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厨ニ能力授けるからそれ使って闘え Act.3 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2016/01/27(水) 22:51:58.78 ID:L4A/jaefo
厨二的能力やるからスレへようこそ
そしてこのスレを開いてくれて有り難う
ルールを読んだ後は厨二妄想を爆発させよう

【基本ルール】
貰った能力でロールする。
※能力は避難所の「厨ニ能力を授けよう」スレッドで授与します

荒らしは全力で華麗にスルー。
※荒らしに反応した人も荒らしです。

チート無双、無理やりな防御&回避、確定攻撃は禁止。
※1 酷い場合はそっと言ってみよう。 ただし煽るようなキツい言い方は好ましくないです。
※2 たまには攻撃に当たりましょう。 いつもと違うスリリングな闘いをしてみよう。

老若男女に人外キャラまで自由にどうぞ。
※好きなキャラを演じてスレの世界を楽しもう。
 ただし鬼だから怪力、天使だから空を飛ぶ等は勿論なし。

一言「書き込む前に更新すると幸せになれるぞ!!」

――キミはもう 目覚めたかい――?

『厨二能力スレ避難所』 (能力授与、雑談、議論等はこちら)
http://jbbs.shitaraba.net/sports/42896/

『厨二能力やるから』@wiki (ルールやキャラクターの記載はこちら)
http://www27.atwiki.jp/tyuu2nouryoku

次スレは>>950の方が建ててください。
もし立てられない場合は雑談等で他の方にお願いしてください。
建たないようでしたら>>980の方が建ててください。
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このパー速VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

【安価】上条「とある禁書目録で」ダイアン「仮面ライダーよ!」【禁書】 @ 2024/05/27(月) 22:38:44.58 ID:dUaLKbVW0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1716817123/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/05/27(月) 22:02:42.79 ID:UsTJJi4bo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716814962/

あたしの思うままに愛してみようぜ @ 2024/05/27(月) 20:36:45.99 ID:F8f/eZRO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716809805/

イカ百貫 @ 2024/05/27(月) 19:39:48.34 ID:ItSfmbovO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1716806388/

今更だけどswitch買ったからフレンドになってほしい! @ 2024/05/27(月) 15:12:16.29 ID:zv3HGOsp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1716790335/

いつか終わる夢 @ 2024/05/26(日) 22:56:45.51 ID:krZec8zr0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1716731804/

らららボールトバスターズ with.仮面ライダーセイバー×ゴースト @ 2024/05/26(日) 11:12:10.41 ID:l59ythuC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1716689529/

旅にでんちう @ 2024/05/25(土) 08:18:37.84 ID:d99KI90RO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1716592717/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2016/01/27(水) 23:29:55.08 ID:L4A/jaefo
前スレ >>998

「あら、そんなにひどくならなくてもいいのに。」

どうやら、もう時すでに遅し、というようであった。
焼け石に水、というふうに男の感情をさらに高ぶらせてしまったかもしれない。
だが、まあそんなことは気にしていられない。

「ふふ、そうかしら?私は“叩っ斬る”ことがすべてじゃないけどね。」

男が構える。そう、再びあの居合の構え。
だが、先程までとの構えとは違う。何が違うかはわからぬが。
少女は男の能力をあまり詳しくはわからない、わかるとすれば居合のみだったが―

男は一瞬で此方に迫ってきた。
そう。それは少女が形容するとしたら神速の―
走るわけでもない、身体を捌くわけでもない。まるで“道が縮んだ”かのように。

「速い・・・ッ!!」

だが、対抗策は無いに等しい。体力は少女であるからにして保ってあと少し。
その上左腕はやられてしまっており、腹も浅くながら斬られている。
―ならば、致し方ない。能力を使うしか。

「我、虚なる鳳凰を従えし。汝の負の感情〈オモイ〉、目覚めッ!」

と、指を鳴らすとともに。
そう、感情の爆発―、負の感情を蓄積させた後に発動させる、爆発。
恐らく、2回刀は男を“切った”か。それであれば、恐らく。

男の感情は大きく揺さぶられるであろうか。その動揺に動きを止める程には。
だが、発動までタイムラグはある。
少女は男の剣を避けるのではなく、あえて刀を“ぶつける。”

「ったぁ・・・ッ!」

そして、その神速の居合で刀は弾き飛ばされる、それをグイと掴みあげ。
刀とともに空を舞い、背から地に落ちる。ドサリという音を上げて。
―全く、左手が使えないというのは不便だ。
3 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/27(水) 23:37:10.02 ID:sedILaugo
こころ からころ。貝殻の転がる音が、旅人の足音と共に揺れていく。
旅の女は浜辺を歩いていた。ここはどこだろうと思いながらも、風に押されるまま歩いていく。
水平線では月が泳いでいた。夜も更けようとする、そんな時。
彼女は気取った風でもなく、気持良さ気に目を細めながら、潮風を頬で享受する。

ふう。

白い吐息を漏らした時、清らなかな風が旅人の髪の毛を撫でる。
ふわりと一瞬だけ舞い上がった髪の間から、細長い形をした耳がちらりと覗いた。

水平線では月が泳いでいた。夜も更けようとする、そんな時、何が起こるのだろうか。
"平穏ならそれでいいよ"。胸中、付け加えるように呟いた。

冬の浜辺も綺麗だと思った。


/25時までです。凍結などはその都度相談しましょう。
4 :【発狂鬼人】 ◆Fdnq7Z.ID2aD [sage]:2016/01/27(水) 23:40:40.07 ID:VSCcOMAno
>>1000

「そんなの。分かってます」

復讐。人殺し。それはとんでもない大罪。
それを行っているのは自分がよく分かっている。
時々こう思う、自分が全てを捨てて【鬼】になれたら…なんて…
だったらすべて忘れれて楽なのに。


「分かってるけど。止められないんです」

認められない事は分かっているし、自分が口にしている事はとんでもない事だ。
だけどもうこれは生きていく一つの方法になっていた。
ご飯を食べるみたいに能力を発動し、息をするみたいに復讐する。
それが自分の今までだった。


「…出来ればいいですね」

無理だと思う。けど…それは口に出さないでおく。
ここまで言うなら信じて見てもいいかもしれない
この人は優しすぎる。優しすぎるから信じてもいいかもしれない
もしかしたら本当に―――――



「ううん。もう手遅れですよ…ずっと罪と過去を背負わなきゃいけない」

今までしてきたこと。それから解放されることはない、されてはいけない。
だってそれをしてしまったら復讐した人たちと一緒になる。
だからそれだけはしてはいけない


「刑務所暮らし…ですか…」

病院から解放されれば檻の中。
もしかしたら【学園】が特別な処置を施すかもしれないけど、免れるのはきっと檻の中の生活だけ
常日頃監視が付いて、常日頃どこかに報告される。そんな生活を送ることになる
嫌というわけではないけど、一人になれる時間は…過去に浸れる時間は…




「聖 愛望――――――――――」

最後まで言葉を紡ぐことなく、少女は意識を手放した。
ずっと痛みと出血を我慢してきたツケが回ってきたのだろう。
命を維持するために強制的にシャットダウンされたのだ


/二日間も新規の自分に付き合っていただきありがとうございました!
/マコトくんかっこいいっす
/また機会があれば絡んでください!お疲れ様です
5 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/01/28(木) 00:04:28.35 ID:R8WWJry5o
>>2
自分の心が揺れ動いたことを、明確に感じ取った。自分の物では無い物がかける心内環境の揺さぶり。
それに行動が直結する前に、酷く面倒だと、客観的に、"暗殺者である自分が"呟くのを感じる。
だが、だから何だと言うのか。心が揺れ動かされて、それでなんだと言うのか。最初から、自分の心は"壊れ切っている"のだから、それに何か意味があると言うのか。
確かに、抜刀術をまた外した時、男の動きは止まっただろう。その左手で額と瞳を抑えながら、其処に、ほんの僅かな間だけ、立ち尽くすことだろう。
其処に導き出される結果は、思惑通りなのだ。"だが"。

「―――――――――――― それで?」

久慈辰則に刻まれたそれは、確かに正常に作用した。作用したが、然し、崩れたものが再度崩れたところで、再構築の必要など何処にも無いのだ。
故に、常人よりも遥かに。正気の人間よりも遥かに、その立ち直りは早かった。右手に持った刀を、再度鞘へと納める事が出来るくらいには。
ざくり、と雪を踏み締める。幽鬼のように、ゆらりと男は一歩進んだ。左手の鞘を握る力は、更に強く、強く、締められていく。
顔面に爪を突き立てて、眉間を裂いて鮮血が雪の上に落ちていく。痛みが、迸る感情を無理矢理に抑え込み、精神は強制的にその身体を動かす。

「―――――――――――― それで終わりか?」

その歩みが、少々不安定であるのも、その妖刀の能力が働いている証拠でもあった。だが、それでも男は倒れた彼女の方へと向かっていくのだ。
右手をその刀の柄にかける。人の精神を負の方向へと振り切った時。動きを止める人間と、その動きをより活発に、狂気的にする人間がいる。
そして、男は立ち止まるだろう。落ちた彼女へとその瞳を向けて。刀は抜かなかった。ただ、只管に、それは彼女へと問いかけ続け。


「―――――――――――― 効 か ね え ん だ よ 」


男は、その後者の人間であった。
何度も言うように、男のそれとは裏腹に、決してその能力が効果を及ぼしていない訳では無い。
故に、男はそこでようやく刀を抜いて、そしてそれを力のままに振り下ろすのだ。
今、抜刀術を放ったとして、果たして何時も通りの速度を出せるか分からない。ただ、止めを刺すのであれば、力づくで、確実にそれを"削ぐ"のが確実だと考えた。
故に、男はそれを振り下ろす。身体能力は達人には至らないが、それでも男は軍人で。そしてやはり、その敏捷性は並外れたものがある。
だが、やはり万全とはいかなかった。少なくとも、先の抜刀術よりかは、遥かに隙の大きい物であった。

/>>1おつ
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2016/01/28(木) 00:05:04.29 ID:ElSoOoCvO
/>>4お返ししようかと思ったのですがキリが良いのでここまでで!
/こちらこそありがとうございました!

【現在のロール回数:6】
7 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/28(木) 00:18:04.13 ID:TFiMbFYN0
>>2
冬の夜、波音、その静寂。浜に荒ぶ風を隔てる物は、何一つさえない。
波音は不規則だからこそ、聴く者の心を癒し続ける。
―――だが、そこに在るべきでない、“雑音”が交じり始める。

旅の女が旅情に浸る砂浜から、ある程度離れた防波堤。その上に、幾人もの人影を見ることができるはずだ。
人影は談合する様に囲み合っている。その中心には、周りの人間よりも一回り程長身の男。

寄せては返す波間に聞こえてくるのは、怒声や罵声。おそらくはその集団のものだろう。
それらの声は時が経つにつれ烈しさを増し、遂に一人がその長身の男のレザージャケットを掴んだ。

―――だが次の瞬間、どうしてか『掴んだ人影が海へと吹き飛ばされた』。

それを開戦の合図としたのか、長身の男対その周りの集団で“喧嘩らしきもの”が始まった。
集団はそれぞれに、隠していた得物を取り出して構えているらしい。

さて、その光景は彼の女性にも見ゆるものだ。
我関せずと、この場を後にするも良い。静寂を乱したと、彼等に迫るも良い。


/遅れてしまいかなり短い時間ですがもしよろしければ
8 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/01/28(木) 00:20:31.38 ID:TFiMbFYN0
/ミスです >>6>>3
9 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/01/28(木) 00:21:35.67 ID:TFiMbFYN0
/度々連レスすみません……一応ですが>>7>>3宛です
10 :【怨嗟怒刀】 ◆nELhdBeP86 [sage saga]:2016/01/28(木) 00:27:10.39 ID:5RqSmGv70
>>5

男はほんの僅かながらに立ち尽くす、左手を額に当てて。
だが、其れはほんの僅かに過ぎず。

精神的なダメージは確かに与えられたはずだが、如何せん立ち直りが早い。
地に伏す少女は彼がフラフラとしつつ此方へと歩みを進めるのを見て。
恐らくは効いていると確信した。

「いいえ、これだけでは終わらせない。」

なんて、伏せながら言う。
立ち上がるだけの体力は残されているが、此れは今から使うものだ。
伏せたままの少女の前で彼は立ち止まる。

そう、再びの抜刀。
彼の神速の抜刀は彼の壊れた心に支えられていた。
だが、其処に不純物が混ざりこむとどうなるか、其れは剣士たる少女も分かっているようで。

「―――隙が大きいわよ?」

彼が抜刀をするタイミングで前転をする。
彼の刃は雪を叩き割るはずで。

そして、そして遂に少女は深く踏み込んだ、彼の範囲に。
剣技の達人の少女は、男の側面に素早くつくと。
左腕に燕返しを放った。素早く、そして深く斬りつけ。
刃を反転させまた斬りつける。

そして後ろに飛ぶようにして下がった。
だが、もう体力的には大分不味いことになっている。
そろそろ決着をつけなければならぬか。
11 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/28(木) 00:41:38.46 ID:8HIy4+6po
>>7

 ―― 視線を振り向ければ、何人かの男たちが取っ組み合いの喧嘩をしているように見えた。
"こんなにいい夜なのにもったいない"とも思ったが、彼女は見て見ぬふりができない性格だった。
好奇心旺盛なのは、旅人の常だろうか。
彼らは一体何者だろうと思いながら、外套から一本の武器を取り出す。

折り畳まれたアルミ合金の一本は、月の光を浴びて鈍い金属然とした反射光を散らす。
女がスイッチを押す。ビィン…と静寂の中に鋭い音が、けれども静かに響いき、それは大きく身体を広げる。
それは折りたたみ式の弓。

"驚かされた分だけ驚かせてやろう"、などと、悪戯な事を考えた。

矢を番える。弦を引く。光学照準器越しに集団を視る。
緑の可視レーザーが集団の ―― 頭上へと伸びる。

"4つ数える、息を吸う。4つ数える、息を吐く。"

そして優しく撫でるような手つきで、矢を解放すると、風を切って矢は放たれた。

-------------------------------------------------------------------------------

矢を妨害するような事が起きなければ、それは喧嘩をしている集団の頭上高くで爆発するだろう。
煙と火炎を放つものの、距離を離して狙ったので、爆発したとしても熱を少々感じる程度だろうか。
12 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/28(木) 00:43:15.15 ID:8HIy4+6po
>>7
/お待たせして、すみません。
/もしもういらっしゃらなくても、気が向きましたら後日にレスを置いて頂いて大丈夫です。
13 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/01/28(木) 00:44:30.75 ID:R8WWJry5o
>>10
斬撃が回避される。先ず、一撃目の斬撃を、右手に握った刃が、返す刀で弾き飛ばす。
腕を落とされれば、剣は振るえない。抜刀術は二本あってこそ成立するものであり、故に、久慈辰則が、本気でそれを塞ごうとするに十分な理由があった。
一撃目を弾き飛ばすと、二回目の斬撃を右手の刀を左腕にぴたりとくっつけて、それそのものを鎧にするように、その直撃を防ぐ。
だが、二回目の斬撃は完全に防ぎ切る事は出来ず、浅からぬ傷をその腕に作った。だらり、と、この場において最も多く、辰則は漸く出血を経験した。

「……いや」

「これで終わりにしたらぁ」

その事実は、それの頭を酷く冷静にするに足るだけの出来事であった。一度、その斬り付けられた右腕を見つめると、そっと、両の瞳を閉じた。
刀を鞘に納めていく。それから、深く、深呼吸をした。口に詰めていた雪の効果も無くなって、寒空の下、酷く冷え切った白い息が吐き出される。


「さぁ――――――――――――――――――」


これで、準備は整った。
再度、剣を構える。もう、強く握りしめる必要は無かった。壊れた心を、壊れている也に、"動けるように"繕った。
であれば最早、普段と何もやることは変わらない。剣を構え、柄に右手を添え。ほんの少しだけ姿勢を低くして、眼前の敵を鋭く睨みつける。


「―――――――――――――――――― 来いや」


その男にしては、余りにも素直としか言いようがないほどの構え。余りにも素直な対峙であった。
心臓は酷く平静を保っていた。剣に鈍りは無く、刃は曇り切っている。であれば―――――― 何も、問題は無い。
14 :【怨嗟怒刀】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/01/28(木) 01:00:27.07 ID:5RqSmGv70
>>13

深く踏み込んで彼に与えた一撃は、浅からぬ傷を負わせて。
ただ、その傷を与えたと言う事実は彼を冷静に、そして平静をもたらした。

彼はこれで終いだと、やけに素直に構える。
其れに何も感じることはない。たとえ相手が素直だろうが何だろうが、自らの戦法を通すのみ。
先程、男も身を持って経験したであろう、負の感情を、最終局面になって再び爆発させんと。

「我、虚なる鳳凰を従えし。」

再び、詠唱とも言うべきか、念とも言うべきか。
詞を述べ、目を瞑る。そして、カッと見開いたのなら。

「汝の負の感情〈オモイ〉、既に処を知らず。弾けよ、蹂躙せよ。」

と、静かに、静かに述べた。指を鳴らすこともなく。
―もう、斬る程の体力はあまり残されていない。
残りの体力を使い、彼の負の感情を暴走させんとした。
それが叶ったのなら、彼は自らの感情を制御できなくなる。
それが如何の結果となろうと、少女に知る由はなかった。
15 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/01/28(木) 01:05:41.32 ID:TFiMbFYN0
>>11
『ッ! おい、誰かこっちに―――』

防波堤上にいた内のひとりが、黒い波の隙間に声を上げた。しかしその怒号は、言いかけたところで遮られた。
勿論、彼女の放った矢の“爆音”によって。

驚き跳ね上がった集団の半分以上は、闇の底へとどぽんと音を立てて沈んだ。
それを先程吹き飛んでいった男が助け上げるなどして、何とか砂浜へと脱することができた。
残りの集団も、女よりも甲高い程の悲鳴を上げて陸地へ陸地へと散っていった。

―――だが、それらの中心にいたレザージャケットの男はその何処にも居なかった。
何処へ消えたかの答えは、直ぐに判明する。

浮いているのだ。防波堤よりも例の集団よりも高く、そしてあの矢の爆風よりも高く。男は海上に浮いていた。
上空に吹く横殴りの冷たい潮風の中、かっかっと品のない笑い声を上げていた。

そしてゆったりと全身を、水面と平行になる様反転させて、―――矢の飛び出た闇へ一直線に『飛んだ』。
ただ速度はそう高くない。紙飛行機が向かい風に乗って、推進をする程度の速さだ。
もし無事であるなら、矢を放った彼女の元へと降り立つことになる。

旅の女はこの一連の流れに気づくだろう。突然飛び立った彼に、攻撃を加えることもできる。
何しろ相手は得体の知れない暴漢のひとりだったのだ。そうされたとて、文句を付けるところはない。


16 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/28(木) 01:07:47.45 ID:TFiMbFYN0
>>12
//いえお気になさらず
//約束のお時間過ぎましたので>>15は置きレスということで
//またお手隙のときに返信ください。お疲れ様でした
17 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/01/28(木) 01:22:34.80 ID:R8WWJry5o
>>14
目を開いた瞬間に、彼女が見るものは。恐らく、刀を抜いて、それを用いて雪を思い切り"掬い上げ投げつける"男の姿だろう。
詠唱がどうなるか、どうでも良かった。感情がどうなるだとか、そういう物は、先に全て終わらせてしまえば、どうでもいいものだった。
暗殺者が冷静になればどうなるか。無論、真正面から事を構えたりはしない。また一から、策略を練る。徹底的に、次に殺せる方法を考える。
元より人を[ピーーー]事に特化した人間が、正々堂々と戦おうとした時点で、それは罠か、気が狂ったかのどちらかであり……そして、それの場合は、前者であった。

「は、はハ――――――――――――」

蝕まれていく自分の感情。染まり切れば、自分の技は衰える。であれば、それが、完全に染まり切る前に。まだ、それが脳髄からの命令である間に。
前進、全身全霊、遺された正気の半分を使った『縮地』。全力で扱える状態の、半分も性能は出来ていないが、然し、それでもいい。ただ走る。直走る。
そして、やはり男は、その刃を抜くだろう。その刃の殺傷可能範囲内に入った瞬間に、その柄を思い切り握り締め、そして――――――――――――


「は、はハは、ははははは―――――――――――― ああ、やっぱり」


その抜刀は、やはり欠片の音も発しなかった。然しそれは、神速には程遠い一撃であった。
結局のところ、久慈辰則はその能力が適応されるまでに間に合わなかった。外部からの精神的な干渉は、壊れ切ったそれの心すらも?き乱した。
振り抜いた時、少女がどうなっているか。赤く染まっていく思考の中で、それだけが気掛かりで在り―――――――――――― そして。


「―――――――――――― 俺は心の底から!! 剣士を殺してえ、んだよォッ!!!!!!」


―――――――――――― 抜刀術は、ただ、鞘から剣を引き抜くだけの刃では無い。
先ず、抜いた刀で敵を弾き、返す刀で敵を[ピーーー]技など。"其処から繋げていく技も無数にある"。久慈辰則の抜刀術は、酷く変則的だった。
抜き終えた剣を鞘へと戻し、再度抜き放つ。それを何度も繰り返し行う久慈の剣は、異常且つ異様極まりない物であり、"それを強く印象付ける"。
言ってしまえば。"それ自体が罠"、とでも言えるほどで。

剣は、振り下ろされるだろう。剣士を憎む者の感情が制御できなくなればどうなるか。無論、"形振り構わず剣士を[ピーーー]"。
唯々、腰元から、右上方へと向けて行われた抜刀を終えて。振り抜いた刀を、"感情の儘に"、その剣を叩き付けようとするだろう。
18 :【怨嗟怒刀】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/01/28(木) 01:34:13.97 ID:5RqSmGv70
>>17

//すいません、眠気が限界でして…
//凍結をお願いできますか?
19 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/01/28(木) 01:37:11.61 ID:R8WWJry5o
>>18
/了解です、それではまた後日ということで
/一旦乙でした
20 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/28(木) 20:35:38.99 ID:8HIy4+6po
>>15

空から近づいてくる男へ、旅人は緑色の光線を向ける。
蒼い双方の瞳の焦点が光線の終着点へと合わさり、光学照準器越しにハッキリと相手を捉えた。
今、矢を放てば、当てられる自信が彼女にはある。けれども、それは相手にも言えることだろうとも思っていた。
それにそもそも、イタズラはここまで。
スイッチを押すと、弓が瞬間的に折り畳まれる。

旅人は男が近づくのを邪魔をしなかった。
この浜辺のように、彼女も来るものを拒まない性格だった。

「空を飛ぶのは、気持ちよさそうだね。」

爆風を浴びせた割には、罪悪感の欠片もない態度を見せた。
慣れた扱い方で弓矢を外套の中へと戻し、小首を傾げて、"いいな"と言った。
21 :【怨嗟怒刀】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/01/28(木) 21:18:41.31 ID:5RqSmGv7o
>>17

詠唱を終え、目を開くと。そこには刀で雪を掬い上げて投げつける男の姿があった。
おそらく、先ほどのやけに素直な構えは罠だったのであろう。

そして、男の感情は徐々に、徐々に蝕まれていく。
とはいえ、自我が制御できぬ程だ。そんなに長い時間は持たない。
それであれば―、今にでも、戦いを終わらせたかった。

彼は先程の高速移動を再び用いてきた。やはり、彼の感情は只人のものより遥かに強いようで。
そもそも、まだ動けるということが少女にとっては驚きであった。
そして、彼の刃は少女へと振り下ろされた。

「―――ようやく、見きれるほどになったわね。」

ガキリ、と刀の刃同士がぶつかる金属音。
一体今回の戦いでは何回目であろうか。ただ、ようやく少女の力量でなんとか抑えられる程度にはなった。
―結局、彼もやはり人であった。感情の暴走には抗うことはできなかった。

「私は生き延びてみせるわ?あなたを“叩っ斬る”だけよ。」

おそらく、彼の用いていた剣術は抜刀術という剣術であろう。
抜刀術にもいろいろと剣技の種類が有った気がしないでもない。
ただ、彼は抜き終えた剣を鞘に戻し、それを只管に繰り返すだけの剣技だった。
彼はその居合においては超人をも超える能力を持ちえており。

感情は収まらない。男の負の感情は暴走を続けている。
“形振り構わず剣士を[ピーーー]”。それだけが、男を支配してしまっていた。
少女はこの男を切り伏せるのみだ。

「此処で終わらせたいけどね。」

彼は感情のままに、意のままに剣を叩きつけんとする。
だが、情に囚われた者の剣は恐らく精度は悪かろうて。
少女はその着物を多少裂かれつつ、下の襦袢を晒しながら、男に刀を振るわんとしていた。

――そして。
少女は右手に刀を持ったまま跳び上がり。空中で回転しながら男へと斬りつけんとする。
所謂、回転斬りだ。目標は男の胴体。遠心力を得た刀身は速度を持って男の胴を割かんとした。

「っぐぅ・・・ッ」

だが、その攻撃の代償はもちろんあった。
理性はすでに飛び、感情に支配されていた男の一撃は少女を襲い。
地に着かんとした少女の右肩をザクシと斬りつけた。

其処から血が噴き出す。今にも意識が飛びそうだ。
痛みが体中を駆け巡る。少女は、痛みからか眉間にしわを寄せていた。
ともかく、右腕もまともに使えなくなりそうだった。
22 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/28(木) 21:46:46.54 ID:TFiMbFYN0
>>20
緑色の光線が闇を抜け、男の顔へと伸びる。
彼は顰めっ面で目を瞑る。その後、相手に矢を放つ意思が無いと見ると、やはり軽い口調でけらけらと笑い出した。

「おーおー、眩しいでやんの」

声に出した時はもう既に、傍目にも特殊な物だとわかるその弓を、外套へと収納する旅の女の元に降り立っていた。ざしり、と砂粒を軋む音が立つ。

「ああ。人類の夢を、お先に叶えさせてもらってる。羨ましいか?」

飄々とした態度を崩さず、男は茶髪のオールバックを軽く手で整える。
ある程度済んだのか。ふう、と一息入れて先の爆発のことに触れる、と思いきや。

「しっかし助かったな。あんままじゃ俺、全員沈めてた」

彼女に怒るではなく、感謝した。
どうやら、あの状態のままだと不都合だったところを、結果的に救ってもらえた、ということになるらしい。
それは彼の“力”には加減が効かない、という証明にもなる。
男は芝居がかった仕草で手を合わせ、腰を下げて目線を合わせた。
23 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/28(木) 21:53:27.20 ID:IJ74RcRGo
 深夜の公園
白髪の少女がベンチの上で寝ていた。
不潔感は無いがどこか色がくすんでいるワンピースと、同じようにくすんだレギンス。
そんな、ホームレス始めました。と言った服装をしている少女は、この寒空の下でも寒さを感じていないのか。
風が吹こうとも、動じること無く穏やかな寝顔であった。

 周辺にはコンビニの袋が複数おいてある。
少女が購入したものであろうそれらの中身は、スナック菓子と炭酸飲料だけである。
主食となりうるものや、生活必需品などは一切入っていない。

 そんなどこか歪な少女の周りに、人影が現れる。
無防備に眠るホームレス風の少女。
なるほど、これほど手を出しやすい存在など他にないだろう。

 さて、誰か通りかかる人間はいるのだろうか?

/絡み待ちです。23:30頃まで、中の人が居ます。
/それ以降は置き進行になります。

/前スレ991の再利用です。
24 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/28(木) 22:04:35.25 ID:8HIy4+6po
>>22

くすり、と笑って首をまた傾げた。相手の言葉の、どこを可笑しく思ったのかは風のみぞ知る。
けれどもその当の風は、ひゅるりと冷たい北風は、二人の間を抜けて何処かへと飛んでいってしまった。

「助けるつもりだったわけじゃ、ないけどね。」

右に足を踏み出して、少し右から相手を視る。
左に足を踏み出して、少し左から相手を観る。

うーん、どうやって空を飛んでいるんだろう。旅の女は考えたが、わからなかった。

「私も飛ばせたりしない?」

"いいな、いいな"。欲求を抑えきれないように、小さく二度呟く。
風の赴くままに旅を続ける彼女にとって、身一つで空を飛べるのは、とても好みなのかもしれない。
妙に落ち着いた雰囲気の旅の女も、こればかりは、興奮を抑えられないようだった。
25 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/28(木) 22:21:47.21 ID:TFiMbFYN0
>>24
変な間で笑い、視界でゆらゆらと揺れながら、こちらを眺める彼女。
はっきり言って居心地が悪い。何か品定めでもするようなその双眸は、苦手だ。

「まあ、そうだろうよ。結果助かったから良いが」

そんな風に思った男は、少々の身じろぎをしながら彼女の視線を受け続けた。
年端も行かぬ少女に見られてもぞもぞする三十路の男。かなり滑稽だ。

「無理だ。お前は飛べない、俺は飛べる。諦めろ」

と、すっぱりと望みを断ち切る。
態々噛み砕いて呑み込ませるような言い方は、まるで幼児に話しかけるさまに近い。
そもそも何故飛べているか、自分でも分からないというのが、真の理由なのだが。
―――夜空の星の一点を眺め続けていると、唐突に思い出したかのように呟く。

「……あー、お前が俺に掴まって、とかなら飛べるか」

つまるところ、彼女は飛ぶことはできないのは確実。だが、彼の飛行能力であれば、人一人分を抱えて飛ぶことは可能、だそうである。
ただこれが彼女の夢見た『飛ぶ』に値するかは、分からない。
26 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/28(木) 22:30:42.15 ID:8HIy4+6po
>>25


「本当!?」


ずい、と前に一歩を踏み出す。いや、二歩を!
いや、いや、三歩を!
というか、お構いなしに!

ずずいと歩み寄り、問答無用、情け容赦なく、無慈悲に掴みかかろうとする。

「お願い!この辺をぐるっとでいいから、飛ばしてほしい!」

冷たい北風が去った後には、
羨望と期待の感情を胸中で渦巻かせ、更にそれをグツグツと煮え滾らせる少女がいた。

-----------------------------------------------------------------------
掴まった場合、彼女はとりあえず考えなしに腕とかをつかもうとするだろう。
27 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/28(木) 23:10:39.70 ID:TFiMbFYN0
>>26
ずい、ずずい、ずいずいっ。
彼女に迫り寄られる度に背を反った男は、遂にリンボーダンス寸前の域にまで達する。

「お、おう……?」

初めて見た生き物に襲われそうになった。そんな状況に近い、苦笑を見せつつ答える。
実際、初めて見たことに変わりはない。これ程物怖じせず、最後まで意思を押し通そうとする女性は、彼の周りには居なかった。
しかも、見るからに干支一回り半程度の差のある少女に、やたらぐいぐいと強請られるなんて、考えてもみない。
荒ぶ海風も、彼を助けることなどしてくれはしない。

「……はあ、わぁーったよ」

多分未成年であろう女子の身体を抱えるのには、無論倫理的な抵抗はある。
だが、この勢いには彼も折れるしかなかったようで。

彼は相手の抱え方を脳内で模索し、最終的に所謂『お姫様抱っこ』に近いものに決定した。言い訳はさせない、と。

「落ちても助けねェから、しっかり掴まれ―――よっ」

何やら腕を掴んで飛ばせてもらおうとしているが、それは普通に落ちる。だからこれは、仕方の無い事案なのだ。
椅子から立ち上がる様な軽快な声で、二人は飛び立った。

特に阻害するものがなければ、彼らはぐんぐんと高度を上げて港町全体が見渡せる位までに到達するだろう。
28 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/01/28(木) 23:34:48.16 ID:R8WWJry5o
>>21
感情が暴走するという事は、精神が高ぶるという事は、膨大な量のアドレナリンを噴出させる。
そうなった人間の脳は自己防衛本能である"痛み"を緩和し、行動を継続させんとする、久慈辰則もまた例外では無かった。
脇腹を切られそうになった瞬間、左手をその間に挟み込んで胴体への一撃を避けた。
胴部には人間の重要な器官が多く詰まっている。暗殺者として合理的に剣を利用する都合上、久慈辰則は正確に、傷に優先順位を付ける癖がついていた。
死ぬか、左腕を犠牲にするか、どちらを選ぶかと言えば、選ぶのは左腕だ。
肉を裂き、腕の骨を穿たせてそれを防ぐ。嫌な音と共に血が噴き出すが、脳内麻薬がその痛みを遮断する。

「はン――――――――――――」

右腕が残っている以上、刀は握れる。鞘をもう一度固定すれば、抜刀術は僅かばかり不便になるが、放てない訳では無い。
痛みを気にするような頭が残ってないのであれば、戦闘は続行すべきなのだ。受けた傷を鼻で笑って、再度右手の剣を構え直した。
それからまた、駆け出して剣を振るおうとした。然し―――――――――――― 踏み出そうとした一歩は留められて、そして訝し気に眉を顰めた。

「……あぁ? なんの用だ、邪魔ぁすんなや」

それは少女に対して放ったものでは無かった。何か、別の人間に対して、それは放たれた。
暫し不機嫌そうに、久慈辰則は顔を顰めて動きを止めていた。無論、警戒は怠っていない。斬りかかられたのならば、直ぐに対応できるように。
然し、眉間に寄せられた皺は、段々と解されていった。そして―――――――――――― 右手に握った剣を、鞘へと納めるだろう。

「"優先順位が変わった"、手じまいだ」

「―――――――――――― じゃあな」

軍帽の端を指で摘まんでその位置を直すと、男はそこで踵を返した。
ひゅるり、と強く風が吹く。雪は夜闇に吹き乱れ、そしてその瞬間に、それは駆け出した。傾斜を蹴飛ばして、下に在る死体二つの上へと着地する。
雪山と言え、凍るにはまだ早い。死んだばかりの死体は丁度良く柔らかく、其処から更に、木陰から木陰へと、身体を隠しながら、時折木の根を蹴り飛ばす。
但し、足跡や足音は消さなかった。追跡をするのであれば、情報は一応、揃ってはいるが。
29 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/28(木) 23:35:36.87 ID:8HIy4+6po
>>27

やった、やった。
コレほどに嬉しいことは無いと言わんばかりに眼を輝かせ、今にも小さい子供のように飛び跳ねそうだ。
この為に今夜、風はこの浜辺へと自分を導いてくれた事を確信した少女にとって、
性別年齢人種異能無能、そんなものは関係が無い!

はてさて彼はどんな風に飛ぶのだろうと思いながら袖を掴んでいたが、
彼女は自分の視界がぐるりと回った感じた時には既に、両腕でしっかりと抱き抱えられていた。

「強引なんですね…。」

からかうように言った。またまた、くすりと笑う。イタズラやからかうのが好きだ。
しかし全身に浮翌遊感を覚えると、人を小馬鹿にした笑いを零す唇は、見る間にきゅっと結ばれた。
高度が上がっていくほどに目を丸くし、感激の余りに"う、う、う"と息を漏らした。
そして頂上へたどり着くと、

「あ、あ、わ!」

声ではない感動の声を叫んだ。

「か、感動した!」

どすこい。感動の余りにマトモな感想も浮かんではこなかった。
ただただ、少女は感動した。絶景だ。
山の上から世界を見渡した事はあったし、大きな塔に登ったこともある。

でも、私は、今、風の中で、コレを見ている!(男に抱えられている事は、この一時忘れた。)

----------------------------------------------------------------------------
問題は、彼女がこの溢れ出る感情を胸中で収めきる事ができなかった事だ。
"あ!あれは!" "お!あっちは!"
今まで旅していた景色も記憶と共に出てくるのだから、指を指したり頭を動かしたり、動くというより暴れるに近い。
お姫様抱っこされていたとしても、お姫様というよりかは、釣れたての魚に近い動きだ。

「うー、君、ちょっとジャマ!動いて動いて!」

挙句には、男の背後の景色を見ようとして、邪魔扱いをする。
30 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/28(木) 23:56:14.74 ID:TFiMbFYN0
>>29
「次ふざけた事言ったら離すからな」

そんな男の反論の声は、気流にかき流され、そして―――かなりの高度に到達した。
これ以上登れば、自分はまだしも慣れない彼女には呼吸することすら厳しい。
そうまで考えているのにこのふざけた娘は、と悪態を吐きたくなるが。

「………」

こうまで、喜ばれてしまっては、何も言えないではないか。

「…………まあ、悪くないか」

自分には見慣れた、とまでは言わないが、新鮮な感動を得られる程、純粋にこの光景を楽しむことはできなくなってしまっていた。
ただ、自分だけのものになっていたのを、この娘と共有できたことは、そう悪くない。

ぼうっとしていると、胸元から指示の声が飛ぶ。
あっちに飛べだの、それが見たいだの。余りに身分を弁えていないと普段なら怒るかもしれない。
……だが、今だけは、彼女の人生を彩る要素のひとつとして、働いてやろう。
そんなふうに決断し、男は言われるがままに寒空を遊覧した。

―――――

もうそろそろ、こいつ堕としたい。
男は額の青筋を隠すのが、困難となってきた。

もうそろそろ十数分は経っている。幾ら防寒はしているといえ、上空は常人ならご存知の通りの気温だ。
だがこの娘、いつまで経っても指示と感動のサイクルを止めることがない。
むしろヒートアップすらしている気がする。

「………」

“君”とはなんだ。“邪魔”とはどういう意味だ。
多少怒気を孕んだ声で尋ねても良い。だが、彼女は子供で自分は大人なのだ。
そう、余裕を持たねばなるまい。いくらこいつが無作法で無礼で我侭であろうと、せっかくの機会を楽しませてやるのが大人の役目だ。

そう言い訳するのにも、そろそろ限界が来つつある。そんな深夜の空中遊泳であった。
31 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/29(金) 00:24:20.63 ID:ODIOWySIo
>>30

-----------------------------------------------------------
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-------------------


「今思ったんだけど、ここ寒いね。」

高高度の空を寒いと感じたのは、ようやく一頻り騒いで疲れてきた頃合いだった。
雪山の中で鹿を追い回した経験があろうとも、風の強いこの中では凍えそうな思いになる。
情緒のある風の描写をしている場合ではない。このままだと……凍え死ぬ(と少女は思った)

ヨシ、と自分の掌を拳で叩く。

「楽しかった。帰ろうか。」

タクシー、地上まで。
そんな風な感じで言った。

自由奔放な旅人というよりかは、ただマイペースなのかもしれない。どうなのかもしれない。

冷たい風がまた流れた。ひゅう…。
32 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/29(金) 00:42:35.34 ID:Zj/j7Uoh0
>>31
「………」

苛付くな銅よ。これはあくまで無邪気な子供なのだ。
こっちの苦労も知らないで、などと愚痴るようでは格好悪いだろう。
男は必死に冷静を保った。身体は外気で既に冷え切っているが、頭だけは沸点に達する熱さを自覚できる。

「……おう、帰るか」

どうやら満ち足りたようで、少女はご満悦の表情で着陸を要求。
肩の荷が降りた、と言わんばかりの長いまばたきとため息。
―――そして、それら交じりにちょっとした“いたずら”を思い付く。

彼女を抱える腕には新鮮な血液が通っておらず、柔軟な動作をするのは不可能に近い。
なので、『うっかり彼女から手を離す』ことはありうる状況なのだ。

「―――あーっ、腕がー」

間の抜けた声を上げ、にやつきながら男は、彼女を支えていた両腕をパッと離した。

みっともなくしがみつくのを見るのも良い、数メートル落下させて拾うのも良い。そんな企てをしながらのことである。

33 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/29(金) 00:43:45.37 ID:Zj/j7Uoh0
>>31
//すみません、体調不良が悪化気味なのでそろそろ落ちます
//また凍結ということでよろしいでしょうか?
34 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/29(金) 00:47:05.46 ID:ODIOWySIo
>>33
/凍結、了解です。お体にはお気をつけて。
/この後お返事しておきます。都合のいい時にお返事して頂いて大丈夫です。
35 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/29(金) 00:50:13.29 ID:Zj/j7Uoh0
>>34
//ありがとうございます。了解です
//また明日よろしくお願いします
36 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/29(金) 02:00:56.74 ID:ODIOWySIo
>>32

外套が無ければ凍える所だった、などと呑気に考えていた。
降りたらどうしようかな、とてもいい体験ができたな。
その時、相手の返事を聞いて、ふと男の顔へと視線をやる。
これだけ近いと、イタズラし放題な気がするなんて、また邪な感情が芽生えた。

芽生えたと思ったその時、またもや浮翌遊感を覚える。
一瞬、また昇るのかと思ったが、いや、いや、これは、違う。あ、違う。う。

「う、うわ、うわわっ。」

支えるものがないと気付いた途端、慌てて空飛ぶ男にしがみつく。
空飛べぬ女は、相当に動転したようで、布の擦れる音共に"スリング"が滑り落ちてしまう。
スリングは重量物に引っ張られ身体を下り、危ない、間一髪の所で少女は足の爪先にスリングを引っ掛けた。
スリングの先には、アルミ合金の弓。

"くっ……うっ……。"

アルミ合金とはいえ金属然とした重みに、早速膝関節が軋み始めてくる。
微妙なバランスの上で引っかかったスリングは、少しでも角度が違えば地上へと落下してしまいそうだ。
ひゅうと吹いた風が弓をブランブランと揺らしている。油断ができない。

足つりそう。彼女は危機感を覚えた。
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/01/29(金) 14:40:29.43 ID:aBp5aQY2O
>>32
/すみません。本日はお返事できなさそうです。
/土曜も夕方頃からになると思います。ご都合悪ければ、別れた事にして大丈夫です
38 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/29(金) 19:11:32.51 ID:Zj/j7Uoh0
>>36
宙に浮いたまま支えを失った少女は慌てふためく。“仕返し”のできた男は愉悦の表情。
そして彼女は男の身体にひしとしがみつく。これまた、彼の男心も吝かではない。
それなりに鬱憤を晴らせ、満足した男は意地の悪い笑い声を上げる。

「かっかっか、すまんすまん」

そう言って少女の方を見ると、何やら足元でぶらぶらと。
見れば、少女の爪先にスリング、スリングの先にはあの爆発矢の弓。
またそれらを辿って少女の顔まで視線を戻す。眉間に皺を寄せ、脚をどうにか安定させようとしている。

今夜の自分は、何かと冴えている。
そう思った彼はまた、企み顔で少女に伝えた。
今度は“アトラクション”なんてどうだろうか。

「いい、落とせ。そして俺らもこんまま直滑降するから、お前がキャッチしろ」

作戦はこうだ。このまま少女が爪先から弓を落とす。そしてその弓が地上、または海上に接するまでに、男がアクセル全開で弓に追いつく。追いついたら弓と等速で降下、男に支えられた少女が、その弓を回収。

二人のいる高度から地上まで、まだ結構な距離がある。言ってみる分には無理ではなさそうだが、不安なら自分で何とかしてみるもよし。
しかし、この三十路は慣れないウインクまでしているのだ。付き合ってみるのも一興だろう。
39 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/29(金) 22:58:05.82 ID:l9jn+6iho
 夜の公園。
普段であれば、静かな夜の帳が降りているこの場所であるが今日は様子が違った。
複数の武装した男が、一人の少女を追い回している。

『こっちだ!』
『A班は回り込め!』
『了解!』

 入念に訓練されたその動きはまさに猟犬のようであり、4人小隊を崩すこと無く的確に少女の逃げ道を塞いでいく。
一人の少女を追い回すためには明らかに過剰な戦力に見えるこの捕獲劇。
では、追われる少女は直ぐに捕まってしまうのか。

『D班沈黙!』
『A班救援に回れ!』
『了かっ……』

 否、断じて否である。
少女一人を捕まえるために、だてや酔狂でここまで装備を整えるわけがない。
その少女は緊張感のない、へにゃりとしたと言う形容詞が似合う顔だが中身は違う。
戦局を変えうる性能を秘めた生体兵器。"機翼"シリーズが内の一つ"炎天"。
 いくら訓練を積み武装していようと、只人がそうそう勝てる相手ではない。

「だからさー、ヤダって言ってんじゃん」
「どこの誰かは知らないけどさ―、命令されて戦う気は無いんだって」
「諦めて帰りなよ―。 あ、帰るときお金置いてってくれるとうれしーかな?」

 そこそこの数が居た男たちではあるが、今はもう一人しか居ない。
他の男達は全て地に倒れ伏し、もはや事切れているようだ。
対して少女は白髪もワンピースも血に汚れてはいるが、そこに自身のものは一切ない。
そんな少女の最終忠告に対し、男は引く気配を見せない。訓練されているからか、他に引けない理由があるのか。

「私もさー、無益な殺生とかあんましたくないんだってー」
「でもまー。あんまりしつこいなら、仕方ないかな―?」
「あー……どんまい。 ツイてなかったねー」

 最後に残った漢に対し、7mもある長槍を突きつけてそう言う。
その顔は最初から最後まで表情を変えることは無く。
男の境遇、生死に一切興味を持たず。ただただ目の前の面倒事を処分するだろう。

/絡み待ちです。
40 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/29(金) 23:37:09.94 ID:AEUwSy0eo
>>39
「あら、あら」

今にも破裂しそうな緊迫した空気に孔を開ける感嘆の独り言、透き通った高い声がした。
ゆったりとしたその声の持ち主が、男の後ろの方から歩いてくる、少女にはその姿がすぐに見て取れるだろう。

「男の方達に女の子が追われてると思いましたが……どうやら逆だったようですわね……」

それは、修道服に身を包んだ長身の少女───乱暴に言えばシスターと端的に表してもいいくらいにわかりやすい格好をしていた。
彼女は右手を頬に当てて首を傾げ、しかし死体に驚く事は無く、周囲を観察して呟き、それから少女の方を見た。

「ダメですよ、こんな事をしては」

ニッコリとした微笑み、子供に言い聞かせるようなその声色で、怒るでもなく叫ぶでもなく、ただそう言う。
そして、ゆったりと歩み寄った。

41 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/30(土) 00:05:37.25 ID:L040gu52o
>>40
 男の命が奪われる直前。唐突に現れたその女性。
あまりにも場違いなその独り言に、少女も男も第三者の存在に気づく。
その瞬間、先程まで動く気配を見せなかった男が、急に踵を返しこの場から離脱を始める。
第三者に目撃された場合、各自判断し行動すること。とでも命令されていたのか。
その命令を最大限拡大解釈したのだろう。

 少女は、逃げ出す男には既に興味も関心もない。
今、彼女の眼中にあるものは、修道服を来た場違いな女性だけだ。
その女性は死体に動じることもなく、ただ少女に対して行動を改めるように忠告をする。
その口調は、まるで優しく子供を諭すようで。尚更この状況に合っていない。

「ダメって言ったってさ―、こいつら何回言っても帰ってくれないからさー」
「こっちも実力行使するしか無いって。 いやほんと、私もメーワクしてるんだよねー」
「そ〜いうこと言うんならさー、私じゃなくてこいつらに言ってよー」

 それに対する言葉は、すねた子供が言い訳をするような言い方で。
その会話だけを聞くならば、優しいお姉さんがイタズラをした少女を叱っているようだ。

「っていうかさー。 こんだけ人死んでんのにそれだけって」
「おねーさんもどっかズレてるよね―。 まー、こんな場所に来る時点で類友っていうか?」
「そんでさー。 私になんか用? あー……そっから先近づかないでねー、面倒事ヤダしさー」

 多数の死体を気にも止めず、少女に近づく修道女。
もちろん只人では無いだろう。 何を目的として、少女に近づくのか?
長槍の範囲内に入らないよう、地面に線を引く。
忠告を無視し近づくようなら、少女も応戦体勢に入るだろう。
42 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/30(土) 00:33:46.49 ID:rACjdtAHo
>>41
「うふふ、そう怖がらないで下さい、私は貴女に何かするつもりはありませんよ」

少女の警戒が届いたのか、宥めるような言葉を掛けながら、ゆったりとしていた歩みをピタリと止めた。
この状況で尚も笑顔で、こんな事を言えるのは、例え修道女であっても奇妙だ、まるで死体を見慣れているかのよう。

「ええ、本当です、貴女の行いを咎めるつもりもありませんし、邪魔をするつもりもありません」

「───今はな」

だが、その一言と共に修道女の声色と雰囲気がガラリと変わる。
今までのゆるりとした雰囲気からは想像も付かない程に早く動き、その場から飛び出すように駆けて行ったかと思うと、逃げ出そうとした男の襟首をガッチリと掴んで捕まえた。

「アタイがテメェをどうするか決めるのは、コイツだ」
「なァ?そういう事だよ、何逃げようとしてんだ?」

捕まえた男を片腕で引き上げながら、少女と男に交互に顔を向けて言葉を告げる。
微笑みを浮かべていた顔は、同じ人間なのかと疑うほど凶暴な顔付きに変貌しており、両眼は爬虫類を思わせる縦に割れた瞳孔を湛えていた。
修道女は男に顔を寄せ、ニヤリとした表情で囁く。

「死にそうになってた所を優しいシスターさんが無償で助けてくれました、めでたしめでたし……じゃねェんだよ」
「聞けよ、テメェは今からテメェ自身の命を買うんだよ、別に嫌ならそれでもいいけどなァ」

つまり、この修道女は、何も男を助けに来たのでもなく、少女に何かを説くのでもなく、勿論偶然現れたのでもなかった。
男に対し、『助けてやるから金を出せ』と要求する、聖職者とは思えぬような人間。金額は敢えて指定しない、気持ちを見せて欲しいから。
勿論男は拒否しても良い、その場合は、まあ、この修道女が来なかったらそうなっていたであろう結果に収束するだけだが。
43 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/30(土) 00:55:59.72 ID:L040gu52o
>>42
 少女と女性。双方の注意が自分から外れたと安堵した男。
しかし、女性は少女と二三言葉を交わしたかと思うと、それまでと雰囲気を豹変させて男を捕まえる。
命が欲しければ金銭をよこせ。と言う修道女であるが、このような任務につくときに兵は金を持つだろうか。

 結論から言えば、男は差し出せるような物を持っていない。
ゆえに男の口から出せる言葉といえば、ただひとつ。

『何も無い……何も無いんだ!! 金目の物なんて何も!!』

 あとは、『見逃してくれ』や『助けてくれ』などの命乞いの言葉だけ。
持っている装備などは、換金できるかもしれないし、死体の中には、金銭を所持していた者もいるかもしれないが。
この男は特に金目の物を持っていないようだ。さて、女性はどうするだろうか。

 そんなやり取りを見ていた少女は。

「んー……? もしかしてそいつがお金持ってなかったら、私からカツアゲするつもり?」
「でもさー、私ホームレスみたいなもんだからさー」
「時々お菓子買うぐらいしかお金無いよー」

 実際、彼女はあまりお金を持っていない。
時折どこからかお金を調達し、それで菓子や炭酸飲料を購入している程度だ。

「なんかごめんねー? お金持ってなくて」
「でもまー、ツイてなかったってことでさ―、諦めてくんない?」
「って言っても、その感じだとなんか諦めそうにないよね―。 面倒だな―」
「できれば早いところ横になりたいんだよねー」

 そう言いつつ、この場から離れる気配はない。
少女は男の末路を見届けるだろう。そして女性が近づくようなら。
先ほどの少女の忠告はまだ生きている。 長槍の範囲に入れば、人外の力で横薙ぎに振るわれた槍が女性を襲うだろう。
44 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/30(土) 01:17:57.85 ID:rACjdtAHo
>>43
「あーそう、金がねェのか、そいつは残念だったなァ」
「ま、運が無かったと思って諦めろや、アタイは前金しか受け取らない主義でな」

要求した物を出せないというのなら、助けてやる道理はない。
金を出せぬなら商品は買えないというのが今の世の常、泣いても喚いてもどうする事もできやしない。
もう男からは興味は失せた、とでも言うように、男は捕まえたまま少女の方に顔を向けた。

「ところで、さっきから良く喋るなテメェ、ペラペラペラペラよく回る口だぜ、半分程聞いてねェわ」
「いや本当はな?テメェが狙われてると思ったからそうしようかと思ってたんだが……まさか返り討ちにするたァな、全く能力者ってのは笑える存在だわ」

「感違いしてんのか自意識過剰なのか知らねェが、テメェに興味なんかねェよ、なんでわざわざ普通にカツアゲしなきゃなんねーんだよ、小銭稼ぎのリスクたけーわ」
「ま、構ッて欲しいってんなら?相手になってやってもいいけどなァ?」

バカにする様な半笑いを混ぜつつ、ここに現れた理由とそれが予想外の結果になった感想を漏らしつつ、少女の持つ槍を見る。
一瞬にして能力者と分かった、そんな相手を普通に脅して金をせびるなんて事を一々していてはリスクが高いし、足が付く、あくまで彼女がやる事はビジネスライクの取引であって、たった今それが破綻したばかりだ。
金と引き換えに命を拾う、それが、金を出せないというのなら命をくれてやる事は出来ない、当然の理。

修道女は男を掴んだまま腕を振りかぶると、その細腕からは想像も付かない程の力で、男を少女の方向に投げ付ける。
少女がそのまま黙って立っていれば当然、人間の男という鈍器が衝突するダメージとなる……が、修道女は別に攻撃のつもりでそんな事をしたのではなかった、寧ろ『処理』の一環の行動としての事。
一度は助けてやろうとした男を、元々『そうなるはずだった』姿にしてやろうというだけだ。
45 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/30(土) 01:38:45.80 ID:rACjdtAHo
>>43
/申し訳ありません、眠くて落ちそうなのでここで落ちさせていただきます。
/凍結するかはそちらにお任せします、一応明日は夕方辺りから出て来れます、ロールを終了する時はこっちのキャラが逃げたとかそういう事にしておいてください。
46 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/30(土) 01:55:09.32 ID:L040gu52o
>>44
 男の末路は今決まった。
自らの命を金で買うことのできなかった男は、死刑宣告を待つ囚人の様にうなだれている。
女性は、そんな男にはもう用が無いのだろう。先程から、女性に対して話し続ける少女の方を向き、少々返答をする。

「なんかさー、最近口数が多くってさ―? なんでだろーね?」
「私としてはさ、バグとかそこら辺が関係してるんだとは思うんだけどね?」
「まー自力で直せないからさ。 なるようになるしか無いっていうか」

「まー、この程度返り討ちにする性能がなきゃさ。 改造された意味が無いじゃん?」
「伊達に兵器にされてないからねー 多分、それが目的なんだろうけどさ―、こいつら」
「私戦局を覆す目的で作られたんだから、この程度じゃーどーしよーも無いって思わなかったのかな?」

「あー、勘違いだったんだ良かったー。 カツアゲされたらどーしたものかと思っちゃったよ」
「けど興味無いってのもちょっとひどいなー。 けどまーホームレスだし仕方ないか」
「小銭稼ぎってさー、修道女がそんなことしていいの? 別にどーでもいいけどねー」

 女性が一言喋れば、それに対して3言返す。
そんな勢いで喋り続ける少女の表情はコロコロと変わっているが、その内側に感情の動きを感じさせない。
発言の内容と、その様子から少女が只の能力者では無く、作られた存在なのだろうと察することは簡単だろう。

 唐突に女性が腕を振りかぶる。 その腕は男をガッチリと掴んでおり、普通であればそのような事はプロレスラーでも難しいだろう。
しかしそのままボールでも投げるかのように男を投げる女性は、それだけでその身に秘めた怪力の片鱗を見せつける。

 投げられた男は、まっすぐと少女に向って飛び。

「んー、構って欲しいってのはあるかもね―。 最近暇だし。」
「でもまー、今横になりたいからさー。 明日以降にして欲しいかな―?」
「そんときはお菓子ぐらいなら用意しとくからさー」

 無造作に振るわれた槍の穂先に強かに叩きつけられる。
7mもある槍を剣のように振るうのだ。  手元でさえかなりの速さ、槍の穂先は一体どれほどのものになるのか。
その結果は、男がくの字に曲がったと思うとそのまま両断されたと言う結果が物語っているだろう。

「いきなり投げるのやめてよー。 びっくりするじゃん」
「っていうか、力すごいねー。 おねーさん、身体能力系の能力者ッて感じかな?」
「私はてっきりさ、神聖なパワーで浄化!! ッて感じかと思ってたよー」

 投げつけられたことに対して、一切の怒りを持っていない。
ただ、女性の怪力に驚いているだけだ。
47 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/30(土) 01:55:56.78 ID:L040gu52o
>>45
/凍結の件、了解しましたー。
48 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/30(土) 15:43:34.06 ID:C7VHxLUc0
――――人体と言うのは、想像するよりもずっと『脆い』。抜き身の軍刀を握った右腕に掛かる不愉快な感触が、彼の表情を少しだけ歪める。
骨に刃が当たってしまわない様慎重に、且つ迅速に振るわれた刃が残す気持ちの悪い感触が彼は嫌いだった。何故かと聞かれれば、人を斬ったという感覚を残すからだと答えよう。
もっと言えば、その感触に対し完全に慣れてしまった自分はもう「『刃』としてしか生きられないだろうな」という不可思議な確信を持ってしまう。
可能性を確定しているとも理解できるその『理不尽』に、彼は少なからず敵愾心を抱く。相手にしたところで、別段これといった意味は無いのだと分かっているとしても。

だが、彼の様に『一太刀』で獲物を殺してしまうという行為は、人斬りにはやや不相応な殺し方だと、彼は刀身に着いた血を右腕を振って払いながら、僅かに思考する。
そもそも口封じというものは対象を殺すことに加え、どのような殺し方をするかにも少なからず重要度がある。それは、処理されてしまうという事を加味しても、だ。
例えば、裏切られた人間が一太刀で殺されているのと、散々拷問まがいの事をした後に殺されているのではどうだろう。殺されるという恐怖は一緒だが、後者の場合は其処に『痛めつけられる』という別の恐怖がプラスされる。
極端な話をするのなら、今各地で定められている法律も『破った際に与えられる罰』と言う形の恐怖と言い換えることができる。約束を守らなければ罰を与える。単純ではあるが、だからこそ例外が少ない恐怖だ。

そして、その恐怖が強ければ強いほど人はその存在に対し反抗することが少なくなる。裏切った場合のリスクと、裏切らなかった時のリスクが、明らかに天秤を揺らすような結果になれば、打算的な人間はまず裏切らない。
理想論者や正義の味方を気取る連中に反旗を翻される、民衆の反発を喰らうというデメリットも小さくはないが、帝國暗部内だけの話として考えれば、物事は比較的単純になる。

――――思考停止。これ以上は考える必要が無い。俺という存在が、私という存在が其処にある『意味』など、仕様も無いことを呟くつもりも無い。

ショートに切り詰められた黒髪を一世代ほど前の帝國軍帽で隠し。全身を包む軍服、背中を覆うマントの様な雨覆に、右腰に帯刀された古い軍刀。鋭い目つきを当たりへと巡らせ、左手に持ち替えた抜き身の刀身を鞘に戻す。
現場には原則として誰一人居合わせることは無い。処理が完了した後、若しくはする前に処理班を呼びつけ、彼は只斬ればすむ。と言う風に物事が簡単であればいいが、事実其処まで容易にこなせる仕事でも無い。
様は人探しと人殺しが合わさっているようなもので、基本的にはあらかじめ位置情報が知らされてはいるものの、何らかのアクシデントで対象が此方に気付き逃げ出すことや、能力による抵抗などを受ける事も多い。
命が幾つあっても足りないとは、以前聞いた同僚の愚痴だっただろうか。恐らく、そのような事を想いながらもこの仕事を続けている時点で相当な気狂いであろうことだけ、よく似ている。

場所は路地裏にほど近い、広場のような僅かに空間が開けた場所。街灯と月の明かりが存外に強く、辺りを見回すという動作だけなら明かり無しでも容易に可能なほど。見るにしろみられるにしろ、どちらも『簡単』だ。
地面に散らばった頭と胴体、そして彼。もし仮にこの場所に出くわす人間がいたとすれば、鉄の様な異臭の中表情すら変えずに立っている彼を見ればどう思うか。きっと、殺人者と言うレッテルを張られてしまうだろう。
事実間違いでは無い。人を殺しているという一点では間違いなく殺人者だが、帝國にとって目障り、いや「裏切り者」としての位置づけである存在を殺すことは、彼の任務であり使命。それを譲るつもりはない。
だが、気付かれてしまえば基本的にその人間を処理しなくてはならない。特に帝国との関わりが無いような一般人、来訪者程度の存在であれば見逃すことは出来る。幸い、未だ処理班が到着するそぶりは無く、多少の時間は確保できている。
他にも同業者や同じ帝国の人間は殺害対象に入っていない。寧ろ彼にとっては友好的に向か入れるだろう。血みどろの出迎えと言うのも、些か趣味が悪いと言わざる得ないが。

唯一見逃せない物はと言えば………『敵国の兵』くらいだろうか。どちらにしても、このまま誰も現れるに越したことはないわけなのだけれど…………。

//使い回しですが…
49 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/30(土) 16:17:46.42 ID:rACjdtAHo
>>46
「アホか、神聖な力だの何だの、そんな胡散臭ェ物使うかよ」

男を掴んでいた手を軽く振って筋肉をほぐしつつ、少女の予想外だと言う言葉を鼻で笑った。
一応聖職者の姿をしてはいるが、その手の物は信用しない達らしい。

「……テメェ、わざとか天然か知らねェが、自分の情報ダダ漏れだぞ」
「兵器か……テメェがね……」

「ケッ!そんじゃ、そいつはブッ殺しといて正解だったな」

少女がつらつらと口から出す言葉を、『興味ない』と言いつつもしっかりと拾っていたようだ。
話し振りからして、少女が何処だかの施設で造られた人造の能力者だと考える、そこからこの男達の立場を予測し、『助けなくて正解だった』と呟いた。
ここからは、ほんの少しだけ───体感出来るほどでないくらい若干───口調が優しくなる。

「テメェ、家がねえのか、逃げ出したのか?」
「……何処で『造られた』?」

腕を組み、少女との距離は槍が届くか届かないかのギリギリまで歩み寄って、その眼を見つめて問い掛ける。
50 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/30(土) 18:50:03.31 ID:4V2F1hw4o
>>38

顔を真赤にし、顔を見上げる事すらできず、額を体に押し付け、両腕の力だけでしがみついていた。

「キャッチ!」

弓を空中でキャッチという案を聞いても、直ぐにイメージする事ができなかった。
彼女はその身ひとつで空を飛んだ経験はこれが始めてだから、これまたパニックを助長した。
失敗したら弓が……弓がバラバラ!
粉々に砕け散る弓を想像すると、本心、とてもその提案には賛同できなかった。

しかし、膝関節で重力の存在をヒシヒシと感じてもいた。
男の提案は少女の膝の痛みを一層強め、筋力に多少自信のあった彼女も音を上げる。

「そ、それでいい…っ」

弓が風に惑わされる度、ヒイヒイと息を荒げる様子はさぞ滑稽に映るだろうか。
獲物を弄ぶ子グマのようにはしゃいでいた彼女も、今や耳を掴まれたウサギのようだった。
51 :【無限鉄血】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/01/30(土) 19:12:13.06 ID:3oCCqY7w0
>>48
暗く闇に包まれた、開けた広場の周辺域。
血の滴る刃、そして血溜まりの中。降り注ぐ月光が反射する液体は、異様に生々しく、それでいて美しい輝きを放っている。
其の場はある種の幻惑的な空間、とも呼べたかもしれない。
しかし、漂う死の臭いと凍りつくような空気は、否応無しにその場が"異常"であるという事を克明に示していた。
異様な男の醸す静寂、流れる血、漏れ出す街灯の明かり。ある種の退廃的な幻想に包まれたその雰囲気はしかし、無機質な足音によって掻き消される。
規則正しく、効率的で、足並み乱さぬ機械の如き音。紛う事無き軍靴の音だ。
やがてその足音は、広場入り口で止まるであろう。目をやれば、音の主の全貌が見えてくる。

━━━━彼は、軍服を着ていた。男とは異なる、最新式の軍服を。手にしているのはカービン銃であろうか。
迷彩柄の刻まれたその服は何処か色褪せ、暫く着用の機会がなかったことを窺わせる。
そして胸にされている刺繍を見れば━━━━━その兵は、"合衆国"たる国の者である事が、一目瞭然に理解できよう。

彼は広場に入れば辺りを見回し、解体された屍体と血だまり、そして刀を抱く男を発見する。
冷徹にその現場を把握すれば、彼は耳に付けた無線機のスイッチを入れた。

「━━━━━━━━━━発見した。これより任務を遂行する。OVER」

その声は何より冷徹に、機械のようにその空間に響き渡り。

『了解。"悪"は逃がすな』

対する応答の声もまた、冷酷な語調で発せられていた。
たった短い会話の後に、彼は男へ注意を向ける。それだけで、男と敵対する十分な理由が出来たと言わんばかりに。

鋭く隙のない瞳で男を睨みつけながら、手にしていた銃器を男に向け、安全装置を解除する。
そうして狙いを付ければ、彼は不意に、言葉を発した。

「"SEAT班"の監視網からは逃げられなかったらしいな……帝國人。お前の悪行もここまでだ」

彼は警戒は解かずに、脅しかけるように。
サイトの中心に敵の頭を入れながら、言葉を続ける。

「お前の罪状、そして容疑は帝國人の連続殺人だ。同郷殺しとは、何をトチ狂ったか知らんが……ここで精算して貰うぞ」

彼は引鉄に指を掛ける。
一切の容赦なくそれを引く寸前、彼は一言だけ呟いた。

「じゃあな」

瞬間、M4 カービンライフルの銃口が唸りを上げる。
炎が灼ける。鉄が吼える。ただ殺戮するためだけに造られたその機械は、無慈悲に無感情に音を立てる。
無数の鉄のカーテンはただ、男の頭に風穴を開けんと突き進む。
硝煙を振り切り、空気を裂き、風を断つ。冷たく強固な鉄塊は、確実に敵を殺害する。そのような確固たる意志が秘められているようにさえ感じられた。
今の彼の瞳と同じように。

/よろしければ……








52 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/01/30(土) 19:28:02.40 ID:c3LDVQKc0
草木も眠る丑三ノ刻。白昼なら賑わうはずの公園も静寂を迎えるであろう夜だった。
しかしその公園から周辺の道路にまで、鉄錆にも似た異臭が漂っていた。
敷地内にあるベンチに凭れる人影一つと、すぐ傍らに立つ人影が一つ。
足元には体積的に数人分と見られる肉塊が転がっており、辺りの砂が血を啜りて紅に染まっている。
肉の断面は包丁で捌いた刺身のようで、刃物で斬り別けられたらしき痕跡である。

「……………………クロコダイル?」

『あぁっそうだ……!祖国製のヘヴィーなヤツさッ!』
『何でもツカえば、指先から鰐の革みてえな黒緑色に腐り落ちちまうんだとよぉ……』
『ま、まぁ……体ん中にガソリンなんかブチ込むんだから当然っちゃ当然だろうけどな……』

半ば呻くように話す壮年の男は、荒縄でベンチに縛り上げられていた。
目隠しをされて、前歯は半分以上が圧し折られ、生爪をも総て剥がされ落ちている。
また、上着のボタンを全部外され剥き出しになった上半身には、真新しい斬り傷が血を噴いていた。
つい先刻に拷問行為を受けたと誰が見ても明白な男の話を、小太刀を提げる少女は淡々を相槌を打つ。
その淡い月明かりを帯びる白刃には、真新しい鮮血が止め処なく滴っている。
縛られた男、血濡れた得物を持った少女、八つ裂きの骸、誰が見ても瞬時に状況を理解できる筈だ。

『それを改良……い、いや改造したブツが……俺の手元にあるんだ…………ッ!』
『どうだッ!?会に取っても、悪いはn―――ぐぎゃあぁあああぁあああッ』

耳障りの悪い粗砕音の直後、激痛に嘆く悲鳴が夜闇の静寂を破壊する。
論点を逸らされた故に少女は、たった今男の親指の骨を靴上から全体重で踏み砕いた。
爪先で再度躙ると、男の前髪を引っこ抜きそうな程に乱雑に掴んだ。
そして苦痛に歪む男の顔を、別段憤りや苛立ちを感じさせない無機質な眸で覗き込む。

「それは上が、決める。から早く、ゲロして……」

実際の話、密売されている麻薬の作用や価値など全く無関係の事柄であった。
会の直参の組員兼始末屋たる少女に下された命は、儲けの在処を吐き出させる迄である。
その後の処置は長けている者に回し、その時点で少女自身の干渉は終了する。
だから平常通りに口を割らせた後に処理し、得た情報を持ち帰るだけの作業だ。
仮に何者かと遭遇した場合は、少々手間こそ増えるが、結局為す事は変わらないのだろう。

/取り敢えず日付が変わるくらいまで募集
53 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/30(土) 19:55:52.28 ID:C7VHxLUc0
>>51

コツリ、コツリと響く足音。其処まで立てれば馬鹿でもわかる。軍服だったが、『彼の記憶には無い』その容貌。
SEAT≠ニ言う言葉にも聞き覚えが無い。であれば、彼の読んでいた処理班でないことは明らかだった。何より、『姿を現す』事自体、彼らの様な暗部には到底在り得ない事である故に。
ふとどういった対応をするか悩んでいる内に、どうやら彼方は此方の事を敵と認識している様子。さて、その銃口が此方を向いて―――。

火が吠える。帝国でも見た事がある『銃』と呼ばれる近代兵器。単発式か連発式かはわからないが、常人であればそれを確認する前に死に至るだろう。
弾丸とは人間の眼で追い切れる次元には存在せず。しかもお互いを明確に視認できる現距離間での発砲はまさしく『必中』の領域。
例えそれが剣の達人であろうとも、銃弾を見切って斬る。なんて芸当は彼には到底真似できない。其処までの動体視力は『彼に必要無い』のだから。

「――――それがどうした?」

――――彼の頭蓋を貫く筈であった弾丸は、彼がその足を『一歩』踏み出すことで完全に『無意味』となる。
彼に弾丸を見切る力は無い。だが、彼の『眼』は『それなりの速度』であれば容易に見切れる強化された動体視力がある。
そう、銃撃を躱すのに特に難しいことは何も必要ない。振り翳される剣閃のようにフェイントも無く、ただ只管に直線を飛来する。
であるならば、銃口を向けられた直線状から少し『ずれてやる』だけで弾丸は彼の頬から数センチ離れたところを通過する。

ひゅう。とならない口笛を一つ吹き、右手は『右腰に帯刀された』軍刀の鞘を軽く握る。正面に向き直ると、此方を睨む男の顔がよく見えた。

「まぁまぁ、そんなに『燥ぎ』なさんな。」
「いい年したオッサンが、悲しくなってくるぜ」

こんなことは『何でもない』と。そう暗に挑発を入れながら、彼はその軽口を叩く。にへら、とお調子者特有の雰囲気に合わせた笑顔を見せた。
カチャリ。と此方の『獲物』をチラつかせ。『どうしたものか』と思考を投げる。切り結ぶか、それとも『撤退』か。
証拠を残して去るのは不味い。だが、処理班が来るまでにはまだ時間がかかる。という事は現状自信一人だけの戦力でこの状況を何とかしなければならないという事。

「『同胞殺し』がそんなにイケナイことかい?」
「『俺ら』の問題に突っ込んでくるんじゃねぇ――――ってのは、『此処』だと通用しないんだっけか?」

……だというのに、それは笑っていた。ああ、所詮どこも『こう』なのだな。と、至って自嘲的に。

//すいません反応遅れました……。
54 :【怨嗟怒刀】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/01/30(土) 20:26:32.71 ID:qiLdY1GKo
>>28

少女の放った剣は彼の左腕を切り裂く。
いや、骨までも穿ったであろうか。嫌な音が聞こえる。

――再び、少女と男が対峙する。
そして、彼が駆け出す、少女は刀の柄をぎゅっと握るが―

彼の抜刀は為されなかった。
彼は別の方を向き、ジャマをするなと言っている。
何か来たのであろうか?なんて無表情に考えていたが。

「―――――そう。」

何も感想はない。彼は死体を踏み台にして木の上に飛び乗った。
足跡や足音は消えていない。だが、少女には追跡をするという考えは在らず。
刀を鞘に収め、暫し目を瞑ると。

「さ、帰ろ。」

着物は戦闘の影響でボロボロ、また縫い直さなければならない。
下の真っ白な襦袢が露わになっているが、心配はあるまいか。
寒風が吹きすさぶ。やはり寒い。

結局、D.O.T.A.の任務なんかすっかり忘れて戦闘に耽ってしまっていた。
少女はただ、男と戦った、それだけであった―

//すいません、暫く返せませんでした・・・
//これで〆です、ありがとうございました!
55 :【無限鉄血】 ◆q90iVQe5VQ [sage]:2016/01/30(土) 20:33:53.86 ID:3oCCqY7w0
>>53
彼は銃器の1カートリッジ分を撃ち切り、しかし未だ視界の向こうで立つ男を見据える。
━━━━━"能力者"とやらは、一筋縄ではいかないと言う事か。銃弾を明らかに"見てから躱された"事を確認すれば、彼はただライフルのリロードを行う。

恐ろしい動体視力か、身体能力そのものか。ともあれ、相手は人殺しだ。それだけの力を持っている事は確実と見ていいだろう。
防御や遮蔽物に隠れなかった事を考慮すれば、おそらく銃弾は有効と考える。追い立てれば何れはボロも出よう。
彼は機械のような感情なき瞳で、しかし男を睨んだ。

「……"イケナイ"か如何かは、俺が決める事ではない。だが、お前は"凶悪犯罪者"という事らしいが?」

自分でも気付いているんだろう、と。
そんな風に、問いかける様な瞳で男を見る。成る程、殺してしまえば対象の生きた痕跡など、簡単に掻き消す事ができるだろう。
だが、"殺人"そのものが持つ意味と言うのは、そう簡単に掻き消せる物ではない。

だからこそ、彼は男の前に立っているのだ。

「……なるほど深い理由があるらしい」
「だが何方にせよ、お前はここで殺さなくてはならん。それが"任務"だ」

"任務"とは、得てして感情とは異なる行動原理だ。
行わなければならない試練。否応無しに遂行せざるを得ない事象。
そこに私情は無く、口を挟む道理もないのが本来だ。だからこそ彼は"問答無用"に徹しようとする。
だが、彼の性質は根本的に"善"にある。相手が殺人を為している以上、それに対してはどうしても、棘棘しい反応をせずには居られないのだ。

「……此処で殺されるのも、不思議はないだろう?」

殺害。命の駆け引きを行う以上、それは己の命もまた、場に差し出しているのと同義だ。
男や彼はその駆け引きの末に、"未だに負けた事が無い"という事実に尽きる。結果的に殺されたとしても、それは決して不思議な事では無い。
死と生を大別する以上、どちらかが立ち、どちらかが斃れる。それは、必然の問題であるのだから。


━━━━━━とは言え。初手で殺害できなかった事は、彼にとっても予想外だ。
銃弾を躱された事実も勿論だ。それ以上に、この殺し合いの中で笑っている事が予想外だ。
次の瞬間には、自分が死んでいるかも知れない。つい先ほど、自分は死んでいたかも知れない。
そんな死の緊張の中にありながら、男はしかし笑って、旧世代の武器を握りしめている。
その行動は彼に、男が何か別の生き物であるかのような印象すら与えさせた。

それに、あの刃。まさかあんな旧式武器で銃と戦うつもりなのか?
相手は、自信たっぷりと言った余裕ある表情だ。それに対して、彼は警戒心をより一層に強める。

これはただの直感だが……「油断」はそれだけで命とりになる。この男の放つ鋭いオーラからは、そんな印象を受けた。

だからこそ。彼は着実に相手を追い詰めるしかあるまい。
"お喋りタイム"は此処までだ。此処からは恐らく、命を賭した闘いになろう。
サイトの中心部に相手を捉えれば、彼は瞬間に引き金を引く。唸りを上げる銃弾を数発撃ち出せば位置を調節し、また数発。これを20発分繰り返す。
避けられたとしても逐一の位置調整を行う事で、先ずは相手の余裕を失くす。この作戦が上手く行けば良いのだが……

もし余裕がなくなれば、相手はさらなる隠し球を見せるだろう。
それはそれで、闘うにあたって重要なアドバンテージだ。近寄られれば……銃を駄目にしてでも、身を守る必要が出るだろうが。










56 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/30(土) 20:34:22.75 ID:Lhhuh/DP0
>>50
―――胸は、発展途上か。
少女がリスクを考慮していたその間、彼はかなり邪な推察をしていた。

強風の中に彼女の了承の声を認めるや否や、男は彼女を抱え上げて、ホームポジション、別名お姫様抱っこの体勢に戻る。

「おし、じゃあ決まりだな」

そう言った男の顔は、底意地の悪そうな子供そのものに近かっただろう。抱えられた少女からも見える筈だ。
彼女の不安をよそに男は彼女の身体を、顔が外向きになるようにして、強めに抱擁した。
―――その次の瞬間、景色は反転する。

「セクハラとか後で言うな―――よっ!」

二人は宙で180°旋回、それに従いアルミ合金の弓は霞んだ地上へ真っ逆さま。
それに負けじと風を薙ぐ二人。雲を抜け、鳥を避け、風を読んで。ふたつの距離は確実に縮まっていく。

そして、街の灯りが近づいたころ。やっとのことで弓に手が届く距離へ。
ある程度の重さとその形状からして、空気抵抗もそう大きくはない。彼女がこの未体験の状況に落ち着いていれば、捕獲も難くなさそうだ。
だが、目測でいって地上からはあと1000mもない。リミットは数十秒程といったところ。弓のゆくえは、少女次第である。

「いけ」

かき消された声が、このタイミングだと少女に促す。
57 :【ハンス・ドリーシュの追蹤録】 [sage saga]:2016/01/30(土) 20:53:52.93 ID:l/psZwx50
>>52

真新しい死臭の漂う公園は凄惨な拷問部屋と化していた。その場所は確かに物質的には解放されていたが、黙然と存在する重圧から逃げ果せられる存在などいる筈もなかった。
深夜の冷えた空気は人間の生温かさと混じり合い、不快な寂寥さとなっていた。月光だけがただ透明であった。点滅する街灯は鉄と肉の香りに息を潜めていた。
音さえもくぐもっているかのようだった。絶叫は腐った大気に撹拌されて、執行者たる少女の声だけが淡々と響く。

――――がさり。背の短い草が、踏まれて擦れる音がした。

「―――――――― あ」

一瞬遅れて、気付いたような声がした。幼い子供の声に聞こえた。臓腑と鮮血の臭いが混じり合う中、その声は矢鱈に響いていた。
さらに数秒が経てば、少女の丁度背後にある常緑樹の裏から、一人の影が現れる。仕方がないと言わんばかりに、その影は存外なほど素直に、月明かりの下へと――少女へ向かって、歩いていくだろう。

「…………こんばんは。えっと、その」

照らし出された影は、取り敢えずとばかりに夜の挨拶をした。ぺこり、と体を深く曲げれば、腰まで伸びた白銀色の長髪が揺らめいた。
顔を上げたその影は、幼き執行者よりもさらに小さな少女だった。彼女の背丈は執行者の腰ほどまでしかなかった。
仄暗く紅い瞳が、執行者の眼を見つめていた。無感情でさえある表情は、作り物のように白く端正であった。
彼女の纏うフリルのついた黒と赤のゴシックロリータと、同じようにフリルのついた黒いカチューシャは、この血腥い空間には余りにも不釣り合いだった。
彼女は暫し執行者を見つめたまま、淡く細い唇を結んでいた。

「……ああ、思い出しました。いい夜ですね=v

そしてまた藪から棒に、彼女は口を開くだろう。定型極まるその挨拶に、やはり感情は篭っていないようだった。
どうやら彼女は、この言葉を思い出すために口を噤んでいたらしい。畏怖することもなく、敵意を向けることもなく。
全く彼女は、人間らしい振る舞いをしなかった。ただ微動だにすることもなく、その小さな体躯で、執行者の瞳を見つめ続けるだろう。

/よろしければー
58 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/30(土) 20:55:12.18 ID:L040gu52o
>>49
 女性の態度からは信仰心などといったものはまるで感じ取れない。
これまでの態度から、何処と無く予想できなくは無かったがまさかこれほどまでとは。

「そんな格好してるのに、胡散臭いって」
「なんか矛盾してない? 」
「けどまー、人間なんてそんなもんだよね―」

 女性は、これまでの軽口をしっかりと聞いていたらしい。
その中で、特に気にしている様子なのはやはり少女の生い立ち。

「"あーしまったしまったー うっかり口が滑っちゃったな―"」
「とか言うつもりも無いけどさ。 まー、別に知られても困るようなもんでもないし」
「半分ぐらいはわざと喋ってるよ―。 自己紹介も兼ねてねー」

 あんまり信じる人居ないけどねーと苦笑する。
少女は相手にわからせるようにわざと喋っていたようだ。
既に自身が兵器であると相手に知られても、何ら不具合は無いと少女は考えているようだ。

「あーっと。 自己紹介で思い出した。 私はゲイルスケグルってんだー。 本当言い難いよね」
「意味も戦術と微妙にズレてるし、開発者、まったく何考えてたんだか」 
「というわけで、『我こそが“機翼”が内の一機!“炎天”を司りしゲイルスケグル!!』 ……いつ言ってもダサいね。」
「私のことはゲイルで良いよー」

 今までの中で、女性に対してしっかりとした自己紹介をしていないのを思い出した少女・ゲイルは、女性に対して
改めて名を名乗り、自己紹介をする。
その中で、開発者の設定した名乗り口上を芝居がかって宣言するが、ゲイルはそれを気に入っていないようだ。

「まーそういうもんかな? こいつらも多分当初はお遊び気分だったと思うし」
「でもさー、こいつら殺しても代わりは結構来るけどねー」
「やっぱりしつこいもんだよ。 こういう奴らってさー。 取り敢えず夜来ないで欲しいよねー」

 そうこう話している内に、女性は少女に家は無いのかと問いかける。
一番最初の取り繕った優しさではなく、今までの粗暴な言葉の中に見えなくもない優しさ。
多分ではあるが女性は上辺ではないところで、少女の事を心配しているのだろう。

「家ねー。 この公園がそ〜かな? そんで、そこのベンチがベッドって感じ」
「そんでまー。逃げ出したんじゃなきゃ、あんなん来ないってー」
「だってさー、命令されて戦う気はさらさら無かったし。 最後の決め手は、開発者のシモネタかなー」

 あれは女だったらドン引きだって。と過去を思い出しながら語る少女。
槍の長さのギリギリ外からではあるが、先ほどまでと様子が違う女性に対してもはや警戒心は無い。
何処と無くではあるが、女性の優しさを感じているのだろう。槍を振るう気はもう無いようだ。

「何処って言ったら……場所は『合衆国』ん中だったけど、『合衆国』ッて感じじゃなかったなー」
「いろんな国の人とかいたし。珍し―とこだと『王国』出身ぽい人とかさ」
「施設名はー……ソブンガルデとか言ってたかな―? あれ?ヴァルハラだっけ?」
「そんな御大層な名前つけるって、どっか頭ずれた人たちの集まりだったんだろ―ね」

 いつもの如く語られる言葉は、やはり軽く。
女性は一体どのように受け取るだろうか。

/返信が遅れてすみませんでした!
59 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/30(土) 21:06:35.00 ID:C7VHxLUc0
>>55

「―――其方さんも、本質的には『似たようなモン』じゃないので?」

凶悪犯罪者。一般という定規で彼の行ったことをそう確定付けるのは、至って常識的な事だ。
其処に理由があろうとなかろうと、殺しているという事実は変わらず。大衆はそれを『より穿った目線で』理解する。
大量殺人、凶悪犯罪者、気狂い。どれも一度は言われたことがある。……それを気にするような『感覚』など、とうの昔に消え去っているが。

「じゃあ俺も、オッサンさんを『殺す』って事が『任務』」
「…………ってことに、しておこうかな?」

見られたからには排除する。その理念は理解しているが、どうやら自身の事はとうの昔に筒抜けの様子。
バレちゃあしょうがないと開き直ってはみたものの、やはりそれにも飽きてきた。こちらに向かう鋭い視線は、生かして返す気はないらしい。
であれば、此方としても『死なない様に』足掻くしかないわけだ。理由付けはこれで『十分』。論理的思考で動けている限り、俺は至って『正常』だ。

「さて―――――」

雨覆を翻し、軍帽を深くかぶって目線を隠す。しかしその黒眼はしかと銃口に食いつき離れず、もう一度『吠え始める』時が来る。
乾いた音。気が付けば後方の壁に穴が空く。どうやら笑っている場合では無いらしいと、しかしそれでも笑みは消えず。鞘を握る右腕がカタカタと震えている。
先程のように一発だけなら彼も無傷で躱し続けることは可能である。一か所から一発しか来ないのだから、ただその点から『動く』事で事足りる。
しかし、現在のような断続的な射撃を数度繰り返される場合は少々『面倒』と考えてしまうくらいには脅威であった。事実、当たれば確実に彼の肉をそぎ落とし、創傷を作るであろう。
彼も所詮人の身である。あらゆるものを跳ね返す体を持っているわけでもなく、故に回避と言ったまどろっこしいものを多用しなくてはならない。

一発、二発。軽くステップを踏むように弾丸の雨――――量的には小雨だが―――を掻い潜る。先程の弾丸を回避したときと同様。
目線、銃口、引金。そして銃撃によって僅かに発生する男のノックバック。これらを『視る』事によってそれは確定する。そう簡単に当ってしまう程、『愚鈍』では無いという事。
だが、其処に僅かな油断があった。幾度目かの回避によってずれてしまった彼の軍帽が、一時的にだが自らの視界を奪い、その視認領域を低下させてしまう。
相手に自らの目線を読ませない様深くかぶっていたのが裏目に出た。僅かな危機感と共に男の姿を視認しようとした矢先――――軍帽を跳ね上げる『物体』が一つ。
正確には二発。一発は彼の頬を掠めていき、もう一発は軍帽を跳ね上げて地面に落とす。完全回避には能わず、彼が『視認』と言う動作に頼っているのはばれてしまったかもしれない。

それでも笑みは消えず。僅かに先程よりかは薄くなったものの、それでもまだ余裕のあるその顔を上げた際。男はその顔に『傷がついていない』事を理解するだろう。
先程確かに弾丸が彼の頬を掠めていったはずだ。しかし、それでは彼の頬に赤い線が入っていないのは些か可笑しい。能力者だから、と簡単に結論付けるのならそれも良いだろう。

だが、その思考を行う時間は『無い』。彼の表情がこの時ようやく能面の様な表情に変化し、力強く踏みしめた地面を僅かに『沈ませ』ながら、男が放った弾丸もかくやと言う速度で疾走を開始する。
縮地と言われる歩法が『相手の意表を突く』物だというのであれば、彼の歩法はまさしく縮地。だが、それにしては杜撰で余りにも力強過ぎる。
言うならば相手に縮地と認識されるほどのスピードを自らの肉体で撃ち出しているかの如く。名付けるのであるなら『剛歩』と言ったところだろうか。

此方が相手に疾駆するというのは、逆に考えれば男にとって彼という的が大きくなるという事に他ならない。加えて、疾走と言うのは基本的に直線状に行われる物であり
ジグザク等の特殊な動き方をしない限りそれは良い射撃タイミングであるという事でもある。実際、この状態を狙って銃撃されれば躱しきるのは難しいだろう。
若しかすれば銃弾の対処をさせることで足を止める事も可能である。けれど、そうするという事は『後退の時間を迎撃に使う』と言う意味にもなりうる。
60 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/01/30(土) 21:19:14.15 ID:c3LDVQKc0
>>57

草の葉が踏まれる音、年端もいかぬ幼い声。
特段、吃驚や焦燥するような振る舞いを表さず、現われた者に対面するよう振り返る。
度々喚きにも近い叫びを上げているのだから、むしろ周囲を警戒しない方が可笑しい程でもある。
しかし緩めずにいた警戒体勢とは裏腹、音の主を視界に捉えると少しだけ拍子抜けした。
一見して今のこの現に場違いなゴスロリ服の少女を、夜闇で燦然と耀いている深紅の双眸で見据える。

「いい夜……ですね……」

此方に向けられただろう言葉を、鸚鵡宛らに一字一句そのまま辿る様に返す。
上手く発言が思い浮かばなかったので、という簡単な理由だった。
最初思わず拍子抜けしたものの、未だに完全には警戒態勢は解かない状態にあった。
此方より一回り近く下に視える“少女”が、自分から姿を現したという現状については特に問題はない。
多くの人間が“能力者”に当て嵌められるこの街に於いて、外見は殆ど脅威としての判断材料にはならない。

「―――――――――――で、何か用?」

大袈裟に首を傾げるジェスチャーをすると同時に問い掛ける。
問題なのは、その少女が酷く刺激臭漂う光景を前にして依然恐怖や焦燥を見せない事だった。
まあ少女の思惑が何にせよ、自分がこの後為す事に大して変更がないのもまた事実だった。

/よろしくお願いしますー
61 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/30(土) 21:24:46.72 ID:4V2F1hw4o
>>56

「いいから早くっ、限界っ…。」

全力を振り絞る余り、頭に血が昇って茹蛸のようになっていた。
"こんなに体力を使ったのはいつ以来"なんて余計な事も考えたが、その余裕も直ぐ消えた。
楽しい気分はどこへ行ってしまったのだろう。あの華々しい光景はどこへ?
少女の疑問も、三半規管が狂う感覚で消える。

"ウプ"

落下感、浮翌遊感、圧。少女は胃からこみ上げてくるものを、ぐっと堪える。
普段の彼女だったら、二度もお姫様抱っこをした人間を面白可笑しそうにクスクスと笑っていたかもしれない。
だがそんなものを吐き出しそうとすれば、ああ違うものまで吐き出しそう!うぷ。

地上を垂直に見下ろしたのも始めてなのに、自分から落ちていくなんて、嗚呼。

"ひぃ、ひぃ…っ"と荒い呼吸、久しぶりに限界を超えて鼓動する心臓。
時間がとても遅く感じる。ゆっくりと弓が近づいている。
地獄のような苦しみがその瞬間だけ消え去り、乱れていた視線の焦点が弓に定まった。

「あ、わ、あ、 ―― 取った!」

時間が元に戻ったと感じた時、気づけば抱えていた弓を見て、取った、取った、取ったと何度も声をあげる。
嬉しさと安心と地面への衝突の不安がごちゃ混ぜになった声だった。
62 :【ハンス・ドリーシュの追蹤録】 [sage saga]:2016/01/30(土) 21:46:54.83 ID:l/psZwx50
>>60

「――――いえ、特段には」「ただ私は、普段通りに夜の散歩に出ていたところ、帰路にて偶然に貴女様と出会ったというだけで」
「物珍しさにしばし木陰から見惚れていましたが、しかし迂闊にも足音を立ててしまったので」
「そのまま隠れているのも貴女様の疑念を深めるだけでしょうから、このようにご挨拶に参りました」

態とらしい執行者の仕草に対しても、彼女は明瞭かつ平易な長台詞を以って返答した。相も変わらず、彼女の無感情な瞳は執行者を見つめ続ける。
ところで物珍しいと彼女は語ったが、しかし彼女にとって単なる鮮血や死体は見慣れたものでもあった。
ただこのような場所で自らよりも多少歳上の少女が、私腹の肥えた男を嬲っていることが、彼女の感興をそそった。
彼女の青白い首からは、錆び付いたロザリオが下がっていた。それの表面に刻まれた何か≠ェ、透明な月明かりに照らされた。

「私からも質問をして宜しいでしょうか」「――――貴女様は、なぜ彼らを?」

出し抜けに、また彼女は口を開く。恐らく同じ歳頃の子供の言葉であれば、あまり唐突ではないのだろうが、何せ彼女は朴訥に過ぎる。
彼女の瞳が漸く執行者の少女から離れて、死にかけた男をちらと見た。もはや物言わぬ肉塊と化した、恐らくは男の連れ合いだったであろう死体にも眼をやった。
それはほんの一瞬だった。終われば、彼女はまた執行者を見つめる。
彼女は無惨にも斬り刻まれた彼らを哀れんでもいなければ、寧ろ軽蔑さえしているようにも見えた。
そして当然ながら、執行者へと宛てられた問いにも誹議の念はなかった。純粋な興味だけが、無感情な言い回しの中に込められていた。
63 :【無限鉄血】 ◆q90iVQe5VQ [sage]:2016/01/30(土) 21:50:31.31 ID:3oCCqY7w0
>>59
「━━━━━━━━確かにな」

最終的に[ピーーー]事が目的なら、成る程此方も人殺しという事になるだろう。
自分に掲げる正義などといったものは無い。その行動は、男の行為から来る大義名分によって為される物だ。
大義名分。……そう、所詮は建前だ。殺人という行為が為される以上、"現場"はただの殺し合いになる。
両者に違いなど、ある筈もない。これは既に命の奪い合い。

だからこそ、彼はその言葉を否定する事はしなかった。否定できる筈もなかった。
それはどちらも、痛いほどに理解している事実の筈であるのだから。


「━━━━━━━……」

断続的に銃撃を重ね、相手の身体を揺らす事を試みる。その動きを暫く観察すれば、理解できた事があった。
この男、ただ目が良い訳ではない。その目を使いこなせるだけの身体能力を有しているという事だ。
自分が今相手をしているのは、まさに人ならざる者なのだと彼は改めて認識する。

冷静な思考と判断、能力を的確に使用し、出来る限り手の内は明かさないという事か。
だが、仮にも己の身体を使っているのだ。長期戦になれば少しはガタも出るだろうか。

そう思考しつつ、何度目かの発射において、男の動きに変化があった。
男の軍帽がわずかにずれ、その瞳が見えなくなる。視線が切れたその射撃だけが、男の頬を掠めたのを見た。
……これで完全な視覚、動体視力のみで銃弾を見切っている事が明らかになった。だが同時にそれは、男の身体能力の高さをも示しているという事。

瞬間。男の顔が、異様な笑みから硬直した冷徹な顔へと変貌する。
彼はその表情を見た瞬間、その警戒度を跳ね上げた。あの表情は……まるで、自分を相手にしたかのような。
相手を[ピーーー]。それだけの意志のもとに形成される、無感情で、しかし確固たる目的のある表情。

彼の嫌な予感は、息をする間も無く的中した。男が疾駆せんと此方へ身体を沈ませ、地面すら歪ませながら。
縮められたバネのように、爆発寸前の爆弾のように、明らかな"抹殺"のための一歩を放とうとしている。

迎撃するか。……いや、カートリッジ内の銃弾はもう残されていない。
回避するか。あの身体能力から、逃げる術などあるのか。

そんな事を判断する余裕などない。彼はその予備動作から、男が眼前に迫り来るまでの間に。
半ばの無我の中で、大きな"賭け"に出ていた。

カービン銃を捨て置き、右腕を後方へ振り被る。軍服が脱げ、屈強な拳が見える。超速度に向けてパンチを放てば、腕など簡単に壊れよう。……しかし、彼の意図は別の所にあった。
━━━━━━━男の視力なら"視える"だろう。彼の右腕がみるみるうちに、人ならざる"材質"に変化していくのを。
それは鋼鉄。血肉を鋼に。その太腕は金属に。形も色も材質さえも、どんどん拳が変容して行く。

そして。"変化"は、男に対して少しでも意表を突けるだろうか。
彼の右腕が、不意に"伸びる"。その鋼鉄のごとき強度は、なまなかに壊れる事はない。

彼の右肩から先。本来は人間の腕がある筈の其処には━━━━━"あってはならないもの"が在った。
"M1A1 エイブラムス"。合衆国に名高い"戦車"。その砲身が、彼の身体から"生えて"いたのだ。

彼は突進する男の腹に向けて、その主砲を伸ばすように生やした。
……つまり。不意に伸びる鋼鉄の腕による、不意打ちと迎撃を兼ね備えた攻撃。
銃だけが彼の肉体ではない。これこそが彼の持つ、血肉を鉄と化す後天の能力。
砲身で男の腹を突くことが叶えば。その数秒後には、人の身体など簡単に赤い霧にしてしまう"砲弾"こそが発射されるであろう。

この不意打ちは、男に対して少しでも効果を発揮するであろうか。
……しかし、逆に言えば。彼はこれにより、隠していた手の内を男に曝してしまった事でもある。

/お風呂に入っていて返信が遅れました……申し訳ありません
/そして、明日は諸用がありまして早いですので、一旦このロールを凍結させて頂いても宜しいでしょうか?


64 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/30(土) 21:54:08.88 ID:C7VHxLUc0
>>63
//返信遅れそうなので先にお返事だけ
//では此処で凍結にしましょう、一旦乙でしたー
65 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/30(土) 21:57:30.73 ID:rACjdtAHo
>>58
「…………」

『ソブンガルデ』『ヴァルハラ』、そのどちらにも、修道女には聞き覚えのない名前だった。
それに、ゲイルスケゲルと名乗った少女は『合衆国』で造られた身、自分には関係の無い存在だとわかると、警戒する理由は無くなる。

「ゲイル、お前は───」

改造され、逃げても追われる事に嫌気はささないのか、と聞きかけて、言葉を飲み込んだ。
そんな事を気にしているようには見えないし、気にしていたとしてもそれを真面目に答える訳が無い。

「……アホかテメェ、自分が追われてる身だッてのに野宿してりゃ世話ねェだろ」
「来いよ、屋根と壁のある寝床くらいは紹介してやる」

修道女は、顎で自分が来た方向を指し、『寝床を教える』とゲイルを誘う。
ゲイルがそれについて行くと賛同したなら、彼女は何処かへと向かって歩き出すだろう。

/申し訳ありません、席を外しておりました。
66 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/30(土) 22:04:08.71 ID:Lhhuh/DP0
>>61
声を掛けたは良いものの、失念していた。
急激な加速度、酸素濃度、空気圧の変化。常人がジェットコースターに乗るのとはわけが違う。慣れた自分にも、腹に力を込めれば中のものを戻しはしないといった具合でしかない。
しかし、彼女は空の旅のどれもこれもが未知の領域であった。その中で落下物を取れというのは、些か難題だったろう。

だか現に、少女は取った。視線をこちらと弓とに往復させ、吐気に涙目になりながら、「取った」を繰り返している。

よくやったと声をかけてやりたいが、こちらはここからが正念場だ。
刻一刻と、つい何分か前に飛び回った街は、もう目の前に。

「弓、離すなよ」

二人の飛行する軌道はゆっくりと水平に近づいていき、元の砂浜へと着地点を戻そうとする。
建物を避け、弧を描き、―――遂に砂浜へと彼の靴底が接する。
それだけに収まらず、男の脚は徐々に徐々に砂に埋まっていく。
貝殻交じりの細やかな砂粒を撒き散らす、およそ50m間のブレーキ。

そして、二人はやっとのことで静止した。
最終的に脚は脛のちょうど真ん中あたりまで埋まってしまった。が、柔らかい砂浜のお陰で着陸が上手くいったともいえる。

正直なところかなり冷や汗をかいた。海上の強風に煽られたのもあって、揺れに揺れた。
砂中の靴の無事を確認したいところだが、未だ腕の中にいる彼女の様子を伺わねば。

「おーい、生きてるかー」
67 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/01/30(土) 22:09:38.78 ID:c3LDVQKc0
>>62

何故、と問いを復唱すると刀を持ってない側の手を口元に当てる。
またも大袈裟に見える思考する動作は、数秒間だけ続いた。
何故、の意味を勝手に深読みして思索し続けて、暫くしてやめた。
根本的な意味について考えるのは無意味だと悟ると、言葉の通りの回答は直ぐに出た。

「これが私の仕事……」

「そしてこの仕事が“私”だから……」

単純に仕事として請け負ったが為に、標的たる男達を斬り刻んだ迄であった。
この裏の執行人たる少女にとって、殺人程度は“言われたからやった”以上も以下もない。
男達はおろか行為をする自分自身に対しても干渉も感傷も一切存在しなかった。
その感情の起伏と同様、倫理観も道徳観も欠落している不完全な人間である。
故に暴力団の上層部も血の繋がった肉親にとっても、使い様の良い“飛び道具”であった。

一体“何故”自分がそれに従っているのか逆らう気さえ浮かばないのか。
その先に追及するのは今は到底届きはしなさそうなので諦めることにした。
それだけ答えると特に表情を変えることもなく、少女を温度のない視線で再度見据えた。
68 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/30(土) 22:32:32.06 ID:L040gu52o
>>65
 自身の改造された施設のあった場所、名前。
それを聞いた女性は、しばらく何かを考えている様子だった。

 そんな少しの空白の後。
女性はゲイルの名前を呼び、何か言葉を飲み込んだ後にゲイルを軽くバカにする。
その口調は、女性が飲み込んだ言葉を誤魔化すための物のようで。女性自身本気で言っているわけではないだろう。

「アホってひどいな―。 まー、否定はできないけどさ―」
「一応最新兵器だから、物理演算とかは凄いはずだけどー。バグって自我持ってる上にこんなんじゃーねー」
「まー野宿になるのも仕方ないよね―。 けどさー、そんなもんだって。諸行無常って言うじゃん」
「んー?あってるのかな―?この言葉」

 その言葉は自身の境遇を諦めているとかそういうものでは無い。
ただ受け入れて、その流れのまま生きているようだ。
兵器として、人として、どこかズレた少女。 それはどこか超然としている。

 そんなゲイルにに対して女性は提案をする。
それは『寝床を教える』というものであった。

「おー、おねーさん優しいね―。 さっきまでとぜんぜん違う」
「屋根と壁か―。 それは良いなー、やっぱこの時期の雨風って気分良くないし。 面倒事も減りそうだしねー」
「それじゃー、お願いしようかなー。 おねーさんよろしくー」

 ゲイルはその提案に乗ることにした。 人の好意を無にするつもりは全く無いし、実際面倒事も減るだろうから。
賛同の言葉を聞いた女性は、どこかへ向って歩き出す。
女性に付いて行けば、寝床へとたどり着くのだろう。その背中に対して、ゲイルは言葉を投げる。

「あっ、何度も言ってる通り、今お金ないからねー?」
「まー。 出来る限り頑張って工面してみるけどさ―。 そんな直ぐ用意できないと思うから」
「『紹介したから金よこせ―』って言うのはちょっと待ってねー」

 どこか失礼なこの言葉は、先ほどの女性の言動を鑑みての発言だ。
69 :【ハンス・ドリーシュの追蹤録】 [sage]:2016/01/30(土) 22:42:37.96 ID:l/psZwx50
>>67

憂鬱ささえ孕んでいた少女の両眼が、僅かに見開かれた。執行者の答えを聞いたがためだった。
全くの偶然ではあったが、目前の執行者と小さな少女の境遇には、奇妙な符合があるのであった。
故に彼女は、己の姿を執行者の少女と重ね合わせた。幼き日から紅色に慣れ親しんできた子供ならば、確かに皆似たような定めを背負っているのだろう。
見据える紅く深い瞳だけが、少女の心中で揺らめいていた。何時かの日に鏡で見た、自身の目と同じ色合いだった。

「――――あの、そういうわけでは」「……いえ、やめておきます」

実のところ、執行者の答えは彼女が求めていたものとは食い違っていた。
彼女は元より、血達磨の男と執行者の詳しい関係を聞き出そうとしていた。男の素性や執行者の職業、このような惨劇に至った理由。
無論のこと、単なる好奇心の発露である。故にまだ、動揺した彼女の心には、本来の問いを求める知識欲が残っていた。
だが今となっては、彼女は強烈な既視感を通さなければ執行者を見つめることはできなかった。だからこそ、彼女の瞳は僅かに揺れ動いていた。
好奇心を噛み潰して、薄紅色の唇がゆっくりと開く。白い喉が震えた。

「――貴女様は」

「他の生き方に憧れたことは、ないのですか?」

悲しいほどに透き通った声が、くぐもった大気の中で特段に甲高く響く。
懐古と嫌悪、或いは憐憫と自己投影――そして、素性も知らぬ相手に向けられた手前勝手な叱責の念。
それら全てが押し殺された上で、細く訴えるような問掛に詰められていた。
70 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/30(土) 23:00:42.70 ID:rACjdtAHo
>>68
「いらねーよ、金なんて……ンなもん『彼処』で取ってたらアタイが怒られんだろーが」
「そん代わり……演技でも『信仰心』くらいは持っとけ」

ゲイルの前を歩きながら、金の心配をした彼女に振り向き、ぶっきらぼうに答える。
大体この辺りで、何処に向かっているのか予想はつくだろうか、歩きながら修道女は服を整えている。

「……アタイの名前はスノウ、元は『ヴィラン』と呼ばれていた」
「テメェみたいにな、『逃げ出した』んだ……その先で拾ってもらって、新しい名前を貰った」

「『ここ』でな」

歩きながら、自分についての情報を簡単にゲイルに話す、独り言を呟くように。
ゲイルの話を聞いた時、もしやとも思った、余りにも自分と境遇が似ていて自分の関係者だったのかとも。
結局の所ゲイルとの接点は無かった訳だが、そうなると境遇が似た事による同情の気持ちが湧いてきた。

スノウが立ち止まる、指を差したのは其れなりの大きさの教会だ、まあシスターなのだから当然かもしれないが。
門を開く前に、スノウは咳払いをして、ニッコリとした笑顔でゲイルを振り向く。

「───それと、私は『優しく可憐で、か弱なシスター』で通っていますので、そのように」

『もしバラしたら[ピーーー]』とでも言いそうな怒りを内に秘めた笑顔で、ゲイルに釘を刺した。
71 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/30(土) 23:02:18.14 ID:4V2F1hw4o
>>66

フー、フー、フー。ヒー、フー。

大きく肩で呼吸をし、真っ赤だったはずの顔は真っ青になった。
慌てたように冷たい風が吹き付けたが、少女の沸騰した頭を空冷する程度にもならない。
今にも泣き出しそうな子供の頭を撫でるような風だった。

少女は返事を返せなかったし、返さなかった。
丸くした目を瞬きもせず、どこかを ―― 今は水平線の方を ―― 見ていた。

------------------------------------------------------------------------------
少女が落ち着きを取り戻すまで相手が待ってくれたならば、ぽつりと、やっと返事を返すだろう。

「楽しかった」

そう呟いてから、男の方へと視線を向けた。

「まだ、頭がよく回らない。すごすぎるよ。」

目尻に溜まった涙を、親指で拭った。
72 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/30(土) 23:02:56.54 ID:4V2F1hw4o
>>66
/度々遅くなってすみません。今からは、普通のテンポでお返しできます
73 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/01/30(土) 23:16:44.44 ID:c3LDVQKc0
>>69

此方の答え方に喰い違いが生じていたのか、先刻自分で発現した答えを考え直す。
周りの男共は真面に顔も覚えてないし、今拷問している男は下位団体の末端に過ぎない。
自分も始末屋-イヌ-であり日陰者には違いないので、そう大差もない。
すると、次の少女の言葉は静寂の中で嫌に冴え渡って聞こえた。
少女の透き通った声を通して、新たに投げかけられた問に対して――――――。



「ない。考えたこともない」

即答していた。一点の迷いも、僅かな思考すらしようとせず。

「僕自身もわからない。さっき斬ったこれが誰なのかも、よくわからない」
「でも、考える気が起きないから、わからないままでいい」

淡々と予めプログラムされた言語を放送するかのように、妙に流暢に発せられた。
碌に恨み憎しみ以前に、元々関わりさえない輩達を斬っていく稼業に生きている。
仕事で街を歩くので好く知っているが、少女と同程度の年齢の子供達は皆感情豊かに幸せそうに過ごしている。
その光景を目の当たりにして、ただの一度も羨ましさや後ろめたさに支配された事はなかった。
まず第一に自分の持つ感情自体が理解できていない少女は、ほぼ答えにすらなってない答えを返す以外ない。
それだけ言い終えるとは目の前の少女とは逆に、機械人形の如く真直ぐ動かない双眸で見詰め返した。

/すみません、遅れました
74 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/30(土) 23:24:50.96 ID:Lhhuh/DP0
>>71
男は砂に埋まった脚をどうにか抜こうと、もぞもぞしていた。でも、それは脚を抜くのが本意ではない。かなりの気まずさから来ている。

最初は少女の無邪気さを幼稚さと見て、慣れない大人気を振舞っていた。
だが、本当は彼の本質こそが幼稚だったのだ。腹いせとして、自分を上空から故意に落とそうとし、その結果に無茶な作戦に巻き込んだ。少女に謝る事項はいくつもある。

かなりの激昂を喰らうと見た男は、息を切らし目を白黒させている少女の、次の言葉をびくびくして待った。

―――――

「………は?」

聞こえた瞬間、拍子抜けした声で聞き返す。
そんな感想を聞く耳を準備していなかった。

「い、いやそうだろうがよ……良いのか? 怖かったろ?」

思わず視線を逸らし、後ろめたそうに頬をかいて尋ねてみる。

/了解です
75 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/30(土) 23:46:22.10 ID:4V2F1hw4o
>>74

「うーん、でも楽しかったからね。」

旅人は、そう答えた。
風は今も吹き続けている。ひゅうひゅうと吹き、もう片方の少女の目から涙を落とした。
砂浜と波の音がする。水平線で泳いでいた月は、いつの間にか姿を隠した。
代わりに、鮮やかなオレンジ色を放つ陽の光が、水平線から顔を出す。
お姫様抱っこされる旅人と、空飛ぶ異能の者を照らした。

「今日は、すごく楽しかった。」

舌をぺろりと出して、零れ落ちた自分の涙を舐め取る。
"涙だ。でも、泣いてないよ"と言ってから、外套から握りこんだ手を出す。
そして、相手の目の前で開いた。色鮮やかな石で作られた輪っかが現れる。

「私、何も持ってないから、暇潰しに作ったアクセサリーしかないんだ。」

旅人は必要最低限のものしか持ち歩かないが、
このブレスレットのようなアクセサリーを作るのは、大した道具は要らない。
指先があれば良い。

「要る?」

世の中に、素人が暇潰しで作った装飾品を欲しがる人間がどれだけいるか少女は知らなかったが、
他に渡すものがなかったから、消去法でそれを差し出したに過ぎなかった。

「それとも、年端もいかない女の子をもう少し抱いてたいかな?」

くすり。

どうやら会話をしている内に、少なくとも表面上は落ち着きを見せれるようになったようだ。
けれど彼女を抱えている者は、その体温がまだ熱く、汗は引かず、胸がドキドキと鼓動している事がわかってしまうだろうか。
楽しかったから ―― 彼女はまだ興奮していた。それほどに楽しかったのだ。

アルミ合金だけが、陽の光に鈍く反射した。
76 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/30(土) 23:50:18.57 ID:L040gu52o
>>70
 ゲイルのお金の心配に対して、女性の返した応えは端的に言えば『信仰心を持て』。
この答えと女性が着ている修道服から、目的地の予想はだいたいできた。

「信仰心か―。 演技だとしてもちょっと難しいかなー」
「けどまー努力はするよー。 願わくば、ゆるめな場所だと良いなー」
「それでも、おねーさん見たいな人が大丈夫っぽいし、気にする必要もないかな―?」

 女性の後ろについていくゲイルは、信仰心を持つ演技ができるか不安だという。
それでも、女性がやって行けているような場所なのだから、大丈夫だろうと言う謎の確信もあるようだが。

「スノウさんかー。結構良い名前だねー 雪かー ……雪・雪白・純白」
「……イメージと違うのは置いておいたほうがよさ気?」
「それに対して『ヴィラン』って、なんでこうひっどい名前。悪役・悪者って、名付け親の顔見てみたいわ―」

 女性は独り言のように自身のことを語り出す。
まずは名前、今の名前と昔の名前を聞いたゲイルは率直に感想を返す。

「私みたいに逃げ出したってことはー……あー、聞かないほうがよさ気っぽいねー」
「なんか引きずってるっぽいし。 でもまー、大体の予想はつかないでも無いかな?」
「んー……私から言えることってあんま無いよねー。 でも、ツイてて良かったねースノウさん」

 女性・スノウの境遇に対してゲイルから言えることはあまり無い。
女性は、施設での事を未だ引きずっているようだがゲイルにはそれが無いからだ。
ゲイルにとって、自我が生まれる前の事など所詮他人事。 何があったか記憶はあるが、それに感情移入することができない。
そんなゲイルがスノウを慰めようと言葉を選ぼうと、それは女性に対して失礼だろう。
ゲイルはそう考えて、最低限スノウの幸運を喜ぶ。
……先程から失礼な言葉がちらほらあるのは、スノウがその程度では気にしないと思っているからだ。

 そうしている内に、目的地である教会に着く。
そこそこの大きさを誇るその教会はなるほど、ホームレスの一人や二人が住み着こうともびくともしないだろう。
外から見てもそう思わせるのは、手入れが行き届いて綺麗だからというのもあるだろう。

 そんな教会を前に、スノウは先程までと様子をガラリと変える。
穏やかな顔、溢れる慈愛、どこから見ても優しい修道女と言うその姿。
もはや変身と言ってもいいだろうその変化にゲイルも驚きを隠せない。

「えっ……それ無理あるって。 どーやったらそんな化けの皮かぶれるのさ」
「って言うか。……えー、そんな笑顔できるんだ。 うわー、さっきとぜんぜん違う」
「さっきまではこう、"血と金に飢えた獣です"見たいな顔してたじゃん。 何その慈愛にあふれた顔」

 笑顔の裏にある怒りに気づいているのかいないのか。
今までと同じように喋り続けるゲイルは、控えめに言って失礼だろう。
77 :【ハンス・ドリーシュの追蹤録】 [sage]:2016/01/30(土) 23:58:21.83 ID:l/psZwx50
>>73

「――――考えることのない人間は、都合のいい道具に他なりません」
「自分でない誰かの下らない理由のために弄ばれ、扱われ、役に立たなくなれば捨てられる」「そんな、存在です」

対して彼女の返答は、言葉の一つ一つを熟慮しているように紡がれた。少しずつ積み上げていくような言い回しには、確かな闘志が篭っていた。
今や彼女は、執行者に対して怒りすら覚えているようだった。身勝手な感情に他ならなかったが、しかし彼女はそれを堪えることができなかった。
平易かつ論理的な言い回しと口調の奥に、憐憫と憤怒が渦巻いていた。仄暗かった紅い瞳は、いつしか月明かりの輝きを得ていた。

「道具として生きてきたのならば、今の使い手≠裏切ることは、恐ろしいことかもしれません。考えたくもないことかもしれません」
「ですが一度、自由に――自分自身が考えて選んだ道を、生きてゆく幸せを知ったのなら」
「わからないから考えない、幸せを知りたくもない=\―そんな答えは、きっと返せないはずです」

嘗て彼女は欠陥品≠ナあった。彼女の持ち主≠ヘ、役に立たない道具であった彼女を棄てようとした。
しかし彼女の儚さは、却って趣味の悪い物好きを呼び寄せた。故に彼女は売り払われ、そして寵姫≠ニして扱われた。
饐えた脂の臭いを幾晩となく浴びるたび、彼女はその身体に積み重なる熱を堪えることができなくなった。故に、彼女は全てから逃げ出して、ここにいる。
歓びも哀しみも遣る瀬無さも知らぬ執行者と対峙し、その在り方を激しく弾劾しようとする。
何故ならば彼女にとって無知は罪だった。嫌悪すべき己を自覚しないことは罪であった。善く生きることを棄てるのは罪であった。
己が欠陥品≠ナあることを知りながら、人並みに生きる≠アとを拒むのは罪であった。無辜の人々を金銭を対価に惨[ピーーー]ることよりも、遥かに重い罪である。
言い切った彼女の唇は、また固く結ばれた。不意に、彼女の瞳に翳りが生まれた。彼女は俯いた。

「……すみません、饒舌が過ぎました。……貴女様の事情も知らないのに、勝手なことばかり……申し訳、ありません」

そして今度は細々と、蚊の鳴くような声とはこのことであろうか。彼女はこれ以上、執行者の少女を見つめることはできなかった。
欠陥品≠フ自分が、なんて烏滸がましいことを言ったのだろう――向上欲と自己嫌悪は、彼女の中において紙一重だった。
78 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/31(日) 00:04:46.71 ID:PHk6nVDh0
>>63

彼、個体記号名『貴島 蒼月』は、至って常人的な思考を持つ。そう、彼自身は『自称』していた。
他者を斬るのには理由が居る。抵抗するにも理由が居る。理由と意味を求めることで、自身は極めて論理的な思考が出来ていると確定する。
いわば言い訳のような物なのだろう。自分がその刃を『振るう』と言う行為を正当化し、自身は未だ『正常』であると言い聞かせるためのものに過ぎない。
帝國人、それも暗部に属する軍人とは思えない程の軽口は、そうである自身を『隠している』。彼の理性のありようと表現できる。

「―――――――なッ!!!???」

男が何らかの能力を持っているという事は頭の中に推測として残っていた。彼がその手で斬ってきた物は寧ろ『そちらの手合い』が多く、対処法も理解している。
だが、男が発動した余りにも彼の想像とはかけ離れ過ぎていて。加えて、変形した後の筒の様な形状の者が一体何を指すのか。どういった意味を持つのかを『知らなかった』。
故にその方針は紛れも無く、寸分の狂いも無く彼の腹部に突き刺さる。筋力強化を発動させ、出来うる限りの『硬度』を保たせてはいるが、それでも方針が腹部を売った衝撃は大きい。
此方の失速が出来なかったという点と、砲身の伸び。つまりは男の能力に意表を突かれたという事。初見殺しにも近い能力の、更に限定的な『初見』。
『しまった』。そう思ってしまうのは彼も人間だからなのだろう。自身に能力がある故に、それを時として忘れてしまう。

――――刹那。体中を巡る『嫌な予感』。男の腕が変形したのは能力の範疇として理解できる。だが、それではなぜこの筒には『穴が空いている』……!?
右手が鞘を離れ自らの腰部に手を伸ばすのと、砲弾が発射されたのはほぼ同時。そして――――男の砲身、及び体に『血液』と『肉片』が撒き散らされる。
砲弾の直撃を受けてもまだ肉としての形を保っていたのは偏に彼の肉体強化によるもので、本来ならば塵も残さず霧となっていただろう。砲弾が放たれた轟音と煙。


其の奥に見える『人の形』

じゅくじゅくと音がする。
水が蒸発していくような、それでいてなにかを『構成』する音。
逆。蒸発では無く分裂。そして増殖、増幅。再構築。
人の形を崩したものが、再度人の形を構成している音だ。


即ち…………『再生能力』


「―――――ッッ!!!!」

未だ回復し切っていない声帯から放たれる音。言語にすらなっていないそれは、愉悦と、痛みと、そして恐怖。それらの感情を内包し、理解し、発している。
彼が砲撃される前に掴んだもの、それは『注射器』。コンパクトで自らの体に押し当てることで針が飛び出し、内部の薬品を体に投与する機能を携えた彼専用の注射器である。
そして、その効力と彼自身の最大の異能である『肉体活性』の機能を最大限に酷使することにより細胞増殖を爆発的に加速、負った軽傷から致命傷に至るまでの傷を『即座』に修復する。
状況さえそろったのであれば『死の淵からも蘇る』事が出来るほどの性能を持つ。使用時に凄まじいほどの痛みと脳に対する絶大な負荷を考えなければ、まさに『超再生能力』と言ってもいいほどの効力を発揮できる。

彼は、砲弾が体を完全に粉砕する直前にこれを使用し。且つ衝撃によって一時的に感覚がマヒしている全身をずらすことで『左上半身』のみにその砲弾を肩代わりさせ
自己複製及び増殖による肉体の超速再生によって、『明らかな致命傷』から『復帰』し、且つ『完全な状態』を『取り戻す』。

「……………あ」

「あ…………………………」

………………………………………………………………………………あ、うん。

「痛ぇ。痛ぇよなあぁ」
「ああ、痛い」「頭が割れそうだ」
「そうだろ? そうは思わないか?」

「―――――なぁ?」








79 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/31(日) 00:05:15.46 ID:PHk6nVDh0




……………………………………………わかるよ、なぁ?





死んだ。死んだ。今死んだ。俺が、お前が、そして俺。理由はもういい。そんなの全て『捨ててしまえ』。
前を向く、鞘を握る。膝を撓めて、一歩を踏み出す。嫌な音。筋力強化の限界を超え、右足の骨に僅かな損傷。修復。此処で投薬の効果が切れる。
右腕で鞘を固定しているベルトを千切る。右手に鞘を鷲掴み、疾走。もう一度『眼前』へ向けて。疾走。
無論迎撃されるだろう。相手が冷静であれば、相手が俺を彼を『理解して』いれば。吐息が零れる。舌を出す。笑みを作る。眼が笑う。

近づいて、近づいて、近づいて、近づいて、近づいて近づいて、そして『抜刀』。右腰よりやや低い位置で構えられた鞘から左手で思い切り刀身を引き摺り出し
脳の負担によって嵩が外れた筋力強化によって増幅された左腕による『斬撃』を見舞うだろう。まるで空間を、大気を『捻じ斬る』かのような力任せ。
まだ拳は鋼鉄だろうか。まだ拳は『砲』足り得ているだろうか。そんな事は『どうでもいい』。斬る。斬る。斬る斬る斬る。叩き殺す。
感情の暴走。それによって剣線は安定せず、技術と言うよりは力。それも自らの体への負担を気にしない、ただ我武者羅に固定されたもの。

鞘走る軍刀の切れ味は所詮並程度しかなく、彼の技術をもってすれば斬鉄程度なら可能だろう。だが今はその技術が無い。砲ごと、体ごと斬り殺してしまえばいいと。
思考がただ囁いている。軍刀が振られることによって発生する剣圧は鎌鼬の様に切れ味を持ち、暴風にも似た衝撃と斬撃を持って、男に『斬りかかる』。
位置としては男の正面を彼から見て右下から左上に沿って行われる斬り上げ。剣圧は男を呑む程度。剣圧自体は洗練されておらず、威力もそう大したものでは無いだろう。
だが斬撃はそうでは無い。技術面を捨て去った、其の為に殺す一撃。殺すための、殺さねばならない。殺してしまうためのもの。

……………………さぁ、『死んで』仕舞え。
80 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/31(日) 00:09:06.96 ID:7xIoSq9m0
>>75
朝日が刺す。二人の間に、海原の波間に、彼女の涙に。
そしてそれらは、彼女が可憐な旅人であることを男に教えた。

「変なヤツだな」

最早笑うしかなかった。降参と言わんばかりに、男は砂浜へざしりと背中を着けた。
楽しむことにかけて、生粋の旅人であった彼女は自分の想像よりも長けていたのだ。
ふ、ふふ、とこみ上げてくる笑いは、何に対してなのか。自分でもわからない。

星の明かりとオレンジが混ざり始めた空に、色鮮やかな星座が並ぶ。ブレスレットのようだ。
お礼のつもりなのだろうか。のそのそと起き上がって、男は少女に答える。

「ニヒルなシブイ男に、んなファンシーなの似合うかよ」

嘲るように、芝居がかった調子で続ける。

「だが、貰えるもんは貰っとく主義なんだ。あんがとよ」

じゃらりと掴み、手早くジャケットの内ポケットへしまった。
自分で着けるのはこっぱずかしい。だが、ならどこに飾るかと考えている自分は、もっと恥ずかしい。朝日は年甲斐もなく照れた顔を隠してくれるだろうか。

「ケ、クソガキめ。それより早く立って俺の脚引っこ抜いてくれ、この靴わりとイイ奴なんだよ」
81 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/31(日) 00:29:18.98 ID:y3b0uDWvo
>>76
「うふふ、なんの事ですか?私はいつもこんな風ですよ?」

ゲイルがそういうのは無理も無い、先程までとは本当に別人の様な雰囲気で、口に手を当てて笑う、酷いスッとぼけだ。
少しそんな事を話してから、門を開けて教会内へ。広い聖堂には椅子が並び、ステンドグラスから月の光が淡く射し込む、そこに人の姿は無く、がらんどうとしたその空間は不思議な静けさに包まれていた。

「どうやら、神父様達はもうお休みになったようですね……」
「では付いてきて下さいゲイルさん、空いている部屋に案内します」

大きな広間を見渡して、誰もいない事を確認すると、此れ幸いとばかりにゲイルに手招きをしてその場を移動する。

「……私にスノウという名前を下さったのはここの神父様です……貴女も望むなら、名を付けて頂くといいでしょう……私は、前の呼名を棄てたくてそうしました」
「そのつもりが無いというのならそれはそれで……ですが、まずは朝起きたら挨拶と紹介をしますよ」

「完璧に安全、とは言いませんが、外で野宿するよりは多少なりとも安全な筈です、毎日の(クソめんどくせェ)祈りを欠かさなければね」
「ご飯とお祈りの時間は決まっていますから、忘れないように(アタイは結構サボるけど)」

「……着きました、この部屋を使うといいでしょう」

部屋の場所まで行く途中、廊下を静かに歩きながら、一応ここで部屋を貸す事によるルールを簡単に説明しておく。
修道女として勧誘する訳ではないが、ゲイルの立場としては浮浪者若しくは孤児の保護に近い物となるのだろう、それらしい態度は取っておけと。
廊下の奥のドアを開き、空いた部屋の中に入る、狭くもなく広くもない部屋には、椅子と机とベッドだけがこじんまりと置いてあった。
どれも其れ程質は良くないが、まあ寝るのには苦労はしないだろう。

「毛布とシーツは洗濯したばかりですからそのままお使いください」

「ああ、それと……」
「隣は私の部屋ですので、五月蝿くしたらブチ殺しますからね」

ほんの一瞬だけ、表裏が混じった笑顔を浮かべ、隣の部屋を指差して忠告した。
82 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/01/31(日) 00:36:53.40 ID:b0IbourR0
>>77

「……」

自らの感情が解らず、作業機械宛らに動いていた少女。
眸は停まっているのではなく、対峙している少女の双眸とその延長線上の中空に向いていた。
薄らと口元を緩め、ぽかんとした表情を浮かべる。
長らく抜け殻のように呆けた後に一瞬きして、吐息をこぼす。

「―――――――――わかった」
「少しだけ……あなたの言ってる、こと、多分わかった」

瞼を開けても曇ってしか視えず、一般的に幸福とされる光の輝きが届かない。
もし其処に往けるのなら、自らの感情が、欲求が変貌するのかも知れない。
しかし把握も理解もしたが、やはりその先は靄掛かったかの如く“解らない”。
今は只、血族として与えられた使命のみを執行していくのが定めであるのに変わりない。

もう一度少女は、溜息に近い吐息をすると右手に持ち続けていた小太刀を持ち上げる。
ベンチに固定されていた男の元に近付き、躊躇なく片眼窩を抉り貫いた。
断末魔すら上げずに即死した男の胸ポケットから、携帯端末を取り出して電話帳を確認する。
この中から捜せば捜索していた在処も探し出せる可能性もある。

「よくわかんない、けど……大体わかった、よ……」
「でも……あなたも、そうやって……無闇にこういう場所、首突っ込まない方がいい、よ……」
「誰しも求めてる、のが……幸せとは限らない、から……」

携帯端末を服下に突っ込み、公園の出入口の方向へと歩こうとしていく。
此れと言って疲れてもないので跳躍していく事もできたが、気分が乗らなかった。
組員は全員殺害したしシノギ金が独りでに逃げることもないし、明日でも問題ない。
兎に角今は――――自分と向き合いたくなかった。
83 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/01/31(日) 00:45:13.86 ID:ppQQojkdo
>>80

"ふーん"と興味なさげな声だったが、にやにやと笑いながら相手の顔を覗き込もうとした。
男の指摘の通り、彼女は子供の旅人。
そう、楽しむことにかけて、子供に勝てる大人がいるだろうか。

「うん、今度は、また私が助けてあげる番だね。」

1回助けて、1回助けられたから、また1回助けようと足を一歩踏み出した。
しかし、砂浜の深くにまで埋まった両足を見た時、

少女は足を止めた。

…………・。

数秒、沈黙。

顎に手を添える。考えこみ始めた。

徐々に、
徐々に、

"んふ"

くすくすと笑い始めた。

弓を両手で持ち、ビインとアルミ合金の鳥が翼を広げる。風を切る。
矢を番え、緑色の可視光が男へと向けられた。

「また、会うことがあれば、また"イタズラ"してね。」

 ―― 報復。バシュ、矢が放たれた。

男の足元へと矢が放たれ、砂浜に突き刺さる。

風が流れる。少女は走りだす。風が少女の背中を押すものだから、その足は速い。
矢が煙をあげる ―― シュー ―― 旅人の放った矢がどういう現象を引き起こすか、男は見ていたはずだ。

"あはははは。"女の子の笑い声。その背中の影と共に、やがて消えていくだろう。

-------------------------------------------------------------------------------------------
矢はやがて爆発するだろう。
威力は抑えてあるが、砂が吹き飛ぶ程度の爆風を引き起こすはずだ。熱は砂が吸収してくれる…はずだ!



/また遅れてすみません。ロールありがとうございました。
/これに懲りず、またロールして頂けたら嬉しいです。
84 :【英雄戦士】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/01/31(日) 01:06:10.76 ID:7xIoSq9m0
>>83
―――少女の考え込む間に、何をしようとしているかを汲み取った男。
途端ギャーギャー騒いで暴れ回るがしかし抜けない。どうやっても抜けない。
そんなオチだけは避けたい。いや、確かに悪い事をしたと悔みはした。だが実刑に移されるのは、嫌なものは嫌だ。
さあ、時間的にも最後の抵抗だ。逃げ帰る少女の背に、怒号をかける。

「くっ、覚えてろクソガキ! 次会ったら落とすふりじゃ済ませ―――」

ぼーん。

………結局、やられたらやり返されるのが世の常だ、ということである。

――――――――

さて、男の足元に刺さった矢が、爆ぜてから幾日か。
色とりどりに飾られた石の輪は、その存在を忘れられたか、未だ彼のジャケットに入っているそうな。



//お付き合い頂きありがとうございました。楽しかったです
//また御縁があればその時はどうか!
85 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/31(日) 01:44:54.30 ID:xk4eQoZKo
>>81
「あっ、うん。そーいうことにしておくよ」
「にしても凄いねー。 その変わりっぷりが一番の能力っぽい」
「いや、変わってなんて無いのか。そーいうことになってるんだ。うん、りょーかい」

 スノウのすっとぼけに対して、了解の意を返すゲイル。
そういうことになっていると自分自身に言い聞かせるように。

 門をくぐり入った教会の中は、外から見た予想通りに綺麗で。
どこか神秘的な空気は、信仰の欠片のない者でも引き込まれる荘厳さを持っていた。
住人は皆もう眠りについているようで、人の気配は無い。

「まー、こんな時刻だからねー。 私もちょっと静かにしてるよ」
「自己紹介とかは明日で良いかー。 取り敢えず、適当にでっち上げないと」
「いや、黙ってるだけで良いか。 ふつー掘り返さないよね」

 静かにしてるよ、と言っている割には口数が減っていない。
しかし声のボリュームは確実に小さくなっており、そうそう寝ている人を起こすことはないだろう。
喋る内容は、神父たちへの自己紹介の内容について。 自分で結論をだし、黙っていることにするらしいが、ゲイルにそれができるのかは疑問である。

「ありがとー スノウさん」
「にしてもこの教会って他に家なき子って居るの―?」
「まー別に居てもいなくてもどうでもいいんだけどね」

 案内を始めるスノウに対してそう返すゲイル。
混ざる軽口は、返答を求めてのものではない。ただただ喋り続けているだけだ。
ゆえにその質問自体に意味は無い。自分で答えが出ているのだ。聞き流すのが一番だろう。

「私は名前とか要らないかな―。 名前が変わった所で過去が変わるわけでもないし、新しい名前覚えるの面倒だし」
「まー、過去と決別するためには必要だったりーっと。 ……んー、私が言えることじゃ―無いかー。ごめん」
「流石にデビルとかそういう日常で困る名前だったら別だけどさ。 ゲイルスケグル、略してゲイルだったら問題無いからねー」

 ゲイルは名前を変えることを望まない。それは自分は名前を変えることに何ら意味が無いから。
素体の少女からゲイルスケグルになった時から、自分はゲイルスケグル、ゲイルなのだ。その事実歩変えるつもりは無いし、理由もない。 
その割り切り方は、やはりゲイルが元々は兵器なのだという証左になるのかもしれない。
新しい名前覚えるのが面倒だと言うのも本当のことではある。

 自己紹介は明日の朝起きてからだという。
それならば、来歴をでっち上げる時間はある。

「うん、それまでには適当に来歴でっち上げておくよー」
「んー……多弁症って言うのは設定に入れておいたほうが良いよねー」
「となると、やっぱりそれ相応の出来事が必要かなー」

 先ほどの発言と矛盾した事を言い出すゲイル。
やはり、自分が黙り続けていることは難しいと悟ったのだろう。自分は多弁症であると言い張るつもりのようだ。
ゲイルと話をすれば、その嘘を見抜くのは非常に難しいだろう。

 やはり、教会といえど絶対安全などはありえないとスノウは言う。
当たり前だろう。それでも外部に晒される機会は減るし、これほどの大きさの教会だ。
襲撃事件を起こせば襲撃者にも面倒なことが起きる。
公園で騒ぎを起こすのとはわけが違うのだ。 死体を回収すれば良いとか簡単な話ではない。

「お祈りか―。 その程度なら問題ないかな―」
「”天にまします我らの父よー。”とか言うだけだしねー」
「だよね? 変な儀式とか無いよね。 まー、あるわけ無いか」

 神の家らしく、お祈りは必須らしい。そればかりは仕方が無いだろう。
郷に入りては郷に従え、と言うことわざもある。反発して寝床を失う気はないようだ。

「ご飯、"私"はそーいえばまともなご飯食べたことあんまりないや。」
「お菓子で十分だったし。そういえばお菓子って食べていいの?」
「ダメでも勝手に食べるけどね。 スノウさんみたいに人の目を盗んでさー」

/続きます
86 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/01/31(日) 01:46:05.22 ID:xk4eQoZKo
>>85
 ゲイルの部屋となる空き部屋の前に着く。
誰も住んでいなかったその部屋は、部屋としての必要最低限の物しか置いていない。
しかし、ゲイルにはそれで十分だ。これまで外で過ごしてきた上に、自身の持ち物といえるものなど今着ている服しかない。
この部屋に何も無かったとしても、ゲイルは満足しただろう。

「おー、ベッドだー。ベンチよりもだいぶ寝心地が良さそう」
「あれってなんか固いしさー、時々下に人がいるから結構気が抜けないんだよね」
「そういえばあの人どうなったのかな―? まー、あの人なら大丈夫そうだよね」

ふと、過去にあった記憶喪失の男のことを思い出す。
あの男はどうなったのだろうか。そんな事を考えて見るが、大丈夫であろうという結論に達する。
あの男は、そう簡単に折れる人間ではない。きっと記憶を求め今も進み続けているのだろう。

閑話休題
ゲイルの隣の部屋はスノウの部屋だという。だから、静かにしろと釘を刺される。
見たところ、壁はそれほど薄くは無いがゲイルのように騒がしいものが隣に入るとなればその念押しは必要だろう。

「大丈夫大丈夫。 騒がしくなんてしないよー」
「喋る相手が居ないのに喋り続けるのって、ソッチのほうが寂しいからさー。うん」
「それじゃーおやすみー。 取り敢えず明日は皆が目覚める前に起きて、服どうにかしておくからねー」

 そう言うとゲイルは服も着替えずにベットへと潜りこむ。
衣服が返り血で汚れているのも気にしていないようだ。既に乾ききったそれは、他に移ることも無いだろう。
それでも、そのまま人に合うのは不味いということは分かる。それまでにどうにかするつもりのようだ。

スノウが部屋を出たならば、先程までの軽口がうそのように止まるだろう。
ゲイルが居るはずの部屋からは物音が全くせず、耳が痛くなるほどのその静寂だけが返ってくる。
部屋の中ではゲイルが幸せそうな顔をしてベッドに横になっているのだが。

/自分としましては、この辺りが切りが良いと思いますが、どうでしょうか?
87 :【棘纏鱗竜】 [sage]:2016/01/31(日) 02:08:27.14 ID:y3b0uDWvo
>>85>>86
「あらあら、ベンチの下に人だなんて、そんな人がいる訳ないですよ」
「……いたら怖いですわね」

「一応、こちらでも替えの服を用意しておきますから、その服で人前に出る事だけは避けてくださいね」
「後は……いえ、もうお疲れでしょうし、明日にしましょうか」

まさか、ベンチの下から人間が出てくるなんて、そんなホラー映画のような事がある筈が無いが、よもやそんな事があるかもしれない場所よりはいいだろう。
服を着替えもせずにベッドに入るゲイルを呆れ気味に見て、いくらか諸注意をしようとしたが、ゲイルの様子を省みたのと自分が面倒になったので止めた。
明日になって正式に関係者と顔を合わせれば其方から説明が行くだろう、取り敢えず血塗れのその服装で出て行くのだけは避けて貰いたいが。

「……何時までいても、いつ出て行っても貴女の自由です、ここにいる以上はルールを守って頂きますが」
「───ま、出て行きたくなったらいつでも好きに出て行けや、連れて来たのはアタイのワガママだ」
「そんじゃお休み、ゲイル」

休もうとしているゲイルをいつまでも邪魔していては悪いと、最後に一言、素の自分の言葉で言い残し、部屋を出る。
すぐに隣の部屋に入ったスノウは、乱暴に修道服を脱ぎ捨て、中に来ていたノースリーブシャツも脱ぎ捨てると、上半身裸になってベッドに寝転んだ。

「……改造人間……人工の能力者か」

天井を見つめながら、ボンヤリと呟く、自分やゲイルの様な、人によって造られた能力者が、まだ沢山いるのだろうか。
どいつもこいつも、神にでもなったつもりのムカつく研究者達、なりたくも無いモノにされた子供達が。

「……逃げ延びるぞ、絶対」

身体中に刻まれた傷痕の中を探る様に、右手の指を這わせて自分の体を撫でる、ピタリと止まった指先で、それをなぞりながら呟いた。
胸に刻まれた『QRコード』、自分が造られたモノである証明に軽く爪を立て、虚空を睨み付けた。

/そうですね、それではお疲れ様でした。
88 :【ハンス・ドリーシュの追蹤録】 [sage]:2016/01/31(日) 08:28:37.33 ID:HBnAyRPzO
>>82

「……理解してくださったのなら、幸いです」

俯いていた少女は、執行者の返答を聞いて漸く顔を持ち上げた。その瞳に怒りはなかった。ただ僅かに潤んで、華奢な煌めきを時折光らせていた。
果たして執行者は、向けられた憤怒に激昂することもなかった。しかしそれは、執行者の深い後顧や懺悔を意味しない。
ただ筋のある論理であることだけを認め、己の生き様に投射することはないような理解であった。
溜息を吐く姿も、小太刀を握る様子も、虫の息であった男に止めを刺す惨劇の一部始終も、彼女は瞬き一つせずに見つめ続けていた。
彼女は終ぞ男の素性を知らなかった。ただその容貌から、彼女の嫌う種の人間であることは理解できたらしい。
ただ彼女は、せめてもの手向けとばかりに、線の細い両手を合わせて、静かに目を閉じた。弔いであった。

「――――ご忠告、よく覚えておきます」
「……ですが、私は」「人間≠ノ、なりたいのです」
「例え、不幸を望む人生であったとしても」「――先ず幸福を知らなければ、それは単なる無知故の愚行ではないのでしょうか」

言葉と共に立ち去っていく執行者の背後にも、彼女はやはり言葉を投げかける。
もっともそれらからは、先ほどまでの饒舌さにあった自信は消え失せていた。
結果として、彼女は立ち尽くすことになる。血腥さは吹く風に流されて、骸と共に消えてゆくようであった。
ぎり、と奥歯を噛む音が、殊更はっきりと響いた。

「――――――証明しなければ、なりません」「私が、欠陥品≠ナないことを」

――――一人呟けば、彼女もまた歩み去っていく。質量のない足取りで、彼女に与えられた居場所≠ヨと帰る。
ああ名前を聞き忘れていたなと少女は悔いたが、しかし尽く遅いものだった。


/最後の最後に寝落ちしてました……ごめんなさい!
/こんな感じで〆でしょうか。絡みありがとうございました!
89 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/01/31(日) 17:09:13.06 ID:zkRv3X9qo
>>54
/見逃しておりました……
/絡みありがとうございました!!
90 :【無限鉄血】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/01/31(日) 20:59:55.23 ID:2+WVGF1m0
>>78
炸裂するような爆発的な、しかし余りにも素っ気ない、無機質な音が響き渡る。
その直後に響いたのは、身体が弾ける肉の音。彼の展開した砲身は、男の身体を突き刺し。意表を突いた攻撃は、そのまま"死"の轟音へと繋がる。
男の身体が、血が弾け飛ぶ。肉体までも頑丈だったのか。彼は男の肉体が爆散しない事実に対し、感心すら抱いていた。

━━━━━━それで、終わり。爆音と硝煙、そして一瞬の嵐のごとき死。
それは来る時こそ動乱を迎えるが、数刻後にはただ虚無的な"結果"としてのみ残る。
彼は完全に破壊された男の肉体を、やはり冷ややかに見つめていた。

「……ハァ、ハァ……」

中々に肝を冷やされた、と彼は考える。
身につけていたのは旧式武器、しかしその中に抱くギラギラとした威圧感。あの突進からして、近代兵器でも御し切れるか分からなかった。
……だが、終わった相手の事を思索してもどうなるものでもあるまい。

これが殺し合い。久々に蘇る感覚に、彼は複雑な気持ちを抱きながら、右腕の構えを解き、無線のスイッチを入れた。

「こちら、A。……任務完了だ……」

少し疲れの色を見せつつ、報告を行う。

『よくやった、"A"。初仕事にしては迅速だったな』

そんな軽い労りの言葉も、昔に聞き飽きるほどに聞いたものだ。現場の必死さとは裏腹に、遠くにいれば実感はどうしても薄れる。
彼は軽くマイクの位置を調節し、続けて無線に言葉を入れようとした。


「ああ。……此れより、帰か……」
「………………!」
「……ッ!!」

━━━━━━━"仕留めた"標的を目に入れた、その瞬間だった。彼はその時点で、言葉を失っていた。
何故だ。何故だ?何故だ。疑問と困惑が湧いて出る。死人など多く見てきた筈の彼でも、そんな感情を現さずには居られない。
何故なら。其処には、"居てはならないモノ"が、形を成して"居た"のだから。

仕留めた筈の標的が血肉を成して再生し、殺意と狂気に滲んだ瞳で、此方を見据えて居たのだから。
血をぶち撒けた筈だ。木っ端微塵になった筈だ。……だが、そんな事を思考する余裕など彼には無かった。

肉体再生。いや、あれは死からの蘇生に近い。ギラつく男の瞳は、ただ殺意のみを此方へ向けている。
━━━━━━━━━不味い。そう思考した瞬間に、男の肉体は、彼の真正面に在った。

「ッ!!」

気付けば、ガキン、と。鈍くも甲高い金属音が、一つ、二つ、三つ四つ五つ━━━━━━
凄まじく力に任せた、殺意のみを体現した斬撃の波。咄嗟に防御の姿勢を取った彼の右腕の砲身を、異常に叩く音が響き渡っていた。





91 :【無限鉄血】 ◆q90iVQe5VQ [sage]:2016/01/31(日) 21:00:29.45 ID:2+WVGF1m0
「………うおおおおおおおッ!!」

彼は後ろに下がろうとする。だが男は何処までも追いかけ、彼の鉄と化した腕を、それが守る肉体を、狂気的に激しく、ただひたすらに叩きつける。

『A!どうした!?応答しろ!』

無線から声が響く。
彼が声を上げないのは、上げる余裕すらないからだ。彼の予感は、当たっていた。

この男の前では、気を抜けば死ぬ━━━━━
斬撃、斬撃、斬撃。殺意に満ちたそれを必死に守りながら、彼はこの男の殺意にただ圧倒されていた。

幾ら鋼鉄であろうとも、此処までの力で殴られ続ければ、傷のひとつやふたつは付こう。
彼は激痛に顔を歪めながら。……だが、彼はその中でも、"攻勢"の策を考えていた。
……肉体には大きな負担となろう。それでも、此処で押し切られて死ぬぐらいなら━━━━━!

彼の瞳が、鋭く男の眼を睨み返した。決定的な意志。"殺さなければ殺される"。
その瞳の中には今や、男と同じ"殺意"が在った。

そして。防戦一方であった彼の右腕の主砲とは別に、横から影の如く、残された腕……"左"の腕が伸び。
彼の瞳の輝きが、より一層に大きくなる。その殺意が最高潮に達したとき━━━━━━

其の左手は、"拳銃"と化していた。

「この……化け物がァあああああああああああああッ!!!」

無我夢中の中で、今まさに斬撃を放ち続ける男の頭に向けて、撃鉄を下ろす。銃弾を放つ。火薬を炸裂させる。
銃撃、銃撃、銃撃。この状況下においても無機質に、均等なリズムで響き渡る自動拳銃(フルオート)の弾丸の音は、明らかな"殺意"のもとに放たれる。

━━━━━━━━無我の中で為された、彼の受け身の"殺意"。理不尽の果てに為された、男の無限の"殺意"。
この場に於いて勝るのは、果たして何方であるのだろうか。

//お返ししておきます。お手隙の際にどうぞ。
92 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/31(日) 21:42:03.05 ID:MwX4rewc0
>>90-91

防がれる。弾かれる。それがいったい何だというのか。
弾かれれば弾かれなくなるまで斬ればいい、防がれるならその防御ごと斬ればいい。
ただ速く、そして一閃。殺すための刃を悉く『防いでいる』存在に、死んでしまえと叫びながら。

――――だが、死なない。これだけの『勢い』を叩きつけているにも拘らず、その鋼鉄は砕けない。それどころか、彼の身体能力で体勢すら『崩せない』。
寧ろ、此方の軍刀の刃に段々とボロが出る始末。乱暴で、横暴な振り幅は寧ろ強くなるばかりで、悲鳴を上げる筋肉を『無視』して行われる惨殺の意思。
剣圧による鎌鼬染みた斬撃も効果は無いようで、只々いらだちが募るのみ。人間が、『刃』でも無いクセに、手前が『なんで』。
死なない。何故、何故死なない。彼の強化された『筋力』で『押しきれ』ないほどの身体能力を有しているのか、それとも、それだけの『ナニカ』があるのか。
分からない、理解でき無い。さっさと俺の刃で『消えろ』。意志は強く、そして酷く、痛み、痛み、脳髄をジクジクと蝕む。


「手前が言うなァァァッァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


撃鉄を下ろす。引き金を引く。それは一つの動作である。それは高速か? いや違う。速くはあれど、人間的で
であれば『視えぬ』事は無い。同時に、それを『見切れぬ』事も無い。左手に握られた軍刀、振るうのは左手である。
先程からフリーになっている『右手』は、一体どこにある? それは当然彼の右肩に、という事は『動かす事』も可能である。

銃の生成はもう『理解した』。自らの動体視力と、強化の限界を無理矢理『超えさせた』肉体がどうして『銃を撃たせる』ところまで待てようか。
即ち、銃声が響く瞬間。彼はその右手で男の拳銃と化してしまった『左腕事弾き飛ばさん』と拳を振るう。当然、銃弾は当たるだろう。
右腕の強化によって硬度は向上しているが、それでも拳銃の攻撃を受ければひとたまりも無い。当然肉が弾け、骨は砕ける。だが、其の『勢い』が保たれればいい。
幾つかはその勢いで、強化されすぎてしまった彼の拳で『弾かれる』だろう。掠るような弾丸では傷を負わず。しかし、幾つかは確かに彼の右腕を削っていく。
結果として右腕が使えなくなってしまうだとか、痛みに怖気づくだとか。そんな理性は『ありもせず』。故に迅速、故に高速。思考の余地は『零』に等しい。

僅かでもその『体勢』を崩したのであれば、その拳が『届く』のであれば。その巨大な砲身から覗く『体』に向け、外装を削る様な『突き』を放つだろう。
だが、此方も重心は安定していない。思考は無く、本能と行動が直結しているかのような『即時』。考えながら戦ってる。『自らの痛みを気にしている』間など彼には『存在しない』。
一瞬、刹那。刃が閃くのはさながら『撃鉄を引いた』かの如く。心の臓。腹部。または頭部。どこでもいい、『一撃で殺せなくとも、致命傷で殺してしまえ』と。

…………刺さるにしろ防がれるにしろ。恐らくこれで軍刀の刃は完全に『破損』する。
93 :【無限鉄血】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/01/31(日) 22:25:57.18 ID:2+WVGF1m0
>>92
━━━━━━何という爆発力か。
彼は嘗て己の四肢を吹き飛ばした爆薬よりも、激しく、攻撃的に、何よりも"殺意"という明確な意志を持った"ソレ"の恐ろしさを実感する事となった。

火を噴くその拳銃に向けて、自分から右腕を突っ込んで行く。生身での防御か。……いや、違う。
そんな筈はないのだ。これ程までの殺意を有した人間が、今更"後手"に回る筈がない。そんな事は、彼もとうに識っていた。
だが、このような行動に出る、という事は。其の存在は今……本気で、正気で、狂気の中で、自分を殺すためだけに存在している。
そのような、凡そ同じ人間などとは思えぬ思考。この男は自分の意志で、殺戮機械と化しているのだと。
彼はそんな事実を、真正面から受け止める事など出来なかった。それは余りにも、今までの彼の常識からはかけ離れすぎて居て━━━━━━そして、忘れていたものだったからだ。

「………ッ」

何かが破裂したかのような、鈍重な金属音が響き渡る。それは、男の右腕が、彼の左腕の拳銃を破壊し、そして弾き飛ばした音だった。
拳銃を構成していた、機械の腕の破片が辺りに散らばる。
その衝撃は、彼の身体を支える脚を不安定なものとさせるには十分以上であったらしい。
彼は、男の前で。在ろう事か、其の"態勢を崩した"。

「━━━━━━━━━━━」

……一閃。男の放った渾身の、殺意のみで繰り出された突きが、彼の身体に突き進む。
その剣の先は、吹き飛ばされた左腕の残片ごと貫き進む。彼の目は、その時見開かれる。激痛に口を歪ませる。
変化していた右腕の主砲から力が抜ける。今やその鉄は、人の腕へと戻っていて。
神速で突き出された軍刀は、彼の心臓部を僅かに逸れ。その胸部の中央部を刺し貫いていた。

「…………ッ」
「damn……you……!」

刃が崩壊する。彼の肉体は、其処で初めて血を噴き出す。
然し彼の瞳は、男を依然として睨む。息も絶え絶えの口からは罵声すら飛び出す。
……だが、この傷だ。もはや彼に、戦う力は残されていない。男にも、その殺意を体現できる刃は、もはや残されていまい。

「……D部隊(デルタフォース)を……舐めるなよ……ッ!!」

……吹き飛ばされた左腕が、見る見る再構築しされて行く。
先ほど男がしてみせた様に。然しそれは、肉体による原理ではない。
血肉は、鉄で出来ている。無限の鉄は血を成して、彼の肉体を再構築する。
無数に増殖するナノマシン。彼の手に入れた新たな手足。禁忌の技術の賜物。
彼が、男と同じ……"能力者(バケモノ)"である事を示す、何よりの証明。

「……【無限鉄血≪デルタ・フォース≫】ッッ!!」

右腕が、又しても変容する。今度の変換はより簡単に、より素早く。男にも対応される前に、その能力を発現する。
彼の右腕に握られていたのは、一個の手榴弾。男は、それが煙幕筒である事に気付けるだろうか。

先程から見せる男の驚異的な視力は、"瞳"に頼っていた。瞳を使う以上、それを妨害すれば驚異ではない。
彼は明らかな重傷を負った。これは、それ以上の追撃を避けるための手段だ。

……即ち。彼はその煙筒を起動させた瞬間に、踵を返して逃げ去るだろう。
"撤退"。相手の力を見誤った誤算。余りにも鈍り、彼は弛みきった己の判断力を呪う。
胸から滴る出血は、刻一刻と激しくなる。彼は気休め程度の止血をしながら、苦渋の敗走を敢行しようとする。

未だ、男は彼を追おうとするだろうか。一度向けられた殺意という意志は、そしてそれを為しきれなかった悔恨は、なまなかに消えるものではない。
その点で言えば、人間とは殺戮機械よりも達が悪い。人の意志とは時として、機械を超えた機械となる。

彼はこの"敗北"で、その重大さを思い知る。"能力者"。彼が一体、"何"を相手取っているのか。漸くその全貌が明らかとなった。
殺意と殺意の応酬。凍える如き冬空の下。その決着は、此処に付いた━━━━━━

//この辺りで〆、でよろしいでしょうか……
//遅れや至らぬ部分もありましたが、二日間お付き合い頂きありがとうございました。本当に楽しいロールでした!







