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【幸福的幻覚多重奏】能力者スレ【絶望的晦冥胎夢歌】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 22:14:26.02 ID:9yG7LhE3o
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

この世界は「多様性のある世界」です。
完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
コテハン「推奨」です!
基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
スレチなネタは程々に。
スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。

能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1519056101/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/12(月) 23:59:25.84 ID:RyF990sJ0
>>1乙です。

>>997

いやいや──そんな、蛮族じゃないんだから!人間のお肉なんて食べませんよ。

【ぶんぶんと首を振って否定する。そそくさとその場を離れていくおじさん達を笑顔で軽く手を振って見送り】


──私はヒトの『命』。生命力ってやつをですね、食べるんですよ。強かったり、ゲンキな人ほど美味しいんですよねぇ。
だから、ゲンキじゃない人を見てると──“もっと頑張らないと!”って思うんですよねぇ。

【なんて、笑いながら話す彼女の瞳には、ここにいる『ヒト達』は──『ナニ』に映っているのだろう】
【『ニンゲン』?或いは『食料』か──────────────】

【『被験体』──うっかり正解してしまった日には気まずい空気が流れると思いきや、彼女の眼は輝きだし】


あっ、そうなんですね!いつもお世話になっています──って私の実験に使ってる人じゃないですよね?流石に分かりますし。
いやー、私こんな体なんで薬とか打ってもなんも効果ないんで、『被験体』の人たちにはいつも感謝してるんですよね。

【いや、まあ『被験体』という職業自体別にネガティブなものではないが、】
【彼女や彼の言葉が指すものは間違いなくダークな感じなはず。“使ってる”とか言っちゃってるし、悪いぶれもなく】


貴方を“使ってる”科学者さんはとっても腕のいい人なんでしょうねぇ──。とっても美味しそうですし──。

【なんて、顔を近づけ、耳を澄ますように彼の異形性を感じながら言うが、彼女の目には彼が捕食対象に映っているような感じではなかった】
【彼がただの異形ならそういう目で見ていたかもしれないが、他人の研究内容に勝手に手は出さない──それが鉄則である】


でも、ダメじゃないですか、たばこなんか吸って。健康第一ですよ──えーっと、マジカワ御兄さん?あ、お名前聞いてませんでしたね。
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 00:00:27.88 ID:BaiEZ5N+0
>>1乙ですっ
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 00:04:03.97 ID:btA8s8bZ0
>>1乙です
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/13(火) 00:13:29.49 ID:p8Qi7gtx0
//いちおつです!


>>2

……肉喰われるより、ソッチのがえげつなくね?
カラダが無事なままイノチだけ食べられるのってどんな感じなのかなあ、
……あ、体験してみたいとかそーいうんじゃないからネ。ノーサンクス。

【手のひらを少女のほうに向けて、ノーサンキューを示すジェスチャー】
【しながらも、ぼうと考えていた。もしこのコに喰われるんなら、どんな感触がするのかって】
【……想像しただけでおなかのあたりが冷たくなったので、すぐやめたけど】

おセワされてんのかーい、聞きたくなかったーア!
ヤダなーもうそーいうの、他人事と思えねーンだもん!

……そうね、おれの<創造主>は、それなりにウデがいいと思うよ。
ただしそのウデの使い道が相当バカなんだけ、ど……

【渋い顔。すっかり短くなった煙草を灰皿に押し付けて、最後の煙をふうっと、少女に向けて吹きかける】
【名前を訊かれれば、数瞬考え込むような仕草をして。きょろ、と斜め上を見る黄色の目が、すぐに戻ってきた】

おれ? おれはねえ……そーね、「オムレツ」って呼んで。
作ったことない? ……なさそうネ、フツーの食い物喰わなさそうだし。
まあでも……冷蔵庫の余り物とか、きれっぱしの食べ物を掻き混ぜて、卵でとじただけの余り物オムレツ。
アレに似てる感じの製造法で作られた、きーろい目をしたおれだから。だから、オムレツ。

【――すっとんきょうな、ふざけてるみたいな名前。それを自称してから、立ち上がる】
【一服タイムは終了、ということだろう。「スーちゃんはまだ、ココにいる?」なんて訊きながら、ポケットに手を突っ込んで】
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/13(火) 00:13:32.04 ID:HaTSQbPLO


>>998

【薄暗い路地裏、何かをぶつぶつと呟きながら歩く少女が一人】

……ちぇー、ちょっとくらい乗せてくれたって良いわよねー減るもんじゃないのにー……
【月白色の肩まで伸ばした髪に白いブラウスと青いスカートの16才程の少女。片手に何故か薄汚れたシーツを抱えているがまあ至って普通の少女だろう】

【──ただし、頭からは髪と同じ色の猫の耳、スカートの裾からはやはり月白色の長い尻尾がのぞいているという点を除けば、だが】

……まあ良いわ、此方にだって策は……ん?
【少女は何やら不服そうな表情で歩いていたが何かの声を聞きふと顔をあげる】

【目の前にいたのはネイビーのスーツを着た男性と、自分と同じくらいの年頃の少女】

【ちょうど、二人の近くに迷い出た形だ】

【猫耳の少女は、目を丸くしじっと二人を見つめる】

(……あれ?あの女の子の服、夕方頃に見かけた別の女の子達とそっくりだぞ?)

