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【異世界】ここだけ世界の境界線★12【新規様歓迎】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :おんも [saga]:2015/10/06(火) 23:09:31.06 ID:wc+gNWhu0
【新世界へようこそ!】
ここは様々な世界が融合して出来た世界。ここの住人は親しみを込めてこの世界を『新世界』と呼んでいます。
この世界にはオーバーテクノロジーから魔術まで何でも存在します。超能力や宇宙艦隊もあれば大魔王の領地も、
獣人の集落や神の軍勢すら勢揃いの『なんでもあり』の世界。それが新世界なのです。
あなたはこの世界の新たな住人となり、先駆者や新入り、そして異世界の住人達と関わってゆくことになります。

【ゲートについて】
この世界には『ゲート』と呼ばれている様々な世界同士を繋げる空間があります。
時にそれは魔界へ、時にそれは天界へ、時にそれはダンジョンへ、繋がっている先は様々です。
稀にそこから『厄災』なるものが流れ着き、それがこちら側の世界を荒らす事もしばしば……
その度に貴方達『能力者』はその能力を最大限に行使して『厄災』を元の場所へと送り返したり倒したり……
この世界の様々な事がこの『ゲート』を切っ掛けにして起こります。

【来訪者について】
この『新世界』はその性質上、別世界からの『来訪者』がやってくることもあります。
彼らの来る世界は様々な世界。時には人間や獣人。時には悪魔や妖怪。そして時には異星人すら『来訪者』として現れることすらあるのです。
『来訪者』はこの世界に来る過程で新たな『能力』を得る事も、そして自分が持っていた能力を引き続き使うことも出来ます。
しかしあまりにも強大な『能力』は『ゲート』の力によりその効力を失ってしまうこととなるでしょう。
次の『来訪者』はあなたかもしれません……

◇ここは自分だけの『能力』を手に入れ、様々な能力者と戦闘、交流するスレです。
◇オリキャラは勿論、様々ななりきりスレのキャラも参加する事が可能なスレです。
◇まずはしたらばで能力登録。ここに設定を纏めておくことでロールをスムーズに行えます。
◇戦闘、交流、基本は何でもありですが、相手が不快になるロール、確定ロールは避けましょう。
◇チート能力や人外級の身体能力など、相手に勝利の余地を与えない設定は避けましょう。最強設定は御法度です。
◇荒らしはスルー。絶対に関わらないようしましょう。

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☆次スレッドを立てるまで>>980からは減速推奨(重複を回避するため)

★避難所★
http://jbbs.shitaraba.net/internet/20393/

★wiki★
http://www60.atwiki.jp/kyoukaisen/

※前スレ
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 :島崎冬歌【魔弾王】 [sage]:2015/10/06(火) 23:11:02.18 ID:2eVlnKwFo
>>1乙ですー
3 :ミスカ・リ・エリッタ【白華魔道】 [sage]:2015/10/07(水) 22:21:29.24 ID:3DLmPJkio
>>1
乙でございます
4 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/07(水) 22:26:55.50 ID:MuI6+r760
>>1000
「んん、案外、バレるの早いな。」

とんとん、と自身の頭に触れてフードがあることを確認。
しっかり、被っているのにも関わらずあっさりと見破られたため少し拍子抜けした様子。

「まぁ、こういう状況だから仕方がねぇとはいえ、どうにも血の気の多いな。
大体、銃を構えながら質問とか、その時点でフェアじゃねぇだろ。

……ま、正直なところ、目的はアンタと一緒だろうよ。
ちょいと前線のほうまで情報を収集しに来たがこのザマだ。」

わざわざ前線に出てきてまで、この状況をカメラに収めたかったとでも言うのだろうか。
一応、彼の言葉をそのまま鵜呑みにすれば、彼も同じく洞窟に逃げてきたのだろう。
5 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/07(水) 22:27:12.59 ID:MuI6+r760
っと、>>1乙です。
6 :おんも [sage]:2015/10/07(水) 22:31:43.56 ID:iykl4yNoO
>>1キャーステキナスレタテ乙デスー
7 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/07(水) 22:35:35.80 ID:3DLmPJkio
――2033年、アメリカ合衆国 マサチューセッツ州ボストン

「…うぁあ゛、クソ…今日で14連勤…ちったぁ休ませろっての…」

「……つーか今何時なんだ…?午前なのか午後なのか…」

8 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/07(水) 22:38:38.12 ID:fEh/UhxZ0
>>1超絶乙
9 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/07(水) 22:38:58.80 ID:ZlvNP4A5o
>>4
「これでも人間を見極める目はあるつもりでな
越境もこれが初めてではない」

魔族なのだ、人間が敵か味方かというのはキチンと判断できねば生きていけないのは道理だろう

「私は魔族でな。人間に対してはそれなりに警戒を強めてしまうのだ、すまない

なるほど、私はとりあえず魔族側に加勢してみたら越境者バレしてこのザマだ
…しかし戦地を撮ろうとしたのか」

銃を下げて、無礼を謝罪する
ルイスがこの世界の情勢にある程度通じているなら冬歌は魔族という言葉からある程度の事情はわかるだろう
同族に力を貸そうとしたら手痛いしっぺ返しを食らったところだという事情が
同時に、彼女がこの世界の情勢に明るくないことも

「私の名は島崎冬歌…と言っても偽名だがな
とある世界の魔王だった」

敵ではない、本当の同族であるとわかったからか自己紹介
ルイスは多少信頼を寄せてもいいと判断したのだろう
10 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/07(水) 22:44:36.37 ID:3DLmPJkio
――2033年、アメリカ合衆国 マサチューセッツ州ボストン

「…うぁあ゛、クソ…今日で14連勤…ちったぁ休ませろっての…」
「……つーか一体今何時なんだ…?午前なのか午後なのか…」

深夜のボストン。白いドレスシャツを袖を捲って着崩し、ジーンズのポケットに手を突っ込んで歩く一人の男。
ジョシュア・アーリントンは先々週から14日間、一歩も外に出ることなくカノッサ機関系組織の地下区域に閉じこもっていた。

任務はメキシコの麻薬カルテル、セタスを中心として行われる大規模な会談。
メキシコ中の密売組織が結託してアメリカ国内に何かを運び込もうとしているという情報が突如として舞い込んできたのだ。

なんとか山場を越え、デスマーチは終了。ジョシュアは晴れて当直の諜報員兼予備出動隊員の任を解かれた。
密売組織がおそらく動き出すのは数日後。それまで身体を休めておけと休暇命令が出たのだ。

「…ん、…おいおい…充電あと4%しかねーじゃねーかよ…一体どうなってんだ…!」

折角の休暇を満喫しようにも仮住まいに辿り着く前に過労で倒れてそのまま息絶えてしまいそうだ。
なんてくだらない愚痴を脳内で半数しながら、端末の画面を眺めたままフラフラと歩くジョシュア。

すなわち前方に対してまったくの無警戒なのである。
したがって誰かに肩をぶつけてしまうその寸前まで、目の前に目を向けることもない。
11 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/07(水) 22:48:03.46 ID:3DLmPJkio
>>10
//おふぅ、『会談の盗聴』です…
12 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/07(水) 22:50:29.64 ID:MuI6+r760
>>9
「ほぉー、魔族か。これはまた珍しいな。
にしても、その様子だと……アンタと同じ状況の魔族ってのはいなかったのか?」

どうやら、冬歌の状況を察した様子。
自分は同じ状況の人間に接することでこの世界について把握した。
同じようなことを冬歌はしなかったのだろうか、と。

「ま、ここは越境者≠チてだけで手痛い歓迎を受ける。
どうやら、それはそっち側≠燗ッじらしいな。

……むしろ、よく逃げ切ったモンだ。
ここのヤツらの越境者への態度は宗教的にすら感じるぐらい以上だからな。」

あくまでも彼は人間側で行動するもの。
魔族側のことは知らなかったようだが、同じ状況であると察した。

「ははは、これはまたすごいヤツと知り合ったモンだな。
俺はルイス=アルスラ……職業は越境ジャーナリストだ。」

改めて、魔王というフレーズの現実離れした語感に思わず小さく笑う。
こちらも自己紹介を行う。……聞きなれない職業が出てきた。
13 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage saga]:2015/10/07(水) 22:55:21.10 ID:yAqp4Tnr0
>>10
深夜のボストン、人通りのまったくない裏方の路地。
ひどく疲れた様子で歩き続ける男のすぐ前方には、一目見ただけで異質とわかる物体があった。
しかし男は、それに気付かぬ様子で前方の警戒なしに歩き続ける。
ビル壁の間に形成された巨大なクモの巣と、電柱にぶら下がる繭のような物体に。

"……"

この蜘蛛の巣を作成したのは誰で、何の目的かという疑問もよそに、男は蜘蛛の巣に向けて直進していく。
いつまでも男が前方の警戒を解かなければ、その粘着性の蜘蛛糸が男に絡みつくのは時間の問題である。
ぶら下がった繭のような蜘蛛糸の塊は、ジッと動かずして黙っている。まるで眠っているかのように、あるいは獲物を待つかのように。
14 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/07(水) 23:05:04.93 ID:ZlvNP4A5o
>>12
「ああ、私は終始単独行動だったな
お前がここで見た初めての越境者だ」

夜の領域で活動していた範囲内では越境者を見なかったと思い返す
思えば襲われていたのも自分一人だったということも思い出したようだった

「そうか…なかなかに難しい世界へときたものだ

いや、最前線で勢力がちょうどぶつかっていたから指揮系統は乱れていてな
そこをついたらまあなんとかできた」

冬歌は人間も魔族も関係なしに一心不乱に自分へと敵意を向けられたことからおおよそ察してはいたようだ
だが、その事実を先人に突きつけられて改めて険しい表情となった
意志を統一しきれていないという偶然で逃げきれたということはよくわかっているようで自分の腕がよかったなどとは一言も言わない
魔王といえどあの逃走劇は苦しすぎたらしい

「越境ジャーナリスト?報道関係であろうことは分かるがそちらも聞きなれん職だな
…さて、これからどうする?このままここにいてもやがては見つかるぞ」

聞きなれない職名に首をかしげる。世界はまだまだわからないことだらけだな、と素直に思っていた
状況確認は済んだところで今後のことを口に出す
そう、ここは決して見つかりにくくはない洞窟。いつ敵が現れてもおかしくはないのだ
15 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/07(水) 23:08:11.93 ID:3DLmPJkio
>>13
「…うおっ…!?…ッぷ…!」
「ペッ、ペッ!!なんだこりゃ…!?一体どこの馬鹿が仕掛けやがった…!?」

路地に張られた巨大な蜘蛛の巣。
極めて自然な身のこなしでそれに突っ込み、顔面いっぱいに蜘蛛の巣を浴びるジョシュア。まさに芸術点10点満点だ。
口の中に入り込んだソレを吐き出し、地面にツバを吐き捨てると、今度は身体にまとわりついたそれを剥がそうとする。
が、糸には粘性があり上手くシャツから離れない。シャツを置き去りにするわけにもいかず、首を捻って悩む。

「あぁクソ…ネバネバして…妙に生々しいな…ッ!?」

当惑するジョシュア。しかしこれでも彼は軍人の端くれだ。
縄抜けが出来ないとなれば落ち着いて次の策を練るまで。真っ先に思いついたのは刃物による切断。
しかし糸の性質を見る限りそれもあまり効果は無さそうだ。
残り少ないカロリーを消費し、シャツのダメージ覚悟で泣く泣く焼き切ることにしたようだ。

初めは弱々しく、しかし徐々に力強くジョシュアの腕に光が満ちてゆく。
そこから発せられる閃光と放射熱は仮に蜘蛛が眠っていたとしても起こす程には強烈なものだ。

オマケにジョシュア自身も無駄にうるさいというオプションまで付属だ。眠気覚ましにはうってつけだろう。
16 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/07(水) 23:16:03.67 ID:MuI6+r760
>>14
「ははは、だが、運が良いという言葉で片付けるには上手く行き過ぎてる。
……やはり、魔王と名乗るだけの実力はある、ってことなんだろうな。」

これだけの多対一という状況において、逃げ切れたのは運の良さだけではないのだろう、と。
まして、魔族であるならば人間が人間を追うときよりもずっと厄介であろう。
それにも関わらず、無事なのは、それだけの才と技を備えているのだろうと彼は確信した。

「まぁ、俺が越境のタイミングを操作できる≠チてだけさ。
だから、色んな世界を渡って、色んなものを見たり聞いたりしてきた。」

要は普通のジャーナリストなのだが、越境しながらその先々で取材を行うと言う点で
越境ジャーナリストなのだろう。

「そうだな。……アンタに抵抗が無いなら俺たちの隠れ家に来るか?
ここから、出て少し行けば、そこに繋がっている転移魔法の陣を敷いてある。

一応、偽装はしてあるから壊されている心配はねぇと思うんだが。」

彼は見たところ、お世辞にも強そうには見えない。
それゆえに不測の事態などに備えて、準備をしてあるのだろう。
その一つが、自身の隠れ家へと繋がる簡易ゲートである。
17 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage saga]:2015/10/07(水) 23:21:24.45 ID:yAqp4Tnr0
>>15
"……"
"…………!"

強い光と熱の感覚。そして繭の外から聞こえてくる音によって、"それ"は目覚めた。
突如、蜘蛛の巣のすぐ近くにある繭から節足の足が、糸を切り分けて飛び出てくる。
二本目、三本目。黒い光沢を発する生々しく巨大な脚部がちょうど8本、繭を切り開く。
次の瞬間、中より現れ出たのは……巨大な蜘蛛そのもの、その前体部分に人間の身体がくっついた、異形の生物であった。

「……ああ、人間か。」

"彼"は人間部分の顔にある八つの眼でもって、自らを眠りから起こした原因を確認する。

「悪いが、火は辞めてくれ……燃え移れば大惨事だ」

当然のように人の言葉を、しかも諭すような内容を喋る異形。
所々に何かが軋むような音が混じり、何かを震わせて発声しているらしい事がうかがえる。

「……待て。何も持っていないのに、何故熱の気配がする?」

彼は、人間が道具を用いて火を起こすという事は知っていたらしい。
だからこそ、何も持たないのに腕から発せられる熱量に対し、一定の危機感と共に質問した。
18 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/07(水) 23:30:16.50 ID:ZlvNP4A5o
>>16
「まあ、多少は力にも自信はあるがな
特にこのウェールとエアルは私が作った私だけの相棒でな、今回もよく役立ってくれた」

冬歌は魔王だからと過信はしない
だからわざわざ技術を身に着けて違う力を身に着け、魔王に相応しい力を得ようと日々努力しているのだ
その努力の結晶の一つである腰の銃、これらのグリップを愛おしそうに撫でていた

「ほう、なかなか面白そうではないか
今度いろいろと聞かせてくれないか?」

どうやら越境ジャーナリストという職に興味があるらしく、非常に珍しいことに目を開いて聞いていた
銃が気に入ったからといって自分で作ってしまうほど他の技術が好きなのだ、そんないろいろと知っていそうな越境ジャーナリストに興味を持つのも当然といえよう

「ああ、そうさせてもらおう
この世界の魔族の王となるのは諦め、第三勢力として正しい道へと世界を導くのも悪くはない

万が一敵がいても私はルイスを守りつつ撃退できるしな」

どうやらこの世界の魔族を支配する道は捨てて同族との共存を選んだらしい
別の目標を見つけたようだが……
19 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/07(水) 23:39:54.98 ID:3DLmPJkio
>>17
「――ッ!?」
「…何だ…?何モンだお前…人間…じゃあ無さそうだな」

蜘蛛が繭を這い出たその動きにジョシュアは敏感に反応する。
すぐさまジーンズのベルトに挟んでいた拳銃を引き抜き、蜘蛛へと向ける…が、
蜘蛛がすぐさま襲ってくるような様子を見せず、またコミュニケーションが可能なことを受け、すぐさま銃の引き金を引くようなことはしなかった。

まだ完全に無害と決まったわけではないが、まだ襲われていないのを見るに刺激しない限りは友好的な筈だ。
なによりジョシュアの長年の勘がそう告げていた。

「へっ…俺の体はカロリーをエネルギーに変換できンだよ…」
「30万キロカロリー、つまり人間三人分までストックできる…ガソリンに換算すると40リッター以上だ」

右手を軽く挙げ、ぴろぴろ、と指を小刻みに震わせ、躍らせておどけてみせるジョシュア。
彼の体は極めて特殊であり、かき集めたカロリーをさまざまなエネルギーへと割り当てることが可能なようだった。
戦場での主食は勿論、ヒトだ。

「おっと、言っとくが…俺を喰ってもそんなに栄養は残ってねーぜ?」
「今残ってんのはせいぜいガソリン500ミリ分…それ以上能力を使えば俺の身体そのものを消化するコトになる」

「で…お前は一体ここでナニしてる?見た感じ…この世界の人間じゃねェな。路地裏に巣でも張って…餌が掛かるのを待ってたってか?」
「いいか、ここはアメリカだ。お前の故郷では良くても、ここで人や動物を捕まえるのは……違法なんだ」

薀蓄も程ほどに、すかさずジョシュアは追及に移った。
いくら路地裏といえこんな市街地のド真ん中に巣を構えてよくもまぁOSAT(海兵隊)の連中に捕まらなかったものだ、と。
まさかここで人間を喰ったりしてないよな?と語気を強めて問い詰める。蜘蛛の巣はまだ体中に絡みついたままだ。
20 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/07(水) 23:40:35.22 ID:MuI6+r760
>>18
「ま、それはちゃんと無事に帰ってからの話だろうな。
ともあれ、人間に対してアレルギー反応が無いなら、こっちもラクだ。」

というとルイスは手帳を取り出して、その内の一枚を千切り始める。
そして、手帳から外れる寸前で千切るのを止めると、今度はそれを折りたたみ始めた。

ただ、折りたたんでいるのではなくとある形に……それはいわゆる紙飛行機だ。

「偉そうには言えねぇが守ってもらう立場だろうな、俺は。
けど、俺だって何も出来ないわけじゃねぇからな。

コイツはここから切り離すと爆弾化して、少し経つと爆発する。
これで、外にいる奴らの気を逸らしているうちに走り抜けるぞ。」

自慢では無いが、彼は弱いためいざという時はガッツリ守ってもらうようだ。
だが、何もしないわけではなく、外に蔓延る敵の意識を逸らすくらいなら、やってみせる、と。
21 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/07(水) 23:58:14.41 ID:ZlvNP4A50
>>20
「もちろん勇者だとか天使だとかとの共闘はごめん被るが私もそこまでの堅物じゃないさ」

手帳の紙が姿を変え行く様をまだ開いている目で見ている
どうやら、こんなものも大好きらしい

「多少の力があるというだけで頼もしい、だが少し案を強化しよう」

というと魔力で武骨な狙撃銃を形成して目を閉じて構える
銃口は、外に向いていた

「狙撃で敵兵…できれば隊長格を一人射抜き、動揺したところにカミヒコーキでさらに気を逸らす。そして走り抜ける
統制が取れない軍勢ほど脆いものはないからな」

敵の隊長格を探しつつ提案
冬歌は魔王、つまり軍勢を率いる者
つまりその弱点も大いに心得ているということらしい
22 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage saga]:2015/10/08(木) 00:01:08.39 ID:nAYnTXD80
>>19
突如相手が拳銃を向けてきた事に対し、彼は内心で嘆息する。これだから人間は……といった態度だ。
彼もまた、外骨格に覆われた右手を徐に突き出す。掌の中心には、小さく穴の空いたいぼが存在していた。

彼は右手を突き出したまま、その姿形を変容させる。蜘蛛の部分は消失し、8本の足は合わさって、二つの太い外骨格の足となる。
やがて彼は人間の形を成して、そこに存在していた。市街地において彼が捕まらずに生活できたのは、ひとえにこの変態能力の賜物。

「……それはこちらの台詞だ。こんな深夜に他人の住処に上がりこんでおいて、強盗のつもりか」
「なあ、そのオモチャを仕舞えよ……話はそれからだ。お前を解放してやるかどうかも」

彼はゆっくりと近寄り、ジョシュアが引っかかっている場所のすぐ横。同じように引っかかったまま息絶えた蝶の死骸を、そのまま口に放り込んだ。

「あいにくだが人は食わん。報復されるし、何より知性がある」
「……なあ、落ち着けよ。そんなに喰われたいのか?」

人間が彼に対して奇妙だと思うのは、その敵でも味方でもない姿勢であろう。
それは彼が、人間にとって馴染みのない、地球上における"もうひとつの生物的頂点"という存在であるからだ。
どちらも生物を捕食する存在だが、だからと言ってお互いに潰し合うことはしない、シビアな力関係の結果だ。
23 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/08(木) 00:05:27.41 ID:RgA9ZDqx0
>>21
「……オーケィ。
どうやら、こういう状況で真価を発揮する力を持ってるみたいだな。

なら、俺がこれを飛ばしたと同時に撃ち抜いてちまえ。アンタの銃声が走る合図だ。」

目を閉じて、銃を構えると言う不思議な動作を見て、察する。
紙飛行機が飛んでから爆発するまでに少しのラグがあるため、こちらが
飛ばしてから打ち抜いたほうが効果的だと。

そして、彼女の銃声を合図に目的とするところに一気に走るらしい。

「……いいか?行くぞ?……せーの……!」

向こうは銃を構え、撃つのだから格好はつくがこちらは紙飛行機を飛ばすだけだ。
使うものにしても、どうにも格好のつかないものばかりである。
24 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/08(木) 00:15:34.23 ID:zMe5gAj30
>>23
「了解、近寄らせなければ私の敵はないからな」

冬歌の魔王力は極端に射撃寄りだ
それが今は幸いしていた

射撃、狙撃銃を捨てて二丁拳銃になりつつ突破
今後の計画をしっかりして、そしてしっかり隊長格を捉えた

「行くぞ!」

魔力銃という性質からかなり小さな銃声、銃口から黒い魔力弾が矢のように迸り隊長格を撃ち抜く
それを見届けずに即座に銃を捨てて二丁拳銃を構えて駆け出す
捨てられた魔力銃は魔力に還元されて消えていた
25 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/08(木) 00:21:36.49 ID:YsvHeNSho
>>22
「…”オモチャ”ね…確かに…その甲羅にこいつが効くかどうかはわかんねェが…」
「……勘違いするなよ?まだこのクソ糸を焼き切ってお前を蒸し焼きにする程度の力は残ってる」

「繰り返すようだがここはアメリカ、国民的ヒーローのスパイダーマンでも逮捕されかけて撃たれる国だ」
「許可も無しに家なんておっ建てて…ストリートギャングに燃やされても知らないぜ?」

ジョシュアのすぐ隣まで近づいてきた彼にジョシュアは銃を突きつけ、まるで品定めでもするかのような視線を送る。
顎の下へと銃を潜り込ませ、鋼鉄のフレームで撫でる。なるほど堅い。これでは弾は通らない。

それからくいと顎を持ち上げるように力を籠めると銃を彼から離し、弾倉を抜いて薬室に残った弾を排出すれば
たちまち握っていた銃は赤熱してドロドロに溶け、ジョシュアにまとわりついていた糸も黒く変色してボロリと崩れた。

「それとな、俺のコトを”人間”って呼ぶんじゃねェ」
「人間はもう20年も前に辞めてる…俺のことは…”ジョッシュ”って呼べ」

若干すすけたドレスシャツ。ジーンズのポケットに両手を突っ込み、いいか?と笑いかけるジョシュア。
笑みは浮かべているものの、目は笑っていない。連勤の疲れで多少気が立っているのだろうが。

「なぁ…俺たちいい”友達”になれるぜ?」

丸腰のまま両手を広げ、もう一度蜘蛛男へと笑いかけた。
ここは穏便に済ませよう、といった意思表示のようにも見えるが、真意は計り知れない。

彼を『生物的頂点生物』とするなら、ジョシュアは『非生物的頂点生物』。
生物であるにも関わらず、その身体を構成する細胞(セル)は純粋な生物由来ではない。
26 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/08(木) 00:28:16.90 ID:RgA9ZDqx0
>>24
「……よし、スタートだ。」

転移陣の場所を知るのは彼……よって冬歌を先導する。
冬歌にとって、足並みをそろえなければならないのは面倒かもしれないが、我慢である。

駆け出して数秒後、背後で派手な爆発音。
それは、紙飛行機によるものであるため、気にせずに走り抜けていく。

そして、目論みは成功したらしく後ろで何やらどよめきが聞こえるが
正面からは特に何も無い。隊長格を失った上に、爆発による混乱は完全に相手の統率を乱したのだろう。

「上手くいったみたいだが、誤魔化しも長くは続かねぇだろう。」

だが、あくまでも迅速にかつ正確に。……そして、2人はやがて森に入った。
すると、正面の切り株のところに魔法的な加工が施されたものを感じる。
ルイスからすれば、上手く偽装しているが、魔王である冬歌なら簡単に見抜けるだろう。

「……よし、これだ。この上に乗れば俺たちの拠点まで飛べる。
だが、一回分しかねぇから、同時に乗るぞ?」

もとより単独のつもりであったため、最小限の術しか施していないらしい。
そのため、陣には同時に乗る必要があるようだ。
27 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/08(木) 00:38:22.57 ID:zMe5gAj30
>>26
冬歌は幸いそれほど馬鹿げた身体能力を持っていない
だから、足並みを揃えるのには苦労はしなかったようだ

「ああ、急ごう」

背後の様子からして目論見通りに事は運べているようだ
だが、ここからだ

「あれか、効率的な使い捨てタイプか…わかった、じゃあいくぞ
1、2、せーの!」

どうやら一目で大まかな性質まで見抜いたらしい
だから、言われずとも同時に乗ることは承知していたようだ
掛け声、ルイスが脚をあげるのを確認しつつ冬歌も切り株に乗ろうとしていた
28 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] :2015/10/08(木) 00:43:10.02 ID:nAYnTXD80
>>25
「……いいだろう。それがお前の譲歩であるなら応じよう」
「……だからわざわざこんな辺鄙な場所を選んだというのに、分からんやつめ」

彼はジョシュアの武装解除と共に燃え落ちてゆく寝ぐらを見ながら、ぼやく様に言う。
自分から引っかかっておいてあくまで不遜な態度を崩さぬジョシュアに、彼もまたどこか腹を立てているらしかった。

「たかが見た目の違い如きでいがみ合うのは、賢者のする事ではない。そうだろう?」
「……お互いに人間では無い様だからな」

笑いかけるジョシュアに対し、こちらはどこか外方を向いた様に。
しかし争い合うのもまた、彼の本意ではない。ここはひとつ、和平を組もうではないか。

「私の人間としての名は、スピニング・ウェーバー。……人の身であれば、その名で私を呼べ」
「……ああ、争うのは馬鹿らしいものだ。たかだか外見の相違程度で……」

自らの自己紹介を済ませた後に、またも忌々しげに呟く。
蜘蛛としての、本来の姿の自分を受け入れるには、人間は少し狭量すぎる。
だからこそ、無為にこんな事を呟いたのだ。

「先は脅すような事を言ったがな。少なくとも人間は不味い。極限状態でなければ食わんよ」

29 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/08(木) 00:45:48.74 ID:RgA9ZDqx0
>>27
「そういうことだ。……よし、これで――――。」

ちゃんと同時に乗った……その瞬間、景色ががらりと変わる。
少し照明を落とした暗めの空間。見えるのはいくつかのテーブル席とカウンター。

お酒と食べ物の香りで満たされたこの場所は、どこかの酒場であろうか。

「成功、だな。……ったく、転移ってのはどうにも慣れねぇな。
ま、ここが俺たちの隠れ家である酒場だ。

状況が状況だけに賑やかではいられねぇが、休むことはできるぞ。」

冬歌は人間の世界に入ったことがあるのだろうか。
もしかしたら、冬歌にとって人間世界の酒場というのは異空間に等しい場所かもしれない。
しかし、先ほどの洞窟であったり、戦場であったりといった場所と比べれば、まだ落ち着ける場所かもしれない。
30 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/08(木) 00:58:03.03 ID:zMe5gAj30
>>29
視界が変わる
戦場の血生臭い臭いは消え、食物と酒の香りが感じられる…酒場とやらだろうか?

「ああ、私もだ……
酒場…食料とベッドと酒があるなら十分だ、雰囲気は慣れるさ」

冬歌は人間の世界に入ったことはある、ただしより発達した人間の世界だ
なので実際このような酒場と言った場所は未知であり、新鮮であった
落ち着けはするのだろうとは、感じているようで

「ここの主を探してくる、いろいろありがとう。ルイスがいなかったら多分死んでた」

と、言って酒場の主を探しにいく
しっかり感謝はしているようであった
魔王と言えど、実際はそこまで人間との差は少ないようであった

//眠いですしキリもいいのでこのあたりでーありがとうございました!
31 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/08(木) 01:03:14.69 ID:YsvHeNSho
>>28
「なるほど…よろしく、ウェーバー」
「ジョッシュが馴れ馴れしけりゃジョシュアでいい」

積極的にウェーバーへと近づくジョシュアに対し、彼は少々懐疑的で、どこかそっけなかった。
今まで彼と出会ってきた人間たちが彼にそうさせたのだろうが、少なくともジョシュアはそういう人間ではなかった
それがウェーバーにどういう印象を与えるか…人間にプラスのイメージを与えてやれるような性格では無かったが

「見た目なんざどうだっていい。人殺しの能力に見た目は関係ないからな」
「とにかくHEXA(ウチら)のシマで人間喰わねぇってんなら、別に何をしようがどうでもいいさ」

ウェーバーの問いかけに対しジョシュアはさも当然であるかのように答える。
その意見は完璧に長らく兵器として扱われ、兵器として取引された、兵器から見た視点だ。
HEXAの業務に支障をきたさないようなら別にエイリアンだろうが怪獣だろうが住み着いたって構わないのだ。

やがてジョシュアは壁にそっと紙を沿え、ガリガリとボールペンで何かを書き始める。
手を止めればそれをウェーバー目がけて半ば押し付けるように差し出した。

「こいつは俺の連絡先情報だ…何かありゃ公衆電話からでも、端末からでも…掛けてくりゃいい」
「家をぶっ壊して悪かったよ。また今度何か奢らせてくれ」

紙を丸め、コンクリートブロックの隙間に突き刺せばウェーバーに背を向け、またフラフラと歩きだす。
右手を挙げて別れの挨拶を送ればもう二度と振り返ることはなかった。路地を出て大通りに突き当り、ふぅと一息。
あのような状況にいきなり出くわすのは流石に緊張したらしい。腹もペコペコだ。もう火花の一つも出せないでいた。

携帯の充電残量はゼロ。結局家に帰るまで時間は分からず仕舞いだったようだ。

//そろそろ締めましょうかね、お疲れさまでしたー
32 :ルイス【越境の引き金】>>400 [sage saga]:2015/10/08(木) 01:10:45.24 ID:RgA9ZDqx0
>>30
「まぁ、暫くはゆっくり休んだほうがいいだろうな。
また、あとで色々と話してやるさ。」

とりあえず、このような状況で色々と話すのも酷だと思ったのだろう。
今日は休息を促して、後日にまた話す機会を設けようと考えているようだ。

「んや、例には及ばねぇよ。
俺だって、アンタがいなけりゃどうなっていたか分からん。」

実際のところ、彼も洞窟に追い詰められていたようなものであるからだ。
冬歌と出会わなければ、下手をすれば死んでいたのかもしれない。

そして、ルイスは酒場の主を探しに行く冬歌を見送ったとか。

//了解です。こちらこそ、ありがとうございました!
33 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage saga]:2015/10/08(木) 01:14:59.34 ID:nAYnTXD80
>>31
「……そうか、ジョシュア」

男の言った"見た目なんざどうだっていい"という言葉。ジョシュアからすれば率直に言ったまでの言葉であるのだろうが、その言葉は彼の、ジョシュアに対する認識を少なからずとも改めさせるに至るだろう。
そこからのジョシュアの妙に素直な応対からしても、自らを差別的な眼で見ていたわけではなく。ただ驚いていただけなのだと気付けば、彼はどこかバツが悪いような気分になった。

しかし自らも寝床を燃やされてしまったわけだし、お互いにどっこいどっこいという事で済ませよう。
彼は自分の中で、そう納得して。

やはり人間とは度し難い。そんな思いを抱きながら、彼は去って行くジョシュアの背中に声をかけた。

「……私に奢るつもりなら、新鮮な蝶をありったけくれよな」

彼は壁に描かれた連絡先を、右腕の外骨格の筋のひとつに大事そうに挟む。
そして彼は、ジョシュアの姿が見えなくなってから……その姿形をどんどんと変えて、いずれは完全な蜘蛛の形をとって、素早く郊外の森へと駆けて行った。

/遅くまでありがとうございます。お疲れ様でした!
34 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/08(木) 21:39:46.54 ID:DjoAwABho
【昼と夜の混ざらぬ世界――】

 太陽が真上に差し掛かる頃、原色の黄色という酷く目立つ色調の、
 大型強襲揚陸艇は鬱蒼と茂る森の真ん中へ降下を開始し始めていた。

【もちろん、通常ならばこのようなところは着陸に適しているワケがない。が…】

 しかして、揚陸艇の降下とリンクするようにして森の一部が真っ二つに割れて、
 地下に備えられた着地プラットフォームがその姿を顕わにしていく。

【ここは中世期テクノロジー基盤の剣と魔法の世界である。
 が、それにも関わらずこのような大掛かりな仕掛けを持ち出すことが出来るということが、
 各世界の裏で暗躍するというカノッサ機関≠フ力の一端を示しているといえよう】

「大変でしタネ」

 着地の様子をやや気が抜けた風に見やりながらα-12は言葉する。
 時間で言えば昼の12時くらいだろうか?
 今日という日が始まってようやく半分が過ぎた頃。が、しかし、すでにあまりにも多くがあり過ぎている。

【詳しくは、 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1439388858/848-912 参照な】
35 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/10/08(木) 21:54:43.62 ID:T7UAdtpP0
>>34
「……」

入浴後、すっかり綺麗な毛並みを取り戻した鼠の獣人は、苦手な乗物内からの解放が間も無い事を知って無表情に尾っぽを動かした
腕を組み壁を背にしているのはいつもの事だが、何より安心感を得るためでもある
こんな巨大な空飛ぶ船なんて思いも付かぬ世界の生まれのムガは、他所の世界の常識に未だ慣れていない

「……まぁ、一番大変だったのはあのちっこいのじゃない?」

3人だけの、民間人の生存者たる子供達を示して
口元の覆面を正してそれとなく周囲を見やる
まぁ子供は子供だ、色々あって疲れて寝ているのかななんて思いながら
36 :ロイ・ゴールドマン&鈴虫 >136と>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/08(木) 21:55:59.44 ID:1lcx6A6i0
>>34
ロイ「ん・・・あぁ ついたか」

椅子に座って熟睡していた男が怠そうに眼を開ける
疲れが抜けていない 体が不平不満を叫び続けている 精魂共に尽き果てている 立ち上がることができないでいる

―――鈴虫サイド
鈴虫「・・・・・」

揚陸艇に設えた鈴虫専用室という名の牢獄 先の戦闘で死ぬまで切り続けるつもりだった鈴虫は 予備の刀を取りに行ったところで酒に薬を盛られて眠らされた後 刀を取り上げられてここにぶち込まれた

そしてお目覚め 格子が目に入って また一服盛られたことに気付く
今はただ 子供の用にふくれっ面で座り込んでいる

不機嫌モードを脱して拗ねている状態まで安定したようだ もう牢屋から出しても大丈夫だろう
37 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/08(木) 22:08:24.96 ID:DjoAwABho
>>36

「アホばっかりです…」

 α-12は殊更、わざとらしく、なおかつ盛大に溜め息をついた。

【アホ1】

 牢屋にぶち込まれていたアホ。現状説明と共に酒と肴を宛がった。
 後でオイランも手配しておくとしてとりあえずは当面拗ねさせておくとしよう。

【アホ2】

 何か色々と悔しかったのだろうが、気位高すぎて自分が重傷だと気付いていなかったどっかの政治将校。
 発見したら、血液がダラダラ床に流れていて失血状態だったので速攻で担架に乗せて運ばれるハメに。
 格好がつかないにも程がある。ブザマである。

「そして、ここにアホ3<fス。ほら、タバコでも吸って元気漲るニコチン野郎になるのです」

 10本以上のタバコに一気に火をつけて、精魂尽き果てた男に口に突っ込もうとする!
 正に蚊取り線香の如きモクモクモクモク!モクとかけているわけではない。

【空気を読まない傍若無人的対応!!】

>>35

「………」

 ムガと一緒に風呂に入って表向きサッパリした三人の子供は黙ったままだ。
 忘我…というのでもないようだ。その眼には意志の光がある。頬はややこけている。
 限界を超えた疲労は顔に出ている。が、眠ってなどいなかった。

【これはいい傾向なのであろうか?】

「いっそ、素直に泣いてたり寝てたりしたほうがよかったカモですかね」

 揚陸艇は着地。鉄のプレートで補強された地下ひみつ基地に到着である。
38 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/10/08(木) 22:18:02.24 ID:T7UAdtpP0
>>36
「……座ったまま死んだのかと思った」

と、寝起きに実に失礼な一言
担当していた戦局の違いと、更にヤソの自己治癒の忍魔法もありムガはそれなりに元気そうである
最も眠れないのもまた事実なのであるが

>>37
「あー……」
「……怖い顔するなよ、その……」
「まぁ、なんだ……楽しくいこう」

やはりムガは、言葉として励ますのが苦手なのを自覚した
そもそも他者と余り深い関わりを持たずにいた鼠人
やや動揺しつつのこの態度すら相当に貴重なモノである

「……煩い。 お前もなんとか言ってやれよ、タコ」

39 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/08(木) 22:20:58.37 ID:1lcx6A6i0
>>37
―――鈴虫サイド
鈴虫「・・・・・・」

現状説明なんて聞く耳持たず 出された食事・・・食事? にも プイとそっぽを向いて手を付けようとしなかったが
グゥと腹の虫がなれば そそくさと肴に手を付けるのであった

//鈴虫サイド終了のお知らせ

―――ロイサイド
ロイ「ングッ・・・」
腕を振るうのも怠いので α‐12のたばこ攻撃をまともに食らう

ロイ「・・・・・」
しばし無言で10本のたばこを燻らせる なんか煙がすごいことになってるし 灰は散らかしたい放題になっているが 気にしてはいけない

アキレス「みんなオカエリ それで助かったのh・・・」

そして秘密基地で出迎えたのは自称アーティストの男
先の任務では 来たところで足手まといと判断され この基地に置いて行かれたのだ

実際あの戦いに居合わせたら発狂していたかもしれない

アキレスは揚陸艇に乗り込んでくるも そこにいたのは満身創痍の知り合いと 三人の子供だけだったのをみて顔色を曇らせるのであった

アキレス「・・・・あぁえと 何か手伝えることないかな?」
そんな空気を払拭したいのか 手伝いを申し出る
40 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/08(木) 22:30:46.82 ID:1lcx6A6i0
>>38
ロイ「・・・。」
その言葉には無言 ただ突っ込まれた10本のたばこから発せられる大量の煙をムガへと吹きかけた
41 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/08(木) 22:32:20.35 ID:DjoAwABho
>>38

「………」

 しばし、何も言わないままであったが、
 ふと、ムガの側にしゃがみこんで、彼に耳打ちをする。

「α-12は組織の末端デス。α-12の言葉と行動は全て組織の利に直結しマス」

 この全ボケトルーパーにしては珍しく考えながら言葉を選んでいる風である。
 何が問題なのであろうか、

「…カノッサ機関で保護≠ニなった場合は現在の彼等の感情を最大限に活かす方に向きます。
 強い目的意識≠ヘ優秀な駒になりえマスからネ。…それはアナタの言う楽しく≠ニは程遠いデス。
 それでもアナタはα-12になんとか言わせたい<fスか?」

 ガスマスクのレッドアイズの奥の瞳はムガからも見えないであろう。その表情もだ。


>>39

 モックモックモックモック…

 すっごい事になったロイにα-12はいたく満足げである。
 きっとガスマスクの奥はドヤ顔であろう。

「それでイイでス。アナタ、おつむがアレなのにシリアスばかりやっているのは向いてまセン。
 適度にリラックスです。健康デス。 …あまり世話を焼かせナイでくだサイ」

 スタスタと降りていくスタッフ達。ふとアキレスの姿も発見である。

【揚陸艇は早速大人数のメンテナンスに入る】
【→世界修正力の影響をモロに受けているのか尋常ではない劣化速度のため維持が大変なのだ。コストに見合っていない】

「おや?ラクガキ屋サン。手伝いっていってもアナタはもうかなり今日はガンバっていると思いますガ?」

 ギデオンズネットワークからカノッサ機関への連絡を担ったのは誰か?
 無線もなにもあったものではないこの世界でさらに、越境者にとって危険に満ちたこの世界で。
 つまりはそういうことであろう。きっと。

「手伝いその1、あそこのアホ3号のブザマなタバコ線香をアートにして保存することデス。
 その絵はカノッサがしっかり買取りマス」

 どこまで本気かアレなのかよく解らないいつものα-12である。
42 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/10/08(木) 22:40:07.41 ID:T7UAdtpP0
>>39-40
「んげっ!? ふ、巫山戯るな! 煙い! 臭いっ!!」

げほげほとむせこみ慌てて逃げる鼠人
その並外れた嗅覚にはやや、人間の煙草は堪えるのだろう
文字通り尻尾を巻いた結果となった

「……サソリとその連れ、あいつらと遊んでやってくれ」

アキレスに対しての呼び方は結構アレだ
まぁともあれ、助かった子供達に対してムガは無力だと実感している
少なくとも自分よりはずっと適役だろうとも

>>41
「……」

覆面に触れたまま、その言葉を聞いていた鼠人
やがてはぁと溜息をひとつ、手を広げて首を横に小さく振った

「……お互いあれだ、ままならないもんだな」
「まぁ、その忠告はお前個人の出した結論だろ?」
「一応、礼は言っとくよ」

がりがりと後頭部を掻いて、子供達の近くに歩いて行った
まぁだからと言って声掛けにも困り、ただその様子を見ているだけではあるのだが
43 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/08(木) 22:57:04.87 ID:1lcx6A6i0
>>41-42
ロイ「・・・・・・・フッ」
こちらを馬鹿にしてきたムガへ 最高の形でカウンターが入り ご満悦と言わんばかりに顔を綻ばせる

そしてαー12への言葉には返答を返さず 怠い腕を上げてサムズアップをして
そしてたばこを咥えたまま気怠そうに立ち上がり イムカが運ばれた医務室へと向かうのであった

アキレス「え? いや俺はただ・・・その いつもと変わらないことをしただけだs・・・」
そうは言うが 回り全てが敵である世界で 正確な地図もないこの世界で 越境者仲間を守りたいがために表舞台の裏側を死にもの狂いで駆け抜けたのだ

実際 衣服はボロボロでドロドロで いくつも傷がついている

―――ギィ!!
そんなアキレスのズボンの裾を引っ張るベティもまた 甲殻が凹み 傷だらけであった

アキレス「・・・あぁ 最高のを作ってやるよ」
なお その最高の絵画のおかげで アキレスはしばらくロイに追いかけまわされる羽目になるのであった

アキレス「・・・あぁえと」
そしてムガから言われた子供たちへの対処 とりあえずラジオを取り出し
いつものように例の番組へとチューニング

流れてくる音楽は 相変わらず陽気な者であった
44 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/08(木) 22:57:18.75 ID:DjoAwABho
>>42

「α-12も遺憾ながらポンコツダメタコシリーズの系譜という事デス。
 ニアとは切り離されているはずデスが」

 非常に不出来極まりない姉共≠フ顔を思い浮かべながら、
 α-12は殊更大きな溜め息をつくのである。全部オリジナルが悪いのだ。

(ポンコツのほうが何か大変そうですガ…大丈夫デスかね?)

 ふと今回の騒乱とは全く関係の無いことを考えながらも再びムガに意識を向ける。

「そばに居てあげてくだサイ。それでも大分違うはずデスから」

【実はムガは無自覚であったが、最悪の最悪を極める世界線は既に彼の些細な行動で回避されている】
 【→大人達が自分達の慙愧と無力感で手一杯だったときに彼だけが子供達に気を置けたのだ】
【→ゆえにこの基地から子供が早々に行方不明となり、混沌信仰者、異形の化物と成り果てる未来は既に無い】

45 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/10/08(木) 23:00:18.76 ID:aVcHa/HnO
気付けば草原に立っていた。
平野に吹く風が頬を打ち、揺れる草木が葉を鳴らす音がさざなみとなって鼓膜へ届く。
見渡す限り一面の緑。遠方には何かの遺跡だろうか、古めかしくも巨大な建造物が確認できた。

「ここは……?」

記憶がはっきりしない。
何故ここにいるのか、どこへ向かっていたのかも思い出せない。
記憶喪失というものだろうか? わからない、何もかもが。
途方に暮れる少女。ふと、感じた他者の気配に振り向いたその視線の先には……。
46 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/10/08(木) 23:09:34.24 ID:T7UAdtpP0
>>43
「もう煙草切らしてもやらないからな!」

涙眼でロイへの抗議
覆面の下でけほけほと咳き込むのが止まらない

「……あぁ、これいい」

と、そしてアキレスのラジオの流すBGM
ムガは歌が好きだ
つまりは音楽が好みであり、それは微かな微笑みとして反応を示す

>>44
「……向こうのタコ、ね」

存知の、なんとも緊張感の欠如した顔を想起し苦笑

「そばに……?」
「……あー、まぁ、それなら……」

と、文字通り子供達の近くに移動
ただ腕を組んで直立するだけと言うのもなんだし、尻尾を猫じゃらしめいて動かしてみたり一応ムガなりに構ってはみている模様
最もほとんどが空回りになりそうではあるが
47 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage]:2015/10/08(木) 23:19:56.32 ID:YsvHeNSho
>>45

「………」

じゃらり、草原に似つかわしくない無骨な音が響く。

振り向けば首と手脚にそれぞれ枷をつけられ、そこから30cmずつほど鎖を生やした男の姿。見た目は若く、無精髭を生やしている。
血まみれのシャツ。身体中はあちこち"何か"に蝕まれ、肌には黒い斑点が痣のようにいくつも浮かび上がっていた。

おそらく何処かに監禁され、ひどく痛めつけられたのだろう。そこの川で水浴びをしたばかりのようで、その髪はまだしっとりと濡れていた。

「………あぁ、なぁ……黄昏れてる所悪いんだが…何か食べ物を持ってないか?」
「……腹が減ってるんだ。……そう、物凄く」

振り返った少女とばちっと目が合い、それから数十秒ほど黙りこくったまま
やがてようやく口を開くが、初めに口をついて出てきた言葉は挨拶でも、断りでもなく、食料の要求であった。
48 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/08(木) 23:28:45.64 ID:DjoAwABho
>>43

「ぐっど!」

 アキレスの返答にα-12はサムズアップを返すのであった。ざまぁ。

 −−−−−−−−

「復讐は必要だ。あの子達が望むなら私にも戦う術を授けるくらいは出来るが…」

 そして万事がスパルタン思考なイムカは、軍人論理に乗っ取ったやや的外れな提案をロイに口走り、
 恐らくは、人間的なアレを指摘されてぐぬぬと押し黙るハメになるのであろう。

 −−−−−−−−−

>>43>>45

 ふと、ムガも気づく事があると思うが、子供達はムガが立って歩くとちょこちょこ付いていっている。
 どうやら、懐かれたようではある。復讐心に滾っているとはいえ、孤独に耐えられるわけではないらしい。
 残念ながら、しっぽのフリフリはあまり反応がよくなかったが。

「………」

 そして、合流したアキレスの持つラジオから音楽が流れ始めた。
 音楽はパワだ。恐らくはささくれだった精神に勇気を与えてくれるもののはずだ。

「アナタも越境者…なの?強いの?」

 ふと、生き残りの女の子が口を開く。アキレスを見て問う。

「ネズミさんも越境者。強い…強ければ奪われないの」
「強ければ…力があれば…どうやったら強くなれるんだ?」

 復讐に燃える子供の当然の志向であろう。力を求める。
 そして、目の前にはその力を有している大人がいる。ならば――である。

【強い目的意識を宿した6つの眼が越境者達を見上げていた】 
49 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/10/08(木) 23:39:46.69 ID:aVcHa/HnO
>>47
「ひっ……!?」

振り向けばそこには満身創痍の男。
架された枷から鎖を引きずるその姿は普通ではない。怪しすぎた。
少女は短い悲鳴と共に身体を跳ねさせると、周囲を忙しく見回し身を隠せる場所を探す。
しかしここはだだっ広い草原、手近にそんなモノは存在せず、諦めたようにしかし警戒しながら男の言葉に口を開いた。

「あ、あいにく食べ物なんてもってねーです……!
り、理解できたならとっととあっちへ行きやがれ、ボロボロジジイ……です!」

まるで威嚇するように言葉を吐き捨てる少女。
その表情からは怯えがありありと見て取れるが、それは仕方のないことだろう。
自分自身、気付けばここにいたという状況なのだ。臆病な性分、見るからに怪しい存在を邪険にするのも不思議ではない。
走る緊張、心を落ち着かせようとポケットに手を突っ込めば、ビスケットが入っている事に気付く。
50 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/10/08(木) 23:41:03.28 ID:T7UAdtpP0
>>48
「……あー、なんだ」
「そりゃお前達よりは強い、けど……」

ムガは言葉を選ぶ時に、間延びさせて時間を稼ぐ癖がある
そしてそれは子供達へ言葉を掛ける時に顕著に表れていた
尻尾じゃらしの反応が良くないのを、こほんと咳払いで振り払ってから

「強くても、奪われてばっかりだ」

ムガの生き様は、強奪からの逃走劇であった
時の権力者の姦計により故郷を焼かれ、一族を皆殺しにされ自らも誇りを奪われ
そしてそれからは滅私、『ムガ』として飄々と生きる道を選んだ

「……それでも、まぁ、強くなりたいっていうなら……」

止めはしないけど、と言い辛そうに告げるムガは何処かで、らしくないなと自分を笑う

51 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/08(木) 23:47:05.55 ID:1lcx6A6i0
>>46>>48
ムガからの抗議にはサムズアップで返すロイ
多分意味はない

―――――

ロイ「いいから寝てろ 今怠いんだよ」
イムカの提案にそう応えゴロリと寝返りを打つ

―――――

そして生き残りの子供たちに話しかけられる
自分は強いか? どうしたら強くなれるのか?

少し迷ってから

アキレス「あぁえと 確かに能力を使えば そこそこ強いんだと・・・思う 俺は・・・」
確かに この青い霧を使えば そこいらの一般人に叶う者はいないだろう

アキレス「でも 腕っぷしと強さって違うんだと思うんだ 俺の強いは腕っぷしで 腕っぷしだけじゃ強いとは言えなくて・・・」
迷いながら 自分でも意味を考えながら 答えを紡ぐ

アキレス「だから・・・その 今はいろんな視野を持つべきなんだ 復讐したい気持ちがあるのは分かるんだけど…その
     まずは世界に目を向けて いろんなことを知るべきなんだ それから腕っぷしをつけても遅くないし
     いろんなことを知って それでも復讐を選ぶんなら それもいいと思う」

アキレス「だけど まだ世界ってどんなのかしらなくて そんな状態で腕っぷしを求めて それで殴り掛かっても 絶対に復讐なんて達成できないだろうし
     仮にできたとしても そのあとのことが何も分からなくなるんだと思う だから 今はまだ強くなれなくてもいいんだと思う 後に復讐したりする時のために・・・」

少なくても 自分が言えるのはそれだけであった
52 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage]:2015/10/08(木) 23:56:51.52 ID:YsvHeNSho
>>49
「クソ以下の言われようだな……ったく。まぁ無いモンねだってもしょうがねェ」

食料提供の交渉は決裂、というより取り合ってすら貰えなかった。
それもそのはず、まず見た目がみすぼらしすぎるし、カルテルのアジトから丸腰で逃げ出してきたこの青年を庇ってもなんの見返りも期待できない。
極め付けには彼女もまた突如として草原に現れた人物であり、ジョシュアと出くわす直前まで記憶が一切ないのだ。

「(……この"消化"具合だと……もってあと1日か……半日か)」

腕のアザを見つめながらぼそりと呟く。痣は微かにうごめき、徐々に大きさを増してきているように見えた。
単なる気のせいではなく本当に秒刻みで染みは大きくなり、数を増し、やがては右腕が真っ黒に染まっていた。
まるで無数の蝿に覆い尽くされるかのようにだ。

「……悪かったな。もう話し掛けねェよ……じゃあな」

くるりと背を向け、またじゃらじゃらと鎖の音を響かせながら草原を放浪し始めるボロボロジジイ。
剥き出しの素足は石や砂利を踏んで傷つき、血が赤く滲んでいた。
53 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/08(木) 23:57:29.50 ID:DjoAwABho
>>50

「………」

 実際、子供の感受性は極めて鋭敏だ。
 かつて子供だったはずの大人が考えている以上には。

【言葉少ないムカの台詞からでもその背景に存在した事象をなんとなく感じ取ってしまえるのだ】

>>51

「………」

 それはアキレスの言葉でも同様であった。視野を広くと言っている言葉以上に
 自分達を案じようとしている心根の真っ直ぐさは伝わっていたはずだ。

【腕っ節だけでは駄目。しかしそれがなければスタートラインにも立てぬまま蹂躙される。それもまた事実であるが】

「………」「………」「………」

 子供達はしばらくはムガとアキレスの言葉を聞きいれ、咀嚼するように考えていた。
 そして、一人は唐突に涙を流した。一人は迷うように顔を伏せた。もう一人はその瞳の目的意識をさらに強固にした。

【結局、この後は越境者保護の名目で一端は止まり木同盟が保護というカタチとなった】
【どのような道程を、子供達が歩むのか。この時点の越境者達には知るよしもないことであった】

//では今日はこのヘンデーノシ
54 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/10/09(金) 00:14:02.42 ID:JYYarQPC0
>>51
(ムガからしてみれば)実に雄弁なアキレスのその言葉を聞いて、ムガはなるほどなと内心で頷いた
誤魔化す訳ではなく、先延ばしにさせる訳でもなく
ただ純粋に案ずる心から生み出される人の言葉の、なんと美しい事か
多分子供達にも伝わっているだろうと安堵する反面、何かモヤモヤした気持ちを抱いたのも同時
そしてそれが、言葉を上手く紡ぐ事が出来ず気持ちを伝えるのに非常に不器用な鼠人の、微かな嫉妬心であるのには本人は気が付かなかった

>>53
「あー、その……なんだ、」
「……取り敢えず、行こう……?」

子供達の反応に対して困ったように
事実困っていた、忍としての鍛錬の数々の全く役に立たぬこのケースに直面して
出来たのはただ、彼等に対して手を差し伸べてやるだけ
不甲斐ないなぁと自覚し、しかし止まり木での保護が決まった後
不謹慎ながら何故か気分が良くて、お菓子を買い漁り彼等の家を尋ねる事になったのであった

//お疲れ様でした、ありがとうでしたっ!
55 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/10/09(金) 00:17:58.16 ID:6gTZ27cBO
>>52
「う……」

少女に背を向けその場から立ち去ろうとする男。
そのまま見送るはずであったし、実際そうするつもりであった。
しかし見えてしまったのだ、男の身体を蝕む様に浮かび上がる黒く痛々しい痣の数々を。
それに気づいた瞬間、ドクンという一際大きな鼓動が自身の内側に聞こえた気がして、思わず自分の身体を抱きしめる。

「ま、待って……! くれてやるですよっ……、コレ!」

気付けばポケットからビスケットを取り出し、男の反応を待つ前にその背に向かって投げつけていた。
ビスケットは2枚が1袋に包装されたもの。サイズ自体はそれなり大きめではあるが、果たして男の空腹を満たす一助となり得るのかはわからない。
でもどうしてもこのまま行かせられなかったのだ。彼の身体を蝕む痣が自分と重なって見えてしまったから。
56 :アマデウス・ハルトマン『強化素体』 [saga]:2015/10/09(金) 21:25:00.72 ID:11S0NV800
「…なんだ?この世界は」

気が付くとまた知らぬ場所にいた
広大な森の中、ここはどんなことが起こる世界なのかと警戒しつつ辺りを探る
近くの木に触れてみるとそれが限りなく本物に近いデータ上の偽物であることに気が付く
そして、自分さえも偽物であることに

「よく分かんねぇ機能が追加されてイラついてるってのに、また訳分かんねぇとこに来たみたいだな」

大きくため息をついて、ガシガシ、と頭を掻く
そして、視界に…というよりは頭の中に"敵が出現"という文字が現れる
こんな機能は自分にはついていない、つまりはそれがこの世界の仕組みなのだろう
そして、彼はブレードを出現させながらゆっくりと振り向いて―――

彼は知らぬことだが、ここは仮想闘技場と呼ばれる世界だった
57 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/09(金) 21:38:47.73 ID:/rJqsI9do
>>56
「ここは闘技場、異能を宿した強者たちが己の力をぶつけあうための世界さ」

真っ黒のコートを羽織った少女がアマデウスが振り向いた先にいた
彼女はここを理解している。もっとも、すごく曖昧にだが
ここは、何に気にすることなく全力でタタカウためのところであると

「さあ、殺し合おうか
ここは絶対に死なない偽りの戦場、殺し合いすらも娯楽なのさ」

少女─氷結鬼氷室初はその右腕を凍りつかせていた
その氷は、槍か何かかのように鋭くて
戦端は真っ直ぐに男へ向けられていた
真紅の瞳は、期待という名の異色が混ざって綺麗だった
58 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage saga]:2015/10/09(金) 21:40:28.51 ID:JRWsX3TS0
>>56>>57
彼が越境した世界の、その先に広がっていた光景。それは懐かしい森だった。
"彼"は木々の一本に吊り下がりながら、しかしどうしようもない違和感に苛まれていた。
何か落ち着かない。何かこの世界自体が、作られた偽物であるかのような……

"彼"は人間であったその姿形を、まったく異なるものへ変形させる。
軽自動車大ほどもある蜘蛛へとその身を変えた彼は、その視界の中に文字を発見した。

"敵だと……?"

彼にとって戦うべき敵は今のところ存在しない。しかし木の上から付近を見渡せば、確かに人間が歩いているではないか。
当然、彼我の間には面識も何もない。だというのに、敵とみなされるという事は……

"……なるほど。そういう世界か"
"ならば、仕方あるまい"

彼は大顎付近に生えた剛毛をシューシューと鳴らしながら、木上から地上へ蜘蛛糸でもって降下し、人間たちの前に姿を現す。
彼らには、規格外の大きさの蜘蛛が、突然上から降ってきたように見えるだろう。

「キシャー」

先手必勝。不意打ち同然に彼は、粘性の蜘蛛糸を両者に絡め取らんと放った。


59 :アマデウス・ハルトマン『強化素体』 [saga]:2015/10/09(金) 21:52:10.92 ID:11S0NV800
>>57>>58
「…へぇ、そうかい」

自分の同じように黒いコートを着た少女がそこにはいた
どうやらここは、死なないから本気で殺しあえ、というような世界のようだ
少女の氷りついた腕から察するに彼女もまたファンタジーな世界の住人らしい
とはいえ、流石に見た目が少女の相手を攻撃するのは若干気が引けたが…

「まぁ、死なないんだ。死んでも恨むなよ」

まぁ、それだけだ
と、駆けだそうとしたところに突如として上空から落ちてきた巨大な蜘蛛
生体兵器、いや最初に訪れることになった世界の何かか?
と、次の瞬間巨大な糸が蜘蛛から放たれる

「ハッ、ファンタジー共が、現代科学舐めんじゃねぇぞ!!」

ヒュンッ、と風切り音を立てながらそこらの人間を上回る速度で糸を回避する
そしてそのまま足を止めずに走り、ブレードで蜘蛛に向かって木が倒れるように一本の木を斬る
そしてそのまま少女に向かって横薙ぎに斬りかかる
ブレードは熱で焼き切る武器、氷の少女とは相性が悪いだろう
60 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/09(金) 22:01:25.21 ID:/rJqsI9do
>>58>>59
「ああ、恨まないさ
むしろ喜ぶよ、ボクは」

突然現れた影、見上げればそこには巨大な蜘蛛
警戒をしたとき、放たれた蜘蛛糸は人を外れた速度でのバックステップで避けれた

「この人外のタタカイを、ね」

横凪に振るわれるブレード、右の氷槍で受けた
が、衝撃と熱で槍は砕け、水と小さな氷をまき散らした
しかし、ブレードが肉を断つことはない
初は背を低くし、一閃を回避していたのだ
そして、お返しと言わんばかりにアマデウスの脚へと足払いをかけようとする
やはり見た目とは全く異なる力でそれは放たれた
61 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage]:2015/10/09(金) 22:10:33.17 ID:JRWsX3TS0
>>59>>60
粘性の蜘蛛糸は命中せずに終わった。彼は倒れくる巨木を、4対の移動脚を用いた俊敏な動きでこれを躱す。
そののち彼は威嚇するように、剛毛をシューシューと鳴らした。

"人間の造ったオモチャに"
"私が倒せるかな?"

その鳴き声は、そんな事を言っているかのように思える。
しかし彼は実際、相手の持つ光の剣を危険視していた。
模造品とはいえ一撃で木を叩き斬る火力。自分の強固な外骨格でも、真面に喰らえばただでは済むまい。

ならば正面から当たるのは愚の骨頂というもの。
彼は姿形を人間のそれに変え、掌から木の枝へ蜘蛛糸を飛ばし、それに捕まって巨木へ飛び登った。

森は蜘蛛にとってのホームグラウンド。誰にも気付かれぬ内に忍び寄り、仕留める。
そしてその機会は、存外にも早く訪れたらしい。

「私を意外に置くとは、なめられたものだ」

彼は二人が格闘する隙に、木上からもう一本の木に向けて糸を張る。
そしてその糸に捕まれば二人に向けて、ターザンの要領で勢いを付けた蹴りを放たんとするだろう。
彼の体重は非常に重く、また脚部は堅牢な外骨格で覆われている。あわよくば纏めて吹き飛ばすつもりであるが、果たして。
62 :アマデウス・ハルトマン『強化素体』 [saga]:2015/10/09(金) 22:23:40.36 ID:11S0NV800
>>60>>61
「人外じゃねぇよ。俺は人間だ」

改造だか強化だかって枕詞がつくがな、と言いながら足払いを認識しているのにも関わらず自ら進んで受ける
そして、身体が空中に浮かんだ瞬間に地面に手をつき、バランスをとってから足をついてすぐに立ち上がる
その直後に何者かが蹴りを放ってくるのを認識する

「新手か」

ブレードを消し、銃を取り出す

『コア ガンモードへ移行』

威力はあまりないが、牽制や音で相手を怯ませるには十分な代物
そしてそれを動きを止めて蹴りを避けさせまいとして、少女に向けて撃つ
同時に自分は駆けて蹴りを避けると同時に近くの木に隠れて一時的に身をひそめるだろう

「面倒な相手が多そうだな、どうにも」
63 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage]:2015/10/09(金) 22:24:20.50 ID:i0ruEP2Wo
>>55
「おォ……っと……なんだ、その……悪いな」
「……助かる」

背中から呼び止められ、ぴたりと足を止めたジョシュア。いきなりビスケットを投げ付けられ、慌てて振り向きそれをキャッチ。
ジョシュアの手の上でビスケットは数度跳ね、そしてようやく彼の手に収まった。
掌の上のビスケットの袋をしばし見つめ、ジョシュアは押し黙る。が、すぐに少女へと視線を戻し、その眼をじっと見つめた。
素直に礼を言っていいのかどうか。しかし今はその行為に甘え、先程の言動もすべて厚意の裏返しと取っておくことにした。

「………実を言うとソンブレロ被ったイカツイ連中に追いかけ回されててな…麻薬カルテルだ。セタスって名前の」

ビスケットの包装を破りながらジョシュアは身の上を語り始める。
あぁそうだ、聞く気がないなら聞き流してくれ、と告げる。ただしそれはジョシュアが話し始めてから暫く経ったあとのことだ。
遅過ぎる心遣いをよそに、彼の話はどんどん進んでゆく。

「囮捜査に失敗しちまった…ヤツら血眼になって俺を探してる…」
「きっとお前も聞かれるハズだ。"ベルゼブブ"って男を探してるってなァ」

ビスケットの乗った手を少女の目線の高さまで上げ、数歩近づく。
そして次の瞬間、ジョシュアの掌の上にあったビスケットは一瞬にして淡い光となり、彼の身体に吸収されてしまったのだ。
ビスケットを吸収するとジョシュアの全身に回りかけていたアザは瞬く間に薄れ、小さな斑状の黒い染みがうぞうぞと蠢めくだけになった。
まるでジョシュアの身体に無数の蝿が巣食うように。

「驚いたか?ベルゼブブって呼ばれてる理由はこいつの…この…アザだのせいだ」
「自分の肉をエネルギーに変換して自分を生かす…悪夢みたいな能力だ」

肩をすくめ、両手を広げようとして重さで腕がそう簡単に上がらないことを思い出し
やれやれと首を振ってつまらさなげに土を蹴る。それから手を叩いて「まぁ」と続けた。

「だからまぁ…もし出逢ったら適当に誤魔化しといてくれ!!」
「ビスケット美味かったぜ、じゃあな!!」

少女のに手を振って背を向け、今度こそ別れを告げるジョシュア。
小走りで駆け、もう一度だけ振り返って、それから地平線へと消えていった。

//うはぁ寝落ちしてしまった…本当にすみませんでした…
64 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/09(金) 22:32:49.25 ID:/rJqsI9do
>>61>>62
「そうか、なら吸血鬼、ニンゲン、そして」

何者かが蹴りを放つのも、銃がこちらに向けられているのも正確に見えていた
そのうえで、足払いを放った初は右腕に再度氷の槍を纏わせる
前腕まで、覆うように

「蜘蛛人のタタカイか、いいね」

氷に覆われた右前腕に銃弾が刺さる
それは氷を僅かに砕き、少ない破片をまき散らしながら初の身体を数メートルも吹き飛ばした
否、タイミングを合わせて初は後ろに跳んだのだ

「誰も普通じゃなくて、ボクは好きだ」

足裏から氷のスパイクを生やすことで滑るのを止めれば地面を勢いよく蹴って前へ
氷槍でスピニングを刺すべくその右腕を前へ突き出した
65 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] :2015/10/09(金) 22:47:50.97 ID:JRWsX3TS0
>>62>>64
綱の遠心力を用いた奇襲は、命中には至らなかった。
彼は相手の反応力に少しばかり驚く様子を見せるが、避けられた事自体は大した事はない。
避けられればそのままターザンの要領で蜘蛛糸を離し、ついた勢いのまま跳躍。
斜方投射運動でもって追撃ごと回避すれば、彼は近くの木の幹に、さながら蜘蛛のように張り付くだろう。

これで三者は振り出しに戻る。皆、傷らしい傷も負ってはいない。
近接型が二人。方や面妖な能力、方や巨木を切り裂く光の剣。
まともに正面からやり合って、ただ生物としての能力しか持たぬ彼の勝ち目は薄い。

ならば異能同士で打ち合せていればいい。自分は致命的な罠を張りながら、隙を伺うのだ。
彼は異形の大蜘蛛と化して、出来るだけ気配を表さぬよう、カサカサと木の間を縫うように移動した。

"……面倒な奴らだ"
"あいつらも……この世界も"

奇しくも戦いの舞台に駆り出された彼は、そんな事を考えていた。


66 :アマデウス・ハルトマン『強化素体』 [saga]:2015/10/09(金) 23:01:23.33 ID:11S0NV800
>>64>>65
「さて、どうしたものか」

謎の人間(?)と自称吸血鬼と巨大蜘蛛
実際は蜘蛛と人間は同じ人物…というか蜘蛛なのだが彼はそれを認識していない
一対一で戦っていればまず間違いなく横合いから第三者が出てくる、というか自分ならそうする
ならば、片方を速攻で片づけてもう一方と対峙、もしくは自分が第三者になるのがベター
ベストは全員が固まってくれることなのだが、それは高望みのしすぎだろう
木の陰から様子を見てみれば少女も蹴りを避けた様子
そして男は蜘蛛へと姿を変えて、木々の間を動いていく

「…あれが蜘蛛だったわけね、なんかしそうだから邪魔しときたいところだな」

おそらくは通常の銃だと威力が足りない
試しに例の魔力を使ってみるか、と銃に力を集中させ、それを蜘蛛に向けて放つ
すると、少しとはいえ確かに威力の上がった弾が蜘蛛に向けて飛んでいくだろう

「なるほど、ファンタジーな力も悪くないな」

木の陰から飛び出し、少女に向けてそれを連続で撃ちながら近づいていく
仮に弾の衝撃を槍で防ごうが、元々音と衝撃で牽制するための弾
牽制、ないしは相手を怯ませるには十分のはず
そして近づけたなら顔面を殴りぬけようと拳を振るう
67 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/09(金) 23:09:19.79 ID:/rJqsI9do
>>65>>66
「ボクは確かにファンタジーにいがちなただの吸血鬼だ、だけどね」

迫りくる弾を槍で弾く、弾く、弾く
蜘蛛男はちょっかいをかけてきたら対処をしようと思っていた、だから目先の男を仕留める
そして、顔面に拳が飛んできて、それを掴んで対処しようとする

「吸血鬼はなにをするか、忘れてはいけないよ」

掴めたなら、その腕を引き寄せて噛みつこうとするだろう
否、吸血をしてさらに身体能力を高めようとするだろう
68 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage saga]:2015/10/09(金) 23:19:24.74 ID:JRWsX3TS0
>>66
木々を縫い、やがて彼は彼らの目の付かぬ場所。すなわち彼らの頭上へと、その身を移した。
途中で左脚に食らった魔法弾が痛むが、大した傷ではなさそうだ。
彼は裏方の作業に取り掛かる。

素早く木の上に移動すれば、彼は作業のしやすいアラクネ体へと変化する。下半身は蜘蛛、上半身は人間。
人間部の掌から次々と糸を張り、木々を起点に縫い合わせてゆく。
攻撃らしい攻撃を受けなかった所を感じれば、自らの位置は悟られていない様子。
やがてその糸を編み切れば、たちまち彼らを取り囲む木々の裏に、巨大なネットが出来上がっていた。

「さて……仲良く網に捕らえられてくれればいいが」

起点となる一本の糸を刃の脚で裂けば、広範囲に及ぶ蜘蛛糸の網は、彼らの頭上から覆い被さるであろう。

「……不意打ちには十分か」

彼は網を降ろして数秒後、網の中心に向けて地上へ降り立つ。
網にかかったものがいれば飛びかかって攻撃。そうでなくとも網を回避すれば、少なくとも行動が制限されるはずだ。
彼はその隙を狙って、地上へ降り立つタイミングを見計らっていたのだ。


69 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] :2015/10/09(金) 23:19:35.45 ID:JRWsX3TS0
/>>66>>67宛です
70 :アマデウス・ハルトマン『強化素体』 [saga]:2015/10/09(金) 23:31:09.96 ID:11S0NV800
>>67>>68
「ほぉ、驚いたな」

『コア ブレードモードへ移行』

拳は完全に受け止められ、腕が自称吸血鬼の少女の口元へと引き寄せられる
だというのに、彼は全く抵抗しない
むしろ自分から腕を吸血鬼の口元へと向かわせていく
噛みついたとき、きっと吸血鬼は感じることだろう―――
―――人工的な皮膚の味と、硬い鉄の感触を

「まさか俺にまだ吸われる血が残っていたとは思わなかったよ
どうだった?俺の血の味は」

彼の肉体の半分以上は機械であり、身体にはエネルギーが流れる
特に腕は彼の切り札が接続される部位であり、パージ可能な完全な機械である
その言葉と同時に左腕が動き少女の頭に向けてブレードが飛び出てくる

「チィッ、邪魔しきれてなかったか!」

彼は避けることができずに見事網にかかってしまう
飛びかかってきた蜘蛛相手にブレードを振って対抗しようとするが、糸がべた付いてどうしても動きが遅くなる
結果彼は飛びかかってきた蜘蛛に対しての対応が遅れてしまい、強い衝撃とともに吹っ飛ばされそうになりつつも糸がそれを阻害する

「ちょっとやばいかもな、こいつは」

なんとか左腕付近の糸だけでもブレードで斬り、次は蜘蛛に対応しようとするだろう
71 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/09(金) 23:38:18.40 ID:/rJqsI9do
>>68>>70
「やはり人ではなかったじゃないか…!」

男の挙動は確かに怪しかった、だが、初はこの可能性までは思い至らなかったのだ
硬い感触に顔を歪める、しかしそのときにはもうその頭から金属が伸びていた
初は網にはかからなかった
なぜなら、それまでに敗者となったから
この世界の理に従い、世界から追放されたから

//これにて私は離脱でお願いします。お二方ありがとうございました!
72 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage saga]:2015/10/09(金) 23:44:19.17 ID:JRWsX3TS0
>>70
"蜘蛛は森の暗殺者……"
"人知れず罠を張り、隠密の内に倒す"

男の眼前に迫るは大蜘蛛の凶悪な大顎。生理的嫌悪を与えるシルエットは、口の剛毛を鳴らして話す。
最早人の言葉ではなかったが、しかしその言わんとする事は何故か人間に理解できるだろう。

"私を見逃したのは失敗だったな"

彼はその大顎を大きく開いて、網の下の相手の首に向けて噛み付こうとするだろう。
そこに血液が通っているなら、相手の身体に毒を。
そうでなくとも高威力の噛み付き攻撃をお見舞いしようと襲いかかる。

網の下から伸びる光のブレードにも気付いていたが、これは賭けだ。
捕食者と獲物。しかし、どちらが優位でもないふたつの存在。
その攻撃的な感情は今、網を挟んで交差しようとしていた。

>>71
/お疲れ様でした!
73 :アマデウス・ハルトマン『強化素体』 [saga]:2015/10/09(金) 23:58:17.53 ID:11S0NV800
>>72
「生憎だが、俺は蜘蛛の巣にかかって食われるのを待つだけの餌で終わる気はないんでな
人間らしく足掻かせてもらう!」

銃に使えたのだから、こっちにも使えるはず
ブレードに魔力を集中させ、一時的にその切れ味を上げる
そして、そのブレードを躊躇いなく相手の大顎目掛けて突き進める

「この程度で勝った気になってんじゃねぇよ、虫けら風情が!!」

蜘蛛は確かに腕と彼の肩から首までを噛んだが、そこにはブレードも含まれている
そして噛まれたと同時に彼の身体のエネルギーに毒という異物が混じり、動きに影響を与え始める
毒の影響か、やがてブレードは消滅し、ただの腕に成り下がるが、そこまでに蜘蛛を倒せていれば彼の勝ち
できなければ、ほぼ間違いなく彼の負けだろう

>>71
/お疲れさまでした!
74 :スピニング・ウェーバー [タランニュート] [sage saga]:2015/10/10(土) 00:09:02.70 ID:hbKBO70C0
>>73
"ッ!"

首に噛み付く事には、確かに成功した。
だが彼の口の中に伸びるは、男の伸ばした残光。
その剣は足掻きか、それとも対抗か。光は確かに蜘蛛の身体を刺していた。

彼の姿が、大蜘蛛から本来の姿へと変わってゆく。
力が抜けたのだろうか。その姿は男の前では見せなかった姿へ。
蜘蛛の下半身に人間の上半身を持つ、アラクネの身体へと変容していた。

彼は人間部の胸から血を流しながら、八つの眼で男を睨む。
その肉体からは、どんどんと生気が失われて行くのが見て取れる。彼と同様に弱っていく様であった。

「……相討ち……か……」

彼の呼吸が乱れてゆく。じわじわと力が抜け、彼の存在はこの世界から弾き出されつつあるようだった。

「虫ケラとは……言ってくれるな、人間……」
「お前……達も……同じ…だ……」

「………」

やがて彼ががくりと力尽きれば、その存在はこの世界から姿を消すだろう。
それは相対する男の腕から、ダランと力が抜けるのと同時に。
かくして捕食者は獲物たる人間の、最期の下克上にしてやられたのであった。

//この辺で〆ましょう、お疲れ様でした!


75 :アマデウス・ハルトマン『強化素体』 [saga]:2015/10/10(土) 00:23:44.36 ID:3XhFfDTA0
>>74
「ざまぁ…みやがれ…」

巨大な蜘蛛から、半人半蟲のアラクネへと姿を変える
胸から大量の血を流しつつも、その瞳は変わらずこちらを睨んでいた
それに嘲笑で返すが、彼にも疲労、ダメージ、毒の三つが合わさり力が抜けて大地に倒れこむ

「…俺たちは、虫けらは虫けらでも、科学と武器があるんだよ
そんじょそこらの虫の進化を軽く越えていく、科学が」

男が倒れたのと同時に彼もまたこの世界から消え去っていく
彼の機能停止ゆえか、戦いが終わったから自動的に世界から吐き出されているのかはわからないが
だが彼は、消えゆくさなかに弱弱しいながらも拳を突き上げ
今回は、俺の勝ちだ、と小さく呟いてそのまま消滅していった

/ありがとうございました!
76 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/10(土) 22:47:37.08 ID:MjHP+usq0
【とある現代風世界】
その世界は 概ね現代に準ずる世界であった
少し違うのは 時折スーパーパワーを持つ人物がいたり

世界には見世物ではない 本物の怪人と 本物のヒーローが複数いて 日夜戦いに明け暮れているということである

そして一行が転移した場所 そこでは今まさにヒーローが怪人達に敗北を喫している場所だったのだ

腕が4本ある異形の怪物 それらに膝を屈しているのは 派手な戦闘服に身を包んだ男
男は割れたヘルメットの隙間からこちらを見て

ヒーロー「クッ・・・民間人か? ここは危ない・・・すぐn」
その途中で異形に蹴り飛ばされ 壁に叩き付けられる

怪人達「どぉれ・・・エサが増えたか・・・まぁいい お前らも喰ってやろう・・・」
いびつに顔をゆがめる異形達

ロイ「さぁて・・・来て早々絶体絶命?」
そう言うロイ 言葉とは裏腹に 口は笑みでゆがんでいた
77 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/10/10(土) 22:57:08.51 ID:eVKnn3ef0
>>76
「うひゃぁっ!?」
「あ、危ないってんですねぇっ、びっくりしたぁ……」

賑やかながら故郷の世界にも似ていて、心地良い場所だなぁなんて思いながら道を行くニア
突然飛んで来て目の前の壁にぶつかるヒーロー、飛散してきたコンクリの礫を細いタイドメイカーで叩き落とす

「……って、なんですかぁこれっ……?」
「やばそうな雰囲気だってんですねぇっ、ロイっ……」

そして視線を動かせば見覚えのある立ち姿
小走りで駆け寄り呼び掛けながら、タイドメイカーを蛇の鎌首めいて擡げた
78 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/10/10(土) 23:02:33.67 ID:MVqBC2Ds0
>>76
おいおいどこだよここは…せっかく頭蓋骨でレリーフ作ってたのに
【不満げに呟き辺りを見回すソーマタージ】
【そして目に入るのは異形の怪物に蹴り飛ばされる派手な男。「餌が増えた」という不穏な声】
【どうするよ?と言いたげにロイの方を見やり、肩を竦める】
嫌な状況に出ちまったけど…どうする?やっぱり殺して切り抜けるしかないかな?

なんだマヌケ?お前の脳ミソは口をきくことしか出来ないのか?
【挑発しながら数歩下がって赤い刀を抜くソーマタージ】
【剣先を後ろに下げて片足を引き、怪物の攻撃に備えながら挑発を繰り返す】
言っておくがお前は喰ってやらねえぞ。雑作もなく殺され、ゴミの様に電柱の下に捨てる
79 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/10(土) 23:12:47.18 ID:MjHP+usq0
>>77-78
なにやら不穏なことばが聞こえてきた気がするが 今は気にしないでおこう

ソーマタージの言葉に『やっぱり?』肩を竦め返すロイ
そして異形はソーマタージの挑発を聞き 一様に体を揺すって笑いだす

異形達「エサにしちゃ威勢がいい!! すでに5体のヒーローを食った俺たちに牙をむくとはな!! お前らは殺さない程度に痛めつけてから食ってやろう!!」
【情報 見た目:異形達は腕が四本 体は短い毛でおおわれており衣服の類は身に着けてない 身長200p程で分厚い筋肉に覆われおり 胃ゴリラのような印象を受けるだろう】

そして戦闘が始まった

拳を叩き付ける異形1の攻撃をバックステップで回避するロイ

ニアへ向かう異形2 二本の腕で殴り掛かると同時 もう二本の腕でタイドメイカ―を掴もうとする

ソーマタージへ向かう異形3 四本の腕全てを使い 掴みかかってくる
80 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/10/10(土) 23:20:15.15 ID:eVKnn3ef0
>>78-79
以前、白梟の魔女の森で知り合ったソーマタージに手を振り短い挨拶
だがしかしそれも一瞬、火蓋は呆気なく切り落とされて戦闘開始だ
怪人の見た目にややトラウマを刺激されたが、ふるふると顔を振って振り払う

「……っとっ、っと……!」
「あげますってんですよぉっ、……ニアは、」

ロイと同じようにバックステップを踏み、剛腕の殴打を回避
タイドメイカーが掴まれればぶちんと野太いゴムの千切れる音とともに根元からパージ
細い触腕は即座に揮発して溶けて行く

「……こっちのがいいからってんですよねぇっ!!」

直後の着地は4本の野太いタイドメイカーによって行われた
攻撃用に更に2本を発生させて高みより唸らせ叩き付けんと振り下ろす
怪人より尚怪人めいて、冒涜的暴力の艶姿
81 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/10/10(土) 23:28:49.38 ID:MVqBC2Ds0
>>79
お前らこそゴリラにしちゃ威勢がいいじゃねえか。蛮勇は嫌いじゃないぜ俺も
【筋肉に覆われた異形に、心の中で「少し煽りすぎたかな」と反省し、左腕と両足を鈎の生えた金属が覆う】

【後ろに飛び退きながら一番近い異形に向けて下から切り上げるように刀を振るうソーマタージ】
【振りこそ早く、威力も申し分無いがその分隙が大きすぎた】
【異形の腕に体を掴まれ、面頬めいて口許を覆う牙を模した酸素供給器からくぐもった声で叫び、触手の刺を生やした拳や脚を異形の腕に向けて振り回して抵抗する】
離せやオイ!今にろくでもねえことになんぞ!
82 :イクト・フレンドシップ【逸話錬成】 ◆GIyFjXJ4X2 [sage saga]:2015/10/10(土) 23:35:22.29 ID:2HN/B2o6o
「さて……道に迷ったと思ったら、どうやらとんでもない世界に来てしまったようですね」

路地裏を通ろうとしたら運悪く越境してしまった青年は、自身のあたりを見回す。
周囲を埋め尽くす異形、怪物、群れをなす百鬼ども。
さながら地獄絵図である。

「ととっ、このまま逃げ出すのも手ですが……先客も居ることですし、挨拶がてら加勢に回りますか」

そうつぶやくと青年は腰に携えた剣を握りしめ、銃の弾数を数える。
そしてニヒリスティックな笑みを浮かべると、

「……どうもどうも、みなさんいい夜ですね」

親愛なる隣人へ語りかけるように、異形とそれに対峙する者達に語りかけるのだった。
83 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/10(土) 23:42:46.64 ID:MjHP+usq0
打撃が空振りに終わった異形1は二本の腕でつかみかかってくる
ロイはそのうちの一本の手へサーベルを振るい 指を一本刎ねる

怒り狂う異形1の追撃をなおも下がってやり過ごす

>>80
触手を掴んだら 力の限り振り回して壁に叩き付けてやろうと考えていた異形2は
掴んだ触手が水のように溶けてなくなったことでバランスを崩す

おまけに拳も空を切り 四本の腕を地についてしまう
そこに振り下ろされる二本の触手 ズンと重い地響きを立てて肉を打った

目を見開き 鼻血が噴き出る が

異形2「やるじゃねぇか・・・だが温いわぁ!!」
虚勢を張り さもノーダメージであるかのように立ち上がり 四本の腕をめちゃめちゃに振り回す

>>82-83
切り上げは異形3の顔面を捉えアゴと口に切り込みを入れる
だがそれは異形3を怒らせる結果となった

4本の内一本の手でソーマタージを掴んだ 抵抗するソーマタージに拳打を浴びせようとして

不意に横手から声がかかった 優雅に見えるその言葉は異形の癇に障る

異形3「ごぁぁぁぁあああああ!!!!」
掴んだソーマタージを振りかぶり イクトめがけて投げはなった


そして辺りを埋め尽くす異形の群れが騒がしくなり 辺りを光線が切り裂いたり 何かを殴る音 切る音が響く

異形達に混じって 様々な外見の者達が 思い思いに戦闘を開始し始めたのだ
84 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/10/10(土) 23:48:30.45 ID:eVKnn3ef0
>>83
「むぅっ……?」

虚勢をそれであると看破するには、不確定要素が多過ぎて適わなかった
普通の人間相手ではない為、タフネスの度合いが測りきれなかったのが最大の要因である
更にダメージを受けた様子もなく振り回される腕腕腕腕
まるで台風めいた勢いで迫るそれから慌てて、脚である4本のタイドメイカーを使い体を宙に逃がす
宙ぶらりんで胡座をかいた、久々の感触だと自覚

「……っとわぁっ!?」
「こ、このぉっ!!」

脚の内の1本が颶風に巻き込まれて殴打の乱流に千切れて散った
バランスを崩し掛けるが3本でなんとか持ち堪えられる
反撃の、左右から挟撃するような軌跡の、攻撃用触腕の唸り声
85 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/10/10(土) 23:50:11.44 ID:MVqBC2Ds0
>>82>>83
神経千切って……グワーッ!
【無理矢理怪物の指を引き剥がそうとした瞬間、体を引っ張られる様な感覚が全身を襲い、彼は投げ飛ばされた!】
【体勢を立て直そうと空中でもがき、刀を手放してしまう】
【そしてそれに気を取られた結果、ソーマタージには自分が飛ばされる方向を変える猶予は無くなった!】
【彼を逆に怪物に打ち返すか、壁に向けて反らすか、そのまま何もせずにぶつかるかはイクトに委ねられたのだ】
86 :イクト・フレンドシップ【逸話錬成】 ◆GIyFjXJ4X2 [sage saga]:2015/10/10(土) 23:58:00.31 ID:2HN/B2o6o
>>83
「っ……! あぶ、ない、です……ねっ!」

飛んでくるソーマタージを視認すると、イクトはそのまま体を逸らし、直撃を避ける。
そのまま飛んで来るソーマタージ向きなおって構え……

「……っ、大丈夫ですか?」

そのまま全身を使って受け止める。
当然、衝撃をすべて受け流すことは出来ず、イクトの体は踏みしめた足ごと後ろに少し押し出される。

「ダンスパートナーにするには随分荒っぽい人を選びましたね。向こうさんの腕が四本じゃ貴方だと足りないでしょう?」

ソーマタージと異形の姿を見比べ、冗談めかしてそう告げる。
そしてソーマタージをそのまま立たせると、

「僕と貴方でちょうど腕四本です。ダンスのパートナーとして足並み揃えるには些か即興ですが……」

カチャリ、と握りしめた拳銃の撃鉄を上げ、

「今夜の踊り、アシストさせてもらいますよ」

異形めがけて引き金を引いた。
小口径の銃弾はまっすぐ怪物めがけて飛んで行く。
87 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/10/11(日) 00:09:12.29 ID:Cdq7oF+U0
>>86
大丈夫に見えるか…?まあお礼は言うぜ。ありがとうよ、ありがとう
【衝撃で人工心肺の中の空気が吐き出され、そのまま嘔吐しそうな勢いで咳き込む】

見ず知らずで誰かは知らんが、だがいい判断だ。欲を言えばもう二本ほど腕がほしいな
【手から放れ、地面に突き刺さった刀を一瞥すると、左腕と脚に力を込める】
【鈎は引っ込み、代わりに握られた拳にはブラスナックルめいた先の潰れた突起が覆い、足の裏と膝にはスパイクめいて刺が生えた】
即興なのはこの際仕方ない。ほら、俺友達いないし。関係無いか

【銃声を背に怪物へ駆ける。刀には近づかず、サイボーグならではの怪力で張り合うつもりだ】
お返しだ!ヘヘハハハお返し!
【見開かれた右目の瞳が収縮し、赤い瞳を宿す!勢いを乗せた左の拳が怪物の腹めがけて放たれる!】
88 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/11(日) 00:09:59.29 ID:GaVVxRm30
怒りに任せて攻撃を繰り返す異形1を のらりくらりとかわしながら手傷を追わせてゆくロイ
次第に毛は血でまみれ 息も荒くなってゆく

>>84
怒りに身を任せた乱打も 宙に逃げられてしまっては効果を発揮できない
何とか触手を一本砕くも 左右から迫る触手に顔をサンドイッチされ 今度こそ異形は昏倒した

だが乱戦から弾き飛ばされた異形4が間髪入れずに襲い掛かってくる
その強靭な肉体をもって跳躍 ニアに体当たりを仕掛けてくる

>>85-86
ソーマタージの体はイクトに受け止めてもらえたようだ
だが肝心の武器は異形3とイクト達のちょうど中間らへんに転がっている

なおも余裕綽々と言葉を紡ぐイクト 小口径の拳銃弾は異形の腹に突き立つも さしたる効果を成していない
ただ異形3を怒らせるだけとなり 異形3が突撃してくる

ソーマタージが剣を取り戻すには こちらも突撃し無ければならない
それかイクトから武器を借りるのも手だ
89 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/10/11(日) 00:16:13.86 ID:M+RcyQOW0
>>88
「いよっしっ、ふふんっ、どんなもんだってんで……」
「……んぎゃっ!?」

気を良くして宙ぶらりんで踏ん反り返っていた所に飛来する筋肉の弾丸
咄嗟にタイドメイカーを防御に回し直撃は避けたモノの小柄な体躯は吹き飛ばされる
べちゃりと受け身、無事であった触腕を用いての所作だ

「あ、痛たたぁ……」
「こ、このぉっ……!!」

防御に使用した2本は使い物にならない程にダメージを受けている
パージし、残りは3本だ
それらを縮こめて力を込めれば刹那解放飛翔一直線!
月光を引き抜き構え超高速での刺突反撃一閃! である!
90 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/10/11(日) 00:18:06.47 ID:Cdq7oF+U0
>>88
次は手前が投げられる番だ!死体をな!
【刀を拾うことによる隙を作らないため、敢えて拳を握って怪物に突っ込むソーマタージ】
【得物こそ持たないが、サイボーグの怪力、骨と内臓を破壊するかのごとくかの如く現れたブラスナックルめいた太い刺が今のソーマタージの武器なのだ】

【後の事など考えていないかのように赤い瞳を光らせて拳を放つソーマタージ】
【仮に当たったとしても、その隙は苦しみながら反撃できるほど大きい】
91 :イクト・フレンドシップ【逸話錬成】 ◆GIyFjXJ4X2 [sage saga]:2015/10/11(日) 00:25:35.55 ID:1GomcXLTo
>>87-88
「そこはほら、この場にいる方たちにご助力お願いしましょう」

そう言うと辺りで戦いを繰り広げるロイやニアの方をチラと見る。
混戦はイクトからしても望むところであった。

「予想はしてましたが、案の定効果なし、ですか……! こりゃ、虎の子の出番ですかね」

「身体変化能力ですか……ならいっそのこと!」

そういうとイクトは腰に携えた剣を引き抜くと、眼前で構える。
すぅ、と夜気を吸い込むと不思議な響を伴った声を紡ぎだす。

「ここに在るは四天照らす不敗の剣――破邪の一念を以って汝を討つ」

その瞬間、男の握る剣の刀身が俄に輝きを帯び始め、

「無常征く陶酔――撃ち貫く光芒の魔剣(クラウソラス・シャウル)」

やがてその刀の全身から黄金色の光が放たれ始める。

「よかったらこれ、使ってみてください……!」

怪物と対峙するソーマタージの邪魔にならないように、間合いを取った上で呼びかける。
もしソーマタージが受け取れば、一振り分であるが一条の光芒を放つ魔剣の力を、全力で振るう事ができるだろう。
92 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/11(日) 00:36:51.41 ID:GaVVxRm30
>>89
矮小なる存在を弾き飛ばした異形は己の存在を誇示するように叫び声をあげ 地面を拳で殴る
ニアが受け身を取れているとも知らずに

ニアの突撃を感知した時には その刀が眼前にまで迫っていた
切っ先は喉を捉え ズブリと肉を断つ感触が伝わり ゴボゴボと声ならぬ悲鳴を上げて倒れる異形4

ロイ「グゥゥ!!」
そしてニアの近くでロイのうめきが聞こえる

満身創痍の異形が苦し紛れに放った一撃がロイを捉え 何とか防御した者の尻もちをついてしまう
そのロイに拳を振り上げ 一撃を与えようとする異形1

>>90-91
イクトがソーマタージに武器を渡そうとするが すでにソーマタージは屋の如く駆け出した後だった

異形は迫るソーマタージを弾き飛ばそうとしたのだろう だがソーマタージは生身の人間とは少し違う
サイボーグに見合う筋力をもって 異形の意識よりも早く間合いに飛び込み その比類なき腕力で異形3の胸の中心を打つ

太い針が心臓を確かに捉えた感触が伝わるだろう
異形は何が起こったか分からない といった表情を浮かべて崩れ落ちた

そんなソーマタージの頭上 隙を狙っていた異形5がソーマタージの頭上より迫る
それはイクトにも見えるだろう 異形5はソーマタージに意識が向いており イクトに隙をさらしている
93 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/10/11(日) 00:46:01.35 ID:M+RcyQOW0
>>92
「あ、ろ、ロイっ……!!」

名前を呼んだのは既に、行動を終える程のタイミングであった
咄嗟反射的に取ったのは極めて攻撃的な一挙
ロイを庇うのではなく、異形を崩す事で救援をと狙ったのだ
それはタイドメイカーの連続使用による、兵器然とした深層の現れでもあった

轟々たるうねりを挙げて迫るは触腕3本
残った全てのそれを、地面に直に脚を組み胡座で座り込んで異形への攻撃と成したのだ
94 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/10/11(日) 00:46:34.99 ID:Cdq7oF+U0
>>91>>92
Fuck Offだ。糞ゴリめ
【心臓を潰す感覚にある種の快感を感じ、拳を脚を覆う刺を引っ込める】
【崩れ落ちる怪物の胸から左拳を引き抜き、倒れる風圧でコートを翻して背を向ける】


ヨー、なんか悪かったな。よかったらその剣貸してくれないか?
いやぁこうしていると昔を思い出すな。猫、切り落とされた首、捲れる地面、それとチーズ!チーズはどこだ
【イクトからやや離れた所で片手を挙げ、軽く声をかけるソーマタージ】
【意気揚々と突き刺さった刀を抜こうと、上から迫る異形に気づかないまま歩き出そうとするが果たして】
95 :イクト・フレンドシップ ◆GIyFjXJ4X2 [sage]:2015/10/11(日) 00:52:25.01 ID:1GomcXLT0
>>92
>>94

「っ……! 危ない!」

後ろに迫る異形向けて銃弾を撃つ。
狙いは適当であるが、少なくとも注意をこちらに向けることはできる
しかしこれは諸刃の剣。何故ならば注意がこちらに向けば剣を渡すのが困難になる。
なので男は……

「っ、りゃあああああああ!」

剣のその場に突き立て、異形向けて駆け出す。
男の身体能力は異形と比べるまでもなく低い。しかしそれでも時間稼ぎにはなるはずだ。
……ソーマタージが突き立てた剣を拾うまでの時間くらいは、少なくとも。
96 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/11(日) 01:03:00.16 ID:GaVVxRm30
>>93-95
ロイに一撃を仕掛けようとした異形1は 突如降ってきた触手に押しつぶされる
元々ロイの攻撃を延々食らい続けていた異形1は その波状攻撃に耐えきれなかった

ロイ「ふぃ・・・助かった・・・とぉ!!」

そしてソーマタージに降りかかる異形5
イクトが銃弾を放ち それが命中するが 空中の異形5の軌道は変わらない

だが剣をかなぐり捨てて駆け出し ソーマタージの頭上へと体当たり
それでわずかに起動がずれた異形5は ソーマタージへの攻撃を中断することになる

せっかくのチャンスを潰された異形5 サイド攻撃を仕掛けようとして
喉から槍の穂先が突き出てくる ロイのバックアタックが異形5の喉に突き立ったのだ

ロイ「あぶねぇあぶねぇ・・・大丈夫か?」
冷汗を拭いながら2人の心配をするロイ

辺りを見れば あれだけいた異形もヒーローたちにあらかた殲滅されたところだ もう彼らに任せてもいいだろう

ロイ「さて ヒーロー様の事情聴取とかめんどくさそうだし ここらで退散すっか?」
装備を背負い 一同に提案した
97 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/10/11(日) 01:08:15.07 ID:M+RcyQOW0
>>96
「……はふぅっ」
「えぇっ、そうしましょうってんですっ」

ずるり、とタイドメイカーを収納
剣メインでの戦闘が多かったため、久々だったななんて思ってもいた
ロイの意見に頷いて肯定、素早くこの場から総員撤退、である

「……なんだか結構、楽しそうなとこだってんですねぇっ……」

チラリと背後を見れば色取り取りのヒーロー達の大活躍
見所が多そうな世界だと認識し、くすりと微笑むニアであった

//すみませんこれにて撤退でっ
//ありがとうでした、お疲れ様でしたっ
98 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/10/11(日) 01:15:49.98 ID:Cdq7oF+U0
>>95>>96
何?なんだって……ッ!
【イクトの行動と声によりようやく自身に襲いかかってきた他の異形に気づき、イクトの方へ駆け出して難を逃れる】
【途中彼の考えに気づいたのか、ソーマタージは一直線にイクトが残した剣へと駆け、手に取って吼える】
……イイイヤアアアアァァ!!

【右腕の途中までを鉛色の金属が覆い、肘から先には発疹めいて数本の触手とスパークが飛び散る】
【以前の戦いでの傷を省みず投げられた剣は、真っ直ぐに、異形の体を貫こうと飛んでいった】

本当に危なかったぜ。昔のことはブリ返すもんじゃねえな
【バツの悪そうな顔をして肩を竦め、自分の刀を引き抜いて鞘に納める】
無茶しすぎたな…やっぱりキャラじゃないことはするもんじゃないね
退散!いいねえ。責任とかも問われず暴れれること以上に楽しいことなんてそうはない!
【パンと手を叩いて大袈裟に広げ、痛ててとわざとらしく未だ火花の飛び散る右腕を押さえてうずくまる】
99 :イクト・フレンドシップ【逸話錬成】 ◆GIyFjXJ4X2 [sage saga]:2015/10/11(日) 01:24:54.47 ID:1GomcXLTo
>>98
>>96
「っと、お見事!」
見事自身の剣を掴み、それを使いこなしてみせるソーマタージの腕前を見て
放たれた剣は攻撃が命中すると同時にまるで風が通りすぎた塵の様に掻き消える。

「いえ、こっちも慣れないことをするもんじゃないですね……やっぱり銃は苦手ですよ」
大して威力もなく、命中させる精度もない自身の腕前に辟易しつつ。

「っ……なるほど、電撃も……惜しかったなぁ。それならアレを使ったほうが良かったかもしれないですね」

ソーマタージから出るイクトは一振りの剣を思い出した。
ケルトに伝わる雷撃の剣。一振りで山三つの頂きを消し飛ばすと謳われた魔剣を。

「……さて、こっちもさっきの一撃でカンバンですし、あとはすたこらさっさと逃げるとしましょうか!」

イクトはくるり、と背中を向けると、そのまま脇目もふらずに一目散に駆け出す。
願わくば、今日の出会いがまた新たな巡り合わせの呼び水となることを願いながら
100 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/11(日) 01:30:16.67 ID:GaVVxRm30
そそくさと戦場を後にする一行
冒頭で壁に叩き付けられていたヒーローが仲間に救助され 要救助者(ロイ達一行のこと)を仲間に聞くも
仲間は首をかしげるだけであった 

そして殲滅された異形達 その撃退スコアの中に 誰が倒したか不明のものが含まれていたが 観測の不備だろうと片付けられた
一行の記録は どこにも残らない

//んでは〆で
101 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/12(月) 21:27:13.57 ID:2BuXZH1p0
前スレ>755-769より
隕石でも落っこちたか それとも阿呆が核でもやらかしたか
兎に角 現代風の世界は氷河期に陥り ビル群は凍り付き 車もオブジェと化し なおもすべてを凍らせんと雪を降らせるのであった

そんな世界に足を踏み入れた越境者の男2人とサソリ1匹 途中吹雪いてきたのでイグルーを組んでビバーグを行った
途中で1人同行者を拾ったあと 順番に火の番をしながら一夜を明かす 吹雪きは夜遅くまで吹き荒れ 朝方弱まった

アキレス「ふぁぁぁぁああああああ・・・・まださみぃなぁ…」
―――ギィ!!

イグルーの外に出て大きく伸びをするアキレスと それをマネして大きくハサミを振り上げるサソリのベティ

ロイ「飯を食ったら移動するぞ 私物片付けておけよ」
イグルー内 糒(炊いた米を乾燥させたもの)を水で似ておじやを作るロイ

あいにく空は分厚い雲に覆われているが さっさと移動しないと兵糧が尽きてしまうだろう
102 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/12(月) 21:36:10.39 ID:d+XLB9pTo
>>101
男二人とサソリ一匹に死にかけていたところを助けられ、そのままともに一夜を明かすこととなった吸血鬼が一匹
イグルーの外の吹雪も収まっていよいよ集落に移動しようと思っていて…

「この世界にいる限り、どこにいても寒いと思うよ」

イグルー内でおじやを作るロイを手伝うのは拾われた同行者、初
彼女は人間ではなく、寒さには若干の耐性があったが流石に積極的に外に出ようとは思わなかった
流石に、風邪をひきかねない

「行き先は例の集落だね。まだ生きてるといいけど…」

空は雲に覆われているがまだ昨夜よりはまし
だが、気がかりなのは昨夜の吹雪で集落から越境者をかくまえるだけの余裕が失せていないかだった
103 :クルト・カントール【深紅の篭手>>450 [saga]:2015/10/12(月) 21:49:48.83 ID:aehuLAyio
【ダカッ…ダカッ…ダカッ…】

 ふと、この雪に覆われた静寂の世界に遠方より音が流れ始める。
 それは何か複数の動物が駆けるような足音。そして、何かを引き摺るような音だ。

「ハッ!ハッ!」

 点のように小さな影が徐々に輪郭を顕わにする。
 それは複数の犬だ。6〜7頭近くの犬が走っている。それもただ群れを為しているわけではない。
 犬はそりを引いているのだ。そりには目深にフードを被った人影が見えるだろう。

【何とも風変わりな移動手段であろうが、こういう世界では都合が良いのかもしれない】
【→なお、この時点ではポストアポカリプスよろしくレイダーなのか否かは判断困難であろう。お互いに】
104 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/12(月) 21:50:50.22 ID:2BuXZH1p0
>>102
アキレス「なにこれ? リゾット?」
ロイ「似たようなもんだ さっさと喰え」

―――ギィ♪

こうして一同すばやく朝食を頂き 荷物をまとめて外に出る

アキレス「雪の家はどうすんの?」
ロイ「捨て置く 壊すメリットもないし」

【そして移動すること数時間】

アキレス「強行しないでよかったよ これじゃついても真夜中になってただろうし」

降り積もった雪で一同の足取りは重く その場所に着いたのはすでに昼を回っていた

ロイ「さぁて 人里・・・だと思うんだけど…」
突いた場所に人の気配はなく ビル群やら商店街やらはあっても 外を歩いている人はおろか 明かり一つ灯ってないのだ

アキレス「でも確かこっちに照明が灯ってたし 誰かいるはずなんだけどねぇ…」
辺りをきょろきょろと見回っているアキレス
105 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/12(月) 21:53:10.50 ID:2BuXZH1p0
>>103
アキレス「お・・・おいオッサン なんか来たぞ!?」
ロイ「戦う準備だけしておけ 話が通じるならよし ダメなら・・・だ」

アキレスがおたおたとリボルバーを抜き ロイが手慣れた様子でハルバートに手をかけた
あとはただ 警戒して来る何者かを見やるのみ
106 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/12(月) 21:58:17.77 ID:d+XLB9pTo
>>103-104
「温かい食事というだけでも感謝せねばだね」

荷物はほとんどない初は手ぶらで外へ
ちゃんと腰の水筒で血液の補充をすることは忘れなかったそのときに一言小さく呟いていた
「不味いな…血のストックがあと2日分しかない。補給しないと死んでしまう…」

「他の越境者がこのあたりを訪れた時に使って生き延びる可能性もあるしね」

【移動して…】

「だいぶかかったね…人はどこかな?」

集落のあるであろうところについたときは昼間…しかし太陽はその姿を見せていない

「昼間は電力を節約している可能性はあるよ
とにかく人を…」

集落の生き残り探しをしている最中、何かの襲来を感じ取った
初は右手に氷の槍を纏わせて赤い瞳でそれを見る
それが敵か、味方かを見極めようとしていた
107 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/12(月) 22:08:34.68 ID:aehuLAyio
>>105-106

「おっと…!」

 アキレスがリボルバーを抜き、ロイがハルバートに手をかけて、
 さらには変わった雰囲気のお嬢さんが、不可思議な槍を出現させたところで、男は犬ぞりを停止させる。

【フードからの覗く白い口髭と白髪。一見して老人を思わせるが肌ツヤと体躯はまだまだ現役とも見えるだろう】

「お前達、強盗かレイダーの類なら仕方ないが、そうで無いなら武器を降ろせ。
 訳のわからない内に殺し合いなんぞしても誰の得にもならん」

 言いながらあっさりと両手をあげる。深紅の左手は義手だろうか、僅かに機械音が鳴る。
 同時にこれを降伏と捉えるのは危険であろう。この状態でもワンアクションで銃を抜いて交戦に入れそうな、
 そのような雰囲気を十分に与える声音と立ち振る舞いであった。

「それにしてもここは無人だったか?立ち寄った事はないが」

 あえて視線を逸らして周囲を見る。意識は三人と一匹に向けたままであり、
 銃口を向けようと思えば即座に向けることも出来るのであろうが、交戦の意志はないという意思表示でもある。

【→なお、ベティはこの老人(?)の感触に何処か覚えがあるかもしれない。ちょっと見ないうちに随分と様変わりしてしまったが】
108 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/12(月) 22:17:02.53 ID:2BuXZH1p0
>>106-107
アキレス「でも太陽が出てない辺り 結構薄暗いからなぁ」
などと言っていると 犬ぞりの男出現

ロイ「そう言って油断したところを・・・とか考えてなきゃ すぐにでも下すんだがなぁ」
対するロイはまだ警戒している様子

両者の間に不穏な空気が流れ・・・かけた次の瞬間

???「「「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃやっっっほぉぉぉぉぉぉぉぉう!!!」」」
場の空気にそぐわぬ 底抜けに明るい声が響き 何かのビルの中から肌を真っ赤に上気させた男が『 全 裸 』で飛び出してきて 雪の上にダイブ

さみーだのつめてーだのとひとしきり転げ回り騒いだ後 顔を上げて

( ゚д゚ )( ゚д゚ )( ゚д゚ )

こちらに気付いて固まった なお下腹部はカメラの絶妙なアングルにより映っていない

ロイ「・・・・・・・・えと・・・・・?」
雪よりもなお冷え切った空気にどうしていいかわからないロイと

―――ギィ?
アキレス「どうしたベティ? なに知り合い?」

やってきた犬ぞり男に近づき 不思議そうにハサミを振り上げるベティがいた
109 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/12(月) 22:22:57.26 ID:d+XLB9pTo
>>107-108
「ボクはただの困窮した越境者、物取りにまで堕ちるつもりはないよ
ニンゲンでもないけど年老いたニンゲンを殺すのも好きじゃないかな」

両手を上げられると初はあっさりと氷の槍を解く
初はノンアクションで武器を作れるというアドバンテージがあるから解けるというだけだが
だが、二人の同行者はそうでなく、辺りは不穏な空気になり……

「………ロイ、彼の血を吸ってもいいかい?いや…ああなりたくないから吸わないかな」

全裸男(仮)に周囲よりも冷たい視線を向ける初
忘れてはならない、彼女は吸血鬼である前に

女 の 子であると
110 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/12(月) 22:32:52.18 ID:aehuLAyio
>>108

「…まあ、お前さんの立場なら警戒を解くのは容易じゃないだろうが」

 アキレスの銃の構え方と、お嬢さんの方を見やって言う老人(?)。
 ロイの警戒は当然のものだ。寧ろ容易に解けばそれこそ無責任というもの。
 さて、どうしたものか。お嬢さんの言からしてレイダーではないのならここを去った方が穏便に――

【アナヤ!ここで一触即発の空気を悪い意味で一変させるアクシデント!なんか振ってきた!】

「……あれは男なら一度はやりたいかもしれないな。気持ちはわかる」

 などと、肩で笑いながらのたまった。いい感じに空気が壊れたものだ。
 と、何か足元に美味そうな大型サソリがやってきて、ハサミを上げてきた。

「…ベティ?…??」

 少し考え込んで、

「…ベティ。ベティか!久しぶりじゃないか」

 おもむろにベティを両手で抱えると顔の高さまで持ち上げた。

>>109

「おっと、どうやらお嬢さんには刺激が強すぎたようだ」

 また、老兵はお嬢さんの反応を見て、何やら楽しそうである。

「言い回しは妙だが…そういうところはそのまま年頃のお嬢さんというわけだ」

 剣呑な空気は完全にぶっ壊れた模様。軽口まで飛び交いもはや緊張は維持できまい。
111 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/12(月) 22:43:06.94 ID:2BuXZH1p0
>>109-110
しかし悪夢は終わらない

???「待てまt・・・」
???「おいどうs・・・」
???「え なに?・・・」

男が出てきたビルから 同じく肌を上気させた男達が 全 裸 で出てきて 同じく雪上へダイブする前に一同に気付き 同じく( ゚д゚ )な顔をして立ち止まる

ロイ「・・・とりあえずやめといたら?」
氷室へと提案し

ロイ「あぁ…なんか空気も壊れたし この辺でやめておくか? とりあえず・・・そこの 全 裸 ども これは一体何の騒ぎだ?」

ゼンラーズ「いや・・・俺らただサウナ入ってただけだし お客さんなら向こうの入り口からメトロん中に入れるよ」
気まずそうに指さした先 そこはメトロ 地下鉄の入り口だった ちなみに男達が出てきた場所ではない

ロイ「おk なら行くか」
そう提案するロイと

―――ギィ!! ギィ!!
旧友との再会を喜ぶベティ

アキレス「えぇ・・・」
目の前のおっさんに心当たりがなく 困惑するアキレス

さして異論なければ そのままメトロの中に入っていくことになるだろう
112 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/12(月) 22:50:22.11 ID:d+XLB9pTo
>>110
「ボクは自分が何年生きてきたか覚えてないけど…そうだね、何年経ってもああいうのは刺激が強いよ…」

どうやら吸血鬼の老化防止は精神にまで作用してしまっているようだ…そんなことはないはずなのだが
全裸男(仮)から意識的に視線を外して老兵の軽口に応じている
全裸男(仮)は全体的にはいい役割を果たしていたようだ
繰り返す、全体的には、だ
>>111
「……………そうしとくよ」

初はこのときほどミサイル等の広範囲を攻撃する武器を欲したことはなかった

「だね、早くいこう」

言うが早くメトロの方へ体を向ける初
一刻も早く男たちから視線を外したいのだろう
ともあれ、彼女には異論はなかった
113 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/12(月) 22:58:01.89 ID:aehuLAyio
>>111

「随分と縮んだな。ベティ。いや…俺がデカくなったのか」

 含み笑いを堪えながら、困惑するアキレスにベティを返してやる。
 クルトは古い、もう大分色あせてしまった記憶を少しずつ呼び起こしていた。

「ベティとはちょっとした知り合いでな。どうしようも無く落ち込んでいた時に随分と励ましてもらったものだ」

 なんとも謎めいた言い回しをしながら、犬を入り口で止めてメトロへ。
 もちろん、待たせる間の干し肉と栄養カプセルを与えることは欠かさなかった。

「サウナの後に、雪に飛び込むか。なるほど、いいセンスだ」

 メトロへの道中、何故か全裸の男達を賞賛しながら、
 ふと、ロイの方を見て、

「男なら一度はやってみたい事だな。興味が無いワケでもあるまい」

 と、懐から葉巻を一本取り出して寄越した。上物である。仲直りの印って奴かもしれない。

>>112

「年齢と人生経験は一致しない。ということだなお嬢さん。受け売りだが丁度いい言葉がある。
 老いないという事は老いる代わりに得られたモノを永久に得られない事でもある≠ニな」

 どうやら、氷室の言い回しと雰囲気から人間とは別種と概ね察しが着いている様子。
 こういう反応をする人種の特徴としては、人外の者と既に幾度か接触している場合が多い。

「まあ、半分は老人の僻みみたいなものだがな」

 面白そうに氷室の頭をポンポンと掌で優しく叩きながら、老人はなおも上機嫌である。
 ロイとの阿呆な会話からすると、あの全裸ダイブは男の本懐らしいが?
114 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/12(月) 23:13:06.90 ID:2BuXZH1p0
>>112-113
アキレス「あぁ…そう」
自分より前に知り合いがいたとは思わず なおも困惑している

ロイ「おぅ 悪いな」
葉巻をもらい ツールナイフで先端を切り飛ばし 闘志の炎で火をつける

ロイ「・・・上等なのをもってるじゃないか 俺はロイ・ゴールドマン 所謂剣と魔法の世界ってやつで兵士崩れの冒険者をしていた」
アキレス「あ・・・あぁ俺はアキレス ヒスパニック系でグラフィティ・アーティスト んで・・・」

―――ギィ!!
アキレス「必要ないよね」

なおも嬉しそうにハサミを振り上げるベティでしたとさ


氷室と犬ぞり男を連れてメトロ内に入っていく
そこは随分と広く 暖かく 明るい空間だった

足元のタイルは軒並み引っぺがされ 土がさらされ 良く耕されていた
天井は おそらく人工太陽照明が使われているのだろう 眩しいぐらいに照らされる構内を覆い尽くすように植えられた葉野菜の隙間を 人々が一生懸命に手入れしている

農夫「おや? よそ者さんかえ? よぉ来たなぁ」
敵意の欠片もない のんびりした声で話しかけてきた

農夫「そっちにカフェがあるでよ 茶でも飲んでいくといい」
指さした先 古びた看板に【ドト○ル】と表記された 益内によくある喫茶店があるのが見える

ロイ「とりあえずこの辺はよそ者にヘイトがないらしい 場合によっては仕事をもらって滞在するのもいいかもな」
アキレス「そうだね ここ暖かいし」
115 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/12(月) 23:19:00.92 ID:d+XLB9pTo
>>113
「ボクは昔吸血鬼に襲われて一定以上の老いと引き換えに得難い力を得た
確かにその言葉は正しいよ、あなたのような人を見ていると痛感する」

初もまた、老兵が幾度か人外との邂逅をしている人間と察しがついていた
でもって人外にそれほど敵意を持っていない、最も接しやすい人種の一つだ
もう一つは人種の垣根を知らぬ者だが……

「残念ながら、老いれないということはああいうタイプのニンゲンをどれだけ時間をかけても理解できないのと同義だよ」

頭をポンポン叩かれながらこんなことを漏らす
同時に、男は皆ああなのかなんて少し諦めそうであった

「ああ、ボクは氷室初
お察しの通り、吸血鬼さ」
>>114
メトロの中は意外と状況はよさげだった
中は畑にされ、明日を生き抜くための食物が育てられている。かなり栄えている部類と言えよう。

「茶、ね……可能なら血を補給したいけど……」

喫茶店を見て、腰の水筒を見て、溜息
敵意がないとはいえ流石にそこまではできないと初は半分諦めていた
老いない人外には別の苦労があるのだった

「だね、ここは幸い自給自足できているようだし受け入れられるだろう」
116 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/12(月) 23:30:53.99 ID:aehuLAyio
>>114

「俺はカントール。クルト・カントール。傭兵だ。
 剣と魔法…と呼ぶにはちょっとクソッタレに過ぎる世界の出身だな」

【知識:スプロールでは深紅の篭手≠フ異名で知られる高ランクのランナーである】
【知識:また、傭兵世界のギルドにも名を連ねていたりする。要するに越境者だ】

「アンタ等の事は少しは知っている。いや、思い出した。よろしく頼む」

 上物の葉巻を吹かしながら、ロイとアキレスを見やる。
 過去に行われた虐殺。ハルバートを掲げ大軍に立ち向かった男と、
 自分に世界を見ろと言ってくれた男だ。セピア色の記憶と何も変わっていない。本当に。

(ようやく時間軸とやらが同期したという事か。随分とズレてしまったようだが)


>>115

「失うモノがあれば得られるモノもある。その逆もしかり。
 何もかも、とは容易にはいかないし、いったらそれこそ悲惨というものだ」

 葉巻を咥える男の姿はかなりサマになっていると言えるかもしれない。
 こういう所作も、代わりに得られるモノの一つなのだろうか。

「まあ、あの手のロマンは中々に理解してはもらえないがな」

 やっぱり、この吸血鬼の様子を面白そうに見る老兵。
 これは人外にそれほど敵意を持っていない&のタイプであろう。

「クルト・カントール。しがない傭兵だ。どうやらお前さんと同じ越境者だな」

 −−−−−

>>114

「どうやら、当たり≠フコロニーだったようだ。秩序と文明が残っている」

 つまりは人にまだ多少の余裕がある。人が人に人らしさを向けるだけの。
 それが、この手のポストアポカリプスの世界ではどれだけ貴重なものかは言うまでもあるまい。

「茶か…キノコを砕いてつくった類のはメトロでは飲んだものだが」

 茶も文化を色づける貴重な習慣といえる。動物に堕した人類では味わえない。
117 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/12(月) 23:45:32.14 ID:2BuXZH1p0
>>115
氷室の言葉が聞こえてしまったらしい
先ほどの農夫が氷室に顔を向ける がそこに嫌悪感はなく

農夫「お嬢さんどこか悪いかね? 向こうにずっと向かった方に病院があるから 先生に診てもらうといい」
と 畑の向こうを指す ちょっと勘違いはあるが心配してくれているらしい

さて 喫茶店に入ると 老人が出迎えてくれた メニューを見ると 概ね見知ったメニューが並び 現代で使われる通貨gはそのまま使えるらしい
だがなぜかコーヒーだけは二種類表記されている ふつうの値段と馬鹿みたいに高い値段の二つだ


>>116
アキレス「かんとーる・・・あぁ聞いたことがあるぞアンタ スプロールのランナーだろ? キャリアーのブルーフォグって聞いたことない あれ俺なんだよ」

【知識:で高ランクに位置するキャリアーで 青い霧 ブルーフォグの異名を持つ】

ロイ「俺も聞いたことがあるな ゴーレムの腕を持つ男・・・だったか なるほど越境者か


さて 喫茶店に入れば上記の通り 安いコーヒーとバカ高いコーヒーが存在するふつうの喫茶店

安いコーヒーを頼んだロイがさっそく一口

ロイ「酸味が強いな・・・わかった チコリ―のフェイクコーヒーか」
【現実でも実際に売られているカフェインフリーのコーヒーのようなもの】


>>全員対象
アキレス「なぁ しばらくここで滞在したいんだけど 仕事ないかな?」

その問いに喫茶店のマスターは

マスター「豚と鶏の世話 料理人 掃除夫に・・・地上から物資を運ぶ仕事もあるぞ」
こういったよそ者は珍しくないのか よどみなく言う

ロイ「さぁて何をやろうか?」
118 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/12(月) 23:58:20.47 ID:d+XLB9pTo
>>116
「全てを手に入れられた者の世界は色褪せて見えるだろうね」

高い位置から頭を叩かれる。これは失うはずのもの。対して葉巻が似合うのは得られるもの。
こんな小さなものも全て手に入れられたら、と人は思うが実際その果には何も無いのだろう

「なるほど、越境者か
通りでボクみたいな人外を恐れないわけだ」
>>117
「大丈夫、ボクは人間じゃなく吸血鬼なんだ。といっても人は積極的に襲わないけどね。
理解は難しいだろうけど、とにかくボクは至って正常な越境者さ」

と言いながらに異様に長い犬歯を見せる
この手の勘違いには慣れているようで、対応もやたらとスムーズだ

安いコーヒーを頼み、ミルクと砂糖を加えて一口
すると顔を顰めてもう少し砂糖を足す
苦いコーヒーは苦手なようだった

仕事の話題となり、初は

「何でもいいけどボクは常人よりは寒さに強い
血という形で報酬をくれるなら物資運びでもなんでもやれるよ」

と、答える
初にとって今の最優先事項は血液の確保であった
119 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/13(火) 00:03:44.24 ID:rlVJh70oo
>>118

「まあ、難しい話は置いておいてコーヒーをいただくことにしよう」

 なお、吸血鬼のある種、お子ちゃま舌な反応を目の当たりにして、
 またも楽しそうな老兵であったという。

「寒さに強いのはいいが、運搬には問題ないのか。
 もっとも、ソーサリーで色々できるのかもしれないが」

 当然の疑問をフト思った次第。

>>117

 互いの認識がこのような事になるのも時間軸がズレているために起こりえる現象である。
 ロイが参加した戦いで救助した幼子を、その戦いの前に傭兵として名を見たことがあるという、
 やや、一種のパラドクスめいた事象である。世界修正力ゆえか、因果が繋がるまで一度も接触は無かったが。

「キャリアーのブルーフォグ…非生産的ラクガキ屋の方があっているんじゃないか?」

 からかい混じりにそのような事を言うクルトである。
 老人のような容貌であるが、かなりフランクな性格の模様。余裕があるのだ。雰囲気に。

「ゴーレム?また随分と格好がつかない異名もあったものだ」

 そのような話をしていると喫茶店にたどりつき、早速オーダー。

「高い方だ。カネはこういう時に使わないとな」

 バカ高い方を注文。明日とも知れぬ身の上。楽しめる時には全力で浪費するスタイル。

「動物の世話も料理と掃除もあまり向いて居ない。
 マスター、俺は犬ぞりを持っている。7頭で200kgまでなら余裕で耐えられる。どうだ?」

 犬も数が揃えば中々侮り難い運搬能力となるのだ。
120 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/13(火) 00:14:51.41 ID:LmGMELwe0
>>119
アキレス「なんだとコノヤロー 俺だって有名人なんだぞー」
―――ギィ!!ギィ!!

