騒動を避けて道を進むようだ。
そう、彼は助けるでもなくただ皮肉を言いたいがために寄っただけだったのだ。
206 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/09/25(木) 22:20:46.39 ID:32uO6b6f0
>>199

「ん!よろしくです!」

にっこりと笑い、相手に意気揚々と返事を返す。相手が何だか複雑そうな面持ちであることなど露知らず。
少女本人は至って満足そうに、超絶任せなさいと言わんばかりの自信の持ちようである。
因みに、少女が魔獣と相対した回数は極めて少ない。一番近付いたのは確か死体だった筈だ。
生きている彼等を間近で見た時、少女がどんな行動を取るかは――その時次第といったところか。

「お任せですにゃ!…ってあれ?ここで寝ちゃうんですか?おーい……もう、」

危機感があるんだかないんだか、とそのまま眠ってしまった相手に呆れつつ。
ぽふんと相手に撫でられた頭部を改めて自分で触ってみる。…頭を撫でられるなんて、いつぶりだろうか。
その行動にまだ幸せだった頃の思い出が甦り、笑う。悲観ではなく懐かしみに思いを馳せて。
世話が焼けるなぁと言わんばかりに、くるりと相手から視線を剃らすと足取り軽い様子で何処かへと向かう。
それからどのくらい経ってか、彼が起きた時にはタオルケットが掛けられていることだろう。

/はい!こちらこそ絡み乙でした!
207 :シャルル・フルラ・モンブラン ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 22:21:15.21 ID:CvdA66Ujo
>>194
 「あらそう…――それは大変だったこと」
 「でも貴女の事情なんてどうでもいいの、ただ単純に不愉快、だから死んでもいいわよ」

 闇の中、爆ぜる腕、暗中に散りばめた闇が固形となって女へ迫り来る。
 然しながら闇の破片は果たして女の下へは届かず終いに、眼前で消滅してしまっていた。
 だが爆風は届く。それは勿論の事であり、やや強く闇翼を羽撃かせて滞空を保ち体勢を立て直す。
 而してそれに追い打ちの如く幾度も振り抜かれる両腕は異常な程に巨大だ。
 当たれば負傷は腕の大きさに比例して増大する事にまず間違いは無かった。
 
 ならばもういいと、背部を覆っていた闇翼を一遍に消滅させれば。
 滞空の為に必要最低限のものを失った身体はただ単に墜ちていくだけである。
 数発の殴打を擦り抜けて墜落する女。落下点にはクッション代わりに闇を創造。
 而してもう、女は空気抵抗を受けつつただ墜ちてゆくだけ。

 「チッ……腕が頬に掠ったわ……」

 クッション代わりの闇の上に墜落、周囲を睥睨しながらに立ち上がる。
 墜落の際幾度も振り抜かれていた拳が何度か女の体躯へと掠ったのだろう。女には所々青痣が在った。
 暫時周りに睥睨を与えた後、最終的に向けるは少女の方向。護身用に三本の腕が顕れていた。
 女の立つクッションが蠢く、暫くして液状と化してドロドロと女を中心にまるで水溜りの様に象った。
 
 「私の肌に傷付けるなんて……
  ――不愉快で不愉快で不愉快、不愉快極まるわ」

 而してまた蠢く水溜りのように拡がった闇は巨大な腕、まるでそう、女と相対峙する少女の顕現したそれさながら。
 それが一対、詰まるところ合計二本、ずぶりと水音を立てて水溜りより顕る。
208 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/25(木) 22:21:27.07 ID:MqRgBhtJ0
>>201
あ?礼なんかいらん、まずはこいつ等を倒すぞ
【飛び上がり魔獣に斬りかかるが寸前で回避される】
ちっ、外した・・・・・っと!
【魔獣が腕を伸ばし攻撃して来たのを防ぐ】

2体か・・・・・この程度ならさっさと終わらせられるな
【魔獣に向け鎌を振るう】
【すると刃から斬撃が飛び出し片方の魔物を切り裂く】
・・・・・まず一体
209 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/25(木) 22:22:02.41 ID:l2zNvkCZo
>>204
「まー、想定の範囲外なんだよねー。この増援って奴は…
 ああ、対話の時間も想定の範囲外なんで…」
後衛の女は両手に異形の銃を展開する。
黒に黄色のラインの入った短銃。二挺拳銃の《月装》だ。

「5カウントだ。一匹は何とかしろよー」
人狼の二体目掛け、銃を構える。射程内で“この距離からでも届く”。
二体に対し、突っ込んだ少女を遮るように弾幕を展開。
ネオンサインのような、極彩色の弾丸が束となって放たれた。
行動を遮るか、自身に標的を変えさせるつもりだ。
210 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 22:26:20.23 ID:+EMdP9oa0
>>190
「その声、有子ちゃんだよねぇ!? どう見ても余裕ぶっこける相手じゃないから! 助けてください死ぬ!」

この場に一人かと思えば思いがけない援軍。《月装》同士でも情報統制がガタガタじゃねーか、と心に悪態をつくがその一方で安堵の感情もあった。

>>204
「戦う気がない!? ならこんな場所にいるのさ!」

三体のワーウルフ。この急な召喚に自分一人の力でどうにかするには無理がある。
とりあえず、真横に横っ飛びして相手の攻撃をかわそうとするも爪が右腕をかすめた。
怪我は重症ではないらしい。着地後、次の攻撃相手の攻撃に対処する為、そして囮となるために剣を構えた




211 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 22:26:45.83 ID:3uZp0xGZo
>>203
 異形に成り果て、背中より蜘蛛の節足にも似た多関節の腕を伸ばしてくるそれを視認。
 餓えたケモノは遠慮もない。黒いケモノも別の腹が飢えている。
 先日、獲物を殺しそこなった餓え、渇きをこのヒトで埋めて満たそう。
 黒いケモノの全身より溢れ出るは対流する濃密な《黒い霧》である。それを放ちながら、脚を撓めた。

 腕が到達し《黒い霧》に触れる。対流する霧は腕を削り始めるが、その黒いケモノは違和感を覚えた。
 《黒い霧》が《霧》になり、ヒト型魔獣へ吸い込まれているのが見えた。牙をむき出しにしてケモノは吼える。
 削れながら《黒い霧》を突破してきた腕の手首を二本、両腕の爪で斬りつけ弾いた。
 同時、撓んだ足のバネを解放、ヒト型の魔獣へ向かって砲弾の如く突進して《腕》の内側に入り込む。

 掠めた掌の口で脇腹を軽く齧られ霧に変えられながら、《黒い霧》を集束、対流させる。
 形状は乱気流のように回転する三角錐。それを以て表皮を貫き、内部の生命エネルギーを枯渇させるつもりだ。
 宵闇のように暗く満ちる《黒い霧》を、ヒト型魔獣の胸部へ向けて放った。
212 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs [sage]:2014/09/25(木) 22:26:47.55 ID:ka+n9Jg2O
>>200
「────何ッ!?」

自分の蹴撃を避けた彼女が持っていたのは即ち「夜」を断ち切るが如く煌めく「太陽」。
スカヤにとって天敵であり、弱点とも言えるものであった。

「SHHHHHHAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」

その炎に恐怖を感じ、雄叫びを上げ、陽菜に向かって全力の電撃を放つ。炎は電撃を切れないが、電撃も又、炎を切れない。
スカヤはその斬撃と自分の電撃で相討ちに持ち込ませようとした。
運良く、彼女は電撃を受けたばかりであり、普通のニンゲンの身体であれば、さっきのような機敏な動きは出来ないであろうと予想し、爪に電気を帯びさせ、そのまま防御の体制を取る。

自分が今出来る、あらゆる手は打った。後は斬撃と電撃、どちらが当たり、自身に何処までのダメージを負わざるを得ないか。
213 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/25(木) 22:28:12.13 ID:gustsi8lo
>>202
【彼女の何も聞いていなかったかのような表情と言葉。見れば、彼女のお皿はとうにすっからかん、目線は配給場所】
【"赤白の悪魔"。その噂は正しく本当だったのだと実感する。優しいという評価、間違いではなかったとは思うが……】
【その唐突に付けられたアダ名も気になるが、まぁそれは気にしないでおくことにして】

「……フフッ、楽しいお二方なのですね。羨ましい限りです」

【彼女とピエロのやりとりを見ていると、何だか《夜》なんて忘れてしまいそうになって。思わず小さな笑い声を漏らしたアンナ】
【―――本当に羨ましい。気兼ねなくふざけあえる仲間が居るということは】

【……実際、首なしで生きていられる人間など居ないわけで。ピエロもまた、彼女の能力の一部なのかと軽く推測してみたり】
【足元のピエロから彼女へと視線を戻せば、不思議そうな顔。はっと我に返って、最初から言いたかったことを話し始めた】

「それにしても、貴女の噂は広く届いていますよ。茶毘川さん。
 どうして各地の配給を巡っているのですか? もしかして、量が足りていなかったり……?」

【一番の感心事。それは彼女(ら)が"赤白の悪魔"と呼ばれるほどになった所以だ】
【聞けば、彼女は《焔装》持ちの筈。半分残ったご飯を一口パクリと食べて、彼女の答えを待った】
214 :リアーヌ・シャリエ ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/25(木) 22:32:41.73 ID:TyOR12500
>>205
「―――ひっ、……ぉおい!何なんだよテメエは!?」

「そ、そうだぁ!よ、用があるならハッキリ言えってんだぁ!な、無くてもいいけどよぉ……」

それは正に不意の訪れと言ってもいい。
そのランタンの男が如何なる意図を持っていようが其れは恐らく関係ない。
関わりなく、其れは正に、それこそ偶発的な何かに頼らざるを得なかった一人の女にとっては一筋の光明であって―――

(!?誰だか分からないけど、これで隙が……!)

ランタンの男に対する反応で一瞬リアーヌから意識がずれた3人組の内の2人は、途端に女を縛り止める腕の力を弱める
それは目前に現れた明確な恐怖ゆえなのだろうか
女の力でも振りほどけるようになったその拘束をとっさに逃れ、残る一人に対してはきつく足を踏みつけた上で腕に噛み付いてやはり難を逃れた
こうして解放を勝ち取った雌羊の選択は只一つ―――逃走の二文字
ただ一心に、自らの身の貞操の未来を案じて駆ける。逃げる。走る。

ただ距離が離れる前の一瞬、ランタンの男へと女が顔を振り向いたのには気づくことができるだろうか
感謝を云う暇など無い。が、せめて相手に関する記憶を自己の脳裡に少しでも書きとどめておくことがせめてもの謝意の証なのだから――――
215 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/25(木) 22:37:59.15 ID:xY0oR8bwo
>>211
「――ああ、そうか。美味しいケレド。おまえを食べルとお腹がスクなァ」

一瞬の攻防。相手が霧で腕を削ると同時に、こちらもまた霧を捕食したのだ。
互いの相性は、良くもあり、悪くも有った。こちらは喰らい続ける限り力を増し続ける。
しかし、相手に触れれば霧にエネルギーを削り取られる。互いに互いの長所を潰し、弱点を補っているような構図がそこには有った。
爪に引き裂かれる腕。手首から先が失われ地面にぼとりと落ちて、そして腐って霧となって消え去った。

「いらッシャい。歓迎スるよ――」

少年の肉体が唐突に2倍ほどに膨れ上がると同時に、その膨らんだ腹部に相手の霧の円錐が突き刺さる。
だが、その円錐は即座に突き刺さることはなかった。その霧との接触面、コートの奥には虫の外骨格≠ェ存在していた。

「――あア……お腹が減ったヨ。君ハ美味しいから。残さズしっかり食べなイト」

外骨格の継ぎ目がずるりと開き、その隙間から、肉≠ェ漏れだした。それは、純粋な筋肉だけで構成された、所謂触手のようなもの。
それが密集した筋繊維の齎す膂力を持ってして、相手の躯を右から左へと横薙ぎになぎ払い、吹き飛ばそうとする。
クラミツハが相手の肉体に触れたならば分かるだろう。この存在は、膨大な生命エネルギーを保持しているということを。
互いに相性は悪い。捕食しなければ力を捕食できないDoctor-P、命を削るのを主な力とするクラミツハ。
互いにこれ以上≠ェ無い限り、この戦いは恐らくジリ貧の削り合いとなるだろう事が予測される。
216 :春野陽奈 ◆icyNVh3d1g [sage]:2014/09/25(木) 22:39:14.34 ID:ZuG0foZP0
>>212

「チィ………!」

【電撃によって炎は相殺され、打ち出した炎は完全に消滅する】
【相殺されたことによって電撃の影響はあまり強く受けなかったものの、それでもダメージは蓄積されるもので】
【魔獣とはここまで硬いものなのかと苦虫を噛み潰したような気分に耽りながらスカヤを睨む】

「なんや、あんたそんなに太陽が怖いんか?」

【刀の輝きはより一層強くなり、暗い空間を光が覆ってゆく】
【その炎を直に喰らっていないとは言え、刀の輝きはなんらかの形でスカヤの身体に影響を及ぼすだろう】

「それなら、もっと喰らいや!」

【刀を覆う真炎はやがて大きな渦となりどんどんと肥大化してゆく】
【陽奈は強く地を蹴ると瞬きすらする暇がない程に速く間合いを詰めると、その真炎の渦と共に太刀・緋之遥を大きく踏み込みながら突き出す】
217 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ [saga]:2014/09/25(木) 22:42:13.22 ID:Vh2QIAvZ0
>>207

はっ…あっ…、やった…!
…もっと傷つけて、グチャグチャにしてあげる。そして……殺すッ!!

【墜落の際、女に何度か拳が命中。それはその体躯に青痣を作った】
【だが…少女の左肩下の傷から流るる血。其れは留まりを見せず、少女の意識を朧気にさせる】
【闇をクッション代わりにして、落下の衝撃を軽減した女】
【そのクッションが蠢いて…液状化、更に自身の腕と同じ様に変化する】
【その一対の腕に…二本の拳をぶつけようと、其れで破壊を試みる。此れに爆発効果はない】
【他三本は少女の背後で、シュルシュルと蠢いている】
【朧気とした意識で操る腕は、操作性が低下しているようで…その動きには、先程の様なキレは無い】
218 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 22:42:45.00 ID:FauCxINP0
>>209>>210
【極彩色の弾幕に肉をえぐられる人狼は二体】
【一匹は傷つきながらもかまわず日向に向かい、もう一匹は銃弾の放たれたほうへ向きなり、野獣の眼光が有子を捕らえる】
【少年はまた小剣を振るう。それを合図に人狼たちは行動を開始する】

【有子を狙う人狼は思いっきり飛び上がり、ダイナーの屋根へ飛び乗ろうとする】
【しかし所詮は獣か、考えなしの動き。空中に居る人狼は無防備そのものだ】

【変わって日向を狙う人狼は獣であることが幸運だった】
【獣の反射神経は鋭い。横へ飛ぶ日向への反応はすばやく、振り下ろした爪を振り返ると同時にたたき上げ】
【裏拳の如く日向を襲う。そしてもう一体は少し送れて、上から攻撃しようとした】

・・・・・・二人とも、話を聞いてくれる余裕はあるかな

【この三匹を召喚した張本人である少年は、適当にその場をふらふら歩きながら語りだす】

なんでこんな所に居るのかって言ったね。
答えは単純、僕は人間に興味があるのさ。
219 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/25(木) 22:44:17.85 ID:NlF7IzfP0
>>208
「まぁ、それもそうだな」

魔獣の中でも弱い部類に入る連中のようだがそれでも魔獣
月装使いであるらしい紅は苦戦するかもしれない
一応助けてもらった借りがあるので目の前で死なれるのは多少後味が悪い

「俺もちょっとヤられちまったがそれでもお前らを倒すくらいなら分けないんだぜ?」

さっさとこの二体を倒して加勢しに行くか
そしてガルバの元に殴りかかってきた魔獣の拳に向けてこちらの拳をぶつける
魔獣と人間とでは身体能力に差がある為本来ならこの行動は自殺行為と言えるだろう
近接に特化した魔獣が相手ともなれば尚更だ
だがガルバの拳は予想に反して砕けはせず――

「どうした?こんなもんかよ」

――あるのは逆にちぎれとんだ魔獣の腕だった
そして腕が再生される前に魔獣の頭部に飛び膝蹴りをを当て即座に[ピーーー]
その間に背後に迫ってきた魔獣の腹に裏拳を当て胴を切断する

「さて、加勢に行くか」

紅のほうを向き走り出す
速度は人間が出せるものを明らかに越えているためすぐに紅の元に着くだろう
220 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/25(木) 22:44:59.05 ID:EcEG0I5A0
>>213

相手の笑いに、元からあった笑みをにっこりと深める女。
いつもはやつれ気味の顔も、エネルギーが入ったためかやや血色が良い。

「ぎくり。バレテーラ……」『だからグラサンしていけとあれほど……』

二人してひそひそと話し合う事数秒。質問にどう答えたものかと暫し思索し――――

「だってさー。聞いてよベッキー、こいつ酷いの! 私のお金とご飯、貰う端から掻っぱらっていくんだもん!」

活躍すればするほど貧乏になっていくという運命に翻弄されて早数か月。
それをざっくりした説明で片付ける女。それを否定も肯定もせず、無言のにやにや笑いでいるピエロ。
だが額面通り受け取るには少し物足りなさはあろう。先の食事ではお情けで一口貰っていたが。そもそも胴体が無いのだから食事の必要性など有る筈もない。

『ま、男と女、二人揃えばそれなりの事情があるってもんさ』

追及されても面倒と思ったのか、ぼそりと助け船を出すピエロ。
どこから取り出したか葉巻片手に、口元が笑ってさえいなければ少しは真面目に聞こえたかもしれない。
221 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/25(木) 22:50:42.30 ID:l2zNvkCZo
>>218
「次の方どうぞー」
女は口元を三日月状に歪めた、目の前に標的が飛んできたのだから。
何も躊躇いも無く、銃口が人狼の頭部に向けられた。
銃口から真紅の弾丸が、人狼の頭部を吹き飛ばそうと放たれる。

「このまま距離を詰める、見殺しはナシの方向で。
 最大射程には入っているが、有効射程には捉えてない」
ダイナーの屋根から右腕でシャンスカを抑えながら飛び降りる。

「さぁこい!私はここだー!…こんな感じでいいかな」
大きな掛け声と共に二挺の銃を前方に向けながら前進する。
更なる増援を見越した動き…今ある最悪の状況への備え。
222 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/25(木) 22:51:11.79 ID:l2zNvkCZo
>>210
「ああー、その声…未来ちゃんだっけ?
 私は遠距離タイプだからーそのつもりで」
随分と気の抜けた声で応対する。
魔物に対する殺気が感じられず、まるでゲームに興じているよう。
ダイナーからの極彩色の弾丸が人狼二体へと降り注ぐ、援護射撃のようだ。
銃と剣の月装使いが共闘する形。といっても今は距離が離れているが。
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/09/25(木) 22:51:25.53 ID:mhCN8WYHo
>>214

ランタンの男は足を止めて睨む。ランタンと麻袋の紐をまとめて片手に持ち
空いた右手を懐に入れる。出した時には両刃の短刀――古い銃剣が握られていた。

「俺の気が変わったら、用事を今直ぐ作ってやってもいい。3人分…喉笛掻っ切るな。」

目尻のシワは深く。眉間にもしわを寄せる。短刀込で十分に男の発言にはリアリティがあった。

何も言い返してこなければ、はたまたその場から逃げ去ることがあれば男は短刀を収めて
またランタンをぶら下げて歩き出す。彼女に一瞥をくれることもなかった。

振り返った時、ランタンの男は薄暗い路地に曲がっていったのが見えたことだろう。その先には
スラムの外れと人気のない廃墟があるだけのはずだ。住むにはあまりにも寂しすぎる。

もし、そっちの路地を進んでみたのなら半崩壊した喫茶店からうっすらと明かりが漏れているはずだ。
半崩壊した元喫茶店。入り口だけ残ったような瓦礫とベニヤの間からランタンと同じオレンジの明かりが…。
224 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 22:52:29.58 ID:+EMdP9oa0
>>218
「有子ちゃんほんと感謝」

奇襲に奇襲で返され、未来のには防ぐ余裕が無かった。狼の裏拳が横脇腹に命中し地面へと投げ飛ばされる。
そこに襲い掛かるもう一匹の狼。

「うらああああああ!!!」

未来の反応は早かった。《月装》の力によって各種戦闘能力を底上げされている未来にとってまだ致命傷とはなり得ない。
狼の上からの攻撃を素早く立ち上がり、体を傾ける形で回避。そして襲い掛かってきた狼を横から剣で切り上げる形で反撃した。

「人間に興味がある? もっと具体的に言え!」
225 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/25(木) 22:52:50.67 ID:2NyWuho30
【人類最後の抵抗拠点≪都市≫から東に数キロ……】
【暗闇の世界に、あやしい光が点滅する場所があった】

【秘密クラブ≪エヴァー・ディープ≫】
【貴重なはずの電力が、こんなふうに使われるのは、極めて不謹慎とされるが……】

「……今日はお客がこないワね。外で何かあるのかしらン?」

【このクラブの主、娼婦風の女は、Fカップの肉片をこぼれそうに抱えながら、小さくため息をついた】
【紫色のドレスのスリットから、爆発しそうにハリのある太ももと、黒のガータベルトがのぞく】
【彼女の言う通り、今日は客もまばら。平素であれば≪都市≫からコソコソとだらしない男たちがこの店を訪れるのだが】

「ま、気長に待ちましょ。気長に、ね……。
 楽隊! イイのをちょうだい」

【主人に言われると、アコースティックバンドたちが音楽を奏ではじめる】
【この世界ではとうに絶えたはずの、淫靡でムーディーな音楽】
【その音楽が、永夜に閉ざされた世界の片隅で、響き渡る――】

/よければどうぞ。
226 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/25(木) 22:53:24.27 ID:IulU9/ew0
「……―――」

意識が覚醒する。
ゆっくりと瞼を開ければ、《夜》が覆い尽くす空が瞳に映る。
今の時代を象徴する、忌々しい漆黒の空。
同時に全身の痛みが蘇り、まだ自分が生きていることを実感させられる。

「……あー、まだ生きてんのか私」

街の外れの廃墟群、半壊した一軒家の瓦礫の上。
少女は苦痛に顔を歪ませながら、傷だらけの身体を起こして周囲を見渡した。
辺りには壮絶な戦闘の傷跡と、無惨に切り刻まれた小型魔獣の亡骸の数々。

殺し損ねた敵が居ないことに安藤の溜息を吐くと、再び瓦礫の中に倒れ込む。
押し寄せる疲労感に身を任せて、無警戒に瞳を閉じて。
今此処に訪れる者がいるとすれば、それは人か、それとも魔獣か。
227 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/25(木) 22:53:28.92 ID:MqRgBhtJ0
>>219
あいつ・・・・・焔装使いか
【千切れとんだ魔獣の腕を見て呟く】

俺も負けてらんねぇな
【残りの魔獣に鎌を振り下ろすが難なくかわされる】
ちっ、こっちはさっきより強いな・・・・・
っと、あぶねぇな
【魔獣の攻撃をギリギリで回避する】

・・・・・ん?
【視界の端に走ってくるガルバを見つける】
228 :シャルル・フルラ・モンブラン ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 22:54:04.21 ID:CvdA66Ujo
>>217
 「ほざいてなさい。原型も留めず潰れるのはどっちか、今に分かるわ」

 朦朧としてきた少女の意識の中一対の腕は闇色の禍々しき腕を狙い殴打を放つ。
 明らかに精度は落ちている。それを見逃さずに殴打を見切り。
 爆発の事を考慮しつつ柳の如く受け流せば、流れるように二本の腕は闇腕を沿うようにして抜けていった。
 
 「邪魔ね、追撃されても困るし、潰して置くことに損は無いかしらね」

 背後へと小規模の津波の様に闇を創造、波音を立てて流された二本の腕を攫わんと襲う。
 それを確認して笑みに表情を歪ませた女、一対の腕を引き連れて一歩、また一歩と少女の方へと歩み寄る。
229 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/25(木) 22:54:46.77 ID:ka+n9Jg2O
>>216
「クッ……流石に「ゲッソウ」使いとて、太陽の力を扱う「ゲッソウ」使いとは、やるではないか!」

何とかノーダメージで一撃をやり過ごしたスカヤに余裕が戻る。そして、自慢の脚力で、剣が届かないであろうと考える距離まで離れる。

「ここまで強い「ゲッソウ」使いは初めてだ…だからこそ、感謝せねばならない」
「そして俺のような魔獣に挑んだ精神、俺は敬意を評する───だからこそ、俺も殺らればならなくなった」
「俺の「誇り」の為………強者こそ全てッ!!」

肩甲骨の辺りから、もう一対の「腕」が生える。角の両側から、全てを「感じる」為に触角が生える。今のスカヤはスカヤ自身のほぼ100%の力を表していた。

「最早太陽など恐れん……誇りを失う程の恐怖など感じるに値しない」

そして、「ひとっ飛び」で陽菜に近づく。その手には夜すらブった斬る「太陽」があっても、スカヤは動じず、四本の腕、一対の触角、一本の角、体内電気……全てを使い、「太陽」の一撃に応じて繰り出した。
230 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 22:55:40.36 ID:3uZp0xGZo
>>215
 余裕があったのなら黒いケモノは歯を噛み鳴らしていただろう。Dortor-Pとの相性は最悪だ。霧と霧。吸収と削減。
 今は均衡して千日手のようだが、長引けば吸収が効いてくるに違いない。
 胸部より蠢き現れる筋繊維の怪物のような触手は極め付けだ。
 底はあるが半永久。性質の悪い悪夢のような冗談に近い。
 だが底があるのなら削り取る。それが枯渇を鋳型にした黒いケモノのちからだ。

 《黒霧の三角錐》を即座に防御に回し《筋塊の触手》の盾とする。
 同時に新たな《黒い霧》を生成、自分自身の周囲に薄く満ちさせた。
 高密度な黒霧で筋繊維自体と《運動エネルギー》を削り威力を弱めた。
 さらに自分自身の周囲から《重力》を削り取り両手両足を防御に回す。
 鈍い衝突音と共に、車と人の交通事故のように黒いケモノを吹き飛ばした。
 空中で体勢を整え四足で着地、地面を勢い余って滑る。ダメージは安くない。

 だが置き土産としてDoctor-Pの周囲に満ちる《黒い霧》は《熱エネルギー》を削り、動きを鈍くし凍らせようとする。
231 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/25(木) 22:57:53.54 ID:a6MnguHjo
その場においてのみ、人間と魔獣の捕食と被捕食の立ち位置は完全に入れ替わっていた。
食糧難の時代とはいえ、魔獣を食す人間が存在する筈も無く、正確には、喰らっているのは焔装であるのだが。
魔獣の頭蓋を噛み砕き脳髄を啜り、筋肉組織を骨ごと無理矢理に食い千切る右腕の姿。
それをただ冷静に努め乍らも、恐怖に塗れつつ―――――――― 満たされていた。

「―――――――― はぁ」

焔装は行使するだけで少しずつ、少しずつ、其の身体を"蝕んでいく"。
ならば魔獣などを喰らえば、必然その"侵食"も早まっていくと想像できる―――― 恐ろしくて、仕方がないと言うのに。
まるで発情したかのような熱っぽい吐息を吐き出す程に。それを喰らう度に、彼女自身は続々と満たされていく。

「強く在れ……強く在る為に。私は強者で在る為ならば、夜に墜ちようと――――」

其の言葉は何処か言い訳がましく。
一匹目の魔獣、最後に残った骨格を焔装がバリバリと噛み砕いて食べ終えると。
乱雑に散らされた魔獣の死体達、その手頃な内の一つへと、焔装がまた喰らいかかる。
232 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/25(木) 22:59:53.97 ID:9Yf+We/tO
/>>151で再募集します!
/1時くらいには落ちたいのでそれまでにお付き合いしてくださる方、どうかよろしくお願いします!
233 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/25(木) 23:03:57.16 ID:gustsi8lo
>>220
「……そうですか。お二人の事ですから、私が追及するのも野暮というものですね」

【……お金は兎も角、ご飯を根こそぎこの首だけピエロが掻っ攫っていくというのは少々疑問が残る】
【肯定も否定もしなかった所を見ると、半分デタラメで半分真実のようなものだろうか。実に表面上おふざけ全開の彼女らしいとも思い】
【ピエロの言葉も聞けば、完全に諦めたようで。そう言って苦笑いを零した】

「でも、駄目ですよ? 私達の食料は無限ではありませんから。
 魔獣と戦う術を持っているのなら、尚更です。《焔装》も《月装》も持たない彼らを、私達が助けて行かなくてはなりません。
 そうすれば――――――」

【アンナの言葉は、前までとは少し違って僅かに真剣味を増したそれだと感じられるだろうか】
【まるで教師が教え子を諭すように、ゆったりと、しかしそれなりに重みのある言葉だ。……彼女には、無駄骨かも知れないが】
【そして更に言葉を発しようとすれば、向こうの配給場所から一人の東洋人の幼い少年が走ってくる。手には食べかけの配給食料】
【それを彼女へと差し出した。彼が何を思っているのかは知らないが、とりあえず食べて良いらしい。アンナはその姿を見て、ニコリと笑いかける】

「―――こういうことも、増えるかもしれませんよ?」
234 :リアーヌ・シャリエ ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/25(木) 23:06:02.59 ID:TyOR12500
>>223
「ひっ……いや、その……」

「用事だなんてぇ、そのぉ……」

「「「結構ですーーーー!!!」」」

嗚呼、群れになれば粋がっていても、雄狼の一匹一匹は単なる弱気な犬でしかなかったということだ。
ましてや明確な強者という光を眼前に浴びれば、自分たちの云う"自由"だとか"気まま"だとか"強さ"だとかの謳い文句は日陰者のそれでしかないことが否応なく現実の真理として突きつけられる。
彼らの答えは一つ。逃げる。駆ける。走る。その命の未来を案じて。

「ふぅ……ふぅ……」
(さすがに、ここまでくれば大丈夫よね……人気もないし)

と、音声の言語にして荒い吐息半分、心の言語にして安堵の言葉を紡ぎあげる。逃げる際にとっさに男の一人から奪い返したライフルを右手に握りしめて。
//中の人が>>214でライフルを奪い返す描写を忘れて急きょここに入れることになったという大人の事情は秘密だ!

もうどれぐらい走ったかは知る由もない。そして、自己の身の所在地さえも。
が、どこかで見たような光明がまたもや漏れ出しているのが見える―――半壊した元喫茶店から。

恐らく、必死に出鱈目な道を駆けたところ、ランタンの男の歩んだ路地の行先と同様の場所へと別ルートからたどり着いたのだろう。

「廃墟―――なんて、珍しくもなんともないけど」
「何かしら……光……」

それに導かれるようにして女は入り口をくぐった。その後は中の様子を首を振り見渡すだろう。
235 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/25(木) 23:07:13.12 ID:xY0oR8bwo
>>230
「――食えば食う程腹がヘルなア。
……ああ、こリャアいい。幾らでも食べらレルって事ダもんナア?」

筋繊維の触手を振りぬき、相手を全力で吹き飛ばしながら、ぼんやりと魔獣は言葉を漏らす。
霧との接触によって触手の先端は千切れ、腐臭のする血液を辺りに飛び散らせた。
この魔獣の力は、嘗ての焔装を発端とするもの。焔装の根源は、満たされない≠ニいう感情。
貪欲な食欲は、その満たされなさが表出した一つの形にすぎない。満たされないからこそ、永遠に貪り、無限に成長できるのだ。

「あアもウ。寒いなア。お前イロイロ出来テ、いいなァ」

全身を覆い尽くす霜、氷の膜。それにびきりと音を立てて罅が走る。
直後生まれたのは、無数の牙。全身の全面から、大小様々な牙が剣山のように出現したのだ。
この魔獣の攻撃手段は、その肉体を用いた肉弾戦以外には存在しない。だが、その肉弾と耐久性が、シンプル故の脅威だった。
氷の膜が砕けた瞬間に、牙は体内に引きずり込まれ、代わりに全身に人や獣等の口が生まれ、無数の舌で氷を体内に取り込んだ。

「――プッ」

腹部に生まれた、小さな口がすぼまり、そこから氷の弾丸≠ェ発射される。
密集した筋繊維によって加速され射出されるそれは、一直線に相手の胴を貫こうと飛翔していた。
しかしながら、Doctor-Pの動きは大分鈍い。冷気が恐らく聞いているのだろう。
236 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 23:09:24.92 ID:FauCxINP0
>>221>>224
【一体は銃弾に頭を打ちぬかれ、ダイナーの屋根に肉が散る】
【一体は剣に切り裂かれ、ハラワタをぶちまけながら悲鳴を上げ、絶命する】
【そして残った一体は、日向へ追撃を仕掛けようとするが】

君は、もういいよ

【いつの間にか人狼の背後に居た少年が、小剣で人狼の首を切り裂いた】

いやいやー、強いね君たち。
『ワーウルフ』程度じゃ何匹居ても厳しいかな。うん。

【小剣をホルダーにしまい、少年は二人の下へ歩いていく】

銃はおろしてくれないかな。僕はもう魔獣を作る気はないよ
というか、戦う気自体ないんだってば
どうしても僕を殺したいなら相手するけど、少しぐらい休憩しようよ

【なんていうと、少年は無防備にその場に座り込み】

具体的に・・・・・・かぁ。
僕はさ、君たち人間の持つ『感情』に興味があるのさ
237 :春野陽奈 ◆icyNVh3d1g [sage]:2014/09/25(木) 23:10:05.84 ID:ZuG0foZP0
>>229

「おおおおおお!!!!」

【スカヤとの一撃と一撃がぶつかり合い、衝撃が辺りのコンクリを破壊してゆく】
【まるで山を押しているかの様な強大な力。確実に身体を蝕んでゆく激しい電撃】
【しかし、スカヤとて陽奈の打ち出す太陽の炎の影響を受けないわけではないだろう】

「あああっ!!」

【意地でスカヤの一撃を両腕で握った太刀で振り払う】
【もう一歩新たに踏み込んでそのまま一太刀、スカヤの胸へと向けて突き出す】

「これで終わりや!」

【電撃の影響を受け、若干のブレが生じているものの、超近距離からの一撃を回避するのはいくら魔獣と雖も難しいはずだ】
【これが最後、炎の渦はやがて嵐のように轟を上げ、夜を喰らうように輝く】
238 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ [saga]:2014/09/25(木) 23:12:22.62 ID:yWc0f/+OO
>>228

……ぁ

【少女の背中から顕現していた全ての腕が…、女が手を前に霧散して消えた】
【少女の体が限界を迎え、意識が途絶えた】
【地に倒れ伏す少女。其れに一歩、また一歩と歩み寄る女】
【少女に迫り来る死音、然し抵抗の術はない】
【少女は《月装》、強大な魔獣に一人で敵う筈が無かったのだ】

//遠慮せずにプチっと殺っちゃってくださいどうぞー
239 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 23:13:39.84 ID:yWc0f/+OO
>>238はミスです!

……ぁ

【少女の背中から顕現していた全ての腕が…女が手を下す前に、霧散して消えた】
【少女の体が限界を迎え、意識が途絶えた】
【地に倒れ伏す少女。其れに一歩、また一歩と歩み寄る女】
【少女に迫り来る死音、然し抵抗の術はない】
【少女は《月装》、強大な魔獣に一人で敵う筈が無かったのだ】

//遠慮せずにプチっと殺っちゃってくださいどうぞー
240 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/25(木) 23:13:41.59 ID:9Yf+We/tO
>>231
/絡み待ち被っちゃいましたが、よろしいですかね?
241 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 23:16:22.24 ID:+EMdP9oa0
>>222>>236
「ちょっと私の能力で援護射撃する場所は大体はわかる気もしないでもないからガンガン撃っちゃって!」

有子に向けて大きく叫んだその内容は非常に曖昧である。しかし比較的汎用性が高い未来の力は即席タッグにおいてそれなりに協力しやすいだろう。
必死に戦う未来と比較的気が抜けた有子。接近武器を扱う者と遠距離武器を扱う者。凸凹ではあるが歯車が噛み合わないといったことは恐らくない。

剣先を残った狼へと向けると相手の様子がどうやらおかしい。

「剣は構えていいんだよねぇ!」

といっても警戒を解くには相手が怪しすぎる。

「有子ちゃん、さっきのやっぱなし!? わからない! 判断は任せる!」

『君たち人間の持つ『感情』に興味があるのさ』

相手の言葉の意図がつかめない。よって判断は各々で行うほうが良いだろう。それならば何か起きたときに後悔しなくてすむ。

「魔獣ってのは感情が無いの?」

疑問が解消されるならば、そして何か有益な情報が得られるならば。未来は少年へと言葉を返した。
242 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/25(木) 23:19:07.33 ID:l2zNvkCZo
>>236
「なんだ、これで小休止ってか」
駆け足で、未来をいつでも援護出来るポジションに着く。
少年を有効射程に収めたらしく、口元が微笑んでいる。

「調子狂うなぁ、理性のある化物に遭ったのは初めてだ。
 銃を降ろせって事は、そちらに何かカードが握られてる訳だな」
(こいつはブラフだな、間違いない。何か来る)
銃を降ろし、二つのブレスレットに戻す。
此方も相手の油断を誘っている。早撃ちには自信があるようで。


>>241
「1人でかっこつけちゃってさ…これだから後先考えないタイプは…」
援護出来る位置に付き、ドスの効いた小さな声で呟く。
243 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/25(木) 23:21:01.60 ID:NlF7IzfP0
>>227
「ほぉ、一体になってるてことは一人で一体倒したのか月装使いも意外とやるもんだな」

近づいていると魔獣の数が減っていることに気づく
ひょっとすると自分の出番は無いかもしれない
そう思いそこし速度を緩めると、もう一体はある程度強いのか大鎌を避けている姿が目に入る
あれは自分が倒した方が良さそうだ

「ちゃっちゃと片付けて終わりにするか」

一気に加速し魔獣に迫り殴り飛ばそうとする
すると、魔獣もこちらに気づいたのか腕を伸ばし迎撃してくる
その拳を焔装により強化された動体視力で捉えたガルバは一度走るのを止め迫ってくる拳を掴み魔獣を体ごとこちらに引き寄せる
そして引き寄せた魔獣の腹を全力で殴り、粉々に吹き飛ばす

「これで借りは返したぜ」

244 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/25(木) 23:21:16.87 ID:a6MnguHjo
>>240
/はい、大丈夫です!
245 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/25(木) 23:22:25.30 ID:EcEG0I5A0
>>233

「あー良い事言うねーベッキーは。その調子で募金集めてきてくれると助かるや」
『まーいくら頑張っても、或る日夜堕ちしてプラマイゼロ寧ろマーイとかありそうだけどな』

聖職者の導きも暖簾に腕押し。実入りが無ければ腹は膨れぬと、ぱちぱち手を叩きながらも女の目は半ば死にかけ。
二人して説教は苦手のようで、ピエロに至っては鼻ほじって指で弾くというどこ吹く風の無関心っぷりだったが。

「『お?』」

不意に現れる第三の手。中身が食料であるのを見、反射的に意識を向けて。
それが己の方を向いていると気付くのに、丸3秒かかった女。

「……いいの? くれるの? やったぜ貰うよ嬉しいヤッター!」

『落としてから上げる――ベッキーとやら、やりおるぜ……』

返事を聞くまでもなく、言うが早いか口で受け取りに行く女。剰えその勢いのまま、クッション性の足りない胸へ少年を掻き抱こうとする。
大してその鮮やかな手際に、ピエロは戦慄の面持ちで賛辞を送っていた。
246 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/09/25(木) 23:25:03.04 ID:mhCN8WYHo
>>234

中は思ったよりも綺麗だという印象だろうか。半分以上は崩れた灰色の瓦礫だが
喫茶店の店内も半分残っていて、ある一角のテーブルの回りにはソファと絨毯も引かれていた。

テーブルの横には口の空いた麻袋が立てかけられていて、テーブルの上にはランタンと拳銃。
そしてアウトドアなんかで使っていたガスコンロ。上にはポットがあって口から蒸気を吐き出していた。
中でも珍しいのはそこに漂う匂いだ。廃墟の埃臭い匂いはなく、今となっては珍しい紅茶の香りがしていた。

「――――誰だ。」

瓦礫の影から現れる、先ほどの男。手には背負っていた旧式のライフル銃が構えられている。
眼帯のされた片目。もう片方の青い目も厳しく警戒の色を表している。

「銃はそこに置け。…さっきの女か。何故つけて来た。…何処の自警団か知らんがな。」

銃の先でカウンターの上を指す。男は銃を構えたままソファの上にどんと腰掛けた。
どうやら男は彼女が自分をつけて来たと警戒しているようだ。つけられる理由があるという訳か。
247 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 23:29:17.55 ID:3uZp0xGZo
>>235
 《削った》ものさえ《喰って》ちからにする慮外の存在。能力の多様性の脅威だ。
 通常ならば避けることも出来そうな氷の弾丸だったが、今は体全体が痺れていた。
 出し過ぎたため少量の《黒い霧》で削るがわずかに削っただけで終わる。
 倒れるようにして躰を背けるが、脇腹が弾丸に貫かれ穴が空いた。血が飛び散る。

 痛みのあまり力んだ体を駆使してようやく立ち上がり、二足歩行へ戻った。
 倒すのなら、まだ鈍っている今が好機だろうが黒いケモノも弱っている。
 黒いケモノは自分自身に《黒い霧》をわずかに染み込ませ痛覚を麻痺させる。
 そして全身の《抑制力》を解除、周囲の《重力》軽減、瞬間のみ限界を超越する。

 黒いケモノは地面が砕けるほどの脚力で踏み込み、重力軽減された空間から放たれる。
 全霊を以て放たれるのはただの突進だ。だからこそ単純明快にして凶悪でもある。
 黒いケモノはDoctor-Pの脇を通り抜けるようにして、右爪で切り裂こうとする。
 そしてそのまま全身が砕ける前に、この場を後にするつもりであった。
 屈辱的であり相性のせいにはしたくないが、勝つ算段が見えなかったのだ。
248 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 23:30:09.85 ID:3uZp0xGZo
/うあ、やべえめっちゃ遅くなった。すまない
249 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/25(木) 23:30:16.25 ID:MqRgBhtJ0
>>243
ありがとう、助かった
【大鎌を仕舞い一息つく】
俺の名前は紅、お前は?

それにしても焔装使いを見るのは初めてだがこれ程とは思わなかったな
俺の月装とは大違いだ
250 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 23:32:19.77 ID:FauCxINP0
>>241
完全に武器を下ろしてはくれないか・・・・・・そりゃそうだよね。
カードも何も、僕はすでに勝負から降りてるんだけどな
じゃあ、これならどうだい?

【小剣を引き抜き、それを二人の足元に放り投げた】

それが僕の魔獣生成の鍵。それがなければ僕は魔獣を作れないんだ

【相変わらず薄ら笑いの張り付いた表情、非常に胡散臭いが】
【何かしら戦闘能力が落ちたのは確かだ】

とりあえず話を続けるよ
そうだね、他は知らないけど僕には感情と呼ばれるものは持ってないみたいだ。少なくとも人間ほどは
人間の感情って言うのは本当に不思議だ。
親の前で子供を殺してみるとさ、無能力であろうと親は激高して、無謀なはずなのに魔獣に殴りかかったりする。
非合理的にも程があるのに、感情のおかげで彼らはそんな行動を起こすらしい。
君たちはどう思うか知らないけど、僕はそれが不思議で仕方なくてさ。
だから、僕は君たちに質問するんだ。

―――今、どんな感情で魔獣を殺した?

憎しみかな。そっちの銃士のほうからは、そんな感じはしなかったけど

251 :シャルル・フルラ・モンブラン ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/25(木) 23:32:47.18 ID:CvdA66Ujo
>>239
 「ふん、哀れね、儚いわ、人の命という物は、相も変わることなく」
  
 少女を護らんと背後に顕現していた三本の腕と闇波に呑まれた一対の腕は儚くも霧散。
 ばたりと地に伏せた少女はその小さな身体の限界の到達を示していた。
 声を掛けても返事はない。意識が無いのだ。故にそれは至って当り前である。

 少女を眼前にして女は立ち止まる。そして覗き込む様にして少女の下へしゃがみ込み、
 びしゃりと水音を立てて崩壊する闇の腕、闇溜まりも暫し経ち完全に消滅した。
 現在(いま)この場に有る闇は女の身体を所々覆うそれと、空を覆う果て無き夜闇のふたつ。
 ぴとりと少女の脳天に触れる。まだ暖かみの残るそれが自己中心的な女の苛立ちを何だか加速させたのは知る由もないだろう。
 
 「ゆっくり、おやすみなさい」
 「今度産まれてくる時は人間なんかじゃなくってね、……――魔獣なんて如何かしら?」

 指先から鋭利に伸びた槍(スピア)の如き闇は少女の脳天を容易く穿き。
 引き抜き空いた小さき穴からは血液と僅かな脳漿が滴り落ちている。
 皮肉を込めた言葉を生前少女だった屍に向けて投げ掛ける。だが届く事は無い。決して。
 
 背部に顕現するは闇で形作られた翼、而してまるで悪魔の様なそれがばさりと歪に羽撃けば。
 
 ――飛翔。
 
 夜と見紛う女が空に舞う。この荒廃した世界を嘲笑いながら、実に優雅で実に歪に。


/お、お言葉に甘えて(?)殺っちゃいました。
/絡みありがうございました。機会があればまたどうぞよろしくお願いします。
252 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/25(木) 23:34:17.09 ID:Vh2QIAvZ0
>>251
絡みありがとうございましたー!
253 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/25(木) 23:34:58.30 ID:9Yf+We/tO
>>231
「堕ちる……?おやおや、なんだ、"こっち"に行きたいのか?」

魔獣を喰らう少女の姿。振り向けば、唐突に突然に一切の気配なく、全身を黒いスーツで纏い目深帽子で顔を隠した人物がいる事だろう。
すらりとした長身に、胸には少し膨らみがあるようにもないようにも見える。そして、男女のどちらともつかない声色で、少女に甘く囁きかけるのだ。
僅かに見える唇を歪め、少女を見据える。品定めでもしているかのように、じっくりと。

「だが………来てしまったのなら、もう戻って来れないよ?三途の川よろしく、一方通行さね」

少女は何となく分かるだろう。人間には感じられない闇を纏っている事を。
とてつもない程の殺気を研ぎ澄ましている、彼の正体を。焔装が今まさしく喰らっている物と同種の存在である事を。

/ではよろしくお願いします!
254 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/25(木) 23:35:59.26 ID:xY0oR8bwo
>>247
「――ア。速いナ」

ずるりと、コートの裾を引きずりながらゆっくりと相手に向かって歩む異形。
肉体の変貌のみにより実現される多様性の攻撃群は、しかしながら物理攻撃以外の手段を持たない。
相手のように重力を軽減したり、抑止力を解除する事も出来ない。あくまで、肉弾戦しかこの存在は出来ないのだ。
そして、当然のように冷気を喰らえば動作は遅くなる。当然の様に、相手の爪を肉体は受け止める結果となった。
触れた爪の一部を、裂かれた断面から生やした牙で削り捕食するも、相手を捉える事は出来ず。己の背に生じさせた幾つかの目で相手を見送るだけ。

「……あ。ニゲられタ。……腹、減ったナぁ……」

淡々と、獲物が逃げたことに落胆の言葉を吐き、異形は人の形を取り戻す。
手近な木へと手を伸ばし根本から引きちぎり、己の体内にずるりと飲み込むと、そのまま血の匂いを追って、ゆっくりとその場を去っていくのみだった。

//いえいえお気にせず。お疲れ様でした!
255 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/25(木) 23:38:29.73 ID:+EMdP9oa0
>>242>>250
「それは勘違いだよ有子ちゃん。私、かっこつけてないし、ちゃんと考えてもいるんだから!」

どうやら声は届いたようだ。少しの不満を含んだ声で反論をする。
尤も今回のこの状況では説得力は無いだろうが……

少年の質問に未来の機嫌は更に悪くなる。

「どんな気持ちで殺したかって!? 生き残るのに必死だよ! 私は魔獣様より断然弱くてね!」

更に言葉を続けた。

「というかその知りたいって気持ちはなんなのさ!それは感情では無いの!?」
256 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/25(木) 23:40:22.36 ID:gustsi8lo
>>245

「だからこそですよ。何時《夜》に完全に蝕まれてしまうか分からないからこそ、今頑張らなければならないんです」

【……分かっていたことだが、この手の人間に説教など無意味であることを再確認したアンナ】
【追加するように言葉を投げかけるも、2人の様子を見る限り全く聞いていないのだろう。苦笑せざるを得ない】
【前述のように、アンナは彼女の心を除くことを既に諦めてはいる。しかし、何時か本音を聞きたいな、なんてのも心の片隅にあったり】

「フフ、何のことでしょう? 彼がもう要らない食事を茶毘川さんに渡した。ただそれだけのことですよ」

【食事を彼女に渡した少年は、ギュッと大人しく抱かれている。だが抱かれた瞬間「痛い……」と言ったのは……理由は推して知るべし】
【そしてアンナはといえば、ピエロのその賛辞にニコニコと笑っているだけ。先ほどの彼女と同じく、肯定も否定もしなかった】
【実際、少年には何の指示もしていない。ただ、アンナは彼らが要らないと言った食事を貰うことを拒否している。少年には、それが分かっていたのだろう】

「そういえば、お二人はこれからどうなさるお積もりですか? また、別の場所の配給を狙いになるのでしょうか?」

【自らも配給を食べ終え、ごちそうさまでした、と小さく呟く。そして尋ねるのは、ふと気になった疑問】
【それなら、近隣の配給班には注意を促さなければいけませんね。なんて冗談交じりに言ってニコニコと笑う】
257 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/25(木) 23:41:27.31 ID:NlF7IzfP0
>>249
「俺か?俺はガルバだ」

ようやく片付いた、とこちらも一息つく
戦い続けていたので流石に疲れた為近くにあった瓦礫に腰を掛ける
そして一度深呼吸をして呼吸を整える

「まぁ俺達の焔装はお前らの月装と違ってあの月の力で目覚めた俺達の眠ってた力だからな」
「それに、リスクも高いからな。強くなけりゃわりに会わねぇよ」

魔獣になる可能性を秘めた焔装とリスクはない月装
そこが能力の強弱の違いではないかとガルバは考えているようだ

「まぁお前らの月装もそれなりのもんだとは思うぜ」
「正直実物見るまでは舐めてたんだが結構強いもんだな」
258 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM :2014/09/25(木) 23:42:14.94 ID:3uZp0xGZo
>>254
 千切れた爪を惜しむ間もなく跳び、駆け続け、朽ち果てた瓦礫の塊のような建造物に転がり込む。
 勢い余り、壁と衝突した衝撃で建造物はくだけ本当に瓦礫の山と成り果てた。
 そのなかで黒いケモノは倒れ込み、全身に走る痛みと屈辱に塗れてぐったりと動かなくなった。
 怒りを燃料にしてただ眠りこけ、体力の回復を待つ。いつか無尽蔵の魔獣に勝つ策を練りながら。

/ありがとうございましたー
/わりと強引に切っちゃいましたが、時間制限だとこんなもんですかね
259 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/25(木) 23:42:18.68 ID:BO+w5bUi0
>>237
「───見事、その太刀…素晴らしきモノであった」

胸部の「甲蟲」の装甲が剥がれ落ちる。スカヤの一撃は確かに相手に与えていた…しかし、それ以上のダメージを胸部に受けていた。
肩甲骨から生やした「第二の腕」は剣撃により斬られてしまった。再生するには時間をかける必要があるだろう。角もヒビが生え、折れかけていた。電気を帯びさせていた爪も、どれもスッパリと斬られていた。

「まさか「ゲッソウ」使いにここまで追い詰められるとは……俺もすっかり弱くなっていたようだな」
「だが…俺は魔獣、いくら「夜」に効く強い力があろうとも、この世界が示す通りまだ夜に包まれたままだ。貴様はまだ──輝きが足りないと言える」

スカヤはプライドの為、信条の為、依然と立ち上がる。残された力は電撃と強靭な肉体のみ、それでも「強者」を求め、意地でも立ち上がる。

「まだ戦える…この肉体朽ち果てるまで!」
「……SHHHHHHAAAAA…………‼︎‼︎‼︎」

腕から電気が走り、それは大きな「槍」と変化する。電気で編み込まれた槍を構え、陽菜を見据える。

「貴様には名乗っておこう、俺の名はスカヤ…ニンゲンを捨てた魔獣である!」
260 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/25(木) 23:42:59.74 ID:BO+w5bUi0
//返レス遅れて申し訳ありません…
261 :リアーヌ・シャリエ ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/25(木) 23:43:33.68 ID:TyOR12500
>>246
「――――え……?」

女は目を疑った。無理もない。
こんな街外れで、栄華を誇ったいたであろう昔を偲ばせる光景を半分は残した洒落た喫茶店が残っていたのだから。
視覚の次は嗅覚だ、何だ、この埃っぽい雰囲気に不似合な茶葉の芳香は。
今となっては懐かしい、もう数年も喉を通っていない紅茶のものであろうことはやがて女の記憶から呼び起され、理解された。

「あ、あなたは……確かさっきの」

見れば、やはりというべきか、テーブルの上に置かれた光源はやはり自らを救った光明の、象徴のようなもので。
そして彼の警戒心は目を合わせるや否や難なく理解された。こういう目は戦場で何度となく見てきたのだ。
あまり殺伐とした雰囲気もなんだか――しかし、この場合はある程度女にとっても好都合だったようで、なぜなら―――

「―――助けてくれたことには感謝するわ」
「ついでに言うと、つけてきたわけではないわ。こうして礼を云えるのだけは幸いかもしれないけど」

「けど……あんまり馴れ合いとか、そういうのは勘弁ね。言うまでもないだろうけど」

そう、警戒しているのは女とて同じ―――
ライフルを指示通りにカウンターに置くと、その傍の椅子に腰かけ常に男の動向に、言葉に気を配る。両者の距離は離れている。
一方で空気を手の仰ぎで鼻腔に招く。
嗚呼、本当に懐かしい。まともな飲み物を暫く飲んでいない彼女にとっては、紅茶でなくとも味のある飲料何もかもが恋しいのだろうが―――
262 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/25(木) 23:43:55.89 ID:l2zNvkCZo
>>250
「なるほど。降りたというからには降りたんだろう」
腕を組み、ぼんやりとした表情で少年を見据える。
どこまでも気の抜けた女で、今もやる気が感じられない。

「空っぽだよ、私は。
 戦いの毎日で、頭の螺子が緩々になってくんだろう。
 体が勝手にーとか、今はそんな感じになっちゃってさ。…職業病って奴だね」
虚ろな表情を浮かべて。瞳に輝きは無く、暗く澱んでいた。

>>255
「ふうん…後で始末書書こうね。コレが終ったら、ね」
ぼんやりとした様子で、この状況の後のことを呟く。
この女は何も感じていないのか…空っぽだと言い張ったのだ。
263 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/25(木) 23:46:00.62 ID:aHA0C1xN0
>>197

スラム街、治外法権の犯罪天国では、今日も不条理が横行する。人々を救った戦士が、救った人々に蹂躙されようとしている。
だが、此処では力が絶対。救う者がいるとすれば、それは余程の豪傑かーー

「あて、すいません!」

ーー余程の阿呆だろう。
屈強な男達の背にぶつかったのは比べて見劣りする体格の青年。新卒の社会人か、ともすれば大学生とも見える青二才だ。
対して、スラムは夜が来る前から地獄。如何に男達が若くとも、その悪党ぶりは並のチンピラを凌ぐだろう。

故に、一人の青年が場に入り、攻撃の標的が動きかけたとは言え、これが現場の好転と言えるのかは甚だ疑問であった。

//初ロールですが、よろしければお願いいたします!
264 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/25(木) 23:46:09.96 ID:aHA0C1xN0
>>197

スラム街、治外法権の犯罪天国では、今日も不条理が横行する。人々を救った戦士が、救った人々に蹂躙されようとしている。
だが、此処では力が絶対。救う者がいるとすれば、それは余程の豪傑かーー

「あて、すいません!」

ーー余程の阿呆だろう。
屈強な男達の背にぶつかったのは比べて見劣りする体格の青年。新卒の社会人か、ともすれば大学生とも見える青二才だ。
対して、スラムは夜が来る前から地獄。如何に男達が若くとも、その悪党ぶりは並のチンピラを凌ぐだろう。

故に、一人の青年が場に入り、攻撃の標的が動きかけたとは言え、これが現場の好転と言えるのかは甚だ疑問であった。

//初ロールですが、よろしければお願いいたします!
265 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/25(木) 23:47:22.33 ID:MqRgBhtJ0
>>257
ガルバか、よろしくな
【ガルバが座ったのを見て自分もガルバの向かいに腰掛ける】

たしか使いすぎると危ないんだってな
よく分からんが

まぁ、俺らも死にたくないんでな
おっと、俺はそろそろ行く、じゃあな
【そう言って立ち上がり歩き出す】

/とりあえずこの辺で〆にさせていただきます
/ありがとうございました
266 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/25(木) 23:47:35.02 ID:a6MnguHjo
>>253
ピッタリと閉じた右眼はピクリとも動く事は無く、その分を受け持つように、左目が思い切り顰められた。
網膜に映し出されたのは黒いスーツの……"誰かさん"とでも言うのが正しいだろうか。
スラリとした長身はスレンダーな女性にもスリムな男性にも見えて、起伏はあるような無いような、それは男なのか女なのか。
その正体は或いは彼女かあるいは彼自身が自称してくれた。何より、"よく分かる"。

「魔獣か―――― それも上位存在のようだな」

口元を吊り上げる―――― 余裕ぶったその表情の薄皮一枚向こう側、その内部には恐怖心が燻る。
虚栄心は留まる事を知らず、本心に代わって彼女の本能を制御する―――― 魔獣を喰らう右腕の形状が変化する。

「私はそれでも構わん―――― 人のままで"弱者"として死ぬのならば、此方から願い下げだ。
 夜に墜ちて、それで≪夜≫を喰らう事が出来るのならば―――――――― 私は其れでも構わん!!!
 私は何もかもを喰らい、そして支配し!!絶対的な"強者"となる!貴様も同じだ、≪魔獣≫!!!」

突き出された右腕―――― それが形作るのは、"杭"と六つ、円柱のような物を中心にズラリと並べた兵器だった。
返答を待たず引き金は引かれる―――― 無論放たれるのは六本の杭、"焔装"で形作られた、≪魔獣殺し≫。
267 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/25(木) 23:48:03.82 ID:aHA0C1xN0
//連投ごめんなさい
268 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/25(木) 23:51:57.09 ID:aHA0C1xN0
>>263>>264>>267
//リロードを忘れていましたごめんなさい!取り消し!
269 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/25(木) 23:55:50.87 ID:FauCxINP0
>>255>>262
なるほどね。
その必死、というのはどういうものだい?
その気持ちのおかげで強くなれたりはするのかい?

【興味津々、早口気味に質問を重ねていく】

・・・・・・なるほど。これも『感情』と呼ぶのか
でもね、僕のこの『感情』は持っていてもどうしようもないものなんだよ。
知りたいと思っても強くなれないじゃないか。人間は『感情』で強くなれるのに。

【語る口調に抑揚はなく、台本でも読むように、定型文を呟くように】
【感情豊かに語る日向とは対照的に、少年は無表情に答える】

で、君は空っぽか・・・・・・なるほどね
魔獣と似ているね。僕もそんなものさ。
本能が人間を殺せという。だから殺す。何かを考えてるわけじゃない。

【輝きのない目は少年も同じ。魔獣の瞳の黒目は光を映さない。】

もしかしたら、きみはこっちよりかもしれないね


270 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/25(木) 23:56:44.74 ID:NlF7IzfP0
>>265
「ああ、下手すると連中と同じになる」

月装使いは気楽なものだ
焔装使いと違っていくら使っても危険はないのだから

「あぁ、じゃあな」
「お互い死んでなけりゃまた会おう」

軽く手を上げて言う
そして紅が去ったのを確認すると疲れがピークに達したのか倒れるように寝転びそのまま寝始める


/こちらこそありがとうございました
271 :春野陽奈 ◆icyNVh3d1g [sage]:2014/09/25(木) 23:56:59.89 ID:ZuG0foZP0
>>259

「ま、まだやれるんか………」

【全力の一撃を以ってしても、まだ[ピーーー]までに至らず、強固な甲殻を持つスカヤに対して陽奈は若干の畏怖を覚える】
【魔獣とはここまでしぶとい生き物であったか?否、スカヤを立ち上がらせるのは強いプライド】
【それは恐らく、強者としての魔獣としてのものだろう】
【彼の持つプライドは確かに元々「人」であったことを感じさせる何かがあった】

「ふん、アタシも名乗っておいたる。
アタシの名前は春野陽奈。魔獣を駆逐する者や」

【人であれ魔獣であれ、誇り高い者に敬意を払わないのは余りにも無礼極まりない】
【スカヤと同じく自身の誇りを強く抱く陽奈も自らの名を彼に告げる】
【強く言い放つと同時に、太刀の切っ先をスカヤへと向けて構える】
【槍と太刀では間合いに不利が生じる。このまま飛び込むのが自殺行為であることを陽奈は知っていた】
【だからこそ、待つのみ。彼が動くその時まで………】
272 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/26(金) 00:02:36.53 ID:q1F5eBvX0
>>256


『……おい糞ガキ、オレ様の牌に気安く触れてんじゃひでぶっ』
「ボク照れてるの? あーん可愛いー! かわいすぎー!」

少年の無念など露知らず、椅子の上で彼の髪をくしゃくしゃこねくり回す女。
見当はずれのガン飛ばししかけたピエロはあえなく撃墜され、今は文字通りクッション代わりに尻に敷かれている。
どちらも幸せそうなので放って奥が吉だろうが、そこに投げこまれる次なる質問。

「『ぎくぎくり。』」

図った様なタイミングでぎぎと動きを止める二人。それだけでも雄弁に語っているようなものであろう。

「――あーんと、腹ごなしにちょっと魔獣どもの首チョンパでもしてこようかなーって。本当デスヨ〜」

『本気かよ。てめえ無駄に満腹になっちまいやがって……これじゃあ良い目は期待できそうにないがなァ』

仕方なく少年を解放して、ぽんぽんと手を叩き。どうやら一度街の外に出るつもりらしい。
イコール魔獣と遭遇するという事であり。それを二人して些事と嗤い飛ばし、食事が出来なくなる事の方を恐れる様は、滑稽を通りこして惨めですらあるだろう。
そんな常識など知る由もなく、別れ際ながら二人して肩を竦めて笑い合うのが常であった。
273 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/26(金) 00:02:51.65 ID:Cmxf82GY0
>>262>>269
「ここまで侵入を許したことかな? それ悪いの私だけじゃないでしょ。というか止められているから大丈夫じゃないかな?」

虚ろな表情をする有子に対して、表情豊かに的外れな反論。水と油か。考え方が違えば受け取り方が異なるのも無理はない。

有子の冷淡な物言いに少し感情を落ち着かせられた未来は少年の質問に言葉を返す。

「そうだね、私は強くなるタイプだと思うよ。人それぞれだけど」

別に教えたところで人間側が困る内容ではないだろう。次は私の番だといって質問をぶつけ返す。

「本能が人間を殺せって言うけど私達を生かしてるのは矛盾しない? その知識的な欲求はなんなの? それは《夜》の命令とかじゃないよね」
274 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/26(金) 00:03:04.47 ID:XJfzCDY5O
>>266
「ご名答。お初にお目にかかるよ、人間」

その通り。彼は魔獣。いや、魔獣というのも彼にとっては唯の形式上の記号なのかもしれない。
誰でもあって、誰でもない。《夜》よって生み出された闇の権化かもしれないし、はたまた《夜》に侵された元人間かもしれない。
まあ、正体などどうでも良い。彼は獲物を見定めた。その事実だけで、充分。
彼女を支配しているのは―――――成る程、虚栄心か。心の壁を作り出し、そうして自らを制御する。そういうタイプか。
唇を歪め嗤う彼は、彼女の心を見切る。ならば、虚栄心ですら届かぬ程の地獄を見せてやるとしよう。恐怖に打ち震えさせ、現実を教えてやるとしよう。
ただ確実なのは、彼が人間という存在を下等だと見下し、驕っている事。

「支配…?馬鹿を言え、《夜》の本質は支配などではなく、ただ甘美なる破壊だけだよ。何もかも喰らった後には、何も残らない」

少女の右腕が突出され、そこから6本杭が射出される。
彼は一歩踏み込み、躊躇いなく右腕を突き出す。当然、杭は右腕を容易く貫通し、そこからは鮮血が溢れ出る。
だが、接近はできた。そのまま左足を軸に身体を軽く左に捻り、そこからバネのように勢い良く回転しながら右脚で腹部に回し蹴りを食らわせようとする。
彼は笑っていた。右腕が使えなくなって尚、笑っていた。
275 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/26(金) 00:08:31.63 ID:7KO8ifEOo
>>269
「感情が無いから、人として死んでいる…間違いではない。
 果たして私は…いつまで、人間で居られるかな…?
 魔物になった私はどんな格好してるんだろう…」
目と目が合い、吸い込まれそうになる。
今の女は本当にぼんやりしていて…隙だらけで、無防備だった。

>>273
「ココが防衛ラインだって事は分かってるようだね…
 君が来てなければ、私がさっきのケダモノに引き裂かれていたともいう」
今の有子は異常に冷静すぎる。…本当におかしくなったのだろうか?
276 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/26(金) 00:15:09.33 ID:0LDzbhcM0
>>271
「貴様のような強者…この場で討つのは些か惜しいと感じる」

電気によって編み込まれた「槍」は、その身体を巡る電流により、常に補給され、強大なモノとなっていた。

「ヒナか…その名前、確かにこのスカヤの記憶に埋めておこう」

肉体はさらに力が入り、色んな場所からギチギチと音を立て始める。
そして「槍」の切っ先部分を陽菜の「心の臓」に向け、念じる───夜の御加護があらん事を。
覚悟は決まった、身体に流れる電流はさらに強く、速く流れる。

そして、瞬間、スカヤは大きく跳躍し、その集めた「電撃の塊」を陽菜に投げつけた。
槍状に変化したそれは様々な抵抗を潜り抜けて陽菜の心の臓を狙うだろう。それほどの電圧、電流をこの「塊」は兼ね備えていた。
277 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/26(金) 00:15:39.04 ID:UADhqT8vo
>>274
杭が突き刺さる右腕を見て、彼女は笑いを強めそうになって―――― すぐにそれは強めるどころか、消え失せた。
まるで何とも思っていないように見えた、痛みなど無い―――― 魔獣に痛覚がある事自体、分かった事では無いのだが。
本当にそれは一切の効果を表していないように見えて……絶望にはまだ早いが、強く心が騒ぎ立てる。
そしてそれに気を取られている内に、その攻撃を許した―――――――― 叩き込まれたのが"脚"だったのは、理解できた。

「く、かはっ――――――――!!」

息を吐き出す、胃の中身を―――――――― 正確には胃液を吐き出すのは、耐えた。
此処でのたうち回るほど、彼女の"虚栄心"は弱くは無い―――――――― その"嘗め腐った"態度は、彼女の"虚栄"の闘争心を良く煽る。

「嘗めるな≪魔獣≫!それならばその破壊ごと喰らってくれる!その破壊ごと支配する!!
 貴様らの想像の範疇に入れてくれるな!私は常に何者の上を行く!それが絶対的な"強者"だッ!!!」

相手が近づいてきた。攻撃を加える距離に入った―――― 逆を言えば、此方側からも容易に攻撃を与えられる距離に入ったと言う事。
右腕の形状を変える―――――――― その形状は両刃の西洋大剣の刃を切り出した様な、長大な形状。
それをその膂力に任せたまま、彼へと叩き付けようと試みた。
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/09/26(金) 00:16:19.03 ID:GVbFsIxyo
>>261

彼女が銃を置いたのを見ると男は数秒の間、考えるように沈黙していたが
暫くして男はソファにライフル銃を立てかけた。男はポットを傾けて空いたカップに紅茶を注ぐ。

「言わなくて済むのは非常に助かる。人類は減るたびに今更繋がりを強固にしようとしていて困る。」

フンっと皮肉めいた笑みを浮かべて。カップの香りを嗅ぐ。満足したように口を軽くつけて。

「それで。用事がないなら出て行け。慣れ合いは勘弁なんだろ?貸しも借りも無い。客でも無いしな。」

「そうだ、『煙草は品切れだ』と自警団の奴に言っておけ。…フン、死んでなけりゃな。」

品切れ…といことはなにか商売をしているのだろうか。彼もまた物資を探すスカベンジャー、闇商人の1人か。
特に嗜好品のタバコや酒を手に入れられるということは優秀な方だろう。特に紅茶を手に入れられるということは。

「…生きるためには、本能に忠実であった方がいい。欲望を追うのは生きることに直結している。」

カップを置いて、膝に腕を乗せて覗きこむように相手の顔を静かに見た。こんなことを言ったのは
多分、紅茶を飲んで著しく機嫌が良かった為だろう。そうでなければ銃を突きつけて追い返すだろう。
ランタンの明かりに揺られて紅茶の湯気も立ち昇る。壁には美しい古都の油絵が飾られていた。
279 :ジョセフ(人間陣営) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/26(金) 00:16:26.76 ID:C4sEFhrgo
ジョセフ・シェーンハウゼンは夜の町並みを散歩していた。彼は穴や切り傷だらけのぼろぼろのジャージを着た包帯まみれの青年だ。
町並みといってもその殆どは瓦礫、あるいは廃墟を利用した簡易的な住処ばかり。
風景なんてものは常に同じで見る楽しみなど欠片もない。だというのに彼は少し笑っていた。

「いや一人で散歩ってのもいいもんだぜ、静かだしよぉ」
「ただちょっと寒過ぎるのがあれだよな、あと静かってことはつまり寂しいんだよ誰かいねえかな」

お喋りな彼は一人でいるときでさえあれこれ喋ってしまう悪癖がある。
とはいえ周囲は静か、彼の独り言などそれこそ夜闇に溶けて消えてしまうだけ。
それでもこうして散歩しているのは傷が痛むせいで寝付けないからだった。

「誰かと喋んねえとやっぱ落ち着かねえな」

そういうわけで瓦礫と廃墟の中を人を探しながらジョセフは歩くのだった。
彼に蹴られた小石が瓦礫に当たって小さな高い音を立てた。
280 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/09/26(金) 00:18:36.72 ID:GVbFsIxyo
>>278
/名前欄一応追記しておきます。
281 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/26(金) 00:20:52.52 ID:KXU+NnaZo
>>272
【少年も含めた3人を、あらあらうふふと言った感じでニコニコと微笑みながら見つめるアンナ】

【……アンナは、こういった光景を見るのが好きだ。ふざけ合って笑い合うこんな光景を、アンナは教会で幾度も目にしてきた】
【しかし、《夜》の襲来に依ってそんな光景を見る機会は激減した。皆絶望し、自ら命を落とすものも居る】
【僅かに、アンナの表情が曇った。しかし、この世界に1つでも、今のような光景が残されているなら――――――】

「そうですか……、しかし他の場所から来たとなると、少々お疲れではございませんか?
 休息と翌朝の一食位ならば、私達は大歓迎ですよ」

【彼女たちの真意を知ってか知らずか、アンナは彼女達に休息を提案する。しかも翌朝の一食付き】
【ですよね? とアンナが振り向けば、先ほどはスクラムを組んでブロックしていた配給係も勿論と言わんばかりに頷く】
【たった数十分話しただけの、赤の他人である彼女ら。オマケに"赤白の悪魔"という異名まで付いているときた】
【アンナはそれでも、嬉しかったのだ。自分の見たかった光景を、少しでも見せてくれたことが。とても、とても】
282 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/26(金) 00:21:00.46 ID:UADhqT8vo
>>277
/訂正!

>両刃の西洋大剣の刃を切り出した様〜

/ではなく

>両刃の西洋大剣の刀身を切り出した様〜

>です!
283 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/26(金) 00:21:01.30 ID:4+1OFLMs0
>>273
君のほうは紛れもない人間だね。
感情のおかげで強くなれる。魔獣と人間の戦争、切り開くとしたらきっと君の様な存在だろうな

何、欲が本能を上回っただけだよ。人間に興味が湧いてからはただ殺すだけじゃ意味がない。
感情を引き出してから殺さないと、って思うようになったのさ。
・・・・・・感情のおかげで本能が抑制されているとも考えられるか。面白いね。
もちろん、これは夜の命令でもなんでもない。僕にも何かは分からない。
たぶん、ただのバグさ。

【一通り日向に語った後は、有子のほうに向き直り】

感情を引き出す・・・・・・こういうのはどうかな。
君たちは友達らしいし・・・・・・

【少年は小剣を拾い上げ、有子の首に向け】

もし、今彼女を殺したら
君はどんな顔を、感情を見せてくれるかな?
284 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/26(金) 00:30:40.74 ID:7KO8ifEOo
>>283
「……!?」
(…何故、体が動かない?)
少年の手が小剣を拾う。有子はそれを見ていた。
有子の頭は銃を抜き、頭を打ち抜こうと命令を出したはずだ。

《これまで沢山見殺しにしてきた。私は1人で逃げてばかりだった》
しかし、身体の方はそれに応えてくれなかった。

「こんなの日常茶飯事だろう、なぁ…相棒?」
諦めたような表情で、儚げな声で“誰かに”向かって呟いた。
285 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/26(金) 00:30:53.68 ID:Cmxf82GY0
>>275 >>283
「…………。《月装》一人に任せる時点でおかしいよね……」

実際、奇襲で止めを刺せなかった時点で敗北が確定しているので反論のすることが出来ない。
だから二人で任務につかせろと言ったのだ。苦々しい表情はこの人手不足に対する嘆きか。

「って有子ちゃんなら一人で生き残れたって言うの? あと辛辣過ぎないかな!?」

異常な冷静さ。戦闘になると冷たくなるタイプか、それとも先ほど有子が口走った内容が原因か。
未来にはまだ判断を下せるほど有子と友好を深めていた訳ではない。むしろ距離を取られていたと感じるほどである。

少年が小剣を拾う動作に反応するも距離がある。行動を起こすなら有子がしてくれるだろう。人任せではあるが適任は有子だろう。
相手の召喚を予想して迎撃態勢をとるも飛んでくるのは敵ではなく質問であった。

「ん? [ピーーー]前に殺してやる。」

[ピーーー]と言ってはい死にます、とはなるまい。そもそもこれだけ時間をかけていれば仲間が見回りにくることも期待できる。

「はい私の質問。夜の命令じゃないって言うけど夜に命令されることはあるの?」
286 :春野陽奈 ◆icyNVh3d1g [sage]:2014/09/26(金) 00:32:26.69 ID:4L86WP/NO
>>276

【槍から伝わりくるのは、圧倒的な力の奔流。あれこそがスカヤの本気なのだろうか?】
【だとしたら良くここまで、あの力を制御していたものだ。確かに彼が強者と言うにふさわしいだろう】

「やっぱ、あんたらバケモンやわ………。何処にそんな力があんねん………」

【スカヤの扱う電流は、陽奈の炎ではもうどうしようもない程に力を増している】
【加えて電流や一撃同士のぶつかり合いでかなりの体力を消費した陽奈がスカヤにこれ以上のダメージを与えられる見込みもない】

「悔しいけど………」

【ギリリと奥歯を噛み締めて眉間にシワを寄せる陽奈。その目には小さな涙が浮かんでいて………】
【投げつけられた稲妻の槍をギリギリで回避する。しかし、その余波すらも陽奈に痛烈なダメージを残す】
【腹部の肌は焼け、体は痺れる】

「撤退や」

【陽奈の手に握られた太刀が今まで以上に強く輝き辺りを白く染め上げてゆく】
【けれどもそれは熱くはなく、眩しいだけの光】
【その光が止めばいつの間にか陽奈の姿は消えており、その場にはスカヤだけが残る】

【スカヤから逃げ、尚も街を駆けて行く陽奈は彼を倒すことを強く胸に誓った】


//急ですがこれで〆させて頂きます
//絡みありがとうございました!
287 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/26(金) 00:32:45.50 ID:XJfzCDY5O
>>277
腹の中に、蹴りが勢い良く叩き込まれる。生身なのでそれほどの威力はないが、そこはまだ余興。
そうだ、これはまだ余興。折角なのに、いきなり殺してしまってはつまらない。そんな、傲慢極まりない彼が思考した結果。
そして少女は豪語する。"自分こそが絶対的な強者。最強の、支配者である"と。大胆に豪語した。

「……………………くくっ」
「…………あ ー は は は は は は は は は は は は は は は は は は は!!!!!」

木霊する笑い声。腹の底から笑っている。狂ったように、笑っている。嘲笑?否、そうではない。そんな単純な事じゃない。
"面白い"と、彼は素直にそう思った。ここまで恥知らずの人間が、どこにいただろう?《夜》の破壊の本質さえも支配するなどと宣う奴が、どこにいただろう?
面白い、ならばやってみせろ。その力があるのなら。

「ぐっ、ぐああああああああああああああ!!」

更に右腕の形状が代わり、次は長大な剣。笑っている彼に振り下ろされたそれは、あっさりと彼の左腕を切断し。
苦悶の声を上げる。しかし、どこかわざとらしく芝居じみたそれ。すぐに分かるだろう、それがどういう事かを。

「………………なぁーんちゃって?」

先ほど貫かれた右腕と、切り落とされた左腕が黒い霧のように霧散する。
そして、同じように同じ部分を黒い霧が包み込み、それは新たな両腕として具現化した。つまりは、再生。

「くくくく……余興は終わりだ。ここからが本番だぞ、ニンゲン!」

そう言えば、次は身体全体が黒い霧となり、人間としての形は消滅する。
代わりに形成されたのは、鋭い牙に鋭い爪、背中には翼を生やした四足歩行の獣の姿。
ただ、そこに顔はなく、不気味としか形容できない黒い霧。頭部には、何やら明滅する球体が心臓のように蠢く。

「――――イ     ク    ゾ!!!」

地を蹴り、飛びかかる。鋭い爪は、少女の喉笛を確かに狙っていた。
288 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/26(金) 00:38:33.97 ID:q1F5eBvX0
>>281

思いがけぬ申し出に目を輝かせる女。今まで何処でも厄介払いされてきた、こんな事態をどうやって予想できたろう。
根無し草の様な存在にとってこの申し出を断る理由もない。うきうきと声を弾ませて――――

「マジでッッ!? それならご厄介に――――『おうクソ女、その辺にしとけや』

それを遮ったのは、笑みを吹き消したピエロであった。
寒々しい声音に、女の方も其れまでの笑顔を消し去ってぴたりと動きを止める。

『ど貧乏人がカワイイ勘違いしてんじゃねー、三食昼寝付ごときで靡くとかホームレス予備軍の名が泣くぞ』

睨み合いに3秒ほど費やして――――はぁとため息。
出したのは白髪の方。今までになく、この場では初めて女の方が折れた。


「あー……悪いけど、ベッキーんとこじゃ私のお腹は満たされないんだよね。すうぃーつが足りんよ、すうぃーつが」
『おうおう、かりんとうくらい準備しとけよ糞ガキ、金魚のフン的に考えて』

はいはいと上から目線であしらう二人、その態度は今まで通り高慢になようで、卑屈さを僅かに滲ませる。
これが本性にして狂気、肩を竦めてごっそさんと足を運び始める。
289 :リアーヌ・シャリエ ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/26(金) 00:40:38.13 ID:b590nD/m0
>>278
「……ふぅん」

(怖い人かと思ったけど、意外にオシャレなのね)
(恰好が恰好なら、優雅な紳士――ってところかも)

はて、さて、この男は何者なのだろうか。紅茶を愉しむ彼への観察の視線はいつしか思案へと転じていた。
外見からして軍人か、またはその経験者であろうことは労を要さず推察されるのだが。

「―――分かったわ。それがお互いの為だものね。」
「それと……私に絡んできた男どもが噂してたけど――"男を狙いその精を奪う女魔獣"、あなたも精々気を付けてね」

と、男に脅迫の暇も与えるまでもなく女は席を立ち、ライフルを手に取ると歩みを成した。入り口に向かって。
去り際に残した言葉――噂となり、市井の男どもを震え上がらせている女魔獣のこと。
礼とも受け取れるだろう。が、悲しいかな、先ほど男に襲われたばかりの、まさに男を警戒する女が云うのなら、「男だからといって立場が上だと思うな」というやっかみともともすれば受け取られかねないのだが―――


(自警団、か……)

嗚呼、それもまた懐かしい語だ。そこにいい思い出など無に等しいが。
男の頼みを女が聞き入れるか否か、それは分からない。

「本能に、忠実に……?」
「―――冗談じゃないわ。そんな汚らわしい男どもの本能のために、この私は……」

と、もはや男には聞こえない喫茶店を出たあとの無人の路地で呟いた。
最早ここには用はない。もとはと云えば魔獣退治が目的で来た。
とうの前にそれが済んだのだから、女は住人の大半が集う居住区へと一直線に歩き去っていくのであった。

//とりあえず、ここで締めですね。
//お疲れさまです。
290 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/26(金) 00:48:40.08 ID:UADhqT8vo
>>287
斬ったと言うのに斬ったと言う手応えはあるのにその手応えを現実のものと感じられないのは何故か。
それは直ぐに分かった。本当に、"何でも無い"のだ、その程度。
身を斬られたとて、例えば心の臓を斬られたとて―――――――― もしかしたら何も無いかと思えるほどに。

「……何が」

歯を噛み締める。虚栄心が揺らぎかけていた。その目の前に現れた規格外の化物に。
虚栄心にコーティングされた内側の感情が、焔装を創り出した負の感情が、喉元まで出かかっていた。
今度こそそれこそが真実とばかりに、我こそが真実とばかりに騒ぎ立てる、それを――――――――。

「何が可笑しい!何を笑う!?
 臆病者が、貴様のような臆病者が!ただ≪夜≫に従うしか出来ない臆病者が!


  私   を   笑   う   な   ぁ   !   !   !   」


虚栄心が競り勝った。怒りを抜け道として―――――――― 投げ出す事を、逃げ出す事を、抜け出す事を、留まらせた。
右腕が変異する―――――――― 牙が並ぶ"捕食概念形態"。振りかざされた鋭い爪へと向けて、その牙が食らいついた。
それが喉笛へと辿り着く事は無かった―――――――― あまつさえそれは彼を、彼女を、その他の誰かを、"捕食"しようと試みた。
それも欺瞞と笑うか―――――――― だがそれは、虚栄であろうとも。それは確かに彼女の意地でもあった。
291 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/26(金) 00:49:07.07 ID:0LDzbhcM0
>>286
「────気配が消えたか」
「おそらく撤退…触角を使えば見つかるかもしれんが、今は良かろう」

「変身」を解いたスカヤはその場でドカッと座る。久々に全力を出したのだ、この傷が癒えるのにも時間を要するだろう。

「しかし、「ゲッソウ」使いでここまで追い詰められるとは、このスカヤ…やはりニンゲンを侮っていたのかもしれない」
「だがその焦り以上に感じる、この高翌揚感…やはり俺は求めていたのだ、俺を超える強者に……」

そして立ち上がり、拳を夜空に挙げ、笑みを浮かべ、

「ならば俺も絶好のコンディションで臨むのがベストであろう……今は休息が必要だ」

身体は傷つくが、心は満たされる。次に戦う相手は自分の求める「強者」であって欲しいと望み、傷を癒す為に眠りについた。


//春野さん、お疲れ様でした!
//またロールする時はよろしくお願いしますね!
292 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/26(金) 00:50:07.53 ID:4+1OFLMs0
>>285
【現在、自分は日向の間合いに居る】
【殺されることがないだろうが、有子の首を落とす前に腕が切り落とされることも考えられる】

・・・・・・わかった。やめよう。

【小剣をしまい、有子から離れて】

こいつは質問に答えてくれた事もあるしね。今日はもう何も事を起こさないよ
質問に答えてくれたしね。お礼はするよ
他はどうか知らないけど、直接詳細な命令が下ったことはないな。僕はだけど。

【それだけ言うと、少年は背中をむけてその場を去ろうとするが】
【思い出したように振り返り】

えっと、そっちの剣の娘。
あの子から目を離さないほうがいいかもよ。ほうっておいたらどうなるか知らないぜ。

【最後に忠告し、少年はまた背を向けた】

//この辺りで〆ということでー
293 :アンナ ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/26(金) 00:56:37.95 ID:KXU+NnaZo
>>288

【彼女の喜び具合は、やはりそのアダ名からか良い暮らしはしていないのだろう、とアンナに思わせるには十分過ぎて】
【では――と言おうとした矢先、それを遮るのはピエロ。先ほどまでとはまるで違う氷のような冷酷さに、思わずアンナも笑顔が停止する】
【ピエロ。彼らは素顔を隠しているからピエロなのだ。アレが彼の本性なのだろう。アンナには、どうすることも出来なかった】

(……これも、世の常で御座いますね……)

【睨み合いはピエロが勝利したようで。彼女らが行くというのならば、それを自分が止める権利はない】
【だが、最後に1つ彼女らへと言っておきたいことが有った。《夜》へ何時落ちるかもわからない、そんな世の中だからこそ】
【アンナは笑顔で言葉を放つ】

「すうぃーつで御座いますか……。フフ、ではそれは次の機会に、ということで。
 また宜しければ、此処にお立ち寄り下さい。……『ありがとうございました』。さようなら……!」

【アンナも、先ほどの少年も、彼女らが見えなくなるまで見送ることだろう】
【僅かな時間の、彼女らとの邂逅。それでも、彼女らのお陰で多大な決意を胸に秘めることが出来たならば、感謝してもしきれないというものだ】


/こんなかんじで〆ちゃって大丈夫でしょうか!
/絡みありがとうございました!
294 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/26(金) 00:57:26.92 ID:Cmxf82GY0
>>284 >>294
「残念ながら日常茶飯事だね。でもそんな日常でも私達がまだ生きているのは確かだよ。生を捨てるのは死んでからで十分じゃないか!」

有子なら小剣を拾う動作ぐらいなら妨害できたであろう。それをしなかった理由は……。

(有子ちゃんも限界ぎりぎりか……)

この絶望的な環境下で希望を持って戦える人間の方が少ないのは経験として嫌というほど知っている。
そして心が折れた人間から消えていくことも。どうにかしたいがどうにも出来ない歯痒さが未来を襲う。


『・・・・・わかった。やめよう。』

この魔獣はいったいなんなのだ。報告書に書く内容が増えて困る。いや、しかし見逃されたという事実は助かる。
再び戦闘が始まったら今度は一人で戦うことになるだろうから。

「真っ直ぐ帰ってよね」

加えて罵声の一つや二つを飛ばしそうになるも押しとどめる。無駄な挑発はよろしくない。
しかし本当に真っ直ぐ帰る少年に未来は困惑していた。

/ありがとうございましたー
295 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/26(金) 01:02:25.26 ID:XJfzCDY5O
>>290
鋭利な爪は、少女の喉笛に届くことはなく、代わりに捕食形態となった右腕がそれに喰らいつく。
少女の怒りのまま爪は噛み砕かれた。だが、彼女の異常なまでの虚栄心は確実に揺らぎ始めている―――――そう確信した。
人の心など脆いものだ。圧倒的力の差を見せつければ、あっさりと折れる。だから、折れるまで何度も続ければ良い。

「《夜》ニ従ウ………?違うナ、私は唯《夜》ノ本能ニ従ってイルだけダ」

少女は彼を《夜》に従う事しかできないと言う。だが、それは違う。これは生まれ持っての本能。
破壊する事こそが彼の本能。《夜》がだからじゃない、彼自身の心がそうなのだ。自分の意思で、破壊の為に動いているのだ。

爪は砕かれた。代わりにとばかり、今度は上空に向かって地を蹴り飛翔。翼は使わず、そのまま落ちていく。一回転しながら、鞭のように撓る巨大な尻尾を振るって。
着地すれば、尻尾の一撃が衝撃と共に地面に伝わるだろう。それは地を抉る程の威力。喰らえば、一溜りもないのは確実だ。

頭部の球体は、鮮やかに虹色に輝いている。
他が真っ黒い霧のように曖昧な形をしているのに対して、ただ一つはっきりと何かを主張するように脈動していた。
296 :有子【拳銃型月装】 ◆OW.BLzrPIE [sage]:2014/09/26(金) 01:04:31.15 ID:7KO8ifEOo
>>292
「なんだい、私をやれたはずなんだけどなぁ…」
未来の信頼を裏切る形で、何も行動を取らなかった。
敵に呆気なく殺される、という形で。
…助かってもなお、ぼんやりとした様子で立っていた。

「また助かっちゃった。また助かっちゃったよ…
 私達は、いつまでこの悪夢に囚われるんだろうね…」
呆気ない幕切れに、口を三日月状にして歓喜の声を上げる。

>>294
「ふふふっ。私は死なない…大先輩からツキを貰ったからね。
 …帰ろう。そして腹いっぱい食べて、それから考えよう…」
有子との距離感は、浮世離れしたした雰囲気から来るものだ。
彼女は醒めない悪夢を、起きたまま見ているのだろうか。

虚ろな表情を浮かべたまま、街の方角へと歩いていった。
ここから下がれば、すぐに拠点へと帰れるだろう。

//FO。2人ともおちかーれ!
297 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/09/26(金) 01:05:45.89 ID:GVbFsIxyo
>>289

男は相手に無関心だ。本当に無関心なのかもしれない。何かしらの
関心を抱かないようにあえて紅茶のカップに意識を注いでいるのかもしれない。

「その方が、生きやすい。限りある世界なら、尚の事。」
「ふっ…どうせ死ぬならソレのほうがマシだな。慈悲深い魔獣も居たものだ。」

鋭角的な言葉も同じように皮肉をたっぷり込めた同角度の鋭角に返す。
軍人の類であることと相当な皮肉屋であることは簡単にわかる。紳士には疑問符だ。

「何か欲しけりゃ、来い。安くはないがな。」

店を出る背中に男は声をかけた。彼は気に入った人間にのみ店を開く。
基準は外見や話しぶりから信頼できるか推察するが、多くは彼の直感に頼る。
ただ、金銭が無意味と化した昨今では何を支払うのだろうか。今は殆どは物々交換だ。

彼女が去ってから男は紅茶にふけっていた。紅茶の香りが全てをあの夜の前に戻してくれる。
男はそのままソファに横になって目を閉じる。靴に立てかけたライフルがあたってガチャリと鳴る。
銃身に彫られた文字がランタンに照らされて鈍い光を反射した。『Keep Calm and Carry On』。
そんな標語を掲げて戦った組織があったが、今となって知っている人間はほとんど居なくなってしまった。


/お付き合いいただいてありがとうございました。お疲れ様でした。
298 :端辻 神楽耶  ◆P9IJ.Gjl0Y [saga]:2014/09/26(金) 01:11:15.36 ID:2ygKqKtc0
「ようやく人の居(お)る場所に着いたというのに 皆(みな)は余所余所しいし、腹は空くしのう」
「まったく最近の―――――」


「はて、此処は何処じゃろうか?」

都市の中心部より僅かに逸れた廃墟街。疎らに居る人々が身を寄せ合って生きるスラムの様な、そんな場所。
東方の民族衣装である黒色の『キモノ』と髪留めが特徴的な十代前半の少女は、今現在の状況において――――迷っていた。

理由としては『土地勘の無さ』が第一に当たる。彼女はつい先日この都市へと辿り着いた生存者であり、歳がどのような構造をしているのか全く持って理解不能。
先日ついたにしては服や顔色が随分と悪くなっていない気はするが―――其処を気にする必要もあるまい。

なんとなし宛を求めてさまよっては見るのだが、どうにも会う人会う人が酷く余所余所しい。正確にいうなれば、最初は強気な態度をとってきたりもするのだが、即座に萎縮して逃げ去ってしまうのだ。
恐怖≠フ感情が能力《焔装》発動のキーであることもあり、様々な危機的状況から脱出できる分。普段の生活にすら顔を出す其れは
彼女の通常なる生活を徐々に削り取り、範囲を段々と狭めていく。だが、未だ彼女は正常な精神を保ってしまって≠「た。

どうやら食料の配給云々の事もまだ理解していないらしく―――歩く足取りは酷く軽く、危うい。始めてきた場所だというのも相まってか
キョロキョロと周りを見回す様が田舎者の様で。視る人が見れば♀i好の獲物であることに間違いは無かった。
299 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/26(金) 01:13:28.27 ID:q1F5eBvX0
>>293

「ククク……伝説の“ふるうつぱふぇ”を食べるまで私は死なんよ……」
『お前、廃墟でレストランのメニュー拾ってからそればっかだよな』

焼け焦げたメニューらしきものをポケットからチラ見しつつほくそ笑む二人。
世界が夜に堕ちる前と変わらぬ、ささやかな夢。他はどうか知らぬ、だが彼らの場合叶わぬから夢なのだ。
最後はCOOLに、無言で背中越しに手を振って見せる。


「はぁ〜、また一つ、人々の結束を強めてしまったぜい」
『オレ達ってホント世界の救世主だわ〜つらいわー』

上を見れば限りがないが、下を見れば安心できる。
人間とはそう言う生き物だと、少なくともそう決めつけている女は。街から離れてすぐ、自棄(やけ)に満足げな表情でくくくと喉を鳴らした。


/絡みありがとうございました!
300 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/26(金) 01:31:32.79 ID:UADhqT8vo
>>295
鋭利な爪を捉える、噛み砕く。だが、僅かに手に入れた生存も束の間―――― 追撃の手は緩まる事は無い。
生物のスペックとして―――― それは明らかあの彼女を凌駕していた。焔装を足して考えたとしても、だ。
それが脚力のみを用いて空へと舞い上がったと判断できたのは―――――――― それが降り落ちてくる直前だった。
咄嗟に右腕を変形させて、急ごしらえの盾の形状を作り出す……だが、それはまるで紙細工の如く、易々と砕かれて彼女へと衝撃が叩き付けられた。
直撃した訳でも無いのに、だ。ただ衝撃だけで、身体が舞い上がった。強化された身体能力、それすらも上回って彼女の身体の内側、骨を何本もへし折った。
身体中を切った。地面へと倒れ伏す頃には、一瞬で重傷の女一人が出来上がっていた。右腕の焔装が、消えかけた蝋燭の炎の如く、弱々しく揺蕩う。
頭部から流れる血が額を伝う―――――――― その温い感覚に、恐怖は煽られていく。怖い。怖い。怖い。怖い。
決壊しかけていた。その心は砕けかけていた。圧倒的な力の前に泣き出して逃げ出したかった。
そうなれば所詮は只の生娘だった……けれどもその破片は、彼女を"楽にする"事を、許しはしなかった。

≪夜≫に奪われた彼女の総てが、その"虚栄心"を支えてしまった。

「……ならば」

まだ壊れはしない。まだ崩れはしない。まだ、まだ、まだ……厚く張った虚栄心が、彼女を揺さぶり、立ち上がらせる。
恐ろしい。恐ろしい。恐ろしい。恐ろしい。
騒ぎ立てる内心は押し殺されている。まだ押し殺されている。外側へと流れ出ようとするその心の内、まだ、吐き出されない。
繋ぎとめるのは恐怖心、無力感、諦観、そして力の無い自分と捕食される側の絶望―――― もう二度と、そうなりたくないという素直な心。
立ち上がる。まだ老衰を目前とした老人の方がしっかりとした立ち姿を見せるだろう……それは、酷く弱々しい。

「ならば貴様は夜の操り人形だ!夜の都合の良い駒だ……ただ夜の為だけに生きる木偶だ!!
 この世界に"弱者"はいらない―――――――― 貴様はァ!!」

閉じていた右眼が開かれる―――――――― ≪月の光≫に視力を奪われたそれは彼を映して離そうとはしなかった。
駆ける。本当は走ることが出来る身体では無いけれど――――――――"見栄坊"足る彼女には、"見栄"が最優先される物だった。

  わ た し
「  強  者  の  糧  と  な  れ  ェ  !  !  !  」


直線的な疾駆―――――――― それが其処を捉えようとしたのは、其処がただ単に、虹色に輝いて目立っていて、目障りだったから。
"捕食形態"へと再度変形したそれが―――― 或いは彼の、或いは彼女の、或いは何処かの誰かの頭部を、噛み砕こうとした。
301 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/26(金) 01:46:53.97 ID:XJfzCDY5O
>>300
強烈な尻尾の一撃は、少女を一瞬で重傷の状態に変える。
やはり、この程度か。彼は失望していた。所詮は口先だけの雑魚と、熱が冷め始めていた。
これで終わり―――――――ならばこのまま一思いに殺してやろう、余興にもならない相手などつまらないから。

だが、予想に反して少女はあくまで折れようとはしなかった。あくまでも、虚勢を張り続ける。
嗚呼それで良い。強がった顔を、絶望に染めるのがこの上なく楽しい。それでこそ、玩具としてあるべき姿。
そして、少女は直線的な疾駆をする。狙うはただ一つ、頭部の球体――――つまり、彼の本体でありコア。

「――――――――!!!!!」

彼はここで初めて、ぬかった。頭部を噛み砕かんとする一撃は、コアの堅い障壁によって守られるも、コアに傷がついてしまった

「グアアアアアアアアアアアッ!!!!」

そして上げる、今度は本気の苦悶の咆哮。これで分かるだろう、そこが弱点であると。
よくもやってくれたな、私に逆らったな。許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない―――――

彼が選んだのは、撤退だった。

「チッ、今回ハここまでニしておいテヤロウ―――――」

あくまで今回は顔見せ。そうだ、別に本気でやっていたわけじゃあない。
捨て台詞を吐き、翼をはためかせて飛翔。そのまま、夜の闇にへと消えていった。
痛み分け――――にしては釣り合わないかもしれない。だが、少女は有用な情報を手に入れたはずだった。

/それではこれで〆で、ありがとうございました!
302 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/26(金) 02:04:44.64 ID:UADhqT8vo
>>301

その一撃がその虹色に輝く"ナニカ"を噛み砕こうとし……それが障壁に阻まれた時。今度こそ、其処が死だと、思わず思った。
だがその牙は僅かに其処を引っ掻いた―――――――― 致命傷にしては余りにも浅すぎる攻撃、だと言うのに。
その咆哮には余裕の欠片も無かった。まるで、"捨て台詞"の如き言葉を吐きながら、その異形の≪魔獣≫は、夜闇へと消えていった。
それを見上げながら。虚栄心と見栄が重なり合って作り出す、小さな笑いと共に。

「―――――――― 見つけたぞ、貴様はやはり、"弱者"だ」

絶対的な存在には程遠い――――――― それだけでも、彼女にとっては十分。
次は間違いなく殺すことが出来る、本心では"次こそ殺される"何て脅えていると言うのに、そう虚栄心が確信した。
夜闇へと手を伸ばし―――― 握り潰す様に拳を作ると、そのまま瓦礫の上へと倒れ伏した。

「くッ、くく……ははは、はは……!!」

身動き一つとれない姿でありながら、強がって最後にそう笑い。右眼が最初に閉ざされて……やがてもう片方も、程無くして閉ざされた。

/遅くまで絡みありがとうございました……!!
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/09/26(金) 07:27:45.98 ID:yjFPTD3Zo
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304 :髭ザー面 ◆GB8uOXk.zuXU [sage]:2014/09/26(金) 07:34:59.85 ID:TfH/XG2BO
わらった
305 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/26(金) 12:49:40.59 ID:C4sEFhrgo
昼間の配給所は既にすっかりまばらだ。食事を終えた面々は業務に戻っていて数人しかここには残っていなかった。
ジョセフ・シェーンハウゼンは残っている方の人間だった。穴や切り傷だらけのぼろぼろのジャージに包帯まみれの彼は否応なく目立つ。
彼が座っている席のそばには槍が立てかけられていて、それもまた目につく光景だった。

「昼食だったっていうのに、空がこうも暗いんじゃ早い朝飯なのか晩飯なのかわかりゃしねえな」
「この状態になってからもう随分と経つが、未だに慣れやしねえ」

ため息でも出そうなげんなりとした様子でジョセフは呟く。
彼の目の前には既に空になった器がいくつか。食事を終えた後の一服というわけだ。

「なぁ、あんたもそう思わねえか?」

世間話の気軽さと人当たりの良さげな笑みを携えてジョセフは近くにいるであろう人にこう語りかけた。
306 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/26(金) 19:54:14.89 ID:C/O9KjiMo
その男は異端だった。夜を避けて生き抜く人間が殆どを占める中で、男は堂々と荒れた街中を一人で闊歩していた。
その男は異端だった。夜と闘う者の中でも、夜に対する怨念と云うものはそれほど持っていなかった。
その男は異端だった。この荒廃した世界を、力がモノを言うこの弱肉強食の世界を、獣の其れと全く変わらない世界を――――どこか歓迎していた。

「……来いよ。居るんだろ? こんな時間に此処に居るのは夜か魔獣くらいだ、もしそうじゃないならさっさと失せな……」
「俺はバケモノ共を殺しに来たんだ……否、正確に言えば。――――バケモノ共を殺す事を楽しみに来たんだよ」

ソフトモヒカンの髪を軽く掻き上げ、獣のような笑みと共に言葉を飛ばす。誰に向けられた言葉なのかは明確だった。
夜か人間かまでは分からないが、別の気配は確かに感じられる。肌がその異変を感じ取れば男は立ち止まり、指の関節を鳴らしてそう告げた。
姿はまだ見えない。しかし男は構える。両膝を軽く曲げ右足前の半身になり、左足の踵を僅かに上げて両脇を締める。格闘技に精通していると直ぐに分かる振る舞い。

「……恨み? んなもんはねェ。確かに不便な世界になったかも知れねぇが寧ろ俺は感謝してるんだよ……力が全ての世界になったことをよォ」
「俺はただぶっ飛ばしてェだけだ。ぶん殴りてぇだけだ。バケモノ相手なら殴り殺しても賞賛されるんだぜ? こんなに素晴らしいことはねェってんだよ」