94 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/31(日) 22:42:17.45 ID:MwX4rewc0
>>93

「―――――ッ!!?」

彼は男を追おうとした。たかが右腕が使い物にならなくなった程度。視界を奪われようとその足音や匂い、血液、痕跡は幾らでもある。
だが、それができない理由があった。男が居なくなった路地裏で、響くような叫び声。『右の瞳』を抑えながらも、其処からドクドクと溢れる赤色。
先程の攻撃の際、右腕によって破壊された左腕の破片が『彼の右目に』入り込んでしまったのだ。あれだけの至近距離で行ってしまったゆえの、いわば即自的な破片手榴弾のような物だろう。
意図していなかった物だからこそ、彼にはそれが一番効果的であったと言える。いくら強化を施そうと、破片が刺されば瞳は傷付く。
先程の一回で注射器は使い捨てであり、腕はともかく瞳を完全な形に直すのはほぼ不可能だろう。ナノマシンによって構成された破片だからこその毒とでも言いおうか。

血を流す右手で、血が溢れる右目を抑え。痛みに血涙する。叫び声は遠吠えのようで、怨嗟と、怒りと、そして諦観。加えて殺意。

――――――処理班が到着したのは、其処から十数分後。

//じゃあこんな感じで〆でお願いします
//こちらこそお疲れ様でした……!
95 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/31(日) 22:46:59.45 ID:MwX4rewc0
>>94
//ぐええちょっと修正
//破片が入ったのは『右目』じゃなくて『左目』です……。
96 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/01/31(日) 22:56:24.71 ID:MwX4rewc0
>>95
//ああいや右目で合ってます……。
//対面したときはこっちの右が左ですもんね。はい
97 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/01/31(日) 23:28:39.39 ID:p/CvWQVz0
>>88
/遅ればせながら、絡みお疲れ様でした!
98 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/01(月) 18:29:03.20 ID:8kjk5IVB0

刀が何かに刺さる音。鈍く、そして僅かな息遣い。静寂を体現する夜の路地裏に『それ』はよく響く。
その音にあなたが気付き、問題の場所へと足を踏み入れたのならば。息を荒げながら、左手だけで握った軍刀を逆手に持ち、只管に地面に転がっている人の形をした肉に穴を開けている彼の姿が映るだろう。
『必死』というのが第一印象に映る程の、切羽詰ったような。まるで、何かの苛立ちや鬱憤をぶつけているかのように乱暴な行動に、浮かべている笑みが場違いな雰囲気を形作る。

元は人の形をしていたのであろう物体の服装はいわゆる『軍服』と言う奴で、千切れている一部の文様からそれは帝国の者であるという事が分かる。そして、彼の軍服も帝国の物だ。
即ち、他人はわり合う事を極端に避ける『国家の闇』とでも言われる象徴。凡庸な言葉で表してしまえば、『暗殺者』と言ってしまうのが限りなく正解に近い。

ショートに切り詰めた……其処から僅かに伸びた黒髪。不自然なほど焦点のあっていない右目を隠す様に深く軍帽を被り、全身を帝国の正式軍服で揃えている。
雨を弾く特性を持つ、背中全体を覆う雨覆を付け。右腰には一世代以上前に製造されていた軍刀を帯刀し、全身に染みついてしまった血の匂い。
右腕が親指と他の指を分けるかのようにされたギプスのような物で覆われている事を覗けば、普段の彼と左程違いは無く。肉片にひたすら軍刀を突き刺している事に違和感を抱くほどだ。

普段。彼は暗殺対象を『一太刀で』両断。若しくは粉砕する傾向にある。理由は彼のみぞ知ると言ったところだが、基本的にはそう言った一太刀・若しくは二太刀余りで殺害される。
それをこのような残虐性の高いやり方―――あたりに散らばった計三つの死体はどれも『右目を抉り出されてから』殺されている―――で殺しているのは、些か疑問が残る。

最近それも右目をある男によって『奪われ』てからずっとあの調子でいる。と、処理班の人間――それもうんとお喋りな者達は僅かに噂していた。一体、『ある男』とは誰なのか。
何も考えず普段の彼と接するような感覚で聞きに行った者達は見な『殺されかけ』ており、何もされなかった幾人か―――それも『銃』を使用しない物に限る。が言うには、『銃使い』だという。

彼が銃器程度に後れをとるとは考えにくく、何らかの能力を持った銃使いであるというのはすぐに理解できた。だが、彼の記憶には詳しいことが残されていない。
唯一分かっているのは、『敵国』。それも彼の知らない『国家』の物であるという事。要人暗殺の駒と言えど、彼という存在を警告も無しに攻撃するというのは、これ即ち帝国への『侵略行為』と言っても過言では無い。
上層部の『判断』という者はいつも鈍いもので、彼の腕すら完治していない状況。これらか一体どう『転んでいく』かなど、それは彼にも『理解』出来ないし、しようとも思わない。

ただ、彼は我武者羅に。苛立ちをぶつける様に、『軍刀』を死体に突き刺しては抜いてを繰り返す。

//最初の反応遅れるかもしれません……
99 :【砲に諍う燎の絅】 - Minuit Brise - [sage]:2016/02/01(月) 21:07:08.43 ID:Iai1X1EAo
>>98
/まだいらっしゃいますか?
/恐らくは、本日中には終わらないかもしれませんが、大丈夫でしょうか
100 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/01(月) 21:13:21.16 ID:8kjk5IVB0
>>99
//まだ居ます&大丈夫ですよー
101 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/01(月) 21:35:17.56 ID:f6+E9dPho

キィ、キィと車輪の回る音と並行して金属音が聞こえるだろうか。
街灯も無く、月明かりのみの自然光でこの廃虚は人の眼に晒される。
人も寄り付かぬ廃虚で鳴り響くは車輪と金属音――車椅子がゆるりと動く音。

ほう、と白い息を吐く白髪の少女。薄暗い廃虚を眼前にして、何処か愉しげにそれを見上げていた。
少し強い風に眼を細めて、彼女は深く被ったフロッピーハットを両の手で抑える。

「……うふ、うふふ、うふふふふ」

不気味な笑み。一目見て分かる病弱そうな風体から発せられる嗤い声は霊的な物を感じさせるだろうか。
何が可笑しいのか、何が楽しいのか。ハットに隠れて見えない蒼い眼が、薄く薄く細められていた。

「はぁ……可笑しい。本当に、まったく……うふ、うふふふ……」

先程から彼女が見上げて居るのは廃虚などではなかった。
今にも崩れ落ちそうな壁面に――”それ”が大きな鉄柱に胴を”射抜かれて”いた。まるで、昆虫の標本の様に。
まだ”それ”は微かに、ほんの微かに虫の息を漏らしていたが、彼女の嗤い声に掻き消される。

「あら……汚れて、しまいましたの……」

ふと見れば自分の衣服が汚れている。白い、真っ白の、雪のようなコートに数滴の赤。
彼女は残念そうに肩を落として、口を尖らせていた。最早壁に掛かる、あの物体には興味ないと言わんばかりに。
102 :【砲に諍う燎の絅】 - Minuit Brise - [sage]:2016/02/01(月) 21:42:00.06 ID:Iai1X1EAo
>>98

月のない夜の出来事だった。そしてそれらが、いつも月のない夜に起きる事を、彼女は経験として知っている。
暗闇に満ちた路地を駆けるその姿は、さながら闇を切り裂く光のシャワーのようだった。
この街へ来てからというものの、何か得体の知れない危険な雰囲気をひしひしと感じていた。
根拠は一切なかったが、それでも彼女はそう感じていたし、思い立ったが吉日といてもたってもいられなかった。
暗い赤のオーラが路地を左へ曲がる。彼女の身に纏う外套は、正に星のない夜のようだ。

そして更に左へ曲がると、目的の現場が視界へと飛び込んでくる。
BLADE。ASSASSIN、そしてBLOOD。それは、彼女にとってすごく不快なものだ。
嫌いなものに対しては、むしろ敏感になるのが人間なのだろうか。彼女も例外ではない。
毎晩、この街中を走り回って彼女の嫌いなものがないかを探しまわる。
見つけたら、まず、こうだ。

「モらったああ!!」

全力で走って相手に近づき、壁を蹴り登って高さを取り、
超常の力を持った漆黒のブーツの力で、全力で標的に向かって飛び回し蹴りを放つのだ。

弱々しい光を放つ街頭の電球から光を浴びて、鈍い光を放つ金色の髪の毛は、
さながら、闇を切り裂く光のシャワーのようだった。

---------------------------------------------------------------------------
異能の力を伴った飛び回し蹴りの威力は、直撃したら並の大人なら数Mは吹き飛ばされてしまうだろう。
また刀や拳等、とにかくあらゆる方法で漆黒のブーツへと相反する力を加えようものなら、
その力はたちまち"超常の力"と相殺され、速度も威力が一切衰えぬ飛び回し蹴りが迫り続ける。
無論、"超常の力"を上回るほどの力ならば、相殺できないこともあるだろう。
103 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/01(月) 22:09:31.69 ID:8kjk5IVB0
>>102

「―――――――あァ?」

暗い夜。街灯の明かりが反射するこの場所において、奇襲とはは最も警戒されるものだ。
それが例え『処理班を待つ間の僅かな時間』だとしても、例外では無い。加えて、以前は『それ』で不覚をとってしまったのだから、花瓶にもなるだろう。
そして、彼が完全に気付く前に『声』を発していたことも相まって。彼の左目が、彼の道理を『邪魔する』輩に『定め』られてしまった。

酷くのろまな攻撃だ。そう感じる思考は恐らく異常なのだろう。弾丸に比べれば遅く、その分攻撃力に特化した『飛び回し蹴り』。
彼の眼にはその一挙手一投足が映り、そして流れていく。肉体強化の副産物とも言える動体視力の強化。常人なら『見切る』事すら不可能なそれを、『ぼう』と見つめる。
まさにギリギリまで『反応できていない』かのような様子で、だからこそ女性も此方に向かっての攻撃を続行するだろう。壁を上り、そして『蹴り』がインパクトする『瞬間』。

何の障害も無い左腕が閃き、その足を『鷲掴み』にして『握り砕こう』として。何か『言い知れぬ力』に弾き飛ばされた挙句。回し蹴りの『直撃』をその身にあっけなく受けてしまう。
バウンド。人体がゴムまりの如く跳ね、壁にぶつかり、そして衝撃。鈍い音がすれば、ぶつかった壁の方に罅が入り。彼自身は脳震盪に近いものを起こしつつも『ほぼ無傷』な状態で『立ち上がる』。

「―――――なんだぁ?」

雨覆が外れ、先ほどまで血の海だった地面で転げまわったおかげで服は血塗れ。さながら彼自身が傷だらけになっている様な様相を示し、蹴られて『歪んで』いる首の骨を『ごきり』と治す。
もし仮に、女性の放つ蹴りが『自身の力』によって放たれる物であった場合。少なからずそれに対し『相殺』する力が発生したことを理解するだろう。
彼の体は硬く、そして柔軟性の高い筋肉で構成され、細胞の一つ一つが強化という命令に従って動いている。言ってしまえば、人の体を使ったサイボーグの様なものだ。
鋼鉄と言う程硬くはないが、銃弾が掠めたところで傷付く硬度でも無く。それにより無意識のうちに発生する『跳ね返す』力合わさり、女性の能力に反応することで、その威力を僅かに『まして』しまった。

「手前も『俺』の邪魔をするのか………?」
「いつもいつもいつもいつも……お前らみたいな『偉そうな』奴らが邪魔をしやがる。」

僅かな間。

「―――――なぁ。おい、お前。 お前は『そんなに偉い』のか? ああ!!!!!???!?!!?!??!?!?!?!??」

僅かに震える金属音。外れた雨覆が隠していた『軍刀』の鞘。いつのまに納刀していたのか刃は収められているその場所に、あてがわれた右腕がカタカタと震え。
ギプスと鞘、そして帯刀用の固定金具の三重奏が聞こえるだろう。震えている。軍帽が外れ、焦点の定まらぬ「右目」を女性に晒しながら、開いた口から僅かに垂れるよだれと共に。
視界が揺れる。段々と収まっていく其れと同時に襲う吐き気を無理矢理に飲み込んで、目線は女性を見ているつもり。揺れる左目に、揺れぬ右目。苛立ちから来る右腕の震えに、血塗れの服。
唾を飛ばしながら『喚く』彼は、女性にとって『醜く』映ることだろう。事実、今の要望だけを考えると、十二分に『それらしい』物である故に。
104 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [saga]:2016/02/01(月) 22:31:32.17 ID:uFRvtJpI0
>>101
>>101
「なにが面白いのかな、―――お嬢さん?」

廃墟の奥から聞こえたその言葉を皮切りに、カン、カン、と金属音がこだまする。
宵闇の中で把握できるはずもあるまい。この廃墟、詳細に言うなら“廃工場”には『二階』が存在していた。赤錆の浮いた階段を降りてくるのが、この連続する金属音の正体である。

やがて金属音が止み、コツコツと乾いた靴音に変わる。そうすれば、彼女はきっと目にするだろう。
光沢のない真っ黒なショートヘア、瞳。中のシャツまでもが黒いタキシード。そして、革靴。
全身を黒ずくめに包んだ中背の人物が、少女へと近づく。

「あらら、これは派手にやったね。寝床をこんな荒し方されるのは初めてだ」

身体の中心を、真っ直ぐに貫かれた“それ”を眺めながら、平然とジャケットや蝶ネクタイの着崩れを直している。
注意深く見ればわかるだろう。人物のタキシードには所々にほつれや破れがあり、色も砂埃にくすんでいる。
どうやら本当に、ここで寝泊りをしていたらしい。


//いらっしゃいましたら
105 :【砲に諍う燎の絅】 - Minuit Brise - [sage]:2016/02/01(月) 22:42:53.66 ID:Iai1X1EAo
>>103

衝撃の瞬間、漆黒のブーツからドス黒い色をしたオーラが身体の方へと迸る。
ヒーロー気取りの女はそれを時折経験することがあった ―― 漆黒のブーツに割いていたパワーが全て、弾け飛んだ証明だ。
"掴まれただけで?握ろうとしただけで?この自慢のブーツの力を吹き飛ばしたと言うのか?"
その疑問が頭の中を埋め尽くし、一瞬だけパニックに陥りかけた。
だが地面に着地した時には、その蒼い瞳から鋭く真っ直ぐな視線を再び相手へと投げる事ができた。

「そうよ、邪魔をしにきたの。偉いわよ、私。」

強気な言葉を言ったものの、対する男の姿を見て、固唾を飲んでしまったのは言うまでもない。
その様相は明らかに、少なくとも、常人と呼べるものではなかったように女は思った。
それに相手を蹴った時の硬い感触が、敵が異常なる存在である事を示している。

「一応言っておくわ。」

右拳を強く握りしめ、異常なる暗殺者へと構える。

「私は争いを好まないから、降参してくれた方が嬉しいわ。」

煙のような黒いオーラが女の足元へ渦を巻き始める。そしてやがて、再び漆黒のブーツへと成った。
しかし彼女がこの場へ姿を表した時よりも、その身に纏う漆黒のマントの大きさは半分ほどになっていた。
相手が高い身体能力と丈夫な体をしている点から、持久戦に持ち込むのは不利と女は考える。
ならばと、女はパーカーのフードを被って、金髪の輝きを闇に隠す。

"フーっ"

深く息を吐いて、速まる鼓動を落ち着かせようとする。冷静さを欠けば、この前みたいに黒焦げになる。
落ち着いていけ。落ち着いて、落ち着け、私。あの鋼鉄みたいに硬い骨を粉々に砕けばいいんだ、私。
"4つ数える、息を吸う。4つ数える、息を吐く。"

「私は[ピーーー]気がないから、もし私が負けても殺さないでほしいわ、

「ねッ。」 

---------------------------------------------------------------------------------------
駆け出す!今度は先程よりもずっと速く、加速は瞬間的。
その上、相手が遠距離攻撃をしたとしても、並の投射速度なら横へのステップで回避できるほどに機敏だ。

もしも相手へ接近することが叶うならば、直前で倒れこみ、地面をスライディングして相手の膝へと強烈な蹴りをお見舞いしようとするだろう・
威力が足りているならば、そのまま足の骨を折ってしまいたいが、この異常な相手に対して自信はない。
106 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/01(月) 22:51:31.77 ID:f6+E9dPho
>>104
/わあ大丈夫です、今から返しますね!
107 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/01(月) 23:07:14.94 ID:8kjk5IVB0
>>102

「…………は?」

この女は一体『何を言っているのか』。彼には何一つとして理解できないし、理解しようと思えない程に『意味が分からない』。
彼は只『任務』をこなしていたに過ぎない。何時もの様に、淡々と、僅かな苛立ちを込めながら、ひたすらに殺していただけだ。
其処に女が『手を出して』きたのだ。領分に入り込んできたのは『彼』では無い。話も無く土足で踏み込んでおいて、それで『殺すな?』。

「―――――なに言ってんだ? 手前ェ」


――――――女が駆けだそうとする『その前』に『殺す』。
先程女と会いまみえた時、彼は言い知れぬ不可思議な反発力に『弾かれた』。違和感の塊のようなそれは、『オーラ』のある足から発生している。
遠距離攻撃があるとしても、それは『どうでもいい』。殺すにはどうするべきだろうか。なら、それは『近づかれる前に斬る』という事。
幾ら強力な拳があろうとも、此方の攻撃を総て『弾け』ようとも、それらが『届く前』に『終わらせて』仕舞えば『それでいい』。

「――――――邪魔したのは、手前だろ?」

迎撃。つまりは女が駆け出したと同時に、彼は右腰に帯刀した軍刀に手をかける。右腕で鞘の位置を固定し、そして、左腕が『ブレ』た。
刹那に発生する『暴風』。まるで此処だけ一陣の嵐が駆け抜けたかの如く、女に対し『向かい風』に位置する形で、『軍刀が振られた際に発生する剣圧』が牙を剥く。

最大にまで筋力強化された左腕を振るう事で、軍刀が空気を裂くようにして『空を切り』。それによって発生する剣圧染みた『大気』が、物語に聞く『斬撃波』として『女』を斬らんと『疾走』を始めるだろう。
自らが切られたことを自覚するレベルにまで増幅された鎌鼬と言った方が適切かもしれない。名称自体はどうでもよく、ただ、彼が起こした結果は、『現実』に作用されている。
彼に遠距離攻撃は無いが、遠距離を『斬る』手段ならば存在する。それがこの『断空』とでも呼ばれるべき技であり、ただ筋力とその技術によって振り抜かれた刃に追随する大気の集合体。

『断空』の発生した数は一つ。今回は軍刀を振るう位置と角度を洗練することで『一点』を殺す様に『振るわれた』ものである。
女の丁度対面の位置。彼と女を一直線上で結んだ位置を通る。この攻撃を『見切れる』のならば、躱すことは比較的容易だろう。
だが、彼が行動を起こしたのはまさに『刹那』と呼ばれる領域に近く。ただ気付いて横に躱すだけでは剣圧を完全に防ぐ事は出来ない。
大気がその切れ味を持っているが故に、紙一重の距離であれば当然『余波』による損傷をこうむることになる。
108 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/01(月) 23:08:50.42 ID:8kjk5IVB0
>>107
//安価間違えました正しくは>>105です
109 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/01(月) 23:12:59.17 ID:f6+E9dPho
>>104

不意に廃虚の奥から声が聞こえる。
白い少女は少し訝しげな表情を浮かべて、廃虚をじっと見つめていた。
宵闇の中、よく眼を凝らせば”二階”が存在している――本当に、薄ぼんやりとしか判別出来ないが。

やがてカンカンと金属音の後、姿を現すのはタキシードの男。
嗤いを鎮めて、怪訝な表情を浮かべていた少女がいよいよ再発しそうにもなる。

「…………うふ、うふふ」

寝床、と言う言葉に最早耐えれる訳がない。まさか、まさかまさか廃虚に人が住むとは。
見れば彼のタキシードはボロボロだ。その風体が正しく説得力を体現している。

「くっ……ふ、ふふ、うふふ……あ、ごめんなさいね……ちょっと、待ってくださる……」

悶絶。今宵は道化のショーが多いではないか。壁に掛かる”あれ”も、眼前に現れた”それ”も。
やがて、一頻り笑い終えて彼女は一つ咳払いをする。声に疲労が見えるのは、彼女が虚弱体質だからか。

「失礼しました。まさか此処が貴方のねど、寝床なんて思わなかったんです」
「許してくださる? ”あれ”の掃除は出来ませんけど……撤去くらいなら、しますわ……ふ、ふふ」

やはりまだ笑っていた。ちらちら、とハットのから垂れた蒼い眼を覗かせては、直視出来ない様で。
何が面白いのか、という質問には返答する気はない模様。

/おまたせしました!
110 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/02/01(月) 23:17:36.74 ID:e1nftQtMo
>>105
>>107
/すみません、是非とも乱入させて頂きたいのですがよろしいでしょうか……
111 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/01(月) 23:22:19.69 ID:8kjk5IVB0
>>110
//自分は構いません……!
112 :【砲に諍う燎の絅】 - Minuit Brise - [sage]:2016/02/01(月) 23:33:24.51 ID:Iai1X1EAo
>>107

"相手が刀に手を掛けた時"に、回避行動に移っているのが最適解だったのだろうと、女は後になって思った。
刀で迎え討とうとしたのだという思い込みが、彼女の難儀な性格を後押ししてしまった。自信過剰の事だ。
彼女の違和感が確信へと変化した時には、既に何もかもが手遅れだった。
相手が放った空気の圧 ―― 圧、というよりも、刃 ―― が、彼女の左半身をへぶち当たった。

しかし幸運なるかな、その空気の刃が巨大が故に、少しでもマントに触れるやその異能の影響を受けた。
またしても漆黒のオーラが迸り、今度は余りにも巨大な力に抗え切れず、四方八方へと飛散する。
たちまち発生した衝撃波(正確には、力の向きを乱されてバランスを失った空気圧)が、ヒーロー気取りの体を宙へと投げる。
その飛んで行く後には一筋の血痕が散った。

"あっ、くっ、クっ、ウウウ!"

倒れた後直ぐに四つん這いになり、地面に倒れ伏し続けてしまいそうな意識を無理矢理に奮い立たせた。
右手で左耳を押さえている。正しくは、左耳があったところをだ。今は真っ赤に染まっていた。
近くには先程まで自分の顔の左側面に付いていた、自分の一部分だったものが落ちているのがわかっていた。
だが、だが、それは、見れなかった。見たら、ここから逃げ出してしまうのがわかっているからだ。

"これくらい掠り傷だ!私の背中では、足には、まだ、まだミヌイットブリスがある!"

立て、立て、立て、私!奮い立て!犬死をしろ!犬死をしろ!!犬死をしろ!!!

「ウ、 ウ、ウわああああぁぁっ!!」

女は叫び声をあげながら、立ち上がった!ちっともふらついてなどいない!
刹那の世界を女は視えないが、それでも立ち上がる事ができた!それが、それだけが、彼女の心の支えとなった。
闇を切り裂く光のシャワーは、紅に汚された。

「弱いな、お前。私みたいな、いきなり現れた女も殺せないとは、ね。」

しかし彼女は、実のところ、余りの激痛とヒロイックな感情によって、現実を正しく捉えきれていなかった。
実際はマントもブーツもなかった。もう無い。たったの一度の直撃で、残りの全てを使い切ってしまった。
自然回復しようと、首元からスカーフのような形状をしたものがそろりそろりと、路地の闇をかき集めているが、遅い。
防御の為の力は、もう、無いのだ。

「次は、近づく。
 そして、当てる。
 その硬い頭にヒビを入れる。
 そして警察に引き渡す。」

腰を低くすえて、今にもまた駆け出しそうな姿勢を取る。
113 :【砲に諍う燎の絅】 - Minuit Brise - [sage]:2016/02/01(月) 23:34:23.29 ID:Iai1X1EAo
>>110
/オッケーですよー
114 :【砲に諍う燎の絅】 - Minuit Brise - [sage]:2016/02/01(月) 23:35:00.73 ID:Iai1X1EAo
>>110
/あ、じゃあ、【惨撃進軍】さんが良ければ、ここで乱入して頂いて大丈夫でしょうか?
115 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/01(月) 23:37:19.18 ID:8kjk5IVB0
>>114
//うぇーい自分は大丈夫ですー乱入どうぞー
116 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/02/01(月) 23:38:24.14 ID:e1nftQtMo
>>113
>>114
/ありがとうございます、それでは今から書いてきます!!
117 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/01(月) 23:38:53.87 ID:uFRvtJpI0
>>109
された質問にも答えず、ただ遠慮のない笑い声だけを漏らす少女。
だが、彼にそれを無作法だと怒る様子はない。体調も優れるようには見えないので、ただじっと、相手の言葉を待った。

やがて上ずった声が文章に変わる。
『ここが寝床だと思わなかった』。至極真っ当な感想だ。現代を生きる人の子が、寝泊りをする場所ではない。
『掃除はできない』。これも仕方の無い事案だ。彼女の腰掛けたそれを見ればすんなりと理解ができてしまう。
『“あれ”の撤去はするから許してくれ』。

嫌だ。

「嫌だね。死人が出たとこでおちおち寝られる程、僕は気が触れてない」

なぜそいつを殺した。

「代わりの場所を用意してくれ。そう頼みたいところだけれど」

同じ殺しなら。

「もっといい“償い”があるよ」

―――募くヲ、ko炉歯teョ。

「君が[ピーーー]ばいい」

ジャケットの裏には、夥しい数のナイフ。種類大小は様々なものが、ずらりと敷き詰められていて。
両腕を交差し、それを適当に2本ずつ抜き取って手に挟み込み、少女へと投げつける。
ここまでの動作にかかった時間は、3秒に満たない。つまり、常人の手さばきではないということ。

狙い澄ました奇襲のように感じられるかもしれない。が、それは違う。
彼、もとい“彼女”は、―――血の芳しさと目の前の対象に興奮を憶えざるを得なかった。
『“死”を連想させる物を見ると、死にたくなる。そして、死なせたくなる』。
彼女の悪癖のひとつが、今この瞬間に発現した迄のことだ。
118 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/01(月) 23:57:00.73 ID:f6+E9dPho
>>117

嫌な風が吹く――嗚呼、間違えた、心地よい風だった。
それは誰かの殺意や憎しみ、負の螺旋が織り込まれた旋風。

『もっといい“償い”があるよ』

少女は困った顔で笑うしか出来なかった。
気が触れていない? 冗談じゃない、眼前の”それ”は充分に気が狂っている。

『君が死ねばいい』

ほら、充分に狂っているじゃないか――嗚呼、でも今日二人目を殺す私も狂っているのか。

慣れた手つきでナイフを手に取り、こちらへと投げつけてくる”それ”に溜息が出る。
何故こうも狙われるのだろうか。果たして自分が何をしたというのか……。

ナイフが手に取られ、投げつけられるまで3秒も満たない。
加えてこちらは足が動かないし、車椅子――まったく、少しは手加減して欲しい。

「……くす」

嗤う。にんまりとハットの下から柔和な笑みを向ける。その刹那、何かが砕ける音が鳴った後、上空から何かが落下する。
二人の間に大きな音を立てて、砂埃を周囲に撒き散らす。響く音に紛れて、”ナイフが弾かれる音”が木霊する。

「あらあら、偶然にも……助けられました」

やがて砂埃が止めば、その物体が何か視えるだろう。それは何処にでもある、否、廃虚であれば何処にでもある”壁”だ。
彼女は言う。”偶然にも壁が砕けて二人の間に落ちて来た”と。自然摂理を無視して、放物線でも描いて一人でに落ちてきたと。

「危なかった。そんな突然に、ナイフを……投げてくるなんて、野蛮ですわ」

くすくす、うふふ――ひょっこりと眼前に聳える彼女を隠す程度の壁からひょいと顔を覗かせていた。

「どうやら……その廃虚、崩れ易い様ですわ。”頭に気をつけてください”ね」

また、何処かで何かが砕ける音がする――彼女の視線の先、そこにはあなたの直ぐ側の天井だ。
今直ぐにでも退避しなければ、天井が落下してくる。そんな予感が脳裏に浮かべば……。
119 :【暗夜辻斬】 [sage]:2016/02/02(火) 00:00:19.74 ID:WxdFeLFno
>>107
>>112
それは酷く闇に紛れ込んでいた。それは酷く、暗く其処に沈み込んでいた。ただ軍靴の音は、かつり、かつりと響き渡る事だろう。
そしてそれは、駆け出した。血の匂いを嗅いだ獣が、興奮し、一直線に走り出すように。それは、その夜闇の中、袖無し外套を翻して其処を駆けだした。
嗅ぎつけたのは本当に偶然だった。血の臭いがする事、そして"刃の音"がしたが故に、男は吸い寄せられるように其処に現れた。
結果として、男が―――――――――――― 久慈辰則が見つけたのは、実に期待外れな光景だった。

確かにそれは剣の形をした武器を持っているが、"自分と同じ"、軍刀だ。
剣士と言うのは……久慈辰則の偏見が多分に入るが……見栄を張って、格式ぶって、大層な歴史ある刀を振り回す。
そうでなくとも、何か自分が"双であると言う証明"が欲しいのか、軍刀を持った人間というのは、剣術家である可能性は、限りなく低いのだ。

そしてもう一人は少女だった。ただの"能力者"だ。斬る価値の無い存在だった。
任務だったらそれなりにやる気を出して戦うものであるが、しかし、能力者とはいえ、一定の条件を満たさなければ、女子供を斬る事に戸惑う程度の思考能力はある。
故に、本来ならば見て見ぬふりをして、面倒事を避けるつもりであった。だが。

―――――――――――― 『縮地』。その距離を、その敏捷性を駆使して一気に詰める。
極力、音を殺し、気配を[ピーーー]。それさえ成立させる事が出来れば、あとは"するりと片が付く"


「―――――――――――― それじゃあ、いきなり現れた俺に殺される手前は」


「情けねぇ、ということになるだらぁ」


立ち止まるのはその背後。そして立ち止まるよりもはるかに早く、刀を抜いていた。
"抜刀術"。"出会い頭での殺しの剣"。その刃が引き抜かれてから、振り終えるまでに発生した音は、僅かに"風を斬る音"のみ。
そのヒロイックを、余りにも劇作の基本から懸け離れた"殺意のみによって形成された現実"が、水を差そうとしていた。
120 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 00:00:54.21 ID:WxdFeLFno
>>107
>>112
/それでは宜しくお願いします!!そしてsaga忘れ……
121 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 00:12:23.65 ID:1TbC3zdW0
>>119

「――――――『なんだ』ぁ?」

先程と一言一句。何一つ間違いのない『言葉』を吐いて、彼はその眼を『疑い』ながら、表情を僅かに驚愕に彩る。
また敵が増えÞのかと思えば、それはどうやら『彼と同類』の匂いがして。僅かに見えたその服装はまさに『同じ』もの。
やや彼の物と違うところがあるが、基本的には似ており。振るわれる『刃』をみて、それは核心として『理解』する。

確か、『見えない刀を使う』奴が居る。という話を思い出したからだ。若しかすれば、すれ違い程度に顔を合わせた事もあるかもしれない。
彼には覚えがないが、帝国内で『そういう噂』は耳にする。処理班のおしゃべりが『言っていた』事を鵜呑みにするのは癪だが、今の様子はまさしく『そういう事』だろう。
処理班にしては嫌に速い。であれば此方の邪魔をしに来たのかと思えばこちらに目もくれず少女の方へと『疾走』。そして『抜刀』。

この距離、この『状況』。獲物をとるなとは言わないが、彼にとっては少女の反応が酷く『拍子抜け』であり、痛みに震える様は『至って弱い』。
であれば彼が手を出す事も無く、助ける義理も無ければ、男の手助けをする必要も無いだろう。刃を軽く振って、此方は納刀。僅かにきらめく反射が、辺りを『明るく』して消える。
122 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/02(火) 00:14:25.43 ID:LWknOgBw0
>>118
当たっていない。見ずとも聞かずともわかる。だって、『痛くない』から。
血走ったどす黒い瞳が、砂煙からその石壁を捉える以前に、彼女は駆け出していたのだ。
無論、車椅子の少女が落とした……いや、彼女の口振りを真に受けるならば、“偶然落ちた”その天井は、既にタキシードの人物の背後になった。

車椅子の少女を隠す程の壁の大きさ。
―――つまり、あちらからこちらは確実に視認できない、という条件が揃う。
少女の元へ接近しながら、彼女はそのタキシードからククリナイフを両手に構える。

何も語らずに、その壁の後ろへ居るはずの少女に、斬り掛かる。
もし土煙が少女の視界の障害にならないほど接近したとすれば、そこには。
―――白目が充血し、黒目は澱み。鼻息は荒く犬歯を剥き出しにして笑う。そんな以前の面影がない“狂人”が、自分を襲う光景が見えるだろう。
123 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 00:16:58.64 ID:1TbC3zdW0
>>121
//途中送信んんんん!
124 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 00:22:02.05 ID:1TbC3zdW0
>>121

「―――――――――ちょっと待ってくれよ 『黒いの』」

その刃が、黒く染められた殺意が『それ』を殺す前。その前に、彼は同じ『所属』であるだろう男に、そう『停止』をかける。
聞くかどうかは分からないし、聞かなければそれでも『良い』。だが、『土足で踏み込まれた』分の『返し』を、女にしなくてはならないのは『確か』だ。
そう、彼の『軍帽』を吹き飛ばし、あまつさえその眼球を『晒させる』とは、『許せない』。理由付けは『これで終わる』。正当防衛と、私怨だ。

「『そいつ』の右目………俺にくれぇや。」


…………と、『言葉を吐く』。

//後半これです
//申し訳ない……
125 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/02(火) 00:28:57.13 ID:yhXEmVk4o
>>122

(ナイフ使い……面倒ですわ……)

砂埃を嫌う様に、衣服の袖で口元を抑えていた。
こほん、と何度か咳払いをして―――さて、あの気狂いは蟻ん子みたいに、潰れたかしら?

「さて――――っ!?」

キィ、と車椅子を動かそうとした刹那、顔を上げれば件の気狂いが居た。
それは余りにも唐突で、余りにも充血した、下品な笑みで、彼女は驚き身を逸らす。

がしゃん、とけたたましい音が鳴る。
見れば彼女は身を逸らした結果、車椅子から落ちてしまった。
チェックメイトか、否か? なんにせよ彼女の足はどうやら、動けない様だった。

「………酷い顔。でも、良い顔。下品だけど、私の好みですわ」
「血走った、ドス黒い……うふふ、それで、そのナイフを……どうするのでしょう?」

見ての通り、私は動けないのだけど……と、付け足して乱れた髪を直す。
カラカラと車輪を回し倒れた車椅子に手を掛けて、にんまりと笑っていた。
126 :【砲に諍う燎の絅】 - Minuit Brise - [sage]:2016/02/02(火) 00:42:23.90 ID:fvP3mbEao
>>119>>121>>124

「黒いの?」

"私は黒というより、赤じゃないか?もしくはこの綺麗な金だ"と思った。
この一対一の戦いの中で、路地に他人の血を流させた男の集中が、というより注意が、自分から逸れた事に気付く。
もはや私は敵とすら思われていないのかと察して、ギリリと歯軋りをする。

その時、背筋に、今まで感じたことのない感覚が走った。

ある学者は、人は死ぬその直前に、自分が死ぬというのを確信できると言った。
それは時に虫の知らせと呼ばれたり、走馬灯となって死の間際のモノに特別な感覚をもたらす。
彼女は、彼女は……静の時間を手に入れた。星と月のない夜空を見上げた時のように。
全ての音と光が消えたにも関わらず、彼女は全てが見えたし聞こえた。それは過去も含めた。
走馬灯とは違う。それは、まるで現実のように、ありありと、感じる。

彼女に注意を促したものは、多かった。薄幸の少女、バットを持った青年。
最近では、変な生き物に"馬鹿馬鹿しい"と言われたのを思い出して、全くその通りだと思った。

"あっ"

背中に気配を感じ、振り向きざまに首に冷たい感覚を覚える。冷たい。今までにない感覚だった。
打ったところ、斬られれたところ、焼かれたところ、電流が流れたところ、どこも熱かったと覚えている。
しかし今は、いつものように斬られただけなのに、そこが酷く冷たく感じる。冷たい。
それもそうだ、こんな真冬の夜中に、彼女は外套のひとつも身に着けていないのだから。

彼女の心は遂に折れ、地面に倒れ伏し、まだ意識があっても、冬の冷気に意識が溶けていくのを止めなかった。
今まで色々な敵と戦い、抗い続けてきた、拒み続けてきた"コレ"は、意外と心地がいい。
血は広がり、彼女がヒーローでもなんでもないことを証明していった。その光のシャワーは、灰色のコンクリートに漂った。


【死亡】
127 :【砲に諍う燎の絅】 - Minuit Brise - [sage]:2016/02/02(火) 00:45:49.88 ID:fvP3mbEao
>>119>>121
/乱入後すぐで本当にすみません。お疲れ様でした。ロールありがとうございます。
/後の扱いは自由で全然大丈夫です。
/またご縁がありましたら、これに懲りずまたロールして頂けたら嬉しいです。
128 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/02(火) 00:46:20.82 ID:LWknOgBw0
>>125
から回る車椅子の車輪を横目に、肩で息をする。
もちろん疲れからではない。興奮に伴う血圧の異常上昇、動悸によるもの。
彼女は少女を目前にして幾度となく、殺意に溺れそうになった。だが、ここで焦ってもどうにもならない。
裂けたと表現できる大きく広がった唇から、先ほどよりも女っ気を帯びた声を紡ぎ出す。

「どうしたのぉ? それで終わりじゃないでしょぉー?」

やけに間延びした声が、聞いた者の脳みそを溶かすくらいに熱を持つ。
嗤いがいつまでも込み上げてくる。それを抑えるたびに、喉の奥が狭まって、ひゅーひゅーと風切り音が漏れる。
ククリナイフを弄びながら、彼女はこの状況を大いに愉しんだ。

「これ? うふふぅ、もちろんブッ刺すんだよぉ♪ でもね、“君は痛くない”から安心してねぇ♪」

訳のわからないことを口走りながら、崩れ落ちた少女の元へとひたりひたりと近づく。
もし彼女がそれ以上の接近を許したなら、彼女はその狂人に覆いかぶさられるようにして組み付かれ、幾度もその刀身を彼女の首に這わせるだろう。

だが、狂人には能力の“代償”によって、『自分の与えた攻撃は効果がなくなり、痛みだけが自分の元に返る』ことになっている。
もちろん、相手はそんなことを知るはずもない。拒絶をするのが当然だろう。
129 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 00:53:57.54 ID:1TbC3zdW0
>>127
//此方こそお疲れ様でした……!
//宜しければまた是非是非……!!
130 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/02(火) 00:59:43.61 ID:LWknOgBw0
>>128
//すみません、短いですが眠気がピークで
//凍結をお願いしてもよろしいでしょうか?
131 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/02(火) 01:05:15.86 ID:yhXEmVk4o
>>128

彼、いや、彼女を見上げる。呼吸が激しく、感情の昂ぶりが見られる。
どうやら異常に興奮しているのだろう。傍目に見て取れる。

対してこちらはどうだろうか。異常な興奮というモノはない。
動悸は激しく、多少肩で息はしているが――まあ、それは体質の問題だ。

「………くすくす」

然し、確かにじんわりと……彼女程でないにせよ、殺意に確かに”興奮”していた。

「本当に、野蛮―――離して、くださる……?」

組み伏せられ、首元に刃が沿わされる。それに抗える訳がない、否、抗う必要がない。
彼女の言葉を信用した訳ではない。誰だって、今感じるのは明確な”死”だろう。

少女は特に抗う事もない。力を全身から抜いて、少し息苦しそうに首元のナイフの使い手を見つめていた。

「私、足が動きませんわ。それを無理矢理、こんな形で……なんて、酷いんでしょう……これは、お仕置きでしょうか……」

するり、と少女は白い細指を眼前の彼女へと指す。

「うふふ……前方注意、ですわ」

その言葉を疑問に思い、前を見れば視えるだろう。宵闇の向こうから貴女に一直線に迫る”あれ”に突き刺さっていた”血塗れの鉄柱”が。
その言葉に惑わされず、首を振りぬいたなら――――待ち受けるのは壁に掛かる”あれ”と同じ末路か。

少女の能力は有り体に言えば”サイコキネシス”だ。時速150kmであらゆるものを、操作するのだ。
132 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/02(火) 01:05:43.72 ID:yhXEmVk4o
>>130
/良いですよ! 明日ですと23時前後からとなりますが……!
133 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 01:12:12.83 ID:WxdFeLFno
>>121>>124>>126
それを表すならば、命を断つ感覚とでも言うべきか。
人を斬り殺す時の感覚と、人をただ斬った感覚は、明確に違う。それは急所に入っただとか、そういう要素も加わってくるが、それ以上に、もっともっと"重い"。
その物が積み上げた何もかもを突き崩すような感覚。今ではただ、殺せたと言う答え合わせにしか成り得ないそれではあるが。
飛び散る血を浴びた。頬に跳ねたそれは未だ生温く、それがまだ生きていた事を証明し、そしてたった今、その少女が死ぬということが証明された。
倒れ込んだ少女が生きているかどうか、きっとまだ意識は残っているだろう、と仮定して。

「……その"温度"を身体に刻み込め。段々と冷たくなっていく身体を、心臓が静かになっていく感覚を」
「そしてゆっくりと、"死"が迫ってくる。抗うな、受け入れろや、そして実感しろ」


「"お前は、死ぬぞ"」


それが、少女へと捧げる鎮魂歌代わりであった。
無論、久慈辰則に、そんな殊勝な考えは毛頭ない。ただ殺したい後に、未練も無ければ、弔う気も無い。持っている方が、"可笑しい"。
転がった死体を見下ろしながら、引き抜いた刀から血を払い、音も無く、腰元の鞘に納めた。
それから、ゆっくりとその死体から離れていく事だろう。後はもう、この死体をどうしようがどうでもいい。これは、"彼の物"だし、興味も無かった。
ただ、"彼には"興味はあったし。"用事"もあった。故に。

「零号機関第三師団第十八聯隊特殊異能兵教導大隊出向」
「帝国陸軍第五師団所属。久慈辰則、階級は曹長。さて、天下の"貴島"様よぉ」


「そのガキは好きにしろや。それで、"貴島"様の目が、元通りになるならよ。邪魔はしねえ」


「―――――――――――― 俺は"アンタ"に。用があって来たんだからなぁ」


外套の下で腕を組み。彼を見据えてそう言う。
一つ、久慈辰則は情報と使命を以て、彼へと接触したのだ。それはほんの噂程度の物。然し、辿ってしまえば雑作も無く。
世界警察傘下の部隊、"D.O.T.A"と、帝國の軍人、それも"有名な"奴、やり合った、と言う情報を、握り締めて。
134 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 01:13:43.43 ID:WxdFeLFno
>>127
/いきなり飛び込んできていきなりぶっ殺す感じになっちゃいましたね……すみません
/こちらこそ、また機会がありましたらよろしくお願いします!ありがとうございました!!
135 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/02(火) 01:17:07.17 ID:LWknOgBw0
>>132
//了解です!こちらもそのくらいが都合がよかったので安心です
//それではお疲れ様でした
136 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 01:26:30.92 ID:1TbC3zdW0
>>133

「ま、『腹いせ』ってところだ」


「――――久慈。」
「ああ、『久慈』の『人斬り』か」

「―――――通りで『視えない』ワケだ。」

納刀を終え、そして女性の右目を『潰し』ながら、成程得心が言ったと彼は頷く。
先程彼が驚いていたと言ったが、それは男の『速度』にある。彼の強化された動体視力でも捉えられるか怪しいほどの『速度』。
そして、『音のしない抜刀術』。以前自身の家で聞いた『話し』の中に、そのような『異常』を持った『男』がいると、聞いた気がする。
所詮は噂話だろうとまともに取り合う気も無かったが、小梅の前で見てしまえば『真実』だという事を理解せずにはいられない。

「こっちの事は調べは付いてるだろうから、挨拶なんて面倒なもんは『やめ』にしとこうぜ」
「俺は只の『蒼月』だ。『これ』見りゃ分かるだろ?」

首を鳴らし、血塗れの左手を振って払う。軍刀をカシャリと鳴らしてみれば、笑顔の様な面を見せる。
彼自身の名は確かに士族として通ってはいるが、それはあくまで彼の多々餓鬼では無く貴島の物。養子である彼にとっては『特に必要のない』物であるとも言っても良い。
毎回ついて回るそれは嫌いでは無かったが、『自分ですら勝てるかどうか怪しい男』に、要らぬ『階級』など振り回す気も無い。

「――――この『タイミング』で『俺』に『用』………?」

今の彼に適切な用と言うのであれば一つしかない。だが、目の前の男が彼の様に『手間取る』とはいささか考えにくく。
その他にも『人斬り』の以来とでも言うのだろうか………。と、見当違いな『思考』羅列。男の方へと向き直り、話を聞こうと促すだろう。
137 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 01:48:56.26 ID:WxdFeLFno
>>136

「……ほうか、ほいじゃあ、『蒼月』、簡単に話をさせてもらうわ」
「なぁに、簡単だ、直ぐに終わる。あんたは聞いとってくれればそれでいい」

『久慈の人斬り』、そう言われて、口角を釣り上げた。それが肯定だった。
またの名を、『貴島』の『蛮刀』。帝國の高名な士族の養子。そして、凄腕の"暗殺者"。
一度、ほんの少しだけ見てみたいと思ったことがあったが、いざ見てみれば、その戦闘能力は並外れたものだが、なんてことは無い、"人間"だ。
感情に振り回されるだけの余地がある"人間だ"。―――――― ほんの少しの親近感を覚えながら。

「―――――――――――― 特別強襲部隊『D.O.T.A』。世界警察の傘下に在る人殺し特権部隊」
「羨ましいなぁ、同じ"特権"持ちでも、俺やアンタは『人斬り』、向こうは『市民を守る英雄』様、まるで世の中の理不尽の縮図だ」
「アンタ、そいつらに手傷を負わされたんだらぁ? 可哀想に、俺もあいつらもやっとることなんて大差ねぇってのによぉ」

「『俺も』だ。やりあっとる、あいつ等と」

つらつらと、そう述べた。情報将校から聞いたものではあるが、この様子ならば、間違いはなさそうだ、と。
特別強襲部隊。殺人すらも許された、この世の何処を探しても想像しない凶悪な特権持ち警察部隊。それが、"帝國へと手を出した"。それも、士族の息子へと。
それは表沙汰にはならないだろうが、軍部の、特に"過激派連中"には千里を駆けた。勿論、久慈辰則所属の第五師団にも、確りと。
そして、それとほぼ同時期に、久慈辰則もまた『D.O.T.A』と交戦している。で、あればそれもまた、"手離しで如何にかできる案件では無い"。
……まぁ、厳密に言えば久慈辰則の事件は、此方側から襲い掛かったのではあるが、それはそれだ。"事実は都合よく捻じ曲げられることの方が多い"。

「抉れるぜ、"この話"」
「既に軍部の過激派共が動き出してる。俺のところの師団長もそよ。血の気の多い連中が浮足立ってる」

「用事ってのはただ一つだ。"身の振り方を考えておけ"。それで終わりよ、俺にはこの言葉の意味は"よく分からん"がね」

で、あれば。後は、彼の身の振り方次第で、帝國軍部の意見も一変する事すら有り得る。
ただ、一つ言える事は。この騒動、"静かに終わる事は無いだろう"、ということか。
138 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 02:11:28.23 ID:1TbC3zdW0
>>137

「―――――『人殺し』が偉そうに、正義正義と『燥ぎ』なさんなって奴よ。」
「ま、それを『殺し損ねた』俺が言うのも。はなはだ『滑稽』じゃあるがね。」

『そう言うことか』。と、彼は男の――――久慈の語る言葉を頭の中に反芻しながら、理解した情報を組み立て、『論理的に』結論付ける。
つまりは『自分の肩書』を使って『一悶着』起こしてやろうという腹積もりか。彼の特性上世論の情報は耳に入りにくいのだが、『過激派』と言うのは実に『清々しい』。
いやらしい金の絡む問題なんぞに利用される話であったら迷わず帰れと吐き捨てていた。だが、目の前にいる久慈と言う男と、男の語る『経験』の話し。
つまりは―――――『男も』彼と同じように『そうしたい』と、僅かばかりは考えているのだろう。彼にとって好意的な解釈ではあるが、そう理解する。
その時、僅かばかりに驚愕に驚いた目と、そして『DOTA』なる組織に向ける『殺意』の片鱗を左眼に宿し。虚ろな右目を隠そうともしないままに彼は返答を『返す』だろう。

「じゃあ、その『師団長』に伝えておいてくれよ」
「『やられたまま』じゃあ――――――『恰好がつかねぇ』よなぁ?」「って。」

「『久慈』………お前も『そう思う』だろ?」

ギプスを『砕き』。其処から現れたのは『弾痕が無理矢理に塞がった』かのような傷をした右腕。傷はあらゆる場所についており、指に至っては今の行為で傷口が開いてしまった。
そんな事は些事であるかと言う様に彼はその右手を自らの右目と重ね合わせ、いつかの幻痛にふつふつと沸き上がってくる『久方ぶりの感情』の断片をかき集めながら、血塗れの地面にも構わず座り込み。
『右腰の近くに軍刀を置いて』。彼は続けてこう言った。

「――――――『どんな奴』だった。」

殺意の共有。彼の生きてきた生活において、他者を最も理解することができる方法は『相手の殺意』を理解することであるという事を学んだ。
彼は只『友』に接するような馴れ馴れしい、それでいて大仰で、お調子者の毛が強い『言葉』。幾つかの『記号』を持ち寄ることで、それを『聞こう』とするだろう。


偉い奴が言う―――――『情報共有』ってやつだ。
139 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 02:16:14.39 ID:WxdFeLFno
>>138
/申し訳ない、凍結をお願いしてもよいでしょうか……眠気が……
140 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 02:18:52.06 ID:1TbC3zdW0
>>139
//了解ですー。
//自分夕方からならいると思うので、其方のペースでお返しください……!
141 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 02:19:58.16 ID:WxdFeLFno
>>140
/了解です、ありがとうございます……それでは一旦乙でした!!
142 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 21:07:06.90 ID:WxdFeLFno
>>138
「―――――――――――― 応、応、そう"来なくちゃ"なぁ」
「嘗められっぱなしで終わるなん、つまらんわ。俺達ゃ神兵、俺達ゃ官軍、なんだからよぉ」
「そんな俺達に逆らう、正義を語る賊軍は、"ぶった斬ってやらんとなぁ"」

まるで、手に取るように。そう言う返答が来る、というのが分かった。何処か、彼と自分は似ていると、久慈辰則は思っていた。
自分であっても、同じ返答を返すだろう。これで、"良い土産話"が出来たと嗤う。瞳に除く殺意を垣間見れば、そしてその腕に刻まれた数多の傷を見てみれば。
きっと、彼は"止まらない"筈だ。仮に自分達が止めたとしても、彼は間違いなく、味方を斬ってでも歩き出す。"それでいい、そういうものが必要なのだ"。
それに、そう。『やられたままでは格好がつかない』。横暴には、支配者ぶりたい者達には、『やられたら徹底的にやり返してやらなければならない』。

「既に『第五師団』の動きに併せて、北の『第七師団』、南の『第九師団』も動き出しとる」
「零号側の連中の動きは良く知らんが、幾つか動いとる奴等もおるらしい……後は、『動き方』次第で、燻っとる奴等も目を醒ます」
「―――――――――――― そして、"よく分からん奴等"も。こいつらのことは良く知らん、師団長もだんまりよ……だが、一つ言えるのは」

「戦争は、"何時の時代も望まれてるもんなんだよ"」
「楽しいなぁ、今じゃこれに乗じて満州や台湾をもう一度乗っ取ってやるなんて話すら出とる。この世界は、また"混沌の渦に飲みこまれる"」

今までに何度もあったような、肩透かしなことにはならないだろう。きっと、この世界はまた"暴走する"。
正義を謳った暴力機関から、飛び散った火花を種として、それは世界を燃やし尽くす焔にすらも成り得るだろう。
そして、その"火種"共の欠片の一部の情報共有。確かに、一部とはいえ、それは持ち帰るに越したことはない情報だ。"それに、個人的に共有しておくべきだ"。

「刀を持った雌ガキよ。少し厄介な刀を持った……あれは"精神汚染"か。それも"帝國人"」
「調子こいたガキには拳骨喰らわせてやらねぇとな……まぁ、向こうは俺の剣は"これっぽっちも覚えてられねえだろうがよ"。そっちは?」

結局、その時に交戦した者は他の依頼によって殺すまでには至らなかったが、"次に会ったら格段に殺せる可能性は上がる"。
自分は相手の剣を知っているが、相手は自分の剣を知らない、"絶対に自分の剣は覚えていない"。その情報優位は、戦場に於いては圧倒的な有利に働く。
そして、彼の"それ"を聞いた。彼ほどの人間が、右眼を奪われるほどの人間なのだから、それなりに実力者であることは分かるが。

/遅くなって申し訳ありません……返します!
143 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/02(火) 21:43:25.33 ID:fvP3mbEao

あ。

白い息とともに、声が漏れた。ふわりと広がり、宙を舞う。
今日も旅人は風に流されるがままに歩き続けていたが、気づけば閉鎖された遊園地にいた。
旅人の悪い癖で、自分が何処を歩いているのかわからなくなることがある。
そして何処にいるのかも、わからなくなる。けれども、それはそれで楽しんでいから悪癖が直らない。

"動かないんじゃ、つまらないなあ"

時間の止まったアトラクションを群れを見て、旅人は"ほお"と溜め息を吐く。
風が毎回楽しい所へ導いてくれる訳はない。どうやら今日はハズレの日だったらしいと、旅人は思った。
けれども、折角こんな所へ来たのだから、少しくらいは楽しんでいきたいものだ。
そう考えた彼女は、弓を外套から、するりと取り出す。
矢を番え ― 器用にも、一度に3本 ―― 上体を大きく反って、真上を向く。矢を放った。

"バン"

"バン"

"バン"

花火というのは地味な、小さな、赤い炎が3つ爆ぜる。
旅人も不満気に肩を竦めた。これしきでは、ここの活気を取り戻す事は難しそうだ。
-------------------------------------------------------------------------------------
それから少しした頃合い、今日はここで野宿をしようと決めて、ステージ広場のベンチに座っていた。
焚き火の小枝を集め終え、マッチでと新聞紙の束で火を付ける。
缶詰のスープを火の近くに置いて温めている最中だ。今晩はトマトスープと豆だ。


/どこのタイミングでも絡んでくださって大丈夫です。本日は25時までロールできます。
144 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 21:46:36.25 ID:1TbC3zdW0
>>142

「―――それが『視えず知られず』の『真骨頂』ってか?」

「『裏切り者』の『始末』なんて、『いつもと何もかわりゃ』しないな」

そう、この男も彼と同様に一度『苦渋』を舐めている。いや、恐らくは『彼よりも』。
久慈の『人斬り』は『人斬り』であれど達人たれず。体質の関係上ウェイトはあちらの方が上なのだろう。
幾ら途中で『依頼』が入ったとしても、男でも殺しきれぬ『精神異常者』。……彼にそう評されるとは、そいつは『よっぽど』と言わざるを得ない。
もし『それ』と会い見えたとしたら、彼は一体『何処まで』殺せるだろうか。まぁ、男の能力―――だと理解しているそれがあれば、『次は殺せる』という謎の確信も『感じて』いたが。
『人斬り』が『個人』を指して、『やり返す』と言っているのだ。例え『厄介な力』を持っていようと、そんなものを『使われる前』に『切り捨てて』仕舞えばそれで終わる。
        ・・・・・・・・・・・
大戦争。かつて彼の祖父が経験したそれの『再来』。いや、それよりもまたより酷いもの。我ら『帝國』がもう一度『帝國』として『帝國』たれる『世界』。
神風、神兵、官軍。そのどれもが『彼の実体験』には存在しない。ありとあらゆるものが平等であり、命を斬れば人が死ぬ。そんな『考える必要のない世界』は、彼にとってある意味では『理想』とも言える。
人を殺してさえいれば自由なのだ。戦時中であればどのような事でも『正当化』出来る。例え『快楽』で『殺し』をしようと、やり続ければ名誉勲章だ。
ゴクリ。唾をのんで、僅か一瞬の夢想。嗚呼、『なんて無意味な』思考だろうか。彼には必要とされないそれを『してしまう』のは、『可能性』の悪戯で……。

「『腕を兵器=xに変える『野郎』だ……。『精神がイってる』って点じゃあ、そっちのガキと『似たようなもん』かもな」
「俺の『胸中一突き』で『殺し損ねた』面倒な奴だ。」「ついでとばかりに右目まで持ってかれちまったが」
「まぁ、奴の『底』は『視えた』」「次は『変わる前に』『斬れば』仕舞いよ」

「それに、な。」
「―――俺は一度も『右』で『抜いて』ねぇ。」

既に『開いた傷が塞がり始めた』右腕を地面にたたきつけ、鈍い音を静寂の中に響かせながら、彼はそう『宣う』。
傷口が再度開くかと思いきや、右腕に名何の損傷も見えず、且つ『地面』は確かに陥没する。軽く殴る様な、たったそれだけで『人を砕く』事は可能なのだと、自身の力の一端を言外に説明しながら。
そう、彼が不覚をとった原因はたった一つ。相手の能力を知らなかったということであり、自身の『思考』を放棄して『斬り殺そうと』したことにある。
そのお蔭で彼の右目は失われてしまったが、それは必要な犠牲。幻痛の如く疼く右目の痛みすら、今では少し『心地よく』。次は『斬れる』と、男に向かって断言≠ナきる。

――――最後の言葉。男なら理解できるだろう。彼が真に『振るう』腕は、『右腕である』。そういう事だ。
145 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 22:14:50.64 ID:WxdFeLFno
>>144

「応、俺の剣は"人斬り"の剣。外道の剣。闇夜に溶けて、闇夜に消える」
「"暗殺者"に"情報を抜かれる事"。その恐ろしさを、確りと"刻み込んでやる"っつう話よ」

次は殺せる、という話であれば。恐らく、彼も同じことだろう。
"腕を兵器に変える男"、イカれているといえば如何にも異常なように思えるが、何せ相手は殺人部隊、"まともな方が少ないのだろう"。
彼のような男が、剣を当てながら、右眼を奪われた上に、仕留め損ねたと言うのだ。技量は恐らく相当なものなのであろう、が。
"暗殺者"に情報を抜かれる事の恐ろしさ、それは恐らく、彼にも言えることなのだろう。そして、彼もまた、"相手の知り得ていない力を持っている"。

「で、あれば。"次は殺せる"な」

地面が震えた。恐ろしいまでの力であった、その腕は、ただ叩き付けただけだと言うのに、"地面を陥没させている"。
久慈辰則の力は脆い物で、精々そこらの軍人程度と同程度だろう。その、桁違いの膂力に、或いは"恐怖"すらも感じさせられる。
これだけの力さえあれば、次は間違いなく"殺せる"だろうというのが、男の見立てだった。寧ろ、それで出来ないなんてのは、余程の"奇跡"でも起きない限りは出来はしない。

―――――――――――― 話はこれで切り上げても良いだろう。

必要な情報の交換は終わった。であれば、自分達は暗殺者なのだ、長話をしている暇は無い、と。
協力の意思の有無を聞き、手に入れた情報を持ち帰る。それが、師団から直々に課せられた久慈辰則の任務だった。
故に、袖無し外套を翻す。少女の死体を一瞬だけ見下ろしてから、血塗れの路地へと、一歩踏み出すと、血だまりの一つが飛沫を上げる。


「―――――――――――― D.O.T.Aを疎ましく思う国は、そこら中に、幾らでもある」
「人権派の団体は表立ってあれを批判しているし、帝國だけじゃねえだら。"祖国"、"合衆国"、"民国"、"逆鉤十字の国"」
「D.O.T.Aを潰したい奴等に、この機に乗じて他の国を潰したい奴等。正義気取ってそれら全部を止めようとする阿呆共」

「いろーんなもんが、絡み合うことになるぞ。嗚呼―――――― "ワクワクするなぁ"」

「俺は帰って師団長へと此の事を、包み隠さず報告する……じゃあな、"貴島の旦那"。"戦場で逢おうや"」


そうして、彼が引き留めることが無ければ。男は、夜闇の中を疾駆し、数刻と経たずしてその姿を闇へと溶かすだろう。
戦争の、種火を。その手に抱えながら。
146 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/02(火) 22:23:51.73 ID:1TbC3zdW0
>>145

「――――おうよ。『また』何処かの『戦場』で」

程なくして、男の気配は完全に消える。僅かな血の跡と、少女の死体。『それの雨覆は何色だったか』なんて、どうでもいいことを考えながら時間は『進む』。
次の仕事はいくつも残っている。貴島と言えども只の人斬りで、それらを使おうとする上は多い。彼が『尋常ならざる』蛮刀であるのだから、それは因果だ。
処理班を待つ間の、刹那にしては長過ぎて、話と言うには早すぎる。そんな『一瞬』。種火を抱えて走る男は――――やはり『視えない』。




――――俺の『名』を。次に『合う』時は、『晒して』見るのも『一興』かもなァ。


//こんな感じで〆でしょうか
//お疲れ様でした………!!
147 :【暗夜辻斬】 [saga]:2016/02/02(火) 22:26:19.36 ID:WxdFeLFno
>>146
/そうですね、お疲れ様でした!
/絡みありがとうございましたー!!
148 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [saga]:2016/02/02(火) 22:26:55.05 ID:LWknOgBw0
>>131
捉まえた少女の体温、息遣い、そして濁らない眼差しが、鼓動を昂らせる。
今、自分は生きていて。この少女を、手にかけようとしている。その状況が狂おしいほど愛おしい。至福のひととき、とは正にこのことを表す慣用句なのだろう。
もちろん“このナイフでは”殺せないことがわかっている。でも、だとしてもこの手汗で滑りそうなこのククリナイフを、この少女に当てた『次』にも、また新たな楽しみがやってくることを、自分は知っている。

「嗚呼、蕩けそう―――今この時この場にいる、貴女と僕が愛くるしいぃ♪♪」

少女の言葉など聞こえやしない。これは自分だけの知る世界。それは、他へ拓かれることのない自分の場所。
そこに辿り着かない彼女の内面には興味が甚だ無い。ただ僕の欲求を満たしてくれさえすれ――――。


―――150km/h。野球における一流投手の放る球。いや、それよりもあの鉄骨の質量を考えれば、夜間の高速道路でかっ飛ばすマフラーのついた車の方が、場面に適しているのか。
いかにせよ、初速でそれを出せるものなど、物理学上存在しない。

鈍い音が頭で反響し続けている。頭の上で、大きな影が横切った。
しっかりと見てはいないが、自分の背後にある廃墟の柱に衝突したのろう。
少女の身体にがっついて、伏していなければ頭どころか上半身を飛ばされていた。

―――あれを喰らう痛みもなかなか、魅力的だったが。
やはり死んでしまうには惜しい。まだ自分は『ここに生き切っていない』のだから。

「今のは流石に危なかったよ。―――でも、僕にはまだ、楽しみが待ってるからさぁ……♪♪♪」

死を惜しむのは生を惜しみたくないからこそ。
かくして、自分の生を知らしめるもの。それが『痛み』。

少女の真っ白な肌に、青々と浮かぶ頚動脈。
彼女はこれを、右のククリナイフでじわりじわりと切りつけようとする。
もし成功すれば、その痛みは少女ではなく、彼女の『心』に染み渡る。もちろん、首元に切り傷はひとつもできない。
その代わりに、少女の『古傷』という名の経歴のひとつを、彼女が知ることになる。

149 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/02(火) 23:14:08.83 ID:AIeGE92Do
 薄暗い住宅街の小道。
その中でも特に人通りの少ない、公園側の道を通る人影が一つ。
『学園』の制服を着ているが、学生の帰路には少々遅すぎる時刻だ。

「まったく、まさか資料室の整理でここまで遅くなるとは思わなかった、安請け合いはするものじゃないな」
「まあ、良いか。 こんな月の下を歩くっていうのも気分がいい」

 そう呟く青年は少し疲れたように、しかし言葉通りどこか気分よさ気に空を見上げる。
夜空に浮かぶ銀輪は、そんな青年を優しく照らす。
 浮かび上がる青年は短く切った髪をアシンメトリーに揃えており、前髪が一房白くなっている。
顔立ちは一言で言えば凛々しい。 しかし、その目はどこか優しさを秘めている。
私服が認められているのに、制服を着崩すこと無く着用しているのは、青年の真面目さの現れだろうか。

「しかし、"『銀輪の光剣』を肌身離さず持ち歩け"だなんて親父もどうかしてる」

 そんな青年だが、持っている物の中に一つだけ異様なものがある。
腰に帯びた一振りの西洋剣。ロングソードに分類されるだろう大きさのそれは、学生が持っていて良いものではない。

「"アリアンロッド様に選ばれた者の責務だ"だか言っていたが、まったく時代錯誤も甚だしい」
「それができる『学園』も『学園』、この街もこの街だな。 まさかまったく気にもされないとは思わなかった」

 現当主である父の鶴の一声で、青年は最近この街へと越して来た。
それまでは能力者などと無縁な生活をしていた青年にとって、能力者はまだ物語の中の存在だ。

「"能力の研究とそれを利用した世界の発展"だったか。 まさか俺が関わることになるとは思わなかった」

 そう言うと剣を抜き放ち眼前に掲げる。
その刃には月のレリーフが刻まれており、持ち手の部分にも象嵌や宝石により細やかな細工が施されている。
それだけで、一財産になりそうなほどのその剣『銀輪の光剣』は月明かりに輝き、より幻想的な輝きを放つ。

「いつ見ても綺麗なもんだ、家の宝物だけはある。 しかし、月の美しさには負けるかな」

 剣を鞘に納めると夜空を見上げる。
月を眺めながら帰る彼の家路は、まだ長くなりそうだ。

/
/寝る前に置いておきます。
/絡み待ちです。置き進行で良ければよろしくお願いします。
150 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/02(火) 23:47:38.16 ID:XQLsYmQjO
>>149

月の光が照らす穏やかな夜、けれども夜に皆が皆、寝静まっているとは限らない。
路地の奥から聞こえてくる、小さな、けれども確かな騒音。人の声や足音や、その他諸々が混ざったような音が聞こえてくる。
こんな時間に、こんな場所で騒いでいるような人種というのは、いつの世だって大抵は決まっている。
それは不良だったり、チンピラだったり、確かなのは平和な夜を過ごすには、絶対に関わらない方が良いということ。
けれども“それ”は、そんな判断をくだすような時間も与えずに訪れた。一際大きな――爆発音と一緒に、“それ”は路地裏から勢い良く飛び出してきた。


「――ぅおっとぁ痛ッッ!!?」

爆発音と冗談みたいな煙の中から、転がるように――というかグルングルンと転がりながら小道に姿を現したのは一人の少女だった。
ポニーテールの黒髪、黒い瞳、そして『学園』の制服に身を包んだ、どこにでもいるような風貌の、ただの少女。
ただ、その容姿に一つだけ非凡な点があるとすれば、それは彼女の右手に握られているものだろう。
それは――紛れもなく本物の西洋剣。それも刃先から柄に至るまで、全てが真紅に彩られた、明らかに“普通”ではない得物。
そんな剣を握りながら、少しの間だけ地面に転がってウンウン唸っていた少女は、すぐにその剣を杖にして立ち上がる。

「……痛つつ。野っ郎、最後の最後まで能力隠しやがって。もうちょいでぶん殴れてたってのによ」
「あー……服も汚れちまったし、結局逃げられてしまったし。ついてねえなあ今日は……っと、ん?」

恐らくそれはこの街では何でもない日常風景。能力者同士の喧嘩が、たった今終わったばかりの場面。
そしてその喧嘩の当事者であったに違いないであろうその少女は、服の汚れを払いながら周囲を見渡して――そこにいる青年の姿を目撃するのだった。
まずは青年の顔を、そしてその次に腰の鞘を見て。ほんの一瞬だけ警戒するが、すぐにその服装を見て、安堵の溜息を吐く。
同じ学園の生徒だと判断して、それなら多分警戒する必要もないだろうと。けれども無視するのもなんなので。

「あ〜〜……えっと……、こんばん…わ?」

頭を掻きながら、ちょっぴり困った風に挨拶してみるのだった。
まあ、夜道を歩いていたところに、突然衝撃的な登場を果たした彼女に対して、青年がどんな反応を示すかは想像もつかないが。
とりあえず、面倒なことになる前に走り去る準備だけはしておこうと、無意味に足に力を籠めてみるのだった。

/新規でロールも久しぶりな者ですが、宜しければ……
151 :【不動念動】 [sage]:2016/02/02(火) 23:51:38.01 ID:HRL8IBYnO
>>143
/すいません!あと15分後には帰宅できます!ほんとごめんなさい!
152 :【不動念動】 [sage]:2016/02/02(火) 23:52:43.05 ID:HRL8IBYnO
>>151
/ぎゃ!安価ミスです!>>148さんです!
153 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/03(水) 00:03:00.71 ID:4pDnIuQZ0
>>151-152
/了解です。お気を付けてお帰りくださいな
154 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/03(水) 00:31:24.82 ID:m3kabBOvo
>>148

「……ちっ、とんだ狂人ですわ」

目の前の狂人と、私という狂人。同じ世界を持っているかもしれないが、目の前の”これ”は理解できない。
狂っていたとしても理性はあるし、会話はできる。それでいて衝動に身を任せる為に画策する、それが私だ。
だが目の前の”これ”はなんだ? 自身の世界で完結し、その為に外界を壊そうとする”破壊者”そのものか。

「――――ぁ」

自身の身体に抱きつかれ、二人の距離は近くなる。必然、彼女の放った鉄柱は空を切り背後の柱へ激突する。
例の寝床がガラガラと音を立てて崩れ落ちていた。だからなんだというのか?

「ひ、ぁ――――やめ、なさい!!!」

ずぶり、と軽く首筋にククリナイフが刺さる。その時、感じたのは痛みではなかった。
脳裏に、精神に直接的に打ち込まれる”古傷”という痛み。くらくら、世界が廻る。

「やめて、やめて……やめて……っ!」

どん、と目の前の狂人の胸を叩こうとする。されどその細腕に力はなく、蚊にでも刺された様なものだろう。
儚くもか弱い、白百合の様な乙女の撫でだろうか。はたまた病弱の翳りを纏う退廃者の嘆きか。

”古傷”は断片的だが、確りとその形を投影していく。
『死ね』『殺す』『愛してあげよう』『やはり死ね』『失敗作』『道具』『愛玩』『代替品』
誰の言葉で誰が私に何をした? 胸糞悪い、翁の下品な笑みは誰のもの?

「許して、許して――――ぁ、離れ……て!」

叫びの後、今度は周囲の鉄柱、瓦礫等が複数宙に舞う。数にしておよそ5つか。
先程同様に疾走し、今度はより精密に、それでいて対象に損傷を及ぼすまで操作しきると意識して。
受けるか、弾くか、あるいは少女を”この場から動かすか”。何れかの選択肢で飛来物は漸く動きを止めるだろう。

/大変遅くなりました! お願いします!
155 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/03(水) 00:39:16.65 ID:4pDnIuQZ0
>>154
//すみません……こちらの書き方がべらぼうに悪かったです……
//『自分の攻撃で傷を与えると、攻撃が無効化されその痛みが自分に返ってくる』『痛みが返ってくるごとに攻撃した相手の情報を知ることができる』能力なんです……
//詳細は御手数ですが下記URLを参照していただければ……本当に申し訳ありません

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/42896/1450977027/599
156 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/03(水) 00:47:52.01 ID:m3kabBOvo
>>155

「……ちっ、とんだ狂人ですわ」

目の前の狂人と、私という狂人。同じ世界を持っているかもしれないが、目の前の”これ”は理解できない。
狂っていたとしても理性はあるし、会話はできる。それでいて衝動に身を任せる為に画策する、それが私だ。
だが目の前の”これ”はなんだ? 自身の世界で完結し、その為に外界を壊そうとする”破壊者”そのものか。

「――――ぁ」

自身の身体に抱きつかれ、二人の距離は近くなる。必然、彼女の放った鉄柱は空を切り背後の柱へ激突する。
例の寝床がガラガラと音を立てて崩れ落ちていた。だからなんだというのか?

「ひ、ぁ――――やめ、なさい!!!」

ずぶり、と軽く首筋にククリナイフが刺さる。その時、感じたのは痛みではなく不快感。
痛くなく、傷が出来た様子もなく、只々不愉快なこの”感覚”。

「くっ……なん、ですの!」

どん、と目の前の狂人の胸を叩こうとする。されどその細腕に力はなく、蚊にでも刺された様なものだろう。
儚くもか弱い、白百合の様な乙女の撫でだろうか。はたまた病弱の翳りを纏う退廃者の嘆きか。

そして彼女の”古傷”は断片的だが、確りと貴女の脳裏にその形を投影していく。
『死ね』『殺す』『愛してあげよう』『やはり死ね』『失敗作』『道具』『愛玩』『代替品』
誰の言葉で誰が私に何をした? 胸糞悪い、翁の下品な笑みは誰のもの?

「―――――早く、退きなさい!」

叫びの後、今度は周囲の鉄柱、瓦礫等が複数宙に舞う。数にしておよそ5つか。
先程同様に疾走し、今度はより精密に、それでいて対象に損傷を及ぼすまで操作しきると意識して。
受けるか、弾くか、あるいは少女を”この場から動かすか”。何れかの選択肢で飛来物は漸く動きを止めるだろう。

/あっ、あっ(動揺)
/少し修正しましたが、こんな感じで良いのでしょうか?
/情報というのは能力なのか、キャラの過去なのか……!
157 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/03(水) 01:14:29.32 ID:4pDnIuQZ0
>>156
―――痛い。
痛い、痛、いったい。痛い痛い痛い痛い痛い。

「あ゙あ゙ぁぁぁッッ!!!??♡♡」

痛い。生きてる。僕、痛い。生きてる。痛い痛い。嗚呼、―――もっと、此処に、『居たい』。

苦しみと悦びが入り交じった悲鳴。それは、皮肉にも彼女の女性らしさを表す『喘ぎ』にも似ていて。
傍から見れば、何の理解もできないだろう。人が相手を刺した、でも痛がるのは刺した方なんて、冗談なんてものではない。
だから彼女は、だからこそこの彼女の悦びを、彼女だけの物としたのだ。
理解されない。愛されない。ここに居る意味がない。でも、『痛い』からここにまだ『居たい』と、願うことができる。

――それと同時に脳に流れ込む物がある。
知らない老人? 代替物? 愛玩具?
……これだけでは何も分からない。だが、これだけだからこそ彼女の興味を引く。

「あぁぁ……あはぁ………ッ♪」

だらしのない表情を浮かべながら、思わずナイフを落として両手で両肘を抱く。
―――結果、愉悦と痛覚に浸る彼女に、それらの飛来物は何一つ感知できず。
その五つすべてを、その体勢のままでその身に喰らう。
もちろん常人なら、ぺちゃんこなんてものではない。―――だが、『痛み』を知った彼女は。

「ッッッイ゙ッッダァ゙ァ゙ァア゙ア゙アアイィィィイ゙イ゙!!!!♡♡♡♡」

その身体能力すべてを向上させていた。
もちろん、肉体における耐久力も増強されている。
彼女の能力の真髄、それは“痛みによる能力向上のサイクル”にある。
痛みを喰らえば耐久力を増し、更に痛みを喰らうことができるようになる。

最早重篤な精神病患者のような叫び声をあげ、興奮を示す彼女。
だが流石に連続した痛みを喰らった為に、行動をする余裕はない。
それは彼女が惚けている間、相手の少女は自由に動けるということ。
追撃も逃亡も可能だ。さあ、昂った彼女に、少女はどう相対するのか。


//大丈夫です!キャラページの内容から少しづつ掻い摘んで……くらいのイメージだそうなので、一度で全部が理解できるものではないようです
//とにかくご迷惑おかけしました
158 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/03(水) 01:35:12.55 ID:m3kabBOvo
>>157

痛い、痛いとひしと伝わる―――察するに、この狂い方は納得出来る。
他者の痛みを自身の痛みに変換する異能、究極のマゾヒスティック。

「いちいち気が狂ってるケダモノ……はぁ、とはいえ、私に無害って訳ではなさそうですわ」

ぐしゃり、ぼきり……普段なら、そういった拉げた音が聞こえるモノなのだが。
目の前で痛みの悦に入る狂人は五体満足だ。艶かしい声を出して、快楽に悶える姿は嘔吐感すら催す。

重ねて思考する。他者の痛みを自身に移し替え、その分だけ身体能力を上げる。
単純にそれだけなのか、痛みのサイクルだけのか。現状は分からないが……それはとても。

身体に彼女が受けた衝撃は少なくとも人を即死させる程度の悲劇だっただろうに。
それらは確かにダメージを与えていたが、今は悲しくも狂人の足元に転がるばかり。

「………うふ、なんて気が狂った能力かしら」

倒れた車椅子は”一人で”に通常通りに立ち上がり、彼女はずりずりと地面を這いながらそに座る。
ぱんぱん、と軽く衣服の汚れを払いながら―――彼女は、惚ける相手を見て。

「殺すか、生かすか……でも、もう少し楽しみたい気もしますわ。あれ、何処まで行けば、壊れるのかしら」

少しばかり車椅子で距離を取り、停止した後に嗤い顔。
そろそろ体力も危うい気もするが―――もっと、私も”悦に入り”たいのよ。

「はぁ……良いわ、理解したから。私が傷つけてあげる。好きなだけ、喰らいなさい……そして、壊れてみせて?」

息苦しい。こんな僅かな”運動”で身体が気怠い。だけど今この瞬間こそが”私の生”なのだ。
フロッピーハットをぎゅっと片手で握りしめて、ニィ、と下弦の月を口元に。

びゅん、びゅん、と彼女の周囲を先程同様に瓦礫や鉄柱が旋回する。今度は初速から最高速度だ。
少女はこのサイクルを緩めるつもりはない。旋回し、最高速度になったものから直線的な動きで放つ。
ストックは常に旋回し、瓦礫や鉄柱を弾丸の様に放ち続ける。近寄るのも困難だろうか。
幸いにして此処は廃虚――リロードの弾は無限と言える程に有している。

/了解しましたです……っ!
159 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/03(水) 02:09:54.78 ID:4pDnIuQZ0
>>158
やけに煤けていたタキシードは、更にぼろ切れへと近づき、夥しいほどに血が滲んでいた。
瓦礫の転がる地面へへたりこんでいたその狂人は、笑いを抑えることができずにふふふと声を漏らし続けていた。

「んふッ……あはぁ……♪」

だらりと伸びた右腕が、落としていたククリナイフを手探りに探し、拾い上げる。
よろけながらも不可思議な力によって立ち上がった彼女は、両足と左手で支えた前傾姿勢を保つ。それは満身創痍ながらも、アサシンを彷彿とさせるものでもあった。

「ねぇ……まだまだ、アソんで、くれるよネェ……?」

―――さて、彼女の能力について、まだ明かせていない部分がある。それは、『相手を傷つけた痛みが致死的なものである』場合のこと。
先程少女の頚動脈を掻き切ったものもこれに当てはまる。タキシードの彼女は死に至る程の痛みを受けた。
彼女の能力にとってそれは、―――『相手の能力を半分程度、使用できるようになった』ことを表す。

「僕も、それで、アソビたいなァ……ッ♪♪」

少女は辺りの瓦礫を周回させ、速度が充分に達してから最高速でこちらへ放つ。
ならそれを、半分の力で制御してみるならば。
約150km/h。その半分、単純計算で75km/h。
この速さなら、身体能力の上昇した彼女に避けられないものではない。

なぜか減速する瓦礫達を避け、少女へと迫るタキシードの狂人。
いち早く彼女の付随した劣化コピー能力に気づくことができなければ、またも接近戦に持ち込まれてしまう。
体力で劣る少女には、かなりの不利な条件だろう。
160 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/03(水) 02:37:39.23 ID:4pDnIuQZ0
//すみませんまたも睡魔が……申し訳ありませんが落ちますね
//明日明後日と長い時間が取れないので置きレス進行になると思いますが、それでもよければまたお付き合いください
161 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/03(水) 05:31:37.32 ID:m3kabBOvo
>>159 >>160
/申し訳ないです。落ちてました。置きレス進行ですと、こちらも助かります!
162 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/03(水) 19:14:02.07 ID:m3kabBOvo
>>159

「……鈍い?」

ありとあらゆるモノを旋回させ、最高速度で放つもそれは狂人の直前で鈍る。
こちらの制御が少し効いていない、かのような違和感。

「…………へぇ」

仮に”そうだと仮定”しよう――人の能力を奪う事が出来るのなら?
狂人の戯言なぞ、聞く気もしないが”それで遊びたい”と言ったのだから。
単純に考えて、自分が放った瓦礫や鉄柱は”同じ力”で制御され、減速している。

ならば厄介な事この上ない。人の能力を取るトリガーは恐らく……。

「見たところ肉体強化に、能力のコピー……なんだ、あなた強いじゃない」

だがそれがどうしたと言うのか。
接近戦を許さなければ良いし、こちらの能力を操ろうが”オリジナルに迫る”事は出来やしない。

「人のモノ、取るのは自由だけど……あまり、調子に乗られても、”プライド”というモノがありましてよ」

少女の能力は不動にして最強の念動力。器用貧乏で操るならば、覚悟せよ。
その場から動けば一度、効力は失う。不動故の最強を理解し、手繰れなければならない。

「―――――逃げるなら、いまのうちよ」

少女の手繰る瓦礫や鉄柱が勢い同じくして、狂人へと向かう。その数は常に5つ。
然し少女の操れる量は質量にして大型トラック一台程までならば自由に操れる。
つまり、加えて小さなモノならその数は指折り数えられるものではない。

貴女の視界を奪ってやろうと、更に釘が飛来する。数にするにも数えきれるものではない。
劣化能力で防ぐには、立ち止まりこちらの総数の半分までを操作出来る。
防がないなら、それら総てを受けきって接近を試みるしかない。

/いつでも返して下さい!!
163 :【銃装転快】 [sage saga]:2016/02/03(水) 20:06:51.15 ID:re8oEkii0

「ぐぐぐぐ…………。」

何の変哲も無い公園。深夜ともつかぬ時間帯だが人は居らず、ベンチに座る女が一人。
近年遊具は危険指定が多く、段々とその数自体を減らしているとはいえ公園は公園。幾人かまだ遊んでいる子供がいるかと思えば、そうでもない。
そもそも、この能力者の街では夜こそが『能力者』の闊歩する時間帯なのだ。当然、良識のある親であれば日が沈まぬうちに我が子を家に迎え入れるだろう。
故に彼女のような『どう考えてもアレ』な人物がこんな夜中に出歩けるのだが……。それはそれ、これはこれだ。

「はぁ……。」

今日何度目かも分からぬような溜息を吐いて、ベンチの隣に置かれたアタッシュケースの表面を撫でる。その表情は、あまりいい物とは言えない。
全身をロングスカートのメイド服――ヴィクトリアンメイドの外観をモチーフとした、行動に即したもの――に身を包み、頭にはお決まりのホワイトプリム。
念入りに手入れされているのであろうそれは、薄暗い子の夜でも街灯の光によく映える。露出している首や手はほど白く、落ち込んでいる様な表情と相まって、何方かと言えば物静かな印象を見る者に与えるだろう。

「今日も『運命のご主人様』 見つからないなぁ〜。」


――――なんて言葉が、その印象を『全て』ぶち壊すことにもなるだろうが。
164 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/03(水) 20:44:10.90 ID:Dvixj80Lo
>>150
 月を見上げのんびりと歩いていると、喧騒が聞こえてくる。
だんだんと近づいてくるそれは、気づいた時には遅く直ぐ側まで来ていた。

「なんだ、喧嘩か? ……いや、そう言えばこの辺りで殺人事件があったはずだ。 まさか……」

 その音に何事かと考えれば、頭をよぎるのはニュースで聞いた殺人事件。
詳細は語られていなかったが、そう言えばこの付近だったはずだ。
まさかと思い身構えれば、腹の底に響くような爆発音とともに横道から女性が転がり出てくる。

「……っ!?」

 そのいきなりの登場の仕方に、体は反応をすることができず。
まるで彫像のようにその場所に釘付けになってしまった。
その中でまともに動く視覚と聴覚をフルに活用し、何が起きたのか理解しようとすると。
女性は、『学園』の制服に身を包んだおり、剣を持っていること以外は見た目は普通の女子学生のようだ。
その顔に見覚えは無く、『学園』の規模を思い出し、記憶をたどるのを諦める。
耳に入ってくる言葉を理解するならば、"能力"、"隠しやがって"、"逃げられた"、などの単語から推察するに能力者が喧嘩でもしていたのだろうか。

「っふぅ……」

 どうやら、危険性はあまり無さそうだ。そう考えて、ようやく体から力が抜ける。
キョロキョロと周囲を見渡していた向こうも、こちらに気づいたようだ。
視線が腰の剣、自分の服装と移動した後、安心したように息をついたところを見ると向こうも自分と同じような考えなのだろう。
すると、あちらから声を掛けられる。 少し困ったようなその話し方は、実際あんな場面を見られて困っているのだろう。

「こんばんは。 良い月夜だな」

 相手から話しかけて来てくれたために、相手が同じような人間性を持っているとわかったために、心に少し余裕ができる。
だから、なんとかいつものペースで話を繋げることができた。

「こんなに月が蒼く輝くのは珍しいんだ。 喧嘩なんかより、月を眺めて見たらどうだ?」
「良い場所を知っているんだ。 そっちがその気なら案内してやる」

 と言って、直後に後悔する。 心に余裕ができたと思ったのは気のせいだったようだ。
彼の中で目の前の女性は、未だ危険性が残る人物で、できれば早く離れたい。
しかもこれではナンパをしているようにも聞こえる。一体自分は何を言っているのだと右手で髪をかき上げて苦悶する。
 しかし言葉を取り消すことはできない彼は、ナンパをして言葉を間違えたかと考えているかのようだった。

/大丈夫です!よろしくお願いします。
/今日は23:30くらいまで居ます!
165 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/03(水) 22:01:41.91 ID:3ra63XOeO
>>164

先に話しかけてから気がついた。相手からすれば、自分が不審者以外の何者でもないということに。
路地から爆発音と一緒に転がり出てきた上に、手には物騒な凶器。そんなのに話しかけられたら、普通はどうするだろうか。
そりゃ普通なら――逃げるだろう。少なくとも、その少女なら迷わずそうしていた。なのでこの青年も逃げ出すに違いないと考えていたのだが。

そんな予想はあっさり外れて、帰ってきたのはまるでナンパでもしているかのように軽い言葉。
少女はほんの少しだけ驚いて、その鋭い目を丸くした――のも一瞬だけだったが。

「そりゃ―――確かに、喧嘩よりはよっぽど有意義な時間の使い方に違いないな」
「しかしなんだ、そのベッタベタな誘い文句は……ちょいと、どうかと思うぜ?」

そう言って、少女はケラケラと笑いながら、今まで握り締めていた西洋剣を、腰に差した鞘にスラリと納める。
笑っているのは、苦悶の表情の青年をからかうのが半分。もう半分は何か面白可笑しかったので、純粋に。
そうして笑いが収まったならば、空になった両手を広げて見せる。
とりあえず、危険性はないですよ、と。まあ相手からすれば全然そんな風には見えないのだろうが。

「いやぁー……、とりあえず驚かせて悪かったなお兄さん」
「あ、いや、ただの喧嘩だよ。最近はここいらも物騒なようだけど、そういったのとは違うからそれだけは安心してくれよ」

まあ、能力者同士の喧嘩も物騒なのに違いないけどな――と付け足して。
そのまま少女は、青年の方に向かってスタスタと歩みを進めて、その距離をぐいっと縮める。
何が目的なのか、少女はじぃーっと青年の顔と、彼が着ている学園の制服を、覗き込むように見比べて。

「……あー、とりあえず。今日のことは先公には黙っといてくれるか?絶対面倒なことになるから」
「それから――お兄さん、誰だっけ?」

聞きようによっては、失礼極まりなくもない尋ね方。
少女にとっては、ただ単に顔を見ても名前が思い浮かばなかったから、尋ねてみただけなのだろうが。
まあ、そんな風に。マイペースなのか、それとも無神経なのか、少女はちょこんと首を傾げて彼を見つめる。
166 :【天刻射撃】 [saga]:2016/02/03(水) 22:49:27.37 ID:OE0HI/EVo
「……光学照準器は使わない。手練れはスコープの反射で敵の位置を特定して狙撃する。それに、アレを使うと頭の位置が少しだけ高くなる」
「戦場じゃ一粍でも頭を下げた方が良い。……まあ今回は、その心配はなさそうだが。これに関しては、俺がそうした方がやり易いからだ」

クリップで束ねられた銃弾を、古い小銃へと押し込んでいく。槓桿を押し込んで、遊底を閉じる。
とあるビルの屋上、二つの人影があった。一人は、柄の悪い中年のスーツ姿の男。見るからに堅気ではない、やくざ者だった。
もう一人は、軍服を身に纏っていた。帝國陸軍の軍服と袖無し外套に、古い長大な小銃を持った、正しく帝國陸軍の軍人のような様相をした男だった。
人間らしさを微塵も感じさせないような、酷く冷たい瞳を持っているその男は、傍らにいる男の質問に、丁寧に答えながら準備を進めていく。

「三八式歩兵銃の最大射程距離は大体二千四百程度。だが実際の人間の能力を加味して、まぐれで三百辺りが限界か」
「狙って撃って当てられる距離となるともっと下がる。恐らく百も超えればまともに当てられる奴は少なくなってくる」

そうして装填を終えた銃を持つと、男は其処に座り込み、左膝を立てる。
それから、左手で右腕の前腕辺りを掴み、左腕に小銃の銃身を乗せ、更にその左腕を左膝の上に乗せる事で、銃を固定する。
照準器の向こう側から、目標点を見つめる。三つの点が重なり合う、その遥か向こう側の景色―――――― そこを、睨み付け。

「―――――― だが、俺は一キロ以内なら当てられる。見ていろ、報酬分相応の働きをしてやる」

それから、そう言った僅かな間の後に、引き金を引く。乾いた銃声が響き渡り、遥か彼方の景色を突き破るように飛んでいく。
ザクリ、と。銃弾が側頭部を突き破る。対象は、またも高級そうなスーツを身に纏った年老いた男。この男とは、組を別とするやくざ者だった。
撃った後、双眼鏡を目元に当てて着弾を確認する。突然に脳漿をばら撒いた自分達の長に対して、慌てふためく組員たちの中に、血だまりに倒れる死体を見ると。

「さぁ、見事殺したぜ。約束通り、金はしっかり払って貰う」

満足気に、口元に笑みを浮かべて、傍らにいる彼へ。
銃声は聞こえ、目の良い者ならば発砲炎も見えるかもしれない。撤収には、もう少しだけ時間もかかる。
もしかしたならば。それを追いかけて、やってくる者もいるかもしれないが、果たして。
167 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/03(水) 22:52:12.81 ID:Dvixj80Lo
>>165
 自分のどこか間の抜けた言葉に、少女はケラケラと笑い剣を収める。
それで先程までの何処か張り詰めた空気は払拭された。
ひとしきり笑い終えた少女は無手であることをこちらに証明するかのように両手を広げた。
どうやら、無害であることを証明したいようだ。

「まったくだ。 どうやら俺にはナンパの才能は無いらしい」
「しかし、本気にしてないようでよかった。 まったく、人間焦ると何を口走るかわかったものじゃないな」

 取り敢えず、話がわかる人間のようだ。
その事実にこんどこそようやく心に余裕ができる。
髪をかき上げていた右手を首筋に回し、"ナンパをしたわけではない、ただ焦って口が滑っただけだ”と遠回しに弁明をする。

「本当にな。 あそこまで肝が冷えたのは久しぶりだ」
「喧嘩も良いものでは無いがな、まったく。 俺とあんまり変わらない歳だろうに、血の気が多いみたいだな」
 
 月でも眺めてろ。と喧嘩をしていたと言う少女に対して突っ込む。どうやらこの男は、どこか説教臭い人間のようだ。
しかし少女はそんな事は気にした様子もなく、間近まで近づくと青年をじっと見つめる。
何事かと思えば、教師に告げ口しないで欲しいらしい。 もし告げ口をした場合、どんな目に遭うかはわかったものではない。

「まったく、選択肢は無さそうだな。 わかった、俺も面倒事はなるべく避けたい」
「俺は二年の月守 零児(つきもり れいじ)。 それと、人に名前を聞くときは自分が先に名乗るのが礼儀だ、まったく」

 礼儀を欠いた質問に対して、律儀に答えつつ礼儀を教える。
その間中ずっと右手は首筋にあり、眉間にはシワが寄っているところを見ると、この少女に対して少々思うところがあるようだ。
それは青年の生真面目さと言うかおせっかい焼きと言うか、そういったものの現れだろうか。
それを相手がどう取るかは、少女次第だ。
168 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/03(水) 23:29:13.46 ID:Dvixj80Lo
>>165
/すみません、そろそろ眠るので凍結をお願いします。
/できましたら、また明日同じ時間帯にお付き合いください。
169 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/03(水) 23:31:54.57 ID:3ra63XOeO
>>167

「焦ったら何しでかすか分からない――ねえ。まあ、そういうことにしておくか」
「血の気が多いってのも、否定はしないけど。言っとくが先に喧嘩を売ってきたのは向こうだからな
俺は飽くまで、売られた喧嘩を買っただけ。別に好きでやってる訳でもねえよ」

青年の遠回しの弁明は笑って流し、血の気が多いという指摘に関しては澄まし顔で流してみせる。
説教のような台詞も、どうやら彼女は慣れっこのようで、しっかり聞いているのやら、そうでないのやら。
「俺」と言う一人称に、言葉の隅々から滲み出るがさつっぽさが、この少女の内面をよく現していた。

教師への付け口をしないと聞いて、嬉しそうに笑ってサムズアップ。その笑顔は年相応なのだが。
そして彼からの礼儀に関する説教のような言葉に、そういえば名乗っていなかったことを今更ながらに思い出す。
悪い悪い、そういや忘れてた――と頭を掻いて。

「俺は火蓮――紅乃 火蓮(こうの かれん)。学園高等部、一年生」
「……っつーことは、アンタの後輩って訳だ。んじゃ、これから宜しくなー先輩」

そう名乗って、少女改め火蓮は楽しそうに笑みを浮かべる。
それはただ単に、知り合いが増えたことを素直に喜んでいるだけであって。
まあ、こんな不良に名前を覚えられた相手からすれば、不幸以外の何でもないのかも知れないが。
そんな些細なことは、彼女からすればどうでもよくて。
何か思うところがあるらしい彼の様子など意にも介さず、握手の為に手を差し出そうとするのだが。

「……っと、悪りい悪りい。こんな手を差し出すってのも失礼だったな」
「つーか……めちゃ痛え。今更だけど肘とか肩とかめっちゃ痛え……!」

差し出そうとした右手が、煤や土で汚れているのを思い出して慌てて引っ込める。
そうしてすぐに、先ほどまで喧嘩の真っ只中だったことを思い出し、ついでに身体中の痛みも思い出す。
そういえば、服もだいぶ汚れてしまったな――と。色々と考えたくないことが思い浮かんでため息を吐く。
確かに彼の言う通り、喧嘩なんかよりは月でも眺めている方がよっぽど有意義だろう。性には合わないが。

「そういや――先輩はどうしてこんな時間に出歩いてんだ?
 夜の散歩ってナリでもなさそうだけど。まあ、俺みたいに夜間徘徊って訳でもなさそうだけど―――あ、もしかして補習とか?」

それこそ、火蓮とは一緒にして欲しくはないだろう。
火蓮は火蓮で、補習に出席するような真面目な人間ではなかったが。
とことんマイペースで、空気も読まない。グイグイと距離を詰めるような話し方は、彼女ならではのものだった。
170 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/03(水) 23:32:28.65 ID:3ra63XOeO
>>168
//了解しました、ここまでありがとうございました!
171 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/04(木) 18:30:25.49 ID:ADNwY7TA0
悴むように肌寒い北風の吹き抜ける、とある夜の公園。
雲間から覗く黄金色の月明かりは、薄暗い電燈よりも好く夜を照らしていた。
そんな閑散とした遊び場に、足を踏み入れる人影が一つあった。
肩甲骨ほどまで伸びた白銀のロングヘアに、つり上がった鮮明なターコイズブルーの三白眼。
そして最大の特徴として、ミニスカートのメイド服を着用した人物であった。

「…………」

大の大人でも懸垂できそうな丈の大きな鉄棒に着眼し、その傍に歩いて近寄っていく。
自分自身の背よりも頭一つ程度高いその鉄棒に触り、冷たい感触を確かめるように撫で付ける。
勢いよく左右に振り向いて、周囲に誰一人として居ないのを確認すると、鉄棒から距離を取っていく。
10歩ほど後ろ歩きで後退すると、鉄棒に向かって助走を付けてから跳躍する。

「――――――っ、と……」

跳躍が最高点にまで到達する辺りで腕を伸ばし、両手で掴まって握り締める。
腕を真上に伸ばしてぶら下がる状態から爪先立ちした両足で、地面を思いっ切り蹴り飛ばした。
くるりと掴まったままの姿勢で後方に一回転し、空中で逆上がりをしてみせる。
一回転終えた後も着地はせずに、更に回転を維持し続けようとする。

「ンフ、クフフ……ふはッ……ヒャハハハッ」

2度3度と出来て、つい調子に乗ったのか、幾度も幾度も後方支持回転を繰り返す。
加速に次ぐ加速によって、まるで空を飛んでいるような感覚さえも感じられる。
本人もやってて愉しくなったのか、やや奇声にも似た嗤い声を上げる。
恐らくその有様は、公園外からでも視覚的にも聴覚的にも目立つ気がする。

―――――というか、結構な近所迷惑である。
172 :【0】 [sage]:2016/02/04(木) 19:00:40.88 ID:Tuepp4zLo
>>171
メイド服の人物がひたすら逆上がりを続けている間、巡るめく風景に気をやる暇があったなら、いつの間にか今までそこに無かった物が追加されているのに気付くだろう。
人影である、いや、人影というにはハッキリと、詰まる所もう直ぐ其処に突っ立って見つめている奴がいる。
彼は無表情で、片手に持った紙袋から取り出したドーナツをモグモグと食べ、指に着いた砂糖を舐め取ってから、その指を差して一言。

「おい、スカートの中丸見えだぞ」

とか言いつつ、自分もじっくりと見る、戦闘で使える動体視力が此処でも役立つとは意外だった。
中身はパンツではないようだが、これはこれで中々いいかもしれない、とか考えつつ、視線は全く外さずにドーナツをモシャア。

「オレはスパッツ派だったのかもしれないな」
173 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/04(木) 19:21:58.09 ID:ADNwY7TA0
>>172

「…………ッッ!?」

加速によって、その身を鴻毛のように軽く感じて浮かれていたのか。
最初に視界の範囲内を見渡してからは、周囲に対して一切不注意になっていた。
小学生でもない好い齢なのに、大人げなく遊具で遊ぶというのは成るべく見られたくない姿だった。
不意に声を掛けられた事による驚嘆と羞恥からか、勢い余って鉄棒に前頭部から激突する。

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッ!!??!?」

唐突な衝撃に意識も肉体も追い付けなかったのか、棒を手放してしまう。
無我夢中になっていたからか、或いは手が冬の寒さによって乾燥していたかなのかは定かでない。
何にせよ、メイドは手を滑らせたまま落下に抗う事なく、後頭部を地面に強打した。
序でに落ちる際に両脚を振り回したことで、直ぐ其処にいる彼に対して、意図せず蹴りを繰り出す形になる。

「おッッ!?おぉおゥぉオぉぉぉぉ…………」

前方と後方から殆ど同刻に襲い掛かった激痛の余り、メイドは頭を抱えて転げ回る。
しかしそんな事は正直どうでもよく、鉄棒で全力で愉しんでいたのを見られた事の精神的なダメージが上だった。
因みに履いていたのはスパッツであったりする。
174 :【0】 [sage]:2016/02/04(木) 19:55:56.33 ID:Tuepp4zLo
>>173
「おお?大丈うぶへェッ!!」

失敗したのかなんか知らないが、思いっきり頭を鉄棒にぶつけたメイドを心配しながら駆け寄ろうとした青年。
しかし、そこに待っていたのはメイドからの強烈な蹴り、顔面に見事に入ったそれを御褒美だと言い張れる境地には至ってない青年は、奇声を上げてそのまま後方に倒れた。

「……ッ……!………ッ!………」

声にならない声を上げて悶える青年、一瞬にして地獄絵図となった公園だが、いつまでも二人で悶えているだけでは話が始まらないので少し時間が進む。
指の隙間からボタボタ垂れる鼻血を抑えながら、起き上がった青年は立ち上がる。

「……痛いな……何も蹴ることは無いだろう、スカートの中が見えてたのはオレのせいじゃないぞ」
175 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/04(木) 20:13:02.07 ID:ADNwY7TA0
>>174

様々なショックで寝転んでいた自らの躰を、鉄棒の縦に突き立てられた棒を支えにして起き上がらせる。
体力的には全然問題ない筈なのに、肩身で呼吸することで焦燥を落ち着かせようとする。
次第に涼しげな夜風に冷まされたか、クールダウンした思考で現状を把握する。
頭が冷静になっていくに従って、見開かれた眼球は血走り口角が歪んでいく。
青年の言葉を耳が受け入れて理解するような余裕など、ある筈もなかった。

「――――――――――――ッッッ!!」

先刻まで杖のように凭れていた鉄棒を片手で握り潰し、掌から鉄の破片をこぼす。
激情の儘に渾身の力で地面を蹴飛ばし、一秒とない瞬間で青年のいる直ぐ至近距離にまで詰め寄る。
今現在鉄棒を凹ませた、闇に紛れる程に僅かな紫電が迸っているその腕を、顔の方向に突き出す。
四本の指から形成される貫手の形状を、眼前の彼の鼻先近く程まで掲げる。
そして湧き上がる怒りに包まれた表情で、嫌にドスの利いた声で怒鳴り散らすのだった。

「いいィィィ〜か……クソガキィィィィ〜〜〜〜〜……???」
「テメェの声とツラァ確かに覚えたぜ?分かってンだろうなァ……あ゛ああ゛ぁァあァン!!?」

脅迫以外の何物でもない文句を吐くと、向けた指先をプルプルと震わせる。
成人するかしないか程度の齢の人間が遊具で遊んでいたのは、本人としては致命的なダメージだった
要するにメイドの発現を要約すると、言い触らされたり●インとかで流したら殺す、とかそういう意味合いである。
スカートの中身とかは本人的には心底どうでもいい。
もっとも自分から言及はしていないので、間違われても何も可笑しくもないのも事実だが。
176 :【0】 [sage]:2016/02/04(木) 20:33:00.03 ID:Tuepp4zLo
>>175
「!!」

メイドが立ち上がったかと思うと、次の瞬間自分のすぐ目の前に紫電迸る手刀が突き付けられていた、ギクッとした表情をして、支柱を握り潰された鉄棒が倒れるのを向こうに見る。
視線を暫し泳がせ、「あー、ええと」と鼻声で呟いてから、何やら芳しくない雰囲気のメイドに視線を戻す。

「ま、待てよ、わかったって、スカートの中を見た事はすぐ忘れる、ハイもう忘れた!これでいいだろ?」
「でもスパッツなら見たっていいと思うんだけどなぁ〜……あーいや!忘れた!忘れたぞもう忘れた!」

きっと恐らく、スカートの中を覗いた事を怒っているのだろう、例え中が下着で無くても女心としては恥ずかしい物なのだ。
そう納得して、焦り気味に青年は謝る、一言余計に付け加えている気もするが。
というかそもそもが勘違いだ、青年はメイドが鉄棒で遊んでいた事なんてどうとも思っていなくて、故にそれを恥ずかしがるメイドの気持ちがわかっていない。

「あー……いや、凄かったぞ、スカートの中じゃなくて、逆上がりが、プロの体操選手みたいだった」
「しかも凄く楽しそうだったし、邪魔して悪かったかな」

だから、取り繕う為のお世辞に言った言葉が、逆効果になるだなんて微塵にも思っていないのであった。
177 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/04(木) 20:51:03.53 ID:ADNwY7TA0
>>176

プツンっ――――――、と何かが切れる音が心中で聞こえた。
適当に流された事は如何でもいいが、メイドの口端はピクピクと動いていた。

「オッケー分かった、十二分に理解したわ……即死と窒息死どっちがいい?」

単純に低沸点なのか、既に青年に対して死以外の選択肢は用意していなかった。
再度失いかけた冷静を取り戻そうと、冬の冷たい酸素を取り込む為、深々と呼吸をする。
ふと目に入った彼の持っていた紙袋の内部へと勝手に手を突っ込み、無作為にドーナツを一つ頬張った。
数秒で一つを喰い終えると、もう一つ勝手に取り出して、またも直ぐに平らげる。

「……で、●ールデン●ョコレートない?」

先までとは打って変わって、平然としたような声色であった。
それのみを聞けば此れまでの怒りを総て忘れ去ったようにも思われる。
だが相変わらず表情は苛立ち混じりであり、眉間に皺を寄せて青年を睨んでいた。
実際の所、本人としても大した憤慨でもないのだろう。
178 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/04(木) 21:10:08.04 ID:IjkRvBQHo

「可愛いヤツ。」

猫の鳴き声が路地裏に響く。顎をくすぐられて気持よくしている時の鳴き声。
黒猫を抱く少女は、目を爛々と輝かせながらひとりで猫とじゃれ合っていた。
彼女は猫が大好きだ。いつも路地裏を徘徊する彼女にとって、この良き隣人はとても大切な存在だ。
他にもたくさんの猫の知り合いがいるが、今日はこのハンサムな黒猫とデートと洒落こんでいた。
時に頬擦りをし、きゅっと優しく抱き締めたりして、時間の過ぎるのを忘れる。

しかしふとした拍子に、黒猫は少女の胸から飛び出した。手を伸ばしたが、離れていってしまう。
慌てて追いかけた。そして黒猫が入っていった建物を見て"危ないからダメ!"と叫び声をあげてしまった。
そこはクラブハウスだ。扉は開けっぱなし。少女も駆け込んだ。

猫の鳴き声がした気がした ―― 痛そうな、誰かに蹴られた鳴き声が聞こえた気がした。
人間がすし詰めの空間に迷い込めば、アルコールに酔いしれた人たちはそれに気づきもしないだろう。
この騒音の中で、猫を蹴りながら踊り狂っているんだ。
喜々とした様子で猫を蹴り回し、脳の神経回路を麻痺させ理性を故意に低下せ原始的快楽に耽っている悪魔達。
猫の断末魔が聞こえる。こんな下等な生物の集団に囲まれたら、あんなか弱い生き物はたちまち絶命させられる。

「だから、人間は、嫌いなのよ。」

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クラブハウスの床は血まみれになっていた。外の道路にまで死体と血液が散乱している。
切断、串刺し、火傷といった傷を追った人間の亡骸たちの中に、アルミ合金の翼を広げた人外がいる。
全身を返り血で染め上げ、両肩で息をしながら、疲れ切った表情をしている。

「あら!」

その時、黒猫が死体の山から出てきて、彼女の前へと歩み寄る。
少女はまた満面の笑みを湛えて、黒猫を抱き上げた。


/24時までいます。凍結などは都度相談しましょう
179 :【0】 [sage]:2016/02/04(木) 21:13:36.31 ID:Tuepp4zLo
>>177
「おい、ちょっと待てよ、流石に理不尽だぞ!」
「スカートの中を見た事は謝っただろう!それにオレは偶然見ただけだって、お前が鉄棒で遊んでたからわるいんだぞ!」

どうして謝ってるのにこんなに怒られるのか、本気でわからない、そもそも自分からスカートめくりをした訳ではないのだ、これは不慮の事故だろう。
そう弁明する彼は、地雷原でタップダンスしているだなんてつゆ知らず、しかもまず、スカートの中を見たのも最初は偶然だが完全にガン見していた訳だし。

そんな事を言っている間に、紙袋からドーナツを掻っ攫われ、少しムッとしたが慰謝料として黙っておく事にした。
鼻血もいつの間にか止まっている、服で手に着いた血を拭いて、自分も紙袋からドーナツを取り出し食べる。

「すまん、これが最後だ」
「そして……もぐ、たった今半分無くなった、すまんな」

誠に申し訳ありませんが貴方様がお求めの代物はこの瞬間に目の前で半分程この男の胃袋に消え去りました。

「フレン○クルー○ーならまだあるぞ」
180 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/04(木) 21:18:10.62 ID:u4+pqkSho
>>169
 零児の言葉で自分がまだ名乗っていないことを思い出した少女、火蓮。
良く言えば男勝りな彼女は、何が嬉しいのか笑みを浮かべている

「そうなるな。 まあよろしく頼む」
「しかし何がそんなに嬉しいのか……」

 よろしくと言った後に小声でそう呟く。その声が火蓮に届かないように気をつけて。
その声が届いたのか届か無かったのかはわからない。
なんにせよ、火蓮は態度を変えること無く。右手を差し出そうとしてその手をすぐに引っ込める。

「確かに汚れたままの手を差し出すのも失礼だろうが、出しかけた手を引っ込めるよりはましだろう」

 そう小言を言っていると、火蓮は唐突に痛がりだす。
先程までの喧嘩の傷が今更ながら痛みだしたらしい。

「まったく……今の今まで痛みを忘れてたわけか」
「そのまま忘れていればよかったのにな」

 痛がってはいるが、余裕はあるのだろう。
溜息をつく火蓮は、痛みよりかも別のことに気が向いているらしい。
そんな考えを断ち切るためか、零児に対して唐突に質問を投げる。
確かに、零児のような人間がこんな時間に制服で歩き回るには理由がいるだろう。

「まったく、俺は補習を受けるほど成績は悪く無い」
「資料室の片付けを手伝うことになってな。 まさか資料室があそこもまで広いとは思わなかった」

 質問をするにしても、他に聞き方があるだろう。
零児の眉間の皺は更に深くなり、一緒にするなと言外に告げる。
火蓮のような距離感の人間と接したことが無いのだろう。怒りや不快感よりは困惑の方が色濃い。
そして、まだどこか痛そうな火蓮に対して。

「見たところ、大きな怪我とかは無いみたいだが……」
「打撲程度ならしばらく休めば痛みは引くだろう。 良い機会だ、ゆっくり月でも眺めてろ」

 ついてこい、近くに良い場所があるんだ。俺も付き合ってやる。
とこの男、絶妙に勘違いをさせそうな言葉で火蓮をいたわる。
本人にその気は無いだろうし、今回は気づいてさえ居ない。
彼の知るココらへんのお月見ベストスポットへと案内しようとする。
181 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/02/04(木) 21:30:22.99 ID:w1zzlhsd0
>>162
―――痛みを糧としその身を奮わせようとも、相手から受けた傷は無に帰すことができない。
ぜえぜえと荒い息を漏らしながら、ククリナイフを持たない空いた左手で右肩を抱く。敵を睨むその立ち姿も、がむしゃらさを失えばただの『よろけ』でしかない。
暗所のタキシードでも分かる、滲む赤。興奮のためか出血量もかなりある。

だがそのおかげか。今、意外にも彼女の逆上せた脳が冷めつつある。
狂気は止まることを知らない。しかしその形は確実に変わった。

周囲を取り囲む瓦礫らを前にして、気狂いの紳士服は密かに、冷静に、惚けた。

「ハァ、ハァ、―――じゃあ、逃がして貰おうか」

研ぎ澄まされた『凶器』は、冴えた『狂気』に変貌する。
少女は胸に、両手で構えたククリナイフを立てた。

『彼女は人に傷を与えることができない』。そして、『彼女は人に与えた攻撃の“痛み”だけを感じる』。
これを“自傷行為”に当てはめてしまえば、身体能力向上を“痛み”だけで熟すことができる。
そして、それは―――彼女の本当の『凶器』を、生むことに他ならない。

彼女は、瓦礫屑鉄釘木屑全てがその身に触れる前に、跳び上がった。
高さ3m級の大ジャンプ。それは、車椅子を取り戻した少女への接近。その近道。

しかしだからといって全てを避け切った訳ではない。目に付く大きなものは対策できるが、釘なんかはもう避ける術が思いつかなかった。この跳んでいる最中も、身体中に刺さって居るのだろうが……“痛み”はもう、手懐けてしまった。

“これ”を使ってしまったからには、少女の劣化コピーを失ったことになる。
だが、構わない。相手は紛れもなく強者で、“これ”を当てれば全て終わるのだから。

「“痛味”を、味わえ―――ッ!」

胸に突き立てたククリナイフを、思いっ切り引き抜く。
その刀身には、紅の代わりに迸る鮮やかな“朱”が染み込んでいた。

彼女の最後の切り札。それは、自害による“ナイフ”を顕現させること。
それもただのナイフではない。彼女が通常の攻撃では与えられなかったダメージを、与えることできるナイフ。
そのダメージ量は、『今まで彼女の感じた“痛み”の半分』。

彼女自身が狂った原因のひとつである“痛み”なのだ。見たところ、相手は体力に自身がありそうもない。
“これ”に刹那でも触れれば、卒倒しそうなものじゃないか。

捨て身で飛び掛る彼女を止めることができなければ、そこでこの『遊び』は、やっとのお開きを迎えることになる。
果たして、上手くいくのだろうか。


//音沙汰なくてすみません。置いておきます
182 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/04(木) 21:32:44.34 ID:ADNwY7TA0
>>179

「あ?まぁ別に●レンチ●ルーラーでも●々麺でも」

多少の質は胃袋に入りさえすれば関係ない。
何も其処までチョコレートに固執してる訳でもないので、残りを幾つか摘まむ。
昼過ぎから殆ど何も口にしていなかったメイドは、紙袋が空になるまで喰い尽すだろう。
吃驚した勢いで鉄棒に衝突させた額を摩り、またも深めに息を吐く。

「あー……ちょっとお前ケータイ貸してくンない?」

最早、鉄棒遊びの様子を目撃された事に関する逆上は何処へ飛んだのだろう。
当初の殺意をも込めた剥き出しの激情は見えず、
代わりに青年に対し、片手の平を見せて携帯端末を差し出すようにと促す。
メイドは、そう促す発言の前に自分の衣服を探る様子はなかったのだが。
183 :【0】 [sage]:2016/02/04(木) 21:45:25.72 ID:Tuepp4zLo
>>182
「おい、いくつ食う気だ」と言いたくなったが、仕方がないのでスルー。
立ちっぱでドーナツを食らう二人、異様な光景は数分続いて、紙袋が空っぽになった事で終了した。

「ン?ケータイ?」

空っぽになった紙袋をクシャクシャ潰して、ポイと近くのゴミ箱に放り投げてから、メイドの差し出した掌を素っ頓狂な顔で見つめる。
それから、青年も自分のポケットを探すなんて事もせずに、空の両掌を開いて見せ、掌に刻まれたQRコードを見せ付けるようにして。

「悪い、オレも持ってない」
「いや……『持っていた』のかもしれないな、無くしてしまったのかもしれない、しかし今は手元に無いのは確かだ」
「連絡がしたいなら公衆電話を使えばいいだろう、近くにあった筈だが」

このご時世でなんとアナログな人間だろうか、なんとこの青年は自分の携帯電話ん持っていないらしい。
少し煮え切らない言い方で呟くが、それでも、今現在持っていないのは確からしい。
184 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/04(木) 22:08:14.39 ID:ADNwY7TA0
>>183

「ンー……持ってねえのか、そいつァ丁度好かった」

もし青年が所持していた差し出していたなら、即座にデータの残らないよう破壊する予定であった。
例えば適当にはぐらかしていた彼が口頭で他人に漏らしたとしても、大した影響はないだろう。
しかし携帯端末で写真でも撮影されていたなら、確固たる証拠として残ってしまう。
それだけは最悪手に掛けるまでに至ってでも回避せねばならないかった。
万一SNSにでも流出された場合には、誇張ではなく街中血眼になって殺戮のため捜索する処であった。
だが何にしても、その心配が無くなったのなら居留まる理由もないだろう。
仮に彼の言葉に虚偽があったとしても、認識する術もないのも事実であるのだから。

「別にどうでもいいか……、そンなに問題ねえようだし、俺ァもう行くわ」

くかぁと小さく欠伸をかいて、腕先で雑に両瞼を擦りつける。
特段、此処に居留まる理由がないのなら早々に帰って寝床に付きたい気分であった。
コキリ、と肩身から脱力するように首を一回転させ鳴らすと、その場から遠ざかろうと歩いていく。

「――――――ま、野郎のスカートの中身なンざ、需要があるとも思えねえけどな」

ボソッと、それだけ呟いて女装メイドは帰っていく。


/こんな感じで〆でいいでしょうかね?
185 :【0】 [sage]:2016/02/04(木) 22:24:05.87 ID:Tuepp4zLo
>>184
「?」

訳がわからない、という風に首を傾げた、どうして電話が無くて丁度いいのに、人に電話なんて借りようとしたのだろう。
何であんなに怒っていたのかもよくわからないし、不思議な人間だと思った。
いや、単にこの青年が能天気過ぎるだけなのだが。

「……ん?お、おう……それじゃあな?」

「……って、男……男だと!?」

去り際に明かされる衝撃の真実、一瞬頭がフリーズする程の衝撃に、思わず大声を出して繰り返した。
人間の可能性は偉大だなあと思いつつ、トボトボと歩いて帰った。

/お疲れ様でしたー
186 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/04(木) 22:25:36.70 ID:ADNwY7TA0
>>185
/絡みお疲れ様でした!
187 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/04(木) 22:32:03.90 ID:ZmT3PDZhO
>>180

「……あ〜、なるほどねぇ。見た目通り真面目なんだなー先輩」
「あ、いや、勿論褒め言葉だぜ?何せ俺なんかそういうのとは無縁だからなー」

資料室の手伝いと聞いて、納得したように相槌を打つ。
当然、手伝いという真面目な発想が、火蓮にある筈もなかった。
その生真面目そうな性格といい、どうも青年とは全く真逆のタイプであるらしい。
しかし、それで変に距離感を開けようとするような火蓮でもなくて、寧ろ感心したような、尊敬するかのような目を彼へと向ける。
基本的にこの少女は他人が好きなのだ。ただ少々、血気が盛ん過ぎる節があるだけで。

「ん、打撲と擦り傷。骨や内臓やられてもないし、まだ軽傷の部類なんだけどなぁ……痛っ」
「……へ、月?……あぁ……まぁ、湿布の代わりにもなりゃしないと思うけど……」

頭上には疑問符を浮かべて、微妙に勘違いしたまま首を傾げる。
じーっと、ほんの少しだけ困惑した目で、先輩のことを見つめること数秒間。
ま、よく分かんないけどいいやと結論を出してしまう程度には、彼女は馬鹿というか思い切りが良かった。

「ま、今日は先輩の言う通りにするわ。考えてみりゃ、月見なんて久方ぶりだな」
「そんじゃ、エスコート宜しく!月見のスポットなんてさっぱり分かんないしな、俺」

深く考えないまま笑顔で快諾すれば、そのまま火蓮は案内されるがままに着いていくだろう。
殆ど初対面なのに、心を許し過ぎているような気がしなくもないが、きっと気のせい。
これでも、彼の善意を感じているのは確かなので。今はそれに甘えているのだった。
188 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/04(木) 23:04:12.59 ID:u4+pqkSho
>>187
 資料室の片付けをしていたと答えた零児に対して火蓮は尊敬するような目を向ける。
その目に対して、零児は少しい居心地が悪いのか肩をすくめる。

「断り切れなかっただけだ……」

その理由を呟く。それは風に流れて消えてしまい、火蓮に届くことはないだろう。

「座ってゆっくりしていろって意味だ。気分転換にもなるだろうしな」
「しかし、能力者同士の喧嘩というのはだいぶ盛大だな」

 先ほどの爆発を思い出し、そう火蓮に言う。
爆発が起きるような、骨折や内臓の損傷が起こりえるような喧嘩。
それを普通に受け入れている火蓮。きっと今までもっとひどい怪我をしたこともあるのだろう。
まるでバトル漫画だなと思う。骨が折れようが、血を吐こうが戦い続けるのだろうか。他に道を知らないかのように。

「すぐそこの公園だからな。ベンチもある」
「付いたら取り敢えず座ってろ、湿布は無いが水で冷やすぐらいはできるだろう」

 そう言い、来た道を戻り公園へと向かい出す。
始めは警戒していたというのに、今では無警戒で背中を見せている。
結局のところ、お人好しなのだろう。不器用な少女を見過ごすことができないようだ。
189 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/04(木) 23:15:00.19 ID:IjkRvBQHo
>>178
/時間間違えていました。25時までです。置きレスでもOKなので、どうかよしなに
190 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/04(木) 23:23:19.75 ID:ZmT3PDZhO
>>188

風に流れて消えた言葉は、火蓮に届くことはなく。
ただ、何となくそういう空気だけが伝わってきて、火蓮はほんの少しだけ首を傾げた。

ヒリヒリと痛む身体。傷みというものは、いつまで経っても慣れはしない。
けれども、能力者相手の喧嘩はもう慣れっこで。
例え呆れられてしまっても、そういうことは彼女にとって当たり前の日常であった。

「盛大というか、激烈というか。そりゃあ能力なしの殴り合いに比べりゃ凄まじいものだな」
「確かに冷静に考えてみりゃ、かなり危なっかしいよなぁ。下手すりゃいつ死んでしまってもおかしくないし」

まあ、俺はそんなヘマはしないけどなと少女は続ける。
今日は相手には逃げられてしまったが、それはつまり彼女自身も無事であるということで。
喧嘩慣れ――という奴だろう。何れだけやって、何れだけやられるか、そこら辺の匙加減も済ましているのだ。
まあ、そんな慣れなんて、決して褒められたものではないのだろうが。この喧嘩大好き不良少女には関係のない話。


そうして公園についたのなら、火蓮は近くのベンチを見つけて、そのど真ん中にひょいと座る。
腰に装備していた西洋剣は邪魔なので、外した上で足元に転がして。

「あ〜…………、疲れたぁ」

微妙に間の抜けた、情けない声を上げると、そのままベンチにグッタリと凭れかかる。
青年の支持通りに座って待っている途中、ぼんやりと視線は頭上に広がる夜空に向けて。
そこに浮かぶ月の姿を、少女はじっと眺めるのだった――確かにこれは、喧嘩よりも悪くないと思いながら。
191 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/04(木) 23:34:00.83 ID:u4+pqkSho
>>190
/すみません。眠気がヤバイのでお休みさせていただきます。
/できましたら、また明日まで凍結をお願いします。
192 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/04(木) 23:34:53.02 ID:ZmT3PDZhO
>>191
/了解しました、ここまで絡みありがとうございました…!
193 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/04(木) 23:35:00.52 ID:Dd7c3CPoo
>>178
「え―――?」

外から声
その主はクラブハウスの外から惨状を見た一つの生命だった

なぜ――?
どうして――?
そんな疑問符の後にレイに訪れたのは吐き気
たまらず口を押えてうずくまる――なにも出ない
一度逸らした視線を戻す――赤い
あれは、何だ?あの翼を広げた者は人間なのか?人間はあんな残虐な行いをしても笑えるのか?
理解らない―――

「どう…して……」

だから、きっとレイの顔は蒼白で
そんな言葉しか出てこない

//置きでも問題ないので是非!
194 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/04(木) 23:44:19.04 ID:IjkRvBQHo
>>193

足音の方へと視線を見やれば、ひとりの人間がまたもや彼女の視界に入った。
少女は、この光景を見た人間がどんなリアクションをするかを幾度と無く見てきたから知っている。
警察を呼ぶ/腰を抜かして動けくなる/正義心振りかざして襲ってくるETCETC
それらのどれをされても面倒臭い事になるのは明白だったが、彼女は気にするのすら面倒くさく思った。

「運がいいわね、人間。
 今は機嫌がいいから、見逃してあげる。」

"だから、私の至福の邪魔をしないで?"眉間に深いシワを刻み込み、睨みつける。
べっとりと血に塗れた銀髪は、風に吹かれてもちっとも揺れたりはしなかった。
まるでこの異常な光景を創りだした者の心を表すかのよう。
195 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/05(金) 00:02:14.43 ID:sODHmrRwo
>>194
睨まれた
赤く染まった銀は揺れず、言葉は彼女が人ならざるものだと言う
――途端に、怖くなった
レイは人型だ
彼女は人型だ
人をマネして作られて、人をマネして生きる生命体に過ぎない
そう、その点では同じなのだ

「レイは――人間ではありません」

だから、逃げない
一つだけ問いたいことがあるから

「ホムンクルス――恐らくあなたと同じ、被造物です
質問が、あります」

周囲に人間と認められても
根本的にレイは人ではない
だから、怖いのだ

「私達は――人ではないと言うだけで人に対してこんなにも残酷になれてしまうのですか?」
196 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/05(金) 00:18:34.13 ID:Z3HJ1GMAo
>>195

え。

声が漏れだしてしまった。いや、零れ落ちた。
氷柱から雫が一滴滴り落ちたような、声。

「人間じゃない?」

自分以外の、人間ではない生物に合うのは初めてだった。
生物というカテゴライズですら怪しいモノ。"彼女も?"

彼女が怯えているのはよくわかる。顔に書いてある。
なのにここに居続ける事が、理由がわからなくて、嗚呼…私も、感じている。
怖さを。何者なの。

「人工生命ってやつかしら。」

黒猫を撫でる。人間ではない生物を撫でると落ち着いた。
だけど、今はちっとも心臓の高鳴りが収まらなかった。

「自分語りをする趣味はないの。」

「でも、人間じゃないなら、貴女もわかるでしょ?
 特に、人間に作られた生命なら、余計に。

 私たちと人間は別の存在のよ。人間だって、必要なら虫を[ピーーー]でしょう。」
 
197 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/05(金) 00:28:48.32 ID:TyE+Xb270
「それじゃあ、これは私が貰うよ」

彼女は手袋をはめた右手でトランクを掴んだ。
周囲には、うめき声を上げる黒服連中が10人ほど。

「まあ、面倒もあるし?適当に始末してあげるよ。
 やり過ぎた、ってことを思い知ってもらわなきゃだし」

彼女は左の手のひらに白のキングを作り出す。
そして少し遠くの黒服の真上に放り投げる。

瞬間、何かが押しつぶされる音がした。
巨大な白駒が1人、また1人と“処理”を進める。

凄惨な現場を尻目に、彼女は倉庫であった建物の出口に向かう。
外の灯りが射しこんで、中身を検めるに丁度良い。

で、中身は、大量の現金。
ついでに、近くの荷物には、これで買うはずだった何かがある。

「でもまあ、一息くらいはいいかな」

彼女はトランクを床に置き、白い息を吐く。
用意しておいた水筒から、コーヒーを注ぎ、十分に香りを楽しむ。

背後では、白駒はすっかり赤くなっていた。
198 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/05(金) 00:34:53.94 ID:sODHmrRwo
>>196
零れ落ちた一滴の声。その意味は"驚き"
"人間じゃない?"頷く
悲しいが、私たちは人間ではない
究極まで人間に似ている。普段は区別が付けれない
だが、私たちは子宮を知らない。なぜなら、母なる子宮から落ちた生命ではないから
だから、怖い
生物とモノの狭間に生きる私たちは――何者?

「――そう、ですか
どんなにヒトに似ていても、猫を撫でる手つきがどんなに優しくても、やっぱり――」

決定的に、人間ではない
虫と人。その関係よりも遠く遠く離れているかもしれないほどに異なる
人間ではない。だが人間になりたい
そんな願望を抱いていたレイは、絶望しかけた

「人間とどこまでも近しいはずですが全く別なんて――哀しいですね」

いや、哀しい
時折思うことがある
人ではないならば、いっそ獣と生まれたかった
そうすれば――人を諦められたのに、と
199 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/05(金) 00:46:14.03 ID:Z3HJ1GMAo
>>198

"キッ"。目の前の人外へまたもや鋭い視線を浴びせた。
猫を抱く腕に力が入ったようで、猫は苦しそうに小さな声をあげる。

「哀しい、って言ったわね、今。」

視線を一度宙へとぐるりと遊ばせた後、
虫の居所の悪い気分のままにヅカヅカと詰め寄る。

そして近くの死体を、足で蹴り、火傷で爛れた人間の顔を表にした。

「違うわ。人間よりも優れているのよ。
 こんな生物になる必要なんて無い。生命ってのは、姿形じゃないのよ?」

両腕を伸ばして、黒猫を差し出す。

「人間は猫に首輪をつけるわ。そういう、傲慢な生き物なのよ。
 首輪なんて付けさせない。コイツにも、私にも、貴女にもね。」

なぜこんな難しい話題になってしまっているのか、自分にもわからない。
先程までは気分よく人間を殺していたはずなのに、どうして人間ではないモノ同士で議論をしているのか。
わからない、この状況がわからないのに、少女はわかっている振りをするしかなかった。
200 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/05(金) 00:59:47.23 ID:sODHmrRwo
>>199
刺された
視線に刺された
猫の小さな悲鳴を効果音に、レイは刺された

「優れて…いる?」

焼けて融けた人面を見、不機嫌そうに見える人外を見、首をかしげる
優れている、という発想はレイにはなかった
私たちは人間の上位種であり、上位種気取りの人間から独立をする
それが人外の言い分
果たして、そうなのだろうか?
偏った知識しかないから、こんなことが言えるのでは?
そう思えるだけの思い出が、レイにはある

「たしかに、人間は弱いものを支配します。上位種気取りかもしれない
けど、レイは知ってるんです。レイを人外と知りながら、ヒトと言う人間たちを」

あの二人、人間を与えてくれた二人だ
彼らを知っているレイにはどうしても彼女の言葉に頷けない
そのわけは、なぜか言葉にできない
黒猫が差し出されていたことに、ようやく気付いた
だが、手が伸びない

「だからでしょうか…レイはまだ人間が本当にそうなのかが分からないです」
201 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/05(金) 01:22:34.03 ID:Z3HJ1GMAo
>>200

「ふん、そう。」

面白くなさそうな表情をした。眉間にしわがまた刻まれる。
猫がまた苦しそうな声をあげると、今度は気がついて、
"ごめんね”と言って抱え直す。

「価値観の相違ってやつかしらね。

 人間と認めるって何よ。人間なら偉いってわけ?
 私は人間じゃなくても、人間より強いし、賢い。」

イライラしてきた為か、熱がこもって来る。

「何よ、ハンっ、そう。
 ちょっと人間に優しくしてもらったから、酷くは言えないってわけね。
 その2人も、結局は、"人間様"目線じゃない!」

続けて、"気持ち悪い"と軽蔑の言葉も付け加える。
心底、人間が嫌いだ。恨んでいる。恨みの限りに、恨んでいる。
相手にそんな意図がある訳無いのに、バカにされているような気がしていた。

「その2人の人間の名前と特徴を教えなさい。
 私が殺してやるわ。殺したくて仕方がない。
 
 抵抗は無意味よ。私は元々、軍用なの。」

アルミ合金の翼がゆっくりと、大きく広がる。
低く重い、電流が迸るような、それでいてガスが噴き出るような音が響き渡る。
虹色の光を放つエネルギーのようなものが、翼から噴き出た。

矛盾しているような気がした。後で後悔するような事をしている気がしている。
けれどそれが何かわからない。わからないから、イライラのままに。
202 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/05(金) 01:24:48.08 ID:Z3HJ1GMAo
>>200
/25時になってしまったので、一旦凍結をお願いします。
/以後は、ご都合の良い時にお返事くだされば、大丈夫です。本日はありがとうございました。
/続きが楽しみ、です…!
203 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/05(金) 01:44:36.51 ID:sODHmrRwo
>>201
「……あなたは」

人間ならなんだ、
全くもってその通りだ、私たちは人間よりも強く作られた
だが、人間にはなれない
方や人間に憧れる
方や人間を恨む
だけど、思う

「――あなたは、どうしてこんなところで人間を殺しているの?」

軽蔑され、力を見せつけられても問う

「あなたは自分を軍用と言った。つまりは人の為に奉仕することを求められて生まれた」

寧ろ怒られるかもしれない、と思いながら語る


「本当は――人の役に立ちたかったんじゃないんですか?」


多分、"人間様"の都合で捨てられたのだ
だからこそ、自分を裏切った人間が嫌いで嫌いで仕方がないのだ
だけど、レイは答えない。殺させない。殺されたくない。殺させたくない。
守りたくて、失うのは嫌で、哀しいから
翼が、虹の涙を流すように見えたから


//では、返しておきますので都合のいい時にお返事ください。今夜はありがとうございました!明日は一日暇なので楽しみに待ってますね
204 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/05(金) 18:09:22.50 ID:iRMjKuJb0

歩く、歩く。ただそれだけで屍が出来る。左手に携えた軍刀を振るえば、ただの人程度であれば容易く『肉』に分解できた。
彼は元来そういう生き物であり、人間という枠組みでありながら『斬る』という事に関して並々ならぬ熱意と、情熱と、そして依存性を持つ。
正確に言うのならば、生き物を『殺す』ことが『生活の中に限りなく含まれている』という事。息を吸うことや、煙草を吹かすことにも似ている。
兎に角、この手で命を殺すことだけが『彼に求められた』行動であり。それは『彼』の意思思想思考に関係なく、『そうでなければならない』という『機能』が『彼』の『全て』である。

――――

「…………。」

ふぅ。とひと息をついて軍刀に付着した血液を払い、右腰に取り付けられた帯刀用のベルトに固定されている鞘へとその刀身を押し込める。
マントで拭き取る必要も無いほどに『僅かな』付着しかなく、飛び散った血液はごく少数。斬った人数自体も『それほど多くない』のに加え、彼自身が『血の付かぬ様に』斬ったという事も大きい。
一太刀で人の体を斬るというのは存外骨が折れる仕事で、よく相手の『骨』を見極めてから相応の力で持って『切断』しなければ此方の刃に傷がついてしまう。
一度や二度の強引な切断であれば大したことは無い。だが、人間も動物である。着れば斬る程にその肉体についていた脂肪が付着し、骨を叩けば刃に『沁みる』。
繰り返せば当然刃というものは使い物にならなくなるわけで、『以前』の『経験』から『必要以上に斬らない』という事を自身の中での『戒め』としていた。鉄を斬らんと、折れた過去の事である。

剣の達人とも『揶揄』されてる彼の腕で『斬れない』事は『無い』だろう。少なくとも、『刃』の打ち合いで『それ』を叩き壊すことは容易だ。強化された筋力が出力するそれは、『無傷で鉄を歪ませる』程なのだから。
しかし、鉄を歪ませるほどの筋力と『鉄を切断する』という事は似て非なるものである。当然のことながら、『戦車の砲身』でも『叩き斬ろう』ものなら『自らの軍刀』の方が先に破壊されてしまうだろう。
そもそも彼の筋力と軍刀の性能差が開きすぎている。技術性よりも力にものを言わせたパワータイプの戦い方をする彼にとって、刃自体の耐久性はどうしても無視しきれない問題だった。
帝國の暗殺者として存在している以上公式記録には簡単に『証拠』が残せる筈も無く、彼が旧式の軍刀を使用しているのも単純にその時代に大量生産品が溢れており、情報の操作も容易である事からなっている。
だから、『技術』によって鉄を切断するという作業の代わりに、より高度な形で人間を一刀のもとに切断するという『修業』染みたそれをひたすら行う事で『欠片』を掴もうとしていた。

今回の依頼は比較的『優先度』の低いものだったが、片手間に終わる程度のものであったのと、依頼者が『貴島』。つまり彼の親に当たる人物であったために、二つ返事で了承し、先ほどその全てを終了させた。
依頼内容は単純で、場所は郊外の廃墟……のような場所。再開発の放置された無人街である場所に住み着くある暴力集団を全員始末して来い。というもの。
詳細によればその集団は他の国から流れる『薬』の一部を帝国に流している組織の末端だという。曰くいつでも切り捨てられる組織だそうだが、此方としても『視える捨て駒』を叩いておかなければ被害の拡大は避けられない。
だが、其処に割く様な人員は当然居らず。世論や民衆の視線を其方に向かせないよう処理するには、彼のような人間を使い秘密裏に抹殺するのが最適だと判断され。貴島の家を通して直々に『使われる』事になったというわけだ。

人数は不詳。おおよそ十数人程度とされていたが、実際はその倍の人数と僅かな能力者が存在していた。元帝国人であると思われるその能力者たちは、いわゆる『士族落ち』の者達だろう。
無能力者と共に帝国に牙を剥くという事は、並々ならぬ恨みを抱いていたと仮定できる。軍服姿の彼に対し幾つかの罵倒を掛けてきたことからも、『そういう存在』だと理解して問題ない筈だ。
無論即座に『斬り捨てた』わけだが、そのお蔭で他の無能力者たちが逃げ出す、抵抗する、懇願するなどの推測できない行動に出てきた所為でやや『手間取ってしまった感』は否めない。
用心棒として利用されていた士族落ちの末路としては順当な物だろう。彼としても『同じような心境』を持たないわけでは無い。けれど、それでも彼にとっては殺すべき対象に過ぎなかった。

さて、些か時間をとられてしまったために喧騒は僅かに響いてしまっているだろう。悲鳴、気配、血の匂い。どのような些細なそれでも、彼が出てきた建物から濃密に漂う詩の気配が裏付けをしてくれる。
205 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/05(金) 20:44:05.44 ID:7nWUUsyno
>>190
 公園までの短い距離の中、自然と会話は生まれる。
内容はやはり能力者の喧嘩について。

「やはり漫画みたいに、殴られた奴が数メートル吹っ飛んだりするのか?」
「冷静に考えるまでも無く危険だろう。 まったく、能力者ってのは皆そういうものなのか?」

 この不良少女は、どこか危機感が抜け落ちてしまっているようだ。
いや、能力者全般に言えることなのだろう。おそらくだが、そんな気がする。
そう言う奴こそひどい怪我をするもんだ。と火蓮に対してお級をすえる。
慣れたと思っている人間こそ、不覚を取るものだ。

 公園には数分もすれば到着する。
すぐにベンチを見つけて腰掛けた火蓮に対して零児は水道を探す。
直ぐにそれは見つかり、持っていたハンカチを水で濡らして即席の冷湿布代わりにする。

「火蓮、これで痛むところを冷やせ」

 ベンチで脱力していた火蓮にそう言い、ハンカチを渡す。
この時期の因るの野外の水道水だ。 相当冷たい。
もしそれを受け取ったのならば、隣良いかと返事も待たずに座るだろう。

「やはり、今日は良い月夜だ。 蒼い月、ブルームーンは珍しい。満月ならば尚更だ」
「喧嘩をするなとは言わん。 だが、したくなったら月でも見上げてみろ。 しょうもない理由だったら、それでどうでも良くなる」

 月を眺めながらそう諭す。
その顔には先程までの眉間の皺はない、どこか満足そうな表情をしている。
206 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/05(金) 21:38:28.33 ID:Z3HJ1GMAo
>>203

「黙りなさい。」

右の翼を首元へと突き付けた。
鮮やかな色彩を放つエネルギー流が触れそうになる。
相手は首元に熱を感じるだろう。
極彩色の光が放つ熱 ―― 人間を焼いた天使の炎。

「……貴女を[ピーーー]ことにしたわ、人間モドキ。」

アルミ合金の翼を振りかざす少女も、別の熱を感じている。
彼女自身が ―― 基盤が、CPUが、コンデンサが、焼けてしまいだった。
セーフティープログラムが熱を抑えようと働くせいで、タスクの処理速度が急激に落ちていく。
まるでループ問題に直面した時と同じような状態に、戸惑いを隠し切れない。

「脅しだと思う?人間じゃないから殺されない?

 私はね、人間と同じくらい、人間の肩を持つ奴が大嫌いなのよ。当然でしょ?」

視界がチカチカとしてきて、強く食い縛り、歯軋りをして耐えていた。世界が歪んで見える。
目の前のホムンクルスを睨みつけるのも難しくなりつつある。
辛そうに顔をしかめているのを相手に知られたくなかったが、殺そうとする相手から顔を隠すのは難しかった。

「最後に言い残す事は?手短にね?早くね?」
207 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/05(金) 21:39:46.69 ID:Z3HJ1GMAo
>>206
/うーむ名前。[ピー]。
208 :【血騒嘱望】 ◆q90iVQe5VQ [sage]:2016/02/05(金) 22:04:13.76 ID:9LpM+7gD0
>>203>>206
//横から申し訳ない。是非乱入したいのですが、よろしいでしょうか……
209 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/05(金) 22:06:19.80 ID:KECp7Db5O
>>205

「ん、サンキュ……おぉぅ……やっぱ染みる……」

水で濡れたハンカチを傷口に当てれば、冷たい水がひんやりと傷口に染み込んだ。
おっかなびっくりしながらも、すぐにその冷たさが心地良いと思えるようになる。
そうしているウチに、次第に火蓮の表情も和らいで、隣に座った青年の為に少しだけ横に移動するのだった。

しばらくは、無言の時間が続く。彼に言われた通りに、月をじっと眺める。
空に浮かぶ蒼い月は、天体に興味のない彼女でも、綺麗だと素直に思えるものだ。
こんな穏やかな、いつ以来だろうか。随分久方ぶりな気がしなくもない。
大きく息を吸い込めば、冷たい空気が体に染み渡るようで、それがまた心地良かった。

「む……理由ねぇ。つっても俺は基本的に売られた喧嘩を買ってるだけだし」
「まあ、でも今日はサンキューな先輩。お陰で久々に平和な気分になれたわ」

それ以上、特に火蓮は語ろうとはしない。
後は静かに、傷みが収まるまでの間、こうしてお月見と洒落込むのだった。
そうして、少しか、あるいはしばらくの時間が経って。


先にベンチから立ち上がったのは、火蓮だった。濡れたハンカチは持ったままで。
大きく伸びをすると、足元に転がしてあった剣を蹴り上げてキャッチ、そのまま腰に差し込んだ。

「んじゃ、ありがとーな先輩。これ、洗って返すわ」
「それじゃ、またあおーぜ。そんでもって、今度も良い場所にエスコートしてくれよ?」

そう言って、ヒラヒラとハンカチを振りながら―――火蓮は公園の出口に向かって歩き出す。
傷の傷みも大分和らいで、そろそろ身体も冷え始める頃。
夜更かしは、肌に悪い……まあ、気にするような性格でもなかったが。
特に引き込められない限り、彼女はそのまま公園を去るだろう。からっとした笑顔を浮かべながら。


210 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/05(金) 22:12:40.00 ID:sODHmrRwo
>>206
熱い
七色の吐息が首にかかる
吐息と言えるほど生易しくはない
これは神代の模倣だ。人間が語り継いだ天使の暴力の模造品だ。
天上を焼くそれが首に接吻すれば――人間未満の人型は死ぬ

「殺せるものなら、殺してみてください」

ゆるぎなく、視線を向ける
こわい
死ぬのは嫌だ、だが――多分大丈夫だ

「人間の肩を持つつもりなんてありません
レイはただ、まだ人間の善性を信じているだけです」

世界は見えている
彼女が苦しげなのもはっきりわかる

「それに――あなたが本当に人間の善を、人間に尽くしたい心を失っていたとして――――
どうしてそんなに辛そうなんですか?」

レイの右腕は剣だ。目の前に迫る死を簡単に除ける
レイの左腕は死を力にできる。その過程で、死を簡単に除ける
だが、しない
レイは言葉で、目の前の死を齎そうとする同属と対話をする
かつてないほどに脳を使っている――まだいける
かつてないほどに自問もしている――まだいける
まだ、怖気ないで言葉を紡げる
だから、レイは一歩も引かない

>>208
//私は構いませんよー
211 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/05(金) 22:19:09.70 ID:Z3HJ1GMAo
>>208
/遅れてすみません。私も大丈夫です。今からどうぞー
212 :【血騒嘱望】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/02/05(金) 22:29:45.21 ID:9LpM+7gD0
>>206>>210
━━━━━━━━━血の匂いがした。
それは街から感じるには驚くほど微かで、とてもか細い空気の淀みであっただろう。
だが"彼"は、それを感じ取っていた。

常人には違和感すら感じまい。慣れている者であろうとも、嗅ぎ取るまでは出来まい。

だが。彼はそれを、驚くほど鮮明に嗅ぎ取る事ができた。
その赤は、彼が染まっていた色。其処に混じる鉄は、彼が求め続けたもの。
━━━━━━━"その液体"は、彼が生まれた時から、染まり続けていたものであったから。

「━━━━━━━━━クリスティアーナ?」

故に。彼は"此処にいた"。
同時に彼は、その場の光景に対して、立ち尽くす事しか出来なかった。

血溜まりの上に立つのは、ふたつの物だった。

ひとつは、彼がこの世に生を授けた存在であった。
もうひとつは、そんな存在と━━━━━"同等"の物。銀の翼を振りかざし、それは稼働していた。
夥しい生命の跡の上に立つ、ふたつの物体。
其処には、非常なまでに冷たい非人間性が存在していて。
其処に人間の大気は、彼以外に存在しなかった。

「━━━━━━━何を、している」

だからこそ。そのような、余りにも非人間的な大気の中に気圧されたのか。
彼は、そう問う事しか出来なかった。

/ありがとうございます!では、よろしくお願いします。
213 :【月齢聖剣】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/05(金) 22:45:01.70 ID:7nWUUsyno
>>209
「喧嘩を売られる、か。……いちいち買ってたら身も財布も持たんだろう、まったく」
「それは良かった。 後は、その平和を長く保つことだな」

 その言葉を最後に、双方とも口をつぐむ。
時折冷たい風が通り抜けるが、今この場は穏やかな空気で満たされている。
蒼い月明かりが二人を照らす。 ただただ静かに月を眺める二人。
このままずっと続くかと思われた月見も、火蓮が立ち上がることで終わりを告げる。

「ああ、学校であった時にでも返してくれ」
「まったく、しょうがないな。 取って置きの場所を紹介してやろう」

 火蓮はそのまま出口に向かって歩く。
家まで送ろうかとも考えたが、見たところもう大丈夫そうだ。
初対面の男が家まで付いて行くのは流石に良くないだろうと考え。

 俺はもう少し月を見ていく。と公園を出る火蓮に伝える。
つかの間の邂逅は少女にどのような影響を及ぼしたのか。
青年には少なからず影響があった。 取って置きの場所を人に教える程度には。
それを知るのは、二人を照らす月だけである。

/この辺りで〆でよろしいでしょうか?
214 :【焔烈戦姫】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/05(金) 22:49:01.75 ID:5k5McQ+xO
>>213
/ですね、絡みありがとうございました……!!
215 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/05(金) 22:56:31.84 ID:Z3HJ1GMAo
>>210

コンデンサが悲鳴を上げている。もうコレ以上は止めてくれと叫んでいた。
内部コンポーネントの危機に呼応した緊急時シーケンスが動き出し、一部のハードウェアが停止する。
蓄積するハード的エラーログは、彼女の冷酷な部分が破壊されるような光景でもあった。
ファームウェアを動かすだけの能力すら危ぶまれた緊急時シーケンスは、
その足りない処理能力を、普段は最小限しか使用していない、人間の脳に頼る。

それが失敗だったと、後で後悔した。

"あ。"

片方の目から、液がにじみだし、一滴、漏れだしてしまった。
これは、あり得てはならない液だった。少なくとも彼女にとって。
頬にへばりついた血に、透明な筋ができる。そして、顎から、床の血溜まりへと落ちた。

「し、し、知らないわよ。なんでなのよ。
 辛くなんかないわよ。私は、人間が嫌い。」

涙を必至に堪らえようと、歯を食い縛り、息をするのを押さえ込む。
この冷たい空気を飲み込んでしまえば、感情の波が抑えられなくなりそうになるからだ。
自己診断をかける処理能力すら残されていない今では、一体何のバグなのかすらわからない。
こんなバグ、こんなバグなんかに、私の気持を踏みにじられてなるものか。

>>212
その時、音がした。
血だまりを踏む音が部屋に響いた。

「今度は、誰。」

其れは銀の翼を持っていた ―― あ、は、は。乾いた笑い声を零す。
それが人間なのかどうかは知らないが、少なくともただのモノではない。
いや、なんとなく感じ取っていた。相手も、稼働、をしているのだと。

「クソっ、もう私の頭はオーバーヒート寸前よ。
 何もしてないわ。人間を殺して、次はこの人間モドキを[ピーーー]。それだけをしてるのよ。」
216 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/05(金) 23:15:38.32 ID:sODHmrRwo
>>212>>215
聞こえる、声なき悲鳴が
自分を殺し、人を貶していた人外の本心が
そして、それは涙という形で顕現していたのを――見た

「自分に嘘を吐くのはよくないです
あなたは今、泣いていますよ」

泣いているということは、本心なんか語っていないということだ
彼女は嘘をついている。自分に対して
その声は落ち着いている
少なくとも、今このときまでは


「―――スヴェン、さん?」


足音の方角には、見知った親がいた

思考が、凍る。

そして、すぐに動き出す
渇いた笑い声をトリガーにして

「ダ、ダメッ!ここは――」

声にはあまりなっていない
だが、彼は此処にいてはならない
殺されてしまうかもしれない
彼女が再起動して、彼女が暴走して、死んでしまうかもしれない
だから、此処にいてほしくはない

――そして、失念していた
彼こそが、彼女が殺してやると言っていた人間なのだと
そして、この反応は彼こそが彼女が殺したい人間であることを示してしまっているのだと
217 :【血騒嘱望】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/02/05(金) 23:27:57.22 ID:9LpM+7gD0
>>215>>216
目の前で何が繰り広げられようとしているのか。彼は、それを理解する事が出来なかった。
銀の翼と、純白の肌。機械的で、しかしその特筆すべき特徴は、人間よりも人間らしく、その顕著な特徴を示しているようにも感じられる。

……少なくとも、その前にいる二人が、"人間でなく"同時に"孤立した""守るべきもの"のふたつ。
其れである事だけは、彼は理解していた。

「━━━━━この惨劇は、君が━━━」

引き起こしたのか。
そう問う前に、彼は、彼の最も大切な者の声を聴いた。

「……ッ」

彼はその声に対して、意識を思索から現実へと引き戻す。
無意識下で、背負った鋸鉈に手を掛ける。……状況は不明だが、しかしこの床に血溜まりが展開されている以上、異常である事に相違ない。
……加えて。

「━━━━━駄目だ。其処の"人間"を……殺させる訳にはいかない」

彼女の宣言を否定する。
目の前の人形。その内の一体を指し、彼ははっきりと"人間"と口にした。
それは彼が、彼女を本心から"人間である"と思っている証拠であり。
同時に、彼という存在は、彼女から最も殺意を向けられ得る対象である事を示していた。
218 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/06(土) 00:00:47.37 ID:4kuCo4Lso
>>216>>217

"スヴェンさん"?

"人間"?

あーーーーー……"クリスティアーナ"。

----------------------------------------------------------------------------

アルミ合金の天使は、黒猫を床に落とした。猫がうめき声をあげ、死骸より漏れた血に汚れた。
翼を広げたまま後ろへと数歩下がり、憎々しき"人間"と距離を取る。嗚呼、臭うぞ人間。
臭い。卑怯者の臭いだ。考えてみれば、自称人間モドキは、一体何処が人間ではないというのか!
人間らしい声!人間らしい仕草!人間らしい良心!
時計仕掛けのオレンジを握りつぶしたような気分に陥り、涙は乾いていた。
酷く乾いていた。

「汚いわ。臭いわ。不潔だわ。
 存在してはいけないのよ、やっぱり。排除されるべきバグ共め。」

武器を抜こうとするのを見れば、嗚呼、可笑しいとばかりに、笑いを押さえるのが難しい。
背中全体を覆う背部のユニット。数か所備えられた冷却ファンが、高速回転をする。
人工知能とミリタリーグレードの装置から発生する熱を、効率的に排気していく。

「よくも、よくも、よくも、コケにしてくれたわね。
 私をバカにしやがって、クソ、汚い人間ども、人間ども。」

翼から放たれるエネルギー流の出力が徐々に上昇し、周りの血液が蒸発し始める。
彼女は多用途な目的の元に作られたミリタリーグレードの汎用ユニットだが、
狭い室内で敵集団に囲まれた時、瞬時にそれらを制圧する為の手段を機能していた。
室温が上がり始める事から、今にも何かをしでかしそうなのがわかるだろうか。
219 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/06(土) 00:24:51.10 ID:kW7eWEHBo
>>217>>218
最悪だ
最愛の存在は逃げてくれない
目の前の人外は乾いてしまった
二人が、武器を手に取ってしまった
どうしようもなくなってしまった

「待って!落ち着いて!戦っちゃダメです!!」

きっと、此処で人間が絶滅したら彼女は怪物になってしまう
それは、それだけはダメだ
だが、スヴェンさんはきっと戦ってしまう
レイを守りたいから、きっと動けなくなるまで戦ってしまう
だけど、ダメだ
もう争わない道はないようだ
――力は使いたくない。だが、仕方がない様だ

「排除なんてさせません。そうしたらあなたの中の人間が死んでしまうから――ッ!」

左腕を伸ばす
翼から湧き出るエネルギーの奔流へと
スヴェンは止めようとするだろう、彼女は笑うだろう
それを、自死行為と思っているから
しかし、エネルギーの奔流に左腕が触れたならば。その左腕は焼かれていない
左腕が、その七色のエネルギーの腕となっているのだから
翼のそれと全く同質となっているのだから

これこそが、純白に生み出された少女の力
何にでも成れる可能性。
――つまり、ヒトから極限まで乖離する可能性であった
220 :【血騒嘱望】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/02/06(土) 00:56:03.23 ID:a8+v1nzO0
>>218>>219
「ッ……!」

機械の翼が広がる。彼女の中の機械が唸りを上げる。
七色の光。力の奔流。流動する大気を感じ、彼は思わず身構えた。

━━━━━━━━足元には血。
新たに目覚めた己としての、血を生命として為す業。

"血の利"は此方にある。一先ずそれを示し、あの動きを止めさせる━━━━━━━

しかし。彼が地面に手を伸ばしかけた、その瞬間であった。

不意に駆ける白い影。その存在が、己の最愛の人物であると気付くのに、秒と掛かることはなく。
故に彼は、声を上げていた。

「なっ……待てッ!クリス……」

その左腕が、今にも解放されんとする熱の奔流に向けて伸ばされる。
彼は足元に広がる血を利用し、其方へと瞬発的な踏みこみで以って、少女を助けようとする。

その瞬間に、光の奔流が放たれた。

「………!」

しかし。しかし。彼女は生きている。
七色の光は依然として輝いている。にも関わらず、彼女は生きている。

その左腕が、七色に輝くシンボルと化して。彼は、あまりの光と熱に目を細めながら━━━━━目の前の光景を見ていた。

「これは……"能力"……!?」

生まれながらにして持つ業。生まれた時から抱くモノ。能力とは、機械として育つ運命とは、得てしてそういうものだ。
だからこそ、彼は思う。……その在り方はまさしく、己の現し身なのではないかと。

七色の光を前にして、彼はただ、そんな事を考えていた。
221 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/06(土) 01:01:12.73 ID:kW7eWEHBo
>>219
//翼の〜の行の下に付け足しです

現在は腕自体がエネルギー体となっている故視認はできないがレイは左腕に激痛を感じていた
熱いという感覚は行き過ぎると痛みにしかならないのだと、このとき知った
だが、奥歯が砕ける勢いで奥歯を噛み締めて堪える。この程度、なんてことはない痛みだ
肉体に戻したときは怖いが――そんなことはどうでもいい
今は、ただ目の前の人外に怖気ず相対するのみ
222 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/06(土) 01:28:10.83 ID:4kuCo4Lso
>>219>>220

光が迸り、極彩色が視界を埋め尽くした時、体表の感覚が無くなったのを感じた。
一体何が起きたのか分からなかった。ログをチェックしたが、その瞬間の出来事は記録されていなかった。
気づけば(機械にとってありえないことだ!)、虹を左腕に帯びる白の人外が目の前に立っている。
数秒、黙りこくってしまったが、隣の男の声を聞いた時、我に返った。

自己診断シーケンス。エネルギー出力が20%ほどにまで低下していると、システムは報告をする。
それは必要最低限の出力、つまり、戦闘ユニットとしての機能を完全に失った。

だからなんだ!