プリプリ怒るアキレスと マネしてハサミを振り上げるベティでした

>>118-119
氷室の方は苦味よりも酸味の方が強く感じられるかもしれない
だが実のところ ふつうのコーヒーよりも健康効果が高いのだ

大してクルトの方は上等なブルマンを惜しげもなく使い マスターの腕も相まって非常に薫り高い

ロイ「俺も寒さには強い方だな」
アキレス「俺は・・・そうでもないけど 他のをやるぐらいなら物資運搬に回ろうかな…? オッサン達についていけば生存率高そうだし」

―――ギィ♪
パンに舌鼓を打つベティをよそに 全員の決意は固まったようだ

マスター「犬ぞりか・・・また珍しい物を持っているな よかろう 上に掛け合って 寝台列車のAロイヤルの部屋と牛のステーキを用意して待っててやろう
     その前にサウナに入っていくといい 場所は大体わかるか? お前たちが入ってきた場所とは違う入り口近くに設えてある」

こうして このコロニー内の生活は始まりを告げた・・・・・


//そろそろ〆で おつかれー
121 :氷室初【氷結鬼】 [saga]:2015/10/13(火) 00:24:46.14 ID:n5lXDZBd0
>>119
「こんなコーヒーの味には少々苦い思い出があってね……生存本能が無意識に甘味を…少しすっぱい?」

どちらにせよ、味覚はお子様であった

「ああ、これでも人を外れた力はあるよ
能力者の血液があればさらに強くできるよ」

そこは伊達に吸血鬼ではないということだろう
ともあれ力にはかなり自信があるようであった
>>120
「ボクはステーキはいいから血液が欲しいけど…まあいいかな
あと、サウナも遠慮しとくよ」

先程の光景は忘れていない初であった
//では私もこのあたりでーお疲れ様でした!
122 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/13(火) 22:31:38.25 ID:rlVJh70oo
【ニヴルヘイム】

 凄まじい冷気と朽ちた都市ば墓標の如く佇むこの世界。
 零下を遥かに下回る気候の前で薄着で居ようものなら忽ち氷像のオブジェと成り果てるであろう。

【極寒の影響下。全環境対応している装備か厚手の毛皮のコートが推奨される】

「なんとも殺風景な事だ。正に死の世界(デスワールド)と呼ぶべきだな」

 葉巻を口に咥えながら、スーパーマーケット遺跡(妙な言い回しだが相応しくもあるだろう)で回収した、
 カンヅメ、キャンディ、医薬品、酒などのポストアポカリプスにあっては貴重な品々を犬ぞりに積んで行く。
 彼はクルト・カントール。境界線を行き来する傭兵。容貌から老兵に見られがちだがまだ40代の現役だ。

【ふと空を見上げる。ヘシ折れた電波塔が見えた。トーキョタワーと呼ばれていたらしいが】
123 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/13(火) 22:45:07.77 ID:LmGMELwe0
>>122
ロイ「だが聞いた話だと このニホンってぇ国はまだ平和なんだとよ」
分厚い革のコートを着込んだ男が 冷凍食品を山ほど抱えて持ってくる

ロイ「なんでも原子力発電ってのがまるっと残ってるもんだから しっかり電気が使えるし
   地下鉄が網の目に張り巡らされてるから 地上に出ないでもある程度遠出もできる」

アキレス「ねぇ 向こうに氷漬けのパンツがあったけど 溶かせば使えるかな?」
長話を始めるロイの元に 服飾品売り場に行っていたアキレスが下着類をもって参上

ロイ「あぁありがとう  俺の見立てじゃこの世で最も秩序だってると言えるだろうな
   地方はどうだか知らんが この辺じゃある程度金を溜めれば クサツってぇ温泉街にも行けるらしい」

ドッカリと残りの食品と下着を乗っける そろそろ満杯に近いかも?
124 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/13(火) 22:54:47.56 ID:rlVJh70oo
>>123

「まだ&ス和か・・・」

 軒先の影に目線をやる。幼い兄妹らしき朽ちた死体が映った。
 白骨化していないのはこの冷気のためであろう。もしかしたら永久にこのままか?とすら思わせる。
 ある程度安定するまでには酷い混乱も起きたのだろう。少なくない犠牲者も。

【と、ここでアキレスが戻ってくる。なんか下着類をもってきた】

「衣服は幾らあっても不足はしないだろう。石油の精製が出来ないのなら化学繊維も使えん」

 食料と衣料品を袋に入れて荷物用のそりに載せる。
 そろそろ限界であろう。これ以上は犬達が引ける重さを越える。
125 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/13(火) 23:07:18.51 ID:LmGMELwe0
>>124
アキレス「やった褒められた」
ちょっとうれしそうなアキレス

―――ギィ!!
そこにベティがやってきて これも持っていくと言わんばかりに差し出したそれは カッチカチに固まった 何かのヒーローのソフビ人形だろう

―――ギィ!!
アキレス「コロニーにいた子供にあげるんだってさ 少しぐらいは大丈夫だよね?」

と首をかしげるアキレス そしてロイは白い溜息を一つ吐いて

ロイ「問題になっているのはチューゴクという隣の隣だったか? の国なんだとよ そこは電気を石炭に頼ってたから
   燃料と被ってすぐに枯渇 己の楽園目指して東西南北大移動ってさ こっちにも来ていて 氷に覆われたニホンカイには奴らの死体がゴロゴロ転がってるらしい
   それでも運よく渡り切っても 連中はよそ者 こちらにそこまで余裕なし あとは分かるな」

ヤレヤレと頭を振った

ロイ「っと そろそろ満杯か 戻るか? それともまだこの辺探ってみるか?」
126 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/13(火) 23:18:36.80 ID:1/xXZBiDo
その時、空間の一部がぐにゃりと歪む。高さは地面から3メートルほどだろうか。
そして、そこからはじき出されるように人影が跳び出て―――

「―――へぶっ!」

ぐしゃり、と地面に上半身から落下した。祝い、顔は腕でガード出来たようだ。

「…またか、ツイてない…寒っ!?」

チクショー、と悪態をつきながら立ち上がる男。
この極寒の地には、いささか不釣り合いな軽装である。
127 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/13(火) 23:18:55.12 ID:rlVJh70oo
>>125

「ああ、よくやった」

 アキレスの成果に素直な賛辞。内心はちょっと微妙な気分にもなる。理由はまあアレだ。アレ。
 ふと、ベティがソフビ人形を持ってきたので、それも受け取り荷物の中へ。

「まったく、積載量は限界が近いんだがな」

 そうは言いながらも、ベティを撫でてやる。 心意気を無碍にするのは論外というものであろう。

【ベティを撫でるクルト。もしかしたらベティにはかつての死んだような瞳の少年が連想されるかもしれない】
【→随分と様変わりしたものである。瞳には老練と経験の光が宿り、手からも強い生命力が伝わるであろうか】

「楽園(エデン)など無い。文明崩壊後の世界はどこも似たような物だ。
 無いモノを求めて破滅へ一直線。お決まりといえばお決まりの・・・」

 ここでガサリと音が鳴る。クルト、葉巻を足元に落として踏み潰す。
 ワンアクションで肩に駆けていた古風なレバーアクションショットガンを構えた。

【外見こそは西部劇に出てきそうな古式銃だが、スマートリンク内蔵のハイテク銃であり、
 クルトのサイバーアイに照準や周囲状況が解析・投影される】

「ゴフ・・・ゴフ・・・」

 すぐに、動物の呻きのような物が洩れ始めた。熊の類と推測。
 野生生物?もちろん、この手の野生化した動物の危険性は枚挙に暇がないのはいうまでもない。
128 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/13(火) 23:23:49.55 ID:rlVJh70oo
>>126

 そして当然のように襲い掛かる極寒の気候!!
 寒!では到底済まされぬ!!数分も経てば凍死確実の気温である!!

【まず息が凍る。さらに体の水分が肌に張り付き凍り、それがさらに体温を奪う悪循環!】
【皮膚が凍り、血液が凍り、意識が混濁し、そして、死に到る。これが凍死のルートであろう】

 四肢、特に足や指の先端などは危ない。
 血液が行き届かなくなれば、やがては黒く変色。壊死、切断といった危機的な障害を被るケースは少なくない。

「野生生物に続いて・・・自殺志願者か?あまり、楽な死に方とは思えないが」

 凍死は自死の方法としては如何なものかと、白髪の老兵が周囲に銃を構えながら告げた。ヒドイ誤解である。
129 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/13(火) 23:31:46.25 ID:LmGMELwe0
>>127
―――ギィ!!
アキレス「だったら自分もそりを引くってさ」

フンスと鼻息が聞こえそうなほど元気にハサミを振り上げた

―――ギィギィ♪
なでられて嬉しそうに体を揺する その仕草に変わりはない
死んだ目の少年の時も 生命力漲る初老の時も 何ら変わらない

アキレス「あぁそうそう 今度三ツ石重工とやらに食料を運ぶらしいんだけど その護衛をしてくれってさ
     そのチャイニーズがメトロ内にもいるらしい ジエータイが頑張って駆逐してるらしいんだけど 無理があるらしい」

さて そろそろ帰ろうかという時に無粋な客 アキレスは緊張しながらも腰を落とし臨戦態勢 ロイは

ロイ「よし 新鮮な肉が手に入るなら冷凍食品は今度でいいな 今日は熊鍋だ アキレス」
むしろ嬉々としてハルバートに手をかける

アキレス「分かってるよ! デモンレッグ!!」
その言葉と共に青い霧を足から出し ついで足元の氷をクマーに投擲

アキレス「やーいばーか!!」
手を打ち鳴らして挑発 いつものように囮準備は万全である

>>126
ロイ「おいアンタ!!」
髭の男が声をかける

ロイ「死にたくなかったら逃げるか 戦え それだけだ!!」
130 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/13(火) 23:32:32.17 ID:1/xXZBiDo
>>128

「う、撃たないでくれ!俺はアンタ達と敵対する気はない」

両手を高々と掲げ降参の意思を示す。
彼の着るフライトジャケットは-10度程度までを想定した造りとなっているが、この地ではほとんど意味を成さない。
しかし、不思議な事に彼の顔は正気に溢れている。とても体温が奪われているようには見えない。
見ると、彼の肌に銀色の幾何学模様が浮かび上がっている。彼の体内のナノマシンが、生命維持のため活性化しているのだ。

「…取り敢えず、防寒着と手袋を恵んでくれないか?手が悴んで、さ」
131 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/13(火) 23:41:08.41 ID:rlVJh70oo
>>129

「グルルルル・・・」

 ビルに影から熊が出てきた。予想通りであろう。
 が、やや予想外な部分もあった。

【剛毛に覆われた熊である。巨大だ。3メートルはある。眼は血走り、口からは粘性の血液。食事が足りないかったらしい。
 他にも特徴は幾つかある。左肩の部分には巨大な眼球≠ェ生えてグチャグチャ音を出しながら蠢いている。
 さらに延長の左腕は毛皮は吹き飛び、肥大化した血管と筋肉がグロテスクに露出し、
 その先には掌の代わりに異常に鋭く巨大な鍵爪が中から肉を突き破って不規則に生えている=z

「・・・本当にアレの鍋が食べたいか?俺は御免被る」

>>130

「後でいいならな。今はそんな暇はなさそうだ」

 見れば熊がこちらに・・・もはや熊と呼んでいいのか不明な奇怪な生物であるが、
 そのようなミュータントがこちらを餌と認識に今、正にせまる最中であった。

 −−−−−−−−

>>129-130

「「GGGUUUUUOOOOOO!!」」

 口とそれ以外の何処かから獰猛な叫びを発した変異熊は、
 弾かれたような凄まじい勢いと共に急接近!その穢れた左腕を大きく横薙ぎに振るう!!

【巨体と肥大した腕から繰り出される威力係数は推して知るべし!マトモに浴びればミンチとなって雪原にばら撒かれる!】
132 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/13(火) 23:45:24.83 ID:1/xXZBiDo
>>129

「ハァ…アイアイサー。あの化け物をどうにかすればいいんだな?」

脇のホルスターからリボルバーのようなモノを取り出し、両手で構える。
個人携行用レーザーキャノン"極光"。絶大な威力を誇り、精度も高い。
もっとも、彼の射撃の腕では効果的に扱えているとは言い難いのだが。

「逃げた所で、助かる保証もないしな…」

まっすぐこちらに向かってくる一体に狙いを定め、引き金を引いた。

>>131

「アレを片付けてから、だな?」

返事を待たずに目線を切る。今の彼に、他人に構う余裕はないのだ。
133 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/13(火) 23:50:17.91 ID:LmGMELwe0
>>131
ロイ「ただのクマーだったら食べる気満々だったんだよ・・・」
言い訳しながらも両手でしっかりと槍を構え 穂先を熊に向ける

そして熊が突撃してくる 尋常でない腕力の一撃を ロイは後方に飛んで回避し
アキレスは横っ飛びしつつ 片手でリボルバーのトリガーを引き

パァン パァン・・・

二回発砲 ダメージが入らなくてもいい 注意をこちらに向けるための先制攻撃である
134 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/14(水) 00:01:18.21 ID:8v4wdo/Lo
>>132-133

 レーザー光は凄まじい光を伴い突進する変異熊に向かって伸びたが、
 それは熊の脇を透過し天に消える。銃を命中させるには手の状態、
 敵の速度によるタイミングのずれなど悪条件が揃いすぎていたのだ!!

「その銃、収束率が高すぎるのも考え物だな。連射か散弾モードは無いのか?」

 アレックスの首根っこを引っつかみながらクルトが撃ったフレシェット散弾と、
 アキレスのリボルバーが命中するが、こちらは敵の強固な毛皮と皮膚、筋骨を貫くことが出来ない。
 有効打は与えられず!!

「GUUAAAAAAAAAA!!」

 ドガン!!と越境者達が避けた先の家屋に腕が命中!!
 それは壁に巨大な亀裂を穿ち、さらには強烈な衝撃力が老朽化した鉄骨にトドメをさした!!

【ガラガラと家屋が崩れ始め、周囲に大量の破片をばら撒く!なんたるパワか!】

「これは、随分とシャレにならんな。集落に潜入されれば全滅もありえるぞ」

 ショットガンの弾薬スキップ機構を動作させ、ショットガンチューブ内の弾丸を炸裂弾に切り替えるクルト。
 その声音からはここで仕留めるという決断の色が含まれていた。
135 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/14(水) 00:08:47.84 ID:BZP4qcMz0
>>134
アキレス「チッ けん制にすらならねぇってか!?」
ロイ「廃材浴びてぴんぴんしてるんじゃ その辺の猟銃ブッパしても有効だになんないだろうな!!」

アキレスが歯噛みし ロイは冷や汗が凍るのを自覚する

ロイ「アキレス!! 援護だ 突っ込む!!」
アキレス「わ・・・わかった!!」

両足で踏ん張り 両手でしっかりホールドしたリボルバーでもう二回発砲する 狙いは肩にある巨大な目玉だ

二発目の発砲音を聞いた直後 ロイが熊へと突撃し 外気で十分に冷えたハルバートの穂先を 熊の口へと真っ直ぐ突き出した
136 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/14(水) 00:13:07.48 ID:s6gy3GNKo
>>134

「銃身交換で変更できるらしいんだが、生憎この標準タイプしか入手できなくて…なっ!」

2発目、3発目を変異熊に向けて放つ。白銀の世界に紅蓮のレーザーが走る!
当然のようにミスショット!近くの地面を溶かすのみに終わる!

「…くそ、本格的にマズい」

残りは3発。数歩後ずさりする。指先が少し紫に変色している、凍傷だ。
137 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/14(水) 00:23:21.02 ID:8v4wdo/Lo
>>135

「GUUUUAAAAAA」!!

 肩の巨大な眼球に銃弾が突き刺さる。僅かに出血したが、それはすぐにグジュグジュと蠢き再生してしまう。
 が、変異熊の動きは明らかに鈍り、さらにロイに別の情報を齎す結果となる。

【撃たれた際にわずかに洩れた血液。散ったそれが付着した鉄や壁が煙をあげて腐食しているのだ。強い酸性の血液!】

「GOOOOOO!!」

 見出した隙にロイの斧槍の穂先が変異熊の口を貫く!
 口中を抉り、脊椎を寸断した確かな手ごたえ・・・が、その時!

「「GOOOAAAAA!!」」

 全くひるむようすもなく、寧ろ己の口にさらに深く斧槍を突き刺しながら、
 ロイに向かって突き進む変異熊。その血走った眼は異様である。食欲ではない。殺意のみで動いているのだ!

【酸性の血液を撒き散らしながら、ロイの肉体を引き裂かんと腕を振るう!!】

 DOM!!

 瞬間!クルトの炸裂弾が変異熊の脚に炸裂!突進力が一時的に衰える。

【おぞましい血液を撒き散らしながら振るわれた一撃は僅かにタイミングに隙が生じる!】

>>136

「その状態ではそんな大砲など当たらん。腰のM9は飾りか?」

 ショットガンのレバーをコッキングしながら、クルトはアレックスに声を投げる。
 この局面は数撃ちに徹したほうが命中するという提案だ。
 肩に露出した眼球など狙うべき箇所は少なくないと。

【一発狙いの大砲が、数撃ちで露出している弱点に攻撃を加えるか、といった選択肢なのだ】
138 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/14(水) 00:33:32.23 ID:BZP4qcMz0
>>137
ロイ「本格的なミュータントとかここで一体何があったんだ!?」
これでハルバートからサーベルに装備チェンジは取りやめになった この場では金属の補給が中々厳しいのだ
なので 柄から手を離し その腕を回避することに専念する そして口に突き刺さったままのハルバートは

アキレス「よぃ・・・ッしょぉぉぉぉぉ!!!!」
デモンレッグの比類なき脚力で接近するアキレス そのまま柄に飛び蹴りを放ち 穂先をさらに深く突き刺そうとする
139 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/14(水) 00:35:22.91 ID:s6gy3GNKo
>>137

「予備のマガジンが無いから使いたくはないんだが…」

贅沢は言っていられないか、とM9に持ち替える。パンパンパン、と3発を牽制に放ち、瓦礫の影に飛び込む。
ナノマシンも万能ではない。寒さに体力を奪われ、息が上がる。
140 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/14(水) 00:47:04.97 ID:8v4wdo/Lo
>>138-139

「GUUOOOOAAAAA!!」

 グオン!と風を斬る巨大な迫力と共に振るわれる腕。
 あやうく、ロイの顔面の革と頭蓋骨と引っぺがすかという一撃は、
 回避に専念したロイの顔の寸前で避けられる!!

「出し惜しみする局面でもないだろう」

 弾薬スキップで再びフレシェット散弾を装填すると、アレックスと共に射撃。
 変異熊の眼球に9mm弾が2発。そして散弾が突き刺さりアキレスの接近を支援!

【拳銃弾と散弾が眼球を穿ち、敵に大きな隙を与える牽制となる!】

「GAAAAAAAAAAA!!」

【そして、アキレスの蹴りがハルバートの柄頭を強かに放たれ、
 変異熊の顎から上をそのまま一気に吹っ飛ばした!!ゴア!】

 流石に頭部を脳ごと失って動けるほどには常識外ではなかったらしい。
 熊の身体は痙攣すると、そのまま地面に夥しい酸性の血液を撒き散らしながら斃れた。

【熊の肉体は体内の酸に対する耐性を失ったのか、グズグズに崩れて穢れた黒いスープに変じていく】

「…どうにかなったか。遅れたな。使うといい」

 ショットガンを降ろすと、アレックスの方に向かって、手袋と毛皮のマント。
 ウォッカの入ったスキットルを投げる。急場の冷気はとりあえずこれで凌げるはずだ。

「無事か。ゴールドマン、アキレス」

 そして、同行人達にも声を投げた。
141 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/14(水) 00:54:24.24 ID:BZP4qcMz0
>>140
ロイ「あぁ…最初にサーベルを使わなくてよかったよ」
少し疲れた様子で返事を返し ハルバートを回収するロイと

アキレス「うわえんがちょ さっさと帰ってサウナ入ろうぜ」
自らがやったゴアっぷりにドン引きのアキレス

―――ギィ!! ギィ!!
そして死体を食べようとしたのに 黒いスープになってしまってダッシュで逃げるベティでしたとさ

//んではお先にノシ お疲れ―
142 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/14(水) 00:58:05.44 ID:s6gy3GNKo
>>140

「なんとか…な。礼を言う」

マントを受け取り、ウォッカを舐めるように飲む。
手袋をはめ、長い溜息をついた。どこかくたびれて見える。萎びて、の方がいいかもしれない。

「しっかし、跳んですぐにこんな状況とは…先が思いやられるな…」

//自分もこの辺でー。初ロールで銃撃戦をすることになるとは思ってなかった
143 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/14(水) 01:03:39.18 ID:8v4wdo/Lo
>>141

「とんでもなく丈夫な斧槍だな。どんな素材を使っているんだか」

 スッタカターと逃げるベティの様子に呆れながらも、
 どうにかなったかと、葉巻を咥えて火をつけるクルトだった。
 どうやら、この世界、一筋縄ではいかないようだ。

>>142

「一仕事の後でな。集落が近くにある。案内しよう」

 そうしてアレックスも犬ぞりに載せてやり、帰路につくのであった。

//ではコノヘンデーノシ
144 :ネイムレス 【水魔導】 >>415 [sage saga]:2015/10/14(水) 22:45:26.61 ID:8ElTs5ts0
ここはどこかの平和な世界、ゆったり歩く半死人女
周囲は背の低い草とポツポツと間を開けて育っている木々に囲まれている
はたしてそんな場所で何を目的として歩いているのかと言えば

「さて………越境者はいないかしら、と」

なんとなくの越境者探し、人気のないこの場所を探すあたりやる気はさしてない様子
まあどこから現れるかもわからないから、と眠たげな顔で散歩である

「………それにしても、何もないわねぇ」

平和であると同時に大して目を惹くものもないこの世界
いい加減飽きてきたのか小さくため息
果たしてそんな彼女のもとに現れる何者かはいるだろうか?
145 :イリー 黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/14(水) 22:58:24.79 ID:ua2ntxNn0
>>144
「……うにゃん、うにゃんっ」

と、日当たりのいい倒木の上に猫が寝そべっているのが見えるだろう
二又に別れた双尾、空色の隻眼の黒猫である
近くの花に舞うミツバチを尻尾で追って戯れる絵図、牧歌的なモノだ

「……うにゃ……痛ぁっい!?」

最もそれも、オモチャにされたミツバチが怒りの一刺しを尻尾に食らわせるまでの間であったが
文字通り飛び上がりもんどり打って悶える黒猫、思わず普通に喋っている
146 :ネイムレス 【水魔導】 >>415 [sage saga]:2015/10/14(水) 23:06:17.95 ID:8ElTs5ts0
>>145
「あら、猫………猫なんて久しぶりにみたわ」

適当に散歩中、なんだか見えた猫の姿
しかもよくとみれば二又隻眼、とっても珍しい容姿である
少しの間遠目に見るも足音を消して近づいていくと

「………っ?」
「猫が………喋った………」

大分驚いた様子でポツリと数語、目をパチクリ
その声の発生源となるは死装束に特徴的な鮮やかな紫髪、紫の瞳に青白い肌といった、不審人物である
147 :イリー 黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/14(水) 23:14:06.41 ID:ua2ntxNn0
>>146
「痛たたた……くそ、油断した……」

ふーふーと尻尾に息を吹きかけて痛みを誤魔化している黒猫
なんというかその挙動は実に人間地味ている

「……ん?」
「あ、あぁ、やぁ、どうも……」
「喋るぞ、なんなら二本脚で歩けだってするさ」

わざとらしくこほんと咳払いひとつ
紫の彼女に気が付けばさも平静を装って見せる

「……ん、」
「なんだ、あなたもまた随分と変わった……」

出で立ちだなぁと最後まで紡がれる事のない言葉は緑色の風に攫われて消える
ふと、脳裏に宿る懐かしい顔
だがしかし違う、文字通り住む世界が違うのだ
思えば遠くへ来たものだ、なんて想起して皮肉めいて小さく、そして思わずくすり笑った
148 :ネイムレス 【水魔導】 >>415 [sage saga]:2015/10/14(水) 23:26:25.53 ID:8ElTs5ts0
>>147
「………化け猫?いや、魔女かしら?」

そんな動作を見て疑問たっぷりに呟く
人間臭い動作をするその猫に興味ありありである

「あなたは………越境者?」
「なんにしろ、面白いわね」

咳払いの動作にクスリと小さく笑う
この世界にきて数日、久しぶりのイベントに楽しげな様子

「変わった……よく言われるわ、でも、あなたも人のこと言えないわよ」
「私は名無しのネイムレス、あなたのお名前は?」

紡がれなかった言葉、しかしまあなんとなく察したようで
しかし目の前の猫の気持ちの一欠片も想像することなく、自己紹介
くすりと笑うその姿に不思議そうに首を小さくかしげながら、うっすら笑う
149 :イリー 黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/14(水) 23:35:12.25 ID:ua2ntxNn0
>>148
「……どっちも正解、と言わざるを得ないかな」

それは、苦々しく笑いながらの返答であった
化け猫でもあるし、そして故郷の国で魔女でもあるのだ、この黒猫は
越境者であるかとの問い掛けには頷いて応じ、ふふんと鼻を鳴らす
面白いとのそれを褒め言葉と受け取ったらしい

「まぁ……そう、な」
「ん、ネイムレスさん……ね」
「私はイリー、見ての通りの猫だ」

元は人間だけどと付け足して前脚をひょいと
握手のつもりだろう
触れれば肉球がふにゃりと柔らかく、刻む鼓動と温度とが温かい
150 :ネイムレス 【水魔導】 >>415 [sage saga]:2015/10/14(水) 23:44:16.06 ID:8ElTs5ts0
>>149
「ん、凄い猫…いや魔女ね」

消えた記憶の中にある思い出の一つにそんな知り合いがいただろうか
いたらおもしろいなぁ、などと能天気に考えながら
鼻を鳴らす姿にまた小さく笑う、この女の面白いはどちらかと言えば珍獣でも見たような感想なのだが
まあ気分がよさそうなので問題ないかとやや遠くを見る

「ん、もとは人間今は猫のイリー……ね……よろしく」

なにやら頭のなかで突っかかるものがあり、若干言葉を詰まらせつつ
けれども目の前の肉球の魅力を優先してか、そっと二本指だけで優しく握手に応じる
この半死人女から伝わるのは残念ながらイリーとは対比的に死人のごとき冷たさだけである

151 :イリー 黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/14(水) 23:52:08.10 ID:ua2ntxNn0
>>150
「……まぁ、今は猫でいい」

想い出は美しいモノだ
だがそれに当てはまらないモノだってまたある
魔女としての過去は黒猫としては複雑であり、頬を掻きながらの苦笑となって返る

「ん……? あ、あぁ」
「……なんだ、あなた……大丈夫か、いろいろと……」

よろしくとひんやり冷たい感触
装束や肌色を総括して考えると嫌な予感である
だがしかし流石に初対面でそのままを告げるのは憚られたのか、濁した曖昧な問い掛けとなる
つまりはまぁ、アンデッド種なのかとの事だ
152 :ネイムレス 【水魔導】 >>415 [sage saga]:2015/10/15(木) 00:05:37.92 ID:5u2uJM8J0
>>151
「猫の暮らしは人の夢だと思うし、気に入ったのかしら?」

何も理解していないこの能天気、かなり抜けている
思い出の大切さは人一倍わかるこの女も、まったく考える範囲が違っては意味がない
苦笑を見てなんだか苦い感覚、疲れてるのかとついつい力ない顔

「……あなたいい人ね」
「そのうち腐って動かなくなるかもだけど、まあ大丈夫でしょ」

初めて遠まわしにいってくれる人?にあって少し感慨深げ
割とまずいかもしれないが、やっぱり能天気
頭のどっかがくさりつつあるのかもしれない、そう思わせるほどの気の抜けようである


「……さて、あって早々だけど失礼させてもらうわ」
「あなたに会えてよかったわ、何か贈り物でも渡させてもらいましょうかね」

魚でもあればいいのだがと思うも、死装束にそんなものがあるわけもなく
偶然どこかでついてきたのか服についていた鮮やかな紫陽花の花の欠片をみつけると

「これ、引換券とでも思ってて、次までに魚とっとくから」

などと言い、紫陽花の小さな花びらをおいてどこかへと歩き去っていくのであった


//それでは落ちます、ありがとうございました!
153 :イリー 黒猫 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/15(木) 00:13:33.07 ID:7h+zjaou0
>>152
「……うん、まぁ、悪くはないよ」

実際猫の暮らしはいいモノだ
のんびり寝てもいられるし趣味の旅だって出来る

「……ん? ど、どうも……」
「ってそれあんまり大丈夫じゃないな?」

いい人との言葉に思わず隻眼を広げて
多くが当たり前の事で感謝されるとそうなるように、矢張り黒猫もそれに倣うのだ
最も次にはかくんと肩を落とし眉間にシワを寄せる事になったのだが

「あ、あぁ、」
「……ん? ありがとう……」
「あっ……」

ひとひらの紫陽花、受け取れば見入ってふと蘇るひと世の走馬燈
顔を上げ、何かを告げようとした時には既に紫の彼女の姿はなく
ぽうっとしたまましばし座り尽くし、懐かしい名前を呟くのであった

//ありがとうでした、お疲れ様でしたっ
154 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/15(木) 23:15:20.17 ID:VgR/3oRb0
【凍結世界 ニブルヘイム】
幾多の犠牲と 長い時間 そしてニホンという島国の人柄によりある程度の秩序を手に入れた地下施設
人々は築き上げた文化を失うまいと躍起になっている節がある

ここ数日 ようやっと収穫となった米に人々は喜び舞い 収穫を祝う祭りが執り行われた
嘗ての栄光と比べると なんとも質素でこじんまりとしたものであるが その祭りを精一杯楽しまんとする人々はみな笑顔だ

ロイ「まぁ せっかくの祭りなんだから 楽しまなきゃ損だよな」
他の労働者と混じり 米酒の杯を干すロイと

アキレス「よしベティ 次はあっちだ」
―――ギィ♪

ベティや子供たちと一緒に出店を回るアキレス
人々が普段の苦労を忘れ楽しみに興じる日 そこに居合わせる仲間はいるだろうか?
155 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/15(木) 23:21:49.44 ID:050MeVKDo
>>154

「うわあああああん!!」
「ぎゃああああ!なんぞあれー!!」

 と・こ・ろ・が!そんな和やかムードは思いっきりぶっ壊す阿鼻叫喚!すわ何事か!!

≪000011111010101≫

 やや特徴的なボディをナナメにしながら飛行するサーボスカルと、

「何だ?レイダーの強襲でもあったか」

 と、ややシリアスに粒子短銃を抜く政治将校(天ボケ)

【懸命なるシチョーシャ様は思い返してもらいたい。サーボスカルの外見を】

「・・・?」
≪000111010101≫

 イムカとサーボスカルは互いに顔(?)を見合わせながら首を傾げている。
 なんたるダイメイワクか!!
156 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/15(木) 23:30:07.72 ID:VgR/3oRb0
>>155
聞こえてくる悲鳴に対処しようとする2人であったが 原因がわかるや否やイムカの元に

ロイ(おい間抜けさっさとそのドクロを隠せ!!)
必死な顔のロイが小声でイムカに指摘して

アキレス「ちょんわー!!」
出店の景品でもらったハリセンを振りかざし ドクロをスマッシュしようとするアキレス

―――ギィ!!ギィ!!
そして泣き出す子供たちを必死になだめようとするベティ

三者三様に修羅場な展開になってしまっている!!!!
157 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/15(木) 23:38:18.07 ID:050MeVKDo
>>156

「誰が間抜けだ」

 心外極まる誹謗中傷に正当なる反論をするイムカ。
 と、何やら髑髏を隠せと言われて、

「…もしかして倫理コードに引っかかったか?」

 と、明らかに今気付いたらしく、なんだか明後日の方を見ながら腕を組む。
 地味にサマになっているのが逆にアレであろうアレ。なお、そのバストは豊満であった。

≪00001110101010110≫

 なお、最大の原因のバグったドローンはハリセンでカキーンとホームランされてすっ飛んでいった。
 この言われ無き迫害にはドローンに対する偏見と狭量が背後にあると言わざるを得ない。

「伍長、この窮地を逆転する行動指針を示せ」

 (訳:明らかにやらかしたのでなんかフォローしろ)
158 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/15(木) 23:49:49.71 ID:VgR/3oRb0
>>157
ロイ(どないせーっちゅーんじゃ(´・ω・`))
何とも微妙そうな顔をするロイ どうにかしようと考えていると アキレスが動いた

アキレス「ほ・・・ほら 俺らって越境者じゃん? お祭りと言われて ハロウィンと勘違いしちゃったみたいでさ!!」
おっとここで査定スレの文章から 越境者という人種が認知されていることを逆手に取り始めた

アキレス「いやぁこの美女イムカって言って俺たちの知り合いなんだけどさ もうこういうの気合い入れて張り切るタイプでさ
     なんかすごいの作っちゃったのよこれ グロテスクだけどこれ作り物なのよこれ」

先ほどホームランしたスカルをむんずと掴み 大人たちに見せて回る 子供には少々刺激が強いので見せてはいない
そしてスカルを解放すると 今度は子供たちのところに向かい

アキレス「ハロウィンってな 子供が大人からお菓子をもらえるんだ あのおねーさんに『お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ!!』って言ってみ」
と子供たちをけしかけ 最後にイムカに顔をむけ

後はそっちで何とかしろと言わんばかりの表情を作る
子供たちはおっかなびっくりやってきて イムカにトリックオアトリートを告げるだろう
159 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/16(金) 00:04:13.49 ID:R03OXgjmo
>>158

「くそ、使えん奴だ」

 微妙な表情のロイに対してのこのブリザードもかくやな言葉である。
 軍隊における上下関係&理不尽とはかくも凄まじいのだ。サツバツ!

【が、ここで民間人よりのフォローが入る。やっぱりシビリアンコントロールは大切ですよ!】

(さて、そもそもハロウィンの習慣はログに残っているのか?この世界)

 と、ここでサーボスカルについても奥ゆかしく説明するアキレスと、

「いや、そのスカルは正真正銘の人間のずがいk(むがむが」

 清廉潔白な聖人の如き正直さで余すところ無く説明しようとするイムカと、
 たぶん、何かで口を塞がれたと思われる顛末。

【んで、アキレスのナイースなフォローもあり逆転のチャンスが到来である】

「いたずら…お菓子。…よし、なるほどな。無いわけではない。下賜してやろう。快く食すといい」

 なんで超絶上から目線やねん。というツッコミは無粋である。あるといったらあるのだ。
 また、サーボスカルは市民権を得たといわんばかりに酒樽の中にダイブしようとしてやがる。意図は不明。バグってるし。

「おかしー!」「いただきまーす」

 子供達はイムカから菓子?を受け取り食べ始める。
 その幼い顔から表情が消えていくのは間もなくであった。

「……?」

 イムカはというと、カカオ99%のチョコレートの紙とにらめっこしている。
160 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/16(金) 00:14:23.92 ID:oO/9JzeM0
>>159
ロイ「(´0ww0)」
残念 ロイは落ち込んでしまった

アキレス(勝手に動いてんじゃねぇ作り物設定!!)
そしてバグってるスカルをもう一発ホームランするアキレス

更に子供たちにカカオ99%チョコを手渡してしまったイムカ 直に阿鼻叫喚ラウンド2が待っている

ロイ「はぁ…イムカ手伝え 地上の施設から何か探してくるぞ」
諦めた顔をして分厚いコートを着込む

イムカの乱入により 極寒の地上でお菓子を確保する仕事が増えてしまった
越境者たちの受難は続く・・・・・


//ちょっと眠気がヤバスなので早いですがノシ お疲れ様でした
161 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/16(金) 00:22:57.08 ID:R03OXgjmo
>>160

「まったく、我等が上官殿は相変わらずだな」

 その様子をカンラカンラを笑って遠目で見やっていた老兵。
 子供達のアビインフェルノ地獄。後でドロップでも渡してやる事にしよう。

【こうして冬の時代には不釣合いでお馬鹿な一幕はこれにて!であったとさ】

//おつおつおーノシ
162 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/16(金) 21:57:37.64 ID:R03OXgjmo
【前回までのあらすじ!!】

 魔法世界エリュシオンにたどり着いた越境者達は、
 サイフを落としたり、博打で身を持ち崩したり、スイーツ()なショッピングで散財したりして、
 何だかよく解らんが完全完璧に無一文だ!

 おかげで何か粘菌に群がっていたからふりゃなグロいカタツムリを食べるハメになりました。
 このような侘しくも、精神的にドンドン荒廃しそうな生活からは一刻も早く抜け出さねばならない!!

 と、言うわけで路銀調達法として、新人冒険者の訓練場として使用されていた遺跡に赴き、
 集団失踪事件の調査を行っていたのだが―――

 −−−−−−

「まったく酷いものだ」

 松明を片手に遺跡の奥へ奥へと進むイムカ。
 元々、枯れた遺跡が利用されていたものであり、財布の足しになりそうなモノは無い。枯れた遺跡だ。
 が、現在、ここには中々に美術的価値の高そうな人を模したオブジェが存在する。

【その恐怖の形相。そして生々しい質感。まるで生きていたかのような石像がそこらじゅうだ】
【比較的若い男女の石像が多く、ここが若い冒険者の訓練場であったことと関係しているのだろうか】

 さらには床や壁に先程から妙に蛇が多い。幸い毒を持った類でもないので放置して問題はない…?
 いや、何かに惹かれて集う眷族めいたモノ≠ナあるかもしれない。

【察しが良いシチョーシャの方はお分かりいただけるだろう。この石像こそ行方不明者達の成れの果てだ!】
【→脳と心臓が石化している時点で死亡と考えて良いだろう。石という物質に成り果てたモノを都合よく回復とはいかぬ】

 石化と蛇…下手人にも凡そのアタリがつくというものだ。
163 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/16(金) 22:06:34.76 ID:vdNx8W1go
>>162
「蛇まみれだな…別に私にとっては構わんが」

眼を閉じて両手にハンドメイドの拳銃を構えた冬歌は壁を見ながら(?)イムカについてゆく
彼女はグロテスク・エスカルゴを食べさせられた魔王様だがいろいろあってこうして貧乏ぐらしをしている
魔王という境遇のおかげで別に蛇やらやたらとクオリティの高い石像やらは問題なさげだ
むしろ、好きそうであった
…もっとも、奥にいるであろうものを想像すると気が重くなるが
164 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/16(金) 22:10:09.35 ID:oO/9JzeM0
>>162
「ウェップ・・・オーガの鼻水の方がよっぽどマシな味だったな・・・」
げんなりと呟いたのはそこそこ重装備のあごひげ男

同じく松明で辺りを注意深く探りながら奥に進み・・・

「・・・っと こりゃまた難儀な」
見えてきた冒険者らしき人物の石像を見て更に顔色を曇らせる

「なんでまたこんな枯れた遺跡なんぞに・・・メデューサだろうな わかってりゃよく磨いた盾を持ってくるんだが・・・どうにかするしかないか・・・」
そう言って右手にハルバート 左手にサーベルを抜き 目よりも耳を頼りに進もうとする
165 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/16(金) 22:19:58.41 ID:R03OXgjmo
>>163-164

「まあ、そのアタリなのだろうな。こんな枯れた遺跡にとんだランクのがやってきたものだ」

 ゴルゴンの眷属。石化の瞳と蛇の属性を持つ魔物だ。
 系譜によって、その実力は千差万別であるが、概ね高ランクであることが多く、
 少なくとも、玉子の殻を尻に背負ったような、新米冒険者がどうこうできる相手ではない。

【そして、奥に進むにつれ、君達は下手人たる魔物の存在を感じ取ることが出来るだろう】

 遺跡の壁と奥から流れ出てくる独特の魔力の風。
 それが身体を抜ける度に僅かではあるが、一瞬、肉体が硬直するような違和感を覚えることだろう。

「…上位のゴルゴンの魔眼は吸血鬼のソレと同等かそれ以上のクラスと言われているが…これは直視したら終わるな」

 存在の意だけでコレだ。下手をすると視られただけ≠ナ重篤な呪い(カーズ)を受けかねない。
 ましてや、目と目があってしまえばどうなるか推して知るべし。

【そして、奥の広い間に到着。松明の焔が一瞬内部を照らし出し、
 柱の影より美しい紫の鱗にまみれた尾が僅かに見えて、すぐに隠れた。遭遇である】

【→突入フェイズである。勇者のように堂々と突入してもよいし、何かしら小細工を弄する手もある】
166 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/16(金) 22:30:05.60 ID:vdNx8W1go
>>164-165
「枯れてていても腐っていてもそれだけの何かを備えているということなのだろう
もしかしたら、昔はそんな魔物でも崇拝するための遺跡だった…とか」

気付けば片手の拳銃を仕舞って壁の蛇と指でじゃれている冬歌
もとより目を閉じて戦う冬歌はいささか気が楽そうではある
また、独特な魔力も自身にあまりに独特な魔力が満ちているためか、違和感は小さげな様子
もっとも、内心にはそれなりの緊張

「一番戦いやすいようだがあいにく私は接近戦の心得はない…後衛はしっかりとやるから安心しろ」

広い間に到着すれば両手に拳銃を構えて止まる
しっかりとそこに紫の尾があったのには気づいているようだ
だから、柱へと銃口を向けて、次の動きを待っていた
167 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/16(金) 22:33:05.16 ID:oO/9JzeM0
>>165
「やっぱりなぁ…クソッタレ」

尻尾が見えて更にげんなり 嗚呼 どうしてこうなった
だが悲嘆にくれる暇はない どうにかしなければならないし 前衛は自分だけだ

「俺は真正面から突入するから 2人はどうにかしてヤツを出し抜いてくれ
 ・・・ふぅ プラチナム・フォース戦闘教義 対モンスター36ページ メデューサ
 遭遇の際は必ず裏を磨いた盾 もしくは鏡のように磨き上げた武器を用意し 該当する装備を持ち得ない場合は即戦線を離脱すべし
 ただし保護対象がいる場合はその限りに非ず なお討伐を前提とするならば 瓶を持参することを是とする・・・」

頭の中でかつての軍の教えを反芻し

「うぉっしゃああああああああああああ!!!!」
大声をあげながら突撃 その際目は前に向けず サーベルの刀身に移る光景のみを頼る
その際の視界の低減は仕方ないものとする

>>166
「よぅねーちゃん 島崎・・・だったな あの時と雰囲気が違うが 修羅場でもくぐってきたか?」
前に無人の世界で出会った少女に対し ちらりと視線を送ってから突撃を始めた

168 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/16(金) 22:46:46.16 ID:R03OXgjmo
>>166-167

「やってみるさ」

 イムカ自身は両の眼を閉じて、アクセスしているサーボスカルのサードビューのみの視界とする。
 肉眼ではなく、機械式の映像による、擬似視覚での視認である。

「oooooouu…」

 シュラシュラと蛇腹特有の流れるような動きの尾。
 蛇の下半身と女の上半身。そして頭部には髪と見まごう大量の蛇が巣くっている。
 が、顔だけは視てはいけない。敵はこちらの存在にとうに気付いているようだ。

【メドゥサの視線:メデューサの視界に入った物質に呪いが浴びせかけられる】
 【→越境者達の衣服や鎧の中で、特別な素材≠ナ無いものは硬質化し、運動を阻害しはじめる】
  【→例:布の服であれば、過剰に糊付けしたかのようかごわつきと固さ。またこれは防御力向上を意味しない】

 さらに各々の脳裏に僅かずつではなるが、紫色の美しい瞳≠フヴィジョンが顕れ始める。
 考えないようにしようとしても、そのヴィジョンは脳裏にこびりつき、決して離れることはない。
 そのイメージは徐々に輪郭を帯び始め、やがては完全な瞳のイメージとして完成するであろう。

【すなわち、己の瞳ではなく脳で、メデューサの魔眼を直視することになるのだ。そうなればどうなるか考えるまでもあるまい】

「ooooooooouuu」

 シュルシュルと動くメデューサは牽制にと、その巨大な尾で強かに周囲の石像を叩く!
 力強く破壊された石は飛礫となって飛来!広範囲に大量の粉塵と石飛礫をばら撒いた!!

【投石といっても侮るなかれ!一定以上の質量の石が高速で飛んでくるのだ!】
169 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/16(金) 22:55:11.36 ID:oO/9JzeM0
>>168
(えぇいよりにもよって高ランクか!!)
ごわつく衣服 鈍る動き 頭にこびりつく目
されど鎧は特別な素材 神の金属故に呪いを受け受けず それ以上の阻害は受けない

「鬱陶しいなぁチクショウ!!」

鎧で頭や顔などガードしながらステップを踏んで回避に専念
少なくない飛沫を浴びるも致命傷にほど遠く

攻めあぐねてはいるものの 自分は囮 無理に攻める必要はないのだ 少なくても今は
170 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/16(金) 22:57:11.15 ID:vdNx8W1go
>>167-168
「…初対面のはずだが、まさか」

突撃際の一言、それでロイが一つの関係を持っている可能性に思い当たる
だとしてら…聞くべきことがある
だから、負けられない

「呪いか…この魔王にそんなものを浴びせようというのか」

顔だけは見ずにメデューサを視る
そして、見られていると感じた
その頃にはもう遅く、衣服が硬質化しているのを感じさせられた
幸い、右腕は衣服に覆われていないのでこれのみは自在に扱えそうだが
そして、瞳を閉じていることのアドバンテージは少ないとすぐにわかってしまった

「この程度か?」

石像の破片が飛び散れば魔力銃を乱射して大きなものは破壊しながら横へと避ける
しかし、細かいものは刺さり衣服や白肌を僅かに切り裂いた
だが、それを代償にロイへと向かう大きな飛礫もある程度撃墜していた
171 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/16(金) 23:07:44.99 ID:R03OXgjmo
>>169-170

「ooouuuu」

 シュルシュルと柱だらけの広間の中を素早く移動するメデューサ。
 そのまま、突入したロイを目標と定めて接近を図る。

【BLAMBLAMBLAM…イムカの援護射撃が入るが、敵の流れるような動きのためか有効弾はない】

「伍長、かなり厄介だぞ。肉眼でなくとも目を見てしまうのは危険かもしれん」

 視線とイメージだけでコレなのだ。鏡越しでもその瞳を見てしまって無事ですむ保証がない。
 が、ここである意味で厄介な事態となる。敵は想像以上に機敏であり、さらに銃撃音がその注意を引いてしまったのだ!

【ロイの視界に尾を残し、メヂューサは後衛をまずは屠らんと向かったのだ】

「ooouuuuuuu」

 掌のキラキラと白く輝く魔力の星を煌かせながら、メデューサは接近。
 その彼我距離が縮まり、メドゥサの瞳に至近で捉われればば捉われるほどに。

「チッ…!!」

 まずはイムカが自覚した。右腕がビシリと音を立ててヒビが走ったのだ。
 すぐさま、左手に粒子短銃を構え直し、銃撃を続行する。
 この現象は冬歌にも同様に襲い掛かるだろう!接近視界内は極めて危険である!

【メドゥサの瞳(至近)…肉体の硬質化と崩壊が始まる】

 同時にメドゥーサの尾と背中を視認する形となっているロイにも理解できるであろう。
 生半可なアタックは至近距離での視界を浴びることに繋がる極めてリスキーな行為となりかねないと!

172 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/16(金) 23:12:53.31 ID:vdNx8W1go
>>171
「くっ…隙を見て狙撃できれば…」

俊敏な動き、これを抑え込めれば一撃で仕留められる可能性はあるのに…
と、歯噛みしながら左手のみでの銃撃で後退していく
冬歌もまた、右腕に僅かに違和感を感じたようだった
生半可に接近しては詰み、だから大遠距離から仕留めたいようだが…?
173 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/16(金) 23:18:18.61 ID:oO/9JzeM0
>>171
「チッ・・・えぇいやるしかないか…!」

囮は失敗し 後衛に攻撃が向かってしまった
接近からの攻撃は非常にリスクが伴う

しかも衣服の着心地は最悪で動きを阻害 これでは少ないチャンスを更に失ってしまう ならば

「対メデューサ 特筆 高ランクのメデューサを相手にする場合 特殊な物質以外の防具および衣服は極力外すべし
 叶うなら『 全 裸 』が望ましい・・・!!」

シャツを脱ぎ捨て ベルトを外し ズボンを脱ぐ これで纏うは特殊な防具以外は下着のみ
これで阻害効果は最小限 女性を前にもろ肌晒す恥はこの際無視する

「どぉぉぉぉっっっっせい!!」
更にハルバートは捨てて装備はサーベルのみとなり メデューサに突撃

「複数で対処する際は1人が後ろより強襲・・・組み伏せ 他の物に視界が向かないようにするといい
 その際蛇の髪に噛みつかれないことが重要である・・・!!」
メデューサの腰辺りを狙ったタックル そのまま両手でホールドし 地面に引きずり倒そうとする

その際ホールドする場所は滑りやすい蛇の部分をさけて 掴みやすい人間の胴体部分を狙うものとする
174 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/16(金) 23:24:52.72 ID:R03OXgjmo
>>172-173

「ooouuuu」

 その間にもメデューサは両手で光を放ち続ける魔力を解き放つ。
 よくない傾向である。敵に戦闘の主導権を握られている状態だ!!

【一斉に広がった星屑のような魔力は周囲の空間を星空の如く彩っていく】

 薄暗い遺跡の中でそれは美しくすらあったが、もちろん、その裏には獰猛なる牙が潜んでいる。

 キキキキキキ…!!魔力の星屑にノイズが奔り鳴動!次の瞬間――!!

【キヂヂヂヂヂヂヂ!!と音を立てて魔力が弾け、それは幾条もの魔力の針をなって飛散!!広範囲にばら撒かれる】

【→攻撃対象:冬歌、イムカ:スターダストの魔術!光属性広範囲魔術:威力(小)、範囲(大)】

 その直後!後方より、裸族となりメデューサに襲い掛かるロイ!
 この場の男女比を鑑みれば極めて危険な賭けであるといわざるを得ないだろう!!

【ガシィ!!とロイのタックルが決まってメデューサを地面に引き摺り倒すことに成功!!】

 しかして、背後のロイには彼の予想通りに大量の蛇の髪が伸びてその鋭い牙を向き襲い掛かる!!
175 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/16(金) 23:33:16.57 ID:vdNx8W1go
>>173-174
「確認するが、回復魔法の用意はいいな」

銃をその場で捨てる、地に銃が落ちる音が響けば
冬歌の身体に魔力の針が刺さる、無数に
冬歌は全く避けずに両手をメデューサへと向けていたのである
右手から何か剥離するのも気にせず
剥離した部分から微かに光が漏れ出ているのにも気付かずに

「流星…!」

掛け声が響けば両の掌から漆黒の魔力が迸る
狙いは当然、メデューサ

特に冬歌に近いイムカなら気づけるだろう、冬歌の膝が震えていると
体を支えられなくなってくるほどのダメージを負っていると
176 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/16(金) 23:34:06.82 ID:oO/9JzeM0
>>174
「んぎぎぎぎぎぎぎ・・・!!」
どうにか引きずり倒すことに成功 ならば次は

「ギィィ・・・あ゛っ!!」
感情を高ぶらせ 闘志に火をつける それは上半身に収束され 炎より紅く 熱い焔となる それに比例して体力が削られ行くのを自覚しながらも 今は自分ができる精一杯の焔を出す
それによって蛇へのけん制とし 後衛の女性2人が早くメデューサを斃してくることを祈るだけである
177 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/16(金) 23:48:44.68 ID:R03OXgjmo
>>175

「生憎魔術の類は私にも伍長にもない。応急処置とテクノロジーで我慢しろ」

 冬歌が醸し出す雰囲気から何をしようとしているのか凡その察しがついた。
 星屑が襲い掛かるタイミングで、コンバットポーチよりC-PSYグレネードを引き抜き投擲!!

【イムカの放ったグレネードはサイキックにて精製されたクリスタルを露出。青いパルスを放った!】

 それは、低威力・広範囲の星屑の威力を減衰させることで冬歌へのダメージを最小限とする。
 副作用として、冬歌とロイの魔力と焔を若干衰微させることにも繋がるだろうが、
 高出力であるならば、さほど強い影響は受けないであろうという目算。

「ooouuuuuouuuuuu」

 ロイがホールドしたまま焔の塊となり、蛇の髪を灼いていく!
 ホールドは維持!メデューサの視界は地面に向いたままだ!!

【ここで放たれた黒い魔力!それはメドゥーサが放った白い星屑とは対照的な黒い魔力の流星!】

 黒き流星はもがくメデューサの首筋に突き刺さり、その首を吹き飛ばす!
 残った身体は頭部を失いながらもしばらくはもがき続け、やがてはその動きを停止させた!勝利である!!

【吹き飛んだメデューサの首は壁に激突し、壁の方を向きながら停止している】
 【→メデューサの首の価値はその魔眼のランクからも言うまでもない。同時に取り扱いが極めて難しいマジックアイテムでもあるが】
178 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/16(金) 23:56:52.12 ID:vdNx8W1go
>>177
流星が去ったとき、感じたのは思ったよりもダメージが少ないことだった
イムカの放ったもののおかげかと思ってイムカには感謝せねばと内心で思っていた
ともあれ、無事にメデューサは討伐できたようだった

「…ふぅ……あれを回収して売れば三人の資金難は何とかなりそうだな…」

最小限とはいえ負ったダメージは少なくなかったようで冬歌は思わず座り込んでいた
ともあれ、なんとか戦いは終わったようだった
そして、思い出したようにロイに目を開けて視線を投げれば…

「そのままでいいから答えろ
島崎春奈を知っているのか?」

下着をまとっていなかったら反応は変わっていたとだけ記しておく
179 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/16(金) 23:59:52.91 ID:oO/9JzeM0
>>177
「・・・プハッ ヤレヤレしんどい戦いだった」
首が飛べば胴体に危険はない ホールドを解いてどっこいせと立ち上がると そそくさと衣服を取りに行く
そして着替えが終われば 今度は戦闘が始まったときに投げ捨てたリュックを取りに行き

魔法処理が施された布でメデューサの目を覆い ワイヤーを織り込んだロープでぐるぐる巻きにして持ち上げる

「さて・・・高ランクのメデューサには まれに死人をよみがえらせるとまで言われる高い治癒効果がある血を宿す個体がいるらしいが・・・」
首を持ち上げるが 魔翌力で切断された首からは血の一滴も滴ることはない


「まぁ そっちは今回諦めますか」
ひょいと首を担いだ
180 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/17(土) 00:04:44.51 ID:1xuyajFx0
>>178
「ん?」
島崎に話しかけられたとき ロイはちょうどズボンをはこうとしていた時でした

「え? 知ってるって・・・お前さんその島崎春奈じゃないの?」
そのままでいいからと言われたので ズボンに両足を通したままの状態(まだパンツが丸見え)で目をパチクリさせながら答える
181 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/17(土) 00:09:39.19 ID:68WXCAGMo
>>180
「……いや、違う」

内心そのままでいいという発言に若干後悔していたがロイの誤解をはっきりと否定する

「私は春奈の生き別れの姉といったところの島崎冬歌だ」

言われてみれば春奈とはどこか違うかもと思えるかもしれない
182 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/17(土) 00:10:08.29 ID:dQvuOMMGo
>>178

「希少なマテリアルを使ったグレネードだ。正直、資金難の状況で使うものではないな」

 必要経費と割り切るにしても贅沢をしたものだと冗談交じりに言うイムカである。
 一見して、人形のような無表情・無感情めいているイムカであるが、
 ゲロマズえすかるごを用意するわ、こんな冗談口を言うわで、中身は随分と異なるようである。

【とりあえず、救急スプレーを冬歌に向かって噴射。止血パットと包帯を巻いておく】

「自然治癒力を促進させる成分や薬効が添加してある。これで問題はないだろう」

 とりあえず、ロイと冬歌の会話に口を挟むことはせず、もくもくと応急手当。

>>179

「伍長。とりあえずは、服を着ろ」

 至極冷静に言うイムカであった。なおメデューサの首は無事に回収された模様。
 さすがにロイはレンジャーだけあって、こういうのに長けている様子。餅は餅屋か。

「その首は売れるのか?呪術的であるのはわかるが…まあ、オカルトは君に任せるがな」

 門外漢がオカルトの価値に口をだすのもはばかられるため、ロイか冬歌に首の処遇は任せるつもりであった。
183 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/17(土) 00:24:05.48 ID:1xuyajFx0
>>181
「ほーん・・・?」
イムカに服を着ろと言われたのでズボンを穿き ベルトを締める
その間顔やらをしげしげと見やるが

「スマンがここじゃない世界で出会って 同じ鍋のラーメンを啜った程度の仲なんだ
 言われるまで気付かなかったな そうか姉がいたってか あの時は特にそんな事言ってなかったがなぁ」

違うと感じたのは雰囲気だけで 他の部分には気づかなかった様子

>>182
「あぁ ここは故郷じゃないが 勝手は一緒だろ だが俺らはギルドの信頼をそこまで稼いでないだろうからな
 まずはギルドが引き取って そこから方々に売られ その代金からギルドの仲介料を引かれた額が俺らに支払われることになるだろう
 自分で売ればもちっと色がつくんだろうが 高ランクで出所不明だと 最悪処罰の対象になりかねん」

そこら辺は防犯の関係で 世知辛い事情があるということだ

「残念だが 代金が届くまで時間がかかる ギルドにツケが効けば 暖かい飯が食えるんだが 最悪今日もカタツムリで腹を満たすことになるだろうなぁ・・・」
ヤレヤレと頭を振る
184 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/17(土) 00:35:48.92 ID:68WXCAGM0
>>182
「……それはすまなかった………」

冗談とは言え流石に青ざめる冬歌
魔王とはいえ割りと善良そうであった

「ああ、常人よりは自然治癒力も高いしこれで問題はないな、しかし便利だな…
服も魔力に余裕があるときに編めば問題ない…か」

応急手当をされながらででも科学に興味津々な魔王
彼女にとっては魔力を全く用いずに回復というだけでも真新しいのだ

>>183
ロイが雰囲気は似てると思ったのも無理はない
春菜の色変え服変えで冬歌になってしまうから、しかし冬歌はまだそのことを知らない

「無理もない、春菜は生まれると直ぐに事故で越境してしまったからな」

ロイの疑問に対してそんな言葉を返す
今日再び春菜の足跡を見つけるまでにも様々なこと、自分の今の名前含めてあったのだが具体的に現在の状況を知る者と会えたのはこれが初めてだった

「元気、だったか?」
185 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/17(土) 00:38:41.66 ID:dQvuOMMGo
>>183-184

「よし、終わりだ」

 冬歌の治療を終えて、ロイと首尾の相談。
 売れることは売れるが中々に厄介な物質らしい。メデューサの首は。


「ままならんものだな。まあいい」

 失踪事件の解決と、メデューサの首。とりあえず無一文からは開放となるのであろう。
 世知辛いが、先立つものはやっぱり必要なのである。

「それじゃあ戻ろう」

 こうして、無一文パーティーの冒険は終幕となるのであった。

//オソマツ!
186 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/17(土) 00:43:38.48 ID:1xuyajFx0
>>184
「あぁ そりゃもう元気が服着て歩いてるようなもんだったな」
くつくつと 当時の情景を思い出し笑いしながら応える

「お前さんと瓜二つだったぜ あいつがお前さんを見れば鏡と間違えるほどにな」

>>185
「まぁ なんとかなんべよ」
呑気に笑い ダンジョンを出るのであった

//のしー
187 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/17(土) 00:48:59.28 ID:68WXCAGM0
>>185-186
「そうか……」

と呟く姿はホッとしているように見えるのだろうか?
それとも…何か目論んでいるのか……

「ああ、この先も何とかなると信じよう」

銃を回収し、遺跡から出る
無一文パーティーは解散し、冬歌の頭は一つではない決意をしていた
その一つは、春菜を見つけること

//お疲れ様ですー
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/10/17(土) 22:35:31.38 ID:JqjcAT2Mo
ジョシュア「………」

ジョシュアはノビていた。



時は遡り2033年某日、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン。

『Breaking news!!』
『速報です。10分ほど前、CCT社のビルが突如炎上し爆発しました。ビルは3度にわたって爆発し、今も激しく炎上を続けています』
『消防が懸命な消火活動を行っていますが、消火の目処は立っていません。ファステストブロードキャストが続報をお届けします。チャンネルは…』

ボストンにて発生した爆発事故。この事件は瞬く間にマサチューセッツ州中に駆け回り、世間を震撼させた。
原因はガス漏れと精密機器の故障によるスパークから引き起こされた典型的なガス事故だ。
しかしこの事件の裏側を暗躍する者たちの存在があった。カノッサ機関の秘密暗殺部隊、HEXAそのものだ。

『諸君、先日の工作の件は見事だった。証拠も残さず、迅速に、犠牲を出さずに目標物だけを的確に破壊した』

集結させられた隊員たちの前を行き来しながら声を張り上げるのは部隊の指揮官だ。白髪の、髪の長い女性。
女性は隊長格6名を呼び集め、それぞれに任務成功の武勲を褒め称えている。しかしぴたりと歩みを止めると、その眼光が一際鋭くなる。

『…だが任務は失敗だ』

隊長達の方へ向いて動きを止め、ハッキリと言い放つ司令官。
ぽん、と肩に手を置かれた、潜入を担当した部隊の隊長は明らかに顔色が優れないようだった。

『目撃者がいた…我々の工作員が潜入する所を越境者2人が目にしたらしい』
『警察へ圧力は掛けてある。が、これ以上目立つ真似は避けたい。競合相手も居るからな』
『そんな訳で…さくっと始末してきてくれ。顔は見られてないようだし』

これが2日前のことである。
そして現在、予定通り越境者達はHEXAから襲撃を受けているということだ
影からの奇襲を受けジョシュアは一撃で撃沈、潜入担当の隊長が直々に出向いたらしく、敵は1人だ。
黒いフード付きコートを深くかぶり、顔は見えない。武器は所持していないようだった。
189 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/17(土) 22:47:46.57 ID:O2qL0Fero

「……」

どうしたもんか。小柄な、黒衣の魔女はトレードマークである大きなとんがり帽子を目深に被りなおす。
先進技術の知識を求めてゲートをくぐったはいいが、案の定トラブルに巻き込まれた。
この世界に『ミクラガルズ賢人会』の勢力は存在しない――。
となると、助けがくるというのも期待できなかった。

「……えー、私は『ミクラガルズ賢人会』の者だ。面倒なことは避けてもらいたい」

「魔女相手にケンカするのも馬鹿馬鹿しいもんだ。帰っておやつでも食べようじゃないか」

乾いた笑いをあげつつ、懐から羊皮紙を取り出して広げる。
要するに身分証である。カノッサ機関のとある一派、『ミクラガルズ賢人会』のエージェントであることを示すものだ。
多分通用しないだろうなぁ、と彼女は内心で考えていたが、まだ武器を見せるようなことはしなかった。
190 :イリー 黒猫→黒髪の獣人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/17(土) 22:50:39.62 ID:QRJTPkU10
>>188-189
「……不意打ちが卑劣とは言わないが、」

いかんせん単独行動時の手立てとしては悪手ではないか、と口を開く黒猫
真に徹するのならば狙撃、或いは一撃離脱が向いていると言いたいのだろう
最も黒猫が標的としての頭数に含まれていたかは些か疑問ではあるが

「まぁ、なんだ……」
「……自信は結構だが、そう簡単にはいかないぞ?」

大きく息を吸って吐き、発光
光が止む頃になればすらりとした四肢の、黒髪の流れる黒猫の獣人の姿

「……」

憲法着めいたゆったりとした衣服と、並々ならぬ戦意闘気を纏い襲撃者を睥睨
連れ立つ越境仲間の説得に応じる、微かな可能性を考慮して先手は譲る格好となる
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 23:09:08.57 ID:JqjcAT2Mo
>>189
「……………」
「…それは自己紹介をどうも、みくらがるず」

口を開いた暗殺者の声、それで彼女が女性であるということが判るだろう。
コート越しのボディラインも細く引き締まり、徒手での戦闘を得意とするであろうことが伺える。

「みくらがるず……悪いが、カノッサだとか、派閥だとかはウチは気にしてられないんだ」
「仮に私がカノッサだったとして…カノッサが一枚岩ではないことは…お前だって知っているだろう?」

差し出された身分証を暫く眺め、しかし腕を数度振って拒絶の意を示す。
例え身内であろうと知らなくていいことを知った以上は消えてもらう。汚れ仕事(ウェットワーク)においてはそれが鉄則だ。
それはカノッサ機関という、内部での繋がりが極めて希薄な組織に於いても同様であった。
膨大な数の派閥が様々な世界に渡って存在し、イルミナティやフリーメイソンすらをも凌駕する超世界的コミュニティにとって、1派閥どうこうの諍いや小競り合いなど茶飯事に他ならないのだ。

>>190
「ほう…喋ることだけではなく変身も出来たのか…面白い」

饒舌な猫だ。程度の印象であった
しかし獣人の姿へと変身した彼女を見て、暗殺者は「ほう」と声を上げる。
艶やかな毛並みに引き締まった筋肉質の身体。その髪は濡れ羽。そして暗殺者の目に留まったのは彼女の振る舞いだった。
派手な動きを見せることはない。が、明らかにその手の技術に精通した者の佇まいだ。

「どうやら武の心得を持っているようだな…ますます面白い」
「どれ、見せてもらうとするか」

暗殺者はくすりと口の端を釣り上げ、首を鳴らして腰を落とした。
ゆっくりと。背を、膝を曲げるごとに全身にバネのように力が蓄えられてゆくことが判る。
柔軟さと強靭なしなりを持ち合わせた筋肉から力が解放された時、暗殺者は越境者達の視界から消えた。
巻き上がった土煙、続く轟音、空高く跳躍した暗殺者は、そのままイリーとスレートの間へと着地し、両手を広げて謳うのだった。

「私を殺せたのならば"おやつ"は君達のものだ」
192 :イリー 黒髪の獣人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/17(土) 23:16:38.95 ID:QRJTPkU10
>>191
「ついでに魔法も使えるよ」
「……器用なのが、ウリなんでね」

軽口を叩いているつもりではあるが言葉の端々がやや重い
それは目の前の敵対者から発される、特有の戦意みたいなモノに起因していた
黒猫の決して少なくはない戦闘経験が告げている
この相手は危険だ、と
空気を吸い、吐いてまた大きく吸った
動禅魔導の詠唱めいたそれは闘気と魔力を混濁させ、蒼白い闘気の焔のヴェールへと昇華させる

「……!?」
「ならばどちらにせよおやつ抜きかなっ!!」

消失と見まごうばかりの暗殺機動、片目の視界には辛い
刹那の判断で声の方向へと転身しつつの掌底一閃
193 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/17(土) 23:25:12.01 ID:O2qL0Fero
>>190

「ふむ」

「魔女の相棒としては出来すぎているぐらいだ。頼むぞ黒猫よ」

イリーが変化し、ヒトガタをとっても驚くことも無い。
魔術が魔術として存在していた世界の出身だ。その程度は常識の範疇である。
それに、魔女と猫は昔から結びつきが強いものと相場が決まっている。

「案の定、らしい。しとめるぞ」

羊皮紙を丸めて懐にしまいこみ――代わりに出てくるのは装飾のついた木の棒だった。
明らかに、ケープの懐に収まるようなものではない。何せ棒は1m程はある。

>>191


「殺さんよ。多分な」

取り出した木の棒に魔翌力が流れ込む。
たちまちに、薄蒼色の光刃が出現し、冷気が漂う。

「魔女の杖の射程に軽々しく入ったのだ――! その代償は大きいと知るがいい!」

棒の上端の光刃は三日月の形をしている。
即ちこれは三日月斧であり――。

「――龍頭断つ凍えた三日月(バルディッシュ)!」

何より、父からの贈り物である。
その小さな身体からは想像のつかぬ速さと力強さで以って切りかかる。
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/17(土) 23:38:21.84 ID:JqjcAT2Mo
>>192
ほんの一刹那に振り抜かれた掌底打ち、暗殺者は僅かに眼を見開いた。
なるほど、これは骨が折れそうだ。と心の中でぼやくよりも早く身体は反応し猫人とは逆回転。
右手で腰や体幹の回転を利用したコンパクトなフォームの掌底を繰り出し、ばちんと叩きあわせて相殺する。

「………蒼い炎…奇しくも同じ"闘気"だ」

その際イリーの掌に自分の指を絡め、ぐっと握った暗殺者。これは挑戦だ。
受けるか受けないかはイリー次第だが、暗殺者の方は随分と乗り気なようで、イリーの手をなかなか離そうとはしない。
暗殺者はイリーよりも随分と小柄であったが、それに見合わぬ強力でイリーの手に指を絡めるのである。

>>193
「……それは違うな…」

振りかぶった魔女に対し、暗殺者は多少の動揺も見せずに軽く返した。
勢い良く振り下ろされた光刃に対しても一切臆すことはない。それどころか彼女が光刃に対し取ったのは"防御"の体勢だ。
振り下ろされた斧はそのまま暗殺者の掌に食い込み…なんと其処で止まってしまった。
もしも魔女が観察力に長けていたのであれば今の防御が肉体によるものでないということに気付けるかもしれない。

「私の射程に入れたのだ。君を」

受け止めた斧を振り払うように左腕を真上に振るえば軽くその身体を浮かせて右脚、左脚、と二連の蹴りを繰り出す。
斧を打ち上げ、隙を作った所に強烈なワンツーを喰らわせる算段なのだろう。暗殺者の思惑通りに事が動くかは分からない。
195 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/17(土) 23:50:51.53 ID:O2qL0Fero
>>194

「何も間違っちゃいないさ」

「撃てる距離に入れば――撃たれる。それだけのことだろう」

光刃の斧が掌に止められてしまった。
ゴム製のソレにでもするように軽く受け止めて、払い、蹴りこんでくる。
手強いが――魔女も、余裕ぶるだけの力量はあるのだ。

「黒猫と恋人握りなんかしてるような体勢で変な動きをするな、おっかない」

暗殺者が蹴りこんだのは、彼女ではなく――。
魔女がバックステップし、僅かに開いた空間に出現した、氷で出来た立方体だ。

「さて。銃架はふっとんでったが、まだ魔女の杖はあるのだなあ、これが」

斧は彼女の手を離れてしまったため、光刃も消えてどこぞへ転がる。
あとで拾うとして――魔女の杖の二つ目、それは武骨な半自動小銃だ。
殺意そのもののような形をして、寒々しい外見の銃である――ソレを握り、暗殺者にへと向ける。
196 :イリー 黒髪の獣人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/17(土) 23:51:11.99 ID:QRJTPkU10
>>193
「……なんと因果な」

くすり、と零して笑う猫の獣人
その言葉の裏にはイリー自身の出身、魔女と深い関わりを持つ事実があるのだが

「……あぁ、そう、な」
「いくぞっっ!!」

今は過去を想起する場面では決してない
得物持ちかと魔女をチラリ、しかも案外武闘派らしい
ならば一気に畳み掛けるが吉である、至近距離に舞い立つ暗殺者に向けて掌底一閃!

>>194
「なっ……っ……!?」
「ぁ痛たたたっ……!! このっ……!!」

先ず、その極めて完成された動きに隻眼を見開いた
この道を数十年歩み続けている黒猫ですら辿り着いているかが分からない程の優雅さすら纏う舞踏めいた所作
続き捕まれ、掴まり驚愕、そして力比べと思わしき追撃? に逡巡
その一間が遅れた事で機先を制される格好となる
体格としては女性の中では背の高い黒猫だが、そもそも握力、筋力にはそこまでの強みがない
だが闘気の焔を合わさる手に集中させれば反撃には充分な力量となり、また熱量効果も期待出来る
最も後者は、敵対者の闘志に依っては無力化される事も容易い程度のモノでもあるが

>>193-194
「……魔女さん!!」

今だ、は略してスレートに対して通称だけを叫ぶ
名前を呼ばなかったのは正体不明の襲撃者に対して知らせるのが憚られた為だ
敵対者の片手はイリーと組み合わされている
即ち、これを振り払われる事が無い限り襲撃者の行動は相当に制限されるに他ならない
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/18(日) 00:07:45.71 ID:pDyDWWkxo
>>195
「…斧を手放したか。賢い奴だ」

斧を手放したのは実に賢明な判断であった。
蹴りに対する防御も無しに斧を掴んだままであったならば、のけぞった所にマトモに蹴りを叩き込まれていただろう。
この魔女は相当手慣れている。暗殺者は再び溜息を吐くのであった。

「……何ということだ…そんなおぞましいものまで用意できるのか?近頃の魔女は…」

「ふふ…私が彼女の手を握る理由は…3つある」
「その1つが…これだっ!!」

銃を向けられれば明らかに辟易したような表情を浮かべる暗殺者。口元だけで銃をどれだけ嫌がっているかを的確に表している。
すると突然、だんと思い切り地を蹴れば暗殺者はイリーを盾にするように回り込んだ。

黒猫の手を握る理由は、銃などの凶悪な天敵から身を守る盾を作るため。
黒猫の手を握る理由は、常に自分の有効射程に獲物を捕らえておくため。

>>196
そして黒猫の手を握る理由は、武を心得ている者として、純粋に彼女に決闘を挑みたくなったが故だ。
すなわち手錠を利用してのデスマッチに等しい。武闘家としての誇りを賭け、イリーへと決闘を挑んだのだ。

「……その眼…私には…君の"限界"が見える」
「どうして喪った?聴かせてくれないか」

黒猫と同じく蒼炎が暗殺者の右手に宿り、熱気が激しく舞い上がる。手を握る力を緩める事はしない。
はためくフードの、深淵の奥から奥に微かに。
暗殺者の蒼く鋭い眼光がじっとイリーの瞳を覗き込むのだ。
そのまま暗殺者は左の拳をぎゅっと握り締めると魔女の射線をイリーの盾で遮るように動きながらイリーの顔面目掛けて渾身の拳を叩き込むべく腕を振るった。
198 :イリー 黒髪の獣人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/18(日) 00:17:21.70 ID:NcD9UePC0
>>197
「……片目くらい、」
「喪って視えるモノを視たくなってね!」

実際、イリーが瞳を失うのは既に3度目であった
魔力治療が行える彼女の世界では、瞳の損失は重傷ではあるが治せない怪我では決してないのだ
だが現状、強がり以上の効果を発揮していないのは明白であり、先の反応も直感的に行えてはいたが有視界戦闘に於いては充分なハンデとなり得る

「んなっ……!?」
「んぎゃっ!?」

鎖めいて繋がれた手と手から立ち昇る闘気
キラキラと眩く儚い、万代と刹那の出逢い輝き
ぐいっと体勢を崩されればバランスを失い、続き顔面への殴打一撃
ほぼモロに受けて仰向けに仰け反り、そのまましかし踏み止まり逆脚での蹴り上げを狙う
199 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 00:22:01.86 ID:KqTdHoP3o
>>196-197

「おい、黒猫よ」

「強引でいい。人化を解除しろ――そしたら一跳びでこっちにくるんだ」

――躊躇無く、引き金を引く。
銃口から生ずるのは幾重もの魔法陣。
サークルの中心、銃口から放たれるのは、研ぎ澄まされた氷柱だ。
銃口のサイズを無視した、槍の如くな弾丸が、イリーもろとも暗殺者に殺到する。

「――龍眼射抜く氷砂の箭(ストレリツィ)!」
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/18(日) 00:37:46.12 ID:pDyDWWkxo
>>198
「うぐぁ……ッ…!!」

黒猫を思い切り殴り付け、まだ拳を戻す前に繰り出されるカウンターの蹴り。
無論防ぐ手立てもある筈もなく、暗殺者は顎を捉えられ、蹴り抜かれれば思い切りのけぞった。
宙に舞う赤い飛沫、踏みとどまって顔を戻せば既にフードははだけ、暗殺者という稼業に不相応な少女の顔付き。

「…ッ……ふふ…顔を見られてしまったな…?」

ぐいと顔の血を拭い、額を押し付けてにやりとイリーに笑いかける暗殺者。
その表情はまるで心の底から闘いを愉しんでいるかのような、そんな表情だった。
実際彼女は拳による闘いをある種神聖なものとして捉えていた。その認識に間違いはない。

>>199
と、ここで1つ想定外。
魔女による遠距離攻撃を完封したつもりであった。人間の盾という絶対防御で。
それでもなお彼女は一切の戸惑いなく。イリーの背中に向けて引き金を引いたのだ。

「なっ…にぃぃ…ッ!?」

これには流石の暗殺者も戸惑いを隠せない。
いくら変身を解除しようと物理的に手を繋いだままなのは変わりようのない状況だ。下手をすればイリーを殺しかねない危険な賭け。
そこで決闘という様式と武人としての誇りを重んじすぎる余りか、無意識のうちに暗殺者はイリーの手を離し、その身体を蹴飛ばしていた。

「鬼畜か君はッ…!!」
「っ……!!ぐぅあぁっ……」

イリーの身体を蹴飛ばした反動で自らも銃撃からの回避を狙う。
そのまま受け身を取る事もせずに地面を転がり、ようやく止まった後に横向きのままうめき声を上げて身体を抱きかかえる暗殺者。

そこでようやく彼女が回避を成しえなかったことに越境者達は気が着くだろう。
その体には無数の氷柱が突き刺さり、暗殺者の紺碧の髪を血溜まりで紅く染め上げていた。
痛みにもがく動きも次第に小さくなってゆき、体温も徐々に喪われてゆく。
201 :イリー 黒髪の獣人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/18(日) 00:53:09.70 ID:NcD9UePC0
>>199-200
「……子供っ……!?」

自然、瞳に走る縦長のスリットが縮退し明滅を起こした
それは年齢性別が戦闘に於いては結果を左右する事はないというイリーの経験上の結論からしても
それに当てはめたとしてもこの暗殺者には不釣合いな迄に少女地味ていたから故だ
黒猫に似た決闘に矜持めいた特有の感覚を持ち合わせたそれも、繰り出す技の数々も全てが
と、しかし思考はそこで途切れる
後方よりの支援、いや支援というには余りに暴虐的な攻撃

「無茶……!!」

イリーの変身に集中と、それと短時間ではあるが確実な時間は必須なのだ
戦闘前後はともかく、交戦中に咄嗟の変身を行える程に習熟してはいない

「……言う!!」

マズイ、と思うや否や目の前の襲撃者と共に跳ぶ事を狙うが

「ながぅっ!?」

腹部に走る衝撃と共にその目論見は破綻した
蹴飛ばされ転がり、なんとか受身で立ち上がる

「……死ぬかと思ったぞ、全く……」

ぱんぱん、と埃を払いながらスレートへ抗議の目線
まぁともあれ危機は脱したのだからそれ以上は出来ようはずもない
全くの自然めいた歩みで、倒れる暗殺者の元へと辿り着けば屈んで手を翳し大きく呼吸
当てがった掌にぼんやりとした蒼い燐光が宿り、それは暗殺者へと降り注ぐ
動禅魔導の奥義のひとつ、動禅治療である
効果の程は対象の傷の治癒への意志力や体力に左右されはするが、列記とした回復魔法である

「……おやつ抜きには慣れてるんでね」

誰にともなく呟くイリー
死を怖れず、だが生を何よりも尊いとすべし
動禅の教えに基づく、そしてイリーの生死観の根本原理
202 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 00:53:28.11 ID:KqTdHoP3o
>>200

「……私の体躯でお前に向けて撃った場合」

「盾が縮めば盾に当たることなく腹に刺さるからなぁ」

なんもなんも、と手をぱたぱた振る。
小柄だからとれた作戦である。

「……うーむ。治癒術式は苦手なんだなこれが」

「どうせなら捕虜にしとくべきなんだが、黒猫さんや、どうにかならんかね」

油断はできないので、近づくことはしない。
やられたフリの可能性は排除できないからだ。
203 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 00:57:23.16 ID:KqTdHoP3o
>>201

「なんとかなったか。凄いな――だがそう無防備に近づくのはどうなんだろう」

非難の視線を受け止めつつ、その様子を見ている。
そう便利に変身/解除できなかったらしい。
となると、非常に危険なことをしたようだ――これは反省せねば、と内心で思うが、顔に出す事はない。

「うーむ。捕虜だな。捕虜にしよう」

それがいい、とすっとんでいった棒を回収。
こんなでも宝物だ。大事にしなければならない。
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2015/10/18(日) 01:05:17.77 ID:pDyDWWkxo
>>201 >>202

死の瀬戸際にあった暗殺者。そのまま放置しておけば彼女は確実に死に、追撃の可能性もいくらか潰せた筈だ。
しかしイリーはそれを拒んだ。危険を顧みず彼女に近付き、魔力を割いて彼女の命をみすみす見殺しにしないことを望んだ。
たとえそれが敵対するものであっても。

「…ぅ……」
「っ………!!」

イリーの回復魔術で傷は塞がれ、命に関わる程の失血は避けられたようだ。出血が収まったことで血圧が上がり、意識が呼び戻される。
眼を覚ませば眼を丸くして飛び起き、まるで人慣れしていない猫のような所作だ。
しかしやはり喪った血液が戻る事はなく、また身体へのダメージが大き過ぎたのか、がくりと膝をついてうつ伏せに倒れ伏してしまった。

彼女が再び眼を覚ますのは数日を跨いでからの事になる。

//今回はこのへんでノシ
//暗殺者ちゃんをどうするかはお任せします
205 :イリー 黒髪の獣人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/18(日) 01:09:22.56 ID:NcD9UePC0
>>202-204
「もし何かあれば、その時はその時さ」
「その為に仲間がいるんだ、そうだろ?」

全くの無防備に治癒を施す獣人
要するに『何かあったら宜しく』という奴だ

「あぁ、あと……」
「そっちで伸びてる彼を、起こしておいてくれ」
「……この子をどうするにしろ、一度安静なとこに運ぶ必要もあるし……」

ジョシュアを指差しスレートに頼む
まぁ捕虜、というよりは保護に近しい扱いをと考えているらしい

「……あ、起きた?」
「……まぁ、そう、な……」

飛び起きそして倒れる少女を見て苦笑
さてどうしたものか、スレートに視線を向けて肩を竦め苦笑を浮かべるイリーであった

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
206 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 01:20:10.38 ID:KqTdHoP3o
>>204-205

「そういえばそうだったな」

とんがり帽子を被りなおし、ジョシュアを起こしにかかる。
手のひらに小さな氷を出現させて、顔にぴたりと貼り付けるショッキングな方法だ。

「あれこれ身体に聞く必要があるのに出血多量気味とはいかんなあ」

「まぁ魔女にいいようにされる状況になった運命をのろってもらおう。口で喋れなくても方法はいろいろあるもんだ」

タバコを取り出し、一服。
紫煙を吐き出すその表情は満足げだ。

「ああ、そうだ。私のことは『なっちゃん』と呼んでもらおうか。コードネームが『ナチグロイシ』なんでね」

「そのほうがかわいいだろう? 私はかわいいものが好きだ」

眠たげな目でそんな妙なことを口走りながら、暗殺者にのそのそと近づく。
とりあえず縛り上げてどっかへ運んでおこうということらしかった。

//おつでした。ではこんな感じで……〆、かな?
207 :島崎冬歌【魔弾王】 [saga]:2015/10/18(日) 21:48:51.88 ID:khKAvCXwo
【近未来世界 トーキョーシティ】
現代よりも科学的な進歩を遂げているこの世界のトーキョーシティ、光輝くビルに挟まれた闇たる細い路地で事は起きていた

『お、おい…オレたちまだ何もしてないよな……?』
『してねぇしてねぇ……』
『働きたくない……』

警察から逮捕状が出ている犯罪者三人と学校の制服らしきものを纏った少女、この4人が路地の小さな事件の当事者たちだ
何が起きたかというと、細い路地にフラフラとした足取りで少女が迷い込む。その少女から金目のもの奪い去ろうと犯罪者三人が近寄り声をかけようとする。
そしたら、いきなり少女が苦しげに胸を押さえて蹲ったのだ。三人はまだ何もしていないのにも関わらずだ

「う…ぐっ……はぁ…はぁ…………」

その少女はというと相当苦しいようで三人の言葉に反応出来ていないようだ。
苦しみの原因は少女の姉ならこう答えたであろう、『魔王の魔力に耐えられなくなりつつあるのだな…』と。

苦しげな少女を囲うようにお尋ね者三人、しかもこの三人は越境者に対しても逮捕依頼が出ている。
何度も言うが、三人は何もしていない。むしろ心配しているが…
208 :島崎春奈【未完魔王】 [saga]:2015/10/18(日) 21:53:45.87 ID:khKAvCXwo
>>207
//渾身の名前ミス…
209 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/18(日) 22:07:44.61 ID:VRlP5jPDo
【近未来サイバー世界:スプロール】

 スプロールは言わば巨大なメガコーポに支配された世界だ。
 倫理観をかなぐり捨て、利潤と株価ばかりが優先されるようになった結果、
 高級社員とその家族(カチグミ)には、特権的な地位と社会保障が施され、
 対して、一定以下の階層(マケグミ)の暮らしと治安は大幅に悪化。誘拐・強盗・殺人など日常茶飯事。

【社会的モラルも大幅に低下。テクノロジーの発展とは裏腹に正に末法の世と呼ぶに相応しかろう】

 この世界にあって企業と企業の暗闘などは正に日常と化している。
 主には使い捨てられる兵隊(コマ)として、アンダーグラウンドの住人…すなわちランナー同士の争い。
 あるいは、企業のスタッフ(大抵がランナーより上質の装備と訓練が約束されている)が出向く事もある。

【形を変えた次世代の戦争だ。国家解体戦争以来、このような秩序ある管理された戦争≠ェ継続している】

 −−−−−−−−−

【輸送ヘリにて――】

 レンラク社の重要物資を運んだトラック群が襲撃にあったという。
 相手は酔狂にもシティ外で生きる野蛮人の盗賊(文明的な暮らしに背を向けた野頭)に扮しているが、
 偵察画像を見る限り、装備の質が良すぎる≠スめ最低でもテロ集団。最悪は企業の紐付きであろう。

「企業の雇われ兵隊が今は持ちこたえているようだが、それも時間の問題のようだ」

 喧しくローターをまわすヘリの中で葉巻を咥えているのはクルト・カントール。
 歴戦の高ランクランナーであり、越境者でもある。なお、白髪で老人のような要望だが年齢はまだ40ちょいだ。

【シティを出れば、未整備の朽ちた国道と赤茶けた荒野ばかりが広がる外界となる】
【→国家解体戦争と、その後の環境を鑑みない重工業・バイオ汚染が世界をどのように変えてしまったか解るというものだ】

 老兵は銃の確認に余念が無い様子。
 一見して、西部劇にでも出てきそうな古風なレバーアクションのショットガン。
 しかし、実際はフェザーライト仕様、スマートガンシステムなどハイテクそのものの銃器だ。

「さて、そろそろ見えてくるか」

 ヘリのローター音に紛れて銃撃音が混じり始めた。
 そして、遠方より立ち上る黒煙も視認が可能。輸送ヘリも着陸に備え高度を落とし始めた。ビズの時間だ。

【なお…シチョーシャ様には先に伝えておくべきであろう。このヘリの側面にキラリと光るCAPCOMの六文字を!!】
210 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/18(日) 22:11:22.44 ID:YXmlbvbDo
>>207

「あー…そこの君達、ちょっといいかな?」

そんな彼等の行く手を遮るように現われる一人の男。
携帯端末を取り出し、彼等に画面を見せる。

「この写真に写ってるの、君達で間違ってないよね?」

羽織るフライトジャケットの隙間から、拳銃らしきものがちらりと顔を覗かせる。

//名前ミスだらしねぇな?でも人間だから間違いは仕方ないね♂
211 :スレート【コードネーム:ナチグロイシ】 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 22:17:53.13 ID:qtVSiHk5O
>>209

先進技術を求めてきたら、厄介事に巻き込まれたPart2だ。
小柄な黒衣の魔女は、困惑を隠しきれていなかった。特徴的な大きなとんがり帽子を目深に被り、落ち着くために煙草を吸っている。

「……何でこうなったんだったか」

「おやつを食べに入った店で、何か金になりそうな仕事があったから……と悩んでいたら、気が付いたら回転翼機なんかに乗り込んでる……」

「結局おやつを食べ損ねてるじゃないか。……フルーツパウンドケーキを食べようと思っていたのに……」

ぶんぶん、と首を振り、仕方ない、と覚悟を決める。
何にしても、ここで先進技術の知識形なんなりを持ち帰れたら大金星だ。ボーナスに期待ができる。

「ここまで未来感あると私のこれが有利にも何にもならんのだよなぁ……」

どこぞから、武骨な半自動小銃を取り出す。
スプロールからすれば、クラシカルにすぎるデザインの銃だろう。
木製ストックに、鋼材は削りだし加工。手間暇ばかりかかる逸品だ。見た目は吹雪のように寒々しく、殺意の塊のようなソレで威圧感だけはばっちりだが……。
212 :島崎春奈【未完魔王】 [saga]:2015/10/18(日) 22:18:50.46 ID:khKAvCXwo
>>210
『あぁオレ様たちだがそれがどうした雑種?こr…』
『兄貴不味いですぜ不味いですぜこいつ武装してやがるサツにチゲーねぇ!』
『我不労所得希望也』

画面を見て強気そうな態度を見せる、そしたらすぐに拳銃で真っ青になる…丸腰なのかはわからないが。
そして……

『おのれおのれおのれおのれおのれー!!』
『ここで捕まったら情けねぇ!』
『明日月曜日とかマジ病める』

思い思いの捨て台詞を吐いて逃げ出していった。追うのは自由、ただ……

「うぅっ…!」

苦しげに呻く少女を一人残せるのなら、だが
213 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/18(日) 22:24:26.82 ID:VRlP5jPDo
>>211

「お嬢さん。初陣…ってわけじゃあ無さそうだが、しっかり集中はしておけ」

 スレートの困惑していたり首を振っていたりする動きを緊張によるものと考えたらしい。
 口髭を生やした老兵は落ち着いた声で言ったモノだ。

【場慣れしている…という雰囲気は感じ取れるだろう】

 さて、話は変わるが魔女さんならもしかしたらこのヘリのロゴマークの何かジンクスというか、
 呪いめいたアレは感じ取れただろーか?
214 :スレート【コードネーム:ナチグロイシ】 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 22:29:21.45 ID:qtVSiHk5O
>>213

「魔女がこんなことを言うのも変だがな」

紫煙を吐き出し、携帯灰皿に煙草を押し込む。
銃を抱くようにして、声を絞って言う。

「空を飛ぶものって落ちるんだよ。箒とかな。箒はあれはまぁ結構落ちるんだ。堕ちるんだよ、私の故郷は風が強かったからな」

「でな? 回転翼機ってのはだな、ぐるぐると何か回してどうにか飛ぶんだろ? えんじんを回して電気でぐるぐる回ってるんだよ……」

「……こんなの堕ちるに決まってるじゃないか」

ふううう、と息を吐き出しながらぼやく。
別に魔女に企業の知識があるわけじゃない。彼女の生まれ故郷ではまだその手の会社は存在しなかったというのもある。
215 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/18(日) 22:29:45.17 ID:YXmlbvbDo
>>212

「おい!…逃げたか。…ああ、君。大丈夫か?」

蹲る少女の傍まで駆け寄り、声を掛ける。ただし、周囲を警戒することは忘れない。
何故なら、彼のあまりアテにならない第六感が、珍しく警鐘を鳴らしているからだ。
「面倒なことになるぞ」と。

「…取り敢えず病院へ連れていくか…?」

誰に言うでもなく、一人つぶやく。
216 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/18(日) 22:39:38.76 ID:VRlP5jPDo
>>214

「箒?おいおい、まるで魔女のバーサンみたいな事を言うんだな」

 老兵は葉巻を専用の携帯灰皿に入れると、眼下を睨む。
 黒煙をあげて横転するトラック。それを盾として応戦する企業の兵隊。
 そして、数と装備でそれを圧倒しつつある盗賊(やはり装備に質が良すぎる)

「降下しろ」

 クルトはショットガンと自身のサイバーアイとのスマートリンクをオン。
 視界に照準や残弾などの表示が投影される。

≪弾丸スキップ…スラッグ弾を選択。チューブ調整…遠距離対応≫

【銃撃…遠距離でバッと盗賊の一人の頭部が破砕して丸ごと消え去る。ワザマエ!】

 降下に向けて移動するヘリの中で。さらに遠距離と悪条件が揃っている状況であるが、
 先制攻撃は撃てるであろうか?
217 :島崎春奈【未完魔王】 [saga]:2015/10/18(日) 22:40:10.27 ID:khKAvCXwo
>>215
余談だが藤川が取り逃がした三人組はいろいろあった末に二人はお縄についたとさ

「だ、大丈夫……です」

声を掛けられれば顔を上げてぎこちなく笑みを浮かべる、笑みになっていない笑みを
それも明らかに大丈夫ではなさげに脂汗を流しながら

「あと……病院で診てもらうのは意味……ないと思います………最初からこんなふうに苦しんで死ぬって……決まってたんで」

死、これは俗にいう死ではない。肉体的にではなく、人格的な死、それも定まっていた死だ
藤川の第六感は正しい。恐らくこれは最上級に面倒なことだから
218 :スレート【コードネーム:ナチグロイシ】 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 22:46:36.66 ID:qtVSiHk5O
>>216

「だから私は魔女なんだよ。魔女だよ魔女」

そう言いながら、銃を構える。
といってもスコープもついてないセミオートのライフルだ。分類はバトルライフルになるか。
これが実銃なら、とてもじゃないが当てられそうな状況ではない、が。

「……こんな具合に、な」

彼女の銃から放たれるのは、研ぎ澄まされた殺意そのものだ。
暴力的な彼女の故郷の風の権化――。
銃口から多重に魔法陣が展開し、その中心に銃口のサイズを無視した氷柱の弾丸が出現し、発射される。
弾丸というよりは氷の槍というべきそれが、適当にあたりをつけた盗賊の身体に放たれたのだ。
219 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/18(日) 22:49:23.89 ID:YXmlbvbDo
>>217

「決まっていた…?とにかく、大丈夫には見えないぞ。どこかで休んだほうがいいな…」

そう言ってから彼は「しまった」という顔をする。
越境者である彼は、この世界に家もツテも持っていないのだ。
例の三人組を追っていたのも、謝礼金目当てである。

「下手に動かすわけにも、いかないしな…」
220 :島崎春奈【未完魔王】 [saga]:2015/10/18(日) 22:57:21.83 ID:khKAvCXwo
>>219
「魔法……」

少女は呟く、喋るのも辛いような苦しみと戦いながら
彼女には罪はなく、ただ生まれが悪かった。それだけの苦しみ、定まった死。
それが迫っていることはやたらに白髪が多い茶色い髪から、やたらに白くなりゆく肌から事情を知らぬものでも察せてしまう。

「魔法とかに詳しい人がいれば…………」

苦しみとの格闘の末、無理難題と分からずにそんなことを呟いた
221 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/18(日) 23:01:42.46 ID:VRlP5jPDo
>>218

「そうか魔女か。なら、相手を皆カエルにでも変えてくれるとやりやすいんだがな」

 信じているのかいないのかビミョーな返事をする老兵であった。
 まあ、無理もあるまいといったところであろう。
 クラシックとはいえバリバリの銃器を魔具にしている魔女は流石に珍しすぎるというものだ。

【が、次に明らかにソーサリーの氷が眼下の敵を貫いた時には流石にからかいを止めた】

「なるほど。変わり者ってわけ…まて」

 ここでクルトのズームされた視界が盗賊の動きを捉えた。携帯型ミサイルランチャーを構えている。
 さらには既にレーザーロックされているではないか!

「お嬢さん!拙いぞ!」

 瞬間、バシューッと小気味良く鼓膜を振るわせる死神の鎌の音がハッキリと伝わる。
 噴煙を上げて破壊的な炸薬を詰んだミサイルがヘリに向かって疾駆してきたのだ!!

【ヘリはフレアを撒くが対策がされているのであろう!ミサイルは惑わされることなくヘリを追従!!】
222 :スレート【コードネーム:ナチグロイシ】 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 23:06:37.98 ID:qtVSiHk5O
>>221

「ねつたんち、じゃなけりゃれえざあ誘導かむせん誘導か」

ははぁ、と呑気にそんなことを呟く。
この魔女、ちょいと越境を始めてからマイペースに過ぎるのだ。

「まぁ、撃ち落とすだけだ。ほれほれ」

引き金を引けば、再び銃口から魔法陣が浮かび上がる。
だが今度放たれるのは氷の槍ではない。
冷気そのものだ。白い霧のようなソレはミサイルを包むようだが――冷やしたところで普通は意味はない。
だが、この魔術には第二段階がある。

「抵抗されることもないしなぁ」

ぎゅ、と銃を保持していた左手を離して、虚空を握る様にする。
すると、ミサイルを包んだ白い霧のような冷気はその場で凝固。氷で包んでしまったのである。
噴出孔も氷で塞がっている都合、そのままミサイルは自由落下していくはずだ。
223 :ロード・アルフレッド一世 ◆5zZ3tZE7js [sage saga]:2015/10/18(日) 23:12:20.31 ID:aLGGRsbq0
>>219>>220
闇に包まれたる路地で繰り広げられる問答の中、それとは別に、その地に影を落とす者が一人。
地を突く杖の音に気付けたのなら、二人の視線はそちらへ向けられるだろうか。
見るも煌びやかな衣装を身に纏い、どこか高貴な雰囲気を帯びた男性。
身につけるものはことごとく金ばかり、闇の中でもその存在感を確固として主張するそれは、彼がこの世界とは不釣り合いな存在であることを想起させる。

彼は辺りを見回して、何かを確信したように頷きながら、その事件の最中へ声を掛けた。

「……何と歪なる気であることか……。紛れもなく、これは魔力……それも尋常ではない……」

彼は独り言のように話しかける。
その言葉は男ではなく、少女に向けられたものであるらしく。
彼は相当な疑問でもって、言葉を続ける。

「そなた……何者か。……いや、そのような事よりも」

彼は少女が倒れているのを見て、まだ発声が叶う事を確認すれば、側へ寄ってその姿を見ようとするであろう。
彼女が何者であるか、まだ分からぬまま。

224 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/18(日) 23:16:12.58 ID:VRlP5jPDo
>>222

「…拙いな」

 クルトの呟き。同時に氷に包まれたミサイルは…氷の抵抗など物ともせずに破り、
 噴射口の炎は塞ごうとした氷を一瞬で気化させて、全く勢いを衰えさせないまま…!!

「お嬢さん。ソーサラーの悪い癖が出たな。耐ショック!」

 ドガン!!ヘリの後部に巨大な衝撃、そして熱!!
 ヘリは一瞬でコントロール不能となり炎と黒煙を吐き出しながらグルグルと回転する!!

【ヘリの内部にも有毒な煙が満ちる。さらに開きっぱなしのドアは内部の生命体を外界に放逐せんと主張するかのよう】

「脱出だ!もう持たない」

 タイミングが重要である。高高度から脱出すれば下に落ちてミンチだ。
 脱出が遅すぎればヘリの爆裂に巻き込まれてローストされる。
 さらには遠心力で振り回されている中での脱出という状況。

【クルトは己の直感を信じて、回転するヘリより飛び降りる!】
225 :スレート【コードネーム:ナチグロイシ】 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 23:26:14.09 ID:qtVSiHk5O
>>224

「あっさり人の魔術を破ってからに」

有毒な気体についての問題はない。
彼女は人形だ。人形は呼吸をする必要がない。

「しょうがない。フリフォールだ」

よいせ、とヘリから飛び降りる――。
銃を抱えて落ち、万歳の体勢――で、何と落下速度を軽減している。
魔女は箒で空を飛ぶ。今時の魔女はライフルにぶら下がって飛ぶのだ。
226 :島崎春奈【未完魔王】 [saga]:2015/10/18(日) 23:34:37.91 ID:khKAvCXwo
>>223
魔法の使い手……だろうか?
視線こそ向けられなかったが独り言は春奈に届いた。
春奈から発せられる禍々しい気、魔王の圧倒的な魔力を感じ取れる者……彼の格好まではわからなかったが

「島崎…………島崎春奈です……」

何者か、という問に答える
恐らくこの状況に大した影響を及ぼさない答えを
しかし、その続きは違う

「ある世界の…………魔王です……うぐっ……」
227 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/18(日) 23:36:23.60 ID:VRlP5jPDo
>>225

「クソ、どんな反則だ?」

 言葉とは裏腹にクルトは苦笑しながら、接地の瞬間に前転するとこで衝撃を逃がして無事に着地。
 不可思議パワーの持ち合わせが無い以上はこのような地味なムーブでどうにかするしかない。

【後方ではヘリが墜落し、大爆発を起こす。信頼と実績のカプコンヘリとはいえ墜落するときには墜落するのだ】

 クルトは直ぐに奪取。さらに降下するスレートにも警告の目配せ。
 緊急着地直後で、遮蔽物の無い状態など敵のいい的だ。

「ヘリ撃墜!脱出2、確認!」
「一斉射!!」

 少なくない盗賊がこちらに向きを変えて、各々のアサルトライフルを一斉射撃!
 全てがスマートリンクシステム内蔵なのであろう!かなり高度な照準補正が加えられ、
 ボヤボヤしていては蜂の巣になる運命は免れまい!!

【クルトは飛び散るアスファルトと土煙の中を疾走!岩場に飛び込むように転がり込んだ】

 対して、中空のスレートは?!
 

228 :スレート【コードネーム:ナチグロイシ】 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 23:40:25.47 ID:qtVSiHk5O
>>227

「もっとこのトンチキな光景に驚いたらどうなんだ、と」

ゆるーりと降下しているのだから、カモうちもいいところだ。
それは認める。だが、魔女であるからには防御手段もちゃんとなければならない。

「ま、魔翌力を出力する者のたしなみでね。この手の障壁魔術ってやつは」

薄青色に着色された力場が、弾丸の到達を拒む。
僅かに冷気を孕んだそれは、防御の概念を付与された魔翌力の壁である。
229 :島崎春奈【未完魔王】 [saga]:2015/10/18(日) 23:43:12.06 ID:khKAvCXwo
>>226追記
「……あの、」

すると急に藤川にのみ聞こえるような声量で春奈が呟く
そろそろ藤川にも分かるだろう、覇気にも似た禍々しく歪んだ何かに侵された空気が

「いざと言う時は……その銃で私を…………くぅっ……」

言葉は途中でうめき声に遮られた
だが、藤川にはしっかり伝わってしまっただろう
この面倒くさい少女は、生きることを諦めつつあると
230 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/18(日) 23:52:13.80 ID:VRlP5jPDo
>>228

「ちっ…シールド持ちだ!物干し竿!」
「サー!イエッサー!!」

 障壁を張ったスレートに対して盗賊も迅速に対応を行う。
 スレートにもし危機察知機構が存在したなら最大級の警告が為されていたであろう。
 大型の対物ライフルが彼女を狙っているのだ!

【当然ながらスマートガンシステムによる高い精度は言うまでもない】
 【さらには対物貫徹弾を使うこの銃の威力係数は…個人用のシールドなど紙のように貫通する】

 スレート自身が口にしていたここまでテクノロジーが発達すると優位になりにくい≠ニいうのが現実である。

 ドガン!凄まじいマズルフラッシュと共にスレートを破壊せんとする弾頭が放たれる。
 初速も凄まじく速く、対処を誤れば掠っただけで、ソフトターゲットなど千切れ飛ぶ!
231 :藤川・アレックス・道大 ◆A4nZCKYQwM [sage]:2015/10/18(日) 23:55:39.46 ID:YXmlbvbDo
>>229>>223

「馬鹿な事言ってんじゃ…くそ、おい、アンタ!」

アルフレッドに逼迫した声を向ける。
彼の異質な出で立ちは、この場において一抹の希望であった。

「コイツを…魔王とやらを助けてやれるか?」

藁にもすがる思いで、少し震えた声を出す。
232 :スレート【コードネーム:ナチグロイシ】 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/18(日) 23:57:44.76 ID:qtVSiHk5O
>>230

「つばめは斬れても私は斬れんぞ」

とりあえず、大きな筒に狙われてるのだけは理解した。
故郷にも大きな銃はあった。あれと似ている。せんしゃ、の装甲をぶち抜くためのライフルがあった。

「……こんぴゅーたーというのがよくはわからんが」

よいせ、と浮翌遊をオフにする。
あまつさえ、魔翌力で風を成して加速して落ちて見せる。
突然の速度の変化でスマートガンシステムの精度を乱そうという策だ。

「……これでいいかね」

地面にぶち当たる直前で再び風を出力して軽減。
適当すぎるところに着地してしまったが……。

//申し訳ない、0時近いのでこれ以上の進行は厳しいです……
233 :ロード・アルフレッド一世 ◆5zZ3tZE7js [sage saga]:2015/10/18(日) 23:59:39.70 ID:aLGGRsbq0
>>226>>231
「魔王とな……」

魔王。聖書などに及び聞くサタンであるかと想像を巡らせるが、しかし少女はまったくもって、それらしき存在には見えない。
彼女の言葉の真偽はともかくとして、彼はその答えに、どこか納得したような反応を見せた。

「……ふむ、成る程。魔たる者にも長はおるのだな。総ての王たる者となれば、余の征服を及ばせたいものよ」

彼は傍からすれば妙とも思える独り言ののち、思い出したように目の前の少女を見る。
まずは彼女をなんとかしなければ。彼は隣の男の言葉に呼応するように話し始める。

「……ともかく、この童女が放つ魔力は尋常ではない。本来は魔術の門下たらぬ余にも感じ取れる……余では、根本からどうする事もできまいよ」
「……だが、そなたが苦痛に歪むというのであれば……それを取り除く事はできる。王が王たる証、我が癒しの光によってな」

彼は宝玉の付いた杖を、おもむろに少女へと向ける。彼が掛け声を挙げれば、たちまち其処からは光が漏れでるであろう。
善悪も混沌も区別なく、平等なる"癒し"を与える、やわらかで暖かなる王の施しを。
その光は、彼女にとって一時の安らぎとなるであろうか。神言は、ほどなく詠唱された。

「………『ソヴ・エル・エイン』」

234 :島崎春奈【未完魔王】 [saga]:2015/10/19(月) 00:10:56.88 ID:3J6hse530
>>231>>233
いざというときのことの頼みはバカなことと切り捨てられた
殺してくれなければ、どうしてしまうか分からないのに……
と、思ったときに暖かな癒しを感じた
癒し、春奈が思う魔王の支配とは真逆の王道の温もり
どうせ魔王となるなら、こんな暖かな魔王となれたら……

「多少は楽になったかもです…ありがとうございます!」

神言の癒しを受け、嫌な汗も消えた春奈の第一声は感謝
アルフレッドだけでない、藤川にも感謝の思いは向けていた

「ですが…やっぱりちょっと魔王への覚醒が先送りになっただけみたいです…ごめんなさい!」

次は謝罪、助けが無駄になることへの謝罪であった
235 :ロード・アルフレッド一世 ◆5zZ3tZE7js :2015/10/19(月) 00:42:09.43 ID:gqq0v4cT0
>>234
「よい。一時の安らぎこそ民への真の優しさというもの。後の道は自らで切り拓いて征くものだぞ、童女よ」

彼は一先ずは少女を救う事が叶い、満足そうに杖を打ち鳴らす。
しかし彼が気になったのは、そんな事ではない。"魔王への覚醒"というフレーズであった。

「ふむ……そなたはその魔王とやらの殻にすぎない、というわけか?……本来のそなたは、先の苦しみをもって顕現しようとしている……」

彼女が安らぎの意を示すと共に、彼女の放っていた強烈かつ歪な魔翌力が減退してゆくのを感じる。
すなわちあの魔翌力は"魔王"としての力そのもの、という事だろうか。彼はそう検討をつけて解釈した。

「……余がそなたを救った事は、本当にそなたにとっての幸福であったのか……いや、己を害すことまで考えるのであれば、そなたは到底魔としての性質を秘めたる者ではあるまい」

彼はそう呟く。
本来の自分を解放するという事は、それは本来あるべき姿に戻るということ。存在という意味では、それは自然なことだ。
しかし本人にとってその結果は、必ずしもよい結果とは限らないという事も。
在るがままの生を謳歌した彼にとって、そういった葛藤の気持ちは、些か分かりかねるものであった。

「……よい。そなたが望まぬのであれば、早くに世界を移ることだ。内なるそなたが目覚めぬうちにな」
「どうせどちらも、尋常の存在ではないのだ。……次に遭うときに、そなたが王たる者と成っていたのであれば……その時は総ての王たる余が、直々の謁見といこうではないか」

彼は地に伏した少女の傍で、立膝から立ち上がる。
相手をいたわるような別れの言葉と共に、彼はやがてその地を去るであろう。

/すみません、眠気が来たのでここで〆させて頂きます……お疲れ様でした
236 :【フバエ・ゾバエ】憎悪をチカラに変える能力 [age]:2015/10/19(月) 22:11:24.39 ID:TsP9/KfVo
【ここは森林世界『エルダール』】
【大地の全てがが森林に覆われた世界】
【エルゥと呼ばれる美しき亜人族に支配された世界】

「フフ…醜いセカイ…キモチわるい」
「このヒトモドキも、セカイもゼンブ…腐ってみえるわ…腐ってるのカシラ」

【森の中の日のさすどこか】
【横たわり血を流すエルゥの少女と新たな標的を探して森の中を見渡す少女】
237 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/10/19(月) 22:32:08.56 ID:zEBkci+50
>>236
「うぅ……完全に迷ったですぅ……。
なんかどこに行っても同じ景色で実はずーっと同じところぐるぐるしてる錯覚に陥りそうです……」

がさり。何やらぶつぶつと呟く声が聞こえたかと思えば、木々の間から顔を出したのは同じく少女であった。
虫か蛇でも追い払うのに使ったのだろうか。手には枝切れが握られており、それを気ままに振り回す様はなんと呑気に見えることか。
しかしその実完全迷子に陥っていたことから精神的にはくたくたな様子。その証拠に人影が目に入れば表情は多少明るさを取り戻した。

「な、何やってるです……? そ、その倒れてるヤツ助けてあげたほうがいーと思いますが……」

しかし表情の変化も束の間。一瞬で疲労を通り越し怯えと不安に染まる。
できればこのような不穏な空気に出くわすのは避けたいところ。しかし身を隠そうにも明らかに手遅れである。
取り敢えず手に持った枝切れで倒れているヒトを指しながら心配の言葉を綴る事しかできなかった。
当然その声色にも見せる表情と同じ感情が聞いて取れるだろう。
238 :【フバエ・ゾバエ】憎悪をチカラに変える能力 [age]:2015/10/19(月) 22:47:12.02 ID:TsP9/KfVo
>>237
【標的を探していたところに獲物がわざわざ出向いてきてくれたようだ】
【死体のそばにいた少女ゾバエは耳元に装着したヘッドホンから胸糞悪いクラシックを垂れ流しながら口元を歪めた】

「ナニをいっているのかキコエないけど」
「アナタもなかなかキモいわね」
「フフ…アナタも、潰れたトマトみたいにカワイクしてあげる」

【言葉と同時、ゾバエは両手にどす黒いオーラを発生させて栗色の髪をもつ少女へ向かい疾駆する】
【もしも肉薄が叶えば、彼女の能力《ベル・ゾバエ》により質量と重量を増した拳が容赦なく栗色の少女パンドラへと叩きつけられるだろう】
239 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/10/19(月) 23:15:00.51 ID:zEBkci+50
>>238
「ひっ……!? ななななな、何ですお前っ!?
こっち来んなですぅ!! ……ぎゃうっ!!?」

意思の疎通は不可能、それに気付いた時には彼我の距離は手遅れな程に殺され近接を許す。
ここまで肉薄されては反応して回避する事はおろか能力の発動すらままならず、せめて許されたのは腕を上げ辛うじて防御の体勢をとる事くらいであった。
直後、身を守るように掲げた腕に感じたのは重さと鈍痛次いで聞こえたみしり、という音は骨にヒビが入ったのだと容易に判断できるものであった。
その場で受け止め耐える事など小柄な身体では叶わず、短い悲鳴と共に後方へと吹き飛ばされ木の幹に激突したところで正しく状況を理解するに及ぶ。

「い、痛いです……、お前、あの倒れてるヤツもお前がやったんですね……?
なんて見境いのねーヤツです……! お前みたいな凶暴ちびと出くわすなんて今日はつくづくツイてねーですぅ……!
でもパンドラはそう簡単にお前の獲物にはならんですよ……?
……出でよビックリバコぉ! あの憎たらしいちびを叩きのめしてやれですっ!!」

だらりぶら下がった両腕、その掌から黒い箱が召喚されたかと思えば、一直線に目の前の敵目掛けて弾き出された。
箱自体に特殊な効果は無いが、それなりの強度を持つ故速度の乗せられた状態でぶつけられればそれなりの打撃攻撃とはなるだろう。
しかし問題はその軌道が一直線で何の捻りも無いことと、召喚前の掛け声により攻撃を容易に悟られることだ。
240 :【フバエ・ゾバエ】憎悪をチカラに変える能力 [age]:2015/10/19(月) 23:41:32.22 ID:TsP9/KfVo
>>239
パンドラが木の幹へ飛ばされて掛け声を上げるまでのあいだ
彼女を飛ばした元凶であるゾバエはその破壊の余韻に浸っていた
ゾバエの能力は負の感情を糧に破壊力を上昇させるチカラ
彼女の根元にある世界への憎悪を破壊という形で発散するためのチカラ
無差別な八つ当たりのためだけに生まれたチカラによる破壊は彼女の渇きを潤すと同時に彼女を快楽への誘ってしまう

「キモチ、イイ…アナタもそうでしょ?」

故に、ゾバエがパンドラの方向を視認せずに破壊の余韻に浸っていたのは彼女に対する侮りや油断のせいではなく能力の制約によるものである
更にゾバエは異能の強化のためにヘッドホンから(彼女の大嫌いな)クラシック音楽を大音量で垂れ流しているために聴覚による情報収集能力が極端に低い

ゾバエが何の抵抗もみせずに顔面でパンドラ
の攻撃を受けてしまったのは上記二つの理由が重なってしまったためである

先述の通り快楽の沼に浸かっていたゾバエを現実に引き戻したのは何かの軋む音だった
その音は自身の頭部、正確には鼻骨のあたりから発生したものでそれが彼女(パンドラ)からの反撃による負傷だとゾバエ本人が気付き、
それに激昂した彼女は雄叫びにも似た悲鳴を上げる

「アアアアアアアアアアッ! ブチ、コロスッ! 」

破壊にのみ特化した異能をもつゾバエの行動は早かった
鼻がへしおられて壮絶な痛みによる怨みは彼女(パンドラ)を仕留めることによってのみ晴らされると判断し、痛みに耐えかねて悲鳴を上げてから数秒後には再び両手にオーラを発生させ彼女(パンドラ)へと向かい森の中を駆け抜けた
肉薄すれば彼女の頭部に連続的な殴打を浴びせる気でいた
彼女の顔が潰れたトマトよりも美しく、腐ったトマトのようにカワイクなるまでぶっ潰すことを決意していた
故にゾバエは生半可な反撃では立ち止まらず彼女を仕留めにかかるだろう
241 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/10/20(火) 00:14:55.97 ID:b+UCx8up0
>>240
「ひぁあっ!? とち狂いやがったですこいつぅ!!
こっちくんなですぅ! あっちいけですぅ!!」

あまりの迫力と怖気に思わず後退り、下手げに手負いにしてしまった事への後悔が脳裏を駆け巡る。
逃げたい、この場に居たくないという感情が恐怖と共に湧き上がるも、走って逃げたところで追いつかれるのは彼女のスピードを見れば明らかであった。
故にこの場で迎え討つ覚悟を決めた。己を守る為にはいつだって多少なりとも力は必要なのだから。
しかし覚悟を決めたはいいものの、パンドラ自身敵の近接を阻む武器も無ければ体術の心得なんてものも無い。
苦し紛れとばかりに痛む腕を振るって投げ付けたのは先程持っていた枝切れだ。
当たれば痛い、ただそれだけのものである。当然殺傷力など皆無でダメージなんて微塵も期待できたものではない。
勿論パンドラ本人もそれでどうにかできる何て事は思っていない。少しでも本命へ注意を向けさせないための囮である。

「これで止まってくれればいいですが……。
でも他に方法も思いつかんですし、悩むより当たって砕けろー、ですぅ!!」

先にゾバエの顔面を殴打した黒い箱、特に操作もしてなかったそれは未だその場に止まっていた。
つまり現時点での位置はゾバエの背面後方、何か怪しんで振り返らない限りは箱の様子を知る事はできない。
ぱかっと蓋を開けた箱から飛び出たのは黒い球体だ。ふたつの箱からひとつずつ飛び出た魔障を孕むそれらは、撃ちだされたようにゾバエの両足を目掛けた。
疾走中の脚部にそれらの衝撃が加えられればバランスを崩し転ばせることができるかもしれない。上手くいけば魔障の効果も期待できる。
しかしパンドラにちらつく一抹の不安、それは黒弾程度の物理的衝撃でゾバエの猛進を止められるのか、であった。
もしそれが叶わなければパンドラに彼女を止める術は無い。可能な限り防御や抵抗はするだろうが、ゾバエにとってサンドバッグと変わりない存在となるだろう。
242 :【フバエ・ゾバエ】憎悪をチカラに変える能力 [age]:2015/10/20(火) 00:42:24.86 ID:Hg1oItXAo
>>241
一見すると疾駆するゾバエに対して彼女(パンドラ)の放った反撃は余りにも脆弱
しかし、先程痛みののちに反撃を受けたことを認識したゾバエはパンドラが何を使い反撃を行ったのかを理解していない
しかし、先程まで何も持っていなかった彼女に鼻を折られ、現状でも枝を投げてくる彼女を認めたうえで
ゾバエはパンドラの能力が《飛翔物の破壊力上昇》であると予想した
故にゾバエは投擲された枝も同様に高い破壊力を孕んでいると認識
オーラを込めた拳で全力での破壊を試みた

「……ッ!? 」

が、質量と重量を格段に増した拳は予想以上に容易く枝を破壊し、勢いを殺しきれぬまま中空をえぐりぬく
それゆえに彼女の均衡(バランス)が崩れてしまったのは当然のことであり最早言うまでもない
特筆すべきはまさにそのタイミングでパンドラの非力な魔法弾が彼女の足を撃ち抜いたことである

「むぐ…ッ! 」

彼女(パンドラ)の狙い通り、ゾバエは人外の加速を持って地面へと倒れこむ
先程までの圧倒的な速度は地面との摩擦により圧倒的な熱量へと変換され既にひしゃげた彼女の顔面を焦熱させる

地にふしたゾバエには最早反撃の術がない
今度はゾバエがサンドバッグと化していた
243 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/10/20(火) 01:33:35.62 ID:b+UCx8up0
>>242
「………。やったです……? やっぱりパンドラは凄いですぅ!!
ちゃーんと思った通りになったですもの! くるっとまるまるパンドラの思い通りィ!!」

訪れた静寂、暫くしてそれを切り裂いたのはパンドラの黄色い声であった。
恐怖、不安から一転安堵。緊張感から解き放たれ、自分の策が功を奏した事への高翌揚感から無邪気にはしゃぎ始めた。
まるで無警戒で危うさを感じるものであるが、ことこの場においては危険は無さそうであり一安心か。
しかしこのままここで喜びを露わにしはしゃぎ続けていては敵の回復を待っているのと同義である。
そして流石にそれがわからぬ程に阿呆ではなかったようで、一通りはしゃぎ倒せばすぅ、とひと息深呼吸。

「こ、これに懲りたらもうこんな事はやめるですよっ!?
特にまたパンドラに何かしようとしたらもっと酷いですから!
ざ、ざまーみやがれ、ですぅ! ちーびちーび……ちーびっ!!」

ゾバエが回復し起き上がればきっとより凶暴さを増して襲い来るだろうことは、先の体験から火を見るよりも明らかである。
故にこんな場所に長居は無用、ひとしきり言いたい事を吐き捨てればそそくさと、全速力で退散するのであった。
出来る限り追跡しにくいようにと森の深い方へ足を踏み入れていく。恐らくまた迷子になるのだろうが、そんな事今は気にしていられない。
パンドラの子供じみた捨て台詞に、慌しく木々を掻き分け小枝を踏み抜く騒がしい音。
彼女の五月蝿さはヘッドホンを越えてゾバエの耳まで届くだろうか。
ちなみにパンドラはゾバエと比べてかなり背が小さい。

/どもありがとでしたー
/またよろしくですっ!
244 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/21(水) 22:04:45.30 ID:Py6noSvQo
2033年、アメリカ合衆国、フロリダ州エヴァーグレイス国立公園 上空約730km付近…

地表から遠く離れたIASCの低軌道研究所。
攻撃衛星、タレットにレーザー監視網。厳重な警備によって護られたラボへと、いくらかのデブリに偽装し近づく2つの影。
カノッサ機関特殊部隊の尖兵、ジョシュアのとその連れである。宇宙服にシリコンとチャフを塗布し、破損した衛星のソーラーパネルに偽装しているのだ。
慣性に任せて宇宙空間を漂い、LEOに磁力グリップで。しがみつく2人。
レーザー監視網の死角となる至近距離へと肉薄して初めて宇宙服の関節ロックを解除し、身体の自由が取り戻された。

「……着きました。ここが"アタリ"のLEO(低軌道衛星)研究所です」
「53機目でアタリが出たのは幸運でした。作戦結構までの手間をかなり短縮できた…」

無線機越しに溜息を吐くジョシュア。まさか宇宙でもこのようなギリースーツもどきを着る羽目になるとは。
やってる事は地球と変わらねぇな。そうぼやくとバックパックからブリーチングチャージを取り出す。
LEOの外壁にその物々しい四角い箱を設置し、無線機のスイッチを長距離モードへと切り替える。

「アクチュアル、0-0-1は位置に付いた」
「LEO-LABへの突入許可を求む」

後は本部から許可が降りれば即突入、全ターゲットを無力化しLEOを制圧、生物兵器NYXを破壊し脱出することが本作戦の流れである。
真空用スーツのチャフとシリコン片を払い、今か今かと突入の合図を待ち続ける。
245 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/21(水) 22:13:15.85 ID:8eSqmytPo

「ドロップポッドの強襲降下作戦よりもなお酷い。こういうのはどうも苦手だ」

 ギリースーツもどきの宇宙服を着こんでジョシュアの後に着いていくのはイムカ・グリムナー。
 銀河帝国軍上級政治将校。そして、今回は己の不始末を清算するために赴いている。

「なるべく迅速にな。どうも私は潜入には向いていない」
≪0001110101010111≫

 イムカは兵士といっても将校に属す。そしてそれゆえか潜入に必要な素養。
 気配を消すとか、周囲に同化させるといった所作には不得手だ。
 寧ろ、大海原の灯台の如く、存在の威がやたらと目立つタイプである。

【不用意に監視カメラに映るようなヘマはしないが、哨戒などがやってきたら厄介である】
246 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/21(水) 22:31:11.22 ID:Py6noSvQo
>>245
「…哨戒のOSATは居ませんね。どうも警備装置を殆ど無人化しているようです…」
「中も無人なら助かるんですが…中はOSATだらけでしょうねぇ…」

イムカ・グリムナーの同行は生体兵器研究の当事者ということでHEXAが特別に許可した。
もっともジョシュアが巻き込んだに等しいのであるが、HEXAとしてはIASCを叩くための手駒が手に入ればそれでよかったのだ。

やがて許可が下り、イムカの腕を掴んでチャージから引き離すジョシュア。
スイッチを入れればチャージのセーフティランプが緑色に変色。

「突入(ブリーチング)」

起爆。と同時にテルミットと酸化剤が激しく反応。摂氏3000度にものぼる高熱がLEOの外壁を焼き尽くす。
減圧でそこだけ火傷の水ぶくれのように膨れ上がり、LEOから漏れ出した大気に吹かれて霧散する灼熱の金属。

何人か警備兵や研究員らしきモノが吸い出され、宇宙線で即死し動かなくなる。
嵐の如き減圧が過ぎ去ればまだ熱い外壁を掴み、真空状態となったLEOの一区画へと飛び込むジョシュア。

磁力グリップで壁に吸い付き、それを蹴って次なる区画を目指す。

「目標はここから100mも離れていません。OSATの姿がないので…目標の近くに固まっているのかもしれませんね」
「……っと、お出ましだ」

正面のエアロックを潜って現れた二人のOSAT。
ジョシュアたちを視認するなり躊躇なく大口径のアサルトライフルを連射する。
この場での被弾はすなわち死である。ジョシュアは壁の破片を盾に銃弾を防ぎ、照射型レーザーライフルで応戦している。
247 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/21(水) 22:39:14.50 ID:8eSqmytPo
>>246

「…手早くいくぞ。当てるなよ」

 このようなところでグズグズはしていられない。
 そう主張するようにイムカは決断的に前面に出る。

【当然、前に出れば的が大きくなり、相手はごぞって狙いやすいほうを狙うであろう。が、】

 キュンキュン!!小気味よい音と共にイムカに向かっていた集団は、
 そのスーツを引き裂く寸前に不自然に軌道を変えてあらぬ方向に飛び、壁に穴を穿つ。
 遠未来のリフラクターフィールド発生装置によるものだ。

【火線の中、イムカの二つの心臓は全く心拍数に変化がないまま、その手が粒子短銃を敵に向ける】

≪ブラスターモード:エリミネーター≫

 BLAM!一体目の敵にレーザーを射出。BLAM!すぐさまスイッチ。もう一体に。
248 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/21(水) 22:59:26.66 ID:Py6noSvQo
>>247
かろうじて銃弾を避け、レーザーをOSATに当て続けるジョシュア。
しかしレーザーライフルは瞬間火力に欠け、OSATのエネルギーシールドに容易く偏向されてしまう。

「チッ…火力が低すぎる…!」

そんな舌打つジョシュアの脇を一筋の光が駆け抜け、OSATのシールドを突き破ってヘルメットを砕きその頭を吹き飛ばす。
二発目の銃弾はもう一人のOSATのシールドを剥がし、しかしそれに留まった。
イムカに反撃しようと狙いを変えたOSATの胸をジョシュアのレーザーが貫き、OSATはだらりと脱力する。

「ナイスショット…行きましょう、エアロックの向こうは安全です」

壁を蹴りエアロックへと到達、二人ともエアロックへと入ればポートが閉まり加圧を始める。
加圧が終わり、やがてドアが開く。ジョシュアが一歩外に踏み出したその時、ぴたりとジョシュアの動きが止まった。

『動くな!!』
「……おっと…」

左右からぬっと現れ出たのは短機関銃を手にしたOSAT二人。
オプティカルクローク(光学迷彩)を使って待ち伏せしていたらしく、
このアンブッシュに気づけなかったジョシュアはこうしてまんまとハメられたというワケだ。
顔を見られた。が、青年時の姿でここまで来たのが幸いしたか、世代の違うOSAT隊員はジョシュアの正体に気が付いていないようだった。

『手を挙げろ、ガキ』
「わーってるっての…」
『もっとだ!』

OSATの指示に従い武器を捨て、両手を挙げるジョシュア。
ちらと後ろを向いてイムカに目くばせし、つま先でそっと左側のOSATを指す。
顔の高さまで手を挙げれば右側のOSATはもっと高く挙げろと銃口でジョシュアのヘルメットを小突いた。

「わかって……るって!!」

その瞬間、ジョシュアは眼にも留まらぬ速さで右側のOSATの銃口を頭の上まで押し上げる。
米海兵隊式の対人格闘術。手を顔辺りまでしか挙げなかったのはこれを狙っていたからだ。
即座に引かれる引き金。天井目がけてSMGが乱射され、跳弾に驚いた左側のOSATが飛び退き、ジョシュアの背中目がけて素早く銃を構えた。
249 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/21(水) 23:13:40.87 ID:8eSqmytPo
>>248

「クリア。ああ、行こう。何時までも旧式スーツが命綱というのはぞっとしないからな」

 浮遊し、すぐに干からびるであろうOTSTの遺体を一瞥して、
 イムカはジョシュアの後をついていく。

【エアロックを通り、少なくとも頼りない命綱とはオサラバだ】
 【→と、ここでドアが開いた直後に警告が投げかけられる】

(テクノロジーレベルは大したものだが…)

 イムカのやることはよりシンプルであった。
 両手をあげたポーズからジョシュアの反撃タイミング、相手の注意が向けられたのに合わせて、

【手首を一回曲げる。もう一度伸ばす。そのアクションだけでその手には何時の間にかクナイが!】

「イヤーッ!!」

 イムカの腕に装着されたガントレットの表面に紫電が走る。パワーアシストオン!
 強化された膂力からアンダースローで投擲されたクナイは左のOSATの首筋に目掛けて疾駆!
250 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/21(水) 23:32:11.18 ID:Py6noSvQo
>>249
『が…!…ぐ、か……』

クロークを搭載しているスーツは装着スロットの競合の問題によりシールドを生成することはできない。
したがってイムカの投擲したクナイはラバーでコーティングされた人工筋肉スーツをいとも簡単に貫徹し内部へ到達。
喉笛を食い破られたOSATは両手で喉を抑え、膝を突いてから仰向けに転がり動かなくなる。

『う、うわ…―――』

SMGの弾を撃ち尽くしたもう一人のOSAT。ジョシュアは彼を蹴り飛ばし、ホルスターから拳銃を取り出して射撃。
被弾したOSATが倒れれば足元のレーザーライフルを拾い上げ、2秒ほど照射して確実に止めを刺した。

「…俺ならまず撃ってた。確保はそれからだ」
「こいつらがOSAT?……本当に堕ちたもんだな」

ライフルの冷却カバーを開き、それと同時に噴射される二酸化炭素。
立ち上る陽炎に包まれながら溜息を吐き、ヘルメットを脱いで背中にマウントした。

「今度こそクリア…ですね、行きましょう」

〜〜〜

レーザーライフルの冷却カバーをしっかりと閉じて構え、アンブッシュを警戒しつつ進んでゆく。
それからは特に障害らしき障害も見当たらず、当初予定されていた目的地『セクションS3』までスムーズに到達するイムカとジョシュア。

入口の大きな鋼鉄製のドアは物々しく、実験区画全体をこの数倍の厚さの壁が隔離している。
どんな化物が仕舞われているのか考えただけでもいくらか冷や汗が噴き出る思いだ。

「ここです、コミッサー…見るからにヤバそうですけど…心の準備は?」
「それじゃあ…開けますよ」

イムカに軽口叩きつつ、一番怯えているのはジョシュアだ。
重々しい手つきで端末を操作すればドアは轟音を響かせながら開かれ、実験区画の内部が明らかになる
永らく星の海の闇に包まれていたその姿がようやく暴かれたのだ。
251 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/21(水) 23:46:28.05 ID:JD/NJtrLo
>>250

「同感だ。組織体制に変化があったか?末端にしろ随分と質が低下しているな」

 イムカもOSATとは時に敵対し、時に共闘したりしたこともあって、
 装備の質以上に高い練度と判断力を評価したものだが。

【同じくヘルメットを抜いで、外套のようにたなびく金糸の髪を外気に触れさせる】

「ああ、そうだな」

【→ジョシュアと共に進攻】

 −−−−−−−

「心の準備など、生を受けた直後に終えている。私はエリートだからな」

 イムカらしい、本気とも冗談ともつかぬ(本人は本気100%だろう)言を言い放つ。
 実際に連隊の士気と規律の維持を任とする政治将校なのだ。
 規範を示すことが義務である以上、心の怯えや逡巡とは無縁といってよい。

「それに今、お前のそばには私が。私のそばにはお前がいるのだ。恐れる必要などない」

 実験区画の扉が開くタイミングでイムカ自身はカバーポジションを維持。
 内部の様子はサーボスカルに捉えさせる。

(………)

 僅かに粒子短銃を握る手に力が入る。
 イムカとて、遺伝種子がどのような愚かしい試みによって変容されているか。
 それに対する憤りと報復の精神は拭い難い物があった。
252 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/22(木) 00:05:39.35 ID:JUjnjVuWo
>>251
「…へッ…はは…」
「世界も何もかも変わっていく中で…あなただけはずっと俺の”頼れる上官殿”だ…」
「……行きましょう、俺がポイントマンを」

いい意味でも悪い意味でも昔と変わらぬイムカに思わず吹き出し、気の抜けた笑いを溢すジョシュア。
なんだか緊張もほぐれたようで、ウインクしながら昔のように口説き文句を一つ。
どこか固かった動作もまた解れ、拳銃を構えて素早く研究区画へと突入した。

「なんだってんだ…一体…どうなってんだこりゃ…」

しかしすぐに銃を降ろし、辺りを見回し始めるジョシュア。
それもそのはず、研究区画として厳重に隔離されていたこの部屋はお世辞にも軍事施設には見えず、
白い鉄製の床にはアルファベットのウレタンマットが敷かれ、プラスチック製の小さな滑り台がひとつ、カラフルな積木がいくらか。
そして部屋の奥、隅の方でなにやら真っ黒い物体が蠢いているだけだった。

『…………!』
「―――!」

真っ黒い物体がジョシュアたちを視認すればそれはすっと立ち上がり、ジョシュアを見つめる。
ジョシュアもそれに反応し、素早くその物体へと銃口を向ける。
立ち上がったその姿は、身体を構成する全てのパーツが闇のように真黒であることを除けば、まるで幼い少女のような。
白い手術着で身体を覆い、ほとんど一糸纏わぬ状態に近いそれはジョシュアへと駆けて近寄ってくれば、ジョシュアが向ける銃を興味深そうに見つめ、

『う!』
「は?」

可愛らしい掛け声と共にジョシュアの太ももにパンチ。ジョシュアは銃を向けたまま呆れ顔。
紅い眼の、黒い肌と真っ白な髪を持つ少女。手術着には紛れもなく「HT178-NYX」のパッチ。
ジョシュアはふと、その顔つきがある人物に酷似していることに気が付いた。そして恐る恐る、その人物の方へと振り向いた。
253 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/22(木) 00:19:25.09 ID:4cslHarbo
>>252

「…こっち≠ヘ予測していなかったな」

 カバーポジションを解いて、イムカはジョシュアと並んで真っ黒な物体を見る。
 研究成果。危険なナノマシンと遺伝種子のハイブリッド。どのようなおぞましいバケモノが精製されているのか。
 と、思っていた。が、

「…ジョシュア。君の任務は生体兵器を破壊し脱出する。だったな?」

 任務内容の復唱。そうしながら紫色の瞳が紅い瞳を見る。
 眼の色の肌の色も髪の色もまるで違う。

(この容姿…生半可な技術で生半可に遺伝種子を弄るからのこのザマか。私自身の遺伝子が混ったのか?)