漆黒の双眸を光らせ、相手の姿が現れるのを待つ。夜にとって人は獲物なのに、彼はまるで夜が獲物と言わんばかりで。例えるなら――――そう、餓狼だった。
307 :剰 翔</b> ◇TGszRFSmsk<b> [sage]:2014/09/26(金) 20:17:15.09 ID:mOKywdyG0

−−−−闇市、なるものがある。
滅びかけた都市に於いて、保存食が十分に行き渡る層の人間などほんの一握り。
多くが飢え、犯罪に手を染める。余った分を売り払い、より長く生きられるよう命を懸ける。
故にこの通りでは、当然のように盗まれた食糧や、『何で』できているか分からないような肉が売られていた。

「……」

最早それも当たり前の光景。法を犯す道が拓かれ、多くの人々が通るものとなれば、それを裁く者などはいなくなる。
そも、飢えていない人間に、彼らを糾弾する権利がある筈もなく、
飢えている人間が、その場を避ける道理がある筈もないのだ。
故に自警団の青年は、特に彼らを咎めることなく、ただ通りの隅に立ち尽すばかりであり。

「本当に見つかるもんかなぁ、“装遣い”……」

青年の目は、通る全ての人間を一瞥する。彼の目的はスカウト。頻繁に発生する欠員の補充だ。
見ただけで適性が分かるならば苦労はしない。彼は無茶な任務に、ただため息を吐くのである。

//永夜世界初ロールです!至らぬところも多くあるかとは思いますが、よろしくお願いします!
//あと、PCと携帯の二つ持ちなので、ちょくちょくIDが変わりますすいません!
308 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/26(金) 20:39:02.87 ID:C/O9KjiMo
// >>306ですが22時まで受け付けてます!それ以降は終わらせるまでに相当時間かかりそうなので……
309 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/26(金) 20:45:15.08 ID:NXF6amtM0
「――ラァッ!」

目の前の魔獣の頭を砕き、[ピーーー]
ここに強力な魔獣がいるから助けてくれと言われ少し期待して来たが、そこにいたのはなんのことはない能力すら持たない只の魔獣だった
強いて言うなら、他の魔獣より速度が速いというくらいのものだった
つまらなそうに魔獣の死体を一瞥すると踵を返し、依頼してきた連中の所へ戻った

「終わったぞ、約束通り食い物を寄越せ」

すぐに戻ってきたせいか少し驚かれた
食料を分けるかわりに暴れている魔獣を倒してくれ、とのことだったのでさっさと食料をとりその場を離れる
半分以上の食料をとったせいか文句を言われたが、別にお前らを殺して奪い取ってもいいんだぞ?、と言うとなにも言わなくなった

「あぁ、本当につまらない」

食料を食べ歩きしながらそんな言葉を言う
食料が手に入ったのはいいが、かなり不完全燃焼だった
暴れるという手もあるが、魔獣に堕ちるかもしれないのにそんなことをするほどバカでもない
どこかに魔獣でもいないものか、と自身の持つ食料が狙われる可能性など考えずため息をつきながら歩いている
310 :フェルアゾイル ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/26(金) 21:17:31.54 ID:KXU+NnaZo
>>309
「――――――食べ物……」

【彼が歩く道から枝分かれした横道――と言っていいのかわからないほどに破壊されているが――から、そんな声がする】
【幼い、そしてか細い少女の声。彼がその声に反応し、首をそちらへと振ってもおかしくはないだろう】
【横道を見れば、そこに佇んでいるのは先ほどの声の主と思われる少女だった。ボロボロのズボンとシャツ、そして灰色のローブ】
【ホームレスか乞食のような―――こんなご時世、少なくもない格好をしていた】

「食べ物……下さい……」

【乞食風の少女は、ローブの内側からアルミの皿とスプーンを取り出すと、それを彼へと差し出した】
【フードを深く被っているために口から上は見えない。しかし、唯一見える口から発せられる言葉は今にも倒れそうな弱り切った声】
【哀れで、可哀想な女の子。この少女に出会う多くの人々はそう思う。だからこそ、"気付かない"】

【彼は気付くだろうか、乞食風だが、そのくせ特有の鼻に付く臭いがしないこと。そして少女から僅かに漏れる、"悪意"】
【さらに、少女の居る道の奥底に放置されている、焼死体が――――――】


/最初ちょい遅れるかもしれませんが、よければオナシャス!
311 :フェウアゾイル ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/26(金) 21:20:15.07 ID:KXU+NnaZo
/名前ミス!
312 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/26(金) 21:26:05.01 ID:aeCxBoOEo
 瓦礫の崩れる音で目を覚ました。魔獣狩りを始めてから昼夜逆転し《夜》が活動時間だ。
 ぼやけたあたまでなんとか廃ビルに背中を預け、音がした方から姿を隠す。
 息を詰ながら様子をうかがっていると、四足の魔獣が徘徊していた。
 幸いというべきかリィオラには気付いていない様子だった。しかし猶予はない。
 感覚強化された魔獣だったら気づかれるのは時間の問題だった。

 リィオラは両足にちからを込め、圧縮空気が吐き出され弾き飛ばされたように加速する。
 さすがに気づいた魔獣が顔を向けリィオラを捉えていた。しかし勢いのまま魔獣を前向きに跳躍。
 鋭く回転するアクセルジャンプから伸びる脚と刃。気づかれていたとしても動くよりも速く。
 単分子超振動ブレードで刹那にして魔獣の首を切り落とし、リィオラはそのまま反対側のビルに隠れた。
 うるさいぐらいの鼓動を聞きながら、リィオラは動かなくなった魔獣に安堵してその場に座り込んだ。

「はぁ……はぁ……ふぅ。……まるで羽虫だ、私は」

 こそこそと動いて気付かれぬように攻撃して逃げる。リィオラは情けないと歯噛みした。
313 :コウハイ ◆35q0XkFtss [sagesaga]:2014/09/26(金) 21:28:15.38 ID:n5C7NWuPo
/今更ですがいちおつです

「ごっ、つぁんですっ! 腹が減っては戦は出来ぬ、センパイ探しも捗らないってモンですからね!
ほんと、ゴチになりました!」

とある一棟の廃墟、の一室。一人の
少女と見える人が、手を打ち合わせて感謝を告げていた。
然し纏う制服はよれて乱れ、香り立つ情事の匂い。開けられた缶詰。娯楽の少ないこの世界で分かりやすい『等価交換』の形の一つ。

「でもほら、こうしてちゃんとお礼はしたんですから、恨まないで下さいね?
私にも海よりもふかぁい事情ってモノがあるんですから、ええ──ああっ、こっちに汚いの飛ばさないで下さいってば!」

悪びれもしない風に謝りながら浮かべた軽薄な笑み。続けて言葉を掛けようとして──その人間の亡骸を貪る夜堕魔獣へ非難の声。
食い散らかしたのが飛んで来て水を差されたのが不服なのか、露骨に詰まらなそうに唇を尖らせれば衣服を整え直し。

「それでは私はこれで! こう見えても忙しいので、悪しからずですよ!
──センっ、パぁぁぁイッ! 貴方は何処にいらっしゃるんですかぁあぁ、いッ!!」

骨太な亡骸へ一礼してから表へ、廃墟ばかりが並び立つ外へ、軽い足取りで。
声を張り上げながら元気良く闊歩する少女、もとい有志魔獣は今日も堂々と、魔獣の蔓延る大通りを歩いて行く。
314 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/26(金) 21:29:51.15 ID:q1F5eBvX0
>>306

「あ、はい、そう思います」

のこのこ歩いてきたのは夜でも魔獣でもなく、一人の女。
ひょろりと風が吹けば飛ばされそうな体躯は、格闘家のような男と比べてあまりに頼りない。
スリッパをぺたぺたつっ掛け、聞いていたのかどうかも怪しい生返事。ふぁ、と欠伸を漏らす。

「最近ヒャッハーさん多過ぎぃ……大声で目が覚めちゃったぜ」

寝ぼけまなこを擦り、男の堂に入った構えをぼけっと眺める。
暗闇を恐れず熟睡できていたのは愚鈍か狂人か、はたまた馬鹿故か――――
言動は3つめを限りなく後押しするものばかり。しかし相手の濃厚な気迫には濁った眼を僅かに見開いた。


/まだ大丈夫でしょうか? 夜陣営キャラの方が良ければ引きますので……
315 :相沢 雅樹  ◆P9IJ.Gjl0Y [saga]:2014/09/26(金) 21:38:58.20 ID:2ygKqKtc0

「……………………クソがッ!!」

思わず思い切り感情を吐露し、大声でそう叫んでしまいたい衝動を必死に抑え。声に出るかでないかギリギリの声量で悪態をつく。
街の外へと何かないかと探索中魔獣の群れに出会い、自らの能力によって身を隠してから二十分。魔獣の数は約三体。
どちらかと言えば弱い固体である故、彼の様な底辺に近い月装使いでも不意打ちで一匹は倒せるような強さの敵。
郊外に出た瞬間からステルスを常に発動させていたため、合計時間は総合して四時間四十分。調子に乗って少しだけ遠くに出向いてしまったのがそもそもの原因か。

もし俺が焔装を持っていたならば、颯爽と魔獣三体を狩って街へと戻っていただろう。もし俺の月装がもう少し強ければ、やはり魔獣を殺せていただろう。
だが、俺にはそれが敵わなかった。運よく不意打ちで一体を殺せたとしても、残りの二体に体を砕かれるのが落ちだ。そうやって死んでいった月装使いを、俺は何度も見てきたんだ。
弱い、弱い。出会ったのは廃墟のような場所で運よく近くに建物―――ビルの様なナニカ―――があったからそこに隠れられたものの。恐らく少しでも余計な動きをとれば即座に反応されてしまうだろう程度には距離が近い。
速くどこかに行ってくれと汗ばむ体と頭で願っては見るが。どうやらここはアイツラの住処らしい、先ほどから少し移動する動きはあるものの、このエリアから動く様子は微塵も無かった。

月装によって生成されていた魔力が段々と尽きてきているため、ステルス機能は殆どの機能を停止している。視覚的な面では建物の陰にいることにより見つかる事が無いと思い、音と臭いの低減に出力を絞る。
故に、彼の姿は隠れていない。視認することは容易で、魔獣に神経を裂いているため近づくのも恐らくは簡単な筈だ。
316 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/26(金) 21:40:05.54 ID:B/tZFgeOo
>>307

その場の人物を順に見ていけば、一人の男が目に留まることだろう。
タキシードに白ネクタイ。くたびれてはいるものの、光沢感のある生地は、こんな場所には見合わない高級品。
服装に劣らずしっかりとセットされた髪と、整った顔立ち。長身の男は、まるで《夜》に閉ざされる前の世界から抜け出して来たようだった。
ただ一つ、光の無い目だけが闇市に足を踏み入れる資格を証明している。


「純犬肉」という看板を掲げる夫婦といくらか話し込んだ後、タキシードの男は結局肉に手を出さずに踵を返す。

―かと思うと、いきなり目の前を歩いていた少女の肩口を掴んで

「女。お前は月装使いか?」

と問いかける。怯えて暴れ出す少女を離し、周囲からの非難の視線を一手に浴びる。

女を襲う狼藉者より、一人で出歩く女が悪い――なんて暴論がまかり通る時世。
その男に向けられた視線は、非難よりも恐怖の方が多かったかもしれない。
焔装・月装の担い手を探しては殺して回る魔獣がいる、なんて話が人々の脳裏を過る。

それを裏付けるように、男の周囲だけが周りより一段と暗いように見えた――。

/まだいますかー? よろしくお願いします
317 :田村 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/09/26(金) 21:43:16.92 ID:HW7EvcZ0O
都市ーーーー巨大な壁に覆われたそこは、「夜」に対抗する人間達の最後の砦。
その壁の外側数キロ、重力が狂った空間との丁度真ん中に看板が立っている。

「無断での立ち入りを禁ずる」
看板の下には洞穴が掘られており、内部には家具が並べられている。さながら家のように。
そして、椅子に腰掛ける男。

「えーと、地図に水、メモ帳と………ボールペンは何処に落としたかな?」

しばらく机の下を弄るが、目当てのペンは見つからない。

「………仕方ない、どっかで取ってくるか」
梯子を登り、戸板を開ける。空は暗く、広がるのは一面の荒野。
その中を、男はゆっくりと進む。行先は、都市の壁。
318 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/26(金) 21:47:09.86 ID:NXF6amtM0
>>310
「あぁ?」

小さな声がしたためそちらを向く
見れば親に捨てられたのか或いは親が死んだのか、ボロボロの少女がいる
夜が来る前までなら珍しかったが、この程度今では珍しくもない

「はぁ?なんで俺がお前に食い物をやらなきゃいけねーんだよ」

よって一切同情はしなかった
食べていたものを一気に口に放り込む
まだまだ食料は余っているがいつ食料がなくなるかもわからない今、分ける気にはならなかった
そして、普段と違い今は多少不機嫌なせいできづけなかった
少女から発せられる違和感の正体に、路地の奥から漂う異臭の正体に
319 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/26(金) 21:49:28.38 ID:C/O9KjiMo
>>314

「――――ッッ、人間……かよ。ったくどうなってんだ、魔獣も仕事をサボってるってか」

――――なんだ、つまらない。そう言いたげな表情を浮かべながら、男はだらりと構えを解きジーンズのポケットに両手を突っ込んだ。
目付きの悪い漆黒の瞳でじろじろと凝視する姿は、彼女から見ればガンを飛ばしているかのようにも見えるかも知れない。
……それにしてもこのような場所にこのような時間で、そのだらけた様子。少し首を傾げる仕草を見せれば、思ったことを間髪入れずに吐き出した。

「……オマエ、馬鹿か? んな所で寝るヤツは始めて見たし……此処で寝るってことは自殺行為と同義だろ」
「――――此処はもう戦場なんだぜ? 魔獣に夜が徘徊し、隙を見せれば死が見える。……んな所で眠るお前はなんなんだ」

ああ、何だかイライラしてきた。緊張感の欠片も感じさせずに目を擦るその様子が、気を張り、命を懸けて戦わんとする自分を馬鹿にしているようにも見えたからだ。
戦場を馬鹿にしているような仕草にも見えてきて、思わず舌打ちをしながら目を背けた。兎に角分かることは、彼と彼女は対極なのかも知れないということだった。

/構いませんよー! お願いします!
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2014/09/26(金) 21:50:46.54 ID:OBD7x4Ol0
>>317
//街を覆う壁だとかはないみたいですよ!
//wikiに目を通してからロールをする方がそういった間違いを防げるのでいいと思います!
321 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/26(金) 21:51:52.23 ID:mOKywdyG0
>>316

目に留まったのは、身なりの良い男。しかし、その雰囲気が抱く闇は、青年もある程度知るところだ。
余り危険視されても拙いだろう、敢えて気楽な調子を装った。

「あー、すいません。その子、怖がってますよ?」

『少し正義感の強い青年』というように、危機感なく話しかける。

//よろしくお願いします!!
322 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/26(金) 21:52:57.56 ID:HW7EvcZ0O
>>320
//「舞台はビルが倒壊し、周囲を囲う事によって城壁を得た街。」と書いているのですが…
//http://www63.atwiki.jp/yeh-yah/pages/7.html
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2014/09/26(金) 21:55:56.00 ID:OBD7x4Ol0
>>322
あんりゃま!運営への質問にはそういったものは無いとありましたので…!どっちが正しいんでしょうね(´・ω・`)?
324 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/26(金) 21:59:25.40 ID:HW7EvcZ0O
>>323
//そうですか……了解しました
//一度質問スレで聞いてみますね
325 :フェウアゾイル ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/26(金) 22:01:58.07 ID:KXU+NnaZo
>>318
【明確な拒否の意思。無理もない、乞食ならこの世界にゴマンと居る。《夜》の前ならまだしも、今では難しい】
【しゅんと項垂れた少女は、「そう……ですか……」なんて呟いて。その直後だった】


「――――――じャあ、"アナタ"を頂ク!」


【何かが噴出したボッという音。それで少女の異変に気づいたのならば、並の人間ならばもう手遅れかもしれない】
【何らかの方法で超加速した少女の体は、一気に彼の懐へと潜り込もうとする。それができれば、次に打ち込むのは拳だ】
【たかが少女の拳と侮ってはいけない。マトモに当たれば数mは吹き飛び、内臓にダメージを与える強烈なストレートなのだから】
【潜り込めなければ、或いは拳が空振りに終われば一旦彼とは距離を取り、それから再び彼へと顔を向けるだろう】

【振り返った少女の顔は、既に"少女"の顔ではなくなっていた】
【顔の右半分は烈火に包まれ、左半分は黒く変色している。人に襲いかかり、このような変化を遂げそうな生き物など1つしか無い】
【それは、魔獣だった。フェウアゾイル―――「火柱」の名を持つ、一人ではなく、一匹の猛獣であった】
326 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/26(金) 22:03:16.45 ID:B/tZFgeOo
>>321

「流石にそれくらいは見れば分かる。だが、まだ質問の答えを聞いていない」

少女はいったん青年の背後に潜り込むと、人ごみに紛れてその場から逃げていく。
割って入ってくれた青年に対しては、感謝の言葉も無い。

「この程度で怯える女が戦力になるとは思わないが、そも俺は人を見る目が無いからな
見た目で年齢を計るのは苦手で、内面に関してはなおのこと苦手だ。一応答えを聞いておきたかったのだが」

既に消えてしまった少女のことを話し続けるさまは、いささか異様。

「元から期待してなかったとはいえ……余計なことをしてくれたな」
327 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/09/26(金) 22:03:58.62 ID:GVbFsIxyo
街の外れに位置するスラム街を抜けた先は瓦礫と廃墟の群。人気は全くと言っていいほどなく
自警団などがパトロールにたまに来たりする程度。ある一部の人間以外には関係ない場所だ。

そんな場所で一件だけ明かりのついた場所がある。半壊したビルの1階に入った半壊した喫茶店。
瓦礫と打ち付けられたベニヤ板の隙間からうっすらとオレンジ色の明かりが漏れていた。
ある噂によるとそこには闇商人が居るという。他のと違うところは今となっては珍しい嗜好品もあるらしい。

ドアを押し開くと、カランとドアベルが鳴る。昔と同じだ。店内も半分は瓦礫に埋もれているようだがテーブルの上のランタンの
明かりが届く範囲は綺麗なままだ。あるテーブルにはソファと絨毯。壁には美しい古都の油絵。飲みかけのティーカップ。

「用があるなら、武器を棚に置いて椅子に座れ。テーブルの近くだ。余計な動きをしたら撃つ。」

不意に店の奥から声がした。現れたのはカーキのコートを来た男だ。短いブロンドの髪。
頬と目尻のしわは若くはないと示す。片目に眼帯をした青い瞳は厳しく、片手に握られた拳銃は相手に向けていた。
328 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/26(金) 22:04:01.85 ID:q1F5eBvX0
>>319

「ここ怖くないし!? 魔獣とかワンパンK.Oだっちゅ−の!」

やーっとへっぴり腰で右手を突き出す女。パンチはおろか拳の握り方も知らないような素人の動き。
が、腕を動かせばぴしゃりと生臭い液が地面に飛び散る。闇に隠れているが、スリッパの下にも滴る何かがぽたぽたと、水溜まりを作っているようで――――

「そんな私は茶毘川 端子(さびかわ はし)です死苦よろー!」

赤ジャージは元から汚れて血糊が目立たない。
もしこの場に明かりが有ったら、女が来た道の向こうで、今まさに消失せんとする魔獣の骸が見えたのかもしれないが。
悲しいかな闇の中に映るのは、びしっと敬礼する白髪女の姿だけであった。
329 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/26(金) 22:11:27.11 ID:smGBRyvTo

ちょっと壊れてんなァ…

【青年は寂れ蔦の生えた駅のホームで自身の月装を弄っていた】
【先の戦闘の際瓦礫に埋もれた結果どこかが故障したようなのだ】
【なぜこんなところにいるかは―この駅長室がなかなか過ごしやすかったからに他ならない】
【汚いままだが依然と布団が残されていたりする】

【駅のホームに、トンテンカントンテンカンと音が響く】
330 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/26(金) 22:20:41.51 ID:NXF6amtM0
>>325
「はぁ?――ッ!」

唐突に変わった雰囲気、そしてなにかがついたような音でようやく少女が魔獣ということに気づく
瞬時に能力を発動し、強化された動体視力が捉えたのは
―――超加速をしこちらに殴りかかる少女の姿だった

「この、程度ッ」

後ろに跳んでも追い付かれる可能性の方が高いと判断し両手で防御する
咄嗟のことだったため踏ん張りが効かず、後ろに吹き飛ばされる
体の能力が強化されていたことと、防御のお陰でダメージは少なかったがそれを踏まえてもあの速度は脅威だ
接近戦しかできない自分には厄介な相手かもしれない――

「ハッ、てめぇ魔獣か」
「丁度不完全燃焼だったんだ、いいところに来てくれたぜ」

だが、引くつもりはない
このレベルの魔獣はそうそういない、ここで討っておくのが得策だろう
そう思い、油断なく構える
もう一度近づかれれば次はこちらからこの破壊の力の籠った拳で殴りかかろうと
331 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/26(金) 22:21:41.47 ID:C/O9KjiMo
>>328

「――――んだよそのひょろパンチは……。体重乗せろ、骨盤使え、力抜け。ワンパンK.Oってのはこういうパンチから生まれるんだよ――――ッ!」

彼女のパンチを鼻で笑えば、男は先程解いた構えを再度作り直し――――右拳がひゅん、と風切り音を鳴らした。
体重移動に回転の力、体幹、スナップ、作用反作用……コレがお手本だとばかりに、単純な力ではない熟練の一突きを繰り出してみせる。
どうだ、これが本物だ。そう言わんばかりに彼女へと視線を飛ばすのだが、そこで彼女の足元に滴る何かに気がついた。そして異様な匂いにも。

「……エルド。エルド・リー。随分元気だが付けてる香水は物騒なモンだなオイ……」
「茶毘川……お前はどっちだ。月か焔か。どっちか持ってんだろ?」

少しだけ不敵な笑みを零してから、男は意味深な言葉を零す。付けてる香水というのは、彼女に身にこびり付いたあの匂いのことだろうか。
そして赤ジャージに血糊が付いていることには気が付かなかったが、ならば彼女は気付いただろうか。彼が着る紅いレザージャケットにも血糊が付いていることに。
332 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/26(金) 22:28:54.06 ID:mOKywdyG0
>>326

「あーっと……すいません。つい……」

頭を軽く掻きながら、謝罪の言葉を述べる。
初対面の相手、それも年上だ。何かの目的があって行動していたならば、その邪魔は非礼に当たる。
彼が謝ったのも不思議な話ではないだろう。

「−−−−で、何故月装遣いを探していたんですか?」

しかし、それは飽くまで通りがかりとしての行動。
自警団の一員としては、理由を知る必要があった。
333 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/26(金) 22:35:14.17 ID:B/tZFgeOo
>>332

「別にどっちでもいいんだ。戦う力さえあれば。
正確に言えば、焔装使いでも月装使いでも構わないが」
334 :フェウアゾイル ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/26(金) 22:36:34.65 ID:KXU+NnaZo
>>330
【少女型の魔獣、フェウアゾイル。彼へと向けられた顔は既にコーティングが剥がれ、魔獣のモノとなっている】
【そんな彼女の顔へと浮かび上がったのは――――――怒り】

「――――――防イだなぁぁァぁぁ!!?? 私の、攻撃ヲ!!!

 大人しク、私に喰われロ――――――!!!」

【乞食の振りをして近づき、油断した所を拳一発で吹き飛ばす。体制を整えさせる暇もなく追撃し、そして、焼き[ピーーー]】
【今までにその方法で何人もの人間を焼き、そして喰ってきた彼女。その狩り方には魔獣なりのプライドというものが有った】
【だが、彼はそれを防御。プライドに傷がついたのだろうか、顔の右側で燃える炎のごとく怒りだしたフェウアゾイル】

【構えた彼に向かって、再度攻撃を仕掛ける。またも、超加速。……見れば、彼女の足から何かが噴出しているのが見えるだろうか】
【一度超加速し、方向を変えてまた加速。俗にいうジグザグ走行をしながら、攻撃を避けられるようにして彼へと確実に近づいていく】
【そして近くまで来れたならば、またも拳を腹へと打ち込もうとするだろう。先ほどの同じ加速に加え、さらに紅蓮の炎を拳に纏っている】
【拳での攻撃の瞬間、件の噴出音が足よりも近く……肘付近から聞こえてくるのに彼は気付いただろうか?】
335 :彗月 ◆4lMNAK/M5E [sgae saga]:2014/09/26(金) 22:38:10.46 ID:JoDi9rusO
>>315

【街の外の探索中、偶々見かけた魔獣の群れと、それから隠れる男の姿】
【焔装使いの彼女がそれを無視する筈もなく、廃墟の屋上から飛び降りて、少女は魔獣の目の前へと降り立った】

失礼します、魔獣共―――っと

【突然の襲撃者に一瞬動きが魔獣達、その隙を逃さずに焔装の力を発動】
【すると微かな風切り音が鳴り、次の瞬間には二匹の魔獣の首を不可視の刃が切り落とす】
どさりと鈍い音を立てて、二体の亡骸が地面に崩れ落ち、残りの魔獣が怒りを露わにして少女へと遅いかかるが】
再び放たれた不可視の刃がその身体を四つに分断して、戦闘はあっけなく終了するのだった】

こんなもんか……そこに隠れていた奴、大丈夫かー?

【少女は服の埃を払いながら、能天気な声でそう呼びかける】
【隠れているようで隠れていない、彼の方に振り向いて】



336 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/26(金) 22:42:35.42 ID:q1F5eBvX0
>>331

「おー、ナイスなKARATE」

こうか、と真似して手を振るがそう簡単に行く訳がない。体が流れる、脇が開く。
おっとっとと一回転して止まる。結構なお手前で、と何故か満足げ。

「シャネルの5番は品切れだったのさー。最近じゃ代わりにこんなん憑いてますな」『YES I AM!』

どうぞ、と手を掲げれば脇にピエロの首が飛び出す。
ドーランと口紅で染まったにやにや笑い、こんなふざけた月装は地上どこにも存在しない。
摂理を外れたそれは狂者特有の不自然さと、男の持つ力と似た気配を醸し出していた。
337 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/26(金) 22:43:08.34 ID:XJ9cd4i1o
激突、衝撃、激痛――――まともな思考すら出来ないこの瞬間にだけ、彼は自らが生きていることを認識出来た。
状況ははっきり言って絶望的である。目の前には小さな獣型の魔獣が四体、弱小の部類に入るとはいえ月装使いの青年には手に余る敵には違いない。
しかし学ラン型月装を纏った青年に逃げる意志など一切なく、既に幾つかの傷を負いながらも彼は笑っていた。

「痛ぇなァ……クソ犬っころ共が、やってくれるじゃねぇかよ」

此のような雑魚の部類を蹴散らせ無い自分の歯痒さを感じながらも、痛みと高揚感が正常へと導いてくれる。
他人には理解出来ない正常――――戦っていなければ死んでいるような感覚に陥ってしまうのだから、彼には戦うしか無かったのだ。
正常でいたい。生きていたい。だからこそ戦う。それが魔獣だろうが人間だろうが構わない、ただ自分は戦って生きたいだけだから。
嫌われようがどうでもいい。むしろ嫌えばいい。背負って守れるほどの力は、自分には無い。

「ほら…………来いよ、遊ぼうぜ」

ジリジリと距離の詰め合いをしていたところで、青年が強く一歩を踏み出す。
其れに反応した魔獣たちが一斉に跳びかかり、あるものは噛み付こうと、あるものは切り裂こうとし――――その内の一体の頭を掴み、地面に叩き付けた。
トドメとばかりにその一体を蹴り飛ばし、一体目を屠った――――後三体。
しかし敵も木偶ではない。その間に一体は青年の腕に噛み付き、一体は腹部に体当たりを仕掛け、一体は足へと喰らいついていた。
体当たりによって吹き飛ばされ、ゆらゆらと立ち上がる――都市の外れ、誰か彼等に気付くものはいるだろうか。
338 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/26(金) 22:43:33.44 ID:B/tZFgeOo
>>332 >>333 途中送信すいません

「別にどっちでもいいんだ。戦う力さえあれば。
正確に言えば、焔装使いでも月装使いでも構わないもののどちらかと言えば月装使いを探していた、となる」

比較的どうでもいい部分に言葉数を使いつつ、男は往来から立ち去ろうとはしない。
注目を引きつけたまま道の真ん中に立ち止った長身の男は、当然邪魔になっていた。

あえて声をかける者もいないまま、視線だけが厳しくなっていく。
そして、その視線は男と話している青年にも向けられる。


「さて、お前に細かい理由を話す必要はあるのかどうか。
俺がお前の質問に答える前に、さっきの女に代わってお前が質問に答えろ。お前は戦える奴か?」
339 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/26(金) 22:44:57.12 ID:mOKywdyG0
>>333

「----『夜』を明かす為に、ですか?」

最もあり得る答えならば、それ。
逆に、異なるとすれば余程の願いなのだろう。
青年は、飽くまで若輩として問う。
340 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/09/26(金) 22:48:19.57 ID:GVbFsIxyo
>>327
/12時ぐらいまではおりますのでよろしければ
341 :田村 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/09/26(金) 22:51:52.96 ID:HW7EvcZ0O
割れたアスファルトの道路。周囲には瓦礫が散乱し、崩れた家々には焼け焦げた跡が残っている。
道なりに進むと、巨大なビルが横たわっているのが見えた。

このビルを超えた先に都市はある。
「よいしょっと…」
ビルの上を見上げると、男はその場から跳んだ。
………跳んだと言っても、その跳躍の高さは、ゆうに20メートルを超えていた。
そして、男はゆっくりと倒れたビルの側面に降り立つ。
都市の方へと歩みを進め、窓から中の部屋に滑り込み、都市の内部を双眼鏡で覗き込んだ。

「………誰もいないか」
342 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/26(金) 22:55:37.47 ID:C/O9KjiMo
>>336

「空手と一緒にすんじゃねぇよ、俺のはジークンドーだ。パンチの打ち方から構えまで全く違ェよ」

唯でさえ鋭い瞳がぎろりと向いて、不機嫌そうに訂正する。ジークンドー。カンフー映画ではよく見る拳法だろうか。
勿論素人には空手との差がわからないようだが、エルドからすれば「全然違うだろ何言ってんだ」というモノだった。理解しろというのは酷ではあるが。

「……――――ッッ」

突然ピエロの首が飛び出すと言うのは、些か心臓に悪い。ピエロの顔というのはどこか狂気的なモノがあり、不気味な笑みとセットなら余計に気味が悪い。
思わず膝を抜き沈身をして、自然に身体が臨戦態勢を取った。勿論2人は闘うわけでもないため、直ぐに構えを解くのだが――――
肌に触る不気味さと不自然さに、男は1つの結論に辿り着く。

「……俺と同じ『焔』ってわけか。お前がこんな所でぐーすかしてたってのも、其れを持ってるからこその自信……ってやつかい?」
「無闇に使うのは寿命を縮めるだけだから見せたくねぇが……俺のはコイツだ」

右手を開き、彼女の方へと腕を伸ばして掌を見せるだろう。紅い龍の刺繍――――に見えるが、そうではない。微かに赤く光る刺繍など存在しないのだから。
僅かに感じるぞわりとした感覚は、それが焔装だと云う証明としては十分だろうか。見ただけでは何も能力も分からないが、彼の武器であることだけは分かるはずだ。
343 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/26(金) 23:00:58.82 ID:B/tZFgeOo
>>339

「やめろ」

間髪入れず、短い言葉が突き刺さる。
それまでとはトーンが違う。それまでとは目の色が違う。

「《夜》が失われたとき、あの子がどうなるか分からん。
死んだ瞬間に夜に取り込まれた……という解釈が正しいなら、夜が払われれば――」

声は低くなっているのに、熱が籠っている。
ポケットに突っ込んだ手は、何らかの得物を手にしている。カチリ、と金属音。


「俺は会いたいだけだ。どれだけ世界が変わろうが、それだけは変わらない」

小さなきっかけから急に感情が昂ぶるのは、強力な焔装の使い手にたびたび現れる症状だ。
だが、「夜を明かす」という至極真っ当な最終目標に対してこうも苛立つとなると、人間側にとっても危険になりかねない――。
344 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/26(金) 23:03:04.94 ID:mOKywdyG0
>>338
//見落としてました追加!

「----戦うだけなら、誰にだってできますよ」
「何の為に戦うのかにも、依りますけど」

表情を和らげる。それが相手の機嫌を取る為の行動か、それとも彼自身の機嫌に依る行動かは分からない。
答えになっているのかも、分からない。
345 :相沢 雅樹  ◆P9IJ.Gjl0Y [saga]:2014/09/26(金) 23:03:38.58 ID:2ygKqKtc0
>>335

「は―――――」

初めて見る事では無い。弱い魔獣が、一方的に殺されてしまうことなど。他の装使いの戦闘で何度も見た光景だ
しかし、今回は文字通り格が違う=B徒手空拳であるはずなのに魔獣が分断された=\――――つまり、焔装。
確信は出来ないがほぼ間違いないと断言できる。彼がいくら弱いと言っても月装の端くれ、あの不可思議な攻撃が人間≠フ手で出来る事では無い事くらい理解できていた。

「あ……ああ。悪い、助かった」

此処でようやくこちらに声を掛けられていたことに気付く。先ほどの早業に見とれ、憧れていたような表情から一変して
目つきの鋭さとは似合わぬ腰の低い―――これで腰が低いのかは疑問だが―――で礼を一つ。同時に掛けていた月装のステルス機能も解除しておく。
この場面でステルスを解除しない方がいいかとも思ったが、助けられたという建前と。仮に彼女やほかの現れた者と戦わなくてはならなくなった場合の保険=B
他人に助けてもらったというのに、自らの保身の事を第一へと考える。人間としては正しいのだろうが、やはり――――余りいい気分はしないだろう
無論、それを察せるほどの優れた観察能力があれば の話しであるが。

「それ――――焔装か?」

命の恩人である彼女に掛ける言葉としては少々不適切にも見える言葉を紡ぎつつ、彼女に極力ばれないように観察。相手の挙動にいつでも合わせられるように
問いかけとしては簡単で単純な物だ。彼のことを見ていたのなら彼の力が月装によるものだというのも察しが付くだろうし――――やはり、得体のしれない物は恐ろしい。
焔装なのではないかという推論があっても、やはり直に問いただした方が疑念を向けるより得策である。そう、自己中心的な保身によって生まれた一言だった。
346 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/26(金) 23:07:30.03 ID:B/tZFgeOo
>>344
/こっちのミスから面倒なことに。ごめんなさい。
/続けて >>343に返してもらう形でいいですか?
/ >>344に続けて>>339で話しかけてきたら、久良岐は「夜を明かす」にだけ強い反応を示した、ということで
347 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/26(金) 23:10:12.80 ID:mOKywdyG0
>>346
//了解です!いえいえすいません、こちらが逸り過ぎました!
348 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/26(金) 23:11:19.02 ID:NXF6amtM0
>>334
「その顔からすると、お前は炎使いっぽいな」

燃え盛るフェウアゾイルの顔の右半分からそう推察する
なるほど、先ほどの加速は炎を使ったものらしい
強化された身体能力のみでも魔獣と殴りあえるガルバからすると速度だけなら厄介ではあるがそれほど問題ではない
だが、炎となると防ぐにせよ攻撃するにせよダメージを負う可能性がある
炎を『破壊』してもいいが、連続で炎を生み出されればあまり意味はない
どうしたものかと考えていると、相手が加速しつつジグザグに近づいてくる

「チッ、そうきたか」

如何に動体視力が強化されているとはいえ、直線的ならともかくジグザグに加速をし続けられては目で追うのにも限界がある
なにより特に強化されているのは身体能力の為、身体能力に比べるとあまり動体視力は上がってはいないのだ
ならば、さらに後ろに逃げるか、迎撃するか、防ぐかのいずれかになる
後ろに逃げても追い続けられては意味がなく、防ぐだけでは勝ち目がない
つまり迎撃するしかないのだ

「お前の防御力が高くないことを祈るぜ」

徐々に近づいてくる相手を見失いそうになりつつも必死に目で追い続け
その腕に纏われた紅蓮の炎を目印にまたも殴りかかってきたフェウアゾイルを捉える

「俺とお前、どっちが堅いか勝負だな」

片腕でその紅蓮の炎を纏った腕を防ごうとしつつ、破壊の概念が付加され、攻撃翌力がさらに上がった片手で少女の顔面を殴ろうとする
しかし、途中でフェウアゾイルの腕が加速したため迎撃に成功した場合こちらの防御は間に合わないだろう
349 :紅</b> ◇IGAxpayaDs<b> :2014/09/26(金) 23:12:55.94 ID:mTIGZHjc0
>>337
【安藤を襲っている魔物の一体が突然切り裂かれる】
【その後ろには大鎌を持った一人の青年が立っている】
【おそらく魔物を切り裂いたのもこの青年だろう】

まさか連続でこんな状況に出くわすとはな・・・
・・・・・おい、大丈夫か?
【安藤へと駆け寄る】
350 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/26(金) 23:16:48.20 ID:q1F5eBvX0
>>342

「爺くんどう? ほほう、かりんとうみたいで美味しそうじゃん』

途中からピエロが台詞を引き取っている。
無駄な連携を見せ、ごちゃごちゃもみ合った挙句、お互いの口を引っ張りながら男の言葉を傾聴。
朱い刺青にしか見えないが、そこには同質の力の滞留を感じ取れる。

「まあコイツも独りじゃ悪さできないしねぇ」

『しかしヒャッハーのくせにまともな反応だぞ、おい』
「やっぱひよこっちの方がアヴノーマルなだけなんだなぁ」

注釈して曰くピエロはお目付け役らしく、能力の要ではないらしい。
それにしてもと狂っているようでどこか常識的な男を見ると安心してしまう。
戦闘狂らしき相手を目の当たりにしていう感想ではないが、そんな矛盾を気にも留めず。納得したように、しゅっしゅっと男の真似して手を何度か突き出していた。
351 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/26(金) 23:18:07.01 ID:JoDi9rusO
>>345

焔装で違いないさ、それともこれが月装に見えるか?

【少女は手ぶらの両腕を見せながら、少しばかり戯けた口調で答える】
【その目付きはとても鋭いものだったが、こればかりは生まれつきの容姿なので仕方がない】

……あー、そうだな……

【人の思考が読めるとまではいかないが、それでも戦闘の中で培ったある程度の洞察力なら持っている】
【どうやら信用されていないらしい……そもそも初対面の人間なのだから、それは至極当たり前のことなのだが】
【少女としてはこの微妙な空気は少々気まずい。空気を和らげるには相手の緊張を解くことからと判断して】

……彗月(はづき)だ。そっちの名前は?

【困ったように黒髪を掻きながら、まずは自分から名前を告げるのだった】

352 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/26(金) 23:24:04.36 ID:mOKywdyG0
>>343

「……会えると、良いですね。その人に」

男の言葉に、そう応える。
飛び飛びの単語でも分かる話。今では珍しくもない別離、極大の絶望だ。
愛していた人間が《夜》に呑まれた。ならば、戻ってくる可能性は塵にも等しい。
絶望の中、一人で生きることは一つの地獄に生きることであり、男にとっては、死の瞬間までその人の為に駆けずり続けていた方が寧ろ幸せなのかもしれなかった。

今の技術力は、《夜》が来る前の十分の一以下だ。青年は、粗悪な眼鏡に手をかけた。
353 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/26(金) 23:27:20.52 ID:XJ9cd4i1o
>>337

それは唐突だった。敵対していた魔物が背から切り裂かれ、ゆっくりと消滅を始める。
敵以外の気配に気付くなどという器用な芸当が出来ない彼は、驚くと同時に好機とばかりに敵一体の頭を右腕で殴り飛ばし、一撃にて仕留め。

「あァ? 見りゃ分かるだろ――――悪くない気分だ」

安藤が戦っていた魔物は合計で四体、その内の三体が既に消滅し始めていた。
そして残る最後の一体、彼の月装の性質上一対一ならば弱小魔獣に遅れを取るということは余程のことが無い限り有り得ないだろう。
状況は逆転した――――そして何より、次の獲物≠ェ勝手にやって来た。
ああ、笑わずにはいられない。獰猛な獣のように犬歯を覗かせながら、安藤は残る一体の魔獣の頭を掴み取ると、青年の方へと全力にて放り投げた。

「お前《月装》か? 《焔装》か? ――――まあ、どっちでもいいがよ」
「戦えるんだろ? そいつらじゃ丁度物足りなかったんだ――――付き合えよ」

彼は安藤静哉、人間だろうが魔獣だろうが戦える相手ならば戦いを挑む、人間陣営でも相当面倒な部類の戦闘狂≠ナある。
魔獣どころか人間にさえ戦いを挑む厄介な気性の為、人間陣営では嫌われ疫病神のような扱いを受けている人物だ。
もしかしたら青年も彼の悪名程度は聞いたことがあるかもしれない。
354 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/26(金) 23:28:07.65 ID:XJ9cd4i1o
>>353>>349宛でしたごめんなさい
355 :相沢 雅樹  ◆P9IJ.Gjl0Y [saga]:2014/09/26(金) 23:31:49.24 ID:2ygKqKtc0
>>351

「――だろうな。」

(……っ!! 失敗したか!?)

彼としては――焔装を持つ人間では無く月装を持ち且つ弱者である彼は疑り深く――他人をそう簡単に信用できる性格をしていない。
だが、敵対したいという感情も無く。むしろ助けて貰って嬉しいという感情すらある。ただ、それを僅かに上回る疑念≠フ感情がわずらわしかった。
微妙な空気になりつつある現状を彼も察し、同時に彼女もこの状況に多少の不快感を抱いている事は表情やしぐさからも明白。
此処で変な事を言って敵対するわけにもいかない。何しろ彼の月装は殆どガス欠みたいなもので、且つ相手は焔装。勝てる要素が微塵も無い。
そう言う風に納得させなければ直ぐにでも手が出てしまいそうで。湧きあがるような気色の悪い嫉妬≠腹の中に押し込める。

「相沢 雅樹(アイザワ マサキ) 雅樹で構わない」

「ぶしつけな質問だった。《焔(ほのおorほむら)》持ちを見るのは久しぶりだったもので……済まない」

ようやくとでもいう様に体に着いた砂の汚れをはたき始め、取敢えず外見上だけでも安堵している≠ニいう感触を見せる。
相手が怪しい怪しくない、信用できる出来ないは置いておいて。先ずは月装を使えるようにしなければ話にもならない。今は、彼女と話していたほうが
魔獣の群れに話しかけるよりは数倍安全だ――――敵対したときは、数十倍恐ろしくなるわけだが。


――――黒髪に和名? 出身地が近いのか?
356 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/26(金) 23:34:29.04 ID:+eM+mDB+0
「さあれ……ボウヤ。闇は、お嫌い……?」

【何もかも覆い隠す宵闇の中、男と女の絡み合う声が聞こえる……】
【ここは≪都市≫郊外の廃ビルの一角・かつて個室の飲食店だったであろう区画】
【光源のない闇の奥から、男の喘ぐ声が、次第に、ゆっくりと――】
【悲鳴と絶叫に変わる!!】

「あら、この程度で、果てちゃうの……?
 ……顔がよくても、弱い男じゃ、ダメね。」

【グチャッ、グチャッという、肉がひしゃげる音がしたかと思えば――】
【その区画から女は一人、出ていく】
【月光に照らされたその口には、口紅よりも赤いものが纏わっていた】
【娼婦風の女は着崩れを直しつつ、月を見ながら良質なタバコをたしなむ……】
【≪都市≫。郊外。廃ビル区。】
【広々とした道に、灯源はたよりなく浮かぶ月しかない】
357 :フェウアゾイル ◆U1XR.YHx3E [sage]:2014/09/26(金) 23:35:17.75 ID:KXU+NnaZo
>>348
【右の拳は彼の片腕で防がれ、カウンター気味にフェウアゾイルの顔面に迫る単純ながら強烈なパンチ】
【咄嗟に空いていた左の腕を上げ、拳から顔面を守ろうとする。左腕と拳が衝突した瞬間、彼には硬質な感触が残るだろうか】
【――フェウアゾイルの能力は、正しく炎使い。ジェットエンジンかのように足元から気流を発生させ、超加速することも可能だ】
【ただ、普通の身体ではその加速に体が追いつかない。そのため、身体の耐久力も普通の魔獣とは桁外れなのだが】

「ぐ、う……ッ!! 痛、い、いタい……!!!」

【そこは《焔装》使いの拳。普通の拳ならば傷一つ付けられない彼女の肌に、大きな打撃痕を残すこととなった】
【思わず後退する。魔獣として生まれてから、これほどまでの大きな痛みを味わったことのない彼女はその呻きの中で彼を射[ピーーー]かのように睨みつけ】


「こロ、す――――――殺スぅぅぅぅ!!!!」


【―――痛みを怒りへと変換し、絶叫。その瞬間、彼女の周りには4つの大きな火弾が生成される。直径は50cm程か】
【それらが一斉に、右上、右下、左上、左下より彼へと襲いかかる。速度は大したこと無いが、ヒットした際は大きなやけどと衝撃を喰らう事になるだろう】
【さらにその後からはフェウアゾイル自体が超加速を駆使して彼へと迫り来る。彼へと迫ることができれば、その直前で急停止し】
【身体にひねりを加えながらの超加速。脇腹付近の骨を蹴り砕こうと、ミドルの高速回し蹴りが迫る】

/遅れて申し訳ないです……!
358 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/26(金) 23:36:36.62 ID:C/O9KjiMo
>>350

「……その喩えは全く分かんねぇが、まあ良い。最も実践的な武術がジークンドー。それだけ覚えとけ」
「つか気味悪ぃんだよ……喋るならどっちかにしろ、出来れば引っ込めろ」

ソフトモヒカンの黒髪を片手で掻き毟りながら、じろりとして目線を彼女に浴びせた。ピエロの方は気味が悪いので目を合わせるのは止めた。
魔獣狩りを楽しむ自分が変わり者の部類に属することはなんとなく理解していたが、彼女は恐らく自分を優に超える変わり者、いや狂人なのかもしれない。
ピエロとのコンビネーションに加え、この血生臭い戦場でぐっすりと寝ていた事実。そもそも焔装ということだけでも十分普通から逸脱しているような気もする。

「……俺は闘いたいだけだ。力を得たい、そして振るいたい。そして得たその力を周りに認められたい。そんな欲ってのは誰にでもある筈だ」
「ただ俺はその願望が人よりも強かった。他のやつよりも力を渇望し、そして得るために拳を磨き、偶々月が俺の渇望に答えた」
「他のヤツに比べれば変わり者の部類かも知れねぇが、お前に比べれば霞む。……それでどうだったんだ、殺した魔獣は。魔獣も雑魚から猛者まで幅広いだろ?」

夜や魔獣との闘いに赴く人が持つ理由として、恐らく最もメジャーなものは恨み、復讐と言ったものだろう。奴らに大切なモノを奪われ、其れが許せないという。
しかしこの男は違う。寧ろ荒廃したこの世界を、力が全てという獣の世界を歓迎していた。遠慮せずに力を振るうことが出来る対象が現れたのだから。
359 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/26(金) 23:38:51.28 ID:B/tZFgeOo
>>352

「絶対にもう一度会う。会って名前を呼ぶ。絶対にだ! 誰にも邪魔はさせない」

否定せず、深入りせず。当たり触りの無い言葉は、男に対しての一つの正解だろう。
青年が静かに次の言葉を待っている間に、男も少しは落ち着いたようだった。
一通り息巻いてから、大きく息を吸う。

「……そのために力が要る。街を離れて、あの子を探しにいける力が要る」

どうやらそれが、男が月装使いを探していた理由のようだ。
《夜》に食い荒らされて壊れた世界、都市を取り巻く異常重力圏。それを越えうる能力者を探していた、と。

「自警団のように、人類に残された小さな世界を守って満足してる連中じゃない。外に出る意志のある能力者を探している」

つまり、この二人は同じように仲間を探している最中で、しかも二人で手を組むわけにはいかないということ――。
360 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/26(金) 23:39:16.07 ID:mTIGZHjc0
>>353
悪くない?そんなボロボロでか?
【不思議そうな顔で安藤を見つめる】

・・・・・全然大丈夫そうだな
っと!
【安藤が放り投げた魔獣を大鎌で切り裂く】
あぶねぇな・・・・・俺の方に投げるなよ

あ?見りゃ分かるだろ、月装だ
はぁ?付き合う?なんだ、てめぇと戦えってか?
冗談じゃねぇ、俺は無意味な戦いはしねぇんだよ
【面倒臭そうな表情で話す】

361 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/26(金) 23:45:17.03 ID:HW7EvcZ0O
>>356
壁と化したビルの上をあてもなく彷徨う。
この辺に人々は住んでいないのだろうか?
数十分歩いているが人っ子一人見当たらない。

「………奥に入るか」

考え事をしていると、ふと静寂を悲鳴が切り裂いた。

「お?」
悲鳴の方向を振り向く。
「やっと人間のお出ましか」


着いた先は、大きな道路であった。
道路端で、月光に照らされながら一人の女が煙草を燻らせているのが見える。

………だが、その女の放つ気配は明らかに人間とは違っていた。
「…………魔獣か」
男も彼女と同じ魔獣。感づくのは容易い事だ。
362 :司馬重座右衛門道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/26(金) 23:47:16.03 ID:u66wMxF4o
散乱する骸。人か魔獣か見分けは付かない。
嘗て此処では数多の闘争が起きたと見える。
其処を一言で表すならば、如何(どう)だろう。
 
 ――地獄。
 
とでも表わそうか。それ程に禍々しき場なのだ。

そんな地獄、羽織袴に銜え煙草、ひとりの武士。
嵩張る骸の頂にて紫煙燻る。腰掛るには辟易するが。
人か魔獣か、誰か現れぬものかと考える。
 
短くなった煙草を潰し指でぴんと弾けば、散乱した頭蓋の上に転がった。
363 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/26(金) 23:50:01.66 ID:XJ9cd4i1o
>>360

戦わないという言葉と戦意の欠片も感じられない相手の表情を見て、途端に安藤はつまらなそうに顔をしかめた。
彼にとっての他者は二種類しかいない。敵か、そしてどうでないかだ――そして、彼にとって後者は限りなくどうでもいい。
さて、目の前の青年は何方だろうか。まだ後者と断定するには早過ぎる、安藤は青年を睨みつけながら口を開いた。

「はっ……ざけんじゃねぇぞテメェ」
「人の獲物勝手に取っといて挙句にそれかよ――――笑わせんな」

彼にとって戦いとは正常になるための手段であり、生きているということは彼にとって何者にも代え難いものである。
生きているという実感を得るために死に近づく、刹那的な発想だが彼にはそうするしか無かった。
そして相手はその時間を奪ったのだ――――このままで終わりだなんて、許せる訳が無いだろう。

「それともなんだ、ビビッてんのか? だったらいいぜ、逃げてもどうせ追いつけないからよ」

《月装》の効果により、ゆっくりと体重が再び増加し始めた――――彼の《月装》の効果は己の重さを増やすという単純な物である。
その性質上逃げる相手を追うことは出来ない。速度を犠牲にして防御と攻撃に特化させた《月装》なのだ。
そして安藤は、一歩一歩ゆっくりとだが確実に相手に近づき始める――――逃げるも、応戦するも青年の自由である。
364 :彗月 ◆4lMNAK/M5E [sage]:2014/09/26(金) 23:51:51.49 ID:o2d4mogn0
>>355

【気を遣われていると感じた。少なくとも、少女はそのように認識した】
【もしかするとまだ警戒されているのか、それともただ怯えているだけなのか】
【しかし彼の抱く「嫉妬」の色に気付くには、彼女の洞察力が少々足りなかった】

じゃあ、マサキで。まあ最近はコレを使う奴等も減り続けているしな
珍しい……のも仕方がないか

【焔装を操る者の数は、決して多くない】
【その理由は二つ、一つはリスクの少ない月装が実用化に至った為】
【そしてもう一つは言うまでもない、焔装使いの避けられない宿命……魔獣化である】

【その強大な力で夜を退ける一方、常に魔獣化の可能性が伴う焔装使いを忌避する人間も存在する】
【彼もそういう人間なのかも知れないと推測し、心の中で軽く溜息を吐きながら】

マサキ……って和名か、ということは同じ国か
まあそれは兎も角、こんな場所で一人で何やってたんだ?

【特に意味はない会話、それでも互いの親睦を深める切っ掛けにはなるだろうと考えて】
365 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/26(金) 23:55:52.57 ID:+eM+mDB+0
>>361

「ああら、聞かれてたかしらン」

【娼婦風の女が、何者かの気配に気がつく】

「無粋な事言わないの……
 出会いしな、髪が長いだの、顔が悪いだのいうオトコは――
 好かれなくてよ」

【娼婦は相手に魔獣のニオイを察し、不機嫌そうに煙草を投げ捨てる】
【娼婦はこの接近を好ましいものとは思っていない様子】
【なぜなら――彼の存在はニンゲンの男を遠ざけるからだ】
366 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/26(金) 23:56:25.51 ID:q1F5eBvX0
>>358

「その辺はよっく解んないよねー、ひよこっちも夜を支配したいとか言ってたけどさ」
『最も実践的な武術こそ爺くんど。フッ、ハッ!』

どう見てもおちょくっているピエロはほっといて、ふと真面目な顔で胸の前で腕組み。
男の琴線を垣間見たようで、その純粋さに小さな幻影を覚える。
子供のような純粋な闘争心、それを極限下で磨いて言った結果、歪な戦闘マシンが出来上がったのだろうか。

「魔獣? 全然変わんないよ、デコピン一発でぐしゃーとなっ」

力があっても、否、力があるせいで、何も変わらない。
この荒廃した世界では貧乏から抜け出せない。運命に抗う事も出来やしない。
女にとって焔装使いも魔獣も等しく蚊帳の外に過ぎず。けらけらと指をぴんと弾いて見せる。

「エリーたん真面目だねー。 きっと街の人にモテモテじゃん?」

力の振るう場所を求め、嬉々として魔獣の殺戮に酔いしれる。そうあれかしと軽く肯定する女。
女の方はといえば魔獣殺しは積極的でも消極的でもない。焔装を使えば貧困が加速するので、財布に余裕のある時に出向く程度。
故に魔獣などアイデンティティーの均衡を保つための捌け口程度にしか思えないのは、至極当然であった。
367 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/26(金) 23:59:14.30 ID:mTIGZHjc0
>>363
・・・・・思い出した、お前例の戦闘狂か
これまた面倒な奴と会っちまったな
【はぁ、とため息をつく】

もし無視して死なれでもしたら目覚めが悪いんでな
いらなかったみたいだけどな

・・・・・しょうがねぇ、そんなに戦いたいならやってやるよ
【大鎌を構え安藤へと向ける】
【しかしその刃は能力により先ほどより小さくなっている】
【もし当たっても致命傷にはならないだろう】
368 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk :2014/09/27(土) 00:00:57.42 ID:Whlo1Lmn0
>>359

「……これ、役に立つかは分かりませんが」

メモ帳に自警団本部の案内状を書き出し、破いて男へと渡す。中には《夜》の根本を潰したい者も多くいる筈だ。
青年と男は目的に差があるものの、在り方だけでも伝えておいて損はないと考えられた。
369 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/27(土) 00:01:58.42 ID:X+6sUO1WO
>>365
「これは失敬………」
おもむろに煙草を投げ捨てる女、どうやら機嫌を悪くしたらしい。

しかし彼女の素振りは先の発言だけが原因ではないようだ。

「…………どうした?」
迷った挙句、直接聞いてみる事にした。
彼女の目的には、未だ気づいていない。
370 :司馬重座右衛門道真 ◆Bm82Mk3J2Y [saga]:2014/09/27(土) 00:05:53.41 ID:D7OgLSw7o
>>362
/おちます
371 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/27(土) 00:07:13.75 ID:r8V1/ql10
>>357
防御越しでもフェウアゾイルを破壊する自信はあった
只でさえ限界を越えて強化された身体能力に破壊の概念が加わっているのだから
だが、拳越しに伝わってきたのはそこらの魔獣より遥かに硬い感触
まずい、そう思ったときにはその拳を腹にくらっていた

「グゥゥゥ…!」

防御力も上がっているとはいえ、先ほどと違い拳が加速していたため吹き飛ばされ、その腹には大きな火傷の痕が
こいつ、俺の攻撃を受けきりやがった!すべてを破壊するこの拳を――!
腹を押さえて呻きつつも立ち上がり、フェウアゾイルを見据える

「そ、れは――こっちのセリフなんだよこのドカスがアァァァァ!!」

ルールを破壊し尽くすと決めた拳を受けきられた屈辱、確実に倒せると倒せると驕っていた自分への怒り
それを全てこいつにぶつけてやろう―――そして、怒りに反応して身体能力のみ1.5倍まで上昇する
そして、目の前から迫ってきた四つの火の玉を右横に跳んで避ける
先ほどまでと違い追ってこないならわざわざ防ぐ必要も待ち構える必要もないのだ
右下と右上から迫ってくるものは避けきれないためそれぞれ右腕と右足で攻撃し、破壊または弾く

「そもそも待ち構えてんのがいけねぇんだよなぁ」
「こっちからも攻め要らねぇとなぁ!」

こちらに接近してくるフェウアゾイルにこちらから近づいていく
流石にフェウアゾイル程ではないが元々強化されていたものがさらに上がっているのでかなりの速度が出ている
そしてこのままは近づけたなら勢いをのせ、破壊の概念が付加された全力のけりを正面から叩き込むつもりだ
372 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 00:10:05.96 ID:9lfSrldk0
>>369

「なにが失敬よ。まったく……」

【娼婦風の女は顔をしかめ続ける】

「私には嫌いな物がいくつかあるの。
 その中でも――鈍感な男ほど嫌いな物はないわ。」

【娼婦は冷たい目を、特に男のズボンなどに目を向ける】

「そのヨレたズボン、なんとかならないの?
 ワイシャツもコートも……少し、匂うわよ。
 ……血のね」

【娼婦のたばこは臭いの強いものであった】
【彼女なりの消臭のつもりなのだろう】

「あんたでしょ? トンネルを掘っては都市につなげてくれる、
 "親切"で"バカ"で"おやさしい"魔獣ってのは。
 ったく余計な事をしてくれるじゃないのさ」

【その噂は風に聞いている】
【破壊と殺戮を本能とする魔獣の中で、他の魔獣のサポートを行う、不可思議な存在】

「やさしさが、男の評価にはならなくてよ、
 この世界では、サ……」

【娼婦は身震いしながら言う】
373 :コウハイ ◆35q0XkFtss [sagesaga]:2014/09/27(土) 00:11:11.41 ID:V7VuhkASo
>>313
/落ち宣言忘れ失礼しましたっ
374 :相沢 雅樹  ◆P9IJ.Gjl0Y [saga]:2014/09/27(土) 00:15:15.57 ID:ZdLgWN6h0
>>364

彼が焔装に抱いている感情は―――懐かしさと、憧れと、嫉妬。
かつて彼にも焔装使いの友人がいて、その成長を間近で見せつけられていた時にうまれたどす黒く汚い感情。
勝手に憧れ、勝手に嫉妬し、勝手に敵意を向ける。普通より少し外れた人間に普通の人が抱く感情はそんなものだ
彼も当然そのような感情を抱いている。凡人というどうしようもない穴でもがき続けながら、その理由全てを他人のせいにして――――

「――少し調子に乗り過ぎてな、使える物が無いかと探しに来てみたら奴らとご対面ってわけ」
「どうやら奴らの縄張りだったらしくてな。これぐらいしか手に入らなかったよ」

彼女もどうやら東方の出らしい―――と言うのは置いておいて、ジャケットの僅かに膨らんでいる方のポケットを右手で探る。
其処から彼の掌へと躍り出たのは、携帯食料らしき袋が二つ。まだ内容物は健在らしく、袋も破れている様子がない。
その他には戦闘になった後さり気なく隠してあったリュック(の様な背負う袋)から鉄パイプやガラス、柄のボロボロなナイフなどいくつかのガラクタが引き出され、バラバラに並べられる。

「生きるためにはジャンク屋紛いの事も少しはやらないとでな」
「二つ三つの廃墟に潜って探してきたんだが―――余り芳しくは無い」

先ず、今のところ彼女からの攻撃の意志は無い。命の恩人という事もあり、わざわざ無下にするのもプライドが許さない。
ならば、他愛も無い会話――――それと並行した情報提供も。悪くは無い筈だ。

「ハヅキ……でいいか。そっちは?」

会話のキャッチボール。基本的に商人などとしか余り話をしないため、少々ぎこちない
375 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/27(土) 00:17:14.53 ID:PqKC388wo
>>368

「自警団か。あれとは目的が違う。話してみたことはあるが、話が前に進む様子は無かった。
 本部に行ったことはないが、余計にこじれるだけだろう」

丁寧に書かれたメモ書きをろくに読みもせず、さっと目を通しただけで乱雑にしまい込んでしまう。

「全員で防衛に徹して、それでも死人が出続ける。そんな状態で人を引き抜かれたら、いよいよ自警団も壊滅じゃないか?
 こんな場所で油売ってる場合じゃないだろう。月装の担い手でも探した方がいいんじゃないか? 焔装と違って、あれは今でも増えるからな」

心配しているわけではなく、単に疑問に思っているだけ。
メモ書きの意味と意志をまるで理解していない。相手が何のために闇市に足を運んだのか、ろくに想像していない。
376 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/27(土) 00:18:06.72 ID:xsshbx5ko
>>366

「デコピン一発? ……それがマジならどんなパワーしてんだ」
「俺でも指一本じゃ流石に何も出来ねぇぞ。鍛えてる俺が出来なくて、オマエみたいな見るからに不健康そうな女がデコピンでぶっ潰せんのか?」
「冗談にしか思えねぇが、焔装ならもしやって思えてきちまう……にしても、お前はどーでもよさそうだな」

「闘いには理由が必要だ……っつーのは俺の持論。じゃあお前は何故闘う? 何故こんな戦場ど真ん中にいる。闘いを避けたければこんな所にはいないだろ」

見た目から分かるようにこの男、余り気は長くない。態々声に出すのはエネルギーの無駄と判断したのか、見たくないピエロをぎろりと睨みつけた。
それにしても先程のへっぽこパンチを見たせいなのか、デコピン一発で倒したと豪語する彼女を完全に信じられずにいる。
そうだとしてもそのような強力な力には代償が付きものだ。焔装ならば魔獣化のリスクという共通の代償を背負っている。通常ならば闘いは避けるはず。
避けない連中というのは、夜に恨みを持つ人間や彼のように闘いを求める人間くらいだろうか。……ならば何故彼女はこんな所で寝ていたのか?

「……この都市に来てから人間と喋ったのは1ヶ月ぶりだ。都市の人間からは一匹狼とか危ないやつとか、そんなこと言われてるだろうよ」
「――――……適当な事言うんじゃねぇよ。 つーか来ねぇな、オイ。人がこんな所で2人いたら魔獣が匂いとか辿ってくるんだけどよぉ」
「此処にいねぇってんなら俺は別のとこ行くぞ? 今日はまだ一匹も殺ってねぇんだよ、つまんネェ……」

モテモテ? 巫山戯るな。そう言わんばかりの眼光は今日一番の鋭さと怒りが篭っていた。配給をがっつけば化け物狩りか修行の毎日。
人と人の交流など、彼の生活には全く存在しなかった。そして人と喋ったのは1ヶ月ぶりという、悲しい事実だけが残ったのである。
377 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 00:19:50.25 ID:KwKiLLZ7o
>>367

「どうやら俺もそこそこ有名人みたいだな……どうでもいいけどよ」

自分は相手の顔等知らないが相手は自分の存在を知っているというのは、少しばかり奇妙な感覚である。
だが名前が知れ渡ることによって近づいてくる馬鹿が減り、戦ってもいいという人間だけが寄ってくるのならそれも好都合。
彼にとっての全ては戦えるかどうかに帰結するのだ、悪名が売れることによって戦えるのならばそれでも一向に構わない。

「随分と使い勝手の悪そうなモン使ってんなァ……」

向けられた大鎌に対して右腕を構える。回避などする気もなく、真っ向から受け止めるつもりらしい。
ともかく、後ろに下がるつもりは一切無かった。ひたすらに前へ、そしてそれが今回は最上の行動だと彼は確信している。
得物、それも大鎌などという小回りの利かない武器ならば、距離をひたすらに詰めれば十分な効果は発揮し得ないだろう。
とはいえそんな理由付けがなくとも、彼は直進するのだが――――右腕に走る衝撃、釜が右腕に深く食い込んでいた。

「俺じゃなかったら此処で腕一本――――言う割には容赦ねェなおい」

彼の月装は比較的高い防御力を持っている。それ故にこの程度で済んでいたが、防御力のない月装で今の一撃を受け止めていたら間違いなく腕は斬り落とされていただろう。
滴り落ちる血、疼く切痕に口元を小さく歪めながら、更に一歩前に踏み出し、握っていた左拳で殴りかかる。
其れはただのパンチだ。何か武術を修めている訳でもない為技術性も無い上に、速度も緩慢なので回避も容易だろう。
しかしその拳は想像を絶するほどに重たい=B重さを増やす月装が、純粋に攻撃力を跳ね上げているのだ。
遅いが重い。当たらないが当たれば恐ろしい威力を発揮できる、其れこそが使い勝手の悪い彼の《月装》の性質である。
378 :田村 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/09/27(土) 00:22:39.13 ID:X+6sUO1WO
>>372
「げほっ、トンネルを掘る?」
煙にむせながら返答する。

「人違いじゃないか?私はトンネルを都市の内部に繋げた覚えはないぞ」
「………もっとも、他の魔獣を誘導しているのは間違いじゃないが」
彼の能力があればトンネルなど掘る必要はない。
……それとも、他にサポートをしている魔獣もいるのだろうか?

「それにしたって酷い言い草だな、私も親切心で誘導しているのではない」
正直に言うと、親切心もない訳ではない。
だが、彼の行動理由の大半は、誘導した魔獣が起こす事件を観察て楽しむ事である。
379 :フェウアゾイル ◆U1XR.YHx3E [sagesaga]:2014/09/27(土) 00:29:07.96 ID:5lVwp/s7o
>>371

「ナ、っ……――――――ッ!!!!」

【自分ほどではないが、人間を大きく超えた身体能力。近づき、攻撃することばかりを考えている彼女はあっさりと接近を許し】
【そして、自分より能力的に下だとは言え易易とその蹴りを受け止めることは出来なかった。左腕でガード―――威力は、そんなもので相殺できない】

【メキメキと左腕が折れる音と共に、フェウアゾイルの体はいとも容易く吹き飛んだ】
【数m先のコンクリート壁へとぶつかり、止まる。幾ら頑丈とはいえ、その衝撃力は彼女に血反吐を吐かせるまでに至っていた】
【ボタボタと赤い液体を口から垂らし、身体がふらりと前へ倒れようとして――――――止まった。右足が、倒れ込もうとする身体を支えていた】
【彼へと顔を向ける。もえる右目が、黒い左目が、何方も今まで以上に鋭く彼を見据える。―――怒りが、臨界へと達した】


「AああアあああアあああああアあああAあああああああああアあアあああああああああッッッ!!!!!」


【蹴られた腹付近から青白い光が漏れだし、それをキッカケに彼女の顔を覆う炎が更に一段と強くなった】
【そして再度足裏からのジェット噴射で超加速。ジグザク走行で相手を撹乱し、近づくことが出来れば……彼女は脚を上げた】
【加速したスピードからの腹蹴り。そして相手へと向けた足裏からは、インパクトの瞬間に合わせてジェット気流が吹き出される!】
【さらに、相手の性質をコピーしたフェウアゾイル。得られたのは単純な威力の強化。彼の蹴りの数倍以上の威力が、その蹴りに凝縮される】
380 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/27(土) 00:29:47.48 ID:zS0WFuMy0
>>377
ああ、迷惑で有名だぞ
まったく、ついてねぇ

お前にとってはそうだろうが、俺にとっては違うんでな
【そう言って鎌を振り下ろす】

――――避けないのかよ・・・イカれてるなおい
っと、どうした?ずいぶん遅いパンチだな
【後ろに大きく跳びパンチを回避する】

――――なあ、お前はなぜ戦う?
【鎌を向けたまま安藤に問いかける】
381 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 00:30:30.50 ID:ixa3zH3q0
>>378

「あら、あたしのカン違いかしら?
 アナを掘ってサポートがどうとか、客の魔獣が言ってたんだけど……」

【どうやら彼女の勘違いの様子】
【彼女は話半分しか聞かない。こうした誤解は日常茶飯事なのだろう】

「じゃあナニ? 親切心じゃないってことは、
 あんたなりのプレイってワケ?
 ……理解できないわね、あんたのセーヘキ」

【そう言ってため息をつくと――】
【彼女は不意に左腕をカニの巨大なハサミに”戻し”】
【男の首に突き立てようとする!】

【もっとも命をとるつもりはないようで、
 男の首をハサミの隙間に器用に挟みこもうとする】
【彼女なりの警告と脅しだ……】

「あんたみたいな無粋で明らかに"魔獣"みたいなのが居たら、
 オトコが寄ってこないのよ……
 おしゃべりがすんだなら、さっさと消えてくれないかしら?
 それとも――」

【目が、闇夜に輝く】

「アタシをイカせる自信でも、ある?」
382 :彗月 ◆4lMNAK/M5E [sage saga]:2014/09/27(土) 00:36:23.10 ID:HEJ+XPN50
>>374

そっちと殆ど同じさ。ゴミ拾いついでに生存者の探索
まあこの辺りじゃ使えるようなものは殆ど残ってないようだけど

【凡ゆるライフラインが絶たれた今、物資は常に不足している】
【近場の廃墟はジャンク屋があらかた掘り尽くしている為に、力を持つ人間が街の遠くに赴く必要があった】
【彼の情報によるとこの辺りはどうやらハズレであるらしく、ゴミ拾いを行うには別の場所に向かった方が良いと判断して】

……私の方はまだ収穫が殆どなくてさ
手ぶらで帰るのもあれだし、これからもう少し離れた場所の廃墟群に行くつもりなんだけど

【少女もまた、会話は決して得意ではない】
【元から独りよがりな性格で、他人のペースに合わせるといった器用な真似が出来ないでいた】

一緒に来ないか……ってのは止めた方がいいか
結構疲弊しているようだし、先に街に帰っておいた方がいいかも

【だからこうして少しばかり高圧的で、一方的な口調になってしまうことがあった】
383 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/27(土) 00:43:51.50 ID:X+6sUO1WO
「………おっと」
不意に差し出された鋏。一、二歩後ずさりし、鋏は彼の首を掠める。

「プレイ………か、そうかもしれないな」
少しヒヤっとしたが、そのまま話を続ける。
「………つまりあんたはいい男とやりたいって事か」

確かに、魔獣の気配が濃く漂っているのでは男もより付かないだろう。悪い事をした。
「そりゃすまんな、すぐに消えるさ」
頭を下げる、こういう時には謝るものだ。

「それに、私にはあんたとやる気はないのでね」
彼女に背を向け、その場を後にする………

ふと、思い出したように立ち止まる。
「そう言えば、店とか言っていたが?」
384 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/27(土) 00:44:12.10 ID:X+6sUO1WO
//>>381宛です
385 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 00:46:37.72 ID:KwKiLLZ7o
>>380

「嫌われ者は辛ェな……あぁ、勿論嘘だけどよ」
「逃げてもいい、つってんだ。乗ってきたのはお前だろうが」

夜が訪れたあの日から、まともであることなど捨ててしまった。誰から嫌われようが、今更なにか思うことも無い。
あれからずっと一人で生きてきたし、これからもそうしていく。他者の繋がりなど、余計な荷物にしかならないのだ。

「はっ、こんな世界で正気を保ってる奴のほうがイカれてんだろ」

死と絶望、絶対的な強者に常に命を脅かされる世界において、まともで在り続けることがどれだけ異常であるかを彼は知っている。
弱い人間ならば耐え切れない。弱くなくとも、何処かしらきっと可笑しくなってしまうだろう。
彼は弱いから正気を保てなくなったのだ。誰よりも臆病だったから、真っ先に飲まれた。

「んなもん知ってどうすんだよ――――それに、取るに足らねぇ下らない理由だ」
「俺は生きていたい≠ゥら戦うんだよ――ま、お前みたいな人間には分からないだろうがな」

戦っている時はまだいい。何もかも余計な思考が消し飛び、痛みと高揚感が生を思い出させてくれる。
だが戦っていない時は、常に悪寒と頭痛、目眩や吐き気などに襲われ、眠りの世界に逃げたところで待っているのは悪夢だけだ。
戦っていなければ、死んでいるような感覚に陥る。だから彼は、相手が魔獣だろうが人間だろうが闘いを挑むのだ。
其れは純粋に生きていたい、死にたくない、苦しみから開放されたいという正常な思考によって導き出された結論であり、彼の身勝手な理由だった。
386 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/27(土) 00:51:51.14 ID:nMeuX7nf0
>>376


「むー、エリーたん難しいこと考え過ぎ! 大体私はさー」

『つーか、見せた方が色々早いだろ』


男の声がいよいよ猜疑を持って降り掛かるのを面倒臭そうに振り払う女。
ピエロのツルの一声で助け船を出されれば、納得したようでぽんと手を打つ。
ふんふんと鼻歌まじりにしゃがんで手を地面に触れさせ――――――――

『ちなみに今、コイツの握(ピンチ)力は8トンだ』

デコピンが地に降りたった瞬間、ドカンッ! と爆音。
固い地面に罅とクレーターを作り派手に土煙が舞い上がる。

「……とまあこんな感じ。」

「んじゃ私は寝てくるさー、バイビーエリーたんっ」

四里四方の魔獣にまで聞こえそうな爆音の合図。果たして欲求不満の男の為にやったのかどうか。
それを確かめる猶予すら与えず、土煙の中、すたこらさっさと女は消えていくのであった。


/すみません、そろそろ限界なので強引ですがこれで〆させていただきたいです……絡みありがとうございましたっ
387 :相沢 雅樹  ◆P9IJ.Gjl0Y [saga]:2014/09/27(土) 00:52:04.78 ID:ZdLgWN6h0
>>382

「――――《焔》持ちでも余り実情は変わらねぇ…………か。」

リュックの中に諸々のガラクタをもう一度詰め込むと、それを背負う。……少し重い。
本来は彼も戦闘力で言えば近辺のジャンク屋とあまり変わらず、他の月装持ちと比べれば格段に弱い。焔装と比べれば数十倍と言ってもいい
だが、彼の月装はステルス機能に特化しており。彼の様な余り強くない物でも離れた場所まで移動できる。これが彼の強みだった。
何者かに追いかけられた場合においても有効に活用できる。逃げ≠フ手段だけが豊富なのもあまりいい気はしないのだが――――命には代えられないだろう。

「…………少し言葉が痛いが、その通りだ」
「《焔》持ちとの共同は魅力的だが、今回はやめておこう」

やや高圧的とも言える態度だが、言っていることは最もだと自身を抑える。何処となくあざけりでは無く此方を気遣ってくれているような気がしたのもその原因だろう
彼女の言う通り彼の月装はこのまま酷使できる状態では無く、ついていったとしても所詮足手まといにしかならない。利益――ガラクタというリソースが欲しいのはあるが
命と引き換えとあらば彼は迷わず命をとる。だから「また♂ったら、その時は借りを返す」とでも言った風に言葉を返すと、自らの帰路へと着こうとするだろう。
無論、少しでも声を掛ければ止まるはずだし。無理にでも引き止めることも当然可能だ。


――――幾ら焔装使いが傍にいるとは言ってもここは敵地の真ん中であり、あまり長話をするのも危険。行動方針が決まったなら、即座に動くに限る。
388 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 00:53:08.77 ID:ixa3zH3q0
>>383

「だぁから、『ヤリたい』だの何だの、そうやって無粋に口にする男は……
 ああ、もういいわ……」

【娼婦は呆れの声と共に、ハサミを人間の手に"戻す"】

「何言ってんの、アンタみたいなドンくさい男、私の方からお断りよッ」

【魔獣女は手を頭にやる】

「ええ、私の店。ヒトも魔獣も集うクラブをやってるの。
 魔獣の私が≪都市≫で店をやってる……プレイの一つよ。
 マ、あんたみたいな客はドレスコード違反でお断りだけど――」

【力で言えば、相手の男の方が上位の能力を持っているのだろう】
【それは娼婦も、気配でヒシヒシと感じる】
【蟹化した爪を立てても、何の気も発さずひょうひょうとしているこの男は、
 相当な実力と能力を持っているのだろう】

【だが、娼婦の基準では、男としての価値は極めて、不当に、低いようだ】

「さあッ、帰った帰ったッ!
 次に会う時は、せいぜいもっとマシな恰好でもしてくる事ね。
 男の"見た目は9割"――闇夜に甘えず、見てくれを磨く事ね」

【娼婦はうっとうしそうに声を飛ばす】
389 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/27(土) 01:00:49.70 ID:zS0WFuMy0
>>385
だろうな、今更そんな事気にする必要は無いだろう
まぁ・・・・・ただの気紛れ、暇つぶしみたいなもんだ
【実際の所、なぜ逃げなかったのかは自分にも分からない】
【本当にただの気紛れか、それとも――――】


別に、ただの好奇心だ
生きていたいから=E・・・・か
俺と似たようなモンか
390 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/27(土) 01:05:04.45 ID:r8V1/ql10
>>379
「ヒャハハハッ!ブッ飛びやがった!ざまぁみやがれ!!」

蹴り飛ばし吹っ飛んでいったフェウアゾイル
それを見てゲラゲラと笑うと追撃を仕掛けようとする
が、起き上がったフェウアゾイルの顔からなにか異様なものを感じ、追撃をやめる

「――これはちょっとヤバそうだな」

炎の勢いがまし、さらに今まで以上の速度で近づいてくるフェウアゾイル
瓦礫でも投げつけたいところだが、瓦礫に破壊の概念を付加し、全力で投げつけても止められる気が全くしない
防御に全力を尽くそうと横の壁を破壊し大きな瓦礫を持ち、盾のようにして待ち構える
そしてフェウアゾイルからけりが放たれ――

「バカなッ!これは俺の――!!」

――その蹴りは瓦礫を簡単に砕き、さらに防御に使った腕すらへし折り
先ほどのフェウアゾイルのように、否、それ以上に吹き飛ばされる
吹き飛ばされている間にガルバが思ったのは何故、自分の力が使われたのか、だった
破壊の概念が付加された訳ではなかったが直感的に感じたのだ、あれは自分の力だと

「ふざ、けるな」
「ふざけるなふざけるなふざけるな!!!」

それは、俺だけが使っていい力だぞ――!
壁に叩きつけられ、血を吐きながらも怒りの籠った目でフェウアゾイルを睨み付ける
立ち上がると、先ほどのフェウアゾイルのように近づいていくが、近づきかたが少し違った
その身体能力を惜しみ無く使い、自身が出せる最高の速度で時に上空に跳び上がりって壁を蹴って進み、時にジグザグに進みながらフェウアゾイルに近づいていく
そして、そのまま近づけたなら最後にもう一度飛び上がり、上空でフェウアゾイルの真上に行くように壁を蹴り、勢いよく落下し上空から叩き潰すように殴りつけるという正真正銘最大の攻撃を仕掛けるつもりだ


/遅くなってすいません!
391 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/27(土) 01:05:48.75 ID:X+6sUO1WO
>>388
「はいはい、分かりました」
「要は見た目ね、見た目」
適当に言葉を返し、彼女から離れていく。

「久々に酒飲めるかと思ったんだがな」
周囲に聞こえない位の小声で呟くと、能力を行使しビルを跳び越え寝ぐらへと向かう

「マシな格好って言ったってなあ……」
彼にはファッションは分からない。着替えも、これと似た服を適当に拝借しただけだ。
「…………あー、確かに臭い」
とりあえず、この服を洗濯してみようか。そう考えながら彼は道を進んでいった。

//この辺がいい所でしょうか?ロール感謝です。
392 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/09/27(土) 01:08:11.72 ID:xsshbx5ko
>>386

「……つーかさっきはワザと無視したんだが、そのエリーたんってのは俺のことか? ……いや、そうだよな」
「……女みてぇなアダ名つけんじゃねぇぞコラ、全然かっこよくねぇじゃねぇか……!! せめてもうちょいスタイリッシュなのにしろ。しねぇと殴る」

先程の睨みで伝わればよかったのだが、そうはいかなかったらしい。エリーたんって何だふざけんなコラ。と、エルドは彼女に直接ぶちまけた。
血生臭い赤のレザージャケット、黒いジーンズ、細身ながら筋肉質な体系に鋭い眼光、黒のソフトモヒカン。どこにもエリーの要素はない。
それでも彼女はエリーたんエリーたんと呼ぶので、拳を握り締め眉を潜めて脅しをかけた。といっても彼女は其れに動じることはなかったのだが。

「は、は8ト――――ッッ!? 」

8トンというぶっちぎった数字に思わず聞き返すも、其れを遮るかのような爆音が鳴り響いた。ありえない量の土煙が舞い、思わず目を瞑る。
薄く目を開けば、隕石が落ちたかのような有り様。思わず呆然としている間に、彼女はへらへらとしながら立ち去ってしまった。
――――自分の最大でも、能力を使っても恐らく2トンが限界。パワーという点では、へっぴりパンチの彼女に大きく劣っていた。

「は、ははは……どうなってんだアイツ。茶毘川 端子……か……とんでもねぇ女だぜ」

悔しさというより、笑うしかない。今のデコピンを見たからか魔獣狩りのモチベはいつの間にか消え失せ、不満そうに頬を掻きながらエルドもこの場を立ち去った。

/拙いロールですみません、お疲れ様でしたー!
393 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 01:08:34.74 ID:ixa3zH3q0
>>391
/はい、お疲れさまでした!!
394 :彗月 ◆4lMNAK/M5E [sage]:2014/09/27(土) 01:11:19.52 ID:HEJ+XPN50
>>387

人間、誰しも命あってこそ
同業者なんだし、また会う機会はあるさ

【帰路に着く彼を呼び止める理由はどこにもない】
【常に危険と隣り合わせの中、引き際を見極めることは街の外で活動する者にとって非常に重要である】
【その判断を正しく行える人間がより長く生きれる。此処はそういう世界だ】

じゃあな、マサキ
また後でな

【手を振って別れの挨拶を告げた後に、少女は彼とは逆方向へと歩き出す】
【街から更に離れた、未開の廃墟群。より使えるジャンク品が眠っている可能性が高く、同時に危険度も未知数の場所へと】

/ではこんな感じで〆で……絡み乙でした!
395 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 01:12:11.82 ID:KwKiLLZ7o
>>389

「……そうかよ、そいつァ良かったな」

適当な返事、という訳ではなかった。言葉を返そうとしたその時、自分の体の異変を感じ取ってしまったのだ。
寒い。頭がいたい。気持ち悪い。其れはまだ普段に比べれば微弱なものだったが、一度こうなってしまってはもう駄目だ。
きっと青年と会話したことによって、思考が無理矢理現実へと引き戻されてしまったのだろう――――こうなると、しばらくは戦っても温まらない。
青年から見ても明らかに顔色が悪くなっており、先程までとは違う状態だということが分かるだろう。

「チッ……クソ、もうやめだやめ」
「わざわざ付き合ってくれてありがとよ、次会ったらその顔面にコイツ叩き込んでやるからな」

こうなってしまうと、痛みすらも煩わしい物でしか無い――――最低限の栄養をとって、そして悪夢の世界に帰る必要がある。
彼は構えていた拳を解き、《月装》の効果を解除すると、そのまま青年に背を向けて都市の郊外へと歩き始めてしまう。
声を掛ければ止まるかもしれないが、そうでもない限りそのまま去ってしまうだろう。
396 :相沢 雅樹  ◆P9IJ.Gjl0Y [saga]:2014/09/27(土) 01:13:55.22 ID:ZdLgWN6h0
>>394
//はい! 此方こそ絡み乙でした!
397 :紅  ◆IGAxpayaDs :2014/09/27(土) 01:16:31.63 ID:zS0WFuMy0
>>395
別に、よくはないがな・・・・・
・・・・・?
【明らかに様子がおかしくなった安藤を見て首をかしげる】

え?そうか・・・・
【困惑しつつ大鎌をしまう】
はいはい、期待してるぞ
【適当にあしらい、安藤とは逆方向に歩き出す】

/これで〆ということで
/遅くまでありがとうございました
398 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 01:17:24.67 ID:KwKiLLZ7o
>>397
//はい、絡み乙でした!
399 :フェウアゾイル ◆U1XR.YHx3E [sagesaga]:2014/09/27(土) 01:29:33.83 ID:5lVwp/s7o
>>390
(わた、ワ、私ヲ、こンな風に――――――!!!)

【瓦礫をぶち壊し、彼の左腕をへし折り、その上で相手を壁へと叩きつけたフェウアゾイル】
【荒い息を吐き、時々血で地面の瓦礫を濡らしながらも、まだ顔の炎と怒りの豪炎は煌々と燃え盛っていた】
【しかし、先ほどの攻撃が今の自分の出来る最大威力。ダメージからいって、もうこれ以上の威力を叩きだすのは無理に等しい】
【だが、先ほどで流石に彼も死んだはず。終わり良ければ全て良しと彼の遺体に近づこうとして―――動いた】

【彼は、怒り狂っていた。そんな彼にフェウアゾイルは、数多の人間を喰ってきた少女型の魔獣は……初めて、恐怖を覚えた】

「―――あ……。―――ぐ、ぎぁ…………!!」

【硬直した所に、真上から彼の叩きつけるような打撃。彼の今までで最大威力の攻撃を避ける術は、今の少女に有るはずがなかった】
【……しかし。クレーターが出来るほどの彼の拳の先に少女は居ない。半分ほど攻撃を受けた後、直感的に胸からジェットを噴出し離脱したのだ】
【横を見れば、逃げようとする少女が見えるだろう。だが追おうとすれば、ジェットで飛び散らせた礫弾が行く手を阻み、少女を追うことは叶わないだろう】

【大きなダメージを受けながらも生き永らえたフェウアゾイル。口と頭から血を流しながらも「少女の顔」に戻り、路地の奥で体力回復の休息に専念するだろう】
【倒れこみ、「そんな筈はない」と呪詛のように唱えながら。それはまるで、本物の少女の乞食の様】


/ここらへんで〆ましょうか! ロールありがとうございました!
400 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/27(土) 01:39:51.13 ID:r8V1/ql10
>>399
「避けやがったか!」

――ここで攻撃されたら不味い!
正真正銘最高の攻撃
だが、それ故に隙は大きい
今の自分だと攻撃を外す=死だと考えていたが以外にも攻撃は来なかった
どういうことだと辺りを見ると逃げ出そうとしているフェウアゾイルの姿が
追いかけようとするも礫のせいで阻まれる

「絶対にお前は[ピーーー]!」
「次に俺とあったときがお前の最後だと思え!!」

聞こえるようにそう叫ぶと能力を解除する
負ったダメージの量はかなり多い、能力を一部だけ使って回復力をあげる必要がありそうだ
ふらふらになりながらもなんとか歩き、その場を去っていった


/こちらこそありがとうございました!
401 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 01:59:29.17 ID:PVpKEUDeO
人類最後の都市。全てが崩壊しつつある中でも、未来ある若者達の教育は行われる。
生き残った先、世界を導いていくのは若者達なのだ。
そんなわけで、少ない生き残り達の学校生活は、細々と営まれていた。灰髪の少年もまた、例外ではなくて。


至って普通に授業をし、昼休みのチャイムが鳴る。生徒達は配給される昼食を受け取れば、それぞれのグループに分かれて談笑等を交わしながら昼食をとる。
少ない数だが、至って普通に授業は行われていた。

「……………………」

そんな中、ただ一人窓際で校庭を眺めながら食事をとる一人の少年。どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出しており、彼に近づこうとする者はいない。
崩月は所謂ぼっちという存在であった。誰かと会話を交わす事も少ないし、雰囲気からして陰キャラ認定されているのか、何にせよ友達と呼べる存在もいないのは確か。

「……………………」

黙々と食べ進める。彼に話しかける者は、現れるのだろうか。
402 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/27(土) 02:06:15.95 ID:PqKC388wo
>>368 >>375

「もう用はないか?」

答えを待たずに歩き出し、途中で思い出したように立ち止まる。

「ああ、そうだ。闇市を一人で歩く子供など、信用ならん。年端も行かない女なら、尚更だ。
あの年なら、《夜》に閉ざされてからの時間の方が長いくらいだろう。警戒心が足りていないとは考えづらい。
なら、自分の身を守れるだけの自信がある――つまり、何らかの力を持っているか、あるいは……」

売り物にしろ、その代金にしろ、価値のあるものを持っていれば奪い取られる危険が生まれる。
子供を一人で闇市に送り出す親はあまりいない――とはいえ、今では親無き子も珍しくない。

しばらく前ならいざ知らず、今ではその主張に説得力は無い。
闇市を訪れるのは、久しぶりのことなのだろう。


「人の隙を狙う側ってところだな。 一応、ポケットの中を確認しておいた方がいい」

青年の目的を察していない男に、焔装・月装使いを探すアドバイスなんて発想ができるわけもなく
青年がポケットを確かめる間に、すっと人混みに紛れてしまったところを見ると、別段親切心で言ったわけでもないようだ。

服装も目立てば背も高いので、探せばすぐに見つかってしまうだろうが
わざわざ追ってくることも無いと思っているのだろう。

/いないみたいなので〆ちゃいますね
403 :剰 翔 ◆TGszRFSmsk [sage]:2014/09/27(土) 07:29:52.51 ID:Whlo1Lmn0
>>375>>402

「……そうですね。今は何をするにも人が足りない」

相槌を打つと、別れ際の言葉に納得する。

(なるほど。スラムを一人で歩く女子が只者の筈はない、か……月装遣いだったのかもしれないな)

思索に耽りながら、一応ポケットにも触れておく。



----やられた。財布が入っていない。
数少ない日用品の一つと持ち金全て。
この世界では余りに手痛い被害が、青年を青ざめさせた。

//申っっっし訳ありませんでした!!寝落ちです!
//お時間を無駄にさせてしまって本当にごめんなさい!以後二度とこのようなことがないようにしますので、また機会があればロールしていただけると嬉しいです……。絡みありがとうございました!
404 :代行:ムーン=タスク ◇QsdIdyMuuE [sage saga]:2014/09/27(土) 13:50:27.95 ID:757wWBb4O
星すら見えぬ闇の中奇怪に歪んだ風音を響かせる、辛うじて倒壊を免れただけの崩れ掛けの廃ビル群。その一角。
僅かに斜めに傾いた建築物の壁面に屹立していた影が、風に吹かれて静かに落ちる。
綿埃の如く重みを欠片も感じさせずに罅割れた道路に降り立ったそれは黒布を何重にも巻きつけた人型の異形であった。
人工の光源すら大半が喪われた都市に於いて"全身黒色"が意味するは概ね《夜》の眷属に他ならない。
最も襤褸に手足の先まで覆われ、一目見ただけでは中身の判別など出来そうも無いが。

「人間も少なくなった、でござる、なー」

小脇に抱えた赤黒い肉塊から小片を引き剥がして頭部に運びつつの独り言が、虚しく周囲に谺する。
暫しの間繰り返された行為の果て、灰白色の骨片を吐き出すのに飽いたのか、臓物の切れ端をぶら下げた塊に顔を近付け半ば無理矢理に丸呑みにすると大きなげっぷを一つ。
フードの奥から赤黒い肉厚の舌を長く長く身体に巻き付ける様に伸ばし、乾いた空気を味わうが如く蠢かせる。
風が運んでくるのは舌先に残る餌の旨味を掻き消す灰と砂埃と混凝土の風味。廃墟が発する無機質な苦味。朽木、錆、同族の微かな残り香、それから無論《夜》自体の味。
態々重力異常地帯付近にまでやって来る様な酔狂な人間は最早近場には居ないであろうと結論付けると、異形は曝け出していた筋肉質な舌を仕舞い込み。
遠く微かに見える灯りに向かって歩き出す。――恐らくは無惨な死と破壊を人間達に齎す為に。
405 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/27(土) 18:14:49.87 ID:I4+lmkYu0
【瓦礫と砂埃と、魔獣がひしめく無法地帯】
【中心部から外れたソコは、人がいた気配など微塵もなく】【最近の物と思われる傷跡が残るくらいで】
【そこで】【瓦礫に体を突っ込み】【何かを探しているのは、19歳の少女】

あ――った! やっり……あー、これ、食えるのか?

【灰色の髪、学生服】
【服には砂埃】【髪にも僅かに付着しているのが伺える】
【瓦礫の中から顔を出せば、手に握ったのは、所謂お菓子】
【中身を包む外装はボロボロですり切れ】【包装された中身が露出している】
【消費期限すら掠れて読めないそれを見て、顔を顰め、それに視点を当てながら歩く】
【焦点は正面よりやや下で不安定。時折辺りを見回しては、移動方向を修正するくらいには】
406 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 18:44:29.33 ID:F592kgFrO
>>405
「……………ふぅ、こんなもんか」

瓦礫と砂埃。今となってはそれが当たり前の街の外観となっている世界。人の気配など微塵もしない場所で、一人の灰髪の少年がただ一人歩いていた。
何をしていたかといえば、それは日課の魔獣退治。自分達が住んでいる都市に侵攻しようとする魔獣を少しでも減らす為に行っている。
既にそれは終わったようで、戦闘の後なのか少年の制服は砂埃で大分汚れてしまっている。

都市に戻ってもやる事はないので、歩いて適当に時間を潰す事にした。そこで、瓦礫に体を突っ込む少女を発見。

「………………何してんの」

率直な感想。わざわざ瓦礫に体など突っ込んでも汚れるだけだというのに。
余程の物好きか、それとも。

警戒した様子で、少年は少女に問う。

/9時からイベントなので、それまでには終わらせたいのですがよろしければ!
407 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/27(土) 18:58:38.18 ID:I4+lmkYu0
>>406
ん? ……あれ、お前人間、だよな?

【声をかけられた】【いや、それは独り言だったのかもしれない】
【しかし、目の前に人がいる】【魔獣の気配もない、のなら】

何してんのって……見てもわかんない?
暇つぶしだよ、暇つぶし。

【膨大な時間の浪費に付き合って貰おう】
【戻った所でやる事なんてたかが知れてる】【ならば談笑に費やす時間くらいは頂いていこう】

あんたも普通じゃないんだろ? ここにいる位なんだから。

/大丈夫ですよー、それでは気持ちはやめで、お願いしますね!
408 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 19:02:50.54 ID:KwKiLLZ7o
都市の外れ、崩れた瓦礫の山の頂上にて。
学ランを着た目付きの悪い青年が、座り込みぼんやりと空を見つめながら不味そうに高カロリーのビスケットバーを齧っていた。

「…………やっぱまっじぃなぁ」

本来ならばそれなりに味が付けられていて、其処まで酷いものでもないのだろう。ただ単に、彼自身が味を感じ取れる余裕がないというだけで。
まるで砂の塊でも食べているかのような感覚に辟易しながら、栄養を取る為だけに咀嚼を続ける。

「……クソ」

月の存在しない漆黒の天井が、人間が《夜》に負け続けているという現実を見せつけられているようだった。
かつてあの空はどんな色だっただろうか、もはや其れすらも朧気にしか思い出すことが出来ない。
在りし日の日常を思い出そうとすれば、《夜》が訪れたあの日がフラッシュバックする。
激しい頭痛に見舞われ思わず手に持っていた食料を握りつぶしてしまいそうになるが、咄嗟に抑えて空を睨みつけた。
409 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 19:09:21.95 ID:F592kgFrO
>>407
「…………見ての通り人間だよ」
「そっちこそ、人間みたいで安心した」

どうやら目の前の少女は、ちゃんとした人間らしい。雰囲気から、魔獣の禍々しさを感じなかったからだ。
こんな奇行をするのだから魔獣の可能性もあると踏んでいたが、それは杞憂に終わったようで。
少女はこれを暇つぶしという。わざわざ体を汚してまでそんな事をする意味は分からなかった。

「暇つぶしに魔獣を潰す事が普通なのかはさておき、僕としては暇ならそっちをやって欲しいものだけど」

勿論、少年は普通ではない。焔装使いという、人類にとっては頭痛の種である存在。
魔獣を殲滅したい一心の少年は、暇があるなら魔獣を少しでも多く減らしてくれというのが願いだった。

/了解ですー!
410 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/27(土) 19:16:34.27 ID:I4+lmkYu0
>>409
ここまでに居た奴はちゃんと倒してきたっつーの。
そこまで無責任じゃねェって。

【少女の辺りを見渡せば】【不自然に空間から消えたような痕がいくつか】
【それが彼女の焔装】【焔装使いの割には落ち着いた奴がいる……なんて噂が、あるとかなんだとか】

お前さ……お前っていうのも嫌だな。名前教えてくれ、名前。
あたしはエイルって名乗ってるんだけどよ。

【行動に否定的な回答を投げられれば、顔を顰める】

戻ってあそこにいたってやる事ねェだろ? 暇なんだよ、暇。
だからって気を貼り続けるのも面倒だしよ。これ位はいいだろ?
411 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 19:27:05.81 ID:F592kgFrO
>>410
「あっそ………なら良いけど」

人間である以上、魔獣は見つけ次第[ピーーー]義務があると少年は勝手に考えている。どこかレイシズムにも感じるそれは、迸る憎悪の現れか。
何やらともあれ、少女はきちんと義務を果たしているようだから別に良いのだが。
そういえば、周囲の空間がまるで切り取られたように消えたような後がいくつか見受けられる。これがその戦闘の後のようだ。

(焔装使いか……?だとしたら僕のやつに性質が似ているな……)

少年もまた、空間を切り取るように物体を消失させる事が可能だ。この少女もまた、そうなのか。

「………崩月真夢。別に宜しくなんてしないからな」

エイル、と少女は名乗った。一応名乗り返すが、ぶっきらぼうな言い方で決して友好的なものではない。
人付き合いを基本的に避けている崩月は、必然的に他者と接するとそういう態度を取る事になってしまう。

「別に………勝手じゃないの、そんなの」

暇じゃない奴がいるかもしれない。崩月は暇だが。いや、そもそも、そんなの勝手か。此方が干渉すべき話でもない。
412 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/27(土) 19:41:05.85 ID:I4+lmkYu0
>>411
つーか、どうしたよお前。随分と魔獣、魔獣って拘るけどよ。
確かに倒して欲しいっちゃ欲しいけどよ、そいつの自由だろ?

【不服の態度を隠す事なく露骨に見せられれば】【物憂げな表情を返事で返す】
【にしてもそっけない奴だ、と考えながら】【このままさようなら、なんていうのも嫌なものだと考えて】

んだよ、ノリわりーなお前。真夢だな、分かった。
いーや、やっぱ決めた、もすこし自己紹介してくれ。

【相手の方へと近づきながら】【手に持ったお菓子の包装を試しに一つ開けてみる】
【一つずつがプラスチックに包まれていて、中から出てきた薄い円形のラムネのようなもの】

おっまえなー。冷めてるってモンじゃねーな。本当に。
まあそれが正解なのかもしんねーけどよ……そうだ、思い出した!

お前さ、久良岐って奴知ってるか?
そいつがよ、魔獣殲滅をしたいって話があるんだけど、乗るか?

【名前を尋ね忘れて後で聞いた話なんだが】【女々しいというか、やたらと元カノに煩い奴、で通じたのは笑ってしまった】
【目の前の少年もどうやらそっちの話の方が乗りそうだと】【試しに持ちかけてみる】
413 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 19:54:33.41 ID:jiMwEhdAO
>>412
「あいつらは全部壊す。築いた物も命も何もかも滅茶苦茶に壊す。それを倒す倒さないが自由だって?」
「…………ハッ、おめでたい頭だね。魔獣を倒すのは人類の義務だと僕は思うけど」

自由?冗談じゃない。あの悪魔を黙って見過ごすのが自由などと、認めてはならない。人類が総力を結して殲滅しなければならない。
エイルの言った事を、鼻で笑う。同時に、少し憤る。脳内がお花畑で出来ているのか、こいつは。
初対面から嫌味たっぷりな崩月。当然不快感を覚えるかもしれない。若しくは、彼の《夜》に対する異常なまでの憎悪を汲み取るか。

「……自己紹介をするならまずは自分から、が礼儀だろ?」

訝しげに近づいてくるエイルを見て、不機嫌そうに言う。この手のタイプは苦手だ。勝手に人との距離を縮めようとしてくるから。
そして、押しに弱い自分もまた、嫌なものだと思う。

「いや、知らないな……」
「殲滅か……いいや、乗らない。そいつはそいつで動いてくれるんだろ?僕はこっちで勝手に殲滅しに動くさ」

誘いは即座に断った。あくまで独りで戦う姿勢は崩さない。
群れるのは苦手だ。もし自分が暴走したらどうなる、それこそ迷惑をかけるだけで足手まといの何物でもない。
自分のせいで誰かを死なせたくない――――だから、孤高を望む。
414 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/27(土) 20:07:11.51 ID:I4+lmkYu0
>>413
……まぁ、そうだけどよ。

【怒りは、湧かなかった】【言葉の重みがわかったから、かもしれない】
【彼の話も最もだ】【どんな人間でも、生まれたばかりの子供でも】【戦わせて勝利を勝ち取るのが】【今するべきことなのだろう】

じゃァお前はそう思っておけばいいだろ。それを誰かに押し付けんなよ。

【だからって、少女は震え怯える同胞を見て】【それを自らよりも若い子供達や、震えて立ち上がれなくなった人達に】
【強要できなかった】【お花畑、と想われても仕方ない】

エイル、焔装使いで……あれだ、本とか読むのが好きだ。形も残ってるしよ。何冊か位は。
これ以上欲しいか? 欲しいなら語ってやるけど、その時はお前もだぜ? 真夢。

【視線は包装を解いたお菓子のまま】【食えるか? いけるか?】
【見ただけではわからないが、それでも凝視したくなる】【だが、これを見つけたまま放置、というのも惜しい、と考えて】

……そっか。正直そう答えるとは思ってなかった。
まあ嫌なら強制はしねーよ。それはそれでアリだしな。

【てっきり手を組むかと思ったのだが】【どうも違うみたいだ】
【協力させた方が敵を倒しやすい、と思ったのだが、そう簡単にはいかないようだ】
415 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 20:18:38.89 ID:jiMwEhdAO
>>414
「……………別に強要はしない。怖いならすたこらとどこかに行けば良い。だけど、僕はそいつらを守ってはやらない」

逃げたきゃ逃げれば良い。それを止めはしないが、手伝いもしない。どうなろうが、知ったことではない。
ただ、そんな事は月装使いか焔装使いの誰かがやってくれるだろう。誰かに配慮できるほど、自分の力はコントロールできないのだから。

「焔装使いで、好きな事は魔獣を[ピーーー]事。これ以上は結構だね」

成る程、やはり焔装使いか。大体最低限の事は聞いたから、もうこれで良い。
余計に踏み込めば、万が一信頼などというものが生まれてしまう可能性がある。これ以上は危険だ。

「………一応忠告しておくけど、もし一緒に戦う事になったら僕の傍で戦わない事だね。巻き込まれても知らない」

念押しに忠告する。自分の力に巻き込まれて死なないように。
協力しないのも、そのため。
416 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 20:24:53.16 ID:jiMwEhdAO
/すいません!急用が入ってしまったので次のレスで〆ちゃってください!ほんとにごめんなさい!
417 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/27(土) 20:35:46.09 ID:I4+lmkYu0
>>415
守れとはいってねェよ。それもあたしはお前に言えない。

【戦えない奴だって、何処かでどうにかしようって思いながら動いている筈なんだ】
【考える事は好きだが、結論を出すのは嫌いだ】【出ればそれに従わなくちゃいけない】

お前、人に聞いておいてそりゃねェんじゃねえの……。まあいいけどよ。

【予想通りはつっけんどんな態度に呆れて溜息を漏らす】【が、こういう奴なのだろう】

お? そりゃ心配って奴か?
――な訳ねーよな、お前からすれば戦力でしかねェんだろ?