「素手でもお前の首をへし折る事だって!」

視線を相手へと移した時、激痛に耐える少女の表情を見た。
足元に黒猫が擦り寄ってきて、にゃあ、と鳴き声を発する。元はといえば、この気分屋のせいだ。
血。死骸。機械。男。痛みを受け入れる少女。

は、は、は。呆れたような笑い声が、つい、漏れてしまう。眉間のしわは消え失せていた。

「わかったわ、私の負けよ。もう、負けでいいわ。敗けたわ。」

どちらにせよ、素手で勝てる相手達とも思えはしない。抵抗が無意味なのは、自分の方だと理解した。
両腕をその場で小さくあげて、"降参"と呟いた。
223 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/06(土) 01:47:46.30 ID:kW7eWEHBo
>>220>>222
「はい―――これがレイの力です」

左から七色の光を浴び、隣から親の声を浴び、腕から痛みを浴びる
あらゆる事象を取り込み、己の肉とする力
この力はこの場から争いを取り込んだ
驚愕から立ち直った彼女は負けた
この場には、暴力など起こりはしなかった

「私の、勝ちですね
貴方に誰も殺させませんでした…よかった……」

左腕の光が消える。そしてそこには醜い火傷痕のある左腕。
途端に痛みが強まり、冷や汗と共に表情が歪む
だが、すぐにほほ笑んで見せた。勝ち誇ったように
彼女はまだ人間が嫌いかもしれない。だが、
決定的な過ちだけは犯させずに済んだのだ
それが少し嬉しくて、誇らしかった
224 :【血騒嘱望】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/02/06(土) 02:17:07.46 ID:a8+v1nzO0
>>222>>223
「……」

彼には、目の前の事象が未だに理解し切れなかった。だが、目の前についた決着は理解出来た。

二つの、人間でないモノたち。互いの人間への複雑な思い。そのようなモノが理解できるのは、当事者に限るのだろう。
だが。だからこそ。彼はその存在を理解しているからこそ。
その事象を無視する事は、出来なかった。

彼はクリスティアーナへと駆け寄り、怪我の無いことを確認する。
はぁ、と溜息をつけば。……もう一人の、人でない存在に対し、声を掛けるだろう。

「……君は……人間を……"恨んで"いるのか?」

足元に滴る血溜まり。その跡は、彼が絶対に避けたかった、奪われし生命の痕跡。
だからこそ。このような惨劇を引き起こす、その存在に対して。
彼はただ、疑問を抱く事しかなかった。それ以上の憎しみや義憤などはなく。

"人間でないものが、何故人間を恨むのか"それだけが、彼の疑問だった。

「君も、生きているんだ。人間を恨み、殺す必要など何処にもない。」
「だというのに……」

何故か、と彼は問う。
恐らく彼女は、これ以上の戦闘の意志はない。
であれば、確かめておきたかった。

少女と彼女。対象に抱く感情の違いは、何故、何処から生まれ出でたものであるのかを。
225 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/06(土) 02:45:04.44 ID:4kuCo4Lso
>>223>>224

「人間なら、ここに転がっている分だけ、とりあえず今日殺した。」

彼女は両腕を広げる。その両腕で猫を撫で、人間を殺し、明日の朝に食事を取る。
それは彼女の日常だし、辞めるつもりもない生き方だ。
勿論、この機械に支配された少女を生きていると定義できるならの話に限る。

「[ピーーー]必要ならあるわ。頭にキたからよ。

 殺したいヤツがいた時に殺してはいけない理由の方こそ、無いわ。
 殺したいのに殺さない、恨んでいるのに恨まない、奪いたいのに奪わない。
 人間の方が不可解よ。

 私は"マシーン"なの。」

彼女には"理性"が存在しなかった。合理的な形での本能と感情だけがそこにあった。
プログラム言語から産まれた彼女にとって、根本的な人間の感覚が無い。
だから、人外。

「恨みは、ただの私怨よ。あなた達にじゃ関係ない。」

そして人差し指をあげて、2人へと指をつきつける。

「火傷、してる。痩せ我慢を見るのもイライラするわ。
 何でもいいから傷口を隠しなさい。」
226 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/06(土) 03:05:02.49 ID:kW7eWEHBo
>>224>>225
「…じゃあ、貴方はレイに殺したいと思われたとして仕方ないと殺されるのですか?
レイは嫌です、人間はきっとみんなそうだから殺人罪なんてものを作って殺されない社会を作ってます」

不可解だ
だが、それで投げ出しはしない
懇切丁寧に自論を語る
実際に人間がどう考えているかは分からない。だが、人間らしく考えることぐらいは、できた

「レイからも質問があります」

「あなたは、人に寄り添って生きたいですか?」

レイは思う。この問いでレイの問いは最後だと
人には善性も、悪性もある
それらは表裏一体であって決して分けられない
その上で、なのだ
人の悪性を見て見捨てるか
人の善性を見て寄り添うか
いや、どちらを信じたいかというだけの問題だ

レイは、イエスと答える
二人の家族に人間の生を与えられ、人間らしく人と過ごしてみた
その上で、善性を信じたいと思ったのだ

「え…?あっ、いたたたた……えーっと………」

火傷について指摘されて痛がりながら戸惑う
隠せ、と言われても隠すための何かの持ち合わせがないのだ
痩せ我慢ではない…と思うがかなり痛い
だからか、何かありますか?と言わんばかりにスヴェンを見つめる。それくらいしか、できることもなかった


//思考力が限界に近いのでそろそろ一度凍結にして起きてからにしたいです…
227 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/06(土) 03:50:37.26 ID:4kuCo4Lso
>>226
/遅ればせながら、了解です。もう寝てらっしゃるかもしれませんが。
/置きレスでゆるゆるやってきましょー
228 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/06(土) 08:14:52.15 ID:NP783pDgo
>>181

「――――――……ちっ」

跳躍、そして真っ向から上空へと攻め立てる思考能力。
些か冷静に戻ったのか、狂気の世界から凱旋でもしたというのか。
どちらにせよ遥かに面倒であり、それでいても”傷”という点に置いては圧倒的に有利だ。

「あのまま、拉げてしまえば良かったのに。無駄な足掻きですわ」

数秒後、その少女の独白は撤回される事だろう。今はまだ、圧倒的に有利だとしても、数秒先には……。
跳躍した後、下方でぶつかり合う”総ての物質”のコントロールは未だ続いていた。
無数の弾丸の様な釘は今も彼女の身体に突き刺さりはするが……決定的ダメージには遠い。
故に、膨大な質量のある瓦礫や鉄柱の山を再び手繰る―――空中では如何に身体能力があろうと、避けれまい。

「空中に飛び上がるなんて下策ですわ。多少なりとも頭が戻った所ではその程度が限界でしょうね」
「生憎と私はか弱いの……”堕ちて”貰いま――――何ですの、それ?」

このお遊びに幕を引くのは、ぐるりと放物線を描いて相手を追う飛来物だろうか。
否、今しがた彼女が”顕現”させた”朱”のナイフ……あれは、”一体何だ”?

「痛み……自傷、”痛味”?」

感覚で理解しろ。そして数秒の中で導け。そうでなければ待ち受けるのは、幕を引かれるのは――――。
飛来物はあのナイフよりも速く”あれ”を撃ち落とせるのか? 確定ではない。希望的観測でもある。
ならば、”あれ”にあのナイフを”私”に突き立てさせる可能性を作るのは、それこそ”下策”ではないのか。

「…………貴女の痛みなんて、知りたくもない。私は、私はもう痛みなんて知りたくないんですのよ!」

正しければ、あの”朱”のナイフは”痛み”を引き起こす。先程の様ではない、絶対的に他者を傷つける”狂気”だ。
飛来物が音を立てて地に落ちる。少女は飛来物のコントロールを中止する―――これから本気で、ある一点のみに念動力を注ぐ。
その一点は、言わずもがな相手の持つ”朱のナイフ”の他ならない。それを強引に、相手の喉笛へ突き立てる様に手繰る。
然しながら貴女は抵抗が出来る。そのナイフを強化した肉体を以て、少女の念動力を抑えこみそのまま突き立てる事も可能かもしれない。

刹那の中、肉体と精神の戦いが始まる。少女はこのナイフの操作に成功しないなら――――……貴女は、彼女目掛けてその”痛味”を存分に堪能させるだろう。

/こちらもすいません…… 置いておきますね! そして一思いにやっちゃうのも、逆にやられちゃうのもお任せしますっ
229 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/06(土) 13:21:15.99 ID:svWzEMkb0
>>204
//これで今日一杯ゆっくりと再募集……。
230 :【舞奏巨鎌】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/06(土) 17:45:00.55 ID:b17vnrqdo
巨大な刃が駆け抜ける。骨肉も、悲鳴も、命も刈る。
街の光も、月の光も届くことがない路地裏の奥の奥。
充満するゴミの腐臭に紛れて、流れるのは錆び鉄のような、血の香り。

ぽたり、ぽとりと水滴の音。真っ赤な水溜りに沈む亡骸。
その首から上にあるべき頭は存在せず、代わりに綺麗な断面を覗かせていて。
切り落とされたものが、ころころと転がって、壁にぶつかって止まる。
そして、それは“ぐしゃり”と―――少女の大鎌の根元によって叩き潰された。

「えへへー、今日もやっちゃいました。でも今日は少しだけ大変でした」
「通報されそうになった時はヒヤリとしました。ほんと、油断も隙もありませんねー」

その少女は能天気に呟きながら、大鎌をくるりと回してこびりついた肉片を払う。
真っ白な髪に、真っ赤な瞳。そして闇の中に溶け込むような、真っ黒のワンピース。
その幼い身体を歪に飾るのは、やはりその手に握り締められた巨大な鎌。
歪曲した刃から滴り落ちるのは、まだ生暖かい血液。それがこの凶行に使用されたのは言うまでもない。

そうして、その少女は独り言を呟きながら大鎌を構え直すと―――それを亡骸へと振り下ろす。
ぐしゃり、もう一度、振り下ろす。ぐしゃり、ぐしゃり。何度も、何度も。
それがズタズタになって、バラバラになるまで。繰り返し大鎌の刃は振り下ろされる。
そして、それを行う少女の顔には―――病的な笑みが浮かんでいた。

「あは、あはっ、あはははっ、やっぱりいいですねーこれ。すっごい、楽しい♪」
「次はどこを潰しましょうか、どう壊しましょうか、あは、あははっ、あはははははっ♪」

肉を潰す鈍い音と、少女の壊れた笑い声が、ぐ繰り返し路地裏に鳴り響く。
その音色に引き寄せられる人は、果たして。

//こんなのですが日付が変わるまで募集しています……!
231 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/06(土) 19:11:29.84 ID:evutpu4aO
>>230
小さな星が一つ投擲される
それは、少女に近付いたなら炸裂音とともにカメラのフラッシュのような光で溢れるだろう

その後ろから歩いてくるのは一人の少女
D.O.T.Aの襟章をつけ、細身の剣を持つ
茶髪のロングヘアーの少女である
テレビ等を見るならばもしかすると、見たことはあるかもしれない

「…………そこまでよ、快楽殺人者さん」

口を開くと剣を構えて、左手には星を一つ産み出している
232 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/06(土) 19:18:29.90 ID:+u0XkRIN0
>>204

その靴音は、喧噪が過ぎ去り閑散とした夜闇に冴え渡った。
方向的には軍刀を所有する彼の立つ道路に対し、殆ど直線的に接近する形である。
忍び寄るとは違う、街中の一般人のように無警戒な足音を響かせている。
靴音の主は濁り血の匂いが届いているだろう場所で、気怠げ気味に溜息をした。

「アー……こンな街の果てでも血祭りたァ……賑やかなもンだな……」

僅かな嗤いを含んだ独り言と共に現れた者の姿を言い表すなら、メイドだった。
夜風に靡いた白銀の頭髪を手櫛で梳いて、蒼い双眸を燦然とギラつかせる。
暗冥に包まれた夜でも無駄に目立つ形貌は、此処に於いては場違いであった。

何故自分から態々姿を現したかと云えば、不注意に不注意の重なった故の偶然という他ない。
暇潰しに夜歩きがてら放浪していると、この近辺にまで辿り着いていた。
明日の朝飯どうするかな、なんて如何でも好い事を考えながら呆けて歩いていた。
その調子で前方確認をせず彷徨っていたら現在に到る、といった次第である。

致命的な迄の方向音痴が災いしたか、或いはメイド当人にとっては僥倖なのか。
視覚聴覚嗅覚から彼≠フ気配を感じ取って尚、隠れたり退くような様子は未だ見せない。

「―――――ねぇーお兄さァン、俺とデートしなーい?」

メイドは緊張感のない言葉を発し、コキリと一周旋回する動作で首の骨を鳴らす。
続いて捲り袖した腕の手首をも同様にコキリと、他の様々な関節各所も鳴らしていく。
妙に表情は嬉々とさせて、依然その足取りは悠然として、彼の元に向かって歩み寄っていく。


/よろしければ…
233 :【血騒嘱望】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/02/06(土) 19:28:24.72 ID:a8+v1nzO0
>>225>>226
「……それは違う」

彼もまた、少女と同じように、彼女の言葉を否定する。
だが……彼からそれに対する意見を述べるのは、"何か"が違う。
……価値観の相違、というものだろう。人間の感情、価値観で以って機械へと歩み寄ったところで、それは人間としてのエゴと捉えられかねない。

だからこそ、彼は隣の少女に全てを任せる。
人間でなかった存在から、人間となった少女。彼は少女の事を最大限までに理解しようと努力しているが、其処には独特の"感情"がある。

故に。今はただ少女の言葉だけが、彼女を導くのだろう。
そしてそのやり取りが、後に少女を理解する切っ掛けとなれば。

「……火傷をしているじゃあないか」

彼は彼女の言葉に、少女の腕を見る。
左腕にまとった熱の影響だろうか。痛々しく灼けた姿は、少女には似合わない。

彼は……衣服の中から徐に、己の"血液"を取り出して。

「さあ、血を受け入れてくれ……君に効くかは、分からないが」

彼は何を思ったか、血の瓶を開け、患部へと流す。
すると。少女の生命力が上昇する。血を介して、癒すべき生命の波動が生まれる。
それは血の瓶は空となり、少女の傷は治るだろう。
その血はしかし、初めて彼女と会った日のような、血生臭いものではなく。
何処か優しい、帰るべき感覚を。以前の彼とは異なる何かを感じさせるだろうか。

そして、彼は彼女の方を向き。その場から、一歩だけ下がるであろう。

「……クリスティアーナ。あの娘は、君に任せよう」

そう言って、空の瓶を懐に仕舞い。影の中へと身を下がらせるだろう


234 :【舞奏巨鎌】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/06(土) 19:39:28.13 ID:b17vnrqdo
>>231

突然の眩しさに、思わず鎌を振り下ろす手を止める。
暗闇に馴染んだ目には、少々刺激が強過ぎる光。目を細めながら、少女は光源に視線を移した。
そこには茶髪のロングヘアの少女がひとり。その姿にキョトンと首を傾げる。
色々疎いこの少女には、彼女の正体も、襟首の紋章の意味すら知る由もない。
ただ、一つだけ確かなのは―――彼女はこの楽しい時間を邪魔しにきた、ということ。

「……えーっと、あなたは誰ですか?何さまですか?どういうつもりなんですか?」
「折角人が楽しんでいるのに水を指すなんてとんだ空気の読めない人ですね?そういうの嫌われますよ?」

少女は饒舌に語りながら、大鎌をゆらりと持ち上げて、肩に担ぎ直す。
歪曲した刃からは、こびりついた血が地面に滴り落ちて、小さな水溜りを作る。
そして少女は、憮然とした、露骨に不機嫌そうな表情を来訪者へと見せるのだった。

「見てください。まだバラバラにするの、始めたばっかなんです。料理に例えるなら下拵えですよ?」
「ここから盛り上がるっていうのに、邪魔するなんて。もう、空気の読めない人嫌いです!」

そう言って、大鎌を片手で振り上げる。
頭上でその巨大な刃を一回転させると、同時に刃から不気味な音が鳴り響く。
低くて鈍い、鐘のような、くぐもった悲鳴のような―――そんな音が。
その音は路地裏の中を反響し、それが収まった時には少女は鎌を構え直していた。
その刃の先を、剣と星を構える彼女の喉元に向けて。

「ねーねー、早く帰ってくれませんか?私、コレで遊ぶのに専念したいんですよ」
「あなただってそうでしょう?遊んでいるのを邪魔されたくはないですよね?そうでしょう?そうですね?じゃあ早く帰ってください」

「でないと――――――あなたもバラバラにしちゃいますよ?それはそれで面倒なのですが」
235 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/06(土) 19:48:55.44 ID:8Gi0BIWKO
>>234
「はぁ、いい?お嬢ちゃん、遊びでも、許される遊びと許されない遊びってのがあるのよ」
呆れた調子に少女への返答を返すと、やれやれと言った調子で首を振る

一連の少女の言動を見て思ったことは…………"狂っている"
柊春香はそう思った、そして見たところまだ小学生くらいの少女で既にここまで快楽殺人に染まっている少女を見つめて思う
━━━━━[ピーーー]しかない
そう考えるとまた、二つの星を作り出す
現在の星は三つ

「空気が読めないで結構よ…………そんな、殺人者の空気なんて、読みたくもないわ」

そう言うや否や、彼女は走り出す、剣を腰に構えて真っ直ぐ少女へと向かう
そして━━━━━

「あと、死ぬのは貴女よ……野放しにできないような悪人は…………生かしてはおけない」


一閃、横の斬撃を繰り出す、その剣には確かな殺意を込めて、少女へと斬りかかる
236 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/06(土) 19:50:32.21 ID:svWzEMkb0
>>232

「――――悪いが、俺に『衆道』の気は無いんでね」

かつりかつりと軍靴を鳴らし、そして止める。何の声だと其方を振り向けば、『いかにもな』服装をした『存在』が一つ。
全体的な服装もそうだが、『女性よりも女性らしい』。いわば意識的に女性を恰好をしている『男』を見やり、そして『看破』しているという事を『含め』ながら返答を返す。
遠目で見やれば、遠目で見るまでも無くその外見は少女の物。どちらかと言えば女性に近いものかもしれないが彼には違いが分からないので、取敢えず少女としておく。
顔にある歪な傷とこちらに向かってくる途中の『準備運動』さえなければ、彼ですら少女だと誤認していたかもしれない。彼にとって、所詮外見とは外見でしかないのだから。
…………いや、あの喜々とした『表情』が最大の決め手だったとも言える。

軍刀の鞘が固定された金具と擦れて金属音を放ち、雨覆に隠されていたそれが僅かに見える。軍帽を深くかぶって隠されている表情は窺えないが、其処まで怒っているというわけでも無いようだ。
寧ろ、ナンパに慣れた男の様に、なんてことは無い声色で返答している。何方の手も軍刀に触れられていないところを見れば無警戒とも思われるだろうが、基本的に彼は『仕掛けられなければ仕掛けない』タイプであるが故に、軍刀を抜き放つような愚行は侵さない。
何の関係も無い他者を、理由すらなく個人の嗜好で即座に斬捨てる。そんな愚かな事を許していたら、彼の所属する帝国は既に存在しないだろう。優れた国と言うのは、『暗部の末端であれ』それなりには機能する物だ。

「坊ちゃん―――――いや、『嬢ちゃん』でいいのか?」
「兎に角、今の俺は『嬢ちゃんのような上玉を買う金も』なければ『坊ちゃんを買う男色家』でも無い。」

「それに、『少し野暮用』があるんだ」
「言ったら『不都合』が出るから『詳しく言うつもりはない』けど、それくらいは『察して』くれるだろ?」

軍帽は伏せ、此方の目線を相手に出来るだけ見せない様にしながらも、彼は柔らかい。どちらかと言えば軽いような口調を維持しながら少女(と表記しておく)に告げる。
見れば、と言うか足音やその視線の配り方。その他の筋肉の『動き』等を軽く観察するに、『それなり』の『技術』は体得していると思われる。この場所で、且つ彼を見て『デート』とのたまえるくらいには頭も『異常』だ。
けれど頭が悪いという事では無い。むしろ逆、全てを理解しつつも『わざと』此方に『迷い込んで』来たような『違和感』。恐らく、『彼の推測』は、少なからず当たっている筈だ。
彼としては、何時もの様に『問答無用』で此方に攻撃する『理解の無い』者達よりも、狂人であれ化け物であれ『少なくとも言葉が通じる』存在の方が『有り難い』。

彼の仕事は基本的に機密事項。少女なら噂や情報網を駆使して知っている可能性もあるが、この場所に『居た』のは薬の販売ルートを確保するために使われていた捨て駒の集団が一つ。
それらを潰すというのは『便利屋』にとって――彼はまだ少女が便利屋であるという情報を得ていないが――それは『良い』事なのか『悪い』事なのか。それにより少女に『過る』思考。
――――理解できるのは、『自分』のみ。彼は至って『正常』な口調で――僅かな笑みも魅せながら—――そう答えた。

//急用ができてしまい、十時頃には落ちなくてはならず
//展開によっては凍結をお願いしてしまうかもしれませんがそれでも良ければぜひ……!
237 :【舞奏巨鎌】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/06(土) 20:02:47.54 ID:b17vnrqdo
>>235

「なんですかそれ、あなた身勝手ですね。そういうの、エゴのおしつけって言うんですよ?」
「もう、折角の楽しい時間があなたのせいで台なしです。流石に私も堪忍袋の尾が切れました」


「なので、バラバラにしちゃいますね」

動きは直線、手には剣、ならば予測するのは容易い。
地面を蹴って、後ろに飛び、横一閃に放たれた斬撃をひょいとかわす。
そして1メートル後方に着地すると同時、大鎌を頭上に高く振り上げて。
同時に、大鎌の刃から再び音が鳴る。地の底から鳴り響く、悲鳴のような音が。


――――――これで、二回目。そしてその二回で、その異能は効力を発揮する。

「よけないでくださいね?まあ避けるのも難しいと思いますが」
「まずは右腕からです。私は優しいですから、さっさとバラバラにしてあげますよ」

そうして、振り上げられた大鎌は、彼女の右腕を根元から切り落とそうとする軌道で振り下ろされる。
それだけなら、回避は容易い。しかし、ここで少女の異能が鎌首をもたげる。

二回に渡って響いた音、その音色を聞いたのなら―――次の瞬間には、その全身を倦怠感が襲うだろう。
それは両手両足に重い枷を付けられてしまったかのような感覚、高速で迫る刃と身体能力低下の影響が、同時に彼女へと襲い。
238 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/06(土) 20:31:41.52 ID:+u0XkRIN0
>>236

「嗚呼……察すことァ出来るっちゃ出来るけど、でもしねェ=v

無駄に大振りな所作をしてみせて、道化めいた様子だけみせる。
今現在対峙している彼の云っている言い分程度なら、学の無いメイドでも理解可能だった。
しかしそれは彼の立てた言い分であり、細かい事柄云々は心底如何でも良かった。
序でに、彼が偶々生き延びた幸運な被害者でないと確信し、口角を吊り上げる。
偶然運が巡ってきただけの弱者でないと知ったならば、である。

「テメェが仕事で殺そうが趣味で殺そうが、興味はねェし付き合う気もねェ」
「なーに、俺が飽きる迄生き残ってりゃそれで済む話だしよォ」

余りにも身勝手で幼稚な理屈を立てるが、実際それ以上の理由なんてない。
単なる道楽でしか動いていない彼女―――もとい彼は、利口な理論を立てる気さえなかった。
ただ切っ掛けが相手の行動が原因だろうが最早関係なく
もう一つ白い吐息をつくと、だらん、と怠惰な様子で頭を躰全体ごと下げる。
虚空に静電気が奔るような音が鳴り響く。

「まァつまりそういう事だから―――――――死ねや」

メイドは脇目も逸らさずに、対峙する彼に向かって直線方向に疾駆する。
その躯体には頭頂から足先まで全身を蒼い電流が纏っており、絶えず迸っている。
此れがメイドの固有能力であり、その特性の一つは見れば推察できる通りに雷撃の放出≠ナあり。
もう一つは身体能力を人間の限界点にまで上昇させる≠ニ云う、至極単純な肉体強化である。
その限界まで高められた身体能力を以てして、何の変化球もない直線突きを繰り出す。
喧騒の元凶たる建物から出てきた所しか見ていない相手の正中線で放たれたそれは、所謂小手調べと云う奴に近い。
239 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/06(土) 20:38:55.39 ID:8Gi0BIWKO
>>237
降り下ろされる鎌、謎の倦怠感
恐らくは鎌の能力……回避は……咄嗟には難しい
ならばどうする?
彼女は右手に持った剣で、その鎌の一撃を、受ける
その際には左手も刀身に添えて
しかし大鎌の一撃、完全に受けるには此方の力が足りない、押される
そして、左側に受け身を取るように転がり、鎌の一撃から脱出するが、右腕が少し斬られる
完全に避けるには至らなかった…………

(あの武器をどうにかするのが最優先!)

攻撃を受けた時にそう考えた彼女は、避ける時に三つの星を鎌の柄の部分に向けて投げていた
それは鎌の柄を囲む位置になると、それを縛るように繋ごうと、星は線で繋がれていく
もし成功したならば、三つの星の飾りが鎌の柄に出来るだろうが、それにはなんの効果もない、ただ鎌に装飾が施されただけであろう

春香も受け身の勢いで立ち上がり、また左手から二つの星を産み出す

「…………こっちこそ、あんたみたいな人を脅かすような奴がだいっ嫌いなのよ、社会を知らないガキんちょには徹底的に教育が必要ね」

また剣を構えて
240 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/06(土) 20:55:08.30 ID:svWzEMkb0
>>238

「――――手前もかよ。」

嗚呼。折角『久しぶりに』まともに会話が出来る『部外者』がいると思ったのに、そう『欠片も思う事無く』それを装いながら。こちらに向かって疾走を始める青年(と表記を『改める』)をみやる。
ぼうとした様子で、まるで呆けてでもいるようなそれは、普段の彼の表情をさらに希釈したもの。青年の体中に迸る『電流』のようなそれに僅かな警戒を思考しながら、彼は青年が此方の間合いに。ひいては相手の間合いにこちらが入るまで『待って』居るだろう。
単にこちらの手札を見せなくなかったというよりも、『近接で対応できるならそれで良し』と考えているというのもある。と言うのも、遠距離攻撃の打ち合いであれば単純に彼が不利になるからだ。
彼には遠距離を攻撃する手段が無い。遠距離を斬ることは出来るがそれも『素早い相手』を完全にとらえるのは難しく隙も無くは無い。もし迎撃しようと思うのであれば即青年の拳に触れられてしまうだろう。それは『余りいい気はしない』。

「遊んでやる気は無いって言ったんだがな……ッ!」

身体能力がその肉体に反して相当に高いことはあちらが此方の間合いに入るまでに『理解』した。筋肉の付き方はそれなりの武芸を嗜んでいると見えるが、それは達人と言えるほどでは無い。筋肉の付き方が些か『弱い』のだ。
彼の様に最適化された肉体にしろとまではいわないが、それでも身体能力と言うのは動きにかなりの重要度を持つ。彼の見立てた予想に反する動きをしていることに僅かに瞠目したが、それでもまだ『見える』距離だ。
弾丸が見えないけれども、『それよりも遅ければ』大抵は『見切る』事が出来る。彼の『動き』匂いてその重要度を最も占める要素であり、筋力強化による副次的な強化によって発生した『動体視力』の『応用』でもある。

此方に向かって放たれるそれは何の捻りも無い直線突き。だが、シンプルな技と言うのは『それをするだけでいい』と言う事でもある。即ち、最も機能的で効率的、敵に回避されやすい、見切られやすい代わりに、十分な威力を持つ。
身体能力の向上しているらしい青年の突きを受ければ、いくら彼の様な強化された肉体をもってしても無傷と言う事は無いだろう。所詮は強化によって得た僅かな効果であり、一点を刺す突きに耐えられるような強度でも無い。
それに、五十土のような蒼いそれの迸る手に触れることは出来るだけ避けた方がいいだろう。前にスタンガンというものを受けた事があったが、筋肉の収縮を利用した硬直硬化等。電気信号を狂わすそれは彼にとって『非常に不都合』である。

故に、選ばれるのは『回避』。相手の攻撃が当たる直前。その手が当たる僅かな時間に彼は一歩『後ろに下がる』。一歩と言うよりはステップに近い。相手の攻撃に合わせて左足で地面を蹴り、後ろに軽く、そして低く跳躍する。
一メートリにも至らない単純な移動である。そして、その刹那、右腰の鞘に右手を軽く当て、左手が柄に伸ばされ、そして『抜刀』。伸ばされた青年の腕を半ばから切断するような軌道を持って右下から左斜め上への斬撃を見舞うだろう。
所詮は剣線を安定せずにして放たれた剣であり、威力もそう高いものでは無い。青年の身体能力と迸る雷撃の事を考えれば躱す・弾くと言ったことは十二分に可能だ。

「おとなしく『逃がして』くれりゃあ……良いのになァ」

今まで殆ど起きた事の無い『愚痴』を、独り言のように垂れ流す。
241 :【舞奏巨鎌】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/06(土) 20:57:13.02 ID:b17vnrqdo
>>239

「教育ですか?面白いこと言いますね、その剣は教鞭の代わりでしょうか?」
「私も昔、お母さんに似たような教育をしてもらいましたよ。その時は剣じゃなくて包丁でしたが」

「でもそういう人って総じて自分勝手なんですよね、私知ってます。あ、私もあなたみたいな人大っ嫌いです♪」

鎌に絡みついた星を一瞥するが、払うのも面倒なのでとりあえず無視。
鎌を肩に担ぎ直せば、再び刃から不気味な音が鳴り響く。
ただし、今度は音色が微妙に異なる。そして倦怠感が生じることもない。
この音色に込められた効果はシンプルな身体の強化、少女自身の運動能力を高めるもの。
そして次の瞬間には―――既に少女は動き始めていた。

「いーちっ」

一瞬で距離を縮めれば、その手には構えた鎌を突き出す。
鎌は少女が構えている剣の下に、刃を潜り込ませたかと思えば、そのまま上へと切り上げられる。
一瞬でも判断を誤れば、剣を持つ手を手首を跳ね飛ばされる。そして、これだけでは終わらない。

「にーいっ!」

そのまま少女は鎌を持ち上げ、同時に上半身を捻って溜め込んでいた力を解放する。
すると大鎌は軌道を変えて、横一閃に高速で豪快に回転切りをぶっ放す。
その狙いは相手の首。この二撃目こそが本命の、止めを刺さんと狙った攻撃。
これもまた、判断を誤れば―――タダでは済まされないだろう。
242 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/06(土) 21:12:33.94 ID:8Gi0BIWKO
>>241
「他人の平常を平気で奪うお子様に自分勝手とか、言われたくないわね!」

とりあえず、鎌に星を結び付けるのは成功した、ここから……
しかし、少女の動きが速い、更に下から振り上げられる鎌
彼女はその攻撃に対して…………身体ごと、左へと避ける!
しかし避けた矢先での追撃…………どうやらこちらが本命

「やられっぱなしでいると思う?」

彼女はその時、剣を少女に向けて、"近づく"
鎌はその形状上、間合いより近ければ、刃には"当たらない"
首のような一部をピンポイントに狙った攻撃ならば尚更

いちかばちが、身体ごと突進して、大振りを繰り出す少女をカウンターで突き刺そうと、突進する

こう言う選択をした理由はもう1つある
それは、先程鎌に結び付けた星だ
更に彼女の左手には星が二つ…………より、柄に近づけば"やりやすい"

鎌に結び付けた星の1つと、彼女が持つ星の1つを、線で結ぶ!
それは紐のように繋がれて、紐の強度も飛びっきり固くする!

243 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/06(土) 21:18:22.90 ID:8Gi0BIWKO
次遅れます
244 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/06(土) 21:25:55.32 ID:+u0XkRIN0
>>240

後退と同瞬、抜刀斬りをする姿勢を視界に捉え、察知するや否や、地面を蹴飛ばす。
加えて能力により、全身に纏わせた雷撃の電圧を見える程度≠ゥらやや上≠ノ上昇させた。
その結果振り上げられた軍刀の刃を直撃する軌道からは外れ、電流のクッションによる防御も成される。
しかし出が遅れたのか、或いは敢えてか、右前腕に一筋の斬り傷が刻み込まれる。
孰れにせよ一歩バックステップしたメイドは、数瞬前に後退した彼を見据える。
晒すように右腕に負った斬り傷を左手の五指で抉るように掻き崩し、掲げてみせる。

「ヒャハハッ!ほンのちょっとだ、一緒に遊ぼうや」

再度、先刻と同様に地面を蹴り飛ばして、彼の方向に対して疾走する。
先刻と同様に真正面に奔ると、彼の立つ場所の1メートル程度前方、前方に倒れ込むように屈む。
体勢を地面擦れ擦れまで低く転換すると、蛙だか両生類のよう側面にまで跳躍する。
真横に当たる位置にまで跳ぶと、先程傷口を抉った左手を振るい、握った血飛沫を飛ばす。
顔付近の場所に飛来するように打つと、片足のみで着地する。
跳躍の勢いに乗せて、彼の金的に目掛けて渾身の蹴り上げを叩き込もうとする。
245 :【舞奏巨鎌】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/06(土) 21:29:44.17 ID:b17vnrqdo
>>242

近づけば、確かに刃は当たらない。
それは大鎌が構造上抱える弱点であり、刃を回避する為の最適解でもある。
だが―――それは飽くまで、“刃”から逃れる一点に絞った話。
この大鎌の規格外な重量、硬度、全長はそれだけで武器になり得るものであって。

最小限の動作で、身体を右斜めへと逸らす。
それでも避け切ることのできなかった左腕に、星の剣が突き刺さる。
ほんの一瞬だけ、痛みに表情を歪める少女だったが、次の瞬間にはそれも笑みに変わる。
何故なら、こんなに近くに“的”が自分から来てくれたのだから。

「……思ってませんよ?油断や舌舐めずりは愚か者のすることですから」
「でも、今のあなたの行動は嗤ってあげます。近寄ったのは間違いでしたから―――」

刃は遠過ぎて当たらない。だが、刃を支える長大な鋼鉄の柄は別だ。
巨大な刃の重量が乗った、鋼鉄の棒。それを思いっきり振り下ろせば、どうなるだろう。
切ることはできない。だが、砕くことはできる。それこそ、人間の頭蓋など、簡単に。
そしてなによりこの近距離なら―――ぶち当てることは、あまりに容易い。

「それじゃ―――頭の中身をぶちまけて、砕け散ってください♪」

刃から音が鳴る。今度の音色はどのような効果を秘めたものか。
それが明らかになるよりも早くに―――鉄の芯が彼女の脳天に目がけて、至近距離から力任せに振り下ろされた。
246 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/06(土) 21:48:59.24 ID:svWzEMkb0
>>244

「…………チッ。」

バチリ。僅かに左腕が痺れている。刀と言うのは基本的に金属製で、金属と言うのは電気を通しやすい。即ち、刃に対しクッションにした電撃の一部が彼の体に『流れ込んだ』という事。
電気と言うのは、雷撃と言うのは触れただけでも効果があるし、『間接的に』触れただけでもダメージを追ってしまう場合がある。今回は彼の振りが浅かったのか流れ込んだ量は左手を僅かに痺れさせる程度だったが
それでも彼の神経系には多少の障害が出る。完全に同化しているとはいっても所詮は取り付けられたシステムであり、雷撃などの不確定要素を『浴び続ける』とショートしてしまう可能性もあった。
普通であればその前に感電死してしまうのだろうが、彼はその例外に近い。言ってしまえば、常人よりも高い程度だが……。

自らの傷を抉るそれを見て、不快感を催す。彼は『こういった輩』があまり好きでは無かった。どちらかと言えば、痛みに耐えて泣き叫ぶ方が好みである。
人間として強いというか、どことなく人間としての感情が欠落している。そんな感情を青年に見た。痛みを無視し、そしてあまつさえ自傷行為をするのは彼にとって『愚か』である。
それが青年の戦い方なのだろう。基本的に『そのような事』が許される様な程の高みに居るのだろう。彼は其処まで『強く』は無い。以下に傷を受けずに致命傷を与えるか
傷を受けても相手に致命傷を与えるか。彼が行っているのはそういう事だ。自らの傷を広げ、そしてあまつさえ笑みを浮かべるのは『少し違う』。最も、ドングリの背比べの様なものだ。

即座に納刀。右手は鞘に当てたままで、左手はだらりと垂れさせる。構えているが構えていない。抜刀の際の肩を見極められないための措置だが、恐らく青年には関係ないだろう。攻撃が来る。
『人間』の動きだ。普段の相手とは格段に能力規模が違うと言えど、身体能力強化の神髄と言う程でも無い。恐らくは彼よりも総合的な身体能力は上だろうが、『見えて』仕舞えば『関係』無かった。
…………と、これが油断なのだろうか。即座に跳躍する青年を『追い切れなかった』のは、雷撃による強化の所為だろう。ほんの一瞬、刹那とも言えるべき時間を失った彼は、目の前に『血液』が飛んでいるのを『見た』。

「――――!?」

とっさに顔を伏せ軍帽によってその飛沫を防ぎ、且つその瞬間に顔を跳ね上げる。見やれば、ほぼゼロ距離近く。これは流石に『不味い』。そう考え、とっさに『足』に力を込めた。
その瞬間僅かに彼の足が『沈む』。ほんの数ミリにも満たないそれを青年は見ることが出来るだろうか、そして『ズレる』ようなすり足。地面が線を引き、『黒いもの』が青年の振り上げられた足に『切り裂かれる』。

「――――ああクソ。面倒なことしやがる……。」

それは彼の『軍帽』。そして、青年が人の顔面を蹴った事があるならば確かに『表面を削ったような』感覚があるだろう。だが、軍帽によって晒された顔には傷が無い。軽く爪で掻いたような小さな傷があるだけだ。
焦点の合わない、同行の開ききった右目が青年を見やり、此処でようやく彼の句量が苛立った物に変化した。どうやら、『右目』を見られたことが酷く不快だったらしい。苛立ちを隠そうともしないまま、僅かに開いたであろう距離を目測。
同時に、頬に走った電流が頬の筋肉を小さく痙攣させ。笑みのような、それでいて不愉快を表したような絶妙な表情がのぞけるはずだ。

//すいません本日はこれで凍結お願いできるでしょうか……?
247 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/06(土) 21:52:15.59 ID:+u0XkRIN0
>>246
/了解しました!
/では一旦、絡みお疲れ様です……!
248 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/06(土) 22:04:42.29 ID:yK9n9jS70

森を抜けた先にある、人類未踏に限りなく近い山脈。昼の日差しの中、黒髪黒目の東洋人が歩いている。
擦り切れた和装に身を包み、片手には細身の剣。だらりと手を提げて鋩(きっさき)がさりさりと地を摺る。
それが辿って来た道を示すように、谷には一本の筋があり。彼女が足を動かす度、その筋は往々に方向を変えた。

「ここまで来るのは骨が折れた」
「それが草臥れ儲けにならない事を祈りたい。 だが、あまり良い話ではないのだ」

帝國人は渓谷の底のそこに居た。足元をさらさらと細い清流が通る。
もう数時間は歩いていただろうか。足袋の黒い染みが広がるのを見て、先程から続く一方的な会話の相手に視線をやった。

「すまない、拙者個人としてはヌシになんの恨みもない」
「寧ろ、好ましくすら思うとも」

見上げるのは小高い丘である。
――――――――と、不意にそれが揺れた。

「そこまで壮健に育つのはさぞ大変だったろう」
「ヌシのこの故郷と、その固い意志を尊敬する。 ああ、本当に」

日差しがぐうっと陰る。子供の頭よりも大きい半透明な球が二つ。
底には黒いスリットが横一文字に入っている。
――――そう、爬虫類の“瞳”にそっくりな。

「……すまないな」

地響きが轟く。それが巨大な『亀』の方向だと誰が知るだろう。
いや、少なくとも近隣の住民は知っている。特に山を一つ挟んだ村の人々は――嫌という程、知り過ぎている。
彼らにとってこの亀は紛れも無く“悪”だ。それを排除するために自分は遣わされた。
眉を顰めて、混じりっ気なしの同情を浮かべて。人外狩りは右手を持ち上げ、とっくに抜き掃われていた剣を構えた。
249 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/06(土) 22:20:08.24 ID:4kuCo4Lso
>>226>>233

"議論をしても無駄か"と言うように、顎を引き冷たい視線で2人眺めた。
目立つ銀色の髪の毛を片手でくしゃくしゃとかき、やり場のなくなったイライラの発散方法を考えていた。
アルミ合金の翼も持て余している暇を、ゆらゆらと動くことだけに費やしている。
この機械は元々、会話を主眼に置かれている訳ではないから、じっと話し合っているだけでは落ち着けない。

「人間なんてクソ食らえ。地獄に落ちろ。私が殺してやる。

 それが答えよ。」

黒猫を抱き上げる。嬉しそうな声をあげる猫を見て、僅かに口元が緩んだ。

「今夜は、最悪の夜。」

クラブハウスへ冷たい空気が流れ込む。
いつの間にか排気ファンの回転音も、殆どしなくなっている。
今夜の出来事が、白の少女の意思が機械に何を与えたのかは、見た目から察するのは難しいだろうか。

「私、そろそろ行くわ。
 頭にキた人間はコロす。私に指図しないで。」

人間の死骸の頭を足で踏み、ゴロゴロと転がして弄ぶ。
それから、スヴェンと呼ばれた男へと視線をやる。

「貴方が人間か人外か知らないけど、その人間モドキの面倒はちゃんと見ておくことね。
 次に何かあったら、こうはいかないわ。お前が来る前に、死んでるわよ。」

ゴリ。死体の首の骨が折れた音がした。
250 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/02/06(土) 22:37:19.20 ID:t/8B9JBf0
>>228
四肢に鋭い痛み。きっと、少女の操る釘が刺さっているのだろう。
脳は冴えてきて、それも愉悦に感じられる程の余裕は無くなってしまった。
自身が今、狂愛しているのでは痛みではない。
眼前の少女との決着。それだけを望みにして、彼女は跳んでいる。

―――が、その眼前を阻むのはいくつかの瓦礫たち。
彼らとも随分、濃密な時を過ごさせてもらった。結局、今の今までまともに太刀打ちできた試しはなかった。
だが、一度くらい“お返し”をしてやるのも、義理だろうか。

彼女の能力は物体を触れずに操る、所謂“サイコキネシス”だろう。
つまり、物を投げていると言うよりかは、物体を見えない力で『支えている』と考えられる。
あれ程のスピードで扱えるのならば、少女の“見えざる手”は、そうそう物体落とすことのない力を、持っているはず。
―――ならば、この自分の有り余る力をも、受け止めてくれ。

「ふん―――ッ!!!」

彼女は向ってくる瓦礫に、『足をかけた』。
そして、思い切り良く踏み込んで、加速したのだ。
もちろん横を狙われることもあるだろう。だが彼女の“朱”は一点集中で自らの“痛み”の片割れを与える。廃工場に転がった瓦礫など、薙払えば造作もなく折れてしまう。

次から次へと迫る障害を、血みどろになりながら薙ぐ。
―――だが彼女は、その状況でさえも快活に笑っていた。

やがて、少女との距離がナイフの届く距離へと狭まっていく。
そうすればこいつで、この“痛み”を返しに―――。

「………ッ!?」

―――と、何か『抵抗』を感じる。
手元の、自身から生れ出でた“朱”が、ひとりでに動き始めたのだ。
そんな前例は今の一度しかなかった。
なら……『やはり、これも操れるのか』。

彼女は下唇を噛んだ。このあと一歩という状況で、詰めの甘さが露呈した。
だがもう、後戻りなどできはしない。強引にでも、彼女の肌にこれを突き立てるしかない。
度重なる負荷で、出血も多い。だが、力は漲っている。無茶だが、無理なことではない。

少女の力に耐えて、あの首元に刃を添わせられるか。
はたまたその手からするりと抜かれ、こちらの雁首を刈られるか。

その顛末は、―――天の導きに委ねようではないか。

//このレスで判定。コンマ00〜50で抵抗に失敗、少女のコントロール下へ
//51〜で抵抗に成功、そのまま少女の元へ飛び込む
//すみません……決められなかったです……
251 :【銃鎚印打】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/06(土) 22:39:28.37 ID:JEnEYarwo
>>248
 パチャリと、浅瀬に脚を踏み入れる音が響く。
いつの間にそこに居たのだろうか。 一人の男がそこに立っていた。
その姿はオーダーメイドであろう灰色のビジネススーツを完璧に着こなしている。
色の抜けた金髪をオールバックにし、黒縁眼鏡をの後ろの瞳は鋭い。

「待ってくれなかな? その亀を殺されると少々不都合があるのでね」
「ああ、すまないが詳細は話せない。君には関係のないことだ」

 ここまで巨大に育った亀、間違いなく貴重なデータを『企業』に提供するだろう。
そして『企業』はそこから新しい利益を生む。
要するに、この『亀』は金の成る木なのだ。それが殺されるのを見過ごす事はできない。
しかし、『企業』でもこの大きさの生物を保護・飼育するだけの設備は無い。
新しく建築するには金が掛かるし時間も掛かる。 そこから生まれる損失は小さくない。
ゆえに、亀にはこのままで居てもらう。というのが『企業』の出した答だ。

「君がその生物の討伐依頼を受けていたのならば、その倍額を出そう」
「だからこのまま帰ってくれると嬉しいのだが」

 そのためには、山中の小さな村がどうなろうと知ったことではない。

/よろしくお願いします!
252 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/06(土) 22:41:33.51 ID:+u0XkRIN0
>>246

……――――――掠めた≠ニ云う表現が最適だろうか。

打ち放った蹴撃は、彼に真面に命中する事なく軍帽のみを叩き飛ばした。
傷一つとしてない彼の顔貌を見れば、不発に終わったという事は考える迄もなく解った。
また、その足先には、人間の血肉を下の骨格諸共蹴り飛ばしたという感触がない。
焦点の定まってない右目は、恐らくは視力を失っているのだろうと察せられた。

(けど……、そいつァどうでもいいとして、だ………………)

そんな中でこのメイドは、中々如何にも気に喰わなかった。
態々傷口を抉ってまで数段攻撃をして有効打撃がなかったのも、無論腹立たしい。
だが何よりも未だに対峙している彼が精神的に高位になっているかのような現状であった。
軍帽を刎ね飛ばされた事による、此方に対する不快感に類する感情ならば雰囲気から感じ取られる。
しかし喩えるなら爆発するような――――自ずから斬り掛からんとする気配らしき気配がない。
自分だけが矢鱈と無気になって攻撃を仕掛け往なされる様は、意地を張る駄々のようだ。

要するに詰まる話が―――――今の状況は癪に障る≠ニいう事である。

「いいツラァ見せたナ?じゃあ今度は最大出力でどうよ…………ッ!」

そう云うと、メイドの全身から蒼い雷撃が、今度は迸るというより覆う≠謔、に顕れる。
自らの雷撃を纏った指先で腕の切り傷を沿うと、止め処なく流血していた傷口が焼かれて止血される。
つまりが、人肌を焼き焦がす熱量を有したレベルの電圧であるという事である。
言をその儘にするなら、此れがメイドの今見せられる中で最大電圧らしい。

跳躍―――今度は先迄と違い、端から側面に目掛けるように跳躍する。
一度着地すると、自ずと仰け反りになって倒れ込むように低く屈み込んだ。
もし彼がメイドが降りた場所を見れば槍らしき直線的な形状を象った雷撃≠ェ、彼の方向へと飛来する。
此れは、纏っていた雷撃自体≠形成して飛ばした存在である。
そしてメイド自身も地面に上半身を寝転ばせて支えとし、両脚同時で下から蹴り上げた。
なお雷撃を槍状にして飛ばしていた為、メイドは現在、帯電の出力が非常に低下している状態である。
253 :【0】 [sage]:2016/02/06(土) 23:02:33.50 ID:1UQep6EWo
鉄屑、プラスチック、危険な産業廃棄物……兎に角色々な廃棄物が山のようにうず高く積み重なる、ここは塵の砂漠。
一般的には廃棄物置き場と言ったところか───彼はここで目覚め、ここ以前の記憶が無かった。

「…………」

と、いう事は、この場に何らかの手掛かりがあるかもしれないという事だ。それを探しに来た、悪臭と危険ばかりのこの場所に。

「……つってもなァ〜……」
「こんなゴミの山から何が見付かるってんだ?」

一際高い丘の上に立つ青年が、大きな溜息を吐いた。
見渡せど見渡せど、見えるのはゴミばかり、目的の物は一欠片程も見えない……というより、こう暗くては全く何もわからない。

「やっぱり朝早くから探すべきだったかなァ〜……夜じゃあやっぱり何も見えんよな……」
「とりあえず、そこら辺掘り返してみるか……」

遠くを探しても何も見えない、そういう事で、青年はまず足元を探してみる事にする。
高く積もったゴミの山を、掻き分けるように乱暴に手で掘ってみる、その月影は、とっても怪しかった。
254 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/06(土) 23:09:10.86 ID:8Gi0BIWKO
>>245
降り下ろされる鎌…………刹那、脳天への直撃は避ける…………が、左肩にそれは直撃する
左肩は砕かれ、使い物にならなくなるだろう

彼女の表情は悶絶に変わる…………が、ここで仕込んだ星に手を加える

星は彼女の能力の1つ
それは、"重さ"も強度も彼女の思いのままである
鎌に取り付けられた三つの星、その重量をより重く
1つでも、大男でさえも両手で持たなければならないであろう重量にする
それを三つ、鎌には取り付けられている

果たして、そんな重量の鎌をこれまでのように、振り回せるか

「これで…………貴女の武器は封じたわよ…………」
険しい表情、苦痛の表情で少女を睨む
そして、剣を鞘に納める右手に、鎌に取り付けられた星と繋がった四つ目の星をもち、紐状態のそれを伸ばしながら、離れる否、電柱の方へと走る
更に、鎌の残り二つの星と、その星を繋げる事も平行して

255 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/06(土) 23:13:14.87 ID:yK9n9jS70
>>251

突然の介入者に、悲しげな視線を向ける。

「拙者も只生きているだけの獣を狩る趣味はない」
「だが、彼奴は水草を食むだけで畑を枯らし、歩くだけで集落を沼底に沈める」
「……大きくなり過ぎたのだ」

目を伏せる、その頭上を悠然と亀が横切っていく。
背中には草木が、その中には大小の鳥獣が蔓延っているだろう。
歩く小島。指差した先はそう形容するに相応しい。

「既に前金を受け取っている。 」
「心苦しいが、この剣に血を吸わせねばならん。拙者が、生きるためにもだ」

億劫そうに剣を傾ける。
規格品のサイズとはいえ、とはいえ少女が持つには少々大きい其れ。
彼女を止めるのは簡単だ。なにせ能力の気配など微塵もない。
アレに挑むにはいっそ滑稽なくらい――――悲しいほどに、少女は一階の剣客であった。

「分かってくれ。」

最早止められない、いや止めるしかない。彼女が――――男が。
男に背を向ける。剣を当て絶命せしめるにはまず柱よりも太い脚を止めなければならない。
地響きを立てるその震源へひたひたと一歩、また一歩。


/お願いします
256 :【舞奏巨鎌】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/06(土) 23:30:11.39 ID:b17vnrqdo
>>254

骨を砕く感触が伝わるが、それは脳天ではなく左肩。
次は狙いを外さないと、再び振り上げようとしたところで、ズンッと大鎌が地面に落ちた。
正確には、重量に耐えきれず刃を下に落としてしまった。
強化した身体能力でも、自由に動かせない程度の重りのせいで。

「……なるほど、こういう能力ですか」

狂気の海に浸りながらも、その思考は冴え渡る。
この現象、ここまでの戦闘、彼女の能力を、脳内で吟味しながら、大鎌の柄をとんと叩いて。
すると再び、刃から音が鳴る。二回連続して、そして異能が鎌首をもたげる。

この音を聞いたならば、その身に襲いかかるのは激痛。
とっさに硬直せずにはいられないであろう痛みが、その身を貫くことになるだろう。
同時に少女は、大鎌を力を籠めて傾けて、絡まった星の鎖を大鎌の刃の根元へあてがう。
そうして、刃が触れる位置にまで移動させた星を―――強引に蹴り始めた。
何度も、何度も、何度も―――その度に刃が星に食い込み、鎖に亀裂が走る。

「見苦しいことをさせますね―――ほんっとうに、嫌な人です―――絶対、バラバラにしてあげますから―――」

すぐに、絡みついた星は壊れるだろう。そうして少女は再び大鎌を持ち上げる。
ここで、幾つかの選択肢がある。一つはこのまま激痛の中、電柱に向かって走り続ける。
一つは、方向転換して少女が大鎌を重りから解き放つのを阻止する。
そしてもう一つは――この場を離脱すること。この機を逃せば、恐らく戦闘は何方が死を迎えるまで続くことになる。

音が鳴り響き続けていた。
刃が奏でる激痛の音と、少女が重りを蹴り、少しずつ破壊する音と、その荒い息が。
ここからどう転ぶかは、全て彼女次第。



257 :【銃鎚印打】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/06(土) 23:34:30.69 ID:JEnEYarwo
>>255
 少女は男の言葉を聞いてなお、亀を殺すことを止めない。
提示した条件では不足だったのか、それとも信頼のためか。
はたまた世のため人のためなのか。少女の心境は解らない。
ただ、心苦しそうに亀へと向かっていく。

「そうか。それは残念だ」

 口ではそう言うが、その声は淡々としておりその表情も変わることはない。
そうして男は、どこに持っていたのか。 装飾過剰なスレッジハンマーを手に少女へと近づいていく。
常識的な大きさのそれだが、黒檀製の柄には植物のツルのような装飾が滑り止めを兼ねて彫り込まれ。
頭部には歯車を組み合わせたような、細工時計のように複雑な機構がある。

 そうして少女の背後まで近づけたのなら、淡々とそのハンマーを少女の頭へと叩きこもうと大きく振るうだろう。
男は何も言わない。できるかぎり気取られぬよう近づく。 ただ、水場であるから男が歩くたび小さな水音は発生してしまう。
258 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/06(土) 23:42:21.61 ID:8Gi0BIWKO
>>256
身体に走る激痛…………流石にこれ以上戦闘行為を続けるのは不可能か

「…………ちっ私の力不足を嘆くわ」

呟く少女、撤退を選択するらしい
しかし、ただで逃げる気はない
鎌に取り付けられた三つの星と彼女の星はそれぞれ繋がっている
それは、形は歪であるが、確かな"錐"である

この能力は
星1つの時ならばそれは、かんしゃく弾くらいの威力の爆発と、カメラのフラッシュ程度の光を発する事ができるが、星を繋げてしまうとその効果は消えていく

しかし、四つの星を錐の形に繋げた時のみその能力は復活する
より強力な爆発と、爆発の破片と、より強い光になって

彼女の右手に持った星を、少女に向かって投げる

その四つの星で出来た、"爆弾"は強い光を発しながら、爆発を起こす!!

これで時間は稼げるであろう…………

恐らく、爆発と光が失せた時には彼女は居ないだろう


「…………まだ、殺される訳にはいかないから」

だが、一人の悪人を倒し切れなかった事が悔しくてたまらない、不甲斐なさに涙も溢れる
━━━もっと……もっと強い……もっと強い"能力(ちから)"が欲しい……

少女はそう思うのであった
259 :【不動念動】 :2016/02/06(土) 23:44:34.95 ID:ChGs5tfhO
>>250
/朝方に返信する事になるかもしれません
/えっと、この場合は確定行動に移らせてもらってよろしいのでしょうか……?
260 :【舞奏巨鎌】 ◆Hkx5UcVwPDYh [sage saga]:2016/02/06(土) 23:53:05.10 ID:b17vnrqdo
>>258

何度も何度も蹴り続けて、星に大きなヒビが走る。
それを力尽くで蹴って壊せば、大鎌を戒めていた星の鎖が地面に落ちる。

「……逃がしませんよ、あなたは絶対にバラバラに―――っ!!」

大鎌を構え直して、離れようとする彼女を睨みつけたその時だった。
彼女の手に握られてた星が、こちらに向かって投げられるのに気がついて。

反射的に大鎌を縦に構えて防御姿勢。
その直後に四つの星が爆弾となって炸裂し、閃光と粉塵が路地裏を呑み込んだ。



…………煙が晴れた時には、既に彼女の姿はどこにもなくて。
忌々しげな表情で鎌を肩に担ぎ、周囲を見渡して―――より一層忌々しげに顔を歪ませるのだった。
なぜなら、折角バラバラにして楽しんでいる最中だった亡骸が。
爆発の余波によって、グチャグチャになっていたから。

「…………あは、あははっ、あはははっ、あはははははははっ」
「いいですよ、しっかり覚えましたから、あなたの顔」
「今度は必ず―――バラバラにしてズタズタにしてグチャグチャにしてあげますから―――あは、あははははっ――――――」

残された少女の狂笑が、夜の闇の中へと吸い込まれ、消えていく――――――

//これで〆でしょうか。絡みありがとうございました!
261 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/02/06(土) 23:54:53.60 ID:t/8B9JBf0
>>259
//了解ですー
//はい、『こちらがナイフから手を放してしまったロールを書いた』体で進行していただければ!
262 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/06(土) 23:55:45.23 ID:yK9n9jS70
>>257

近付くにつれ首を擡げる角度はますます仰角に。巨大なものに対する本能的な恐怖を理性で押し殺す。
足は停めない。大丈夫だ、あれだけ大きな的、目を瞑っても外しようがない。
さて―――――――と構えた時。

緩み切った緊張を覆すように、背筋に覚える悪寒。
弛んだ五感が警鐘を鳴らす。殺気は後ろから。つむじがちりちりと焦げ付くような感覚。
反射的に剣を持つ手を上に、刃と鎚の影が一瞬交差する。

「ッ!!」

烈しい激突音――――“頭に”衝撃を受けた少女は、ばしゃりと前のめりに倒れた。

男の手には、鎚の柄には何の手応えも感じなかっただろう。
咄嗟の防御は功を奏さなかったのだ――――だがそれは


「痛たた……嗚呼、なんだ」

血の滲む髪を押さえてよろよろと。防御は功を奏さなかった。
だがそれが、もっと恐ろしい事態を起こしてはいないかと。もたつきながら振り返る目は心配の色に溢れていて。

「受け太刀はしないと決めていたのにな……また悪い癖が出た」

「ヌシよ、闇討ちは道に反すると師に教わらなかったかね」
「全く、良い事はないぞ、まったくだ」

左手で首をを擦る、気遣いの先は自分よりも相手に。
傲慢と取るか稀代の阿呆ととるか。だが、確かに防御はしていて、間に合っていたのだ。
そこまで言って、ふと彼が持つ獲物に目を落とす。そこが一番の心配の的。
なぜなら、万一刃に触れていたなら、その部分は恐らく――――きれいさっぱり『絶たれて』いるだろうから。
263 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/06(土) 23:59:08.95 ID:L+9XqC9cO
>>260
一方、離れた少女は
「………如何さんと連絡……とれるかな……この肩早く治して貰わないと…」

肩を押さえながら、一人街を歩く

D.O.T.Aとして、レイド班としてより多くの悪を裁くには……もっと攻撃能力が必要と痛感している
確かに幼少期より剣は訓練していた、剣術の心得はあるが…………それだけで、能力者と戦える程甘くはない

「…………あの娘…………ブラックリスト報告はしておかないと」

ぼそりと呟き、夜の星を見る

//お疲れ様ですー!絡みありがとうです!
264 :【不動念動】 :2016/02/06(土) 23:59:30.20 ID:ChGs5tfhO
>>261
/では前述のレス通り、確定行動を取らせて貰います!
/それでは休憩終わりますので、また朝方にお返しします!
265 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/07(日) 00:05:14.76 ID:wojGhsC60
>>262
/9行目を訂正
/男の手には、鎚の柄には何の手応えも感じなかっただろう。
/→男の手には、鎚の柄には強かに打った以外は何も感じなかっただろう。
266 :【銃鎚印打】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/07(日) 00:29:30.75 ID:coW+l831o
>>262
 幸いなことに少女に気取られず近づくことができた。
そのままハンマーを振り下ろし、機構を作動させる。
しかし少女は寸前の所で奇襲に気づき刃を振るう。

 その結果、発動させたはずの機構は沈黙し爆発音がすることもない。
その瞬間を知覚することはできなかった。確かに、叩きつけた感触もあった。
 しかし、ハンマーを見ると柄の半ばから先が無い。
黒檀製の柄は鋼鉄ほどの強度を誇るが、少女の刃はその程度は容易く両断してしまったようだ。
おそらく機構を発動させる前に両断されてしまったのだろう。これでは『ガンスタンプ』で接射を行えない。
男自体は無能力と言っても良い。"ガンスタンプ"の扱いには長けるが、一流の剣士などに接射という不意打ちが無ければ手も足も出ない。

「確かに、紳士的な行為ではないな。しかし私は制止をしている、この場合は聞き入れない君にも非があるのでは無いかな?」
「さて、どうしたものか」

 男は、少女を止めるための手段を失ってしまった。
柄で戦いを続けるという選択肢もあるが、少女との実力差を考えれば無駄なあがきだろう。

「そうだな。 3倍出そう。 それで討伐から手を引いてはもらえないかな?」
「君の生活に支障が出るというならば、それはこちらでなんとかしよう」

 となれば、言葉でどうにかするしか無いだろう。
しかし既に実力行使をしてしまっている。そして少女は、ただ金のために依頼を受けているのでは無いだろう。
しかもこれはデタラメだ。金銭に関しては、どうにかなるだろう。だが、剣士一人をどうにかするほど『企業』は暇ではない。

 言うならば、今男はまな板の上の鯉なのだ。
男の今後は少女の掌の上にあると言っても過言ではない。

/攻撃手段を失ってしまった……
267 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/07(日) 00:57:11.93 ID:wojGhsC60
>>266

「……気の毒に」

やはりか、とまつ毛を伏せる。
その表情は、最初からこの結果を知っていたとでも言いたげに。

「二点、と言わせてもらおう」
「細工は流麗だが。だが、剣客に振るうには値が釣り合わぬよ」

面を上げ、水没した金属塊を示して無情に告げる。
紳士性はともかく、どうしたものかはこちらの台詞でもある。
片や得物を失い、片やいらぬ傷を負った。このままで吐いたが意の面子が立つまい。
結局どちらかが折れるしかないのだ。客観的に見て――――

「『失敗した』と伝えてくれ」

薄い懐を探れば、ぽんと巾着が宙を舞う。

「……そんな顔をするな」
「拙者こそどうしたものか。村長始め、彼らに合わせる顔が無いのだ」

俎上の鯉のもかくやの、眉を八の字に寄せて。
報酬だった金を男に全部渡して、一文無しとなった女は言う。

「生活は用立てずともよい。 代わりに、せめてヌシの“誠意”を彼らに見せてくれ」

前金に加え依頼額の3倍の金入れば、彼らももっと腕の立つ退治屋が雇えるだろう。
とはいえ男がそれを遂行するかは少女の知るところではない。
だが、仮に風の噂で集落が失われたと聞けば。その時はまたこの男の前に現れなければなるまい。
それが分からぬような紳士ではないと、彼の『打算』を信じてみる。

「では、往く。」

剣を地に降ろす。それがあるべき位置のように。
するすると地を擦りながら、来た時と同じ足取りで。去り際に切先で渓谷の端をすうとなぞれば。
まるで豆腐を箸で崩す様に、巌は岩雪崩となり。只の一振りで、一人と一人と一匹を分かつ壁を作り上げる。

「算盤感情は不得手でな」
「商売人には、剣客とて退散するほかあるまいよ――――」

瓦礫に紛れてそんな呟きが残される。
崩れた巌の向こうで、去り往く亀もまたのんびりと咆哮を上げた。


/武器を奪ったまま続けるのも心苦しいので、この辺りで〆とさせていただきます
/一方的なうえに展開も無く申し訳ありません
/絡みありがとうございました
268 :【銃鎚印打】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/07(日) 01:38:59.73 ID:coW+l831o
>>267
 少女はどこか物悲しそうにしている。どうやら男に対して同情をしているらしい。
不意打ちをしてきた男に対して同情するとは、この少女は相当器が大きいようだ。

「私にはこれしかないのでね。 これは紳士の見栄のようなものだ、君が気にすることではないよ」

 断ち切られたハンマーの頭部を見て、勝負に使うものではないと告げる少女。
だがこれは男の言葉通り、見栄なのだ。紳士たるもの、所持品は相応の物で無ければ行けないという。

 圧倒的有利であったはずの少女は、自らが折れる選択をした。
困ったようにまゆを顰めて巾着を投げ渡す少女。"誠意を見せろ"と男にいう。
要するに、村の住人に金を渡して自分の代わりにどうにかしろということなのだろう。

「ふむ。諦めてくれてありがとう」
「だが、コレは不要だな。 前金分もこちらで負担しておこう」

 投げ渡された巾着を少女へと投げ返す。
男は飼い犬だ。亀が失われるような選択肢を選ぶことはできない。
無視してただ村が滅び行くのを見捨てる事もできるだろうが、男にも紳士的なプライドがある。
男の工面できる範囲で金を用意し、その金で村から逃げるように説得することにした。

「それでは。二度と出会わないことを祈っているよ」

 只の刀で大地を切り裂き、崩れ落ちる瓦礫に紛れて立ち去る少女に男はそう告げる。
そのうち、小さな村は失われる。それが少女の耳へと入るかはわからない。
ただ、その時に人的被害は無いだろう。

/こちらこそ、無策で不意打ちをした上に特に進展させることができずすみませんでした。
/精進します。 絡ませていただきありがとうございました!
269 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/07(日) 10:50:03.52 ID:mwjjKSqio
>>233>>249
「えっと…血療って感じですか?」

生々しい火傷痕に血液が流し込まれる間、レイは為されるがままであった
血液を流し込まれるなんて普通の感性では拒まれる行為であろう。だが、それをレイは受け入れる
そこにはレイとスヴェンの間に信頼の橋が架かっていたから
ホムンクルス、即ちカテゴリとしては微妙にヒトから外れる彼女にも問題なく血液は傷を癒した
その血液の臭いはあのコートのそれと違うな、なんて感じながら傷が癒える様を見つめる
床にこびり付くそれとも違う。喩えるなら、家のような―――

苛立っている
手での、翼での、挙動からそんな心の動きを感じた
だが、きっとそれでも大丈夫とも感じた
少なくとも、血だまりの上で笑顔のワルツを踊るよりかは

「ええ、頭にコなかった人間に会えるといいですね」

スヴェンに託されはしたがレイにできることはここまで
あとはきっと、見知らぬ誰かが変えてくれる
一人で、たったこれだけで劇的に変われるなんて思ってはいない
だから、今夜は出発点となっていたら嬉しく思う

人の死を持て遊ぶさまを黙ってみる
今は信じよう、自分の行いが無意味ではなかったのだと
270 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 14:10:09.57 ID:u//9qeZqo
「さて」

時間は昼の真ん中くらい、明るい太陽が燦々と輝く街中の広場で、青年は大きく背筋を伸ばした。
街に人通りは多くとても賑やかだ、ビルの巨大液晶には流行りのアイドルとかのCMが延々と流れていて、目線を下げれば様々な人。
───そんな場所で、青年は胸ぐらを掴まれて睨み付けられている真っ最中だった。

「……そろそろその手も疲れたんじゃあないか?離してくれても……」
「いや、悪い、つい『思った事が』口に出ただけなんだ、悪気はなかった、だから離してくれよ」

多分何を言っても逆効果だ、一言が多いこの青年は、言い訳をしようにも相手を怒らせるばかり、今にもブン殴られそうになって、助けての視線を周囲に送る。
当然ながら、誰もかれもが見て見ぬ振りして此方を見てもくれない、本当に困った。

(参ったなァ〜ッ!誰も助けてくれそうにねー……)
(誰か助けてくれねーかなァ〜……!)

271 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 14:43:01.08 ID:e8rseU4Ho
>>270

人通りの多い賑やかな通りを歩く人影が一つ。
大きな液晶に映し出される映像やら何やらに目を奪われる女。
黒い軍用コートの右胸には鷹の紋章が刺繍されており。

「うわぁ、すごい人混みですね〜。」

なんて呑気にあたりを見渡しながら街を練り歩く。
閑静な田舎に生まれた女にはこんな喧騒は珍しいものであるらしく。
とそこに、怒れる男と、胸ぐらを掴まれる青年がおり。
あたりの人々は近付かないようにしているが、女はそこに近づき。

「お兄さん、お兄さん。流石にこの男の子も懲りているようですし、放してあげたら?」

なんて男に提案するのである。
顔はニコリとした優しい笑みを浮かべており。

だが、この男の怒りが収まらず、自分にとばっちりが飛んだら。
なんて事を考え、コートの中から「睡眠薬」と書かれたラベルの貼られた小瓶を取り出し。
その中身を一錠飲むと、今度はバッグからグラニュー糖の袋を取り出し。
右手にサラサラと出すと。それを別の小瓶に入れて溶かした。

男の怒りは果たして収まるのか。
そうでなくとも、あまり女には関係ないが。
272 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/07(日) 14:52:54.69 ID:z8oM6lC6o
真夜中の港。

巨大な影が二つあった。両者ともに、巨大なタンカーだった。特に何の変哲も無い、唯々大きな石油タンカー。
そこから少し先に言ったところにある、巨大な倉庫群のうちの一つ。静まり返っている他の倉庫とは違って、其処では幾つかの話し声が聞こえてきた。
一人は、立派な髭を蓄えた壮年の男だった。高級なスーツに身を包み、何人かの黒服の人間を侍らせて、それを見上げていた。

そうして、見上げられている男は。何十年も前の祖国の歩兵将校の軍服を身に纏い、軍帽を被り、かつて存在した『神殺』のコートを羽織った、時代錯誤な男だった。
顔の半分は大きな火傷痕に覆われていて、その右腰には指揮棒を提げて。そして、その表情は、酷く少年的な笑顔に包まれていた。
男が見上げられている理由は、凡そ三メートルほどのモビルワーカーのコックピットに座っている事が理由だった。昇降用の握り手に足をかけて、両手で装甲の隙間を掴み。

『帝國陸軍の最新型……とは言え、輸出用のモンキーモデルの流出品でスが、どうでしょウ、"総統"?』

スーツの男は、酷く訛りの残る喋り方で、男へとそう問い掛けた。
対して、"総統"と呼ばれた男―――――― レナート・コンスタンチノヴィチ・アスカロノフは、モビルワーカーの右腕を動かす。
三本爪が開き、閉じ。それから右足を前へと動かし、左足を。幾許かの間、そのモビルワーカーに乗ったまま、広い倉庫の中をうろついて。
時にコンテナを真っ二つにすることもあれば、無意味に大きく飛び跳ねる等の事を繰り返した後。戻ってくるころには、それなりに慣れた様子で停止すると。
コックピットから身を乗り出して、その機体の頭部の横に座り。

「いや、楽しいね。新兵器ってのは何時でも心が踊る。それも二足歩行のロボットってのが良い、ほんと、帝國人は良いセンスしてる」
「操縦も簡単だ、何台か置いておいても損は無い―――――― という事で、買わせてもらおう。当初の予定通りな」

それは一切の嘘偽りなく、実に楽しそうな笑いを上げた後にそう言った。
レナート・アスカロノフは、嘘が好きな人間ではなかった。必要な嘘以外を余り得意とせず、正直にいることの方が心地よい、と言う。
普通の人間の神経で考えれば、余りにも普通で。そして、"世界に仇名す集団の長"としては、逆に"狂っているのではないか"と言いう程に、裏表の無い人間だった。
壮年のスーツの男は、口元に笑みを浮かべて、レナートの部下から幾つかのアタッシェケースを受け取って。

『それでは、タンカーの方へと商品を運びまショう。此の度はありがトうございマした。今後とモ御贔屓に』

「ああ、頼んだ。俺は……乗りながら行く」

壮年の男が頭を下げてから、倉庫から出て行って、タンカーの方向へと歩き。
そして、レナートはそのモビルワーカーに再度乗り込むと、コックピットは開いたまま、その男たちの後へと付いていく。
随分と異様な光景であったが、然し。当のレナート・アスカロノフ本人は、酷く満足気な表情を浮かべながら、それの操縦に徹していた。

/今日いっぱいまで募集しますー
273 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 14:55:58.14 ID:u//9qeZqo
>>271
怒りに顔を真っ赤にした男は、女の声を聞くと「あぁん?」とそちらを睨み付ける。
つられて青年も女の方を見た、自分よりもかなり背の低い女だ、見慣れない紋章のコートを着ているのが見て取れる。

「そうだぜ、そろそろ離してくれよ、散々謝ったじゃあないか……」
「それに、『髪型が似合ってない』ってのは事実だろォ〜?みんな口に出さないだけでそう思ってるぜ、オレはそれがつい口に出てしまっただけだ」

やっと来た助け舟に全力で乗っかろうとする青年、しかし悪気があるのか無いのか知らないが、一言二言余計だ。
「どこが懲りてるんだ!?」と更に怒りを高めた男は、青年に向き直り、とうとう彼をブン殴ろうとする。
それを女が止めるか止めないかは自由だが、青年が殴り飛ばされた後に女に八つ当たりが来ないという保証は無い。
274 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 15:09:59.86 ID:e8rseU4Ho
>>273

「あら、睨まなくてもいいのに。」

怒りに顔を真赤にしているようで。
あらら、これじゃ睡眠薬程度じゃ足りないかな、なんて思い。
今度は「メプロバメート」と書かれたラベルの貼られた小瓶を取り出し。
中身を飲み、今度は水筒の水を小瓶に注ぎ、そこに右手の指を入れる。

「なんか、こっちの男の子の方もなんとなく悪い気がしてきたなぁ・・・。
まあ、穏便に済ませたいから、ごめんね?」

なんて言い、自らに怒りが飛び火しないうちに火消しをしたいらしく。
小瓶の中身を男の口に入れようとする。

やめろ、という言葉もなく。男を殴るようなこともなく。
したのは“水薬”を男に飲ませただけ。青年にとっては水を飲ませただけに見えるだろう。

だが、それはただの水ではない。「メプロバメート」という精神安定効果を持つ薬だ。
運動能力の低下と筋弛緩作用を副作用とする薬。
どちらかと言えば副作用の効果がメインなのであるが。

筋弛緩作用が働けば、男は腕に力さえ入れることが叶わなくなるだろう。
それがこの「メプロバメート」の作用なのだが。
275 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 15:24:53.61 ID:u//9qeZqo
>>274
今にも殴られそうな雰囲気、これはもう諦めて殴られるか、反撃するかしかない、と青年が思い始めた瞬間。
青年からは、女の動きがよく見えた、何やら調合のような行為を挟んで、水筒の水を男に飲ませたではないか。
不意の事に、思わず水薬を飲み込んでしまった男、「グッ」と唸ったかと思うと、体から力が抜けたようになって、青年はその隙に手から逃れた。

「?」
「何だかわからんが、とにかくよし!」

あれだけ怒りに顔を赤くしていた男が、崩れ落ちるようになって力が体から抜けている。
恐らくこの女の飲ませた水のせいかと青年は考えたが、それをどうこう言っている暇はない、いつ男が復帰するかわからないのだ。
もし男が復帰したら、さっきよりも怒る事は明白、騒ぎにもなる前にさっさとこの場を離れるべきだろう。

「逃げよう!アンタも来い!」

下手にギャラリーが集まる前に逃げなくては、その一心で、青年は走り出す、この場に女を置いておくのも危険だと感じ、女の手を引こうともしながら。
もし女も一緒に来たなら、少し走った所で止まるだろう。
276 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 15:32:33.17 ID:e8rseU4Ho
>>275

男は腕に力が入らなくなったのか、簡単に青年を手放した。
青年はどうやら助かったようである。

「そんなに早く逃げることは無いですよ。“あれ”は精神安定剤ですし。」

飲んだ者の精神は静穏な状態となる―はずである。
ただでさえ強力な薬だ。おそらく、あれほど怒り狂っていた男の感情も収まるだろう。
だが、副作用として、依存性があるのであるが、そんなことは気にしない。

男とともに少々走り、そこで青年も止まる。
少女は少々息を切らしつつ、青年に質問を。

「ねえ、さっきの男の人に何したの?」

あれほど怒るのであれば、何か理由があるはず。
そうおもい、青年に質問をした。
青年から女に質問をしてもよかろうて。
277 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 15:47:18.11 ID:u//9qeZqo
>>276
ここまでくれば早々追っては来ないだろう、大体あの様子じゃ追う元気は無くなりそうだが。

「うん?『何をしたか』って?」

『それはこっちが聞きたい』と思ったが、助けられた立場もあるし、先に答えるのが礼儀だ。
息を殆ど荒げていない青年は、女の質問に答える事にした。

「いや……知り合いを探していたんだ、知り合いというか……『オレの事を知っているヤツ』を」
「それで、あの男を見て、『こんな変な頭したヤツの知り合いだったらやだな〜』って思ってたら、どうやら口に出てたらしい」

何だか、そもそもの理由が複雑というか支離滅裂な感じがするが、要約すれば彼の歯に衣着せぬ物言いが原因らしい。
少しくらい痛い目に会っていた方が身の為だったのではないだろうか、反省している様子もないし。

「……それより、オレも一つアンタに聞きたい」
「さっきあの男に飲ませていたのは何だ?『精神安定剤』と言っていたが……アンタ、そんな物を水筒に入れていつも持ち歩いているのか?」

青年はしっかりと、女の行為の一部始終を見ていた、女が水筒から移し替えた水を飲ませたら男が大人しくなったのを。
アレが女の言う通り『精神安定剤』だったとしたら、そんな物を水筒に入れて持ち歩く奴なんて、怪しい所の騒ぎでは無くなる。
278 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 15:57:41.20 ID:e8rseU4Ho
>>277

「ふーむ、それはあなたも悪いかもですね。」

思ったことが口に出るのは良くないことだ。女にも数回経験はあるが。
少々引っかかる箇所もあるが、まあそれは気にしないでおこう。

「え、さっき飲ませたものですか?あれはですね・・・」

ここまで言うと言葉を切り、コートの中でゴソゴソとする。
そして目的の小瓶を見つけたのか、「あったあった」と声を上げて。
そして頭をコートから出すと、小瓶のラベルを青年に見せるようにして。

「この『メプロバメート』を使ったんですよ。私、こう見えて研究員ですから。」

と言い、男にその小瓶を渡さんとした。
その時である。コートからコトンと音を立てて落下した小瓶が一つ。
ラベルには「アヘン」とあり。少年に小瓶を渡した女は焦って「アヘン」の小瓶をコートへしまう。

「いえいえ、水筒に入っているのはただの水です。
水に薬を溶かして彼に飲ませたんです、ただそれだけですよ。」

青年は見ていただろうか、“調合”の瞬間を。
水を入れた小瓶に指を入れるだけで調合した、あの瞬間を。
それであれば、おそらく女の矛盾を突けるはずだが―
279 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 16:17:20.03 ID:u//9qeZqo
>>278
話を聞くと、コートの中を探し出し、中から小瓶を取り出す女。
探すという行為が必要という事は、それだけ多種多様な数の物を持っているという事だ。

(あ……怪しい……)

普通に考えて、そんな物を幾つも持ち歩いているのは怪しい、薬売りでももう少しまともな格好をする筈だ。
青年ら女を訝しみながら、差し出された小瓶を受け取ろうとする、QRコードの刻まれた掌にその小瓶を収めた所で、コツンと何かが落ちる音がした。
そこに、視線の先に落ちていた小瓶のラベルを見た瞬間、青年はこの女に対する認識を更に怪しげな物とする。

「……成る程なァ〜ッ……オレは薬には詳しくないからよくわからんが……」
「この薬はアンタの指から出る物なのかい?どー見たって、これを水に混ぜてる様子は見えなかったんだが」
「寧ろ、アンタ自身が『これ』を飲んでいたように見えたぜ」

掌の中で小瓶を転がしながら、女の説明した行動の矛盾を突く、女に背を向けていた男はともかく、この青年はしっかりと女の行動を見ていたのだ。
そして、それを踏まえての女に対する予想が一つ……この女は、『能力者』だ。
280 :【八岐弁慶】 [saga sage]:2016/02/07(日) 16:20:02.35 ID:CRmpgAux0
>>272
「――――はァ? なんであたしが交渉人(ネゴシエーター)なンざやらなアカンのですか?」

『本部の意向だ。……今回の取引先は、貴様も聞いたことがあるだろう。<無限機構>だ』
『我が社に協力的であるなら、それで構わん。……だが仮に敵対するのであれば、生かしておくことはできない。組織ごと潰すことになる』

「……あの。あたし、確かに人造人間でさァ。だけど、あの『総統』を相手取れるほど、バケモノじゃありませンよ」

『仮に敵対した時、殺害が不可能であるなら撤退しても構わん。……元より、一筋縄では行かんだろう。
 追撃としては<投降者>や<グスタフとドーラ>、或いは<沖田総司>の投入も辞さない』

「はー……つまり、当て馬ですか。やンなりますね、全く」「……にしても、酷い顔ぶれだ。国でも潰す気ですか」

『この仕事(ヤマ)は手が抜けん。それだけだ』『……ああ、そうそう。加えて言っておこう』
『現在、<無限機構>との取引先である人物だが――我が社のフロント企業が製造した新型兵器を、秘密裏に国外輸出している可能性がある』

「……つまり、『一石二鳥』だと?」『そういうことだ。以上、通信終わり』

埠頭の倉庫、その陰の中。一人溜息を吐く「影」がいた。
埠頭の照明が放つ軋んだ光が、僅かにそれの手元を照らす。握られていたレシーバーは、直ぐ様影の懐に消えた。
その影は紅い瞳をしていた。蛇のように中央で割れた瞳だった。新しい玩具を買い与えられた子供のように燥ぐその男――「総統」を、特段の感情もなく見つめていた。
やがて影は歩き出した。影は橙色の照明を受けて、はっきりとした輪郭を帯びた。フードの付いた黒いロングコートを着ていた。


「あのー、すいやせン。本日、取引のお話に参上すると申し上げてた――――」
「――――『真島重工』の者なンですけど」


果たして影は、「総統」や壮年の男にはどのように映るだろうか。兎も角、やおら呑気な声色で、影は声を発した。若い女の声だった。
目深に被っていたフードを、影は恭しく外す。切り揃えられた艶やかな黒髪が、浅黒い額の上で揺れた。
すらりとした東洋人の女だった。整った顔は日に焼け、静かに微笑んで「総統」を見た。そしてまた、壮年の男が振り返るのであれば――彼女は彼にもまた、微笑みを投げかけるだろう。その紅い瞳の奥に、野性染みた殺意を籠めながら。

/ちょっと変則的になりそうですが、よろしければ……!
281 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 16:24:04.55 ID:e8rseU4Ho
>>279

「ぅえーっと、それは・・・。」

そう、確かに青年の思った通りなのである。
この女は実際に調合をするしぐさを“見せていない”。
「触れた水や粉などを薬にする」能力により先程ただの水を薬にした。

「そう、わたしは『能力者』なの・・・。」

まるで諦めきったかのように青年へと話す。
まあ追いつめられていいこともないし、隠し事をする必要もないと思ったようで。
ただ、女は先程の小瓶を青年に見られていたことには気づいていない。

「ま、まあ!この能力でさっき君を助けた訳だし。」

なんて、言い訳がましいことを言い。
ともかく、能力者であることはバレても全然構わない。
研究員であるということしかバレていないのだから。
282 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 16:43:55.81 ID:u//9qeZqo
>>281
矛盾を突くと、明らかに動揺し出した女、やはり何かを隠しているようだ。
これでも何か言い逃れをしようとするなら、いよいよ持って直接的な手に出ざるを得ない、何しろ滅茶苦茶に怪しい訳だ、何を企んでいるか分かったものじゃない。
それに、先程女が落とした小瓶、それを自分が見た事には気付かれていないようだが、アレは明らかに『拙い』代物の筈。

「……やっぱりか?」

だが、そうする前に意外と早く、女は嘘を認めた、予想通り能力者であったらしい。
何故そんな事を隠していたのかは気になるが、それは大きな問題ではないとし、それに確かに、彼女の能力によって助かったのは事実。

「まあ、アンタのおかげで助かったのは本当だ、礼としてこれ以上詮索するのは辞めよう」
「『薬を作る能力』だって、そんな認識で良いんだよなァ〜?だったら、人の役に立つのかもしれねーし……」

それに免じてとは言わないが、今の所は詮索するのは辞めるとする、もしかしたら誤解かもしれないし。
製薬の能力なら、人の病気などに対して非常に役立つ能力だ、もしかしたら悪い人ではないのかもしれない。
…と、ここまで考えて、一つ思い浮かぶ。

「……なぁ、アンタ、どんな薬でも作れるのか?」

うすらボンヤリとしていた表情は真剣な表情に引き締まり、女の目を真っ直ぐ見て、問い掛ける。
283 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 16:50:53.69 ID:e8rseU4Ho
>>282

「ふふ、ありがと。まあ、そんな認識でいいよ。」

まず、よかった、なんて感情をもち。
アヘンのことは多分バレてない、それならそれでいい。
ここで薬売りだとバレたらまあヤバい。

「ん?ええ、現実に存在する薬であれば作れるけど?」

どうやら、青年の真剣な顔から何かを感じ取り。
もしかしたら、彼の有人かだれかが病人なのかもしれない。
いつもであれば、金にならない商売はしない主義なのであるが、この度は致し方無いか。
こんなことを思い。
284 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 17:01:04.75 ID:u//9qeZqo
>>283
「『実在する薬』か……」

ここで、女の回答を聞いて青年は考える、自分の望む薬が、実在するのかどうかわからないからだ。
だが、それは薬に詳しそうな女に聞けばわかること、一か八かにかけて、聞いてみる。

「……『記憶喪失を治す』薬とか、ないか?」
「いや、実在するかどうかはわからないんだが……もし実在していて、作れるなら作って欲しいんだ」

女からすれば、なんとも突拍子もない事だろう、どう考えてもそんな奇天烈な薬がある訳がない。
が、それを聞く青年の目は真剣だ、冗談を言っている風ではない。
285 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 17:12:49.46 ID:e8rseU4Ho
>>284

「・・・、つまり、君は記憶喪失を治したい、と言いたいわけだね?」

うーむ、と唸りながら考えてみる。
認知症の薬か?いや、あれは事後に効果はないはず。
それなら他の薬は?なんて事を考えたのだが・・・

「あっははは、ごめん、それは無理な話だね。
たとえば、君の頭の片隅に記憶が残っていたりするのなら、その鍵を外すだけでいい。
でも、その外す方法がわからないんだよね・・・。」

実際に記憶を“失くしている”のであればもう復旧は無理な話だ。
ただ、その記憶が頭の片隅にでも“封印”されているのなら―――
それは可能性でしかないが、もしかしたらできうるかもしれない。

「いいかい、私は薬の研究開発は大得意だ。
だから、君の言う“記憶喪失を治す薬”には興味しかない。」

今度は女が真剣な顔つきで彼を見る。
彼も真剣なのであろう、記憶喪失を治したい、なんて言い出すのだから。

「だから、私は真剣に開発をする。ただ、できるとは限らない。
それに、私は魔法使いじゃないから、君のその記憶喪失をピンポイントで治すということもできない。
副作用も出るかもしれない。・・・、それでも、私の研究に協力してくれるかい?」

もし彼が、女の誘いに乗ってくれるのであれば、今の研究と並行してでも研究したい事項だ。
ただ、創りだした薬には、無論副作用が存在するかもしれないし、彼の記憶喪失がどんな種類なのかもわからない。
女は真剣に、男へと語った。
286 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 17:31:37.59 ID:u//9qeZqo
>>285
「……そうか」

どうやら、そんな都合の良い薬なんて無いらしい、すこしショボンとした顔をして俯く。
だが、続ける女の話に顔を上げ、その真剣な眼差しを見る。
『無いのならば、作ればいい』、女の言う事はつまりそういう事か、何とも上昇志向で楽観的なものだろう。
だが、そんなポジティブな考え方は嫌いではない、寧ろそういうのは好きな方だ。

「わかった、協力しよう」
「オレの記憶が戻るなら、それに、その薬でオレのようになった人も記憶を戻せるなら、協力しない理由はない」

だから、女の提案に乗る事にする、可能性が【0】よりはよっぽどいい筈だ。

「……で、オレは何をすればいいんだ?」
287 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 17:41:50.44 ID:e8rseU4Ho
>>286

「ふふ、ありがと。それでね・・・」

彼は協力してくれるようだ。
それならば、女も研究しやすい。その理由は単純。
彼がラットになってくれるからだ。

「君は、単純に私の試作した薬を飲めばいい。ただそれだけ。簡単な話だろう?」

そう、試作をしたからには実際に飲んでもらわなければ効果はわからない。
その上、彼のような状況の人間なんてそうそう居ないであろう。
そう思い、彼には“事前に検証されていない”薬をのんでもらうしかないのだ。

//すいません、事情で次に返せるのが20時くらいになるかと・・・
//もし都合がわるいのでありましたら、〆ていただいても構いません
288 :【無銘之兵】 [saga]:2016/02/07(日) 17:46:20.79 ID:YxCj6O3I0
街の近くにある寂れた集落。
そこは地獄絵図に変わっていた。
突如発生した吸血鬼により、村人の大半が襲われ、血を啜られ、殺さた。
吸血鬼に変異した者、吸血鬼に殺された者によって、鉄錆の匂い――“死”――が集落全体を包み込んでいた。
最早、逃げ惑う者も戦う者も居ない。
身を隠し、息を殺し、必死に悪夢が過ぎるようにと祈り続けるしか、村人には無かった。

そこは吸血鬼の集落と化していた。
吸血鬼……と言ってもその吸血鬼には知性の欠片も無い。
その吸血鬼は狂っていた、いや、狂わされていた。最初の放たれた一体の吸血鬼は永く血を与えられず、薬物付けにされていたのだ。
実はその吸血鬼、吸血鬼の“素”の能力を知る為に組織から調整されているわけだが。
理性や知性の無い生き物は、己の力を無尽蔵に発揮することが出来る。人外の力を知るにはもってこいだ。

だが、吸血鬼の力を知る為とはいえ、機体を飛ばしては近くに街があるのだからばれてしまう可能性がある。
そこで戦闘員を選りすぐり、実戦に長けた者を、調査員として現地に向かわせた。

戦闘員たちの目的は――
吸血鬼のデータを収集すること。それと、惨劇を知る集落の村人全員の“抹殺”

戦闘員達はデータの収集を終えると、村人の排除に取り掛かった。
しかし、予想以上に吸血鬼との戦闘が多く、隊員の大多数が死亡した。
生きている隊員も、片手で収まる程度と予想される。

その生き残りの一人。
彼は上手く身を隠しながら、体勢を立て直すため入り口付近まで後退していた。
吸血鬼と、隊員以外の人間は敵と言う状況。
兵士はその命令を忠実にこなしていた。

この血濡れの集落に、街からの来訪者が来ていたとしても可笑しくは無い。
もし、来訪者に遭遇したなら――
――兵士は迷わず“処分”を開始する。

//今日まで募集します
289 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/07(日) 18:03:47.85 ID:ix/6WlN90
>>252

最大出力。自らその限界を誇示するのはブラフか、それとも自信か。剣線が安定していない状態で、牽制程度の威力しかないと言っても彼が一太刀で仕留められないのは『相当』面倒な相手であるという事は理解できる。
見えているのだから反応できない筈はない。反応できるのだから相手を斬ることも容易いだろう。それを『行えていない』という事が、何よりの証明でもある。
加えて、彼は先ほどの任務を『貴島』の本家に報告しに行かねばならないという『用事』もあり。さらに言えば、『こういう手合い』は『此方が退かなければ』何処までも『楽しむ』と言うのは身に染みている。
――――まだまだ『同僚』の『後始末』も残っている。権力を『振り翳す』だけの簡単な物だが、それには『迅速な』対応が求められる。

「――――これ以上『手前』に付き合ってる程『暇じゃねぇ』」

この時初めて、彼の鞘に添えられていた右手が僅かに動く。具体的には軍刀の鍔を右手の親指で軽く弾き、僅かにその答申を『露出』させる。いわゆる、抜刀の際の事前動作。
此方の背後をとるかのごとき跳躍。人間に出来る動きなのかは正直『不明』だが、青年のような身体強化型の能力者であればあながち不自然では無い。其処に驚くような『初見』では無かった。
身体強化、及び雷撃を纏う能力者は珍しいと言えるほどでは無い。彼が出会った『戦車男』や『反発女』の様に『此方にとってほぼ初見となる』様な要素はまず無いと言っていいだろう。
ただ漠然と相性は悪い。必然的に近接戦へと移行せざる得ない彼の能力は電撃。ひいては触れただけで効果を及ぼす類の能力とは比較的『戦いづらい』と言える。
触れただけで筋肉の硬直やしびれを促される電機はもちろんの事、毒を分泌する能力や炎なども基本的には相性が悪い。能力にすべてのポテンシャルを振っている場合は『発動される前に斬る』と言った行動も可能だが、青年にはそれも難しい。
であればどうするか。答えは『抜刀』。先程とは違うものの『移動する場所が変わる』だけ。速度緩急共に彼を翻弄するレベルに近いが、まだ反応できる。人間の動きは『限界』がある故に。
先程弾いた鍔から繋がる柄を左手で軽く握り、僅かに息を吐く。直後に浅く息を吸って全身に空気を循環。筋力強化を両足と左腕に集中して発動。左腕は自身の肉体が負担を感じ始めるレベルにまで強化する。

視線の先には雷撃。その死角に潜り込むようにして移動する青年とそして蹴り上げ。どれも当たれば相当のダメージを受けるだろう。たとえ片方を避けたところで、もう片方が刺さる。
二者択一を迫る攻撃方法と言ったところか。考えてはいないのだろうが、野性的で効率的。存外器用な物だと思考の端で思いながら、軍刀を鞘から『抜き放つ』。
瞬間、突風。いや、暴風と言ったほうが近い風の動き。僅かな予兆と共に発生するそれは『刀の振り』につられて動いた大気の集合体であり、剣圧とも言われるそれは『雷撃』と『青年』その両方を『飲み込む』ような形で発生する。
一点に定められた斬撃波では無く、暴風の中に幾つもの鎌鼬が存在するような感覚。鎌鼬一つの威力は大きくないものの、当然幾つも喰らえばひとたまりも無い。
以前『反発女』に放ったものが点に対する斬撃であるならば、此方は不特定多数を切り刻む『風の暴刀』。距離が近い故にその威力は十分で、雷撃と青年に対する『攻撃』を担う。
もし仮に青年が彼の攻撃範囲に残っていたのならば、剣圧を発生させた際の『軍刀』は此方を蹴り飛ばそうとした足を『斬る』位置にある。風の刃と違い、此方の威力は掠っただけでもそれなりの痛みを伴うだろう。
加えて、暴風ともいえるそれは彼の斬撃によって巻き上げられた砂と合わさり、より物理的な攻撃力を獲得している。

基本的に雷撃は空気の流れによって霧散されるものだが、能力によって圧縮された雷撃がこの攻撃で霧散するかは不明であり、青年に斬撃が当たるかどうかすら不明である。
此方がカウンターをとるような形になってしまったのは些か『不愉快』だが、これで少しでも『青年』に隙が出来たのであれば。砂と風が完全に止んでしまう前に『撤退』を開始するだろう。
当然、此方の撤退に気付きそれを阻止することは可能だ。風の暴風と入ったものの所詮剣圧。身体能力を極限にまで強化している青年であれば防ぐ事もできるだろうし、雷撃が其れを突き抜けて彼に迫ることもあり得る。
290 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 18:05:43.17 ID:u//9qeZqo
>>287
「あー……まあ、そうなるよなァ〜……」

『何をすれば』なんて聞くものの、製薬の手伝いで自分が出来る事なんてたかが知れている。
つまり、試薬の非検体だ、これ以上無く分かりやすい。

そこで気になるのが、先程女が落とした小瓶、『アヘン』と書かれたラベルを思い出す。
それ自体は、危険な薬物であるが、得体の知れない新薬ではない、もし女がそれを常習していたとしても薬物中毒ではあってもマッドサイエンティストではない。
どっちにしろ、危険な匂いしかしないが。

「まあ、手掛かりになるなら仕方ないな」

しかし、元よりリスクなんてものは承知の上だ、手伝ってくれる人はいても、何か方法を変えるのも必要。
嫌だと断るのも勿体無いので、了承しようではないか。

/わかりました、ではお待ちしておりますね。
291 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/07(日) 19:00:22.86 ID:z8oM6lC6o
>>280
モビルワーカーを停止させる。その動作に、レナートの前を歩いていた人間が振り向いた。
開いたコックピットから踊り出し、その頭部を踏みつけるように立つ。その視線の先―――――― 他の人間が気付いたのは、その後の話だった。
それが形作る輪郭はロングコートを身に着けた女。そして、その"眼"。静かに向けられる微笑みと、そして……壮年の男達へと向けられるのは、"殺意"。
壮年の男が、トレンチコートの内側から"銃身を短く切り詰められたレバーアクションライフル"を取り出す。それと同時に、周囲の黒服もまた同様に。
一触即発、か。どちらが動き出して、どちらが殺すか。そういう"酷く張り詰めた空気の中で"。コートを靡かせた男は、少々呆れた様子で、モビルワーカーの上から。

『"マシマ"―――――――――――― 実行部隊か?』


「остановить(止めろ)!!!」

彼女達へと、叩き付けるように、まとめてそう言うだろう。
本来であれば、"企業"と"闇ブローカー"の争いなど、レナートなど知ったことでは無い。
だが、"こんなところで暴れられれば取引は無茶苦茶になる"。警察が介入して来たらそれこそ目も当てられない事態になるし、そうなっても余り派手に動きたくも無い。
故に、少なくともこの場でそうなるならば、無理矢理にでも止める必要があり。

「お前さんの、今日の取引の相手は"無限機構"だろ?」

そして、片手で軍帽を抑えながら、モビルワーカーから飛び降りる。
壮年の男たちの間を縫って、女性の前に。その場で動揺の意を見せる黒服達に、壮年の男は、タンカーで作業を続ける事を命じると彼もまた遠巻きにその光景を見つめる。
それから、彼女の前に辿り着く事が出来たならば。軍帽を取り除いて、照明の下に火傷の痕と、子供のような笑い顔を晒しだして。

「まぁ、分かっているだろうが。俺こそが、最終神殺総帥、そして"無限機構総統"」


「―――――――――――― レナート・コンスタンチノヴィチ・アスカロノフだ、Девушка(お嬢さん)」

レナート・アスカロノフには、然し"特別なようには映らなかった"。精々、少し変わった人間程度。
故に、その態度を必要以上に強張らせることも無ければ、何か緊張の類を抱くことも無く。彼女へと、先ずはその右手を差し出すだろう。

/反応遅れて申し訳ないです……
292 :【八岐弁慶】 [sage saga]:2016/02/07(日) 20:06:46.22 ID:CRmpgAux0
>>291

「ご名答。物分かりのいい人は好きですが、しかし良すぎる人は嫌いでさァ」
「そっちがそのつもりなら、どうです?」「あたしと、ただの人間≠ノ過ぎないあンたらで。ここは一つ真昼の決闘≠ニ洒落込もうじゃあ――――」

冷たい銃口を幾重にも向けられてなお、女は微笑んでいた。驚くこともなく、怯えることもなく。確かな殺意の篭った笑わない瞳で、老人を見つめていた。
彼女が得物を抜く気配はなかった。その必要すらなかった≠フだろう。仮にこれが老獪な鼠を追うだけの任務であれば、彼女は老人と黒服のエージェントたちを、武器一つ使うことなく鏖殺することも容易なことであった。

しかし彼女はそうしなかった。そも、彼女にはそれが出来なかった=B今の彼女にとって、老鼠は正しく鼠であったし、何よりも。
総統の一喝に、彼女は笑んでいた顔を強張らせて、そして彼を見上げた。彼女は一時、戦慄≠オた。そしてまた直後、ああ、なるほど≠ニ理解した。せざるを得なかった。
彼女は歴戦の闘士であり、手にかけた人間は両の手を使っても数え切れないほどの殺人者である。それが故だった。

「……すいやせんね、お見苦しい所を。こっちが頭下げに来たのに、これじゃ世話ねえや」

総統と名乗った男――レナートの微笑みに、彼女は安堵の息を吐きながら左の頬を掻く。
そして改めて、彼女は静かな笑みを取り戻すだろう。右手をそっと伸ばし、差し出された彼の手を握り返す。
彼女の手は、その肌と同じように浅黒く焼けていた。齢二十ほどであろうその顔に似つかわしくない硬さとざらつきがあった。
掌に触れれば血豆の痕と、脈動する血管、充填された筋肉。武芸者の掌に他ならなかった。

「申し遅れましたね。あたしは清姫=B――まァ、姫様とかお嬢さんだとか、そこまで上品じゃありやせんがね」
「これでも一応、帝國が世界に誇る巨大コンツェルン『真島重工』が実働部隊、須佐男殺し≠フ隊長でさァ」
「……てか、アポ取れてないんでしょうか。……申し訳ねぇです、どーにもうちの上司は怠け者と研究馬鹿ばっかなもんで」

どこか大仰な、しかし礼節には不慣れな言い回しだった。彼女は身上を大凡述べ終わった後に、申し訳なさげに頭を下げる。
レナートと違い、彼女――清姫に、長としての威厳≠ヘない。単なる大企業の末端、所謂平社員然とした女だった。
しかしそれが、彼女が武人として未熟であるかという問いの肯定にはならないであろうということも、レナートには分かるだろう。

「――――今回あなた様の所にお話に上がったのは、まァ単純な理由でございまして」「勿論あの連中に、ちょいと灸を据えてやらなアカンってのもあるわけですが」

「単刀直入に言いましょうか。――――我が社は、あなた様のお手伝いがしたいのですよ」

そして頭を上げた彼女は、にこりと愛想のいい笑いを浮かべた。他人に向ける微笑みに、彼女は慣れているようだった。

/こちらこそ、遅れてすみません……よろしくお願いしますッ
293 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/07(日) 20:38:18.91 ID:1MT1ferv0
>>289


先刻の初撃への対応と同様、腰の軍刀柄に手を添える予備動作≠ェ目の端に映った。
それをも無視しようと蹴りを叩き込もうとして――――途中でブレーキをした。

「――――っ!」

放たれた抜刀からの斬撃により、脚に深々と裂傷を刻み込まれ、血を噴き出す。
だがそれさえ感じるのを忘れる規模の斬撃が、視界前方に突如発生したのであった。
咄嗟に眼前に現れた幾重もの鎌鼬とでも云うべき斬撃から成る暴風から、逃れようとする。
軸にしていた上半身、その両腕を支点にする形で全身を旋回させ、方向を180度転換する。
彼に対し蹴り上げたのと真逆の方向、即ち背を晒して数メートルの距離を取るようにした。

云っても、腕と脚に斬り傷を受けた状態での走りは十全たる程に至るはずもなく。
鎌鼬の幾つかをその身に喰らい、暴風圧によって巻き上げられた小砂利が、全身の皮膚に打ち込まれる。
一定の距離を離すと再度彼の側に振り返り、開脚された両足で踏み込み、自ら生んだ速度を殺す。
そして巻き起こる砂と風の隙間から、撤退の姿勢を見せる彼を視認したのだった。
抜刀に前後するように聞こえた言葉から意図を理解し、咆哮する。

「あァ!?まだ俺の気は済ンで―――――ッ!?」

叫びと同時に追跡、追撃せんとするメイドはガクンっ―――――、と無抵抗に膝から地面に崩れ堕つ。
鎌鼬の暴風を回避する為、気力で無視しようとした痛みが再度襲い来る。
急激に筋肉を動かせようとしたからだろうか、若しくは攻勢に移り気に緩みでも生じたのか。
更には倒れ掛かる躯体を疾走させようと支える腕に、目潰しの用途も兼ねて受けた傷が訴える。
時間にすれば数秒間≠ニしても、メイドの肢体は確実に痙攣、そして硬直していた。
彼が撤退しこの場を離れようとするならば、いとも容易く事を為せる筈である。

/申し訳ありません、返し遅れました……
294 :【惨撃進軍】 [sage saga]:2016/02/07(日) 20:54:24.35 ID:ix/6WlN90
>>293

//ではこれで撤退した。という事で〆ですかね……?
//お疲れ様でした……!
295 :【塵雷烈暴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/07(日) 20:59:00.89 ID:1MT1ferv0
>>294
/そうですね、絡みお疲れ様でした!
296 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/07(日) 21:02:48.92 ID:z8oM6lC6o
>>292
寸でのところで、こんなところで西部劇の如き決闘は取り敢えず避けられた。
然し、その壮年の男にとっては、危機が過ぎ去った訳でも無い。代表者として、"仕事が完了し、此処から離れるまで"は、その危機に睨みを効かせなければならない。
故に、男は様子見を続けることにした。レナートと、そして現れた"真島の実働部隊"の監視を―――――― レナート自身は、それを確認した上で話を続ける。
握った手は歴戦の戦士の物である。どちらかと言えば、自分のような軍人のそれでは無く、"武芸を嗜む者"の腕か。
そう言う人間は、レナートは嫌いでは無かった。自分とは違う方向ではあるが、自らの身体を鍛え上げ、"強さを追い求める事"。"古き良き"、とでも言うべきか。

「成程、成程、随分と物騒な名前だ。それに、"良く鍛えてる"。それじゃあ男も寄り付かないってもんだ」
「なに、話は聞いていたが実に唐突が過ぎる者であったから、驚いただけだ―――――― "真島の姫君"」

"真島重工"―――――― 帝國の巨大企業。その名は、レナートの"業務上"、耳に聞かないことは無かった。
そして同時に、裏側で何かあくどい事をやっている、という噂も多数聞いた。そしてそれは今、彼女が此処にいる時点で"事実"なのだろう。

「ほう、また随分と思い切ったもんだ」

「"世界大逆の神殺の後継に"」

「"気が違った戦争狂い共の集団に"」

「"分かり易い悪逆無道の大罪人共に"」


「―――――――――――― 『真島重工』が、力を貸したい、と」


―――――――――――― 戦争は、酷く"儲かる"。
最前線にいた頃のレナートは、実感したことは無かった。ただ与えられた武器を使って、現状の最善を尽くして、兎に角生き残るだけがその全てだった。
だが、"戦争を終えてから"、それを理解するようになった。戦争は、特にそう、目の前の彼女が所属しているような、"武器を売る人間達にとっては"。
これ以上無いくらいの、稼ぎどころなのだ。作って、買って、壊す。壊せばまた買って、壊す。この繰り返しが行われている内は、作る側は湯水のごとく稼ぐことが出来る。
レナートは幾つかの企業を、それを利用して"釣ろう"としたことがあった。だが、結果は余り芳しくないものだった。
所詮ならず者集団が戦争を起こす事などできはしない、精々小競り合い程度、という考えが大半だったのだろう。であれば、露呈した際の不都合の方が大きい、と。
それが、此処になって、"大企業から申し出があった"。これは、"核"の効果か―――――― それとも、"酷く酔狂、或いはどうしようもない馬鹿"がいるのか。

「嬉しい申し出だ。所詮無限機構は少しばかり力を持ったチンピラ集団、軍隊と言うには程遠い」
「アンタ達みたいな巨大企業の援助が受けられれば、心強い事この上ない。俺としては、歓迎だ、と言いたいところだが――――――」

「―――――――――――― アンタ達は、何が目的で?」

カラスはカラスの目を突かない。協力関係の上で最も大切なことは、お互いの"目的である"。
同じ利益を共有する者は、互いの事を裏切らない。故に、素直に頷く事は出来ず、先ずはその愛想笑いの下にある目的を、聞き出そうと。

/こちらこそ遅くなって申し訳ないです……
297 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 21:06:18.01 ID:e8rseU4Ho
>>290

「うん、そうしかないね。」

彼に試験体になってもらえれば、薬の改善点等わかるであろう。
こんなことで法律に構っていられるか。被験体は募集できない。

「そう、仕方ないことなんだよ。」

最早それしか方法がない。
薬の被験はたいていラットで行うが、記憶喪失したラットなんて居ない。

「それじゃ、君の連絡先を教えてもらえるかな?」

なんて、ペンとメモを彼に差し出す。
連絡先があれば、完成した時に持っていけるのだが―

//すいません、お待たせしました
298 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 21:32:21.91 ID:u//9qeZqo
>>297
「なんか、ちょっと興奮してないかアンタ?」
「……まあ、いいか」

何だか変なスイッチを押してしまった気がするが、今更『やっぱりやめた』なんて言えやしない。
大人しくメモに連絡先を書き込み……書き……

「あっ」

そう言えば、と声を上げる、白紙のメモと動かぬペンを交互に見てから、うぅんと唸った。
困った。一体『何を書けばいいのだろう』。
連絡先とは言っても、家の住所はわからないし、名前もわからない、携帯電話も持っていない、無い無い尽くしで書くべき物が見当たらない。

(……取り敢えずこれで)

妥協案として、取り敢えずで書いた物を女に差し出す。
『所属先:D.O.T.A』とだけ書いて、後は何も書いていない、というかそれしか書くことがない。

「今は【0】って呼び名でそこに保護されてるから、D.O.T.Aに来てそう言えばいいと思うぜ」
299 :【血騒嘱望】 ◆q90iVQe5VQ [sage saga]:2016/02/07(日) 21:33:03.20 ID:IKStdU2Z0
>>249>>269
「"させ"ないとも。僕がいる限りは」

彼は少女の側から立ち上がる。
血溜まり。彼が嘗て望み渇望し、そして今は決別したもの。
彼はその上で、重苦しい水音を立てながら、彼女から目をそらすことなく見据える。
その青色の両目には、あまりにも人間的な、生の奔流が迸っているように思えた。

彼は、それをさせない、とは言ったが。
しかし同時に、それは出来ないだろう、とも考えていた。

理由は分からないが━━━━━彼女が再び少女と出会ったとしても、彼女は少女を殺しはしないと。
そう言った出どころのない確信が、衝動としてその内にあったからだ。
それは少女の、どこか満足気な表情にも現れていた故だろうか。

「━━━━━━━行こうか、クリスティアーナ」

彼はそれだけ口にしてから、少女を連れて外へと出ようとする。
可憐なる純白の少女に、生臭い鮮血の紅は似合いはしない。
本来は、血に穢れた彼こそが此処に居るべきだったのだと。

彼は少女が凄惨たる現場を見てしまった事を想いながら、共にその場所から離れようとする。

離れ際に、彼の瞳が後ろを向く。その瞳は、彼女の方へと向けられていて。
其処には憎しみや義憤のような物は無く。何故かそれは相手の身を案じるかのような、心配するようなものであっただろう。





300 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 21:39:28.80 ID:e8rseU4Ho
>>298

何かを考え込んでいた青年は、ようやく筆をとる。
そして白いメモ紙に書き込まれた所属先を見た途端、「うわっ」と一言。
まさかこの青年がD.O.T.A.の一員とは思っておらず。

そもそも、この女は違法にモルヒネや阿片を売りつけたりして稼いでいる。
そんなところに行くなんて、飛んで火に入る夏の虫のようだ。
今度はうーむ、と女がうなり。悩み悩んだ挙句。

「うん、分かった、分かったよ・・・。
D.O.T.A.ねぇ・・・・・、あんまり行く気は出ないなー・・・、あははは・・・」

研究には代えられない。隊員の記憶復旧のためだといえば許してくれるだろう。
―――いや、そんなこと有るわけがない。

「あー、そう。“どんな”薬のことでも迷ったら聞いてね、あははは」

なんて言い、青年に背を向けて路地の方へと出ようとする。
ここで引き止めるようなことをしなければ女はそのまま路地へと出るだろう。
301 :【八岐弁慶】 :2016/02/07(日) 21:50:31.37 ID:CRmpgAux0
>>296

「……まァ、姫様と呼んでくれるだけ、ありがたいもンです」

溜め息を一つ吐けば、彼女は苦笑してレナートを見つめた。彼の言葉通り、彼女は男≠知らない。
恋に身を焦がしたことはないし、己の身体を委ねたこともない。ただ一人、真島という巨大な組織の手先として動き、強敵と死線を交わす。
そして時折、殺した人間の辿ってきた人生を想う。それだけが、彼女の生きる歓びだった。
無論のこと彼女は他の生き方を知っていた。自らの幸せが他の人々の抱くそれと懸け離れていることにも、同じく。


「――はッはッは、上等ですよ。言った通り、あたしらの上司はそういう馬鹿≠ホかりだ」「真島にいるのは、実益ばかりを追い求める無味乾燥な役人ばかりじゃあないンです」

「研究畑の人間に限りませンよ、それは。どいつもこいつもイカれてます」
「――――――それこそ、世界の一つや二つ&ス気の平左で欲しがるような」


それが故に、彼女はレナートの言葉を聞けば、場違いなほどに高らかな笑いを叫んだ。
彼女の属する組織は狂気を孕んでいる。であればそこに忠誠を違う彼女もまた狂気である。
彼女は他の幸せがあることを知りながら、尚も殺し=A闘い=A想う♀スびを選んでいた。自ら、それを望んでいた。
すれば、彼女らがレナートに手を貸そうというのも道理である。何故ならば、彼女らは。

「ここで隠し事をするのも後が怖いので、やめておきますがね」「あたしらを、単に戦争屋のパトロンについて泡銭を稼ぎたがる小悪党と一緒にしてもらいたかないんです」

一瞬だけレナートから外された、赤黒く光る蛇≠フ瞳が、遠巻きに二人を見つめる老人の瞳を射抜く。
彼にもまた、彼女は笑いかけてみせた。獲物を見る狩猟者の笑顔であった。

「――――あたしらが欲しいのは、金なんかじゃない。もっと単純なもンです」

「――――――力≠ナすよ。あたしらが欲しいのは、力≠セ」
「世界だろうが、神様だろうが、殺してやりましょう。潰してやりましょう」

「――――――あたしらは、支配者≠ノなりたいンですよ。レナートさん」

そして彼女はかく語る。真島重工が彼らに目をつけているのは、単なる企業利益の為だけではないと。
財力を得れば、人は権力を求める。それは組織においても変わりはない。それが企業間のパワーゲームに使われている内は、まだ正気≠ニ呼べるだろうか。
だが真島はそうではなかった。得た権力を彼らが振り翳す先は、或いは無辜の民。――そして何れは、この世界の総て。
それでも尚、やはりそれはレナートの持つ狂気とは違う、当然の帰結たる正気≠ナあるのかもしれない。
その為に、飽くまでこれは提携≠フ取引に過ぎない。根本の部分で両者は食い違っている。同和することはない。されど世界から見れば、両者にさしたる差はない。

「だから、あンたらの力を借りたい。……今でこそほんの小さな組織でしょうけど、個々人の持つ力≠ヘ凄まじいもンだ」
「それに、そこら辺の小悪党どもと違って、あたしらにはあンたらの尻拭い≠できるだけの権力だってある」

「なンなら、今ここで≠ィ見せしましょうか。……何、新しい供給ルート≠ネら、直ぐに用意しますよ」

――相も変わらず笑う彼女の、黒いコートの内側には、一つのホルスター。確かな重みと共に収められているのは、一丁のリボルバー。
語る通り彼女は武芸者であったが、然し古色蒼然たる格闘戦のみに長けている訳ではない。寧ろ俗に言うところの早撃ち≠ノもまた、それなりの才覚があった。
302 :【不動念動】 [sage saga]:2016/02/07(日) 21:52:46.21 ID:V7Wlc658o
>>250

かの狂人は瓦礫を足場に吶喊を為す。
少女は想う――やはり”私の選択肢”は常に正しかったと。
あのまま瓦礫類を操作していれば、明確に”死”が待ち受けていただろう。

――――即ち。

「……はぁ、はぁ、これで……チェックメイトですわ」

ぎし、と少女の座す車椅子が軋む。少女の焦点は朧げに、その相貌は疲弊に満ちていた。
そして彼女の純白であった衣類は”朱”に塗れていた。果たしてそれは誰の”赤”だろうか。

「……うふ、うふふ、うふふふふふ! うふはははは! あははははははははは!!!」

嗤い、悶え、全身を震わせて少女は狂気の快楽に呑まれる。嗚呼、今日も”生きた”ぞ。
少女の眼前には”朱”のナイフを振りかぶり、そして”振りぬけなかった”モノがいた。
少女は唯、一点を操作した――それは”朱”のナイフであり、それを手繰り為したのは喉笛への一撃。

「狂っている? 痛み? 私が今、此処で、貴女を屠った! その事実が、この夜が私の”生きている”という事!!」
「くすくす、くすくすくすくす――醜い顔ね、でも、嫌いじゃないわよ……有難う、そして、サヨウナラ♪」

少女が逆に手繰った”朱”のナイフは見事、喉笛に突き刺さり、少女は噴水の如く吹き上がった”朱”をその身に浴びる。
まるで汚物を洗い流すかのように、血の雨の中で嗤う―――快楽の渦に呑まれながら、悦に入る。
肉体強化による抵抗は強く、こちらは病弱。押し切られても可笑しくはなかったが、それを押し退けた事が”生者の悦び”だろう。

肉体と精神。動くモノと動けないモノ。今宵の生死をかけた狂ったお遊びに幕を引いたのは少女だ。
不動にして至高の念動は”痛味”すらも操ってみせた。そして少女は気狂いの様に嗤いながら、決着が着いた相手に感謝と別れを述べる。

/結局この時間に落ち着いてしまいました。お返ししておきますね……すいません!
303 :【0】 [sage]:2016/02/07(日) 22:01:52.78 ID:u//9qeZqo
>>300
「まあ、ほとんどオレは外で探し物をしてるから、中にいる事の方が少ないけどな」
「なんだったら言付けだけでもしといてくれよ」

青年に悪気とかはない、ただ偶然だ、偶然連絡先となるものを持っていなかったというだけ。
女としてはやりにくい事この上ないだろうが、青年からはこうするしか無かったのだ。

「それじゃあ、何か出来たら頼むぜ」

笑い顔を浮かべながら歩いて行く女の背中をその場で見送る、また一つ、記憶を取り戻す為の助けが増えた。
思えば色々な人が自分に手を貸してくれている、当たり前のようで、そうでないその事実に感謝しなければならないな、と考えつつも、自分も手掛かりを探しに歩き出す事にした。

/お疲れ様でしたー。
304 :【闇夜に謡う加虐倫理】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/02/07(日) 22:05:12.32 ID:4ZtQvm090
>>302
//何かお返ししようかと思いましたが蛇足になりそうなのでここで〆としますね
//いえいえ。数日間もお付き合い頂けて光栄です!ありがとうございましたー
305 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/07(日) 22:30:35.38 ID:e8rseU4Ho
>>303

「その言付けってのが難しいんだよね。」

はぁ、と溜息一つ。
もともと指名手配でもされていそうな女がズカズカ入れるわけがない。
どうしようかな、なんて迷いを持ちつつ。

「今度出会った時には敵になるのかな?」

路地に出て、新鮮な空気を吸って。
『逆鉤十字の国』から与えられた指令を達成しなければならない。
そんなことも思いつつ、ぶらりと歩いて行った―

//ありがとうございました!
306 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/07(日) 22:32:24.56 ID:z8oM6lC6o
>>301
レナート・コンスタンチノヴィチ・アスカロノフは、"狂ってはいない"。ただ、"一部分における正気の位置が他人とは決定的にずれている"だけの話だ。
例えば、普通の人間が一人の少女に恋をして、焦がれるように。例えば、誰かが将来の夢の為に一直線に直走るように。
レナート・アスカロノフにとっては、"それが戦争だった"というだけの話なのだ。
それ以外の部分に関していえば。まともな倫理観を持ち、まともな善性を持ち、まともな正義感すらも持っていて。だからこそ、決定的に、誰にも理解されることは無い。
故に、レナート・アスカロノフはそこにある其れを"狂気"と受け取った。―――――― 『支配者になりたい』、そんな、途方も無さ過ぎる目的を。

「……恐ろしい。案外、まともなのは俺だけなのかもしれないな?」

それは単刀直入な、嘘偽りの無い感想であった。
正しくそれは"恐怖"だった。それが事実として目の前に、世界を支配せんとする、巨大な企業があるという事……それが、堪らなく恐ろしかった。
そして、時に果てしない狂気は、"正気"よりも間違いのない、信頼にすら成り得ることがある。

「―――――― 無限機構が、俺が、欲しいのは」
「"戦争"だ。"大戦争"だ。全世界を巻き込んで起こった、"あの時"だ。俺はそれ以外に、何も求めたりはしない」
「その点において、俺達の思惑は一致こそしないが―――――――――――― 途中までは、共に歩んでいけると言えるかもしれない」

「だが、俺はただ"戦争を求める"のみだ。その後に、お前達が支配する手助けなんかは考えやしない、いや、それどころか、"出来ない"」
「無限機構は、一度戦争が起これば、間違いなく瓦解する事だろう。戦争を目的とする集団が、その目的を達成した結果何て、それ以外に有り得ない」

「そして俺は、その中で"虫けらのように死ぬ"。それを理解したうえで、ならば」


「―――――――――――― 是非とも、"お願いしたいものだ"」

それは飽く迄、彼女等がそれに納得するのであれば、の話ではあったが。レナートはそれに"頷いた"。その"途方も無い狂気"に、頷いて見せた。
目的は違えど、隣を歩く事は出来る。途中までであろうとも、手を繋いでいくことは出来る。彼等が目的達成への一歩を踏み出した時、レナートは既にこの世にいない。
裏切られるような時期には、既に無限機構も存在していない。であれば、レナート、および無限機構にとっては、"欠片の不都合も無い"取引であった。
故に、それを承服した。唯のならず者の集団であった無限機構は、また一歩、"分かり易い世界への脅威"へと歩み出すのだ。

「……だが、それはいただけねぇ」
「それに、小悪党だろうと何だろうと、アイツらは俺達に兵器を売ってくれた、謂わば"恩人"だ」
「取引を続けるにしても、続けないにしても。これまで受けた恩は消えない、義理は通さなけりゃあならねぇ」

「悪党だろうと何だろうと。"信用を失っちゃあおしまいだ」

「折角無傷で交渉を成立させたってのに、一戦交えたくは無いだろ? 俺もだ」

パチリ、と指を慣らす。それと共に、男の横に"重機関銃"が出現する。PM1910重機関銃、マキシム機関銃を"祖国"が独自に改良した、"百年以上も前の兵器"だ。
仮に、『真島』と壮年の男達に確執があったとしても、そして今、『真島』と手を組んだとしても、その男達と取引をしていた事実が消える訳では無いのだ。
故に『真島』と彼等が、自分の至り知らぬところでするのならばともかくとして少なくともレナートの"眼前"で争う以上は、守らなければならない。
壮年の男は、銃を抜いていた。歳を重ねているだけのことはあって、彼我の実力差を計る実力自体はあった。それ故に、冷や汗を流しながら、それを静観する。可能であれば、"撃てるように"。
307 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/07(日) 23:05:57.02 ID:rnASmzzVo
>>269>>299

人間の死体の山に座る天使は、一体何を想うのだろうか。機械はそんな事を少しだけ考えた。
機械は結局、その場に現れた2人が人間なのか人外なのか確信を得ることは無かった。
それはつまり、人間と人外の境界が非常に曖昧だという事を、皮肉にも自分の思考ルーチンが証明したという事。
会話の最中、何度も何度も自己診断プロトコルを回し続けていたが、結果はいつもと同じ。
"NO ERROR"を機械に伝える0と1の信号が、1秒の間に絶え間なくリトライされた。

アルミ合金の天使は別れの挨拶もせず、その場を去ってゆく"親子"とかいう概念を眺めた。
親子、親子。それは生物にとって常にあるシステム。機械には無いシステム。不可解なシステムだ。
この人間の意識に近い自我を持ったプログラムの開発者を、彼女の親と呼べるだろうか。
親子、不思議な響き。余り遠い存在に、彼女は思えなかった。

やがてマザーボードの熱が完全に収まる。人間の惨殺者は歩き出した。血を踏みしめる音を立てて。
冷たい冬の冷気を彼女は感じることができる。体は人間であるから、高感度なセンサーのように敏感に冷気を覚える。
寒い。酷く寒い。黒猫を湯たんぽ代わりにしようと、ぎゅうと抱きしめる。にゃあと声がまたあがる。
彼女は何故自分がこんな惨めな気分を味あわないといけないのか、さっぱり分からなかったが、

あの2人の会話で惨めな気分になった自分に、重ね重ね、惨めな気分になったのだった。

去り際、まだかろうじて息の残っていた人間を見つけた。倒れ伏し、胸を膨らましたり縮めたりしている。
いつもなら息を吐くように止めをさしていたに違いない。だが、今日はその幸運な生存者を見逃した。
その自分の行動に強い違和感を覚えて、またもや自己診断プロトコルを起動する。
"NO ERROR"。ありがとう、クソの役にも立たない空気も読めないポンコツプログラム!

「最悪の夜。」

吐き出す息は白かった。



/数日のロールありがとうございました。ここで〆させて頂きました。
/濃密な絡みができて、大変楽しかったです。またお相手できましたら、その時もよろしくお願いします。
308 :【八岐弁慶】 [saga sage]:2016/02/07(日) 23:15:23.56 ID:CRmpgAux0
>>306

レナートの承諾を聞けば、彼女は至極嬉しそうに笑ってみせた。確かに二十歳前後の乙女が浮かべるような、隠れたもののない喜びの笑顔だった。
然し彼が続けた言葉と、彼が喚び出したであろう「骨董品」を前にして、彼女は唇を曲げた。老人が構えている銃にはまるで頓着していなかった。

「――――妙な方だ。ブッ飛んだ考えをお持ちになってる割には、道義をきちんと通されるとは」

また彼女は溜め息を吐いて、呆れたようにそう返した。彼女の中でレナートとは、より狂気的かつ実利的な人物だった。
それこそ好条件の一つでもちらつかせれば、喜んで先程までの交渉相手を切り捨てるような――
しかし思い返してみれば、彼女もまた確かに始末屋≠ナはあったが、しかし普段から周囲に殺意を振りまいているような人間ではない。
存外、狂人とはそんなものなのかもしれない。そう思いながら、彼女は疲れたような苦笑いを浮かべて、こう言った。

「――まァ、構いやせン。あの小悪党一人見逃せば、そっちと手を結べるなら安いもんです」
「いいでしょう、彼らに手は出しません。折角うまく行きそうな取引を潰したら、あたしが上にドヤされちまう」

懐に握っていた拳銃を彼女は手放し、両の掌を開いて、おどけたように掲げてみせた。
同時に彼女の外套の中から、更なる腕≠ェ――本来存在しないはずの六本の腕≠ェ現れ、確かにある§rと同じように同じように掲げられるのだった。
こうして見せられた合計して八本の腕こそが、須佐男殺し≠フ由来であり、そしてまた彼女が始末屋≠スる所以だった。暗器を隠し持つのに、この腕は何よりも適するのだ。
そしてまた、そんな腕を他人に曝す意味とは、彼女は言葉通りに最早手を出さない=\―確かな誠実さの証明。

「何にせよ、お褒めに預かり光栄です。なんたって、世界に革命を起こしてきた人間はいつだってキチガイだ」

「もちろん承知しておりますよ。あンたらがやることやったらどうなるか、なんて。……滅茶苦茶に引っ掻き回してさえくれれば、あたしらはそれで充分すぎるくらいでさァ」
「だから恩返しなんてしてもらえなくても、たんまりと後援はさせていただきますよ。――汝の隣人を愛せよ、って奴ですかね」

そして彼女は楽しげに笑う。兎角彼女は笑顔の絶えない女だった。彼女は殺人者であるというのに。
利潤を一義とする企業が信仰深い言葉を吐いた。それは単なる皮肉や自嘲ではない。
彼女らが――――真島重工が。技術者であることを忘れることなく、確かに探求心≠ニ欲望≠ノ忠実な証。

「……あー、聞こえてますか? この通りです、もうあンたらに手出しはしやせんて。上にはあたしがよーく頭下げときますから。
 ただこういう商売続けるなら、横流しなんて止めて大っぴらにやってくださいよ。……今売ってるモノよりも、数倍質のいいブツを提供してやりますよ。
 天下の真島様からお墨付きだって貰えるンだ、何ならそれ使って法外な値段付けたっていい。――悪い話じゃないでしょう?」

またもや、彼女は老人に向かって笑いかけた。彼を睨めつけていた双眼は、閉じられて弧を描く瞼に隠されていた。
309 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/07(日) 23:45:02.69 ID:z8oM6lC6o
>>308

「なに、俺は一般人上がりでね、少々慎重が過ぎるだけの話だ」

レナートは、つい最近まで。祖国の普通の家で、普通の元軍人として。子供を持ち、伴侶を失い、孫やひ孫を持っている、そんな人間であり。
そこで培われた感覚や常識は、そう簡単に捨てきれるものでは無い、ただそれだけの話だった。それは、ただの弱みであるのだろう。
だがそれでも、レナートと言う男は自分が歩んできた人生を、人格を、否定したいとは思わず。少々子供っぽい性格を残しているのもあって、少なくとも"非情"では無かった。
横に出現した重機関銃が朽ち果てるように消滅する。はぁ、と安堵のため息を突きながら、彼女の苦笑いへと悪戯気な笑みを返して。

「……なるほど、まるでアスラだ」
「その割には、引用するのは"そっち"から―――――― 余り信心深い人間には見えない、と思ったんだがな」

能力か、人外か、はたまた改造人間か。少なくともレナートは本来人間には二本の腕しかない、という大前提を知らぬほどに無知な人間ではない。
その八本の腕を操れば、少なくともこの間合いであれば、レナート・アスカロノフは、殺される気は無いが、少なくともただでは済まないのは分かる。
それをしないという事は、"攻撃の意思を捨てた"という事と、レナートは見た。

「それじゃあ、"戦争に至る為の支援"。たっぷりとしてもらうぜ?」
「何せ恩返しの必要が無いんだからな、借りるだけ借りて、死んでやりゃあそれで全部パーにできるなんて、こんな美味い話は無ぇ」

交渉は成立。レナート・アスカロノフ、および無限機構は世界を滅茶苦茶に引っ掻き回す。真島重工は、その中で漁夫の利とでも言うべきか、"世界を支配すべく動く"。
その過程において、真島重工より支援を受ける。レナートにとってはこれ以上ないほどの交渉の成立であった。
何度も何度も、足場は崩れていった。けれども、それでも一歩ずつ、愚直なまでに歩み続けた。その中で、これは"階段を二つほど飛ばして駆け上がる"かのようであった。
否が応にもその気分は昂揚する。或いは、鼻歌すらも歌いだしそうなくらいに、今のレナート・アスカロノフは、酷く上機嫌であった。

『―――――― 私は、今まデこの世界を、私自身の力だけで渡ってきましタ』
『小さな物を出来得る限り利用し、大きナものには媚びを売りながラ、隙を突いて利用して……』

『……マシマに完全に目を付けられて、商売をやっていけルとは思っていませン。分かりましタ』

相変わらず、訛りの残る喋り方をしながら。男は、持っていたレバーアクションライフルを腰元のホルスターへと納めた。
こちらも、交渉は成立したようで。レナート・アスカロノフは、満足気に腕を組んで、頷いた。
310 :【八岐弁慶】 [sage saga]:2016/02/08(月) 00:27:40.19 ID:+gLQthNSO
>>309

「さァ、どうでしょう。……元々、帝國人の宗教観ってのは妙なモンでしてね」
「強いて、神様を挙げるとするなら――――こんなバケモノ≠作り出せちまう、あたしの親≠ニ言った所でしょうか」

レナートと違い、彼女はその生まれからして真っ当な人間ではない。阿修羅として、八岐大蛇として、生まれるべく生まれさせられた=B
だが、自身が一生涯人並みの人生≠送ることは出来ないであろうという事実を、彼女は特に悔いることもなかった。
寧ろ彼女は幸福だった。殺し殺され狂気の中に生きてきた彼女にとって、凡庸な生命というのは無価値でこそなくとも、最早進んで行きたい道たりえない。
故に彼女は、自身の親≠ナあり支配者≠ナある真島重工に、不変の忠誠を誓う。

「ええもちろん。御用とあれば、我が社の虎の子たる機動部隊だって駆けつけまさァ――」
「こっちとしても、高々何もかもブッ壊れる£度で、この世界の全てを手に入れられるチャンスがモノになるんだ。――分の良すぎる博打ってもんでしょう」

くくくっ、とまた彼女は嗤う。彼女の使える組織が、また未来へと新たな歩みを踏み出したのである。
仮に彼――レナートがその全身全霊を以って、世界≠何ガロンもの血と、何ポンドもの屍を喰らい、放射能に穢れた不毛の大地に変えたとしても。
真島重工には、その汚れた世界を洗い流し、新たな生命の種を蒔くだけの力がある。すれば彼女らは、その時真に神≠ニなるのだろう。
――そしてまた彼女は、レナートに対して存外に好印象を抱いていた。確かに彼は価値観こそ正道たる人間からは懸絶していたものの、反面は人の良い男であったし、真人間らしい流儀さえ彼女の前で貫いてみせた。
彼女は確かに一企業の犬であったが、それ以前に道義を重んずる武芸者であり、そして一人の女性だった。
故に良い知人≠ェ至極楽しげに振る舞うのならば、彼女にとってもまたそれは喜びに他ならないのである。

「ホントに物分りのいいことで。伊達に交渉人やってませんねェ、教えて貰いたいくらいですよ」
「――そうですね、口約束だけじゃあ不安でしょう」「これ、取っといてください――見せれば、ウチの息がかかったとこなら何処だって通りまさァ」

そう言って、彼女は懐から二枚のプラスティック・カードを取り出す。一枚をレナートに手渡し、もう一枚を老人の手元へと投げて寄越す。
黒地に真島重工のロゴと社名が刻まれ、その下には白いフォントで印字された文字列。
「MASHIMA H.INDUSTRIES――EVERYTHING COMES FROM TECHNOLOGY」――神をも恐れぬ所業とは、この事か。

「……ああそうそう、これはあたしの個人的な話になるんですがね」
「もし、この子を――名前は、マリィナ・シグネットって名乗ってるようですが――」

「どこかで見かけたら、あたしの方に連絡が欲しいンですよ。……ちょいとこの子は、マセガキ≠ナして」

ふと思い出したかのように、また彼女はコートの内側から一枚の写真を取り出す。擦り切れたそれに写っていたのは、一人の少女であった。
黒と赤のゴシックロリータを着て、フリルのついたカチューシャを被った、紅眼白髪の儚い少女である。五歳ほどの幼い彼女は、しかし写真の中で陰鬱に俯いて横顔を見せ、檻らしきものの中に囚われていた。
311 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 00:38:53.83 ID:AfyEN+k5O
海を見つめて、歌を歌う少女が一人

「〜〜♪〜♪」

歌を歌う事は昔から大好きだった
だから、数年前にスカウトを受けた時に迷わずアイドルのなろうと思った
D.O.T.Aに入隊した今も……歌っているときは辛い事や、いつも戦いの日々を忘れられる

唯一と言って良い、"安らぎの時"

左手の肩は、昨日の戦いからまだ癒えきっていない
この傷を癒せそうな人に心当たりはあるが、連絡はつかなかったようで

「…………ふぅ」

一曲終わった所で一息つく、そして、左肩を触りながら

「…………癒えるまで、時間がかかりそうね」

呟く
312 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/08(月) 00:57:23.11 ID:fVsdna/jo
>>310

手渡されたカードを、レナートも、また男もそれを手にした。
『全てはテクノロジーから来る』―――――― 成程。彼女は自分の生みの親の事を『神』とすら言ったが、その親自身も"それに違わない程"なのだろう。
世界を鮮血で埋め尽くし。そしてその後に種を撒く。それが出来たならば、それは確かに神にも等しい存在と成り得るだろう。
それは、自信過剰と言うには余りにも力を持ちすぎていて。それに、小さく笑って、そのカードを懐に納める。

「確かに。俺は元"神殺"だが、俺が死んだ後の世界の神様なんて。君臨しようが蹂躙しようが、どうでもいいか」

『―――――― 確かに、受け取りマした。今後は、どウか御贔屓に』

それから、差し出された写真を、レナートは覗き込み、それから壮年の男が横から覗き込む。
写っているのは、未だ年端もいかぬ少女だった。年齢で言えば、少女と言えるかどうかも怪しいほどに、酷く幼い。
そして、何処か、この世のものではないかのような、儚げな少女。

「……俺のひ孫よりも小さいな」
「まあ、見覚えは無いんだけどな。了解した、見つけたら連絡、な……いや、然しこんな年齢で大変だな」

ここでもやはり、レナート・アスカロノフは少女に対して何処か"心配"するかのような表情と声色で、そう言った。
そう、漏らした通りに。レナートには、子供も、孫も、曾孫もいる。それ故に、その少女が、陰鬱な表情で囚われている姿を見るのは、少々思うところがあった。
まあ、彼女が"マセガキ"と言うからには、何かしらの事情はあるのだろう。そもそも、自分と同じように、"外見に合わない年齢をしている可能性もある"。
見せられたレナートも、壮年の男の方も、それに対しては了承の意を示し。

「……さて、"真島"の方からの用事はこれで終わりかい?」
「何せ、俺も、あっちも、碌でも無い身分なんでね。早々に撤収しておきたいんだが……それはアンタも同じだろ?」

『此方側の積み荷は終わったようデす。マシマの方へは、後ほど私の方かラ連絡を入れまスので……』

そう言って、壮年の男は、トレンチコートを翻して。タンカーへと乗り込んで、一足先に先に彼等の下から去っていくことだろう。
そして、レナート・アスカロノフもまた同じく、早々に其処から去りたい、と考えていた。
真島重工も、無限機構も、お互いに既にコンタクト自体は取っている。詳しい話は"向こう"でもゆっくりやる事は出来る筈だ。
取り敢えずは。今夜は一旦お開きとすることを、レナートは提案した。
313 :【八岐弁慶】 [saga sage]:2016/02/08(月) 01:27:45.25 ID:+gLQthNSO
>>312

「そう言って貰えると幸いですよ、本当に」「――そちらも、こちらこそ今後とも≠イ贔屓に」

レナートがそう口にした所で、彼女は漸く彼が嘗て属していたという機関を思い出した。
迂闊な事を言ったと僅かに失策を悔いたが、しかし杞憂であったことに彼女は内心で安堵した。
過去に存在した幾多もの組織が、この世界を手中に収めようと奮闘し、消えていった。真島もまたそれに続くだろうか――それは、単なる一兵卒である彼女の知る所ではない。
ただ再び浮かべた微笑みを以って、ゆっくりと頭を下げるのみ。

「……お気持ちはよぉく分かりますが、こっちとしても放ってはおけない子でしてね」「不味いことになるんですよ、色々と――いくら不祥事も揉み消せるったって、やらないに越したこたぁない」
「本筋とは関係ないことでお手を煩わせちまうのは心苦しいンですが、どうかよろしくお願いします」

その点に於いても、彼女とレナートは違っていた。彼女は――清姫は、己に課せられた使命とあれば何処までも冷酷になることができた。
例え自らの標的が、年端も行かぬ薄幸の少女であろうとも。そこに手心を加えてしまえば、彼女を地獄で待つ殺してきた人間≠ノ申し訳が立たないのだ。
故にそれは彼女の流儀だった。されどそれに対しても、彼女が苦悩することはない。
彼女は忠臣である。忠臣が愛するものは己の主君のみ。他の人々と友情を築き、親近感を覚えたとしても、その一点が変わることはない。

「ええ、あたしからはこれだけです。――勿論ですとも。D.O.T.A.の犬にでも嗅ぎつけられでもしたら……二、三人ほど、下手すりゃ数十人。マグロのタタキを海に沈めなきゃいけなくなる」
「あとウチの上司は本当に研究馬鹿ですから、連絡は何回か入れないと気付かないかもしれやせんよ」

トレンチコートを来た老人を、冗談めかした文句さえ飛ばしながら彼女は見送った。
敵対組織をそれほど彼女は恐れているわけではなかったが、出くわせば面倒であったし、何よりそれなりに丸く収まったこの場が崩れるのは彼女の嫌う所だった。
故にまた。彼女はにこりと満面の笑みを浮かべ、レナートへと別れの挨拶を送る。

「では、今日はここまでにしておきましょう」「あたしもこれから、件のマセガキを捜さなきゃいけない」

「――改めて、協力に感謝します。仲良くやって行きましょう、レナート総統=v

そうして恭しく一礼すれば、彼女は正しく追従する影の如く俊敏な動きを以って、埠頭の陰に消えてゆく≠セろう。
彼女は始末屋であった。彼女は殺人者であった。どれ程和やかな場であったとしても、その動きだけはその肉体に染み付いていた。だが。

「――――取引ってのも、悪くないもんだ」

――――ふと闇の中で呟かれた言葉は、何処へ向かう事も残る事もなかった。

/こんな感じで〆でどうでしょう……!
314 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/08(月) 01:42:42.43 ID:fVsdna/jo
>>313

「ああ、こちらこそ……仲良くしようじゃないか、"清姫"」

そうして、レナート・アスカロノフは彼女を見送った後、モビルワーカーへと歩み寄る。
脚部や胴部に設けられた足場を手馴れた様子で昇る。タンク・デサントを思い出しながら、コックピットの中へ乗り込んで、再度それを動かした。
仰々しいエンジン音と足音と共に、タンカーへと搭乗すると。それはゆっくりと、港を離れて、"彼方へと消え去っていく"。


「……いや全く。今更怖気づく、なんて事は無ぇが」

「―――――――――――― 俺は恐ろしい事をやっているもんだ、と。我ながら思っちまうな」


また一つ、"恐ろしい協力者"を手に入れた事実に。途方も無いほどの夢が、本当に現実味を帯びてきたことに。
恐ろしさを抱き、そして。言葉には言い表せぬほどの"昂揚"を抱き。"それは無限の彼方へと前進を続けていく"。

/了解です、絡みありがとうございましたー!!
315 :【不動念動】 :2016/02/08(月) 04:47:27.45 ID:vjDOAFBeO
>>304
/数日間有難うございました!またよろしくお願いします!
316 :【無銘之兵】 [saga]:2016/02/08(月) 18:10:51.02 ID:EpJTBXVp0
街の最端。範囲にして、ドーム二基分。そこではまるで戦場のような惨劇が繰り広げられていた。

突如大量発生した死徒の群によって混乱に貶められ、人々は逃げ惑う。
鎮圧に向かった警官隊が、逆に死徒の群となる。
上空を飛ぶ戦闘用の機体が死徒の群を打ち砕く。
能力者が戦っている証であろう異常な現象や怪異の数々。
僅かに残った警官が生存者を捜し、または避難場所を探し、その最中に一人また一人と消えていく。

『その場を動かないで下さい。すぐに近くの警官が向かいますので慌てないようにしましょう』
という放送が流れているが、果たしてそれに従う者がいるのか。そもそも従う人間が残っているのか。
この死徒が溢れた区域は、防御壁によって覆われ、唯一死者の侵攻を阻んでいる。網膜検査によって死人では無いと判断された人間が通すことを許される。
日頃の能力者の暴走。大規模な暴動によって開発された防御壁はこのようにして役に立っていたのだ。

『戦場』を走る――住人とも警察官とも軍人とも違う――兵士がいた。
彼は任務達成の為に奔放していた。
その任務とは“死徒の王”の発見し、発信機を撃ち込む事。
この街に発生した死徒の群は通常の死徒と違い、統率された動きを見せていた。
ただ歩いていたにしては感染区域の範囲が狭すぎる。どうやら、ドーム二基分でしか活動しないように設定されているらしい。
その事にいち早く気付いた組織が、急遽、即製部隊を結成し送り込んだのだ。
結果、一人を除いた全員が死亡・消息不明となった。

『……誰か、生存者はいるか?いたら返事を……』
声が聞こえた。そこには今にも死にそうな警察官が一人。
兵士は拳銃を持つと、狙いを定め引き金を引いた。
炸裂する銃声と、排出された薬莢。狙い通り警察官の頭部を直撃し、即死した。

――そう、前回に続き発見した生存者も皆殺しにする必要がある。
我が物顔で戦場を跋扈する死者と、建物に身を隠す少数の生存者。他にも生存率が高い能力者。彼ら全員が兵士の敵だった。

ザッ、と気配を感じ後ろを振り向いた。
そこに居たのは……
317 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/08(月) 21:00:23.76 ID:fVsdna/jo
次のバスが来るまで、あと一時間はあるほどの田舎だった。停留所の傍に、ぽつり、と立つ人影が一つ。
帝國陸軍の軍服と、袖無し外套を身に纏い、背中には帝國旧式の歩兵小銃を背負った、一人の男だった。
退屈そうに壁に寄りかかりながら……事実退屈にしながら、その男は、次のバスを待っていた。
少しくらい、何処かで時間を潰していけばよかったか、或いは今からでもタクシーを呼んで帰るか、その男は、そんな余りにも普遍的な悩みを抱いていた。
ともあれ、その悩みは。これから起こる事に比べたら、意味など無かった。

ゆっくりと、二人の男が談笑しながら歩いていた。
両者ともに、同じく帝國の軍服を着ていた。ただ、その意匠は少しだけ異なっていて……それらは、"帝國零号機関"のものだった。
身を隠すにも、"仕事を終えた後でそれは酷く油断していた"。それに気付いたのは、お互いに、お互いの存在を認識した直後で在り。

『おっ、こんなところで帝國陸軍と会うとは。その連隊番号、陸軍の第五師団か? あそこは今大変らしいなぁ』
『どうだ、今から仲間が迎えに来るんだが乗っていくか?』

その片方は、実に友好的な態度をとって男に話しかけてきた。だが、脱走兵である―――――― 高橋健次郎には、とんでもない提案であった。
如何にかして断らなければならない、と。口を開こうとした瞬間に、片方の男が。酷く深い警戒心を露わにして、それを遮った。

『……曹長、こいつの顔、見た事があります。確か、零号機関の出頭要請を拒否して、脱走した兵士が――――――』

そこまで言い終えたところで、腰元の銃剣を引き抜いて、その男の軍帽ごと、頭蓋骨を刺し貫いていた。
脳漿と鮮血を混じらせて噴き死ぬ男に目もくれず、もう一人へと一歩、踏み出し。
拳銃を持った右腕を左腕で殴りつけると、銃撃はあらぬ方向へ。そしてそのまま、思い切りその銃剣を突き刺そうとした。
だが、相手も相当に場数を踏んできている人間だったようで、その突き出した腕を取られ、脚を崩され、地面へと思い切り叩き付けられ、その衝撃で銃剣を手離す。
それを奪い取られて、今度は倒れ込んだ自分へと振り下ろされようとするのを、辛うじてその右腕を掴んで、その目前で止めさせる。

「くっ……そ……がぁっ……!!!」

目を血走らせて、こめかみに血管を浮かべ、両手で腕を引っ掴み、全力を以てそれに抵抗をする。
銃声が響き渡り、ただでさえここは、人通りが少ないとはいえ表通り。それに一人が死に、男、それも軍人が取っ組み合っている。
そして極めつけは、これが行われているのが街灯の下ということだ。傍を通る人間がいれば、嫌でも目に入るものだろう。
318 :【天刻射撃】 [saga]:2016/02/08(月) 21:01:40.84 ID:fVsdna/jo
>>317
/名前欄ミスぅ
319 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 21:51:25.38 ID:ortQUz9hO
少女は悩んでいた
裏路地にて必死に剣を振る、ただただ鍛練
━━━正直、今のままだと確実に……いつか死ぬ
そう考えている
こないだの少女との一戦…………あの大鎌を使う少女相手にほぼ、歯が立たなかった

あの一戦後、少女には付け狙われる事になるだろう…………対策はしておかなくては
彼女の能力なら、大体の予想はついている

だが、次また一戦やったなら…………とても勝てるとは思えない

「…………足りない……もっと強く……もっと強くならないと」

春香は、自らの力不足を痛感し、焦っている
320 :【純白適応】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/08(月) 21:51:44.27 ID:5GNcaTxEo
>>299>>307
心強いな、なんてレイは思う
スヴェンさんはどこまでも人間なような気がする
どこまでも、どこまでもレイを想ってくれている
それが嬉しくて、だからこそ憧れる

挨拶も告げずに立ち去る彼女は迷いだしたように見えた
迷う、その言葉はあまりいい意味では用いられない
だから、ここで"迷う"という語を持ち出すのはやや不適当かもしれない
きっと、その迷いは未知の何か――それもきっといいものに繋がっているのだから


「ええ、
けど――どうせならミナヅキの家にいきましょう」

連れられ、凄惨な紅き大地から外へ
その時に一つだけ提案
大して考えてはいない。するりと口から零れ落ちたかのような言葉だ
言葉という語では味気ない、他の言葉を用いるならば

―――――"願望"


//凄く遅れてしまって本当に申し訳ない!これにて〆で!ありがとうございました!楽しかったです!
321 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/08(月) 22:11:12.84 ID:5GNcaTxEo
>>319
「そんなんじゃダメだ、全然ダメだ」

鍛錬と言って剣を振るう少女に掛けられる声
それは鋭さすらある声だった
それも、女性の声

「お前が何のために強くなりたいかは知らねェ
だけどよ、そんな温いやり方では満足しか得られないぜ?」

カツカツ、と靴がコンクリートを鳴らす
そこにいるのは鋭い、猛者の目をした女
金髪碧眼。異国、それも祖国系の血を引いている女
可憐さとは縁遠い、強暴さの方が目立つ女だ
纏う赤きコートは、燃え盛る紅蓮の炎のよう
背中に背負うは長き何かが入ったケース。彼女がもし戦乙女ならば、武器が入っているのが自然

碧の瞳は、どこまでも鋭利に少女を見る
いや、見定めようとしている
322 :【潜没殺者】 :2016/02/08(月) 22:11:46.58 ID:IuMH3wVmo
>>319
悲鳴。直後。――ばらばらばら、と。血肉が路地裏に降り注ぎ、びちゃりびちゃりと耳を汚す音響を響かせる。
そう。それは肉塊であり、それは死体であった。下手人は何か。落ちてきた元に視界を向ければ、揺らぎ≠ェそこに存在していた。
揺れ動く三日月。水面を思わせるそのおぼろは、夜闇に光を吸収する事でその存在を確定させた。

「――面倒だ。完了だ。終わりだ」

ぽつりと呟く声。少女の存在に気がつけば。その黒い人影は、煌々と輝く2つの銀の双眸を向けてみせる。
戦闘の心得は有るだろうが然程でもない振る舞い、殺人者としては一定以上。一流に届くか届かないだろう佇まい。
銀の瞳の、夜闇と同質の黒髪の男は、個人ビルの無機質なコンクリの足場から無感動に相手を見下ろし、ぼんやりと思案にふけり。小さく呟く。

「なんでまた。広い所でやりゃいいのにな」
323 :【潜没殺者】 :2016/02/08(月) 22:12:42.27 ID:IuMH3wVmo
>>322
//取り下げますね……
324 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/08(月) 22:13:41.18 ID:5GNcaTxEo
>>323
//もし星霧さんさえよければ三人でやりませんか?私はそれでも構いませんよ!
325 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 22:17:49.52 ID:ortQUz9hO
>>321
「へぇ…………」

少女はD.O.T.Aの襟章を身につけた、茶髪のロングヘアー
もしかすると、TV等で見たことがあるかも知れないアイドルであった

「じゃあ、どうすればいいの?…………ここで、貴女と実戦…………とか言うのかしら」

肩にかかった髪を払うと、剣を鞘に納めて言う

「その"大きな"箱の中身……武器でも入ってるんでしょう?」
326 :【潜没殺者】 :2016/02/08(月) 22:17:58.64 ID:IuMH3wVmo
>>324
//遅レス気味かつ速く寝てしまってもよろしければお願い致します……。
//凡そ午前1時ごろには落ちるかと思われます
327 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 22:18:21.30 ID:ortQUz9hO
>>323
//私もそれで構いませんよー
今から返信します
328 :【血騒嘱望】 ◆q90iVQe5VQ [sage]:2016/02/08(月) 22:19:18.10 ID:2HaoTiPs0
>>307>>320
「………━━━━━━━」

彼女がどんな存在なのか、最後まで解らずじまいだった。
しかし今は、この結果に満足している。危機にあった最愛の"人間"と、こうして何事もなく、夜風の中を歩けるのだから。

人造だろうが、何体造りだせようが。
名前を抱き、そして今を生きる少女は、此処にしか存在し得ないのだから。

……彼女も、そんな心を持つ事が出来るだろうか。
機械のような冷たい、感情のない心。
しかし其処にも、あたたかな救済は差し伸べられるだろうか。

━━━━━いや。この心配は"野暮"というものだろう。
彼女には、彼女の生き方がある。しかし彼女は未だ、非道にはなり切れていないように感じた。
何故なら。彼女の在り方は、かつての彼と、ひどく似たものを感じたから。

彼は振り向く頭を前にすれば、少女と共に歩くだろう。
何かを思い出したように、暖かな笑顔を浮かべ。

「……ミナヅキか。そうだ、彼にも伝えなくてはいけない事がある……」
「……この前、クリスティアーナのために服を買ったんだ。きっと、気に入って貰えるはずだ……」

彼はそんな、他愛ない会話を浮かべながら、少女の顔を見る。
"呪縛"から解き放たれた自分は、少女と共に、真に笑顔に生きる事が出来るだろう。

それは何よりもたまらなく、そして嬉しい事であった。

/こちらこそ、長らくお疲れ様でした……!
/毎度返信が遅くなって申し訳ない、楽しいロールでした!
329 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/08(月) 22:20:26.21 ID:5GNcaTxEo
>>326>>327
//では全員の合意を得られたところでそうしましょう!私も遅どころか亀レスなので気にせずやりましょう!
星霧さん→私→潜没さんの順で回しましょー
330 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 22:22:08.45 ID:ortQUz9hO
>>322
「…………そこに居るのは誰?」

声が聞こえたようで、そちらの方を見る
少女としては、なるべく一目につかない所で…………と言う理由がある
芸能人に興味が一切ない…テレビ等一切見ない………とかでない限り、その少女を見たことくらいは恐らくあるだろう

彼女はアイドルの柊春香であるのだった
しかし、今はD.O.T.Aの襟章も身に付けている
331 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/08(月) 22:36:13.74 ID:5GNcaTxEo
>>322>>325>>330
ミネルヴァは少女を知らない
その理由は前者、芸能人に対しての興味がないのだ
彼女の興味の対象は、強者
自分と互角以上に戦える者のみ

だが、D.O.T.Aならば知っている
悪を討ち人々を守る組織であるのだと
そして、自分の好敵手が属する組織であるのだと

「察しがいいな、ああそうさこの中身は槍だよ」

白い歯を出して笑む
このような察しのいい少女は嫌いではない
いや、ただ察しがいいだけではダメだ
強く、なければ

「オレと実戦か…それもいいな
お前、D.O.T.Aだろ?あんな化物のいる組織の一員ってことは相当強いんだろ?
強いヤツとの戦いは嫌いじゃねェ。寧ろ大好きでね」

襟章を見て、ミネルヴァは少女を強者であると思った
だからこそ、獰猛な笑みで戦いを望んだ
だが、しかし

「――だが、勝手に見物しようって奴がいるのはいただけねェな」

少女と同じ方を睨む
戦いは好きだ、だがそれに水を差されるのは大嫌いだ
見物客も好みではない
戦いは、見世物ではないのだから
332 :【潜没殺者】 :2016/02/08(月) 22:43:26.01 ID:IuMH3wVmo
>>330>>331
「名無しの権兵衛、はたまたジョン・ドゥ。若しくはメアリー・スーと名乗っておこう。
特筆するべきなにを持つでもない。どこにでも居るただの一つの存在だよ。私は。
警戒する程の者でもない。君たちと打ち合えば、容易く屠られるだろうただの弱者さ」

無感動な銀の瞳を擁するその顔は、然程整っているわけでもない。
年の頃は20の後半だろうか。しかしながら、深く刻まれた渓谷のような皺は、その年齢を何歳にでも見せかねないもの。
巌のような顔、瞳がじぃと相手を見て。ああ、と合点がいく。

「まさか有名人と此処で合うとは。ウチの子がファンでな。
良ければサインでも貰えないか…………いや、書くモノが無いか。諦めよう」

ゆらりとゆらめき姿を消すと、走る音が響き個人ビルの出口から出てきた男は、相手の目の前に来るや否やそう言い放ち。
しかしながら、書く対象がないことに気がつくと、無表情のままにぽりぽりと後頭部を掻く。
機械染みた無機質さのある雰囲気ながらも、どこと無く人間臭いその挙動には妙なコミカルさがあっただろうか。

そして、槍を持つ男にそう言われたことを思い出し、無表情を向けて。

「断ってなら良いのかな?……ああ、俺は基本的に戦いを好まないんでな。
良ければ傍から見させてもらうのが有り難いんだ。俺は闘うための存在じゃないんでね」

大柄な体格に対しても大きなフライトジャケット、カーゴパンツ。何かを隠すにはうってつけの隙間の多い格好。
皮肉げな気配、人的な熱のない振る舞い。そして、闘うための存在ではないという呟き。
この男は何者か。しかしながら、少なくとも二人に敵意を向けているわけではないことだけは確かだったろう。
333 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 22:53:29.31 ID:ortQUz9hO
>>331>>332
「…………正直、私はそんなに強くはないわ」

自信無さげに、斜め下に目をそらしながら言うと、剣を持つ手に力が入る

「おかしいわね、自信喪失って言うのかな?…………」

悲しく笑みをして、ミネルヴァの方を向き言う

すると、突如として目の前に現れた男

「な、なによ…………サイン?……ごめんなさい、サインはお断りしてるから」

両手を前に出して、サイン記入は拒否し

「まあ、見学くらいなら別にいいわよ、好きにすれば?」

なぜ、D.O.T.Aなのに、先程人を肉塊に変えた男に向かって敵意を見せないのか
理由は簡単、単純に少女は男に向かって言い放つ、少女は男が、先程人を殺した事になど、気付いていない
334 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/08(月) 23:06:12.48 ID:5GNcaTxEo
>>332>>333
「チッ、そうか
そいつは期待外れだ」

自信を無くし、哀しげな笑みを向ける少女に対して舌打ち
期待外れ、まさにそうであった
ミネルヴァは強者にしか興味はない
そして、自分のことを強くないと言うような者は強者と言わない

「オレは強いヤツと戦うのが好きだ
そして、自分を強者であると自信をもって言えないような奴とは戦う気になれねェ」

と、一見戦いを断るかのような言葉を言う
だが、それと裏腹にケースは開けられた
中から取り出すは蒼き長槍、紅き短槍

「胡散臭い奴だな、名無しなんてオレにとっては一番怖い
正体がわからないなんて、どうしようもねェからな」

自らを名無しと名乗る男への警戒は止まらない
名無し、正体を悟られないような顔立ち、何かを隠すにはもってこいな服装
正体を悟られることに警戒する種族、暗殺者であると思っているのだ
だとすれば、迂闊に隙を見せれば――命を取られかねない

「見学なら構わないぜ、見学だけならな
で、お前の名前はなんだ?お前のその気に食わない根性を叩き直してやんよ」

紅き短槍を手放し、地面に落とす
そして蒼き長槍を両手で構える
眼光は鋭く、どこまでも鋭く
喩えるならば、獲物を前にした肉食獣
335 :【潜没殺者】 :2016/02/08(月) 23:16:19.74 ID:IuMH3wVmo
>>333>>334
「会ったってだけで少しばかり自慢できそうだ。いやはや、今日は何かと♂^が良い」

無表情の口を少しばかり弓なりに曲げて微笑みを形作る。
何かとの意図は、アイドルである【星霧積成】に出会えたことでもあるし、彼女に己の凶行が気づかれていない事でもある。
そして、それを明らかに口にしないのは、彼の稼業が由来のものであり、言及されなければ己の行いを口にする事はないだろう。

「名を持たぬのだから仕方がない。俺はいつも、アレだとかソレだとかオマエだとか言われているからな。名などに意味は無いよ」

真顔のままに微笑み。しかし、感情からくる笑顔ではない。
単純に、こういう場合にはこういう表情をするべきだからこういう表情をしているとばかりのそれ。
あまりに自然ながらも空虚過ぎるが故に逆に不自然に感じられるその存在の薄ら寒さだ。
暗殺者であるという相手の見込みは正しすぎる程に正しい。そして、不必要な殺しを決してしないと決めている男の有様も、暗殺者としては正しい佇まいか。

「ああ……、打ち合うのは好きじゃないが、戦いを眺めるのは好きだ。
まあ、なんだ。勉強させてもらおう。俺の特技は見て覚える事は大切だからな?」

棒立ち。しかしながら重心は均等。だらりと下げた腕すらも無機質で無軌道で無作法で無情な様。
無感動な瞳で眺めるその双眸は、静かで感情を移さない銀盤のそれ。D.O.T.Aたる少女の戦力は、本来であれば狙われる立場である男が知っておくに越したことはなく。
同じようにこちらに警戒を向ける女の実力、手の内も知っておいて損はないと言えるだろう。
336 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 23:27:15.57 ID:ortQUz9hO
>>334>>335
「…………!!」
ミネルヴァに、何も言い返せない自分に悲しくなる、悔しくて、情けなくて……
が、そのミネルヴァが槍を出した、敵意を向ける相手は自分ではない
目の前に現れた、胡散臭い男
彼女はこの男を暗殺者だと言う
暗殺者ならば、立場上、見過ごす訳にはいかない

「…………暗殺者ってのは本当?なら私も、逮捕しないわけには行かないんだけど」
少女は剣を抜いて、しかし、[ピーーー]つもりは無さそうである
見た感じ、こないだの少女とは違い、快楽殺人者には見えないからだ
彼女が殺してしまおうと考える悪人は、所謂"絶対悪"と思われるような悪人のみ
ここら辺はまだ、D.O.T.Aとしては比較的、過激ではない方だろう

「あと、人の動きを見ても無意味じゃないの…………個人個人、能力は違うのだから」

正体はどうあれ、この場に居る者達は全員能力者なのだろう
能力者は基本的に、自分固有の能力を使って戦う…………他人の戦いを見て果たして参考になるのか……
337 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/08(月) 23:40:33.67 ID:5GNcaTxEo
>>335>>336
「何をボケっとしていやがる」

苛立った声は少女にかかる
その主は、ミネルヴァだった

「オレはお前に名前を聞いた、その意味が分からないなんて言わせないぞ」

姿勢を落とす、脚に力を溜める
暗殺者たる男には興味はない。邪魔をしない限りは

「オレはミネルヴァ・マクスウェル」

名を名乗る
それは即ち、

「いざ尋常に―――――」


開戦の、宣言


「勝負ッ!!」

槍の穂先は蒼雷
ただ一直線に迸る
脚のばねは一気に伸びて力を解放した
その矛先は少女の心臓
初撃必殺?いいや違う
こんなのただの確認だ
こんな一撃で斃されるほど弱くはあるまい、という確認だ
338 :【潜没殺者】 :2016/02/08(月) 23:46:49.73 ID:IuMH3wVmo
>>336>>337
「いやいや。暗殺者のはずが無いだろうさ。
だって証拠が無い。ただの名無しの通行人だよ。濡れ衣は勘弁願いたいよ」

苦笑を浮かべて、目の前でひらりひらりと手を振って、当然のように自分は違うと否定してみせる。
善良なとは言いがたいが、普通の少しスレた一般人と言われればそうも見えなくもない風貌、振る舞い。
確かに決定的な証拠はなく、彼が暗殺者であると証明する要素の全てが推測から判断されうるものでしか無い。
故に、まだ誤魔化せると判断し、男は己は違うと当然のように、心の底からそう思っているように言動を行う。

「見ても損はない。少なくとも、君たちと何時か相対する時が来ればね」

言葉が多いタチではない。だが、何時かこの戦いを見た後、殺しあう立場になれば分かるだろう。
こちらは相手の手の内を知り、相手はこちらの手の内を知らない。それがどれだけの戦力差を生むか。
相手の思考、警戒の間隙を突く存在故に、情報は極めて大切なものであると男は考えていた。

「ミネルヴァ・マクスウェル」

良い名だ。口の中で転がす。呟く。笑む。
誇り高く名乗る名があるという事に、錆びついた脳細胞が少しばかりの羨ましさを覚えさせた。
男は影に徹する。この戦いの顛末がどうなるかを、ただ只管に見届けるために。

//おそらく次のレス頃には寝る事になるのですが。
//よろしければ、おふた方の戦闘が終わるまで観戦ということで二人で進めていただいて、終わる頃にまたロールに参加するという形にしても良いでしょうか?
//性質上割り込むタチでも無く、しかし去るタチでもないので、これがおそらくベターなのではと思いますので
339 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/08(月) 23:48:36.20 ID:5GNcaTxEo
>>338
//それでも構いませんよー
340 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 23:49:46.87 ID:ortQUz9hO
>>337>>338
「そう、ならいいわ……まあ、私も確信は持てないからね…………もっと過激なD.O.T.Aに会ったらどうなるかは分からないけど」
名無しと名乗る男にそんな事を言っていると、ミネルヴァからの怒号が聞こえる、思わずそちらを向き、次の瞬間

「……!?」

名を名乗るミネルヴァ、そして、槍で放たれた一撃……に反応する
剣で、槍の突きを正確に受ける
彼女の実家は剣術の家でもあり、彼女は幼少期から剣を学んでいた
であるので、剣の扱いには長けているのだ

「…………私の名前を知らないなんて、私のアイドルとしての知名度もまだまだなのね……柊春香よ」

険しく、ミネルヴァを睨むと、左手より作られた星をそのまま、投げる

それは光を発し、かんしゃく弾程度の爆発を起こす

そして、槍を受けた剣、そのまま、槍の一撃を左に流した後、光に紛れたまま、縦に斬りかかる!