(え、何だっけこういうの何か言ったよね?確か……)

……援助交際?
【ポカンとした表情で呟く少女。状況としてはポカンとしたいのは向こうの方なのだろうが】

7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 00:26:12.63 ID:btA8s8bZ0
>>6
「ああ、もうわかりました、わかりましたってば私がやればいいんですね、ええっと……擲弾筒に擲弾、手榴弾、軽機関銃、弾薬たっぷり……」
「ああ、どれ位で調達できる?」

【そんな話に入り込みすぎて少し背中がお留守となっていた、要は全く周囲に目が行ってなかった訳だが】
【そんな中で突然発される声と、そして突如として感じ取った視線】

「曹長『えんじょこうさい』とは何だ?」
「え?!は!?な、なななな何説明させようとしてるんですか!?」

【少女から見れば、突然自分の方を驚いて振り向き、そして何事か話した後、顔を真っ赤にして激昂する少女、という極めてよくわからない状況に違いない】

「と、兎に角、私はもう行きますからね!!後の連絡は端末で!!」

【スタスタと少女の脇をその少女は歩いて去っていく】

「何を怒っているのだ?」

【まあいいや、と再びその猫耳にしっぽの不思議な少女と向き合い】

「ああ、なんというか、そのこんにちは……どうしたんだい?その僕が言うのも変だけどこんな所で」

【いつもの笑顔を張り付けながら、こうその少女に声をかけた】
【シーツのような何かを抱えているものさる事ながら、その耳と尻尾も極めて不思議な見た目だ、とそう思いながら】
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/13(火) 00:34:58.13 ID:5t74n5iY0
>>5

そんなに怯えなくても大丈夫ですよ──ほら、ここ、天秤が傾いてるでしょ?

【ほら、と顎を上げて首に巻いているチョーカーを見せる】
【ハートとドクロが乗った天秤の描かれたチョーカー、バランスは取れておらずドクロに傾いている】


何事も、摂り過ぎは良くないんですよ。バランスが、大事です。
食べ過ぎるな、食べた分だけ命を救え──って命令式なんですよ。

【チョーカーは精巧な魔翌力で形成されており、物質のように見えるが彼女が振れればわずかに揺らめく】
【つまり、人の命を救えば、ハート側に傾き、食べればドクロに傾くという訳で、ドクロ側に傾ているという事は御察しである】
【こういったものが付いているという事は、研究者ではあるものの、彼女もまた────"使われる"側なのかもしれない】


────『オムレツ』さん?
……ふぅん、面白いお名前ですね。改めて、私は朱玖雀・“P(ピュロボロス)”・グラディウスと言いますよ。

【きょとんした表情で、人としての名前とは思えないその名、呼ぶ。実際作った事も食べた事も無いのでイントネーションも若干違う】
【顎に手を当て、彼の説明を聞けば、彼の内部に秘めるソレと照らし合わせ、どういった意味合いを持つかは何となく理解した】

【まだ居るかという質問に対して、すっかり、がらんとしてしまった喫煙室を眺め立ち上がった】


いえ、誰も居ないですし、私も帰ろうと思います。ちょっとした息抜きのつもりでしたが、お話しできて楽しかったです。
貴方の<創造主>サマにも一度お会いしたいものですね────色々、面白そうな方ですし。どこにお勤めしてる方か存じないですがー。

【すっかり燃えカスになった吸い殻というか墨を灰皿にぺっと吐き捨て】
【ぐぐっと伸びをして出口に向かう】
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/13(火) 00:42:48.98 ID:HaTSQbPLO

>>7

【何事かを真剣に話し合う二人。あれ?二人の世界?などと少女が思ったその時、男と少女が此方を見る】

【何だかきょとんとした様子の男に、突如顔を赤くして立ち去る少女。あ、流石に違うなと猫耳の少女が理解したその時だった】


【不意にかけられたのはこんな所でどうしたという問いかけ。少女は、あー……と苦笑しながら男から目をそらし】

やー……別に……うん……
そ、それより貴方はどうして路地裏に!?
【何やらやましい事でもあるのか慌てて男の方に話を振る】

【不思議、というか怪しい事この上ない】
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/13(火) 00:45:09.18 ID:p8Qi7gtx0
>>8

メーレイ? ……ふうんそう、スーちゃんも「そっち側」?

【天秤の傾きが指し示す意味は、きっとアホな青年にはよくわかっていないだろうけど】
【その単語だけには、きっちり反応を示すのである。造られたモノ、使われるモノ】
【シンパシーのかけらを感じ取ることができたなら、青年の持つオーラも柔らかくなる。条件反射のようなもの】

スザク、ピュロ、プロボッ……うん、スーちゃん。おれも楽しかったゼー。
うーんウチのは、お勤めはしてないけど、フリーでいろいろやってっから……
そのうちスーちゃんのカイシャとも、一緒にお仕事できるよーになったりして。

ふふっ、そんじゃあ。またねスーちゃん、――――火ィ旨かった。ありがとネ。

【先行して出口に向かい、同じくここから出ようとする少女のためにドアを開け】
【二人して外に出たなら、ひらひら手を振って去っていくのだ。煙草の香を余韻にさせて】
【――旨かったのは火じゃなくて、煙草だろうに。そんなことを言い残して、「オムレツ」はどこかへ消えていった】

//お付き合いありがとうございました! おつかれさまでしたーっ
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 00:47:53.51 ID:btA8s8bZ0
>>9
「?」

【厳島が感じたのは不思議というか、慌てた様子の猫耳の少女、不思議さよりも怪しさが感じ取れた】

「僕かい、うんちょっとね、実は僕は新聞記者でねちょっとこの辺でのトラブルの聞き込みをね、さっきの子にしてたんだ」

【とっさに出る嘘も職業柄かかなり手慣れたものではある】
【初見では中々気が付かないだろう】

「君のその頭の耳と尻尾は、これは本物なのかい?」

【話題を変えようと、この少女にも知られたくないことはあるのかもしれない、と】
【気になっていた耳と尻尾のことを聞いた】

12 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/13(火) 00:50:53.41 ID:Ug4ac72So
>>1乙です!