【しかし、このまま不機嫌面を通されるのも中々に癪で】【少しからかってやろうと言葉をかける】

冗談だよ、冗談。……じゃあな、ちょっとは楽しかったぜ。
あたしは前に出る方じゃねーからよ、気にすんな

【そのまま暇をつぶせて、それなりに満足したのか】【横を通り過ぎて歩いていく】

これもやるよ、折角だしな、食えるかはわかんねーけど。

【そして彼に一粒、ラムネ菓子のような物を包まれたアルミ毎渡した】
【これでも、一応お礼】

//了解です、こんなんですが〆させていただきました! 絡みりがとうございました
//ギリギリになってごめんなさい、イベント頑張ってくださいね
418 :凪沙 巫【三面六臂】 [sage]:2014/09/27(土) 21:03:42.84 ID:9Ue/OaDp0
【地に伏せる、少女の亡骸】
【此処で魔獣と死闘を繰り広げた末、敗北しま少女のものだ】
【《月装》使いと《魔獣》の圧倒的な実力差。僅かに傷をつけることしか叶わず、闇に脳天を貫かれ命を落とした】

ギ…ッ…ギギィィィッ!

【其の亡骸から溢れ出る負の瘴気。其れは少女を半魔として、悍ましき怪物として蘇らせる】
【其れは三面六臂の怪物。裸体を曝け出した其れは、座禅の姿勢で宙に座す】
【次いで半魔の六臂が伸び行き…、地面を無造作に殴りつけ凍てつかす】
【万物を凍てつかす。何処までも果てしなく伸び行く腕】
【人類は半魔となった少女の腕で、終焉を迎えることになるのだろうか】
419 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/27(土) 21:17:14.58 ID:HEJ+XPN50
>>418

【《夜》との戦いに敗れた者の末路、それが魔獣化】
【それは人が人でなくなり、異形の怪物へと身を堕とす忌々しい現象】
【もし、そうなってしまった人間を救う術があるとすれば、それは一刻も早く止めを刺すことだろう】
【せめて完全な魔獣になる前に、人として殺してやることこそが】

――――――ぶった切れろ!

【不可視の斬撃が地面を奔る】
【凍てつく大地に亀裂を次々と刻み込み、侵食する腕と冷気の信仰を阻む】
【人がこの程度で終焉を迎えるなど、そんな巫山戯た真似は許さない】
【三面六臂の前方、約十数メートル離れた場所に、その少女は立ち塞がった】

………よう、元人間の誰かさん。まだ自我は残っているのか?

【僅かな哀れみと、自己嫌悪の入り混じった表情で、少女はそう問いかける】
【その行為が何の意味も成さないことを、初めから知りながら】
420 :紅 </b> ◇IGAxpayaDs<b> :2014/09/27(土) 21:30:38.15 ID:zS0WFuMy0
>>418
・・・・・ん?
【その辺りを適当に歩いていた青年は近くでなにかの音がしている事に気付き立ち止まる】
とりあえず行ってみるか・・・・・
【音のする方向へと歩き出す】

・・・・ここか
【音がしている道へ顔を少しだけ覗かせる】

・・・・・うお、なんだあいつ・・・魔獣か・・・?
【地面を殴りつける凪沙を見つめる】
【凪沙から見える位置から見ているため気付かれてしまうかもしれない】
421 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 21:31:47.10 ID:KwKiLLZ7o
>>408
//まだ募集中です……!
422 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/27(土) 21:43:30.68 ID:RhfuXJNro
>>408 >>421
 リィオラは見回りをしていた。腰のバッグから非常食を抜き取り、パッケージを開ける。
 全粒粉クッキーを砕いて圧縮してからヌガーとマーガリンで固めたようなカロリー・バーだ。
 エネルギーは取れるが口の中でべとつく触感は最悪に近く、保存料の薬品臭が酷い。
 それでも食料は貴重だ。なんとか食べ、水を一口だけ飲み込んだ。

 ひっそりと移動していると瓦礫の山に何かが見えた。《夜》に慣れたせいで夜目が効く。
 そこには人がいた。あんなに人目に――魔獣の目にも――つく場所は危険だろうに。
 リィオラは瓦礫の山を登り、注意するべく声をかけることにした。
 そこで、彼の表情を見てかける言葉を飲み込んでから別のものにすることにした。

「《夜》を見ているのか。それとも別の……こころの中のなにかを?」

 リィオラから見れば珍しい服を着る男の表情が、切なく哀しそうだったから。
423 :凪沙 巫 【三面六臂】 :2014/09/27(土) 21:52:14.42 ID:JqzJ8lb8O
>>419

ギィィィッ!?

【腕は容易く切断されて地に落ちる】
【だがそれで安堵することは許されない。再生しているのだから】
【腕自体を消滅させるしかないのだ。でなければ無数に増え続ける】
【十数メートル?其処も三面六臂の射程範囲だ】
【三面六臂の内二本がその太さを増して行き、彗月の両側から彗月を挟み込む形で迫る…回避しなければ潰されることになる】

ギギ…ッ!ギギィィッ!


>>420

ギィィ!?

【顔を少しだけ覗かせた紅に向け、先程彗月に寄って切断され地に落ちた腕が向かう】
【其れは…膨らむ様に巨大化し、紅の身体を包み込める程の大きさになった】
【その腕は、上から振り下ろされて紅の身体を叩き潰さんとするッ】
424 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/27(土) 21:58:27.19 ID:5fRnXUDn0
《夜》の襲来によって食い荒らされ重力が混沌として存在する都市の外延部。
そしてその出入り口から少し離れ、倒壊を免れた建物が見え始めるような場所。

「流石にッ……、無茶だったか…………。」

そこには人々の生活圏内へと至る道を進む少女がいた。
しかしながたその様子はどこかおかしい。
左腕から血を流し、右の脇腹付近も血に染まり、後方でくくられていた髪は既に解け、髪先には血と泥で固まったものが付着してる。
足取りも重く、右手に握られた《月装》を杖替わりに使っていても僅かばかり蛇行していた。
425 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 22:02:49.11 ID:KwKiLLZ7o
>>422

静かな夜だった。周囲が瓦礫だらけという性質上、意識して足音を殺さなければ誰かが接近してきたことに気付くのは容易だっただろう。
しかし青年は、女性の存在に気付かなかった。気配に対して鈍感というのもあるのだろうが、単純に思考が何処かへと飛んでいたせいである。
青年が彼女の存在に気付いたのは、女性が瓦礫の山を登り終え声をかけられた時だった。

「…………あァ?」

敵意の入り混じった声、女性を見る目つきは鋭く、少なくとも友好的には感じられないだろう。
己以外は敵、そうでないとしたら其れはどうでもいい存在だ。彼がそう定義している以上、下手に取り繕ったり感情を隠すつもりは一切ないのである。

「……別に。昔の空が何色だったか、思い出そうとしてただけだよ」

トラウマを思い出して苦しんでいた、なんて情けない真実を伝えるつもりはなく。
戦闘狂らしからぬ言葉で、その場を濁した――――過去を思い出そうとしたキッカケだから、嘘ではあるまい。
426 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/27(土) 22:05:50.93 ID:pCgxmMIeO
>>423

言葉は通じないか……なら仕方ない

【能力の射程内にいるのは、お互いに同じ条件だ】
【相手が無限に増殖する腕で迫るなら、此方は無限の刃で応じるのみ】
【念じるだけで防御不能の斬撃を無尽に放つ、それが少女の焔装《Distears》の力だ】

【迫りくる巨腕を一瞥し、しかし少女は回避運動を行おうとせず】
【次の瞬間、幾重にも続く斬撃の連撃が怪物の両腕へと放たれる】
【触れたものを問答無用で切断する不可視の刃の束が、怪物の両腕を粉微塵に切り刻もうと】

ならせめて―――楽に葬ってやるよ!!

【同時に巨大な斬撃が放たれ、三面六臂へと真っ直ぐに放たれる】
【もし回避しなければ、その身体が真っ二つに切断されることになる】
427 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/09/27(土) 22:10:37.71 ID:4CKVkJ5fo
街の外れに位置するスラム街を抜けた先は瓦礫と廃墟の群。人気は全くと言っていいほどなく
自警団などがパトロールにたまに来たりする程度。ある一部の人間以外には関係ない場所だ。

そんな場所で一件だけ明かりのついた場所がある。半壊したビルの1階に入った半壊した喫茶店。
瓦礫と打ち付けられたベニヤ板の隙間からうっすらとオレンジ色の明かりが漏れていた。
ある噂によるとそこには闇商人が居るという。他のと違うところは今となっては珍しい嗜好品もあるらしい。

ドアを押し開くと、カランとドアベルが鳴る。昔と同じだ。店内も半分は瓦礫に埋もれているようだがテーブルの上のランタンの
明かりが届く範囲は綺麗なままだ。あるテーブルにはソファと絨毯。壁には美しい古都の油絵。飲みかけのティーカップ。

「用があるなら、武器を棚に置いて椅子に座れ。テーブルの近くだ。余計な動きをしたら撃つ。」

不意に店の奥から声がした。現れたのはカーキのコートを来た男だ。短いブロンドの髪。
頬と目尻のしわは若くはないと示す。片目に眼帯をした青い瞳は厳しく、片手に握られた拳銃は相手に向けていた。
428 :有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/27(土) 22:15:16.19 ID:dusR5x8Ao
>>424
「いつまでその無茶が続くかな…?」
進んでいくと、気の抜けた女が声を掛けてきた。
他の人間の監視網に踏み入れたようだ。
今日の彼女は、廃墟のファミリーレストランの屋根を陣取っていた。
相変わらず足を組んで寝そべり、夜空を見上げる体勢だった。

「ほら、私が監視に付くからここで休みなよ。
 いつまでも体力が続くとは限らないだろうしね」
前の有子は、ギリギリの駆け引きを愉しんでいたように見えた。
居合わせた未来が取る行動を試していた、という見方もある。
429 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 22:15:49.72 ID:RT5ERn7n0
>>424

【風がやや、強く吹く】【腰を守る布が、はためく……】

【紫の薄絹を纏う娼婦風の女魔獣は、闇と同化するようにたたずんでいた】
【そんな彼女が見つめていたのは、こちらに向かってくる一人の少女だった】
【みれば、何者かとの戦闘の後なのか、脇腹を赤く染め、よろよろと歩いている】

「――女が闘わなきゃいけないセカイなんて、無粋もいいトコ……
 ねえ、あなたもそう思わない?」

【暗闇の向うから突然出現したかのような印象を受けるかもしれない】
【資源の乏しい世界で、化粧品の匂いを漂わせる、女――】

「誰かと、ヤってきたのかしらン?」

【あざ笑うような目で、娼婦は傷だらけの少女に尋ねた】
430 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/27(土) 22:16:59.84 ID:RhfuXJNro
>>425
 ヤマアラシのようだ、というのが安藤静哉の第一印象だった。
 触れれば針で人を刺すような警戒心と敵意を見せつけている動物。
 いま生きている人間に、傷を抱えていないものなどいない。
 きっと、そうすることで彼は、自分自身と他人を守ってきたのだろうな、と。

「そう。意外と……といったら失礼かもしれないけど、ロマンチストね」

 だから、ちょっと男の言葉は意外だった。余裕がないようにも見えたからだ。
 安藤のようにではなく、リィオラはほとんど逃避のように生きてきた。
 こころを砕くことでそうしてきたから、大切に守っていたはずのものはすり減っている。

「私は……そうだな。ぼんやりとしか思い出せない。青かったのか、灰色だったのか。
 空をじっくり見たことなんて、《夜》が来るまではなかったのかもね」
431 :凪沙 巫 【三面六臂】 :2014/09/27(土) 22:26:39.05 ID:JqzJ8lb8O
>>426

ギィィィイッ!!

【粉微塵にされた両腕…其れら一つ一つは、緩やかに腕の形になろうとする】
【完全に腕の形になるには、そこそこの時間を要するが、その時三面六臂の攻撃手段は格段に増える】
【欠片一つでも、粉一つでも残ってさえいれば無数に増え続ける。其れが半魔になった少女の力だ】

ギィアアアッ!!!

【迫り来る巨大な斬撃、三面六臂は其れを見ると…座禅の姿勢を解く。落ちることで回避】
【そして……落ちた体を、一本の巨腕がクッション代わりにして受け止めた】
【それと同時、彗月に向けて三面六臂の一本が蛇行しながら腹部を狙い伸びる。それは普通の腕の大きさで、威力も大したことは無い】
【が、此れに殴られれば…その箇所は凍ることになる】


432 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/27(土) 22:27:55.71 ID:5fRnXUDn0
>>428>>429
息を吐き出し顔を下に向ける。その時かかってきた声色には聞き覚えがある。月城有子のものである
持つべきものは友人か。今の彼女にとって有子は天から差し出された救いの手であった。

「ありがとう。戦う予定ではなかったんだけどっ、思った以上に数が多い……」

有子の傍へ歩を進め、腰を下ろそうとした瞬間にもう一つの気配が現れる。
敵。魔獣特有のオーラ。

「見張るも何もなかったね……」

そう口に出すと魔獣の娼婦へと顔を向けた。

「力が無いよりマシだよ。あとあんた下品。そのコンクリート並の化粧も落としたら?」

無論、しっかりと相手の様子を確認した訳では無い。傷ゆえの強がりと言ったところである。


433 :有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/27(土) 22:31:24.00 ID:dusR5x8Ao
>>429
「あんたはツキがないねぇ…私のネズミ捕りに掛かったみたいで」
屋根の上にもう1人いる。だが片方は手負いだ。

「私の標的だ、今度はがっつくなよ」
“誰か”に向けて、呟いた後…
立ち上がり、黒いジャンスカの女が屋根の上に姿を現す。
殺気こそ無いが、傷一つ負っていない。

>>432
「大丈夫。増援が来た時のバックアップがここに居る。
 まぁ、目の前の奴は大物。くれぐれも万が一の事がないように」
警戒を促す。危ないなら私を置いて逃げろとハンドサインを送る。
434 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 22:37:26.97 ID:RT5ERn7n0
>>432

「あらあら、上の口は随分達者ねェ……
 でも、下の方は……フフッ、もうぐしゃぐしゃじゃないの」

【娼婦は口を歪ませて嘲笑う】
【女の脇腹の容体は、ハタ目にもあまり良いものではない】
【そして、不意な横歩きで回り込み、彼女の真後ろに立とうとする】
【もし、可能ならば、そのまま肩まで伸びた髪の毛に触れようとするだろう】

「トリートメントはしてるかしらン?
 手入れは十分にした方がいいわよ。"ニンゲン"の髪は、痛みやすいから……」


>>428
【すぐそばにもう一人女がいるのを、娼婦は風の流れで勘づく】

「あら、そんな所にいるんだ。
 随分とまあ、高いところが好きなのね……」

【娼婦はウインクを有子に飛ばす】
【だが、日向の後ろに回り込んだため、ちょうど日向を盾にするような形になっている】

「……正直、あなた達みたいな小娘を喰らうのは、趣味じゃないんだけど――
 たまには、女のやわ肌を重ね合わせてみるのも、イイかも、ね」

【そう言うと、娼婦の左手は異様に巨大な――3メートルはある蟹のハサミへと"戻って"いった!】
435 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/27(土) 22:37:27.35 ID:HEJ+XPN50
>>431

……再生能力か、面倒な力を

【両腕の残骸、その一つ一つが蠢くのを見てその能力に気づく】
【それに対して少女がとった行動は、更なる斬撃の束による再生の阻害】
【刃が宛ら豪雨の如く降り注ぎ、腕の形へと変化しようとする欠片を潰してゆく】

【蛇行しながら迫る腕、残骸に意識を割いていた為に迎撃を行うには間に合わず】
【反射的に右横へと飛び、回避。しかし僅かに間に合わず、怪物の腕が左腕を掠めてしまい】
【その箇所がすぐに凍結してしまい、その痛みに思わず顔を歪めるも】

……は、上等―――!!

【すぐさま反撃に出、先程の大斬撃と同規模の刃を四つ、放つ】
【三面六臂から見て、正面、右、左、そして上から。必殺の威力を秘めた刃が迫り】
436 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 22:40:24.80 ID:KwKiLLZ7o
>>430

きっと彼女が抱いた彼への第一印象は、大きく間違ってはいなかったのだろう。
魔獣だけではなく人間にまで喧嘩を売る厄介者。やり過ぎた彼は食料の配給すら受け取れなくなってしまった。
そんな彼と今この瞬間会話が成立しているのは、ただの気まぐれであり偶然の産物と言ってもいい――気分じゃない、それだけが理由なのだ。

「はっ、んなもんじゃねーよ。俺はただの戦闘狂でイカレ野郎だっての」
「……あぁ、気にも留めて無かった。ただそこにあっただけのモンが、恐ろしい物になるとも恋しくなるとも思ってもいなかったからな」

相手に向けられていた鋭い視線は、ゆっくり空へと戻される。またいつか《夜》は、人々から何もかもを奪っていくのだろう。
なんでもない日常と家族を奪われ、まともでいられる事を奪われ、次に奪われるのは果たして何なのだろうか。

「前だけ見て進むって決めたんだけどな――――それでも時々、振り返りたくなる。情けない話だけどよ」
「アンタは…………なんか、そんな感じはしねーけど」

彼とて、彼女とそう変わらない。過去が恐ろしいから、逃げるように前だけを見ようとしている。
しかし現実はそう甘くなく、過去はどこまでも追いかけてくる――――逃げ切れる訳がないのだ。
現に今も、彼の脳裏には家族が殺されたその瞬間が焼き付いて離れていないのだから。
その点女性は、どこか冷静なように見えた。自分とは違い、強い人間なのだろうと――――実際がどうなのかは、分からないけれど。
437 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 22:43:50.53 ID:jiMwEhdAO
>>426>>431>>435
少女と交戦するは、三面六臂の、阿修羅を象った異形の怪物。かつて人間であった、魔獣となりかけている半魔。
怪物としか形容できない、そんな異形は腕の一つを伸ばし、今にも少女の腹部に一撃を与えんとしている。
その一撃は、少女の左腕を掠めて、その部分を一瞬で凍結させた。
相手は再生能力を持っており、少女の劣勢は火を見るより明らかであった。

「―――――――――――――――!!!」

少女が大規模な斬撃を放った刹那、闇色をした衝撃派が真っ直ぐに怪物へと向かっていくのが見えるだろう。
喰らえば、衝撃と共に吹き飛ばされるはずだ。

「随分と派手に暴れてるみたいだけど………ここで終わりにしようか!」

それを放った張本人、崩月は少女の前に立つ。
紫色の魔眼は、静かに人間であった少女の成れの果てを覗きこむ。

/遅れましたがよろしくお願いします…!
438 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/27(土) 22:45:58.99 ID:5fRnXUDn0
>>433 >>434
「安心して、私は見た目以上のタフだよ。まだ大丈夫。まだ戦える!」

そう有子へ言葉を返すと剣を構える。満身創痍ではあるがその言葉、その様子は力強く少なくともそのまま力尽きる気配は無い。
実態のある特技ではなく精神面で《月装》を振るう未来にはまだ戦い抜く意思があった。


相手から距離を詰めてくれるならやり易い。しかし相手の歩きに合わせて体を向けようとしたが反応が間に合わない。
その結果。背後を取られることになる。

「今の私にはあんたの戯言に付き合う余裕はないぞ!」

相手の腕の動きに合わせ体ごと回転させ、剣の《月装》で切り落とそうと振るった。
439 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/27(土) 22:48:34.00 ID:dusR5x8Ao
>>434
「馬鹿と煙はなんとやらって言うじゃん?
 見晴らしの良い場所を陣取ってやる事といったら一つだよね」
随分とやる気の無い表情で、右手に異形の銃を出現させる。
銃の月装使いは化粧もなしに色白。病人のようだ。

(ああ…アレの見た目で分かる。全部変身したら貫通は困難だ)
硬質の外殻に覆われた魔物…攻撃が通らないのであれば分が悪い。

「Fire」
右手の黒い銃を娼婦へと向ける。
魔銃の銃口から、青色の魔弾が一発放たれる。
娼婦の頭部目掛け、青い弾丸が向かっていった。

>>438
「…思った以上の子だ。今夜も荒れるゲームになりそうだ!」
有子は命のやり取りをゲームと洩らした。
440 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/27(土) 22:52:03.60 ID:dusR5x8Ao
//14行目追記 この女、何も躊躇いも無く…味方越しに発砲したのだ。
441 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 22:57:14.15 ID:RT5ERn7n0
>>438

【キィィィィン、と】
【乾いた金属音が周囲の荒野に鳴り響く】
【だが……】

「アハハハハ、がっつく女は、嫌われるわ……」

【かなりの力量の一閃。そして研ぎ澄まされた剣の≪月装≫。】
【それでも、蟹怪人・ラブクラブの甲殻化した堅い装甲の前には、きわめて薄い傷をつけるだけであった】
【逆に、その剣を巨大なハサミで挟みこもうとする!】
【非常に鋭利なそのハサミは、鉄筋コンクリートすら瞬時に両断できるというが……!】

>>439
【そこへ、青い弾丸が一閃――!】

「ハッ!?」

【……命中!】
【娼婦の脳天に、その弾丸が見事、炸裂したが……】

「ったくもぉぉぉぉ……
 今日のメイクが……だいなしじゃあないの……」

【娼婦の頭が、徐々に膨れ上がっていく】
【次第にそれは、巨大な楕円の蟹の頭部へと姿を変えていく】
【普段は腕だけしか怪人化させない彼女にとって、屈辱的な変身である】

【弾丸は蟹頭の脳天を強くえぐり、触覚らしき部位を見事破壊した】

「やあれやあれ………
 この姿になるって事は、お気に入りのドレスも、アクセも、台無しじゃない……!」

【身体はどんどん膨張し――娼婦を纏う絹が引きちぎれると、全長全高5メートルの、
 蟹の大魔獣がその姿を現した!!!】
442 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/27(土) 22:59:00.41 ID:RhfuXJNro
>>436
「ずいぶん理知的な狂人ね。ホンモノってもっと、自覚がない人だもの」

 彼にに自覚があるかどうかはともかく、リィオラにとって安藤はとてもまともな人だった。
 一生懸命に現実を受け入れて、支えきれずに砕けて、それでも生きていられる。
 矛盾しているが、強がっている弱者のふりをした《強い人》であると思えた。

「無くしてからはじめて解るなんて陳腐な言葉だけど、実感するときはいつも遅い
 ドラマチックなことなのにちっとも嬉しくない。皮肉ね」

 空に目を移す安藤の表情が切なくて寂しげで、吐く言葉は弱くて、それでも前進する強さがある。
 そんな彼に買い被られたのがおかしいのか、リィオラは肩をすくめた。

「強くなんて……魔獣からこそこそ逃げて、なんとか生きているだけ
 平気なフリをしているんだわ。そうじゃないと潰れてしまうから」

 彼と違う点があるとすれば、それはきっと忘却できているからだ。
 未来を信じて夢想し悲劇を忘れている。そうじゃないと、立っていることすらできないから。

「ねえ。もしも《夜》が明けたら、あなたは何がしたいのか聞いてもいい?
 そのために私たち戦っているんだから」

 過去を忘れて未来に逃避する。過去を向いて現実を見据える。
 どちらが正しいのかなんて、リィオラには解らなかった。
443 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/27(土) 23:06:55.00 ID:5fRnXUDn0
>>439
「前にも言ったけど余裕かましてると死ぬよ!」

そう言い放った後すぐにとある考えが頭を過る。

(いや、死にたがってるのか!?)

前回の邂逅での有子の様子。後から考え直してみるとそういった言動ともとれる発言をしていた気がする。
気合を入れねば。こんな場所で死ぬ気も無いし見殺しにする気も無い。
それを実現させようとしたら目の前の魔獣を[ピーーー]、または追い返す必要がある。


剣から伝わる衝撃。これは切断に失敗した時のもの。
即座に追撃または相手の反撃に対処する必要が出てくるが負った傷がそれを妨げる。

「くっそおおおおお!!!」

想像以上にいつもより体が動かない。相手の鋏に剣を挟まれたその瞬間――

『ハッ!?』

青い弾丸が一閃。

「ここで決める!」

未来はその隙を逃さない。いや、その隙を逃さない予定であった。

「カニ!? その醜い姿が正体だったか! 本当に厚化粧だったねぇ!」

変態を行い蟹。踏み潰されでもすれば命はない。よってバックステップを取りながら距離をとった。
444 :凪沙 巫 【三面六臂】 :2014/09/27(土) 23:09:58.88 ID:JqzJ8lb8O
>>435

ギィッ!ギィィィイッ!

【迫り来る四つの刃。三面六臂の五本の腕が膨らみ、其れを防ごうと】
【が、問答無用で触れたものを止める刃を防げる訳は無く】
【一本の腕が根元から切断されて地に落ちる。此れで三面六臂の腕は一つ失われた】
そして大量の肉片が三面六臂の周りに、三面六臂は回避の為に地を転がるが斬撃の一つが、脇腹肉を削ぎ落とした】

【だがそこは魔の力を取り入れた人ならざる者、其の傷は緩やかに塞がり始める】
【そして先程彗月の左腕を掠めた腕が彗月の体に巻きつこうと、更に其れが叶えば持ち上げて地に叩きつけんとする】


>>437
ガギィィィイッ!!

【其処に現れたもう少年、崩月真夢…それが放ったいきなりの衝撃波】
【其れに対処出来なかった三面六臂…もう一本腕が根元から吹き飛ばされた】
【三面六臂の腕の数は、後四本】
【そして彗月の斬撃で出来た肉片が腕の形になり…それが十個、弾丸の如き勢いで真夢に迫る】

【真夢は三面六臂の顔に見覚えがある筈、それはいつかの日《ユートピア》に案内した少女のものなのだから】
445 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/27(土) 23:11:49.67 ID:dusR5x8Ao
>>434
「…kaboon!ヘッドショット!」
頭部への有効弾により、喜びの声を上げる。

「よし、高低差が生きたな。
 んで…奴の注意はこっちに向いたかな?」
変身直後の隙を突き、スカートを抑えながら屋根の上から飛び降りる。
右手の銃口が赤く輝く。息を整え、集中力を高め次の攻撃に備える。

>>443
「…あの子に怒られちゃった。ちっとは余裕無くすか」
左手にも月装である銃を出現させ、両手で二挺交差させるように構えた。
月装/焔装能力者は戦闘が嵩むと“死狂い”になるという傾向が見られる。
今もなお、不敵な笑みを浮かべている彼女も、死狂いの1人なのかもしれない。
446 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 23:17:19.96 ID:RT5ERn7n0
>>443

「化粧っていうのは女の魔法……己を何者でありたいかをヒトの目に犯させる暴力的な祈り。
 存在するだけで男を、ヒトを、犯せるの。
 その官能を、ニンゲンの身でありながら理解しないなんて――

 ブ、 
 ス、
 イ。

 ……無粋の極みねッ!!!!」

【蟹は巨大化を終えると、咆哮。】
【そして、今一度、その巨大なハサミを大きく広げ……
 日向の身体ごと真っ二つにせんとハサミ攻撃を試みる】

>>445

【人間形態で撃ち抜かれた頭のダメージはそこそこにあるが……】
【撃った本人はまだ距離的には遠い】
【遠隔攻撃を持っていないため、今は有子には構わない】
【仲間がいるのにもかかわらず撃ってきたという事は、相当な精密射撃ができるようだ、と蟹は思う】

【しかし、ラブクラブ自身にも大きな自信がある】
【銃弾ごときでは、自分の装甲を貫けはしない、と】

【いまは目の前の小娘・日向を殺す事に全力を注がんと、そのハサミを振りおろしている!!!】
447 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/27(土) 23:18:35.42 ID:m71ucPn80
《都市》のはずれには、半ば放棄された雑居ビル群が広がっている。
そこはかつて繁華街であり、少し前までは貧民のねぐら。そして今や、誰も訪れない廃墟。
――低級の魔獣であれば単身で対処が可能な《月装》と《焔装》の使い手については、その例外なのだが。

それでも、ここに足繁く通う者は余り多くない。
実地訓練がてら練度の低い《装者》が連れて来られるか、自治会のパトロールが通りすぎるか、或いは。

「ふふ、意外と良いものが放ってあるのね。
 ジャンク屋さんや自警団しかここを通らなくなったと思えば、当然かもしれないけれど……」

この巨大な遺失物センターに眠るがたくたに興味を持つ、一定数の変わり者がやって来るぐらいだろう。
長く豊かな金髪に、灰色の瞳を持つ学生風の装いをしたこの少女――シャーロット・プランケットは、その1人だった。

シャーロットは、非番の時間であってもしばしば《都市》の外縁を渉猟することで知られる《月装》使いだ。
周囲に警戒しながらも、かすかに喜色を含んだその視線は、廃墟の床に放置された古い遊技盤に向けられていた。
……それは将棋や囲碁といった、今でも辛うじて楽しまれているものとは違い、《都市》の人間は全く見慣れないものだ。

/タイムリミットは三時ごろまでです。大丈夫という方はどうぞ!
/戦闘もいちおう出来ますが、切り方が唐突になってしまうかもしれません。ごめんなさい。
448 :田村 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/09/27(土) 23:19:40.35 ID:X+6sUO1WO
都市の一角、かつてビジネス街であった地域。
その中でも一番高いビルの屋上に、一人の男が立っている。
男は双眼鏡を覗き、都市の様子を観察していた。

下の配給所へと向けられた双眼鏡のには、二人の男の殴り合いが映っている。
食料の取り合いでもしたのだろうか?周囲にはスープと思わしき液体が飛び散っていた。

「こんな状況で喧嘩か………そこがよく分かんないんだよな」
食料は残り僅かである。この様な行動は完全にマイナスだろう。

「もうちょっと近寄ってみるか?………でもな………」
足を踏み鳴し始める………考えこんでいる彼がその場に近寄る事は無いだろう。

何故なら、彼は魔獣だから。
449 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/27(土) 23:23:32.18 ID:HEJ+XPN50
>>435>>444

【現状左腕が使い物にならないが、焔装を使用する上での弊害にはならない】
【斬撃を鎧のように身に纏い、強引に姿勢を立て直して前へと跳躍】
【迫り来る腕へと刃を叩き込みながら、一気に三面六臂との距離を詰めにかかる】

【その途中、先程の衝撃破を出した人物を確認する】
【焔装か月装か。少なくとも分かるのは、少女自身と同様に魔獣と戦う術を持つものであるということ】
【一人だけでは責めあぐねていたところだ。丁度良い】

再生する腕に構っていたらキリがない
本体を狙え―――

【そう言い放ちながら、立て続けに二方向へと斬撃を放つ】
【一つは少年へと迫る十の肉片へと放たれ、その大半を粉微塵に切り刻んで撃ち落とし】
【もう一つはやはり三面六臂の“脚”。まるで追い討ちをかけるかのように、衝撃波を受けたばかりの怪物の敏捷性を奪いにゆく】
450 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/27(土) 23:26:32.01 ID:KwKiLLZ7o
>>442

理知的、自らをそう評されたのは初めてだったため、一瞬目を丸くする。
つい先日も月装使いに襲いかかり、攻撃を真正面から受け止めてイカれてる等と言われたばかりなのだ。
成る程確かに、彼が戦う理由は正常でありたいからに他ならない。要は狂人にすらなりきれないニセモノであると、思わず苦笑し。

「……そうかもな。いっそ狂えちまった方が、きっと楽なんだろ」

ボソリ、小さな声で呟いた。まともでありたいから狂人を気取る、そんなものは道化以外の何者でもない。
しかし同時に、自らがまともであると自分以外から言われたことで、僅かに安堵していたのも確かだった。

「…………ふぅん。取り繕えるだけマシだと、俺は思うけどな」

此れはあくまで勘だが、彼女はおそらく《月装》か《焔装》を持っていると彼は考えていた。
此処は都市の外れ、人々が住む地区からは大分外れており、なんの力もなしに立ち入れば魔物の餌食になる可能性も低くはない。
そんな場所に女性が一人で、其れも丸腰でやってくるとは思えなかった――――もしかしたら、外れているかもしれないが。

そして幾ら《月装》や《焔装》を持っていようが、其れを棄てる、或いは使わない道はあるはずなのだ。
誰かの庇護下に入り、守られるだけの日々は不安かもしれない――――でもきっと、その身を戦場に投じるよりかは、幾分かマシだろう。
彼女は其れをしておらず、表面上だけかもしれないが取り繕えている。其れは自分には出来なかったことだ。
弱いところもあるのかもしれないが、同時に別の強さも持ち合わせている――とはいえ、其れを全て口頭で伝えられるほど、彼は喋るのがうまくないのだが。

「……さぁな、分からん。負けるつもりは無いけどよ」
「そういうアンタはどうなんだよ、夜明けになにを望んでる?」

分からない訳ではない。ただあまりに馬鹿らしくて、そして情けないから言えなかったというだけだった。
《夜》に勝ったら、失ったものが帰ってくるのではないか――――前を向ききれていない彼は、心の奥底でそんなことを思っていた。
そんなことは有り得ないと分かっているのに、そんな幼稚な望みが未だに捨てられないのだ。
逃げないと決めたのも、一人で戦い続けているのも、結局のところはそんな叶わぬ望みに縋っているに過ぎない。
其処から抜け出すことが成長に繋がるのかもしれないが――――――少なくとも、その兆しは見られなかった。
自分のことから話題を逸らすように、相手へと同じ質問をぶつける。こうして人間と会話することもあまり無いため、純粋に興味が無いわけでもなかった。
451 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/27(土) 23:27:47.97 ID:5fRnXUDn0
>>445>>446
「ありがとう。その腕信じてるよ!」

未来には有子の援護が嬉しかった。少なくとも戦う意思がある。ここで死を選ぶ意思が無いことを感じ取れたからだ。
ならば自分の役割に集中出来る。今日の彼女には他者を心配する余裕など有る筈も無い。

振り下ろされたハサミ。その質量で叩き潰されれば命は無い。
恐怖を伴った攻撃ではあるが未来は目を逸らすことはなく確実に捉えていた。

「理解は出来る。だけど受け入れることは出来ない。人間の魔法は意思! 確かな一歩が結果を引き寄せるんだ!」

右方向へのサイドステップで的確に攻撃をかわし、反撃へ。
巻き上げられた砂煙の中から地面へ叩きつけられたハサミへ向けて切断の意思も持った一撃が放たれる。
尤もその威力はそれ程高くは無い。それでも攻撃するのは狙撃が期待できるなら囮に徹するのも悪くは無いという未来の考えによるものであった。
452 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/27(土) 23:32:08.87 ID:dusR5x8Ao
>>446
《気を付けろ、親切心とか、隣の人間、そう仲間に》
《君の行動が君の運命を決める》
《功績を掲げるな、自惚れてはならない》
《君は愚かなんだ》
走馬灯のように蘇る記憶。巨大な魔物に駆逐された“仲間”
同じような苦い思い出を、これ以上増やす訳にはいかない。

「今だ」
二挺の銃を怪物に向かって、自身の魔翌力の殆どを双銃へ次ぎ込む。
二発の真紅の弾丸は螺旋を描くような軌道を描き、巨蟹の後部目掛け飛翔する。
それは対象を撃ち抜くか、弾かれて別の場所に飛んでいくか。
接敵して間もなく“切り札”を躊躇い無く使った。

咄嗟に限界まで集中力を高める…どんな手品を使ったのだろうか。

>>451
「…全く、無茶しやがる」
凄まじい魔翌力の残滓が、辺りを飲み込まんと広がる。
有子は今持てる最大火力を投射した。…もう撃ってしまったのか?
453 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/27(土) 23:36:06.86 ID:jiMwEhdAO
>>449>>444

「…………再生持ちか、面倒くさい。分かった」

"本体を狙え"。成る程、今まで戦ってきた中でも手強い部類に入る相手か。
そして、相手の顔には見覚えがある。以前案内した、あの少女か。こうも早々に夜に堕ちるとは。

「………何とも情けない姿になったな。だけど、お前も夜だというなら……!!」

容赦はしない。してはならない。崩月の矜持にかけて。
心を殺せ。同情など不要。手を緩めるな。

「ちぃっ………!」

弾丸の如き勢いで迫る10個の腕。右手を振るい衝撃派で何とか半分打ち消すが、残りの半分は腹部を直撃する。

「がはっ……!」

吐血。だが、まだまだ。倒れる程じゃあない。
反撃。左手を振るえば、先ほど打ち消した5本の腕が再構成され、同じく弾丸の如き勢いで怪物に迫るのだ。
454 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/27(土) 23:43:48.22 ID:RT5ERn7n0
>>451

「官能を知らない小娘が……ッ!」

【巨大な土煙が立ち上る】
【だが、切った感触はない】
【足元には大地に切れ間が出来たような跡が、切り刻まれたコンクリート片と共に横たわる】
【蟹魔獣はその巨体さと頑強さゆえ、速度に欠けるところがある】
【日向の判断は正しかった】
【蟹は激昂し、彼女を殺す事しか考えてない。囮としては充分な役割をは果たしていた】

「小娘が、小娘が、小娘がァッ!!」

【蟹は力任せに剛腕を振るい、地団駄をふみ大地を荒らす】
【そのたびに、土煙はどんどん舞いあがる――】

>>452

【ドォン!】
【永夜を覆う闇の中を、一瞬だけ真昼のような閃光が、この世界を照らした】
【有子の撃った2発の弾丸は、日向の囮も功を奏し、蟹の後部を覆う外骨格に見事命中した!!!】

「……。」

【沈黙】
【のち、前方によろける、大蟹魔獣――】

【しかし】

「……それ、まさか
 奥の手じゃあないでしょうね……?
 あなたたち、少しはやると思ったけど――所詮は≪月装≫のニンゲンって所かしら」

【蟹の身体には――外骨格に無数のヒビは入ったようだが――】

「これだから≪月装≫のニンゲンは、もの足りないわァ……
 あなたたち以外にも何人か食ってみたけど、手応えってモノがないのよねぇ……」

【堅過ぎる装甲――!
 銃弾、刀による攻撃は、達人級の攻撃で弱点部位でも突かない限り、蟹に致命傷を与える事は困難なようだ!!】
【それなりの衝撃力でダメージは負ってはいるが、それでも、蟹を屈服させるには、まだ、遠い……】

「反撃、いいかしらン?」

【その返事をまたず、蟹はその図体に似合わぬ俊敏なサイドステップで……】
【有子の方面に接近を試みる】
【周囲は先ほど巻き上げた土煙で視界は少し悪く、もしかすると見逃してしまうかもしれない】
【接近出来たら、そのまま容赦なく有子を足で踏みつぶそうとするだろう!!】

【蟹の背中――後頭部、つまり背中は蟹の構造上頑強に出来ていたようだが……
 しかし、有子の放った弾丸痕のうち、背中脇腹にひび割れが特に派手になっているのを、二人ははたして気づけるだろうか】
【そこは、蟹怪人の弱点部位の一つ・外甲の重なる隙間に近い部分なのだが――はたして?】
455 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/27(土) 23:46:37.55 ID:PqKC388wo
>>448

その隣、いくらか高さの劣る崩れかけのビルから、男が走ってくる。
単純に考えて、普通の人間が飛び越える距離ではないし、高さから言っても無理。
だから、そんなことをするのは人外か、人外の力を得た者たちだけだ。

今にも崩れ落ちそうな外縁部より、少し手前で踏み切った。崩れかけのビルを離れて、男の身体が宙を舞う。
一目見ただけで分かる無謀。高さはあるが、距離が足りない。最高点に達した次の瞬間には落ち始め、そのまま地面に激突して死ぬだけ

――のはずなのに、何故か落ちない。男の周囲を包む霧のせいで見えづらいが、明らかに放物線を無視している。
そのまま、異常な軌跡を描いて双眼鏡の男がいるビルの屋上に手が届く。 重力の吸収、男の持つ“エネルギーを奪う焔装”の力だ。

「いいものを持っているじゃないか」

落下防止用の柵を掴み、そのままよじ登る。この距離なら、相手が魔獣であることに気付いていてもおかしくないはずなのに
敵意や警戒を表に出すこともなく、かといって恐れることも無い。

「それ、置いていってくれないか?」

片手でタキシードを叩いて汚れを落としつつ、長身の男は相手の持つ双眼鏡を指差した。

/よろしくお願いします!
456 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/27(土) 23:46:57.95 ID:RhfuXJNro
>>450
「ええ。でも楽になっちゃいけない。それってきっと、《夜》に飲み込まれるってことだから」

 《焔装》使いならそれは魔獣に落ちる片道切符。《月装》使いであれば死への直行路だ。
 戦えるぐらいにはおかしく、けれど臆病に、それでいて大胆に行動できる人。それが戦士ではないだろうか。
 彼からは十二分のその素質を感じることができた。そう変質しているように思った。

「私はね……もう一度、アイス・リンクを作ってスケートがしたい
 つまらないでしょう。これでもフィギュア・スケーターだったの」

 瓦礫の山の上でリィオラは助走もなくジャンプしてみせた。得意のダブル・アクセルだ。
 その脚には鈍く輝く金属製のブーツを穿いている。彼ならば解るだろう。それが《月装》だと。

「《夢》とか《未来》とか、いろんな事を言っても、人が戦う理由なんてひとつ。
 《失ったものを取りもどしたい》ってことね。でも、そっくりは戻らない。
 だから、似たようなものを作りだすしかないのだけど」

 思い出の場所。思い出の人。思い出の……それは結局、二度と戻ってはこない。
 だから作ろう。《夜》の去った瓦礫の上に立てよう。新しい思い出を。
 安藤と話していて、リィオラは自分自身の気持ちを不思議と整理できた。

「……ロマンチストさんの秘密は、こっそり箱に仕舞い込んでおく方?」

 くすりと揶揄しながら、自分が話したのだからそちらも白状しろと暗に言った。
457 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/27(土) 23:51:26.30 ID:I4+lmkYu0
>>447
【娯楽という物は粗方食いつぶされ】【あるのは残った文献か】
【ボードゲームの類のやや古い物】【ただ、それも余った莫大な時間の中では、消費するのは容易く】
【簡単に言うと、すぐ暇になる】【少なくとも焔装使いの少女はそうだった】

……別に、出たくて出てる訳でもねーけどよ。
なんつーか、もう少し位収穫があってもいいとは思うんだがなぁー…tね

【非番の時間であっても行動をするのはよくいると聞く】【ここで雑居ビルに足を踏み入れようとする少女もその一人だ】
【通称宝探し】【灰色の短髪を風に吹かせ、Yシャツにネクタイ、上から羽織った学ランはボタンを閉めていない】
【静寂なる空間では】【気配は簡単に感じる事が出来た】【死と隣り合わせの状況なら、猶更か】

おい、アンタ――

【魔獣の気配も感じない、となれば声をかけるべきだろう】
【紛れ込んだ一般人、なんてオチがあるかもしれない】

/宜しくお願いしますね!
458 :哲学家@魔獣 ◆SoPhiaDDFM [sage]:2014/09/27(土) 23:55:40.89 ID:r2z9i3oEo
過去、人類は夜を恐れた。そうする理由が在ったからだろう。然し、人類は光を産み出した。人類は夜の闇を克服したかに思えた。
現在、人類は夜を恐れる。そうする理由が在るだからだ。今度の闇は人の産み出した光を喰らう牙を持っていた。人類は夜の闇に押し潰されて仕舞うかに見えた。
其れでも未だ人は生きている。夜に対する矛が有ろうが無かろうが、『生きている』からには『生きて行く為の方法』が在るのだ。
────【此れ】は其の内の一つの方法やも知れない。

人里を少し離れた空き地に十字架が在る。人の背丈の5倍は有ろうかと云う大きな十字架である。彼の救世主も此程大きな十字架を背負って丘を登る事は無かったに違い在るまい。
腐りかけの木材で作ったのか、今にも根本から折れて仕舞うかと思える程の脆さ。辛うじて体裁を保っている十字架は人々の信仰を試すかの様に軋んだ。
否、否、否、否。此処にはっきり記して置く。多くの民は信仰を捨てて居る。『信仰』やら『人間の尊厳』の為に今日[ピーーー]ば、昨日を生きた意味が無い。
明日を生きる為には、食欲を満たし、良く睡眠し、ほんの少しばかり性欲が満たされれば其れで良い。
十字架の前では大きな炎が焚かれている。夜を照らし、闇を祓う筈の炎が夜空に浮かび上がらせたのは【最も惨めな幸福】の形で在った。

十字架には少女が奉られている。生死は分からない裸体の両手両足を十字架に打ち付けられている。『なぜ私をお見捨てになったのですか』と叫ぶ相手は……もう居ない。
そして、炎を挟んで反対側に壊れかけの安楽椅子に座った魔獣が居る。一目見れば直ぐに分かるのは貴方の直感のせいだ。其の男の周囲に舞う黒球のせいでも、捧げられた少女を見つめる瞳のせいでも無い。
炎が揺らげば、十字架の影も、魔獣の蔭も蜃気楼の様に揺らぐ。其の影にideaを見るか如何かは見る者次第で在ろう。
男は物思いに耽っているのか、緩慢に安楽椅子を揺らす。少女の體から炎に紅く染まった液体が垂れている。血だろうか。精液だろうか。魔獣は興味なさ気に其れを見詰める。
ふと、『未だ口を開ける方』が、無感動に言葉を発した。

「───────……成る程、人間は実に素晴らしい」


//絡みにくい絡み街です。タイムリミットは3時ぐらいまでですし、割りと返事が遅いです……
//其れでもよござんすな場合はよろしくお願いします!
459 :凪沙 巫 【三面六臂】 :2014/09/27(土) 23:55:51.75 ID:JqzJ8lb8O
>>449

ギギ…ッ!!

【再び迫り来る斬撃、三面六臂は先程散らばった腕の残り全てを使い、壁を形成】
【数秒しか持たないが…それで十分】
【その間に座禅を組んで宙に座する。斬撃が脚を捉えることは無かったことに】
【そして、地に転がっている無数の腕の半分が…宙に浮き】

ギ、ガギギィィッ!

【全てが拳を下に向け、雨が如く勢いで彗月目掛けて降り注ぐ】

>>453

グギギィィ!

【弾丸の如き勢いで迫る腕。二本は腕で殴って凍らせる】
【三本は浮翌遊中の三面六臂の体を的確に捉え腹部に命中。嫌な骨が砕ける音が響き、そして少年と同じく吐血】
【少年の足…に地面に散らばる腕の中、二つが向かう。それは足首を掴もうと、其の力強く握って骨を砕こうとするのだ】
460 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/27(土) 23:57:01.92 ID:5fRnXUDn0
>>452>>454
愚鈍な攻撃であれば避ける技量は持ち合わせていた。巻き上げられる粉塵をものともせず的確に回避していく。

「ならあんたは小娘以下かな? 歳を重ねて得たのは顔の皺だけだったか!」

挑発。相手の注意をひきつけることが出来たら後は有子が間接を狙って攻撃してくれるだろう。


「後先考えないタイプはどっち!?」

先日言われたことを根に持っている訳では無いがこの有子の行動は予想外であった。
迫り来る死の気配は魔獣のものでは無い。銃弾が飛んで来ない場所に逃げる必要がある。
幸運なことにここは建物やその残骸が残っている。よって飛び込む形で一番近くの建物の傍の身を寄せた。

命中する弾丸。しかし巻き上がっていた砂煙に紛れその結果は肉視出来ない。

「殺ったか!?」

しかし聞こえてくるのは魔獣の呻き声では無く、殺意の籠った声。
反応は出来た。だが追いかけるも体が追いつかない。よって未来が出来たことは叫ぶことであった。

「有子その場から逃げろ!!!!」
461 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 00:01:22.65 ID:+hmOyjXTO
>>455
彼が久良岐の存在に気づいたのは、声をかけられてからであった。
振り向くと、目に入るのはタキシードを着た男。

「………何をしに来たのかね?」

久良岐がビルの内部から登って来たのであれば、相応の足音がした事であろう。
そして、不自然に久良岐を包む霧。
久良岐を焔装、もしくは月装の使い手と断定するには十分な証拠であった。

「悪いが、こいつを置いていく事は出来ないね」
彼は、声を荒げる事も無く淡々と会話に応える。
表情は、幾分も変わっていない。
462 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/28(日) 00:03:05.75 ID:Ub+oGj0Xo
>>454 >>460
「いけない。私はナルトを最初に食べるタイプでね」
異様な殺気を感じ取り、巨蟹が側面を向けて突進を感知する。
双銃の黄色のラインが黒く濁っていく。
先ほどのような砲撃は、1戦闘に一回きりだろう。

「良く怒られるんだ…まずはスープだろうと…」
轢かれるコースに入った所で、自身の攻撃で装甲が劣化しているのを目視する。
両手の銃をクルリと回し、向きを反転させる。
両手で銃身を握ると、銃底から黒いスパイクが幾つも現れる。
二挺の銃が…二本の鈍器へと変わった。

「…吹き飛べっ」
轢かれる間際…両手の鈍器を、巨蟹の脇腹目掛けて叩きつけようと試みる。
これでどうにもならなければ、有子はトラックで轢かれた様に壁に吹き飛んでいくだろう。
463 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/28(日) 00:06:46.71 ID:7TPUjCPHo
>>456

「……まーな。《夜》に喰われるぐらいなら、此の世が地獄でも生き続けるほうがマシってもんだ」

何もかもを奪っていったあの夜に屈するのは、己自身が己を許さない。
たとえ腕が弾け飛んでも、前に進む足が無くなったとしても、最後の一瞬まで喰らい付く――――そうしなければ、いけないのだ。

「…………へぇ、綺麗なもんだな」
「つまんなくは、無いんじゃねーの。何もないよりかは、きっとずっといいに決まってる」

残念ながら彼にはフィギュアスケートの事など欠片も分からなかったが、それでも技を披露した女性は美しく見えた。
しかし助走もなしにあのような挙動が出来るものなのか――――と、そこで足元のブーツに気付いた。どうやら自分同様《月装》の使い手らしい。

「……んだよ、そんなんじゃねーつってんだろ」

ロマンチスト云々と言われると、なんだかむず痒くなる――嘘を言うか、ロマンチストで構わないと断言するか、それとも情けない本音を告げるか。
微妙に俯き数秒だけ考えて、ため息をつくと顔を上げた。嘘を付くのは嫌いだし、ロマンチストになんてなるつもりもなく、ならば答えはひとつしか無いだろう――――ゆっくりと、口を開いた。

「…………全部終わったら、失ったものが帰ってくるんじゃないかって」
「死んじまった家族も友達も、全部取り戻して、日常に帰れるんじゃないかって――――そんな訳ねーのに、今でもそう思っちまってる」
「……馬鹿みたいだろ、自分で言ってて情けなくてしょうがねぇ」
464 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 00:11:39.03 ID:i3gFZAD00
>>459

……おいおい、あんたの知り合いかよ―――

【少年の口振りから、彼にあの魔獣の元となった人間との面識があること何となく察し】
【しかし頭上へと浮翌遊する腕の残骸のお陰で、思考は中断せざるを得なくなる】
【豪雨の如くふり注ぐ無数の拳、防ぐには此方の全力を以って迎え撃つしか方法はない】

――――――《Distears》!!!

【焔装の力を最大限にまで引き出し、不可視の刃を広範囲に渡って展開】
【落ちてくる無数の拳に対して―――此方は下から無数の刃を放ち、その総てを切り刻む】
【空中で拳が次々と引き裂かれ、肉片の破片となって地面に落ちてゆく、凄惨極まりない光景】
【その渦中に少女は立ち、血肉が散乱する中で静かに三面六臂へと狙いを定めると】

【自身の周囲に幾重にも束ねた刃を展開し、鎧を展開】
【地面を強く蹴り出すと、魔獣の元へと目掛けて走り出す】
【触れたものを切り刻む刃を纏った状態で突っ込むことで、敵の本体を切り刻む為に】
465 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/28(日) 00:12:31.11 ID:M5vWYapAo
>>461

「殺しだけが目的の奴なら、こう冷静な反応は返してはもらえないだろう」

一通り服をはたき、一度自分の服装を見下ろしてから改めて双眼鏡の男に視線を戻す。
霧は一段と濃さを増し、夜闇を本分とする魔獣であっても目を凝らさなければ見通せないほど黒く黒く染まっていく。
単純に霧が濃いだけではない。光の奪取――!

「瓦礫の壁を越えて街の中まで潜り込めてるなら、獲物には事欠かないはずだ。
 なら、その双眼鏡で何か探してるんだろう? そして探し物が見つかったなら、双眼鏡の方は不要になるはずだ」

霧の中でカチリと音がする。短刀を鞘から抜いた音。戦闘準備が整っていく。
だがその声色は、相対する相手同様に平坦で無感情。未だにその声に、敵意の色は無い。

「何もタダで置いて行けとは言わない。俺に差し出せるものはあまり無いが……
たとえば自警団の本部の場所なんて、興味は無いか?」

この男は、相手が魔獣であることに気付いた上で取引を持ち掛けている。
しかもたかが双眼鏡1つのために、人類を守る最後の砦とも言える、自警団の存在を引き合いに出して、だ。
466 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/28(日) 00:12:34.76 ID:R0+kuhCr0
>>460

【土煙に紛れて、日向の姿は確認できず……】
【もとより蟹怪人は、自分にダメージを与えたガンナーの方に殺意を向けている!!】
【しかし、】

『有子その場から逃げろ!!!!』

【その絶叫で、蟹魔獣は日向の位置を知ってしまったようだ】

(キジも鳴かずば……うたれないのに、ネ……)

>>462
【大きな身体のため、機敏には動けないものの】
【横歩きには図体に似合わない機動力をもつ蟹魔獣】
【だが、有子は銃を鈍器のように持ちかえ――】

【激突音】
【その程度の攻撃では、蟹の進路を買える事は出来なかったようだ……】
【有子はトラックで引かれたように吹き飛んでゆく】
【――が】

「!?」

【有子をはね飛ばした瞬間、蟹魔獣の内部に、鈍い衝撃が走る――】

「ぐぼあ・・…・
 かっ……かはあっ・・・・・ぁ、あああ!」

【蟹の口から、泡が溢れる!】

(なにが……なにが起きたのぉっ――
 い、痛み?
 こんな、まさか――こんな≪月装≫の娘ごときに!!!!???)

【有子の針穴を通すような一撃は、蟹の内部を的確に刺激し、大ダメージを与えたようだ】
【ぶごぁぁあああ!! と、蟹はその歩みを止めると、自身が吹き飛ばした有子の付近までよろけて歩き、その泡を吐き続ける】

【その泡は、攻撃を意図して吐かれた物ではなく、内功を破壊されたためやむなく巻き散らかしている体液の一部であるが――】
【泡は強酸性であり、また皮膚に触れでもしたら猛毒の属性を持っている】
【蟹はしばらくのたうちまわっている。猛毒の泡は、有子にせまる。】
【日向はどう動くか? また、はね飛ばされた有子の運命は!!!】
467 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/28(日) 00:20:17.23 ID:JiSQkmvX0
>>457

「……あら、ごきげんよう。不良少女さん」

声をかけられて金髪の少女はゆったりと振り向き――そして、悪戯っぽく微笑んだ。
その腰に佩いた剣の鞘からは、仄かに白い「気」のようなものが溢れている。
彼女は一般人ではなく、れっきとした《月装》使いであることが、エイルにも分かることだろう。

「収穫が多くて護衛の需要も高い外縁部じゃなくて、こんな半端なところを探しに来る。
 好事家≠ニいうやつかしら。……わたしはそうよ。人から見たらきっとね」

穏やかな垂れ目と、ませているが柔らかな口調は、人心が荒んだこの時代では余り見られないものだった。

「ねぇ、これが何だか気になる?」

少女は例の遊技盤が入っている、埃にまみれた収納箱を拾い上げながら、そう尋ねた。
468 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 00:22:26.51 ID:+hmOyjXTO
>>465
「確かに私は殺傷目的でここに入ったのではない…………」
「…………探し物をしている訳でも無いが」


霧が深くなっていく、視界を悪くして攻撃する気であろうか。既に久良岐の姿は殆ど見えない。
もし交戦となったらこちらが不利だろう。だが策はある。

「言っておくが、どんな条件を出されてもこれを置いていくつもりは無いぞ?」
「自警団とやらにも興味は無いな」
霧の中から金属の擦れる音がする。
声色や口調は変わらないが、どうやら相手は臨戦態勢を整えた様だ。

469 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/28(日) 00:26:09.70 ID:Ub+oGj0Xo
>>466
「…!?」
(あれ…私、今何をしてるんだろ…)
巨蟹の巨躯は、小柄な少女を弾き飛ばした。
宙に舞う、一人。左腕が前となり、左肩を脱臼。
壁に打ち付けられると同時に、背中と後頭部を強く打った。

「がはっ…」
血反吐を吐き、前屈みに倒れこむ。意識が吹き飛んでいる。
捨身の一撃を放ったのはいいが、随分とダメージと無防備な状態に陥った。
相手は此方が被るダメージよりも、随分な痛手を負っているようだが。

(…みんな、どこ行ったの…?)
衝突事故に遭った今の有子は身動き一つ出来ず、何も行動できない。
毒の泡に覆い尽くされるのも時間の問題だった。
470 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/28(日) 00:26:51.30 ID:S8svD+9M0
>>462>>466
《月装》の特徴は持ち主の長所を最大限に発揮出来ることでる。
そのことから未来は《月装》を扱う者の戦い方として自身の長所で相手の弱点を突くことであると考えていた。
《月装》よりも遥か上を行く魔獣。その力の差を覆すのであればその方法を取る必要がある。

未来は見逃さなかった。蟹魔獣の脇腹の不自然なひび割れを。
有子の一撃で決まるならばいい。だが魔獣という存在が持つ生命力から考えてその可能性は低い。

毒性の泡を察することは出来ないが未来には事を急ぐ必要を感じていた。
それは魔獣の巨体から繰り出されるプレスである。
よろける様に有子へ近づく魔獣。しかし有子を担ぎ上げて逃げるには距離があった。

「早く無に帰れ!」

そこで取った行動は魔獣への攻撃、ひび割れ部分へ向けての強化を伴った突きである。
魔獣の中には死んだ後、その場で消えるタイプがあることを知っていた。

(どうかこれでッ!)

今取れる最善策はとった。後はツキがあるかどうかだけである。
471 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/28(日) 00:29:40.72 ID:honxE1xHo
>>463
 褒めてくれたことは純粋にうれしかった。気遣ったくれたこころが喜ばしかった。

「ありがとう。もし《夜》が明けてアイス・リンクができたら、きっと見に来てね。
 チケットを贈るから。興味がなかったら、観客席で寝ているだけでもいいけれど」

 そして零すようにして吐き出した彼の心情は、とても繊細で柔らかい絹のようだ。
 ヤマアラシの棘に包まれたイノセントな思い。傷つきやすくて、壊れやすい願い。
 優しすぎる。誰よりも傷ついている。だからこそ彼は強くて、戦うことができる。

「……そうね。都合が良すぎる。でもね、そんなことだって、あるんじゃないかな。
 《焔装》は人の負の心が生み出したもの。それがきっと《夜》のちからでしょう。
 《夜》が明けたら《正》の心だって。正の心が生み出すのなら優しいちからの筈」

 不思議で皮肉なちからだけど、それにすがって、いつか《朝》の先にあるものを。
 そこにはきっとあるのではないか。無理矢理だけどそう思った。否、それよりも。
 男のこころを守るためにそう信じさせてはやれないだろうかと、思ってしまった。

「あなたのこと、話してくれてありがとう。生き残って、あしたを迎えましょうね」

 ――いつまでもこうしているわけにはいかない。注意をしに来たことを思い出す。

「ここは目につくからそろそろ離れた方がいい。私も朝を迎える準備をしなくちゃ」

 そういってブーツの底の無限軌道を始動させる。モーターの駆動音が鋭く響いた。

「そういえば、あなたの名前聞いてもいい。覚えておきたいの。わたしはリィオラ」

 名前も聞かないうちに、彼のことを知ってしまった。順序が逆かなとすこし笑う。
472 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/28(日) 00:32:37.14 ID:Ub+oGj0Xo
>>470
(…気を抜きすぎた…かな…)
有子は逃げ遅れた。捨身の一撃を放ったが全身を打ち、意識が無い。
いつもは見せない悲しげな表情を浮かべて、ぐったりと倒れこんでいた。
473 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/28(日) 00:36:22.38 ID:hgghH1450
>>467
不良……少女?

【その呼び名は初めてで、復唱して首を傾げる】
【微笑みの返しとしては疑問符を浮かべた真顔に近い表情】

あー、そうだよな。まあ普通はそうだ。
ここに何も持ってない奴が紛れこむ訳ねェし。

【鞘から感じ取る月装の気】【それが本当に気なのか、というのはエイル自身わかってはいないが】
【とりあえず彼女はそう呼んでいた】【納得したように独り言を零す】

居るもんなんだなあ、同じ考えの奴。
あたしも暇で暇でしょうがなくてさ、けど向こうじゃ取られちまってるかもしれねェからよ。

【対するエイルが語尾も言葉も粗雑ではあるが、その対応としては極めて正常で落ち着いていた】
【行動としては中々に冒険的で無謀な物なのだが】

ここで気にならない、って返事が欲しいのか?
んな事いわねーよ。正直気になって仕方ないね。
474 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/28(日) 00:36:43.46 ID:M5vWYapAo
>>468

「違ったか。まあ、人の心を計り違えるのはよくあることだ。
一応、正解を教えてもらえると助かる。今後の参考にしよう。」

さして気にした風でも無く、そのまま会話を続けていく。
相手にも分かる形で戦闘態勢に入っておきながら、今のところ先に動くつもりはないようだ。

「ところで、お前はあの重力の壁を、自力で越えてきたクチか? それとも抜け穴を見つけてきた方か?
後者なら、その道も交渉材料になる。何ならお前に協力してもいい」

腰を落とし、順手持ちの短刀を構える。霧が広がっていく。
相手が会話を止めたらすぐ動けるように――あるいは殺せるようにと細心の注意を払いながら、男は相手の返答を待つ。
475 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/28(日) 00:38:31.72 ID:RkT9wmf5O
>>459>>464
知り合い―――――――とはいえ、たった一度きりの面識だが。
しかし、情けなどは不要。敵は夜だ、躊躇っていては此方が死ぬ。彼女はもう死んだのだ。
腹の痛みがひどい………肋骨が数本やられたか。
血を拭う。大丈夫、まだ行けると言い聞かせて。

切り落とされた、足元に散らばる怪物の腕。そのうち二つが崩月の足をつかもうと迫る。

「―――――しいっ!!!」

右腕を振るい、衝撃波でそれらを消滅させ打ち消す。
そして、紫色の瞳が煌々ときらめく。どこか妖しさを乗せて。

それは、怪物の本体の胸辺りに黒い炎として現れるだろう。
その場に立っていれば、怪物を無に帰さんと炎が黒々と燃え上がる。
476 :Mrs・ラブクラブ【蟹怪人化娼婦】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/28(日) 00:44:30.17 ID:R0+kuhCr0
>>470 >>469

【月が、雲の切れ間から僅かにのぞく】
【その月光が照らすのは、蟹の脇腹に出来た不自然なひび割れと、
 有子の叩きつけた仕込み刃突き銃が突き刺ささる、弱点部位】

【日向未来の操る≪月装≫の剣は、その能力をフルに発動させていた!】
【平素ならば、決して貫けないはずの、堅い外甲に、剣が、突き刺さる】

「――――――アアアアアーッ!!!」

【たまらず、毒泡をまき散らしつつ、絶叫する蟹魔獣!!】
【そして――】

【その姿は、徐々に裸のニンゲンの女……】
【それも、しわくちゃの老婆の姿へと変わっていった】

「……私も、ヤキがまわったようだねェ……
 こんな小娘に、挿入、される、なんて……ネェ。」

【老婆は脇腹を剣で貫かれながら、不気味に笑う】
【その顔は目の部分がくぼみ、平家蟹のようにうらみがましい表情だ】
【毒泡は周囲にはじけ飛ぶ。有子に掛ったかどうかはわからないが、
 次第にゆっくりと消えていく……】

「それでもいいわさ……ヒトの身体という不自由から、解放され、て、
 アタシはニンゲンじゃ味わいきれないほどのオトコと夢を見た。
 あんたたちも、私一人倒したからって調子に乗らない事ね。
 私など、知性ある魔獣の中では、最弱……私をしのぐ魔獣は山ほどいるの。
 あははは、絶望なさい!
 永夜の闇の中で、あなたたちは一生弱い肉をあやつり、血にまみれ、死にかけながら生きるのよ!!!」

【そう絶叫すると、力が、抜ける】
【老婆は身体の輪郭をぼやかせながら、最後の言葉を振り絞る】

「私の名前は、Love……ラブ、クラブ。
 でも皮肉ね、私は最後まで、ラブを、知らない。
 一度も、イけ、なかった、の。
 ああ、なんて痛々しい、ラ、ヴ……」

【老婆はそう言葉を残すと、その体も泡となり、そして消えた】

【――蟹怪人・ラブクラブ】
【月城有子の作ったダメージ部位に、日向未来の≪月装≫を貫かれ、消滅!!】

/トリプルロールお疲れさまでした!!
/毒泡はそれほどあと引く毒ではないので、喰らうなり絶えるなり盛り上がる方でどうぞ!
477 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 00:46:42.75 ID:+hmOyjXTO
>>474
「今後の参考、ね………」
既に態勢を整えながらも、今だ攻撃の気配は無い。
この男も別に目的があるのか?さすればどうすべきか。
とりあえず、久良岐の質問に応える事にした。

「重力の壁なら自力で越えたが、それがどうした?」
「もう一つ言っておくが私は協力を受ける気も無いし、君に危害を加えるつもりも無い」
淡々と話が続く。二人の警戒は解かれる事は無い。

「…………ん?」
一つ、疑問が生じた。
「…………君は何故私に協力を持ちかけた?」
焔装や月装の使い手ならその使命は魔獣の抹殺、闇の撃退の筈。
魔獣に協力を申し入れる例など、彼は知らない。
478 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/28(日) 00:50:42.42 ID:2NHD3FIf0

シャッ、シャッ、シャッ。刃がボロボロで使い物にならないナイフを、砥石のような何かで砥ぐ。

刃が欠けてしまわないように慎重、且つ切れ味が荒めになるよう調整する。最近になってようやくコツの分かりかけてきた作業だが、あまりいい気分はしない。
荒くするのは――――斬る必要がないからだ。どうせこの耐久性では一度か二度の使用で少なからず壊れるだろう。だから、斬るより突きさす&が効率的だ。
刺した後に刃の部分だけを折り、切り離す。体内に残った刃を取り出すことは難しく、適度に錆びた刃は病原菌を繁殖させる。多少卑怯だが、気にはしない。
この世界では遠慮したほうが死ぬ、そんな単純でクソッタレなふざけた世界。嗚呼ムカつく、ムカつく。――――俺を含むすべての人間が、酷く。

「…………チッ。」

一人になるといつもこうだ。時間があれば常に思考が悪い方へと動き、その全てを他人に擦り付ける形で収束する。
間違っているという事は理解しているが、治せるかと言えばそうでは無い。例えるのならば――――臆病者の擦り付け。弱きものの遠吠え程滑稽なものは存在し得ないだろう。
彼はただ、自己を肯定するためだけに他人を敵と認定する。命の恩人、いい人、ああ分かっている。だが、この心の奥のどす黒い何かが消えてくれないんだ。


――――廃墟ビルの一室。僅かな埃とアルコールランプに照らされた都市の端。其処に 彼はいた。
479 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/28(日) 01:00:27.28 ID:7TPUjCPHo
>>471
「……ん、覚えてたらな」

どこかぶっきらぼうに返された言葉は、おそらく同意と受け取っていい筈だ。
スケートのことは分からないけれど、氷上で舞う姿はきっと自分では想像も出来ないような美しさのだろう。

「…………はっ、ありがとよ」

他人と接点をあまり持ってこなかった彼でも、彼女が気を使ってくれたことは分かった。
馬鹿だと笑われて然るべき下らない祈りを、否定せずに同意してくれた――悔しいけれど、多分嬉しくて、そしてやはり情けない。
色々な感情が綯い交ぜになってなにを言えばいいか分からず、結局出てきた言葉はたった一言。

「俺が勝手に話しただけだ、礼なんざ言われる筋合いねーよ……当たり前だ、負けるつもりは一切ねェ」

彼の持つ《月装》は決して強力ではないけれど、それでも魔獣にも《夜》にも屈する気は欠片も無かった。
勝って生き残りその先になにを掴めるかはまだ分からないが、きっと其れは今よりずっとマシだろうと信じている。
失われた物が戻らないとしても、前に進むのが逃げて生き残ってしまった自分の責任なのだから
――――此処を離れた方がいいという言葉を聞くと小さく頷き、残っていたビスケットバーを口に突っ込み立ち上がる。

「…………安藤、安藤静哉。じゃあ――――…………またな、リィオラ。俺はもう帰って寝る」

おそらくは相手は歳上なのだがそんなことはどうでもいいと呼び捨てにして、別れの言葉を告げると。
そのまま少しばかり軽快な足取りで、瓦礫の山を降りて更に都市の外れの方へと歩き始めてしまった。
理由は分からないが、いつもより体調が良い――――今日はもしかしたら悪夢に魘されずに済むかもしれない、そんな気分だった。

//こんな感じで〆でしょうか、絡み乙でした!
480 :凪沙 巫 【三面六臂】 :2014/09/28(日) 01:00:27.57 ID:Jb5zbDJQO
>>464
ギィィイイィイッ!!

【彗月に向けて降り注ぐ無数の拳が、無数の刃に寄って切り刻まれて行く】
【そして突っ込んでくる彗月、其れに向けて残った4本の腕を向けるが…容易く切り刻まれて行く】
【その刃が本体に達する前、三面六臂の腕の総てが消えたことで《夜》の力も消えた】

ガッ…!?

>>475

【真夢が黒炎を放った時、三面六臂の姿は其処には無く】
【視界に入るのは落ち行く少女の姿】

>>ALL
【少女の体から《夜》の力は消え去り、三面六臂の悍ましき姿から、普通の少女の姿へと戻る】
【落ちた先にあるのは積み上げられた肉片、其れがクッションとなりて落下のダメージはほぼ緩和された】
【近付いてみればそこには、両腕を損失した状態で静かな息を立てる少女。《夜》の力は微塵も感じられない。それは少女が人に戻ったという事実を示している】




481 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/28(日) 01:00:33.75 ID:JiSQkmvX0
>>473

「……昔は、そうやって制服を着崩す娘を不良って言って茶化したのよ。
 確か、お母様が教えてくれたのだけれど……冗談の説明をするのって、思っていたより恥ずかしいものだわ」

今となっては、制服の着こなしに文句を言う者は居ない。
そもそも「制服」ではなくなっている。それが学校で用いられていたことすら、少しずつ風化している。
ただ、そこに有るから装束にしているだけだ。

「ええ、競争率が高い……というのもそう。
 でもわたしがここに来る本当の理由は、彼らとは探しているものが少し違うからよ」

少女は箱を覆う塵埃を息で飛ばし、そっと手で拭い、掠れたパッケージを見せてくる。
そこにはポップな書体で【Fairy's Prey(妖精のえじき)】という題字が書かれ、無数の妖精が飛び交う絵が添えられていた。
現実では既に失われた花畑を舞う彼らの手には、フォークとナイフ――もちろん、妖精サイズの。

「えと……1/1の妖精(シー)人形を手番ごとに動かして戦わせる、ミニチュアゲームね。
 あら! この世界の妖精さんは、共食いをして育つみたい。相手を倒すとボーナス、ってことかしら!」

楽しそうに説明書き(インスト)を読み上げる彼女のテンションに反して、結構ブラックな内容らしい……
482 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/28(日) 01:01:24.43 ID:M5vWYapAo
>>477

「俺の望むものは、彼女との再会だけだ。それが全てに優先する。
都市が滅びようが人類が滅びようが、俺の目的は変わらない。

内側の狭い世界は調べつくした。俺は外を知りたい。魔獣を知りたい。そのためなら、魔獣と手を組んでも構わない――!」

初めて、男の語気が強くなった。それに呼応するように、霧が騒めいてより一層広範囲を包み込む。
光さえ逃がさない真黒のカーテンの中では、居るだけで活力をジリジリと奪われていくことになる。
霧に閉ざされた世界は、“焔装”という呼称とは裏腹に、夜を思わせる冷たさに満ちている。

「悪い。たまに歯止めが効かなくなる」

霧はすぐに元の範囲に収束していき、やがて相手は範囲外に出ることになるだろうが
これを攻撃されたと考えて戦闘が始まったとしても、何らおかしく無いだろう。
483 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 01:04:08.24 ID:+hmOyjXTO
>>482
「………成る程」
声を荒げる久良き
484 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 01:04:24.24 ID:+hmOyjXTO
>>483
//途中送信……
485 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/28(日) 01:05:59.02 ID:S8svD+9M0
>>476>>472
「うん。死にかけながら生きるよ。生き続ける。弱い人間のままで生き続ける」

憐れみの伴った表情で老婆へと視線を向ける未来からは思考では無く感情が言葉を紡ぐ。
知っている。この世界で強く生き続けることが出来る人間がいる一方で負の感情に押しつぶされて身動きが取れなくなる人間がいることを。
知っている。経験しているはず。それでもどこかやるせない気持ちは未来の胸に広がっていた。

「あなたが後悔してないなら……」

だが願わくば、魔獣へと身を窶す前に満足する一生を過ごせていたなら。
悲劇の始まりはここでは無い。いや、《夜》の前からこの世界は地獄であったのかもしれない。

「私は生きる。たとえこの先が見えなくても」

息を強く吸い込み気合を入れる。まだやれることは残っている。

「死ぬのはまだ早いよ有子ちゃん!」

傷だらけの体ではあるが精神力はまだ残っている。未来は有子を背負うと、お粗末ではあるが物資をかき集められて運営されている病院へと足を向けた。

/ロールありがとうございましたー!
486 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/28(日) 01:08:29.61 ID:honxE1xHo
>>479
「……うん。またね、アンドー。生きて、また会いましょう」

 去っていく安藤の背中に、届くかどうかはわからないが声をかけた。
 いつもならもっと恐ろしいはずの魔獣の徘徊に対して、怯えないですむような気がした。
 リィオラは安藤が去った方とは逆に、無限軌道で滑るように降り走っていく。
 喋りすぎたせいかもしれない。一度だけ水を飲んで、乾いた口を湿らせた。

 ――なんだろう。いまなら怖くない。

 胸のなかに温かいものを感じながら、暗い《夜》を越えていく。

/こちらこそ遅くまでありがとうございました。楽しかったです!
487 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/28(日) 01:08:52.05 ID:Ub+oGj0Xo
>>476
<ヒューン>
有子の目の前に、大きな看板が覆いかぶさるように落ちて来た。
極彩色のネオンの装飾が施された巨大な看板だ。

看板に描かれていた文字は「EVER DEEP」。
永久の深遠と読むのだろうか。
闇を抱えた者を誘う、禁断の店。
運が良いのか悪いのか、有子は店の前で倒れ看板の下敷になった。

看板のネオンの文字が泡に飲まれて溶けていく。
――看板が降ろされたので、この店は今をもって閉店となった。

>>485
未来は、看板の下敷になった有子を助けるのに苦労する事となったとさ。
//閉店END。
488 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/28(日) 01:16:41.41 ID:hgghH1450
>>481
いや、不良の意味くらいは分かるけどよ。
……あれだ。聞きなれなさ過ぎて、反応できなかった。

【聞きなれない、というのはここ暫くそんな事を言う人が居なかった、という意味と】
【少女が記憶を持っていない、という理由に起因する】【持っていない訳ではなくて、あやふやなだけなのだが】
【思い出すのが少々難しく、そんな状態では不良といわれても、自分の事だと明確にはわからなかった】【気持ち悪びれる風に言い訳を零す】

まあ娯楽探しってい意味じゃァあっちの奴らとは話があわねェだろ。
あたしもあわねぇし。あいつら何も無ぇのに気張りまくって大丈夫なのかね。

【文字を見て、その次に焦点を絵柄に合わせる】【妖精なんて幻想の賜物が出てきたのは一種の皮肉だろうか】
【確かに、ある意味では今の世界も幻想みたいな、夢希望すら浮かばぬ底だが】

――こういう時、もう慣れちまった光景って開き直るべきなのか。
よりにもよってこんな物が見つかった事を嘆くべきなのか。

【嬉嬉とした様子のシャーロット、それとは別に声の調子を一段階下げて悩ましげに額の反面を手で覆うエイル】
【共食い、妖精、餌食……こんな単語がつらつらと述べられれば嫌でも意識してしまう】【流石に考えすぎだろうか】
489 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 01:19:00.09 ID:+hmOyjXTO
「………成る程」
声を荒げる久良岐。そしてさらに深くなる霧。彼の決意は本物だろう。
田村は恋をした事は無い。するつもりも無い。
だが、恋という物が人間にとってかなりの重要性を持つ事は知っている。

「君の意思は理解した、協力しよう。」
彼は久良岐の発言に深い興味を抱いた。仮にも焔装使いともあろう者が、闇に落ちてもいいなどと。
魔獣が人間に手を貸すなどありえない。ましてや相手は焔装使いである。
………だがそれは相手とて同じ事だ。

「………どうした?」
霧は徐々に薄れていく。
久良岐は「歯止めが効かなくなる」と言ったが、既に暴走気味なのか?
…………彼の興味はますます強くなった。
490 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 01:20:28.82 ID:vggAqFylO
>>475>>480

――――――おいおい、どういうことだ

【焔装を解除し、左腕を抑えながら、目の前の光景に戸惑いを隠せずにいた】
【そこには魔獣から人の姿へと戻り、安らかな寝息を立てる少女の姿があった】
【《夜》の気配は微塵にも感じられず、それが敵の擬態であるという可能性もほぼ皆無に等しい】

……っと、とりあえず助かった
援護してくれてありがとう

【思考の整理がつかず、黒髪を掻きながら、共闘した少年へと感謝の言葉を述べる】
【その能力からして、自身と同じ焔装使いだろうと推測しながら】

…………とりあえずこいつを診療所に運ぼう
また暴れ出したりはしないだろうけど、念の為に一応ついてきて欲しい

【そう言って、少女が目覚めて抵抗しなければ、その身体を担ぎ上げる】
【そうして少年が共に行動するのなら、一緒に診療所へと移動しようとするだろう】
491 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 01:28:41.66 ID:+hmOyjXTO
//>>489>>482宛です、すいません
492 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/28(日) 01:31:20.28 ID:RkT9wmf5O
>>480>>490
それは、余りにも信じられない光景だった。それは、現実とは思えない光景だった。それは、それは、崩月の今までの価値観を根底からひっくり返すものだった。

「は…………?」

怪物の姿が消えていく。そこあったのは、両腕を消失したあの時の少女。
《夜》の雰囲気はなく、それは紛うことなき、人間そのものだった。
何故?何故?何故?何故だ?戻ったのか?《夜》が?人間に?馬鹿な、そんな、あり得ない。

崩月はひたすらに困惑した。何故、戻ったのだ。一度侵されれば、もう戻っては来れないのではなかったのか。
そうなると、今まで自分がしてきた事にも疑問符が出てくる。戻る可能性があるなら、それを潰してきたのではないか?と。

「……………あ、あぁ…………」

少女の言葉は半分耳に入らなかった。
呆然としながら、少女に着いていこうとする。
493 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/28(日) 01:32:21.16 ID:M5vWYapAo
>>489

「焔装は制限付きの力だ。俺はいずれ、お前らと同じことになる。
これはその初期症状だろうな。知り合いにも、『タガが外れそうになる』と言いだした奴がいた。
結局そいつは、それから半年くらいで魔獣に殺されて堕ちたから、俺にどれくらいの時間が残っているのかは分からないが」

夜に堕ちることを恐れているというより、単純に時間制限を恐れている。
堕ちることで目的を忘れてしまうのではないか、あの子の思い出が消えてしまうのではないか、と。

「協力してくれるというなら、一つ聞いておきたい。お前、人の頃の記憶は残ってるか?
俺が焔装に飲み込まれたあと、俺は俺の目的を忘れずにいられるか?」

何もかも、これ一つ。その目的だけに久良岐未散の全てが集約される。
行動は異常極まるが、その芯さえ理解できていれば、なるほど確かに単純明快な男だろう。
それが自分でも分かっているから、『君の意思は理解した』という言葉に反論は無い。

ただ、これが少し違う表現だったなら。『目的を理解した』というような言葉だったなら、『お前にあの子の何が分かる』と激昂していたかもしれない。

未だ、霧は晴れてはいない。男の表情は包み隠されている。
494 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/28(日) 01:43:39.04 ID:JiSQkmvX0
>>488

聞きなれなさ過ぎて、という言葉が刃物のように深くシャーロットの胸に沈み込み、表情に影がさす。
《夜》の襲来以後に10代を過ごした者達は、言うなれば青春を奪われた世代だ。
不良なんて言葉があまり聞かれなくなるのも当然だろう。秩序があることが、異常事態なのだから。

「資源を探すのは大事なことよ。盛んに意気込むのも仕方ないこと。
 だけれど、何かを探しているときは、お目当てではないものが頭からいなくなってしまうわ」

こういうものがね、と言って、か細い白魚の指がゲームの箱を叩く。

「……この世界には剣呑な実用主義がはびこっていて、遊びがどんどん忘れられてしまう。
 それはそうよね。だって、冗談が冗談じゃなくなってしまったんだもの」

こみ上げる厭な気持ちを堪えるエイルを見れば、喜んでいたシャーロットもいくらか、声のトーンと眉を落とした。
皮肉をコショウのように振りかけた創作は、かつてそれを楽しむために作られていたに違いない。

「だけれどわたしは、またこういうものをくすくす笑いながら遊べるようになりたい。
 その時まで、生きて……文化≠ニ呼ばれるものを守っていくのが、自分の仕事なのよ。
 後味の苦いおとぎ話と修羅場を笑い飛ばす風刺で育ってきた、ダブリンっ娘であるわたしの」

だからと言って、楽しもうとしないのが良いわけではない。ぐっ、と身を乗り出して少女は語る。
どうやらその強い決意の少なくとも一部は、彼女の出自に由来しているらしかった。
495 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 01:45:55.97 ID:+hmOyjXTO
>>493
久良岐の発言により、彼の意思はより強くなった。
この男は時期に堕ちる。なら、堕ちた時してやらねばなるまい。
何より、焔装使いが堕ちる姿を見た経験は無い。

「…………悪いが私は純粋な魔獣だ、堕ちた焔装使いでは無いので答えられない」
「ただ、経験から言えば私の周囲にいた"自称"元焔装使いの大半は記憶が有った……筈だ」
「確証は無い………がその程度だと思ってくれ」

嘘はついてない……もっとも、久良岐の様子では嘘もつけない。
496 :凪沙 巫【魔創五腕】 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/28(日) 02:02:02.45 ID:Jb5zbDJQO
>>490 >>492

んっ……

【少女を担ぎ上げた彗月と、其れに着いて行く真夢】
【診療所への移動の最中、少女は目を覚ます】
【全身が所々激しく痛む。そして失われた両腕】
【なんたか頭がぼーっとしていて…何がなんだか状況が飲み込めない。言葉を発するのも辛い】
【少女は、この人は誰だろう?と疑問を抱きつつ彗月に担がれたまま、揺られ続ける】



497 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/28(日) 02:04:43.86 ID:hgghH1450
>>494
――待て待て待て! あたしはお前にんな顔させたくて言ったんじゃねーっての!
大体、あたしはいいけどよ。あんたはもっと辛いだろ?

【夜が攻め込んできた時には、エイルの年齢は高校の終わり際】【目の前の少女は、エイルが見積って中学生か、高校に入りたて】
【ならば過ぎた時間で言えば、目の前の少女の方が少ない】【……筈だ】
【エイルに関しては、一周回って殆どない分、肉親を失っただのなんだの】【それとは無縁で、ある意味軽い】

いや、いい。私が勝手に顰めてるだけだ。
あんたは喜んでてくれ。普通は収穫はなんであれ喜ぶべきなんだ。

【こんな状況で演技が悪いだの、不謹慎だの、言う方がどうかしてる】【最近も似たいような事を言われた気がする】
【呑気な思考回路だから、少女は考えが普通に近いのかもしれない】

――たっくましいなあ、あんたは。
……あんたってのもやめるか、名前を教えてくれないか?
私はエイル。

【身を乗り出した少女に対し、僅かに身を引くも、その様子は引いている訳じゃなくて】
【感心に一声吐息混じりに返して】【少女の名前を尋ねる】
498 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/28(日) 02:09:33.50 ID:M5vWYapAo
>>495

「それは良かった。なら俺は堕ちてもそう変わるまい。
[ピーーー]ことが最優先されるというわけでも無いのはお前を見ていれば分かるしな」

喜色の滲み出た溜息だった。冷え切った霧の中を出る頃には、息遣いの跡は消えているが
それでも霧の向こうで男が笑っていることが何となく分かるだろう。この男は、目的さえ見失わなければ堕ちても構わないと本気で思っている。

そして望み通りの答えであったことに安堵してしばらくしてから、それが嘘である可能性を考え始める。
相手の顔は見えない。霧は久良岐の姿を隠すと共に、久良岐の視界もまた覆い隠しているのだ。


「あと二つ、質問をしたい。一つ目、俺はあの異常重力圏を越えられるかどうか。
何度か一人で挑戦してみてるが、来た道を戻る余力が無くなる前に引き返している。
あそこが中間地点より先かどうか、俺には分からん。だから、世界の端を見るのに双眼鏡が欲しかった」

焔装であれば、魔獣と対等と戦う力が手に入る。都市付近にまで来た魔獣を殺せるのなら、出力的には問題ない。
だが、重力の壁を越えられるかどうかは、その能力の特性にも寄る。

彼の力は、重力を吸うことができるが、あまり力を溜め込み過ぎれば焔装の限界が近くなる。
それに全身を守っていては、重力異常の酷い箇所で力を吸うのが追いつかなくなる。

「楽に越えられる道なんかがあれば、話が早い」
499 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 02:22:39.55 ID:i3gFZAD00
>>492>>496

【診療所へと向かう途中、両腕を失った少女を担ぎながら、ひとり静かに思い耽る】
【魔獣が人へと戻るという現象が、今まで只管に魔獣を狩り続けてきた人間にとって、どういう意味を持つのか】
【情報が少な過ぎて、思い浮かぶ考えは全て憶測の域を出ないもの】
【溜息を吐いて空を仰いだところで、少女の寝息が止んでいることに気が付いた】

……起きたようだな
どんな気分だ、魔獣から人間に戻ったってのは?

【ちらりと少年の方に視線を向けながら、やや荒い口調で少女へと語りかける】
【診療所はもう目の前、すぐに医者や看護婦が駆けつけてくれるだろう】
500 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 02:25:39.02 ID:+hmOyjXTO
>>498
声色は落ち着いていた。という事は、自分の答えは久良岐の納得いく物であったのだろうか?
二人の視界は依然閉ざされている。

暫しの静寂、自分の発言を疑っているのだろう。無理は無い。
そして再び問いをかけられる。
「重力圏を越えられるか、それはやはり君の体力と気力次第としか言い様はない。」
完全に推測だが、これ以外に言う事は無い。
「念の為私の知っている方法を話しておくと、一つは抜け道を探す事」
「もっとも、自分はその道は知らないがね」
「後の二つは単純明快、能力で重力を乗り切るか、無理に突破するかさ」

………双眼鏡を置く。それは、久良岐の心意気が気にいったからなのか。
「双眼鏡は足下に置いておいた。自由に使ってくれ」

「…………で?もう一つの質問は?」
501 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/28(日) 02:32:28.71 ID:JiSQkmvX0
>>497

「ホメ殺すほどの相手じゃないわ。
 何も出来ない辛さから逃げるために、できることを見つけようとしているだけだもの」

たくましいと言われて、シャーロットは苦笑交じりにそう告げた。
《月装》使いである彼女が、戦いにおいて《焔装》使いに匹敵する仕事をするのは容易でない。
だから半ば逃げ道を探すみたいに、新しい仕事を自分に課しているのだ。

「えと――苗字なしのエイルでいいのね? これからよろしくお願いします。
 わたしの名前は、シャーロット・プランケット。好きな風に呼んでくれてかまわないのよ」

箱を小脇に抱えて、名を名乗ったシャーロットはエイルに握手を求めるだろう。
戦術的にも、気持ちの面でも――親交を深める相手がいることは良いことだ。
その歓びが喪失の痛みに変わるかもしれないと分かっていても、彼女は絆なしに生きてはいけなかった。

「よかったら、今日は一緒に《都市》まで引き上げたいわ」

箱を持って歩くと、そのたびにしゃらしゃらと音がする。相当量の駒が奇跡的に残っているようだ。
命より遊技盤を優先することはないが、可能なら護衛兼おしゃべり相手が欲しいというのが本音だった。
502 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/28(日) 02:33:45.04 ID:RkT9wmf5O
>>496>>499
「………………………」

歩いている間、一言も喋らずにただ物思いに耽っていた。魔獣が人間に戻るなど、そんな事は前代未聞。
余りにも情報が少なすぎて、一体どのような条件でそうなるのかは分からない。
それよりも、崩月が考えている事はもっと個人的な事。今までの自分の行いは正しかったのだろうか、と。
ひたすらに憎しみのまま魔獣を殺し続けてきたが、こんな光景を見てしまったお陰で、少し揺らいでいる。

「…………………」

だけども、あの夜の事を思い出す。魔獣が現れ、全てを奪われたあの血塗られた記憶を。
やっぱり、憎い。憎くて憎くてたまらない。戻るからなんだ、戻ったらそれで良いじゃないか。運が良かったのだから。
―――――――それ如きの事で、憎しみが癒えるはずもない。

「…………《夜》になった感想、是非とも聞かせてもらいたいな」

目を覚ました少女。できるだけ冷静を装って、言う。
何が何だか分からないという顔をしている少女に、あまり期待はしていないが。
503 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/28(日) 02:48:04.19 ID:M5vWYapAo
>>500

「感謝する」

それから再び、しばらくの間。

やがて霧が晴れていく。黒い靄が、男の手の中の短刀に集まっていき、刀身を夜色に染め上げる。
金属であることは変わらないのに、刃から光沢が消えている。自分を焔装使いだと名乗っている以上、それは月装ではない。
霧を刃に浸透させて、力を一点に集めているだけだ。

「では、もうひとつの質問だ」

晴れていく霧の向こう、相手の眼を睨みつけながら、問いかける。
視線だけで人を殺しそうなほど剣呑。言葉にも力と、確かな感情が込められている。
一音一音、身体の一部を剥ぎ取っていくかのような想いで言葉を紡ぐ。


                     「お前は、あの子に会ったことはあるか?」

続く説明はどこかたどたどしい。これまでの警戒心はどこへやら、今襲えば隙をついて簡単に殺せてしまいそうだ。

《夜》が降りてから間もない頃、《夜》に侵されて魔獣になった彼女のことを、男は語る。
苦しそうに、嬉しそうに。そのときのまだ成人もしていなかったという彼女のことを語る。

一通り人としての彼女の姿や性格を話してから、ようやく魔獣化した彼女の姿に話が移る。
背中から飛び出した翼、異常に伸びていく爪といった断片的な情報は出るものの、全体像は見えてこない。
何しろ彼は、彼女が魔獣化していく過程は見ていても、その最期を見ていない。これでは、分かりようが無い。
504 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/28(日) 02:50:51.89 ID:hgghH1450
>>501
何もしないでいるよりも、それは偉い事じゃねーのか?
こんな世界だ。辛気臭い話題はつきねェけど、前向きな話題は全然ねえからよ

【なんて、今更先輩風を吹かせたところで】【意味はないのかもしれないけど】

あたしもよ、遠くを見たいって目標があったんだけど……遠くってとこなんだろうな。

【視線をやや遠くの、ビルの隙間から差し込む場所へと向ける】
【既に遠くの世界に来てしまったような気がする】【何処まで進んでも、闇の広がりそうな場所で】
【見たい景色は、何処にいってしまったのか】

あれだ。コードネームみたいなもんだよ。折角だしつけようかなって思ってな。
……じゃあシャロでいいよな、よろしくな。

【伸ばされた手をしっかりと握りしめて】【やや強めに込めて悪手に答えたのは、前向きな考えに出敢えて嬉しかったから】
【例え失う事になったとしても】【初めから何もないのは、もっと悲しい事だから】

ここでさよならはねえって、それに……その妖精が共食いするゲーム。折角見つけたんだし、やらないとな。

【おしゃべり相手が欲しいのはエイルも同じだ】【暇なのだ。とにかく暇】
【だから言われずとも護衛じみたそれを引き受けただろうし】【否定的な意見をしたけれども、その遊びはやりたい、というのが本音なのだ】

/こんなところで〆で大丈夫でしょうか?
505 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 03:04:00.70 ID:+hmOyjXTO
>>503
晴れていく視界の中、彼は久良岐のいる方向を見据える。
やがて現れた瞳には、確かな決意が宿っていた。

そしてもう一つの質問。
久良岐の声は重かった。そして、語りはさらに鬼気迫っていた。

面白い、これは面白いぞ。
悲喜入り混じる彼の様子を見て、彼は再び考えを巡らせる。
………いやこいつの結末を見届けてやろうか。

暫くの思考の後、返答する。
「……………いや、会った事や聞いた事も無い」
精一杯気を使ったつもりだ。ここで嘘をついてはならないだろう。
「……………役に立てずすまない」
506 :凪沙 巫【魔創五腕】 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/28(日) 03:06:45.72 ID:Jb5zbDJQO
>>499 >>502

…ごめ、ん……話すのは今度でいい…かな?

【痛みを押して、少女は二人にそう言い放つ】
【魔獣に…《夜》になった?そんな覚えはない。思い出すにしても精神的に不安定な今…では厳しい】
【少し気持ちを落ち着かせる必要がある。今の状態で2人に詰め寄られるのは辛い。今は何よりも休んで…色々考えたい】

また……ここに来て?その時にはちゃんと話すからー…さ

【診療所に着くと、数人の看護師と医者が駆けつけて来て…少女を中へ運んで行った】
【此れから少女は治療を受ける。二人が訪れるかは知れることでは無いが…訪れたのなら、その時にはちゃんと話すのだろう】

//此れで終了…ですね!お二方、粗文にお付き合い頂きありがとうございましたっ!
507 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 03:10:50.70 ID:vggAqFylO
>>506
/こちらこそ、ロールありがとうございました!
508 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/28(日) 03:14:42.93 ID:RkT9wmf5O
>>506
/ありがとうございました!
509 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/28(日) 03:15:36.39 ID:M5vWYapAo
>>505

物言わず相手の眼をにらみ続ける。視線は動かさずに固定したまま、右手を上げる。
次の瞬間、右手にあった短刀が相手に向かって投げつけられる。

風を切り、音を切り、その軌跡を凍り付かせながら翔けるナイフは、当たれば魔獣であろうと致命傷になりうると感じさせるもの。
相手の首元、双眼鏡のあるあたりを狙った投擲は、その半ばも行くことなく急に動きを止めて落ちた。

「嘘ではない……と信じたいところだな」

久良岐が操る霧によって、込められた運動エネルギーを吸い尽くされたのだ。
――その刀身に宿した霧のいくらかは、消すことができず、物質に閉じ込めておくことしかできない状態にあることを踏まえれば
むしろ“操れていない”といった方が正しい表現なのだが。


「協力、感謝する。逆に、俺がお前を手伝えることはあるか?」
510 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/09/28(日) 03:18:41.67 ID:JiSQkmvX0
>>504

エイルの漠然とした問い掛けを受けて、シャーロットは顎に片手を当てた。

「【遠く】……なくしてしまったモノが行き着くところを、よくそう言うのよね」

例えば、死をぼかして語るとき。例えば、癒えていない過去の傷について話すとき。
しばしば人間は、遠くにあるものはもう二度と手に入らないものだと捉える。
場合によってはそれも正解になる、が――

「でもわたしは懲りずにいれば、いつか届くもの≠セとも思っているわ。
 そんな【遠く】が見えるまで歩き続けられたら、素敵じゃないかしら」

――それでも、残酷に針を刻む世界に少女はNOを突きつける。

手ぶらでここまで来ているということは、エイルは《焔装》使いに違いない。
言うなれば、いつ起爆するかわからない時限爆弾を抱えた身。
《月装》使いであるシャーロットが彼女を守らなければならない時が、いつか来る。

 ……それでいい。守られるのは不本意だ。嫌だから、わたしは戦場(ここ)にいる。

「ええ。心やすまる時が来たら、真っ先に二人で遊ぶわ。――約束よ?」

脅迫じみた約束を交わしながら、『シャロ』はにこりと笑み、そして《都市》へと歩き出したのだった。

/そうですね、ちょうど時間ですのでこれがラストということで!
/夜遅くまでありがとうございました!
511 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 03:34:54.72 ID:+hmOyjXTO
>>509
投げられ、そして落ちる短刀。彼は、まじまじとそれを見つめていた。
「………ああ、事実だ」
態度は崩していない。声色も、殆ど変わらない。

「手伝える事……………」
暫く考え込む。本音を言えば様子を観察するだけでいいのだが、非礼もいい所だろう。
それに、今の所取り立てて用事も無い………が、ある事を思いついた。

「………そうだ、偶にでいいから"夜"が来る前の世界の様子を話して欲しい」
彼はそれ以前の事を知らない。故に、彼にとってそれは重要な意味を持っていた。

「そしてもう一つ」
彼は久良岐に背を向ける。そして、目の前の方向を指差す。
「あちらの方向………倒れたビルを越えて数キロ進んだ所に洞穴が掘ってある」
「私はそこを拠点にしている。用事があったらそこを訪ねてくれ」
「………そして、そこを重力圏突破の為の中間地点として使ってもいい。最低限の寝床は確保しておく」
「………私も用事がある時は都市の君を訪ねる。これでいいか?」
512 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/28(日) 03:53:16.49 ID:M5vWYapAo
>>511

まるで揺らがない相手に対して、男の方も特に困った様子は無い。
もともと、反応を見て言葉の真偽を判別するようなスキルは無いのだから。

代わりに、男はその次の反応の方に驚いた。ちょうど相手が、焔装使いが魔獣に協力することに驚いたように
今度はこちらが、魔獣がかつての世界に興味を持っていることに驚くことになったわけだ。

「それは予想していなかった。人殺しになる覚悟くらいはあったんだが――まさかそんなことを望むとは。
俺は見ての通り底の浅い人間で、別段珍しい経験もしていないが、そうだな。彼女の話でよければ、いくらでもしてやろう」

男の提案に頷き、協力関係がバレないように互いに気を付けることを言い含めた後、いくらか楽しそうに、男は彼女のことを語りだす。

双眼鏡を手に取って、人類に残った世界の端を見つめながら、話し出すのは海辺の展望台の話。
こんな双眼鏡が備え付けられた、というところから始まり、彼女と一緒に見た空の話になる。まだ明るくかった頃の空。白雲の層と、その間から射す日。
妙に詳細な彼女との会話を絡めつつ、日が傾いてくるまで延々と話が続く。二人に向かって、海上を一直線に染める赤光は、まるで今後を祝福していくようだった……
などと、男のテンションの上がりようが語り口にも現れていく。このまま止めなければ、いつまでも話し続けることになるだろう。

/そろそろ〆めてもらっていいですかー?
513 :田村 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/28(日) 04:10:38.72 ID:+hmOyjXTO
>>512
「ああ、頼む」
予想していなかった…………当然だ。それに、こちらも焔装使いが協力するとは思わなかった。

久良岐の提言を受け入れ、その語りに耳を傾ける。
その内容は、彼を虜にするに十分であった。
海、日差し、何れも彼の知らない事ばかりであった。
そして、彼女との思い出。
一心に語る姿を見て、彼はますます恋、そして彼女というものに興味を惹かれていった。
時間も忘れ、聞き入る男。久良岐のテンションはどんどん上がっていき、終わりは見えない。
……………だが、この男もどうやら何時までも聞き入るつもりらしい。

//そうですね……拙いロールですが、こんな遅くまで付き合って頂きありがとうございました!
514 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/09/28(日) 20:06:14.02 ID:CcBfvChCo
闇を湛えた《夜》の中、小学校は配給待ちの列を成す人々と配給を受け取り歓談に勤しむ人々で賑わっていた
喧騒というほどのものではないが、人が群れを形成すると自然に生まれる雑音が空間を包む
そんな彼らの輪から少し離れてひとり食事を摂る者がいた

それは車椅子に腰掛けた小柄な少年。彼は俯きがちに配給品らしきロールパンを両手でもって口へ運ぶ
少年は咀嚼しながら時折顔を上げ、伺うような目つきで周囲を見渡す
そして再び視線を手元に戻し、パンを口に放ろうとしたその時、突然の強風が巻き起こる

「わっ、あ……」

小さな悲鳴。突風は無防備な少年を車椅子から投げ飛ばす――――こともなく、気まぐれのようにすぐに吹き止んだ
悲鳴の理由は、風に驚愕した少年が手元のロールパンを取り落としてしまったため
想定外の出来事に数瞬硬直した後、少年は小さくため息を吐き出して。落としてしまったパンを拾おうと前かがみになって手を伸ばす
しかし無理な体勢で車椅子から落ちるのを恐れてか、あと数センチが届かないでいるようだ
助けを求めれば周囲の誰かが拾ってくれたことだろう。それが出来ないのは少年のちっぽけな自尊心からか
515 :彗月 ◆4lMNAK/M5E [sage]:2014/09/28(日) 20:24:39.67 ID:a1Aow8gcO
>>514

【配給所の隅のひび割れた柱に凭れかかって、少女は配給されたパンを齧っていた】
【保存食がメインの食事が数年に渡って続いているが、そもそも食傷だと言えるような環境ではない】
【最後にマトモな料理を食べたのは何時だろうか、なんて過去の記憶に思いを馳せていたのだが】

……?