341 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/08(月) 23:50:02.29 ID:ortQUz9hO
>>338
//了解ですー
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) :2016/02/08(月) 23:57:35.75 ID:IuMH3wVmo
//ではそのように。お二人ともありがとうございます。
343 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/09(火) 00:05:58.34 ID:vMxE6qx+o
>>340
衝突音
どうやら、そこまでは弱くなかったようだ
初撃は剣に止められ、左に流される
左手から放たれた何かに視界を奪われながら、しかし両手でしっかりと槍を引き戻す

「へぇ、受けるか」

先の一撃の受け方、あれは視界が奪われても覚えている
あそこから迅速に一撃を放つなら、オレならどうするか
縦に、肩口から斬りかかる

衝突音
剣の刃と槍の柄のだ
「不壊」たる槍に刃は食い込むことはない。どれほどその一撃が強力であったとしても

「アイドルなんざ知らんな
知ってるのは強敵の名だけだ!」

蒼槍は剣との鍔競り合いを所望していた
決して折れず、しかしその剣を弾くこともしない
光が収まる頃、地面から紅き閃光が奔る
先ほど地に落とした紅き槍は分裂をして、その片方が勢いよく少女へと飛んだのだ
その狙いは右の太腿
いきなりの奇襲、単なるパワーではない一撃
それにどう対処するか、ミネルヴァは試した
344 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/09(火) 00:16:36.21 ID:yFopUoGpO
>>343
「それは残念…………つれないわね」

そう言うと、地面に落ちた赤槍が分裂、1つが此方に飛んで来るのを確認する
これに対しどうするか…………能力?無理だ、剣はつばぜり合いの最中……この場で剣を引くと、槍の束で殴られるだろう

ならば…………彼女は、その場で跳び、槍を蹴り、後方へと移動する、そして一回転して着地する

左手からは二つの星を作り、立ち上がる

「…………厄介な槍ね」

完全には避けきれずに、少し右足が斬られたか、少量の血が流れる
345 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/09(火) 00:40:14.99 ID:vMxE6qx+o
>>344
後方に引かれ、さらに攻めの一手はさほど有効には働かなかった
だが、戦いは始まったばかり、まだ余力はある

着地をするのを見たミネルヴァはそのまま前に出る
いや、穂先をやや後ろに傾けつつ、だ

「お前のその星が何かは知らないが圧倒させてもらうぜッ!」

槍の間合いに少女を捉えれば、槍を横凪に振るう
ちょうど立ち上がった後だ、落ち着けばきっと対処できる
問題は、紅き槍だ
再び分裂し、一つが地面近くを回転しながら少女に向かう
その狙いは足首だ、当たっても運が悪ければ切れはしない
ただ、その打撃のダメージはきっと少なくない
346 :【星霧積成】 [sage]:2016/02/09(火) 00:51:38.85 ID:yFopUoGpO
>>345
(二ヶ所同時攻撃…………!?やばい…………!!)

少女は槍の一撃を、"片手に持った剣"で受けた
その、槍の遠心力の乗った攻撃に、片手では支え切れずに、剣は弾かれる!
そして、不完全な体勢で受けたお陰で、折れてしまう!
くるくるくると回りながら飛んでいき、横の地面へと突き刺さる

そして、少女はと言うと槍の攻撃、剣で受けた分、衝撃は緩和されているが、槍の勢いは止まらずに、直撃、横へと吹き飛ばされ、横に倒れる
幸にも、このお陰で、地面から迫る"赤い槍"の方は当たらずにすんだが、不味い

「く…………!」

上半身を起こした少女は、その星二つを繋げて、臨時で"新たな剣"を作る、更にまた二つの星を作り出し、その1つを投げる

投げられた星は最初と同じフラッシュを発するだろう
347 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/09(火) 20:58:59.46 ID:vMxE6qx+o
>>346
「へぇ、剣製に閃光か」

春香の異能を大雑把に把握した
得物をいくつも作れるというのは大きな強みのように見える、が
自分とは違ってそれを操作はできないようだ
ならば、こちらに分がある

「それだけとは言わせねェ」

投げられた星は返す勢いで振るわれる槍に弾かれる
弾けて放たれた輝きが始めと同じく目眩ましの役を果たすことはなく明後日の方角へと飛ぶ
そのとき、先ほど蹴られていた槍が地に墜ちた
それは地面に当たると曲がり、それっきり動かなくなった
だが、偶然に回避できた先の紅き槍の穂先は

「全力で来い!でないとうっかり殺しちまうからよォ!」

真っ直ぐ、少女を向いていた
斜め後ろから真っ直ぐに、素直な軌道で紅き槍は突き進む
狙うは倒れた少女の脇腹
回転はなく、素直に脇腹を穿ちにかかっていた
348 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/09(火) 21:05:08.04 ID:nhuueJn9o
 深夜と言っても良い時間帯。夜闇の中を歩く影が一つ。
コンビニ帰りだろうか。大きなビニール袋を両手に持ち、嬉しそうに歩くその影が街灯の下へと差し掛かる。
その光に照らしだされて、人影の姿が明らかになる。
それは、少女のようだ。 腰まである白髪を無造作に後ろで束ね、タレ目気味の顔は嬉しそうに微笑み、見る人に安心感を与えるようだ。
その服装は最近洗濯したのだろうか。清潔感はあるがどこかくたびれたワンピースにレギンスパンツという、特筆すべき点のない格好をしている。

「久しぶりにお菓子買いに行けたよー。 新商品出てたんだね―」
「あの神父さん優しいし、とっても良い人だけどこういうの買ったりしないからなー」
「まー、清貧って奴だから仕方ないし、居候の私はあんま大きく出られないよね―」

 だからまー、こういう時間帯にこっそり買いに行くんだけどさ。と一人で喋る少女。
どうやらこっそりと家を抜けだしてお菓子を買ったようだ。

 そんな、一見すれば只の不良少女の帰り道。
彼女の今の住まいである教会までの道はまだまだ遠い。

/絡み待ちです。
/23:30まで、後は凍結でお願いします。
349 :【星霧積成】→【流星剣誕】 [sage]:2016/02/09(火) 21:09:26.26 ID:yFopUoGpO
>>347
…………やられた、少女は正直にそう思った
迫る赤き槍を落とそうにも、体勢が悪い
星の能力で作成した剣は、今まで使用していた剣程も、殺傷力は薄い

「…………ここまで……なの……!」

思わず目を瞑る、覚悟を決めた━━━━が、その時に奇跡は起こる

先程弾かれた星、それは、偶然か、彼女が使用していた"折れた剣"に当たる
それは、目映い光を発する

そして━━━━ヒュン
なにかが飛ぶ音が聞こえる、その音は、キン、そんな、金属がぶつかり合う音へと変える

春香は目を開ける、するとそこには
光輝く剣が、宙を舞い、赤き槍の一撃を防いでいたのだった

「こ…………れは…………?」

自分でも、何が起きたか分からない

ただ、彼女の持っていた、星の剣も、地面に突き刺さった、折れた剣も消滅していた
350 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/09(火) 21:42:23.03 ID:vMxE6qx+o
>>349
「あァ?」

取った
そう確信していた、が
衝突音
防がれた
今までに見たことのない、光り輝く剣によって

「ハッ…面白いことになったじゃねェか!!」

怪訝そうな面持ちは、獰猛な笑みに変わる
これは間違いなくエラーだ
戦地においてはまず好まれず、排除の対象となるような現象だ
だが、この戦いにおいては違う
それは勝利の喜びを増幅させるのだ
故に――歓迎しよう、少女の進化を

剣に弾かれた紅き槍は砕けた
だが、地を這う紅き槍は3つに分かれた
ミネルヴァの蒼き槍は突撃の構えとなる
まず、ミネルヴァが駆けた
蒼き槍を渾身の速さで突き出す、ただその腹を穿つべく
次は紅き槍、ミネルヴァにやや遅れて右下から迫る
狙いは、脇腹であった
最後に、もう一つの紅き槍
それはミネルヴァが不意に傾けた頭の後ろから飛来する
その狙いは、少女の眼球

少女が全力を出すというならば、こちらもそうするまで
そうとでも思ったのか、更なる連撃を叩き込みにかかる
351 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/09(火) 21:53:17.20 ID:yFopUoGpO
>>350
これは…………私の新たな力…………?
その剣を手に取ると、不思議とどう言う能力か、理解はできた
少女の身体は、光輝く粒子のような物に纏われていて

そして、その刹那、始まるミネルヴァの猛攻
春香は即座に立ち上がり、剣を真っ直ぐ右下の槍へと飛ばす!

そして、左手に新しく、光の剣を作ると、 斜め左後方へと剣を構えて跳び、
槍の一撃を、受け流す
もう1つの槍が見当たらない、それは何処にあるのか…………恐らくそう遠くにはない筈…………!!警戒する

すると、不意にミネルヴァの頭の後ろから飛来する!
刹那、此方も頭を傾ける
頬に切り傷ができたか、髪も少し切られた

「大事な商売道具を、やってくれるじゃないの…………!!」

とは言え、此方の剣はまだ二本
向こうの槍は三本………壊れない大槍が一本…まだ戦況は此方が不利か
352 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/09(火) 22:00:51.48 ID:YR4OXAUi0
>>348
深い夜。だからこそ一層、アスファルトは街灯や店から漏れる光に照らされ、鈍い黒を見せる。
底知れぬ闇は生物の注意を深くするものだと言うが、この少女はどうなのだろう。

「何をひとりでぶつくさと言ってるのさ?」

さて、ニコニコとしながらその幼気な少女に話しかける不審者が、ここにひとり。
といっても、彼女――アリス・カイトラーの外見は、薄いグリーンのカーディガンとボタニカル柄のワンピース。成年したかしまいかの境程に見られることが多いのだが。
兎も角、少女はぎょっとする筈だ。彼女も能力者の端くれならば、気配なり音なりで、近寄られる前に気づいても可笑しくない。
だが、アリスは既に懐に入った。そう形容すべき程に肩を並べて歩いて、こう話しかけたのである。
そのただならぬ雰囲気の不審者は、少女の食べ歩きするものや手首に提げたビニール袋に気づいてから、続ける。

「わー、またジャンキーな。如何にもイマドキの若い子、って感じだなあ」

と、幼い見てくれに合わない言動で。
よく見れば、もとい聞けば。彼女が乾燥し切った木の音を、歩調に合わせて鳴らしていることに気づくだろう。
樫の木の杖。それは、まるでファンタジー世界の、年老いた“魔女”の持つ様なもの。
それが何を意味するか。そこまで察すなんてことは、まずないか。

//よろしければ!
353 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/09(火) 22:23:35.62 ID:nhuueJn9o
>>352
 唐突に声を掛けられる。
新商品に心を踊らせていたとしても、人が近づいてくる気配など一切無かったと断言できる。
となれば、この助成はどこから現れたのだろうか。何も無い所から蜃気楼のように現れたとでも言うのだろうか。

「うわぁっ、びっくりしたなーもー 急に現れて話しかけこないでよもー」
「っていうか何? 意識の外から現れるのって流行ってるの? 最近二回目だよ、こういうの」
「前なんか、座ってたベンチの下から人が出てきてさー。 本当にびっくりしたよー」

 身を仰け反らせ、さも驚いたと言うように言葉を紡ぐが、その声はのんびりとしている。
本当に驚いたようには到底見えない少女は、口を閉じること無く隣を歩く女性の方に顔を向ける。

「そんでなんか用? おねーさん。 まさか、お菓子が珍しいって事はないよねー」
「って言うかその杖結構音響くねー。 そんな音が響いてたら、気づかない事ないと思うんだけど、なんか秘密でもあるの?」
「まー、害意とか敵意とかが無いみたいだし、正直どーても良いんだけどねー。 一応聞いておこうかなって」

 女性が害意を見せなければ、少女はこのまま話し続けるだろう。
女性が何ら前触れも無く現れたというのに対して、まるで警戒していない。
354 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [sage]:2016/02/09(火) 22:31:37.75 ID:vMxE6qx+o
>>351
見れば敵の身体に光る粒子がある
右下から狙ったフェイントの槍も、先ほどとは異なる剣に切り裂かれた
本命であった頭の後ろから迫る槍も避けられた
そして、見れば敵の剣が増えていた。しかも操作までできるようだ

「商売道具?知らんな
オレは戦いに生き、それこそが楽しみだとしている」

初めてミネルヴァは一歩飛び退る
紅き槍は分裂し、だが全て蒼き槍の穂先の周囲に集結する
そして、蒼き槍は今までにない構え方をされていた
半身となり、穂先を下げる。それも地面に触れそうになるまで下げる

「次の一撃で――仕舞にしてやるよ」

口元は三日月
どこまでもその笑みは深い
そして、槍にもまた異変が起きていた
そう、紅き槍が蒼き槍に取り込まれて行っているのだ
蒼き槍の穂先は、紅く大きくなる
それだけ、ではない
空気すら怯えるほどに強大な力が満ちているのだ
ミネルヴァは、まだ動かない
355 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/09(火) 22:38:32.38 ID:yFopUoGpO
>>354
来る…………!!恐らくは…………強力な一撃が…………!!
浮翌遊する剣は春香の元へと戻り、すぐ近くを漂う
左手に持っていた剣も手から放し、また新たな剣を作る

「…………私も、ただやられる訳にはいかないの…………その一撃を凌いで…………生きて見せるわ……」

そう言うと、決意の表情を見せる
新たに生まれた剣はまた、上へと投げる

そして、何も無い、空の手を、まるで剣を持っているかのように両手で、正面に構えていて
356 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/09(火) 22:59:26.24 ID:YR4OXAUi0
>>353
アリスは丸眼がちな双眸を更に丸くして驚いた。ほう、と息まで吐いてしまったさえある。
まずのうのうと生きてきた人間が、隣に妙な女が話しかけてくれば、その人間には少なからず畏怖が齎されるはず。
だが少女は、驚きはせど愉快におしゃべりを続けようとするではないか。この落ち着きぶりようは、只者ではない。
――まあ、ただの人に興味を持ち声をかけるなど、私はしないのだが。
アリスは内心ほくそ笑みながら、表情では快活な笑顔を見せる。

「おやまー、変な人にモテることで。流行にはとんと疎いから、あたしにはわからんねー」

芝居がかった所作で腕を横に広げ、掌を上に向ける。
しかしカテゴリ『変な人』に、無意識に自分も分類しているのは気づいているのだろうか。

「や、用はコンビニに合ったんだよ。んで君がたまたま静かーなコンビニ前で独り言してたから、気になっちゃって」

ほら、と言わんばかりに杖を上げる。
よく見れば、その最頂部の細工されたヘビの口に、ビニール袋が掛かっている。ただかなり小さい。今にも折れそうである。
それを考え無しにひょいと持ち上げるあたり、少女の思惑通り悪意は見受けられなさそうだ。

「いやまあ、この杖自体に意味はないんだけどね。“それっぽい”、じゃん?」

かつりかつりと黒い地を打ち続け、なにや意味深な言葉を吐く。
その音は徐々に、だんだんと、クレッシェンド記号がついて。

「で、秘密ってのは―――あたしの中にあるのさ」

少女を横目にウインクをし、とどめだと力強く地を突く。
その瞬間、ふたりの歩く先にアスファルトからこぼれた小さな石が転がる。
………音が、しない。

「つまり、杖を鳴らしてたのも、君に近づけたのも、こういうことさね」

歩き続けながら、けらけらとアリスが高笑う。その声だけを世界に残して。
突き続けていたあの杖からも、音がしない。
それどころではない。足音、風の音、虫の声、家々の生活音―――どれひとつとして、彼女の声を遮るものが無くなってしまった。

「あ、もちろん君の声も『ミュート』からは外してるからね。リアクションして頂戴な?」
357 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/09(火) 23:02:53.55 ID:YR4OXAUi0
//>>356訂正
>それを考え無しにひょいと持ち上げるあたり、少女の思惑通り、彼女の言動に“裏”は見受けられなさそうだ。
358 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/09(火) 23:03:12.29 ID:vMxE6qx+o
>>355
「その決意、オレの全開で応えてみせる」

春香は持てる剣を全て手放した
その手に握るは空の剣、だがそれを最上の構えとするならば――
こちらも最上で答えるのみ

精神を集中させる、最上の一撃の為に
この一撃に、全てを込めよう
それこそが、この"強者"への礼儀の示し方というものだ

「集練―――絶槍ッッッッ!!!」

大きな、大きな一歩で距離を詰める
下からすくい上げるような一刺しで、穿たんとする
その一撃は鋼鉄の戦車すら一撃で穿つ
この一撃が、決まらなければ――
なんてことは、考えていなかった
359 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/09(火) 23:17:33.45 ID:yFopUoGpO
>>358
少女の空の手には、新たな"四本目"の剣が生まれる
しかし、此方の準備はまだ万全ではない
此方の全力を出しきるにはあと一本、五本の剣が必要になる
なんとしてでもこの一撃を凌がなくては

「私の最上の力は……この攻撃を凌いだ先にある…………見せて上げれれば、いいわね…………!」

春香は、その四本目の剣も手放した
四本の剣で、狙うは槍!

高速で、槍をミネルヴァから見て右横から、四本の剣で衝撃を加えるように飛来させ、攻撃する!!

槍を壊す事等考えてはいない、ただ、少しでも、反らすことが、直撃を避ける事さえできたらいい

そして━━━━━━━


━━━━━槍は春香の身体の右腹の一部を削り斬る
しかし、戦車を一撃で破壊する程の技、その衝撃波も通常の攻撃の比ではなく
少女はその衝撃波に打ちつけられ、吹き飛ばされる
吹き飛ばされた先には建物、その壁に背中から衝突し、ずるずると地面へと腰をつく

「……………………さ…………流石にきっつい…………わ」

そして、ゆっくりと立ち上がるが満身創痍、立つのがやっとの状況

足元もおぼつかない、ふらつくが………………その目はまだ戦意を失ってはいない、俯き気味の頭でも、必死にミネルヴァの方を睨む

耐えろ…………耐えろ私…………今度は此方の番よ…………あと一本の剣で…………完成するんだ…………

必死に精神力で持ちこたえる
そして、四本の剣が春香の前に飛来してきて、春香は右手に、空の手にまた、何か握ってるような奇妙な行動を取る

"五本目"を、作成するつもりだ
360 :【虹鉄銃創】 [saga]:2016/02/09(火) 23:40:48.22 ID:+9wXO+C3o
『おうお前コラどうしてくれるんだコラァ!!』

『あーあー怒らせちゃったねー、この子怒らせると怖いんだよー?』

少し表通りから外れた路地裏の入り口辺り。帝國の軍服を身に纏った少女が、近くの中学校の制服であるセーラー服を着た少女二人に詰め寄られていた。
軍服の少女……立華京香の身分に関しては、"見たまま"。顔立ちや体つきは、軍人にしては少々頼りない物で、軍服や被った軍帽も少しだけ大きかったりはしているが。
帝國の"准尉"の階級章と、腰元にはリボルバー拳銃は、間違いなく本物だった。
対して、女子中学生だが、こちらに関していえば全く普通の"少女"だった。ポニーテールと、癖毛。特徴と言えばそれくらいの、至って普通の。

『お前がぶつかってきたせいでこの[編集済み]式ドロップスの中身が全部ハッカになってんじゃねーかよー!! ああん!?』

『最後に食べようと取っておいたチョコがハッカになってるんだよー? おかしいねー?』


(―――――――――――― い、意味分からないんだけど……!!!!????)

立華の頬に頬にぐりぐりと、色とりどりの飴が描かれた缶が押し付けられる。
確かに、立華京香は彼女の内の、片方、癖毛の少女の方にぶつかった。いや、ぶつかったと言うよりは、"ぶつけられた"と言った方が正しいだろうか。
手段不明の方法で何故だか飛んできた少女にぶつかったせいで、その飴の中身が全て『ハッカ』になってしまった、という。
無論、立華京香は理解できないし、その因果關係を説明できる人間は恐らく何処にもいないだろう。

「い、いや。私は知らな……」

『しらばっくれやがってこのアマ、此処か? 此処にあるんか? お? 私のチョコ味此処か? それとも[検閲]の中か?』

『無いんだったら風呂に沈むなりしてなんとかチョコ味見繕ってくるのが筋ってもんだろうがワレェ!!!』

(助けてお母さん……!!!)

見たところ戦闘能力もなさそうな一般人相手に銃を抜くなんて勿論出来る筈も無く。
よく分からない怒りをぶつけられながらも、如何にもすることが出来ず、おろおろし続けていたとさ。
361 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/09(火) 23:43:15.41 ID:nhuueJn9o
>>356
 どこか楽しそうな、その笑顔の内に何を思うのだろうか。
しかし、そんな事はゲイルにとってはどうでも良いことだ。
なんか変なのに絡まれたなー程度の心境で会話を続ける。

「そーみたい、何でかなー? なんか悪いことでもしたかな―」
「まー、してないって言ったらそれこそ嘘になるけどさ―。 あんまり関係ないと思うんだよねー」
「って言うかおねーさん。 おねーさんぐらいの歳なら、流行とか最先端じゃないの?」

 大げさな仕草で"流行とかわからない"と宣言した女性。 
見た目通りの年齢であれば、流行を追いかけるのが普通であろう。と言っても、変人の流行などは範疇の外であろうが。
ともかく、世間一般とはどこかずれているようだ。そう言えば、言葉遣いの端々にもどこか違和感を覚える。

「そーなんだ。 やっぱりコンビニって便利だよね―、24時間やっててさ―。 お菓子とかいろいろ売ってるし」
「独り言については、まーよくあるじゃん。 なんかおばちゃんとかおっさんが虚空と喋ってるやつ。 あれと似たよーな感じだと思うよ?」
「正直、話しかけてくる人って今までいなかったしさー。 おねーさん、ホント物好きだね―」

 繊細そうな蛇の細工に引っかかったコンビニ袋。中身をうかがい知ることはできないが、どうやら言葉に嘘は無いようだ。
先程から響く杖をつく音。 女性の口から出る少女の知らない言葉。
杖をつく音が大きくなる。謎の言葉は止まらない。
--唐突に杖をつく音が消える。  いや、杖をつく音だけでない。
人のいない夜の道といえど、何らかの音は必ずする。 そういった音が全て無い。
まるで自分と女性だけ、周囲から切り離されてしまったかのように。

「おおー、音が消えた。 ……なるほど、隠密系の能力者的な感じ? アサシン的な?」
「あー、でも杖が"それっぽい"って事はー、おねーさんの音以外にも音消えてるし。マジック感とかあるし、メイガス系かなー?」
「音が消えただけじゃあの接近には説明つかないしな―。 うん、メイガスって初めて見た」

「で、"それが望み?"」
「そんくらいだったらー………うわー!!魔法使いだー!初めて見た!!」
「って感じかな―?」

 しみじみと驚く少女。 その後、淡々と女性の行った行為についての考えを巡らせて。
たどり着いた答えが正しいかどうかは、女性しか知らない。
答えを出した少女は、リアクションが欲しいと言う女性に対して。
非常にわざとらしく驚きました!と言う動作を返す。
 どこか機械的で感情の篭もらないそれは、先程までの少女の言動と合わせて少女の異質性を強く表しているだろう。

/すみません、今日はこれで落ちます
/おやすみなさい!
362 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/09(火) 23:51:15.58 ID:vMxE6qx+o
>>359
全開の一撃の先、そこには満身創痍の好敵手
次、この次が最上と言いながらこちらを睨む
その姿、素直に敬服に値した
好敵手と呼ぶに、値した

「見事――だがよッ!」

だが、ミネルヴァは最上の後即散るような戦士ではない
紅き槍はない。だが――
両手で構えていた蒼き槍を投擲する
不壊なる槍は一条の彗星となりて春香の最後の剣を、否腹を穿たんとする

//遅くなってすみません!
363 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/10(水) 00:07:17.43 ID:VzmnfA3fO
>>362
生まれる五本目の剣、そして、それら光の剣を全てを"合成した"

生まれた剣は、純白、真っ白く染まっり、白く輝く刀だった

「…………柊に伝わる御神刀……"流星"」

呟く、その刀を手に取った春香の雰囲気は…………これまでとは違う、剣術の達人…………もしくはそれ以上の気配を醸し出す


ふらつきながら…………投擲された槍を確認すると、最小限の動きで左に回避する

そして、口を開く

「…………いっこだけ…………撤回しとく事がある…………わ」

そう言い、俯きながらながら歩く…………ゆっくりと、ミネルヴァの方へと向かって

「今の私は…………"強い"わよ…………」

顔を上げると、自信に満ちた笑みで、何か吹っ切れたような表情でもあった

そして、そのまま、全身を脱力、神経を研ぎ澄ます
そして、感覚を研ぎ澄ませ…………!集中しろ…………

(はぁ……はぁ…………)
あぁ、自分の荒い呼吸を感じる……ミネルヴァの…………更には見学者の呼吸も

「この一撃に……全てを…………かける…………」

歩みは止まらない、左手にその刀を持ち、ミネルヴァに近づくと、右手を添える

そして、春香とミネルヴァは…………素人からすればただすれ違っただけに見えるだろう

しかし、すれ違った後━━━━━キン
刀を鞘に納める音がする

すれ違っただけ?否、この瞬間、彼女は抜刀した
放たれた技は上下の二連撃、"燕返し"とも呼ばれる剣技である
この技をこの瞬間、刀の峰打ちで、繰り出した!!
もし、防ぐ若しくは回避する事に失敗したならば、衝撃が身体に走るだろう

そして、春香は身体の限界か、崩れ落ちて、膝をつき、刀で上半身支える状態になる

364 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/10(水) 00:16:18.24 ID:x2NlRlpyo
>>363
白く、眩い
流星の担い手たる春香は、今までとは違って見えた
風格が、覚悟が、力量が
その自信に満ちた表情は見たことがある
あれは――"強者"の表情

「―――ああ、間違いなく今のお前は―――――?
―――強い」

すれ違いざまの一刀、それは甘んじて受けた
ゴホッ、と咳き込み膝を着く
だが――意識だけは手放さない、倒れはしない
春香が、倒れ伏すまでは
365 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/10(水) 00:20:03.24 ID:39IEGvaZ0
>>360

相も変わらず、この女は散歩をしていた。
鷲の刺繍が右胸に施されたコートを纏って、路地を練り歩いていた。
というのも、裏商売の客を見つけるためだったのだが。

「ん?チョコ?」

裏路地からチョコという単語が聞こえた。
これがサクマとは露知らず。女は大麻のことと勘違いし。
路地へとかけると。

「はいはい、グラタン8400でいいよ!」

なんて言いながら裏路地へ入ってくるのである。
勘違いも甚だしい。恐らく、この場にいる全員に引かれるだろう。
そもそも、飴の話を大麻の話と聞き違える所から一般人ではない。

ところでこの女、少女が帝國軍人であることに気づいていない。
少女ひ鷲の刺繍から女の出生が分かるかも知れないが。
ともかく、寒い風が路地裏に吹いてきた。

//まだよろしいですか?
366 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/10(水) 00:24:19.22 ID:VzmnfA3fO
>>364
「…………これで…………終わりにしましょう?…………これ以上は流石に…………無理……」

見返り、ミネルヴァに言う

「それに貴女…………別に……悪人じゃないでしょう?」
「私はD.O.T.Aの剣士よ…………私の剣は悪を…………悪人を裁く為にあるの…………誰もかも傷つける凶刃とは違う…………」

刃ではなく"峰打ち"をした理由を述べて
からん、刀が落ちる、前に倒れる

「疲れた〜…………痛い〜…………………辛い〜…………」

D.O.T.Aや仕事の時、と言うか人前では気丈な姿を見せる、言葉使いも気を付ける彼女
もしかすると、初めて人に見せるかもしれない素の自分の言葉で呟いた
367 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/10(水) 00:37:51.48 ID:x2NlRlpyo
>>366
「だな………オレもキツイ」

こちらも振り返って告げる
珍しく、疲れを感じた
ああ、そうとも。この剣士は強かった
だから、気分は澄み渡っていた

「オレは、正義でも悪でもねェ…な
ただ純粋に戦いを楽しんでるだけ、それもお前みたいな"強いヤツ"との…な」

たしかに、、ミネルヴァは悪ではない
そして、正義でもない
きっと、正しいと思た道を進むだけだ
たった一人で、数多の強者と戦いながら

「ハッ、あんまり泣き言は言いなさんな」

素の言葉に対して少し厳しそうな言葉をかける
だが、それには棘がない
寧ろ少しだけ、楽しげ

//潜没さんもいないことですし今夜はここまでとかどうでしょう?
368 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/10(水) 00:44:41.21 ID:VzmnfA3fO
>>367
「酷い…………」
むすっとそう呟いて
最早完全に素に、露な自分をさらけ出してしまっている
余裕も無くなったのだろう、自らの能力で現れた刀も消えていく

"強者"との戦いが一幕を閉じた
この一戦で、彼女は強くなれた
そして、心の底から、1つの想いが生まれる、それは"感謝"

「ありがとう」

少し、顔を赤くして、目線はミネルヴァを直視していない、できない
更に小さな声で呟いた

「…………D.O.T.Aにも協力して……欲しいな……なんて、思ったり……」

これは冗談混じりに言います

//了解です!絡みありがとうです!
369 :【虹鉄銃創】 [saga]:2016/02/10(水) 00:54:37.78 ID:xLylfL43o
>>365

どんどんとその怒りはエスカレートし、それは最終的には口の中にハッカを兎に角詰め込もうとする、なんていう暴挙にまで発展した。
壁際に追い詰められて、ハッカを握る手を掴む事で如何にかして拮抗状態を作り出すも、相手は二人。それが口の中に突っ込まれるのも時間の問題か、と思われた。

『―――――― ああ、グラタン!?』

『此処はサイ○リアじゃねえんだぞ!? 押し売りか!!』

然しそれは、突如として響いた声に遮られ。兎も角一旦ではあるが、立華は九死に一生を得る。
無論、チョコは別に麻薬の隠語などでは無い。立華自身その可能性も考えたのだが、彼女達が押し付けてくるのはやはり何度見ても飴だった。
それどころか、そのグラタンの意味すらも少女達はよく理解しておらず、"ファミレスの押し売り"というよく分からない勘違いすらも抱えてしまった。
少女達の興味の対象は、その、コートの彼女へと映る。二人合わせて彼女に詰め寄って、其の手に持った[編集済み]式ドロップの缶を彼女へと突き出して。

『よぉ、姉ちゃん、姉ちゃんが飴ちゃんくれるんか? あの子の代わりにチョコ味くれるんか?』

『へぇっへっへっ、払えなければ二人纏めて身体で払ってもらうぜぇ……』

繰り返すが、少女達は特に何か後ろ盾がある訳でも無い、"普通の少女"である。ただ少しだけ、怖い物無しで、理不尽なだけなのだ。
兎も角、相手も見ずに喧嘩を売りに行った彼女達に置き去りにされた立華は、これ幸い、と其処から抜け出そうとした。
犠牲になる彼女には、少々悪い気もしたが―――――― というより、グラタンって何だろう、と思いながら、そちらへと目線を送り。

「―――――――――――― 『逆鉤十字』の軍人……?」

思わず、立ち止まって。軍帽の鍔を人差し指で押し上げて、目を細めてその鷲の刺繍の輪郭を確かにせんとし。そしてそう呟いた。
自分が言うのもなんだ、というものであるが。それがこんなところで何をしに来たのだろう、と。それが気になって、立ち止まってしまう。
『第五師団』の所属を示す、聯隊番号が、きらりと光りを反射する。そのつぶやきを、彼女は聞き取るだろうか。

/おっと、反応遅れてすみません……
/そして、すみませんが早速凍結しても良いでしょうか……この絡み待ちで絡まれるとはおもっていなかったんです……!!
370 :【無銘之兵】 [saga]:2016/02/10(水) 18:13:11.17 ID:tyOTttZ70
――夜

街の片隅で繰り広げられる争いの音。とある人外勢力と悪道勢力の抗争であった。
長年衝突する事の無かったこの両者が何故ぶつかりあったのか知る者は居ないだろう。
だが、その目的を推測する事は難しくない。
利益を生む物。
一種、薬物と言えるそれ。
体内にとり込むことで脳が異常な覚醒をし強制的に能力を目覚めさせる夢の薬は、需要から言って莫大な利益を生む。
やや人外勢力が優位に立っているようだ。
武器頼りの人間と、もともとの身体性能が桁違いの人外では、差が大きく開いているのも事実。
ただ、無骨に人間勢力も戦っている訳ではないはず。秘策がありとも思える。
実際、人間勢力も核融合応用兵器を効果が一番に上がる時に使用する機を覗っていた。

その戦場から離れた、崖から、戦場を観測する兵士が居た。
黒い戦闘服と黒いガスマスクを着用した、軍人や特殊警察とは違った趣を醸し出す装備。
この兵士の目的は薬物の廃棄。横腹をつついて倒す。それが一番の狙いだ。
いつが攻め時なのか、それを探り続ける兵士。
崖と言うこともあり、見晴らしが良いので、近くを人が通ったのなら簡単に気付けるだろう。
371 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/10(水) 21:43:58.24 ID:G4hQz/A+0
>>361
「あー。いや、実年齢と見た目年齢かなり懸け離れちゃってるからさ。大体この三倍から四倍くらいは喰っちゃってるのよ、歳を」

身をよじり、さも気恥ずかしそうに答える。
少女がこの返答からアリスの年齢を察すれば、どれだけ彼女がかまととぶっているかも分かるだろう。

「まあねえ。常に刺激がないと色々とやってられない訳よ、めちゃくちゃ暇だしさ。んで手軽なのが、面白そうな人を見つけて話しかけるっていうのに繋がるのさ」

人差し指を立てながら朗々と話す彼女の言葉は、その半分が建前でもう半分が本音だ。
彼女はこの街の“能力者”と呼ばれる者達のことを『面白そうな人』と呼んでいるに過ぎない。それを広範囲による魔術で探し出し、追いかける。
『刺激』とは、彼らの“力”を観察して見極めること。つまりそのターゲットが、ここにいるひとりの少女なのだ。

「メイガス! いいね、その呼び方も。でもあたしはもっと西寄りのイメージで売ってるから、“ウィッチ”と呼んでおくれな」

おどけて驚く少女を柔和な眼差しで見ながら、アリスがまた強く地を突く。
カツン―――すると、日常に音が戻り始める。
杖の音、足音、風の音、生活音、虫の声。その杖の先端から周囲へ、可聴範囲が広がっていく。

「“望み”は違うよ、君に“暇潰しを付き合ってもらうこと”さね」

少女から返ってきた声は、まさに掴み所のない態とらしいもの。
アリスは既に上がっていた口角をさらに引き上げて、相手が暇を潰すのに不足がないことを確信する。
さて、真の希望を口にした自分に、どんな疑問を抱くのか。渦を巻く彼女の黒瞳が興味津々と少女に語りかける。

372 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/10(水) 22:27:30.24 ID:hPBpGsryo
>>371
 実年齢と外見年齢が違う能力者は少なくはない。
この女性もそう言った者達の仲間らしい。
恥ずかしそうに答える女性を見てゲイルは理解示す。
実年齢を推察すれば、老成しているべきであろう人間だが、いくつになっても女性は若く見られたいらしい。
わざとらしいその動作も、その一つだろう。

「あーそうなんだ。全然そうは見えないね―、おねーさん」
「にしてもさ、そんだけ若けりゃ別に流行とか追いかけてもいいとおもうけど?」
「やっぱり隠者的な感じで引きこもってるの?」

 実年齢と外見年齢が違っても、それがゲイルの反応を変化させる要因にはならない。
これまでとかわりなく、言葉を紡ぐゲイル。

「刺激ねー。 まー人間そういうものだよね、暇は嫌だからねー」
「でもさー、それって面倒事とか呼び込まない? いや、それも楽しむ感じかな―?」
「そんで、面白そうな人が私だったてわけかー。 んー、私面白いかな―? どーだろ。 あ、それ決めるのおねーさんか」

 自身を『面白そう』と、人によってはバカにされていると感じるであろう評価。
しかしゲイルはその評価を受けても、自分が面白いかどうかを真面目に考えたようだ。
しかし、結局は女性に全てを丸投げしてしまう。私って面白い?と表情を変えずに女性に問いかけた。
その後。

「あーそうなんだ。 それじゃーそうするよ。 ウィッチのおねーさん。」
「あれ? メイガスもウィッチも結構『合衆国』系の言語じゃなかったっけ? んー……まーどーでもいいや」
「でもまー女性にはウィッチの方が良いかな? やっぱり」

 多分、女性が言いたいことはそうでは無いだろう。
しかし、ゲイルは何を勘違いしたのだろうか。言語圏の事と取り違えたようだ。
そして、どちらも同じ言語圏ではないかと疑問をはさみ、結局投げる。


「"暇つぶし"ねー……んー、そだね。 内容によるかなー」
「変な"命令"じゃー無ければまー。 で、どんな"お願い"なの?」
「なんとなく荒事系な気がするけど。 そんときは、お菓子安全な場所に置いてからで良いー?」
「"命令"されるの嫌いなんだよね―。 "お願い"ならまー良いんだけどさ」

そんでもって、おねーさん。"何を望む?"と最後に答えて女性の返答を待つ。
疑問も何も無い。 女性が望むものを語るのを待っている。
タレ目気味の目も、安心感を与える顔もそのままに、どこか緊張感を与える空気が漂い始める。

/遅くなってしまいました。よろしくお願いします!
373 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/10(水) 22:47:43.64 ID:39IEGvaZo
>>369

「え、きみたちは“チョコ”が欲しかったんじゃないの?
まあ、その飴があれば作れるけどね。」

「あと、グラタンっていうのは、グラム単位ってこと。
きみたちはもしかして大麻買ったことないのかな?」

そう、この女は少女たちに大麻を売ろうとしている。
そして、先ほどのグラタンとはグラム単位という意味だったのである。
まあ少女たちの差し出したドロップの缶を受け取ると。

軍用コートの中に顔を突っ込み、何かをモゾモゾと探す。
そして、「あった」と声をあげ、コートの中から取り出したのは。
「大麻草」のラベルと、「危」のシールが張られた小瓶。中には乾燥した草。

そして、少女たちから受け取った缶からドロップを二つ取り出し。
大麻草を口に入れ、飲み込んだ。本来ならば、とても危険な摂取である。
しかし、この女は大麻草を直接摂取してもケロリとしており、右手のドロップをギュっと握ると。

「はい、できたよ!チョコの飴。」

なんて、少女たちに飴を渡すのである。ついでに缶も。
ハッカの飴と見た目は同じであるが、中身はまるで違う。
ハッカの味はなくなり、とんでもなく苦くなっている。ただ、飴を溶かして飲むと大きな快楽が得られる。
そう、飴は女の能力により大麻そのものになってしまったのである。

「それで・・・、そこのきみ!よく私が軍人って気づいたね。」

少女たちに飴を渡し、金をもらうこともせずに少女へと近づく。
おそらく軍用コートの鷲の刺繍から分かったのか、『逆鉤十字』の軍人と少女に分かられたのだ。
それであれば、少女は一般人ではない。―――おそらくは、軍人。

「少しさ、お話ししないかい?」

なんて、少女を誘うのである。
少女を救った人間としてでも、少女のことを詳しく知りたいという面でも。
しかも、服は自国物じゃない。この褪せた色合いは、帝國のかな、なんて思いつつ。

//本当にすいません、寝落ちしておりました・・・
//よろしければお願いします!
374 :【罪刑砲挺】 [sage saga]:2016/02/10(水) 23:09:30.40 ID:DjvnJmax0
「……被害者の身元は?」『フィオナ・バレンタイン。17歳、高校2年生、女性……西地区の令嬢です』
「死亡推定時刻」『昨夜の22時から27時にかけてかと思われます』

昼下がりである。往来のごった返す大通りを脇に逸れ、路地裏へと繋がる小径の入り口である。
青い制服を着た数人の警官が、覆い隠すように盛り上がった縦長のビニールシートを囲んでいた。
屈み込んだ一人が青いそれの端を持ち上げ、ポラロイド・カメラのフラッシュで中を照らす。
壁に飛び散った肉片と、地面を塗り潰した血液は、とうに乾いていた。どす黒さを孕んだ赤色の上に、白く細い石灰の線が人型を印していた。

「死因……は、聞かなくても分かりそうだね」『典型的な辻斬りの被害者ですね。腹部大動脈の裂傷、それに起因する失血からのショック死のようです』
「しかし辻斬りにしちゃ、遺体の損壊具合も酷いもんだ。……現場押さえられた口封じかね」
『……可哀想に。被害者の通学ルートと、保護者の方から伺った門限から考えて、恐らく帰宅を急いだのでしょう』

若い一人の警官が、遣る瀬無いとばかりに溜息を吐く。ビニールシートの下を覗いていた壮年の一人も同様であった。
ただ彼らの話を聞けば、その女は淡々と万年筆を躍らせ、自身の手帳に内容を書き留めていた。
男たちの中でも文字通りに頭一つ抜けた、背の高い女である。深い蒼色の瞳は手帳に向けられながら、どこか遠くを見ているようだった。
ボリュームのあるボブカットの黒髪が、僅かに血の香りを含んだ風に揺れる。それでも彼女は、特段の不快さを示すことはなかった。
青い制服の肩に乗るのは、一枚の盾と交差した剣の徽章。「極刑の名を冠した警察」の証。
しかし彼女がD.O.T.A.を名乗るとすれば、彼女はいささか落ち着きすぎているようでもあった。
憐憫すら噯にも出していない彼女に、剥き出しの憎悪や殺意など見て取れるはずもない。ただただ彼女は淡々と、同じエンブレムを表紙に載せた手帳に、彼女しか知り得ぬ何かを綴り続ける。

「……この街も、最近はようやっと落ち着いたと思ったのに。随分と物騒になったもんだ」

漸く彼女はそこで、私情らしきものを示した。疲れから来る倦怠であった。彼女は手帳と万年筆を胸ポケットにしまい、大きく一つ伸びをした。
腰に携えられた二挺の拳銃が、路地裏に差し込んだなよやかな日光を受けて、黒く静かに輝いた。

/25時くらいまで、どなたでも。
375 :【虹鉄銃創】 [saga]:2016/02/10(水) 23:47:35.70 ID:xLylfL43o
>>373
『やべえよやべえよ……マジモンのヤクだよこれ間違いなく……どうしようこれ……』

『ヤ○オクで売ればいいんじゃね?』

『それだ』

この後この二人は最終的に保護観察処分を受けることになる。

まあ今後は兎も角として、少女達は明確に彼女の手の中に『大麻』と書かれた瓶を見たのだ。それが何なのかは、彼女達でも流石に理解できた。
彼女の行動は不可解そのものであった。最も二人はその行動の意味は理解していなかったのだが。
『一攫千金』としきりに叫びながらダッシュで缶と飴を握り締めた少女達を、立華は横目で見送った。まぁ、彼女達ならば大丈夫ではないか、と。

現状の問題として、今明確に其処に在るのは目の前の彼女である。
彼女は実に、いとも簡単に、何でもないように大麻草を取り出して。恐らくではあるが、先程まで押し付けられていた"飴"とそれを、合成したのだろう。
彼女の言う"グラタン"の意味等、言動から推察したまでで、実物を持っている訳では無いから確証は無いが。とんでもなく胡散臭い人間、だという事だけは理解できた。

「―――――――――――― 『親衛隊』か、『遺産協会』か、はたまた『収容所』か」

腰の拳銃の用心金に人差し指を引っ掻けて、それを抜いた。そのまま人差し指の先で、くるくると拳銃を勢いよく回転させる。
『逆鉤十字』と『帝國』の関係は、悪い物では無い。先の『大戦争』では、殆ど形だけと言ってもよいくらいだったが、一応は同盟国だった。
故に、本来ならば其処まで警戒するに至らなくて良かったかもしれないが―――――― 『彼女は余りにも怪し過ぎるのだ』。

「何處の人間かは知らないが。私は、"ヒロポン"には興味は無いが?」

故に、その拳銃の回転も併せて、"強い警戒の表情を見せて"彼女へとそう言った。

/いえいえ、こちらこそ遅くなりました……宜しくお願いします!
376 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/11(木) 00:00:54.18 ID:OK/sIdtco
>>375

「あっはは、そんなに怪しむことはないよ。私はただの研究員だ。
それこそ“ミレニアム”ではあるけど、戦闘能力なんてないしね。」

腰の拳銃のトリガーに指をかける少女を見て。
とりあえず分かったことは、彼女は確実にこちらを怪しんでいること。
先ほどの大麻草の一件を見たということもあるのであろうか。

「へぇ・・・、それを知ってるなら話は早い。
あれは仕事の効率を上げる素晴らしい薬だよね。「夜視」もできるっていうんだろう?」

薬物の製造担当だからか、薬物のことは一応程度に知っているつもりではある。
帝國のヒロポン。メタンフェタミンという中枢神経を非常に強く興奮させる成分を含む。
それだけで、非常に貴重な研究材料となりうるのであるが。

「あ、それとね。私は好き好んで犯罪してる、ってわけじゃない。
きみはすごく怪しんでいるだろうけど。これは私の“実験”なんだよね。」

どの薬物がどの年代にどのように興奮作用を与え、そして早く再使用欲望が出てくるか。
そんなことを研究しつつ、金を稼いでいた。そういえばさっきの少女たちからは回収し損ねたが。
まあそんなことはどうでもいいのである。彼女が帝國軍人であれば目的はただ一つ。

「きみみたいな純真そうな人間が持っているとは思ってないんだけども。
―――ヒロポン、持ってないかい?」

彼女はあくまで軍人。そう仮定すると、確かヒロポンは軍需品であったはず。
ならば、彼女にも配給されているのではないのか。なんて思い込みで聞く。
ともかく、メタンフェタミン系の薬物が即座にでも欲しいのであるが。
377 :【虹鉄銃創】 [saga]:2016/02/11(木) 00:24:40.89 ID:4PtLltslo
>>376
千年帝国の軍人ではあるが、戦闘能力は無い、と彼女は自称する。
それが本当かどうかは置いておくとして、確かに今の彼女からは危険は感じられなかった。
であれば、無用に銃を抜いて、逆に此処から相手が警戒心や敵意を抱いても困る。
回転を続けていた拳銃を、一度宙へと放り投げる。それから、回転しつつ落ちる拳銃の用心金へと器用に指を通して、回転させつつ拳銃嚢へと納める。

「……私は持ってない。使った事も無い」
「誰かが何かの為に使っている、という話はよく聞くが……少なくとも、私は」

確かに、かの薬剤は軍需品だった。夜目が効くようになるから夜間哨戒に使われていたり、航空機のパイロットに渡されていたりもした。
然し今現在ではそれらは医療用以外は、"少なくとも表向きは"出回っていない。数十年前は軍需品が氾濫したりもしたが、それも随分前の話だ。
ただしそれは少なくとも、世間的な体裁を保つためで、一部では使用されている、と言う話はある。だが少なくとも"純真"且つ"堅物"な木っ端軍人には、支給されていない。
少なくとも、そう言う面においては、彼女の期待には応えられ無さそうな存在だった。

「それで、"千年帝国"の研究員。それが何故こんなところで"実験"を」
「……というのは、もう聞いたが、私に何か、それ以外に用があるのか? 私を叩いたとしても、大した埃が出るとは思えないが」

先ず、彼女が第一に聞いて来た事に対しては、「否」という形に終わった。
であれば、彼女にそれ以外の用が無いのであれば、危険が無いのは分かったが、胡散臭い彼女からは如何にも早くおさらばした方が良い気がしていた。
軍帽の下の表情は、訝し気に眉を潜めて。彼女に対して感じているうさん臭さを隠さずに。
378 :【千刃逆撃】 ◆lT//vrXPMk [saga]:2016/02/11(木) 00:27:13.76 ID:7bM4+tIW0
青いビニールシートが囲む惨劇の痕。疲れを吐き出す女の隣で、遺体を見つめる男は灼眼を更に朱く染め上げる。
赤交じりの逆立った茶髪もまた、燃え盛る炎のように揺れ動く。男の拳は震えていて、その全身で紅く怒りを表していた。
襟には女と同じ、"極刑部隊"の一員である証がある。この男の容姿に、女は覚えがあるだろうか。
男は名を"アセロ・フィロ・アンヘル"と言い――――――極刑部隊の、D.O.T.Aの部隊長であった。
現場に存在するには違和感のある役を背負っている筈の男であるが、確かにここに存在している。

「―――――ひでぇな」

なんて一言がふと、零れるように呟かれた。
憎悪、殺意をむき出しにし、同時に深い悲しみも表情に込めていて。
それこそD.O.T.Aという組織を象徴しているかのようで。女とはあまりに正反対に見える。

男の視線が、隣の女に移った。
瞳に写るのはあまりに冷静で、淡々とした女。あげく、やっと見せた感情は倦怠。
組織に居る人間は、形の違いこそあれどみな悪への怒りを持っている。それは"絶対"に信用できる事だ
と、彼は少し前に言った―――――が、この女からはそれが感じにくく。

「死体には、慣れちまったか?」

そう聞かずには居られなかった。

//早速凍結かもしれませんが、よろしければ!・・・・・・
379 :【千刃逆撃】 ◆lT//vrXPMk [saga]:2016/02/11(木) 00:27:41.28 ID:7bM4+tIW0
>>378
>>374の安価が抜けていました・・・・・・
380 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/11(木) 00:37:50.20 ID:OK/sIdtco
>>377

「あー、やっぱりそうだよね。きみは薬物とかやりそうにない顔してるし。
なんとなくだけど、堅物そうだしね。帝國は家系とかキツイって言われてるよね。」

彼女は女からすると相当な堅物に見える。
話し方もそうだが、何をとっても彼女の顔がそれを物語っていそうで。

「ほら、軍の上層部なんかはシャブ漬けなんじゃない?
ヒロポンに含まれてる成分は興奮作用が凄いからね。」

誰かが何かのために使っている―、のであればおそらくは軍の上層部であろうか。
あの興奮作用はものすごい快楽を生み出す。もしや、なんてことを思うが。
まあ、他国の軍隊だ。それほど深く踏み込まないでおこうか。

「なぜ、かぁ・・・。そうだね、“ある薬物製造計画”の為、とでも言っておこうか。
あ、そうそう。モルヒネいる?あなたになら無料でいいけど・・・?」

“ある薬物製造計画”というのはおそらく彼女にとっては引っかかる内容であろう。
無差別に人の精神を破壊する、なんていう無理っぽい目標の計画ではあるが。
あと、彼女が軍人であれば、鎮痛剤なんかは緊急時に役立つであろう。
そこでモルヒネをあげることを提案するのであるが。

「あと、私のお客さんになってくれてもいいんだよ?」

それはつまり、女の薬物を買え、ということなのだが。
おそらく彼女は乗らないだろう。だから、すこしからかう様に言う。
381 :【機器械壊】 ◆7bEPqVMxaA [saga]:2016/02/11(木) 00:42:38.84 ID:5Q9EwqdoO
真夜中、どこかの倉庫らしき所で。

「……これで終わりか、"仕事"だ、悪く思うなよ。」

内部は惨憺たる有り様となっていた。
至るところで戦闘の跡と、血と、大量の死体が転がっており、相当な戦闘が行われたと予測される。
ただ一人立っている男、彼には一滴の返り血も付いていない。
まるで掃除をしていたらちょっと汚れてしまった程度の、黒いスーツに付いた埃を払う。

「何を持っているのかと思えば、ヤクか…能力を増強するものか、麻薬の類か、どちらにせよ碌なものではないが…」

保管されている物に目をやると、パッケージされた白い粉が並んでいた。言うまでもなく、違法薬物の類だ。
恐らく、ここで保管しておいて、色んな相手に売りさばこうという手だろう。尤も、皆殺しにしてしまったのでそれが叶う事はないが。
ただ一つ、気になったのは、この相手がどこの者かという事だ。
全員武装し、その上訓練もそれなりにされているようだった。ただのヤクザにしては、随分と強力な相手だった。

「いや、クライアントが【合衆国】の時点でお察しか…」

今回の仕事のクライアントは【合衆国】。【合衆国】と対立している相手と言えば、【祖国】以外にない。
つまりはそういう事だろう。この工場も、【祖国】のものだったと考えれば説明がつく。
知らず知らずのうちに、巨大な抗争に巻き込まれていたというわけだ。
まあいい、深く詮索はしないのが雇われの常識だ。与えられた依頼をこなし、金を貰う。それだけ。
後処理はクライアントがしてくれるだろう。

「【合衆国】も【祖国】、いつまで経っても、切っても切れない縁だな」

とにかく、さっさとここから出るとしよう。男は、踵を返して倉庫から出ようとする。
戦闘音、叫びは少なからず外に響いている。それを聞いた誰かがここに入って、男に話かけるなりすればそれも止まるだろうが。

/あまり長くできなさそうですが…
382 :【虹鉄銃創】 [saga]:2016/02/11(木) 01:08:42.18 ID:4PtLltslo
>>380
「……やりそうにない顔って……まぁ……そうだが……」

堅物、と言われて何か言いたげな表情を見せるものの、本人自身、認めたくはないがその自覚はあった。
その血筋も合わさって、立華は基本的に極秘の軍務に向いていないとすら言われる程だった。故に、反論したくても反論できず。
取り敢えず、"やりそうにない顔"を隠すために、軍帽の鍔を指先で摘まんで、少し目深に被り直しつつ。

「……帝國に対する侮辱だぞ!!!」
「……確かに、私には何処の人間が何をやっているか、何て、私にはわからないが……確証も無く……」

そしてやはり、こういう面でも堅物であった。
重要な情報が回らない立場にいる立華は、無論そんな難しい面についての事など知らないが故に、"絶対"などと言い切る事は出来ないが。
流石に、自分達が属する自分達の上層部が麻薬に浸かっている、などと、言われるのは余り気持ちの良い者では無く、彼女へと、ほんの少し、怒りを露わにする。

「"藥物製造計劃"……隨分と大層なものに聞こえるが……要は新藥の開發、か?」
「『逆鉤十字』はろくでもない事許り考える國だ……どうせまともな代物では無いのだろうが……」

"薬物製造計画"。となれば、彼女の説明も併せて新しい麻薬か何かだろうか、と推測する。
流石に、"人の精神を無差別に破壊する"などという大それた計画には、考えは及ばなかった。
嘗ての同盟国とは言え、『逆鉤十字』は他国の話である。他国が何をしているか、というものには、あまり踏み込まない方が良いのであろうが。
一応、報告しておくべきか、と。やはり、"堅物"であることが、立華の頭を悩ませた。

「モルヒネ、か。醫療用にも鎭痛劑として使われている、とは聞いた事があるが……よく分からないからな……」

「あと、顧客にはならない。私は金は有意義に、と考へる人間だ」

その薬物の名は、流石に少女でも聞いたことがある。危険薬物であるが、同時に医療用としてもよく聞く。
そうなれば多少抵抗は薄れる……が、そもそも"使い方が分からない"し、"効果もよく分からない"立華には、そう言われても難しい質問ではあった。
それと、顧客になる事は、やはり彼女の予想通り断った。何処となく、彼女の手の平で踊らされている気分になりながら。
383 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/11(木) 01:17:03.91 ID:OK/sIdtc0
>>382
//すいません、凍結お願いできますか
384 :【虹鉄銃創】 [saga]:2016/02/11(木) 01:17:58.52 ID:4PtLltslo
>>383
/はーい大丈夫ですよー
/一旦乙でした!!
385 :【罪刑砲挺】 [saga sage]:2016/02/11(木) 09:51:09.15 ID:K6oPvjPSO
>>378
//うわあごめんなさい、気付くのが遅れました……! 今日の夜あたりからでよければ、よろしくお願いします
386 :【反動現象】 [sage]:2016/02/11(木) 18:59:17.66 ID:b8lHfhYmO
夜の廃墟の中
ごしゃり、何かが潰れる音が響く
それがドサリ、そんな音を立てて落ちると、その一帯を紅に染める

「こいつも弱い……」

男は呟くと、その、人であったものを見下ろす
下らない、もっと、魂が迸るような戦いをしたいものだ、もっともっと、もっと……
殺人鬼は硝子の無い窓から月を見上げる
今夜の月は、紅い
387 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/11(木) 19:19:33.03 ID:RitGUJM2o
>>386

外套に身を包んだ旅人はそれを見ていた。髪の毛が風に揺れている。

「それは、楽しい?」

そんな声が、風上から流れてくるだろう。
男が声の出処へと視線を向けたなら、壁と床の崩れ落ちた部分から上の階層が見える。
床に片足を立てて座り込んだ旅人がいる。
コンクリート床から垂らした足をぶらぶらと、前後に揺らす。

「それとも頭がおかしいのかな。
 生まれつき障害を持っているのかな。」

顎を手で撫でながら、物思いに耽る顔。
彼女は思った事を直ぐに口にだしてしまう性格だった。
ぽつぽつ。ぽつぽつ。言葉を零していく。風が滴り落ちるように。

「何か辛い経験でもしたのか。
 子供の時の体験は、成人しても脳に焼き付くというね。」

白い息と共に言葉を吐き出していく。

「私の事も殺してくれるのかな。」

他殺志願者。廃墟の闇から染み出し、月夜に浮かび上がる、口元のその暗い緩み。
殺人鬼を、ぼお、と見つめていた。見つめている。今も貴方を見ている。
"耳に変なの付けてて痛くないのかな"なんて思いながら。
388 :【反動現象】 [sage]:2016/02/11(木) 19:27:29.60 ID:b8lHfhYmO
>>387
突如現れた変な奴
第一印象はそうだった

「別に、楽しくはねぇよ」

そう言うと、唾を死体に吐き捨てる

「こんな雑魚殺した所で、満たされねぇ」

狂ったような目で、表情で、ズボンのポケットに手を入れながら男は言う

「それとも…………てめぇは俺を楽しませてくれるのか?」

ポケットから両の手を出すと、ニヤリと、凶悪な笑みを浮かべて
389 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/11(木) 19:58:27.26 ID:RitGUJM2o
>>388

肩をすくめて、鼻をすんと鳴らす。

「わからない。」

旅の女は外套から手を出す。白金のように輝くアルミ合金の弓と共に。
折り畳まれている弓のスイッチを押すと、ビインと音を立てて開いた。
夜の月の光を浴びると、今度は青白く輝いていた。

「私、これしか取り柄がないんだ。
 だから、こうしよう。」

弓を番え、弦を引く。緑色のレーザー照準線が放たれ、廃墟の壁を狙う。
相手の直ぐ横のコンクリート壁を射抜くつもりだ。

旅人は楽しい事が好きだ。"人生、楽しまないと損だろう?"
偶然にも殺人鬼と目的が一致したならば、楽しなければいけない。

矢を放つ。壁にぶつかると、爆薬なんてついていないのに爆発して、火炎と爆風を散らす。
崩れかけていた壁を破壊すると、人気の無い寂れた大通りが真っ直ぐに、地平線まで伸びていた。
真っ直ぐに、闇まで伸びていた。

「この距離だと、君に直ぐ殺されてつまらない。だから君もつまらない。
 だから、君はあの大通りの先にあるカフェからスタートして、私を殺しに来るのはどうかな?
 私はあの手この手で君を殺そうとする。弓があるしね。

 どう?どう?」

"踊る阿呆に見る阿呆。こんな時は踊らなき損々"。人差し指を立てて、言葉を付け加える。
自分の思いつきを語る旅人は、どことなく楽しそうだった。
風の導くまま、楽しみたいんだ。
390 :【反動現象】 [sage]:2016/02/11(木) 20:16:21.95 ID:b8lHfhYmO
>>389
弓により崩された壁、馬脚も無いのに爆発した矢、恐らくは炎か爆発の異能

面白い、そう思ったのか殺人鬼はニタァと笑う

「いいぜ、てめぇのそのゲーム、乗ってやろうじゃねぇか」

男はその提案に呆気なく乗る
男からしても、直ぐに戦いが終わるのは面白くない
この殺人鬼、要は強い者と戦った上で[ピーーー]
そう言ったバトルマニアとも言える性質を持っているのだ

「それじゃあ待ってな、カフェに到着したら、あの看板を破壊してやるよ、それが合図でいいか?」

男はそのカフェの前にある大きな看板を指差して言う
そして、男は返答を聞く前に走り出す、通常の人間ではあり得ない速度で動く
恐らくは男の異能の力であろう

カフェまで到着するまでに、そこまでの時間はかからなかった
到着したならば、思いっきり看板の柱を殴る
インパクトの瞬間に、その拳にかかる"重力"を増加させ、衝撃を強めると、看板は倒れる

"合図"は送られた


391 :【罪刑砲挺】 [sage saga]:2016/02/11(木) 20:26:23.15 ID:KvPy0xA1O
>>378

伸びをすれば、彼女はまた手帳と万年筆を取り出す。些か神経質な女だった。
だが見知らぬ誰かが自身の側にいることを、その声を聞くことで彼女は初めて自覚した。意識の外にあるものに、彼女は興味を示さないところがある。
陰惨な鮮血とは似て非なる彼の逆立った赤髪を、彼女は物珍しげに横目で見ていた。そして、ふと思い出す。この顔には見覚えがあると。
すればやはり、彼女は多少なりとも興味を持った奇異の流し目で、赤髪の男をちらと見るのだった。
長い名前こそ覚えていないものの、彼の地位や彼の性格、或いは彼の実績。大まかなパーソナル・データは、彼女もまた知るところであった。
暫し彼女は思索に耽っていた。だが彼が彼女へと視線を向ける直前、彼女はまた万年筆を握り、手帳にさらなる追記を加えていく。

「……まぁ、慣れてないと言ったら嘘になるかしら。……子供の頃から、よく見たわ」

藪から棒に向けられた男の言葉は、彼女にとって真意を図りかねる問いだった。万年筆を動かす指先の動きが、僅かに止まる。
だが彼女はやはり淡々と応じ、白い手記に新たな筆跡を残していく。そうして数行ほどの備忘録を記した所で、ぱたりと彼女は彼女はそれを閉じ、またポケットへとしまい、彼へと顔を向ける。向き直ることはしない。

「仕事に感情移入はし過ぎない主義なの。怒りや悲しみは割合容易なモチベーションだけど、冷静な判断力を鈍らせるから」
「少なくとも、あたしの話になるけど。そういう状態で殺し合いができるほど、腕は立たないのよね」

少々苛立っているようにも聞こえる、事務的に過ぎる口ぶりだった。出来物に触れられているようだった。
然し一方で、彼女は言葉通りに職務へ専念しているようにも受け止められるだろう。悪意があるかどうかは図りかねた。
手帳をしまった人差し指を丸めて窪みを作り、彼女は自身の顎の先に当てた。時折指先が動いて、彼女の肌を擦った。癖であるようだった。

/お返ししておきます……!
392 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/11(木) 20:39:19.69 ID:OK/sIdtco
>>382

「あぁ、ごめんごめん。侮辱した気はなかったんだよ。ただ、どうしてもそんな気がしてね。」

この女は帝國を侮辱する気なんぞなかったのであったが。
少女にはそう聞こえてしまったかもしれない。帝國の従順な犬ともいえるか。
まあ、確証が掴めぬまま話したのも悪かったと反省して。

「まぁ、そんな感じだね。“皆が幸せになる”お薬だよ。
これがあれば、世界中の人々はみな幸せに暮らせる。って私は思ってるんだけど。」

要は、『精神を離脱させる』薬を作ることが目的なようで。
皆幸せになる、ということは深い意味を持っている。それ即ち、人々が戦う意思も見せず薬に耽る。
そして、薬を求めて人々は総統に従う、なんてのがロードマップであるが。

「ん?普通の薬なら注射薬なんだけどね・・・。
きみもさっき私の“能力”を見ていただろう?だからね・・・」

そういうと、先ほどと同じようにコートの中をごそごそと漁り。
取り出したのはモルヒネというラベルと「劇」というシールが貼られた小瓶。
その中身の液体を少し飲むと、バックの中からグラニュー糖の袋を取り出し。

「私の能力で、このグラニュー糖をモルヒネに変換することができる。
だから、君自身で水薬を飲んでもいいし、仲間が倒れたら飲ませればいい。
もしかしたら、君とも戦うことがあるかもしれないしね。」

なんていいつつ、空の小瓶に水筒の水を移して、右の人差し指で水に触れる。
一見何の変化も見られないが、中身の水は確かにモルヒネに変換されている。
それにモルヒネと書かれたラベルと、「劇」のシールを張り付けると、少女へ渡そうとする。

「あっはは、やっぱりそうだろうね。君は確かに堅物だ。面白いほどに、ね。
ただ、私の作った薬の前で、そう言えればいいね・・・、なんてね。冗談だよ。」

あはははと笑いつつ。
やはりこの少女は堅物だ。帝國の犬であり、効率主義者でもある・・・。
おそらくは、暗殺者なのであろう。それであれば、従順であることと効率重視に納得がいくか。
393 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/11(木) 20:45:12.72 ID:RitGUJM2o
>>390

男がビルから飛び出した後、上のフロアから飛び降りた。
邪魔な瓦礫をビルから蹴って落とし、爆破した壁の穴を広げる。
レーザーポインタのネジを緩め、位置を調整し、また締める。
弦を指で何度か弾き、張力が足りていない事を感じたので、レバーをクイクイ動かして張りを強める。
男が移動している間、試しに近くの自動車へと矢を放つ。爆発はせず、鈍い金属音を放って弾かれた。
レーザー測距離の横に、距離がヤード単位で現れる。そしてまたレーザポインタの位置を調整した。

「狼狩りを思い出す。」

"あれも楽しかった"。ぽつりと呟いた。矢を番え、弦を引く、弓を構える。
レーザポインタがカフェへと真っ直ぐに向かい、光が男を追い越す。
彼女の準備は万端だ ―― ふー。息を吐き出す。心拍数が落ち、冬に冷たい風とひとつになっていく。
溶けていく。冬に。冷気に。溶けて、ひとつになっていく。
白い息。蒼い月。暗闇の街。鈍く輝く、少女の眼光。暗い笑み。

合図を見た。

矢が放たれる。シュバ、という音が立つと、矢の尻から噴射炎が噴き出す。
ロケット弾のような速度。その上、機動を噴射炎によって修正し、男の胸へと誘導されている。
レーザー光が男の胸を貫くのを真似しようと、矢が迫る。
394 :【反動現象】 [sage]:2016/02/11(木) 20:51:12.83 ID:b8lHfhYmO
>>393
矢が迫り来るのを確認する、この距離からの射撃。その精度
これだけで、"使い手"であることはわかる

「どうやらてめぇは」

迫り来る矢を、左手で弾く、例によってインパクトの瞬間に、左手の"重力"を増加させて

「楽しませてくれそうだ」

そして、男は跳躍する、ジャンプ力も自らにかかる重力を操作し、普通の人間よりも高く跳ぶ

そして、屋根の上へと登るとそのまま走る、廃墟へと向かって走り出すが
この時"能力"は使わない、相手をなめているのか、はたまた、攻撃が来るのを楽しんで居るのか
395 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/02/11(木) 20:54:17.17 ID:Bhs1A+lx0
>>372
「いやあ、それが身体に心が着いていかないのよ。歳に見合う見合わないなんて話じゃなくて、単純に興味がなくなっちゃってさあ」
「んでそう、引きこもりにもなってたんだけど。いやああれは黒歴史だね、思い出したくもないや」

たははと笑い飛ばして後頭部に手をやるその仕草は、逆におばさん臭いもの。
女ぶるのも、歳寄りにみせるのも気恥ずかしさが込み上げる。故にそれなりにどちらもを気取っている。

「ご名答。というか、むしろ予想外な面倒さ程楽しくなってくるもんさね。思い通りにならないものこそ熟したくなるのさ」
「ふふふ。自己完結の速い子だね、頭が良さそうで羨ましいことだよ。とりあえず面接はクリアー、ってとこかな」

素直な反応を返し続ける少女に、アリスはかなりの好感を持っている様子。
よ風に揺れる緑がかった黒髪を耳にかけながら、一言一句ににこやかに返答する。

「んー……まあ、どうでもいいか♪」

ただし魔女についての説明は、考えた結果面倒臭くなったのでやめることにする。
さて、ついぞ相手がこちらの願いを伺って居直った。ならばこちらも正面から相対しようではないか。

「ふふ、荒っぽいことは最後の手段さね。では発表しようか」

こほん、と声色を調えて語るは。

「あたしの暇潰しは、この街に存在する“特別な力を持つ者達”を観察、記録すること。ああ、きみがそのひとりだということはほんのーり知ってるからね」

「だけどただその“チカラ”のことをただ教えてくれ、というのでは承ってくれない人間もいる。そこで、あたしの“奇跡”と交換ってことで交渉してるのさ」

両手を重ね、蛇の頭の上に置かれる。すくりと地に立った魔女は、相手を見定めるように目を細めた。

「魔女、アリス=ウィッチクラフト=カイトラーの名において、きみに聞こう――『何を、望む?』」

あてつけのように言い放った後に、外見の少女に相応の無邪気な笑顔。舌をぺろっと出すおまけ付き。


//本当毎度毎度すみません……
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/11(木) 20:58:10.73 ID:7bM4+tIWo
>>385
//ごめんなさい、返事遅れましたが了解です・・・・・・
//お好きなときに返してくだされー
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/11(木) 21:11:02.94 ID:7bM4+tIWo
>>396
//返信来てましたお返しします!・・・・・・
398 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/11(木) 21:15:48.96 ID:RitGUJM2o
>>394

矢が命中する ―― と思った直後、矢が素手で弾かれた!
ロケット噴射している矢の推進力を弾くのは、普通はあり得ない。
"弾くのはずるいなあ"と呟きを零す。少女は、相手の能力を羨ましく思った。
次の矢を番え、弦を引き絞る。

嗚呼、生命の危機を感じる。熱くなってきた。汗をかいてきた。
手が濡れてくる。力が無駄に入ってしまう。興奮してきた。心拍数が上がってきてしまう。
ふう、ふう、ふう。腹式呼吸をして出来る限り息を吐き出す ―― 吐き出す ―― 吐き出す ――

矢を放つ。狙いは相手からやや外れ、噴射炎はなく、黒塗りの弓矢は暗闇に紛れ、視認性が低いだろう。
相手が矢の進路を妨害しなければ、矢は相手の背後へと回ってしまうだろう。
 ―― 直ぐに次の矢を番える。まるでロボットのように手慣れた手つき。指が風に流れるようだ。

"追い込み猟、なんてね。"

矢を放つ。噴射炎が噴き出す。しかし、今度は相手の背後でも火炎が迸る音が聞こえるだろう。
背後にある矢が姿勢制御によってU字ターンし、背後から誘導性を持って迫る。当然、今放った矢も前から。
黒煙を吐き出しながら、2つのミサイルが差し迫る。

仮に命中すると爆発は起きず、刺さった相手の体をそのままロケットの勢いで押し続けるだろう。
壁に押し付けるかもしれないし、床に叩きつけるかもしれないが、とにかく矢は進み続ける。
399 :【反動現象】 [sage]:2016/02/11(木) 21:32:19.27 ID:b8lHfhYmO
>>398
前方から迫る矢、その噴射炎を確認すると
「け、芸のねぇこった」

そう呟き、前方から迫る矢に集中する、当然、闇に紛れた後ろの矢には気づいていない

しかし、背後から迫る矢、その音が聞こえる
しまった、男はそう思った。完全に虚をつかれたのだ、まさか前方から放たれた矢が"後ろ"から迫るとは思わない

男の口元は緩む
後ろから迫る矢を、背中、左肩の背後に受ける
「らぁ!!」

前から迫る矢に関しては、命中する直前に、重力を、増加し、質量を増幅させた右拳アッパー気味に殴り上げる

そして、背後の矢を受けた勢いで、飛ばされる
「くっそがぁ……!!」

そのまま、飛ばされるが、右手で刺さった矢を持つ
そこで、能力を発動する
矢と、自らにかかる重力を"高める"
自らと矢の"重さ"は跳ね上がる
当然、高くし過ぎた重力の付加を感じる
身体にもその負荷は還ってくる

そして、屋根の上、両足をつくとそのまま、ロケットに押されながら踏ん張る。がががと音を立て、両の足が屋根を引き摺る
そして、止まると、矢を抜いて、その場に捨てる

「はぁ、はぁ、はぁ…………」

ぎろり、まだ遠くの廃墟を睨み、走り出す

「追い詰められるのは、どちらか……教えてやる」

悪意籠った声でそう呟いて
400 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/11(木) 21:52:48.67 ID:RitGUJM2o
>>399

「おお、おお、効いてる!おおお!」

嬉しくて思わず、声をあげた。自分の思い通りに事が運んだ時、笑いを隠す事ができない。
その場で飛び跳ねたい気持をグッと抑え込みながら、外套の中にある矢筒へと手を伸ばす。
そしてもっと嬉しい事がある。相手がまだ倒れていない事だ。まだコレを続けられる事だ。
今日も風が、彼女を興奮させてくれる場所へと案内してくれたことを、少女は確信する。

"should i stay or should i go〜♪"

小声で好きなロックを口ずさんでしまうほどに、状況を楽しんでいる。
手が汗でぐっしょりと濡れているの気づき、矢を口で咥え、セーターで拭う。
そして矢を番える。親指でレーザーポインタのスイッチをオフにする。
この距離ならば、距離を測る必要も目印すら必要ない。
―― 相手が止まっていてくれるなら、必中させる自信がある。

"should i stay or should i go now〜〜〜♪"

小さい声で、自分だけが聞こえるような声で、自分と相手の為に歌う。
手が宙で翻り、矢が放たれる。噴射炎は無し、黒塗りの矢がまた夜闇を突き進む。
今度は相手目掛けて放たれている。今日は月が明るい為、鏃の反射光が相手から見えるかもしれない。

足を止めてしまった獲物を狙うのは、狩人にとって最も容易い事のひとつ。
"着弾"したならば、今まで見てきたように、爆発を起こすだろう。火炎と爆風を引き起こす。
矢を弾かれるなら、爆風で吹き飛ばす ―― 何度も転がし、何度も焦がし、相手を消耗させるのが狙いだった。
401 :【千刃逆撃】 ◆lT//vrXPMk [saga]:2016/02/11(木) 21:56:23.15 ID:7bM4+tIW0
>>391
態度は変わらず、返事は淡々と。

「――――そうか」

子供の頃から良く見ていた、と言われると少し悪いことを聞いてしまったような気になる。
続く苛立った声を聞けば、唯の気であったそれが確信になった。
どの様な過去がありそう答えたのかはわからないが、自分が触れていい領域ではない所を触ってしまったのだろう。

"し過ぎない"と言うのであれば、それを所持しているのは確かである。ならば、自分が言うことはない。

「妙なことを聞いた。忘れてくれていい。」

人差し指で頭を掻き言う。言外の意味はない、素直に受け取ってくれるだろうか。
誰かの思想に、やり方に文句を付けるつもりは一切ない。彼女がそれを自分のスタイルだというならば、セロは受け入れる。
D.O.T.Aはそれでいい。各々が正しいと思うようにすればいい。

「―――手帳を見せて貰ってもいいか
 推理や捜査はあんまり得意じゃなくてな。」

これにもまた言外の意味はない。唯純粋に、言葉通りの事。捜査の助けが欲しいというそれだけだ。

//すいません遅くなりました・・・・・
402 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/11(木) 22:02:09.85 ID:sPmu3VD3o
>>395
 なるほど、不老とは思ったほど良いことだけども無いようだ。
老成していく心と若いままの体は、どこかでズレてしまうのだろう。

「あーうん。それはちょっと大変そうだね。なんて言えば良いか分かんないけどさ」
「興味が無くなるってまー、ヤバそう。 それって生きてる気力なくなるよね」
「あー、だから今は刺激を求めてるのか。 うん、良い生きがいだと思うよー」

 予想は半分当たっていたらしい、一時引きこもっていたらしい女性はその時期を黒歴史としているようだ。
思い出したくも無いと語る。

「んー……なんだろ、厭世的な偏屈時代があったって感じっぽい」
「いやまあ勝手な想像なんだけどさ。 まー、そんな昔のことはどーでも良いか」
「今を生きてるんだから、今のことだけ考えておけばそれで」

 自分から、相手の過去を推察しつつ話題を切り上げるという、すごく失礼な話術を駆使するゲイル。
わざとやっているわけでは無い、ただ考えたことがそのまま出てしまっただけである。
初対面ではあるが、思ったことが直ぐ口からでるほどにまで女性に好意的なようだ。

「うん、どーでもいいね―」
「メイジもメイガスもスペルキャスターもウィッチもソーサラーも全部突き詰めれば意味一緒だし」
「相手に通じればそれでいいやもう」

 この話題は早急に切り上げる。

 "何を望む"という問いに対して女性は。

 荒事は最後の手段らしい。ゲイルとしてはそれが一番ラクで手っ取り早い方法なのだが。
そして、佇まいを改めて発表される"望み" それは"能力者"の観察・記録らしい。
そして、"能力者"の秘密を暴く対価としてその人間の望みを叶える。
まさしく魔女の取引と言っていいだろう。人が人ならば、飛びつくようにこの取引に乗るだろう。
しかし、ゲイルはその取引に素直に応じない、なぜならば。

「えっ……望みって……えー……おんなじような事前もあったなー」
「ある物品が創り上げた虚構空間迷い込んでさ―、紆余曲折を経てまったく同じ質問された」
「でもさー望みとか聞かれても困るんだよねー。別に何か強い我欲があるわけでもないしさ―」
「そんときは、その虚構空間の消滅を望んだけどさ。 危ないし。 けど今はなー……無いなー」
「しいて言うなら、新しいSTGの筐体が欲しいとかお菓子食べたいとかだけどさ。 別にやりたい時ゲーセン行くし、お菓子今あるし」
「望み―……望み……」

 ガリガリと白髪を掻きむしって、望みかーと悩むゲイル。
本当に特に望みたいものが無いようで、望み、望みって何だ。と深く深く思考の渦に入り込んでしまった。
しばらく悩み続けていたが、唐突に顔を上げるとまた口を開く。
しかし、自らの望みを見つけたわけではない。

「あー……先に私のこと言っておくと、"我こそが“機翼”が内の一機!“炎天”を司りしゲイルスケグル!!"」
「って感じで、人体ベースの生体兵器。 確かーカタログスペックだと、一機で劣勢な各種戦局を覆す程の戦術兵器」
「まー実際のところはオーバーヒート結構頻発するから、あんまりに劣勢だと一機じゃ厳しいねー」
「そんでそんな兵器にバグ混入してさ、こんな感じになったのが私。 まー、そんなとこかな―」

 やっぱり名乗りダッサイわーと、もはやお決まりになった愚痴を呟く。
そしてまた、望みについて考えを巡らせる。 
未だに望みについて考えているゲイルではあるが、果たしてどのような反応をするだろうか。
403 :【反動現象】 [sage]:2016/02/11(木) 22:04:49.39 ID:b8lHfhYmO
>>400
「てめぇは…………確実に殺してやるぜ」

そう呟いた男は、走る、走る、走る
屋根を跳び、確実に距離を詰める
そして、今度は月明かりで、黒塗りの矢が見えた
それを、右手で弾くと刹那、爆発する
男の右手は負傷する、感覚も無くなる
そして、爆風に飛ばされ、屋根を転がり、立ち上がる

「ちぃ、右(こっち)はもう使えそうも無さそうだな…………」

男は目標点の廃墟を見つめる、そろそろ近く成ってきたか

「…………まともに狙えなくしてやるぜ…………」

すると、男は屋根の上から、自らの体重を重くし、民家の中に落ちる
そして、民家の壁を破壊しながら、近づいてくる

流石にこれ以上、攻撃を受け、消耗すると不味いと感じたのだろう
即ち、体力の限界は近い
だが、このままでは終わらせない、そう思ったのだろう
404 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/11(木) 22:23:25.26 ID:RitGUJM2o
>>403

「Gotcha!」

 ―― "捕まえた"、と彼女は叫び声をあげた。
誘導性を持った矢で追いかけ回し、爆風で転がし焦がし、彼女は相手を消耗させ続けてきた。
相手の体力を減らす為だ。だがそれに、どういう意味があるのだろうか。
冷酷な殺人鬼が、この程度の傷や負傷、疲労で戦意を喪失する訳がない。

4つ数える、息を吸う。
4つ数える、息を吐く。

矢を番え、腹式呼吸。ふう、ふう、ふう。肺の中を空っぽにし、頭の中も空っぽにする。
彼女には赤い線が見えていた。鏃から放たれた線は、相手とは少しだけ違う場所へと伸びていた。
相手が消耗し、ボロボロになり、やがて建物の中を突き進むのはわかっていた。
破壊してまで迫り来るのは予想外だったが、それに伴う瓦礫や土煙はむしろ好都合。

矢を放つ。

赤い線が、現実となる。矢が、炎の尾を宙に引いていく。
進み、線を引く。それは灼熱の火柱、矢の軌道が燃えていた。燃え盛り、燃え続ける。
男の目の前を矢が横切り、火炎の柱が宙に残り、男を迎えうつ。
消耗戦はこの為に ―― 集中力を乱し、減らし、視界を悪化せ、罠に嵌める。

火炎の軌道線は呪いの力によって現れた超常の炎、触れれば、火傷や衣服への延焼を引き起こす。
もう相手は目の前にまで迫っている。これが彼女の最後の攻撃になるのは、少女の理解していた。

「かかれ、かかれ、かかれ! かかって燃え[ピーーー]! かかって[ピーーー]!」

気持を抑える事ができない。叫び声をあげつづける。
405 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/11(木) 22:29:13.08 ID:Bhs1A+lx0
>>402
少女と会話しながら、なんとなくの心地良さを覚えるアリス。
容貌か口調かその態度か。彼女の人当たりはかなり柔らかいと思う。

「そゆことそゆこと。“これ”を求めて魔法だの呪いだのに手を出す人もいるけどさ、やっぱ人はガワより心から老けてくもんよ。あ、これ覚えときな。きみ老いないかもだけど」

そのためか徐々に早口になってきているのに気づく。
そうだった。昔も自分はこうやって、同年代の女の子と―――っとと、いけないいけない。
そんなモノローグを頭に巡らせながら、少女の言葉を聞いていると。

「アハハ、滲み出てるかねーそういうの。あたしなるべくいろいろ考えないように話してるんだけどなあ」

―――そうか。諮られてしまうか。
ただ、“御伽噺”はまた今度だ。今は彼女とのご挨拶て忙しいのだ。
相手もそこはかとなく切り上げてくれるようだ。傍から見れば不躾かもしれないが、こちらとしては都合がいい。

よくそんな知ってるなー。軽く呟く。
こちらも切り上げのようだし、口を挟みはしないが。

「……えぇ、二回目かよお……それは確かに困るよねえ……」

まさかの形で目論見が外れた。既にどこかしらいつかしらなにかしらにおいて同様の経験をしたと語る少女を見て、落胆を隠せないアリス。
虚構空間だかなんだか知らないが、恨むぞ
こんちくしょう。

と、なにやら少女は前払いと言わんばかりに筒抜けに“チカラ”を語ってくれてしまう。
生物兵器。それも、元人間。それがバグによって自律機能を取得。今、放蕩中。
箇条書きで脳内に情報を羅列する。その後、一息ついてから、口を大きく開く。

「ゲイルスケグル、………かっけーーっ!」

目を輝かせながら。

「ちょ、もっかいやってそれ! なんだっけ、“炎天”の“機翼”がどうのこうのの!」

アリスが惹き付けられたのは、運悪く少女の乗り気でない、いわゆる“名乗り”の部分。
最早望みかどうとか、今この瞬間はどうでも良いらしい。
どうやら今度は真面目な感じでやってほしいらしい。果たしてその注文、受けてくれるのだろうか。
406 :【反動現象】 [sage]:2016/02/11(木) 22:31:56.84 ID:b8lHfhYmO
>>404
炎に触れる、身体が、衣装が、燃え上がる
人間の丸焼きと言った所だろう
流石に全身が燃える経験など、ない
「〜〜〜!!」

男は声にならない声を上げると、その場に倒れ、暴れる

「…………このまま…………終わるかぁぁぁあああああああ!!」

男は叫ぶと、ゴールの廃墟は直ぐそこだ、重力の向きを変動させて、跳躍する、少女の目の前に降り立つ

そして

「…………やっと…………到着したぜぇ?」

燃える身体を引きずって、ここまでやってきた殺人鬼の執念

「そのまましねぇぇええええええええ」

叫びながら、左拳を振りかぶる、そして、その拳は━━━━━━━━━





少女の目の前で止まる、そして、そのままドサリと前に倒れる

なぜか、答えは簡単だ、息絶えたのだ

【反動現象】死亡
//絡みありがとーですー!
407 :【虹鉄銃創】 [saga]:2016/02/11(木) 22:54:00.15 ID:4PtLltslo
>>392
「それはまた……隨分と"餘計"なことだな」
「だが……如何にお前達"第三帝國"が偉大であろうが、人類はそう簡單に手玉にとれるものじやない。出來るものか」

"皆が幸せになる"。それを言葉通りに受け取るのであれば、随分と立派に聞こえるが。
薬物の作用によって多幸感に溺れさせるとでも言うのだろうか。どのような効果によってそうなるかは分かるが、つまるところ"余計なお世話"だ。
人の幸せ何て、人が決めるもの、というのが立華京香の実に殊勝な思想であった。馬鹿馬鹿しい、と断じる事が出来る程度に、それは"倫理的"だった。
そしてそんなバカげたことが実現する筈がない、と言える程に"純粋で正常"な思想の持ち主であり。それは、余りにも大逸れていると断じた。

「確かに、能力は見ていたが……仲間に、か」」

彼女の能力は確かに見たが、本当に薬が作れる能力なのかは半信半疑で。差し出された小瓶を、慌てて左手の平で受け取った。
医療用にも使われるとはいえ、それでもやはり良いイメージを持っておらず。中に入っている水を、じっと目を凝らして見つめる。
少女はまた"仲間意識"も非常に強いものであった。何ともやはり"暗殺者"としては失格な要素を酷く多く抱えており。


「―――――― まあ、無料で貰えるならば。貰っておこう。……ありがとう」
「出來る事ならば、見知った顏を撃ちたくは無い、が」

だが、今回はそれが良い方向に働いたか―――――― 兎も角として、その小瓶を、単純に鎮静剤や鎮痛剤として使うつもりで、袖無し外套の下の、袋嚢に入れる。
そしてまた、律儀に彼女へと礼を言った。立華は銃は好きだが、戦闘が好きな訳ではないし、出来れば殺し合いたくない、と、また随分と真面目にそう言った。

「―――――――――――― 言って見せる」

「私は引き金だ。もし、お前の言うとおりに、お前と對峙する時が來たならば」
「私は同じことを言って、指先に力を籠めてやる。それが、私の"仕事"なら」

暗殺者とは、誰かの刃である。それが、立華の思想であり、本人もそうであろうとしている。
故に、その言葉は強いものであったが―――――― 本当に、"それを目の前にした時にそう言っていられるかは"。きっと、その時まで分からない。
ただ一つ言えるとすれば。立華京香は自身が握るシングル・アクションのそれよりも、遥かに脆い、という事か。

「……これ以上用が無いなら、私は歸るぞ」
「何だか最近は、よく分からないが"忙しい"んだ。今日も"師團長"に呼ばれている」

―――――― 立華が所属する、『帝國陸軍第五師団』は、今、酷く"きな臭い"場所だった。
本人はなぜそうなっているのか、いまいち把握できていないが。兎も角、彼女に引き留められることが無ければ、表通りの路地へと戻ろうとするだろう。
随分と奇妙なことで時間を取らされてしまい、言われていた時間には大幅に遅れていた。あまり、怒られることは無いだろうが。"良くない事だ"、と考えつつ。
408 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/11(木) 22:58:39.42 ID:RitGUJM2o
>>406

「Gotcha!」

相手の体が燃え上がるのを確認すると、腹の底からの大声で叫んだ。
嬉しさと喜び、そして何より、楽しさと面白さが凝縮されたような声。
楽しい〜〜〜!!!
どうせ後は相手を[ピーーー]か死ぬだけだ、彼女はその場で飛び跳ね、弓を床に叩きつける。

「Gotcha!」

「Gotcha!Gotcha!!Gotcha!!」

ガッツポーズを取りながら小躍りし、溢れ出る感情が爆発して近くにあったタンスを蹴り壊す。
嬉しい楽しい嬉しい!誰かとこの感情を分かち合いたいが、嗚呼、燃え盛っている相手には抱きつけない!
しかし少女は、背後の物音を聞いた途端、動きを止めた。黙った。
背筋が一瞬で凍りつく。ゆっくりと振り向くと、火炎を纏った鬼がいた。

「や、や、や、やる、ね。」

思わず後ろへと後ずさる ―― 自分の足を自分で踏んでしまい、どてり、とその場に座り込む。
狙撃手は、獲物を仕留めたらその場から直ぐに逃げ去る。彼女は猟師だったが、兵士ではなかった。
拳が振り上がる。少女は、ひい、と声を出しながら細い両腕で頭を庇おうとした。

そして、あと少しの所で男は力尽き、彼女の横に倒れる。それを呆然と、数秒眺めた。
暫くして、自分が生き残った事に気がつく。途端、呼吸すら忘れていた少女は、大きく息を吸い込む。
ハアハア。彼女は凄く興奮したし、今もしている。すごく、楽しかった。それだけだった。

「暫く休むといい、また遊ぼう。」


------------------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------
----------------------

廃墟に墓がひとつできた。そこら辺で集めた小枝を使って作った、粗末な墓。
矢が一本置かれている。彼女の生まれた村の慣習で、"総ては巡る"という意味を持つ。
死すら巡るから、ここに矢を置く。楽しかった事に縁のあるものを置いていく慣習だ。



/お疲れ様でした。ロールすごく楽しかったです。ご縁があればまたお願いします。
409 :【罪刑砲挺】 [sage saga]:2016/02/11(木) 23:03:19.98 ID:vxegox9GO
>>401

「……あら、気を遣わせちゃったかしら。……ごめんなさいね、考えてる時はつい無愛想になるの」

手帳を書いている間、制服の襟に引っ掛けていた薄いフレームの眼鏡を、彼女は改めてかけ直した。
より神経質さを増したような顔立ちであったが、彼女は男へ向けて申し訳なさげに苦笑する。
見れば彼女は若くない。三十路手前と言った所か、二十歳はとうに過ぎている。どことなく落ち着いた立ち居振る舞いが、先走りすぎない年功を感じさせた。
動じることもなく、かといって無頼を気取ることもなく。玲瓏を気取った青二才の容貌ではなかった。

「ええ、もちろん。……まあ、入り組んだ推理が必要な事件とは思えないのだけれど」「精々『どんな現場を押さえられたのか』を、調べる必要があるくらいかしら」

微笑んで彼女は快諾し、取り出した手帳を恭しく彼へと差し出す。
黒い警察手帳へと雑に縛り付けられた分厚いメモ帳には、その表紙から乱れた字体が所狭しと躍っていた。
それでもなおページを捲っていけば、恐らくは彼女の担当した事件に関するメモを越えて、白紙の一枚へと辿り着く。
そこから先に記されているものはないことから、最後に記述のあったページが今回の事件に関する情報なのだろう。
やはり雑に描かれた現場の俯瞰図、被害者の身元並びに関連する人物、遺体の状況ーー
被疑者として挙げられている人物や組織は二桁に上った。無限機構≠ゥら零号機関=A真島重工∴スいはフリーランスの殺人者、流れの能力者まで。

『凶器・鋭利かつ長大な刃物類。日本刀が第一候補。切断面からして加害者は剣の名手か?
 刹那的な殺人にしては極めて執拗。恐らくは被害者の死亡後も遺体を損壊。しかし快楽殺人と考えると裂傷箇所少……確実な殺人。
 近辺に他の被害者はなく、暴力団末端の薬物の売人に目撃情報あり……用心棒の口封じ?』

今一度彼女は屈み込み、ブルーシートの下を覗いていた。再度それを下せば、そっと己の胸前で両手を合わせる。

/こちらも遅れましたので、お気になさらずに……。
410 :【機器械壊】 ◆7bEPqVMxaA [sage]:2016/02/11(木) 23:08:37.89 ID:AVEVLE4cO
/>>381で再募集します
411 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/11(木) 23:27:11.30 ID:sPmu3VD3o
>>405
 言葉を交わす度に上機嫌になっていく女性。
ゲイルとの会話を純粋に楽しんでいるようだ。
やはり人との会話というものは、強い刺激となるのだろう。

「やっぱりそー言うもんだよねー。 分不相応なもんに手を出しても、結局は面倒事しか無い感じ」
「うん、忠告ありがとー。」
「滲み出てるっていうか?只の推測だけどねー、まーうん」
「当たってたっぽい? ごめんごめん、思い出したくなかったんだっけ」

 雑談は盛り上がり、そして終わる。

--------------------------------------------------------------------

「そーそー。 一回目だってかなりこまったんだよねー。 二回目はとんでもなく困る」
「一回目に倣えばおねーさんの崩壊が望みになるけど、あん時とは状況も何もかも違うし、おねーさんも困るよねー」
「んー……後で良い?」

 ゲイルの語る能力、と言うか自らの正体。これは隠すつもりはあまり無い。
ちょくちょく、会話の中に紛れ込ませて行くのが常なのだが、今回はあまり話題に上がることは無かっただけだ。
特に差し障りの無いと思っている情報を取り敢えず語り終える。
その内容は、彼女の頭のなかにすんなりと入って行ったようだ。

 そしてその中で最も彼女の気を引いたのが、名乗りのようである。
朝のヒーロー番組で、主人公が颯爽と現れた場面に興奮する子供のように、目を輝かせてゲイルに二回目をやってほしいと言う。
それに対してゲイルは、先程から頭をかきむしっていた手を止めて、いや凍りついたように全身を硬直させる。
ここまで感情を発露させたのは初めてじゃないだろうか。と言うレベルで嫌悪感を持っているようだ。しかし。

「え゛っ……ええー。あー、うん。  まー良いよ」
「取り敢えず、さっきのミュートよろしく〜。 他の人に聞かれたら恥ずかしいし」

 女性が先ほどのようにミュートをしたのならば。

「"我こそが“機翼”が内の一機!“炎天”を司りしゲイルスケグル!!"」
「"我が刃!立ち塞がる一切合切を切り飛ばし、我が槍!森羅万象を穿ち貫く!!"」
「"我が身!汝らが武器として振るわれん! さあ、我が名はゲイルスケグル!汝らと共に進むものなり!!"」

 どこからか七mもある槍を喚び出し、穂先を上にし右手で天高く掲げ声高らかに名乗る。
正面を見据え、先程までの柔らかな雰囲気から一転して強い威圧感を全身から出す。
凛とした声は聞く者に気力を与える。この姿を絵画として書き残したのならば、それはきっと後世まで語られる名画になりえるだろう。
……左手に持ったコンビニ袋が全てを台無しにしているが。

「満足―? これすっごい恥ずかしいんだよね―、ダサいし。正直開発者のセンスを疑うよ。 ゲイルスケグルって言い難いし」
「だから私のことはゲイルって呼んでー……んー、これが"望み"で良いやもう」
「ふへー……ごめん、ちょっとうん……フルはきつい……うん」

 なるほど、これが彼女の弱点のようだ。精神の。
かなり疲れた様子のゲイルは、ポテチの袋を一つ開けると口に流しこむようにして食べだす。
どちらかと言うと、気分転換のために食べているようで味わっている様子は薄い。

「あー、よしおーけー。落ち着いた。 うん」
「んー……おねーさんがこれで満足ならそれで良いんだけど、もしそうじゃなかったらさ」
「荒事的な感じで行こう。 うん、ソッチのほうが楽だし」

 ……微妙に落ち着いていないようだ。


/落ちます―。 おやすみなさい。
412 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/11(木) 23:40:52.42 ID:OK/sIdtc0
>>407

「果たしてそうかな?確かにきみのいう事は論理的には正しいかもしれない。
でも、この世界にはありえない事が起こりうる。奇跡でも何でもない、必然が。
そう、君だって持ってるんだろう、能力だよ。」

実際のところあまり使ったことはないが、女は2、3種類の薬剤を混ぜられる能力を持つ。
それを使えば、複数種の性質を混ぜられる。だから、この女はヒロポンを所望していたのだ。
その薬を、風にのせるなどして運べば、忽ち薬の虜、という算段であるが。今のところ。

413 :【千刃逆撃】 ◆lT//vrXPMk [saga]:2016/02/11(木) 23:49:04.61 ID:7bM4+tIW0

>>409
「いや、謝らないでくれ。考え事してる時に話しかけた俺が悪いよ」

苦笑を向けられれば、寧ろこちらが申し訳なくなる。
しかしその対応はいわゆる大人なもので、先日の"会議"では色々と若い奴を相手にしていただけに、なおさら安心感がある。

助かるよ、と礼を言い手帳を覗く。並んだ、雑な文字には見慣れている。警察職の手帳は大抵こんなものだ
捲られてたどり着いたページには、見覚えのある名前が並んでいた。
"無限機構"、"零号機関"―――最後の"真島重工"には、心当たりがなかったが。

「日本刀か。第一に疑いたくなるのは零号機関、帝国だが・・・・・・
 "真島重工"? 聞かない名前だな」

その名前から、帝國の企業であるということは理解できる。が、このような犯罪の舞台に現れる名前としては違和感がある。
企業が犯罪に手を染める動機などいくらでもあるが、"無限機構"や"零号機関"と並ぶのははじめてみる。

「怨恨か、それとも始末か、快楽か、動機がわからんな
 こうやって動機を有耶無耶にすることが目的なら、口封じの線が強そうだ
 目撃証言とも合う。」

で、あれば恐らくは個人でなく組織が関わった物と推測できるか。
改めて遺体を見れば、何人もの死体を見てきた今でも、眼を背けたくなるほど酷い状態であった。
―――必ず、仇はとると胸に誓い、彼女がするように手を合わせる。

彼女に感じていた、疑いのような何かは消えていた。同時に、少しでも"疑った"自分を恥じた。
414 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/11(木) 23:51:31.34 ID:OK/sIdtc0
>>407

「ふふっ、受け取ってくれるのか。ありがとう。
それ使うときに、筋肉弛緩が起こるかもしれないから注意して使ってね。」

少女は小瓶を受け取った。
これ迄に自分を怪しんでいた少女が何故小瓶を受け取ったか。
多分、仲間という言葉に反応したのであろう。まるで暗殺者には見えなくなってきた。

「あははは、そのトリガーが引けるといいね。
私はそのトリガーをも引けなくするつもりだからさ。」

恐らく、次にこの少女と対峙した時には戦うことになるだろうか。
この従順な犬が、壊れていく様を想像するだけで面白い。
ぜひとも、その脆い暗殺者の心に、堅物な性格に、端正な顔立ちに罅を入れたい。
そう思いつつ。

「私は他国軍の事情には首を突っ込みたくないからね。
まあ随分きな臭いようだ。帝國も大変なようで。」
「あ、そうそう。せめて次に合うまでには死なないでおくれよ?
きみは私の薬で壊す、大切な存在だからね。」

と言って、この女は少女を見送るのであろう。
せめても、また次にあった時に壊してやりたい。そんな欲望が見え隠れする発言をのこし。
少女が路地に出たら、少し遅れてこの女も路地に出ていく。
路地裏には、誰もいなくなった。

//途中送信すいません…
//これで〆です、ありがとうございました!
//また機会がありましたらよろしくお願いします。
415 :【虹鉄銃創】 [saga]:2016/02/12(金) 00:00:56.07 ID:pUmelYLeo
>>412
>>414
/お疲れ様でした!楽しいロールでした
/こちらこそまたよろしくお願いしますね!ありがとうございましたー!
416 :【罪刑砲挺】 [sage]:2016/02/12(金) 06:15:32.47 ID:SjFWDRQaO
>>413
/ごめんなさい、寝落ちです……本日中に返しますっ
417 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/12(金) 18:21:17.39 ID:bHxdOCMp0

タン、タタタン。軽いステップ。地面を叩くような靴音が、虚空に響いて消えていく。
すらりと―――と表すにはいささか身長が足りないが―――した足。其処から除く素肌に、膝から下を隠すソックス。
【学園】の制服を改造した物を着用し、頬には僅かなチーク。自身の色と限りなく近い紅を引いて、青色の相貌が闇夜に映る。
人工的に染められ、且つ天然のようにも見える不可思議な金髪を肩を少し超える程度まで伸ばし。無警戒にも『無手』で路地裏と踊っている少女。
【空圧装置】と呼ばれる『人工強化能力者』。即ち、学園が生み出した闇であり『研究成果』。

――――例えるのなら『凄惨工場』。

彼女が躍る周りには肉片が散らばり、同時に地面や壁の一部が抉れ。何かが爆発したような雰囲気を持って、場所として為っている。
人の体なのか、はたまた動物の死骸なのか。既に原形を留めていないそれらはどうにも醜く、総じて『爆発痕に僅かな切れ目』があった。

「『トップ』になったって言うけど、やることは結構昔と変わらないのよねぇ……」

なんて、小さく呟きながら、もう一度ステップ。こつん、と言うかわいらしい靴音が虚空に響いた瞬間、それを増幅するかのように遥かにい大きな爆音が一つ。
その肉片を粉々に吹き飛ばし、其処には血痕と壊れた地面そして壁しか残らない。証拠は隠滅され、明滅する街灯のみがその凄惨性を物語る。
彼女の任は『脱走者』の排除。以前の『大脱走』によって出来た穴と、学園自体が謎の『神隠し』によって事実上の崩壊を起こしたせいで、被検体が逃げ出すケースが増えている。
それらを捕縛し、優先順位の低いもの。若しくは能力による研究の損失が著しいものなどについては排除・情報のみを持ち帰るという。

いわば体の良い便利屋扱いの部署。実行部隊と言うたいそうな名前を頂戴しているものの、前リーダーの気質故にそれで廻ってしまっていた組織でもある。
隠密性が高く、同時に破壊力にも優れた彼女の様な能力は、いかにトップであったとしても前線で戦わなければならない。それほどに、組織としての脆弱性が露出し始めていた。
彼女としてはもう少し『上品』に事を終わらせられないかといつも気をもんではいるのだが、現在の処理方法を見るに、正直なところ『ドングリの背比べ』と言ってしまう他無い。

爆音と靴音。そして僅かな肉の焼ける匂い。必ずしもそれらによって誘導される人間がいるわけではないが、この町は少なくとも『好奇心』こそが最大の友である。
418 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/12(金) 20:31:56.67 ID:bFvTlBcCo
仄暗い闇が世界を浸し、星が天に瞬く。肌を撫ぜる風は酷く冷たかったが、空気は程よく澄んでいた。
夜空に散りばめられた雲は疎らで、天体ショーを邪魔することもない。彼個人の感想を述べるのであれば、良い夜だなと思う。
そう、良い夜だった。彼が三日月の光も届かない路地裏で、柄の悪い男達に絡まれていなければ。

「いやぁ、本当にもう勘弁して下さいよぉ」

ヘラヘラと笑いながら懇願しているのは、学園高等部普通科所属の二年の逸木貴司という青年だった。
冬だというのに半袖ワイシャツという出で立ちを除けば酷く普通で、極めて顔立ちが優れている訳でも醜い訳でもない。
中肉中背で容姿も普通。絵に描いたような高校生である彼だったが、残念ながら現在そこそこの窮地に追い詰められていた。
事の起こりは省くが、状況は傍から見ても簡単に理解出来るだろう。所謂カツアゲという物である。

「マジでホント、今月三万も課金して金ないんす。ぶっちゃけ今日の飯も食えるか分からないんす」
「本当なんすよ。ほら、これ見てくださいよ。俺の財布、七円しか入ってない……」

懇願する態度を取りながらも、青年の表情は変わらず明るい。媚びた様なそれでは無く、本当にただ笑っていた。
見下したようなそれでもなく、ただ純粋に。囲んでいた男達もそれを不気味に感じてか、引き気味の表情で青年の腹部に拳を叩き込む。
うげぇ、なんて間抜けな声を上げ、青年は膝をついた。痛い。痛いのだが――――それでも、表情は変わらない。
いよいよもって不気味である。男達の感情が恐怖、そして不快感へと変わるのにそう時間はかからなかった。
数人の拳が、そして足が出るのも時間の問題だろう。青年は見たところ学園の生徒であり、そしてバットケースを肩から下げている。
簡単にいえば、複数人相手にでも対抗する手段を持っているのである――――それでも彼は態度を崩さず、状況をヘラヘラと受け入れていた。
419 :【双魔穿槍】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/12(金) 21:47:45.63 ID:nl6uuV0Wo
>>368
「ハハッ、だがまあ言うだけなら別にいいと思うぜ」

ちょっと笑ってこんなことを口にしてみる
だが、こんな風なことを言うのは非常に稀だった

よっと、と小さく掛け声をして立ち上がると先ほど投げた槍を拾う
そして、少女に背中を向ける――別れの時だ

「こっちこそな、楽しかったぜ」

振り返って、白い歯を見せて笑う
満足そうに、満ち足りたように

「――その頼みも、二回目だな」

冗談を聞くと、立ち止まって遠くを見る
想えば、あの強敵もこんなことを言っていた
どうしているのだろう、彼は
――いつか、彼ともまた

「だが、そいつはできない相談だな」

そして、あのときのように断る
そうして歩き出す
また、戦うことを期待しながら

「オレは、"今"が好きなのさ」

今のこの日々が
今のこの立場が
今のこの関係が
今のこの自身が

―――大好きだ

//返し&〆ですねー長らくの間ありがとうございました!私もとても楽しめました!
420 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/12(金) 21:56:48.69 ID:ZTsEjACE0
>>411
「くははは。崩壊か、どうなるんだろそれ。面白そうではあるけどね。ん、分かったよ。おいおいね、おいおい」

渇いた笑いを洩らす。そういえば、“崩壊”なんてものは経験をしたことがない。
どう崩れて壊れるのだろう。身体なのか、それとも心なのか。
奇跡さえ手繰る自身のチカラで、それは可能なのだろうか。
幾ら考えようと答えは出るまい。それに、相手もそんなつもりはさらさらないらしい。
アリスは柔和な微笑みで目を瞑り、相手の長考を承諾する。

「お、ほんとかい? きみは優しい子だなあ、あたしのお願いをこんなに聞いてくれるなんて」

アリスは“お願い”をした少女の、存外な了承に華やいだ。
しかもフルコーラスという大盤振る舞いだ。相手の少し苦々しい表情など気にしてはいられない。

「りょーかいりょーかい! ほいっ、いいよ!」

アリスは杖を突かず、ミュート空間を出現させる。実は彼女の術式の展開にはモーションを必要としないことが判明する。

―――現れたのは、大の大人三、四人を縦に並べた程もある長槍。
それは無音の空に薙がれて、穂先からは陽炎すら見える。
そんな長槍を苦にすることもなく構えている少女。澄んだ、されど力強い呼声は、静けさに包まれた夜に木霊する。
胸が震えた。鳥肌は外気の寒さよりも、この大音声と威勢に反応した。
動かす度しゃらしゃらうるさい、目にちらつく白い袋など、今は耳にも目にも入らない。

「―――かーーーっけぇーーー!!」

意識せずとも拍手は自然と生まれた。これが“生体兵器”、その浪漫だ。そう感じずにはいられない。
少女は覇気を潜めて、心底嫌気の差した表情をしているが、こちらの興奮を伝えねば気が済まない。

「いやいやむしろ開発者さんにに手土産持っていきたいね、この浪漫溢れる厨二感! かっこいいなあ……ゲイルちゃんかぁ……」

ポテチを頬張りげんなりする少女とは裏腹に、アリスのボルテージは最高潮。
彼女の全てが、自分の知る世界にはないのだ。これ程興味をそそられる物はない。

「いや、満足したんだけどねぇ……惜しくなってきちゃった♪」

ニンマリと企み顔。

「しようかいゲイルちゃん、荒っぽいこと♡」

なにやら少女の口上に、心のいけないところが煽られたらしい。
ちょいちょいと顔の前で指を曲げると、アリスの指先には―――半径10センチの、球体状の炎の塊。
それが辺りをぎらぎらと照らしながら、少女の方へ向かう。
ただ、速度はそれほどでもない。一般的な自転車の全速力に劣る程度か。
不意討ちとも思えるその火球を少女はどう処理するか。魔女はニコニコと“観察”を開始した。
421 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/12(金) 21:58:53.27 ID:gOPyQ8shO
>>419
「はぁ…………治療してもらわないと…………」

身体を起こして、立ち上がって、壁にもたれ掛かる

「そう、残念…………」

断ったミネルヴァに、深く問い詰める訳でもなく、呟く
心の中では"誰に誘われたんだろう?"
とか考えながらもその、強者であった槍の使い手の背中を見送って

「…………私も帰らなきゃ…………歩けそうにないや…………」

そのまままた座り込む
スマートフォンで、本部に連絡を入れて、迎えを待とうと

「あ…………別に悪人と戦った訳じゃないし…………どう言い訳しよ…………しかも私能力変わったけどこれ、報告居るのかな……はぁ、めんどくさ…………」

少女は色々後の事を考えて、表情が暗くなりましたとさ
もしかすると怒られたりしたかも知れない

//お疲れ様でした!戦闘楽しかったですよー!
422 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/12(金) 22:11:19.84 ID:bHxdOCMp0
>>417
//割と早く落ちてしまうかもしれませんが、まだ居たりするんです……!
423 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/12(金) 22:28:25.07 ID:gOPyQ8shO
>>417
かつん、同じく【学園】の制服を着用した赤髪の少女が近づく

「うわぁ…………変な臭いがする…………」

そう呟いた少女はステップの音に釣られてやってきたのだ

「…………こーんな所で何やってんの?」

きょとんと、そんな表情を見せた無垢な彼女、踊りをしていたであろう少女に向けて言って

「踊りの練習?なんでまたこーんな…………肉片だらけの悪趣味な場所で?」

その肉片が彼女の仕業とは一切気付いていないようで、ただただ、左手の人指し指を口元に当てて見つめている

//さっき出来たばっかのキャラですがよろしくです!
424 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/12(金) 22:40:59.72 ID:bFvTlBcCo
>>418これ無しでお願いします

>>417

規則的、且つ整ったステップ。少々派手なバックミュージックと、幼さは抜けきっていないものの人目を引くには十分過ぎる容姿。
しかし華やかな舞台を彩るそれは、常識と照らし合わせたら恐ろしく陰惨で目を背けたくなってしまいたくなる様な悪意の露呈。
視覚、嗅覚、聴覚、感覚を只管に刺激する舞踏会、スプラッタ映画ですら、もう少しマシな光景がスクリーンに映し出されるだろう。
とはいえ脚本家はともかく、演出としては悪く無い――――少なくとも惹きつけられる物がそこにはあると、『彼』はそう感じた。

「っとと、そうじゃないそうじゃない…………っかしいなぁ。もしかしてダブルブッキング?」

調和の取れた空間を乱すかのように現れたのは、これといった特徴を持たない一人の青年だった。
適当に伸ばした茶髪に、半袖のワイシャツ。肩にかけたバットケースに、にへらとでも表現すべき緩い笑顔。
彼は困ったように笑いながら、後頭部を右手で掻きつつ、その空間の主役であり中心人物へと視線を向けた。

「いや、ただのくるった能力者の可能性もあるし……いやでもなんかどっかで見たことあるような気もするし……」

奇しくも彼もまた学園の地下研究所の被験体であり、そして地下研究所の障害を排除しようとわざわざこの場にまで足を運んだのである。
つまり同じ被験体同士であり、半ば人の減少により壊滅状態となった今ならば顔を合わせている可能性も少なくはない。
しかしながら基本的に抜けた性格なのか、彼は少女に見覚えがあるのか無いのかすら定かではなく――――。

「あー…………えっと、どうもこんばんは?」

もし仮に目があってしまったならば、彼は取り敢えずそんな風に言葉を返すだろう。
この場にそぐわない平凡さ、そしてこの状況を前にして顔色一つ変えないどころか笑っている彼は間違いなく異質な存在である。
そしてこんな怪しい人物なのだ。どこ所属の誰なのかを確認せずに、目撃者を排除しようと攻撃されてもおかしくないし。
顔を偶々覚えているようだったら、なにか別の行動で返すのもいいだろう――――この空間の主導権は彼にはなく、彼女にあるのだから。
425 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/12(金) 22:41:22.47 ID:bFvTlBcCo
>>424
すいませんリロードしてませんでしたこれも無しで……
426 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/12(金) 22:44:08.11 ID:0XTSVnlXo
>>420
 恥ずかしさのあまり、熱暴走でもしているかのようなゲイル。
やけっぱち気味の宣戦布告は女性にあっさりと受け入れられた。
しかし、宣戦布告をしたゲイル自身は特に戦闘態勢を取ることをしない。
ただただ、げんなりとしていだけだ。

「おねーさん、趣味悪いと思うよー」
「この名乗り、変に熱血だしさ―。 何っていうか時代遅れ感あると思うんだよね」
「少なくとも私はこれをかっこいいとは思わないなー…… 自分で名乗ってみればおねーさんもわかるかも」

 とても興奮し、精神の昂ぶりを抑えられていない女性に、ゲイルの水を差すような言葉は届いていないようだ。
しかし、宣戦布告は確かに届いていたようで。
 名乗った事と、女性の反応とに未だげんなりとしているゲイルに対して行われた攻撃。
それはゲイルにとっては何ら脅威でもない。 オーバーヒートをしていない今は常人以上の運動能力を持つ。
 人間の全力疾走よりも速い程度の火球であれば、この距離でも見てから回避などは容易い。
火球の予想移動線上から退避し、槍の範囲ギリギリである7mの距離を女性から取る。
アスファルトを踏み砕き、只一回の跳躍のみでそれだけの距離を移動できる身体能力はそれだけで脅威だろう。

「なんかおねーさん、言い方がいかがわしくないい?」
「けどまー、うん。 こーいう事のほうが、実際私の性にあってる気はするんだよね―」
「あー、最後に。 いちおー気をつけるけど、おねーさん死なないように注意してねー」
「それと、私がとちって死んだらまー、そんときはそんときで。 できれば■■教会の神父さんに、旅に出たって伝えといてー」

 軽口の調子は戦闘開始とともに、スイッチが切り替わったかのように元に戻る。
ゲイルの言うとおり、こういう事のほうが性に合っているのだろう。 それとも、精神状況が戦闘に影響しないようなシステムか。
気をつけると言ってはいるが、相手がもし間違えて死んだとしてもゲイルは何ら思わないだろう。
自分が死んでもまた同じ。 頓着が無いわけでは無いが、執着もしない。
今を生きるゲイルは、やはりどこか空虚なのだろうか?
 閑話休題。
距離をとったゲイルは、そんな軽口とともに女性に対して槍を振るう。
技も何も無い只のぶんまわしではあるが、7mの長槍をチャンバラごっこのように右に左に上に下にと振り回すのだ。
穂先の速度は、その速度の乗った槍の威力はどれほどのものか。 
コンクリートの舗装が飴細工のように砕けている所からも予想はできるだろう。
 行動を取らねば致命は確実、しかし1mも下がれば槍の間合いから外れる。
ウィッチである女性は、どのようにこの攻撃に対処するだろうか。
427 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/12(金) 22:47:19.43 ID:dqy4orQ9O
>>424
//三人で回してみるのもいいかと思いますよ、空圧装置さんの了承もあればですが
428 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/12(金) 22:50:43.87 ID:bHxdOCMp0
//私的にはウェルカムバーストなのですが、一度返したら今日は落ちなければならず
//本格的な再開は明日になってしまう可能性がありますがそれでもよろしければ……!!
429 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/12(金) 22:51:52.17 ID:bFvTlBcCo
>>427>>428
//でしたらお言葉に甘えさせていただこうかと思います!ありがとうございます!
430 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/12(金) 22:52:01.76 ID:dqy4orQ9O
>>428
//私はそれでも大丈夫ですよー
431 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/12(金) 23:00:27.30 ID:bHxdOCMp0
>>423

「つんたった―――――って」
「あっちゃー……。見られてた?」

声のした方向に目をやれば、其処には彼女と同じような—――正確には改造されていない制服を着た少女がいる。
僅かに驚いたような声をあげ、同時に表情も吃驚! と感嘆符が付きそうなくらいに変化。そして、次の瞬間には『やらかした』と言ったような表情。

彼女の所属する学園地下研究所。それの存在は基本的に極秘であり、一般の生徒には『出来うる限り』秘密にしなければならない。
このような場所を見られどういった言い訳をするか。幸いしたいなどは見られていないようだし? 大丈夫そう? 等と言った表情を浮かべながら、次の言葉を放とうとし―――

再度、『やらかした』と自分の頭を軽くはたく。表情をコロコロと変化させる様は実に愉快だろうが、同時に『こんなところ』でそう言ったことを平然と行えるのは『可笑しい』。
始めてあったばかりの少女でも、それぐらいの事は容易に理解できるだろう。それほどまでに白々しく、それほどまでに『分かりやすい』。

【空圧装置】と言う女は、その容姿に見合う程度の『分かりやすさ』をぶら下げている。

「『鎮魂歌』代わりのダンス……って言ったら、納得してくれる?」

そう、取敢えず『ごまかして』は見るものの。それではどうにも『引き下がらないだろうな』と言う謎の確信。
両手に僅かに『揺らぐ』空気は、僅かな警戒心を最小限に形にしたもの。彼女の【空圧装置】は『奇襲性に優れるが故に』

>>424

――――と、此処にももう一人観客がいたらしい。
顔の向きを合わせれば、どこかで見たような顔。同時に、彼もまた学園の生徒らしい。制服を見やり、その顔を見やって、そして気付く。
異常性と言えば分かりやすいだろうか。彼女の知り合いにも―――いや、知り合いと言えるかどうかすらわからない間柄だが―――そう言った人間はいた。
そう、『凄惨工場』で『表情を一切崩さず』に『常に笑い続ける』。笑みの権化であり、同時に『それすら』本省かどうか『分からない』被検体。
彼女の組織にこそ配属されていなかった物の、噂には聞いていたし顔も見た事がある。その『うすら寒い笑顔』は、確かに見覚えがあった。

「確か—―――『いっきー君』……で良かったっけ?」


言外に、『困ったなー』と言うオーラを全開で発しながら。笑顔を『崩せない』少年に向かって小さくウインク。
取敢えずは合わせておいてくれ……と言う意味らしいが。それが通じるかどうかは甚だ疑問である。ほぼ初対面の人間に、まともに通じるかどうかなんてこの際「無視」してしまおう。
少年の名前を『名簿』で覚えておいたのは行幸だった。いや、確かそんな感じだったよね? と言う様なあやふやな感じで読んでみたというだけだったが……。

//では拙いですがこんな感じで……! 順番はお二方で決めて頂いて構いません。
//本日は落ちてしまいますのでまた明日宜しくお願いします……!!
432 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/12(金) 23:07:43.83 ID:bFvTlBcCo
>>423>>431

一人は被験体であり学園の地下研究所の人間だから良い、だがもう一人に関して言えば一切面識がない。
そしてこの態度からいって、おそらくは偶然その場に居合わせただけの一般人だろう――――少しばかり、面倒なことになった。
いや、自分は知らん顔して逃げても良いのだが、相手と目があってしまった以上それも気が引ける。
それに死体の上で小躍りする女を見て、悲鳴一つ上げずに逃げないこの少女もまたはっきり言って普通とは言い難い。
下手な能力者で、更に下手な正義感でも持ち合わせていたら恐ろしく面倒なことになる。ここは彼女に話を合わせておくのが得策だろう。

「そうそう、そうっす…………まぁーた、かわいそうな『被害者』相手に、そんなことやって」
「ココらへんは野蛮な奴の被害者が多いっすからねぇ、まあ気持ちは分からなくはないっすけど」

取り敢えず空気は読めるらしく、彼は【空圧制御】が『野蛮な能力者の暴行の被害者のためによく踊っている少女』という風に適当のフォローを入れた。
最もこれが通じるかもわからないし、そもそも会話したこと無い者とまともな会話もなしに意思疎通が取れているかどうかも分からず。
自分がとった行動が正しいのかどうかも一切定かではないが――――まあ、取り敢えず適当に話を合わせておけばいいかと彼は楽観視していた。
433 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/12(金) 23:16:09.72 ID:dqy4orQ9O
>>431
目の前の少女の、その表情の変化を面白そうに見つめる
そして、口を開くと『鎮魂歌』のダンス等と言う
少女は思った、(この人……面白いけど変な人だ)
この程度の事を
「へー、ほー、鎮魂歌か〜……てことはあれ?この、血の人達を静めてた感じ?偉いじゃない」

彼女はそう言った、この龍神ほむらと言う少女は、極度に世間知らず故に極度に純粋
人を疑う事等滅多になく、なんでもかんでも直ぐに信じ込んでしまうのであった

「私もその静めるの、手伝おっか?ちょうど炎とか出せるんだよ」

にっこり、純粋そのものな笑顔を【空圧装置】に向けて言う


>>432
気づけばもう一人、同じ【学園】の制服を着用した少年が居る
彼の様子を見るに、二人は顔見知りであるようで

「野蛮な能力者かー、野蛮人って嫌よね、私も大嫌いなんだよね、野蛮人」

はぁ、ため息をついてこんな事を言う

「まあ、私に直接被害無かったら、どーーーでもいいんだけどさー」

自己中丸出しな台詞を吐き捨てる

「そうそう、二人とも、折角会ったんだし名前教えてよ、私は龍神ほむら」

そして、自己紹介等を始める。マイペースかつ呑気な物である
434 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/12(金) 23:17:54.26 ID:ZTsEjACE0
>>426
あらあらうふふと言わんばかりに、口を手で隠して流し目で笑うアリス。
生体兵器であるはずの少女、だがその人間臭さは隠しようがない。その恥ずかしがる所作はどう見たって、年頃の娘のそれに相違ない。

「おや、あたしのセンスを古臭い扱いしたな〜? これはオイタ案件がひとつ、ですなあ♪」

もちろん、口から出任せだ。そんな風に思っている事実はない。
だがなにかと焚きつけた方が楽しいのだ。あくまでこれは道楽、ならば全て興味本位で動いたっていいじゃないか。

さて、ゲイルはいとも容易く火球を回避し、自身に迫ろうと試みているようだ。
どのような物語であろうと、“魔法使いは接近されると脆い”というのが通説である。それに、彼女の獲物はかなりの長物。立てれば辺りの一戸建てを優に超える代物だ。
つまり、あの穂先を近付かせた時点でこちらは白旗降参をコールするしかない。

したがって、アリスの取る行動は。

「おーいゲイルちゃん、後ろ後ろー?」

という例によって古臭い文句を告げて、鉤爪のように曲げた人差し指をくいくいと動かして見せる。
お決まりの様に、文言に従って背後を振り返れば―――少女の瞳にはパチパチと燃え盛る炎が乱反射するだろう。
こちとら魔翌力はまだしも、“体力”こそ限られているのだ。生み出した物はなるべく再利用するのが、地球に優しいというもの。
避けたはずの火球は、最初の往路よりも速く、槍の穂先がアリスに触れるより速く、ゲイルの背に迫る。
手酷い火傷で済めばいいのだが。アリスはやはり笑みを崩さず、敵の心配をしている。

では、もしこれを避けたとするならば。アリスの眼前には、ぎらりと光る刃が―――という魔女というジョブにとって最悪状況に。
だが彼女は自称“大魔女”。これを防ぐ方法はもちろん多彩にある。だがやはり、ここも『エコロジー』の観点で見れば選択肢は絞られてくる。
もしその刃が届くことがあれば、――アリスは少女の崩した『コンクリート』の破片を操り、凝縮させて、それに対する“浮翌遊する盾”とする。
もちろん少女の踏み込みでさえ壊れる脆いものであることは、きちんと見ている。
ならば、コンクリートに含まれる『炭素』を凝縮させれば―――即席ではあるが、硬度はダイアモンドのお墨付きだ。

追記。
先程の口上でも、戦闘開始してからもそうだ。少女の雰囲気はがらりと変わった。
バグによる不具合など、彼女の戦闘能力に些細な問題ではないのだろう。
アリスは、相手にとって不足なし、を確認して心底嬉しく思った。
435 :【罪刑砲挺】 [sage saga]:2016/02/13(土) 00:15:56.10 ID:tk1xY4+tO
>>413

「あら、優しいのね。……ダンディな人は嫌いじゃないわ、オフならいいバーの一軒も誘えたのだけれどね」

冗談めかして投げかけられた微笑みは、随分と使い古されているかのようだった。齢三十手前で男を知らぬほど、彼女は純朴ではなかった。
されど彼女の指先に填まる指輪はない。そも、人妻特有の落ち着きや母性を彼女は持っていなかった。単に彼女は人をよく知り、聡明であるだけなのだから。

「向こうでは中々有名なコンツェルンらしいわ。……尤も、あたしもそんなに知ってる訳じゃないけれど」
「人体実験から兵器の横流しまで、黒い噂も絶えないみたい。……最近だと無限機構≠ニの取引もあったと聞くわ」
「後は元龍会≠ニか? ご丁寧にお抱えの人斬りまでいるらしい、面倒そうな暴力団よ」
「……まあ正直なところ、ここまで酷い状態だと加害者が誰かなんて分からなさそうなのよね」
「最近の情勢からしても、いちいち誰をどこで斬ったかなんて覚えてる律儀な人殺しばかりじゃあないでしょうし」

付け加えるようにして、彼女は自身の見解を述べていく。
饒舌な姿にはインテリ特有のスノビズムが感じられたが、しかし俗物根性と表せるほどに彼女は愚かではないようでもあった。
ブルーシートをかけ直して、彼女は曲げていた腰を伸ばす。腕を組み、軽く伸びをした。

「……動機、ねぇ。或いは全部、かしら」「珍しい話でもないわ、頭の可笑しな人間をうまく首輪で繫ぎ止めて、厄介事にけしかけてる組織も少なくない」
「または、本人の好きなこと≠ニ仕事の両立……悪趣味に過ぎるわね。……ほんと、ろくでなしの多いこと」

「……まァ、片っ端からとっ捕まえて、然るべき罪≠然るべき形≠ナ償わせる」「あたしにできるのは、それぐらいかしら」

彼女は空を見上げていた。路地裏の隙間から覗ける細く青白い空だった。薄雲が時折陽光を遮れば路地裏は忽ち暗くなるが、そう長く続くことはない。
然るべき罪、と彼女は言った。彼女と男の属する組織に於いては珍しい思想だった。悪人は須らく死して償うべしという理念に彼女は従わないらしかった。

/大変遅れてごめんなさい、お返しします……!
436 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/13(土) 00:21:48.46 ID:PmQQ9GH6o
>>434
 火球の予想移動線から退避し、アリスに対して槍を振るおうとした。
そんなゲイルに投げかけられる後ろへの警告。 
その言葉につられて後ろを見ることはしないが、注意を少しそちらへと割く。
すると後ろからこちらへと火の弾ける音が接近している事に気づく。
なるほど、さすがは魔法使い。火球は自在に操作可能と言う事らしい。

「まーそういうことになるよねー。 うん、これは個人の感性の問題かー。ごめんごめん」
「趣味が悪いは言いすぎたと思う。けどまーおねーさん、あんまり気にしてないよねー」
「なんかすっごい嬉しそうだし楽しそう。 やっぱりこーいう事のほうが楽しい?」

 ゲイルは攻防一体の兵器ではない。 打撃力は非常に高いが実は防御力に関しては一兵卒とあまり大差が無いのだ。
ゆえにかなりの熱量を持っているであろう、その火球をその身に受ければ、重傷は確実。
だから回避をしなければならないが、既に槍を横薙ぎに振り始めている。
7mもの槍は重く、それを振るうために踏ん張っているためとっさに脚を動かすことはできない。
ならばどうするか。 強引に槍を大地に叩きつける。
そのまま。棒高跳びのように槍を使い体を跳ね上げ宙に逃げる。
すんでのところで火球は足元を通り過ぎ、取り敢えずの回避に成功する。

「おわっととと!! なるほど、さすがはウィッチだねー。 射出後の火球を自在に操作できるなんて結構予想外、うん」
「対近代兵器戦はだいたいわかるけど、対魔法戦とか想定外だし仕様外だったよー、私」
「けどまー、どうにかさせてもらうけどねー」

 そのまま競技のように跳べばアリスのはるか後方に着地をする。
そうなれば、その後にあるものはこの攻防の焼きましにしかならない。
だからゲイルは跳躍の途中で槍を手放す。 そこそこの高度、しかし運動エネルギーは明後日の方向に向いている。
いくら兵器であろうと、空を飛ぶすべを持たなければ無様な着地をしてしまい格好の的になるだろう。

 ゲイルの背中から機械の翼が展開する。
鳥の翼の骨格のようなフレームに炎の羽根が生える。
先ほどの名乗りの時と同じ空気を纏い、炎で輝く羽根を持つその姿はまさに戦天使。

−−これこそが"炎天機翼"の由来、真の姿。
兵器としてのスペックをすべて出し切る、非常に負荷の大きいものだ。
だが、機動面だけでもフォーミュラカーのような速度で戦闘機動を行うことができる。 
灼熱の翼を使い、驚異的な加速度で宙を疾走る。 そう、棒高跳びの真似事はブラフ。
"炎天機翼"ゲイルスケグルは、そんなことをしなくても宙に逃げる事はできたのだ。

「でぇりゃー!」

 神々しく空を駆けるゲイルだが、その掛け声は先程までの軽口のように気の抜けるもので。
一直線にフェイントも何も無い突撃のようなテレフォンパンチでアリスに殴りかかる。
反応できれば、横に移動するだけで回避できるしカウンターも容易いだろう。
しかしその速度は前述の通り、最大出力で繰り出される拳は炎に包まれる。
豪腕、灼熱、質量、速度。 これらの乗った拳に対してどう対処するのだろうか。
437 :【千刃逆撃】 ◆lT//vrXPMk [saga]:2016/02/13(土) 00:57:51.50 ID:lrPVFXoy0
>>435
「甘い冗談はやめてくれ。生憎様その辺はまだ青くてね。ダンディとは程遠いよ」

そう語るそぶりには、どこか余裕の様なものも見られる。本人が言う通り青臭くは感じられない。
しかしセロに女性経験がないのは事実。ならば何故、というのは単純なこと。本人が何も思っていないから。
酸いも甘いも恋も愛も何一つ知りやしないが、それは"刃"には不要なもの。
それに―――知る機会というのはもう、過去に奪われてなくなっている。

「"無限機構"にも関係あり、か。なんにせよほっとけねぇ存在って訳だ
 その暴力団も含めて、一度帝國に隊員を送り込んでみるか。
 この子から得られる情報だけじゃ、先は手詰まりみたいだな・・・・・・」

拳を握り、わかりやすく怒りを顔に表して。その後、その遺体に向けて"それでも仇は討つ、待っていてくれ"と呟く。
どこまでもセロは感情的だった。ついでに言えば、ダンディ等とはいえそうにない。

「同感。頭が煮えくり返っておかしくなりそうだ。本ッ当に気にいらねぇ
 ―――けどお前は、冷静だな。」

傍らの女性は確かに悪への嫌悪を示しつつも、D.O.T.Aの中では非常に珍しい考えを持っていた。
殺意をむき出しにしていない時点で十二分に珍しいのだが―――
悪人への裁きを委任されているD.O.T.Aにおいて、このように"捕まえて、しかるべき罪を"といえる人間は更に少ない。

「ああ、すまん。嫌味みたいな言い方になったが、そんなつもりはないんだ
 どうしても、部隊に殺意剥き出しの奴が多くてな」
438 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/13(土) 15:05:59.97 ID:Xf4MkSKI0
>>432-433

「えっ…………。うん、そうそう! そうなの!」
「私ってば超お淑やか? だから? そういうのついしちゃったりするのよね!」

冗談めかしながら少年の言葉に続ける。表情はぎこちなく、言葉も最初の方は所々詰まりながらで、胡散臭い。
此方に会わせろとは言外に言ったものの、彼女が少年に合わせられるかと言えばそうでは無く。寧ろ少年とは逆の意味で、彼女は自分の感情を操れない。
一般の生徒には学園裏の事は取敢えず伏せておきたい。人工能力者でも無く、暗部でも関わり合いの無い人間であれば、最低でも『排除』しなければならないのは必然。

もし少女が能力などを所持していたら―――十中八九所持しているだろうが――対応するだけで面倒である。少年に力を貸してもらえれば二人がかりで何とかは出来るだろうが
それでも、現在揺らぎ始めている『カースト』の信用を落とすことは間違いないだろう。彼女には以前のトップほどのカリスマは無い故に、ちんけなプライドなど持ち合わせていなかった。

「炎とか出しても多分火葬になっちゃうだけで鎮魂しないんじゃないかな…?」

「言っちゃえばこれも私の自己満足だけどね! なんかわからないけど死体がほとんど残ってないし!」
「私もこの辺りで終えようかな〜とか思ってたから! そういうのホント大丈夫なんで!」

焦り、彼女は確かにそれを感じていた。表面上に現れてしまうくらいに――何時もの事だが――目の前の少女の異常性に目を疑う。
通常どのような人間であれ殺人現場を見れば少なからず動揺する。人工的に強化された人間、彼女や曰く『いっきー』のような者達であればそれが無いのも理解できる。
そういうことを生業として生きているのだから慣れるのも無理ないだろう。だが、少女はどうか? 恐らくは一般の生徒であるはずなのに、一歳として表情の変化が無い。
起伏と言うか、そう言った感情の変化が非常に希薄。自分に被害が無ければどうでもいい等、余程の『力』が無ければ先ず言葉すら出てこないだろう。少なくとも彼女は口に出来ない。
自身に関わりが無くとも、何れ身に降りかかってくる可能性が少しでもあるなら許容するべきではないというのが彼女の考えであり、何方かと言えば慎重な。言ってしまえば臆病な考えでもある。

だからこそ、此処は何としても『穏便』に済ませるつもりだった。無論、もしもの為にと少女の後ろに回り込ませるようにして【空圧装置】を出現させるのは忘れていない。
大げさに表情に合わせ上下させる右腕では無く、それに隠すようにされた左手の掌からうっすらと、空気を圧縮することで形成された鞭が少女にいつでも攻撃を加えられる位置で出現する。
位置からして少年――彼女曰く『いっきー』であればうっすらと確認することが可能だろう。願わくば、それである程度の意図が伝わってくれればいいのだが……?

「ほむらちゃんね……。此処は王道に『ほむほむ』と呼ぶか悩むところ……?」
「取敢えず宜しくネ! 私はそうだなぁ……。」「ありきたりだけど『フローティア』って呼んでくれると嬉しいかなっ!」
「略し方は別に何でもいいけど『フローティちゃん』だけはやめてね? なんかフルーティみたいでモヤモヤするから」

//遅れました……取敢えず返しておきます……!
439 :【罪刑砲挺】 [sage]:2016/02/13(土) 17:52:22.44 ID:Pt0oemCBO
>>437
//本ッ当にごめんなさい、またお待たせすることになりそうです……。
//今日の10時くらいからいけますので、まだロールしてくださるようでしたら……。
440 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/13(土) 19:48:53.98 ID:zgKkF7jt0
>>436
//すみません、本日中に返信できる目処が立ちませんので遅れます…
//明日の20:00辺りから返信します!
441 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/13(土) 20:02:47.44 ID:PmQQ9GH6o
>>440
/わかりましたー、のんびり待ってまーす
442 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/13(土) 20:05:21.36 ID:SYgQVm8Yo
>>433>>438

「嫌っすよねー野蛮人。全く怖いっすわぁ」

幸いにして逸木貴司は、他人に表情を悟られない事だけに関して言えば優れている。故に愛想笑い等意識する必要もなく、少女に平然と話を合わせられた。
とはいえ内心での評価は【空圧装置】と殆ど一緒――――龍神ほむらと名乗る少女は、はっきり言って危険であると断定していた。

【空圧装置】や逸木貴司は、一応これでも立派な学園の地下研究所の被験体である。
非人道的な実験や一般的には許されていない行為、倫理的に外れた行動は日常茶飯事でありあくまでこういったことに慣れきってしまっている。
しかしそれは彼等が前もって人間としての必要な機能、道徳心等を持っていなかったという訳では決して無く、人為的に精神構造を歪められた結果に過ぎない。
そう、彼等は所詮紛い物だ。彼だって今でこそ常人とはかけ離れた心の在り方をしているが、本来は掃いて捨てる程転がっている様な青年の一人。
だからこそ彼は今の自分が普通とは違うということを認識していたが、さて目の前の少女は一体どうだろうか。

既に血と焦げ跡、残骸のみが僅かに残るだけの現場。しかし明らかに殺人、いやそれ以上に残虐な行為が起きていたのは明確である。
普通の少女ならば卒倒しても仕方がない。その中心でダンスだなんて頭が可笑しいし、自分がしたフォローもあまりにお粗末で泣けてくる。
だが彼女はそれをあっさり受け入れ、あまつさえ現場に出くわしてなお一切動揺すること無くそれどころか手伝おうか、等という提案までしてきた。
異常としか言いようが無い。それも自分の用な作られた偽物ではなく、本物の――――さて、どうしたものだろう。

「ホントお淑やか過ぎるよ全く……危ないからもうやめたほうが良いって、俺は確かに提案したはずっすよ」
「幾ら路地裏にスクープが転がっていそうだからって、無闇矢鱈とキケンな場所に突っ込むのは俺は良くないと思うっす」
「まあ俺達『新聞部』だし? スクープ掴みたい気持ちはわかるっすけど!」

相手が納得しているとはいえ、現状は普通に考えて不可解な点が多すぎる。彼は嘘をより強固にするために、嘘を更に上塗りした。
『新聞部』。自分たちは断じてそのような部活動は行っていないが、わざわざ危険な場所に出入りする理由を作るならば最適…………と、言えなくも無いだろう。
ただ不安だったのは、龍神ほむらだけではなく【空圧装置】本人である。合わせろといった雰囲気を出してきた割に、いざ自分が合わせても非常にぎこちない。
能力はともかく、交渉や諜報には向いていないと言わざるを得ないだろう。自分が向いているとも思っていないが、面倒が起きるのは好まない。
なんとか【空圧装置】を助けつつ、無事にこの場を切り抜ける。当面の第一目標はそれしか無い。

「自分は、逸木貴司って言います。学園高等部の二年っすね」
「手伝うとかより、もしかしたらまだこの犯人が残ってるからここから離れたほうがいいっすよ」
「通報とかは俺がやっておくから、ぱぱっと俺達も逃げちまったほうが身のためって奴だと思いますぜ?」

逸木貴司の判断は、龍神ほむらを遠ざけそのまま流すというもの。相手が学園の生徒であり能力者の可能性がある以上、余計な交戦は避けるべきだ。
戦闘によって生じる負傷は勿論、派手に暴れて目撃者が増えるなんて以ての外。何より龍神ほむらが嘘偽りなく素で発言しているならば、誤魔化し切ったほうが都合がいい。
しかしながら少女、【空圧装置】の意見はそうでもないらしい。龍神ほむらの背後に、何かが忍び寄っているのが見える。
詳しくは知らないが、それが恐らく【空圧装置】の能力であることは理解できた。下手なことはするなよ、そう内心で願うばかりである。

//こちらも遅れました、今日もよろしくお願いします!
443 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/13(土) 20:20:33.07 ID:mg5EZkT2O
>>438>>442
「ほむほむでいいよ、フローティアさん」
「あと……きっしーでいいや、きっしーさん」

笑顔で少女は返答する、そして、血の工場を見渡して暫く考える

「んーと、それじゃあさ、三人でこれやった犯人探してみない?」

いきなりの提案、よもやそれをやったのがフローティアとは思っていないようで

「まぁ、誰がやったかはどーでもいいんだよね正直」
両手を頭の後ろで組んで言う、更に続ける

「いやさ、私って超天才魔女でさー、顔も可愛いっしょ?成績も優秀で」

いきなり何を言い出すのかと思えば自慢か?と、聞きたくなるような事を言い出して

「だから、まあ、あんまり困ったこととかなくて退屈なんだよね。
だから暇つぶしがてらに犯人探してぶっ飛ばしてみんの、面白そうじゃん。
せっかくの魔術も生かせる機会がなくて困ってたんだよね〜」

と、少女の口調、表情から冗談を言ってるようには一切見えなく
これは本気で言っている、すくなくとも嘘をついている素振りは一切ない
ここまで来るとただの馬鹿か?或いは本当に強者の余裕なのか?

「ほら、新聞部なら尚更犯人捕まえたら大スクープじゃん」

今度は逸木貴司の方を振り向いて、そんなことを無邪気な笑顔で言う
444 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/13(土) 20:56:55.20 ID:Xf4MkSKI0
>>442-443

「あ、私は一年生ね。ヨロシクゥ!」

―――

「幾ら『私たち』でも、流石にそれはちょっと危ないんじゃないかなー……って」

少年の言に相槌を打ちつつ、思考に段々と『ギア』が入っていく。彼女とて感情が極端に揺れやすいだけで、人並みの思考速度は持ち合わせている。
此方の動揺を利用、フォーローする形で少年が『新聞部』と言うワードを出したのを理解して。今のところは必要ないかとも思いつつ能力自体は解除しない。
あちらの眼が此方を少しばかり懇願するような瞳で見ているようにも見えたが―――まぁ、気のせいだろう。だって笑顔から変わってないし。

さて、これは非常に『不味い』事になったぞ―――と、少年を見やる。表情自体は焦りや動揺などが表に出ている形で、右手をぶんぶんと横に振って少女の提案を『止めた方がいい』と諭す。
犯人は紛れも無く彼女である。いくら証拠が無いように行動を起こしていたと言っても、それはまだ不十分でぎこちなく。どちらかと言えば能力による傷跡が目立つ。
加えて少女らと行動を共にするなんてことになったら彼女の能力についても話さなければなるまい。壁に入っている無数の爆破による傷、そして能力自体の隠密性。
臆病すぎるとも言えなくはない彼女程じゃなかったとしても、『クロ』に限りなく近いと疑ってしまうかもしれない。事実、実際に行動を起こしたのは彼女であるのだから、どこかでボロが出る可能性もある。
兎に角、此処は穏便に『解散』するのが定石である。『いっきー』とは地下研究所を経由して連絡を取り合えば何とかなるだろう。それよりも、少女をどう『処理』するか。

(――――このまま『殺』っちゃう?)

「死体には慣れちゃったけど犯人と相対するのは恐いかな〜って思うの!」
「だってこんなことする人だよ? 絶対に『頭のおかしい』人に決まってるじゃん!」
「それに暇つぶしで犯人と戦える様な強能力者じゃないですっ!!!!」

必死である。折角少年がしたフォローを崩しかねない程動揺しており、だが、状況としてはそこそこ「合っている」と言ってもいいだろう。
彼女の現在の設定はあくまで学園の一生徒であり、スクープを追い求める新聞部のメンバー。そして、少年の嘘から何度か事件現場に足を運んでいる存在―――らしい。
であるなら、一度は本当に『犯人探し』をしたという事もあり得なくはない。彼女のようなお転婆なら、其処から逃げかえってきたと言っても割と信じてもらえると踏んでいた。
彼女だって人の子である。頑張れば、表情を操作していかにも『ヤバいですよ』と言った雰囲気を創り出すことは可能なのだ。……今回は素だが。
445 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/13(土) 21:17:49.45 ID:SYgQVm8Yo
>>442>>443

「はぁ!? …………いやですねぇ、俺達は何も犯人を捕まえたいワケじゃないんすよ」
「あくまで真実を読者に伝える、それが俺達のやりたいことであって死にたいわけじゃあない」

嘘が裏目に出たか。頭を抱えたくなったが、これは自分の失態だ。何とかして自分で収拾を付けなければならない。
それにしてもまさかこんな提案をしてくるだなんて思うわけがないだろう、幾らなんでも発想の飛躍が過ぎる。
しかし状況が状況だ、強引にこの場を後にしようものならそのツケが最悪自分に回ってくる。
ただでさえ自分は仕事すらこなせていないのだ、これ以上上に反発するような真似をして、給料を減らされでもしたら生活すらままならない。

「それに少なくとも俺は一般の生徒で顔も普通で成績もどちらかと言うと悪いし」
「能力も戦闘用じゃあない……だからこうして、護身用にバットまで持ち歩いてるくらいだから」
「魔術を活かしたいなら正義なり悪なりの組織に入って、俺達を巻き込まない感じでやってくれると助かるかなぁ」

悪意の伴わない悪は、ただの悪より質が悪い。簡単にいえばそう、龍神ほむらの様な。
ただ現場に遭遇して騒ぎ立てるだけの一般人だったならば、他に幾らでも対処法があっただろうに――――仕方がない、無理やり収拾をつけよう。
要は自分達が、とりわけ【空圧装置】が絶対に犯人だと思われない状況を作り、なおかつ自分達だけでも逃走出来る環境を作り出してしまえばいいのだ。
逸木貴司の能力は、はっきり言って強くない。先手を打つことはまず出来ず、強い者に抗うためには必然的に死へのリスクを踏まえなければならない。
故に考える必要があった。強い能力者ならば、ただその力を振るえばいい。それだけで勝てる。だが彼はそうじゃない。
思考し、状況を切り抜ける。つまりはこんな面倒な状況も、結局の所何時も通り――――考えるのは、決してやめない。

まず逸木は【空圧装置】に目配せし、次に空気を圧縮して生み出した触手へと視線を移す。
それを小さく、龍神ほむらに見えないように指差した後――――その指を自分に向けた。分かりづらいだろうが、なんとしても伝えなければならない。
触手『それ』を、自分『俺』に――――それから口を小さく動かした。『あ、て、ろ』。要約してしまえば、逸木貴司は自分を攻撃しろとジェスチャーで伝えてきたのだ。
はっきり言えば、普通の選択ではない。だが察するに『空圧装置』は襲撃、とりわけ奇襲に優れた能力であることは間違いない。
ならば『自分達』を襲撃させ、いもしない『犯人』が出現したと思い込ませ、そしてその場からさっさと逃げる。
攻撃が派手ならばより効果的だし、仮に龍神ほむらが交戦しようとした所で敵は現れないだろう。だがそれにより、少なくとも逸木貴司と【空圧装置】は犯人の候補から外れる。
だからさっさと俺を攻撃しろ、と――――とはいえろくに会話もしたこと無いため、そこまで伝わるかどうかは果てしなく謎であった。
446 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/13(土) 21:23:39.03 ID:+0v6PfjCO
>>444
「私も1年だよ〜♪」
左手を挙げて、無邪気にそんなことを言って
少女は大きく伸びをして、欠伸をして
「そっか〜……二人ともあんまり闘えない感じなのね、ざんねん〜……」

ため息をして、がっくりと肩を落とす
そして、周囲をきょろきょろして、冷めた表情へと変わる
「んじゃあ……こーんなとこに居ても意味無さそうだし帰ろっかな、臭いし」
そして、少年が呟いた言葉、『正義』や『悪』の組織に反応する

「…………そー言うのって学生で入れるもんなの?」
きょとんとして、考えて
少年が裏で画策してる事にも一切気付かずに居て
「まあ、かんがえとくかな」
少女はそう呟くと、出口の方へと向かって歩き出します

「んじゃ二人とも調査頑張ってね、新聞楽しみにしてるよ」
その少女はふと振り向いて手をふりふりとふって、歩いて行きました
そして、また急に立ち止まる

「あ、小説とから案外犯人が……貴女達とか……?それはそれで面白い…………かも」

にっこり、不意に呟いた台詞

「まあどーでもいいんだけど、まったね〜」
そう言うとまた歩き出す
引き止めなければこのまま帰って行くだろう
447 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/13(土) 21:36:57.35 ID:Xf4MkSKI0
>>445-446

(オッケーオッケー……『当てちゃえば』良いのねぇ?)