前スレ>>999-1000
ロッソならば、自分で何とかするだろう。今までも、あらゆる相手から逃げ切った男だ
隠れ家……流石に、自らの安全に関わることはそう簡単には明かさないか。まあ、自らの身を守る手段があるのならそれでいい

【今のところは、それぞれに自分の身を守る手段は出来ている】
【それくらいでなければ、この巨大な敵に対抗することは出来ないだろう】

あまり何度も動くと、それだけで怪しまれるからな
連絡手段については、考える必要はある。そこは、専門家に任せるとしようか

【たとえわずかの時間であっても、繋がるはずのなかったものがまた繋がった】
【時計の針を押し戻す。すべては、今を生き残るために】

【そう、それぞれに立場が違い過ぎる歪さは、強みでもあるが弱みでもある】
【公安がそうしたように、闇の中でそうと知れないように事を進めなければならないのだ】

飛んでいくボールとは言い得て妙だ。弾むようなあの行動力は止められるものではあるまい
そうして、気が付けば大勢の人間がついていく……ふ、ふ。宿敵たる私が語ることではないか
ああ、コーヒーについては構わない。あのCMを見たことで相殺にしておこう

【そう、今だけは。こんな会話も許される。本当に、今だけは】

……悪が滅びないように、正義もまた然りか
その通りだ。考えておく、備えておく。それこそが重要だ

【そう、これほどの事態に黙っているはずもない者たちもいる】
【本来ならば、警察も自警団もSCARLETも、そうした者たちの集まりであるはずなのだから】


しっかりと記憶に留めて、同志たちに伝えておいてくれ
本来なら記録に残る形で伝えたいところだが、それはあまりに危険だからな

【何かに気付いたような彼女の声に、口を挟む機会はその時は逸した】

手段を複数確保しておくことは当然だな。保険はいくつあってもいい
わかった。お前の周りに誰も居なかった時は、私がこの約束を果たす

そうだな、少しでも大きい方がいい。首でも手でも足でも構わない
ああ、流石に全ては難しいだろうな。だから、無理なく運べる範囲で頼みたい

……いろいろと、「味わって」きたものでな

【自分の役割はしっかりと確認する。魔力のことは確保されている、ならばもう一つを全力で遂行する。同時に、自分の方の依頼もきっと果たされるだろう】
【彼女が口を噤めば、異形もそれ以上追及はしない。血塗られた過去を思い返しながら】
【一時的な共闘。ならば、そのために必要のないところにまで踏み込むことはないだろう】


ふ、ふふ、全くだ。今から我々は悪の共犯者だ。セリーナからの説教が、短めに終わるといいのだが

――――鈴音。やはりお前は、大した女だよ
私とて、考えなかったわけではない。だが自分から、その提案をするとはな

セリーナは流石に大いに怒るだろうが……それを差し引ても、強力な一手だ
我々の今まで、そのものが武器となる。無論、やらねばならないことではない。むしろ、使わないに越したことはない切り札だろう

……だが、間違いなく用意しておく価値はある。もしどちらかが、『生きたまま動くのが難しくなった時』。そうなった方を、『殺す』
欺く相手は多くなりそうだが……その分、効果は絶大だろう

【先は口を出し損ねた、彼女の一瞬。その正体は、この二人でしかあり得ない最後の手段】
【表立っては間違いなく敵同士。ならば、バレる可能性も低い。積み重ねた奇縁そのものが武器となる】
【暗闇の中で、カニバディールは闇に沈んだ口が発する言葉を掬い。今この時は、自分の側に近い彼女の目を見つめ返す】

【間違いなく、彼女はあの蛇の少女。それをしっかりと再認識して。異形はその策を肯定した】
【追い詰められた時の、最後の一手。機関とUTではなく、この二人の間で交わされた密約だった】
13 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/13(火) 00:54:25.14 ID:5t74n5iY0
>>10

そうですか──じゃあ、今後は御馳走して下さいね。
さようなら、オムレツさん。また会う日まで、──生きていたらお会いしましょう。

【お返しは煙草一本貰ったはずだが、彼の礼ににっこりと意味深なブラックジョークで返して】
【去っていくオムレツに手を振って。彼が見え無くなれば、空をぼーっと眺めて一言つぶやくのだった】


オムレツ。オムレツ。オムレツ。───美味しいのかな?

【彼の名。或いはその同名の料理の名を反芻し、歩き出す】


あ────────────────……。お腹減った。

【黒い炎が、その口から滴り落ち、この夜、人が一人消えた】
【彼女の天秤が逆側に傾く日は来るのだろうか──────】

//お疲れ様でした!
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/13(火) 01:05:40.56 ID:HaTSQbPLO

>>11

【相手が新聞記者だと聞くと少女は一瞬きょとんと首を傾げる。どうやら咄嗟に言葉が理解出来なかったようで、「新聞……瓦版……瓦版屋?」などと呟いてから、あー成程……と頷く】

事件の聞き込みですか……ご苦労様です
【ペコリと一礼。そこでふと先程の少女が顔を赤くした事を思い出すがすぐに色恋沙汰の事件だったのだろうと解釈し気にしない事にした様子】

【その後話が自分の耳の話に及ぶと】

ええ、本物ですよ?
えーっと……お兄さん出身は何処ですか?
【本物だと答えてから相手の出身地を尋ねる】



15 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 01:10:35.67 ID:btA8s8bZ0
>>14
「うん、その認識で間違ってないね」
「そう聞き込みだ、うん、ありがとう」

【やや変わった解釈でこちらの職業を理解する少女】
【変わった子もいるのだな、と特に気にする様子もなく笑顔も絶やさず答え】

「そ、そうなのか……その、ちょっと触ってみてもいいかい?」

【これには酷く驚いた、種族かあるいは魔翌力的な影響だろうか?】

「僕かい?僕は出身は櫻の国さ、もっともそこそこ前に引っ越してきたのだけどね」
「君はどこの出身だい?」
16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/13(火) 01:22:06.15 ID:HaTSQbPLO