 予想とはやや異なるが、これはこれでやはりロクな結果になっていない。
 そう思えている。実際、遺伝種子の適合率はどれ程だ?とも考えたが。

「おい、話せるのか?話せないのか?私の言葉が理解できているか?」
254 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/22(木) 00:38:08.34 ID:JUjnjVuWo
>>253
『うー…?』

カバーから出てきたイムカの顔を覗き込み、自分の顔をぺたぺたと両の掌で包み込む。
イムカを見てから何らかの刺激を脳に受けているようで、闇色の表皮を赤黒い走査線が幾度も走っては消えていった。
まるでかつてのジョシュアだ。火星で再開し、巨塔の世界で珪素生物の懐へ飛び込まんとした。

やはりというか、イムカの言葉は理解していないようで、首を傾げれば不思議そうな声を上げるだけ。
ジョシュアがやれやれと首を振り、NYXのこめかみに銃口を突きつけた時であった。


「あっちこっちに服が散乱しています。着るのを嫌がったんでしょう…母親に躾もしてもらってないし…」
「おまけに言葉も分かってない。これじゃあ…まるで獣だ。処分しま…」

『…!、〜〜〜〜っ!!』
『ままぁっ!』

ふとNYXが駆け出し、ジョシュアの脇をすり抜けてゆく。その口から確かに「まま」という言葉を発しながら。
そしてイムカに飛び込み、その腰に抱き着いたのだ。

イムカの腹にほおずりし、満面の笑みを湛えた顔をイムカに向ければ、肌は白磁の如く白く、大きな瞳はアメジストの薄紫。
漆黒であった白目も純白に。これは明らかにNYXが擬態したのだ。「母」であるイムカの姿へと。

ジョシュアがNYXの前で英語を話してから僅か3分未満、母という単語を口にしてから1分未満。
人間の子供が初めて覚える言葉の多くは「まま」である。もしも今彼女が言葉というものを理解し、解析し、学習したのだとすれば、その知性は。
この驚愕すべき事実を前にわななくジョシュア。

「こ、ここ、コミッサー…き、既婚者で…?」

…ではなく、ジョシュアは別の事態を懸念していたようだ。

ともあれ身体をあるていど自在に変化させることができ、吸収力、適応力、そして知性も高い。
さらに返信前のあの体色、これは十中八九、遺伝種子とグリードのキメラと考えていい。

「…ど、どうします…コミッサー…や、殺りますか…?」

かなり狼狽えながらNYXのこめかみに再び銃口を突きつけ、イムカとNYXを繰り返し見比べる。
255 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/22(木) 00:57:04.96 ID:Z9b4i7/Ao
>>254

「…子供を授かった覚えはない。私は君の母親ではないぞ?」

 抱きついてきたNYXにイムカはいつも通りに無表情で、ややピントがずれた応対を行う。
 会話は成立していない上にこの反応。流石にこれには困ったというものだ。

(実験動物として扱っていたのだろうが、教育は行っていないのか?
 それともその必要がなかったか。何とも言えないな)

 そんな事を考えているとジョシュアから妙な反応。
 この生物≠ノ関してのことと思いきや、明らかに頭が茹った言葉が飛ぶ。
 教育の必要があるだろうか?

「…生憎、婚期を完全に逃しているのでな。もう取り返しもつかん」

 と、溜め息と冗談交じりに返答するのである。さて、問題は――

「私の世界にある死の惑星(デスワールド)の一つに風習があってな。
 産まれたばかりの赤子に斧を授けるというものだが、そこで斧を握り返せなかった赤子は極寒の海に捨てられる。
 これは死の世界にあって、機知を試す…生を授かるに値するか。戦士となるに相応しいか。そういう試練だ」

 ふと、イムカは故事めいた事を話す。これは彼女の癖のようなものである。
 何かを決断するときに、このようなもののたとえ≠口にするのだ。

「言葉が解らないとか、理解が出来ていないとかどうでもいい
 問うぞ…生きたいか、それともここで終わっておくか。選択しろ」

 同じ虹彩となった瞳を真っ直ぐに見据えながら、イムカは実験生物に問うた。重要で重大な問いだ。
256 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/10/22(木) 01:16:24.59 ID:JUjnjVuWo
>>255
『斧……海……』

先ほどと変わらぬ調子でイムカの口から発せられた単語を鸚鵡返し。
斧、海、惑星、”はじめての言葉”を耳にするたびにニューロンがはじけ、彼女の世界が広がってゆく。
しかし、

『…死……』

”死”という言葉の意味と重さ。一度言葉を口にしただけだが、彼女はそれを知っていた。
海や斧の時とは違い、胸に手を当てて浮かない顔を浮かべる。

NYXはイムカの問いかけの意味を半分も理解していなかった。正確に質問の意図を捉えることも、答えるべき言葉も分からない。
だから彼女は今思ったことをありのまま伝えようとした。言葉に込められた思いや意味を。

『…にゅくす……ままぁ…にゅくすね』
『……”生きたい”…』

生きたい。生物の根幹たる感情。

人工的に合成され、明らかに生命体の枠組みから外れた存在であっても
意識というものが、自我というものがそこに存在する限り誰でもこう思うものだ。

死が怖い。死にたくない。生きていたいと。

「………〜〜〜ッ」
「アクチュアル、問題発生だ。……目標を…破壊できない」

片手で頭を抱え、腕を脱力させてNYXのこめかみから銃を降ろすジョシュア。
こんな少女をジョシュアが殺せるはずがない。生まれたばかりの命に目の前で生を懇願されて。

作戦はプラン変更、ターゲットの鹵獲は想定されていない事体ではあるが、司令官の性格を考えれば”連れて帰る”ことは容易だろう。
そこで彼女がどのような目に遭うのかは実際に連れ帰ってみなければ分からないが。

シャトルが到着するまで15分は掛かる。それまでに監視装置のセキュリティを解除し、衛星を吹き飛ばすための爆弾を設置する必要があった。
対面するオリジナルとイミテーションをそこに残し、ジョシュアは複雑な心境でセクターを後にするのだった。

//とりあえずこんな所でしょうか。おつかれさまでしたー
257 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/22(木) 01:26:15.80 ID:Z9b4i7/Ao
>>256

「と、いうわけだ。決まりだな。すまないなジョシュア」

 NYXの言葉に頷いて、彼女を片手で持つ。
 パワーアシスト機構が働き、このような無茶な運搬もノープロブレムだ。

(任務を果たすというならここで君と敵対することに――…)

 生命以上に名誉を重んずるイムカらしい言葉が喉まで出掛かった。
 が、彼女は僅かにそれを逡巡する。価値観に沿うのは正道であり、それがイムカ・グリムナーだ。
 しかし、それが齎した結果は、常に最善であったろうか?とも。

「…ジョシュア、見逃せ。これは命令ではなく、頼みだ」

 イムカの声音は無機質なままであったが、おおよそ彼女らしくない言葉をジョシュアに投げかけた。
 これは妥協か?それともジョシュアを頼ったのか?あるいは彼を軽んじるのを止めたのか。
 何れなのかはイムカ自身すら把握しきれていないに違いない。

(ジョシュアの組織に渡すか?手元に残すか?どうにも厄介なモノを抱えることになりそうだな)

//おつおつおーノシ
258 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/22(木) 23:13:27.15 ID:nE49jsWS0
【ニブルヘイム】
全てを凍てつかせる氷の世界 ここニホンでは 氷に閉ざされてなお拡張を繰り返した地下鉄のおかげで本州のみならず 日本国土全部を行き来できるインフラを生み出したおかげで
流通がいまだ生きている そのおかげで各地域で特化した生産を行え この国は比較的平穏で文化的な暮らしを保っている

だが他所が隣の芝の青さに惹かれてやってくるのは自然の摂理ともいえるだろう・・・


――――地下鉄 移動トロッコ
元々は保線車両であるトロッコ 今はシンプルなつくり故に大量生産され 物資や人員を運ぶのに大活躍している

ロイ「さて・・・今俺たちは 身を寄せているコロニーで作られた野菜を全国に配送するための市場に運ぶトロッコに 護衛として乗り合わせている最中ってわけだ」
アキレス「一体誰に言ってるんだそれ?」
―――ギィ!!

地下でもコロニーを離れると途端に冷える 完全防寒装備の2人と一匹は 先頭車両で不審な者がいないか目を光らせていた

アキレス「なんでも 自らの生存圏を求めてやってきたチャイニーズ共が潜伏しているってぇ情報がJDF(自衛隊)から入ったんだっけか? あいつら碌なことしやがらねぇ」
―――ギィ!!

肩を竦めてげんなりしているアキレスと それをマネしているベティ
259 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/10/22(木) 23:25:52.61 ID:iF0cx8Aj0
>>258
過去の、登山メーカーの防寒着の着心地は悪くなかった
軽く、動きを阻害する事はないし、体の熱を逃がす事なくとどめていてくれる
それでも剥き出しの顔の、マフラーで下半分を隠した口から漏れる吐息は白く煙り溶けて消えた

「……ま、こんな世界じゃね……」

圧巻であった
純に白く染まった世界、そこに加護や慈悲はなくただ現実的な冷徹なまでの残忍さに溢れている
世界は、ここまで茨めいて刺々しく、それでいて冷たくなれるのだなぁと
何処かぼんやりと考えているのは、仄暗い地下の風景が流れ行く様が変わりばえないからであろうか

「生きる為に足掻くのって、間違いじゃない気がするなぁ」
「……それでも、お互い様だとは思うけどね」

ベティを撫でようと伸ばす手
しかし地肌では甲殻の感覚を味わえない、薄手の手袋が邪魔をするだろう
260 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/22(木) 23:37:33.97 ID:nE49jsWS0
>>259
―――ギィ!!
ロイ「足掻くのはいいんだがよ その結果虐げられる側に回ったらたまったものじゃないってな」

ベティは四五六に挨拶するようにハサミを振り上げ
ロイは視線を辺りに向けながら言う

アキレス「今はどこも自分たちのことでいっぱいいっぱいさ 俺らみたいな越境者なら数も少ないし
     豊かなところなら受け入れてくれるんだろうけど このニホンでも辺境は他人の入り込む余地がないほどカツカツなんだt」

他愛のない話をしているその時 黒い影がトロッコの前に飛び出してくる 運転手は咄嗟にブレーキをかけ 金属同士がこすれ合う甲高い音を立てて動きを止める

ロイ「総員警戒 俺らは前に出るぞ!!」
アキレス「おっけーい ベティ来い!!」
―――ギィ!!

各々武器を抜いて降りる越境者たち
そこにいたのは ボロボロの防寒着を纏った ガリガリに痩せた男 目を凝らせば 子供を抱いた妻らしき女がいるのも見えるだろう

ボロボロの男「!!!!!(食い物を置いていけ日本鬼子!!)」
男は鉄骨を叩いて尖らせた 貧相な槍を構え 一行を威嚇している その言葉は少なくても日本語ではない

【判定 言語:この男の言葉に世界の修正力は働かない この世界の中国語を習得しているもののみが 彼の言っている言葉を理解できる】
261 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/10/22(木) 23:50:30.86 ID:iF0cx8Aj0
>>260
ぶい、と指を2本立ててベティに返した
微笑みかけていた顔を上げ、そしてロイと同じくして周囲を見渡す
揺れる長い黒髪を抑えながら、目を細めた

「……困るよねぇ、そういうの……」
「んわっ!? ……来たかな……!?」

苦手なんだよなぁと顔を擦る掌
そしてアキレスの言葉を途中遮るようにして急変する事態
愛用の忍者刀を手に取りロイ達に続いてトロッコを飛び降りた

「……っぁ、最っっ悪……」

襲撃者達を見て一言、顔を顰めながら
予想以上だ、この世界の残虐な根本原理は七八の心境に激しく白波を打ち付け削り取る事を容赦しない
言葉に理解がある訳ではないが、大凡は把握出来るつもりだ
動揺が大きく、初手は一切攻撃的アクションを起こす事が叶わない
唯一出来たのは

「……言葉、分かる人いる?」
「×××、×××ー?」

越境先の世界の幾つかの中で学んだ全ての言葉を総動員し、呼び掛けるくらいであった

262 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/23(金) 00:01:17.72 ID:lf2FKvpy0
>>261
アキレス「分からないけど こういう場合考えられるのは一つじゃない?」
ロイ「強盗の類だろ? よくあることさ」

四五六と同じく躊躇し 拳銃を構えるもその次ができないアキレス
だがロイはこういう事態に慣れているのだろう ハルバートを構え ずんずんと前に出る

ロイ「オラどけ 邪魔だ」
威圧感を与えながらハルバートを大きく振るい 男を蹴散らそうとする

男「・・・・!!!!(うるさい 寄越せ!!)」
ただの鉄骨と明確な『武器』 更に拳銃すらも突き付けられているのに逃げることもせず
ジリジリと後ずさりしながらも必死に食らいつこうとしている男

残念ながら四五六の言葉は彼らに届かなかったようだ おそらく言語が元から違うのだろう

必死なのだろう 自分たちに後がないことを自覚しているのだろう

女「!!!!!!!」
そして妻とおぼしき女が 鉄骨を構える男に駆け寄り 腕に抱いた子供を差し出してくる
言葉は分からずとも おそらく察することは出来るだろう

子供だけでも助けてくれ そう言いたいのだろう
263 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/23(金) 00:02:55.17 ID:Q400qgTto
【前回までのあらすじ!】

 イムカより摘出された遺伝種子のマテリアルの回収とデータの破棄のために、
 カノッサ機関の息がかかった組織…宇宙戦艦ワールシュタットに潜入した、
 イムカとアグラーヤ。そこで彼女達が目撃したのは卑劣な人体実験の痕跡と、
 その産物たる醜悪なるバケモノであった。

 ※くわしくは境界線★10の>>311から遡りを推奨

−−−−−−−−−

≪ブラスターモード:エリミネーター/バースト≫

 イムカの粒子短銃から三点バーストレーザーが放たれ、
 それに追従するように、アグラーヤの雷撃の槍が疾駆する。

【バーストレーザーが暴走体の肉を弾き飛ばし、次の瞬間、雷撃の槍がその肉体を貫通した!】

「GOOOOAAAAAAAHHHHHH!!」

 理性無き獣!切り刻まれた本能!回避動作を取る智慧すらない!
 だが、しかし、弾けた肉はそのそばから盛り上がり、雷撃の槍が貫通した痕跡も、
 骨と肉がまるでビデオの早送りのように瞬時に回復…否、再生してゆく!!

「SHYAAAAAAAA!!」

 むき出しの歯茎から見えるかろうじて人間的だった歯がボロボロと床に落ち、
 取って代わるように鮫のように鋭い歯が生え変わってゆく。

【そして、暴走体はその肉体のままにダッシュ!途上の構造体を暴走ダンプのように打ちこわし、
 全く勢いを緩めぬままに一息に二人に向かって急速接近!!】

「GUOOO!!」

 そして、二人を攻撃範囲に捉えその鋭い爪を一息に振るった!
 その威力たるや鋼の厚板すら紙のように引き裂いてしまうほどのプレッシャー!!
264 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/10/23(金) 00:13:30.50 ID:d/4BRiA/0
>>262
「ろ、ロイ、アキレス、」
「……どうしようかこれ……!」

苦笑、この寒さだというのに嫌な汗が伝う
寧ろもっとこの相手が悪魔的であればよかったのに、と呪えた
だとすれば此方も徹する事が出来たはずだ、少なくともこんな躊躇いの芽吹きはなかったはずだ

「……あぁ、もう!!」

がしゃん、と騒音、地下に響く
続き幾つかの袋の落ちる音
七八は、少なくとも彼女は赤子を受け取る事はしなかった
代わりに捨てる様にして男の足元に幾つもの袋を投げる
作製したカードナイフ、予備の苦無、そして非常時の食料が入ったそれらだ

「……あなた達の人生の面倒まで、こっちは見られないんだよ!!」
「分かったら退いて! この怖いお兄さんが斬っちゃうよ!」

ほぼほぼ、彼等の後の運命を察してはいた
そしてそれを覆すには、手渡した武具や食料で足りるには少ないとも
だがそれでもそうしなければならない何かを確実に感じてはいたし、事実そうする事でこの裂帛めいた心持ちに踏ん切りを付ける事が出来る気がしたのだ
実際、叫ぶ七八からは微かに迷いが消えている
ひとの心境のうつろい、それは所作一つで簡単に波打つ

265 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/23(金) 00:27:53.92 ID:lf2FKvpy0
>>264
四五六が投げ捨てた袋を掻き集めようとする男だが

ロイ「待った」
ハルバートの穂先がそれを制す

ロイ「もってっていいのは食料だけだ 他の袋に手を出すな」
穂先で器用に食料の袋だけを吊り下げて男に差し出し 男がそれを奪い取ると また穂先を男に向けて威嚇する

ロイ「悪いが武器の類は渡せん それでこいつらが誰かを殺せば その責任の一端は俺らということになる」
視線を少しだけ四五六に向け すぐに男のけん制する

男「!!!!!(これは俺の物だ なぜ邪魔をすr)」
――――パァン!!

アキレス「早くどっか行けよチャイニーズ・・・!! こっちは好き好んで人殺しなんてしたかないんだ・・・!!」
ロイ「手傷の一つでも追わせればわかるか試してみようか・・・?」

なおも噛みつこうとする男 その行動を 天井に向けて威嚇射撃したアキレスがストップし
ロイがけん制ではない一撃を振るおうとしてようやっと男は妻を抱き寄せ下がり始める

女「!!!!!(お願い!! この子だけでも!! お願い!!)」
涙を流し懇願する女を引きずり下がる男 次第に暗がりへと消えていった

アキレス「・・・・・・・」
ロイ「本当は食料も渡したくなかったんだがな・・・余り前例を作ると そこを突破口に流民が流れ込みかねん まぁいい 行くぞ」

絶句するアキレスと 四五六が投げ捨てた武器の袋を回収し 移動を再開しようと トロッコへ乗車を促すロイ
266 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/10/23(金) 00:34:53.22 ID:rKzw+xDQ0
>>263
「まっず……!!」

イムカとの協働、互いの放った攻撃は醜悪なバケモノを構築する肉を吹き飛ばす。
感じたのは確かな手応え。視覚的にも致命的なダメージを与えた筈、しかし脳内に響く警鐘は鳴り止むことはない。
一瞬の安堵があったのは確かだ。これで決着と油断し、そこから止まぬ警鐘に気付くまでの刹那。
僅かな時間、しかし明暗を分けるには十分な時間であった。
瞬く間に弾け飛んだ部位を再生構築させたバケモノは、より凶悪な面構えとなって二人に近接、その爪を振るう。
再び雷槍を撃ち込み動きを止めるか? 否、電力を収束させる余裕など最早無い。
初動への反応が遅れた分、攻撃に対する判断には一切の迷いは許されないのだ。

「チッ……! 挽き肉にされるよりはマシだわぁ!」

アグラーヤは右腕を前面に腕を十字に組む防御の姿勢、そしてそれと同時に全身の筋肉に電流を走らせ無理矢理に稼働させた。
己の身体能力を超えて肉体を動かす力。当然その代償は大きく、しばらくは極度の筋肉痛に悩まされる故アグラーヤはこの力を使う事を嫌う。
しかしこの状況だ、目の前のバケモノに対しなければ心配する後の事など訪れることはない。
強制的に稼働されたアグラーヤの身体は薙ぎ払われる爪の範囲を逃れる様に後方へと跳ぶ。
それでも遅れた初動に対する反応の代償は払う結果となった。金属が切り裂かれるような音ともに吹き飛ぶアグラーヤの黒い右腕。
しかしその程度で次の行動へ逡巡することは無い。傍にいたイムカの無事を確認しようと一瞥をくれれば、未だ帯電する筋肉に鞭を打ちバケモノの懐へと駆ける。
腕を振り抜いたその隙を狙っての反撃である。一点突破で駄目なら全身隈無く焼いてしまおうというつもりなのか、懐へ飛び込むことに成功すれば密着状態からの放電をお見舞いするだろう。
267 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/10/23(金) 00:42:05.92 ID:d/4BRiA/0
>>265
「あ……!」
「ちょっと、何して……!!」

乾いた銃声、ハッとして目が覚めたような、そんな目付きの中で縮退する瞳
無言のまま一連をしっかりと見届け、ロイの言葉に頷いた

「……あー、あの……」
「いや、ごめん……」

トロッコに乗り込む直前、ロイの前を通り掛かれば彼に向き直る
罰の悪そうな面持ち、俯いて更に頭を下げた
心に刃を落とし、常に何事にも流される事無くただ使命を果たす
そんな賽印の教えに徹するには、七八はまだ甘く若く青い

「ありがと……」

七八としては、襲撃者に己が手で足掻き生き延びろと示したつもりであった
弱肉強食だ、淘汰されつつある彼等が他を淘汰して生き延びる為の力を与えたつもりであった
しかし現実はそんな単純なモノではない、もっと多くの事柄の糸が複雑に絡み合って形成される巨木の根の様なモノだ
己が未熟に意気消沈、だがそれを反省するのは今ではない
次の襲撃に備えなければならないのだから
そう言った意味でこの世界は、沈む間を与えてはくれず今の七八にはそれがやや、有難くすらあった
268 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/23(金) 00:52:11.94 ID:lf2FKvpy0
>>267
ロイ「・・・・辛い世界だな」

四五六の言葉には 言葉を一つだけ投げかける
そして運転手に顛末を話し やがてトロッコは動き出す

暗がりの中 見えるはずのない視線が一行に突き刺さったような気がした

アキレス「・・・・・・・・」

この男も 暗闇を見つめる目はどこか消沈したようである
そして四五六の靴をつつく存在 視線を下げればベティの姿が見えるだろう

―――ギィ!!
ベティはまるで元気出せと禿ますようにハサミを振り上げた

//ではそろそろ〆で
269 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/10/23(金) 00:59:48.93 ID:d/4BRiA/0
>>268
「さーんきゅ」
「……あ、ごめん、今なんもないや……」

トロッコの振動がお尻に痛む
道具入れを漁りおやつをあげようとして気が付き、想起し、苦笑

「ロイー、アキレスー」
「……本当辛いねー、ここー」

上半身で伸びをしながら、染み染みと噛み締めるように
冷たい風が地下に吹き、頬を叩かれたような気がしたのだった

//お疲れ様でした、ありがとうでしたっ
270 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/23(金) 01:01:42.53 ID:oh6v5EYoo
>>266

「アグラーヤ、無事か?」

 イムカも相手の爪斬撃を横っ飛びに回避。
 そのままカバーポジションを維持しつつ移動を行っている。
 が、しかし、変異体は生者の存在を許さぬといわんばかりに迫ってくる。

「グウウウオオオオオオアア!!」

 丸太のように太い腕から、おぞましい体液を撒き散らしながら硬質の爪が、何本も無節操に生えてくる。
 遺伝種子の暴走。明らかに自然の意に反するグロテスクな変容だ。

「ゴオオオオオオッ!!」

 唸り声を上げながら、鋭い刃の塊となった腕を振り上げてアグラーヤに迫る変異体!さらに――!!

【後方でドガン!と熱風が吹き荒れる】
【閉鎖シャッターが破壊され、この研究エリアに潜入するまでに対峙したOSATのチームがこの状況に加わったのだ!】

「GOGOGO!!」

 各々が武器を構えて室内への突入を仕掛けてくる。

【※注)OSATとは対峙していたが、この相手=バケモノの味方か?というわけではない】

//イムカ、アグラーヤと途中まで戦っていた敵チームが到着したという状況です
271 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/10/23(金) 01:23:47.04 ID:ytUpq/Mfo
>>266
//すいません。そろそーろお風呂タイムなので
//短いですが今日はここまでということでっででノシ
272 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/10/23(金) 01:27:26.80 ID:rKzw+xDQ0
>>270
「チッ……! タイミング悪いわねぇ! 貴方たちぃ! 自分達で蒔いた種くらい責任もちなさいよぉ!?
こんな筈じゃなかった、知らなかったなんて逃げ道許さないんだからぁ!」

一気にトドメをと近接しようとするも、止まらぬ変態にそれは諦めた様子。
研究室の床を滑るように移動しながらバケモノと一定の距離を保ち、イムカと呼吸を合わせるべくその様子を伺おうとする。
しかしそこへ乱入者だ。先程まで交戦していた防衛部隊が遂にシャッターを破りこの場に介入したのだ。
アグラーヤは大きく舌打ちすれば、バケモノとOSATの両方へ集中した意識を分散、強い語気で声を上げた。
直面する状況を正しく理解する冷静さと、優先順位を正しく選別できる人間性に多少の期待を持って。

「イムカ! こいつらがどうでるかわからないけどぉ、いざとなったらこの辺纏めて吹き飛ばすからどうにかフォローしなさいよぉ!!」

無茶振りである。四面楚歌となった場合無差別な範囲攻撃を繰り出す宣言、そしてイムカはそれをどうにかしろという話だ。
どうフォローするのが正解なのかはアグラーヤにもわからない。ただここでOSATの彼らまで敵に回すとあれば、最早なりふりは構っていられないということでもある。
そして自分が多少無茶をしようとイムカならどうにかするだろうという多少の期待と信頼もあった。
273 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/24(土) 23:32:02.36 ID:a0t8b4cJO
――文明崩壊の起こった世界

所謂、大破壊後の世界――法秩序は崩壊し、武力を所有するグループが集落を形成する、人類の再建期間。
やがてその武力が税との引き換えの安全保障の形を取り、ゆくゆくは専制政治に発展する。
その間に、力強い自然は、その形を変えてでも、かつてを取り戻そうとするだろう。
即ち、気の長い話だとしても、今この世界は、再建の最中なのだ。

「スフィンクスの難解な問いかけから、ゴブリンの稚拙ななぞなぞまで」

「この世界にも根強く残る愛のお話と、英雄の物語を求めて、今日も元気に廃墟から生放送〜♪」

「世界は恋で満ちているわ。こんなような場所だからこそ、英雄が生まれ、英雄は恋に生き、愛のために戦うのですもの」

……とはいえ。
愉快犯的な越境幽霊からすれば、それまで中々できなかったことが出来るチャンスの転がる場所でもある。
ラジオ局の廃墟において、どうにかこうにか機材と電力を都合し、世界中に無責任な電波を飛ばす愉快犯だ!

……この幽霊DJのラジオ放送のゲストになる勇気がある越境者は、果たしているだろうか?
274 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [sage saga]:2015/10/24(土) 23:42:43.75 ID:pTZ/25O/0
>>273
「……らぢお?」

どんな世界の悪戯かゲストの位置に現れたるは騎士の鎧に身を包んだ少し歪な人型。
具体的にいえば、足が極端に短く、そのせいで胴が長く見えてしまう。

鎧の中から声を反響させ、ラジオとやらを初めて聞くといわんばかりのリアクションだ。
……なぜなら、彼の出身はいわゆる剣と魔法の世界、てくのろじーとは無縁なのである。

「クイズから英雄譚までなんて、随分と幅が広いんだねぇ。」

そんなわけで一人目?のゲストは時代錯誤的な鎧に身を包む騎士である。
ちなみに、今は隠れているものの鎧の中はカエルと言うクレイジーさだ。
275 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/24(土) 23:50:45.96 ID:a0t8b4cJO
>>274

「一人目のゲストは、泣く子も黙るデュラハンさん! 魂を狩る騎士殿です!」

いきなり嘘を放送するとんでもDJであった。
過去に面識があるので、あくまでもジョークのつもりらしい。

「……ではなく、その正体は聞くも涙、語るも涙の、蛙の王子様なわけです」

座って座って、対面の席を指す。
勿論座れば目前にマイクがくるのだ。

「さぁさぁ、王子様。まずは自己紹介をどうぞ?」

さぁ、さぁ、と身体を乗り出して迫る。
276 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [sage saga]:2015/10/25(日) 00:04:44.82 ID:krO3VX2X0
>>275
「確かに首は取れるけど、デュラハンじゃないかなぁ……。」

思いのほか、極めて普通に真面目なコメントを残す。
器用にもその鎧の腕で自身の頭(兜)を掻く様な仕草をする。
これも特注の鎧の賜物である。見た目が歪な以外は中にカエルがいるなんて思えない。多分。

「ん?え、これに喋るのかい?えー……なら、うん。」

サイバーな世界に行ったことがあるとはいえ、やはりこのような機器は慣れない。
あれよあれよと言う間に座ることになり、マイクを突きつけられると少し困った様子に。
しかし、どうすれば良いのか悟ったらしく、鎧のお腹の部分を開けて顔を出した。

「名前は、ダニエル=フロッグハート……王子様じゃないけど一応……騎士ということで。
今はこんな感じの姿になっているけど、本当は人間なんだよ?……きっと。」

しかし、自己紹介と言われても彼は大半の記憶がかすんでいる状態だ。
ぶっちゃければ、ラジオのゲストとしては非常に厄介な人員である。
277 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/25(日) 00:09:41.23 ID:QjekIPPyO
>>276

「そう、ダニエル王子です。実は記憶がないんだとか」

「記憶がないのに王子様じゃないと言えるのは変ですし、それに、蛙に姿を変えられたなんてことは、もうということなんです」

ファンシーな世界に生きているからこその価値観だった。
いや、どこであれメルヒェンでファンタジーなものを求めるのが彼女であるのだが。

「きっと人に戻れればさぞ目元の涼しげな殿方なのだと思いますけれど……」

「その前にずばり聞いておきたい、好みの女性のタイプのお話です!」

構うことなく、エルダは進行していく。
止められない暴走機関車と化しているのだ。

「伴侶にするなら、どんな女性が理想ですか?」

ふふー、と楽しげな微笑みを浮かべて、そう質問する。
278 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [sage saga]:2015/10/25(日) 00:25:35.78 ID:krO3VX2X0
>>277
「まぁ、確かにそうとも言えるけど……それは根本的に違う気がするよ……!」

そんな童話があるのは彼も承知している。
奇妙なことに状況が一致しているため、そのようにからかわれても仕方がないのだ。
もっとも、ダニエルとしてはそれは何か違うらしいが。

「好みの……女性……?」

まさか聞かれるとは思わなかったとばかりに目をきょとんとさせる。
これが、ラジオという物がどういうものか知らなかった弊害なのか、完全に虚を突かれた様子。

「そうだなぁ……そんなこと、考えたこともなかったけど、うーん。」

腕を組んで、少し悩む様子。言い渋るとかではなく、かなり真剣に考えているようだ。
好みのタイプを聞かれてうろたえたりするほど、子どもではないと言うことなのだろう。

「うーん……優しくて、強い人……かな。も、もちろん、ボクも騎士だし戦うんだけどね……!」

ある意味、テンプレな悪く言えば面白味のない答えが返ってきた。
279 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/25(日) 00:29:02.44 ID:QjekIPPyO
>>278

その答えに、ぱちぱちと小さく拍手をする。
表情はといえばとても穏やかな微笑みである。
満足、の意味であった。
……この幽霊が好きなのは、何よりもコイバナである。

「もうちょっとだけ具体的に伺いましょう!」

「優しくて強い、結構なことですけれど。もう少し知りたいですね」

「どう優しく、どう強いのか? 気は優しくて力持ちな女性をお望みなのかしら。思い当る節は色々あるけれど」

ただそれは乙女の望みなのではないか? とふと思った幽霊だが、それを発言するのはやめておいた。
280 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [sage saga]:2015/10/25(日) 00:45:02.23 ID:krO3VX2X0
>>279
「あ、どうも。」

その拍手に思わず、軽く会釈をした。

「そうだね……優しいといっても、甘えたり甘やかしたりするわけじゃない。
強いといっても、乱暴であったり身勝手だったりするわけじゃない。

その強さや優しさを自分以外にも正しく使える人……っていうのかな。
あ、そういう意味だと相手を思いやれる人ってことなのかも……ううむ、纏まらないなぁ。」

こんなことを誰かに話したこともない、といいつつ、困ったように。
何とも纏まらないのは記憶が混濁しているだけでなく、本当に慣れていないからだろう。
281 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/25(日) 00:54:25.48 ID:QjekIPPyO
>>280

「その心に芯があり、その身体に闘志がみなぎり」

「理不尽に対して怒り、その背に守るべき人々を背負う、そんな人、かしら?」

とりあえず、ダニエルのいう事を纏めて再出力するとそうなったらしい。
さて、出力されたものは英雄譚に出てくる騎士の姿であった。

「……ふふ、なんだかおもしろいわね」

「お堅い女騎士様がぴったり、ってことだもの」

「純朴な王子様と女騎士様の恋愛、なんて耽美な響きかしら。是非そんな物語を見てみたいわ。まずは呪いをとかなきゃいけないけれど」

「……その騎士様の接吻で呪いがとけてもいいわね」

手を組み、にまにまとしながらそう語る。
282 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [sage saga]:2015/10/25(日) 01:05:30.34 ID:krO3VX2X0
>>281
「うん。確かにそんな人だとボクは嬉しいかな。
やっぱり、ボクも騎士だから、同じものを相手に求めるのかもしれないね。」

騎士同士のカップルあるいは夫婦というのはそれはそれで面白いかもしれない。
実際のところは、命に気を使うため、少し辛そうではあるが。

「……その表現だと、ボクが非力な感じがするなぁ。
言っておくけど、ボクだって戦えるんだから、仮に二人で戦場に行ったらボクが前線に立つよ?」

どうにもいわゆる王子様という扱いがダニエルの中で引っかかったものがあったらしく
珍しく、自身の意見を通すような口調で物を言う。

守られるより、守る側であることは彼の中で誇っていることなのかもしれない。

「……むむ、流石にもう少し簡単な感じでとけると嬉しいなぁ」

接吻をしなければならないとなると流石に照れるのか気乗りしない雰囲気である。
283 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/25(日) 01:17:34.21 ID:QjekIPPyO
>>282

「肩を並べる構図がお好みかしら。素敵だものね〜」

「……どっちがどっちを護るかで揉めるのも微笑ましいわね?」

盾職同士が前に出るわけだ。お互いがお互いを護ろうと結束し、その防御は鋼の如くだろう。
恋人同士が戦場に出て戦えば士気は高く成果も大きい……と発想した将軍もかつてどこかの世界にいたらしい。
その目論見は成功した。……同性愛ではあったが。

「恥ずかしがってたら素敵な出会いはないのよ〜」

「女神様はそのあたり意地悪だから、覚悟するのね?」
284 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [sage saga]:2015/10/25(日) 01:27:30.01 ID:krO3VX2X0
>>283
「そうだね。一緒の任務だと連携は取り易いし、やりやすいかもしれないなぁ。」

そして、何よりお互いの意思が一致しているというのも強みであろう。
それは戦場において何物にも変えられない信頼に足る存在だ。

「ちょ、ちょっと勘違いされると困るけど、別にボクは結婚相手を探すのが目的じゃないからね?
確かにそういうのも悪くないかもしれないけど、まずは元に戻ってから。

……まぁ、元に戻る条件がソレだと、探すことになるだろうけど、さ……。」

別に彼は結婚相談に越境したわけではない。
よくある突発的な越境現象に巻き込まれてしまっただけに過ぎない。
彼の場合は、それに記憶喪失という厄介なおまけがついたのだが。

そのため、ダニエルとしては記憶を取り戻し元の姿に戻ってからがスタートなのである。
とはいえ、エルダにそのように言われるとそんなことはない≠ニ言い切れる自信は無い様だ。
285 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/25(日) 01:32:48.49 ID:QjekIPPyO
>>284

「すべては女神様のお導き次第ね〜」

「あなたも言うように、その二つは矛盾しないし、混ざることだってあるのだもの」

主目的は元に戻ることと捉えていようとも。
うっかり世界が彼女の好みに転んでしまえば、というわけである。

「さてさて、素敵な王子様の女性観についてはこれぐらいにしてー、一先ず音楽にいきましょうか」

スタジオを漁って見つけた音源を電波に乗せて、ひといき。
さて、この殺伐とした世界にどれだけのリスナーがいるのやら。

「ふふ、どうせ出会うなら、素敵な女性がいいのは当然のことよね」

「あなたからは、英雄の匂いがするわ。困難を切り開き、愛のために戦う存在のひとのことよ」

嬉しそうに、満足そうに微笑んで、そんなことを言う。
286 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [sage saga]:2015/10/25(日) 01:41:22.48 ID:krO3VX2X0
>>285
「……あ、そういえば、コレ色んなところで聞こえているんだっけ?
ははは、ちょっと不思議な感じだけど、それならあまり面白くなかったかも。ごめんね。」

音楽が流れ始めて、ハッと我に返ったらしくそんなことを口にする。
つまりは、エルダはパーソナリティとして優秀≠ナあると暗に言っているようなものだ。
もっとも、彼はそのような用語は知らないためそんな言葉は出てこないが。

「んー、なんていうかその英雄≠チて響きはボクには似合わないと思うなぁ。
愛のために戦うっていうのもちょっとアレだけど、無いことも無さそうだし……。」

英雄と言う言葉の響きはダニエルにとって、違和感のあるものらしい。
確かに今の見た目では英雄と言うには、少々ファンシーである。
もちろん、エルダが自分を見た目で判断していないからこそ、このような表現が出てきたことは分かっている。
287 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/10/25(日) 01:46:55.15 ID:QjekIPPyO
>>286

「はい、全国に絶好調で放送してます☆」

生きているトンチキラジオ放送局。
おっかない人に狙われることもあるが……。
幽霊に何ができるというのだろう。さんざん悪戯されて追い返されるのがオチである。

「あらあら、そんなことないわよ」

「やっぱり、自信をつけるにはヒロインと遭遇するところからね」

「女神様を愉しませ、自分の信じた道を進みなさい。きっと嘘みたいに幸運と不運が一度に襲ってくるわ。最終的にはいい方向に転ぶのだから、信じて七転八倒することね」

彼女の信奉する女神というものは、非常にはた迷惑な存在だ。
深く信じる彼女でさえ、そう表現するのは珍しくない。

「ふふ、それじゃあ音楽の次は何を聞いちゃおうかしらね……」

そして、彼女のコイバナはこれから、である……!

――さて、ダニエルが解放されたのはいつになったことやら。

//ではこれにて〆で……おつかれさまでした!
288 :ダニエル【コーティング】>>377-378 [sage saga]:2015/10/25(日) 02:05:17.69 ID:krO3VX2X0

「……うーん、ヒロイン、かぁ。
むむむ、そうなるとボクはヒーローだけど、やっぱりしっくり来ないなぁ……。」

自分がヒーローにはなり得ないとばかりに。
自分でもここまでその表現に違和感を覚えることに戸惑っているのかもしれない。
結局のところ、最後まで違和感は拭えなかったようだ。

「まぁ、お手柔らかにお願いするよ。」

ラジオはまだまだ続く。
ダニエルの中では別のことを聞かれるとこの段階では想像していた。
しかし、実際は音楽が終わった後もコイバナばかりで、彼のその手のことを根掘り葉掘り聞かれたようだったとか。
もっとも、記憶を失っているせいで、あまりに突っ込んだ話は聞けなかったとか。

//了解です。お疲れ様でした!
289 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/25(日) 22:42:33.25 ID:xB+R1yh4o
【とある荒廃した世界――】

 シュボ…と耳障りの良いガスバーナーの音。
 そして、数秒遅れて葉巻が焦げてゆっくりと火がつく。
 キャップの切断。直接、火に当てないなど、煙草と比べてやや迂遠な所作が多いが、
 それもまた味わいというものだ。

「そういうワケで、だ。俺も異世界とやらはそこそこ回ったクチだが、
 その中でも、どうもゾンビ・アポカリプスというのは多くの世界で起こりえる事象だ。
 バイオハザード、魔術の暴走。原因は様々だったがな」

 白髪に白い口髭。パッと見は老人と呼んでも差し支えの無い男は、
 葉巻を咥えながら、焚き火に視線をやって言葉する。
 空は圧迫感すら覚えるほどに満天の星空。美しくもあり地上に対する無関心を強調するようでもある。

「どういうワケかは知らんがな。案外、人間の遺伝子に生命を思うが儘にしたいという欲求でも刻まれているのかもしれん」

 そして大抵の世界はその欲求に従った結果、多くを巻き込んで破綻することになる。
 これではまるで自殺因子だ、と考えたくもなるというものだ。

//ちょっと変則的なすたーっとん
290 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/25(日) 22:57:50.24 ID:ISbINAPf0
>>289
「そう、な……」

それとなく、濃く、薫る煙から逃れるように半歩下がる
昔から紫煙が得意ではない、だがそれを口に出す程無粋でもないつもりだ

「……だが全て、生命への冒涜術だ、何が原因であろうと肯定出来るはずがない」

黒髪が溶けるような夜に
老人めいた男性から、橙色の炎へと視線を落とす
拳法着に似たゆったりとした衣服、やや肌寒い

「……」
「……それは一部の狂人達の中だけだ」
「……そう、信じたい」

一昔前であれば、付け足した最後の言葉が出て来る事はなかったであろう
だが長く旅を重ね、そして数多の越境を果たした今としてはもうそれは叶わな
かつてのお人好しな理想主義者の思想は、今は虚しい柔軟性を帯びている
ぱちり、爆ぜる焚火に薪をくべた
手持ち無沙汰であったのだろう
291 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/25(日) 23:13:31.06 ID:xB+R1yh4o
>>290

「キャホー!」
「イエーッ!」

 ちょっと離れたところでは、こちらよりも大かがりな篝火が焚かれ、
 周囲を上半身裸の…何といえばいいか、世紀末的な連中が談笑し、ダンスを踊っていた。
 彼等は所謂ギャング団めいた連中で、少し前までは何処かの集落に居たらしい。

【もっとも、そこで何やらひと悶着あったのだろう。文明的なお偉がたと袂を分かち、放浪しているという】

「気のいい連中だが、騒がしいのが難だな。ほら、焼けたぞ」

 開いた缶詰の中で、サバの煮込みがグツグツと音を立てている。
 このような荒廃した世界で食料は貴重だ。何でも喧嘩別れの際に頂戴したのだとか。

【老兵の左右の眼をよく見れば、微妙に互いの虹彩が異なるのがわかるだろう】
【特に右眼は所謂生命のエッセンスが感じられない=義眼、それもおそらくはテクノロジーの恩恵を受けたモノ】
292 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage ]:2015/10/25(日) 23:23:51.52 ID:ISbINAPf0
>>291
「賑やかなのには慣れている」
「……耳鳴りする程の静寂より、余程いいよ」

服くらいきちんと着ては欲しいけど、と苦笑いで付け足した
ありがとう、と缶詰を受け取る
お返しの形となるか、空き缶に注いだコーヒーの煮汁を差し出した
ミルもフィルターもない、焼いて砕いた豆をそのまま似て濾過した苦く馥郁たるエキスである

「生豆を持っていて正解だった」

これがないといけない、なんてそれを啜る獣人
続き魚の缶詰を前に一礼、小枝で刺して一口
熱い、と舌を出した

「……」

その無機的な眼差しが気になるのか、時折チラリチラリと盗み見ている
最もそういった小細工は苦手なのではあるが
293 :アキレスベティロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/25(日) 23:23:58.47 ID:zloyf4m70
>>289
「簡単に言えば好奇心だろ? 程度の違いさ」
―――Zzz・・・

たき火にヤカンをかけるのは世界をまたにかける偉大なアーティスト(予定)の青年
そしてサソリのベティは寝息を立てていた

「俺だって中身がどうなってるか知りたくてゲーム機分解して 親にしこたま怒られたことがある
 そんな好奇心が暴走した時 あんなことが起きるんだ」
294 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/25(日) 23:28:10.06 ID:zloyf4m70
名前こっちで
295 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/25(日) 23:36:28.47 ID:xB+R1yh4o
>>292

「いいな。文明の味だ」

 イス代わりにしていた岩に押し付けて葉巻の火を消し、煮出したコーヒーを飲む老兵。
 味がどうとかは問題ではない。気力を生む元になるかどうかが重要だ。

【ふと、自分を見やる視線を覚えて、心当たりあるといった風にニヤリと笑う】

「長い間、兵隊商売をやっていると生身の幾つかを失うのはザラだ。
 実際、生身よりよほどよく視えるから捨てたものでもない。
 お前も、どうやら失くしたクチのようだが、スプロール当たりに流れられればサイバネ置換するのもいい」

 隻眼はやはりデメリットが多い。という理屈である。

>>293

「何にせよ、はた迷惑なモンだ」

 手持ち無沙汰になったのか丁度分解という単語が出たためか、
 アキレスの手持ちの拳銃を、慣れた手つきで分解しているクルト。
 バレルの内部をクリーニングし、そこら辺の廃車からもぎ取ったタイヤを使って、
 圧縮空気を噴射してゴミを飛ばしたりと、何千何万と繰り返してきた所作のように、である。

「ここは妙な肉の缶詰を食ってゾンビ…だったか?挙句に変異した化物に進化を始めた。
 人為的なのかどうなのか、解らんが、この世界も人間にとっては生き難い世界のようだ」
296 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/10/25(日) 23:44:08.12 ID:ISbINAPf0
>>293
「……物騒な物言いだな」
「それじゃまるで好奇心が人を……」
「……あぁ、いや、あながち間違ってもいない……かぁ……」

むしろ正解のひとつなのであろう
科学に疎い世界の生まれではあるが、代わりに発達した魔法への探求欲を持ち合わせた人々を具に見てきた
反論しかけた言葉を止めて溜息、コーヒーを煮出した液体を差し出す

>>295
「そう思う」

人と共に生まれたコーヒーとのエニシを断ち切るのは難しい
それは多分、多くの世界でも同じなのであろう
少なくともイリーの訪れた世界の大半に、それは当てはまった

「ん、あぁ、すまない」

とは視線に気付かれたが故

「……スプロールか、あそこは苦手でね」
「出来れば魔法治癒がいい」

前にも一度、片目を失った事があるとやや言い辛そうに
そしてその時は魔法治癒で事なきを得たのだとも

「……機械? ってのが、その……」

ダメなんだ、どうしても、と苦笑い
297 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/25(日) 23:45:28.10 ID:zloyf4m70
>>293
「あ ミルなら持ってたのに」
といって取り出したのは ミルやフィルターなどが一式入ったコーヒーメーカー

「まいっか 今は紅茶な気分だし」

>>295
「ネー たまったもんじゃない・・・あ ありがと」

相変わらず拳銃のクリーニングが苦手で 何かとイムカや銃の扱いに慣れてる人にやってもらっているアキレス君
お礼にチョコバーを差し出す

「まぁ 下々の民にはどうだっていいことさ こんな世界にしやがった連中に中指でもおったてよう」


298 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/25(日) 23:50:25.48 ID:zloyf4m70
>>296
「ほらよく言うじゃない 『好奇心は猫を[ピーーー]』って ・・・あぁなるほど」

イギリスで実際に使われていることわざである
そして納得したようにイリーをしげしげと見やってみる なおこの行動は特に意味はない

「ありがと お湯は・・・まいっか あって困るものじゃない」
といって粉ミルクを少し入れて啜る

「アチチ・・・イリータンも好き嫌いしないで機械にも慣れておいた方がいいんじゃない? いい闇医者知ってるよ?」
299 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/26(月) 00:06:43.13 ID:IUybqKBmo
>>296

「まあ、サイバネティクス置換が苦手というのはわからなくもない。
 生物は結局、器に魂も引っ張られるものだ。全身義体を人間と呼んでいいものか解らなくなるようにな。
 モノの考え、価値観、どうあれ、精神は影響を受けざるを得ない」

 クルト自身はサイバネの対しての忌避感はなさそうであった。
 イリーから魔法治癒という単語が出たときに寧ろ顔を僅かに顰めた。

「…ああ、すまないな。どうもお前さんと同じで、苦手なんだ。逆に魔力ってのがどうもな」

 誤魔化すように葉巻に咥える。

「何にせよ、治療のアテがあるなら早く治すことだ。片目のままで慣れすぎると、後で苦労しそうだ」

>>297

「遠慮するな。こっちはプロだ。色々と見て、経験したからな」

 シニカルな笑みをアキレスに向ける。老人めいているといっても実際は40と少し。
 まだまだ兵士としてはやっていける年齢である。

「ああ、アンタの薫陶通りというべきか」

 ジジジ、と葉巻の先端が赤く灯る。たどたどしい台詞がこのように帰って来た。
 子供が一瞬で老練の兵士になったというのは妙な話だが。

「世界をクソッタレにしたクソッタレ連中に中指を立てるというのは同意だ」

 笑いながら、貰ったチョコバーを懐に。
 そして、銃を組み立て終えて、アキレスに返してやる。ガンオイルも塗ってピカピカの新品同然。
 コンディションは80%台は堅い(FALLOUT脳
300 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/26(月) 00:11:09.88 ID:BmBGGlC90
>>297-298
「えっ」
「……た、たまにはこういう、粗野なコーヒーが飲みたいんだ……うん」

今度から一式を持ち歩こうと心に決めて飲むコーヒーは苦い

「……待て、何を納得している」

見詰められてぐっと顎を引いた
なんとなくアレな事を言われているのだと察したらしい

「いや、その……」
「前に、一度、知り合いに小さな機械を触らせて貰ったんだが……」
「私が触れたすぐに、動かなくなってしまって……」

哀れ知り合い(ニア)のスマートフォンは御臨終してしまったのだと言う

>>299
「ふむ……そう、な……」

なるほど、と顎に指を当てて唸る
肉体と精神の繋がりが曖昧である事が日常な魔法世界での日々からすれば不思議な、だが説得力に満ちた言葉である
それが彼の、多くの世界でのスタンダードなのだとも重々に知るに余りある程に

「はは、お互い困ったタチだな」
「まぁ、そうな、なるべく早めに治したいよ」

格闘戦に於いての大きな不利的要素であると自覚はあるらしい
慣れと経験でカバー出来る範囲以上の事が起これば、即座に危機なのだから

301 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/26(月) 00:20:42.94 ID:lrKi7Qh40
>>299
「うわーいやったー」
新品同然にしてもらって喜ぶアキレスの図

「まぁ人間ってしぶといし 結局はなぁなぁで生き残って そのうち社会も元通りになるんじゃね?
 実際ウェイストランドだって人は生きてたんだし 全滅はレアパターンだって あ そうだ」

せっかくお湯を沸かしたんだし 自分も飯を提供しようと リュックを漁れば 取り出したのはチキンラ○メン
食器を取り出し 袋から麺を出して湯を注ぎ

「ほい クルトの分」
といって差し出した 食べれるまでしばしお待ちください

>>300
「あっうんソウダネー」

とりあえず同意しておく
そういえばイリーはブラックが飲めるのでしょうか?

「ベッツニー」
何か勘ぐられたので わざとらしい声でそっぽを向く
だが何やら機械音痴なアッピールをされたので

「・・・これちょっと弄ってみ」
といって差し出したのは リンゴ社製スマホ
だがその中身はスプロールの技術が使われた高性能で頑丈なタイプだが

はたしてイリーの機械音痴具合は如何程に?
302 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/26(月) 00:25:49.08 ID:IUybqKBmo
>>300

「まあ、大仰な台詞になってしまったが単純に分かり易い例もある。
 お前さんも人の姿を取っている時と猫の姿の時で、精神的にまったく何も変化していないと言い切れるか?
 そういう話だ。別段珍しいことでもない」

 そんな事を考えながら、今度、イリーにコムリンクでも触らせてからかうとしようと心に決めるクルトであったとさ。

>>301

「子供か」

 アキレスの様子に苦笑であった。何とも陽性の男である。もちろんいい意味で。
 が、しかし、次に出てきたものには眼を輝かせた。

「ヌードルか。悪くないな」

 言葉は素っ気無いが、声は明らかに喜びに満ちている。
 ひょっとして、食べるという行為は結構好きなほう?

【3分後】

「美味すぎる!」

 という歓声があがるのだった。ちゃんちゃん☆

//では遅いしコノヘンデーノシ
303 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/10/26(月) 00:30:51.31 ID:BmBGGlC90
>>301
「……」

棒読みの同意やら何やらに無言でずずずと行儀悪く啜る、苦い
尚生豆を持ち歩くだけあり結構な好き者らしい、フィルターなんかを持ち歩いていないのが間抜けな話だが

「え……」
「いや、その……いいのか……?」

おずおずと受け取ろうと手を伸ばす
そして指が触れそうになったその時、りんごマークの有機ディスプレイに見た事のない重篤なエラーが!
これは間違いない、日常やギャグパート時のみ発動する謎属性!

【機械音痴具合→破壊的】

さて、それでもスマホを手渡しますか?
ニアはい
いいえ

>>302
「……こほん」
「なるほど、そうな」

わざとらしい咳払い
猫の時は確かにそうだ、自らの尻尾を追って遊んだりが無性に楽しい
さてもしかしてそんな痴態を見られていたのかななんて気恥ずかしくなりつつ、空は尚藍色に満ちて行くのであった

//お疲れ様でした、私もここら辺でっ
304 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/10/27(火) 22:44:08.40 ID:uTpviPZe0
ヒノモトの国!

群雄割拠の世に於いて越境者の待遇は様々ではあるが、多くの権力者達からの反応は概ね良いと言えるだろう
この世界で特定の主君を持たず、大半がサムライやニンジャ、陰陽師等戦争の花形に勝るとも劣らぬ実力者であり
多大なる戦力となる越境者をいち早く囲い込む事は近隣諸国との戦力的アドバンテージへと繋がる

「……ま、金払いがいいなら仕方ないけどさ……」

郷を、そして一族をイクサに依って失った鼠の獣人ムガは、戦争を嫌っていた
しかしそれでもそれに加担し、ひとを[ピーーー]事で得られる報酬はムガに上記の自己肯定感を与える言葉を吐いて捨てさせる程の金額ではあった
過去やトラウマへの嫌悪で腹は膨れない、ならばいっそ克服の為の礎にしつつしばらくは食うに困らぬ程度の金を稼ごうじゃあないか

『突撃ィィィ!!!!』

そらを揺るがし打ち鳴らされる戦太鼓、狂ったような音色で鳴く法螺貝
シンゲツの国とアリアケの国との、最早何度目かとも知れぬこの場所での領地争いが始まった
先陣を切るのは雑兵だけではない、一騎当千のサムライ達も愛馬を走らせカタナを抜いている

「いきますか……」

シンゲツの国の越境者傭兵、ムガの役割は遊撃だ
最前線を一望できる丘、他に味方はない
同じような敵の遊撃手、または奇襲部隊との邂逅の確率が高い
305 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/27(火) 23:39:33.68 ID:ATYFOi/bo
>>304

 ムガがソレを発見できたのは、乱戦の中にあって、
 敵部隊の中で奇妙な動きの起こりを見咎めたからに相違ないであろう。

【戦場の流れに揉まれているようで決定的な戦力とはカチ合わず流している】
【勢いを逸らして、徐々に斜めにずれているようで、気がつけば絶好の位置取りに流れている】

 警戒される事無く、敵に主力と看做される事なく、
 徐々に徐々に側面に押されて流れている。

【敵の総指揮の演出によるもの?というわけでもない】
【乱戦の中で独自行動を始めているような臭い。敵大将ではなく、分隊長クラスの手腕であろう】

 同時に目立ち、戦勝をあげることを好むこの世界の戦訓としては異質。
 寧ろ、もっと近代的戦術に該当するような気配である。
306 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/10/27(火) 23:49:58.70 ID:uTpviPZe0
>>305
「……狼がいるな」

とは故郷の言い回しである
単純な暴力のぶつかり合いの中に時たま存在するのだ、シロガネの毛並みを持つ戦術的な輩が

「……」

しかしまぁ遊撃とはいえあそこまでの数に突撃するのなど全くの無謀である
そしてムガの迅速的な行動力はその無謀を極めて淀みなく実行するに到った
じ、と短い鳴き声と共に足がぼんやりと死に掛けの心臓めいて赤く脈動する魔力が纏う
百合野原を這う蛇の速度で駆け、梟の羽撃き程もその存在を主張しない隠密
クルト率いる分隊の横槍を突く格好での強襲だ
狙いは殲滅ではない、1人2人を攻撃すれば素早く場を脱し撹乱させる目的であった
307 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/28(水) 00:01:15.75 ID:hAuAQQHso

「何とか、ここまでは流れてこれたがな」

 分隊を柳のように動かしながら、敵の側面、奥へと入り込んでいく。
 特筆すべきはその警戒を与えぬ、包囲殲滅を決させぬ気配の同化にこそである。

【気配を消すだけではこれは駄目である。気配のブラックホールは逆に悪目立ちする。
 周囲と同調・同化するさりげなさこそが肝要である】

「あともう少しで、敵本営に一撃与えられる。いいか?欲張るなよ」
「へい、ボス」

 短期間で信頼関係を構築するのもベテランの資質である。
 雲の上に立つようなカリスマとはまた違う味というヤツだ。が、

「ガッ!?」

 が、ここで突然の負傷者。イクサと同調させていた気配に乱れが生じる。
 クルトは即座にサイバネアイとスマートリンクシステムと同期。

「落ち着け。何か紛れ込んだようだ」

 気配を探る。混乱が広く、深くなる前に対処せねば。

【あえて背中のショットガンではなく、拳銃をナイフを取り出して警戒態勢】
 【→敵の中に老人(?)が混じっている。そこを中心に早くも統制を回復させつつある】
308 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/10/28(水) 00:10:28.81 ID:mrNDoxAu0
>>307
「……ちっ」

撹乱が主眼ではあったが成る程しかし素早い回復だ
葦の群れの中を駆ける差中、真紅の瞳で彼を見付けた
彼を中核に、分隊全体がまるでひとつの生命体の様に機能している

「銀狼か」

奴を斬らねばムガの戦略的な目的は達成されないであろう
つまりクライアントからの金払いが悪くなると言う事である
ならば斬らない道理は何処にもなかった

「……!!」

多くが即断性の判断を下せぬ合間に彼等を置き去りに駆け抜け、クルトの元へと急行
そしてこの愛刀の代用品である刀を用いて彼の胴体へ向け刺突を繰り出さんと突き出した
309 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/28(水) 00:19:15.95 ID:hAuAQQHso
>>308

(やはりニンジャの手合いか!)

 状況から当然次は己を狙う。
 そしてその時、長物を抜いていては反応しきれない。
 ゆえの武器選択であったが――

「ッツ!!」

 キィ!と金属の澄んだ音。氷の結晶のようなナイフが突きの軌道を逸らし歪めた。
 間一髪、それは老兵の首筋を伝う一筋の血からも明らかである。危うく頚動脈をやられて終わりだった。

「ニンジャのアンブッシュはやはり手ごわい」

 そして次は自分の番であると言わんばかりにナイフを軽く上に押し上げる。
 抵抗されても流されてもよし、というぐらいの小さい動き。その間にさりげなくスッと降りる拳銃。

【ドンドンドン!と腹部を狙った三連射撃!】
【→分隊指揮からあった傾向であるが、気配を消すのではなく、流れに差し挟むような熟練の戦技である】
310 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/10/28(水) 00:28:15.32 ID:mrNDoxAu0
>>309
「そりゃ光栄」
「……っ、」

なんともなくを装い、内心舌打ち
装備や用兵の質、間違いなく越境者である、それも相当に熟達した
一撃で仕留めておきたかったのが本音だ
すぐ様体勢が刀ごと、実に細やかに崩される
咄嗟に反応出来なかったのは未だ手に馴染まぬ武器が故、致命的な事にムガはそれに無自覚ではあったが

「危っ……!」

ただし次のバースト射撃には体を捻り対応出来た、刀を手放す事になってしまってはいるが
舞う血飛沫、だがそのまま転しつつの尾の刃……尾羽風車での一閃に問題が生じる程のダメージではなかった
311 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/28(水) 00:41:08.34 ID:hAuAQQHso
>>310

(とんでもない反射神経だな?!)

 絶好のタイミングで撃った銃撃を捻りで回避されてしまった。
 そして、すぐさま反撃の尾の風車――

「……?」

 一瞬、セピア色の記憶がチリチリと残像を作った。尾、風車、火鼠の衣――
 が、対処せねば生命は無い現状、それに意識を向けるわけにもいかない。

【ムガの風車はクルトの腕を切断する軌道を描く。これは避ける余地の無し。直撃コース】

 ギャギャア!と大量の火花が散り、金属音が重なった!
 明らかに肉を切り裂く感触とは異なるモノ。機械義手(バイオニックアーム)、それも鋼鉄よりも堅牢な。

「オオオオッ!」

 火花を散らしながら、クルトは決断的に前に出て、
 ムガの衣服をナイフを持つ拳に引っ掛けようとと、一気に踏み込む。

【装束を引っ掛けることに成功したならば、斜め下の地面にたたきつけるような投げを仕掛けることになる。
 軍隊格闘技。銃とナイフを保持したままの投げという独特の闘法】
312 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/10/28(水) 00:52:47.12 ID:mrNDoxAu0
>>311
「鋼っ……!?」

しまった、そう思った矢先だ
火鼠の皮衣に引っ張られる感覚、正しくはその衣服ごと持って行かれる浮翌遊感

(これだから服ってやつは……)

ムガは最低限、急所を守るだけの帷子以外を身につけない
火鼠の皮衣は魔法や火に弱い種族的な特徴を補ってくれる、特例みたいなモノだ
だがそれがこの場面、逆に働いたのは皮肉

(好きになれな……「かはっ……!」

肺から空気が漏れ出、だがクルトの手には火鼠の皮衣以外の重さが既に存在しない事だろう
叩きつけられながらも衣を脱ぎ捨て、地面を転がり次の瞬間には膝立ちに近い格好ながら組み立て式の戦棍……ナナフシを構えているのだ
腹部の出血は長い卵色の体毛を汚し、だがそれが速乾性を与えて早くも塞がり掛けている

「……やる、できる……」

口元の覆面の下、無理矢理口角を上げてみるが上手くはいきそうにない
313 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/28(水) 01:06:00.84 ID:hAuAQQHso
>>312

「……さて」

 同じく、クルトも銃をナイフを再び構えて相対していたのだが――

「ところで、お前さん。何が何でも俺を殺したいってタイプか?」

 ここで周囲を良く見れば解るだろうが、クルトが率いてきた分隊が、
 やや後方に退いている。隊形としては、クルトが殿となっているような形だ。

「戦いに集中して、気配が目立ちすぎたからな。
 これはもう奇襲にならん。目を付けられる前に撤退したいってのが正直なところだ」

 よく見ればムガの自軍も、ようやっと、一部の突出した部隊が危うい位置に居る事に気づいた模様。
 もっとも、現状の段階では、まだ、厄介なところに流れてきた£度の認識であるので、
 追撃戦にまでは移行しそうになかったが。

【軍事的目標としては、ムガは既に任務を達成しているというカタチになる】
【クルトが隠密裏に潜行、撤退をやっているため、手ぶらだと報酬の払いはどうなるかは知らないが】

 もちろん、交渉めいた口上を告げながらも警戒は全く怠っていない。
314 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/10/28(水) 01:24:13.63 ID:mrNDoxAu0
>>313
「金、仕事」
「……白黒ハッキリはさせたいけど、命賭けるまでじゃない」

じり、と後退しつつ
相変わらず戦特有の気配は満ち溢れているが、その中の決闘の部分は逆に薄れていた
ナナフシを構えたまま、チラリと離れた場所にある火鼠の皮衣を見やる

「……引く時の美徳、らしい」

す、とマジシャンめいていつの間にか手には幾つもの卵の殻
中身は発煙剤と、それと閃光剤だ
それらを一気に投げれば立ち込める黒煙と閃光
多分こんなモノを使わずとも撤収は適うはずであろう、だがある種のお約束や理由付けは必要だ

恐らく視界がクリアになるまでクルトがそこに留まる事はないかもしれない
つまりその光景を目にする事はないであろうが、ともかくそうなった時に既に鼠の獣人の姿は無かった

(……なんだ、変な『匂い』だった……)

少し肌寒くなって憮然と遁走ながら、ムガは唸っていた
木立ちは身を隠すのに格好だ、するすると木にかえし付きの肉球を扱い登れば一息
そして先程戦った彼の、ムガは『匂い』と称する雰囲気に思考を巡らせながら傷の応急手当を行うのであった

//こんな感じで〆でいいでしょうかっ
//お付き合いありがとうございましたっ
315 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/10/28(水) 01:33:30.41 ID:hAuAQQHso
>>314

「………」

 煙と閃光が晴れたとき、クルトはまだそこにいた。
 これは珍しい事だと自身でも思う。一刻も早く撤収するのがリスクを負わぬ行動だ。が、

「越境者は引かれ合う。か」

 言いながら、火鼠の皮衣を拾い上げるクルト。
 かつて、これに包まれていたのだ。そして、生き延びたのだ。

「俺は…アンタとやりあえるように、出来るようになったということか」

 心境としては複雑だ。おそらく、ムガはあの戦い≠ゥらさほど時間は経って居ない。
 対して、自分にとってはもう数十年前の戦いだ。今の自分があの頃に戻って肩を並べていたら――
 埒外な妄想である。越境現象で過去を変えることは出来ない。

「さて、撤退だな。長居は無用だ」

 火鼠の皮衣を肩に覆い、クルトは奇襲し損ねた戦場より離脱するのだった。
316 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/28(水) 22:09:22.90 ID:mYKJvK+s0
【スプロール】
サイバーパンク スプロール
国家が解体され 巨大企業がその位置に居座る世界

企業同士は相手の腹の探り合いに必死であり 雇われ共が足元で刃を打ち鳴らすのだ・・・

事の発端は とある企業の雇ったハッカーが別の企業にサイバー攻撃を仕掛けたのが始まり
よくある話で それぞれの企業が誇るセキュリティにはじかれるまでがテンプレ

だが偶然にもセキュリティの穴を見つけたハッカーは 重要な情報を抜き出すことに成功し
まんまとしてやられた企業は 自分たちの威信をかけ 腕利きを雇ってハッカーを叩き潰しにかかる

ロイ「とまぁいきさつはこうだ これからそのハッカーとやらを襲撃 情報が相手方にわたる前に始末しろとのお達しだ」

ハイウェイを飛ばす装甲車の中 雇われた腕利きに混じり 事の顛末とこれからやることを説明するのは
旧世代どころか 化石時代の装備に身を包んだ中年男性である
317 :もみじ :2015/10/28(水) 22:23:10.02 ID:6hD5Bzbko
「………。」
装甲車に乗り込んでいるのは、漆黒の戦闘用スーツを着込んだ小柄な人物。
中年男性とは正反対に、そのスーツはまだ試作段階の最新鋭のモノの様である。
その割に、目に付く武装は腰に下げた刀一本のみ、と銃火器の類は持ち込んでいない様だ。

「……なるほど、概要は把握しました。
 ……よろしくお願いします。」
フルフェイスマスク越しに聞こえる声からは若い女性である事が伺える。
318 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/28(水) 22:35:20.70 ID:mYKJvK+s0
>>317
「ん よろしく頼む すでに相手企業の回収部隊が出張ってきていてもおかしくない 気を引き締めろよ」
もうすぐ目的地 他のメンツが銃の点検等を行っていた その時である

――――ババババババババ!!!!

連続した炸裂音 分厚い装甲を易々と貫通し 中の同業者を肉片に変えてゆく!!

ロイ「クソッタレが!! 敵さんマジだぜ!!」
後部のドアを蹴り開け 重金属汚染雨の中へ飛び出すロイ

【判定 運命:ここで死すべき定めならば 銃撃の雨に打たれて肉片に代わるだろう】
【逆に 運命が味方をするならば 回避は容易であるものとする】
319 :もみじ :2015/10/28(水) 22:46:53.71 ID:6hD5Bzbko
「………!」
銃弾に切り裂かれた兵士達の血飛沫が舞う中、
少女はカタナを抜き放ち……あろう事かその刀身で、銃弾を弾き返す。
凄まじい反応速度は、何らかのサバネティクス処置を受けている事を伺わせる。

「……派手な出迎えだね。
 こっちの情報はモロバレって事かな!?」
もう一度カタナを鞘に収めると、ロイの後を追うように彼女も車外へと飛び出す。
320 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/28(水) 22:57:29.95 ID:mYKJvK+s0
>>319
「多分な!!」

それ以上に敵の動きが素早かった というのもあるだろう
ロイともみじが脱出した装甲車はそのまま猛スピードで建物の壁に激突 爆発炎上する

先ほど装甲車を屠った張本人だろう 空を旋回するCAPCOMヘリが黒光りする銃身をこちらに向けてくる

「チッ・・・!!お前はハッカーを追え!! 俺はこいつを相手にする」

「行け!!」
重機関砲が唸りを上げる中 ロイは空を蹴りヘリと相対する

そして通りの向こう もみじと同じサイバネの体を持つ回収部隊の護衛付きで ターゲットのハッカーがこの戦線を離脱しようとしているのが見えるだろう
321 :もみじ [sage]:2015/10/28(水) 23:11:04.05 ID:6hD5Bzbko
生き残ったのはどうやら少女と男性の二人だけ。
少女の目に写るは、上空のヘリと逃げ出すハッカー、そして護衛……。

「了解だよ、お兄さん。
 ……どっちにしろ、僕の標的はアイツだしね……!」
男性の言葉を受け、ハッカーを標的に定める少女。

「さて……今宵の数珠丸も、血に飢えているのだ……!」
身を屈め、義体の人工筋肉へと力を溜め……
生身の人間を凌駕する速度へハッカーの方へと駆け出す。
322 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/28(水) 23:19:34.38 ID:mYKJvK+s0
>>321
生身の男と重武装ヘリの戦いを後方に聞きながら 駆けるもみじに反応した護衛 その数3

ハッカー「h・・・ひぃぃ!!」

情けない声を上げるハッカーを庇うように護衛は陣形を整えると
サイバネの比類なきパワーを持ってクナイ・ダートを次々に投擲する

【敵スペック:企業が抱え込んでるサイバネ正規兵 市販品よりも高性能であるが 最新鋭のもみじと比べ すべての面で二歩劣っているものとする】
323 :もみじ [sage]:2015/10/28(水) 23:30:43.37 ID:6hD5Bzbko
少女のアイセンサーに写る、高速で飛来するクナイ。
いかに最新鋭サイボーグである少女といえど、
サイバネ兵の圧倒的なパワーにて放たれたそれをまともに受ければタダでは済まないだろう。
しかし、それも当たらなければどうという事は無い。
クナイは複雑な軌道で駆ける少女を掠めるばかりで捉えることは無かった。

「……まず、一人!」
そのまま一番近くに居たサイバネ兵まで距離を詰めると、
腰に下げた超硬クロム合金製のカタナを抜き放ち、その首めがけて一閃。
324 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/28(水) 23:43:21.56 ID:mYKJvK+s0
>>323
放たれたクナイをこともなげに回避してなお止まらず

一陣の風が過ぎ去ったあと そこには首を撥ねられた護衛が1人

サイバネ戦士1「!?」
サイバネ戦士2「!!」

崩れ落ちるサイバネ戦士3 それに動じるのは一瞬のみ
すぐさま超振動ブレードを構え もみじめがけて切りかかる
325 :もみじ [sage]:2015/10/28(水) 23:54:46.86 ID:6hD5Bzbko
首を失い崩れ落ちる兵士を尻目に、宙へと舞い上がり襲い来る刃を避ける。

「イヤーーーッ!!」
落下際に脚で兵士の一人の首に組み付き、凄まじい力で捻りを加えながら地面へと組み倒す。
並の人間なら、一撃で頚椎がへし折られることであろう。
326 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/29(木) 00:00:38.68 ID:nW6iAaaR0
>>325
宙へと飛び上がったもみじをブレードは捉えることは出来ず
組みつかれたサイバネ兵の首がバキバキとねじ切れる

断線したコードから青白いスパークが起こること数回 それでサイバネ兵2が事切れた

そしてもみじの後方ですさまじい音が鳴り響く
CAPCOMヘリが墜落したのだ

ハッカー「い・・・嫌だ!! 死にたくない!!」
切り札の武装ヘリが落とされ 護衛もすでに1人のみ

それに恐怖したハッカーが 護衛を振り切り走り出した
327 :もみじ [sage]:2015/10/29(木) 00:08:30.83 ID:PqkMZHPAo
「……お兄さんもうまくやったみたいだね……。
 ……やるなぁ、あんな装備で……。」
背後で鳴り響く轟音を感じつつ、ゆっくりと立ち上がり残りの敵を見据える。
残るはサイバネ兵1体と、逃走し始める標的が一人……。

「む……逃がすわけには行かないんだよな。
 ……急がないと、だね!」
蒼黒い刀身を持つカタナを護衛に向けて構える。
全身の力を溜めると一気に距離を詰め、渾身の突きを護衛の心臓目掛けて突き出す。
328 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/29(木) 00:20:20.75 ID:nW6iAaaR0
>>327
動くなと言っておいた護衛対象が恐怖に駆られて勝手に動き出した
それに気を取られた最後の護衛は もみじの一撃を食らってしまう

そしてなおも逃げるハッカーであるが もみじの横を スチール缶が通り過ぎ ハッカーの頭に命中して倒れる

「いやぁヘリは強敵でしたね…ってか?」
爆発の余波を食らったか 煤濡れのロイがスリング(投石器)をもってやってきた

「後はこいつの記録媒体を壊してミッションコンプリートか いやぁ予想以上にしんどい仕事だったな」
ヤレヤレと肩を竦めて見せた

仕事が完了次第 もみじとロイには 多額のポイントが支払われることだろう

//すみません そろそろノシでお願いします
329 :もみじ [sage]:2015/10/29(木) 00:32:20.18 ID:PqkMZHPAo
「……南無三!」
深々と突き刺した刀身を介し、彼女の腕部に内臓された高出力スタンガンから
高圧電流をサイバネ兵士の体内に直接流し込む。
兵士が事切れるのを確認すると、ずるりとカタナを引き抜き最後の標的へ……

「……っと、あれ。
 なんだお兄さん、生きてたの?」
しかし、当の標的はすでに青年によって拘束されている様子。
茶化す様な台詞をかけながら、カタナを鞘へと収めるのであった。

「お仕事終了か……お疲れ様、お兄さん。
 また何処かで会ったらよろしくね……!」
フルフェイスマスクを脱ぎ素顔をあらわにすると、
軽くまとめたセミロングの白髪を解いて、一息つくのであった。

//ではでは……ありがとうございました!
330 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/29(木) 23:15:32.04 ID:um8TeNOjo
【スプロールにて――】

 世の中には同じ顔をした人間が2人いるというトンチキな話は事欠かない。
 が、しかし、2人どころではないというレベルで居た場合はどうか?

「実のところ特に感慨はありまセン」

 というのはそんな境遇のクローン人間の一人の談である。
 クローンの嘆きだの、悲哀なんだのを期待した連中はご愁傷様ってヤツである。

【お給料が入ったのでゲタを履いたオーガニックスシを頬張りながらのたまった】
【→なお、気前がいいα-12はさもしいビンボに奢ってやりますとひっでえ口上で誰かを誘ったくさい】

「元々の環境がそうだったからそうとしかいえまセン。むしろ、ワケの解らない同情をされても困るというものデス。
 こうやって、美味いスシを食えて、お仕事もある。それに私はハイスペックモデル。恵まれているしかいえマセンネ」

 えっへん&ドヤ顔って感じだ。支部や型番によっては使い潰され消費される姉妹達と比べれば言うまでもあるまい、と。
331 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/29(木) 23:25:17.90 ID:nW6iAaaR0
>>330
「あ・・・うん ソウダネー」
―――ギィ♪

なんか失礼なことを言われつつ拉致られた先で 自慢話を頂くことになったアーティストと
オーガニック スシに舌鼓を打つ巨大サソリのベティ

「えぇっと・・・とりあえず適当に・・・」
そういえばスプロールでは屋台街でしか食事をとったことがなかったので 何を食べればいいか分からず
こんな注文をすることになってしまいました
332 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/10/29(木) 23:26:23.79 ID:ZigWM0wb0
>>330
「……まぁ、慣れれば姉妹が多いみたいで賑やかですしぃ……」

それにある意味便利でもあるのだ、一目でそれと分かると言う事は
最もこの考えに至る迄に、それなりの時間を要したというのもまた事実ではあるが

「シリーズ内に悲壮ぶってるのがいれば、また変わったかもしれませんけどぉ……」
「案外みんなちゃぁんと謳歌してますしぃ……」

と、ちゃっかりおこぼれに預かろうと着いて来たニアは苦々しく笑う
タイショーの握りたてホヤホヤのスシ、赤身一貫を一口で頬張った

「……ま、楽しんだ方がお得ですもんねぇ」

フォークが欲しいなぁなんて思いながら箸を持つ手は覚束ない
333 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/29(木) 23:29:50.74 ID:um8TeNOjo
>>331

「へい、オマチ」

 切ったワサビをそのまま載せた変わりスシが出される。
 巣飯にワサビを塗り、さらに上にワサビのスライス。まさにニッポンの文化である。

「ヘイ、チャ」

 そして、湯のみに並々と注がれたホットコーラ。ほら、飲めや。

「遠慮は不要デス。α-12のおごりデス。ゴチと褒め称えるのデス」

 あいっかわらずの眠そうな表情でドヤ顔なα-12であります。
334 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/29(木) 23:40:05.46 ID:um8TeNOjo
>>332

「まあ、ぶっちゃけるとαシリーズは記憶除去と識臣教育(仮想現実における情操教育)のおかげで、
 シリーズ的には、やや異端めいた運用なのは否定できまセンがね」

 なお、α-12は手づかみである。豪快である。
 スシとはかくあるべしとでも言わんばかりだ。そうしながらニアに目配せ。
 慣れない箸など放棄したらどうだ?的な視線である。

「殆どのシリーズは戦闘教育の圧縮のために、オリジナルの残滓を受けています。
 そういう意味では、アナタがクローン兵に持つ感情は理解できない事もありまセン」

 ギョクロ=チャがニアとα-12に出される。お茶一つとってもケミカルなダウンタウンとは一線を画す。
335 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/29(木) 23:41:19.90 ID:nW6iAaaR0
>>332
「しっかしまぁ・・・」
ニアとαを交互に見て

「見分けがつかねぇな ティースタン含めて」
なにせクローンみたいなものですし

>>333
「・・・。」
無言で隣のゲタと自分のゲタを交換し 湯呑みもついでに交換して

「卵とトロ そしてグリーンティ」
何事もなかったかのように注文

―――ギィ!!
ベティちゃんはコハダとアナゴを御所望のようです
336 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/10/29(木) 23:50:40.07 ID:ZigWM0wb0
>>334
「なるほどってんですねぇ」
「とはいえお前以外の……α?ってあんまり会った事ないってんですけどぉ……」

ふぅむと唸るニア
アラズァヘッド系列の分裂の木の根めいた複雑な図式を読み解く事は最早不可能に等しい
だがなるほどその中で彼女が異端であるというとななんとなくだが理解は出来る

「……見た目も同じ、中身も同じ」
「……やっぱりちょっと最初は……って思ってましたってんですけどぉ……」

お茶を受け取り頭を下げて一口、香りが違う、美味しい

「話してみると案外皆バラバラで、ちゃんと別人してるってんですよねぇこれが……」

不思議な事もあるもんだなぁと頬を掻くのであった

>>335
「タェンティースとは、完全に同じシリーズだってんですからねぇ」
「素体が同じで、向こうは半分機械ってだけってんですっ」

違うのは肌色やアイカラーくらいだ、あとは性格から受ける印象のみ

「……こっちとはまた別のクローン……」
「なんっていうかっ、自分で言うのもなんですけど複雑な図式だってんですっ……」

と苦笑
337 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/29(木) 23:51:33.65 ID:um8TeNOjo
>>335

「………もぐもぐ」

 交換したアキレスの目の前に存在したのは、
 なんと、天然のカカオを贅沢に用いたチョコレート・スシ!

【湯飲みは…ナムダミダブツ!ホット・ペプシだ!】

「α-12はとても優秀な兵器デス。出し抜くのは二億光年早いデス」

 言いながら、ワサビスシをもぐもぐ。…ぐぬぬという表情になった。
 どっかツメが甘いのである。

「ヘイ、タマゴ」

 ゆで卵のスライスにマヨネーズとアンチョビがついたものが出される。ニッポンナイズド!ニホンの心。
 あと、グリーンティーは先に出した飲み物先に飲めや。である。

「ヘイ、アナゴ。白から先にどうぞ」

 白焼きして、ちょっと柑橘を振った繊細なアナゴと
 秘伝のタレをつけた濃厚なアナゴの二種類がベティに出される。

 なんたる格差社会か!
338 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/30(金) 00:00:43.08 ID:f2sO3lazo
>>336

「私のシリーズは比較的少数生産デスし、皆、少し奥手デスから。
 対外コミュニケーション数値が優秀なα-12がよく出てくるのは仕方ないコトデス。
 なお、こういう付き合いもアナタ方への懐柔という立派な任務デス」

 明け透けというかなんか間違っている説明である。そも誘い方がビンボども恵んでやるである。
 間違いなく、コイツの識臣教育とやらは何か致命的に間違ったに違いない。

「別人しているのは当然デス。クローンであっても複製(コピー)ではないのデスから。
 もし魂も何もかもの複製品が出来上がるとしたら、それは悲惨デショウし」

 舌を休ませたニアとα-12に出されたのはトロ・スシである。
 トロは脳を活性化させる貴重なオーガニック成分に富み、ニッポンジンはこれを巡って骨肉の争いを繰り広げているという。
 ヤクザが流通させる、トロ粉末の末端価格はそれはもうすごいことになっているそうだ。

「越境能力の移植がアズラァヘッドの本領デス。カノッサはこれで広域配置可能な戦力を手に入れました。
 ギャラエ=サンの功績は、データ・コーデックスに極めて高ランクに記録されていマス」
339 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/30(金) 00:04:16.10 ID:78r4QRSh0
>>336
「そういえばニアタンってティースタンと仲悪くなかったっけ?」
確かジャンクがどうのこうのと言っていたような

「まだ仲悪いの?」
そういえばαの他にもアラザァヘッドとかってダウナー系がいたような記憶がある

>>337
「・・・・・」
目の前に出てきたチョコレート・スシ
それは右隣のベティに進呈

―――ギィ♪
美味しいってさ よかったね

そしてペプシについては

「・・・はぁ 風邪ひいてると思えば」
グイッと一気飲み

なおホットコーラは海外で風邪ひいたときの定番飲料なのだ!!

「今度こそグリーンティ それとトロまだー?」
ぐぬぬしているαにプゲラな顔をしつつ 注文の品が届くのを待つ

―――ギィ♪
ベティちゃんは白焼きアナゴの方が好みなようです
両方おいしく頂いた後 白焼きのお代わりを所望している

340 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/30(金) 00:13:33.45 ID:f2sO3lazo
>>339

 数々の妨害とイヤガラセを潜り抜け、ようやくアキレスに、
 ギョクロ=チャとトロ・スシが出される。

【脂がトロットロで、甘みがあるというゼイタク極まる品である。
 もちろん、一般庶民がコレを口に運ぶことはない。カネモチ専用と言っても差し支えはあるまい】

「α-12は、ハイランクです」

 首からぶら下げたがま口サイフをこれ見よがしに見せ付けながら、
 ベティに再び出された白焼きアナゴをパクろうとして、ハサミと触腕がゲタを中心に綱引きを始めた。

「そして任務熱心デス。カラカミ・ジャンクヤードに耐金属酸性雨塗料・カラーN5が明日限定入荷デス。
 伝説的グリーン発色が話題の限定モデルデス。耳寄りこっそり情報デス。アナタもお財布の準備はいいデスか?」

 このような細かいニーズ情報を回すことも、何かと忌避されがちなカノッサの懐柔プランの一環である。と、本人談。
341 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/10/30(金) 00:13:46.21 ID:kuz2hoHVO
>>338
「そうなんですねぇ」
「……その数値、計測っ……あ、いえなんでもないってんですっ」

何やらツッコミ入れようとして止めておく
なんせ今はゲストの身なのだから、スポンサーの機嫌を損ねるような事をわざわざ言う必要はない

「……魂、ですかぁ……」
「ん、美味しっ……」


そのあやふやな、言霊めいた朧げな存在をニアは信じ切る事が上手く出来てはいない
だがしかしニア達は人造人間がその魂を宿す為に生み出されたようなモノだ
ぼんやりとトロを食べればしかし直後に現実に引き戻しされた

「……あいつは苦手だってんですっ」

ギャラエ、そしてその傍らに存在する巨漢
ある意味トラウマである、その存在は
思わず身震いして苦笑

>>339
「わ、悪いっていうかぁっ……」

まぁその、なんて言い淀む
ニアの初回起動時、タェンティースの抹消が目的とされていたのだ
だが交戦し、見事な迄に敗北
その後ニアが自我に目覚め、恐る恐る接触する事数回
気不味いながらも一応会話は出来る程度の仲になっているらしい
尚アラズァヘッド達、更に言えばその中の特異個体であるアラズとは最近出会っていないらしい
342 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/30(金) 00:24:58.56 ID:78r4QRSh0
>>340
ようやっと普通(?)のスシにありつくことができた
まずは卵から食べ始める まぁ決して味は悪くない

―――ギィ!!ギィ!!

お気に入りのアナゴを取られまいと 己が総身をもって踏ん張るベティ
だが力不足か αにアナゴを取られてしまいました

―――ギィィィィィィ・・・!!
悲痛な叫びを挙げるベティにトロを分けてやる

―――ギィ♪
「意地汚ないマネしてんじゃねぇよ」
そんな食い意地張ったαにジト目を送るが

「・・・・へぇ?」
次の塗料の話になれば もちろん食いつくこの男
財布を確認 これは買占め不回避

>>341
「あの時のニアタンすごかったねぇ 笑顔で考えられない毒を吐くんだもん」
いい笑顔で当時の状況を口に出す これはからかっているときの笑顔だ

「しかし仲直りもまだまだか・・・ここは俺が一つ手を貸してやろうか」
もちろん ろくでもないことになりますがね
343 :α-12【ディープメイカー ver.α】>>352 [saga]:2015/10/30(金) 00:30:59.94 ID:f2sO3lazo
>>341

(………)

 比較的和やかな会話の中でもアラズの話題が出たときは、
 心なし、α-12の口数は減少した。芽生えた野心がそうさせるのかもしれない。
 成長する不良品。相反するソレに対し己の系譜が正しいことを証明するためには邂逅が必要である。

「α-12は少しだけ会話しまシタ。色が何が好きかと言われて透明と答えまシタ」

 何とも、アレな会話もあったものである。この全ボケクローン兵らしいといえばらしいかもしれないが。
 トロ・スシを頬張る。トロの成分が記憶を少しだけいつもよりクリアにしているかもしれない。

「彼女は笑ってそれにちなんだタバコを買いまシタ。それが最後の会話デス……?
 α-12は、何だかよくワカラナイコトをいっていマス。ナンデショウ?」

 自分で言っていて首を傾げるα-12。
 アクはとても強いが実のところ彼女の自我は希薄である。ゆえに愁寂を自覚することは出来なかった。

>>342

「勝利デス」

 頬にアナゴスシを突っ込んでドヤ!なα-12である。
 なお、サソリと同レベルの争いを繰り広げたアレ加減に関してはスルーとする。

「世の中は弱肉強食、ヤキニク定食でスから。
 アキレス=サン、今後もカノッサ・テクノロジーをヨロシクデス。
 お得な情報網満載で、アナタを駒に仕立て上げマス」

 完璧な勧誘メゾッドを繰り出しながら、ギョクロ・チャをぐいっと。コレにて〆である。

 −−−−−−−−−

>>341-342

「ゴチソウサマデシタ」

 両手は合わせてこれにてオソマツ!であった まる

//では今日はコノヘンデー!ノシ
344 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/10/30(金) 00:37:13.45 ID:kuz2hoHVO
>>342
「そんな事っ、あ、ありましたっけぇ?」
「お、覚えてないってんですよぉ時効です時効っ! もうっ!」

その毒を麺と向かって本人に吐くことは決して叶わない虚しい定め
尚記憶に朧げなのは割と事実の様だ

「うっ、うーん……」
「ニアがよくってもっ、向こうがどう思ってるかがなんともぉ……」

なんとなく察して遠回しな遠慮ムードである

>>343
「色っ、たばこ……?」
「ふふっ、本当っ……よく分からないってんですけど……」

話に聞くその会話の内容と、そしてそれを説明するα-12の口調
両方ともが実に『らしく』思わずくすりと微笑んだ

「……そこまで思い出せるってのは、多分そういう事……なんでしょうかっ……?」

最も、ただの強化された記憶機能が齎す恩恵なのかもしれないが

>>342-343
「ごちそーさまでしたっ」

倣い、しっかり手を合わせてお辞儀一礼
こう見えて食事のマナーなんかにはなるべく準ずる礼儀を持ち合わせているのである
345 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/10/30(金) 00:44:20.90 ID:78r4QRSh0
>>343
「へいへい せいぜい使われてやりますよ」
モグモグとタマゴスシを頬張った

>>344
「記憶にございませんってか」
ケラケラと ニアに笑いかける

>>343-344
「ごっそさん それじゃベティ行くぞ」
―――ギィ!!

軽く会釈して ベティを連れて 重金属汚染の雨が滴る外へと出る1人と1匹でしたとさ
346 :空軍大佐 ジョン・ブラウン [sage]:2015/10/31(土) 12:32:14.10 ID:ZJrAKEKH0
『これより作戦を開始する』

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347 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/01(日) 21:27:06.18 ID:1Zv6CV/3O
――とある魔法の世界 海沿いの小さな町の酒場にて


「……幽霊め。私をこき使いおって」

海に夕陽が沈んでいく様を、ステレオタイプな魔女がため息をつきながら眺めていた。
黒いケープに大きなとんがり帽子をした、銀髪の少女の姿は如何にも絵物語の中の小さな魔女だ。

「ふ、ん……知った風な口をきいて、あんな面倒事に巻き込んで……まったく」

魔女がしきりに愚痴っているのは、窓の外の風景と関係があるだろう。
海岸沿いの道を、手を繋いで歩く二人の若い男女に、その原因はあった。
夕陽を見ているふりをして、呆れ半分と感傷半分でその二人を彼女は見ていたのだ。

「文句も受け取ってくれまい……ええい、適当な愚痴につきあってくれるやつはいないのか……」

灰皿に煙草を押し付けて、そんな風にぼやく。
348 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/01(日) 21:35:56.04 ID:igNe8uAY0
>>347
「あれ? なっちゃんやほー」
そんな後ろ姿を見かけて声をかけるのは 以前別の世界で司法機関とチェイスしたことのある男と

―――ギィ!!
巨大サソリのコンビ

なおアキレスは三角巾で腕を釣っている状態である
「どしたの? なんか不機嫌そうだけど」
349 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/01(日) 21:40:24.37 ID:1Zv6CV/3O
>>348

「人を勝手に恋のキューピッドにしたあーぱー幽霊が腹立たしくてね」

懐からもう一本煙草を取り出して、火をつける。
灰皿にはもうこんもりと吸い殻の山が出来ていた。

「おかげでとんだ道化を演じてしまったよ。全く……人の感傷つっついてつっついて……私の過去なんぞ話したわけはないのにあの幽霊め……」

ぎりぎり、と苦い顔を浮かべて。
350 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/01(日) 21:47:10.36 ID:igNe8uAY0
>>349
「恋・・・幽霊・・・あー」
察しがついたらしい 例の恋大好きちゃんのことだろう

「まぁ・・・大変だったね 酒でも飲む?」
吸い殻の山を見て よほど腹が立ったのだろうと推測
見た目は子供でも中身は違うみたいだし 酒もおkでしょう

「マスター 酒とツマミ・・・と干し魚をこいつに」
―――ギィ!!

こういう時は酒に頼るのが一番だろう
351 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/01(日) 21:57:08.28 ID:1Zv6CV/3O
>>350

「流石に酔っぱらう機能まではついてないがね」

煙草だって、口さみしい以外の理由ではない。
なので別に飴でもいいのだが、そこは見た目の問題である。

「運命を愉快な方向に転がしてかき混ぜて、どいつもこいつも喜劇の舞台に放り投げる……」

「若い身空で死ぬのはロクなもんじゃないな。私みたいなのにはついていけんし」

「……どうにかなんとかなったのが妙に悔しくて仕方がない。あんなあーぱーの上に転がされた気分だ」

すったもんだの面倒事を、この小さな魔女が解決に導いたのだろう。
そして、彼女をどうにかして巻き込んだのは例の幽霊の仕業だ。
真面目に頼み込んでも魔女は動くまいと幽霊は踏んだ。なのでひっかけて巻き込んだ。
――結果、うまくいった。それが彼女には気に食わない。が、公然と文句を言うのは格好が悪い。なので煙と共に吐き出すしかないわけである。
352 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/01(日) 22:08:16.03 ID:igNe8uAY0
>>351
「まぁいいじゃないほらほら」
ジョッキで泡立つエールが運ばれてくる

「あれも凄いよね そっち方面には尋常じゃないぐらい頭が回るんだもん
 しょうがないよ 恋愛成就モードに入ったあいつを止められる人なんていないもん」

一体何人のカポーがあれに巻き込まれたのやら

―――ギィ♪
「美味しい物食べてさ 酒飲んでさ うさを晴らそうよ」
ほら乾杯と ジョッキをぶつけ酒を飲む

そしてベティは干し魚に舌鼓を打っていた
353 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/01(日) 22:16:45.12 ID:1Zv6CV/3O
>>352

「う、む。乾杯」

ジョッキをぶつける。
実はというと麦酒はそこまで得意ではない。
何故か。勿論、ビールは苦いからである。しかも発泡しているのだ。
だが、表情も動かさずちびちびと呑んでいく。

「……身体が、動かなかったそうでな」

「若いのに、大変なことではあるよ。病が原因で、下半身が動かなかったんだ」

「数年以内に恐らくそのまま衰弱して、枯れるように死ぬ。そういう定命だったんだろう」

つまみで運ばれてきたサラミを何の気なしに口に運ぶ。
……辛かった。エールを飲んで誤魔化す。苦い。煙草を吸う。落ち着いた。

「……ゴホン。それ故に、若い男女の小さな恋は悲劇を運命づけられていた。それをあの幽霊は嫌がった」

「少年をそそのかし、私を巻き込み、東へ西へ面倒な冒険をさせられ、呪いだの怪物だのの対処をして、治療法を見つけ……」

「……で、言うんだ。『諦めなくて、良かったでしょう?』ってな。……腹立たしい」

ふぅぅぅ、と煙を吐き出して。
今の彼女はひどく感傷的な様子である。
354 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/01(日) 22:30:21.47 ID:igNe8uAY0
>>353
「・・・・・そりゃまた凄いね」
普段の扇動も対外なのに 人を巻き込んで盛大に大冒険とは

「それ・・・賃金でたの?」
まさかただ働きはないだろうと思いつつも 確認のために聞いてみる

「あれって行動力やら頭の回転もそうだけど なにより嗅覚が異常だね」
一体どんなことをしたら そんなややこしいカポーを見つけてくるのでしょう

―――ギィ!!
と 足元のベティがナチグロイシの足元をつつき
干し魚を一匹差し出してくる

彼女なりの労いなのだろう
355 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/01(日) 22:37:41.25 ID:1Zv6CV/3O
>>354

「……」

しゃ、と取り出したるはアキレスにとっては懐かしく見えるかもしれないFD。
それが几帳面にカバーをかけられたものが三枚ほど。
それに加えて光ディスクが一枚。

「ひっじょおおおに面倒だったが私の本業の成果はあった。以てこれを報酬とする。ボーナスも出るんで文句を言う気にはなれなくてね」

「あと……あの娘のお礼の言葉で、どうにも、な」

思わず顔を背けて。

「……いやいや、それはお前さんのだろう。変な気を回さなくていいぞサソリさんや」

いやいや、とベティに対して手を振って。
356 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/01(日) 22:42:55.81 ID:BlSvhhv4o
【小さな酒場のBGM】

 魔女と運び屋が明らかに似合わぬ恋の話(に巻き込まれた話)をしているこの酒場。
 一応はバックミュージックのようなモノもかかっている。
 ファンタジーのバックミュージックと言えば吟遊詩人がハープなりリュートなりと共に吟じる唄が主流であるが――

「一人旅には慣れっこよ――話し相手は居なくても一人で眠れる――」

 お客の会話の妨げにならない程度のテンポで緩やかに流れるピアノと甘い声。
 ドラム、トロンボーン、サックス、バス。

【ラヴソングをバックに自分達の会話を続けている者も居れば、聞き入っている者も居る】
【何か触発されたのか、甘いムードになっている連中も居る】

 なお、ピアノを弾いている女性のバストは豊満であった。
357 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/01(日) 22:53:32.04 ID:igNe8uAY0
>>355
「あらそう? ならよかったじゃない」

確かカノッサの一員だったっけと思い出しながらFDを見やる
恐らく幽霊の調査結果なのだろうと推測

―――ギィ♪
干し魚をひっこめて自分で食べるベティに 新たにサラミを差し出し

「実りも多かったようだし よかったんじゃない?」
と笑みを浮かべてみる

「しかしの幽霊のことだし 割とマジで複数のカポーを同時進行で面倒見てるんじゃない?
 世界をいくつも跨いでさ・・・いや なんか冗談じゃなくそんな気もしてきた」

まさかねーアハハをごまかし割りをしながらジョッキを傾ける

―――――そのころ別の世界では

ロイ「あのクソ幽霊がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
   人に仕事押し付けて世界線こえやがってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

極寒の冬山 吹雪の中でしか咲かない特殊な花の蜜を集めるため ホワイトアウトの中を進む男がいたそうな・・・

―――――

>>356
とまぁそんな他愛ない話をしていると 効いたことのある声
顔を向ければ

「・・・・・似合わねぇ」
素直な意見を一言
358 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/11/01(日) 23:02:15.02 ID:BlSvhhv4o
【サイバーパンク世界:スプロール】

 今宵のスプロールも重金属酸性雨が降り注ぎ、
 ダウンタウンの安普請な建物の寿命をさらに削り取るのに一役買っている。

≪皆にメーワクな電磁犯罪は止めよう!企業治安課からのお知らせです≫

 欺瞞的スピーカーを鳴らしながらゆっくりと走る企業バンが通り過ぎ、
 喫茶店の窓際、あるいは街角の注意力散漫なハッカーはバンより発せられる高出力ノイズに
 脳を焼かれて誰にも省みられぬまま死亡し、荷物と電子機器を漁られて遺体は生体電子路に放り込まれる。
 これもスプロールではさして珍しくも無い光景だ。

「………」

 夜だというのにネオンの光はまるで昼と変わらぬほどの輝き。
 正に不夜城。その喧騒にまみれたシティで歩を進める一人の男。

【外見は白髪に口髭。老人めいている。が、そのガタイの良さと存在感が危険に敏なヨタモノを寄せ付けぬ】

 彼はクルト・カントール。傭兵にして高ランクのランナ−である。
 今、新たなビズを求め、ランナーズギルド非公式酒場に向かっている最中である。
359 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/01(日) 23:02:49.54 ID:1Zv6CV/3O
>>357

「いいもんか。私がどんな気持ちで『ぱそこん』を扱ったと思ってる……」

「上層部のやつらめ。『やっぱりこれからはハイ・テックに慣れるべきだよね』とかなんとか適当な理由で人に機械使わせて……」

ぐりぐりとこめかみをもむ。
彼女はその手の電子機器が世に溢れるような世界に住んでいるわけではなかった。
なので、FDと光ディスクでも凄まじいハイテクなのである。

「そうなんだ。そこなんだ。腹立たしいが結果全員にプラスなんだ」

「……諦めなくて、良かったでしょう。くそ、私に対するあてつけか……老人は諦めていくものなんだ……眩しいからやめてくれ……」

ぐい、とエールを煽る。苦い。くそう。

――

「英雄だもの、それぐらいの苦労は買ってでもしないとね☆」

……トンチキ幽霊の、そんな言葉を幻聴したかもしれない。
360 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/01(日) 23:13:47.11 ID:igNe8uAY0
>>359
「そう? でも今時FDとかに入れる方が難しいと思うよ」
といってポケットからリンゴ社製スマホっぽいものを取り出し

「何ならフラッシュメモリにデータ入れなおそうか?」
と提案してくる

「というかなっちゃんアンドロイドみたないものなんだし そういうの簡単にできるようにならないの?」
覚えるのなんて 最悪データをインストールしてはい終わりとかできそうですしおすし

「・・・? まぁいいじゃない 飲んで忘れようよ」
悔しそうなナチグロイシ 何が気に入らないのか分からないが その背中をポンポンして慰めようとしている
361 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/01(日) 23:20:08.73 ID:1Zv6CV/3O
>>360

「やめろわけのわからん事をいうな見せるな」

あわあわと手を振る。
殆どハイテクエネルギーである。魔術が魔術として存在し、それが常識だった彼女には機械は苦手なようだ。

「不気味な事をいうな。あんどろいどだと? あれはひとがたのぱそこんだろう?」

「そんなものといっしょにするな。私は偉大なる人形師の作品なんだからな……」

「ぅー……酔わんのだから忘れようもないのだ」

ぐいい、と飲む。
何度飲んでも苦い。ジョッキを干すのにはもう少しかかりそうだ。

「……こんな面倒な魔女の愚痴を長々と聞いていて物好きだな、お前さん」

ふぅぅ、と少し落ち着いてから
何だか言えるだけの愚痴を吐いてすっきりしたのか、ふとそこに思い当ったようだ。
362 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/01(日) 23:22:35.03 ID:Up1ZHCtl0
>>358
――――酸性雨除けのカッパめいた雨具を着込んだ少女は、その男とは逆方向を歩いていた。

カッパの色は闇夜よりも暗い、さながら影が歩いていると錯覚するような黒。
使い込まれたパーカーの色は黒、そして髪の色までもが当然の如く黒。文字通りに黒ずくめの格好。
その徹底された真っ黒さ故に、被られたフードの下で光る黄緑色の双眸は一際目立つ。
そして背丈は150cmにも満たない程に小さく、まだまだ年端も行かぬことが見て取れるような外見。

「ふむ……こんばんはなのです」

彼女の名は、ニゲル・アールヴェント。こう幼く見えても、界隈の一部では宵闇の爪≠ニいう異名で通っている程の一流ランナー。
歩いている方向が違うとはいえ、目指す場所はクルトと同じ。丁度2人は、同じ曲がり角を行くところで出会うことになるのであった。
363 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/11/01(日) 23:34:19.83 ID:BlSvhhv4o
>>362

「んっ、ああ、嬢ちゃんか」

 咥えていた葉巻を携帯灰皿に捨てながらアイサツ。
 この二人は知り合いである。何度か共にビズをした事もあれば、
 敵対するクライアント依頼がカチ合って敵対したこともある。

「こんな所で合うってコトは互いに金欠病にクチか?」

 そんな冗談口を叩いているが、クルトは金欠病になるほど蓄えが無いという訳ではない。
 もちろん、サイバネ維持費、ハッカーに対する必要経費(スプロールのビズで電子的支援抜きなど自殺と同義だ)、
 武器の補修、保全、スマートリンクシステムのアップデートなど入り用には事欠かないが。

【カネを溜めれば、ランナーから足を洗う。なんて理屈は大抵の場合は実現しない】
【そうそう簡単に足抜けできるほど甘くはないし、平和な日常…を満喫するにはやや知りすぎてしまっている面もある】
【誰かが言った言葉で「殺す者の路は閉じていく」というのは一つの真理なのだろう】
364 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/01(日) 23:35:28.27 ID:igNe8uAY0
>>361
「・・・・・・・ほーらみてみてー」

そのリアクションが面白かったらしい
ガワこそリンゴ社製品だが 中身はサイバーパンク スプロールのハイエンドであるアキレスのスマホ

そのカメラでナチグロイシのあわあわを撮影し 空間ホログラム投影でミニマムナチグロイシがあわあわしているのを見せる
あの その時のアキレスはとてもいい笑顔だったという

「俺から見れば似たようなもんさ まぁグチについてはいいじゃない」
こちらは先にジョッキを干し 二杯目に突入している

「越境者なんてやってると 知り合い作るのも一苦労だしさ 越境者同士の縁は大事にしてるんよ
 だからグチぐらい付き合うさ 一人酒よりはナンボか有益だ」
365 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/01(日) 23:48:47.13 ID:1Zv6CV/3O
>>364

「虚空投影……! 機械で出来るのか……なんて世界があるんだ……」

自分の身知った魔術と同じ効果をもたらす存在を知り、身震い。
魔術は科学に駆逐される運命にあるのか。
ハイテックなものを見るたびにそんな風に思ってしまう。

「縁を大事に、か……」

「……ふ、ん。そんな機械はしまえ。……甘いものを、そろそろ注文しよう」

出てる食い物飲み物が苦かったり辛かったりしょっぱかったり、そろそろ限界だ。

「さて、人が苦手なはいてくで虐めてくれたんだ。もう少し日頃のうっぷんを聞いてもらおうかな」

――そうして、今回の件とは関係のないことの愚痴まで、アキレスは聞かされることになったのであった。

//では時間も遅いのでこの辺りで……! 乙ありでした……!
366 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/01(日) 23:50:21.39 ID:Up1ZHCtl0
>>363
「はい、そうなのです」
「ここじゃない世界で少しフンパツし過ぎて、それでお金がないのです……」

困り切ったような表情、声色でニゲルはそう言う。
調合や作製は自らの手によるが故に市販品よりは多少安くつくが、それでも少女にとっては決して小さくはない出費で。
それが幾重にも重なってしまえば財布に大ダメージを与えるということは当然のこと。
武器を作るのに金を出し、その作った武器で金を稼ぐという止まることを知らない回路を彼女はぐるぐると回っているのである。

「まったく、もう少し良い方法が見つかればいいのですがね……」

それが為に、いつもいつもカツカツの生活をニゲルは送っているのであった。まさに自転車操業、もしくは火の車。
もっと楽な生活を送るには如何すればよいか、もっと良い資金源になりそうなものはないのかと。彼女は、小さな溜息をついた。
367 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/01(日) 23:55:36.85 ID:igNe8uAY0
>>365
「おうっふ やぶへびぃ・・・」
げんなり答える が その顔はまだ笑顔だった

「あぁ うん ソウダネー」
そしてグチ エンドレスの洗礼を受けるアキレス

―――Zzz
ベティちゃんはおなか一杯になったので アキレスの足元ですやすや寝息を立てるのであった

//おつありー
368 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/11/02(月) 00:07:01.57 ID:gyAhMWEJo
>>366

「名は売れてきているんだ。企業のヒモ付きになれば固定収入とアフターサービスも受けられるんじゃあないか?」

 至極真っ当な意見を半ば解っていて口にするクルト。
 これは典型的なランナーのサクセスストーリーの一つだ。
 フリ−から転進。カネ、美味いスシ、美女(あるいは美男)、デカイ家。

【そして、そのような栄光にたどり着くのは一握りであるが】
【フリーの名うてといえば、聞こえはいいし、ある種のロマンもあるかもしれないが、結局はそれなりに世知辛いのだ】

「まあ、カネが無いなら精々、頑張らないとな」

 そうして、ランナーズギルド酒場で流れているビズをマスターなりから聞き出すことになるのだが。

 −−−−−−−−
【酒場】

「ふう」

 マッカランを飲みながら、クルトのランクで受けられそうなビズを思い返す。

【酒場のマスターも実力不足なランナーに高難易度の仕事を無警戒かつ故意にまわす真似はしない】
 【→差配の能力を疑われることになるし、下手をすればギルドの懲罰を受けることになるからだ】

「F地区の新機軸マトリクスの奪取。こっちは払いはいいがリスクが高すぎる。やばいデッカーの担当区画だ」

 酒場の天井から下げられているテレビジョンを見ればデッカー24時が放映されており、
 ヘヴィバイクで麻薬カルテルに乗り込んだバストが豊満なデッカーが工場ごと一網打尽にしている映像が流れている。
 どこぞのアクション映画顔負け。問題はこれノンフィクションであることだ。リスクとマネーの釣り合いは大事。絶対。

「…挑戦するか?嬢ちゃん」
369 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/02(月) 00:27:30.68 ID:yvFLCB5g0
>>368
「あぁ、そういう手もあるのですか……もっと考えないと駄目ですね……」

――成る程、とニゲルは心の中で思った。スポンサーとでも言うべきか、そのような物もそろそろ必要なのであろうと。
実際、今まで彼女はランナーとしてこれといった契約を何処とも結んでいなかった。良くも悪くもフリーの存在であった。
こうなれば生活も幾分かマシにはなるであろうと――無論、何かしらが付いてこない筈もなかろうが。


「なるほど、ハイリスクハイリターンとかいうものですか……」

――――さて、場面は変わって酒場の中。
この年で酒なんて呑める筈はなく、何ともないジュース――恐らくは合成のそれであろうが――をニゲルは啜る。
テレビに映るデッカーの様に何とない既視感を感じながら、彼女は少しずつでも話を進めていこうと。


「――――ま、出来るならしてみたいものです」
「私ならできるでしょう、多分ですが」

ある種の腕試しめいたニュアンスもあって、彼女は僅かに考えた後に頷いた。
黒風として数多の死地を駆け抜け、瀕死の状況から何度も這い上がってきた自分なら大丈夫であろうという。
無駄かつ無謀な自信というのもあるのだが、ニゲルの場合はそれなりの実力もそれに相俟っているので困る。
370 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/11/02(月) 00:39:56.35 ID:gyAhMWEJo
>>369

「んっ、そうか。じゃあ、もう一つのは辞退か?」

 そして、もう一つのビズデータを参照する。
 こちらもこちらで同じくらいにリスキーであり、なおかつ不穏な要素を孕んでいる。

「ダミーデス・コーポレーションからのビズで、急成長を遂げ最近メガコーポの仲間入りをした、
 エー・カー社のデータベースへの物理潜入依頼だな」

 なお、クライアントのダミーデス・コーポレーションは明らかにペーパー企業。
 実際はクライアント不明という状態の依頼であることは把握できている。
 また、報酬については全額前金であり保証がされているのがまた胡散臭い。

「こっちもこっちで大概胡散臭いが…さて、な」

 新興のメガコーポへの物理潜入。ある意味で、今後の立ち回りを確認する意味では、
 受けてみるのも手なのでは?とも考えるクルトである。
 情報と経験は武器だ。それはランナーといえども変わらない。

「ヤバイ仕事しかないのは、いつもの事といえばいつもの事だな。
 俺はこれに決めた。嬢ちゃんはどうする?そっちにするか。合同のビズにするならハッカーの手配はしてやれるぞ?」

 これは暗にニゲルとの共同を提案しているということでもある。
 このクラスのランナーは実際に貴重であるし、危険なビズを前に味方にしておくことに損はないのであった。

//ではコノヘンデーノシ
371 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/03(火) 22:10:09.83 ID:em3yXgCLo
【とあるファンタジーな世界】

 前回までのあらすじ!!
 この世界に流れ着いた越境者達は社会保障無しのゴロツキめいて
 金欠病に悩まされながらも西へ東へ行ったり来たり。

 −−−−−−−−−−−

「何やら不当な評価を受けた気がする」

 無表情であるが、何処と無く不機嫌っぽい雰囲気をかもし出しているのはイムカ・グリムナー。
 ここはファンタジーにありがちな酒場であるが、周りを見れば何かいいムード。

【実は先程までイムカが路銀稼ぎのための手段があるとのたまってここでピアノを弾いていたのだ】
【それも甘い声のラヴソング付きで。おかげで酒場にはムーディーな雰囲気がかもし出されているのだが】

「…私がピアノを弾いて歌を歌うのに何か問題でもあるのか?」

 ビアノを弾いていた時の甘い声と憂いのある表情は何処に消えたのやら、
 無機質な顔と声音でそのような事をのたまった。

【そも戦争しか残らなかった世界の出身の政治将校である。これが通常運転】
372 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/03(火) 22:24:53.83 ID:GhjSeLrC0
>>371
「・・・なんか嫌なことでもあった?」
―――ギィ!!