【突然吹いた風に顔を顰め、その方角へと振り向けば、地面に落ちたパンに手を伸ばす車椅子の少年の姿が目に映る】
【その光景を見て、少女は特に何も考えず、彼の元へとすたすたと近寄ると】

………ん(モグモグ)

【自分のパンを口に咥えて咀嚼しながら、無造作にパンを拾い上げると、土汚れをはたき落として少年へと差し出す】
【その際にまるで鷹のように鋭い視線が少年に向けられるだろうが、元からそういう容姿なので特に意味はない】


516 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/28(日) 20:27:54.72 ID:RlfeM5mGo
「く、うぅ……ぐっ!!」

先に戦った、そして喰らった魔獣の能力の一部による物か―――――――― 彼女、陽遥の身体は急速に回復へと向かっていった。
骨を幾つも砕かれていたと言うのに、それらはもうほとんど治りかけていた――――――――それならば、何故こう呻いているのかと言えば。
彼女が抑えているのは中途より切断された右腕の断面、幻肢痛か何かの類と言えばそうでも無く、そもそも痛みが伴っているかも怪しい。
その殆どは、"恐怖心"から来る幻覚にも似た何か。
―――――――― 自分の身体の回復が余りにも早い理由も、その苦しみの理由。≪焔装≫使いに、必ず訪れる其れ。

「……くそッ……ふざけるな……私は……!!」

朽ち果てた、元々雑居ビルだった場所の裏側、ボロボロの壁を拳で叩くと、小さな音を立てて砂埃共にそれが落ちる。
其処に背を預けて、大きく息を吸いながら座り込む。
周囲には"戦利品"である幾つかの缶詰が転がっている―――――――― その一つがころころと転がって、表通りへと躍り出て。
誰かが此処に足を踏み入れる理由を、作り出していた。
517 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/28(日) 20:37:04.87 ID:nx0oi1VXo
>>516
転がりだしていく缶詰。それは、小さな足に踏み抑えられて止まった。
そして、踏み抑えられた缶詰は、その足との境界面を失い、足と同化しその内側に飲み込まれた。
ぺたり。生々しい、素足の足音が響く。表通りから裏通りへ、ゆっくりとその足の持ち主は姿を表した。

「――あア。そろそろ<iのカイ? おまえ」

変声期を終えていないボーイソプラノは、所々異質なイントネーションを感じさせる。何かが欠落しているような、そんな声色。
そこに居たのは、小学校低学年くらいの外見の少年だった。血色の瞳が、意味ありげに細められる。
静かに足音を響かせ、コートの裾を引きずりながら、少年は相手の下へ近づいていく。

「……人トして死にタいと思うカい?」

座り込む相手に、僅かに腰をかがめながらやせぎすの少年は問いかける。
その姿は人のそれで、人の要素を確かに持っていたが、明らかに人から外れた気配をそれは持ち合わせていた。
そう、言うなれば。焔装使いの成れの果て≠フような。
//よろしければ!
518 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/09/28(日) 20:39:55.86 ID:CcBfvChCo
>>515
「あ……ありがとうございます」

差し出されたパンを受け取りながら顔を上げる
此方が座っているため顔を合わせるには当然のように見上げる形となる
鋭い視線に見下されれば、射竦められるような感覚に内心たじろいで

それを恥じると同時に誤魔化すように受け取ったパンをすぐに口に入れてしまう
彗月にはたき落として貰ったもののまだ口に残るジャリジャリとした土の舌触りに顔を顰めつつ、それでも貴重な資源を無駄にする訳にはいかないと飲み込んでから、

「本当にありがとうございました、わざわざ助けてもらっちゃって」

鋭い視線から怒気でも見出したのか、伺うような声音でお礼の言を繰り返す
519 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/28(日) 20:48:17.20 ID:RlfeM5mGo
>>517
気配がした―――― この時点ではその気配の性質には気付いていなかった。左眼が、ゆっくりと動かされた。
長いコートの裾を引き摺った、あどけないと言うには余りにも幼すぎるくらいの少年が、此方へと歩む―――― "それはいい"。

「……貴様は」

左眼が驚愕に見開かれる―――――――― 外観は全く人と変わる事は無いのだけれど、それはそう言うのは余りにも懸け離れていた。
自分と近く――――僅かに違う――――まるで"その先"へと踏み出した後。
直感とか、第六感とか、そう言う物で理解した。今、其処にいる存在は、間違いなく"元々"人間だった存在。

「……死にたい、だと……?ふざけるなと、言っている……!!
 私は!……死になど、しない……。私は……"強者"であり……私は……"勝者"だ……!!」

この現状において、魔獣の接近は危機に他ならない……だと言うのにその口から流れるのは、虚栄心から来る強がりにも似た言葉。
座り込み、凭れ掛かったまま彼を睨む―――――――― 右腕の焔装を常に発動できるように、そう意識すると。
ゆっくりとまた、"自分が自分でなくなるような"感覚が襲う。
520 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 20:52:34.08 ID:a1Aow8gcO
>>518

んん、んん〜ん(モグモグ)

【手をひらひらと振って、まるで「気にするな」というかのような仕草を見せる】
【どうやらこの少女、パンで口が塞がっているせいで、何も喋れないようだった】
【十数秒後、ようやく咀嚼を終えて一気に飲み込むと】

いいっていいって、そんなに気にすんな
困った時はお互い様っていうしな

【少年の口調から、どうやら此方に対して少なからず萎縮していると考えて】
【彼とは対照的な、さばさばとした態度で応える】
【ついでに飲みかけの水のペットボトルを取り出して、それを彼にひょいと投げ渡して】

どうせ土が口の中に残ってるだろ、それで口直ししとけ
……あ、でもあんまり沢山飲むんじゃねーぞ

【繰り返されるお礼の言葉を遮って、一方的にそう告げる】


521 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/09/28(日) 20:53:06.16 ID:idEWq8jH0
【「夜」に支配され、廃墟と化した街並み】
【夜は闇を運び、闇は人々に不安と恐怖を抱かせる。この街においてそれは例外でなく、それどころか効果的すぎるほどに人々を陥れていた】
【ある者はただ絶望に打ちひしがれ、ある者は路頭に迷い、ある者は自分の無力さに苛立つ。退廃的な雰囲気が街を支配していた】
【しかしその中に、一人だけ明らかに違う者がいた。周りのように絶望するでもなく、かといって小石を蹴って歩き回るでもない】
【彼は、あろうことか「眠って」いた。顔に笑みをたたえた中年の男性は、路上で「立ったまま」眠っていた】
【その間抜けともいえる余裕に、人々は舌打ちと懐疑の目線でもって彼を流し見る。この状況において、その行動は人々をより一層苛立たさせるのみだった】
【しかし、この状況でいびきを立てながら眠る程の余裕さに、疑問を抱く者も多いはずだ】
【何者かが彼を起こそうと試みるなら、彼はすぐに起きることであろう】

「お……お、おお!」

【という、間の抜けた声を上げて】

522 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/28(日) 20:59:31.73 ID:nx0oi1VXo
>>519
「そうカ。じゃあ――いいヤ」

相手の虚栄心から、強がりから生まれる言葉。己に向けられる視線、脅威。
それらを受け止めて、そして少年は。『何も思わなかった』、コートの内側が一瞬蠢き、そして動きが止まり。
袖をぶらぶらとさせながら、少年はゆっくりと己の両腕を振り上げていく。獣が、その顎をゆっくりと開くように。

「どっチニしロ。僕は――お腹が減っテイたカらね。優しく食ベルか、無理やりタベるか。それだケなんだ」

不思議な事に、少年には敵意も悪意も害意も無い。相手を害するつもりも、相手に悪いことをするつもりも無い。
ただ、そこにあるのは食欲だけだ。腹が減ったから食う。シンプルにして、何よりも強い衝動。
人だった頃、『飢餓』から生まれた『焔装』は『捕食』の概念を持っていた。そして、それは魔獣となった時、彼の存在そのものとなった。
すなわち、魔獣である彼は捕食者で、狩猟者。彼は、彼自身の人格の善悪にかかわらず、その存在そのものが人類種の敵対の役割を帯びていた。
彼は狩るもので、彼の狩る対象は人であり、魔獣であり、万物。それは、目の前に居る魔獣になりかけの焔装使いにも、例外なく適用される。

「――イタダキマす」

少年が両手を静かに合わせたその直後。筋繊維を圧縮して創りだされた2振りの触手が、彼のコートの腹部を突き破って射出。
その速度と膂力を持ってして相手の腕を絡み取り、そのまま地面を引きずり回そうとするだろう。
523 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/28(日) 21:03:13.53 ID:V44OSrb70
【診療所、怪我人や病人が集う其の場所の、端の簡素なベッドに横たわる少女】
【《夜》に包まれた此の現状、ベッドが不足しており、一つのベッドに二人の患者が寝なけれはならない事もある】
【診療所の雰囲気は、若干重苦しいものとなっていた】
【看護師や医者も陰険で、患者の扱い粗雑。皆疲弊して、絶望に囚われているのが分かる】
【医療品は底が見えて来ているのに、魔獣に怪我を負わされた人や風邪を引いた人は増え続ける】

……はぁ、少し外に行こっかな

【其の重苦しい雰囲気に耐え兼ねて、外へ行こうとベッドを降りる】
【けれど傷は中々に深く…、まだまだ診療所に厄介になる日々が少女には続く】
【それは一時凌ぎでしか無いけれど、診療所の中に長くいると自分まで絶望に囚われてしまいそうだった】
【人類は必ず勝つ、《朝》を絶対に取り戻す。其の為には諦めない心が必要不可欠】
【此の場所から一刻も早く抜け出したい。此処に居ると、諦めない心を捨ててしまいそうだから】

早く治さないと…《夜》と闘う為に


【外の錆びれたベンチに腰掛けて誰に向けるわけでも無く、ポツリとそう呟いた】

524 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/09/28(日) 21:04:34.72 ID:CcBfvChCo
>>520
気にするな、と示されてもそう簡単には変えられないのが感情というもので
実際、少女にはさほど大きな負担にはなっていないのだとしても、この少年は気にせずにはいられないのだろう。そういう性分だ
そんなことを考えて十秒余。思考にに耽っている所に飛んでくるペットボトル

「う、わっ……っとと」

なんとか無事にキャッチ。しかしこの近距離で取り落としそうになっているレベル
身構えていなかったとはいえかなり劣悪な運動神経が伺える

「ありがとう、じゃあ遠慮無く――――っ」

もう何度目か分からないお礼を述べながらペットボトルを開栓、口に近づけた所で硬直
そして目を白黒させるやら頬を薄紅に染めるやら――――何を考えているかは、言うに及ばずであろう
525 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/28(日) 21:10:02.91 ID:RJ7F3P/y0
「…………よく寝たな」
「3日、ぶりといったところか…良い目覚めであった」

大地が盛り上がり、中から腕が、頭が、身体が突き出る。
そして約2mの大男が這い上がる。その眼光は冬眠から目覚めた熊の如く、強者を求める殺気は飢えながらも餌を求める虎の如く。

「大分…力も溜まっている、身体の調子も
…悪くない」
「腕も、触角も…問題ない、寧ろ清々しい思いだ」

バキバキッと首の音を鳴らし、溜まりに溜まった体内の電気は辺りに漏れかかっているが、気にも止めず歩き出す。
求めるは強者、とにかく「喰らい」、その経験を「取り込み」、また強くなると満たされたかったのだ。
526 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/28(日) 21:14:21.90 ID:KF2zdgjE0
「ハァッ、ハァッ――グ、ゥ…!」

魔獣との戦闘大きな負傷を負い、回復させようと廃墟の壁にもたれて座っている
一先ずこの折れた腕を何とかしなければ――支えになりそうな棒と包帯の代わりに服を破きそれを巻く
無理やり骨を折れた状態から真っ直ぐにしたため信じられない激痛が襲ってくる
大量の汗をかきながらこの間てに入れた食料を乱雑に食べる
手に入れた食料の半分以上がこの間の戦闘で駄目になり、残りも食いつくしかけている
なんとかして食料を手に入れなければ――ただでさえ激痛のせいでイライラしているというのに面倒なことばかりだ

「クソがッ!」

思わず悪態をつきながら怒りを沈める為に壁を殴る
能力が発動しかけていたのか、壁にヒビが入り同時に轟音が響く
しまった――と思うがもう遅い
この音に反応して万が一魔獣が入って来たら――いつでも逃げ出せるように急いで立ち上がり入り口を見る
入ってくる物が人であることを願いながら
527 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/28(日) 21:14:55.11 ID:RlfeM5mGo
>>522
彼女が焔装を振るうよりも早く―――― 彼が操作する触手が、彼女の左手を搦めとり、引き倒した。
抵抗しようにも、まずその力が違いすぎる。筋肉組織の塊であるその触手に対抗するには、人の身である彼女にとっては不可能に近い。

「ぐ、ぁぁ――――ぁ、ああ!!」

左腕から地面へと叩き付けられ、引き摺り回す。ライダースジャケットの袖が破れ、中の肌が荒い地面に削られていく。
それは確かに痛覚から成る危険信号―――――――― それにより、彼女は咄嗟に、右腕を突き出し、焔装を起動した。
元となる概念は―――――― 『捕食』。捕食される側の恐怖が産み出したそれは、ズラリと牙を並べて、彼の身体へと向かっていった。
彼の身体を、或いは一飲み出来てしまいそうな程の大口を開けて……捕食者たる彼自身を、逆に喰らおうとしていた。

「……狩人は、強者は、捕食者は……!!

  喰らうのは、私の方だぁ!!」

捕食者である者―――――――― 捕食者でありたいと願う者。
彼女は狩られる者で、彼女が力の為に狩ろうとする対象は、魔獣、焔装、月装―――――――― そして『夜』。
けれどその心は、間違いなく狩られる側の存在の構造をしていて―――― 同じ"概念"を持っていた彼には、余りにもちっぽけに見えるだろう。
528 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 21:22:00.95 ID:a1Aow8gcO
>>524

【基本的に何事にも無頓着で、恬淡とした性格であるこの少女】
【少年がペットボトルを手にしたまま硬直していることに気づき、そちらに視線を向けると】

どうした、飲まないのか?

【きょとんと首を傾げて、疑問符を頭上に浮かべながら問いかける】
【それは確信犯なのか、それとも紅い頬に気づいていないのか】
【僅かながらに心配している声色で辺り、恐らく後者なのであろうが】

529 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/28(日) 21:24:26.00 ID:nx0oi1VXo
>>527
「アは。ッハハハハハ――――、成る程ォ!
共食いカ。共食いナンダな。いやあハハ。興味深い、イイね!! おまえノ味が気になっタ!!」

飢えていたからなんだって食ってきた。魔獣も焔装も月装も全部、なんだって食ってきた。
触手で相手を引きずり回しながら、相手が具現化した右腕を観測。そして、己と同種である事を理解する。
そして、何より先に抱いた感情は――どのような味なのか≠ニいう、好奇心が先に来ていた。
ずらりと揃った牙。己を捕食する為に襲いかかったそれ。にたりと、楽しそうな笑みを浮かべて、少年は己の背から10本の触手を飛び出させる。
触手は縦横無尽に駆け巡り、己に届く前に相手の右腕を止めようとする。もし、止めることが出来なければ、少年の左腕が一本根本から失われる事となるはずだ。

「ッハハハハハハハ――――さア、君の肉は何味だ、君の骨はどんな滋味だ、君の臓腑はどんな珍味だ!!」

相手の左腕に絡みつく触手が、その太さを増すと同時に。――その表面に、びっしりと人間の口≠ェ生まれる。
それらが一斉に口を開き、絡みつく左腕にそのまま食らい付こうとするだろう。
人間の咬合力では即座に人間の肉を食いちぎることは難しいが、それは逆に激痛による苦痛の時間を長引かせる結果になりかねない。

幸いなのは、この魔獣は回避行動を余り取らない事。
そして、触手の強度は筋肉の塊レベルでしかない事から、相手が右手で触手をちぎろうとすれば千切れなくもない事だったろう。、
530 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/09/28(日) 21:29:20.27 ID:idEWq8jH0
>>526
【すぐ側に足音が聞こえる。鈍重で、なおかつゆっくりとした足音が】
【それは徐々に、徐々にと息を潜める青年の方へと着実に近付いている】
【やがて路地の入り口に、足が見えた。そしてそのまま……】

「むぅ……?」

【中年の男性が目をこすりつつ、欠伸をしながら顔を出した】
【瞬きをしつつ、ぼやけた目で状況を判断する。目の前には、妙に警戒している青年と、ヒビ割れた壁、そして青年の折れていると思しき、ダランと下がった腕】

「妙な音がしたから来てみたが……貴公、大丈夫か?」

【魔獣は居ないようだが、怪我をしていることは間違いない。彼は近寄り、青年の腕を見ようとした】

「この辺りは魔獣が多い……これまた、手ひどくやられたらしいのぅ」

【立てるか、とばかりに手を差し伸べる。これは下心あってのことではなく、単なる彼の優しさから来るものだった】


/よろしければ
531 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/28(日) 21:32:40.95 ID:oFU6QQ/+0
>>526
【音を聞きつけたのか、壁にもたれるガルバを見つめるのは少年】
【ふわりとした銀の癖っ毛を伸ばしたゴシックドレスの少年だ】
【その顔立ちは女性とも男性とも取れるような不思議なもので、張り付いた薄ら笑いが人形のように不気味】

・・・・・・最近、人の死に顔を見れてなかったなぁ

【ぽつり、呟くと少年はスカートをたくし上げ、さらされた太腿のホルダーから小剣を引き抜き】
【こつん、こつん、とわざとらしく煽りながら近づいていく】
【少年は人の姿をしていたが、放つ雰囲気は明らかに魔獣のものだった】

さて、君はどんな死に顔を見せてくれるのかな?

【ガルバまで後一歩の距離に近づいたら、うすら笑う口角がさらに吊り上った】
532 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/28(日) 21:33:27.50 ID:oFU6QQ/+0
//すみません、被ってしまいました・・・・・・
533 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/09/28(日) 21:34:52.66 ID:idEWq8jH0
//私は複数でも構いませんが、ガルバさんにお任せします
534 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/28(日) 21:36:38.00 ID:TS4waWru0
>>525

「おおっと、運の悪い間抜け一号発見!」

男の後ろから掛かる明るい声。
振り向けば、それとは裏腹に顔色の悪い、白髪の女がそちらを指差しているだろう。
楽観に溢れた顔は、それに飽き足らずぱんぱんと掌に拳を打ちつけて。

「丁度いいや、戻る前に土産の首チョンパ時間(タイム)といっちゃうぜー!」

スリッパを突っ掛けて無防備に歩み寄る姿に、強者の風格は微塵もなく。
ジャージに包まれた華奢な体躯は寧ろ弱者――この場合は狂者ですらあったかもしれない。
535 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/28(日) 21:37:00.90 ID:KF2zdgjE0
/私は複数でも構いません
/今からロールを作るので少し待っててください
536 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/09/28(日) 21:38:53.71 ID:idEWq8jH0
>>535
/了解しました
537 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/28(日) 21:40:25.86 ID:oFU6QQ/+0
>>535
では、よろしくお願いします!
538 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/28(日) 21:40:34.22 ID:oFU6QQ/+0
>>535
では、よろしくお願いします!
539 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/28(日) 21:42:59.09 ID:RlfeM5mGo
>>529
「共食いだと―――― やはり、貴様は――――――――」

人間だったのか。その言葉の前に、喰らいかかった右腕が、その触手の群れに押し留められて、絶句する。
そしてそれも束の間―――― 右腕に絡みついた触手が、彼の言葉通りに変化する。其処に並ぶのは、無数の"人間の口部"。
本能的な嫌悪感が、背筋をぞくりと撫でまわす―――――――― それに浸る事も出来ずに、それ等は一斉に閉ざされる。
食い千切ろうとする。臼歯が皮膚を噛み千切らんと動く。

「……止め、ろぉ!!!」

恐怖に声が震える事は何とか抑えた―――――――― そしてすぐさま、左腕に絡みついた触手へと向けて、右腕を振り下ろした。
その中途でそれは、鋭い刃の形状へと変形。それを振り下ろして、左腕を搦めとる触手へと振り下ろし、それを一息に切断した。
剛力による無理矢理な切断―――――――― 解放された左腕を見れば、びっしりと並ぶ歯型……そして、食い破られた皮膚。

「喰らうのは私だ!!魔獣如きが、共食いなどとほざくな!私は捕食者だ、私が捕食者だ!!
 私は貴様等とは違う、貴様はただ黙って食われればいい……ただ、強者の糧になればいいんだぁ!!!」

二歩、三歩。前方へと足を踏み出す。それだけで、強化された身体能力が彼女を敵の下へと運んでくれる。
右腕が更に形状を変化させる―――――――― その姿は西洋のランスを模した形状へと変化し、彼を刺し貫かんと振るわれた。
540 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/09/28(日) 21:43:07.93 ID:CcBfvChCo
>>528
「い、いやー……えーっと」

考える。考える。
運動神経悪い上に会話の反応まで悪いとなればそれはもうただのウスノロだ。目の前の少女が気にしなくても自分が気にする。
この場をうまくおさめるべく、ちら、と彗月の表情を―――なるべく口元を意識しないようにしながら―――盗み見る。

(うん、よし。彼女は気にしてない。それなら僕も気にしなくていい。オーケー、オーケーなはずだ)

大体初対面の相手との間接キスを気にするなんて、高校生にもなって阿呆らしい。ただの自意識過剰だ
そう自分に言い聞かせながら、覚悟を決めたように、僅かに震える手を悟られぬようペットボトルに口を付け、1口、2口と喉を鳴らす

「ふは……ん、ありがとう。ご馳走様」
色んな意味で。そう内心で付け加えながら、ペットボトルにキャップをするとそれをそちら向きにして差し出すのだった
紅潮する頬を意識しないようにしながら、手渡す前に、ペットボトルの口を軽く拭いてから。
541 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/28(日) 21:47:54.57 ID:RJ7F3P/y0
>>534
「────ムッ」

呼び止められたのはまたもや「女性」であった。
そして、前戦った「ヒナ」とはまた違う…「執念」を感じられなかった。

「また「女」か……良い加減、強き男と勝負してみたいものだ」
「では、問おう女…お前は強者か?」
「俺は強者としか戦いたくない、弱者ならば…切り落とすまでだ」

眼光はさらに鋭くなり、身体は硬質化する。
彼女と合間見える時には既に「魔獣」の姿に変化していた。

「─────フン」
542 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/28(日) 21:53:05.51 ID:nx0oi1VXo
>>539
「――ああソうダ。元人間、元焔装使いさ。
元戦力外部隊¥椛ョ。――――今ノ名前は、Doctor-P<Jナ?」

触手を切り裂かれても、特段気に留めること無く。己が人だったこと、そして人の味方だった事を口にする。
両断される触手。それらは即座にどろりと腐臭を漂わせる液体となって地面に飛び散った。
そして、槍を構えて己へと迫る相手。それを視認しながら、嘗て人だった魔獣は、笑みを口元に浮かべ。

「うン。なカナか美味しイよ。――アあ、その攻撃を喰らウ≠フも良イかも、ネ」

そういうと、両手を大きく広げ――少年は地面を強く蹴った。
直後だ。少年の胴体は、相手のランスに深々と刺し貫かれる。地面に飛び散る、赤黒い液体。
びちゃりと、相手の全身に鮮血が飛び散ることとなる筈だ。
相手に貫かれることとなって、逆に相手との距離を大きく詰める事に成功した魔獣。

「こレダけ喰らったンだ。――少し位僕ガたベテも。良いデしょ?」

そして、広げた両の手を静かに相手の顔面に向けて――ずるりと、伸ばす。
伸ばす過程で、腕は関節を増加させていき、その長さと太さを増大させ、腕の途中から樹の枝のように腕をはやし始める。
相手のランスを掴み、相手の肉体を掴むことで相手を拘束しようとする筈だ。そして、その腕の先端の手のひらには皆、――かちりかちりと歯を鳴らす人間の口が存在していた。
543 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/28(日) 22:01:14.13 ID:S8svD+9M0
都市の一角、辛うじて崩壊を免れた建物のすぐそばで無造作に転がっている机の上に座っている少女がいた。
彼女の左手には薄汚れたメモ帳。そしてもう片方の手にはボールペン。
物資の調達が困難となった今、紙も貴重ではあるがそもそも欲しがる人間が少ないので交渉すれば案外手に入るものだ。

「あー、もうよくわからないーー!」

俯いて生きる人間が多くなったこの環境下で、駄々っ子のようにそう独り言を漏らす姿は少々珍しいかもしれない。



544 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/28(日) 22:01:27.87 ID:KF2zdgjE0
>>530
廃墟のそばに足音が迫る
ガルバの緊張が高まり、無意識のうちに能力を発動させる
そして、遂にその姿が見え――幸いなことにそれは魔獣ではなく人間だった

「…まぁな、ちょっと強力なやつに会った」

魔獣ではないことに一安心し、すまない、と言いながらその手を掴んで立ち上がる
とりあえず、自己紹介でもして魔獣が来る前にこの場を去るべきか
そう考えているうちにこちらに迫るもうひとつの足音が響き―――

>>531
「ッ、よりにもよってこのタイミングで来るかよ…!」

現れたのは中傷的な顔立ちをした魔獣
最悪、自分一人なら逃げ切ることも可能だろうが、この状況ではそうもいかない
俺が時間を稼ぐしかないか―――と、レイピアのような剣を取り出す魔獣を睨む

「おっさん、俺が時間を稼いでやるから逃げろ」
「雰囲気でわかると思うがこいつ魔獣だ」

片腕が使えないこの状況、そう易々と負ける気はないが相性が悪ければいつまで持つかわからない
少しでも此方に引き付けようと中指を立てながら挑発を始める

「こいよ、カマ野郎」
「人間だったのかどうかは知らねぇがどちらにせよそんな格好するキメェやつに負ける気はねぇよ」

能力を発動させ、先手必勝とばかりに不用意に近づいてきた魔獣の腹部に向けて蹴りを放つ
限界を越えて強化された身体能力に、破壊の概念を付加した蹴り、攻撃翌力だけならトップクラスの威力だ
545 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/28(日) 22:02:28.82 ID:TS4waWru0
>>541

「まーまー、単細胞みたいな事言ってないでさ」
「勝って兜の緒を締めよ、だっけ? ここいらで惨めったらしく刈られとけばいいと思うぜい」
『それを言うなら今日が年貢の納め時、だろ』

文字通り戦闘体勢に“変化”していく相手、ほぼ同時に不意に現れた首だけピエロ。
それと雑談を交わしつつ、その間合いにするりと足を運び入れる。序でにエプロンに浮かぶのは貧の文字とラインゲージ。
とはいえ変身するわけでもない。魔獣とは違い、人間の範疇を越えた訳ではないのだから当然である。

「取り敢えず、黙って一発喰らってみれば分かるさ〜」

相手を見上げる顔には未だにっと笑顔が浮かび。大袈裟に振りかぶったのは袖を捲った右腕。
オーバーモーションの脇を開いた素人丸出しの右フック。にもかかわらず、きゅと握りしめられた拳――それには馬鹿馬鹿しいほどの「圧」が込められていて。
体重×スピード×握力。前二つは平均以下の女であったが、その握力はなんとも人外に届く歪。それを躊躇い無く男の左頬へ振るっていく。
546 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/28(日) 22:04:53.97 ID:KF2zdgjE0
/遅くなってすいません!
547 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/28(日) 22:05:38.42 ID:TS4waWru0
/文字抜けェ、最後の行の体重×スピード×握力。は体重×スピード×握力=破壊力。の間違いです
548 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 22:07:51.63 ID:a1Aow8gcO
>>540

まあまあ、そう気にするなって

【少年が無事に水を飲んだことを確認すると、無造作にペットボトルを受けとり、ついでに自分も喉を潤す】
【彼の頬の紅潮には気づかないまま、そのままペットボトルをポシェットの中にしまい】

水の一口や二口でとやかく言うほどケチじゃない
だからそんなに遠慮しなくていいさ

【やはり少年の態度が気になったのか、あっけらかんと言ったのはそんな台詞】
【近くにちょうど良いサイズの瓦礫があるのを見つけると、それの上にひょいと座り】
【図らずも、二人の目線の高さが同じ位になる】

私は彗月。まあ……その、一応《焔装》使いだ
で、あんたの名前は?

【まるで友人に話しかけるかのような、軽い口調】
【誰にでも無遠慮に、分け隔てなく接するのがこの少女の性分なのだ】



549 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/28(日) 22:11:16.50 ID:idEWq8jH0
>>544
「何……お互い助け合うのが、今の人のあり方よ」

【ハハハ、と笑う。ふくよかで優しげな顔は、この緊張と恐怖に溢れた世には珍しいだろう】
【と、そこへ……もう一人の"介入者"が現れた】

>>531
【彼は振り返り、少年と思しき魔獣に鋭い眼光を向ける】
【それは先程まで青年へ向けていた眼差しとはまったく異質な、勇気にあふれる「戦士」の目つきだった】

「そちらこそ、腕が折れているのだろう?無理はするな……ラルカン・ラントのジークローラン、魔獣ごとき容易く打ち払ってみせよう」

【青年からの声を返し、能力を発動する】
【それは巨大な「剣」だった。2mはあろうかという特大の両刃剣。暗い光をたたえたその刃は、銀の残光を残し魔獣の姿を捉える】

「うおおおおっ!!」

【両手でしっかりと剣を構え、鈍重な剣を投げ出すように突きを放った】
550 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/28(日) 22:17:30.12 ID:RlfeM5mGo
>>542
「"戦力外部隊"……!!」

はみ出し者が―――― この世界においてもそれは適用される、"社会不適合者"達が集められた外れもの部隊。
嘗て彼女もまた其処に所属する事を勧められたことがあった……無論、それを呑み込むことは無かった、が。
自分と余りにも近しい存在。"捕食"の概念を持つ、"はぐれ者"が"夜へと墜ちている"という事実を受けて、戦慄した。
まるで、未来の自分を見ている様だった。お前は時機にこうなるのだと、見せ付けられている様で―――― 悪寒が奔る。
それを振り払う様に、ランスを振るった。それは深々と突き刺さり、鮮血を散らし、大きなダメージを与えた……様に見える。
だが。その直後伸ばされた手によって。その身体が拘束される。

「な、そんな……来るな、来るな!許す者か!!この薄汚い手を、離せ――――――――」

彼の短い手足では、届かない距離で在った筈なのに、それは腕を次々と連ねて……それが、此方へと到達しようとした。
ランスを掴まれ……それを振り払おうとした手もまた掴まれ。そして其処に存在する人間の口が、再度それを喰らう。

「―――――――― ぁ、あ、ぁぁあああぁああ!!!!」

ブチリ。左腕の皮膚組織が食い千切られたのが分かった。直後奔る激痛に、咄嗟に右腕を変形させる。
右腕の組織もまた、同様に喰らえただろうが―――――――― それを気にする事も無く、形状は六つの杭が並んだ物へ。
そして一寸の間もなく、一斉にそれが彼へと放たれる事だろう。
551 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/28(日) 22:19:50.55 ID:2NHD3FIf0

シャッ、シャッ、シャッ。刃がボロボロで使い物にならないナイフを、砥石のような何かで砥ぐ。

刃が欠けてしまわないように慎重、且つ切れ味が荒めになるよう調整する。最近になってようやくコツの分かりかけてきた作業だが、あまりいい気分はしない。
荒くするのは――――斬る必要がないからだ。どうせこの耐久性では一度か二度の使用で少なからず壊れるだろう。だから、斬るより突きさす&が効率的だ。
刺した後に刃の部分だけを折り、切り離す。体内に残った刃を取り出すことは難しく、適度に錆びた刃は病原菌を繁殖させる。多少卑怯だが、気にはしない。
この世界では遠慮したほうが死ぬ、そんな単純でクソッタレなふざけた世界。嗚呼ムカつく、ムカつく。――――俺を含むすべての人間が、酷く。

「…………チッ。」

一人になるといつもこうだ。時間があれば常に思考が悪い方へと動き、その全てを他人に擦り付ける形で収束する。
間違っているという事は理解しているが、治せるかと言えばそうでは無い。例えるのならば――――臆病者の擦り付け。弱きものの遠吠え程滑稽なものは存在し得ないだろう。
彼はただ、自己を肯定するためだけに他人を敵と認定する。命の恩人、いい人、ああ分かっている。だが、この心の奥のどす黒い何かが外れてくれない。


――――廃墟ビルの一室。僅かな埃とアルコールランプに照らされた都市の端。其処に 彼はいた。
552 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/28(日) 22:19:51.18 ID:RJ7F3P/y0
>>545
その拳は確かに人外級のダメージを誇った。
魔獣でも大きく吹き飛ばされるような個体もいただろう、彼女の拳にはそういう「自信」というモノを感じた。
だが─────

「──成る程」

その「握力」の籠った拳を握り返してのは他でも無い、スカヤであった。

「判断した、貴様は俺と戦うのが相応しい」
「丁度飢えていたのだ……良いだろう?」

その言葉から分かる「嗤い」。スカヤにとって、その一撃は「目覚まし」程度のモノでしかなかった。

「…SHEEEELLLLLLLLL……」

そしてもう片方の掌を端子の目の前に掲げ、有り余った電撃を放っていく。
もしこれが当たったのならば、強い電圧で痺れ怯む可能性が高い。

───もう一度言おう、決して端子の一撃は必殺ではないというわけではなかった。
目覚めたばかりのスカヤが力を溜めに溜めていた事が、この戦況を物語っている。
553 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/09/28(日) 22:24:32.38 ID:CcBfvChCo
>>548

「遠慮してるわけじゃないんですけどね、うん」

ふう、と車椅子の背凭れに寄り掛かるようにしていると、少女の目線が自分と同じになった
それを見て、話し相手になってくれるのだろうかと少し嬉しくなる
その感情ははにかみとして顔に表れて

「僕は神宮司 茉冬。偶然、僕も《焔装》使いなんだ」

《焔装》について切り出す際の彗月の様子、先程までとは少しだけ違う、言い出しにくそうな感じを覚えて
務めて軽く、さらっと自分もそうだと返答する
続いて「こんなだけどね」と自分の車椅子を示しながら言うとおり、あまり戦闘に秀でているようには見えないだろう
554 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/28(日) 22:27:23.79 ID:oFU6QQ/+0
>>544>>549
君は分かりやすい感情を見せてくれるね。うん
質問しても応じてくれそうじゃないし・・・・・
まあ、さくっと殺すなら僕としても君みたいなのがやりやすいけど

【台詞の節々に舐めた言葉を混ぜながら】
【相変わらず薄ら笑いは消えやしない。完全に舐めきっているらしく、蹴りへの反応が一瞬遅れた】
【少年はとっさに小剣を地面に突き刺し、地面を媒体にして魔獣を作り出す】
【生成する魔獣は『ゴーレム』 全身が鉱物の魔獣は、防御力はかなりのものなのだが・・・・・・】

・・・・・・すごいな。衝撃が盾にしたゴーレムを超えてくるなんて

【盾にしたゴーレムは砕け散り、塵となって空を舞っていた】
【後ろに何歩か後ずさり、よろめきながら少年は感心する。相変わらず余裕で】
【そこへ繰り出される巨大な両刃剣の突き。魔獣を生成する間も防御する間もなく直撃し、後方の壁へ突き飛ばされる】

いったいなぁ。傷を受けたのはいつ振りかな

【服の埃を払いながら少年は起き上がる】
【破れたドレスの奥からは血が溢れ、腸がこぼれそうに成っているが今も徐々に回復している最中】
【魔獣に一度攻撃を当てた程度じゃ致命傷にはならない】

二対一だとちょっときついかも
―――二対一じゃ、ね

【そういうと少年はくるりと小剣を手の中でまわし、壁を切りつけた】
【そしてその切り口からわらわらと湧いて出る、朽ちた人影】

さて、何対何かなこれは。まあいいや
いけ、『ゾンビ』達!

【大量に湧き出たゾンビたちがうめきながら、ゆっくりゆっくり漣のように二人に襲い掛かった!】

//遅く長くなり申し訳ないです・・・・・・
//ゾンビたちには確殺しながら無双してもらっても大丈夫です!
555 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/28(日) 22:32:03.16 ID:TS4waWru0
>>552

「あ、あららら」

手を振り切って初めて違和感に気付く。
女の幻視した脳漿の飛び散る光景は無く、代わりに感じたのは鈍痛。はっきりと見れば、己以上の力で握りしめる魔獣の腕が。

「やっぱりヤクザさんの喧嘩みたいにはいかないか……」
「ていうか、私の知ってる魔獣とはちと違う感じ?」

受け止めるどころか、この一撃で倒せない魔獣になど出会った例しはなかった。そう、今までは。
この相手からは知性だけでなく、尋常ならぬ威圧を感じる。握られた手から順に、ぶすぶすと煙を上げて焦げ往く其れも同じ。

「っこの、防御力、来い!」

叫べばぎらりとピエロの眼が光る。直後、女の体を蝕んでいた電流が瞬時に消失。代わりに白髪がぽつぽつと若干立ち上がって。

『ピコーン。表皮の“電気抵抗”を0近くまで低下』

無機質な声で呟くピエロ。その意を汲みとり、電流を体表から周囲に逃がしたのを確認し。
いかにも強固そうな腹部に、内臓も捩じ切れよとばかり女は渾身の左アッパーを放つ。
556 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/28(日) 22:32:34.12 ID:nx0oi1VXo
>>550
「――あアもう。大分、僕が持っていかれた、ナあ?
食べナイと。食べなイト。ああ、飢えル、渇ク。足りナイ。足りなインダよ。
敵ヲ食べテモ。仲間ヲ食べてモ。――だかラ、モッと強くならなキャ。『夜』をタベル為に」

相手の感傷など、相手の恐怖など、相手の嫌悪など知ったことではないとばかりに。
相手の肉体を掴んだ側から喰らいつき、咀嚼し、己の力として取り込んでいく。同種の力だったからだろうか。
この魔獣の力は、徐々に増していくのが露骨に見える程ではあった。しかし、それでも負傷によって失われた分を考慮すれば、丁度均衡しているレベルではあるが。
比較的整った人間の顔と、小柄な肉体からは無数の腕や触手を飛び出させている。それが、人の要素と人から外れた性質を同居させ、唯のバケモノよりも返って醜悪な姿を生み出していた。

「うん。でもなんだ、よく似た君の味は、中々悪くないね。好みだ。――君が、堕ちたら。きっと、もっと美味しいんだろう」

変形させた右腕。そして、変形の直後に緩くなった組織をまた食いちぎり、体内に取り込んで。
直後、深々と己の肉体へと杭が突き刺さり、その衝撃で魔獣は数m程後ろに吹き飛び、たたらを踏んだ。
己の肉体の随所に風穴を開け、突き刺さる杭。それは次第に黒い色に染まっていき、ずるりと魔獣の体内と同化していき。
ぐじゅりぐじゅりと、胴体と全身の風穴を埋めるように肉が周囲から染みだしていき、その穴を塞いでいこうとしていた。

「見逃スよ? 君ハもっト強くナルべきだ。
もっと強ク、魔獣も焔装も月装も喰らって喰らって、強クなるべきダ。その方ガ、僕も嬉しイから、ネ」

少年は、己のサイズを小さくする事で傷のサイズ自体を小さくし、己の治癒を早め始める。
そして、何を思ったのか。相手を見逃すとすら言い始めた。元人で、異形の姿ではあっても、多少の理性を持ちえるだろうこの魔獣。
魔獣の思考から導き出された悪性の策略が、相手を見逃すという思考に至らせたのだろう。
557 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/09/28(日) 22:32:54.96 ID:WlLuN4G0o
>>543

「―――……どうしたのですか?」

【不意に掛けられる声。彼女がその声の方向へと首を動かせば、近くに立つその女の姿が見えるだろう】
【頭に被ったウィンプルから前髪が少しはみ出ており、その身に纏う修道服の脚部に大きなスリットが有る以外は、極普通の修道女だ】
【俗にシスターと呼ばれるその女は、まるで《夜》が来る前のように声を上げていた彼女を不思議そうに見つめていた】

「……こんな所に居ると、危ないと思うのですが……」

【女の心配は尤もだろう。魔獣は勿論、此処は崩壊を免れているとはいえ周りは何時壊れても可怪しくない建物ばかりだ】
【しかし、そんな状況で手にメモ帳とボールペンを持ち、あまつさえ机に座って駄々をこねる子のように言葉を紡ぐ】
【形容するなら、能天気だろうか。もしかしたら彼女も《焔》か《月》持ちなのか、なんて予想してみたりして】
【兎も角、詳細は近くに行ってみないと分からない。彼女へと歩み寄りながら、女はそう声を掛ける】

/まだ宜しければ!
558 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 22:42:27.51 ID:i3gFZAD00
>>553

お、笑った

【視線を同じにしてようやく笑みを浮かべた少年】
【表情を隠されたり萎縮されたりするよりもよっぽど嬉しいことだった】
【それに今は休息時間、こうして誰かとの会話を楽しむのも悪くないだろう】

茉冬も私と同じ《焔装》使いか
なんと言うか、嬉しい偶然だな

【その表情は変わらないものの、何処となく嬉しそうな様子で】
【その理由は、同じ《焔装》持ちの人との交流の機会がこれまで殆ど無かったから、だけではないだろう】
【一見他人に興味がないような性格も、案外人に飢えていたりするものなのだ】

んー…、ならその脚は魔獣にやられたのか?

【そうして車椅子を指差しながら、疑問に思ったことをそのまま口にする】
559 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/28(日) 22:46:14.81 ID:S8svD+9M0
>>557
未来は机の上から飛び降りると、傍らに置いてあった布、何かが包まれたそれを手に取った。

「へーき、へーき。魔獣が来たらすぐにわかるよ。あの独特の気配、あれに対しては警戒いてるし」

布を取って見せるとそれは剣の《月装》。真っ直ぐで歪みの無いそれは一目で未来が《月装》の使い手であることが分かるだろう。
しかし相手が人間でよかった。最近は街中でも魔獣に遭遇することが多くなっている気がする。
それだけにある心配がある。

「お姉さんこそ夜道を歩いていたら危ないんじゃないの?」

と言っても太陽が閉ざされたこの世界。町を歩くには月明かりを頼りに暗闇の下を歩く必要があるのだが……。

/いまーす。お願いしますね
560 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/28(日) 22:47:32.96 ID:RlfeM5mGo
>>556
例えば人間と言うのは、何処まで行っても。たとえ口では何と言おうとも、その根底には、一つのセーフティーがあると思っている。

自分だけは大丈夫。

世界が幾ら危なかろうとも、自分だけは死にはしないだろう。魔獣が襲い掛かろうとも、自分だけは何とかなるだろう。
例え焔装を酷使しようとも―――――――― 自分だけは、大丈夫だろう。"何とかなる"だろう。

そう言う思考は彼女にもあった―――― 今まさに覆された。
小柄な少年の身体。幼い少年の顔。其処から蠢く腕や触手、醜い、人間と言う尊厳を台無しにする様な余りにも冒涜的な姿。
捕食と言う『概念』。其処から来る『焔装』。『夜』をも喰らおうとする貪欲。そのどれもが、まるで自分のようであった。
まるで"お前は何れこうなるんだ"と突きつけられている様であった。漸く其処で彼女は夢心地から、現実を見せられた。

虚栄心の向こう側、恐怖心の塊が揺れ動く。罅割れた虚栄心から、金鍍金の心から、恐怖心が這い出てこようとする。
必死に抑えようとしても―――― どうしようもなかった。

「……嫌、だ」

激しい拒絶の意思であったが、其処には"強さの欠片"も無かった。


「私は……嫌だ……魔獣に何て……なりたくない……!!!
 違う……お前は……お前なんて……認めない……!お前なんて、私じゃないんだ……!!!

  わたし    おまえ
  お 前 は 、 私 じ ゃ な い ん だ ッ ! ! ! !」


攻撃の手を止めた彼へと向けて―――――――― 錯乱か。右腕を変形、再度捕食形態を見せて、彼へと向かわせた。
けれど、その一撃は今までに比べれば―――― 余りにも弱々しい。
祈り、とか。願い、とか。言うならば、そんな物に近い。
561 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/28(日) 22:51:48.21 ID:V44OSrb70
>>551

んっしょっと……

【どんっ、どんっ、と異様な音が近くで響く】
【其の音に疑問を感じて窓の外を見てみれば、其処には背中から生えた八本の紫腕で、壁を登る異形な人が視界に映る筈】
【その人はやがて窓に一本手を掛け、男のいる部屋に入るのだ】
【其れは少女で、両腕が無い事と紫腕が背中から生えていることを除けば普通の人間だ】
【次いで背中の腕は全て霧散し、少女はナイフを砥石のような何かで研ぐ男に問いかけた】
【偶々偶然、少女は男が居た一室に入ったらしく。其の存在を察知もしていなかった】

あれー…こんな所に人が居る…ねぇ、何してるの?

//ド下手ですが!宜しければお願いします!(´・ω・`)
562 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/28(日) 22:55:44.64 ID:RJ7F3P/y0
>>555
「パワー勝負か、良かろう!」

腹部に向けた強烈な一撃。その腕を切らんと右腕で手刀の構えを取る。

「俺は「昆虫」怪人…蟲の「長所」がこの身体に組み込まれているのだッ!」

手刀の刃の部分が徐々に本当の「刃」のように変化する。まるでその鋭さは「蟷螂」のよう。

「今日は頗る調子が良い……まるで俺が俺として生まれた時のように───!」

勢い良く振りかぶった手刀は端子が放つ腹部への打撃を上から断つように振り下ろされる。
断つのが先か、当たるのが先か。その決着を知るのは誰か。
563 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/28(日) 22:58:52.34 ID:KF2zdgjE0
>>549>>554
「なんだこいつ!?」

魔獣へ向けて放った蹴りは突如現れたゴーレムによって防がれる
やはりそう簡単には倒せないか、ゴーレムを蹴り砕き相手の能力が何か考えていると後ろから魔獣へ向けて斬撃が飛んでいく
一体なんだ、と思わず後ろに振り向くとそこには大剣を構えたジークが

「おっさん、月装使いだったのか?」

一般人だと思っていたため、多少驚く
だが、直ぐに気を取り戻し魔獣に視線を戻す

「逃げろ、って言っといてなんだがこいつを倒すの手伝ってくれ」

片腕が負傷しているとはいえ月装使いがいるなら話は別だ
これなら勝てるかもしれない、そう思っていると大量のゾンビが呼び出され、こちらに襲いかかってくる

「ハッ、こんな雑魚で俺を倒せるとでも思ったか!」

ゾンビの体を殴り、蹴り、或いは投げ飛ばしていく
負傷した腕の方からの攻撃にも近くにいたゾンビを投げつけることにより、冷静に対処していく
だが、いくら倒してもきりがないため魔獣本体に狙いを定め、ゾンビを蹴散らし近づいていく

「オラァッ!」

目の前のゾンビの頭を掴み、桐谷へと投げつける
564 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/28(日) 23:01:09.98 ID:nx0oi1VXo
>>560
「でも。僕ハお前ニなれルんだヨ」

己に向かっていく相手の捕食形態。それを見ながら、少年は微笑みを浮かべて。差し出すように、己の右腕を前へと伸ばす。
その顔がどろりと崩れ、形を再度取り戻した時に、少年は相手の顎に深々と右腕を食いちぎられていた。
そして、そこにいた少年だったものは、一人の少女を形作っていた。その顔は、そう。今魔獣の腕を食いちぎった張本人のそれと、寸分違わない形を作っていたのだ。

「オマエ。焔装使イなら、分かルだろ。俺達は。こう≠ネルか。死ぬかシカなイんだ。
ッハヒ、現実を見ろよ。オマエは、こうなる<唐セ。さあ、消しテしまイたいんだろ?
俺を隅から隅マで喰らいタイんだろ? ――いいゼ? タダ、そしたらもう。オマエはオレ≠セケどナ」

少年の右腕は、相手の想定以上の質量と、力を持ち合わせていただろう。
そして、何よりも――無数の意思が。相手の力が己と同質である事を予測した魔獣は、食らわせる事で相手を無力化しようとした。
捕食すると同時に、腕に内包された捕食された無数の意思と、魔獣の人としての葛藤、焔装使いの狂気が相手に流れこむこととなるかもしれない。
この魔獣を喰らい続ければ、この魔獣になってしまうという事を、理解させるような、そのような狂気が相手に差し出した右手には濃縮されていて。

「――アア。このまマ魔獣になッテモ。人に縋り付イテも。随分美味しイ餌≠ノなりソうだ」

少女の顔のまま朗らかに笑い、全身から無数の腕と触手を生やしたまま。
ずるりと延長された人の腕を伸ばし、相手の頬を静かに優しく、撫でようとするだろう。
565 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/09/28(日) 23:01:28.63 ID:WlLuN4G0o
>>559
【彼女が布に包まれていた何かを取り出せば、それは長剣。種別の違いこそあれど、女には分かった。それが《月装》であると】
【《月装》。長所を武器にし、魔獣へと対抗できる《持つ者》の一角。《月》に適合した一人が彼女なのだ】
【なるほど、と小さく声を漏らし、それから表情を何時もの柔らかな微笑みへと変える】

「私、ですか? 心配には及びません、私も魔獣の気配は分かりますし―――

 ―――其処らの魔獣や暴漢には、負けませんから」

【女は微笑みを崩さないままそう言い放つが、彼女のように明確な武器を所持しているというわけではなさそうだ】
【そして、魔獣の気配が分かる。ならば、この女が何者なのか予想は付くはずだ】

「アンナ=ラウレベッカと申します。
 ところで、先ほどは何を見てらっしゃったのですか? 何やら、メモ帳のような―――」

【彼女へと歩み寄れば、まずは軽く自己紹介。そして、先程より気になっていた疑問を彼女へとぶつけた】
【女―――アンナの視線の先には《月装》の登場で机に置いたかもしれないメモ帳。それに何が書かれているのか、である】
566 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/28(日) 23:02:39.26 ID:2NHD3FIf0
>>561

「―――――ッッ!!!??」

――――瞬間。アルコールランプの揺れと共に彼の姿が掻き消える=B正確にいえば彼の月装能力隠蔽論≠ノよるステルス=B
ドン、ドンという大きすぎる音にすら気づけないほど、彼は自らと自問自答を行っていて。そして唐突に現れた余りにも人とかけ離れている℃pの少女に驚愕し
自らの生存本能の赴くままステルス能力を発動させる。――――数秒の後に、彼女の言葉への返答があるだろう。


「…………始めに問う。お前は人≠ナいいんだな?」

僅かに空間の歪みがある場所――――恐らく、彼女の眼にも明かり≠ェある故分かりやすく映る箇所。相手からは分かり辛いが、今まさに砥いでいたナイフを右手に持ち替える。
腰を軽く落とし、臨戦態勢。体のつくりとしては背中の腕以外に変なところは無く、魔獣特有のヤバい°C配も感じられ無かった。しかし、いくらなんでもこのご時世
唐突に現れた人間に何の警戒もせず話しかけられる人間などそう居る筈が無い―――――彼が臆病なだけかもしれないが。少なくとも彼は臆病者≠セった。

霧散するように消えた背中の腕、そして何の警戒心も無く無邪気に問うその声色に警戒心を削がれつつ。「罠かもしれない」と脳内の黒い部分が囁きかける
取敢えずは自己申告を聞いて判断する他無いだろう。安心しろ、落ち着け。心に語り掛ける声とは裏腹に―――彼の心は揺らいでいた。

//此方こそよろしくお願いしますー!
567 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/09/28(日) 23:06:54.46 ID:CcBfvChCo
>>558

『笑った』と口に出されて初めて気づく、そういえば最近笑っていなかったという簡単な事実
いつ以来だろうな、と自然と零れ出る笑みを抑えもせず

「そりゃあ、僕だって笑いますよ
 《焔装》使いとか以前に、僕の場合は人と話したの自体がもう久しぶりで……」」

寧ろ無愛想なのはそっちじゃないか―――なんて、口には出せないことを考えたところで
互いの共通点を見出し、柔らかくなる雰囲気を覚える
そうして感じるのは、この少女もきっと《夜》に怯え、孤独と戦っている……そんなこと

「いえ、これはもっと前……ずっと小さいころの事故が原因なんです」
自分でもよく覚えていないくらい昔の話だと彼はいう
だからだろうか。下半身の障碍などという甚大なるハンデを背負っていながら、こうして自然に笑うことができているのは
もし魔獣にやられて、突然身体の自由を失ったのならきっと笑うことなど出来やしない
568 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/28(日) 23:08:35.60 ID:TS4waWru0
>>562

(あ、やばい)

相手が構えた瞬間、背筋をぞわりと寒気が襲った。
昆虫の凄さは知っている。《夜》が来る前に山野があった頃、食料として散々追いかけ回した彼ら。
何度も指の間をすり抜けていったあの力強さ、それが人間大になればその強度は如何ほどばかりか。楽に想像できてしまい。女の額にたらりと汗が一滴浮かび。

「あ、ああああ!?」

それは、肉を刃が裂く感触で、素っ頓狂な悲鳴と共に一気に増加される。

「ぱ、パワー追加ぁ!」

慌てて声を発したのは宙で前腕を骨の半ばまで切り込まれた時。
引いても間に合わない、どころかそうすればあのギザギザの鋸刃で更にずたずたにやられるだろう。
選んだのは突貫、拳の上下を返し、断たれかけた左手を押し込まんと。それを後押しするように、瞬発力を強化された左足を前に踏み出す。
正拳追い突きのような形で威力を増した其れは、相手の装甲を破れるのか。
569 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/28(日) 23:09:41.23 ID:idEWq8jH0
>>554>>563
       ムーンライトソード
「月装……月明かりの光の剣」

【手応えあり。後ろに吹っ飛ばされる少年に向けて、再び剣を構え直す】

「そうとも……力をつけておくのは、悪い事ではないだろう?」

【驚いたような青年の声に、前を向いたまま答える】

「それより、気を付けろ……あの魔獣、妙な術を使ってくるらしい……」

【そうこうしていれば、吹っ飛ばされた魔獣が、小刀で壁に傷をつけた。そこから湧いてくる、無数の腐れ人達。改めて剣を握り直しつつ、魔獣の行動を分析する】

「(成る程、あのナイフ……あれが鍵らしいな)」

【迫りくるゾンビ達に向けて、月光の刃が煌めく!】
【大きく掛け声をかけ、その鈍重な刃でもって敵を蹴散らす。巨大な刃に向けての物量は、まったく無力ともいえただろう】
【ゾンビ達をまとめて袈裟斬りにしながら、少年へと近づき、間合いへ入る。とっさに数歩距離を詰め、大きく振りかぶり剣を振る!狙いは、小剣を持った腕!】

「うらああああぁっ!!!」

【鈍重な暗月の刃が、残光を残し振り下ろされた!】
570 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/28(日) 23:21:42.27 ID:S8svD+9M0
>>565
『―――其処らの魔獣や暴漢には、負けませんから』

すぐに理解する。彼女が《焔装》の使い手であることを。
体術に優れる人間や外見だけでは判断することが困難な《月装》使いは確かに存在するが目の前の女の気配はそういったものでは無い。
半ば勘ではあるが恐らく間違いでは無い。はっとした表情ですぐさま言葉を返す。

「それこそ一人で行動しない方がいいじゃん! 私達で対処出来るやつとかアホみたいな相手に使うとか勿体ないし危険だよ!」
「私は未来、自警団本部によく出入りしてるから言ってくれたらそういうのやるよ」

その動揺が机に置いたメモ帳を隠すことを遅れさせる。

・可能性
《焔装》と魔獣の力が同質であれば魔獣が全てもともとは人間である可能性が
《夜》の襲来。引き連れた魔獣は不自然。
《夜》が平衡世界から繋がった?または未発見の事象が唐突に現れる可能性はあるのか
《月装》《焔装》その存在自体が不自然。負の力で発現するならとっくに世界は《焔装》使いで埋まっている
月によって世界の概念が書き換えられたか

内容は殴り書き。内容は突拍子もないもの。ただ何か行動するのには未来は方針が欲しかったのだ。

「っちょ、待って!」

手を伸ばして隠そうとするも彼女が書き込んでいた内容を見ることはたやすい。
571 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/28(日) 23:22:05.51 ID:RJ7F3P/y0
>>568
「向かってくるか───女!」

自らの刃でズタズタになりながらも振り抜く彼女の拳。
その拳は勢いが功を奏したか、見事にスカヤの腹部に直撃、ヒビまで生えさせる程の威力を発揮した。

「何という闘志…益々やる気にさせてくらるが─────」

だが、スカヤは既に腕を「振り下ろしていた」。その鋸刃は間違いなく端子の腕に当たっていたが、振り下ろした今、殴った腕はどうなっているだろうか───。

「最近……名の知れた魔獣が死んだそうだが」
「ニンゲン、確かに魔獣にも死は訪れるが───何もニンゲンによって死ぬのは稀な例である事を忘れるな」
「魔獣は常に、貴様達の上を行く……そして滅ぼすまで、殺戮をやめることもない!」

そのまま前へ転回し、勢いをつけ、電撃を帯びた飛び蹴りを放つ。大きな体躯が、筋肉が、関節が大きなバネとなり、速度をどんどん重ねていく。
もし、避けずに喰らえば、その衝撃は並のニンゲンならカタチすら保てないような一撃。蹴撃は外部を傷つけ、流れ込む電撃は内部からとことん破壊するだろう。
572 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/28(日) 23:22:13.13 ID:oFU6QQ/+0
>>569>>563
倒せるとは思ってないよ。時間稼ぎぐらいにはなるかなと思ったんだけど
・・・・・・時間稼ぎにもならないなぁ、これじゃあ。

【けしかけたゾンビ達はまるで藁のようになぎ倒されていく】
【投げつけられたゾンビを叩き落して、少年はため息をつこうとしたその一瞬】
【ソンビが視界を埋めた、その一瞬に】

っ!?

【腕に響いた鈍い痛み。切り落とされた腕がごろんと地面に転がって】

年の功、ってやつかな。勘がいいね・・・・・・
それとも露骨過ぎたかな・・・・・・

【張り付いていた薄ら笑いが遂に消え、少年は始めてあせりを見せる】
【とにかく、なんとしてでも小剣を取り戻さないと】
【慌てて小剣を拾おうとする少年は今は完全に無防備だ】
573 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/28(日) 23:23:17.90 ID:RlfeM5mGo
>>564
右腕が、彼の身体を食い千切った。其の口の中のそれは、大きさの割に、酷く大きく、そして……。
それを喰らった右腕が、狂ったような金切声を挙げた。彼女の意思とは無関係に大きな声を挙げた。

「……これは……嫌だ、は、入ってくるな!!私の中に……来るなぁ!!!」

ぐにゃり、ぐにゃりと姿を変え出した。或いは人の姿へと、或いは魔獣の姿を模して、続け様にグルグルと、忙しなくその姿が変わる。
頭の中に流れ込んでくる無数の意思、葛藤、狂気……それが、彼の喰らった物なのだとは、直ぐに想像がついた。
自分も何れ、そうなるのか。認めたくない。縋る様に、右腕へと向けていた視線を、彼へと向ければ、そこにいたのは。

間違いなく。


「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ―――――――― 違う!お前は私じゃない!!

 やめ……やめろ、やめて……!!私は違う……私は私なのに……!お前は私じゃないのに……!!
 その顔で、私に……触れるなぁ!!」


撫でようと、"自分の顔"で"自分"へと手を伸ばすその手を叩いて、拒絶し―――――――― 其処から堰を切る様に。
等々耐え切れずに、其処から逃げ出そうとした。抑えつけた恐怖心が限界点を迎えて、潰走する虚栄心と共に、その場へと背を向けた。
間抜けにも缶詰を踏ん付けて、地面へと身体を叩き付ける。惨めにも、這いつくばって、其処から逃げ出そうとする。
背を討つのは簡単だろう。このまま逃したとしても、恐らくは――――――――。
574 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/28(日) 23:29:06.77 ID:V44OSrb70
>>566

人ッ!人だよッ!!だからナイフを置いてー!

【臨戦態勢を取る男に対し、少女は怯えた様子で声を搾り出す】
【少女が敵と見做すの《夜》だけ……人間は敵では無く、警戒を抱きもしない】
【余程の事が無い限り、背中の腕が人に猛威を振るうことは無い】
【だが少女の背からは、小さな一本の腕が顕現している。男からは見えない位置に】
【男がナイフで此方に攻撃して来た時に、其れを防ぐ為に】
【そして男がナイフを振るって来たのなら防ぎつつ、何の躊躇いも無く窓から飛び降りる】
【その場合は手をクッションにすればいいのだから、何の問題も無い】
575 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/28(日) 23:31:38.09 ID:i3gFZAD00
>>567

【他人の表情を見るなら、笑っている表情を見る方が良いに決まっている】
【尤もそう考えている少女自身、無愛想で笑みを滅多に見せることがないのだが】
【ただ、ほんの少しだけ、口元を緩めるのだった】

子供の頃から……か
そりゃ大変だったろ、特に《夜》が始めて来た時とか

【自然な笑みを浮かべて語る少年を見て、少なからず抱いたのは尊敬の念】
【幼少期からハンディキャップを背負い、こうして笑うことができるというのは】
【色んな意味で、強い。そしてその強さは自分が憧れ求めたものにとても似ていた】

……あー、こういうのも偶にはいいな
茉冬、アンタと話していると落ち着けるよ

【同じ焔装使い同士だからか、心労のない会話が何とも心地良く感じられて】
【少女は黒髪を掻きながら、大きく伸びをした】
576 :Doctor-P ◆Dr.P1q/46w [sage saga]:2014/09/28(日) 23:35:18.79 ID:nx0oi1VXo
>>573
「あハ。アハハハッハハハ――――!! どうダイ? 天にモ昇ルヨうな味だロう!? ――美味しイ? 美味しイダロうなァ!? 悶えルくらイ、美味しいんダロ!?」

腕が形を変え、叫びながらこちらへと目線を向ける相手。そして、対するのは相手と同じ顔。
歓喜だ。自分好みに相手が調理≠ウれている事に対する。
何処までも、飽くまでも。この存在は、食欲を軸として行動している。こうして相手を即座に殺さず、真綿で首を絞めるような振る舞いをするのも。
全ては、相手をより喰らい甲斐のある存在へと、肥育≠キる為にすぎない。そこには、かつて人が家畜に向けていたそれ並の感情しか、存在しなかった。

「――いやキミは」
「「僕」」 「「「私」」」「「「「俺」」」」「自分」「「だよ」」「「楽しみ」」「「ダな」」「「「あ」」」「「「「キミが」」」」
「がどんな味になるのか」

去っていく相手を追う事は無い。だが、背からは無数の声が相手に向けられている。
後ろを振り向けば、きっと全身に現れた無数の口が、それぞれ好き勝手に動き言葉を吐き出している姿が存在したのだろう。
全身を静かに震わせて、走り去っていく相手を、見逃した。これから彼女が、どのような味になるのかに思いを馳せて。

「……あ。缶詰ダ。……イタダキマス」

足元の缶詰を拾い上げ。缶詰を缶のまま己の体内にズルリと取り込んで。
そのまま、踵を返してのんびりと夜を歩き出すのであった。
//お疲れ様でした!
577 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/28(日) 23:37:03.15 ID:KF2zdgjE0
>>572>>569
「チッ、やっぱりこの程度は防ぐか」

投げつけたゾンビは簡単に叩き落とされる
やはり、接近戦に持ち込むしかなさそうだ――次の瞬間、桐谷の腕が切り落とされる
隙が出来た、自身の出せる最高の速度で走り、桐谷に近づいていく

「おっさん、ナイスだ!」

魔獣の能力の起点はどうやらあの短剣らしい
ならば、短剣を拾わせるわけにはいかない
このまま魔獣に近づけたなら、その無防備な背中に破壊の概念を付加した蹴りを放つつもりだ
578 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/28(日) 23:39:42.19 ID:TS4waWru0
>>571

「ッッ!!」

直撃。ぶちぶちと筋が、骨が、内臓が潰れる音。水切りの石ころのように、女の身体はてんてんと2、3度地を撥ねて。
そして相手の足元に、持ち主を失った左手がぼとりと落ちる。

『おぅーい、まだ生きてるかー』
「――――だ、黙って……回復力増、加……」

何時ものような冗談を飛ばす余裕もない。この相手に比べれば今までの魔獣など野良犬猫に等しい。
咄嗟に左足で後ろに飛んで衝撃を殺したものの、それを上回って余りある蹴撃。腹部にくっきり残る足型が、その威力を雄弁に物語っていて。
それを喰らって立ち上がるのは、自己治癒力を限界以上に高めたおかげか。腕があった所を右手で押さえて、よろよろと立ち上がる。

「はは、はは…………じゃあさ、その稀な例を積み重ねれば、それはやがて普通に成り上がる訳だ――」
「私らの底力、侮ってもらっちゃ――――あ、ちょっとだけなら侮ってもOKよ?」

「糞ピエロ、サポート強化!」『がってん』

言うが早いかどんっ、と地を蹴って一直線。強化された左足の一歩は今までとは比較にならず。
だが片足だけの不安定さか、それとも腕を失った影響か。至近距離まで迫る目前でぐらりとバランスを崩す。
579 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/28(日) 23:42:20.25 ID:idEWq8jH0
>>572>>577
「このジークローラン、無駄に年を食ったわけではないわ!」

【見事、魔獣の腕を切り落とす事に成功する。だが、まだ油断はならない。こいつの息の根を止めないうちは、何をするかわからない】
【その時……目の前の魔獣は、余程大事とばかりに小剣を拾う隙を見せたのだ!またとないチャンス!当然、これを彼が逃すはずもない!】

「敵前で隙を見せるとは……愚かな!」

【吐き捨てるように叫び、慣性に任せてそのまま身体を回転させる。剣を振り下ろした勢いを利用し、それを二撃目への始動へと繋げたのだ!両手でのしっかりとした支えもあり、その勢いは一撃目よりも増している】
【間髪入れず、鈍重な二撃目が加速度的に魔獣へと放たれる。狙いは……胴!】
【いくら魔獣といえども、この強烈な一撃をまともにもらえばただでは済まないだろう】

「死にくされ!とどめだ、我が怒りを知るが良い!」

580 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/09/28(日) 23:43:07.25 ID:WlLuN4G0o
>>570
「良いのですよ。私達が簡単に対処できてしまう魔獣や暴漢でも、《月装》も《焔装》も持たない人々はその限りではありません。
 魔獣退治は勿論ですが、彼らを救う事が私の使命だと考えていますから」

【ニコッと笑みを浮かべるアンナ。しかし、彼女の言うことは決して間違いではない。現実的に考えればその方が正しいだろう】
【だが、アンナはあくまでもその非現実的な使命を現実のものにしようとしているのだった。何故ならば】

(……『咎』を祓い、償う―――私には、これしか方法が無いのですよ)

【自警団。聞いたことはあるが、本部へと足を踏み入れたことは一度も無かった】
【今までは自分が仕切る生き残った者達の寄り合いの場のことで頭が一杯だったが、行ってみるのも良いかもしれない、なんて思う】

【さて、彼女は慌てて隠そうとするも、それで却って気になってしまうというのが人間の性というもので】
【メモ帳の中身は「可能性」と題名が書かれた数行の文章。……《夜》《魔獣》《焔装・月装》に関することらしい】

「未来さん、あなたがこの"可能性"の欄を?」

【実に興味深いものだった。前述の通り手一杯だったアンナには、このようなことを考える暇がなかったのだが】
【こういった事が分かれば、《朝》を迎えられる確率がほんの少しでも上昇するだろう。少なくとも、彼女はアンナよりかは余程建設的だった】
581 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/28(日) 23:43:19.56 ID:2NHD3FIf0
>>574

彼は、凡人である。曲がりなりにも月装≠ニ呼ばれる武装を装着できる時点で凡人とはかけ離れているのかもしれないが――――精神だけは変わらない。
だから、自らに敵意も無く。怯えてながら此方に絞り出した声に何も感じないというのは随分と難しく。端的に言えば、動揺した。
もし背中に映えている腕が見えていたのならもう少し違う結果が訪れていたのかもしれない。けれど、それ≠ヘちょうど彼の視界より外れている。
身体の内側より生まれそうになるどす黒いナニカ―――嫉妬の様な、そうでは無いような―――を腹の中へと収めつつ(相手の能力を警戒したため)。そのまま少女が不審な動きをしなければステルスを解くだろう。

幾らこの荒廃した世界であろうとも、殺人は自身の心に傷をつける。そんな単純で臆病な心を持った彼は、少女に危害を加える選択をしなかった。
先日出会った彼女の影響なのだろうか――――少しだけ、話をしてみようという気分になっていたのだ。無論、腹にあるナニカは殺意を振り撒いている。
だが、今攻撃する理由が余りにも小さい。先ほど確認しただけでも自身の腕を増やす#\力があることは確認済みであり、恐らく彼の月装では勝てないことも分かり切っていた。

「――――ああ、済まない」
「何しろ急な訪問だったんでな、思わず取り乱してしまった」

右手に持ったナイフをポケットに仕舞う振り≠しつつ、右手のジャケット―――その裾に忍ばせる。僅かにすまなさそうな声色を作って言ったのだから、恐らく分かってくれるだろう。
信じたいが、信じられない。臆病故に常に最低のイメージが脳内を駆け巡る彼の行動は酷く最低で。そして、酷く凡人的≠ネ反応だった。
582 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/09/28(日) 23:53:04.89 ID:CcBfvChCo
>>575

彗月の浮かべた僅かに微笑みを見て少年が思うのは、きっと彼女と同じことで

「うん……そうですね。こうなってからは、かなり。
 それでも色んな人が助けてくれたから」

本当は『助けなど必要ない』と言いたい。それでもこの脆弱な身体がそれを許してはくれない
彼女が少年に"強さ"を見出しているのに反して、少年は自身の"弱さ"を嘆いていた
少年が求めていた"強さ"は、昔から変わらず"自立する強さ"だったから
誰かに頼らず、自分の力で生きていくことを何よりも望んだ。そしてそれはきっと、この先ずっと叶わない。

「それは……良かったです」
微笑みとともに、気恥ずかしそうにまた頬を赤く染めつつ、偽らざる本心を口にする。
こんな自分でも、誰かの役に立てるのならそれはなんて素晴らしいことだろう
伸びをする少女を前に、少年の心は平穏を取り戻していく

「でも本当は、こういう平穏がずっと続けば良いのに、って思うよねえ」
583 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/28(日) 23:55:15.43 ID:RJ7F3P/y0
>>578

「その向かってくる意気や良し」
「だが、腕を落とされた時───それは大きな不利を背負いこむのだよ、ニンゲンも、魔獣も」

腕を落とされても向かってくる意志。
例えそれが強く、歯が立たないような魔獣であっても逃げることをせず、一撃を与えようとする意志に、スカヤはまた「敬意」を評する。

「ありがとう、ニンゲン……貴様のようや強者に、私は敬意を示さなければなるまい」
「名乗っておこう。私の名はスカヤ……六芒=スカヤ」
「苗字まで名乗ったのは貴様が初めてだ…この苗字は魔獣になってから捨てた名であるがな」

かつて魔獣を退け、祖国の為に戦い抜いたが、英雄の出現を危惧した祖国に殺された西国の焔装使い。今やその姿はすっかり消え失せ、常に戦いを求める「蟲」は相手の闘志を昔の自分に重ねる。

「俺の名をその身体に刻み、死んで逝け────!!」

バランスの崩れた相手の身体に合わせ、助走をつけて頭を、角を突き出す。突き刺す為に長く、丈夫に変化させた角は、当たれば、肋骨を砕き、心の臓すらも綺麗に突き刺すであろう。
584 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/28(日) 23:57:11.80 ID:S8svD+9M0
>>580
「とは言ってもあなたがいなくなったら悲しむ人が多くいるでしょ?」

その表情はどこか苦々しい。
確かに戦い抜く力に劣る《月装》の使い手である未来も《焔装》の使い手の頼っていることは事実だ。
しかし同様にその《焔装》使い手の末路を考えると頼りたくない感情も存在する。
その上《焔装》の力の源を考えると、ろくでもない思考の下で行動している人間がいるのも想像に難しくない。

「うえぇ……、はい……」

未来の表情は更に歪む。特に最初の一文、『《焔装》と魔獣の力が同質であれば』つまりこれが示唆するのは既に《焔装》の使い手が既に一部が魔獣と同質のものとなっている可能性があるということだ。
とりあえず注目されたくない部分からは意識を逸らさせよう。それ以外でも話したい内容はある。

「不自然だと思いませんか?《夜》の存在ってそれ以前は多分だけど観測されてないよ。ならどんな原理で急にあらわれたんだと思いますか?」
585 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/29(月) 00:00:14.51 ID:s6PEYtkC0
>>579>>577
【背中に降りかかる大剣と蹴り。威力はどちらも一級、よければ大ダメージは免れない】
【しかし少年は能力の起点となる小剣を失った焦りにより、その攻撃に気づけず】

あぎっ・・・・・・がっ、あああああああああああ!!

【甲高い悲鳴が辺りを埋めつくす】
【二人の攻撃は見事命中し、文字通り真っ二つ、少年の胴体が引き裂かれた】
【千切れた下半身が宙を舞い、鮮血を撒き散らして落ちる】

あ、あ・・・・・・
参ったな、こうもぼろぼろになったのは初めてだよ・・・・・・
再生できるのかな、これでも

【うつろな瞳で二人を見上げる】
【光の無いその目には魔獣らしくない感情、恐怖が映っていた】
586 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/29(月) 00:02:19.02 ID:evT0axcHO
黒い空。太陽は昇らず、人々の活力も生気も失われ、心身は疲れ果て、着々と暗黒へと染まっていく。そうして、呑まれた者達は《夜》と化していくのだ。
それは弱い者から順番に始まる。弱肉強食、そんな自然界特有のルールが人類のルールになったのは、いつからだろう。

あの時の空は、何色だったろう。澄み渡る蒼天を、白き雲を、そして全てを光照らしてくれる太陽は、どこへ行ったのだろう。
いつから、こんな事になってしまったのだろう。何もかもが壊れていく。壊される。

思い浮かぶのは、幼き頃の記憶。それは滔々と揺れる、さ揺らぎの景色。
意味もなく手を伸ばしてみる。暖かい、家族の団欒の景色に向けて。勿論、触れる事は叶わず儚く霞と消えていく。

「……………やめだ、やめ」

こんな行為に何の意味があるのだろう。もう既に終わった事で、戻ってくる事は二度とないというのに。ただ、虚しいだけ。
瓦礫の山と化した街―――――だったものに立つ少年は、静かに、ただ静かに回想をしていた。

/こんな時間ですがかるーく1時間程度付き合ってくだされば…
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/09/29(月) 00:03:05.75 ID:BnDL+XMxo
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588 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 00:06:24.97 ID:mV9yqDR30
>>581
よ、良かった〜……そうだっ…これ食べる?

【男がナイフを仕舞うフリをしたのを見届けると、今度は魔翌力で構成された紫腕が堂々と顕現する】
【その腕は少女の履いているハーフデニムのポケットからぶどう味の飴ちゃんを二つ、器用に取り出した】
【ずっとポケットに入れていた所為で、若干生暖かくなってはいるが食べるには何の支障も無い】
【其れを男に渡そうと、そして其れを受け取れば次はもう一個の包装を破いて自分の口の中に運ぶ】
【生身の腕は、半魔と化した時の戦闘によって失われたのだから魔翌力の腕を使うしかあるまい】
【腕を見せたことは男に警戒心を抱かせるかもしれないが、ナイフを仕舞ってくれた(と思っている)少女が其の事を考えるには至らなかった】

なんでこんな所に居るの?小学校とか…人が居る場所はあるのに…

【と、飴を口中で転がしながら呑気に聞いてみる】
589 :彗月 ◆4lMNAK/M5E [sage]:2014/09/29(月) 00:09:46.32 ID:FGjNbtAx0
>>582

まあ、そりゃそうだな
何時魔獣が襲ってくるかも分からない生活なんかもう懲り懲りだ

【溜息を吐いて、空を仰ぐ】
【《夜》が覆い尽くす、黒く淀んだ空を】

……まあでも、こんな世の中でも生きてりゃ良いことの一つや二つは見つかる
今日こうやってアンタと知り合えたみたいにな

【それでもやはり、辛気臭い雰囲気は性に合わない】
【戻らない過去や先の見えない未来について考えるよりも、今ある幸福を精一杯楽しむに尽きる】
【そうして時間を確認すると、少女は黒髪を掻きながら、ゆっくりと立ち上がる】
【少し前まではやや陰鬱だった気分も、すっかり穏やかなものになっていて】

悪りい、そろそろ仕事の時間だ
また話でもしよーぜ、茉冬

【そう言って今度ははっきりとした笑みを見せると、そのままひらひらと手を振って歩き出した】
590 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/29(月) 00:15:06.64 ID:yXldnOFy0
>>579>>585
「―――しぶといやつだな」
「生命力に重点をおいたタイプの魔獣か?」

蹴りが炸裂し、続けてジークの斬撃が魔獣に直撃する
だが、桐谷は下半身を失ってなお生きている
正しく魔獣と呼ぶのにに相応しい生命力だ

「おっさん、ありがとな」
「一人だとちょっとキツかったかもしれねぇ」

こちらへの恐怖を抱いた桐谷の目
それを見て勝利を確信したのか、既に勝ったつもりでジークに礼を言う
そして、桐谷の武器である短剣を拾い上げ――

「さぁな、その答えはあの世で考えろ」

――その短剣を桐谷の頭へと無造作に降り下ろした
591 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/29(月) 00:16:28.94 ID:sAkiiPdL0
>>583

体勢を崩したたらを踏む女に迫りくる凶悪な角槍。

「……うっせ、スカやんだかスピカだか知らんが、んな敬意(もん)示されても困るしっ」
「それになぁ――――不利が……不利がナンボのもんか!」

目と目が合う瞬間、きっと睨みつけ。最後の一歩で――――その身はするりとすり抜ける。

『ぴこーん。右足裏の摩擦抵抗を0近くまで減少』

ピエロの言葉通り、踏み出した右足はまるで石鹸に乗ったが如く滑らかに。
凹凸の激しい地面をするすると、スケート靴を履いたような動きで、身を屈めて男の股下を潜り抜けていく。
 
「こちとら人生の大半に、飛車角落ちのハンデを喰らってきたんじゃい!」
「私こそは茶毘川某(さびかわなにがし)! 生憎魔獣に教える名の持ち合わせは無ーい!」

すれ違いざま、強化された左足でオーバーヘッドキック。
それが相手の背面に決まるかどうかを確認もせず、すぐさま背を向けて走り出すだろう。

『一旦引くぞアホ女、景気よく使い過ぎてもう素寒貧の手前だ』

深刻そうなピエロの言葉通り、エプロンに浮かぶゲージは最早残り僅か。
加えて身も心も軋みを上げている。血は足りず、腕を失い、内臓を傷め、度重なる焔装使用で精神は擦り減った状態。
左足で血を蹴り、右足で滑るように一目散。言葉では強がっても不利は明らかで、その撤退に迷いはなかった。
592 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/29(月) 00:18:43.13 ID:qTRM5YS30
>>588

「――――? ああ、ありがとう」

此処は貰っておく方がいい。背中の腕に一瞬びくりと反応したが、よく見れば生身の方の腕が無くて―――――成程、そういう事か。
さり気なくアルコールランプの明かりに照らされた飴二つを瞬時に見比べ、そのどちらもが同じ規格≠フものであると確認する。完全に同じかまではわからなかったが、少なくとも似たようなものであることに間違いはないだろう。
其処までをばれない様ごく自然に確認した後。ようやく彼は飴の包装を破いて飴玉を口に入れる―――ああ、甘い。
久方ぶりとも言える濃い味に、自然と口の中が締め付けられるような感覚がもどかしい。昔の記憶を思い出しついふけってしまいそうになるが。目の前に少女がいるからとその追憶はまたの機会に押し留めておく。
僅かな暖かさが、懐かしい。頭が狂ってしまいそうだ

「――――。」
「ハイエナ≠チて、聞いたことないか?」

ハイエナ―――かつて地上に生息していた動物で死体漁り≠ニも呼称された動物の名前。この世界ではもう全滅していて、其の名を冠する動物は存在しない。
だが、それと似たような物事を行う連中。主に人の死体を漁り、所持品を剥ぎ、全てを掻っ攫っていく非人道的な行い≠する人間。または集団。
それらを侮蔑と恐怖の意図を込めハイエナ≠ニ呼ぶ。

こんなことを問いかけに含むという事は少女も直ぐに理解するだろう――――彼もそのハイエナ≠ニ呼ばれる人間の一人っだという事に。
知らなければそれでもいい。だが、知っていたら…………
593 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/09/29(月) 00:20:32.62 ID:MlmxDS7xo
>>584
「悲しむ人……ですか。……そうですね。
 それでも私は、戦う事に決めたのです。それでこそ、私は私自身を救えるのですよ……」

【僅かに言い淀んで、微笑みは何処か儚げなそれへと姿を変えていた。胸の2つの十字架ネックレスを無意識に握る】
【彼女には、アンナの言っていることが良く分からないかもしれない。それもそのはず、アンナの胸中に有るのは「教会が死んだ日」の事】
【自分が死んで"真に悲しんでもらいたい人"はもうこの世に居ない。ならば人々の剣になる事で、その穴を埋めようとしていたのだ】

「原理、ですか。
 私は大学の教授でもない故、科学的な原理などにはてんで無頓着なのですが……それは、もうそんなモノでは測りきれないと思います。
 現に有るではないですか。物理法則で証明出来ない私達の武器が」

【一行目について、アンナは見ていないというわけではなかった。ただ、その心中は彼女と同じ。正直、自分にも実感は有ったのだ】
【とりあえず、言われた事に対して個人的な見解を述べる。端的に言えば、《夜》に対し、物理法則などは全くの無価値である、と】
【彼女の《月装》も、魔獣に対抗できる何らかの特殊な能力が有るのだろう。自分の物に至っては、最早今は姿すら無いのだから】
594 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/29(月) 00:21:39.58 ID:N1WxPgeu0
>>585>>590
「見たか、ハァ……ハァ、これが月装の……人間の力だ……」

【柄から伝わってくる、確かな感覚。完璧に胴体を切断し、初めて安堵した】

「何……貴公の協力あってこそだ……いや、むしろ助けられた……か……」

【しかし、魔獣は未だ何やら呟いているらしい。再度構えて見下ろせば、魔獣の瞳には虚ろな恐怖が映っていた】

「まだ生きているとは、なんというしぶとさか……再生などさせん。貴様を殺さねば、皆が安心して暮らせないのでな」

【両手剣をガッシリと構える。剣先が彼の左胸に向けられ、魔獣である彼に対してだろうと死の恐怖を与えんとする】

「悪く思うなよ」

【冷徹に、ただ一言。暗い銀の刃が、そのまま魔獣の心臓めがけて落とされた】
595 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/09/29(月) 00:21:53.24 ID:UoKCQ6uSo
>>589

『それを終わらせるために僕等がいる』なんて大逸れたことは、これもまた言いたいが言えないことだ
自分の能力でそれが叶わないことは分かっているのだから。出来ないことは言わない。
代わりとばかりに、釣られるように空を睨んで、

「うん、じゃあまた。お仕事、頑張ってくださいね」

少年は座ったまま彼女を見送る。彼女のいう「仕事」が何かを考えないようにしながら。

代わりに思う。
ここまで強烈に自分のことを肯定してくれる人は初めてだ、と
不思議なものだ、今日知り合ったばかりだというのに―――
彼女の後ろ姿が、とても大事なものに見える。

/絡みありがとうございましたー!
596 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/09/29(月) 00:26:17.04 ID:FGjNbtAx0
>>595
/こちらこそ絡みありがとうございました!
597 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs [sage saga]:2014/09/29(月) 00:27:34.32 ID:Bp2gnwXu0
>>591

「───外したか」

最後の足掻きとなる彼女の蹴撃は、スカヤにとっては弱々しく、よろける事もしなかったが、逃げる端子に振り向かなかった。

「女、もしここで俺が追ったならばどうなるであろうな」
「死ぬか?それとも死ぬか?」

そう含み笑いをし、「変身」を解く。
振り向きもせず、ただ其処に突っ立っているだけ。
スカヤの心は満たされた。満足した戦いは久しぶりであった。
この街は飽きない、次はどんな強者と戦えるか───既に「端子」の事は眼中に無い様だが。

「ククッ──ハハハハハハハハハ!!!」
「ニンゲン、今回は俺の勝ちだ!」
「また挑みに来い…次こそは「確実」にこの角で心の臓を貫いてみせよう!」

少女に語るは背中のみ。既に闇に落ちた身であるが、その背中は嘗てのスカヤのようにも見えなくは無かった。

//ここで〆たいと思います、ロールお疲れ様でした!


598 :桐谷 真 ◆xVQ9i9hUdk [saga]:2014/09/29(月) 00:36:04.43 ID:s6PEYtkC0
>>594>>590
【振り下ろされる小剣、突き刺さる刃】
【それらはやけにゆっくりみえて、恐怖がさらに煽られる】

悪く思うな、か・・・・・・
そういうならさ。僕が何百人も殺してきたこと。
それも、悪く思わないでよね。

【意識が途絶える前、最後の一言】
【吐き捨てるような台詞は単なる負け惜しみか、それとも】

(もうちょっと、色々知りたいことがあったんだけどな・・・・・・)

【心臓を貫かれ、脳髄をえぐられて】
【少年は、魔獣は遂に命を止められた―――】

【魔獣 桐谷真 -死亡-】


//おつかれさまでしたー
//レスが遅く、しかも途中からグダグダしてしまい申し訳ないです・・・・・・
599 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/29(月) 00:39:05.53 ID:W4sA3+Xn0
>>593
「そう、それならいいんだけど……、でもあの暗く広がる常夜の奥には太陽があるから。生きることを捨てちゃ駄目だよ」

強がりの様な言動にどこか儚げな様子。誰にも心に秘めたことがあり、それが暗く暗くアンナの奥底で澱んでいる、そんな気がする。
そういったことを感じ取った一方で、未来はアンナの心へ踏み込むことを躊躇した。
触れられたく無い過去もある。そこを荒らすことだけはしてはいけない。
もし自分が彼女にとって支えになれると信じてもらえる時がくるのなら、もし話してくれるのならばいくらでも聞こう。そんな意思の下で。

「私なんか夜がきたときはもっと幼いよ……」

辛うじて残った書物を読み漁ったりもしたがそれでも本格的に学んだ人間には知識に劣る。

「なら物理法則が通用しない理由は? それこそ《夜》が来た日から全くの別の法則がこの宇宙全部ひっくるめて世界に適用されている気がしない?」

その理由はどこかしら魔法や空想上の生物が存在する世界と繋がってしまってその世界の概念が流れ込んでしまったからでは?
仮定の上に仮定を重ねる根拠の無い理論。しかし明確に《夜》の存在を理解することが出来ない現状、こんな推測の仕方以外に方法は無かった。
600 :茶毘川 端子 ◆Z4w/LkAiG2 [sage saga]:2014/09/29(月) 00:42:17.36 ID:sAkiiPdL0
>>597

戦闘から数時間経ち、何処かの廃屋。
そこに、血まみれの女が崩れるようにして入った。

「くっそー、アイツ強過ぎっしょ。手持ちは尽きるし、腕無くなっちったし、もう最悪の日じゃ――――あ痛たた、アドレナリン切れてる」
『一応ほとぼりが冷めたら拾いに言っとけよ。喰われてなけりゃくっ付くかもしれんぞ』

壁に頭を打ちつけようとして、痛みに足が決壊しずるずると崩れ落ちる。
頭に響くはあの男の高笑い。

いつものような荒唐無稽な元気っぷりはなく、愚痴るように傷を押さえる女。
ピエロも無駄な声掛けはせず、何かを考えるようにむっつりと押し黙って消える。
一人残されて目を閉じる。茶毘川端子はこの日初めて、魔獣の戦いに敗れたのであった。


/絡みありがとうございました!
601 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 00:51:59.13 ID:mV9yqDR30
>>592

ハイエナ…?知ってるけど…ッ!

【ハイエナ…動物の方では無く、非人道的な行為をする人間の方か…と、少女は直ぐに理解した】

貴方も…なの?

【そういった人々は何人も見て来た。こんな現状では、そういった行為に走るのも仕方無いのかもしれない】
【が其れを少女は許容出来ない。今迄何人かハイエナは見た。少女は其れら全てを止めて来た…少女の『余程』に含まれる行為だったのだ】
【紫腕の一つが壁に向けて振るわれる、激しい音と共に其処には亀裂が走る。人体が此れを受ければ一溜まりも無い】
【少女の魔獣を前にした時の様な、冷たい怒りを孕んだ眼が男を睨みつける】

許せないな…
602 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/29(月) 00:56:49.87 ID:yXldnOFy0
>>598>>594
「今のこの世界で人が死ぬなんて日常茶飯事だ」
「人を食って生きてる魔獣もいるんだ、別に悪く言う気はねぇよ」

単純にそいつらが弱かっただけ、そうつけ加えると短剣を桐谷の頭へ突き刺した
所詮は殺されるルールに従うしかなかった連中だ
大した興味もないので殺されたことに同情もわかなかった

「終わった、か」

心臓と脳を貫き、ようやくその生命活動を止めた魔獣
それを確認すると魔獣の能力の一部だったためか持っていた短剣が消滅していた
こいつは恐らく何かを召喚、或いは生み出す能力を持った魔獣
月装使いの助けがあったとはいえよく倒せたものだ、と今更ながらに無謀なことをしていたのだと実感する

「ああそうだ、おっさんの名前ってなんだ?」
「俺はガルバ、わかってると思うが焔装使いだ」

思えば会った直後に魔獣が来たから名前すら知らなかった
本当に今さらではあるが自己紹介をする


/桐谷さんロールありがとうございました!
603 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/09/29(月) 00:58:16.11 ID:MlmxDS7xo
>>599
「勿論です。私は《夜》が始まった時から、皆が生きて《朝》を迎える事を最優先に考えていますから」

【これだけは、力強く言える。《夜》の襲来から辛く悲しい事が沢山あったし、その中で嬉しい事も沢山あった】
【それらを全部ひっくるめて背負いながら、自分達は前へと進み、《夜》を明かさねばならない】
【人類の滅亡と隣合わせの危険なミッション。だが、自分達にはそれをやらなければいけない理由が有るのだ】

「全く別の法則……そう考えるのが、妥当でしょうか。
 《夜》の襲来と共にやって来た別の法則の影響力が強く、物理法則側の影響力を弱めてしまったのかもしれませんね」

【勿論、アンナにもそれが仮定に仮定を重ねるているモノだということは分かっていた】
【しかしそこは彼女と同じく、今現在ではこうするほか方法が無いというのも分かっている訳で。結局「かも知れない」に終わるのだった】

「もし《夜》の襲来がなく、法則だけが流れ込んでいたら……。
 世界は、科学と魔法が両立した、もっと進んだ世界になってたかも知れませんね」

【場を和ませるためのちょっと冗談めいた言葉と苦笑いも、彼女には空元気に見えるだろうか】
604 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/29(月) 01:06:20.36 ID:qTRM5YS30
>>601

「――――な? それが答えだ。」

彼は自身の命だけが大事で、他の他人の命など自身に関わりさえなければ幾ら死のうがどうでもいい。そう考えている人種だったらしい。
だから死体も漁るし、持ち物も剥ぐ。自分が生きるために必要だからという理由だけで非人道的な行為も平然と行える。いや、行えるようになってしまった。
壁の砕ける音、爆音。ああ強力な攻撃だ、喰らえば自身の身体など容易く吹き飛びバラバラだろう。彼の月装で対処することも考えたが――――恐らくは無理。
火力の大きさと燃料の多さ。積んでいるエンジンとガソリンが違い過ぎ、圧倒的なほどに差が離れすぎている。「勝てない」そう理解するのは一瞬だった。

「…………何が許せない? どう許せない?」
「死体なんて所詮はただの肉塊だろう? それから自分に使えそうなものを貰っていくことのなにが悪い。生きている俺が活用することのなにが悪い?」
「今食べた飴だって誰かの持ち物だった≠ゥもしれないのによォ……?」

徐々に、姿が薄くなっている。ステルスの効果を極僅かに発動し、最大効率での能力展開。姿が完全に消えたり等はしない代わり、魔力効率は異常。
即座に魔力を多く食わせれば即座に透明化することも可能な省エネ形態。彼としてはまず戦う気が無いので戦いとなったら逃げるしかなく、これはその準備段階。
攻撃に映ろうとした瞬間ステルスを全開にさせ、相手が見失ったところで逃走する。其の為には相手に透明化を慣れさせては為らず、僅かに使うことでのギャップ≠ェ狙いだ。

皮肉、嘲笑、自嘲しながら、彼は両手を軽く肩まで上げて問いかけてみる。
嗚呼――――?????

605 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/29(月) 01:19:16.62 ID:W4sA3+Xn0
>>603
「どうせなら食べ物とかが流れ込んでくれればよかったのにー。そういえば新鮮な物なんてもうかなりの期間、口にしてないなー」
「リンゴにみかん、サンマにイワシ! キャベツやトマトに牛に鳥!!!」

そう叫ぶと未来は彼女の《月装》を再び布に包んで担ぎ直す。

「俄然やる気が出てきたぞー。日の光を取り戻せば、種子とかを保存していたらまた食べられるんだ」

それは絶望の色で染まった世界に似つかわしくない笑顔。この世界の先に希望があると信じて、それを手に掴むという意思の伴った声色。
現状を変えるに何か行動が必要でその原動力を再確認した。ならば何か行いたい。
仕事は人手が足りず望めばいくらでも手に入る。

「お姉さんありがとうね! また会おう!」

空元気に見えるかのようなその言葉は確かに未来の力になった。町の中を走っていく姿は以前の世界ではよく見かけられたものかもしれない。
そして明るい声で満ちた世界になることを望んで動き出す人間が残っていることをアンナの目に見える形で映し出していた。

/この辺がキリがいいっぽい?呼び止めてくれてもOKです
606 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/09/29(月) 01:35:59.54 ID:MlmxDS7xo
>>605
「フフ、そうですね。何にせよ、希望を持つことが肝要なのです。
 『神は、その人が耐えることのできない試練を与えない』―――どんな試練も、乗り越えられるのです」

【彼女の明るい笑顔は、見るもの全てを勇気づけるだろう。アンナも、その内の一人だ】
【アンナはそんな彼女に向けて、聖書の一節を贈る。少しでも彼女を動かすエネルギーになれば良いなと、そう思って】
【あえて彼女の発言に乗るならば、食用肉だって、まだ生き残っている動物がいるかもしれない。希望は捨ててはいけないのだ】

「……。また会いましょう、未来さん」

【さよならを言わなかったのは、怖かったから。自分がもし、夜に堕ちたら。そんなこと、考えたくもないのに考えてしまうから】
【けれど、希望は有る。彼女は良い例だ。こんな世の中になっても決して諦めない者達が居る。それが確認できただけでも】
【此処に来たことには、大きな意味が有るのだから】

/では〆ましょう! ロールお疲れ様でした!
607 :ジークローラン</b> ◇wb9BPheDP3fp<b> :2014/09/29(月) 01:39:42.15 ID:N1WxPgeu0
>>598>>602
【魔獣の遺した言葉に、誰に言うでもなく呟く】
「……皆の安心の為だ。殺しているなら、殺されもする……そういう事だ」

【剣先から滴る濁った血液は、たちまち月光の光によって浄化される。そして刃ごと光に包まれ、やがて消えた】
【今回の魔獣は、さして強くないように思われた。しかしそれは、二人がかりだったからだ】
【一人では倒しえなかったかもしれない。改めて礼を言おうと青年を向きなおれば、丁度よく名前を聞かれた。】

「よし、改めて礼を言おう。私はラルカン・ラントのジークローラン。貴公の協力あってこその勝利だった」

【簡潔に自己紹介をし、重ね重ね礼を言う。これは彼の本心であり、闇に包まれた世での少しの温かみだった】

「では、さらば。またどこかで会えると良いな、ガルバ殿」

【ハハハ、ときさくな笑い声を残し、その場を去って行った】

/お二人共、お疲れさまです!遅くなり申し訳ありませんでした
608 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/29(月) 01:46:55.94 ID:yXldnOFy0
>>607
/ありがとうございました!
609 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 01:50:22.10 ID:mV9yqDR30
>>604
ッ!肉、塊?違うッ!…やめて…!
気持ち悪いッ!

【此の男は不快だ、気持ち悪い…そこらへんの魔獣よりよっぽど】
【男の言葉が精神に深く入りこんで…ぐちゃくちゃに掻き乱して行く】

…あ…め?誰かの…ああああっ!

【その場に尻餅を着き、カタカタと震える身体、男の言葉は少女の精神をへし折った】
【いつの間にか、紫腕は霧散していて…少女は腕を出すことが出来ない程に追い詰められた】
【此の男とは二度と関わりたくない…と心の底から思い…何処か行ってと男に懇願した】

どこか行ってッ…!二度と私の前に姿を見せないで!
610 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/29(月) 02:00:48.05 ID:qTRM5YS30
>>609

「へいへい……此処も使えなくなったな…………。」

彼の言葉は気持ち悪い? 当然だ、現実しか存在しないのだから。理想を抱く者にとっては、気色の悪い言葉にしか聞こえない。
彼自身がそれを理解して、且つわざとその言葉を選んで吐き出しているというのも大きいが。少女は余りにも純粋すぎた。汚さを知らなさ過ぎた
いや、知ってはいたのだろう。理解もしていたはずだろう。だが、耐えられなかった―――――それだけの事。

去り際に放るのは携帯食料の袋。内容物がそのまま入った―――比較的新しい物。
先程の彼の言葉と、今のこの食料を合わせれば。考えうる確率はただ一つ
拾うも拾わぬも貴方次第だ。強制はせず、そのままゆっくりとここを去るであろう。

「『死者喰らい《ハイエナ》』の相沢――――とでも覚えておいてくれ」
「殺したくなったら、探せばいい。」

―――――どうせ俺は、自分で死ぬことすらできないのだろうから
611 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 08:29:59.76 ID:Ll+yLeAqO
>>610
【男が去ってから数刻後の事、震えていた少女は立ち上がって放られた携帯食料の袋を拾わずに、其の場を後にした】
【その食料も《ハイエナ》で手に入れたものだろうから。拾いたく無かった】

…………負けない。絶対に

【男は少女の心に深い絶望を刻み込んだ。…けれど少女は理想を捨てない】
【理想を捨てたら《夜》に負けてしまう。そんなのは嫌だ。勝利して人間の世界を取り戻す】
【少女の口から吐き出された言葉には、確固たる決意が込められていた】


//寝落ちすみません…!此れで終わりですね!駄文にお付き合い頂きありがとうございました!(´・ω・`)
612 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 19:05:21.03 ID:DY1C/pbN0
【小学校、其処は現在人々の寝床となっていた。《夜》に覆われて魔獣が跋扈する此の現状…】
《闘う術を持たない人々は、持つ人が居る場所に自然と集まる】
【そして、此の学校を護る役割を任されているのは、両腕の無い少女だった】
【彼女は屋上で……魔獣の襲来を警戒して《都市》を見渡している】

寒っ……

【どうやら気温が低いらしく、アウトドア用チェアに座って毛布に身体をくるませながら】
【そうこうしているうちに睡魔に負けて寝息を立て始めてしまった】
【少女は魔獣の襲撃がいつ来るか分からない状況で、なんとも無防備な寝姿を晒していた】

//下手ですが宜しければ!(´・ω・`)日常戦闘どちらでもokです!
613 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/29(月) 19:23:10.81 ID:PjxsCCKVo
>>612
少女が寝息を立て始めた頃、勢い良く扉を開いて青年が屋上にやってきた。
濃い紺色の短髪に穴や切り跡だらけのジャージ、全身は包帯まみれで槍を背負ってるというかなり奇抜な見た目だ。
そんな彼――ジョセフ・シェーンハウゼンはすっかり寝付いている少女を発見した。

「こんなところで寝るなんて気が緩んでるな、どれおどかしてやるか!」

悪戯少年のような、というよりそのものの笑顔を浮かべるとそろ〜っと少女の傍まで近づく。
そして――

「おはよーございます!!!!!!!」

大声で朝の挨拶(夜だけど)を叫びながら脇腹やら背中やらを一斉にくすぐり始めた!!
614 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 19:54:08.08 ID:bTTRrW8E0
>>613

……ひゃっ!