>>15

【解釈が間違っていないと聞くと少女は少しばかりほっとした表情を浮かべる。やや変わった解釈、というのも何の事はない。なんせ櫻といえども北の方の山の中の出なのだ。首都などに比べれば大分新しいものに対しての知識は薄い】

【そして相手に触っても良いかと問われると特に問題はないようで快く承諾する】

【そして櫻の国の出身だと聞けば良かった、と呟いて】

私も櫻の国なんです
……といっても東側の更に北の方の山の中なんですけど
でもこれでちょっとは説明の手間が省けたかな……
私、化け猫の亜種と人間のあいの子なんですよ
【だからこんな風に耳と尻尾が生えているんです!と少女は笑った】


17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 01:31:15.70 ID:btA8s8bZ0
>>16
「そうか、ではちょっとごめんね」

【耳を撫でるように触る、なるほど、確かに暖かく本物の様だ】

「そうなのか、確かに北のほうにはそんな伝説や伝承が沢山あるようだけどね」

【なるほど、話せば話すほど不思議な子だ、化け猫と人間のハーフとはいかな諜報員といえど初めて接する相手だ】
【もし少女が鼻も効くならば、この男性からは香水の香りに交じって硝煙と僅かに海の潮の香りを感じることが出来るだろう】

「そうか、僕は静ヶアという街の出身だよ、君とは逆で海の方の出身さ」

【そして先ほどから気になっていたもう一つの事を聞く】

「そのシーツは、どうしたんだい?」

【少女が抱えるものとしては、いささか不釣り合いな気もする】
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 01:33:38.76 ID:BaiEZ5N+0
>>12

それか――、あなたみたいなひとなら、そういう"隠れ場所"、知っているのかな。
いろんなひとが入って行って、不自然じゃない場所――、もしあったら、貸してくれたら、ロッソさんが喜ぶかもしれない。

【UTが二人。無所属が二人に、機関が一人――考えれば考えるほど"異質"な集団だ。なにせ敵の時点で、治安を守るべき公安と渾沌をもたらす機関が組んでいるのだから】
【"こう"でなければならないのかもしれない。それこそ毒を以て毒を制す――秩序と渾沌が組んだなら、こちらだって正義が悪に頼ったっていいだろう】
【それとも"それ"は彼の方が得意かもしれないと言って彼女は彼へ"それ"について考えるのを任せてしまうだろう。餅は餅屋……あるいはもっと、考えつかれたみたいに】
【そして連絡手段はデジタルに明るい麻季音が適役だろう。あるいはそれ以上に死線をくぐってきたロッソの実地での知恵を確かめるか――】

……録画とかしてないよね?

【とりあえず、していたとしても本当のことは言わない方がよさそうだった。よっぽどあの恰好が嫌だったと見えて】

――うん。あとは……そういう隠れ場所、あるいは、みんなで怪しまれないでお話できる方法が見つかるようなら……、一度、お話したい。でしょう?
わたしは転移の魔術があるから、誰かを運ぶことはできるけど……、あっち側のひとに、それは見られてるの。わたしはひとをどこかに運べる……って。
だからそれは、できたら……使わないほうがいいね。*ちゃんに魔術式を書いてもらって渡すこともできるけど……それも、やっぱり、目立つかな。

【覚えておく。可能であれば本人であるカニバディール本人が記した紙でも用意できたらよかったのだが――やはり、危険すぎるというのは、同意見だ】
【それを奪われればどこまでたどり着いているかがバレてしまう。可能な限り痕跡を残さないで、かつ、全員の共通認識として知識を共有するには……やはり、会うしかない】
【とはいえ一人一人面談みたいにしていたら時間がかかる。何より今ある出来事相手ならば、その間に状況が変わることもあり得る。ならば、一度で、全員で、話すのが最適解】
【自分であれば魔術で人間を運ぶことはできるが――というは彼も知っている。ただやはりその現場を見られている以上、好ましくはない】

……わかった。じゃあ、あとね、もう一つ、お願い――わたしの身体。本当にぼろぼろに壊れちゃっていたら……、お肉じゃなくて、心臓を持って行って。
ほかのところはただの魔力だから。……――見て、分かるとおもう、わたしは……見たこと。ないけれど。

【なるべく大きい方がいい。ならば――やはり状況次第ではあるが、魔術で持ち帰ることが出来たら、一番いい。それを認識しつつも、確約はできない】
【だから頷き一つで、それから……こんな話をしていたせいか、思い出す。そうだった、きれいに死ねるだなんて、わかりっこないのだから】
【大事なところはそこ一つ。むしろほかが全部あってそこだけないより、そこだけあって、ほかが全部ない方が、いい。言い忘れてしまわなくって、良かった】

終わるかな……。

【それからぼそりとした声。怒られると思う、多分、すっごく。すごく――だけど、でも、それで、それが全部終わった後の、もう一度平和になったあとなら】
【なんだかんだで許してくれるかな、とも、どこかで思う。だから――絶対にこれは失敗したらいけない。もしあちら側の思惑通りになったときに】
【間違いなくUNITED TRIGGERとセリーナ・ザ・"キッド"は邪魔になる。だから……セリーナに怒られるね、なんて、こそこそ話し合うのは――それだけで、成就させると誓うみたいに】

/ごめんなさい、分割します
19 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 01:33:57.25 ID:BaiEZ5N+0
>>12>>18

思いつくことは――言っておくべきだよ。問題は……あなたがわたしを殺すなら、セリーナにわたしから先に言っておかないと、あなたが今度は殺されかねない。
わたしがあなたが殺すなら……あなたのほうから機関に周知しておくことは、無理だから。わたしは機関のひとに追いかけられると思うけど……、まあ、
――カニバディール。言っていたよね? わたし、機関の……なんだっけ、どこかに……書いてある、って? なら――いっしょ、かな。