まさか自分が似合わないとつぶやいたことなどすっかり忘れ 不機嫌イムカに話しかける自称アーティスト
そしてベティは自分用の干し魚を一匹イムカに差し出した 慰めているつもりらしい

「まぁいいじゃない 酒場なんだし飲もうよ」
と酒の席へとご案内しようとする
373 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/03(火) 22:36:42.67 ID:em3yXgCLo
>>372

「ああ、歌に対しての批評なら兎も角なにやらイメージ的な不当評価を受けたらしくてな。
 なんとなく気に入らんので今、サーボスカルに音紋解析させているところだ」
≪00001111010101≫

 犯人特定のために頑張っているサーボスカル。
 なお、こいつ周囲に見られると下手したら死霊術師と誤解されかねないので、
 イムカはカボチャマスクをかぶせることで誤魔化している。

【言いながら、ベティから干し魚を受け取った。相変わらず賢い非常食である】

「スマンが路銀の蓄えがあまりなくてな。それにしても――」

 周囲をぐるりと見ると、何か熱っぽい視線がそこかしこから向けられており首を傾げるイムカ。
 同時に、何かSHITのアレな目線で男衆に睨まれ始めているアキレス君。

「どうやら私のピアノは好評だったような。芸とは旅の助けとなるものだな」
374 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/03(火) 22:43:35.11 ID:GhjSeLrC0
>>373
「そっか 大変だねー」
―――ギィ!!

完全他人事のアキレス君 感情のこもってない声で言ってのける

「まぁ 俺はイムカタン見たく財布落っことしたりしてないから多少のたくわえはあるし ちょっとぐらいなら奢るよ」
―――ギィ!!

などとナチュラルに同伴に誘おうとするが ベティがズボンのすそを引っ張る

「なんだベティ? ・・・あー」
辺りが嫉妬の炎で揺らぐようなので

「ここ以外にも酒場知ってるんだ そこ行かない?」
襲われても怖いのでどこかに逃げようと画策
375 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/03(火) 22:50:09.95 ID:em3yXgCLo
>>374

「同意した。ああちょっと待っててくれ」

 酒場のマスターが大幅に色を付けてくれた報酬を受け取りながら、
 イムカはこの酒場を後にする。

≪00011101010101≫
「…なるほど。解った」

 そして、その最中、何やらサーボスカルはイムカに耳打ちしたらしい。
 大体の察しはつくと思う。少なくともベティには。

 −−−−−−−−
【お外!】

「久しぶりのセッションはまあまあ良かった。ピアノは久しぶりだったからな」

 長い指を動かす仕草をしながら言うイムカ。
 どっかの誰かには不当な評価を受けたが自分的にはそこそこ及第点だった様子。

「それにしても…私はともかく君はこういう世界ではどうやって路銀を稼いでいるのだ?」

 と、移動中に何となく気になったのか聞いてみるイムカ。
 アキレスは言っては悪いがギルドの依頼を受けて荒事に自分から飛び込む…というのはイメージが合わない。
 もちろん、他の越境者と組むのならばその限りではないが、単独では討伐依頼をするものか?と。
376 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/03(火) 22:57:34.04 ID:GhjSeLrC0
>>375
―――ギィ・・・
「ん? どうしたベティ?」

ご愁傷さま とでも言いたげにハサミを振り上げるベティを 不思議そうに見るアキレスでしたとさ

「俺? 俺がやることは変わらないよ たとえ世界が変わってもな ほれ」
とリュックに下げられたタグを見せる そこにはこの世界の郵便を司る刻印が刻まれている

「この世界はロイのおっさんが色々と仕事してて ギルドに顔が効くからさ
 郵便ギルドに口を利いてもらったの んで各都市やら町やらに出向いて 郵便配達をしてるってわけ
 パルクールの練習にもなって一石二鳥ってね」

結局この男は運び屋という職業に愛されているらしい 合法非合法関わらず

「これが俺の生きる道ってね」
377 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/03(火) 23:04:10.00 ID:em3yXgCLo
>>375

≪0001111010101≫

 パンプキンヘッドのサーボスカルはベティの背中にヌタっと着地。定位置である。
 そして、くり貫いたかぼちゃをベティの頭の上からマニュピレイターでにゅーんと伸ばす。

「郵便か。なるほどな。たしかにこの世界の文明レベルで考えるといい仕事だ」

 テクノロジーレベルにおいて電信技術などが発達して居ない場合は、
 まさに郵便配達は情報伝達手段として必要不可欠である。
 無論、これは郵便配達という仕事のリスク(強盗・襲撃・長距離)には事欠かないが。

「都市間移動にも手を広げているのか?その場合は馬なりが必要なコトも多いが」

 都市と都市の距離が離れ、そして街道が未整備。さらに魔物まで居る世界ではどう立ち回っているのだろうか?
 と、興味が出て話を促す。
378 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/03(火) 23:15:28.41 ID:GhjSeLrC0
>>377
「俺がやってるのは都市内だけ 賃金は安いけど その分量でカバーってね あれだ 薄利多売・・・ちょっと違うか?」

―――ギィ♪
そしていつものように背中に降りてきたドクロが 何やら美味そうなモノを出してくるので捕まえようとハサミを伸ばす
それはニンジンぶら下げた馬によく似ている

「強盗はいるっちゃいるけど あまり問題じゃないかな? もっと激しいのはスプロールでいやというほど見てきたし
 あ けど周囲にあまり高い建物がないのは 相手を撒くのに苦労するけどね」

「俺の能力は長距離を走るのには向いてないから都市間は馬を持ってる連中に任せてる まぁこんなところかな?
 イムカタンもやってみる? 美人が運んでくれるってなれば顧客増えるかも」

まさかイムカほどの女傑がベッドに引きずり込まれることなんて 天地がひっくり返ってもないでしょうしね☆
379 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/03(火) 23:26:18.72 ID:em3yXgCLo
>>378

「都市内でもここのような港町なら十分に需要はあるだろうしな。
 なる程、君もサバイバリティは十分というわけだ」

 カボチャでベティの意識を前方に向けている内に、
 何か黄色いリボンをベティのしっぽに結び始めているスカルを見ながら。

【なお、サーボスカルの行動にいちいち理由を考えるのは無意味である。何しろプログラムが狂気に陥っているのだ】

「ん?私が運び屋か?…そうだな。一応、馬には乗れるし夜駆けもさして苦労しないしな」

 イムカは乗馬のスキルもあれば、眠らずの活動も可能であったりする。
 そして、一応、適正をサーボスカルに調べさせる。すぐに中空にホロ・ディスプレイが浮かんだ。

【伝書:中世期世界の主要都市や城砦は互いに隔たっており、連絡は伝書無しには成り立たない】
【貴族、商人、軍司令官が伝書を多用し、騎馬伝書はことのほか重用される】
【それら勇敢な騎乗伝書達は、危険に満ちる街道を駆ける。愛馬のスピードが危険を振り切ること信じて】

「なるほど、重要だが危険度も相当高いな。それに書状の内容が不快だと、半ば見せしめめいて殺されることもありえる…と」
380 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/03(火) 23:44:03.15 ID:GhjSeLrC0
>>379
―――ギィギィ♪
スカルのリボン攻撃に気付く様子はない ベティは目の前の美味に夢中である

「そうそう それにほかの町に行っても一定の需要があるから 喰いっぱぐれが少なくて人気の職業なんだよ その分責任が付きまとうけど」
その分 信頼の重要度はほかの仕事の比ではなく 一度でも不貞を働いたことが分かれば その手は二度と便箋を握ることは出来なくなる

「それに都市間は一種の花形だから 人気の都市間配達員は料金も青天井だし いろんなスポンサーがついてたりで凄いんだよ
 まさに走る広告塔って感じ こんな世界でもそんなのがあるなんて はじめは驚いたけどね」

指さした先 そこには大店の名前がいくつも入ったジャケットを着込んだ都市間配達員が 今まさに手紙をバッグに入れて 馬を走らせようとしているところであった

「見せしめに関しては・・・一応ギルドが抑止力になってるっぽい そもそも貴族様は子飼いの配達員を持っているものだし
 持ってないのは弱小の印ってんで みんな無理してでも1人は持ってるみたい それでもギルドを使って 見せしめなんぞやらかしたら
 それは評判になって誰も仕事を受けてくれなくなるって方式 まぁ抜け穴もあるだろうから 万全じゃないけどねー ってここ」

そう言って指さした酒場に入ろうとするだろう

「まぁ郵便に興味があるなら口効いてあげるよ 俺も都市内ならそこそこ名が知られてるから」
381 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/03(火) 23:49:41.49 ID:em3yXgCLo
>>380

≪000111101010101≫

 ちょうちょ結びでベティに尻尾に綺麗なリボンが出来ました。
 なお、サーボスカルのプログラムは狂気にお(ry

「なるほどな。それでは一度やってみるか。アキレス、紹介を頼む」

 とりあえず、やってみる気になったらしい。
 アキレスにギルドへの伝手を依頼するイムカ。

≪0001111010101「似あわねぇ…」0001110101≫

 そして交渉と同時に、何か不穏な音声再生をかますサーボスカルである。

「…兵は拙速を尊ぶ。火急的速やかに頼むぞ」

 無表情でアキレスの肩にポンと手を置いてお願い≠するイムカなのであった。ヒドイ!

//では12時も近いし今日はコノヘンデー
382 :名も無き市民 [sage]:2015/11/04(水) 14:18:16.24 ID:voW+/wRk0
誰か俺の名前を考えてくれないでしょうか…私は記憶喪失で名を忘れてしまったのです…
383 :名も無き異星人 [sage]:2015/11/04(水) 14:44:21.82 ID:voW+/wRk0
「…ま、何だっていいか…さて、さっきからピーピー五月蝿いヒヨコ共に挨拶するかな。」

俺は手の中から光弾を生み出し、西の方向へ放つ。
―――そして次の瞬間、この街の3分の1は消滅した。


                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                   \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                      ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙      .'                            ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:               ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                             ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´


「さて…何故この星に来たかはわからんが、ちと暴れてやるか…」

384 :名も無き異星人 [sage]:2015/11/04(水) 15:09:00.17 ID:voW+/wRk0
多分能力は光を操る能力
385 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/11/05(木) 22:38:19.34 ID:11gwrjOS0
重金属性の毒雨がさぁさぁと、シルクめいて落ち続ける夜に
ネオンライトの極彩色の光に照らされる街を、番傘を手に七八は歩いていた
客引きが声を張り上げ、パンクな若者達がテナントへと消えて行く

「……収穫ゼロかぁ……」

参ったなぁ、なんて七八はぼやく
ここスプロールで行方不明となった兄の影を追ってしばし、全くと言っていいほど手掛かりはない
情報収集や、仲間達との連絡用にと手に入れた携帯デバイスに視線を落としながら歩けば

『ッテーナコラーッ!』
『折れたぞコラーッ!』
「げっ……」

イかにもな風体の、ピアスの総数が2人で100を超えるであろうモヒカンヘアーのパンクに肩が当たる
周囲の、好機の気配を察したヤジウマ達がどよめき七八とパンク2人を中心にちょっとしたミステリーサークルめいた弧状の空間が生まれた
386 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/11/05(木) 23:04:47.23 ID:JtRMdfcN0
>>385
「なんの騒ぎですぅ……?」

小洒落たアンティーク傘を手にバシャバシャと水音を立てながらネオンの下を歩く少女。
怒声が耳に入ればちらり、視線の先には人だかりができていた。
好奇心のままに引き寄せられれば人垣の先を覗こうとピョンピョン跳ねてみる。
が、低い身長だ。無駄な労力と悟り外周から覗く事は諦め小さな身体を生かし人混みをかき分けていく。
圧迫感に耐えながらようやく前列に出てみれば、そこには珍しい格好の女性と世紀末な風体のモヒカンが何やらもめていた。

「わぁぁ、珍しいハゲ方ですねぇ……。それにそんなになんですぅ? そのピアスの数……?
どこぞのマフィアの機関銃に蜂の巣にでもされたですか?」

決して挑発している訳ではない。ただ純粋に、感じた疑問を口にしただけの事。
ただその言葉の真意はともかく、相手がどう受け取るかは全く別の話なのであるが。
悪意なき故、逆上したモヒカンに凄まれるような事になれば、そそくさと七八の背中に身を隠すだろう。
387 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/11/05(木) 23:13:48.12 ID:11gwrjOS0
>>386
「え、ちょっとあなた……!」
『誰がハゲじゃコラーッ!』
『ザッケンナコラーッ!』

迂闊だ、と七八が制止する間もなく発されるイノセンスな言葉が辛辣に刺さり、2人のパンクは唾を散らしながら振り返る
こめかみをビクつかせ眉間には皺、ご自慢のルックスをコケにされて怒り心頭と言ったところか

「……隙ありっ!」
『グワッ!?』

と、七八の頂肘が片方のパンクの背骨に突き刺さりノックアウト
だがもう1人はキメたドラッグとバリキドリンクの高揚感からムテキめいて、既に素早く隠れる間もなくパンドラへ向けて駆け出した後であった
懐から取り出した釘バットとバールのようなモノを振り翳し、メチャクチャな軌道で殴り掛かんと唸らせる!
388 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/11/05(木) 23:35:54.85 ID:JtRMdfcN0
>>387
「ひっ……!? な、なんかお前顔がコワ過ぎるんですが……!
よ、寄るなです……! あっちいけですぅ!!」

ちょこまかと動き回りどうにか回避、そしてそのままやり過ごそうとするもトリップ状態のモヒカンは止まる気配がない。
ドラッグで精細を欠いているお陰で逃げ回ること自体は難しくないが、恐らく諦めることもないだろう。
しゃーねーですね、とぼそり呟けば覚悟を決めたのかパンドラは逃げ回る足を止めた。

「いい加減しつこいですよお前っ! ハゲって言われたくらいでそんなに怒り狂ってるから毛根も死滅するんですぅ!
ちょっと眠って頭を冷やせ、ですぅ! 出でよビックリバコぉ!!」

パンドラの声に応じたように右掌から黒い箱がひとつ召喚され、ぐるぐると高速回転を始めれば弾き出されたように飛んだ。
その軌道は真っ直ぐ、モヒカンの顎を目掛けたものだ。冷静に見極めれば回避も可能かもしれないが、果たして今のモヒカンにそれができるだろうか。
その威力は直撃しようとも命に関わる程のものではないが、成人男性に思いっきりぶん殴られるくらいのダメージにはなるだろう。
389 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/11/05(木) 23:45:54.74 ID:11gwrjOS0
>>388
「……!」
『アバーッ!!』

漆黒の螺旋は雨を斬り裂き軌道上に凪を残し、パンクの顎目掛けて一直線に駆け抜けそして激突を起こした
その一撃は頭蓋骨に響き脳を揺らし、足から力を奪うに充分に値するモノだ
どちゃりと水溜りに伏せて痙攣、どよめく周囲の雑踏の群れ

「……サンキュ、助かっちゃったよ」
「っと、マッポだ……ねぇ時間ある? よかったらお礼させて?」

再び番傘を差して七八、笑みながら少女へと歩み寄る
そしてふと、夜に濡れたビルに赤色灯の光が宿るのに気が付いた
スプロールの治安を守るマッポ達の登場だ
彼等に捕まれば金銭や、人間としてのその尊厳さえ危ない
いち早くこの現場から逃走を選び、落ち着ける場所への移動をとの提案だ
尚受け入れられれば少し離れたカフェへと移動する事だろう
スプロール中では珍しく、そして高価なオーガニック・ティーやコーヒーを振る舞うショップである
390 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/11/06(金) 00:09:42.30 ID:pOacjwmP0
>>389
「当たったァ! ざまーみろ、ですぅ! パンドラに向かってきた事を夢の中で後悔しやがれですよ!」

箱は見事モヒカンの顎へとクリーンヒット。その場に崩れ落ちる様を見ればこれ見よがしのガッツポーズである。
ざわつく雑踏にピースサインで応えるも、この場ではしゃいでいる時間はない事を七八に告げられる。
視界の端をちらつく赤い光の意味を七八に問えば、彼女の提案を受けない理由はどこにもなかった。

「……ふぅ、暖かいですねぇ。この世界に来て初めて温もり的なものを感じた気がするです。
お前名前はなんです? パンドラに暖かい紅茶をご馳走してくれるなんていいヤツですぅ」

傾けていたティーカップをソーサーに置き戻せば、安心感からかひとつ息を吐く。
このような店に来るのは初めてなのか、やたらと店内にきょろきょろと視線を走らせつつも満足そうに微笑む。
パンドラにとって全てが新しく、そして新鮮であった。記憶をどこかに置いてきた彼女は今、真っ白いキャンバスなのだから。
391 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/11/06(金) 00:22:59.93 ID:6o36EDkf0
>>390
「えーと、ひの、ふの……」
「……うん、私はグリーンティね」

と、財布の中身を確認してからの注文を心掛ける程度の価格帯ではあったようだ
それもそのはず、本来ならばカチグミ上流階級達の嗜好品であるオーガニックカフェを出しているのだから
マスターを守る様に目線を走らせる鎧を着飾るガードの、その一挙一動すら先のパンクなどとは比べ物にならない程洗練されている

「あぁ、私は七八……四五六七八」
「あなたは……えぇと、パンドラ? 不思議な名前だね?」

落ち着きなく彼方此方を見やる彼女にくすりと微笑みつつ名乗る
さり気ない言葉のやりとりの中で零れる世界という単語が、彼女の越境者としての立場の線に触れた

「……ここには来たばかり?」
「後で休めるとこ教えるよ、同じ境遇の連中が共同で使える部屋」

止まり木同盟の隠れ家は近い
どこか危なっかしい様子の彼女にそれを教えるのは自然な流れだ
392 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/11/06(金) 00:44:13.07 ID:pOacjwmP0
>>391
「ぷっ……! 四五六七八……?
お前の方が不思議な名前じゃねーですかっ! ひっひっひっ……!!」

七八の自己紹介が終わればパンドラの口元から空気の漏れる音が響く。
次いでテーブルに突っ伏し、人目を憚らずに大声で笑い始めた。
自分から尋ねておいてその名前で笑うなど非常に失礼なことであるが、パンドラにとって面白かったのだからどうしようもない。
他の客からの視線は痛いものであろうが、当のパンドラは全く気にした様子もないのが困ったところである。

「ひー……ひー……くくっ……。あー……お腹がよじれるかと思ったですぅ。
如何にもパンドラはこの世界に来たばかりで右も左もわからんです。
だから休めるところを紹介してくれるんなら非常にありがたいですぅ。
なんでお前はそんなにいいヤツなんですか?」

漸く笑いが収まったのか、七八の問いに対して口を開く。
未だ目元には少し涙が溜まっているが、そこに突っ込むことはさらなる面倒な事態を招くだろう。
とはいえ会ったばかりであるが七八の事を大分信頼し始めた様子。何の疑いも持たず止まり木同盟とやらの宿への期待を膨らませた。
393 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage saga]:2015/11/06(金) 00:58:36.61 ID:6o36EDkf0
>>392
「……っ、っるさいなぁっ!」

名乗っておいて笑われてから、それもそうだったと改めて自覚
しかしこれでも脈々と受け継がれて来た誉れある名なのだ、立腹せずにはいられない
酸欠めいて呼吸音を響かせるパンドラに、頬杖を突きながら仏頂面を向ける

「もういいヤツじゃなくなったかもだけどねー」
「……まぁ、私が同じような時に他の人達に色々世話になったからさ」
「恩に感じたってんなら、あんたが私の立場になった時に同じ事してやってよ」

これは越境者間の、暗黙のルールなのではないかと七八は考えていた
越境者達は惹かれ合う、そのエニシ自体がどの様なモノであれ
そしてその中で、敵対を取らないモノが行うべき友好の輪のルール
考えてみれば止まり木同盟だって、その範疇に収まる様な気がする
いつ、どこで始まったのかすら分からない止まり木の運動
行く先々の世界に存在しているのだ、誰がそれを成しているのかすら未知のそれが

(……そうだとすると、なんだろうなぁ……)

ここでふと、ぼんやりとした疑問が煙の様に浮かびしかし輪郭は見えない
何者かが率先して行う行動、そしてそれを模倣する者たち
有り触れた図式だ、だがその扇動者は誰だ?
返らぬ問いに没頭し、何度か呼ばれればようやく我に返りそして止まり木同盟の部屋へとパンドラを案内することだろう
オフィスビルの一室を使ったそれは些か殺風景ではあるが、広い
スプロールでの越境者の邂逅は数多く、だがどれもが鮮烈である
そらは明けぬ曇天模様、ネオンライトのコロナ放電音が響くそんな夜の出来事

//この辺りで〆でお願いしまっすっ
//ありがとうでした、お休みなさいませっ
394 :パンドラ【災厄の匣】>>445 [sage]:2015/11/06(金) 01:26:29.65 ID:pOacjwmP0
>>393
「わああっ!? わ、悪かったですからいいヤツでいてほしいですぅ!」

七八の機嫌が明らかに悪くなったことを感じ慌てて謝罪。
どうやら嫌われる事が怖いらしくまるで拝む様なそれは必死めいていた。
嫌われる事が怖いのであれば日々の態度を改めるべきなのだが、ヒトとはそれ程器用な生き物ではないのである。

「その辺は任せろ、です! このパンドラが哀れな迷子どもをしっかり導いてやるですよぉ!
だ、だから七八も……またどこかでパンドラと会った時……や、優しくしてほしい……ですぅ」

偉そうに先輩面で踏ん反り返ったと思えば、急にしおらしくまるで幼子の様な嘆願だ。
怖いのだ、知らないということが。目に映る景色、世界。そしてそこに暮らす人々。
パンドラが知っている存在は世界を超えて何ひとつ存在しないのだ。
無限の様に枝を伸ばす境界線。その枝先に茂る世界の何処でもひとりぼっちであったパンドラにとって七八との出会いは光であった。
誰もいない暗闇の中で照らされた光。それに希望を見出すことはヒトであれば当然なのだろう。
止まり木同盟の部屋へと案内されれば上機嫌に部屋の隅々まで探検。そして疲れ果てたのか暖かい布団の上でぐっすりと眠りについた。
瞼の重さに意識が抗えなくなる中で、目が覚めたその時変わらず光が照らしてくれる事を祈りながら。

/ありがとうございましたぁ
/またよろひくですっ、 おやすみなさぁーい!
395 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/07(土) 21:48:11.77 ID:1OTy6uSn0
ここはウィルス性のゾンビが存在する世界 そのウィルスを使ったバイオテロが横行する中 大企業達が私財を投じ 対バイオテロ専門の特殊部隊を編成し 両者は激しく鎬を削ることとなっていた

そして今 大規模なバイオテロが発生 大都市にウィルスがまき散らされ 人々がゾンビと化していく中 その拡大の阻止と 首謀者の捕縛ないしサツガイを目的とした特殊部隊が戦闘を繰り広げていた

――――――――
隊員「隊長!! 行ってください隊長!!」

なだれ込もうとしてくるゾンビの群れ 1人の隊員がその身を賭して退路を断ち 革ジャンを着た男と 隊長と呼ばれた野戦服を着た筋骨隆々の男を先に進ませる

隊員の運命は決まったものだろう ゾンビにその身を食われ 直に仲間入りする・・・はずだった


――――――――
ロイ「しかしすごい所だなぁ 右も左もアンデッドだぜ」

ちょうどその頃 この世界に飛ばされた一行は ゾンビのいない 安全な場所を求めて細い路地を進んでいた
すると切羽詰まった声と 銃を乱射する音が聞こえてくる

ロイ「誰かアンデッドに襲われているか!? こりゃ助けた方がよさそうだ!!」
武器を構え 戦いに加わろうとするだろう

一行の目には 袋小路で必死に銃を撃つ野戦服の男の姿が見えるだろう
396 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/11/07(土) 22:00:36.92 ID:2m3/t2VEO
>>395
「全く、何処まで行っても……」

人間のやる事は変わらないなと溜息
ムガの故郷、剣と魔法の世界に於いても死術魔導士によるゾンビの隆盛は珍しい事ではなかった
周囲の足音に注意しつつ、だがそれ以上に毛並みの汚れを気にしながら最後尾を歩く鼠人

「……ん、あぁ」
「りょーかい」

折れた愛刀の代用品として扱えるモノは未だ手に入っていない
使い捨て感覚で幾つかの刃物を試しているのだが、これもそのうちのひとつ

「……ま、鉈みたいなもんだ」

深い色の刀身を持つ青ざめた月、科学ブレード『ブルームーン』
カノッサの量産生体兵器アラズァヘッドの一部に支給された刃
じ、と短い鳴き声を発し両脚に赤い魔力を込める
まるで波が引くような静けさで駆け、手近なアンデッドの首を寸断せんと刃を振るうだろう
万一それでも活動を停止しない場合を過程し、振り抜く格好で半転しゾンビの足を尾羽風車で刈り取らんと狙う
397 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/07(土) 22:14:38.55 ID:1OTy6uSn0
>>396
隊員「ぅおおおおおおおおお!!!」

この男の命運は尽きたはずだった 今はただ一匹でもゾンビを減らすことしかできなかったはずなのに
隊員の背後でゾンビが切り払われていく ここのゾンビは首を撥ねてしまえば簡単に動けなくなる

何者かの介入で ゾンビはすぐに数を減らす

隊員「!? 援軍か 助かっ」
男の嬉しそうな声は途中でぶつ切りになる

//すみません 情報を出していませんでしたが この世界は現実と同じような 魔法が駆逐され科学が台頭した世界と思ってください

なにせ武器といえば銃 それが当たり前の世界で剣やら槍やらを使い 更に鎧をまとってたり コミックでしか見れないようなNINJAスーツを着込んでいたりと
援軍と呼ぶには あまりにも奇天烈過ぎたのだ

だが非常事態である 心に棚を作るのは早かった

隊員「助けてくれてありがとう すまないがもう少し力を貸してほしい」

ロイ「いやぁ俺たちは安全な場所に・・・」
隊員「ならヘリを呼んであんた等を回収してもいい それまで俺についてきてほしい こっちだ」

そう言って隊員は返答を聞かず走り出す

ロイ「・・・行くか?」
念のため同行者に聞いてみるが 土地勘のない場所故に 先導者がいることはメリットとなるだろう
398 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/11/07(土) 22:23:21.15 ID:APZ8fOKI0
>>397
「……へり?」
「あー、飛ぶやつかぁ……」

ブルームーンで空を斬つ、ゾンビの体液が刃から落ちた
少し唸り、渋る様子
どうにも苦手なのだ、機械式の飛行機というのモノは
だが土地勘もなくこの修羅の庭を生き抜くのは相当骨が折れるだろう
ならば仕方ない、武器だらけ(ロイ)も何方かと言えばその方向にも思えるし頷く他にはない

「……ま、今のぐらいの不死なら……」

青鉈の調子ももう少し見ておきたいし、なんて呑気な構え
ロイに同調し、隊員の後を追う格好となった

//はいなですっ
//死術魔導士〜云々の下りはムガの世界のゾンビ現象に当てはめて〜って感じですので状況的には把握大丈夫でするっ
399 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/07(土) 22:34:19.18 ID:1OTy6uSn0
>>398
「まぁ 酷いクリーチャーが出ないことを祈るだけさ」
と笑うロイだが その言葉がフラグになってしまったようだ

ノッタリと姿を現したクリーチャーは 喉が異様に発達していた

隊員「クソッ あいつを早く斃さないと ゾンビが際限なくやってくるぞ!!」
隊員が言うが早いか クリーチャーが叫びをあげると 辺りにいたゾンビがこちらにやってくるではないか

「チッ…!! ムガ あのクリーチャーを頼む 俺は道を作る!!」
言うが早いか ロイが突撃し ゾンビを薙ぎ払る

危うく 細いが クリーチャーへ続く 一本の道ができるだろう
400 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/11/07(土) 22:43:48.59 ID:APZ8fOKI0
>>399
「……同感だ」

フラグに全力で乗っかる形となる

「……なんだありゃ」
「叫口……?」

なるほど面倒だ、とブルームーンを強く握り直した
ロイに短く了解の意を返答、拓いた道を叫びゾンビへと向かい一気に駆ける
道中数多の手が伸び、だがその全てが吹き抜ける風を捉える事は叶わない

「……だ、まれっ!!」

低い姿勢からナナメ上に向けてブレードを突き出し刺突の体勢
特徴から矢張り喉元が急所であると踏んでの一閃である
401 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/07(土) 22:53:55.37 ID:1OTy6uSn0
>>400
隊員「は・・・速い…!!」
「呆けるな!! 援護しろ!!」

ムガが駆ける 有象無象の手を難なくすり抜けて
それを援護するようにロイのハルバートが唸りを上げ 隊員の銃撃が後押しする

先ほどまでの切羽詰まった状況とは違い 頼もしき前衛がいる今 その銃は適格にゾンビの頭部を捉え 絶命させていく

そしてクリーチャーは減り続ける仲間を再招集せんと大きく喉を膨らませ・・・
ムガの刀が突き刺さる

プシュプシュと間抜けな音を立てて空気が漏れる そのまま仰向けに倒れこむと そのまま動かなくなった

「どっせい!!」
そしてムガの後方では 最後のゾンビの頭にハルバートの斧刃が食い込み 戦闘終了

隊員「凄い・・・ヤツが相手なのに こんなに楽勝なんて…」
「驚くのはもっと安全な場所についてからにしてくれ 急ぐぞ」

そんな2人の頭上 天井を這う存在あり また別のクリーチャーが奇襲を仕掛けんとしている
402 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/11/07(土) 23:04:34.42 ID:APZ8fOKI0
>>401
「ふゅー……」

黒覆面の下、長い吐息で一呼吸
既に倒れ行く叫びゾンビの撒き散らす血の、飛散範囲から逃れている後だ

「……悪くないなこれ」
「重いけど」

ブルームーンの長さと重量はそのまま利点であり、同時に欠点でもある
筋力が高くはないムガからすればその特性は表裏一体、コインの裏表みたいなモノであった

「……?」
「っ、武器だらけ!!」

鼠人の優れた嗅覚と聴覚がそれを探知し、しかし距離はやや遠い
向き直り駆けるとほぼ同時、投げ付けたのは卵の殻
中に特薬を込め閃光玉としたそれは、クリーチャーの付近で炸裂し強い光を放つだろう
403 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/07(土) 23:17:13.69 ID:1OTy6uSn0
>>402
隊員「!?」
「チッ・・・上か!!」

ムガの忠告に身を固くする隊員と ムガの視線から頭上に危険が迫っていることを知るロイ
ロイが前方に駆けだすと同時 ムガが投げつけた閃光玉は 空中で炸裂し クリーチャーは落っこちてじたばたともがく

隊員「ムギュッ!!」
尤も 落ちた先は隊員の真上だったために 隊員はクリーチャーの圧し掛かりを受けてしまったわけだが

「どっこいしょっとぉ!! 無事か!?」
隊員「な・・・何とか・・・」

ロイがサーベルで喉を抉り 動かなくなったクリーチャーを押しのけて隊員が立ち上がる

「さぁ案内を続けてくれ」
隊員「もう近くです こっち!!」
と駆け抜け 路地を抜けた

そこで隊員は緑色のフレア(発煙筒のようなもの)を炊き 左右に振る

「ふぃ・・・ヤレヤレ どうにかなったな」
辺りの警戒は怠らず ただ声だけは呑気に ムガへと語り掛ける
404 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/11/07(土) 23:25:56.59 ID:APZ8fOKI0
>>403
「……無事で何より」

ムガはその、自分の口から出た言葉を聞いて内心に苦笑を感じた
数年前の自身ならば考えられない台詞だ、他者の、しかも人間に対してこんな事など
だけどもしかし、嫌な気はしないのも事実である

「あとはへりを待つ……」
「狼煙……その辺は変わらない」

緑の煙が一筋昇り、ゾンビの黙示録めいた世界を見下ろす空に溶ける
ロイに頷き同じく緊張の糸は張り詰めながら、フレア舞う蒼空を見上げた
405 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/07(土) 23:44:47.45 ID:1OTy6uSn0
>>404
「まぁすぐ来るだろr おっと・・・」
その途中 自分とムガの体が徐々に透けてくるのに気づく 世界線を渡る際の合図の一つ

「越境か・・・また随分と短い滞在だったな」
すぐに2人は溶けるように消えていなくなった もとよりそんな者いなかったとでも言うように

そしてヘリが到着する 2人が居なくなったことに気付いてない隊員は
隊員「ヨシッ さぁ乗っ・・・」

消えていなくなったことに気付き 呆けたように辺りを見回す が そこに2人はおらず

パイロット「ちょうどよかった!! こいつを隊長に届けてくれ!!」
隊員「わ・・・わかった」

ロケットランチャーを2つ投下され それを担いで走り出す

――――――――――
その頃 首謀者と対峙した隊長と革ジャン男は 巨大な生物兵器と化した首謀者を相手にしていた
どうにか相手の攻撃を凌いでいるが 決定打に欠ける2人は徐々に押し込まれている

隊員「隊長!! こいつを使ってください!!」

そこに現れた隊員が その場にロケットランチャーを置いて 囮となるべく銃を乱射しながら走り出す

釣られた生物兵器が隊員を追いかけ回す中 2人はランチャーを構え 生物兵器の発砲
ランチャーの榴弾は生物兵器の顔面に炸裂 生物兵器は動かなくなった

隊長と革ジャン男は あの時死んだと思った隊員が生きていたことを喜び どうやって切り抜けたのかを問おうとする

隊員「それh・・・」
口を開きかけた隊員ははたと気付く はたしてNINJAやら 時代遅れの騎士に助けてもらったなどと正直に言って 信じてもらえるのかと
しばし迷った挙句

隊員「運が・・・よかったんです 本当に・・・」
そう 言葉を濁すのであった


//んでは日が代わる前にノシ お疲れー
406 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/11/07(土) 23:52:59.82 ID:APZ8fOKI0
>>405
「あ……」
「……まぁ、何とかなるか」

世界渡りの気配を感じ、腕を組み後は身を任せる
抗う事は叶わない力のうねりなのだ、せめてロイに向けて軽く手を振ること位はしてはいるが



「……ん、またここ……」

瞑想めいて瞑っていた赤瞳を開けば禍々しくも美しいネオンライトの乱舞する毒雨世界
スプロールのスラムの軒下に現れたムガの姿に驚くモノはいない
クスリの過剰摂取で現実と空虚の区別が付かないモノばかりだからだ
やれやれと覆面を正し、何処へともなく歩き始めた

//ありがとうございましたっ、また宜しくお願いしますっ
407 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/08(日) 15:11:37.10 ID:7wSZk1Hu0
【とあるファンタジーの世界】
さて ゾンビ蔓延る世界から脱したこの男は 人里目指して未舗装の道を進んでいた
すると進行方向から血の匂いが漂ってきていることに気付く

念のためハルバートを構え注意深く進めば そこには累々と横たわる死体達
装備や人相から野盗の類と判断 死因は弓矢の者と 打撲や爪と思しきものと 乱暴に分ければ二種類

「・・・死体が暖かい まだ戦闘が終わって間もないな 野盗の物らしくない足跡が2つ 1つは弓使い もう一つは獣人のものか 
 だが 弓使いの足跡が途中でなくなっているのが気になるな 足の大きさからして小柄のようだが 死体にそれらしき人物がいない」

辺りを見回す もしかしたら足跡の主がまだ近くにいるのかもしれない
408 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/08(日) 15:17:41.00 ID:VEC+EcXGo
>>407
「……」

ロイが辺りを探っていると辺りの木から物音が聞こえるであろう
…弓使いだ、林檎を食べている
状況的に考えるとどう考えても怪しいが……
そんな弓使いの少女はロイに気づかずに呑気に木の上で林檎を完食しようとしていた
409 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/08(日) 15:24:09.76 ID:7wSZk1Hu0
>>408
「・・・・・」
聞こえてきた音に注意を向け 発生源の方に向かう
どうやら食事中らしい 足跡の沈み具合から その小柄な少女が弓使いと判断する

なおもハルバートを手に

「よぅ いい天気だな」
どんよりとした曇り空の下 少女に声をかける

「そっちの死体の山はお前さんがやったのかい?」
と 更に質問をぶつける
410 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/08(日) 15:32:47.53 ID:VEC+EcXGo
>>409
「ん…?ああ、そうだ」

曇天の下、あと芯ぐらいしかない林檎を食べる手を休めて問いに答える

「あんまりしつこいんでついな
しかし弓を壊すなんて意外と手練れであったぞ」

なんでもなさげに言う
あんまり関心はないらしく、曇天にシャクシャクと林檎を齧る音が響いた
411 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/08(日) 15:45:27.64 ID:7wSZk1Hu0
>>410
「そうかい そりゃご愁傷さま」
肩を竦めて見せる そして辺りを見回すが 気になるところが

「そういえば お仲間に獣人はいないのか? 見たところお前さん一人のようだが」
と更に質問をぶつける
412 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/08(日) 15:50:15.06 ID:VEC+EcXGo
>>411
「いや、紛れもなく一人だ」

と、答えつつに芯のみとなった林檎を捨てる
すると、捨てられる林檎は魔力となって消えた

「私は魔獣でな、今ではこの弓で人の形にされている」

答はいささか分からぬものであろうがこうとしか説明のしようはないのだ
答えるとアルコは木から飛び降り、道に降り立つ
女にしては高い身長、人の理性だけではない金の瞳でじっとロイを観察した
413 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/08(日) 16:02:33.41 ID:7wSZk1Hu0
>>412
「あ〜…えと 弓は壊されたんじゃ・・・?」
首をかしげる

「おいおい睨むなよ あいつらの仲間じゃないって」
こちらを観察する少女にそうおどけて見せる

そう言えば前に見た狼っ子も金色の瞳を持っていたなぁと感じつつも

「それでアンタはこれからどうするんだい? 奴らの首をもって町に行けば報奨金がもらえるかもよ?」
と質問した
414 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/08(日) 16:12:13.83 ID:VEC+EcXGo
>>413
「あぁ、自動修復機能まであってな。すごく便利なんだ
壊れると獣に戻るが人に戻るときには直って手元にある」

摩訶不思議であろうが製作者がそう作ったのだから仕方がない。

「ああ、すまん。そうじゃなくても人間は敵であったからな、なかなか癖は抜けん」

どうやら盗賊の仲間か以前に安全の類の人間かを観察していたようだ

「……そうすればアップルパイは食べれるか?」

金、その一文字を聞いて少し考え込んで真剣な面持ちとなる
そして、質問をした
すごく、真剣に
415 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/08(日) 16:21:37.72 ID:7wSZk1Hu0
>>414
「そうかい そりゃ便利だ」
実際メンテナンスフリーであることがどれだけいいことか

さて この少女 どうやらリンゴが随分とお気に入りの様子

「まぁ 食えるだろうな 最も時間さえもらえれば…」
野盗の死骸をちらりと見て

「今ここで作ることもできるが?」
と提案してみる
416 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/08(日) 16:26:27.97 ID:VEC+EcXGo
>>415
「おお…!ならばお願いしたい、報酬金の半分をもらっても構わない!」

作れる、という一言で目を輝かせて頼み込む
アップルパイ一つに対して盗賊退治の報酬の半分、明らかに不釣り合い
…そのことを、アルコはまだ知らない
だがそれは幸せなことなのだろう
スカートから出ている尻尾がピンと立っているのだから間違いない
417 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/08(日) 16:39:01.47 ID:7wSZk1Hu0
>>416
(チョロい・・・)
まさかここまで食いついてくるとは思いませんでした
まぁやるといった手前やりましょう

「おーけい とりあえず薪を集めてきてくれ」
そういうと 背負っていたリュックを下し 小川を見つけて水を汲み 浅い穴を掘る そしてもってきて もらった薪を穴に敷き詰め火をつけて 洗った石をその中にくべる

穴の中と石の加熱に合わせてパイシートを作る バターと小麦粉を混ぜ 水を加えてから布巾で来るんで休ませる

その間小さな鍋にリンゴジャムを入れてふつふつと温める

「なぁ アンタ生のリンゴ持ってないか? あればもっとおいしくできるんだが」
と質問する
418 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/08(日) 16:47:57.60 ID:VEC+EcXGo
>>417
「ああ、分かった!
あと私はあんたじゃなく、アルコという」

すごく上機嫌に快諾。林檎は大好物なのだ、魔獣のころからずっと
やる気満々のアルコはついでに名前を名乗る
…呼んでほしい、ということなのだろう

「薪だ…ふむ、すごくいい香りだ
…持ってはいないな、だがこのあたりにあるか探すぞ」

薪を両手いっぱいに抱えてアルコは戻ってくる
すごく早いのはやる気の表れか、実際は俊足のためなのだが
しかし、アルコには林檎の持ち合わせはない。先ほど食べていたのも哀しいことに幻覚なのだ
言うや否や風のように木に登り、林檎の木を探し出す
すごく、真剣だ
419 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/08(日) 17:04:28.45 ID:7wSZk1Hu0
>>418
「あぁそうかい 俺はロイ・ゴールドマンだ」

短い自己紹介を済ませ シナモンをやすりで削ってジャムに入れていると 少女が野生のリンゴを持ってくるだろう
そのまま食べるには少々酸味が強いが パイにするならば酸っぱいものが好まれる

「もともと酸っぱいリンゴをおいしく食べるための代物だからな」
皮を剥き 適度な大きさにカットしたリンゴをジャムの中に入れ 砂糖をもう少々加えたら中身が出来上がり

大振りなスキレット(厚手のフライパンのようなもの)の中に 先ほど休ませたパイ生地を伸ばして 生リンゴを加えたジャムをその中に伸ばして 最後にパイ生地を格子状に乗せて 蓋を閉じれば準備完了

「接着剤替わりの卵黄がないが まぁ仕方あるまい 悲惨な結果にはならんよ」
熱した石を取り出し 薪を崩して熾火にしたら スキレットをその中に入れ 蓋の上に焼いた石を載せる

加熱すること 暫し

――――――――――

石を除けて蓋を開ければ そこには縁にうっすらこげめが ついた 焼きたてのアップルパイの姿が
スキレットが大きかったために 顔よりデカイアップルパイになってしまったが とにかく歓声である

「はいよ完成」
まな板の上にパイを乗せて アルコに差し出した
420 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/08(日) 17:16:19.40 ID:VEC+EcXGo
>>419
「持ってきたぞロイ!片方はロイにやるぞ」

シナモンを削っているとき、アルコは赤々とした林檎を二つ持ってくる
どうやら片方はロイにあげるつもりらしい、感謝の印だろうか

「ふむ…勉強になる、人間のことはまだよくわからないからな」

こんなことが勉強になるのか、それはさておきふむふむと真剣にロイの手つきを見ている
本当に林檎が好きなのだろう

しばらくして、蓋が開かれたときに小さな歓声を上げる
顔よりも大きくとも、アップルパイはアップルパイだ、やはり好きなのだろう

「おお、感謝する
……ふむ、美味だ…」

まな板の上に乗ったパイを受け取り、一口
幸せそうだ
421 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/08(日) 17:26:45.58 ID:7wSZk1Hu0
>>420
「残念ながら酸っぱくて生食に適さないのでジャムにINしまーす」
気持ちだけ受け取り 切ってジャムへぶち込みました

「数さえこなせば誰にだってできるようになるって」
アツアツのパイ生地をザクリと噛み破れば 中からドロリ熱々のリンゴジャムがあふれ出る

「喰い終わったら 野盗の首を撥ねて 体を焼いてから街までもっていこう その金でジャムとバターを買い足さねば」
使った分の材料を補充する手立てができたので 結果的にパイ代がロハになったことを喜ぶ

後は使ったスキレットを束ねた藁でこすって洗いながら アルコが喰い終わるのを待つのであった

//そろそろ晩御飯を買いに行くのでノシ お疲れー
422 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/08(日) 17:38:19.91 ID:VEC+EcXGo
>>421
「そうか…少し残念だが仕方ない」

アルコにとっては別に生食に問題ないような酸っぱさ、そこはなんというか流石獣と言えよう
人間の習慣が染みついていない証拠であろう

「ほう…少々練習してみるか」

美味しい美味しいと呟きつつパイを食べる
ザクザクとパイ生地を噛み破りつつも料理の練習でもしようと思っていた

「ああ、運ぶのはできるがそれ以外は難しい、頼む」

近接戦闘に使う装備を一切持たぬ獣は俊足で迅速に運ぶことしかできない
そのためロイ任せとなってしまうな…と思いながらもぐもぐとパイを頬張る
その表情はどこまでもどこまでも幸せであった
//了解です、ありがとうございました!
423 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/11/08(日) 21:42:13.75 ID:2EGsYdn2O
――魔法世界『トローヤー』 中央地域、トートズラント近郊にて

その地には、果樹園がかつてあったという。
破棄されて時は流れ、その果樹園はすでに森に飲みこまれたというのだ。
――さらにいえば、どういう不思議なのか、その森は少々面倒なダンジョンの一つに指定されるに至っているという。

「……が、とりあえず進めば果物が手に入るというわけだ。そろそろ色々収穫できることだろう」

「なんでも特に果樹がみょうちくりんな変化を遂げているので魔術的な干渉がある可能性が高い。味にも期待したいな」

……で、魔術絡みの面倒事となれば、魔女の出番だ。
黒くて大きなとんがり帽子がトレードマークの、黒いケープを羽織った黒ずくめの魔女が眠そうな目で森の前に立っている。
彼女の目的は要するに果物である。

「……この仔も乗り気だ」

魔女の肩の上には、おおよそ生きるための努力を喪った、まんまるなこうもりの姿がある。
恐らく[ピザ]すぎで飛べまい。鋭くあるべき爪も牙もまーるくなっている。
424 :アルコ【フレズベルグ・メタモル】 [saga]:2015/11/08(日) 21:49:43.38 ID:VEC+EcXGo
>>423
「つまり林檎が食えるってことかやったー!」

そんな眠たそうな魔女の隣では毛皮しか纏っていない少女がすごく喜んでいる
果樹、つまり林檎ということでひょいひょいついてきたはいいがいろいろあって弓が真っ二つになってからはずっとこんな感じだ
理性の存在も疑わしい

「そのデブ何?魔獣?同類?」

不意に魔女に質問
その肩に乗ったこうもりのことだ
他に言葉を選べなかったのか、こうもりのことをデブと言ってみせた
425 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/11/08(日) 21:54:24.12 ID:2EGsYdn2O
>>424

「まぁ……林檎もあるかもしれん」

懐から煙草を一本取り出して、いっぷく。
見た目は子供なのだが(それも幼い)、どうにも変な光景だ。

「詳しい事は知らぬが、トートズラントが誇るアークメイジ(偉大なる魔術師)の内の一人、フォルカー氏の奥方のペット……だ」

「……何故か懐かれてな。今日も果物狩りが目的だと話すと食べたいのかついてくる気になってしまったらしい」

ぺん、と肩のこうもりを指でつつく。
とても軟らかそうだ。
426 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/08(日) 21:54:26.15 ID:CE8wTJ2q0
>>423
[魔女の数歩後ろに立ち、濁った眼で森を見回す薄汚い男]
[空になった注射器を後ろに放ると、いつもより少しばかり目を見開いて声をかける]
水を差すようで悪いが、本当に果物とかあるのか?食べられないものの方が多そうな雰囲気だぞ

[「無駄足踏むんじゃないか」とでも言いたげなふてぶてしい、態度は真面目な人間からすれば腹立たしいだろう]
森全体を燃やして動物取ったほうが有意義だと思うがね。タンパク質は必要だぞ
俺も、そこの転がしたら楽しそうなそいつもハッピーになれると思う
427 :アルコ【フレズベルグ・メタモル】 [saga]:2015/11/08(日) 22:06:30.49 ID:VEC+EcXGo
>>425
「やったね今夜は林檎食べれるぞわーい!」

無邪気に喜んでいる。かもしれないという意味はよくわかっていない
だが、理性は消し飛んでも知能は消し飛んでいないことがこれから明らかになる

「あれ?それってまだダメじゃないの?マッスルなおっさんの特権とかじゃないの??」

知能はあっても知識がないことを曝しただけであった

「へーおいしそうー」

すごく真面目な説明をされたっぽいのだが聞く耳がないらしい
無駄に棒読みで涎を少し垂らしてる
>>426
「えぇー林檎食べれないのー」

男の水差しで露骨にテンションダウン
ついでに嫌な奴認定したのかジト目でソーマタージを見る

「えぇータンパク質なら魔力ある人のほうがいいなぁー」

男の案は嫌らしい
それも露骨に言動に現れていた
428 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/11/08(日) 22:09:53.34 ID:2EGsYdn2O
>>426

「貴様は特殊な馬鹿かね」

ぴこぴこと煙草を揺らしながら罵る。
眠そうな目をこすりこすり、紫煙を吐きだし……。

「何やら愉快なことになってる果物が美味しくないわけがない」

「行くぞ。私はアップルパイを食べるんだ。ブドウでパフェも作るぞ。栗だ、栗もあるはずだな。あれはモンブランケーキにしよう」

「柿……柿は気候的に微妙か……? ……梨!? 梨もあるな、梨はタルトだ。いいか、行くぞ」

……ただの甘いもの好きだった。

>>427

「気にするな。煙草って甘いフレーバーがついてるんだ。飴みたいなもんだ」

ぴこぴこ。
コイツの正体は人形だ。煙草の毒なんざ知ったことじゃないのである。

「……食ったらいかんぞ。こんなに可愛らしいのに」

確かに、この丸いこうもりはなかなか愛嬌があるフォルムをしているかもしれないが……。


――そんなわけで。

「というわけで私とお前らでびっくりどっきり果物狩りツアーだ」

「食べ放題持って帰り放題だ。喜んでいいぞ」

いくぞー、と装飾がなされた棒を振り回しながら、森をガンガン進んでいく……。
肩の上のまるいこうもり君もきぃきぃ鳴いている。
429 :アルコ【フレズベルグ・メタモル】 [saga]:2015/11/08(日) 22:19:28.36 ID:VEC+EcXGo
>>428
「へぇー甘いんだ!つまりあのおっさんたちは甘党!ってそんなわけあるかーい!!」

一人漫才である
そもそもアルコは煙草の毒など知らない。というか煙草の認識はデカい銃持ったオッサンが加えている棒というイメージしかない。
まあ、おっさんたちが甘党なわけない程度の先入観はあったが

「いや、喰うぞ、食らってやるぞ、うまそうだぐへへ…」

獲物を見つけた野獣の目である。このままだと食われるだろう。間違いなく
魔獣アルコには可愛さという基準は存在していないのだ

「いえーい!!アップルパイ採るぞー!」

腕を振ってテンション高めである
魔女の後ろをスキップしながら着いていく。やはり知能も衰えているような言葉を言いながら、だ
430 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/08(日) 22:22:01.85 ID:CE8wTJ2q0
>>427
そもそも林檎とかあるのかここ。なんか嫌な予感するぞ
掘ったら人骨たくさん出てきそうだぞ
[肩を竦めてジト目を受け流し、森を見回す]

魔力ねえ、生憎そういうのは疎くて
この奥に魔法使いのババアとかいりゃいいな。鷲鼻で背も曲がってて蹴れば骨折れそうなの

>>428
…要するにただの甘党かよ。俺の身体に果物とか作れる機械がありゃよかったんだがな
先に言っておくが作ったり探したりするのは俺の役目じゃないからな
[壊れかけのサイバネアイを赤く光らせると、やれやれとぼやきながら後を追う]
431 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/11/08(日) 22:30:16.62 ID:2EGsYdn2O
>>429-430

「……まぁ、その、なんだ」

獣道を使い、鬱蒼とした森を進む。
枝葉は陽光を遮り、怪しげな鳥獣の鳴き声が聞こえてくる。
如何にも何か起こりそう、という雰囲気だ。

「期待してもよさそうだと思うんだがねえ。これがいるんなら」

人ほどの大きさのある蜂に、出くわしたのだ。
その翅で何故飛べているのかもわからないが、とにかく全体的に巨大化した蜂が一同の行く手を阻んだのである。

「……というわけでお前たちに命じる。どうにかしろ!」

棒を振り回してどうにかなる相手じゃないだろう、と魔女は喚く。
一応、握っている棒に魔力を通して、アイスブルーの刃を生じさせて斧に変化させるぐらいのことはしているようなのだが。
432 :アルコ【フレズベルグ・メタモル】 [saga]:2015/11/08(日) 22:35:10.88 ID:VEC+EcXGo
>>430
「えっ、ないの……」

ジト目は泣きかけに発展する
残念、ソーマタージのせいでやる気グラフが右肩下がりなのだ
幸い魔女のおかげで0にはなってない。0になると帰るよ!

「えぇ…なにそれ美味しくなさそう…」

露骨に嫌な顔。もうソーマタージは嫌いな人認定されかかっている。挽回の余地はまだあるがんばろー
>>431
「うへ蜂だー…」

露骨に嫌そうな顔。しかし、ソーマタージのときよりはマシだ、林檎を食べるためなら多少はやる気あるらしい
ということなのか

「命令は嫌だけどアップルパイのためにー!」

地面を蹴って爪を用いて腹を殴りかかる。
アルコがやったのはそれだけ、しかしそれを砲弾のような速さで行った
人でやっても、貫通するような威力で
433 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/08(日) 22:41:51.90 ID:CE8wTJ2q0
>>431
だから言ったんだ!これで何もなかったらお前の頭を柘榴みたいにして食ってやる!
[怒鳴り散らし、刀を引き抜いて前に出る]

来てみろ、断面に手突っ込んでかき回してやる
[刀を上に構え、蜂を睨み付ける。右目のサイバネアイから発せられる光が強くなる]
[そのまま向かってくる様なら両断する勢いで振り下ろすが、その分狙いが外れた時や躱された時の隙は大きい]
434 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/08(日) 22:47:38.20 ID:CE8wTJ2q0
>>432
いや、知らんよ…俺は物知り博士じゃないんだ
けど見てみろよこの樹、この根っこ。良い意味でも悪い意味でもまともなものじゃないだろうよ
[バツが悪そうに顔を背けると、目に入る樹々を指して呆れたように言う]

じゃあせいぜい味わい深そうなヤツを創造しろ。俺の中では魔女とか魔法使いはそういうイメージなんだよ
腸ならいいんじゃない?骨を皮しかなくても内臓はさすがにあるだろうし
435 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/11/08(日) 22:51:41.18 ID:2EGsYdn2O
>>432-433

まず、アルコが蜂に躍りかかった。
図体が出かい分当たりやすくなったため、蜂の腹部に爪が突き刺さる――が外骨格を貫くには至らない。
ただ、強い力で猛烈に押した、という風な形となり――それがまずかったのだが――。
飛んで高度をとろうとしていた蜂に対して急激に押し出したため、翅でバランスをとれずに身体ごと回転。
蜂は己の身に何が起きたかわからず、とにかく翅を動かして脱出しようとするため加速。

「――腕の見せ所だ、剣豪」

ソーマタージの頭上から、その巨大な蜂が突っ込んでくるという奇妙な状態になってしまったのである。
正面から向かってくることを想定していたであろうソーマタージからすればとんでもない奇襲になってしまったのではないだろうか。
なお、魔女は呑気に声援を送る。下手に動いて足をひっぱてもしょうがないという判断である。

436 :アルコ【フレズベルグ・メタモル】 [saga]:2015/11/08(日) 22:59:19.01 ID:VEC+EcXGo
>>434
「ってことは林檎あるんだねやった!」

林檎がある可能性、それだけでいいらしい。
それだけで少し機嫌を直す。単純だ

「うーん、よくわかんない?」

…おいしそうな魔法使いの想像はできなかったようだ。残念!
>>435
「硬ぁ…」

腕を振って感想を漏らす。痛かったらしい
…攻撃の結果がよくないことを知るとあちゃーと言って

「がんばー」

と一言。それだけだ
437 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/08(日) 23:11:41.14 ID:CE8wTJ2q0
>>435>>436
おい、ちょっと……ああ、クソッ…
[頭上から来ることを想定していなかったソーマタージは、刀での攻撃を諦めた]
[あえて刀から手を放して数歩下がると、巨大蜂に立ち向かうように両手を広げ、後ろに倒れこむ]

グワーッ!クソックソッ!
[突っ込んでくる蜂を抱え込むように地面に背中からたたきつけられるソーマタージ]
[内部のカーボンフレームや人工臓器が傷つく、先程の薬物でも抑えきれない激痛に耐えながら、蜂を地面に抑え込もうともがく]
[引き留めるように、蜂の身体に触手の棘を食いこませようと格闘する]
見せ所でもがんばでもねえ!目を潰すなりなんなりしてくれ
438 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/11/08(日) 23:16:16.63 ID:2EGsYdn2O
>>436-437

「思ったより素直だな」

「……そら、任されたよ、と」

必死にもがく蜂が翅だの脚だのをじたばたさせる度にソーマタージにはダメージだろう。
蜂と言えばかならず存在する針に至っては立派に凶器の領域だ。
抑えつけられているので、どうにか当たらないですんでいるが。

……なので、さっさと終わらせねばならない。
魔女が近づいていくと、手にした斧で蜂の首を叩き斬る。振り下ろしただけだとどうにも甲高い音を発するばかりだったが――。
二度三度と殴りつづけて、どうにか切断ができる。これでソーマタージは動けるようになったはずだ。

「ご苦労。……今の働きに免じて、こいつの蜜を舐める権利をやろう」

「ほら、甘そうだぞ」

先ほどの要領で解体にかかり、蜜袋を見つけ出したらしい。
……非常にあまったるい、蜂蜜の香りがするのがわかる。
439 :アルコ【フレズベルグ・メタモル】 [saga]:2015/11/08(日) 23:20:05.29 ID:VEC+EcXGo
>>437
>>438
「わぁお………」

ソーマタージが蜂を抑え込み、それを魔女が斬首する
それをアルコは眺めていた、ただ眺めていた
やる気なさげに

「あ、舐めるー!」

なのに、蜜袋には飛びつく
子供かなにかのように、嬉しそうに
440 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/08(日) 23:28:18.63 ID:CE8wTJ2q0
>>438>>439
痛い!引っ掻かれた!血が出てるぞー
[首を落とされ、ようやく大人しくなった巨大蜂を押し退けると、ため息を吐いて蜂の腹を蹴りながら刀を拾う]
ああ、正直者なのさ。俺がさっき言ったことを本気で考えてるってことは理解してもらえたと思う

やれやれ…蜜はいい。代わりにこの針とか強そうなのが欲しい
[蜜袋に飛びつくアルコを冷ややかな目で一瞥すると、解体されていく蜂の針に手を伸ばす]
441 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/11/08(日) 23:34:29.68 ID:2EGsYdn2O
>>439-440

「……そうか?」

「まぁいい、なら蜜はお前さんにくれてやろう」

ほい、と切り出した蜜袋をアルコにひょい、と投げる。
乱暴に解体したのでキャッチを失敗すると蜂蜜まみれになってしまうぞ。

「巨大蜂の針ねぇ……」

別段止める気はない。
必要なさそうではあるし。しかし、金属並の蜂の針っていうのも物騒なものだ。
あれに刺されてたらちょっとしたパイルバンカーぐらいの威力があったかもしれない。

「……うし、本命に行くぞ、本命に」

ともかく、目的は果樹なのだ。
これぐらいでめげずに進んでいくしかない。さしあたっては、巨大蜂の巣を迂回しながら。
442 :アルコ【フレズベルグ・メタモル】 [saga]:2015/11/08(日) 23:38:48.63 ID:VEC+EcXGo
>>440>>441
「ごしゅーしょーさまー」

棒読みでソーマタージに一言
それだけだ、ねぎらいの言葉は

「わぁぁありがと!」

満面の笑みで蜜袋を受け取る
キャッチには成功したようでしっかりお礼を言っている
すぐに舐めだしたあたり、堪え性がない。

「林檎どこだー??」

すぐに舐め終えるとまたもスキップで魔女の後ろをついてゆく
蜜で希望を得たようだ、頗る機嫌はいい
443 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/08(日) 23:51:58.29 ID:CE8wTJ2q0
>>441>>442
うん、硬くていい。いつか使えるだろ
[針を強引に千切ると、一緒に出てきた毒腺と一緒に慎重に懐にしまう]
[帰ったら加工して武器にするつもりだ]

ああ、早く行こう。俺が我慢できずにナパームを求めて走り回る前に早く行こう
[先程の戦いでフレームがひしゃげかけた辺りをさすり、アルコの棒読みと蜂の死体に苦々しげな顔を向けて後を追う]
444 :スレート『コードネーム:ナチグロイシ』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/11/09(月) 00:00:03.37 ID:tcFe2RPXO
>>442-443

――さて、肝心の元果樹園ではあるが。
歩き続け、時には獣を避けたり倒してどうにかたどり着くことに成功した。
魔女の目論見通り、果物がよりどりみどりだ。アルコが望んでやまない林檎だって、勿論あった。

問題が、あるとするなら――。

「ふーむ。全体的に気持ち悪いデザインになっているのか」

「味に問題はなさそうだがなぁ」

まず、樹そのものが人面樹になっているということ。
そして、果実はまさに苦悶に歪む人の顔のように見える。
何というか、呪いの薬の材料にしか見えないほど禍々しいものばっかりだ。

「見ろこの林檎。今にも鳴きそうだよな。剥けばこの通りなんともないんだが」

「ブドウなんかご丁寧に一粒一粒顔だぞ顔。……味は……ふむ。かなり甘いな。これはいい」

こうもり君も大喜びで魔女にもらった顔面果物にかじりついている……。
アルコは気にしないだろうが、ソーマタージはひどく脱力する気分ではないだろうか。
ともあれ、見た目が悪すぎる果物を、一同は望むだけ持って帰ることができたわけである。

//では、強引ですが時間なのでこんなところで……! 乙でした!
445 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/09(月) 00:08:06.90 ID:SCRz4Y3C0
>>444
これが果物か?これが?ふざけんなよ、図鑑に載ってたのと違うじゃねえか
この悪くないデザインのクソのために、俺は蜂とハグしたのか?
クソ、俺は帰るぞ。少しばかりもらって帰るぞ。クソイディオットめ…
[ブツブツ文句を言いながら、なるべくかなり苦しんでるそうな物をちゃっちゃともぎ取るソーマタージ]
[ポケットに入るだけ詰め込むと、捨て台詞を残して足早に去っていった]

[この後道に迷い、結局この世界にいた間は森から出られなかったのはまた別の話]

//乙でした!
446 :アルコ【楓穹】 [saga]:2015/11/09(月) 00:11:41.18 ID:fKKbZeIe0
>>443-444
「おお!林檎だ、林檎ではないか!」

いろいろある間に元のアーチャーに戻ってしまったアルコ、然し林檎には猛烈に惹かれているのは変わりない
まさに楽園、林檎、無料、旨いときてるので当然だが

「見た目?見た目がどうかしたのか?」

その鳴きそうな林檎を皮ごとかじりながらアルコは林檎狩りをしていた
人面林檎であることは全く問題になってはいないようだ

「これでアップルパイの練習も捗る…ふふっいい仕事をした」

帰るときには見た目も雰囲気もクールになっていたアルコ
しかし、林檎にはデレデレであるのには変わりなかった
//では私もこの辺りで、ありがとうございました!
447 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/11/11(水) 22:24:42.52 ID:oCHpHjzjO
石畳、背の低い家々の向こうでは最新鋭の鉄工場がもうもうと煙を立てそらに向けて幾重もの筋を描いている
行き交う人々は活気に溢れ、誰しもがこの新たなる力の恩恵に預かり希望に満ちた日々を送っている

世界は新時代を迎えていた
鉄と火と、冒険の時代だ

さてそんな世界の大きな街、旅のサーカスの一団が広場で賑やかなショーを展開していた
綱渡りから火の輪潜り、大型動物の玉乗りなど様々だ
そしてショーは佳境に入っていた
座長らしき小太りの男性がシルクハットと蝶ネクタイを直す

『さて、今回のメインはいつも我々がお見せしているのとは違います!』
『この檻の中には、世にも珍しい……』

ガラガラと運ばれてくる小さな檻
カラフルな布が被せてあり中は見えない

『……なんと、東の地に巣食うというモンスター、ネコマタが閉じ込められているのです!』

どよめく観客達
この世界に於いて、モンスターの存在は認知されていないのだと判断するには容易い

『我々が苦心して捕獲したネコマタを、特別にご覧に入れましょう!』
『……さぁ、こちらが人を化かしその魂を喰らうと言われる悍ましいモンスターです!!』

でけでけでけでけと仰々しいドラム
じゃん! と布を引けばざわめき
檻の中身は空っぽなのだ
気が付き慌てる座長、無論一団もだ

「……誰が魂なんて食うか、誰が……」

客席の中、フードを目深に被った人物が不機嫌そうに腕を組んでいる
もちろん彼女が捕獲されたネコマタなのだが、どうにか脱出してここにいるらしい
448 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/11(水) 22:37:21.97 ID:AFi4kxWC0
>>447
「どこだよネコマタ!! バカには見えないってか!?」

観客が立ち上がり 団長にヤジを飛ばす
後は怒号に代わるのを待つだけ

「・・・なんか大変だったみたいね」
こっそりと座り 隣の観客に小声で話しかける

自称アーティストのアキレス こういう催し物は大好物です
449 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/11(水) 22:40:52.10 ID:AFi4kxWC0
名前変えたはずなのに・・・(´・ω・)
450 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/11/11(水) 22:46:42.83 ID:oCHpHjzjO
>>448
飛ばした野次は燻る種火を煽り、轟々とした大火災になるのに時間は掛からなかった
隣に来たる存在にピクリと反応、だが顔なじみの越境者であると分かればホッと息をつく

「あぁ、まぁ……な」

やぁと軽く手を泳がせ挨拶

「……金払いのいい仕事を探してて」
「で、声を掛けられたんだが……」

ついには瓶やら何やらが飛び交う阿鼻叫喚
座長は頭を守りながら裏へと逃走、他の団員が客席を宥めようと必死に頭を下げている

「……気が付いたら檻の中だ、全く迂闊だったよ」

ふん、と鼻息荒くその様子を隻眼に眺めている
結構立腹物の扱いだったらしく、精々しているのかもしれない
451 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/11(水) 22:55:06.46 ID:AFi4kxWC0
>>450
「とりあえず出ようか ベティが息苦しいってさ」
前にかけたリュックがもそもそ動いている 中に例のサソリが入っているのは明確であろう

「金返せおらぁぁぁあああああ 詐欺ってんじゃねぇぞ〜!!」
ついでにヤジを一つ浴びせて席を立つ

「実際風の噂じゃ 越境者捕まえて見世物とか あまり珍しくないらしいね イリータン猫だし 気を付けないと」
452 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/11/11(水) 23:04:01.81 ID:oCHpHjzjO
>>451
「ん? あぁ、そう、な……」
「ふん、この程度で済んでありがたいと思えっ」

捨て台詞をひとつ、フードを被ったままコソコソと混沌たるサーカスを後にした
因みにこの後座長含む一団総ドゲザでなんとか取り繕い、ゾウの縄跳びでメインを締めたらしい

「……そうなのかぁ……油断したよ」
「それにしても……うぅ、檻に入れられてた間ほとんど何も食べてなくて……」

きゅぅ、と主張するお腹の虫の鳴き声
サーカスのテントの周囲に点在する出店の、茹だるホットドッグの匂いが強烈だ

「……あー、あ、あの……なんだ、アキレスさん、後生だ」
「……金を、貸してくれないだろうか……」

悪戯が見付かった子供めいて視線を泳がせ顔の向きはナナメ下
絞り出す様にして、無一文の現状を嘆くのであった
453 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/11(水) 23:11:15.18 ID:AFi4kxWC0
>>452
テントを出てからリュックのジッパーを開ける
―――ギィ!!

息苦しそうに出てきたのは例によって相棒の巨大サソリのベティだ

「あぁ…うん大変だったね 無利子無催促で返せるときになったらでいいから」
財布を取り出し 紙幣をいくらか抜き取って差し出す

―――ギィ!!
ついでにズボンの裾を引っ張るベティに催促されたので

「へぃホットドック2つとコーヒー頼む」
こちらも注文する

「せっかくだから仕事も口効こうか?」
と提案した
454 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/11/11(水) 23:22:48.09 ID:oCHpHjzjO
>>453
やぁとベティにこんにちは
猫状態時の自身よりも大きいサソリは、それでも何処と無く愛嬌がある

「ごめん、助かる……」

お金を受け取ればホットドッグとコーヒーを注文
そして余剰分はアキレスへと返却の格好である

「い、いやいやそんな、そこまで世話になる訳にはいかないよ」
「……これでも旅慣れはしているんだ、自分でなんとか出来るさ」

そんな謎の自信で甘い話にホイホイ着いて行った結果が今さっきの痴態な訳ではあるが
ホットドッグを囓る
冷凍技術などなく、運搬もそれ程発達していない世界
ぷちっと弾けるソーセージもほんのり甘い柔らかなパンも作り立てだ、出店の物ながら格段に美味しい
455 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/11(水) 23:40:30.60 ID:AFi4kxWC0
>>454
「困ったときはお互いさまってことで」
ケチャップと たっぷりマスタードを絞って齧る

―――ギィ♪
ベティもお気に召した様だ


「まぁ俺が口効ける仕事って煙突掃除ぐらいだからなぁ 3kもいいとこよ?」
煤で真っ黒になりますので 体も 肺も

「しかし 旅慣れで慢心してこれじゃかっこつかないんじゃない?」
と 意地の悪い笑みを一つ浮かべた
456 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/11/11(水) 23:47:26.56 ID:NGEr4CHD0
>>455
「今度、必ず恩は返すよ……」

助かったと苦笑
ジャンクな味付けも好みだ、猫状態の時には体質的に味わえないが

「煙突……?」
「はは、余計に黒くなってしまう」

黒猫の毛並みを指して笑った
しかし肺にダメージがあるのは呼吸を使う魔導士としては頂けないのも事実である

「……、」
「そ、それは……まぁ、えっと……」
「……はい……」

何やら言い辛そうにして、最後には小さくなって小声で
457 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/11(水) 23:59:04.39 ID:AFi4kxWC0
>>456
「ははははは・・・今日は止まり木の宿でゆっくりしようか」
小さな声に笑みを浮かべ イリーの背中をポンと叩く

怒号が収まりつつあるサーカスをチラリとみて

「まぁ これに懲りたら悪いことをしないようにってか?」
すぐに視線を戻し 街の中へと消えてゆくのであった

//んではサクッとこの辺でノシ お疲れー
458 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/11/12(木) 00:05:21.55 ID:OH764W7XO
>>457
「むぅ……」
「ま、まぁ、そう、な……」

返す言葉も見付からない状況、唇を尖らせ渋い顔
ともあれ止まり木の部屋をまだ見付けていなかったイリー、宿はなんとかなりそうだと内心の安堵は大きい

「……そうだな、ふふふ……」

また深くフードを被り直し、2人と1匹は雑踏の中に溶け込んでいったとさ

//ありがとうでした、お疲れ様ですっ
459 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/12(木) 23:21:16.97 ID:sInt2f+g0
さて 何かとほかの者に飯を作ったりしている目つきの悪い男ことロイ・ゴールドマン
普段描写していないが 彼はいつもデカイバックパックを背負っている

中身は大抵食料品と衣料品 そして調理器具である

【ファンタジー的市場】
様々な種族が共存し 反映する大都市
そこで週に一回 近隣の農家や商家 行商人が集まり 露店を開く市場が開かれた

ここで買わにゃ一生の損と 商売人の口上勇ましく 活気に満ち溢れていることは一目瞭然

ロイはオトモを連れてその通りを歩いていた

ロイ「おい 小麦粉とトウモロコシ粉を3sっつくれ ・・・これで足りるか? あと塩と砂糖を売っている場所を教えてくれ」
目的は足りなくなった兵糧の補充である

先ほど買い付けた粉をオトモに預けた

アキレス「お・・・オッサン あとどれだけ買うの?」
ロイ「・・・たくさん」

荷物持ちにいじわるな回答をし なおも歩く
460 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/12(木) 23:28:36.73 ID:JGpb6Cd8o
>>459

「兵糧の必要性は認識しているが、求めすぎては荷物にしかならんぞ」

 荷物持ちを強いられているアキレスの呆れながら歩を進めるイムカ・グリムナー。
 なお、当然かつ当たり前であるが、アキレスの荷物を手伝う気はゼロである。
 格差社会の何たるかを鑑みれば、荷物持ちなど高貴な家柄のエリートがすることではない(断言)

「エネルギーグリスなら分けてやれるが。
 軽くて長持ち、栄養も申し分ない。まさにテクノロジーの結晶だ」

 なお、無味無臭の完全なる未来食…というより食という言葉を当てはめるべきか微妙ではある。
 どちらかと言うと、生きるための栄養摂取。それ以上でも以下でもなくなる。

【ホロ・クローク技術によりこの時代にあった服装となっている。
 なお、本人は溶け込んでいるつもりだろうが、金髪、紫眼、豊満と目立つ要素に事欠かない】
461 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/12(木) 23:36:23.85 ID:32SXm/eP0
>>459>>460
「〜〜〜♪」

――――少女は暢気にもポケットに手を突っ込み、口笛でも吹きながら市場のど真ん中を闊歩する。

鋼のように燻んだ銀髪、真っ赤な瞳。白いパーカーにスカートと、ファンタジックなこの世界とは些かミスマッチな装束。
そして彼女の出で立ちを見て、何よりも目を引くであろうは頭頂から生えた1本の毛であった。
長さ20cm程はあるそれがピコンピコンとレーダーめいて動き回るという様子は、まさに奇妙の2文字が似合うそれ。
周りの人々の幾らかは、その姿を
その名はアルティ・アルマ。見ての通りこの上なき自由人であり、越境者である。

「やぁ。何か困ってるのかい?」

何かを吹っ掛けんばかりに、アルは彼ら3人へと声をかける。まるで、彼等のことを知ってでもいるかのように。
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2015/11/12(木) 23:37:01.39 ID:22YPUxR80
こんばんはーっす
新規参加したいと思って覗かしてもらったんですけど
463 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/12(木) 23:39:38.46 ID:JGpb6Cd8o
>>462
//ばんわっす。中の人なやり取りはこっちだす

★避難所★
http://jbbs.shitaraba.net/internet/20393/
464 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/12(木) 23:40:57.11 ID:sInt2f+g0
>>460
ロイ「お前さんのところの栄養食とやらが優秀なのは認めるがな たいていの人間は何か食って美味いとか不味いとか言ってるだろ?
   別に納得しろとは言わん せめて理解しろ そういうものが必要な場合があるって」

背後に視線を向け ついてくるイムカに話しかける

ロイ「俺が兵糧を買い込むのは昔からの癖ってやつさ 昔っから物資をしこたま担いで道なき道を進んでたから
   背中が軽いとどうも不安に駆られる まぁ食い物でつながる縁が元で 窮地を脱したりしたこともあるし あながち荷物と断じることもできないもんさ」

そして次の露店で

ロイ「塩と砂糖 香辛料 瓶詰バターを頼む そして肉屋と乾物屋を教えてくれ」
なおも買い込む気満々である

アキレス「ね…ねぇイムカタン 助けて・・・」
何か訴えかけるような視線を送るアキレス

>>461
アキレス「あ・・・あの・・・荷物持ちを手伝ってくれたらうれしぃなぁと・・・」
そう訴えかける荷物持ちの男
465 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/12(木) 23:56:53.42 ID:JGpb6Cd8o
>>464

「私には解らん感覚だ。おそらくさして理解もできん」

 怪訝な顔をして首を傾げるイムカである。
 舌が退化して色々とダメな彼女にそういうのが必要な場合といってもピンとこないのだろう。

「一応、食欲というのが無いわけでもないがな。私とて腹くらいは減る」

 防腐加工の笹タッパーに包んだ俵おにぎり(海苔)を取りだすと、口にポイっと放り込む。
 もう一個は地面をカサカサ歩いているだろうサソリに向けてポロっと落とした。

「アキレス。あの男は交易商(トレーダー)でも始める気か?明らかに買う量が普通ではない」

 やっぱり呆れるばかりのイムカである。なお、アキレスの視線は顧みられる事は無い。
 が、助けを求めているというのは理解できたので、

「大和男子(やまとおのこ)の甲斐性の見せ所だ。精々ふんばれ」

 と、上官として応援してやることにした。何か的が外れているがいつものことである。


>>461

 ふと、何やらずいぶんと人好きそうな少女に声をかけられた。
 何やら困っていることがあるのか?ということである。が…

「………」

 イムカの紫色の瞳はじーっと、何か奇妙にうにょうにょしている何かを目で追っている。
 彼女とて見事な金糸の髪を持ち合わせてはいるが、あのような奇天烈な髪は自前には無い。

「ああ、困っているといえば困っている。先程から好奇心が刺激されているところだ」

 無表情かつ無感情な声音でそのような事をのたまいながら、
 ハサミを…ハサミなんて無かったし、そもそもイムカの刃物×特性では何も切れん。

「サンプル…」

 何か様子がおかしいイムカなのであります。
466 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/13(金) 00:07:51.19 ID:bBwhCVN60
>>464
「はぁん。仕方ないなぁ……」

アキレスがそう願えば、アルはまじまじと彼を見つめる。深紅色の視線が2条、その容貌を爪先から頭の天辺へと投げかけられていく。
見るからに重そうなそれを持った彼の様子を見て、暫く考え込むように何かを呟いた。

「まぁ、いいかな。……持つとしたら、どれを持って欲しい?」

やがて、アルはうんと頷いた。パーカーに突っ込んでいた右の手を、ほいとアキレス目掛けて差し出す。



「……あぁ、やぁ。君もこの2人の仲間?」

――――そんな間に、隣の方から何かを孕んだ眼光が突き刺さる。向けば其処には女性の姿。そのやたらと豊満な胸部に、一瞬眼が行く。

「コーキシンかぁ……例えば、私に何かついてたりする?」

さて、あからさまにその視線は自身の頭へと向けられているのだが。
本人はそれに関して、ものっそく無意識なのであった。まるでそれが然も当たり前であるかのような態度を、アルは取っていた。
なお、この間もアホ毛はパタパタと荒ぶり続けている。とにかくひたすら落ち着きがない。
467 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/13(金) 00:12:20.21 ID:K7AdakQv0
>>465
―――ギィ♪
ごまだれ〜っと効果音付きで ベティはオニギリをゲットした

アキレス「おk つまりスペイン人の俺は甲斐性を見せなくていいってことだな? じゃ荷物持ち手伝って」
手伝ってくれないイムカの揚げ足を取り 何とか手伝ってもらおうとする

アキレス「なんかオッサンのバックパックって普段は30sはあるみたいよ? だからこれが普通なんじゃない?」

ロイ「理解もできないなら せめて理解したフリだけでもしておけ 味は問題ないとかあまり公言すると白い目で見られるかも知らんよ
   ・・・あぁここだ 塩漬け豚と脂身の塩漬けをブロックで頼む」

そして隣が乾物屋らしいのでそちらにも

ロイ「ドライフルーツ・ナッツ ・・・あ ジャムもあるじゃーんそれもいくつか頂戴」

アキレス「・・・・・」
ロイの爆買いと 雨に濡れた子犬のような顔をイムカに向けるアキレス
468 :アリッサム [sage]:2015/11/13(金) 00:13:38.68 ID:T/WGY06Ko
>>465>>466>>467
「これもダメ」
自らの怪力で曲がってしまったハンマーを捨てながら一人つぶやく。
なかなか自分の力に耐えられる武器は見つからない。
市場ならと思ったが、今回も空振りのようだ。しかたがないので冷却剤の材料だけを買おうとしたところ。

「随分な荷物、あれ一気に運ぶの?」
異常な量を見て思わず声を上げてしまう。すわ自分にも劣らぬ怪力かとまじまじと見る。傍から見たら変な奴である。
ぴっちりした合成繊維のスーツとその上から服、その服でも隠れないほどの豊かすぎる胸が見て取れる。

興味が有るのかないのか、なかば尾行のように追いかけ始めた。
469 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/13(金) 00:22:10.85 ID:yCWlFuZJo
>>467

「知ったことか。解らんことを解ったつもりでいるよりよほど健全だ」

 言いながらも、一応はザワークラフトくらいは買い求めるイムカである。
 野菜は大事。当然である。そして酢漬けならば保存もばっちり。

「ナッツとドライフルーツか。私も買っておこう」

【アキレスの荷物にイムカの分までが加算され始めた。ナムアミダブツ!】

「甲斐性を見せろ。スペイン人」

 これが格差社会のなんたるかであろうか!

>>468

「…尾行か」

 何か着いてきているのは察していたが、この時点では特に悪意も見受けられなかったので、
 とりあえずは様子見をしておこうと――

≪0001111010101≫

 だがしかし、ここで珍妙なアクションを起こしたのはイムカの忠実なるドローンである浮遊髑髏。
 この忠実なドローンはプログラムが少々狂気に陥っているため突拍子のない行動をかますことがある。

≪000111010101≫

 サーボスカルは何やら着地によさそうな頭(アリッサム)を見つけて、
 その頭頂部に向けてヌタッと着地しようとする。

【なお、人間の頭蓋骨に観測機器や反重力ユニットと取り付けたという冒涜的外観である。ぶっちゃけコワイ!】
470 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/13(金) 00:23:26.76 ID:bBwhCVN60
//すみません、>>466の後半は>>465当てです
471 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/13(金) 00:31:14.17 ID:K7AdakQv0
>>468-469
ロイ「だいじょーぶ ちゃんと20s程度になるように調節してるから」

アキレス「こ・・・粉ものを・・・」
と 大量に買った 小麦粉 トウモロコシ粉を持ってくれと懇願する

ロイ「あ 乾燥野菜を忘れてた」
と これも買い

ロイ「とりあえず医療品はまだあるし 買い物はこんなもんかなぁ」
アキレス「・・・もう 荷物増えない?」

と思ったらイムカの分も持たされることになるアキレス君

―――ギィ!!
アキレス「う うん よろしく」
だがベティがオニギリを食べ終えて 手伝ってくれるとのことなので甘えることにしましょう

イムカの分は 逞しきベティに任せ ようやっと負担が減ったかな?

ロイ「まぁ イムカタンに腹芸を白という方が無理だったか」
当の本人は肩を竦めるばかり

ロイ「さて 買い物は終わったけど イムカタンは何か買うものあるの?」
472 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/11/13(金) 00:41:13.79 ID:yCWlFuZJo
>>466

(何で出来ているのだろう?)

 非常に興味深くそれを見つめるばかりのイムカであります。

「ああ、あの二人は私の人足めいた何かだ」

 イムカの中での二人にひっどい立ち位置が垣間見える瞬間である。
 なお、常に自信満々で少し背を反らしているからか、ますます強調される豊満。

「ん?好奇心か。ああ、君の頭部でうみょうみょ動いているソレな。
 正直、引っこ抜いて精密検査にかけたく思っている私がいる」

 イムカはとても素直である。素直クール(違

>>471

「偉いぞベティ」

 何故か、ベティはちゃんと褒めるイムカである。これも格差社会のなんたr(ry
 なお、イムカのチョイスは長持ち、栄養あり、なものばかり。何か機能性重視である。

「ああ、私の買い物か?毛糸とかそのようなものだが、中々いい質の物がない」

 やや意外に思えるかもしれないイムカのお買い物である。なお理由は、

「マフラーの一つでも編もうかと…なんだその顔は?」

 女子力!

//すいまっせん。途中ですが眠気がバーストかましているので寝オチするまえにこのへんで。
//ではオタッシャーデノシ





//すいまっせん。ねむねむがかなり深刻レベルに達しつつあるので寝落ちかます前におちやす
//オタッシャデーノシ 
473 :アリッサム [sage]:2015/11/13(金) 00:48:22.25 ID:T/WGY06Ko
>>469>>470
「……なに、これ」
飛んできた頭蓋骨に少し不快感を覚える。
というよりは気味悪がっているようだ、ふつうではないことをたくさん経験したが、やはり怖いものは怖い。
蹴飛ばしてしまおうと思うが、触るのもなんか不安。
ということでじゃれあいが続く。

そんな状態でも荷物運びをただ見ている。もはや尾行というよりはバレバレで野次馬と言ったほうが正しいかもしれない。
なお、彼女はあまりに胸が大きいので背中から見ると胴体から胸がはみ出して見える。
474 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage]:2015/11/13(金) 00:55:42.77 ID:K7AdakQv0
そんなこんなで市場での一幕は過ぎ去っていくのであった・・・・・


//ではそろそろノシで
475 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/15(日) 22:21:24.19 ID:FXK+qj5O0
【とあるファンタジー世界】
越境者は時たま立ち寄るこの世界で それなりにデカイ仕事を片付けたりして
冒険者ギルドの信頼を勝ち取っていた そんな彼らに一つ 依頼が舞い込む

ギルド員「最近 ダンジョンアタックを主とした冒険者の死亡 負傷が相次いでいます
     話を聞くと 今まで確実とされていたモンスターの対処法が通じなかったり 
     今まで見たことのない新種の報告が多数寄せられています」

ギルド員「そこで実力者たちに改めてランクの低いダンジョンへアタックし 対処法を探ってください
     費用はギルドで負担しますので どうぞ十分な準備をもって 確実な対処をお願いします」

ロイ「と いうわけで今回アタックを駆けるのがこちらのダンジョンとなります」
一行の目の前には ぽっかりと空いた洞窟の口

ロイ「それじゃ準備はいいかな?」
と 一行に問いかけた
476 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/15(日) 22:26:28.85 ID:D90W21J6o
>>475
「おっけー」
ぶらぶらと手首足首を回しながらのんきに言う。
見た目は長身の少女と言った感じだが、手足はまるで天然の鎧。ウロコを思わせる硬質の肌。
服は普通の冒険者の服をボディスーツの上から着込んでいる。

「しっかし、簡単なダンジョンでしょ? それであんな報酬出してくれるっていいよね」
軽口を叩くが心では侮っていないようだ。
しっかりと彼女の生命線である冷却剤の数を数えて、すぐ飲める場所にしまう。
発火してしまえばおしまいである。武器も使えないので炎の術やブレス、それと怪力でなんとかするしかない。

はたして、何が待っているのか。
477 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 右眼喪失 [sage]:2015/11/15(日) 22:29:16.52 ID:FY1JYLiv0
>>475
「あぁ、いつでも構わない」

すらりと伸びた四肢、鴉の濡れ羽根色の黒髪を揺らす猫人
ゆったりとした拳法着に身を包み、セコイアの錫杖を手にしている

「要するに、何が何をしているのかを探ると……」

ふむ、と顎に指に当てる
こういった仕事の場合、結構なサプライズを引き当てる確率が何故か高いのだこの猫人は

「……まぁ、気にしてても仕方ない」
「行こうか」

頷き、一向をチラリと隻眼で見回して出発の構え
478 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/15(日) 22:41:04.14 ID:FXK+qj5O0
【アリッサムはこのダンジョン到達前にロイ・イリーへ自己紹介を済ませたものとする】

>>全員対象

「まぁ考えられるのは異世界とつながって そこからこの世界じゃない生物やらが入り込んだか
 魔物のトップがすげ変わったか・・・なんにせよ やってみるしかないか」

そう言って松明を炊き 中に踏み込む

―――――

さて しばらく進み ある程度魔物と戦ったが ここまでは事前に渡された魔物の生体を記す書と概ね合っていた
そして自然石の洞窟は終わりを告げ 人工物なエリアに踏み込む

ドアを開けると 石造りの廊下 そこには装飾品と思しき鎧が剣を携え 一定間隔で並び 少し進んだ先に人影が倒れていた

「・・・さて?」
廊下はやや暗く 倒れている人影は判別が難しい だがピクリとも動かない
【これは夜目の能力で相殺可能】


何を調べるか? 行動を開始せよ
479 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 右眼喪失 [sage]:2015/11/15(日) 22:48:48.46 ID:FY1JYLiv0
>>476
>>478
自身で女にしては背は高い方だとは思っていたが、それをやや上回るアリッサムに少し気圧される格好となる
だがしかし一見しただけで理解に及ぶ猛者の気配
ロイと合わせて相当な戦力だろう、仕事が残るかなと内心苦笑

さて、ロイの呟きより早く五感を駆使した周囲の捜索を行った
猫人の瞳はか細い光でも、人以上の物事を視認出来るし嗅覚も犬には及ばないがそれでも鋭い
先の小競り合いではほぼ怪我はない、低ランクのダンジョンに差し支えない範囲だ
ならば何かがあるのはこの先である
恐るべき何かが

「……鬼が出るか、それとも……」
480 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/15(日) 22:52:25.79 ID:D90W21J6o
>>477>>478
猫人というのは初対面。そうとうな魔術の使い手であろう。遠距離の攻撃手段が乏しい自分には頼れる存在だ。
改造人間かと思ったが、どうやら生まれつきそうだと聞いて、興奮を抑えることができた。
そのせいでまとっていたクールなイメージは完全に瓦解したが。

そして洞窟へ戻る。

「それか、変なヤツが実験でモンスター作り変えてるとか?」
ぎりり、と腕が鳴る。
彼女も改造人間の一人、体にドラゴンの力を入れられて、死ぬ思いをした。
そういう研究者がいると思うと頭に血が上り、思わず壁にパンチ。ミシっという音がする。
まあ多分大丈夫だろう……

「何?どうしたの?」
歩みを止める一行に合わせる。
向こうで何かがあるようだが、よく見えない。
残念ながらドラゴンの目には夜目というものがないらしい。障害物などほとんどない空を飛ぶのだからまあ当たり前かもしれないが。
ということで手当たり次第に銅像を見てみる。もしも動けば拳で撃ちぬくように構えながらだ。
481 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/15(日) 23:07:23.07 ID:FXK+qj5O0
>>479
イリーの夜目による効果

倒れているのはやはり人であった 数は4人
生きているのなら当然行われている呼吸 それによる胸部の前後は見られない

彼らは皆一様に鋭利な刃物で切られたような傷を刻まれ 血に汚れていた

初級者に広く使われている革の鎧を纏い 抜き身の武器を持った男が2人
布の服を纏ったのは2人 内1人が女性のようだ

布の服の男の服には この世界の聖職者が身に纏う法衣 法典が開いた状態で手に持たれている
女は肌を晒し そこに魔術師が好んで刻む入れ墨を彫っていた 彼女もまた 節くれだった杖を持っている

【情報;彼らはパーティーであると推測される】
【情報:不意打ちかどうかは不明だが 戦闘の果てに全滅したと思われる】
【情報;後衛職と思しき男女は 何かのアクションを起こそうとしていた または起こしていたと思われる】

>>480
「気を付けろ リビングアーマーだったら先制攻撃を受けちまうぞ」
中に入ろうとするアリッサムに声をかける

「リビングアーマーは低級霊が憑依するパターンと 魔術師が魔力で操っているパターンであると書かれている
 だから浄化の魔法か 魔術阻害で簡単に制圧できると書かれているが・・・?」

【上記の対処法は イリーに対しても告げられるものとする】

そして鎧を観察するアリッサムであるが 目の前の鎧がいきなり動き出し 手にした剣を アリッサムに向けて振り上げ 切り掛かろうとしている

>>全員対象
アリッサムが戦闘を開始した それと同時に 辺りの鎧が動き出した!!
482 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 右眼喪失 [sage]:2015/11/15(日) 23:16:59.04 ID:FY1JYLiv0
>>480-481
尚、イリーも格闘戦が主であり遠距離攻撃の手段は乏しい
つまりは3人ともガチガチのインファイターと言う事になる、力こそパワー

そして夜目の効果の末は

「……、」

奥歯を噛む結末となった
惨状に物事の気配を察し、彼等の非業と敵の力量を測る

「……なっ、れ、霊体……?」
「浄化か……それならばっ!」

すぅ、と大きく息を吸いそして吐き出す
素早くそれを行って生み出した闘気と魔翌力を混ぜ合わせ蒼白い焔と化した
錫杖に闘気の焔を宿らせ、迫る鎧へ向けて横薙ぎ一閃!
動禅は一応は僧侶の技である、一定の浄化効果も期待は出来るが悪霊に対して有効かは不明瞭
483 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/15(日) 23:20:48.10 ID:D90W21J6o
>>481>>482
「ねえ、どうなの?研究所じゃ猫は暗いとこも見えるって言うけど」
よく見えないために聞いてみることに。知らないほうが幸せということもあるが……
と、そう言っていると突如鎧が動き出した。
読みが当たっていたのでさほど驚かず、冷静に対処することもできる。

「それは普通の時でしょ!普通じゃないならこれが一番よ!」
身を翻してまずは攻撃をかわす。
そしてその体勢のままアーマーめがけ蹴りを放った。
ただの蹴りとは言え人間離れした怪力で蹴られれば無事ではすまないだろう。鎧だろうがひしゃげそうだが、果たして……
484 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/15(日) 23:38:24.61 ID:FXK+qj5O0
「チッ!!」
動き出した鎧 まずは視界の確保が一番と 複数の松明に火をつけ 辺りにばら撒く
周囲が明るく照らされる

>>483
先制攻撃を軽々と躱し 反撃の蹴りが放たれる ガンと大きく鎧が凹むが
鎧は まるで堪えてないように調子を変えず 今一度剣を振り上げ 袈裟切りの一撃を放つ

【判定 視界:辺りに目を向ける余裕があれば ロイが投げた松明 そこに突っ込むことなく 迂回するように避けてこちらに向かってくるのが見えるだろう】

>>482
そしてイリーが放つ浄化の炎を纏う杖の一撃を左腕に受ける鎧
するとどうだろう> 左腕から湯気が立ち上り 左腕が動かなくなるではないか

だがそれに構うことなく 鎧は右腕一本で剣を操り イリーに切り掛かる

【キャラクターシートより 闘気の炎は 無機物に対しては熱効果を成さないとある これが意図するものは?】

【判定 視界:辺りに目を向ける余裕があれば ロイが投げた松明 そこに突っ込むことなく 迂回するように避けてこちらに向かってくるのが見えるだろう
485 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 右眼喪失 [sage saga]:2015/11/15(日) 23:51:41.91 ID:FY1JYLiv0
>>483
「そりゃあ、人の身より少しは見えるが……」
「あまりアテにしないでくれよな?」

しかし超能力ではない
一定の光源が無ければそもそもが不可能なのだ
まぁそれでも、今回はどうやら功を奏した様子ではあるが

>>484
「あっ……す、すまない、感謝する!」

照らし出される周囲、彼我、味方敵
自身の視界と、そして先制攻撃を仕掛ける事で頭がいっぱいであったのだと反省
しかしそれ以上はこの場ではしない、後ですればいいのだ、生き残った後にたっぷりと

「……!? むっ!!」

闘気の一閃を受けた腕が、明らかに異常をきたしているのが分かる
ならば有効だと判断、狙いは決まった
直後に唸りを上げる斬撃を、左で持った錫杖で逸らして否し死を躱す

「セェッ!!」

どん、と踏み込み、闘気の焔を纏わせた右の掌底を放つ
有機物、生命に対しては熱量ダメージも期待出来るが無機物相手ではそれは無意味だろう
つまり焔が炎である事で発生する熱は、一切の効果を発揮しない
だが先に判明した浄化効果は有効らしい、キラキラと輝く蒼白い軌跡を一文字、鎧の土手っ腹を貫く勢い

尚、眼前の一体と相対している現時点では周囲の、光源を避ける軌道には気が付いていない様だ
486 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/16(月) 00:00:00.28 ID:D90W21J6o
>>484>>485
「そっか、あんま期待はできないか……」
会話はそこで止まった。
動き出した鎧に対応しなければならない、会話はその後。

「せぇいっ!!」
体を動かしながら剣をかわす。なかなか重労働である。
いざとなったら腕か足で受け止めるという選択肢もあるが、傷はつくので多用したくない。
あくまで硬質なだけであって万能ではないのだ。

今度は炎をまとい、拳で殴りつける。
もちろん周りに気を配る余裕などない。目の前の敵を殴り倒すのが先だ。
487 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/16(月) 00:13:18.32 ID:B3qew9RK0
>>485
浄化が有効と闘気を纏い ドテッ腹を殴りつけるイリー
だがその攻撃で胴の部分が若干凹むも 今度は一切の異常を受けることなく攻撃を続行してくる

【先ほどと今回 攻撃方法は一緒 違うのは何か?】

【判定 嗅覚:鎧が攻撃を行った際 動かない左腕が反動でぶらぶらと揺れる そこから漂う湯気は まるで有機物が焼けたような はっきり言えば 貝類が焼けたようなにおいがする】

>>486
インファイトで剣の間合いの内に潜り込みつつ 相手の攻撃を躱す 拳法家と剣術家の戦いとしては 拳法家に有利な間合い

そして炎を纏う拳で殴りつける 打撃については 走行が凹むだけ だがそこに炎が加わり変化が起こる
高温に晒される鎧 ガシャリガシャリとのたうち回り 倒れこむ そして湯気を発しながら動かなくなってしまったのだ

【情報:鎧を殴った際 鎧の重さ的には 中が空洞でなければおかしいレベルで軽かった】
【判定 聴覚:よく耳を欹てれば 動かなくなる鎧から 何かが焼ける音がする】
【判定 嗅覚:漂う湯気 そこから まるで貝類を焼いたときのようないい匂いが立ち込めてくる】

>>全員対象
「こいつら松明を避けていやがる・・・」
2人が気付かなかった松明の変化に気付いたのはこの男だった
もう一体の鎧と切り結びながら必死に考える

「こいつらもしかして…炎が弱点か!?」
そして一つの推論に達し 2人に伝えた
488 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 右眼喪失 :2015/11/16(月) 00:27:46.71 ID:xmn6UjQ90
>>487
「どうだ! ……? ……いったぁぁぁいっ……!!」

闘気の保護があるとはいえ、鎧を生身で凹ませたのだ
それなりの反動があってしかるべきだろう、骨に響く反動が
全身の毛を逆立たせて痛みに涙目、2歩3歩と後ろに向かってたたらを踏んだ

「ほ、炎……!?」
「いやでも……ん? この匂い……」

まさか、と眉間にシワを寄せて再度錫杖を構える
先端に闘気の焔を全力で宿らせればまるでメイスの様な形態を取った

「……っと!? もしそうなら……これでっ!!」

迫る斬撃に身を翻し、しかし掠め胴から血を滴らせながら振り抜く一閃!
ロイの言葉とこの匂い、そして発動しなかった浄化の力
結び付いて至ったのは、この敵は生身であるということだ
もっといえばあれだ、鎧に寄生する軟体生物なのではないかとの結論だ
489 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/16(月) 00:31:03.23 ID:gimE7G6ro
>>487
「はぁ……やったかな?」
軽く息をつく。そして動かなくなったことを確認して冷却剤を取り出し、素早く飲み込む。
清涼な風が彼女の体内を巡り、体温を下げる。定期的に飲んでおかないと上がりすぎた体温で人体発火が起こる。
自分にも周りにもダメージが来る、それだけは避けたい。

「んー、なんだろこれ?」
香ばしい匂いが立ち込める。微かに鼻がキャッチするが、それが貝であることはわからなかった。
ともかくロイの叫びでそれが炎を弱点とすることはわかった。ならば自分の独壇場だ。

「あんまほしくなかったパワーだけどね、手に入れたからにはフル活用してやるわ!」
叫ぶとともに手近な鎧に肉薄し、炎をばらまく。
無数の炎の弾丸が拡散し、隙間を狙う。さながら火でできた散弾銃のようだ。
よくはわからないが何かが鎧に住み着いているのだろうという確信じみたものを感じた。
490 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/16(月) 00:42:40.54 ID:B3qew9RK0
>>488-489
イリーが炎のメイスを叩き付け アリッサムが炎をまき散らす

焼かれた鎧は皆のたうち回り動かなくなり 廊下から鎧は一掃された

「ふぃ・・・あっちぃ」
密閉空間で炎を使ったのだ 幸いなことに酸欠には陥らなかったか 辺りが熱気で包まれる

「しかしあのパーティが全滅したのも頷ける 僧侶が破邪を 魔術師が妨害魔法を唱えたが効果なし 慌てているうちに全滅か・・・」

動かなくなった鎧を解体してみる だが中は空洞で 何かの生物が入っていた形跡はない
「っかしいな〜ガワは確かに鉄なんだけど…おや?」

注視してみると 鎧の外と内に何か隙間のようなものが確認できた
ナイフを滑り込ませて力を加えると 隙間がバキっと開き 中から柔らかそうな焼けた肉が出てくる

「・・・なるほど 鉄の殻をもつ貝が寄り集まって鎧のフリをしていたのか」

そしてロイはその肉をしげしげと見やると

「・・・あ〜ん モグモグ」
なんと 口に放り込んだ!!
491 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 E.錫杖 右眼喪失 :2015/11/16(月) 00:48:21.28 ID:xmn6UjQ90
>>489-490
「……暑い、熱いな……」

ただでさえ顔や背に体毛がある猫人なのだ、熱を放射する機能は人より乏しい
そしてロイの分析になるほどと頷き納得の格好

「正直、私もロイさんの言葉が無ければ危なかった」
「助かったよ……って、食べ……!?」
「いや、貝類は色々と危険だと聞くが……」

頭を下げる途中で、なんと貝の身を食べようとしているではないか
止める権利はないが、流石にそれとなく制止を促してはみる
492 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/16(月) 00:59:14.18 ID:gimE7G6ro
>>490>>491
「はー、はー…」
どうにか全ての貝を駆逐できた。
冷却剤を取り出し、飲み込んでひとごこち。

「しかしこの変な鎧、なんなの?」
こんこんと叩いて確かめてみる。まだ篭手は出していないので素手だ。硬いとは言え危ないかもしれない。
一番良く焼けた鎧がボロボロ崩れていく。小さなかたまり?

「うえ、食べた!?食べる鎧って……」
中身の貝をバクバク食べるロイに驚愕する。
どうやら貝という食物自体あまりなじみがないようで、ヒいている。
493 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/16(月) 01:05:01.59 ID:B3qew9RK0
>>全員対象
「モグモグ・・・ゴックン うん 中々いける」
イリーの制止もむなしく回のみを飲み下す

「とりあえずこれで俺が腹痛にならなきゃ毒もないってことで」

こうして魔物対策書にまた一つページが増えた



リビングアーマー(特殊)
鉄の殻をもつ貝が集まり 鎧を形成しているパターン
他のパターンと同じく 物理手段に強いが 前述と違い浄化魔法 妨害魔法は一切通じない
弱点は炎 これを用いれば簡単に対処可能 鎧に使われる鋼は良質である


※身の部分は食用である

//〆
494 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/17(火) 22:16:31.11 ID:LFu8L11R0
【スプロール】
眠らない町そして毒雨の降りしきる街スプロール その路地裏にその男の姿はあった

壊れかけの街灯 その奥に おあつらえ向きな壁

「・・・・うん」
今日のキャンパスは決まった リュックから耐汚染雨の特別製速乾スプレーを取り出す

カラカラカラ・・・プシー

暫し後 そこには見る角度によって 映画『雨に唄えば』の一幕 街灯の登って歌う紳士が見えるグラフィティ(落書き)

あの映画は言い映画だが降りしきる雨が毒であるならば このような笑顔ではいられないだろう

「ん〜♪ イイネ」
今日のライフワーク終了 とても満足気であった
495 :もみじ [sage]:2015/11/17(火) 22:29:51.79 ID:pjBtL9Goo
そんな中、路地を成すビルの上から人影が降ってくる。
結構な高さから振ってきたにも関わらず何事もなかったように着地し、
立ち上がると身に着けていたフルフェイスマスクをはずす。

「……ふぅ、今日も疲れたなぁ。」
人影はいつぞや出会ったことのある銀髪の少女の様だ。
496 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/17(火) 22:36:34.19 ID:LFu8L11R0
>>495
落っこちてきた人影に素早く警戒の色を見せ 腰の小口径リボルバーの銃口を向ける
が フェイスマスクを取った少女が知り合いであることに気付くと

「よぉ〜 どったのこんなところで?」
落書きが描かれている傍で 塗料に汚れた手を振り挨拶してくる
497 :もみじ [sage]:2015/11/17(火) 22:43:39.73 ID:pjBtL9Goo
「………!」
こちらに向けられる銃口、少女もすばやく腰に下げた刀の柄に手をかける。

「おやお兄さん。また会いましたね、奇遇ですね、へへへへ……。
 ……えーっと、まぁ、その何してるというわけでもないんですけどね?」
ビルから落ちてきておいて何もないというわけも無いだろうが、慌てて挨拶を返す少女。
498 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/17(火) 22:53:31.53 ID:LFu8L11R0
>>497
「いや 紐なしバンジーしておいて何しているわけでもないわけがない」
自分も大概なことをよくしているが それは仕事でのことである

「それよりも見てよこれ 傑作だと思わない?」
と 親指で絵を差す

「これ俺が描いたんだよ まぁ世界をまたにかける世界的アーティストになるための偉大なる一歩の一つってね」
まだ評価もいただいていないのに得意げな表情をしている
499 :もみじ [sage]:2015/11/17(火) 23:01:21.73 ID:pjBtL9Goo
「おお……?
 おおー、すごいすごーい!」
壁に描かれた落書きを見てはしゃぐ少女

「これお兄さんが描いたの?
 そっかー、そういえばお兄さんアーティストだったもんねー!」

「……ところでコレ何を描いたモノなの……?」
すごい、と言っておきながら何が描かれているのか理解はしてない様子。
500 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/17(火) 23:19:58.35 ID:LFu8L11R0
>>499
「へっへ〜んだ どうd」

褒められて高々と伸びた鼻は 理解がされてないことで真ん中からポキリと折れてしまった
そういえば自分の居た世界のことを書き記しても意味がないことを改めて理解する

「い・・・いやぁホラ こんな毒雨の中であんな楽しそうに雨を浴びているってのもどうかな〜って皮肉を込めたんだけど…あ・・・アハハハハハハ・・・」
ああ恥ずかしい 自分で書いた皮肉を自分で説明しなきゃいけないなんて

「ま・・・まぁいいやこの話題はほら これで終りってアハハハハハハ この前おいしい屋台教えるって約束したし それいこうぜアハハハハハハハ・・・」
照れ隠しに以前の約束を果たそうと提案する
501 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/11/18(水) 22:37:40.43 ID:gt8k358ZO
「よっ……っと!」

鼠人の蒼ざめた月の刃は、目の前に迫った肉食恐竜の顔面を斬り裂いて絶命に至らせる
血飛沫を撒き散らし倒れて臥せて、その亡骸は1と0のデジタル状に解体されて消えた

(……今ので……2? いや、3だったかな……?)

森林地帯にぽっかりと拓いた湖畔、周囲から響く轟々たる騒音と咆哮
越境世界のどこかに存在する仮想闘技場、今回開かれている催し物は対恐竜のサバイバルレースである

各越境者は次々に襲い来るデジタル恐竜達を相手に力の限りに戦い、そしてその討伐体数によって各個に報酬が得れるというもの
最後の1人まで生き残れた場合はボーナスが付くが、戦闘不能になった場合は全額没収
途中離脱も認められ、その場合はそこまでの討伐報酬が頂けるというシステムだ

(とはいえ……)

相手は巨大な恐竜である、それも獰猛な肉食恐竜が多い
なかなかに骨が折れるな、とムガはブルームーンを握り直した
502 :宿禰 纏 >>380【氷華】 [sage]:2015/11/18(水) 22:58:10.87 ID:BAKNZNzJ0
>>501
「……なるほど、ヒトとは急所の位置が違う。
でも、生物としてプログラムされている以上……問題無いね」

ずん、と地響きを立てて崩れ落ちた恐竜はデータへと分解され消える。
纏はどうやらこれで一体目。経験値の無い生物が相手とあって様々確認しながらということもあり時間をかけたようであった。
結果確かな手応えを得、自分の技が通じることを確認すると次の獲物を探し始める。

「ん……、君はターゲット……じゃないね?
初めて見るナリだけど、提示された条件は恐竜だけだったはずだから」

次を探し地を駆ければ目に入った獣人の姿に思わず身構える。
初めて見るその姿に一瞬だけ目を見開くもそれ程動揺した様子無い。
どうやら過去にカエルニンゲンを見たことで多少の免疫が付いていた模様。
503 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート [sage]:2015/11/18(水) 23:09:16.12 ID:OKrl/u9l0
>>501
木々がざわめく音色が聴こえる。自然の奏でる心地よい旋律、聴いたものの心を、あるいは心身を癒すその音が鼓膜を震わせる
少女は目を開く。そしてその双眸で以ってしっかと情景を脳裏に焼き映す。ここはそう、森林であろう
ああ、理解するのはたやすい、少女は幾度とも知れぬ超境、その現象に立ち会ったのだ

「まあ、なにもないのね」

ぐるりと辺りを見渡して、そこが完全に森の中だと認識。そう、映るものは一つとして木々ばかり、なにもないと思うのは当然のことだ
半眼を作り、とりあえず一歩前進。散策といこうか…そんな考えで歩み始める
それから程なくして、少し開けた場所まできた。それと同時に奇妙な生き物と遭遇することになる

「竜…? にしては、トカゲのようね。ここはこういった生物が栄えているのかしら?」

人の大きさをゆうに越える巨大な爬虫類と思しき生物、それをみてなんとも思わないのは自身に対する絶対的な自身故か
珍しい生物に興味がわいた少女は、その生物の元へと近づいていく

「グルル……ッ」

その足音に気づいたか、頭部をこちらに向ける巨大な生物。その大きさ、構造からしてT−レックス辺りの恐竜だろう
目が合う、獰猛な生物はその少女を獲物と認識することに数瞬のタイムラグも生じさせず

「グァアアアアッ!!」

少女めがけ、その獰猛な口を開き、牙をもってして食いちぎろうも襲い来る
だがそれは少女を口内で八つ裂きにする寸前で、恐竜自身が八つ裂きになることで強制終了となった

「術式黒、系統大鎌。獰猛で危なっかしいから手懐ける前に木っ端にしちゃったけど…あら?」

それは少女の身体に施された人知を超えた改造から成る身体能力と、元からの魔術師としての能力、そして模擬的なシンの疑似能力によって成せる破壊的虐殺。
大鎌を振るい、空に投げ、その場面の情景に食いいった。それはデジタル化された0と1、裂かれた恐竜の肉片が解けるように還元されたから故である

「どういうことだ? これはつまり生物ではなく、また他の種なのか…」

疑問を解消できないままに目線を前方に向ける、どうやらここは拓けた地であることが伺えた
そしてそこにいる人影のようなものも発見する

「…どうしたものか」

とりあえずは様子見か。少女は鼠人の背後、そこから少し距離を空けながら佇む

504 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/11/18(水) 23:14:17.13 ID:45lUMO8n0
>>502
「……お互い、無駄な労力使わないのが吉」

鼠人としてはこの催し物は絶好の稼ぎ時なのだ
1体でも多くの大トカゲ(恐竜)を倒して当面の資金にしたいところ
だとすれば、体力の温存をと測るのは基本である
少なくとも現時点、ここで非ターゲットとやり合うのはなんのメリットも生まない

>>503
「……説明、受けてない?」

鼠人の優れた聴覚に届いた呟きの内容から何と無く状況を察する
一瞬遅れてクラリスの目の前にクリアグリーンのディスプレイが浮かび上がり、現状況とこの催し物の詳細を羅列して流すであろう

「……そういう事」

なかなかいいタイミングであったと内心
ともあれ越境者同士は最後の1人になれば報酬が増加するものの、現時点では敵対関係にはなさそうではある

>>502-503
『ーーー!!』

甲高い咆哮に鼠の獣人は、来た、と口元の覆面を正した
一行に襲い掛かるのは人の背程の大きさの小型、だが高い知能と残虐性を誇るラプトルタイプである
それぞれに2体ずつ、コンビネーション巧みに爪撃を唸らせて行く
505 :宿禰 纏 >>380【氷華】 [sage]:2015/11/18(水) 23:41:29.95 ID:BAKNZNzJ0
>>504
「……そりゃそーだー。手を出されない限りは、纏も何もしないよ」

纏にとっては賞金は目当てでは無い。勿論貰えるものは有難く頂戴する所存ではあるが。
真に確かめたかったのは己の技が人ならざるモノ共にどこまで通用するのか、だ。
そしてその臨床実験は既に終えた。データ上の仮想生体であったが、どのような生物が相手であっても急所攻撃は有効であったのだ。
己が理論の正当性に更なる自信を得た纏は、様々な技を確認するべく一体でも多くの獲物と闘いたいのである。

「……きたよー、細っこいの。軽くて、壊れやすそうだけど……さ」

半身にすっと軽く腰を落とせばベタ足にした独特の構え。
警戒心など微塵も持たずに纏に飛び掛った一体は、脚部の大きな鉤爪で華奢な獲物を押さえつけんと振り下ろす。
纏はその単純な軌道を紙一重で躱せばほぼ同時、掌底をラプトルのヒザ関節に跳ね上げた。
そしてそのまま両の手でラプトルの脚を掴み、飛び掛った運動エネルギーを[ピーーー]事なく利用しながらもう一体へと叩きつけるだろう。
506 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート [sage]:2015/11/18(水) 23:41:36.55 ID:OKrl/u9l0
>>504
どうやら前方の人影のうち片方は、聴覚に非常に優れたものであるらしい
少し遠いと感じるこの距離で正確に自身の漏らした声が届いている、その証拠に返答と伺える反応が返ってきた

「説明? さあて、私はなにも…ん」

反応を返そうと自身に満ちた眼差しをその背に送ろうとした瞬間に、視界を遮るような絶妙な位置で表示された保護色のディスプレイ
怪訝そうに眉を潜め、不服とばかりにあからさまな態度で右手を拳の形にするとタイミングは絶妙、表示された内容を辛うじて認識した少女は、なるほどと唸るとそのディスプレイを避けて前に歩んだ

「来るって…、ああ、なに、そういうこと」

甲高かな咆哮と先程と比べれば小さな図体、狩人としての知能は恐らく高いであろう二頭の小型種
絶妙なコンビネーションを発揮しながら迫る小型種を、この場の三人計6体が現れたことを認識、うち二頭がこちらに襲いかかってくることを認識した

「要するに、全部倒せばいいんでしょ?」

右手を開く、そこに黒い術式が展開されていきそれが消えるのを同時として一つの剣が形成される
先ずは、二頭のうち一体を確実に葬ることにした
爪撃を受け、それを払い、剣を突き出す

507 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/11/18(水) 23:55:07.90 ID:P/U86hpe0
>>505
「……同じく」

真逆の目的を抱く越境者は、互いのメリットの為に不干渉を決めた
いい傾向だと覆面の下、口角を薄ら釣り上げる

『!?!!』

脚の節を崩され、そのまま宙を舞った1体
そのままもう1体にぶつかり、当たり所悪く頸椎を損傷したらしい、デジタル解体されて消えた
だがぶつけられた方は今だ存命、ふらけつつも立ち上がり低い体勢から地を這うように噛み付かんと一気に迫る
小型とはいえその牙は鋭い、必殺に近しい威力を持つが反面頭部を突き出した構えは背水の陣とも言える

>>506
「ん、そういう事」

場慣れした空気感や雰囲気から、恐らくは初の越境ではないのだろうとムガはクラリスに対してそう評していた
ならばこういった、可及的速やかに状況を把握しなければならない場合に於いて対応性は高いはずだとも
事実その通りの様で、結論に辿り着く彼女に、あれならば安心だろうと思う事が出来たのだ

『ーー!!』

がぎん、と剣と爪の衝突音
バランスを崩され自ら急所を曝す格好となったラプトルは、刺突に首を貫かれ呼吸が止まり1と0となり消えた
それを近くに見ていたもう1体、素早く踏み込み一転、遠心力を活かした尻尾撃を繰り出した
しなやかに唸る鞭打めいた尾は速い
しかし転する際に確実に、クラリスを視界から外さざるを得ないのもまた事実
508 :クラリス・ウェル・アルカード=アブソリュート [sage]:2015/11/19(木) 00:12:43.30 ID:1SQY0GOF0
>>507
その感覚は軽い、いや、むしろ逆に誠実に作られているとでもいうべきなのか
刺した瞬間、流血などはないにしろ、瞬間の感触は極めて本物に近い手応えを返してくる

「私に勝るとでも思ったか? はっ、やはり知能はあれど身体の構造上兵士のように受身すら取ることは叶わないようね」

0と1の破片が舞う中で、転じた刺突を抜き剣を捨てる
小型のうち残りの一頭は次の技に転じつつあるようだ、さすがに素早い鋭い尾での薙ぎである。それを避けるのは容易いものだが、それでも呆気ないなと思案する

「しょうがないやつだ…少し遊んであげるわ、際勢愉しませなさい」

脇腹辺りでその尾を掴み、ラプトルの行動を阻害すると同時に投げに転じる
どうせなら二度と歯向かわないよう、教育してやろうと思考したのだ
509 :宿禰 纏 >>380【氷華】 [sage]:2015/11/19(木) 00:31:21.66 ID:cNAEUGww0
>>507
「……だからさ、細くて軽い身体なのに……そんな攻撃しちゃだめだよーって、わからないね。消えて」

ラプトルの動きは疾い。否、疾く動く為に進化したのだ。
体長は2メートル程だろうがその体重は20キロにも満たないだろう。
相手が恐竜であればその身のこなし、比較的高い知能は捕食者としては一級品なのだろう。
しかし今回ばかりは相手が悪い。武術者として小柄で華奢な体格の纏であるが、その不利を圧倒的利にする術を極めているのだ。
進化という膨大な時間の流れの中で与えられたものでは無い、己の努力と研鑽によって掴み取った純然たる技術は纏の理論を実証する力である。
纏に襲い掛かる獰猛な顎。しかしその牙が柔肉に食い込む事は永遠に無い。
低い位置に頭部を構えての突進などまるで蹴り上げてくれと言わんばかり。そしてこの状況で纏がそれをしない理由は無い。

「……纏流、発勁掌」

跳ね上げられた頭部。纏の目の前に晒された柔らかそうな喉元。
そこに拳を優しく添えるように当てがえば、全身の関節を固定しベタ足で大地を蹴るが如くに踏んだ。
自身の全体重と硬い地面を圧倒的初速で踏み締める事で生まれた衝撃翌力は微塵も分散される事なく纏の身体を流れ、そして拳から炸裂する。
510 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage saga]:2015/11/19(木) 00:39:00.67 ID:rKQea6mM0
>>508
『!?』
『……〜〜〜……!! 』

肉体の反射に依って、本能で狩りを行うだけの恐竜である
新鋭の整体学を活かした軍術技が如く、自身に掛かる負荷エネルギーを流転しいなす事など知る余地もない
即ち彼は投げ飛ばされ、不恰好な着地となった
素早く体勢を立て直し、低い姿勢と感情の起伏に乏しい瞳で睥睨し威嚇の声を挙げるが

「……頂く」
『!?!?』

背後より迫った鼠人の一閃に依って絶命、デジタル解体されて消えていく

「早いもん勝ち……」

クラリスの怒りを買う事を予測したのか、
言い残しまるで海蛇が海面を這うようにして迅速にその場から失せ次の戦闘に備えるムガ

>>509
『……!?』

蹴りに浮かぶ視界でそらを仰ぐラプトル
だが即座に獲物の位置を再確認、ぎょろりと無機質な眼差しを向ける
しかし、首の動きがそれに追従出来てはいない
あてがわれたふわりとした感触、そこは鱗の鎧の守備範囲外の喉
そして危機を察知するより速く、それは起きた

『……!!!!!』

ごば、と大量の血を噴水爆発吐き出しそのままゆっくりと横に崩れる
勁力の達人めいた運用は、獲物を吹き飛ばすというエネルギーのロスすらなく絶命に到らせたのだ

>>508-509
「……ん、打ち止め……?」

その後もしばしを戦い続け、越境者達への報酬が相当な金額になった辺り
各々の目の前に突如として現れたディスプレイがそれぞれに報酬金額をしめやかに伝える
幻想空間たる湖畔は消え、仮想闘技場の無機質かつサイバー的なロビーへと転送された
そこで報酬を望む形で受け取り、この越境間にぽつねんと存在する奇妙な浮島の様な世界を後にするだろう

//すみませんがこの辺りでっ
//ありがとうございましたですよぅ
511 :宿禰 纏 >>380【氷華】 [sage]:2015/11/19(木) 01:08:47.89 ID:cNAEUGww0
>>510
「……終わり。でも、まぁ、もう十分試せた。それに報酬も貰えて……纏は満足」

ロビーに戻ればふぅとひと息、そしてスクリーンに弾き出された自身の報酬額に何処と無く表情も緩む。
しかし見落としていた、というか気にも留めなかった事実に気付くとその緩みは消えた。
この報酬、何処から出ているのか。最初に受けた説明に催し物と会った事から観客がいる事は必然。
なれば鑑賞料として金銭を徴収し、そこから支払われているのだろう。まぁそれはいい、重要なのはそこではない。
観客がいるという事は、先程まで行われていたサバイバルレースを観ていたという事になる。
これは少々拙い事である。纏流の源流である宿禰流は一子相伝、まごう事なき秘伝の武術である。
纏流として昇華はしているものの、家の者が観ていたとすれば当然穏やかではない。制裁も拳骨では済まされぬ事は明らかであったが。

「……まー、いっか。纏はもう、家出てるし……関係ない。それに……」

観られていたらそれはそれで面白い。
元々宿禰流を超える為に家を出たのだ。そして現状、纏流は宿禰流を遥かに上回る筈。
家の者がもし今の纏を見たら何を思いどんな表情をするのだろうか。それを想像するだけで故郷が恋しくなり、そしてもう次の技を使いたくなっていた。
己が内を駆け巡る激情とは裏腹に纏の表情は凍った様に変化しない。だが薄っすらと口元に浮かぶ笑みは気のせいではないだろう。

/遅くなりましたがありがとーでした
512 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/11/20(金) 22:50:45.73 ID:3j1SuV+Bo
――ボストン近郊のジョシュアの新しいセーフハウス。デッディ・レーンの安アパートにて。

「……これは」
『まま!』

カーペットの上に座り込み、一枚の写真を見せるジョシュア。
向かい合って座るのは真っ黒な肌に真っ赤な眼。真っ白い爪と頭髪を持つ少女。
衣類は真っ黒いひらひらのワンピースを一枚のみ。靴下すら履いていないが、気にする様子はない。
ジョシュアが見せた写真にはイムカの顔。もちろんいつもの無表情だ。

「…コイツは?」
『………まま?』

次に見せたのは青年時のジョシュアの顔写真。ジョシュア自身も今日は写真に合わせて若い姿でいる。
少女はしばらく黙り込んだ後、不思議そうに首を傾げて疑問形で続けた。
ジョシュアは黙りこくったまま苦い顔。そして静かに再び口を開く。

「…違ェ、ままじゃねぇ…ジョシュアだ」
『じょ…しゅ、あ……』

訂正、ジョシュア。少女は不慣れな口調で追従する。
ジョシュアは黙ってもう一枚写真を追加。加えられたのは少女の写真。

「じゃあ右から順番に」
『まま!にゅくす、ジョシュア!』
「そうだ…エラいぞ」
『えへへ〜〜…♪』

ニュクス、少女は自分の事をそう呼んだ。そこまでやり遂げてからジョシュアは写真を仕舞い、初めてニュクスの頭を撫でた。
そんな時だ。ジョシュアの部屋に越境者が招かれてきたのは。
何も知らないニュクスを教育するという名目で信頼できる精鋭を招集、PTAから苦情殺到すること極まりない”英才教育”を施そうというのだ。

「おう入ってくれ、悪りィな…付き合わせちまって」
『………?』
513 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/20(金) 22:56:13.44 ID:bndYWgD50
>>512
「あ もしもし警察ですか? ちょっと不審な中年が幼い少女を・・・えぇ・・・はい」

入ってきて早々リンゴ社製スマホを耳に当てて何か言いやがる自称アーティスト
なおジョークである模様 なにせスリープ状態ですんで

―――ギィ!!
そんな阿呆はほっといて ベティは少女に向けて よろしくーと言わんばかりにハサミを振り上げる
514 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/20(金) 23:11:13.94 ID:qgh+uKjF0
>>512
――――どこからとも無く、ふらりと吹く風のように少女は現れた。
燻んだ銀髪に真紅の双眸、白いパーカーに黒い服、そこには妙な文字が描かれているというなんとも言えない出で立ち。
少し悪戯っぽい笑顔を作りながら、彼女はそちらの方へと歩いて行き――――

「あはっ、そこの兄ちゃん。ナンパするならもうちょっと年齢を考えた方がいいと思うよ」

――――揶揄うような口調で、そんなことを言い放つ。アルティという名のこの少女、やたらとませていた。
515 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/11/20(金) 23:29:19.85 ID:3j1SuV+Bo
>>513
「待て待て待て、喰うぞスマホ」
「それに今は若いだろうが…街中でオッサンだと面が割れてるんだよ」

セーフハウスのドアに施錠し、ニュクスが顔だけ覗かせていたリビングへ。
ニュクスは暫くジョシュアの影に隠れていたが、ベティがコミュニケーションを図っていることに気がつき、ひょこっと出てくる。
そのまましゃがみ込んでベティの艶のある甲羅にぺたりと触れ、なんと吸収しようとし始める。

『…じょしゅあ、おいしい?』
「ダメだ。おいしくねぇ、そいつは食うな…」

たまらずジョシュアはそれを静止。ニュクスはしぶしぶと離れた。
さて、とことん無知なこの少女、一体どうしたものか…?