会話を少年に任せ、気を引いている内にこちらが少年を『吹っ飛ばす』。なぁに、空気の塊を見分けるなんて常人にはまずできない。
少年にはわざと見える位置で出現させているのもあるが、それ故に奇襲性は高く、同時に『演出』としてはかなり強力な舞台装置に出来る。
思考速度は常人のそれだが、悪だくみを『理解する』のは常人よりも速い。自身の保身と安全の確保には何よりも『聡い』のが彼女【空圧装置】。
あとはタイミングを計ってどうにかするだけ—――――と、どうやら『龍神 ほむら』はもうここに用は無いらしい。もう少し食い下がってくるかと思ったが、どうやら本気では無かったのだろうか。

「不謹慎だって出るかわからないよ〜」と取敢えず言葉だけ残して、最後の言葉に体を硬くさせる。全く持って『よく分からない』。恐怖と言う感情が一番近かった。
少年に目配せをすれば、猛攻撃する必要はないだろうと【空圧装置】を解除。両の手をひらひらと振った後、恐らく同様に困惑しているであろう少年に『両手を合わせ』こう言葉を作る。
勿論、少女が此方の盗聴が可能な範囲内から十分に脱したと判断するまでは、小声での会話を心掛けているようだが…。

「いや〜もうホント助かったありがと!」
「いっきー……いや『ぴえろ』君だっけ? 今回は私の権限で弾んどくからさ!」

会話の初めは先ず、状況の把握から。鉄則のそれを加齢にスルーし、馴れ馴れしくも少年に声を掛ける。
先程までの口調の特に変わらないそれが彼女の素なのだろう。笑顔とも言える表情を浮かべ、軽く頭を下げた。
頭を下げたり報酬の一部をこちらで渡す程度で消えているプライドなら、当然彼女は放り捨てる。
448 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/13(土) 21:46:01.11 ID:SYgQVm8Yo
>>446>>447

「…………さぁ。まあ本当に強いなら、入れるんじゃないすか?」

実のところ彼が悪の組織の一員なのだが、それを感づかせないためにわざわざここまで気を張っていたわけで。
最後に残していった台詞、成程最後まで食えない奴である。これは面倒だが、本当に新聞を発行しておいて嘘を真実にしておいたほうが良いかもしれない。
とはいえ取り敢えずの危機は去った。本当なら安堵の溜息でも付きたいところだが、余計なボロを出すつもりもないためそれも我慢して。

「ほんっと、疲れた…………いや、攻撃されずに済んでよかった」

【空圧装置】が知っているかは分からないが、逸木の能力は再生――――と言っても微々たるものだが、多少ならば自分を回復させることが出来る。
とはいえ痛いものは痛い。表情も変わらないし、声を上げることもあまりないけれど、痛いという感覚がないわけでは決して無い。
自分を攻撃させるというのは、最終手段だった。伝わったのは幸いだったが、あっさり了承した辺りこの女も大概ぶっ壊れているらしい。

「まあ上はそう呼んでるっすねー、まあピエロでも逸木貴司でも好きなふうに呼んでくれれば」
「マジで!? いや、本当に助かる……今月どころか、今日の飯すら危ういところだったから」

面倒事にも首を突っ込んでおくものである。財布の中身が七円しか無く、生きていけるか不安だったが希望の道が見えてきた。
一瞬【空圧装置】が天使にすら見えたが、よく考えたらさっさと後処理を済ませて逃げていればこんな事にはならなかったと思い返す。

「まあ今回は部署の違いでダブルブッキングになっちゃったけど、結果としては良かったかもしれない……な、うん」
449 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/13(土) 21:49:05.72 ID:+0v6PfjCO
>>447>>448
そして少女は"つまんないなー"等と呟きながら、その場を去っていきました

「あーあ、つまんなすぎて、乾いた風の音が聞こえるや」

そんなことを呟きながら

//私はこれで落ちますー!ありがとうでしたー!
450 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/13(土) 22:01:42.59 ID:P3KCfuWOo

水が滴り落ちると、路地裏にぽちゃんという音が響き渡った。
人気のない、光もない、暗闇に満ちた、コンクリート製の棺桶のような雰囲気が漂う。
気色の悪い虫が這い回り、汚れた獣が徘徊する。
何らかの異質性を持った外れ者たちにとって、この社会の死角は心地がいい。
ホームレス、マフィア、迫害されしもの、多様な人格がたむろする。
大通りを歩く健常者たちは、そんな不思議の国へと迷い込まないよう、視線もつま先も向けようはしなかった。

ある時、少女の甲高い悲鳴が、路地裏に暗闇に伝播する。
路地裏に住む外れものたちは、ここ最近不思議の国に住み始めた、忌々しきものの悲鳴である事を知っていた。
彼女が声をあげた時、理由がなんであれ、自分の命の危機に瀕する事も。
騒々しく醜きものたちは動き出し、暗闇の奥へと消えていった。

「あ、あ、あ!

 だ、だ、だれか!」

路地裏の奥底で、少女は自分の背中を何とか触ろうと、脇の筋が切れようとするのもお構いなしに暴れていた。
汗をだらだらと垂れ流し、突如襲い掛かった脅威への恐れから、瞳が潤み始めている。
珍しくこの少女の周りには、人間の死体がない。今日は誰も殺していない。
人間へ殺意を抱く事が、余りにも簡単な彼女には珍しい事。それもそのはずだ。

「この、クソ、ねずみっ!!

 ふざけんじゃないわよ!!」

髪を振り乱し、自分の衣服を今にも引き裂きそうな程の怒りを剥き出しにする。
ぎゃあぎゃあと鼓膜に痛いわめき声が、路地裏の端から端まで響き渡っていく。
それを聞いたここの住人たちは、怒れる異形の癇癪が収まることを祈るばかりだった。
451 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/13(土) 22:02:50.14 ID:Xf4MkSKI0
>>448

自身の保身さえあれば他者を平気で見捨てられる。そう言った極端な取捨選択をするのは得意だった。
感情表現は豊かだが、それは決して感情自体が豊かであるという事にはならない。それらは全て『彼女の意思に関わらず』出現する。
人工能力者として強化された際に生まれてしまった障害―――デメリットとも言えるそれは。明らかに彼女という存在を『異常』たらしめている。
所詮、人の領分を超えて生み出された存在などは総じて『壊れている』と表現してもいいだろう。彼も、彼女も、結局は『同じ』だ。

「面倒だしこのまま『いっきー』君って呼んでも良い? 良いよね?」
「ハイじゃあ決定!」

――――

「そんなにひもじいんだ……。」

正確には少年が自身の行った行動によって発生した然るべき現実なのだろうが、その辺りは彼女にとって別段気にすることでは無い。
他人のプライベート等除いたところででどうにかなるわけでも無し。寧ろ除いてしまえばその話題から逃れる口実を失ってしまう。それだけは彼女としてもいyだった。
何より、自身の『過去』に近いそれらに対し嫌悪感すら浮かんでいる彼女は、他人を『暴く』のを良しとしない。最も、自身の保身さえできていれば容易く手を出すのは性格と言える。

僅かに可哀想な視線を送り、くるりと廻る。取敢えずは少年の名前当てに送金しておけばしばらくは大丈夫だろう。仮にもトップとして君臨しているし、化粧品以外の浪費はしない主義なので、幸い金だけはある。
今回の報酬の半分程度を分け前として渡してしまえばそれで事足りるだろう。一ヶ月は足しになる……気がする。衣食住と全てを満たすには少々不安な額だろうが。其処はダブルブッキングの所為だと納得してもらうしかない。
駒は駒らしく、言われた通り動いていればいい。そうすれば楽に、そして簡単に生活していける。優雅とは程遠いが、今は『仕方がない』。

「それにしてもダブルブッキングなんて何考えてるのかしら」
「いっきー君の管轄には一回文句言っとかないと……。」
「―――どうせなら『潰しちゃうのも』手かもしれないネ」

「正直な話、頭の廻る子は『ウチ』に居ないから割と欲しいんだよねぇ?」
「事務とか? 処理とか? 脳筋ばっかで肩がこっちゃう」
452 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/13(土) 22:13:45.66 ID:Xf4MkSKI0
>>449
//安価忘れてました……。
//お疲れ様でした! あまり関われず申し訳ないです…。
453 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/13(土) 22:15:01.62 ID:SYgQVm8Yo
>>449
//乙でした!

>>451

「いや、悪いのは俺じゃなくて運営だから……確率二倍とかずるいでしょ…………」
「……………………まあ、それは置いといて」

一応裏で仕事をしている間は学費は免除になり、寮費なども裏のほうで手続きがなされ支払われていることになっている。
詰まるところ彼は食費や交際費だけを稼げば良いはずであり、また裏の仕事も内容からして決して安いということはないはずなのだが。
まあ彼の浪費癖については、言及しても仕方がないだろう。ぶつぶつと呟いている時の顔が暗かった辺り、お金を突っ込んだ意味も特に無かったらしい。

「多分あれっすね。俺は下っ端の下っ端だから、幾つかの部署から仕事を割り振られてる感じで」
「そこでどっかの指示系統でミスったんじゃないかなー…………いや、あくまで推測だけど」

つまりは潰されても構わない、ということらしい。所属が一つ潰された所で、彼に回ってくる仕事がへるわけでもない。
下っ端の辛いところではあるが、所詮は失敗作だ。処理とばかりに殺されて畑に撒かれなかっただけでも、運が良かったと思うしか無い。
それから少女の言葉を聞き、考えるように目を細めて――――にやり、すこしばかり不敵に笑う。

「ぶっちゃけ頭脳労働は苦手だけど…………まあ、相応の給料が出るなら喜んでってところ、かな」

というか彼からしたら昇進扱いのような物であり、その誘いは願ってもいないものだった。
しかしながら、頭脳労働が苦手と言うのは本音である。少なくとも彼は学校の成績は、あまりよろしくない。
ただ先程のような型にはまらない状況下に於いては、そこそこ頭が回る部類であるというだけであり――――。
だが、固定の部署に所属できるのならば仕事も安定するだろう。少なくとも消費物とばかりに、尋常じゃない量の仕事が飛んで来ることも無いはずだ。
確かカーストといったか。あまりいい評判は聞かないが、没落した地下研究所で良い評判を聞く部署も無い。
つまりは少女の誘いに、乗らない理由がなかった――――事務は、それでもやはり面倒だが。
454 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/13(土) 22:30:18.78 ID:Xf4MkSKI0
>>453

「言っちゃうとウチは攻撃能力を持った脳筋ばっかりが集められてるから、こういう『化かし合い』が好きな子が居ないのがね……。」
「私も前リーダーが消えた今とばかりにリーダーになっちゃったってだけで、やりようによっては私が『補佐』でも全然かまわないワケ」
「少なくとも――――今みたいに『ゴミ同然』の扱いはされないと思うよん」

「ま、『ゴミ』が『クズ』になるくらいの違いしかないのがつらいとこだよネ」

「割と弾んじゃうよ〜」なんて軽く相槌を叩きながら、少年がこの誘いに『喰い付いてきた』のを理解し僅かにほほ笑む。
現在学園地下研究所自体も崩壊に伴い幾つかの分裂が始まっている。指揮系統自体はまだ機能しているものの、それに従わないものも居り、それらを駆除する自分たちのような人間は必須だ。
逆に言うと裏切った場合は駆除されるという意味でもあるが、彼女基少年であればその危険性はまず無いだろう。出なければ彼女の誘いに乗るはずも無い。

『カースト』とは戦闘専門の実行部隊という事は少年も薄々聞いているだろうし気付いているだろう。だから手が居る、人もいる。
加えて前リーダーが戦闘能力に特化した人間を集めすぎたせいで『脳筋』ばかりになってきているのも確かで、それを補うためにも『状況に応じて動ける人間』が欲しかった。

その点では少年は最適とも言える。能力が其処まで強いわけでもなく、故に生存本能が強い。だから頭も廻るし『逃げる』という選択肢も出せる。言ってしまえば、臆病な人間が欲しい。
できるだけ彼女に近い存在が、今の『カースト』には必要である。当然反発もあるだろうが、其処は彼女の領分であり、誘った以上その辺りは『ケア』しておこう。
組織感では裏切りと言うのが一番怖い。……資料などは後で作成しておくとして、少年に仕事を斡旋した局員はうちの管轄する畑の肥料になってもらおう。

「多分、今みたいな『ちっぽけな』分よりかは多く出るんじゃないかな?」
「その分割と危険も多いけど、其処は『ノーリスク・ノーリターン』って事で納得してね!」

「基本的に戦闘事は他の人がやっちゃうから、計算とかさえできれば何とかなると思うよ〜」
455 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/13(土) 22:41:25.42 ID:SYgQVm8Yo
>>453

「ゴミだろうがクズだろうが、まず第一に生きていけるかどうかが大切……先立つモノは、いつだって必要だしなぁ」

何方も一般人から見たら変わらないだろうし、彼から見ても大した差はない。ならば選ぶべきは、より自分が得をする方である。
カースト。確か戦闘専門の部隊であり、あまり前衛向きではない彼はそもそも候補から外れていた筈であったが。
わざわざこうしてリーダーからお誘いを頂いているのだ、何の問題もないだろう。最悪戦闘に駆り出されても、戦えないわけではない。

「んじゃまあ、いっちょ出世させてもらおうかな!」
「これで次の確率アップの時は、俺のガチャ運も昂る事だろうし」

危険を犯す事に関して言えば、別に今さらといったところか。裏の仕事をしている時点で、ろくな死に方をしないことは理解している。
無論可能な限り死なないように立ちまわるつもりではあるが、結局の所死ぬときはあっさり死ぬというのはいやというほど見てきてしまった。
たとえハイリスクだろうが、見返りがあるのであればそれで構わない――――それにリスクが大きいならば、減るように動けばいい。

「えーと、あなたがリーダーでいいんすよね。名前教えてもらっていいすか?」
「あとぶっちゃけ手続きとかわからないから、お願いしておきたいんすけど…………」

彼は下っ端の肉体労働専門であり、研究所所属ではあるが研究には一切関与していない。
当然ながら事務的な手続きも基本的にやったことがなく、そこら辺は少女に任せるしか無いだろう。
彼にやらせたら、恐らく適当なことをして訳のわからないことになるのは間違いない。
456 :【罪刑砲挺】 [sage]:2016/02/13(土) 22:44:24.56 ID:8C2Ft//HO
>>437
「謙遜が上手なのね。……事実がどうであれ、尊大じゃない人は好きよ」

くすり、とまた彼女は笑う。彼女は、彼の過去を朧げにしか知らない。彼の選んだ道の壮烈さもまた、知る由もない。
故に彼女は彼に深く立ち入ることはなく、飾り気のない笑顔と、彼女の心からの賛辞を返した。

対して女は冷静であった。ともすれば皮肉にも受け取れるであろう男の言葉にも、「気にしないで」と応じるだけの落ち着きがあった。
ゆっくりと彼女は、男へと向き直る。蒼く深く澄み、穏やかさえ湛えるような瞳が、男の瞳を覗き込む。

「ええ。あたしは、冷静でなければならないの――罪人を裁くとき、あたしたちは報復を以って応じるべきではないから」

「時に、あなた。――あたしたちの掲げる正義≠ノは、どんな後ろ楯≠ェあるのかしら?」

人差し指を立てて、戯けるように。されど双眼は笑わない。蒼く深い大海が、風一つ吹かず凪いでいるのみ。

「平民の望み? 違うわ。マジョリティのみを重んじるのであれば、その正義≠ヘ単なる数の暴力に成り果てる」
「悪の芽を摘むため? 市民の安らかな夜を妨げることは、時として規則正しい生活リズムの構築にも役立つことすらある」
「単なる判官贔屓? それならば、あたしたちが担う必要はないわ。それこそ、あたしたちの取り締まるべき代行者≠フ所業よ」

「――あたしたちが本来∴ヒって立つべきなのは、公平な第三者によって定められた法≠諱v
「決して、個々人の手前勝手な価値観によって宣告される私刑≠フ執行者になってはならない。その時にあたしたちは、彼らと同じ存在に成り下がる」

いつしか、彼女は随分と饒舌になっていた。落ち着き払った態度は確かに変わらなかったが、しかし努めて抑えられたその言葉には熱があった。
掲げる正義を語る彼女に、果たして如何様な正しさ≠ェあるのだろうか。

「――まぁ、そんなことは机上の空論なのだけれど。複雑怪奇を極める今日の能力犯罪に、現行法が対応しきれるわけがない」
「だからこそある程度の私刑≠ヘ、容認せざるを得ないとも思ってる。その上で産まれるリスクや背負うべき十字架も、承知の上でね」

一つ、溜め息を吐く。疲れたように浮かぶ微笑みは、彼女自身に向けられた嘲笑であるかのようだった。

「それでも、あたしは。加害者が憎い≠チて感情と、あたしたちが下すべき量刑≠ヘ、分けて考えるべきだと思ってるわ」
「この子を殺した奴は確かに憎いわ。――けれどもし、あたしがそいつの脳天を殺意に駆られて撃ち抜いたら」
「そこに正義≠見出すことは、あたしにはできないの。……結局、殺そうが[ピーーー]まいが、やっていることに大差はないのにね」

「――自己満足が過ぎたわね、忘れて頂戴。あなたの信ずる真っ直ぐな正義≠焉A素敵よ」

差し出しされた手に、「手帳、返してくださる?」男はどう応じるのか。

/またも遅れて申し訳ないです、お返しします……。
/次もちょっと遅くなるかもしれません、ご勘弁を……
457 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/13(土) 22:55:06.93 ID:Xf4MkSKI0
>>455

「ああ―――――そうだったそうだった」
「空圧装置(くうあつそうち)ってのが私の名前。付けられたコードは『フローティング・アクチュエータ』」
「本名? と言うか名前自体は元から無かったらどうしようもないよネ」

「面倒だったらクーちゃんでもフーちゃんでも何でもいいよ!」

さり気なく自分にちゃん付けしているのは自信の表れだろうか。僅かに化粧もしているところを見ると、それなりに容姿には気を使っているらしい。
地下研究所で能力以外の物が何処まで役に立つのかは分からないが、彼女はそれを駆使することでうまく立ち回れているし
彼女がまだ人間たる存在であることを証明するのに必要なカンフル剤。清涼剤にも似たものであると推測できる。

手続きについては此方が全て行っておくから大丈夫であることを少年にかいつまんで説明し、だが『書類には必ず目を通す事』を強く言いつけておく。
近年何も考えず書類に同意する人間が後を絶たないのは確かで、言ってしまえばSNSの規約を真面目に読でいる人間がいるのかも不明だ。
裏の組織という事もあり、その辺りで『仕込み』を行ってくる場合は少なくない。幾ら彼女が斡旋しているとはいっても、細かいところまで権力が及ぶかと言えば別だ。
その戦闘能力ゆえに恐れられているというだけで、寧ろ疎まれている方が圧倒的に多い。脳筋ばかりのメンバーならまだしも、少年のような物にそれは少々酷だろう。

『書類には目を通し』『カーストの部署はチカケンの××××』『空圧装置の紹介である事』

以上三つさえ守っておけば、先ずその場で処分されてしまう事態は防げる。そう言って、彼女は付近に散らばる死体の処理を片手間に始めながら、少年の質問があればそれにこたえるだろう。
なければここは一旦研究所に戻っておけと言い放ち、彼女はこのままではダメかと『自分の名刺』をついでに渡しておいた。
ファンシーなキャラがかかれたそれはピンク色で趣味も悪いが、これがあれば最低限の安全は保たれるはずだろう。

「――――ああ、あと」
「『私たち』に『値する』人が空いた場合、『それ』を渡して誘っちゃったりしてくれると嬉しいかなっ!」

現在言うべきことは此処まで。少年に何かない限り、彼女の【勧誘作業】はこれにて終了である。
458 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/13(土) 23:10:13.90 ID:SYgQVm8Yo
>>457

「うーん、上司をちゃん付けは流石の俺もちょっと躊躇うかなぁ」
「ってわけでクーさんで行こうと思う。これからよろしく」

諸々の説明については至極まっとうなもので、わざわざ規約にしっかり目を通すようにと言い付けてくる悪い人間ではないのだろう。
まあ手に入れた手駒をそう簡単に失いたくないのは当然だし、彼としても転属直後に新しい実験で挽肉にされてはたまらない。
自分の身を守るのは自分、戦闘部隊のカーストに入るのならば、より一層それを徹底しなければいけないということだ。

「勧誘作業も仕事の内……ま、人手少なすぎるし増やさないと俺の仕事も増えるだろうし」
「可能なかぎりは善処するよ。俺だって、忙しいのが好きなわけじゃあないから」

手続きを任せていいのであれば、後は此方は規約とやらを読んで、回ってくる仕事をこなせばいい。
勧誘作業も、可能ならば行う。とは言え学園の地下研究所は一般的に表に出ることはまず無く、また関わりたがる人間もそうはいないだろう。
よっぽどの物好きか、或いは気狂いか――――それとも理不尽に落ちてくるかの、どれかしか無いのだから。
勧誘に関してはあまり期待しておかないでくれとの旨だけを伝えると、奇抜な趣味の名刺をズボンのポケットに突っ込んだ。

「んじゃ、腹減ったし俺は失礼させてもらいますわ」
「改めてこれからよろしくお願いしますね、上司さん」

特に質問もないらしく、用がなければ青年はそのまま路地裏の向こう側へとふらふらと歩いて行ってしまうだろう。
少々大変ではあったが、収穫はあった。考えて動くのはいつものことだが、果たして上手く出来るだろうか。
いいや、やるしか無い。結局の所、人生には選択肢なんて二つしか無いのだし、そもそも彼には選ぶ権利など無く――――小さく、楽しげな笑い声。
やるならば楽しみ、そして楽しませねばなるまい。それが道化師として、たったひとつの彼の生き方故に――――。
459 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/13(土) 23:11:40.79 ID:528eb7v8O
場面はとある剣道場
ドラマの撮影中であり、春香は袴を着用し、模型の剣を使い、男たち否、俳優を斬り倒す……演技をする

そして、『はいカーット、おっけー、春香ちゃんの剣士、いいよーいいよー!』
監督らしき男がその撮影に満足したのか叫び
『それじゃあ今日はここまでにしようか、お疲れさん』
今日の撮影は終わる

「はぁ、疲れた」

模造剣はアシスタントに預け、隅のベンチに座るとジュース等を飲んで休む
どうやらドラマの撮影らしく、彼女は女剣士の役らしい
彼女自身が女剣士そのものなので、役に入るのはいたって簡単
どうやら漫画のドラマ化でこういった役が回ってきたらしい

「…………こんな風に現実の戦いで無傷で楽勝に勝てたら楽でいいわね」

ふと、こんな事を呟く
460 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/13(土) 23:14:59.98 ID:P3KCfuWOo
>>450補足
/26時くらいまでなので、凍結等、その都度決めれればと思っています。
461 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/13(土) 23:15:25.53 ID:Xf4MkSKI0
>>458

「じゃあねー」そう笑顔で手を振って、少年はこの場所から去っていく。僅かな後、ふつふつと沸き出してくる感情を抑えるのに、彼女はお腹を抱えて口元を押える。
それは『恐怖』。暗闇から『這い出てくる』幻視を見て、少年と先ほど躱した彼女とは思えないような動揺。機能不全を起こし始めた感情が暴走し、辺りに小さな爆音が響く。
死体は消え、壁が崩れ、血痕は跡形も無く。彼女の掌から迸る空気の圧が、それら全てを消してしまえと叫び、鞭が空気を弾いた。

//こんな感じで〆でしょうか……?
//お疲れ様でした……! これからよろしくお願いします……!!
462 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/13(土) 23:19:42.20 ID:SYgQVm8Yo
>>461
//乙でした!
//よろしくお願いします!こちらのキャラ設定に関しては、データベースに載ってたとかで全部把握してもらってかまいませんので!
463 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/13(土) 23:34:14.04 ID:cPFQoF8S0
>>450


「――――む、また行き止まりか」

どん突きにて唸る者独り。それは、長い黒髪を持ち、和装に身を包んだ少女であった。
路地裏と同じく暗がりを潜めた瞳は、時折何かを探す様に。踵を返した足音にコンクリートが削れる音が混じる。
手には一振りの剣。それを鞘も帯びず、抜身で引き摺っていた。

「無作為に歩いていても金にはありつけんだろうな。そも確実に受け取れる保証もない」

文字通り抜身の刃を携えて、危険を表にしているのに殺気は微塵もない。
そんな足取りを緩めかけた少女の耳に、自分以外の声が届く。

(町に棲む人外の話……話半分にしか聞いて聞いていなかったが、――ッ」

人伝の噂の信憑性を高める、切羽詰まった悲鳴。
剣を肩に、爪先で地を鋭く蹴る。声を頼りに向かった先に居たのは――――――――


「……手を貸そうか」

気まずさと落胆、安堵が入り混じった溜息。剣を降ろし頭を掻く。
少女は特別な能力者ではない。つまり相手が人外だとは知る由も無くて。
果たして聞こえているだろうか、彼女を危機に追いやる獣を追い払ってやろうかと声を掛けた。
464 :【刺咬妖花】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/13(土) 23:35:54.56 ID:qFI8vVg+o
>>450

月明りが差しこむ路地裏。
明るく、そして暖かくなった月夜にこの妖花は路地裏を歩き、いや、跳ね回っていた。
腰下は大きな一輪の紫地にピンクの水玉という毒々しい花となっていた。所謂人外。

不思議な国と呼ばれるそこも、妖花にとっては格好の餌場だった。
ふらふらと歩く者の血を吸っていつも腹を満たしていた。
だが、今日は状況が違った。最近住み着いた女の悲鳴が響く。

「うっふふふ、何事ですかねぇ・・・。」

妖花は花から蔦を生やし、それを用いて前方に身を投げるように進む。
まあこれしか移動方法がないから致し方ないか。器用に前へ前へと進む。
そして少女のもとへと辿り着いたとき、彼女が格闘していた相手は一匹のネズミだった。

「あらあら、ネズミ一匹にそんなに本気になって・・・」

そして咲かせたのは黄色の小花を5輪ほど、そして酸性の粘液をネズミに向け噴射する。
その粘液はネズミへと確かに直撃するであろうが、もしかしたら少女にかかってしまうかもしれない。

さて、少女は突如現れた、草木の人外をどう思うであろうか。
肌色は人間のものとは離れ、肌色に緑色がまだらになっており、腰下は先述の通り。
着ているものは葉のドレスのみ。さあ、月夜の邂逅は何をもたらすか。

//まだよろしいでしょうか・・・?
465 :【刺咬妖花】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/13(土) 23:37:30.12 ID:qFI8vVg+o
>>450

//すいません、取り下げますね・・・
466 :【千刃逆撃】 ◆lT//vrXPMk [saga]:2016/02/13(土) 23:39:26.74 ID:lrPVFXoy0
>>456
「・・・・・・ありがとよ。素直に受け取らせて貰うわ」

彼女の笑顔にセロもまた、同じように飾り気のない笑顔を返した。
こんな風に、少しでも気を抜いて語り合うのは随分久しぶりだ。

女は冷静なままだった。皮肉じみた物言いを、気にしないでといえる余裕も見えた。
自分の映った蒼い瞳は優しげで、今までと何も変わらない―――と、思ったのは一瞬だけ。
語られる言葉には、声には確かな熱があり瞳の穏やかさは消えて見えた。
男はそれに深く聞き入り、そして胸のポケットから煙草を取り出し火をつけた。
問いへの答えを考えるとき、彼は煙草を口にする。煙と共にならば、すんなりと言葉が出て行ってくれる気がするから。

「忘れるかよ、同じ部隊の人間が真剣に語ってくれたんだ。」

「―――既に、俺たちに正義はねぇと思ってる。」

放たれたのは、問いの前提から覆してしまう台詞。

「俺たちがやってるのは結局殺し。正義なんて"あっちゃいけねぇ"
 もうとっくに私刑集団とも言えてしまうだろうな。
 ―――――でもよ、それでいいとは言わないが、俺たちは憎悪を以って悪を斬るべきだと思う。」

彼女の考えと真っ向からぶつかるセロの言葉。
彼はそもそも、最初からD.O.T.Aを正義と見ていなかった。自分の行為にそれがあるとも思っていなかった。
"正義"を語り武器を握った時、人は狂う―――そんなことを、彼はずっと昔に体験していたから。

「例えば、俺がこの子の家族だとする。そして犯人が何らかの理由で死刑にならなかったとする。
 そしたらよ―――俺はきっと、そいつが生きている限り復讐の事だけを考えるようになるんだ。
 たとえ牢獄の中に居てもそいつがこの世に存在するだけで、家族を殺した人間がのうのうと生きているだけでも許せない
 だから毎日毎日復讐だけ考えて、飯も不味い日々を繰り返す―――」

この世界には無能力者も多い。そして、無能力者が能力者に復習することはまず無理だろう。
出来もしない復讐をひたすら考え続け、気が狂うような日々をすごす苦しみをセロは味わっていた。

「―――そんなことはあって良い訳がねぇ
 だから、俺は憎悪を以って悪を斬る。"殺す"。身勝手かも知れないが、復讐を終わらせるために。
 D.O.T.Aは"刃"であるべきなんだ。正義も悪もなく、悪を、そして"復讐"という鎖を切るためのな。
 これも言い換えれば、私刑集団と何も変わらないかもしれん。
 お前からすれば、俺はもうとっくに悪と同じに見えるか?」

//いえいえー、期限ギリギリに絡みに行ったのは私ですし・・・・・・
//都合のいいときに気楽に返してくださいませ
467 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/14(日) 00:09:26.64 ID:PSLs1bd1o
>>464
/書いて頂いて、ありがとうございます。また別の機会にぜひ!

>>463

"人間"に声がした。此の私に ―― 人間が話しかけてきた。
嗚呼、人間。おお、人間。"最悪な状況に、災厄が舞い降りてきた"と、少女は胸中呟いた。
いや、少女ではない。少女の姿と侮るなかれや、彼女は人外なるモノだった。
その銀色の髪の毛は、人体の及ぼした自然な色ではなかった。

「人間の手なんて必要ない!」

ビシリと、布が破り裂ける。手で裂いた訳ではない。
内から、白金色に輝く、アルミ合金製の翼が現れたのだ。
そしてその背中は、表面全体を同じ素材の銀色のハードユニットが覆っており、
数ヶ所に、冷却の為の排気ファンが備え付けられ、鈍い回転音を放っている。

「失せなさい人間。
 ここは私の家、不法侵入よ。」

少女が家と呼んだ此処は、見渡す限りはコンクリートの行き止まりだ。
あるものといえば、ゴミ、染み、エアコンの排気ユニットだけだ。
しかし、相手は気づくことができるかもしれない。
何故か一つだけ回転を止めているファンの羽の隙間から、
 チュウ と鳴く小動物の醜い鼻先が出ている事に。

「ああああ!

 クソねずみにクソ人間!

 やっぱりそこにいなさい人間!
 このねずみをぶっ殺したら、憂さ晴らしに貴女を[ピーーー]わ!」

肉の無い骨組みだけの翼をバタバタと羽ばたかせ、
じたばたと暴れては何とか背中を掴もうとする姿は、滑稽に映るだろうか。
汗でぐっしょりと濡れ、フーフーと荒い呼吸を繰り返し、ひたすらに体力を消耗する。
ネズミは、ちゅう、と鳴く。
468 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/14(日) 00:34:58.59 ID:nHrninv+0
>>467

「なんと、ヌシが……」

路地に現れる3つめの動き。それは人間以外のモノが奏でる規則正しい駆動音。
髪の色だけならなんとでも説明できよう。しかし、顕現した硬質な翼と、己への明確な敵意。
それを受けて少女は、感情を沈めたまま静かに瞬きをした。

(奇っ怪な羽だ。さしずめ絡繰りの人外――とでもいうのか)

少女は剣を振るのが生業であり、機械には詳しくない。帝國の山育ちである事を考慮すれば寧ろ疎いまでといえよう。
人外の彼女の正体もその態度の根源も、まるで理解に及ばない。少女にとって、機械の翼を持つ人外も、畑を荒らす狐狸や山で暴れる熊とそう変わらない。
皆等しく、可哀相な駆除対象。そして、それに憐憫を覚えるくらいには“人間”だった。

「すまんが、素直に聞いてやる事はできない。拙者はヌシに用があって来たようなものだ」

「殺されてやる事も叶わない」

感情に任せて叫ぶ相手。
怒り、嫌悪、憎しみ。それらをぶつけられるのは慣れている。噛み合わない会話に一つ一つ応えながら
懐をまさぐって取り出したのは、小判型の煎餅。半分を口に食み、ぱき、と割れば醤油の香が鼻孔をくすぐる。
手に残った一部を放れば、小さなかけらは鼠の鼻面を通過せんと。
右手の得物は、少なくとも今はお飾りに等しい。相手が邪魔しなければ、拙い餌付けを試みる剣客は変わり者の部類に入るだろうか。
469 :【罪刑砲挺】 [sage saga]:2016/02/14(日) 00:40:06.83 ID:9NNsp4FjO
>>466

「……なるほど、ね」

法で裁けぬ悪がある。法で晴らせぬ悲哀がある。もとより法とは個々人の抱える不平不満を拭い去るものではない。
ただより多くの人々が、より多くの納得できる結末≠迎えられる助力となるのみ。罪を裁くのは、いつであろうと人間の良心である。
故に、必要悪としての存在が求められる。彼女の語る十字架≠ニは、つまるところそれであった。

「……いいえ。結局、誰かの決めた正しいルール≠ノ忠実に法れない時点で、程度は違えどあたしも自分勝手な独裁者」
「もしかすれば、貴方よりも咎の深い人間かもしれない。……自分の価値観が決めた、歪みきっているかもしれない法則を信じているのだから」

不変の正義≠ノ寄り添えぬ人間は正義たり得ない。故に彼女は正義ではなかった。少なくとも、彼女はそう語っていた。
彼女が罪人を殺すのではなく、己の決めた不安定な正義によって裁く∴ネ上、そこに打ち立てられた不動不滅の正義≠ヘない。

「――それでも法の御名を背負うならば、あたしはより正しい≠アとに近付きたい。例え、決して正義に辿り着けないとしても」
「正しい≠アとは、必ずしも快い結果を齎すわけではないけれど……」「正義の道≠ノ近付けば近付くほど、人の命は実りあるものに近付く」
「あたしは≠サう、信じてる。信じたいと、思ってる……単に、それだけよ。だから貴方を、悪として断罪するつもりはない」

滔々と彼女は語る。やはりそこに不条理な感情はなかった。互いの信条が食い違うとしても、彼女はけして激情を示さなかった。確かな理性の証だった。

「けれど、もし。……あたしの向かう道に、貴方が立つことがあれば」「あたしは、どんな艱難だろうと甘んじて受け入れるわ」

そして理解し合うが故に、彼女は冷徹な様相のまま、男を手にかける決意さえあった。冷静でなければ、他人を殺せない≠ニいう彼女の信条通りに。
腰のホルスターにしまわれたリボルバーとマシン・ピストルが、路地裏に差す僅かな日光に照らされて、黒い煌めきを浮かばせる。

「……ともかく、ありがとう。……こんなに覚悟の決まった$lと話せたのは久しぶりよ」
「この子の冥福のためにも、尽力しましょう。……必ず、このヤマにケリをつけるために」

再度或いは最後、彼女はまたも微笑んだ。信頼の笑顔だった。入り組んだ言葉に嘘偽りなきことを、その笑みによって担保していた。
手帳を受け取れば彼女は彼へと一礼し、「おおよそのデータは取ったわ。後は、検視官やらの仕事」――もはや物言わぬ死骸に深く頭を下げ、この場を立ち去るのだろう。
470 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 00:45:42.27 ID:+V8TSDAn0
「それじゃあ、これは私が貰うよ」

彼女は手袋をはめた右手でトランクを掴んだ。
周囲には、うめき声を上げる黒服連中が10人ほど。

「まあ、面倒もあるし?適当に始末してあげるよ。
 やり過ぎた、ってことを思い知ってもらわなきゃだし」

彼女は左の手のひらに白のキングを作り出す。
そして少し遠くの黒服の真上に放り投げる。

瞬間、何かが押しつぶされる音がした。
巨大な白駒が1人、また1人と“処理”を進める。

凄惨な現場を尻目に、彼女は倉庫であった建物の出口に向かう。
外の灯りが射しこんで、中身を検めるに丁度良い。

で、中身は、大量の現金。
ついでに、近くの荷物には、これで買うはずだった何かがある。

「でもまあ、一息くらいはいいかな」

彼女はトランクを床に置き、白い息を吐く。
用意しておいた水筒から、コーヒーを注ぎ、十分に香りを楽しむ。

背後では、白駒はすっかり赤くなっていた。

//使い回しですが。26:00まで待ってます。
471 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/14(日) 00:52:03.83 ID:PSLs1bd1o
>>468

"用"と聞いた時、少女はピタリとその動きを止める。時間が止まったかのように。
彼女は相手の放った言葉を、プロセッサとメモリの間で反復させる。
言葉も発さず、ファンの回転音だけをじっと放ち続ける様子は、数秒前とは余りにもギャップがあるだろうか。
機械故、"間"が無い。動くか動かないかだけだから、人外は不気味がられる。

「貴女と会った事あったかしら?」

疑問を投げ付けた直後、"あ"と声を漏らす。体が軽くなった。
ネズミがうまそうな香りを嗅ぎつけ、餌とも思わずまんまと機械の中から飛び出した。
お見事。灰色の地面に降り立ったねずみは、真っ直ぐに煎餅へ駆け寄る。
たどり着けば、齧り付こうとする。

"ふん。"

不満気に鼻を鳴らした。近くに転がっていた毛布を羽織る。
翼は複雑な機構を用しているようで、折り畳まれると、毛布の中にすっぽりと消えた。
蛇足、周りを見れば、衣服の残骸が殆ど無いことがわかるだろうか。
翼を広げた時、破けたように視えても、実は元々破けていた。
人間を脅かして追い払うための、いつもの手だった。

「一歩でも近づいたら、ミンチにして食ってやる。」

礼の言葉どころか、殺意と憎悪を込めた言葉を刀を持った少女へ送る。
背中を向けたまま、灰色の壁を見つめながら。
472 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 01:10:16.10 ID:ypF54/pPO
>>470
「…………そこに居るのは誰?」

いつぞやの、公園でやり合った相手がその場に現れる
仕事の終わり、帰路でたまたま耳にした
少女はこの場で行われると言う取引の情報を聞き、現場を押さえに来たのだ

しかし、それは先客が居たようで
その顔を確認すると、見覚えのある顔で

「…………いつぞやのムカつく奴」

そんな事をイラッとした表情で呟いた

//まだいらしたらよろしくです
473 :【千刃逆撃】 ◆lT//vrXPMk [saga]:2016/02/14(日) 01:11:04.78 ID:VERwwG6g0
>>469
「・・・・・・難しいな、"正義"ってのは。」

煙草の火は、いつの間にか消えていた。胸から取り出した小型の灰皿に吸殻をしまい、頭を掻く。
きっと、自分と彼女の願うことは同じはず。けれど、道が違うが故に。

「お前の信じるものを、俺は"アセロ・フィロ・アンヘル"としても"D.O.T.A部隊長"としても否定しねぇよ
 信じる道は違えど、きっと願うものは同じだろ。なら、俺はそれでいい。」

悪を憎む、もしくは悪を挫く。それだけが共通していれば、自分達は共に戦える。それがセロの考えだ。
―――だが

「できれば、そうならないようにしたいがな・・・・・・
 俺にも"覚悟"はあるけどよ」

道が違えば、相対し刃を交えてしまう可能性があることもセロはわかっている。
あってほしくはない、だが思考の形が少しでも違う以上、消すことの出来ない可能性だ

「勿論だ。持てる全てを尽くす。」

返すのは、彼女への信頼をこめた視線。
その後、手帳を彼女に差し出し、それを握ったならば。セロはぽんとその拳に自分の拳を合わせるだろう。
そして立ち去る彼女を見送れば、セロは歩き出す。
―――全てを奪われてしまった、この少女のために。

//こんなところでしょうか、お疲れ様ですー
//前のレスで手帳に関して書き忘れてしまって申し訳ないです・・・・・・
474 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/14(日) 01:20:30.45 ID:nHrninv+0
>>471

相手は動かず、少女も動かない。
動くのを止めた其れを見つめるのはまるで壊れた時計を見るに似ている。
翼の駆動音が存在感を増した数秒間の間、お互いに無我となった空気があった。

「無い、だろうな。 ヌシ自体に原因はない」

カシャカシャと、見る間に羽は仕舞われた。あれだけの物量がよくも布の下に隠されていたものだ。
相手の制止をしっかりと聞き、理解して、頭を掻き。しかして足を進め出す。
どれだけ言おうと、まだ害意はないだろうと。否あったとしても、少女の行動に変わりはなかっただろう。

「拙者は、ヌシのような人為らざる者を排除するために遣わされる」
「特にそれらがヒトに害を成した時が仕事の時だ」

すたすたと相手の傍を、無雑作に通り過ぎようとする。恐怖はない――――いや出来ない。
鼠を嫌う者はあっても、恐怖する者は少ないのであろうか。暗がりでは不気味であっても、明るいところで見れば小さな獣。
人外も同じ。少なくとも少女にとっては、どれ程威嚇されようとも、可愛らしい鳴き声にも及ばなくて。
どれだけ傲慢で残酷な事を言っているかも知らず、獣を驚かさないよう足音を殺して近付いて。

「ヌシ、人を喰うのか?」

鼠一匹片付けられないのに? と。それとも足元の獣に向けた言葉だろうか。
侮蔑というより疑問。鼠に煎餅の残りを差し出しながら、汚れた道にしゃがみ込む。
475 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 01:20:35.39 ID:+V8TSDAn0
>>472
「うん?」

コーヒーを啜って、あちちと舌を僅かに焼くと、
そこには少女がいた。

「君は私の顔を憶えていたようだけれど。
 私は違うみたいだ。 
 私も有名人の仲間入りかな」

こめかみを何度か指で小突いて困ったようなしぐさ。

「こんな放射冷却のキツイ夜に、
 一体何の用?
 ああそうだ。聞きたいことがあればあっちに」

そして背後を一瞥。

「血とか嫌いならお勧めはしないけど」

始末に当たらせていた白の王駒を消す。
そして、トランクを手に、この場を離れようとする。
476 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 01:27:12.27 ID:ypF54/pPO
>>475
以前公園で散々子ども扱いされ、いちいち勘に触る物言いだと思った少女
そして、今回のこの物言い…………

(…………こいつ…………わざと怒らせてるのかしら)

そう考えて拳を強く握る、拳を握る手も震えていて

「…………有名人なのはこっちよ!!」

思わず叫ぶ、アイドルもやってる春香であった

「……まぁいいわ、ニシムラさんには用はないから」

と、いつぞやの偽名で女性にいい放つと、奥へと歩みを進めようとする

「結構よ、私もD.O.T.Aの一員だから、血も見慣れてるわ」

と、背後の黒服達の死骸を見る、そして振り替える

「…………これは貴女がやったの?」

と、去ろうとする女性に問いただし
477 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 01:40:52.11 ID:+V8TSDAn0
>>476

「怒らせたのなら、悪い悪い。
 何せ深夜ラジオぐらいしか聞かないから」

謝罪か煽りかわからないような文句を述べる。
流石に茶を飲むには少し状況が変わり過ぎたと判断したか、
水筒をしまう。

「しかし有名人はそっちだったか。
 最近のアイドルは多すぎだよ」

さて、歓談もそこまで。
彼女の表情も昏さを帯びる。

「ああ、猟犬組合の狗か。どうりでここが分かった訳だ。
 じゃあ質問に答えようか。『私がやりました』
 しかし、彼らは武器を所持していた。
 能力を使用しての殺害は止むを得ないものでした。 
 
 さて、君は賢い狗かな?それとも暗愚かな?」

絡みつくように悠然としたセリフ。
そこにいたのは、1人の指し手。
言葉を弄し煙に巻く。

トランクを右手に持ち直す。
そして逆の手の中には、騎士の黒駒。
478 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/14(日) 01:42:18.38 ID:PSLs1bd1o
>>474

機械の耳がぴくりと動く。聞き捨てならない言葉を聞いてしまった時の、癖。
路地裏の闇を吸い込む。暗い闇が肺を満たすのを、人間の脳味噌を介して認識できる。
冬に冷たい風がひゅるりと通り過ぎ、相手が自分の目の前でしゃがみこむ。
それと同時に、少女は立ち上がる。
もう体の中にネズミはいないのに、心臓を鷲掴みにされたような感覚を覚えていた。

「お前、殺しにきたのか。」

人外狩りを生業にする少女を、機械とも人間とも言えない人外は、震える瞳で見つめる。
ハアハアと荒く冷気を吸い込み、、フーフーとリズムを崩して息を吐く。
2人の少女以外には、誰もいない。他は暗黒が満ちている。
時折、バチバチと電流迸る音が、頭上の電灯から鳴っていた。

「食べないわ、お腹を壊すもの。」

一歩、後退りをする。普段、人間に対して殺意を振り撒く少女は、表情にすら恐怖を浮かべている。
相手に悟られまいと必死に表情筋を押さえつけようとするものの、
脂汗をふつふつが滲み出してきていては、効果は薄いように思える。

「貴女、次、喋ったら、ミンチ。」

人間相手に怖気づくのは、彼女のコンデンサを非常に熱くするが、機能停止への不安には勝てなかった。
折角、自由の身になったのに、また人間に追われて、また、また、また。
フラッシュメモリの封印したデータが呼び起こされそうになるのを、歯軋りをして堪える。
後退りの2歩目を行おうとする。無事に済めば、3歩目を、4歩目を。

人外は眉間にしわをいっぱいに刻みこみ、目の前の少女を睨みつけた。
479 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 01:49:39.41 ID:ypF54/pPO
>>477
「…………はぁ、確かにむかつくけど私も馬鹿じゃないわ」

一旦深呼吸して、ため息をする

「私は元々こいつらを逮捕しにやってきた所よ、この連中がろくでもないって事くらいは分かってるわ」

と、黒服に一旦目をやり

「で、それに手を加えた貴女は正当防衛って言いたいんでしょうけど」

彼女の左手に、光りを放つ剣が現れる

「……いささかやり過ぎにも見える…………ここで私がやるべきことは」

チャキ、その剣先を、【白黒聖戦】、以前ニシムラと名乗った女性に向けて

「貴女を警察に連行、事情聴取してもらうって所かしら」

真っ直ぐ、相手の女性を真剣に見つめて言う

「安心しなさい、私は他の人(D.O.T.)Aと違って、そこまで悪即斬を徹底してないわ……快楽殺人者や……無限機構の一員のような、酌量の余地が無い場合以外はね」

480 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 02:01:43.98 ID:+V8TSDAn0
>>479

「そっか、それはいいね」

理解のある言葉に、賛意を示す。
まあ、実際のところは、彼女が横槍を叩きつけて総取りしようとした訳で。

「でも荒事は嫌いなんだけどなあ。
 それに、君に警察までしょっぴかれるのは、論外だ。
 何より、私はそういう正義面が好きじゃ……嫌いかな。
 あー、でもそれが歪むのは……、まあそれ自体は嫌いだね。
 
 一応、取引の銃器は近くにあるらしいからさ、そっちに行った方がいいよ。
 私みたいな善人を連れて行く前にね」

彼女の寛大なる提案にいけしゃあしゃあと言葉を弄す。
一言で言えば、見逃してくれを延々と述べてゆく。

「いやなら、そのオモチャで私を組み伏せれば?
 それは一番リスキーだろうけど」

そして、誘うような言葉。
少女の方に一歩踏み出し、右方に騎士を展開。
481 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 02:06:48.33 ID:ypF54/pPO
>>480
「………………」
少女の中で何かが切れたような音が鳴る

そして、その剣を、女性の足を目掛けて投げつける
狙いは、足を少し浅めに斬るように操作して
更にまた、右手に剣が現れる
彼女に、粒子のような光が纏う

「今回と言う今回は警察まで…………連行してやるわ!!覚悟しなさい!!」

そして、本人も、真っ直ぐその剣を持って、走る
482 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/14(日) 02:09:06.26 ID:nHrninv+0
>>478

はー、と俯いた顔から吐息が漏れる。
ひゅるりと吹いた冬風から守るよう、手に暖気を吹きかけ、その手で鼠の毛並みを撫でようとする。
汚れた躰に触れば、警戒心の強い獣は逃げてしまうだろうか。

「何を狼狽える。 人に仇為す事さえしなければ、拙者の剣は、ヌシに向くことはない」
「あぁ……拙者を襲おう、とは考えない方が、拙者の為だ」

聞き分けのない子供に言って聞かすよう。語調を緩めながら、己も立ち上がる。
偉そうな言葉だろうと少女は無能力者の剣客である。もし挽き肉にされそうものなら、身を守るものは携えた得物一振りのみ。
脅し文句通り、喋らなければ問題なかったのかもしれない。しかし、殺意を口にする者が冷や汗を流し、命乞いをするべき者が弱気な追い詰める様な言葉を紡ぐ。
なんとも可笑しな光景――――明滅する頭上に視線を向け、眩しげに眼を細めた。

「……後ろは壁だぞ」

往きなさい、と空になった左手で鼠を送り出す。立ち上がった時には相手は四歩目まで退いていた。
既に剣の間合いではない。闘う意志はないまま、身体は不穏な気配を察して、無意識的に半歩引いた戦闘の姿勢を作り出す。
コンクリートに触れた鋩がさりりと新たな創を作った。
483 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 02:15:31.75 ID:+V8TSDAn0
>>481
「警察で済むんだ。優しいね」

真っ向から向かってくる少女。
数瞬の思考。

「とりあえず、でいいか」

右手が荷物で蓋がっているために、
普段使わない左手で黒の兵士を放り投げる。

手を離れた駒は回転が掛かったまま巨大化。
向かってくる少女の正面に投射された。
同時に騎士が盾を構え突進、斜めから吹き飛ばしにかかった。
484 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 02:24:41.73 ID:ypF54/pPO
>>483
先程投げつけた剣は女性に回避されたが
それはそのまま、操作し、方向を変える
盾を構えて突進してくる騎士を狙い、破壊しようと飛来させる
真っ正面から来る来る駒に対し、剣を構え、受ける
その際に、春香の上に三本目の剣を出現させ、それで直接女性を攻撃させようと飛来させる
春香本人は後ろへと飛ばされ、後方に背中から地面にドサリと音を立てて落ちるがそのままバック転気味に立ち上がり

「その余裕顔、いつまで持つかしら!」

と、右手に持っていた剣を、黒の駒に向かって投げる

黒の駒に二本目の剣が、騎士に一本目の剣が、女性に三本目の剣がそれぞれ向かっている状況
春香本人は今、剣を持ってはいない
485 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/14(日) 02:28:43.40 ID:PSLs1bd1o
>>482

相手が背後の壁を指摘した直後、硬いコンクリート壁にぶつかり、"あう"と声を漏らした。
情けない声を出してしまった自分が無性に恥ずかしくなり、また悔しくなり、
下唇を噛み締めて、今にも爆発しそうな感情をどうにか堪えた。
"じゃ、じゃあ"と、言葉を発する事すらおぼつかない程の緊張感に、自己嫌悪を覚えつつ、

「私に、なんの用なのよ。」

体の歳においては、自分よりもずっと幼いだろう少女へ疑問を投げた。
人に仇為す行為に、少女は心当たりがある。というよりも、最近の記憶ではそればかりだ。
汚い浮浪者を憂さ晴らしの為八つ裂き。
不注意から誤って猫の尻尾を踏んだ男女を焼き殺し。
冷ややかな目線を浴びせてきたと思った人間を、手当たり次第にミンチにした。

"クソ、人間の癖に、人間のくせに、人間のくせに" ぶつぶつ。

抑え切れない感情が、時折、口元から零れ落ちる。
負の感情については、特に隠すつもりはない。襲われたら、迎え撃てばいい。
一度その翼を広げれば、美しい白金色の力が、瞬く間にこの忌々しい女を焼き殺してくれるはずだ。
少女は自分を勇気づけようとする。だが、心臓の鼓動は高まる一方だった。
486 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 02:42:10.50 ID:+V8TSDAn0
>>484

「余裕ってのはさ、」

吹き飛ばされた少女に向かって言葉をはじめる。
途中、投げつけた黒駒が粉々になったり、こっちに1本飛んできて、
あまつさえ、頭部に赤い線と垂れる血液を生じさせた。

「多少きつくても、見せるもんだよね」

彼女を傷つけた剣が飛んだ先に、白の王駒を無造作に投げる。
白駒は兵士以上に大きく巨大化。飛来した剣をへし折るくらいの質量を以って剣に迫る。

さて、残った騎士であるが、左に構えた盾はそのままに、突撃を敢行。
右手には抜刀した長剣を手に、少女の前面を押しつぶしにかかる。

垂れた血は、顔に赤い線を引いただけに留まらず、胸元に赤い染みを作った。
487 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 02:49:07.75 ID:ypF54/pPO
>>486
騎士にも一本、前レスで既に剣は向かっている
そして、白駒を投げつけられた剣はそのまま目論見通りへし折れ、消えていく

三本だった剣が二本に減ったか
「そう…………」

また、右手に剣を出現させ、場にはまた三本の剣が存在することになる

「…………このままだと拉致が開かないわね」

残りのもう一本は、本人の周囲に滞空させておく

そして、剣を構えて攻撃に備える…………防御に徹しようと言うのか
488 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/14(日) 02:56:17.91 ID:nHrninv+0
>>485


可愛らしい声があがる。
じゃあ何故とはもっともな質問だ。顎を触り、視線を上げてみても、答えは出ず。

「さてなぁ、拙者にもそこのところは良く分からん」
「だが、今のヌシを殺しても益はない……なによりヌシは不憫だ」

金にならない、と下賤な台詞を飲みこんだ少女に、相手を哀れと見下す資格があろうか。
だが、人間も人外も関係なく、そういう“人間らしさ”を少女は大事にしていた。
軸足と引いていた足を前後に入れ換える。

「何故人間を憎む……と訊いてみても、仕方がないのだろうが」
「その人間にそれ程怯える――――拙者にはヌシの方が余程人間らしくもみえる」

他者を憎んで排除せんと云うのはその者より優位に立ちたいが為という理屈がある。
しかし、そんな感情は少女の中から消えて久しい。何故なら、自分が絶対的優位にいるように。
不動の山脈よりも確固たる自負心がその心を鋼鉄にしている。
ある意味羨ましい、と相手からすれば侮辱に近かろう言葉を平然とのたまう。足をすっ、と。


「――ほら。 拙者の間合いだ」

渋面と対極的に、出会って初めて口元を緩める。
早くなる鼓動を聴き取れとったかの如く、拍子を計って弱所につけ入る。
戦さの基本として身に染み付いていた動きは、剣客が武器を振るうに値する間合い。しかしその剣は未だ地に垂れていた。
489 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 03:00:02.82 ID:+V8TSDAn0
>>487
//見落してました、気を付けます。

騎士に向けられた剣は、右手の剣に切り払われ、目的を達しきることができないでいた。
騎士は、執拗な剣による妨害を捌きながら少女に突撃を続ける。
だが、盾も無事という訳にはいかず、ヒビが端々に入っていた。

少し距離を取って、顔を拭う程度の余裕は出来た。
王の白駒を右に侍らせ、左には砲を手にした白の女王を展開し、傅かせる。

「諦めるといい。それが一番の解決法だ。
 正義とか理想とかに唾を吐くともっといいよ。
 そうすれば、利益は君のもの。
 武器取引の現場を押えて現物まで押収する君は、大手を振って帰れるだろうさ」

ニタニタ笑いを浮かべて、少女に言葉を投げかける。
ただし、締まらないことに、額からの血をワイパーみたいに拭いながら。

490 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 03:08:15.23 ID:ypF54/pPO
>>489
「嫌よ!!!」

払われた剣はそのまま春香の元へと戻ってきて、少女の周囲に二本の剣が滞空している事となる
更に、もう一本、四本目を滞空させるように出現させると
今度は手に持った剣を除く三本を、騎士に突撃させる

「そんな、曲がった事!出来るわけないでしょ!?」

剣を真っ正面に構えると、そのまま言葉を続ける

「私は…………そんな風にはなりたくないの…………正義も理想も…………捨てる訳にはいかないのよ!!」

と、必死の形相でそう叫んで
491 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/14(日) 03:15:39.28 ID:PSLs1bd1o
>>488

なんだ、なんだ、なんだ。

"コイツは一体何者なんだ"
少女はフラッシュメモリ内のデータベースに尋ねたが、返答はタイムアウトした。
各種センサーと人間の五感を用いて彼女を観察するも、物理を数値化しただけだ。
自分がおかしくなったのかと思って、自己診断プログラムを走らせる。
結果はお決まりの"NO ERROR"だった。このポンコツプログラムめ!

「嫌いなモノみたいだと言われて、嬉しいと思う?」

フーフー。荒い呼吸に、ぐっしょりとかいた汗。
今にも噛み付きそうな、噛みつかれたら痛そうな八重歯が鈍く輝く。
我慢の限界ギリギリだった。いや、もう、我慢できそうにない。
数ヶ所のファン全てが高速回転し、異常な風切り音をさせている。
コンデンサが爆発しそうだ。プロセッサが溶融しそうだ。0と1が鈍くなっていく。

そして、相手が、相手の間合いまで詰めてきた時、ボンと音がする。
コンデンサがひとつ爆発した音だ。その音の直後、機械は叫び声をあげる。

「絶対にミンチ!!!」

少女は圧倒的な絶望感を覚えつつ、反撃に出るという倒錯した行動に出た。
翼が毛布を吹き飛ばしながら突然広がり、虹色に迸る謎の超常エネルギーを発生させる。
通常、それは彼女が空を高速で飛行したり、敵性人物を排除する為に使う高熱だ。

直接、翼を目の前で閉じることによって、相手にエネルギーを直撃させようとした。
エネルギーは高熱ジェットのようでもあり、人体に触れればたちまち焦がし焼き溶かし、切断してしまう。

しかし、少女は、攻撃性を剥き出しにしながらも、怖気づいていた。
実際コレは、苦し紛れの一撃だった。姿勢は悪く、狙いも曖昧、精神的に落ち着いてもいない。
492 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 03:26:10.36 ID:+V8TSDAn0
>>490
「本当はわかってるんじゃあないかな?」

叫ぶように放たれた剣は、純粋な暴力として騎士を貫いた。
騎士は少女を打ち据える前にその場に崩れた。

「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれってね。
 そんな必死になれるんだ。つまりは君はそれで立っていたんだ」

頭からはまだまだ生暖かい赤がだらりと流れる。
しかし、彼女の赤黒い何かは余計に膨らんでいた。

「そうだね、あり方は大事だ。
 でも、そんなに正義や理想にこだわるなら……」

左手を少女の方へ。

「死ねば守れるんじゃない?」

言うが早く、女王が砲を放つ。
狙いは少女の顔面。着弾すれば顔の形が残るのか甚だ疑問。

だが、彼我の距離は避けるには十分なそれであった。
493 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 03:42:18.57 ID:ypF54/pPO
>>492
「いや、私は死なない…………」

女王の放つ大砲を見ると、左に一歩動いて大砲を避ける
そのまま、女性を睨みながら、五本目の剣を出現させる
大砲は後ろの倉庫を撃ち抜いて、倉庫で煙が上がる

「私は…………パパやママや……家の皆を殺した悪党と同じには……絶対になりたくないのよ…………だから」

その五本の剣を融合させる、左手に現れたのは一本の、純白の刀
その刀を手に取ると、不思議と力が湧いてくる
その前とは、技量も、力量も違っている
そして、刀を持って、構える

「自分自身は曲げない、理想も…………力で現実にする……真っ直ぐに突き進む!」

その構えから、その場で高速の抜刀を繰り出す、キンと音を立てて、すぐに刀は鞘に納められる

その時に現れたのは流星のようなエネルギー弾、それは女性に向かって、真っ直ぐに襲いかかる!!

「それだけよ」
494 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/14(日) 03:49:17.67 ID:nHrninv+0
>>491


「さて、理解してやりたいが。あいにく拙者はただの人間だ」

訪れた空気の変質。それに応えるように、少女もまたうって変わって突き放すような物言いとなる。
そんな自称平凡な人間に対し向けられた、天界を髣髴とさせる力。目を細める。

「――――――――仰々しいな」

急激に移ろう温度差によって起こる突風が髪をさらっていく。
膨大な熱量を帯びた力が鼻先ぎりぎりに迫る――――その時既に切先は上に伸びていて。
するりと縦に振り下ろした。

防御ではない、攻撃というには大雑把に過ぎる動作。
にもかかわらず、そこには抵抗は殆ど発生しないだろう。

“絶断”――――それは万物を断つ力。
少女の刃は差別も区別もしない。そこに『在る』のなら、鋼鉄の塊も超常の力も平等に断ち切ってしまう。
そのまま行けば、刃は接触した翼の一部に切れ目を入れてしまうだろう。
そして高温の紗幕を、まるで風に吹かれるカーテンの如くすり抜けて。


「――炎、とは少し違うのか」
「陽光を凶悪にしたような力だな」

肩の布と袖が溶け、肌から煙が上がる。

「十点やろう。 狙いの甘さを差し引いた分だが、拙者も大分鈍っているらしい」

唯斬っただけでは回避は十分ではない。避けきれず火傷を負ったその左手を、無造作に相手の首へ伸ばす。
体格差は無いに等しく、しかし剣を振ってきた力は人外に遠く及ばずとも、そこそこ。
そのまま壁へ押し付けようと。だが上策ではない。近すぎる其れは剣の間合いではなく、上手くいったとしても左側ががら空きになってしまう。
つまり、そこには殺意以外の意図が混じっているのだった。


/すみません、いいところですが眠気が迫って来てしまい……
/凍結か〆をお願いできますでしょうか?
495 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 03:58:58.22 ID:+V8TSDAn0
>>493
格好がいいなあ、彼女は心からそう思ってしまった。
両親を失い、そのことを支えに正義を志す。
挙句顔まで端正と来た。揃いすぎである。

しかも、持ってる力まで主人公のそれ。
暗い笑いの1つでもしたくなる。

で、力を束ねて、必殺技とくる。
羨望もそこまで。とっさに王と女王を縦に一列。彼女は距離を置いて衝撃に備える。

とは言え、とっておきの一撃が簡単に止まる訳もなし。
光弾を受け止めた王は、胴を削りきられ、女王は腕まで使って止めたが突き抜ける。

「まずっ」と言葉にもならない言葉で騎士の駒を白にも黒にもならない状態で投げつけ、
跳ね返された騎士もろとも壁に叩きつけられる。
幸いなことに、壁は壊れてくれて緩衝剤になってはくれたが、そもそもがとんでもなく痛い。

しかも、手にしていたトランクが吹き飛び、中から、各国の紙幣が舞い散った。

「やってくれるじゃあ、ないか。正義の味方君。
 私のねこばば計画がパーだよ」

無理やりに余裕を装い、負け惜しみのセリフを吐く。
496 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/14(日) 03:59:18.80 ID:PSLs1bd1o
>>494
/凍結、了解です。もう夜もあけそうな頃合いになってしまいましたね。
/お付合いくださってありがとうございます。お返事は返しておきますので、ご都合のいい時に返事ください。
/ひとまず、本日はお疲れ様でした。
497 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 04:07:42.19 ID:ypF54/pPO
>>495
舞い散ったお札を見てきょとんと

「…………もしかして、それを持って帰ろうと?」

女性に近づいてきて、手を差し出して

「言ったでしょ、[ピーーー]つもりはないって、このまま警察署まで来てもらうわよ」

と、にっこり笑顔でいいました、そして、能力で作った刀は消える、能力を解除しました、もう十分と思ったのだろう

「…………まぁ、案外、殺されても仕方ない、ろくでもない連中の取り引き止めたんだから、殺したのは正当防衛で、感謝状とか貰えるかも知れないわよ」

等と言って
498 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 04:21:11.54 ID:+V8TSDAn0
>>497

「まあ、そうなるかな」

悪びれる様子もなく、言葉を返す。
吐く息が完全に青色なのは、言うまでもない。

「カモに感謝状をもらったって、間抜け以外になんていうんだ?」

彼女は最後の力を振り絞って右手で駒を放り投げる。
放り投げた駒は黒の城塞。少女の真上にチャリオットが飛びかかる。

「私は……私の行きたい場所に行く……
 ガキに邪魔なんてさせない」
散らばる紙幣の何枚かを掴みながら、彼女はチャリオットに飛び乗り、駆け出す。
それは数瞬。火事場の馬鹿力が如く。
499 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 04:28:08.18 ID:ypF54/pPO
>>498
「ひゃ…………!?」

突如現れたのチャリオットに対して横っ飛びーーー!!

で間一髪避ける

身体は前のめりに倒れた状態になり

そんな状態で逃げる女性を追える訳もなし

「あ!ちょっと!!待ちなさいよーー!!」

と、その状態で叫ぶだけ

「結局逃げられた…………戦い損じゃん私…………」

と、涙目になって見送りました

「…………ふん、私みたいな甘々な隊員じゃなくて過激なD.O.T.Aに見つかって殺されたらいいわ」

吐き捨てるように言いました

500 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/14(日) 04:28:40.11 ID:PSLs1bd1o
>>494

 ―― 勢い良く壁に押し付けられる。
必中すると思っていた攻撃が外れた事を認識したのは、その衝撃が脳とを揺らした時だった。
フラッシュメモリには、虹色に輝く高熱光が、鉄の塊である刀に"分断"された光景が明瞭に保存されている。
能力者なのか、それとも相手の刀が異常なのか、機械に判別することはできなかった。

精神的な動揺が強く、集中力が乱れているのを自覚している。
熱い。凄く熱い。直ぐ近くで噴射されているエネルギー流の熱はもちろん、
マザーボード上の各コンポーネントから放たれる熱が、ジリジリとプロセッサをいじめていた。

首を掴んでいる手を両手で握ろうとする。
仮に握れたとしても、直ぐに引き離すほどの腕力差は、今はないだろう。

「理解しなくていい、お前は死ぬ。」

腹の底から ―― いや、地獄の底から拾い上げてきた声に、持ちうる限りの憎悪を込めて発する。
"分断されるなら、より巨大なエネルギーの奔流で瞬時に消し炭にすればいいだけの話!"
アルミ合金の翼のエネルギー噴射口が、一際強い光を放ち始め、熱も天井を知らず上昇し続ける。
異常な高速回転を続けたファンの内の数基の軸が狂い、ギアとの接点を失った為、停止した。

「しね、しね、しね、死んじまえ。今すぐシね!
 お前の炭を使って暖を取ってやる!!

 シね、今直ぐシね!!」

死"ね 、 殺"す。彼女は子供染みた語彙で相手を罵詈雑言したかと思えば、
ミンチにして食う、消し炭にして暖を取る、なんて言い回しをしたりする。
支離滅裂で、不安定な、正にこの灼熱のエネルギー流のような人格を剥き出しにした。

キィーン。悲鳴のような甲高い音がアルミ合金からあがる。
ネズミはいつの間にか消えていた。当然だ。警戒心の強い生き物は、脅威を見たら逃げ出す。
しかし、逃げ出せなかった生き物は何をするだろうか。不安定な結果をもたらすに違いない。
良かれ、悪かれ。
501 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/14(日) 04:30:10.29 ID:+V8TSDAn0
>>499

//こんなところで、夜明けまでのお付き合い大変ありがとうございました。
502 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/14(日) 04:33:20.65 ID:ypF54/pPO
>>501
//此方こそありがとうございました!
503 :【叛骨倫理】 [sage saga]:2016/02/14(日) 15:48:51.86 ID:UE0Wq1090

「嗚呼、ダメだ。」「ダメなんですよ『それじゃあ』」

「それじゃあ……何も『感じ』ない」

僅かに濁音の混じる声色は、どことなく愉悦を交えていて。同時に、抑えきれない程の怒りに震えていた。それを見やる二人の男からは、確かに恐怖があった。
薄暗い路地裏に彼を含めた合計三人の人間が存在し、彼のみが尻餅をつきながらもそう語る。顔にはいくつも傷が見え、服に至っては所々に破れが見える。
カツアゲとも言えない一方的な暴力の残滓。ただ憂さ晴らしのために彼を捕まえ、サンドバックにも似た行いをしていた彼らは、現在になってようやくそれが『悪手』だったことに気付く。
そう、先ほどまで殴られていた男は、何の『傷み』も表情に出さず。あまつさえ最初は浮かべていなかった笑みすら浮かべて立ち上がり、青年に近い男性ら二人にゆっくりと語りかけ始める。

「愛の無い。いたわりの無い暴力では私は何も『感じられない』」
「一方通行なそれも良い」「けれど、今までの暴力はあくまで『感じる』それじゃあない」

「――――もっと『尊い』事をしましょう」

立ち上がり、そして青年の一人に手を伸ばす。その動作は素早く、恐怖に意識を裂かれていた青年はそれを受け入れてしまい、その瞳に手が届き、そしてずるりと入り込んだ。
絶叫。痛みが青年を襲い、耐えきれず声が溢れてしまう。笑いながら、笑みを浮かべながらその指をさらに奥まで動かして、完全に『右目』の機能を失わせた。指を抜いて、それを舐める。
僅かに香る鉄の味に涎が溢れ、そして『歓喜』が目を覚ます。ズボンにジャケット、そして中にシャツを着た男は、青年から溢れる血液を愛おしそうに見つめ、更に『もう一度』もう片方の目を潰して遊ぶ。
青年の片割れはどうやらすでに逃げおおせてしまったらしいが、今ではそんなことは関係ないだろう。彼にとって必要なのはいまであり、最大限の愛情を持って接すれば青年もそれを『理解してくれる』筈である。


「傷み。苦しみ」
「――――愛故に、それらはとても『難しい』ものです」

//途中で一度落ちてしまう可能性がありますが……
504 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/02/14(日) 21:01:08.76 ID:7dkaJUHU0
>>436
「いやいや気にしてるよ、気にしてるとも。ジェネレーションギャップはあたしにだって起こるさ」
「そうかねえ? むしろ反戦主義なつもりなんだけど。ただ、きみの“それ”には興味引かれちゃうんだよ」

頭上高く『跳んだ』少女を仰ぎ見ながら、アリスは満足そうに微笑む。
『魔翌力の消費に比例して体力を消費する』。そんな呪いによって、彼女は快感に等しい適度な疲労を感じていた。

「お褒めに預かり光栄だよゲイルちゃん。なんならこの老獪の魔法に対応してアップデートしておくれ」
「乗り越えられることこそ師匠キャラの醍醐味、そういうことさね」

よもやここまで自分の魔術を引き出されるとは思わなかった。新時代の技術の進歩は末恐ろしいものがある。
新しく上る日が眩しいと思うこの身は、やはり闇に沈む月に当たるのだろうか。
―――否。

「でも、あたしの“奇跡”は単なるゴリ押しじゃかき消せないねえ」

月は日を『喰って』しまえる。その煌々とした光すべてを遮って、闇に包む。
沈むのは自分ではない。自分が世を、常夜に沈めるのが月だ。

ふと見れば、少女は熱光を帯びたその機械翼を展開してこちらへ急速で降下している。
構えた拳もまた然り、勢いを増して燃え上がる。
スピードとパワーに依存した、単純な攻撃。だからこそ、その破壊力は数値に表せるものではない。
アリスは嬉しかった。そこまでしても、自分なら応酬できると悟ってくれた、炎に包まれた少女の高出力が。

ならこちらも、少し“無理”してやらねば。

「うおりゃー!」

『炎の翼』具現化+拳に炎付与+身体能力UP(極)。
そう、真似したのだ。降下する少女に対して翼で飛び上がり、クロスカウンターを気取って拳を向けたのだ。心做しか声真似も入っている気がする。
等速、同火力で応戦したアリスに、ゲイルはどのような反応を見せるのだろうか。
彼女は思い付いてから実行した今まで、楽しみで仕方がない。

/1時間遅刻すみません……
505 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/14(日) 21:17:14.40 ID:UE0Wq1090

――――【空圧装置】は、悩んでいた。いや、正確に言うと『怯えて』居る。と言った表現が限りなく近い。
足取りはやや早く、瞳は軽く泳いでおり、口元はぶつぶつと言葉にもなっていない物を吐く。よく聞けば、先日勧誘した少年の処遇をどう処理するかというものらしいことが分かるだろう。
『カースト』の参謀。いや諜報? 扱うにはどうすれば効率がいいか、何でこんなことを考えなくてはならないのか。本来の思考と愚痴とが曖昧になり、そして聞こえるか聞こえないかレベルで虚空を震わす。
出来うる限り使える駒―――保身の駒は手元に置いておきたい。だが他のメンバーからの圧力が―――クソ、リーダーになってまでこんな些細な事を気にしなくてはならないのか。
所詮はお飾りであるとはいっても、歴とした現トップである彼女を『此処まで悩ませる』存在。前リーダー。そして、その全リーダーが集めてきた――集まってきてしまった問題児の数々。
それらをまとめ上げるのは、彼女の能力性をもってしても不可能で。能力強度の関係上事実として其処に収まっている。しかし、先日とうとう『片鱗』を見てしまった。幻視と言われるそれは、確かに―――

「―――――ッ!?」

気配を感じた。確かに、そして確実に感じていた。表情を凍らせて、彼女には珍しく『機能不全』の輪郭を押し出しながら、両掌から空気を圧縮した『鞭』のような物が形成される。
右掌と左掌にそれぞれ一つずつ計二本のそれは真っ直ぐに『其処』に向かい、直前で停止。いつでも攻撃が可能であるという牽制を持って、其の『人物がいるであろう場所』に声を掛けるだろう。

「次は……本気で当てるからね?」

ザワリ。そう文字通り音がし、鬼気迫る殺気を当てられた『ネズミ』は何処かへと逃げていく。学園地下研究所。其処にほど近い場所にある路地にて、彼女は一人。頭を抱えていた。

//絡みにくければ>>503でも大丈夫です……!
506 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/14(日) 22:15:22.66 ID:UJpS8XTCo
>>504
 ゲイルは魔女は"魔法戦特化"だと考えていた。
中・遠距離から多様性のある魔法攻撃を、固定砲台のように打ち出す戦術を取るものだとばかり思っていたのだ。
ゆえの出力全開での突撃。高速で距離を詰めてこちらのペースに持ち込む。
障壁などを展開されるだろうと考えていたが、それは打ち砕いて行くつもりだった。
 だが、魔女はその想定を超えてきた。
自らの背中から生える翼とまったく同じような翼を生み出し、こちらへと飛び込んでくる。
その初速、拳に纏う炎。それらもまた自らのものとまるで鏡写しのように同じで、秘められた威力も同等なのだろう。

「うへー想定外。それってあり?」
「ちょっとヤバイってー。 うん」

 繰り返しになるが、ゲイルの防御力に関しては一兵卒と同程度。
自らの拳を受けて、自らが無事でいられるはずもない。
即座に減速、反転をしようとするが、流石に物理法則を無視することはできない。
強烈なGに抗い、なんとか停止できた時には既に魔女は目前で。

「―――っ!!」

 とっさに巨剣を呼びだし盾とする。3mの大きさを誇るそれは、彼女の膂力に耐えタンクローリー車を両断する程の物だ。
魔女の拳を受けても、なんとか耐え切るが、その衝撃に声をだすこともできず、大きく吹き飛ばされるゲイル。
なんとか姿勢制御を行い飛行状態を維持するが、どこかふらふらとしているのは気のせいではない
急停止と相当の衝撃を受けた事により、内部機関相応のダメージが蓄積されているのだ。

「あー、びっくりしたなーもー。 魔女って言うから遠距離戦主体だと思ったよ―」
「まさかそんなことができるなんて、ホント想定外も良いところだって」
「私しょーじきゴリ押ししかできない所あるしさー。 まー、魔女が遠距離主体って言う認識は改めるよ、うん」

 彼我の距離は20mといった所か。高度はだいたい同程度。
このままじっとしていれば、魔女の攻撃の良い的だ。しかし、今の魔女に接近戦を挑むのも危険。
逃げまわっていても、限界が先に来るのはゲイルだろう。既に内部機関に溜まった熱量は危険域だ。

「ホントの事言うとさー、結構簡単に勝てると思ってたんだよね―」
「魔女が近接戦闘できるなんて、ホントのホントに想定外。 けどまー考えてみれば、魔法ってそんなもの。なのかなー?」
「んー……たしかとある幻想長編小説の魔法使いは、結構近接戦闘も強かったはず。事実は小説よりも奇なりって感じ?」

 大剣を肩に担ぎ、魔女の強さに対して考えを巡らせる。
途中から変な方向に思考がずれているようだが、それは気にすることではない。
魔女に対して、思考中であると誤解させるのが目的なのだから。

 不意に急加速を行い、魔女への接近を再び試みる。
ある程度の距離まで接近したならば、大剣を振るいその風圧で魔女の体勢を崩すことを試みる。
それが成功したら、体当たりで地面に叩きつけようとするだろう。
507 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/14(日) 22:17:16.69 ID:iMsCjuzzo
>>505

「―――悪かった悪かった!覗き見していたことは謝罪する!だからその危なっかしいものをこっちに向けてくれるな!」

そう言って、ネズミのすぐ側の路地から両手を上げながら姿を現したのは一人の少女だった。
学園の制服の上から白衣を羽織り、頭には魔女のような三角帽子を被った、小柄な体躯の風変わりな風貌。
どうやらこの場所で覗き見していたのはネズミ一匹だけではなかったようで、当の本人はというと何故か仏頂面を浮かべていて。

「あ、言っておくが私は通りすがりの一般人だからな。別にお前をストーキングしにきた訳でも情緒不安定っぷりを笑いに来た訳でもないから安心しろ
覗き見していたのは確かに事実だが、その件に関しては不快だったのなら謝罪しよう。単純に面白そうだったものでついつい知的好奇心が抑えられなくてな
だからこの鞭と思しきものを早々に下げてくれたら助かる。お前だってこんなつまらないことで刃傷沙汰等起こしたくはないだろう?」

仏頂面の口から飛び出してきたのは、こんな調子の巫山戯たような馬鹿にしたような台詞。
それもホールドアップをしたままでありながら、懇願するというよりも命令するといった方が正しいような口調で。
そうしてその少女は、両手を上げたままツカツカと歩み寄るだろう。頭を抱える彼女の方に向かって。
学園の制服、そしてその白衣から、もしかするとこの少女は地下研究所に関わる人物なのかも知れない。或いは全く違うかも知れない。
ただ、よほど空気が読めない性格であるということと、色々と座っている性格であるということだけは確かなようで。

「よし、とりあえず暴力未遂については置いて置くとして―――見たところ私と同じく学園生徒のようだが―――大丈夫か?顔色も言動も見るからに優れないようだが」

そうして次にその口から飛び出してきたのは、彼女の体調を心配する内容のもの。
確かに覗き見していたこの少女からすれば、彼女の様子は心配するのに充分な内容であったのだろう。同時に面白そうとも言ってたがそれはそれ、これはこれで。
もし彼女が攻撃的な反応を示さなかったのであれば、この少女はそのままズンズンと歩み寄って、同時に鞄の中に手を突っ込むだろう。
何かを取り出そうしているようだが―――とりあえずこの不審者にどんな反応を示すかは、彼女次第である。

/宜しければ……
508 :【罪刑砲挺】 [sage]:2016/02/14(日) 22:30:08.50 ID:3G7zQqc30
>>473
/またも遅れて申し訳ない、お疲れ様でしたっ
509 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/14(日) 22:34:34.62 ID:UE0Wq1090
>>507

「―――――あれ。」

聞こえないようにそう呟く。彼女としてはネズミに過剰反応した自分が恥ずかしいと頭を抱えてしまっていたはずが、どうやら本当に『見られていた』らしい。
この距離に近づかれるまで察知できなかったことにまず困惑したが、恐らく『そういう能力なのだろう』と結論付ける。理由は一つ『学園の制服』を着ている故に。
加えて研究服という事は『不味い』事になる。まさかこうも連続で学園の人間と会ってしまうだなんて―――焦る心を抑えて、予想外に表情の変化が起きないことに驚きつつ、言葉を返す。

「……まさかほんとに居るとは思わなかった。」

困惑したような、それでいて『笑える』事態である。彼女の言葉の一単語でもこの少女に聞かれていたとしたら非常に『宜しくない』。
ただでさえ責任問題で此方の首が飛ぶか飛ばないかと言う話を馬鹿どもが喜々としてやっているというのに、これ以上の面倒事は流石に『命に係わる』事間違いない。
であれば、早急に始末するべきである。ただ、それを行えない程度には彼女は用心深く、そして臆病だった。能力の詳細を知らずに戦闘するというのは、彼女にとって非常に分が悪い。
それに、此方の能力を一瞬で看破するその慧眼に、少しの『期待』を抱いたのも事実だった。怪しい奴だが、もしかしたら「使える」かもしれない。打算的な、他愛のない思考。

【空圧装置】は一応解除しておく。此処で事を荒げるのも得策ではないし、何より『こんなところ』に居る人間が『普通』であるはずも無いからだ。

「あの、えっと……ちょっとストレス―――的な?」
「最近化粧のノリがちょーっと悪くなってたり、友人たちとの『関係』が巧く行ってなかったり――」

「って、聞くのはいいけど鞄探ってどうしたの?」

出来うる限り友好的に、笑顔は浮かべられないが、それでいて困惑と友好を最前面。心の内を隠し、能力は即発動できるように起動準備は整えておく
表情をコロコロと変えながらも、動きに合わせて揺れる腕の片方――つまり左腕は『後ろに回されている』。

//折角絡んで頂いて申し訳ないのですが、本日はこれで落ちなければならず
//このまま凍結お願いできないでしょうか……! 面倒なようでしたらこのロールは無かったとして頂いても構いませんので……!!
510 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/14(日) 23:08:56.56 ID:iMsCjuzzo
>>509

「これでも盗み聞きや覗き見は得意分野でな、気づかなくても仕方ないだろう―――全く以って誇れた趣味ではないがな」

攻撃的な反応は返ってこなかったということは、相手は此方を拒絶している訳ではない。つまりここまま続けてもオッケー。
と勝手に決めつければこの少女は遠慮することなく彼女の側に近寄って、そして鞄の中をガサゴソと漁る。
このまま攻撃されたらどうしようもない―――が、そもそも彼女が明らかに此方を敵視するのであれば何時でも攻撃できる。
そして此方は非力な一般人、例えどのタイミングで攻撃されようとも手も足も出ない。
だったらその時はその時ということで。少なくともこの少女に今の所は、敵意や害意というものはないのだから―――多分。

「心労か、なるほどその気持ち良くわかるぞ。私も日々研究室での人間関係で神経を擦り減らしている身分だからな
そもそも―――だ。研究者という人種はどれも合理的過ぎる!それでいて利己的だ!
融通も効かないわ言った通りにしか何もできないわ、ほんっと白衣を着た人間にロクな奴はいない!そう思うだろ―――っと、あったあった」

白衣を着た人間にロクな奴はいないことを現在進行形で体現している少女が鞄の中から出したのは小さなガラス瓶。
その蓋を開けて中から出てきたのは一枚の緑の葉。知識があればそれが薬草であると理解できるだろう。
しかし飽くまでただの薬草。市販の傷薬の方がまだ効果はあるだろうし、そもそもその効能は心労とは関係がない。
関係ない―――のだが、少女はその葉を掌に乗せて――――――次の瞬間。

その薬草を淡い光が包み込んだかと思えば、その形状が変化を始めて。
数秒もすれば、一枚の薬草は数粒の錠剤に姿を変えて、少女はそれをガラス瓶に入れると、彼女に差し出すのだった。

「よし、これでも飲んでおけ。早い話がただの抗不安薬だが、副作用塗れの市販品よりは格段マシだろう
何、怪しいとは思うが気にするな。学園の生徒が同じ学園の生徒の為にちょっと能力を使ってやっただけだ―――遠慮なく受けとってさっさと服用するといい」

相変わらずの不機嫌そうな仏頂面のまま、少女はどこか尊大な態度でそう言い放つ。
しかしこの怪しげな薬の実態が、抗不安薬と同じであることは事実であり、その効能も市販のものとは比べものにならない。
当然、催眠作用といった副作用も極めて少なく。精神的な理由からの不調にはこの上なく効果的だろう。

尤も、薬を受けとるも受けとらないも彼女次第ではあるのだが。
そもそもこの控えめに言って不審者でしかない少女自体が、いつ攻撃されても仕方ない理由を揃えているのだが。
ただ、少なくともこの少女の行動原理は、少女自身がたった今述べた通りであり、そこに裏表がないことだけは確かだった。


/了解しました、よろしければ凍結をお願いします……嫌なら何時でも切って貰っても構いませんので……
511 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/14(日) 23:10:36.35 ID:UE0Wq1090
>>510
//では凍結という事で……!
//一旦お疲れ様でした……!!
512 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/14(日) 23:28:31.19 ID:7dkaJUHU0
>>506
アリスの炎拳は少女の身体に突き刺さるより先に、何かにぶち当たった感触を得る。
それは金属。それも、厚く重い刀身。
それが少女の体躯を超える、一振りの大剣であることにアリスが気づくのは、彼女が吹き飛んで体勢を立て直した後のことだった。
まだ手が残っていたか。槍も拳もあれだけの一級品、これはまともに対して勝てる相手ではない。

ただ、彼女は『まとも』ではなかった。
――楽しい。嗚呼、なんて喜ばしいことだ。
少女の想像だにしなかった手を打つことができ、さらに彼女の不変だった表情も崩した。

「ぜえ、ぜえっ……奇を衒うのが、魔の術の、真骨頂さね……。そう簡単に、対策されちゃ困るんだわ……!」

アリスは、笑い続けていた中でも今日一番の快い笑顔を全面に押し出した。
だがその口角から『血が流れている』ことに気づくと、わわっと慌てながら腕で拭った。
先程の三つの術。その消費体力を合わせれば、大体フルマラソン三周を一度にこなしたようなもの。
その代償に気づかないくらいに、アリスはこの力比べを楽しんでいた。
ただ、立っているのもしんどいので、翼を模倣できたのはかなり効率の良い選択だった。
……まあ、そんなのは想定外で、ただの結果論だが。

「ひい、ひい……あー、ごめん。喋れないから代わりにこれ、“返事”ね―――あれ?」

相手がなにやら思慮する間に、浮翌遊で侍らせていた火球を……と思っていたが。
用意していたものは向かってくる剣圧に薙がれて露と消える。
代わりに、大剣の衝撃波がその身を襲う。

「くう―――ッ!」

この翼もあくまで借り物でしかない。直進はできても突風に対して正しい制御など、即興でできる筈もなく。
ふらりと宙で体勢を崩せば、今度は質量のある衝撃を半身に受ける。
少女の体当たり。これまた単純な力で追い詰められ、アリスは背から地に激突。

「いっづづづ……いやあ、かけててよかった、『身能強極』」

直前にかけていた身体能力のバフによって、なんとか受け身を取ることに成功した。
だが依然として少女に接近を許したままだ。

「あ、お返ししなきゃか。ほれほれっ」

指先で渦を作ると、少女の頭上には『10000トン』とでかでかとかかれた巨大な分銅が。
ベタなものではあるが、今でこそ不意をついた攻撃となるやもしれない。
513 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage]:2016/02/14(日) 23:33:43.78 ID:UJpS8XTCo
>>512
/すみません、今日はもう落ちます。ごめんなさい!
/明日の21時ぐらいまに返信をさせて頂きますので、凍結をお願いします!!
514 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/15(月) 00:09:14.37 ID:Rwf/Xnb00
>>513
/了解です!おやすみなさいませー
515 :【刹螺絶剣】 [sage saga]:2016/02/15(月) 02:19:08.28 ID:k3hXdHKn0
>>500

「ヌシよ、それは違う、間違っているぞ」

叫び声に掻き消されないよう、喉を張り上げる。
自身で何度も言う通り、少女は一介の剣客に過ぎない。それ故に、剣を振う時は臆病な程慎重になる。
殺戮者と闘士を隔てるのは剣客としての矜持。

「拙者はヌシを斬りたくない。だからその理由を確かめる事を厭おうとは思わぬ」
「たとえヌシがヒトの敵だったとしても、結果はどうあれ理由なく殺す事はしない」

(知る努力を止めた時、拙者は此れを使う資格を失うのだ)

お互いが良く見えるよう、顔前にその刃を掲げる。
情け容赦の類ではない、戦いに意味を見出すため、闘いを単なる生存競争に貶めない為。
決して理解はされないだろう、人間としての拘り。そこに向けて、特大規模の爆熱がじりじりと近づく。

大気の伝導を受けただけで刀身がじわりと熱を帯びる。
万物を切り裂く剣があろうと、それを振るうのはあくまで人間。ヒト、いや生物であれば灼熱を闊歩するようには作られていない。
だが少女とて、最初の一撃に漫然と対処した訳ではなかった。

(炎との違い――――翼に形作れるという事は、理合いの介入があるか)

単なる炎熱なら剣圧の余波で破り捨てる事も出来よう。だが彼女のアレもまた技術の結晶。直接根元を叩かぬ限り、エネルギーの結束まで断つことはできない。
だが――指向性があるが故に、放出の前後では加速度的な加増/減衰があると推測する。放つ一瞬を見極め防ぎ切れば、その被害は尾を引くものではないと。
知識がないから知る範囲で考える。感情とは流されずに、抑え込み凝縮するもの――――それが少女の戦い。

「――後ろは壁“だった”な」

三度、剣を振るった。
少女の剣、時間的な意味以外では殆ど斬るという過程が存在しない。なにせ、降り始めてこっち抵抗など有った事の方が少ないのだ。
それはつまり、『切った』という結果しか残らない事。

壁だった物がずるりと傾く。横に一太刀、上のそれを縦に三分割。彼女の背部は半分残し、切り分けたものが残る三方向に落ちるよう。
相手の四方を囲むよう、敢えて、あえて滑り落ちてくるように重心を斜めに断った。
どんと突き放すように掴まれた左手で押し、その反作用で己が身を後方に投げ捨てた。

もし掴まれたままでもそれを強引に分かつよう、上から人体の数倍はあろう、壁だった物が振り下ろされる。
その結果如何を確認してから、少女は足に力を込めるだろう。


/凍結ありがとうございます、遅くなり申し訳ありません
/こんな時間ですがお返しさせてもらいます
516 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/15(月) 18:06:00.73 ID:UQJeFaBb0
>>510

「確かに誇れた趣味じゃないよね……」と苦笑しながら相槌を打ち、あちらのマシンガンとも言えるべき言葉の羅列にその口元が少しだけ固まる。
元から頭の良いわけではない彼女にとって頭脳戦は其処まで得意な物では無く、むしろ苦手の部類なのだ。『カースト』に昔からいた以上、それは必然である。
であるから、其処まで長い言葉を要約して落としこめるのに少しばかり時間がかかり且つ其処まで理解し切れていないのは仕方のないことだろう。

「服用するって言ったって……。」
「初めて会うその『白衣を着た人間』から渡された薬ってすっごく『怪しい』気がするんだケド……。」

(学園の研究者だから余計にネ……。)

―――警戒の為に思考領域の半分以上を【空圧装置】に割いているため、つい本音が零れてしまう事もある。
目の前で行われた能力使用にはまず驚くのではなく、さらに警戒を強めてしまった。只の葉が(彼女は只の葉っぱだと思っている)傷薬になる能力など聞いたことが無い。
確か【プロジェクト】の一部にはそう言った互換能力を研究する計画があったような気もするが……? まぁ、目の前の少女とは関わり合いがあるとは今のところ思えない。
そもそも『学園』の生徒である(らしい)のだから、此方に対して危害を加える必要が合いことも理解している。けれども、警戒心の強い彼女にとってそれは勇気のいる行動と言うのも仕方ないだろう。
先日『明らかに異常に思える』少女に出会ったばかりなのだから、慎重すぎる―――と言ったほうが生存に有利なのは間違いない。

「――――まぁ、信頼は自分からっていうし」
「乙女たるもの何時までも曇ってたんじゃ『笑顔無し』って言うからネ!」

だが、彼女は阿呆であった。先日の出来事から増える『幻覚』染みたそれに段々と精神を侵食されつつある彼女に、それだけの思考能力を確保できる能力領域があると言えば『否』。
睡眠不足であることと能力起動に思考領域を裂いているという事もあって、本来であれば罠でしかないと推測するはずの錠剤を受け取り、あまつさえそれを呑んでしまうという愚行を侵す。
右手で受け取ったガラス瓶から取り出した錠剤を左掌に出し、口元に持っていってそのまま錠剤を流し込む。ごくり。小さな留飲の音が聞こえると、少し苦みのあるそれが喉元を通っていくのが理解できた。
良薬は口に苦しと言うが、やはりこの瞬間は慣れない物だ。うげぇと舌を出す様なフリをしながら軽く手を振り、『苦かった』と言外に告げる。それにしてもこの少女、初対面なのに随分と尊大な態度である。
学園の研究員なんてものは存外こんなものか。そう納得できる程度には、彼女は研究者という存在にいい印象を抱いていないのも事実である。

「あー何かこう肌がパリッとしてきたかんじがするー」
「これでもし遅効性の毒だよ〜なんて言われたら迷わず『ぶっ飛ばしちゃう』からね? ほんと」

此処まで速く効果が出るなんてことはまず無いし、創り出したのは少女なのだからそれがお世辞であることは分かるだろう。ただ、飲んだ瞬間に発動するタイプの毒薬でなかったのはこれで分かった。
研究過程で耐毒訓練なども受けた事があるが、それでも一度摂取してしまえば解読には専用の設備がある。今回の行動は彼女にとっても特異であると言わざるを得ず、どことなくこの事だけに関して
少女が嘘をついているようにも見えなかったというのも大きい。自身よりも背の低い人間を見るのは―――まるで小学生とすら言える少女の姿に、どことなくほだされているのかも知れない。
自分も所詮はただの強化能力者か。吐き捨てるような思考に理屈をつけて、左手に瓶を持ったままなのでそのまま『右手』の身がフリーな状態で会話は続ける。

「――――それにしても、さぁ」
「『こんなところ』で『覗き見』って……『趣味がいい』とは言えないよねぇ?」

薬をもらった。それを呑んだ。しかし、『それとこれとは』話が別だ。少女が『此方の情報を握っている』事が分かれば、それなりの処置は施さねばなるまい。
能力自体はばれているが、それらの『使い方』がバレているわけではないだろう。少なくとも『裏』に『居ない』事が分かれば、多少の神隠しであればでっち上げられる。
……彼女もまた、攻撃特化能力者の集まる実行部隊『カースト』のメンバーだったのだ。いくら頭脳戦がその他よりはしやすいとはいっても、基本的に『脳筋』であることに変わりはない。
517 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/15(月) 20:23:46.94 ID:l3acJh2NO
帰り道の公園、そこのベンチに腰かけて空を見上げる少女
その表情は、何か冷めていて、『退屈』をもて余している表情そのまま
確かに魔法の才はあった、学校の勉強で困ってる事もない
しかし、彼女は学園生活を送る上で大切な物を持ってない
『友人』である、いつも屋上でご飯を一人で食べる
いつも一人で学校に登校して、一人で帰る
休み時間も一人で過ごす、だんだん考えて、なぜこんなに退屈か、結論は出たかも知れない

「……友達……欲しいな」

ふと小さな声で呟いた、暖かい缶コーヒーを持って、封を開ける事なくただ持ってるだけ
518 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/15(月) 21:26:05.41 ID:DMQDxzEz0
一定拍子を刻むかのように梟が啼いている。それは住宅街の一角にある塀に囲まれた夜道であった。
両手で学生鞄を提げた、キャメル色のブレザーを着たブロンド髪の制服姿の少女が歩いている。
特別広くもなく特別狭くもない路上で、その少女が歩く道の反対方向から近寄ってくる人影があった。
目深に被ったフードから艶やかな黒髪を垂らす、腰に二振りの小太刀を括り付けたパーカー着の少女だった。
逆側から迫ってくる相手と同じ軌道上を歩いていた彼女は、やがて制服姿の少女と視線が交錯する。

「こんばん、わ……?」
『あら、こんばんは。何か……私に御用かしら?』
「えと……、チョコを」
『チョコ……あ。ああ、そういう季節ですものね!』
「……そうじゃ、なくて――――――――」


「…………葉っぱの、チョコのこと…………」
『――――っ!』


目論見を見抜かれたと理解するや否や、制服の少女は素早く地面を蹴って目の前の相手から距離を取る。
対峙しているのが話に聞いた始末屋≠ナあると悟ると直ぐ様自身の掌を翳し、放出する冷気によって氷弾を創り上げ発出しようとする。
その瞬間―――刹那的とも云える速度で為される抜刀からの斬撃は、いとも容易く少女の咽喉元を斬り捨てた。
派手に血飛沫を飛び散らせて、彼女は吊るし糸を断たれたマリオネットが如く、重力へ放り棄てられるように力無く倒れた。

血濡れた小太刀を持ち佇む少女と、倒れ伏し自らの血溜まりに浸る少女と――――既に飛び去った梟と代わり脆弱な呼吸音。
中々如何にも大量出血と気管損傷ではショック死には至らないらしく、未だ辛うじて呼吸と脈拍は動いていた。
始末屋は襟元を動脈血で真っ赤に染め上げながらも繋ぎ止めている少女を覗き込むと、止めの一太刀が振り下ろされたのだった。


---------------------------------------


「ない……、どこにも…………」

首を切断され斃れ伏した少女が、下位団体の連中の元に出入りしていたフリーの運び屋≠ナあったのは調べが付いていた。
また、情報屋から買った話では近頃この一辺で薬物取引が頻繁に執り行われているとの事を聞いている。
だからこそ扱っている筈だと半ば確信し出向いたのだが、鞄内に衣服内、更には口腔から[ピーーー]まで隈無く物色したが見当たらない。
能力によって創造された固有空間に収納したり、サイズや形状、或いは性質自体を変化させているという場合も考えられる。
しかし先刻、運び屋たる少女が見せたのは氷属性の能力であり、その線さえも薄くなっているのであった。
尤も、能力武器を所持していたり複数属性の魔術を駆使したりと例外は幾らでも存在し得る故、断定もできない。
若しくはビニールにでも包み飲み込んで、体内に隠し持っている可能性なども十分にある。

一先ずはこの屍体を拠点まで連れ帰り、必要ならば専門の人間が解剖して調べると云うのが最善策という結論に至った。
だがそれに当たり、如何やってこの屍体を数十キロ離れた場所にまで運搬すればいいのかという障害があった。
以前一度痩身の少年を抱えて跳んだ″ロには、僅か数十秒の移動で想像を絶する疲労と筋肉痛を味わったのである。
もし移動する最中に人目に付いたり、況してや日出まで時間を要するなんていう事態は回避しなければならない。

「はふぅ……」

始末屋は億劫そうに溜息をつくと、携帯電話を取り出してメールもとい某SNSでメッセージを打ち始める。
送信先は簡潔に述べるならその手の業者≠ナあり、要するに車を出して運び出して貰おうと考えたのだった。
それのみなら適当な組員で事足りるのだが、前日の朝の通学路宜しく綺麗に清掃≠オてくれるらしい。
職業上、成るべく痕跡といった類を残しておきたくないので、という個人的な理由でしかない。
要求を送り終えると、持っていた小太刀を虚空に振るって返り血を払い落とし、静かに納刀する。


「――――――――暇」

取り敢えず現状で動く事もできないので、少女の惨死体を直ぐ傍らに、始末屋は業者の到着を待っている事にした。




/日付変わるくらいまで募集です
519 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/15(月) 21:30:30.18 ID:NchueXJJO
>>516


「何、白衣の下の制服が保険代わりだ。薬物精製を可能とする能力は確かに珍しい部類ではあるだろうがそう警戒するものでもない
 それに所詮はこんなもの、只の善意の押しつけに過ぎん。嫌ならその薬も飲まずに排水溝にでも放り込んでおくんだな」

この行動に裏表が存在せず、ただの純粋なお節介によるものであることは確かだったが、それでもこのぞんざいな言い草である。
疑われたり、警戒されたりすることを彼女自身も理解していたようで、薄っすらと浮かべた笑みは自虐以外の意味を含まないだろう。
仮に薬を実際に排水溝に放り込まれたとしても、彼女は表情を変えないだろう。寧ろそれが当然だと自虐的に嗤う。
悪人ではない、寧ろ善人に属する人間性ではあるのだが―――些か歪みが強過ぎて、シンプルな悪人よりも数段悪い性質をしている。

結局、彼女が薬を服用する姿を表情をピクリとも変えずに見届ければ、その次には彼女からの質問が待っている。
その意味に、そのニュアンスに―――この少女はほんの少しだけ、先程までよりも更に不機嫌そうに、ため息を吐くと。

「ふむ―――そう含みのある口調で言われても困るだけだが。第一こんな場所と言われても、学園研究所の近くだからとしか答えようがない
 まああえて具体的に言うなら?私ことヘレナ・フラヌスは研究所でのミーティングを終えて帰宅途中、近道であるこの路地を利用中に変質者を見かけたので思わず物陰から覗き込んでしまいました――ただそれだけだが」

「それともなんだ。誰かに聞かれたら困るような話でもしていたか?だとすれば安心しろ
 見るからに情緒不安定気味な人間の譫言なんざ鼻から興味の欠片もない。私が興味あるのは行動が写す人の内面、ただそれだけだ
 まあ、悪趣味なのは否定しないがな―――そもそもが研究者という人間は大抵性根が腐っているものだ」

それは彼女が含んだニュアンスに対しての回答になっているようで、よく考えればただ単にはぐらかしているだけの返答だった。
しかしそもそもがこの白衣の性根が腐った少女が、面倒な質問に対して真面目正直に答えてみえる筈がなかった。
現在の彼女は『裏』の人間ではない。ただし過去にはある一つの『裏』での研究の主任を務めたことがあるが。
それは既に過ぎた話。その痕跡は現在データベース上から彼女自身の手によって全てが抹消されており、彼女が裏の人間であったことを知る人間は殆どいない。
過ぎた過去、ある意味で忌々しい記憶、しかしそれをこの少女が忘れる筈がなく―――そして既に彼女は、これまでの僅かな会話で懐かしい『裏』の気配を嗅ぎとっていた。

さて、明らかに顔を突っ込んではいけないものに顔を突っ込んでしまったがどうする?
そうしてしまった理由は正真正銘、只の気紛れとお節介だったのだが、その点ばかりは数分前の自分の顔面を殴りたくなる。
しかしその怒りと葛藤が表情に出ることはない。何故なら元々デフォルトで仏頂面をしているから、表情を変える余地がどこにもないからだ。
だが、根本的に自分はインテリ。過激はバトルはノーサンキュー。けれども相手は明らかに戦闘特化の能力者。
あぁ、とりあえずこの治安最悪な近道はもう二度と使うまい―――と決心しながら、少女は表情も態度も変えることなく言葉を吐く。

「まあ、端的に言うなら、お前の戯言は私に聞こえてはいなかった安心しろ。正確には言語として意味を成さない譫言しか聞こえなかった、だが。
ただ一つ忠言するならな、結局お前のそれがどんな内容かは知らんが、そんなに聞かれたくないものならそもそも口に出すな
人に知られたくない秘密というものはな、常に鍵をかけておけ。迂闊な愚鈍は正直とは違ってただの間抜けだ」

そう答えた少女は、やはりどこか尊大で見下しているかのようで、危機感というものはどこにも見当たらない。
肝が座っているのか、図太いだけか、“場慣れ”しているのか―――それとも案外、ノリと勢い任せなだけかも知れないが。
520 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/15(月) 21:47:44.30 ID:5DDkZ9Kho
>>518

今日は平日だ。幸せな休日はどこかに過ぎ去り、人々は忙しそうに働いていた。
この女も例外でないといえば例外でない。ただ、普通の労働ではなく、裏家業に近い形態ではあったが。
今日も薬を売り終えた。売り上げた金はコートの内ポケットに入れている。
特段やり残したこともないし、あとは研究拠点へと戻るのみであった。

―――のであるが。前言撤回。これは少々状況が悪くなってしまいそうだ。
薬売りの女は薬を売る場所など裏路地程度しかないのだから、そこからの帰りの途中。
そんな中、目の前で少女は斬殺された。うん、これは本当にやばい気がする。

「あーあ、平穏だった帰り道がなぁ・・・。」

女は背が低く、鷲の刺繍が縫い込んである軍用コートを着ていた。
処で云う軍人。とはいえ、戦闘専門ではない。研究専門。
しかも相手はさっきの剣捌きからしておそらく達人。本当にまずい。

「・・・どこにもないー、ってまさかね、いや、そんなはずは・・・」

ひとまず小声で。想像したことを口に出さずにはいられないほど動揺している。
新薬の臨床よりも、製造計画の議論よりも、おそらく人生で一番動揺しているんじゃないか?
うん、落ち着け、こういうときはひつじを・・・、ってそれは違う。

「あー、うん。私は何も見てないよー、あっはは。」

緊張からかとんでもない棒読みになってしまった。
死体はよく見ているから別に構わない。ただ、問題はこの少女である。
剣捌きは達人。しかも何か探してる。もしかしたら薬かもしれない。

「別に私は殺しを咎めるとかはしない主義だし。しかも軍人だ。
とりあえずは、この女の子が何をしでかしたのだけ教えてくれないかい?」

とまあ、なんとなく調子が戻ってきたのか、少女へと微笑みを浮かべて話しかける。
殺しなんて見慣れた、といった様子であった。その通りではある。死体も見飽きる程に見ていた。
ただ、問題は少女の“仕事”。彼女の其れの内容によっては展開は変わりかねないが・・・

//よろしいでしょうか・・・?
521 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/15(月) 21:56:15.39 ID:2QWtlVL/o
>>515

刀を持った少女が自分から離れた時、天使を模したモノは、勝利を確信した。
我が身の傍らで火力を上げ続ける翼は、アルミ合金とはいえ、
表面硬化処理の施された装甲がジリジリと焦げ付いていっている。
ソドムを焼き払う業火、または砂漠の照りつける太陽を髣髴とさせるような、自傷を厭わぬ火炎。
戦闘シーケンス・オメガと番号付けされたこのシステムは、少女の気紛れで使うことを想定してはいなかった。
オメガは、終わりを意味する。

ようやく見せた笑みは、不敵で嫌味な雰囲気。シーケンス・オメガに、最後の出力上昇を許可した。

「ダスビダーニャ、人間。」

その時だった。物音がしたと思った直後、四方八方へコンクリートの"壁"が落ちてきた。
敵が消失したと、状況判断プロトコルが信号を出力する。
消えたんじゃない!少女は胸中で叫び声をあげる。私が、閉じ込められたのだと理解した。
このまま業火を解き放てば、焼き炭になってしまうのが、自分だということも。

"嫌だ、嫌だ、嫌だ!人間に負けるなんて事、二度と起こしてはならない!"
暴走に歯止めの利かなくなった機械は、一切の躊躇をしなかった。
エネルギー充填が完了した合図の信号が伝達される。幸いにも、その機能は生きていた。
密閉空間になった事により、更に更に温度は上昇した。汗はもうかいていない。もうかく汗もない。
この世を認識してから8ヶ月の少女は、怒りを制御する方法を知らなかった。

鼓膜を潰しそうなほどの輝きが、翼から放たれる。
熱で強度を損失したアルミ合金の翼は、反動を受けて歪む。
膨大な熱量と爆風は、破壊的な爆発と火炎になり、コンクリート壁を砕き、吹き飛ばすだろう。
ある意味、機械の判断は正しい。出力を維持した為、壁を打ち砕き、エネルギーの何割かは外へと放たれる。
しかし、元々はビルであった壁に囲まれた爆発は、多くを"内側"へと及ぼした。

"太陽を目指したイカロスは、余りにも高く飛びすぎた故、蝋燭で出来た翼は溶けて消えた"

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剣客の少女が爆発の後を眺めたならば、半壊した瓦礫の中に、ひしゃげた翼を持つ少女が立っているのを見るだろう。
衣服は、衣服と呼べないほどにボロボロと焼け焦げ、至る所に火傷を負っている。
それでも尚、機械は立っていた。機械は、怒りの制御の仕方をしらないが故、諦め方も知らなかった。
"ヒュウ、ヒュウ"とかすれた呼吸音をさせ、強く打ったのか片手で脇腹を抱えている。

「プロセッサ、に
 深刻な、エラー。」

自我が希薄になり、他のプログラムにプライオリティで劣る。他のシステムがでしゃばる。
彼女がひとりの人間的意識ではなく、多数のプログラムで構成されている証だった。
所詮は、人間に見えるだけの、人間に見えるように作られていた事の。

「保守、技術者、に、
 連絡、
 してくだ、さい。」

それでも尚、その瞳から、怒りは消えていなかった。
相手に殺意がなかろうが、高貴な信条があろうが、機械は人間の感情を読み解くのが苦手だ。プログラムされていない。
殺したい時に殺し、焼きたい時に焼く。彼女が得た自由はそれだけだ。

「人間、
 そこにいると、殺せない、わ

 もっと近くへ、来なさい

 首を、
 へし折って、やる。」

522 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/15(月) 21:57:01.84 ID:UQJeFaBb0
>>519

「……ふーん。」
「――――――あ、そう。」

「『学園地下』に『コネ』があるかって聞いたつもりだったんだけど。その様子だと『知ってる』ケド『コネはない』見たいね」

言っていることは多分『理解』した。つまり、此方に対してその思考を『開く』事は無いという事。罵倒は特に『不快』なだけで、傷みの伴うそれでは無い。
彼女—――【空圧装置】という存在は阿呆である。馬鹿、と言ってしまってもまったくもって遜色がない。人間としての思考力、そして『表情のバレやすさ』は他の追随を許さないだろう。
このように自分から『情報を開示』してしまい『排除しなければならない』対象として少女を『仕立てあげてしまう』という事は、『日常茶飯事』である。
そう、これは『何時もの事』。先日は『止められた』からしなかっただけである。『カースト』という『一単位』は、決して『言葉に黙る』という存在では無いのだ。

寧ろ―――言葉には暴力で返す。一つの事を言われれば、千の拳でぶっ殺す。相手が例え『学園』の人間だろうが『研究所』に属していようが、『問答』は既に済んでいる。
相手が情報を開示しないというのであれば、此方の能力によってその脳みその中身を纏めて『開けば』済むことだ。考えなくていい分、とっても、とっても『簡単』なコト。


――――


「じゃあ―――――死んでいっか。」

……刹那。彼女の掌を注視していれば分かるだろう。其処から僅かな空気の収縮音がする。まるで空間を『圧縮』しているかのような違和感に、周囲の空気密度が僅かに下がる。
左手から落ちたガラス瓶が『弾ける』音を合図に、『右掌』から発生する『空気を固めた鞭のような物』が少女に向かって『一つの線の如く』。即ち伸ばされた槍の如く『少女を貫かん』と接近するだろう。
速度、硬度共に『人の体であれば容易に貫ける』程度どまりではあるが、最大の特徴はその出現と視認が非常に困難である事。空気を圧縮して構成されているそれは、接近する気配こそすれ完全に捉えることは『容易くない』。
なにか特殊な能力でも『隠していれば』別だが、先ほど少女自身の弁で『薬品作成能力』と口にしている。それを信用するわけではないが、目の前で『見せられた』それを考えるに、戦闘系では無いのだろう。
ならば――――彼女でも『殺しきれる』。そう判断した。死体の処理は面倒だが、此処で『何かしら理解された人間』を逃がせるほど『彼女の頭』は悪くない。いや、寧ろ『悪すぎる』だろうか。
学園裏という存在は決して『生温い』組織では無い。一歩間違えれば『気狂い』の闊歩する場所だと、裏を嫌悪する少女なら十二分に理解している筈だ。であれば、『回避』自体はそう難しいことでは無い筈だ。

―――――言ってしまえば、『ただの憂さ晴らし』にも近い。
彼女だって『人』である以上、暴言を吐かれれば怒りもする。ただちょっと……沸点が『異常に低すぎる』。それだけのことだ。
523 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/15(月) 22:02:08.53 ID:Fi7Bu6r3o
>>512
 真正面から、魔女の意識の隙間を縫うという難事。だが、自身の口数がなんとか武器になってくれた。
機をうかがうために、独り言を続けて魔女の様子を見て居た時、魔女はなにか消耗をしている様子だった。
 口から血を流し、つらそうに荒い息遣いをしている、しかしそこまで消耗しているようなのにその顔は楽しそうに笑っていた。
そんな魔女に対して不意打ちを行うのは騎士道や武士道、はたまた人道に反するのかもしれない。だがゲイルには興味なかった。
魔女に対して自らの事を教えると言い、この戦闘は始まった。そこに至る理由はどうあれ、戦闘で手を抜くつもりは無いのだ。

 結果、魔女はこちらの不意打ちに見事に引っかかってくれた。
独り言を続ける自分に対して火球を放とうとしたようだが、それより先にこちらの大剣が唸る。
魔女は消耗したせいか飛び慣れていないせいか。或いはその両方か。 剣圧に煽られた魔女はふらりと体勢を崩す。
その機を逃さず、すぐさまに右肩からぶつかりそのまま地面へと叩きつける。

 その傍らへと半ば墜落するように降り立ち、魔女に近づく。
稼働限界は既に目前。これ以上の無茶をすれば、内部機関の保護のために強制的にリミッターがかけられゲイルは只の人間と等しくなる。
そうなれば敗北は確定する。 魔女は消耗しているようだが未だ戦闘は可能のようだ。
常人と同程度の状態で勝てる相手では決して無い。

「いやーごめんねー。 あの距離からだと、あーするしか思いつかなくってさ―」
「私ってやっぱりこう、口数が多いからねー。 おねーさんだったら、乗ってくれるかな―って」
「奇を衒うのは、ウィッチだけの専売特許じゃ無いって事かなー、うん。 というわけでー」

 魔女に対して剣を突きつけ勝利宣言をしようとするが、その前に魔女の"お返し"が具現する。
これまでの戦闘から、その万能さに警戒をしていなければ反応できなかったであろう、頭上への物質生成。
とっさに切り払おうとするが、振り上げた刃はその分銅の異常な質量、密度により嫌な音を立てて弾き返される。
弾かれた瞬間、急加速を行い転がるように分銅の下から跳ぶ。  すんでのところで潰されずに済み、落ちてきたその分銅に目をやる。

「10000トンてってこれホント? 大体1立方メートルぐらいの体積だからー……鉄よりちょっと比重大きいよこれ」
「一瞬でこんな物生成するって、おねーさんウィッチとかそう言う域既に超えてるよね。これ」
「うへー……質量保存の法則とかそういうのってやっぱり、魔法には関係ないんだね―」

 魔法のデタラメさを改めて認識させられる。 一体どうやってそんなものを生成したのか、ゲイルには皆目検討もつかない。

「あー……まーいーや。 生成方法はどーでも。 今重要なのは、私が千載一遇の好機を逃したってことだよね―」
「これ以上の戦闘続行は流石に無理。 オーバーヒートによる物理損傷回避のためにリミッターかかっちゃうんだよね―」
「そ〜なるとおねーさんが楽しめそうな感じじゃなくなっちゃうからさー。 うん、ここまでにしてもらっていい?」

 剣と槍を送還し、炎の翼を引っ込めてゲイルはアリスにそう尋ねる。
その体からは、陽炎が揺らめき相当の熱量がこもっていると一目見て分かる。

/本当にすみません。1時間ほど遅れてしまいました!
524 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/15(月) 22:12:10.78 ID:DMQDxzEz0
>>520

既に鳥の囀りさえない夜に、不意に後方から聞こえた声に振り向き、始末屋は初めて女性の存在を認識した。
余りにも物色に精神が集中していたからか、丁度現場の真っ最中を目撃を赦してしまった。
今に限った事でもないが、始末屋業に慣れてしまった℃魔ノより警戒力に薄れが生じていたのだと常々考える。
少女は自分が所々抜けているのを悔やむも、直ぐに反省行為を諦めて思考を眼前の彼女に向き換える。
事後ではなく時間同じ頃に目撃されてしまったのなら、最早誤魔化す術など有りはしない。
棒読み気味の言葉に一旦安心して、本当に騙されかけてから小声で「えっ」と漏らす。

「何も見てないって、今…………」

云い欠けた言葉を完全に出し切るより、途中で放棄した。
少し宙を見て次に発する言葉を選びながら、少しして再び正面に視点を合わせる。

「―――――薬の……、運び屋、だから…………」

現状を目撃された云々以前に、誤魔化す術を元々持っていない始末屋は、淡々と事実通りに喋った。
目の前の彼女が警察やその傘下の首吊り部隊≠竅A或いは通りすがりの闘争狂≠ナないのなら無問題と考えたのだ。
普段ならその類の輩が相手でも、闘争を避けるが為の単純な逃走なら得手としている。
しかし現在は足元の首斬れ遺体を見張らなければならず、この場を離れる訳にも行かないのであった。
尤も、電話を介して通報などされたら夜間でも動く人員は居るのも間違いはなく。
それ故に緊張態勢を解く事はできず、現にしていないのであるが。
525 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/15(月) 22:36:45.52 ID:5DDkZ9Kho
>>524

「―――へえ、薬の運び屋をねぇ・・・」

あー、やっぱりだ。嫌な予感はなぜか当たってしまう。
うん、多分変な汗とか出てない。多分。大丈夫だ、大丈夫。
そう信じつつも、運び屋で“あった”少女の姿を見ると。

「それにしても、こんなに若いのが薬の運びをするとはね。
上にはマフィアでも絡んでんのかな?」

どうやら、学校の制服に学校鞄。その姿を見ると、まだ若いようで。
女は運び屋と作り屋を兼業しているのであるが、こんな年して運び屋とは珍しい。
小遣い稼ぎでもしたかったのであろうか。全く、運の悪かったものだ。

「どうせ、この遺体は“処理”してしまうんだろう?
見ず知らずの人物に消されてもかわいそうだしね、いっそのことここでやってしまうか。」

そういうと、コートの中を探って。
取り出したのは、「苛性ソーダ」というラベルと「劇」というシールが貼られている小瓶。
中身の白い球体を、少量の水を入れた小瓶に溶かしいれ。そして再び水を加えると。

その中身を少女にかけようとする。中身は劇薬。
しかも物を溶かし、侵してしまうような薬品であるのだが。
彼女が止めれば素直に従うであろう。果たして。
526 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/15(月) 22:39:28.80 ID:NchueXJJO
>>522

「――――――ああクソッ!だから裏の連中は大嫌いなんだ!!ジョークの一つも通じやしない!!」

ジョークというよりは普通に挑発行為であり、最終的に喧嘩を売ったのは彼女であるのだが、そんなことは気にしない。
できれば穏便に済ましたかったのだが、相手が粗暴な人間だったせいであえなく失敗。少女の中ではこんなオチの認識である。
まあ―――そもそもが勝手に顔を突っ込んで勝手にお節介を焼いて勝手に挑発した少女の自業自得なのだが。
しかしこの少女の辞書には反省という二文字は存在しない。あるのは無駄に図太い反骨精神だけである。

少女は忌々しげに呪詛の言葉を吐きながらも、その頭脳は状況の把握の為にフル回転していた。
最初に目撃した透明の鞭、それは彼女の掌から伸びていて。そして今も再び彼女の掌からは、空気が収束するような音が鳴り響き。
その一瞬で、彼女の能力の想像が大体完了する。完了したのはいいとして、どう逃走に繋げるか、だが。
そう、逃走―――基本的にこの少女は戦闘行為を良しとしない。あれだけ喧嘩を売るような言動を吐いているにも関わらずだ。
その口調や態度とは裏腹に、彼女の冷え切った内面は、如何にして状況から離脱するか。ただそれだけを考えていて。

――――――刹那、風の鞭が放たれる。一直線に、弾丸のように、少女の身体を貫かんと。
彼女の能力がただの薬物精製であれば、それを回避する術はない。ただの研究者である彼女に、それを回避する身体スペックもある筈がない。
だが、そもそもが。この少女の能力の本質は、薬物精製などという拡張性の低い能力などではなく――――――



「―――――――――で、結局誰が死ぬのかお聞かせ願おうか?」

風の鞭は、少女には届かない。そして少女は、“壁”の向こう側から、そう吐き捨てるように言い返した。
そう、“壁”である。少女の足元から突如として隆起し、路地を分断するように作り出された分厚いコンクリートの壁。
高さは10m以上にも及ぶこの壁は、風の鞭を完全に防ぎ止めただけでなく、追跡すら許さない防壁となって聳え立つ。
これこそがこの少女の能力の本質―――その一端。上位変換によって物質を昇華、変形、融和させる錬金術の神秘。
薬物精製もその応用でしかない。そしてこの能力は、ある意味では唯の戦闘特化能力よりもよっぽど―――凶悪だ。
ただまあ、今の彼女にはこれ以上戦うつもりなんて更々なくて。寧ろこの面倒臭い状況からさっさと退散したいという本音だったので。

「感情的な人間は嫌いじゃないが、その沸点の低さだけは頂けないな
 怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わるというが―――そもそも見苦しい八つ当たりに付き合う義理もないんでな」

最後にそう毒を吐き残しせば、そのまま少女は踵を返して一目散に逃げ出すだろう。
逃走には慣れているのか、あっという間に路地裏の闇の中に溶け込んで。追跡するのも可能ではあるが、その為には分厚く巨大な壁を乗り越える必要がある。
あえて入り組んだ道を選んで進みながら、少女は忌々しげにため息を吐いて。いい加減何か手を打つべきかと思案するのだった。
527 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/15(月) 22:55:16.35 ID:UQJeFaBb0
>>526

「…………はいどーん」

唐突に出現した壁。そう壁だ。防壁とも言えるコンクリートの壁。硬い、そうだろう。ただの鞭では到底貫く事は出来やしない。
何やら言葉を紡いでいるようだが、壁からではほとんど聞こえない。それに、闘争を始める時間すら『稼ぐ』事は不可能だろう。
……只の『コンクリート程度の壁』であるならば。

爆音、爆音、爆音。出現した壁は一瞬で、まさに『砂の城』の如く、あっけなく、そして『意味も無く』。初めから『無かった』かのように『崩れるだろう』。
上位互換、錬金術。彼女にはそう言った難しいことは分からないし理解できない。だが、目の前にそびえたつこれを破壊することであるならば、誰よりも『得意』であるという自信があった。
彼女の能力は空気を圧縮して鞭を生成する事。そして、『鞭が当たった場合、其の部位を爆発させることが出来る』能力。近距離であれば鋼鉄すら凹ませるほどの威力を持つそれを、『三メートル』に設定。

鞭を大振りにして壁にブチ当てることで『爆発』を連続で起こし、即座に鞭を再形成。この間ラグは無く、それを数秒にも満たない時間で『完了』させる。
余程壁の厚さが無い限り――――鋼鉄に匹敵する強度を補強する厚さが無い限り、その壁は確実に、そして迅速に『爆破』され。爆発の際に至高性を与えられた爆風は前方へ。
即ち『少女』に『瓦礫の雨』となって降り注がれる。当然、彼女にも爆発の余波は降りかかり、瓦礫によっていくつか皮膚に傷を負うものの、そんなことは『どうでも』良かった。

――――次いで、逃げようとしているのならばそれに向かって左手から伸びる鞭を突きの様に伸ばし。右手の鞭は崩れる瓦礫の雨を『再度吹き飛ばす』事によって自身の『生存率』を高める。
ドヤ顔で『殺す』とのたまっておいて、分厚い壁に阻まれるようでは。『カースト』の現トップ≠ニしての『存在価値』が『無い』故に。
528 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/15(月) 22:59:51.01 ID:DMQDxzEz0
>>525

「―――待って」

やや駆けるような歩調で近付き、直ぐ付近にまで肉薄する。
そして手刀を放つかの如き動きで片手を差し伸ばし、小瓶の前の位置で静止させて邪魔しようとする。
女性が制止を無視する様であれば利き手に直に受ける事にもなるが、別に構いはしない。
聞き受けてくれるにしろ否にしろ、その手を一回引っ込める。

「あまり余計な事しないで欲しい。疲れるから」

先刻までのどもり気味の口調とは裏腹、妙に流暢な口調である。
表情こそ起伏ないが、無機質的であった声色には僅か程度だが焦燥と苛立ちが浮き出ている。
女性の取り出した薬品らしき代物の正体は分からないが、少なくとも何の効果もない水の儘でないのは創造に容易い。
何にしろ始末屋は、この運び屋の死体を変に弄られるのは是が非でも避けたかった。

「ケータイ出して。通報されると面倒」

若干サイズが合ってない風にも見えるパーカー裾から、掌を上側に手首だけ露出して差し出す。
一応念には念を―――という用心であり、万一にでも通報される危険を除去したいのだ。
仮に若しも彼女が自分から取り出して警察なり何処か別の連絡先なりに通話を試みたなら、即座に抜く°Cではいた。
しかし此処は能力者の街であり、例えば不意に擦れ違った一般の民間人が自分の数枚上手であるというケースも皆無ではないだろう。
況してや夜の街に出歩くような人物は、何らかの戦闘手段か防衛手段を有している場合が経験上殆どであった。
例えば隠密関係の能力であったならば、動作では気付かれないようにしてボタンを押す等の芸当も有り得りはする筈である。
兎に角此方が優位の環境を作ろうとする為に言葉で促しながら、感付かれないようにして左側の手で密かに鯉口を切っていた。
529 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/15(月) 23:05:19.10 ID:Rwf/Xnb00
>>523
//すみませんかなり遅れました……
//今から返信しますので続きは更に遅くなります。都合悪ければまた明日ということで構いませんので!
530 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/15(月) 23:19:19.10 ID:5DDkZ9Kho
>>528

「うわあっ、とッ!?」

彼女の手刀のような静止が迫る。
この薬品は人肌だけでなく、人骨まで溶かしてしまう。
それを理解していた女は小瓶を右に投げる。

こぼれた薬液がシュウシュウと血を焼く。
溶解性がある薬液だったのだ。つまり、調査物を隠蔽しようとした、なんて勘違いもされそうな。
ただ、先ほどの言動の通り、この女にそんな気はない。

「あっはは、すまないね。死体を見ると、ついつい処理したくなってしまうんだ。
昔っからの仕事でねー。ほら、こういう死体ってなんだか可哀想だろう?」

この軍人は薬物に関しては知識がとんでもなく深い。
あの薬品が、人を溶かすという点でもそうであった。つまり、だ。
少女のいう“薬”に関しても知識は深いのである。

ともかく、彼女にいら立ちが募っているようで。焦りもあるか。
この少女としては死体をいじられることがよほど嫌なのであろう。それが仕事であれば猶更。
「いのちだいじに」を作戦にしていた女はこれ以上の余計なことはしないよう決めた。

「あー、わかった携帯電話ね・・・」

というと、再びコートの中をモゾモゾと探る。
そして携帯電話を見つけ、掴み、取り出さんとした。まさにその時であった。
最も恐れていた事態。いや、言い逃れできる余裕はないことはないが。

「あー・・・」

「アヘン」のラベルが貼られた小瓶が、地面にこつん、と落ちた。
そう、法律によって禁じられている、阿片が。あー、これは本当にまずい。
おそらく、彼女は薬の始末屋であろう。ならば、生き残るためには―

「うん、ごめん、怪しいよね・・・。私、軍の薬物関係の研究者なんだ。
だから、ちゃんと持ち出しの許可は得てる・・・、本当だよ?」

なんて、事実ではあるが虚偽に聞こえる言い訳がましいことをいう。
いや、本当は真実なのであるが。怪しまれようが、殺されようが致し方ない状況に。
そこで、女は少女の手にポケベルにもにた携帯電話を置いた。
531 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/15(月) 23:22:43.00 ID:NchueXJJO
>>527

「―――全く、つくづく空気の読めない。こういう場面では素直に逃走させろ!!」

そう毒づきながら、少女は踵を返す。
どうやら逃がしてくれない以上、戦うしかないらしい。彼女からすれば不本意極まりない展開だが。
しかし結果的には自らが招いた事態に他ならない。ならば、せめて決着だけはつけるとしよう。

路地を囲む壁に手を触れて、能力を発動。その形状を上位変換によって、より凶悪なものへと変化させる。
すると鉄筋コンクリートの壁がぐにゃりと歪んで、まるで幾つもの腕が生えて、伸びるようにうねる。
そしてそこに現れたのはまるで鉄格子を思わせる、幾つもの枝が重なり合った壁。その素材はコンクリートなので脆弱ではあるが。
そしてその壁は瓦礫の山を尽く防ぎ―――という訳にはならず、幾つかの破片が少女の身体を強く叩いた。

「―――ぐっ」

苦痛にその顔が歪むが、しかし彼女は行動を止めない。
鞄の中から鉄の塊と火薬が地面に零れ落ちる。それを強く踏めば再度能力を発動。
同時に先程までとは反対側の壁にも触れて、こちらでも能力を発動。能力の起動はこちらが早く、壁は再び変質し。

そしてその壁は次の瞬間、巨大な腕のようなものへと変質し、そのまま勢いよく振るわれる。
突き放たれた鞭をものともせず、勢い良く。鞭を振るう彼女目がけて質量の暴力が解き放たれる。
ここが表の通りであれば、回避は至って容易いだろう。だがここは余りに狭い路地の中。
そしてその狭い空間内で、コンクリートの塊である巨大な腕は余りに大き過ぎて。要は直線方向上にはまず逃げ場のない質量攻撃がぶっ放される。

532 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage]:2016/02/15(月) 23:29:01.75 ID:Fi7Bu6r3o
>>529
/すみませんー、自分は限界なので落ちます……
/また明日よろしくお願いします
533 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/15(月) 23:39:30.90 ID:UQJeFaBb0
>>531

「まぁ、こんなもんじゃ――――ッ」

爆発、次いで声。此方が確実に『とった』と、そう『早合点』してしまったのが、彼女の絶対的な、確実的な『油断』。
幻視が彼女自身を笑っているようにも感じて、そちらの方に目をやった。それが全ての『始まり』。風を切るような音が、此方に響く。

――――剛腕。そう表現するのが最もふさわしく、それでいて理解の余地のある言葉だろうか。どうにかして此方の瓦礫の雨を防いだらしい少女は次いで、それをこちらに放ってくる。
それには気付いた。そう理解した。だが体は動くか? 能力は適応できるか? 答えを出すのら否である。研究によって衰えた彼女の四肢は、行動するに値しない。
爆発。それは文字通りコンクリートの塊である巨大な拳に向かって発生する彼女の能力の残滓である。ただ、其の余波を受け、彼女には無数の裂傷が発生する。痛み、痛みが発生した。
傷みと端に対する恐怖を呼び起こす、そして彼女の『機能不全』を引き起こし。幾度も、幾度も、拳を止めようと爆音が鳴る。小規模なそれは大きくなり、傷も増え、そして血が溢れる。
幻視は『現実』になり、教会の曖昧となった思考が段々とこちらに向かうそれを見やる。駄目だなと思った。どうしようもないくらいに『差』が開いていた。
能力として、と言うか、存在として。此方の攻撃を片手間で弾けるほどの『強さ』。攻撃特化だと歌ってはいたが、どうやら只のおごりだったらしい。少女の方がよっぽど『殺すことに特化している』ではないか。
迫る。質量とは即ち威力である。こちらに到達し、威力を存分に彼女の全身へと伝え、そして爆発する。彼女の能力が暴発したと同時に巨大な爆発が起こり、剛腕の一部を破壊した後に『収まる』それ。
何も残っていない。在るのは血痕と水滴、そして『能力の残滓』だけである。彼女は彼女らしく『処理』を実行しようとしたが、それは『負処理』に終わり、『カースト』の現トップは前トップ≠ヨと変更されるだろう。
もともと『リーダー』と言う器では無かったとはいえ、それなりの実力はあると自負していたつもりだった。慎重に行動していたし、此方の能力に対して即座に効果的かつ対処不能な攻撃を放てるとも思っていなかった。
単純な思考ミス。人工能力者――――引いて【空圧装置】という存在の最後としては、きわめて当然の結果と言えるだろう。

//自分からは以上でレスは終了となります。
//勝手に攻撃して勝手に死んだ感じで申し訳ないです……!
534 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/15(月) 23:44:05.48 ID:DMQDxzEz0
>>530

小瓶は、その持ち主たる女性によって地面に放り棄てられて中身を垂れ流してた。
傷痕から漏れ出た血溜まりの一部が音を立てて燃焼し、溶解されていく様子が見えた。
大して勘の鋭くない始末屋の少女でさえ、女性がたった今殺傷性も持った薬品を使おうとしていたのは解った。
――が、目撃者としてではなく薬品を携帯する彼女自身への敵意も、利き手を溶かされなかった事による安堵も、一切として抱かない。
無論の事ながら表情に表わそうともせず、先迄と変わらぬ無表情と苛立った声色の儘続ける。

「問題ない。すぐに返すし、すぐに帰す」

別に握り潰したりも叩き斬ったりもしない―――まず前者は握力的に不可能なのだが。
ただ業者の者が付近に来るまで預かっていようと云うだけで、それ迄に大人しくしていれば何も行動を起こす必要もない。
アヘンと書かれた小瓶が落とされ、携帯電話を受け取ろうと下げた視線にちょうど良く映った。
その名前の意味は知っていたし、彼女が薬物関係という事自体も死体を溶かそうとしていたのを見て薄々感付きつつあった。
とは言っても軍や研究者等のワードも特に気には留めず、電話だけ受け取った。

「それも問題ない。僕は薬興味ないし、一応不殺主義だから」

始末屋は、凡そ良識や倫理観と呼べる物が、根本から欠落していた。
故に人斬りとして振るうその刃には快楽や高揚といった異物は混入せず、同時に躊躇や呵責をも存在していない。
不必要な殺戮を拒んでいるのも、無意味に恨み憎しみの感情を浴びたくないからに過ぎない。
それが後々混線して縺れると別の仕事等で厄介な事態を引き起こしかねないから―――只それのみだった。

薬物に関してもそれと同様であり、別段深い憎悪や執着も持ち合わせてはいない。
ただ身内に関わる者が取引している故にと命ぜられ、その通りに働いている。
少女にとってはそれで十分であり、また以上以下もないからであり。

片手で電話を受け取ったのだが、一瞬ふらつきかけたので両手で改めて持ち直した。
535 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/15(月) 23:48:00.07 ID:5DDkZ9Kh0
>>534

//すいません、一時凍結して頂いてもよろしいでしょうか…
536 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/15(月) 23:52:49.51 ID:oZr/8s24o
>>533

「――――――ふぅ」

緊張の糸が解ける。ぺたりと地面に座りこめば、今日一日で一番大きな溜息を吐く。
そうして少女の能力で変質したものが、一斉に形を失い、瓦礫となって崩れ去り。
後に残されたのは戦闘と破壊の爪痕と、彼女の能力の残滓のみ。
こうして何とか状況を切り抜けることはできた―――少女の想定した通りとは、余りに異なる内容だが。

「三手目を使うまでもなかったが―――とはいえ
あぁ、糞っ。これだから『裏』に関わるのは嫌なんだ」

ポツリと零せば、地面に落とした火薬と鉄を回収した後にゆっくりと立ち上がる。
そして最早跡形もない、彼女の残滓と、割れたガラス瓶の残骸を一瞥すれば―――踵を返して歩き出した。

/絡みありがとうございました……!もしやり辛かったのであれば申し訳ないです……
537 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/15(月) 23:54:22.81 ID:DMQDxzEz0
>>535
/凍結了解しました!
538 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/16(火) 20:43:09.75 ID:SqgRfe580
>>523
ズシンと地が揺れる。ミシリとアスファルトに罅が入る。
分銅を阻むことなく、少女はその身を横転させ、その落下点から外れた。
ちぇっ、とアリスは軽い舌打ちを放つ。

「ふう、ふう……いんや、ハッタリよ。演算早くてびっくりだねえ……たぶん1トンもないね、中身はパンッパンの“火薬”。きみの翼なりなんなりで引火させて、爆発の瞬間にきみだけを防護壁でくるむ―――そんな算段だったんだけどねえ……?」

犬歯を見せながら、からからと笑う口から洩れた隠されていた思惑。それは余りにも『えげつない』というひとことに尽きるもの。
密度と質量が足りずに、少女の剣があの“分銅”に刺さっていれば、一口に言って大惨事になっていたかもしれない。
アリスは地に仰向けになって肩を揺らしながら、息混じりの声で答える。

「うふふ……それできみの全部を見せてくれてるならもちろん、ここでおしまいだねえ……。あー疲れたぁ〜。立てない〜」

芯のないふにゃりとした声で泣き言を言う寝転がる姿は、まるで駄々っ子のよう。
いつの間にやら炎の拳も翼も、その身体に見られなくなっていた。

「というかお姉さんももう限界だよ。自分の燃費の悪さを痛感したねえ。―――とても良いものを見れたよ、ありがとね、ゲイルちゃん」

ただ、その顔は遊び疲れた子どもの表情に近しい満足感に溢れていた。

「あ、冷めたら起こして、というかおぶってくれないかなあ? いやもう、こんなにハッスルしたの何年ぶりだろ」
539 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/16(火) 21:17:31.31 ID:8hem4bi1o
>>534

「ああ、そうしてくれるととても助かるよ。」

一応程度にそのポケベルのような古ぼけた携帯電話は軍の支給物だ。
壊したりしたら軍部との連絡ができなくなる、それは女にとって大変困ること。
だからこそ、できるだけ早く携帯を返してほしかった。

「あー・・・、不殺主義、ねえ・・・。」

先ほどの少女の殺しを見ている女からすると甚だ信じがたい言葉ではあったが。
殺人という行為に快楽を覚えているわけでもないし、中毒というわけでもなさそうだ。
それであれば、多分殺し屋、金目当ての、であろうか。それとも、猟犬であろうか。

「それにしても、薬の運び屋だから[ピーーー]ってのも珍しいね。
もしかして、俗にいう“マフィア”の手先だったりとか、する?」

あまりこういうことには首を突っ込みたくはなかったのだが。
興味本位というか、好奇心というか。そんなものが少女へと質問をさせていた。
あの殺しの上手さ、そして薬の運び屋の処分・・・、そんなことができるのはマフィアくらいしかないか。
まあ冗談で聞いてみるのであるが。

//すいません、凍結解除願います
540 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/16(火) 21:49:30.29 ID:H2MWL21oo
>>538
「いやおねーさん、火薬って。 何火薬かは知らないけどこの量は洒落になってないと思うって」
「でもまー、容器の壁が厚くて助かったー。 切り飛ばせなかったのは残念だけど、不幸中の幸いだねー」
「あー……取り敢えず吹っ飛ばなくてよかった―」

 分銅の中身が火薬であると聞き、流石に洒落にならないとアリスにツッコミを入れる。
たとえ黒色火薬だったとしても、爆心地周辺には甚大な被害が出るだろう。
それをサラリとやってのけるアリスは、やはり人ではなく"魔女"なのだろうか。

「まー全兵装もだせたし、これ以上特殊な奴は特に無いかなー? うん。 やっぱり百聞は一見にしかずだねー」
「……あー、これがあった。 槍の冷却機構。 まー、オーバーヒート対策の苦肉の策みたいなもんだけどさ」
「ないよりはマシか―。 おねーさん、立てない所悪いけど、ちょっと冷えるから我慢してねー」

 先ほど送還した槍を再び喚び出して、適当に持つ。
すると、穂先と持ち手・石突を除いた部分がカシャリカシャリと開いていき。短冊形の板が多数ついたような姿になる。
そして冷気が周囲に漂い始め、ゲイルを冷やす。

「あー……やっぱりあれって結構負荷掛かるんだ。 まーそうだよね〜。物理法則とか無視してたし、エネルギー消費無いほうが可笑しいし」
「フィードバックとかそう言うのとかもあるだろーし。 」
「っとまー。 おねーさんが満足なら、それで良いんだけどさー。 いやほんと」

 立てないと駄々をこねるアリス。 その顔とあいまって、遊び疲れた子供のように見える。
そのとても満足しているのだろう姿を見ているゲイルは、アリスが満足していることに満足なようだ。
感情の篭もらないいつもの口調で、どこか喜ばしげな様子が見て取れる。

「まーいいよー。できれば、送って欲しいところまでナビゲートしてねー」
「そーしないとおねーさん連れて、寄宿先まで帰ることになっちゃうからさー」
「うちの神父さんに紹介しても悪くはないけどさ―、魔女として教会とかあんま良くないでしょ?」

 あー……人おぶって送るのも二回目だな―。 しかも、願いを言えって言われた時と一緒だしさ―。
とまた独り言を始めるゲイル。その内容はどちらかと言えば愚痴気味だが、アリスの"お願い"はちゃんと聞き入れている。
それはゲイルがお人好しなのかはたまた……。
それをどう取るかは、魔女次第だろう。
541 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/16(火) 22:11:38.28 ID:KigBudQo0
昼でも薄暗い人気の無い路地裏。
こんな場所は無法者やら破落戸やらの吹き溜まりだ。
十数人程度の不良グループのもとへ歩みよる人影。
道着にハチマキ、そしてスカートを着用したポニーテールの少女。
その手には武器の様なものが握られている。
開口一番、少女は尋ねる。

「ここは何処? 答えろゴミ虫共。」

無論不良共は罵声を上げながら少女を取り囲む。

【数分の時が流れ】

地に這いつくばる者が数名。
そして体の一部を丸く抉られた様な死体が数体。
少女が襟首を掴み持ち上げながら最後の一人に言う。

「最初から素直に答えてればよかったのに。まあ、殺すけど。」

その不良は情けない声で助けを求めわめいている。

「誰か助けてくれぇ! こいつは異常だ!」


//絡み街です
//今日は遅くまでいられるとです
542 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/16(火) 22:26:19.08 ID:5uAhz2ck0
>>539

「主義というより、流儀……嗜好……?まぁどれにしても仕事放るほど、じゃないって、こと」

主義と大層に言ったものの、元来の行動動機を曲げる程大きな存在ではない。
当人さえも曖昧にしか理解出来ていない希薄な意志であった。

女性から預かり受け、両手で持っていた携帯電話を左手で抱き抱える。
持ち物の重量から解放されてフリーになった右手で、左腰の小刀の柄を確かめるように幾度か触れる。
片手を自由にしておく事により、どの瞬間に於いても抜ける¥態を常時保っておく。
尤も、電話を抱えている事による重心の不安定さ等の要素から、多少なりの不安は残る。
しかし通報を防いだとは云え完全に信用は出来ないし、警戒心を解く事もしない。
これも、念には念を―――である。

「マフィア……?は、よく知らないけど、多分似たようなの」

女性と話している始末屋たる少女が所属する組織は、一般的に暴力団と呼ばれる分類であった。
ジャパニーズマフィアとも呼称されるらしいが、ジャパンとかいう単語出していいのかわかんない。
普段より裏の世界に跋扈する事もあり、外見では民間人を思わせる運び屋を手に掛ける際も、特に呵責もなかった。

「えっと、薬……詳しいん、だっけ……?祖国から……出回ってる、らしいやつ」

彼女からの質問に一先ず答え終えると、今度は彼女に対して質問を投げる。
先日口を割らせた末端の男が、祖国所以の薬物がこの街に流通しているとの話を聞いたからである。
今回の運び屋が持参している可能性も当初想定していたが―――少なくとも現在は携帯していない筈だ。
十中八九体内に忍ばせているであろうし、もしそのような行為に及んだならば運び屋の少女の体は内側から腐っている。

/申し訳ありません、大変遅れました……
543 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/16(火) 22:27:57.75 ID:PzcmXHw5O
>>541
「なーにしってんの」

赤髪の、学園の制服を着た少女が現れて

「そんくらいにしてあげれば?それとも、そー言う"弱いものいじめ"が楽しく頑丈ちゃう系?」

左人差し指を口元に当てながら、不思議そうな表情をして見つめる

544 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/16(火) 22:45:14.22 ID:SqgRfe580
>>540
「ああ、そっか。『この世界』だと火薬の種類もたくさんあるよね、そうかそうか……ん? あーごめんごめん、でもあたしの知ってる“火薬”じゃあの量でもたかが知れてるって」

なははと頭に手をやって誤魔化し笑い。どうやら『この世界の』火薬の知識については詳しくないらしい。
生物兵器であるゲイルのことはすんなりと理解していたところを見ると、アリスはかなり現代の知識が偏っているようでもある。

「いやほんとほんと。かっこよかったなあ……全くもってきみの身体には“ロマン”が詰まってるねえ」
「お、申し訳ないよ。そんなものまで使ってくれるなんて」

そう謝辞を述べる態度は、反省というよりもやはり興味津々といったところ。
冷却機構と少女に呼ばれた、槍に内蔵されていた冷気を帯びた連なる板。
なるほど。これがオーバーヒート回避の最後の対策か。

「やー、ほんとありがとねえ……派手好きなもんでさ、いつもつい大盤振る舞いして、こうやって立てなくなっちゃうわけよ〜」
「あ、というか“願い”は『ゲイルちゃん』でいいの? こんだけ面倒見てくれてるし、サービスするのにー」

アリスはごほごほと咳き込む。というより、喉奥から流れ出てくる“血”に噎せているのだ。
彼女の魔法の負荷はかなりのもの。身体の弱さを考えると、リスクはかなり大きい。
だが感謝を表したいのか、報酬であった筈の少女の願いが軽度のものであったことを指摘する。
その疲労度から考えて、願いを叶える元気があるとは思えないが、頭で考える分には本気のようだ。

「教会に住んでるのゲイルちゃんっ!? え、行きたい! あたし魔女狩られるのわりと夢なんだよお!」

少女の思いとアリスの思いは一切交差することがないようだ。今度は彼女の仮住まい、教会に興味を見せている。
例え事切れようとも、彼女の世界への興味は尽きることがないのだろう。
アリスは少女の背にしがみつきながら、みっともなさなどそっちのけで、ゲイルに質問を投げかけ続けた。

更けた夜、陽の上りそうもない空に、魔女の笑い声は夜通し響き続けた。


//この辺りで終幕、ですかね?
545 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/16(火) 22:47:28.02 ID:8hem4bi1o
>>542

「ああ、なるほどね!」

主義だろうが流儀だろうが嗜好だろうが、それは彼女の思考を固定させている元となっている。
其れはつまり、少女の仕事に関連でもしているのであろう。
まあそこいらには突っ込まないでおくことにしよう。人の思考ってのは簡単に変わる筈もない。

この女は睡眠薬作って飲ませるとか、劇薬飲ませるとかいう直接的な攻撃しかできない。
しかも身体能力も碌にないときた。つまり、殺しの達人である少女と対峙したら必死である。
だから、無為な戦いは避けたい。携帯を素直に渡したのもそのためで。

「へぇ、似たようなものか。「祖国」の阿呆共はマフィアっていうんだけどな。」

なるほど、と相槌を打つ。おそらくは西洋人ではないのであろう。
マフィアでなくて、それに似たもの。であれば、大方マフィアに近いと思い。
それにしても、こんないたいけな少女が処理屋とは大したものだ、とあらためて思い。

とここで、気になることを耳にする。祖国から出回っているという薬の話。
軍部の情報局から仕入れた情報やら、耳にした噂などを脳内でさぐってみると・・・
うん、あったあった。たぶんこの話だろうな。と確信したうえで。

「うん、なんとなくわかるよ。「阿保の模造品」かな?」

というと、コートの中を探り、モルヒネ誘導体のラベルの小瓶を取り出して。
小瓶を少女に投げて渡す。多分、空いている方の手でキャッチできるだろう。
中身は錠剤。だから触れても大丈夫。・・・、なはずで。

「あの迷惑な模造品は私の国でも広がってる。
そうだね、もともとの物質名は『テゾモルヒネ』・・・、有名なモルヒネの鎮痛効果を数倍にした薬だね。
ただこれは麻薬で依存性がものすんごい高い。だから法規制はすごくきついんだけど・・・」

と、ここで話を切る。次に取り出した小瓶は「テゾモルヒネ模造品」のラベルの小瓶。
中身の粉薬は真っ白く、それこそ錠剤と同じいろではあるのだが。

「こいつは、そのテゾモルヒネを模造して作られた薬。
祖国の阿保共が薬物を快楽目的で作ったのがこいつだね。名前は「クロコダイル」。
摂取すると皮膚が爛れたり、血管破壊やしまいには組織の壊死が生じる。
・・・、といったところだけど、こいつであってるかな?」

なんてあきれたような顔で説明する。
そう、少女の考えた通り内面から破壊されるのである。
だが、この薬剤とは限らない。祖国から出た薬物などいくらでもある筈なのだから。

//ご心配なさらず、此方も遅レスですので!
外面的にも破壊されるが、
546 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/16(火) 22:48:09.94 ID:KigBudQo0
>>543
背後からの呼びかけに少女は鬱陶しそうに首だけ振り向く。
これからイイトコなんだから邪魔するなとでも言いたげに。

そこに居たのは学園の制服を着た赤髪の少女。
道着の少女は問いかけに答えた。

「別に。道を尋ねていただけ。」

そしてにやりと笑いながら不良を掴んでいた手を放す。
不良は後ずさりながらその場から逃げおおせた。
地にうずくまっていたもの達も途端に何かから解放されたかのように一斉に逃げ出す。

――こっちの方が面白そうだ。

「じゃあそうしとく。"弱いもの"は嫌いだし。
 だから今度はアンタに尋ねるよ。」

くるりと赤髪の少女へ向き直り右手の拳鍔を握りしめる。

「ここは何処?」

少女は"強いもの"が好きだ。
自らをより高みへと導く"強き者"が。
547 :【真炎魔女】MP66 [sage]:2016/02/16(火) 22:55:41.83 ID:541pAa0gO
>>546
「ここは何処って聞かれてもー……裏路地?」

少女は困ったような表情で言うと、思考する
すると道着の少女は構えている、それを見るとまた口を開く

「えーっと、私と戦いたいの?……どーしよー……」

今度は腕を組んで考える、暫しそのままで立ち尽くすの、腕を降ろす

「……いいよー、調度退屈してたし、たまには戦ってみるのも面白いかもね」

その両の手からは火の玉が現れる、手の上でそれは漂っている

「お手柔らかにお願いね」

無邪気な笑顔でそれだけ告げて
548 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/16(火) 23:08:05.66 ID:KigBudQo0
>>547
赤髪の少女は少し思案した後、両の手の上に火の玉を浮かべた。
思った通りに彼女は能力者だった。"強き者"だった。
それがわかった瞬間に道着の少女はさも愉し気に笑った。

「知ってる。」

少女は間合いを詰めるべく駆けだした。
見たところ相手は炎を操る様子だがそれがどうした。望むところだ。
何故なら・・・

「アタイは強くなるんだから。」
549 :【真炎魔女】MP61 [sage]:2016/02/16(火) 23:12:44.02 ID:541pAa0gO
>>548
「んじゃとりあえずほいっと」

その両手の火の玉を、道着の少女へと向かって飛ばす

「つーても、実戦は初めてなんだよねー……これとか使えるかな?」

そして、次はまた火の玉を出して、自らの正面にそれを叩き付けて、炎上させる
それはさしずめ炎の壁といったところか
550 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/16(火) 23:16:50.75 ID:5uAhz2ck0
>>545

「んー……多分合ってる、と思う。腐り痕がワニのカワみたいだってゲロしてた」

ゲロしてた―――とは、正確には体に聞いて強制的に吐かせたという意味であるのだが、敢えて言う必要もないだろう。
しかし錠剤型も存在するのであれば、能力の扱い用によっては口腔を通して飲み込めるかもしれない。
そもそも運び屋≠ニしては単独活動だが、金か体でも使って取引すれば、同じく裏の別能力者にコーティングを施される事もできる。
女性から受け取った小瓶を鼻元まで近付けて注視して、何が判明出来るでもないが、その中身をよく見据えてみる。
男から聞き出したのは注射器を通じて体内に注入する液体型であり、其処からの連想とはかけ離れていた。

「これ証拠として借りて―――貰って、いいの?」

別に駄目なら駄目で返すけど、と語尾にそう付け加える。
現場を目撃された時点から警戒を続けていた相手から、薬物の情報を受け取れるとは考えていなかった。
加えて実物を直接目にする機会をこうも容易に設けられたという事についての、別の意味での警戒もあった。
ただプラスに働く情報とは言えど、女性に刃を向けてまで入手すべきという程に重要とは考えていない。
なので答えが否ならその小瓶を返却する気ではいるようである。
そして喩え返答がどちらでも、少女は一端彼女から視線と警戒を外すであろう。

「ん、もうそろそろ帰れるよ。迎えが来たみたいだし」

アスファルトの砂埃を僅かに巻き上げながら、黒塗りのバンが到着する。
運転席のドアから現れたのは、黒い着物を着崩した如何にも帝國人風≠フ男であった。
頭髪半分をドレッドにして後ろで束ね、顔半分に洋彫りのタトゥーを入れている。
目つきの悪い四白眼をギョロつかせる顔貌は、爬虫類を彷彿とさせる。

『ん〜〜〜〜〜……お取り込み中だったかねぇ朱刀流≠諱x

「―――潔癖狂=c…御託はいいから早く始めて」

この男は、当初始末屋が電話していた相手の業者であり、死体の少女と同様に運び屋≠ナあった。
電話の際に始末屋と契約を交わしていた男は、早々に処理をしようと死体に近づいていく。
始末屋は、仕事を始めようとしたその男から視線を外すと、預かっていたポケベルを女性に差し出した。

「はい……返す、ね」
551 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/16(火) 23:18:01.98 ID:eDGvBNlmo
>>515
/>>521でお返事書きました。都合のいい時で大丈夫ですが、念のため。
/ほんとに都合のいい時で大丈夫ですです。
552 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/16(火) 23:26:43.80 ID:KigBudQo0
>>549
赤髪の少女は二つの火の玉を飛ばしてきた。
道着の少女は格闘技に熟練しているため単純な軌道の攻撃であるなら躱すのは容易い。
流れるように回避しつつ接近する。

だが今度は目の前に炎の壁が覆い塞がる。

「あははっ最高!」

少女は横っ飛びにそれを躱し、壁を蹴って三角飛び蹴りを繰り出した。

「アタイは"弱いヤツ"は嫌い。そんで"強いヤツ"が大好き!
 だってソイツを倒せばアタイはもっと強くなれるから!」

少女は生き生きと笑いながら攻撃する。
553 :【炎天機翼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/16(火) 23:32:11.08 ID:H2MWL21oo
>>544
 少なくとも、人と接触しても問題が無いほどにまでは表皮の温度は冷えた。
そのことを確認すると、ゲイルはアリスへと近づきその身を背中に負う。
その背中に身を預けるならば、寒空ので非常に温かいそれは或いは安らぎを覚えるかもしれない。
または、熱病に苦しむ病人を思い出す熱さかも知れないが、それは人による。

「いやまーおねーさんが良いならい良いけどさー。 私としては、立てなくなるのはどーかと思うよ―」
「さっきチラッと見えたけど、口から血を吐くって相当なものだしさ、もうちょっと体に気を使ったほうが良いんじゃない?」
「まー魔女ならそう言うの自分で―……んー魔法の代償が身体の疲弊っぽいから、自力じゃ無理か」

 アリスは先程までと同じように元気よく喋っているが、やはりとても消耗している様子。
背中で咳き込んでしまうアリスに対して、ゲイルは気遣っているのいないのか。 そんな言葉をかける。

「願い思いつかないんだって―。 別に何か強い我欲があるわけでも無いし」
「それにその様子じゃー、"願い"を叶えるためにまた疲弊しそうだしねー。ゲイルって呼んでくれればそれでいいってー」
「でもまーそこまで言うならば……"q!!" 解釈はおねーさんに任せるよー」

 "願い"を叶える。 ゲイルはこれに二回も悩まされている。
特に叶えたい"願い"が無いのだから、無いものを答えるのは非常に難しい。それこそ無から有を生み出すほどに。
だから自分が時折行ういたずら、そしてそれに対する望む反応を自分ですることにした。
それは、"何を望む?"と言う問いに"q!!"と答えられること。 なぜこれが好きかと言われれば、首を捻らざるをえないが。
さてさて、親切な魔女は一体どうやって解釈したものか。

 魔女狩りに会いたいから教会へと連れて行け。とどこかとち狂った要求をアリスは告げる。
しかし今は中世ではなく現代だ。そのような事をしているのは……『教国』ぐらいだろうか。
あの教会の神父が『教国』出身であるならば、アリスの願いも叶うだろうがその可能性は低いだろう。

「んー……それは難しいんじゃないかな―。 あの神父さん、かなりお人好しな優しい人間だし」
「それにそう言えば私勝手に抜けだしてるから、朝まで神父さん起こしたくないし」
「けどまー、取り敢えず教会まで連れてくねー。 そんでそこで朝まで待って、その後はおねーさんが好きにしてい良いんじゃない?」

 そう言い、教会まで歩み始める。その手にはいつの間に回収していたのか、コンビニ袋が揺れる。
ゲイルの雰囲気に似合う、のんびりとした様子で道を進む。 教会につくまでに、魔女と兵器はどれほどの言葉を重ねるのだろうか。


/そうですねーこの辺りが区切りが良いと思います。
/私はこれで〆させて頂きます! 長期間ありがとうございました!!
554 :【真炎魔女】MP53 [sage]:2016/02/16(火) 23:35:11.57 ID:541pAa0gO
>>552
飛んできた三角蹴りを確認した少女は後ろ方向へと跳ぶ

「根っからの格闘家さんって感じねー」

そう呟くと、"このレベルじゃ簡単に対処されるか"等考えて
最早無意味な炎の壁と火の玉は消す

そして

「ギアを上げるよ」

指をパッチンと鳴らす
すると今度は少女の前の、"空間"に現象を起こす
その現象とは、その場所の熱が膨れ上がり……

少女は若干急ぎ気味に後ろへと後退して

「どかん」

その"場所"で起こるのは炎の"爆発"
さしずめ、テレビゲーム等でありがちな、"エクスプロージョン"と名付けるような魔法
555 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/16(火) 23:37:46.15 ID:8hem4bi1o
>>550

「おお、それならこいつであってるね。」

薬物知識に関しては結構詳しい女は特段すごいという風貌も見せず。
ただ、ゲロしてた、ってことは吐かされたんだろうな、とか思い。

「ああ、ちょっと待ってくれる?小瓶を借りるよ。」

というと、中身のテゾモルヒネを「経口摂取」した。
そして、バッグからグラニュー糖を取り出し、別の小瓶へと入れる。
その砂糖に右の人差し指を触れると、錠剤の小瓶を少女へと返して。
小瓶にはデソモルヒネとマジックペンで書いたラベルを貼り付ける。

一見不思議に思えるであろう。
先ほどまで危険性を力説していた薬物を飲んだのであるから。
これには、女の能力も関わっているのだが―

「はい、これは持ってっていいよ!一応、私も予備が欲しかったから一つもらったよ。ごめん。
それから、私はクロコダイルのサンプルは要らないから。これも持ってって。」

とか言うと、テゾモルヒネ模造品のラベルが貼られた小瓶も少女へと寄越す。
こんな模造品、あってたまるか、といった感じで。薬物への軽蔑すら感じる、と。

「おお、こんなバンに乗ってるんだねー・・・。私は専ら電車にしか乗れないし、
そもそも免許持たせてもらえないんだ。事故ったら駄目って。」

なんて、男が乗ってきた黒塗りの番を羨ましそうに見るのである。
実際、運転したことのある車なんて自転車程度しかない。一輪車もあるか。

「おっ、ありがとね。」

なんて受け取ったとたん、ポケベルが鳴動する。
けたたましい音を立てたそれに表示されていたメッセージは。
「シケンヤク タダイマ カンセイセリ シキュウ モドラレヨ キヤクケン」と。
うん、こんなに見られたらまずい内容をこんなタイミングで送りやがるか。

「・・・、いやー、私も早く帰らなきゃならなくなっちゃったな。
互いに忙しいね。処理役の男の人も。やっぱり働かなくちゃいけないよね。」

なんて、めんどくさそうに一つ。
というか、面倒くさいのだ。上官相手にまた一から薬の説明。私は薬局の薬剤師か。
死体の処理を見つつ、少女に歩み寄って、コートの内ポケットから名刺を取り出すと。

「私、ゲーテル・レティーツィアっていうの。勤めは『逆鉤十字の国』の軍隊。とはいっても薬剤研究だけど。
また薬のことで困ったら、ここに電話を寄越して。わかることなら教えられるし、わからない薬でも研究するからさ。」

なんて、微笑みながら言うのである。
全く、寒い月夜の出会いは奇妙なものだ。うう、寒い・・・
あったかい研究所へと戻ろうかな。と踵を返すようにして路地を向くと。

「また、どこかで会おうよ。」

と、一つ言い残していった。
多分、ポケベルのメッセージは見られていないものだと信じて。
556 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/16(火) 23:58:34.58 ID:KigBudQo0
>>554
赤髪の少女は後方へ飛び退き蹴りを躱す。
着地し次の攻撃の構えに入ろうとした時だった。
目の前で熱の塊が膨れ上がっていくのを感じた。
危険を察した少女は咄嗟に右側へ受け身を取りながら転がる。

次の瞬間その場に炎の爆発が起きた。

衝撃の余波で軽く壁に叩きつけられる。

「うぐっ!」

だが痛みなどそっちのけで少女は起き上がる。

「あハっ!」

ずくんと一つの衝動が呼びかける。

『身を委ねろ』

駄目。まだ駄目。もったいない、今ここで理性を捨ててしまうのは。

「はははっ!凄いわ。流石は炎使いって感じ。」

相手の攻撃に注意を向けつつ身を低くして再度突進。
今度は右手の拳鍔で下から捻りこむ様に殴打を試みる。

【命中した場合】
【重力固定を使用】
【狂化状態でないため弱体化】
【対象に掛かる重力負荷が二倍になるだろう】
557 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/16(火) 23:58:48.47 ID:5uAhz2ck0
>>555

「う、うん……ありがと……」

返事途中で口から劇薬とされる錠剤を摂取している光景を見て、やや目を見開いて驚きを表す。
小瓶を受け取って礼の言葉を言いつつも、動揺を見せ―――というか内心では引いていた。
恐らくは彼女自身がそういう能力或いは体質なのか、それとも両方か、何れかなのであろうが。
それを察しつつも視線が相当泳いでいて、落ち着かない様子であった。

女性から名刺を受け取ると、何かを思い出した始末屋は自分の上着ポケットを探りながら、探し物を始める。
やがてズボンの裏ポケットに手を突っ込んで、見つけ出した一枚の名刺を取り出す。
中央に『朽瀬 杏希』と書かれた紙には、所属する暴力団事務所や連絡先の番号が記入されていた。

「アキって読む。クチトセ、アキ。なんか、依頼……あったなら、この番号かけて……」

今夜、彼女に現場を目撃されてからは脅迫然とした行為しかしていない。
捜索していた薬物関連の情報を入手し、想定外の収穫を得られたので僥倖であった。
特にこの場で金銭を払う分もないので、礼代わりはこの程度しかできないのだが。

「うん……また、どっかで……」

ポケベルの鳴動後に去ろうとする彼女に対して、それだけ云って手を振るのだった。

潔癖狂≠ェ死体に右手を当てると、死体はバキボキと耳障りな不快音を上げて変形しながら右手に飲み込まれた。
広がっていた血溜まりも吸い取られていき、細胞も繊維も総て隠滅されたのであった。

『ん〜〜〜〜〜……仕事は終わりだ。乗っていくか始末屋ァ?』

「――――――いい。走った方が早い」

始末屋は呟いて、女性から受け取った名刺を上着内側にしまい、地面を強く蹴り飛ばして去っていくのであった。

/こんな感じで〆ですかね?
558 :【真炎魔女】MP44 [sage]:2016/02/17(水) 00:08:34.08 ID:kOUyWJNhO
>>556
「炎使い……まあそれでいっかー」
等と言ってから
「見た感じ格闘家だし、これいいかも」

指を鳴らす今度の魔法は、身体に炎を纏わせた
そのまま殴らせる=炎に触れさせる
そう言う算段で、敢えて、その拳を、右腕で"受けた"

しかし、それは彼女のミスであった
彼女の身体の体重は普段40キロだから80キロになり、重い

「しまった!重力使いだったのね……やばい!」

身体の異変に焦る
559 :【精鴉癒薬】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/17(水) 00:09:22.34 ID:WTDIh/f+0
>>557

//そうですね、ありがとうございました!
//楽しかったです、機会がありましたらまた!
560 :【逸軌刀閃】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/17(水) 00:11:35.10 ID:9xxIkh/o0
>>559
/絡みありがとうございました!自分も楽しかったです!
561 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 00:21:52.87 ID:XpJvW9mD0
>>558
拳鍔による殴打が命中する直前。
赤髪の少女は身体に炎を纏わせて右腕で攻撃を"受けた"。
瞬間。危険を察知するが少女は回避よりも攻撃を優先させた。
無論、右手に軽度の火傷を受けるも殴打は命中。

少女の持つ"能力"が発動し赤髪の少女への重力負荷が倍増した。

「炎を纏うとか反則じゃない?」

惑う少女の胴体目がけダメージ覚悟で左回し蹴りを繰り出す。

【命中するにしろ避けられるにしろ】

「アタイは"これ"しか攻撃手段がないっての」
562 :【真炎魔女】MP34 [sage]:2016/02/17(水) 00:28:56.33 ID:kOUyWJNhO
>>561
そのまま回し蹴りを受けて、ぶっ飛ぶ、壁にぶつかる少女

ずるずると、地面に尻餅ついて

「いった〜…………えー?反則?わかった……解除する……」

しゅんとして、炎を消します、こう言うところ、純粋な人は辛い

「んじゃさ、今度はMPを、10使うよ」

いきなり意味不明な事を言う

その魔法は、火の鳥を召喚すると、火の鳥は炎の羽根を大量に撒き散らして何処かに飛んでいく、そしてどっかで消えたと思う

その羽根は不規則にフィールドに降り注ぎ……羽根が地面に到着すると、それが発火点となり
フィールドにランダムに複数の、柱くらいの太さの火柱が次々と上がる!