『生きたまま動くのが難しくなった時』。そうなった方を、『殺す』 ――うん、それでいいよ、わたしは、

あともう一つ使い道があるとしたなら――黒幕側は、わたしが関わっていることを、分かってる。だから……今すぐでもわたしを殺しちゃって、
ほらって――そのケイってひとに、見せちゃうの。あなたなら、その死体をそのあと"食べちゃった"ってことにしたら、全部は見せなくっていいかもしれないし――、
あっちは、あなたがちゃんと言われた通りのことをしているって、判断するかもしれない。――これはどう? そういう風にわたしを"使う"。

【あるいは――彼からは言い出しづらいことだっただろうか。思いついたとしても――……だから、それを言ってしまえる彼女は、多分、まだ"おかしい"】
【問題点はやはりそのあたりだろう。殺した側が殺された側の報復を受ける可能性が大きい。――セリーナ、については、かろうじて抑え込める可能性はあるけれど】
【ただ――彼を殺したとして少女が追われたとしても、この立場とその人物、セリーナはおそらく彼女を護ろうとしてくれるだろう。ならば、ある程度はリスクも減るのか】
【どちらにせよ今すぐ切る必要はないカードだ。彼の言葉へ首肯を返した少女は、「でも」と小さな声で付け足して】

【もう一つの使い道――、これは、彼女でないと果たせないものだ。黒幕の使いより敵対する人間を探せと言われているカニバディールならば、"これ"ができる】
【あの電車の中で明確にかかわった少女は、黒幕側に認知されているに違いない。だから――犬に狩られる獲物のふりができる。なによりUTの人間であるなら】
【あちら側から彼への心象もよくなるのではないかと思うのだ。もっと深くまで食い込むことが出来るかもしれない、蛇の鱗に潜り込む、ダニみたいに】

【どちらにせよ――提案して肯定しあった時点で、これは確実に二人が切ることのできるカードとして、手札に加えられるのだ】
【それも、上手に使うことができれば――大きな大きな意味を持つカード。早急に決めてしまうのは、少し惜しいのかもしれない】
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/13(火) 01:52:21.12 ID:HaTSQbPLO

>>17

【耳に触れられると少女はくすぐったそうにふふ、と笑う】

【思い起こしてみれば人間に耳を触られたのは初めてかもしれない。だが、意外と悪い気はしなかった】

ええ、でも私の種族?っていえば良いのかな?それはちょっとマイナーなんですけ……
【少女はそこまで言ってピクリと身を固くする】

【男からふわりと漂ってきたのは香水の香りと海の香り。そして──】

【硝煙、大切な家族を奪った道具とそっくりな臭い】

【少女は男の手を払い除けようとするだろう】

【そうした時に恐らく男は少女が怯えたような、あるいは何処か警戒したような表情を浮かべている事に気付くだろう】

【けれどもシーツの事を聞かれれば薄汚れたそれを抱き締め、ただ「シーツ……」と言葉を返す】


21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 01:58:43.20 ID:btA8s8bZ0
>>20
「なるほど、これが耳ならば、聞こえもよさそうだね」

【ふわふわと、その感触を暖かさを楽しむように触れていると】

「!?」

【突然手を払いのけられてしまった、少し慌てて】
【最も、新聞社の記者から、果たして火薬や海の香りなどするだろうか?】

「ああ、そのごめんごめん、流石に触りすぎたなこれは失礼をしたね」

【本当の理由など皆目見当も付かずに】

「な、なるほど……それは確かにそうだけど」

【いけない、完全に嫌われてしまったかな、と内心自分の行動を反省しながら】

「お嬢ちゃん、君はなんて名前だい?僕は厳島命さ」

【取り繕うように名前を聞いた】
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/13(火) 02:19:16.16 ID:3hcBO2n60

>>21

【少し触りすぎたと謝る男。少女はやはり何処か怯えた表情で】

────が、う……
【少女がポツリと呟く】

違うッ!貴方、記者さんじゃない!
だって……だって貴方……彼奴らの臭いがするもの!
貴方も猟師なの!?お母さんを殺した彼奴らと同じなの!?
【束の間、吠える少女】

【少女は言った。自分は化け猫と人のハーフだと。ならばどちらかが化け猫だという事。そしてそれはきっと──】

【少女は自分の体をきつく抱き締める。ふらり、と後ずさる。彼女の体は少し震えていて】

【嗚呼、と少女は心の中で嘆息する】

【やはり怖い。母を殺した物の臭いが怖い。足がすくむ、体が震える。もう二度と母の事では泣いたりしないという誓いが崩れそうになる】

【けれども、負けない。負けたくない、だって笑って生きてやると決めたんだから】

【少女は息を震わせながら長く吐き出し、やっと落ち着いた表彰を浮かべる】

【──とはいってもまだ少し警戒したような面持ちだが】

【そして、すみません、少し取り乱しました、と謝ると】

……銀ヶ峰つがる、です……
【それだけを告げる】

23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 02:31:58.80 ID:btA8s8bZ0
>>22

「……!?」
「……」

【突然激昂する少女、しかし端端から読み取れた、なるほど、そういうことだったのか、と】

「……」
「……違う」

【少女に歩み寄りながら】

「違う、僕は……軍人だ」
「すまなかった、怖い思い出を思い出させてしまったね」

【相手に警戒されず、刺激しないギリギリの距離で】

「気にしなくていい、すまない僕がうかつだった」
「ようやく、名前が聞けたね」

【笑顔でそう答えた】
24 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/13(火) 02:59:59.96 ID:Ug4ac72So
>>18-19
……あるには、ある。我々の中の誰が行ってもおかしくはなく、かつ隠れ場所に繋がる場所
『泥の街』だ。事態の中心である水の国と、地の国の中間地点にある、この世の地獄の一つ
迫害や罪から『逃れる者』たちが、最後に逃げ込む駆け込み寺でもある