「今はコイツに言葉を教えてるんだ。概念はある程度知ってるらしい」
「メチャクチャ覚えが速い…変なトコだけグリードに似てやがる…」

>>514
「…俺がこんなチビガキに興味があるような人間に見えるか?」
(……誰だコイツ…?)

ふといつの間にやらジョシュアたちの会話に混ざっていた少女。
浮世離れした見た目に一瞬で同類であると嫌でも気が付き、アキレスの連れか何かと勘違いしたまま上がり込ませてしまった。

「つい昨日までこうやって…こいつに銃口を突きつけてたんだ。だが…ワケあって殺せなくなっちまってな」

ベルトに挟んでいた拳銃を引き抜き、幼い少女のこめかみにグリリと銃口を押し当てるジョシュア。
ジョシュアにとって”同類”であるこの少女は忌むべき存在であり、本来ならば存在を許せるような相手ではないのだが…
徐に拳銃を腰へと戻し、シャツで隠す。

「んな訳で今はこうやって立派な人間に育て上げる訓練中よ」
「…まぁ、なんだ。同じ女の子(?)同士…通じ合える場所はあるだろ?」
「せっかく首を突っ込んだんだ。色々教えてやってくれ」
516 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/20(金) 23:42:18.86 ID:bndYWgD50
>>515
―――ギィ!?

ベティからすれば いつものように初対面への挨拶をしただけなのに
怖がられるどころかこちらを食べようとするではないか

―――ギィ!!ギィ!!
慌ててアキレスの頭上に登り やんのかこらーと威嚇するベティ

「あぁ…なに? よくわからないけど・・・」
とりあえず少女に何か覚えさせるということなので 少女の肩に手を置き ジョシュアに向けて ジョシュアを指さし

「おとーさん りぴーとあふたーみー おとーさん」
まずは簡単な言葉をおぼえさせようねー(棒
517 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/20(金) 23:49:50.87 ID:qgh+uKjF0
>>515
「冗談冗談。ごめんね。まさかそんなヒトがいるわけないじゃない」

実際、アルティのその一言は完全にアドリブの産物。
ごめんねとは一応言っているものの、全くと言っていい程反省の色が見えないのは何故だろう。

「あぁ、そういえば私のこと知らなかったかな。ごめんね。まぁ、私も兄ちゃんのお仲間(越境者)みたいなものよ、ねっ?アッキー?」
「とりあえず、私はアルティ・アルマっていうからアル≠ニでも読んでちょうだい。よろしくね」

少々困っているかのように映ったジョシュアに対して、アルティはぺらぺらと自己紹介でも始めだす。
言い終わりかける頃にちらりとアキレスの方に目をやりながら、困惑必至の問いかけをその方へとぶん投げた。
そのあまりにフリーダムな話しようからして、彼女がものっそい自由人たることが見て取れるであろう。

「へぇ、この子との間に何かあったの?ちょっとでいいから、良かったら教えてよ?何があったか分かったら話も進みやすいしさっ」
「でも、教えてっていきなり言われてもねー……何すればいい?」

ふーむとアルが悩むのと同時に、ぴこんぴこんとメトロノームめいてリズミカルに動く1本の毛。
その様子は何を教えればいいのかと唐突に言われたとしても、見当がついていなさそうに見えるのであった。
518 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/21(土) 00:08:19.11 ID:9NBPx4Ve0
>>517
「なお 闇鍋で酷いもの食ったり イムカタンにアホ毛切られそうになった模様」
アルティの自己紹介に捕捉を入れてみるテスト

―――ギィ!!
そしてベティはアキレスの頭上からハサミを振り上げていた
519 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/11/21(土) 00:08:55.20 ID:r8cTZj7wo
>>516
『おとー…?「ダメだアキレス、越えるな。その一線は越えちゃダメだ」

アキレスの指示を素直に受け、ジョシュアの方を見ながら首を傾げるニュクス。
ジョシュアはシャレにならないと顔面蒼白で手を振っている。

『じょしゅあはぱぱじゃないよ…?』
「そうだ、俺はこいつの父親じゃねぇ」

実際ニュクスはアキレスの術中には陥らなかった。
ジョシュアは安心したように腕組みをしてうんうんと頷いてはいるが、
直後にニュクスの口から放たれた更なる爆弾発言に再び度肝をブチ抜かれる羽目になるのである

『にゅくすのぱぱねぇ…みんな消えちゃった…どこかにいっちゃった』
「ブフッ……!?」
「ぱ、パパはいるのか…ってあぁ、グリードのことな…」

>>517
「…らしいぜ、アッキー」
「(お前そんな名前で呼ばれてんのか…?)」

相槌すら打たせてくれなかったところを見るに、彼女は中々に饒舌なタイプらしい。
随分可愛らしいあだ名をつけて貰ったアキレスににやけながら耳打ちし、話は本題に戻る。

「…何かあったっていうか…ある人物の体から抜き取られた細胞を元に作られてんだ、こいつは」
「そいつを根こそぎブチ殺して回るのが任務だったんだよ…」

先ほどジョシュアはニュクスに銃を突きつけた。しかし彼女の反応はどうか?恐れも、敵意も抱くことはなかった。
つまり銃というものがどういうものかを知らない。それどころか生存に必要な機能以外は何も備わってはいない。
おそらくは生体兵器のベースとなることを想定しての配慮だろう。兵器に倫理観や感情など邪魔な機能はいらない。

『…まま?…ちがう。”なに”?』

ニュクスはとてとてとアルティに近寄り、その顔を見上げて不思議そうに首を傾げる。
何を教えるかは本人次第。ここで何を教えるかによって性格も、ものの考え方も大きく変わるはずだ。

その様子を遠くで見ていたジョシュア。色合いが似てるなーとか、まるで姉妹だなとか、そんな他愛ないことばかり初めは考えていた。
しかしひとたび、ぴこぴこと動くアホ毛のスイングを見てしまえば
それ以降はアホ毛が目に入るたびに引っ掴んでブチ抜きたくなる衝動に駆られ続けるのだった。
520 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/21(土) 00:22:04.28 ID:9NBPx4Ve0
>>519
「えー」
心底残念そうに口をとがらせる
ならば何を教えようか? とりあえず少女の肩に手を置いて ジョシュアに向け ジョシュアを指さし

「じーじ りぴーとあふたーみー じーじ」
まずは簡単なことb

そろそろまじめにやりましょう

まずは頭上のベティを両手で抱え 少女の前へ

「ベティ りぴーとあふたーみー ベティ」
―――ギィ!!

ハサミを振り上げるベティは床に下し 続いて自らを指さし

「アキレス りぴーとあふたーみー アキレス」

そして最後にリュックから手回し充電器付きラジオを取り出すと

「ラジオ りぴーとあふたーみー ラジオ」
まずはこんなところでいいでしょうかね?
521 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/21(土) 00:33:26.98 ID:Y3fJOTXp0
>>519>>520
「ま、アッキーは色々言ってるけどけどあんま気にしないで」
「でも別にいいじゃん。呼びやすいじゃないの、アッキーって。アッキーアッキー……」
「本人も多分嫌がってないし。ねっ、アッキー?」

しつこいように何度も言い終えると、もう1度アキレスの方を向いてそう聞いてみる。
彼女が肯定の意を求めていることは無論言うまでもない話。


「はーん、なるほど。それで、この子が生き残りという認識でおっけー?」
(ん?ある人物って、まさか……?)

――ふと、アルティの脳裏をとある人物の姿が過る。髪、目、肌の色が彼女と一致する者を知っているが故に。


「あー、私はまま≠カゃなくてあるてぃ≠セよ。U・L・T・Y。」
「よろしく……っと、あんたの名前は?」

周りから見ればただでさえ低い視線をさらに低くして、アルティは両者のそれを合わせようとした。
その後にほいっと右手を伸ばして、頭を軽く撫でようとでもする。

モノトーンな髪色に、赤い瞳。確かに2人は似てるっちゃ似てる。
但しアルティの方は、肌の色は比較的白いし髪の色は比較的濃い。
そして何よりも、さっきから荒ぶりまくるアホ毛である。別人故に当然であろうが、案外相違点は多い。
子供をあやすのが好きなのか否かは分からないが、アホ毛は相変わらずパタパタと動いている。まるで、動物の尻尾のように。
522 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/11/21(土) 01:00:47.44 ID:r8cTZj7wo
>>520
アキレスらの熱心な講義が始まってから暫くして…

『よー、べてぃ…あきれす…わさっぷ、ほーみー、こむらーど?』
「…ちょっと待て、お前どこでそんなクソ汚い言葉遣い覚えた?」
『えっとねぇ…ぐれ…じゃー…?へんなひと!』

今日だけでかなりの数の言葉を覚えた。外を歩き回って音楽やグラフィティ等の様々な美術観念も覚えた。
ただし同時に変な言葉も少々覚えてしまったようだ。デッディ・レーンはお世辞にも育児に向いた場所とは言えない。
およそ幼い女の子が発するとは思えない言葉遣いでアキレスらに挨拶、即座にジョシュアに喰いつかれる。

「語順がメチャクチャじゃねぇか…」
「とにかく今日からYOは禁止だ。俺がコミッサーに殺されちまう…」

『よーよー!よーびっち!』
『よ…むぐぐ…』
(こりゃあ…いきなりインターネットには触れさせない方がいいな…)
(触る情報の偏りと順番次第じゃ取り返しの付かないことになるかもしれねぇ…)

幼児が禁止された言葉に限ってしきりに使いたがるように、ニュクスもまた同じだ。
ジョシュアに口を塞がれ物理的に喋れなくなるまで放送禁止用語を喋り続けた…

【ニュクスの好奇心がアップ!】
【ニュクスの品性がダウン…】
【ジョシュアの心労が激増!】

>>521
『あるてぃ…?あるてぃ!わさっぷ?』
「…だからやめろって」

『にゅくす!』
「生き残りっつーか…鹵獲したんだよ、どうも情が移っちまってな」
「それに上官命令とあっちゃ逆らえねぇ、もし俺がコイツを撃ち殺してたら…あぁ、あの目をもう一回向けられたくはねェなぁ…」

自分から名乗ったアルティ、その名前を鸚鵡返しするニュクス。やがてニュクスも名を聞かれれば短く、端的に答えた。
アルティの想像はおおむね正しいだろう。少女の肌が深淵の如く黒く、その目が燃えるような赤に染まっている以外は、
まるでニュクスはイムカの生き写しだ。…ただし見た目に限る。内面は極めて無知で、そして幼い。

「…もうダメだ。我慢できねぇ」

しゃがんでニュクスの頭を柔らかな髪の毛越しに撫でるアルティ、
そんな微笑ましい光景を相変わらず死んだ魚のような目で見つめるジョシュア。
そしてそこでついにジョシュアの我慢は限界を迎えた。衝動的にアルティのアホ毛を掴み、そのまm

//そろそろ寝落ちの危険があるので今日はこれで終わり、お疲れさまでした!
523 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/11/21(土) 01:18:37.86 ID:Y3fJOTXp0
「へー、なるほどね。こういう子を殺せない気持ちは、私もよく分かるよ」
「ニュクスかな?よしよし、覚えたよ。よしよし」

しかしよく分かるとは言うものの、同情するとは言ってない辺りがアルティらしい……のであろうか。
それでもうんうんと頷きながら、アルティはわさわさとニュクスの髪を撫でる。アルはアルで、彼女のことが気に入った様子。
当然、アホ毛にもその感情は反映される。何処かご機嫌良さそうに揺れ動くそれに、ジョッシュの魔の手(?)が伸びて――――





「――――――――――〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっっっッッッッッッッ!!!!!!!!!!!????????」

――――セーフハウス内に、少女の声にならない叫び声が響き渡った。このあと彼女はガチギレしたとか、しなかったとか。
524 :ロイ&ボロウズ>136-137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/21(土) 22:35:19.13 ID:9NBPx4Ve0
〜もしもアンタが武器を欲するなら 打ち棄てられたスクラップの投棄場を探してみるといい〜
〜そこには人の言葉を解するトカゲがいて アンタに金品か 食料を求めるだろう〜
〜その要求に応えられれば 素晴らしい武具が手に入る・・・かもしれない〜

とある世界で囁かれる噂の一つ そしてそれは真実であった
そこは工業地帯の一角 実は薄皮一枚 全ての世界からずれた場所に存在し 越境者の素質がなければ見つけられない場所

様々な世界と薄皮一枚遠くて近い そんな場所は 各世界から様々な素材がスクラップという形で落っこちてくる場所
最近ではコンテナハウスが設えられ 止まり木の宿として越境者から愛用されている場所

そんなスクラップ投棄所の 小さな廃工場では

ボロウズ「・・・・・・・もっと強く」
ロイ「あいよ!!」

人語を解するトカゲと 目つきの悪いあごひげ男が 金床に向かい 真っ赤に熱された金属に槌を振るっていた
そんな工場 ないしコンテナハウスに 今日も越境者が現れる・・・?
525 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/21(土) 22:51:00.30 ID:2lm+XwUr0
>>524
こりゃ驚いた。噂には聞いていたが喋るトカゲは流石に初めてだ
[興味深そうにコンテナハウスの内部を見回し、時折振り向きながら暗がりから現れる薄汚い男]
[遊園地に来た子供の様にスゲースゲーと目を輝かせ槌を振るう二人組を指差して近寄る]

すまんが、あんたが…そのなんだ、人の言葉が分かるトカゲってのか?
噂を聞いたんだ。金目の物か食料を渡せばイイモノが貰えるって
[トカゲ違いじゃないよな?と、体を傾けて下から見上げる様にして尋ねる]
[左手に何かが詰まった薄汚れたずた袋を持ち、若干火薬と煙草の臭いを漂わせている様子はかなり怪しいが一応ただの客のつもりだ]
526 :ロイ&ボロウズ>136-137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/21(土) 23:01:42.24 ID:9NBPx4Ve0
>>525
//書き方が悪くてすみませんでした コンテナハウスと廃工場は隣接してる別の場所ということでお願いします

暫し槌を振るい 金属を叩く どうやら斧刃を形成しているらしい 完成したそれを見て満足そうに頷くトカゲ人間と 汗を拭いながら来客に顔を向けるロイ

ロイ「あぁ ソーマだったか 久しぶり ゾンビ共がいた世界で会って以来か?」
ボロウズ「・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・ラウス・・・・・鍛冶屋へ・・・・・・・・ようこそ・・・・・・・」

するとトカゲ人間がやっと来客に気付いたらしい のっそりと体を向け 掠れた聞き取り辛い声でゆっくりと挨拶してくる
リザードマン ファンタジーの世界で時たま見かけるトカゲ人間そのものだ 表皮はエメラルド色のうろこに覆われ 腹回りは白いうろこである
そして首回りに瘤のようなものが見受けられる

普段は身を覆い隠すローブを着ているが 今はハーフパンツ一丁の彼はこれまたゆっくりとお辞儀をして

ボロウズ「仕事の・・・・依頼でしょうか・・・・・? どのような・・・・・・・・・品を・・・・・・・お望みで・・・・・?」
と告げてから首をかしげて見せた
527 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/21(土) 23:13:52.56 ID:2lm+XwUr0
>>526
誰かと思ったらロイか、ああ久しぶり。あの時は楽しかったな、またやろうぜ
[右手をヒラヒラ振ってロイに軽く挨拶すると、リザードマンの方を向く]

こりゃまたどうも…ああ、そんなとこだ
[両手を合わせて一礼すると、腰に吊った鞘から刀を抜き、ボロウズに見せる]
日本刀…こういうやつ作れないか?もしくは鍛え直したり
ちょっと不安でな、金になりそうなものならあるし頼みたいんだ。マジだぞ
[僅かな灯りで輝く赤い刀身は、すでに限界が来つつあることが鍔の近くの小さなヒビから分かるだろう]
[それ以外にも鞘は赤黒く汚れ、所々に傷が。鍔の中からも精密機器の名残の千切れたコードが覗いている]
出来れば鞘も頼むぜ。これの中身は再現しなくてもいいから
528 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元).外套 [sage]:2015/11/21(土) 23:14:34.07 ID:A9vVVwC60
>>525-526
「……邪魔する」

カーキ色の外套ですっぽり身を包んだ人影がひとつ、扉を潜る
変声期前の少年のような、少女のような地声を低く押し殺した澄んだ声

「あれ……」

そして見知った顔を発見すれば赤い瞳に微かに感情を宿らせて面々をちらり

「順番待ち?」

工房の主であろうトカゲの獣人に問い掛けるのであった
その様子から、どうやらボロウズの噂を何処かで聞いて仕事の依頼に来たのだと解するのは容易い
外套の下には代用武器の大型科学ブレードブルームーンと、折れた愛刀が隠されている
529 :ロイ&ボロウズ>136-137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/21(土) 23:29:53.93 ID:9NBPx4Ve0
>>527
ロイ「また一般人に罵詈雑言を受けようって? 大したマゾっぷりだな」
と笑って見せる中 ボロウズが刀を受け取り 観察を始める

ボロウズ「・・・・・・・・・・・・・・・」
根本にヒビ これでは直に刀身が折れてしまうだろう 修復は・・・可能・・・だが

ボロウズ「修理は・・・可能ですが・・・一から・・・作り直しと・・・費用は・・・変わらない・・・レベルかと・・・」
そして刀身全体を見て

ボロウズ「かなり・・・荒い使い方を・・・されているようですね・・・身を・・・厚くして・・・頑強度を・・・上げるのも手かと・・・
     切れ味に・・・こだわるなら・・・身幅を薄くするのも手かと・・・」

【ボロウズの提案:重量が増えるデメリットが発生するが 身幅を分厚くして耐久値を上げることができる なお重量のデメリットは 一撃の衝撃力増加のメリットにもなる】
【ボロウズの提案:耐久値が下がるデメリットが発生するが 身幅を薄くして切れ味を上げることもできる なお 重量が下がり 衝撃力は低下する】

ボロウズ「鞘は・・・問題なく可能です・・・素材は・・・木材と金属のどちらにしましょう・・・?」

>>528
ロイ「やぁムガ ボロウズは見ての通りだが 注文は受け付けるよ」
ボロウズがソーマタージにかかりきりな中 ロイがやってくる

ロイ「その折れた刀を治すのか? オプションについては要相談だがな」
まぁ見せてみろと手を差し出す
530 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元).外套 [sage]:2015/11/21(土) 23:41:04.22 ID:A9vVVwC60
>>529
「……ん、あぁ……」

かちゃり、と刀を懐から取り出ししばし逡巡する様にそれを見詰める
たっぷりと不自然な間があって、静々と鞘に収まった忍者刀をロイへと差し出した

【忍者刀ミダレヤマアラシ】
【対障壁魔法、対バリア性能を持つ特殊鋼で打たれた刀】
【軽くしなやかで粘りがあり、今は三分の一程で折れているが通常ならば非常に折れ辛い】
【ムガの故郷で造られたものであり、一族の形見でもある】

【→破損は三分の一程でポッキリと折れている。ただ、破片もしっかり回収してあるようだ】

「金はこれと……あとはこれと、これ」

幾ばくかのマネートークンや金貨銀貨、更に科学ブレードブルームーンや食料や物資まで
賑やかな面々を空いたスペースに並べて見せる
途中、向こうも刀かぁなんて思いつつソーマタージの依頼品をちらり

531 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/21(土) 23:49:47.25 ID:2lm+XwUr0
>>528
あぁ、悪いなあんちゃん。こちらの鱗がイケてる彼は俺が先だ……
[ちらりと目を向け、ムガの顔を見つめる]
[訝しげに片眉を上げると、顔を向けて尋ねる]
…ぶしつけで悪いが…ちょっと前に会ったか?人違いなら別にいいんだが

>>529
バカ言え、次はああいうのも皆殺しさ
腸で大縄跳びやろうぜ

そうか…同じくらいね……
[目を閉じて数秒考え込み、右目を開く]
いいや、修理してくれ。どうせ同じくらいなんだろう?割りと思い入れあるんだそれ
ああ、じゃあついでに丈夫にしてくれ。鞘の方は金属で頼む。頭も潰せるすらい頑丈なので頼むぜ

そうだ、忘れるところだった。これの加工も出来るか?持ち手つけるだけとかそんなのでいい
[懐から取り出したのは以前手に入れた巨大蜂の針]
[脇刺しほどの大きさの、金属並みに固いものだ]

さて、支払いだが……こういうので平気か?それとも金属の塊の武器の方がいいか?
[一通りの注文を終え、ズタ袋に手を突っ込んで何かをだす]
[適当な台の上に置かれたのは、何処かの世界で手に入れた金貨や金歯、宝石の着いた指輪を填められた指など]
532 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元).外套 [sage]:2015/11/22(日) 00:08:58.61 ID:dKcF6hh7O
>>531
「……ん」

順番ならば仕方ない、とおとなしく従順である

「あぁ、前の……」
「……鉄の奴か」

昼と夜の混ざらぬ世界、越境者に対する殺意で満ちた世界で顔を合わせたのが最後か
最もムガは普段余り、他種族であるヒトの事を覚えるのが得意ではない
それでもあの一件は鮮烈な記憶としてムガの脳裏に焼き付いて残っているのだ
因みに鉄の奴とはその時見たソーマタージの能力から付けたアダ名みたいなものだ

533 :ロイ&ボロウズ>136-137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/22(日) 00:10:31.83 ID:QzmWPTeQ0
>>530
ロイ「ほぅ…」
鞘から抜いた刀を観察し 感嘆の声を上げる

ロイ「見たところ鋼だが 素材か・・・工程か・・・俺にゃ判断がつきかねるが・・・とにかく特殊な鋼だ ボロウズ」
鉱山の民故か 金属に関しては多少の知識がある様子 自分のわかる範囲で推論を立て あとは本職の出番

ボロウズ「ラウス・・・鍛冶屋・・・支店へ・・・・ようこそ・・・店長の・・・ボロウズです・・・刀を・・・拝見・・・」
ロイから刀を受け取り 観察開始 その間ロイはソーマタージの会計に向かう

ボロウズ「・・・非物理系障壁の突破に特化した鋼・・・ですね…再現は・・・」

【判定 特殊鋼:特定の地点でしか採掘できない素材 または特殊な儀式を有する場合でなければ ボロウズに再現が可能とするが はたして?】

ボロウズ「会計は・・・そっちで頼む・・・」
ロイ「あいよ それで・・・何かオプションはつけるかい? 刀身に手を加えるとかさ」

貨幣と 若干の食料を受け取り代金とする そして何か手を加えるかと提案してくる

>>531
ボロウズ「・・・かしこまりました」
愛着のある武器 それは結構なことである 幾度となく主の命を助けたのだろうと 慈しみの目で刀を眺める

ボロウズ「そうなりますと・・・こんな感じで・・・」
方眼紙を用意し カリカリと完成形を書き記す

そこには一回りサイズの大きい 戦場刀と形容できるような刀が記された

そして会計 ボロウズは一端ムガの方に出向き その間ロイがソーマタージから代金を受け取る

ロイ「指輪はせめて指から離して持ってきてくれなー 次から処理代金をもらうぜ?」
冗談めかして言いながら指を指輪から剥がす

ロイ「人の地で汚れるのは好きじゃないさ 汚物はもっと好きじゃない まぁヤるのは否定しないがな」
確かにあの世界は凄惨を極めた もう罵声を浴びせられるのはこりごりである

ロイ「おk とりあえずこんなもんだな それで今日はどうするんだ? 止まり木の宿が隣にあるから 泊まるには困らんよ?」
534 :ロイ&ボロウズ>136-137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/22(日) 00:11:39.04 ID:QzmWPTeQ0
>>533追記

>>531
もう一つ 何かの生物の物と思しき針を受け取る

ボロウズ「・・・・問題・・・ありません・・・刀と同時に・・・設えておきます・・・」
535 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元).外套 [sage saga]:2015/11/22(日) 00:26:35.19 ID:dKcF6hh7O
>>533
「……あぁ」
「よく分かるな」

ロイと、そしてボロウズの二人の観察眼にふむと唸る
鼠人ヤソの集、その最後の生き残りのムガが持つ一族の形見
他者に不用意に晒す事も、ましてや手渡す事などなかったのだがなるほど
熟練たる鍛冶と越境者ならばいいかと内心である

特殊鋼は鼠人独自の、しかし確実に『技術』を持って通常の素材を使い鋳造したモノだ
『技術』を保持するモノならば模倣するも可能である

「オプション?」
「あぁ、じゃあ出来れば背にこう……鑢みたいな凸凹を頼む」

それが処されればその刀は本来の姿をようやく取り戻す事になるのだ
536 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/22(日) 00:47:11.90 ID:4tr+eRKY0
>>533>>534
ほーーぅ……いいねぇ。前よりかは戦いやすそうだ
じゃあ頼んだぜ。中身の機械とかコードとかは好きにしていいよ、どうせ動かないんだ
[針を受け取って離れるボロウズを横目に眺め、ズタ袋を肩に背負う]

楽だったんだよその方が。いらないならこれは返してもらうぞ
[転がる指を雑にポケットに突っ込み、廃工場を見回す]
中々良い雰囲気だ、こういうの嫌いじゃないぜ俺は。あの店員も俺より静かでいい
それはさておき、交渉成立だな。宿があるなら使わせてもらおうか。寝るのはタダだよな?
[軽い口調で、真面目な顔で確認すると宿の場所を問う]
[もし金を取られるようなら、そそくさと武器も放って帰るつもりだ]

//自分はそろそろ落ちさせていただきます
//ありがとうございましたー
537 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元).外套 [sage]:2015/11/22(日) 01:00:27.29 ID:dKcF6hh7O
>>536
「ん、じゃあな」

赤眼をふっと一瞬向けて見送った

//お疲れ様でしたっ
538 :ロイ&ボロウズ>136-137 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/22(日) 01:02:34.66 ID:QzmWPTeQ0
>>535
ロイ「故郷は金属の国って呼ばれててね 金属加工もそれなりに習ってる」
ボロウズ「・・・・・・・・・・・・・大丈夫・・・でしょう」

ボロウズは数度頷く 越境を繰り返し 得てきた技術 それを駆使すれば模倣もできるだろうと判断

ロイ「ヤスリ? まぁ必要ならば付け足しておくよ 出来たら連絡しておく あと今日は止まり木の宿に泊まっていきな」

>>536
ロイ「泊まるのも飯もタダだけど 掃除したり 食い物の補給をしておくと喜ばれるな
   出来たら連絡するから 気長に待っててね」

止まり木の宿は 越境者の善意で運営されています


ロイ「さぁて ハードワークだ しばらくは碌に寝れねぇぞ」
ん〜っと伸びを一つ 大変な作業だが やりがいはある

ボロウズ「まずは食事・・・そしたら始めよう・・・」

その日からしばらくの間 廃工場から金属を叩く音が鳴らない日は無かったという・・・

【ソーマタージへの装備1:良質の鋼を重ね 一回り大きくなった戦場刀 重量と頑強度が大幅に上がり 叩き切る刀となった】
【ソーマタージへの装備2:鞘から機械を抜き 一回り大きく改良された鞘 鋼に薄く木を巻き 打撃武器としても使用できるようにした】
【ソーマタージへの装備3:巨大生物の針にグリップとナックルガードを取り付け 握りやすくなったと共に ブラスナックルとしても使え利用にした】

【ムガへの装備:折れた刀を新たに製造した特殊鋼で補強しつつ修復 背にヤスリ状の細かな凹凸を付けた】
539 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元).外套 [sage]:2015/11/22(日) 01:14:46.44 ID:dKcF6hh7O
>>538
「……ん」

助かる、と短く告げた
自らの刀の修復なのだ、無論作業を手伝う事もするだろう

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
540 :ネイムレス 【水魔道】 >>415 [sage saga]:2015/11/23(月) 22:12:52.30 ID:iyuF1WFF0
眠そうに地面に座っている女、周囲には色鮮やかな自然の風景
不思議なことにこの世界では四季の概念なく世界が回っているようで
周りをざっと見ても美しい桜から鮮やかな銀杏や紅葉の木までなんでもあり

「なんで人のいる世界にはめったに出れないのかしら…」

ふっ、とため息をつきながら目を細め空を見る
その後にうつむき気味に顔を傾け目を閉じ眠る体制に
しかし、不意に聞こえてくる音、何かしらと顔を上げれば動き出した近くの木
青々とした葉を付けた大木がこちらへと向かってきている

「え……えぇ…………?」

思わず硬直、漏れ出てしまう困惑の声
なんだこれはと思考はグルグル、ショート寸前

そんな鮮やかながら混沌とした世界に来訪者はくるだろうか
541 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/23(月) 22:21:30.09 ID:pn2sC6Lx0
>>540
「Zzz・・・んあ?」
さて そんな世界でこの男とサソリは木の上にハンモックなんぞ設置して優雅なお昼寝TIMEにいそしんでいましたが
突然の振動に目を覚ませば 何やら視界が動いている なおも振動 気が動いているのである

「tttttっちょま・・・え・・・ちょ!!!!」
―――ギィ!!

寝起きで回らぬ口から泡を飛ばし 必死にハンモックにしがみつく1人と1匹
困惑する女性には そんな彼らがばっちり見えることでしょう

「だ・・・誰か助けて・・・・!!」
そんな悲鳴も聞こえてくることでしょう
542 :ネイムレス 【水魔道】 >>415 [sage saga]:2015/11/23(月) 22:29:42.39 ID:iyuF1WFF0
>>541
「………悲鳴?」

半分現実からの逃避を始めていた頭に響く声
なんということでしょう、なんだか素晴らしい位置に一人と一匹
しかも、助けてときたのである

「ムリよ……ムリムリ」

そっと小声でつぶやき自分だけ逃走の姿勢
即座に猛ダッシュ、しかしそれをおう大木
スピードも増して揺れも激しくなっていっている様子

「わたしの魔法じゃどうにもできないから恨まないでねー!」

などと叫び、それでも逃げ続けるのであった
もういっそ怒鳴って怒ってしまってもよさそうな自分勝手ぶりである
543 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/23(月) 22:43:17.91 ID:pn2sC6Lx0
>>542
さて必死の懇願も 哀れ無碍にされ万事休・・・・

「えぇい最後に頼れるものは自分自身か・・・!!ベティ」
―――ギィ!!

というほどでもない様子 手慣れた様子でリュックを背負い その上からサソリをしがみつかせ

「イヤッホゥ!!」
ハンモックを離れて跳躍 着地の瞬間ゴロリと一回転して衝撃を分散

「あ〜ぁ あのハンモック買ったばっかなのに…仕方ないか」
悔しそうに歯噛みし 逃げ続ける女性に

「あ もう助かったから ありがとねー がんばってねー」
―――ギィ!!

助けてくれなかった女性にエールを送る
助ける気? 今のとことはありません
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2015/11/23(月) 22:44:58.28 ID:Oiav4upAo
>>541
>>542
「あぁあ!しまった見知らぬ森に入るなんて自殺行為止すんだった、三日間木の実と小動物しか食ってねえよ……」
薄暗い森の中でフラフラ独り言を呟きながら彷徨う一人の男
機嫌が悪そうに森の中を突き進むと、何やら騒がしい大木と叫び逃げる女性がいた

「えっ何だこの木、妖怪の類か?面倒くさい所に出会したけど、生憎出口は無いし………」
悩んだ結果、女性に向かって走り出し、話しかける

「ちょっとお前、大丈夫か?歩けるか?」

刀の鞘に手を掛けながら近づく、どうやらまだ大木の上の者達には気付いてない様だった
545 :青咲 和徒 ◆BWy.WVLvdZqc :2015/11/23(月) 22:48:05.09 ID:Oiav4upAo
>>544
/すみません、コテハンをつけ忘れました!
546 :ネイムレス 【水魔道】 >>415 [sage saga]:2015/11/23(月) 22:53:57.88 ID:iyuF1WFF0
>>543
後ろで何かしている気配、チラチラと様子を窺いつつ逃走中
うまいこと木から降りて逃げおおせたのを確認し
続いて聞こえてくるエールに悪い笑顔を浮かべる

「………そこのお二人さん、助けてくれないかしら?」
「わたしが逃げたのにこんなこというのもなんだけどね」

などと口で言いながらも顔はたいして悪びれる様子もなく
もちろん相手が助ける気がないのも承知の上
さっと魔方陣を手元に展開、戦うのかと思えば水を逆噴射して加速、木のわきをすり抜ける
…このまま前方の二人に突っ込んでくるつもりのは言うまでもないだろう

>>544
「ちょっと大丈夫じゃないわね!」
「できれば助けてくれるとうれしいのだけど」

などと言いながら木のわきをすり抜けアキレスのもとへと疾走する女
一方木はあくまで女を追うようで青崎へは目もくれず
その大木は切ろうとするには骨が折れそうだが切れそうな木ではある
547 :ネイムレス 【水魔道】 >>415 [sage saga]:2015/11/23(月) 22:58:15.71 ID:iyuF1WFF0
//申し訳ない、>>543宛の二人はアキレスさんとベティさんの一人と一匹の間違いです
548 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/23(月) 23:01:02.02 ID:pn2sC6Lx0
>>544
「やぁ」
そんな彼の傍に落っこちてくる白人 背中には中型犬ほどの大きさのサソリをしがみつかせている

「大丈夫 そのうち頼んでもないのに森の最奥に飛ばされるとかよくあることになるから」
降りてきて早々よくわからないことを言い始める

「とりあえず逃げたら? 危ないよあんな木に踏まれたら危険が危ないよ」

>>546
「だって助けてくれって言われていませんし 余計な真似をして怒られたくありませんし」
そんないい笑顔にいい笑顔で応える たぶん根に持っているのだろう

なんかこっちに来るようなので横に歩いて射線を開けてあげましょう

「取り合えずそこへんの木の陰に隠れてみたら? なんで追っかけられてるか分からないけどさ」
549 :青咲 和徒 ◆BWy.WVLvdZqc :2015/11/23(月) 23:04:20.91 ID:Oiav4upAo
>>543
「んっ………?」
ふと大木に目を向けると、どこぞの少女の様に空からこちらに向かって落ちて来る一人と一匹

「ぶへぇっ!……げほっ、ごほっ、んだゴラァ!」
砂煙を上げ厳つい顔つきで初見の者が
「あン……?誰だお前、あの妖怪の主か何かか?」
物珍しそうにベティをみると煩い足音が聴こえてきた
>>546
「うおっ、もう来やがった!」
振り返ると大木が迫っており思わず防ごうと鞘を抜き刀を構えると、大木は和徒を素通りし女性に向かって追っていた

「ん……?あっ!待てやコラ!そいつが居なくなったらまた出口分かんなくなるじゃねえか!おい!そいつをターゲットにすんな!」
目を開けると大木が女性に向かってドタバタと疾走していた

「面倒くせえ、大体この刀で切れんのか?」
刀を一振りして霧を払い、大木に向かって走り出し切りつけようとする
550 :青咲 和徒 ◆BWy.WVLvdZqc :2015/11/23(月) 23:04:57.58 ID:Oiav4upAo
>>547
/かしこましました〜
551 :ネイムレス 【水魔道】 >>415 [sage saga]:2015/11/23(月) 23:12:10.81 ID:iyuF1WFF0
>>548
「むむむ………」

さすがに理不尽な怒りをぶつけたりするほど幼くないが、ちょっと不満げ
さらにあけられた射線、なすりつけてやろう、などと思っていたが思いの他魔法の制御が効かない
木々の中に突っ込んでいく女、遠ざかっていく叫び声

「助言ありがたくちょうだいするゎぁぁ…」

そしてややあって木に盛大にぶつかったのち、木々の陰に隠れる
わりとビビリモードで周囲の様子を窺うわけでもなく木の後ろで息を殺している

>>549
走っていく大木、あっさり切り付けられる
木を切ったとき特有な硬質な良い音をたてるも、あまり傷ついた様子はなく
だけれども、それだけのことで大木は不意に足を止めてその場から動かなくなる
どうやら問題は解決した様子

………いまだ木々の中から女はでてこないことを除けば
何をしているかといえばビビッて周囲の音も聞かずにまごついてるだけなのだが
552 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/23(月) 23:28:06.16 ID:pn2sC6Lx0
>>549
「おぅ大丈夫か?」
自分で砂埃上げておいて他人事のように心配する男

―――ギィ!!
「いや そもそもアレが何なのか分かりません」

こちらをもの珍しそうに見る男にハサミを振り上げるベティと
肩を竦めてみる男

「まぁ 俺らはターゲットに入って無いっぽいし 放置かくていd」
と言い切る前に駆けだしてしまいました

>>551
取り合えず剣士殿が巨木をどうにかしてくれたので 辺りは静寂に包まれました

「いえいえお気遣いなく しかし何なんだろうねここ」
これじゃおちおち昼寝もできない とあたりを見る目をどこか面倒くさげ

「とりあえず出ようか 出れるほど小さな森の中なのかは分からんがね」
553 :青咲 和徒 ◆BWy.WVLvdZqc :2015/11/23(月) 23:38:21.22 ID:Oiav4upAo
>>551
「おら、かかって来いやでくの坊!!」
大木に向かって叫び構えるが、大木はピタリと動きが止まってしまった

「あん?………あれ?おーい……」
ぴくりともしたい大木に顔を近づけ、反応を調べる

「…………………」
「また、つまらぬものを切ってしまった………」
何の反応も起きない大木を見て、少し下を向きながら刀を鞘に戻し、女性が隠れた方を向かう

「ンだよクソが………襲う気無いなら最初から襲うなよ………
おーい!もう大丈夫だから!道案内しろ!!」
ブツブツ文句を吐いた後、命令口調で叫ぶ
>>552
「おぅそういやアンタも居たんだったな、どっちでもいいから道案内してくれや」
男の方に振り向き道案内を頼む

「最近此処にやって来たからここら辺の事は詳しくないんだよ」
警戒気味に距離を置きながら話す

「ところでお前ら何もんだよ?こんな危険な森に入って何がしたかったんだ?」
自分が言えた質問ではないが、用心深く問いかける
554 :ネイムレス 【水魔道】 >>415 [sage saga]:2015/11/23(月) 23:45:42.56 ID:iyuF1WFF0
>>552
静寂に包まれ数分、やっとのこと出てくる女

「たまーに…元気が有り余ったやつらが動くんじゃないかしら」

疲れ切った顔で、先ほど盛大にぶつけた頭をさすりながら
口ぶりから察するに言ってることはどうやらこの女のただの推測のようだが、まあだいたいあっているのだろう

「ああ、出口は確かあっちよ……」

すっと、指をさす方向、大量の秋の木々にところどころ見える果物
本人はまだここにとどまるようで、緩やかに腰を下ろし座り込む

>>553
最後にはいた文句に一瞬木が動いた、かもしれない
もちろん気のせいかもしれないが

「ああ、助けてくれたみたいね、ありがとう」
「出口はあっち…なんて言うだけなのは失礼かしらね」

疲れた様子で出てきた女、すでに案内する気力がなさげ
しかしながらさすがに助けてもらった相手にそれはわるいかと思案
口調のやや激しいのは気にもとめてない様子

>>553.554
「それじゃあ案内しましょうかね…」
「あ、忘れてた…わたしはネイムレスよ、良かったら覚えといて」

ちょっと迷った後地面から立ち上がり二人を案内するために歩き出し
しばらくして森を抜ければいつの間にやらネイムレスはどこかに行くだろう

//それでは落ちます、お疲れ様でしたー
555 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/23(月) 23:51:22.36 ID:pn2sC6Lx0
>>553
「俺は・・・無理 気付いたらここにいたから」
男の要請に肩を竦めるばかり

「俺? 俺はアキレス んでコイツがベティ 世界をまたにかける偉大なアーティストになる予定の者だ」
―――ギィ!!

何者だと聞かれたので自己紹介
ベティもよろしくーと言わんばかりにハサミを振り上げている

「んで? アンタのお名前なんて―の?」

>>554
「あぁそうね よろしく」
どうやらこの女性が案内してくれるらしいです

「俺はアキレス よろしくネイムレス」

//すみませんが自分もノシで
556 :青咲 和徒 ◆BWy.WVLvdZqc :2015/11/23(月) 23:56:40.71 ID:Oiav4upAo
>>554 >>555
「アキレスとベティとネイムレスか」
暫く黙った後、目を逸らしながらポツリ呟く
「青咲だ、青咲和徒。道案内ありがとう、宜しくな………」
照れ臭そうに感謝の言葉を吐き
ネイムレスとアキレスの背後を付きながらやがて出口に着いた

そしてネイムレスアキレス達の二人にお辞儀をしてから森を後にした…………

/初ロールありがとうございました、皆さんお疲れさまでした!
557 :四五六 七八【安堂流居合術】 [sage]:2015/11/25(水) 21:37:38.11 ID:on1LZujYO
実年齢よりやや大人びた彼女は、黒髪を流し凛然とトローヤー北部人間都市の宵闇を闊歩していた
その和服と刀はこの中世めいた空気には異質であり、だが冷え切った瞳に湛える氷の殺意はそれに対する嘲笑を事前に防いでいる

『……いでぇ!?』
『……おいこらねーちゃん! 一言も無しか……よぉっぉわぁっ!?』

顔を赤らめた偉丈夫、酒場からご機嫌で出て来た彼はアルコールの息を荒立てて少女の肩を乱雑に掴んだ
その直後である
腰を捻り強引にそれを振りほどいた七八、その回転のまま抜刀
全くの迷いない必殺の太刀筋を、偉丈夫の息の根を切断せんと唸らせる
彼が非常に幸運であったのは、酒気に千鳥る足と身に付けていた仕事道具……鎖帷子にあった
帷子と肉を削ぎ血を撒き散らしながら後ろに倒れる偉丈夫
七八は全くの自然的所作で踏み込み、その哀れな標的の喉元に刀を突き立てんと狙う

【七八を知っていれば顔立ちは確かに彼女である。 だが装備や出で立ち、そして雰囲気に明らかな『違和感』が存在する少女】
558 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/25(水) 21:44:22.01 ID:vdnIgFm40
>>557
その日アキレスはこの世界の郵便配達を一日こなしていた
そしてその給金でお酒でもと酒場に足を運んだのだが 目の前で知り合いがサツバツもいいところな刃傷沙汰を起こしたではないか

「ちょちょちょちょちょ・・・! 四五六タンそれは不味いって!!」
―――ギィ!!ギィ!!
何してんのと非難するように2人の間に割って入ろうとする
559 :四五六 七八【安堂流居合術】 [sage]:2015/11/25(水) 21:53:26.16 ID:on1LZujYO
>>558
「なに、あんた『も』私を知ってるの……?」
「……全く不可解だね、気持ち悪い」

ひゅんひゅんひゅん、刀を手慣れた動作で回転させれば刀身に付着した血が舞った
偉丈夫は酔いも覚め四つん這いでこの場からの逃走の構え

「まーいいや、邪魔するってんなら変わりに斬るよ」

鋒をアキレスに向けてニタリと微笑む
月明かりにギラリと輝く刀と、明確な殺意
560 :四五六 七八【安堂流居合術】 [sage]:2015/11/25(水) 21:55:32.50 ID:on1LZujYO
//ちょっと追記します
561 :四五六 七八【安堂流居合術】 [sage]:2015/11/25(水) 21:57:10.76 ID:on1LZujYO
//>>559追記

その刹那の後、言葉を裏付ける様にして振るわれる狂刃一閃
右腕一本、横薙ぎに払う格好での無遠慮な斬撃である
562 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/25(水) 22:06:54.46 ID:vdnIgFm40
>>559
「あ? あー・・・あぁ・・・ア・・・アハハハハハハハ・・・いやそんなアハハハハハハハ・・・俺なんてそんなアハハハハハハハ・・・」
―――ギィ!!

何か様子がおかしい ベティも警戒している 冷汗を垂らしながら後ずさり 殺気をまともに受けて肝がひんやりとする

「ヒィィ!!」
―――ギィ!!

そして突如刀を振るう四五六 咄嗟にベティを両手で構える その滑らかで分厚く強靭な甲殻はよく砥がれた刀身を受け止めた

「ままままままままままぁ落ち着こうよそんな危ないってアハハハハハハハ・・・」
ギチギチと両手でベティを構えながらも 冷汗止まらず四五六に辞める様説得する
563 :四五六 七八【安堂流居合術】 [sage]:2015/11/25(水) 22:14:57.24 ID:on1LZujYO
>>562
がぎん! 走る閃光と衝撃音
安堂流皆伝の一薙は見事に防がれる格好となった

「……ちっ」
「興醒め……」

がりがりと不機嫌そうに長髪を掻き、吐き捨てれば踵を返す
そのままフラリと、ゆっくりなのに見逃してしまうような歩調で周囲を囲むざわめく人混みの中に消えていった



「ちょっと通して通して……」
「お、見える見える……って、アキレス!?」
「どうしたのさ? ってその人血塗れだし!」

それと入れ替わる形で人の垣根を掻き分けやって来るのは何時ものおマヌケ忍者少女である
菖蒲色の装束を纏った七八はアキレスと、四つん這いの偉丈夫を見れば慌てて駆け寄り、どうしたのさと刀傷の応急手当を始めた
564 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/25(水) 22:25:02.23 ID:vdnIgFm40
>>563
「まぁまぁまぁまぁまぁ・・・ねっ!! そうだね興ざめだしもうやめt・・・ちょちょちょ・・・ちょっ!!! ・・・えぇ〜」
どうにかこれ以上の刃傷沙汰は防ぐことができた?のかなと思ったら 今度は人混みの中に紛れて消えて行ってしまう

また別の場所で暴れられたら困るので呼び止めようとしたその時

「いやいやいや・・・え? イヤイヤイヤイヤイヤやったの四五六タンじゃない!! え? なに早着替え? さっきのはどうしたのさ?」
―――ギィ!!

混乱するアキレス ベティもやんのかこらーといきり立っている
565 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/11/25(水) 22:36:00.70 ID:on1LZujYO
>>564
「え? さっき……ん、もしかして……」

軟膏を塗れば偉丈夫の出血は止まる
元より傷が深くなかったのと、彼自身の生命力による所と何より幸運が大きい
アキレスと、それとベティの様子に何かを察した様子
男に病院に行くように告げ、治療費には明らかに足りないであろう小銭の入った袋を手渡しアキレスに手招き
取り敢えず騒動の渦中から逃れようという魂胆である
同意されようならば道中で、されなかろうと結果的に頃合いを見て語り出すのは先程察した事態の内容である

「……この前、ニアにも似たような事言われたんだよね」
「スプロールで私が暴れてて止めようとしたら斬られた、みたいな」

因みにもし七八に着いて行くのであれば向かうのはアルコールっ気の無い純喫茶店だ
七八は紅茶と、ベティにご機嫌取りのつもりかサンドイッチを注文するだろう

「……で、少し気にしてたら同じような事が何回かあったみたいで……」
「私の同姓同名のそっくりさんがいるってのは事実みたい」
「……ニアもニアで、アラズ? とかいう同じようなのがあったって言ってたけど……」

ニアとアラズ、正式にはアラズァヘッド達はクローン兵器に値する
七八はただの人間である、そもそも能力者ですらない

「……なんか、兄貴の事が片付いてもないのに嫌な感じ……」

気を付けてね、と苦笑
566 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/25(水) 22:48:22.53 ID:vdnIgFm40
>>565
「え? あ? あ・・・あぁウン」
まぁあやしいがこの場を離れることには賛成 四五六についていく

――――場面転換 喫茶店

流石にアルコールを嗜む気分になれなかったので 喫茶店のチョイスは助かった
自分はコーヒーを頼み

―――ギィ♪
ベティはサンドイッチに歓喜 四五六へ嬉しそうにハサミを振り上げてきた

「あれか? ドッペルゲンガーってやつ? あらやだ風評被害もいいとこじゃない」
―――ギィ♪

明らかに嫌そうな顔をする ベティはサンドイッチに舌鼓

「あれかねぇ?世界線の果てに 自分の知らない自分が居たりするのかね? なんかで歴史が代わったりとか
 どこかに越境者じゃない俺もいるのかねぇ…」

と考え込もうとしたとき 久々に出てきた兄貴の件

「あれだろ? 四五六タンの想い人だろ? 本当にどこをほっつき歩いているんだか・・・」
腕を組んで思案顔 だが兄を想い人と言ってみたり からかう気満々である
567 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/11/25(水) 22:55:52.41 ID:on1LZujYO
>>566
「それ、それなんだよ」

ベティの機嫌が良くなったのに安堵
その後ずびしっ! と行儀悪くアキレスを指差す七八
示しているのは世界線と、歴史のくだりである

「越境って、宇宙旅行よりよく分からない事だらけじゃない?」
「だとしたらえーと、何だっけ、パラソル……じゃなくて、パ……ワールド?」
「並行世界とのやり取りが起こったっておかしくないんじゃないかって……」

白梟の魔女に言われたんだよね、と唸る
ともあれ、何処かで何かが起きようとしている、或いは起こり始めているのだ
静かな足音でヒタヒタと忍び寄るそれは、不可避の怪奇である

「そうそ……んだっ!? だからっ! 別に私はそんな……!!」
「ぁ……す、すみません……」

ムキになって反論し掛けて、静謐の凪に岩石を投げ込む様な真似を恥で周囲に頭を下げる
もう、と責めるような視線をアキレスに向けた
568 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/25(水) 23:06:59.79 ID:vdnIgFm40
>>567
「・・・(ニッコリ」
責めるような視線に とてもいい笑顔で応える

「世界によっちゃ認識されてない分宇宙の方がナンボか優しいんだろうな 実際俺も越境する前はこんな世界あるとは思ってなかったし
 俺の経験からすると 越境者を認識してない世界の方が多いと思うよ」

「あぁ パルレラワールドのことだろ? しかし用心した方がよさそうだなぁ スプロールでよければ少し探り入れてみようか?
 本職の情報屋とまではいかないけれど 蛇の道は蛇とはよく言うし」

と提案してみる

「あと知り合いの越境者も見つけたら注意を呼び掛けておくよ 下手に近寄ってバッサリとか勘弁だしね」
569 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/11/25(水) 23:14:01.91 ID:on1LZujYO
>>568
「〜〜……!!」

この笑顔である
責めるは無意味と察し、赤面を隠すように俯いた

「そうだねぇ……慣れては来たけど、分からない事のが多いし……」
「うん、ありがとう……是非頼むよ」

提案と注意喚起には両方とも頷いて返す
どちらも有難いモノだ、今の所知り合いに被害は及んでいないが今回は無関係な人間が自身のそっくりさんのせいで死ぬ所であったのだから

「私って言うなら、性格も私ならいいのになぁ……」

ならば今回のような騒動には少なくとも至らなかったはずだ
今までの情報を総括すると顔は同じ、だが中身はまるで別人である
塩で作ったケーキが、見てくれだけは同じで味が全く異なるように
570 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/25(水) 23:22:32.00 ID:vdnIgFm40
>>569
「ドン★マイ」
うつむく四五六の肩をポンポンと叩く

「さて問題はあの四五六が何者なのかだよなぁ とりあえずNINJAじゃ無いっぽかった
 なんつか SAMURAI?何度か見たことのある 四五六タンの戦い方とは全く似てなかったよ」

あの時の短い記憶を掘り起し 特徴を探る

「あと 正確がキツかった なんか酔っ払いに話しかけられただけでヤッパ抜くし
 興ざめとか言ってどっか行くし でも容姿は四五六タンそのものなんだよなぁ」
―――ギィ!!

サンドイッチを食べ終えたベティがほかにも食べたそうにズボンの裾を引っ張るので コーヒーについていた豆菓子を進呈する

「今は用心するだけさ 少なくても俺じゃ対処できないし 撃退はロイのおっさんにでも任せるさ」

―――ギィ♪
香ばしい豆菓子に舌鼓を打つベティをよそに そういって楽観視した
571 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/11/25(水) 23:33:19.00 ID:on1LZujYO
>>570
「う〜〜……」

言葉に詰まり絶句、ただ唸る事しか出来ない不甲斐なさを呪う

「うん、ニアも言ってた……サムライ……ねぇ」
「キツイっていうかそれ、狂人だよね」

鈴虫でももっとちゃんと会話するよと苦笑い
あのゾンビ犇めく世界の後彼と出会っていない
飄々(七八評価)たる彼の事だ、無事ではあろうが何をしているのだろうと一瞬過る

「……なんならもう、ヤられる前にヤっちゃった方がいいかも……?」

でも情報も知りたいし、と堂々巡りに陥った模様

アキレスの元に、スプロールで、件の並行世界七八と思しき少女が数多の惨殺事件を引き起こしたとの情報が舞い込むほんの少し前の出来事であった

//この辺りで〆させて下さいなっ
//お付き合いありがとうございました、また宜しくお願いしますっ
572 :イベント『ヘッドハンター』 [sage]:2015/11/28(土) 21:30:31.45 ID:3QwmiARdO
『……おはようございます、気分は如何?』
『えぇ、えぇそうでしょう、何せ貴方は『生まれ変わった』んですから』
『……そうですね、そう……私が少し、関与してはおりますが』
『いえいえ、とんでもございません……ただ、そう感じているんでしたら……頼みを、聞いてくれません?』

……………


そのサイバネティクスニンジャは、スプロールの低い雲から落ちる雨に打たれ佇んでいた
眼下に一望出来る街並みは毒々しい蛍光色に満ち溢れ、水気が乱反射して眩い
極めて遠巻に一点を見詰めてた彼は、突如として行動を開始する
先ず両脚で駆け、そしてビル間を跳び、ネオン看板を足場に飛翔
中心部から離れた倉庫群、従順なる機械労働者サーヴァイター達が静かにその職務をこなす場所である
その中にただ、場違いな存在を探知した為だ
倉庫地帯を疾走する通信トラックの中、何人目かの『ヤツ』がいる

…………

『まぁ、要するにそれを囮にヤツ……ヘッドハンターを捕獲、或いは破壊して欲しいんですよ』
『ヘッドハンターはサイバネティクスボディのニンジャです、様々なウェポンを使う厄介者』

スプロールの民間軍事会社ゼファー社所有の大型通信トラック内
通信機能向こうから聞こえる女性の声
依頼主だという彼女はバイスと名乗った
目の前にはフードを目深に被った少女の姿
防塵ゴーグルとマスクとに隠れた素顔は見えず
だが肌色と纏う気配から、この世界に多く配備されている戦闘個体アラズァヘッドの一人だと分かるモノもいるかもしれない

『そしてどういう方法か分かりませんがそれを探知する能力を有しています』
『ただ、それだけで、他の異能者を探知したりは出来ないのも確認しています』
『誘い出すには……ここに向かってこのルード行きましょう、確実に惹き寄せられるはずです』
『……あ、時間? それでは、宜しくお願いしますね』

トラック内ディスプレイに表示される目的地とそこに到るまでのルート
大周りをするそれは最短距離の倍以上を走る計算になる
バイスの声が途切れると同時、エンジンが唸りを挙げトラックは走り出した

「なぁんか……」
「……まぁ、仕方はないけどさ」

参加者の中の一人、七八はチラリとフードを被るアラズァヘッドを見た
無機質にただ座っているだけのそれはまるで人形である
だが歪んだ形ではあれど、生命を宿すそれを囮にする作戦にやや後ろめたさを感じているのであろう
しばしは何事もなく、スプロールの夜を走り続けていたが
だがひと気のない倉庫群に到ると静寂は一変を告げる
突然の爆発と、走る衝撃
横転したのだ、トラックが

「……あ痛たたた……」
「……来た……!?」

天井代わりになった左扉から器用に這い出す七八、囮のアラズァヘッドもそれに続く
そこは倉庫群の中でも拓けた場所だ、周囲にはチラホラと小さなコンテナが点在するだけ
その向こう、コンテナ輸送用クレーンの頂点
そこに直立する影ひとつ、光化学スモッグ雲の合間から覗く月を背後に揺らめく忍影
573 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/28(土) 22:25:32.04 ID:jh8pHzfj0
>>572
「ヤレヤレ 相変わらずの人命軽視っぷりだなここは」

なんとも嫌そうに頭を掻くのは 時代錯誤な古典的武器を纏ったあごひげ男
例え腹を痛めて生まれたわけじゃないとはいえ 囮と言われてはい分かりましたなんて言えるとは

「まぁいいさ 問題は相手がどう攻めてくるk」

言葉が終わる前に先制攻撃を受けた

「いでででで・・・まったくクソッタレとはこのことだッ!!」
成すすべなく横転するトラック 四五六とは逆方向のドアを蹴破り素早く外に出る

「敵は・・・そこか ちょっと歓迎クラッカーの火薬が多かったらしいな・・!!」
そしてすばやく敵を発見 ハルバートを構え臨戦態勢

サイバネ忍者だとすれば初っ端から銃乱射は無いだろうと考え トラックの陰には隠れず
むしろトラックの爆発を考慮してその場から走って離れようとする
574 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/28(土) 22:31:20.45 ID:guhY/xkC0
>>572
[トラックに揺られながらアラズァヘッドを眺める薄汚い格好の男]
[どこか冷めた濁った眼でマジマジと眺めると口を開く]
しかしなんだってこんなやつが狙われるんだ?勿論俺は報酬さえ貰えれば細かいことは気にしないが、少しばかり気になる
ひっぱたいても反応なさそうだぞ。ちょっと叩いていいか?

[来たる敵に備えてドラッグを注射した瞬間、爆発とともにトラックが横転する]
[したたかに額を打ち付けながら、折れてしまった注射針を引き抜いて這い出す]
…おいでなすったか。つまるところアレを仕留めればいいんだろ?とっとと終わらせようぜ
[腰の鞘から普通の刀よりも一回りほど大きく、頑丈な戦場刀を引き抜き、構える]
[自分から踏み込むことはせず、まずは相手の出方を探る腹積もりだ]
575 :イベント『ヘッドハンター』 [sage]:2015/11/28(土) 22:40:15.78 ID:RgzNcWRb0
>>573-574
「……!!」

七八を含む越境者達の視線を浴びたその影は、直後消えたと見まごうばかりの速度で飛翔
刹那の後に着地、コンクリートの地面が抉れて小型のクレーターを形作った

『……護衛付きでゴザルか。 だが……!』

その場で腰を捻りながらの回し蹴り一閃
宙に巻き上がったコンクリートの破片の群れを散弾銃の様に飛ばしたのだ
そのまま横へと駆け抜け、越境者に向けて鋒が三又のナイフ、シュリ・ダガーをそれぞれ3枚ずつ放つ
無論ヘッドハンターの標的であろうアラズァヘッドにもそれは向けられていた

「……あぁもう、話す間もなく……!」
「ぁ痛っ……!」

ぎりりと歯軋りは七八である
忍者刀を抜きシュリ・ダガー1枚を叩き落とし2枚はしかし足に貰う
576 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/28(土) 22:49:39.81 ID:jh8pHzfj0
>>575
「相変わらずサイバネってやつぁ・・・!!」

デタラメな身体能力を持つNINJAに泡を食う 飛んできたコンクリ破片
腕を顔の前でクロスさせ最低限の防御 腹回りを中心に破片が浅く刺さるが まだ無視していいダメージ

続いて飛んでくるダガーを ハルバートを振るって叩き落とす

「イ・・・ッテぇなぁクソぁ!!」
接近を開始 そのままNINJAのみぞおち辺りを狙い 穂先を真っ直ぐ突き出す
577 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/28(土) 22:53:05.88 ID:guhY/xkC0
>>575
こいよ時代錯誤野郎、面の皮を剥がしてや…!
[一瞬にして視界から消える影]
[あたりを素早く見まわして姿を捉える事には成功するも、すでにコンクリートの破片とダガーが放たれた後だった]

ああっクソッ!畜生!
[刀を持ったまま腕を交差させて顔面への破片の飛来を防ぐ]
[わき腹や脚にダメージを負いながらも、赤く発光した瞳でダガーを睨む]
ナメんじゃねえファック野郎!
[戦場刀の一閃により二本のダガーは弾かれる]
[弾き逃したダガーがこめかみのあたりをやや深く掠めて飛んでいくも、気にする様子もなく刀を構え直して襲い掛かる]

[刀を下に向け、左半身を前にしてヘッドハンターへ突っ込む]
[間合いに入ったら振り上げるようにして斬りかかるつもりだが、ダメージを負った脚は速く動かない]
578 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/28(土) 22:55:08.02 ID:jh8pHzfj0
//名前がかわってない・・・!!
579 :イベント『ヘッドハンター』 [sage]:2015/11/28(土) 23:04:28.53 ID:RgzNcWRb0
>>576-577
「……もう……このバカ兄……!!」
『ぬぅ……!!』

足を負傷し転ぶ七八の叫びが最後まで紡がれるより速く駆け抜ける異音
ヘッドハンターの両の腕部に搭載されたネオアドバンスカーボン・ヌンチャクがアクティブ化
それを両手で握りロイの刺突を逸らし、ソーマタージの逆袈裟の軌跡をいなしたのだ
アクティブ化したネオカーボンが撒き散らす火花は青い

『……セィヤぁッーーっ!!』

そのまま両のヌンチャクを振り乱し、打撃の乱流を生み出しロイとソーマタージへと向ける
極短い合間に数十の撃線を描いたそれは止み、ロイへ向けて肘鉄を打ち込まんと体勢低く踏み込むと同時に唸らせる
ソーマタージからすればヘッドハンターは背中を見せた格好だ
580 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/28(土) 23:16:00.76 ID:guhY/xkC0
>>579
ヌンチャク?おいおい、冗談だろ…?
[逆袈裟をヌンチャクでいなされたことへの驚きにより隙が生じる]
[数十の打撃をもろに食らい、体内の特殊合金製のフレームが、サイバネ義肢がひしゃげ、裂けた人工皮膚から白い血と火花が飛び散る]
グワーッ!グワーッ!グワーッ!

[倒れそうになるのをこらえ、人工血液で滲む視界に隙を見出す]
[刀を握っていた腕はあらぬ方向へ曲がりかけているが、、もう一本の腕は動かせる程度には無事だ]
どこを……
[彼の意思に応えるように裾から飛び出たグリップとナックルガードのついた大きな針]
[刺突のためにあるようなソレを逆手に構えると、ヘッドハンターの背中へ勢いよく振り下ろした!]
見ている!イィィヤァァーッ!
581 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/28(土) 23:16:22.20 ID:jh8pHzfj0
>>579
「チッ!!」

流石に一撃じゃ仕留めさせてくれないらしい
続いて飛んでくるヌンチャクの雨霰を バックステップにて回避する

長柄とヌンチャクのリーチの差が功を奏したらしい
だが今度はこちらに狙いを定め 一気に突進してくる

「やば・・・ッ!!」
槍の間合いの内に入られたのでハルバートを投棄
そして鎧に覆われた右腕で肘鉄を防御 衝撃が中まで響いてくるが どうにか無事

「ッシャアア!!」
そのまま足に力を込めてショルダータックル 突き飛ばして間合いを外そうとする
582 :アルコ 弓  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/11/28(土) 23:18:45.95 ID:rwg00hoUo
二人の戦士とヘッドハンターが格闘戦を始めた戦場
そこに、傍観を辞めた一矢が訪れる

「ふん…つまりはその忍を狩ればよいのだろう?」

先ほどまでトラックが進んでいた方向の闇から声
そちらからは、やや時代錯誤な弓兵が戦地へと近づいていた
ロイたちにとっては、援軍の到着である

先ほど放たれた矢はまるで未来を読んだかのように正確に、入り乱れる三人の合間を縫う
そして、ヘッドハンターのその右肩を正確に射貫かんと迸った
583 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/28(土) 23:19:59.08 ID:guhY/xkC0
>>580
[ヘッドハンターの背中へ勢いよく振り下ろした]

[ヘッドハンターの背中へ突き立てようと、勢いよく振り下ろした]
に修正します ごめんなさい
584 :イベント『ヘッドハンター』 [sage saga]:2015/11/28(土) 23:26:55.51 ID:RgzNcWRb0
>>580-583
「ぬぐぅ……!!」
「……ぐぁっ!?」

ヘッドハンターの背に走る衝撃、ソーマタージのスパイク撃が捉えたのだ
注意を背後に向けた刹那、パズルのピースがことりと嵌る様に続くロイの突撃
サイバネ強化された彼の体は重く、たたらを踏む程度に終わったが距離は離れた

「……ちぃ……!?」

立て直しを行うより速くその肩を掠めたのはまるで意識外からの弓である
重心の移動を行っていた為に直撃は免れた、運に救われた形となる

「……はっ!!」

気合一閃、全身のハッチが開けばエンマク・ディスチャージャー起動
もうもうとした黒煙がヘッドハンターの周りを包む
チャフ効果も含み、視界や電子機器から彼の姿を隠匿するだろう
そして生まれた黒煙の球体から四方八方へ飛散するシュリ・ダガーの群れ

その微かの後に黒煙の尾を引きロケットめいて、ロイとソーマタージの合間を抜け標的であるアラズァヘッドへと迫らんとするヘッドハンターの姿
手には新たな装備、刀が握られていた
585 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/28(土) 23:38:39.81 ID:jh8pHzfj0
>>584
肩をぶち当て距離を話したと思ったら今度は煙幕で自らを隠すNINJA
更にバックステップを踏んで警戒 すると飛んでくるダガーの群れ

鎧の右腕で叩き落とすも 内一本が脇腹に突き刺さる

「ングッ・・・んなろ・・・ッ!!」
咄嗟にそれを引っこ抜いている隙を狙われNINJAがアラザァヘッドへ そうはさせんと追撃開始

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く
――――瞬間的な其の動作

地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

加速を無視した最高速でNINJAを追走
接近が叶えば腰あたりを狙ったアマレス式タックルにて NINJAの行動を妨害しようとする
586 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/28(土) 23:41:01.14 ID:guhY/xkC0
>>584
煙?煙幕か!ふざけやがって!
[左手を空気を掻く様に一度振ると、上体を丸めて力を籠める]
[瞬間、ソーマタージの背中から、頭皮から、肩から、腕からハリネズミめいて無数の触手が飛び出す!]
[直後に身体中に突き刺さるダガー。心臓や顔面のような急所に来る物は防いだものの、失血は激しい。サイボーグといえど血が出すぎれば死ぬのだ]

[しかしそれすらも気にしないようにダガーを引き抜いていくソーマタージ。むしろ歪んだ部位に添え木めいて伸ばした触手を刺し、強引に固定する]
[地面にぼたぼた垂れる人工血液を踏みしめながら完全に赤くなった眼で周囲を探る]
次はないぞポンコツ!身体から肉を引き剥がしてやる!
[ノイズ交じりの声で吼えると、アラズァヘッドへ迫るヘッドハンターを視界に捉える]
[地面に刀の刃先を引きずり、火花を散らしながら後を追う]
[無理やり脚を動かしているような状態なので追いつけはしないが、もし近づければ強引に叩き斬るように刀を振り回して襲い掛かるだろう]
587 :アルコ 弓  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/11/28(土) 23:43:44.92 ID:rwg00hoUo
>>584
「ちぃ…しかしこの程度の投擲に目暗ましで私の目は誤魔化せんぞ」

自分の周囲に放たれたダガー、それは持ち前の俊足をもって軽々と危なげなく回避しつくす
距離が離れているため見やすいというのもあるのであろう
避けつつも弓を引き絞る、次なる一矢をより強固なものとするべく

「まぐれであろうが私の一矢を避けれたその実力は本物だな、
しかし次はない」

その瞳は刀の輝きを捉えていた
僅かな反射、しかしそれだけで弓兵には十分すぎた
ソーマタージとロイ、二人の猛者を追い越す勢いをもって矢は放たれた
狙いは右肩、刀を振るえなくするのが意図
よく引き絞られた一矢は、命までは奪わずとも骨を砕くには十分と感じて弓兵はその足で標的への接近も開始した
588 :イベント『ヘッドハンター』 [sage]:2015/11/28(土) 23:59:29.69 ID:RgzNcWRb0
>>585-587
「……何っ……!?」

ヘッドハンターは、極めて高度な戦闘力を誇るがその中で最も優れている部分は速度である
だが放たれ迫る矢は否が応でもその注意を惹き、対応せざるを得なくなった
その瞬間、ロイの行う刹那の加速は、ヘッドハンターのそれを凌駕したのだ

「ぐっ……おのれっ……!!」
「……っ!!!!」

タックルから素早く抜ける事でマウントだけは防いだが、転倒まではそうともいかない
振り向けばソーマタージの強刃がぎらめき、振り下ろされる瞬間だ
地面を背に咄嗟刀を防御に構えんとするも、右に突き刺さった矢が強化骨格の稼働を阻害する

「……のぉわぁぁぁーーーっっ!!」

断頭台地味た轟音と叫び、だがヘッドハンターの首は繋がっていた
腰を捻り斬撃から逃れ、首の代わりに胴体の半分を横に斬られるだけに済ませたのだ

「が、ふ……」
「……マズイでゴザルな、少々……」

チラリ、標的であるアラズァヘッドの方面へ視線を向ける
先のシュリダガーの群れからそれを庇ったのであろう、七八が背にダガーを受け倒れているのが見えた

「……だが……!!!」

その場からバックステップ、ロイとソーマタージの2人から距離を取る
アルコの射線を真正面に捉えた位置取りだ
その場で直立、足を肩幅に開き両の手を揺らめかせた
無限を描くように空間をなぞり、腰溜めに構えればそこに生み出される破壊的エネルギーの奔流

「サイバー賽印流、奥義……!!!」

周囲に稲妻めいたスパークを走らせコンクリートを焦がし、両手を突き出せば薙ぎ払いの形で放たれるは必殺の奥義

「白夜赤月無双陣んんんんっっっっっ!!!!!」

要するに、ニンジャビームである
589 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/29(日) 00:08:44.83 ID:aEONONdy0
>>588
本来ならば色々と隠し玉を持っているNINJA相手にマウントポジは悪手と言えるが 相手が間合いを嫌って離れてくれた

だがNINJAが次なる一手を狙っている
その動作に嫌な予感を覚える まるですべてをふっ飛ばすかのよう


「・・・・アキレス直伝!!」
辺りのスパークの中を決死の接近

「サッカーでやったらレッド一発退場キィィーーーーック!!」
勢いのまま地面を滑り 相手の足を狙ったスライディングキック

体制を崩して狙いを逸らそうという魂胆である
590 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/29(日) 00:14:42.29 ID:IqLPBBgf0
>>588
惜しかったなァ…惜しかった
[声に交じっていたノイズが晴れていき、瞳の輝きも弱くなっていく]
[刀を杖代わりにして体制を整えると、自我と暗い殺意を宿した眼で睨む]
腹を切る覚悟でもできたか…?お前は死肉も同然だ!

[刀を振り上げ、切りかかろうとした瞬間、彼の直感が危機を知らせる]
[身体を回転させながら倒れこむ。薙ぎ払うように放たれたビームが頭のすぐ上を掠め、右腕に命中]
またこっちの腕か畜生!!
[怒号と人工血液をまき散らしながら身体をひねり、ヘッドハンターへ刀を投げ飛ばす]

[縦に回転しながら飛んでくる刀は弾いたり防ぐのは容易だ]
[しかし投げた瞬間、ソーマタージは打撃武器として鞘を持って駆け出していた!]
[脚の傷口から血を噴き出し、時折縺れて転びそうになりながらも駆け、飛び掛かる!]
[もし思惑道理に進めば、押し倒す様に飛び掛かり、鞘による殴打を何度も何度も浴びせるだろう]
591 :アルコ 獣  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/11/29(日) 00:18:38.98 ID:EPrPoUdL0
>>588
「なんだ…?っ!?」

矢が刺さり、二人の戦士の猛攻を凌ぐ様を見届けながらもアルコは走っていた
そんなとき、敵の周囲のコンクリートが焦げるのを見て戦慄した

ここからは本能であった。弓を手放し、右斜め前へ飛ぶ。
アルコの楓弓は忍者ビームに焼かれ、その機能を失った
アルコ自身は健在、しかし弓を失った弓兵には戦闘能力はない……

「とか思ってたぁ?残念だったねぇ!!」

弓が消えてから一秒未満。その一言はあり得ないところを発生源にしていた。
ビームを放った両手のすぐ前だ。
トリックは簡単、小さなクレーターを作りながら二歩で接近したのだ。
弓兵にはできまい。しかし獣人にはできた。
ニヤニヤと笑いながら獣人はその腹を全力で殴りにかかる
威力の加減など、知らなかった
592 :イベント『ヘッドハンター』 [sage saga]:2015/11/29(日) 00:25:56.40 ID:kh2AAcun0
>>589
「ぬぐっ……!?」

ロイに崩され、必殺の奥義は指向性を失い終着地に遥か遠方のビルのネオン看板を選んだ
それを焼き破壊し尽くし、轟音が此方に響くまでは相当の間が必要となる

>>591
「かふっ……」

腹部に突き刺さる拳に表は歪む
空気を必要とするのはサイバネ強化されていたとしても変わらない
それを強引に吐き出さされてたたらを踏んだ

>>590
「ぐぁっ、がっ……!!」

ソーマタージの刀を辛うじて躱すが、その後の攻撃までは防げない
鞘での殴打は彼のデジタル地味た視界に強いノイズを走らせる

>>589-591
「……無念、志半ば……で、ゴザル……」

戦闘継続不可能な程のダメージを受け、彼は仰向け大の字に倒れている
傷口にはナノマシンが集結し、その縫合を行い出血は最小限だ
それでも度重なる被撃で骨格や筋肉が痛み、立つことすら儘ならなくなった
彼の捕獲、或いは破壊で任務完了である
593 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/29(日) 00:32:35.29 ID:IqLPBBgf0
>>592
痛いかクズめ!ざまあみやがれ…!この…
[気の利いたセリフを吐こうとしたが、失血とダメージによる立ちくらみで果たせなかった]
[鞘を杖にして立とうとするがバランスを崩し、しりもちをつく様に倒れる]

さて…あとはなにか重要なパーツを抉り出してフィニッシュだ
[息を整えて先程抛った刀を拾い、ヘッドハンターの首元に刃先を突き付けて呟く]
言い残したいことはあるか?ファック野郎
594 :アルコ 獣  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/11/29(日) 00:37:31.05 ID:EPrPoUdL0
>>592
「ふぅー…これにて完結?つっかれたー」

ヘッドハンターが倒れるのを見れば気の抜けた一声
体に攻撃を受けてないおかげか元気そうではあるが欠伸なんかしている

どうやら、ヘッドハンターをどうこうすることに対して何ら意見はないようだ
つまり、二人の選択を見守るということであった
595 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/29(日) 00:47:32.48 ID:aEONONdy0
>>592
「三人がかりでようやっと撃破か・・・ったく ヒデェ実力差だ」
体から滴る血液を見て 回りの損害を見て溜息をつく

「ソーマ ちょっと待て 四五六がなんか気になる事を言ってた ヤるのは情報を引き出してからにしてくれ」
早速解体する気満々のソーマタージに待ったをかけるのであった
596 :イベント『ヘッドハンター』 [sage]:2015/11/29(日) 00:58:41.43 ID:kh2AAcun0
>>593
「往けば修羅道、退けば死の淵」

喉元の刃に、不敵に笑い辞世の句

「……ただ新月の、月はまた満つ」

因みに彼のパーツは極めて独自性が強く、また各個の製造メーカーなども不詳だ

>>595
「……七八……」

非常にマズそうな表を作るヘッドハンター
因みに当の七八は負傷し、気を失っていた

>>593-595
『……ヘッドハンターの無力化を確認しました、ありがとうございます』

と、突然に無言であったアラズァヘッドが口を開く
その声はバイスのモノであり、通信機が内蔵されているのだろう

『ただいま回収用のトラックが向かっています……って、もう着きましたか』

恐らく最初の襲撃の際に既に発進していたのだろう装甲トラックが到着
中から数体のアラズァヘッド型クローントルーパーと武装したガードが降り立ち有無を言わせずにヘッドハンターを回収していく

『……お疲れ様でした、彼の捕獲は我が社に大きな恩恵をもたらすでしょう』
『皆様には相応の報酬を支払わせて頂きます。 トークン、キャッシュ、ゴールド、宝石……お好みの形で』
『……ではまたお会いしましょう、越境者の皆様』

バイスの通信はまた一方的に行われ、そして切られた
越境者には言葉通りの報酬が支払われる事だろう

//これにて終了でお願いしますっ
//後日談を後ほど、もしくは後日に投下します
//遅くまでお付き合い本当にありがとうございました、至らぬ部分が多くすみませんでした…精進しますっ
597 :アルコ 獣  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/11/29(日) 01:07:15.39 ID:EPrPoUdL0
>>596
「…んにゃ、じゃー報酬はお金にしといてねー林檎買いたーい」

一方的な通信に答える、報酬以外にはまるで興味なさげであった
アルコは獣、人間ではない
本質的に人間のいざこざには興味はないということか

「そんじゃーねーロイとせいねーん」

と、手を振れば住みかにでも帰ろうと歩き出す
青年とは、ソーマタージのことであった。
//お疲れ様でした!途中参加でしたが楽しかったです!
598 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/11/29(日) 01:11:59.82 ID:IqLPBBgf0
>>595>>596
悪ぃな、聞こえなかったぜ
[ヘッドハンターの不敵な笑いに意地の悪い笑みで答え、刀を振り上げたところで入る「待った」の声]
…じゃあ、ご自由に
[刀を持ったまま肩を竦め、数歩下がって懐を探る]

ただ聞きだす時間もなさそうだぜ
[不服そうに紫煙を吐き、煙草を捨ててヘッドハンターが回収されてく様子を見守る]
ようよう、あの時代錯誤野郎はどうする気だ?楽しそうだったら俺も加え入れて…切りやがった
しっかし、疲れた。誰か乗り物とか運転してくんない?ちょっと…張り切りすぎた…
[装甲トラックに寄りかかり、そのままズルズルと血の跡を残して座り込む]
…クソみてぇな…仕事だったぜ
[報酬の大半が義肢などの修理と補強で消えるであろうことを想像すると、脳内UNIXが働いて休眠状態に入り動かなくなった]

//乙でしたー おそくまでありがとうございました
599 :イベント『ヘッドハンター』 [sage]:2015/11/29(日) 01:16:49.31 ID:kh2AAcun0
…………

「頼み、でゴザルか?」
『そうです、貴方に施した手術と、彼女等の何方が優れているかの実証試験のお手伝いをと思いまして』
「……よく分からないでゴザル、彼女等とは?」
『クローントルーパー、アラズァヘッド。 貴方は5から兵器としましたが、彼女等は1から作った生体兵器です』
「……? 兵器? お主、拙者に何を……!?」
『大丈夫、余計な事はすぐに忘れます……だから、ね? 恩人の頼みです、お願いしますよ……』
「……」
『お返事をお願いします、No.123』
「分かり申した。 No.123、実証試験を開始するでゴザル」

−−−−ギャラエのボイスメモより

…………

「結局、行くしかなくなっちゃったか……」
「……待ってて下さい、兄様……七八は必ず……!」

なんとも情けない形で再会を逃してしまった七八
ゼファー社本社ビルを望み、ヘッドハンターの落とした刀を、明凪を強く握るのであった
600 :ジョー【隣の幻影】>>434 [sage]:2015/11/29(日) 23:08:28.06 ID:Lv/iGDHM0
<どこかのファンタジー世界>

「……。我が神を迎えるには相応しくない。
神殿≠フ機能を備えた神聖たる場所……この地、いやこの世界には無いのでしょうか。

これでは、扉として鍵としての機能も果たせません。
やはり、例の越境現象を使い、働きかけるしかないというのでしょうか。」

――――ここは荒れ果てた墓地。
整然と立ち並ぶはずの墓標は一部は腐り落ち、砕け、風化していた。

そんな既に守る者がいなくなったこの地を男は蹂躙する。
墓標を蹴散らし、陣を組み、死者の血を振りまく。……それは冒涜の極みであった。
601 :ジョー【隣の幻影】>>434 [sage]:2015/11/29(日) 23:32:56.34 ID:Lv/iGDHM0

「……ですが、暫くは神殿の代わりを探す必要がありそうです。
それにしても……やはり、ここでは深淵は遠い。

これでは、いつまで経っても神を迎えることが出来ません。」

苦々しげにその男は呟く。
雲の間から覗く月に照らされたそのシルエットは左手が酷く歪んでいた。
というより、その左腕は通常では考えられないほど長くだらりと垂れ下がっている。

「…………他をあたりましょう。」

そんな異形の腕を持つ男は一言述べると、自らの痕跡を隠そうともせずその場から立ち去った。
荒れた墓地には男が蹂躙した傷痕――――何とも奇妙な魔法陣が残されていたとか。
602 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/30(月) 23:07:27.50 ID:k9KRfq390
マケグミが屯す路地裏の入り口にポツンと灯る赤ちょうちんと 漂う出汁の香り

「あなたは〜も〜ぅ忘れたかしら〜♪」

呑気に歌なんぞ口ずさみながらタネを仕込むのは 時代錯誤な武具に身を包んだあごひげ男
今日は傭兵家業はやらずに 副業の屋台を引いている

「赤い〜マフラ〜手拭いにして〜♪」
どこかおかしい歌詞にも気付かず客を待つ はたして今日は誰か来るだろうか?
603 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/30(月) 23:14:34.47 ID:q2IgEUW5o
>>602
そんな通りに似つかわしくない、ボディスーツを着込んだ美少女。
一応その上からコートを羽織っているので人目はあまり引かないだろう。
そろそろ冷え込むというのにほとんど意に介していない。

「……」
何かを見つける。変な歌を口ずさむ……アレはなんだろう?
手持ちの金を少し勘定。まだ少し余裕はある。
変な店屋だろうとなんとかなるだろう。そう思って近づく

「こんにちは……久しぶり?」
ゆっくりと近づき、屋台に腰掛ける。
ふと顔を見るとかつてクエストで顔を会わせた相手。
604 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/30(月) 23:25:49.50 ID:k9KRfq390
>>603
「へいらっしゃ・・・あぁなんだお前さんか まぁ座れよ」
元気に挨拶 そしていつぞやの仲間であることを認識してぞんざいな接客になる

「今日はおでんの屋台だ おでん知ってるか?知らないなら適当に見繕って出すがどうする? 飲み物は?酒か?」
矢継ぎ早に説明しながら蓋を取れば そこには多種多様のオデンが金色の汁の中で泳いでいる光景
605 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/30(月) 23:32:39.24 ID:q2IgEUW5o
>>604
「じゃあお言葉に甘えて」
どっかと座る。
鍋を見るとかつて行われた闇鍋に様子は似ている。
しかしあれと違い、なんだか整然としている感じ。

「……よくわからない、任せる。飲み物はお酒でいいよ」
何分施設暮らしが長かったもので食生活もひどいもの。
味覚が出始めたので最近は食事も選ぶようになったがそれまではただ食べられればいいという状態。
グルメもほとんどわからないので、任せることにした。酒も明るい気分になれる飲み物程度の認識。
606 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/11/30(月) 23:47:49.79 ID:k9KRfq390
>>605
「はいよ んじゃ適当に」

そう言って小皿に大根と練り物を適当に そして卵を二つ追加し 最後に辛子を縁に乗せて差し出した
出汁を吸って黄金色のタネ 香しい出汁の香り

そして熱燗と猪口を隣に置いてセットの完了である

「しかしこの間の動きは見事の一言だったな 知り合いにも忍者はいたが アレとは別のすごさがあった アレだな NINJAってやつだ」
忍者とNINJAの違いは海より深いのだろう この男の中では

「温くなる前に呑んで頂戴な こういう寒い日には熱燗が一番だ」
607 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/11/30(月) 23:54:11.65 ID:q2IgEUW5o
>>606
「ありがと」
出されたものをもらってはふはふと飲み食い。
ふっと笑顔が溢れる。人が美食を求める理由がわかった気がする。
合間に猪口に酒をついで、ぐっと飲み干す。この世界で未成年の飲酒を咎める者など誰もいない。

「うん……美味しいってこういうことなんだろうな」
噛み締めながらそんなことを呟く。
そうしてこの前のことに話が移ると
「にんじゃ? 考えたことなかった。私は体頑丈だし、力もあるしで突っ込むだけだもん」
実際改造人間なのでそういう意味では超人なのかもしれない。
ロイの考えるNINJAは超人なんだろうとぼんやり頭の中で考える。
ただ突っ込むだけの自分はかっこいいとはなんか違うような気もした。
608 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/01(火) 00:03:36.55 ID:yd8oTKRV0
>>607
「そう言ってもらえたらうれしいよ やっぱ喰うなら美味いものがいい」
まんざらじゃない様子で笑みを作る どこぞの将校様への当てつけのようにも聞こえるが

「NINJAについてはオッサンの戯言のようなもんだ 違うならすまんかったね
 まぁ今日は何割引きかにはしてやる たくさん食べな」

と お代わりの大根と練り物を小皿に乗っけるのであった

//そろそろ〆で

609 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 21:47:19.05 ID:BxuxIVNCO
某世界――某半島、某地域にて

地域全体が廃墟になったような空白地帯がぽっかりとそこには存在した。
少し世界を俯瞰すれば、眩しい文明の明かりが存在し、この地域からも数キロ先の地点ではビル群が立ち並んでいる程だ。
ちょっとした木立に囲まれた、その空白の地帯には、一面の花畑と、焼け落ちた廃墟だけがある。

「……変、ねぇ」

「誰も生きている人はいないようなのに、色濃い悲しみだけは残っている気配がする、わ」

「……嫌な、ひりひりする感覚、ね……」

花畑の中央に、困惑した顔の幽霊がぼんやりと浮かんでいる。
空色のドレスを纏い、ピンクダイヤの首飾りをしていると思しき、少女の霊だ――。
610 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/12/01(火) 21:53:10.68 ID:IgAC5PH60
>>609
「それってぇ……」

ぞわぞわと背筋に冷たい感覚
思わず首を鶏の様にせわしなく動かし辺りの様子を伺った
一先ず、そう聞いただけでどこか陰鬱に見える廃墟があるだけで特に異常はなさそうで一安心

「……もうっ、やめて下さいってんですよぉ……」
「お化けとかがいるのかって、びっくりしましたってんですっ……」

パーカーの裾を摘まんで唇を尖らせた
デニムの膝、ダメージ部分から吹き込む風が嫌に冷たい

611 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 21:56:54.91 ID:BxuxIVNCO
>>610

「お化けを目の当たりにして、何のジョークなのかしらね?」

目を丸くして、口に手を当てる。
びっくり、のポーズである。――なお、このとぼけた幽霊からこれぐらいのリアクションをもらうのは縁起が悪い。

「あの廃墟、見たほうがいいかしらねぇ」

焼け落ちた廃墟を指さして。
以前はそれなりに大きなお屋敷だったのだろう。
不自然に草が生えていないポイントが規則正しく続いているところから、昔は街までの道もあったはずだ。
612 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/01(火) 22:07:48.14 ID:IgAC5PH60
>>611
「……それはそれっ」

これはこれ、と首を横に振って見せた
多分未知的存在に対する畏怖なのだろう
エルダの影に隠れる所作は些か矛盾してはいるが

「……やっぱりっ?」
「うー……じゃあっ、着いて行きますってんですよぉ……」

腰に帯びた神属性の消えた、だが破邪の力を有するミスリル製の片手剣月光の柄を握る
そしておずおずとへっぴり腰で廃墟への道を辿るであろう
無論エルダの後を
613 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 22:13:06.59 ID:BxuxIVNCO
>>612

「私もあんまり見たくはないのだけれど……」

おっかなびっくり、廃墟に近づいていく。
花畑は風に揺られてざわめき、白い花弁を夜空にへと舞い上げていく。
月光に照らされて花弁は輝き、ふわふわと舞い落ちてくる……。

「……こういう情景、何だか、胸騒ぎがする、わね」

幽霊の割に、いつもよりひどく弱気な態度で、そろそろと近づく。
もう少しで、元玄関ぐらいにはたどりつくか。
614 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/01(火) 22:26:38.06 ID:IgAC5PH60
>>613
「同族のよしみってやつでぇ……」

なんとか出来ないモノかと無茶な要求
花雪舞う夜、光景を楽しむ余裕はニアにはない

「……うぅ、嫌な予感しかしないってんですっ……」

タイドメイカー展開、ヒトの腕程の触腕一本を擡げ警戒態勢
月光もいつでも引き抜ける格好である
さてそろそろ廃墟にこんにちはの頃合いか
615 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 22:37:04.03 ID:BxuxIVNCO
>>614

「あなた幽霊には見えないけれど……強いてアンデット種で言うなら……ゾンビー?」

嫌がりながらも、どうにか二人は玄関の跡地に辿りつく。
立派だったのだろうドアはなく、ぽっかりとエントランスフロアを伺い見ることができる。
二階へと続く階段は落ちているし、二階部分が崩落してそもそも埋まっている空間もあるようだ。

「……うーん……? なんだか、胸騒ぎがするわね……」

突然、ニアの視界が変化する。
廃墟などではなく、貴族が所有する屋敷――煌びやかで、上品な雰囲気のソレだ。
エルダの悪戯ではない。――悪戯なら、彼女はもっと楽しそうにしているはずだ。

変化するのは視界だけに留まらない。
音楽が聞こえる。集まっている貴族らしき人物たちのお喋りの声がする。
香りがする。立食パーティか何かだろうか。上等そうな料理の香りだ。
616 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/01(火) 22:49:07.77 ID:IgAC5PH60
>>615
「に、ニアじゃないってんですよぉっ!」
「……!?」

要するに説得まで人任せと言う訳だ
と、そんな会話を遮るように変異が起こる
それは時を遡る様な奇妙な変異

「……どういう事でしょうねっ、これぇ……」

咄嗟にバックステップ、壁付近に位置取り周囲を睥睨出来る場所を確保
月光を抜き放ちタイドメイカーを蛇の鎌首の如くに揺らめかせる
617 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 22:55:59.49 ID:BxuxIVNCO
>>616

「……どうしたの?」

エルダは怪訝そうにニアを伺い見る。
そう、エルダにはこの光景が見えていない。
時を遡り、この屋敷が往時を取り戻したように見えるのは、ニアだけなのである。

玄関前にいる二人を通過するように、黒い鞄を手にした貴族の二人組が入ってくる。
先ほどまで車に乗っていたせいだろうか。排気ガスの臭気と、煙草の臭いに――僅かに、火薬の臭い。

「何かあったの? 何か見えているの?」

二人組は案内役の小間使いに連れられて奥のフロアへと歩いていく。
この位置からではすぐに視界から外れるだろう。
618 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/01(火) 23:02:24.32 ID:IgAC5PH60
>>617
「……えっ?」
「そういう事だってんですかっ……?」
「なんだかっ、屋敷の記憶が見えてるっぽいっ……?」

数多くの怪奇に触れ、体験している中でニアはそれに順応しつつあった
この幻視を端的に告げ、2人組を目で追った

「こっち……なんだか変なのがいるってんですっ」

小走りに、2人組を追う格好で先行
月光とタイドメイカーを従えたまま
619 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 23:11:53.38 ID:BxuxIVNCO
>>618

「え、ちょっと、奥に進んだら――!」

否応なく、ニアを追いかけるエルダ。
彼女の目に入るのは、ただ朽ちたホールがあるだけだ。
それも、崩落がひどく、ホールだったらしいということしかわからない。

――しかし、ニアは違う。
ニアは見るだろう。そのホールには、同じ年頃の少女と談笑をする、金髪の少女――エルダに極めて酷似した少女の姿を。
同時に、先ほどの二人組がカバンを手に、他の人間との挨拶もそこそこに壁際でひそひそと何か話していることを。
620 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/01(火) 23:18:35.18 ID:IgAC5PH60
>>619
「……ふむぅっ……」

周囲の様子から矢張り、ニアは不可視なのだと知る
だとしたら時間を遡ったのはニアではない
過去幻視、これは屋敷の記憶であろうか

「んんっ……?」

エルダに似た少女を見付ければ思わず傍にいる幽霊と見比べて二度見

「この場所にっ、見覚えとかないってんですかぁっ……?」

2人組の貴族に近寄りながらエルダに尋ねる
途中テーブルの上に乗ったワイングラスを攫おうとしながら
621 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 23:22:37.76 ID:BxuxIVNCO
>>620

「……寒気はするけれど」

「特に見覚えなんてものはないわねぇ……」

きょろきょろと辺りを見回す。
しかし、彼女の目に移るのはただの廃墟だ。
だからこそ、何か見えているらしいニアを怪訝そうに見ている。

ニアの手はワイングラスを素通りすることになる。
やはり、これは幻視の類であるようだ。
――二人組を注視していると、二人はカバンをその場に置き去りにし、なるべく人目につかないようにしながら屋敷の外に出た。
小間使いの目にも入らぬように慎重に二人は庭にへと出ると、乗ってきた車のある駐車場には向かわず、木立の方へと歩きはじめ――。

――直後、屋敷のホールの辺りで爆発。
続いて出火し――大火事が発生する。
622 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/01(火) 23:29:29.26 ID:IgAC5PH60
>>621
「うーんっ……」
「似てる子がいるってんですよねぇ……」

ふと携帯デバイスのカメラを起動し、画面を覗いてみる
取り敢えず女性と2人組の居る地点を交互に撮影しておく事に

「……あ」
「……怪しいっ……」

ぽつんと置き去りにされたカバン
逃げるように去る2人組

「……うわぁっ!?」

直後に閃光、熱波までを感じるようだがこれは脳が起こす錯覚のはずだ
急ぎ振り向き窓から木立方面を睨む
623 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 23:35:41.64 ID:BxuxIVNCO
>>622

「……似てる? 話が飲みこめないのだけれど」

「何が、何が見えてしまっているの? この場所で」

エルダは珍しく動揺した様子を見せる。
ニアが幻視の方に意識を集中させているため、会話が不鮮明になっているためだろう。
あるいは、ニアにしかこの幻視が見えないように、エルダの身にも何かが起きているのかもしれない。

木立から一両の大型車が飛び出し、そのまま街の方に走り去る。
――あの貴族風の二人は、つまるところ――この世界のテロリストだったのだろう。

車両のテールランプも見えなくなったころ、幻視も終わり、先ほどまでの光景が見えるだろう。
624 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/01(火) 23:45:19.76 ID:IgAC5PH60
>>623
「あっ……終わりましたってんですねっ」

追憶世界の色が失われ、廃墟の現実が戻ってやって来た
窓の外の荒れた庭から視線をエルダに戻し、歩み寄ってタイドメイカーを仕舞った

「えーっとぉ……」
「まずこのお屋敷のっ、昔の記憶っ? みたいなのが見えてぇ……」

あ、日付が分かるモノを見ておけばよかったと挟む

「パーティがあったみたいでぇ、そこに爆弾が仕掛けられたって感じみたいってんですっ」
「この荒れた破壊痕はっ、そのせいみたいだってんですねぇっ……」

撮影した携帯デバイスのカメラを確認
余り期待は出来ないモノだが、一応というやつである
625 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/01(火) 23:51:58.76 ID:BxuxIVNCO
>>624

「あらあら……」

口元を手で覆い、それから眉を顰める。
彼女はとにかく、哀しいことが嫌いだ。悲劇を否定するのである。

「本当に、不愉快な場所だったようね……ここにいると、何だか存在が保てなくなりそう」

記録したカメラは、ただこの廃墟を映している映像だけが残っている。
ついでにいえば、カメラでエルダを撮影すると、それなりにホラーな風味に映るらしい。

「探検はやめにしましょう?」

かえろう、と外を指さすエルダ。
『余計なものを見つけない』ための防御行動、かもしれなかった。
626 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/01(火) 23:58:47.48 ID:IgAC5PH60
>>625
「……やめますっ?」

言いながらもニアの興味は部屋の光景に取られていた
探しているのは時を止めた時計だったり、日付の判断出来るカレンダーだったり、はたまた何か爆発から逃れた残滓であったり
ただエルダから脱出の提案があれば素直に従うだろう

「カメラはっ、ダメだったってんですねぇ……」

それとも故障の可能性を考えてエルダをぱちり、撮影して見ることに
627 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/02(水) 00:01:18.41 ID:mbgvpnuBO
>>626

「あら、カメラは……やめたほうがいいと思うわ?」

画像を確認すれば、そこにはホラー映画調のエルダの姿。
すでに五人以上は呪い殺していると言われても信じそうな、恐ろしい風体であった。

「ほらほら、街の方にいきましょう?」

「何か楽しい発見があるかもしれないわ」

ぐいぐいと、ニアの手を引っ張ってこの地域を出ようとしたとか。

//では時間なのでこの辺りで……! 絡みありでした!
628 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/02(水) 00:07:19.96 ID:zeX7gLJB0
>>627
「えっ?」
「……うわぁっ!?」

慌ててデバイスから削除削除
夢に見る事間違いなしの、傑作ホラースナップであった

「はぁいっ、分かりましたってんですよぉ」
「……いい街だといいですねぇっ」

手を引かれ、先の光景のフラッシュバックを目蓋の裏に映すニア
だがそれの詮索や思考は、何故だろうとても憚られてやめた

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
629 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/02(水) 22:18:25.09 ID:ui0aub2Co
【スプロール】

 重工業企業の野放図な在り様から重金属酸性雨が降り注ぐこのシティ。
 朝を告げる太陽光はその役目を果たす事無く、夜になれば短絡犯罪の坩堝。
 正にマッポーそのものの世界であるが、そんな中、治安維持に活躍するのはデッカーだ。

「ふむ…」

 デッカー顕現委託企業でもあるインペリアル・エンジニアリンクのコンテナハウスにて、
 イムカ・グリムナーはホロ・ディスプレイに移る様々な情報に目をやっている。

【ワーカホリックな彼女の夜は遅く、朝は早い…などという次元ではない】

 終焉の遠未来の遺伝工学技術は、彼女の脳にも及んでおり、
 不眠器官と呼ばれる細胞群が24時間周期のリズムと不眠状態の反応をコントロール。
 これによって、数日間に渡って集中力の維持が可能なのだ。

「…しかしてどうしたものかな?」

 なお、このコンテナハウスには今、彼女一人ではないだろう。
 何か良く解らん理由から、ただの暇人まで、たぶん珍客がいる。

【このコンテナハウス。外観の無骨さとは異なり、内部はホログラム凍結技術により一流ホテル並みだったりする】
【つまるところ、ゴージャスな休息をとったり、あるいは何かの理由で滞在するには環境はそれなりによかったりする】

 なお、ただいまPM10:00くらいと仮定しよう。
630 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/02(水) 22:26:03.64 ID:IUFk8OLn0
>>629
シュポン!!

小気味よい音を立ててヌカコーラの王冠が外される

「ングングングング・・・プッハー!! ・・・ゲフゥ いやぁ今日も疲れたなぁ」

説明しよう アキレス君は今日一日運び屋として働き スゴトを終わらせたら直帰していいということなので
たまたま近くにあったイムカのコンテナハウスに立ち寄ったのであった 理由? なきゃダメかね(真顔)

―――ギィ!!ギィ!!

そしてベティはシュンシュンと湯気を放つ箱の前
ピザが自動加熱でおいしくなるのを今か今かと急かすようにハサミを振り上げていた

631 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/02(水) 22:30:14.37 ID:IKtiyzk6o
>>629
「さっきからそうやって唸ってばっかですけど…一体どうしたんです?」
『Zzz……』

なんだかんだでここに導かれやってきたジョシュア。
1時間ほどソファでニュクスを寝かしつけていたが、柄にもなくうんうん唸ってばかりのイムカにふと気を遣る。
ニュクスはジョシュアの膝にかじりつきながら(物理)眠っているのでその場を離れることは出来ないが、

「…ふぁぁ…ねみぃ…」

ジーンズの膝をよだれでべとべとにしながら大きなあくびを一つ。
もはやダメージジーンズと変わらないレベルに擦りむけてしまっているが、今更気にしたことではない
それよりもここ数日、おてんば娘を躾けるのに手いっぱいでロクに睡眠時間も確保できていなかったのだ
この快適な空間と座り心地のよい偽物のソファにやられ、ついうとうとと重い瞼が降りはじめる。
632 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/02(水) 22:41:00.95 ID:ui0aub2Co
>>630

「………」

 ふと、イムカはピッピッ…とその艶やかな指先でホロ・ディスプレイを操作する。
 すると、何故かピザの代わりにベティがシュンシュンと湯気を放つ箱の中へ。

【徐々に殻が赤く発色するんでね?たぶん】

「まるで我が家のようなくつろぎっぷりだな。君は女性の部屋に転がりこんだことについてどう考えているのだ」

 珍妙なイタズラをしながら、この真面目くさった言い草である。

>>631

「ああ、その子についてだ」

 唸りながら、大量の報告書なり何なりが中空で展開されている。
 帝国兵務局、(デパルトメント・ミュニトルム)や帝国技術局(アデプトゥス・メカニクス)など、
 終焉の遠未来における銀河帝国の各機関へのものだ。

「情報操作に、取り引きに、改竄に。規律正しく生きている大人に随分と汚い真似をさせてくれるよ。ソコの娘は」

 ニュクスを無感情な瞳で見やりながら、ジョシュアにもヌカ・コーラを放り投げる。

「ご苦労だったな。貴様も組織人だ。何かと苦労≠ヘ多かったのではないか?」

 なお、このプライベート空間においてのイムカの格好はシャツにジーンズとラフなものだ。
 高貴な家の出であるが、存外にこういう服装の着こなしには違和感は無い。
633 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/02(水) 22:41:12.92 ID:IUFk8OLn0
ハイハイ名前名前
634 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/02(水) 22:53:07.71 ID:IUFk8OLn0
>>632
―――ギィ!!g・・・ギィ? ギィギィ!!
喧しくギィギィ言っていたベティは 突然目の前が闇に覆われて困惑した
しかも辺りが随分と熱い たまらずガタゴトと暴れ始める

「まぁまぁいいじゃないケチ臭いこといわnベティ!?」
ケラケラと笑っていたアキレス君も ベティの悲鳴を聞いて大慌て 箱をパカリと開ければ

―――ギィ!!

そこには真っ赤に茹で上がったベティの姿が!!
紅くなった甲羅って戻るんですかねぇ…?

―――ギィ? ・・・ギィ♪
だが自分の姿に気付いてないベティ 程よく温められたピザを細かくちぎって食べ始める

「ちょっとイムカタン・・・これは酷いと思います(真顔)」
ベティにうちわで風を送りながら抗議の声

>>631
「よぅジョッシュ すっかり育メンになっちまってまぁ」
子供の寝かしつけが上手になったようで ほほえましいと邪悪な笑みでニヤニヤと

「しかしジョッシュが親父になっちまうんだからこの世は分からないね 頑張ってオトーサン」
ニヤニヤ
635 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/02(水) 22:53:52.11 ID:IKtiyzk6o
>>632
「…なるほど」

船を漕いでいたジョシュアであったが、飛んできた瓶をすかさずキャッチ。
素手で王冠をこじ開けて一気に飲み干した。喉を通り抜ける冷たい炭酸はいい眠気覚ましになる。

「えぇ…私生活の殆どは監視下にあります。奴らOSATと違って越境まで対応してやがる」
「今も何処かから俺を監視してるかも…エルミスってヤツなんですが…覗きがが大好きなHENTAIですからね」

イムカの言う通りジョシュアもタダで世話役を引き受けた訳ではないらしかった。本来殺害するはずのターゲットを持ち帰ったとなればなおさらだ。
どこぞのビッグボスであればともかく、たかだか下っ端大尉(相変わらず曹長呼びだが)の立場では容易な事ではない
盗聴の可能性があるにも関わらず堂々と上官の名前を出すのはそれが大した機密ではないからなのだろう
使い捨ての偽名か、あるいは本名であったとしても、どの名簿にもなっていないような代物

「それにこいつを連れ帰ったあと…まず殴られました。3番隊隊長のラヴレスってやつです」
「猫耳ついた変態にボコボコにされて拉致られたらしいんですが…もし見かけたら教えてください」
636 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/02(水) 23:00:59.75 ID:IKtiyzk6o
>>634
「…それがコミッサーの事は”ママ”って呼ぶんだが、俺の事は絶対に親父とは呼ばねぇ」
「悲しいことにどうやらコイツには俺の遺伝子は入ってないらしい…」

腐ってもグリード、ベルゼブブがベースとなった個体であれば、遺伝子を学習しコピーするのに特化した能力を持っている筈だ
そのフィルタを通して”父親”と認識されていないのだから、ジョシュアの遺伝子は微塵も入ってはいないのだろう。
というよりもむしろジョシュアの体にイムカの遺伝子が取り込まれているためにジョシュアも時たまニュクスに”まま”と呼ばれる始末である。
実際にアキレスがジョシュアの家を訪れた時に、ニュクスはジョシュアをそう呼んでいた。

「まぁUSSヴァルキリーのグリードを培養したものらしいし、当たり前っちゃ当たり前なんだが…」

コーラ瓶をゴミ箱目がけてシュート。淵に防がれて床に落ちた。
ニュクスの枕にされていて動けないので仕方なく放置。グリードは珪素を分解できないのだ。
珪素生物との戦いで消化吸収による体力の回復が叶わなかったのはこの所為でもある。
637 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/02(水) 23:07:45.15 ID:ui0aub2Co
>>634

「赤く発色するのは外殻に含まれる成分の反応によるものだ」

 言い訳にもなっていない言い訳をしながら、
 ベティが赤く染まっていく様子の録画映像を取り出す。

「大サソリの生態観察くらい大目に見ろ。宿賃の一環だ」

 無表情に全く悪びれない様子のイムカである。それに――

「君にも現在から7〜8時間後には重大なミッションが待っている」

>>635

「帝国に敵対行為を仕掛けぬ限りは君の組織の行動に干渉するつもりは無い」

 どうやらイムカとしては、自ずからジョシュアの組織に干渉する気はないらしい。
 軍組織の一員がある種の監視下に置かれているのは当たり前だと考えるし、ラヴレスとやらにも消極的である。

「その娘に対しても同様だ。情を解さぬ私を母親呼ばわりしても得る物など無い。
 早々に慕う相手を間違えていることに気づくだろうさ。子供はそういうのに敏感らしいからな」

 言いながら、縫い棒を機械的な手つきで動かし始めた。
 小さな手袋が出来上がりつつある。なお、小さな毛糸の帽子とか色々出来てる。

【寝る前にはハンプティダンプティを聞かせてやり、風呂では自分と同じ香油を髪に塗ってやった】

「…何だその目は」
638 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/02(水) 23:19:00.44 ID:IUFk8OLn0
>>636
「じゃぁおじさんって呼んでもらえよ 今度新しい言葉として教えておいてやろう」
すでに若くないジョシュアに追い討ちとなる一言

「よくわからないけど その子育ててくつもりなんだろ? じゃあいいじゃない血は繋がってなくても もうオトーサンだよジョシュアは」
動けないジョシュアに代わって瓶をゴミ箱に捨ててやる

「ちゃんと淑女に育ててやれよ〜オトーサン」

>>637
「ベティ茹でるのが生態観察なのか・・・?」
―――ギィ♪

満点カロリーのピザに舌鼓を打つベティを他所に 記録映像を見やる
慌てるベティははたして イムカの目にぷりちーに見えるだろうか?

「え〜 早朝じゃんそれ〜 俺明日はオフの予定なんですけど〜」
口を尖らせ抗議の姿勢 だが渋々といった様子で

「・・・何やらされるんですかねぇ?」
仕事の内容を聞き出そうとする
639 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/02(水) 23:29:22.89 ID:IKtiyzk6o
>>637
「HEXAが帝国に仕掛けることはないと思いますけどね…目下の敵はIASCですし…」
「俺を引き抜いたのも形骸化したIASCにいよいよ攻勢を掛けるためでしょう」

ジョシュアの所属するHEXAは彼の古巣であり、また少数精鋭の部隊である。
基本的に6人の幹部と司令官、そして幹部直属の部下十数名以外に戦闘員は少ない。
ジョシュアの所属していた極東支部は何者かによって壊滅させられた。ジョシュアもその時に越境したのである。
現在所属しているのはボストン本部。ジョシュアが”隊長”と慕っていた男の妻が司令官として運営している。
そうでなければわざわざIASCを離れてまで原隊復帰などしたりはしない。

「俺やアレックスの世代の奴らは全員ソルダート・フトゥーロの副作用で死ぬか、生き延びても引退して病床生活ですよ」
「今のOSATは21世紀の人間しか居ない。本物の戦場を知らないボストン警備隊です。規模は大きくても中身がアレじゃあ…ね」

イムカ達がLEO研究所で戦闘したものが”最強”の「クラス7 OSAT」である。確かにアーマーの性能はジョシュアたちの代とは比べものにもならないが
それでもパワーアシスト付き宇宙服の二人組に特殊部隊が満載の基地が殲滅されるのは滑稽な話である。

「いやぁ…”英才教育”の賜物だなぁと思いまして…」

手編みの防寒具を量産するイムカを眺めながらこのほっこり顔である。
今日一日イムカの親バカっぷりを間近で見てきて、花嫁修業はようやく実を結んだのだなとイムカの年齢も考慮して目頭を熱くさせていたスゴイシツレイなジョシュア。
そうしてイムカの講義に視線で無言の返答を返すジョシュア。その間に防寒具は一式揃いつつある。
640 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/02(水) 23:30:16.67 ID:ui0aub2Co
>>638

「中々にいい反応…もとい興味深い動きだった。随分と情緒豊かだ。自我がハッキリしており知能も高い」

 後半に分析めいたことを言っているイムカであるが、前半部の台詞のため色々と台無しの模様。
 人形の如き無感情を決め込んでいるわりには、中身は存外に違う模様。
 と、いうより、越境の経験から何らかの価値観の変化もあるのかもしれない。

【縁起のいいカラーになったベティを見ながら頷くイムカ】
【そうしながらも編み棒が凄まじい勢いと正確さで動いている。女子力と呼べるかは微妙な無機質さではあるが】

「…食事だ」

 イムカらしい端的さで、一言。アキレスのミッションを告げる。

「あの娘(ニュクス)だが、私が出した食事をあからさまにげんなりした表情と反応を見せた。
 ジョシュアの教育の粗雑さが原因と思われるが、私の価値観もいささか特異であるという自覚もある。
 ゆえに妥協案だ。なんとかしろ」

 なお、イムカが晩御飯として皆に振舞ったのは…例によって栄養満点かつ無味無臭のエネルギーグリス。
 食事時間は1分以下で済み、必要栄養素も十分…と幾ら説いたところで何故か誰もが微妙な表情をする。

「余人の嗜好は時に難解極まる」

 ちなみにこんな事をのたまっているイムカは真顔かつ真面目である。
641 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/02(水) 23:40:55.91 ID:IKtiyzk6o
>>638
「ぐっ…親戚はなんか胸に刺さるからやめろ!」

家族から親戚に繰り下げされたらされたでなんだかグッサリくるというか、モヤモヤしてしまうのである。

「この外見だってデフォじゃねぇんだぞ……こっちのがシブいかなって思ってやってんだからな…!?」
「そういやぁガキの頃はこんな化物の身体になるのが嫌で嫌で…みんなに泣きついて回ってたなァ…」
「いざなってみりゃ大したこたぁねぇ、たまに目が赤くなって寿命がめちゃくちゃ延びただけだ」

見た目は40前後のオッサンでも中身は20前後のままのピュアボーイである。なんせ人生の半分は何もない檻の中に放置されていただけなのだから。
本来そこで朽ち果てるはずであったが、ニアが気がかりなのとHEXAからのオファーを受けてもう一度戦いへのモチベーションが上がってつい出てきてしまった。
七八やらアキレスやらに突っ込まれてばかりなので、もういっそ前よりも若くなってやろうかとヤケクソ。
試しにアキレスと初めて出会った頃、荒れる前の真面目なジョッシュへと戻ってみる。そう、丁度ワールシュタットの中でチェイスを繰り広げたあの頃である。

「…ニュクスはガラスと砂以外なら土だって草だって食うけど…コミッサーの料理だけは何を出されても食べねぇんだよ…」

そしてこっそりとアキレスに耳打ち。
642 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/02(水) 23:48:54.76 ID:ui0aub2Co
>>639

「胡乱な事を。貴様も貴様で教育が足りんらしい」

 呆れた、と主張するジト目でジョシュアを見やるイムカ。
 なお、昼間は迷われては迷惑だと、市場で手を繋いで買い物をしていた模様。全ては捜索リスクを省く効率ゆえである。
 そして、この夜。今、レコードからはクラシックなジャズが流れ続けている。

【多くを戦場や荒事に身を置く者達からすれば、これは貴重なひとときなのかもしれない】
【イムカのニュクスに対する態度はだいたいは以上のようなモノだ。
  本人曰く、慕う相手を間違えていることに気付くと言っているがこの結果どうなっているか?】

「不完全なナノマシン技術の結果だな。力に代償が強いられるのはどの世界でも同じらしい」

 ふと、ジョシュアがOSATの質の劣化を説く。たしかに潜入作戦の敵はオソマツなものだったが、

(私が共闘した連中は一流のプロだったが。本物の古兵(ベテラン)はまだ存在するのか、それすらもう残って居ないのか)

 ジョシュアの言葉からはまだ何とも判別つけがたい…とイムカは考えている。
 常の自身満々な態度とは裏腹にこういうところでは楽観も予断も無い性格だ。

【イムカの持論ではあるが、古兵分隊(ベテラン・スカッド)の稼働率こそが軍の質を決めるという考え】

「貴様等の闘争については、私にとっては貴様自身が生き延びるならば、結果などどうでもいいが」

 突き放したような態度でジョシュアにマフラーを放ってやる。
 ニュクスのモノにしてはサイズが大きい。

【様々なテクニックを用いているのか柄も豊かなマフラーである】
643 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/02(水) 23:56:13.47 ID:IUFk8OLn0
>>640
心底嫌そうな顔だったのが 内容を聞いて表情が変化する なんかこう 北湖利したような顔に

「まぁね イムカタンその辺アレだからね」
言葉少なくイムカが味音痴であることをほのめかす

「よろしい 僭越ながらこのアキレス あの子においしいパンケーキを焼いて進ぜよう」
―――ギィ!?

「あぁうん 朝になったらね」
―――ギィ・・・

ベティはピザの上にパンケーキまで食べられるのかといきり立つが 誤解を修正されてしょんぼりしてしまう

「そうだねー でも人心掌握の為にも 他人の嗜好も頭に入れておいた方がいいんじゃない?」
多分無理でしょうけどとは口が裂けても言えなかったアキレス君であった

>>641
「取り合えず髭は似合ってないかな?」
渋いと思ってる? そんな幻想を以下省略

「うん どうしてもジョッシュってそのイメージなんだよね いっそそのままでいたら?」

嘗てトムとジェリーの間柄だったジョシュアを見て提案する
短期間で容姿が随分と変わっても アキレスにとってのジョシュアはクソ真面目な青年なのだ

「料理って言うかカロリーブロックとエネルギーグリスじゃん 子供の内からそんな痩せた食事してたら碌な大人にならないよ
 オッサン(ロイ)レベルの料理とはいかないまでも ちゃんとした手料理食わせておいた方がいいぜ」
耳打ちしてくるジョシュアに耳打ち返す

「明日の朝は俺がメシ作るらしいし ジョッシュのも作っておくよ エッグスラストでいい?」
卵とマッシュポテトを湯煎した物をパンに塗って食べる お手軽朝ごはんである
644 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/03(木) 00:08:58.14 ID:UaAS8UYgo
>>642
「へへ、それはどうm…」
『……ままぁ…だいすき…』

へいへい、と適当に流してしまおうとするもあの時のイムカの表情と態度を思い出すだけで平静を保てなくなってしまう。
それにニュクスのなつきようと言ったら半端なものではない。終始べったりだ。
ジョシュアすら口元を抑えて肩を震わせるレベルの最高のタイミングでの核爆弾殺し文句によって完全に立証されたはずだ。

「俺が死ぬ日はアグラーヤを道連れにする日です。まぁ今の俺なら余裕で殺れると思いますけどね…?」
「………。いや、余裕すぎて逆にやること無くなって死んじゃうかもしれませんねぇ」

イムカの言葉に優しく微笑んで返す。復讐を遂げるまでは何があっても決して死なないと。それからすこしおちゃらけて見せる。
ふと等々にしばしの沈黙を置いて、再び冗談じみた態度で付け足す。しかしその目は先ほどとは違い、まったく笑っていなかった。
今まで復讐だけを生きる糧としてきたジョシュアだが、実際に全ての復讐を終えてしまったとき、自分に何が残るのかを考えていない訳ではなかった。

「…っと、この黒いスライムみたいなガラは…グリードっすかね…?」
「こっちのクソ目つきが悪いのは…ハハ、こりゃ俺だ…」

そこで山なりにトスされたマフラーを受け取り、こりゃいいやと嬉しそうな笑顔。
そこで雪模様の中に紛れたいくつかのユニークな柄に気付き、目をやる。
2,3cmほどの小さなドット絵調の顔が雪に紛れてたまに入っているのが可愛らしい。

「…?、俺の隣の…これは誰です?」
645 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/03(木) 00:15:12.13 ID:UaAS8UYgo
>>643
「うがはッ………!!」

吐血。精神的ダメージでリアルに吐血。幻想は音を立てて崩れ去る。
アキレスのイメージ的にはやはり初めのころのジョシュアが最も印象深いようだった。

「…これでもいいが…この髪型は写真が残っちゃってるんだよなぁ」

この時代の外見は正にOSAT全盛期の頃のジョシュアである。様々な手柄を挙げ期待の新星として各種メディアに取り上げられていたこともあって足が付きやすい。
思い返せば今のベッカムのような髪型になったのはグリードに取り憑かれてからだ。
火星での戦闘の後、弱い自分に決別するために髪を切ったのだ。その頃から性格も荒れ始め、言動も乱暴になった
それまでは他の越境者に対してもクソまじめな態度で取り合い、女の子に至っては「ちゃん」付けで呼んでいたものだ。

「……イメチェンすっか…」
646 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/03(木) 00:20:37.27 ID:FlY9KjCQo
>>643

「?」

 アレと言われても本人的には全く考えが及ばない模様。
 天然属性が実にダメな面で発露した瞬間である。肝心なところで察しがすっごく悪い。
 こんなだから欠点はそのまま欠点として延々残るのであった。

≪0001111010101≫

 なお、サーボスカルはションボリしているベティの目の前に甘〜いオーガニック・メープルシロップをぶら下げている。
 朝まで待てと期待させているのか、からかって煽っているのか微妙なラインである。
 なにせサーボスカルのプログラムは狂気に陥っており、行動の整合性を解くには極めて困難だからだ。

「人心掌握のために?論外だな。確固たる己の在り様と規律こそが人心に忠誠を刻みこむのだ」

 軍人的スパルタン思考である。問題は話の根本がずれていることがだが、まあ些細な事だろう。

「とにかく、重大なミッションだ。失敗は許されん。いいな」

 任務の念押しをするイムカである。何か格好がつかないのも気のせいである。きっと。めいびー。


>>644

「…察しの悪い娘だ」

 何故こうなる?と割と真剣に考え込んでいる様子のイムカ。
 どうやら、この問題に関しては、酷く自己評価と現実に剥離があるようであった。

「復讐は必要だ。運命に決着をつけるためにもな。だが、それから先を想像できないのは問題だな。
 先の無い目的など果たすほうも果たされるほうも…だ。それは決着ではなく迂遠な自殺に過ぎんからな」

 アグラーヤもイムカにとっては頼りになる傭兵であり、多少は気を置いている。
 ゆえに、基本的にはどちらに肩入れすることもない。が、自殺因子めいた事象に堕するのならば話は別だった。

「…さて、誰だろうな?想像に任せる」

 ややシニカルな苦笑をジョシュアに向けてから、再び編み棒に目を向けるイムカであった。

【こうして、コンテナハウスの夜は更けていく】
【今宵のスプロールは慈悲深かっただろう。特に誰もスクランブルを強いられる事無く、翌日の朝の食事を向かえることが出来たのだから】

//ではコノヘンデーノシ
647 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/03(木) 00:24:12.89 ID:UaAS8UYgo
//のぉう途中送信ですます

ぼそりと悲しげに呟くジョシュア。お気に入りのスタイルとも今日でお別れだ。
ついでにイムカにも色々聞いてみる事にした。見た目の趣向とか、その他諸々である。

「心配すんな、昔は軍のコックだったんだ…ニアに料理仕込んだのだって俺なんだぜ?」
「ま、健全な肉体はウマい飯からだ。よろしく頼むぜアーティスト!」

いつもはジョシュアが手料理を食べさせてやっているのだが正直連日振り回されてグロッキーであったため、アキレスに朝食を作ってもらえるのは非常に有難い。
ばしんとアキレスの背中を叩こうとしたがギリギリでリーチが足りない。ちくせう。
ちなみにジョシュアの飯も決して不味い訳ではない。アラズに大量の唐辛子を仕込まれたりしない限りは。
648 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/03(木) 00:26:53.19 ID:FlY9KjCQo
>>647

「その髭は私も似合って居ないと思っている」

 無慈悲なダメ押しであった。人の心を解さないという面目躍如の瞬間であった。
 ナムアミダブツ!
649 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/03(木) 00:26:58.80 ID:oU9b4ccs0
>>645
「おぉジョッシュ 死んでしまうとは情けない」
自分でやっておいてこの言いぐさである

「髭さえ剃っちゃえばオッサンでもそこそこ似合うと思うよ? まぁ元気出せ 今度新しいPLAYBOYもってきてやるから」
ポムポムと肩を叩いて慰める

>>646
―――ギィ!!ギィ!!