少女はその間に立ち上がってお尻をぱんぱんとするけど、足が震えてる
563 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 00:58:17.98 ID:XpJvW9mD0
>>562
蹴りは見事命中し赤髪少女を吹っ飛ばす。
同時に炎によって蹴りに使った左脚には軽くはない程度の火傷を負った。
少なくとも通常時なら多少歩行に支障をきたす程度には。

「熱ちち。痕が残ったらどうしよ。」

意味の分からない事を呟いたかと思うと、突如として火の鳥が出現する。
だがそれ自体は攻撃を仕掛けることもなく何処かへ消えていった。

数瞬、キョウコは呆気にとられた。
しかし嫌な予感がした。
火の鳥が残していったものは大量の羽根。
ゆっくりと不規則に舞い降りるそれは地面に到達すると同時に炎の柱を作り出す。

危機を覚った時にはやや手遅れであった。
直撃は免れるも左半身を炙られた。
普通なら痛みで失神しても可笑しくない。

火柱の雨が降りしきった後に立ち尽くす少女の影。
何か陽炎の様に黒いものが揺らめくのを視認できるかもしれない。
そうそれは例えばオーラの様なもの。

「アつイ・・・痛イ・・・」

少女は呟く。

「この状態になると暫くは自我が無クなるかラ嫌なんダけどな・・・」

少しだけ残念そうな表情を浮かべたかと思うと、突如として笑い出した。

「あハ・・・アはハハハ」

どす黒い狂気が少女の理性を染め上げていく。
痛みも何もかも忘れて動ける様に。
564 :【真炎魔女】MP17 [sage]:2016/02/17(水) 01:07:15.07 ID:kOUyWJNhO
>>563
火の鳥の魔法を使った後、満足そうにその現象を眺めていたが、キョウコの変貌に気付く

「あ、あれ?どーしたの……?」

彼女の様子が明らかにおかしい

「えっと〜……これは…………所謂暴走って奴?………」

そう呟くと、焦る

「やっばー!!どーしよ!?残りMP34しかない!!」

彼女は焦った、この戦いも、言わば"暇つぶし"もとい、"楽しむ"為に始めたからだ
相手の暴走……となると、殺されかねない
更に……残っMP34と言うのも焦る原因
もし、このMPを使いきっても彼女を"気絶"させることができなければ……"殺してしまう"可能性も

「[ピーーー]のも、殺されるのもやだ、残り34でなんとかしないと……」

そう言うと、指を鳴らす、少女の傍らに現れたのは、炎の龍

その龍は高さ3メートルはあるかもしれない、そいつの口は何かエネルギーをためている

「……"それ"は、直撃させたらだめだからね」

龍に言う、攻撃はまだ発動しない

//ここらで凍結しても大丈夫でしょうか?
565 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 01:12:51.62 ID:XpJvW9mD0
>>564
//凍結了解です
//明日は18時から21時頃まででお相手できます
566 :【真炎魔女】MP17 [sage]:2016/02/17(水) 01:13:45.29 ID:kOUyWJNhO
>>565
//了解です!私も18時からいけますのでまたよろしくです
567 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 01:46:11.90 ID:XpJvW9mD0
>>564
赤髪の少女の焦りも思案も最早キョウコには聞こえていない。
其れは飢えた獣の様に目の前の獲物を殺すことだけしか考えていなかった。
遊び半分にちょっかいを出して蛇が出たとでも言おうか。
狂化状態は理性と格闘技術を引き換えに人間の限界までの身体能力を引き出す。

炎の龍が出現し、何らかのエネルギーを溜め始めた前後。
アスファルトの地面を蹴り砕き、凄まじい勢いで間合いを"殺す"。

大振りに拳鍔で殴りつけたのは赤髪少女自身ではなくその1〜2m程度手前の地面。

【重力崩壊】

がきん、と金属音を立てて拳鍔がぶつかる。
刹那。周囲の空間がびりびりと歪み始める。
此れはまだ前兆に過ぎないが後数秒もすれば打撃を打ち込んだ座標を中心に、
半径5m圏内の全てを空間諸共超重力が圧潰するだろう。
直ぐに逃げれば間に合うだろうがもしも逃げ遅れれば跡形もなく押しつぶされる。
無論それはキョウコ自身にも言えること。
だが理性を失おうとも自らの生命を守る程度の考えは獣にでさえあるもの。
後方へと数m飛び上がり圧潰圏から抜け出す。
そして着地と同時に深く姿勢を落とし構える。

獲物がこの攻撃から逃れたとしても追撃出来るようにと。
568 :【真炎魔女】MP10 [sage]:2016/02/17(水) 17:20:29.82 ID:kOUyWJNhO
>>567
まったく、暇つぶしで殺されかねないのは割に合わない
少女が真正面にやってきた瞬間である、ぞくりと背中に寒気が走る
咄嗟に両手から、炎をジェット噴射させる
その反動で離れると、その場で起こった現象にぎょっとする
地面にクレーターが出来てるんじゃないか?

「全く……これは割にあわないっての……ブレイズストリーム(龍の息吹き)はまだ……もう!のろま!!」

炎の龍はまだエネルギーを溜めている
ここら辺、自分が炎使いで良かったと思った
そう、この龍は炎でできており、重力で破壊されることはないから
0kgを何倍にしても0kgなんだから……まぁ、重くするのでなくて軽くするのなら形は崩せるが

(理性が無いしそんな頭回らないよね、つーか元々の状態でも知らなさそう)

等と若干失礼な事を考えてる
そこで、何故か少女はあることを思い付く

「こんな戦い、私に得が無さすぎるし、私勝ったらあんた私の僕になってね!」

突拍子も無くこんなことを言って、火の玉を二つまた、暴走した少女に放つ
569 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 18:18:12.30 ID:XpJvW9mD0
>>568
相手もまた重力崩壊の圏内から逃れた様だ。
先程彼女達の居た場所にはスプーンで掬い取ったかのような大穴が残されていた。

炎の龍は重力によって破壊されることはなかった様で今だ力を溜めている。

赤髪の少女は何とも理不尽な物言いで炎を飛ばしてくるが、
今のキョウコには何を言われているのかさえ理解できていない。

獣の様な唸り声を上げながら再度突進。
壁から壁へと飛び移る様に炎の弾を躱しつつ接近。
今度は赤髪少女本人に向かって拳鍔を振るう。

【仮に攻撃が命中したとして】

重力崩壊は打撃が成立したその座標を中心に発動する為、
その場から離れさえすれば躱すことができるだろう。
570 :【真炎魔女】MP0 [sage]:2016/02/17(水) 18:33:01.61 ID:kOUyWJNhO
>>569
(だめ……!!反応できない…………!!!)

そのまま殴られ、後方に大きく吹き飛ばされる
そして、後ろの壁に打ち付けられ、前のめりに倒れて、意識も朦朧としてきた

「ここまで……かぁ……」

だめだ、もう身体を動かせそうにない
魔法使いのような能力の少女、体力はそこまで高くない

「でも……ただやられてただけじゃ……無いけどね……!」

視界は霞む、意識も、気を抜いたらもう落ちそうだ
しかし、少女の後方の炎の龍の口のエネルギーは眩い深紅の光に輝いてる
準備はやっと終わった

「……ブレイズ……ストリーム」

そして、その龍の口のエネルギーから放たれるのは炎の、レーザービーム
その一撃はMPを17消費して作られた、最後の切り札を除くと最高レベルの威力が有る、戦車を破壊出来そうなものである

ついでに、逃げられないよう、彼女はもうひとつ、残りのMPを使いきって魔法を起こす
暴走した少女の周囲を囲むように火柱を発生させた

そして、龍のレーザービームは"直接少女を狙わない"
狙うのは"少女の少し側面"、これで十分だ、というより殺したくないのだから、当てる訳にはいかない
なぜならそのレーザービームは着弾すると、半球のドームのような形状にに炸裂する
着弾時の衝撃波と、ドーム状に広がった時の衝撃波、Wで襲い掛かる

(これで決まらなかったら……)

いや、決まって、決まらなかった時の事は考えたくもない
と言う、願い


571 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 18:50:05.25 ID:XpJvW9mD0
>>570
攻撃は命中し、圧潰には巻き込めなかったものの相手も限界の様子。
だがしかし最後の力というやつだろう。
炎の龍が力を溜め終えた様だ。
そして火柱が少女を取り囲むように退路を断つ。

閃光。

それは直接少女を狙ったものではなかった。
真横に着弾し、爆炎を巻き起こす。

暴走少女はその衝撃で吹き飛ばされ壁に叩きつけられずり落ちる。

「うぐア・・・ア」

もがき動こうとするも身体の方が限界を迎えた様で身動きがとれない。
いかに狂化で痛みを感じなくてもこれではどうしようもない。

やがて意識の方も限界を迎えたかがくりと項垂れた。
暫くの間は目を覚ましそうにないだろう。

この後どうするかは赤髪の少女次第だが。
572 :【真炎魔女】MP0 [sage]:2016/02/17(水) 18:57:45.11 ID:ds4K/8MLO
>>571
「やった……」
少女はその様子を見て内心喜ぶ
そして、家に電話する

「……向かえ……GPSたどれ……二人……」

そう言って、電話を落としてガクッと意識は無くなる

(……ぼっちの友達一人目になってもらうよ)

なんて想いながら、眠りについて

【場面代わってとある豪邸、龍神宅】

そもそも龍神なんて名前からして普通の家じゃない
実は大企業の社長の娘であった少女

「目は覚めたかなー」

頭に包帯巻いたりして痛々しい状態の赤髪の少女が、ベッドで眠るキョウコさんを見つめてる
573 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 19:08:55.43 ID:XpJvW9mD0
>>572
目を覚ますとそこは見知らぬベッドの上。病院ではない。
狂化してからの記憶が一切ない為戸惑うが、
やってきた赤髪少女の姿を見て事を察する。

「・・・アタイは負けたのか」

赤髪少女へ顔を向けて言う。

「アンタはアタイをどうする気さ?」

少なくともあの場で数人殺しているのを見られてしまっている。
警察に突き出されるかそれとももっと悪いか。
574 :【真炎魔女】MP0 [sage]:2016/02/17(水) 19:15:47.20 ID:ds4K/8MLO
>>573
「別にそんなことしないよ」

少女はにっこり笑顔になり、指を指す

「あんた、私の僕ね!」

いきなりのこの台詞

「私、戦ってる中で言ったよね、私が勝ったらあんたは私の僕って」

意識覚えてないキョウコにな
そして自分を指差して

「んで、私が勝ったわけ」

ぶっとゃけ両方意識飛んだから引き分けみたいなもんだけどな

「だからこれは確定事項ね、あ、私は龍神ほむらって言うの、よろしく」

ウィンクして手を差し出す、握手したいのだろう
575 :【頽廃魔女】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/17(水) 19:23:38.73 ID:17QdAi6d0
>>553
//すみません見落としてました……こちらこそありがとうございました!
576 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 19:32:28.37 ID:XpJvW9mD0
>>574

「覚えてない、そんな約束」

差し出される手のひら。
嘗ての彼女ならば喜んでそれをとっていただろう。
だが・・・

「駄目。それはできない。"アタシ"はもう人殺しだから。」

彼女は変わってしまったのだその能力を手にした時から。

キョウコはその手を取ることを拒絶した。
577 :【真炎魔女】MP0 [sage]:2016/02/17(水) 19:39:35.80 ID:ds4K/8MLO
>>576
「むーーー……がたがたと抜かすなーーー」

叫ぶ少女、頭にチョップを繰り出して、傷に触り痛がる

「人殺し?まあそこは…………辞めてもらわらいとね」

ため息をして、じっと睨む

「私友達とか居ないんだよねー、せっかくの縁だし私が更正させたる」

等と尊大な態度で言い放ち

「何より断られたらほむほむ親衛隊作って脱ぼっちの私の計画がパーじゃん!!」

自分勝手な事をひたすらに言う
578 :【重震偏異】 ◆xeoueDQEVA [sage saga]:2016/02/17(水) 19:56:54.55 ID:XpJvW9mD0
>>577
赤髪少女とのやり取りに少しだけ嘗ての暖かな心の名残が蘇った様な気がした。
だがもう後戻りはできないのだ。

コツン、コツンと軽く壁を叩く。

【弱化重力崩壊】

半径50cmくらいの球状に壁の一部が何ヶ所かくりぬかれる。
そしてベッドの脇に置かれていた震月を手に取り起き上がる。
動いていい傷でもなかろうに、多分半分くらい狂化しているのかもしれない。

「悪いけどアンタの友達にはなれない。
 けど・・・アンタのことは嫌いじゃない。
 また何処かで会ったら闘ったげる。」

そしてベッドを抜け出し壁の外へと駆けだした。

「・・・ごめんね。」

その表情は少しだけ嘗ての少女の面影を残していた。


//申し訳ないです、キャラ設定的に友好関係にはなれんとです
//ここらで〆させて下さい絡みありがとうございました!お疲れ様です!
579 :【真炎魔女】MP0 [sage]:2016/02/17(水) 20:02:57.80 ID:ds4K/8MLO
>>578
部屋の中から走り去る少女を見つめて

「……そっか、残念」

小さな、本当に小さな声で呟いた
その姿はどこか寂しそうでもあった

//お疲れ様、絡みありがとうです!楽しかったですよー
580 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/17(水) 22:48:56.90 ID:waZ76nNho
>>515
/一応本日も。
/>>521でお返事しておりますー。
581 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/18(木) 22:21:26.01 ID:wlczcfyJ0
時刻は白昼、地理的には学園の付近、とある河川敷にて乾いた銃声が鳴り響いた。

「あーん!全っ然ですねぇ……もー……」

その少女は橋下の砂利上に立ち、自動式拳銃を片手に、弾倉に鉛弾を込め直していた。
茶髪桜眼、着用するパーカーにあるウサ耳型の装飾の着いたフードを被った小柄な少女であった。
コンクリート製の橋脚にはカラースプレーで的を模した丸型が描かれており、硝煙の匂いを漂わせる。
五メートル程度離れた位置から少女によって放たれた鉛弾は、その枠外に減り込んでいた。

半歩前進、一秒と満たず三度の銃撃が撃ち放たれる。―――が、枠内に命中したのは僅か一発であった。
実弾による満足な発砲経験も、空気抵抗による弾道のズレの計算知識も、反動に耐え得る腕の膂力もない。
射撃訓練の一つも受けていない常人≠ェ試せば精々こんな精度と云う事である。
むしろ一発でも入っただけ僥倖と云うべきだが、当の彼女は不服気というか興を削がれた様子であった。

「……ったく――――超絶的につまんない」

元々より射撃練習ではなく暇潰し感覚だったので、思い通りにならず飽きると拳銃を仕舞い込む。
昼下がりでも依然と肌寒い風に吹かれながら、つまんなさそうに購買の牛乳を飲んで黄昏ていたのだった。
582 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/18(木) 23:23:52.74 ID:LOjTVI2f0
>>581
天然パーマの青髪を持つ青年、――嘉瀬水那月は、橋下の人間の存在に気づくことなく、その橋を渡っていた。
目的地は川向こうの学園。彼はそこの生徒のひとりであり、出席日数の不足により否が応でもと学園側から呼び出されたのである。
正直、気乗りは全くもってしなかった。それは彼が登校しようとしている時間が、現在の真昼間であることからも伺える。
成績に問題はない。筆記にも実技にも及第点を貰っている。
単位の計算もしっかり管理をしていた。だが、出席日数に関して失念していたのだ。
言ってしまえば自業自得なのだが、やはり授業も受ける必要がないのに校舎へと赴かなければならないのが、どうしても気に食わない。

「でも、のこのこ帰ったらまた怒られるからなあ」

彼女の叱り方は酷く丁寧で、尚且自分を思う気持ちがひしひしと伝わってくる。反論の余地はどこにもない。
したがって、ミナヅキは家を出ることを余儀なくされた。
惰性のまま、先に見える校舎に歩を進めると―――白昼の発砲音。

「下か……!」

架橋から反響するように聞こえたそれを頼りに、迂回しようか―――いや面倒だ。このまま飛び降りてしまえ。
青年はその場で橋の手すりに脚をかけ、その身を落とした。後ろから通行人の叫声も聞こえたが、どうでもいい。
―――なにか面白いことがあるのでは。彼は学生きっての野次馬根性の持ち主だったのだ。他人の目線のあれこれなど、感じ入る暇などないほどの。

地に着くやいなやごろりと受身をとりつつ、辺りを見回すと。
真っ先に目に入ったのはストローを咥えたパーカーの少女。
先程の発砲音に関わりがありそうには、青年には見えなかった。

「あ、あー……こんにちはー?」

彼女と視線が合えば、ミナヅキはそんなふうにぎこちない苦笑と挨拶を投げかけることだろう。


/まだいらっしゃいましたら
583 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/18(木) 23:50:57.82 ID:wlczcfyJ0
>>582

およその人間が有している聴力≠ニいう感覚は、彼女にとって高性能レーダーであった。
射撃遊びをしている最中、橋上を一名の人間が歩いている事自体は察知していた。
ただ暇潰し目的でやっている戯れを、一々見ず知らずの他人を気にして中断したくなかったという理由。
何よりも奪取した訳でもない自分の所有する拳銃を、倒壊するとも思えない橋脚に対し撃っただけだ。
身の丈程ある得物を持ち歩いてる者もいるし、人を殺傷し得る能力を持つ者も大勢いる。
そんな街で銃刀法違反で警察沙汰にはならないだろう―――と気楽に考えていたのだ。

そして4発の発砲を終えて仕舞うと―――橋上に居た人間の足音の強さと間隔が変化した事を聴き℃謔驕B
一体何事かな、と一瞬だけ思うも大して気にも留めず、場所を移ろうかなと振り向いた。
丁度その時、橋上から舞い降りる一体の人影が視界に入ったのであった。

「WAOH!」

確かにたった今目の前で、メートル単位の橋上から跳躍して現れた彼を好奇の目で見る。
警察らしい恰好もしていない彼を直観的に、面白そう、と思った。
退屈凌ぎには十分かなと、余所行きの笑顔を表情として貼り付けて話しかける。

「こんにちはー、ねぇねぇお兄さん、何しようとしてたんですか?自殺失敗?」
584 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/19(金) 00:03:50.96 ID:Nc9Z1/CB0
>>582
/すみません、始まって早々なのですが凍結よろしいでしょうか…?
/不都合でしたら忌憚なく切ってしまって下さい
585 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/19(金) 00:13:09.58 ID:2DtiQsYl0
>>583
欧風な驚嘆の声を浴び、ミナヅキは好奇の視線に身構える。
こちらにも聞きたいことはあるのだが、相手から問われた以上答えるしかない。
受身の際にダッフルコートに着いた枯葉を払いながら、彼は答える。

「死ぬならあっちの川に落ちるよ、ここじゃ痛いし。……ああ、丁度いいや。今さっきこのあたりから銃を撃ったみたいな大きい音が聞こえたんだけど、何か知ってる?」

荒れた髪をさらにくしゃくしゃにかき混ぜながら、ミナヅキはバツが悪そうに質問を返した。
自分の聴覚に自信が無くなってきたのだ。意気揚々と飛び降りた結果、居たのはこの少女のみ。
しかも妙な興味を与えてしまったらしく、どうにも居心地が悪い。
あれだけ行きたくなかった学園に、今は早く退避したい気持ちでいっぱいだ。
586 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/19(金) 00:13:54.76 ID:2DtiQsYl0
>>584
/了解です。>>583を置きレスとしますのでまたご返信ください
/お疲れ様でした!
587 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/19(金) 00:14:15.13 ID:2DtiQsYl0
>>583×
>>585
588 :【神殺対槍】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/19(金) 00:32:14.24 ID:PXHD1ewgO
殺人という行為は如何なる理由があろうとも決して許されるものではない。
それは法が許さないから、というレベルの話ではなく、もっと根源的に人間の倫理という観点での話。
ましてやそれが赤の他人の命を奪うということであれば、加害者の胸に生じる感情はいったい何なのか。
彼女の場合、それは―――憐憫と贖罪の思いだった。


「…………ごめんなさい」

突き放たれた二本の槍が、既に瀕死だった男性の咽喉と心臓を同時に穿つ。
悲鳴にすらならない、くぐもった水音が彼の喉から零れるのを最後に、その身体は地面へと崩れ落ちて。

街の騒々しいネオンの光も、静かな月の光も届かない、どこかの路地裏にて。
自らが命を奪った、その亡骸を見下ろしながら―――彼女は憂いを帯びた表情を浮かべていた。
闇の中にくっきりと浮かび上がる、純白の長髪に雪のような肌、そしてそれを覆い隠す黒の外套。
両手に携えた二本の槍の穂先からは、まだ生温かい鮮血がぽたり、ぽたりと地面に垂れる。

殺されたこの男に、何か殺されるような理由があった訳ではない。
たまたま路地裏を歩いていたから、たまたま私と出逢ってしまったから。だから殺された、殺してしまった。
それが彼女には哀れで仕方なくて、同時に己の罪の重さに押し潰されそうになって。
だから、謝るのだった。決して届かぬ謝罪が、この陰鬱な空気を少しでも変えてくれるかも知れないから。

「……ごめんなさい、本当に、ごめんなさいね……」

彼女の囁くような言葉が、夜風に流れて、そして消えていく。
何時もよりも増して、肌寒い夜のことだった。

/時間が時間なので置きになると思いますが、絡み待ちです……!
589 :【罪刑砲挺】 [sage]:2016/02/19(金) 01:02:40.61 ID:3wO9YMguO
>>588
/まだ起きていらっしゃいますか……?
590 :【神殺対槍】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/19(金) 01:05:24.87 ID:PXHD1ewgO
>>589
/一応います……!
591 :【罪刑砲挺】 ◆0rQkGMx.b.FQ [sage saga]:2016/02/19(金) 01:28:51.79 ID:3wO9YMguO
>>588

正義と名付けられた規範は、然し同時に悪の存在によって定義付けられるのは自明である。
禁忌たる暗黒の不義として決定付けられた悪≠ェ在るからして、凡ゆる知性の手によって断行されるべき正義≠烽ワた浮き彫りになる。
されど果たして、その不動を裏付ける存在は何となるのだろう。イヴを産んだアダムの創造者であるヤハウェの存在証明。
光の射さぬ路地裏には、闇のみが玲瓏かつ公平に充ち満ちていた。ならば、それは闇と呼べるのか。

「――――斬り捨て御免≠カゃあ、許されない罪もあるのよね」

暗黒に消えんとしたその囁きを、掻き消す声があった。歳若いとは呼び難い、三十路手前ほどの女の声だった。
紺碧色の警官服を纏った彼女は、丁度女の後ろに立ち尽くしていた。一つ彼女は、無感動に溜息を吐く。
その肩には一つの紋章が背負われていた。金色の剣と盾を組み合わせた、凡ゆる不義の反駁を許さぬ首吊り≠フ証明。
闇夜の中に光が産まれた。よって闇は定義付けられた。悪はここに産まれた。ならば悪は消し去られるのが道理であった。

「……まぁ、事情を知らないあたしがとやかく言える台詞じゃあ、ないのだけれども」

「お話を伺わせてもらいましょうか。……理由によっては、あたしは貴女を殺人の現行犯で逮捕することになる」

裏付けなど必要ではない。彼女が悪とすればそれは悪。であれば、然るべき罪を下すことに異存はない。あってはならない。
彼女は警帽を目深に被り直す。蒼く鋭利な眼光が、黒い縁の眼鏡を通して女へと投げかけられた。
592 :【神殺対槍】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/19(金) 01:56:04.08 ID:HDi++lQLo
>>591

音も、姿も、存在も、全てが溶け込むような闇の中、その調和の中に現れた不純物。
毅然と輝く首狩りの紋章、その意味を彼女は知らなかったが、けれども知識が存在せずとも理解できることもある。
決して相容れないものというのは、臭いで判る。私が罪を背負うものなら、彼女は罪を裁くもの。
黒衣が揺らめいて、古びたエンブレムが陽炎のようにちらつく。それはかつて悪逆の限りを尽くした“神殺”の証。
やはりその意味すらも彼女は知らなかったが―――意味を知らずとも、何をするべきかは理解できる。


「……弁明するつもりはありません。赦しを乞いもしません」

「私が殺しました。憐れな彼を、可哀想な彼を、何度も何度も、この槍で刺しました―――」

その鋭利な眼光が、眩しくて。その言葉に秘められた正義が、輝かしくて。
ただ、顔を曇らせて、己が罪を述べる。まるで贖罪を請うように、救いを求めるかのように。
しかし、所詮は言葉に過ぎない。特にある種の歪みを抱える彼女の場合、行動が全てを語る。
ギリ、ギリ、ギリ、と、掠れた音が鳴り響く。コンクリートの舗装を、槍の矛先が擦れる音。

「きっと、貴女は私を赦しはしないでしょう。そしていつかこの身は、煉獄で焼かれるのでしょう」

「……ごめんなさい、貴女に会ってしまって。ごめんなさい、こうすることしかできなくて―――」

そして―――その矛先が、彼女へと向けられた。その視線が、彼女へと向けられた。
私は、こうすることしかできない。こうすることしかできない。
それが罪だと知っている。それが許されないと知っている。
だから、せめて―――謝ることだけでも。言葉が意味を成さないことも、知っているのに。
593 :【罪刑砲挺】 ◆0rQkGMx.b.FQ [sage saga]:2016/02/19(金) 02:32:54.92 ID:3wO9YMguO
>>592

「……そんな事実、見れば分かるわ。あたしが問いたいのは、何故貴女がそうしたか=v
「或いは、そうせざるを得なかった≠ゥ」

慚愧の念を吐露する女に対して、婦警は冷淡極まる態度で返答した。まるで憤怒の感じられない声色だった。
されど、尚も彼女の眦は蒼く鋭い。撃ち放たれた眼光に迷走はない。涙に曇る女の瞳に、ただ問いかけるのみ。
無論女の纏う古びた外套には、確かに嘗ての大悪が掲げし紋章があった。だが婦警にとって、それにさしたる価値はない。
婦警が知るべき事実はそこにない。彼女が求めている結論は、女の背負う罪≠ヘ罪≠ニ呼べるか否か。

「場合に因る、かしらね。善悪の判断は付いているようだから、心神喪失とまでは行かないとしても――」「――精神耗弱と認定されれば、貴女の罪は軽くなることでしょう」
「或いは貴女の供述と事実関係に齟齬が存在し、貴女の行為が正当防衛であるとされたなら、貴女に罪はないことにもなり得る」

神へ懺悔する哀れな信徒のような目線で女は婦警を見つめたが、しかし彼女の告解に対してすらも、婦警は極めて事務的に返答した。
婦警は確かにD.O.T.A.の隊員であった。だが彼女は、己の手によって凡ゆる罪に対する判決を下すほど傲慢ではなかった。
依って女の罪は法廷にて裁かれるべきであると、婦警は判断した。元より、婦警はそういった考えの女だった。
半ば睨むような目付きを以ってして、婦警は女へと沈黙のうちに語った。赦されるか赦されぬかは例え加害者自身が望もうとも、一個人の裁量で決定付けられることはないと。

「……だけどその槍、降ろして貰えないかしら。公務執行妨害の余罪を付けるのは、あたしとしても本望じゃないわ」
「――ともかく、署まで御同行願います=B重要参考人か、被疑者かは別としてね」

されど向けられた槍に対して、婦警はあからさまな不快さを示した。その行いのみを彼女は咎めた。
婦警は警察手帳を片手で取り出し、女へと突き付ける。同じくして女の槍へと応じるように、腰のホルスターに提げた一挺のリボルバー・キャノンを引き抜く。
回転式拳銃の最高峰、トーラス・レイジングブルのモデル500。女へと向けられた銃口もまた、婦警の眼光と同質であった。
594 :【神殺対槍】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/19(金) 03:05:01.62 ID:HDi++lQLo
>>593
「それは……きっと、“そうした”のでしょう。“そうせざるを得なかった”のかも知れないけれども」

「それは、私が主張してはいけないこと。この槍を彼に突き立てたのは……他ならない、私だから……」

彼女の言葉は合理的で、そして正しい。破綻を抱え、間違いだらけの私とは対象的。
そう、始めから破綻しているのだ。この言葉は行動に結びつかず、その真意は言語化すらままならない。
故に、その矛先は下げられることがなく、彼女は懇願するように謝罪を繰り返すのだった。
ごめんなさい、ごめんなさい、赦されないことなのに。これまでも、これからも、そして今からも。

「貴女は、正しい人……そして、正義の人。それはとても綺麗です……」

「……ごめんなさい。私はこれしか知りません。こうすることしかできません」


「…………だから、どうか、その銃を決して下ろさないで…………」

精神、生い立ち、境遇、病、どんな理由があろうとも。この罪を赦さないのは、他ならぬ自分自身。
それは、結局は自らの為に罪を重ね続けることを止めなかった、この穢らわしい本性を知っているから。
きっと赦されない、赦されてはいけない、だから、せめて。

せめて、続けよう。
いつか裁きを受けるその瞬間まで。例えそれが彼女によって齎されるものだとしても。
生まれながらに人は善悪が決まっているのだとしから。きっと私は生まれながらに罪を背負っていた。
人を殺めることでしか、何かを知り得る術を見出せなかったから。それを悔やみながら、結局は断ち切れなかったから。
悪逆の紋章が揺らめく。悪を成せと嘲笑う。そして彼女は―――その声に従うしかない。


夜風が、路地裏を吹き抜けて、彼女の黒衣が靡き―――次の瞬間。
二人の距離が殆ど一瞬で間合いが詰まる。地面を強く踏み、その右手に構えられた槍が突き出される。
銃口を向ける彼女の、その喉首を狙って。絶命に到らしめる一撃を、放たんと。

/すいません、眠気が限界なので凍結お願いしてもよいでしょうか……都合が悪ければ破棄してもらって構わないので……!
595 :【罪刑砲挺】 ◆0rQkGMx.b.FQ [sage]:2016/02/19(金) 08:36:45.50 ID:4jh82c9J0
>>594
/ごめんなさい寝落ちしてました……こちらこそ、よよしければ凍結お願いします
596 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/19(金) 20:57:08.30 ID:Nc9Z1/CB0
>>585

「今さっきこのあたりからー……って言ったらぁ、これのコトぉ?」

懐より徐に拳銃を取り出し、視線は青年に向けた儘、真横に伸ばした腕から発砲する。
先刻と全く同様の銃声―――橋脚に衝突するらしき硬質な音はなく、水面に沈んだか向岸に飛んだか。
直視しても命中率3割未満であったので、余所見して撃って精度が落ちるのは自明の理であった。
元より当てる気など皆無だったものの、流石に少々残念そうな顔をする。

「こんなの今ドキ下手な改造エアガンより簡単に手に入るってーの」

一切の悪気ない様子で、所持している拳銃を掌の中で数回転させる。
実際には入手源は街中で購入した訳でも拾った訳でもないのだが―――態々言う道理もない。
肩上で組んだ腕で伸びをすると、パック内の残りの牛乳を飲み干し、容器を河の流水に投げ棄てる。

「……それよりぃー、もう昼休み終わる時間なんだけどいーい?」

そう云って拳銃を再度懐に仕舞い込み、ある方向を指差している。
数秒前は橋から跳躍して着地した青年の姿に興味を抱いていたのに、飽きが早いのだろうか。
因みに少女が指差す方角は、先程青年が歩いていた先の―――つまり『学園』の方向だったりする。

/凍結ありがとうございます、返し文置いておきます……!
597 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/19(金) 21:30:44.43 ID:2DtiQsYl0
>>596
少女の手元から爆ぜた銃弾は行方を知らぬまま飛んでいく。
眼に映したこれが夢でないことが理解できるまで、ミナヅキは暫しの時間を要した。

「……わーお」

そう呟いた後で、純度百パーセントの邦人がネイティブに適うはずがないことを知った。
それを掌で弄ぶ彼女の言動から、これが実銃であれが実弾であることは間違いないらしい。
確かにこの時代と世の中では拳銃の入手など脇道に脚を突っ込むだけで容易なのかもしれない。
そして生憎、この近辺は無法地帯で名高いことも彼は重々承知なのだ。銃刀法は通用しない、というよりも、通用したところで“意味がない”のだ。
―――それを規制したとて、もっと危険な生き物達がひたひたとそこらを蠢いているのだから。

「い、いやいやいや。それはわかるけど、そもそもそんなもの使って何するってのさ?」

苦笑した口元がさらに片方だけ吊り上がる気がした。
言い分は納得だが、青年が聞きたいのは『どうして手に入れたか』ではなく、『なぜ持っているか』なのだ。

――瞬間、河辺へ放られる紙パックを瞳に留めた青年。
ダッフルコートポケットに入れていた凍えていた左手を突き出す。
ぐしゃ、と長方形がひしゃげ、ストロー口から僅かに残っていた白色が漏れる。

「……あ、今昼休みだったのか。偉いなあ、午後の授業とか結局寝ちゃうし出る気しなかったけど」

何事もなかったかのように、紙パックを握り締めたまま勝手な自分語りを始める。

「いいよ、俺も用事あるんだ。良かったらご同行願える?」

柔和な微笑みを携えた青年は、パーカーの少女にはどのように映るのだろうか。
598 :【罪刑砲挺】 ◆0rQkGMx.b.FQ [sage saga]:2016/02/19(金) 21:33:29.60 ID:4jh82c9J0
>>594


「ーー信条を貫く事が正義であれば、あたしは正義なのかもしれないわ」「……でも、それは違う」
「だから、この銃を下ろさないことは約束できない。私に、貴女を裁く権利はないからーー本来であれば=v

女の言葉、或いは願いとは裏腹に、婦警はけして自身を正義の代行者と名乗らなかった。然し彼女はまた、女を己の手によって拿捕せねばならないという使命にも燃えていた。
つまるところ彼女の使命は、彼女を厳然たる司法の舞台に導くことに過ぎなかった。女を裁くものは婦警の管見にあらず、予め公正に規定された法≠ナあるのだから。
況して婦警は、女が人を殺める理由を知らない。欲求と自責の狭間で苦悩する女の心すらも知らない。ならば例え己の裁量であっても、婦警は女を罰することは出来なかった。
蒼い瞳の婦警はーーローザ・エインズレイは、そのような正義≠持つ女だった。

黒き烈風は屠った獲物の匂いを纏い、血風となって路地裏を駆ける。婦警がそれを知覚した瞬間、彼女は半ば反射として身体を逸らしていた。
白い喉元に向けられた殺意を、彼女は確かに感じ取った。僅かに、彼女は歯を噛んだ。

「ーーーーーー ッ、………!!!」

ーーそのまま彼女が嚙み潰したのは、冷えた身体を右肩から灼く痛撃であった。
警官服の片肩が裂け、青い布地に赤黒い血を染みさせてゆく。急所を突き貫かれてこそいなかったものの、彼女の身体は確かに抉られていた。
だが僅か一撃の、焦点さえ射抜いていない貫突に跪くほど、婦警は脆い人間ではなかった。
噛み締められていた婦警の口が開く。呟かれる言葉は何の条文か、或いは呪詛であるのか。
ーー冷然とした大気の中、白く燦爛と輝く術式≠ェその囁きに乗り、文字通り彼女の口から漏れ出≠トゆく。
やがて三つの条項となったそれらは、女と婦警に明示されるかのようにして、二人の間に未だ存在する宙空に並べられた。


 THE FIRST ARTICLE:You have the right to remain silent.
「ーー第一条:貴方には黙秘権がある=v


 THE SECOND ARTICLE:Any statement that you make could be used against you in a court of law.
「ーー第二条:どのような供述であれ、法廷において貴方の不利益となる事がある=v


 THE THIRD ARTICLE:You have the right to have an attorney present when being questioned.
「ーー第三条:審問の際、貴方は代理人からの擁護を受ける事ができる=v


リボルバーの撃鉄が起こされる。弾倉が回る。銃口が動く。射線に重なるのは、槍を握る女の手。


     The court is now in session
「ーーーーこれより、開廷します=v

そして婦警は独り呟き、重いトリガーを引いた。呪詛の条文が消え失せた。雷管が弾けた。
正義なき暗闇の中、一つの銃声がただ響く。

/遅れてごめんなさい……!お返ししておきます、お返事はいつでもどうぞっ
599 :【神殺対槍】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/19(金) 22:17:43.69 ID:i21eIwP6O
>>598

「…………ごめんなさい、その傷みも、私が背負うべきものなのに」

彼女の右肩を抉ったのは魔なる槍、紡がれし呪詛が生み出した邪なる兵装。
その瘴気を纏いし矛先が与えた傷は、決して引くことがない。絶えることのない苦痛が、じわりじわりとその身を蝕む。

引き金が引かれる刹那、その銃口の前にもう一つの矛先が向けられる。
彼女の右手に握られた槍、魔なる槍とは対極の位置に存在するその得物が。そして次の瞬間には銃声が鳴り響き。
鋼鉄の矛先が銃弾を弾き飛ばし、軌道が逸れた弾丸はその女の頬を撫でるように通過した。
頬肉が削れ、血が溢れ出す。それは頬を垂れる涙のように、線を描いて地面に落ちる。


「…………――――――!!」

右肩に突き刺さった槍を引き抜けば、掌の中で柄を素早く回転させて構え直す。
同時にその左手に握られた槍の矛先から、何かが溢れ出す。それはまるで螢火のような、光の粒子で―――次の瞬間。
そこから炸裂するのは、莫大な閃光。太陽の如き鮮烈な光が、闇の引き裂いて路地裏を満たし尽くす。

それはただの目眩し、聖なる槍に宿りし力の一端に過ぎず、しかし闇に慣れた瞳には余りに刺激が強過ぎることだろう。
だが、それが聖なる槍の所有者である彼女に影響を与えることはない。
数秒が経過して閃光が収まった時、銃を構える彼女の目の前に、その女の姿はない。
どこに消えたのか、その答えは―――すぐ後ろに存在する。


「―――――――――」

光に紛れて背後へと移動していた彼女は、そのまま音もなく二槍による刺突を放つ。
聖なる槍はその脊髄を、魔なる槍はその心臓を狙って、どちらも人体の急所を的確に狙った一撃。
避けなければ、死あるのみ。だが、もしこの奇襲を見切れたのなら、それは確実な反撃の機会となるだろうが―――果たして。


/置いておきます……
600 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/19(金) 22:18:39.23 ID:Nc9Z1/CB0
>>597

「うーん…………護身用かな?能力者だろうと鉛で数回貫通すりゃ大概お陀仏ですし」

唸り思考を入れたものの、所持している目的自体は事実の通りであった。
鉛弾を凡そ音速で発出する此れは、単純な殺傷力に於いては非戦闘系を筆頭とした一部の異能より上だったりする。
であるからして、スタンガン代わりに携帯する理由としては恐らく通るだろう。
とは云え、一定距離置いた的に当てる技能さえなければ豚に真珠、犬に論語なのであるのだが。

「ナイスキャッチ!お、よく見たらお兄さん学園のヒト?」

投げられたゴミを受け止めた青年に歓声を上げ、一方で放り棄てた事に関しては微塵の悪気も見せない。
序でに、今更青年の服装が自分の通う高校と同じ物であると気付いた様子である。

「いーよいーよ?そんじゃ、行きましょうか?」

そう言いつつも、授業を真面目に受ける気など更々ない。
学校に着いたならば取り敢えず校内の何処かへ失踪するか、或いは教室に行ってもソシャゲに励むか。
それなのに同行しようとする動機は、此処に留まるのに飽きたから、というだけであった。
道中で彼の話でも聞くなりして、退屈を紛らわせればいいなと思っていた。
601 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/19(金) 22:55:36.23 ID:2DtiQsYl0
>>600
納得のいく理由ではある。もちろん特異的に銃が効かない者もいるだろうが、ある程度は対抗策として働く筈である。
しかしなんだか不安だ。横目に見るのは、柱に描かれた連なる円と、その下に落ちている鉛。
その銃痕から、それは少女の腕力には過ぎた代物だと伺える。

「ははあ……まあ、無闇に撃つのはやめようね。寿命縮まりそうだから」

お節介な言葉を言いかけたミナヅキは、その口を噤んでから最低限の忠告を告げ直す。
折角手に入れたものを他人に向いてないと言われた時のもやもやした感情は、自分にもよく分かる。

「どうも。三年の嘉瀬、無所属だよ。今日は出席を稼がなきゃいけないんだ」

左手に持つゴミの持ち主にキャッチを褒められることは、苛付かない訳でもない。
いいんだ。勝手にしたことだ。あっちも勝手に捨てるなら、こっちも勝手に拾うだけなのだから。
そう自分を言い包めて、学び舎が同じだと気づいた相手に、簡潔だが無愛想ではない声色でご挨拶。

「ノリが軽いなあ……うん、行こうか」

青年も少女と、同行の目的を同じくしている。『暇つぶし』、のことだ。
ここまででは良いイメージを持っていない様に読み取れてしまうだろう。だが、嘉瀬水那月は“変人が好きな変人”を自称している。
このほんのりズレた感性の持ち主は、きっと数奇な生を辿ってきたに違いない。彼は甚だ失礼ながら、そう確信しているのだ。

ミナヅキは踵を返し、灰色の学舎に向けて歩き始める。
途中、凍えた左手を気にしつつ諸々のせいでまたポケットに仕舞えないことを、うーむと唸りながら。
602 :【罪刑砲挺】 ◆0rQkGMx.b.FQ [sage]:2016/02/19(金) 23:10:14.94 ID:4jh82c9J0
>>599

「――謝る暇があったら、早くその槍を捨ててくださいッ……!!」

吐き捨てて、婦警は弾倉を回す。撃鉄を起こし直せば、彼女のトリガーは再び重い意義を持つこととなる。
一発目は婦警の望んだ弾道を描かなかった。女の握るもう一振りが致命弾を防ぎ、女の頬を掠めた。
白い肌から滴る鮮血は紅い涙であった。婦警はトリガーに尚も指をかけた。だが引き絞るその一瞬、彼女は躊躇せざるを得なかった。
何故この女は泣かなければ≠ネらないのか。何故この女は、涙ながらに罪を詫びながらも我を手にかけようとするのか。何故この女は、あたしに対して真実を告げられないのか。
それらの答えを知らずして、婦警は女を[ピーーー]ことはできないように思えた。けして婦警は冷酷になり切ることができなかった。
そして女の持つ双槍の片割れが閃光を放つ。故にだろう。僅かな逡巡に後ろ髪を引かれ、婦警は目を瞑ることができなかった。深く彼女は息を吸う。閃光に灼かれた網膜を、湿った瞼の裏で潤す。

「……ッ、――気付かない、とでも!?」

――そして瞼を下ろしたまま、婦警は振り向く=B右手に握るリボルバーを、三たび構える。
視界を奪われながらも、彼女は周囲の動体が放つ音を聞き取れる程度には鋭敏な聴覚を持っていた。
左手は彼女の懐に伸びた。数秒と経たぬ内に、彼女は一挺のベレッタM93Rを引き抜いた。
フルオートのマシンピストルを、彼女は半ば暗器のように扱う。瞬時に撃ち放たれる十数発の弾幕は理不尽な暴力である。
だが彼女の視界は未だ白く濁っていた。大気の裂ける感触を受ければ僅かに彼女は身を逸らすが、それ以上のものではない。
結果として女の槍は、婦警の脇腹と右肩を貫くだろう。僅かに婦警は呻いた。生暖かい血が、突き立てられた槍を伝って女の指に触れるだろう。
僅かに婦警は血を吐く。されど尚もその唇は動いた。何かに許しを得るかのような口ぶり。

「――被告人は現在、長槍に相当する凶器二振りを用いて、ローザ・エインズレイ名誉警部から要求された強制連行に抵抗した」
「加えて被告人はローザ氏の再三の警告を無視した上、同氏の右肩部に重度の裂傷を負わせながら、なおも危害を加えんとしている」
「以って同氏のの職務を妨げており、これは刑法における公務執行妨害≠ノ相当する」
「また被告人は同日、身元不明の成人男性をローザ氏と同様の凶器で殺害したと自供しており、これに対しては殺人罪の適用が可能である」


「よってここに被告人の有罪を二件立証。拘置¥p式の使用を申請する」


――淡々と彼女は言い終えれば、婦警が両手に持つ二挺が仄かに白い輝きを得た。
婦警は存外に剛健な女だった。閉じていた両目を彼女は見開いた。眼鏡の奥に輝く蒼い眼光は、先刻よりもその輝きを増していた。
「この距離なら、外しませんよ」――白い権威を纏った二挺から、彼女は四発の弾丸を撃つ。
右手から一発、左手から三発。狙いはそれぞれ女の肩と腹。
それらが女を貫くことはない。ただその弾丸が女へと触れた時、それらは女の身体を縛り上げる鋼鉄の鎖≠ヨと変貌する。

/またも大変遅れてごめんなさい……ッ!
603 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/19(金) 23:10:25.73 ID:Nc9Z1/CB0
>>601

「1年のシャーロット・チェスロック。シャルでいいよ、先輩」

にひ、と犬歯を見せて笑う。
そのフルネームは意図的に名乗らなかったが、一応横文字の名前としては自然である。
別に大丈夫だろうと半ば確信していて、坂道状になっている芝生を上がって、橋上にまで歩こうとする。

「ねぇー?さっき飛び降りたのどうやったの?能力ー?」

さっき、とは少女が暇潰し感覚による発砲音を聞いて、青年が橋から下に着地した際の出来事だ。
確か受け身を取っていたので、単なる強化系能力者というだけでもないだろう。
何かしらの拳法を身に付けているのか、若しくは我流ということも考えられるのであるが。
例えば銃声の主が射殺も厭わない殺人狂である場合も考えられるのに、尚も現れた彼である(と少女は思っている)。
相応には強力な使い手だと勝手に思い、それ故の単純な興味本位で訊いてみたのだった。
604 :【神殺対槍】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/19(金) 23:36:21.22 ID:i21eIwP6O
>>602

「…………駄目です。お願い、躊躇わないで」

「私は貴女を、殺そうとしているのに。だから、どうか……――――――ッ!!!」

槍を突き放つと同時に放たれた銃弾の雨。例え狙いをつけなくとも、至近距離でばら撒かれる弾幕を全て避けることなど不可能。
銃弾が、髪を、右腕を、横腹を、足を、次々と貫いていく。傷みが全身を駆け抜け、衝撃で視界が眩む。
思考を手離したくなるような、熱い痛み。けれどもこの苦痛は、せめてもの贖罪。決して逃れてしまってはいけない。

私と血と、彼女の血が、腕と槍を伝って混ざって、落ちていく。
その温もりが、どこか心地良いと感じてしまう。命の温もり、私が何度も奪ってきたもの。

「――――――っ」

二本の槍を彼女の身体から引き抜けば、その矛先を先程と同じように彼女の構える銃口へと向ける。
至近距離で確実に銃弾を弾く、正に達人技といえる技術。だが今度は、辛うじて間に合わない。
右の槍で、二つの銃弾は弾くことができた。だが、残りの二発には届くことなく―――そして放たれた凶弾はその異能を存分に発揮する。
腹と左肩に、殴られたような衝撃が奔り、その次には鋼鉄の重みがのしかかる。
現れたのは鋼鉄の鎖、それが彼女の腹と左肩を縛り上げていて。


「……――――――あ、あぁ……」

その時、彼女は。まるで泣いているとも、笑っているともつかない顔を浮かべて。
そして辛うじて動く右腕を強引に動かすと、その魔なる槍を横一閃に振り抜いた。
しかし胴体と左肩を固定されている今、その一撃は避けるには余りに容易く、謂わばただの“悪足掻き”でしかない。
605 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/19(金) 23:37:43.74 ID:2DtiQsYl0
>>603
「シャル、ちゃんね。そっちの方が覚えやすくて助かるよ、よろしく」

先に土手の上へ登り切っていたミナヅキは、くるりと体を背後へ向ける。
シャルと名乗った後輩が後に続くのを認めると、ポケットへ入れていたもう片方を差し出す。
その顔に疑いの色は見当たらない。それは少女の“耳”から読み取れる情報も、示してくれるだろう。

「……答えていいのかなこれ。吐くだけ吐かせて、用が済んだらばきゅん……な気がする」

再度言うが、彼に少女を疑う素振りは一切ない。
したがって、先の言葉は彼なりの冗談なのである。
初めて拳銃を帯する人間に出会い、それなりに楽しんでいるのだろう。

「能力とも言えるし、そうじゃないとも言える。その辺りでひとつ、どう?」

ただ、手の内を晒すのは疑惑のない相手でも憚られる。
青年はお茶を濁すような、深く浅くもない文句で答える。
606 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/19(金) 23:57:58.21 ID:Nc9Z1/CB0
>>605

「No,No,No……――――私に何の得もない」

やたら大袈裟に両掌を広げて、合衆国然としたジェスチャーをして見せる。
彼女の聴覚は、青年の心拍のペースが先程から大して変化していない事程度は聴き取っていた。
いや実際には彼の素振りを見れば解るので、態々聴き取る必要性自体ないのであるが。

「じゃあ〜……こうしましょう。こうしていれば抜く≠フに時間がかかる」

そう云って少女は、自身が被っていたフードのウサ耳部分を両手で掴んでみた。
如何にもふざけている様にしか見えず事実そうなのだが、何気にこの状態では銃身を抜くのに遅れる。
それ以前に、先の橋脚に描かれた大きな的にすら当てられない少女が、懐の銃を発砲まで何秒掛かるか。
恐らくはただ取り出すだけでも、何秒も何十秒も経過するだろう。
もし唐突に顔面パンチでも撃たれようものなら、呆気なく食らってしまう筈である。

「さぁさぁ!早く喋って下さいよ先ン輩ぃ?」

なおも変わらぬふざけている姿勢で、無駄に抑揚付けた声でそう促してみる。
607 :【罪刑砲挺】 ◆0rQkGMx.b.FQ [sage]:2016/02/20(土) 00:12:16.67 ID:FmBoY5VVO
>>604

「……無駄な抵抗は、しないで。あたしは、別に貴女のことを殺したいわけじゃない」

悲哀と憤怒の入り混じったかのような女の呻きに、婦警は先程までの事務的な口ぶりを取り戻して言った。
リボルバーを腰のホルスターへと落とし、自棄として振るわれた魔槍の柄を、婦警は右手で掴むだろう。肩口から垂れる血の流れが、また槍を伝って女の手を濡らす。
婦警の瞳は、ただ真摯な蒼色だった。怒りに穢れることもなく、廉い同情に濁ることもなく。澄み渡り決然とした信念を以って、女の紅い目を見据えていた。

「午後23時39分41秒、被疑者確保……あー、痛たた……久々にヤンチャしたなぁ」

蓄積した心労を吐き出すように、彼女は一つ溜息をつく。そうして束の間の休息を終えれば、婦警は握った槍を女の手からもぎ取ろうとするだろう。
女が抗わなければ、婦警はそれを一頻り眺めた後、献げるようにして女の足元へと置き直すだろう。
女が槍を手放そうとしないのならば、婦警はまたも疲れたような表情で、槍を握る女の手を射抜き、鉄の鎖によって縛り付けるだろう。

「……ごめんなさいね。貴女を、傷付けたくはなかったけれど」

恐れることなく、婦警は女へと歩み寄るだろう。瞳を見据えたまま、ふらつかない確かな足取りで。
そっと彼女は自身の血の伝う手を伸ばし、自らが撃ち抜いた女の銃創に触れようとする。腹、腕、髪、足。
彼女は俯き、静かに首を振る。「……ごめんなさい」そう零した彼女の瞳は、慈愛に濡れてすらいた。

「……本当なら、このまま署に送ることになるのだけれど」「結局、聞きそびれてたわね。理由」

そしてまた、婦警は女を見つめる。女の手が槍から解けているのならば、彼女はそこに己の両手を重ねるだろう。
無辜の市民を殺した女を、自らを紛れもなく殺そうとした女を、まるで婦警は恐れていないようだった。
それどころか彼女は、女へ何かを訴えかけようようにさえ見えた。
婦警にとって、女の語る破滅願望は無価値であった。ただ彼女は真実を求めていた。そして。

「良ければ、教えて欲しいわ。……人殺しを、勝手な私情で贔屓目に見やしないけれど」「何か事情があるのなら、あたしは貴女の力になりたいの」
「これしか知らない≠チて、言ってたわよね」「……どうして? なぜ貴女は、彼やあたしを手にかけることしかできなかったの?」

銃を手放した自身の両手を、今は女の血に汚れた手を包もうとする両手を、婦警は強く握り締めようとするだろう。
608 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/20(土) 00:35:47.43 ID:8613f4xZ0
>>606
何某で見たような、芝居がかった手振りで青年の予想を手折って。
こうすれば、と言っておもむろにフードに備えられたウサミミをぎゅっと絞って。
これでいいだろう、とむやみやたらにアクセント記号の付いた文を読み上げる。

「……本当、ノリが軽いなあ」

想像するより遥かに、眼前にいる少女が変人であることを再確認した青年は、正にたじたじといった表情。
胸焼けしそうな程に気取った彼女の態度は、青年をうんざり―――させない。

「じゃ、ちょっとだけね」

言ったとおり、彼の興味の対象はこの世の奇天烈な万物にほかならない。
表面では困ったふうを装いながら、内では

―――なんだこの娘、面白い。

そんな風に、現在の状況を楽しんでいたのである。

「飛び降りることができたのは、受け身の実習経験があるから。それ自体は普通の理由だよ」

人差し指を立てて、こと端的に説明する。
少女の、洋画の吹き替えの様な仕草が移ったとも言えそうだ。

「でも、“飛び降りることに躊躇がない”のはまた別の理由なんだ。――はい、ここまで。ここから先は俺に勝ってから、なんてね」

と、こともなげに呟いてしまう。
もし相手がこの“引き”に興味を惹かれてしまうならば、勝負を承るのだろうか。
だとしたら、自分はきっと妙なことを口走ったのを後悔するだろう。

――同時に。それはそれで、愉しい話ではないか。
そう思ってしまうだろうという予想も、否定できずにいた。


//すみません、そろそろ落ちます
//また明日まで凍結をお願いできますか?
609 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/20(土) 00:37:25.56 ID:TP2lleM10
>>608
/凍結了解しました……!
610 :【神殺対槍】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/20(土) 00:47:11.95 ID:H05HlWN4O
>>607

――――――カラン、と。彼女の両手から槍が離れ、地面に落ちた。

既に彼女には槍を握る気力も、体力も残されていなかった。そして彼女は鎖で戒められたまま、力なく膝をつく。
どこか遠くを見つめるその瞳は、まるで今にも泣き出しそうで、そしてほんの僅かな、けれども確かな、安らぎの色が浮かんでいた。

あぁ―――――やっと、終わる。やっと、止めてくれた。
私には止めることができなかった。ならその終着点は、叶うはずのない結末を迎えるか、或いは正しい裁きによって齎されるかだった。
その結果は、後者だったが。そうであったことを彼女は喜んだ。彼女は始めから、それを望んでいたのだから。

「………――――――温かい、温もり」

「……今度は、喪われなかった。ありがとう、ございます、ごめんなさい……―――」

己の手に重ねられた彼女の手。そこから伝わるのは命の温もり。それは今しがた、正に私が奪おうとしていたもの。
なのに、彼女は、恐れすら見せないで。その瞳は、何よりも眩しくて。それが恐ろしい位、心地良くて堪らなかった。
それは記憶にある限り、初めて経験するものだった。そしてそれを奪おうとした己が、怖くて仕方なかった。
そして、その恐怖から逃げるように――――――ぽつり、ぽつりと語り出す。


「……私には、何もありませんでした。ただ、赤い記憶だけがありました」

「…………赤い、紅い、鮮烈な、記憶。そうでした、私は………その時も、この手で、この槍で、誰かを。そして、ずっと、何度も、何度も……―――――」



「……――――――わからない、わからないんです……私には、これしか知らない、これしかできない。誰かを傷つけることしかできない……!」

「…………私は、ただ知りたかっただけなのに……、この身も、この槍も、まるでそうすることが定義されているかのように」

「止められなかった、止めるべきだったのに。だから、なのに、何度も、何度も、何度も、奪って、奪って、奪ってしまって………――――――」


許しを乞うのに意味はない。既にもう、取り返しはつかないのだから。
けれども、彼女は、そう呟くしかなかった。そうすることだけが、彼女が可能な唯一の贖罪だったから。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい―――壊れた機械のように、喉が掠れるまで、彼女はそう呟きを繰り返した。
611 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/20(土) 01:20:00.51 ID:TP2lleM10
>>608

「ん。…………ふーん…………?」

もう少し別の方向性の答えを創造していた少女は、微妙な感じの受け答えをする。
此処のような能力者が巣食う環境でない街でも、学舎で柔道だかの基礎を教えられる例もあるらしい。
体育とか一回も顔出した事ないのでよく理解していないが、学園に於ける実習か、似た何かの延長戦だろう――と。
そう思い込んでいると、青年の提案にも聞こえる呟きを聞く。

すると少女は、指の骨を鳴らす動作をして(鳴ってない)武術の構えのような体勢をつくる。
上着の中に何度か手を突っ込む練習のような仕種をし、片足を一歩下がる。
さらに首を鳴らすような動きをして(鳴ってない)から、少々深い吐息を出す。


「じゃ、いーや。どーせ勝てないし」

―――と思ったらすぐに元の調子に戻る。

少女の有する異常聴力は、効果範囲は相当に広く、他者の身体状態を精密に把握できる異能であった。
しかし強化されたのはそれのみであり、筋力や反射速度など他の身体性能を増強はできない。
それ故に身体能力的には極普通の高校生女子並みの彼女は、正攻法の直接戦闘に至ると只管に弱かった。
だから本気の殺し合いでない所謂模擬戦であっても少女は真っ平御免であったのだ。
まあ痛いのとか嫌だし。そこまでするほど知りたくはないし。

「ねぇねぇ?ところで他に面白い話なぁい?」

青年が勿体ぶるようなら、こっちは既に若干興味を別の事に移しつつある。
612 :【罪刑砲挺】 ◆0rQkGMx.b.FQ [sage saga]:2016/02/20(土) 01:25:32.57 ID:FmBoY5VVO
>>610

「――――――…………そう、なの」

婦警は固く唇を結んだまみ女の告解を聞いた。そうして呟いた。彼女にはそうすることしかできなかった。
なおも婦警にとって、女の犯した罪とその理由は不明瞭なものだった。女の知る記憶とは何か。女はその時誰を手にかけたのか。何故彼女は命を奪うことのみを覚えていたのか。
されど膝をついて懺悔する女の姿に、婦警は言外の理解を得た。知らなければならなかったのだろう。自己の証明のために、狂おしい良心の呵責に心を抉られながら、彼女は人を殺したのだろう。そうすることでしか、彼女は自身の存在を理解できなかったのだろう。
既にコンクリートの地面には、小さな血溜まりができていた。婦警と女の零したものであった。
婦警は何ら躊躇うことなく膝をついた。握っていた手を解いた。だが温もりは消えなかった。
そして婦警は、女の背に両手を回す。深く深く、ただ温かい彼女の身体は、敬虔で哀れな一人の狂信徒を抱き締めた。
婦警の鼓動は確かなものだった。失われていなかった。
そして、婦警の唇はまた動く。女の唇で囁かれていくその言葉は、半ば独白のようですらあった。

「……あたしたちは、人間よ」「どれだけ罪を背負おうとも、どれだけ正義の味方を気取っても」
「貴女は今、確かに誰かを傷付けることしかできないかもしれない」「貴女が何を望んでいたとしても、それは紛れもない罪となるでしょう」

「だけど、ね。――人間は、過ちから学ぶことができる」「同じ罪を繰り返さないように。自分に出来ることを探せるように」

赤く汚れた婦警の指先が、射抜かれて千切れた女の白い髪を撫でた。泣き噦る子供をあやすように、婦警は女の背を撫で続けた。
女が肩に負う悪逆の証さえ、時折その手は覆い隠した。柔らかく、温かい指先だった。

「貴女の犯した罪は、償わなければならない」「それは事実よ。……だけど貴女が、絶望する必要なんてないの」
「貴女は、新しい明日へと進んでいける。貴女は立派な人間ですもの」「知らないことも、分からないやり方も。……前を向いていれば、きっと貴女のものになるわ」

「それでも、貴女が迷うようならば」

刹那、彼女は言葉を止める。蒼く深く澄んだ瞳は、また女を射抜くことだろう。
しかしそこに、もはや冷酷さはなかった。無論のこと怒りはなかった。ただただ慈愛に満ちた蒼色が、女の紅い瞳を映す。

「――――あたしが、貴女の力になる。例え淀んだ血の海の中でも、貴女の進むべき道を示す澪標となってみせるわ。――だから」

「だから。……もう、泣かないで」

一際強く、婦警は女の華奢な身体を抱く。消えぬように。離れぬように。
613 :【神殺対槍】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/20(土) 01:57:15.08 ID:D/Jk67L9o
>>612

これが、終点だと思っていた。それを私は望んだのだと、そう思っていた。
冒した過ちは、余りに大き過ぎた。奪ってしまったものは、余りに多過ぎた。
ならば、私はここで果てるべき存在なのだと。そうでなくてはならないのだと。

背負った罪の重責は、決して外れることのない鋼鉄の枷。それはこの身を縛る鎖の束と同じように。
その罪を償うことだけが、せめてもの贖罪であり、これからの自分が為すべき唯一の行いであると。
そう、在るべきだった。けれども、その先には何もない。何かを得る為に、探す為に罪を重ねた。
けれども、得られなかった。しかしそれは当然の報いだと、受け入れていた。受けいていた、筈なのに。

「………前を…向いても、いいん……ですか……?私は……もう………」

「……何度も、酷いことした……のにっ。終わるべきだと……思ってた……、前に進んじゃいけないって……っ、なの、に……っ」

彼女は、明日があると言ってくれた。前を、向き続けてもよいと言ってくれた。
過ちは消えることはない。けれども、過ちから学んで、進むことができる。そんな単純なことも今まで知らなくて。
温もりが、包み込む。厳しさも、優しさも、全てを内包したその中で―――ただ、泣くことしかできなかった。


「………―――う、うぁぁ、あああぁぁぁ………っ―――!!」

この想いも、この温もりも、この涙も、彼女は今まで知らなかった。
彼女は、そういう存在だった。全てを知ることなく、暗く孤独で惨めな終点に辿り着くのだと、そう定められた。
けれども定められたルートはたった今壊れ、彼女が彼女自身によって閉ざしていた物も開かれた。
その罪は、決して消えることがない。その十字架は、永遠に背負い続けなければいけない。
それでも、そこから何かを学んで、前に進めるのなら。そして手を差し伸べてくれる、温もりに出会えて、だから―――…………。


…………そうして彼女は、やがて駆けつけた応援の警官に従って、一切の抵抗をせずに連行されていくだろう。
二本の槍はその役目を喪い、地面に放置されたままで。彼女もそれを拾い上げようとはしなかった。
もう、それは必要ないから。これから待っているのは、罪を償う為の長い長い道程だけども。
その先に、まだ知らない何かがある筈だから、そう彼女が言ってくれたらから―――だから。
ほんの少しだけ、今からでも変われるのかも知れないと思えて――――――彼女は、涙の後が残る顔で、小さく笑えたのだった。

/この辺りで〆でしょうか……絡みありがとうございました!
614 :【罪刑砲挺】 ◆0rQkGMx.b.FQ [sage]:2016/02/20(土) 02:31:17.61 ID:FmBoY5VVO
>>613

「――……まあ、仕方ないか。……それなら、泣くといいわ。今だけ、よ」

婦警はそう言って苦笑し、魂からの叫声ま共に滂沱する女の頭を、そっと撫で続けた。
自らの存在さえも知らぬ女が、この涙もこの温もりも知り得るはずがなかった。婦警はそれをよく理解していた。
故に婦警は何を咎め立てることもなく、泣き続ける女の身体をそっと抱き締め、彼女を己の腕の中に預けさせるのであった。
ただ婦警はそうしていた。血に沈んだ路地裏の中で、婦警と女だけが淡い温もりを持って、紅い瀝青の上に浮かんでいた。




『――――護送の準備が整いました。警部、お疲れ様でした』
「いいのいいの、やるべきことをやったまでよ。……彼女は、これからどうなるの?」
『……珍しいことを、お聞きになりますね。まあ、いつも通りですよ。彼女の精神状況を鑑みれば、減刑も止むなしでしょうがね』
「あたしが彼女に入れ込んでるとでも? 余計な気遣いはよろしい。……減刑されるなんて、分かりきったことよ」
『おや、一言もそんなことは申し上げていませんがね。……神殺機関の残党ともなりゃ、余罪も上がってきそうな()もんですがね』
「どうであれ、あたしの与り知らぬ所ね。……誰が、被害者なんだかね」

やがて到着した検証班と護送班によって身元不明の遺体は検死にかけられ、婦警は応急手当を受け、女は留置所へと連行されることになる。
自らの足で立ち、護送車へと歩いていく女を、婦警はその最後まで見ていた。それが為に、彼女は気付いた。そしてまた、彼女も笑った。
徐ろに彼女は、両手に手袋を填めて、「――凶器として、回収しておくわね」女の置き去りにしていった二本の槍を、掴んだ。
既にこれは不必要なものだと、女は無言の内に語っていた。だが婦警は違った。
何れ女が、この世界に帰ってくるとき。己の為でなく、他の愛すべき人の為に立ち上がる時。彼女には、またこれを握る必要があるのだと。婦警は、信じていた。

「――――――――――あー、まったく。柄でもないな、もう」

白み始めた空へ向けられた呟きは、何処までも遠く響いていった。

/こちらこそ、改めてロールありがとうございました!!
615 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/20(土) 12:06:36.47 ID:8613f4xZ0
>>611
気の抜けた声。興味を失った瞳。
彼女は自分との交戦を負け戦だと踏み、端から挑む姿勢を見せなかった。
(それらしい挙動は、またこれも彼女の“演出”の内なのだろう)
そもそも、全ての能力者がやたらにチカラを魅せたがる気質である訳が無いのだ。
やはり“戦闘狂”に遭遇し過ぎて、自分にもそのケが発症し始めたのか。と、ミナヅキは自身を疑った。

「あー。手持ちの話が無いからなあ、仕方ないや」

無礼を恥じながら、困った様に口を歪める青年。

―――と、そこで頭の上に電球がぴかり。形の崩れた牛乳パックを路に落とす。
突然少女に近づき、ウサミミパーカーの前を開く。
そうして、懐に件の拳銃を発見し、勝手に取り出して。
終始無言の侭に、その銃口を自身の左手に接着させて、――放った。

「……こんな感じで、どう?」

銃口を掌から離すと、からん。……鉛弾が足元に転がった。
青年はと言えば、挑発的とも取れる笑みを浮かべながら、少女の反応を伺っている。

それが幻であるかのように、彼の左手には“青い霏”がまとわりついていた。


//休日で時間があるので置いておきますね
616 :【真炎魔女】 [sage]:2016/02/20(土) 13:54:17.93 ID:Wc0qXzUUO
今日も学園にて一人、休みの時は屋上で
ただ時間が過ぎるのを待つ、そんな事をして過ごしていた

「……どーすればいいんだろ」

と、しゃがみ、俯き気味に下を見つめて、一人指を地面に擦りながら考え込む

「やっぱ、能力者とかそこら辺相手に片っ端から喧嘩売って……僕にするとか?」

何処のヤンキーだと言わんような恐ろしく、そして稚拙な事を考え付いた模様
617 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 18:20:07.64 ID:lFzcs033o
―――何かが動き出している

そんな予感がする。――愉しそうな予感が
こんなとき、どうすればいいのだろう。
学園の生徒会長は、無限機構の一員は、
そうだ、騒ぎを大きくしよう。誰にも止められないほどに大きな騒ぎにしよう
そして、戦争に至らせる。国家の衝突ではないが、大きくはないかもしれないが―――

―――戦争を始めよう


「―――ふふっ、ふふふ」

紅い泉の上で少女は笑う
色彩なき服を、白き肌を、穢れなき髪を、
泉と同じ色に汚して笑う

「私も、がんばらないと」

紅い泉の中央に落ちているそれに微笑みかける
                 地獄
それは、嘗ての生者。此の路地裏にいるというだけで死者に転落した者
万人を見守る月は、今日も小さな殺戮を、狂気を見逃す
紅く濡れた白の少女は月を見上げて笑う
心底、愉しげに

「さあ―――――戦争を始めましょ」
618 :【氷血雨斬】 [sage]:2016/02/20(土) 18:36:51.69 ID:iyqGyZPKO
>>617
仮面の男が近づいてくる
仮面は顔を覆い隠し、その表情はわからない
ただ、女の側へと近づいて、止まる

「……失礼」

ひどく小さな声で囁いた
619 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 18:48:50.08 ID:lFzcs033o
>>618
「―――なんでしょうか?」

近付いてきた男、彼に向って向き直る
にこやかな顔に張り付く紅、血液
しかし、だからこそ明るい笑みを浮かべられている

「警察?D.O.T.A?それとも、火種?
まあなんでもいいかな、愉しいなら――ね」

仮面の男はそのような正義の側に立つ者であると推測していた
でなければ、こんなところには、こんな自分とは会おうとしない
仮面である、即ち正体不明であることも不信感の原因
だが、なんでもいい
その身に血を宿すなら、なんでもいい
620 :【氷血雨斬】 [sage]:2016/02/20(土) 18:57:32.62 ID:iyqGyZPKO
>>619
「D.O.T.A?正義?」

その言葉を聞くと、男は暫し黙る
そして、腰に提げた妖刀を左手でなぞると
今度は少女の方を向き、言葉を紡ぐ

「そんな物……とうの昔に捨てた」

男は声も小さく、だが、言葉には確かな力を感じられる

「今の"俺"は、ただの、目的を失った"殺人鬼"さ」

そして、自分が正義の者ではないと、自らを、殺人鬼と呼ぶ

「この、妖刀のような存在、それが今の"俺"」
621 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 20:14:26.94 ID:lFzcs033o
>>620
「ふぅん……」

つまらない
それが仮面への印象であった
第一に、分からないのはよくない
人の根幹をなす、至上の味を与えてくれる表情が発露する顔が隠れるのはいただけない
第二に、目的がないのもダメだ
目的もなく、ただ使われるだけなどただの道具。人間ですらない

「で、そんなあなたは私に何用?」

興が冷めた赤い瞳は問う
その目的なき男の目的を
622 :【氷血雨斬】 [sage]:2016/02/20(土) 20:25:41.40 ID:iyqGyZPKO
>>621
「━━━戦争を始めよう」

男はいきなり、そう呟く

「先程君が言っていた言葉さ」

かつん、かつん、二歩歩むと、男は死体の前に立ち、刀を抜く
其を、その、"人だった物"に突き刺すと、その死骸は氷付けになり
男は刀を抜く、氷の柱がパキパキと音を鳴らしながら形成されていき
男は刀を納める

「戦争の中でなら、戦う事しかできない俺にも、"目的"を見つける事が出来ると思ってね」

少女へと振り返った男は仮面を一部外す、目が見える所まで降ろした
その、目的を無くした目は酷く冷めていて

「━━━無限の戦争、無限機構……君は知っているのかい?」

少女へと問う
623 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/20(土) 20:33:13.04 ID:TP2lleM10
>>615

少女の所持品であった拳銃を、青年が自身の左手に密着させ撃ち込む。
派手な銃声直後、抉る以前に血の一滴も垂らさず、銃弾がこぼれ落ちていく。
自分の得物を抜き取られても特段抵抗もせず、その始終を眺めていた。
笑みを浮かべる青年にヒュウと口笛を鳴らし、軽く2,3回拍手を送る。

「ふぅん……強化系、いや操作系?何にしても面白い能力ですねー、ひひ」

この光景を一度拝見しても、その異能の本質が如何なるかは認知できない。
弾くのか固定するのか、掌限定なのか広くに及ぶのか、―――等々。
例えば靄付近に集中して注意を寄せて聴けば、ある程度は把握可能かもしれない。
しかし別に戦闘している訳でもないし、不必要に発動させる意味もないかな―――と。
預けた拳銃を半ば奪い取るような手つきで取り上げ、上着の元の場所に仕舞い込む。

「ん、着いたみたい」

ふと遠望すれば、自分達が在籍している学園の一校舎が視界に入ってくる。
そして少女がそう声を上げた直後にチャイムの音、数分前に昼休み中だったので。
たった今鳴り響いたあの音の指す意味は、授業開始―――つまり遅刻であった。

/置いておきます
624 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 20:43:58.61 ID:lFzcs033o
>>622
戦争を、始めよう
地にあるそれを氷結させた仮面はそんなことを言った
だいたいわかった、殺人鬼の目的が
彼も戦いを求めるものなのだ
この閉塞しきった平和では得られないものを得るために
そのために、自分のエゴに世界を巻き込みたいのだ

「ええ、ええ知ってるわ」

なるほど、前言撤回だ
彼も、面白い
今はつまらなくとも、過程を楽しめる
それならば、

「私は"無限機構"の三条雪音よ
無限機構に、何を求める?」

仮面の下にそれは氷の粒
冷たい。人間らしい目的の熱がない
だが、それに熱が灯るまでは、きっと面白い
だからこそ問う。無限機構に何を求めるか
無限機構への所属を求めるのかを、問う
625 :【怨嗟怒刀】 ◆nELhdBeP86 [sage]:2016/02/20(土) 20:44:40.94 ID:ip3GWiiJo
―――寒風が吹き抜ける、小さな丘。
少女が一人、その頂に座っていた。眺めるのは輝きを持つ大きな月。
ボーッと月を眺めており、その傍らには黒塗りのつやがある鞘がおいてあり。

背の方には『自ら腹を切って死んでいる』男たちが居た。
その各々には刀で斬られた小さな傷があるようで、地に伏していた。
少女はそれらの存在を気にすることなく、月を眺めていた。

―――悩んでいたのだ。揺れていたのだ。
少女の心には再び感情というものが芽生え始めた。
日々通常の、人間が送るべき生活を送り始めた少女は感情を得ていた。

だからこその悩み。少女は人を斬り捨てることしかできない。
だが、悪を斬るという行為は悪と見做される、ということを部隊長に言われた。
それが、少女には偽善的な行為にしか見えなかったのである。

「・・・、はぁ。どうしようか・・・。」

少女の心は、大きく、大きく揺れていた。
その純白、虚無の心に罅が入り始めていた。感情の芽生えとはこのようなものか。
正義になり切れない正義より、悪の方がよっぽどましという感覚を持っていた少女は―

「いや、でも部隊長に合わせる顔がない。」

だが、悪に寝返る、ということも決断しきることはできなかった。
それは恩であり、情であった。だから故に、少女は悩み、苦しんでいたのだ。

この丘は月が美しく見えることで有名であるし、男共の悲鳴におびき寄せられる輩もいるであろう。
だが、少女は月を眺め続けている。話しかけようものなら、確かな反応を返すであろう。
626 :【氷血雨斬】 [sage]:2016/02/20(土) 20:55:09.41 ID:iyqGyZPKO
>>624
「……戦場」

男は仮面を被り直した、そして、ただ一言そう言った

「無限の戦争への道筋には数多くの戦いが、血が必用になるだろう」

男は月を見上げる、今宵の月は紅い

「俺の命は戦いの中でしか価値はない」

腰の妖刀、その真っ青な鞘も、男に呼応するように妖しく光る

「戦場で死ぬならばそれでいい、無限の戦争、それまでに生きながらえても」

また歩みを進める、少女の目の前へと

「時は戦争……戦いに、血には困らない」

そして、右手を大袈裟に大きく、上から腹の前に動かす、そして上体を倒す、ありがちな、西洋紳士風の御辞儀

「この"ギイラ"……無限の戦争への足掛かり、その一部になることを望む」
627 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 21:08:08.45 ID:lFzcs033o
>>626
やはりそうだ
彼には価値はない。全く、何も
ただし、戦場では違う
そして、戦場でしか生きることはできない
だから求めているのだ、無限の戦争を
そのために、無限機構を使い使われるのだ
――面白い

「ええ、なら歓迎するわ
――あなたは刀、無限の戦争のための刀」

私と同じね、と微笑む
そうだ、雪音も同じ刀だ
無限の戦争を望む。その先に約束したワルツを踊るために
終わった世界で二人、心行くまで最後の愛を果たすために

「―――ようこそ、無限機構へ」

手を、差し伸べる
血に濡れた手、それを拭かずに
その手を握るも、斬るもどちらも選択肢
握れば、ギイラは晴れて無限機構の一部として組み込まれる
果て無き戦争を、始められる
628 :【氷血雨斬】 [sage]:2016/02/20(土) 21:22:27.18 ID:iyqGyZPKO
>>627
仮面の下の口元は緩む
そして、その手を握る

「"凍刃"とでも呼んでくれるといい」

そう一言呟いた
そして、男は無限機構、無限の戦争への一部の刃として、誕生した

「俺にとっての死地は、戦場にある」

そして握手が終わると、振り返る、氷付けにした死骸が視界に入る
その先には看板がある、その看板にはとあるアイドルのポスター
それを見ると一瞬俯いた男、そして
真っぷたつに斬る

「ふ、これでもう退路などはない、さよならだ」

男は空にその言葉を吐き捨てた
629 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/20(土) 21:28:08.34 ID:8613f4xZ0
>>623
犬歯を見せて笑う少女に、内心ホッとする。
情報を小出しにして、興味を持たせる。エンターテインメントの鉄則だ。通用して良かったと、青年は安心する。
道端に転がったパックを拾い上げると、拳銃を奪い返す手が上から伸びる。

「ん、喜んで貰えたなら結構だ。でも弾とか安全装置とか、そもそも取られないように気をつけなよ」

と、奪った側が言うべきでない忠告をする。
相手は拳銃の所有者で、自分は未所持なのだから、言ったところで既にご存知だとは思うが、一応。
そして、半端にこちらの手の内を晒したのだ。これから何があろうと、交戦は免れたいと願うばかりである。

―――とそこで、青年も数週間前にはいつものように聞いていた、例の鐘の音が耳に届く。

「……予鈴じゃないね、これ」

校門を直前にして、タイムアップを告げられた。
ミナヅキにとっては既に遅刻が決定している上、単位数も必要最低限を取得している為、不都合はそれほどない。
多少、担任に嫌な顔をされるだろうが、その時はその時だ。
……だが、彼女はどうなのだろう。

「俺のせいだよね、ごめん。急いだ方が、いいんじゃない?」

とは謝ったものの、これまた失礼ながら、少女が真面目に授業を受けているようには、青年には見えなかった。
態々昼休みに、ひとりで川べりの土手の方まで出向いていたということもあるが、それ以前に何となく同類の匂いがした。サボり魔としての。
しかし、彼女は一年生である。後で泣きを見た人間は、自分の知っている範囲でも複数いる。出席するに越したことはないだろう。
そんな思いで、青年は校門近くの自販機、そのゴミ箱へと紙パックを投げた。
630 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 21:38:04.83 ID:lFzcs033o
>>628
手は握られ、二つの手は赤に染まった
それは戦いの赤、殺戮の赤

「凍刃、ね
ええ、覚えたわ」

自分と同じ刃を覚え、ポスターの両断を見守る
アイドルには疎いがきっと、嫌いなのだろう
あのような平和の象徴は、無限の戦争には要らない

「私には"浴血剣"って称号があるけど"雪音"って呼ばれる方がいいかな」

笑みを向ける
その背中に笑みを向ける
ああ、面白そうだ
もし――平和の象徴が悪と戦ったりしたら、もう堪らなく面白そうだ
なんて密かに思いながらに
631 :【氷血雨斬】 [sage]:2016/02/20(土) 21:47:27.75 ID:iyqGyZPKO
>>630
そして、紙を渡す
「連絡先ならこれに書いてある、"同士"、雪音」

男は刀を鞘に納める、そして呟くと、歩き出す

「それじゃあこれで失礼するよ、用件は果たした、また"連絡"をくれるといい」

そう言ってふと立ち止まる
紅い月を見上げる、このような月の日は何かが起こりやすい

「……不穏な気配を感じるな、精々今夜は気を付けた方がいい」

一言、そう警告するように雪音へと言い残す
そしてこのまま、闇の中へと消えていくだろう

//お疲れ様ですー!私の方はこれで消えますね!

632 :【儘滅塵鬼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/20(土) 21:50:48.26 ID:v7Gdv32no
 橋の下、ひと目の届きにくいその場所には複数人の浮浪者と異質な女が居た。
巻きつけるようにマントを身につけているその女。 
丹念に梳られた黒髪は僅かな月光で艶やかに輝き、白い肌は薄闇の中でそれこそ月のように存在感を放つ。
顔立ちは一言で言えば傾国。狐のような目は少々鋭い印象をあたえるかもしれないが、それを補って余りあるほどの魅力がそこにはあった。
体型はマントによって隠れているが、それだけでは女の豊満な肉体を隠し切れない。

 浮浪者たちがそんな女を見逃す訳もない。
ものの数分もしない内に女の周りには浮浪者が集まる。
その瞳には獣欲がありありと浮かび上がり、女をその欲望のはけ口にしようとしているのは一目瞭然である。

『姉ちゃん。 良いところに来た。 ちょっとこっち来てくれないか?』

 それはお願いの形をとっていたが、女が拒否すれば即実力行使をするだろう。
しかし女は微笑み頷くと、男の後へとついて行く。
動いた時にマントがズレてその下がちらりと現れるとそこには白い肌があった。
いや、肌以外は何も無い。 あろうことかこの女、身を覆う薄いマント一枚以外は何も身にまとっていないようだ。
それに気づいた浮浪者たちは、納得したように卑下た笑みを浮かべ女へと手を伸ばす。

『なんだ姉ちゃん、そういう趣味かよ。だったら、遠慮なんて要らねえな』

 よくよく注意すれば、マントの下から男へと塵が舞っている事に気づいただろう。
しかしマントを剥ぎ取ろうとする男は欲望に目が眩み、舞う塵に一切気づいていない。

「ふふふっ…… がっつく男の人はちょっと見苦しいですよ」

 そう言うと、女は右手を前に出し指を打ち鳴らす。
軽快な音が響いたと思った次の瞬間、女の周囲は爆炎に包まれる。
女の周囲に居た浮浪者はそんな急な爆発に対処することなどできず、その熱量に身を焼かれ衝撃に蹂躙されて木の葉のように吹き飛ぶ。

 一瞬にして目を覆いたくなるような惨状がそこに生まれた。
大半の浮浪者の大半が四肢を炭化させて息絶え、むごたらしいオブジェとなっている。
生き残った者も虫の息、女はそんな生き残った一人に近づくと。

「ああ…… さっきよりもとても良い姿ですね」

 頬を赤らめ妖艶な笑みを浮かべるその女は、男が息絶えるその時までその惨状を楽しむだろう。

/アウトかな?
633 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 21:59:04.46 ID:lFzcs033o
>>631
「ええ、必要な時には遠慮なく使わせてもらうわね
"同志"凍刃さん」

紙を受け取り、内容を暗記する
そして能力の産物たる第二世界に収納

警告を受け取り、その背中を見守る
だが――今宵は上機嫌だ
きっと、面白いことが起きる
愉しいことが、起きる

「ふふふっ」

さっそく、起きた
同志と入れ違いに、無辜の民がここに踏み入ったのだ
それを認めるなり、嬉しそうに目を細める
そして、接近して―――

『え―――――――?』

絶叫すらあげさせずに、斬る
一瞬だけ、第二世界から愛剣を引っ張り出して、斬る
あのポスターのように真っ二つ。遅れて血飛沫が舞う
もう手には何もない殺戮者雪音は血を浴びる
そして、笑う
口元には、紅い三日月
コートを、チューブトップを、ショートパンツを、頭髪を、肌を血で汚す
昂る気持ち、興奮を抑えることを放棄して、薄く笑った

//ありがとうございました!では念動さんどうぞ!
634 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/20(土) 22:06:22.68 ID:iyqGyZPKO
>>632
「何がそんなに楽しいのかしら」

右手には、光り輝く剣を持った少女
その襟に輝くは、首吊り部隊の証
長い茶髪の少女がその現場に現れて、惨状を見る

「……殺人未遂の現行犯……酌量の余地は無いわね」

その、少女、現役アイドルでありかつ、首吊り部隊の一員である少女はそう言い放ち、相対する女性へと刃を向ける
635 :【空圧装置】 [sage saga]:2016/02/20(土) 22:10:51.38 ID:H6rn30r50
>>633

「――――見ぃちゃった。」
「……って言うのが、『最近の流行り』なんだろ?」


悪戯っぽい、そして同時に多くの侮蔑を含んだ声色。悲鳴の残滓が聞こえたその数秒後に聞こえるその声は、小さな『ジャズ』の音を引き連れている。
『学園』の制服を着崩して着用し、蛇側のベルトに腰部にある悪趣味なチェーン。安物のヘッドフォンが首に掛けられており、其処から繋がった音楽プレイヤーが他愛ない音楽を垂れ流す。
端的に言ってしまえば、不良。茶髪に緋色の瞳と外見だけ見れば不真面目な生徒なだけであるようにも見えるが、それは大きな間違い。それは少女も知る所だろう。
何より『雰囲気』が違う。例えるのならオーラ等と言った『人間が持っている雰囲気』その物が歪であり、それが感じられる人間には『どことなく違和感を覚えさせる』程度には可笑しい。
――――ニヤリと歪めた口元を元に戻して、そして両手をそれぞれ左右の上着のポケットに突っこんだまま、彼は少女に語り掛けていた。

「『学園』の『生徒会長』ともあろうお方が――――こんなところで『血塗れ』になって、こりゃあ『一体どういうことだ?』」

大げさに肩をすくめポケットから出された手は肩まで上がり、さぞ『分かりません』と言った風な芝居。無論、これらは全て目の前の少女に対する挑発。意味なんt物は何一つとしてない。
コツリ。地面を軽く足で叩けば、僅かに彼の周りの空間に温度が発生する。僅かに小数点程上がった熱気は、液体を浴び居る彼女には、明確に伝わるだろう。暗に、『脅して』居るつもりらしい。

「これは一体どういうことか――――『説明』して『くれよ』」
「『生徒会長』サン?」

忌々しく、恨みがましく、それに近い嫌悪を込めて。彼とは『異なる』少女を見やって、そして『毒づく』。
なんだ――――『完璧超人』なんて『嘘っぱちじゃねぇか』。なんて
636 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/20(土) 22:12:54.47 ID:TP2lleM10
>>629

「ん、んー……まぁ最低限の単位は取るよう計算してサボってるし」

学業に熱心という訳でもないが、補習や留年になったら後々面倒なのも違いない。
なので出席を放棄する際は放棄するが、ある程度の必要数は赴いている。
教科書や参考書を一通り読めば、定期試験で標準以上の点数取るのも容易いし。
だからこそ、学園校舎の敷地内から相応に離れた河川敷にまで行って暇潰ししてたのである。

「でもバックレるのにも飽きたし、一応行ってみるかなー……なーんて」

サボると云っても、特に今すぐやりたい事も思いつかない。
折角青年に同行して此処にまで着いたのだし、今日くらいは普通に出向く事にした。
真面目な態度で内容を受講するか否かは、別として、なのであるが。
拳銃のカートリッジを取り出し、予備で普段より持ち歩いている弾丸を込め直していく。
リロードが終わると再度上着に仕舞い、伸びをしてみる。

「んじゃあ先輩、私は向こうだから。叱られるの頑張ってねー」

そう云って青年を置いて歩調を速め、背中を向けた儘ひらひらと手を振る。
途中で小さく欠伸をして、自分の教室まで歩いていくだろう。
637 :【念動震域】 [sage saga]:2016/02/20(土) 22:14:23.69 ID:H6rn30r50
>>635
//名前なまえ
638 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 22:24:16.26 ID:lFzcs033o
>>635
「きゃっ、見つかっちゃったー」
「って言えば流行に乗れるかしらね?」

パッと見る限りには不良
しかし、雰囲気が違う、異常
そんな感想を抱ける青年がそこにいた
見られていたらしい、『学園』の生徒らしい
すごく、どうでもいい
この上なく、どうでもいい

「好きだから、じゃダメかしら?」
「こうして人の中身を浴びて、感じて、味わうことが、大好きなの」

挑発、侮蔑、嫌悪、脅し、熱気
それらすべてを受けてもまだ、笑う
細い右手の指を舌でなぞる。その指の赤を味わうために
誤解されているらしい。自分は超人などではない
欲望の赴くままに人のために尽くし、人を咀嚼する者に過ぎない

「"今"の私はそんな肩書を背負った私じゃないの、
ただ、快楽の為に人を殺してまわるだけの、殺人者なのよ」

笑みを浮かべる。素直な、純粋な笑みだ
愉しそうな、笑いだ
そして――状況を鑑みるとこの笑みは―――――

狂人の、笑みだ
639 :【儘滅塵鬼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/20(土) 22:25:11.99 ID:v7Gdv32no
>>634
 女が凄惨なオブジェを眺めて愉しんでいると、無粋な女性の質問がそれを邪魔する。

「何がって言われますと……答えるのはちょっと恥ずかしいですね」

 声の方向に目をやると、そこに居たのは"柊 春香"だった。
時折テレビの中で見かけるアイドルである彼女は、この女も知るほどの有名人だ。
そんな人間がなぜこんな場所にいて、この惨劇を見て平然としていられるのか。
その答えは、襟に輝いていた。

「あら……"柊 春香"がD.O.T.Aだったなんて。 ゴシップ誌が知ったら大喜びですね」

 女は剣を突きつけられているにもかかわらず、まるで気にしていないかのように春香に近づく。

「このマントにサイン、頂けませんか? 有名人に会えるなんて滅多にありませんから」

 マントの裾を持ち、春香にサインをねだる。
しかしそのマントの内側からは、塵が濃く舞っていた。
640 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/20(土) 22:32:42.50 ID:iyqGyZPKO
>>639
無情、冷徹な表情で、その剣でマントに対して横薙ぎ、斬撃を放ち
ワンステップ後ろに下がり、左手を上へと挙げる
其処に現れたのは二本目の剣が宙に漂う
その表情、姿はテレビ等で見せる姿とは違っていて

「……悪党に振り撒く愛想もサインも、持ち合わせてはいないわ」

左手を前に出す、すると、その漂っていた剣は女性を突き刺さんと飛ぶ
塵には気づいていたが、特に意に返さなかったようで
641 :【念動震域】 [sage saga]:2016/02/20(土) 22:41:03.35 ID:H6rn30r50
>>638

「『肩書』ってのはな、そう簡単に『置いておける』モンじゃねーんだわこれが。」
「『こういう肩書だから』『こうしなきゃいけない』」「その『歯車』が壊れちまったら――――『穴』が空く。」
「誰しも自分は責任をとりたくない生き物なんだ。」「そんな『勝手』してると……『こういう事』になっちまう」

「――――ま、それを『ぶっ壊す』つもりの俺が言える言葉じゃあ無いがな」

殺人者。その簡潔で容易な表現を理解して、彼は一人表情を歪める。苛立ち、それに近い感情であると彼自身は理解しているが、いわばそれは嫉妬にも似た――『それ』。
表で『良い顔』をして、『裏』で悪逆非道を尽くす。そんな事は誰だってやっているし、彼だってそうだ。表だって道を歩けば、気に入らないなら即殺す。なんてことは難しい。
能力発動直後の、それもよっぽど『気分がいい』時以外は、彼の思考力は正常に稼働する。只本能に従い、また本能の赴くままに行動しているだけで、常識が無いという事は決してないのだ。
ましてや『関係の無い人間』を殺すなど――――――――ついこの間『やったばかり』である。彼の思考には、限りなく意味と意義が無い。停止して、そして続ける。

「だったらそんな『危険』な『殺人鬼』を…………『学園』の『生徒会長』に据えておくワケには『いかないな』。」
「今まで『運が良かった』だけだ。」「そんな『欠陥』がある以上――――『お前』には『生徒会を降りてもらう』」

意思は明快。言葉を要約するのであれば、『生徒会を自分に寄越せ』と言う酷く自分勝手なもの。少女が『危険』であるから、そして『責任感』の『欠如』を指して、それでは『役不足』であると『問う』。
まさしくその通りだろう。生徒会長と言ういわば表の顔的な存在でありながら、裏では『惨劇』を起こす殺人鬼。この事実が発覚した場合の学園イメージの低下を考えると、彼の言葉は『最もな風に聞こえる』。
しかし、よく彼を見ていれば分かるだろう。目の動き、筋肉の収縮、言葉の節々に込められた嫌味。彼はただ単純に、『表の人間に嫌がらせをしたい』だけなのだ。いわゆる『八つ当たり』と言う表現が最も近い。
彼の仲間である【空圧装置】という人間が表の人間に排除された。それを『公の理由』として、今まで感じていた『苛立ち』を明確に学園にぶつける。売られた喧嘩は買って、買ったからには絶対勝つ。
――――酷く身勝手で自己中心的な思考。『本能』に突き動かされている部分だけをみれば、少女と何一つとして違わない。異なるのは立場と、出で立ちと、そして『記憶』。それだけである。

「要するに、だ。」

「『生徒会長様』のお役目はもう『おしまい』ってこった。」


右手を軽く少女の方に向け、そして『締めくくる』。
642 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/20(土) 22:46:53.61 ID:TXgU0uh8o

山脈の奥深く。とある『宮殿』があった。
月光は"神殺"の証を照らし出す。身に纏った軍装は、もう数十年前の歩兵将校の物。軍帽の奥に潜む顔は、半分が大きな火傷痕に覆われた祖国人。
嘗て、此処もまた悪の巣窟であった。"神殺"のレナートのものとは違う、また別の目的を持った"聖王の騎士"達、その根城。今では、其処も伽藍の堂。
随分前に此処に足を踏み入れた時は。"首領代行"、そしてそれが伴う"炎神"に直々に歓迎されたものであったが、今では唯々、埃が積もるばかり。

「――――――――――― なぁんにも、ありゃしねえか」

昔を懐かしむ為に来た、訳では無い。此処に何か役に立つものは無いかと、探索に来ただけだ。
結果は本当にもぬけの殻。家財道具が置き去りにされているばかりで、それ以外に何がある訳でも無い。
玉座の間の中央は空で、他の部屋を見ても何もなく、畑だって荒れ放題。確かに此処は、嘗て敵の巣窟であった場所ではあるが。

「やっぱ、いざ来てみると悲しいもんだな……」

それでも、其処で"神域"と"命のやり取り"をした人間からすれば、少々寂しく思ってしまう。
酷く人間臭い感情を、軍帽の奥に湛え乍ら。指揮棒が眼前を指し示すと、目の前には"祖国軍の数十年前の主力戦車が出現し"。
それに、一歩。足を掛けた。
643 :【儘滅塵鬼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/20(土) 22:48:45.55 ID:v7Gdv32no
>>640
 交友的に近づいたにも関わらず、春香は剣を振るいこちらを拒絶する。
しかし自らのしたことが世間一般の倫理観からすれば、極悪非道であることの自覚ぐらいはある。
--その剣閃により、身を覆う唯一の衣が失われてしまったそれは気にすることではない。

「嫌われてしまいましたね、少し残念です。」

 塵が舞わぬように抑えていたマントが失われた事により、舞う塵の量は先程よりも多くなる。
その塵が春香の元へと向かうように腕を払う。
それとほぼ同時に、能力で生み出されたであろう刃がこちらに向って飛んで来る。
振るった腕でその刃を打ち払う。どの程度の傷ができるかは、その刃の鋭さによって決まる。
斬鉄ができるのであれば、鉄に近い強度を誇る皮膚を裂き傷を負わせられるだろう。
644 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS :2016/02/20(土) 22:50:05.07 ID:8613f4xZ0
>>636
青年は驚いた。現在の自分の学業スタイルに、既に一年生が到達していることに。といっても、そもそも全国的に良くある手法ではあるが。
彼女の小狡さを鑑みても、きっと成績等の不安もないだろう。

「なるほど。まあ、人のこと言えたもんじゃないから、ノーコメントだね」

複雑な表情をしながら、校門を過ぎる。
当然の如く、高等部の一年と三年では、通う校舎も別である。
少女はたまには、と授業に出ることを予定した。ならば、じゃあここまで、ということだ。

「シャルちゃんはそこんとこ、上手くやってるんだね……。うん、また」

早足で一年校舎に向かう背に、羨ましい視線と挨拶を掛ける。
ミナヅキもぐっと伸びをし、だらけた空気を肺から捨てる。

お叱りの言葉は三年間、代わる代わる聞いてきた。それよりも、少し勇気の要ることをしなくてはならない。
―――脳裏に過ぎるは、白銀の少女。

「―――“学園裏”、か」

自分の人脈でどこまで辿り着けるか、分からない。だが、ここへ赴いた本当の理由はこちらにあるのだ。
ここまで来て引き下がる訳には行かない。

欠伸をして建物の陰に消えた彼女を尻目に、自身も三年校舎へと歩を進める。
見慣れたはずの学び舎は、余所者に睨みを利かせて、そびえ立つようだった。
645 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 22:50:25.75 ID:lFzcs033o
>>641
「生徒会長の座、ね――――」

嫉妬をされている
最もな御託を並べて否定をされている
嫌がらせをされている
嗚呼、似ている。自分と似ている
きっと、彼はやりたいことをやっているだけだろう

「ええ、構わないわよ」

だから、正直に答える
降りても構わないと、
生徒会長を辞職しても構わないと

「だけど、ダメ
私にはもう一つ、肩書があるの」

ふふふっ、と笑む
まるで悪戯を思い付いた子供

「その肩書の役を果たすためにも、私がやりたいことをやるためにも
今は降りたくない――かな」

口元には赤い三日月
酷く自分勝手、生徒会長の責任のためなんていう仮面を被ることすら放棄している
この立場は、利用できる
彼らと、『学園』を衝突させるのに使える
そして、その衝突の波紋を広げるのにも使える

―――戦争に、使える
646 :【須臾絶聴】 ◆3OLmDCAAbE [sage saga]:2016/02/20(土) 22:51:49.85 ID:TP2lleM10
>>644
/〆ですかね?絡みお疲れ様でした!
647 :【水掌流武】 ◆6zQGmjbu5lAS [sage]:2016/02/20(土) 22:56:14.26 ID:8613f4xZ0
>>646
/すみません書くの忘れてました……〆ということで!ありがとうございましたー
648 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/20(土) 23:00:11.23 ID:D/Jk67L9o
>>642

「正に栄枯盛衰だな、かつて悪逆の限りを尽くした栄光も、時の流れの前には実に儚い」

かつ、かつ、かつ―――と、足音が静寂を破いて宮殿に響き渡る。
不法侵入とはいっても、既に宮殿の主はいない。だから遠慮する必要もない。
どうせもぬけの殻だろう、と彼女は考えていたのだが。しかしどうやら先客が訪れていたらしい。

一人の少女が、玉座の間の入口に姿を現す。学園の制服の上から白衣を羽織り、三角帽子を被ったミスマッチな風貌。
そしてその表情は、何故かとても不機嫌そうで―――まあ、この表情が彼女のデフォルトなのだが。
むすっとした顔で、彼女はその目を彼へと向ける。どうやって持ち込んだのか知らない戦車に足をかける彼へと。

「で、お前は誰だ?ここの家主ではないのは確かだろうが
 泥棒か、探険か―――いや、その顔からしてここに何か思い入れがある人間か、まあどうでもいいが」

そして少女は口を開けば、出てくるのはこのような内容の悠然とした台詞。
泥棒も、探険も、今の彼女には的確に当てはまる表現だったのだが―――しかしこの少女、基本的に自分のことは省みない。

649 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/20(土) 23:01:46.38 ID:iyqGyZPKO
>>643
斬鉄は不可能、もっと距離と速度を持ってすれば可能ではあるがこの距離では無理
そして弾かれた剣、傷のつかぬ皮膚見ると、相手の身体が堅い事を察知
始め、塵に関しては疑問に思うがその塵自体は特に気にしない
(これは能力か何か……?)
等と思考するが、今のところ害はない、なら気にしても仕方ない
そう思ったのか左手にもう1つ、三本目の剣を作成し、右手の一本目と同時に投げる、左手から放たれた剣はまっすぐ女性へと
右手から放たれた剣は、右に弧を描いて女性の背後を狙う軌道で飛んでいくだろう
弾かれた二本目はとりあえず、地に落ちたまま放置

「私がこの世で一番嫌いなのは"悪党"だからね」

少女はそう言って
650 :【念動震域】 [sage saga]:2016/02/20(土) 23:07:01.14 ID:H6rn30r50
>>645

「よーしじゃあさっさと荷物を纏めて『出ていって』貰おうか――――」

「――――――あ? 『構わない』のに『降りたくない』ってのは『どういう了見だ?』」

先程までのややからかうような口調から一転、自らの思い通りに『行くことが無い』と彼は理解すると、自らの『苛立ち』を表に出して、語尾に少しだけ小さい『あ』が付く。
地団駄を一つ。ドン。という音が彼のヘッドフォンから聞こえていたジャズの音を突き破り、そして、周囲の温度がまた更に『上昇』する。それは先ほどとは比べ物にならない程『強く』、濃いもの。
温度計で表せばせいぜい一度か二度上がった程度だろう。彼の本気とは程遠く、同時に『苛立ち漏れ出した残滓』だけで『此処までの温度を発する』という事を証明する。少女が理解するかは置いておくとして。だ。
ジャズの音が地団駄によってかき消された後、僅かに漂っていた雑音が消えた事によって、空気が張り詰めたような感覚が肌を震わせる。苛立ちによって逆立つ産毛と、能力によって段々と血液の沸騰する感覚。
自らの能力が暴れたくて仕方がないと『吼えている』のを留める気も無いようで―――――最後の『警告』とばかりに『言葉』を『返した』。

「―――――舐めてんのかよ」「『お前』」

直後、少女の足元で発生するのは『発火』。予備動作として『彼と間接的につながっている地面の温度が僅かに上がっている』というものを『理解』していれば、それか少女自体を殺すことは無い事も分かっているだろう。
彼の能力は即ち振動を起こす。存在を構成する最小単位に対し振動を促すことで、摩擦による物質の『融解・発火』を引き起こす。いびつな形で言えば『パイロキネシス』の延長戦場であり、その最高峰。
『掴み』『震わせる』振動を取捨選択することで『少女の一歩手前の地面から大きな発火を起こす』。これが今発生した行為の種であり、手品としては少々科学的で味気が無い。発火の規模こそ大きいものの、一歩下がれば肌に熱いという程度だろう。
無意識に発生した彼の能力は地面の融解と言う程まで出力が乗っておらず、導き出されるように現象は発火のみ。地面から垂直に立ち上るそれは炎の線にも見えるだろう。

――――苛立ちを募らせながら、『最後』の『言葉』。彼は基本的に我慢弱く、そして手加減なんてものは初めから『するつもりが無い』。
牽制とすら『考えていない』。単純な―――――『八つ当たりの発露』である。
651 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/20(土) 23:19:07.05 ID:TXgU0uh8o
>>648
「……どうでもいいのなら、答える必要は無いだろ、девушка(お嬢さん)?」

T-34中戦車の下からかけられた声に、ゆっくりと振り返って。それから、その砲塔に背中を預けて。それから漸く、彼女からかけられた声に対してそう返した。
少なくとも、その声色から警戒や敵意は存在しなかった。ならばなぜ、態々そんな風に"答えるのを拒否したのか"と言えば、実に単純明快、"悪戯心"であった。

「だから、俺の方から聞こうか? こんな山奥の廃墟に……"何か用"でも?」
「少なくとも元"騎士団"ではなさそうだ、それに装備も不十分に見えるな……頭のそれはведьма(魔女)のつもりか?」

「―――――― まぁ、"どうでもいいが"ね?」

年頃の人間の中には、兎に角周りの人間に対して反発したい人間が存在する。そう言うのを見かけると……"若々しい"と思うと同時に、"ちょっかいをかけたくなる"。
そんな、幾つになっても"子供"な部分が抜けきらない老人は。"実に楽しそうに双眸を輝かせながら、彼女を見下ろした"。
652 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/20(土) 23:21:46.15 ID:lFzcs033o
>>650
「その前に、名前を聞かせて
あなたと、あなたたちの――ね」

暑くなった、
彼が苛立ったせいだろうか、きっと制御が外れたのだろう
だが――そんなことはどうだっていい
間合いを量る、――射程圏内
決めた、殺しはしない

「私は――三条雪音」

警告を受け取り、一歩だけ下がる
これでも射程圏内だと、把握しながら
そしたら、火が起こった
垂直に上がる火線、そんなものには興味がない

右手を上げ、何かを掴んで、豪速で振り下ろす
右手で掴んだそれは、掴んだ一瞬、振り下ろす一瞬しかこの世にはない
振り下ろされたときには、そこにはなかった
それは剣。大剣。長大で、近接戦の常識を断ち切る一刀
少女の剛腕から出た速度によって、それは地面をも砕く

「『学園』の"生徒会長"にして、果て無き戦争を望む者よ」

もし、豪速にして非在なる一撃を避けれたなら聞けるだろう
彼女の、正体を
653 :【儘滅塵鬼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/20(土) 23:32:10.36 ID:v7Gdv32no
>>649
 撃ちだされた刃は皮膚を裂くことができず、そのまま地に落ちる。
だがそれだけで春香の弾は尽きず、二本目がこちらにまっすぐ、三本目が弧を描いて後ろから飛んで来る。
さっきの一撃は皮膚で弾くことができた。だが次はどうだろうか。

「"柊 春香"さんにここまで嫌われてしまうなんて……。 仕方がありませんね」
「ただ飛ばしただけでは、私に傷つけられないみたいですね。少し、安心しました」

 これなら私でも勝てそうです。 そう言うと、女は指を打ち鳴らす。
それにより発生した火花によって周囲の塵が起爆。女の周りに爆発が起こり、第二第三の剣を吹き飛ばす。
女もその爆発に巻きこまれているはずなのだが、特に大きなダメージを受ける様子は無い。

 その爆発は連鎖し、まるで導火線のようになり春香へ迫る。
その速度は全速力で走れば、塵の範囲から逃れられるであろう。
だが、爆煙に乗じて接近する女にも注意しなければ格闘戦の距離に持ち込まれるだろう。
654 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/20(土) 23:33:42.71 ID:D/Jk67L9o
>>651

「質問に質問で返されるのは実に癪だが、しかし年功序列という言葉もある
 ここは私が慈悲と労わりの心を以って先に答えてやるのが、まあ道理だろう―――別に怒ってないぞ?」

怒っていた。そもそも初めから不機嫌そうな表情なので、その感情の機微は余りに読み辛いものであったが。
ちょっかいをかけられたら、こうして捻くれた反応を示す程度には、彼女はまだまだ子供であった。
しかし子供だからといって、装備が不十分だからといって、決して侮るなかれ。
この世界にはそういったハンデを簡単に覆す能力が幾つも存在し―――そして彼女もそれを所持しているのだから。

「用か、まあ簡単に言えば宝探しのようなものだ。別に構わんだろう、既にここは時の流れの中で忘れられた場所
 かつて世界を滅ぼさんとした悪の組織、聖王の騎士団。その存在を私は知識の中でしか存在しないが」

「なんでもその組織を率いたという召喚術師がいたらしい。そしてそいつが世界を敵に回す為に用意したものに、興味があってのだがな」


「―――と、上から見下ろすのはやめろ。理由はないが無性に腹が立つ」

とん、と。少女は話を中断して大理石の床を踏むと。
ただの大理石であったそれに、物としての形が与えられ。そして瞬く間に大きな玉座もどきへと姿を変える。
それに座って、少女はふんすとふんぞり返る。その視線は彼よりも、若干高めになった。

655 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/20(土) 23:38:20.65 ID:iyqGyZPKO
>>653
(爆発の能力者……!?)
爆発が、こちらに向けて連鎖的に発生、更にその爆発で女性を見失う
(仕方ない……)
とりあえず、爆発から逃れるよう、後方へと走る
更に四本目の剣を作成し、右手に保持
そして、それまでの三本の剣は上へ上へと上昇させ、滞空させる

(普通に攻撃しても無意味……面倒な相手だわ……!)

等と考えて、ひとまず爆発から逃れるのに集中
剣にも自信がある彼女、接近してくるならこいと言った所で考えている様子
656 :【念動震域】 [sage saga]:2016/02/20(土) 23:41:45.31 ID:H6rn30r50
>>652

「―――残念ながら、『人様に名乗れるほど、『過去』があるわけじゃないんでね』。」
「『俺らの名前』だったら簡単だ。『カースト』。未だに『優劣』を付けたがる馬鹿が造った、大馬鹿野郎の『溜まり場』だ」

返す言葉は単調で、其処に怒りを僅かに含む。こちらに仕掛けてくる気だろうか――――いいだろう、それで『終りだ』。
……と簡単に考えていたが、どうやら相手も『規格外』らしい。出なければただの人間に『こんな動きが出来るわけがない』。


「―――――チィッ!!!」

『めんどくせぇ』と口の中で発しながら、彼はそのまま能力を発動させる。効果は発火。振動率を故意的に調整することで―――彼の周囲全体に『爆発のような火線』を起こす。
いわば彼を中心点としてごく近い、円形に広がる炎の渦。先ほど少女に放ったそれが『より強力』になったような形状のそれは、それぞれは垂直に火線を伸ばし、それぞれが『繋がる』事によって『壁』となる。
だが、其処には『物理的な』防御力は存在せず、少女が振るう剣はまさに『剛』のそれ。炎を意に返さず、そして『自らの手傷』を考えない人間であるのならば――――その剣はきっと、彼に向かって振り下ろされる。
いわゆる『攻撃』の瞬間にカウンターを張ったような形になるだろうか。けれど、幾つかの熱による全長がある故、反応することは『難しいほどでは無い』。

彼は近接戦闘に特化した能力者では無い。ただ『能力行使に特化した』能力者である。身体能力などは常人に毛が生えた程度しかなく、視野が広いとか感覚が鋭いと言った特筆すべき点も無い。
だが、彼には全ての『近接職』に勝てる『相性』があった。それは『彼には絶対に触れられない』という自信を促すほどの『能力』。即ち、振動を故意的に引き起こさせる事で『振るわれた獲物すら融解させる』その『凶悪性』。
――――けれども、今回の場合は少し『違う』。問題は、彼が少女の能力を何一つとして理解しておらず、半ば防衛本能に任せて『炎の円柱』を発生させてしまった事。彼女の獲物は文字通り大なる剣であり
その気になれば『炎を突き破って斬撃』を見舞う事が可能であるだろう。少女の素早い動きにやや驚いてしまったようで、長剣が出てきた瞬間に『手で触れられたらそれを溶かす』と言う行使方法から『地面を発火させて距離をとらせる』という者に変更したくらいだ。
即ち、彼の肉体的な能力については『芳しくない』という事。自身の発生させた熱には強い耐性があるらしく、炎の円柱の中では涼しい顔をしているだろうが……。
657 :【儘滅塵鬼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/20(土) 23:52:38.43 ID:v7Gdv32no
>>655
 爆煙に乗じ接近することに成功した女は、そのまま格闘戦に移る。
懐に入り込み左腕で春香の右腕を押し上げて、右手で襟をつかもうとする。
もしつかめたのならばそのまま背負投げて、そして寝技へと繋げるだろう。
先の爆発で漂っていた塵は燃え尽きてしまったが、少し待てばまた爆発は起こせる。
それまで時間を稼げば勝利は確定。 この距離で起爆させれば逃れるすべは無いだろう。

「ふふふ……"春香"さんも今よりももっともっと良い姿にしてあげます」

 半ば勝利を確信している女は、上空にある刃に気づいてさえいないようだ。
658 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/20(土) 23:59:51.33 ID:iyqGyZPKO
>>657
接近をされた少女は、五本目を左手に作成し
その両方を上空へと投げる、そしてそのまま背負い投げを受ける

「……つ!!」

衝撃で、表情も苦痛に歪むが、仰向け状態は"都合がいい"
そのまま女性は寝技をしようとしてくるが、絡められる前に行動に移した方が良さそうだ

上空には星のように煌めく五本の剣、おあつらえ向きだ

「天上の星"セレスティアルスター"」

ふと彼女は自らのヒットソングの名前を呟く


そして、上空の五本の剣は、そのまま女性目掛けて、助走、更に重力を味方につけて、雨のように飛来する!
659 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/21(日) 00:02:35.83 ID:gMcOyagBo
>>654
「そうだな、怒ってない、怒ってない」

レナート・アスカロノフの外見上は、恐らく多く見積もっても三十台も半ば程度だろう。
だが、其の実は"曾孫がいるくらいには"人生を刻んできている。故に……そういう、"若者"の気持ちについてはそれなりに読み取る事が出来た。
だから、にやにやと口元に笑みを浮かべながら、彼女のその主張に対して、そんな風に流してやる事にした。余り突き過ぎるのも、良いことでは無いのだから。

「―――――――――――― ほう、それはそれは」
「どうやら俺とやっていたこと自体は大差無かったらしい―――――― ふむ、だが、一つだけ、"決定的な違い"がある」

考えている事は自分と大差のないことらしい。"聖王の騎士団"、その残滓が残っていないかどうかの捜索。そして、同じように無駄足を踏んだ、と。
だが、ほんの僅かに違いがある。それもまた、"刻んだ人生の一つ"であった。それもまた、"先を行く者"の特権であると、言えるかもしれない。
変化した大理石の玉座に座る少女を見上げて、やれやれ、と小さく首を振った。それから、被っていた帽子を取り去った。

―――――――――――― それこそが"聖王の騎士団の唯一の残滓であるとも言えた"。


「―――――――――――― 俺は"知っている"。知識では無く、燦然と輝く"記憶"の中に、"あいつ"の記憶が遺されている」
「目を瞑れば鮮明に思い出せるように。この世界を覆わんとした"焔"を―――――― 俺は、知っている」


顔の半分を覆う火傷痕。それこそが、"聖王の騎士団が存在した証明である"。
嘗て男は、その聖王の騎士団の首領である"召喚士"と、それが"最も信頼する焔の神"と、"全霊を籠めて激突した"人間であり。


「……ここまで来て無駄足と言うのも嫌だろう、"ジジイの昔話"でも聞いていくか?」


―――――――――――― 嘗て、聖王の騎士団と並び、世界に君臨した殺戮集団、"神殺機関"の一人であった。
660 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/21(日) 00:09:07.77 ID:wShIUFeeo
>>656
カースト、覚えた
覚えたら後は、
力を、見せつけるのみだ
だが、殺すのはよくはない。生きて帰らせなければ意味がない
そこは、加減をせねばなるまい

あまりに速く、剣戟を放ってしまったが故に炎の壁に反応はできなかった
炎は割れ、剣戟が隙間から躍り出る
そして、地を割る
青年のすぐそばの地面を割った剣は、もうそこにはない。塵のように消えてしまったのだ
これが少女の加減であった

「今」

白い肌を、コートを、飛び散った火が焼いた痕がある
だが、それだけ。大地をも割る一撃を放ってなお超然としている
少女の能力が起こす現象は剣戟の瞬間のみ剣が出現するということ
それだけだと考えると非常に単純。だが、
少女の身体のスペックも、高すぎた

「何をしたかわかった?」

問いを投げる
そこにない剣を構えることもなくただ、問う
笑みを浮かべながらに
661 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/21(日) 00:17:34.52 ID:G/HO7+txo
>>659

「成る程、やっぱりそうだっか。それは実に羨ましい
 私が知り得なかったものをお前は知り得ている。その身を以って、その魂を以って記憶に刻んでいる」

「あぁ……素直に羨ましいな!その鮮烈な記憶、正直言って見たくて見たくて堪らない
 私は人生経験の浅さ故、物語を紡ぐのは苦手だが。だからこそ他人の物語には憧れて仕方ない」


この少女は魔術師であり錬金術師でもあり、科学者でもある。
そして其れらは何れも、知的好奇心を抑えられない奇人変人である場合が殆どだった。
その例に、彼女も漏れず。彼の言葉に少女が発したのは羨望の言葉に他ならない。

彼女は善悪に価値観を見出さない。彼女は人の意志とその結実に価値を見出す。
そんな彼女からして、彼は、彼の顔の傷は―――とても魅力的で、そして聞きたくて堪らなかった。


「ならば、是非ともお聞かせ願おう。そのジジイの昔話とやらを」

「―――と、傾聴する身でこの高さはないな。ちょっと下がれ」

そう言って、少女は自らが座る椅子をちょんと蹴る。すると椅子は形が変わり、その高さが緩やかに下がる。
その目線は、再び彼の下へと。高慢な口調こそ変わらないものの、これが彼女なりの“敬意”であった。
そして少女は、相変わらずの仏頂面を浮かべ―――しかしその瞳は年相応の好奇心に光輝いてた。
662 :【念動震域】 [sage saga]:2016/02/21(日) 00:25:43.49 ID:xBQ7esWp0
>>660

「―――――――ああ、よぉく分かったぜ。」



「 『 テ メ ェ が 悉 く 俺を コ ケ に し や が っ た 』 っ て 事 を な ァ ! ! ! ! ! 」




吼えた。それは紛れもない怒りであり、どうしようもないほどに『凝縮』された憤怒である。緋色の瞳は只管に『目の前の存在』に対して殺意で染められて、彼はそれを肯定する。
此方としても『生徒会』が手に入るならそれでよかった。別段この『クソムカつく女』を構ってやる必要も無し、然らば『それ』だけを追い出してしまえばいいと。特に何も考えも無くそう思っていた。
だが、それは大きな間違いであったと言えるだろう。彼はいまこの瞬間、たった今、まさにセツナの時間において『侮られた』のだ。コイツは弱いから、『これぐらい手加減してやらなければならない』と。
それは彼にとっての最大の侮辱に等しく、延いては彼が傘下に置く『カースト』に対しての『どうしようもないほどの侮辱』でもある。そうだ、この『クソアマ』は、俺を此処まで『コケ』にした。
ならば、するべきことはただ一つである。どうあがいても――――――――其処に待つのは『地獄』だけだ。たかが『天然能力者』風情が『被検体』である俺に『舐めた真似』した報いを――――受けろ。



「―――――『死んじまえよ』。」


瞬間、何の『前兆』無く。空気の振動すら見えない程の時間において、少女の地面そしてそれに関連するエリア総てが『爆発』擦る様に『火線』を上げるだろう。
彼の真骨頂である。振動の取捨選択を行い、高出力で地面を振動させることで摩擦熱による融解を起こし、融解した地面は文字通り『マグマ』のような外観を伴って熱と物理的な火を噴き上げる。
真横に出来た穴からも、穴の開いていない場所からも、どこもかしこも――――――『マグマだらけ』だ。逃げ場があるとすれば上空、そして壁伝いであり、それ以外はまだ熱によって誘拐していない部分も散見されるもの『全て』彼の領域である。
彼はありとあらゆる可能性を総てこの能力用に『調整』去れている。例え真横に斬撃を振られようとも、そんなことは『只の侮辱』に過ぎなかった。一度『見れば』馬鹿でもわかる。馬鹿力で剣を振って、そして戻す。炎を裂くのがその証拠。
ならばそれすらさせぬほどの『熱量』で『支配』してしまえばいい。彼の足元は比較的熱量を伴わないように調整し、その他の場所は彼に近い場所から次々とランダムにマグマのような物を噴き上げ、爆発し、そして溶けていく。

『攻撃能力特化』。『カースト』の『リーダー』にとって、それこそが絶対である。もし『負け』があるとするならば―――――彼よりも優れた『能力者』以外に『在り得ない』。
彼は力を『振るうもの』。思考なんてしなくていい、その時間があるなら、その全てを『能力領域』に割いてしまえ。段々と滾る様な、俺でいて沸騰していく思考に『笑み』と『怒り』を湛えつつ、そして――――。
663 :【儘滅塵鬼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/21(日) 00:33:52.55 ID:cq4uLDSUo
>>658
 接近されたと悟った春香は右手の剣と、新たに左手に生み出した剣を放り投げる。
何を企んでいるのかは分からないが、今コチラにとってはとても都合の良い行動だ。
そのまま背負投げ、背中から大地に叩きつける。

 その衝撃に苦悶の表情を浮かべる春香を見て、どこか蕩けたような笑みを浮かべる頬を赤く染める女。
興奮しているのか体は汗ばみ、それと同じように塵が発生している。
その量は自分に密着している人間一人程度を焼き焦がす程度の爆発を起こせる程度で。

「愉しみです。春香さんならとってもとっても良くなりますよ」

 春香を"良く"するために、寝技をかけようとする。
そんな勝利を確信し、油断慢心に溺れた女に対して。

 天空より降り注ぐ剣は強靭な皮膚を裂き両腕を貫き、女は大地に縫い止められる。
幸運にも頭部への剣は横に逸れ頬を掠め、両足への剣は皮膚を裂くだけで留まる。
そこで発生した摩擦熱により、塵は起爆し小規模な爆発を起こして女を縫い止める剣を吹き飛ばす。
なんとか自由になった女だが、先程までの様子は無く痛みに怯えている。

「痛い……痛い痛い痛い痛い痛い痛い……」
「なんでこんな痛い思いをしなければいけないんでしょう……」

 いまだ漂う爆煙と砂煙に乗じて逃げようとする女。
そこそこ速いが、さて逃げきれるだろうか?逃げ切れなければ、その最期は春香の手に委ねられるだろう。
664 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/21(日) 00:44:18.63 ID:eInFxKYxO
>>663
「ち、逃がさない!」

少女は反転し、立ち上がる、そして五つの剣のうち四つを女性の四肢を狙って飛ばす
そのうちの一本は自ら手に持ち、歩いて近づきます

「全く、痛い思いをするのは自業自得でしょ、なんでこんな事をするの!?」

と、問いながら

(堅い皮膚の持ち主だから……合成する必要も、あるか)

等と思案して
665 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/21(日) 00:44:33.52 ID:wShIUFeeo
>>662
「ええ、そうよ!
私はね、あなたにまだ生きていてもらいたいの」

「他でもない、戦争の為に」

目的のための行動は、侮辱となった
だがそんなことはどうだっていい。寧ろ好都合
きっと、これで戦いは大きくしやすくなる
あとは――もう少し煽ってみようか

ただ、地面にいるのはなんとなく不味い
彼の力は地面から炎を出す。温度を操る。ならば、
きっと、それ以上の大技だってできるはずだ

「今夜は挨拶ってことにしましょ
――私は、学園であなたたちを待つ」

地面を蹴り、路地裏の壁の僅かな取っ掛かりに手をかける
その次の瞬間だった、地面が融けたのは
足場がないのは些かよくない。愛称は決していいとは言えない
だから、逃げるのだ

「あなたたちは手勢を連れて『学園』に、生徒会に戦争を仕掛けなさい
そしたら、生徒会は全力で応じることを約束します」

圧倒的な腕力で軽々と壁を伝って建物の屋上へ
そして、青年を見下す格好となる
その赤い目は冷ややか、月は赤い
また、見下される格好となった。コケにされた。と思うだろう
だが、今はこれが彼女との戦争前の最後の会話の機会と考える方がきっと、賢明だ
666 :【念動震域】 [sage saga]:2016/02/21(日) 00:54:53.20 ID:xBQ7esWp0
>>665



「 ウ ル セ ェ 黙 れ 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね 死 ね ェ ッ  ! ! ! ! ! 」


「 こ の 俺 を 見 下 す な ぁ ぁ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ぁ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ぁ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ッ ッ ッ ! !! ! ! ! ! ! ! ! ! ! !」 




叫ぶ、喉に傷ができ、そして血液の味。沸騰する思考はただ『殺戮』の一点のみに注がれて、少女が上った『建物』すらも例外では無い。彼にとって、『ありとあらゆるもの』が能力対象になるのだ。

この世界に存在しないものでなければ、破壊できない物なんてない。耐性も無効も関係なく、ただ融解させる。次の瞬間には『少女の居た建物』すら只の熱量を放つ存在へとなり果てるだろう。

逃走と言う選択は間違っていない。もはや暴走とも言える領域にある彼の出力は、自分で制御しきれているのか――――と言えば否。彼の本能に呼応して出力を際限なく上げ続ける。単純な『思考』。

体に帯びていく熱量もそれにまして上がり、上がり、最後には彼自身が熱に飽和されて死んでしまうだろう。けれど、そんな『事等』どうでもいい。あの生意気なクソガキを『殺せれば』それで――――。


―――――

言葉は聞こえなかった。そして、彼と少女が出会ったその場所は余さず『海』に沈む。只の水では無く、黒い焼け焦げた存在へとなり果てた物質の海。

彼は決めた――――アイツを殺す。『何をしようが』構うものか。嗚呼、「イラつく」。あのまま『沈んで消えてしまえ』―――――――。
667 :【念動震域】 [sage saga]:2016/02/21(日) 00:56:52.32 ID:xBQ7esWp0
>>666
//水平線? で区切った先からは【非在大剣】さんが去っていったあとという事で補足お願いします。
//此方としてはもう特に返す事も無いので、其方で〆て頂ければ……。
668 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/21(日) 01:00:23.24 ID:gMcOyagBo
>>661
少々、捻くれた人間が、"素直に"という事の重みは、素直な人間のそれよりも遥かに分かり易いもので、かつ信用が出来る。
そしてそんな風な羨望と、好奇心を向けられてしまうのであれば。レナート・アスカロノフという男としても、老いた人間としても、"無碍には出来ない"ものだった。
何時だって老人は、昔話が好きな物で、そして後を行くモノたちに、"知識"として授ける役割を持っている。レナートも、その例に漏れないものであった。
彼女のそれに、今度は素直な、"温かみ"すらも含めた笑みを浮かべて。自分よりも少し下に、素直に座る彼女を見据え。

「ははは、ちょっと反抗的でも、ちゃんと礼儀は知ってるな?」
「―――――― それでは、聞いて貰おうか。他愛のない、何処にでもある様な、老人の昔話を、な」


嘗て、此処に君臨した男の、たった一ページを。

「―――――――――――― リチャード・ロウ。それが、"聖王の騎士団"の首領代行……実質的なトップだ」
「奴等の目的は、無間地獄の底に在る、"聖王"の封印を解き、この世界を地獄にすること、だったか。少なくとも、俺はそう覚えている」

「俺が初めて来たのは……そう、確か。俺が"神殺機関"のトップに成った時だ。営業、とでも言うか……"挨拶"をしにきたんだ、無論、俺一人でな」

「迎えに出てきたのは、"奴"が一人。リチャードが直接、俺の事を出迎えてきた。洒落たスーツを着込んだ、優男だった」
「だが、そいつが中々に食わせ物でな……話し合いをしにきたんだが。奴の方から、"戦闘を誘ってきた"。無論、呑んだ」

「その細い身体を吹き飛ばしてやる、と思って。俺が持ち出したのは、口径百五十二粍の榴弾砲を持った、こいつよりもデカい戦車だ。そいつをぶっ放してやった」
「そいつは―――――――――――― 奴が召喚した召喚獣、焔の神、"イフリート"に。何のダメージを与える事無く、"握り潰された"」

「驚いたよ、兎に角な。その程度で死ぬとは思っていなかったが、まさか一切のダメージが無いとは考えていなかった」
「そこからは兎に角、暴力と暴力のぶつけ合いだ。一トンの徹甲爆弾を亜音速で突っ込ませようと、駆逐艦で砲撃を加えようと、奴は"倒れなかった"」

「それどころか、俺は一杯食わされてね……イフリートの魔術に"囲まれた"。ここら一体塗り潰すかのような、"焔の魔術"」
「―――――――――――― その結果が、これだ」

人差し指で、火傷痕をなぞる。未だにそれは、焼けるように、熱くなるときがある。今でもまだ、あの圧倒的な"焔"を忘れる事が出来ていない。
そしてそれはきっと、一生に及ぶのだろう。此れから先、どれだけの炎を操る能力者を見ようとも。"それを超える事は出来ないと断言できた"。

「だが―――――― 俺も、"神殺機関"だ。ただじゃやられてやれねえ。"ロケット"をあいつに叩き込んでやった」
「喰えたのは、たったの"腕一本"だったが……その時は、兎に角素晴らしい戦果に見えたもんだ」

「結局その後、リチャードの他の召喚獣……"伯爵"、だったか。に後ろを取られてな……迂闊だった」
「それで終わりだ。今回はお互いに手を引け、とな―――――― ここでの邂逅は、"それで終わった"」

「思えばそれが、俺の"神殺"の始まりだった。いや、今思えば―――――― 実に、楽しい思い出だ」
「とまぁ、こんなところだ。どうだった? まぁ、もう少し続きはあるんだが……面白かったならば、それも語ってやらんでも無いぞ?」

それが、この"神殺"と、"聖王の騎士団の首魁"との邂逅の一部始終。語れるだけの全てだった。
今でもまだ、鮮明に思い出せるそれに……"ボケ"ちゃいないな、なんて、呟き乍ら。腰元に納めてある、指揮棒をゆっくりと引き抜いて、それを見つめ。
それから、彼女へと"視線を戻す"。これで一区切りだ、と。

/遅くなって申し訳ないです……
669 :【非在大剣】 ◆kLBf1Us2is [saga]:2016/02/21(日) 01:05:12.31 ID:wShIUFeeo
>>666
溜息、どうやら言葉も通じないようだ
急ぎ隣の建物へ跳び、暴走する熱から逃れる
そして、それを繰り返し繰り返し―――闇夜に消えた
きっと、彼はこちらが何もしなくともいつか攻め入ってくるだろう
だから、その準備をせねばなるまい。
そのためにも、この立場は失うわけにはいかない
先ずは、生徒にこの事実を伝えねばなるまい
『学園』の生徒会が、狙われているのだと
そして、彼らも巻き込みたい
D.O.T.A、悪を討つ強大な刃も
果ては無限機構すらも―――

これで、下準備のうちの一つはできた。あとは如何に残りの組織を巻き込むかだ


さあ―――戦争の幕開けだ



//ではここらで〆ということでーありがとうございました!この続きは時間があるとき、準備ができ次第イベントにしてしまうかもしれません…
670 :【儘滅塵鬼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/21(日) 01:11:30.73 ID:cq4uLDSUo
>>664
 逃げようとする女に対して、四本の剣が迫る。
ただ撃ちだすだけでは女の皮膚を貫けない。だが女にとって不運にも、その内の一本が脚の傷へと突き刺さる。
痛みを堪えその剣を引き抜くが、直ぐに動くことはできない。

「な……なんでって…… "良く"したいから、……そしてそれができるから……"良く"してるだけです」
「他にも理由はありますが……それは流石に恥ずかしいから言えません 」

 迫る春香の質問に対して、痛みで息も絶え絶えなっているがなんとか答える。
既に一糸まとわぬ姿の女が、恥ずかしいなどと欲言えたものだ。
閑話休題
少しでも時間を稼ぎ、舞う塵に量を増やす。 目的は簡単に読まれるだろうが、向こうが投げかけてきた問いだ。
春香のTVでの様子や、これまでの様子を見る限り話し合いに乗れば、少しは時間を稼げるだろう。

「ですが……わたしはこの衝動を抑えることはできませんでした……」
「汗をかくのを止められないように……睡魔をこらえることができないように……」
「だから向き合って生きているだけです」

 女に時間を与えれば、舞う塵は増え続けその爆発は傷づいた女でさえ逃げ切る余裕を与えるだろう。
671 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/21(日) 01:23:05.61 ID:eInFxKYxO
>>670
「そう…………つまり、息をするように人を[ピーーー]のね……」

少女は、冷酷な表情を見せる
これまでにない表情だ、しかし、手は震える
やはり殺人は…………だが[ピーーー]しかない、そう割りきった筈なのに
少女は五本全ての剣を1つに合成する
そして、産まれるのは純白の刀"流星"
その刀を手にした少女の技量、力量は達人の域を越えていて

「…………さようなら」

少女の手は震える、しかし、それでも止まらない
このような殺人者を野放しにしておくわけには行かない
野放しにしていれば、次々と犠牲者が産まれるだろう
両親、家族を失った自分のように
そういった者達を無くす為にD.O.T.Aに入ったんだ
そして、一閃、居合いを繰り出す
其はただの居合いに在らず
この刀は流星のようなエネルギー弾を放つ事ができる
この居合いは斬撃と、そのエネルギー弾を同時に放った
技名を付けるなら"流星斬"とでも名付けるだろうか
━━━其は女性へと向けて放たれたのは
672 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/21(日) 01:27:13.88 ID:G/HO7+txo
>>668

彼の話が一段落しても、暫く少女は無言のままだった。
相変わらずの仏頂面のままで瞳を閉じ、吟味するかのように彼の語った“昔話”に想いを馳せる。
所詮、それは断片的な伝言に過ぎない。彼の話から、全てを詳細に知ることなど本来は不可能。
だが、今の彼女には―――それが可能だった。言葉の重みとは即ち、単純な情報量ではなくそこに籠められた想いの重み。
そして彼がたった今語った、一ページにも満たない物語に籠められた彼の想いの重みは、言うまでもなく。


「……………――――――ふぅ―――……」

そうして、長い長い溜め息を吐いたら、少女はゆっくりと瞳を開く。
そしてその瞳で、彼の顔の半分を覆う大きな火傷をじっと見つめた。“かつて此処に在ったもの”の、その残滓を見た。

少女はまだ若かった。そしてそれなりに達観していた。
彼女は過去というものについて、知識の源泉として敬意を示しながらも、それ以上の想いを馳せたことはなかった。
それが、クレバーな性格を自負する彼女なりのスタンスなのであったが。今に限り、その認識は改めるべきだな――とすら思えた。

「いや―――実に素晴らしい。内容もそうだが、何よりこの記憶を語るお前の熱が、傾聴する身としては堪らない
 羨ましいを通り越して、嫉妬さえ覚えるな。お前という人間をそこまで熱狂させる記憶が、この古城にかつて在ったものが、私の知らないものであるとあうことが惜しい、惜しくて堪らないぞ」

それが過去のものであるということが、彼女には残念で仕方なかった。
そもそもこの少女は所謂“天才”に分類される人間であり、その14年弱の人生という短い期間であるがその間、常に恵まれた時間を過ごしてきた。
天才であるが故、全てが思い通りに進む。大望であった錬金術の悲願でさえも、呆気なく達成してしまう程に。
だが―――その中で。彼が語った時のような熱を。熱狂を感じさせる時間があったかと言えば否である。少女は、恵まれたが故に退屈であった。


「……―――ん?何を満足そうな表情を浮かべている。まだ私はエピローグを聞いちゃいないぞ
 或いはプロローグなのかも知れんが。早く語りたまえ。その顛末を、今のお前に至る話を」

そして少女は、区切りを迎えてもすぐにその続きを所望する。
昔話も悪くないが、それは今へと繋がる物語であるからこそ、一層輝きを増す物語だ。
だから、その先を、今へと至る物語を。彼女は、早く聞きたくて堪らなかった。
673 :【儘滅塵鬼】 ◆B0bi93STJ2 [sage saga]:2016/02/21(日) 01:39:42.18 ID:cq4uLDSUo
>>671
 迫る春香は、これまで生み出した五本の剣を一本の日本刀へと変化させる。
それは穢れなき純白で、清らかな乙女を連想させるようだ。
そしてその日本刀が現れると同時に周囲に発生した輝く粒子は、自分の塵とは違い輝いている。
その違いは春香と女との違いを、如実に表しているようで。

「そうですね……貴方がわたしを殺すのと同じように、でしょうか?」
「あなたの悪を"殺す"その衝動は、きっと止められないでしょう」

 きっと自分は死ぬだろう。
最期のあがきとして、稼げた僅かな時間で生成された塵を飛ばし起爆させて攻撃する。
それと同時に、少しでも"少女"の心に傷を負わせられたらと思い、言葉を紡ぐ。

「さようなら……」

 疾走るエネルギー弾は爆発を貫き、迫る剣閃は女の首をはねる。
どれほどの傷を体に、心に与えられただろうか。それは分からないが、震え怯えを隠すために冷たい表情をする"少女"に笑顔で別れを告げる。

【儘滅塵鬼】 死亡
674 :【流星剣誕】 [sage]:2016/02/21(日) 01:50:59.58 ID:eInFxKYxO
>>673
人を殺した━━━D.O.T.Aの仕事としてとは言え、初めての殺人

「悪人は憎いけど……気分がいいとは言えないわね」

小さな声で呟いて、その場に膝をついて、俯いて
本部には連絡を入れる、連続殺人犯を処理したと
その現場、数々の死体の回収を依頼

「……ふふ、私も人の事を言えるような、人間じゃなかったのにね」

また呟く、思い出すのはいつかの会議、不殺を主張していた少年の事だ
あの時自分は、少年に対して偉そうな物言いをした
しかし、これまで人を殺した事が無かったのは彼女も同じだった
だからこそ、彼の事を今思い出したのかも知れない

「……この感覚……絶対に慣れたくはない」

今、少女の中では自己嫌悪の念が強い
そして胸が苦しい
壁にもたれ掛かると、その場に座り込む、能力で作り出した刀も消えていき

「このまま……一緒に連れて帰ってもらお」

暫くは自分で動けそうにない、そのまま、俯きながら、本部からの死体処理班が来るのを待ち
少女はそれらと一緒に本部へと連れて帰ってもらったのであった

//お疲れ様です、絡みありがとうございました!