公安に追われる立場の者なら、誰が行ってもおかしくない場所だ

ロッソなら探偵としての調査に訪れたと見せかけることも出来るだろう
初瀬 麻季音やミラ・クラァケのような、すでに公安に追われている者なら、逃げ込んでも不自然ではない

鈴音、お前たちUTメンバーなら何らかの事件の調査ということにも出来るだろう。犯罪者を追っている、といった体裁は必要かもしれないが
私の場合は、あの街の郊外にアジトの一つであるクリーチャー製造プラントを築いている。と同時に機関入り前の古巣だ。むしろ自然体で入り込める

……その『泥の街』に、私は機関にも明かしていないセーフ・ハウスを持っている
外部からの通信を一切遮断した、中型の地下シェルターをな
もし、隠れ家が必要になった場合は、『泥の街』に訪れさえすれば、そのシェルターまで案内が出来るよう手配しておこう

【そう、事の発端からしてこの事件は異常なのだ。ならば、こちらも異質をもって対抗する】
【彼女が訪ねることは、まさに餅は餅屋。臆病なこの男は、『スクラップズ』以外の誰にも明かさない隠れ家をいくつか持っていた】
【そのうちの一つ。かつ、同志たちの誰が訪れてもおかしくない場所。条件に合致するのは、ここだろう】

【『泥の街』自体が犯罪都市である以上、隠れ家を訪れること自体に別種の危険は伴うが】
【そこは、カニバディールの持つネットワークと、同志たちの自己防衛に頼ることとなろうか】


……衝撃のあまり、録画どころではなかった

【『スクラップズ』の他のメンバーとの悪ノリで、パソコンにダウンロードはしていたが、黙っておくことにした】

……顔合わせはしておきたいところではある。なかなか難しそうだがな
あの転移魔術を敵に知られているのは、少々痛いな……
その*とやらの魔術式も、候補には入れておくべきだろうが……この件に関しては、ロッソらにまず話を通すべきか

【会って話すことのために、話を通す。間が抜けているとも見えるが、それほどしなくてはならない相手なのだ】
【状況は刻一刻と変化していっている。話す場を持てるというのなら、異形も協力は惜しまないだろう】


心臓を……了解した
魔力はある程度見慣れている。そのような状態なら、見ればわかるだろう

【まさしくこれは、彼女の心臓足り得る情報。それすらもテーブルの上に乗せられる】
【相手は常軌を逸した巨大な影。原型すら残らぬほど破壊されることとて十分あり得る】
【鈴音の覚悟は確かに伝わってきた。あらゆる最悪に備える覚悟が】


……成功さえすれば、目はあると思うが

【彼女の呟きには、そう言う他なかった。こればかりは介入のしようがない】
【だからこそ、成功させねばならない。終わるかどうかわからないお説教、程度に留め置かなくてはならない】
【未来へ思いをはせる、それそのものが未来を離さないという決意】


……その通りだ、すまなかった
大きな問題だな、それは。公安と暗闘している時に、怒り狂ったセリーナまで敵に回したくはない
この策を使うなら、少なくともセリーナには話を通さねばならないな

逆の場合は……機関がお前を追うのを止めるのは、確かに難しい
動ける配下たちに、私の仇討という名目でお前を追わせて、他の手出ししにくい状況を作る、くらいがせいぜいか

……ああ、確かにそうだ。古い情報ではあるがな。機関の連絡ツールに、確かにお前のことは載っている

【やはり彼女もまた、闇の中にいたころの何かを、その内に残しているのだろう】
【問題となる、札を切った後の防衛策については、現状は今交わされた言葉の程度が限界か】

/続きます
25 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/13(火) 03:01:02.50 ID:Ug4ac72So
>>18-19
……なかなかの策士だな、鈴音
実に魅力的な提案だ。公安を嗅ぎまわっていることが向こうに知れていて、しかもUTのメンバーともなれば
一気に、敵の懐に踏み込むことも期待できる……私の食人癖を煙幕に使うというのもいいアイディアだ

――――だが。実はその手段に関しては、他に適任がいる。そろそろ、来るはずだ

【鈴音の提示した使い道≠ヘ見事という他はない。自分たちにとって大きなアドバンテージを得られる機会を作り出せる】
【カニバディールを獅子身中の虫として、敵の内側により深く打ち込む手段。お互いに今の立場だからこそ、行える使い道だ】

【だが、異形はもう一つの手段を提示する。その手段≠ェカニバディールの背後に現れた】
【鈴音は、硬直するか飛びのくかするかもしれない。なぜなら、その男は】
【地味な黒スーツに革靴、細いフレームの茶色の眼鏡をかけて、髪を丁寧に撫で付けたその男の腰には】
【拳銃と、警察のバッジが吊り下げられていたからだ】

【男は、ゆっくりと立ち上がって振り向くカニバディールの前に立つと――――】


「――――あっ……あっあっあっあっ!! 良い!! 良い!! 良い!!!」
「殺鼠、剤、がも、たら、すこの、痙、攣――――至高!! 究極!! 良い!! 良、い――――!!!」

【ビクビクと仰け反りながら痙攣を始めた。目を細めるカニバディールの前でひとしきり震えると、男は動きを止めた】

「――――ボス。ポイゾニック、お呼び立てにより参上いたしました」
「そちらの方は鈴音さんですね? ボスからお噂はかねがね伺っております。以後、お見知りおきを!」

【先ほどとは打って変わった、穏やかで丁寧な声と笑顔で、警察式の敬礼をして見せながらこう言った】
【見れば、端正な顔立ち。笑顔も屈託がない。だが、先ほどの姿を見れば、この男もカニバディールの手下たる異常者だとは伝わっているだろう】