【寝ているとそろ〜っと…男が近付いて来て、朝の挨拶と共に脇腹やら背中をくすぐってきた】

な、なにっ!?ん…んっ、やめ!やめてっ…

【それによって色っぽい声を上げる少女。するとその背から一本の紫腕が顕現し、ジョセフの腹部に殴打を入れようとする】
【突然の事でその腕は力の加減をしていない。常人なら命を落としかねない、其れだけの威力が籠められた一撃だ】
615 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/29(月) 20:05:27.78 ID:PjxsCCKVo
>>614
「あっはっはっ、なかなかいい声じゃないか。そ〜れもっと……ぎゃっ!?」

思っていた以上に反応が良かったために上機嫌な声をあげていたジョセフだったが、無防備な腹部に強烈な打撃を受ける。
打撃を放った腕に感覚があれば骨が折れるとか臓器の妙な柔らかさとか、そういう感覚がある、かも。
今度は彼が情けない声をあげて数メートル後方に吹っ飛んでいった。

「…………」

どさっ、と音を立てて落着。床の上で力なく両手両足を投げ出したままジョセフは動かなくなってしまった。
もちろんまだ生きている。外傷によっては死なない『呪い』が彼の焔装の一つだからだ……つまりこのフリは悪戯の一環。
そんなわけで腹部の痛みで目尻から涙が出ているがそれよりも彼にとっては次の反応が心待ちであった。
616 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/29(月) 20:23:09.00 ID:+KhY4CROO
黒い空。太陽は昇らず、人々の活力も生気も失われ、心身は疲れ果て、着々と暗黒へと染まっていく。そうして、呑まれた者達は《夜》と化していくのだ。
それは弱い者から順番に始まる。弱肉強食、そんな自然界特有のルールが人類のルールになったのは、いつからだろう。

あの時の空は、何色だったろう。澄み渡る蒼天を、白き雲を、そして全てを光照らしてくれる太陽は、どこへ行ったのだろう。
いつから、こんな事になってしまったのだろう。何もかもが壊れていく。壊される。

思い浮かぶのは、幼き頃の記憶。それは滔々と揺れる、さ揺らぎの景色。
意味もなく手を伸ばしてみる。暖かい、家族の団欒の景色に向けて。勿論、触れる事は叶わず儚く霞と消えていく。

「……………やめだ、やめ」

こんな行為に何の意味があるのだろう。もう既に終わった事で、戻ってくる事は二度とないというのに。ただ、虚しいだけ。
瓦礫の山と化した街―――――だったものに立つ少年は、静かに、ただ静かに回想をしていた。

/使い回しですが…
/日常でも戦闘でも何でもオッケーなのです!
617 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ [saga]:2014/09/29(月) 20:29:10.62 ID:WpNPA9T40
>>615

わー!わーっ!

【腹部に打撃を受けて、派手に吹っ飛んでいったジョセフ】
【腕に感じる嫌ーな感覚。やり過ぎてしまったかもしれない…ジョセフの《焔装》の事など知らないので、人を殺めてしまったと思い込む】
【チェアから降りてジョセフに恐る恐る近付いていく】
【自分の腕の一撃をまともに受けて生きている筈が無い…。死体(悪戯)と化したジョセフの傍らにへたり込んで涙を流しながら謝罪の言葉を口にした】

殺す気は無くて…だっていきなりあんな…反射的に…!ごめんなさいッ!
618 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/29(月) 20:39:58.33 ID:fHEaZ0Bho
 朽ちたビルの屋上から空を仰いだ。
 塗料を塗ったくったよう黒が張りついている。見慣れてしまった絶望の天蓋。
 ここは空に近い。だからこそいっそう解る。《夜》の大きさが。
 息を限界まで吐いて、ビルの屋上を無限軌道で走った。そして崩れた柵から宙へ飛び出す。

「――――っ!」

 伸身の宙返りをして単分子超高度ブレードで夜を切り裂く。当然ながら《夜》はなんともない。
 圧縮空気を吐いて軟着陸し、無限軌道で罅割れた道を滑った。気分は晴れない。
 地上で砂煙舞うなか深く息を吸った。口に入った砂利を吐き出す。

「朝が、遠い……」

 気分転換。たったそれだけのために危険を冒し、周囲に大きな音が響いた。
 注意を払っているものなら、もしくは獲物を狩る狩猟者ならば、不注意な女に気づいたに違いない。
619 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/29(月) 20:40:06.10 ID:N1WxPgeu0
>>616
「グォオ……グゴォ……」

【退廃的で、空虚な静寂の中。夜という環境下においては珍しい、日常を感じさせる音に少年は気付いたであろうか】
【いびきである。それもかなり大きい。魔獣の危機に何時晒されるかわからないこの状況において、あろうことか睡眠をとる人物が側にいるということだ】
【その音は、少年から少し離れた瓦礫の近くより響いてくる。もし気になってそこを覗いたならば、さらに怪奇な現象が少年の目の前で起こっているだろう】

【中年の男性だった。少々ふくよかな顔に、穏やかな笑みをたたえた表情で眠っている。この時世で気楽なものだ】
【しかし、問題はただ眠っているということではなかった。彼は、「立ったまま」眠っていたのだ】
【腕組をしながら、棒立ちとなった足でたくみにバランスを取る。そのユーモラスな姿は、退廃的雰囲気に抗う意思を象徴しているかのようにも見えた】

/よろしければ
620 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/29(月) 20:41:05.13 ID:PjxsCCKVo
>>617
「…………」

聞こえてくる少女の叫び声。それだけでジョセフは頬が緩むのを抑えるのに苦労した。
彼の焔装は痛覚の遮断は行わない。故に今、彼に襲いかかっている痛みは常人であればそれこそ耐えられないレベルだった。
だがしかし、今はそれさえも笑い出すのを抑えるのに役立っている……ああ、なんて便利な焔装。

ジョセフがそんなことを考えている間に少女が近づいてきて声をかけてきている。
だめだまだ笑うな――ジョセフは尚も自分に言い聞かせた。
少女が声をかけてきても彼は黙ったままだった。そして数秒か数十秒か……より死んだことを信じ込ませるための時間を置いてから……。

「よくも殺したなぁあああああああ!!!!」

突然の大声と共に起き上がり、がしっと少女の両肩を掴んでがたがたと揺らし始めた!
621 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/29(月) 20:50:58.28 ID:+KhY4CROO
>>619
「ん…………?」

回想の余韻に浸っていた……とでも言えば良いのか、ぼんやりとしていた意識は壊される。それを打ち破ったのは、この場にそぐわない何とも大きないびきであった。
警戒した様子で崩月は、いびきの音の元を覗いてみる。
そこには、何とも穏やかな表情をしたまま、それも立ったまま器用に寝ている中年の男性。

「おいおい……随分と気楽なもんじゃないか」

果たして、この人物は人間なのだろうか。
魔獣だったならば、敵の前の前でよくもまあ寝ていると。人間だったならば、こんなご時世でよくもまあ呑気なものだと。
どちらにせよ、崩月の言葉は当てはまる。
取り敢えずは、様子見。寝ている様子を、じっくりと観察する。
622 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/29(月) 20:51:15.34 ID:+KhY4CROO
/よろしくお願いします!
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage]:2014/09/29(月) 20:55:21.40 ID:yuqjb2MWo

 廃墟と化した街中を、黒い獣が彷徨う。
 歪な
 ――《夜》に魅入られたモノ。破壊と殺戮の使徒。第四の騎士。
 
624 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/09/29(月) 21:01:05.40 ID:N1WxPgeu0
>>621
「お……!お、おお!」

【少年の気配を察知したのか、はたまた偶々眠気が飛んだのか……彼の意識は、そう長くないうちに現実に戻ってきた】
【目を擦り、欠伸をしながら周囲の状況を確認する。気付けば、すぐ側に少年の姿があった】

「むぅ……貴公、何者だ?」

【ぼやけた視界で少年の顔をよく見ようとする。彼は、初対面である少年に対して驚く程に無警戒だった。魔獣ならば寝ている内に襲ってくるだろうと踏んでいたからだ。それに殺気もない】
【それを踏まえての「何者だ」という質問は単に、彼の好奇心から来るものか。もとより、目の前に見知らぬ人物が立っていたら、その人の詳細が知りたくなるのは当然のことであるが】
【燃えるように赤い髪を掻きつつ、「何をしているのだ?」と言葉を続けた】

625 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 21:02:36.82 ID:WpNPA9T40
>>620

ん…きゃぁあああああッ!?……………?

【声をかけて数秒若しくは数十秒…死んだと完全に思い込んでいたジョセフが突然大声を上げて起き上がり、肩を揺らして来た】
【その信じられない出来事は、少女を混乱させ…其のままジョセフにされるがままに揺られ続けた】
【放心状態というやつだ。常識外れの出来事が、目の前で起きたのだからそうなるのも仕方ない…】
626 :ジャン・ジェスキエール《夜》 [sage]:2014/09/29(月) 21:06:40.66 ID:yuqjb2MWo

 廃墟と化した街中を、黒い獣が彷徨う。
 歪(いびつ)な人の象を成した獣を、人々は恐怖とともに呼ぶ。
 ――《夜》に魅入られたモノ。破壊と殺戮の使徒。第四の騎士。
 そして、黒い狂獣と。

「……ッ――ア」
 
 吐息とも、唸りともつかぬ声。
 ただ深淵なる双眸は、今宵の贄(ニエ)を探しているのか。
 夜の闇に、はためく黒衣と黒髪は、その境界さえも酷く曖昧で――

 両の手首から夥しい血液を振り撒き、廃墟を鮮血に染め上げながら、
 黒い獣は、一度、天に坐す月を仰いだ。

/死にたい
627 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/29(月) 21:10:32.10 ID:+KhY4CROO
>>624
「……………!」

観察してほどなくして、男は起きたようで相も変わらず呑気に欠神をする。
そうして、少年の存在に気づいたようだ。そして、問う。

「『何者だ?』、ね……………」
「別に、唯のしがない魔獣を狩る学生さ」

目の前の男は、驚くほどに無警戒だった。殺気も感じられないし、何よりもこうして自分だけ神経を尖らせるのが何だか馬鹿らしく感じてきた。
故に警戒を解く。無駄に労力を使うだけだと判断したため。

「何してるって………ちょっとした散歩だけど、何か」

相手は見るからにも年上。だが、敬語などは使わない。捻くれているようにも見えるだろう。

「………で、あんたはこんなとこで突っ立って寝て、何してるの?」

今度は逆に聞き返す。
魔獣ではないにしろ……何だか、不自然にも感じた。こんな場所で立ったまま寝る事が。
628 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/29(月) 21:17:45.68 ID:PjxsCCKVo
>>625
「よっしゃ、これぐらいやれば目覚めすっきりだろ!!」

がたがたと十分に揺らしたらジョセフはぱっと手を離してこう言い、それはそれは満足げな笑顔となるのである。
悪戯はもう大成功。彼はガッツポーズを取りながら女の子をちょっといじめた快感に浸るのであった。

「いやしかしちょっとやり過ぎたかな? おい、大丈夫か?」

達成感の後にジョセフの元にやってきたのは罪悪感的な何か。
ちょっと心配というか不安になったらしく、おそるおそる少女の顔を覗き込む。
629 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/29(月) 21:17:50.59 ID:+KhY4CROO
/すいません、次の返信は少し遅れるかもです…
630 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/29(月) 21:22:20.52 ID:fHEaZ0Bho
>>626
 幸いにしてリィオラは、何者にも気づかれることなくその場を去ることが出来た。
 そして聞こえるヒトではないモノのコエ。ひっそりと姿を隠しながら移動する。

 見つけたのは、両の腕より血を流し夜を仰ぐ大男。ヒトガタだ。だがヒトではない。
 直感する。アレは魔獣だ。焔装がどれほど悪辣だとしてもあの男ほどではない。
 リィオラは息を吐いた。肺のすべてを吐き切って、吸い込む。くらくらした後に熱が沸いてくる。
 錯覚でもいい。勇気を求めた。月装の無限軌道を最大戦速にして前進する。
 履帯が地面を削る音がジャンには聞こえるだろう。だから反応するより速く、と願うように前へ。

「――疾ッ!」

 リィオラはジャンの背後より全速力で近づき、単分子ブレードで胴体を切り裂こうとする。

/奇襲ですけどいいですかね。おねがいします
631 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/29(月) 21:26:28.95 ID:INviVwqro
月明かり差し込む工場の中に、軽い金属のぶつかりあう音が不連続に響き渡る。
少し前までは缶詰工場として機能していた建物には、今は天井や壁に大穴が空き、まるで破壊そのものに蹂躙されたかのようだ。
本来ならば品質管理の為にきちんと並べられていたのだろう商品は、そこかしこに散乱してしまっている。

「これは……缶が腐食してるな。これは端がひしゃげて穴が空いちゃってるや……」

大きな体を丸めた男が、あぐらをかいて缶詰を見分している。反響する音の正体は彼だろう。
目の前の机に缶を山積みにし、両手に持ったそれらをヒヨコのオスメスよろしく仕分けする。
椅子の脇に置かれた麻袋は既に缶でいっぱいになっており、ずいぶんと長い間この作業をしていたことが窺える。
明らかに一人分の量ではない缶の山は、椅子の台座のあたりまで積みあがり、もうじき袋を満杯にしそうなほどだった。
632 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/09/29(月) 21:26:30.64 ID:N1WxPgeu0
>>627
「魔獣狩り……そうか、そうか。若いのに良くやるものよのう」

【感心、といった風に首を縦に振り、気さくな笑いを上げる。この反応からすれば、彼も同じような立場の者だろうか?】
【先程から相手は自分に対して敬語を使わないが、さして気にはしなかった。それは彼がもとよりそれをあまり気にしない人柄なのと、この環境で荒まない事の方が珍しい事を、彼自身よく知っていたからだ】

「これは失礼だった!私はラルカン・ラントのジークローラン。貴公のように、魔獣を倒すべく奮戦している」

【逆に問いを返され、思い出したかのように自己紹介する。態度の割にはかなり礼儀がなっており、口調からもかつては少々高い身分に居たのだろうかと推測できる】

「立って寝て、何をしていたか?と聞かれてものう……「寝ていた」としか言えんなあ……」

【彼の口から出た言葉は余りにも呑気だった。聞いている側の気が抜けてしまうほどに】
【しかし退廃した世において、このように楽観的になるのは必ずしも悪い事だろうか?塞ぎ込み絶望に浸るよりも、余程良いのかもしれない】

「それより、貴公……貴公は何故、その若さで魔獣と戦うのだ?安全な所など、いくらでもあるだろうに……」

【彼は、少年に対してふとした疑問を投げかける。いたいけな少年までもが戦う必要は、必ずしもないだろうと考えたからだ】

633 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 21:33:22.12 ID:PEJPF+P30
>>628

へ?…あっ……なんで生きてっ……?

【顔を覗き込めば、少女の心此処にに在らずな表情】
【大抵の魔獣だって一発か数発で葬ってきたのに……、目の前の男はピンピンとしている】

うん、大丈夫……?

【疑問形になってしまっている。全然大丈夫では無いことが感じ取れる筈】
【男の悪戯は、少女には少々インパクトが強過ぎたようだった】
634 :ジャン・ジェスキエール《夜》 [sage]:2014/09/29(月) 21:37:06.40 ID:yuqjb2MWo
>>630

 静寂がひび割れる音を、狂獣は聞き逃さなかった。
 廃墟に積もった塵埃を踏みしめる音を。加速に伴う風切り音を。

 ――肉体が反転する。

 人間ならば、優に背骨が砕けるほどの勢いで、身体を撓め、
狂獣は振り向いた。その深淵を映した眼(まなこ)で、確かに少女の姿を、見た。

「――ォ、ォ」

 一寸。
 獣が残した血の轍(わだち)から、無数の槍衾が出現する。
 リィオラの足元にある、ジャンの残した血液が、一瞬の内に変異し、硬化したのだ。
 ただ、前兆として、ジャンの残した血河が、さざなみを起こした。
 この前兆を異変として捉えれば、十分に回避は可能だろう。

/ぜんぜん大丈夫です、ひさびさなのでわかりにくいところあればビシバシ言ってください!
635 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/29(月) 21:40:43.90 ID:PjxsCCKVo
>>633
「いやー、悪い悪い。ちょっとやり過ぎちまったみてえだな」
「あんまり無防備に寝てるもんで、つい、な?」
「あっはっはっ、いて、いてて……」

ジョセフは謝りながら楽しげに笑うも、笑った直後に顔を歪めて腹部を押さえ始めた。
お腹周りはジャージの上からも分かるぐらいに血が滲んでいた。

「あんまり能力持ちをからかうもんじゃねえな、傷が開いちまったみてえだ、いてえ」
「なんで生きてるかって言えば、まぁそれが俺の能力ってわけだな、はは……」

もう一度彼は笑ってみせるもかなりの激痛が襲っているらしく、顔には汗が浮かんできていた。
636 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/29(月) 21:49:38.66 ID:fHEaZ0Bho
>>634
 すでに《夜》が来て幾星霜。すっかり夜目に慣れた女は血の蠢きが見て取れた。
 舌打ち一つ。前で止まるには速度が乗り過ぎていた。中途半端に止まれば串刺しになろう。

「……くっ、このまま行けッ!」

 リィオラは逆に突き進んだ。無数の棘、槍となって突き出る赤黒い血液。
 それらを、フィギュア・スケートの技術、小刻みの《ステップ・ワーク》で際どく回避する。
 しかし避けきれるものではなく、インライン・スケートのブーツ部分は無事だが太ももが先端で傷つく。
 服の上からでも鋭利に切り裂く《槍衾の血轍》を通り抜けジャンの下へ。愛しの恋人へ抱き付くように跳んだ。

「――ハッ!」

 宙にて横回転、シングルのアクセル・ジャンプと共に、全体重を乗せて単分子ブレードの回し蹴りを放つ。

/とてもカッコよくていらっしゃいますよ。こちらこそお願いします。
637 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/29(月) 21:53:54.96 ID:wzm1R4COO
>>631
閃光、そして爆発。
焼けた肉片と血液が飛び散り、焦げた臭いが漂う。

「………ふう」
構えた銃を降ろし、小さく息をもらす。
まだ魔獣がいるかもしれない。警戒し、銃のモードを切り替える。
周囲には誰もいない。工場の内部は入り組み、魔獣が逃げ込むには最適だ。
廊下を捜索していると、金属音が響いてくる。

「そこか!」
息を切らせ、金属音の方向へと駆ける。
辿りついたのは商品倉庫。ドアは開いており、中に何者かがいるのは間違い無い。
ドアの裏側に張り付き、安全を確認する。金属音はまだ続いている。

「………よし」
ドアが大きな音を立てて開く。そこから現れた人物は、音の方向へと銃を構え叫ぶ。
「そこ、動くな!」

//拙いですが、よろしくお願いします…
638 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/29(月) 22:00:13.96 ID:YViYjNxyo
今日も彼は、戦いを求めて都市の外れを彷徨っていた。
なれど魔獣はおろか月装使いも焔装使いも見つからず、目の前には荒廃した世界が広がるのみ。

やがて歩いているうちに人々の生活圏の近くにまで来てしまい、引き返そうとしたところで彼の視界に何かが小さく映る。
死体だった。人気のない廃公園の隅に打ち捨てられた年端もいかぬ少女の死体、思わず彼は立ち止まり、そして顔を顰める。
魔獣に襲われたのだろう、所々が齧られ欠けており、遠目から見ても生存は望めない。

「…………クソッ」

少し迷った後に死体に近付いて行くと、その傍らに素手で穴を掘り始めた。
適切な深さになるまでどれ程かかるだろうか――――ああ、胸糞悪い。
639 :ジャン・ジェスキエール《夜》 [sage]:2014/09/29(月) 22:05:21.38 ID:yuqjb2MWo
>>636

 闇夜を華麗に舞うリィオラの姿を、獣はつぶさに捕(と)らえて離さない。
 影に溶けるほどの伸びた黒髪の隙間から、窺える顔に表情(いろ)はなく、

「Glorious――」

 呟いた単語にも、意味はないのかもしれない。
 肉薄するリィオラに、獣は即座に地面へ這いつくばる。単分子ブレードが、
肉体に遅れて追随する黒髪を、まとめて切り飛ばすも、頓着しない。
 
「この夜に、祝福を――」

 そして細く硬質な腕を、鋼のように軋ませながら、リィオラへ血に塗れた両腕を振るう。
 狙うは、回し蹴りを放った隙、ガラ空きとなった横腹。

 回避を許さぬように、間髪入れず血しぶきがリィオラを襲う。
 飛び散る血は、微細なものだが、硬化すれば礫と化し、被弾すれば僅かな痛みを伴うだろう。
 無論、ある意味で獣と同じく、常人ならざるリィオラであれば無視することも容易い痛みだ。
640 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ [saga]:2014/09/29(月) 22:06:21.37 ID:n66+ZQDC0
>>635

私も…ごめんなさい。加減出来なくて。

【此処に現れたのがジョセフで良かった。もし、忍び寄って来たのが魔獣だったら…殺されていた】

そうだね。もうからかうのは辞めた方がいいよー…
能力?へぇー、凄いね。それって…《焔装》?《月装》?

【《焔装)なら闇に堕ちる可能性がある、少女は《月装》でその心配はないが…】

ッ!大丈夫!?医務室に行こう!

【お腹周りに滲む血、ジョセフの身を案じて医務室に行こうと言う】
【其の少女の背から一本の紫巨腕が顕現し、其れはジョセフを優しく包み込もうとする。因みに…腕は人肌の様に柔らかい】



641 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/29(月) 22:07:14.17 ID:+KhY4CROO
>>632
「……………ふぅん」

思っていたより、何というか上品な物腰というか。相手の態度には、どこか気品を感じる気がした。まだ人類が栄えていた頃は、高い身分にあったのかもしれない。
兎も角、彼はどうやら味方のようで。やはり余計に疲れただけで、警戒して無駄だった。
男のあまりにも呑気な言葉には、呆れを通り越して脱力させられる。楽観的にも程がある。緊張感というものが存在しないのだろうか。

「……………許せないから、憎いから魔獣と戦って滅ぼす。それだけだよ」

何故戦うのか、そんなの簡単な理由だった。あまりにも単純。何度も何度も思考して行き着いた結論。戦いの方程式の解。
全てを奪った者達に復讐をする―――――――本当にそれだけの、シンプルな理由。

/遅れて申し訳ありません…
642 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/29(月) 22:08:53.61 ID:INviVwqro
>>637
重たい音が入口の方向から響き渡り、反射的に肩をびくつかせる。一瞬戸惑ったような気配を見せたが、すぐにゆっくりと相手の指示に従った。
椅子から立ち上がり、両手を挙げて相手の姿を確認した。

「もし君が《魔獣》だったら、そんな事言わずにいきなり襲いかかってきてるよね」
何も持っていない両手をひらひらと振り、丸腰であることを示す。肩で風を切って歩きそうな相手とは反対に、やや締まりのない態度と笑顔で迎える。
数秒そのままで安全であることを態度で表すと、周囲のデスクから椅子をもう一つ引っ張ってきた。

「ここはまだ手つかずみたいだったから、みんなに配る食料を探していたんだ。君は……巡回ってところかな」
相手が戦闘していたのなら、その音が同じ建物内で全く届かない、ということはなさそうだが、男は呑気に話を向ける。
それほど集中していたのか、それほど間抜けなのか。どうぞ、と右手でもう一つの椅子を指し示した。

//こちらこそよろしくお願いします。
643 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/29(月) 22:11:17.77 ID:W4sA3+Xn0
>>638
警備の一環。彼女もまた都市の外れを見回っていた。
少々静か過ぎるか? 嫌な予感がする。そんなことを考えているとその心配は杞憂であったと気が付いた。

「見慣れた風景だけど気分がいいもんじゃないね。だけどそのまま埋めては駄目だよ。魔獣に掘り起こされたりするから」

静哉の後ろから声をかけたのは片手に剣の《月装》を持った少女。未来であった。
644 :リィオラ ◆uUSGl74XoM :2014/09/29(月) 22:18:47.56 ID:fHEaZ0Bho
>>639
 ――躱された!?

 黒いケモノの動きは素早く、だがシンプルだ。合理的であるが故に理解できるが人知の外を行く。
 渾身とも言える一撃には手ごたえがなかった。そして通過した瞬間に遅い来る血飛沫の飛礫。
 瞬間、リィオラは判断する。反撃するが、しないか。結論は即座に下された。

「アスリートは……怪我の痛みには慣れてるッ!」

 黒い獣は這いつくばり両腕まで使用している。この好機を逃す術はない。
 脇腹に刺さる飛礫に、口内に鉄さびの味が広がった。それを飲み下しながら反撃開始。
 回し蹴りで伸びた脚から圧縮空気を噴射、宙を蹴るようにして通り過ぎようとする動きを抑制。
 空中で崩れるバランスを加速させるようにもう一方の脚から圧縮空気を噴射し、鋭く前転。
 宙にてその場で前方回転しながら落下速度を速め、浴びせ蹴りと踵落としの複合変形のような形の蹴りだ。
 起動する踵部分の単分子ブレードが甲高く鳴き、それを這いつくばっているジャンへ向けて叩きつけるつもりだ。
645 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/29(月) 22:18:51.24 ID:PjxsCCKVo
>>640
「あ、いや、いい。それには及ばねえよ……」

自身を包み込もうとする巨大な手に、ジョセフはその動きを手で制した。

「“このぐらい”の痛さだったらしばらくほっときゃ慣れる」
「何せ全身見ての通りだからな、痛みには強いのさ」

そう言って彼は笑う。まるで自慢話をしているかのようだ。
事実、ジョセフは自慢話のつもりで言っているし慣れるという言葉に嘘偽りはない。
その痛さが常人であれば死ぬような打撃を傷口に受けたものだとしても。

「つったって、服がこれ以上汚れるのは困るからなぁ」

ポケットに手を突っ込み、そこから包帯を取り出すと服を捲り上げてかなり乱雑に包帯を巻く。
手際の良さには慣れを感じさせる程だが、本当にただ巻いただけだった。

「で、だ。別に俺はただ悪戯をしに来たわけじゃねえんだよ、見張りが一人ってのはあれだからちょっと手伝いに、な」
「おう、そうだ、俺はジョセフ・シェーンハウゼンっていうんだが、お嬢ちゃんは?」

そうして彼はこれで終わりと言わんばかりに他の話をし始めた。
そう、ジョセフからすれば自分は死なないのだから医務室に行く必要はなかった……問題はその話をまだ彼女にしていないことだが。
646 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/29(月) 22:20:00.96 ID:YViYjNxyo
>>643

「あァ? ……ンだよテメェ」

気配に鈍感なのか、彼は少女が声をかけてくるその瞬間にまで誰かが近づいていることに気が付かなかった。
声をかけられ咄嗟に振り返り、そして敵意の篭った瞳で少女を睨む――――少女に何か恨みがあるわけではない、誰に対してもこうなのだ。
魔獣だろうが《月装》の使い手だろうが《焔装》の使い手だろうが、戦える相手にならば喧嘩を売る、そんなはた迷惑な戦闘狂。
彼は少女の手に剣があることを確認するやいなや、土で汚れた手を握り締め――そして死体を一瞥し、拳を解いた。

「…………じゃあ、どうすりゃいいんだよ」

彼の中での優先順位はどうやら戦闘よりも埋葬らしく、此のような状況に慣れているらしい少女に問いかける。
とはいえ声にも視線にも相変わらず敵意が溢れ、とてもではないが人に物を尋ねる態度には見えなかった。
647 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/29(月) 22:26:01.31 ID:wzm1R4COO
>>642
「………人間か」
丸腰であるとアピールする男。そして飄々とした笑顔。この男は大丈夫そうだ。
構えを解き、ドアを閉じる。

「迷惑をかけたようだな、悪かった」
弁明をし、部屋の中を見渡す。
安全を確認し、一礼の後出された椅子に腰かける。そして、男の質問に答える。

「そうだ、巡回を終えて帰る途中に魔獣を三体程見つけてな……」
少し前の出来事を話す。発見した魔獣を追い回し、この工場に辿りついたのであった。
「既に二体はやった。戦闘能力は高く無いが、すばしっこくてな…」
「あんたも警戒しといてくれ。まだこの辺にいるかもしれない」
話終えてすぐ、周囲の音に耳を澄ます。物音は聴こえない。
648 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/29(月) 22:33:50.28 ID:W4sA3+Xn0
>>646
「ん、名前? ミライ」

そう簡単に自己紹介すると静哉のすぐ傍まで近寄り、少女の死体の前で屈みこんだ。
傍迷惑な《月装》使い、それと外見的特徴が一致する男ではあるがどうにもその情報とは異なる部分がある。
ならこの子の供養を優先させよう。

「集団墓地……、と言っていいかわからないほどお粗末な場所だけどそこに埋葬しよう。火葬場もすぐ近くにあるよ」

こんな世界だ。常に死体が出来上がり病原菌の蔓延を防ぐ為にそれを処理する必要がある。

「この子を運べるものは持ってないかな?」
649 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/29(月) 22:38:23.35 ID:INviVwqro
>>647
「気にしなくていいよ、撃たれてたりしたらちょっと困るけど」
相手は物わかりの良い人物のようだ。ほっとしたように胸を撫で下ろし、再び缶詰の選別にあたる。
それでも先ほどのようにスムーズではなくゆっくりと、その代わり相手の話に耳を傾けようとしているようだ。

「あと一体居るかもしれないのか。じゃあまずいね、この部屋は天井が壊れてるみたいなんだ」
「先にそっちを片付けようか……大丈夫、これでもちょっとは戦えるんだ」
再開し始めたばかりの作業を中断し、空に向かって指をさす。
曲がった鉄骨が中心に向かって滑り台のように伸び、それらが梁の役割をしていたはずの部分には天板が無い。
それほど素早い相手なら、例えば建物の外面を伝って上から奇襲、なんてこともできそうではないか。
「もし後腐れなく終わったら、缶詰運ぶの手伝ってくれる? 大した量じゃないけど、蓄えの足しにはなるだろうし」
作業をしやすいよう、五本指のうち三本は指先の抜けたグローブを引っ張って嵌め直す。
戦闘準備というには、傍目にはあまりに心もとない動作と共に、相手の来たドアの方に目を向けた。
650 :ジャン・ジェスキエール《夜》 [sage]:2014/09/29(月) 22:39:13.01 ID:yuqjb2MWo
>>644

 後退という選択肢を採らないリィオラに、獣の歪(ひず)んだ感性は刺激された。
 ――これは、そそる獲物だと。
 多大な実戦経験に基づいた合理的行動が、獣の本能に楔を打ち込んでいく。

「ア」

 落下による加速と、洗練された動作により導き出された鋭い一撃は、まさしく必殺のもの。
 這い蹲る獣に為す術はなく、後頭部に単分子ブレードが深々と食い込む――はずだった。

「痛い、痛い、痛い――」

 ――単分子ブレードは、確かに獣の頭部へ突き立っていたが。
 すぐさま頭部の傷口より溢れ出た血液が、それ以上の進行を阻んでいた。
 硬化し、破壊され、流れ、再び硬化する。
 幾度となく同一の工程がくり返され、崩壊した血液の結晶が、一帯に粉吹雪のようにして、霧散しはじめた。

「私にィ、傷を、つけたな」

 気づくだろうか。
 単分子ブレードと拮抗する血液が、触手のように、徐々にリィオラの足へ伸びているのを。
 傷は浅くとも、激痛に肢体を震わせ、獣はリィオラを仰ぎ見た。
651 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 22:44:46.25 ID:PzcumyWe0
>>645

手伝いに来てくれたんだ。ありがとう。そうだね…強い魔獣が来るかもしれないからね
私は凪沙 巫っ!よろしくねジョセフ!

【話の最中、少女の腕がジョセフの為のチェアを引っ張ってきて少女の隣に置いた】
【そしてポンポンと其れを数回叩く、座れということだろう】

……っん

【少女にまたもや睡魔が襲ってきた様だった。寝ない様に必死に堪えているが、時折フラフラと左右に揺れる】【14歳の少女に夜間の見張りは厳しいものらしい。ジョセフの話も殆ど耳に入っていなかった】
652 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/29(月) 22:47:50.20 ID:YViYjNxyo
>>648

「…………」

集団墓地、おそらくは人々の生活圏の中にあるのだろう。正直に言えば、行くのは躊躇われた。
自分が嫌われものであり厄介者であるというのは認識しているし、弁解するつもりもない。
だからこそ戦える人間に喧嘩を売ることはあっても、自ら生活圏に入って面倒事を起こすような真似はしないようにしてきたのだ。
ならば此の少女に全てを任せて放り投げるか――――いいや、それも嫌だ。

「……ねぇよ。俺が連れてくから、別に問題ねェ」

汚れた手を学ランで拭うと、肩と膝部分に手を回して死体を丁寧に持ち上げた。
血で学ランが汚れていくが、そんなことは気にしない。

「………………あぁ、安藤静哉だ。ほら、さっさと案内しろよ」

そういえば、と思い出したかのように自分の名を告げる。
嫌われ者の月装使いと同じ名前と背格好、どうやら彼が本人であることは疑う余地も無いらしい。
653 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/29(月) 22:50:06.13 ID:PjxsCCKVo
>>651
椅子がやってきたのに気がつくとジョセフはそれに座った。
彼がふと隣を見ると、巫が船を漕いでいる。

「交代とこの場で寝ると、どっちがいいか選んでいいぜ」
「そう眠そうじゃいざ戦いになろうが見張りを続けようが厳しいだろ」

眠そうな巫を見てジョセフも苦笑い。何より14歳の少女を夜通し働かせることは彼も好きではないのだ。
654 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/29(月) 22:54:50.17 ID:wzm1R4COO
>>649
指差された方向を見上げる。確かに大きな穴が空いており、さっきの魔獣位なら通れそうだ。
「……成る程」

「了解した。手伝おう」
快諾の意を見せる。どうせ今はシフト外だ。たまにはこういうのもいいだろう。
………男の動作を見つめる。ゆっくりとした動きだが、何処か安心感を感じた。
目配せをしたのを確認すると、ドアの脇に立ちゆっくりと開ける。
廊下には、誰もいないようだ。
655 :リィオラ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/09/29(月) 22:59:25.72 ID:fHEaZ0Bho
>>650
 血晶体が粉末と化し宙を舞うなか、頭部とブレードが拮抗し延々と血霞が吹雪く。
 それが自分自身――特に足を――取り囲み掴もうとしているのが解る。
 ここは引くべきだ、と理性は判断する。好機はいましかない、と本能は絶叫する。

 もう一度間合いを離してからジャンに攻撃を当てることは難しい。それは確かだ。
 だがこの状況は、ジャンという蜘蛛にとって巣に絡めとったようなものだ。
 次の一手で死か瀕死。だからといって退いて逃げられる保証もない。――だから。

 月装(ワタシ)が魔獣(テキ)に勝てる道理などない。ならば無理を通すしかない。
 頭部と拮抗しているものと反対の脚が持ち上がった。そして圧縮空気による加速。
 その矛先はすでに打ち付けられている脚の先端。まさしくクサビをハンマーで叩くように。
 同時、叩きつけられていたブーツも再加速。両足による加速効果と楔打ちを、拮抗に叩き込む。

「悲鳴を上げて歌えケモノ――!」 

 死ぬ前に殺す。でなければ死ぬ。ジャン優勢の分の悪い賭けに出た。
656 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/29(月) 23:00:30.15 ID:W4sA3+Xn0
>>652
名前を聞いて自分の記憶が確かであることを知ることと同時に生まれる疑念。
自分の格好からして戦える人間であるのに今この場で争いが発生していない。それどころか慈愛を感じる行動。

(この人も訳有りの人か……)

《夜》が襲来する前の安藤静哉の性格が今目の前の彼なんだろう。
なら彼の良心を疑うことは止めよう。今行うべき行動は彼女の供養なのだから。
静哉が死体を抱き上げるのと同時に未来も立ち上がった。

「うん。ついてきて。こっちだよ」

静哉を先導する形で未来は歩き出す。どうやら方向は明確にわかっているらしい。

「大丈夫。何が来ても私が護るから」

そして彼のことも。
657 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/29(月) 23:04:06.63 ID:N1WxPgeu0
>>641
「ほう……余程手痛い仕打ちを受けたと見える」

【辛かったようだな、とばかりに納得し、それ以上の事は聞かなかった。聞いて何が得られるわけでもなく、それ以上に少年の傷を抉るだろうというのはわかっていた】

「折角話してくれたのだ。つまらぬ話ではあると思うが、少し私の話をしよう……」

【独り言を語るように呟いて、おもむろに首から下げたペンダントを見る。中には、彼の家族と思われる、光ある写真があった】

「私には家族がいてのぅ……今は皆、夜に怯え、闇を恐れるばかりだ」
「力足らずではあるが、それが皆の救いになるのなら……その限り、私は剣を振るい続けるさ」

【彼の守るべき思い出は彼にとって、荒廃した世でも生きられる唯一の「温かみ」であり、「思い出」だった。つまらない話、と断ったのは、少年とは違う理由で戦っていることもあったのだろう】

「貴公も何か、思うところがあるようだが……これだけは言っておこう」
「失ったとはいえ……かつての平穏を、暖かい太陽を忘れてはならんさ。我々がいずれ……それを取り戻すのだからな」

【彼の口から出た言葉は、年長者からの助言のつもりの、彼なりの「格好付け」であった】
【しかし彼の言葉には、彼が少年より長く生きている分の重みと、それに伴う説得力も確かに存在していたのである】

/すみません……こちらも遅くなってしまいました

658 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/29(月) 23:07:48.81 ID:INviVwqro
>>654
「どのへんで見失ったとかわかる? 俺もここの地理を把握してるわけじゃないけれど」
静まり返り、明けない夜の一部が垂れ込める廊下の安全を確認すると、相手を進ませる。
今さっきまで追いかけっこをしていた相手の方がまだ部屋の構造を理解しているだろうということ、
それと、背後からの奇襲は自分が受ける為だ。

「これだけ狭くて建物全体が広いと、居場所が知れてる方が案外やりやすいかもね」
軽口もそこそこに、確認のできる部屋を見回る。
というのもここも襲撃にあい、扉ではないところに穴が開いたり、逆に扉が埋まっていたりするからだ。
幸い工場という場所柄部屋と部屋が繋がっており、また部屋自体も広く作られているので見落としはほぼ無い。

外装である缶そのものを作るラインは時が止まったように作業の途中で停止している。
ベルトコンベアを渡すため、この部屋もまた細長く全体を把握しづらい。
――どこかで、非常灯が不自然に瞬いたような気がした。
659 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/29(月) 23:07:54.78 ID:ysHbO5aK0
>>653

じゃ、此処で寝…るぅ…

【そうジョセフに告げた次の瞬間、少女はもう寝息を立てていた。余程の睡魔だったらしい】
【毛布もかけずに、あっという間に眠りに就いたのだから】

//すみません…中の人も眠気で頭働かなくなって来たのでそろそろ締めちゃってください!
本当…!駄文にお付き合い頂きありがとうございました!
660 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/29(月) 23:11:49.71 ID:PjxsCCKVo
>>659
「敵が来たらちゃんと逃げろよ」

宣言通りジョセフはその場で見張りを続けることとした。
眠っている少女が隣にいるおかげで、彼としてはそれなりに満足だ。

//残念でございます!
//またロールしましょうね、お疲れ様でした。
661 :ジャン・ジェスキエール《夜》 [sage]:2014/09/29(月) 23:18:00.16 ID:yuqjb2MWo
>>655

「私にィ、傷を、つけた。傷をつけたな、貴様ァ――ッ!!」

 ――激痛が、獣の個我を喚起する。
 己の齎(もたら)す破壊と殺戮に陶酔し、酷く“曖昧”だった意識が覚醒する。
 かくして、帰還するのは歪みきった自己愛。

 なぜ、この自分が傷をつけられ、痛みに呻いているのか。
 こうなるに至った顛末を朧げながら把握しているが、理解を拒んで内界を激情が荒れ狂う。

「[ピーーー]、[ピーーー]、[ピーーー]。貴様は[ピーーー]、必ず[ピーーー]――」

 リィオラを仰ぎ見る視線に、こびり付いた膨大な殺意と怨嗟。
 後頭部に叩き込まれんとするブレードよりもなお早く。
 揮(ふる)われた右腕が、そこから振り撒かれた血液が、中空の血しぶきと結合し、
縛鎖のようにしてリィオラの足を絡め取らんとする。

 よしんば絡め取ることは難しくとも、体制を崩し、剣呑きわまりない一撃を躱すことは可能だろうか。

「無残に、柘榴(ザクロ)のように頭蓋を散らして[ピーーー]、[ピーーー][ピーーー]シネェェエエエ――
アぁ痛い痛い痛い痛いイタイイタイィィィ……」

 そして、もしリィオラの足を絡め取ることができれば、這い蹲った体躯を揮い、
その身体を地面へ叩き付けようとするだろう。――異能の発現により、血の槍衾と化した地面へ。
662 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/29(月) 23:18:21.33 ID:wzm1R4COO
>>658
「さあ……二匹目を仕留めた時には既に見当たらなかった」
背後を彼に任せ、廊下を進む。物音は、彼らの足音と会話だけ。
壁の穴を見つけては確認し、覗いているが魔獣は一向に見当たらない。

警戒しながら話を続ける。相手を振り向く事は無い。
「それもそうだが………動いてみた方が当たりやすいだろ?」
階段の上を見上げる…………ニコラスの感じた違和感には、まだ気付いていない。
663 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [sage]:2014/09/29(月) 23:18:38.82 ID:+KhY4CROO
>>657
手痛い仕打ち。その通り、崩月は魔獣に家族や友人を皆殺しにされたのだ。それが手痛くなくて、なんだというのだろう。
生憎、身内を殺されて平然と相手を許せるような聖人君子ではない。魔獣は未だに人を殺しているのだから、尚更。

対してこのジークローランはどうだ、家族は健在でそれを守るための戦っているという。
[ピーーー]ために戦っている自分と、守るために戦うジークローラン。その違いは、垣根は歴然としている。正反対の方向に向かって、道は真っ直ぐに伸びている。
何か、嫉妬のような感情が沸き上がってくるのを感じた。何でこいつは家族がいるのか、なんで自分だけ家族を失わなければならないのか。
そんな、言いがかりも甚だしい、自分でも理解できないような感情。

「………かっこつけるなよ、おっさん。そんな余裕、今の僕らにはねぇんだ」

全てが終わって、復讐を果たせたらどうする?そんなの、考えてもいない。
先の事を考える余裕などない。《夜》は終わらせても、太陽を拝めるとは限らない。
先日、魔獣から人間に戻るという事例もあったというのに、今の事で精一杯。
664 :ジャン・ジェスキエール《夜》 [sage saga]:2014/09/29(月) 23:18:57.11 ID:yuqjb2MWo
/忘れないうちに
665 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/29(月) 23:20:18.12 ID:YViYjNxyo
>>656

迷いなく歩き出す辺り、道案内に関しては心配はいらないようだ。
後は問題は自分に恨みを持った人間が現れないことを祈るしか無い――――尤も、襲撃された場合容赦なく殴り倒すつもりだったが。

「…………はぁ?」
「護られるつもりなんざねぇよ、自分の事ぐらい自分でなんとかするっての」

少女の後についていきながら、なんでもない少女の気遣いに、彼は過剰に反応し言葉を返した。
両手が塞がってる上に彼が人間にも嫌われているということを考えると、少女の気遣いが親切から来ているのは疑う余地もない。
彼とてそれが分からない訳ではないのだが――――独りで何とかするというのが、彼にとっては重要なことなのだ。

《夜》が訪れてから独りで生き抜いてきたし、これからもそうする。他者に余計な借りは作らず、出来得る限り関係は持たない。
そうすることによって彼は取るに足らない下らない均衡を保っているのだ――自分はこの世界で独りで生きていける程に強いと、思い込もうとしている。
実際のところは誰かと知り合い、そしてそれを失った時の悲しみに耐え切れないというだけの話であり、背負う覚悟も守る覚悟も無い弱者ということの証明なのだ。

「…………チッ」

舌打ちをし、眉を顰める。こんなに過剰に反応するのが、自分が気にしている証に他ならない。
666 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/29(月) 23:20:40.89 ID:INviVwqro
>>662
//《魔獣》に関してはそちらのロール内のNPCなので見送ってしまったのですが、こちらが描写した方がよろしいでしょうか?
667 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/29(月) 23:25:12.12 ID:wzm1R4COO
>>666
//いえ、私は構いません。ご自由にお願いします。
668 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/29(月) 23:36:26.34 ID:INviVwqro
>>662
その時、ベルトコンベアが一瞬だけ動いた。がくんと揺れるように身じろいだ機械は再び停止する。
そしてその現象を確認するよりも先に、天井に埋め込まれた電灯が端から端へと、ベルトコンベアと同じように点滅する。
一つの流れのように一瞬だけ動き始める工場内の装置。まるで、その中を何らかのエネルギーが通り抜けていったかのようだ。

「これは確かにすばしっこい、かな――しまった!」
行先の定まらぬように天井のみならず壁を一連の点滅現象が走りぬけたかと思うと、大道の正面に強い明かりが灯った。
その光は床を這うように、並みならぬ速さで接近してくる。
それに気づいたニコラスは注意を呼びかけるものの、二者の間に割り込むほど早くは反応できなかった。
眩いその光は先ほどとは違い、周囲の小物をなぎ倒している。つまり、そこに物体として存在しているのだ。
果たしてそれがまともにぶつかってきたなら、どうなるのか。
669 :リィオラ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/09/29(月) 23:37:42.03 ID:fHEaZ0Bho
>>661
 血晶体が繋がり形を成し、脚を絡めとるべく動き出した。それはもはやどうしようもない。
 リィオラは絡めとられるだろう。ではなすべきことは?

 逃げる――否。
 避ける――否。
 意地を通す――是。

「人をナメるな、たかがケモノが!」

 長所を伸ばす月装。ヒトの知恵。技術。工夫。負の心より出でた能力などではない。
 それがお前の致命となるものだと刻み付けるように。

 リィオラの脚が絡めとられると同時、ブーツは叩きつけられた。それは同時に自身の両足を断つ。
 圧縮空気によって加速するブーツはそのまま、無限軌道によって安定、微細な刃が走る単分子ブレードで抉るために。

 膝から下を失ったリィオラは、そのまま血の槍衾へと叩きつけられた。
 もう長くはない。数十秒で死ぬだろう。内臓がやられていた。しかし全身を貫かれながら、嗤って見せる。
 防御をせずにブレードを撃ち込まれ、ザコに殺されたマヌケと嘲ってやるために。
670 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/29(月) 23:39:46.98 ID:W4sA3+Xn0
>>665
「それでもだよ」

静哉の反論に即答。彼の答えが初めから解っていたかのように言葉を返す。
悪い意味で有名になっている彼が一人でも生き抜ける力が無ければとっくに無い。

この場所からだと多少の時間がかかる。そしてほんの少し雑談に興じる時間もある。
歩く道すがら、何も無い時間を嫌ってか未来は静哉へ聞かせるように言葉をかけた。

「私は最近知能のある魔獣に二回襲われたの。その内の一回は既に私はボロボロの状態だった。」
「でも今生きているでしょ? それは偶然だけど私の友人が近くにいたから。」
「そして私は再確認した。人一人の力は弱い。でも人間の力は弱くはないと思う。」

お説教なんて嫌いだ。そもそもそれを行えるほど経験があったり徳のある人間でもない。
ただしかしそれでも一人で生きている彼を放っておけなかった。

「まあ、私が勝手にやることだよ。気にしなさんな」

結局のところ独り善がりなのである。それを未来は重々承知していた。
671 :リィオラ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/09/29(月) 23:40:05.79 ID:fHEaZ0Bho
/補足不足でした。両足切ったのは自分の単分子ブレードです。
672 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/29(月) 23:46:51.66 ID:N1WxPgeu0
>>663
【自らの言葉をつっけんどんに返す少年。無理もない、家族を失うという悲しみを背負うには、少年は少々幼すぎたのだろう】

「……理解する必要はない。ただ貴公、たとえ目の前が暗闇だとて、その先が暗闇とは、必ずしも限らんものさ……」

【この言葉は、暗闇で立ち尽くす少年を、少しでも光へと進ませようと思っての事だった。しかし話を聞く限り、少年の心に刻まれた傷は、余りにも大きく、深すぎる】
【それでも後ろを向いたままでは、何も始まらない。行動ではなく、精神的に、彼は少年を進ませたかった。どちらも、居場所が暗闇なのは変わりないのだから】

「さあ……私はそろそろ、探索に出るとしよう」

【暗い話が続いてしまった。彼はその場から背を向け、歩き始める。守る者と、殺す者の距離。立場の差が縮まることは、これからもないであろう】
【だが彼は願っていた。少年がいずれ、闇の中に光を見出す事を】
【生き抜く希望を失えば、迫り来るのはただ死のみだ。こと、この世界においては】
【少年にそうなっては欲しくない、それだけの事だった】

「さらばだ、名も知らぬ少年……貴公の命運を祈ろう。貴公らしく生きるがいいさ」

【去り際に、顔を少年の方へと向け、口元にニヤリと笑みを浮かべて立ち去る。それは彼が少年へできる限りの、ちっぽけな優しさであった】


/すみません……眠気が襲って参りましたので、この辺りで終わりに致しましょう
絡みありがとうございました!
673 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/29(月) 23:55:06.29 ID:wzm1R4COO
>>668
一瞬の機械音。そして光の流れ。間違い無い、奴だ。
だが、位置は分からない。ニコラスの声で、咄嗟に前に向かい銃を構えるが魔獣の速さには及ばない。
魔獣の腕に、跳ね飛ばされる……4、5m地面を滑り、壁に激突。

「うがっ!」
思わず声を上げる。背中を打ち、痛みが体を貫く。
「畜生…………!」
倒れている暇は無い。痛みを堪えよろよろと立ち上がる。
爬虫類とも類人猿ともつかない姿の魔獣は、ニコラスと大道の間で二人を見比べいる。まるで、どちらを先に[ピーーー]か品定めをする様に。

ゆっくりとした動きで、銃を掴みグリップを上げる。すると、刃が展開され、80cm程の剣となる。………この距離では剣の方が良いと判断したのだろう。
「……来い」
刃を構え、魔獣を見据える。足はまだおぼつかないが、気迫に溢れた目に隙は無い。
674 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/29(月) 23:56:45.34 ID:YViYjNxyo
>>670

少女の言葉は正論である。反論の余地もない。《夜》に抗うには、人一人の力はあまりに弱すぎるのだ。
知能のある魔物は大抵の場合強大な力を持っている、おそらくは《月装》一つではどうしようも無いほどに。
其のような存在と会敵すれば、彼は敗北し死ぬだろう――――たった一つの《月装》では、魔獣には対抗出来ないのだ。

「…………分かってるよ」

一人じゃどうしようも無いことぐらい、独りだった彼が一番良く分かっている。
本当に夜明けを望むのならば、こんなやり方が正しくないのは、彼だって分かっているのだ。

「……俺だってそんなこと、分かってるんだ」
「でも俺はお前みたいに強くないから、正しくは生きられない」

正しく真っ直ぐに生きるのには、それ相応の強さがいる。それが彼には無かった、それだけの話なのだ。
歪で、曲がっていて、触れれば砕ける程に脆い。もしかしたら重く、そして硬くなる彼の《月装》はそんな弱さを隠すための砦なのかもしれない。

「…………はっ、勝手にしろ。どうせ言っても聞かなそうだしよ」

話すのは苦手だ。言葉だけで相手を負かすなんて芸当、彼には出来るはずもなく。
半ば諦めの気持ちで、勝手にしろと投げやりな言葉を放った。
675 :ジャン・ジェスキエール《夜》 [sage saga]:2014/09/30(火) 00:04:18.64 ID:wTUaH8OLo
>>669

 華奢な身体を、人外の膂力にまかせ叩き付ける。
 衝撃で、骨が粉砕される感覚。血の槍衾が、リィオラの臓腑を貫き、新たな血を注ぐ。
 絶頂しそうなほどの自己陶酔感が迸る。この酸鼻たる至高の《夜》に、
私は再び生贄を捧げ、己を絶対のものにするのだ。

 愉快だ、愉快で仕方がない。
 見ろ、百舌鳥の早贄と化し、両脚を失って、絶望と失意に沈む獲物の面を――
 喜悦を湛えた双眸が、リィオラの顔を映し出す。

 ――嘲るような笑みをうかべた、その顔を。

「――ガッ」
 
 瞬間、獣は地面に縫い付けられた。
 視界には緞帳が下りはじめ、急速に世界が色あせていく。
 何だ、何だこれは。

「キザ、貴様ァ――」

 理解が追いつかない。目の前の女は必死だ。すぐに死ぬ。今すぐに死ぬ。即座に死ぬ。
 そして何故か――自らもまた加速度的に死の淵へ向かっている。
 なぜ、なぜ、なぜ。どうして、どうして、どうして――。
 無数の問いが飛び交い、耐え難い苦痛にかき消される。

 そして――己はこの女に、殺されるのだと。
 かねて矮小と蔑んでいたものに、蔑まれているのだと。
 理解したときは、すでに何もかもが遅かった。

 正義の柱(ギロチン)の如く、単分子ブレードが獣の顔面を真っ二つに分た。
 
「あ、あ、あああ、ァ、アアアア、アアアアアアア――――!!」

 断末魔の叫びは、嗚咽か怨嗟か――あるいは両方か。

 廃墟に吹く陣風が、その叫びをかき消すころ。獣は、さながら己の言葉をなぞらえるように、
その頭部を熟れた柘榴の如く、飛散させ、死に果てていた。
676 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/30(火) 00:09:07.74 ID:ZGQIpsUPo
>>673
「幸いなことに、探し物とは一致したみたいだね……気を付けて」
眉を寄せ、光の残滓を目で追いながら睨みつける。これ以上増えられてもたまらないとこぼしつつ、太い腕を構えた。
鈍く光る武器を手にした相手とは反対に、ニコラスはまだ無手のままだ。

魔獣は逡巡の末、大道に向かって長細い顔を向ける。輝く輪郭が揺らめいたかと思うと、再び光が反射するように駆け出した。
天も地も無いように駆け回る姿は光の帯を引き、前の軌跡が消える前に次の軌跡を描き出す。
その軌跡が新しく大道の真横に現れ、側面に体を叩き付けんとする。

その時、ニコラスの拳が硬質の床を叩いた。途端鼓膜を擦るような低く重い音が響き、周囲の大気を震わせる。
魔獣の悲鳴が短く轟き、駆け回る姿を怯ませる。立ち止まった魔獣の周りのみに、光が煌々と纏わりつく。
それでも尚突進を繰り出す魔獣の姿は、先ほどよりもずっと視えるものとなっている!
677 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/30(火) 00:15:27.35 ID:y4vZrbtF0
>>674
――お前の様に強くは無い

この言葉は何度もかけられたことがあった。
《夜》の襲来後、悲観に暮れて足を止めることも無く、また狂ったように理想を唱えるでも無く、前を見据えて行動できる人間ならば誰もがかけられた言葉かもしれない。
この言葉を聞くたびにどう返せばいいのか度々悩む。責めることが正しいのか励ますことが正しいのか、それとも優しく慰めるのがいいのか。
人は弱いのだ。明確な答えなど無い。だからこそ彼女自身のあり方を説いた。

「本当にどうにもならないのは有るってことも無いってこともわからないことだけだよ」
「強く無いなら強くなればいい。目標点を決めてそこと自分の間を埋めていく。私がやってるのはそれだけ」

ただ、明確な意思を持って行動できるなら元から悩みはしない。だからこそ付け加える。本当に大切なことを。

「それに言ったばかりだよ。人一人の力は弱いけど人間の力は弱くは無いって」
678 :【崩月真夢】《人間》【有創無奏】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/09/30(火) 00:18:32.28 ID:hlq4w1utO
>>672
/遅れました、ありがとうございました!
679 :リィオラ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/09/30(火) 00:23:40.93 ID:7pczNkjLo
>>675
 痛い。というよりは熱くて、冷たい。死が痛覚を麻痺させているのか。
 槍衾に貫かれ、獣に砕かれ、全身、アカいハナが咲いたみたい。
 ケモノの血と溶け合っている。ケモノでも、血はアカいのか。なんて考える。

「いい声だ。……それにしても……強すぎるよ……オマエは」

 声帯が砕け散っているから、声にはならなかったけれど。代わりに血の塊がこぼれた。
 無限に増える魔獣の一体は、どれほどだったのか。自分が出会ったなかでは間違いなく最強。
 倒せたのはただの油断と運。もし魔獣がザコを侮らなかったのなら、一矢報いることもなく死んでいたろう。
 魔獣倒したという高揚感。これから死ぬという寂寥感と絶望。死と死と交換。
 不思議と怖くはない。自分自身が魔獣にはならないと分かっているからだ。
 
 ギロチンで首を刎ねられては十数秒。これから女の終わりまで数十秒。ちと長い。
 人生を振り返るには短く、未来を諦めるには永く、高揚に浸るにはさみしい。
 ふと思い出すのは、夢を語ったことのある男。約束は守れそうにない。

 魔獣の呪いと怨嗟を看取って、ギロチン刑よりもわずかに長い寿命が尽きた。
 赤黒いハナに埋もれて、永遠に眠った。

/遅くまで付き合っていただきありがとうございました。楽しかったです!
680 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/30(火) 00:26:47.39 ID:r4HFaHRzO
>>676
接近する魔獣。どうやら狙いは自分らしい。
ニコラスの一言で剣を構える手に力が入る。そして精神を集中させる。全ては、目の前の魔獣を斬る為に。

魔獣の姿が消える。そして、再び光の噴流が自分に向かい迸ってくる。
何処だ、何処から来る。上か、前か、横か。
………魔獣は大道の側面に接近し、一撃を与えんとする。通常ならばその一撃は見事に決まるだろう。

だが、魔獣の攻撃は失敗した。周囲に鈍い音が轟き、振動が体を震わせる。
一瞬頭が重くなる………目を閉じようとした瞬間、魔獣の姿が揺らめき、こちらに接近するのが分かった。
「………そこか!」
一閃。
刀身が発光し、右斜め下より振るわれる。
魔獣の体は見事に両断され、血液を撒きながら大道の背後へと滑っていく。

「……………はあ…」
緊張の糸が切れ、その場に座り込む。血まみれになった顔を手で拭い、ニコラスの方を向く。
「………助かった…………」
681 :ジャン・ジェスキエール《夜》 [sage saga]:2014/09/30(火) 00:26:48.52 ID:wTUaH8OLo
>>679
/こちらこそありがとうございました、楽しかったです!
/もう駄遅レスに付き合っていただき感謝しかないです……!
682 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/30(火) 00:33:50.72 ID:1gB2tMlio
>>677

強くないなら強くなればいい。至極単純で分かりやすく――――そして、残酷な答えである。
この世界で戦うことを選んだ人間は、誰もが強く在ろうとしている。彼だって、やり方は違えど其のはずなのだ。
だが現実は甘くない。才能のある者は《焔装》を、手に入れられなかったものは《月装》を、そしてそれすら手に入れられない人間だって存在する。
そして仮に《焔装》や《月装》を手に入れられたとして、それが強いのかどうかは本人の適性次第。
全ては負け犬の遠吠えで、言い訳を並べ立てただけに過ぎないと分かっていても、弱い人間ならば悩み、挫折し、葛藤する。
其の上で真っ直ぐ在ることが出来るのが強い人間で、そして彼はそう在れなかった。

「…………そーかよ」

それでも今更真っ直ぐ生きていこう、などとは思わないけれど――――少女の言葉を聞いていると、少し思ってしまうのだ。
こんな自分でも、強くなれるのではないか。そんな希望が、僅かにだが生まれて。

「……そうだな、ああ。そう言い切れるお前は、やっぱり強いよ」

人一人は弱いというけれど、たった一人の影響力が何かを変えることもある。
そういう意味では、少女は間違いなく強い存在だと言えるだろう――――此の世界を真っ直ぐに歩いていける、本当の強さを持っているのだから。
683 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/30(火) 00:37:33.92 ID:ZGQIpsUPo
>>680
魔獣の体は、駆け回っていた時の美しさが幻であったかのように、ぐずぐずと黒い砂粒のようになって消えていく。
その変わり果てていく姿は、一撃の元に葬り去られたのだということを表していた。

ニコラスもしばらくは魔獣の残骸を見つめていたが、その死を確認するとゆっくりと上体を起こした。
「すごいな……今のって、月装かな? ひょっとして、俺の手助けなんていらなかったのかも」
おつかれさま、と軽く肩を叩く。座り込んだ相手を気遣わしげに覗きこみながら、躊躇いなく手を差し伸べる。
やがて相手が気力を取り戻したならば、最初に出会った一室まで戻るだろう。

「俺はニコラス・ハウって言うんだ。君は? ひょっとして、同じ自警団だったりするのかな」
道中相手の隣を歩きながら、そういえばといった様子で水を向ける。
廊下は先ほどの魔獣の影響か非常灯までショートしており、廊下はいっそう暗いままだ。
684 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/30(火) 00:51:28.63 ID:y4vZrbtF0
>>682
「もしも前に進める力が心に残っているなら、いつだっていい。遅すぎることなんて無いから……。私は……私達は待ってるよ。」

人員も物資も減少し、徐々に闇が濃広がる今。臆病でもいい。恐れていてもいい。ただ自分の意思で《夜》を払おうとする意思がある人間を世界は待ち望んでいる。
もしも友人として肩を並べて戦うことが出来るなら……。淡い期待ではあるが後は彼自身が決めることである。

「それに行動すればは理想を引き寄せることも出来るんだから!」

ほんの少し前方に見えるのは火葬場。居住地付近へと近づき人間の数が多くなっていたのにも関わらず静哉を呼び咎める人間は現れなかった。
奇跡といってもいい可能性。でも確かにそれは起こった。

「手続きとかは慣れているからその子を私に渡して。大丈夫、任せてくれたらあなたの分までしっかりやっておくよ」
685 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/30(火) 00:55:09.61 ID:ZoUeuVkE0
歩く、歩く。そうすれば、無駄な事を考えずに生きれるから。思考を止めて、何も考えず、命だけを優先して生きていく。
まるで階段にも見える人生という名のちっぽけな道のりを、一歩ずつ一歩ずつ踏み外さない様に。決して後ろは振り返らない。
振り返ってしまえば――――歩みが止まってしまうから。思考が、また廻り始めてしまうから。
考えたくない、あの日の記憶すらも。自らがただの人間であると痛感したあの日≠フ記憶すらも、摩耗し消耗して消えてしまえ。

吹き付ける風と、ここ数年ですっかり慣れてしまった夜の世界。普通の世界であればまず存在しない魔獣と呼ばれる異形達。
ああ馬鹿らしくて笑いが出る。何故、以前の自分があれほど拒んでいたクソッタレに退屈で平穏な生活が恋しいのか。
命の危険を身に感じて初めて分かる事、人の死を身近に感じで初めて分かる事。何度か経験した、目の前での死。死、、死、死。
ふざけるな。俺には関係ない。勝手に死んでくれ、俺を巻き込んで死んでいくな。一人で寂しく死んでくれ。オレの心を揺さぶるな。
俺は一人でいい、一人が良い。気持ちの悪い心≠ニやらに惑わされずに済むから。こんなただ余計に糖分を使用するだけの無駄な思考をしなくても済むから。


―――――ああ、くだらない。


《都市》の外。自治体や他の奴ら管轄であり、殆どいっていい程魔獣の闊歩しないエリアに足を運び。何時もの変わらない思考℃條ヤを浪費していく。
その姿は酷く分かりやすく、酷く歪んで′ゥえたのは―――――決して気の所為などでは無い。彼の能力を考えれば、結論は近くにある。
686 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/30(火) 00:58:41.56 ID:r4HFaHRzO
>>683
「そう、月装だ……………必要無いなんてとんでもないさ、あんたがいなければ、次は首が飛んでたかもしれない……」
差し伸べられた手を掴み、ゆっくりと立ち上がる。
覗きまれた顔には、安堵の色が映っていた。

礼を言い、差し出された水を飲む………その味は、何時もの数倍美味しかった。
「確かに俺は自警団の一員さ、名前は大道竜造」
水を返し、ゆっくりとさっきの部屋へと向かう。
……道中、考えを巡らせる。
あの振動。あれは彼の月装……もしくは焔装なのだろうか。
あの魔獣は、本当にあれで全部なのだろうか。
まあいい、今日はもう休もう………だが、一つ思い出してしまった。
あの魔物を仕留めたら、缶詰を一緒に運ぶ予定だったのだ。
疲れたので休みたい。そう言いたい所だったが…………その人柄故、黙って作業を手伝うだろう。

//この辺で終わりでしょうか?
687 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/30(火) 00:59:47.86 ID:ZoUeuVkE0
>>685
都市の外 では無く、《都市》の中心より外れた〜で
688 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/09/30(火) 01:05:13.79 ID:ZGQIpsUPo
>>686
「そっか。じゃあまた会えるかもしれないね、折角の縁だからさ」
「俺だって、君がいなかったら一気に三体と対峙していたかもしれないし……恩返しだよ」
年齢にそぐわない、どこか子供の面影を残した表情で笑う。
結局大量の缶詰のうちほとんどはニコラスが運んでしまって、大道に頼むのはそのうちの十もないくらいの数だろう。
きっとみんな喜んでくれる、と男は笑う。そのための苦労などなんでもないように。

//リミットが近づいてきまして、途中強引な展開にしてしまった事をお詫びします。
//お相手いただきありがとうございました。
689 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/30(火) 01:05:38.38 ID:1gB2tMlio
>>684

「…………ん、じゃあ後は任せるわ」

何もわからない自分が出張るより、手馴れている人間に任せたほうが良いだろう。
可能な限り丁寧に幼子の体を地面に横たえると、彼は少女に背を向けた。
人間でありながら人間がいる場所がアウェイになってしまう彼にとって、この場所は非常に居辛い。

「ま、俺は俺なりに頑張るよ――――こっちに来ることも、少しは考えとく」
「考えるだけだけどな」

行動すれば理想を引き寄せることが出来る――やはり少女の言葉は彼にとってはあまりに真っ直ぐ過ぎて。
信じたくなる気持ちと弱者としての現実的な思考に矛盾した思いを抱えながら、立ち去ろうとし――――一度、立ち止まる。

「…………あぁ、そうだ。借りっぱなしは気持ちワリィからな」

やるよ、そういって彼は学ランのポケットから何かを取り出し、少女の方へと放り投げた。
見れば其れは少ない量で高カロリーかつ栄養を補給できる、ありふれた非常食であるビスケットバーだった。
しかし物資が不足しているこの世界において、食料というは非常に貴重と言っていい。
箱に入った其れを少女へと投げると、彼は今度こそ立ち去るだろう。
690 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage]:2014/09/30(火) 01:07:50.16 ID:r4HFaHRzO
>>688
//こちらこそありがとうございました!
691 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/09/30(火) 01:17:16.23 ID:y4vZrbtF0
>>689
「強がるなバカ。それにこれも自警団の一員として仕事の一環だから本来お礼を言うのは私の方なの」

放り投げられたビスケットバーを受け取ったその手ですぐさま投げ返す。
確かに都市の外で活動する際にかさばらない食糧は有り難い。
しかしはぐれ者として生活している彼より食糧の入手に困らないのも事実。
そもそも彼女の《月装》の能力として少ないエネルギーで多く活動できるということもある。
よってこの行動は必然であった。

「じゃあ、またね」

幼子の体を丁寧に持ち上げると背を向けて歩き出す。
次の彼との邂逅が殺し合いで無いことを祈りながら……
692 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/30(火) 01:22:02.49 ID:1gB2tMlio
>>691

「…………そこは受け取っとけよ、俺の気分的に」

先ほど言ったとおり、借りっぱなしは気持ち悪い。これで精算してやろうという魂胆が、これで台無しである。
投げ返された其れを再びポケットの中に突っ込むと、一度ため息をつき歩き始める。
胸糞悪い気分だったが――――――――まあ、少しはマシになったかもしれない。

//これで〆ということで……絡み乙でした!
693 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [sage]:2014/09/30(火) 20:50:38.34 ID:qJP/sXky0
「ウーム……ムムムムム……はてどうしたものか……」

【暗闇の中、明滅を繰り返す街灯に照らされた男が一人、佇んでいた】
【彼は中年の男性だった。普段は穏やかな笑みをたたえる少々ふくよかな顔を、どういうわけか歪ませ、腕組みをしつつ唸り声を上げていた】
【彼は路上にいるのであるが、そこから数歩進んだところはコンクリートが崩壊し、下水管が丸見えになっている】
【街灯のお陰で落ちる心配はなかったが、そこを覗けば彼が悩んでいる理由がわかるだろう。大きな獣の姿をした魔獣が四、五体、水路の中で蠢いているのが】
【彼はこれらを倒す手段を考えていた。自分の≪月装≫は近接主体。そのため倒すには下水道に入るしかないのだが、入ったところで囲まれて喰われるのがオチだ。それに陰に何匹潜んでいるかわからない】
【かくして、「一人では無謀だ」という結論に達した彼は、自分で解決する手段をなんとかして悩み考えようとしながらも、一方で彼奴等の討伐にふさわしい助っ人の到来を待っているのであった】
694 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/09/30(火) 20:53:42.38 ID:1AKgAeM6O
街灯すら灯さぬ朽ち果てた外の外観は、ただ広がる闇。何も映さず、目の前すら見えない程に漆黒。
そんな闇の中で、何時からそこに居たのか、闇と同化していたかのように一人の人物が現れる。
目深帽子に長身。男か女かの判別も付けづらい、その人物は常識を逸した異常な雰囲気を纏いながら、歩き出す。

「前回は油断したが……ふふ、あんなかすり傷程度で激昂してしまう私の心の狭さは解消したよ」

常に笑みを浮かべながら、闇の住人は闇を抜け出し僅かに街灯が照らす道に出た。
彼は闇の住人。名前などはない。ただ、全てを破壊するという本能に従って行動するのみ。
今宵の獲物は誰か。闇夜の舞踏会で私と一緒に踊ってくれる者は誰か。

/戦闘希望です、よろしければ是非!
695 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs [sage]:2014/09/30(火) 21:01:53.55 ID:I6Ujso9zO
ニンゲンに対し、殺戮を欲するのは魔獣としての本能として当然である。だが知恵ある魔獣はその殺戮に「過程」を求める。それは魔獣に堕ちる以前のニンゲンであった時に色濃く反映されるようだ。

ある魔獣はニンゲンを[ピーーー]直前までに生きる「希望」をめちゃくちゃにしてから[ピーーー]事を美学とした。
ある魔獣は拷問のように、部分部分を痛めつけ、嬲り殺しにする事を目標とした。

そんな「知恵」ある魔獣でも、イレギュラーな存在を放つ者もいる。この六芒=スカヤもその一体だった。
スカヤ自身も不思議な魔獣だと自嘲する。
殺戮を幸福と感じる以上に「全力で戦う」という「過程」に最大の幸福を感じるからである。

そして、奴はまた強者を求め、強者のニンゲンがいる街で彷徨う…自分の心が満たされるような「過程」を楽しむ為に。
例え「過程」を過ぎて殺めてしまっても、だ。

「これで3人目…3人も強者に出会えるとは俺も運が回ってきたのかもしれん」
「───別に探さなくても、あちらから来てくれるのは有難いことだな」
696 :リアーヌ・シャリエ【焔装】 ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/30(火) 21:14:10.79 ID:hJCQYbl70
>>694
絞り出すような、闇黒の前には少々頼りない街灯が照らす道
闇の住人の視線の先、もう一つの街灯に浮かび上がる華奢な人影が見えるだろう

それは一歩、また一歩と、しかし慎重な歩調を以って歩み寄ってきて

「――――誰?誰なの……?そこにいるのは……」

そう"彼女"は語りかけてくる
耳聡い者が聞いたなら、それは得体の知れぬ者を前にして若干の震えが混じっているとわかるだろう
697 :月城 有子 ◆.h5rALICE. [sage]:2014/09/30(火) 21:16:25.14 ID:t02OLYM/o
自警団本部の1F。
入り口からそう遠くない大きめのソファーに寝転がる1人。

「負傷中に出所不明のスコアを稼ぐのは無し。
 意味の無いキャンプで大物を待つのも無し…
 援軍が見込めない状況で戦闘を長引かせるのも無し。
 回避が出来るのに反撃に出るのも無し…」
独り言を洩らしながら、天井を見上げていた。
黒い外套を身に纏っているが左腕は袖を通していない。
外套の下は左肩を固定するようギプスが施され動かせない。

「ナンバー1よりナンバー2。
 君の力は他人を生かす為にある、ねぇ…」
頭を打っておかしくなったのだろうか。
今日の彼女はまるで以前とは別人のように、澄んだ瞳をしていた。
698 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/09/30(火) 21:17:07.78 ID:qJP/sXky0
>>695
【街灯の下。足下に蠢く魔獣たちをどうあしらおうと思案していた彼は、背後から近寄る異様な雰囲気に我を取り戻した】
【明らかに「魔獣」……それでいて、明らかに「異様」。息を飲むような威圧感に、彼は無意識の内に≪月装≫を展開していた】
【闇へと向き直り、青白く光り輝く月明かりの刃をかざす。目の前を睨む眼光は、恐れを成さぬ勇士のように】
【大声で、なおかつよく響く野太い声を、物言わぬ暗がりへ放った】

「……魔獣、そこにいるのは分かっている。姿を現すがいい!」

【2mはあろうかという特大の剣を両手でがっしりと構え、暗闇の向こうへ潜む魔獣に対し、"不動"の意思を見せつける】

/よろしければ……
699 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/09/30(火) 21:26:49.68 ID:1AKgAeM6O
>>696
「…………………うん?」

照らす道。華奢な人影。嗚呼、見つけた。今宵の獲物だ。
震えている。だが、このまま狩るのはもったいないだろう。食事の前には運動を。戦という名の酒の肴を。

「――――――――私が誰かなんて、そんな問いは意味を成さないんだよ。そうだな、強いて言うならば私は君たちが魔獣と呼称している存在……とでも言えば良いかな?」

歩み寄ってくる女性。相変わらず顔は見えないが、彼は笑みを浮かべている。
そうして、歩み寄ってくる女性を一瞥しながら、問うのだ。

「…………で、私にこうして話しかけて、関わってしまったんだから――――後は言わなくとも分かるかな?」

放たれるのは、洗練されて研ぎ澄まされた一筋の殺気。
彼女はどうするのだろう、怯えすくんで逃げるか、それとも――――――彼の望むように戦ってくれるのか。
700 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/30(火) 21:26:58.07 ID:I6Ujso9zO
>>698

突然呼び止められた声は「女性」ではなく「男性」。その声にしばし、安堵の気持ちを表す。

「ニンゲン──それも男の声だな」
「ようやく、ニンゲンの男と戦えるとは実に俺は運が良い」

そう言って、ジークローランの目の前に仁王立ちで話しかける。

「男、お前は強者か? 俺は最近女ばかりと相手していたのでな……少し、飽きていたところだ」
「勿論、見るからにゲッソウか? ソイツを構えるということは───覚悟はできていると受け止めていいのか?」

久々に味わえる、死ぬか生きるかの戦いの予感にくつくつと嗤い声を立てる。
そして、自分も戦闘体制に入る為に徐々に身体を「変化」させていく。その姿、まさに異形。二足で立つ、筋骨隆々たる蟲の肉体を持つ怪人がそこにいた。

//よろしくお願いしますね!
701 :リアーヌ・シャリエ【焔装】 ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/30(火) 21:37:04.15 ID:hJCQYbl70
>>699
「―――っ!?」

そう。薄々予感はしていたのだ
これまでも多くの魔獣と戦ってきた女戦士たるリアーヌに"それ"――独特の存在感が感じ取れぬ筈はない
問いかけも予感を確信に変えるための手段でしかない、しかしここまできて彼女はまだ"震えていた"

(……どうして?なぜ震えてるの、私。魔獣なんて、これまでも自分だけの力で数えきれないほど――)

それなりの場数を踏んだ彼女をして震えしめた要因は偏に、圧倒的な"存在感"――それは、端的に言って強さの現れといっていい
強い――彼は普通の魔獣とは異なる。そんなことぐらい戦う前からわかってる

(……いや、逃げるなんて真っ平よ。ここで逃げれば――)

―――自分の信念を裏切ることになる。恋人を、家族を、皆悉く闇の奥底に葬り去った魔獣どもの悪行を忘れる筈はない
ならば、相手がどんな者であれ、立ち向かうしかない―――

「随分とものわかりがいいじゃない……そうよ、私は……」
「お前たち魔獣を――倒すためにいるのよ……!!」

放たれた殺気に返すは、街灯の元露わになった鋭い眼光、闘志の証
背中に背負ったライフルを右手に携えると、いつでも撃てるよう準備のされてあるそれを魔獣に向かい1発発砲した
702 :ザ・リガ ◆Cyaw5uBeXo :2014/09/30(火) 21:39:38.44 ID:MVu7nmxDo
「ギギギ…」

【淀む川。その中から、ゆっくりと、何かは顔を覗かせる。】

「ギギ゙…メ…シ」

【黒き巨体は、鈍重に、慎重に、自らの体躯を駆動させる。】
【そして両手の、歪に育った、蠅取り草のようなハサミを、眼前で蠢く、名も無き数匹の魔獣へと向かわせる。】

「よッ…ト……」

【呟きの直後、大きく開いたハサミの口へ、魔獣達は吸い込まれてゆく。】
【獣の慟哭が、瞬く間に、その肉体へと溶けこんでゆく。】

「やはり人間…の方が旨い…か」

【そう言うと、その何かは、陸地へと足を向ける。】
【これから来たる、本当の食事の時間に、心、躍らせながら。】
703 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/30(火) 21:42:48.86 ID:ZoUeuVkE0
歩く、歩く。そうすれば、無駄な事を考えずに生きれるから。思考を止めて、何も考えず、命だけを優先して生きていく。
まるで階段にも見える人生という名のちっぽけな道のりを、一歩ずつ一歩ずつ踏み外さない様に。決して後ろは振り返らない。
振り返ってしまえば――――歩みが止まってしまうから。思考が、また廻り始めてしまうから。
考えたくない、あの日の記憶すらも。自らがただの人間であると痛感したあの日≠フ記憶すらも、摩耗し消耗して消えてしまえ。

吹き付ける風と、ここ数年ですっかり慣れてしまった夜の世界。普通の世界であればまず存在しない魔獣と呼ばれる異形達。
ああ馬鹿らしくて笑いが出る。何故、以前の自分があれほど拒んでいたクソッタレに退屈で平穏な生活が恋しいのか。
命の危険を身に感じて初めて分かる事、人の死を身近に感じで初めて分かる事。何度か経験した、目の前での死。死、、死、死。
ふざけるな。俺には関係ない。勝手に死んでくれ、俺を巻き込んで死んでいくな。一人で寂しく死んでくれ。オレの心を揺さぶるな。
俺は一人でいい、一人が良い。気持ちの悪い心≠ニやらに惑わされずに済むから。こんなただ余計に糖分を使用するだけの無駄な思考をしなくても済むから。


―――――ああ、くだらない。


《都市》の外。自治体や他の奴ら管轄近くであり、比較的魔獣の闊歩しないエリアに足を運ぶ。そして、何時もの変わらない思考℃條ヤを浪費していく。
その姿は酷く分かりやすく、酷く歪んで′ゥえたのは―――――決して気の所為などでは無い。彼の能力を考えれば、結論は近くにある。
704 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/30(火) 21:43:35.11 ID:qJP/sXky0
>>700
【自らの声に反応した魔獣の気配。やがてこちらへ近付くと共に、その全貌が明らかとなる】
【大柄で筋肉質。ガッチリとした人間の形をした魔獣……そして、彼の態度。強者の予感を感じつつも、それに対して臆する事なく、吐き捨てるように答えを返した】

「強者かどうかは、その身をもって知るがよい」
「覚悟をするのは貴様だ、魔獣!」

【魔獣が戦闘態勢を取る。こちらも相手から距離を離し、暗い光を放つ刃を敵へと向ける】
【相手は見る間に蟲と人間を複合させたような異形へと姿を変え、こちらへ不敵な笑みを浮かべている。その肉体で、どれだけの命を奪って来たのか?奴はどれほどの人間を脅かしているのか?考えるだけでも腸が煮えくり返る思いを受ける】
【対峙。静かな緊迫感が張り詰めるその静寂を破ったのは、彼の方だった】

「うおおおおおおおっ!!!」

【勇ましい掛け声を上げて、勇猛果敢に異形へと走る。繰り出されるのは、ダッシュの勢いを利用した、剣を投げ出すような「突き」】
【その重量を利用した強烈な一撃は高威力ではあるものの、隙というリスクが伴う。このタイプの魔獣に対し、そのリスクは大きいものであっただろうか】
705 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/30(火) 21:45:00.03 ID:cShZqXARo
>>697
ジョセフ・シェーンハウゼンは自警団本部の扉を勢い良く開けた。特に意味のない、彼の癖だ。
彼はあたりを見回すとソファに寝転がっている女を見つけた。
話し相手だ――ジョセフはそう思い、喜んだ。話し好きな彼にとって相手が見つかることは良いことだ。
それが女性であれば尚更だ。
ジョセフは軽い足取りで見つけた女――月城の傍に寄った。

「なーに一人でぶつくさ言ってんだ? 何かあったみてえだな」

初対面ではあるがジョセフは親しげに、あるいは無遠慮に声をかけた。

彼の方を見たならばその姿が目にうつるだろう。
紺色の短髪の青年。穴や切り跡だらけのぼろぼろのジャージに、顔以外包帯まみれの全身と背中に包帯でくくりつけた槍が目立つ。
706 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/09/30(火) 21:47:58.32 ID:1AKgAeM6O
>>701
「――――――――――あぁ、それで良い」

そうだ、それで良い。あんまり簡単では、興が冷めてしまう。存分に力を出しきり、そして私に喰われろ。
未だ震えている女性を見下し、嘲笑に満ちた笑みを露わにする。

だがしかし、そうこうしているうちに女性の放ったライフルの弾は彼の額を貫通。血しぶきが流れ、そのまま彼は驚愕に満ちた顔でその場に崩れ落ちる―――――
―――――はずもなく、呆気らかんとした顔で平然としていた。嗤いは、消えないまま。彼女の反応は、如何なるものか。

驚愕に染まっていたならば、あっさりとかけ出した彼に距離を詰められるだろう。
そうして、いつの間にか彼の両の腕は、手という形がなく、剣の形に形態が変わっているのだ。
踏み込み足、鋭く地を踏みしめ体重を乗せ、右腕で彼女の腹目掛けて刺突を行う。
その一撃は、剣の達人程にではないにせよ、常人から見れば充分に"疾い"。
何にせよ、頭部を撃ちぬかれた彼の様子を特に気にも留めなければ見切る事は充分に可能ではある。
707 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/30(火) 21:48:09.99 ID:YxfIgaT60
【人々が寝床として使用している小学校跡】
【魔獣を倒しに行きたい気持ちはあるが、自分が此処を離れては此処の人を護る人が居なくなる】
【少女はそんな思考をしながら、八本の腕で器用にカレー作りに勤しんでいた】

…〜〜でーきたっ!

【少女は能力的に一人で数人分もの働きをすることが出来る。生身の腕は無くなったが】
【完成したようで、適当な具合に盛り付けて家庭科室の机に並べる】
【人を此処に呼べば其れで良し、其の後自分の分のカレーを持って見張りの為屋上に戻る。忙しい生活だ】

ふぅ…つっかれたなぁ

【屋上に上っていつもの様にチェアに身体を預けて、《都市》を見渡しながら溜息】
【今日は魔獣は来るか…、警戒しながらカレーを口に運んでいた】

//下手ですが…(´・ω・`)戦闘日常どちらでも!


708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2014/09/30(火) 21:50:18.28 ID:p6PgZojBo

――きッつい…

【暇な月装使い――として物資の運搬を任された】
【自警団から教会まで食料を運搬中――近道の荒野の中での魔獣からの襲撃】
【この地域での魔獣の目撃情報はなかったはずだが――】

(また一人堕ちてたか…魔獣でも弱い方なんだろう…それでこの様…
というよりもう一人くらい人を寄越してくれればいいものを…)

【小型の魔獣が紫色の血を流しながら地にふしている】
【傍らに立ち竦む、巨大な大鎌と白髪が特徴的なボロボロの青年と食料を積んだ台車】

【――…震えながら、しゃがみこむ】

――…殺(や)っちまった…姉さん…

【嫌悪か後悔か…助かったはずなのに言いようもない不安にかられていた】
709 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/30(火) 21:51:13.86 ID:p6PgZojBo
>>708
あ吉永藤治です
710 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/30(火) 21:54:32.59 ID:I6Ujso9zO
>>704

「どうした? そこまで顔を顰めなくても───俺は逃げも隠れもしないのに」

そう吐き捨てた直後、相手が雄叫びを上げてゲッソウたる大剣を突き出した。

「………SHHHHAAAAAAAAAAAA‼︎‼︎」

その突き出した大剣を、「腰」と足のステップの動きで避け、そのまま顔を掴まんと片腕を相手に向けて伸ばす。

「確かにその動き、良い戦士の動きのそれだが……俺と張り合うなら、少し遅すぎるのではないかッ!?」

ジークローランの動きは、避ける事ができ、しばし余裕を見せる。まるで相手を煽り、さらなる本気を見せて欲しいと言わんばかりに。
711 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/09/30(火) 21:56:28.55 ID:t02OLYM/o
>>705
1人の男が近寄ってくる。女の視線も男の方へと向く。
1日は病院で寝込んでおり、未だ負傷で外に出ないようで。

「ちょっとね。
 私が殺されそうな時あっさりと帰る魔物に遭ったり…
 いつもより手ごわい奴に遭って、頭打ったり…
 調子が狂ったというか、身体がボロボロというか」
ぼんやりとした表情を浮かべ、目線を天井に戻す。
女は靴を脱ぎ、足を組んでだらしなくくつろいでいた。
赤と黒のアーガイル柄のタイツに包まれた脚が交差する。
ローファータイプの革靴はソファーの下に置いてある。
712 :リアーヌ・シャリエ【焔装】 ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/30(火) 22:02:11.13 ID:hJCQYbl70
>>706
分かる。闇夜の下不明瞭であれ、僅かな光で、血しぶきの嫌な音で、弾丸の命中したことは
だが

「――――っ!?い、いやっ……!」

彼女の放つ弾丸は、如何にそれが通常兵器といえど魔獣相手にも牽制程度の役割は果たせたものだった
次は彼の"強さ"の裏付けが叶った――改めて言うが、強い――被弾して尚笑みを崩さぬことが否応なくそれを女に分からしめた

震える。同時に零れ落ちるは性別相応な悲鳴
焔装を発動――なんとか攻撃を回避せんと、右方向へのエネルギー噴射で左方向に急移動せんと努めるも、反応が遅れた
リアーヌの右脇腹には、あっさりと服の生地を裂いた刃の軌道に沿って切り傷がついた
傷の程度は深からず、かといって浅からずといったところ

(こ、この程度……!!)

既に自分は焔装を発動したのだ――次はこうもいくまい、と
必死に震えを抑える、同時に相手を観察し、再び加速――白いエネルギーを纏った右足を、その加速の勢いのままに回し蹴りのようにして相手に叩きつけんとする
713 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/30(火) 22:04:34.02 ID:ocE3r/Ho0
>>703
どっかで見た事あるんだよなぁ……。

【佇む男を視界に入れて】【見知った顔だと脳が告げる】【しかしどうも覚えていない】
【確か、何かをしていたような――していなかったような……】

――っあ、そうだ!

【少女も同じく、魔獣の少ない場所に来ていた】【理由は単純】【暇だから】
【何かを思いついたように声を上げれば】【その青年の傍へと駆け寄る】
【灰色のショートを短く揺らし】【エメラルドグリーンの双眸は、しっかりと青年を捕えて】

なぁ、あんた――。
714 :ザ・リガ ◆Cyaw5uBeXo :2014/09/30(火) 22:05:54.25 ID:MVu7nmxDo
>>707
「………。」

【闇を暗い、闇を切り裂くかの如く、その何かは猛進を続ける。】
【そして、同時に発する衝撃により、周囲へは深刻な亀裂が走る。】

「…!」

【餌の、臭いを感じる。】
【最も、彼が欲するもの。】

「ギギギ…」

「ギィギギギギギギギギ……」

【自他共への負担など意にも介さず、急ブレーキをかける。】
【静止した、その視線は、しっかりと、目前の建造物を見つめていた。】



「………」


「…見っケ」
715 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/30(火) 22:08:23.03 ID:qJP/sXky0
>>710
「(なかなかの足さばき……やはり此奴、只者ではないらしいな)」

【渾身の突きをいともたやすく回避される。しかしこれは想定の範囲内だ】
【見るからに隙だらけの攻撃。最初から当たるとは思っていなかった……ならば何故か?それは……相手を"誘い出す"ためだ!】

「むぅうううん……!」

【外した剣の勢いを再利用し、そのまま身体ごと上体をひねる!それに伴って頭の位置は下がり、魔獣の片腕は空を切った!】

「……うらぁああああ!」

【叫び声と共に、ひねった上体を引き起こし、力を解放する!巨大な剣は身体全体を使った豪快な動きにより、そのまま三日月のような軌道を描いて下から上へと斬り上げるように動く。その狙いは、魔獣の胴!】

716 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/30(火) 22:12:55.12 ID:cShZqXARo
>>711
「おいおい、そんな魔獣いるのか!? そりゃびっくりだぜ!」

ジョセフは驚愕した。少なくとも彼の常識からすればその魔獣は考えられないことだった。
他にも色々聞きたいことはあったがまずは近くにある椅子を引っ張ってきてそれに座る。立ち話は辛い。

「思わず話しかけちまったが、そういうことなら放っておいてやった方が良かったか?」

思わず眉尻が下がる。調子の悪い相手に声をかけてしまった申し訳なさと、最初の喜びからの反動のせいで。
そのあたりの気分から少し目を逸らすと月城の足が目に入る。今度は思わず頬が緩む。これは男の性だ。
717 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/30(火) 22:15:24.91 ID:ZoUeuVkE0
>>713

外界からの刺激。少女と思われるその声質と、無邪気とも取れる様なその双眸。彼は突然とも言えるそれに無警戒で#ス応する。
――――普段なら在り得ない事だ。彼は臆病者であり、死体漁りの常習犯でもある。つまり、敵が多く、あまり皆に好かれてはいない。
知らない人間に対しても、知っている人間に対しても警戒しつつ振る舞うのは当たり前。自身の命が何より大事で、慎重すぎるほどに慎重でもある。
だが、今この瞬間だけは違った。考え事をしていた所為なのか、それともこれが彼≠フ本来の姿なのか。理解は出来ない、しかし、無警戒に反応したのは紛れも無い事実。

「――――あ? 誰だ?」

不機嫌とでも言いたげな感情のこもった声、生まれつきに悪いその黒い双眸。ジャケットにジーンズというチンピラした服装も相まって、それなりに怖さはある。
少女の姿を目に入れた瞬間「■■」と声がする。あまりいい感情では無いのかもしれない《言語となっていない言語》が頭に響いたのに疑問すら感じず、彼は少女の方角へと身体を向けた。
718 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/30(火) 22:21:00.97 ID:g5ZvZDDD0
>>714

ッ!

【気持ち悪い…不穏な気配、間違い無く魔獣の其れだ】
【行かなければ、今此処に闘える人は自分しか居ない】

えいっ!

【屋上から勢い良く飛び降り……背中から顕現した巨大な手がクッションとなって衝撃を緩和する】
【そして起き上がった少女の背中、蛇の様に蠢く二本の紫腕】
【其のうちの一本が膨らみつつ、男に向けて横薙ぎに振るわれる。その硬さは……鋼鉄と同等だ】

魔獣……倒してやるッ!!
719 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/09/30(火) 22:21:05.80 ID:qJP/sXky0
>>710
/風呂落ちまする
720 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/09/30(火) 22:21:24.81 ID:t02OLYM/o
>>716
「あんたの感動は、その手のタイプに出会ってからのお楽しみって事で。
 この前倒した一体も、娼婦に擬態してて人語をしゃべってたし。
 ここまで私を追い詰めて、自分は最弱だーって…気が滅入ってくるよ」
理性を持った高度な魔物。彼らと相対したら一筋縄では行かないだろう。
しかし表情はぼんやりとしたまま。普通は緊張感を思い出したじろぐ所だ。

「別に…怪我のせいで外に出れないし、私も退屈してた所だからね」
脚を組んだまま上半身を起こし、太腿に頬杖を立てて男の方を見る。
むすっとした不機嫌そうな表情で、男の視線の先を見ようとした。
721 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/30(火) 22:27:56.02 ID:I6Ujso9zO
>>715
「素晴らしいッ!」
「その動き、正に拍手喝采を送りたい気分だ!」

その豪快なジークローランの動きにスカヤはまた嗤い、賞賛する。そう、これだ。このような戦いを求めていたのだと心の内で確信する。

「だからこそ、だからこそだ…」
「──魔獣のパワーというものをコイツに知らしめてやりたいッ!」

そういった途端、スカヤの肩甲骨部分から現れる「第二の腕」。そして、クワガタの顎のように鋭く、尖った爪を腕から生やし、ジークローランの斬撃に合わせるように四本の腕で爪による斬撃を放つ。

爪と大剣。それが「魔獣」とて、その一撃と一撃がぶつかれば、何が起きるのか、第三者が見ても分かる事だろう。
722 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sage]:2014/09/30(火) 22:28:43.80 ID:+7vWOXjt0
「……あぁ、やっぱり」

朽ち果てた廃屋の中、瓦礫の隙間から差し込む、細い人工の光の中に彼女はいた。
身体を投げ出して寝転んでいるのは、支柱が壊れて中のスプリングも所々飛び出ている、かつてはベッドだっただろうものの上。
纏めていない金の長髪はさらりと体表を流れて床にまで及び、水のうねりを彷彿とさせる曲線を幾多に描き周囲の砂塵を巻き込むが、持ち主にそれを気にする素振りは一切ない。
気だるそうに伸びをして、すいと腕を光に伸ばせば、現れた暗黒がその表面を舐めるように覆い、まるで服のように身体全体をコーティングしてしまう。

「長く居すぎたのかしら……狭い所の方が、落ち着くわねぇ」

視線を宙に幾らか泳がせて––––壁材だっただろうくすんだ花柄の何か––––崩れて穴の空いた床––––そして、部屋の入り口付近にある、かつては魔獣だったもの。
大きさから見てかなり弱い個体だったのだろう、見る影もなくボロボロになり微動だにしないそれは、所々から艶のある「中身」が見えていて。

「ふふ、とっても美味しそうね?貴方……どうやっていただこうかしら」

それをじっとりと、舐め回すように眺め見、女性は恍惚と呟いた。
723 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/30(火) 22:30:58.28 ID:cShZqXARo
>>720
「ふーん、娼婦に擬態ねぇ……」

普段の彼なら大声で笑っているところだが今は心ここにあらず。意識の八割は別の、つまり月城の足に向かっていた。
しかしふと気がつけば不機嫌な顔が視界をかすめる。流石のジョセフもそれで我に返った。

「いや、あれよ、しょうがねえじゃん、その足だったら男なら見るって、うん」

なんて言い訳。といっても本気で申し訳ないと思っているわけでもないので半笑いで軽い調子。

「いやそれにしても娼婦に擬態とかひでえな!!」

更に続けて話題を逸らそうともする。
724 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/30(火) 22:31:20.48 ID:NOCbA5Et0
先の戦いで負った怪我も治り、今まで通りの生活に戻った
魔獣が襲ってくれば撃退し、人を見つければ食料を奪うような生活に
だが、この生活も一体いつまで続くのだろうか
このままいけばいずれは飲み水も、食料も、電力も尽きるだろう
最近は食料も手に入りにくくなってきた、死ぬ気はないがいつまでもこの生活が続けばそう遠くないうちに自分も死ぬのだろう
そんな考えが嫌になり、気をまぎらわせようと外を歩く

―――ここは、焔装使いも月装使いもあまり知られなかった頃に魔獣を都市に侵入させないために警察や軍隊が作った最後の防衛ライン

数月と持たずに壊滅してしまったが、焔装使いも月装使いもいなかったのだから持った方だろう
前までは死屍累々として正に地獄絵図だったが魔獣やわずかに生き残った動物が死体をすべて食らってしまい、今では戦闘の後が残っている程度だ
近くの瓦礫に腰を掛けふと空を見上げれば相変わらず真っ暗な夜のまま、月も、星もない真っ暗な空
いっそ、気が狂ってしまえば楽なのだろうか―――そんなことを考えていると後ろで瓦礫の崩れる音がする
敵か、急いで振り向くとそこにいたのは―――
725 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/30(火) 22:35:53.50 ID:ocE3r/Ho0
>>717
――あ、わっり……何か、邪魔しちまったか?

【少なくとも好意的ではない】【一言でわかるソレを向けられて】【手を自らの胸の前方へ】
【気のいい笑顔のようなものを向けて】【敵意はないと青年に示す】【尤も、魔獣の蔓延るこの世界では、その示し方は意味なき行為に等しいが】

誰だって……あー、そうだな、最近別の奴にも言われたんだよな。
あたしはエイル……あれだ、焔装使ってる。
んで、気になった事があって聞きに来たんだけどよ。

【同じく隣に座る】【それは自身の表れか】【この世界では致命的な、至って常識的な、裏切りはしないという甘い発想か】


あんたさ、『追剥さん』……だよな?