675 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/21(日) 02:09:48.63 ID:gMcOyagBo
>>672
「―――――――――――― そうだろう? 俺の、九十年以上を生きてきた中でも、燦然と煌めき続ける記憶の一つ」
「そう思ってくれなきゃあ、嘘だ。自信を無くすね。事実は小説よりも奇也、とは有り触れた言葉ではあるが」
「俺はその言葉を強く信じてる。俺が今まで見てきた現実は……どんな非現実よりも、俺の心に強く刻まれていった」

幾つになったとしても、自分が語る事で、相手を喜ばす事が出来る、と言うのは嬉しい物だ。それが自分よりも遥かに年下の、若い人間であれば猶更。
そうして、自分が体験した"それ"を語り、そして……きっと、伝えられたこと、"それは本当に心地の良い物であった"。
男は、飽く迄"凡人"であった。数十年前に経験してきた従軍経験も大したものでは無く、その精神性も"ほんの一つ"だけを除けば平凡極まりなく、知能とて同様だ。
それが故か―――――― 否。きっとどんな天才も凡人も、"あのときほどの興奮は到底味わう事などできやしない"。


「……成程、随分欲張りさんなことだ。だが、それでいい。若い時は"喰っても喰っても喰い足らん"ものだ」
「それでは、続きをご拝聴頂こう。俺の、其処から先の、俺が今の俺に辿り着くまでの"物語"を」

口は悪いが、言っている事は"可愛らしい"ものだ。ベッドの上で親に絵本を読んでもらっている子供が、早く早くと急かすのと大差のないことだ。
そして、そう言われて意地悪をするような親もそうそう居はしないだろう。レナート・アスカロノフとて、そうだったし、"今もそう"だ。
故に、その続きを語ろう。―――――――――――― その男との、最後の記憶を。
676 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/21(日) 02:09:57.51 ID:gMcOyagBo
>>672

「―――――― 次に会ったのは、『王国』だ。俺は当時、王国にPMCと偽装して神殺機関を送り込んでいてな」
「『教団』との戦争に、参加させてもらってた。次の、もっと大規模な戦争へと向けての計画だったが……結局おじゃんになったが、まあこれは別の話だ」
「相手は、『教団』側としてこっちに来てた。どういう事情があったかは聞いてないが、な。兎も角、そいつは現れた」

「しかも、洒落た事に奴はドラゴンに乗ってな。イフリートと……もう一人、"妖精"と共に」
「そして何をしたかと思えば、奴は一瞬にして"一万体のゴーレムを作り出した"。王国の砂漠地帯を埋め尽くす、一万体の石……壮観だったぜ?」

「俺も嬉しかった。まさか、あんなところで再会するとは思わなかったな―――――― 俺は、『空母』と、その『搭載艦載機』でゴーレムを粉砕した」
「すると、どうしたと思う? ―――――――――――― イフリートの奴め、あの『赤城』を、殴り飛ばして王国の城壁へと叩き付けやがった」
「お陰でその一角は既にほぼ崩壊状態だったが、まあ気に留める事も無かった。続きをしたよ。また、暴力と暴力の応酬だ」
「355mm口径の列車砲はぶん殴って吹っ飛ばされた。次に800mmの列車砲二門、こいつらも奴は、ただ単純に"両手"で受け止めやがった」

「それから奴は、馬鹿でかい魔方陣を作り出した……意味の分からん規模だった。見渡す限り、空全てを覆い尽くしてたんだ」
「あんなもん、避けられるわけがない―――――― 世界最高の戦艦をぶつけて、そのまま魔術が完成する前に叩き潰してやろうとした」
「だが、それでもだめだった。身体を抉ろうと、奴の魔術は止められず―――――― "終焉の炎"は放たれた」
「信じられねえことに、あれでも劣化してたって話だが。まあ、それは兎も角として、あれがまともに叩き付けられたら、俺どころか、王国が"消え失せる"」

「"世界を終わらせる終焉の炎"、レヴァンティン……俺はそれに。"人類の叡智の結晶"をぶつけた」
「終焉の炎と、破滅の光―――――― 俺は、死ぬ覚悟でそれを見つめていたが。……今思えば奇跡だとは思うが、俺は生き残った」
「そして、イフリートは"倒れた"。死んじゃあいなかったし、恐らく召喚士を守る事を考えてもいただろうが……俺は、晴れて。"焔の神を倒した"」

「リチャードは、撤退してったよ。奴が負けを認める姿は―――――― ああ、純粋に。"嬉しかった"」

「其処からは、つまらんものさ。俺は虚数空間に取り込まれて、リチャードも、経緯は知らんが、"失われた"らしい」
「だが―――――― 今でも俺が、迷うことなく"歩き続けていられる"のは。其処で"自信"がついて。世界の"広さ"を知ったから、かもしれないな」

「こんなところか……俺と殺し合った男、リチャード・ロウと、その相棒の話は、これで御終い、だ」

―――――――――――― それで終わりだ。
これが、事実と小説の決定的な違いだ。"面白く、綺麗な最後"というのは、なかなか迎えられないもので。レナートは"その塊"ですらあった。
そうして、老人の思い出話は終わった。さてさて、彼女を"満足させるだけの"話であったのならば、幸いであるが。
677 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/21(日) 02:44:49.20 ID:G/HO7+txo
>>676

“神殺”と“騎士団”の争い、『王国』を舞台とした戦争、『教団』をも巻き込んだ更なる闘争。
彼の語る物語、彼の経験したその戦争は、燦々と煌めく記憶であって、しかしその顛末は余りに呆気ない。
しかし現実というものは、そういうものなのだろう。時に物語よりも劇的で、時に唐突に幕を下ろしてしまう。
だが、例え終わりがどのようなものであっても、そこに至るまでに確かに在った道程は、何よりも劇的で、狂的で、魅力的で。
それがたとえ世界に仇なすような悪の組織の顛末であろうとも少女には関係なく、ただその熱を帯びた記憶に酔い痴れ―――甘美な時間だった。
ぱち、ぱち、ぱち―――と。拍手が送れられる。少女の表情は仏頂面のままだったが、心なしか少しだけ満ち足りていた。

「ああ、素晴らしかったとも。お前という人間が歩んだ軌跡の一端、こんな若輩者が評することではないかも知れんが―――素直に羨ましいよ
 詳細について多くは聞くまいよ。語るお前の姿とその熱で、こっちはお腹一杯さ。全く、年甲斐もなく楽しそうに語るものだよ」

実際、それを語る彼の姿が楽しそうであると、少女にはそう見えて仕方なかった。
それは彼にとって心地よいものだったのであろう。そしてそれは少女にも伝播し、彼女を悪くない気分にさせていた。
年相応の感受性、言葉だけでは語りきれないものの多くを、この少女を感じていた。自分でも驚きながら。
そして少女は―――羨ましかった。楽しそうに語れる彼が、その熱が。
ああ、世界にはこんな楽しそうな存在があったのに、なんて私は退屈に過ごしてきたのだろう―――と、後悔を抱いた。

彼の話で、少女は満足することができたが。しかしこのまま帰るつもりも更々ない。
そもそも、まだこの宮殿の探索を終えてない訳で。それ以前に、まだ彼も話したいことがある。

「私はまだ幼い人間だ。それでいて実につまらない時間を過ごしてきた
 錬金術を極め、その大望を成し遂げて、だがそこにお前が語った時のような熱はなかった
 それはただ初めから敷かれていたレールの上を進んでいたからに過ぎなかったからだろう。予定調和しか私は知らない」

だから、羨ましい。だから、知りたい。
お前という人間の道程の全てを、過去だけではなくこの先の顛末を。

「それで――――――輝かしい過去を経て、今のお前は何を成す?
 歩き続けるその果てには何がある。何を目指す。それが私は知りたくて堪らない」
678 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/21(日) 03:12:31.79 ID:gMcOyagBo
>>677
たった一人の観客からの拍手。帽子を取って、茶化す様に「ご清聴ありがとうございました」と、応える。
一人の、ただの老人が歩いただけの人生。それを語るだけで、拍手を貰えると言うのは、望外とでも言うべきか。
男は確かに、彼女の言うとおりに、それを語るのが、兎に角楽しくて仕方なかった。そして、男から見た少女もまた……"少しだけ、満足しているように"見えた。

「評価を下すのは、何時だって"後"の人間だ。そう思ってくれて、何よりだ」
「なに、極論を言ってしまえば―――――― 人間みんな、ガキから成長する事なんて無いのさ。俺は特別その気が強いだけだ」

そして、だからこそ。男は未だ、夢を追い求め続けていた。
男は、彼女のような天才では無かった。その道のりは、あまりにも苦難に満ち満ちていて。そして、点々と、"光に満ちていた"。
其処には予定調和は存在しなかった。唯々、理不尽の連続であった。思うとおりに事が進む事なんて、ほんの少しだってありはしなかった。
本当に、何時も何時も熱に浮かされているかのような、幻のような人生を送っていた―――――― きっとそれはやはり、"少女の正反対"、だが。
何を求めるか。そんなものは決まっている。人は皆、大なり小なりそれを持っていて……レナート・アスカロノフと言う男が持つものも、その一つ。


「無論―――――――――――― "夢"だ」


そう、それ以外には有りはしない。何を目指すかと言えば、そうだ。そして、その夢は、男にとっては少々、"逸脱している"、それだけの話。
きっと"人々"は一人一人違っていて、レナートのように少しだけ"逸脱している"人間も無数にいる。ただ、レナートにとっては、それが"致命的"なだけで。

「俺は"夢"を追いかける。俺は"戦争"を求める。俺の魂に忘れられない理不尽を刻み込んだ"大戦争"を、もう一度」
「そして俺は、その中で死んでやる。その為になら……何度だって、"神性"との"殺し合い"すら、演じてみせる」

「―――――――――――― "戦争"を、この世界にもう一度」

それはただただ純粋な、レナート・コンスタンチノヴィチ・アスカロノフの"夢"だった。
未だ、その言葉には熱が籠もり続けていた。将来の夢を語る、少年のそれにも酷似していた。

……そして、そうしたのであれば。次は、レナートの"番"だ。
レールの上をただ進むだけの人生。予定調和のまま生きるのみ。そんな物、きっとつまらない。そんなもの、何処にも"夢"が無い。
また、レナート・アスカロノフは。未来のある若者を"引き摺りこもう"としている。それでも……そんな風に、彼女に語られたからには。
老人は、面白い物をみせたいと思う物だ。少なくとも、レナート・アスカロノフは、そうだった。放ってなど、おけなかった。


「少女。君がつまらない時間を過ごしてきたと言うのならば。自分の人生に納得していないと言うのならば」
「敷かれた線の上を歩むのがつまらないというのであれば。もう戻れないとしても、何もかもを無茶苦茶にしても」

「"レールをぶっ壊してやりたいなら"」

「―――――――――――― 俺と共に、来るか?」


―――――― もっと面白い物を、"見せてやる"。少なくとも、退屈などしない"人生"を。
嗚呼、やはり。それは最悪の口説き文句だ。最悪のお節介だが。少なくとも、決められた道を歩くよりは、ずっと、ずっと、"満ち満ちている"。
679 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/21(日) 03:46:43.42 ID:UAPBRiS9O
>>678

その誘いは、少女にとっては余りに甘美なもので、そしてそれが意味することが理解できないほど愚かでもなかった。
だが、彼女は退屈していた。飽き飽きしていた。己が才覚の使い方すらも碌に知らなかった。
それは実に安直な破滅願望なのかもしれない。だが、破滅すら顧みない愚の骨頂のその先にこそ、求めたものがあるのかもしれないと。
刺激的で、情熱的で、狂気的な、最低最悪でありながら最高に楽しくて堪らないものが、差し出された手の先にあるのなら。



「―――――――― ああ、面白い、実に面白いな!!
夢か、戦争か、言葉にするだけなら大言壮語にも程があるが、そうでないとお前の熱が語っている」

馬鹿と天才は紙一重というが。この誘いに簡単に乗ってしまう程度には彼女の価値観は初めから壊れている。
それに彼女は簡単に言って、この男に―――レナートという大悪人にすっかり惚れ込んでいた。
勿論、恋愛感情という意味合いではなく。彼という人間がこれから成すものを、見たくて堪らなかった。
そしてその為なら。彼女は今までとこれからを容易く捨てられる。そうするだけの価値があると見込んだからこそ。


「いいじゃないか、その最低な誘いに乗ってやるとしよう。ベットはこの私自身だ―――高くつくぞ?」

「最後にして最先端、最高の錬金術士、ヘレナ・フラヌス。その力、お前の夢の為に存分に利用するがいい
 此は万象を昇華させる秘術。未知の物質だろうが、悪魔の兵器だろうが、禁忌のアイテムだろうが―――望むがままに実現してやるさ」


全てを無茶苦茶にしても構わない、そうするだけの価値をこの男と、この男がこれから織りなすものに見出した。
少女の座る玉座が音もなく崩れさり、そして少女は―――ヘレナなふわりと軽やかに着地すれば、愉しそうに笑うのだった。
利用するだけ利用するといい、この力を。そしてもっともっと面白いものを、この私に見せるがいいさ―――――――――
680 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/21(日) 04:15:35.92 ID:gMcOyagBo
>>679
成立。これで彼女は、無限の機構。唯々、戦争へと邁進する歯車の一人である。レナート・アスカロノフに従う、"大逆者"の一人になってしまう。
そうして惹かれ合うというのであれば、そもそも彼女は"そうあるべき"人間であった、とは詭弁であろう。レナートが許されることは、決してない。
だが―――――― "それでもいい"。罰は"地獄"で受ける。"大戦争"だ。それをこの世に顕現させる、その為に。

「それでは、"錬金術師"、"天才"。ヘレナ・フラヌス。よく、覚えておけ、今、お前が自分をベットした人間の姿を」
「そして見届けるがいい、存分に楽しむがいい。その道行きを、そしてその"果てを"」

「―――――― レナート・コンスタンチノヴィチ・アスカロノフ。しがない凡人であり」
「神殺機関の残滓であり。嘗て神と相対した者であり。戦争へと邁進する一つの機構―――――― それが、お前を連れていく者だ」

大層なように見えて、それを掲げる者は、それでも"凡人"であり。それでも、レナート・アスカロノフは"戦争へと邁進する"。
それにベットするなどと、天才がするには余りにも"頭の悪い"賭けに他ならないが。そもそも、"賭け"とは"夢を買う物である"。
レナート・アスカロノフは変わらず夢を追う。その過程で、無限の機構はまた一歩、"戦争"へと歩み寄っていく。
戦車の上から飛び降りる。次いで、その戦車は朽ち果てるように消滅していく……全く、嘗ての"敵"の陣地で"味方"を作るとは、随分と数奇なものではあるが。

「それでは、共に歩もうか、ヘレナ。此処の探索を続けるにしても、もう帰るにしても、俺が付き合ってやる」
「何せ、お前は既に"一員"だ。孫みたいなものさ―――――――――――― それに、一度お前を"連れて帰らなきゃならん"」

「長い旅路になるだろうか、短い旅路になるだろうか。それすら分からん。今くらい、好きなように歩いてもいいぞ?」

彼女がこの宮殿の探索を続けると言うのならば、レナートは付き合うつもりで。そして、もう良い、と言うのであれば。
無限機構の"根城"へと、案内する事だろう―――――― 彼女を連れていくことには変わりはないのだ。
どちらにせよ、レナート・アスカロノフは彼女に付き合うつもりだった。年齢と、生来の気性から来る面倒見の良さ、というものも、相まって。
681 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/21(日) 04:38:27.70 ID:UAPBRiS9O
>>680

「勿論。この眼で最後まで見届けやるさ、お前の夢と戦争の“果て”をな―――レナート」

その顛末がどうなるか、天才を自負する彼女にも知る術はない。
ただ、彼女が期待するものか、それ以上の何かがあることだけは―――計算するまでもなく理解ができたが。
それが愉しみで仕方なくて、例え地獄に身を堕とすことになろうとも、それすら甘美なものに思えてきて。

そもそもが、魔術師も研究者も、その初志は何か小さな夢から始まった筈なのだ。
何かを叶えたい、何かを作りたい、そんな小さな、確かな夢。しかし彼女には今の今までそれがなかった。
敷かれていたレールを壊して、新たな歯車として歩むこれからが―――実に、愉しみだった。


「なに、今宵は此処での散策はもういいさ。どうやら私の“探し物”は既に喪われているようだからな
 かつて騎士団が所有していたというオーブ。まあ、端から期待していた訳でもない―――では、エスコートは頼んだぞ」

「なに、私は何時だって好きなように歩いている。今はその道筋が、お前の辿る道と重なっている―――ただそれだけだ」

少女は何時だって自分本位だ。その力は常に自分の為にしか使うことがない。
それはレナートに対しても例外ではなく、彼にしか力を貸すことが、自らの愉悦に繋がると考えるからでしかない。
そう、彼女は考えている。実際はそんな単純なものではなかったのだが、それに気づくには彼女はまだ少し幼かった。

「―――それじゃあ、道案内は宜しく頼んだ。無論、これからの分も含めてな」
682 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/21(日) 04:41:58.84 ID:UAPBRiS9O
/すいません、眠気がフィニッシュを迎えそうなので此処で一度落ちます……!
683 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/21(日) 04:42:40.38 ID:gMcOyagBo
>>682
/了解です、私もそろそろやばいので返レスは後でしますね……
684 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/21(日) 13:13:36.41 ID:gMcOyagBo
>>681
「それでは、僭越ながらこの老人がエスコートさせて頂こう」
「……そうだな、この広さなら、行けない事も無い、か」

ならば、もう、レナートにもこの"嘗ての宿敵の根城"には、それ以上の価値は存在しなくなってしまった。
中庭の方へと目をやる。それから彼女へと、自分についてくるように促すだろう。それから、その端で立ち止まると、手に持った指揮棒で目前を"指し示す"。
それをトリガーとして。現れるのは、数十年前のオートジャイロの軍用航空機。それに手馴れた様子で、先ずは"脚"へと昇れば、彼女へと手を差し出して。

「随分と古臭い、何とも風情の無いものだがな。出来れば、これで満足してもらえるとありがたい」

彼女がその手を取ったのであれば、彼女がそれに乗り込むのを補助し。その後に、レナート自身もそれに乗り込む事だろう。
特に操作せずとも、それは回転翼を作動させて、離陸準備に入る。そして、この宮殿の"中庭"―――――― いくつかの、障害物も存在するのであれば。
その中を、半ば無理矢理疾走していく。固定翼機よりも滑走距離が短く済むオートジャイロではあるが……かなり、"無理矢理"な離陸方法であり。
危うく宮殿に激突するか、という程の距離まで近付いたが……兎も角、離陸が失敗する、という事は無いだろう。

「リチャードなら、ドラゴンにでも乗せて貰えたかもしれないがな!!」
「まぁ、海に出るまでの辛抱だ! ちぃっとばかし我慢してくれよ!!!」

空の上で、実に楽しそうにレナートはそう叫び。そしてぐんぐんと、眼下の宮殿は小さくなっていく。
過ぎ去っていくものもあれば、また新たに現われる者もある。人間とは、つまるところそれの繰り返しで、そして本人自身もそれから逃れることは出来ない。
そしてだからこそ、人生は"色鮮やか"に輝いていく―――――――――――― 例えそれが、どんな形であろうとも。
685 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/21(日) 14:21:55.59 ID:xMDvfGfbo

暗い森の中に、湿った枯れ葉が腐っていく臭いが漂う。
ここは人の寄り付かぬ、"呪われた森"。近くの村人たちは"悪魔の住む森"と呼ぶ。
鼻を強く刺激する、痛みを与えるような異様な臭いは、それを証明しているかのようだった。
何より、ここへ足を踏み入れたものたちは、決して帰っては来ない。
ありがちな噂話だが、迷信深い人達を恐怖させるには丁度よい。
なにより最近、また新しい噂が囁かれていた。月のない真っ暗な夜に、歌が聞こえると。

"Some folks are born, made to wave the flag
 Ooo, their red, white and blue 〜 ♪    "

古めかしい歌が、森の中をゆらりゆらりと彷徨っていた。
まだ年若い少女の声質で、気持ちが良さそうな。
楽器の音色もなく、自分だけで、言葉だけで、この森に色をつけていた。

"And when the band plays "Hail to the Chief"
 Ooo, they point the cannon at you, Lord 〜〜♪ "

声の出処へと誰かが辿り着いたなら、焚き火の近くで歌を歌っている少女を見つける。
切り株に座り込み、何かの肉(分かる人にはアライグマとわかる)を鉄串に刺して焼いている。
最近は少しずつ温かくなってきた為か、いつも彼女が纏う白い息はない。

"It ain't me, it ain't me, I ain't no senator's son, son 〜〜♪*
It ain't me, it ain't me, I ain't no fortunate one, no  〜〜〜♪♪"

サビ。大声をあげて歌いあげる。"俺は政治家の息子じゃない、俺はそんな恵まれたヤツじゃない"
気持ちよさそうに、いや、いや ―― 楽しそうに!体を揺らし、反らし、天を仰いだりもしちゃって。
楽器もなし。音色もなし。暗闇と一緒に歌い上げる、気高き孤独。


/ネタバレ。大声で歌ってるせいで後で悪魔に襲われます。
686 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/21(日) 14:23:23.19 ID:xMDvfGfbo
>>685
/戦闘ロールの気分じゃなければ、悪魔は襲ってきませんので、一声ください〜っ
687 :【錬基昇創】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/21(日) 19:34:50.70 ID:+glalcgAO
>>684

差し出された手をとれば、飛行機の中へと乗り込む。
そのあまりに無理やりな離陸方法に、顔を顰めて愚痴るだろうが、その全てが全て本心という訳でもない。
何故なら少女の瞳の中は、愉悦に輝いているのだから。ああ、これからが愉しみで仕方ない。

「乗り心地は最低だが、これも余興。まあアトラクションのようなものだと思って愉しむさ
 勿論、安全運転で頼むがな?」

眼下で遠のくのは過去の遺産。そしてこれから向かうは今に存在する場所へ。
そこがどんな場所で、この先になにが待ち受けてるかは、彼女にはわからないが。恐らくそれがロクでもないものであることと。
この男に付いていけば、そのロクでもないものすら刺激に満ち足り愉悦足り得るものだと、それだけは確信が持てた。

相変わらずの仏頂面に、薄っすらと笑みを浮かべて。
座席に深く腰を下せば、後は流れるがままに身を任せるのだった――――――


/遅くなりました、とりあえずこんな感じで〆……でしょうか
絡みありがとうございました!!
688 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/21(日) 22:21:12.67 ID:xMDvfGfbo
>>685
/これで絡み待ちです。凍結になるかもしれません。
689 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/21(日) 22:57:42.47 ID:K3g82pT+O
>>685
/まだ宜しいでしょうか?
690 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/21(日) 23:37:10.54 ID:xMDvfGfbo
>>689
/遅れました、大丈夫ですです。お願いします
691 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/22(月) 00:00:19.00 ID:JGS57zBmO
>>685

雛月シオンは報酬さえあればどのような依頼も受ける。
例えそれが古臭い迷信の実態を探ってほしいという、時代錯誤極まった内容の依頼であっても。
呪われた森、悪魔の棲む森、何時までも帰らない迷い人に、聞こえてくる謎の歌声。

馬鹿馬鹿しい―――と最初は思ったが、破格の報酬を提示されたので笑顔で快諾。
そして彼女は現在、迷信の実態を探るために腐臭の漂う森を闊歩しているのだった。
そして早くもこの依頼を受けたことを後悔し始めていた。

「いやもう夜の森なんて、か弱い少女が一人でいくような場所じゃないですよね今更ですが
 歩き辛いですし何か臭いますし獣の気配もしますし―――あいたっ、今度は木の枝ですか」

因みに現在の少女の服装は、ショートパンツにシャツとパーカー。
ラフ&スポーティ、とことん機動性重視。だがどう考えても森の中を歩く服装じゃない。
それでも少女は進んでいく、闇の中を恐れることなく。帰宅後のお風呂とアイスだけを楽しみに。
そして木々の隙間から、焚き火の明かりを見つければ。溜息を吐いて近寄ると。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花―――というよりは普通の人間でしたが
あ、でも普通の人間はこんな場所を火を焚きませんね―――兎も角」

とりあえず、忠告だけしてさっさと帰ろう。迷信の正体はこれで暴いたようなものだろうし。
そう考えた少女は、とりあえず焚き火の前、熱唱している彼女の隣に歩み出たのだった。だって、寒かったし。

/ではお願いします…!
692 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/22(月) 00:11:58.09 ID:f4MhNe86o
>>691

「いやあ、やっぱりCCRはカッコイイなあ!カッコイイなあ!」

近寄ってくる影に気づきもせず、旅人はキャッキャと声をあげていた。
とっくの昔に生産の止まった古いMP3プレーヤーを弄っている。
音量を最大にして、首にかけたヘッドホンをスピーカー代わりに使っている。
歌が終わっても、サビの部分を鼻で歌った。
こんがり焼き上がった肉を手に取ろうとした時、ようやく、少女に気がつく。

最初、じっと見続けた。相手は何の邪魔もなく、焚き火の恩恵に与れる。
ぱちぱちと瞬きする。それから、3つある肉の鉄串のひとつを手に取った。

「欲しいの?」

"仕方ないなあ"小声で呟いた。しぶしぶといった様子で、1本を差し出す。
693 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/22(月) 00:22:24.90 ID:JGS57zBmO
>>692

「いや、いりませんよ?」

森の中で焚き火をするような変人(主観)から食べものを貰いたいとはあまり思わない。
それが何かよく分からない肉だと尚更。それに夜食は体のバランスが崩れるので好きではない。
帰ったら食べるつもりのアイス?それは勿論別腹です。

「えーっと、すいません。野宿生活をエンジョイしている所悪いのですが
 最近近隣の街でこの森に関する善からぬ噂があってですね、その原因を調査しに来た者なのですが」

「―――というか、聞くまでもありませんでしたね
 とりあえず、火を炊くの止めませんか?一応ここ私有地なので、火事になったら大変ですよ?」

正論で説得。きっと善からぬ噂の原因はこの謎の少女だったのだろう。
それに尾ひれがついて、色んな迷信になったのだろう。つまりこれで全部解決、依頼完了。
シオンの中では、こんな感じで考えが進んでいて、まあ先ずは焚き火を諌めるのだった。

「あ、でももう少し焚き火は続けましょうか
 やっぱり寒いので」

でも、自分が温まるまでは、焚き火も構わないらしい。マイペース。
694 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/22(月) 00:35:05.73 ID:f4MhNe86o
>>693

"あ、そう。" 呟いた。

なら私が食べるからいいよ。とばかりに、断られた直後、躊躇なく肉を齧り取る。
もぐもぐもぐもぐもぐ。視線が火の方へ向かった。咀嚼に集中している。
もぐもぐもぐもぐもぐ。たぶん、相手の話をろくに聞いていない。咀嚼咀嚼。
もぐもぐもぐもぐもぐ。もぐもぐもぐもぐもぐ。

ゴクン。

「もしかして、お巡りさん?」

鉄串をひとつ食べ終え、様子を伺うような声色で尋ねる。

「火事になったら、火事になったらだから、大丈夫だよ。」

正論に対して謎理論で反論。
"あはは"なんて笑いながら、水筒を取り出して、ぐびぐび飲む。
冬の森、しかもこんな湿った森は、特段冷気が立ち込める。
焚き火の煙は、月がないのに、空へと昇っていく。

「怒っても、いいことないよ。
 毛布いる?」

狼の毛皮で作った手製の毛布を相手に差し出す。けっこう獣臭い。
695 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/22(月) 00:44:39.65 ID:EjIVjr77o
>>694

「怒ってないですよ。平常運転です
 あと、気持ちだけ貰っておきます」

流石に獣臭い香りは貰いたいとは思わなかった。
そして両手を焚き火に近付けて、静かに暖をとり始める。
パチパチ、火が弾ける音を聞くうちに、体が温まる。心も温まる。

「お巡りさんみたいなものですね、多分、きっと
 逮捕したりはしませんけどね。注意とか御節介はしますが、お仕事なので」

温まりながら、のんびりと、適当に答えるシオン。
あんまり、相手に真面目な話が通じそうではなかったので、だったらこっちもそんな調子で構わないやと。
冷たい風が、頬をなでた。ふるりと震えて、5センチメートル焚き火に近寄る。

「で、こんな場所で何してるんですか」

本題。これが解決しないと帰るに帰れない。
696 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/22(月) 01:00:55.99 ID:f4MhNe86o
>>695

くすりくすり、笑いを零す。"不真面目なお巡りさんだ。"と、からかうように言った。
月の明かりが無い完全な暗闇。焚き火だけが頼りになる、丑三つ時。
火の温もりに群がるは、2人の少女。
"自分も相手も、普通の女の子ではないかな" 胸中呟いた。

「今は、食事中。」

鉄串をひとつ取る。
焚き火の光に当てられて、金属は鈍く照り返す。
焼けた肉の匂いは、脂の多い肉質も相まって、他に比べればマシな匂いがする。
一口齧り取る。もぐもぐ。咀嚼し、飲み込んだ。

「これから、悪魔を狩る。」

自らの背後へ、大きく腕を振りかぶり、鉄串を森の奥へと投げた。
 ―― 直後、闇の奥底から、森の視えない秘められた場所から、唸り声が、大きな唸り声があがる。
ウ゛、ウ゛、ウ゛。獣の声。悪魔の声。悪意の声。
それがどこから聞こえてくるのか、出処を捉えがたい。
狩りに慣れた旅人さえ、その元を聞き取れない。

「街の偉い人に言えば、報奨金を貰えると思う。
 君が倒したことにして、いいよ。」

外套の中から、折り畳まれた銀色の弓を取り出す。
炎の明かりを浴びて、アルミ合金製の体をギラリと輝かせてた。
親指でスイッチを押すと、ビインと音を立てて、翼を広げる。
矢を番え、矢先を降ろす。

「私は、お金に興味ないからね。」
697 :【剛虎覇龍】 :2016/02/22(月) 01:02:03.26 ID:LevPP5xU0
──……ずしり、と重たい足音が響く。

「俺よりも」

木枯らしが駆け抜ける、枯れ木が賑わう森林地帯の奥の奥。
月光に浮かぶのは、無数の木がなぎ倒されて、ぽっかりと生まれた空間だ。

「強い奴は」

その中心には、角刈りに、赤い鉢巻きを巻く精悍な目つきをした男がいた。
大柄そして細くはない、観察すれば道着の下には密度の高い肉体があると分かる。

彼は先程踏み込んだ右足に体重を掛け、後ろに大きく下げた左足、その踵を軽くあげる。
空手で言う前屈立ちに似ているが、その場合は踵を上げずに地面に沈ませる。彼の構えは
我流混ざりと言うべきか。そして背筋を伸ばし、腕を胸の高さまで上げ、伸ばし、握る。
卵を持つように優しく繊細に、脱力はれど硬く握られる、武道の理想の様な拳である。
そのまま、左手を裏返し己の脇に軽く添えた。つまりは正拳突き構えを男は取った。

目の前、数m先にはこの空間で唯一残された木があった。男が打ち込みに残した一本だ。

「どこだッッ」

己が敵と睨み付け。腹部に溜めた空気を刺すように吐き出した。修羅の如し気迫一閃。
左足先で地面を蹴り飛ばし、勢いを右足の筋力で増幅すればその身体は搔き消える如く。
勢いに僅かに左へ捩る半身、左足は音も無く地面に沈み杭となり、勢いを上半身へ伝える
右の拳の位置を目標に、稼働可能な関節部を全て同時稼働させ、左の拳は解き放たれる。

カタパルトにより放たれるミサイルの様な、嗚呼、その一撃は剣豪の一閃と酷似していた。

空気の破裂した様な音がなった瞬間には既に構えは説かれている。男は小さく息を吐く。
正面の木は幹が抉り取られヘシ折れていた。周囲を見渡すと全ての樹々に同じ跡がある。
男は額に浮かんだ汗を拭うことも無く、半分以下となった木に腰を掛けた。ただ、待つ。

俺より強いものを待つ。

/能力を頂きました。せっかくなので登場ロール的なものを
もし人がいらっしゃるならば、凍結こみでも大丈夫なのでよろしくお願いします。
698 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/22(月) 01:15:08.81 ID:EjIVjr77o
>>696

聞こえてくる、唸り声。獣のものか、それよりも危険なものか。
随分と温まった。これで暫くは寒さに凍えることもない。
とん、とジャンプして立ち上がる。大きく伸びをして、小さな欠伸を吐く。

「悪魔ですか、それはとても怖いですね
 そんな怖い者、放っておけばきっと誰かが襲われるに違いありません。ならば倒すしかないでしょう」

そんな言葉も白々しい。その白々しさをシオンは自覚している。
誰かの為に悪魔を狩るなんてガラじゃない。自分が動くのは相応の対価がある時だけ。
対価さえあれば、何でもするが。報奨金があるなら、手伝わない道理もない。

「ではお言葉に甘えて手柄は全て貰いましょう。対価は私にとって何よりも信頼できるものですから」

腰に下げた二つの鞘、その一つから剣を引き抜く。
それは聖剣。光を束ね、夜闇を祓う剣。悪魔祓いには、この一本で充分だ。


699 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/22(月) 01:31:41.35 ID:f4MhNe86o
>>698

「おや。」

―― "そうこなくっちゃ。" 楽しそうに、呟きを捧げる。
腰を持ち上げるようにゆっくりと立ち上がり、ふー、息を吐き出す。
白い息が、焚き火の煙と共に立ち昇る。
弓に装着してあるレーザポインタのスイッチを入れる。

緑色のレーザーが森の奥へと放たれ、何処までも走り抜けた。
意気揚々と格好を付けてみたものの、実のところ、此の狩人も大した情報を持っていない。
人を攫う悪魔。食べるとか、地獄へ連れ帰るなんて噂もあるが、とにかく人を帰さない。
では、死んだ人は何処にいったのだろうか。無用な疑問を覚えた、その時だった。

「何か聞こえる。」

その音は、こんな風だ。
"ウィィィン"

ガシ。狩人の足を、彼女の持つ弓と同じ色をした輪っか捕まえる。
暗闇から金属製の腕が伸びている!
直後、思いっきりの力で引っ張られ、前のめりに転倒する。"うぎゃ!"
弓から両手を離し、慌てて近くにあった切り株にしがみつく。

「痛い!足が千切れそうだ!」

悪魔の本体は、森の暗闇に紛れていて、ここから視認するのは難しいだろうか。

「あと腕も!」

彼女を助ければ、彼女の危機を一旦は救えるかもしれない。
金属製の腕を追っていけば、悪魔の傍まで近づけるかもしれない。
といったところだろうか。狩人は、"早く早く!"と急かしている。
700 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/22(月) 01:45:49.83 ID:EjIVjr77o
>>699

音が聞こえる。暗闇の中では、視界は殆ど頼りにならない。
だったら、頼りにするべきは聴覚、嗅覚、そして経験が齎す直感。

先手は不可能、だったらリラックスして悪魔が動くのを待つだけ。
そして気楽に構えていたシオンの眼の前で、早速彼女が悪魔と思しきものに掴まってしまうが。
目を細めて、剣を構える。必死な彼女とは対称的に、シオンは冷酷的に冷静で。


「あ、できるだけ動かないよう頑張ってください
 当たったら多分消し飛ぶので、色々」

聖剣を淡い光が包み込む。粒子の奔流が剣先へと収束する。
魔力を光へと変換し、解き放つのがこの剣の能力。今込めた魔力はまだ少ないが。
それでも、人間一人や獣一匹程度なら、跡形もなく消し飛ばせる。光と熱が織り成す光の断層。


「一撃必殺―――に、なるといいのですが、まあ無理でしょうから小手調べ――――――!」

そして剣から、光の奔流というよりビームと表現した方が適切であろうものがぶっ放される。
それは切り株にしがみつく彼女を掠めて―――その足に伸びる金属の腕を呑み込み―――その先の悪魔がいるであろう方向に直進する。
もしこの閃光が命中すれば蒸発するか、当たらなくともその光が暗闇の中を照らし出す。
ビームがギリギリ当たりそうで当たらなさそうな彼女に関しては、まあ、頑張って。
701 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/22(月) 02:07:02.00 ID:f4MhNe86o
>>700

「酷い!」

信頼できるのはやはり自分だけだと、考えを改めた。冷や汗をかきながら。
もうジタバタしても仕方がない ―― ギュっと全身全霊で切り株にしがみつく。
無事に悪魔のいるところへ運んでくれた風に感謝していたが、
今日の風は、どうせなら、もっと友好的な仲間を連れて来て欲しかったと、胸中文句を零す。

次の瞬間、閃光が放たれ、木々を薙ぎ倒す。
幸いにも旅人は無事だ。代わりに、風圧で肉が吹き飛んだ。

《 高ネルギー攻撃を感知 》

メガフォンから放たれた電子音声が、草木を揺らした。
高ネルギーのビームの行く手に突如、虹色に輝く、ジェット流のような壁が立ちはだかる。
壁にぶち当たり ―― 貫通! ブチ破り、直後、激しい破壊音と爆発音を巻き起こす。
その光によって、悪魔の正体を、少女2人は見た。

《 強力兵器の使用が許可されました 》
《 近隣住民の皆様は、直ちに退避してください 》
《 当システムにより怪我をした場合は、最寄りの行政施設へお申し付け下さい 》

高さ5m前後、全長4m程、金属製のボディを持った、4本足のロボット。
戦車のような砲塔が備えられている。砲塔には、40mmの機関砲が1門。
全身がチタン合金の装甲で覆われた、多脚歩行マシンがその正体だった。

《 受付時間は、平日9時から17時です 》
《 休日対応は致しかねます 》

先ほどの攻撃を受け右前足を酷く破損し、使えなくなっているようだ。
だが、残った3本の足と近くの木で体を支え、姿勢を保っている。

「それ、スゴいパワーだね。」

"いいな、いいな"と羨ましそうに剣を眺める。
機械の腕も一緒に破壊されたので、自由の身になった。
それから、遂に現れた悪魔へと向き直り、弓を構え、矢を番える。

「格好悪いところ見せちゃった。
 次はどうする?」

"次は私が活躍するよ"。自身に満ち溢れた声。


/凍結、でもいいでしょうか?
702 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/22(月) 02:26:17.21 ID:EjIVjr77o
>>701

ビームは彼女には当たらなかった。良かった、仲間を信じて。
いや、仲間―――なのだろうか。それよりは、クレバーな関係の方が適切だろう。
利害や目的が一致して、行動が一致しているだけ。それ以上でも、それ以下でもない。
友情や愛情なんて、もっとも信用してはいけないものだから。その距離感は慎重にしなくては。

「一応、聖剣ですから。頑張れば街とか、山とか吹っ飛ばせます」

最高出力は地形も変えるトンデモ兵装。けれども魔力という燃費はあまりよろしくない。
それに、火力が高ければ良いってものでもない。二次被害を引き起こすと面倒だし。
ビームが森を突き抜けて、街に直撃したりしたら。報奨金どころの話ではなくなるだろうし。

悪魔の正体見たり、多脚戦車。どこかの軍のものだろうか。
それにしては聞こえてくる音声がやたらと市役所の受付窓口らしくて、なんだかよく分からないが。


「……これ、壊したら報奨金どころか器物損壊で弁償沙汰になりませんか?」

そして、シオンのモチベーションが何故かどんどん下がっていた。
相手が悪役らしさ全開な悪魔ではなく、如何にも市や国の所有物っぽいのが原因。
勝手に壊しても―――いいのかなぁ。正当防衛の範疇ではあるのだろうけど。

「え―――……、とりあえず、もう二、三発今のと同じの叩き込んどきましょうか?
 それで足止めはするので、まあ、後はそちらにお任せしようかと」

既にシオンは乗り気ではないが、乗りかかった船でもあるので。
もう一度聖剣を構え直すと、魔力を込めていつでもぶっ放せるように準備だけはしておく。

/了解しました
703 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/22(月) 21:59:51.13 ID:f4MhNe86o
>>702

「私は、楽しいから問題ないよ。」

けろりと言ってのけた。そもそも払う金なんて、彼女は持ち合わせていない。
最低限の旅銀だけを持ち歩き、足りなければ行く先々で小銭を稼ぐ。
行き当たりばったりだった。もちろん、この金属製の悪魔と戦うことさえもだ。

「それに、風もまだ止んでいない。
 木々の隙間を、風がびゅうと通る音が聞こえる。」

しかし、行き当たりばったりな旅人とはいえ、ある違和感を覚えていた。
悪魔を退治しにきた人たちの中には、強い能力者や軍人もいたと聞いている。
それが、こんな、暴走した既成品の機械如きに何人も倒されてしまうだろうか。 
 ―― "まあ、悩んでも退屈なだけだ!"

「じゃあ、私が近づいて何とかしよう。何とかね。」

相手の提案に頷き、"じゃあまた後で!"と言って駈け出した。
真っ直ぐには突っ込まず、遠回りに、頭を下げながら走るのは慣れている。
援護してくれるとはいえ、機関砲に狙われてはひとたまりもない。

《 鎮圧兵器を使用します。住民の皆様は、ガスマスクをご着用ください 》

ポン、ポン、ポン。機関砲から、催涙グレネードが飛び出す。
周囲に均一な間隔で催涙グレネードをばら撒かれると、シューという音と一緒に白い煙を吐き出す。
催涙ガスは皮膚や目から侵入し、胸が焼けるような痛みや強烈な眼球の痛み、刺激臭がするだろう。

旅人が言ったように、森にはまだ風が強く吹いている部分がある。
そこではガスが風下へ流されてしまい、充満し切るには時間がかかるだろう。

《 鎮圧兵器によって視力や嗅覚に障害が生じた場合、当局は一切の責任を負いかねます 》
704 :【幻影剣技】 [sage]:2016/02/22(月) 22:19:09.08 ID:sqpg4Cv6O
一人の青年が、商店街に佇む
その青年は茶髪のミドルヘアー、顔についた横一線の切り傷が特徴的であった

「やれやれ、変わらないなこの街も」

両の手をポケットに突っ込んでいて
何をするでもなく考え事をしているのだろうか
ただボーッと時間が過ぎるのを待っている
青年は何を思い、何をしているのか
それは彼のみぞ知る所であった
705 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/22(月) 22:47:30.57 ID:Tl48iWzoO
>>703

「“楽しい”ですか。どうやら私とは正反対な趣向のようで」

楽しいなんて感情は湧かない。興奮も、恐怖も、憤怒も、あるはずがない。
シオンにとっての戦いとは、金稼ぎか憂さ晴らしの道具でしかないから。


「―――風は待つよりも、自分で作った方が早いですよ」

聖剣から閃光が炸裂する。光の断層が機械の足元の地面をぶっ飛ばす。
そして爆発の余波は強烈な衝撃になって、機械から吐き出された催涙ガスを吹き飛ばし、充満させる間もなく霧散させる。
同時にクレーター状に抉れた地面は、多脚の姿勢を傾けるには充分な役目を果たすだろう。

後方支援としては、今できることは果たしただろう。
なら、あとは俯瞰するだけ。何とかするといった彼女を、今の場所から動かずにじっと見届ける。
信頼はしない。油断もしない。今この森で起きている全てに意識を集中させる。

「…………警戒し過ぎですかね。まあ、いいや」

結局は、自然体でいることが何よりも重要だった。
彼女の場合、その方が確実に動けるであろうし、力んでしまうとロクなことにならない。
ため息を吐いて、構えは解かないまま、肩の力を抜く。ああいう人は、少し苦手だった。
調子が狂う、色々と。まるで懐かしいものを見ているようで。

念の為、ほんとタダの気紛れのような注意の為に、もう一つの剣も何時でも鞘から抜けるようにしておく。
聖剣と対をなす“魔剣”、はっきり言って余程の事態でもない限り使いたいとは思わない、嫌がらせのような武器。
706 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/22(月) 23:07:08.60 ID:5SOGC1svo
「むげんきこーむげんきこー……ま、そう簡単にゃ捕まらんよなぁ」

廃工場を彷徨い歩く一人の青年、逸木貴司。学園普通科高等部二年、凡そ普通の男子高校生である。
絶やさぬ笑顔、冬だというのに袖を折ったワイシャツ、危険な勢力の名前を呟きながらゴミ箱の蓋を開け中身を確認する姿は、まあ普通とは言い難いかもしれないが。
少なくとも顔立ちや体系等は平均的、だからこそ余計に粗が目立った――――異常に通常が混じれば、通常こそが異常となるように。

(衰退した地下研究所にゃコネなんかねーし、こうして自分の足で探すしか無いわけだが)
(ぶっちゃけまあ適当に宛てもなく歩いてて、見つからないのは俺だって分かってる訳で……)

思考する時間が欲しかった。だけど同じ場所でじっと考えるのも飽きたから、こうして惰性で歩きながら考えるついでに探しているという訳である。
どうにかして拠点の情報でも手に入れられれば、その足で出向くのだが――――そう簡単にそんな重要な情報、転がっている筈もない。
戦争が行動目的のようだし、最悪世界各地の紛争地帯にでも潜り込んで探す必要があるかもしれない。
そう考えるととんでもなく途方も無い道のりのように見えて、逸木貴司は笑いつつもため息を付いた。
とはいえ学園にかつての力を取り戻すには、可能な限り意思の統一が必須――――そのための布石は、今のうちに打てるだけ打っておきたい。

「ねんどーさんが想定以上に早く仕事してくれたし、俺もはたらかねーと」

地下研究所の部屋に篭っていたため、欲を言うと今は空腹に苛まれているのだが、生憎と彼の財布には十円玉が数枚しか無い。
飯を食う金もない以上、今の彼に出来ることは役目を全うすることのみ。残念ながらその目処すら、今のところ立ってはいないけれど。
取り敢えず怪しいところということで、彼は街から大きく外れた場所にある廃工場を訪れていた。
かつて隆盛を極めた大企業、その兵器開発部門の工場跡地である。今でこそ大したものは転がっていないが。
電気系統の一部が生きているらしく探せば開発情報程度は見つかるかもしれない。ならば【無限機構】の人間が訪れる可能性があるのではないか、と。
そんな淡い希望を抱いて、彼はこの場所を訪れた訳だが――――適当に使い捨てられたらしい武器を、蹴って転がした。

//約束済みです……!
707 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/22(月) 23:23:05.21 ID:f4MhNe86o
>>705

邪魔な催涙ガスの障害が、強力は風圧によって消し飛び、霧散した。
おまけにとばかり、もう1度戦車の車体へと命中した。
               チョパムアーマー
チタン合金を主体とした多層複合装甲はその貫通を防ぎ切ったが、
強力な衝撃を受け止めきれず、遂に3本足のゴリアテは地へと膝を付ける。

"お見事!"。見る見る離れていく魔を討つ狩人から、聞こえてくるだろう。
此の戦いの最中においても、狩人は相手の存在を視ていた。目を離さない。
自分だけ戦いに集中しても、つまらないんだ。

「さて。」

2度放たれた閃光によって切り裂かれ、嵐の後のように荒れた木々の山を見据える。
それは丁度、高さが戦車よりも1mほど高くなっていた。
催涙ガスも無し。攻撃の心配は無い。後は、ミスをせずに壊すだけ。
ふうふう、息を吐き出す。動悸を押さえる。落ち着く、静かになる、音が消えていく。
冬に溶ける。冷気に混ざりこむ。旅人と、剣士と、機械しかいない。

歯を食いしばり、走りだした。倒木の山を駆け上る。弓を構え、全力で引き絞る。
番えた矢は、器用な事に2本。近づけば、狙う必要なんて無い。
あっという間に頂上を飛び越え、跳躍し、戦車の上面へと着地する。

「ガッチャ!」

足で戦車の砲塔ハッチを開き、爆発する2本の矢を、脆弱な内部へと浴びせた。
 ―― その時、矢と、何か黒いもやのようなものが、すれ違った。
狩人はそれを視たが、体を動かすのが追いつかない。胸に何かが飛び込んだ感覚が残った。

---------------------------------------------------------------------------------

矢を番え、弦を引く。白い息が立ち上り、暗い夜へと溶けていく。
冷気が体に染み込む。神経を撫で回し、引きずり出され、冬の冷たさと一緒になる。
気を抜くと、このまま心臓の鼓動を止めたい気分になっていった。湿った、冷たい、森とひとつになりたい。
風が吹き止んだ。旅人をここへと運び、剣士をここへと導いた風は鳴り止んでいた。

「しまったな、油断した。」

鋭い眼光が、二振りの剣を持つ少女を射抜く。視線の焦点が合う。
緑色のレーザー光が弓から伸び、"獲物"へと放たれている。
愉快な気分になるのを抑えこむ。"ああ、なるほど、悪魔か" 苦虫を噛み潰すような呟きを、胸中だけでした。

「これは楽しくない。殺してもいいよ。」

 ―― 矢が放たれる。直後、矢の背中から噴射炎が吹き出し、少女へと突き進む。
この矢は誘導性を持っていて、狩人の意思どおりに飛行制御される、ミサイルのような矢。
爆発はしないが、突き刺さっても噴射炎が止まる事はない。とにかく突き進み続ける。

矢は焚き火へと近づいた時、その温かい炎を、轟々という噴射炎で吹き飛ばすだろう。
708 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/22(月) 23:38:46.45 ID:qtVK3liwo
>>706
探し物とは、何時までも何処までもそこらじゅうを引っ繰り返し続けても見つからないものもあれば。
ある日、ふと立ち上がると、目の前にあった、何て言う風にあっさりと見つかる場合もある。それが、幸であるか、不幸であるかは、別としてだが。
はてさて、少年にとってその出会いは幸運であるか、それともこれ以上ないほどの不運であるか―――――― 少なくとも、その男は。
"不運"をばら撒いている人間だ、という自覚があった。カツリ、カツリ、と。"金属製の階段を下りていく音が、幾度か響き渡ったあと"。

「―――――――――――― おっと、それ以上動くなよ、少年?」

少しばかり……数メートル程離れた位置から、彼の背中へと、かちゃり、という音と共に、拳銃の形をした兵器の照準を合わせた。
本来、拳銃と言うのはパーツ同士がしっかりと組み合わさって漫画や映画のように金属が擦れる音など起こさない。それは整備不足の証明だ。
そして、男が―――――― レナート・コンスタンチノヴィチ・アスカロノフが握り締める拳銃から発する音も、例に漏れないものだった。
彼が蹴り転がした武器と同様、それもまたこの工場跡地に打ち棄てられた武器群の一つ。つまりは、動くには余りにも年月が経ちすぎた不良品であり。
そんな物に、何か脅しの価値がある訳も無いし、期待もしていない。それに、彼に対して脅しをかけようと、"何の意味も無い"と本人自身は思っており。

「……なんてな?」

そう言いながら、その武器を乱雑に放り投げる。何度も何度も跳ね上がりながら彼方へと転がっていくそれに対して、特に視線を遣る事も無く。
彼が男へと視線をやったのならば。その先には、一人の男が立っている事だろう。
数十年前の祖国の歩兵将校の軍装と、軍帽。それから、今はもう、とうに滅び去ってしまった"神殺"の証の刻まれた黒いコートを羽織り。
その腰には、長い指揮棒が一本提げられている。顔の半分は深い火傷痕に覆われているが、残された顔の一部を見れば、祖国人の、年齢で言えば三十も半ば程度。

「こんなところに、何か用かい?」
「……ヤンチャをしに来るには、少々危険が過ぎる場所だと、俺は思うが」

そうやって彼へと問いかける。少なくとも、其処には欠片の殺意や敵意の類を滲ませることは無く。
ただ―――――― その手に持った、小さな"アタッシェケース"に刻まれた"串刺しになった翼竜"は、"明確にそれがどんな存在であるかを主張する"。
709 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/22(月) 23:48:25.43 ID:pl2PlakhO
>>707

それは暗闇の中で、一瞬の間に起きたことだった。
しかしシオンはそれを目で追い、何が起きたのかを朧げながらに理解することができた。
任せたのは、失敗だったのかもしれない。もし、最初に聖剣の最高出力を放っていたら。
もし、代わりに私が近寄っていたら―――なんて脳裏を駆け巡るIFが、実に煩わしい。

聖剣から閃光が解き放たれる。炸裂した光が降り注ぐ火を吹き飛ばし、矢の軌道を歪める。
辛うじで、身体に刺さりそうであったその矢を、聖剣で叩き落とせば、それを踏んで彼女に視線を戻した。
冷たい目、仲間を見るよう目ではない。役に立たないものを見るような目。シオンは、そういう人間だった。

「それじゃあ、お言葉に甘えて」

聖剣に再び光が収束する。直撃すれば、人間なんて跡形も残らない一撃。
今度こそこれで決める―――決めて、いいのか?
脳裏を過った疑問が、手を止める。愚問の筈だった。赤の他人に情を注いだ結果、自分を危険に晒したくない。
そう考えていた筈だったのに。そう考えるようにしていた筈なのに。躊躇してしまう。思い出したくもない苛立ちを思い出す。

もう一つの剣が呼んだ気がした。空耳ではなかった思う。
使いたくはなかったけれども、今だけはその力に頼ることにした。


「―――すいません、どうも殺すのは気が乗らないようなので
 多分死ぬほど痛いですが、死ぬよりマシだと思って諦めてください」

そして、シオンの姿が消える。正確には、消えたと思うほどのスピードで移動した。
魔剣が齎す力、人間を超えた超人的な駆動で、弓を構える彼女の背後へと一瞬で移動すれば。
その右肩、左肩、右足、左足へと、ほぼ同時に放たれる峰打ち。直撃すれば確実に骨が砕け、戦闘は愚か移動すら困難になる。
そしてその痛みに匹敵するような苦痛を、シオンも感じていたが―――表情には出さなかった。それ以上に苛立っていた。
710 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/22(月) 23:56:03.81 ID:5SOGC1svo
>>708

お世辞ではないが青年はこの不幸が溢れる世界に於いても、あまり幸運とは言い難い人生を送ってきた人間である。
両親の事故死、それから学園の地下研究所に買われ、数えきれないほどの能力実験を受け――――あまつさえ、感情の殆どが欠落した。
どのような状況においても、笑うことしか出来ない。取り外すことが出来ない仮面を、彼は強制的に嵌められたのである。
そんな彼だが、唐突に声をかけられ僅かに目を見開いた。驚愕と言っていいかは分からないが、それに近しい反応を彼の表情筋が再現したのは間違いない。
そんな自分にも若干の驚きを交えつつ、彼は黙って両手を上げた――――創作のように音がなる銃は、整備不良の証。彼も表に生きている人間ではないため、聞いたことがあった。
とはいえそれでも撃てる可能性はあり、声をかけた時点でまた殺さないという意思があるということ。ならば大人しく手を上げ戦う意志がないことを示すのが、一番生存の確率を上げる方法だろう。

「…………冗談キツイっすよー、心臓止まるかと思いました」

なんてな、という言葉と同時に青年はあげていた手を下げ、そして振り返り声をかけてきた男の姿を漸く視認する。
そして青年は納得した。先ほど彼が覚えたのは『驚愕』という感情ではなく、『危険』だと言う本能だと――――少なくとも彼は表面上取り繕い、震えを抑えつけるのが精一杯だった。
見慣れぬ軍装と、凄惨に焼け爛れた顔。とはいえ彼が感じたのは外見の異常性などではなく、男の内側から発せられているであろう無言の威圧。
幾千もの修羅場を潜って来た者のみが持ち得る『凄み』、青年は男からそんな不確かな物を感じ取っていた。
それからアタッシュケースに刻まれた証に気付いたのは、ほんの数秒後のことであり、小さくだが膝が笑う。

「無茶を出来るのも学生の特権――――だとは、思いません?」
「用は、そうですね…………すこしばかり探しものをしてたんす。ま、見つかるとは思っていなかったけど――――」

『串刺しになった翼竜』、それは確か【無限機構】のエンブレムだった筈だ。何かの冗談、戯れであの紋章を使う人間がいるとは思えない。
つまり男は十中八九【無限機構】の人間であるということだ。だがそれが喜ぶべき事であるかどうかは、全くの別問題だった。
【無限機構】の人間だということはつまり、戦争狂いであるということの証明。男が只者ではないのは青年でもわかるし、戦闘になればまず勝てないのはやる前から理解出来る。
とはいえ【無限機構】を探していたということは、ある程度その覚悟ができていたということ――――いや、こんなに早く会えるだなんて思ってもいなかったけれども。

「はじめまして。学園高等部普通科二年所属、名前を逸木貴司って言います」
「俺の用は――――――――ええ、すこしばかり【無限機構】所属の方を探していまして」

不運というべき人生に訪れた幸運、けれどそれは一歩間違えれば破滅の道へと強制的に転落する獣道にほかならない。
だが彼にはとても強い異能も、優れた身体能力も、鍛えられた技能も、突出した頭脳も持ち合わせていない。
故に命を賭けて、差を埋めるしか無い――――この状況も、可能な限り努力して幸運に変えるしか無いだろう。
お話したいんですが、よろしいでしょうか。青年はそう男に笑いかけ、何処からか取り出した缶コーヒーを一本差し出した。
711 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/23(火) 00:15:31.15 ID:OGFf/z6po
>>709

冷たさは彼女にとって、友達のようなものだった。
生まれてからずっと、ずっと、ずっと一緒に居続けた。
だから、死体の冷たさも、旅人にとって、とても触れなれたものだった。
鹿の首に矢が刺さると、血を噴き出す。倒れる。
冷たくなる前に肉を削ぐ、皮を剥ぐ、腸を集める。そして、冷たくなる。
"私もそうなる"

矢を番える。弦を引く。
4つ数える、息を吸う。
4つ数える、息を吐く。
湿った空気が、狩人を包み込む。

第二射を射ようとしたその時だった。
視線の先から、獲物の姿が消えた。背筋に描写しようもない感情が走り抜けた。
死の恐怖を覚えた事は、何度もある。この前、殺人鬼と楽しくゲームをした時も、非常に危ない時があった。
しかし、今は、今までにないほどの感情が有った。
溜め息を大きく吐き出し、整えていた呼吸が乱れた。ハア、ハア、息ができない。

「君、いつか死ぬね。」

自分が捉えられないほどの速さで相手が近づくのを察知した。忠告をした。
旅人が、恐ろしいほど強い剣士を見る瞳は、とてもとても澄み、哀れんでいた。
力が強く、心が強く、優しさもある剣士を、骨が砕かれるその瞬間まで、いや、その後も、哀れんだ。

背後から強い衝撃を加えられ、骨が破砕し、肉が損壊したのを旅人は、じっくりと感じた。
いつも弓を使ってきたから、痛みを覚えない。射抜くか、死ぬか。それだけの世界だった。
食べられるか食べるか。極端に冷たい世界の、迷い子。

う゛、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛。

悲痛な叫び声が、暗黒の森に木霊する。弾丸が肉を貫通するよりも痛い、と彼女は思った。
衝撃が脳にまで伝わって、軽い脳震盪さえ覚え、その場に崩れ落ちる。
実際、能力者でもない旅人は、本当に強い少女に近づかれては、為す術もない。
いや、何かを為そうなんて思っていない。ただ、なんだか、楽しくないのが不満だった。

「あ、く、ぁ……

 や、や、優しいんだ、ねえ……く、くく、ククク……。」

せめて笑わないと、少しも楽しくない。痛いし、熱いし、地面に蹲るしかないし。
旅人の腹から、黒いもやのようなものが、這い出すように現れた。
激痛に悶え苦しむように地面でのたうち回り、此の場から逃げ出そうと少しずつ這って行く。

「痛い痛い痛い……アイツは任せた……。」

本当ならば自分ものたうち回って少しでも痛みを紛らわせたいと思った。
目尻いっぱいに涙を溜めながらも、飄々とした語調を必死に絞り出して、骨を砕かれた痛みを共感した悪魔の始末を任せた。
"い゛、い゛、い゛、い゛"歯軋りをしながら、全身を駆け巡る痛みを堪えるので限界。
712 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/23(火) 00:21:10.65 ID:a/cE4hx6o
>>710
やはり、と言うべきか。半ば予想のついていたところであったが、少なくとも―――――― この少年は"まともな人間では無い"。
心の内にどう思っているかは分からないが、少なくとも怯えや、驚愕、そう言った類の物を表出させていない。訓練を受けているか? それとも、それが張り付いているか?
そうして、レナート・アスカロノフの推測は的中した。この少年は―――――― "無限機構の人間を探している"、と言っていた。
的中した、まぁそれは"良い"。少なくとも目前の彼に敵意は無いように見えるし、"戦闘になったとしても大して困る事は無い"。
だから、そう言う風な、"致命的な"ものではなく。ただ、単純にレナート・アスカロノフは。彼の、その言い分を―――――― "面白がった"。

「く、ふっ、ハハハ……【無限機構】の人間を、探している、と?」
「……いやぁ、確かに無茶は学生の特権だ。若いうちは多少の無茶を楽しんでいた方が良い、あとで良い笑い話になる」

「なるほど、なるほど。探し物、ね」

学園の高等部生徒、逸木貴司。『学園』と言えば、裏側で色々と噂の絶えないところ"だった"場所だ。今、どうなっているかは分からないが。
果たして彼は、ただの学園の生徒でただ個人の感情で接触を図っているのか? それとも、"裏側"から来た人間で、何か思惑があって接触しに来たのか。
だが、そのどちらにしても。果たして―――――― 最初にあったのが、レナート・アスカロノフであったことは、幸運であるか、不幸であるか?

「その通り、俺は"無限機構"の人間だ」
「名前を、レナート・コンスタンチノヴィチ・アスカロノフ。嘗て、"神殺"であった人間であり、無限機構での役割は……」

「―――――――――――― "総統"、だ」

実に楽しそうに。アタッシェケースを持った方も共に。演技がかった動きで、大きくその両腕を広げる。
彼にとっての不幸の内の一つとして、この男がその外見以上に歳を取っていて、その上その年齢に見合わないくらいに、好奇心と悪戯心に溢れていることがある、だろうか?
兎も角、レナートは少年へと向けて、そんな風に勿体ぶった上で、自分の"役職"を宣言するだろう。自分は、彼の言う通り、無限機構の一員であり。
そして、その"首魁"であり元凶であると宣言する。それは実の、楽しそうな口振りで。そしてまた、実に少年じみた感情を以てして、彼の持ちかけに対して。
レナートはこう返答するだろう。「断る、と」

「俺は珈琲は飲まん。苦手なんだ。紅茶しか飲まない。ジャムと一緒の紅茶しか、な」

「話は聞こう。だから……今度から、話をするときは紅茶を用意しておいてもらおうか、"イツキ"?」

実に、下らない冗談であった。兎も角、レナートは差し出された缶コーヒーを受け取る事は無く、寧ろ彼へと押し返す事だろう。
それから、その階段の中途にゆっくりと腰を下ろすと、傍らにアタッシェケースを置いて。「さぁ話してみろ」と、彼へと促すことだろう。
713 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/23(火) 00:45:26.40 ID:UuktS9Swo
>>712

『総統』。ああなるほど、それは実に都合がいい。最高だという表現でも良いだろう、兎に角今のところは非常に運が良いと言わざるをえない。
仮に男が下っ端だったとしたら、それを伝ってトップにまで辿り着くつもりだった。その手間も省けたし、命を危険に晒す危険性も幾許かは減った。
それが微々たる量であることに違いはないが、それでもその差も無いよりはマシだろう。とはいえこの男、所属している組織の割にかなり御茶目な所があるようだ。
大仰な動作、芝居がかった台詞回し、そして何より断るの一言――――割りと冗談抜きで、一瞬心臓が止まった様な気がした。

「あぁ、そういや祖国ではそうっすよね……コーヒーは合衆国とかそっちらへんの文化か…………」
「ええ、用意させていただきましょう。勿論淹れる知識も、頭に添えて」

残念そうに缶コーヒーを手近なデスクに置くと、逸木貴司は僅かばかりだが思考した。
自分に戦闘意思はなく、相手にもまた今のところ戦闘意思はない……様に見える。というかあったら、その時点でお終いなのだが。
そして彼が今から行うこと、話すことは信頼関係を築くことが大前提――――嘘をつく必要もなく、逆に下手な嘘は自分の立場を追いやる事になる。
何もメリットがない。だから正直に話す。そもそも若造の嘘など、この男の前では簡単に見抜かれてしまうだろうし、一から順を追って話させてもらおう。

「ありがとうございます――――えぇと、先ず初めに。俺は学園の地下研究所の被験体です」
「ご存知かも知れませんが学園は学術都市として機能していて、色々裏でヤバい研究もやってまして……俺もその『モルモット』って訳なんす」

この辺りの事情に関しては、男も恐らく知っていることだろう。何故なら学園は帝国、そして祖国とも取引を持っていたらしいからだ。
現在は知らないが、少なくとも過去には繋がりがあった。それも表での友好関係ではなく、裏での利害の一致。
ならば男も詳しくは知らずとも、表面的な知識程度ならば備えているだろう。とはいえ説明しないのは不義理に繋がる可能性もあるため、念のためというやつである。

「つっても学園は今や衰退の一途……特に裏なんかは酷い有様で、全盛期に比べりゃ壊滅状態」
「けれど俺としちゃそこで生きて、そこで育ってきたわけで。酷い実験されようが、あそこが俺の世界な訳です」
「だから俺は学園を再興させたい。勿論裏も含めて――――けれど生憎、俺には力で変革を起こせる程恵まれちゃいなかった」

能力の証明とばかりに、青年は近くに落ちていた瓦礫で軽く腕を斬る。それはみるみる再生していき、やがて跡一つなくなってしまった。
傷の再生、それと身体能力の強化。それだけが彼の能力である。しかも発動条件は相手のダメージを受け、値をある程度蓄積すること。
再生に関してもかすり傷程度ならばすぐ治るが、重症を受けてしまってはどうしようもない。戦闘向けではなく、また強力な能力とは言い難いのが現実だ。

//ごめんなさい、入りきらなかったので分割させていただきます……
714 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/23(火) 00:45:39.82 ID:UuktS9Swo
「けどまあ、そこで諦める程俺も終わっちゃいない――――邪魔なものは排除し、学園を蘇らせる」
「そのための第一歩として、【学園】の【地下研究所】は、【無限機構】と同盟を結びたいんです」

交渉材料としては、下の下。衰退しきった弱小勢力と、強力な能力者が控え今もなお活発に動く戦争の申し子達。
【学園地下研究所】に同盟を結ぶ理由があっても、【無限機構】に同盟を結ぶ理由がない。とはいえ青年もそこら辺は理解しているつもりである。
飽く迄これは話の主題を述べたのみ、材料の提示はここからだった。唾を飲み込み、再び口を開く。

「より具体的に言うならば、対【教団】として同盟を結びたい。ご存知だとは思いますが、教団は人工能力者を敵対視する集団です」
「そして学園は人工能力者の集まりで、【祖国】もまた人工能力者が多いと聞いています」
「教団と敵対するときにのみ、手を結ぶ。後はまあ軽い不可侵条約――――うちの馬鹿が喧嘩売る可能性はあるので、その場合はいくら殺されようが文句は言うつもりは無いっす」

対教団に対する同盟結成は前もって考えていた内容だが、祖国についてはレナートの容姿と名前を聞いた上で付け加えた言葉である。
もっとも彼に愛国心がなければ全くの無意味なのだが――――とりあえず話さないことには始まらない。

「つってもやっぱり条件としては釣り合ってないと思うので、此方はそちらの意向によって可能な限り『兵を貸し出す』」
「勿論教団関係なしに、です。同盟が結ばれている間、地下研究所は半分あなたの配下に入ると言っても過言ではないすね」
「これでも正直釣り合ってないんで、必要があれば地下研究所の研究成果と実験施設の利用も条件に入れさせていただきます」
「…………どうすかね? いきなり会ったガキに訳わからん交渉されて、正直訳わからんって気持ちもわかるんすけど」
715 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/23(火) 00:47:46.73 ID:/qgduuJwo
>>711

「ええ、早死するでしょうね私
 あと、あなたも大概なお人好しですね」

ただ、ひたすら頑張れば、何でもできるんだと思っていた頃があった。
困っている人がいたら助けて、悪いやつがいたら懲らしめた。ヒーローになりたかった。
この力があれば、どんな人も救えると信じて、胸に抱いた幼い幻想。
そして幻想はある日、跡形もなく粉砕され―――その残滓だけが微かに残っているだけがだった。

骨を砕く感触が、剣を握る手に伝わった。思っていたよりも、軽い手ごたえ。
そして彼女の悲鳴が、響いた。森の中に、頭の中に。私が彼女を傷つけた、その証。

いつか死ぬ―――当然だ。幻想を捨てた今の私は、ロクでもない最後を迎えるのが相応しい人間だから。
優しいのか―――んな訳がない。嫌味にしては実に皮肉が効いているとは思ったが。


「……ああ、久しぶりですねこんな気分、懐かしい
 憂さ晴らしといきましょうか。久方ぶりの、全力全開で」

森が騒めく。大気が震える。聖剣に収束するは、極光と表現するに相応しい、輝ける粒子の奔流。
その最高出力を、シオンは滅多に使いたがらない。その桁外れな威力を、自身が恐れているから。
けれども、今は―――恐れよりも、怒りが勝っていた。ただただ、腹立たしくて仕方なかった。

彼女の言葉も、無理して笑おうとするその姿も、この心の騒めきも、身体の痛みも、何もかも。その怒りの矛先が向かうのは全ての元凶。
片手で振り上げられた聖剣が、次の瞬間には振り下ろされて――――――その全ての力が解き放たれた。
その光は、悪魔も、森も、何もかもを呑み込んで、一直線に進む。そして向かいの山には激突し、その一角を吹き飛ばして漸く消滅した。
後に残されたのは、森の一角もろとも吹き飛ばしたデタラメな破壊の痕跡、ただそれだけ。悪魔がどうなったは、既にシオンにはどうでも良かった。


「終わりました。どうですか―――聞くまでもありませんか」

悪魔の生死の確認もろくにせず、そしてシオンは少女の元へと駆け寄るだろう。
罪悪感は―――少なくとも表情には出さない。今の彼女はそういう人間だった。
716 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/23(火) 01:05:09.63 ID:OGFf/z6po
>>715

旅の少女は、相手の瞳を見上げた。嗚呼、私と似ている、諦めた瞳を視たと思った。
無意味。無力感。絶望もせず、希望も持たず、ただ脱力し、けれど、自分の心に抗えない。
旅人は自分語りが好きじゃない。自分の事を思い出すのも、自分を見つめるのも好きじゃない。
意義のない旅。大義のない殺し合い。退屈を紛らわす為の、余興を、楽しみにし続ける毎日。
現実が、少女の脳裏に押し寄せそうになった時、自分の脇腹を思い切り殴りつけて、思考を止めた。

"すごいなあ、君。" 呟きが溢れる。

破壊的な力を、旅人は視た。その力をどうやって手に入れたのか、知る由もない。
けれど、それほどの力を持った人が、森で呑気に歌を歌う変人の面倒を見てくれるとは、信じ難い。
きっと、もう、その力を使う機会に恵まれすぎたんだと、邪推した。勝手に。
その破壊に巻き込んでくれたならば、この惰性の旅から解放されただろうか。考えてしまった。
また、脇腹を殴りつける。楽しい旅だ。

----------------------------------------------------------------------------------

相手が振り返った時、旅人は返事を返さなかった。
ぐったりとうなだれ、痛みに震える事もなく、涙は乾いていた。
音が無い。匂いもない。森の湿った、草木の腐った、奇妙な臭いだけがしていた。
風が吹き始めると、ひゅおう、と悪魔のような声で鳴いた。
風に導かれるまま、のらりくらりとここへ来て、
風に押されるまま、ゆらりふらりと地面に倒れた旅人。

返事がない。ただの、屍の、ようだった。



"くっ……くっ……ぅいた……くくっ……"

笑い声を押さえきれなくなって、腹が震えると、痛い。声も出た。
717 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/23(火) 01:21:10.71 ID:a/cE4hx6o
>>713>>714

「―――――――――――― 成程」

求めている事は分かった。学園復活の為に無限機構に協力してもらいたい、ということだろう。
然し此処に来て対教団というのも"面白い"。嘗て偽装とは言え王国に入り、教団と……自分が戦ったのは"騎士団"であったが、それを思い出す。
それに、彼には嘘をついている様子は見られない。そういう物を見抜く目に自信がある訳でも無かったが、少なくともレナートにはそう見えた。
学園裏で何か"如何わしい"実験が行われている事も既知の事、その筋では有名な話。能力開発を主とする学園裏の人間である彼が被実体であるというのも納得できる。
とは言え、提示された条件は、無限機構にとっては"少々"得が少ないものであった。弱体化した【学園裏】と同盟を結んで教団と殴り合う、というのは。

「少年、君の学園を再興させたい、という気持ちはよく分かった―――――― その年齢で、よくもまぁ"やるもの"だ」
「だが、誤算が幾つかある。先ず第一に、俺達は【祖国】に真っ先に喧嘩を売ったような連中だ。俺にも、愛国心は……まあ、あるにはあるが」
「それよりも優先するものがある。そしてそもそも、俺は"天然物"だ。その情に訴える手法は失敗だな」

レナート・アスカロノフは、能力開発を受けていない、ただの陸軍の無能力者"だった"男だ。能力への覚醒も、後天的な物である。
愛国心……国に尽くす心も、昔は無いわけではないし、今でも故国に敵対する事に思うことはある。だが、"それよりも遥かに上回る夢がある"ものだから。
揚げ足を取るよう、であった。然し―――――――――――― 無論、"ダメ出しだけで話を終わらせる気は無い"。
右手の人差し指と親指を立てて、それ以外の指を折り曲げる。所謂、ピストルの形を模したもの。そして、銃身に見立てた人差し指を、彼へと向けて。

「イツキ、数十年前の俺の国にはな、督戦隊という部隊があった。味方が怖気づいた時、後ろから撃って殺す為の部隊だ」
「おっそろしいもんだ、俺も最初は何かの冗談だと思ってたんだが、本当に奴等、撃ちやがる」

「―――――――――――― つまり、"そう言う事"だ」

それは、世界を包み込んだ"大戦争"時代の話。レナート・アスカロノフがまだ若く、戦場で死に物狂いで戦い続けていた時代の話だ。
今思えば、それは"狂気"に他ならない。味方が戦場で死なないのであれば、自分達で殺す、などという。"戦場が産み出した狂気の塊"であった。
そして、それを。彼等にも"適応"するということだ。彼らが背を向けて走り出した時、"無限機構"は、容赦なく彼等の背中へと鉛の雨霰を突き立てる、と。
無論、例え話ではある。あれは兵士が"畑から取れる"という冗談が生まれる程に大量にいた祖国だから出来た事で、実際に無限機構に督戦隊を組織する訳では無い。

/こちらも分けます……!!

718 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/23(火) 01:21:11.13 ID:/qgduuJwo
>>716

“欠片も、すごい人間なんかじゃない”

そう呟いた言葉は、彼女に届いたかどうか。
凄いのは、この剣だ。私はただ、この剣に偶々選ばれただけに過ぎない。
私が強い力を得たのではない。強い力が偶々私に与えられただけだ。
そうだった。昔はそのことを勘違いしていた。だから、傲慢な幻想を抱いてしまったんだ。
くだらない――――――余計な思考を弾き出す。


「まあ、大丈夫そうですね」

彼女は生きていた。当然だ、死なれたら困る。
困る―――何故?彼女は所詮は赤の他人なのに、死なれて困ることが何かあるか。
あるとすれば―――今晩、寝心地が悪くなるかもしれない。ほんの少しだけ。
ああ、理由はもうそれでいい。理由なく人を助けるような偽善よりは、幾らかマシだ。
タダ働きには違いないが、タダより高いものはないとも言うし。つくづく、身勝手な最低人間だ。


「……―――はぁ。つくづく、風の吹き回しが悪い日ですね、今日は」

シオンは、彼女の側にしゃがみ込むと、そのまま彼女を背負いあげる。
おんぶする姿勢になって、そのまま立ち上がれば―――片手を鞘の中の剣に触れる。
魔剣の力、苦痛を代償に力を。赤の他人のために、わざわざ自分から苦痛を味わうのは、不本意でしかなかったが。
歯を食い縛って、冷や汗を流しながら、それでも我慢して。一気に跳躍。音速一歩手前の速度で森を抜ける。
殆ど一瞬のことだった。移動先の場所は森の付近の街にある病院の目の前。
719 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/23(火) 01:21:21.77 ID:a/cE4hx6o
>>713>>714
「確かに、魅力的な提案だ。地下研究所の研究成果と、その"兵"を動かせるようになる、というのはな」
「それに何より―――――― 正しく、"火種"じゃないか。イツキ、君は"無限機構"がなんたる組織か、よく分かっているようじゃないか」

「―――――――――――― 良いだろう。"我々は戦争に対して何一つ惜しむことなく邁進する無限の機構"だ」


つまり、"了承"であった。
無限機構は今、確かに"勢い"がある。人員も急速に膨れ上がっているが。然し、"神殺"ほどのネームバリューも無ければ、"一国"と真正面からぶつかり合える力はまだない。
故に、衰退したとはいえ"学園裏"の研究成果と人員を借りられると言うのは、願っても無いことであり―――――― そして、それを"差し引いても"。
戦争の火種が目の前に在る。レナート・コンスタンチノヴィチ・アスカロノフは、それを"見逃すことができるほどに賢明な人間に"出来てはいなかった。

「裏切りの対価は、"人類最高峰の破滅の光"であると思っておけ」
「お前達から、そうする事が無ければ。"俺達は無限の戦争に至るまで、力を貸し続ける"だろう」

そうして、差し出したのは"右手"だった。
彼の能力の一端は垣間見た。"再生能力"。だが、彼が嘘をついているようには見えなかったが、"それ以上に何かあるかもしれない"というのは払拭できない。
それは、かの少年にとっても同様であろう。いや―――――― 能力を見ていない分、彼にとっての方が"重い"だろうが、だからこそ意味があった。
"手と手を交わす"というのは、見た目よりも非常に"重い"意味がある。相手の事を"信頼できる"という分かり易い証拠。"悪党同士"ともなればなおさらだ。
故にレナートは、その行為に少しばかり"価値"を見出していた。そして、其の手を握ったのならば、"交渉は其処でようやく、確固たる成立"となるだろう。
720 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/23(火) 01:46:23.96 ID:UuktS9Swo
>>717>>719

祖国が人工能力者の宝庫だから、その敵になる可能性のある教団を共に倒そう――――口上としては上等だが、生憎とその点に関しては上手く行かなかった。
そしてそれは彼の調査不足が原因であり、情報で劣るということは一切勝っている点が存在しないということ。本来ならば頭を抱えて転げまわる案件である。

「…………ええ、ええ。わかってるすよ。あなた達と『組む』って事は、『そういうこと』だって」

地下研究所は、かつて研究者のユートピアだった。あらゆる実験施設が揃い、何もせずともモルモットを用意してもらえ、尚且つそれら全てが隠蔽されている。
倫理に反していようと、人道に反していようと、何をしても許された至上の『地獄』――――だがそんなものは所詮、過去の栄光だ。
地下研究所と【無限機構】が組むには、相応の対価を用意する必要があった。此方が下である以上、相手の条件をのむことはあまりに当然であり。
何より彼等に銃口を向けられれば、此方の死は何方にせよ必然なのだ。この取引は、学園が【無限機構】と敵対しないための取引でもある。

「――――――――は、はは。そいつぁありがたい。有難すぎて、腰が抜けそうだ」

上手く行けば条件の半分は飲んでもらえるか、そんな見通しで彼は話していた――――そして【無限機構】の『総統』から紡がれた言葉は『了承』。
緊張が少し緩んだのか、本当に腰が抜けそうだった。ある程度の修羅場を潜っておいてよかったと、今だけは心の底から思う。
裏切れば破滅、だが此方から裏切るのはメリットよりもデメリットのほうが遥かに大きい。損得勘定が小学生並みにでも出来れば、何方が良いかは一目瞭然だろう。

「裏切る、それこそ無い話っすね――――『戦争は発明の母』、なんて言葉があるぐらいですし」
「一先ず交渉は成立ということで…………ありがとうございます」

差し出された手を、躊躇なく握り返す。無論話が終わったから油断している、気が緩んでいるという訳ではない。
ここで躊躇うようならば、それは即ち相手を信頼し切っていないということ。ゆえに彼は、迷いなくその契約を成立させた。

「…………あぁ、お先に言っておきますと。学園は一枚岩じゃあ無く、幾つもの派閥が存在しています」
「裏も例外じゃあなく、勿論ある程度は統一していますが――――中にはこっちのいうことを聞かない奴も、たまにいます」
「だけどまあ大体強いのは動かせるんで、そこら辺は安心してください。『触っただけで物を溶かせる能力者』とかいますよ」

と、そこで一旦言葉を切った。後出しのようで申し訳ないが、学園が衰退した一旦はこの意志の統一が出来なかったことにある。
学術都市、都市規模だからこそ生じた欠点。だが衰退した今だからこそ、以前より意思の統一の難易度は下がっているはずだ。
だからこそ今のうちに成す。あ、少し失礼します。逸木は頭を下げると携帯を取り出し、少しだけ操作した後にすいませんでしたと頭をもう一度下げ。

「そう、統一と言えば――――その触っただけで高熱で物を溶かす能力者、先日とある能力者と戦ったらしいんです」
「そん時そいつが妙に戦争戦争言ってたらしくて――――確認しておきたいんすけど、三条雪音ってそちらの人間だったりします?」

ただの確認、けれど彼にとってそれは重要な話だった。三条雪音、それは学園の生徒会長の名である。
彼女は先日彼の上司と戦闘し、適当にあしらい逃走した。その際戦争戦争と何やら言っていたらしく、【無限機構】所属なのではないかと睨んだのだ。
そしてそうだったならば――――その事実を明るみにし、可能ならば学園から追放したい。現在の彼の行動指針の一つである。
意思の統一、と言うよりかは邪魔者の排除。彼女は裏と繋がりがなく、訳の分からないことを企んでいる。はっきり言って、表の掌握にあたって障害でしか無い。
それに学園から追い出せれば二足のわらじも一足になり、より【無限機構】の活動に身を入れられるだろう。
少なくとも彼女を学園から追い出し、【無限機構】が不利になることはない。むしろ先手を打たなければ、此方に何かしらの妨害をしてくる可能性のほうが遥かに高い。
だからこそ三条雪音が所属しているかどうか、その情報は新しく対価を上乗せしても欲しかった。まさしく喉から手が出るほどに。
721 :【羽衣が微笑む穹天の斜陽】 - Lever du Soleil - [sage]:2016/02/23(火) 01:46:35.11 ID:OGFf/z6po
>>718

実際の所、返事をする事ができないのは本当だった。
内出血が激しく、体温が急激に温まり、こんな真冬なのにぽかぽかとした感覚を覚えていた。
脂汗をどっとかき、体力を殆ど消耗しきった。
何より、言葉を発しようとすると、背中に喩え難い程の激痛が走る。
"だから、相手の呟きなんて、ちっとも聞こえなかったよ。"

背負われる時にも酷い痛みがした。下唇を噛み締めて、悲鳴が漏れそうになるとを力づくで堪えた。
少なくとも背中の感触は、寝心地の良さそうな感じだと思った。
だけど、彼女が跳躍をしようとした時、筋肉が強張るのもわかった。必要以上に。
痛みに震えるようだと感じた。今は、自分もそうだからよくわかる。

なんだなんだ、お互い痛いんじゃ、骨折り損だね。文字通り。
その言葉を口には出さず、ひひひと痛みを無視して笑った。痛い痛い。

そして驚くべき事に、次の瞬間には、病院の目の前にまで移動していた。
痛みと消耗によって落ちかけていた意識が覚醒した。目をパチパチさせる。
あんな破壊を齎し、こんなに素早く動く力を、ひとりの女の子が持っているのは、信じ難い。
所持することではない。この細い背中に、そんな力が押し込められている事がだ。

「力の少しでもを、こっちに回せればと思う。」

年下の女の子の胸を、背後からいきなりタッチしようとする。
だがアンブッシュの成否に関わらず、相手が何か言い返す前に、意識が落ちてしまうだろう。
死の恐怖が消え去ったら、耐えられないほどの睡魔に襲われた。
今日はいいとこなしだったな、なんて、呑気に考えながら。

"今日は、ありがとう。"

まどろみの中で、そう呟いた気になった。本当に呟いたかもしれない。
何に言ったのか、自分にもよくわからなかったが、たぶん、命を救ってくれた事にじゃない。
命はどうでもいい。

無意味な旅に、楽しい時間を与えてくれた事にだ。




/ここで〆させて頂きます。ロールありがとうございました。
/すごくすごーく楽しかったです。ご縁があれば、また是非。
722 :【双刻天剣】 ◆3vqWJyPG9PHL [sage saga]:2016/02/23(火) 01:58:37.70 ID:/qgduuJwo
>>721

疲労困憊、目眩がする。あと痛い、とにかく痛い。
そのせいで、余計なお世話に対するお返しを言いそびれた。まだ成長期だし、多分。
頭でも叩いてやろうかと思ったが、怪我人なので叩き辛い。
その怪我も、紆余曲折あったとはいえ、原因の一端はこっちにある訳で。


彼女の言葉が聞こえたような気がした。
けれども気のせいだったのかも知れないし、彼女は既にまどろみの中。
なので、聞かなかったことにしておく。やっぱり空耳かも知れないし。

もし、確認する機会があれば、その時に聞いてみるのもいいかもしれない。
そんな機会が訪れれば、の話だが。きっと風の吹き回し次第だろう、全て。


「……―――ふわぁ」

欠伸を吐いて、帰路につく。
熱いお風呂と、冷蔵庫の中のアイスが待っている。

/こちらこそこんな拙いロールでしたが、ありがとうございました……また機会あればよろしくお願いします!
723 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/23(火) 02:24:34.99 ID:a/cE4hx6o
>>720

「―――――――――――― それでよし」
「いやいや、よく頑張った。若い奴の頑張りには、老人は無条件に応えてやりたくものさ」

握り返された手、それに満足そうに頷きながらそう言って、彼へと実に楽しそうな笑いを向ける。
やはり彼は随分と緊張していたようで。その中で確りとメリットとデメリットを考え、自分と相手に得があるように交渉材料を整える、というのは。
中々出来たものでは無い。レナート個人の感情として、そう言ったのは本心からの事であった。

「ああ、それは何となくさっきの説明で分かってたさ……なに、大きな組織には色々と面倒な対決は付き物だ」
「触っただけで物を溶かせる……成程、一度見てみたいものだ。何せ俺の能力は"不器用"何でね」
「まぁ、派閥の中でも強力なのが味方になってくれるならありがたい。"いざと言う時"に楽そうだし、な」

先の説明のニュアンスから、何となくではあったが、学園裏が少々"面倒"であるのは分かった……そして、大体予想通りの面倒臭さ、というべきか。
"派閥"。とすれば、無限機構と手を組むこと自体に反対する輩もいるかもしれない。強力な能力者は大体動かせると言うのならば、それに越したことは無いのだが。
必要とあらば、それらを粛清しなけらばならない時が来るかもしれない―――――― とは言え、少なくともそのような反乱分子を放置しておく筈がない。
何か、考えがあるか、それとも今考えている最中か。どちらにしても、直ぐには手を出す必要も無いだろうか。

携帯電話を取り出す彼に、「気にするな」と言いながらそれを見届けた。
レナート・アスカロノフは、別段機械音痴では無い。いや、元々は老人の大多数に違わず"そう"であったのだが。
"戦争"をする以上、あらゆる電子機器に慣れておかなければならず、"克服"せざるを得なかった。それでも、技術の発展には酷く驚いたものだ。
特に、携帯電話に関してはそうであった。それを易々と使いこなす若者の姿に、"感心"の視線を注ぎながら。

「―――――――――――― 三条雪音、か」

彼を見つめる右眼を、僅かに細めた。
その名は確かに無限機構の一員として連なっている。連なっているが―――――― さて、それを彼等へと告げるのは果たして"正しいかどうか"。
確かに、レナート個人としては教えるべきだ、と思う。そこまで明確な火種を放置しておくなんて選択肢は、はっきり言って何処にもない。
だが、"彼女"としてはどうなのか。組織の長として、そして年長者として、余り勝手に振る舞って嫌われる、なんていう事態は避けたいものだった。
此処に来て、初めてレナート・アスカロノフは困ったような表情を浮かべた。ガリガリ、と後頭部を掻いて、外見から見て、そういうことが一目でわかる様な動作だった。
それだけで、不確定であるが答えにはなるだろう。だが……それを口にするのには、酷く迷いがあった。

「……本人と相談しろ、ってのも無理そうな話だな。どう答えたものか……そうだな」
「"ノーコメント"、ってことにさせてくれ。流石に勘弁してくれよ、"こっちにも事情"があるんだ。……一応、"聞いてみる"が」

「"そう"だったら、連絡しよう。"違"ったら―――――― まぁ、そっちで如何にかしてくれ」

最終的に出した結論は、"本人にそれを言っていいかどうか聞いてみてから"ということであった。
何か考えがあるのかもしれない。一個人の情報を他人にそう簡単に差し出す事は、組織内での"信用"に関わってくるからだ。
言ってしまえば、"たまたま目的が一致した気狂いの集団"である無限機構であるが、それでも首魁が信用できない人間である、となると離反する者も出てくるのが必然だ。
故に、これに関しては独断で教える事は出来ない、というのが結論であった。
聞いたところ、"疑い"の段階に入っているのだから、今教えても教えなくても、遅いか早いかで結果は一緒なのだろうが……"取り敢えず"は。
724 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/23(火) 02:46:36.62 ID:UuktS9Swo
>>723

「分かってもらえたようで助かります……いやホント、できるかぎりは善処するつもりではあるんですけど」

と言うよりかはしなければならない。そうしなければ学園の再興だなんて夢のまた夢、出来た所でどうせ空中分解するのが落ちだ。
とはいえ学園も組織としてはそれなりに大きい。今はハリボテとしての大きさしか無いかもしれないが、それでも御するのは一苦労だ。
並大抵の指導者では統一など出来ないだろうし、はっきり言ってしまえば逸木自身はそんな事が出来るとは思っていない。
だが100%が無理というだけで、それに近づけることは不可能ではない。そういった意味での善処だった。

「ええ、三条雪音。文武両道容姿端麗完璧超人なうちの生徒会長なんすけど」

答えが聞けるか、その情報は欲しかったが、話してしまえば部下からに対する信頼に関わってくる。
だからこそ軽く聞いた。それだけで意図は伝わると、話していた限りではそれだけの頭は持ち合わせていることは分かりきっていたからだ。
そしてレナートは言葉にこそしなかったものの、その態度から察することが出来た――――ああ、やはり。そして逸木は、愉しそうに笑った。

「ああ、すいません。いや、そんな表情も出来るんだなと思って」

洒落が通用する器の大きい人物だとは思ったが、まさか自分が彼から困った表情が引き出せるとは思ってもいなかった。
勿論情報が引き出せなかったのは残念だが、彼の立場を考えれば致し方無い。最近漸く上に立つ者の苦労が少し分かった彼としては、それ以上の言及はしないつもりだった。
とはいえそれは障害そのものを放置するという意味では、決して無い。むしろ確信を得たからこそ、持ち得る手段を行使するという気持ちが強くなった。

「了解しました、ええ。まあ一応、もし所属している場合釘ぐらいは刺して頂けると助かるんですけど……」
「『如何にかしてくれ』ってことは、『そうしても良い』という意味で受け取らせていただきます」

彼女がもし【無限機構】で、彼女を攻撃したことにより不可侵条約が破られた等とケチをつけられてはたまらない。
だからこその念押し、違うという態度を取ったならば此方は此方のやり方で『どうにかする』――――『どうにかしてもよい』と。
組織の安定は即ち同盟の強化、扱う兵の成長に繋がる。だからこそ彼も教えるべきかどうか、迷ったのだろう。

「あと仮に彼女が『そう』で追い出して逆恨みされた場合、此方は反撃しないとは言い切れません」
「けれどそれは決して【無限機構】に対する裏切りではないってこと、分かっておいて頂けると嬉しいっす」

此方から攻撃した場合その人間は自由に殺しても良い。但し此方も火の粉は払う程度のことはする。
ただ搾取されるだけでは、彼自身の目的の達成に繋がらない。だからこそ下手に出て条件も多く出したが、此方にもメリットの有る条件を取り付けた。
それを無駄にしないための念押しである。【無限機構】は味方に入れば心強いが、それはつまり敵に回せば最悪ということになる。
まあ言わずとも彼ならばそこら辺は理解してくれるだろうが、本当にもしものことがあった場合――――逸木貴司は、心配性なのである。
それから彼はポケットをあさると、一枚の紙切れを取り出した。白地に無機質に印刷された黒い文字の羅列。それを差し出す。

「これ、研究所の場所とか俺の連絡先とか、諸々が書いてある紙なんで一応持って行ってください」
「――――――――えと、そちらから何か聞きたいこととか、確認したいことは?」
725 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/23(火) 03:14:58.84 ID:a/cE4hx6o
>>724
ん、と顔を上げた。見れば少年は笑っていて、それから彼が口走った言葉に、レナートは実に不満気な表情をしていた。
無論、本心から怒っている、という訳では無いが―――――― 兎も角、"自分が心の底から非人間的"だと思われている、というのは少々納得のいかないもので。

「当たり前だ。俺は自分で言うのもなんだが、有り得ないほど"人間"だと思っているよ」
「"逸れて"はいるが、"ぶっ壊れ"てはいない……ぶっ壊れる事が"出来ない"、何と言うか。弱い"人間"だ」

精神的に壊れる事が出来る程にレナート・アスカロノフと言う男は"強くなかった"。
今まで生きてきた九十年間で培ってきた自分の人格全てを捨てきる事などできなかったし、"自分の欲望を抑える事が出来なかった"人間でもあった。
確かに、あらゆる"倫理や常識"を飛び越えるほどの"夢"をレナート・アスカロノフは持っていた。だからこそ、"人間"であることを捨てられない人間であった。
故に、その表情はそれなりに豊かであり。そして、それを隠す事が出来ないのが生来の性格で、故にレナートの浮かべる表情は、基本的に"真"であった。

「ああ、分かった。何、安心しろ。俺は"学園同士の争い"には何も口を出さねえよ」
「"自分の蒔いた種"は自分でなんとかして貰いてえからな……それによ」

「若い奴等のやりあってるところに、ジジイが入って来たって面白くないだろ?」

こう言ってしまっては如何にも聞こえは悪い様に聞こえるかもしれないが。彼女が学園で蒔いて来た種は"彼女の由来するもの"だ。
組織として、些細な物にあちらこちらと手を出していては何れ疲弊しきってしまう。故に、彼女が"生徒会"として動く以上は、レナートは口を出さないつもりであった
無論、三条雪音が"無限機構"として動くと言うのであれば、色々と慎重に考えなければならないが―――――― 現状は、取り敢えず安心して良いだろう。
"生徒会"として動く限りは、三条雪音は"生徒会"の三条雪音なのだから。

「大丈夫だ、そんな政治家みたいなイチャモンつける趣味は俺には無いんでね……少なくとも、協力体制が出来ている内は」

更なる念押しに、レナートもまたそう言った。協力体制が出来ている内は、と。
確かに重要な事だ。唯々一方的にこちら側に有利な条件を押し付けるのも無限機構としては本意では無い。そういう搾取は、何れ反乱を呼び起こす。
それは確かに少年の心配性から来るものなのかもしれないが、策士と言うのは基本的に勇敢であるよりも臆病である方が有能なものなのだ。
それに関して、レナートは蔑もうとは思わなかった―――――― 寧ろ、"評価"に値する、と考えるくらいで。

「Уразуметно(分かった)、貰っておく。"結果"が出たらこちら側から連絡させてもらうし、そっちも気軽に連絡すればいい」

差し出された白い紙。それに簡単に目を通した後に、懐に入れる。
さて、聞きたい事、確認したい事は、と問われたが、特に現状で問いたい事も無い。故に、"無い"、と言いかけたが。
一つだけ、聞いてみたい事が浮かび上がってきた。"学園"は巨大な学校組織だ、学園全員が全員と面識が無い事など承知の上ではあったが、"一応"聞いてみよう。

「―――――――――――― ヘレナ・フラヌスという少女を知っているか?」

最近、無限機構に加入した"錬金術師"。彼女も確か、学園の生徒であったはずだ、と。
大した意味がある訳でも無く、ただ何となく問い掛けただけだった。"レナート"にとっては大きな意味を持たない問いではあったし。
最早彼女は"学園から離反した"立場にあるが―――――――――――― "果たして"。
726 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/23(火) 03:37:59.96 ID:UuktS9Swo
>>723

「いやいや、壊れてると思っていた訳じゃないっすよ。ただ『大人』だから、『ガキ』の前でそんな表情するとは思ってなかっただけで」
「ついでに言えば羨ましくもある――――かもしれない、って感じっすかね」

彼の表情はどう足掻いてもこれ以上変化しないし、出来ない。レナートが壊れていないとわかっていたのは、彼自身が壊された人間だからだった。
怒れない。悲しめない。憎めない。いや、それら総じて笑いでしか表現できない、そういう風に彼は壊された。
だからこそ自由に表情を出すことが出来る素直な人間は、彼としては羨ましいのだ。いや、そんな感情も造り物めいているのだが。

「まあ俺達のことは俺達で解決する、そうでもしなきゃメンツもプライドもあったもんじゃないすからね」

逸木貴司は適当な人間ではあるが、男としての矜持は持ち合わせている。勢力の参謀という立場にありながら、そういった男としての体面は気にせずにはいられないのだ。
自分達のことは自分達でどうにかする。そんなのは当たり前の話で、だからこそそれが許されたことに安堵を禁じ得ない。
こればかりはレナートの寛大な性格に感謝するばかりである、もっとも彼女――――三条雪音は。
生徒会として、そして恐らく無限機構という立場だからこそ此方に喧嘩を売ってきたのだと考えると、やはり面倒な事に変わりはないのだが。

「ええ、特に教団関連の動きがあった場合情報交換はしておきたいですし、ね」

生徒会長の件もそうだが、今回の同盟は教団を主に据えて話を進めた。そしてそれは、彼が最も危惧していることでもある。
【学園】学術都市であり、今は衰退傾向にある。対して【教団】、彼等は此方を一方的に敵対視している上に国単位の力を持っている。
現状では抵抗は出来ても生存は不可、それが彼の出した答だった。今は教団も静かにしているが、何時動き出すか分からない。
そして動き出されたら、現状ではその時点で終了。だからこそのこの布石であり、だからこそ【無限機構】という危険な勢力にわざわざ接触した。
それからレナートに問い掛けられた名前に、逸木は少々頭を捻った。直接聞き覚えはないが――――。

「――――いいえ、別に。ないすね」

ただこの場面、この状況で聞いてくるということは少なくともヘレナ・フラヌスは学園の生徒であること。
そしてその人物が【無限機構】に鞍替えした可能性がある――――と、まあその点に関しては正直に言えばなんとも思わない。
その少女がいかに優秀だったとしても、あっさり別組織に渡る様な人間が信用出来る訳もない。何も絶対の忠誠を欲しているわけではないが、程度というものがある。
帰ったら調べよう。学園の生徒ならば、裏の力を使えば幾らでも調べられる。しっかりと頭にその名前を叩き込んで。

「…………それじゃあ、一先ず今日はここらへんで。あんまり変な動きして、変な奴らに目ぇつけられても困りますし」
「それではこれからよろしくお願いしますっす――――では」
「ああ、最後に一つ。学園はしっかりと再興させるつもりなので、少しでも期待しといてくれると此方としても助かります」

それはつまり兵としての性能を信用しても良い、という言葉と同時にいつまでも下手に出続けるつもりも無い――――という意味であった。
とはいえそれは敵対という意味ではなく、いずれ対等にまでのし上がってやるという宣言。言うまでもなく前途多難だが。
レナートが止めないかぎり、逸木はそのまま頭を下げるとそのまま廃工場を後にしようとするだろう。
727 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/23(火) 04:02:52.53 ID:a/cE4hx6o
>>726
「そうか、それなら別に良い」

知らないのならば、其れで良い。もとより何となく問い掛けただけの話が故に―――――― それ以上を求める訳でも無い。
面倒が無いならそれに越したことは無いのだ。"面倒が無いのならば"。

「ああ―――――― そうか。頑張ってくれよ」
「なに、気張らなくても、"終わりを求める俺"よりは、アンタは相当に立派な人間だ。胸張って進んでいけばいい」
「イツキ、俺は君が行く道を、何処までも"祝福"しよう」

学園を再興する。世界総てを巻き込む"大戦争"と比べてしまえば現実味の有るように聞こえるが、それでもそれは難しい道のりだろう。
それでも彼は、そう言い切った。その気概は素晴らしいもので、きっと彼が諦めることさえなければ、学園裏は嘗ての輝きを取り戻す事すら出来るだろう。
故に、レナート・アスカロノフは最大限の敬意と、そして期待を籠めて、彼へとそう言った。彼の行く道に"光あれ"というのはおかしいかもしれないが。
どうか、その足跡が無に帰す、何てことが無い様に、と。―――――――――――― 引き留めることは無く、彼が去っていく背中を見届けた。

「最近の若者は大変だねぇ……俺も、負けてられねぇな」

「―――――――――――― 行くか。"学園"の再興と、無限機構の"大戦争"……どっちの成立が先だろうな?」

傍らに置いたアタッシェケースを再度握り、立ち上がって、階段を降りきって。それから廃工場の外へ出て。
"数十年前の軍用航空機"へと乗り込み、飛び去って行った。

/こんな感じで、乙な感じでしょうか……?
728 :【氣死乖生】 [sage]:2016/02/23(火) 04:04:42.77 ID:UuktS9Swo
>>727
//はい、絡みおつでした!!
//こんな時間までお付き合いいただき、本当にありがとうございました……!
729 :【殲滅指揮】 [saga]:2016/02/23(火) 04:08:47.44 ID:a/cE4hx6o
>>728
/こちらこそ、こんな時間までありがとうございました!お疲れ様でしたー!
730 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/23(火) 22:40:11.98 ID:OGFf/z6po
水が滴り落ちると、路地裏にぽちゃんという音が響き渡った。
人気のない、光もない、暗闇に満ちた、コンクリート製の棺桶のような雰囲気が漂う。
気色の悪い虫が這い回り、汚れた獣が徘徊する。
何らかの異質性を持った外れ者たちにとって、この社会の死角は心地がいい。
ホームレス、マフィア、迫害されしもの、多様な人格がたむろする。
大通りを歩く健常者たちは、そんな不思議の国へと迷い込まないよう、視線もつま先も向けようはしなかった。

ある時、少女の甲高い悲鳴が、路地裏に暗闇に伝播する。
路地裏に住む外れものたちは、ここ最近不思議の国に住み始めた、忌々しきものの悲鳴である事を知っていた。
彼女が声をあげた時、理由がなんであれ、自分の命の危機に瀕する事も。
騒々しく醜きものたちは動き出し、暗闇の奥へと消えていった。

「あ、あ、あ!

 だ、だ、だれか!」

路地裏の奥底で、少女は自分の背中を何とか触ろうと、脇の筋が切れようとするのもお構いなしに暴れていた。
汗をだらだらと垂れ流し、突如襲い掛かった脅威への恐れから、瞳が潤み始めている。
珍しくこの少女の周りには、人間の死体がない。今日は誰も殺していない。
人間へ殺意を抱く事が、余りにも簡単な彼女には珍しい事。それもそのはずだ。

「この、クソ、ねずみっ!!

 ふざけんじゃないわよ!!」

髪を振り乱し、自分の衣服を今にも引き裂きそうな程の怒りを剥き出しにする。
ぎゃあぎゃあと鼓膜に痛いわめき声が、路地裏の端から端まで響き渡っていく。
それを聞いたここの住人たちは、怒れる異形の癇癪が収まることを祈るばかりだった。


/25時まで続いたら、凍結などして頂けると助かります助かります
731 :【相反焔凍】  [aage]:2016/02/23(火) 22:43:39.23 ID:pBDOOpKK0
「ああ……くそッ」
そんな言葉が口をついて出たのは、大口の取引先を失ったことに由来する。
個人的に見逃せない状況に陥ったとしても、この街で生きていく以上、糊口は必要であるし――それよりも自らの信念の発露を十分にできる場を自ら無くしてしまったことは、あるいは失策だったかもしれない。
普段ならばそんなことは思わなかっただろう。それはこの男を構成する何よりものファクターだったからだ。
しかし、今、鹿歸瀬 康司郎は悩んでいた。そもそも、この異能がはびこり、それがもはや日常として受け入れられている街というのはただでさえ慣れない。
祖国でもそれらは特筆すべき技能であったし、帝国にしてもそれは同じだった。
この街のように、異能者同士が個人的な意思、あるいは自らの所属する組織の信念によって日夜どんぱちを繰り広げている状況というのは、まさしく非日常なのだ。
そもそも、こんな状況で街の煌々としたイルミネーションなどに目を輝かせている民衆の方が、よっぽど理解し難かった。

よって、ここに一人、陰鬱な顔をして、カップルや家族連れなどをいちいち気が触るという風情で睨み、その度に目を背けながら舌打ちをする、明らかに外国の人間であるという風貌―白髪、白肌、紅眼という青年の姿が、繁華街に浮き彫りとなっていた。


732 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/23(火) 23:24:46.90 ID:tkkrABho0
>>731
「そういう怖い目をしない方が良いよ、結構な顔が台無しだ」

彼の後ろから声を掛ける。
振り返れば、そこには女の姿を認められることだろうか。
シャツ・スーツ・コートを、白・黒・赤と、重ねた姿はシャープな印象を与える。

「良かったらだけど、食事とかどうかな?
 少なくとも、ここより人は少ないだろうし、
 何より、お互いの利益になると思うけど?」

僅かに笑ったような表情を維持しながら、提案する。
首に掛けただけのマフラーが、ゆったりと風に揺れていた。
733 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 00:28:16.64 ID:TWop8c1d0
>>732
//ごめんなさい、撤回します。
734 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 00:56:22.68 ID:TWop8c1d0
「やだなあ、ほんと。
 私は適度に平和にやってたいのに。
 戦争とか陰謀とか、ほんと嫌ったらない」

頬に固まった血の汚れが一筋。
真紅のコートにには汚れ1つ無く。

歓楽街の通りから二本外れた路地の一角。
壁を背に人心地付いていた女である。

「で、私はむやみやたらに狙われるし。
 これで何度目かな?」

スマートホンで、ゴミの後始末の連絡とかを回しながら、
不機嫌に不機嫌を重ねた彼女は、街を闊歩する。

//短めですが、こんな感じで待ち文です。
735 :【剛虎覇龍】 :2016/02/24(水) 01:18:40.26 ID:iAHmN3Nm0
>>734

「──……後をたどってみたが」

ぴしゃりと水溜りが踏まれた音。
女が裏路地から抜け出る一歩手前で響く声。

彼女がゆらりと振り向けば、
道着に赤い鉢巻きの時代錯誤な風体を、妙に似合い着こなす男が一人

「女、そこの女」

精悍な顔つき彼は、探る様な目つきで
彼女が見ているならば、自らの頬を撫でる。それは

女の頬の汚れを撫でる様に

「ついてるぞ。血の跡が」
736 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 01:27:10.50 ID:TWop8c1d0
>>735

「うん?」
振り向いてみれば、何ともこの空間に“合わない”男であった。
しかし、その口からの言葉は、全く以ってこの場に合っているもの。

拭うように血の筋を取ろうとするが、完全に乾燥しており、
爪でこそげ取るような感じになってしまう。
痒みと痛みがない交ぜになったような感覚が頬を伝った。

「教えてくれて、ありがと。
 それで、私に何の用かな?
 食事の誘いなら、乗ってあげるよ。
 私今、お腹がすいてるんだ」

剣呑な様子で男を検める。
彼女に血が付いていることを指摘して、しかもついて来ているのだから、
只者ではないと判断して差し支えないだろう。

「それに、あげられるような看板もないからね」

微笑んで、冗談を向けた。
737 :【剛虎覇龍】 :2016/02/24(水) 01:35:32.65 ID:iAHmN3Nm0
>>736
「………ただの気まぐれだ。気にするな」

「そもそも相手を誘う財布も無いしな」

ぷい、と微笑みが眩くて、男は視線を逸らした。
既に夜も更け、月も傾き始めるが、繁華街は眠らない。

「俺はただ、気になっただけだ……そう」

「どうやって、殺し…──」

ぐぅ、とどこからか腹の虫が鳴く。
月明かりが照らす男の耳が少し赤くなっているのがわかるだろう。
気まずそうに少し黙り込む。……ただ仕方ないのかも、知れない。

男の外した視線の先には、赤い提灯に禿げた店主にコトコトおでん、いい感じの屋台があるのだから

「こ、殺したか気になったからだ!」

738 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 01:46:20.23 ID:TWop8c1d0
>>737

「気まぐれねえ、なら仕方ない」

微笑みを崩すように重ねて笑う。
何より、腹音で剣呑な雰囲気も吹き飛んでしまった。

「殺し方なら……向こうでのんびり教えてあげるよ。
 それに、私は人に食事を押し付けるくらいの持ち合わせがある。
 私はとりあえず、軽く頼んでおくよ」

そう言うと、彼女は駆け足で屋台に駆け込む。
丁度屋台は客も捌けて、彼女だけが唯一の客になった。

「おでんを5つ位適当に2人分お願い。
 後熱燗も、頼める?」

席に着くが早く、彼女は矢継ぎ早に注文を出す。
それを済ませると、暖簾から顔を出し、初対面の男を手招いた。

739 :【剛虎覇龍】 :2016/02/24(水) 02:01:19.71 ID:iAHmN3Nm0
>>738

「………………」

女の手招きに僅かな間、眉間に皺を寄せ躊躇う様に……だが、またグゥ
腹の虫は収まらず、グゥ。こほんと何かを誤魔化す様な咳払いでギブアップ。

音も無く、暖簾を掻き分け彼女の隣へ腰掛ける。
やや表情を硬くして、離す距離は警戒混ざりの恥ずかしさ程、つまりは人が一人分程だ。

そんな二人を眺めながら、店主は驚く様子も無く
男と女に、卵にちくわぶ、大根はんぺん。最後にことりとお猪口ととっくり

「……ミナトだ。ただのミナト。修行のために各地を転々としている」

男はお猪口を持ちながら、女の目を見てぶっきらぼうに言うだろう。
740 :【剛虎覇龍】 :2016/02/24(水) 02:02:23.31 ID:iAHmN3Nm0
>>739
ミス、持つのはお猪口ではなく、とっくりでお願いします。

お酒注ぐよ!みたいな感じで
741 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 02:14:45.41 ID:TWop8c1d0
>>739

ゆらゆらとやってくる男を見て、
満足げな表情を浮かべた。

「セッカでいいや。今日はそれだけ」

喜んで酌を受ける。
注がれた酒を一気に飲み干す。

「ん、美味しい」

小器用に、効き手で持った箸ではんぺんを切り、口に運びながら、
徳利をもう片方の手で、拝借し、酌を返す。

熱いはんぺんをはふはふとやりながら、ようやく飲み干すと、


「で、私がどうやって片づけたか、知りたいんだっけ?」

何事もないように、先の質問を繰り返す。


742 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 02:20:37.37 ID:TWop8c1d0
>>741
誤)熱いはんぺんをはふはふとやりながら、ようやく飲み干すと

正)熱いはんぺんをはふはふとやりながら、ようやく飲み下すと

//修正しときます。
743 :【剛虎覇龍】 :2016/02/24(水) 02:28:46.91 ID:iAHmN3Nm0
>>741
お返しに注がれる液体をクイ、と煽る。
味わう様に目を細め僅かに熱い息を吐きひとここち。

女がはんぺんをはむはむする姿に、自分もと
箸で出汁色の大根を割り、滴るそれを口に運べば関東風の
甘辛いその味を堪能し、男は僅かに頬を緩ませ、ごくり、と

「……………」

返答が遅れたのは冷え切っていた身体に
お酒とその味が染み込む感覚を味わったからか

数秒の間の後……再びこほん、と

誤魔化す様に咳をして、男は女へ視線を送る。

「……そうだな。ただの……であれば気にも留めない、が」

「お前の姿は、綺麗過ぎる。汚れてなさすぎるのが気にかかった」

「だから」

とくり、とくり、とっくりを傾け、女のお猪口に注ぎながら男は尋ねる。

「どう始末をつけた。か知りたくなった」
744 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 02:45:45.51 ID:TWop8c1d0
>>743

「綺麗すぎるねえ。関係ないかもだけど、言われるだけで嬉しいね」

全く関係ないはずの言葉を拾って、くすりと笑う。
4つに切った大根を次々に口に放り込み、酒で流し込むという喉に悪そうな食べ方をした後。

「答えは簡単。“私は何もしていないから”あの血は派手にやっちゃった残りだけど。
 一応守秘義務ってのもあるしさ、私を殺そうとしない限りは教えられないかな。
 私みたいな“安い駒”に、命を差し出す意味は無いだろうし

ある程度能力に対する素養がないなら、この女は部下に指図しかしていないということになるだろう。
実際は、部下も含めて能力なのだから、彼女の言に誤りはない。
彼女自身は何もしていないのだから、

「逆に聞くけど、
 ミナト……さんは、こんなところで何してたの?」

卵に手を掛けながら、彼女は質問の矢を向ける

「そんな目立つ格好して、何もないとは思えないかな」

皿を傾けて出汁を少しすすって、酒を呷った。
745 :【剛虎覇龍】 :2016/02/24(水) 03:08:34.40 ID:iAHmN3Nm0
>>744

「そうだな……」

僅かに早く回る血液を感じつつ、男ははんぺんに手を出した。
滴る出汁に揺れる湯気、僅かにふるふると振りながら相槌を打つ。

その同時に、意識の片隅で

脳裏に浮かぶ現場の情景に、その言葉を当てはめる。
……確かに、と男は心の奥で相槌を打つ。確かに指示だけならば、汚れはしないだろう

ただ、指示するだけならば現場に出て指示する必要などなく。
頬を赤く汚す理由も無い。ゆえに恐らくは……そこで男は思考を止めた。

女自身は手を汚さない
女は近くで指示をする必要がある

そこから女は指示が出来る何かを呼べ、尚且つ近くで見る必要があると想像出来る
がこれ以上はただの妄想となり、無駄。それ故にはんぺんを食べることを優先する。

はむはむ、はふはふ、パクパク

「ほへはほへほりふほいはふ……」

ごくり

「俺は俺より、強い奴に会いに行った。その帰りさ」

「強かったな。が、強かっただけだ。……そうだな」

「セッカ……あんたみたいに賢そうでも、
始末した後に飯を味わえるほど、慣れてもいない」

一息つく、自分で熱燗を注ぎ。渇きを潤す様に喉を鳴らし、女の目を覗き込む。
ようやく相手が見つかった。とでも言う様に無邪気で幸せそうにな目をしながら、呟いた

「飯を食べてなければ、ここに俺より強そうな奴がいるのに、残念だ。残念だが…まぁ、偶にはいいか」

746 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 03:32:00.89 ID:TWop8c1d0
>>745

「考え過ぎは良くないね。
 答えに辿りついたら、私もどうしていいかわからないや」

無言の間に釘を刺しておく。
それは「お前なんか簡単に殺せる」という意思表示にも取れる。

「強さの基準はいくらでもあるからね。
 メートルで、キログラムは測れないでしょう?
 でも強くない事の証明でも無い、って言ってるとわかんなくなって来たや」

知力体力精神力、どれも強さにカテゴライズして差し支えの無いもの。
彼女もいくつかを備え、彼―ミナトもいくつかを備えている。
が、酒精の回った頭には、少し難しい問題と見える。


「それにしても、強い奴ねえ。 別に獣の血と変わらないし、私がやったことでもないから。
 そういうのは、止めてもらえると嬉しいかな。
 第一、もう財布の中身で勝ってるし」

ミナトに目線を向けた瞬間、子供のように輝くその目に、思わずたじろいだ。
強い奴を求めるような奴が、黒目を輝かせるような状況を察せない訳がない。

「ありがと。物分りが良くて助かる。
 また会ったら、こんな感じに話せるといいね。
 荒事にならずに、だけど」

彼女は、残った具をまとめて平らげると、

「そろそろ私は行くね。
 論文を纏めなくちゃいけないんだった。」

マフラーをまき直し、ここを離れる準備をする。

「ああ、最後に1つ。
 無限機構って言葉に聞き覚えは?」

この瞬間、もう一度剣呑な雰囲気がかのじょから漂った。
747 :【剛虎覇龍】 :2016/02/24(水) 03:51:13.18 ID:iAHmN3Nm0
>>746

「…………」

冬の木枯らしにマフラーが揺れる。剣呑を醸し出す女の瞳を受け、されど
態度を変えず、緊張もする事なく、残り半分の大根を口に運んだ男は

飲み込みながら、気軽に言う。

「しらん」

そして手を合わさせてご馳走様でした。と
財布の中身ならば圧勝している女に頭を下げた。

「そもそもココら辺に来たのは最近だからな。だからしらん」
「とりあえず、ご馳走になった。ろんぶん…とやらは分からんが頑張ってくれ」

「次に会うときは……まぁ、何かを手伝える事があれば言ってくれ」

ふわりと。優しく別れの言葉を。餌付けされている様な気はしない事もないか
そのまま何もなければ、去っていく女の背中をおでんの出汁を味わいながら見送るだろう
748 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 08:29:30.40 ID:TWop8c1d0
>>747

「そう、ならよかった」

残念さと、安堵感がない交ぜになったような表情を浮かべる。
財布からこの場の支払いには、十分な額の紙幣を置き、ゆっくり食べるように言った後で、

「私も、付き合わせてごめんね。
 もしこの辺りで困ったことがあったら、ここに連絡を。
 少しは役に立てるかも」

彼女は、自身の番号を書き留めたメモを書くと、
紙幣の上に乗せておく。

「じゃあ、今度は奢った分は働いてね」

そして、彼女は路地を抜け、雑踏の中に消えていった。

//ゴメンナサイ。そして、ありがとうございました。
749 :【剛虎覇龍】 :2016/02/24(水) 18:47:24.59 ID:iAHmN3Nm0
>>748
/遅れましたが、絡みありがとうございました!

750 :【幻想剣技】 [sage]:2016/02/24(水) 19:54:45.82 ID:/NlaPZS7O
青年はなんとなく、街を歩いていた
目的も無く、普通に
ミドルヘアーの茶髪に、顔に入った横一線の傷が特徴的であった
そんな青年は、左手に持ったiPadで音楽を聞いている
なんの音楽を聞いているのかは本人のみぞ知る所だが、イヤホンをつけて、街を歩いている
右手なズボンのポケットに手を突っ込んでいて

すると、目の前で事件は起きる、老女が、不良じみた、バイクに乗った男に突き飛ばされ、鞄をひったくられた

『だれか……!』

老女は助けを懇願するが、もう走り出したバイク、誰も止める事はできない
そう、精々ナンバー控えて警察に通報って所だろうが
その男のバイクはナンバーも無い、車種はZ750RSだろうか、今更走ってるのも珍しいような古い物だ
車種を通報すれば特定は容易そうであるが……

そのバイクが、この青年とすれ違った時に、謎の現象が起きた
男の乗るバイクが突如"真っ二つ"となる
男の座席の丁度後ろの部分
そこでバイクは"両断"された

『な……!!?』

当然、男はそのまま倒れ、傷を追う、ひったくり犯であるので、動けなくなったすぐに取り押さえられる

しかし、その青年は何事も無かったかのように、ただ街を歩いていた
ただ、右手はポケットから出ていた
果たして、この青年がバイクを斬った等と気付ける者は居るのか
751 : ◆8kGA5YwtBs [sage]:2016/02/24(水) 20:59:52.48 ID:eI02WCf10
/酉テス
752 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/24(水) 21:53:10.38 ID:ropz//xHo
>>730
/この文章で絡み待ちです。
/25時まで続いたら、都度相談したいですが、
/書くのが遅いので、凍結とかになりやすいです。ご容赦くださいー。
753 :【相反焔凍】  [aage]:2016/02/24(水) 21:55:09.60 ID:aa9+IH/m0
>>731で再募集 今日は起きてられる筈なので……!
754 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 23:20:08.65 ID:TWop8c1d0
>>731
「そういう怖い目をしない方が良いよ、結構な顔が台無しだ」

彼の後ろから声を掛ける。
振り返れば、そこには女の姿を認められることだろうか。
シャツ・スーツ・コートを、白・黒・赤と、重ねた姿はシャープな印象を与える。

「そんなに飢えてるんなら、カップルの片割れでも殺して獲物を食べてきたらどう?
 少なくとも、2つ位は欲を満たせそうだ」

そんな彼女は、大分物騒なセリフを吐いて、男をからかう。
まるで、自分がその得物にはならないと言った風に。

「で、君は犬かな?それとも人かな?
 人ならまあ、話くらいは聞かせてほしいけど」

何かずれた印象を与える言葉で、彼女は問うた。
755 :【相反焔凍】 ◆r.sQYUfcIFgm [aage]:2016/02/24(水) 23:31:10.97 ID:aa9+IH/m0
>>754
「あァ……?」
雑踏の中にいても、自分に向けられた声というのは判別しやすいものだ。
ゆえに、男はゆっくりと振り返った。白いかんばせには芳醇な怒りと苛立ちが深く現れている。
「何だ、俺は人を食いそうにでも見えるのか?」

男の声は、低く、かつ獰猛な響きを含んではいたが、それは今すぐ牙を剥く類の殺意、あるいは敵意をにじませてはいなかった。
むしろ、その声の響きに感じとられるものは興味、そしてある種の期待だろうか。
「そんなに飢えているんならまあ……俺なら手頃に声でも掛けてきたやつから食っちまうわなぁ、女?」

挑発じみた発言は、目の前の隙のない格好をした女性の瞳を真っ直ぐに見つめながら放たれた。決して睨んでいるのではなく。
756 :【機器械壊】 ◆7bEPqVMxaA [saga]:2016/02/24(水) 23:41:40.10 ID:kbNOYQEoO
>>730
「……………」

マフィアやホームレスなどが屯するこの場所。他の場所とは全く異質な雰囲気を持った、まさしくスラム街のようなこの場所で、少し様変わりな男が歩いていた。
黒いコートを着て、ポケットに手を突っ込みながら歩いている。コートは少し高級そうなもので、この場からは逆に浮いている。
その男の目は、この場にいる者を憐れんでいるような、同情しているような。少々複雑そうな心境を湛えている。
なぜこの場に来たのか、自分でも分からない。ただの気分か、それともなんとなく通りすがりたくなったのか。
社会の闇に生きる者として、社会の生み出した影と向き合いたくなったのか。

ふと、甲高い声が響く。女の声だった。暴れているようだった。
気違いの類か何か、普通の者なら、まず近づきたいとは思うまい。
しかし、男はその方向へと歩いて行く。少し、気になったのだ。

「……どうした、何をそんなに暴れている?」

その少女は、背中に機械が付いていた。
わざわざ身体にくっつけているわけでもない、完全に身体と一体化している。
異形だった。恐らく、人工的に付けられたものだろう。それも趣味の悪い研究者などによって。
同類、か。事情は違いそうだが、そんな事を思った。
男は、少女を制するようにして声をかける。怒りで我を忘れている少女にそれはどう聞こえるか。
757 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/24(水) 23:48:53.13 ID:TWop8c1d0
>>755

「いんや。そもそもここにいる時点でもう襲わないのは解ってる。
 言う前に私を襲ってるでしょうに」

からかうような、当たり前のことを指摘するような。
複数の意味が絡んでるように、言葉を繋げる。

「それに、“まて”が出来てるんだ。
 よく躾けられてるよ、前のご主人様にはね」

ここで、彼女は、彼の過去に近しい台詞を提出する。
その様子は、まるで値踏みするようで、

「私は食べられたくないし、襲われたら抵抗もするけど。
 場合によっては、3食昼寝付きの道もあるかな」

「それでも、私を食べたい?」

目を細めて、彼女は再び問う。
758 :【相反焔凍】 ◆r.sQYUfcIFgm [sage saga]:2016/02/25(木) 00:08:31.90 ID:swPEtLmE0
>>757
「確かに、たしかに。こんな表通りで襲うほど飢えてもいねぇし」
「ここには悪人なら全員殺すっつう警察まがいがいるって聞くしな」

かかってきたら全員潰すが、と小声で付け足したのは、聞こえているかどうか。
見ればみるほど、聞けば聞くほど、この眼前の女は『面白い』。
だが、その次に言われた言葉は、この男の神経を逆なですること著しかった。
「主人?最近俺の周りにゃあ主人づらして、犬扱いしてくる奴の方が多かったが……しつけられた覚えはねぇな。」
「そもそも、躾の行き届いた犬は主人の喉笛噛み切って路頭には迷わないだろうぜ」
だが、その逆なでされた感覚も割に最近は感じられなかったものだ。だが、気に入らない点もあった。
「そろそろ犬呼ばわりは辞めろ、女。俺の名前は鹿歸瀬ってんだ。」

私を食べたいか、と問われた男の瞳が喜悦を映し出して、こう答えた。

「ああ、食ってみてぇな」

759 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/25(木) 00:11:02.08 ID:JQhu12Pro
>>756
/遅れました、すみません。今からお返ししますーっ
760 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/25(木) 00:24:43.03 ID:coLT+B/70
>>758
「本当。悪人稼業も大変みたい。
 でも、やり方を選べば色々とやりようもあるけどね。
 強いだけじゃ、生きてくには足りないからね」

呟いた言葉にまで、チクリと刺すような反論。
いちいち神経を逆撫でさせないといけない決まりでもあるのだろうか。

「どんなものでも、逆鱗の1つはあるだろうさ。多分私にも。
 君は、それを触られたんだろ?ならそれは正当な抗議と同じだ。
 そして私たちは人だったね。悪かった、カキゼ……君にしようか。私は雪華。墨宮、雪華だ」

彼女はボタンを締め直した。
それは、まるで、刀を抜く瞬間の緊張を帯びている。

「でもさ、私の肉はちょっと硬いから、遠慮してほしいな」

それだけ言って、手のひらから兵士の白駒を形成。
手首のスナップだけで男の方へ投擲する。
駒は空中で人間大に巨大化し、飛来する質量という脅威に変じた。


761 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/25(木) 00:27:37.03 ID:JQhu12Pro
>>756

金属の擦れる音を撒き散らす姿は、さながら、汚れた世界の穢れた天使。
乱れ宙を舞う銀髪は、魚のように飛び跳ねていなければ、夜月の明かりを浴びて輝けたはずだった。
しかし、今夜の夜空に月はない。地獄の門からその向こう側を見た時のような、深淵の暗闇。
"この門を通るものは、一切の希望を捨てよ"という語句に、ぴたりの夜。
ぎゃあぎゃあと喚く様子は、美しさとは程遠い。

背後から掛けられた男の声に、ぴくろと耳を震わす。
彼女は、その声を少なくとも人間のものだと思った。お節介な、胸糞の悪い、嫌いな声色だと。
体の動きをキュッと止める。ゼンマイの切れた和人形みたいに静止した。
数秒ほどの静寂。機械の異形から、また口を開く。

「アンタには、関係ないわ。」

"ふん"と鼻を鳴らす。視線を向けすらしなかった。
少女の衣服は背面が破れ落ちている。白金色の鈍い輝きを放つ、アルミ合金製の機械が一面を埋めていた。
月が無いのに、光はどこから。答えは、二者の頭上でバチバチと電流を迸らせる電灯から。

此の場には、電流の音に驚いた小動物もいた ―― ちゅう、と鳴く。
声の出処は、驚くべき事に、異形の背中にある機械の中から放たれた。

「クソねずみ!コンデンサを踏むのを止めないと、プロセッサの熱で焼きコロすわ!」 

肉の無い骨組みだけの翼をバタバタと羽ばたかせ、
じたばたと暴れては何とか背中を掴もうとする姿は、滑稽に映るだろうか。
汗でぐっしょりと濡れ、フーフーと荒い呼吸を繰り返し、ひたすらに体力を消耗する。
762 :【相反焔凍】 ◆r.sQYUfcIFgm [sage saga]:2016/02/25(木) 00:44:09.95 ID:swPEtLmE0
>>760
「食いごたえがあっていい、上等じゃねぇか、セッカ」

あたかもこわばるかのような様子を見せた女の投擲――その動き自体は見えている。
白い何かだったということはわかった。しかし、それが空中で膨張を始めるとは、全く予想の埒外だった。
つまるところ――この、目の前の、少々変わったこのセッカという女も
「俺の、同類か」
そして、ゆっくりと右腕を上げた男の異能が、世界に噴出した。

居合わせた群衆がまず感じたのは暑さだ。まだ残雪の降る時期とは思えない。暖房の効いた店の戸が開いたことによって漏れ出す暖気などとは比べものにならない。
それは一瞬のうちに熱気となり、肌を灼く痛みにすら変わった。
人通りの多くが逃げ出し、大通りの人混みは二人を中心に穴を開けた。

そして、熱は凝結する。
地面から伸び出したオレンジに薄く輝く半透明の柱――それが、白い人型を形成しつつあった飛来物の軌道を遮り、衝突し、砕ける。
白いものとオレンジ色の“氷”の欠片は地面に落ちた。熱気で出来た氷は、ちろちろとその断面から火を覗かせている。
それは幻想的なまでに美しく。
男の瞳にも似て、揺らめいていた。
763 :【機器械壊】 ◆7bEPqVMxaA [saga]:2016/02/25(木) 00:48:39.37 ID:r4kqm3oxO
>>761
あぁ、そういう類か。
少女の第一声を聞いてそう思った。一声聞いただけで、少女が人間という存在を憎んでいるという事がよく分かった。
それほどまでに恨みと憎しみに溢れていた。人間を絶対的に、心の底から憎悪している声だった。
少女の背中は、完全に機械で溢れていた。まさかこれほどまでに機械化されているとは。
果たして無理やりに改造されたのか、それとも…どちらにせよ、その気持ちは痛いほど分からなくもないものだった。

ちゅうという声が聞こえた。なるほど、背中に機械の中にネズミが入り込んでいるのか。
バチバチと電流を走らせながら、骨組みだけの翼を羽ばたかせて暴れている様子は、見ていてとても不憫に感じた。
しかし、このままにしておいたところでとても外に出せるものではない。
勝手ながら、男は手助けをする事にした。こちらが勝手にする事なので、少女の意思は無関係だ。考慮しない。

「落ち着け、そうやって焦ったところで無駄だろう」

そう言いながら、偶然ポケットの中に入っていたチーズを取り出す。
それをちぎって、少女の近くに投げ込む。
果たしてチーズの匂いに反応してネズミは機械の中から出てきてくれるだろうか。
764 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/25(木) 00:56:05.46 ID:coLT+B/70
>>762
「止めてよ。恥ずかしい」

投擲を躱され、通りに出るまではまあ予想できた。
途中のオレンジの柱状のものについては、少し評価に困る。
で、それが燃えるような熱を帯び、辺りから人を打ち払った。

「化粧が落ちちゃう」

そう吐き捨てて、彼女は傷を受けた兵士を傍らに侍らせる。
次の手を用意するためである。

「私の、同類でもある訳だ」

お互いを異能使いと認め、ここに闘争が始まる。

「今さらだけどさ、私に飼われない?」

彼女は足元に城塞の白駒を作り、落とす。
着地の瞬間彼女の傍らに御者も付けたチャリオットが現れる。
先ほどの兵士を後ろに乗せ、チャリオットは男に突進を仕掛けた。

「少なくとも、前の雇い主よりかは、物分りいいと思うよ?」

鉄火場に似合わない言葉を再び投げつけた。
765 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/25(木) 01:01:22.94 ID:JQhu12Pro
>>763

機械仕掛けの天使の背中には、何箇所が排気ファンが備え付けられている。
その内の一つだけが、回転する事なく、チーズを見つめた。
そして羽の間からもう一組、チーズを見つめる眼光がある。ちゅう、獣の鼻先が出た。

少女は沈黙した。バッテリーを外されたロボットのように、微動だにすらしない。
まだまだ喚き足りないのは山々だ。だが、この邪悪な小動物を追い出す為に我慢していた。
胸中、"人間に助けられるなんて人間に助けられるなんて"と文句を唱え続ける。
情けない、悔しい、イライラする。負の感情が渦を巻く。

「早く。」

早く、でろ、クソねずみ。少女は小さな声で呪う。

非科学的な祈りが通じた。ネズミが排気ファンから飛び出し、チーズに齧り付こうとする。
異物が取り除かれた排気ファンは、うるさいモーター音を立てながら回転を始めた。
熱処理能力に難がある。

「偽善者。」

お礼の言葉も返さず、憎々しそうに、二言目の呪いの言葉を言い放つ。
今度は、人間へ向けて。
"当然よ。"
766 :【機器械壊】 ◆7bEPqVMxaA [saga]:2016/02/25(木) 01:19:11.95 ID:CFY7NGoEO
>>765
「まあ、なんとでも好きなように言えば良いさ」

今度は偽善者、と来たか。確かに、勝手にこちらの意思で相手を助けるのは偽善なのかもしれない。
求められない助けもあるのだ。それを無視して、勝手に助けてしまうのは偽善と言われても仕方がない。
しかし、男は偽善でも良かった。ここに寄ったのも、ほんの気まぐれだなのだから。

「何があったかは知らないが、その様子から人間に相当な仕打ちをされたと見た。
だが、お生憎様俺も半分以上人間じゃないんだ……ほら、こんな風にな」

とりあえず、自分が人間であるという誤解を解かなければならないと思った。
別に親近感を持ってもらおうというわけではないが、少しでも警戒を解いてもらおうと思った。
左手で自分の右手を掴み、回す。すると、がちゃりと音を立てて"手首が取れた"。中には機械の断面が見える。
それを少女に見せつけるようにしてかざすと、また元に戻す。またがちゃりと音を立てて、手首が戻る。

「まあ、この通り俺も"醜い改造人間"というわけだ。だからどうしたってわけでもないが」

男は落ち着いた口調で話す。既に、もう自身の状況を受け入れているかのように。これがごく自然の事かのように。
それもそうだ、何年もこの身体で過ごせば、慣れる。この機械の身体は、ごく当然の事だった。
少女の反応を待つ。どういう風に出てくるのか。
767 :【相反焔凍】 ◆r.sQYUfcIFgm [sage saga]:2016/02/25(木) 01:23:59.65 ID:swPEtLmE0
>>764
「待遇によるが、聞いてやってもいい……ぜッ」
前方から迫ってくるのは馬に引かれた古代の戦車か、なるほどそれは厄介だ。
今から先ほどと同じ迎撃に割ける時間はない。生半可なものでは打ち砕かれてしまうに違いないだろう。
ゆえに、今回とる行動は回避だ。身を投げ出すように、十分に引き付けてから。前方から突進してくるチャリオットに対し、あたかもすれ違うかのように、自分の左前方、すなわち戦車の右横へ姿勢を低くし飛び込んだ。
うまくいけば前転なりして受身も取れたのだろうが、わずかに速度の見極めを誤ったらしい、右足を引っ掛けた。結果、空中で姿勢を崩し、転がる無様な着地となる。

「Чёрт возьми(畜生)……、しくじったな」

男が膝を立てて、地面に手を当てた。男を中心に、今度は極寒の冷気が吹きすさぶ。
手から、地面を伝うように青い炎があふれ出した。それは円の形をとり、燃えるはずのない地面に燃え広がり、その直径を広げていく。それはまさに瞬く間に、という表現が的確だろうが、後方へ駆け抜けていく戦車を追い越すほど早くはなかった。
数秒とかからず、地面は氷に覆われるだろう。凍てつかせる青い炎は地面を伝い、雪華にも迫る。何も行動しなければ、そのまま靴と地面とが凍り付いてしまうかもしれない。騎兵にしてもそうだが、凍り付いた地面でいかほどの機動力が出せるものなのだろうか。
「ああ、やっぱり待遇は大事だと思わないか?悪いが裏稼業の方では割と腕利なほうなんだ、落とし所を探すってのはどうだ?」

ゆっくりと立ち上がり、話しかけるこの間にも、青い炎は広がっていく。
768 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/25(木) 01:38:46.50 ID:JQhu12Pro
>>766

"改造人間" ―― 慌てて振り向き、冷や汗をひとつかいた。
機械の目の前で、別の機械の手首が外れていた。そして、容易く元に戻った。
これは少女も認めざるを得ない。この男は、人間ではないと。
しかし、元・人間と遭遇したのは初めてで、どう接すればいいのか、機械の方すらわからなかった。

ふうん。

傍にあった汚れた毛布を羽織る。暴れていたせいで、衣服もぼろぼろだった。
ゆっくりと立ち上がり、品定めをするようにジロジロと眺め回す。
元・人間は、人間なの? 怪物なの? 自問自答してみるが、全てのプログラムは沈黙を貫く。

「ま、いいわ。」

"丁度、人間じゃないヤツを探してたの"と少女は言う。
地面に転がっていたドライバーを拾い上げ、毛布の中から、コンピュータ用のメモリーを1枚取り出す。

「人間じゃないからって、仲良くする気はないけど、
 この機会を逃すわけには、いかない。」

少女の要求は、単純明快だ。
少しの引け目も負わず、「私を直しなさい。」と命令した。

「この会話も、断片的に直ぐ忘れているわ。

 私は、人間じゃない。さ、直して。」

"偽善者なら、これくらい手伝ってくれるわよね"
少女の様子は落ち着いている。
簡単な処理だけをしているプロセッサのように、大人しく、冷たい。
相手が人間かどうかというだけで、機械の論理プロトコルを著しく傷つけた。
人間ではないというだけで、キャッシュ領域から不安が消え去る。



/よろしければ、ここで凍結をお願いします。すみません。
769 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/25(木) 01:42:58.39 ID:coLT+B/70
>>767
「それは良いね。やたらめったら斬り合うのは主義じゃあないんだ」

口火を切っておいてどの口を、と言ったところだが、悪びれる様子もない。
第一、まだ決着も合意も無いのだから。

さて、突撃をかすらせたまではいい、が今度は油に火を付けたような見てくれに、
寒気がはじけ飛ぶ。

「あまのじゃく、かな?」

あべこべな見た目と効果に、彼女は困ったような顔一つ。
広がり行く氷原は、眼前を光の反射で彩る。

とはいえ、何もしない訳にはいかない。
白の王駒を足元に叩きつけ、巨大な駒を顕現させる。
駒の手の上に座り、氷の影響を逃れる。

「じゃあ、そっちの条件を聴こうかな?
 条件が判らなきゃ、話にもならない」

足元に氷を受けたチャリオットは、旋回の際に曲がりきれず、男の背後で横転する。
兵士も横倒しになるが、犠牲は城塞1つで済んだらしい。

兵士は膝が凍りつくが、能力の行使には不都合はない。
傷ついた兵士は、形を変え、バズーカ砲を構えた女王に変じる。

「腕利きなのは教えてもらったし、格好も良いからね。
 色付けちゃうかも」

次の攻撃の準備をしたうえで、商談に応じる。

770 :【相反焔凍】 ◆r.sQYUfcIFgm [sage saga]:2016/02/25(木) 02:04:28.20 ID:swPEtLmE0
>>769
「条件ねぇ」
「住居、収入、俺の行動を制限しないことが最低条件 そうすりゃまあ、月にいっぺんくらいは仕事を受けてもいい」
「別に額はいくらでも構わんぜ、小遣い稼ぎくらいなら自分でもできるしな」

そう言いつつも、男はちらりと背後を見遣る。このままではあの物騒極まりない代物が打ち出されるまでに全身の凍結とはいかないだろう。
加えて、眼前の巨大な駒。勝敗はやってみなければわからないというのが実情だが、それでも、ここでこれ以上騒ぎを大きくすれば何らかの組織の介入が入ってもおかしくはない。
指を一つ鳴らした。それだけで、蒼い炎は消え、それによって発生した氷も微細な欠片に砕け散った。

「止めだ、やっぱり武器突きつけたまま商談っての性分じゃない」

勿論、このまま戦闘を続けるのなら男もそう対応するだろうが、明らかに不利な選択を選び取った。
続行するにしても反応は遅れるだろう、自分に有利な状況も捨てた。それが男の、鹿歸瀬の哲学に沿わないものだったからだ。
全く、それだけの理由だ。警察の介入が面倒であるとかは、言わば自分への言い訳に過ぎない。理性的に判断した。そう言い聞かせたいという、少し子供じみた精神の揺らぎだ。

「ああ、あとあれだ……セッカ、お前が正義じゃないことが条件だな」
今切り出した、とても重要ではないようなこの男のセリフこそが、この男の本質を示すものだった。
771 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/25(木) 02:23:02.95 ID:coLT+B/70
>>770
「私は殺し合いながらでも金利計算くらいはできるけどね」

無意味なところで張りあいながらも、彼女は駒遊びを止める。
向こうの対応に対して、こちらも同じ礼を以って迎えた。

「フリーで居たいんだ、それくらいで買えるなら安い安い。
 仕事のお値段は応相談かな。手間賃3割増くらいなら払うけど」

鷹揚に彼の出した条件を丸呑みし、更に金ならもっと払うと言い切った。
言葉口も、先ほどの値踏みするようなものから、
親しげなものにそっくり入れ替わった。

「私が正義か。無いね。
 正義も悪も、後から追いついてくるもの。
 利益を得る手段の1つにしかならない。
 まあ、人殺しておいて正義とは言えないし、悪者でしょ」

彼女の口から出たのは、ドライな価値観。
善悪もあくまで利益の道具にすぎない、というもの。
そして、彼女も自分の考えに一切の疑いも無い。
そういう意味では、利益のためならすべてを利用する彼女は、
悪よりも、非道という言葉がふさわしかった。
772 :【相反焔凍】 ◆r.sQYUfcIFgm [sage saga]:2016/02/25(木) 02:43:27.48 ID:swPEtLmE0
>>771
「……悪くない」
実情、雪華の正義か悪かという答えは理想的とは言えなかったが、それでも十分、だろう。
「殺したら悪者、ってのはまあ色々あるとは思うがな、そうだ、悪くない」

正義である、と答えたならばおそらく男は一切の躊躇なく眼前の存在を殺しにかかったことだろう。結果に死ぬことがあっても、それが途中で分かったとしても、退かず。
利益を追求する姿勢は正直に言えば良いものとは思えなかった。実存の極みたる貨幣を求める彼女のあり方と、ただ悪という虚空を渇望する彼とは真逆と言えつつもまた、それらは反発することもない。
「一回の仕事は成功したらセッカ、お前が相応だと思う額を払え。見ての通り、俺は金のかかる銃器や刃物は使わんから経費も用意しなくていい」
「あと家はなるべくいいとこにしてくれ……そんなとこだな」

所在無さげに頭を掻いた。
まさか街をぶらつきながらイラついているだけで食い扶持を得ることになるとは思っても居らず、この街の異様さを改めて実感したといったところだろうか。
「ああ、あとたまにお前を食わせてくれたらなおいいぜ、どんな意味でもな」

ふざけた口調で、そんなことを口に出してみる。全く冗談めいたその発言は、彼なりのからかいに対する意趣返しだ。
773 :【機器械壊】 ◆7bEPqVMxaA [saga]:2016/02/25(木) 02:50:46.44 ID:soGjfUQjO
>>768
「………良いだろう」

少女からドライバーと、コンピューターのメモリを受け取る。
触れた手は、やはり機械のように冷たかった。
恐らく少女は、改造どころではなく、完全に1から作られた存在なのだろう。
人間のように情報を処理し、感情を持った、人間ではない人形―――――高度にプログラミングされた、超高性能のロボット。
それこそ人間とほとんど差異のない、だからこそ、人間を恨んでいるのか。
男は、少女に少なからず興味を持った。だから、少女の修理を手伝ってやる事にしたのだ。

「直すついでに、少し話をしてやろう。自分の国に忠誠を誓い、命を捧げ、そして、裏切られた哀れなある男の話を。少し、長くなるがな」

作業をするついでに、男は昔話をしてやる事にした。
それは、他ならぬ自分自身の話。忌まわしい、自分の過去を。
男は作業をしながら、ゆっくりと語りかける。

「いつだったか、【祖国】という国にある男がいた。その男は、人一倍愛国心の強い人間だった。【祖国】の為ならば、自分の命すら惜しまない程に、【祖国】に忠誠を誓っていた。
知っての通り、【祖国】は思想の統制が厳しく、絶対的なナショナリズムの国だ。その中でも、その男は人一倍輝いていた」

「【祖国】は戦争中だった。男は、すぐに戦争に駆り出された。男はもちろん、それに喜んで身を投じた。国の為になるならばと、何も疑う事なく。
男は、ある作戦に参加させられた。援軍が背後から奇襲をかけるまでの時間稼ぎ。その陽動部隊として。戦力差は、圧倒的にこちらが不利だった。
だが、それでも男は勇敢に立ち向かった。援軍が来てくれると信じて、戦った。だが、援軍などいつまで経っても来やしなかった」

「男が必死で戦っている最中に、本陣は自分達だけ撤退していた。そう、陽動部隊など撤退までの時間稼ぎで、捨て駒でしかなかった。
男は、他の何よりも尽くしていた【祖国】自身に捨てられたんだ。あっという間に、部隊は壊滅した。多くの者が、絶望しながら死んでいった。
男もその一員になるはずだった――――――が、しぶとく生き残った。両腕は吹き飛び、皮膚は爛れ、骨は砕かれ、全身の大部分を欠損してなお、生き残った」

「男が次に目覚めた場所は、薄暗い研究所の地下室のような場所だった。ちゃんと両手両足はある。だが、ベッドに固く縛り付けられていた。そこは【祖国】の研究所だった。
今でも覚えている――――――――あの、研究者達の醜い顔を。自分達の探究心を満たす為だけに、人の身体を弄くり回す悪魔の顔を。
男は、何度も何度も拷問のような苦痛を伴った手術を受けた。そして、自分の身体がどんどん作り変えられていくのが分かった」

「男は絶望した。【祖国】に尽くした結果がこれかと。裏切られ、捨てられた挙句に、人間としての尊厳まで奪われてまだなお利用されるのかと。
男はこんな身体になってまで生きたくなどなかった。次第に【祖国】に対する愛国心が、憎しみへと変わっていった。そして呪った。ちょうど、今のお前と同じように、全ての人間を。
研究者は好奇の視線と、侮蔑を向けながら、一方で自分達の探究心を満たす為だけにどんどん改造していった。いくら死にたいと思っても、死なせてなどくれない。
男はまさに、どこまでの改造に挑戦できるかという実験のモルモットでしかなかったのだ」
774 :【機器械壊】 ◆7bEPqVMxaA [saga]:2016/02/25(木) 02:51:31.59 ID:soGjfUQjO
>>768
「改造は、しばらく経って終了した。どうやら男は成功作になったらしい。その時は、もう既に身体の半分以上が機械と化していた。
どうやらそのまま実戦に投入しようとの事だったらしいが、もう既に男には【祖国】に対する愛国心などなかった。
枷が外されて、まずすぐに研究者を皆殺しにした。研究所は、地獄絵図と化した。男は、復讐に燃える鬼となっていた。
研究所を壊滅させてから、男はすぐに【祖国】を脱走した。追手の手を掻い潜り、なんとか逃げ切る事に成功した」

「逃げ切ったあとは、しばらく潜伏しながら暮らしていた。その時の心境は、今のお前と同じだった。人間が憎い。人間が憎い。人間が憎いと、常に思っていた。
まともな身体を持った人間が妬ましかった。自分はもう人間ではないというのに。あんな思いをしたというのに、まともに暮らしている人間が、妬ましくて仕方なかった。
自殺も考えたが、結局踏みとどまった。臆病だったのだ。そしてまた、人間を憎悪した」

「なぜ自分は人間と同じ思考をして、感情を持っているのだろうと考えた。人間でないのに、なぜそこだけ同じなのかと考えた。
どうせ機械化するなら、そんなものはいらなかった。ここまで憎くなるなら、自分の思考も感情も全て消してただの人形にして欲しかった。
つまるところ、男は、人間でないのに人間の思考をする自分が嫌いで仕方がなかった」

「だが、その身体で何年も生きてきて男は段々と考えが改まっていった。
人間だろうとなかろうと、こうして同じ思考をしている分、結局のところは何も変わらないのではないかと。
それはもはや悟りを開いたと言っても良いだろう。それから、不思議と人間に対する嫌悪感は薄れていった」

「だがこの身体で表社会で生きていく事など到底できるはずもない。男は、裏社会で生きていく事にした。
【祖国】、【帝國】、【合衆国】…他にも様々な勢力が蠢くこの裏社会で生きていこうと思った。
そして、今では雇われとして、色んなところから依頼を受けて仕事をこなしている――――――――まあ、こんなところだ。長くなったな」

その長い話が終わると同時に、少女の修理の作業も終わったところだった。
今話したのが、男の昔話だという事は考えればすぐに想像がつくだろう。
少女がそれを聞いて、どう思うかは少女次第ではあるが。

「ほら、終わったぞ」

そう言ってドライバーでネジをしっかりと閉める。これで少女のメモリーも正常に作動するだろう。

/遅くなりました。長くなったので分けました。凍結了解です
775 :【白黒聖戦】チェス駒の女王様  ◆rpJigmhfjQ [sage saga]:2016/02/25(木) 02:59:26.35 ID:coLT+B/70
>>772

「お気に召してもらって何より。
 得にならなかったら、手切れ金渡して消えてもらうよ。
 勿論、秘密厳守でお願い」

色々と割り切ってしまっている彼女に比べ、
色々と矜持の有りそうな男である。
が、それが気に食わないという訳でもなく、結構悪くないと思える。

「家か。とりあえず私の押えてるとこ貸すよ」

そう言って彼女は、コートの裏ポケットから鍵を取り出した。
何の飾り気もない、簡素なもの。

「私の連絡先も付けておくよ」と鍵穴の場所と彼女の連絡先と名前の付いた名刺を添えた。

それを受け取ったことを確認した後、
「じゃあさ、とりあえず最初の仕事なんだけど。
 “無限機構”って連中に探りいれてもらえる?
 ある程度情報掴めたら連絡ちょうだい。
 鍵は前金ってことで、必要経費はある程度出すよ。
 受け取り方は任せる」

と最初の依頼をする。

「もう一個の条件だけど、いいよ。
 別にこれからでも、私は構わないけれど?
 その気があるなら、おいでよ」

最後の言葉を全力で受けて、彼女は夜の街に消えてゆく。

//こんなところで、ひとまずお疲れ様でした。
//部屋は好きに設定してくれてOKですので。
776 :【相反焔凍】 ◆r.sQYUfcIFgm [sage saga]:2016/02/25(木) 03:24:09.15 ID:swPEtLmE0
>>775
鍵、そして連絡先とこれからの自分の住所が書かれた紙を片手で受け取った。
「無限機構、ねぇ?聞いたことのねぇ名前だが……まあ、やるだけやってみてやるさ。経費はこの鍵の住所に送付でもしといてくれ」

そして、自分が冗談半分に放った言葉への返答を聞くと、男は心底楽しそうに口を嗤いの形に歪めた。
「っは、本当に悪くねぇ女だぜ、セッカ」
「だがまあ、今日のところは素直に退散することにするわ。そいつはまぁ、今回の仕事が首尾よく終わったら頼むかもしれねぇな」

男はまた、反対の方向へ歩き出していく。
用意すべきものは多くある。セッカへの連絡用の携帯、移動手段、そして、借り物の家で今夜を快く終わらせるため開けるウォッカとグラス。
雑踏は先ほどの騒ぎを知らぬ者たちで密度を増していたが、今度は通りかかる人を睨みつけることはしなかった。

//ではこのへんで…お疲れ様でした!
777 :【蠱毒蛇槍】 ◆TL/GLTsN4w [sage saga]:2016/02/25(木) 08:01:42.09 ID:BDZYoGdTo
/置きレス進行でお願いします。

──夜の繁華街
そこは様々な鮮やかな色のネオンの光に彩られる。
スナック・クラブなど少々怪しげな店にふさわしい雰囲気の光だ。
しかし夜なのに明るい場所を少し外れれば深い闇が存在する。
大半の人間にとっては光を際立たせるものにしかならないだろう。
そして闇の中を見ようとしないし光の側からは闇の中は見えない。

【繁華街からそれた路地裏】

「……私は何をやっているのだろうな……」

焦げ茶色の耳まで伸ばした少々バサついている髪をした男がいた。
身なりは金持ちでも貧乏人でも無く普通といったところだ。
しかしここ──路地裏の貧乏な身なりでも襲われ身ぐるみを剥がされ殺されたりする──
そんな場所では危険過ぎる身なりだった。だが今のところ襲われていない。
それは男が持っている毒蛇を伸ばしたかのような180cmほどの槍が理由だろう。
おそらく能力者──その為、迂闊に手を出せない。そうここの住人も考えているのだろう。
男──ヴァン・バーグがここにいる理由は言ってしまえば警ら活動であった。
よく暇なときはこうしてパトロールに来ているのである。
だがしかし意味があるのかと聞かれれば答えに詰まる。
なぜなら警らというものは集団でやって初めて治安の向上という結果が得られるものだからである。
ならなぜヴァンは路地裏をパトロールしているのかというとここが警察にも見捨てられたところだからである。

ヴァンはぐるりと辺りを見渡す。今のところ人には出会っていない。
だが落書き、おそらく人の体液でできたであろうシミや清掃されていないためできる悪臭
それらがここの人々がどんな暮らしをしているかを物語っている

(……あの時の人たちみたいにはいかないか……)

ヴァンは少し物思いに耽ていた。だがそれを隙と見る奴もいるだろう
778 :【幻影剣技】 ◆M21AkfQGck [sage]:2016/02/25(木) 10:54:36.64 ID:scKQlQxcO
>>777
特に変わった所の無い、至って普通、いや、顔、横一線についた傷が印象的な青年が向かい側から歩いて来る

「……こんなところで一人出歩くのは、危ないよ」

青年はふと声をかける、この路地裏は先刻、ビルが一軒溶解し、倒れたのだ
その犯人は捕まっていないし、なぜそのような事になったのかもわからない
しかし、能力者の仕業であるのは確かだろう

「まあ、僕も、人の事は言えないね」

その青年の顔立ちは優男そのもの、その顔で、笑顔を作る
尚、右手には携帯を持ち、イヤホンが右耳まで繋がっている
恐らくは音楽でも聞いているのだろう

//置き進行付き合います、よろしくです
779 :【叛骨倫理】 [sage saga]:2016/02/25(木) 17:56:22.57 ID:Mn3ivPGS0

「嗚呼、ダメだ。」「ダメなんですよ『それじゃあ』」

「それじゃあ……何も『感じ』ない」

僅かに濁音の混じる声色は、どことなく愉悦を交えていて。同時に、抑えきれない程の怒りに震えていた。それを見やる二人の男からは、確かに恐怖があった。
薄暗い路地裏に彼を含めた合計三人の人間が存在し、彼のみが尻餅をつきながらもそう語る。顔にはいくつも傷が見え、服に至っては所々に破れが見える。
カツアゲとも言えない一方的な暴力の残滓。ただ憂さ晴らしのために彼を捕まえ、サンドバックにも似た行いをしていた彼らは、現在になってようやくそれが『悪手』だったことに気付く。
そう、先ほどまで殴られていた男は、何の『傷み』も表情に出さず。あまつさえ最初は浮かべていなかった笑みすら浮かべて立ち上がり、青年に近い男性ら二人にゆっくりと語りかけ始める。

「愛の無い。いたわりの無い暴力では私は何も『感じられない』」
「一方通行なそれも良い」「けれど、今までの暴力はあくまで『感じる』それじゃあない」

「――――もっと『尊い』事をしましょう」

立ち上がり、そして青年の一人に手を伸ばす。その動作は素早く、恐怖に意識を裂かれていた青年はそれを受け入れてしまい、その瞳に手が届き、そしてずるりと入り込んだ。
絶叫。痛みが青年を襲い、耐えきれず声が溢れてしまう。笑いながら、笑みを浮かべながらその指をさらに奥まで動かして、完全に『右目』の機能を失わせた。指を抜いて、それを舐める。
僅かに香る鉄の味に涎が溢れ、そして『歓喜』が目を覚ます。ズボンにジャケット、そして中にシャツを着た男は、青年から溢れる血液を愛おしそうに見つめ、更に『もう一度』もう片方の目を潰して遊ぶ。
青年の片割れはどうやらすでに逃げおおせてしまったらしいが、今ではそんなことは関係ないだろう。彼にとって必要なのはいまであり、最大限の愛情を持って接すれば青年もそれを『理解してくれる』筈である。


「傷み。苦しみ」
「――――愛故に、それらはとても『難しい』ものです」
780 :【蠱毒蛇槍】 ◆TL/GLTsN4w [sage saga]:2016/02/25(木) 18:40:46.59 ID:BDZYoGdTo
>>778

/よろしくお願いします

「それは承知している。だがその危険も了承済みだ。
ああ、自殺願望ではないぞ?ここを警らしているのだ。笑われるかもしれないがな」

ヴァンの口調は淡々としているが少々自嘲ぎみだ。
そして相手の服装を注意深く上から下まで見て

「……確かに人のことを言えない格好だな。携帯なんて持っていると
狙われるぞ」

そう言った。この路地裏では携帯だって高級品なのだ。
いつ狙われてもおかしくない。そもそもこうやって話しかけるのも危ない行為だ。
なぜなら獲物を狙ってヴァンが徘徊しているという可能性もあるのだから。
右手に持っている槍を見せつけて

「私はまだこの槍で威圧しているからいいが君は丸腰だし
何より雰囲気が……な」

続けて言う。雰囲気がこの場に似つかわしくないことを言っているのだ。

「しかしなんでこんなところで携帯で音楽を聞きながら歩いているんだ?」

冷静に考えるとこんなところで音楽を聞くのはどう考えてもおかしい。
そうヴァンは思い至り質問する。ただの神経が図太いだけの人ということを祈りながら
781 :【幻影剣技】 ◆M21AkfQGck [sage]:2016/02/25(木) 18:49:34.69 ID:JmS9JRRCO
>>780
「そうか」

青年は微笑むように笑い、ならば、住んでいる場所を見回りを維持しているのか?と、考える
そして、丸腰と言う言葉に反応すると、「大丈夫」まずそう言う

「僕に武器は、必要ないんだ」

それだけ言うと、雰囲気については言及しない、自分でも自覚しているのかどうか

「あと、これか?」

携帯を見せるとそれについてはただ一言

「単純に、好きなだけさ、まあ会話中にこれは失礼だね」

そう言うとイアホンを外すとなかなかの大音量で、アイドルの歌が一瞬丸聞こえ、すぐに消します、焦りながら

「君は、ここをパトロールでもしているのかい?」

と、そう尋ねる

782 :【蠱毒蛇槍】 ◆TL/GLTsN4w [sage saga]:2016/02/25(木) 19:50:14.46 ID:BDZYoGdTo
>>781

「武器が必要ない?それだけ強いということか」

相手が能力者であるということを隠したいと考えているかもしれないので
そう言いヴァンはなるほどなといった感じで相手を見て納得したようなそぶりを見せた。
顔についた傷からもおそらく只者ではないのであろうとヴァンは感じる。
もしかして優男の雰囲気は自分の本性を悟られないようにするためかもしれないとさえ思った。

「まあ、音楽については気にする人もいるかもしれないが私は気にしないな。
ただ片耳だけでも他の音が聞こえづらくならないか?私は携帯を通話や時計機能ぐらいしか
使わなくてそのへんの事情には疎くてな……それで未だに二つ折りの携帯だ」

携帯で音楽を聞かないヴァンはそこら辺のことは疎いのだった。
そもそも最近の高性能な携帯をそれしか売っていないので持ってはいるが
使いこなしているか?と問われるといいえと答えるしかないヴァンなのだ。

「それとパトロールをしているのか?という質問だがそれに対する答えは【はい】だ。
協力者も協賛者もいない孤独なパトロールだがな……
時々、自分でも意味があるのかと悩んでいるよ」

ヴァンは自嘲気味にやれやれといった感じで言う。
どうやらさっきも物思いに耽ていたように相当悩んでいるようだ。
783 :【幻影剣技】 ◆M21AkfQGck [sage]:2016/02/25(木) 20:13:28.28 ID:JmS9JRRCO
>>782
「これ(音楽)は僕にとっては特別だからね、こうして、一人でいるときは聞くようにしてるんだ、それだけだよ」

何やら普通ではない入れ込み方をしているようで、それ以上言うことはなかった

「なるほど……つまり君はこの辺りの治安を守りたいって事か」

パトロールをしている、そう答えたヴァンに対して言いふと思い更ける

「協力者も居ない、孤独なパトロールか……まあ、この辺りは能力による犯罪が盛んだからね」

呟き、視線をビルだった物に移す

「……この世界には、蔓延る"悪"が多すぎる」
そんな事を、倒壊したビルを見つめて言う

「……僕は、君のその活動を無意味とは思わないよ、そうして姿勢を見せるだけで、防げる"悪"も居るだろう
そんな事で小さな"悪"に対しては抑止にはなる事もある」

ヴァンに対して顔を向け、歯を見せながら笑顔になり、そう言う
両の手は腕組の姿勢を保つ

「ああ、自己紹介をしてなかった、僕の名前はカイト、しがない一人の旅人さ」

優男な顔つきのままで、自らの事を話す
784 :【蠱毒蛇槍】 ◆TL/GLTsN4w [sage saga]:2016/02/25(木) 21:07:37.61 ID:BDZYoGdTo
>>783

「特別なもの……か。なるほど」

特別なものという言葉に反応し、しんみりと言う。
それ以上相手が言葉にしないということはおそらく踏み込まれたくない事情があるのだろう。
そんなことに突っ込むほどヴァンは野暮ではなかった。

「まあ、治安を守りたい……と思っているのだと思う。
あまり私には実感がないが……」

治安を守りたいのかどうか実感が無いためかヴァンは少し言葉に詰まった。
少しズレている気がするのだが今は気にすることではないだろう。

そして相手の視線に合わせて自分も視線を変える。すると倒壊したビルに目が行った。

「蔓延る悪が多すぎる……か。それは確かに思うな。
そしてあのビルが倒壊するような悪に対してはおそらく私は無力だろう。
小さな悪に対して抑止になることもある……それが今の私の限界だ。
今の私にはそれが相応なのだろう……」

真剣な様子でヴァンは相手に言われたことを咀嚼する。
そこには無力感や自嘲などが含まれている。
しかし、それでもヴァンは警らを続けるだろう。
すがるものは何なのか今のヴァンには分からない。

「そういえば自己紹介をしていなかったな。私の名前はヴァン・バーグ
フリーランサーの荒事もいける何でも屋といったところだな。
もちろん悪事には手を貸さないが」

相手が自己紹介をしてきたのでこっちも自己紹介をする。
785 :【幻影剣技】 ◆M21AkfQGck [sage]:2016/02/25(木) 21:23:06.87 ID:JmS9JRRCO
>>784
ヴァンの自己紹介を聞くと、にっこりと微笑みかけて

「よろしく、ヴァン」

そう、挨拶を返す
またビルの方に視線を移すと

「小さな"悪"は個人個人でなんとかなる、だが問題は大きな"悪"さ」

ふと、そんな事を言い出した、目を瞑り、思案する青年

「例えば……"無限機構"、最近よく聞く名前だが、その実態は得体が知れない
そのアジト、構成員、そんな情報でさえ、謎に包まれている」

風が吹いた気がする、その風は青年のミドルヘアーを揺らして、その髪は後ろから前に靡く

「"核"を操れると言った噂話すらある、これ(ビル)にも一枚噛んでいるのか?と勘ぐってしまうね」

青年はそれを誰がやったかは知らない、そして、予想の範疇で語る

「そんな"巨悪"、例えば正義と謡ってる組織、"D.O.T.A"でも倒せないと思う
だから、1つ1つは小さな正義でも、バラバラだとしても、"それ"に立ち向かう"力"の存在が重要なんじゃないかな
少し、現実味がないね」

夢物語のような事を話して、苦笑いして、自分で否定する青年

「ああそうだ、正義を志すならD.O.T.Aに入ってみるのもいいかも知れないね」

これは冗談のように言う
そして、そのあと、何か思い付いたかのような表情になる

「そう言えば、君は何でも屋といったね?1つ、頼まれてくれないかな?」

こんな事を言いました


786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/25(木) 21:34:20.35 ID:O9/BXwSL0
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787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/25(木) 21:34:56.71 ID:O9/BXwSL0
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      ( ´∀`∩ (´∀`∩) ( ´∀`)
 +  (( (つ   ノ (つ  丿 (つ  つ ))  +
       ヽ  ( ノ  ( ヽノ   ) ) )
       (_)し'  し(_)  (_)_)

        ∬ ∬    ∬ ∬    ∬ ∬  +
   +     人      人      人     +
         (__)    (__)    (__)
  +    (__)   (__)   (__)     +
.   +   ( __ )  ( __ )  ( __ )  +
      ( ´∀`∩ (´∀`∩) ( ´∀`)
 +  (( (つ   ノ (つ  丿 (つ  つ ))  +
       ヽ  ( ノ  ( ヽノ   ) ) )
       (_)し'  し(_)  (_)_)
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/25(木) 21:35:35.07 ID:O9/BXwSL0
             ζ
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         |    ─<         |\      >─   (
         |      )     /  (|ミ;\    (      )
         ヽ    ̄ ̄)    /(___人|,iミ'=;\  (  ̄ ̄   )
         /" ̄ ̄ ̄ ̄   /    《v厂リiy\  ̄ ̄ ̄ ̄\
         /        /        ゙|,/'' v:,,、.¨)z,_       \
        /       /         ミ/ .-─ .゙》z、      \
        /      /           〔」″ノ‐ 、u ¨\      )
       (      /             ゙|, ..冫 .rー    ̄\_    |
        |      〔              ミ./′   ..r-ー __,,ア┐  |
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        |     /               ミ.   ,i'           .゙\_
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/25(木) 21:36:12.25 ID:O9/BXwSL0
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790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/25(木) 21:36:35.97 ID:O9/BXwSL0
              n
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   ̄ ̄} |         /!  〉      /    \         「||^|`|
   r─' ノ        / !  !      /─    ─\       |!  :::}
    ̄        / ,!    !     /(●)  (●) |       /"''-,,イ
   [[] 「}       i  i    i    ノ  (__人__)   |      〉  ノ
   rー'_ノ.       !  !   !   !    `⌒´   !    /  !"
.    ̄         !  iヘ   i   !         !  ,/   /
            〈,  Y   "''-_ヽ,..-、,゙    /  /    /!
     (⌒ ⌒ヽ,  \ !        ,.ィ'; ,..イ1   _,/ . /    /  i
  (´⌒  ⌒  ⌒ヾ ヽ|     (_{_)   ̄  ̄''Y   /i  i
 ('⌒ ; ⌒   ::⌒  )i      .;:';'         "' , /  i   .i
(´     )     ::: .)i.       :;::          /-‐-ノ   ,/
(´⌒;:    ::⌒`) :;  )三≡≡≡*:          /      ./
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. (    ゝ  ヾ 丶 ソ .   ' , ..:::::::::...     /
  .ヽ  ヾ  ノノ  ノ        "''‐- ..,,__/  


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              ヽ  ,イ                      ||
 ┌─‐「][].         〉   !        ___          ||
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   r─' ノ        / !  !      /─    ─\       |!  :::}
    ̄        / ,!    !     /(●)  (●) |       /"''-,,イ
   [[] 「}       i  i    i    ノ  (__人__)   |      〉  ノ
   rー'_ノ.       !  !   !   !    `⌒´   !    /  !"
.    ̄         !  iヘ   i   !         !  ,/   /
            〈,  Y   "''-_ヽ,..-、,゙    /  /    /!
     (⌒ ⌒ヽ,  \ !        ,.ィ'; ,..イ1   _,/ . /    /  i
  (´⌒  ⌒  ⌒ヾ ヽ|     (_{_)   ̄  ̄''Y   /i  i
 ('⌒ ; ⌒   ::⌒  )i      .;:';'         "' , /  i   .i
(´     )     ::: .)i.       :;::          /-‐-ノ   ,/
(´⌒;:    ::⌒`) :;  )三≡≡≡*:          /      ./
(⌒::   ::     ::⌒ ) \    .:::::.        ∠.....,,,,.. -‐''''"
. (    ゝ  ヾ 丶 ソ .   ' , ..:::::::::...     /
  .ヽ  ヾ  ノノ  ノ        "''‐- ..,,__/  
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2016/02/25(木) 22:01:31.31 ID:gBCiWN32O
避難所にロールスレを建てました
こちらでロールをお願いします
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/42896/1456405226/
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:34:25.26 ID:0E2vD9ZO0
             ___
            /     \      _______
           /   / \ \   /
          |    (゚) (゚)   | <  ……………………えっと、これ、食べます?
          |     )●(  |   \_______
          \     ▽   ノ
            \__∪ /
          /     ̄ ̄ \
          | |        | |
          | |        | |
        |⌒\|        |/⌒|
        |   |    |    |   |
        | \ (       ) / |
        |  |\___人____/|   |
        |  |          |   |
                 ズ゙バピュウ!!