……お前とセリーナとの戦いに敗れた時、我々『スクラップズ』は一度砕け散った
あの場にいた私以外の『スクラップズ』は、今も蘇生作業中で動けない状態にある

だがあの時、重力球の抑え込みに参加させなかった者もいる。その一人が、このポイゾニック・ジャンキーだ
定期的に劇物を摂取しなくては精神がもたない毒物中毒男だが、腕は確かだ

昼の国警察に私がスパイとして送り込んでいたのだが、スペンサー・キーンという敏腕刑事がいてな
買収していた事務職員たちや汚職警官たちが全員摘発されてしまった上に、私の直属の配下であるこいつの身も危うくなってきた


故に、そろそろ撤退させるつもりでいたのだが……そこでお前の案だ

ポイゾニックには、立場が危ういとはいえ未だ警察官という肩書がある
そして、私の配下たちは私が生きている限りは蘇生が可能だ

つまり、ポイゾニックに今のお前の提案した策を実行させる。私がこの男を公安を嗅ぎまわっていた警察官として、一度殺す
その首を持って、ケイに偽装の手柄を報告し、その後私の手でポイゾニックを蘇生させる
昼の国からポイゾニックを撤退させるという目的も果たせる……一石二鳥だ

――――お前の死の偽装という札は、いわばワイルドカードだ。この初期段階では、まだ温存したいと思うのだが
お前の考えはどうかな? 鈴音

【問いかけるカニバディールの目は、幾度もUTら正義と対峙してきた、悪党の目であった】
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/13(火) 03:01:11.86 ID:3hcBO2n60

>>23

【相手から自分は軍人だと聞かされるとつがるは少しだけ目を見開く】

【軍人、確か侍とは違う戦力の事だったか、とおぼろ気ながら思い出せたようで】

【怖い事を思い出させてすまなかったと謝られれば彼女の目には涙が浮かび、ポロポロと零れていく】

あれ……何で……私……
怖くなんてないのに……もう泣かないって決めた筈なのに……っ
【慌てて涙を拭うつがる】

【やはり母親が猟師に撃ち殺された事はそれほどまでに深い傷を残していたのだろう】

【そうして涙を拭うと一言、セレンディピター号です、と口にする】

【恐らく、何故シーツを手にしていたのかという問いの一部だろう】


27 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 03:06:20.70 ID:btA8s8bZ0
>>26
「すまなかった……君を怖がらせるつもりは無かったんだ」

【ハンカチを取り出し、涙を拭いていく】

「ほら、可愛い顔が台無しだ」

【笑顔を絶やさずにそう言うも、次のつがるの言葉に表情が固まる】

「つがる、君はあの船を知っているのか?」
「乗っていたのか?何があった?」
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/13(火) 03:26:41.83 ID:3hcBO2n60

>>27

【怖がらせるつもりはなかったと言われるとつがるは慌てたように、別に怖かった訳じゃ……と呟く。どうも変な所で負けず嫌いな性格のようで】

【しかし相手の表情が固まり矢継ぎ早に質問されれば】

え、あ……厳島さん!?落ち着いて!
乗ってない!乗ってないです!一回乗せて貰おうと思って失敗したけど!
【などとわたわたと答え】

……私、お母さんの死体と一緒に此方の大陸に連れてこられて……お母さんとは引き離されたんですけど……で、お母さんの方は多分何者かに売られてるんですよね、剥製なのか毛皮なのか……どういった形でかは分からないんですが
それで、そういうのって大体お金持ちに売られる事が多いんじゃないかって思って……
【セレンディピター号は豪華客船だ。つまり彼女の言うところのお金持ちが集まる。もしその乗客のリストが手に入れば母親の遺体を探す手がかりになるかもしれない、とつがるは語った】


/すみません、そろそろ眠くなってきたので以降は凍結か置きで大丈夫でしょうか?



29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 03:29:08.62 ID:btA8s8bZ0
>>28
//大丈夫ですよ、では置きスレに続きを書いて置きます、ありがとうございました。
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 04:06:55.63 ID:BaiEZ5N+0
>>25>>26

――――――――……、――そう。
そっか、それなら――理由は、あるね。だけど、わたし、給仕だから……そういうお仕事は、"しない"。けど。

……わたしなら、それも、できるよ。だって――居るでしょう。いっぱい……子供。居ると思うの、"ごはんもちゃんと食べられないような子供"。

【ぱちりと瞬き一つ。少しだけ空いた間は――けれど、その情報を飲み込むための時間にも思えたかもしれなかった】
【隠れ家としてふさわしいかもしれない土地……泥の街。わずかに思い出されるものは飲み込んでしまう、それから、彼の言葉には些細な修正点がある】
【確かに彼女はUTに関わる人間だが――いわゆる給仕であるからして、そのような仕事そのものにはあまり関わることがない。けれど――彼女であれば、それは、かえって自然】
【――そうなる理由こそが、"たんぽぽ"だった。身寄りも金も持たない子供たち……もう何年も前に、そんな子供たちのために、動いた彼女であったなら】
【そこに出入りすることに違和感はないだろう――ならばこれもまた奇縁の齎した結果の一つであったのかもしれない。彼が彼女に与えたものが、また、何か別の形を結ぶ】

【かといって――それまで理由にして利用するのは、どこか嫌だという思いもあったのだけど。なら同時に思うのは、今度、本当に……】
【泥の街で餓えている子供立ちへ。本当に食事を振る舞ってあげようと――心の中で、こっそりと決意して。きっと先の未来で、これらのことも終わった後に】
【自分の中の自分と約束する。子供たちとじゃない、もっと、意地っ張りの自分と約束するから――絶対にそうすると、強い強い決意にもなって】