【――追剥さん、というのはこの少女、エイルが勝手にいっているだけの名称なのだが】【死体をあさる場面を多く見る月装使い……というのを知り合いとかに聞いた事がある】
【特徴がライダージャケットにジーンズ】【話しかけたのは、半ば興味本位……と、半分は真面目な用事】
726 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/09/30(火) 22:40:52.24 ID:t02OLYM/o
>>723
「ええ、人間に化けても気配はどうしようもないみたい。
 まぁ能力者でなければ、見分けは付かないと思うけどね」
マネキンのような細い足…脚癖が悪いのか度々脚を組みなおしている。

(まぁ、減るもんじゃないからね)
視られている事に対しては割と鈍感で、本人はさほど気にしていない様子だ。

「確かに、人に化けるってのは脅威。
 的が小さくて、狙いにくいからね…」
腕を組もうとするが、左肩が動かなくて戸惑っていた…
727 :ザ・リガ ◆Cyaw5uBeXo :2014/09/30(火) 22:40:54.38 ID:MVu7nmxDo
>>718
「チッ…面倒…な…」

【空から舞い降りた人間。その儚げな意志を、彼は感じ取った。】
【弱々しくも、気丈な、誇り高き精神。】

【それは、彼が非常に、嫌うもの。】


「ギッ」

【自身へと襲い掛かる、肉塊。】
【無駄だと知らしめんばかりに、向かい来る物へと、鋏をサッと一振りする。】

【そして、放たれた光が、それを向かい撃つ。】


「お前に…用は…無い」

【続けて、もう片方の鋏から眩い閃光が、ほとばしる。】
【後ろの建造物へと無慈悲に撃たれた「それ」によって、何かが融けた。】

【鉄の、ニオイがした。】
728 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/30(火) 22:45:37.92 ID:VGtisGn8O
>>708
折しも、その場所にもう一人の人物が近づく。

「…………まだ見えないか?」
自警団から運ばれて来る荷物が来ないという話を聞いたのは少し前の事。
丁度、警備のシフトも終わる所なので、その確認役を買って出たのだった。

「…………あれか」
ようやく台車が見えてくる………だが、動きは無い。
その時、異臭に気づく。まるで、死臭のような……

何かがあった。そう確信する。
緊張と不安にかられ、急いでその場に駆け寄る。
台車のそばには、血を流した魔獣の死体と足を抱え込む青年。

「おい、どうした!?大丈夫か、何があった!?」
青年に近づき、問いかける。魔獣は、この青年がやったのだろうか。

//残ってましたらお願いします……
729 :黒木 光 ◆y.s3xvFVls :2014/09/30(火) 22:47:57.99 ID:Z1rtw2HT0
>>724
ここ最近、余りロクな物を食べていない
いつか経験した闇と冷気に比べればかなりマシだが、それでもそう遠くない未来に迫る終局は明らかだった
だが、引きこもっていても仕方ないし、破滅を待つよりも淡い期待に身を任せて外に出た方が良い

そんな訳で、既に廃墟とかした防衛ラインの周辺を探索していた

「痛っ……」

頭を抱えて苦痛に顔を歪めているのは、齢16の少年
銀髪が僅かに残った光に反射し、その存在を強調している

近くにパラパラと落下した瓦礫の破片から、彼が音の元凶だと予想するのは簡単なことだろう
場違いな程に間抜けな姿で、少年は警戒心の欠片も無くその場で蹲っていた
730 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/30(火) 22:48:27.76 ID:cShZqXARo
>>726
「うーん、的に関しちゃ“俺は”問題ねえんだが人を殺ってるみたいで気分良くねえな」

真面目な話題になったからか、両腕を組む。腕に巻かれた包帯が擦れて音を立てる。
話をしているときは足から視線を外していた。今は月城よりも下に目を向けている、考え事をしているからだ。
そこでまた、腕を組もうとしているところが目にうつった。

「怪我があるならあんまり動くなよ。明らかに治りが悪くなるぜ」
「慣れてるやつの言うことは聞いとけよ〜?」

にやりと笑って両腕を解いて両手を月城の前で振る。袖から出ている部分は全て包帯が巻かれていてまるでミイラだ。
731 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/30(火) 22:49:44.85 ID:qJP/sXky0
>>721
「ムゥッ!」

【激しく鋭い金属音が鳴り響き、剣の進行は阻まれた。何事かと垣間見れば、魔獣の四本の腕から生えた鋭い爪が、自らの剣を鈍らせていたのだ!】
【爪を幾本か破壊しながらも、剣の勢いは確実に弱まっていく。「まずい!」このままではいずれ止められ、反撃をもらうハメになる。その戦術的勘は、魔獣が蔓延る以前からも鍛えられた年季によるものか】
【彼は咄嗟に後方にバックステップを踏み、剣を引き抜くように後ろに後退する。再び「対峙」の式が出来上がった】

「(こやつ……戦いを楽しんでおるのか!)」

【魔獣の態度と興奮ぶりを見るに、それらは魔獣が死のかけひきを「楽しんでいる」としか思えなかった】
【殺戮ではなく、それも戦闘、それ自体を楽しむ……その魔獣の存在は、彼の中で完成しつつあった魔獣の概念をたやすく打ち砕くに足るものであった】

【ならば、と剣を構え直す】

【死のかけひきが好きならば、死のかけひきの末に滅する事こそ、この魔獣にとっての至上の幸福であろうが】
【他の魔獣よりも異質だったからといって、扱いに変わりはない。ただ、魔獣は倒すのみ】

「うおおおおおあおっ!」

【再びの雄叫びと共に、彼は魔獣へと肉薄する。剣を振りかぶり、駆け抜ける。魔獣の肉体を袈裟斬りにせんと、月光の刃が迫り来る!】
732 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/09/30(火) 22:50:34.76 ID:1AKgAeM6O
>>712
「ふふふ………………」

布の生地を、そして肉を裂く感覚。嗚呼、たまらない。これだから戦いは良い。相手を蹂躙できるから。
怯えすくめ。震えて泣け。死力を尽くして力を出しきって精一杯のところを、圧倒的な力で蹂躙するのだ。
それこそが喜び。至福。

「………………む」

続く反撃は回し蹴り。加速し、白いエネルギーを纏った足が、彼の右脚を太ももから捉える。
―――――――文字通り、"抉られた"という表現が正しいだろうか、それは根本から彼の右脚を抉り取り、吹き飛ばした。
バランスを取れない身体は、当然地面に倒れ伏す。身動きも取れない状態。そこで、苦肉の策として両の腕が銃の形に変化。銃の性質を得た腕は、彼女目掛けて弾丸を一発ずつ発射する。

彼の笑みは未だ変わらず。余裕たっぷりの様子。

/遅れましたごめんなさい!
733 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/30(火) 22:51:19.81 ID:ZoUeuVkE0
>>725

「――――いや、済まない。人が居ると思わなくてな」

驚愕の感情から警戒の域へと至ってしまった―――――とまぁ、あまりにもありきたりなセリフを述べ。言い訳としてみる。
嘘とは言えないが、真実では決してない表現であり。本当のところ思考の邪魔をされたことに対し、つい言葉が漏れてしまっただけ。
寝ているところを起こされたときに感じるあの不快感とでも言えばいいのだろう。此処で事を荒立てるのは彼≠フ力では不可能なため、なるべく波を立てない様に。
ビクリ、少女が隣に座った時。体が少し震えた気がした。

「相沢 雅樹(あいざわ まさき) だ。」
「――――恐らく、その言葉が指すのは俺で間違いない」

《追剥さん》。随分と表現をマイルドにすれば――――このような呼び方になるのだろう。まぁでも、呼び方に対しては特に気にならない。
それが事実だと頷いて肯定する時も表情は揺らぐ事無く。もしかすればもう開き直って≠オまっているのかもしれない。自身の非道的に行いに。
先に焔装使いという言葉(ブラフかもしれないが)ため、彼の選択肢からは既に敵対という選択肢は消えている。余り気にならない呼称であるし、呼ばれるのも―――恐らく言い方に侮蔑が含まれているように見えなかったためだろう―――別段悪い気はしなかった。

「焔装………エイル………」
「――――『道無し』か?」


『道無し』彼自体が能力を見たことは無いが、その見たやつ≠フ話による道すら残らない≠ニいう噂話が定着し。彼や一部の人間の呼称となっている
少女がそうであるという確証はない。しかし、焔装使いであるという言葉とエイルという名。それらはどちらも見たやつ≠フ話しに合致するものがあった。


――――――何故、俺は彼女と話をしている。何故彼女を領域≠ノ入れている?
734 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/30(火) 22:53:53.81 ID:p6PgZojBo
>>728

――ちょっと一戦…、倒せたから問題はないけどな…

【すぐそばにある大きく特殊な鎌があるから月装使いであることは容易に想像がつく】
【言葉通り現時点ではこの場所に危険はないだろう、震える肩を抑えて立ち上がりそちらを向く】
【――一応の危険が去ったとは言え安全とは言い難い】

まあ、精神的に色々と…、もう大丈夫だ
迎えに来てくれて礼を言うよ、遅れて悪かったな…

【苦い笑みを浮かべながら一言】
735 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/09/30(火) 23:00:05.97 ID:t02OLYM/o
>>730
「確かに、怪獣とかなら潔くやれるんだけどね…
 なんというか、頭吹き飛ばしたらさ…
 そこからボコボコと膨らんで、突然巨大な蟹になるとか」
何ともいえない苦悩の表情を浮かべ、右手で頭を抱える。

「まるで私が慣れてないような言い草ね。
 それもしょうがないか…元々は後方支援だったし」
ジョセフが包帯を見せびらかすと、ぼんやりと天井を見上げる。

「ここには…星も、月も、太陽もない…
 どうしてこうなっちゃったんだろうね…」
儚げな声を洩らすと、薄暗い照明を眺めた。
736 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/30(火) 23:00:30.62 ID:1gB2tMlio
静かな闇夜を砕くように、衝撃音が都市の外れに響き渡った。
音の発生源は学ランを着た金髪の青年――安藤静哉である。彼は怒りに満ちた表情で、一体の弱小魔獣と戦闘を繰り広げていた。

速度はなく、多数相手では力が発揮できない。その代わり一対一で尚且つ純粋な殴り合いの場合、彼の《月装》は分かりやすく優位に立つことが出来る。
現在対峙していたのは弱小の獣型の魔獣一体であり、相性の問題で彼は魔獣を圧していた。
彼にダメージが無い訳ではないが、それを無視するかのように安藤は魔獣に拳を叩き込み、確実に追い込んでいき――――。
魔獣が倒れたその瞬間、馬乗りになり殴り始めた。

拳が魔獣の体を抉り、潰し、原型を破壊していく――――それでも、やめない。
まるで憂さを晴らすかのように、八つ当たりでもするかのように、魔獣が液状になっても拳を振り下ろし続けた。
荒れている理由は非常に単純――――数日前一度話した人間が死んでいた。たったそれだけである。
此の世界ではそんなものありふれているというのに、彼はそんなことに憤慨していた。自分でも、どうしてこんなに苛立っているのかは分からない。
それでも思考に靄がかかったようになにも考えられず、真っ赤な怒りに何もかもが塗りつぶされ――――。
737 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/09/30(火) 23:01:11.11 ID:rtdXpMi30
>>727

ッ…!

【男から放たれた光、其れは少女の背中から生えた腕く弾いた】
【が、破壊はされていない。即座に其れは勢いを持ち直し、巨大な掌を持って叩き潰さんと男に上から迫る】

あ…あッ!

【もう片方の鋏から無慈悲に撃たれた建造物、鼻につく不快な鉄の臭い】
【それは……つまり、少女は怒りを露わにする】

よくも……絶対許さないッ!!

【次いで少女の背から六本の巨腕が顕現し、それは建造物を護る堅牢な壁となる】
【中の人は異変を察知して全員避難してくれる、其れまで時間を稼ぐ。少女は其れが自分の役目だと心得ていた】
738 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage]:2014/09/30(火) 23:02:21.44 ID:VGtisGn8O
>>734
「そうか………怪我はなさそうで安心した」
ふと、青年のそばの大鎌に目が行く……彼も月装使いのようだ。
立ち上がる彼を横目に周囲を確認する。まだこの辺に魔獣は残っていないだろうか………

しばらく確認後、台車の引き手を持ち上げ、青年へと目配せする。
「………礼なら、これを運んでからにしようか」
台車をゆっくりと引き始める………
739 :リアーヌ・シャリエ【焔装】 ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/30(火) 23:03:47.14 ID:hJCQYbl70
>>732
聞こえる。零れ落ちる魔獣の嗤いが
嘲笑っているのだ、どう勇んでも怯えを隠しきれぬ人間の女の姿を

(怖い……でも、怯えてばかりじゃいられない……!!)

必死の思いで放った反撃は功を奏した
それは魔獣の身体の均衡を奪い、地に墜としめた
追撃するなら今だ――考えるまでもなく動き出す体に任せ、エネルギー噴射の加速とともに右拳を正面の地面に振り抜かんとするが―――

「うっ…!あぁぁ!!」

魔獣の両腕が火を吹いた。至近距離でその弾速に反応の余地なく2発ともに直撃
通常火器の銃弾程度なら防げたであろう、羽織っていた防弾チョッキには2つの穴が開いていた

(油断してたわ……くっ……どうすればいいの……?)

地に膝を付き、思案する。既に負った傷はどれも浅くはないのだ。
740 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/30(火) 23:07:21.47 ID:ocE3r/Ho0
>>733
まあ、こんな場所わざわざ来ないけどよ。
いや、怒ってないんだったらいいんだ、わりぃな。

【第一声からは予想できない、謝罪の言葉にこちらの警戒もなくしていき】
【悪い悪い、と調子よく謝る様子は軽い物】【びくり、と体が震えたのも、多分気のせい……だろう、という事にしておく】【よくわからないし】

雅樹な。あ――そっか、じゃああんたが追剥さんなんだな!

【追剥さん、なんて学校の怪談じみた不名誉なのか名誉なのか】【そんな微妙な辺りの名前を呼ぶエイルの心境というのは】
【目の前の青年が本当にそうだったと知ると僅かな喜色を含んだ声になったところから察せられるだろう】

でっかい戦場とかでよくみかけてたんだよあんたの事――月装なのに、よく止めさしてて。
しかも生き延びてるって……だからさ、あんたに頼みたい事があったんだよ!

【つまり感心の感情】【青年の能力などはっきりと知らない】【だからこそ、自らの視た情報が彼女の全てであり】
【一番のソース】

近い内にこっちから魔獣に攻め込むって話があって……それで人探してるんだ。
あたしの見た所、あんた強いみたいだからよ、できたらなって……。

【それは、エイルもとある男から持ち掛けられた事なのだが】【前向きに事を捕えた少女は、その戦力探しに紛争中】
【片っ端でいい、と言われたが……できるなら強い人がいい、と浮かんだ一人が、『追剥さん』だった】

道無し? ……んな事言われたような――まあ多分あたしだけどよ
741 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/09/30(火) 23:09:01.38 ID:kMvNO+4C0
>>731
「後退か…まあ、悪くはない判断だろう」
「もしその剣に触れたならば、電撃を食らわせてやろうと思ったのだよ───!」

爪は折れたが、所詮は爪。いずれ生え直るであろうと無視し、四つの掌からは電撃を操作して、創り上げる「槍」。魔獣だからこそ出来る「異能」。

「ならばこの技、受け止め切れるかな?」
「弾いたとしても、そのゲッソウに電撃が伝わるかもしれんな! ハハハハハハハ!」

そう嗤い、四本の槍を投げつける。
槍はジークローランの身体を貫かんと迫り来る。

この槍は刺さって出血するような物ではないが、刺さったならば、全身に電撃が回り、酷い火傷または強力な目眩を負うことになるだろう。
742 :吉永 藤治 ◆TBwE4PbRPIqC [sage]:2014/09/30(火) 23:10:39.50 ID:p6PgZojBo
>>738

ッ…ふぅ…、

【安心感からか――小さく安堵の息を吐く】
【何はともあれ、何事もなければそのまま教会に付くだろう――…】

/すいません、なにも考えずに喜んで返してしまいましたがこの時間からだと明日早いから12時には寝ないとなので満足に絡めなさそうです。なので早すぎますがここらで切らせてください。迷惑お掛けします。また改めて絡ませてください

743 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/30(火) 23:13:16.06 ID:cShZqXARo
>>735
「うーん……」

振っていた両手を止めて、今度は少し難しい顔をして腕を組む。
今の彼女にとって自分は少し鬱陶しいか――なんてことを考え始めていた。
ここから彼女に対してどう接するか、ということも。

「なんで、だろうなぁ……」
「それっぽく答えることもできるし、そんなことよりどうするかだ、みたいな答え方もできる」
「けど、俺はお前のことを当たり前だけど知らねえから、いい答えが思いつかねえ。すまねえな……」

今の月城がどういう状態か、分からなかった。だから十分な答えを出すことも。
何かいいことを言わなければとは思うものの、こんな答えになってしまう。
申し訳なさでジョセフはすっかり俯いてしまった。
744 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/09/30(火) 23:15:00.66 ID:VGtisGn8O
>>742
「まだ動けるな………よし」
青年とともに、教会への道を進む。

「………何事も無くてよかった………」
思わず口に出る本音。今引いている台車の重さも、この気持ちが買えれば安い………そう思った。
行く手には、そろそろ教会の灯りが見えるころである。台車は、ゆっくりとそこを目指していった。
/了解しました。ロール感謝。
745 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/30(火) 23:15:39.56 ID:iorw7fda0
>>736

【そんな激闘のさなか、場違いのような音があたりに響く】
【チャッチャッチャッ、というマラカスのリズム――。そして、妙に陽気な声色だ】

「はっはははァ……、美しくありませんなぁ」

【それと同時に、周囲の温度が突然上がったかのような、熱――】

「たいした力のない魔獣相手に、馬乗りになって拳を振るう。
 形象崩壊し液状化しても、殴るのを、やめない。
 ンッンーン、……美に欠けますねェ――」

【金髪の青年の前に対峙していたのは、
 ちょび髭に黒ぶち丸メガネ、チョッキに赤の蝶ネクタイという妙なファッションの小男。】
【だが、その周辺の熱と、何故か小さく舞う蛾と――魔獣特有の気配が、あたりに充満していた】
【彼は、かつて元自警団の部隊長の≪焔装≫使いだった者
【しかし今は、夜に堕ちた一人の魔獣であった】

「さあれ、何やら"絶望の美"の匂いがいたしますナァ」

【ニイ、と笑うちょび髭の男の眼鏡が、熱気で曇る……】
746 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/30(火) 23:16:01.90 ID:NOCbA5Et0
>>729
―――そこにいたのは、魔獣ではなく頭を押さえて踞る銀髪の少年だった
一先ず魔獣ではないと分かり警戒を解く
魔獣がいつ襲ってくるかもしれない場所で、それもかなりの人が死んだこの場所であんな格好をするのは剛胆なのかはたまた間抜けなだけか
何はともあれこのまま放っておくわけにも行くまいと少年に近づいていく

「…大丈夫か?」
「こんなところで踞ってると危ないぜ、死にてぇんなら話は別だがな」

軽く馬鹿にするような口調で言いながら少年へ向けて手をさしのべる


/遅れてすいません!
747 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/09/30(火) 23:21:04.75 ID:qJP/sXky0
>>741
「!電撃……!」

【走り行く中で、魔獣の能力を垣間見る。「電撃」というのは、彼の使う「剣」にとっての相性は最悪にも等しい】
【魔獣の手から放たれる電撃に対して、不意に突進を止めた】
【愚直に突っ込めば焼かれよう。かといって防御もできない……ならば、自分にできる最大の努力を!】

【彼は、大剣を斜めに構え、魔獣の前で仁王立ちした!感電したとしても、直撃だけは防ごうという腹だ】
【四本の電撃が、彼の大剣に直撃する。その強烈な電流は、刃を通り、柄を通り、そして彼の身体を襲う!】

「ぬぅっ………ぐっ、うむぅ……!」

【想定外の電流が彼を襲い、彼はたまらず大剣を支えに立て膝をつく。電撃など浴びた事のない彼には、その効果たるやを想像できなかったのが彼の敗因で有っただろうか】
【手足が痺れ、目眩がする。思考が朦朧とする】
【しかし魔獣を睨む眼光と、それを滅せんとする気概は、彼をなんとか立ち上がらせようとした】
【膝が震える。目の前に閃光がほとばしる。しかし、剣をささえる両の腕は驚くほどしっかりと、魔獣に向けて構えられていた】
748 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/09/30(火) 23:21:38.00 ID:1AKgAeM6O
>>739
「ふふふ……………怖いかい?」

木霊する嘲り声。それは彼女の鼓膜を震わせ、精神を蝕もうと妖しく響き渡る。
銃弾は彼女を貫き、膝をついた彼女。これで、終いなのか。まだ、足りない。

彼の足の抉れた部分が蠢く。ギチギチとグロテスクな音を立て、赤黒い血が徐々に結合していき、分離され破壊された細胞は繋ぎ止められ再構成され再生する。
そのうち、抉れた彼の足は文字通り"生えた"。傷ひとつない、正常な状態の足。

「これでお終い……?おいおい、そりゃあないだろう、ねぇ?」

ねっとりとしつこく、彼女の耳に残るように挑発する。
この時彼は、完全に自らの勝利を確信した。どう足掻いても彼女は私に勝てないと。故に慢心する。
すぐには仕留めず、もう少し彼女の限界を見ても良いだろうと。油断しきっていると言えば嘘ではない。
元の形に戻った両手を挙げ、やれやれと言わんばかりに彼女を見据える。彼は、完全に隙だらけの状態。
749 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/09/30(火) 23:23:07.51 ID:t02OLYM/o
>>743
「変に気を使わせちゃってるみたいだね。
 まー私も女の子だし…私の扱いに困っているのは判るよ?」
男の声質で様子を伺える辺り、この女の耳は悪くないらしい。

「一緒に戦った時…未来ちゃんは、私を有子ちゃんって呼んでくれた。
 ここに居る時点で皆兄弟とか家族とか、そんなもんなんだなーって」
女はクスリ笑って、無邪気に微笑みながら男の方へと向く。
…本部に飛ばされてから、この女がこの様に笑っただろうか。

「星座を取り戻すためには、何をしたらいいか…
 今、考えてもしょうがないか。
 ちっぽけな私が宇宙をどうこうなんて…出来ないしさ」
ふと、椅子に深く座り込もうとしたら…
背中に激痛が走ったようで笑顔が崩れ、辛そうな表情を浮かべていた。
750 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/09/30(火) 23:25:20.73 ID:ZoUeuVkE0
>>740

生き延びる=Bそんな事は、別段強いものでなくとも簡単にできる。単純にどんな手を使っても死ななければいい≠セけ。
味方を蹴落とす、囮にする、見捨てる。方法はいくらでもあった。稀に誰かと共闘したこともあったが――――数としては少なすぎる。
他社に対する命の観念が絶望的に軽い彼だからこそ、人や魔獣の目を欺く隠蔽論≠ってこそ。臆病者は臆病ものなりに、奇襲強襲何でもやったからこそ彼は生きている。
それはつまり――他者を信頼していない事に直結した。自分しか信じていないのだから、何でもするのだから。それは生き残れるだろう

――――屑野郎 の烙印と共に。


「最弱≠ニ言われる俺で良いなら――――構わないよ」
「――――戦場という事は当然死者も出るんだろう? なら―――断る理由なんてない」

少しの間悩んだ後、つよいと呼ばれた時僅かに沸いたどす黒いナニカを抑えつつ。その集いに参加する≠ニいう意思表明を出した。
彼は臆病ものであり、戦闘に関しても雑魚魔獣にすら正面で打ち勝つことはできない。ならば、何故近々行われるという戦いに参加するのか。
無論自身の強化≠フためである。実を言えば彼の月装=\―――すべて合わせて人セットだと謳ってはいるが、その実。全て違う月装使い≠ゥら奪ったもの。
死者の月装を奪い、自らの力とした。数年前焔装が発現しなかった時から何度も月装を手に入れてはいるが、彼に会うものは今の四つのみ。たまたま運が良かったらしい。

もし、この戦いでまた誰かが死ねば―――その月装を奪える。もしそれで装備することができれば―――自分はさらに強くなり、生存確率も上がる。
そんな下衆な発想。人間としての尊厳の欠片も無い考えが、彼を肯定へと導いたのだ。


「少しだけ聞きたいんだが―――君等は何故攻め込もう≠ニ考えたんだ?」

751 :ザ・リガ ◆Cyaw5uBeXo :2014/09/30(火) 23:25:43.13 ID:MVu7nmxDo
>>737

「ギギィ…ちょっ…とのツマミにも…なりゃ…しない…」

【ぶらりと垂れ下げた右鋏。】
【上からの攻撃へ、その鋏をそっと当て、勢いを殺し切る。】
【赤子を、あやすかのような優しさで。】

「クチュ…クチュ…」

【対する左挟で、融かしたばかりの鉄や肉の塊を、即座に吸い寄せ、取り込む。】
【不快な、咀嚼の音が響き渡る。】
【愉快な、悲鳴の声が響き渡る。】

【彼の奏でた音たちが、ビルの谷間に木霊し、ねっとりと、絡み合っていく。】

「んー…なる…ほど」

「これは…子どもの、か……」

【悠々と、前菜を堪能し、味を噛み締める。】
【そして、少女の巨腕の壁へと目を動かす。】

「…ギギッ…」

【それなら、と言わんばかりに、その体は変質を始める。】
【先刻融かされたであろう、小さな、男の子の姿へと。】
752 :陽遥 ◆1Nq8G.D3xA [saga]:2014/09/30(火) 23:28:58.04 ID:lB6yJol9o
癖毛で纏り難い髪は、いつも以上に荒れていた。
何時もの通り右眼はピッタリと閉ざされているけれども、開いた左眼は虚ろで、何処を見ているのか、今一よく分からなかった。
其処は嘗て、閑静な住宅街の姿をしていた市街地で、その一つ。
壁が引き裂かれて、屋根には大穴が空いて、二回は半分以上が吹き飛ばされた一軒家の、リビングだった場所。
裂けて綿がスプリングが飛び出ているソファ、僅かに残ったまだ無事な其処へと腰を下ろして、ぼう、と空を見上げていた。

何処までもどこまでも、其処に在るのは夜だった。

絶望的なまでに夜だった。余りにも容赦が無くて、余りにも仕方のない程に、それは余りにも膨大な力に、覆われていた。
何も考えてはいなかった。考える事が恐ろしかったのかもしれない、ただただ、呆けていた。

何時、魔獣が其処に足を踏み入れてくるか分からないような場所だと言うのに―――――――― 只々其処で、呆けていた。
753 :黒木 光 ◆y.s3xvFVls :2014/09/30(火) 23:30:22.53 ID:Z1rtw2HT0
>>746
「うぐっ……あぁ……ん?」

今更の様に気配に気付き、男の顔を見上げる。
そこに居たのは、逆立った黒い髪と、血で染まった様な赤い瞳
そしてーーー

「ありがとう……ってか指ぬきグローブて……厨二病っすか」

呆れた様にそう言いつつ、男の手を取る
そして、男に対して軽口を叩きつつ、ゆっくり警戒を高めて行く

「いや、まぁ死ぬ気は無いんですがね? でもまぁこのまま行っても食糧難で死ぬか戦闘で死ぬか魔獣になるかの3択ですし」

暗に自分が《焔装》使いだと言い、男を見る
そもそも、こんな場所に《焔装》も《月装》も持たない一般人が居る筈もない

あるとすればーーーー魔獣だ
754 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/30(火) 23:30:32.86 ID:1gB2tMlio
>>745

止めどなく振り下ろされ続けていた拳が、唐突に止まる――――魔獣の気配、それもこんな小物ではなく、もっと強力な魔物の。
熱が肌を撫ぜた。安藤は魔物の死体に目もくれず、立ち上がり新たなる敵へと向き直り。

「ッせぇんだよ、変態クソ魔獣――――」

本来、《焔装》に劣る《月装》は、たった一つでは魔獣に打ち勝つことは出来ない。
出来たとして彼が先ほど戦っていたような小型の弱小魔獣程度であり、今眼の前にいる人型の魔獣相手では戦う前から分が悪い事など分かりきっていた。
だが彼に逃げるなどという選択肢はなく、拳は硬く握りしめられていた。

「テメェ等全員ぶっ殺してやる……まずはテメェだ、その悪趣味な口閉じさせてやるよォ!!」

負けて死ぬ、そんな恐怖を怒りで塗り潰して、一歩前に踏み出した。
彼の《月装》の効果は至極単純、使用者の質量を上げるというただそれだけのもの――――故に彼に出来るのは、前に突き進むことのみ。
歩くたびに人間とは思えない震動を生み出しながら、安藤は小男に向かって直進していく。
その速度は非常に遅く、そして隙だらけだ――――攻撃など、幾らでも当てられるだろう。
755 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/30(火) 23:32:49.92 ID:cShZqXARo
>>749
顔を上げる。目の前の月城を見る。笑顔で話す彼女もまた自分に気を遣ってる、そんな気がした。
胸に走る棘が刺さるような痛みにジョセフは顔を顰めた。
初対面の人間が相手であっても、その人の力になれず自分が何かされている、その状況に彼は無力と苛立ちを感じた。

「……星座、好きなのか?」

明るさは控えめに、それでいて暗さを感じさせないように。そう努めて言葉を返す。
何か彼女の好きな話になれば、少しは手助けになるか、と考えて。
756 :リアーヌ・シャリエ【焔装】 ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/30(火) 23:35:53.92 ID:hJCQYbl70
>>748
「怖い?……そんなの、戦士にとっては邪魔な感情よ」
「そうよ、憎しみや怒り、戦う者にとってはそれだけで十分じゃない……」

闘う。魔獣と同時に、この女は必死で恐怖とも闘っていることが目に見えてわかるだろう
女ゆえの力不足による劣等感、それを別の負の感情で誤魔化す。憎しみ、怒り、そう、大切な人を奪われた自分には相応しいじゃないか―――

(使いたくはなかったけど……仕方ないわ、この強敵の前だもの)
(でも、決めるとしたらそれこそ一瞬ね――もうあまり長くは戦えない……)

リアーヌは決意する。切り札の解禁を。
「劣等感」混じりに念じた彼女の意志が、周囲の夜景色を歪める、溶けださせる、まるで飴細工のように、どろりと
―――そこは、枯れた花畑広がる薄闇の空間。
《夜》がもたらすほどの不気味さや恐怖などない、ただ、そこにあるのは、明確な"力"の作用として具現化した彼女の劣等感

「ねぇ……堕ちてきてよ、魔獣――私みたいな人間と、同じところにね……!!」

震える瞳で目前の魔獣を睨み付ける、そして白いエネルギーを後方へと噴出、加速
更に右手に持ったライフルの銃身を包むようにエネルギーを収束――白く輝く刀身の大剣を形成

「ねえ……ねぇ……堕ちて……堕ちてよぉ!!」

大剣の横一閃。白い閃光と化して魔獣に接近した女の繰り出す攻撃など、ただ一つ
それが魔獣にあたろうがあたるまいが、長くは維持できない「堕天使の花園」はやがてその役目を終え、再び溶けだした空間は元の闇夜の道路に戻るだろう
757 :リアーヌ・シャリエ【焔装】 ◆CuzworkL76 [saga]:2014/09/30(火) 23:38:20.22 ID:hJCQYbl70
//>>756追記
//「堕天使の花園」には、自分以外のその場の者の能力・身体能力などを弱める力があります
758 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/30(火) 23:39:42.85 ID:WoV9V6KA0
>>754

「ほうほうほう、私を、悪趣味、と。
 ……美とは、目先の美麗さに惑わされぬもの。
 その本質を見ることが出来ぬ君の目は――」

【小男の腕が、みるみる発光していき、横に伸びていく――】

「燃えるゴミ以下、というわけだ!!!」

【灼熱の炎で構成された、美しい羽のようにそれらは広がっていくと、
 ひと羽ばたき!】
【熱風が、青年を襲う! そして自身はふわりと空へ舞い上がっていく!!】

「ふははは、地上を這いつくばる醜い生き物よ!
 魔獣・ダンディモスの火炎を受けるがいいい!!!」

【そして熱風とともに放たれたのは、無数の小さな火炎蛾だ!!】
【その火炎蛾は「エネルギー」そのものを吸い、そして自爆する……】
【火炎蛾たちは、青年の生命エネルギーを目当てに、どんどん群がっていく!!】
759 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/09/30(火) 23:44:18.69 ID:t02OLYM/o
>>755
お互いにお互いを気遣う空気。
女は痛む背中をさすりながら…
少しでも楽しい方へ、明るい方へと考えた。

「今は秋だと思うから…秋の四辺形かな。
 つまり、アンドロメダ座とペガサス座が見れると思うんだ。
 秋の大四辺形のまわりには、物語の登場人物の星座が並んでいて…」

今は見えない星達の話…それは人々の記憶の中のお話。
例え、漆黒が全てを飲み込んだとしても。
今を生きる人間の記憶までは塗り潰す事は出来ない。
760 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/09/30(火) 23:48:25.31 ID:ocE3r/Ho0
>>750
最弱? ……んな訳ないだろ?
本当に一番弱かったらとっくのとうに死んでるって。ほら、運も実力の内とか、色々あるし。

【言葉選びとしては中々に酷いが】【これでもエイルは褒めてる】【尊敬している】
【月装で生き残っている琴に】【それは自らが焔装を使い】【『道無し』なんて大層な名前をつけられる位の威力をもっているからかもしれない】
【――その当の本人『追剥さん』の心境など、露知らず】

おっしゃ! ありがとな、雅樹っ!

【その返事を聞けば喜びの声】【ぐっとガッツポーズして、やったと少し身を乗り出す】

私の提案じゃないけどさ……やっぱり、今のままだとまずいってのは私でもわかるんだよ。
だから、それを提案してきた……久良岐って奴なんだけどよ。そいつの言う事もわかるし。
こっちみたいに、本部とかあるかもしれねェじゃん?

【全部】【希望的観測】【ないかもしれない】【なかったら】【届かなかったら】【更に辛いかもしれない】
【けれど……これ以上後ろを見るのは、もっと嫌だと】【ある意味では,賭けに近いのかもしれない】

んなこといったら、何で雅樹だって乗ってくれたんだよ。
あたしと似たような理由じゃないのか?
761 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/09/30(火) 23:49:48.66 ID:1gB2tMlio
>>758

肌を焦がすような熱風、しかし彼は立ち止まることは無かった。
能力の性質上、そして彼の性格上、回避も後退も一切選択肢にはなく、歯を食いしばり魔獣へと近づいていく。

「おいおいなぁに飛んでんだよ、燃えるゴミ以下にビビってんのかァッ!?」

彼に翼はなく、その歩みは誰よりも遅い――――這いつくばり、それでも前に進むしか彼にはないのだ。
群がる火炎蛾に舌打ちしながら、それでも前に進もうと一歩を踏み出す。
同時に訪れる脱力感、何かが奪われていく感覚に目を見開いた――原因は考えるまでもなく、此の蛾だろう。
持久力のある耐久型の《月装》の使い手のため、多少ならば体力には自信があったが、だからこそ奪われ続ければ相手がより有利になる。
咄嗟に蛾を手で振り払おうとするが――――既に、生命エネルギーは幾分か奪われてしまっていた。
762 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/09/30(火) 23:50:26.49 ID:in+SN881o
瓦礫の中に身を隠し、息を殺してじっと待つ。
積み重なったコンクリ片の間に出来た小空間は、普段は面倒な落とし穴だろうが、今だけは魔獣から身を隠してくれる命綱。
背に当たる鉄骨が体温を奪っていくが、下手に動いて命を奪われるよりはマシだろう。

都市の外側では、その暗さが距離の指標になる。今男が潜む地点は、街明かりがほとんど届かない隔地。だが今は、その暗さが隠れ蓑になる。
魔獣の咆哮は徐々に遠くなっていく。聴覚・嗅覚で獲物を見つけ出す能力は低いのか。それとも、既に周りに散らばる犠牲者たちの死臭が強すぎるのか。

獣の要素が強い魔獣の群れ。一匹や二匹なら月装使いでも簡単に倒せるだろうが、数え切れないほどの群れとなれば話は別。
《夜》に覆われた闇の下では、『数え切れない』が表すラインはかなり引き下げられていたが、それでも唸り声だけでかなりの数が予想される。

わざわざこの声を聴いて寄ってくる者など、自殺志願者のようなもの。助け―あるいは魔獣にとっての次の獲物―は期待できない。
彼らもそれを分かっているのか、こうして闇を引き裂く合唱は、十分に喰らったあとにしか放たれない。
高く、低く。音のうねりは複雑に絡み合い、元となった1つ1つの咆哮とは違った響きを轟かせる。
喩えるなら迫る雪崩。何かが崩れ落ちていくさまを思わせる重い音。

それが少しずつ離れていくのを、男は静かに待っている。
763 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/09/30(火) 23:50:46.53 ID:cShZqXARo
>>759
「そうなのか……俺はあんまり星座は詳しくねえからなぁ」
「もっと教えてくれよ」

多少は心が軽くなっただろうか。そんな想像で自然と笑顔になる。
更に話をしてもらおうと、先を促した。
764 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage]:2014/09/30(火) 23:52:17.69 ID:NOCbA5Et0
>>753
「[ピーーー]ぞ?冗談抜きで」
「拳を痛めないために決まってんだろうが」

踞っているところを助けてやったのになんだこの言いぐさは
内心で、というかもう言葉に現れているがかなりイラつきながら手を引き相手をたたせる
一発ぐらい殴ってやろうか、能力込みで―――などと、かなり物騒なことを考え始める

「ふん、まぁ確かにな」
「なるべく早くに《夜》をどうにかしないと俺達は全滅だろうな」

ムカつく奴だが考えていることは同じのようだ
こちらを試すような目で見ているのがまたイラつくがまぁいい
それよりもさっきの口ぶりからするとこの少年は焔装使いのようだ
それにしても随分と警戒心の薄い奴だ―――魔獣の雰囲気は感じないが幻術使いの魔獣という可能性を考える必要があるか

「つーか、こっちを魔獣と疑う目で見るのをやめろ」
「さっきからイラつくんだよどうやら焔装使いみたいだが関係なしに殴り飛ばすぞ」

魔獣なら撃退すればいいし人間なら放っておけばいい
まぁ、仮に襲いかかってくれば人間であろうが撃退するがこの程度の会話で攻撃はしてこないだろう
…まぁ攻撃されそうなことを言った気もするが
765 :destrudo ◆U.FlFSg2r. [sage]:2014/09/30(火) 23:53:20.81 ID:gvHXt8Jfo
──……子羊達よ、諸君らは解放される

闇が言う。人の形を成した闇が言う。エデンに潜む蛇の様に甘く、甘く、言葉が囁かれる。
空気に溶ける甘い猛毒。その言葉は聞いた者の脳内を、ドロドロと溶かし獣へと変化させた。

【町はずれ朽ち果てた教会】

主を失った筈の教会で今宵も堕落の儀式が執り行われていた。

壁の各所に掛けられた篝火に灯される中、甘い甘い熱に踊らされる老若男女の人影達
犯し犯され傷つき突き刺し、愛せば憎んで嘆けば怒り、女が微笑み男が泣く、混沌の渦の中
衣服も纏わず獣の様にそこには理性は存在せず、全てに張り付くのは快楽の一面のみ

「……かっ、かっ、か!」

その背徳的な光景を祭壇で眺めるのは司祭服を来た穏やかな表情を浮かべる老人である。
儀式に混ざる事も無く逆に導く様に──……そして司祭は楽しそうに呟いた。これこそが救い、と

堕落の魔獣《destrudo》は自らが救った子羊達を眺め、満足げに甘い吐息を零すのであった。

/そういえばキャラ動かしてなかったので登場ロールです!
ソロールっぽい感じでもありますが、普通に絡みも募集してますっ





766 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ [saga]:2014/09/30(火) 23:54:00.01 ID:sCQnGcrL0
>>751

チッ……

【巨腕は男の鋏によって勢いを殺される。それは優しく…同時に不快だった】

な…にをッ!!…気持ち悪いッ!!

【左鋏に、鉄や肉の塊が吸い込まれて行く、不快な咀嚼音、恐怖の悲鳴が耳に入ってくる】
【耳を塞ぎたい、目を逸らしたい。だけどそれは出来ない。少女には腕は無いから。目を逸らすと隙が出来るから】

……最低

【この男は……不快で、気持ち悪くて、今にも嘔吐しそうなくらいだ】
【だが何とか力を振り絞って、空いている巨腕で殴ろうと、殴ろうと…した瞬間】
【男が変質を始めた。先程融かされたであろう男の子に】
【少女の巨腕が止まり、ずるりと落ちて大地を揺らす】
【少女は今、誰の目から見ても明らかな、多大な隙を晒していた】

うっ…あッ…!
767 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/09/30(火) 23:58:25.20 ID:WoV9V6KA0
>>761

「はっははあはァー! 
 ゴミなどと共に同じ空気など吸いたくないものでねェ……
 しかし、燃える君はなかなかに魅せるじゃないか。
 汚く、しかし、美しい花火だねぇ……」

【上空5メートルほどを、腕組みしながら浮揚する蛾男】
【小蛾がエネルギーを吸い、そして……自爆し、燃える!】
【小蛾は小男の両腕からどんどん湧きだし、じわじわと青年を追い詰める】
【特に蛾が群がるのは、青年の≪月装≫。つまり、その学ランだ】
【払っても払っても、数で、蛾は青年を覆う】

「ふむ……。
 君ィ、何故"逃げ"ぬ?
 小蛾はご覧の通り動きが鈍い。≪月装≫持ち程度の能力があれば、
 もう少しもがいてもよいだろうに……」

【多少、期待はずれな感のある現状だ】
【逃げても逃げても、追い続ける。そのように嬲り殺すのを楽しみにしていたのだが、
 どうも予定とは違ったようだ】
【魔獣は相変わらず、青年の頭上5メートルの上からこの光景を見つめている】
768 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/10/01(水) 00:02:48.07 ID:yWhLBMBho
>>763
「もっとか。割と長くなるから、覚悟する事だね。
 古代ギリシャの時代、大神ゼウスにより創られた人間の世界でのお話…」
ケフェウス座、カシオペア座、アンドロメダ座、くじら座…
秋の星座が織り成す壮大な物語を語る。
これでも一部なのだから、ギリシャ神話はスケールが大きすぎる。
…聞いてる方が眠くなりそうだ。

「秋の夜長はテラスで天体望遠鏡をよく眺めていたものだよ。
 私が眠れない時、よくお父さんが星の話をしてたんだ…」
男の事を気にせず、星座の事を語り続けた。
ペガサス座の話が終った頃には、随分と生き生きした表情で過去に耽っていた。
769 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/01(水) 00:03:41.39 ID:e2O1toK0O
>>756
「………憎しみと怒りだけじゃあ、足りないなぁ」

彼女は言う。戦士には、闘う者には怒りと憎しみさえあればそれだけで充分だと。それ以外はいらないと。
だが、それだけでは足りない。圧倒的に足りない。

「人間にはもっと色々な感情があるんだろう?ならさぁ、そいつらを全部開放しちゃいなよ…」
「恐怖も喜びも悲しみも怒りも楽しみも嘆きも苦しみも憎悪も怠惰も劣等感も優越感も、全部全部全部、全部さぁ!!」
「全部、私に見せてくれよ!!君の全てを見たいんだ、私は!!」

負の感情も正の感情も、何もかもさらけ出して欲しい。彼女の全てを曝け出して欲しい。だから、まだまだまだ、足りない。
彼女の全てを見たい。全てを解き放った彼女を見たい。そして―――――――――

――――――そんな彼女を、蹂躙したい。

相手に全てを出し切らせて、その上で何もかもを否定したい。力の差を見せつけ、圧倒的に踏みつぶしたい。
だから、まだ足りない。まだ、まだ――――――――――

いつの間にか、真っ黒な影仄は、枯れ果てし花畑が広がる薄い闇の空間となる。
嗚呼、そうか。これが、これこそが彼女の負の感情。なんて、なんて―――――――!!

「っ――――――――――!!!!」

白き大剣は、彼を胴体からすっぱりと切断―――――――――は、しなかった。途中で、胸の辺りで何か硬いものに阻まれるだろう。
少し切り開かれた断面からは見えるだろうか、心臓に当たる部分には何やら虹色に輝く球体が、脈動している。心臓と同じように。
それには、半分くらい縦にヒビが入っていた。言わずもがな、彼女の大剣の一撃によるものである。

「―――――――くっ、あはははははははははははははははははは!!!」

彼は盛大に笑う。面白い素材を見つけたと言わんばかりに。元の闇夜に戻った空間で、耳障りなその声は木霊する。

「…………………お前、面白いよ。嗚呼、愉快だね、一先ずは―――――――今回だけ、生かしておいてやる」

低く、静かに、だがよく通る声で。生かしておいてやると、あくまで自らの勝利は揺るがなかったものと豪語して、その場から霞のように黒い霧をなって消えるだろう。
最後に響くは笑い声。彼女の耳に届いているのか否か、だが、それはいつまでもこの場で残響する事を止めはしなかった。

――――――――――よく覚えておけ、今度出逢えば、命はない。

/すいません……眠いのでここで〆させてもらいます!ありがとうございました!
770 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/01(水) 00:04:28.33 ID:FhN4MU/K0
>>760

「――――そうだな、《死体漁り》………エイル。君風に言えば《追剥》?」
「そんな事をやっててもね、やっぱり希望は欲しいから――――――かな。」

嘘、嘘、嘘。嗚呼けがらわしい汚らしい醜く厭らしい嘘の塊。その言葉に真実は欠片すらも含まれてはいやしない。
希望なんて必要ない。自分だけが幸せであればいい。只生き残れればそれでいいんだ。それでいい、それでいい。
そうだ嘘だ。嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘。何もかもが嘘っぱち。真実なんてありはしない、考えるな。考えるな考えるな考えるな。

「――――久良岐′Nか………いやさん=H」
「このままだとただのジリ貧になるってのは思っていたし、エイル 君の様なまともな焔装使い≠ェ残っている間に一か八かやってみたほうがいいのかもしれないね。」

彼女の気持ちに応える様な―――フリ=Bその実何も理解してなんかない。理解など出来る物か、黒い嫉妬を腹に飼う凡人などに。
絶望に縋った凡人などに、希望を夢見る資格は無く。考えるな、考えるな。思考放棄、思考停止。建前を構築、生成、脳裏に写し、口に出す。
言葉一つとっても、希望が見える。それはかりそめの希望。壊れた希望。だが、それが眩しく、羨ましく、妬ましい。僅かに伸びそうになる腕を、死の本能だけで押さえつけた。
彼には力がない、自らの嫉妬する人間を殺す事が出来ない。輝いて見える人間が妬ましく、ムカついて、羨ましい。嗚呼、嗚呼、嗚呼、嗚呼。

「まぁ、幸いにも俺は其れなりに嫌われてるから。探そうと思えば簡単な筈だ」
「その時期≠ェ来たら―――微力ながら力になるよ」

―――――会話だけは、まともに見える。
771 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/01(水) 00:13:02.95 ID:sFiVvTWRo
>>767

蛾が自爆し、炎が炸裂する。学ラン型の《月装》が焼け焦げ、更に皮膚にまで熱が到達し。
激痛に彼は口元を歪ませた――――ああ、痛い。痛い。痛いから、まだ俺は生きているのだ、と。
同時に怒りが止めどなく燃え上がる。ああ、こいつらがあの女を殺したのか――――――――彼女には、なんの罪も無かった筈なのに。

「誰が逃げるかよォ……決めたんだよ、もう二度と逃げないって――――」

上空にいられては彼の拳は届かない。地を這う無様な人間は、天高く舞う獣には抗えないのだ。
このままでは一方的に此方が負けるだろう、そんな結末は彼とて望んでいない――――仕方がない、あまり好みではないが拳以外の手段に訴えるとしよう。
振り払っても意味が無い、ならばとそれを放置し、《月装》が焼き削られていく中、安藤は地面に向かって拳を放つ。

「だから大人しくッ!! 降りてきやがれェ!!」

砕いたアスファルトの中でも一際大きなそれを右手で掴み取ると、それを魔獣に向けて全力で投擲する。
大きさから考えてかなりの重さだが、どこまでも重くなれる彼からすればそれも軽い石ころと大差無い。
投げることに特化しているわけではないため、狙いは性格とは言い難いだろう。だが速さと重さは相当な為、当たれば魔獣相手でも少しならばダメージが通るはずだ。
772 :黒木 光 ◆y.s3xvFVls :2014/10/01(水) 00:13:22.90 ID:8ny5yZ0S0
>>764
「えっ、ちょ待って、マジ待って」

微妙に感じた殺気に対して一歩身を引きつつ、口元を引きつらせる
何というか、そう、色んな意味でシャレにならないタイプの殺気だった

「どうにかなるアテがありゃまだ良いんだけどねぇ……ま、あの《夜》をぶっ殺飛ばす為にはまだ準備が整ってない、って事かな?
魔獣を殲滅するのは第一条件として、まず《月装》をもうちょっと使い物になる様にしないとまず無理だね。精々《焔装》の7割……いや8割ぐらいは使える様にしないといけないし。
まぁあの複製品にそこまで求めるのはおかしいかもしれないけど」

唇に手を当てて、空を見上げる
《夜》に阻まれて星や月は見えないが、昔は向こうに光があった筈なのだ

「いや、マジで辞めてください死ぬ、死ぬから。そうそう死なないだろうけど《焔装》使いたく無いし、何より周囲の被害が馬鹿にならないから」

首を横にブンブンと振り、必死に否定する
というか、そんなことをして周囲にある建物崩れたら笑えない
773 :リアーヌ・シャリエ【焔装】 ◆CuzworkL76 [saga]:2014/10/01(水) 00:15:13.26 ID:IHupw58G0
>>769
魔獣の残す、声の余韻が女の鼓膜を揺さぶる
面白い――そうか、それは言う迄もなく自分のことだ、嗚呼―――

「……っ……やっ……!」

反射的に零れ落ちる拒否反応。魔獣の慰み者になどなりたくないという、極自然な女の反応
そして―――自らの切り札を見て尚余裕を崩さなかった、魔獣の強さ、それに対する恐怖

「……あっ」

かたん、乾いた音が響く。右手には既に力無く、ライフルは地に横たわっていた
既に限界は近い、無視のできない傷も負っている
ならば、早くここから去り、安全なところで治療を受けなければ

だが、暫く動く気がしなかった
魔獣の去った今、女は血潮の流れる体を震わせながら、暫くその場に膝をついたままで居るのであった―――

//はい、お疲れさまですよ
//それではお休みなさいませー!
774 :ザ・リガ ◆Cyaw5uBeXo :2014/10/01(水) 00:19:59.20 ID:eS6zQPEho
>>766
「ギ…ふふふ……」

【力なく自身の右腕に乗る少女の巨腕を誘導し、地面へと置く。】
【同時にひたり、ひたりと、青ざめた少女へと、歩み寄り、囁く。】
【心へと、訴えかけるように。】
【良心を、責め立てるように。】

「おねーさん…」

「どうしたの?」 「どうしてそんなに怖がってるの?」

「ボクね」 「おねーさんになら」

「守ってもらえると思ってたんだ」 「思ってたんだ」

「だから」 「安心してた」 「してたのに」

「結局」 「それだから」 「おねーさんは…」 


「役立たずなんだ」

【精神の、奥深くまで追い詰めるように、言葉を連ねる。】
【男の子の左手は、少女へと伸びて、その頬を冷たく撫で回した。】
775 :ジョセフ(焔装) ◆AnsquGQm.2 :2014/10/01(水) 00:21:18.77 ID:9D+RO64Ao
>>768
とても長く壮大な神話語り。それでもジョセフは相槌や感想を交えながら最後まで聞いていた。
月城が心から楽しめているかは分からなかったが、少なくとも安らいでは見えた。
それが勘違いかもしれないという恐怖感もないわけではなかったが、そんな彼女の様子がうれしかった。

「いい光景だな、それ。楽しい思い出ってわけだ。俺の場合……」

何かを言いかけたところで、首を傾げる。今、自分は家族の話をしようとしたのか。
胸をじりじりと焦がす感覚がした。頭の中が白くなり、まるで時間が止まったかのように意識が止まる。
――次に口を開くまで、おかしな間隔があいた。

「……あー、わりい。もっと話をしたくてしょうがねえんだが、やらなきゃならねえことがあるんだ」
「俺はジョセフ・シェーンハウゼン。次に会ったときに続きを聞かせてくれよ」

申し訳なさそうに苦笑してジョセフは席を立ち上がる。そうだ、自分には用事があったからここから去らなくては。
そして彼は出口へと向かう。
そう、自分にはこの場を立ち去る理由がある。なにもおかしいことはない。だというのに――。

「……?」

出口の手前でもう一度彼は首を傾げた。数秒立ち止まれば、胸の違和感は消えていった。
そのまま何事もなかったかのように、ジョセフは夜闇へと歩き去った。

//ひっじょうに心苦しいですがもう夜中になってしまったのでここまでで!
//また絡みましょう、ありがとうございます、お疲れ様でした!
776 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/01(水) 00:25:56.00 ID:SIy5QF9B0
>>770
いや、別にあたしが言った訳じゃねーけどよ……あれか、気にしてるか?

【追剥という名前が良い意味でない事くらいは】【頭があまりよくない彼女でも知っている】
【冷静に考えてみれば】【よくなかったのかなー、とか】【考えちゃう】

くんかさんかはわからねーけどよ……このままだと数減っちまうだろ?
そうしたら、更に辛くなる。だから動くなら早い方がいいのかなって思ったら、今動くべきなんじゃねーかって。

【肯定的な意見を向けられ】【にっとはにかんでそうだよな?って】
【同意を求めるのは年相応な】【見た目通りの学生染みた不安の表れ】

流石に今じゃまだ足りねーかな……だから、もうちょっと待ってくれよ。
やっぱりさ、青い空とか、みてーじゃん?

【そんな少女が】【彼の心を図れるか】
【残念な事に】【狂いきれなかった彼女では】【表面しか見れない】
【強くて、案外きさくで】【力を貸してくれる】【そんな、相沢 雅樹】
【それしか、みえていない】【――まともだから】
777 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/01(水) 00:25:56.87 ID:y5ZxyYni0
>>771

「おおっ?」

【投擲されるアスファルト。恐るべき勢いで周囲の空気をかき乱し……】
【それが炎の右翼の、斑点に見える部分を、かき消す!】

「ふうむ……」

【空中でバランスをやや崩すものの、本質的なダメージにはならない】

「その誓い……なるほどなるほど、
 2度と逃げないという口ぶり。……過去にどうやら君は逃げてしまった。
 今でもそれを悔いている。だから、もう2度と逃げない、と。
 そういう事かね?」

【小男が目を輝かせる】

「美しい……
 実に、いい……!!
 その美しく、素敵な誓いを――
 自身の命惜しさに破ってしまったら、どんなに美しく君は"絶望"するだろう!!!」

【どうやら、彼のツボを大いに刺激したようだ】
【高笑いと共に、魔獣はさらなる小蛾を炎の翼から生み出す!!!】

「ふははは!!!
 そうら、逃げるがいい、逃げて、自分の誓いを自分自身で踏み破るのだ!
 私は、人が絶望する瞬間を、何よりも"美"と思っているのだ!
 さあ簡単には死ぬな、出力は抑えてやる! 逃げろ、無様に逃げ、
 私に絶望を見せてくれ!!!!」

【どうやら蛾男は彼が死ぬより、誓いを破り逃げ出すのを望んでいるようだ】
【小火炎蛾の自爆の火炎は、最小に抑えられている】
【魔獣の油断、ではある――】

【さらに、先ほどの投擲攻撃。投擲そのものよりは、投擲によってできる小さな突風が
 彼の羽をかき消したのが、観察できただろう】
【風さえ引き起こせれば……それが火炎蛾男の弱点でもあるようだ】
【群がる蛾にまみれている彼は、それを観察できただろうか?】
778 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/10/01(水) 00:30:58.73 ID:yWhLBMBho
>>775
「全部を取り戻すことはおそらく出来ない。
 だけど、戦う理由にはなる。武器を取って、敵を討つ為に」
黒く塗り潰されようとする、現在。
行き場のない感情は武器に込められる。

「私は月城有子。あまり気を使わせたくないからユーコでいいよ。
 だから私も、ジョセフって呼び捨てにするから」
女は無邪気に微笑んで、男を見送る。

「…それじゃ、また」
男が本部から居なくなると、再びぼんやりとした表情で天井を眺め続けた。
この施設の薄暗い照明でも、視ていれば落ち着いていられるのだ。

//おちかーれ! 秋の夜長に長々とご苦労様です
779 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/01(水) 00:41:03.65 ID:+afOBkXr0
>>772
「安心しろ、痛みは一瞬だ」

軽い冗談程度だったが意外とおもしろい反応をする
もう少しからかってやるか、と腕を回して笑いながら言う

「まぁ、どうにかするアテがありゃあもっと前にやってるだろうしな。
……どうだろうな、今のままじゃ仮に焔装使いが万全な状態で十数人集まってもあれに勝てる気がしねぇ。どうにかして弱らせりゃぁ話は別だろうが……」

自身も体験したあの夜の恐ろしき力
いずれは倒さなくてはならないがアレを倒せるビジョンが思い浮かばない
当然、焔装使いも多種多様なので或いは倒せる可能性もあるのかもしれないが、あまりそう思えなかった

「そうは言うが、月装使いも結構やるもんだぜ?
もし仮にやりあったとしたら負ける気はしないが特性次第じゃ苦戦するかも知れねぇぞ?」

確かに自分も共闘するまでは月装使いをリスクもない模造品だと侮っていたので気持ちは分かる
恐らく共闘したことがないのか、弱い月装使いしか見てこなかったのだろう

「大丈夫だ、俺の焔装は回りに被害を出すタイプじゃないからな。お前という存在をぶっ壊すだけですむ」

必死になっている姿は年相応の子供のようだ
それが面白くてからかっている
780 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/01(水) 00:41:33.92 ID:FhN4MU/K0
>>776

彼女の不安げな―――に見える表情に―――意地の悪そうな笑みをもって答えとする。つまり、いじわるだ。
事実を否定する気は無いし、別段気にする必要も無い。だが、少しだけ言ってみたかった。あまりにも輝いて見えたから。
つい、つい、悪意の欠片が―――――――

「―――――」

否定、否定。現実を見ろ、見ろ、見ろ。死を望め、死ね、死ね、死ね。嗚呼違う、違う。思考がおかしい、違う。
言葉とは裏腹とも言える感情。言葉通りだって言葉通りでないそうありたい∞そうありたくない♀エ情の羅列。
悩んだ末(それでも数秒も無い)に向けられた肯定は、恐らくごく自然なものに見えたはずだ。そう見えるようにしたのだから、そうでなくては困る。

「―――ああ」

青い空、懐かしい記憶、忌むべき記憶。いやそうでは無い。羨ましい記憶だ、記憶だ。自分がまだ普通という名の鎖に縛られていた日日(にちじつ)。
まともである―――その実どうなのかは彼には分らない―――彼女が、眩しい。重なる記憶。歪む記憶。何かが違う
懐かしい。
学生≠セなんて、たった数年前の出来事の筈なのに。彼にはもう、遠い昔の過去のように映る――――彼女が座るのを止められなかったのは、その若さに誘われ手か。

――――――

その内、彼は懐から携帯食料(カロリーなんとか)を取り出し、袋を破る。そうして外気に触れた二本の内、一本を彼女に差し出しながら
ゆったりと流れるように見える時間。自らの感情と彼女の眩しさに頭がおかしくなりそうになりながらも。
彼は彼女が満足・飽きてこの場を去ってしまうまで―――――だらだらと喋り続けるだろう。

ナニカ話題があれば、その話にも乗るかもしれない。案外、情報はたくさん頭に入っている。

//キリのいい感じにここらへんで〆はどうでしょうかっ………?
781 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/01(水) 00:47:13.60 ID:sFiVvTWRo
>>777

アスファルトは相手に当たらなかったが、魔物のバランスを僅かに崩すことに成功する。
どうやらあの炎の翼は物理的な現象に影響を受けるらしい、それも石の起こした風圧程度ですら乱すことが出来る。

「…………はっ、きっもちワリィ」

どうやら此の魔獣は人間の殺害ではなく、相手をいたぶることに喜びを覚えるタイプらしい。
反吐が出る――――と、同時に笑うのだ。残念だが相性が悪かったな、俺はお前を楽しませるつもりなど微塵もない、と。
能力的な相性ははっきり言って最悪だ。服の《月装》に対し、炎の能力は最も効果的と言ってもいい。
更に言えば拳が届かなければ、まともな攻撃すら通らない。だが、だからこそ精神的には決して負けてはならないのだ。

「言ってんだろ、逃げねぇって――――逃げるぐらいなら、死んだほうがマシなんだよ」
「テメェ等から逃げたら、負けを認めることになるだろうが……俺は負けない、テメェ等みたいな奴らに…………ッ!!」

その間も、蛾は安藤の《月装》と体を削り続けていた。硬くなるという性質の為未だ原型を保っていたが、蓄積されたダメージはいつ倒れてもおかしくないレベルにまで到達してしまっている。
思わず膝をついてしまいそうになるが、左腕を膝の上に載せ姿勢を保ち、視線を左右に向け――――見つけた。
風によって炎翼を乱すことが出来るならば、やることはただひとつだろう。安藤はめくれ上がり板状になったアスファルトを両手で抱え、魔獣を睨みつける。
ただの瓦礫より、板状ならば多少強い風を起こすことが出来るだろう――――加えて、今度はしっかりと翼を狙う。
片翼でも潰してバランスを崩させれば上等だ、安藤は捻りを加え空気を掻き乱す様に、それを魔獣へと投げつける。
782 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/01(水) 00:50:33.35 ID:bwkf/egf0
>>774
【歩み寄る男の子。その口から囁かれた言葉は、少女の心を崩して行く】
【自分は弱い、自分は役立たず、少女にそう強く思わせる】

ごめ…ごめ、んね…ごめ…んねっ
私…っ弱くて、君を守れなくてっ…役立たずでっ…本当に…ごめんなさいっ…

【少女からポタポタと溢れる涙。男の子の胸に顔を預けて、顕現していた腕が全て―――霧散した。人々は全員逃げ終えた後だったが】
【そして少女は無抵抗で、男の子に頬を撫でられ続けた】
783 :黒木 光 ◆y.s3xvFVls :2014/10/01(水) 00:52:50.98 ID:8ny5yZ0S0
>>772
「いや、そもそも《焔装》の特性次第じゃ何人集まっても意味がないしな……物理的な状況改変じゃなくて概念を書き換えるぐらいの特性じゃないと……」

ブツブツと呟いていたが、すぐに現実に戻る

「月装使いも、まぁ特性次第だよなぁ……でも、前に襲ってきた奴は間合いに入った瞬間に蒸発させちゃったし」

正直、その能力を図り兼ねているのだ。あの時はちょっとイライラしていたので《焔装》の特性を最大まで使ってしまったが、あれでは何人集まっても烏合の衆だ

「そーゆー問題じゃねえよ!? 何だってこんなしょーもない所で死ななきゃならねえんだ!? っておい待て待て待て、振りかぶるな!
痛みの持続時間とか周囲の被害とか言う前にまずやめろ!!」

一歩、二歩と後退る
最悪こんな場所で使いたくもない《焔装》を使うことになると思うと笑えなかった
784 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/01(水) 00:59:53.97 ID:SIy5QF9B0
>>780
……ありがと。

【ただ、隣に座っただけ】【その行動に意味はない】【惰性に無駄に過ぎる時間】
【エイルという少女が一番嫌いな時間】【暇、暇、暇】【その筈だったのだけれど】
【何でだろう】【それくらいの、微量の悪というか】【それ位は少女にも分かったのか】
【さっきまでの勢いは何処へやら】【静かな雰囲気を持つ青年を見れば】【自然と表情も小さくなって】
【小さく、感謝を示す】

……ありがと。

【普段だったら、もっと大きな反応を返しただろう】【こんなそっけない返事を返さなかった】
【何でだろう】【考えても、覚えているのは覆われた夜の帳】【それより前は、存在しない】
【――だから、青い空を見たいのだけれど】

――ありがと

【余りにそっけないかな、と思い】【もう一度感謝の言葉を込めれば】
【その、だらだらとした喋りを聞いて】【――ああ、そうだ、不思議と退屈じゃなかったんだ】

……。

【やがて、頭を垂れるようにして、座り込んだまま青年の方へと倒れこんで】
【――いや、眠って、姿勢が崩れただけなんだけれど】【まともには、この世界は少し、寂しかった】
【まあ、飽きたか満足だと】【満足】

/それじゃあこんなシメでどうでしょうっ!?
785 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/01(水) 01:01:45.25 ID:y5ZxyYni0
>>781

「なにを言っているのです……所詮地を這う人間、
 わたしの美が分かるなど……!?」

【飛んできたのは、先ほどよりも幅広でさらに重量と質量のあるコンクリート板!】
【それが、周囲の空気を巻き込みながら回転して飛んでくる】
【しかも今度は、蛾男の胴体部分……】
【もとより空を飛ぶのはそれほど得意ではない魔獣】
【コンクリート片の巻き起こした風にバランスを崩し、避ける事はできず……】
【コンクリートは魔獣の本体部分を直撃した!!!】

「ぐ……ふ、うっ――ッ」

【軽い体重の蛾男はそのコンクリート板に巻き込まれ、そのまま数10メートルは飛んでいく】
【能力の勢力圏から離れたのか、小蛾は雪のように消えた】
【青年は誓いを守り通す事に成功したようだ】

【コンクリート片に巻き込まれ、墜落した男】
【それなりのダメージだが、致命傷には至っていないようだ】
【コンクリートを炎の翼で凪払うと、いらついた顔で瓦礫の中から姿を現す】

「……美を、見る事は出来なかったようで。
 フン。執着こそ最大の醜悪。今日の所は退散してやろう。
 だが、私程度の魔獣に苦しむようでは、遠からず貴様は"絶望"にとらわれるだろうて――。
 願わくば、その美しい瞬間を見てみたいものですなぁ」

【そう悔し紛れに言い残すと、男は興がそがれたのか、羽を広げてその場から立ち去って行った……】

/こんな形のシメでいかがてじょうか?
786 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/01(水) 01:08:50.76 ID:FhN4MU/K0
>>784

――――――――

手を伸ばせば、その柔肌に届く。力を込めれば、容易く裂ける、砕ける、潰して殺せる。こちらを信じた#゙方が悪い。
幸か不幸か―――彼女の頭を丁度膝のあたりで受け止めるような姿勢。安らかな 寝顔。輝いて見えた いや、輝いて見えたと思いたかった=B
礼の言葉も、二度目の礼も、必要ない。いらないいらないいらないいらない! オレに関わるな、関わってくれ一人にしろ。しにたいしにたくないしに対しにたい
さぁコロセ今ならまだ手が間に合う。伸ばせ、伸ばせ、その手に魔力を流せたのなら、少女の柔肌を貫いて。その奥に存在する心の臓を取り出せるはずだ。
きっときれいなんだろう。あれほど輝いて見えたんだ きれいな筈だ。綺麗でなくてはならない。羨ましい眩しい妬ましい。思考を止めろ、放棄、放棄。
考えることは必要ない。無駄な情報をシャットアウト、感覚器官を総て切断。何も感じず、何にも触れずに時よ止まれ。時間《あなた》は誰よりも煩わしい。


――――――無駄、無駄、無駄。

//はい! それでは〆という事で!
//ごちゃごちゃな感じで申し訳なかったです! ありがとうございました!
787 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/01(水) 01:14:32.51 ID:sFiVvTWRo
>>785

「…………う、っせぇ……クソが…………っ」

目の前の魔獣はおそらく戦闘特化型ではないのだろう、相手の魔獣の言葉は反論できない程に正論だった。
今回は運良く生き残れた――――いいや、違う。見逃してもらったのだ。
このまま続けていれば、負けていたのは彼だった。《月装》の半分以上は焼け崩れ、能力の出力は明らかに弱まってきている。
《月装》がなければ魔獣に立ち向かうのは不可能だ――――そう、今回は見逃してもらったに過ぎず、決して彼の実力で命を勝ち取ったわけではない。

「ちく、しょう…………――――――――」

怒りと悔しさに身を焦がしながら、体力の限界が来たのかそのまま倒れ込む。
相性が悪かった、などというのは言い訳だ。負けたのだ。死んでいないのが不思議と言っていい。
意識を手放すその瞬間まで、彼は暗澹とした感情を手放すことは無かった。

//はい、絡み乙でした!
788 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/01(水) 01:16:07.99 ID:+afOBkXr0
>>783
「つーか、アレに干渉できるクラスの能力がないと無理だ」

今《夜》が居るのは遥か上空だ
それも、現在分かっている最も高い建物から自身が能力を使って飛んでも掠りもしないほどの
まずはどうにかしてここまで落とす必要があるのだろう

「まぁ、基本的には武器だよりのところが多いみたいだしな。弱い奴ならそんなもんだろ」

蒸発、という単語からしてこいつの使う焔装の能力は熱か?
この間の魔獣のようにこれで防御力が高ければかなり強いだろうな

「大丈夫だって、一発だけだから」

へらへら笑いながら言うと能力を一瞬発動させる
そしてガルバのあらゆる能力が人を越えて強化され、全身に破壊の概念の力を付加する
物理的な攻撃力だけならトップクラスだと自負するその拳を振り上げ―――光の手前の地面に向けて降り下ろした
拳の回りの瓦礫が吹っ飛び、地面が周りよりへこんでいることがその威力の高さを証明している

「なんてな、さすがにやんねぇよ。どうだ?びびったか?」

さも可笑しそうに笑っていう

789 :ザ・リガ ◆Cyaw5uBeXo :2014/10/01(水) 01:20:30.34 ID:eS6zQPEho
>>782
「ふふふ…」

【男の子は、少女の顎を軽く持ち上げ、微笑む。】

「おねえさんは…」「これからずっと」
「ボクの幻影に苛まれて生きてゆくんだ」
「一瞬の気の緩みで」「死んでいった命」
「生きれた命からの」「恨みや、憎しみをその背に背負いながら」
「生きてゆくんだ」

「これまでも」

「これからも」

【純真なる少女の「負」の感情を、高めてゆく。】
【心の内の、「闇」を高めてゆく。】
【それにより、少女の、尊厳を貶めてゆく。】
【その、言葉ひとつひとつで。】

「…ボクは後、逃げたヒトたちを追うから」

「役立たずは其処で、休んでなよ」

【虚ろな少女の肩を叩き、助言とばかりの、一言を置いていく。】
【それを最後に、彼はその場を後にした。】



「ふふふ…ギキィ゙」



/〆ます ありがとうございました!
790 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/01(水) 01:45:33.27 ID:+afOBkXr0
>>788にこれ追加で

「さて、俺はそろそろ戻る」
「もし縁があったらまた会おう」

そう言ってその場を去っていく
思いの外楽しい一日になったなと満足しながら、廃墟へと帰っていった

/ロールありがとうございました!
791 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/10/01(水) 06:34:25.82 ID:a6p4TQDS0
>>747

「───俺を倒すという気概はあれど、戦闘の天才では無かったようだな」
「あの槍ならば、貴様がゲッソウを投げて避雷針のように扱えば、ダメージを負うことも無かっただろうに」

自分の想像する強者とは違うと感じ、スカヤは諦めと落胆の表情をする。まるで、玩具に飽きた子供のように───。

「何故、1人で俺に挑んだだろうな。 まさか、1人でも勝てると確信していたのだろうか?」

徐々にジークローランの元まで近づいている。その自分に対する敵意すら見下して。

「その勇敢さは認めよう、だがそれは俺の前では蛮勇に過ぎない」
「ならば勝負はお預け…次に合間見える時こそが本当の勝負だ」

手をかざし、ジークローランに向かって気絶させる程度の電撃を放つ。その電撃が食らったかどうかも気にせず背を向け、ゆっくりと歩き出す。


「そろそろ、[ピーーー]ことも視野に入れておかなければな…」

そんな不吉な言葉を並べ始めたスカヤの顔はさらなる強者に出会えることを確信した笑みを浮かべていた。


//ほんっとうに遅れてしまい誠に申し訳ありませんでした…!
//すごく失礼極まり無いのですが、ここで一旦〆らせて下さい…
792 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/01(水) 06:58:57.12 ID:dAEk1UQTO
>>789

……ごめ、…ごめんなさいっ…ごめんなさいっ……

【男の子の言葉は少女の精神を深く抉る】
【精神を「闇」が色濃く染めていく】

ッ……ああああっ

【肩を叩き其の場を後にした男の子、引き留めることなんて出来なかった】
【人の居なくなった小学校を背にへたり込んで、少女は何時迄も涙を流していた】
【この日から少女は、死者の幻影に囚われる様になった】
793 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/01(水) 06:59:58.87 ID:dAEk1UQTO
>>789

……ごめ、…ごめんなさいっ…ごめんなさいっ……

【男の子の言葉は少女の精神を深く抉る】
【精神を「闇」が色濃く染めていく】

ッ……ああああっ

【肩を叩き其の場を後にした男の子、引き留めることなんて出来なかった】
【人の居なくなった小学校を背にへたり込んで、少女は何時迄も涙を流していた】
【少女はこの日から、死者の幻影に囚われる様になった】

//寝落ちすみません!(´・ω・`)ありがとうございました!
794 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/01(水) 07:00:31.72 ID:dAEk1UQTO
//連投すみません…!(´・ω・`)
795 :黒木 光 ◆y.s3xvFVls :2014/10/01(水) 07:59:19.68 ID:8ny5yZ0S0
>>788,790
「いやー、っちゅーかあれ弾道ミサイルとかじゃ無いと届かないでしょうよ、多分あれ宇宙とここの狭間ぐらいにあるんだろうし
でもまぁ通常兵器の類は《夜》相手に無意味だったって噂も聞くし
それだったらやっぱ《焔装》か《月装》使いを乗り込ませるとかかなぁ……

……いやもう寧ろさ、ロケット型の《月装》作れば良くね?」

最終的に謎の結論に到達し、一人で納得する

「《月装》だって結構面白そうなんだけどなぁ……あれは何だっけ、長所に応じて作れるんだっけか
だとしたら僕は……ねえな」

少なくとも《月装》にして使える様な長所は見当たらないのであった
本人が謙遜しているのか、普通に見つからないのかは置いておく

「ちょっとだから待って!あ、ちょ、マジで、フリじゃない!フリじゃないから!!ってかその一発で一撃必殺とかでしょ!?え、ちょまやめてぇぇぇぇえええ!!」

全身をバネの様にして後ろに飛び退く
《焔装》は使って居ないが、それでも一般人に比べれば比較にならない程速い

そうして体を後ろに跳ばした所で、自分が今さっき居た場所の近くに破壊の鉄槌が落ちた

「ビビるって問題じゃうおっ!?」

吹っ飛んできた1cm程度の瓦礫を手で弾き落とす

「危ない!危ないから!ってか《焔装》をやたらめったら使うんじゃねえ!!」

侵食されたら敵が増えるだろうが!という文はあえて言わないでおく

「ふーっ……今日はヤケに疲れたなぁ……ってかもう会いたくないよ……じゃあね」

ガルバろ別れる時、彼はかなり疲れた様子だった

//寝落ち申し訳ないです……
//夜中までありがとうございました!
796 :珠悸【人間/ヘッドフォン型月装】 ◆/3PSsMeb9c [sage]:2014/10/01(水) 19:25:06.61 ID:NbAE6g600

「―――また来ますね。園長せんせー、おにいちゃん。」

ちょっとした野暮用で街、比較的外に近い地域に訪れていた珠悸。
崩れかかったコンクリ製の建物や、千切れた電線を一瞥しつつ、足を止めているのはこれまた大きめの建物だ。
広い敷地の中に、二階建ての建物と平屋の建物が隣接。かつては渡り廊下で繋がっていたのだが、雨避けの天井は崩れ、簀は既に何処かに言ってしまっているらしい。
それだけではない、遊具も、室内にあった家具や調理器具、強いては『あおぞら園』と書かれた児童養護施設の看板でさえ、持ち去られて、もう此処にはない。
そんな『名無し』になった、自分が嘗て住んでいた場所の門に、小さな花束を置き、にっこり笑って一言。

彼らは、世界が夜に呑まれた時に自分達を逃がそうとして死んでしまったと分かっている。
現在の珠悸が、当時皆の兄であった彼と近い年齢になっているだなんて、なんて皮肉だろうか。
そのうち、お兄ちゃんだけじゃなくって園長先生の年齢も越してしまうのかな、なんて考えていると、少し悲しくなってきて。
ぽろりと、笑気付かないうちに笑顔のままの珠悸の紺碧の瞳から涙が零れた。


/絡み街
797 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/10/01(水) 19:26:01.04 ID:dx/FBLj00
>>791
「……ムゥ……!」

【身体の痺れが幾分か取れる。確かに彼は戦闘において卓越した才能があるには違いないが、天才とまではいかなかった】
【加えて彼の能力は≪月装≫。焔装と比べれば比にならぬ程の戦闘能力には差があるのであろう】
【しかし、月装の補正は……使用者の「長所」によって高められる】
【彼の「勇敢な心」という長所は、相手が圧倒的優位に立っているこの状況でさえ光り輝いていた。それは愚かな勇気であっただろうか?それは全てが終わってからでなくては、まだわからない。彼は死ぬまで「勇士」であるのだから】
【身体を無理やり奮い立たせる。足の痺れを振り払う。彼の中には、まだ相手の電撃を避けるだけの体力は残されていた】
【徐々に近寄ってくる相手。しかし彼はそれを、恐怖すら持たず睨みつけ、吠える】

「ぬかすがいい……ラルカン・ラントを……ジークローランを舐めるなよ!!」

【間合いに入ってすらいないというのに、何を思ったか彼は、月光の刃を横に振りかぶった】
【しかし……瞬間、剣の刃の刀身はエメラルドグリーンの淡い光を纏い、異様な雰囲気を醸し出す!】


「うらぁあああああああ!!」


【袈裟斬りの軌道を描き、月の刃が振り抜かれる。瞬間、その刀身からは、青白い三日月型の斬撃が矢のごとく魔獣に向けて放たれた!】
【その光は、長らく人が忘れていた、そして魔獣の知り得ぬ「月の光」そのものであるとは、一体誰が知れようか?もし、その浄化の力を持つ月光が直撃したならば、着弾地点に強烈な光の爆発と衝撃波をもたらすだろう】

/続きです
798 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/01(水) 19:33:23.21 ID:e2O1toK0O
暗澹たる中天は、今日も輝かず。それに群がるかのように、空の下でひっそりと灯る街灯。
人類最後の都市の空。本来ならば星すらも見えないはずなのだが―――――――――――

―――――――――その時、紅き凶星が煌めいた。

否、煌めいただけではない。それは尾を引きながら、間違いなく街に迫っているではないか。
そして数瞬の後、響く轟音と、揺れる地。瓦礫の山から、土煙が立ち込める。そう、"堕ちた"のだ。
瓦礫の山の中に堕ちたので、幸いにも死傷者はいない。だが、都市には大きな混乱と恐怖が一瞬のうちに渦巻く。

「………………見ぃつけた」

土煙が晴れる。そこには、人影。ゆらゆらと揺蕩いながら、それは次第にはっきりと輪郭を現す。
それは人の姿をした化け物だった。長身に目深帽子、全身に黒いスーツ。歪んだ笑みを露わにし、放つ雰囲気は殺意そのもの。
魔獣―――――――一目でそう分かるだろう。名も無き彼は、その姿を小さな紅い流星へと変態させ、都市へと突っ込んだのであった。

「………………さあて、そろそろお開きといこうかい。ニンゲンさん」

彼は歩く。人類という種を殲滅するために。強者と出会い叩き潰し蹂躙するために。《夜》の本能に従って。
向かう先は、人の集まる市街地。ここで誰かが止めなければ、瞬く間に一般市民達は殺されてしまう。
この異常な様相には誰もが気づけるだろう。なにせ、魔獣の奇襲なのだから。

/戦闘希望です!
/複数可能、乱入もいつでもしていただいて結構です!
799 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ [saga]:2014/10/01(水) 19:37:54.52 ID:ufgaGyyv0
【小学校跡、此処には今少女以外には誰一人としていない】
【《魔獣》の襲撃から避難し、そして恐らく全員が殺された】
【一緒に皿を洗ったお婆さんも、仲良く遊んでいた子供達も、……皆もう戻っては来ない】

私は役立たず。守れなかった

【自分が精神的に弱かったから、寝ても覚めても彼等の幻影に追い回される】
【「役立たず」「守ってくれなかった」「君が居たから俺達(私達)は此処に来たのに」そんな言葉が夢の中で、現実で何処からともなく聞こえてくる】
【果てに幻覚まで見える様になった、迫って来る。生気の感じられない青白い顔で】
【少女が居るのは屋上、其処から見えるのは一面の暗闇、背後には守れなかった人達の幻影】
【此処から飛び降りれば、楽になれるよね。彼等は追って来なくなるよね】
【少女は屋上の手摺に足を掛け―――身を乗り上げようとした】
800 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/01(水) 20:05:26.95 ID:EoBjjiXz0
––––空を見上げてもかつて見えた星空は見えず。《夜》に覆われ廃れた世界に残された者たちに、果たして未来はあるものか。
藁一筋分の未来を求めて足掻く者も数あれば、未来など知らぬと一蹴し己が人生を思うままに謳歌する者もまた、数あるもので。

「……。そういえば、星も月も見えないんだったわね」

ふと、廃ビルの天辺に腰掛けて、女性が呟いた。
視界の上半分近くを前髪が隠す中で、青藍の瞳が空を見上げる。そこにはかつて輝きを見せていた星月は影も形も見当たらず、淀んだ龍が代わりに長々と横たわっているのみ。

「邪魔ねえ、あれ……消えてくれないかしら」

不機嫌そうに天を見据えるも、その程度で龍が消える筈もなく。諦めて下を見下ろせば、そこにあるのは遠く魔獣の姿と、更に遠く、人々の集う人口の光。
暫しの沈黙。次の行き先は何処にしようか––––そして、決める。動く。

「そうねぇ、そろそろお腹も空いてきたからご飯でも見つけに行きましょうか?」

貴方も行くわよね?と言葉を向ければ腕に巻きつく暗黒が、まるで返事をするように蠢いた。
パラパラと足元より落ちる礫。不安定な足場を暗黒より生まれたモノで補強し、ゆっくりと降りて行く先に、何かの影が見えたような––––––
801 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/10/01(水) 20:10:59.82 ID:10jEw+ydO
>>797

「ほう───まだ来るか!」
「油断した事がどんなに恐怖か…よくぞ教えてくれた、感謝するぞ、ニンゲン!」

ジークローランから放たれた三日月状の斬撃。今まで隠していたのだろう奴の「切り札」を警戒して、再度「雷の槍」を生成し、斬撃に向かって投げつけた。


瞬間。眩い光が、「月の光」が、辺り一面に覆い、物凄い衝撃波が生まれた。
スカヤ自身も衝撃波により、ビルの廃墟を次々と巻き込みながら吹き飛ばされた。

「………ウォオオオオオオオオオオオオオオ!?」

何とか気合いで廃墟を押し上げ、幾つかの破片を手に持ち、立ち上がる。
四本の腕で持ち上げられたのは最早「破片」というより「一部」だろうか。それ程の大きな塊をジークローランの元まで投げつけた。

「良いぞ…!」
「まだ楽しませるか、ニンゲン! だがしかし、それすらも蛮勇に過ぎない事を知った上での抗いかッ!」

投げた後、自らもジークローランの元へ跳躍し、近づいていく。
だがそれはスカヤの策略でもあった。

足首から、糸が垂れていた。
802 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/01(水) 20:15:46.78 ID:OMcAfLuto
>>800
 瓦礫のなかで永久とも思える時を過ごした黒いケモノが目を覚ました。
 朽ちた小屋を《黒い霧》が満たした。それは乱気流を起こし、あらゆるものを削り取る。
 数秒後、小屋は元からなかったのかのように完全に消失していた。
 瓦礫で薄汚れた黒い毛皮を霧が撫でると、艶のない奈落色を取りもどす。

 光のない世界で、黒いケモノの両眼だけがいまは失われた星のように瞬いた。
 その視線は真黒の空に。だからこそ解る。《夜》の暗幕から降りてくるものを見た。
 黒でないもののなかに混じる白と薄金色。対抗色とも言えるそれは見つけてくれと言わんばかり。
 距離はさほど近くはない。だが黒いケモノから見えるのなら《白い人間》からも見えるだろう。

 見えているのなら隠れる必要もない。黒いケモノは姿を晒しながら直線を走り近づいていく。
 今夜、ひさしぶりの狩りを始めるために。

/おねがいします
803 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/10/01(水) 20:32:29.08 ID:dx/FBLj00
>>810
「ハァ……ハァ……」

【着弾したが……あの手応えでは倒せてはいないだろう。現に相手は今も、かなりの質量であろう瓦礫を押し退けて立ってくる程だ】
【その瓦礫……もとい建物の一部ほどの巨大なコンクリート塊が彼に向けて投げ付けられる。彼は横に飛び退き、受け身を取ることでそれを回避した】

「……肉体だけは頑丈よのう……」

【苦戦を強いられるであろうことは覚悟していたが、まさかこれ程とは】
【力量差に気負けしそうになるのを抑え、相手の動向を探る。】

「(……いかん、魔獣ごときには負けぬと約束したではないか)」

【剣を再び構え直して気持ちを整理したその時、相手が行動を起こす!跳躍してからの飛び込みである!】

「ぬぅううううう………!」

【その跳躍を迎撃するように、彼は刀身を上空へと振りかぶる!刃は再びエメラルドグリーンの光を纏った】
【そのまま、空中より強襲する魔獣に対し、思い切り剣を縦に振り抜く!先程と同じような月光の斬撃が、空中の魔獣めがけて飛んで行く!】

「うぉおおおおおおおおおおお!!」

【先程は衝撃波のみだったため吹き飛ぶだけで済んだだろうが、光の爆発に巻き込まれればどうであろうか?】

804 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp :2014/10/01(水) 20:33:07.65 ID:dx/FBLj00
>>803
/>>801でした。ごめんちゃい
805 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/01(水) 20:44:53.66 ID:EoBjjiXz0
>>802
「……あら」

女性の行く手からこちらに向かう影が一つ。明らかに人でないそれは、これまた明らかに女性へと狙いを定めていて。
狩人と獲物、強者と弱者……その、弱者の立場にありながらも女性は、くすりと笑みを零す。

「ふふ、綺麗。まるでお星様みたいで……羨ましいわ。貴方の瞳、欲しくなっちゃうそう」

女の声に呼応して、ずるりと何処からともなく現れ増える暗黒は、彼女の欲望の具現そのもので。
視界に留まるのは闇の中に煌めいた二つの瞳。その持ち主が人間だろうと魔獣だろうと、女性の行動が変わる事は無く。
傾いだ壁を降りながら、すいと腕を泳がせるとその手中に収まる暗黒。それは即座に揺らめいて、ふた振りの鈍に輝く果物ナイフに成り変わる。
それを魔獣の瞳へ向けて、躊躇なく、放つ。的確に、瞳の周辺へと傷を付けるために。

「ねぇ、魔獣さん……貴方の瞳、くださいな?」

魔獣と気づきながら姿を隠す事もなく、背を見せて逃げる事も無く。
そちらへ向けるのは明らかな害意と、ふた振りの刃物の切っ先––––それから、欲望の滾る、歪んだ笑みだった。
806 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs [sage]:2014/10/01(水) 20:52:13.31 ID:10jEw+ydO
>>803

「またもその斬撃か、同じ手は二度と──二度と食らうのはこの俺のプライドが許してくれないようだッ!」

同じ三日月状の斬撃。形や方向を見れば、どの程度の角度で避ければいいのか区別はできる。

「昆虫…だから、「飛べない」事もないのだよ!」

背中の装甲がパキパキと音を立てて中から透明の、いや薄い灰色の羽が生える。羽を使って羽ばたかせ、斬撃を避ける。

「そしてこの俺が大地立つ時、それは発動する!」

若干地面を陥没させながらも着地、今までばら撒かれていた「糸」がひらひらとジークローランとスカヤの周辺に落ちていく。

「───これは罠だ、「糸」の罠だ」
「そこから動くなよ……糸に触れたら、感電死するかもしれんなァ」
「その衝撃波…光を出すとは忌々しいし、何より邪魔だったのでな…」

糸はスカヤに繋がっている。そしてスカヤの内に存在する電流は糸を伝い、触れたモノをことごとく電撃による熱攻撃で破壊する。
試しにスカヤは自らの血を数滴、糸に垂れ流す。血は大きな音を立て蒸発した。

「やるからには全力だ、俺はそんな事も忘れていたのかもしれない……ここで満たされてはいけなかったのだ」
「だからこそ…躊躇はしない、常に「強者」に飢える為に! 貴様をこの場で…「処刑」してみせよう!」
807 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/10/01(水) 21:00:05.35 ID:Zu5M8ZWtO
>>799

【魔獣による破壊の痕跡、惨劇の跡地】
【幾度も見た光景とはいえ、決して慣れてしまうことはないだろう】
【自らの無力を何度も噛み締めて、その先にあるものは】

―――[ピーーー]ば楽になれるなんて、随分と阿呆らしい考えだよな

【屋上に上がり、少女の向けて声をかける】
【魔獣から人へと戻った彼女の小さな背中を、彗月は冷ややかに見つめていて】

飛び降りる前に一つ質問。アンタがそこから飛び降りて、それで何になる?

【希望のカケラもないこの世界、自ら命を絶つ人間は少なからず存在する】
【別にそうした人間を咎める気もないし、かといって哀れむ気もない】
【声をかけたのも―――ただの、気まぐれだ。恐らくは】
808 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/01(水) 21:04:24.58 ID:OMcAfLuto
>>805
 《白い人間》から生み出される《暗黒》を認め、黒いケモノはわずかに速度を落とした。
 そこから現れた小振りのナイフが、歪んだ欲望を乗せ自身の瞳に向かって飛んでくる。
 両腕が側面から擦り上がり、表皮を薄く裂いた瞬間に果物ナイフより鋭利な爪で切り払う。
 明らかなる牽制。黒いケモノは落とした進行を再加速、女へと跳ぶように近づく。

 《白い人間》の《暗黒》のように、黒いケモノが生み出すは鉄砂の如き《黒い霧》。
 それは奔流となってジャスミンへと押し寄せる。触れれば皮膚、粘膜、問わず削れるヤスリの風。
 されど《黒い霧》が此度、真に削り取るは《視力》。触れた瞬間から深視、静止、動体視力が削れ始めるだろう。
 すなわち動いたものを捉えきれず、距離感は不透明に、動いていない物さえ見えづらくなる。

 言葉通り、眼には眼を、歯には歯を。《白い人間》青藍の双玉を奪いにかかった。
809 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/10/01(水) 21:04:45.38 ID:+L1kUCtQO
>>799
ふと、小学校の跡地へと立ち寄る。
不気味に静まり返る校舎。瓦礫の中に散乱する犠牲者の遺品、血痕。

一瞬。一瞬の出来事だったのだろう。
それが、彼らの全てを奪っていった。
立ち止まっていると、今にも阿鼻叫喚が響いてくるようで………
………その時、少女の呟きのような声が聞こえた………気がした。

一抹の不安にかられ、校舎内部を捜し回る。
だが、どの教室にも人影は無い。となると残るは………屋上。
息を切らせ、階段を駆け上がりドアを開ける。冷たい風が、身体を通り抜けていく。
そして風上、そこに一人の少女が立っていた。

「おい、何をしてる………」
返事は無い。だが、寂しげな少女の背中は、何かを語りかけていた。
まさか…………不安は現実のものとなる。
少女は柵へと足をかけ、身を乗り出し始める…………

「…………馬鹿!何をする!」
考えるより早く、身体は動き始めていた。
一心不乱に、一直線に少女のもとへと駆け出す。
頼む、どうか間に合ってくれ………!

//残ってましたらお願いします…
810 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/01(水) 21:22:12.39 ID:wtLw1mDn0
そこは《夜》の襲来前、市街地として太陽が沈んだ後も数多くの明かりが存在した場所。
今では都市の外縁部付近の場所ということもあり、住民は存在せず視界の全てが闇で覆いつくされた地域に一人の少女がいた。
今日の彼女の左手にはランタンを吊り下げ、同時に懐中電灯も握られている。

「再調査かぁ……、よっぽど物資がヤバイんだろうな」

揺れる明かりを頼りに、倒壊した建物と偏在したり入り組んで存在する重力地形で構成された場所を進み、使えそうな物資を見つけては肩から掛けた鞄に入れて再び歩き出すという作業。

「気が狂うぞ……コレ」

彼女は自身の精神を削りながらも周囲の警戒と先が見えない作業をこなしていた。
811 :ジークローラン ◆wb9BPheDP3fp [saga]:2014/10/01(水) 21:22:50.95 ID:dx/FBLj00
>>806
「面妖な……やってくれるのう」

【羽根を出してやすやすと飛んで見せる魔獣の姿を見て、つい舌打ちをする。その姿には、戦慄を通り越して呆れるばかりだ】
【そして魔獣は何やら「トラップ」を仕掛けたらしい……辺り一面に輝く糸は、おそらく触れれば焼け焦げるかもしれない】

「今更、この程度の罠で、このラルカン・ラントのジークローランが怖気付くと思ったか!」

【魔獣に対して、あくまで引き下がらない自らの意思を示す。彼は負ける訳にはいかなかった。彼が守るべき者のためにも】
【実際、彼はこの戦いで疲労していた。精神的も、肉体的にも。しかし彼は相手に抗う意思を見せた】

「むぅううううううん……!」

【彼は地面に向けて、剣先を構える!エメラルドグリーングリーンの光が刃を包み込んだ!】
【彼が「何をするつもりか」……目の前の魔獣にはわかるだろう】

「はぁあああああっ!!」

【地面に剣が突き立てられる。瞬間、彼を中心とした光の爆発が巻き起こった!】
【強烈な月光はまず魔獣の糸のことごとくを焼き切り、そしてその衝撃波は、それらを宙空へと舞い散らせた】

「そして!」

【もう一撃を、今度は魔獣に向けて振りかぶる。例によって、エメラルドグリーンの三日月刃が魔獣に対して放たれた!】
【その瞬間……彼は何を思ったか、≪月装≫を消す。身軽になった彼は、日頃から鍛え抜いた脚力でもって、月光波の着弾如何に関わらず、その場から「離脱」を試みた】

「貴様との決着はまたいずれだ……その時こそ、貴様を殺してみせる!」

【「退散」は「敗北」ではないと心に言い聞かせながら、その場を走り去る】
【自尊心ではなかった。今より長い時間、かの魔獣を蔓延らせる事が憎かった。そして何より……】
【自らの力不足に、情けなさと悔しさ、そして苛立ちが立ち込める。これで終わりだ、というのが許せなかった】
【しかし、絶対に死ぬわけにはいかない……何故なら彼を、待ってくれる者が居るからだ】
【それらを悲しませる事は、負ける事以上に、彼にとっての死よりもつらい最大の屈辱だったからだ】

/この辺で〆に致しましょう……
/絡みありがとうございました
812 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/01(水) 21:34:33.95 ID:EoBjjiXz0
>>808
「……嫌ぁね、私の真似なんかして」

笑みから一転、不機嫌に吐き捨て《黒い霧》に向けるのは暗黒。冷酷な青い双眸で獣を冷たく見下ろし、こちらへ向かい来る霧には極力触れるのを避けようと後退。
ぱらりと零れ落ちるは瓦礫の欠片、時が流れ脆くなった足場が崩れるのに掛かる時間は如何程か。
霧と暗黒を真正面からぶつかり合わせ、果たして何方が勝つのやら。時が進めば分かる答えをわざわざ求め急ぐ事も無い。

「……ふふ、全然喋らないのね、貴方。だったら私も喋らなくて良いかしら?」

この言葉もまた応えを求めてはおらず、自己を勝手に正当化し、歪ませていくのは人格異常者だからなのか。

ぞわり、と、暗黒がまた虚無より生まれ落ちる。明確な形を作らず、女の周りを漂うそれはまるで彼女を守らんとする騎士のような。
後退を続ければその先にあるのは天辺、則ち逃げ場はこれより上に無し。ならば迎え討とう、この奈落を纏う獣を。
無言になり、恍惚の表情で暗黒を生み出し続ける女性が魔獣の瞳にどう映るのか、それは定かではないが––––––
813 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/01(水) 21:38:43.82 ID:2VQpEhC5O
/>>798はまだ募集しております…
814 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/10/01(水) 21:39:22.18 ID:10jEw+ydO
>>811

「怖気ず、なのに逃走…いや、戦略撤退か?」

ジークローランによる光の爆発は、スカヤの策略をものともせず、全てを巻き込んでいった。
スカヤもまた、離れるように大きく跳躍して爆風に押し出されるだけで済んだが、目の前には既にジークローランの姿は見えなかった。

「………ムウ」
「まんまと食わされたか…そういうずる賢さもまたニンゲンの本質、今回ばかりは許してやるとしよう」

甲虫の装甲は解け、再びニンゲンの姿に戻る。魔獣の雰囲気こそ現れるが、姿だけなら完璧にニンゲンの姿に似せていた。

「それに…俺も何故あのようなゲッソウ使いに彼処まで執着していたのだろうか?」
「奴がしつこく俺を攻めていたから?何度も「月の光」を見せてつけていたから?」
「たかがゲッソウ、ゲッソウ使いなんぞに……何故?」

スカヤはその欠落した精神で原因を考えるが、最早「魔獣」であるスカヤには到底理解できるようなニンゲンらしい思考は持ち合わせていなかった。

魔獣になって忘れてしまった「守ることの大切さ」。守るモノがあるからこそ、「逃げる」ことも「敗北する」ことも許せる。それが守ることに繋がるなら───。
だがそんな事を思い出すことはない。「魔獣」になれば、いくらニンゲンの姿に似せても、ニンゲンの言葉を使えても、本質的には「魔獣」であることに過ぎないからだ。


//絡みありがとうございました!
//2日間かけてロールして頂き、本当に申し訳ありませんでした…
//またロールして頂ける時は是非!よろしくお願いします!
815 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/01(水) 21:45:15.69 ID:DkEu6eqW0
>>807

【少女の耳に聞き覚えのある声が届く。魔獣となった時に争って、確か助けられた人のものだ。其れは結果であって助ける気はなかったのかもしれないが】

そう?全然阿呆じゃないと思うよ。生きるより死んだ方が絶対楽

【見える。守れなかった人達の幻覚が、聞こえる。悲痛な呻き声の幻聴が】
【寝ても覚めても、其れらがずっと少女を責め立てる。こんなのがずっと続くなら死ぬことが生きることより楽に思えて、冷たく言葉を返す】

さあ、そんなの知らないよ?何になるんだろうね

【もう疲れた。守れなかった人々の幻影に責められるのは、これ以上耐えられない】

>>809
きゃっ!離してよッ!