目の前に辛抱溜まらん甘味をぶら下げられ ベティは怒り心頭と言わんばかりにハサミを振り上げている

「頑張るよ でもオッサンみたいな豪華な朝食は期待しないでね ベティそろそろ寝るよ」

そう言っていきり立つベティを連れ去り ソファの一角を占拠して寝息を立てるアキレスでしたとさ

//ノシ
650 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 With NYX [sage saga]:2015/12/03(木) 00:46:37.39 ID:UaAS8UYgo
>>646
「その"娘"ってのははただ単にガキって意味なんすか?それとも…」

ニヤニヤしつつさらに追及する。一度からかう側に回ればネチネチといやらしい男だ。
ただしこの場合はもはやツンデレなどというレベルではなく、言動と行動に乖離が存在するレベルなのであまり効果らしい効果は見られなかったが。

「………肝に銘じときますよ。一応はね」
「それよりもイメチェンしようと思うんですけど、コミッサーはどんな感じがお好みで?」

イムカの諫めに少し押し黙り、ややふて腐れたように零す。
そしてこれまた露骨な話題のすり替え、直後トドメのダメ出しによって再び吐血することになるのだが。

「…ん、んん…?…んんんっ……!?」
「……どうしてこんなに笑ってんだ…?」

イムカの苦笑を受けてマフラーに目を落とし、もう一度イムカを見る。
そうやって何度も見比べた後に、ぽかんと口を開けて不思議そうな表情をただ浮かべていた。

>>649
「…どうしてだ…!?なんでギ○オン・エ○リーは良くて俺はダメなんだ…!?」

両手で頭を抱えて本気で悩むジョシュア。
しかしあれだけイムカをからかっておいて本人もこれまた親バカなようで、プレイボーイの話題が出た瞬間にニュクスの耳を素早く塞いだ。

「……ニュクスにそんなもん見せてみろ、マジでワールシュタットのアンテナに括りつけるからな」

言葉を一瞬で学習するほどの好奇心と学習能力を持つニュクス。
それゆえに道徳や倫理、節度を覚えるまでインターネットの閲覧や過度の情報の収集は禁じられている。
人格形成が不十分な時期にインターネットクラスの大量の情報を与えてしまうのは危険だと判断されたためだ。

…そんな成長期のニュクスにそんなものを見せてしまえばどのような恐ろしい状況になるかは自明だろう

//同じくノシでございまー
651 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/04(金) 23:11:39.82 ID:Gc9sjYMI0
【とある世界の 街を一望できる綺麗な高台】
「あ〜ぁ」
夕暮れに染まる街 それを一望する高台 向き合う男女は愛を語り合う
そんないい雰囲気漂う場所に不釣り合いな男が1人

時代錯誤な武具は傷だらけ 纏う防寒着は凍っていたり 焼け焦げていたりでボロボロ 男は疲労困憊という言葉を前進で表すように ベンチに座り込み
自販機で買った甘ったるいカフェオレをちびちび飲んでいた

男は生贄だった

とある地を収める女神の慰み者として 魂の髄までしゃぶられる運命にあった
男には恋人がいた その恋は悲恋に終わる筈だった

女は願った 奇跡を願った そこに現れたのは神でも仏でもなく ただの幽霊だった

「話だけ聞いてりゃいい話なんだがなぁ・・・」
盛大な溜息ひとつ

本来 生贄は必要なかった ただ神が己の欲を満たさんとしていただけだった
そこで幽霊は自分を言葉巧みに操り行動を開始した

吹雪の中でしか咲かない華の蜜を集めるために冬山に登った
生きた竜の逆鱗を手に入れるために地の底に潜った
女神の上司である主神を召喚するために 天使の兵隊集う天界へと押し入った

そして主神は女神の悪行を知り 女神は神の証をはく奪されて地獄の底に叩き落された
悲運は無かったことにされた

「これでカップル成立ならずとかなったらマジでぶん殴ってやる・・・」
カフェオレを飲み干し ベンチに横になる
652 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/04(金) 23:19:09.23 ID:2HVtSQSIO
>>651

「あらあら。一大スペクタクルを体験して、死ぬ思いまでして、奇跡を成したのに、何がそこまで不満なのかしら」

ロイの頭上に、その件の幽霊が現れる。
白と黒のツートンカラーのドレスは、普段とは毛色が違う色の取り合わせだ。
身に着けるアクセサリーも、真珠や琥珀と、ちょっと落ち着いたもの。

「あなたは英雄体質で、事実英雄だもの。英雄なら、あらゆる場面で機械仕掛けの神にならなくちゃならないわ」

「ごらんなさい。英雄の起こした奇跡は嵐になり、嵐はこの世界を恋で満たし、愛によって閉じるのよ」

両手を組んで語るのは、抽象的な詩のような言葉。
このモードの幽霊に何を言ってもしょうがない。
653 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/04(金) 23:31:06.35 ID:Gc9sjYMI0
>>652
「辞めてくれよ 禄でもねぇ」
シッシッと まるでハエでも追い払うかのような仕草

「別にあいつらがどうなろうと知ったこっちゃねぇ ただまぁ・・・人の上に立つような連中が欲かいちゃいけねぇよな」
ヒリヒリと痛みを発する頬の傷を一撫でし 顔をしかめる

「ただの反骨精神さ これじゃ粋がってるがきんちょと一緒じゃないか 俺もいい年なのにな」
そして大泣きしながら男にしがみつく女を見て

「まぁ・・・悪い気はしねぇさ」
人間泣いているよりは笑っている方がいい だがあんな涙なら たまにはいいだろう

「しっかしお前はどんな嗅覚でこんなトンデモカップルを見つけてくるんだ? 毎度毎度厄介な仕事ばっかり探してきやがって
654 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/04(金) 23:35:49.99 ID:2HVtSQSIO
>>653

「私は女神様の触覚だもの。私の信仰心のたまものだと思ってくださる?」

「絶望を否定し、猶も運命にへと食らいつき、悲劇を踏みこえ乗り越えようとする人間の味方なのよ、女神様は」

クスクスと、忍び笑いをしながらその場で回る。
ドレスの裾が広がり、それこそ大輪の花が咲いたようだ。

「そりゃあ、少し気に入った人間をちくちくいじめたり、幸運を授ける代わりに不運も授けるようなロクデナシな神様だけれど」

「それでも、いいものでしょう。あんな恋の物語を生み出すのだもの」

満足げにそう話すが、結局質問には答えていない。
655 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/04(金) 23:45:56.69 ID:Gc9sjYMI0
>>654
恐らく話すつもりなんて微塵もないのだろう 諦めたように軽くなったバックパックを漁り 残った携帯食料である砂糖菓子を取り出して齧る
疲れ切った体に糖分が染み渡る

「あぁ 崇めてる信者の顔が見てみたいな そんな神様」
どっこいせと立ち上がり 伸びを一つ

「せっかく手に入れた奇跡だ せいぜい有意義に使ってもらいたもんだ さぁ行くぞ 俺は馬に蹴られて死にたくないんだ」

いよいよクライマックス 目を閉じる女に顔を近づける男 お邪魔となる前に離れようと提案する
656 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/04(金) 23:53:25.49 ID:2HVtSQSIO
>>655

「こんな顔ー」

自分の顔をむにむにとつまみながら、そんな風におどけて話し。
その場を離れようとするロイと、今まさにクライマックスを迎える恋人達を交互に見ながら、逡巡する様子を見せるも
結局は引きずられる思いでロイの背後にふよふよとついてきたのだった。

「いいところでしたのに。欲がないのね」

ふわふわと浮かび、残念そうにしている。
657 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/05(土) 00:07:51.34 ID:GvznVkFG0
>>656
「けぇ!!」
おどける幽霊に吐き捨てるような仕草

「そりゃお前みたいに幽体なら馬に蹴られたところでノーダメージなんだろうがよ
 俺はまだ生身なんだ それにな お前みたいなのをこう言うんだよ 出歯亀ってな」

ゆるりと続く下り道を ノンビリ歩いて町に戻る
今頃男女はどうしているだろう?

「さぁ酒だ 今日の酒は特に美味いだろうな」

//そろそろ〆で
658 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/05(土) 21:15:17.70 ID:GvznVkFG0
【魔法特化世界】
「号外だ!! 次期賢者連盟の総帥!! グローリー氏が行方知れずだ!!」

ここは人だけでなく 生きとし生けるものすべてに魔法の才能が宿る世界
故に科学はお呼びで無く 街並みは近代の装いを見せるも 見上げれば空を飛ぶ人々 通りには道路整備やら 交通整備をするゴーレム
投影魔法からは白熱した球技が映し出される そんな世界

通行人A「またか・・・」
通行人B「この間はクィディッチのエースだろ? これで何件目だよ・・・」
通行人C「魔道騎士団は何してるんだよ・・・犯人の特定すらまだなんだろ?」

辺りの住人は額を突き合わせてひそひそ話

ロイ「なんだ・・・また随分な世界にきちまったもんだな」
アキレス「早く犯人が捕まるといいねー」

―――ギィ!!

越境者の2人と一匹は 他人事 と言わんばかりに露店の軽食なんぞ頂きつつ 通りの空気を伺っていた
そんな彼らの姿に気付く越境者はいるだろうか?
659 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/12/05(土) 21:25:16.71 ID:BHWZoRIc0
>>658
科学が衰退し、魔法がそれに取って変わった世界
ここは、イリーの生まれ故郷の世界とよく似ていた
故に彼女はいつぞや振りであろう、何処か懐郷的な念を覚えながらに道を行く
一応、獣人の存在は不明瞭なので深灰色の外套のフードを深く被りながら

「……ん?」

彼方此方から感じる魔翌力の気配
それを察する部分とはまた違った感覚に伝わる顔見知りの匂い

「あぁ、ロイさん、アキレスさん」

それにベティ、と軽く右手を泳がせつつの挨拶である

「……なんだ、連続誘拐事件でも起きているのかここは」

それも有名人の、と続く
660 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/05(土) 21:48:58.49 ID:GvznVkFG0
>>659
科学は衰退どころか概念すらも芽生えていません
火薬の爆発で物体を飛ばす? 魔法を使った方が安全で確実 な世界です

そしてイリーが2人に歩み寄ったとき 通行人と肩がぶつかる
軽く誤ってきたその通行人は 蛙の半人であったが 頭巾も被っていないし そんなカエル人の姿に驚く通行人もいない

ロイ「みたいだな 一体誰がそんなことを」
アキレス「この世界は初めてだからなんのこっちゃ分からないけど 結構な数やられてるみたいよ」

アキレスが拾った号外を見せる 世界の修正力で見覚えのない文字もすらすら読めてしまう
すでにこの2人はその違和感を違和感と感じなくなっていた

そして号外には物々しい二つ名を持つ人やら 見るからに重役っぽい肩書の人物が連れ去られたと書き込まれている

魔道騎士「道を開けろ!! 緊急だ!!」
魔道騎士「ご迷惑をおかけします!! 通してください!!」

そして通りでは 鎧兜に身を包んだ一団が軍馬にまたがり人々に声を張り上げる
彼らが道を確保したのち 豪華な装備に身を包んだ 厳つい男が威風堂々と馬を勧める

通行人A「騎士団長のヘンリー五世だ・・・」
通行人B「ついに団長まで出てくるか・・・騎士団も本気だな・・・」

通りの人々はやってきた騎士団長に事件解決への期待を寄せる

ヘンリー五世「民が不安を抱いている・・・早期解決をm」


団長の言葉が止まぬうちに響き渡る轟音と爆炎
通りの一部が突如爆破されたのだ

その爆発に泡を食う騎士団

ロイ「なんだぁ!?」

―――ギィ!?
アキレス「ベティ離れるな!!」

一行の目の前 混乱に陥・・・る気配のない通行人たち いや混乱は起きている だが逃げ惑う人はあまりに少ない
そればかりか 住人と思しき人々は まるで夢遊病にでもかかったかのように緩慢な動きで 騎士団に群がり始めた!!
661 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/12/05(土) 21:58:27.06 ID:BHWZoRIc0
>>660
失礼、とカエル頭を見送ってフードを脱いだ
なるほどこれは都合がいいと長い黒髪を掻き上げる
姿を隠すのには慣れてはいるが、それでも堂々としていられると言うのは別なのだ

「ふぅん……っと、騎士様か」
「……うわっ!?」

どの世界でも彼等は高い地位にあり、何よりその高潔さと名誉は尊敬に値する
少なくともイリーはそう考えていたし、だからこそ身を引いて軽くこうべを垂れるのは自然だ
だがそれを遮る爆音と衝撃、何事だと素早く周囲を睥睨、動禅の呼吸と体運び

「……なんだ、なんか……おかしいぞ、あの人達……!」

ゾンビめいたスローな動きの住民達と、騎士達の合間に割り込まんと青白い闘気のヴェールを纏い駆け出した
662 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/05(土) 22:15:32.93 ID:GvznVkFG0
>>661
ヘンリー五世「魔力感知はどうした!! なぜ気付かなかった!?」
騎士団A「反応なし!! 高レベル隠匿魔法の可能性あり!!」
騎士団B「判別魔法!! ・・・ッ!? アンデッド!! アンデッドが町中に紛れこんでる!?」

ロイ「アンデッド!? ならあの騎士様の援護をした方がよさそうだ!!」
アキレス「やるっきゃないか・・・えぇい腹を括れアキレス!!」
―――ギィ!!

イリーの目にも魂を持たぬ 抜け殻のような人が住人の中に紛れているのが見える
だが先ほどまでは何ら変わらぬ町中だったのだ それが急にこの事態だ

逃げ惑う人々の間を縫うように駆けるイリー それに遅れて2人が駆ける
そして驚愕の表情の団員と 冷静を保とうとする団長と アンデッドの間に割り込むことができたイリー

その眼がある一点を捉えた 緩慢な動きで腕を振りかぶるアンデッド その手が金属製の何かを投擲する

騎士団はそれが何か分からぬ様子 だがイリーは越境した先の戦闘で それを見たことがあるだろう
それは破壊と死をまき散らす科学の武器 破砕手榴弾

参考画像
http://www.mil-freaks.com/goods_image/A310_I1.jpg
663 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/12/05(土) 22:26:25.13 ID:BHWZoRIc0
>>662
「不死人……って、何っ!?」

瞳に魔力を込め、アンデッドの存在を自身でもしっかりと確認
その直後、飛来する何かを捉え残された左眼を見開いた

「嘘、マズ……っ!」
「……伏せろぉっ!!」

爆弾だ、科学の世界の動乱の中で嫌という程に目にして来た
吼えながら跳び上がり、手榴弾を蹴り返さんと回し蹴り
全身の闘気のヴェールを強く強く、死の気配に粟立ちながらの所作である

664 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/05(土) 22:37:05.98 ID:UARvuqFP0
>>662
なんだなんだ、テロか?この世の終わりか?
[逃げ惑う人混みを掻き分け、時には殴り倒しながら現れる薄汚いいつもの男]
[視界の端に見知った顔を見つけ、後を追って駆け出す]

ヨー、なんだありゃ?またゾンビか?
[鞘を左手で持って固定し、ロイ達の数歩後ろを追いながら声をかける]
[以前戦った異形のゾンビ達を思い出したのか、表情は真剣だ]

そして、なんでこんな芋臭ぇ世界にあんなものがあるんだ!
[サイバネアイに手榴弾を捉え、思わず叫ぶソーマタージ]
[伏せるんだァーッ!と叫ぶとうつ伏せに飛び込むように倒れ、頭を押さえて爆発に備える]
665 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/05(土) 22:42:52.99 ID:GvznVkFG0
>>663
騎士団「ふ・・・伏せ!?」
ロイ「いいから寝ろバカ!!」

困惑する騎士団を引きずり倒すロイ 団長はその言葉に素早く対応し 地面に体を投げ出す
そしてイリーの回し蹴りは手榴弾を的確に捉え アンデッドの集団に蹴り入れる 次の瞬間 炸裂音と共にアンデッドが複数なぎ倒される

ヘンリー五世「なんだあの球は!?」
アキレス「今説明してる暇無いって!! それらしき球は全部爆発するつもりでおk!?」

団長に群がりつつあるアンデッドの一体に特殊警棒の一撃を放ちながらアキレスが叫ぶ

ロイ「おいテメェら騎士団の根性見せろ!! いつまでも泡喰ってんじゃねぇ!!」
ロイもまた騎士団を庇うかのように武器を振るい続ける

蹴りを放ち終わったイリー アンデッドはそれでもひるむ気配はない
イリーに向けて腕を振り下ろしてくる

さて このアンデッド共は辺りに混乱を引き起こしてはいるが 無差別な襲撃をしてきているわけではない
まるで意思を持つかのようにこちらに群がってくる いや 正確に言えば 騎士団を狙ってきているのだ

>>664
ロイ「よぅソーマ!! またゾンビさ そんで爆弾については敵にでも聞いてくんな!!」
爆発に備える一行 イリーが敵の真ん中へ蹴り返してくれたおかげで 炸裂の衝撃だけで金属片はこちらに飛んでこなかった

アキレス「ッ来るぞソーマ!! とりあえず迎撃重点!! 奴らの腸で縄跳びしていいぞ!!」
ソーマにもまたゾンビが迫り 腕を振り上げ攻撃してくる

だがその攻撃は ソーマを屠らんとする一撃というよりも ただ邪魔な障害を追いやるかのような一撃であった
666 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/05(土) 22:53:33.25 ID:UARvuqFP0
>>665
またか!脳みそ掻き回して調べ上げてやる!
[土埃を払いながら立ち上がり、戦場刀を抜いて構えるソーマタージ]
[刀身を顔の近くで立てる様にし、恐るべき速さで降り下ろして敵を殺す。蜻蛉と呼ばれる構えだ]

俄然やる気が出てきたってな!ぶち殺してやるぜ!
[容赦無く向かってくるゾンビに刀を降り下ろすソーマタージ]
[綺麗に両断出来る様な刀ではないが、その威力はゾンビ一体を惨たらしく屠るには十分なほどだ]
[ただ降り下ろされた後には大きな隙だけが残るが…]
667 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/12/05(土) 22:54:37.43 ID:BHWZoRIc0
>>664-665
「……生きた心地がしなかったな」

着地し、脚が、というより命が無事な事を確認し胸を撫で下ろす
闘気のヴェールの防御力は、爆弾の破壊力を上回る事は流石にない

「っ……」
「……せェッいッ!!」

アンデッドの振り下ろしから半歩身を引いて逃れ、
そのまま戻る勢いを乗せた胴薙ぎ狙いの蹴り一閃
だが同時にその組織だったアンデッドの軍勢に違和感を覚える

「……騎士様方! 狙われてるぞ!」

668 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/05(土) 23:09:35.36 ID:GvznVkFG0
>>666-667
まるで二の太刀はいらぬと言わんばかりの一撃は ゾンビの耳辺りに入り 堅牢なる頭蓋骨をも切り裂き首を開き みぞおちの下あたりで止まったが
その衝撃は内臓を肉片に帰るに充分であった

倒れ伏すゾンビ 隙を晒すソーマ だがゾンビはソーマなど砂塵に等しき と言わんばかりに騎士団を目指す
途中ソーマを押し退けるように腕を振るうゾンビもいたが

飛んできた別のゾンビがそれをなぎ倒す

イリーが向かってくるゾンビの攻撃を紙一重で回避し 蹴り飛ばしたゾンビがそれだ

そしてイリーが騎士団に注意を促す

ヘンリー五世「まさか…こやつらが!?」
その言葉で団長は悟った 巷に溢れる神隠しの原因がこの騒ぎにあると

ヘンリー五世「このアンデッドを操るネクロマンサーがどこぞにいるはずだ!! 栄えある騎士団よ これ以上の遅れをとることは許さぬぞ!!」
騎士団2人「「ハッ!!」」

団長が叫び 騎士団もようやっと戦線に復帰する

途中アンデッドがいくつもの手榴弾を投擲するも 騎士団の魔法がそれらを投げ返す みるみるうちに動けるゾンビの数が減っていく

それでもなおゾンビは騎士団めがけて群がる ソーマの近くを まるで切ってくれと言わんばかりに隙を晒すゾンビも
イリーを押し退けようとするゾンビも すべてが騎士団へ向かっていくのだ
669 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/05(土) 23:20:15.69 ID:UARvuqFP0
>>668
なんだこいつら…!?
[蹴り飛ばして強引に刀を引き抜き、再度構えるソーマ]
[暴れまわる此方に攻撃が向くと思っていただけにゾンビ達の無関心さに驚いたのだ]

こいつらただの死肉とは違うな。何かに操られてるか…
そんなことはどうでもいいがな!
[すぐ横を隙を晒して通っていくゾンビの胴に向けて刀を振るうソーマ]
[サイボーグならではの強化された筋肉でゾンビ達を飛び越える様にジャンプすると、騎士団とゾンビ達の間へ着地する]
ナメてんじゃねえぜ腐肉共が!頭ネジ切ってオモチャにしてやるぜ!
[先程とは違い、上段に刀を構えてゾンビを挑発するソーマ]
[飛び上がっている間に被っていたフードの下から覗く酸素供給器が蒸気を噴き出した]
670 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/12/05(土) 23:21:19.10 ID:BHWZoRIc0
>>668
術師を手繰るべく機動する騎士団
そして彼等をどうするつもりなのだろう、迫るアンデッドの群れ
騎士団の目的を察したが、イリーの魔力の視界にアンデッドの主を探し出すまでの力はない
今はこの疎むべき禁忌の術の被害者を、一刻も早く再びの眠りに誘う時だ

「……、数が多いな……!」
「ふー……すぅー……、ふぅっ!!」

完全に無視されている格好だ
アンデッドの一体に掌底撃を放たんと唸らせ、しかし舌打ち
続き行うのは縛り付けの動禅魔法
呼吸で吐き出す空気に闘気を混ぜ込み周囲の敵対者へと巡らせ、意志力の低い相手を金縛りにする魔法である
とはいえイリーはこれを得意とせず、効果の程は分からないが

671 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/05(土) 23:37:56.87 ID:GvznVkFG0
>>669-670
ソーマタージが跳躍し 団長との壁に加わる

ヘンリー五世「助太刀感謝する!!」
イリーとソーマタージ ロイとアキレス 4人が鉄壁となりゾンビを食い止める

そしてイリーの魔法がゾンビを縛り上げると あとは作業そのものであった

―――――――――――――――

最後のゾンビをソーマタージが切り捨てる 辺りはアンデッドの流した血でむせ返るような死臭が立ち込める

騎士団A「報告 感知魔法に禁術の痕跡無し 敵は相当な手慣れかと」
騎士団B「報告 爆発に関しても 魔法の痕跡は見受けられませんでした これほどの隠匿魔法の使い手となると 賢者連盟でも数えるほどしか・・・」

ヘンリー五世「敵はかくも強大であるか・・・」

団員の報告に表情を険しくする団長

ロイ「ソーマ イリー アキレス ちょっと来てくれ」
そんな騎士団から離れてアンデッドが累々と倒れ伏す場所でロイが皆を呼ぶ ロイはサーベルでアンデッドの頭を弄っていた

アキレス「うわエンガチョ 何してんのおっさん」

ロイ「ここは科学が一切存在しない世界のはずだ 現にあの騎士様は手榴弾を知らなかった なのにだ・・・」
コロリと外れた金属片 そこには

アキレス「おいオッサンこれ・・・!」
その金属片には基盤があり 配線がつながり アンデッドの頭の中へとつながっている

ロイ「あぁ 明らかな 科学の痕跡だ いよいよもってきな臭い・・・」
心底嫌そうに一行へと視線を向ける
672 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage saga]:2015/12/05(土) 23:46:38.88 ID:BHWZoRIc0
>>671
「……」

鼻が曲がるような死の臭気
だが動かなくなったアンデッドを、彼等を疎む事はしない
被害者なのだ、静かに眠っていたのに無理矢理に叩き起こされ酷使された
怨むべき敵は死術師である、越境以前の追憶のかつてもそうであったように
なんと因果な、と自嘲

「ん? あぁ」
「……! 随分と、まぁ……」

冒涜的だ、と評するに迷いは皆無
死者を操っていた金属の板を睨む左の瞳は鋭い

「越境者が、裏にいると……?」
673 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/05(土) 23:52:25.67 ID:UARvuqFP0
>>671
[返り血を浴びながらゾンビを切り捨て、フードを脱ぐ]
[噛み合わされた牙を模した酸素供給器はいつの間にか外されていた]
死して屍、使用後の箸ってな…
[刀を振るって血と体液を飛ばし、懐から出した布でしっかりと拭いてから鞘に納める]

人を呼んどいてそんなことしてるのか?俺も交ぜろ
[考え込むように口元に手をやり、ロイがアンデッドの頭を弄る様を眺める]
[血が付くのも気にせず片膝をつき、金属片に手を伸ばす]
……基盤?さっきの手榴弾といい、なんだってこんなものが…
[指先で配線をなぞり、グチュグチュとアンデッドの頭の中に指を突っ込む]

ざっと見回った感じ、ここは科学のかの字も無いような中世ファックランドだ。こんなものは場違いだ
[指を引き抜き、アンデッドの頭から金属片を引き千切ろうとしながら]
隠れてコソコソ科学の勉強した奴がいるのか、何かに別の世界から持ち込まれたか…俺は後者に賭けるね
674 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/06(日) 00:07:00.40 ID:EuoA/cUH0
>>672-673
ロイ「俺も魔法よりの世界出身でな 科学には疎いが・・・」
アキレス「一朝一夕でどうにかできる機械じゃないよこれ 越境者の暗躍だろうね 絶対」

アンデッドの頭の中に指を突っ込むソーマタージ 配線をたどった先は脳髄 そこに平たい電極が張り付けてあった
恐らく機械からの信号を脳髄に伝え 操っていたのだろう

【ソーマタージへの情報:基盤には焼け焦げた跡がある 焦げ臭い匂いからして 焼けたのはつい最近だ】
【焼けた場所は炭化しているものの 何かを受信する機械の部分の様だ】

ヘンリー五世「そこの者」
一行が額を突き合わせていると声をかけられた 騎士団長のヘンリー五世である

ヘンリー五世「此度の働きに感謝する 幾ばくかの謝礼を用意する故 我らと共に来てくれぬか?」

ロイ「まぁ・・・何かくれるってんならついていくが・・・」
アキレス「ちょうど路銀が厳しかったしね」

2人はどうするか? このまま去るか それともついていくか? もしもついてくるのならヘンリー五世は 一行が近づいてきたとき 声を細め

ヘンリー五世「事は急を告げる すまぬが協力を申し出る」
一向にだけ聞こえるように告げた

//これにてこのシチュは〆 お疲れ様でした
675 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/12/06(日) 00:16:17.67 ID:hIpavKDB0
>>674
「……同じく、お手上げだ」
「ふぅん……なるほどね」

取り出された機器を前に両手を軽く上げてかぶりを振った
完全に機械は専門外なのだ、破壊的に苦手なのも手伝って
だがアキレスの検分から熟達した技術が使われていると納得、越境が関連しているのはほぼ確信と言ったところか

「ん?」
「あ、あぁ、これはどうも……ご丁寧に」
「……感謝します」

高貴なる騎士長を前にややぎこちなくなりつつも頷いて応じる
身分を前に無作法に出来る程、俗世離れしてはいない
果たして何事が待ち受けているのやら、黒猫の獣人は彼等に着いて行くことを選択した

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
676 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/06(日) 00:16:59.51 ID:theTvzEN0
>>674
俺は逆にバリバリ科学系だからな。魔法は勘弁な…
…っと、何かあるっぽいぞ。見る?
[電極を摘まみ、頭を数度殴り、強引にこじ開けて引っ張り出す]
[足下に溢れる脳髄は気にも止めず、ぬらぬらと輝く電極を眺める]
電極だ、これで信号を伝えてたんだな
基盤の方は…少し焦げてるな。ちょっと脳ミソついちゃったけど嗅いでみる?まだ臭ってるぜ

謝礼?いいね、その言葉が聞きたかった
[脳髄で汚れた手を合わせ、よろこんで、とヘンリー五世へ近づく]
[協力の申し出に口元を歪ませて答えると、呑気に彼へ着いていった]

//乙でした
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage saga]:2015/12/06(日) 00:26:59.79 ID:EuoA/cUH0
かくして一行は団長と共に歩く そして団員は死体を集め 魔法の火で焼き始めた

騎士団A「黒幕は団長すらも狙っていたのか? 恐ろしい・・・っと? なんだ虫か?」
騎士団B「警備を強化しないとな しばらくは家に帰れそうにない さっさと死体を焼いちゃわないと ハエが集り始めたんだろ」

―――――???
どこかの建物の中 何者かがタブレットを覗き込んでいた そこには騎士団が死体を焼いている光景が映っていた

???「ここにも越境者の姿か・・・まったく鬱陶しい限りだ 装備を増やして・・・人員も増強・・・その前に兵隊の動きが変だった チッ嗚呼やることが多すぎて嫌になる」
678 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/06(日) 23:13:20.70 ID:EuoA/cUH0
【ニブルヘイム】
地球まるっと凍てついた世界 そこに住む者にとって幸いなのは 地球はまだ生きているということ
このニホンという国は 世界が凍る前から地下インフラを整え どうにか生きながらえている

アキレス「うぅさぶ・・・今日も大変寒かったです」
ロイ「あぁまったくだ・・・」
―――ギィ♪

そんな地下インフラの一つ 地下鉄の駅を利用したコロニーで この2人と一匹は 人の住めなくなった地上からかつての物資を回収する仕事をしていた
今日もそんな仕事が一段落し コロニーに戻り 食堂で暖かいスープを頂いていた

今日はそんな一幕
679 :帆村深雪 ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/06(日) 23:32:12.47 ID:leBzpqZ60
その2人の側に座る、黒い髪に蒼い瞳の少女。見た目からして年齢は12~4程であろうか。
名は帆村深雪。彼女もれっきとした越境者であって、さっきから彼らと行動を共にしていた。

邦人たる彼女の様子は、このニホンという国とは割と合っているのかもしれない。単に故郷の国名と同じだけであって、似て非なるものであるかもしれないが。


「うん、久々に体の芯まで冷えたよ……本当寒かった」

深雪は両手でスープの入ったカップを握って、未だ凍れる指先を温めている。
割と寒いのが苦手というわけでもない彼女であっても、まだぷるぷると身体が震えている程。それぐらいにその寒さは酷かった。
まるで氷河期――否、この世界はそれと較べてももっと酷いザマなのかもしれない。
680 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/06(日) 23:40:24.49 ID:EuoA/cUH0
>>679
アキレス「あれは寒さに強いとかそういうレベルじゃ対処できないって・・・!」
ロイ「しかも折悪くサウナのボイラーが調子悪いときたもんだ・・・物資調達班には死活問題だぜ・・・」

このニホンはいわゆる日本お同じような物 島国であり国民性もある程度残っている

アキレス「ずず〜・・・ップハ お代わり!!」
ロイ「俺もだ」
―――ギィ!!

熱いスープを腹にぶち込み まだ足りぬとカップを差し出す2人と一匹
物資調達班は地下で働く人員より格段に給料がいい それだけ地表が危険だということだ

金に糸目をつけず スープをがぶ飲みする
681 :帆村深雪 ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/06(日) 23:53:33.02 ID:leBzpqZ60
>>680
「いやいや、流石に食べすぎ……じゃなくて飲み過ぎでしょ。お金が無くなっても貸してあげないよ?」
「確かに僕も結構食べるほうだけど……はぁ」

金に糸目を付けないかのようにスープを掻き込むように飲む2人と1匹を見て、深雪は呆れるように溜息をつく。
ついでに諭すような注意を彼らに投げかけるのであったが、耳に入っているかどうかは知らないし怪しい。
此方は未だに1杯の半分を飲み終えたところであって、彼らと比べれば飲む速度は明らかに遅かった。


「それにしても、こうやって話すのも久々だよね。僕と会ってない間に何かあったりした?」
「…………元気そうなのは見たら分かるけど、うん」

――――ふと、そんなことを聞いてみる。
682 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/07(月) 00:04:09.03 ID:XjVwTIP/0
>>681
アキレス「まぁこのぐらい大丈夫・・・だよね?」
ロイ「食える時に喰う それが兵士の備えだ」
―――ギィ!!

帆村の言葉に不安を覚えるアキレスと 全く動じないロイとベティ お代わりをズズーっと啜る
そして帆村の言葉には 2人とも目をパチクリ

アキレス「久しぶりって・・・一週間前に会ったばっかじゃん」
ロイ「二週間は・・・久しぶりと言っていいのか?」
―――ギィ?

首をかしげる2人と一匹

ロイ「あぁ 時間のズレってやつか 帆村からすれば一体どれぐらい振りの再開なんだ?」
と質問を返した
683 :帆村深雪 ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/07(月) 00:20:19.92 ID:uVd44aVt0
>>682
「まぁ、そう言われればそうかもしれないけど……」
「あ、僕もおかわりお願い」

確かにと否定はしないが、かといって肯定もしない。そんな態度の深雪――――

――――であるのだが、さっきの寒さでスタミナも底を尽きかけていた。結局は食欲に負けるのだった。


「……え、えっ?」
「多分、最後に会ったのは…………えっと、1年ぐらい前じゃなかった?」

些かならぬ驚きを見せながら、深雪はそう応えた。記憶を頼りにすれば、多分それぐらい前であろうか?、と。
――ともかく、そちらの2人と比べれば明らかに長い時間を経ていた様子。
その割には、容姿はほとんど変わっていない。強いて言えば、背がほんの少し伸びた程度か。

「あぁと、あれかな。時間のズレっていうやつ?」
「ややこしいよね、ほんとに……」
684 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/07(月) 00:31:08.27 ID:XjVwTIP/0
>>683
―――それからどうした

アキレス「ふぃ・・・腹いっぱいだ」
ロイ「食ったな〜」
―――ギィ!!

腹をさすり 満足気な2人と一匹 水を飲みながら聞けば

ロイ「一年か・・・そりゃ確かに久々だろうな」
アキレス「一年前・・・って あぁいや 時間がズレズレだから参考にならないか」

目を丸くするロイと 頭を掻き記憶を探るが それも無駄と判断するロイ

ロイ「聞いた話じゃ 何十年もズレが生じたケースがあるらしい ナルホド 知らぬうちに成長したり 老いたりする輩が居るのはそのせいか」
アキレス「まぁ・・・帆村タン見た目変わってないからね しょうがないね」

アキレスの視線が帆村の頭の先から足の先までを無遠慮になでる

ロイ「何はともあれ久しぶりだ 旧友との再会を祝そうじゃないか ヘイ 焼酎」
アキレス「帆村タンもどうだい?」

再開を・・・というより 酒を飲む口実が欲しかった2人
685 :帆村深雪 ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/07(月) 00:48:50.31 ID:uVd44aVt0
>>684
「うーん。今みたいに1年ならまだいいけど、そんな10年とか20年とかになったらねぇ」
「って、そんなにじろじろ見ないでよアキレス……」

突き刺さるような視線を感じた深雪は、当惑した表情を彼に向けてそう言った。
彼女の姿は、本当に変わっていない。顔立ちは心なしか大人びたようにも見えるが、それでも同年代と比較しても子供じみているのは確かで。
背丈は越境者になった4年前から10cm伸びたかも怪しい。胸元も相変わらず成長する兆しすらない。断崖絶壁。


「いやいや……僕はやめとくよ、まだまだ17だから。あと3年待たないと駄目だから……」
「でも喉渇いたなぁ……代わりに他のものはない?お茶でもジュースでも何でもいいよ」

――しれっと自分の年齢をカミングアウトしているが、その辺りはあまり気にしてはいけない。
況してや、見た目と年齢が懸け離れてるなんて言ってはいけない。
686 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/07(月) 01:07:11.60 ID:XjVwTIP/0
>>685
アキレス「え? あぁごめ・・・えっ 17?」
ロイ「17?」
―――ギィ?

アキレスが目を丸くし ロイは持っていたコップをテーブルに落っことす ベティも驚愕したようにハサミを振り上げている

アキレス「・・・うっそだー」

そしてアキレスの嘘判定が入りました

ロイ「まぁいいじゃないか 俺の故郷じゃ10から飲んでたし」
アキレス「いやいやいや 本人の見たくないっていてるんだから・・・」

などと言っているが 帆村には粉末ジュースが配られるだろう そんなこんなで食堂の一幕は続くのであった
//ノシ
アキレス
687 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/08(火) 22:14:18.39 ID:uLXMDQyK0
【とあるファンタジーの世界】
さて 村社会というのは中々に厄介なものだ
閉鎖したコミュニティにいれば よその人間を敵視し 交流を自らの手で閉ざすことにも躊躇しない

飛ばされた先で見かけた集落がまさにそれだ 突き刺さる視線は敵意を隠そうともせず 好奇心の強い子供たちはすでに家屋の中に隔離済みだ
ここから先 どこに別の集落があるか分かったものじゃない すでに空は暗くなりかけているが 一晩の宿を借りることもできない

どうにか交渉の末 離れた場所の風車小屋に寝泊まりしてもいいという

「全く人の暖かさが身に染みるねぇ まぁ珍しくないさこんなことは」
今にも朽ち果てそうなおんぼろ風車小屋の前で 同じファンタジー出身の傭兵は溜息をつく
688 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/08(火) 22:23:39.29 ID:gDDCITOxO
>>687
「それにしてもっ、酷すぎませんっこれぇ……?」

鼻息荒く憤慨気味なのは藍色のダウンを着込んだニアである
叩けば倒れそうな小屋の中、怒りを何処にぶつける事も出来ずに唇を尖らせ胡座をかいていた

「……そりゃ、屋根がある分マシかもですけどぉ……」

野宿よりは少し、と言った具合か
いきなり襲われなかったよりは良かったと取るべきなのかもしれないが、ニアにはまだそれは難しい
越境に慣れてはいるが、それでも人の恩情に頼る事が多いのだから
689 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/08(火) 22:43:45.02 ID:uLXMDQyK0
>>688
酷く立て付けの悪いドアをギギィと開けて 数歩中に入り 少し辺りを見回してから一つ鼻で笑う

「いや どうやら外の方が幾分マシなようだ・・・」
バックパックからオイルランタンを取り出し 闘志の炎で着火する

「複数の足跡・・・そこそこ新しいな それに・・・乾いちゃいるが 血の跡・・・引きずってるな・・・何かを出血する程度に怪我させて それを引きずり・・・外へ・・・
 そこからは判別は出来ないな・・・さて そこから推理するに・・・?」

といってからニアへ顔を向け

「さてどうする? この中で一晩を明かすか?」
690 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/08(火) 22:50:49.41 ID:gDDCITOxO
>>689
「……の、野宿にしましょうっ」

ロイに着いて行っていたがびくりと停止
無論その室内の惨状と、被害者の結末を想像しての事である

「今夜はほら、お天気もいいですしたまにはぁ……」

寒空の下での晩も悪くない、なんて苦笑い
頭の中では小屋の奥底に潜む狡猾な捕食者の姿がモヤモヤと浮かび始めている
振り払うようにかぶりを振って、外に出ようと後退った
691 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/08(火) 23:02:05.37 ID:uLXMDQyK0
>>690
「そうだな それが賢明だ まぁこれまた珍しくないんだがな」

悲しいことに それを収入源として見ている集落も珍しくない
少なくてもこの世界は旅人は宝箱と同義語なのだ

「だがよだれ垂らしてる連中にはお仕置きしてやらにゃな ・・・ちょっと手伝え 俺は床板に切れ込みを入れるから その机をこっちに配置換えするんだ それから・・・」

さて 風車小屋に細工を仕込んでからこっそりと小屋を出て  少し離れた場所に陣取る
石で簡易の釜戸を組み 火が見えないようにしつつ 晩飯の準備

「さぁて面白いものが見れるぞ・・・早く来るといいな」
溶かしたラクレットチーズをのせたトーストと ジャガイモとベーコンのコンソメスープを用意しました チーズが固まってしまう前に食べてしまいましょう
692 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/12/08(火) 23:10:57.09 ID:gDDCITOxO
>>691
「……え?」
「……あ、ああぁぁ……! そういうっ……?」

ロイの言葉にようやく思考が正解に達した
その元凶は小屋に潜む怪異ではない、むしろそれならば、その方が物事はより簡単であっただろう
だが現実は違う、本能で狩りを行う獣よりももっと狡猾かつ残忍な『怪物』がいるのだ

「はっ、はいっ」
「えぇとぉ、こうっ? こっちってんですねぇっ?」

タイドメイカーの膂力を活かし重い物もなんのその
こう言った仕事はお手の物である

「……面白い……ってんですかぁ」
「あ、ありがとうってんですっ」

いただきまーすとかぶり、トーストに噛り付く
外は少し冷えるが、ダウンと料理は温かく風邪の心配はなさそうだ
693 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/08(火) 23:27:57.30 ID:uLXMDQyK0
>>692
「一体何を想像していたのかね? ・・・あぁそうそう もうちょっと角度をこう・・・」
若干の苦笑を交えつつ 小屋の中のレイアウトを変更したり ロープを仕掛けたり 柱に切り込みを入れたりと 大がかりな模様替えを実施 
そして食事を終え 優雅にカフェオレTIME

「しかしこの『いんすたんと』ってのは便利だな わざわざ豆を挽かなくても・・・っと 来たぞ」
指さした先には 松明と 雑多な農具を持った村の男共が小屋に近づいていくのが見える

そして入り口の前で互いに頷くと 乱暴にドアを蹴破り 中に入り込・・・もうとして

村人A「(バキッ!!)うわっ・・・t(ゴッ!!)」
村人B「おいなにy(グイッ シュルルルル・・・!!)わぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
村人C以下数人「大丈夫k(バキバキバキバキバキ!!!!)」

まず村人Aが小屋の中に踏み込んできたところ 床板を踏み抜いてしまい盛大にバランスを崩し 転倒したところでレイアウト替えた箪笥の角に頭をぶつけて昏倒

そして箪笥が動いたことで仕掛けが動き 続いて中に入ってきた村人Bの足にロープが引っかかり 天井に宙づりにされる

更に村人Bが柱につるされたことで 切り込みを入れた柱が主さに耐えきれず折れ その拍子に中にいたほかの村人を巻き込み小屋が倒壊したのだ

「!!!!!!!!!!!」
余りにも上手くことが進んだようで ロイは声も出ないほど笑い転げている

そしてニアの脳裏に一つのフレーズが響いたことだろう

ピタッゴラッスイッチ♪
694 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/08(火) 23:29:25.93 ID:uLXMDQyK0
追記:なお 一連の攻撃で死人は出ていない 小屋は朽ち果てかけており 材木としてはスカスカで強度不足だったのが幸いしたのだろう
695 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/08(火) 23:34:48.59 ID:gDDCITOxO
>>693
「だ、だってぇっ……」
「角度ですかぁっ? えーとぉ……」

ぐるると唸り声を挙げる毛むくじゃらの巨大な獣は脳裏から消え去り、
変わって先程のよそよそしい村人達が支配していた
そして工事完了、愛用のステンマグに注がれた甘めのコーヒーに舌鼓

「……あっ、ほんとだっ」
「……、……、、……」

これは笑ってはいけない場面である
今まで何度もいのちの遣り取りが起こり、被害者の無念が晴らされ、天誅が下った瞬間なのだから
だがそのフレーズが浮かんでしまってはそれは不可避だ
思わず噴き出し、手で口元を覆いしかし押し殺した笑い声は漏れている

「ろ、ロイっ、笑過ぎだってんですっ……」

聞こえちゃいますよ、と自身も笑いながら
696 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/08(火) 23:45:41.42 ID:uLXMDQyK0
>>695
「ざまぁ・・・・ックク 見やがれってんだ・・・・・グッ・・・ンン アホたれが・・・・ッ」
何度も噴き出しながら昏倒する連中に罵声を浴びせる

「ッ・・・!! まぁ・・・集落の規模からして あれで男衆は全滅だろう あのまま朝まで頭だけとは言わず 体ごと冷やしてもらおう
 風邪ひかなきゃいいがね・・・さてと」

釜戸に燃料をぶちこんで火の勢いを強くする

「それじゃ先に寝てていいよ 五時間後に起こすから交代な 日の出の直前にここを離れよう」
何ならシェラフ使うか? と提案する 夜は静かに更けていった

//そろそろ〆で
697 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/08(火) 23:53:53.01 ID:gDDCITOxO
>>696
「……ま、まぁっ、これで反省してくれるといいってんですけどねっ」

ケラケラと隠す事をやめて笑いながら

「はぁいっ、5時間後ってんですねっ」

携帯デバイスのアラームをセット
電波がない分機能は制限されるが、それでも便利なモノには変わりないのだ
時たま流れる謎の越境ラジオも聴く事が出来る

「……ふふーんっ、この前買いましたってんですっ!」

自慢気にバックパックから取り出すのは携帯性重視の寝袋である
現実世界に程近い世界で買ったらしく、それなりに有名なメーカーのロゴが入っていた
ピカピカのシェラフに包まり満足そうに寝息を立て始めるニア
交代の時にうっかりそのままイモムシ状態で起き上がろうとして縺れ、顔面を強かに強打したのはまた別のお話

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
698 :ラヴレス・ウォルコット 【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/09(水) 23:06:54.02 ID:cYUn9KOeo
拘束生活51日目――

「………なぁ」

亀甲縛りにされて椅子に括りつけられたままの暗殺者は極めて冷静な表情で語り掛ける。

それは特に尋問らしい尋問も行われず、日替わりの縛り方のネタさえ尽きて3ループ目に突入していた頃だった。
イリー達一行を襲撃し、同伴していた魔女の血も涙もない悪魔的攻撃に敗れてから2か月以上経過していた。

ただ生かされるだけ。何もされぬまま2か月以上の放置プレイを喰らう。それは彼女にとっては相当退屈であったらしい。
暗殺者はある種我慢の限界に達していた。

「いつまで拘束する気なんだ?もっと…やることはないのか?ほら、殺すとか…埋めるとか…あるだろう」
「いい加減私も退屈すぎて…くぁ……舌を噛み切りたくなってきたぞ…」

およそ捕虜の口にしていいものとは思えぬワードが次々に口を次いで出てくる。
仕舞いには止まらぬ欠伸を抑えることもせず、今朝から唐突にイリーに対して横暴な態度を取り始め、殺せ殺せと喚き散らしているのだ。
699 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/12/09(水) 23:15:24.87 ID:JfHDUH5BO
>>698
「ん、まぁ、そうな……」

それもそうだろう、と苦笑
久々に部屋に戻って来れば、彼女はなんとまだ拘束されているではないか

「……全くこんな……」

眉をハ時に、縄の結び目を器用に解いて行く猫人
彼女を捕縛した直後、越境に巻き込まれここへと来るのはそれ以来
恐らく縛っていたと思われるであろう当人の姿も見えないし、解放してしまっても何ら問題はないだろう

「何か酷い事はされていないか? 怪我は?」

食事なんかも摂っているか? 喉の渇きは?
矢つぎに飛び出る質問の嵐
こういう尋問だとか拘束だとか、その手の真似事を好まないのだ
700 :ラヴレス・ウォルコット 【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/09(水) 23:31:24.10 ID:cYUn9KOeo
>>699
「ふぅ…まともに立てるのは何か月ぶりか…」
「すっかり身体が鈍ってしまった。今すぐ身体を動かしたいな…」

食事も睡眠も何もかもあの魔女に管理されていた。禁固刑の囚人よりもひどい扱いだ。
当然自由に身体を動かせるはずもなく、暗殺者は前に遭った時よりもずいぶん痩せて、ひどくやつれて見えた。
縄を解かれればようやくといった表情でしっかりと地面に立つ。少しフラつくが、思っていたよりマシだ。

「…あの魔女が戻ってくる前にここから出たい。それだけだ」
「頼む。見逃してくれないか?タェ…間抜けな面をした半人に届ける物があるんだ」

止まる所を知らない質問攻めに心底ウンザリした表情で、やめてくれ、と手を振る暗殺者。
別にもう暗殺する必要はない。機関には”正体不明の敵に襲われて失敗”と伝えるからとっとと帰らせてくれと懇願する。

本来ならばあの日の暗殺帰りに届けるつもりだった大事な物品があったのだ。
死なずに済む可能性が出てきたのならばそちらを優先するに越したことはない。
701 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/12/09(水) 23:38:16.53 ID:JfHDUH5BO
>>700
「ふぅむ……」

根がお節介焼きな猫の獣人、指に顎を乗せてしかめ面
それは勿論目の前の彼女の様子にあった
痩せてふらけ、心なしか顔色もよくない風に思える
栄養や食事の不足は明らかだ

「可能ならば少し休憩をと思ったが……」
「……ん? 間抜けな半人……?」

何となく越境仲間の顔が浮かぶが首を傾げる程度の反応

「……ならここを早く出よう、シャワーとかは平気?」

着替えなんかもあるぞ、と矢っ張り余計なお世話を焼きたがる性分
因みにお節介ついで、しばらく同行する気満々である
702 :ラヴレス・ウォルコット 【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/09(水) 23:56:34.59 ID:cYUn9KOeo
>>701
「…いらない。今すぐ戦いたい」

静かに首を振り、イリーからの提案を否定する。
彼女にとっては健康面よりも身体能力のパフォーマンスの方が重要らしく、
ふらつきこそするが今すぐ戦闘の勘を取り戻さないと、と焦燥した様子で答える。

「…いらない。今すぐ戦えないのなら、死んだ方がマシだ」

休憩は一切必要ない、と再度の提案をばっさりと切り捨てる。マトモに汗を流させてはもらっていなかっただろうが、不快な匂いはしない。
どうやら洗浄魔術の類を受けていたようで皮膚表面の汚れなどは取り除かれ髪もさらさら、肌もベタついてはいない。
それでも実際にシャワーなどを浴びるのとは違い、精神面でのリラクゼーション効果は薄いものなのだが。

”早く出よう”の部分には同意し、足早に出口へと向かい、ドアを開けて外へと出た。
陰鬱な路地裏とは違い、高原の心地の良い空気。一体気を失っている間にどこまで運ばれたのだろう。
青々とした山麓を見下ろしならさてどうしたものかと考えつつひた歩く。
しかし10歩ほど歩いたところで、背後に密着してくる気配に眼を瞑って足を止め、

「………」
「…なぁ、どうして付いてくるんだ…?」
703 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 [sage]:2015/12/10(木) 00:08:51.91 ID:7jBpUV6zO
>>702
「……元気そうで何より……」

苦々しく笑いながらの反応である
些かも闘気が衰えていないのは見事だ、闘争を訴える彼女から強がりは見えない
荷物を詰め込んだずた袋を背負い、外に出る彼女の後を追った

「んー、いい天気だ」
「絶好の群青日和……ん?」
「あぁ、そりゃあ……いるだろ?」

食べ物とか、と自身の背負った荷物を指して
しかしなるほど、街中ならともかくこの山中では食糧問題も起こるだろう
寝床の確保や着替えなんかも必要になる、所謂サバイバル状態だ

「……ま、お互い人里目指して歩く道中」
「道連れと情けだよ、旅ってのはさ」

こういう時、齢を重ねて得た図々しさは役に立つ
さぁ歩くぞ、と肩を叩き半ば強引に連れ立った1人と1匹

「置いてくぞー、なんなら途中で組手でもしよう」

雲はのんびりと形を変えて青々としたそらを泳ぐ
人々の営みなどまるで気に掛けぬように
暗殺者の少女との黒猫の獣人、この珍妙道中記はまた別のお話

//こんなところで落ちまするっ
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
704 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/10(木) 22:02:11.08 ID:AlBZfGslo
【とあるファンタジーの世界】

 越境は人間種だけの特権か?
 それに関しては当然ながらNOといわざるを得ない。
 既に世界間を隔てる境界は撓む一方であり、神隠しなどの事例は頻発している。
 それが人間だけに起こりうるものであるはずがないのだ。

「が、これはやりすぎじゃあないか」

 丘上で伏せの姿勢になりながら双眼鏡を手に持つ影があり。
 彼はクルト・カントール。ハイテク装備に身を包む傭兵(ランナー)である。

【ここは中世期の世界。世界線座標としてはさして珍しくは無い世界だ。剣と魔法。それだけなら夢がある響きだ】

 彼が見ているのは緑の津波と緑の津波の激突。
 いわゆるグリーンスキンと呼ばれる、オーク、ゴブリン、トロールを種とした連中の縄張り争いである。

【闘争本能過剰なオークが同種で相争うのは日常茶飯事。連中は戦うために生きているようなモノだ】

 ファンタジーでもSFでもこの連中の様式は基本的には同一(ゆえに性質が悪い)である。
 散々、縄張り争いをして、時に偉大な大族長が現れれば、
 人界を戦慄せしむコーフンに満ちた大虐殺(カーネージ)が巻き起こる。大進撃(クァーグ!)と呼ばれるソレだ。

【眼下のオーク達の戦闘の規模は大きい。潰しあって衰微すれば重畳であるが、
 下手に片方が片方を圧倒し、戦力を吸収した日には――なお、この地点は城砦都市にほど近い】

「心配性のカネモチに偵察に雇われただけだったが…どうしたものかな」

 クルトは葉巻に火をつけて苦々しそうに双眼鏡より目を離す。
 同行人に意見なり感想なりを求めているようだ。
705 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/10(木) 22:14:13.26 ID:d0NW8sRd0
>>704
「あまり見ていて気持ちのいい光景じゃねぇな」
隣で古臭い単眼鏡片手に紙巻きたばこを覗いているのは これまた古臭い装備の男

「俺がいた世界の祖国はアレの蹂躙を受けたことがあってね いやぁあれは酷かった
 気を付けろ トップが生まれれば人が大勢死ぬ」

盛大な溜息を煙と一緒に吐く

「都市に注意勧告重点だな 楽観視は死を招くのみだ 精一杯の準備をするように言わなきゃな」
706 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/12/10(木) 22:17:54.97 ID:bPP0SnkB0
>>704-705
「うーんっ、なんともぉ……」

胡座をかいて座し、目を閉じたまま唸る褐色の肌の少女
マオカラーのジャケットにジーンズと戦の場になんとも不釣り合いな出で立ち
その中で、腰に帯びた剣は異質だ
首筋から一本、にょろりと細い触腕が潜望鏡めいて擡げられ緑の波濤の衝突を眺めている

「心配症だってんならっ、逃げてくれませんかねぇっ……?」

詰まる所この報告を聞いて避難する事こそ最善ではないかとの返答だ、つまりにはロイに同意か
流石にあの数をどうこうしようとは現実的ではない

「……あとはぁっ……」

互いを、まるで暴虐の手足が如くに蠢く毒蜘蛛の頭を捥ぐか
無論それには大きなリスクが伴うが、最悪の事態は防ぐ事が叶うやもしれない
葉巻と煙草の煙から逃れる様にずずいと体を動かして2人の話を聞いていた
707 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/10(木) 22:30:20.52 ID:AlBZfGslo
>>705-706

「都市な…」

 虹彩が微妙に異なる両の目で老兵はロイを見やる。
 少しだけ依頼先の街を思い起こしたのだ。

【城砦都市では人々は良く食べ、良く働き、変わらぬ日常を謳歌していた】
【城壁の上で起立する兵士達も自分達こそ、この都市を護るのだという自負を持っていた】

 同時に平和が長かったのだろう。明らかな練度不足も見て取れた。
 油断でも慢心でもない。だた、実力が足りないだけだ。致命的に。

「あそこのミートパイは美味かったな。露店の婆さんは丸々太ってて印象的だったしな」

【ここで、ピカッ!と大地にもう一つの太陽が出現したかような光が放たれる】
 【その後には抉られた地面と、分子分解されて手足の欠片しか残らなかった兵隊(ノブ)の痕跡】

「グウウウアアアアアーッグ!!」

 そして、それを放った…異様な存在感を放つオークが一体在り。
 片手にプラズマガン≠持ち、全身をギラギラ光る趣味の悪い装甲で鎧い、
 片目には電子照準装置というハイテク≠ノ身を包んだオーク。フラッシュキッド(ギラギラ野郎)。

【ジジジ…とクルトの葉巻の先端が赤く光を放つ】

「越境は人間様の特権ではないとは知ってはいたが…よりもによってだな。
 大族長(ウォーボス)誕生まで秒読みといったところか?」

 オークは強いヤツが正しいという価値観の下、強者に従うという本能がある。
 ※もちろん、それは緑色のヘルシーな肌を持った者に限られる。強かろうがインゲン野郎に従うなど論外である。
 そんな連中に不可思議な光を放って、いろいろボカーンするすっげ強いオーク≠ヘどう映るだろうか。

【このまま推移すれば何が起こるか。自明である。あまりにも自明である】
708 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/10(木) 22:42:22.97 ID:d0NW8sRd0
>>706
「お前それどうやって見てるの?」
目を閉じて 触手を出して唸ってる少女が気になる様子

「こりゃ想定される最悪の事態不回避だな 頭が痛くなりそうだ」

>>707
「あぁ 全く同意見だ あれがまたビールによく合うんだよな」
などと会話していると トンデモなヤツが現れた

「最悪・・・こりゃ大族長が生まれるぞ 生存競争待ったなしか・・・」
その顔は憎しみを帯び 言葉は吐き捨てられるように紡がれる

「生まれるのは猛将タイプか 知将タイプか・・・大魔道タイプ・・・は恰好からして薄いだろうが・・・
 何にせよ大量の人が死ぬ もう戻って報告をした方がいいかもしれん 今の時間はミスリルより貴重だ」

709 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage saga]:2015/12/10(木) 22:51:47.91 ID:bPP0SnkB0
>>708
「えっ?」
「えぇとぉ、ナノマシンでこう……光景を屈折させて神経に直接伝達させてぇ……」

見るというより感じるに近い、との説明
最もニアも、自身の体に宿る変異体ナノマシン『マウトフトゥーロ』の全てを知る訳ではない

「……むぅ」

頭痛に関しては同じらしい、苦虫を噛み潰した風に唸る

>>707
「……ニオイが、付くってんですっ……」

2人からやや遅れてこの世界にやって来たニア、件のミートパイを食べのがしたのだ
結局もうもうとした紫煙に巻かれ、軽く咳き込む
ただそれでも、看過するには余りに痛ましい結末が近い

「あれはぁっ……ウェイストランドのやつってんですかねっ……?」
「……どっちにせよっ、まぁ……」

老兵との付き合いは短いが、それでも彼が何を言わんとしているかは理解出来るつもりだし、
それは何より及び腰であったニアの背中に行動という名の翼で羽撃く力を与える

>>708-709
「……後ろからこう……回り込んでずしゃー! とか……」

立ち上がり、無理かなぁと緑の津波を睨む
赤眼は開かれ、触腕は尻尾の様に垂らしてくねくねと地面を撫でていた
手では月光の柄を握りしめている

「あれさえどうにかすればっ、なんとかなるっていうのはぁ……」

楽観的ですかねっ? とオズオズ
歴戦の戦士たる2人を前にやや萎縮気味に尋ねて見ることに
710 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/10(木) 22:56:11.36 ID:AlBZfGslo
>>708-709

「ああ、生まれるな。そして大進撃だ。そうなれば俺達の手にはもう届かん」

 下界のイクサは概ね趨勢は決まった。
 片方のオーク群れの多くは戦意を喪失し、ノシノシと歩くギラギラ野郎の銃口が、
 相手側の族長を消し炭とした時に、戦闘は速やかに終結を迎えた。

「時間がミスリルよりも貴重というところまでは同意だ。
 チャンスはもう無い。明日になれば、連中の神だの何だのへの祈祷も終わり、大進撃が始まる。
 祈祷によってエターナルチャンピオン(永遠の戦士)と承認されれば、大体はイクサでしか倒せない存在になる」

 英雄とはそういうものなのだ。因果律か神がかりかは知らないが、
 一種の超常的な何か≠帯びる存在というのは実在する。歴史が証明している。

「だが、今はまだハイテクを使っているだけの成り上がりオーク≠セ。今ならまだ手に届く。
 俺はタコのお嬢ちゃんの方に同意だ。神がかりが憑く前…おそらく暗殺のチャンスは今だけだ」

【クルトの言葉…無謀に等しき提案の中身はコレだ。大戦規模の戦乱に発展する前にその芽を摘むこと】
711 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/10(木) 23:09:48.41 ID:d0NW8sRd0
>>709-710
それは厳しいだろう その言葉を寸前で飲み込む
例え眼下がヘルシー(欺瞞)の海だろうと その頭がまだの化け物でないとしたら?

脳裏をかつての惨状が通り過ぎる 星の落下で自身初めての赴任先を粉砕されたときのことを
その時の余波は未だあの街をむしばんでいる それを回避できるとしたら

「やるかい・・・んで? 依頼主にはどう報告するよ? 『心配ないから安心しろ』ってか? こりゃ素敵だ」
短くなったたばこを吐き捨て 踏んで消火 ハルバートを取り 口には笑み

「あのふざけた玩具を手に粋がってる阿呆に 現実の厳しさってのを教えてやろう 授業料は命な」
712 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/10(木) 23:17:45.93 ID:bPP0SnkB0
>>710
「オークの英雄っ……」

結構な混沌の王である
なれば対するのは法のみであり、そしてそこに至るまでの力を用いる事は即座には叶わない
ならばそれより早く、王の生誕よりも迅速に叩くのは道理だ

「……暗殺かぁっ」

ただ言っておきながら苦手な部類だ、と自覚している
だがニアのタイドメイカーは凡ゆる環境下にて迅速な機動を可能にする力がある
ゴクリと唾を飲み込み意を決する様に頷いた

>>711
「ポイ捨てっ、いけませんってんですよっ」

月光を引き抜き天下に翳し、同じ部類の笑みを浮かべる

>>710-711
「……事は迅速にっ、風林火山ってやつってんですかねっ?」

戦の終焉に乗じて叩くか、との事である
もしそうであるのならばタイドメイカーを脚として機動、指示に従い位置へと向かうだろう
713 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/10(木) 23:18:13.15 ID:TA6Pr7vM0
>>710
「――――ふむふむ、なーるほど。つまりさっさとやっちゃえばいいってわけ?」

――――アルティ・アルマは、気付けばそこに立っていた。彼女は文字通りの神出鬼没である。
白いパーカーのポケットに両手を突っ込んで、飄々と飴を口の中で転がしている様はアルらしいっちゃアルらしいもの。

フードの下で深紅の瞳を煌めかせ、鋼めいて燻んだ銀髪がその隙間から垂れる。そして白いスカートに黒い靴と、割といつも通りの格好。
やたら目立つ彼女最大の特徴たるアホ毛はその下に埋もれているようだが、前髪に紛れてちゃっかり顔を出していたり。
やはりぴょこぴょことした動きは健在故、アルティを知る者ならば直ぐに分かるはずである。


「まぁ……よく分からないけど、私もそれに賛成だよ。面倒ごとになる前に、さっさと片付けてしまった方がいいからな」

――――そう言いながら、アルティはポケットから片手を出した。その掌の上で、生み出したぷよぷよと揺らめく銀の球体を遊ばせて。
714 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/10(木) 23:34:22.64 ID:AlBZfGslo

「すまんな」

 言葉短くそう言うクルトは、実のところ自分が冷静であるか確信を持てなかった。
 幼少期に体験した虐殺。それと同じ状況は回避するためという個人的なこだわり≠フために、
 無謀な賭けに…それも他者を巻き込もうとしているのでは?という疑念を拭いきれなかったのだ。

【肩に巻く火鼠の衣を一度握りしめ、決意を秘めた瞳で眼前を睨むクルトであった】

 −−−−−−−−−−

【深夜――】

 都合よく、曇天が月の光を覆い隠している。
 あちこちには篝火が焚かれているが、キノコビールを煽るオーク達はそこかしこで小競り合いを起こし、
 警備…なとどいうにも値しない酷い有様である。

「………」

 しかし、中央のテント…いまや大族長と成ることがほぼ確定しているオークが居する場は些か雰囲気が異なる。
 テントより発せられる存在感…空気感は徐々に質量を帯びたものになりつつあり、
 英雄の誕生が運命的な何か≠ノ承認されつつあることを物語っている。

【警備する兵隊(モブ)も、それを察しているのか緊張感に溢れ、周囲の乱痴気騒ぎとは無縁だ】

 周囲と気配を同化させているクルトは一体のオークにしのびより、その喉首を掻っ切っているところだ。
 中央テントに近づくまでの工程は順調に推移。ここから、である。

>>711

「グルルルルル…」

 喉を鳴らしながら警備するオークが、ふと鼻を鳴らしてロイが伏せる場所に近づいていく。
 酷い体臭を持つくせに、人間の臭いは感じられるという理不尽でもある。

>>712

「ぐあ…ぐあっ…」

 丸いボールに口がついているような生物(というのが一番的確な表現だ)であるスグイック数体が、
 番犬の如くテントの周囲に散開している。気取られないようにこれらを処理する必要があるが?

>>713

「グオオオオオオオッ!!」

 周辺のオーク達の乱痴気騒ぎはしばらく続きそうではある。
 が、異常を察知すれば殺到してくることは必然。そうなれば数の差で揉みつぶされる可能性も高い。
 何かしら、周囲の連中が異常を察しても直ぐには押し寄せてこないようにする布石を打つ必要があるかもしれない。

【なお、発見されて居ないため、仕掛けを打つ準備の時間は十二分にあるするものとする】
715 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/10(木) 23:45:01.22 ID:d0NW8sRd0
>>714
(チッ 気付かれたか?)
ソレななりに偽装を施したつもりだったが 甘かったようだ
排除するか? いやここは囮となろう

「・・・」
すぐ近くの木をパキリとへし折り音を立てると オークの視界に入らないように 後退 オークを警備が集中するテントから引き離そうとする
716 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/10(木) 23:49:23.18 ID:AlBZfGslo
>>715

「グウウウウルルル、クセエ」
「なんが、音がしだっぞ?」

 ブンと手を振って、周囲のオーク兵隊(モブ)が集まって、
 音のした方(ロイ)に警戒。そちらに向かっていく。狙いはドンピシャである。
 兵隊(ボゥイ)を組み、チョッパと篝火を握り締め、迫っていく。

【なお、警戒状態ではあるが未発見状態でもある】
717 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/10(木) 23:52:26.56 ID:bPP0SnkB0
>>714
「……んっ?」
「……んんんっ……?」

ふ、とそこでニアはクルトが肩に掛けた火鼠の皮衣の存在にようやく気が付いた
あれは記憶に間違いがなければ、あの人間嫌いの鼠の獣人の物である
彼、或いは彼女が贈呈するとは考え辛いそれを握る何気ない仕草が
まるで、父の形見である月光をそうする自分と何処か重なり見えて
熟練の気配を纏う彼の心の凪が崩れ始めているのだと察する事が出来た

「……ニアはっ、多分1人でもそうしてましたっ」
「だから大丈夫だってんですっ、皆も同じだってんですよっ」

その深層心理までを探る事は叶わず
だがしかしそれでも、邪念など一切無くただ他者を想い、そして事実を告げる



「……!」
「……よいしょっ……」

曇天の元を息を潜め歩む
途中奇妙珍妙な警備犬(?)、だが見掛けよりずっと危険な相手なのだと空気感から理解出来た
座り込み胡座、座禅めいてタイドメイカー発動
そのうち細い1本を投げる様にして根元から切り離す
とさり、落下音が静かに響くだろう
もしスグイック達の意識がそちらに惹きつける事が成功すれば残りのタイドメイカーで強かに打ち据える
そうならなければ仕方ない、正面突破に近いが取る行動は変わらなかった
718 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/10(木) 23:56:29.12 ID:TA6Pr7vM0
>>714
(棘の壁を張ろうとは思うけれど、多分数の差に押されちゃいそうだからなぁ……)

絶対数が多過ぎる上に、蛮族故に恵まれた体格を持った連中を抑えるだなんて、彼女1人には到底不可能なことは火を見るよりも明らか。
例えれば、重戦車をベニヤ板で食い止めようとするような無謀なことに過ぎない。そんな馬鹿げたことを、アルがするはずもなく。

「とりあえず……私が入っていってさっさと仕留める、出来ればそのハイテクオモチャを破壊。これで行こっと」
(こーいうのは大体にげるんの管轄なんだけどなぁ。ま、居ないし仕方ないか……)

某猫的なランナーを思い出しながらも、(半ば勝手に)そういう作戦でアルティは動き出した。
隠密性は流石に彼女には劣るものの、より小柄な体格ゆえに十分なもの。
果たして彼らにそれが通用するかは分からないが、普通の者が堂々と入るよりは少なくとも遥かにマシ。

――――出来るだけ静けさを保ちながら、やがてはこっそりとテントへの侵入を試みようと。
もし必要があれば、その道中で金属針を投擲。急所を的確に貫いて、護衛やらを静かに屠ったりするであろう。
719 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 00:04:52.50 ID:oiat1Xdgo
>>717

「…格好の悪いところを見せたようだ。タコの嬢ちゃん」

 ニアの言葉に少しだけ心の澱が和らいだクルトであった。

 −−−−−−−−−

「ゴフ、ゴフ」

 切り離されたタイドメイカーを食いモノか何かと思ったのだろう。
 実際ビチビチと蠢くそれを見て、スグイッグたちは跳ねながら追いかけていく。

【当然、そうなればバチバチと強かに打ち据えられて無力化】

「………」

 クルトのハンドシグナル。クリアのサイン。
 そうしている間にも先行するアルティがテントに――

>>718

 ニアがスグイッグを排除したことで道が開けた。
 周囲の警備オークはロイが殆どをひきつけ、要所要所ではクルトがバックスタブで仕留めている。

【テントを捲れば、ギラギラ野郎が、日が明けてより始まる殺戮への期待を全身に漲らせているところだ】

 テントの中にはガラクタで組まれた神像があり、一見粗雑なテントの内部を不可思議な雰囲気が覆っている。
 プラズマガンはその祭壇の近くのテーブルに置かれており、ギラギラ野郎が手を伸ばせばすぐに届く位置。
 現在、ギラギラ野郎は背を向けている状態であるが・・・?
720 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/11(金) 00:04:54.79 ID:BcSRa2w30
>>715
上手くいったらしい 警備が少しは手薄になった事だろう どの程度削げたかまでは確認できなかったが

(しかしいい動きしやがる・・・生まれるのは知将型か?)
後退しながら相手を観察 兵の集め方 隊列の組み方 追い詰め方 統率が行き届いており 無駄がない

(だとしたら厄介だったな・・・確か故郷の世界で二回目に遭遇したクァーグが知将型だった)
あの時のオークはボウガン装備だったが 組織だった行動は一部エリアの冒険者を壊滅に追い込んだこともあった

なるべく音を立てずに ただ要所要所で木の枝を折ったり 草むらを揺らしたりして後退していたが

(頃合いか・・・ッ!!)
ガサリと大きな音を立て 大きな足音を立てながらダッシュで後退 姿を隠すこともなく逃げる・・・ふりで警備の意識を集めようとする
721 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 00:10:33.63 ID:oiat1Xdgo
>>720

「グウオオオオッツ?!」

 明らかに侵入者の気配あり!!
 これにボゥイは敵意を漲らせた咆哮をあげる。

【ここで全軍に統率が行き届く翌日以降ならば致命的であったろう】
【→が、今ならば、まだ、一部のオークを除いては警備は酷いレベルである】

「「「「グアアアアッ!!」」」」

 ゆえにオーク兵隊(ボゥイ)は彼等だけでロイを追いかけることを強いられる。
 ロイの狙い通り、そして頃合いという彼の勘は的中。丁度、テントに他のメンバーが潜入を果たしたタイミングだ。

【戦いを挑むもよし、合流を急ぐもよし、あるいは意識を集めて何らかの仕掛けを打つもよし、である】
722 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/11(金) 00:18:03.76 ID:dZ5ePzCV0
>>719
「格好付けてばっかじゃ、疲れちゃいますってんですよっ」

あとタコの嬢ちゃんはやめて下さいと苦笑しつつ改めて名乗る



さて、警備は突破である
後は目立つ中央テントへの突入そして本命の暗殺か
この点に於いてニアは余り先陣切って行くには不向きではある
アルティ、そしてクルトが突入するのを見届けてから後詰として後方警戒
兵隊の遠吠えが聞こえた、ロイの身も心配である
だがそこは不安を押し流す信頼の波に任せられるものだ
彼ならば下手を踏む事はそうないだろう

「……行くってんですよっ……!」

タイドメイカーを1本に減らし、揺らめかせながら月光を握り駆け抜けそしてテント内部へ
723 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/11(金) 00:21:26.97 ID:j5u1q9aK0
>>719
(案外上手く行ったなー。まぁ……こっからが本番だけどね)

どうやら向こうの方では他のメンバー達が護衛や警備の片付けをしてくれているらしく、潜入は比較的容易に果たされた。
おまけに運良く、ターゲットたるギラギラ野郎は自身に気付いていない。何たる好都合な状況か。

(――――あらよっとっ!)

アルティが心の中でシャウトを上げれば、3,4つの金属片めいた刃が音もなく飛び散る!
――――先ずは、彼を最強せしめている武器≠ゥらの破壊であった。成功すれば、これだけでもかなり大きな戦力低下につながるであろう。
724 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/11(金) 00:24:49.52 ID:BcSRa2w30
>>721
喰いついた 追いかけて来るのは先ほどの兵隊のみ
ならばどうするか?

合流? この状態で合流しようとすれば 敵もまた合流を果たすだろう ならばこれは悪手だ

戦い? それもいいが中々に骨の折れる戦いになるだろうが それもいい

「ッ!!」
ある程度逃げた先でハルバートを抜き 先頭の一匹の足を狙い穂先を突き出す
相手を屠る戦いではない 足止めし 手傷を負わせ 意識を集中させるとともに敵の合流を阻害する戦い

(最長で30分 それを目安に撤退する!!)
いざとなったら空中飛行である月閃歩行を用いて離脱してもいい 今は足を止めてオークと相対する
725 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 00:30:24.10 ID:oiat1Xdgo
>>722-723

 カカカッ!金属刃がプラズマガンに次々に突き刺さる!!
 そして、当然ながらギラギラ野郎は闖入者の存在を察知!!

「グウウウアアアアアアアアアッッグッ!!」

 すぐさま、金属片が突き刺さったままのソレを乱暴に掴み、
 その銃口をアルティに向ける。

【プラズマエネルギーが銃のエネルギーコアを励起させ、
 漏れ出す、すげえヤバいな放射線に対しては趣味の悪い金ぴか鎧が所有者を護る】

「ガアアアッ!!」

 報復の咆哮と共に放たれたガス状のプラズマエネルギーが射出され、
 アルティ目掛けて押し迫っていく!!同時にプラズマガンの亀裂が深く広がっている。

【着弾と共に太陽のようにマブイ光、と形容すべきプラズマ反応による猛爆が起こりテントごと一定範囲を消し飛ばすであろう!!】

 ニアが向かったのはこのタイミング。潜入しようとした矢先に太陽光の如き光が
 彼女の視界を焼くかの如く、炸裂したのだ!空気がイオン化し、周囲の大気猛烈な熱を上げる。
 そして、一瞬で生まれた高熱により、強烈な暴風が一帯に吹き荒れた!!

【→ニアは敵攻撃の範囲外とする】
726 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 00:36:39.64 ID:oiat1Xdgo
>>724

「グゥオ!?」

 穂先が戦闘のオークの皮膚を破き、鮮血が迸る。
 なめし皮のように分厚いオークの皮膚。感触はレザーアーマーに対するソレに近いだろう。

「グアアアアアッ!!」

 急接近するオークの長い腕(普段猫背で、地面すれすれまでぶら下がっているオークの腕は存外長い)が、
 ロイを引き裂かんとチョッパを振り下ろす。この間、他のオークはどうだ!?

「ゴッ!」
「グオオオッ!」

 左右に分かれて短距離を走り、ロイの左右の背に位置する所まで駆けたところで160度のターン。
 戦闘のオークが初撃を繰り出している間に戦位、位置取りの確保を完了させる。

【最後の一体のオークは力任せにボウガンの弦を弾いて、注意深く戦闘のオーク、その延長線上のロイにボルトの先端を向けた】
727 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/11(金) 00:39:08.11 ID:dZ5ePzCV0
>>725
「……うわちゃぁっ!?」
「あっぶなぁ……!」

熱波を肌に感じ、そしてそれだけで髪先が縮れる
タイドメイカーが水分を失い乾き、使用不能になったと判断し根元からパージ
目をしぱしぱと瞬き視界の回復を図ると同時、すっとその場に座して6本の触腕を展開
攻撃の為に生み出されたそれらはその役割を果たす為に蠢き、
そして視界を奪われる前の刹那に目視していたギラギラオークの居た場所へと殺到

「……少し、見えて来たってんですっ……!」

完全に視力を失う事は防げた様だ、重畳である
728 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/11(金) 00:49:02.69 ID:j5u1q9aK0
「あっ、やばい」

嫌な予感を、アルは感じ取った。
単純故か何も省みずに銃を構えたギラギラ野郎を見て、暴発の可能性を即座に視野へと入れるが――――

――――間に合うはずもなく、引き金は引かれた。それは、案の定な結末を迎えることに。
並外れた身体能力を持っている訳でもない彼女にとって、その刹那の間に逃亡することは不可能に近い――!!


そこでアルティは、自身ならではの強行手段に出るのであった。
なんと、無理矢理自分のアホ毛を――頑なに何者にも触らせなかったそれを、頭から引っこ抜く。

本体≠外された身体は、1分も持たない。然しその1分の間に、力を振り絞った身体が本体≠投げた――――!!



「――、――!!」

――――範囲内に居た身体は跡形もなく消失。鋼色の毛束だけが暴風に乗って吹き飛び、爆風の範囲外でうねうねと這い回っていた。
ものっそくシュールな光景ではあるが、アホ毛は発見次第回収することを強く推奨する。何せ、これこそがアルティの本体≠ネのだから。

……ちなみにこの本体=Aちゃっかりと自身の持っていた重要な物は掴んでいたりするのであった。とはいえ、元々そこまで多くの物を持っているわけでなかったが。
729 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 00:53:56.78 ID:oiat1Xdgo
>>727

「グゥアアアッ!!」

 殺意にギラついたギラギラ野郎の瞳がニアを射抜く。
 その趣味の悪いアーマーがタイドメイカーの攻撃に接触。
 表面金属に弾かれ、或いは装甲を曲げて、あるいは弾き飛ばして緑の皮膚を弾き鮮血を散らせる。

【アーマーセーヴィングにより、タイドメイカーの攻撃深度は50%ほどだ】

 奇襲の結果は!?プラズマガンには金属片が幾つも突き刺さっており、
 亀裂より洩れる光の量は増す一方である!これは?!

「グゥアッ!!」

 乱射モードに変更されたプラズマガンより、
 小規模ではあるが、連続して打たれるガス状プラズマが次々に放たれる。
 範囲は狭くなれど着弾と同時に分子分解(ディスティングレイト)クラスの破壊を生み出すことに変わりは無い。

【着弾のたびに太陽の現出の如き光が炸裂する。モーレツな熱風と電磁波もだ!】
【なお、ギラギラ野郎自身は眼に装着した照準装置のおかげでノープロブレム!】
【しかし、オーク由来の粗雑さか、あるいは強大な武器を手にしているゆえか、照準精度そのものは甘い】

>>728

「上出来だ。お嬢ちゃん(?)」

 ウネウネと蠢く髪?成り果てたそれをパシっと掴むと同時に、
 ショットガンをギラギラ野郎の、その金属片が突き刺さったプラズマガン目かげて撃つクルト。
 既に布石は撃たれた。撃ったのはアルティである。

「あの金属片、まだ動かせるか!?」

 クルトとて余裕などない。猛爆をギリギリで回避し、皮膚とコンバットスーツを焦がしながら、
 懐のうねうねに叫んだ!
730 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/11(金) 00:55:30.28 ID:BcSRa2w30
>>726
「本当にいい動きだ・・・!!」
流れるように包囲を完成させる これで相手の命は風前の灯だろう

(だが組織的行動でも 想定外の動きってのがあるだろう…!!)

「月閃歩行!!」
穂先を引き チョッパの一撃を難なく回避すると 背後で弦の引かれる音を察知し対応
小さな跳躍大きな飛翔

空を蹴り三次元軌道を用いてボルトを回避 更に包囲をも飛び越える

「やーいバーカ!!」
そろそろ時間だ あとは仲間がうまくやってくれることを祈るのみ
少し離れた場所に着地 あとはまた可能な限り身を隠し音を隠して離脱を試みる
731 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/11(金) 01:03:13.27 ID:rYBicyG3O
>>729
「……!」

ぞわり、と肌を刺す殺気を怖気として捉え薄らとした視界の中でも確証を持って敵の位置を断ずる事が出来た
タイドメイカーと硬質なアーマーとの激突を感じる

「……って、あ、あれっ……」
「うわっ、とっ……あつっ!!」

敵の手に握られるガンから漏れ出る光
圧縮されたエネルギーの奔流だとすれば危険極まりない
今にもそれらは留まる場を無くし暴走爆破してもおかしくないとすら思える
だがそれをそうだと確実に決め付けるのもまた危険である
それにもしそうだとしても、使用者を黙らせてしまえば取り敢えずは防げる事だろう

「八葉っ……!!!」

プラズマグレネイドが如き爆風に曝されつつも座のまま、合計8のタイドメイカーを展開
その全てで再度の打突、それぞれが獰猛な毒蛇めいて襲い掛かる
732 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/11(金) 01:14:53.37 ID:j5u1q9aK0
>>729
「――――!」

掴まれた毛束は物も言わず、ただぴょこんぴょこんと動くのみ。しかしその様子は、首を振っているようにも見えないこともなかった。

//離脱したつもりなので気付いてなかった……ごめんなさい!
733 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 01:22:47.52 ID:oiat1Xdgo
>>730

「グオオオオオオッ!!」

 オークの予測の全ての上をうったロイに対する攻撃は空を切り、
 憤激の叫びを背に彼は離脱を成功させる。

「………」

 一体のオーク頭目(ノブ)はソレを睨みつけながらも、他の兵隊(ボゥイ)を制するのであった。
 これが囮とするならば、真の狙いjは…?テントより迸る光。全てが察せられた瞬間。ロイの手柄である。
 そして、この兵隊(ボゥイ)達は殊更、テントに急行することは無かった。最後まで。
 この時、狡知なる頭目(ノブ)の野心が燃えていたのだ。

 −−−−−−−−−−−
>>732

「そうか。だが、十分だ…ヌウオオオオオオオッ!!」

 叫びと共に放たれ続ける散弾。多くはギラギラ野郎のアーマーと皮膚に弾かれる。
 決定打とはなりえない。がそれで問題はない。目的がそもそもギラギラ野郎にダメージを与えることではない。

【バックショット弾で撃たれたそれは、次々にプラズマガンに叩きつけられる】
【それがニアへの照準を妨害し、さらにはアルティが残した亀裂をさらに深いものとした】


>>731

「グウオオオオオッ!!」

 迫るタイドメイカーに向かい構えられるプラズマガン。
 強固なるアーマーを拉げさせたことからも、その威力係数は非常に高いことが窺える。
 アーマーと分厚いオークの皮膚とはいえ十二分に脅威に値せしむ攻撃である。

【プラズマガンの一撃がタイドメイカーの一本に接触。攻撃範囲の4本を一瞬で消滅せしむ!!】

 もう一撃!次は座するニア本体へとその猛悪なる銃口が向けられる。
 もはや、ギラギラ野郎の視界は怒りに満ち満ちている。己の獲物の状態を確認できぬほどに。

【引き金が引かれた。瞬間、ギラギラ野郎のプラズマガンが膨張し、プラズマガスを彼自身と周囲に溢れさせた!!】

 モーレツな光と共にギラギラ野郎は断末魔すら残す事無く一瞬でチリと化す!!
 ここで勝利の余韻に浸れればよいのだがそうもいかない。

 −−−−−−−−−

「よし、離脱するぞ!!連中も頭が死んだと解ればすぐに小競り合いを始めて俺達どころではなくなる!!」

 激しい戦闘の直後、すぐさま脱出を図る越境者達。
 これにて、ギラギラ野郎によるオークの大進撃は未然に食い止められた。
 数多の生命が救われたことになるが、その活躍を知る者は存在しない影働きとなった。

 後に狡知に長けたオークがこの一帯で名を上げ始めるのことになるがそれはまた別の話だ。

//ちゃんちゃん
734 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/11(金) 19:48:32.95 ID:brL4e1Gto
 小さな村で、焼ける臭いがする
 土と木と、脂と肉と、鉄と硝煙と
 焦土と呼ぶに相応しい場所が出来上がる臭いがする

「目隠しした子の死んだ子の、後ろに隠れた人が居る」

 焼けた大地、燃えた人、『彼』にとっては細やかでしかない抵抗の跡すら燃え尽きる最中
 未だ火種燻る大地に『彼』は素足で立っていた

「その名は誰でしょ、私です…と」

 言葉尻に合わせてチンと澄んだ音
 彼が鞘に刀を納めた音である

 皆死んだ、多くの人が殺された。殆どがこの悪魔の手によって
 理不尽に、一方的に奪われて、許せないと怒った人が居たから
 彼の悪魔は顕現した

「さて。何処だここはァ」

 復讐の悪鬼、ラース
 終わらせるだけの存在が
 傷の上に傷を負いながら、この世界の大地に現れた
735 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 20:08:25.47 ID:oiat1Xdgo
>>734

「知らんよ」

 独り言だったのだろうが、そこに言葉が被さった。
 開けた場所は能天気な青空とそれに相応しくない黒の世界。

 焼け焦げた家屋の残骸と、炭化した死体と、切り殺された死体と
 犯されて殺された死体と――悪鬼にとっては至極平凡な光景だったかも知れないが。

「今、全滅といったところだ」

 声を発していたのは白髪の老人であった。格好は変わっている。
 複合プラスティックベースのコンバットスーツにタクティカルベスト。
 機械義手にサイバーアイ。充実したハイテク装備はこの世界のこの時代とは合致しないものだ。

【傍らには少女の遺体。安らかな死に顔…とは程遠い。憎しみと憎悪に満ちた貌。
 少なくとも年端もゆかぬ子供がしていい表情ではない。無念そのものの死だったろう】

「息を引き取った。酷いものだ。鎮痛剤で痛みは和らげてやれたが…心はどうにもならん」

 言いながら、老兵は葉巻を口に咥える。そして改めて背後の悪鬼に振り返る。

「で、お前さんは何だ?やってきたというより、現れたって印象を受けるが」

【こういうケースの場合は契約不履行なのだろうか?(メタ】
736 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/11(金) 20:31:37.73 ID:brL4e1Gto
>>735

「≪怒り/ラース≫」

「それこそが我。 その少女の。我に命を差し出した誰かの怒りが、嘆きが我を呼び起こし」
「理不尽に奪われた者達の最後の『刃』として此処に顕現した」

そして、と悪魔…ラースと名乗った『彼』あ続ける

「辛きも、哀しきも、全てを終わらせる為に。我が刃は、焔は強きも弱きも悉くを滅し」
「願われるがまま、命を差し出されるがまま復讐を果たした」
「が…その答えで納得はいくだろうか。人間よ」

 腕を組んで悪魔はアナタに問う
 もしかしたら命は救えたかも知れない。が、命を差し出してでも叶えたい『復讐』
 それを叶える為に彼は全て殺した。
 その少女が命を差し出してでも復讐を望んだのなら、少女に直接手を下したのはこの悪魔と言う事になるだろう
 契約は『望まれた瞬間に成立していた』という事か
737 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 21:10:59.73 ID:oiat1Xdgo
>>736

「………」

 目の前に現れた悪鬼の口上を葉巻を咥えながら聞いていた老兵。
 理解は出来ないが把握はした。これはカタチこそ人に近いが、
 どちらかと言えば現象≠相手にしていると考えたほうが良いと。

【クルト・カントールは長い越境経験からこの手の不可思議に対し柔軟ではある】

「馬鹿を言うな。納得なんぞ出来るわけが無い。
 それはお前さんに縋る以外に選択肢が無かった人々∴ネ外が納得してはいけない話だ。
 俺は、そこまで絶望のしちゃいないし、人間性を捨てた覚えもない」

 苦虫をかんだような表情と声で眼前の現象に対する老兵。
 把握もしよう。そういう契約履行の存在であることも認識しよう。
 しかし、納得だけはしてはいけない。そこがクルトの譲れぬ一線であった。
738 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/11(金) 21:44:26.18 ID:brL4e1Gto
>>737

「………で、あろうな」

男の答えに、意外にも悪魔は頷いて見せた

「我の様なモノに縋らねばならぬ状況が」
「他者の幸福で無く呪いを願わねばならぬ悲劇が」
「『救い』無きこの世界が、間違っているのかも知れん」
「だが……」

この様な悪魔でも汗は出るのか、張り付いた髪を掻き上げる様に自身の側頭部へ手をやって

「我は願われたのだ」
「悲しみを終わらせてくれ、と。」
「力ある者として その願いを聞き届けぬ事こそ、『悲しいまま』ではないか」

―――本当は『同じ』なのだろう
悲しいだけの結末が、救い無き自身の行いが、それらが到底納得のいくものではないと言う認識は『同じ』
しかし、この悪魔は、力ある者は『見捨てきれなかった』
悲劇を悲劇のまま終わらせるなど到底出来なかった。だから――

「…この地獄も、もう少し誰かが早く着て居れば変わっていた、か」

既に復讐劇は終わった
悪魔が顕現し、契約を履行した時に悲劇は復讐劇へ変わったのだ
そして、物語の幕も彼を残して閉じ切った

「汝れよ。1つ問いたい」
「この世界での葬儀の仕方を教えてくれ」
739 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/11(金) 21:59:37.08 ID:pR+NVGNVo
>>738

「…相克か。因果な現象だ。お前さんの口上通りとすると…全部終わった後か」

 つまり、今のこの状況は所謂後日談。エピローグに既に入っている。
 そうであれば、クルト・カントール。この老兵の役割はさしずめ――

「早く来れなかった誰か≠ゥ?マヌケな話だ」

 状況を鑑みるに下手人はどこぞの傭兵団といったところだろう。戦場近くで行われた徴発行為。
 珍しい話ではない。略奪ついでに虐殺。中世期の倫理観ではそれこそ日常的蛮行。
 もちろん、巻き込まれた側はたまったものでないが。

「通常は土葬・・・だが、土地に恨みが染み付きすぎている。
 魔力がある世界は厄介だな。幽霊(ゴースト)、屍鬼(グール)…どう歪むか知れたものじゃない」

 言いながら、手持ちの装備ストックから焼夷弾を幾つか取り出す。

「この場合は火葬だ。跡形も無く炎で焼く。
 もう、終わったんだろう?これ以上の辱めは誰にとっても余計だ」
740 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/11(金) 22:30:19.68 ID:brL4e1Gto
>>739
「……こう見えてロマンチストでな」
「ハッピーエンドは、嫌いでは無い。最期に悪しき者が倒れるならば尚良い」

たら、れば。の話だとしても救いは有って欲しい
それこそ…『今まで』の分も
悪魔は強欲で有るべきだし、この悪魔もそうなのだろう

「いや、燃やして良いのなら問題無い」
「ここまでで『火種』は撒けたのでな」

そう言ってアナタへ背を向ける様に向きを変え
それと同時に周囲…風景そのものと言っていい範囲が燃え上がる
燃え上がったのは此処までで傷つき流れた彼と、彼に斬り殺された者の血であるが、確認する方法は無いだろう


「我は復讐の焔」
「我は復讐の輪廻の最期に立つ者」
「恨みも、辛みも、全て我に向けられねばならぬ」

「……もう出会う事が無い様に『祈る』よ、人間よ」

小さな皮肉と共に焔の風景の中へ歩き出す
その姿は、陽炎の様にその風景へと溶け込んで行くのだった

//時間が時間なのでこの辺りで失礼します
//お相手有難う御座いました
741 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/12(土) 21:48:38.32 ID:NFCvZxyb0
世界は学び舎で出来ていた
果てなく続く校舎は今尚改築増築を繰り返し、虚無空間を埋め立てその領土を拡げ続けている

【久々の学園世界!】

「……ふぁぁっ……」

曇り窓ガラス越し、薄らと雲の張る灰色の冬のそらの下の校庭
教室に於いてニアは、授業をBGMにそのゆったりとした空気の流れをぼうっと見ていた
最近しばらくこうしてなかった、スローに流れる時を楽しむ事を忘れていた
そしてニアはニア自身、それを好ましく思っていた事もだ

「眠っ……」

ウトウトと船を漕ぎ、夢見心地にしていた矢先にそれは起こる

『オラオラオラー!この学校は我々が占領したぁー!』
『無駄な抵抗はするな、無駄な痛みを味わいたくはないだろう……』

「……んへっ……!?」

目出し帽を被り、銃とナイフで武装した2人組の男達が教室に雪崩れ込む!
つまりよくある、学校にテロリストである

「ど、どどどどういう事だってんですかっ、急にこんな……!?」

慌ててブレザー姿の腰に帯びた月光の柄を握り警戒態勢

『オラオラ! そこのガキ! んな刃物なんて持ってんじゃねぇよ!』

寄越せ、とニアに迫る銃を持った男
ぎり、と歯軋り、もう数歩で剣の範囲に男が立ち入るであろう
方やナイフを持った男は教師を制圧しようとヒタヒタと迫っていた
742 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/12(土) 22:03:07.81 ID:ADx9szxa0
ガタン!!

そんな恐怖に包まれる教室に響き渡る音 そこには今まさに逃げ出そうとしている生徒(アキレス)


「・・・・・・」


「あ・・・アハハハハハハ・・・t・・・ちょっとトイレ行きたいかなぁ・・・なんてアハハハハハハハハ・・・」
乾いた笑いを浮かべて場を誤魔化そうとしているが 時折チラチラとニアに視線を送る

テロリストの注意を引いてニアの援護としたいところだが はたして
743 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/12(土) 22:12:05.19 ID:NFCvZxyb0
>>742
「……!」

アキレスと、そしてニアの視線が交錯
小さくこくりと頷き返し、どうやら疎通は行えた模様

『アァッ!? てめー逃げようとしてんじゃ……グワーッ!!』

銃の男の注意がアキレスへと向いた一瞬
抜刀、踏み込み繰り出す刺突一閃
銃口に突き刺さりそのまま勢いを殺さずに男の顔面へ激突
鉄の塊が結構な速度でぶつかり後ろに倒れて気を失った

『……貴様ら』

教師を後ろ手に縛ったナイフ男
静かにアキレスとニアに忍び寄る
その歩みに隙は少なく、一挙一動が熟達した所作だ

『……ふんっ!!』

立ち止まったその場でナイフを投擲、アキレスとニアへ1本ずつ飛翔
その手には既に新たなナイフが携えられているではないか
ひしひしと感じるは能力者の気配
744 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/12(土) 22:24:35.31 ID:ADx9szxa0
>>743
「yes!!」

ニアの一撃が決まり サムズアップを向けるが 敵はあと一人いたのだ
投擲されるナイフに対し こちらは背中に張り付いていたサソリのベティを両手で抱え

「必殺ベティガード!!」
―――ギィ!!

その堅牢な甲殻でナイフを弾き飛ばす そして大きく振りかぶると


「必殺ベティスロー!!」
―――ギィ!!

ベティを投擲 だがそのベティは明後日の方向に飛んで行ってしまう

「・・・あ やべ」
大きく目論見の外れた様子で冷汗を垂らし 咄嗟に座っていた椅子を掲げて防御姿勢

「あ・・・アハハハハハハ・・・な・・・なんか外れちゃったし テイク2とかなしかなぁアハハハハハハハハ・・・」
椅子の後ろに隠れながら必死の懇願・・・のフリ

明後日の方向から奇襲をかけるベティの援護をしようとする
745 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/12(土) 22:33:58.11 ID:NFCvZxyb0
>>744
「うわわっ……!? ひっ……!」

『ふん……』

ナイフを月光で防いだと思いきや、直様喉元に鋒を突き付けられたじろぐニア
やはりこの相手は銃の男とは一味も二味も異なる
そしてベティを使った必殺技の数々にも眉を動かす程度の精神の安定感も兼ね備えている様子
能力者であると同時、越境者である可能性も高い

「あ、アキレスぅぅ……」
『どこを狙っている……』
『……そんなモノ、なますにしてやろうか』

男が、涙目のニアにナイフを向けているのと逆の手首をスナップを効かせて捻る
すると5本のナイフが出現し、その全てを投げようと振り被った
746 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/12(土) 22:46:11.82 ID:ADx9szxa0
>>745
「え? あぁいやアハハハハハハハハ・・・いつもなら上手く行くんだけどなぁアハハハハハハハハ・・・」
まるで照れ笑いするかのように顔を赤くするアキレスであったが ナイフを振りかぶるテロリストには恐怖に顔をゆがめ

「ギャーイヤーやめて―!!」
椅子を棄て机を掴み その陰に隠れる

だがテロリストは足元に気を配っているだろうか? 足元にはベティが迫り その足を自慢のハサミで切り砕こうとするだろう
しかもハサミ攻撃が決まればコンボが発動し 尻尾の針がテロリストの足を何度も貫くことになる
747 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/12(土) 22:56:41.58 ID:NFCvZxyb0
>>746
『……死n……、ぐぬぅっ!?』
『づぁぁっ!?!?』

今まさにナイフを放たんとした矢先
ベティのハサミが足を挟み、更に毒針攻撃の炸裂!
突然の痛みにナイフを溢し、倒れて悶絶

「……な、ナイスですってんですっ、アキレス、ベティ……」
「助かりましたってんですよぉ……」

ホッと胸を撫で下ろすニア
そしてテロリストの制圧が完了したと分かるや否や、ざわめき立ちそして徐々に挙がる歓声と喝采

『き、君たち!』
『危険な事を、と言いたいところだけど正直助かったよ……』

速攻で無力化されてしまった中年の男性教員が苦笑いしつつ頭を下げた
748 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/12(土) 23:07:19.10 ID:ADx9szxa0
>>747
「・・・ふぅ 何とかなったか」
先ほどのヘタレが嘘のように平然と立ち上がり 机を椅子を正す

「あぁうん もんだいは無かったけどさ」
学校を救った救世主 だがその顔は微妙そう

「なんか神経が図太くなったんだかわかんないけど 動じなくなっちまったなぁ」
倒れ伏すテロリストを見やる 越境前ならどうすることもできない相手であったが

世界の行く先々で死にそうな体験をしてきて 自分も豪傑と呼ばれる人種に片足を突っ込んだ状態になりつつある現状
それでも越境を続ける今は すでに好きで死地に飛び込むことになりつつあるが どこか自分が遠くに来てしまったよう

―――ギィ!!
そんなアキレスをよそに ニアへハサミを振り上げるベティは どうだすごいだろーと得意げであった
749 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/12(土) 23:19:42.80 ID:NFCvZxyb0
>>748
「ええっ、皆無事だってんですねっ」

やんややんやの喝采の中、ニアはアキレスに向き直る

「……?」
「……むぅ、変化って事ですかっ?」

屈み込んでベティを撫で、お礼にとカバンの中のチョコレート菓子を差し出した
そのままアキレスを、上目に見上げる格好で続ける

「でもっ、そのお陰でニア達もみんなも助かった訳ですしっ……」
「それにっ、変わる事はあってもそれを思考する自分さえっ、根本の主軸がぶれずにキチッとしていればっ」
「……人間ってっ、そうやってうつろうモノなんじゃないかなってっ……」

画用紙にクレヨンで描き足して行くみたいに、と続く
ニア自身、自分の言っている事の取り止めの無さを自覚していない訳ではない
ただ彼女は、たった数年の生涯の中で劇的な変化を遂げた生体兵器の1体である

「それをっ、どう……捉えるかっ……?」

ふぅむと唸り、思考を言葉にする事で改めて自身の考えの再確認をしている様に

750 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/12(土) 23:31:06.00 ID:ADx9szxa0
>>749
―――ギィ♪
ベティはご褒美を手に入れてご満悦 さっそく食べ始める

「根本の軸か・・・」
はたして自分の軸とは何だろうか? 少し思案するだけでは答えは出ず

「まぁみんな助かったしどうでもいいか 今日はよくやったぞベティ〜」
―――ギィ!!ギィ!!

ここでようやっといつもの笑みが戻り ベティを高い高いする が当のベティはご褒美から引き離されて迷惑そうだ

「・・・とぉ その前に」
ベティを下してテロリストの元に また暴れられても困るので結束バンドで両手両足を締めあげるアキレス

―――ギィ♪
そして解放されたベティはご褒美にまた舌鼓を打つのであった
751 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/12(土) 23:31:31.89 ID:ADx9szxa0
//ちょっといい感じで眠気が来たのでノシさせてください
752 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/12(土) 23:41:16.43 ID:NFCvZxyb0
>>750-751
「ニアはっ、ニアである事が根本だってんですっ」

胸を張ってふんすと断言
案外と多分そんなモノなのだ、難しく考えるよりも何よりもただ純粋に『自分』
強い自己の正当化とそして存在の実感
それがニアの根源たる『ニア』

『こいつらは任せてくれ、特別教育室でみっちり勉強して貰うよ』

拘束された2人を現場にやって来た別の教室の教師たちが連行

「……ま、まぁ、そうだってんですねっ」
「一件落着だってんですっ、ともかくっ!」

ベティの甲殻を撫で撫で、難しく考える事は苦手だと矢張り自覚したのであった

//ありがとうございました、お疲れ様ですっ
753 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/13(日) 22:06:20.05 ID:ldvlICpE0
【ニブルヘイム 車両中継基地】
全てが凍てついた世界 ニブルヘイム 一行は道中で中国から来た追剥を追っ払うも この世界の厳しさに直面した(>>258より)
だがすべての他国と敵同士なのか? いや 少なからず交流を持つ国だって存在するのだ・・・

―――――――――
ここはトロッコ同士が行き交うための中継基地 たくさんのレールが四方八方に伸び 中央には回転するレールが敷かれ トロッコたちが目的のレールに乗るために列をなしている

キャラバン隊隊長「今日はここで一拍だぁ 飯にすんべよぉ」

一行が世話になっているキャラバン隊がレール替えしてもらうのに一日かかるらしい ここはJDFの警備もあるので 夜通しの警備もしなくていいし 人の往来もあるということで店もある 
警備連中もぐっすり寝れると嬉しそうだ

ロイ「さぁ 一つ元気が出るようにおいしいスープを作ろうかね」
そんな中 巨釜に雪を詰めて溶かし始めるロイと

アキレス「♪〜」
カラカラカラ・・・シュー

トロッコのボディに素敵な(?)アートを施しているアキレス

―――ギィ!!
そしてトロッコの天井に登り 得意げにハサミを振り上げているベティ

今日はそんな一幕
754 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/13(日) 22:15:46.59 ID:mniirfgO0
>>753
一方七八、屑鉄を打ちエッジを施し、非常用の武器であるカードナイフを作成していた
ゾンビ蔓延る世界で造ったのが最初、案外と手に馴染み苦無と同じくして今や常備武器のひとつなのである

「……んー、悴んで上手く……」
「ぁ痛っ! うー、無理かなぁ……」

汚れた軍手の下、霜焼け気味の手はなかなかいう事を聞かない
うっかりと指を打ってしまい、とはいえギリギリで加減が間に合った

「……ロイー、何か手伝うー?」

モコモコダウンは空気を多量に含み、だがそれでも冷え込む
空腹もあり、なんならおこぼれに預かろうとの下心満載で調理を行うロイの元へ
因みに七八の料理スキルはそれなりではあるが、どちらかといえば忍の技であるサバイバル食に長ける
755 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/12/13(日) 22:20:49.52 ID:bP0+fm+eo

「こらーっ!!」

 と、ここでなにやら怒声が木霊する!すわ、敵襲か?!
 そちらに目を向けると驚愕の光景が…!!

「まてー!俺のメシー!!」
「わうわう(待てと言われて待つ狼がいるものか。狩猟と略奪こそ戦士の本分よ)」

 口にソーセージを咥えてタッタカターっと逃走中の柴犬と、
 貴重な肉をかっぱわれて泣きそうな怒り顔で追いかけているキャラバン隊員。
 すっげえシュールな光景ではある。

【アホ犬現る】
756 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/13(日) 22:33:29.94 ID:ldvlICpE0
>>754-755
ロイ「ん〜? とりあえず・・・」
指さした先 そこには阿呆なことをやらかすワンワンの姿

アキレス「マテアホ犬〜」
そして隊員と一緒にアホ犬を追いかけ回すアキレスの姿もある

ロイ「ボコってきて」
頑張ってね(ニッコリ


さて 阿呆が騒がしいことをやらかしていると

???「タナカサン? タナカサンデスネ!!」
片言の日本語が聞こえてくる 見れば全身を毛皮で覆った 赤ら顔の大男がやたらにこやかに隊長の元に歩いてくる

隊長「イワン!! 全く露助の連中はしぶといやっちゃな!!」
イワン「タナカサンも シブトイネ!!」

露助・・・ロシア人のことだろう
聞けばロシアとニホンは未だ交友関係を続けており 日本製の電子機器を輸出し ロシア産の武器や希少な魚を輸入しているらしい

イワン「タナカサンノ ブカナラ アンシンネ ミズノム?」

チャプンと透明な液体の入った瓶を差し出してくる
ロシア人が常習的に飲む『水』はたして?
757 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/13(日) 22:41:31.63 ID:mniirfgO0
>>755-756
「はーいっ」
「でも私、愛犬家なんだよねぇ」

シュタタッと素早くダッシュ
ウルリックの前に上手いこと回り込んで焼鳥の缶詰(塩味)を差し出した

「ブツブツ交換。 返してあげなよ」

苦笑ながら、ソーセージを返すように言ってみる事に

そんなこんなで

「……ん、隊長さんのお友達?」
「部下じゃないけど……まぁ、頂きまーす」

如何にもなカタコトの彼、取り敢えず敵対関係にはないようで一安心
勧められた水瓶、丁度運動して喉が渇いているところだ
遠慮なく、と瓶を受け取り煽る
758 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/12/13(日) 22:47:32.96 ID:bP0+fm+eo
>>757

「わうわう!」

 缶詰を見ると、ソーセージをひょいと降ろすウルリック。
 かわりに焼き鳥の缶詰をかぶりと咥える。

「わうわうわう(久しいな。いつぞやの娘。ところで拙者の手では、飴の包装が)」

 シリアスな別れ方をしたはずなのに、再会が微妙にお間抜けなのはどっちの属性の責任であろうか?
 なお、言いかけたところでアキレスに追いかけられたままなのでひゅーっと離れる。

【なんにせよ互いに元気なようである。ウルリックははた迷惑な元気さであるが】


>>756

 アキレスの頭に乗っかって首を描いたり、股の間を通り抜けたり、
 彼のアート(?)を施されたトロッコに肉球スタンプをペタリやってダイナシにしたり
 散々におちょくりまくった後に小休憩。ロイに缶詰を開けるよう要求しながら――

「わう???」

 透明な液体が入った水…?
 ウルリックは鼻を鳴らして大体のアレを察するアレを。

「わうわう(いや、案外間違ってはいないかもしれぬ)」

 極寒の世界だ。ゆえに生命の水といえば水だ。

「わうわう
 (ラクガキ小僧。拙者を追いかけまわして疲れたのではないか?
  ほら、水が差し出されているぞ。好意をむげにしてはいかん)」

 このわんころ。狼モードでないときは本当にアレな性格ではないかという疑惑。
759 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/13(日) 23:02:25.74 ID:ldvlICpE0
>>757-758
さて 答え合わせをしよう

ロシア語で『水』に指小辞である『〜ちゃん』を足た『水ちゃん』のことをводкаと書き 読みはヴォートカとよむ
ここまで来れば察しのいい仲の人はピンと来ただろう 


ウォッカのことである 

【四五六に判定 ウォッカ:不用意に飲んだ蒸留酒 アルコール度数は50度を飲んだ四五六の運命やいかに!?】

アキレス「ん? あぁうんそうみたいねちょっと失礼」
そして追いかけ回して汗をかいてしまったアキレス これまた不用意に瓶の中身をグビ・・・

アキレス「!???!!?!?!!?!?ゲーッホゲホゲホゲホ!!!!」
五臓六腑を焼く火酒に思い切りせき込むアキレスと

ロイ「ングングングング・・・ぷっはー!! いい酒もってんなぁおい」
むしろおいしそうに酒を干すロイであった


ロイ「酒のお礼だ ボルシチ作ってやっから食ってけよ」
酒の影響で顔が赤くなったロイが腕を振るう

イワン「ミナサン ヨカタラ ショウヒン ミテク? カウナラ ヤスクスルヨ?」
とイワン達の列車に招こうとする

イワン達の列車も保線用トロッコであり そこには安心と信頼のロシア製銃器やらの武器とか 凍ったサーモンなどの希少な海の幸が積んであった
760 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/13(日) 23:06:11.98 ID:ldvlICpE0
>>758へ追記
ロイ「あぁわんころ どうした?」
といって缶詰を受け取り 蓋を開け

ロイ「サンキューな」
なんと 巨釜の中へ中身を投入してしまった!! 残念 缶詰の中身はみんなのごはんになってしまった!!
761 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/13(日) 23:13:17.16 ID:mniirfgO0
>>758
「よしよしっ、いい子いい子……って、ありゃ?」

撫で回そうと手を伸ばすが、アキレスに追われひゅーである
所在なく降ろされる格好となった右手をしばし泳がせ頬を掻いた

「……」
「……飴も缶詰も、なんとかなりそうな気がして……」

苦笑ひとつ、その後ろ姿を見送る
食べ辛そうな物ばかりをあげてる気がするが、しかし彼ならなんとかなりそうな気がしてしまっているのは事実である

>>759
「ん……、んぅっ……!?」
「ケホッ! ケホッケホッ……!」
「ぁ、あにこれぇ……のどがしぬぅ……!」

不意打ちに流れ込む圧倒的アルコール度数のウォッカ
下戸ではないがしかし限度がある、それも水と思っていたために結構な量を飲んでしまった

「うっそぉ……信じらんない……」

呆気に取られてロイの飲みっぷりを見ている七八


「あー、まだお酒残ってる……」
「……んー、ナイフとかある……?」

ふらけつつもイワンの列車の品揃えをチェック
武器の名高い地と聞いていたので個人的趣向と実用性を併せて先ずは刃物の確認である
最も、物々交換にしても大したモノは持ち合わせていないが
【持ち合わせの道具は応急処置用の調合薬、カードナイフ、苦無などなど】
762 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/12/13(日) 23:22:57.07 ID:bP0+fm+eo
>>759

「わうわう!」

 舌をぺろーんと出しながら、柴犬特有のすっげえいい笑顔で
 アキレスの七転八倒を眺めるウルリック。

【愉悦!!が、次の瞬間!!】

「…わうーん」

 顎が外れんばかりに大きく口をあけて、
 己の缶詰の悲劇的末路に驚愕するわんころ。

「わうわうわう!(なんたる卑劣漢か!貴様、覚えておれよ!)」

【ウルリックは自らの名誉(缶詰)を汚したこの卑劣な行為に対し復讐を誓うのだった】


>>760-761

「わうわう」

 いい年齢ぶっこいたオッサンの卑劣なる行いにもめげずに、
 すぐに立ち直って七八の隣にテクテクなわんころ。戦士は不屈こそ美徳なのだ。

「わう!」

 イワンの商品の中でまずは、めざとく防寒具の一つに目をつける。
 なるべく、手の動きを阻害しないもの。かつ手首の箇所などは毛皮をつけているのがいい。

【どうも、七八に手がかじかむなら質のいいグローブを買うべきだと促しているようである】

「わうわうわう!」

 この柴犬自身は火炎瓶数本と無煙火薬、スモークサーモンを要求。
 物々交換的には?ふるふると身体を震わせると干し肉がポロポロ毀れる。
 ビーフジャーキー…そう!ビーフである!!この時代に乾物とはいえビーフ!
763 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/13(日) 23:37:36.15 ID:ldvlICpE0
>>761
ロイ「なんだだらしないなぁ四五六」
そんなフラフラ四五六に若干あきれ顔のロイであった

イワン「ナイフアルヨー スキナノ エランデ」
木製の柄をはめた高級なものから 四五六のクナイにも似た簡素な柄の物まで多種多様である

イワン「アノ ワンコノ ジャーキーノブン オマケシトクヨー」

>>762
アキレス「この・・・ッゲホゲホ バカ犬・・・!!」

顔を真っ赤にしながらグヌヌ状態のアキレスであったが インガオホーというやつか
缶詰の中身が悲劇的顛末に終わってしまう

ロイ「どしたわんこ? まだメシは出来てねぇぞ」
そして当のロイはウルリックの憤慨に気付いていないのだ!!