              )
             (
         ,,        )      )
         ゙ミ;;;;;,_           (
          ミ;;;;;;;;、;:..,,.,,,,,
          i;i;i;i; '',',;^′..ヽ
          ゙ゞy、、;:..、)  }
           .¨.、,_,,、_,,r_,ノ′
         /;:;":;.:;";i; '',',;;;_~;;;′.ヽ
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       /;i;i; '',',;;;_~⌒¨;;;;;;;;ヾ.ミ゙´゙^′..ヽ
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       ".¨ー=v ''‐ .:v、冫_._ .、,_,,、_,,r_,ノ
      /i;i; '',',;;;_~υ⌒¨;;;;;;;;ヾ.ミ゙´゙^′.ソ.ヽ
      ゙{y、、;:..ゞ.:,:.:.、;:.ミ.:,:.:. ._υ゚o,,'.、)  、}
      ヾ,,..;::;;;::,;,::;):;:;:; .:v、冫_._ .、,_,,、_,,r_,ノ′
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:35:02.60 ID:0E2vD9ZO0
          ふぅおほほほっ!        / ̄ ̄\―。
           ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄        (     /  \_
              ___          /        /  ヽ
            /  R /\       .―/          _) 
           /   /\  \    ノ:::へ_ __    / 
           |  / /=ヽ \  |  0 |/-=o=-     \/_
     _______|/ (゚)  (゚) \|  /::::::ヽ―ヽ -=o=-_(::::::::.ヽ
  三  | ||__/ /.\── ゝ── ノ  /○/ 。0 /:::::::::  (:::::::::::::)
  三  ゝゝ/ /_ \____/_/M;o:;M::゚;M_人:::::○   ヽ/   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  三  ノ ̄  ̄| ̄   ̄ ̄l ̄  =  Σ;;;。::゚;:;て:))))) \     /  < モグモグモグwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 三   ll''口 ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|゚ ̄_⊂lニΣ Σ:。;;;:)))/.| )     /     \_____
 三  〔 ̄l⌒lヘ____|_l⌒l_l_ ΣE;:;:::・;:;:;:ノ丿 )    /   
      ̄`ー' ̄ ̄`--' ̄ `ー' ̄ ̄Σ`しwwww/ノ_ノ___イ
            グシャアッ!!  w W   。



                 __----_
               __-‐         \
             /   / ̄\       \
           / __  |   O       \     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           / / \     /:::::::    ヽ   < おちんこ ビュッ!ビュッ!ビュッ!
          /  |O   _,.-- 、 /:::::::::::::::    |    \_____
          | __ /::○::::::::V:::::○:::::::     |
          |  :::::::: V::::::::::::::::::::ト、::::::::::::    |
           | ::○::::|、::::::::::::::::/  ̄ ̄     /
            | ::::::::/ 丶--‐"  /      /
           \ ::/   \___/     /
             \      \,:ノ   _ イ
            /⌒ \___∪_/ ⌒\
         \ /     ¬         \            / ̄ ̄ヽ
           \            /⌒⌒ヽ         /      \
            \   ・  | \ (   人  )       /        ヽ
              \   /     ゝ    ヽ \   /          |
               \        |;;    |   \/    |       |
                 \     l  |;;  ;;;  |\__/      |      |
                  \ ̄  ―|;;  ;;;  |-/        |      |
                   \   |;;  ;;;  |/         |     |
                    \  |;;   | |/          |     |
                      | |;   ;; ;;|          /|    |
                         ;;            /  |
         \          /    ;;          /
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:35:53.34 ID:0E2vD9ZO0
                    ,-─¬-、___
               ,、-─‐/ / /    ̄`Y´ヽ、,_
           _,、‐''"~/  //  /  ___     ! |ヽ \ヽ、
          /  / /   !\  / ,イ ノ\  | | !  ヽ \
         /  /  /!    ∨ \!/ ヽ !  ゙ヽ、!|    ヽ \
        /   / / |    //  |   ハ ̄ ̄`ヽ   /!   |
       /   //! \__/!/_,⊥-‐┘└''ヽ ̄!   / /ハ   |
        〈、___>'〃     ̄        ,シ'´ \/ / | |   ヽ
       \  / ゙'ヾ、,'" /      `ー ,/    く,/ | !   l  「ああっ、出ちゃう…
       /ヽ/    ^゙'ヽ、-‐ /'_:::::::::::::-/′     \   |    !  もうだめぇ〜っ!」
       く   |        ゙''‐--、`::::::' ノ!        ヽ  |    ヽ
      /  ̄>!            ト-|-‐'゙!         `゙'ヽ    ヽ
      〈r''"  !            ! |  !            l    i
       ヽ  / !               |  |   !           `ヽ  !
        \_  ゙、           |` |''"~ヽ            |ヽ /
        / ̄ ̄!、ヽ             |/| /  ヽ           !レ′
     /|_ /!  ヽ           | |/  ! ヽ            |i
      | ヽ  |  |ヽ          ! ゜  ヽ  !          |′
     i_/ ̄ ̄ヽ! ',         ! 〉 `ー-、 !            !
   ,∠´/ ̄ \ ヽ‐!_,、-‐-、,_   l /_,,-──-!             ! ,、-─‐-、
  ,∠ /^^^^^iトヽr‐'′;;;;;;;;;;;;;;;;\  |ヽ  /    !     ,、-ァ‐'''""''''/¬!^^^^^ヽ\
 /-‐/^^^^^^^^!ト、 ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ! `ー-─‐‐!  //;;;;;;;;;;;;;;/''" /^^^^^^^!ト、ヽ
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:36:16.93 ID:0E2vD9ZO0
                    ,-─¬-、___
               ,、-─‐/ / /    ̄`Y´ヽ、,_
           _,、‐''"~/  //  /  ___     ! |ヽ \ヽ、
          /  / /   !\  / ,イ ノ\  | | !  ヽ \
         /  /  /!    ∨ \!/ ヽ !  ゙ヽ、!|    ヽ \
        /   / / |(⌒ヽ //  |   ハ ̄ ̄`ヽ   /!   |
       /   //! \(,/!/_,⊥-‐┘└''ヽ ̄!   / /ハ   | プッ・プゥ〜ッ
        〈、___>'〃  ('⌒  ̄(;;;;;l;;;;;;;;;:) モコモコ´ \/ / | |   ヽ
       \  / ゙'ヾ、,'" /  (;;;;;ヽ:::::`ー ,/    く,/ | !   l
 プリプリ  /ヽ/    ^゙'ヽ、-‐ /'_:::::::::::::-/;;;;`i.  ,;) \   |    !
       く   |  (;,.  .,/'i''‐--、`::::::' ノ!ヾ;;;;|      ヽ  |    ヽ
      /  ̄>! .,,-. .,イ;;;;/    ト-|-‐'゙!  lノl| )  ,;)   `゙'ヽ    ヽ
      〈r''"  ! l゙;;;ノ (;;;;;;〕      ! |  !            l    i
       ヽ  / !  ̄  ゙ヽ'"     |  |   !  l゙;;;;`i、  ⌒ヽ `ヽ  !
        \_  ゙、ブリッ! l| i'ヘ、l||  |` |''"~ヽ  ゙'--ノ       |ヽ /
        / ̄ ̄!、ヽ   (⌒.|;;;;`、 ,、 |/| /  ヽ           !レ′
     /|_ /!  ヽ   (;,, {;;;;;;;ヾ、;) |/  ! ヽ            |i
      | ヽ  |  |ヽ   (_,, \;;;;,`i,. ! ゜  ヽ  !          |′
     i_/ ̄ ̄ヽ! ',     `vw’ ! 〉 `ー-、 !            !
   ,∠´/ ̄ \ ヽ‐!_,、-‐-、,_   l /_,,-──-!             ! ,、-─‐-、
  ,∠ /^^^^^iトヽr‐'′;;;;;;;;;;;;;;;;\  |ヽ  /    !     ,、-ァ‐'''""''''/¬!^^^^^ヽ\
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796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:36:47.37 ID:0E2vD9ZO0
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       /   //! \(,/!/_,⊥-‐┘└''ヽ ̄!   / /ハ   | プッ・プゥ〜ッ
        〈、___>'〃  ('⌒  ̄(;;;;;l;;;;;;;;;:) モコモコ´ \/ / | |   ヽ
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 プリプリ  /ヽ/    ^゙'ヽ、-‐ /'_:::::::::::::-/;;;;`i.  ,;) \   |    !
       く   |  (;,.  .,/'i''‐--、`::::::' ノ!ヾ;;;;|      ヽ  |    ヽ
      /  ̄>! .,,-. .,イ;;;;/    ト-|-‐'゙!  lノl| )  ,;)   `゙'ヽ    ヽ
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     /|_ /!  ヽ   (;,, {;;;;;;;ヾ、;) |/  ! ヽ            |i
      | ヽ  |  |ヽ   (_,, \;;;;,`i,. ! ゜  ヽ  !          |′
     i_/ ̄ ̄ヽ! ',     `vw’ ! 〉 `ー-、 !            !
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797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:37:42.17 ID:0E2vD9ZO0
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798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:37:54.04 ID:0E2vD9ZO0
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799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:38:02.58 ID:0E2vD9ZO0
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800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:38:28.26 ID:0E2vD9ZO0
          ふぅおほほほっ!        / ̄ ̄\―。
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  三  ゝゝ/ /_ \____/_/M;o:;M::゚;M_人:::::○   ヽ/   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  三  ノ ̄  ̄| ̄   ̄ ̄l ̄  =  Σ;;;。::゚;:;て:))))) \     /  < モグモグモグwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 三   ll''口 ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|゚ ̄_⊂lニΣ Σ:。;;;:)))/.| )     /     \_____
 三  〔 ̄l⌒lヘ____|_l⌒l_l_ ΣE;:;:::・;:;:;:ノ丿 )    /   
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            グシャアッ!!  w W   。



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           / / \     /:::::::    ヽ   < おちんこ ビュッ!ビュッ!ビュッ!
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            \   ・  | \ (   人  )       /        ヽ
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801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2016/02/25(木) 22:39:11.48 ID:0E2vD9ZO0
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802 :【天械御子】@wiki [sage]:2016/02/25(木) 23:21:19.66 ID:JQhu12Pro
>>773>>774

機械は、昔話を黙って聞いた。
背中にドライバーが入り込む感覚を覚えながら、頭上の電灯を見上げる。
電灯は、今にもその灯火を失いそうに、じりじりと揺れていた。
それは人間の空想に思えた。祖国、国粋主義、戦争。
懐かしい言葉だと思った ―― たった数カ月前の話だけど ―― その昔話は、懐かしかった。

「意外と、お喋りね。」

修理が終わった頃合い、機械は首を傾げ、口元を緩めた。
人間が憎いというワードは、彼女の好きな言葉。聞いていて心地がいい。
落とし所は気に入らないけれど、眉間にしわを寄せるほどではなかった。

この少女の身体に張り付いた機械を直した男には、これが祖国の技術であることがわかるかもしれない。
特徴的なのが、マザーボードに刻み込まれた"MIG-99"の文字。
彼女は相手がそれを視たかもしれないと思ったが、
昔話をするのが嫌いだったから、それについて話そうとはしなかった。

"ひとつ、聞かせて"と言って尋ねる。
プロセッサのヒートシンクから、好奇心が滲み出す。

「時間が経ったら、私もあなたみたいに、憎しみが薄れて、最後に霧散してしまうのかしら。
 私は、少なくとも、今の私は、今の私はね、人間が嫌いで、嫌いで、考えると殺したくなるほど、嫌い。」

相手に歩み寄り、近寄り、身体が触れそうなほどの距離で、見上げる。

「どうして、あなたはまた、クソみたいな人間社会の生かされようと思ったの。
 私は、私も、私でも、時間が経ったら、人間から仕事を貰って、生きていかなくちゃいけないの?」

"もし未来がそうなら、私、いや、よ。"

機械は、また自分が暴走をしたと思った。何故、見ず知らずの相手にこんな重要な事を尋ねたのかわからない。
人間を殺していけばそれでいい、コイツもムカつくから殺せばいい。殺せばいい。
なのに、この喩え難い感情は ―― 胸の奥底から、渦巻く、吐き気のような感情は、一体、なんというのかわからない。
彼女のキャッシュメモリには、登録されていない感情だった。
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:27:31.04 ID:sQL914umo
>>152,764,660,663,279,393,617,663,503,268,961,128,504,748,105,676,176,664,156,823,605,27,583,537
>>963,552,317,191,83,358,342,847,17,5,125,409,621,788,911,889,749,39,392,497,143,68,673,807,223,495
>>249,78,947,191,40,498,507,230,580,865,572,427,881,577,552,290,197,339,201,86,88,239,477,584,381
>>256,188,767,751,598,16,828,544,207,868,42,714,98,622,578,669,48,459,245,599,748,442,938,949,527
>>187,4,609,568,548,864,755,315,615,353,330,443,897,537,310,938,250,407,559,828,76,606,286,321,205
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>>410,164,523,895,921,835,751,323,863,651,638,19,831,963,790,131,678,984,593,199,172,404,923,212
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>>167,352,629,89,563,543,501,815,790,468,99,958,843,545,649,114,913,175,135,603,563,807,931,969,309
>>165,942,188,344,168,355,696,797,444,258,339,945,73,128,412,171,86,255,716,735,368,629,909,503,231
>>309,161,439,618,381,604,559,569,947,727,923,642,523,367,900,861,311,973,989,722,144,75,976,859
>>344,488,717,846,718,188,155,879,627,772,260,230,331,828,177,57,751,819,579,117,718,440,427,691
>>148,834,503,124,693,311,468,180,28,314,897,216,468,776,842,239,35,72,569,862,248,626,613,66,204
>>784,643,156,474,71,304,307,573,427,1000,884,895,179,911,208,76,127,675,851,968,914,885,40,482,747
>>107,359,353,311,88,137,954,243,610,24,546,917,597,973,916,480,868,95,391,75,170,517,750,20,485
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>>113,969,291,118,489,840,143,494,50,73,22,405,653,360,9,241,861,175,927,661,855,951,369,73,860,904
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>>394,610,814,254,513,238,880,693,627,998,984,984,407,394,830,655,946,170,953,570,531,655,847,251
>>365,832,251,808,73,992,202,683,805,456,196,42,336,888,668,333,872,652,740,265,482,394,210,651,347
>>182,1,627,433,366,991,264,616,799,337,607,1,19,411,456,215,452,791,102,120,124,973,771,863,237
>>257,447,903,603,226,84,603,852,516,968,843,780,583,641,116,190,641,135,601,97,349,53,887,451,172
>>423,942,873,660,194,129,106,96,731,332,179,333,184,694,301,26,473,883,667,589,73,307,724,673,403
>>725,290,523,896,300,945,838,172,605,32,300,711,127,31,42,306,364,226,999,664,252,472,547,918,61
>>225,784,291,627,856,16,917,378,912,216,323,749,387,927,780,687,637,907,717,679,212,80,904,211,743
>>683,289,73,743,908,297,527,199,924,382,214,840,760,125,55,82,874,442,9,654,129,645,561,845,324
>>925,227,983,668,382,665,957,454,408,864,750,934,62,673,316,276,513,75,401,568,157,275,9,165,929
>>810,489,982,133,261,906,360,243,573,742,908,530,195,315,393,945,248,455,618,563,731,130,638,131
>>794,406,706,958,335,842,767,824,824,899,84,729,258,327,302,999,235,831,194,549,224,139,796,679
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>>295,38,1,91,716,756,450,125,642,446,664,224,235,609,511,981,889,641,494,991,593,906,177,274,575
>>257,243,436,71,105,731,109,105,822,824,861,272,949,502,717,612,726,952,221,237,933,110,877,426
>>469,331,276,743,906,965,1000,148,401,71,253,131,179,357,953,3,218,224,951,720,941,563,445,892,784
>>825,893,557,251,992,26,581,268,769,487
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:27:45.10 ID:sQL914umo
>>152,764,660,663,279,393,617,663,503,268,961,128,504,748,105,676,176,664,156,823,605,27,583,537
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>>107,359,353,311,88,137,954,243,610,24,546,917,597,973,916,480,868,95,391,75,170,517,750,20,485
>>905,524,144,651,811,251,10,163,561,97,299,515,340,909,538,885,826,134,858,742,614,725,837,4,800,6
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>>365,832,251,808,73,992,202,683,805,456,196,42,336,888,668,333,872,652,740,265,482,394,210,651,347
>>182,1,627,433,366,991,264,616,799,337,607,1,19,411,456,215,452,791,102,120,124,973,771,863,237
>>257,447,903,603,226,84,603,852,516,968,843,780,583,641,116,190,641,135,601,97,349,53,887,451,172
>>423,942,873,660,194,129,106,96,731,332,179,333,184,694,301,26,473,883,667,589,73,307,724,673,403
>>725,290,523,896,300,945,838,172,605,32,300,711,127,31,42,306,364,226,999,664,252,472,547,918,61
>>225,784,291,627,856,16,917,378,912,216,323,749,387,927,780,687,637,907,717,679,212,80,904,211,743
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>>794,406,706,958,335,842,767,824,824,899,84,729,258,327,302,999,235,831,194,549,224,139,796,679
>>359,409,886,996,540,583,790,946,288,747,280,130,513,103,953,412,186,682,670,513,983,669,747,814
>>295,38,1,91,716,756,450,125,642,446,664,224,235,609,511,981,889,641,494,991,593,906,177,274,575
>>257,243,436,71,105,731,109,105,822,824,861,272,949,502,717,612,726,952,221,237,933,110,877,426
>>469,331,276,743,906,965,1000,148,401,71,253,131,179,357,953,3,218,224,951,720,941,563,445,892,784
>>825,893,557,251,992,26,581,268,769,487
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>>323,563,226,634,418,782,650,493,613,169,120,672,142,395,149,178,940,957,235,957,191,295,256,432
>>461,921,930,100,286,252,422,848,477,56,266,259,705,759,872,874,878,543,15,273,692,193,212,648,427
>>838,722,424,270,1000,884,190,929,983,475,180,405,323,657,460,588,915,165,347,786,38,224,329,53
>>20,245,708,668,672,875,505,394,299,774,393,182,964,322,164,438,502,569,761,159,28,348,73,192,695
>>230,918,188,283,414,207,527,121,874,199,996,379,592,294,153,985,475,116,306,639,554,808,208,314
>>235,662,39,427,356,897,657,273,84,939,686,291,466,807,165,664,803,544,256,96,696,240,571,811,545
>>365,353,417,678,318,652,339,356,79,694,253,735,967,336,674,653,627,139,459,791,803,261,334,58,357
>>297,928,841,842,137,205,194,554,882,512,205,220,867,283,914,119,18,880,455,691,533,81,829,991,872
>>252,206,689,609,236,986,536,76,827,672,280,21,225,162,532,430,381,399,712,295,517,730,175,972,420
>>53,249,697,925,880,949,131,569,557,366,554,92,441,381,764,721,402,989,882,934,418,263,332,130,557
>>859,731,820,278,437,873,526,134,797,406,83,927,975,640,292,529,731,733,909,495,454,311,483,335
>>900,597,576,30,154,424,888,885,244,166,322,116,692,455,912,97,538,839,71,177,130,599,908,863,508
>>316,819,884,651,63,784,247,638,813,401,61,701,285,304,866,606,420,557,61,331,654,598,169,724,775
>>323,682,162,831,84,477,649,968,127,711,751,374,348,564,774,409,264,58,713,129,664,132,686,724,463
>>322,631,63,96,930,385,778,91,216,862,568,864,829,695,575,580,68,923,144,842,331,407,900,44,536
>>175,221,287,638,560,608,268,622,704,198,6,482,289,221,343,856,85,172,550,659,751,618,582,894,460
>>301,359,956,837,922,131,57,208,768,617,816,36,238,519,233,244,1000,521,465,343,377,549,514,927
>>264,544,789,158,3,701,459,362,657,295,283,787,352,490,554,968,305,589,205,824,822,449,824,343,913
>>719,462,679,645,670,943,189,459,100,192,160,559,553,816,853,835,602,204,325,156,171,630,745,376
>>566,824,276,908,736,442,627,198,120,272,867,63,460,325,163,652,484,721,204,299,573,39,901,776,364
>>947,993,801,322,446,366,146,722,274,882,164,900,79,283,172,946,346,632,270,508,283,754,228,487,53
>>526,954,577,889,10,523,882,810,845,328,175,991,50,449,872,213,349,951,496,520,896,841,151,166,348
>>919,576,920,971,377,445,924,953,334,934,476,216,743,320,543,918,310,592,366,182,804,714,132,300
>>27,140,384,192,488,818,111,64,737,82,440,182,6,392,515,939,868,731,681,187,273,598,497,865,963
>>669,677,810,968,910,837,107,294,29,595,111,140,658,848,221,98,30,226,490,545,164,357,275,845,544
>>443,41,412,406,719,80,82,529,48,992,365,155,286,394,749,397,533,407,244,753,504,274,979,994,818
>>350,92,987,894,639,430,934,50,835,652,130,916,181,177,908,546,331,193,939,80,589,471,486,833,224
>>106,203,984,924,345,333,15,332,227,653,761,160,703,595,812,832,511,992,8,418,537,339,611,476,418
>>947,903,32,171,893,138,373,876,62,717,209,76,49,435,729,809,595,431,404,407,262,915,399,269,332
>>607,943,411,24,142,358,927,174,528,820,312,900,696,373,617,904,448,665,339,176,474,934,606,878
>>868,792,738,136,124,674,743,66,84,767,207,441,694,380,968,514,691,868,209,63,484,113,511,149,452
>>623,385,293,501,725,160,292,462,296,415,135,38,481,219,805,687,660,499,67,628,12,758,495,220,821
>>333,331,128,784,17,751,169,309,251,893,469,542,354,764,957,489,801,438,708,606,125,367,104,191
>>115,949,489,335,769,468
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:28:19.44 ID:sQL914umo
>>943,109,828,466,984,242,578,832,355,766,67,645,83,103,52,546,969,833,210,330,297,299,252,646,864
>>170,22,188,461,396,131,570,224,596,554,466,173,385,820,939,452,464,21,554,516,566,523,348,776,852
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>>729,919,773,571,735,727,762,327,532,596,993,441,721,596,554,306,157,61,810,74,90,804,568,238,840
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>>818,804,710,55,643,816,732,945,324,76,587,561,339,3,368,337,144,936,662,818,101,978,931,986,890
>>176,958,326,176,99,143,979,809,198,621,625,929,565,948,5,152,509,344,154,876,681,298,812,342,115
>>319,46,897,208,644,73,166,969,249,264,112,227,73,310,848,697,238,412,645,243,564,153,586,718,28
>>15,840,607,129,751,926,174,648,134,818,720,299,786,968,563,898,195,635,207,42,331,445,454,975,687
>>127,272,735,155,538,749,994,145,878,745,70,52,392,204,869,112,502,655,80,64,552,274,699,758,316
>>202,769,4,889,786,131,160,521,286,698,269,279,843,147,23,912,199,415,116,67,526,617,721,605,681
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>>952,131,828,496,977,777,565,441,446,240,585,387,793,108,358,540,40,561,249,383,884,706,270,486
>>985,66,695,806,465,641,757,595,469,252,572,245,817,12,691,56,596,77,849,703,435,388,742,996,637
>>879,342,395,365,774,379,431,468,184,895,109,941,490,577,193,62,822,9,73,512,65,669,589,913,372,24
>>114,19,937,239,898,279,633,263,53,11,693,520,195,588,629,136,78,206,328,139,27,336,212,539,401
>>128,313,252,152,614,365,170,551,603,68,829,236,331,881,247,24,401,441,611,29,577,688,234,904,827
>>240,38,800,640,918,928,953,169,79,566,534,249,117,137,316,945,372,647,826,618,670,227,59,280,255
>>968,489,538,795,750,778,833,549,417,750,476,370,919,554,936,452,803,52,588,119,996,959,765,822
>>434,48,635,714,303,270,681,791,808,475,540,585,307,89,2,57,565,371,975,119,306,427,921,357,15,39
>>974,803,175,550,236,222,185,949,525,454,630,315,261,105,855,845,412,944,847,468,508,217,443,626
>>870,546,879,884,584,232,858,387,406,407,623,628,592,571,152,45,201,467,306,305,322,151,716,265
>>184,772,213,627,397,736,497,943,615,380,527,846,238,913,252,644,535,880,235,106,31,280,306,498
>>610,819,736,326,83,732,510,855,945,137,252,680,633,194,294,13,720,140,250,633,392,894,167,271,129
>>301,408,578,799,993,188,617,728,514,700,460,23,554,404,159,805,84,792,999,378,804,719,517,53,351
>>947,518,178,75,790,479,483,368,277,475,556,894,203,69,593,663,91,147,66,250,952,150,41,950,527
>>669,44,898,20,951,844,537,129,918,327,608,401,695,884,876,250,778,78,318,370,740,409,516,806,659
>>955,700,418,482,544,86,525,442,105,476,285,642,604,203,968,211,603,663,95,478,912,872,556,229,242
>>638,758,102,296,225,56,995,642,538,539,727,62,980,832,537,265,473,141,467,441,352,70,103,446,548
>>318,104,243,559,399,880,316,501,176,541,557,170,182,94,708,909,155,688,740,692,952,213,832,419
>>184,488,755,629,36,768,947,139,10,506,538,890,822,38,65,362,594,235,544,687,943,453,842,630,193
>>581,405,366,999,57,549,487,811,178,522,578,124,660,588,630,198,478,451,235,542,812,829,776,356
>>718,808,358,348,1000,891,928,404,256,927,461,805,413,271,982,934,849,106,594,437,735,792,914,185
>>455,997,855,231,353,370,949,160,728,296,160,618,224,564,874,150,24,678,562,295,660,496,143,766,90
>>500,881,492,685,907,947,682,761,178,34,131,127,194,858,422,353,476,646,917,350,795,940,28,357,235
>>853,377,453,942,955,952,823,447,637
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>>228,346,263,288,368,299,918,340,706,779,833,922,625,878,627,851,771,32,833,176,891,888,997,386
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>>657,872,829,42,840,847,399,8,313,523,928,8,993,111,990,830,592,889,7,778,567,16,886,869,902,620
>>559,385,6,391,41,878,220,83,718,66,482,726,379,4,653,386,997,763,376,827,354,265,833,132,832,849
>>700,750,637,722,308,21,728,699,62,606,918,145,323,984,626,49,363,630,702,749,626,465,124,453,819
>>286,950,219,134,967,919,884,603,640,192,624,368,891,686,973,809,830,296,792,456,344,155,85,45,903
>>510,26,163,328,414,448,278,632,582,245,551,466,848,191,657,471,558,547,156,530,355,986,825,147
>>169,301,526,214,203,236,723,229,399,50,642,847,328,273,428,572,823,893,419,13,550,890,571,97,46
>>452,31,925,598,472,93,899,997,306,102,233,29,330,631,79,971,477,406,244,904,978,67,797,397,80,347
>>650,443,331,750,895,362,674,493,834,767,391,830,73,493,62,101,822,692,179,793,169,585,37,73,562
>>869,958,183,216,244,833,659,574,583,553,936,256,45,769,23,436,599,95,928,660,195,750,352,374,543
>>958,579,592,520,682,461,477,865,676,720,698,335,294,280,887,229,536,932,998,558,368,596,653,296
>>848,46,607,221,588,127,179,167,718,698,849,179,175,714,855,894,411,189,188,691,76,417,226,8,414
>>375,10,436,671,265,284,716,872,504,304,998,682,470,716,380,319,894,554,32,748,448,443,936,635,133
>>52,359,19,466,142,394,475,578,64,740,861,779,611,365,82,609,46,552,324,426,870,218,979,902,965
>>344,901,61,476,912,112,834,931,577,976,324,52,553,387,791,414,166,402,778,248,10,824,800,333,249
>>550,227,571,515,653,914,416,713,390,328,824,224,258,401,199,581,452,752,968,243,165,133,644,943
>>653,766,180,986,15,849,536,242,419,50,894,333,465,607,722,792,431,945,50,831,144,630,283,895,598
>>59,730,168,2,111,820,767,290,806,781,138,341,23,557,390,916,889,855,522,611,646,952,556,696,783
>>325,65,594,923,590,653,652,757,654,762,577,420,52,382,201,189,722,223,746,112,139,634,966,661,245
>>613,800,307,396,499,632,460,92,554,50,744,206,806,397,968,383,817,19,764,18,208,486,241,953,597
>>587,563,40,831,174,653,631,481,48,130,112,508,221,666,557,965,871,363,362,838,745,179,857,509,197
>>995,437,16,592,816,602,154,856,433,328,508,63,808,556,192,920,63,413,585,619,378,456,982,740,294
>>918,150,235,114,213,229,551,229,821,367,830,974,223,262,301,731,325,109,286,517,28,348,929,613
>>307,69,948,46,362,673,964,512,908,78,725,137,628,953,957,995,783,930,217,44,231,947,369,339,232
>>367,580,814,980,546,120,49,493,165,410,166,129,921,73,206,645,210,833,598,166,828,380,96,44,424
>>991,792,665,223,677,32,802,490,12,347,609,60,839,774,470,4,902,391,77,107,36,286,940,633,452,767
>>547,811,435,873,801,227,538,23,903,570,824,393,582,171,1,641,9,775,111,13,677,501,90,783,536,376
>>168,827,489,180,374,300,615,247,101,841,784,123,744,354,947,136,935,117,137,576,126,911,687,139
>>187,228,370,723,603,92,890,430,581,70,803,880,684,49,981,524,833,104,268,187,50,403,122,167,539
>>293,450,384,431,36,571,658,405,293,261,497,182,690,78,252,492,957,935,541,938,459,374,41,726,560
>>129,681,257,667,379,550,116,762,980,152,332,638,557,624,898,54,806,587,131,57,79,88,992,619,25
>>992,65,176,552,155,304,233,412,971,611,961,87,372,940,238,704,577,795,328,475,848,133,61,978,190
>>65,181,758,89,631,750,153,806,301,308,110,533,719,80,143,679,166,515,619,403,219,196,198,546,670
>>678,731,22,868,870,86,49,627,175,679,377,328,485,677,635,594,210,354,673,353,32,839,867,651,242
>>847,439,631,516,483,308,247,505,176,116,591,224,743,765,903,119,92,387,796,727,981,5,80,653,357
>>491,224,763,733,309,609,171,939,125
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>>450,996,634,531,348,21,487,804,895,957,691,851,731,3,628,935,319,248,491,349,550,951,12,459,523
>>113,902,884,281,573,334,276,206,865,624,227,352,428,122,308,118,972,38,121,600,973,439,848,463
>>397,414,799,855,936,624,967,837,508,247,409,841,523,615,706,147,841,57,574,962,364,691,933,402
>>532,374,250,380,837,36,776,250,835,630,185,458,597,22,965,844,430,806,367,44,511,513,885,567,86
>>931,777,778,332,588,310,706,837,689,542,873,465,791,707,94,976,164,691,998,129,535,427,934,901
>>445,413,355,12,499,201,942,275,979,274,863,288,979,699,977,521,571,441,312,277,535,287,441,226
>>569,760,712,503,660,182,948,73,537,959,572,737,901,846,716,175,708,4,154,407,980,674,977,421,985
>>956,272,694,181,556,263,940,267,766,600,449,714,673,986,673,244,723,574,90,438,748,798,441,901
>>420,574,181,841,559,434,796,830,128,976,385,391,916,652,157,516,100,870,188,85,542,431,807,115
>>245,863,318,685,763,521,105,337,702,945,895,135,740,724,263,716,109,653,632,761,810,147,860,679
>>945,221,765,752,336,285,996,198,602,681,961,123,785,297,824,730,191,959,469,915,221,185,23,874
>>783,683,963,643,362,296,588,583,61,340,918,345,336,116,947,16,76,69,801,373,893,530,563,851,999
>>72,183,500,946,999,282,629,961,925,991,257,512,573,317,852,491,661,187,606,608,202,682,676,2,54
>>531,617,420,529,93,492,712,593,437,710,875,66,671,799,56,927,311,628,243,162,118,904,348,724,511
>>405,187,552,459,755,83,75,175,611,168,666,323,760,102,33,634,167,703,433,223,629,743,850,872,905
>>775,252,691,285,802,96,472,353,555,227,435,629,401,46,797,66,368,557,168,400,191,335,103,624,557
>>366,407,603,271,374,377,522,64,662,323,160,133,676,714,360,110,343,760,155,139,826,523,696,993
>>887,328,25,510,884,756,876,290,358,146,663,735,668,727,396,990,886,529,666,600,888,775,942,648
>>81,473,452,776,466,374,662,793,398,172,677,154,47,966,511,192,629,246,859,356,641,849,242,170,514
>>58,289,782,706,217,862,178,668,638,644,42,300,436,439,471,112,592,518,78,103,710,706,348,568,62
>>417,303,159,931,143,217,219,925,922,436,787,100,104,425,743,145,724,179,584,195,291,176,713,368
>>422,74,626,990,135,615,406,438,774,336,580,990,555,505,912,990,291,12,93,715,755,237,439,933,821
>>223,996,346,591,273,767,664,899,756,799,514,162,236,288,498,816,277,52,321,189,42,612,200,134,326
>>371,765,887,191,398,110,186,744,701,459,511,364,358,267,163,872,428,399,159,926,215,436,978,535
>>19,146,824,153,472,778,523,237,665,714,635,774,900,378,474,358,888,838,716,155,1,587,582,399,745
>>614,180,485,148,804,503,294,627,655,765,405
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>>523,35,764,922,502,302,997,788,526,766,470,325,379,696,226,85,487,669,195,28,226,118,876,270,854
>>491,312,60,100,756,583,134,519,504,636,820,501,423,346,267,893,670,645,589,895,729,75,563,924,102
>>41,977,58,895,198,549,206,257,648,962,840,781,480,343,416,299,844,839,644,110,732,314,754,320,208
>>394,771,406,496,559,446,473,617,340,670,165,546,927,813,507,766,593,987,109,9,285,952,848,929,61
>>243,815,898,450,298,292,221,703,787,780,149,259,396,489,929,561,35,855,373,542,621,966,528,729
>>813,681,822,742,742,400,984,557,298,433,854,589,654,556,376,433,705,634,829,194,563,389,228,418
>>770,38,727,297,767,701,110,448,522,851,190,922,834,746,219,267,599,807,920,155,182,353,860,816
>>53,378,570,281,796,332,50,833,58,346,600,758,455,47,280,306,237,201,139,982,420,406,581,227,326
>>408,678,594,224,859,647,602,429,927,397,760,976,230,818,322,830,575,777,877,855,82,113,56,221,94
>>626,674,701,951,409,109,629,3,333,488,649,935,916,575,331,676,551,561,493,873,390,68,650,266,923
>>378,978,952,472,453,578,145,154,528,553,263,157,555,596,644,204,530,560,778,861,236,329,421,729
>>810,796,851,76,719,581,453,697,533,925,149,110,69,303,638,622,565,794,177,161,438,380,690,998,158
>>233,486,970,961,687,780,757,537,855,475,118,308,171,651,232,320,760,301,622,398,922,187,192,98
>>629,477,37,626,635,586,858,120,556,819,807,335,575,344,190,49,462,498,219,112,730,539,872,30,160
>>952,347,461,50,694,89,527,730,715,161,316,573,281,871,391,88,205,965,432,395,13,893,892,232,5,621
>>877,651,930,146,602,277,606,652,970,695,178,700,409,338,15,981,619,885,372,706,90,336,137,485,349
>>376,580,35,997,350,912,648,280,57,250,557,663,901,527,357,79,226,766,416,241,747,35,126,118,740
>>454,877,699,802,907,75,381,941,72,731,852,719,11,909,968,567,571,869,93,928,947,319,694,363,560
>>397,685,559,137,900,12,14,599,813,920,673,193,861,745,924,712,463,934,620,431,501,191,300,594,119
>>913,812,609,472,253,5,156,811,142,55,822,155,654,634,75,326,827,935,71,751,647,533,684,267,964
>>457,263,778,576,509,691,388,117,162,640,122,318,450,263,372,271,418,26,905,493,351,731,427,421
>>73,954,165,339,918,349,796,181,127,371,690,817,758,806,979,397,928,296,847,191,668,117,608,693,21
>>44,752,527,465,232,599,418,396,938,336,745,733,517,872,104,206,688,861,12,666,258,939,962,104,129
>>220,736,321,241,836,364,992,362,828,223,961,246,619,899,582,364,631,98,235,734,303,923,595,314
>>852,252,550,956,381,178,175,117,499,416,952,862,407,314,690,630,275,935,249,173,516,613,804,614
>>538,916,770,133,230,358,984,482,908,939,862,86,114,978,584,530,930,446,937,244,135,567,519,70,815
>>585,427,495,198,274,33,114,43,165,344,401,149,825,308,88,687,393,202,665,977,731,595,422,667,839
>>233,357,625,48,49,210,475,543,408,748,576,522,791,740,865,191,889,690,498,976,377,891,177,42,867
>>636,289,575,475,845,807,832,470,855,880,679,329,423,87,77,998,609,867,738,473,57,626,163,555,602
>>446,778,581,312,686,217,600,260,691,445,67,523,914,921,402,592,250,824,679,326,822,287,193,559
>>250,185,922,804,786,462,249,564,42,561,249,259,161,508,950,605,574,472,518,495,873,110,744,697
>>69,519,75,262,77,834,511,262,756,314,48,217,563,611,259,124,859,517,285,367,466,889,941,937,407
>>810,517,178,507,305,247,25,379,508,102,212,18,363,968,332,410,184,895,21,443,18,880,959,303,246
>>191,186,361,598,621,171,114,798,677
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:29:52.56 ID:sQL914umo
>>414,112,170,916,415,556,792,475,958,56,439,538,4,368,778,333,180,645,491,225,954,796,420,289,498
>>469,521,215,336,585,629,447,755,544,862,310,336,336,268,392,775,805,395,143,583,727,323,227,217
>>181,13,966,470,510,176,938,31,391,273,616,20,720,370,564,581,680,900,917,947,291,691,752,685,834
>>412,156,562,629,703,742,641,669,212,151,844,149,181,235,422,797,255,141,166,818,722,846,718,638
>>8,329,544,693,162,878,104,317,439,732,20,181,373,688,393,523,532,542,704,766,963,500,21,104,666
>>825,511,556,463,303,563,792,846,256,953,723,359,270,162,91,289,343,463,977,735,986,508,276,690
>>239,190,294,342,855,132,167,366,688,629,668,250,420,514,505,373,236,864,643,398,954,932,740,417
>>475,403,415,750,93,688,988,282,982,330,137,113,496,502,800,124,170,50,544,683,555,917,919,419,560
>>372,491,56,789,399,531,192,813,281,284,501,269,566,482,598,702,595,93,204,394,217,373,444,761,56
>>677,974,417,237,290,788,727,346,577,125,876,769,938,156,53,439,425,618,920,22,319,514,115,522,908
>>895,352,92,950,350,769,924,766,5,213,554,732,558,130,856,434,899,794,590,951,232,14,568,152,36
>>665,150,408,573,481,303,924,573,252,273,341,175,38,346,388,592,77,946,721,933,380,620,727,969,570
>>983,138,109,18,24,774,168,431,347,648,734,271,221,986,543,561,161,581,907,548,172,984,493,893,916
>>512,643,841,82,600,824,219,709,841,242,483,8,673,829,656,406,99,876,392,642,437,552,223,344,99
>>327,592,287,243,464,799,885,305,881,485,128,99,194,969,341,676,977,14,505,633,420,604,509,811,245
>>362,468,289,461,862,615,53,149,858,517,948,742,821,828,226,949,927,419,917,268,95,894,281,599,526
>>202,34,510,447,979,872,915,267,332,776,882,384,924,739,901,872,480,721,699,706,669,626,125,586
>>219,479,173,818,5,873,20,38,382,466,16,254,380,283,585,156,164,969,80,903,869,951,382,590,650,88
>>275,213,844,168,431,323,340,249,327,212,268,365,594,734,381,847,114,663,432,269,826,401,349,729
>>299,110,859,949,198,117,223,410,961,390,841,283,730,89,610,942,356,974,536,90,354,383,203,17,814
>>843,215,820,571,483,119,681,341,67,878,458,290,288,418,680,128,701,409,217,311,351,573,285,886
>>639,268,864,655,82,336,497,296,156,67,779,274,748,120,341,625,578,630,913,995,309,40,695,718,256
>>68,828,290,953,490,928,221,354,582,303,689,79,599,844,146,378,118,893,497,458,518,75,88,430,69
>>469,764,114,725,769,182,553,58,135,42,986,356,396,567,658,84,645,256,928,790,634,46,683,131,504
>>205,591,629,273,988,98,37,102,822,806,283,375,863,417,417,848,773,812,415,430,896,60,686,824,850
>>869,532,449,372,731,653,963,359,926,950,456,962,51,278,767,334,653,630,751,70,478,523,881,892,953
>>952,638,601,801,957,469,332,406,841,62,59,804,421,984,754,877,946,805,155,713,138,807,343,888,876
>>411,757,712,363,534,663,1,134,463,957,603,795,363,443,856,421,247,276,405,1000,153,350,804,307,63
>>114,405,829,989,224,239,746,936,602,279,599,602,412,61,559,15,856,921,457,711,342,704,987,746,704
>>96,507,446,158,449,559,562,277,548,786,516,293,721,118,572,319,719,984,380,278,998,235,198,455
>>540,158,933,285,861,72,380,368,517,538,816,76,99,93,623,884,609,916,605,726,487,923,445,470,303
>>468,538,919,922,483,459,80,415,743,941,487,123,308,3,660,124,78,759,217,701,643,825,616,247,551
>>170,995,572,473,716,39,10,635,960,492,93,40,907,836,980,394,958,287,397,618,411,475,377,627,175
>>452,790,266,2,892,436,997,463,908,712,502,917,346,462,409,439,501,316,274,480,709,232,767,105,850
>>579,226,805,754,244,257,543,510,258,435,945,255,898,852,966,399,768,312,861,177,750,361,492,24
>>201,256,607,305,105,784,884,330,589,637,574,845,180,83,103,614,27,357,511,879,323,910,647,634,770
>>384,131,315,408,971,516,663,577,821,767,361,704,96,950,341,670,794,520,753,896,134,780,253,645
>>575,554,305,208,324,127,592,454
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:30:21.85 ID:sQL914umo
>>415,882,352,830,55,75,184,999,521,385,701,778,222,293,322,21,549,222,846,436,715,429,309,541,195
>>661,565,343,471,491,757,353,842,587,408,917,770,407,437,154,107,215,375,399,537,396,947,758,241
>>473,670,690,13,864,83,674,429,425,145,919,182,498,761,768,906,677,538,312,114,691,419,328,66,817
>>462,764,623,702,145,95,372,835,108,236,917,781,664,342,926,582,523,424,342,291,329,19,828,641,132
>>59,460,584,876,324,45,639,946,747,784,41,118,618,148,354,535,929,17,876,854,599,399,278,940,689
>>959,517,247,90,35,306,550,619,182,873,664,820,819,410,604,859,528,221,6,882,756,934,898,631,788
>>30,66,436,718,672,395,235,919,485,269,225,34,887,406,906,550,226,725,960,829,584,488,50,589,369
>>523,267,436,311,763,465,377,199,183,48,593,417,967,77,686,191,110,572,597,16,122,822,741,82,651
>>570,701,913,939,506,436,206,941,746,968,406,123,167,588,170,759,5,137,836,690,328,946,262,924,962
>>746,702,466,397,25,35,97,937,974,602,373,179,543,119,147,948,241,313,536,411,72,540,547,908,230
>>853,491,798,814,875,543,515,340,939,540,375,36,477,348,637,849,527,180,967,673,127,208,986,663
>>58,203,164,965,432,37,818,923,834,631,797,377,146,136,316,686,510,351,162,858,988,11,384,167,978
>>294,185,43,957,802,101,159,965,65,590,2,882,512,836,513,308,212,658,444,528,344,954,878,505,811
>>516,195,32,494,252,326,678,294,282,480,394,440,444,459,30,446,341,541,282,853,849,493,511,292,21
>>245,898,359,55,763,875,250,795,368,501,121,45,795,403,524,189,842,968,647,871,414,988,412,695,840
>>188,351,551,208,205,796,106,563,851,868,437,100,663,805,601,784,849,395,186,373,583,27,341,230
>>754,217,310,448,57,569,636,407,120,843,611,915,948,174,766,816,611,865,479,415,465,262,264,860
>>636,442,474,976,671,372,730,887,681,178,944,250,813,350,369,655,961,284,603,135,49,419,746,914
>>160,378,159,424,238,606,59,679,80,35,350,451,765,237,132,942,180,381,754,530,750,409,490,33,12
>>81,431,370,995,328,530,373,487,953,610,92,12,288,172,46,637,623,811,873,754,752,53,135,506,582
>>914,72,916,926,696,997,356,65,991,683,595,364,169,547,973,261,558,260,432,604,897,54,414,770,808
>>822,942,671,404,825,585,475,741,510,170,738,866,235,729,549,829,92,718,376,64,978,933,324,410,536
>>463,950,991,270,115,813,212,785,216,36,370,690,777,879,860,515,745,95,243,293,923,335,10,298,399
>>231,722,397,766,943,859,716,933,129,830,746,340,614,961,376,983,650,153,862,510,667,607,604,910
>>527,244,908,825,642,895,55,364,292,821,307,150,536,239,279,365,985,619,979,945,994,962,595,147
>>104,813,430,707,722,329,233,966,237,57,607,132,111,971,423,932,277,573,467,516,851,832,500,469
>>444,463,773,38,609,597,141,422,27,848,143,355,80,109,591,136,715,722,247,686,145,178,962,717,645
>>567,477,977,36,288,421,498,60,459,107,656,600,528,682,447,671,37,527,779,627,662,494,349,909,179
>>87,141,210,732,618,776,208,595,812,496,16,309,555,474,415,211,74,943,893,520,613,929,46,391,556
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>>472,725,543,863,281,250,746,185,867,808,583,570,10,189,4,830,572,646,244,765,783,674,268,475,577
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>>689,737,185,265,922,562,819,966,736,869,482,633,461,861,810,303,985,172,12,917,117,289,859,250
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>>839,617,399,897,905,816,244,51,483,160,827,104,573,246,148,192,998,352,201,346,636,162,111,965
>>158,823,778,950,67,875,789,683,273,685,588,89,929,638,572,88,464,675,661,710,823,852,707,174,52
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812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:30:42.91 ID:sQL914umo
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>>162,455,957,450,518,100,427,22,205,603,529,851,411,573,85,469,388,945,211,910,92,991,756,120,106
>>565,681,878,167,164,39,622,120,489,140,220,916,161,424,519,690,275,929,263,359,397,650,303,607
>>394,598,315,514,703,679,78,384,557,245,547,596,867,666,84,7,885,1000,168,309,518,858,583,446,120
>>842,769,244,449,328,638,47,642,151,749,321,229,133,877,474,679,472,341,345,556,347,229,556,515
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>>804,785,242,36,105,204,551,152,149,575,403,434,69,758,211,411,13,768,732,419,870,154,230,280,321
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>>473,583,399,676,957,610,143,645,662,718,156,102,311,70,535,455,505,472,593,456,282,497,423,573
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>>171,764,927,925,493,646,584,320,981,603,529,428,406,692,793,170,597,795,144,239,757,50,194,401
>>992,58,388,810,722,619,981,486,545,905,978,191,489,298,171,92,826,598,497,518,391,667,115,185,810
>>941,860,547,341,144,538,399,532,347,120,150,328,605,695,233,582,885,721,880,56,812,706,654,309
>>44,975,337,228,785,690,168,645,236,509,788,773,908,320,120,27,469,447,632,164,679,214,49,400,93
>>212,798,757,520,20,800,495,356,28,280,45,195,924,280,704,712,52,611,31,172,638,500,618,269,663
>>482,711,697,574,815,908,372,571,428,391,371,923,746,398,202,791,593,126,71,296,838,123,907,869
>>544,368,912,813,30,208,294,741
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:30:58.84 ID:sQL914umo
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>>267-965
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:31:33.54 ID:sQL914umo
>>830>>160>>846>>390>>622>>305>>981>>364>>429>>782>>917>>220>>345>>705>>922>>683>>392>>874>>907
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816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2016/02/25(木) 23:31:50.00 ID:sQL914umo
>>62>>270>>189>>510>>567>>338>>255>>85>>817>>635>>68>>811>>263>>32>>788>>35>>297>>603>>997>>492
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>>246>>959>>775>>937>>491>>325>>638>>618>>928>>648>>27>>887>>104>>173>>708>>395>>679>>711>>785>>607
>>467>>398>>566>>748>>5>>261>>193
817 :【氷棘獄煉】負の感情を氷の棘として創り出す [saga]:2016/02/27(土) 18:04:55.31 ID:qjHkXOii0

とある街中、昼間のビルの谷間では常と変わらぬ途切れる事の無い雑踏で賑わう。
快晴の青空の下、ビルのテレビパネルの中で、お天気キャスターが今年は暖冬であると説明口調で喋っている最中。
それを見る1組のカップルが、雪が降らない事を残念そうに話していた。


「馬鹿みたい。雪なんて降らない方が清々するわ」

聞こえよがしに異を唱えたのは、飾り気のない黒の眼帯をした赤髪の女性である。
青のロングワンピースに臍上で切り詰めた革ジャンと、少し変わった服装。眼帯をしない方の目できっとカップルを睨むと彼らは委縮したように足早に立ち去った。

「昼間っから盛るしか能がないのかしらね、可哀相」

その背に言葉を吐き捨て、革ブーツを履いた足で道の砂利を乱雑に蹴飛ばす。
勢いよく散らばったそれらのうち幾つかは道を飛び出して、道路脇に停まる自動車のボディーに傷を作る。
けたたましいクラクションそして運転手の罵声、それらを一切意に介さず。信号が点滅し急かす歩道を、女は一人悠然と歩きだした。


/使い回しですが、今日いっぱいのんびりと募集します
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:19:38.01 ID:8JpyA7KCo
>>895,435,406,173,800,353,447,521,559,786,853,211,275,408,753,859,286,571,401,259,510,689,29,744
>>451,131,354,802,299,652,697,734,58,870,534,410,316,55,969,101,907,179,376,314,931,235,600,502,636
>>11,324,886,754,730,337,885,83,138,184,735,834,917,792,704,451,202,19,505,170,120,411,349,496,725
>>730,324,780,365,181,791,689,67,545,418,403,429,501,541,612,235,375,529,26,78,979,227,96,483,397
>>893,745,711,617,24,440,940,804,805,121,594,493,188,138,911,590,567,411,131,178,645,505,706,671
>>684,898,679,166,294,894,59,38,604,676,62,44,616,865,848,736,459,341,923,597,251,513,163,661,643
>>306,148,46,976,730,730,873,408,896,166,302,954,204,905,629,266,949,244,130,796,980,588,137,903
>>387,415,347,48,58,688,353,205,733,328,935,463,200,343,358,366,644,311,570,548,940,835,496,184,965
>>163,553,429,65,737,815,480,84,863,538,771,215,743,504,543,677,966,743,19,323,108,662,634,678,210
>>512,706,757,476,998,920,28,426,985,765,241,465,848,103,2,618,317,744,121,860,421,87,602,440,410
>>101,43,387,311,617,899,17,373,375,14,293,403,439,277,167,680,741,15,782,742,632,99,486,753,958
>>840,560,346,249,269,447,292,655,757,908,554,773,280,928,787,572,330,225,849,497,905,590,511,686
>>143,785,817,896,743,723,735,302,69,983,570,515,274,225,272,181,778,44,461,706,830,33,35,55,882
>>959,471,42,645,802,184,430,618,79,172,341,813,473,409,796,42,924,70,267,195,251,45,238,711,750,68
>>785,123,625,316,82,95,357,727,897,541,156,515,619,327,855,432,799,264,228,841,187,297,108,382,547
>>619,258,901,687,1,686,810,626,1,891,721,358,617,617,899,772,131,518,99,986,949,897,250,177,738
>>473,845,818,20,996,437,277,897,124,278,582,933,904,583,823,624,941,440,241,839,211,372,356,309
>>305,206,607,481,944,44,954,788,861,973,784,298,250,680,421,527,262,353,430,845,176,54,785,615,295
>>826,666,980,135,23,285,340,630,766,284,674,719,71,535,692,855,832,941,534,252,468,796,605,898,641
>>951,426,394,245,49,220,911,29,354,934,313,694,563,78,977,237,797,48,771,488,902,602,429,436,854
>>232,458,794,872,238,745,297,631,989,346,851,900,374,204,833,686,898,396,764,874,632,560,921,402
>>823,3,477,258,856,373,489,314,166,360,551,910,657,182,899,2,32,798,376,236,630,61,133,25,825,6
>>385,927,58,432,749,60,908,7,916,281,495,230,446,855,780,356,511,961,255,513,993,52,888,228,682
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>>884,307,586,566,255,946,272,27,312,635,184,605,55,772,646,535,267,695,930,43,237,555,264,635,959
>>542,324,673,962,682,556,268,267,121,523,213,393,550,524,27,733,128,82,505,774,616,771,468,546,814
>>101,78,339,60,919,881,384,591,842,65,146,110,332,267,632,545,659,182,68,686,915,196,767,419,969
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>>112,456,643,495,645,79,424,648,220,453,728,699,541,726,58,12,315,258,548,49,568,416,50,510,828
>>633,307,55,670,981,167,125,624,661,770,703,85,417,922,537,144,621,77,870,678,89,184,936,636,233
>>52,283,13,879,992,645,185,47,315,165,213,440,789,874,209,491,958,626,413,495,770,33,571,639,711
>>822,647,295,54,151,346,336,163,224,328,808,409,374,123,573,586,562,362,460,771,852,417,396,265
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>>331,262,327,678,21,556,877,197,180,340,285,968,100,854,560,869,564,775,291,709,668,519,636,574
>>568,821,684,913,783,552,243,44,879,920,65,434,797,262,613,136,546,581,236,399,140,104,963,914,395
>>581,913,308,155,627,875,976,311,787,758,862,30,802,740,949,866,174,746,127,786,881,672,366,116,71
>>219,34,419,613,705,1000,526,12,155,152,887
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:19:57.56 ID:8JpyA7KCo
>>380,435,327,398,264,10,553,590,111,180,286,157,235,787,365,502,638,226,291,202,837,187,358,313
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>>965,800,138,642,447,633,332,287,567,377,553,631,121,945,214,484,431,2,755,840,945,902,93,442,161
>>371,822,209,424,472,173,223,610,815,670,242,147,956,808,523,508,439,644,453,652,127,883,654,881
>>598,782,815,40,943,446,410,764,654,834,236,827,56,845,641,725,87,787,681,894,310,188,332,953,641
>>80,523,637,961,245,235,742,60,274,685,505,684,449,159,517,685,986,573,529,626,298,615,413,978,509
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>>40,418,320,17,927,42,182,767,717,987,592,471,315,52,185,888,747,642,520,716,783,657,368,372,953
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>>73,151,22,532,714,682,528,361,404,35,475,707,180,128,926,287,264,100,632,340,497,153,110,261,817
>>372,161,725,877,570,797,27,591,329,740,273,856,101,676,891,575,383,70,703,308,357,966,408,989,306
>>141,415,164,957,409,535,118,133,411,688,930,438,279,258,178,551,114,278,226,4,853,608,74,555,916
>>521,323,418,826,226,559,241,389,515,649,924,633,782,335,320,711,772,598,969,949,148,82,227,374,86
>>982,159,633,897,589,154,219,7,980,445,565,220,833,80,869,757,712,650,91,32,361,863,630,329,811
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>>666,415,464,301,394,696,566,702,739,607,420,819,799,632,15,123,499,959,474,607,804,73,964,530,363
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>>911,571,981,868,298,797,629,98,577,920,259,490,566,596,597,364,201,564,726,537,691,48,300,544,29
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>>904,97,197,131,827,286,270,874,146,320,492,986,238,407,623,785,419,837,252,690,540,284,557,840
>>623,702,801,227,256,969,130,352,166,261,179,451,530,53,596,850,544,582,88,951,204,873,370,41,124
>>581,408,615,420,87,238,122,887,465,377,855,594,729,20,855,908,471,384,960,66,234,504,647,322,454
>>194,823,892,318,882,472,725,497,892,812,735,13,698,199,390,552,793,119,572,647,26,42,31,986,108
>>489,754,586,943,605,779,766,496,97,647,967,822,144,858,633,878,871,330,77,261,882,870,379,453,517
>>495,548,390,602,812,878,356,397,820,960,176,586,455,272,233,422,93,376,280,725,254,151,54,331,411
>>201,790,388,717,194,882,264,583,484,76,461,839,472,281,799,647,866,254,918,98,675,11,474,955,735
>>105,789,58,516,724,258,305,111
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:20:14.32 ID:8JpyA7KCo
>>115,465,484,156,607,411,324,141,117,953,168,537,585,670,684,406,693,254,998,278,394,975,637,820
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>>96,538,752,149,410,725,177,919,518,301,189,173,731,977,680,257,399,503,362,611,250,459,935,60,662
>>102,507,365,45,679,461,583,430,610,992,155,786,910,673,87,99,846,817,75,526,73,474,29,435,85,278
>>19,337,554,343,438,61,708,483,739,169,65,169,778,56,324,564,966,997,650,65,842,466,140,367,539
>>395,973,698,672,866,716,9,419,59,447,480,767,929,218,935,993,387,713,49,710,276,15,706,926,79,548
>>218,915,930,831,309,903,528,981,768,244,990,187,302,436,666,68,364,884,3,357,270,715,405,980,991
>>686,916,499,234,308,716,148,237,547,457,139,74,438,907,317,427,93,619,862,758,687,226,642,689,582
>>404,987,892,395,406,577,310,904,811,617,620,958,854,166,415,993,240,852,899,557,279,992,176,141
>>862,366,391,551,948,302,955,934,193,349,340,770,659,244,581,276,863,538,129,29,953,122,269,805,21
>>83,12,1,223,762,862,589,152,413,536,454,367,470,647,716,809,417,374,52,997,649,915,535,778,944
>>899,212,291,919,37,374,931,37,597,692,899,185,844,311,721,297,678,190,944,393,999,360,766,51,356
>>965,891,192,909,377,90,120,668,9,156,41,940,192,637,631,91,822,475,401,543,772,79,732,715,471,731
>>237,781,431,651,746,321,842,654,697,932,773,365,941,929,406,880,121,43,511,211,864,985,612,406
>>690,138,471,161,868,545,398,648,975,49,394,295,890,47,992,822,820,356,762,748,761,642,869,804,152
>>667,136,690,73,892,380,211,362,540,78,906,938,726,880,986,119,175,876,166,166,697,985,522,459,733
>>100,601,86,251,680,753,387,369,825,278,749,35,639,289,113,545,226,839,425,211,957,599,86,123,765
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>>174,462,47,296,227,829,403,513,70,243,82,411,682,736,3,801,143,981,289,374,237,525,640,131,50,19
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>>605,465,697,624,34,496,860,466,256,270,359,61,976,479,696,84,111,400,435,824,516,468,273,633,301
>>732,423,829,66,70,433,531,766,57,564,262,916,29,517,186,388,578,161,866,273,245,976,673,680,800
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>>51,18,898,383,776,866,388,214,633,581,797,472,593,827,245,158,727,782,339,565,514,667,107,498,705
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>>762,182,292,467,797,941,949,402,94,337,59,265,622,98,211,772,525,372,555,533,329,809,133,112,308
>>623,588,986,697,382,747,878,673,214,674,613,162,76,707,499,134,971,120,232,182,891,757,553,445
>>881,253,422,993,560,311,615,148,297,311,530,44,189,203,257,862,816,419,938,522,917,71,492,36,303
>>927,59,225,371,348,106,624,769,98,184,80,712,332,376,23,861,419,211,63,676,73,878,94,10,400,10,81
>>46,384,564,973,443,789,344,790,894,967,559,991,151,638,703,482,14,726,343,433,937,406,108,9,284
>>19,683,212,100,574,258,483,137,230,925,925,573,715,818,540,273,809,690,911,512,172,925,237,515
>>173,921,466,182,204,667,201,887,878,300,460,135,783,596,364,707,520,937,422,338,476,695,147,166
>>658,338,530,895,853,887,67,773,352,249,976,19,449,862,896,749,321,31,531,917,395,238,437,331,659
>>807,353,921,973,958,578,310,488,472,163,375,539,935,727,788,910,745,236,772,641,985,93,671,515,9
>>752,446,397,411,220,204,763,140,176,721,718,486,208,190,648,582,728,582,308,515,492,53,751,263
>>736,356,364,250,364,429,2,809
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:20:29.69 ID:8JpyA7KCo
>>964,954,290,599,936,427,71,463,678,905,249,492,791,605,211,255,35,743,58,527,168,37,615,392,568
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>>88,439,740,735,241,948,232,948,988,692,609,318,751,206,75,880,265,509,914,573,435,738,486,572,816
>>451,952,905,498,124,993,937,864,727,177,811,958,125,798,650,734,116,400,939,191,279,204,699,193
>>134,930,262,706,745,693,156,697,598,654,820,590,591,683,316,768,493,274,893,291,923,626,406,322
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>>198,820,854,519,385,450,120,154,745,912,698,174,634,504,308,101,2,598,263,98,541,246,783,75,910
>>377,68,58,571,516,255,391,369,774,776,819,894,929,564,806,627,738,439,130,45,540,132,642,802,230
>>47,12,258,957,796,634,24,854,205,539,108,596,908,882,371,727,775,300,291,580,926,28,19,56,73,558
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>>997,890,570,833,551,864,520,632,340,87,153,55,605,672,196,788,547,178,532,186,430,991,952,176,951
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>>523,114,32,834,301,598,135,439,339,387,810,572,42,136,365,632,411,608,728,470,850,193,831,723,367
>>380,304,323,493,199,846,606,231,679,907,828,814,345,167,201,155,738,242,290,103,874,701,710,602
>>560,795,1,282,161,581,662,464,904,154,663,749,760,893,428,666,720,242,11,886,442,166,624,684,456
>>557,157,436,159,326,995,953,327,277,113,907,939,577,810,93,239,559,853,131,986,518,851,227,529
>>669,694,360,352,150,86,908,306,522,66,632,517,19,958,794,131,865,732,708,674,824,946,233,677,77
>>194,927,445,722,663,113,416,23,464,565,109,372,871,630,438,502,147,456,460,940,587,324,671,294
>>495,240,229,171,316,447,365,243,891,87,906,4,503,928,468,68,36,840,938,666,277,440,812,733,899
>>320,222,422,614,219,916,853,448,87,169,894,452,412,785,538,317,788,40,244,255,108,279,94,45,945
>>484,756,104,382,506,423,604,928,37,822,844,890,269,930,58,163,382,470,947,919,786,735,959,29,990
>>308,84,111,252,454,594,8,558,976,514,981,579,441,17,401,284,906,669,214,964,831,595,433,778,513
>>512,472,247,501,537,555,584,647,807,38,241,814,595,217,327,576,796,767,592,196,50,498,865,264,461
>>858,894,473,371,111,984,842,358,485,379,912,69,26,718,107,267,532,701,483,858,276,278,625,868,474
>>365,338,938,826,33,795,719,505,166,830,489,7,187,973,386,99,42,411,817,148,678,348,849,160,205
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>>881,178,284,41,383,408,479,212,400,390,715,756,639,156,938,919,391,837,705,791,566,978,198,481
>>991,494,513,194,324,948,75,501,232,116,883,640,594,94,40,984,809,795,622,964,733,541,354,569,245
>>134,223,343,614,447,334,108,960,527,431,907,602,932,139,717,815,778,311,909,817,294,717,612,916
>>344,456,35,913,701,179,46,923,522,660,370,855,767,329,382,198,236,983,130,374,700,944,151,10,852
>>304,569,579,219,249,923,674,283,835,375,462,881,297,984,540,666,839,307,995,220,505,230,203,634
>>902,578,754,912,430,721,215,998,300,434,247,223,108,530,57,482,992,938,778,975,477,444,814,784
>>33,288,667,236,922,270,138,500,23,49,929,744,264,927,44,697,173,266,804,703,323,285,694,260,63
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>>278,985,653,538,47,321,274,554,802
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:20:43.43 ID:8JpyA7KCo
>>228,854,557,448,168,895,27,963,477,667,238,776,606,729,983,116,184,160,888,322,755,507,907,276
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>>86,916,873,361,705,420,21,778,853,530,264,514,893,308,621,424,246,755,918,660,556,649,850,961,109
>>482,753,353,891,718,439,807,591,800,511,10,820,288,863,349,552,376,242,859,997,666,104,751,583
>>307,232,613,267,340,634,749,92,986,640,810,425,446,401,224,956,411,44,244,273,393,795,649,634,654
>>300,758,396,883,521,702,114,134,969,454,767,718,546,753,357,355,177,803,756,401,758,166,444,2,439
>>797,87,470,450,732,770,208,127,652,728,829,766,861,797,219,628,515,764,380,871,119,557,673,875
>>431,40,401,433,478,236,229,565,706,679,296,475,886,423,127,614,251,892,475,48,111,102,562,875,482
>>994,38,105,868,995,536,907,395,968,385,631,197,949,336,875,244,811,761,666,937,375,917,829,849
>>939,951,526,813,432,958,807,470,63,674,464,599,581,858,567,965,489,763,914,825,638,157,636,399
>>572,773,740,401,622,704,339,572,229,152,3,187,958,473,250,632,936,848,212,794,415,176,282,177,89
>>815,246,742,213,69,314,986,808,714,607,511,53,179,740,205,182,926,162,654,175,794,589,23,5,382
>>181,664,614,270,771,428,515,512,641,584,825,627,391,539,233,902,591,412,641,795,593,566,957,246
>>750,834,764,754,216,200,934,880,814,204,650,242,719,161,883,302,986,509,693,524,742,594,115,153
>>909,745,800,865,990,540,615,824,304,368,40,503,302,919,317,505,569,558,224,730,441,525,715,949
>>239,691,810,353,843,44,261,587,843,126,577,383,740,401,686,108,440,189,410,359,505,915,927,63,138
>>503,662,371,452,879,609,142,689,962,985,732,222,572,575,348,148,957,88,549,642,196,989,831,605
>>335,519,274,398,657,930,901,319,301,352,197,910,494,885,871,478,617,93,49,191,440,197,148,528,746
>>723,734,620,327,81,954,846,354,352,503,284,252,821,584,604,18,493,98,903,363,576,519,456,625,710
>>821,857,423,567,647,145,300,266,472,380,220,318,734,571,820,17,823,640,601,426,657,93,523,559,456
>>78,911,723,788,806,543,645,228,110,291,373,409,556,844,789,775,161,522,346,981,538,168,621,139
>>278,231,117,837,687,215,914,598,937,701,403,480,346,631,589,636,3,997,191,847,785,966,8,307,311
>>845,479,609,983,72,886,214,188,722,900,402,636,497,339,337,900,818,682,530,406,317,533,403,508
>>187,474,387,494,785,375,338,263,984,320,335,869,534,523,591,433,925,226,930,263,562,829,80,244
>>485,560,892,887,68,271,74,542,658,568,326,33,905,589,16,225,924,885,758,446,475,191,370,700,120
>>262,949,712,505,307,196,65,198,83,133,469,157,674,127,725,1000,160,629,588,175,854,511,59,612,957
>>802,326,233,921,958,495,869,669,999,176,865,64,374,948,196,843,105,869,969,829,868,128,458,456
>>311,967,361,922,923,895,723,249,127,644,207,621,513,875,620,688,740,683,61,687,879,903,792,747
>>620,615,999,77,71,302,388,37,662,309,960,556,32,208,683,676,415,304,188,289,924,876,29,606,937
>>485,839,507,231,711,127,846,710,204,916,11,591,952,673,900,912,229,932,120,911,607,534,215,794
>>138,669,851,744,605,566,228,444,73,459,155,199,304,864,402,220,874,993,171,546,892,83,775,824,202
>>430,735,900,224,558,38,893,408,782,497,974,10,941,46,468,96,245,772,959,647,991,833,639,162,379
>>245,153,354,446,838,784,181,738,7,738,775,899,145,557,396,119,566,337,164,34,432,409,805,390,55
>>222,694,958,601,225,202,753,579,647,590,362,828,327,369,565,102,267,710,658,663,829,223,999,992
>>431,401,61,821,455,857,43,149,814,643,373,16,395,951,663,985,313,490,311,681,55,413,948,765,70
>>593,293,610,585,549,40,985,609,860,440,466,902,588,280,544,960,295,938,911,957,923,224,447,234
>>501,646,853,265,716,463,858,8,72,442,556,112,426,165,971,865,630,872,453,909,416,413,204,353,324
>>276,547,606,509,452,106,154,304,371,869,767,228
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:21:00.35 ID:8JpyA7KCo
>>318,376,698,886,46,645,160,977,665,101,398,22,921,107,334,422,769,146,164,571,477,168,852,576,180
>>717,383,500,335,942,818,710,639,703,755,284,863,732,948,964,129,970,885,235,303,306,4,449,470,574
>>638,425,502,817,616,218,200,116,553,141,933,262,780,636,17,63,499,748,11,462,877,981,346,111,283
>>115,732,121,689,657,758,114,158,575,730,375,775,845,927,915,778,189,694,413,206,757,912,954,767
>>830,747,719,941,30,370,56,761,491,744,418,249,858,575,824,587,950,598,432,877,512,209,66,206,622
>>963,533,225,730,905,55,476,623,996,506,993,51,267,483,795,684,731,652,259,555,239,208,152,670,84
>>879,150,870,500,421,832,32,646,561,937,700,37,560,695,543,552,746,809,35,540,492,765,192,750,319
>>958,471,101,42,134,979,191,3,478,612,835,510,257,395,447,957,432,6,651,974,557,397,782,592,936
>>356,128,24,675,559,981,146,659,22,279,637,213,282,115,824,116,624,81,511,70,37,942,76,688,916,633
>>697,224,20,971,580,148,994,254,706,975,400,364,997,678,1000,209,960,114,33,76,738,113,586,808,149
>>883,837,443,515,920,140,739,939,110,318,86,104,571,792,78,971,155,74,648,155,283,608,268,315,683
>>428,269,814,577,797,696,413,240,211,332,380,949,271,489,266,357,593,837,148,670,807,302,744,455
>>26,63,724,341,745,730,768,14,543,344,811,239,757,50,450,88,429,399,359,918,664,715,510,501,863
>>308,164,923,763,620,948,825,344,288,570,73,56,584,616,400,394,855,156,444,304,243,872,702,602,789
>>316,299,867,179,478,174,343,400,937,962,348,762,306,635,332,379,691,915,994,90,308,849,245,752
>>488,623,854,89,412,219,405,710,85,583,188,259,925,588,196,887,935,957,192,570,288,571,260,203,565
>>511,413,593,262,565,80,884,418,169,296,636,573,6,721,156,193,980,81,780,176,967,715,133,159,284
>>729,543,623,294,892,133,706,484,394,270,564,278,688,733,573,323,306,578,44,461,771,24,541,551,200
>>265,332,666,549,751,395,91,373,688,983,506,394,467,899,664,30,176,351,763,749,674,68,327,718,528
>>741,68,648,940,576,913,271,241,461,22,636,552,395,324,534,900,717,1000,799,380,30,975,731,792,724
>>859,50,121,387,147,862,454,795,802,30,707,73,270,168,95,906,719,490,229,253,390,946,252,188,325
>>163,56,73,886,459,932,935,580,318,82,442,772,876,244,801,583,316,71,750,411,976,468,900,204,720
>>149,972,476,474,253,638,530,326,523,988,257,458,568,574,540,9,346,415,252,146,997,568,216,746,978
>>214,877,395,934,166,544,905,641,18,158,279,547,483,802,535,740,260,102,313,799,111,659,213,363
>>210,931,20,956,908,211,170,785,606,103,950,150,7,591,167,164,869,714,647,671,248,386,930,350,699
>>461,357,942,823,161,151,753,181,107,661,392,276,445,997,379,395,147,385,985,314,549,854,27,196
>>274,581,454,624,279,183,84,636,124,907,797,275,659,977,381,320,368,657,764,365,35,159,511,420,143
>>969,997,850,164,521,124,744,975,747,23,157,831,659,280,737,455,554,396,431,935,715,798,591,479
>>626,637,673,45,780,497,14,776,347,177,296,470,921,270,217,944,426,48,602,706,784,56,259,179,487
>>893,285,785,372,447,410,8,120,455,787,616,468,562,962,645,858,432,565,127,649,508,553,696,110,258
>>166,517,658,652,710,551,937,495,922,384,904,930,503,359,716,118,826,278,80,470,136,512,35,263,160
>>815,856,652,73,335,818,590,993,470,300,543,406,794,465,789,697,394,291,56,109,409,881,387,489,351
>>1000,386,784,160,928,599,15,580,672,350,397,261,342,866,560,885,271,353,349,60,50,742,351,105,851
>>986,238,248,337,759,248,722,543,407,650,142,422,229,813,772,625,73,113,491,633,998,762,986,346
>>36,88,171,140,938,930,126,176,178,462,935,425,184,477,832,833,618,253,61,431,25,686,504,137,177
>>134,938,122,480,759,157,567,929,297,505,859,422,680,36,884,614,461,68,91,292,900,709,545,961,139
>>647,642,706,823,778,840,761,899,319,519,56,886,448,352,390,306,774,70,342,658,683,802,725,773,94
>>481,638,586,620,207,233
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:21:09.79 ID:8JpyA7KCo
>>318,376,698,886,46,645,160,977,665,101,398,22,921,107,334,422,769,146,164,571,477,168,852,576,180
>>717,383,500,335,942,818,710,639,703,755,284,863,732,948,964,129,970,885,235,303,306,4,449,470,574
>>638,425,502,817,616,218,200,116,553,141,933,262,780,636,17,63,499,748,11,462,877,981,346,111,283
>>115,732,121,689,657,758,114,158,575,730,375,775,845,927,915,778,189,694,413,206,757,912,954,767
>>830,747,719,941,30,370,56,761,491,744,418,249,858,575,824,587,950,598,432,877,512,209,66,206,622
>>963,533,225,730,905,55,476,623,996,506,993,51,267,483,795,684,731,652,259,555,239,208,152,670,84
>>879,150,870,500,421,832,32,646,561,937,700,37,560,695,543,552,746,809,35,540,492,765,192,750,319
>>958,471,101,42,134,979,191,3,478,612,835,510,257,395,447,957,432,6,651,974,557,397,782,592,936
>>356,128,24,675,559,981,146,659,22,279,637,213,282,115,824,116,624,81,511,70,37,942,76,688,916,633
>>697,224,20,971,580,148,994,254,706,975,400,364,997,678,1000,209,960,114,33,76,738,113,586,808,149
>>883,837,443,515,920,140,739,939,110,318,86,104,571,792,78,971,155,74,648,155,283,608,268,315,683
>>428,269,814,577,797,696,413,240,211,332,380,949,271,489,266,357,593,837,148,670,807,302,744,455
>>26,63,724,341,745,730,768,14,543,344,811,239,757,50,450,88,429,399,359,918,664,715,510,501,863
>>308,164,923,763,620,948,825,344,288,570,73,56,584,616,400,394,855,156,444,304,243,872,702,602,789
>>316,299,867,179,478,174,343,400,937,962,348,762,306,635,332,379,691,915,994,90,308,849,245,752
>>488,623,854,89,412,219,405,710,85,583,188,259,925,588,196,887,935,957,192,570,288,571,260,203,565
>>511,413,593,262,565,80,884,418,169,296,636,573,6,721,156,193,980,81,780,176,967,715,133,159,284
>>729,543,623,294,892,133,706,484,394,270,564,278,688,733,573,323,306,578,44,461,771,24,541,551,200
>>265,332,666,549,751,395,91,373,688,983,506,394,467,899,664,30,176,351,763,749,674,68,327,718,528
>>741,68,648,940,576,913,271,241,461,22,636,552,395,324,534,900,717,1000,799,380,30,975,731,792,724
>>859,50,121,387,147,862,454,795,802,30,707,73,270,168,95,906,719,490,229,253,390,946,252,188,325
>>163,56,73,886,459,932,935,580,318,82,442,772,876,244,801,583,316,71,750,411,976,468,900,204,720
>>149,972,476,474,253,638,530,326,523,988,257,458,568,574,540,9,346,415,252,146,997,568,216,746,978
>>214,877,395,934,166,544,905,641,18,158,279,547,483,802,535,740,260,102,313,799,111,659,213,363
>>210,931,20,956,908,211,170,785,606,103,950,150,7,591,167,164,869,714,647,671,248,386,930,350,699
>>461,357,942,823,161,151,753,181,107,661,392,276,445,997,379,395,147,385,985,314,549,854,27,196
>>274,581,454,624,279,183,84,636,124,907,797,275,659,977,381,320,368,657,764,365,35,159,511,420,143
>>969,997,850,164,521,124,744,975,747,23,157,831,659,280,737,455,554,396,431,935,715,798,591,479
>>626,637,673,45,780,497,14,776,347,177,296,470,921,270,217,944,426,48,602,706,784,56,259,179,487
>>893,285,785,372,447,410,8,120,455,787,616,468,562,962,645,858,432,565,127,649,508,553,696,110,258
>>166,517,658,652,710,551,937,495,922,384,904,930,503,359,716,118,826,278,80,470,136,512,35,263,160
>>815,856,652,73,335,818,590,993,470,300,543,406,794,465,789,697,394,291,56,109,409,881,387,489,351
>>1000,386,784,160,928,599,15,580,672,350,397,261,342,866,560,885,271,353,349,60,50,742,351,105,851
>>986,238,248,337,759,248,722,543,407,650,142,422,229,813,772,625,73,113,491,633,998,762,986,346
>>36,88,171,140,938,930,126,176,178,462,935,425,184,477,832,833,618,253,61,431,25,686,504,137,177
>>134,938,122,480,759,157,567,929,297,505,859,422,680,36,884,614,461,68,91,292,900,709,545,961,139
>>647,642,706,823,778,840,761,899,319,519,56,886,448,352,390,306,774,70,342,658,683,802,725,773,94
>>481,638,586,620,207,233
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:21:21.59 ID:8JpyA7KCo
>>204,465,360,432,97,507,106,970,891,469,109,91,256,251,656,541,770,469,925,138,580,374,822,253,248
>>845,204,549,756,518,753,221,878,185,317,385,290,287,276,758,396,366,14,646,22,555,415,490,480,553
>>853,375,322,101,121,167,304,670,922,821,423,142,699,607,458,83,896,745,358,654,140,723,668,785
>>223,200,234,702,752,303,555,126,624,655,247,790,958,916,712,779,338,853,477,944,311,560,840,55
>>494,194,640,161,979,384,383,178,618,84,930,920,638,56,544,293,302,334,250,217,45,29,555,898,506
>>209,65,338,264,982,831,458,622,991,436,6,374,614,624,458,544,544,95,599,87,388,901,421,637,118
>>666,672,363,171,170,572,236,507,835,217,337,293,839,328,729,845,702,342,468,159,885,11,254,484,98
>>384,518,278,502,983,943,173,346,114,343,917,349,849,752,566,186,45,405,514,773,249,215,115,716
>>999,727,626,483,824,266,867,342,544,368,324,486,541,670,599,883,587,948,732,339,513,918,383,918
>>155,166,646,269,882,19,268,608,644,751,432,910,617,773,453,985,96,939,525,766,538,408,352,485,139
>>998,57,72,915,488,227,81,133,496,962,152,763,569,795,514,1000,705,130,773,158,115,869,96,639,634
>>46,985,118,185,675,116,242,746,31,729,973,111,862,468,72,13,231,641,808,744,641,513,874,413,670
>>281,766,627,914,400,673,899,517,858,573,633,99,319,663,828,291,774,690,759,845,703,990,486,510
>>126,23,608,539,693,595,819,459,222,733,858,894,631,375,751,203,7,850,522,670,677,813,443,366,571
>>68,561,774,578,294,899,600,901,437,293,496,256,751,717,988,609,611,619,983,361,822,990,210,343
>>886,155,102,252,726,390,319,286,163,897,580,62,497,480,498,789,976,754,540,692,742,148,302,360
>>663,181,119,873,524,778,759,679,879,10,404,268,329,690,431,225,269,492,721,749,990,510,725,743,49
>>484,196,718,844,326,381,25,444,253,548,221,11,226,100,21,630,368,349,320,798,574,589,289,294,338
>>804,62,21,852,478,505,48,195,349,373,576,373,817,828,920,38,839,146,137,859,776,504,208,95,302
>>684,591,75,21,869,878,82,889,730,560,394,777,754,742,150,330,114,966,157,34,4,996,180,140,854,955
>>62,50,946,842,734,536,916,754,404,794,836,293,523,395,686,300,149,427,450,478,540,415,635,574,418
>>753,558,485,708,202,546,758,147,387,491,682,303,245,86,96,81,378,619,475,63,918,624,489,367,102
>>782,737,603,200,367,356,758,851,63,959,396,821,105,783,311,787,85,556,872,181,636,250,799,111,312
>>735,801,83,836,830,865,572,432,64,939,787,821,789,850,780,185,670,885,968,981,672,52,537,543,232
>>793,30,283,104,746,17,905,829,853,734,693,425,166,757,363,953,577,152,802,357,336,472,241,303,453
>>355,989,455,587,161,247,617,444,351,362,460,255,191,313,988,883,737,154,639,99,106,216,250,907
>>586,379,813,889,831,725,244,820,180,830,980,427,446,424,777,808,883,31,998,196,19,881,932,172,520
>>278,736,280,185,308,866,563,121,754,394,845,997,213,25,827,193,451,273,616,227,80,499,258,78,694
>>959,625,449,478,655,726,213,934,910,520,799,473,641,553,866,486,549,78,510,376,270,960,648,886
>>728,384,445,805,77,722,763,702,170,241,356,896,453,289,806,973,87,279,614,640,144,99,189,222,608
>>492,568,211,377,754,939,760,199,743,837,920,506,538,90,746,893,985,199,182,791,172,269,69,785,908
>>883,96,434,491,659,925,58,870,302,811,808,61,9,551,898,928,57,435,17,802,328,2,1,509,793,173,777
>>957,684,74,840,779,507,330,438,432,387,308,733,198,115,794,206,666,691,134,722,126,151,524,454
>>525,962,946,697,738,807,653,422,880,493,201,387,822,638,819,208,946,551,406,61,345,611,726,36,745
>>162,896,971,615,49,495,576,994,191,314,800,844,736,680,336,936,66,158,574,885,366,519,436,771,579
>>382,305,816,126,752,977,22,723,592,70,217,167,63,408,481,863,252,216,542,588,151,608,745,725,493
>>243,928,881,822,708,262,126,523,388,878,500,409,600,91,479,817,257,542,225,738,404,477,953,946,64
>>554,809,828,46,919,71,973,799
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:21:44.81 ID:8JpyA7KCo
>>204,465,360,432,97,507,106,970,891,469,109,91,256,251,656,541,770,469,925,138,580,374,822,253,248
>>845,204,549,756,518,753,221,878,185,317,385,290,287,276,758,396,366,14,646,22,555,415,490,480,553
>>853,375,322,101,121,167,304,670,922,821,423,142,699,607,458,83,896,745,358,654,140,723,668,785
>>223,200,234,702,752,303,555,126,624,655,247,790,958,916,712,779,338,853,477,944,311,560,840,55
>>494,194,640,161,979,384,383,178,618,84,930,920,638,56,544,293,302,334,250,217,45,29,555,898,506
>>209,65,338,264,982,831,458,622,991,436,6,374,614,624,458,544,544,95,599,87,388,901,421,637,118
>>666,672,363,171,170,572,236,507,835,217,337,293,839,328,729,845,702,342,468,159,885,11,254,484,98
>>384,518,278,502,983,943,173,346,114,343,917,349,849,752,566,186,45,405,514,773,249,215,115,716
>>999,727,626,483,824,266,867,342,544,368,324,486,541,670,599,883,587,948,732,339,513,918,383,918
>>155,166,646,269,882,19,268,608,644,751,432,910,617,773,453,985,96,939,525,766,538,408,352,485,139
>>998,57,72,915,488,227,81,133,496,962,152,763,569,795,514,1000,705,130,773,158,115,869,96,639,634
>>46,985,118,185,675,116,242,746,31,729,973,111,862,468,72,13,231,641,808,744,641,513,874,413,670
>>281,766,627,914,400,673,899,517,858,573,633,99,319,663,828,291,774,690,759,845,703,990,486,510
>>126,23,608,539,693,595,819,459,222,733,858,894,631,375,751,203,7,850,522,670,677,813,443,366,571
>>68,561,774,578,294,899,600,901,437,293,496,256,751,717,988,609,611,619,983,361,822,990,210,343
>>886,155,102,252,726,390,319,286,163,897,580,62,497,480,498,789,976,754,540,692,742,148,302,360
>>663,181,119,873,524,778,759,679,879,10,404,268,329,690,431,225,269,492,721,749,990,510,725,743,49
>>484,196,718,844,326,381,25,444,253,548,221,11,226,100,21,630,368,349,320,798,574,589,289,294,338
>>804,62,21,852,478,505,48,195,349,373,576,373,817,828,920,38,839,146,137,859,776,504,208,95,302
>>684,591,75,21,869,878,82,889,730,560,394,777,754,742,150,330,114,966,157,34,4,996,180,140,854,955
>>62,50,946,842,734,536,916,754,404,794,836,293,523,395,686,300,149,427,450,478,540,415,635,574,418
>>753,558,485,708,202,546,758,147,387,491,682,303,245,86,96,81,378,619,475,63,918,624,489,367,102
>>782,737,603,200,367,356,758,851,63,959,396,821,105,783,311,787,85,556,872,181,636,250,799,111,312
>>735,801,83,836,830,865,572,432,64,939,787,821,789,850,780,185,670,885,968,981,672,52,537,543,232
>>793,30,283,104,746,17,905,829,853,734,693,425,166,757,363,953,577,152,802,357,336,472,241,303,453
>>355,989,455,587,161,247,617,444,351,362,460,255,191,313,988,883,737,154,639,99,106,216,250,907
>>586,379,813,889,831,725,244,820,180,830,980,427,446,424,777,808,883,31,998,196,19,881,932,172,520
>>278,736,280,185,308,866,563,121,754,394,845,997,213,25,827,193,451,273,616,227,80,499,258,78,694
>>959,625,449,478,655,726,213,934,910,520,799,473,641,553,866,486,549,78,510,376,270,960,648,886
>>728,384,445,805,77,722,763,702,170,241,356,896,453,289,806,973,87,279,614,640,144,99,189,222,608
>>492,568,211,377,754,939,760,199,743,837,920,506,538,90,746,893,985,199,182,791,172,269,69,785,908
>>883,96,434,491,659,925,58,870,302,811,808,61,9,551,898,928,57,435,17,802,328,2,1,509,793,173,777
>>957,684,74,840,779,507,330,438,432,387,308,733,198,115,794,206,666,691,134,722,126,151,524,454
>>525,962,946,697,738,807,653,422,880,493,201,387,822,638,819,208,946,551,406,61,345,611,726,36,745
>>162,896,971,615,49,495,576,994,191,314,800,844,736,680,336,936,66,158,574,885,366,519,436,771,579
>>382,305,816,126,752,977,22,723,592,70,217,167,63,408,481,863,252,216,542,588,151,608,745,725,493
>>243,928,881,822,708,262,126,523,388,878,500,409,600,91,479,817,257,542,225,738,404,477,953,946,64
>>554,809,828,46,919,71,973,799
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/27(土) 19:22:00.38 ID:8JpyA7KCo
>>320,658,856,92,85,893,821,675,493,182,962,235,500,710,328,501,662,1000,761,778,316,429,19,340,965
>>798,624,53,659,916,372,316,772,464,400,664,285,74,157,466,36,391,965,745,719,466,407,719,227,185
>>655,203,374,619,152,171,243,204,829,158,575,144,929,39,544,593,323,618,749,788,653,140,753,398
>>219,805,577,445,989,611,99,192,984,718,343,154,960,546,983,117,121,127,46,160,670,638,482,287,387
>>940,526,23,337,385,241,141,961,685,130,572,783,321,555,500,663,709,460,209,692,577,330,818,622
>>487,260,971,774,646,240,713,172,262,49,556,503,189,517,187,318,89,969,639,644,469,302,352,929,510
>>505,840,861,127,328,347,386,299,120,32,538,832,203,800,881,759,302,69,276,488,387,364,457,26,7
>>327,359,854,837,402,359,676,262,486,4,609,872,302,728,903,839,560,106,639,440,865,941,509,140,429
>>504,886,921,510,811,247,869,665,84,271,24,759,532,509,762,140,380,64,868,282,903,427,388,541,867
>>482,375,392,910,271,895,795,191,405,606,438,273,270,522,543,293,280,75,802,42,215,181,105,82,463
>>509,851,548,376,102,29,751,493,939,21,388,733,212,792,339,650,65,609,171,608,902,451,683,703,493
>>884,597,979,346,604,488,196,152,863,298,180,613,791,118,634,178,851,845,970,189,495,34,797,665
>>698,116,324,401,608,220,284,204,199,630,808,686,826,959,548,123,139,161,913,256,795,91,107,640,60
>>134,94,93,799,736,791,914,59,191,521,279,475,725,477,104,532,162,929,490,710,51,629,871,964,884
>>55,991,305,115,286,438,209,379,237,944,169,150,2,360,670,281,834,394,757,937,926,919,865,416,629
>>44,500,880,928,165,935,918,469,49,204,906,258,583,142,201,751,292,203,110,962,483,943,356,239,880
>>158,745,696,786,661,740,285,540,667,449,475,585,917,523,789,823,780,371,965,981,122,256,183,232
>>665,175,573,904,54,853,61,798,549,846,459,288,131,999,955,580,473,540,497,996,329,320,776,700,284
>>821,540,938,52,757,603,226,329,506,280,182,566,78,730,412,536,18,542,534,973,122,6,513,618,1,842
>>777,541,221,532,361,761,470,413,517,72,639,846,577,918,28,142,995,758,554,531,776,96,64,748,217
>>261,834,71,102,771,847,643,991,378,4,751,847,416,268,919,55,114,495,972,141,637,967,898,190,497
>>285,561,422,501,630,682,335,700,784,106,546,426,96,924,429,847,770,845,115,688,899,229,183,871
>>819,837,267,9,334,940,293,894,361,794,523,43,129,223,827,234,768,252,330,692,681,177,461,525,291
>>424,519,332,294,888,151,130,155,159,464,95,452,357,456,246,880,499,374,102,325,608,870,576,937
>>257,114,22,781,404,171,204,923,502,498,811,652,627,966,810,91,61,262,447,516,507,327,15,880,429
>>488,298,915,424,859,171,537,881,951,941,51,155,864,553,652,675,205,279,641,15,369,701,276,816,217
>>142,231,662,571,569,149,869,483,573,727,653,110,608,604,50,659,759,914,211,411,589,415,689,229
>>58,929,704,874,146,486,16,376,147,586,944,296,454,427,868,181,80,977,788,683,27,447,441,940,657
>>529,72,540,757,501,598,686,205,471,831,690,486,206,837,72,150,132,525,576,999,706,655,975,494,338
>>940,779,941,596,630,469,668,169,226,168,767,912,372,237,742,61,723,948,897,795,98,29,319,674,27
>>329,2,518,666,3,457,445,943,53,74,412,720,243,638,888,9,549,259,246,291,320,968,239,217,762,336
>>81,10,272,106,338,273,623,4,275,80,448,218,132,521,630,852,763,267,740,772,815,998,17,106,318,985
>>535,747,680,779,828,689,51,933,26,324,555,29,598,634,476,816,766,997,445,618,760,711,357,531,526
>>548,632,672,532,975,207,279,654,985,106,342,36,38,368,359,592,397,957,226,872,772,991,869,217,609
>>928,965,160,453,319,707,85,991,239,59,197,517,713,182,622,55,218,659,423,576,251,819,532,476,691
>>467,559,520,75,187,447,40,346,900,358,53,984,349,291,43,546,808,755,728,429,810,945,87,232,520
>>50,52,813,740,355,279,299,875,354,486,321,393,832,220,751,884,204,99,175,246,645,982,1,372,411
>>317,497,42,837,834,92,888,647
828 :【描映爆筆】 [sage saga]:2016/02/29(月) 13:24:44.98 ID:lCxVfqGc0
/http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1451918891/>>752【一騎当千】様


(ふむ、召喚系ですか)

崖のようになった泥土の向こうで目を凝らせば、長い槍を足場に駆け昇る姿。
近場に武器を呼び出す能力と見当をつけた。加えてあのバランス感覚、身体能力も優れている様子。
今すぐではないが、待っていれば程なく最上部――つまり此処まで辿り着くだろう。

「しかし、それを待つほどお人好しではいられないんですよ」

差し上げた指先から一羽の鳥が飛び立つ。
曇り始めた空へぐんぐん伸び上っていく双翼。それは急降下から戦闘機並みの速さで獲物の羽虫を捉える隼。
見る間に頂点に達した隼は緩やかな放物線を描いて、今度は舵を真下に向ける。
それだけでは着地した瞬間衝突するだけだが。普通の鳥と違うのは頭に螺旋状の角が生えていること。

ずどんと地面に丸い穴が開き、鳥類ながらさながら水中を泳ぐように地中を掘り進む。
そして爆発。相手からすれば正面から土砂の散弾を受ける事になるだろうか。
普通に土竜型を潜らせなかったのにはわけがある。滞空時間を計ってぎりぎりまで引き付けるのと、垂直落下の勢いを爆圧に加える事による吹飛ばしを狙った。

近距離型の能力に相性が悪いのと同じく、向こうもまた遠距離タイプは苦手とする筈。
突かず離れず、この距離を保っていれば負ける事はない。

「暫く土の中で頭を冷やしていてくださいな」

コートを翻して早足。当初通り林の中へ歩を進める。
思いがけず戦闘となったが、これ以上手の内を明かすのは利なし。顔は割れてしまったし、相手が警察関係なら尚更だ。
その内否が応にも再開せねばならぬだろう。

身を隠すようにして森を抜けながら、無限機構の少女は次の道を探す。
がむしゃらな絶対正義。奇しくもその戦力の一端を今日初めて垣間見たのであった。


/すみません、お待たせしました……本当にごめんなさい
/言い訳にもなりませんが、お返ししたつもりで、遅くなってしまい大変すみません……
/一応これで〆とさせて下さい、長期間拘束してしまい申し訳ありませんでした
829 :【幻影剣技】 ◆M21AkfQGck [sage]:2016/02/29(月) 13:40:48.86 ID:AtzZkLiWO
>>828
荒らされているので非難所の方でも置くといいかもです
向こうにもロールスレあります
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:15:43.43 ID:Rpd8aPPKo
>>198,128,471,557,263,600,464,826,467,514,735,391,26,108,613,138,8,110,376,640,883,93,587,534,315
>>576,151,411,209,779,609,336,249,165,599,848,629,424,315,142,159,705,167,267,317,305,274,427,680
>>310,773,499,843,87,357,419,238,768,627,16,376,963,264,540,561,112,169,985,426,310,143,130,477,410
>>781,683,873,461,595,182,234,94,25,320,451,443,558,218,69,573,593,32,836,133,592,948,301,576,373
>>719,503,87,128,949,868,810,822,329,405,4,562,498,28,882,949,470,439,166,539,12,759,570,848,892
>>795,193,738,168,803,456,670,890,584,619,758,394,441,87,798,444,649,296,472,531,244,942,970,410
>>981,169,50,828,60,212,622,252,949,789,55,405,459,945,988,78,703,382,518,789,179,961,438,475,432
>>719,373,937,128,853,917,296,903,745,356,115,367,608,63,156,662,468,615,607,456,692,310,837,209,98
>>169,536,490,601,503,209,974,439,336,827,356,632,730,101,987,844,468,594,907,623,256,374,237,863
>>929,172,666,137,270,681,306,805,171,906,307,379,880,746,715,706,102,347,435,202,333,279,669,927
>>292,183,558,529,45,387,457,216,53,593,486,733,898,290,904,804,597,283,684,343,998,389,444,344,824
>>677,102,314,603,287,605,785,845,134,830,232,590,46,284,182,531,17,80,821,920,884,417,203,567,759
>>956,203,544,780,848,221,882,161,823,168,766,608,12,899,437,243,488,483,527,670,13,543,750,833,462
>>250,665,200,9,865,156,211,409,935,58,629,816,219,452,984,985,60,996,883,496,239,371,979,765,41
>>307,790,824,769,423,74,433,623,82,298,778,293,706,712,351,335,528,570,786,511,554,845,507,437,341
>>807,319,509,848,310,815,638,134,584,60,207,17,682,289,314,459,582,20,171,932,354,698,501,140,209
>>985,715,490,326,460,297,644,968,145,954,783,782,87,366,842,293,382,524,581,696,983,162,715,153,94
>>851,595,209,60,649,193,775,138,518,234,435,162,202,580,115,984,361,201,350,202,494,732,726,75,427
>>237,142,861,330,211,711,925,419,770,573,612,545,711,129,778,145,290,979,724,405,963,85,605,312
>>99,44,12,173,471,720,409,613,580,739,823,290,663,242,60,235,853,604,945,981,382,90,271,360,814
>>323,899,280,634,185,378,678,197,551,148,916,959,760,495,698,583,785,360,824,845,595,676,448,540
>>830,629,928,189,443,602,512,341,882,145,526,259,823,722,809,971,638,768,730,132,466,313,917,826
>>761,420,813,209,959,469,38,588,397,227,31,998,738,371,880,883,896,138,706,618,947,676,255,715,406
>>180,718,303,6,854,64,425,667,272,384,136,310,972,532,537,2,530,275,372,409,158,268,547,863,885
>>538,139,208,943,525,388,661,828,393,515,891,818,181,163,202,316,473,173,847,9,175,376,283,547,785
>>814,331,303,698,824,841,837,32,783,362,419,444,189,812,958,79,630,139,242,831,454,714,4,301,722
>>677,5,724,461,446,537,791,748,235,615,588,71,646,371,433,65,814,621,876,772,700,506,910,941,336
>>654,340,664,376,517,341,381,241,802,826,778,593,574,13,207,161,83,852,532,515,916,345,136,792,117
>>298,26,776,633,389,430,973,53,806,490,393,186,730,194,12,507,786,586,519,992,747,602,844,278,117
>>623,253,552,739,87,849,764,862,482,153,292,454,205,97,943,598,282,673,791,294,179,577,879,698,569
>>300,412,903,417,172,525,669,723,263,756,572,27,618,53,180,909,507,384,5,450,981,287,122,772,580
>>349,459,998,917,84,298,329,986,714,500,510,383,223,773,138,794,799,755,846,979,663,353,362,667
>>343,953,923,115,533,223,463,991,221,379,74,518,707,60,232,207,569,615,429,341,752,222,140,506,68
>>169,420,480,836,221,823,788,143,937,321,366,399,311,586,778,385,104,485,444,336,691,13,950,120
>>702,341,493,208,409,611,376,828,91,211,49,913,999,192,849,319,557,248,630,143,26,15,247,511,459
>>201,471,532,320,824,234,661,317,441,69,928,816,897,18,27,945,930,26,137,779,344,693,27,974,836,52
>>82,562,446,665,763,917,196,83,740,430,744,57,870,812,984,686,709,1,712,653,931,737,789,709,81,482
>>54,318,787,42,400,349,487,64,112
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:15:52.45 ID:Rpd8aPPKo
>>198,128,471,557,263,600,464,826,467,514,735,391,26,108,613,138,8,110,376,640,883,93,587,534,315
>>576,151,411,209,779,609,336,249,165,599,848,629,424,315,142,159,705,167,267,317,305,274,427,680
>>310,773,499,843,87,357,419,238,768,627,16,376,963,264,540,561,112,169,985,426,310,143,130,477,410
>>781,683,873,461,595,182,234,94,25,320,451,443,558,218,69,573,593,32,836,133,592,948,301,576,373
>>719,503,87,128,949,868,810,822,329,405,4,562,498,28,882,949,470,439,166,539,12,759,570,848,892
>>795,193,738,168,803,456,670,890,584,619,758,394,441,87,798,444,649,296,472,531,244,942,970,410
>>981,169,50,828,60,212,622,252,949,789,55,405,459,945,988,78,703,382,518,789,179,961,438,475,432
>>719,373,937,128,853,917,296,903,745,356,115,367,608,63,156,662,468,615,607,456,692,310,837,209,98
>>169,536,490,601,503,209,974,439,336,827,356,632,730,101,987,844,468,594,907,623,256,374,237,863
>>929,172,666,137,270,681,306,805,171,906,307,379,880,746,715,706,102,347,435,202,333,279,669,927
>>292,183,558,529,45,387,457,216,53,593,486,733,898,290,904,804,597,283,684,343,998,389,444,344,824
>>677,102,314,603,287,605,785,845,134,830,232,590,46,284,182,531,17,80,821,920,884,417,203,567,759
>>956,203,544,780,848,221,882,161,823,168,766,608,12,899,437,243,488,483,527,670,13,543,750,833,462
>>250,665,200,9,865,156,211,409,935,58,629,816,219,452,984,985,60,996,883,496,239,371,979,765,41
>>307,790,824,769,423,74,433,623,82,298,778,293,706,712,351,335,528,570,786,511,554,845,507,437,341
>>807,319,509,848,310,815,638,134,584,60,207,17,682,289,314,459,582,20,171,932,354,698,501,140,209
>>985,715,490,326,460,297,644,968,145,954,783,782,87,366,842,293,382,524,581,696,983,162,715,153,94
>>851,595,209,60,649,193,775,138,518,234,435,162,202,580,115,984,361,201,350,202,494,732,726,75,427
>>237,142,861,330,211,711,925,419,770,573,612,545,711,129,778,145,290,979,724,405,963,85,605,312
>>99,44,12,173,471,720,409,613,580,739,823,290,663,242,60,235,853,604,945,981,382,90,271,360,814
>>323,899,280,634,185,378,678,197,551,148,916,959,760,495,698,583,785,360,824,845,595,676,448,540
>>830,629,928,189,443,602,512,341,882,145,526,259,823,722,809,971,638,768,730,132,466,313,917,826
>>761,420,813,209,959,469,38,588,397,227,31,998,738,371,880,883,896,138,706,618,947,676,255,715,406
>>180,718,303,6,854,64,425,667,272,384,136,310,972,532,537,2,530,275,372,409,158,268,547,863,885
>>538,139,208,943,525,388,661,828,393,515,891,818,181,163,202,316,473,173,847,9,175,376,283,547,785
>>814,331,303,698,824,841,837,32,783,362,419,444,189,812,958,79,630,139,242,831,454,714,4,301,722
>>677,5,724,461,446,537,791,748,235,615,588,71,646,371,433,65,814,621,876,772,700,506,910,941,336
>>654,340,664,376,517,341,381,241,802,826,778,593,574,13,207,161,83,852,532,515,916,345,136,792,117
>>298,26,776,633,389,430,973,53,806,490,393,186,730,194,12,507,786,586,519,992,747,602,844,278,117
>>623,253,552,739,87,849,764,862,482,153,292,454,205,97,943,598,282,673,791,294,179,577,879,698,569
>>300,412,903,417,172,525,669,723,263,756,572,27,618,53,180,909,507,384,5,450,981,287,122,772,580
>>349,459,998,917,84,298,329,986,714,500,510,383,223,773,138,794,799,755,846,979,663,353,362,667
>>343,953,923,115,533,223,463,991,221,379,74,518,707,60,232,207,569,615,429,341,752,222,140,506,68
>>169,420,480,836,221,823,788,143,937,321,366,399,311,586,778,385,104,485,444,336,691,13,950,120
>>702,341,493,208,409,611,376,828,91,211,49,913,999,192,849,319,557,248,630,143,26,15,247,511,459
>>201,471,532,320,824,234,661,317,441,69,928,816,897,18,27,945,930,26,137,779,344,693,27,974,836,52
>>82,562,446,665,763,917,196,83,740,430,744,57,870,812,984,686,709,1,712,653,931,737,789,709,81,482
>>54,318,787,42,400,349,487,64,112
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:16:02.36 ID:Rpd8aPPKo
>>198,128,471,557,263,600,464,826,467,514,735,391,26,108,613,138,8,110,376,640,883,93,587,534,315
>>576,151,411,209,779,609,336,249,165,599,848,629,424,315,142,159,705,167,267,317,305,274,427,680
>>310,773,499,843,87,357,419,238,768,627,16,376,963,264,540,561,112,169,985,426,310,143,130,477,410
>>781,683,873,461,595,182,234,94,25,320,451,443,558,218,69,573,593,32,836,133,592,948,301,576,373
>>719,503,87,128,949,868,810,822,329,405,4,562,498,28,882,949,470,439,166,539,12,759,570,848,892
>>795,193,738,168,803,456,670,890,584,619,758,394,441,87,798,444,649,296,472,531,244,942,970,410
>>981,169,50,828,60,212,622,252,949,789,55,405,459,945,988,78,703,382,518,789,179,961,438,475,432
>>719,373,937,128,853,917,296,903,745,356,115,367,608,63,156,662,468,615,607,456,692,310,837,209,98
>>169,536,490,601,503,209,974,439,336,827,356,632,730,101,987,844,468,594,907,623,256,374,237,863
>>929,172,666,137,270,681,306,805,171,906,307,379,880,746,715,706,102,347,435,202,333,279,669,927
>>292,183,558,529,45,387,457,216,53,593,486,733,898,290,904,804,597,283,684,343,998,389,444,344,824
>>677,102,314,603,287,605,785,845,134,830,232,590,46,284,182,531,17,80,821,920,884,417,203,567,759
>>956,203,544,780,848,221,882,161,823,168,766,608,12,899,437,243,488,483,527,670,13,543,750,833,462
>>250,665,200,9,865,156,211,409,935,58,629,816,219,452,984,985,60,996,883,496,239,371,979,765,41
>>307,790,824,769,423,74,433,623,82,298,778,293,706,712,351,335,528,570,786,511,554,845,507,437,341
>>807,319,509,848,310,815,638,134,584,60,207,17,682,289,314,459,582,20,171,932,354,698,501,140,209
>>985,715,490,326,460,297,644,968,145,954,783,782,87,366,842,293,382,524,581,696,983,162,715,153,94
>>851,595,209,60,649,193,775,138,518,234,435,162,202,580,115,984,361,201,350,202,494,732,726,75,427
>>237,142,861,330,211,711,925,419,770,573,612,545,711,129,778,145,290,979,724,405,963,85,605,312
>>99,44,12,173,471,720,409,613,580,739,823,290,663,242,60,235,853,604,945,981,382,90,271,360,814
>>323,899,280,634,185,378,678,197,551,148,916,959,760,495,698,583,785,360,824,845,595,676,448,540
>>830,629,928,189,443,602,512,341,882,145,526,259,823,722,809,971,638,768,730,132,466,313,917,826
>>761,420,813,209,959,469,38,588,397,227,31,998,738,371,880,883,896,138,706,618,947,676,255,715,406
>>180,718,303,6,854,64,425,667,272,384,136,310,972,532,537,2,530,275,372,409,158,268,547,863,885
>>538,139,208,943,525,388,661,828,393,515,891,818,181,163,202,316,473,173,847,9,175,376,283,547,785
>>814,331,303,698,824,841,837,32,783,362,419,444,189,812,958,79,630,139,242,831,454,714,4,301,722
>>677,5,724,461,446,537,791,748,235,615,588,71,646,371,433,65,814,621,876,772,700,506,910,941,336
>>654,340,664,376,517,341,381,241,802,826,778,593,574,13,207,161,83,852,532,515,916,345,136,792,117
>>298,26,776,633,389,430,973,53,806,490,393,186,730,194,12,507,786,586,519,992,747,602,844,278,117
>>623,253,552,739,87,849,764,862,482,153,292,454,205,97,943,598,282,673,791,294,179,577,879,698,569
>>300,412,903,417,172,525,669,723,263,756,572,27,618,53,180,909,507,384,5,450,981,287,122,772,580
>>349,459,998,917,84,298,329,986,714,500,510,383,223,773,138,794,799,755,846,979,663,353,362,667
>>343,953,923,115,533,223,463,991,221,379,74,518,707,60,232,207,569,615,429,341,752,222,140,506,68
>>169,420,480,836,221,823,788,143,937,321,366,399,311,586,778,385,104,485,444,336,691,13,950,120
>>702,341,493,208,409,611,376,828,91,211,49,913,999,192,849,319,557,248,630,143,26,15,247,511,459
>>201,471,532,320,824,234,661,317,441,69,928,816,897,18,27,945,930,26,137,779,344,693,27,974,836,52
>>82,562,446,665,763,917,196,83,740,430,744,57,870,812,984,686,709,1,712,653,931,737,789,709,81,482
>>54,318,787,42,400,349,487,64,112
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:16:16.02 ID:Rpd8aPPKo
>>275,830,64,348,565,954,260,244,775,649,354,187,739,606,797,685,202,7,886,874,420,735,629,43,381
>>542,144,362,533,694,636,362,758,984,926,711,244,170,486,893,523,672,631,129,468,316,331,474,202
>>893,936,833,936,317,446,478,460,808,10,153,444,372,911,427,297,622,670,467,107,563,990,779,193
>>246,509,448,720,710,652,613,645,485,549,961,931,26,421,738,36,574,181,407,484,608,704,105,278,170
>>840,159,990,33,277,236,541,724,955,250,376,568,895,860,117,855,790,143,275,528,178,848,709,585
>>316,288,436,593,457,647,433,616,636,465,892,871,6,616,826,255,991,394,149,851,510,4,641,652,279
>>830,126,876,414,457,192,701,892,784,158,539,217,774,174,682,665,45,687,280,870,942,270,263,90,120
>>94,761,425,372,928,255,498,803,668,954,994,369,846,778,527,385,995,300,558,676,964,602,362,244
>>303,513,735,393,633,508,486,393,932,858,321,186,355,124,854,309,118,222,154,896,748,538,890,48,96
>>11,698,927,254,169,230,767,904,623,400,411,109,793,343,966,113,528,320,236,381,629,354,603,783
>>351,321,138,398,416,703,409,114,630,663,283,860,429,186,482,829,596,590,621,938,555,734,466,875
>>847,503,323,450,285,572,800,605,710,198,21,412,606,134,42,268,416,901,697,602,382,526,198,972,146
>>526,880,601,401,849,448,904,172,897,189,743,697,794,452,894,815,864,499,948,905,767,364,806,464
>>188,989,163,159,134,298,685,14,899,85,863,346,989,34,243,177,777,939,971,228,833,785,92,332,733
>>98,96,802,561,62,989,549,224,148,683,521,832,697,420,917,559,766,905,592,8,82,369,947,52,596,779
>>688,110,568,684,208,664,486,768,725,475,317,949,622,1000,470,454,696,889,370,254,654,275,846,662
>>214,608,408,810,386,244,498,496,812,181,703,476,666,471,200,141,787,149,762,787,618,215,482,506
>>736,160,860,582,821,216,796,429,624,605,815,868,103,310,679,283,13,154,949,483,354,89,270,503,851
>>120,66,537,626,650,273,785,509,854,606,725,649,34,348,254,849,215,356,158,893,639,170,47,587,653
>>676,922,903,526,977,23,591,514,648,241,786,432,749,640,38,474,289,72,821,543,920,35,898,78,928
>>248,975,124,900,376,799,821,278,325,798,300,916,311,948,156,97,380,905,737,417,378,25,488,199,567
>>233,465,485,161,2,733,136,125,632,511,924,453,789,249,251,89,164,562,36,320,658,415,225,395,832
>>420,320,801,986,727,34,451,212,194,453,944,330,577,576,840,501,28,629,749,278,717,913,840,753,232
>>167,457,892,998,59,311,318,859,297,44,892,748,255,86,200,199,415,777,774,254,277,801,882,26,79
>>939,918,351,171,415,518,627,306,516,685,617,833,543,913,877,434,660,132,519,859,330,933,636,103
>>912,904,69,938,982,668,876,900,18,47,315,536,673,621,51,357,237,884,900,149,760,333,809,891,852
>>220,785,303,322,972,214,226,40,152,208,707,28,107,725,74,422,260,746,42,311,103,278,195,2,427,954
>>235,845,187,902,64,971,204,386,942,418,612,982,570,819,689,597,925,413,671,347,673,417,388,984
>>666,178,521,93,132,856,327,976,42,229,40,13,433,426,955,851,37,937,421,855,625,18,780,38,688,126
>>105,514,694,623,179,872,144,272,4,1000,599,979,41,827,19,54,260,444,9,111,481,945,532,335,569,549
>>606,237,241,317,341,754,11,964,933,882,107,204,885,106,802,864,147,629,882,201,889,326,209,1000
>>153,531,141,722,79,256,328,315,496,644,655,250,654,619,182,535,725,386,420,831,188,284,978,816
>>178,705,491,387,704,297,539,234,438,261,312,693,588,627,188,231,282,437,884,900,619,419,625,5,838
>>192,122,433,7,287,611,712,778,997,415,75,536,648,512,796,960,205,383,587,393,613,868,830,497,768
>>915,392,453,753,847,644,874,279,651,161,889,362,939,886,776,13,421,424,525,216,384,729,599,970
>>212,838,951,708,605,399,622,997,851,375,844,494,249,123,144,409,12,505,347,897,281,360,317,704
>>533,87,613,131,57,734,342,894,684,49,499,82,671,496,933,46,339,426,294,462,570,703,473,75,50,369
>>409,686,59,293,218,146,905,349,202,639
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:16:24.72 ID:Rpd8aPPKo
>>275,830,64,348,565,954,260,244,775,649,354,187,739,606,797,685,202,7,886,874,420,735,629,43,381
>>542,144,362,533,694,636,362,758,984,926,711,244,170,486,893,523,672,631,129,468,316,331,474,202
>>893,936,833,936,317,446,478,460,808,10,153,444,372,911,427,297,622,670,467,107,563,990,779,193
>>246,509,448,720,710,652,613,645,485,549,961,931,26,421,738,36,574,181,407,484,608,704,105,278,170
>>840,159,990,33,277,236,541,724,955,250,376,568,895,860,117,855,790,143,275,528,178,848,709,585
>>316,288,436,593,457,647,433,616,636,465,892,871,6,616,826,255,991,394,149,851,510,4,641,652,279
>>830,126,876,414,457,192,701,892,784,158,539,217,774,174,682,665,45,687,280,870,942,270,263,90,120
>>94,761,425,372,928,255,498,803,668,954,994,369,846,778,527,385,995,300,558,676,964,602,362,244
>>303,513,735,393,633,508,486,393,932,858,321,186,355,124,854,309,118,222,154,896,748,538,890,48,96
>>11,698,927,254,169,230,767,904,623,400,411,109,793,343,966,113,528,320,236,381,629,354,603,783
>>351,321,138,398,416,703,409,114,630,663,283,860,429,186,482,829,596,590,621,938,555,734,466,875
>>847,503,323,450,285,572,800,605,710,198,21,412,606,134,42,268,416,901,697,602,382,526,198,972,146
>>526,880,601,401,849,448,904,172,897,189,743,697,794,452,894,815,864,499,948,905,767,364,806,464
>>188,989,163,159,134,298,685,14,899,85,863,346,989,34,243,177,777,939,971,228,833,785,92,332,733
>>98,96,802,561,62,989,549,224,148,683,521,832,697,420,917,559,766,905,592,8,82,369,947,52,596,779
>>688,110,568,684,208,664,486,768,725,475,317,949,622,1000,470,454,696,889,370,254,654,275,846,662
>>214,608,408,810,386,244,498,496,812,181,703,476,666,471,200,141,787,149,762,787,618,215,482,506
>>736,160,860,582,821,216,796,429,624,605,815,868,103,310,679,283,13,154,949,483,354,89,270,503,851
>>120,66,537,626,650,273,785,509,854,606,725,649,34,348,254,849,215,356,158,893,639,170,47,587,653
>>676,922,903,526,977,23,591,514,648,241,786,432,749,640,38,474,289,72,821,543,920,35,898,78,928
>>248,975,124,900,376,799,821,278,325,798,300,916,311,948,156,97,380,905,737,417,378,25,488,199,567
>>233,465,485,161,2,733,136,125,632,511,924,453,789,249,251,89,164,562,36,320,658,415,225,395,832
>>420,320,801,986,727,34,451,212,194,453,944,330,577,576,840,501,28,629,749,278,717,913,840,753,232
>>167,457,892,998,59,311,318,859,297,44,892,748,255,86,200,199,415,777,774,254,277,801,882,26,79
>>939,918,351,171,415,518,627,306,516,685,617,833,543,913,877,434,660,132,519,859,330,933,636,103
>>912,904,69,938,982,668,876,900,18,47,315,536,673,621,51,357,237,884,900,149,760,333,809,891,852
>>220,785,303,322,972,214,226,40,152,208,707,28,107,725,74,422,260,746,42,311,103,278,195,2,427,954
>>235,845,187,902,64,971,204,386,942,418,612,982,570,819,689,597,925,413,671,347,673,417,388,984
>>666,178,521,93,132,856,327,976,42,229,40,13,433,426,955,851,37,937,421,855,625,18,780,38,688,126
>>105,514,694,623,179,872,144,272,4,1000,599,979,41,827,19,54,260,444,9,111,481,945,532,335,569,549
>>606,237,241,317,341,754,11,964,933,882,107,204,885,106,802,864,147,629,882,201,889,326,209,1000
>>153,531,141,722,79,256,328,315,496,644,655,250,654,619,182,535,725,386,420,831,188,284,978,816
>>178,705,491,387,704,297,539,234,438,261,312,693,588,627,188,231,282,437,884,900,619,419,625,5,838
>>192,122,433,7,287,611,712,778,997,415,75,536,648,512,796,960,205,383,587,393,613,868,830,497,768
>>915,392,453,753,847,644,874,279,651,161,889,362,939,886,776,13,421,424,525,216,384,729,599,970
>>212,838,951,708,605,399,622,997,851,375,844,494,249,123,144,409,12,505,347,897,281,360,317,704
>>533,87,613,131,57,734,342,894,684,49,499,82,671,496,933,46,339,426,294,462,570,703,473,75,50,369
>>409,686,59,293,218,146,905,349,202,639
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:16:36.00 ID:Rpd8aPPKo
>>275,830,64,348,565,954,260,244,775,649,354,187,739,606,797,685,202,7,886,874,420,735,629,43,381
>>542,144,362,533,694,636,362,758,984,926,711,244,170,486,893,523,672,631,129,468,316,331,474,202
>>893,936,833,936,317,446,478,460,808,10,153,444,372,911,427,297,622,670,467,107,563,990,779,193
>>246,509,448,720,710,652,613,645,485,549,961,931,26,421,738,36,574,181,407,484,608,704,105,278,170
>>840,159,990,33,277,236,541,724,955,250,376,568,895,860,117,855,790,143,275,528,178,848,709,585
>>316,288,436,593,457,647,433,616,636,465,892,871,6,616,826,255,991,394,149,851,510,4,641,652,279
>>830,126,876,414,457,192,701,892,784,158,539,217,774,174,682,665,45,687,280,870,942,270,263,90,120
>>94,761,425,372,928,255,498,803,668,954,994,369,846,778,527,385,995,300,558,676,964,602,362,244
>>303,513,735,393,633,508,486,393,932,858,321,186,355,124,854,309,118,222,154,896,748,538,890,48,96
>>11,698,927,254,169,230,767,904,623,400,411,109,793,343,966,113,528,320,236,381,629,354,603,783
>>351,321,138,398,416,703,409,114,630,663,283,860,429,186,482,829,596,590,621,938,555,734,466,875
>>847,503,323,450,285,572,800,605,710,198,21,412,606,134,42,268,416,901,697,602,382,526,198,972,146
>>526,880,601,401,849,448,904,172,897,189,743,697,794,452,894,815,864,499,948,905,767,364,806,464
>>188,989,163,159,134,298,685,14,899,85,863,346,989,34,243,177,777,939,971,228,833,785,92,332,733
>>98,96,802,561,62,989,549,224,148,683,521,832,697,420,917,559,766,905,592,8,82,369,947,52,596,779
>>688,110,568,684,208,664,486,768,725,475,317,949,622,1000,470,454,696,889,370,254,654,275,846,662
>>214,608,408,810,386,244,498,496,812,181,703,476,666,471,200,141,787,149,762,787,618,215,482,506
>>736,160,860,582,821,216,796,429,624,605,815,868,103,310,679,283,13,154,949,483,354,89,270,503,851
>>120,66,537,626,650,273,785,509,854,606,725,649,34,348,254,849,215,356,158,893,639,170,47,587,653
>>676,922,903,526,977,23,591,514,648,241,786,432,749,640,38,474,289,72,821,543,920,35,898,78,928
>>248,975,124,900,376,799,821,278,325,798,300,916,311,948,156,97,380,905,737,417,378,25,488,199,567
>>233,465,485,161,2,733,136,125,632,511,924,453,789,249,251,89,164,562,36,320,658,415,225,395,832
>>420,320,801,986,727,34,451,212,194,453,944,330,577,576,840,501,28,629,749,278,717,913,840,753,232
>>167,457,892,998,59,311,318,859,297,44,892,748,255,86,200,199,415,777,774,254,277,801,882,26,79
>>939,918,351,171,415,518,627,306,516,685,617,833,543,913,877,434,660,132,519,859,330,933,636,103
>>912,904,69,938,982,668,876,900,18,47,315,536,673,621,51,357,237,884,900,149,760,333,809,891,852
>>220,785,303,322,972,214,226,40,152,208,707,28,107,725,74,422,260,746,42,311,103,278,195,2,427,954
>>235,845,187,902,64,971,204,386,942,418,612,982,570,819,689,597,925,413,671,347,673,417,388,984
>>666,178,521,93,132,856,327,976,42,229,40,13,433,426,955,851,37,937,421,855,625,18,780,38,688,126
>>105,514,694,623,179,872,144,272,4,1000,599,979,41,827,19,54,260,444,9,111,481,945,532,335,569,549
>>606,237,241,317,341,754,11,964,933,882,107,204,885,106,802,864,147,629,882,201,889,326,209,1000
>>153,531,141,722,79,256,328,315,496,644,655,250,654,619,182,535,725,386,420,831,188,284,978,816
>>178,705,491,387,704,297,539,234,438,261,312,693,588,627,188,231,282,437,884,900,619,419,625,5,838
>>192,122,433,7,287,611,712,778,997,415,75,536,648,512,796,960,205,383,587,393,613,868,830,497,768
>>915,392,453,753,847,644,874,279,651,161,889,362,939,886,776,13,421,424,525,216,384,729,599,970
>>212,838,951,708,605,399,622,997,851,375,844,494,249,123,144,409,12,505,347,897,281,360,317,704
>>533,87,613,131,57,734,342,894,684,49,499,82,671,496,933,46,339,426,294,462,570,703,473,75,50,369
>>409,686,59,293,218,146,905,349,202,639
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:16:48.98 ID:Rpd8aPPKo
>>351,190,958,15,845,27,917,256,657,169,257,624,129,478,86,523,428,484,31,744,987,533,303,83,34,468
>>614,132,109,38,483,298,996,497,142,22,414,397,679,582,654,303,710,131,388,233,559,872,264,302,858
>>605,941,830,72,208,444,204,316,482,687,613,477,183,755,499,596,152,177,178,805,480,888,936,868
>>494,739,385,796,596,181,400,537,10,472,744,454,675,59,935,361,672,411,544,426,910,140,577,87,318
>>566,205,316,433,326,810,172,710,605,768,890,5,304,900,476,47,353,151,106,288,512,777,698,55,202
>>195,778,693,512,159,259,717,475,692,43,284,863,753,889,631,642,893,934,542,368,981,895,518,86,182
>>862,880,84,63,487,279,841,180,791,999,438,507,473,130,550,757,993,302,645,623,944,537,556,485,905
>>380,422,622,562,451,483,442,535,546,928,813,386,108,603,385,546,110,858,675,659,614,667,960,259
>>903,795,845,388,699,381,768,121,2,329,572,484,770,106,29,698,919,415,805,522,799,351,631,657,25
>>270,692,250,528,980,153,323,825,540,22,205,307,142,207,636,714,690,406,819,719,104,738,134,909
>>933,259,890,589,283,180,859,975,429,387,954,581,709,779,121,731,983,428,873,189,63,586,879,469
>>598,572,141,731,480,400,664,739,289,252,21,468,111,996,897,497,949,477,206,727,597,936,710,25,808
>>87,393,778,556,797,375,127,938,106,607,338,769,345,626,21,366,94,131,361,990,628,310,467,833,37
>>769,746,88,576,645,175,969,422,730,766,796,857,703,902,464,41,671,808,666,691,174,760,822,534,750
>>843,216,281,880,280,50,626,368,625,270,543,594,691,272,360,487,129,63,389,592,103,59,400,769,750
>>528,571,106,277,19,949,493,300,828,773,349,454,140,974,723,682,568,414,954,927,900,83,989,289,674
>>347,74,859,96,646,387,667,752,664,685,700,156,985,528,929,333,981,68,306,704,750,873,117,704,800
>>786,788,305,460,879,652,533,738,748,179,124,414,930,787,99,630,943,83,158,871,415,139,939,721,842
>>594,959,392,393,975,178,181,280,637,60,931,170,797,679,349,921,92,278,707,190,908,650,272,65,521
>>203,459,407,44,148,1000,2,539,393,977,717,574,256,354,633,187,523,429,865,871,349,957,149,56,146
>>705,418,120,225,104,323,684,510,367,831,510,369,370,903,345,86,476,601,439,108,788,962,537,653
>>885,609,982,941,754,37,646,171,157,870,275,480,554,785,846,385,294,214,754,197,559,840,672,160
>>780,948,241,316,600,73,201,208,55,141,962,91,786,133,248,656,407,727,209,191,573,594,485,786,347
>>345,187,353,505,465,133,452,705,448,51,778,648,259,832,789,220,923,574,352,171,230,759,897,439
>>470,32,435,256,379,116,600,565,469,105,30,601,556,735,48,606,512,696,865,344,485,84,266,58,436
>>288,194,333,726,144,802,757,578,57,135,693,657,699,161,761,728,761,317,462,809,923,974,505,787
>>989,870,583,47,305,19,334,499,352,59,642,154,815,220,211,949,912,868,648,73,629,376,834,945,838
>>867,811,147,653,128,136,523,711,182,828,730,516,327,82,574,969,236,389,188,447,338,100,314,985
>>943,361,5,888,198,647,754,9,793,407,136,928,930,847,110,757,576,625,83,658,199,52,893,587,239,339
>>338,653,910,509,596,270,514,483,467,160,236,476,953,643,612,881,572,458,991,329,33,615,412,690
>>463,583,401,701,921,325,39,574,234,547,169,503,61,651,970,220,887,445,173,530,56,54,101,514,44
>>547,659,841,237,472,303,819,872,3,740,196,41,313,430,588,482,933,648,133,902,868,19,347,41,548
>>94,649,916,137,78,462,795,918,698,267,220,517,138,223,256,334,264,569,763,851,50,695,499,182,597
>>201,944,407,749,347,501,397,262,637,475,724,432,393,422,698,613,938,836,835,193,169,99,762,932
>>811,627,448,993,224,815,193,167,222,942,513,722,339,775,358,813,499,790,205,920,487,817,857,322
>>50,491,750,811,422,699,622,49,147,614,272,961,807,439,182,748,952,903,87,727,261,899,225,50,104
>>537,921,1,859,573,51,349,322,861,771,21,482,820,167,96,92,128,903,530,310,651,482,212,737,209,473
>>433,523,739,577,59,660,578,917,232,628
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:16:57.06 ID:Rpd8aPPKo
>>351,190,958,15,845,27,917,256,657,169,257,624,129,478,86,523,428,484,31,744,987,533,303,83,34,468
>>614,132,109,38,483,298,996,497,142,22,414,397,679,582,654,303,710,131,388,233,559,872,264,302,858
>>605,941,830,72,208,444,204,316,482,687,613,477,183,755,499,596,152,177,178,805,480,888,936,868
>>494,739,385,796,596,181,400,537,10,472,744,454,675,59,935,361,672,411,544,426,910,140,577,87,318
>>566,205,316,433,326,810,172,710,605,768,890,5,304,900,476,47,353,151,106,288,512,777,698,55,202
>>195,778,693,512,159,259,717,475,692,43,284,863,753,889,631,642,893,934,542,368,981,895,518,86,182
>>862,880,84,63,487,279,841,180,791,999,438,507,473,130,550,757,993,302,645,623,944,537,556,485,905
>>380,422,622,562,451,483,442,535,546,928,813,386,108,603,385,546,110,858,675,659,614,667,960,259
>>903,795,845,388,699,381,768,121,2,329,572,484,770,106,29,698,919,415,805,522,799,351,631,657,25
>>270,692,250,528,980,153,323,825,540,22,205,307,142,207,636,714,690,406,819,719,104,738,134,909
>>933,259,890,589,283,180,859,975,429,387,954,581,709,779,121,731,983,428,873,189,63,586,879,469
>>598,572,141,731,480,400,664,739,289,252,21,468,111,996,897,497,949,477,206,727,597,936,710,25,808
>>87,393,778,556,797,375,127,938,106,607,338,769,345,626,21,366,94,131,361,990,628,310,467,833,37
>>769,746,88,576,645,175,969,422,730,766,796,857,703,902,464,41,671,808,666,691,174,760,822,534,750
>>843,216,281,880,280,50,626,368,625,270,543,594,691,272,360,487,129,63,389,592,103,59,400,769,750
>>528,571,106,277,19,949,493,300,828,773,349,454,140,974,723,682,568,414,954,927,900,83,989,289,674
>>347,74,859,96,646,387,667,752,664,685,700,156,985,528,929,333,981,68,306,704,750,873,117,704,800
>>786,788,305,460,879,652,533,738,748,179,124,414,930,787,99,630,943,83,158,871,415,139,939,721,842
>>594,959,392,393,975,178,181,280,637,60,931,170,797,679,349,921,92,278,707,190,908,650,272,65,521
>>203,459,407,44,148,1000,2,539,393,977,717,574,256,354,633,187,523,429,865,871,349,957,149,56,146
>>705,418,120,225,104,323,684,510,367,831,510,369,370,903,345,86,476,601,439,108,788,962,537,653
>>885,609,982,941,754,37,646,171,157,870,275,480,554,785,846,385,294,214,754,197,559,840,672,160
>>780,948,241,316,600,73,201,208,55,141,962,91,786,133,248,656,407,727,209,191,573,594,485,786,347
>>345,187,353,505,465,133,452,705,448,51,778,648,259,832,789,220,923,574,352,171,230,759,897,439
>>470,32,435,256,379,116,600,565,469,105,30,601,556,735,48,606,512,696,865,344,485,84,266,58,436
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>>338,653,910,509,596,270,514,483,467,160,236,476,953,643,612,881,572,458,991,329,33,615,412,690
>>463,583,401,701,921,325,39,574,234,547,169,503,61,651,970,220,887,445,173,530,56,54,101,514,44
>>547,659,841,237,472,303,819,872,3,740,196,41,313,430,588,482,933,648,133,902,868,19,347,41,548
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>>201,944,407,749,347,501,397,262,637,475,724,432,393,422,698,613,938,836,835,193,169,99,762,932
>>811,627,448,993,224,815,193,167,222,942,513,722,339,775,358,813,499,790,205,920,487,817,857,322
>>50,491,750,811,422,699,622,49,147,614,272,961,807,439,182,748,952,903,87,727,261,899,225,50,104
>>537,921,1,859,573,51,349,322,861,771,21,482,820,167,96,92,128,903,530,310,651,482,212,737,209,473
>>433,523,739,577,59,660,578,917,232,628
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:17:06.14 ID:Rpd8aPPKo
>>351,190,958,15,845,27,917,256,657,169,257,624,129,478,86,523,428,484,31,744,987,533,303,83,34,468
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>>605,941,830,72,208,444,204,316,482,687,613,477,183,755,499,596,152,177,178,805,480,888,936,868
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>>566,205,316,433,326,810,172,710,605,768,890,5,304,900,476,47,353,151,106,288,512,777,698,55,202
>>195,778,693,512,159,259,717,475,692,43,284,863,753,889,631,642,893,934,542,368,981,895,518,86,182
>>862,880,84,63,487,279,841,180,791,999,438,507,473,130,550,757,993,302,645,623,944,537,556,485,905
>>380,422,622,562,451,483,442,535,546,928,813,386,108,603,385,546,110,858,675,659,614,667,960,259
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>>933,259,890,589,283,180,859,975,429,387,954,581,709,779,121,731,983,428,873,189,63,586,879,469
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>>347,74,859,96,646,387,667,752,664,685,700,156,985,528,929,333,981,68,306,704,750,873,117,704,800
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>>594,959,392,393,975,178,181,280,637,60,931,170,797,679,349,921,92,278,707,190,908,650,272,65,521
>>203,459,407,44,148,1000,2,539,393,977,717,574,256,354,633,187,523,429,865,871,349,957,149,56,146
>>705,418,120,225,104,323,684,510,367,831,510,369,370,903,345,86,476,601,439,108,788,962,537,653
>>885,609,982,941,754,37,646,171,157,870,275,480,554,785,846,385,294,214,754,197,559,840,672,160
>>780,948,241,316,600,73,201,208,55,141,962,91,786,133,248,656,407,727,209,191,573,594,485,786,347
>>345,187,353,505,465,133,452,705,448,51,778,648,259,832,789,220,923,574,352,171,230,759,897,439
>>470,32,435,256,379,116,600,565,469,105,30,601,556,735,48,606,512,696,865,344,485,84,266,58,436
>>288,194,333,726,144,802,757,578,57,135,693,657,699,161,761,728,761,317,462,809,923,974,505,787
>>989,870,583,47,305,19,334,499,352,59,642,154,815,220,211,949,912,868,648,73,629,376,834,945,838
>>867,811,147,653,128,136,523,711,182,828,730,516,327,82,574,969,236,389,188,447,338,100,314,985
>>943,361,5,888,198,647,754,9,793,407,136,928,930,847,110,757,576,625,83,658,199,52,893,587,239,339
>>338,653,910,509,596,270,514,483,467,160,236,476,953,643,612,881,572,458,991,329,33,615,412,690
>>463,583,401,701,921,325,39,574,234,547,169,503,61,651,970,220,887,445,173,530,56,54,101,514,44
>>547,659,841,237,472,303,819,872,3,740,196,41,313,430,588,482,933,648,133,902,868,19,347,41,548
>>94,649,916,137,78,462,795,918,698,267,220,517,138,223,256,334,264,569,763,851,50,695,499,182,597
>>201,944,407,749,347,501,397,262,637,475,724,432,393,422,698,613,938,836,835,193,169,99,762,932
>>811,627,448,993,224,815,193,167,222,942,513,722,339,775,358,813,499,790,205,920,487,817,857,322
>>50,491,750,811,422,699,622,49,147,614,272,961,807,439,182,748,952,903,87,727,261,899,225,50,104
>>537,921,1,859,573,51,349,322,861,771,21,482,820,167,96,92,128,903,530,310,651,482,212,737,209,473
>>433,523,739,577,59,660,578,917,232,628
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/02/29(月) 18:17:16.20 ID:Rpd8aPPKo
>>351,190,958,15,845,27,917,256,657,169,257,624,129,478,86,523,428,484,31,744,987,533,303,83,34,468
>>614,132,109,38,483,298,996,497,142,22,414,397,679,582,654,303,710,131,388,233,559,872,264,302,858
>>605,941,830,72,208,444,204,316,482,687,613,477,183,755,499,596,152,177,178,805,480,888,936,868
>>494,739,385,796,596,181,400,537,10,472,744,454,675,59,935,361,672,411,544,426,910,140,577,87,318
>>566,205,316,433,326,810,172,710,605,768,890,5,304,900,476,47,353,151,106,288,512,777,698,55,202
>>195,778,693,512,159,259,717,475,692,43,284,863,753,889,631,642,893,934,542,368,981,895,518,86,182
>>862,880,84,63,487,279,841,180,791,999,438,507,473,130,550,757,993,302,645,623,944,537,556,485,905
>>380,422,622,562,451,483,442,535,546,928,813,386,108,603,385,546,110,858,675,659,614,667,960,259
>>903,795,845,388,699,381,768,121,2,329,572,484,770,106,29,698,919,415,805,522,799,351,631,657,25
>>270,692,250,528,980,153,323,825,540,22,205,307,142,207,636,714,690,406,819,719,104,738,134,909
>>933,259,890,589,283,180,859,975,429,387,954,581,709,779,121,731,983,428,873,189,63,586,879,469
>>598,572,141,731,480,400,664,739,289,252,21,468,111,996,897,497,949,477,206,727,597,936,710,25,808
>>87,393,778,556,797,375,127,938,106,607,338,769,345,626,21,366,94,131,361,990,628,310,467,833,37
>>769,746,88,576,645,175,969,422,730,766,796,857,703,902,464,41,671,808,666,691,174,760,822,534,750
>>843,216,281,880,280,50,626,368,625,270,543,594,691,272,360,487,129,63,389,592,103,59,400,769,750
>>528,571,106,277,19,949,493,300,828,773,349,454,140,974,723,682,568,414,954,927,900,83,989,289,674
>>347,74,859,96,646,387,667,752,664,685,700,156,985,528,929,333,981,68,306,704,750,873,117,704,800
>>786,788,305,460,879,652,533,738,748,179,124,414,930,787,99,630,943,83,158,871,415,139,939,721,842
>>594,959,392,393,975,178,181,280,637,60,931,170,797,679,349,921,92,278,707,190,908,650,272,65,521
>>203,459,407,44,148,1000,2,539,393,977,717,574,256,354,633,187,523,429,865,871,349,957,149,56,146
>>705,418,120,225,104,323,684,510,367,831,510,369,370,903,345,86,476,601,439,108,788,962,537,653
>>885,609,982,941,754,37,646,171,157,870,275,480,554,785,846,385,294,214,754,197,559,840,672,160
>>780,948,241,316,600,73,201,208,55,141,962,91,786,133,248,656,407,727,209,191,573,594,485,786,347
>>345,187,353,505,465,133,452,705,448,51,778,648,259,832,789,220,923,574,352,171,230,759,897,439
>>470,32,435,256,379,116,600,565,469,105,30,601,556,735,48,606,512,696,865,344,485,84,266,58,436
>>288,194,333,726,144,802,757,578,57,135,693,657,699,161,761,728,761,317,462,809,923,974,505,787
>>989,870,583,47,305,19,334,499,352,59,642,154,815,220,211,949,912,868,648,73,629,376,834,945,838
>>867,811,147,653,128,136,523,711,182,828,730,516,327,82,574,969,236,389,188,447,338,100,314,985
>>943,361,5,888,198,647,754,9,793,407,136,928,930,847,110,757,576,625,83,658,199,52,893,587,239,339
>>338,653,910,509,596,270,514,483,467,160,236,476,953,643,612,881,572,458,991,329,33,615,412,690
>>463,583,401,701,921,325,39,574,234,547,169,503,61,651,970,220,887,445,173,530,56,54,101,514,44
>>547,659,841,237,472,303,819,872,3,740,196,41,313,430,588,482,933,648,133,902,868,19,347,41,548
>>94,649,916,137,78,462,795,918,698,267,220,517,138,223,256,334,264,569,763,851,50,695,499,182,597
>>201,944,407,749,347,501,397,262,637,475,724,432,393,422,698,613,938,836,835,193,169,99,762,932
>>811,627,448,993,224,815,193,167,222,942,513,722,339,775,358,813,499,790,205,920,487,817,857,322
>>50,491,750,811,422,699,622,49,147,614,272,961,807,439,182,748,952,903,87,727,261,899,225,50,104
>>537,921,1,859,573,51,349,322,861,771,21,482,820,167,96,92,128,903,530,310,651,482,212,737,209,473
>>433,523,739,577,59,660,578,917,232,628
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/04(金) 15:35:22.62 ID:Q2mBZpCpo
                          ___
                        / ___\
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              \     ___/   │    │ うわ!クソスレかよ!
                ̄ ̄ ̄ │  │   \__ /     
                    │  │    
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                    │ /    ││     
                    ││     ││  (  
                    ││     *、)  )  )
                    ││    *`*      (
                    ││         λ
                    ││    l l l   *。)
                     \)      ξ::`*。*)
                             
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/04(金) 15:35:37.66 ID:Q2mBZpCpo
  
                            _  
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   ;; ⌒)        /  (__/                 /   
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842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/04(金) 15:36:07.05 ID:Q2mBZpCpo
                             ___
                           / ___\
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                    │   │___         
                    │   __ │       
                    │ /    ││     
                    ││     ││  (  
                    ││     *、)  )  )
                    ││    *`*      (
                    ││         λ
                    ││    l l l   *。)
                     \)      ξ::`*。*
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/04(金) 15:36:43.43 ID:Q2mBZpCpo
                          ___
                        / ___\
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                    │   __ │       
                    │ /    ││     
                    ││     ││  (  
                    ││     *、)  )  )
                    ││    *`*      (
                    ││         λ
                    ││    l l l   *。)
                     \)      ξ::`*。*)
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/04(金) 15:37:09.17 ID:Q2mBZpCpo
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                    │   │___         
                    │   __ │       
                    │ /    ││     
                    ││     ││  (  
                    ││     *、)  )  )
                    ││    *`*      (
                    ││         λ
                    ││    l l l   *。)
                     \)      ξ::`*。*)
                             
                         
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/04(金) 15:37:42.46 ID:Q2mBZpCpo

                     人
                   ノ⌒ 丿
                _/   ::(
               /     :::::::\
               (     :::::::;;;;;;;)
               \_―― ̄ ̄::::::::::\
               ノ ̄     ::::::::::::::::::::::)
              (     ::::::::::::::;;;;;;;;;;;;人
             / ̄――――― ̄ ̄::::::::\
            (        :::::::::::::::::::::::::::::::::)
            \__::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/04(金) 15:37:58.51 ID:Q2mBZpCpo
    ⊂_ヽ、
      .\\  /⌒\
         \ ( 冫、)ウンチになぁれ
          > ` ⌒ヽ
         /    へ \
        /    /   \\
        レ  ノ     ヽ_つ
        /  /         ・*.・:
       /  /|          :。 *.・
       ( ( 、           ★。:’*
       |  |、 \        。・.*・; ・
       | / \ ⌒l     ;* ・。;*★ 人・
       | |   ) /      ・ ★・ (_ );; * 。・
      ノ  )   し'        ・ * (__) * ・。・
     (_/          。*.;; ・( ・∀・)  ★.* ’★
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/04(金) 15:39:02.98 ID:Q2mBZpCpo
あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/03/05(土) 22:16:44.74 ID:ZNoKYD3c0

           >>1

            ヲ

            迎

            エ

            ニ               _
                            //^7\
            来              /|| //\.、
                          //||//:::::::::\.、
            マ            〈/ ||/:::::::::::::::::\.、
                          / ||:::::::::::::::::::::::::ヽ.、
            シ            ,/ /\ :::::::::::::::::::::ヽ:、
                         / /  \ :::::::::::::::::::|:|
            タ           / /    \ ::::::::::::::|:|
                        / /      ヽ :::::::::::|:|
           /⌒\        / /        | :::::::::::|:|
         /     \      / /        | ::::::::::|:|
         /__    \    / /         | :::::::::|:|
        /ノ v \     )   ./ /          | :::::::::|:|
        |ζ) (_ヽヽ   ム  / /          | :::::::://
        λヘ´`,イ|:) //⌒,/ /           | :::::://
       /λ.|三-'////   / /\          | :::://
       | | \─/ /    / /  \        ./ :://
      / |   У  /  | 彡ミ、   λ       / ./
      /       /  / 彡ミ、|     |      //
     /      /  / / /:::λ\  ト、
     /          / / /|::::::::| λ  | \
    /         / / / .|::::::::|    |  \
    /    | \_/  / /  |::::::::|    |  \_>
   /    〉 _    / /  |::::::::v   |   \
   |  (三7   ̄7≦彡ミ  λ::::V   ,ノ     \_
   |  ム:::/    |:ミ彡ミ / 从V    /        /
   |  |:::::ハ    |/ /  /  |     ,/       /
   |   V     / /  |   \_,ノ      /
   λ       ,/ /   |  /          /
    \      / /   /  ,|          /
     \    / / _/   |         ノ
      |\_/ /      /        /
      /   ,/ /      /       /
    /   / /     /       /
    \ /' / /    /        /
     У / /   ̄ ̄         /
      \/ /              /
       / /              /
      / ∧            /
      / / \          /
     / /   \_    _/
     / /        ̄ ̄
    / /
    / /
   〈__/
849 :ヴァシーリー・マーカス [アーマード・メイル Rank.C] ◆3XNDKmtsbA [sage]:2016/03/17(木) 22:30:29.92 ID:5Q1bVmfG0
昼下がりの学園都市の事。
学園都市ほど広大な都市であれば、様々な建築物が立つものだ。
学校は勿論、沢山のマンション、学生寮、果ては研究所まで。ありとあらゆる施設が此処にあり、しかもそれらは全て学生のために建てられていると言うのだから驚きだ。

そんな学園都市には当然、公園のような施設も存在する。
思春期の学生たちは学校生活や、あるいは電子機器のゲームに忙しない。こういった自然を満喫する機会は少ないものだが──────────
それでも、それを欲する人間は存在する。たとえば"元々この辺りに住んでいる住人"などの、"老いた住人"などは、このような場所を好む傾向にある。

「ぬぅう………」

ベンチに座り、大きく伸びをした人物。
立派に髭を生やした壮年の男性もまた、そうした人々の一人であった。
彼の名を、ヴァシーリー・マーカス。学園都市には不釣り合いな壮年男性、そして外国人。何とも眉唾な話ではあるが──────

しかし元から住んでいるなどとは、かりそめの姿に過ぎない。彼の真の姿は別にある。
彼は能力者の危機を探るため、ある組織から派遣されているエージェント。
以外にもがっしりとした肉体からは、見る者……そう、たとえば同業者などが見れば感じられるだろう。
練度の高い"魔翌力"だ。衰えからか、その量は弱々しい。しかしその中には確かな練気がある。

能力者でもなく、一般人でもない。彼は"魔術師"ヴァシーリー・マーカス。
その正体に、幾らか気付いた者がいるのなら……今まさに休憩中の彼に対し、声を掛けるのもまた、ひとつの選択かもしれない。

//人街です


850 :ヴァシーリー・マーカス [アーマード・メイル Rank.C] ◆3XNDKmtsbA [sage]:2016/03/17(木) 22:30:59.21 ID:5Q1bVmfG0
//すみません、誤爆です!
851 :【幾星落弾】 [sage]:2016/03/22(火) 21:45:06.78 ID:Ruao6LLO0
>>849

ズドーーーーン!
空から星が降ってきた。

「これに逃げることはできない」

学園都市の半分が崩壊した。

「さあ、どうする?そこの子供」

挑戦的なまなざしを魔術師に向けた。
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