【女の質問に答えて、飛び降りようとした時。突然駆けて来た男に身体を掴まれた】
【少女の其れでは男を振り払うことは難しい。鬱陶しげな視線を男に向けていた】


816 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/10/01(水) 21:53:27.59 ID:+L1kUCtQO
>>815
「離す訳無いだろ!ほら、暴れるな!」
必死で彼女を柵じゃら引き離そうとする。
少々手荒な方法だが、これ以外に方法は無いだろう。

「ほら、何があった?話してみろ!」
彼女を制止し、あわよくば事情を聞くつもりである……
817 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage]:2014/10/01(水) 21:53:37.53 ID:rBMxmbWKo
>>810

かつ、かつ、と地面を突く乾いた音が空虚な市街地に小さく響く
それと出処を同じくしたひどく荒い呼吸の音に、物資を求め彷徨う彼女の耳には届くだろうか
それらは都市中心部から更に離れた方角、即ち魔獣との戦いの最前線の方角から来ていた

「はぁ……は…っ……」

現れたのは右手で杖を突き、足を引きずるようにして歩く華奢な少年だった
杖を持たない側、左手首にはライトが括りつけられているものの、だらりと下がったその腕では前方を照らす役目は果たしておらず、
結果、前方にある瓦礫に蹴躓いて崩れ落ちるように転倒してしまった
818 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/01(水) 21:58:15.29 ID:OMcAfLuto
>>812
 《暗黒》と衝突する《黒い霧》が拮抗し宙で爆ぜ散る。黒いケモノは牙を剥いて低く唸った。
 白い女の戯言は、人間ならば甘く誘惑する危険な蜜にも聞こえたろうが、ケモノには馬耳東風。

 女は新たに生み出した《暗黒》を、ドレスのように纏い、騎士の如く従える。矛にして盾である。
 妖しい魅力を放つ女の蠱惑的な相貌は黒いケモノにもうまそうな獲物とも思えた。

 獣の脚は女を追い詰めたが、近づけば暗黒に触れよう。飛び込むわけにもいかない。
 その場で踏みとどまり、自身の代わりに先兵を放つ。

 黒いケモノは削減対象を切り替えた。元からあの女には夢幻しか見えていないと判断する。
 女の周囲に散った《黒い霧》と新たに生成したモノを束ね、暗黒を貫く三角錐の矛とする。
 削り取るは《熱エネルギー》。すなわち周囲を凍らす矛は、触れた瞬間から冷凍し砕く。
 三角錐の矛は乱気流のように内部で乱回転を起こし、ドリルのように螺旋掘削しながら騎士たる暗黒を貫こうと放たれる。

 
819 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/01(水) 22:01:43.94 ID:B3V2xOTxo
「……あああああああああああああああッ!!!」

【都市、郊外。その一角で、大きなコンクリートの破砕音と共に、一人の大柄な男性が壁へと叩きつけられた】
【間髪を入れずに飛び込んできたのは灰色のローブを纏った少女。しかしその顔は、右側は烈火を纏い、そして左側は黒く変色していた】
【男は壁への激突で身動きが取れなくなり、その体へと容赦なく火弾を打ち込んでいく少女。そして何発目か、ついに男は息絶えた】
【だが、断末魔を上げたのは男ではなかった。優位に立っていたはずの少女の魔獣が、喉が引き千切れんばかりの絶叫を上げて男を屠ったのだった】

【「火柱」という名の魔獣、フェウアゾイル。《夜》の襲来により命を落とした少女の成れの果て。そして、今までに何人もの人間を食らってきた凶悪な魔獣】
【彼女は数日前、初めて恐怖というものを覚えた。《焔装》を持った男により、初めてこの魔獣は敗走したのだ】
【それからというもの、フェウアゾイルは少女の乞食を装うことを止め、ただただ人間を狩ることに集中する。だが、その顔に―――】
【―――その顔に僅かに苦しさが混じっているのに気付けた人間は、果たしているのだろうか】


【誰かが物音に気付き、こちらへと走り寄れば。今まさにフェウアゾイルの食事が始まろうとしている所だろう】
【人間を自らの能力でローストし、出来上がった「人間の丸焼き」を喰らう。残虐で、残酷な食事方法。もう既に、丸焼きは出来上がっていた】
【……その顔に、弱き者を甚振る愉悦の笑みは無い。一言で喩えるならば、「必死」だった】
820 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/01(水) 22:05:45.20 ID:wtLw1mDn0
>>817
「魔獣……?」

静寂さは神経を尖らせる。微かに響く呼吸の音を未来は捉えたのだがその存在が選択肢を突きつける。
敵か味方か。人か魔獣か。

「兎にも角にも確認か……」

その存在を確認できれば無駄な恐怖心は取り除かれる。ともなれば選ぶ行動は声の聞こえる先へと向かうことである。
不安に表情を歪ませながらも移動した先に見えたのは地面に伏している少年であった。

「ちょっと、まだ生きている!? 大丈夫なの!?」

呼吸は聞こえるものの意識の有無は判別つかない。よってすぐに少年のもとへと近寄り相手の表情を覗き込むようにしながら声をかけた。
821 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/10/01(水) 22:11:26.40 ID:4dTcKkl90
>>815>>816

生きるのに疲れて思考停止した挙句の自殺なら、そりゃ楽に違いないな

【少女を止める権利は彗月にはない】
【これが彼女が一人で勝手に悩んで苦しみ、辿り着いた答えだというのなら】
【死が救いだと考えるなら、好きにすれば良い】
【見捨てるように、空を仰いだその時】

良かったな、自殺志願者を助けるようなお人好しがまだこの世界にいて

【男を一瞥し、呆れたように溜息を吐くと】
【踵を返して歩き出す。既に彼等への興味は失せたかのように】

822 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage saga]:2014/10/01(水) 22:19:19.32 ID:rBMxmbWKo
>>820

「っつ……」

杖を持っているせいもあり受け身やを取れず、全身を地面に打ち付ける形となった少年
彼は痛みと不甲斐なさにずるずると鈍い動きで身体を縮こませていく
そこに届く予想もしていなかった心配気な声に、びくりと小さく身体を跳ねさせて、

「だ……大丈夫、です……」

そう言ってはいるものの、未来が覗き込んだ表情には疲れと悲壮感が綯い交ぜになっていて
おそらく魔獣と戦っていたのだろう、ライトで照らせば身体や衣服に傷が幾つも浮かぶ
823 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/01(水) 22:22:10.71 ID:eO/TL3D6o
>>798

「もう少し慎ましく近づいてきたなら、一人二人くらいはお前にくれてやったんだがな。
攻撃の瞬間を突くのが一番確実だし、その場の一般人に恩も売れる」

《都市》に襲い掛かった夜の尖兵が、大胆に正面から迫ってきたのに対し
その前に立ちはだかった男は、出来れば一般人を囮にしたかったとのたまう。

奇妙な逆転現象。強者は強者であるゆえに正しく、それに対峙する側は人間的な醜さに塗れている。
夜闇と調和した黒色のスーツに対し、くたびれたタキシードがそれを象徴しているようだった。弱いからか、それとも根本から間違っているのか――。

「だが、こうも派手に来られるとな。俺以外の奴が見てないと考える方がおかしい。
その上でお前を泳がせると、誤解されてしまうだろう? まあ、あながち誤解と言いきれないところもあるが……」

魔獣を[ピーーー]ことも、人や街を守ることも二の次。ただ、他の焔装・月装使いに自分の名を売る機会とだけ考えての登場。
殺意も戦意も目の前には向いておらず、魔獣の求める“強者”の気配は無い。そんな姿を隠すかのように、黒い霧が男を取り巻いている。

/まだ大丈夫ですか? よろしくお願いします

/>>798にならって、私の方も乱入歓迎です。
824 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/01(水) 22:25:15.20 ID:sFiVvTWRo
必死に何かを振り払おうとする父。泣き叫ぶ母。そして助けを求める妹。
肉を裂き、骨が砕け、大切なモノが咀嚼されていく音を背後に聞きながら、彼は必死にただ逃げることだけを考えて。
そして一人になった彼に、そっと何かが囁いた――――『どうしてたすけてくれなかったの?』

「――――――――……………っ!!」

悪夢と昨日の魔獣との戦闘で負った傷の痛みに苛まれながら、安藤静哉は身体を勢い良く起こした。
《月装》は未だ自己修復モードで所々が焦げたままで、身体も同様に火傷で熱を帯びている。
負けた。殆どダメージを与えることも出来ずに――――激痛が、無様な生を晒している事を認識させた。

「…………クソッ!!」

どうすることも出来ない苛立ちから地面を殴りつける。罅すら入らず、ただ拳が痛んだ。
負けた。それも苛立たしいが、依然頭から離れないのは魔獣に殺されたてしまったという女のことだ。
何故、自分はこんなにも苛立っているのだろう。それが分からなくて、もどかしさにまた苛立ちが募った。
825 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/01(水) 22:29:09.48 ID:EoBjjiXz0
>>818
周囲に散った暗黒はすぐさま女性の元へ集いひとつの塊へ、お世辞にも綺麗とは言えぬ荒い螺旋の標的は、正にそれ。
暗黒は尚も現れ続け、体積は更に増える––––と、思われたが何故か現れただけ増える事は無く。
幾らかの暗黒は細切れに宙を舞い、何処かへと姿を眩まさんとする。
その行く先を追うか追わぬかはケモノの自由。だがその行動次第では、確かに未来は変わる事だろう。

そして、女性は、氷結の掘削にも怯む事は無く––––まるで、恐怖という感情が麻痺してしまっているような––––恍惚の笑みを更に大きくしながら、数歩横へと身体をずらす。
そして、そのさ中、周囲を取り巻く残りの暗黒へと無言で女王の命令を下す。新しい遊びを考えついた、残虐な女王の思想。
彼女の脳内で行われたそれは、即座に騎士へと伝わり、騎士は、その姿を明確な「モノ」へと変える。
––––そこに「ある」のは、ドリルの鋒の先に生まれ出でたのは、クラミツハそのものだった。そして、それは瞬時に荒削りの螺旋の餌食となる。それ程までに近い距離での変化だった。
己の姿を模したモノを己が鉾で壊す様を確と見たならば、女は、けらけらと嗤うだろう。ケモノがどんな反応を示していたとしても、だ。

一方で、また、新たな暗黒は無尽蔵に湧き続けている。女性の思考を止めない限り留まることの無いそれは、果たして何処まで増え続けるのか。
みしり、と、戦の舞台が悲鳴をひとつあげた。
826 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/01(水) 22:29:53.89 ID:wtLw1mDn0
>>822
(探索はここで中止か…)

どうせ終わりの見えない作業だ。その上、後まわしにしても問題ない内容である。
それよりもこの少年の方が心配であり、例え任務を放棄しようが責める人間もいないだろう。

「まだ死ぬには早いよ。ほら連れて帰るから。生きて帰れるから」

この少年の様子を見る限り戦場にいたのは察せられる。
物減少しているのは物資だけでない。人員も、その精神も消費していく。
この暗闇の中の邂逅はジリ貧とも言える状況を再確認させるには十分過ぎるものであった。

「ほらしっかりと捕まって。」

そう言うと未来は少年を背負おうとした。
827 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/01(水) 22:31:53.33 ID:FhN4MU/K0
自らの殺意が明確に感じられるようになったのは、何時からだろう?
他者に対しての劣等感・他者がこちらに向けてくる嫌悪感に似たナニカを明確に感じられるようになったのは、何時からだろう?
確か昔からだったような気もする。いや、本当に昔からだったのか? 記憶が足りない、本当に重要な筈の記憶が。
其れさえあればこの感情が何なのか直ぐにわかると思えるくらいの小さくて大きななナニカが。あと一歩で届きそうな位置にあるのに――――届かない。

――――思考、思考、思考。無駄で惰性な感覚を研ぎ澄ませる。
魔獣の闊歩する都市の外。徒歩で行けば時間がかかるが、何か乗り物や移動手段さえあれば意外と早くつけるだろう―――それくらいの距離。
魔獣にやられたのか、それともただ力尽きたのかは知らない。けれども確かな死体≠ニなっている人間を見つけ、それの持つ所持品を漁る。
錆び付いたナイフが二本、食料は無し、月装は―――無いみたいだ。恐らく、何らかのアクシデントで月装使いなどと一緒に居れなかったのだろう。魔獣のいいえさだったに違いない。
だが、明確な傷跡も無ければ原型を完全にとどめた姿からはとても襲われたようには見えず、ならばとうつ伏せになっている死体を仰向けにしてみれば――――あった。

腹部に大きな傷。確実に致命傷となるそれは、体を貫通しない程度の深さで抉られている。爪の様なもので攻撃されたと予想。
まぁ、他人の死などどうでもいい。僅かに胸中に渦巻く腐ったナニカに目を向けない様にしながら―――――彼は死体漁りを続ける。
こんなところを他人に見られればどうなるかなど――――分かり切っているだろうに。
828 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/01(水) 22:32:02.52 ID:m6kj8Gjq0
>>816

……守れなかった。

【腕の無い少女を引き離すのは簡単だっただろう。猫の様にあっさりと手摺から離れた】
【そして引き離された少女の第一声は其れ】
【少女は此処を守る役割を引き受けていた。然し魔獣の襲撃を受け、何人もの人を死なせてしまった】
【其れに加えて《魔獣》の能力で少女は精神的に追い詰められ、避難した人を追うのを止められなかった。其の人らも恐らくは…】

>>821

……

【踵を返して去り行く女少女は其の姿を見つめ、何も声をかけることはなかった】

//彗月さん申し訳ありません!ありがとうございました!
829 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/10/01(水) 22:36:11.80 ID:jzNIpcE/o
闇に閉ざされた都市。残された建物、此処はその中でも高いビルの一つ。
幾つかは自警団とかの監視塔の変わりとなっているらしいがここは人も少なく
重要なものもない。ただ捨てられた地区にぼうと建っているだけだ。
ただ、静かで都市の埃っぽい臭いや包まれた嫌な空気が澄んでいる…気がした。

明かりが屋上に灯っている。弱い明かり、ランタンの火だ。先客がいるようだ。
カーキ色の古いコートを着た、ブロンドの男。古いライフルを背負っていて、双眼鏡で外を眺めている。

「単独での行動は無理か…。」

男はランタンの置いた屋上の中心辺りに戻って座り込む。ランタンの側ではアウトドア用の携帯コンロの
上で小さいポットがしゅうしゅうと湯気を吐いていた。男は近くのリュックサックからノートを取り出す。
この街の地図やメモ書きがなされたノートのページに書き足していく。現状が詳細に観察なされていた。

「彼処までいけるなら…軍の物資が残っているはずではあるが。」

そう、ひとりごちる。男はカバンにノートを取り出して金属の缶とカップを取り出す。
男はひとり、今となっては珍しい嗜好品、紅茶を淹れる。
830 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/01(水) 22:40:31.73 ID:B3V2xOTxo
/>>819はまだ募集してますです……
831 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage saga]:2014/10/01(水) 22:40:39.97 ID:rBMxmbWKo
>>826

「ごめんな……さい……」

普段の彼なら、同年代の女性に背負われることなど否定していたかもしれない
しかし現在そのような体力や余裕はなく、背負われながら消え入るような掠れた声音で言うのであった

背負った少年はその外見から感じられるものよりひどく軽く、或いは何かが抜け落ちているのではないか、と思うほど
それでも人として、微かな温もりは確かに存在していた

少年の方も、未来の背から伝わる温もりを感じているようで
閉じかけていた唇を僅かに開いて問いかけを吐き出した

「ここ……どの辺りですか……?」
832 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 :2014/10/01(水) 22:46:17.11 ID:+L1kUCtQO
>>828
「守れなかった………か」
意外とすんなり離れたのに驚きながらも、少女の話に耳を傾ける。
「………成る程」

しゃがんで、少女の顔を覗き込む。出来るだけ、満面の笑みで。
「………無理するな、苦しいなあr泣けよ」
少女が無理して抱え込もうとして苦しんでいるのは伝わってくる。このような時はありのままの感情を吐き出すのが一番だと思った。
833 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/01(水) 22:47:28.71 ID:OMcAfLuto
>>825
 一塊の暗黒が[自身/クラミツハ]に変じた。直後、螺旋の氷矛が貫きケモノを無残に散らす。
 既に女は狂気に侵されていたか。童女の如く嗤う姿はいっそ美しくも醜悪だ。
 黒いケモノは牙をを剥き出しにて低く唸った。嗤う女の声が神経に突き刺さるかのようだ。
 なによりも女の生み出す暗黒。その量は無限――無尽蔵――を思い出させる。それは屈辱の記憶。

 心頭が赤く染まりそうなところへ、足元から軋む音。見下ろせば戦場は高く脆い。
 ここから落ちれば、さぞ良い時間のスカイ・ダイヴィングとなろう。
 奇行は天然か、あるいは策略か。どちらにしろ追い詰められたのは女だけではない。

 思考に冷静さを取り戻した黒いケモノは、跳ぶようにして女の待つ戦場へ移る。
 そして自分自身を模した暗黒を貫いた《黒い霧》を、《暗黒》のように女を包むドレスのようにへ変えようとする。
 それは《拘束具》でありながら女の潜在能力を解放する《解放具》となろう。

 削減対象――《焔装能力抑制力》。

 無限にあふれるというのなら溢れさせてやろう――破裂するまで。
 もっとも既に狂気に侵された女は、すでに堕ちているのだろうか……?
834 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/01(水) 22:55:27.92 ID:wtLw1mDn0
>>831
「助け合いって大事だよ? こんな時こそ遠慮する必要は無いよ」

彼を背負うと器用にも持っていた道具をその場に残すことなく帰路につく。
多少は入り組んでいるがそれでもルートは記憶に残っている。
心配があるとしたら彼の体力が持つかどうか。想像以上の彼は軽い。彼の声量といいそのまま魂が抜けていく錯覚を受けるほどの不安が感じられる。

「都市の外縁部。ぐるっとまわっている重力地帯の近くだね。中心に戻るにはちょっと時間もかかるし足元も安定しないから揺れるけど……、頑張ってね」

そう背中の人物に声をかけると早歩きで進み出す。
背中から前方を覗けば生活の光のある方向。少年が向かっていた方角とは異なることがわかるだろう。
835 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage saga]:2014/10/01(水) 23:07:05.29 ID:rBMxmbWKo
>>834

「そう……ですね……」

弱々しく微笑む
背負われている状況で彼女に伝わるかは分からないが、遠慮しなくていいと言われて少なからず気持ちも楽になったようだ

頑張って、という言葉に首肯すると、前方に見える光に目を細める
中心部の光だろうか、と疑問するが、やはり思考を巡らせるにはまだ余裕が足りないようで

「……あれは?」

聞いてばかりだな、と自分を恥じつつも、彼女に問いかけることにしたのだった
836 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/01(水) 23:11:26.12 ID:A4Vf4rrp0
>>832

ッ…う、っ……!

【男の言葉に後押しされた少女は涙を流し始める】
【だが少女の表情は一瞬男から視線を外した時、恐怖で引き攣った】
【少女は幻覚・幻聴を見て(聞いて)いるのだ】【少女が見ている方向、男からは何も見えない】
(だが少女には見える青白い生気の無い人が、守れなかった人が「役立たず」「どうして守ってくれなかった」と囁いているのが】
【あの《魔獣》と出会ってから少女の精神は異常をきたしている】

あっ…ごめんね、守れなくて…ごめんね…私が役立たずだったから…ッ

837 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/01(水) 23:15:08.66 ID:EoBjjiXz0
>>833
笑い、嗤う女性は三日月に歪めた目でケモノをしかと見る。その姿から読み取れるのは怒りか、屈辱か。
余裕の表情を浮かべながらもその実内心は焦りを覚えていた。早く来い、こちらへ、私と同じステージへ。
跳躍し、「同じステージ」へ立ったケモノに、女性の嗤いは更に甲高い狂喜のものへと変わる。こちらに放たれる拘束具、それと同時。

ふわり、とクラミツハは浮遊感を覚えるだろう。それはまさしく支えを無くし宙に浮いた証拠。
獣の足元から湧き上がるのは先ほど群れを離れ何処かへと消えた暗黒。それが何をしたのか、この状況でケモノに理解出来るのか。
脆い舞台を食い荒らし、ケモノの着地の衝撃に耐えられない程に薄く、更に脆く。目標を達成した暗黒は、スカイ・ダイヴィングをするのはお前だと嘲りながら女性の元へ奔りゆく。
この脆いビルディングの中、衝撃を和らげて途中で留まる事は不可能ではない。
落ち行くケモノの耳に届く甲高い声は、悲鳴か、嬌声か、はたまた別の何かなのか––––知る由もないそれは、落下に伴い遠く掠れて行くことだろう。

//申し訳ない、ちらっと眠気が来始めたので、無理矢理すぎるかと思いますがこれにて…
//初絡みどうもでした!お疲れ様です
838 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/10/01(水) 23:16:16.58 ID:IVPN8K+90
>>819

食事にありつこうとする魔獣は、背後で奇妙な風切り音が弾けるのを聞く。
それは鋼鉄の刃が振るわれる時と、鞭が空を切る時の音色を掛け合わせたような、大気の絶叫だった。
――もし咄嗟に回避することができなければ、「それ」はフェウアゾイルの背中に手痛いギザギザの裂傷を刻むに違いない。

「……お嬢さん、晩餐はおしまいよ」

鋭い一撃の主は、振り返ればそこにいる。
豊かな金髪を冷たい風に靡かせ、灰色の瞳に静かな敵意を湛えた、ヨーロッパ人の少女だ。
彼女の手には、伸縮自在のワイヤーによって無数の刃を鎖のようにつなぎとめた異形の武器――『蛇腹剣』。
薄らと白い光を纏ったそれは、誰の眼にも明らかな《月装》だった。
839 :彗月 ◆4lMNAK/M5E [sage]:2014/10/01(水) 23:18:06.50 ID:4dTcKkl90
>>819

【響き渡った叫び声、郊外の巡回中だった少女がそれを聴き逃す筈がなく】
【次の瞬間、焔装備によってコンクリートの壁をぶち壊して、魔獣の食事現場へと乱入する】

【人の肉体の焦げる臭気が鼻を突く】
【不快感を露骨に露わにして顔を歪めながら、睨みつけるのはローブを纏った人間】
【その正体が魔獣だと判別するのに、時間を必要とはしなかった】

言葉いらない。消えろ、怪物が

【憎き魔獣にかける情けなど存在しない】
【例えその顔に苦しみが浮かんでいようとも、生きるための食事に必死であろうとも関係ない】
【その少女――彗月の言葉と同時、不可視にして防御不能の斬撃が三つ、魔獣からみて右、左、上の三方向から放たれる】


840 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sagesaga]:2014/10/01(水) 23:21:33.02 ID:+L1kUCtQO
>>836
少女の目から涙が流れ出すのを見ると、大道は少し安心した………
………だが、それはすぐに疑念へと変わる。様子が明らかにおかしい。

彼女の目は、自分を外れ後ろにある「何か」を見ている様であった。
後ろを振り向いても何もない。が、彼女は一心にその「何か」へ謝罪をしていた。

「……どうした?」
……少女の肩を掴み、軽く揺さぶる。
「おい、何を見ている?何が見えるんだ?」
841 :彗月 ◆4lMNAK/M5E :2014/10/01(水) 23:23:01.65 ID:4dTcKkl90
>>839
取り消しで(白目)
842 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/01(水) 23:24:24.30 ID:wtLw1mDn0
>>835
「帰る場所だよ。生きている人間が生活する場所。私達の家だね」

意識が不鮮明な少年が理解できるよう繰り返し言葉をかける。
意識を失わせないように、掴んだ命を離さないように。



星が奪われ時間を感覚で捉えることが困難となった今、どの位の時間が経ったかは分からない。
それでも確実に道を進み続け、何とか病院へとたどり着く。魔獣の襲撃が無かったことは幸いであった。
まともな医療道具が不足している為、簡単な応急処置を施された少年は空いてベットに寝かされることになった。
少年がもしベットの脇を見る意識が残っているなら、また意識を取り戻したならばそこには心配そうに様子を伺う少女が見えるだろう。
843 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/01(水) 23:31:49.57 ID:B3V2xOTxo
>>838
【そして、男の丸焼きへとその牙を突き立てようとした瞬間。明らかに不自然な風切り声】
【何かは分からない。しかしその音を直感的に危険と判断した少女は、足裏からのジェット噴射によって食料の元を離脱】
【今まで自分が居た方向を見れば、男の丸焼きには奇妙な形の裂傷が刻まれていた】
【そして、その攻撃の元には自分と同い年ほどの少女。自分を滅ぼさんとする、闇夜に映える蛇腹型の剣が嫌に眩しく見えた】

「《月装》……お前モ、晩餐にしテやル……!!」

【《焔装》と《月装》は、今まで自分が喰らってきた人間もいくつか持っていた。故に、その名前は知っている】
【そして、それらの武器を持った人間を喰らうと普通の人間よりも美味いということも知っていた】
【……だが、それを気にする余裕は今この魔獣にはない。倒す。倒して、喰ってやる】

「―――アアあアあアっ!!!」

【絶叫と共にフェウアゾイルから放たれるのは4つの火弾。プロ野球選手並みの速度で飛来するそれらに当たれば火傷は確実だ】
【それらを処理しても、油断してはいけない。今度は足裏からのジェット噴射で超加速したフェウアゾイル自身が迫り来るのだから】
【火弾は囮で、自らが放つ腹へのストレートが本命だろう。少女の拳だが、それは肘からのジェット噴射によってプロボクサー並みの破壊力へと強化されている】
844 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/01(水) 23:32:59.39 ID:B3V2xOTxo
>>839>>841
/すいません……また機会があれば!
845 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/01(水) 23:35:33.33 ID:2VQpEhC5O
>>823
「………………ふぅん?そういう人間味ある醜悪さ、嫌いじゃないよ」

侵攻する彼の前に立ちはだかった相手は、期待とは違い強者の風格など一欠片もない。だが、代わりに人間的な醜さに塗れている。
一般人を囮にしたかった?大いに結構。恩を売る?それもまた大いに結構。
だが―――――――――――――――――――

「戦う時は、私だけを見て欲しいナァッ――――――――!!!」

彼の姿が黒い霧となり、霧散する。そうしてまた新たに黒い霧が集まり、彼の新たな姿を形作る。
鋭い牙、強靭な四肢に研ぎ澄まされた爪、靭やかな尻尾、そして大きくはためく黒い翼を持った獣に姿に。顔のない頭部には、半分程ひび割れている虹色に輝く球体が脈動する。
獰猛な獣、だがどこか歪さを孕んだ彼は刹那のうちに駆ける。強靭な四肢を持ってしての疾走は素早い。
接近が叶えば、その鋭い爪を振り下ろす。まともに喰らえば、一溜りもない威力だ。

/ぎゃああああ発見が遅れましたごめんなさい!
846 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/01(水) 23:37:17.07 ID:A4Vf4rrp0
>>840

ごめんね……おばさん…おじさん…○○君
私が弱かったから……ッ

【肩を揺さぶられる事など気にせずに少女は謝罪を続ける】
【途中で明らかに人の名前などを連ねている事から、少女には人が見えていると分かるだろうか】
【夢の中でも、目を覚ましていてもずっと聞こえてくる。そんな状態が続いていた】
【其れから逃れようと、少女は自殺を図っていたのだ】
847 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/01(水) 23:37:44.73 ID:OMcAfLuto
>>837
 衝撃と浮遊感。景色が上へ溶けていく。身体に当たる風で落下していると始めて分かった。
 頭上より遠くなっていくは女の狂ったような声。音。神経がささくれ燃えたぎる怒りを能力器官に投入。
 このまま落下すればいかに魔獣とてただでは済まない。即座に《黒い霧》を生み出せるだけ生み出す。
 自身の真下に展開し《重力》削減。自分に作用させ《運動エネルギー》削減。落下速度を落とす。
 加えて《熱エネルギー》を削減し氷壁を空中に生み出し、それを蹴って最寄りのビルへ。
 朽ちた壁に爪を突き刺し、壁を引き裂きながら速度を落としゆっくりと地面へ落ちた。

 まだ空より響く女の声は聞こえる。だがそこまではいけない。
 黒いケモノは《夜》空へ向かって咆えた。そしてまたも狩りはできなかったと瓦礫の森へ帰って行った。

/いえいえ、寝落ちより全然いいと思います。ありがとうございました。それではおやすみなさい!
848 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage saga]:2014/10/01(水) 23:42:14.77 ID:rBMxmbWKo
>>842

「帰る……家……」

それは、今まで意識して考えないようにしてきたことだ
突如現れた《夜》によって、自分たちの帰る場所は損なわれた
手放しに安息を享受出来る場所など、もう何処にもないのだと、そう思っていた

だからだろうか、少女の言う「家」という言葉は甘美で優しく包み込むようで――――



気が付くと、少年はベットで横になっていた

「は――――ッッ」

知らぬうちに眠ってしまっていたらしい、半身に力を込めて身体を起こそうとすると、それを押さえつけるように全身に痛みが伸し掛かる
叫びだしそうな衝動を殺し、結局身を起こすことは諦めて息を吐き出すと、ふと視線を感じる
そちらを見ると、彼女は変わらずそこにいて

「……お、おはようございます」

間の抜けたような台詞が飛び出した
849 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sagesaga]:2014/10/01(水) 23:46:49.41 ID:+L1kUCtQO
>>846
「………幻覚か」
口々に人名を口走るのを見て、確信した。
魔獣との戦闘の影響は予想以上に大きく……彼女を狂わせているのが分かった。

………このままでは埒があかない。そして、この状況は危険だ。
立ち上がり、数歩後ずさりする。そして、少女の足元へと銃を構える。
「荒療治だが、仕方あるまい…………」

モードは、一番低威力の連射。
大道は数発、足元へと銃を撃ち叫ぶ。
「………いい加減目を醒ませ!」
850 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/10/01(水) 23:51:36.03 ID:IVPN8K+90
>>843

フェウアゾイルが刃の一撃を躱した結果、シャーロットの蛇腹剣は男の骸に傷を付けてしまった。
小さく「ごめんなさい」と零しつつも、彼女は敵から視線を逸らさない。

――ヒトの少女そのものの姿をした敵。あるいは、元々は本当に人間だったのかもしれない。
自警団で聞いた、《夜》に堕ちた者が《月装》使いに戻ったという噂が、泡のように彼女の記憶の中から浮き上がって来る。
そして、そんな奇跡など二度望むべくもないこともまた。

「いまのわたしが為すべきことは、死者の雪辱を果たすことよ。あなたに食べられてやるわけにはいかない。
 ≪クロウ・クルワッハ≫ ――わたしに力を!」

《月装》の名を高らかに叫ぶと、シャーロットはそれを横に振るった。
手首のスナップに合わせてうねる蛇腹剣の軌道は、4つの火弾ときれいに重なり
虚空にとぐろを巻くようにして、その全てを絡めとって≠オまう。

そして弾丸の如く跳びかかるフェウアゾイルめがけて、彼女は『捕縛』した火弾を全て投げ返そうとする。
仮に損害を与えられなくても良い。揺らめく火が、攻撃を逆用されたという事実が、目眩ましになってさえくれれば――

――シャーロットは横っ跳びをして、噴進する豪拳を紙一重で避けるだろう。
851 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/01(水) 23:53:17.42 ID:wtLw1mDn0
>>848
彼のその台詞は未来を安心させるには十分であった。
前日に会話していた人間が死んでいなくなる。幾度となく経験してきたがそれでも慣れることは無い。

「よかったー。今はまだ寝てなさいな。無理に動くとよくないよ」

息が漏らした後、安堵した表情を見せ言葉をかける。

「おはよう。私は未来。名前は……言える? というか意識はしっかりしてるかな?」

852 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/02(木) 00:02:34.64 ID:gOXfUmF7o
>>845

「私だけを見てほしい――そういう言葉は、大切な人にだけ贈るものだ。それとも、口説いているのか?
男をひっかけて遊んでから[ピーーー]魔獣の噂を聞いたことはあるが、大分イメージと違うな」

相手の姿が霧に溶けていくのと同時に、男を取り巻く霧も色濃くなっていく。
どちらも同じ色の霧。互いの黒さを誇示し合う。傍から見れば、同種の闇。けれど相対する二人だけが、互いの霧の黒さの違いを知っている。

一方が結集して新たな姿を作る。一方の霧はより深く、より黒く、男の周囲を墨染めにしていく。
変化の無い黒塗りは、そこに壁があるかのような錯覚さえ起こさせるほど。

「人型でない奴には、視覚を封じてもあまり意味がないことが多いが」

エネルギーを奪い取る霧こそ男の焔装。その霧に触れた瞬間から、身体に重さを感じることだろう。
加えて、その霧の中における力の流れは手に取るように分かる。

「形態変化自体がある種の固有能力なのであれば、相性は悪くないな」

街明かりを受けて煌びやかに輝く剛爪。早さも勢いも硬さも鋭さも、全て一級。まともに受ければ一撃死まであると、霧を通してはっきりと理解する。
同時に、霧に隠れた男を引き裂かんとした爪が弾かれる。振り下ろしに逆らわず、完璧なタイミングで上から弾いて軌道だけ狂わせる形。力に技術で対抗する、ニンゲンの業。
霧の中から一瞬覗いたのは、鞘に収まったままの短刀。それが男の得物のようだった。

黒霧を纏ったまま、男は短刀を引き抜く。その刀身は、彼を取り巻く霧をそのまま写し取ったように黒い。
853 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/02(木) 00:03:15.40 ID:yiI9Bwht0
>>849

ッ…あ!

【大道の放った其れは少女の足に命中し、痛みを与えた】
【そして覚醒する意識、だけどまだ治ったわけじゃない。一時的に見えなくなっただけ】

あ……れ?私…

【キョトンとした表情で周囲を見渡す、そして大道に向けて言葉を発した】

…貴方は?
854 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage saga]:2014/10/02(木) 00:04:30.49 ID:rJvWE46do
>>851

「ん……大丈夫。まだちょっと痛いけど、大分マシです」

本当は少し身体を捻るだけでも割れるような痛みが襲い来る
だけど彼女の表情を見て、つい強がってしまった。
泣き言は彼の思う「強さ」とは程遠い位置にあるから。

「僕は神宮司 茉冬っていいます。その……助けてくれて、ありがとうございました」

横になった状態ではお辞儀も出来ない。それでも感謝の念が伝わるよう、しっかり未来の顔を見て述べた
855 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/10/02(木) 00:11:16.14 ID:z0FX0StWO
>>853
足元に散る火花。そして流れてくる血。
彼女が正気に戻ったのを確認すると、胸を撫で下ろす。
発砲した事を詫び、ハンカチを取り出し足の怪我の応急措置をする。
そして、名前を名乗る。
「俺は大道………大道竜造」

彼女はどうやらさっきまでの事を知らないらしい。
そこで、大道は問いかける。
今あった事を全て話した方がいいか、と。
856 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/02(木) 00:12:44.27 ID:k3WLwfPMo
>>850

「ギッ……!!! お前、私の焔ヲ……!!」

【自らが放った火弾は、彼女の振るった蛇腹剣によって絡め取られ、あまつさえ投げ返される】
【フェウアゾイルはジェットによる速度を維持したまま回避しようとするが流石に叶わず、防御した左腕に1つ、火弾が直撃した】
【上着が灼け、皮膚が焼ける。鋭い痛みが左腕を走るが、少女はそんな事に構っていられなかった】

【―――自分の攻撃を利用された。痛みに怒りが上書きされ、顔右側を覆う焔の勢いが更に強まった】


「がぁァァああアあアああアッ!!!!」

【超加速させた右拳での拳撃は回避され、その右拳からのジェット噴射によって体の動きを急減速させる】
【火弾は余程近づかない限りもう効かないだろう。ならば、とばかりに少女は彼女に向かい、ジェット噴射によって飛びかかる事だろう】
【十分に近づければ、少女は腕を振りかぶり再度彼女へと右拳を打たんとする。だが、それはあくまでも囮】
【パンチのインパクトの瞬間、拳の前、右、左側から一斉にジェット気流が吹き荒れる! まともに喰らえば吹き飛ばされ、最悪近くの壁に衝突することだろう】
857 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/02(木) 00:16:54.82 ID:XfzfUXfJ0
>>854
「いーよ、いーよ。救える命をこれ以上見捨てるなんてしたくもないしこれも任務の一環だよ」

ひらひらと自分の目の前で手を振る動作はどこか軽い。
自分の意思で行った行動でもあり、恩を着せて困らせるなんてことはしたくは無かった。

「それよりなんであんな場所にいたのさ。一般人みたいだけど危険過ぎるよ」

以前出会った《焔装》使いの女性。彼女も温和ではあったがそれでも立ち振る舞いだけで《焔装》を扱うことが瞬時にわかった。
それ以外にも《月装》《焔装》問わず戦場に立つ人間とは多く関わってきた。
少年はそういった人達とは様子が異なり過ぎて戦える人間であるという発想が出てこなかったのだ。
858 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/02(木) 00:25:54.80 ID:ccbvP/VuO
>>852
互いに黒。同種の黒。而して、決して相容れない黒。黒と黒では交差などし得ない。全てを塗りつぶすそれは、交差したところでしてないのと同種なのだから。
男に迫る眼前で、視界が黒く染まる。原因は、男が発した黒い霧のせい。
同時に、身体の動きは少々鈍くなった。成る程、不意討ちを狙うタイプだろうか。

振り下ろされる剛爪。速く、疾く。だがそれも完璧なタイミングによる男の反応で弾かれる。ニンゲンの技術による業によって。

「―――グルルルルル………」

今の彼は獣。理性は辛うじて残ってはいるが、野性的な本能剥き出しのまま唸る。
そして体勢を立て直し、続けて跳躍。高く高く、空高く昇り落下と同時に尻尾を振り下ろす。
うねり、撓るそれは落下エネルギーも相まって驚異的な破壊力を持って地面に叩きつけられるだろう。地を割る程の威力は、寸前で避けたところで吹き飛ばされるのが関の山。
859 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage saga]:2014/10/02(木) 00:32:05.40 ID:rJvWE46do
>>857

任務の一環、そう言われてしまえば他に返す言葉もない
だが恩を感じたのは事実だ。だから、彼女が先に言い、朦朧とする頭で受け止めた「助け合い」という言葉を胸に刻んでおく
助けられたのだから、助けたい。そう思うのは、間違いではないはずだ

「うーんと、僕もこれでも《焔装》使いなんですよね。だから魔獣と戦いに。
 一般人に見られても仕方ないですよね、さっきも結局数に圧倒されてしまった訳だし……
 でも、《焔装》使いだから。抗う力があるのに使わないなんて、出来ないじゃないですか」

ボロボロの状態でしかも杖なんて突いていたわけで、普通に考えたら戦闘員には見えないだろう
それでも自分にも《焔装》使いとしてのプライドがある。この終末の近い世界で、やれることはやりたいという思いがある
だから戦場へ出たのだと彼はいう
860 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/10/02(木) 00:36:11.21 ID:Yc0iZyur0
>>856

「わたしの《月装》が持つ名は、宵闇を喰らう太陽の蛇のもの。
 《夜》を引き裂き、《夜》から奪うことを躊躇いはしないわ」

芝居がかった宣言は、若い――幼いと言っても良い彼女が、自らを鼓舞するためであろうか。
気勢を上げつつもシャーロットは冷静に状況を把握していく。敵の動きは余りにも疾いが、地に足が着かない。
小さな身体を急加速と急制動で御するその戦い方には、きっと隙がある。
――逆に言えば、《月装》使いが《魔獣》に勝つ方法は、そこを衝くこと以外に無いのだ。

「(スピードは圧倒的、細かい部位を眼で追うのは難しい。だけれど結局は殴りかかってくる=\―!!)」

ぐっと奥歯を噛んで、インファイトを挑まんとするフェウアゾイルを迎え撃つ。
蛇腹剣のワイヤー部分を片手で引っ掴んで、シャーロットは激突に備えた。

瞬く間にフェウアゾイルが目の前まで迫り、腕を引いたその刹那。
蛇腹剣が鎌首をもたげ、少女の姿をした《魔獣》の足元に巻き付いていく。

「――くううっ、根比べを……っ」

フェウアゾイルの暴風が吹き荒れるのと、巻きつけられた鎖が思いっ切り引っ張られるのは、ほぼ同時だった。
軸足を絞め上げることでシャーロットは間接的に拳の直撃を回避したが、気流を無視してはいられない。
スカートがめくれ上がるのも意に介さず全力で踏ん張りながら、フェウアゾイルの足を更に強く拘束しようとするだろう。
あわよくば、ワイヤーチェーンの要領でその片脚を切り取ろうというのだ――。

だがこの状況は、敵にとっても間髪入れずに追撃を入れる格好の機会と言えた。
861 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/02(木) 00:46:44.40 ID:XfzfUXfJ0
>>859
「え……、ええー? そうだったの!?」

少年の杖はどう見てもその場で拾ったものでは無かった。なら杖をつきながら戦場に立っているのか?
無茶だから止めようかと一瞬思うも、《月装》使いである未来が爆弾を抱えながら戦う《焔装》使いに頼ることが多いのも事実である。
戦場に出る度に結果がどうあれ命を削る彼に複雑な感情を抱く。それは隠すこともなく表情に出ていた。

「まあ、私も抗う力があるから戦ってるし同意も出来るけど……、うん。そうだよね」

こればかりは自分が出しゃばることでは無い。よって最終的にはそういった結論に至る。

「戦闘を行っていた地域の様子はどうだったかな? 応援とかは必要そうだった?」
862 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/02(木) 00:47:02.34 ID:gOXfUmF7o
>>858

「会話はならないか。残念。戦いに集中してるときに戦いの枠外のことを尋ねると、たまに素直に答えてもらえることがあるが……」


男が操る霧は、相手の視界を奪うと同時に、自身の視界も覆っている。
必然、この状態での戦術は直前まで引きつけてのカウンターに偏る。直前対応では防御しきれない攻撃を選ぶ発想は正しい。
空を裂き、尾が放つ音は鞭の如く。しかしてその重みは破城槌を思わせる。――かわしきれないッ!

だが衝撃による間接攻撃ならダメージは大きく軽減できる。落下の勢いを奪い、尾を動かす力を奪い、放たれる衝撃波を奪う。
自分から跳んだ上で、重力の影響を削減して空高くに逃げれば、追い縋る衝撃はほとんど無視できる。


空中に逃げたことで出来た隙は、そのままの場所に残した霧で補う。宙に逃げた久良岐の真下、獣は霧に包まれている。力を奪う、あの霧にだ。

力を奪うのみならず音も光も吸い取っていく霧の中、久良岐の所在は視認できない。
だが《獣》がその姿同様に鋭い嗅覚を有しているのなら、霧の中だろうとその位置を図るのは難しくないだろう。

霧が奪っていくのは、力のみ。匂いは消しきれない。今となっては珍しく、丹念に洗われて幽かに洗剤が香る服と、それでも残る血と汗の痕。
自分の姿を闇に隠しつつ戦う癖、誰に見せるでもなくセットされた髪をまとめるヘアワックス。短刀から漏れる鉄の気配と、香木造りの鞘。
強く握りしめて汗をかいているのは、左手の鞘の方――。久良岐未散という人間の手掛かりは、闇の中でも確かに残っている。
863 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/02(木) 00:59:48.70 ID:k3WLwfPMo
>>860

「ッ、何ヲ……!! ――――――グ、が……ッ!!!」

【パンチの直前、巻きつかんとする蛇腹剣に気付いたフェウアゾイルは、その足を退こうとするも何しろパンチの直前で上手く足を動かすことが出来ない】
【結果、蛇腹剣は中途半端に――少女の足指を一周するように巻きつき、その直後にジェットによる暴風が彼女を襲う】
【無論、吹き飛ばされそうな彼女を繋ぎ止めるのはフェウアゾイルの五指。それに彼女の引張も加わって、少女の指はミシミシと悲鳴を上げていく】

(コ、こンな……!! こんナ奴に私が、マ、負けル筈無イんだ……!!!)

【既に靴はワイヤーによって切断され、直接少女の指に蛇腹剣が当たっている状態。少女の顔が激痛に歪むが、気流を止める気配はない】
【フェウアゾイルの矜持。そして恐怖を払拭するための強い気持ちがその決断を阻害している】
【今にも千切れそうな指。それでも尚、少女は拘束されたことを利用し、左手から至近距離での火弾を5発、彼女に向けて発射する】

【―――それと同時。バチンという音がして彼女の蛇腹剣は空を切る事になる。つまりそれは"何かが斬れた"という事に他ならず】
【急に支えを失った蛇腹剣。未だ右手のジェット噴射は続いているため彼女は高確率で吹き飛ばされるだろうが、その前に】
【フェウアゾイルの足元で5つの小さな肉塊が転がり、血しぶきがその付近で舞った】
864 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage saga]:2014/10/02(木) 01:01:28.37 ID:rJvWE46do
>>861

隠すことなく表れる意外そうな表情を目に、彼の心はちくりと痛む
障碍を持つものは守られて当然だ、という意識。それこそが彼を傷つける
助け、助けられて、助けあう。その循環から掃き出され、一人孤独な劣等感に苛まれる
そんなのはもう御免だった

それでも、何も言わない彼女はきっと優しい。
こちらの意思を尊重してくれているのが分かるから、こちらから何かを言うこともしないで済む。
例えそれが逃げだったとしても、逃げ道を用意してくれる彼女は、きっと優しい。

「そうですねー……僕が言った場所は、もう殆ど魔獣の巣みたいな感じでした
 人の姿は……どうかな、見る限りいなかったと思う」

彼が目にしたのはビルが崩れ落ちて廃墟となった街と、そこに群れをなす魔獣達
自我を持たない獣といえど、群れを形成すれば人ひとりで容易くどうにかなるものではない
まして機動力もなく、能力も防御寄りな彼では、単独で殲滅することは難しかった
865 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/02(木) 01:03:56.08 ID:ccbvP/VuO
>>862
撓る鞭。地に振り下ろされ、叩きつけられる。地が割れ、破片が周囲にまで飛び散る。
だが、その場に男は居ない。どこに消えた?嗚呼、上か――――――――
霧よって阻まれた視界。跳躍し、すぐさま追いすがろうとするも力を奪われたせいでそれは叶わない。

顔がないので、嗅覚など勿論存在しない。よって、完全に男を見失った形となる。
周囲を見回し、その所在を探る。勿論、彼の姿形を確認する事はできない。
このままでは奇襲される。頭がやられなければ大丈夫だが、しかしこのまま放っておいても良いものではない。どうする――――?
ならば、近づかせなければ良いだけの話。接近させなければ何も問題はない。

「―――――――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

彼は吼える。凄まじき轟哮は大気を震わせ周囲までも震わせ。まるで衝撃波のように周囲に及ぶ。
このまま接近するというのならば、しっかりと対策は取っておいた方が良いかもしれない。無闇に無策で彼に突っ込めば鼓膜が破れる事を覚悟しなければならないのだから。
だがしかし、何とかして接近し、頭部に一撃を加えたならば―――――――――
866 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/02(木) 01:15:34.69 ID:XfzfUXfJ0
>>864
「一匹見つければ30匹かな? 叩けば即死してくれるなら助かるのにねぇ」

容易に想像がつく光景。思わず乾いた笑いがでるものの、未来は傍に立て掛けていた剣の《月装》を手にとる。
丁度いい休憩にもなったし気分転換にもなった。だが動ける人間が長々とここにいる訳にもいかない。
そう言えば報告やら何やらも行うのを忘れていた。今聞いた話もついでに伝えれば討伐隊を組んでもらえる可能性もあるだろうか。

「やること忘れていたから私はもう行くけど……、とりあえず、動き始めるのは怪我が治ってからだからね!」

扉から出る前に少年へと向けて言い放つ。そしてそのまま廊下を歩く音がどんどんと遠ざかるのが聞こえるだろう。
867 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/10/02(木) 01:19:58.23 ID:Yc0iZyur0
>>863

「ひうっ、ぐぅあっ、づぁっ……!」

回避しようのない距離で放たれた五連火弾が、シャーロットの腹を、左腕を焦がす。
皮膚が焼けてめくれ上がる想像を絶する感覚が、出そうとしても出てこないような声を上げさせる。

敵の体という『支柱』に無理やり自己を繋ぎ止めていた蛇腹剣が解けて、152cmの身体は派手に吹き飛ばされた。
肺の中身が丸ごと抜かれて息もできない。暗闇の中で痛みと敵のまとう焔だけが鮮明だ。
服を這いまわる残り火を気丈にも肌で押し潰しながら、ブザマに転げまわる。
しかし、消えない傷を若い素肌に刻まれても、彼女は片手と膝を使って立ち上がった。

「……はぁ、なんとか……切れたわね、手応えで分かる。
 あなたはもう……まともに歩けない。ちょっとした移動さえ、火の力を必要とする。
 直線的な動きしか……出来なくなるなら――《月装》使いにだって……やりようは、あるわ」

そう言うとシャーロットは≪クロウ・クルワッハ≫のワイヤーを更に伸ばし、縦にフェウアゾイルを打ち据えようとするだろう。
激しくしなる刃は、わずかな接触であっても深々と切り傷を残すものと思われた。
868 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/02(木) 01:23:04.08 ID:gOXfUmF7o
>>865

全方位の攻撃は彼の苦手とするところ。霧全体を震わせる力の波は、霧内部のエネルギーを精確に読み取ることを困難にする。
何より、単純な出力差は如何ともしがたい。霧中に届く音を遮断すると同時に、内部の音も吸い取っているのに、なおもって耳朶から脳髄を揺さぶる叫声!

だが、真上を取ったうえで、霧の中の獣が咆哮にその力の大部分を注いでいると察知できている今なら。

「そろそろ、お返しといこうか」

目標を見る必要は無いし、見えやしない。その存在の強大さは、眼下の霧を通して痛いまでに伝わってくる。
だから、ただ短刀を投げつけるだけ。漆塗の柄よりも更に暗い刀身が、垂直に投擲される。

その刃が同色の霧に触れた瞬間、力が流れ込む。獣の落下エネルギーと、跳び上がった際にかかった重力。奪い取った力を再利用する。
落ちる力を短刀に注ぎ込まれ、その落下が急加速する。落ちる。墜ちる。空気の壁も摩擦も削り取り、紡ぐ音は龍が鳴くかのような未知の高音。

それと同時に、霧が熱を奪い取り、獣の身体を凍てつかせる。翼に霜が降り、四肢を氷が這い上がる。
獣の膂力を持ってすれば脱出は容易いだろうが、一瞬の時間稼ぎにはなる。そしてその一瞬で、短刀は獣に襲い掛かる。
明確な狙いは無く、ただ獣の身体を垂直に穿つだけだが、変化する身体自体が能力だというなら、その身体を形作る力を一挙に刈り取ることだろう。

光を拒絶する夜色の刃は、濃密な霧を宿した証拠。その一撃は、物質の結合力から魔獣の再生力に至るまで傷付けていく。
869 :神宮司 茉冬 ◆qQNGdd/prA [sage saga]:2014/10/02(木) 01:36:09.84 ID:rJvWE46do
>>866

未来の言う冗談とも取れない冗談に言葉を失いつつ目線は彼女の手の先、剣に注がれており、
そこでようやく彼女も異能、《月装》の使い手なのだと知る
考えてみればあんな場所で出会う相手など《焔装》《月装》あるいは魔獣のどれかなのだが。

「あ、はーい」

間延びした返事は打ち解けてきた証左か
有無を言わせぬ語調だが、言われなくとも当分動けそうもない。


去っていった彼女は、おそらくまた戦場へ向かうのだろう
本当は、《焔装》使いである自分が前線に出れたらいいのだと思う。
《焔装》使いとして戦い、《焔装》使いとして死ぬ。そうすれば魔獣となることもない
僕らは、《焔装》は使い捨ての兵器なのだ。

「――――なんて、言えるわけないけどね」

/ここで締めでしょうか、お付き合いありがとうございましたー!
870 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/02(木) 01:38:49.64 ID:k3WLwfPMo
>>867

「―――――――――――――――ッ!!!!!!」


【一瞬の静寂の後に、フェウアゾイルは声にならない絶叫を上げる。先の《焔装》使いの男と同等か、それ以上の痛み】
【激痛とか、そんなレベルではない。切断された足の先端から針が侵入してくるような、気を失う程の痛みであった】

【……しかし、少女は睨んでいた。目から涙を流し、それでも蛇腹剣を持った彼女を、目だけで斬り殺すかのように睨んでいた】
【恐怖は、もう無かった。彼女を只の肉塊に変える、轟々と燃える焔のような殺意ばかりが少女の心に残る】
【それを反映するかのように、顔の炎を勢いを上げていた】


「ぐ、ァっ!! だカら……だかラ何ダッて言ウんダああアあアアアああッ!!!」

【蛇腹剣が縦にしなる。それを見たフェウアゾイルはどうにか回避しようと、足裏のジェットを使用し―――"飛翔"する】
【剣先が左肩に当たり、血が噴き出すも関係無い。低空で飛行しながら彼女へと突進していくフェウアゾイル】
【そして接近することが出来れば、少女の切断された指から青白い光が右手へと集まって、そこから焔が伸びていく】
【フェウアゾイルの能力により蛇腹剣の性質がコピーされ、焔は「鞭のようにしなる鋭い剣」と化した】
【それを思い切り彼女へと薙いだのだ。狙いは腹、横一文字に斬られれば、フェウアゾイル同様深い切り傷を負うことになるだろう。】
871 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/02(木) 01:43:29.99 ID:ccbvP/VuO
>>868
真上を取られた状態。そこから男は、短刀をただ垂直に真っ直ぐ投擲する。
今まで奪い取られた力が、エネルギーが、全て彼に向かって帰ってくるのだ。
急加速した短刀はひたすらに疾く、龍の咆哮と紛う音を発しながらまっすぐに落下していく。

「―――――――――――!」

それに彼は気づかない。代わりと言っては何だが、黒い霧が熱を奪い取る。彼の身体が、軽く凍結していく。
しかし、そんなものは獣と化した彼の前では無意味に等しい。すぐさまに身体の自由を取り戻す。だが、それだけで相手の時間稼ぎには充分だった。
短刀が、彼の胴体を突き刺す。黒い霧という名の血しぶきが、辺りに霧散していく。しかしコアがやられたわけではない。こんな傷すぐに再生でき――――――――

(何故だ!?何故再生しない!?)

彼はひたすらに当惑する。"傷が再生しない"のだ。そんな馬鹿な、あり得ない。
何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ???????????
あってはならない。こんなこと。

負ける?このままでは。
あってはならない、敗北が。
そんなはずはない。そんなはずは―――――――

「――――――グ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!」

認めない。認めてなるものか。
私こそが勝者。絶対的強者。揺るがない。揺るいではならない。


この時彼は初めて焦った。再生能力を一時的に奪われた、ただそれだけの単純な事だが極めて重要たるもの。
敗北という事実を認められない彼は、苦し紛れに上空の男に向かって灼熱の火炎を口から吐き出す。
しかし視界が遮られているので狙いは滅茶苦茶。しかし当たればあっという間にその身は焦がされる。
男が着地する先は頭部で脈動する、彼のコア―――――――――
872 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/02(木) 01:47:02.85 ID:XfzfUXfJ0
>>869
/こちらこそロールありがとうございましたー!
873 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/02(木) 02:02:26.22 ID:gOXfUmF7o
>>871

空中に取り残された状態。男の所在は落ちてきたナイフの存在が教えてしまっている。
反撃をかわすのは難しく、獣の一撃がまともに入れば形勢は簡単にひっくり返る。

だが奪い取った先ほど奪い取った再生力を自分の身体に突っ込めば、大抵の傷は治せる。
魔獣由来の急激な再生能力に副作用が強いことは百も承知。その上で、次の一撃で終わらせれば問題無いと考える。
ダメージに対する反応、エネルギーの流れから、相手の弱点に当たる箇所は当たりが付いている。このまま着地すれば、コアは目前。


覚悟を決める。炎がその身を包み込み――否。
                                 直前で男は別の選択をする。

           「ッ! 燃やされるわけにはいかない……!」

ギリギリになっての、無理やりな回避。これまでため込んだ力を乱雑に放出し、自分の身体を吹き飛ばしたのだ。
歪に掻き混ぜられた音の渦。明滅する光のスペクトル。密集した熱が空気を歪ませ、衝撃が互いの身体に襲い掛かった。
だが、同量の力を叩きつければ防御力に劣る久良岐の方がダメージが大きい。

立ち上がりつつも若干足元がふらついている。残響音が脳内を荒らし続けている。

完全に自分から勝機を手放した形……。
874 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/10/02(木) 02:06:24.88 ID:Yc0iZyur0
>>870

増大する底なしの憎悪と、首筋にひりひりとした痛みを感じるほどの害意。
それは本能のままに人を喰らう《夜》のそれでありながら――悲しいまでに、人間らしい感情だった。

わずかな逡巡が、シャーロットの心を蝕む。
父母を奪われ故郷を食い荒らされた怒りは翳りはしない。文化をもぎ取られた傷が癒えることもない。
ただ、無明の中に囚われた思い残しを斬る苦しみが、その胸の内に広がっていく。

「……わたしは、絶対に負けられないということよ。
 人の心のかけらをその中に捕えた……魔獣(あなた)にだけは……」

――しかし、かつてヒトであったからこそ。これ以上の凶行を許すわけにはいかない。
今宵弔わなければならない骸は、二つ。
その全ての「生」への想いを背負って進んでいくという覚悟と共に。
口の中に広がる苦味と鉄の味を噛み締めて、シャーロットは今一度剣を執った。

瞬間、シャーロットの蛇腹剣がフェウアゾイルが写し取った剣に巻き付いていく。
絡み合う二匹の龍のように、鋼の刃と炎の刃が拮抗する。しかしシャーロットには、未だ一つの隠し球があった。

「性質を喰らう――奇遇ね、≪クロウ・クルワッハ≫も食べるのは好きだわ!」

白いオーラを全開にした剣は、炎の剣を最初に放たれた炎同様に『捕縛』して消し去ろうとするだろう。
もしそれが叶えば、彼女は思い切りワイヤーを巻き戻して、得物を通常の両刃剣のような形に戻し――

「――――そして、引き千切ることも!」

その『攻撃の性質を宿す』特性によって炎を纏わせて、横一文字に胴を断とうと試みる。
まるで、敵が為そうとしていた一撃の意趣返しのように――。
875 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/02(木) 02:17:51.53 ID:ccbvP/VuO
>>873
―――――――――――勝った。紛うことなく、彼はそう確信する。
そのまま頭部に向かって突っ込めば良かったものを、炎から逃げて自らの勝機を手放したのだ。
しかし、此方も男が放ったエネルギーの衝撃を頭部に喰らった。コアのひびは、もう少しで一直線に達する。
つまりは―――その時こそが彼の完全なる終焉を意味する。

「ふっフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ…………」

男女の声を混ぜあわせ、さらにそれにノイズを付け足したような、とにかく耳障りかつ悍ましい声が響く。
同時、獣の姿が黒い霧となって消えていく。頭部の虹色に輝くコアだけが、異様なまでに巨大化していって。
否、実際に黒い霧を吸収し、肥大している。最終的にそれは、全長2m程までに成長した。

「――――――――――コレで、終イだぁ!!!!ニンゲン!!!!」

悍ましきノイズが吼える。同時に、コアをさらけ出した彼は、ゆっくりとエネルギーを充填する。
虹色の輝きが、収束していく。そこから放たれるは虹色の太い熱線。喰らえば、即死する程の威力。

せめて奴の最期は花々しく飾ってやるとしよう。何故ならワタシは勝者だから。
そんな風に、勝利を盲信している。油断しきっているのだ。

チャージし終えるまでまだ時間がかかる。
まだ間に合う、最後の一撃を決めるには、まだ―――――――
876 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/02(木) 02:22:01.28 ID:k3WLwfPMo
>>874

【足指、そして肩、左腕のダメージを抱えながらも決死の覚悟で焔の剣を振ったフェウアゾイル】
【しかしその剣は無情にも彼女の蛇腹剣に絡め取られる。剣を退こうとするも時既に遅く、『捕縛』された剣は掻き消えた】

【……もう少女には攻撃、防御、回避の手段はなかった】


「――――――……」

【雨が降りだしたのは、フェウアゾイルの胴が剣により一閃され、上と下に分断された直後だった】
【下半身はそのまま後ろに倒れ、上半身は少し後ろに飛ばされてそのまま地に落ちる。その体に、ポツポツと雨が降ってきた】
【雨のせいか、もう戦闘する力が残っていないからか。フェウアゾイルの顔の右側を覆っていた焔が消えた】
【それだけではない。左側の黒く変色した部分も肌色に戻っていく。黒に侵食された部分が、元に戻っていく】

【やがて、フェウアゾイルはうわ言のように呟き始めた。何回も、何回もその二言だけを言い続ける】


「おかあさん……おとうさん……」


【雨に濡れても、呟き続ける少女。もう命は保たない。彼女がどうするかは自由だ】
877 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/02(木) 02:39:43.91 ID:gOXfUmF7o
>>875

「お前を殺しても、俺に大した得は無い。なら何かの情報を引き換えに見逃そうとか、
 自警団の連中が来たところでトドメを刺して、ちょっとしたコネクションでも持っておこうとか、そんなことを考えていた」

純粋に強者を求める者に対する侮辱。初めからずっと、お前を見てなどいなかったという宣言。
また、他のことを考える余裕があったという上から目線の言葉でもある。

「だが、止めだ」

霧が一挙に溢れ出す。手元を離れた短刀から霧が解き放たれる。男の身体から霧が湧き出ていく。
二人の間を越え、戦場を越え、一帯を広く埋め尽くす。衝撃を受けてから頼りなく点滅していた街灯も、霧の中に消えていく。
冷たく重いに霧に閉ざされた世界。確かに久良岐は相手を睨みつけていた。自ら叩きつけた閃光で、視覚など効かないはずなのに。
その眼光ははっきりと無貌の獣を射抜き、冷やかに磨き上げられた殺意を迸らせている。


獣から奪った、霧を形にする力。それを、自身の操る霧に注ぐ。混ざることなど無かったはずの二色の黒が混濁する。
敢えて喩える七支刀が近いか。捻じ曲がり、枝刃が飛び出し、腐り落ちるように自壊する長大な剣。

「これは、あの子が選んでくれた服だ」

状況に見合わない一言。だがその声に色が付いていたなら、その一言こそがこの場の何よりも昏かっただろう。
『もう二度と奪わせない』――焔装の元となった感情が、剣となって振り下ろされる。力不足を技術で補うやり方とは違う、獣寄りの一刀。
コアを切り裂いて終わりにするつもりなど無い。コアごと身体を切り裂き、その身を構成する全てを己の手で握り潰さん――!

虹色の輝きなど目に入っていない。目の前に迫る危険など見えてもいない。ただ遠くの誰かを想いながら、怨糾を振り回す。
878 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/10/02(木) 02:49:02.89 ID:Yc0iZyur0
>>876

ぽつり、ぽつりと、水滴が廃墟の崩れた天井を叩きはじめる。
降雨の始まりに合わせるかの如くフェウアゾイルは崩れ落ち、そして戦いをやめた。

初め、シャーロットは全て敵の芝居ではないかと警戒していたが、実際《夜》の気配は急激に失せていった。
血と共に濃い暗闇が洗い流される。
雨とともに舞い降りたのは、余りにも遅すぎる奇跡。
息をつまらせながら、シャーロットは剣を鞘に戻して、幼子の元へゆっくりと歩み寄っていく。

確実を期すために殺しの業を揮った以上、もうその命を救う手立てはあるまい。
先ほどまでは饒舌だったが、今は何を言おうにも胸がつかえる。
シャーロットは今や戦士ではなく、ひとりの少女に戻っていた。

「……お嬢さん。あなたの名前を教えてくれる? お母様、お父様から貰ったあなたの名を。
 そう言うわたしは、シャーロット・プランケットよ」

末期のぬくもりを与えようと、幼子の手を取り――
考えた末に絞り出したのは、そんな問い掛けだった。
自ら殺めた、ヒトであった魔獣。せめて、彼女の墓碑銘が空白になることだけはないようにと。
最期まで慕い続けた父母と、彼女自身が「そこにいた」証を、残したいと。
879 :【-Nameless-】《夜》【イモータル・リヴァース】 ◆C0h0UWNn2I [saga]:2014/10/02(木) 02:59:58.49 ID:ccbvP/VuO
>>877
虹色の輝きが強さを増していく。この場全てを包み込まんとする閃光が、溢れんばかりに爆発しそうに。
なんと美麗な輝き。魔獣でなかったら、人間に賞賛されていたのだろう。
次第に、高音が辺りに響き始める。超音波にも近いそれは、発射までの合図。

対して、男の身体から黒い霧が噴き出していく。虹色すらも塗りつぶす、黒の色。
冷たく、重い霧。キャンパスは真っ黒に塗りつぶされ、全てが真っ黒。虹色の輝きすらも奪う黒。
男が精製したのは、長大な剣。

発射まで、残り僅か――――――――残り、5秒、4、3、2、1――――――――――――


ぐしゃり。ざくり。


何かが潰れるような音。決着の音。
発射寸前のところで、男の剣は彼のコアを確かに斬り裂いた―――――――


「――――グ、嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼アアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

絶叫。耳を塞ぎたくなる程のノイズ。彼の黒い霧が霧散し、飛び散っていく。これで終わり。終焉。

「何故ダ、何故ダ!!」
「ワタシハ」「僕ハ」「俺ハ」「お前ハ」「貴方ハ」「貴様ハ」「貴公ハ」「貴殿ハ」「某ハ」「私ハ――――――!!」
「―――――――――――ア、ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!!!!!!!!!!!!」

敗因は簡単。油断したから。甘く見積もったから。最後に手を抜いたから。
ただ、それだけの事。
死霊の如きノイズは喚く。しかし、どれだけ叫んだところでもう無意味。負けたのだから。

ワタシはオマエはボクはオレはワタシはワタシはワタシはワタシはワタシはワタシはワタシはワタシはワタシはワタシは????
誰?だれ?ダレダレダレダレダレダレダレダレダレダレダレダレダダレダレダレダレダレダレダレダレダレダレダレダレダレ?????

光が収束する。虹色の輝きは、止まらない。
それは、大爆発を起こして、虹色の輝きを都市全体に広がらせて、消滅する。
爆発に巻き込まれたところでダメージはない。せいぜい、目に気をつけろといったところか。

結局の所、彼は何者にもなれなかった。
存在する事すらできず、ただ消滅する。後には、何も残らない。
強いて言うならば、因子を埋め込んだあの少年――――――――――



                                ワタシハ、ダアレ?





                            【-Nameless-、消滅】

/遅くまでお付き合いありがとうございました!!
880 :フェウアゾイル ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/02(木) 03:17:32.95 ID:k3WLwfPMo
>>878

【脳裏に映し出されるのは、父母と一緒に過ごした楽しい記憶】
【《夜》がやってくる前に家族と行ったテーマパーク。綺麗な花畑。どこまでも広がる海】
【無邪気に遊んだあの頃の映像は、倒れ伏す少女に最後の幸せを与えていた】

「―――――……私の、名前?

 ……私は、フリージア。フリージア・ジェンティル」

【突然、自分へと向かう声が聞こえて。目を開ければ黒い空と一人の少女が見えた。少女の方は自分より少し年上かな、なんて】
【何があって今自分がこんな状況に置かれているか、なんて今の少女にはどうでも良かった。とても幸せな夢が見れた気がするから】
【彼女の問にやわらかな声で自らの名を明かす。フェウアゾイル……「火柱」では無く、両親から授かった本当の名前を】

【最期に少女は、家族が一緒に笑い合う幻想を垣間見た】
【自分の家で食卓に付き、自分も、父親も、母親も笑っている。おかしいのか、嬉しいのか、楽しいのか知らないけど、とりあえず笑っていた】
【―――それだけで少女は満足だった】

【少女は一瞬ふっと微笑んで、それからもう動くことはなかった】
【こうして、大降りとなって来た雨の中で一人の少女に看取られながら、元魔獣の人間、フリージア・ジェンティルの生涯は幕を閉じた】

/ロールお疲れ様でした!
881 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/02(木) 03:18:36.75 ID:gOXfUmF7o
>>879

剣を形作る力が零れ落ちていく。醜い泥となって地を穢していく。
それを浄化するように、七色の閃光が爆ぜた。明確なコントラスト。
力に込められた意志はそう変わらないだろうに、二つの色合いはあまりにも違う。


「……人は一人では何者にもなれないものだ」

それは死にゆく魔獣への答えというよりは、自らに言い聞かせる訓戒。

自らを守るために振るう力さえも、他者から剥ぎ取った借り物の剣。形の無い霧は自らは何も成さない。
負の感情を尖らせた力は、己のトラウマを刺激する。心を守るために思い浮べる人もまた、その力の源。

「俺は、お前とは違う」

その場に倒れた身体を、気化していく泥が包む。肌から水気が失われていく。腕から力が抜けていく。
焔装の限界が近いことを、戦う度に思い知らされる。過ぎた力を知りながら、抑えられない自分が怖い。

だから、自分を確かめるように。

                 「久良岐。あの子の姓になるはずだった名だ――」

幽かに聞き取れた問いかけ。私・お前は誰だ、と断末魔。その声が止む前に、吐き捨てるように名を告げた。
滅多に名乗らない自らの名前。けれど、その後に続く説明はどうしようもなく『遠い』
お前とは違うと言っておきながら、結局のところ――。

/お疲れ様でしたー!!! 
882 :シャーロット ◆PWPXgddfYg [saga]:2014/10/02(木) 04:01:16.38 ID:Yc0iZyur0
>>880

「……フリージアの花言葉は、純潔≠セったかしら。いい名前を貰ったのね。
 ならお母様もお父様も、至福の地で優しく迎えてくれるわ――」

言い終えると――握り返してくる手の力が途絶えていた。既に返って来る言葉は無い。
少女が自ら作った死化粧は、腐り果てた世界を忘れた純真な微笑み。
殺意の火柱は降り注ぐ雨に掻き消され、安らかな眠りだけがそこに横たわっていた。

それとは対照的なのは、魔獣・フェウアゾイルのあぎとにかかった男の亡骸。
しかしこれについて少女を責めることは、今のシャーロットには出来ない。
ただ、悼むべき死が二つ在った。

「ああ、ううっ……フリージア……ちみっ子のくせに、笑いながら死んでいくなんて……!
 命を絶ったわたしに恨み事の一つでも零してくれれば、まだ……せめてまだ……っ!!」

戦いの熱を驟雨に根こそぎ流されて、年端もいかぬ少女は廃墟に崩れ落ちる。

「わたし、きっと取り戻してみせるわ。あなたが見ていた、そして最期に見ることができなかった青空を。
 《夜》は何かの拍子に晴らすことができる。それをフリージアが教えてくれたのだもの。
 だから、今は……」

「……微笑むあなたの前で泣いてしまう、お姉さんなのに弱いわたしを……許して」

水たまりに沈む街の遺構に、嗚咽と、慟哭が響いた。
シャーロットの睫毛を濡らしているのは、もはや雨だけではなかった。

/こちらこそ、試用期間最後のロールありがとうございました!
883 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/02(木) 07:04:17.48 ID:zkbHfAxh0
>>855

大道…さん。私は凪沙 巫

【応急処置を受けながら、少女も名を名乗る】
【足の傷は歩行に障害を齎すものだった。治るまでは不便が続くだろう】

えっと……聞かせて

【大道の問いに対し、少女は其れを聞かせてと返した】

あの…おんぶして。眠くなってきて…

【そして全てを聞き終えれば少女はおんぶをせがむのだった】
【少女は甘えを見せる。今位其れは許されるだろう】
【そして大道がそれを快諾してくれれば、何時も寝床としている保健室に向かうように言うのだ】
【泣いて、此処数日は幻覚に追われて心休まる時が無かった】
【今ならぐっすり休めそうな気がする。一気に眠気が押し寄せて来た】

…大道さん、一緒に寝てくれる?

【其れで保健室に着けば少女は少し気恥ずかしそうに、頬を赤く染めてそう言った】
【夢を見るかもしれなかった。あの怖い夢を】
【誰かが側にいてくれれば其れを見ない気がした】
【まあ、少女の其れを拒んで立ち去るのも良し。応じて一夜を共にするのも良しだ】

//寝落ちすみません!!これで締めということで!ありがとうございました!!
884 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [saga]:2014/10/02(木) 09:38:02.45 ID:wS/LN/yUO
>>883
//了解です、ロールありがとうございました。
885 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [saga sage]:2014/10/02(木) 10:19:40.54 ID:wS/LN/yUO
「凪沙 巫……か、よろしく」
傷の具合は予想以上に深そうだった。暫くはこの少女に付き合うべきか。

全てを聞き終わり、彼女は疲れきった様子だった。
「おんぶ……いいぞ、ほら」
巫を背負い、その指示の下保健室へと向かう。
『……一緒に寝てくれる?』
「………ああ」
彼女の甘えを受け入れる……今の彼女ならば、この位は許されるだろう。



保健室のベッドへと彼女を寝かし、そこの薬品で足の手当てをする。
………終わる頃には、彼女は既に寝息を立てていた。

周囲の安全確認をし、隣のベッドへと入り込む。
……そこから覗き込んだその寝顔は、安らかであった。

//一応投下しておきます…
886 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/02(木) 20:07:13.93 ID:Rncl5GE50
「………ふフ、は、はハは」

街からも外からもそう遠くない、中途半端な位置にあるひらけた場所。奇怪な小山の群がそこにはあった。
群の中心から聞こえてくるのは歪な女の笑い声。途中途中で妙に高い節が混じり、尚更それはイビツに周囲へと響く。

「いヤぁね、もう、こんなにサービスしてくれルなんて……優しいじゃナい?」

声の主を取り巻く小山の正体は、目を凝らさずともすぐ分かる。肉塊、肉塊、肉塊、肉塊肉塊肉塊肉塊肉塊––––––そこにあるものは全て、艶やかに血濡れた、乾燥した、生乾きの、表面に虫が集り始めた、肉の山。
耳をすませば声の方から、更なる肉塊を生み出す音も聞こえてくる事だろう。愉悦に塗れた笑い声と共に。
小山の合間を進んだならば、そこに「ある」のは暗黒の産物と楽しげに踊る、刀を持った女。とめど無く溢れ出る暗黒は忠実に女の命を実行し、ダンスの相手を産み出し続けている。
ある時は鳥型の、ある時は獣型の、人型の、樹木型の、海獣型の、魔獣を産み出す。それらは直後に女によって切り裂かれ、小山の一部と成り果てる。
一体何時からこの奇行を続けているのかは、周囲にあるかつて生物だったモノの状態から推し量れるだろう。或いは、この状況に至る原因を産み出した魔獣ならば、理解できるかも知れないが。

その異常な光景を見てしまった人間––––もしくは、魔獣だろうか––––は、どのような対応をするのだろうか。

//ガッツリ戦闘なり一転しての日常なり何なりと。複数でも可です。
887 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/02(木) 21:39:55.22 ID:GSyQJ62i0
自らの殺意が明確に感じられるようになったのは、何時からだろう?
他者に対しての劣等感・他者がこちらに向けてくる嫌悪感に似たナニカを明確に感じられるようになったのは、何時からだろう?
確か昔からだったような気もする。いや、本当に昔からだったのか? 記憶が足りない、本当に重要な筈の記憶が。
其れさえあればこの感情が何なのか直ぐにわかると思えるくらいの小さくて大きななナニカが。あと一歩で届きそうな位置にあるのに――――届かない。

――――思考、思考、思考。無駄で惰性な感覚を研ぎ澄ませる。
魔獣の闊歩する都市の外。徒歩で行けば時間がかかるが、何か乗り物や移動手段さえあれば意外と早くつけるだろう―――それくらいの距離。
魔獣にやられたのか、それともただ力尽きたのかは知らない。けれども確かな死体≠ニなっている人間を見つけ、それの持つ所持品を漁る。
錆び付いたナイフが二本、食料は無し、月装は―――無いみたいだ。恐らく、何らかのアクシデントで月装使いなどと一緒に居れなかったのだろう。魔獣のいいえさだったに違いない。
だが、明確な傷跡も無ければ原型を完全にとどめた姿からはとても襲われたようには見えず、ならばとうつ伏せになっている死体を仰向けにしてみれば――――あった。

腹部に大きな傷。確実に致命傷となるそれは、体を貫通しない程度の深さで抉られている。爪の様なもので攻撃されたと予想。
まぁ、他人の死などどうでもいい。僅かに胸中に渦巻く腐ったナニカに目を向けない様にしながら―――――彼は死体漁りを続ける。
こんなところを他人に見られればどうなるかなど――――分かり切っているだろうに。
888 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/02(木) 22:18:38.76 ID:Rncl5GE50
//>>886はまだ募集中です
889 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/02(木) 22:32:06.67 ID:JJbNfDsso
>>886

「あァ…………」

今宵も彼は宛もなく彷徨っていた――ただひたすらに、敵を求めて。
敵。敵だ。敵ならば何でもいい。人間だろうが魔物だろうが、戦えるのなら誰でもいいのだ。
血沸き肉踊る闘争を。戦わなければ悪夢がやってくる。戦っている間だけは正常になれるから――――そして彼は、彼女を見つけた。

「……見ィつけた」

一見すれば魔獣のようにも見えたが、魔獣の纏う独特な空気は感じられない。人間なのだろうか。
何れにせよまともとは言い難いが、もしかしたら夜に堕ちる寸前の《焔装》使いなのかもしれない。
通常《月装》では《焔装》には及ばない――――ならば見なかったことにして逃げるか?
否。有り得ない。そんな考えが浮かぶ前に、彼は女の前に姿を表すだろう。

「よぉ……ちょっと遊ぼうぜ」
890 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/10/02(木) 22:39:18.01 ID:WPhOa1Wlo
>>886

都市に充満する夜の中、段々と大きくなるオレンジの明かり。
それは近づいてきていることを示す。ランタンの小さな灯だが、今の人類には明るすぎる。
段々と浮かび上がる人影。距離を取り、それを眺めるように立ち止まった。

ランタンを右手に持つのはブロンドを短く刈った男だった。頬や目尻のシワは若くはない事を示す。
目は青い瞳であったが片目には黒い眼帯をしていた。服装は古びたカーキのコート。それにライフルが一挺
背に背負っていた。男は静かにランタンを地面に置くと、静かに背のライフルを手に回した。

「……………。」

ボルトアクション式のレバーを引き薬室に弾丸を込める。銃を構え銃口を向け、睨むようにその惨状を眺める。
輪郭から中心に動く対象を狙う対象を精査するように眺める。軽く、触れる位に引き金に指をかける。

しかし、男は何もしなかった。ライフルを片手で握り、セーフティをかけ、ランタンを拾い、わざとらしく鼻を鳴らす。
891 :ダニエル・レーゼンビー ◆ipE1IvpOkg [sage]:2014/10/02(木) 22:40:12.99 ID:WPhOa1Wlo
>>886
/すいません、>>890は取り消します。
892 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sage]:2014/10/02(木) 22:41:59.65 ID:Rncl5GE50
>>890
//了解しました。一応複数可ではありますが、本人様がそう言うのでしたら。
893 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/02(木) 23:05:04.44 ID:Rncl5GE50
>>889
ぴたり、と女の動きが止まる。無尽蔵に湧き出し続ける暗黒色だけが、彼女の周囲の時間が止まっていない事の証明と呼べる程に、ぴたりと。
暫しの静寂の後、ついと視線を向ければ自身と同程度の身長の男。戦意に満ちたその視線を素肌に受け、彼女は即座に理解する。

「あラ、私と遊んでくれるナんて。ふふ、嬉しいわ……」

この時点で既に彼女の倍近くの大きさまで膨れた暗黒が、二つに散る。男の左右を囲うように固まり蠢いた暗黒が変化したものは、安藤が今まさに対峙したばかりの女、そのもの。

『『ねぇ貴方、どうやって死にたい?』』

ふたつの偽物は得物を持ってこそいないが、そんな事はお構いなしにじりじりと男へとにじり寄る。
本物である血塗れの刀を所持した女だけが、欲望を抑えて新たに湧き出続ける暗黒を纏い傍観の姿勢をとるのが見られた。
ぎらぎらと輝く女たちの瞳は殺戮に飢えたケモノのようで。今にも安藤に飛びかかり喰らいつき齧り尽くしてしまいそうな醜い欲望だけが、彼女たちの動きを統率しているのだと、肌を刺すような殺気と共に伝わる事だろう。

『『「フふ、楽しく踊ってちょうだいな。貴方の死に様、綺麗になると良いわね?」』』

本物の女の纏う暗黒が、何かの命を帯びたかのようにぞるりと蠢いた。

//よろしくですー
894 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/02(木) 23:23:56.05 ID:gOXfUmF7o
道路には大きく罅が入り、時折大きく飛び出したコンクリ片の間に穴が開いている。
折れた電柱と瓦礫とを硝子の屑が覆い、さらにその上に細かな砂礫が積もる。

《都市》内部、中心に近い地域の一画だというのに、壁の外側を思わせる荒廃状態。激しい戦闘の跡だ。

「……っ……あ……」

塵を吸い込まないようにと布を口に当てながら、荒く息をする男が一人。
大きく跳ね上がったコンクリの壁、かつて道路の床面だったところにもたれかかっている。

タキシードに白ネクタイ。今では――あるいは今『でも』珍しい格好は、くたびれた上に薄汚れている。
たまたま通りがかって巻き込まれたか、それとも都市を守って戦っていたのか、もしくはこの男が元凶か。
少なくとも、男に魔獣特有の気配は無く、三番目の予想は無さそうだ。

周囲の光源は壊れてしまい、辺りは闇に包まれている。
こういった空間に好き好んで足を踏み入れるのは、自警団の人間と追い剥ぎ・死体漁りが主だが……。
895 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/02(木) 23:27:16.69 ID:JJbNfDsso
>>893

蠢く闇、発する言葉にすら何処か違和感を覚え、纏う雰囲気は魔獣の其れでなくとも底冷えする何かがあった。
常人ならば逃げて然るべきなのだろう。彼とて人間だ、彼女を前にして一切の恐怖がないと言えば其れは嘘になってしまう。
ただ単に女性に対する恐怖とトラウマが蘇る悪夢、天秤にかけて何方が怖いかというだけで――――戦っている間は悪夢も忘れられる。まともになるために、まともではない選択を取るのだ。

「はっ、こうなっちまうと人間か魔獣かもわかんねぇなァ」

恐怖を振り払うかのように、そして悪夢がゆっくりと離れていく感覚に口元を歪ませ、拳を握り締める。
左右に作られた女の形をした暗黒を目にし、彼はようやく《月装》の効果を発動する――――ゆっくりと、質量が増し始めた。

「あァ? 死ぬ気も無いし、踊りは苦手なんでよ――――ま、精々そこで見てろよ」
「近づいてって、ぶん殴ってやる。そうすりゃ正気に戻んだろ――まぁ、其れが正気だってんなら謝るけどな」

彼の《月装》は時間経過と共に真価を発揮する。つまりは戦闘開始直後では、其処らにいる人間と大きな差がないということだ。
それでも安藤は笑い、そして右側に形成された暗黒を標的に定めると、左足を一歩右側に強く踏み込んだ。
同時に放たれる拳。《月装》の効果が現れていないため、速度も威力も並以下と言っていいだろう。
ただし女と殆ど同身長でありながら体重差は約二倍ほどあるため、意表を突くこと程度ならば可能かも知れないが。
何方にせよ火力が低すぎる現状では、《焔装》を打破するなどとてもではないが出来ないはずだ――それでも構わないと、一方と向き合い他方に背を向けた。
攻撃を回避、迎撃するのは容易であり、また背を向けていることから隙を突くことも難しくはないだろう。
896 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/02(木) 23:57:21.55 ID:Rncl5GE50
>>895
安藤の拳が右の女の顔に吸い込まれるように向かう様はある種見事とも言えるだろう。
体重差もあり、元から女の身体がか細い事もあり、鈍い音と共に殴られた右の偽物は面白いように後方へ数m吹き跳ばされ、肉の小山にぶち当たる。
一方で左の女の手元には、ずるりと這い寄った暗黒が纏わりつき、グローブのようにその白い手を覆い隠してしまう。その腕をそのまま振りかぶり、勢いに任せ打ち付けんとするその狙いはがら空きの背中の中心。
微塵の刃物の集合体である暗黒が少しでも触れればそこは、通常の肉体であれば少量なりとも切り裂かれ血肉が溢れ出る事だろう。ただし女の一撃は勢いの無い、所謂「喧嘩慣れしていない」拳だが。

「ふふ、たノしみね……こっちまデ来られるかしら?」
『『嗚呼、こんなに力が強いなんてゾクゾクするわ。貴方のその拳……欲しくなっちゃう』』

本物は暗黒を尚も産み出し続ける。数秒ごとに体積を増していくその勢いはまるで穴の空いた容器から水が零れ出て行く様のようだ。
自身の分身が殴られ吹き飛ばされたというのに女の表情には一切の恐怖の欠片もなく、まるで真逆の愉悦の笑みを満面に浮かべ、うっとりと片手を頬に添える。
カランと血に染まる刀を落としても、得物は全て自信を離れるがその余裕に揺らぎは無い。何故なら、今は、暗黒が無限に湧き続けるのだから。直ぐに手に入る得物を手放す事に一切の迷いと不安はなかった。
寧ろ、自身のところまで来ると断言した安藤を迎え撃つために、最高の斬れ味を再び手中に収めておく衝動の方が強い。

ずるずると増し続ける暗黒はやがて、ふたつの偽物と安藤を囲わんと細長く伸び、周囲に漂い始めた。
897 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/03(金) 00:20:29.42 ID:r91pEFGmo
>>896

背後から放たれる暗黒、当然ながら彼に回避する術はなく、《月装》による硬化も未だ不十分だった為容易に肉を斬り裂いた。
血が溢れ、傷口が熱とともに疼く。早くもダメージを負った彼だったが、此の程度で済んだことにむしろ驚いていた。
《焔装》は魔獣と同等の力を持つが、《月装》は一人では魔獣には叶わない――――つまり、戦い始める前から彼我には埋められない差が存在しているのだ。
一撃で死ぬかもしれないという考えが何処かにあった。だが傷口は浅くはないが、致命傷に至るような物でもない。
小手調べなのか、或いは――――――――安藤は振り返ると、分身の付き出した片手を左手で掴み取ろうとする。

「行けるさ――――それしか、能が無いからな」
「まだまだこんなの序の口だけどよ……欲しいなら幾らでもくれてやらァ!!」

もし分身の片手を掴み取る事が出来れば、そのまま相手を強引に引き寄せようとしながら更に顔面に向かって右拳を振るおうとするだろう。
触れれば刃傷を負うだろうが、それでも構わない――――むしろ痛みの無い闘争など、彼にとっては無意味だと言わんばかりである。
《月装》によって安藤の自重は徐々に増してきており、拳の速度は落ち始めていたものの、反比例するかのように威力は上がり始めていた。
そして拳が当たった場合、彼は分身を本体の方へ吹き飛ばそうとするだろう――――無論、此等が彼女の支配下にある以上、分身を飛ばしてダメージを与えられるとは思っていなかったが。
高みの見物を決め込んでいる女に対し、少しでも驚きを与えてやろうというつまらない考えである。

暗黒の生成と質量増加、性質としては似ているのかもしれないが、このままではおそらく押し負けて終わるだろう。
そうなる前に、一歩でも前に――――なんでもない距離が、絶望的に遠く感じられ、彼は愉快だと言わんばかりに八重歯を覗かせた。
898 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/03(金) 00:52:11.92 ID:FDQQgJjU0
>>897
ぐしゃり、と面白いように男の拳は標的に当たる。勢いのままに偽物が吹き飛ぶ先は本物、だが、それはすんでの所で彼女の纏う暗黒に飲み込まれ消えてしまう。
先ほど吹き飛んだ右側は、ゆるりと起き上がり遅まきながら両腕を暗黒のグローブで包み込む。
ダメージでぎしりと軋む身体などお構いなしに、ただ安藤に痛みを植え付けるためだけに、偽物は動いているようだ。そして、本物もまたそれを望むかのように身体をぞくりと震わせる。

「嬉しイわ……こんなにストレイトな男の人なんて、久しブりだもの」
「ふふ、決めタ。貴方のその両腕、丸ごと『私たちが頂くわね?』」

瞬間、男は舞踏の相手から獲物へと昇格する。ぎらりと強い光を宿した2対の瞳は目的を殺戮から狩猟へと移行した証。
左の偽物を飲み込み体積を増した暗黒が、本体へと服のように纏わりつく。その中の両腕に纏わりついたものだけが不気味に蠢いて、そして–––––
–––––そして、彼女の両腕は安藤のそれに成り変わる。白い細腕は打って変わって健康的な太さと色を取り戻し、変化した張本人はと言うと握り開きを繰り返し、まるで調子を確かめるかのようだ。
見た目はまさしく安藤のそれだが、力は、果たして–––––?

そして、これ程までに酷使して尚も勢いの留まることのない暗黒は、まるで壊れた玩具のように、歯止めも忘れて自らを量産し続ける。
これは彼女の焔装が暴走している証拠、元より勢いを留めたりしないこの女だが、このように意識せずとも生産され続けるような事は今までにない事。
そして、普段から酷使しているということは、夜堕ちが遠くない事を如実に示していて。
––––––––みしり、と。どこかで何かの軋む音がしたのは、果たして気のせいだろうか?
899 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/03(金) 01:15:51.34 ID:r91pEFGmo
>>898

軽々と吹き飛ぶ偽物、しかし案の定其れは本体に当たること無く暗黒へと吸収された。
相手の腕を掴んだ左手には浅い傷が幾つも刻まれ、血に塗れてしまっている。

「…………はっ、随分と面白いことやってんじゃねぇか」
「でもよォ、やめたほうがいいと思うぜ? 俺の身体、滅茶苦茶使い勝手が悪いからよ」

そう、彼の身体は非常に扱いづらい。ただ単に重たいだけだと思われるかも知れないが、其れが行動するにあたって大きな足枷となる。
彼の体重はもはや異常体質であり、骨から筋肉、体を構成する何もかもが常人離れした密度で支えあっているからこそ成り立っている。
仮に肉体、能力を完全にコピーしきれたとして、其れを支える土台が貧弱では重い≠ニいうだけの武器を使いこなすのは難しいだろう。
或いはその土台含めてコピーしきれるのならば話は別だが――――それは、彼が考えても仕方のない事だ。

「…………チッ」

邪魔をする偽物は消えた――――ああ、ならば後は突き進むだけだろう。酷く重たい一歩を踏み出す。
《焔装》にはあまり詳しくはないが、あのように力を振るい過ぎれば、驚異的な速さで夜に堕ちていくのは明白である。
彼は戦闘狂と人間陣営に称され嫌われている存在であり、彼も其れを否定はしないが、彼はあくまで戦闘狂であり殺陣を好んでいるわけでなければ、人間に恨みがあるわけではない。
ならば夜に堕ちようとしている人間が目の前にいたならば、彼はどうするか。可能ならば止めようとするだろう。
此れはエゴだ。彼は正義の味方ではないゆえに、仮に助けられたとしてその後の生活の全ての面倒を見るつもりなんて無かったし。
目の前で夜に堕ちられたら気分が悪いだとか、放っておけないだとか、貴重な《夜》に対する戦力を失いたくないだとか、そんな下らない理由で彼は今動いている。
そんな下らない理由で、命を賭けられるのだ。《月装》が《焔装》に及ばないなんて、戦闘狂たる彼が一番理解している。
それでも退く気はなく。勿論自らの戦闘に対する欲求も含めてだが――――彼が自分勝手だということに、違いは無いだろう。

邪魔が入らなければ、彼は前に進み女に接近しようと試みるだろう。
ある程度の重さになっているため、通常の人間ならば止めることは不可能と言ってもいい――――《焔装》を使えば、其れも容易だろうが。
生半可な妨害では、彼は立ち止まらないだろう。蹂躙し、虐殺する気概でなければ彼は無理矢理にでも進もうとするはずだ。
900 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/03(金) 01:40:14.71 ID:FDQQgJjU0
>>899
「ふフ、良いわね、とても良イわ。重くて、しっかリして、強くて……」
『「……嗚呼、思い出しちゃいソう。もう10年以上モ前なのに」』

感覚を確かめはしたものの、確かにそれは女性の扱い切れる代物では無かった。ずしりと両肩、しいては背骨にまでのしかかる急激な重みは細い女性の体勢を崩すには充分すぎるもので。
思い出したのは何なのやら、くつくつと嗤いながらふらりとよろめき、女性の視界から、初めて男の姿が消えた。
余裕な台詞を吐きこそすれ、流石に身動きまでは取れないようで、地面へと量の膝をつき、そのままどさりと倒れこまんとする。
これ程までに、本体を討つチャンスと言える瞬間など有るだろうか。

残る「邪魔者」のひとつ、暗黒は本体を守らんとその身を包んだまま変化することは無い。未だに増え続けてはいるものの、それも周囲を漂うだけで明らかな害意によって襲いかかる事もなさそうだ。
そしてもうひとつ、右側だった偽物はというと、先ほど左がしたように、暗黒を纏った腕を振りかざす。
しかし、有る程度《月装》による硬化が進んだ安藤に、その貧弱な拳が威力を発揮するかと問われれば、答えは明白だろう。
そして、最後のお膳立てとばかりにもうひとつの事実。本体は先ほど得物を手放したまま、新たな武器を手中におさめていない所謂丸腰–––––勿論、焔装を除けばだが–––––の状態である。
さて、つまり、邪魔者は殆ど「無い」として扱う事も可能になった訳だが–––––?

//良い時間ですし、そろそろ締めに向かう方向でお願いします。
901 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/03(金) 01:54:43.94 ID:r91pEFGmo
>>900
//すみません、次で〆させていただきます
//ちょいと質問なのですが、暗黒に包まれている状態だと思うのですが硬さってどんなものなんでしょう、攻撃を通すことは可能でしょうか……?
902 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/03(金) 02:00:41.59 ID:FDQQgJjU0
>>901
//いえいえこちらの眠気の問題なのでおきになさらす、了解です。
//軽く包んでいる程度なので厚さはそれ程無いですし、安藤さんは月装で硬くなっている状態でしょうから貫通なら簡単にできる状態ですね。
903 :安藤 静哉 ◆kiky93gBBM [sage saga]:2014/10/03(金) 02:11:49.31 ID:r91pEFGmo
>>900

腕を振るってくる偽物に、安藤は視線すら向けなかった。頬に傷が入り、血の滴が地面へと堕ちていく。
近づけた。元から此のように錯乱したかのような人格であることも否定出来ないが、おそらくは本来はまともだった筈である。
表面上でもそういう風に取り繕わなければ、人間の中に混じっていけないからだ――そしてそんな状態だったならば、きっと近づくことすら出来なかっただろう。
運が良かったのか、或いは悪かったのか――――ほとんど抵抗すら出来なくなった相手を見て。

「…………悪いな」

此れはエゴだ。きっと欠片だけ残ったどうでもいい良心に相手を付き合わせて、価値の無い自己満足に浸りたいだけなのだから。
彼は拳に軽く力を込めると、女の腹部に向かって拳を放つ――――全力ではなく、暗黒をなんとか貫き気絶する程度に威力を留めて。
仮に気絶したならば、彼は意識を失った女性を担いで都市の中心部、居住区域の方へと歩き出そうとするだろう。

とはいえ彼は嫌われ者である。出来れば人が多い所へは行きたくなかった、そのため彼は直接生活圏に向かうわけではなく、その周辺におそらくいるであろう者達を探して。
程なくして見回りを行っている自警団の人間を見つけると、意識を失った女性を強引に引き渡し、自分がぶっ飛ばしてしまったことと治療するようにという旨を伝える。
実際倒したのかと言われれば怪しいのだが、一から説明してやる義理も無いし、《焔装》に打ち勝った《月装》の使い手となれば相手も申し出を断りづらくなるだろう。
なんとか女を自警団に引き渡した安藤は、そのまま都市の外れへと向かって歩き出していった。

「…………チッ」

あのペースで《焔装》を使い続ければ、夜に飲まれるのはあっという間だろう。
相手は覚えていないかもしれないし、まともな会話さえしたことも無く、名前さえ知らないが――――こうして少しでも関わってしまった以上、僅かにでも長く生き延びて欲しいという思いが、無くはなかった。
そんな願いさえ此の世界では叶えるのは難しい――――今日何度目になるか分からない舌打ちをして、彼は立ち去っていった。

//滅茶苦茶強引ですがこれで〆という感じで……絡み乙でした!
//何か不都合があった場合、または強引で気に入らない展開があった場合確定で変更してくださって構わないので……!!
904 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/03(金) 02:40:45.22 ID:FDQQgJjU0
>>903
それから数時間程経ち、ジャスミンが目覚めるとそこは、やや汚れながらも清潔感のあるベッドの上だった。記憶の糸を辿れば出てくるのは、最後に己を殴り倒した男の姿。

「……わざわざベッドまで運んでくれるなんて、意外と優しいのねぇ」

最後の打撃を、そしてそれからとったのだろう安藤の行動を想像し、悦に浸るように口角を上げするりと手を動かす。
拳を受けた腹部の状態を確認するとそこは予想外に損傷が少なく、一瞬だけ呆気に取られたようにぽかんとしてしまった。
自身がどのように動き、思ったのかははっきりと覚えている。そして、覚えているが故に、思うところもあるもので。

「ふふ、次に会ったら今度こそ、腕を貰わなくっちゃ、ね?」

ここにはいない相手に向けて、物騒な事を呟き今再び妖艶に微笑むと、女性はもう一度眠りに落ちる。
一昨日よりとめどなく焔装を駆使し続けた身体に溜まっている疲労は、かなり膨大だ。今はただ束の間の平穏に身を任せて、安眠を貪りたい気分だった。
暗黒の暴走は既になく、酷使によって堕ちかけたこの身体も、今暫くは耐え抜いてくれそうだ。
次に目覚めた時には、数日ぶりに人々の合間を縫って散策してみるのも、悪くは無いだろう–––––

//お疲れ様でした、夜遅くまでお付き合い頂き感謝です!
//それでは、おやすみなさいませ。
905 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/03(金) 20:30:38.98 ID:POrz6lxoo

――――瓦礫が崩れる音がして、砂煙が舞い上がった。煙の中から零れるは、人のものとは思えない呻き声。
その姿を隠す砂のカーテンが消えれば、小型恐竜のような魔獣の姿が現れた。鋭い鉤爪に牙。禍々しい色の肌に耐えず流れる涎。見るからに醜悪で恐ろしいモノだ。
しかしその姿、その様子――――よく見れば、満身創痍だと言うことが分かるだろうか。震える足、抉れて凹む肉、鉤爪も何本か折れている。
魔獣の金色の双眸に映し出されていたのは一人の青年。その姿はどんどんと大きくなっており、つまり魔獣へと接近していた。――――目を見開き、不敵に微笑みながら。

「良かったぜ……もう終わりかとガッカリする所だったっつーの……! なぁ、そんなもんかよ……魔獣も雑魚は雑魚ってわけかッッ……!?」
「来いよバケモノ……何もかもぶっ壊すことがテメェの本能じゃねーのか、あぁん? この世界は弱肉強食だ……力無き者は種族関係なく死ぬ……ってんなら――――」

                    「  今 此 処 で 死 ぬ の は お 前 だ ッ ッ ! !  」

青年が吼える。その咆哮に激昂したかの如く魔獣は床を蹴り出して、噛みつかんと大きな口を開けて彼の首肉を噛み千切らんとし――――
其れをスウェーバックで躱した青年が、がら空きの顎に左アッパーを命中させる。魔獣が吐いた血が男の黒髪を汚し、頬へと血が垂れた。
そのまま青年は魔獣の腹に右手指先を垂直に当てて――――手首のスナップを利かせながら拳頭で腹を打った。その僅かな動きが、魔獣の重い身体を宙に舞わせる。
――――ありえない。どんなに腕力が強かろうと100kg近い魔獣を、ジャブにも満たない小さな動きで、しかも密着状態から放って吹き飛ばすなどというものは通常では考えられない現象だった。

                   「……――――ワンインチブレイク。お前を殺すには勿体なさ過ぎる技だ……」

ドンッ、と凄まじく重い音を叩き出して、魔獣は再度瓦礫の山に突っ込む。その山から魔獣が姿を現すことはもう二度と無く、割れたコンクリの山が魔獣の墓標となった。
男は其れを見届けると、何事も無かったかのように振り返る。刃の切っ先の如き鋭さを見せる漆黒の双眸は、既に次の獲物を探していた。頬に垂れた黒い血すら拭うことなく、男は荒廃した辺りを見回した。
906 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/03(金) 20:49:36.73 ID:Q7zvwNTdo
>>905
 すさまじい衝突音がした。目を覚ますと数メートル横で仲魔が一体、くたばっていた。
 その周囲は衝撃によってへこみ、クレーターのようだ。なんらかの方法で吹き飛ばされたのだ。
 全身には殴打の痕が見られた。変形の形から魔獣ではない、人間のものだと解る。
 その人間は、ただの拳――あるいは脚――で魔獣を撲殺し吹き飛ばしたのだ。

 クラミツハは低く唸った。黒いケモノは山を下り、荒廃した街を目指す。

 ひっそりと暮らしていた人間を《夜》食代わりに食い散らかし、クラミツハはそいつを見つけた。
 殺気を露わにした男。頬に垂れる黒い血からはくたばっていた魔獣の匂いがする。喉奥が鳴った。
 黒と赤の衣服は魔獣の血で染まりより赤黒い。血染めの装束。そこに男自身の血の香りはない。

 黒いケモノの怒りは仲魔が殺されたからではない。魔獣に、彼に同族への情は芽生えていない。
 ただ睡眠の邪魔をされたこと、目覚めが悪かったことが原因であった。だが――

「ニンゲン テキ コロス」

 ――その亡骸を、いつも以上に壊したい。そう思ったのは血の香りのせいだろうか?
907 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/03(金) 20:57:31.75 ID:fYI3Tylv0
んーーーっ……

【小学校跡地。保健室にて一人の少女が目を覚ます】
【床に足をつけようとしたら、微かな痛みが走った】
【其処に視線を向ければ、丁寧に包帯が巻かれていて―――足を撃ち抜かれた事を思い出させた】


ッ…!…………

…外でも行こうかな


【普通には歩けない。臀部に近い背から紫腕を二本生やして器用に歩き、外へ向かう】
【幻覚は見えない。少女は緩やかな回復の兆しを見せ】





908 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/03(金) 20:58:13.65 ID:fYI3Tylv0
んーーーっ……

【小学校跡地。保健室にて一人の少女が目を覚ます】
【床に足をつけようとしたら、微かな痛みが走った】
【其処に視線を向ければ、丁寧に包帯が巻かれていて―――足を撃ち抜かれた事を思い出させた】


ッ…!…………

…外でも行こうかな


【普通には歩けない。臀部に近い背から紫腕を二本生やして器用に歩き、外へ向かう】
【幻覚は見えない。少女は緩やかな回復の兆しを見せ始めていた】





909 :凪沙 巫 ◆vYu4XS0NAQ :2014/10/03(金) 20:58:58.01 ID:fYI3Tylv0
>>907
こっちはミスです!すみません!
910 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/03(金) 21:09:19.18 ID:wcFy9RNv0
//>>887でこっそりと再募集……。
911 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/03(金) 21:15:11.14 ID:POrz6lxoo
>>906

頬の血がポタリと枯れた大地に落ちた時、エルド・リーは不気味に微笑んだ。背中をぞくりと刺す荒々しく鋭利な殺気。――たまらない。彼はそう思った。
振り向くと同時に、構えを見せる。前足(右足)の爪先と後ろ足(左足)の土踏まずの中間点を一直線上に位置させ、後ろ足の踵は上げる。臨戦態勢完了。
この獣には分からぬ話かもしれないが、この構えをする男は「右利き」だ。通常利き手が右なら、左足を前に出す構えが一般的だろう。しかし彼は違った。
先程の魔獣を屠った武術、截拳道(ジークンドー)。そして両手の甲には、怪しく輝く赤の龍。ただの刺繍ではないと、そこから発せられる負のオーラが伝えるだろう。

「……よォ。敵討ちか? ……いや、てめぇらにそんな感情はねぇだろうな。分かってんだぜ、てめぇも俺と変わらねぇ」
「闘う場なら、俺もお前も変わらねぇよ……姿が、種族が違うだけだ。――――どっちもケダモノだぁぁぁッッ!!」

何よりも早く勘付いたのは、先程の魔獣とは比べ物にならない強さを眼前の魔獣が秘めていること。言葉に見える冷たさ、狂気。それだけで強さを語るには十分だ。
だからこそ滾るのがこの男でもあった。戦いたい。力を振るいたい。ある意味生きた魔獣と言っても過言ではないのかも知れないような言葉を魔獣になげかける。
そして叫ぶように語尾を強めれば、砂煙を巻き上げる程の力で足場を蹴って疾走した。人の加速ではない。いきなり100パーセントのスタートというのはありえない。
――――それはつまり能力である証拠であり、男は速くもあり正確な、正中線を微動だにさせない動きで詰め、可能なら右腕からジャブを鳩尾に放つだろう。
ジャブと聞けばダメージは少量だが、彼の其れは例外だ。彼の能力、それは「衝撃」を操る力。ジャブに衝撃を付与すれば、一気にピストルは大砲へと変わる――――!
912 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/03(金) 21:39:05.51 ID:Q7zvwNTdo
>>911
 クラミツハは知らぬが、男――エルド・リーの取る不可解なポーズこそ流派の構え。弱者(ニンゲン)が強者(マジュウ)勝つために生み出した武芸(ワザ)である。
 だがその姿勢、体重移動から、素早く攻撃するためのものであると言う事は解った。
 眼前の男は戦いにのみ生きる戦闘者。だがクラミツハもまた戦闘者。しかも骨の髄まで敵を倒すために生まれた特化種だ。

 男が叫んだ瞬間、巨大化したかと錯覚する。それほどまでに疾く鋭い閃光のような一撃。
 最速の武術の最速の一手。神速の域にまで踏み込んだそれは速度型の魔獣にも近い。――だが男が神の域ならば、黒いケモノは文字通りの魔の領域に住まう。

「ニンゲン ヨワイ」

 極論、強者に武芸はいらない。虎が強いのは虎として生まれるからであるように、そんなものがなくとも強い。
 鳩尾の前に展開されるは、拳ひとつ分の対流する《黒い霧》。それを通過する男の拳はザラついた粒子を拳と腕に感じながら、その速度を落としていくだろう。
 削減対象――《運動エネルギー》。神速の大砲も、その領域から落ちてしまえばただの豆鉄砲に過ぎない。

 もはや神速ではなくなったジャブを、黒いケモノは左腕で側面より一閃、あらぬ方向へ弾き逸らす。そして左の爪をお返しとばかりに鳩尾へ突き込むつもりだ。
913 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/03(金) 21:40:30.85 ID:Q7zvwNTdo
/すみません。最後の左の爪は右の爪です。同じ腕でカウンターはムリだ。
914 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/10/03(金) 21:47:03.13 ID:Izu9oAMvo
>>887
男は破壊によって平たくならされた地平線の淵に小山を見つける。小さく動くものが人だと気付くのにそう時間はかからなかった。
警戒しているのか足音を殺しながらゆっくりと近づくものの、相手が何者かはっきりすると歩みは普段通りのものになった。
直接会ったことはないものの、男は相沢について耳にしていた。
だから、彼が一心に続ける行動についても怯みはすれど、驚くようなことはなかった。

「……探し物は、たぶん無いんじゃないかな。十分な準備ができるなら、一人で彷徨ってはなかっただろうし」
ためらいがちに声をかける。もしかするとそう話しかける前に、相沢は男に気付いていたかもしれない。
相手と死体との間に距離をおいたところで立ち止まり、若干目を逸らして告げる。
暗に、無駄だからやめろと言っているようでもある。
915 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/03(金) 22:04:07.43 ID:wcFy9RNv0
>>914

「―――――。」
「―――ああ済まない。声を掛けられるとは思わなかったものでね」

―――突然の声に体がピクリと反応する。いや、正確にいえば話しかけてくるとは思わなかったので@\想外ともいえる事態に体が勝手に反応していた。
警戒は無意識で行っているために接近は気づいていたし、別段急に攻撃を受けたというわけでもない。ならば、何故彼は体を少し震わせたのか?
理由は《声》。死体漁りという彼のスタイル上、他人から声を掛けられることはあまりない。怒りや正義感等と言った感情で声を荒げながら向ってくる輩はいたが、僅かにおびえながら―――声を掛けられたのは随分と久しぶりな気がする。

「――――君の言う通り、だな。『男の死体《コレ》』には何の価値も無い」

胸の中に渦巻くどす黒いナニカが、青年の一言で膨れ上がる。落ち度はない、正当性も彼方にある。だが、只々その人間的な感情≠ェ気に食わなかった。
彼に直接怒りをぶつけるようなことはせず――――自身の月装が弱いと自覚しているため―――自然と矛先は既に屍(しかばね)となった男へと向けられる。
棘のある言葉。したいとはいえ少し前までは人であったものを『コレ』呼ばわりし、価値も無いなどと人間性を貶める様な台詞を一つ。
自身に渦巻くこの感情を直ぐにでも吐き出さなければ自分が自分でなくなってしまうような気がして、吐き捨てる。呟くような声だが、男にも恐らく聞こえるだろう。

――――否、聞こえるように言っているのだから。聴こえなければおかしい。
916 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/03(金) 22:04:16.35 ID:LkYWjuOL0
【魔獣との前線を組むと、男から持ち掛けられて一週間が経った】
【彼女は足を動かして仲間を探した】
【出会いがあった、想いがあった】【それを作っていくうちに】
【また何人も、死んでいった】

――6個か。

【墓場】【墓場と形式上読んでいるだけで、それは余りにお粗末なものだ】
【棺桶がある訳でもなく】【中に人が眠っている事などほとんどない】
【ただ石に名前が刻まれ、置かれているだけ】【エイルはそれを数えていた――増えたのは6つ】
【その中には月装使いの知った名前もあった】【焔装使いもあった】
【魔獣の勢いは、止まらない】

――どーすりゃ、いいんだかね。

【今日は、あまりに足が動かない】【並ぶ石の数々を見るように胡坐を組んで】
【頬杖を作り、ぼうと眺める】【何かを堪えるように】
917 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/03(金) 22:07:56.48 ID:POrz6lxoo
>>912

截拳道は速度の武術である。威力よりも速度を重視した結果が、筋力の優れた利き手を前に出す構えにも表れていた。
速度を重視すれば力が落ちる。しかしそのマイナスをエルドの能力が打消し、長所は更に長所と化した。しかしそれでも、人は所詮人でしかないらしい。
その証拠として、自身が得意とする最速の攻撃が、簡単に見切られ――――否、見切られたというよりも漆黒の霧が最速を奪っていた。

「――――なぁッ……!? テメェ……何しやがった……!?」

鋭い瞳は真ん丸に見開き、驚愕と動揺が混ざった色を見せる。その間にも、人にはない鋭さを見せる黒き爪が彼の腸を裂――――くことはなかった。
こちらも本来、人にはない動き。本来明らかに隙であり、動けない刹那。しかし男は瞬時に3mほど後退を見せたのだ。人の筋肉を総動員しても、この動きは不可能だ。
答えは能力。足から衝撃を放ち瞬時に後退を見せたという至極単純なモノ。無理な動きにより体に負荷はかかり、長い爪は彼の腹を僅かに引っ掻く。
赤い人の血が舞って、戦場の香りをより濃くさせる。エルドは痛みに歯軋りし、眉間に大きく皺が寄った。間一髪で死は逃れた。しかし今の霧は厄介だと強く警戒する。

「こんの化け物が、人間舐めやがって……。 確かにスペックじゃ劣るが――――人には人の技ってモンがある……!」
「それは俺の截拳道だけじゃない……――――もっとせこくてくだらない奴だ……!!」

黒い霧で防がれたという事実。黒い霧が脅威なのは確かだが、その前に「ジャブに反応されている」という事実が存在して初めて霧の防御ができるのだろう。
霧をどうにかする知恵は浮かばない。が、ようは化け物でも反応できないような攻撃をすればいいのだ。霧を出されなければいいのだ。ならば――――
人の知恵というものを、見せてやろうではないか。彼が言う通りくだらない、熟練も何も感じさせないようなそれと熟練の技を組み合わせた路地裏の格闘技を。
――――エルドはにやりと微笑み、右足のつま先を瓦礫交じりの地面に軽く突き刺し、その場で再度構えた。腹からは赤い血が伝い、白いVネックシャツを滲ませた。
918 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/10/03(金) 22:20:33.69 ID:Izu9oAMvo
>>915
「そうか、うーん。じゃあどうしようか、道具はないけれど、埋めるくらいはできるよね」
「隣に行っても、いいかな」
言葉にしながらその言葉を選ぶように、意味のない相槌を重ねる。その中に、相手の言葉に対する肯定は無い。
まずは相手の視界に入るように横から、無造作にひっくり返された死体に近づく。
腰を屈めると、おそらくは直視しづらい形相を浮かべているだろう犠牲者の顔に手を伸ばし、目を伏せさせた。

「君のことは……聞いてる。確か、相沢君だったっけ。少し聞いたことがある」
「俺はニコラス。ここまでは、何か物資が無いか探しに来たんだけれど……あいにく今日はアテが外れた。手ぶらで帰るのはつらいね」
用済みとされた荷物を拾い、死体の胸の上に置く。柄が丁の字になった申し訳程度のスコップを取り出すと、横の土を浅く掘り始めた。
淡々と作業を一人で勧める。相手の了解は聞かない。それでも、会話だけは相手に向ける。
919 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/03(金) 22:20:54.59 ID:zmVdw4Ot0
>>916
「報いる方法があっとても力が足りなかったら……、悔しいよねぇ」

墓場の入り口からエイルに声をかけた人間の右手には剣。彼女は《月装》使いの少女、未来であった。
武器を手に持っていると言っても特に敵意は無く、彼女は胡坐を組むエイルへとゆっくりと近寄る。

「戦友が次々といなくなる毎日。やっぱりこれだけは辛いよ」

日に日に増える墓石の数。それは人類が《夜》に負け続けていることを目に見える形で示している。
負の証。それでも彼女がここに来た理由は難しい推測をする必要は無く、慰霊の為であった。
920 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/03(金) 22:26:17.83 ID:Q7zvwNTdo
>>917
 黒いケモノが見切れぬ……否、見ても反応できないのは男の切り返しの素早さだ。
 視認しても躰がついていかないのでは意味がない。それは即ち見えないのと同義だ。
 クラミツハはその神速のステップに気を付けることを刻み込み、リーの血が滴る爪を長い舌で舐めた。

「ジブン チカラ オシエル バカ」

 何をしたのかという問いの回答。そしてリーが自分の情報をペラペラと喋ることについての嘲り。
 クラミツハは情報は秘しても自分自身のちからを隠さない。《黒い霧》は黒いケモノから噴出するように生成された。

「ニンゲン バカ クラミツハ カシコイ」

 《黒い霧》は周囲一帯を漂うほどに生み出された。それはリーを取り囲みもうとし、渦を作るように対流しはじめるだろう。
 そうしたら嫌でも解るだろう。霧は己自身の黒と《光エネルギー》を削ることで周囲一帯を暗闇にすると。
 さらに霧自体が超硬度の粒子。その渦に佇むままならばそれは服のみならず皮膚、粘膜さえ切り裂き削ぎ落すものだ。
921 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/03(金) 22:36:20.79 ID:LkYWjuOL0
>>919
――その割には、随分とあっさりしてるよな。
それが正解なのはわかるがよ。

【傍に来た少女】【それから魔獣の気はしない】【ならば例え刀がみえても、それに目を向ける必要もない】
【同じ考えを持った人がいた】【それだけだ】

だからって、何もしないままなのはもっとダメだよな。
――あんたも、現状が嫌な質だよな?