そして四五六に続いてイワンの車両にやってくるウルリック
身を震わせ出てくるジャーキーに最初 目を丸くするイワン 続いてニンマリと笑みを作り

イワン「オーワンワン オマエイイヤツネー」
大事そうにジャーキーを拾うとポケットにしまい込み 木箱に要求の品を入れてドカッとウルリックの元に下す
少々オマケしてくれたらしい 結構な量は入っている

イワン「コレモオマケネ」
そして四五六用だろうか 上等な毛皮の手袋も付けてくれた

>>全員対象
ロイ「できたぞー」
その言葉で皆が集まってくる 今日の料理はロシア名物ピロシキとボルシチである

【ウルリックに判定:以前のロールでスパイスに耐性があることは分かっているが はたして熱々のボルシチを食べられるほどの耐熱性の舌を持ち合わせているだろうか?】
764 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/13(日) 23:48:10.27 ID:mniirfgO0
>>762
「……ん?」
「あ……これ、いいねぇ……」

丁度いい感じの手袋を前に、うんうんと頷いた

「相変わらず気が利くね紳士犬さん」

喉元に手をやり、擽る様に撫でんとするだろう
尚、忍犬の扱いに慣れているその技は巧みである

>>763
「だらしあるもないもさぁ……」
「……世界によっては未成年なんだからね私……」

と、苦笑ながら
実際七八の故郷の世界でも、風習的に女は酒を飲む機会が少ない

「あー……ナイフより……って、いいの?」
「じゃあ……大したモノじゃないけど」

簡素なナイフを受け取り、更にオマケの手袋までがウルリックに渡されているのを目撃
ありがとうと頭を下げ、お礼に差し出すのは軟膏や丸薬、苦無数本


さてご飯の時間

「やったね、もう待ちくたびれたよー」
「……何これ、美味しそう……」

素早く着座し熱々のお料理を前に嬉々として目を輝かせる
そして頂きまーすと手を合わせ、早速一口とスープを運んだ
765 :ウルリック【牙狼】>>204 [saga]:2015/12/13(日) 23:53:49.66 ID:bP0+fm+eo
>>763-764

「わうわうわう」

 火炎瓶と火薬のストック。何かと色んな用途に使えるものだ。
 アキレスや七八なら上手く扱ってくれるだろう。

【スモークサーモンは自分用として毛皮の中にスポンと入れる】

 四次元ポケットめいたウルリックのもふもふ毛皮であるが、
 その正体を鑑みればある程度は納得できると思われる。

「わう!」

 毛皮の手袋もイロをつけてくれたことに感謝の吠え声をあげるくウルリック。
 そして、撫でられて尻尾をふりふりしながら手袋を七八にひょいっと、である。

「わうわう(拙者は紳士ではなく、戦士だがな)」

 そんな事を言いながらも得意げな雰囲気であったそうな。

 −−−−−−−−−−−

「わうわうわう(なお、期待を抱かせてすまないが、拙者はシチューも問題なく食せる)」

 アツアツのピロシキをがぶりんちょと一口で食べて、
 つきはお皿に注がれたボルシチをもぐもぐペロペロ。

「わうわう(レンジャーだけにこういう事は得手なのだな。誰でも一つくらいは取り柄があるものだ)」

 なんとも、すっげえ上から目線の褒め言葉。
 どっかで見たような反応に思えるならばそれは正解だ。
 どっかの政治将校と同じ世界の出身であるといういい証左であった。

//では風呂タイムなのでおいどんはコノヘンデー!ンビシ
766 :アキレス&ベティ&ロイ>178と>215と136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/14(月) 00:01:17.22 ID:ElrhjIiC0
>>764-765
ボルシチの見た目の赤さは赤カブの色素によるもので 辛味はほぼ無く 濃厚なシチューは体を芯から温めてくれるものであった
ロシア人たちはニホンに来て以来食べられなかったボルシチに大いに喜び バラライカ(ロシアの弦楽器)を持ち出し ウォッカと共に宴会まで始める始末

中継基地に異国の音楽が鳴り響いた・・・

//ではノシで
767 :アグラーヤ >>336 [sage]:2015/12/14(月) 22:09:31.65 ID:aGVuaCeT0
【自由世界リベルタス】

灰色に染まった空を仰ぐ。
時折吹くビル風が頬を撫ぜ、長く柔らかな白髪を弄ぶ。
とある高級ホテルの最上階、とは言っても元だ。天井や壁面は絢爛の残滓すら残さず無残に破壊され朽ち果て最早屋上といった方が適切であろう。
床に転がる薬莢、焼け焦げた家具、どれを見ても一目でここで何かがあったことがわかる。
そこにぽつんと佇むアグラーヤの表情は感傷的だ。彼女を通り抜けていく冷たい風がそうさせるのだろうか、否だ。
自身の生まれ故郷の世界のこの場所。ここは今のアグラーヤにとってはじまりの場所であり世界の中心でもある。
ここに来るとどうしても感傷に浸ってしまう自分がいる。もしかしたら忘れてはならぬその想いに浸る為にここに足を運んでいるのかもしれないが。

「……答えは……出たのかしらねぇ」

誰に問い掛けた訳でもないその言の葉。
自らの発したそれにだろうか。自嘲を浮かべたアグラーヤはその場に振り返ると、肩にかかった長い髪を手で払う。
始まりはいつだって突然だ。ヨーイドンをかけてくれる程この世界は優しくはない。
そして同じ様に終焉も突然に訪れる。ヒトが望むとも望まぬとも、その流れに抗う事は叶わないのだから。
768 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/12/14(月) 22:43:21.49 ID:2DwWLzmdo
>>767
「あの日…俺は死んだ。境界線に流れ着いた後も…目的を無くして…死人同然だった」

こつ、こつ
中央部を綺麗な球状にくり抜かれ、中頃からぽっきりと折れた"元"高級ホテル。
その中層、現在では最上階となったこの場所で、一人の元兵士は足音を響かせながらダークエルフの少女へと歩み寄る。
残り20歩、15歩、10歩。その距離が近くにつれ、残骸から漏れた月光に照らされ、そのシルエットが浮き彫りになり…ジョシュアの姿が露わになる。
落ち着いた低い声のトーンとは対照的にその眼は漆黒に染まり、爛々と輝いている。まるでジョシュアの内側に渦巻くドス黒い感情を体現しているかのように。

「何度も何度も死んで…何度も何度も何度も…呼び戻されるんだ。この世界に。んで…ようやく気がついた」

指折り数えて何回目だろう。ジョシュアは周囲の誰か、環境、意思、何によってかは知らないが、自分が生かされ続けていることに気が付いた。
尊敬する上官に、弾の当たりどころがよくて、亡き"隊長"の遺志によって。今となってはどれも間違いだと気が付いた。
色々と考え抜いた末にジョシュアは執念の終着点はすべて、"ここ"にあるのだということを改めて認識したのだ。

「俺が生かされてきた理由は全部、…ここにある」

担いでいたライフルを捨て、予備の弾倉も、グレネードも、装備を全て捨てシャツとチノだけに。
エクソスケルトンをパージ。ジョシュアから離れたあと、棒立ちのままのエグゾを後ろ脚に蹴り倒してさらに詰め寄る。
8歩、7歩、6歩、5歩。
その間ジョシュアは終始無言であり、アグラーヤに肉薄してから初めて、言葉を発した。

「………俺の答えは」

――残り1歩。拳銃を引き抜く。
769 :アグラーヤ >>336 [sage saga]:2015/12/14(月) 23:33:38.40 ID:aGVuaCeT0
>>768
「そう、貴方は確かにここで一度死んだ……いいえ、私が殺した。
対照的に私はここで生きる意味を得て……そして流れた今もその意味の為に生きている」

近付く足音。真紅の隻眼は表情を変える事無く暗闇の中をじっと見つめている。
その足音の主の姿が露わになろうともアグラーヤの表情は変わることはない。まるでこの瞬間を知っていたのかのように。
交わる視線、ジョシュアの瞳からは彼の感情がありありと伝わってくる。そしてこの場所に来た意味も同様にだ。
何も驚く事など無いだろう。アグラーヤには彼の想いをその身をもって受ける責任があるのだから。

「何度この手を汚しても……何度希望を黒く塗り潰し絶望をこの身に受けようともこの場所に来る度にハッキリと思い出せる。
やるべき事を見失わずに……真っ直ぐに前を向くことができる」

アグラーヤは決して善人ではない。己が目指すものの為、守りたいと思う大切なヒトとその願いの為ならば他の全てを犠牲にする事を厭わない。
かつてそれは全て自分の為、自分の欲望の為にだけであったがこの場所が全てを変えた。
世界を恨んだかつての自分はここで死に、未来を願う新たな自分が生まれた場所。
消えない咎を背負いながらも、同時に大切なヒトビトの願いを背負う事を決めた……アグラーヤにとっては正にはじまりの場所。

「今の私が生きる理由は全て……ここにある。ここからはじまった」

右腕の義手がキリキリと軋む。こんなに黒かっただろうか。初めてこの義手を装着した時を思い出しふと自問した。
それだけ手を汚してきたということだろうか。それとも自身の黒い内面に侵食されてしまったのだろうか。
そんなくだらない事を考えながらくすりと笑えば、既に近接したジョシュアに対して構えもせずその場に棒立ちして無防備を晒す。

「……私の願いは」

引き抜かれた拳銃、しかしそれを制することはしない。
揺るぎない己の力に対する自信か、それとも全てを受け入れるということだろうか。
アグラーヤの長い髪は静電気を帯びてふわりと浮かび上がり、赤い瞳は口を開けた銃口をただ見つめる。
770 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/14(月) 23:40:45.25 ID:XZTX1E0bo
【スプロール】

 この世界は正に混沌という言葉が相応しい。
 際限なき重工業による環境汚染、メガコーポによる利潤最優先による倫理観の崩壊。
 テクノロジーのみならず覚醒による魔術の復活など、まさに混沌の権化の如き世界である。

 −−−−−−−−−−−

「と、いうわけでして我が社はサイバネとバイオニクスをですね、こう、最高の配合で?」

 某中級コーポのビジネスショウにてある技術のお披露目が行われている。
 メタヒューマニティ(亜人種)などの細胞からよりすぐりの要素(ファクター)を抜き出し、
 サイバネティクスによって、人工的にそれを制御するというものだ。

【人間に人間以外の優れた素養を打ち込むという研究は実際盛んに行われているが、
 多くは細胞変異による暴走、そして肉体が耐え切れず絶命と悲惨な結果に終わることが多い。
 この企業はどうやらその制御をサイバネティクスにより補うという事らしいが――】

(どう考えても未熟…というより詐欺だな。実際の制御効率はこの資料の20%にも足るか怪しい)

 ビジネススーツ姿のイムカ・グリムナーは半分呆れ、そしてもう半分は僅かな苛立ちと共に、
 ステージで熱弁を振るう連中と、その背後の実験体たちを見やっていた。

【格好だけは見目麗しい少女達。魚類と合成されているのか鱗などが見える。
 ステージ映えはするのだろう。惜しむらくはイムカのスキャンでは寿命は半年ももたなそうである、というところだが】

(愚かな話だ。もっとも、この愚かな試みで今後どれくらいの下層民が買われて死ぬか)

 周囲にはイムカのように呆れたという態度のサラリマンもいれば、
 好色な目で人魚達を見やる好事家、宝くじ程度の布石として資金提供を考えている者も居る。
 派手に転んでも最悪は、歪んだセックス・ビズで回収は可能というわけか?
 そこそこ、研究費とやらは集まりそうな気配。もちろん、そこに人倫は無い。

【さて、舞台は概ねこのような感じである。人としての何かを置き去りにしたようなビジネスショウ】
【ここに居る理由は色々ありうる。カネモチの護衛として、あるいは娼婦として】
【または、このショウをぶっ壊す第三者の意思として動くランナーとして】
【はたまた、このビジネスショウ主催の企業、または誰かにに雇われた護衛として】
771 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/12/15(火) 00:00:10.61 ID:THB/s2a2o
>>770
その横に、イライラしている感じの少女が一人いる。
彼女もまた同じ、人為的に遺伝子を打ち込まれた一人。

「まだ、こんなことしてるんだ……」

怒りとも呆れともつかない声、ショーがあるとかなんとかで来てみればこんな調子である。
自分にこのような加工を施した研究所は壊滅して久しいはずだが、その残党か全く違うものか。
とにかく嫌悪感を丸出しにしている。

彼女もステージ上の少女たちとさほど違いはない。
違うのはほぼ違和感なく馴染んで、人並みの生存能力を持っていること。
例えるなら生きるブラックボックス、もしも見つかってしまえば大事になりそうだが……
772 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/15(火) 00:09:02.76 ID:86PuIjw+o
>>771

「より強く、より高みへ。それ自体は人間の本能のようなものだ。
 遺伝子工学よる強化という方向性そのものは間違ってはいない。
 性能強化のアプローチとしては正道だろう。能力と志が全く追いついていないというのを除けば…だが」

 イムカとて遺伝子工学によって、ただの人間より鋳造された超人類(ネファレム)であるが、
 終焉の遠未来における神なる皇帝陛下の御技と、この企業の技術では隔絶した差が窺えた。

「無駄足だったな。そして人選も誤った。君を不快にさせる意図はなかったのだがな」

 傲慢な言い様ではあるが、迂遠で解り難い心遣いも台詞に混じっている。
 インペリアル・エンジニアリンク(過剰性能で何かアレなビークルをつくるのでそこそこ有名なコーポ)の
 イムカ・グリムナー。このような胡乱な席で、人を護衛に雇うのは珍しくもあるまい。
773 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/12/15(火) 00:13:29.55 ID:bdtIYRkRo
>>769
ゆっくりと。ふわりと浮かび上がる華奢な少女の肉体を眼で追いながらも、銃口をアグラーヤの居た場所へ依然として向けたままであるジョシュア。
アグラーヤの言葉を聞き遂げたのち、アグラーヤへと銃口を向け引き金にを引く。撃鉄が墜ちた。
かちん、と。銃声はせず、銃弾も放たれることはなかった。元よりジョシュアの拳銃には弾倉が差し込まれていなかった。

「…弾は…込めてない」
「…俺も馬鹿じゃない。同じ過ちは繰り返さない…二度も」

かつてジョシュアの手の中で弾け、持ち主を奈落の底へと誘った廿弐型ガントリオン。ジョシュアは修理され、復元されたそれを他の銃と同じように放る。
まるで”あの時”のジョシュアのように。きりもみしつつ奈落へと墜ちるガントリオンは数度月光を反射して煌めき、そして深淵の闇の中に抱かれて消えていった。
ジョシュアはそれを見送ることもなく、アグラーヤを見据えている。その手には自然と力が籠り、拳からは血がぽたぽたと滴り、剥き出しになったコンクリートを潤す。

「タェンティースは…死んだ…”カブラギ”と相討ってな」

ぽつり、ジョシュアの口から唐突に言い放たれた言葉。それはアグラーヤにタェンティースが死んだという旨を伝えるものであった。
無論証拠など持ち合わせてはいないが、”カブラギ”というワードが出てきた時点で、この情報に妙な現実味を帯びさせることは容易い。
しかし本当にタェンティースが死んだのか、それはHEXAすら諜報員づてに聞いた情報でしかなく、又聞きであるジョシュアにとってはなおさら不確かなものであることに違いはない。
それよりも何故彼が”カブラギ”を知っているのか。アグラーヤにはそれを知る由はないのであるが、確かに彼は”カブラギ”を知っている。

「…ラヴレスとエルミスも俺が殺した。お前を殺そうとするのを…邪魔立てしようとしたからな」

次いでジョシュアがアグラーヤに切り出したのは、ラヴレスの死である。続けざまに荒唐無稽な言動のように思える。
だが、ジョシュアは紐で縛られた…濡れた毛束のようなものを取り出すと、足元に投げつけた。遠く、アグラーヤからでも識別できるほどの色鮮やかな。
それは紛れもなく彼女の血に濡れたラヴレスの髪であった。いつもよりも若干色味の暗くなった、けれど見慣れた紺碧の。

「俺の手は汚れて…身体は人間から日に日に遠のいていく。昔からあれだけ嫌ってた化物に…今は俺が成り果てちまってんだ」
「これで俺とお前はフェアってワケだ。…はは、皮肉だなァ…アグラーヤさんよ……今のお前にまだ…守るべきモノが…生きる理由が…――」

ジョシュアはどこか嬉々として言い放つ。声色は相変わらず落ち着いてはいるが、彼を見れば感情の昂ぶりを一目で見て取れる。
漆黒の眼球、浮かぶ深紅の瞳は禍々しく、アグラーヤよりも深く暗い色。
そして全身の皮膚に真黒い染みが滲み出て現れ、身体の半分ほどを埋め尽くす。血管は二つ光る深紅のそれと同じ色合いの輝きを放ち、瞬く間にジョシュアは異形へと変貌を遂げた。
いや、ヒトとしての形を保っていた頃から、初めて境界線を越えた時からジョシュアの内面、本当の姿はこれを映し出していたのかもしれない。
しかし今となっては”考察”という行為すら何もかもが遅く、そして現実を見つめるより他はない。選択を誤ったのかどうか、それを決めるのはジョシュア本人以外には居ないのだから。
首に巻いたマフラーを大切そうに右手で握り、鼻を、顔をうずめる。再び顔を挙げたときにはかつての迷いを含んだジョシュアはすでにもうどこなりへと消えて。

「――あるってのかァァッ!?ああ゛ァッッッ!!?」

もはや後戻りのできない所まで事態は足を踏み入れた。ジョシュアは跳躍し、一直線にアグラーヤへと殴り掛かる。
少し遅れて跳躍地点から衝撃波が発生し、”最上階”にある何もかもをも吹き飛ばし薙ぎ倒してしまった。
本能に身を任せた”怪物”は、恐るべき勢いで少女へと迫り来る。
774 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/12/15(火) 00:16:34.87 ID:THB/s2a2o
>>772
「……大丈夫、少し、イラついただけ」
かりかりと冷却剤を一錠飲み込む。
副作用がないわけではない。これなしでは実質的に生きられないのだ。

「代償……リスク、先に言ったほうがいいかもね。改造人間って」
機械化すればメンテナンスがいる、獣と混ぜれば最良に近くても彼女のような形だろう。
少なくとも今の技術レベルでは。何にせよ代償が必要なのだ。

「大丈夫、護衛代金の分は仕事する」
それでも自分ができることがあるなら助ける。
何もなければ自分の手を汚さない護衛は自分に向いているかなと思っていた。
「何か、お菓子上乗せしてほしいな」
そしてちゃっかりと、報酬の上積みを請求するのだった。
775 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/15(火) 00:30:51.36 ID:86PuIjw+o
>>774

「そうか」

 人形めいた無表情の雇い主は平坦な声音でそう口にするのみ。
 無関心…というよりは、距離をを計っているといったところだ。

「技術的ブレイクスルーにはまだまだ課題も多いということだな。菓子か?ほらチョコだ」

 カカオ99%の劇薬めいたアレをぽいちょと寄越すイムカ。
 先に言っておこう。アリッサムの今回の雇い主は味というものに全く興味が無い。
 ついでに言えば味覚の性能も非常によろしくない。

「では、我が社の今回の新作ユニット…お披露目です!!」

 マジックショーめいたライトアップとイマイチ品にかける音楽と共に、
 テレビジョンディスプレイで大写しとなったのは…
 半漁人めいた…それも筋肉質で強靭な肉体を思わせる巨漢の大男である。

「シーザーサーペント種の肉体と鱗!そして、鋭いブレードを実現!
 セラミクスよりも遥かに強力な、アバッ!!」

 そして、丁度、ステージもたけなわ。
 司会の顔半分がヒレを硬質化させたブレードによって切り飛ばされ鮮血が噴き出しているところだ。

「…護衛。エスコートは頼む」

【演出?否、暴走であろう。よりにもよって有力者も招待したショウで、だ。これで倒産待ったなし】
776 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/12/15(火) 00:36:39.41 ID:THB/s2a2o
>>775
「うん・・・ありがと」
チョコは栄養補給に良い。
つまり、栄養という点でしか物事を見ない場合は砂糖は邪魔になるわけだ。
そう一人で納得しながら、カカオ99%のチョコを受け取る。
味は……まあ甘味料でも振りかければなんとかなるだろう。

そうしてステージを退屈げに見る。
……どうやら仕事が巡ってきたようだ。

「了解。安全圏への脱出を最優先とします」
仕事するための口調に戻り、パニックが起こる前にイムカを抱えてなるべく離れようとする。
ドラゴンの怪力、女性一人抱え上げるのはわけない。少々乗り心地は悪いかもしれないが、我慢してもらおう
777 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/15(火) 00:48:15.32 ID:86PuIjw+o
>>776

「参ったな。こうくるとは思わなかった」

 抱えられて少しだけ、困った表情のイムカ。
 このような守られ方には慣れていないらしい。
 長い金糸の髪が重力にしたがって流れた。

「ギャー!腕があああ!アババ…!」
「アバー!ナンデ!!?」

 既に暴れだした実験体により阿鼻叫喚の地獄絵図。
 真のエリートたちは悠然と既に脱出を図っており、
 概ね、備えの無かった者達から犠牲者が出ている。

「私のデッカー担当区画でもなく、また応援要請も出ていないからな。君の言うとおり脱出優先で頼む」

 デッカー…インペリアル・エンジニアリンクはメガコーポより、
 特定地域における治安維持活動を委任されており、イムカもその権限を有する。
 が、それは社会正義ではなく、あくまで企業の法に従うものだ。

【スプロール。この世界ではかくも生命の価値は軽く、運命は酷薄である】
【このような、ショギョムッジョが日常と化した世界なのであった】

//では世界観説明めいたシチュで今回はコノヘンデー!ノシ
778 :アグラーヤ >>336 [sage saga]:2015/12/15(火) 01:07:34.56 ID:7QEYF//y0
>>773
「カブラギ……、ミタマ・カブラギ……? 嘘よ、あいつが生きてるワケ……。
それにタェンティースが死んだなんて……嘘。あの子が私を残して死ぬ訳がないわぁ……!
だって約束したもの……! 私の目の届かない所で死ぬなんて許さないって!!
私を動揺させようってわけぇ……? はっ、存外に姑息な男ねぇ。ハッタリも相手を選ぶべきじゃないかしらぁ?」

どくん。
一瞬、胸の鼓動が速くなるのがわかる。しかし努めてそれを表情に出すことはしない。
カブラギという名前が出た事に驚き、そしてそれ故に多少の信憑性も感じずにはいられないが、それでも信じられる訳がない。
あり得ないのだ。これまで共に数々の死線を潜り抜けた、親友と呼べる存在の訃報など。
認められる訳がない。確固たる信頼関係に裏打ちされる自信。信頼しているからこそジョシュアの言葉を一笑に付した。
しかし続け様にジョシュアの言葉、そして行動はアグラーヤの心を容赦なく抉っていく。

「これ……は……、っ!? ラヴレスのっ……髪!?
……は、あっは……ここまでするぅ? ここまできてこんな小道具用意するなんて恐れ入ったわぁ。
ここまで追いかけてくるものだから、どれ程の執念の持ち主かと思ってたけどぉ……なぁんにも変わってないわねぇ貴方?
口ばっかり達者で大きくて、その実何の力も持たない……ちっぽけなただのニンゲン。
本当にあの日あの時、ここで殺した日から変わってない」

口ばかりとはよく言ったものだ。現実アグラーヤ自信全く動揺を隠せていないのだから。
必死に平静を装ってはいる。勿論彼女ら、そしてエルミスが殺されている事などは信じていないがそれでもこの状況にジョシュアの言動行動。
アグラーヤの逆鱗にピンポイントで触れてくる彼の口撃に彼女の紡ぐ言葉は僅かに、しかし確かに震えているのがわかる。
ジョシュアの変質を睨む様な眼光で傍観しつつ床を踏みしめる。ぎりり、響いた音は自身が噛み締めた奥歯の軋みであった。

「……っ! うるっさいわねぇ! 吠えるんじゃないわぁ!
あるわよ……守るべきモノも、生きる理由も……まだこの手の中に!!」

まだ見失ってはいない、信じる事で前を向けるのだ。アグラーヤは必死に、しかし確固たる意志を持ってジョシュアを否定する。
だがやはり動揺はこの状況ですぐに、完全に消える事はない。それは僅かなものであっても自身の反応に影響を及ぼした。
そしてジョシュアは僅かでも動揺を抱えたまま圧倒できる程楽な相手ではない。彼が駆けた瞬間、アグラーヤの身体を動揺が迸り反応、回避した筈であった。
しかし遅い。僅かな心の乱れ、ごく僅かなものであったがその隙間に食い込む程にジョシュアの拳は速く、直撃こそ免れたものの拳圧ですら十分な破壊力を持ってアグラーヤを吹き飛ばし床に叩きつけた。

「くっ……う……! こ……のぉ!!」

痛みに悶える余裕などない。直様身体を起こし反撃に移らなければこのままたたみ込まれることは目に見えているのだ。
アグラーヤの黒い右腕が蒼白く輝けば、その瞬間帯電された電流がジョシュアに向かって一直線に放たれた。
アグラーヤ御馴染みの雷撃の槍、その威力は最早ジョシュアにとって説明を受けるものではないであろう。
同時に、今放たれた雷撃がジョシュアの知っているソレよりも大幅に劣るものである事も容易に気付ける筈だ。
決して手心が加えられている訳ではない。アグラーヤ自身、意識せぬ所で動揺が現れてしまっているのだ。今のジョシュアからすれば不甲斐ない攻撃と言っても過言は無いだろう。
779 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/12/15(火) 01:50:23.55 ID:bdtIYRkRo
>>778
「ぅぁあらッッッ!!!」

ジョシュアが思い切り振り抜いた拳はアグラーヤの防御を掠め、それでもなお十二分の威力を以ってアグラーヤを吹き飛ばした。
床に堕ち、バランスを大きく崩されたアグラーヤ。ジョシュアは床に軽やかに降り立ち、アグラーヤを追撃するようなことはしない。
代わりにジョシュアは口を開き、またべらべらと饒舌に喋りだした。アグラーヤが気を取り直すまで。

「…ラヴレスが境界を越えるだなんて思ってなかったって顔だな…?、俺は生きてるとすら思ってなかったよ、このクソ野郎ども…」
「みんな揃って俺には真実を隠してやがる…!ラヴレスもだ。俺の事なんざ…再会しても覚えてさえくれてなかった」

動かすのは身体よりも、口。本当に「口だけのニンゲン」と判断されても仕方のないような
もしこの決闘に聴衆が存在していたのならば、「この男は本当にアグラーヤを殺す気でいるのか」と思わせしめるほどに勿体ぶっている。

「でもアレはラヴレスじゃねェ、ただの複製…ウソの記憶を刷り込まれただけのクローンだ…。だから殺すのに心は痛まなかったぜ…?」
「ホントはタェンティースも持ってきてやりたかったんだが…バラバラに吹ッ飛んじまったからなぁ…ハッ…見つけられなかったんだ」

しかしそのさなかにもアグラーヤの精神を乱すような言動を見せることは止めない。ジョシュアにとってこの行為にどのような意図があるのか。
勝利に執着するあまりに卑劣で、汚い、圧倒的脳筋主義のジョシュアらしからぬ手段に走ってしまったというのか?
それならばアグラーヤが見せた隙に付け込まぬ筈がない。ジョシュアにはなにか別の意図があるように見えた。

「二度も…二度もここで打ちのめされた…俺はそのひょろっちぃカラダに触る事すらできねぇようなザコだった。だがなァ…」
「今は違う!俺は変わった…!!人間を捨てた代わりに…お前を殺すのに十分なだけのチカラを手に入れた…」

ジョシュアは勝利の確信と共に、アグラーヤに一抹の失望を覚えていた。
あれほど強大で、優雅で、かつ華奢で繊細で今にも壊れてしまいそうな、しかし決して超える事のできぬ壁、触れる事すら許されぬ絶対存在。
そうアグラーヤのことを捉えていたジョシュアにとっては、今のアグラーヤはまさにちっぽけで、ただただ弱弱しく、か弱い乙女に見える。
ジョシュアはそれが納得いかなかった。自分が打ちのめされた”アグラーヤ”という存在はこんなものではない、と

「効くかそんなモンがよォォォッッ!!!」
「もっぱつ…ブン…ッ…殴るッッ!!」

放たれた雷の槍に対して臆することもせず。かつてジョシュアを一撃のもとに行動不能へと陥らせた攻撃とは思えぬほどに貧弱なそれに正面から突っ込み、打ち砕いた。
雷を引き裂くようにして現れたジョシュアはそのまま空中で異様な加速、アグラーヤのもとへと一瞬で肉薄し攻撃を仕掛ける。

言動とは裏腹に、「もう一発」どころではない。アグラーヤに対して仕掛けるのは一撃の重い、凶悪な連打。
この威力と手数を眼にすれば生身で防御などという手段を取るべきだとは言えない。一度捕まればガードを削り切られ、好きなように殴られてしまう。
780 :アグラーヤ >>336 [sage saga]:2015/12/15(火) 02:52:47.12 ID:7QEYF//y0
>>779
「……黙れ……黙りなさいよ……! その汚い口でふたりの名前を口にしないで……!」

ジョシュアの言葉ひとつひとつがアグラーヤの心を穿ってゆく。そして穿たれた場所からはふつふつと、ジョシュアに対して必死に押し殺していた感情が噴出し始めた。
ドス黒いそれは圧倒的な敵意と殺意。小さな穴がいくつも空いた貯水槽から吹き出る水の様なその感情はアグラーヤの足元を黒く、ただ黒く塗り潰してゆく。
分かり合えるつもりでいた。小さくても、その可能性は確かに存在すると信じた。ジョシュアというひとりのニンゲンの未来の全てを狂わせた張本人として、彼の見るモノによってはそのまま討たれる覚悟すらあった。
しかしジョシュアは頑なだ。想像を絶する執念はアグラーヤのみならずその周囲の、守るべき存在にまで向けられて。
互いの距離は手を出せば触れ合える程に近いというのにその心は途方も無く遠く、交わる糸口すら見つからない。
答えなんて見つからず気持ちの行く先も迷路に迷い込んだ様。それでもジョシュアの言葉は容赦無く、アグラーヤに敵意を与えてゆく。まるでそれが彼の狙いなのかの如くに。

「……黙れっていってるじゃないのぉ! ふたりは生きてるわぁ……! ラヴレスも、タェンティースも……お前みたいな奴に殺されるワケがないじゃない……!
でも……よくわかったわぁ……。お前みたいな奴が居たら彼等が望んだ世界なんて絶対訪れない。
復讐に駆られたお前には……ダグラスやマウトヘッドが望んだ……“希望に満ちた優しい世界”に居場所なんてない。
この私と同じ様に……! だから、私はお前をここで殺すわぁ……。
安心しなさい……? 私も後からすぐに逝くから。この世界でやる事を終えたら……そっちで何度だって殺されてあげる。だから今は……」

雷撃を物ともせずにアグラーヤへと疾駆するジョシュア。蒼白の光を打ち破り現れたバケモノは目の前の憎むべき相手を完全に屠る為にその拳を再びに振るう。
繰り出されるは連打。迫る拳にアグラーヤはその場に佇み俯いている。そしてまさに連打の初撃、凶悪な一撃を防御する様に突き出された義手の右腕を軽々と破壊し、吹き飛ばす。
間髪入れずに繰り出される二撃目、しかしその刹那。正確に言えばアグラーヤの義手が吹き飛ばされた瞬間、その付け根から黒雷が爆ぜた様に放出され異形の黒腕を形作った。

「……死んでちょうだい」

ジョシュアの連打、その二撃目にぶつけるように唸る黒腕。同じ黒腕であるが義手とは比較にならぬ暴力性と破壊力を持ったその掌は、彼の拳と腕と、そしてその肉体までをも捕らえんとして雷鳴を轟かせる。
ジョシュアにとっては理不尽だろう。仇が綺麗事を述べた挙句結局は暴力で以って応えようというのだから。卑下すらするだろう、結局アグラーヤの生き方はエゴに塗れていると。
しかし暴力を制するのは暴力しかあり得ないのだ。どの様な綺麗事で世界を取り繕おうとも、その内面に存在する世界の真理は残酷なのだから。
781 :ジョシュア・アーリントン【サージカルレイズ】 [sage saga]:2015/12/15(火) 22:02:11.79 ID:bdtIYRkRo
>>780
初撃、見極め。ジョシュアはアグラーヤの右腕を吹き飛ばす。避けようともしないことに疑問を感じながらも。
眉を顰め、俯いたままのアグラーヤを睥睨しつつ。
まさか現実を受け入れられずに戦意喪失でもしたのではあるまいかとさえ考えた。

あまりの動きの激しさにジョシュアのマフラーが抵抗に耐えかねて飛ばされ、宙高く舞い上がる。

(…どーしたよ、お前の電撃はそんなクソチンケなシロモンじゃねーだろうが…!)

しかしそれは杞憂であるとすぐに気が付いた。アグラーヤの髪がふわりと揺れ、そして急激に右側へと靡き広がる。
ジョシュアの拳圧ではない。彼女の右肩からはまるで翼が生えるかのごとく、そして漆黒の羽をまき散らすかのように。
その仮初めの右腕が発現した瞬間、ジョシュアはぞわりと悪寒を感じる。吹き出す汗。
あの嫌な輝きが、その切っ先が自分へ向けられている。そう思うだけで背筋は凍り皮膚は粟立ち、しかし口元は不敵に微笑みを浮かべている。
開かれた掌が握られ、アグラーヤが顔を上げてきっとこちらを睨みつける。それに呼応するかのようにジョシュアは第二撃を放った。

「そォだ!それが見たかったんだよアグラァヤァッ!!」
「だがもう遅ェ!!貰ッッ………――!」



アグラーヤが拳を打ち合わすようにしてカウンターを放った瞬間、しまった!と。しかしジョシュアが気付いた時にはもう遅い。
極めて高密度の破壊エネルギーを伴った黒雷によって構成された右腕と、”生身”である自身の右腕とでは力や技量で埋める事すら叶わぬ絶望的スぺック差が存在する。
ダグラス。オムニ・シューペリオリティとも呼ばれた彼の強靭なる肉体を跡形も残らず消し飛ばすほどの彼女の黒雷。
そしてそれで形成されたアグラーヤの右腕と、ジョシュアの生身の右腕。互いに激突すればどうなるかは明白だ。
お互いに打ち合わせるような格好となった今、拳を引くことは叶わない。ならば連打の流れに身を任せ、身体を逸らせば。
ジョシュアは思い切り拳を振り抜き、アグラーヤの拳を避けようと身体を逸らし半回転させた。そしてそのまま二人はすれ違い、交錯する。

ほんの零秒、コンマ幾らか。
二つのシルエットは重なって融け合い、息を吐く間もなく離れた。

――次の瞬間、一瞬遅れてジョシュアの右半身、その胸から上が消し飛ぶ。

「ッ……!ぅブ」
「がっ…ば…、ァ……」

(クッソ……ってぇなぁ………)

右胸の一部から右腕の先端まですべて。首から上は右半分が完全に消滅し、ジョシュアの眼はぐりんと天を仰ぐように廻った。
およそ人間の出せる音とは思えぬ、喉を潰され、物理的に無理矢理出させられているかのようのな声ならぬ”音”をその口から放ち、そのまま吹き飛んだ。
ずだんと床に叩きつけられるとバウンドして回転し、うつ伏せの状態になって太く血の跡を曳きながら滑り、やがて勢いを失って止まった。
月光に照らされた傷口はごぼごぼと、まるで煮え滾った溶岩が火口から溢れ出るかのように沸いては流れ、血だまりを形成する。
忘れ去られた頃にジョシュアのマフラーが落下し、突き立ったH字の鉄骨に引っ掛かり、静かにゆらめく。
782 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/16(水) 22:21:32.14 ID:oRAVb46Z0
【仮想闘技場】
ざんばら髪を結いもせず
肩に担いだ仕込み杖
紺の着流し身に纏い
相手を心待ちにする男

この場所での死はすべて0と1に変換され 実在世界には関係がない
ただ何もないコロッセオの中 ただ一人の男がいるのみである


カノッサの従者 鈴虫はこの場所が好きだ

何の気兼ねなく殺し合いのできるこの場所が好きだ

強き者を切り伏せるのが好きだ
強き者に切り伏せられるのが好きだ

死を偽ることだけが不満だが
この場所で行われる ありとあらゆる行為が大好きだ

今度の相手はどんな奴だろう?
どのぐらい強いのだろう?

嗚呼待ちきれない 早く戦いたいと魂が疼いている
さぁ 敵よ来い 早く来い こちらの血潮は甘露に満ちているぞ
783 :アルコ 弓  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/16(水) 22:29:08.73 ID:hGiMLh9To
>>782
「へぇ……いいねぇ、ここは」

相手を待つ剣士、彼はその剣士を眼前に捉えていた
彼こそ、強き者


「俺の本領は出せねぇが…本気は出せる。あんたが敵だろ?よろしくなっ!!」

サングラスに黒皮のジャケットの強面、不死原朔夜は嗤っていた
これから起こる戦いが、楽しみなのだ
だから、ジャケットの中から取り出した心臓を鈴虫の足元に投げつける。
手始めに、生きる者へと歯牙をまき散らす心臓の爆弾で小手調べをする気であった
784 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/16(水) 22:31:47.01 ID:hGiMLh9To
>>783
//名前ミッス…
785 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/16(水) 22:42:15.35 ID:oRAVb46Z0
>>783
来た 待ちわびた敵が来た

見たところ目つきの悪い男であるが 漂う濃厚な市の気配

嗚呼 今宵の獲物も上物だ 顔が笑みで満たされ 心が悦で満たされる

「あぁ よろしくなッ!!」

しっかりと地を踏みしめた両足の 両膝の力を抜く

――――瞬間的な其の動作
地に立つ躰を支える膝の力が抜けた事で 支えを失った躰は一刹那――極短時間極短距離――地に向けて自由落下を開始する
自由落下する上躰。足場に掛る体重は果てしなく零に近い

――――質量は重力下でも無重力下でも変わらない。然し重量は完全な無重量下では零になる
上体が堕ちる其の一刹那、彼の躰は無重力下と同様に 重量が零になっていた

――――其の一刹那を逃がさない
足裏を地に添わせる様につけて滑らない様に摩擦して足場を掴み己の躰を前へと引きずり出す
重量を零にした体重を、重力に逆らう事無く前に進む縮地の究極 膝抜き

加速を無視した最高速 投げつけた心臓を無視して接敵する

心臓が地面にぶつかり 爪が 歯がまき散らされ 鈴虫の背中に 脚に 後頭部に幾ばくかが刺さり鮮血が舞う

「キィヒハハハハハハハハハハハ!!!!!」
だが止まらない 血をまき散らしながら逆手で抜刀 そのまま男の斜め下から斜め上へ 切り上げるような軌跡をもって攻撃を放つ
786 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/16(水) 22:52:02.08 ID:hGiMLh9To
>>785
「バーサーク剣士かっ!」

剣士、それもサムライはその技が極限まで研ぎ澄まされている
その法則を見つけたのは朔夜が越境者となる前、剣を執る妹の背中を見てからだろうか?
故に警戒と歓喜は最高潮、もしも刀がそれまでに見えていなかったらここで終わりであった
斬りあげる一撃はジャケットから取り出したばかりの交差した二本の骨のナイフに止められる。火花が舞い散り、鉄の前に骨は削られていた
そして、バックステップで距離を取りながら惜しみなくその二本を、捨てる

「食らいなァ!」

そして着地とタイミングを合わせてジャケットに腕を突っ込み、舌の投げナイフを二本投擲する
これらには全く殺傷能力はない。どこも尖っていないのだから。
だが、当たってしまえば僅かな間幻聴に苛まれることとなってしまう必殺の入り口であった
787 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/16(水) 23:04:21.77 ID:oRAVb46Z0
>>786
「ッ!!」
素晴らしい反応速度 必殺の一撃はバックステップとナイフの防御によって防がれる

先ほどの心臓といい 骨のナイフ そして今度は舌 今まで戦ってきた中でも特に異質な能力
それゆえに 嬉し愉し 未知なる体験は悦に満ちている

「ハ ハ ハァ!!」
手首を返し 舌の一本を切り裂くと もう一本はぐるりと横にずれながらの旋回で回避 鞘を順手に持ち替え その遠心力を乗せた打撃の横薙ぎを放つ

狙いは敵の腿 痛打によって機動力を削ぐのが目的である
788 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/16(水) 23:15:52.14 ID:hGiMLh9To
>>787
「さて……ッ!!」

ここまでで朔夜は相手について一つ確信したことがある
こいつは、確かに手練れだ。だが、自分は未知の敵である、と。
朔夜の戦闘は特殊も特殊。今まで越境してきて多くの強敵たちは自分の戦い方を知らなかった。
だから、ここまで戦い抜けたという事情もあった。
順手に持ち帰られた鞘の強打は脛ではなく持ち上げた足の靴裏で受ける。
バランスは崩し、宙を巨体が舞う…が、空中で朔夜はジャケットに右手を入れてそれを取り出した
拳銃、取り出したものはそんなかたちをしていた
三回引き金を引いて放たれた三つの飛翔体は、切り裂く力に特化した歯の弾丸。

宙を舞った朔夜は僅かに横に跳んで着地をする
打撃を受けた左脚はやや痛めたのか体制を立て直すのには少し手間を要する様子で…
789 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/16(水) 23:26:07.00 ID:oRAVb46Z0
>>788
鞘の一撃は敵の間合い確保に使われ お返しとばかりに放たれた歯の弾薬
一発は剣で逸らした

二発目は身をよじって どうにか肩を掠らせるにとどめる
だが三発目は脇腹へと食い込んだ

「!!」
痛みと生暖かい血の感触 そういえば背中からもどくどくと血が流れ落ちる

「ッッッッッ!!!!」
嗚呼・・・楽しい 顔が喜びに満ちてゆく もはやその顔は恍惚と言っても過言ではない

体制を立て直す そんな暇なんぞ与えるかと言わんばかりの疾走
今度も鞘の一撃 中心線 みぞおちを狙った刺突 呼吸を奪い 行動不能にさせようという魂胆である
790 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/16(水) 23:36:25.76 ID:hGiMLh9To
>>789
「へっ…狂ってんなぁ…」

足の痛みだけではない、その強面を歪ませたのは
笑みもだ、狂敵にして強敵に出会えた感動による笑みも歪ませていたのだ
だが、喜んでも速く動けるわけではなく鞘の刺突を受ける
肺の空気は絞り出された。手の銃も零れ落ちた。
だが、戦意は、意識は落ちなかった。
どすりと身体が地面に倒れて、カチャリと歯を撃ち出す拳銃が鈴虫の足元へと落ちる
しかし、朔夜の戦意は消えない、消えない
証拠に、その手には新たな銃が握られていて…
倒れたまま、一発の銃声が響いた
今度は、指の弾丸だ。威力は低い、が単純な回避なら追尾して確実に一撃を与える弾丸。
朔夜がここにいられる残り時間は少ない。即ち、逆転の一撃、それこそがこの一弾の役目だ。
791 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/16(水) 23:47:27.12 ID:oRAVb46Z0
>>790
相手もまた嗤っていた 殺し合いはこんなにも残酷で 恐ろしくて 素敵なものなのだ

柄の先端がみぞおちを抉る 銃が転がる すかさず刀を振り上げ袈裟切りを放とうとして
その手に もう一丁の銃が握られているのが見えた

「ッッッ!!!!」
乾いた銃声が響き渡る 攻撃を中断 このとき防御を選択していれば 結果は全く違ったものになるだろう
だがこの男はこのとき 回避を選んだ 身を捩って射線から逃れようとする

だが放たれた指はまるで意思を持つかのようにこちらを追尾

そして目玉より鈴虫の体内に入り 眼底を砕き 脳漿で指は止まった
目からとめどなく血液が流れ落ちる

こいつぁ・・・イカサマだ・・・

パクパクと開閉する口は言葉は発さず まるで男にもたれかかるように崩れ落ち やがて0と1に分解されて世界より排出される

そして不死原の勝利というメッセージが届くだろう
792 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/16(水) 23:58:37.14 ID:hGiMLh9T0
>>791
「これが、死霊魔術師不死原朔夜だ
イカサマでもなんでもないんだぜ?」

最後に笑っていたのは朔夜であった
賭けであった、防御されてたら、負けてた
だが勝ちは勝ちだ、奥の手が多かったのが救いであった
楽しかった、最高に
勝利の余韻に浸りながら朔夜はもとの世界へと戻っていった

//ではではここらで〆ですかね?お疲れ様でしたー
793 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/17(木) 00:16:12.51 ID:6j2B8P/60
>>792
【カノッサ支部 鈴虫の部屋】

「!!!!!!!!!!!」
勢いよく布団を跳ね上げる 刻は草木も眠る丑三つ時

負けた あの摩訶不思議能力を使う男に敗北した
目玉を抉る感覚が残っている 脳髄を進む指を覚えている

「・・・ッはは」
嗚呼 なんと素晴らしいことだろう この世にはあのような剛の者が星の数ほど存在するのだ
このまま眠るには惜しい あんな素敵な経験を夢で塗りつぶしてしまうのが惜しい

杖を掴み なりふり構わず廊下に駆けだす

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」
空気を残らず絞り出すかのような笑い声を挙げ 道を塞ぐ同僚をなぎ倒して向かう先は訓練所

中で船を漕ぐ事務員の胸ぐらをつかみ 目を爛々と輝かせながら叫ぶのだ

「早くしろ!! 切り殺すぞ!!」
事務員は面食らいながらも 【鈴虫用】と銘打たれたスイッチを押し 戦闘ドローンを起動させる

そして思い出すのだ 鈴虫が突如やってくるのは初めてじゃないし これが最後なわけがないのだと

//では〆で
794 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/17(木) 22:20:06.29 ID:6j2B8P/60
【仮想闘技場】
ざんばら髪を結いもせず
すでに抜き身の仕込み杖
紺の着流し前はだけ
恍惚の表情浮かべる男

さっきまで訓練用ドローンでさんざん遊び 風呂に入って 酒を飲んで いい気持ちで眠ろうとしたところ
またしてもこの世界へと飛ばされた

嗚呼 西洋にはいい子にしていると赤揃えの老人が褒美を取らせてくれる風習があるらしい
名前は忘れたがその老人の計らいなのだろう

男は喜びに打ち震えていた またも死闘が待ち構えているのだ
ありがとう 名も知らぬ赤揃えの老人 来年もいい子にしていよう

さぁ 敵よ来い 早く死闘と洒落込もうではないか
795 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 E.刀 [sage saga]:2015/12/17(木) 22:32:27.63 ID:cEhjvbK/O
>>794
「……ふむ」

久しく訪ねていないこの場所を、イリーは嫌ってはいなかった
本来は動禅の僧として無益な争いは慎むべきである
だが彼女の本質は、他者との競い合いの中で互いに全霊でぶつかり合い
そして技能を昇華させる事に悦びを感じるバトルマニアだ
越境の神だけが気紛れに運ぶこの地に降り立った時の精神の昂りを、イリーは自覚していた

「貴方か、相手は」
「……宜しく頼むよ、いい勝負にしよう」

握手を交わす様な気配を、彼は纏っていない
更に言えば言葉の遣り取りもだ
ならばこの刀の鋒での触れ合いこそ、百の言葉の遣り取りより雄弁に語るであろう

拳法着めいた衣服に身を包んだ黒猫の獣人
烏の翼色の長髪が揺れる、すらりと刀を、乞食白波を抜き放つ
大きく呼吸、全身を闘気のヴェールで包み込む

「……行くぞっ!!」

直進、加速的に駆け抜け彼我の距離を殺し狙うは喉元への刺突一閃!
796 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/17(木) 22:41:50.57 ID:6j2B8P/60
>>795
来た 今度は女だ この空間で幾度となく女が出てきたが このような場に現れるのだ みな須く剛の者だ
いい勝負をしよう そう告げる女に狂奔の笑みを向ける 決して好色の笑みではない イリーにも通ずるバトルマニアの笑みだ

しかし少々造形が人のそれと異なる きっとネコマタか何かなのだろうと勝手に解釈

ネコマタが駆ける その刀を抜き放ち 放つ突きは必殺の一撃

「ッ!!!!」
順手で構えた左手の鞘で刀の横っ腹を左から右へと叩く 表面の漆が 金箔が若干削られるがお構いなし

「 ハ ハァ!!!」
手首を返し 一歩踏み込みながら鞘を右から左へと薙ぎ払う
狙いは顔面鼻っ柱 横一線に打撃跡をつけてやろうという魂胆だ
797 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 E.刀 [sage saga]:2015/12/17(木) 22:52:11.51 ID:BOnIzVT8O
>>796
「っ……!」

彼の反応速度、イリーが想定した最大級のモノを上回るそれを持ってして刺突は否される
体がやや崩れた、よろめき感じるは怖気
全身の毛が逆立つより速く、咄嗟に強引なバックステップ
かつての人の、人間の体であれば不可能だったかもしれない挙動だ

「……あっぶな……!!」
「やる……っ!!」

ち、と鼻先を掠める鞘の先
空圧で裂けた皮膚から一筋滴る深紅
恨めしげな言葉と裏腹に頬は左右非対称に吊り上がるのを禁じ得ない
垂れた血の最初の一滴が地に落ちるより速く、再度踏み込み左膝蹴りを唸らせる
無論本命、右手の刀での横薙ぎに繋ぐための布石であった
798 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/17(木) 23:03:21.91 ID:6j2B8P/60
>>797
流石ネコマタ 身のこなしは猫の如く
その攻撃に吊り上がる口の端

嗚呼 同類だ 戦いに悦を求める同類だ
これは楽しいひと時になりそうだ・・・

ネコマタが再度駆ける 今度はさらなる一歩を踏み込んだ蹴り
だがその右手の刀が本命であることをすばやく見抜き 選んだ行動

それは膝蹴りをあえて受けることだった

「う゛っく゛!!!」
力を込めた腹に食い込む膝 メキリと骨がきしむがこの際無視

そして極近距離に持ち込んだことで ネコマタの刀の有効範囲の内に入り込んだ
更に自分の刀は逆手に握られている これが意味することは?

それは順手の刀の間合いの内で刀を振れることにある

肘を畳み体に密着させるように構え 体の回転によって ネコマタの胴に横薙ぎの一閃を放とうとする
799 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/17(木) 23:14:27.21 ID:aebFSX0so
【スプロール】

 広大なシティにおいては利権と利害のよる企業間の争いが絶えず、
 そしてシティの外では管理された戦争形態の名の下に、
 巨大な消費と需要を生み出す戦争という名のビジネスが形成されている。

【戦争が煌びやか叙事詩(サーガ)を纏っていたのは遥か昔。戦争は変わった】


 戦争状態指定地域B-202

 企業の尖兵たるPMCと独立自治を訴える亜人種民兵が戦闘状態にある区画。
 もちろん、戦っている民兵達は真に自由を得んとしているのだろうが、
 その志は冷たいビジネスに利用されるばかりといった状態である。

【生かさず、殺しすぎず、戦争状態は戦争レートとして、
 どれだけの需要を見込めるか算出され、経済活動へと組み込まれている】

「で、だ」

 葉巻を咥えながらショットガンの状態を確かめる男が一人。
 白髪の老兵…といっても差し支えない容貌だが、まだ40代だ。

「傭兵(ランナー)の俺が言うのもなんだが、この世界の戦争は冷たいな」

 粉塵が空気を漂う半分廃墟と化した街中。
 崩れかけた家屋でひとまずの一服を絵ながら、クルト・カントールはつぶやいた。
800 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 E.刀 [sage saga]:2015/12/17(木) 23:15:59.47 ID:BOnIzVT8O
>>798
「しまっ……!」

こう見えてイリーは、戦闘経験に富んでいる
数多くの修羅場を戦いそして生き抜いて来た
その中で自然と、敵の力量を推し量る術を身に付けていた
それは多くの場面で彼女を助けていたが、無論絶対のモノサシではない
この場面に於いてはそれは全くの裏目に出た
つまりイリーは彼を読み違えたのだ
彼の持つ戦闘勘を見縊ったと言ってもいい

「……ぐっ……!!」

くぐもった声が漏れる
鈴虫の刀はイリーの胴の、3割程に喰い込みそこで咄嗟に割り込ませた彼女の刀の柄に止められていた
密着から軸足一本で跳び退さり退避
湿った咳、痛烈の被斬
ふぅ、と短い呼吸で闘気の焔を傷口に集中させ治療を行う
だがその間を与えてくれる敵では無い事くらい分かっていた
ならば前に出るしかない

「……おォォォッッ!!」

咆哮で痛みを強引に退け、逆袈裟の軌道
だが途中で手首を捻り無理矢理に軌跡を変質させて弧を描き、鋒で抉る様に振り下ろす形での変則斬撃だ
801 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/17(木) 23:33:22.13 ID:6j2B8P/60
>>800
切られてなお柄を差し込む判断力 密着から距離を離す脚力 今宵の馳走も極上である

もっと切りたい
もっと切られたい

ありとあらゆる方法で腕比べをしたい

先ほど蹴られた腹が痛い
呼吸に音が混じる 骨がいかれたのだろう 生きをするたび激痛が走る

嗚呼・・・ここちいい・・・

その眼は快楽に歪み 口は狂喜に歪み 体は痛みに歪む どれが一番ゆがませているか 本人にもわからず ただ暗き悦びに打ち震えていた

三度ネコマタが駆ける 今度は刀の逆袈裟 それを回避しようとして 突如軌道が代わる このままでは直撃コース

「ッッッ!!!!!」
その刀身を 右腕にて受ける肉を切り裂き 骨を喰って 肉の半ばでようやっと止まる

そう 泊まってくれたのだ


「ッきぃ!!!!」
右手に持った刀が毀れる それを左手の鞘を棄て 咄嗟に掴む 順手に持ったその刀で

「ぇぇぇぇええええええええおおおおおおおおおお!!!!」
猿叫と共に ネコマタの体を下から上へ 切り上げる
802 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/17(木) 23:36:22.82 ID:nGN6uYZs0
>>799
――――恐らくはそちらも顔見知りであろう、少女の姿がそこにはあった。

その格好は闇に紛れる黒尽くめであって、黄緑の双眸だけが唯一その中で輝く。
そして彼女の両手には既に爪のついた籠手が装備されていて、いつであっても臨戦態勢たることが伺える。
本来は猫の耳や尻尾が生えているのだが、それも服の中にすっかり隠されていた。ぱっとみた容貌は、普通の人間と全く変わりない。

「……全くなのです。仕方ないところもあるかもしれないですけど」

名は、ニゲル・アールヴェント。彼女もまた、ランナーとしてスプロールで暗躍する存在。
たかが少女と侮るなかれ、彼女は闇夜の爪≠竄辯一陣の黒風≠ニいった二つ名を持つほどの腕前なのである。

――――兎も角、ニゲルはクルトに同行して、彼の側で息を潜めていた。
803 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 E.刀 [sage]:2015/12/17(木) 23:45:59.87 ID:BOnIzVT8O
>>801
「……!!」

ぞわり
全ての骨が凍てついた様な感覚
幾度味わったとて慣れはしない、死の刹那のか細い合間
実にスローに流れる時の中で、100%の死を99%にすべく足掻く事が赦されるのだ
しかしイリーにはその術の一切が浮かび上がらない、ただ焦燥だけが刻まれる
襲い来る斬撃を、従来の対処法に当てはめようと思考する事自体が愚策であると気が付くのはもう少し後だ

(自在の型の使い手には出逢って来たが……)

その中でも群を抜いて奇抜、そう評するのはそれが体を斬り裂く与えるほんの数瞬前

「……ぁがっ……!!」

……斬ッッッ!!!

高く舞う鮮血、ゆっくりと仰向けに斃れる体
数度指先が刀を握り直すがすぐに、その体はデジタル状に解体されて消える
804 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/17(木) 23:49:02.95 ID:aebFSX0so
>>802

 もっとも、この戦争ビジネスという形態は負の面ばかりではない。
 国家の威信の名の下に種の自滅に等しい無分別の破壊に突き進んだ若い時代は過ぎ去り、
 無能で卑劣な指揮官の胸のメダルのために生命を大量消費させられることもなくなった。
 管理と統制。悪い事ばかりではない。ただ、熱が否定された闘争は、とても冷たいのだ。

「GUOOOOOOOO!!」

 恐ろしい唸り声があがり、廃墟の外にズン!と重低音の地響きが鳴った。
 外には巨大なロボット兵器が一体。人口筋肉と鋼鉄に鎧われた二足歩行の化物だ。
 銃とコアユニットが装備された頭部に二脚の巨大な脚が生えているというチープな姿の死神。

【ロボット兵器の脚は血塗れだ。丸太の如き巨大な脚に踏みしめられたり、蹴りをくらえば、
 追加装甲トラックすらぐしゃぐしゃに拉げる。それがソフトターゲットである人間に襲い掛かればどうなるか。
 もはや論ずるまでもないだろう】

「死神のお通りだ。ヤツをなんとかしなければ民兵に多数の被害が出る」

 今回のクルトのミッションは正にこのロボット兵器の破壊だ。
 公式のPMC軍とは他に、民兵への協力というカタチでの別のPMC。そのオペレーター。
 スプロールのランナーとしては比較的ありふれたビズである。
805 :鈴虫>273 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/18(金) 00:00:31.35 ID:xXzcYrU40
>>803
膝蹴りを受けた腹は内出血でどす黒く染まり

右腕は僅かな肉でつながるのみでプラプラと垂れ下がり

呼吸は激痛を伴い
とめどなく流れる血潮

剛の者を切り捨てる感覚

そのすべてが 快楽だった

「・・・・・・・・」
言葉を忘れたかのように 呆け切った顔で解体されるネコマタを見やる

嗚呼・・・きもちいい・・・

―――――――――
【カノッサ支部 鈴虫の自室】

「!!!!!!!!!!!」
勢いよく布団を跳ね上げる まだ夜明けきらぬそら 時刻は 暁7つ 寅の刻

勝った 全身をむしばむ激痛も その手が切り裂いた感覚も覚えている

「・・・ッはは」
嗚呼 なんと素晴らしいことだろう また一つ剛の者を切り伏せた
どうせ朝までそう長くない あんな素敵な経験を夢で塗りつぶしてしまうのが惜しい

杖を掴み なりふり構わず廊下に駆けだす

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」
空気を残らず絞り出すかのような笑い声を挙げ 起きはじめる同僚をまたもなぎ倒して向かう先は訓練所

うるさいのが居なくなって 後退までもうひと眠りしようとした事務員の胸ぐら掴み 爛々と目を輝かせて叫ぶのだ

「早くしろ!! 切り殺すぞ!!」
事務員はまたも面食らいながらも 【鈴虫用】と銘打たれたスイッチを押し 戦闘ドローンを起動させる

そして先ほどのことを思い出す 鈴虫が突如やってくるのは初めてじゃないし これが最後なわけがないのだと

「キィエエエエエエエエエエエエエエエエエエぃ!!!!!!」
喧しい猿叫を聞き流しながら 嵐が過ぎ去るのを待つ事務員であった

//んでは〆で
806 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/18(金) 00:09:26.65 ID:bjr9iI5H0
>>804
「……!」
「なるほど、あれが目標なのですか……」

血に濡れた機械を一目見て――――瞬間、ニゲルの瞳が赤い輝きを宿す。
彼女の戦術を知るものならば、加速≠ェ始まる合図であることは分かるはずだ。

「そうですね、あのデカブツをこらしめてくるです。――――後方は任せたのですっ!」

猪突猛進。双つの流星を描いて、果敢にも彼女は凄まじい速度で鋼の死神に接近!間合いを詰めれば足元目掛けて跳び上がる!
常人がやればけたたましいこと請け合いであろうが、ニゲルの場合は非常に静か。素早く、忍び寄るように迫る。


「――――らぁぁ!」

――――そのまま右手を振り下ろして、鋭く研ぎ澄まされた籠手の爪を、その2本足の片方目掛けて喰らいつかせる!
猛烈な加速度に乗せられたその一撃を食らえば、例え強固な金属でも少なからずのダメージは免れられまい!
807 :イリー 黒髪の猫人 動禅魔導 右眼喪失 E.刀 [sage saga]:2015/12/18(金) 00:12:20.46 ID:Jqbgz8iPO
>>805
「……」

覚醒、薪木の爆ぜる音
見張りをしていたムガがのったりと扉をくぐってやって来た
放棄された木こり小屋での一晩を明かしている途中だったのだ

『交代……ふぁぁ、眠っ……』

ムガが黒覆面の下、欠伸を漏らす
その肩をむんずと掴み、外へと連行

「……少し付き合ってくれ、鍛練したい気分なんだ」
『はっ!? いや眠いっておい待てなんでいきなり離せってぇ!』

//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
808 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/18(金) 00:25:18.10 ID:q8HqIqvOo
>>806

「KIIIIIIII!!」

 ロボット兵器の動体センサーがニゲルの動きを捉える。
 瞬間、頭部に取り付けられたガトリングガンが回転をはじめ、
 即座に死の弾丸を矢継ぎ早に打ち出した!!

【唸る轟音と共に周囲のコンクリートや地面のアスファルトが紙の如く粉砕されていく】
【それは正に弾丸を浴びて蜂の巣というのをそのままに現出させたが如き弾雨である!】

 爪を浴びて、脚部の人口筋肉のいくつかが断裂する。
 真っ白な人口血液の据えた臭いが満ちるが、自動修復能力によりその傷はふさがる。
 ノーダメージというわけではないが、挙動にはまだまだ支障はない。

「OOOOONNN!!」

 その脚力を生かしてロボット兵器はおもむろにバックジャンプ。
 上方より、二門のガトリングガンを露出させ、ニゲルの姿をロックオン!

「チャフを撒く」

 物陰よりクルトがチャフグレネードを投擲。それはパン!という軽い音と共にはじけて、
 周囲にセンサー阻害マテリアルが混ざった金属片が舞う。

【ロボット兵器のセンサーにノイズが走る。命中精度の低下の判定】

 が、弾幕を形勢すれば多少の精度低下など問題にならないというロジックに従い、
 猛烈な弾雨はニゲルとその周囲に向かって一斉に吐き出された!!

【轟音と猛爆。砕けた粉塵と身体をたたく飛礫。弾丸に触れても拙いし、頭部や心臓を貫かれればそれでジ・エンドだ】
809 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/18(金) 00:47:52.74 ID:bjr9iI5H0
>>808
「……助かるです!――っ!」

チャフが撒かれ、一瞬であるが狙いが逸れた。その隙にニゲルは小柄な身体を活かして、機械の足元へと潜り込む!
銃口が上にあるのならば、ここになら届かないであろうという安直かつ合理的な考えのもとに。

勿論、凶器になり得る両脚には細心の注意を払って――であるが、ここで彼女は思いつきからとある手段に出た。
地面のアスファルトを蹴飛ばし、同時に懐から出したワイヤーフックを射出!これを上手く利用して、彼女は兵器の脚へとしがみ付く!


「これで――どうなのですっ!」

その張り付いた状態から、左腕と両脚で自身の体重を支えるようにして。
自由となったもう一方の腕を用い、爪による連続攻撃を叩き込む!一撃の威力はついさっきのそれより軽いが、尚それなりに高い破壊力を持つ!

ついでに、もう一方の脚による攻撃の誘発も彼女は狙っているのであった。
あわよくばバランスを崩させるか、それともその攻撃で脚同士をぶつけ合わせてダメージを狙うか。
810 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/18(金) 01:03:00.19 ID:q8HqIqvOo
>>809

 しがみ付いたニゲルに対し、ロボット兵器は飛び跳ね暴れる。
 これは死のロデオである。振り解かれ、強烈なストンプを喰らえばそれで終わりだ。

「KOOOOOOO!!」

 脚部のダメージが深刻なラインを越えていく。
 自己修復機能で誤魔化せる範囲にも当然限度があり、
 次々に断裂していく筋繊維をカヴァーできなくなりつつあるのだ。

「KOOOO!!」

 そして唸りと共にロボット兵器の戦闘ロジックが働き、
 ニゲルがしがみ付いた脚ごと壁に叩きつけるという結論に至った!
 ロボット兵器は脚を振りかぶり――BANG!銃声と共にグラリとバランスを崩す!!

「―――」

 周囲と気配を同化させたクルトの支援射撃である。
 破壊力重視のスラッグ弾(一粒弾)をロボット兵器が片足のみで自重を支える瞬間を狙って一斉射撃したのだ。
 ロボット兵器のセンサーが敵対象を探ろうと働くが、乱れたセンサーとクルト自身のスニーキング能力により、
 それはただ徒労に終わる。

【ロボット兵器がよろける。さらに戦闘思考リソースをクルトの走査に費やしたことも隙を助長する】
811 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/18(金) 01:22:46.14 ID:bjr9iI5H0
>>810
「ぐっ……!!」

振るわれる脚。目の前に迫る壁。このままでは一瞬で挽肉と化すことは不可避――――

――――であったが、何と幸いにもクルトの支援が入った。
バランスを崩すロボット。素早くを手を離して、転げ落ちるように離脱!ぐちゃぐちゃになることは免れた!

「っ、危なかったのです……!」

かなり無理のある着地であった故、幾らニゲルであっても身体の彼方此方が軋むが。
――しかし彼女は止まらない。この程度のダメージなら、もうとっくに慣れてしまったから。

再び地面を蹴って、態勢が低くなることによって狙いやすくなった胴部分へと飛びかかり――――


「るぁぁァァ――――ッッ!!」

――――瞬間、加速≠発動!
双眸の光が放物線を描くと共に、加速された刺突の一撃が頭部を砕かんばかりに放たれる――――!!
812 :クルト・カントール【深紅の篭手】>>450 [saga]:2015/12/18(金) 01:31:05.31 ID:q8HqIqvOo
>>811

 弱点の頭部を曝け出したロボット兵器は、
 その主要ユニットを加速された刺突により貫かれ、
 物悲しい呻きと共に沈黙。その身を横たえた。

「終わったな」

 ニゲルの横手の瓦礫より声、気配の同化を解くと、
 輪郭を取り戻したクルトのシルエットがスクと身を起こす。
 ステルス迷彩などのハイテクではなく、ローテクに属する技能ではあるが、
 ロボットのセンサーにも有効な欺瞞技術であった。

「依頼は達成だ。民兵が布陣を立て直す時間はこれで稼げるだろう」

 そして、この戦争のバランスも持ち直すだろう。とは言わなかった。
 それを制御するのも思案するのも、より上のレイヤーの意志の仕事であろうから。

「民兵連中からチリビーンズの缶詰を貰った。オーガニックだ。豪勢なメシになりそうだな」

 そうして、このビズはひとまずの幕を下ろすのだ。

//では、サヨナラ!爆発四散!
813 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/18(金) 23:09:42.09 ID:xXzcYrU40
【止まり木同盟の宿】
どんなに悲しいことが起きようと どんなにうれしいことが起きようと
世界はその歩みを止めず 太陽は素知らぬ顔で登り続ける

朝が訪れる

―――ピピピピピピピピピピピ・・・
「んん・・・・・んぅ…」

スマホのアラームが鳴り響き ソファの上で毛布にくるまっていた男がもぞもぞと動き出す

―――ギィ!!
「わかった・・・わかったから待って・・・」

一足先に毛布から出てきたサソリのベティは 早く起きろとせかすようにハサミを振り上げる
にょっきりと腕がスマホを捉え アラームを止める

続いて毛布から出てきたのは流浪のアーティストのアキレスである

―――ギィ!!
起き上がったアキレスのズボンの裾を引っ張り おなかがすいたとアピールする
そしてアキレスはベティを連れてキッチンに向かう まずは朝食を作らねばならない

今日はそんな一幕である
814 :ニュクス [sage saga]:2015/12/18(金) 23:29:06.21 ID:c+gZKzoBo
>>813
「んーうぅ………」

アキレスらの生活音を聞いて間も無く、ようやくベッドを占領していた主が現れた。
浅黒い肌に黒い髪、紅い瞳のイムカによく似た少女、ぶかぶかのパーカー一枚という寒々しい格好の彼女は皆からはニュクスと呼ばれている。
むくりと起き上がり、鼻孔を擽る香りに釣られ、寝ぼけ眼を擦りながらアキレスの方へふらつきながら歩いてゆく。
ぺたりぺたりと裸足の足音。

「…あれ…まま…じゃない、ジョシュアは…?」
「……ここ、どこ?」
「………わすれた」

そしてふとその道中である人物の不在に気が付くニュクス。
いつもガミガミうるさく、いつもニュクスの身の回りの世話をし、いつもニュクスと眠ってくれるジョシュアの影が見当たらない。
それどころか最後に見た記憶と部屋の構造が一致しない。知らない家具に、壁紙に、振り返ればベッドも。

「…あれ?アキレスだ……」

アキレスを発見すれば少しだけ流暢になった共通語でオッスと片手を挙げてごあいさつ。
気の抜けた喋り方はイムカの天然っぷりが遺伝したのだろうか、無気力な表情も相まって非常に気だるげだ。

その実はジョシュアが所要の為にアキレスに少しだけ預ける、と。
すぐに迎えの者が来るとジョシュアは言っていたが、結局一晩経っても誰もアキレスを訪ねることはしなかった。
815 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/18(金) 23:31:56.90 ID:q8HqIqvOo

「スースー…」

 遺伝種子が齎す不眠器官により数日間は眠らずに活動できるとはいえ、
 やはり数日に一度の眠りは必要とするのは当然。
 ゆえに常の隙の無さが嘘のように眠っているわけで。

【のっそりとアキレス君が這い出たソファの側で丸々ベットを独占してぐーぐー】

 長い金糸の髪が伏せるベットは黄金色。
 険の取れた寝顔はとてもこれが200歳オーバーとは思うまい。
 なお、ワイシャツにショーツという格好で眠っているため妙にアレだアレ。
 そのバストは豊満であった。

≪≫

 なお、忠実なる従者たるサーボスカルはベティの頭の上にヌタっとしたままスリープモード。
816 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/18(金) 23:45:47.64 ID:xXzcYrU40
>>815
「・・・・ん?」
なんとアキレス君 そんな男子垂涎のシチュエーションを堪能する前にキッチンに向かってしまったのだ
どうせイムカから重大ミッションを言い渡されていますし どうせ何かできる度胸なんて持ち合わせていませんがね

―――ギィ!!
そしてベティは頭の上のサーボスカルを邪魔臭そうにしている
尻尾でスカルの後頭部をつついてみるテスト

そしてイムカの鼻孔には 何か甘いものの匂いがするだろう

それをおいしい匂いとは思わないだろうが 少なくても匂いにまで鈍感なわけないでしょうしね(チラッ

>>814
「おっすー ジョッシュの野郎まだ帰ってきてないでヤンの 困ったもんだね」
キッチンに向かう途中で 起き上がったニュクスに挨拶する

「今朝飯作るからちょっと待ってな 大丈夫エネルギーグリスは出てこないから」
そう言ってキッチンへ


>>全員対象
黄金色に焼けたパンケーキ 付け合わせの蜂蜜やらメープルシロップやらが並んでいる
それとベーコンエッグ オレンジジュースやコーヒー ミルクもセッティング完了 ついでにシリアルも用意しました

最後にフルーツも用意し 準備万端

「おういえ この上ない朝飯だ ニュクス イムカタンを起こしてくるミッションを与える
 可及的速やかにイムカタンをテーブルにつかせるのDA!!」
少々おどけた様子でニュクスをけしかけましょう
817 :ニュクス [sage saga]:2015/12/18(金) 23:57:20.02 ID:c+gZKzoBo
>>816
「…ジョシュアは…なんだろう…何か…ヘンな…」
「ヘンなことしてる!」

アキレスの言葉からジョシュアがどこかに行ってしまったのだと察知。
グリードが統率的行動を執ってボストンを襲った時のように、ニュクスもある程度ジョシュアのことは分かる。
眼を瞑って暫くジョシュアの影を追った後、ジョシュアの近況を”的確”に伝えた。

「ぱんけーき……!」
「…た、たべてもいい…?たべてmわかった!」

相変わらずの無表情だがその目は見るからに爛々と輝いている。
両の掌を胸の前でぎゅっと握り締め、アキレスとハチミツきらめくパンケーキを交互に見やり、
アキレスからオーダーが発令されると同時にひどく喰い気味に返事をしてイムカの元へと飛んで行った。

>>815
「ねーまま、おきてー…あさだよ…」

イムカの肩に手を掛けてゆさゆさ。金糸の髪がつられて揺れる。
が、当のイムカには起きる気配がない。

「あさだよ…」
「………」

もう一度ゆさゆさ。やはり起きる気配はない。無表情のまま遺憾の意を表すジト目のニュクス。
少し考えたのちにニュクスは別のベクトルでイムカを起こすことにしたようだ。

「………えい」

でろり、と手を液化させイムカのに垂らして覆う。濡れた布を顔に被せるのと同じ要領である。
紅い光をぶぉんぶぉん放つ真っ黒スライムが政治将校の顔を覆う光景は非常にシュールかつスプラッタ。
818 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/19(土) 00:07:47.89 ID:rXxz7Iexo
>>816

 この一点を鑑みてもアキレス君がどうしようもなくヘタレであることに疑念の余地はありますまい。
 なんたる健全という名の倫理に乗っ取った立派な行いか()。

≪――0001110101≫

 尻尾で頭蓋骨をツンツンされて機械言語を発しながら目覚めるサーボスカル。
 反重力ユニットが目覚め、ふわりと宙に浮かぶ。

≪00111010101≫

 そしてバグっているためか、非効率的行動。
 なんか、アキレスの隣で、コック帽を被って、ポテトサラダをつくったりしてた。
 マニュピレイターをうにょーんと伸ばして料理する姿は超シュール。

≪000111010101≫

【そして、いそいそと、パンケーキの上にマヨネーズをかける準備を行う】

>>817

「―――」

 瞬間的にイムカの腕が動き、枕に隠してあった銃を引き抜こうとして…止めた。
 ぱちくりと、紫色の瞳が開き、上体をむくっと起こす。

「…ニュクス。私は剣呑な女なんだ。あまり変な起こし方をされると酷いことになるぞ?」

 当然ながらこのような無礼な真似には当然の仕置きが必要となる。
 懲罰ないしは略式処刑ですら許されるであろうが、子供のやることなので罪一等を減じて、

【ニュクスのほっぺを両手でうにょーんと伸ばすという刑罰を政治将校として行う。世の中は厳しいのだ】

「いい香りだ。(>>816)アキレス、朝食の準備はできているな?」

 そして当然の如く、山よりも高い尊大さでさも当然の如くアキレスを小間使い扱いのイムカである。
 エリートゆえ、こういった態度は極当たり前なのだからアレだアレ。
819 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 00:18:18.72 ID:Vk02+9XK0
>>817
「そっかー 子供置いてヘンなことしてるジョッシュは後で昼寝中に額へ肉の刑だな」
しかも油性

「まだ食べてはいけませんー こういうのはちゃんとみんなが揃ってから食べないといけませんー というわけでGOニュクス 風の如く!!」
某弁護士みたいに指を突き付け ニュクスを出動させた

>>818
「ゴフッ…!!」
何か変なデムパを受信したようで 地味に精神ダメージを受けるアキレス君

スカルが時たま変な行動をするのはいつものことなので気にせず自分のミッションをこなしていましたが

「はーいそれはNGでーす」
パンケーキを台無しにする輩に慈悲は無い まだ洗ってない 余熱が残っているフライパンでスパコーンとスカルをホームランしようとする

「イエスマム!! カロリーブロックもエネルギーグリスもサプリメントもない全うな亜sメシができましたであります」
尊大イムカに悪乗りする形で敬礼なんぞやってみるテスト

「とりあえず飯にしましょう ニュクスが止まりそうにないですし」
―――ギィ!!

先ほどからベティがハサミを振り上げ続けている

「いい加減ベティの我慢も限界です」

全員席に着いたらいただきますの号令と共に食事が開始される
820 :ニュクス [sage saga]:2015/12/19(土) 00:25:39.91 ID:GpLF+V49o
>>818
「うぎぅぐぐぅゆ…おえんあひゃい…」

余り難しい単語は分からない。が、なんとなく怒られていることは分かる。
ニュクスのほっぺは良く伸びる。そしてそれをイムカに引き延ばされれば声にならない声を上げて素直に謝罪した。

同時に、ニュクスの肌が透き通るような白磁に、髪は金糸、瞳はアメジストの輝きに代わった。
出会った時からの癖だ。愛情表現、媚びを売るとき、もしくはイムカに怒られしょんぼりしている時などによくニュクスは彼女に”擬態”するのだ。
姿形を自在に操れるベルゼブブならではのそういった愛情表現のカタチ…なのかもしれない。

>>819
「アキレスっ…ぱんけーき…!」

忠実に任務を遂行し、イムカを引っ張ってやってきたニュクスは誰よりも先に食卓に着く。
ナイフとフォークを握って待ちきれない様子で脚をブラブラ、仕事の後の至福のひととき。実に心地良い。

「んっ…んむぅぅ…〜〜〜〜っ…♪」

ベティの隣、いただきますの号令と共にナイフでパンケーキを切り分け口へ運ぶ。
口の中に広がるはちみつとバター、そして卵のいい香り。ふんわり甘みが口の中へと広がれば嬉しそうにじたばたと脚を暴れさせる。
もしもサーボスカルによる破壊工作が成功してしまっていたのならば、今日一日は布団に籠って泣きっぱなしであっただろう。
821 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 00:37:43.84 ID:Vk02+9XK0
>>820
ピッとリモコンを弄れば この世界のニュースがテレビに出てくる
今日は雲一つない快晴 洗濯物日和だそうだ

822 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/19(土) 00:39:42.54 ID:rXxz7Iexo
>>819

≪00001110111≫

 カキーンとホームランを浴びて部屋中を跳ね回るスカル。
 スーパーボールのような弾力性も反発性も皆無のはずだがフシギ!

【この辺でイムカは目覚めて、シャツの前を留めて、チノパンツを履く】
【顔も洗う。この間、ベティは待たせる。無慈悲である】

「君の言い回しはいちいち大仰に過ぎるな。
 効率の一点ならばエネルギーグリスに勝るものはない」

 が、とりあえずは価値観の相違を朝に持ち出すのも無粋なため、
 大人しく席に着く。なお、化粧っ気はゼロの癖に顔立ちの均整は完璧であった。ある意味ズルい。

>>820

「まったく、あの二等兵はどんな教育をしているのだろうな」

 嘆息をつきながら、パッと、ホッペから手を離すと、
 次は両手で挟むようにむにゅっとした。これは仕置きではなく、なんとなくである。

「必要以上に自分のカタチを崩すな。精神は肉体に引っ張られるものだ。
 少なくとも己を確立できるまでは、多用は控えておけ」

 リポンを二つ取り出して、金色に染まったニュクスの髪をツインで束ねた。
 何故かリボンの結い方が妙に凝っているのはお約束。機械のように手際がいいのだ。

≪000011111010101≫
「…さて、な。私は介入する余地はないが」

 もしかしたら知己を二人同時に失うことになるか?とは言わなかった。
 この時のサーボスカルとイムカの会話についてはあえて語るまい。
 そして、何故、今、ここでニュクスと共にいたか、ということも、だ。
823 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 00:40:00.14 ID:Vk02+9XK0
//途中送信

そしてアキレスはキウイを2つに割ってスプーンで中身を食べている

「しかしジョッシュのヤツ遅いなぁ どこで道草食ってんだ?」
もしかしたら本当にカロリー不足で道草を齧っていることになってそうで怖い

「ニュクス〜 急いで食べるとお口の周りが悲惨なことになってるぞ〜」
ティッシュを一枚抜いてニュクスの口を拭おうとするだろう
824 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 00:46:17.90 ID:Vk02+9XK0
>>822
「ですがニュクスが好んで食べないという一点においては エネルギーグリスの汚点であると思われます」
実際すごく嫌そうな顔しかしませんし

―――ギィ!!
もはや涙目になっているベティを他所に着替えを済ませるイムカ
なんだかんだで待っているベティはいい子です

そしてそんな着替えを覗かないアキレスもいい子()です

「しっかしイムカタンがママになる日が来るとは思わなかったな イムカタンがどう思ってるか知らないけれど はた目から見たら完全にママだもん」
ニュクスの髪の毛を束ねている様を見る これがママでなければ何をママというのだろう?

「ほらイムカタンも食べようぜ たまにはゆっくりとした飯もいいもんだよ」
―――ギィ♪

キウイを食べ続けるアキレスと ベーコンエッグに舌鼓のベティである
825 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/19(土) 01:02:13.13 ID:rXxz7Iexo
>>824

「全く度し難いな」

 非常に端的な言葉である。大概イムカの味への無関心さも筋金入りである。
 一応、価値観としては特異という自覚がある分、まだマシではあるのだが。

≪000111010101≫

 この間、サーボスカルはベーコンエッグに「べてぃ」とケチャップでラクガキしたりと、
 アキレスの真似もかくやなアートに余念がないご様子。

「ママ?母親代わりか?馬鹿なことを言うな。私に人の親など務まらぬしその資格もない。
 人間性も磨耗して久しい。ニュクスも慕う相手を間違えていることにそのうち気付くさ」

 起きてから早くも何回目?かという溜め息をつきながら、
 とりあえず、ゆっくりとしたメシとやらを行うイムカ。

【肉と野菜を食し、コーヒーを飲み、パンケーキを切り分け口に放り込む】
【終始、無表情。ただ、食物を口に入れて、ただ、腹を満たし、何の感慨も無いといった様子】

 なんという食べさせ甲斐が皆無な相手であろうか!

「…二等兵は用事だ。本人にとっては重要な、余所にとっては不毛な、な。
 どういう風に転んでも、一つの決着は見るだろうさ。いい方向に転べがよいがな」

 ちょっとしたニュアンスであるが、二等兵と連呼しているイムカ。
 こういう時は大抵、ジョシュアに対して不機嫌であることが多い。

【ニュースは特に関心も持てなかったので、なんとなく、テーブルの側におきっぱなアキレスのラジオの電源を入れる】
【騒々しいアホな因果律番組でもやっていないだろうか】
826 :ニュクス [sage saga]:2015/12/19(土) 01:05:40.85 ID:GpLF+V49o
>>822
「…うゅ」
「…………」

弾力のある頬は手を離されるとぷるんと元に戻り、ニュクスはようやくといった表情でほっぺたをさする。
しかし手を離したその瞬間に再びイムカの魔の手に、今度は押しつぶされ、間の抜けた声を上げる。

イムカの咎めについては何も語ろうとしなかった。事実であるがゆえに、耳が痛いのだろう。
自分が何よりも流されやすく、移り変わりやすいことは彼女が一番よく知っていた。

ニュクスがどのように育つかは周囲の環境、師からの教訓、そして知識と経験に基づいて大いに変化する。
それはヒトの比ではなく、明るく快活な少女から自我を完全に統制された兵器にまで、好きに作り替える事が可能だということである。

「へくさのひとたちがねー?いろんなむすびかたおしえてくれるんだよー?」

イムカに髪を結われながら、ニュクスは自慢げに語る。
触られるのは嫌いではないし、何より悪の組織らしい見た目の割にHEXAの隊員は意外と気前がいい。
ジョシュアの同僚のラヴレスや、司令官のオメガによって可愛がられているようだった。

>>823
「ん…っ…ありがとー…」
「………ジョシュアは…ここにはいないよ」

「とおいばしょにいこうとしてる…」
「だれかを…さがしてる」

アキレスに口を拭かれる、目を細めて甘えるかのようにそれを享受する。
そして彼の口からぽろりと漏れた、誰へともなく漏らされた問いかけにニュクスもまたおぼろげに答える。
が、核心が語られる前にそれは唐突に響いたノックの音でかき消された。

『………失礼、HEXAの者だ…ニュクスはここかな?』
『…まったくジョシュア君には呆れてモノも言えない…ニュクスの外泊許可証も持たずに…彼女を置いて何処へ行ったというのか…』

ドアを開けると、そこに佇んでいたのは”ドクトール”と名乗る初老のやつれた男性。白衣に身を包んだ黒縁メガネのいかにも博士といった佇まいだ。
彼はHEXA研究開発部の中核を為す人物であり、またニュクスの保護観察主任を兼任しているので、二人は面識があったりするのかもしれない。
どうやらジョシュアは正式な手続きを行わずにニュクスを預けたらしい。即ちHEXAに知られたくないような行動を取っているということの裏付けでもあり…
この話の続きはまた別の世界、自由世界リベルタスで語られることになるのだった。

//今日は明日に備えてこれくらいでノシ。ありがとーございましたん
827 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 01:17:22.28 ID:Vk02+9XK0
>>825
「うんうんソウダネー ママのシカクナイネー」
言葉では同意しているが その表情は実にいい笑顔だ
ニュクスの髪に香油を塗ったり 歌を唄ってあげたり 手をつないで買い物したりと なんともほほえましい光景をたくさん見てきたのだから

「あぁえと ジョッシュは怪我しても死なない体質だから大丈夫だよきっと」
不機嫌モードに突入したイムカを冷汗たらしながらなだめるアキレスであったとさ

そしてイムカがラジオを弄る 少しチューニングを弄れば

“この世の果てから君にお送りするゲリラ放送・・・ワイ・2・レディオオオオォォォォォォ!!!!”
早速 イムカご要望のラジオ放送が流れ始める

“今日のニュースは遠い遠い未来からお送りするぜ”
“○○広場にて 偉大なる皇帝閣下を侮辱する発言をした男が10秒後に頭を狙撃され死亡する事案が発生したぜ”
“これについて慰安維持部隊の司令官は記者会見を開き 隊員の著しい実力不足に激しい怒りをぶちまけたらしい”
“なんでも『閣下を貶める者を1秒以内に始末できないとは何たる怠慢か』 近く全隊員に再教育訓練を施すんだとよ”
“全くご苦労なこったな 次のニュースは・・・”

「すごいね未来って」
そんな一大ニュースを聞いても この男にはピンと着てない様子

>>826
「探し人? 一体誰を・・・」
そう問いかけたところで突然の来客 続きはまた今度聞くことになるだろう

//お疲れ様
828 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/19(土) 01:32:40.58 ID:rXxz7Iexo
>>827

「当然だな。10秒だと?論外極まる」

 ドン引きのアキレスを余所にイムカはコクコクと頷く。
 イムカにして見れば当人の狙撃で済めばまだ慈悲深いのだ。

「下手に生きながらえさせて異端審問庁(インクィジション)に介入されれば、
 親族、知人まで火刑にされかねん。さっさと始末するのが当人のためだ」

 人命という資源がどれだけ乱雑に扱われているかが垣間見える瞬間である。
 同時に信仰という名の狂気も、だ。

【終焉の遠未来。おぞましい内憂外患を抱えた人間社会は生存のために迷信深さと圧政を必要とする】

「アキレス、ところでベティの脱皮の時期と殻の色についての因果から赤色なのは存外レアな…」

 そうして、何ともあわただしい朝食は続くのであった。ちゃんちゃん

//ではおいどんもこのヘンデーノシ
829 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 22:20:27.73 ID:Vk02+9XK0
【とあるファンタジーな世界】
越境者同士は引かれ合う この世の真理である

とある田舎臭い世界で再開した一行であるが問題が一つ それはこの世界の通貨を碌に持ち合わせていないということだ
なので取り急ぎ仕事をこなし 路銀を手に入れることにした たいていの場合越境者というのは戦う術を持っていて 鉄火場で金を稼ぐのが通例となっていたのだが・・・・・

「まさか近場で腕っぷしを使う仕事がこんなもんだったとはなぁ・・・」
―――ギィ!!

なんとこの辺では大きな戦もなければ モンスターによる被害も起きていない とっても平和な地域であったのだ
それでも何とか手に入れた仕事 それは牧畜の手伝いなのだ

ノンビリと草を食む牛たちの後ろでスコップ片手に排泄物を片付けているアキレス
他の越境者も家畜相手に奉仕活動を行っていることだろう

今日はそんなひと時
830 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/19(土) 22:34:25.06 ID:UpQItiGl0
>>829
なーんでこんなところで牛のクソを片付けてるんだろうな
賭場の一つも無さそうだな。アーミッシュの群れかここは?
[モウンと鳴く、至って普通の牛を尻目にブツブツ文句を垂れながらスコップで掬った排泄物を雑に放るソーマ]
[いつものよれよれの汚いコートは脱がれ、動きやすい格好をしている]
こんな牛は久々に見た気がする。体が斑模様だ、茶色もいる

[家畜達を囲う柵に寄りかかり、懐から潰れかけた煙草を取り出して一服すると、首を鳴らしてアキレスに声をかける]
そっちはどうだ大将よ?本物の方のクソの世話は済んだか?
ベッドで寝れるだけの金は入りそうか?これで馬小屋にでも泊められたらこの地を地図から消してやる
831 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 22:45:14.92 ID:Vk02+9XK0
>>830
「近場でッ!! これぐらいしかッ!! 仕事がないからさッ!!」
山盛り排泄物を片付けながらソーマタージに応える

「賭場ねぇ・・・あると思う?」
360度 広大な牧場であり 文明の類が小屋の中にしかなさそうだ

「あぁ 今終わった 今度は牛さんたちにご飯を上げる仕事だ
 寝床と飯は心配しなくていいってよ 雇主が使ってない使用人部屋を使えるようにしてくれるってさ」

顎で指し示した先には 古ぼけたマットレスを天日干ししてくれている雇主の奥方の姿が!!

「なお相部屋の模様」
ということでソーマタージにタスク更新のお知らせ 干し草をもってきて牛さんたちに食べさせよう
干し草は大量に必要なのでパワーが必要だぞ★ミ

「がんばってねー」
なお アキレス君はアキレス君で牛さんのベッドメイキングがあるので手伝ってくれない模様
832 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/19(土) 23:05:28.32 ID:UpQItiGl0
>>831
いっそ近くで戦争でも起こしてくるか?偉い人殺せばいいだろ
それで傭兵として適度に暴れまわって……虚しくなってきた
まあいい。これからは大都会に来れるように祈るか
[電気どころか村娘もロクにいなさそうだ。とボヤいて煙草を捨てると、嘗ての習慣で腰を軽く叩き、柵から離れる]
相部屋か…変なこと出来ねえじゃねえか

それで、今度はこの草を運べと?
[大きな溜め息をつき、持てるだけの束を担ぐとえっちらおっちらと歩き出す]
[最初の内は余裕の表情だったが、何周もするごとに内蔵バッテリーの電気が浪費されていき、次第にペースが遅くなる]
…昔、なんたらって大臣がよ……「飯が無いなら、干し草でも食え」…って言ってな……
革命の…時に、口の中に、草を詰め込まれて…殺されたそうだ…。今の俺ならもっと…ひどいこと出来ると…思うぜ
[忌々しげに最後の干し草の束を睨み、牛たちに与えると、数歩歩いて倒れてしまった]
833 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 23:18:57.66 ID:Vk02+9XK0
>>832
「やめてよごはんと寝る場所無くなっちゃうじゃん」
鉄火場ができても宿がないので結局野宿になってしまうのだ

「それはこっちのセリフだっての」
―――ギィ?

「ベティは知らなくていいの?」
ベティが変なことって何?と言わんばかりに疑問符を浮かべている

そして重い重い干し草運びが始まりました
アキレスもデモンアームを使ってえっちらおっちら干し草を運んでいましたが

「ソーマ・・・干し草って甘いらしいぜ・・・多分その大臣も・・・糖分補給という点では・・・間違ってなかったんじゃないかなぁ・・・」
ギュルルルルルル・・・・と腹の虫を鳴らしながらひぃこら仕事をこなす

そしてソーマタージが倒れたところで フライパンをお玉で叩く音が響く

「おいソーマ・・・飯だ 飯だってよ・・・ホラ起きろ・・・」
息も絶え絶えにソーマへ近づき ゆっさゆっさと揺さぶって起こそうとする
834 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/19(土) 23:26:00.54 ID:UpQItiGl0
>>833
もし俺が村の方へ行って、何か大きな物を血塗れになって抱えてきても決して騒がないでほしい
タイガーがウサギを捕まえるのと同じことなのだ

脚のサイバネ義肢が金属疲労で砕けて筋肉を潰した。全治49年の怪我だからほっといて飯だけ持ってきて
[うつ伏せのままうめく様に駄々をこねるソーマタージ]
[動きたくねえよという意思が駄々漏れだ]
835 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/19(土) 23:36:38.40 ID:Vk02+9XK0
>>834
「ベティ」
―――ギィ★

仕方がないなぁとベティ出動 ベティはソーマタージのおケツに尻尾の針をプスッと突き刺した
これぞまさにラブ★注入 というやつだ

「ほれ さっさと行くぞ」


今日は小春日和の暖かな陽気なので 外にテーブルを出しての食事です
ひき肉を惜しげもなく使ったボロネーゼとサラダ そしてワインが登場しました

「さぁ食べるぞ!!」
―――ギィ♪

フォーク片手にウキウキのアキレスと さっそくパンに舌鼓を打つベティ

なお 牛舎まで飯を持っていくことはしませんので 動かなければそのまま飯は無しということになってしまうので悪しからず

「ん〜 このワイン最高だぜ★」
願うな 勝ち取れ さすれば与えられん
836 :アルフレッド一世 ◆5zZ3tZE7js [sage]:2015/12/19(土) 23:41:46.55 ID:rNNR4opA0
豊かなる草原。のどかな牧場。その陰で苦痛にさいなまれる労働者たち。
そんな平和あふれる(?)世界に、一人の厄介者が現れる。
越境の雷鳴を轟かせ、越境者が今、この世界に現れた。

「此処が次なる世界であるか。善哉、なかなかに豊かなる国とみえる」

それは空中から現れた。
見るも絢爛な黄金の、空を飛ぶ馬車。ギラギラと太陽光を反射するそれは、まるで空に第二の太陽が現れたかのようだ。
下で働くあわれな労働者の一人は、その姿に見覚えがあるだろう。
彼は、大変な厄介者であると。

「農夫たちが自然を感じつつ、休息に興じているではないか。さぞやすばらしい治安の国なのであろう!」

四輪荷車で下を覗き込みながら、愉快そうに笑う人影。下の二人にとってその様子は、渇望した黄金の塊が空を飛んで浮いているといった状況。まさしくカモネギと言った具合だが、果たして。
837 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/19(土) 23:58:56.14 ID:UpQItiGl0
>>835
俺エナジー減ってんだよ。バッテリー持ってこ…グワーッ!


[渋々脚を引きずる様にして食卓についたソーマ]
オイ、まだ痛むぞ。毒は流し込んでねえだろうな
[ケツが二つに割れてんじゃねえか。と怒鳴って尻を擦りながらワインの瓶を手に取り、喉に中身を流し込む]
[目の前の食べ物が無くなるほど食った頃には、なんとか動ける程度には回復していた]
いっそ、この村の連中に水車でも作らせるか。いいアイデアだろ?

>>836
[大きく息を吐いてふと空に目をやれば、黄金の空飛ぶ荷車が視界に入る]
おいアキレス、カモだ。とりあえず殺ってあのイカす車を回収だ
[刀を抜いて椅子の上に立ち、構え……ようとしたソーマ]
[体を少し動かすのが精一杯の電力ではロクなことは出来ず、そのまま仰向けに転げ落ちてしまう]
ブッダファック……嫌味か畜生…
[大の字に倒れたまま、首を僅かに動かして荷車の持ち主の意図を探る]
838 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 00:14:12.13 ID:1d1xn5710
>>836
先ほどまで快晴の空模様だったのに 突如暗雲立ち込め稲光と共に現れたのは

「 で た よ 」
心底嫌そうな顔をする いつぞやの金ぴか大王のお出ました

そして愉快そうに素晴らしい治安の国と言っていた下界は アルフレッドの登場により慌てふためく家畜やら農家やらでしっちゃかめっちゃかの様子となっている

>>837
「こんな世界にバッテリーなんt・・・あ そういえばあったわ」
と言ってリュックから取り出したのは緊急用の手回し充電がついた携帯ラジオである

「プラグ刺す穴があれば充電してあげるよ どこに刺す?」
もしかして;おケツ?

「だがここ以外のどこに町があるか分からないし 金ができても農家たちは人手の方が欲しいらしいので この場においては金より人のほうが価値があるという罠」
実際従業員だからこそ農家は寝床を整えてくれているらしかった

「そして辺りは天変地異のおかげでしっちゃかめっちゃか これどうするよ?」
辺りを駆け回る農家 パニックを起こして柵を壊し 走り回る牛たち

嗚呼なんたるカオスか
839 :アルフレッド一世 ◆5zZ3tZE7js [sage saga]:2015/12/20(日) 00:28:34.28 ID:agzDHo7i0
>>837>>838
彼は下からの力の気配に反応し、その方向へ目を凝らす。

「…む!」

するとその視界に不意に入って来たのは、以前スカウトした家臣候補:アキレスの姿である。

「農夫かと思えば、そなたかアキレスよ!そしてその御者よ!」

発見するや否や、ついでにソーマタージをアキレスの家臣呼ばわりしつつ、猛スピードで下界に降りる。
越境光を纏いながらテーブルの近くに焼け焦げた車輪の痕を残し、さっそうと馬車より飛び降りる。黄金馬車は、自動的にどこかへ走り去って行ってしまった。
中から出てきたのは、豊かな草原には似ても似つかぬ豪華絢爛たる姿である。その姿は普段とまったく変わらぬ、整然とした貴族的気品に満ち溢れている。同時に胡散臭さにも満ち溢れている。

彼は彼等に近寄るや否や、少しばかりの違和感を察知したようだ。
かなりの疲労の色が見えたのだ。そしてげんなりとした不満感。
大半が自分のせいだなどとは夢にも思わぬ彼は、普段通り自分勝手な理由をつけて納得する。

「ふむ、農夫かと思えば農奴の類であったか……よく見れば、国も荒れておる。外面だけでは、計れぬものもあるということか……」

彼は哀しげな目を暴れる牛に向ける。
そのあまりに傲岸な態度は、見ている側からすれば殴りたくなる事請け合いだ。

「……して、だ。何ゆえ農奴へと転職したのだ?アキレスよ。」

しばらくすれば越境光は消え、暗雲も消え去る。後に残されたのは、怪訝な顔をする輝く黄金の塊が一人。
大地に杖をつきながら、彼は落ち着いた様子でそう訊くのであった。

840 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 00:45:41.18 ID:1d1xn5710
>>839
「・・・・・」
なんか急に降りてきたと思ったら いつものように豪華絢爛衣装で尊大なことを言いやがります

「あぁえと 閣下・・・突然空から現れるのは下々が大変驚きますゆえ お控えになられた方がよろしいかと思われます」
農家がパニック状態の家畜を追いかけ回す中 アキレスはアルフレッドにやんわりとした注意勧告 どうせ声を荒げても効果がなさそうですし

「一晩の宿と暖かい食事を頂くための対価が故の労働です 農家は金ではなく人の手を所望しているので こうして農夫をやっていました それで食事を頂いているときに閣下が出てきた所存でして」
怪訝な顔をするアルフレッドに状況説明

「故にこの場で金を出しても効果が薄いようです」

なんということか この場での金の価値はかなり低いようだ
841 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/20(日) 00:47:25.78 ID:gQvJd2BY0
>>838
携帯ラジオ?…まあこの際いいか。壊していいか?その方が良く吸収出来るんだ

金より人手のが必要か。ある意味では理想郷かもな
ますますテックの力を根付かせたくなるな。数世紀先まで残る像でも建てよう
[寝ながら軽口を叩いているところで脚の上にテーブルを倒され、逃げ回る農民に頭を蹴られ、家畜に左手を踏まれる]
[その都度律儀に「グワーッ!」とノイズ混じりの悲鳴をあげると、怒った様子で叫ぶ]
あの趣味悪ぃ奴のせいで死にそうだ!やつをブチ殺してでも止めろ!
[テーブルから這い出て丁度言い切ったところで、暴れ牛に腹を蹴られてサッカーボールめいて転がされていくソーマ]
[苦悶の声が遠ざかる。白い血の跡が続く。この後丸二日は戻らなかった]

>>839
会えて光栄だぜ畜生め。誰が御者だ
ブッダの嫌味か?この手でブチ殺してニルヴァーナへ叩き返してやるぜ
[大の字に転がったまま口汚く罵るソーマ]
[電力不足は深刻な域まで達しており、実際危険だ]

お前も仲間に入れてやろうか。お前の乗ってきたアレで俺は迷惑しているんだ
そもそもなんだおま……
[最後まで言い切れなかった。突っ込んできた暴れ牛がソーマを蹴り転がしていったからだ]

//すいません、限界近いので落ちさせていただきます  ありがとうございました
842 :アルフレッド一世 ◆5zZ3tZE7js [sage]:2015/12/20(日) 01:06:58.92 ID:agzDHo7i0
>>840>>841
「成る程。食住を得るための労働と!実に善い。そなたらの様な者の働きあるが故に、国というものは成り立つのだ」

頷きながら、アキレスの敬語が当然のものであるかのように納得する。
もちろん、この様子ではたとえタメ口でも咎めはしないだろうが。

「……よし。そなたらの汗、確かに見たとも!余もまたひとりの人間。ゆえに民の心を知る事も、王たるものの責務なり」
「然るに余は、今にちは農奴として働くとしよう!」

彼はそう宣言すると、高らかに杖を掲げる。黄金の光が杖先の宝玉から放たれれば、たちまちすべてを癒す温情の光が、あたりに満ち溢れるだろう。
周囲の混乱していた人々はやがて平静を取り戻し、暴れる牛はやがて元に戻る。壊れた柵たちは壊れたという事実すら霞ませるほどに元通りに治る。
……名を聞くのも名乗る間も無く連れて行かれてしまったソーマタージばかりは、当分戻っては来ないだろうが。

「皆の衆!アキレスの御者に代わり、これより余が農作に勤しむ任を負う!」

彼は他の農家たちへと高らかに宣言する。農民たちは戸惑いつつもそれを承諾し、彼はうきうきとした様子でアキレスに話しかけるであろう。

「さあ、喜ぶがいいアキレス。世界の覇者たる余と共に、農作に励もうではないか。」
「民草の心を知ることもまた王道なり!征くぞ家臣(アキレス)!」

彼は意気揚々と、ちゃっかりアキレスを家臣呼ばわりして農場に引っ張って行くだろう。
多数の器具や牧草を黄金化させながらも、王はこの日ばかりはひとりの農家として働くのであった。

/この辺で……みなさんお疲れ様でした
/かなり引っ掻き回してしまった様で、申し訳ない
843 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/20(日) 21:25:34.27 ID:ILu4TRjuO
――魔術世界『トローヤー』中央地域都市『トートズラント』

トートズラントは巨大な学園都市だ。
街全てが学び舎であり、住民全てが生徒か教師であり――。
行政機能を担う中心部、国家の象徴である尖塔の並ぶこの場所こそが、国家の最も優秀なる頭脳が存在する場所である。
この場所に居住することを許された者は『偉大なる魔術師(アーク・メイジ)』と呼ばれ、尊敬を集めることになっているのだが……。

「クスクス。楽しいお話をしましょう。愉快な話をしましょう」

「悲劇も何もかも捨て去って、前に歩む――そういう、愉快なお話を」

どんな組織にも、毛色の違う人物というものは存在する。
はた迷惑な恋ボケ幽霊に付きまとわれているその人物も、『偉大なる魔術師』という御大層な肩書が似合わなかった。
苦笑を浮かべた、温和そうな印象の、丸メガネをかけたダークエルフの青年。彼がそのアーク・メイジなのであるが……。

「そう。僕に降りかかりそうな悲劇をだね、どうにかするためにも、越境者の皆に助けてもらいたいと思うんだけど、どうだろう」

彼が困り顔なのには理由がある。恋ボケ幽霊は、つまらないことに興味がない。
なので、彼が困っているからきたのであって、幽霊が原因ではない。
彼が困っている理由というのはひとえに、背後で怖い顔をして彼を睨みつけている金髪の楚々とした少女と……。
彼の傍らにいる、短い黒髪の、内気そうな少女が原因であった。
844 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/20(日) 21:36:45.20 ID:Ci1XRIyVO
>>843
ムガとしては、この街の居心地は決して良くはなかった
かといってそれは仕事を無下にするのと同義ではない
生きていく為の資金源は以前の仕事でそれなりに充実してはいるのだが、保険は必要である

「……幾ら?」

変声期前の少年、或いは少女
ソプラノの高い声を押し殺し、腕を組んだまま言葉少なげに問い掛ける鼠人
赤い瞳は3人を順々に見据えて、そして最終的にはダークエルフの青年の元に留まった
845 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 21:38:14.56 ID:1d1xn5710
>>843
その男は 毛色の違う人物と辞書を引いたら挿絵付きで出てきそうなほど毛色の違う人物だった
目つきが悪い あごひげ生えてる 筋肉と脂肪がバランスよくついたガチムチっぷり 更に身に纏う武具防具etc.

そして男は苦虫をかみつぶしたような顔を崩そうともせず 幽霊に連れられていた
何せ一度大スペクタクルなことをやったあとだというのに もうお代わりを持ってきてくれやがったからだ

「で? そのセンセを困らせる悲劇ってなんじゃらほい?」
どうせ受ける方向で話が進むのだ 抵抗は時間の無駄と言わんばかりに ダークエルフの青年の話を勧めようとする
846 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/20(日) 21:46:09.22 ID:ILu4TRjuO
>>844

「お金か知識か、好きな方を選んでもらって構わないよ」

「まぁ、お金っていってもこの世界のお金だからどれだけ価値があるかはわからない」

青年は人の良さそうな笑みを浮かべて答える。
ムガぐらいビジネスライクに接してくれた方が、胃壁が削れずに済む。
彼はこの状況と戦わねばならない状況にあるのだが、同時に胃とも戦わねばならないのであった。

>>845

「ああ、それなんだけど――」

彼が答えようとした言葉を遮って、背後の少女が発言する。
先ほどからずっとこの青年を睨み付け、右眼の瞳を時折発光させ――どうにも不気味な少女である。
上品なブロンドを揺らして、彼女は静かながら迫力をもって言う。

「……私と彼の清い夫婦生活を守ってもらうために、そこの泥棒猫候補の対処を依頼したい」

泥棒猫候補とは、彼の傍らにいる黒髪の少女の事をさしているらしい。
詰られた少女は涙目になってその少女を、次に青年を見て、おろおろと視線を泳がせてからロイを見た。

「ひどい……誤解が、誤解がある……ようなの……。私も揉めるのは本意じゃない、です、ので……」

「……私の……私の……元……彼……? 違うか……そっか……ええと……とにかく、ある男の人の、素行調査を……」

おっかなびっくり、少女はそう話す。
その様子を見ながら、色ボケ幽霊はワクワクとした表情を隠そうともしなかった。
847 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/20(日) 21:58:54.72 ID:Ci1XRIyVO
>>846
「宝石か、金……紙幣以外の形で頼む」
「最悪金貨銀貨、コインでもいい」

最もこの世界に紙幣があるかは不明瞭な所だが
紙幣は、越境先でも修正力に依って使えるモノに変化する事もあるのだが紙という形式上どうしても強度が不安だ

「……素行調査」

鸚鵡返しに反芻
苦手な部類だと認識してはいるが、尾行術などで役に立てない事もなさそうだと同時に
問題は誰の、そしてどの程度の、何より目的である

「それがどうしてこの状況になってるのか、分からないな」

ヒトでいう所のこめかみを掻きながら
壁を背にして溜息混じり
848 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 22:01:27.09 ID:1d1xn5710
>>846
「・・・・・・」
話の先を聞いて まずは絶句である
そして目頭を押さえ 苦悶の表情を浮かべ 盛大に溜息をつき 思い切り天を仰ぎ もう一度溜息をついてから

「他人の痴話喧嘩なんざ犬も食わねぇよ・・・」
やっと出た言葉がこれである

「俺にどうしろってんだよお前よぉ 帰っていいかなぁ・・・」
一体幽霊殿はこれをどうしようというのだろうか? 自分たちを使わず この世界の探偵にでも任せておけば十分なんじゃないかと抗議するような視線を向ける
849 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/20(日) 22:08:20.84 ID:ILu4TRjuO
>>847

「ああ、うん。宝石か。宝石で払おうかな。ダイヤとルビーの在庫がある」

「どれも手放すには惜しい材料だけど……あはは……泣く子と地頭と睨む女房には勝てないってね……」

青年は困ったように笑いつつ、宝石での支払いを約束した。
流石というべきか、地位があるだけのことはあり、金払いはよさそうだ。

「うん、実は僕もなんだ。どうしてこんなことになっているんだろう?」

「そんなに僕は浮気者に見えるかい」

困ったなぁ、と青年はため息を吐いた。

>>848

「あら。あなたは英雄でしょう」

「英雄には英雄に相応しい困難を。ただの素行調査ではない。そうでしょう」

幽霊はクスクスと笑いながらロイの頭上を周回する。
そうして、少女に先を話すように促して。

「……私は、この世界の出身者じゃありません。あなた達と同じ越境者です」

「ただ、巻き込まれるならともかく……好き望んであちこちいかないだけで……」

「……私の故郷。故郷に行って、それで調べて欲しいの。私は帰れないから……隠者、だから……ハーミットは……あの世界に不要……だから」

故郷のことを話す彼女の表情は曇り、ただでさえ暗い表情がさらに暗くなる。
青年が何事か声をかけようとするが、背後の奥方に背中を突かれて、やめる。
850 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/20(日) 22:20:09.23 ID:Ci1XRIyVO
>>849
「ん」
「……さぁてね」

一夫一妻の制度自体を恨め、との態度である
このイザコザは仕事の内容にさしたる問題ではないのだと、即ち金払いに問題はないのだとそう感じたのだろう

「……故郷?」
「バカ言え、そんな都合良く行くなんてこと……」

越境とは、越境の神の気紛れで引き起こされる現象である
それはいついかなる時も起こりうる不可知の怪異
少なくともムガはそう捉えており、表情筋の乏しい額にシワが寄る
851 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 22:21:12.05 ID:1d1xn5710
>>849
「だから俺を英雄と呼ぶのはやめろって言ってんだろ」
心底嫌そうに言う 

英雄というのは得てして碌な死に方をしない たいていは戦で死ぬか その力を危険視されて味方に殺されるかである
だからこそこの男は英雄が心底嫌いだった

「・・・・・」
なおも続く言葉 何か理由があって自分の故郷に帰れない いや 帰らないが そこにいる特定の男のことが気になるのだろう イロコイなのかは不明だが

「男なんてものは昼間がどんだけ聖人だろうと 一皮むければケダモノなんだ どうせ人畜無害そうにしていて 夜は嫁さんやっつけてんだろ?」
下品な軽口叩きつつも ほんの少しだけやる気が出てきた

英雄なんて死んでもごめんだが 真似事ぐらいはやってみよう

「それで 一体どこの誰を殴りに行けばいいんだ?」
852 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/20(日) 22:32:02.04 ID:ILu4TRjuO
>>850

「私のアポクリファを経由してなら……向かうことが出来る……」

虚空に向かってキーボードを叩くような手つきをし、多少のタイプ音が響いた。
彼女は小規模な異世界を内包する存在であり――。
限定的ながら、世界と世界を繋ぐトンネルにすることを可能としている、らしい。

「あ、……門デザイン……デフォルトのままだった……」

部屋に出現したのは、暗緑色のタコがその触手で門を象ったような異質なゲート。
非常に不気味で冒涜的で、なんというか健康に悪そうな外見をしている。

「いつみてもおっかないよねぇ、それ」

青年はもう慣れているのか、のほほんとした反応だ。

>>851

「でも、でも、私から見ればあなたは立派な英雄なのよ」

「……あ、いえ……なんでも、ない、わ」

『英雄』を否定されると、幽霊の少女は珍しく動揺した素振りを見せた。
何か言葉を続けようとして、やめるのもそうあることではない。

「殴らなくてもいい、で、す。……ただ、ロラン。彼が、彼が――」

「彼が、幸せそうなら、そう教えてくれればいい、です。……彼が、ハーミットに帰ってきてほしいと言ったなら……一回だけ、えいっ、て」

今回は、面倒ではあるが、死ぬ心配はしなくてもよさそうだ。
……恐らく、だが。

「……やっつける、とは」

「うん、知らなくていいからね……」

……そうして、少しズレた夫婦は何ともねむたいやり取りをしていた。
夫婦というには、奥方の知識が何か怪しいかも?
853 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/20(日) 22:38:50.89 ID:isosepKI0
>>852
>>851
「……なるほどね」

微かに目が見開いた、覆面の下で軽く口笛めいた吐息を漏らす
見てくれはよくはないが、なるほど限定的越境門とは恐れ入る
まぁ話を聞けばそう難しい事もなさそうな依頼だ、これで報酬ならば美味しいかも分からない

「……じゃ、ま、殴りに行こっか……」

ロイに視線を向けて
問題無ければこのまま越境門を潜る事であろう
854 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 22:43:18.32 ID:1d1xn5710
>>852
「・・・・・・・・っ!!」
いつも飄々としていて 超然で 動じることのない幽霊が
動揺して 何か言いかけて 口を紡ぐ

その動作がどうにも癪に触って 乱暴に頭を掻いて

「あぁもう!! いいよ呼べよ英雄だよ俺は!!」
そう叫んでしまう自分がどうにも腹立たしかった

「おk とりあえず顔面凹むまで殴っとくわ」
なのでこの鬱憤はその男で晴らすことにしましょう

とりあえずゲートを開ける特異な人物だったらしいが
そこに出てきたゲートを見て

「なぁ SUN値チェックでもしておいた方がいいか?」
これは冗談である

そしてゲートをくぐろうとして 奥方の反応を見て 旦那の肩をポンと一つ叩き

「なぁ 純情も過ぎれば愛想つかされるぜ」
とだけ忠告してゲートをくぐろうとする
855 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/20(日) 22:50:53.51 ID:ILu4TRjuO
>>853-854

「……うん、いってきてね、おふたりとも」

「こんなにかわいい女の子を泣かせているロクデナシのことを見て知って、報告する」

「そうすれば、彼女は次に進めるのよ。あなた達にしかできないこと、だわ。頑張って」

調子を若干取り戻した幽霊が、そう言いながら二人を見送った。
門に消えていく姿を見て、青年のどこかほっとしたような溜息を背中に聞くだろう。

「……まぁ、そのう、夫婦……の複雑な話、でねぇ……あは、あはは」

なお、ロイの忠告にはそんな曖昧な返事が返ってきた。

――

さて、彼女の内包する異世界は門で嫌な予感がした通り、あんな感じのレイアウトである。
無限に続くように錯覚する奇妙な図書館をひたすら歩いていくというもので、今回は役割がトンネルのためか一本道だ。
少し気持ち悪い小物類や背景に目を瞑ればそう気にしたものではなく、二人はそのまま目当ての世界へとたどり着いた。


「……よう。ハーミットの気配がしたからきてみれば、ははぁ、代理人を用意するとは賢くなったかね、あいつも」

「誰だって言いたそうだから先に言おう。私はストレングス。力だ。ストレングス――お前たちの探しているロクデナシの元妾候補といったところかねえ」

辿りついた先にいたのは、快活そうな印象の金髪の少女だった。
その細見に似合わぬ大きなガントレットとブーツをしていて、どうにも不格好だが――。
856 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/20(日) 22:59:14.37 ID:isosepKI0
>>854-855
「さっさと終わらせよう、英雄」

とは彼がエルフの青年にそうしたように、後ろからロイの肩を叩きながらである
そして奇怪な越境を終えれば

「……」
「あー、武器だらけ」
「こいつを殴ればいい?」

今ひとつ理解が追い付かず、ロイに顔を向けて尋ねた
857 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 23:01:49.21 ID:1d1xn5710
>>855
調子を取り戻した幽霊に やっぱりやめときゃよかったと後悔するロイであったとさ

「知るかよ 夫婦なんだから甲斐性見せな」
そう言ってゲートをくぐる

――――――――
「なんだかまぁ 変わった趣味の嬢ちゃんだこと」

摩訶不思議トンネルを見回しながらも歩を緩めることは無く やがてその世界にたどり着く
すると話しかけてきたのは防具のパーツを纏った少女

「おぅ嬢ちゃん そのロクデナシをボコりに来たんだ どこにいるか教えてくんな」
ちょうどいい と言わんばかりに質問をしてみる
858 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/20(日) 23:08:43.99 ID:ILu4TRjuO
>>856

「ストレングスに挑むか? それはそれで愉快そうだがな」

がしん、とガントレットを打ち鳴らす。
響く音は尋常ではない。

「まぁ、なんだ。本題を片付けるんだな。暇じゃないだろう。お互い」

「ハーミットが干渉してきたのはちょっと繊細な問題だ。私はここでお前らの帰り道を見張ってやるから、探してこい。ロクデナシを」

>>857

「趣味が悪いのは昔からでな」

「恐らくラバーズのところにいるはずだからな……ああ、近い近い。そこの街だ。ロランはどこだと叫んでみれば姿を出すだろうよ」

「……殴るのは好きにして構わんが、あれでも英雄だからなぁ。面倒事になるかも、な」

腕を組んで、少女はくつくつと笑う。
平穏無事な世界では退屈なタイプの人間だろう。彼女に必要なのは戦場ということだ。
859 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/20(日) 23:15:50.75 ID:isosepKI0
>>857-858
「……」

ロイの対応と彼女の反応に、違ったか、と頬を掻いた
よくよく見れば目の前の人物は女性であると分かる
ムガからしてみればヒトの性別を見抜く事はそう簡単ではないのだ、それが成熟した大人でなければ尚更

「……ん」

戦日和の気分は今は影を潜めていた
実力者を前に現時点で優先される事柄は依頼であり、報酬なのだ
言われるままに街へと向かうだろう
焦茶の外套の、フードを目深に被りながら
860 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 23:16:55.42 ID:1d1xn5710
>>856
「うるせぇ足踏むぞミッ○ー」
ハハッ

「あぁどうにも違うっぽい さっさと本命殴って終わらせよう」

>>858
「そうかい そりゃアリガトよ嬢ちゃん」
礼を言って告げられた場所へ

そして町に着けば

「おぅロランってのはどこだ ちょっとツラ貸せやオラ!!」
顔面の凶悪さも相まって かなりヤクザめいた状態になりながら 目当ての英雄殿を呼び出すのだ
861 :『選ばれざる隠者は過去を想う』 ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/20(日) 23:21:50.12 ID:ILu4TRjuO
>>859-860

さて、ヤクザめいたスラングでこの世界の英雄を呼んでみた反応は、とういと……。
まず、民衆はそんな事態にも関わらず気にも留めない様子だった。
ひそひそ話に耳を傾ければ「またか」とか「今月何人目だ」という会話が聞こえるだろう。

「……今度はどこの刺客だ? マジシャン……は先月やったから……フォーチュン! ……は昨日だったな」

「フール……はまず違うだろうけど……思いつかないな……いやとにかく勘弁してくれ」

そうして、現れた英雄殿は、金髪のつんつん頭の青年だった。
腰に剣を吊っているし、体つきやその身を巡る魔力は一級品といって差し支えないだろう。
英雄色を好むということで、どうも彼と彼の周辺は面倒なことになっていることがこの男の反応からもわかるだろう。

「ああいや、刺客と決まったわけでもないか。僕に何の用だい?」

人の良さそうな笑みを最終的には浮かべて、そう尋ねる。
862 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/20(日) 23:28:36.70 ID:isosepKI0
>>860
「あ、あんな黒いのと一緒にするな!」

夢の国の王様の威光は越境世界へをも響いているらしい
尚、そしてロイのロランを求めるシャウトに耳を塞ぐ格好となった

>>861
「……」

ふぅん、と鼻を鳴らし青年を眠そうな赤眼が捉える
だがその瞳には死に掛けの心臓めいた真紅の脈動が宿り、彼の魔翌力を注察しているのだ
魔翌力の豊富な世界に生まれたムガの、反射的な行動である

「……殴るかもしれないけど、刺客じゃない」

腕を組み適当な壁に寄り掛かって告げた

863 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/20(日) 23:35:18.56 ID:1d1xn5710
>>861
周囲の反応 おそらくこれが日常茶飯事であることがうかがい知れる
静かに溜息を一つ 一体何をどうすればこうなるのか?