【ただ】【それでも】
【慰霊を行ってくれる人がいたというのは】【嬉しかった】
922 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/03(金) 22:36:32.97 ID:wcFy9RNv0
>>918

「―――構わないよ。」

自らの放った真っ黒な言葉を意にも返さず、かといって肯定をするわけでもなく。只々言葉に返すのみ
彼の月装に力は無い、故に行動を起こすことも無く横から視界へと滑り込む人型を見やり。渦巻く黒の感情を腹の中へと落とし込んだ。

「この間のと言い、今日と言い。どうやら俺は人気者らしいな。」


僅かに、自嘲。

「此処辺りならばまだ回収できる品があると思ったんだが、俺も今回は収穫は無しだ」

名前はどこかで聞いたような気もする。が、肝心なところで記憶は出ない。
黙々と作業を開始する彼を横目で見やりながら――――止めはしない、揉め事になるのは得策ではないから―――嫉妬感。
話す内容があるわけでもないので特に話を切り出すようなものは無いが。燻った嫉妬間がその口を開かせる。

「みたところ《月装》を持っているようには見えないのだが―――――」

つまり、《焔装使いではないか》。と言う問い。
彼の口調から僅かに滲み出るその表現は『君は魔獣かい?』徒でも言いたげな悪意がちらりと顔を覗かせて。
923 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/03(金) 22:49:51.18 ID:zmVdw4Ot0
>>921
死に慣れる。これが正解だなんで思いたくもないし自分がそうなっていることすら気が付かなかった。
自分は自分でありたいと願っていてもこの狂った現実にどこか自分も染まっているらしい。
彼の言葉にそれを気づかされ思わずため息が出る。

「この現状を好んでいる人がいたらそれは既に魔獣だよ」

人でありながらも魔獣と同じような行動を起こす人間はよく見かける。
その光景を見ると魔獣と人間の差なんてほんの僅かではないかと思わせるほどだ。

「でもなんにも状況も変えられない上、その方法さえ見つからない。せめて糸口でもあればと思うんだけど……、何かあるって口ぶりだけどいい方法でもあるの?」

実際にそんな術があれば良し。彼の口から語られる内容が夢物語でも何か益はある。
そんな考えではあるが未来の表情には少しの期待が見られる。
924 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/03(金) 22:50:34.93 ID:POrz6lxoo
>>920

この魔獣、彼をバカだと言いのけた。魔獣にバカにされるということは人間に屈辱的だろうが、短気な彼にとっては余計に屈辱的なモノだった。
戦闘に関しては同じだと言ったばかりなのに、エルドのこめかみには立派な青筋が立っていた。エルドは声を荒げ、舐めるなという怒りを表す。

「今ので何が分かったってんだよ……あぁん? 舐めてんじゃねーぞバケモン……今から見せてやるよ、人とテメェ等のアタマの違いってやつをなぁっ!!」
「こんの……――――能無しのボキャ貧野郎がぁぁぁッッ!!」

周囲の霧は未だに得体が知れず、兎に角逃げるしかない。霧から逃げるが、その逃げは攻め。つまり男は一気に前方に左足から踏み出し接近を図った。
その瞬間、左を軸足にして右足つま先から強い衝撃を放ち蹴り上げる。瓦礫のフリーキックが炸裂し、一気に土や砂、小石や瓦礫が魔獣へと襲い掛かった。
ダメージは期待していない。むしろ目晦まし。魔獣の人を超越する反応に追いつくための人の悪知恵である。そのまま一気に駈け込めば、右ストレート――――
――――の軌道に見せかけたフック。……ロシアンフック。肩を回転させて放つフックは途中までストレートの軌道で進み、急に上からフックが降ってくる。

「うぉおおおぉぉぉッッッ!! ――――バカはどっちだってんだこの野郎ぉぉぉぉおおおおおッッ!!!」

知恵は一つではない。子供でもできる石や砂による目くらましに、総合格闘技にもみられる高等テクニック。二つが融合して繰り出された、路地裏仕込みのラフファイト。
目晦ましから超加速、そして高速のストレートと思わせての右フックで頭部をぶっ叩かんとする。衝撃を思い切り乗せたそれは、大きなハンマーで殴られるのと同義だ……!!
925 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/03(金) 22:51:05.86 ID:MdZVweoj0
「ンッンー……美しくありませんなァ」

【闇の世界を切り裂くように、大きな炎の柱が舞い上がる】
【何名かの人間が、悲鳴を上げながら黒コゲになっていく】
【そのなかを……ハンチング帽にチョッキ、赤の蝶ネクタイに、ちょび髭丸メガネの小男が、
 左手にしたマラカスをチャッチャッチャッとならしつつ、不満な顔を浮かべる】
【一見人間に見える彼は――魔獣であった】

「強さがない。別にそれは構わないのです。
 しかし……ナニユエ恐怖の色"だけ"浮かべて、死んでしまうのか。
 もっといろいろあるでしょうに。「死」ですぞ「死」!
 もう少しこう、いろんな感情は出ァせませんかぁねぇ……
 感情の表出こそ、「美」の基本だのに」

【不満をうかべつつ、炎に包まれつつある≪都市≫の居住区を歩く】
【小男が歩くたびに、熱が移動し……その付近を小さな炎の蛾がちらちらと舞う】
【その蛾はふわふわと浮遊し、何かのエネルギーを見つけると近寄り、そのエネルギーを吸い取り、爆発する!】

【こうして現在、≪都市≫の居住地の一角では大規模な火災が巻き起こっていたのである!!!】
926 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/10/03(金) 22:53:47.83 ID:Izu9oAMvo
>>922
「物資が失われているなら集落があるのかも、と思うけれど。《魔獣》は、意図的に物資を潰したりもするのかな」
道具が不十分なため、浅く掘った穴に寝かせて土をかぶせるだけの、ごく簡単な埋葬だ。
適切なやり方ではないが、最早この世界からは、墓を掘り返す野犬や野鳥も多くが失われかけている。
そうしているうちに、相手の言葉に体をこわばらせるように動きを止める。
かぶせるための土を乗せたスコップを今一度地面に差し戻す。相手を窺う目に浮かぶ感情は、ためらいだ。
「はっきり言って、よくない噂だ。君は……」

「……そうだよ。うまく言えないけれど、この辺にある感じがする。そんなに大した《焔装》じゃないけど」
続く言葉を口にするより、相手の質問を優先する。喉元を指の腹で叩いて示すが、実際にそこに在るのかは定かではない。
そして相手の揶揄するような物言いを跳ね除けるようにはっきりと自分の正体を示した。
「君も《焔装》の方かな。何か武器を持っているような感じじゃないから」
相手が自分に好感情を持っていないことが分からないほど、男も愚鈍ではない。それでも、相手の気がこちらに向いたことに口元を緩めた。
927 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/03(金) 23:07:10.24 ID:wcFy9RNv0
>>926

「いや、俺は《月》の方だよ。」

「明確な武器ではないから、少し珍しいかな?」

相手が指の腹で喉を指すのと同じように、掌をひらひらさせて《この服全体が月装である》と説明する。
ジャケット、ジーンズ、ブーツ、グローブ。以上の四つが彼の扱う月装であり、彼が持ちうる攻撃手段、逃走手段、殺人手段。
口元を緩める男に対する嫉妬心は多く、だが明確に言葉に出すことも無く。そして悪意だけ溜め込んで。

「この短期間で焔装使いを見るのは何度目だったか…………」

「まぁ、死体漁り≠フ噂についてはおそらく本当だよ。」
928 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/03(金) 23:10:40.72 ID:Q7zvwNTdo
>>924
「テメェノ アタマガワルイ ト イッタ コノ ノウナシヤロウ」

 言葉の多かったのは幸いなのか不幸なのか。相手の汚い言葉を吸収してクラミツハは人語を話す。
 《黒い霧》のなかから飛び出した瓦礫たちを、クラミツハは大きなものだけを躰を開いて躱し、ジャリや土を右腕で振り払った。
 その直後、同じように暗闇のなかから飛び出す男が見える。疾風の如き右の拳を回避するには体勢が悪い。
 黒いケモノは下からその腕を切り裂かんと左腕を斜め下から振り上げる。しかし、弧を描き変化する拳の軌道……!
 相手がどうであろうと身に刻まれたのは数百年の技術の研鑽の集大成。それは人が決死の覚悟で作り上げた知恵の結晶とも言える。

 左腕を全速で持ち上げる。スレッジ・ハンマーの如き一撃は、あたまの代わりに左腕へ叩きつけられた。ゴキンと鈍い音。
 跳ね飛ばされたように左腕が弾けへし折れる。クラミツハの口が大きく開いた。それは痛み。そして怒り。

「ガアアァ――――――ァアアアア!!」

 両腕は使えない。だが知れ。ケモノであるのならば最大の武器は爪にあらず。その牙に他ならない。
 クラミツハは開かれた大顎を持って、左腕を折ったその右腕に食らいつこうとする。鋭く並ぶ牙はさながら槍の穂先の群れ。
 そして、リーが突破してきた《黒い霧》は、屈辱と怒りでクラミツハへと向いているリーの背後より襲い掛かるだろう。
 削り取るは《体力》。目の前の男が使うは身体機能。であれば、フルマラソンを走ったように体力を使い果たせば……?
929 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/03(金) 23:12:54.97 ID:LkYWjuOL0
>>923
望んでねーよ。望んだ人なんか誰もいない。
そういう奴はここから居なくなっちまった。

【少なくともここにいる二人は違う、と】【そう思う】
【溜息を耳に挟み、僅かに目を伏せた】

あんたの望む方法になるかはわからねえけど、やるだけのことはある。
――近い内に、外に出て攻撃をかけるって話がある。
これを持ちかけたのはあたしじゃねえけどよ……あんたはどうだ?

【それが未来の期待通りの答えになるかはわからない】【だが、これを持ちかけられた時】
【僅かばかりの機体を含んだのは、彼女、エイルも同じだった】
930 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/10/03(金) 23:24:27.12 ID:Izu9oAMvo
>>927
「複数で一組なんだ? それは、聞いたことなかったかな。間違えてごめんね」
合点がいったように相手の体を覆う《月装》を見回す。知らなかっただけであり、皮肉ではない。
皮肉ではないが、あまりに当たり障りがない。まだ言葉を選び、遠巻きにしているかのようだ。

「……うん、そうみたいだ。目の前で見たから、もう俺自身にも言い聞かせようがないな」
先ほど言いかけた内容を拾うように相手から放たれる言葉。諦観か、短い髪を土のついた指でぐしゃぐしゃと掻き上げる。
何度か相手と埋めかけの死体とを見比べていたが、そのうちに彷徨っていた視線は明確に相手の方を向いた。

「生きるためだと言っても、自治区に行けば必要なものは、もらえるんじゃないかな」
「どうして人に悪く言われてまで、そうしなければいけないんだ?」
真っ直ぐに向き合う目の中にあるのはそれこそ真っ直ぐな感情で、問いかけの形をした訴えは、相手を信じたがっているようでもある。
知らず知らず上体は前のめりになり、口調は先ほどまでのもどかしいものよりもずっとはっきりとしたものに変化した。
931 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/03(金) 23:27:50.20 ID:zmVdw4Ot0
>>929
「もっと詳しく内容を教えてもらえないと決められないかな」

これまでにも地上に降り立った《夜》に攻撃を仕掛けた人間はいただろう。
だが今もこの空に光が取り戻されることも無く、魔獣も存在したままである。
つまり安易な方法では不可能。そもそもそれでどうにかなるなら世界はとっくに復興している。

「目的も方法もまだ聞いていないけど……、自殺まがいの行動なら私は止める方にまわるよ」

可能性があるなら協力も惜しまないが、かと言って最期の特攻にするにはまだ時間が残っていた。
932 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/03(金) 23:30:07.46 ID:POrz6lxoo
>>928

狙いは外れたが兎に角当たった。能力による衝撃に遠心力に体重まで乗った一撃は、幾ら魔獣でも受け止めるのは困難。
事実その大鎌のような軌道のフックは魔獣の骨を見事に切り裂いた。が、魔獣もタダでやられるほど雑魚ではない。明らかに魔獣でも上位の実力なのだから。
振り切った右腕をピンポイントで噛み付こうとするあたり知能もバカにはできない。エルドの一番の武器を狙った攻撃は戦術的にも正しくあった。
だが術ならばエルドに分がある。足を踏みかえ、沈身して左半身を前に出しながら左フックで吹き飛ばさんとした刹那――――体が鉛のような重さへと変化した。

「――――っぐ……っふぅッ……!? ――――っぐぁぁあああああああッッッ!!!」

がくん。そんな音がはっきり聞こえるかのように膝が落ち、頭に描いていた一連の動きが途切れた。そこに襲い掛かる強烈な痛みは、右腕からだった。
魔獣の刃が肌に食い込み、肉を突き刺す。全身の毛穴から汗が一気に噴き出すような感覚と、背筋に走る冷たい稲妻。その後思わず絶叫が漏れる。
絶叫の中で男は困惑していた。いきなり体が重くなったのは何なのだ、と。直後に黒い霧が視界を汚し、やはりこいつのせいなのかと悟った。

「――――っぐ、そぉぉぉっ……っざけん――――なっっ……」

筋力を思い切り活かした移動は難しい。能力で体を強引に動かすしかなく、エルドは踵に重心を置けば一気に衝撃を踵から放った。つまり後方への移動を目論んだ。
肌に食い込んだ狂気の牙から何とか逃れようと。そして彼から力を奪う驚異の霧から何とか逃れようと。兎に角逃げなければ。逃げの感情が心を埋め尽くしていた。
933 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/03(金) 23:35:19.13 ID:LkYWjuOL0

>>931
っていっても、あたしも詳しく聞いてはいねえんだよなぁ……。
このままならどっちにしろダメなら、行動範囲を増やすのも有りじゃねえかって位で。

【ならば】【明日はどうだろう】
【そう考えていけば行く程】【屍が増える】【現にいま、更に戦力が減った】
【……エイルは、焦っているのだろう】【明日が欲しい】
【その為には?】【戦わなくちゃ、ならない】

自殺のつもりはねえよ。あたしだって目標があるんだ。
――だからって、このまま明日はどうにかなるかも、って待ってるだけじゃすすまねえだろ?
まあ、確かに何するかは聞いてなかったからよ、ちゃんと聞いてくるつもりだがよ。
934 :ニコラ・ドゥムルメステール《夜》 [sage saga]:2014/10/03(金) 23:37:02.87 ID:xu+V8c9Qo

 それは悲嘆にくれているのか、それとも再生の喜びにうち震えているのか。
 《夜》の帳の下りた世界に、炸裂した感情さえも、無明の闇が覆い隠していく。

「……ああ」

 崩壊し、積もる塵埃に半ば埋もれた廃墟の一室。
 男が居た。
 足元には、幼い子供の死体。
 胴体半ばで分断され、止めどなく溢れる血潮が、酸鼻たる光景を肥大させていく。
 その両腕もまた真紅に染まり。夥しい血痕に染まったシャツと、くたびれたトレンチコートが、
風の吹きこまない部屋の中。かすかにゆらめいていた。

 果たして、その相貌はいかなる表情(しきさい)を映し出しているのか。
 ひび割れた壁面に掛けられた燭台が。そこから溢(こぼ)れ落ちた虚ろな陰と陽が。
 そこにあるもの全てを、酷く曖昧なものにしていた。
935 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/03(金) 23:42:21.42 ID:wcFy9RNv0
>>930

複数で一組、正確には偶々四つとも規格が同じだった≠ニ言うだけであり、元々それぞれ別の月装使いから奪ったものだ。
当たり障りのない、悪く言えば表面しか撫でていない′セ葉にいら立ちは募る。いや、むしろ此方の様な言葉の方が心地い。
被害妄想《パラノイア》が燻る。だが相手は焔装使い、勝てない。自身の命を優先させるのであれば―――――手は出すな。

「――ー強くなりたい≠ニ言うのが主な理由かな。」

言葉は初めから決められていたかの様な、決まった感触。何度かそういう自問自答を行っていたこともあり、その問いにはいとも容易く言葉が漏れ出てきた。
状態が前のめりになり、男の顔が近くなる。彼は僅かに状態を後ろに覗けらせ――――一歩後ろに下がってしまった後。そう答える。

「実はこの月装も、元は他の月装使いの死体から剥ぎ取ったものなんだ」
「何人もの月装使いの死体から月装を剥ぎ取って、偶々つけることができたのがこの四つでね」

「俺には焔装が発現しなかったし、自身で月装を見つけることもできなかった。」
「――――だったら、死体からもらうしかないだろう?」

無意味な羅列。言葉として完成されていない。自問自答による答えは酷く歪んでいて、且つ彼の頭蓋の中で完結してしまっている。
故に、吐き出される文字列の集合体にも僅かな違和感と大きな不快感が上乗せされて排出されるだろう。自分が良ければそれでいい、しかし、殺されるわけにはいかないので表面は取り繕おう。
そうやって彼はこの数年間生きてきた。だが、必ず決まって目の前の様な男の前ではボロが出る。善≠フ側に収まっている輝く人間を見ると、つい、つい。
936 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/03(金) 23:49:07.50 ID:zmVdw4Ot0
>>933
「意外と行き当たりばったりなんだね。ここに眠る人達に報いる方法は《夜》に打ち勝つだけだと私は思うけど……、焦って失敗しては元も子もないよ」

目の前のエイルが焦っているのはその口調からもわかる。それは自分も同じである。
だが戦力の逐次投入は愚策だと誰かが言っていた気がする。もし《夜》と最終決戦を行う時が来るとなれば極力戦力は保っておきたい。
極力最善を。特に《焔装》使いより弱い未来は冷静でいなければ生き残れないと判断していた。

「一応だけどその計画者さんの名前とか外見とか教えて貰えるかな? 私の方が偶々先に会えるかもしれないし」

とは言っても頭ごなしに否定するでもない。未来もエイルと同じ、出来るならば犠牲者を減らしたいのである。
937 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/10/03(金) 23:58:49.70 ID:Izu9oAMvo
>>935
「……俺も強くなりたいよ。他の誰かを守る為に」
復唱する言葉は同じでも、その理由は違うのだろう。理解しているから、敢えてそれを口にする。
相手に倣って男の心中を明かすならば、ニコラス・ハウは、相沢雅樹を軽蔑している。だがそれは、同じ人間に対する好意から成るものだ。
何か、分かり合えるのではないか。何か、改心してはもらえないか。そういった傲慢さが、マジョリティの罪だ。

「君の方法は、きっと間違っているんだと思う」
「けれど――俺には、それを理由に君が強さを求めることを否定もできないみたいだ」
言い切ると共に目を逸らす。少しの間何をすることも出来ずに硬直した体は、やがて死体を埋めることに専念し始める。
やがて粗末な埋葬は終わり、そこに何かが埋まっているのが見て取れるような小山が出来上がる。
土饅頭の在り処を示すように、頭の方向に石がいくつか並べて置かれた

「俺が君のような人の行為を看過する事で君が救われるなら、嫌だけど、仕方ない」
男は相手が今まで接してきた相手のように、無垢のままではいられなかった。
938 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/03(金) 23:59:51.59 ID:Q7zvwNTdo
>>932
 リーが牙と黒い霧から逃避するために放った衝撃は、クラミツハの顎を開かせるには十分だった。
 首を持っていかれる前に口を離し、男の躰は黒い霧から抜け出す。だが削られた《体力》は霧を抜け出しても戻らない。
 牙の一部が折れ、黒いケモノの口端から血が垂れ落ちた。リーの血と混じりあったそれを喉を鳴らして飲む。

「ドウシタ ニンゲン ウゴキガワルイナ」折れた牙をむき出しにして威嚇するように嗤った。

 そしてケモノは「イマカラ ミセテヤル ヒト ト マジュウ ノ チガイヲ」とリーの言ったことを軽くなぞる。
 だがそれはリーの言った言葉とは多少異なる。黒いケモノはリーの抜け出していった《黒い霧》を躰に取り込んだ。
 削られたのは《抑制力》。躰を壊さないように抑えられている体の全機能を解放するものだ。
 脳内麻薬が分泌され痛覚が麻痺、自己治癒力が活性化し微小な傷が治り、全身の筋肉が張りつめた。
 全視力が逃げたリーの動向を捉え、研ぎ澄まされた感覚が地面の砂粒の数さえ感じ取る。
 元々あるスペック差を圧倒的に広げる。人間の作り出した技術という知恵の結晶で、それが埋まるだろうか?

「コレガ 《ツヨイ》 トイウコトダ」

 地面を掴んだ魔獣の脚は、地を砕くほどの脚力で踏み込んだ。放たれる魔獣の躰は砲弾と化す。
 クラミツハは右拳を振りかぶった。そしてリーの鳩尾を殴ろうとする。行為にすればたったそれだけ。
 技術もなく、ただ力と速度に飽かせて。だがそれはリーが名もなき魔獣を吹き飛ばした技のように、人間ならば容易く吹き飛ばそう。

 火事場の《バカ》ちからというのは気に入らないが、これがクラミツハの全力であった。
939 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/04(土) 00:03:09.20 ID:dt0m1Ci+0
>>936
あたしは報いる、だとかそんなつもりで動いてねェんだ。
冷静と悠長なのはあたしは違う……と想う。急がないのも、正解なんだろうけどよ。

【声をかけた彼らも】【何れは消えてしまう】
【もしかしたら】【明日にはいないかもしれない】【そう思えば、行動は早い方がいいのではないかと考える】
【――ただ、それで確かに好転するのなら、ここまで追い込まれていないのだが】

久良岐っつぅんだけどよ……下の名前はわかんねーんだ。
いっつも向こうの自治会に、夜にいるっていってたから、会おうと思えば会える筈だ。
まあ、私も近い内に行く事にするけどよ

【そういって指差すのは】【崩れかけた建物の】【通称、自治会】
【そこの屋上にいる、と彼は言っていた】【今もいるのかもしれない】
940 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 00:08:42.39 ID:/fIHG/Q90
>>925
家、というよりは廃墟なのだが、に籠っていてもすることがないため都市の中をパトロールするという名目で散歩をしている
まぁ、実際に今までも散歩の途中で魔獣を倒したこともあるので一応本当にパトロールしていると言えなくもないが
その途中で、大規模な火災を見つける
通常の火事ではこうも大きくならない―――魔獣の仕業だ

「チッ、火の魔獣っつーとあいつか?」

以前戦い、相打ってしまった魔獣を思い浮かべる
もしそうなら、次こそは倒すと息巻いてその場に向かう
―――そこには逃げ惑う人々と、炎の蛾を産み出し続ける魔獣の姿があった

「あいつが魔獣か」

あの時のやつではなかったか――――焔装を発動させながら考えるガルバに蛾の内一匹が迫る
直ぐに破壊使用とその蛾を殴ると小規模ではあるが、それが爆発する
さほどのダメージは無いものの、拳に火傷を負う
どうやら、炎使いには相性が悪い能力しかないらしい
苦々しげに心の中で呟くと、とにかく魔獣を倒さねばと魔獣に殴りかかる

「流石にお前も防御力まで高いとかないよな」

破壊の概念を纏い、さらには素で魔獣と殴りあえるまでに強化された身体能力
並みの魔獣であれば拳が当たれば只ではすまないだろう


/まだいらっしゃいますかね?
941 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/04(土) 00:19:39.24 ID:hkvq0Ros0
>>937

「―――――。」

身体が、硬直する。何かだ、何かが違う。オレはこれを求めていt求めていない。オレは俺だけが中心であればいい
違う、違う、違う。輝けよ。もっと輝けよ。俺を侮辱しろ、蔑め、殺してくれ。肯定するな、見逃すな
コロセ殺せやめろ。輝けって言ってんだろ。

【自己崩壊】【自己否定】【自壊衝動】【自滅因子】【殺して殺して殺してくれ】
【肯定するな】【否定しろ】【俺はおれは俺は俺はおれは俺はおれは俺】

「――――――」

此方に目を向けていないであろう――――死体を埋めることに専念しているだろうから――――男に、手が伸びる。
殺意、衝動、破壊、自嘲。黒い何かがざわついてからだを動かす。歪む、歪め、有耶無耶に消えろ。
途中で止まる手。耐える、頭の中の考えが整理できない。

「」

頭に伸ばした手を持っていき、顔を覆う。眼が血走る、可笑しい。可笑しい。

彼の言葉は普通である。何の変哲もない、その代わりに正さ。選択の正解性は確実に是。だが、彼にはそれが煩わしい=B
自悶自倒。思考を重ねなければならなくなる時。彼の人格は歪んでいき、倒壊する。殺意が漏れる
じゃまだじゃまだじゃまだ邪魔だ。自分だけが正解であればいいんだ、他は必要ない。ない、無い、ない。

「―――そろそろ、俺はお暇させて貰ってもいいかな?」

振り向いて彼を見やれば、全身にかかるノイズ。空間が歪んで彼の体を覆い尽くし、表情すら覆い隠す。
体中を空間が蛇のようにとぐろを巻いて迸る。唯一明確に彼の感情を見通せるのは――――指の隙間から覗き見える――――赤い瞳だけ。
942 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/04(土) 00:20:11.87 ID:aiS823DT0
>>940

「あれまあ、随分と――汗臭さそうなのがいらっしゃいましたナぁ」

【小男は腕組みしつつ、ため息を突く】
【逆立った髪型やパーカーなど、そのセンスは小男の美的心をなにもくすぐらず……】

「やあれやあれ、ただ殴りかかるとは、あまりにも――
 美しさがなイッ!!!」

【小男は両手を広げ、ひと羽ばたきする】
【突進してきたガルバに、火傷しそうなほどの熱風が襲う】
【その拍子に、ダンディモスは人間の姿を捨て、蛾の魔獣となり空へと舞い上がる】

「君は、自らの姿を鏡にうつした事はあるかね?
 自らの生が、どう他者に映っているか……
 考えた事はあるかね? ンッンー?」

【ふわふわと、上空5メートルほどを舞い、髭のような触覚をふるふる震わせている】

/気づきませんでして、遅くなりました……
943 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/04(土) 00:21:05.57 ID:tIrLohiX0
>>939
「とりあえず、縁起でもないけど……、もし最期の時が来たら、たとえ後悔はしても納得が出来るようにしたいよ」

エイルのその不安定さ。どこか落ち着いているようで焦ってもいる。砂上の楼閣のような精神は見ている方が不安になる。
だが未来が彼女に出来ることは今この場では何も無かった。もしあるとすれば再び出会うときではあるが……。
むしろ何かしなければならない状況が起きない方が良いと未来は心の中で思う。

「とりあえず私、行ってみるね。」

目的が決まったならいつまでも油を売る訳にもいかない。
一礼をすると出口の方へ歩いていく。

「あ、自己紹介まだだったね。私の名前は未来。日向未来! よかったら覚えておいてくれたら嬉しい!」

何か思い出し立ち止まって振り返ると未来はエイルに向けて言葉をかけた。
944 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/04(土) 00:26:38.77 ID:0ABFCdBPo
>>938

四肢に鉄球付きの足枷でもあるのかと疑いたくなる程の重さが全身に圧し掛かり、激しい動悸に肩を上下させる。
瞳だけは鋭さを見せるのが、余計に疲弊した様子を強調させているようで。腹には痺れる痛み、そして全身は重く感覚は鈍っている。
「動きが悪いな」という指摘は全くもって正しい。エルドは密かに肚を括り、そして力を振り絞って構え、そして掠れた声で吼えた。

「……来いよバケモノ……見せてくれよ、テメェの強さを……」
「俺は強くなりてぇ……強くなって……テメェ等ぶっ潰して――――そんで……都市の皆から賞賛されんだよ」
「だから俺は負けねぇ。拳を振るうしかできない俺の前に現れた、力がモノをいうこの世界……好きなことやって認められんのは今しかねぇんだ……!!」

「  此  処  で  輝  か  ず  に  い  つ  輝  く  ん  だ  ッ  ッ  !  !  」

魔獣の体が更に戦闘をするための凶器へと化す。しかし既にエルドは肚を括った為に脅えない。沈身し真っ直ぐな瞳で敵を見据えて離さない其れは覚悟の眼光。
魔獣の筋肉が躍動し、一気に間合いが埋まる。同時に後ろ足(左足)が能力を使って地面を蹴る。右足は踏ん張り、体は回転する。狙いは一つ、カウンター。
完璧に決まれば止めた拳でもKOできる程の威力を出せるカウンター。それも格闘技素人では最も見切るのが困難とされる後ろ回し蹴りを左足で、だ。

エルドは魔獣クラミツハの攻撃を一切見ていなかった。自分と魔獣は似ている。最初に彼はそう言い、そして直線的なジャブからエルドは仕掛けた。
似ているなら攻撃も似るだろうという、まったく根拠のない予想。そう、エルドは魔獣が動いた瞬間に正面に向かって後ろ回し蹴りを始動させたのだ。
相手の攻撃を受け止める、避ける――――そんな逃げの発想はもうしない。先程の後退が正直頭に来てたのだから。そして2匹の魔獣が、衝突する。
相打ち覚悟で放ったのだから、エルドは魔獣の砲弾のような攻撃を浴びて吹き飛び、自分が倒した魔獣のように瓦礫に突っ込んだ。



945 :ニコラス ◆O7SRClNPOk [sage]:2014/10/04(土) 00:33:17.07 ID:1kiYJwEEo
>>941
「……うん。邪魔しちゃって、悪かったね」
掘り起こした土をまばらに散らし、作業の跡を片付ける。砂のついたスコップを拭うと、自分の荷物の中にしまいこんだ。
ちらりと様子は窺ったものの、歪に揺れる姿を見て頷くだけだった。
悲しげに眉をひそめて赤色の奥を見据えるものの少しののちに視線は外され、もう青い瞳が相手の瞳を覗き込むことはない。
相手から遠ざかるように、大きな体が踵を返す。

去りゆく前に、もう一度だけ振り向く。といっても顔を横に向ける程度で、男にとっても、相手の姿と心は直視できるものではなかった。
「誰もが冷静でいられる訳じゃない。むしろ、感情的になれることは、一つの希望だよ」
二言三言添えると、無防備な背中を相手に向けて、来た道とは別の方向へと歩みだした。
男はさらに先に向かって、物資を探しに行くのだろう。
では、相手は――?


//お疲れ様でした。
946 :相沢 雅樹  ◆AIZAWA.S9s [saga]:2014/10/04(土) 00:34:54.64 ID:hkvq0Ros0
>>945
//お疲れ様でした! 強引な感じになってしまい申し訳ないです……
947 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 00:35:45.54 ID:/fIHG/Q90
>>942
「んなこと言われてもなぁ、俺にはこいつしかないんだよ!」

美しさなど戦いに、自分の『破壊』には必要ない
どんなものであれ、この拳で打ち砕くだけなのだから―――

「ウオォッ!?」

―――と、勢いのままに殴り抜けようとしたその瞬間、相手は蛾の魔獣の姿になり熱風を放ってきた
熱風にせいで思わず目を閉じてしまうものの、拳を振り抜く―――が、当たった感触がない
目を開け、辺りを見回すと――――上空を飛行する魔獣の姿が

「―――んなこと気にしてなんになる?」
「邪魔ならぶっ壊す、気に食わねぇならぶっ壊す、それだけだろ」

全く、どうしてこうも相性の悪い能力の魔獣とばかり当たるのか
跳び上がって殴りかかってもいいが、流石にうまく行きそうもない
ならば、と近くの壁を殴り、瓦礫を作る

「対空戦は専門外なんだがなッ!」

―――その瓦礫に破壊の概念を付加し、威力をあげる
そして、それを3つ程空中の魔獣に向けて投げつける
身体能力が上がっている為か投げた瓦礫もかなりの速度で飛んでいっている
948 :ニコラ・ドゥムルメステール《夜》 [sage saga]:2014/10/04(土) 00:38:47.87 ID:Pl4PWgAuo
>>934
/一応まだ募集中です……!
949 :クラミツハ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/04(土) 00:42:18.30 ID:/euy+UQbo
>>944
 蝋燭が消える前の閃光のような最後の一瞬。あるいは消耗の果てのセカンド・ウィンドか。否、無粋か。
 あえて魂の輝きとでも言おう。エルド・リーの決死の一撃は、完璧にクラミツハを捕らえていた。

 自分自身の全力が、リーの全霊を乗せて黒いケモノを貫いた。男のように、魔獣もまた後方へ吹き飛ぶ。
 その先はやはり瓦礫の山。今度の飛翔はさらに山を貫き、その後ろのビルにさえ突き刺さる。
 黒いケモノの胸部から腹部にかけては破裂していた。四肢がだらりと垂れ落ちていた。
 脚は自分自身の脚力で、左腕は男の攻撃で、右腕は自分の一撃で砕けている。どうしようもなく死んでいた。

「……ニンゲン オマエ ノ カチダ」

 鼻を鳴らしながら言い、血の塊を吐く。
 クラミツハの躰は《黒い霧》と化し、溶けるように消えていった。

/ロールありがとうございました。ガッツリやり合うの楽しかったです!
950 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/04(土) 00:45:25.67 ID:dt0m1Ci+0
>>943
あたしは、死んだら納得できねーな。
見たい事とやりたい事がある、その為にやってるからよ。
――だから、あんたもあたしも、それをするためにやろうぜ?

【確かに絶望的で】【勝ち目なんかないかもしれないけど】
【諦めたくはなかった】【絶望もしたくなかった】【逃げと言われるのだろうか】

……って、お前、今から行くのかよ……。

あたしは――エイル、ちゃんと覚えとくから気にすんなよ。

【顔をちらと覗かせて】【元気な返事を返す未来に】【口の端を緩める】

覚えといてやるから、また会おうぜ。またなっ。

【そして手を上げひらひらと振れば】【再開の約束をたてて、見送ろうとする】
951 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/04(土) 00:48:57.77 ID:aiS823DT0
>>947

「ふむ。人生を、たった一つ、ただ生きる事のみに使っていると……?
 ンッンー――
 実に、面白くないッ」

【炎の翼を広げると、全長7メートルの巨大な蛾の羽となり、居住区の火災をさらに煽る】
【そして羽から、無数の小火炎蛾が、羽のあちこちから生み出され、エネルギーが強い所へゆるゆると飛んでいく……】

「破壊とは、美ではない。
 なにを破壊するか、自らの信条が、結果としての破壊をもたらす、
 その瞬間、
 その、……閃光!」

【蛾が、ふわふわと、飛んできた瓦礫に火炎蛾が纏わりつき――】
【その破壊エネルギーを吸い取り、大爆発し、炎上する】
【しかし、その瓦礫の破片が、火炎蛾の羽を通過していく】

「おっ、と……」

【爆発した瓦礫の引き起こす乱気流により、身体の体勢を崩す火炎蛾】
【一時的に高度は3メートルほどに堕ちる】
【しかし、小火炎蛾はなおも生み出され、じわじわと生命エネルギーあふれるガルバの方向へ向かっていく……】

「君の信条は――「力」か。
 さあれば、その力を吸い取ってしまえば……君は"絶望"に沈むと。
 ふふ……さあれば、君の信じるその破壊の力を、
 とことんまで吸い取ってやろうじゃあないかッ!」

【高度を落としつつ、火炎蛾はさらに小火炎蛾を産みだしていく!!!】
952 :日向 未来 ◆eM6iMPNsZk [sage]:2014/10/04(土) 00:58:40.23 ID:tIrLohiX0
>>950
「エイルだね。覚えた! 絶対にまた会おうね!」

墓地というその場には相応しくない声量である事に気がつき手を口に当てる。
少しばつの悪そうな表情で小さく手を振ると未来は駆けてこの場から立ち去った。

ここ最近は様々な出会いがあった。久良岐という人間の策が人間の反撃になるかは今のところ定かでは無い。
が、生き残る為に活動している人間がいることには励まされる。
それは軽快な足取りで、未来をビルへと向かわせた。

/ここらへんで〆るのがキリがいいっぽい?
/ロールありがとうございました!
953 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/04(土) 01:08:24.67 ID:0ABFCdBPo
>>949

後ろ回し蹴り。その動きの特性上、蹴りを放つ際に上半身は後ろに傾く。身長差はあるものの、後ろ回し蹴りのリーチが魔獣の右拳よりも長かった事も大きかった。
それでも。それでも左足は折れ、口からはおびただしい量の血が流れ、背中は瓦礫でズタズタだ。「今しかない」という意地が、奇跡に近い生を掴んでいた。

「……へっへ……――――愉しかった……ぜ、クラ……ミツ……ハ……!!」

「オマエノカチダ」。遠くなる耳に届いた魔獣の言葉に、苦しい顔で瓦礫の山から顔を出しエルドは微笑んだ。魔獣の敬意の言葉には、こちらも敬意で答える。
地獄の痛みの中でも、血沸き肉躍り知略を巡らせる戦闘は心を充実させ、そしてそのような笑みを生むのだろう。転がるように力なく、エルドは瓦礫から抜け出す。
立ち上がることすらままならないが、それでもエルドの表情から笑みが消えることは無かった。力と力のぶつかり合い。戦闘狂には一番輝いている瞬間だから。

「……っぐ、っく……代償は大きい、が……すげーよかった……映画のクライマックスみたいな……殴り合い……やっぱり俺は、好き……だ」
「――――戻ろう。もっとこんな闘いをするために。もっと――――こんな闘いが出来るような強さを、身に着けるために」

「……クラ、ミツハ。 ――――てめぇには……助演男優賞……くれて……やんぜ……!」

能力を使いながら、不恰好に血生臭い荒れ地を歩む。赤に塗れ、今にも死にそうな姿なのに不気味に微笑んで、一歩ずつ、ずりずりと。
血に濡れた両手に隠れて、赤く輝く刺繍の竜は肘まで届いていたのだが、今はそのことに気付く余裕すらも無かった。

/ロールありがとうございました、やりたかったバチバチの戦闘できてよかったです!
/何か意見とか文句とかあればドゥンドゥン言ってもらって構いませんので!
954 :エイル ◆Ipx2yTTnb6 [saga]:2014/10/04(土) 01:09:46.15 ID:dt0m1Ci+0
>>952
//そうですね、ありがとうございました! 王彼様です!!
955 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 01:16:57.42 ID:/fIHG/Q90
>>951
「お前に、俺の人生を面白いかどうか言われたくねーよ」
「それを決めんのは俺なんだよ」

ここまで巨大になるとは思っていなかった
巨大な羽から産み出された無数の蛾を見て内心冷や汗をかく
幸いなことに、一匹一匹は大したことがなく焔装での破壊も可能だが、こうも数が多いとなるとさすがに倒しきる自信がない

「参ったな、絶体絶命かもしんねぇ」

本体に攻撃を当てれば勝つ自信はある
だが、これだけの数の蛾を倒してとなると、正直厳しい
そう考えていると意外にも大半の蛾が瓦礫に向けて飛んでいき、こちらにはほとんど飛んでこなかった
どういうことだ?―――

「絶望、か」
「俺が絶望すんのとお前が俺に壊されるの、どっちが速いだろうなぁ!」

―――なるほど、吸いとるという言葉からあの蛾はどうもこちらの力を奪っていくようだ
故に、先程はこちらには来ずに瓦礫に飛んでいったのだろう
ならば、と瓦礫を拾い始める

「上に飛ばれる前にケリつけねぇと負けそうだな」

又も破壊の力を瓦礫に付加し、魔獣へと投げつける
ただし今度は魔獣に徐々に近づくように魔獣の周りを回りるように高速で走りながら投げつけている
そして4方向から瓦礫を投げつけた所で―――焔装の発動を一時的に止める
そこから走って魔獣に近づいていく、もしこのまま近づけたなら再び焔装を発動し、殴りかかるつもりだ
どうやら、破壊の力が付加された瓦礫なら通常の自分よりもエネルギーが高いと判断して囮にしたようだが、はたして―――?
956 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/04(土) 01:29:18.44 ID:r6TU/RSY0
>>955

「美は、独善とは違う……
 美への客観的な批評が――
 つまり美とは――
 ネアンデルタール以降のヒトそのものに埋め込まれたDNAの――」

【無数の火炎蛾を放ちつつ、宙空を舞い、美学理論をくどくどと語る火炎蛾】
【無軌道に空を飛び、火炎蛾はあちこちに増殖しては、エネルギーに反応して蛾の群が殺到する】

【しかし――】

「ンッンー……?」

【一見小粒な瓦礫だが、充分な破壊エネルギーに満ちている破片が、高速で飛んでくる】

「小癪な……っ」

【4方向からの瓦礫を、無数の火炎蛾を犠牲にし、自爆させることでエネルギーを相殺する!】
【だが、その4方向の爆風により、乱気流はさらにまきおこり、蛾男は地上に追い込まれる】
【そこに、男の突進――】
【防御に使うはずの蛾たちは、4方向の瓦礫に誘導され、蛾男の懐は一時的に無防備になった】
【男の作戦は見事に成功したようだ!!】

「魔獣を――なめないでいただきたい」

【しかし蛾男は、その巨大な炎の羽を収縮させ、突進してきた男に対し、押しつけるように受け止めようとした!!】
【男の破壊の力か、魔獣の火炎の力か――】
【はたして破壊の男の拳は、火炎蛾魔獣を貫く事は出来るだろうか!!】
957 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 01:47:09.53 ID:/fIHG/Q90
>>956
「てめぇのいう美しさのねぇこの拳がどれ程のもんかその身で味わいやがれ!!」

作戦はなんとか成功した
蛾のほぼ全てを瓦礫に集中させることができ、その無防備となった体を殴り抜けようと拳を放つ
だが、あと一歩と言うところでその炎の羽に防がれてしまう
通常の炎なら多少身体が焼けるのを無視して殴れるが、この炎の羽は自分の拳と打ち合ってきている

「この羽ごと破壊するだけだ!!」

腕が焼けるのにも構わず渾身の力を込め拳をつきだす
だが、惜しくも力では一歩及ばず弾き返されそうになる
それならば―――

「ウラアアアアア!!」

―――この拳から羽に直接破壊の力を送り込み、破壊するだけだ
そして、蛾の魔獣の炎の羽を一時的にとはいえ消滅させ、その勢いのまま拳を魔獣へと放った―――
958 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/04(土) 02:01:31.20 ID:r6TU/RSY0
>>957

「美の判らぬ者に――
 負ける道理は、
 ……ない」

【炎の羽で受け止めた拳】
【しかし、その羽に――何らかのエネルギーがそそがれている!!】

「ほうほうほう……これは面白い!!
 君の力を、私に送り込み、内部から破壊しようと!!
 はは、フハハハハハハハッ!! 
 君が唯一頼みにし、君そのものといっていい力を……
 我がものとしたのならば、

 君 は ど れ ほ ど 絶 望 す る こ と だ ろ う !」

【魔獣の羽は、相手の能力により一時的に消える】
【だが――】
【今、エネルギーがもっともこの場に満ちているのは、相手の男の拳である】

「クワァッ!」

【再び消えた両腕の根元から、火炎蛾の大群が生み出された!】
【さらに、中空にいた火炎蛾たちも、虫が炎に群がるように男の拳に殺到していく】
【拳に纏わりつき、力を吸い取っては爆発する火炎蛾たち。これで拳に対抗し、エネルギーを根こそぎ奪おうという考えだ……だが】

【男の拳は】

「!!」

【止められない。届い、た!】

【火炎蛾の男は顔面を殴られ、後方10メートルに飛ばされる】

【だがその後、小火炎蛾はエネルギーの大きい男の拳にあつまり、小爆発を繰り返す】
【男の力を吸い取るように、無数の蛾たちが美しい閃光と共に散る】

「……美しい、うつくしい、ねぇ」

【壁にめり込みながら、蛾男はつぶれた顔面の激痛に耐えつつ、ゆるゆると立とうとし、その火炎を見ていた】

【蛾男のダメージは大きい。立つのがやっとの状況のようだ】
【もし、この爆発と火炎に、相手の男が耐えたのならば――】
【火炎蛾の男の敗北するだろう。】
【火炎蛾は炎が爆発する様を、恍惚の表情で眺めていた……】
959 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 02:25:18.30 ID:/fIHG/Q90
>>958
「なに……ッ!!」

勝った、そう考えて油断していた
殴り抜ける直前で大量の蛾が拳に群がってくる
なんとか拳を当てることには成功したようだが、それどころではない

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

拳で、身体で、蛾に力が吸われ、爆発が繰り返される
対抗しようにも動かそうとする前に力が抜けていく
漸く、爆発が終わった時は既にボロボロで、その力のほとんどを吸い尽くされていた
膝をつき、そのまま地面に倒れ伏すガルバ
だが、その心の内は絶望ではなく―――怒りが埋め尽くしていた
ふざけるなふざけるなふざけるな、俺は、俺は俺は俺は俺は俺は―――

「全て、をぶっ壊す、男だ、ぞ……!」

荒い呼吸をし、一歩でも動けば倒れるのではないかというほどボロボロになりながらも立ち上がり、魔獣に近づく
怒りにより多少身体能力が向上したとはいえ今のガルバを動かすのはもはや、ただの執念であろう
もしこのまま近づけたなら正真正銘最後の一撃を放つだろう
だが、もしその攻撃を避けられれば―――ガルバは真に絶望し、一気に魔獣に近づくことになる
960 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/04(土) 02:41:15.69 ID:2yWu73ih0
>>959

「非常に、よい」

【大量の火炎蛾にエネルギーのほとんどを吸われ、爆発し、火に巻かれた男】
【もはや力は、ほとんど残されてはいないだろう】
【それでも、怒りと、執念で男は一歩、一歩近づき――】

「それが、見たかった。
 君の美を、見た。
 美しい。今の君の、全てを失い、それでも放つ一撃は――」

【ガルバの拳。最後の力を込めた、今の彼にとって最強の攻撃は……】
【強靭な身体能力を持つ魔獣そのものの基礎的な力で、するりとかわされる】
【立つのがやっとだった魔獣だが、立つのがやっとの”ニンゲン”の一撃をかわせない訳ではなかった】

「はかない。それを、"美"と呼ぶ」

【トン、と、かわしたガルバの首筋を炎の羽の手で撫で、ガルバを昏倒させようと試みる】
【ガルバと蛾男の勝敗を分けた、決定的な違いは何か。それは、人間か、魔獣かの違い】
【ただその差のみが、この勝敗を分けたようだ】
【絶望が、ガルバの瞳に浮かぶのを、蛾男は見ていた】
【≪焔装≫のニンゲンが、絶望に呑まれるとどうなるか――】

「ようこそ、美しき"魔獣"の世界へ」

【魔獣は、一匹の火炎蛾を、ぽわんと生み出す】
【その蛾はゆらゆらと舞い……ガルバの胸元へ送るのを見て、】
【蛾男は満足したのか、くるりと踵を返し、この場を去ろうとする】

【その火炎蛾が、どうなったか】
【もしガルバが死を受け入れれば、その蛾はガルバの肉体を焼き、魔獣ガルバを産みだす誕生の炎となるだろう】
【だが、もしギリギリで人間への生への執着、力があれば――】
【ガルバはその炎に耐え、ヒトとして生き残る事は出来るだろう】
【ダンディモスは、相手の生死に興味はない。ただ絶望が見れれば、満足なのだ】
961 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 02:58:29.85 ID:/fIHG/Q90
>>960
「あ、あああああああああ!!!!!」

―――避けられた
全てをかけた拳が、避けられた
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!
半狂乱に陥ったガルバは首への攻撃を受け、簡単に気絶する
気絶する前になにもかも、どうでもよくなった――――生きることすらも
自分がニンゲンだから、ヨワカッタカラ負けた
蛾は、ガルバの身体を焼きつくし、殺した
―――が、少し時間がたつとその体の傷がどんどん再生していく
ある程度再生するとむくり、と起き上がる

「は、ハハハハハッ!あぁ、これが魔獣の力ってやつかぁ…」
「……どいつもこいつも、皆殺しだ」

パーカーのポケットに手を突っ込み歩き出す姿は以前となんらかわりない
だが、明らかにその雰囲気は―――魔獣の物となっていた


/ロールありがとうございました!

962 :ダンディモス【火炎蛾魔獣】 ◆H07LoveCPs [saga]:2014/10/04(土) 03:05:20.49 ID:2yWu73ih0
>>961

「美しい……世界は本当に、美しいねぇ……」

【今日は実に、美しい"絶望"を見た】
【そう思いつつ】
【蛾男はダメージを受けた顔面の痛みに耐えつつ】
【永夜の闇に消えて行った……】

【今日もまた、闇に堕ちる人間が一人……】
【世界はまた一歩、闇に少しずつ犯されていく――】

/ちょっと確定気味でヤってしまってでもうしわけないです
/ロールありがとうございました!
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2014/10/04(土) 18:21:01.13 ID:hMneE1Wno
            /./    /  /           \      l   V  V  !
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        /   |     | !  / く;;;ハ       7 く;;;;;ハ ∨ ,′ i   .!     ヽ、
        /      | i  《  r'. し j.}         r' し j}  iト r- |   |
   /  / i      小  i\ 弋__.ノ   ,     弋__,ノ .ノ} .′ Y    .|\
  / /   Λ     ‘,                       /  小    !  \     よさこい!
/ /   /  ',     (////)    ______     (////) ノ !   |    \
/     /    ',     | ヘ     V     V7     .イ   .l    ハ     \
.    /  ./   ',    |  ヽ.          /    ∠ i    l   /  ‘,
  /   /     ',    i   个 .   ゝ.__ __ノ         i    l /     ‘,
/  /     / ',    |     i. --〕>=-     イム-<  !   l /      ‘,
   ,;'     /   ハ   i| ,. "   |             |     `ヽ、 /         ‘,
 ,,;     ,;'     ,.-   |       .!           !       /‐-、      ‘,
      ,,;'    /Λ \N      l ‐‐-、  ,-‐‐l      / //Λ        ‘,
             {//Λ         ヽ      /          ////Λ      ‘,

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 ''                              ''''                       ''''
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2014/10/04(土) 18:35:00.02 ID:hMneE1Wno
                     /                 `ヽ
                 〃/ . : : : : : / : : : : : : : : : : :ヽ: : :.
                / / / イ.:/|/| :| : : : : ト、:! :|.:| : :i==i:    \ヽ l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l //
                   ′..::┼‐- L_!イ : : .:/」.斗┼|‐ :}==|:i    二                        二
               | i .:.:.:|/ x=ミ、 乂 .:/ jx=ミ、j.:;イ: : :|:|    ─  高校生になっても        ─
               | | .:.:.:|〃)::::ハ   }/   )::::ハヾ |.: .:.|:|    二  一人で楽しく遊ぶんだぁ…! 二
               | .: ..: 代,Vー_ク     弋ー_ク 刈.: .:.|:!    ─                         ─
               | .: ..:ト{ .:.:.:.:.    '    .:.:.:..   i|: : : l    // l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l ヽ\
                    } : : :| 'ゝ      ___       从: : :{
               人: : :{`ヘ     (´  `)     /イ: : : :{
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                   乂:{    ` }       { ′  jノ
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     人 \|三三三|三|ニニ三三ニ[二二二]ニ三三ニニ|三|三ニニl|/ 人

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965 :ラッシュ・シグナス ◆7DEUV63NK2 [sage]:2014/10/04(土) 19:42:20.25 ID:1mPXC3Nxo

【悲鳴。悲鳴。悲鳴。憎悪に満ちた悲鳴。憤怒に満ちた悲鳴。悲痛に満ちた悲鳴。】
【この世の全てを憎んでいるかのような、酷く恐ろしい悲鳴が当たり一面に轟いていた。】
【黒板をナイフでガリガリと削る音に、盛りの付いた猫が夜通し叫ぶあの声をぶち撒けた様なそれが】

『あっぎぃぃぃぃkぃぃぃぃぃいいいい!?!?!?!?おおオオ大Ooおおオオおおoオオオオォォォオおおおお!!!!』

【―――ただ只管に、響く。】
【路地の中心、崩れた瓦礫の中で、"獣"は許しを請う様にただ、叫んだ。】
【ただ、そんな祈りの声を無視するように、叫びの上からこれまた獰猛な"機械音"が塗り重ねられる。】

おォ?いいなァ、たまらねぇ歌声だ。おたく、歌の才能あるんじゃねェか?
生きて帰れたらよ、アレだ、喉自慢大会にでも出てみたらどうだい?
きっといい成績が残せるぜ、そりゃもうアメイジングだ。拍手喝采、満員御礼、全世界がおたくの歌に涙するぜ。

―――ただ、ちっとパワーが足らねェな。どれ、もっと大きな声でクチ開けて歌ってみろ、ホラ、ホラホラッ!!

【ブォォン。ブォォォォォォン。無慈悲なエンジン音が響くと、クラッチから動力が繋がりエネルギーが伝達。】
【強烈なトルクを持つFR(フロントエンジン・リアドライブ)の後輪が急速稼動、猛スピードで空転を開始する。】
【そして、そのタイヤの下に引かれた"哀れな犠牲者"―――恐らくは低級な魔獣の一体だろうか―――の、顔面が抉れる。】

【鈍い銀光を放つ迫力のホイールが消えかけた街灯に照らされて、下敷きになった怪物の形相を映し出す。】
【何度も何度も空転するタイヤの下でいたぶられ、嬲られ、弄ばれ、女性―――の様な形をした怪物は原型を留めていなかった。】

ハハハハハハハッ!!あぁ^〜たまらねぇぜ、これならマライア・キャリーもセリーヌ・ディオンも顔面蒼白間違いナシだ!
歌え、歌えよクソッタレ!もっと目立て目立て!ホラホラどうした声量足りてねェぞ!ッハハハハハハハハハッ!!

【―――街の外れ、戦場であった筈のとある一角での出来事。】
【一台の大型アメリカンスポーツカー、それもかなり旧型の―――"コルベット・C3"が】
【囚われたであろう一匹の魔獣を相手に、凄惨な拷問を行っていた。車の持ち主はラッシュ・シグナス。】

【月装を操る人間側の勢力に属する戦士の一人であり―――同時に、人格破綻者でもある、そんな男。】
【車のリアからは鎖が幾本も伸び、その先にはこれまた低級魔獣のモノと思わしき"生首"ガ幾つも幾つも繋がれて】
【恐らくは自慢の『キチガイ車』に繋がれたうえ、散々に"市中引き回し"の刑に処されていたであろう事を凄惨に物語っていた。】
966 :パヨカ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/04(土) 21:13:31.58 ID:/euy+UQbo
「ともだちに、なってくれる?」

 透きとおるような灰色の少女は、泣きそうな顔でそっと手を伸ばした。
 青白いを通り越して、紫色になった顔色の男がそっと少女の手を取る。
 少女の表情がほころんだ。枯れる寸前の花のように涙を浮かべて笑う。
 苦痛に呻くようにしながらも、それを耐え耐え顔色の悪い男も笑った。

「ありがとう。お兄さん……」

 そして次の瞬間、男は口から真黒い血を吐き出して倒れ込み絶命した。
 少女の花が枯れて、くしゃりと顔を歪めて、雫がぽつり瓦礫に落ちた。

「なんで、みんないなくなっちゃうの……わたしをひとりにしないで……!」

 呻くような小さな叫び。少女の悲痛が伝わったように灰の翼が震えた。
967 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [sage]:2014/10/04(土) 21:22:45.26 ID:9vqdDj9Yo

小学校を改装した医療拠点には、多くの人が集まっている。
傷ついた者とそれを癒す者。その双方の知人も、いつの間にか作業を手伝うようになった。

中庭や屋上に一人佇む人々は、ここで友人や家族を失った者であることが多い。
見舞いに通い続けていたから、ついその後も足を向けてしまう。墓所に行く途中に立ち寄る習慣ができた。
――理由は人それぞれながら、残された人々は似通った表情で突っ立っている。呆けたように、悟ったように。


「存外に少ないものだ。既に希望が無いのか、俺に信用が無いのか――」

今夜も、屋上に立つ男はその他大勢と同じ類。虚ろで空ろな、残され人。
大切な人といっしょに心まで落としていった亡者の一人だ。

「そろそろ、一人くらいは見つかってもいいと思うんだがな。皆、そんなに緩やかな死が好きなのだろうか」

ただ、その男は目的を持ってそこにいた。『魔獣を殺しに行く仲間が欲しい』とのたまう男は、たびたび此処に戻って仲間を待つ。
最近では協力者が見つかったのもあって、計画の首謀者の話は《都市》の中に広まりつつあった。

タキシードに白ネクタイ。特徴的な格好は、そのままトレードマークになっている。ろくに名前も名乗らないが、タキシードのあいつ、と言えばおおよそ通じてしまう。
名前さえ不明瞭なことが、逆に話の神秘性を高める。明確な袋小路、理性的な絶望を紛らわすには、むしろ与太話の方がいい。話は徐々に広がっていく。

「夜のもっとも深い時、病院の屋上にタキシードの男がいる。』
――そいつが人類の希望だ、なんて尾ひれが付いた形で語られるあたり、人々は希望を求めているのだろう。

「死にたいなら早く[ピーーー]ばよかろうに。食料の底が見えた今……生きることはそれだけで他人の命を奪う行為だ」

けれどこの男に救世主役は似合わないし、当人もそんな偶像になるつもりは無いようだった。
968 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sagesaga]:2014/10/04(土) 21:41:03.96 ID:t24ruTYE0
ここは人々が肩を寄せ合う都市より少しだけ離れた、やや遠くから人工の明るさが届く場所。
何か大型の建物が崩れた跡だろうか。彼方此方で人よりも大きな瓦礫が地に沈み、土埃に塗れたその表面を晒している。
そんな中で、ひとつの瓦礫の側面から、

「––––––嗚呼、やっぱり私こっちの方が好きだわ。ふふ、貴方も楽しいでしょう?」

『………ッ、––––––』

ぐちり、と嫌な音が周囲に伝わる。音の主は抗う事も出来ずにびくりと痛みに打ち震えるのみ。
声なき悲鳴をあげながら辛うじて生きているらしいそれは、恐らくは弱小な魔獣だろう。対してそれを虐げて、中を漁るように鋭い刃物で鮮肉を切り裂くのは暗黒を従えた女。
瓦礫の側面に暗黒によって縫い付けられた魔獣は、悲痛に泣き叫ぼうと口を大きく広げるが、喉元をすぱりと斬られたらしく音を発する事は叶わない。

「貴方の素敵な場所は何処でしょうね……ちゃんと見つけてあげるから、安心してちょうだい?」

今宵も女は、人間でありながら魔獣のように、歪んだ欲の発散を始めた。
969 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/04(土) 21:45:18.98 ID:0ABFCdBPo
>>967

『夜のもっとも深い時、病院の屋上にタキシードの男がいて、そいつは魔獣を一緒に殺す仲間を求めているらしい』という話は、この男の耳にも届いていた。
誰とも会話せず、黙って配給のパンをかじり、暇さえあればシャドーボクシングをする孤独な男。遅い時間に姿を見たと思えば、血塗れだったこともある。
どうやらエルド・リーと云う名前らしい、黒のレザージャケットを着た尖った雰囲気の男。彼は丁度今、屋上の錆びた扉を開けた。

「……よォ。アンタが噂のタキシードの男ってやつ……――――別名『人類の希望』……だったか?」
「さっきのアンタのセリフを聞く限り、その別名は似合わないように感じるぜ」

「……エルド・リー。魔獣をぶっ潰しに行くって話がマジか確認しに来た男だ」

目に飛び込んでくる不自然な光景、こんな世で白いタキシード。エルドは小さく微笑みながら言葉を投げかけた。
佇まい、眼光、身体つき。それだけでもこのエルドという男が闘う者であるということは分かるが、それよりもジャケットに染み込んだ魔獣の血の匂いが先だろうか。
エルド・リー。都市で暮らす人々の中でははぐれ者として一部に知られていたりする。少し前には魔獣を倒したらしく、深夜に血塗れになって戻ってきたらしい。
病院の常連でもあり、そして完治前に抜け出すことでもやや知られているとかいないとか。兎に角この様子、どうやらタキシードの男が求める協力者のようだった。
970 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/10/04(土) 21:47:47.14 ID:JhjZcAJJo
「さて、奴の行動パターンから察するに…
 奴は意図的に人を多く殺傷できるポイントを取る。
 なので、今回のネズミ捕りは随分と深い場所に設定する…」
ここは居住地と廃ビル群の境目にあるオフィス街。
危険地域として、深めの防衛ラインとして設定されている為当然廃墟同然である。
カジュアルな装いの女は地図を参照し、歩いてポイント地点に到達。

「まぁ、現場を見て手の内は見えましたし…
 アレをどうにかするのが私の仕事なんでしょう、きっと。
 どうにもならなければ…ゲームオーバーって事で」
電気の落ちたファーストフード店。
前のダイナーと似たような場所だが、周囲は背の高い建物が多い。
梯子を使って屋根によじ登り、キャンプを始めた。
971 :ラッシュ・シグナス ◆7DEUV63NK2 [sage]:2014/10/04(土) 21:57:25.48 ID:1mPXC3Nxo
>>966

『友達?オウ、いいぜ。
 なら俺がなってやるよ、ヘイ!そこのクソガキ、オジサンと良いこと一杯しようぜ。
 友達同士はあんな事やこんな事をするのが定番らしいぜ、因みに『穴』は上と下、どっちが好きだ?

 ん?オジサン?オジさんの好みはなァ――――――――――――――穴ぼこだらけの、蜂の巣だ。』


少女が"お兄さん"と呼ぶその男性が絶命した、瞬間。
ドロドロとした旧式V8エンジンの重苦しい排気音<エキゾースト・ノート>が近付いてくるだろう。
そしてその直後、唸りを上げたタイヤが白い煙を噴出しながらスピン、道路を抉り取って急停止―――。

その少女と、男の死体の目の前に、一台のスポーツカーが停止した。
スカイブルーの車体はピカピカに磨かれていたが、タイヤには今しがたひき殺してきた低級魔獣の
死骸の一部がこびり付いており、そして更に言えば車体後部から伸びた鎖の先には今現在も、死にかけた弱小魔獣が繋がれていて。

―――敵対者。魔獣を狩る、人間の陣営。その一人が、今彼女の目の前に現れていた。

972 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [saga sage]:2014/10/04(土) 22:08:31.93 ID:9vqdDj9Yo
>>969

「俺自身もそう思う。人が誰かの星になれるのは、せいぜい一人に対してまでだ。
希望を人に託した集団は、既に希望を失った足手まといでしかない」

言いたいことを言えるのは有難い。これで、この男も会話には気を使っているつもりでいる。
明らかに人を遠ざけるような発言は控えようとしているのだ。
だから、たびたび自身に却下される本心の一部をそのまま言葉に出来るのは楽でいい――男には珍しく、自然と笑みを返す。

「エルド・リー。名前は聞いたことがある。精力的に魔獣を殺して回っている、と」

振り返って、相手を見る。
名のある魔獣を倒したという報告は、人類を喜ばせる。本人が望まずとも、そういった話は自然と伝わってきたりする。
名前は知っていた。その姿についても少しは耳にしている。噂通りの死臭だ。そして――噂以上の重圧だ。なるほど、仲良しこよしの自警団とは違う。

「確かに、俺が『噂のタキシード』だ。一応、誤解が無いように言っておくが、俺は《都市》を救うとか守るとか、そういう気はない。
ただ、小さいねぐらを守って満足してる連中と心中する気はない、というだけだ。その上で、俺と魔獣を潰しに出てくれるか?」

くたびれたタキシードは、けれど丁寧に直されてほのかに芳香の臭いまでしている。目の前の男とは真逆の出で立ち。
だというのに、その言葉には飾りが無い。たびたび外れる直感に頼って、練習していた建前とは違う理由にしている。
973 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/10/04(土) 22:11:51.17 ID:F3hsUkNqO
少女は、避難所にいた。
周囲は静寂と暗闇に包まれ、微かな蝋燭の灯に照らされた避難民の顔は、皆疲弊しきっていた。
ありふれた、避難所の光景。都市の、変わらぬ日常。

………だが、少女はこの光景に違和感を抱いていた。
その正体は、窓の外に浮かぶ月。
月は、「夜」によって隠されている筈だ。だが、そこにそれは光輝いている。

おかしい。何かがおかしい。ここは都市では無いのか?なら、ここは何処なのだ?
不安にかられ、避難所の外へと駆け出す………が、つまづいて転んでしまった。
痛む頭を抑え、立ち上がろうとするその時、そばに落ちていた古新聞が目に入る。

一面の記事は、何処かの街が壊滅したというものだった。「夜」が来てからは珍しくもない、よくある事だった。
………だが、少女は酷く動揺していた。何故なら…………
「うっ………」

その街こそ、少女の故郷だったからだ。

「うわあああああああああああああああああああ!!」


ベットから飛び起きる。そこは、いつもと変わらない自室。
焦る気持ちを抑え、机に置いてあるコップに水を汲む。
落ち着け、夢なんだ。さっきのは全部夢なんだ。そう自分に言い聞かせる。

………窓の外は暗く、空は一面の闇に包まれていた。
974 :パヨカ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/04(土) 22:12:27.56 ID:/euy+UQbo
>>971
 涙に濡れた瞳を手の甲で拭って、近づいてくる爆発のような駆動音に少女は目を向けた。
 そして聞こえてくるスポーツカー越しの声に、花が開いたように赤い鼻で笑みを浮かべた。

「ともだちになってくれるの、おじさん」

 窓から見える金髪で大きな体をした怖そうな男に、少女は一歩だけ戸惑った。だけど踏み込む。
 男にとってはカッコイイ車でも、少女にとってはコワイ。そして繋がれた死ぬ寸前の魔獣。
 少女はすこしだけ悲しそうに灰色の睫毛を伏せ翼から羽を弱小魔獣へ放つ。安らかに魔獣は眠った。

「穴っていうのはわからないけれど……いいことって、蜂の巣だから、ハチミツを取りにいくの?
 わたし、甘いもの好きだよ。おじさんは甘いの好き?」

 人と会話できることに喜んだ少女に反応するように背の翼が広がり、雪のように灰が散る。
 車が取れるような広い路の地面に降り、そのヒビを広げていった。
975 :スカヤ ◆LDvlEW/eDs :2014/10/04(土) 22:22:40.58 ID:QT0hdpkS0
星も月も瞬かない、僅かばかりの灯りが差す真っ暗な闇───スカヤはまたもや瞑想にふけっていた。
前回の戦闘から疑問を残しつつある「戦う理由」。ニンゲンは「家族、友達のため」「恨みを晴らすため」「仇討ち」と皆様々な理由を持っていた。
しかし、魔獣はどうだ。理性の無いモノは「本能」で人を襲うだろうが、理性のあるモノは一体何を理由にして戦うだろうか。

「俺の戦う意義とは…何だ?」
「強い奴と戦いたいから…それは本当なのか?」

本能からの脱却。殺戮の結果ではなく戦闘する「過程」に欲を見出したスカヤには何が分かろうと言うのだ。
その戦う意味───生きる意味を考え始めたスカヤは魔獣として初めて─────「迷った」。
976 :ラッシュ・シグナス ◆7DEUV63NK2 [sage]:2014/10/04(土) 22:29:25.68 ID:1mPXC3Nxo
>>974

ドルン。ドルンドルンドルン。ドルルン。不等間隔の爆発音がエンジンから木霊する。
繋いでいた弱小魔獣の悲鳴と相まって、悲しい協奏曲を奏でていたソレは、寸刻後に鎮魂歌へと変った。
命を奪われた―――尤も、放っておいても何れ死ぬ命ではあったが―――かよわい獣が断末魔の悲鳴をあげた。

『ハチミツ……?ハハッ。ああ、そうだな。ハチミツ、ハチミツか……よくそういう"表現"するよなァ?
 やれ"甘い蜜"だの、"熱い液体"だの、"甘美な愛汁"だの……嬢ちゃんのソレはどんな味がするんだ。
 オジさんは甘いのが大好きだぜ。そりゃもう大好きだ。けどな、どっちかって言うと"苦くて" "熱くて" "苦しい"のが好きだね。』

広がった灰のような"ソレ"が、ハラハラと舞い降りては路面を小さくひび割れさせていく。
これがこの少女の―――魔獣の、"能力"だろうか。範囲攻撃。なるほど、骨が折れそうなのは間違いない。
しかしラッシュはニヤリと笑うと、広げた羽から広がる灰に重ねるように、手に握っていたしけたタバコから灰をストン、と落とした。

『灰を落とせるのがそんなに偉いのか?俺のタバコも灰くらい落ちるぜ、嬢ちゃん。
 そしてもう一つ、ハチミツよりももっと刺激的で強烈なモノをぶちこんでやるから―――覚悟しとけよ、ベイビー?』


『―――ミッドナイト・インジェクション。点火<ファイヤ>』

瞬間、ラッシュの指は素早く車の"鍵"へと動く。そう、それは鍵の形をした月装、『ミッドナイト・インジェクション』。
解放された力が車体全体にいきわたると同時、凄まじい奔流が駆け巡る―――瞬間。コルベットは驚異的な進化を遂げていた。
彼方此方に張り付いた装甲、銃器類、そして強烈な先程より更にエンジン音。急発進した車はバック、少女と相対する。

『―――上機嫌だ、良いぜ。……"ナイト・ウィール"、今夜はそこのお嬢さんをフライにしてやろうぜ。』

ボンネットの上が展開、装甲が跳ね上がると二対の50口径重機関銃が出現。鋭い射撃を開始した―――ッ!!
977 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/04(土) 22:30:20.43 ID:0ABFCdBPo
>>972

「……でもその足手まといの希望になるってのも気分が良い。そうは……思わないからお前はそう言ったんだろうな」
「俺はなりたいね。やってることは本能のままに暴れてるだけ。対象が町のごろつきじゃなくて魔獣になっただけで俺を賞賛してくれるんだから」
「……だから精力的に魔獣を殺してるってのは、魔獣とか夜が憎いわけじゃねぇ。力を振り回す行為、闘いそのものを欲した結果が其れだ」

目の前のタキシードと彼の思想は違うようだった。人類の希望――――まるで映画の主役のような肩書は寧ろ彼は欲していた。
闘いそのものを欲したと彼は言うが、語らぬ2番目の理由には名声があった。力を振るうしかできない自分を認めて欲しいという、そんな欲求。
エルドは振り返ったタキシードの男を漆黒の尖った双眸で凝視する。微かに鼻腔を擽る芳香に不思議な印象を感じながら、相手の話に傾聴した。

「……邪魔さえしねぇなら何でもいい――――が。そんな大層な肩書が付いてるってことはそれ相応の強さがあるってことだ……違うか?」
「あと、もう一つ。俺の耳まで届いた話だ、《都市》にも結構拡散されたんだろう。……じゃ、俺以外の協力者もいるんだよな?」

邪魔さえしなければ。と戦闘狂らしい答えを返して承諾したエルドだが、続けて2つの質問をぶつける。右の指を1本ずつ立て計2本。
要するに戦力を把握したい、ということだった。一つは彼の、もう一つは彼以外の協力者の。
978 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 22:37:57.63 ID:/fIHG/Q90
>>973
「ヒャハ、ヒャハハハハハハッ!!」

都市の中で一体の魔獣が狂ったように人を殺している
魔獣の名はガルバ、つい先日まで焔装使いとして魔獣と戦っていた男だ
だが、魔獣に敗れて絶望し、魔獣へと落ちた

「ハハハ、……アーァつまんねーの」

人間の頭を握りつぶし、楽しそうに笑っていた表情は退屈そうな顔に変わる
適当な人間で魔獣の力を試してみたかったが、張り合いが無さすぎる
これでは遊びにもなりはしない―――死体を一瞥してため息をつくと都市を歩き始める
どこかに焔装使い―――最低でも月装使いでもいないものか
そんなことを考えていると、魔獣としてのすぐれた五感が叫び声を捉える
そうだ、こいつを餌にして誰かを呼び寄せよう―――思い付いてからの行動は早く、すぐに声のもとへと走り出す
そして建物の前に到着すると、飛び上がり―――少女のいる部屋の壁を破壊し、部屋のなかに入った

「こんばんはぁ、お嬢さん」
「ちょっと俺のために生け贄になってくれよ」

能力を発動し、体にのラインが黒く光る
独特の雰囲気から一目でその男が魔獣であるとわかるだろう
979 :パヨカ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/04(土) 22:47:19.14 ID:/euy+UQbo
>>976
 男の言葉はよくわからない。少女は下品が解るほどに精神が成長していなかった。
 だが、その言葉に乗った感情は受け取れる。その冗談は少女が嫌い、少女を嫌う戯言だ。

「ウソなんだ。やっぱり、わたしはひとりなんだ。おじさんは――敵なんだ」

 顰められた眉。長い睫毛が伏せられ、ダークブルー混じりのグレーの瞳に敵意が現れる。
 背中から羽が広げられた。建造物が朽ち拡がった道を上回ったそれは灰と羽根を撒き散らす。
 道路が、瓦礫が、折れた標識が、あらゆるすべてが《感染》し、砂へ帰りはじめる。
 それは感染し感染し感染し感染し感染し、その空間すべてを砂へ帰すまで止まらない侵蝕だ。

「いたいのとか、こわいのとか、そんなのいらない。おじさんも、いらない!」

 凶悪に変形する車に目を見開いた。しかし少女は四対の翼で羽撃くと、遥か上空へ飛びだした。
 直後、少女のいた空間を貫く鉛玉の雨あられを眼下に、少女はナイト・ウィールのボンネットの機関銃へ向けて羽を撃つ。
 それは一枚の翼から散弾のように射出される。広範囲ではあるが、集束していないため一発のダメージは低いだろう。
980 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/10/04(土) 22:49:42.99 ID:F3hsUkNqO
>>978
爆音、衝撃。とっさに窓から外へ逃げ出す。
そして、瓦礫の中から現れる人物。
その人物は異様な気を放ち、体には奇妙な線が光っている。魔獣である事は明白だった。

「…………………」
立ち上がった大道は何も言わない。女である事を見抜かれたのが気に障ったのだろうか?

………ガルバへと向け、静かに剣を構える。
溢れ出る殺気、血塗られた服。
大道は確信する。こいつは強敵だ。
981 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [saga sage]:2014/10/04(土) 22:52:40.48 ID:9vqdDj9Yo
>>977

「そうか。分からないでもない」

今回も、久良岐の直感は間違える。エルドの価値観は、想像していたものとはずれていた。
彼にとって、人類ははあの子とその他大勢に大別される。加えて言えば、魔獣もその他大勢に入っているかもしれない。

『自分があの子の声を求める』ように『その他大勢の歓声を求めている』のだろう――。
エルドの在り方は、彼なりの色眼鏡を介して受け入れられる。頭に過ぎるのは、あの子を守ろうと、あの子の家の短刀を手に取ったときのこと。


「俺は焔装だからな。単純な威力で言えば、月装よりは上だろう。
だが強いかと言われれば素直には頷きづらい。単独で戦うには心許ない能力だ。どちらかと言えば、サポートの方が向いている」

邪魔さえしなければいい、というエルドに対して、サポートの方が向いているという返答。
気を付けているつもりで、細かいところに気がいかない。

「あの女も、後衛向きだと言っていた。口下手な俺の代わりに、話を広めてくれている奴だ。名前は聞いていない。
雰囲気から言って、あの落ち着き様は月装だと思うが……俺の勘はあてにならない。あと、そいつが話を渡してくれた男がいる。
あとは、強力な使い手がまとめて死んだら自警団も困るだろうから手を貸せって体で自警団から何人か引き込もうとも思ってる。
俺を自警団に誘った奴は、そういう大義名分に弱そうだったから、期待していいだろう」

名前も能力の説明も無し。大雑把に過ぎる計画。
逆に言えば、お前についても深入りはしないという姿勢。自警団を批判していたように、それとは逆を行くドライな関係の集団のようだった。

「ああ、それと……俺の強さを確かめたいというなら、相手になってもいいが」
982 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/04(土) 22:53:42.35 ID:GBt3Rl73o
「――――――……これ位、でしょうか」

【崩れかけた廃墟が数多く存在する、都市の郊外部。月が消えてからこの地を照らすのは、緊急用電源で点灯する倒れかけの街灯1つだけ】
【しかし、今この場には光源たるものがもう一つ有った。倒れ伏す十数体の下級魔獣の中心に立つ女が持った、大型の電灯だった】

【立っていたのは、脚部に大きくスリットが入っており頭部のウィンプルから前髪がはみ出していることを除けば、極々普通な修道女だ】
【電灯以外には手に武器らしきものは持っていないにもかかわらず、地面には身体を真っ二つに両断された狗型の魔獣が散らばっている】
【普段の女を知る者なら想像も着かないような、そんな鋭い目付きで辺りを見渡せば、ふぅと溜息を1つついた】
【それは単に魔獣を斃し、疲労が溜まった為に出たものでは無かった】

「"魔獣が人間に戻る"……ですか」

【自警団から回ってきた情報だ。初めてそれを聞いた時、何時も微笑みを絶やさない女も流石に笑みが止まったのだが、それはともかく】
【ちらと、目の前で倒れている狗魔獣の顔を見た。白目を剥き、舌をダラリと出して死んでいる。彼らは、《夜》から生み出された魔獣なのだろう】
【……元ヒトの魔獣を殺すことに、抵抗がない訳ではない。寧ろ、救いたいのが修道女としての本能だ。……しかし、それでも―――」

「……帰りましょう」

【一旦此処では考えるのを止め、歩き出す女】
【余談だが先ほどまで戦闘中の狗魔獣の鳴き声が何度も響いていた。つまりは「何方」が来ても、可怪しくない状況で】
983 :ラッシュ・シグナス ◆7DEUV63NK2 [sage]:2014/10/04(土) 23:00:03.01 ID:1mPXC3Nxo
>>979

『俺が―――敵?"敵"だって?嬢ちゃん、そんなんじゃ甘いなァ、甘いぞゥ。

  俺はな。敵じゃねえ。お前さんにとっちゃ友達でも恋人でもセフレでもなく―――"天敵"だ。』


周囲の全てが灰に"感染"し、朽ち果てていく。道路の罅が広がるにつれて、威力の程はラッシュにも伝わってくる。

『ッハハハハハハハハ!!いらねェな。いらねェモノが多すぎるのは確かだ。けどよ、そういうことならそもそも
 俺はおろか、お前も、焔装も、月装も、そして夜も昼もこの世界事体にも存在する"価値"なんて、ありゃしないぜ。

 あるのはただ……生きるか死ぬか、その瀬戸際に訪れる一瞬の輝き、それだけさ。
 そして俺は、その輝きを得る為に奔る。走る。クソガキ、お前はその―――生贄だ。ありがてェ話だろ?』

羽が飛来した瞬間、まるで瞬間移動の様に車は急転回、後輪を振ってフロント部分を横へと流す。
数発がボンネットへと直撃し、羽の効果で塗装が削り落ち、銃身が熔けるが、そんな事はお構いナシと
銃座は上空に逃げた彼女を狙いロック・オン、引き続き弾丸をばら撒き続ける。更には、そこに新たな攻撃が加わった。
ルーフの上に装備された6連発グレネード・ガンから放たれるのは榴弾、それも着弾時に爆発し破片を散らし攻撃する類のモノだ―――!
984 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/10/04(土) 23:04:49.15 ID:JhjZcAJJo
>>982
「ダメだ、“奴”が来ない。
 ピンポイントに作戦を練ったのが仇となったかな。
 …これはポイントを変えるしかありませんね」
有子の撤収は速やかに行われた。梯子を降りて、歩く事数十分。
住居地の末端へと場所を移す事となる。

「パッシブな配置では穴だらけ。
 しかし、アクティブな戦闘配置は個々の機動力が必要。
 生憎、私は超人的体力と脚力は持ち合わせておりませんので…
 結局、守るよりも攻める側が有利な盤…か」
カジュアルな装いの女は独り言を洩らしながら、自警団本部の方角へと向かっている。
不機嫌そうな表情を浮かべており、キャンプの結果はよくなさそうだ。
985 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 23:07:27.76 ID:/fIHG/Q90
>>980
「…ん?なんだ、お前月装使いだったのか」

少女に剣を向けられ、月装使いであることに気づく
丁度良かった、わざわざ手足をもいでやる必要がなくなったのだから

「―――さっきの生け贄って言葉取り消すよ」
「お前は―――実験台だ!」

剣型の月装ということは少女の戦い方は近接戦闘が主なのだろう
自分も近接戦闘が得意だ―――運がいい。
試しがいが、ある
能力により、そこらの魔獣を遥かに越えた身体能力を使い高速で近づこうとする
もしこのまま近づけたなら、その凄まじいまでの腕力―――に、破壊の概念が付加されさらに威力の上がった拳で少女に殴りかかるだろう
986 :ジャスミン ◆/0pZFy5fJk [sage]:2014/10/04(土) 23:09:09.38 ID:t24ruTYE0
//>>968はまだ募集中です
987 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/10/04(土) 23:13:45.86 ID:F3hsUkNqO
>>985
大道は依然、何も言わない。
そのまま、一太刀を浴びせようとガルバへと近づく…………
………と思いきや、向かったのは180℃反対。
後方へと駆け出し、そのまま建物の影へ入っていく。

恐らく自分では勝てない。ガルバの気を感じた時、こう予測した。
ならば、自分もろとも退場させてやろうか。
大道は走り続ける。目指すは大通り。大きな穴の空いた一角。
988 :エルド・リー ◆NGq/R3Vx.6 [sage saga]:2014/10/04(土) 23:15:30.69 ID:0ABFCdBPo
>>981

「……てっきり否定するかと思ったんだが」

涼しげな目元が少しだけ見開いた。エルドは多くからの声を望む。それは昔憧れた映画の中の男がそうだったからに過ぎない。
映画の中の男は悪党相手に力を振るい圧倒する。その力に憧れ、そしてその男が賞賛される姿に憧れた。
故にエルドは質より量を選ぶ。1人よりも大勢からの賞賛が欲しい。その思想はもしかすればタキシードの男とは対極なのかも知れない。

「……邪魔じゃねぇならオーケーだ、邪魔にならなければな。……俺も焔装、しかも周りのことなんか気にも置かずに目の前の敵をぶん殴るだけだ」
「――――……使えば使うほど死に近づくっていう点ではお前も俺も同じか。……俺のは今肘と膝まで来てやがる。この前は手首だったんだが」

エルドがニィ、と歯を見せて笑い、両手を組んで拳を鳴らした。その両手の甲には赤く輝く竜の刺繍があるのだが、そこからは不気味な圧力が発せられている。
恐らくこれが焔装に深く関係がある、ということは察しが良ければわかるだろう。その龍の刺繍は尾を手の甲に置いて、頭は肘にあった。
しかし彼の、「来てやがる」という言い方はまるで竜が勝手に伸びているような、そんなモノだった。話の流れを辿れば、竜が伸びる意味も見えてくるかも知れない。

「……ある程度いると思っていいってことか、分かった。そんでもう一つの質問は……確かめてみろってか」
「――――いいのか、こんなことで寿命縮めて。正直俺は無駄に使いたくねぇ、魔獣や夜用に取っておきたいからな」
「……が、俺の強さは能力なんざ使わなくてもある程度伝わる。……じゃあお前はどうだ?」
989 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/10/04(土) 23:16:47.24 ID:F3hsUkNqO
>>987
//180℃→180゜です、すいません
990 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/04(土) 23:18:25.89 ID:GBt3Rl73o
>>984
【自らの住居兼《焔》も《月》も持たない人々の寄り合い所となっている、比較的被害の少ないビルへ足を進めていれば】
【前に見えてくるのは人影。一瞬魔獣である事を疑うがその気配は無く、恐らくは《焔》か《月》を持つ人間だと推測し】
【少し歩む早さを速めれば、何やら考え事中の彼女の後ろへと簡単に辿り着いた】

「……あの、あまり考え事をしていては、危ないのでは……?」

【少し控えめな声で彼女に呼びかける。彼女が視線を向ければ、微笑むシスターの姿がそこに有るだろう】
【声を掛けた理由としては2つ。1つ目は、女が口に出した通りあまり考え事ばかりをしていては危ないから】
【地面の石ころに蹴躓く位の「危ない」ならばまだ良いのだが、本当に危険なのは魔獣。もし彼女が"持たざる者"だったなら、絶体絶命なのだから】

【そして2つ目は、件の「魔獣が人間に戻る」という現象のこと】
【この道が自警団の本部に繋がっているということはよく知っていたので、彼女が自警団の一員ではないか、ということも推測していた女】
【なにせ情報は自警団が発信元だ。まだ伝えられていない情報が有れば、自警団員に聞いてみようと思っていたところでも有った】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/10/04(土) 23:19:50.90 ID:1kiYJwEEo
// http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1412432337/
992 :パヨカ ◆uUSGl74XoM [saga]:2014/10/04(土) 23:20:56.04 ID:/euy+UQbo
>>983
「わたしは甘いのが好きだもん! いっぱい甘いのがいいんだもん!
 むずかしいこと言わないでっ。わたしはもう死んだから、死ぬのはおじさんの番だよ!」

 100km/hまでおよそ二秒。その加速力を生かしナイト・ウィールはほとんどの羽弾を避けて見せた。
 だが《当たった》。ひび割れた道路を走った時点で既に感染しているが、進行速度が早まった。
 『ナイト・ウィール』はすでに《保菌者》だ。外装から侵蝕して内部を侵し、やがてラッシュをも毒し始めるだろう。

 しかしそれよりも速く少女を殲滅せんと機関銃を撃ちつづけ、おまけに弧を描く榴弾まで放って見せた。
 少女は距離を使って羽撃いて弾丸を避けながら、一枚の翼で自分自身を覆った。そしてもう一枚の翼で散弾と灰を放つ。
 羽散弾と灰は榴弾と接触し爆発。破片はその瞬間から朽ち始め、少女を覆う翼に触れて完全に風化した。
 だが防御に使ったことで弾丸を避け切る速度が落ちた。機関銃に捉えられる。
 空中の灰と羽根で威力を落として受けたが、それでも衝撃は強い。翼が傷つき、痛みが走る。
 よろめくようにして少女は放物線を描いて高度を下げていく。――羽が生え変わる。だが落下を止めるには遅い。

「うぐ……っ。いたい、いたい、いたいっ、おじさんなんて嫌いだ! バカァ――!」

 自分自身を二枚の翼で包みハヤブサのように加速して軌道を変え急降下、残りの二翼で車を殴り飛ばそうとする。
993 :月城 有子 ◆GEMINI/XFg [sage]:2014/10/04(土) 23:26:55.45 ID:JhjZcAJJo
>>990
後ろから突如声を掛けられる。
優しげな声からして、大体の人柄が予測できる。

「ええ、考え事していられるほど余裕があるんです」
足を止め、にこにこと微笑みながらシスターの方へと向く。

「そういえば、シスターさんも…相当なスコアホルダーなんですよね。
 リストで見ましたよ、凄腕とか敏腕とか…そんな感じで」
この女は自警団の一員で間違いない。
しかし横髪の末端に黒いリボンを付けており、表情も柔らかく前とは別人のようだ。
994 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 23:29:38.95 ID:/fIHG/Q90
>>987
「うっわここで逃げる?」
「それでも月装使いかよー」

殴りかかろうとすると少女は反転し、逃げ出した
どうやら自分が人間の時に共闘した月装使いと違って戦いもしない奴のようだ
ため息をついて走っていく少女の背中を睨む―――なるほど、流石は月装使いだ
並みの人間よりは速いらしい―――だが、只でさえ身体能力にかなりの差がある魔獣と人
その中でもずば抜けた力を持つこの俺から―――本当に逃げられるとでも思っているのだろうか?

「…まぁ、本当に逃げたのか、なんか作戦があるのかは知らねぇけどもし作戦があるなら―――それごと潰すのも面白い」

正直ここからの遠距離攻撃でも倒せるが、それだと面白味がない
そう考えて、圧倒的な身体能力ですぐに少女に追いつき、後ろから先程と同様に殴りかかる
もしも当たれば、人間など一撃で粉々だろう
995 :ラッシュ・シグナス ◆7DEUV63NK2 [sage]:2014/10/04(土) 23:36:18.76 ID:1mPXC3Nxo
>>992

『お前がもう一度死んでるだとォ?――――くっ、ハハハハハハハッ!!
 腐れたコト抜かしてんじゃねえぞこのしょんべん臭ェクソガキが!!
 死んでるならなんで甘い物なんて喰おうとしてんだ、あァ?
 死人が喰うのはケツから捻り出てくるモンと相場が決まってるんだぜ、そもそも何度死んでようが関係ねェ。
 何度でも何度でも、テメェのその足りねえ脳みそが二度と動かなくなるまで地獄に叩き込んでやるよ、ベイビー!!』

そして―――おじさんは[ピーーー]ないんだ、おじさんが先にお前を殺しちゃうからな、と。
そう呟いて、ラッシュはステアリングを振り回し、アクセルを勢いよく踏み込むッ!タイヤが空転し、車体が動き出す。
バックギアに入れた常態から、素早く後退。降下してくる少女の急降下速度を、なんと―――上回る速度で、旋回を開始。

『オー、オー、速いねェ。けど残念だなァ、オジさんの玩具は速さが取り柄でね。
 隼の加速には"イチネルギー"ってのが必要なんだ、知ってるか?シラネェだろうなァ。
 まあ、知ってた所でどうってことはねぇ、お互い加速には少し時間がかかるってコトだよ。』


つまり―――トップスピードへの加速は、両者の間に絶望的な差があるわけではない。
既に感染し、ボンネット部分から錆びるように腐食が始った車体を他所に、ラッシュは怯む事無く、ギアを"前進"に入れ
そして翼の殴打へとなんと―――自ら、飛び込んでいく。そして、直後に車体を大きく傾けて回転。ホイールからむき出しの銃身が
クルクルと回転する事で―――真横へと、ガトリングガンと化して弾丸をばら撒いた。当然、殴打は直撃するだろう。だが、それでいい。

『―――所詮は月装。相手はガキでも魔獣。リスクなしでブチ殺そうなんて、かんがえちゃいねェよ。』

先程の銃機関銃を上回るスピードで放たれる、強烈な弾幕の嵐―――それが前後の両輪、計二挺から一斉に、放たれたッ!!
そして同時に―――羽の殴打も車体へと直撃。ボンネット部分の機銃は粉々に吹き飛び、車体全体がかなり、ひしゃげていく―――……
996 :ラッシュ・シグナス ◆7DEUV63NK2 [sage]:2014/10/04(土) 23:38:01.97 ID:1mPXC3Nxo
>>995
/すいません、イチネルギーじゃなくて、イチエネルギー、です!><
997 :大道 竜造 ◆bNDzlpByP6 [sage saga]:2014/10/04(土) 23:38:56.49 ID:F3hsUkNqO
>>994
野次が聞こえる。なんとでも言え。どうぞ余裕をかましてくれ。
再び曲がり角へと近づく。
振り向くと、凄まじいスピードで迫る影。
流石は魔獣である、自分とは段違いだ。

ガルバへと向かい、武器を構える。さっき剣であったそれは、この時は銃であった。
銃身から閃光が放たれると、着弾も確認せず曲がり角を迂回する。
モードは狙撃。魔獣によっては一撃で殺れる程の威力である。
998 :久良岐 ◆7brYoWVdSQ [saga sage]:2014/10/04(土) 23:39:16.40 ID:9vqdDj9Yo
>>988


「人として死ぬだけだ。芯にある意志は残ることもある。
 人間を辞めることになっても、それはそれでいいと思うこともある。――だから、戦闘時は離れていた方がいいだろうな」

天蓋を覆い尽くした《夜》は巨大な龍だという話がある。だから、今では龍は不吉のイメージだ。長く伸びるタイプの東洋龍は、特に。
人によっては、赤い龍をおぞましいと言うかもしれない。久良岐はただ、限界が分かるのは便利だなと感じるだけだ。

「俺の方も限界が近い。最近は、霧が消せなくなった」

ぞわり、と。闇の中で何かが動く。違う、闇そのものが蠢いている。
街明かりが減って、街が一層暗くなる時間。周囲が暗いのは当たり前だが、急激に闇が深まる。闇が近づいてくる。
周囲に漂っていた黒色の靄が集まり、久良岐の背景を一色に染める。《夜》を思わせる黒い霧が、男の焔装の力。

「だから、最近は力を抑えて戦おうとしている。そういった意味では、魔獣以外の練習相手は歓迎だが
焔装使い同士となると、間違いで死なないとも限らん。手加減を忘れることもあるし、手加減できないくらい強い方が有難い」

「ああ、それと。戦う前に着替えていいか?」
999 :ガルバ ◆Ufh.IBXlJE [sage saga]:2014/10/04(土) 23:41:29.58 ID:/fIHG/Q90
>>997
/すいません
/殴りかかった、のところ忘れてませんか?
1000 :アンナ ◆ANNA.TyFKQ [sagesaga]:2014/10/04(土) 23:43:07.09 ID:GBt3Rl73o
>>993
【開口一番にそんなことを言われて、女は少し面食らってしまう。突然言葉を放たれたのもそうだが、真に驚くのは内容の方だ】
【いや、驚くと言うより羨望の方が強いだろうか。この世界において、余裕があると言うのは相当肝の座った人物だろうから】
【少し羨ましいと思うのは、その寄り合い所となっているビルを仕切っており、余裕の無いこの女だからこその感情だろうか】

「スコアホルダー、ですか……。
 本当はそういう言い方は、あまりして欲しく無いのです。……沢山魔獣を殺しているのは、事実ですが……」

【そう言いながら、少し俯いた女。微笑みの中で、苦虫を噛み潰したような何とも言えぬ表情が交じるのに彼女は気付いただろうか】
【もともと自分が何故戦うかといえば、「咎」―――自らの《焔装》の元となっているそれを消し去り、自分自身を救うため】
【だから、そんな呼び方は女としてあまり納得できたものではなかったりする】

「アンナ=ラウレベッカです。
 あなたは、自警団員の方ですか? 少しお聞きしたいことが有りまして。
 その―――例の「魔獣が人間に戻る現象」を詳しくお聞きしたいなと、思っているのですが……」

【そして自らの名を明かして軽く頭を下げれば、先ほどから思っていた、自警団員に聞いてみたかったことを口にする】
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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Fate/EXTRA Eternal Blade Works @ 2014/10/04(土) 23:23:31.91 ID:/2zHFgcvO
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Fate/EXTRA シ孔ternal Blade Worksシ @ 2014/10/04(土) 23:20:06.84 ID:OVrzloywO
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【ここだけ】永夜世界part2【なりきり】 @ 2014/10/04(土) 23:19:07.38 ID:1kiYJwEEo
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両儀式「何だオマエ?」剣崎「俺は仮面ライダーだッ!!」 @ 2014/10/04(土) 22:56:53.73 ID:r23CWFPOO
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スーパー無敵アルティメット無双ギャラクシー無謬ハイパー完全無欠ウルトラ完璧オレ様のありがたくてありがたいご尊スレ空中浮遊 @ 2014/10/04(土) 22:48:39.55 ID:hkcwtM67o
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艦これSS雑談スレ☆13 @ 2014/10/04(土) 22:43:57.43 ID:rJJKmBU7o
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同僚に告白したい @ 2014/10/04(土) 22:43:21.08 ID:0D9xsySI0
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