そしてやってきたのは 恐らく相当な手慣れ

「・・・・・」
人のいい笑みを浮かべる彼へ 拳を握り 思い切り振りかぶり

無言で 無表情で 全力で

拳を英雄殿の顔面へと振るう・・・・・・・


その行為をフェイントとし 本命は彼の足元
拳を振るった際に勢いあまって浮かせたと見せかけた右足で

相手の左足のつま先を 全力で踏み抜こうとする
864 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/22(火) 21:00:17.21 ID:mNvTIvrGO
「あーもー……」

最悪だ、と七八は頭を抱えていた
荒廃世界の砂に侵食された元居住区の真っ只中
背の低いドーム状の建物が点在しているが、その全ては本来の住人が絶えて久しい
こういった場所には荒くれ者やミュータント、望まれざる来訪者が付き物なのだが今はそれが顕著だ
2つのレイダーの集団がこの場所でかち合ってしまった
彼等は無論異物を排除する為に銃を取り戦う
たまたまこの場所で夜を明かしていた七八に取って更に不運なのは、彼等の勢力が拮抗していると言う事である
夜の闇を引き裂く手榴弾の爆発、閃光、衝撃波
物陰に身を潜めていた七八の髪が揺れる

「どう逃げるか、なぁ……」

同行していた、或いは同じようにこの場所に訪れた越境者も彼等の紛争に巻き込まれている事であろう
865 :国木田鏡花 所持 無銘 [saga]:2015/12/22(火) 21:11:36.78 ID:ULVQp+z7o
>>864
「ぜぇ……はぁ……面倒すぎて嫌だなぁ……」

物陰に近づく声
そちらを見やれば


「私はただのんびり執筆したいだけなのですが……ああもう働きたいッ!!」

そして、袴の女性
若干も返り血は浴びていないが間違いなく彼女からは人斬りの香りがした
それも先程の着いたものと、大昔に着いたものの二種類がした

「で……越境者さんかい?」

そして、音もなく七八に刀を向ける
警戒しているのだ、争うに勢力のどちらかにこの目の前にいる女が属しているのだと
国木田鏡花、無名の小説家にして無銘の刀の使い手は
866 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/22(火) 21:20:06.86 ID:mNvTIvrGO
>>865
「っと……」
「はーいはいはいっ、こんな幼気な少女があんな肩パット世紀末達と仲間な訳ないでしょ?」

暗い菖蒲色のモンペめいた忍装束は露出が極めて少ない
顔と手のみが健康的な肌の色を示し、長い黒髪は後ろで一つに束ねられている

「……ま、見たところあなたも……だよね?」

刀の鋒を前に軽く両手を上げてはいるが、胸元に忍ばせている苦無は即座に飛翔可能な状態にある

「……強そうだし、一緒に逃げない?」
「それとも殺りたいって言うならまぁ、ご自由になんだけど……」

彼女の纏う死の臭いに敏感である
腐っても忍、その辺りを察するのは得意としていた

逃走を提案する七八、周囲は流れ弾が飛び交う月夜
また何処かで手榴弾が炸裂した
867 :国木田鏡花 所持 無銘 [saga]:2015/12/22(火) 21:34:25.17 ID:ULVQp+z7o
>>866
「ま、そうですよねーけどまっ、一応傭兵の可能性もあったんでね」

露出の少なさでいえば藍の袴姿の今の鏡花も同じく少ない
灰色の髪は束ねられているところも、

「そんなとこですねー出身世界では美人剣豪として若干有名だったんですよこれがー」

刀の切っ先は横を向く
警戒は終わって有効的な素振りを見せている
斬るより書くである女文豪にとっては敵でないならそれに越したことはなく、争いたいとも思わない

「私も逃げて小説書きたいんでそうしましょう!忍者×侍とかなんかよさげですしね!いいネタに出来ますっ!」

共闘の誘いは快諾
すごく笑顔で作家魂を見せつけながら目の前の忍が強そうだなーと推し量っていた
不意に鏡花の後ろから飛んできた手榴弾、それは振り向き様の一閃で切られずに弾き返されて敵地で炸裂した
一回転しきって戻ってきた鏡花の顔には冷や汗が爆光で煌めいていた
やっべ、位置教えちゃった……なんて思っていることを物語る汗であった
868 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/22(火) 21:44:01.59 ID:mNvTIvrGO
>>867
「……なるほど」

確かに傭兵として越境者が何方かの陣営に雇われていたとしても不思議はない
だが逆にそれならばこの場からの逃走というのはある意味で少し楽だった可能性もある
その場合はそう、敵味方に別れてくれるのだから

「オッケー助かるよ」
「……じゃ、早速行こうか美人剣豪さん」

私七八、と短い自己紹介
キチンとした挨拶は生き延びた後でいい

「事は全て迅速に、女神よりも速く逃げ出さないとっ」

跳ね返された手榴弾
ナイスショットとサムズアップ、どの道居場所が割れようと離れれば問題はないのだ
ただ唯一の問題は、

『グワー! 手榴弾を打ち返しやがった!』
『スゴウデだ! 気を付けろ!』
『数で押せ! 数で!』

「やば……!」

先程の数倍の手榴弾がぽんぽんと飛来する事か
素早く数個の爆弾に苦無を投げ付け軌道を逸らし、そのまま逃走の七八
869 :国木田鏡花 所持 無銘 [saga]:2015/12/22(火) 21:52:45.63 ID:ULVQp+z7o
>>868
「美人文豪鏡花ですよ私ー」

剣豪より文豪と呼ばれたい年頃なのだ、分かってあげて欲しい

「早く逃げないと字面で表せないような愉快な死骸になっちゃいますもんねっ」

ひょいひょい左右に跳ねながら手榴弾を回避
このぐらい文豪ならばできて当然だろう
だが、順調に射程から逃れ終えようとしたときのことだ

「気持ちイイよねホームラン☆」

また振り向きざまに手榴弾を打ち返してしまう
無意識のお返し。当然敵意を掻き立てる行為
やったあと顔を真っ青にしながらぎこちなく笑うまでが定型である
870 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/22(火) 22:07:30.27 ID:mNvTIvrGO
>>869
「鏡花ね、剣豪文豪さんなわけだ」
「……死ぬ時は布団の上で五体満足でって決めてるんだよ、ね!」

苦無で撃ち落とす七八も似たようなモノだ
敵意を煽る行為であるが、同時にそれが彼女達を死の爆風と破片から守っているのも事実である

『キリがねぇ!』
『ドケヤオラー! パワーローダーに勝てるかコラー!!』

おぉ、とレイダー達の歓声がどよめく
虎の子の武装パワーローダー乗りが到着したのだ
3m程の四肢は搭乗者の動きをトレースし、圧倒的な馬力で再現する
本来重作業用の重機なのだが、彼はそれに板金を張りビックガンとザッパーソード(大鉈)を持たせ歩行戦車としていた

「……ありゃあ、不味い……」

血の気が引いて苦笑いするのは七八
別陣営からの銃撃にもビクともせず、パワーローダーは力強く彼女ら2人に迫りビックガンを撃ちまくる
命中率を爆風でカバーする目的の、殺意ある威嚇射撃!
871 :国木田鏡花 所持 無銘 [saga]:2015/12/22(火) 22:15:46.81 ID:ULVQp+z7o
>>870
「そうですか……そうですよねぇ」
「普通、真っ当に死にたいですよねぇ……」

急に雰囲気が変わる
鏡花は、急にパワーローダーに向き……

「私だってそうです!私は冥界にネタ探しに行きますなんてカッコイイ遺書書いて死にたいですから!!」

直らない

「提案です。私の無銘さんは鉄も切れるんで周りの敵惹き付けといてくれません?
そしたらあれはスクラップにできますよ?」

ビッグガンを涙目で躱しながら、爆風はギリギリでステップで避けながら提案
今手にしてる刀ならやれるかもしれない
なんてお話だった
流石にあれを倒さねば進めないと観念したのだ…………
872 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/22(火) 22:33:30.27 ID:y7ntn8XFO
>>871
「……マジ?」

斬鉄の技能を七八は知っていた
会得者にも数人出会って来てはいるが、その中に七八自身は含まれていない
彼等の多くは、刃ではなく特異な握りから発される振動波でもって断ち切っていたのだが、刀自身が鉄を斬ると言うのは未だ目にしていない

「……ま、信じるしかないね」
「任されたよ、だから任せた!」

今さっき見知ったばかりのモノに命を託す
随分とリスクの大きな賭けではあるが、七八はそれを無謀とは思っていない
越境者の身でなければ決してなし得なかったそれを、七八は信じているのだから

「……よいしょっ」
「五連……!」

右の5の指全てにワイヤ付きのリングが嵌められている
そして握られるは苦無、軽素材で出来た苦無がワイヤと同じ数だけしっかりと

「……蛇咬!!」

パワーローダーの周囲へ駆け出し、投擲、途中手首のスナップでワイヤにしなりを与え途中で軌道をにわかに変えながら奇怪な軌跡を描いて飛翔

『グワー!』
『ウギャー!』

数人の男に突き刺さり悲鳴を挙げさせた

『……パワーローダーに勝てるかコラー!!』

パワーローダーが七八にザッパーソードを振り被り今まさに振り下ろさんとしている刹那!
護衛はいない、そしてパワーローダーの意も鏡花から逸れている瞬間!
873 :国木田鏡花 所持 無銘 [saga]:2015/12/22(火) 22:52:51.46 ID:ULVQp+z7o
>>872
「はいはいっと……まかされましたよっと!」

刹那、鏡花の周囲に5つの刃が生まれる
氷の刃、強度とは縁遠い氷の異能としては弱いもの
それが、パワーローダーのセンサーに殺到した
当たっても煌めく霧を僅かな間発生させて視界を奪える程度の役目しか果たせない刃
しかし、それで充分であった

「斬鉄の心得……剣は鎧を斬るもの。鉄を断てるもの。されど断てぬ故は力量不足…!」

我流の剣術の心得(数秒前に思いついた可能性は否めない)を詠唱
特には意味はない
されどその足は地を蹴りパワーローダーのコクピットへと体を運ぶ

「スクラップと成り果てろ!」

霧が晴れたそこにはコックピットの直ぐ前の空中で跳びながら刀を突き刺さんと向ける天才剣士
そして、その一突きは放たれた
衝突音、火花、そして……貫通音、肉を立つ感触
順当に進んだ時のイメージを脳内で執筆し、そのストーリーに忠実に動く。さながら演劇における舞台装置のように。
大丈夫、この剣は悪魔すらも真っ向から打破ったのだ
今回だって……
874 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/22(火) 23:02:41.93 ID:y7ntn8XFO
>>873
『……パワーローダーに勝てるかコラー!!』
『パワーローダーに勝て……る……かぁ!?!?』

搭乗者の男は瞳を見開いてその瞬間を具に目撃していた
視界を遮る濃霧、鬱陶しい小細工である
サイバーサングラスを掛けて無力化だ、サーモセンサーがこれには備わっている
そしてしかし純白を裂いて現れたのは煌めく刀身
文字通り鉄壁の守護神たるパワーローダーの追加装甲を容易く居抜き、男の体に突き刺さる刃

『……グワーーーー!!』

悶え背中から倒れる
巨大なパワーローダーごとだ
そして不味い事に、パワーローダーの動力ユニットはランドセル状に背負った背後に存在していた
ばちばちと放電、やがて燃料に着火すれば大爆発を起こすだろう

「……ナイス!」
「……後はこれで……さっさと逃げよう!」

ちゃっかりレイダー達のテクニカルトラックを一台拝借していた七八
鏡花に乗るように促し、エンジンを吹かす

875 :国木田鏡花 所持 無銘 [saga]:2015/12/22(火) 23:10:29.98 ID:ULVQp+z7o
>>874
「ていさっと!」

刀を急ぎ引き抜き地面に着地
余程腕に自信があるのか手応えに自信があるのか180度回頭、即ダッシュ
倒れるスクラップには目もくれない

「ですねっ!じゃあ逃げましょう!直ぐに!即座に!!」

納刀しつつ答える
手榴弾も飛んでこないのは七八の功績だろうと思いつつ飛び乗る
するとくぅー疲れましたーーと大きな溜息
戦地から脱し切るまで終わってはいないのだが、だ
876 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/22(火) 23:15:04.00 ID:y7ntn8XFO
>>875
「追っ手は……」
「……ん、大丈夫みたいだね」

バックミラーから確認、どうやらレイダー同士の抗争に忙しいらしく2人を追うモノはいない
夜であった事も幸いした、車体は月と幾つかの星だけが照らす闇に溶けている
ふぅと安堵の吐息、額の汗を拭う

「助かったよ、サンキューね」
「……ところでさ、」
「車の運転、出来る?」

鏡花へ微笑み掛けて問題発言
七八はアクセルを踏んではいるが、マトモにクラッチもハンドルも操作していないのである
フラフラと蛇行するトラック、安全な場所を求める事になるのだろうがなかなかに波乱の道中になりそうである

//こんな感じで〆っさせて下さいなっ
//ありがとうございました、お疲れ様でしたっ
877 :国木田鏡花 所持 無銘 [saga]:2015/12/22(火) 23:22:05.00 ID:ULVQp+z7o
>>876
「みたいですねーよかったよかったー」

うるさい爆裂音も銃声も駆動音もない
静かな夜であった
平和な夜を勝ち取れたのだった
多分

「こちらこそです。やっと執筆に……」
「へっ!?で、できませんよ!?ってええええ!?」

衝撃の事実発覚!誰も車運転できない!!
……平和に物書きできる日は来るのか?
国木田鏡花先生の次回作にご期待あれ!
……その前に、交通事故でお亡くなりにならないことを読者の皆には祈ってもらいたい

//了解です!こちらこそありがとうございました!お疲れ様です!
878 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/23(水) 22:13:36.04 ID:iw1W75eA0
【とあるファンタジー世界】
「さて仕事だ 働かざるもの食うべからずとはどこの世界へ行っても同じことなのだ」
宿屋兼酒場に集まった仲間に 一枚の羊皮紙を見せる そこには 昆虫採取と書かれていた

「出発は明日 日程は3〜4日とみている 準備しておいてくれ」

〜そして移動〜
「さぁついたぞ」
出発してから目的地まで一日と少し お昼前にたどり着いたそこには 地下への入り口がぽっかりと空いていた

「ここは嘗て黄金の王冠が眠る地とされていたが 数年前に王冠は奪取され 他の宝も軒並み掘りつくされ 今じゃ少しのモンスターが中をうろつく程度
 簡単に言やぁ 寂れたダンジョンってヤツさ それが今回の仕事場になります」

カンテラに油を注ぎ 火をつける

「それじゃ入るぞ 準備はいいか?」
と再度一行に確認を取る
879 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/23(水) 22:27:21.07 ID:0unwjJYa0
>>878
「虫捕りっ?」

ぴた、と骨付きのチキンを頬張る動きが停止した
果たして虫なんて何れだけの稼ぎになるというのだろう
希少価値を知らぬニアにしてみれば、何とも微妙なお仕事だと眉を顰めるのは自然な事であった

移動後……

「この中ってんですかぁっ」
「お宝があったらよかったのにってんですねぇっ……」

そうすれば虫なんて捕まえずに済むのになぁと
更に言えば稼ぎもよかったであろうと渋い顔
尚その割りに麦藁帽子と虫かごに虫取り網と準備万端な出で立ちではあるが

「帽子はいらなそうってんですねっ」
「……はーい、行きましょうっ!」

帽子を脱いで適当な木にぶら下げておき、厚手のアオザイジャケットに虫かごと虫網装備の格好はなんともチグハグである
880 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/23(水) 22:38:24.32 ID:iw1W75eA0
>>879
「イエース虫取りー そんな激務にはならないと思うから安心して」

それからどうした
中に入ると そこにはかつてこの場が栄えたダンジョンであった証しか 撃ち捨てられた露店らしき残骸やら 空樽やらが乱雑に置かれていた

「なぁにこれから狙う獲物はある種お宝みたいなもんさ さてっと これからこのダンジョンを進みつつ 見つけた木箱や宝箱を片っ端から開けていきます おk?」
「それと 罠の類は軒並み解除されたらしいけど 万が一があるかもだから注意してね」

そう確認すると まずは空樽から開け始める

「・・・ここは違うか 次だ」
開けた樽のふたを戻し ダンジョンの奥へと進んでいく
881 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/23(水) 22:45:33.70 ID:0unwjJYa0
>>880
「はぁい……」
「……あれっ、ダンジョンってなんかこうもっとぉ……」

薄暗くおどろおどろしくじめじめと、果てなき陰鬱に支配された空間をイメージしていたらしい
案外人の気配の残り香漂うその光景に、何処か拍子抜けである

「木箱っ、宝箱っ……はーいっ」
「……なるべくこれで開ける様にするってんですっ」

にょろりと1本生やすタイドメイカー
これで少し離れた場所から開けば、万一罠があったとしても直撃を躱す可能性は上がるという訳だ

「ふむぅ……?」
「……あっ」

ロイの開いた木箱の中を覗き込み首を傾げる
そして少し先に宝箱を見付け、器用に触腕で開こうとしてみる事に
882 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/23(水) 23:03:31.71 ID:iw1W75eA0
>>881
「そういうのはよっぽど酷いダンジョンか まだ発見されて間もないダンジョンぐらいだろうな」
道中見つけた箱を開ける またはずれ

「まずダンジョンが見つかると 発見者か真っ先に潜って中の様子を探ることを専門にしている冒険者が中に潜って敵の強さや実入りの良さを大まかに査定する
 そこでいい返事が出ればそりゃもうフィーバーさ 冒険者はこぞって潜りに来るし そいつらをアテにした飯炊きやら商売人やら 時には娼婦までもが来て さながら小さい町のようにもなる」

「そしてそのダンジョンを漁り尽した後は皆撤収 あとにはあんな風景が広がるってぇわけよ」

少なくても ダンジョンアタックがビジネスとして機能している世界もある ということだ

そしてニアが見つけた宝箱 それを開けると 中には両手で掬いきれないほどの金貨やら宝石をあしらったブローチやら王冠やらがちりばめられていた

「おや? 見つかったか? 案外早かったな」
この男も宝箱に近づいていく
883 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/23(水) 23:11:33.87 ID:0unwjJYa0
>>882
「ほへぇー……」
「なんといいますかぁっ……油田みたいだってんですねぇっ」

資源があれば採掘者が居て、彼等を対象とした商売が成り立つ
案外似たようなモノなのかもしれない
人、物、金の織り成すサイクルは逞しく何処ででも芽生えるのだ

「……でもっ、そう考えるとさっきのもちょっと寂しいようなっ……」
「へ? あ、あれぇっ!?」
「ろ、ロイっ、見てくださいこれぇっ!!」

金銀財宝ザックザクを前にひゃっほーと大喜びである
瞳を輝かせ早速お宝を手に取ってみようと眩むような色彩の宝石のブローチを掴む
884 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/23(水) 23:22:41.36 ID:iw1W75eA0
>>883
「油田なぁ・・・確かにそうかもしれないな」

喜び勇んで駆け出しブローチを掴む 金属特有の冷たさが伝わり カンテラの光を反射して宝石がキラリと輝いた
しかしここは先ほども言った通り 寂れたダンジョンである であるにもかかわらずそこにある金銀財宝

「オーケーオーケー よく見つけたぞニア これが今回の獲物」
ニアの手を取り ブローチの裏側が見えるように動かす


そこには本来ブローチにはないはずの 甲虫特有の細い脚が6本 きれいに折りたたまれていた

「通称『宝虫』 お宝に擬態する虫だ 一応モンスターの一種とされているよ」
コインを一枚とって裏を見せる そこにも甲虫特有の足があった

真珠のネックレスを取る 球と球の間にムカデのように足が生えていた

指輪はリングの部分に妙な弾力があった

ティアラは不自然に軽かった

そこにある金銀財宝 すべてが蟲だった

「いやぁ大量だ きっと高く売れるものもあるだろう」
この男は嬉々として宝箱の中身を床にぶちまけて丹念に確認しだす
885 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/23(水) 23:29:58.79 ID:0unwjJYa0
>>884
「へっ?」
「……ひぇぇっ!?」

促される様にしてブローチの裏を見れば驚きの光景がそこには
思わず手離してしまい、ブローチ虫は宝箱に収まる
虫がダメな訳ではないが好きという訳でも勿論ない
更に不意打ちと言うのは案外とダメージが大きいモノなのだ、それが至近距離であれば尚更に

「ち、ちょっとぉっ……」
「流石にこの数はぁっ……」

虫捕りのつもりなのだから無論覚悟はしていたが、この数は少々予想を超えている
虫かご一杯以上にわんさかウジャウジャしている様は、虫だと知って改めて見れば気味が悪い
嬉々としたロイと対照的、引き気味にその光景を眺めていた
886 :スピニング・ウェーバー ◆5zZ3tZE7js [sage saga]:2015/12/23(水) 23:40:18.64 ID:HTfRTUzj0
>>884>>885
「そちらも見つけた様だな」

カサカサと蠢く昆虫の足音。共に響く男の声。
振り向けばそこには、下半身は蜘蛛、上半身は人間といった風貌の、人ならざるモノが迫って来ているだろう。

だが、彼はクリーチャーやモンスターの類ではない。
正式に依頼を受けて、この"虫捕り"に参戦した、虫捕りのエキスパート。
蜘蛛と人の混成種、"タランニュート"の男であった。

「……高貴な味だが、食べるには濃厚すぎる。本当に高く売れるのか?」

彼は糸でからめとった沢山の光り輝く蟲を片手に、何かを咀嚼している。
唇から垣間見えるのは、黄金色の昆虫の足だった。

依頼の内容を少し勘違いしているらしいが、その粘性の糸に持つ宝蟲の量はかなりのものだ。
あらかたの調査を終えて、他グループの様子を見に来たという具合だろう。
その四対の足は、狭いダンジョン内を駆け巡るにはそう長い時間はかからないように見える。
887 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/23(水) 23:51:34.46 ID:iw1W75eA0
>>885
「そんなに怯えなくても大丈夫だよ この時期は冬眠してるから」
宝箱の中に戻っていくブローチをあきれ顔で見やる

「こいつらは宝に擬態し 冒険者に回収されて その冒険者や商人に遠くまで運んでもらい 適度な場所で飛び立って仲間を見つけ 子を成す習性があるんだ
 見た目が宝に見えるからコレクターの間で高値で取引されているし 見た目の縁起がいいってんで 佃煮とかジャムにされて ゲン担ぎの食い物にされたりするんだ ホレホレ手伝え」

>>886
「よぅスピニング さすが餅は餅屋 というやつか」
やってきたデミ・ヒューマンにも驚くことなく挨拶する

ファンタジーの世界には こうして人の外見からそれなりに逸脱した個体にも寛容なところもあるのだ

「食べる方はあくまでも副次的な収入 本命はきれいだから観賞用としておいとくことにあるんだ」

>>885-886
「これから宝虫の餞別に入る コイン虫以外のは傷がないか 形が歪でないか 宝石部分の透明度と色 まぁ簡単に言やぁ モノホンに近いものが高値で取引される
 コイン虫がまた面倒くさいんだ 取り合えずこれを見てくれ」

リュックから取り出したのは この世界の通貨を網羅した図鑑のようなもの

「基本的にコイン虫の模様はこの世界に流通しているものが殆どだ だが時たま どの国でも採用されてない架空の模様の者がある それがレアで高値
 そして嘗て存在し 今は滅んだ国の通貨の模様のがあればプレミアだ 物によっちゃ屋敷が立つレベルの値段で取引される さぁ今回は見つかるかな?」

そう言ってコイン虫を一つ一つ 丹念に確認しだす
888 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/24(木) 00:00:26.43 ID:w3I4OZwrO
>>887
「へー……」

そんな習性があるのかと改めてまじまじ見詰めてみる
最も冬眠しているというのを知らなければこうもしなかったであろうが

「……じ、ジャムっ……ツクダニ……っ!?」

しかし矢張りそう聞けばドン引きするのを隠せなかった

>>886
「見つけましたってんですよぉっ」
「……あっ、ちょっとこっち来ないで貰っていいってんですかっ」

出発時に同行していた蜘蛛男の姿が現れれば手を振って2度跳ねる
だがその口元から覗くなんかあれなモノを見れば手のひら返し、しめやかに3歩後ろに下がる

>>886-884
「コインってんですかぁっ……」
「はぁいっ……」

その場であぐらをかいて座り、6本の細身のタイドメイカーを発生させた
それぞれにコイン虫を取り、顔に近付けて鑑定をはじめてみる

「なかなかこれはぁっ……」

果てしない作業だなぁと、お宝虫の山を見て溜息である
因みに今の所いい感じの虫は見つけられていない様子
889 :スピニング・ウェーバー ◆5zZ3tZE7js [sage saga]:2015/12/24(木) 00:07:52.26 ID:6y1Beqkq0
>>888
「何を今更。私と君の仲ではないか」

彼は自分の風貌を避けているのかと勘違いし、平気だろう?とさらににじり寄る。
黄金色の蟲の脚の破片が、ポトリと地面に落ちた。

「……体液がなくなったら大した味ではないな。人間でいうガム、と言ったところか……」

そうこうしている間に、蟲の味がなくなってしまったらしい。
彼はつまらなさそうな目で、惰性でそれを噛み続けた。

>>887
「希少価値、という物か。人間の価値観は良くわからない物だ」

彼は説明を聞きながら、バリバリと黄金虫を噛む。ガムのような感覚なのか、あまり美味しそうでは無さそうだ。

彼は刃のように鋭く尖った脚を使い、器用に絡め取った虫たちの糸を切断する。
たちまち、コインや王冠、指輪などが当たりに散らばった。

「照合作業は任せる。捕獲が私の仕事だ。……それにしても、種類が多いな」

数多の通貨の模様を見ながら、彼はなぜそれらを統一しないのかと不思議に思う。
自然界の中に生きる彼は、ものを取引するという発想そのものが理解の範囲外にあった。

ふと、ひとつの金貨の模様に目が止まる。
古の王家、はるか昔に滅んだ国家の金貨の模様だ。その価値は0が数え切れない程に並んでいる。
しかし、彼の目に留まった理由はその価格ではない。何か、何処かで見たような気がする既視感が彼を襲ったのだ。
彼は少し考え込んだ後、こっそりと口の中のガム……もといコイン虫を吐き出してみる。
無惨に噛み砕かれた古い王の顔は、その国家のそれとまったく一致していた。

(……黙っておこう)

彼は少しだけ冷や汗を流し、ガムを口の中に戻した。

890 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/24(木) 00:24:09.79 ID:7SNw8lNW0
>>888
「この世界じゃ 新米冒険者が懐からこいつが飛び立つ姿を見て腰を抜かすのが 一種の恒例行事になっているのさ
 一度経験しちまえば ある種の小遣い稼ぎになるんだがね」

「あぁ 他の世界でイナゴやら蜂やらを喰うところもあるだろ? 似たようなもんさ」

そしてニアの触椀が代わる代わるコイン虫を掴み 品定めしていく 今のところ架空絵柄が数枚 といったところか

>>889
「それじゃ辺りを索敵してくれ あまり数はいないとはいえ まるっきり全滅したわけじゃない」
実際 コボルト(雑魚)が数匹 こちらを狙っているようだ

【実力差からいって 確定ロールで倒してしまってもおkなレベル】

「まぁこれをもっていって もっとおいしいものが食べれたり 柔らかいベッドで寝れるんだ そういうものと割り切って頂戴な」

そしてガムを口の中に戻すスピニング

「さすがにプレミアは見つからないか・・・下手すりゃ数億匹に一匹の割合だからな
 新規の物が最後にオークションに流れたのは70年前って聞くし 今回も空振りか・・・」

彼の耳にそんな言葉が聞こえてくるだろう

>>全員対象
「取り合えずこんなもんか スピニング もうダンジョン内部は大体見たんだろ? となると新たに見つけるのは厳しいか?」
と2人に呼びかける
891 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/24(木) 00:32:14.06 ID:w3I4OZwrO
>>889
「し、喋るか食べるかどっちかにするっ!」

まるで子供に言い聞かせる様な文句ではあるが、この場合は必死だ
彼が口を開くたびにこんにちはする虫の砕かれた甲殻がチラチラと視界に入ってしまうのだから
虫の脚というのはそれ単体で見ると異常な異物感を覚える
ダンジョンの床に転がる小さな黄金色の脚は、もうなるべく見ないようにした

「……血が美味しいってぇっ……」
「蜜かぁ、樹液でも飲んでるんですかねっ……?」

コイン虫の食生活は未知ではあるが、案外悪いモノではないのかもしれない

「……?」
「どうかしましたってんですかっ?」

と、彼がこっそり行い闇に葬り去った現実を見抜く術はないもののその鱗片に疑問符を浮かべる事だけは出来た

>>890
「あははっ、なるほどっ……」

なんとなく想像のつく光景である
勇猛な冒険者達の物語の始まりは、案外と間の抜けたモノだ

「そりゃあっ、ありますけどぉっ……」
「もう虫は一生分っ……」

と、かつて蟲に支配された世界で過ごした日々を思い出す
辛い日々だったはずだが、何故だろう今は楽しかった事しか想起出来ない
例えその食卓に並ぶ美味しそうな料理があれだとしても、それすら何処か美しい記憶

「……これはぁっ……うーんとぉ……」
「あっ、本に載ってないやつってんですよぉっ」

架空の模様を数匹見落とす事なく入手
こうして見るとどうにも愛着すら湧いてしまうのは現金な性格故だ

「じゃあっ、これで撤収ですかねっ?」

虫かごにレアコイン虫を入れてご満悦である
892 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/24(木) 00:45:53.42 ID:7SNw8lNW0
>>891
「あぁ こいつらは蝉みたいに樹液を吸って生きているらしい ホラ生えてるだろ木の根が」
アゴで指し示した先には 土を突っ切り ダンジョン内部に侵入している木の根っこ

「・・・あぁそうだったな そんな経験をしたな」
嘗て人の世が崩壊した世界を旅した

道中はろくでもなかった

だがみんなで見上げた満点の星空
文句を言いながら齧りついた蟲の足

笑い 涙し 時に喧嘩をしながらも 共に行動した

その思い出は色あせて 笑い話に昇華していった

「あぁ レア物以外のコインも これはこれで一定の価値はあるからもっていくよ」
そう言って革袋にざらざらとぶち込んでいく レアコインに比べるとぞんざいな扱い


>>全員対象
「それじゃ帰ろう そこそこの収入になった だがプレミアはやっぱりいなかったか」

少し残念そうに荷物をまとめ ダンジョンを後にする
真実は闇に埋もれたままであった・・・・・


//〆
893 :スピニング・ウェーバー ◆5zZ3tZE7js [sage saga]:2015/12/24(木) 00:51:52.35 ID:6y1Beqkq0
>>891
「……覚えておけニア。この世界には、時にままならん事があるのだとな……」

彼はロイがふと漏らした言葉を耳に聞きつつ、苦渋の表情でガムを飲み込む。
かくして数億の財産は、彼の栄養として闇に葬り去られたのだった。
この数日後に彼の甲殻が少し光を帯びたのは、また別の話である。

>>890
彼は振り向いてコボルトたちの位置を確認すると、身体を前に向けたまま後部から粘性の糸を射出する。
見事に命中し、彼らはがんじがらめになって隅に追いやられた。

「トカゲの混成種は久々だ。帰って味でも見るかな……」

どうやら食用にするつもりのようだ。
彼は糸で絡め取ったコボルトたちを片手に持つ。まるで買い物帰りのごとく気軽な狩りであった。

「……大体は完了した。幾ら突進しても開かない扉がひとつあったが、私の体当たりで無理ならお前たちも無理だろう。」
「王冠だけでもかなりの財だ、ここは大人しく撤収といこう」

彼は糸の袋を肩にかける。
コボルトが暴れ出したが、彼が牙を剥いて威嚇すると、途端に大人しくなってしまった。
彼はつくづく、人間とは異なる部分が多い。

>>892
「……」

帰り道、彼は終始口を閉ざしていた。
食性の違いから起こる悲劇。だが、知らぬが仏と言うものだろう。
何より、彼にはそんな真実を切り出す勇気など毛頭なかったのだから。

/乙です!
894 :ニア・シューペリオリティ【タイドメイカー】【マウト・フトゥーロ】E.月光.空色スカーフ [sage]:2015/12/24(木) 00:58:02.05 ID:bTciWnXs0
>>893
「は、はぁっ……?」

今ひとつ事情が飲み込めない様子で曖昧な返事
それもそうだろう、偶々そのひとつがプレミア虫だったなんて予想出来るはずもないのだから
ただ何と無く、彼の先程迄とちょっと違う様子に違和感を覚えるだけであった

>>892
「あっ、本当だっ……」

壁から侵食している木の根を見付けて納得の模様
ならば確かに食べても問題なさそうには思えてくるのが不思議である

「……」

静かに頷いて、帯びる月光を撫でた
ニアが生きて来た3年と弱
その大半をあの世界で過ごしているのだ
最も長いひとつのストーリー、世界を巡る旅の記憶

>>892-893
想起するひと特有の顔付きのニアは、しばらくしてからふと我に返った

「あっ、はっ、はいっ」
「まぁまぁ、レアモノがいただけでもっ」

良しとしましょう、なんて呑気に構えてダンジョンを後にするのであった

//お疲れ様でした、ありがとうございましたっ
895 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/24(木) 22:36:49.66 ID:8kWmoGHGo
20XX年。世界はリア充の甘ったるい雰囲気に包まれた!

それに伴い眠らぬ街、ニューヨークでは人類の歴史上稀に見るレベルの同時多発テロが発生。
タイムズスクエア一帯を地図から消し去らんというアメリカ国民が次々と民衆に牙を剥いた!
これはそんな凄惨な夜の、哀しき漢達の物語である…

「…またテロ未遂か」
『あぁ…本日22度目だ』
「……タイムズスクエアを爆破してクリスマスを妨害…アホらしいと思わんのか…?」

そんなことをしても何の解決策にもなるまい。そう続けたのは黒いフード付きコートを身に纏った暗殺者、ラヴレス。
傍らには長身のストライプスーツ姿の男が。おそらくこれもラヴレスと同様に暗殺者である。
互いに口数は少なく、しかしぴったりと息の合ったタイミングで振り返る。
不気味な黒ずくめの二人組は無人となったタイムズスクエアの道路上、その中央に立つ。

「…こいつらは?」
『23例目』
「……揃いも揃って…余程大きなバックアップがあるのか…それとも」

相対するのはこの場に居合わせた…能力者だ。自ら聖夜を破壊することを望んだ者たち。
もう日付が変わろうというのにご苦労な事だ。ラヴレスは隣の男、エルミスに視線を遣る。エルミスは黙って頷く。

『潰すぞ』
「…了解」

言葉はそれだけ、あとは与えられた仕事をこなすのみ。
ラヴレスは彼らに飛びかかり、エルミスはその場で棒立ち。煙草を投げ捨ててポケットに手を突っ込んだ。
896 :国木田鏡花  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/24(木) 22:48:26.44 ID:su5/aLUyo
>>895
「あ、失礼しまーす見学にきましたただの小説家さんデース!」

陽気な声が不穏な道路上に響く
一触即発なこの場に、だ

「で…見学してしまっても構わんのだろう?
リア充はぶっ潰すべし!が家訓なんですが今年ばかりかは別です。こんな面白そうなネタは放置できませんのでして」

この自称小説家、帯刀している
つまりは戦闘能力はあるし能力者たちに加勢する理由もあるのだ
その上でこの聖夜破壊劇の一幕を小説のネタにしたいから見学したいと言い出したのだ
不穏因子として一刀両断するもよし、戦力として働かせるもよし、望み通り見学させるもよし
その選択は、エルミスの手に委ねられた
897 :ア??ス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/24(木) 22:53:32.22 ID:7SNw8lNW0
>>895
「ふはははははは・・・・・・!!!この世のリア充共をせんめつしてくれるわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
何やらプロレスラーもかくやなマスクをかぶった謎の人物その1 一体彼は誰なんだ?

―――ギィ!!

なんか巨大サソリが引っ付いている時点でお察しレベルですがね!!

だがこの人物はこの場に参加したことを非常に後悔していた

だってちょっと騒ぐぐらいしかするつもりなかったのに 
お祭り気分だったはずなのに

なんか爆破テロ的なことをすることになってしまったのだから

「ってアッー!イヤーこっち来ないでー!!」
そしてヘタレが服着て歩いているような謎の人物のその一は ラブレスが殴り掛かってくるのに対応するために とりあえず逃げ出そうとする
898 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/24(木) 23:01:14.46 ID:OOaEuf+E0
>>895
[率先してツリーを燃やし、電飾を千切り、破壊活動に精を出す小汚いコートの男]
[時折暴徒を何人か殴り倒し、警察のせいにするのも忘れない]
お前らは変態だ!やれ!燃やせ!イェー!イェー!
[頭の上で手を叩いて暴徒を煽り、街が破壊されていく様を楽しげに眺める]
[ある程度暴徒がヒートアップしたのを見届けると、こっそりとその群れから離れていった]

楽しくてクソッタレな祭りだったぜ。次はもっと頑張りたいな
[右の瞳の中の三角形に並んだ黒い点を愉し気に回転させながら踵を返した瞬間、飛び掛かってくる黒いコートの男]
…ッぶねぇ!?
[後ろに転がって距離を取り、二人の男の身なりを窺うと、両手を軽く上げて落ち着いた声で話しかける]
待った待った…敵意はないぞ、見逃してくれ。頭は下げないが頼むぜ
なんならあいつらをボコ…鎮圧するの手伝ってもいいし
[男たちの身なり、雰囲気からただの人間ではないことを見抜いたソーマは、なるべく彼らとの戦いは避けようとする]
[それでも向かってくるのなら、腰に提げた刀で応戦するだろうが]
899 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/24(木) 23:02:35.91 ID:8kWmoGHGo
>>896
『…………』

気の抜けそうな明るい声にエルミスは眉を顰め、そちらを伺う。
名乗りを上げたのはアメリカらしからぬ出で立ちに一般人らしからぬ様子、さらに帯刀と三拍子揃った不審人物だ。
あまりにも胡散臭すぎる。「リア充ぶっ潰すべし」って言っちゃってるし。

『お前のような小説家が居るか』

とりあえず捻り潰すことにしたようだ。片腕を振るえば鏡花の立っている場所になにかプレッシャーのようなものが集中し始める。
次の瞬間、鏡花の腹部のある辺りに巨大な穴が空間ごと削り取られたかの如くぽっかりと空くだろう。
回避しなければ腹部を失うことになる、が、エルミスの能力の性質上、出血や痛みを伴うわけでもなければ胴体がちぎれる訳でもない。
ただ失った部位を使えなくなるだけだ。力が入らなくなったり、気分を悪くしたり。
まずはブッ叩いてテロリストでなかったのならば後でごめんなさいすればいい。これぞアメリカンウェイだ。
900 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/24(木) 23:11:32.48 ID:8kWmoGHGo
>>897 >>898
「逃がすか阿呆がッ…!」

真っ先に逃げ出すアキレス。無論ラヴレスがそれを逃す筈はない。
唐突に空中で加速という人間離れした技を見せ、ぐんとアキレスとの距離を縮める。
注視していれば分かる筈だが、彼女の脚を覆うのはまるで炎のような形状の可視化されたオーラ。
つまりは肉体強化型の異能。アキレスと同タイプである。

「蹂炎(じゅうえん)!!」

さらに加速すれば空中でひらりと身を翻し、満月のような円を描いて渾身の踵をアキレスへと振り下ろす!

『…俺たちの目の前で破壊活動に興じてる…』
『…ソレだけでギルティってこった。クソテロリスト共…』

一方ではがりがりがり、金属を引きずるような音を響かせながら何かが近づいてくる。
ソーマタージの後方から現れたのはジョシュアだ。浮き立った青筋からしてかなり機嫌が悪そうである。
右手に日本刀のような形状の黒い刀、左手に両刃のコンバットナイフ、エクソダスを引っ提げてソーマタージへと歩み寄る。

「……せっかくの休暇を台無しにしたことを」
『後悔させてやるぜッッ!!!』
901 :国木田鏡花  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/24(木) 23:12:56.68 ID:su5/aLUyo
>>899
「No!ワターシはたーだの小説家さん!!世は乱世だから帯刀してる小説家さんイズ主ry…ゴフゥ!?」

やばい。逃げねば。となんかやばそうなプレッシャーで察した
一歩慌てて後退…はなぜか間に合わずに腹に穴が開く

「うえーんお腹に穴空いたーこの人でなし―子供産めない体にされたと訴えてやるー」

力が入らなくなったのか地面に座り込んで嘘泣き
左手にペンを握りながら、つまり小説家認定されて見学する気はまだあるらしい
しかし、心の中では……

(リア充はどうどもいい…だが、こやつは今の私の敵だっ!!)
902 :ア??ス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/24(木) 23:22:23.42 ID:7SNw8lNW0
>>900
(アカン)
なんか見覚えのあるオーラを纏い 超加速してくるではないか
今からデモンを起動しても遅い やられる 嗚呼・・・痛そうだなぁ…

「じゃない!! えぇと 早速だけど奥の手!!」
取り出したのは特殊警棒 だが展開せず 柄頭の 強化ガラスに覆われた部分をラブレスに向けてスイッチオン

―――ボッ!!
ストロボガンが音を立てて起動 フラッシュバン並の光量がまき散らされた

「ッ!! デモン!!」
それの効果の成否にかかわらず こちらは青い霧のようなオーラを足に纏って後方へ全力ダッシュするのであった
903 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/24(木) 23:22:26.43 ID:8kWmoGHGo
>>901
『……この指を弾けば…お前の腹を本当に消し去る事ができる』
『だがその一方で…お前の腹を元に戻してやることができる…』

内臓機能を失いドシャリと崩れ落ちる鏡花。失ったのはみぞおち周辺の柔らかな部分だ。
短期的には影響はないが、長期にわたって放置すれば老廃物の排出ができずに死に至る。
が、今は気にするほどのことでもないだろう。もし本当にそんな状態に陥るとして、2,3日は後の事だ。

『這え。這いつくばって媚びろ』
『生きるか、死ぬかは俺が決める。お前ではn』

エルミスは満足そうに、座り込んだ鏡花の太腿辺りを革靴で軽く踏みつける。
愉悦の笑みを浮かべ、口元を抑えて。その眼光は満月のように淡い黄金の輝きを放っていた。

なおこの男の悪い癖で、サディスティックな欲求に囚われるとそちらの方へと注力してしまう。
つまりはのめり込んでおり、早い話が隙だらけである。
904 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/24(木) 23:22:40.58 ID:OOaEuf+E0
>>900
マジかよ畜生…
[背後からの声に振り向けば、両手に刃物を持った不機嫌そうな男]
[舌打ちしつつ片手でフードを被って刀を抜き、立ち上がってジョシュアと対する]
公僕が休んでんじゃねえ!こうなりゃ最後までやり抜いてやるぞクソめ
[噛み合わされた牙を模した酸素供給機の下からくぐもった声で挑発すると、赤い刀を顔の横で立てるように構える]

いくぞファック野郎!年始もベッドで過ごしな!
[構えた次の瞬間にはジョシュアめがけて駆け、刀をまっすぐ振り下ろすソーマタージ]
[その速さは並みの人間の物ではないが、その分攻撃後の隙はかなり大きい]
905 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/12/24(木) 23:31:36.08 ID:UvyQ2jfbo
「………」
何なのかもわからずこけおどし用の手投げ弾を遠投する。
恵まれない人間のためと言われてこの爆破計画になんとなく加担してしまったが、違和感が拭えない。
なのでとりあえず殺傷力のない手投げ玉を投げているのだ。

「爆破することが恵まれない人間の救いになるのかな?よくわからない」
そんな疑問を持ちながらとりあえず投げる。
殺傷力はないが音がうるさいので気を引くために使うというものだ。
906 :国木田鏡花  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/24(木) 23:34:08.29 ID:su5/aLUyo
>>903
「きゃーステキ―いい男―大好き―」

棒読みである。助かりたいのかどうかもわからないほどに棒読みである。
感情は全く込められておらず、灰色の瞳はどんどん月のように冷たい光を帯びて…

「んなこと言うかと思ったかこのやろー!斬りますよ!!」

居合切りを放つ
速さの方は鏡花の文豪とは思えぬ県の腕で圧倒的なものとなっている
明らかに初撃必殺を狙った一撃。この文豪、本気で怒っている

自分が小説家認定されなかったことに
907 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/24(木) 23:38:11.79 ID:8kWmoGHGo
>>902
「…ッッ…!?」

それは一瞬のことであった。何かをこちらへと向けたかと思えばいきなり、視界が闇に包まれたのだ。
ストロボライトによる目くらまし効果。マグネシウムを使用したフラッシュバンにも匹敵する。
激しい光に平衡感覚を失ったラヴレスはそのままふらつき、猛スピードで積み上げられたドラム缶の山へと突っ込んだ!

「ぐぁッ…!…く、ぅ…目がッ…くそッ…」
「ま、待て!卑怯者ぉ!私と尋常に勝負しろォっ!!」

しばらくしてガラガラと錆びたドラム缶を押しのけて出てくる小さな身体。
地面を転がっている最中にコートは脱げてしまったのだろう。冬では寒かろう軽装の、腹部を露出させたコンバットスーツ。
紺碧の髪を靡かせて出てきたのは暗殺者には不相応の年頃の少女だ。

アキレスの背中(であろう)方向目がけて叫ぶも、おそらくは徒労に終わるだろう。
どうしたものかとしばらく考え込んでいたが、ふと転がっていた空のドラム缶を見て何か思いついたようだ
ひょいひょいと二つ担げばビルの間を縫って逃走経路を先読み、先回り。適当な影に隠れて様子を伺う。
アキレスの能力の光が見えてきたタイミングでブッシュから飛び出し、正面からアキレス目がけて空中でドラム缶をリズミカルに蹴って飛ばした!

>>903

ぶんぶんと刀をアクロバティックに振り回して格好つけるジョシュア。
どうやら某スター○ォーズに影響されたようで、わざわざ刀を持ち出してきたようだった。

『クソ野郎…』

ソーマタージのスピード。それはジョシュアを驚かせるには十二分のものであった。
予測していたよりも敵のレベルが高い。浮き出る脂汗。しかし次の瞬間には悦びの感情へと変わる。
”こんな骨のありそうなヤツと戦えるなんて!”
ソーマタージの刀を右手の日本刀で受け止めればにやり、嬉しそうな笑みを浮かべ。

『いいぜ受けて立ってやろォじゃねェか…!その喉掻っ捌いてクソを詰め込んでやるぜェッッ!!!』

左手のエクソダスを逆手に持ち替え、ソーマタージの喉元目がけて突き立てようと振りかざす!
908 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/24(木) 23:40:15.75 ID:8kWmoGHGo
//>>904である
909 :ア??ス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/24(木) 23:44:51.86 ID:7SNw8lNW0
>>907
「やーいばーか」
実に楽しそうな声で相手を馬鹿にしながら戦線を離脱
しばらく角をいくつか曲がり やがて人通りの少ない場所に出る

「・・・・撒いたか」
マスクを脱ぐ まぁもちろん自称アーティストが出てくるわけだが

「まぁあとはほかの連中に任せまs」
デモンレッグを解除し あとはノンビリファストフード店にでも入ろうかと考えていたところ
突然のアンブッシュ 飛んでくるドラム缶 回避する術は 無し

「ンギャッ!!」
バコーンとヒット その衝撃で昏倒

ピヨピヨピヨ とひよこの追いかけっこを浮かべながら気絶してしまいましたとさ ちゃんちゃん

//ノシ
910 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/24(木) 23:52:50.52 ID:8kWmoGHGo
>>905 >>906
『…………』

鏡花の謎の賛辞を極めて冷めた目つきで見下ろすエルミス。
怒りとか、呆れとか、そんな感情すら感じさせない程の無機質な瞳だ。
せめてもう少し、何かなかったのだろうかと人間に向けていいようなものではない眼で鏡花をじっと見つめている。
そのような沈黙のさなか、月光に冷たい刃が煌めいた。

『!!』
『…やる』

すんでの所で身をかわしたエルミス。ストライプスーツの腹部の辺りに深い切り込みが入る。
喰らえば真っ二つ。聖夜のホワイトクリスマスを自分の血で真っ赤に染め上げる所だった。
と、同時に鏡花の腹部の”穴”が綺麗さっぱり無くなり、消えていた。

どうやらこの能力、エルミスの”意識”が発動のキーらしい。
彼の意識から自分を完全に”消し去れば”、能力もそれにしたがって無効化されるということだ。
つまり完全に消滅させられる前にぶん殴って気絶させれば元通り、という訳である。

『……”アレ”はどうするべきだと思う?』

彼女の斬撃を避けたエルミスは反撃に出ることはせず、くいくい、と。
背後で爆弾を投げまくる不審者その4を顎で示して鏡花を見つめた。
911 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/24(木) 23:53:24.60 ID:OOaEuf+E0
>>907
受けやがったよこの野郎…
[感嘆と、驚きの混ざった声で呟いた瞬間喉元に向かってくるナイフ]
[首を横に逸らすことで完全に突き立てられることは避けたものの、動脈のすぐ近くとフードの一部を切り裂かれる]
ああックソッ…!

[一瞬の判断で片手を首の傷に伸ばし、指先に白い人工血液を付着させると鞭の様に腕を撓らせてジョシュアの目を狙って血飛沫を飛ばす]
[そのままあえて刀から手を放すと、相手の反応を見るよりも早く腹へ拳を叩き込もうとする]
[ソーマの刀は普通の物よりやや長く、こういった状況では使いにくいのだ]

ジェダイ気取りめ!頭行くぞ!ホラ脚だ!
[挑発しながら矢継ぎ早に、我武者羅にパンチや蹴りを放ち続けるソーマ]
[相手も刀を振れないような状況に持ち込むのが目的だがはたして]
912 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/25(金) 00:10:40.88 ID:jTXJAoz50
>>910
「伊達に世界わたりしてませんよーっと戻ったやったー」

自分の腹が元に戻ったのを感じて喜ぶ文豪少女
間違っても子供が産めるからなんかではないのはお察しのとおりだが

「?うーん、鬱陶しい?って私の気を逸らそうってそうはいきませんよ!」

不審者その4は、鬱陶しいし耳障りだ。
だが、それよりも重要なことがあった、許せぬことがあった
立ち上がり白刃をエルミスに突きつけて問う
解答は間違ってはいけない。間違えれば今夜のおかずのチキンのようにばらされてしまうから

「私は文豪です。分かってますよね?」

答えは恐らく二種類。
そのとおりです天才作家様!か、どう見ても天才剣士だろてめー
913 :国木田鏡花  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/25(金) 00:13:30.20 ID:jTXJAoz50
//名前ミスとは情けない!
914 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/25(金) 00:15:14.61 ID:/17fzNn0o
>>909
「…やったか…臆病者め」

クリーンヒットし、くの字にへし曲がるドラム缶。
ごわんと大きな音を立てて二発とも命中、アキレスはドラム缶に押しつぶされるようにして仰向けに倒れた。
悪戯気分で参加したデモが大規模なテロ事件になるとは災難なことであるが。ラヴレスは容赦なくアキレスを打ちのめした。

「……取るに足らん。帰るか」

だがお縄は免れたようだ。特に大規模な破壊活動をした訳でもないし、構成員とも見做されなかったのだろう。
警察や正規軍などであれば大問題だが、カノッサの、それも独自に動く私設軍隊であれば話は別だ。
踵を返し、かつかつとブーツの音を路地裏に響かせながらその場から立ち去った。

…ところでアキレスが倒れた時、そのポケットから投げ出された携帯電話。
落ちた衝撃でスイッチが入ったのか、ぱっと転倒した画面にはいくらかの通知。
夕方ごろからアキレスが悪戯に興じていた最中辺りに来ていたようだ。
送信者は魔女の少女。件名は…パーティへの誘い。

>>911
『俺も人間じゃねーんだ…お前もそのクチだろ…はァ?』

鍔迫り合い。噴き出る玉のような汗と、飛び散る火花。
ソーマの首を狙ったナイフは掠り傷ではあるが、確かに彼を捉えた。
彼の皮膚の切り裂かれた部分から、淡い炎のような光が飛び散って消える。
飛び散った人工血液がアスファルトへと墜ちるその前に、刀から手を放して血飛沫を眼潰しに使うソーマ。
ジョシュアはそれを顔を背けて躱した。彼は元特殊部隊の軍人。近接戦闘の心得はある。

『っとォ!やるじゃねーk…うぐッ…がはァッ…!!』

続いて放たれた連打を、刀とナイフの両方を駆使して防御する。
しかし如何せん軽く切って通るような相手ではないということ、さらに刀のリーチよりも内側に回られてしまったということ。
極めつけにはあちらの方が手数が多いということもあって、ジョシュアは徐々に押されてゆく。
バチンとひときわ大きな音が上がり、顔面を打ち抜かれたジョシュアから血の飛沫が上がった。

『ぐっ!!』

がきん。刀が弾かれ、キラキラとネオンを反射しながら飛んでゆく。
グラリと体制を崩してアスファルトに膝を突き、血と唾の混じったモノを吐き捨てるジョシュア。
どうも長物は慣れねェ、なんて負け惜しみを言いながら再び立ち上がり…
今度は不壊のエクソダス…すなわちナイフ一本。使い慣れたいつものナイフだ。
にやり、再び楽し気な笑みを浮かべれば…いきなりそれを投擲した!
915 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/12/25(金) 00:21:03.95 ID:qsnnEqQlo
>>910>>912
「?」
何か目線を感じる。
手投げ弾を投げているだけなのである意味では無害だろう。

「何か……?」
ふと手投げ弾を投げるのをやめて、問いかけてみる。
彼女はあくまでも、恵まれない人間のためにという建前を信じているのだ。
丸め込まれているとしか思えないが。

「私は……恵まれない人間のためにやってる、から」
そう言うのがやっと。
彼女はどうも使い捨てにされている感じもする。
916 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/25(金) 00:33:39.86 ID:TQPlDlB+0
>>914
…確かにそこらのダボとは違うな。似た者同士ってか?お喋りはもういいな?
[木人拳めいたミニマルな連打の繰り返しの末、漸く顔面に入った拳]
[取り合えず武器の一つを弾いた事で無理に近寄る必要はなくなった]
[構えを解かないまま数歩下がると、肩で息しながら煽る様な口調で話しかける]

やっと一発入れてやったぜファック野郎…
疲れたからここらで終わりにしねえか?見たいドラマもあるん……ッ!
[放たれたナイフに目を見開くと、両手を広げ、両側から挟みこむ様にナイフを止めようとする]
[だが少々遅かった。ナイフは革手袋ごと両掌を切り裂くと、肩に深々と突き刺さる]

畜生め…!兆倍にして返してやるぞ…!
[人工皮膚の下の謎の機械を露にしながら肩のナイフを引き抜こうとするソーマ]
[次第に大きく開かれつつある右目に呼応する様に背中から数本の触手が生え、尖った尖端をゆらゆらと揺らす]
[簡単に言ってしまえば隙だらけだ]
917 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/25(金) 00:37:14.78 ID:/17fzNn0o
>>912
『…文豪…?』
『(………”剣豪”だろう)』

ビシーっと刀の切先をこちらに向け、威風堂々のもの書き少女。
その様子を見たエルミスは口元を抑えてくすりと…というか失笑した。

ちなみに鏡花が考え込んでいる間に本当に殴り掛かろうといていたらしく、気取られれば小さく舌打ち。
戦闘に特化した能力ではない為、姑息な手段に頼る必要性があるのは致し方ないが、これはどうなのだろう。

『フン……そんな風に刀を突きつけて脅すのがお前の”書き方”なのか?』
『…文豪ならば文豪らしく…ペンで俺を下すべきだ』

エルミスは両手を広げ、渾身のウザ顔を披露する。
挑発している訳ではないのだが尊大な物言いと上から目線極まりない態度が苛立ちを加速させる。

物書きならばそれらしく文才を見せてみろと言いたいのだろうが…
無論うるせぇと切り捨てるもペンで刺殺路線に変更するという意味に捉えるのも自由であるが

『さぁ…やってみろ』

>>913
『……気が散る、臭い、喧しい』
『それをやめろ。今すぐ』

苛立ちを隠せない様子でエルミスはアリッサムを睨みつける。
あちこち爆発させられていては業務にも支障が出るし、なにより迷惑行為に他ならない。
一帯は煙が立ち込め、硫黄の香りが充満している。
スーツや髪の毛にニオイが付く、と若干キレ気味になりながら突っ込んだ。

『恵まれない人…?』
『…お前は恵まれない人の為に血肉を分けろと言われれば従うのか?』
『お前のクライアントは消えた。さぁ…家に帰れ』

大方鉄砲玉、スケープゴートに仕立て上げられてしまっているのだろう、とエルミスは予想した。
しかも彼女の言う”恵まれない人”の過半数はお縄に掛かるか病院送りとなってしまっていた。
彼女がこれ以上ここでかんしゃく玉をバカスカ炸裂させる謂れはないのだ。
918 :国木田鏡花  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/25(金) 00:57:34.86 ID:jTXJAoz50
>>913
「私は(小説家と認められる機会に)恵まれない人。それためになってないよ私には……」

丸め込まれた少女をさらに誘導しようとしている
純粋にたま投げをやめてもらいたいだけなのだが、やり方が外道だ


>>917
「……あっ!笑いましたね!絶対天才剣士の間違いだろと思ってますね!?」

笑われて怒る。いや、違う
文豪認定されないで怒っている
剣で斬りかかる文豪の何が悪いのか!と憤る
「三千冬」で殲滅すると心に決めた瞬間……

「ふっ……いいでしょう。
あなたについて軽く書きますよ。このペンで!」

苛立ちが消えた。エルミスの言葉で
たしかにそうだ、ペンを持たずして何が文豪だ
刀を納めて万年筆とアイデアノートを手に取る。そしてどや顔
ウザさなら、負けない

そして三秒思考して筆が走り出す
覗き見をするとこんなことが書いてあるのがわかるだろう
『わたしは、悪魔に遭った。全人類の敵たるリア充に与し、一介の女流作家を子供が産めぬ身体にする悪魔だ。
腹部を消し飛ばして繁栄を止める力も恐ろしいが、なによりもウザくてきもちわるい。そのキメ顔と嗜虐癖には生理的嫌悪感しか抱けなかった…』
919 :アリッサム ◆xGMulkBAlY [sage]:2015/12/25(金) 01:05:58.76 ID:qsnnEqQlo
>>917>>918
「え、あ、うう……」
あまり考えていなかったのかすぐに迷い込んでしまう。
混乱のうちにかんしゃく玉を差し出した。

「それも、そう……考えてみたら爆破が人のためになると思えない」
わりかし丸め込まれてる割に常識的な態度。
もう投げる理由もないと言うことで、あっさりと投降。

「本当は……なんの集まりだったのかな?」
本当の目的もわからないままだったようだ。
しゅんとしてしまい、反省中。程なくかんしゃく玉は押収。
彼女はその場でお叱りを受けて、とぼとぼと宿に帰っていくのであった……
920 :ラヴレス・ウォルコット【プライマルレイド】 [sage saga]:2015/12/25(金) 01:19:44.82 ID:/17fzNn0o
>>916
『!、アンディ(アンドロイド)か…!タフなハズだ…』
『クソが…!やっぱあっこでやめときゃよかったぜ…!』

『仕方ねェ、とことんブッ潰…』

突き刺さるエクソダス。先ほどのように淡い、青白い炎が立ち上る。その勢いは先ほどよりも激しい。
エクソダスには突き刺した対象の”魂”を解き放つ性質があるのだ。つまり炎はダメージの早見表、といった所か。
深々とソーマの肩に突き立ったエクソダスだったが、それにしてはソーマタージは堪えていない。
つまりは刺突による攻撃程度では致命傷にはなり得ないということ。
ならばアンドロイドでも堪えるほどの攻撃を叩き込んでやればいい。そう手を翳した瞬間だ。ジョシュアの無線機が警告音を発する。

『…クソ、撤退かよ…ッ』
『残念だがここまでだ。この世界からは”撤収”だと…』

無線機のスイッチをオンにし、エクソダスをシースへと仕舞う。
若干命拾いした感も否めないが、勝負がお預けになったことに関しては不服そうだ。

『お前も越境者なんだろ?俺はジョシュアだ…お前の名前も聞かせろよ…』
『またどっかで闘り合うこともあんだろ…決着はそンときだ』

じゃあな、クソッタレと言い残して掛けてゆくジョシュア。
小さくなりゆくその輪郭は闇に呑まれ、雪の中へと消えていった。

>>918
『…「天才」は余計だ』

ちゃっかり「天才」を付け足す鏡花にすかさずツッコミを入れる。

『本当に扱いやすいな、お前は…』

そこまで文豪扱いが嬉しいものなのか、と若干戸惑いながらウザ顔のお返しを受けるエルミス。
自信満々に万年筆を取り、刹那紙の上をさらさらと滑る筆先。
かりかりと文字を刻む音は聞いていてどこか心地がいい。

『ふむ…』

腕を組んで鏡花の隣へ、首を伸ばしてアイデアノートを覗き見る。

『不合格!!』

ズバーン!とアイデアノートを真っ二つにチョップ。
ホワイトクリスマスの粉雪に混じって紙吹雪が舞った――

//ねむきゆえにこれにて。皆さまおつでした〜
921 :ソーマタージ ◆.zilz3o6.U [saga]:2015/12/25(金) 01:29:40.71 ID:TQPlDlB+0
>>920
だからやめようって言ったじゃねえか畜生め…!
[怒りの混じった重々しい声で抗議すると体勢を建て直し、触手の尖端を一斉に向ける]
やってみやがれ、手前の内臓で街を飾ってや…
[売り言葉に買い言葉で返そうとした時に鳴る警告音]
[冷めた目に戻ると肩を竦め、触手を引っ込める]
撤収でも敗退でもいいからどっか行きやがれ…
名前?…ソーマタージ、ソーマタージだ
出来ればその時が来ないことをブッダに祈ってるよ、スカタン
[バーカバーカと子供じみた悪口を吐きながら雪の中へ消えていく影を見つめると、自分の刀を拾ってそそくさとその場から逃げ出した]

//遅くまでありがとうございました 乙ですー
922 :国木田鏡花  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/25(金) 01:36:55.56 ID:jTXJAoz50
>>920
「どうですか?やっぱり私って文才に溢れる文学少女ですよねーわかりますよー!」

自信たっぷりである。というか自信しかない
その万年筆が滑る度に紙面にはエルミスを悪魔たらしめる記述が増えていたが…

「ぎゃー!!この人でなしー!やっぱり悪魔じゃないですか!!」

アイデアノートが死んだ!
ペンを仕舞うや否や袴を脱ぎ捨て全開での戦闘態勢へ
所謂げきおこである。慈悲は紙吹雪と共に聖夜に沈んだ
さあ、悪魔狩りの時間だ
ここに、エルミスのクリぼっちは回避された
なぜなら、文豪との白刃煌めくブラッドクリスマスルートへと突入してしまったからだ

鏡花はノートの仇討ちができるのか!?エルミスは文豪から逃れて平和な聖夜を掴み取れるのか!?
結末は鏡花先生の次回作で明かされるっ!!

//お疲れさまでしたーではこれにて、

923 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/27(日) 22:39:02.91 ID:qikRQIhZ0
【ウェイストランド】
どこぞの阿呆が格やらかして 世界まるっと世紀末になっちまったこの地には クリスマスもなけりゃ年末もない もちろん元旦だってない

「イブは阿呆なことやらかしてミスカに呼ばれてたのに行けなくてさぁ… 埋め合わせしようと頑張って稼いで高いアクセサリ買ってさ・・・届けに行きたいのにこんな世界で待ちぼうけだよ・・・笑えよちくせう…」

嘗ては誰かが住んでいたのだろう 天井が崩れて壁だけになった廃墟でたき火囲んで保存食を温めている自称アーティストのアキレス

―――ギィ!!
そんな彼のことなんてどうでもいい 今は温めている保存食に夢中のベティ

この世界の貨幣の持ち合わせがない以上 働かなくてはならない 運び屋として生計を立てながらさめざめと泣いている彼の元に 知り合いははたして現れるだろうか?
924 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/27(日) 22:51:00.90 ID:3vHvGyUuO
>>923
「なら、貰ってあげてもいいよぉ? 代わりにさ」

そんな境遇を聞いてけらけらと笑うのは七八
普段の深い菖蒲色の忍び装束の上にグレーのファーダウンを羽織るという情緒も風習もあったもんじゃない服装である

「……ま、気分だけでも出るかな?」

リュックから取り出したのはスパークリングワイン
つい先日までいた現実に程近い世界でバイトしていた時のクリスマス商戦の売れ残りを格安で貰ったのだという
スクリューキャップ式の安物な上に、お値引きの赤シールが貼られているのはご愛嬌

「……あー、まぁ、グラスがないけどね……」

安っちいプラスチックの透明カップに注がれる泡
飲む? とアキレスに勧めてみる
925 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/27(日) 23:07:59.37 ID:qikRQIhZ0
>>924
「ふ〜んだ 誰が渡すものかコノコノ!!」
シッシッと払いのけるように手を動かす

細い金のチェーンに 深い赤のルビーを合わせたネックレス
宝石の質にこだわった 結構な値段の代物らしいです

「ん・・・飲む」
プラスチックのコップを受け取ると 温めている保存食を用意する

凝ったお皿なんてなく 廃墟に転がっていたベコベコの金属トレイを消毒タオルで拭ったもの
ラインナップはソールズベリーステーキ(ハンバーグの事)

水で戻した乾燥ポテトとミックスベジタブル 最後に世界が滅んでも生き残ると噂される激甘焼き菓子トゥインキ○ズ
流れるBGMはラジオのもの

少なくてもディナーの装いは整いました もちろん風情なんて欠片もありませんが

「それじゃ チアース」
欧米式乾杯の言葉と共にワインを掲げ 一息に飲み干す

「・・・・おいしいんだよな」
例え安物で 売れ残りで 割引シール付きであったとしても お酒はよき友であるのだ

―――ギィ♪
まぁベティにはどうでもいい話です ハンバーグに舌鼓を打っている
926 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/27(日) 23:17:08.52 ID:3vHvGyUuO
>>925
「ちぇー、けちー」

払い除けられてむすっと膨れて見せた
しかしなるほど、あの手の装飾品は自分には似合わない
渡されるべき相手に手渡されるのが一番であろう

「あ、缶詰パンあるよー、食べよ食べよー」

ぷしゅ、と缶に空気の染み込む音
プルタブを捻り中から取り出すのはくしゃくしゃのパン
少し経つと空気を吸って、ふわふわに戻る仕組みである
それなりの大きさのそれを三等分してアキレスとベティとで分けた

「……ん、かんぱーい」

一方七八はコップの1/3程を飲むに留まる
飲めなくはないがそこまで強いわけでもないのだ
今回これを頂戴したのも、他にめぼしいものがなかったからに過ぎない

「……ま、こういうのもたまにはねぇ」

屋根のない天上を仰ぐ
冷たい夜の空、焚火の煙がか細く昇る
927 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/27(日) 23:31:01.25 ID:qikRQIhZ0
>>926
「ケチで結構でーす」

気の置けない仲での他愛もないじゃれ合い
この孤独な世界ではそれだけのことがとても貴重なものである

―――ギィ!!ギィ!!
そして四五六がパンを取り出せば ベティはさっそく四五六のモンペの裾を引っ張り クレクレ催促を発揮するのであった

「そう言えばさ 前に出てきた四五六タンの偽物SAMURAIはあれからどうなった? 一応知り合いの越境者にはあらかた話して回ったけどさ
 俺はまだあの日以来であってないんだよね? そっちで何か尻尾掴んだとかない?」

二杯目のワインを注ぎ ハンバーグを一口食べてからワインで流す
928 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/27(日) 23:43:18.81 ID:3vHvGyUuO
>>927
「モテないぞー?」

けたけた笑ってアキレスへ視線をやりながらベティを撫でる
パンを差し出してから、それから自分も一口齧る
塩味の少し強めの保存食と言ったお味、不味くはない

「あぁ、偽物ね……」
「うーん、私も……っていうか、未だに出会ってはないんだけど……」
「ただスプロールからはいなくなったっぽいかな……越境かも」

兄の件もあり、めっきり拠点としているスプロール
情報の収集も無論貪欲に行っている
その内容からすれば、サムライ七八の凶行はある日を境にパッタリと消えていたのだ
恐らくは逮捕や死、或いは越境を果たしたのだろう
その中で越境の言葉を選んだ理由としては、下級警察組織や各種医院への情報収集の末の結果である
少なくとも調べられる限りでは、逮捕者や死者のリストの中にそれらしき人影はなかったのだ
929 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/27(日) 23:53:52.87 ID:qikRQIhZ0
>>928
「べつにいいもーん」
―――ギィ♪

パンにご満悦な様子のベティちゃん 今度はミックスベジタブルの制圧に乗り出した

「そうか アレがスプロールからいなくなって 運び屋が捗るのはいいが 他の世界で凶行三昧だとなぁ・・・
 越境したとたんにその世界から敵認定されそうでたまったもんじゃないな」

小枝を折ってたき火にくべる パチンと火花が爆ぜた

「まぁそのスプロールじゃ相変わらず身に覚えのないお弟子さんが暴れ回ってて モノホンの忍者にシバキ倒される事案が起きてるんだってさ 師匠は大変だな」

この男は四五六がエセNINJA撲滅にいそしんでいると思っているらしいが
大半はいつぞやの別世界忍者が頑張っているみたいです

「取り合えず越境仲間がどれほどこの情報を拡散してくれるかが 被害者軽減につながるな 俺の方でももっと情報集めt」
―――ギィ!!

ここでアキレスのズボンを引っ張るベティ ディナーをやっつけたのでさっさとデザートを寄越せと申しているらしい
930 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/28(月) 00:03:57.91 ID:mP5If576O
>>929
「ちぇー」
「……そういえばよく私をからかうけどさ、」
「……アキレス自身には浮いた話ってあんま聞かないような……?」

はてと小首を傾げながら
兄の一件で色々と言われているのだが、アキレスにはさっぱりだなぁと思いついた模様

「……ま、どっかで野垂れ死んでるんじゃないのぉ……?」

噂を聞くだけでそう言わせる程の嫌悪の念を抱かせる存在の様だ、七八に取ってみれば
最も言葉程無責任ではなく、越境した先々の世界で色々と調べてはいるようだが

「ん?」
「……あはは、まだまだ居るんだねぇ……」

流石にブームのピークは過ぎたのだろうと思っていたが相変わらずの模様
彼も大変だなぁと思うと同時に抱くのは感謝
今度会ったら何か美味しいものでも奢らなければと苦笑

「そうだね、そっくりさんで油断してたら……なーんて嫌な話……」
「……ん? あー……これとかどう?」

ベティに差し出すのは相変わらずの真空パック羊羹
現実に程近い世界で結構な量を買い貯めしたので余裕があるらしい、2本一気に開けてベティの鼻先(?)へ
931 :アキレス&ベティ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/28(月) 00:15:24.39 ID:NtOc7h7F0
>>930
「はぁ? いいいいいいいやアハハハハハハハハハハハハ俺なんてちょっと本気出したらすごいんだよそりゃもう辺り一面の美女がやんややんやでうっはうはよもうやだなー四五六タンったら(ry」
なんか急に早口でまくしたて始めた これは四五六のことを笑えないであろう

なにせイムカがすぐ近くでシャツ一枚で寝ていたというのに 悪戯はおろか見学すらしないレベルのHETAREですんで

―――ギィ♪
「あれ? あぁいつもごめんね四五六タン これお返し」

ベティはありがたくその甘味を受け取り 食べ始めた
いつも食料を提供してくれる四五六に今日はお返し と言わんばかりに差し出したのはトゥインキ○というクリームが入った焼き菓子
冒頭にもあった『世界が滅んでもなくならないお菓子』とされており 非常に甘い

「ヤレヤレ・・・いつになったらこれ 渡せるのかなぁ・・・」
そんなこんなで更けていく夜 ネックレスを眺め ここにはいない少女に思いをはせるアキレス君でしたとさ
932 :四五六 七八【賽印流忍術】 [sage]:2015/12/28(月) 00:25:49.98 ID:mP5If576O
>>931
「呆れた……」
「そんなんで人の事からかってたわけぇ?」

半分くらいになっていたコップの中身を更に一口
顔がやや上気しているのが分かる、少しご機嫌なのもしかり

「あ、なんだごめん、甘いのあったのね」
「……ん、サンキュー貰うよ」
「……なんか凄い味だね、甘ぁ……」

パッケージを眺め、開き、咀嚼
純粋な甘味の殴打に目が覚める、ワインとの相性が良いとはいえない
保存食に向いていそうだと苦笑

「……ちゃーんと渡しなよ、ヘタレないようにさ」

からかうように笑いかける、いつもと逆の立場である
焚火の薪が爆ぜた、夜はいよいよ耽け、藍の帳は深々と唄う

933 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/28(月) 23:06:41.59 ID:ETW1qQz0o
【寒く乾いた空から落ちる月明かり】
【その光を凌駕する大地を焼く焔の明かり】
【悲しい事が有った。多くは語られまいがその事実が、過去が復讐の焔を灯した】

世界を巡れど、嘆きの在る事に変わりは無し…かァ
この世界にも「救い」は無いならば、それは…

【復讐の炎によって燃え盛る村より微かに離れた場所】
【凡そ村内の生きて居ると言えるモノの殆どを刈り尽くした悪魔が独り言の様に呟いて】

……悲しき事よな、人間よ

【自分を「許す」か、「許さぬ」か】
【その是非は置いておいて、今この場に現れたであろう人達に問いかけた】
934 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/28(月) 23:15:28.61 ID:NtOc7h7F0
>>933
「人間なんて得てしてそんなもんさ 2人いればそこに諍いが生まれるんだ それこそ死んだってなおりゃしねぇ」
武器を多数背負った 目つきの悪いあごひげ男は口を開く

「よぅ どこぞで見たことのあるような面構えの悪魔だな まぁ 俺には関係ないっちゃ関係ない話だからな 何とも言えねぇ これが俺にも拘わる案件ならまた 違う言葉も出てくるんだがな」
そう 燃える村は対岸の火事でしかないのだ 少なくても今は

「しかし今日の宿はどうすっかね? この世界の地理に明るくないから この先どこに人里があるか分からないんだよね」
935 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/28(月) 23:21:12.00 ID:LUgVaKWKO
>>933-934
全身を隠す外套のフードの下、卵色の毛並みに橙が宿る
背の低い鼠の獣人は、遠方より灯る焔明に視線をやった

「……ん?」
「あぁ、いいんじゃない、別に」

人間、と指し示す中に、外套で正体を隠している自身も入っている事をやや間があって気が付いた
声変わり前の少年、或いは少女のようなソプラノを低く押し殺した淡々とした声色
炎に依る理不尽な殺戮、思う事がない訳ではないがだからと言って各個の事情に踏み入る事は憚られる

「……この先に丁度いい洞穴があった」

とロイに顔を向けた
因みにムガの言う『丁度いい』はムガ自身、即ち鼠人に取っての丁度いいであり人にしてみればそれはちょっとアレな傾向にあったりする
無論それなりに長い付き合いならばこの事を存知であっても不思議はない
936 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/28(月) 23:33:03.17 ID:ETW1qQz0o
>>934-935

「……救いは有って然るべきだとも」
「汝れらにも、彼らにも…等しくな」

そう言って炎を一瞥して、すぐに2人へ視線を戻した
殺したのは彼だと言うのに、矛盾した様な言い草では有るが……


「我も拠点が欲しい所ではあるがァ、一先ず開けた場所が望ましい」
「洞窟で暖をとって窒息死など莫迦らしかろう」

とりあえず悪魔は野宿を提案してみる
下手に火を使って一酸化中毒とか嫌だろうし
937 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/28(月) 23:43:02.94 ID:NtOc7h7F0
>>935
「そりゃミッキ○さんにはちょうどいいのかもしれんがね」
ハハッ

付き合いが長いので察した模様

「三人もいりゃ順繰りに火の番してもぐっすり眠れるだろ 野宿だ野宿 この時期寒いんだよなぁ」

>>936
「問題は何をもって救いとするかだな 聖職者なら殺さず悔い改めろだしなぁ」
どっこいせと荷物を背負い 歩き出す できれば水が簡単に確保できる場所がいいのだが 望み薄だろう

「お前さんがあそこまで燃やさなきゃ 今晩の宿はあそこに決まりだったんだがね まぁしょうがねぇか
 ただ女っ気のない旅路だ お前さんにゃ少々酷な旅になるんじゃないか?」

なにせむっつりですからね

「とりあえず向こうへ歩いてみるか」
さて 開けた場所は見つかるでしょうか?
938 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/28(月) 23:51:45.22 ID:LUgVaKWKO
>>936
「生憎、」

そういうの、と区切る
それはつまり運命と言うか、救済論に対してであろう

「信じてない、『救い』なんていらない」

神的な存在への信心の乏しい鼠人という種族そのものの思考である
自然信仰、生命そのものの在り方に疑問を抱く事なくただ信奉する格好を取るモノが多いのだ
即ち、鼠人に取っては受動的に授かる『救い』は死語であると言えた
多分に漏れすムガにしてみても、究極的には己を助けるのはいつだって己なのだ

>>937
「だから、その呼び方……!」

何度目かの危険な名前
境界線の理を超えて魔法の王国の警備隊がやって来たとしても不思議はない

「野宿かぁ……」

まぁしかし確かに3人が寝るには、あの洞穴はやや狭い
渋々ながら納得の様子

>>936-937
「暖? ……あぁ、」

と、体毛の少ない彼等をチラリ、納得の様子
ムガ自身も焚火をくべる事は勿論あるがそれは暖の確保というより、獣除けや火の持つ疲労の回復効果に期待する面が大きい

「……水は、村があそこにあんなら」

今だ燃え続ける村の跡地を指差した
問題はあそこは水源をどこから引いていたか、だ
遠く、夜に霞む山の方面を見やり鼻を鳴らす

「少し歩く?」

最終的にロイの提案に従い、移動について行く事に
939 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/29(火) 00:14:14.08 ID:coJ4FRg6o
>>937
「さて、な」
「何を以て救いとするか、未だ我にも解らんよ」

仮にそんなものが有るならば
復讐なんて、復讐の悪魔なんて、最早在り得ないのだが

「全て燃やすが我なれば」
「嘆きも、悲しみも、恨みも。全て我だけの業で良い」

復讐の悪魔、ラース
復讐の連鎖を絡め取り、その螺旋の最期に立つ者
全ての怒りが、嘆きが、復讐の焔が彼の背負うべき業であり

「―――-我が記憶に刻まれし数多くのぉおっぱいはァ」
「決して色褪せる事は無いのだァ」

あ、むっつり部分は大丈夫そうです

>>938
「ああ、ただの我儘だとも。人類皆幸福たれ、とな」

悪魔としても別に神の存在など押し付けるつもりは無い様で
それでも彼が【救い】と言うものを求めるのは

「……この様な光景。望んで見たくは無いのでな」

自分に、復讐の悪魔に縋らざるを得ない人々を見て来たからか


>>937-938

「村の中に川が通っていたろう」
「その上流へ向かうとしようかァ」

「……寒いからあまり動きたく無い気も若干するが、なァ」

寒空の下、上半身裸でボロ履いてるのはこの悪魔位であろうが
940 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/29(火) 00:23:48.56 ID:ZCGj/qeQ0
>>938
「じゃあエレキマウスでいいや」
ピッピカ(ry

「文句はそこの悪魔に言え ああも燃えちゃ 火の元消えるまでノータッチするしかねぇ
 骨組みのこりゃ御の字だろうさ あぁ歩くべ」

なおもこの男は笑顔で地雷を踏み抜こうとしている

「あぁそうそう言い忘れていた 妙にワカ○トヴォイスで上半身裸な悪魔に出会ったら 胸部に注意しろと伝えておいてくれ」
ブルァ(ry

>>939
「実際見ただけで満足するレベルだもんね しかも大きさ関係なく」
しかも服の上から

「人類皆幸福たれ・・・ね どこぞの幽霊と気が合いそうだ」
やってることは真逆ですがね

「そうね 下流に向かってって 妙な怨念汲み上がるとかマジ勘弁だし」

こうして男三人(種族バラバラ)川を上る


>>938-939
――――――――暫し後

「この辺でいいだろ」
遠くに黒煙うっすら見えるその場所で一夜を過ごすことにした

「エレキマウスは周囲の警戒 ラースは火種を頼む 俺はテントを設営して飯を作る 異議は今なら受け付ける」
早速場を仕切りだす
941 :ムガ 乳白色の鼠人 ヤソ式忍術 E.黒覆面(口元) [sage]:2015/12/29(火) 00:29:26.74 ID:ZNnPZ1Je0
>>939
「そりゃ無理だ」
「天土の全てを欲する業を手に入れた、知恵と引き換えに」
「そんなのばっか集まって、暴力がなくなるはずない」

時の権力者の争いに巻き込まれ消えた郷と仲間を想う
どれだけが経過しても褪せぬ記憶、だがムガは復讐を選ぶ事はしなかった
しかしそれが少数派の選択である自覚はあるし、何よりムガ自身も、忍という仕事上報復の連鎖を具に見てきたのだ

>>940
「……電撃撃つぞ」

撃てません

「あぁ、伝えとくよ……」

胸部云々、何と無く察したらしい
やや引き気味で件の彼をチラ見しつつの肯定であった

>>939-940
「……いい加減その呼び方やめろ」

薄っすらとした赤い瞳で抗議の目線
最も若干の眠気があるのか、さしたる威風をも纏ってはいないが
そして短い一鳴きの後、死に掛けの心臓めいた鼓動で脈打つ赤い魔翌力を瞳に宿す
直後その姿は溶け込むように闇へ紛れ、周囲の警戒に当たる事にした様だ

//すみませんがこの辺でっ…
//お先に失礼します、お疲れ様でしたっ
942 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/29(火) 00:45:27.48 ID:coJ4FRg6o
>>940
「当然。【有る】ならば少なくとも満足はするとも」

うむ、と強く頷いて見せる
成長性含めて一切合切無ければ?
無を愛するとか仏の域ですから

「ほう、我と同じ様なのが居る…と」

落ち着いたら、その人物の話でもして貰おうかと心のメモ帳に書き込んでおいて
とりあえず今はロイ達と一緒に歩いて行き

>>941

「――-ふっ、そう見つめるでないわ。照れるであろう」

復讐の魔神である事とおっぱい星人である事に誇りを持つ何かアレな悪魔
ちょっと照れくさげである

>>940-941
「では一晩だけ、男三人で明かすとしようか」

地面の何も無い箇所に己の血・・・復讐の焔を灯しながら
男3人で一晩を過ごすだろう

//では私もこの辺でー。おっかれさまでしたぃ
943 :ウラジーミル・アンドレエヴィチ【АННА(Festive】) ◆5zZ3tZE7js [sage]:2015/12/29(火) 21:54:28.71 ID:QQN/XKEG0
時は年末。
凍てつく寒さの中、街にはクリスマスから年越しまで続くフェスティバル・ムードが真っ盛りである。
恋人と浮かれた年末を過ごすカップルは全方位を埋め尽くして余りある、圧倒的リア充空間がここに存在していた。

「楽しいか?……俺も楽しいぜ、マイハニー」

そしてここにも、恋人らしき物に語りかけながら歩く人影が一人。
強面に屈強な体躯、熊とも見まごうような巨体の男、ウラジーミル・アンドレエヴィチ・メドベージェフ。
人付き合いが到底成立しそうにもない彼が、先ほどから熱っぽく語りかける相手は……

数々の蛍光ランプを巻きつけ、カラフルに光るフェスティブ仕様に改装された、無骨で鈍い鉄に輝く、ミニガンであった。

「Hahaha、あのクリスマス・スターを撃ち落としたい?おまえは面白いな、АННА(アーニャ)」

当然、そんなモノを見た一般人はただでは済まないだろう。
"彼ら"が夢中のデートを繰り広げている間、周囲のカップルたちはまさしく四散、蜘蛛の子を散らすかのように無我の中で逃げ惑う。
パニック状態となったリア充たちの街。だが、彼女とのデートに夢中な彼は、そんな事に気付こう筈も無かった。

944 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/29(火) 22:05:15.45 ID:ZCGj/qeQ0
>>943
「大丈夫か? オイ 傷は浅いぞしっかりしろ」
そんな大男の肩に手を置く存在あり そこには時代錯誤の武具に身を包んだ男

以前傭兵世界で敵対したり ゾンビーな世界で共闘したりした男である

「それ逆にみじめになったりしねぇの?」
と 冷静なツッコミを入れる
945 :ウラジーミル・アンドレエヴィチ【АННА(Festive】) ◆5zZ3tZE7js :2015/12/29(火) 22:23:17.10 ID:U2CbpkpIO
>>944
肩に手を置かれた瞬間、彼は我に帰ったようにミニガンの銃身を回転させて、背後の敵(?)に向ける。
唸る巨銃。幾らかの野次馬たちもそれを一目見れば、たちまち逃げて行ってしまう。
それがロイであるとわかれば、「何だ、おめえか」と言って、カラフルに光るミニガンを降ろすだろう。
この時点で、華やかな街には既に二人の人影しかなかった。

「……俺とアーニャのデート・タイムを邪魔するたあ、いい度胸だぜ。おめえじゃなきゃハチの巣だ」

彼は(少なくとも彼にとって)幸せな時間を邪魔された事に憤りを感じているらしい。
みじめかと聞かれれば、それに対しては鼻を鳴らす。

「みじめ?彼女(アーニャ)は俺の愛銃だぜ。何処がみじめだってんだ?むしろ幸せを讃えろよ」

何言ってんだコイツ、とでも言いたげな顔で答える。
そのすべてが間違っている事など、彼は気付く由もない。
946 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/29(火) 22:37:41.53 ID:ZCGj/qeQ0
>>945
「この世界の憲兵に怒られても知らんぞ?」
回転する銃口を向けられても何のその あきれた様子で腰に手をやる

そしてこちらをディスる勢いで非難されるも 当のこの男は盛大に溜息をつくばかり

「あぁわかったわかった もうこっちにこい さっきから嫌な音が近づいてきてんだ」
具体的にはパトランプの音である

有無を言わせず路地裏へ いくつか角を曲がり 階段を下り 地下へと続く鋼鉄製のドアを開ける そこは酒場の様であった
もれなく堅気じゃない と名の付くものだが

「キープしているやつを ホラ シャキッとしろ」
目の前に置かれたボトルには見慣れない文字が書かれている

これはロイの故郷である世界の ドワーフが常飲している火酒である
度数70のそれをショットグラスに入れ ウラジーミルに差し出した
947 :ウラジーミル・アンドレエヴィチ【АННА(Festive】) ◆5zZ3tZE7js [sage]:2015/12/29(火) 23:10:47.60 ID:QQN/XKEG0
>>946
「サツか。KGBよりゃマシ……おい、何処に連れてくつもりだ?」

彼はその気になれば警察とすら戦う腹づもりであったらしい。
応戦体制に移ろうとする始末の彼より先に、ロイの腕が彼の首根っこを掴んだ。

フェスティブ・ミニガンと共に連れてこられたのは、如何にも怪しい雰囲気の酒場である。
そんな些細な事など気にしない彼は、少しの文句を言いつつも酒場に来る。

席に座らされれば、半ば強引に差し出される火酒。
グラスとロイを少しばかり交互に見れば、彼はそれを一気に飲み干した。

「……ッフゥー……かなりドライじゃねえか」

酔い潰れる様子はないが、その辛口は結構な刺激であったらしい。
少しくせになった様で、彼はグラスに二杯目を注いだ。

「……で、何の用だ?クリスマス・ムードにしちゃ、えらくヤボなお出迎えだな」

/遅れて申し訳ない……
948 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/29(火) 23:32:23.64 ID:ZCGj/qeQ0
>>947
「うるせぇなぁ お尋ね者になっていいことなんて一つもないぞ」
そんなこんなで連れてきた酒場 そして火酒を一杯呷らせ

「さすがロシア人?とかって人種は火酒に呑みなれているな いやなに」
自分のショットグラスに火酒を注ぎ あおる 暫し顔をしかめた後

「なに 大した用じゃねぇ ・・・っと 来たな」

さて 店の奥にあるドアが開き 男共がぞろぞろと入ってくる その中にはウラジーミルにも見覚えのある顔もあるだろう
つまり ここは越境ポイントとなっている場所なのだ

「男だけで集まって酒盛りしようってだけさ 大した用じゃなかっただろ?」
場に集まったのは皆男 そんな男くさい集いにビールやら火酒やらが配られる

「酒はいきわたったか!? こん中にゃ 故郷に女残して帰れない輩も モテない輩もいるだろう!!
 よーし無礼講だ!! こんなクソッタレな時間 飲まれて潰れて無駄にしたって神も許してくれるだろう!!
 今日は全員二日酔いになるまで帰れないからそのつもりでよろしく!! カンパーイ!!!!」


男共「「「「「カンパーイ!!!!!!」」」」」
さぁ どんちゃん騒ぎが始まろうとしている ウラジーミルはどうするか?

この輪に混ざるか 逃げ出すか それともアーニャを女と言い張るか それは自由だ
949 :ウラジーミル・アンドレエヴィチ【АННА(Festive】) ◆5zZ3tZE7js [sage saga]:2015/12/29(火) 23:50:54.48 ID:QQN/XKEG0
>>948
「へぇ。楽しそうじゃあねえか……俺もまぜなッ!」

彼は迷う事いっさい躊躇なく、テーブルの酒に手を伸ばした。
彼にとってのアーニャは、言わば"愛すべき存在"ではある。だが、女として扱うような固執があるわけではないのだ。
敬意を払うべき、愛するモノ。彼のアーニャへ対する感情は、"愛情"ではなく、"愛着"なのだ。
言うなれば、フィギュアを愛しているようなもの。一方的な愛であるなどとはとっくに気付いているし、既にその問題への疑問など持たない。
それを知った上で、彼も男であるがゆえに、祭に混じることは拒まなかった。

極め付けに……何よりも図太い神経を持つ彼が、空気など読むはずがなかった。

「Hahahahahaーー!!」
『火酒を一気飲みしてやがる……』
『おい兄ちゃん、このピカピカ光る銃はなんだ?』
「アーニャに触れるんじゃねぇ!!」バギィ
『ぶっ』

彼は騒がしい空気の中に嵐のように乱入し、場をさらに回転させる。
図太い神経というものは、たまには役に立つものだ。

……この後。彼が酔いに酔って、酒場で大暴れを始めるのはまた別の話である。
950 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/30(水) 00:01:23.16 ID:jXXVSOX20
>>949
こうして始まる女性厳禁のクソ喧しい宴

テンションを限界まで上げ 街のカポーを呪い 只管に酒をあおる
次第に宴は狂乱となり やがて戦乱となるだろう

そしてマスターは思うのだ やらなきゃよかったと

//そろそろ〆で
951 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 20:56:34.91 ID:6175IRseo
――とある世界 越境者達の集まる酒場にて

酒場では吟遊詩人が歌うものだ。
英雄達の物語を、音楽的な声でもって、朗々と詠うのがお決まりである。
『現代的』になるにつれて、その数は減ったが――。

「ではでは、年末に相応しい、愉快な話を致しましょうか」

「緑衣の射手や、極東の大泥棒には敵わないかもしれないけれど――」

「それでも、彼はその信仰でもって、弱者を救い、運命に舌を出し続けた、愉快な英雄の話を――」

このおとぼけ幽霊には、どの世界のどんな場所だろうと関係は無い。
出会ってきた、素敵な英雄の話を――彼女は、詠うのである。

……さて、このトンチキな幽霊のお話を聞いている越境者はいるだろうか?
952 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/30(水) 21:14:51.50 ID:sCVQdYnGo
>>951
カチャ、と金属同士がぶつかる小さな音と共に其方へ近づく1つ
今までずっと酒場の隅で、腰に提げた剣を磨いていた非人である

アナタの『お話』に興味を持ったのか、声に魅かれる様に剣を仕舞ってから近づいて行って

「――救い、か」

その一言に、その中身に事実興味が有るから
この悪魔は一先ず幽霊の話に耳を傾けるだろう
953 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 21:30:01.34 ID:6175IRseo
>>952
ちらと、幽霊の少女はそちらに目をやった。
ラースが彼女を幽霊と見抜けるかどうかまではわからない。
彼女はこうして詠うために、最大まで実体化しているからだ。光を一切透過させない。
呼吸はしていないし、血も通っていないわけだから、そこを見抜けるならば死人だとわかる。
が、見た目だけで判断するなら、彼女はどこぞの貴族の令嬢という身なりである。

「おお、哀れむべきか、蔑むべきか」

「――『不幸なる』エリクの生まれは貴族と呼ぶのもおこがましい末席も末席」

「優れた門地もなく優れた能もなく、ついにその家は取り潰された」

「ああ『不幸なる』エリク。汝に足りなかったのは才覚でも武勲でも信仰でもなかった」

「時間さえかければ汝はきっとどれも見出したであろう。しかしとにかく汝には時間がたりなかったのだ――」

そのような出だしで、詩は始まる。
『不幸なるエリク』その人物はとにかく貧乏で、とても運が悪かった。
それでも笑顔を忘れず、困った人を捨てられず、放浪していく先々で人々を助けて回った。
悪い魔法使いがいた。彼は怒って魔法使いをやっつけに行く。
途中で、かわいい娘と出合った。勇ましい武人とであった。恐ろしいオークとも出会った。
悪い魔法使いと彼自身を入れれば五人のその人間関係は、決して良好なものになるわけがなかった。
しかし、女神様が彼に目をつけた。彼に幸運と不運の両方を授けた――その結果。
悪い魔法使いだけが最悪の結末を辿り、残りはみんな友達になって利益を得て――。
――彼は、その利益を関係者みんなに還元して、ふらふらとまた旅に出る。

……と、そんな調子で、『不幸なるエリク』がどんな風に面白おかしい偶然と事故によって、人々を助けていったかを、彼女は歌う。
結末はこうだ。

「……こんなエリクは、今も、どこか違う世界でこうしているのです」
954 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/30(水) 21:54:22.30 ID:sCVQdYnGo
>>953

幽霊少女の話が終わり、微かな間が空いてから3度の拍手が鳴った
言うまでも無く話しを聞いていた剣を下げた者(半裸)によるものであろう

「良き人の話であった」

まずは相手の耳目をこちらに向ける為に一言
区切る様にハッキリと言葉を吐いてから

「…詩人の詩を聴いたのだ」
「報酬は渡して然るべきだが―――すまん、生憎と金品の持ち合わせは無くてな」

何か渡してやれるものがないかと悩む様に己の顎に手を当てて小さく唸って

「――-成仏できぬと言うなら、その手伝い位なら出来そうだが」

冗談めかした口調ではあるが確かに、この者はエルダを幽霊…死者と認識している様である
多くの『死』を見て、聴いて、そして内包する人ならざる死の象徴、復讐の化身であるが故に解るのだろう
955 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 22:10:19.63 ID:6175IRseo
>>954

「お金なんて結構。すぐさま私の正体を見抜くことができたのはお見事だけれど」

「成仏を望むなら幽霊で何かいられないわ。私があなたに望むのは、あなたが英雄であることかしら」

クスクスと、少女は微笑む。
床を蹴って中空に浮かび、身体を半分透けさせてみせて。

「見抜くということなら、私にも自信があるの」

「デモンのおじさまとお呼びするべきかしら――?」

「あなたの魂は赤くて黒いのね。それでも、そういう英雄がいなかったわけじゃないわ」

いい人に出会えた、そう彼女は手を組んで、うっとりとしながら言う。
956 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/30(水) 22:28:06.81 ID:sCVQdYnGo
>>955

「地に縛られたと言う訳では無いなら良い」
「しかし…」

後ろ腰に提げた剣の柄の上に肘を置いて
ふわりと浮かんだ少女を見上げるのに少し楽な姿勢をとったのだ

「我が生き様は英雄とは程遠い」
「すまないが、期待には応えられそうには無いな」

決して正しい道を歩んできた訳でも、人に救いを与えた訳でも無い
ただ残るのは死。悲劇に幕を降ろすだけの舞台装置

「ラース…怒りこそ我が名」
「望まれるが儘に復讐し、死だけを残す悪魔が我――――」




「決して『おじさん』では無いのだ」

一応見た目年齢は若い…若い?つもりだ。
髪も白いけど後退してないし
957 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 22:33:36.84 ID:6175IRseo
>>956

「あら、あなたも舞台装置を自称するのね」

「――あなたは、悲劇に幕を降ろして」

「私は、横から余計なことして悲劇をひっくり返すのよ」

舞台装置という表現に、思うところがあったらしい。
彼女もよく自分をそう例えるからだ。
ある意味では同属、そういうことかもしれない。

「あなたはうんと力持ちみたいだから、どれだけ重くてもひっくり返せるでしょう?」

「もったいないことをするのね――でも、そうね。装置なら、いまさら違うことはできない、かしらね」

少しだけ寂しそうに微笑みかけた。
どれだけ言葉を尽くそうとも、目の前の人物が装置である限り変化はない。
そんな風に直感したのかもしれない。

「……あら。最後に面白い温かみが出てきたのね」

「私の胸のしめつけを返してくださる? そんな風に物を言えるならあなたも十分喜劇役者になれるわ」

「悲劇を悲劇のまま終わらせるなんてつまらないことやめればいいのに」

……『おじさん』への抗議には、口を尖らせて不満げに返すのだった。
958 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/30(水) 22:35:12.24 ID:D6wAO8PL0
越境者たちが集うという酒場、その中にいた1人の小柄な少女――アルティも、その例外ではない。

「年末っていうのに本当暇だなぁ……なんか事件のひとつでもあればいいものなのにさ……」

彼女は数ある席の1つに、やけ酒でも飲んでいるかのように寝そべっていた。尤も、氷の浮かんだグラスの中身はソフトドリンクだが。
真紅の双眸は気怠そうに半分閉じていて、トレードマークたるアホ毛も完全にしなびている。

――――物好きなアルティは、今物事に飢えている。暇を持て余しているのだ。


「…………おっ」

そんなアルティにとって、一角でなにやら話をしていた2人は救世主のようなものであった。
話をしているような連中はいくらでもいるのだが、その中でも直感的に彼らのそれが面白い。まだ全く聞いてもいないのに彼女はそう感じる。

ぺたんと机についていた上半身をのっそりと起こせば、少女はふらふらとそちらの方へと動き出す。
そして彼らの前にまで来れば、口を開いた。

「……やぁ。何の話をしてるんだ?」

――――と。
959 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 22:44:33.10 ID:6175IRseo
>>958

「あら。何の話――とはちょっと一口で説明しにくいわねぇ」

「そこの悪魔のおじさま……私からすれば大人の男の人ってだいたいおじさまだもの……と問答していたところよ」

答えたのは、半分透けている上、中空に浮かんでいる幽霊の少女だ。
ウェーブのかかった金髪が、風もないのに揺れている。

「二人とも悲劇が嫌いなのは一致するけれど、終わらせ方で意見が合わないってところかしらね」

「あなたが来たのに続けたいほど愉快なお話に発展しそうにはないけれど」

「3人でもっと楽しいお話がしたい、わね……
960 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 22:45:47.99 ID:6175IRseo
//失礼、途中送信

>>958

「あら。何の話――とはちょっと一口で説明しにくいわねぇ」

「そこの悪魔のおじさま……私からすれば大人の男の人ってだいたいおじさまだもの……と問答していたところよ」

答えたのは、半分透けている上、中空に浮かんでいる幽霊の少女だ。
ウェーブのかかった金髪が、風もないのに揺れている。

「二人とも悲劇が嫌いなのは一致するけれど、終わらせ方で意見が合わないってところかしらね」

「あなたが来たのに続けたいほど愉快なお話に発展しそうにはないけれど」

「3人でもっと楽しいお話がしたい、わね……?」

最後のほうは、ラースをちらと見る。
人付き合いが得意そうには見えないラースが、この状況をどう思うか気になったのだ。
961 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/30(水) 23:01:28.58 ID:sCVQdYnGo
>>957

「然り。我には力が有る。ならば責任も伴なおう」
「決して逃げてはならぬ―――『見て見ぬふり』などしてはならんと分かるだろう?」


「問おう、名も知らぬ語り手よ」
「汝の言う『救い』とはなんぞや?」

ただ真直ぐに、彼は彼なりに向き合ってきた
己の力と、人々の悲劇を彼なりに見つめてきた
その上で―――この役目を背負っているのだ



>>958>>960

「――――楽しい話題、と言うのは賛成だ」
「少し、我も熱くなりすぎたァ」

そう言う彼の体温…と言うより周辺気温は確かに微かに上がっている
怒りの火である男の血が騒げば当然、周辺の気温も上がる様で


楽しい話題。か
小さく漏らし、何か無いかと真面目に悩む悪魔
それからパン、と両手を合わせて

「――-おっぱいの話をしよう」

名案だと言わんばかりに、大真面目にそう言った
962 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 23:14:52.77 ID:6175IRseo
>>961

悪魔からの言葉を受けて、幽霊の少女は微笑んで答える。

「横から悲劇を蹴り飛ばすことよ」

「悲劇を悲劇たらしめる理由を取り上げてしまうの。恐ろしい難病が恋を切り裂くなら、私は薬を見つけてもってくるわ」

「恐ろしい悪党が愛も砕くなら、強力無双の英雄をつれてきてしまうのよ」

「地位の違いが男女を割くなら、私は駆け落ちの手段を示してあげる、わ」

「全てが全て上手くいくわけじゃない。女神様は何も確約はしていないけれど」

「――後悔だけは、したことがないの」

堂々と、胸を張る。
悲劇に対する余計なことをし続ける舞台装置としての矜持だ。
無責任な幽霊。いらない事ばかりをする幽霊だが――。
彼女は、ずっと、笑顔のためにそうしてきた。誰かが泣いているのを、見過ごすことはできない。


「……ところで、何であなたは本当に、喜劇役者にならないのかしら」

なお、おっぱいの話を提案したことにはドン引きしている。

963 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/30(水) 23:21:49.18 ID:D6wAO8PL0
>>960>>961
「私が来たところで、何も変わらないとは思うけどね」
「別に面白い話題も近頃は無かったし、なんと言うか…………ずっと暇だったんだ」

はは、と冗談半分にそう言う。
最近は語り草になりそうな事件もあまり無かったし、そこまで盛り上げられるかどうか心配だったのだ。

「それで、何か話……」

そう呟いた瞬間、男の方から提案が飛んでくる。
少女は、その一言に――――




「……いいじゃないの?私も大好きだよ、おっぱい」

――――あろうことか、嫌悪するどころか悪乗りしやがった。
一転した笑顔を作って、そんなことをラースに向けて言うのだった。仲間がいて、どこか嬉しそうに。
あられもない話に乗るこのバカを、果たして誰かが止めるようなことはあるのだろうか。

――――ちなみに、そう言ってるアルティの胸はぺったんこである。精神はもとより身体は子供だからね、仕方ないね。
964 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 23:37:07.82 ID:6175IRseo
>>963

「……だめ、だめ、だめよ」

ぶんぶんと首を振る。
素の育ちがいいのと、もともと幼いせいもあって。
ソッチの話にはひどく奥手なのである!

「女の子は、もう少し淑やかじゃないと、だめ、よ……?」

幽霊の珍しい赤面顔だった。
彼女に困らされた彼や彼女がもしもいればひどくびっくりするところなのだが……。
965 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/30(水) 23:43:05.84 ID:sCVQdYnGo
>>962
「悪魔だからな」

「見て良し、触って良し、未来に賭けるも悪く無し」
「これ以上に良きモノは早々あるまい…」

真面目に言い切る辺り質が悪いのだろうか
声には先程までとは別の意味で熱が籠っている


「……貴様程、我は強くはなさそうなのでな」
「たまには現実から目を逸らす事もさせて貰おう」

中々酷い悪魔だが、それでもエルダの強さを見るだけの目は持って居る様で

――――エルダの言う愛。素晴らしき事だろう
だが…もし難病が、悪党が、地位が、 愛し合う者達の片方の命を奪った時。その怒りの行き先こそがこの悪魔なのかも知れない
復讐。 永遠に続くであろう連鎖。 そこに己が割り込む事で終わらせる…後に続く恨みを己が受ける。
そうする事が、力ある者としての悪魔の生き様だろう

今はおっぱい魔人だが

>>963

「ほう…話しの分かる者が此処にも居たか」

軋む様な音すら聞こえそうな程嬉しげに笑みを浮かべるおっぱい魔人
拳を握り感動に打ち震えているのが分かるだろうか
何故かこの話題を出すと基本的に逃げられてきたのだから

「無念であるのはこの世界に来訪した折、我がおっぱい心眼に曇りがかかった事か―――」

「否…これはこれで、汝れの様な者のおっぱいにも成長性を期待できると言う事……」

嘗てはおっぱい魔人としても名を馳せた復讐の悪鬼
服や鎧越しでも判別可能だったおっぱいの大きさ、形、成長性も今は分からないがそれでも、それはそれで悪魔に新たに希望と言うものを齎していた

「名を聞いておこうか、人間よ―――」

966 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/30(水) 23:49:47.13 ID:6175IRseo
>>965

「――!」

何やら声にならない悲鳴をあげて、拳をあげて、そのままあたふたとする。
どうすればいいのかわからないからで、いつものようなけれん味がかかった台詞回しは困難になっていく。
それだけの混乱だ。ひどいパニックなのである。

どうして、割と好きな部類の問答をしていたと思っていたら――。

――自分がすごく苦手なタイプの話にすりかわり、しかも――。

――目の前の悪魔さんは、恥ずかしい言葉を連呼しているのか――。

「う、ううう…………あなたの気持ちがわかってきたわ、『不幸なる』エリク。少しはちょっかいを出してあげるべきだったわね」

またぞろ遠いどこかで不幸を被っている見知った英雄の姿を思い返して天を仰ぐのだった。
967 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/30(水) 23:55:01.31 ID:D6wAO8PL0
>>964>>965
「あっそー。じゃあ気をつけないと駄目かなぁ」
「まーいいや。今度会った時におっぱいの話はしようじゃない」

ぶー、と口を尖らせてアルティはそう言った。ぶっちゃけ、エルダの忠言が耳に入っているかは怪しいところ。
果たして彼女が今までの半生の中で、お淑やかという言葉を使ったことがあるだろうか。そんな少女なのである。
――――無論、淑女という単語とは縁もクソもない。性格が性格だし。


「私?アルティ・アルマだよ。アルとでも呼べばいいよ」
「ここにいるってことは、アンタも越境者なんでしょ?また会ったときはよろしく、と」

そう、少女は名乗って彼に右手を差し出した。話が合う者同士の同盟を、今ここに結ばんとばかりに。
ちなみに彼女の胸に成長性なんてものはない。そもそも、彼女は成長という概念とは縁がないのだから。残念胸ん。
968 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/31(木) 00:08:39.33 ID:dYbkqHQ+o
>>966
「汝れが楽しい話をしようと言ったのだろう?」

何言ってんだ?とでも言いたげな顔をする元凶
楽しい事が=ソレってどうなんだ?と言う疑問は悪魔は持ち合わせておらず

「そも我はまだ汝れの名も、好きなものも聞いてはおらんからな」
「このまま言わねば―――――おっぱい続行だ。今のメンバーで汝れが一番『有る』からな」


>>967
「ふむ、淑女としての事情と言うなら仕方あるまい。ここは引き下がろう」
「されど我が生、我が道程。  おっぱい意外の楽しみなど知らぬのだ」

となると何も話題を出せそうに無いなと、己の無力を恥じて

「我も…と言う事は汝れもか」

差し出された手に気付くと、此方も手を差しだして

「ラース・フューリー」
「恨み晴らす者にして恨まれる者。復讐の悪魔と覚えておくが良い」

名乗り返しながらガッチリと握手をするだろう
男性体…にしても異様なまでにその手は熱く、長く剣を握ってきた為か掌も硬い
969 :ア??ス&ベ?ィ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/31(木) 00:10:56.69 ID:SDl/pmtm0
なんか少し離れた席でリンゴ社製スマホのレンズを向けている謎の人物がいますが気にしないでください

//1レスだけ失礼
970 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/31(木) 00:17:16.59 ID:5X2X7FVHo
>>967

「どういう風に生きるべきかはその本人の自由、だわ」

「縛られないからこその美しさが人にはある。けれど、それでも――」

ううう、と小さく唸り、目をぎゅっと瞑ってスカートの裾を掴み。
顔を赤くしたままだが、はっきりと言わなければ。

「女の子なのだから、あんまりはしたない真似はよくない、わ」

「そう、よくない。よくないの。そう。そうよ。それじゃあ、それじゃあ、王子様にも幻滅されてしまう、のよ」

搾り出すように、そう忠告(?)を行う。
何分パニックだ。状態異常なのだ。声にも台詞回しにも精彩さを欠いている。

>>968

「わたしには、楽しくないわ。はしたなくて、恥ずかしい、わ。大声でお話することじゃあ、ないもの」

「……幽霊の身体をあまり見て欲しくない、けれど。自分にあるかなんて考えたこともなかった、わ」

何分小娘の時分に死んだもので。
詳しい記憶もないし、正確に何歳だったのかもわかりようはないが――。
社交界デビュー直後ぐらいの年齢だ。ああ、なるほど。少しはあるかもしれない。

「な、名前? こんな状況下で名乗るのは難しいけれど」

「エルダ。エルダ・デ・ベッツィ・ダ・タラント。ベッツィもタラントも忘れてしまったけれど、ね……」

ううう、と小さく唸っているものの、とりあえずはフルネームで名乗った。
971 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/31(木) 00:33:00.27 ID:vDxryxPY0
>>968-970
「おっと、結構熱い……」
「まぁ、お互い仲良くしようってね。改めてよろしく、ラース」

ラースの手に触れた瞬間、アルティはそう呟いた。おっぱい星人同盟、ここに成立。


「……そう?そんなに恥ずかしがるものだったりするの?」
「私は全然そうは思わないけどなぁ。人によって感じ方が違うのかなぁ」

破廉恥で鉄面皮なバカはそう漏らした。
彼女の発言は言い方を変えれば、「所詮は価値観の違いであって自分はそうだから仕方ない」ということになるのだ。
要するに、全くと言ってもいいほど悪びれる気配なんてないということ。

「……ま、考えておくよ。ちょっとは女の子らしく振舞うべきとは、前々から思ってたしね」

……そんなことを言ってるが、先ほどの通り改善する気はゼロといってもいいであろう。多分、酒場を出る頃には忘れている。
無論、このバカな少女はカメラを向けられていることに気づく由もない。
972 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/31(木) 00:42:57.51 ID:dYbkqHQ+o
>>970
「おっぱいの良さが分からぬとは…一度本能の赴くままに揉んでみるべきだ」
「そもそも汝れは、人に触れるのか?」

と、疑問を1つ溢してから

「エルダ…覚えておこう。いや、、忘れまいよ」


「だが好きなモノを言わなかったと言う事は、おっぱい続行で良いのだな?」
「我の見てきたおっぱい100景の1から語るべき、かァ…?」

寧ろ語らせろとでも言わんばかりにその目は爛々と輝き
アルと握手してない方の手にむっちゃ力が籠っている様で

>>971
「冬場にこそ有り難られる程度のものよ」
「夏場は暑苦しいと言われるがなァ……」

居るだけで気温が上がるのだから当然と言えば当然か

>>970-971
「汝れ等を見てふと思ったのだが…」
「流れ着く者は魔術や魔法使いが多いのか?」

「エルダこそ幽霊では有るが、アルの方も見た所武器も持ち合わせてはおらぬしな」

1人で刃物3つ持ってる悪魔の些細な疑問である
973 :エルダ ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/31(木) 00:49:16.15 ID:5X2X7FVHo
>>971

「こればかりは致命的な差ね……」

「それは、勿論……英雄の恋には、そんな場面もある、けれど」

「知識としては知っているけれど……」

だんだんと声のトーンは下がっていく。
この覗き魔的幽霊は、英雄と見た人物のあとをしばらくくっついて回る。
だがそれは、楽しい出し物を特等席で見ているぐらいの感覚であって。
見たくない場面は見なくてもいい、ということで。
そんな場面はなるべく見ないようにしていたりする。が。それが悪手だったか。

「でも、そう。うん。あなたにも王子様が現れるけれど」

「つつましさとか、そういったものがあれば、よりいいと思うの……」

>>972

「私の好きなものは恋と愛と幸せな結末よ!」

こっちについては即答及び絶叫。
先ほど答えられなかったのは、余裕がなかったからだ。

「結構、もう、結構、よ――」

「なんなのこの空間――胸やけがしそう」

ううう、と小さく唸り、首を振って。
ついに何かを思い切った様子を見せ、眦をしっかり開いて。

「きょ、今日のところは閉幕ということにしてあげるわ――!」

――逃げた。透明化することも忘れて。

//では自分はこれにて……!
974 :アルティ・アルマ ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/31(木) 00:56:40.34 ID:vDxryxPY0
>>972>>973
「……まぁ、暑苦しそうだよね実際」
「それじゃあ私もお暇しよう。じゃあね、また何処かで会おう」

そう言って、少女はジュースの残りを飲み干して消え去った。さながら、吹く風のように。
975 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/31(木) 21:21:38.63 ID:kPZwQAeyo
【ウェイストランド】

 ここは全てが終わった世界という人も言う。それもまた一つの事実であろう。
 人の愚かさか、または異質なる侵略のためか。
 大破壊≠るいは大熱波≠ニ呼ばれる致命的な何かは、
 圧倒的なテクノロジーを誇っていた世界の全てを瓦解させ、破滅へと追いやった。
 全ての情報は散逸し、何が起こったのか知る物は存在しない。

【が、そのような世界でも人類は存外にしぶとく生き残っていた!!!!】

 −−−−−−−−−−−

【超大型戦艦のデブリにて――】

 ここは塔(タワー)と呼ばれる遺跡である。
 まるで墓標のように大地に突き立った巨大戦艦の残骸。
 周囲は海ではなく、砂漠の大地。何故、戦艦の残骸が砂漠のど真ん中に?それは謎である。

「………」

 フードとゴーグルで顔を隠し、暗い艦内を腰のランタンと侍らせる浮遊髑髏で照らし、
 ラベリングにより、部品の回収を続けるスカベンジャーが一人。

「これは…空中戦艦の類だったのか?」

 内壁の一部を剥がし、殆ど死んでいる回線から情報を引き出しているのはイムカ・グリムナー。
 終焉の遠未来の上級政治将校。現在は境界線移動適正もあり、帝国の密使という任を帯びている。

【静寂に包まれた艦内(と呼ぶに値するかは微妙だが)で、ひとつひとつの所作は酷く音が響いた】
【反響する音、ナノカーボンロープの軋む音。サーボスカルの反重力ユニットの機動音。そのどれもが、だ】
976 :ア??ス&ベ?ィ>178と>215 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/31(木) 21:43:41.84 ID:SDl/pmtm0
>>975
そしてグツグツと煮える音 カラコロと揚がる音 トントンと切る音

・・・・・はて 何やら場違いな音のような?

そこにいたのは武器だらけ ただいま絶賛調理中
977 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/31(木) 21:45:33.21 ID:SDl/pmtm0
今年最後の名前間違い
978 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/31(木) 21:48:45.80 ID:EYqzxAlFo
>>975
「くそっ、死体見つからねぇな…」

イムカの後ろから声、いかつい男の声だ
振り返ってみればそこには……
サングラスの強面男が

死霊魔術師不死原朔夜、彼の専門は既に死んだ人間だ
そんな彼がどうしてここにいるか、依頼だった
もちろん、マフィアに殺しの依頼をされたわけではない。
979 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/31(木) 21:50:39.74 ID:kPZwQAeyo
>>976

「………」

 士官が真っ暗な場所でひたすらスカベンジに励んでいる時に、
 下方にチロチロと僅かに見える(ラベリング中ゆえ相当な高度差アリ)明かりからは、
 緊張感のカケラも無い音を発生させる下士官という言語道断の構図。

「おっと(棒)」

 常に抑揚の無い声音をさらに抑揚なくして、
 ついうっかり、内壁の鉄板を下に落としてしまうイムカ。
 まあ、スカベンジならば良くあることだ。事故である。仕方ない仕方ない。

【緊張感の無い下界に向けて、まるで金タライのような鉄板が襲い掛かる!!】
980 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/31(木) 21:57:44.44 ID:vDxryxPY0
>>975
「なるほど、戦艦だったのですか……何か納得行ったです」
「それにしても不思議です……こんな所に戦艦だなんて。昔は海だったりしたのですかね」

黒いフードを深く被った少女、ニゲルは艦内の探索をしていた。
フードの下はガスマスクであって、手袋や靴もきちんと装備されている故に素肌の露出は一切ない。

「しかし静かですね……ここに何かあるのですか?」

パーカーの中には様々な物が仕込まれているにも関わらず、少女の動作は驚くほど静か。
イムカについて行くと同時に、ガスマスク越しに黄緑の瞳を光らせていた。少しでも気にかかるような何かがないかと。
981 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/31(木) 21:59:36.27 ID:SDl/pmtm0
>>979
何を言う 下士官は下士官として食事を作るという崇高な任務をこなしているわけであり
言語道断とは甚だ心外である

「♪〜ッ!?」
蕎麦の煮え具合を確かめているところに急降下するたらい
クワンといい音を立てて頭頂部にクリティカルヒット

この艦はどんな素材でできてるんですかねぇ…?

「いった〜・・・おぉーい!! 何か落としたら下の人間に大声で伝えるのがマナーだろうが!!
 もうちょっと気を使ったらどうかね!?」

遥か上にいるイムカに大声で怒鳴る
982 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/31(木) 22:07:14.09 ID:kPZwQAeyo
>>978>>980

「いや、地形データではここが海だった痕跡は無い」

 ニゲルに周辺の解析データをホロディスプレイで表示しながら、艦内ネットワークに潜り続けているイムカ。
 首元のデバイスより伸びるケーブルが、錆びた端子に接続されている。

「ここに何があるのか?それを探るのも聖務の一環だ。
 さて、君は周囲警戒。特に明かりは絶やさないでくれ。ヘタすると闇に喰われ――」

 が、ここで突然の闖入者。死体がとうとかサイコめいた事を言う男が現れたのだ。

【ラベリング中=高高度でロープに身を預けて身体の位置を保っている状態。足場は無い】
【振り返れば居るということは、背後の男もラベリングなり、クライミングなりしているのだろうか】

「死体なんぞあるわけがない。とっくに風化してミイラ化ならいい方。
 下手すれば異常ナノマシンが分解してしまっているだろうさ。チッ…」

 突然現れた男に対して、言葉の続きと回答を述べるイムカ。
 が、彼女の首元を包んでいたデバイスが突然に火花を散らして、
 すぐに、焦げた臭いと煙を発し始めた。焼かれた、のだ

【艦内ネットワークの攻勢防壁に引っかかったのだ。中途半端にセキュリティが生きている】
【なお、イムカのような防壁越しでなければ、最悪今ので脳を焼かれていたかもしれない】

「で、突然に現れた貴様としてはどうする気だ?
 スカベンジャー同士に協力関係を強いるルールはない。
 戦う理由に残骸の奪い合いというのは些か名誉に欠けるというものだが」

 野盗(レイダー)、あるいはテクノサイコの可能性は捨て切れない。ゆえにイムカの手はホルスターに伸びている。
 これはこのような世界にあっては、当然の仕儀といえる。無警戒はイコール死を意味する。
983 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/31(木) 22:08:28.89 ID:dYbkqHQ+o
ウェイストランドの荒野
そこにに生まれた復讐の焔
汚染された風に舞う塵が燃え、その光景は炎そのものが風となった様である
復讐の怨嗟を薪にして輝く焔風が、邪悪なものであると見抜けるかは人それぞれであるが


「エリ・エリ・レマ・サバクタニィィィィィ」

人の怒り、恨み、嘆きを背負い呪怨を吐く悪魔
数多の復讐を成し数多の悲劇に幕を閉じてきた力ある者
つい先ほどまで『復讐』を行っていたのだろう真新しい傷を負っている様で
その焔を起こしているのも彼だと一目で分かるだろう


「―――矢張り力は戻らぬ、かァ」
「己の力を試す必要とてあるだろうが…さて」

何れにせよその炎の風は『目立つ』
日も暮れ、闇が支配する時間となっているのだから当然だろうか
その炎の輝きに惹かれた『誰か』は居ないかとグルリと悪魔は辺りを見渡して
984 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/31(木) 22:14:31.06 ID:kPZwQAeyo
>>981

「君の耐久力なら十分に耐え切れるだろう。実際に耐えた。ならば問題ない」

 酷い暴論がロイのお料理テントの簡易テーブル上に置かれたトランシーバーより発せられる。
 科学の叡智と呼ぶにはややチープであるが、こういう場所では便利だ。

「一応、警戒を必要とする事態だ。部外者1と接触。
 交戦可能性は半々。視界は不良で援護射撃のコンディションは劣悪。
 君のスキルともおおよそ合致していないだろうが、備えろ」

 雑音交じりに聞こえるであろうトランシーバーよりの声。
 遥か上方で何らかの接触があった模様。

【なお、どう行動するにせよ、この世界の遺跡では身の回りに明かりを絶やしてはいけない】
【浄罪界が破壊されているため、時折、闇そのものが生者に襲い掛かるのだ、呑まれれば生存の可能性はない】
985 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/31(木) 22:19:52.03 ID:vDxryxPY0
>>982
「つまり、戦艦自体が空を飛んでいたという可能性もあるってことですか?」
「それならこの辺が海じゃなかったとしても納得いくですが……あっ、了解なのです」

などとぶつぶつと呟きながら、ニゲルは周囲の監視を続けていた。
真っ暗であってもその視線はモノを捉えることが出来る彼女は、監視としては重宝する人員であろう。
照明となる光源は用いているが、それでも照らしきれない暗闇も彼女の視界にバッチリと映る。

「と、誰なのですか?」

――――その視線は朔夜の方を向く。と同時にイムカと同様に警戒の体制に入った。
その手が、腰に差されたホルスターへと動く。
986 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage]:2015/12/31(木) 22:21:25.55 ID:5X2X7FVHo
>>983

「……すごいな。魔翌力光観測機(プリズム)が真っ赤だぞ真っ赤」

「おお、ピジョンブラッドだと言い張って詐欺れそうだ……」

さて、その『誰か』はたしかにいた。
いたというより、のこのこやってきたという表現が正しいか。
黒いケープに、大きな三角帽子を被った、こてこての魔女スタイルの子供だ。
子供というのは、単純に体格が小さいからであり、実際にどうなのかはわからない。

「誰か……というより、『何か』あるのかね?」

紙巻のタバコをふかしながら、さて、とラースを目で探しきょろきょろと見回す。
987 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/31(木) 22:22:29.49 ID:EYqzxAlFo
>>980
>>982
…すごく怪しまれている
珍しくきちんとした高高度作業用のロープで身体を固定している朔夜は直感で悟っていた。今回は小腸ロープなどのような道具は使っていない。
ともあれ弁解せねば敵対コースまっしぐらだ、見ればもう二人も彼女の知り合いがいる…下手に溝を作っても損しかしない

「くそっ、まあそうだろうな…なにが可能性はあるだあの依頼主め……
おっと、」

依頼主の無茶な要求を思い出し毒づくもすぐに骨の小さな板が懐から飛び出しセキュリティの攻撃を防ぐ
使い捨ての自己防御装備のようである。戦いでは全く頼りにならないのでこんなときぐらいにしか出番はないが

「もう少し粘るかねー…残骸には興味はないんだがミイラでも残ってたらそれだけで俺は十分だ
紹介が遅れたが俺は死霊魔術師の不死原朔夜だ
文字通り、死の専門家で今は雇われてるのさ」

足で体を保持しながら両手を掲げて敵意のないことを示す
そして、目当てのものが違うことも
988 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/31(木) 22:25:09.25 ID:EYqzxAlFo
//>>987>>985も対象で
989 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/31(木) 22:25:38.29 ID:SDl/pmtm0
>>984
「ったく えぇと・・・どうやんだっけ? アッコウカ耐える耐えないの問題じゃねぇ マナーの問題だって言ってるんだ!!」
トランシーバーの使い方が微妙にわかってない様子 少し戸惑って ようやっとつながって イムカに怒鳴り返す

「へ〜い 気を付けてね 下から射撃は期待しないでね それと 本格的な戦闘になるなら降りてきたら?」
とりあえずサーベルをすぐ抜けるようにしておきます

そして鍋に視線を向けて

「今なら煮えた油もあるし」
不穏な言葉ktkr

>>983
「なんかうるさいのが来たなぁ」
などとしていると 向こうから見知った悪魔がご降臨

「お〜い ラース!! こっちこい!!」
手で口を囲ってメガホンとし 声を張り上げラースを呼ぶ
990 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/31(木) 22:38:07.00 ID:kPZwQAeyo
>>985

 ニゲルの視界を以ってすれば、イムカの言う闇に喰われる。という台詞にも、
 何らかの信憑性を見出せるかもしれなかった。

【この館内の光届かぬ影、闇の一部にニゲルの視界を持ってしても全く視認不可な箇所がいくつかある】
【しかもそれらはアメーバめいて蠢き、まばたきの度に瞬間移動するようにその場所を変えている】

>>987

「…死体とはすなわち情報の塊だ。ある意味でやはり目当ては一緒になるかもしれないが。まあいい」

 少なくとも、この時点における敵対の意志は無い(と装っている)のは理解し、
 ホルスターからは手を離すイムカ。警戒は全くそのままであったが。

「一応は多勢に無勢。我々としては君を囲んで棒で叩き、手足を縛って砂漠で放置するのが最も安全なワケだが」

 無表情で怜悧な声。で、かなりひっどく無慈悲な事を口にするイムカ。
 このような世界では情などチリガミほどの価値もないのだ!!

「とりあえず、不確定要因である君を我々のキャンプへ連行する。その後に処遇を決めよう」

 ナムサン!捕虜扱い!

>>985>>989

「伍長、捕虜を一名確保。今から下に降りる。折角見つけた端末も先程、使用不可となった」

 ロイへの通信は、嘆息をつくイムカの声(と、謎の人物に対する無慈悲な処遇)で締めくくられる。
 どうやら、メシどきにはちょうどいいタイミングとなりそうだ。

【しかして、ロイはデータベースだの端末だのハッキングだのを何処まで理解できているであろうか?】

「ニゲル、下に下りる。周囲と捕虜への警戒は怠らないように。怪しい動きを見せたら射殺しろ」

 とことん、スパルタンなイムカでありますです。

【※実は問答無用で射殺しないだけ、このような世界では結構有情であったりもする】
991 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/31(木) 22:42:47.51 ID:dYbkqHQ+o
>>986
炎の風の中と合って当然ながら悪魔の周囲は明るい
2本の刀と1本の剣を腰に下げ堂々たる姿で居れば嫌でも目に付くだろう…が

「道に迷いでもしたかァ、童よ」

血に濡れた悪魔が先にスレートを見つける事も十分に可能と言う事だ
特に今の悪魔は命の「灯」に敏感な様で、可視域にスレートが辿り着くとほぼ同時にそちらを向いた

焔の風から一歩外へ。
寒空の下、熱い程に暖まった身体からは湯気が上がり
スレートが火に近づくに連れ、彼が呼吸をする度に周囲の気温が上がる様にも見えるだろう

「……復讐は既に成った」
「我に害意は無い―――が。悪魔を前に安心しろ、とは言えんなァ」

とりあえず話は出来るだろうという事を相手に分からせる
それだけの言葉を発してから手招いて

「丁度我も退屈であった」
「暖くらいはとって行くが良い」
992 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/31(木) 22:48:16.35 ID:5X2X7FVHo
>>991

「ふーむ。そういうことならお邪魔しよう」

「しかし暑い。熱い。気の利いた甘味は用意しておらんのかね?」

ふぅぅ、と煙を吐いて、あまりにあっさり言葉に応じる。
ゆっくり近づいてくるが、その表情は帽子のつばに隠れてよく見えない。

「――ああ、そうか。悪魔なのか、お前さん」

「ふーむ。悪魔。悪魔なぁ。まぁ丁度いい。仕事で必要なんだが少し質問してもいいかね?」

短くなったタバコを捨て、足でぐりぐりとつぶす。
すでに彼我の距離は十分に近づいた。お話するのだからそれなりに近くないとダメだ。
993 :不死原朔夜  ◆8CzRpFh86s [saga]:2015/12/31(木) 22:49:07.24 ID:EYqzxAlFo
>>990
「よかっ……えっ?」

依頼に復帰できるかと、やりすごせるかと、思いました。
……ただ、それは錯覚でした

「えぇ……俺、そんなに怪しかったか……?それとも死霊魔術師って職か?マイナーすぎたのか?」

なんと、捕虜扱いだ
別に特に何もするつもりはないのに…まあ、仕方ないかとも思うが
こんな世界なのだ、皆生きるのに必死なのだ
救いを求めるかのような視線をニゲルに向ける
…だがこの死霊魔術師は気づかない。自分が強面であるのだと。

朔夜は捕虜となることには従うようだ。特に抵抗する様子も今はない。
捕虜とはなりたくなさげであるが
994 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/31(木) 22:50:31.61 ID:SDl/pmtm0
>>989の>983へのレスは無効でオナシャス

>>990>>985>>987
「ハーイ 追加ね〜」
返ってきた応えは あっけらかんとしたものだった

なおでーたべーすだのはっきんぐだの言われても この男にはよくわかっていない
異界を飛んで久しいが まだまだハイテクには対応しきれてなかった

キャンプに現れた一行を出迎えたのは

「やぁ みんな甲殻類にアレルギーとか持ってないよね?」
シュワーっと新たな天ぷらを揚げる かっぽう着姿の厳ついあごひげ男であった

今宵は年末 お蕎麦の準備である
995 :ニゲル・アールヴェント ◆Miyuki..42 [sage saga]:2015/12/31(木) 22:52:01.35 ID:vDxryxPY0
>>987>>990
「イムカさん。さっきから向こうで何かが動いているです」
「何か正確には分からないですが、気をつけるべきかと思うのです」

そう軽い忠告をイムカに向けた。昔とある世界にも同じようなモノと出会って、それに襲われかけた経験がある故に。
――――が、しかし此処で降りるという命令が出た。残念ながら、その正体は分からずじまい。

「分かったのです、余計な動きを見せないほうがアナタの身のためですよ?」

かなりの高度にも関わらず、ニゲルは躊躇いなく地上めがけて飛び降りる。所謂ニャンパラリめいて自由落下から無事着地。
降り立てば、ガスマスクを外した。とてもランナーと信じがたいほどに幼げな顔立ちと、黄緑の瞳が顕となる。

場合によっては殺せという命令に、二つ返事で彼女はOKを出してしまう。その手には、既にホルダーから引き抜かれた籠手。
生い立ちも生い立ち故に、ニゲルにも慈悲はなかった。ショッギョムッジョ!
996 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/31(木) 22:59:07.36 ID:dYbkqHQ+o
//先に次スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1451570311/
997 :イムカ・グリムナー【最善への希求】>>390 [saga]:2015/12/31(木) 23:08:10.23 ID:kPZwQAeyo
>>993

「屍体(コープス)をソーサラーなどどう考えても自己紹介としては最悪だぞ。
 生理的嫌悪、倫理感、死生観、君を警戒すべき理由なら幾らでも並べ立てられるが?」

 職がマイナーというより邪悪なのだ。と、イムカ談。
 しかし、人間の髑髏に機械を接続したドローンを侍らせる彼女にそれを言われたくはないかもしれない。

>>995

「生者を飲み込もうと狙っているのだろうさ。警戒は必要だ。
 なにせ、正体不明のオカルトそのもの。マトモに相対しても勝ち目など皆無だからな」

 ニゲルのような特異な俊敏さとしなやかさは残念ながら持ち合わせていないイムカは、
 朔夜とペースを同一としてラベリングで比較的ゆっくりと降下するのであった。

>>993-995

 捕虜一名を加えたスカベンジャー達を出迎えたのは…給仕下士官が一名とお蕎麦である!!
 焚き火の炎と暖かな食事。この雰囲気が何らかの影響を与えているのか、
 艦内に蠢く闇はこの一帯では酷く存在感の希薄なものへと変わっていった。

「二人とも見ろ。髭面に割烹着。これはもはや視覚に対する攻撃に等しいと思わないか」

 護衛と捕虜に対して、意見を求めるイムカである。なんかヒッドイことを言っていると思われるならば、
 それは、その人の心がブッダのように広いからに違いない。

「とりあえず、これより捕虜に対する尋問を始める。
 時間効率を遵守し、捕虜を交えて食事をしながらだ。何事も効率だ」

 意訳)一緒に食事をしながら情報交換をしよう。

「あと、あのあごひげはそろそろ引き抜こうと思う。ニゲル、その時は頼む。捕虜も手伝え」

 そして、なんかじゃあくな提案も口走っているのであった。
998 :ラース・フューリー [sage]:2015/12/31(木) 23:08:52.59 ID:dYbkqHQ+o
>>992
「生憎と斯様なものは持ち合わせておらんな」
「そもそも我自身、飲食と言うものが本来必要ない…やも知れん」
「食事は1つの楽しみとしているがな」

それに食べるなら落ち着いた場所が良いと、そういう事らしい
近づけば分かるだろうが悪魔は素足…と言ってもそれを気にした様子は無く、また傷ついている様でも無い

「我で答えられる事であれば」
「望むものが得られるとは限らんが…な」

右腕を後ろ腰に提げた剣の鍔の傍に置いて少し楽な姿勢を取る
座れるモノでも有れば良かったのだろうが生憎と…広がるのは荒涼たる大地だけで
999 :スレート ◆Ux1A6lZcZs [sage saga]:2015/12/31(木) 23:15:49.49 ID:5X2X7FVHo
>>998

「そうか……かき氷、あんみつ……。うーむ」

前髪を弄くり、何やら残念そうにして。
甘いもの好きらしい。

「ああ、それは助かる」

「いや何、不思議なことを調べるのが私の仕事でなぁ」

「お前さん自身、科学でも魔法でも説明のつかん何かをもっているんじゃないかと思うんだが……」

あれやこれやと小道具を出して。
魔術的な検査器具の数々、らしい。
1000 :ロイ・ゴールドマン>136 ◆Lad0HbZVndK6 [sage saga]:2015/12/31(木) 23:26:11.15 ID:SDl/pmtm0
>>997>>993>>995
「何を言う!! これは俺が所属していた軍隊の『 正 式 装 備 』 だ!!」
割烹着が似合わないと言われ 心外だと言わんばかりに憤慨して見せる

「辞めろ!! この顎鬚は俺のアイデンティティなんだ!! どこぞのジョシュアと違ってにあってるから問題ないだろ!!」

そんな間にもカラコロといい音を立てて揚がる天ぷら なおごま油を使用しているのでとてもいい匂いがする

「っと そろそろだな」
揚がったのは大きなエビの天ぷらである 

Qなぜこんな不毛の地にエビが!? 
Aこまけぇこたぁいいんだよ!!

他にも野菜とサクラエビのかき揚げ 野菜天 コロッケなどが勢ぞろい

「さぁ好きなのを選んでよ」
そして暖かいかけそばが振舞われる
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
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【異世界】ここだけ世界の境界線★13【絶望よ来れ】 @ 2015/12/31(木) 22:58:32.24 ID:dYbkqHQ+o
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