【――件のCMについて。本当のことは言わなくって正解だっただろう、だからって、何かどうなるわけでもないのだろうけれど。トラウマ、みたいな……ある種の】

……うん。あなたは? あんまり、ないのかな――、へびさま越しだから、よく覚えてないけど……。

【存在の核――正真正銘、彼女の弱点だ。一般的に死んだと言われる状態になってなお、そのうち目覚めるという奇跡を叶えるためのもの――文字通りの、心臓】
【だけどやはりどうなるかが分からない。何でもありうる。なら――伝えないままで、そう重要でない肉だけを持ち帰られても、修復が始まるきっかけは、"そこ"だ】
【それだけならまだしも、修復の工程を見られてしまえば。あちら側に持ち帰られれば――、それではこの切り札も意味がないものになるのだから】

…………セリーナに話を通すなら。先に知ってもらわないといけない、わたしが、絶対に元気で、脅されたりしてないって状態で……。
セリーナが、わたしがあなたに脅されて、報復されないためにこんなことをさせようとしているって思われたら、駄目だから――、多分、一番いいのは。
セリーナに決めておいてもらうの、合言葉でも、目印でもいいけど、セリーナからもらって――、あなたに伝えたり、渡したりする……――。

【話を通すなら――土壇場で伝えるのでは、逆効果だろう。この少女が彼によって殺されたという一報が入った時点で、セリーナはすでにそれを知っていなければいけない】
【脅されて言わされている、あるいは何か書かされたりしている。そういう可能性を排除しておかないといけない、ただ――もう一つ問題があるとしたなら】
【そんなことを伝えた瞬間に一回目のお説教が始まりそうなこと、だろうか――、なんて、そんなの、きっと些事だけど】

/分割で……
31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 04:07:15.35 ID:BaiEZ5N+0
>>25-26>>30

――うん。あなたがそれがいいなら、わたしは――、? ッあ、――――!

【実に魅力的――それは確かだろう。このカードを切れば彼は黒幕の懐にもっと深く食い込める……はずだ、それだけの実績があれば】
【準備する必要はあるけれど、それでも構わない――言いかけて、相手の言葉で口を噤む。そうして――訪れた人影に気づき、目をやる。そして漏れた声は】
【ひどい驚愕を示す、当然だろう。これだけの話をした後だ、反射的に差し向けた指、ぎらと暴力的に煌めく光は――動作と結果だけなら、先ほどと全く同じもの】
【けれどこちらには明確な殺意と敵意がある。もう少し何かが違っていたら間違いなく撃っていた――そういう様子。ただ直後の、警官自身の異様さと、彼の態度を見やり】
【直前の言葉……そろそろ来るというのを思い出せば。彼の配下か――というのには思い至る。まだ幼い少女でさえ従えていた彼だ、警官の一人二人くらい、居ておかしくはない】

お噂――、ポイゾニックさん。……もう、びっくりしちゃった、…………。

【彼らの話す様子を見れば配下であるのに確信が持てた。ゆるりと腕を下げれば、魔力もふと消える。それから説明を受ける間、まだいくらか拗ねたような目はしていたけど】
【そもそも"噂"だってどんなものだか――なんて言わないけど。なんせ自分だって直近で一番警戒すべき機関員は彼だと、とある騎士に話したことがある】

昼の国の警察……スペンサー・キーン……、! あ、ううん……、UTにビデオを持ってきたひとだ。知っているよ、会ったこと、ある……。

【聞いた名前には小さくない反応。というのも、これは――UTに関わる人間としての反応だった。ビデオ、とは――あるいは、彼なら、すぐに思い至るのか】
【だけれどそれも本筋ではない。彼の言葉を聞き終えるまで黙った少女は、少しだけ。考えるようなそぶりをした後に】

あなたがそうやって――言うなら。わたしが死ぬのは、いつでもいいよ。
ただ――その前に、わたしが別のひと……特に黒幕のひとに殺されたり、しなければ。

【別件に関わる益とはいえ、彼にとって好ましいことであるならば――それはそれは彼女としては良しなのだろう。何より喜んで死んでしまいたいほどの、破滅主義者でもない】
【どうあれ死ぬときはそれ相応の苦痛に苛まれて死ぬ。切らずに済むのならばそれが一番のカード――ただしその方法に限り、それ以上の価値があるかもしれない、こと】
【だけれどやはり彼がそれを提案するならそれでいいと頷く――頷きながらも、その手が使えるのは、彼らにとっての彼女が生きているうちの話】
【途中で使えなくなるかもしれない。最後まで使えるかもしれない。それは誰にだって予測できないこと、だから彼女自身、自分を使えとも言い切れず】

……そういうこと、あなたの方が慣れていると思うの。だから……任せる。
わたしはケイってひとを知らないから……どんなひとかって会ったことのあるあなたの方が、そのひとを騙す方法は、思いつくと思うの。

【それもまた信用だったのかもしれない。ひとの命を使ってやり取りすること――何人殺したか分からないくらいだって、ただ一人で繰り返した、少女より】
【ずっと暗がりの中で命のやり取りをしてきて――そのうえで生き残ってきた彼の方が、それを決めるのはふさわしいだろう、と、伝えて】
【ただ――必要であれば使われる程度の覚悟は。ある。何より――今回に限っては、彼も、あまり苦しまない方法を選んでくれるだろう、とも、信じていたから】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 18:31:54.30 ID:vlXLCBKq0
>>396

【ジャングルへと向かうに連れて、徐々に環境が熱帯・亜熱帯に近くなってくる】
【南国的な植物たちがあちこちに生え、生物も同じくそちら側にシフト】
【稀に生える野生のバナナ、それに絡まるパッションフルーツ系のツル、背の高い草むらに潜むサーバルキャット……】

【……草たちが生き生きと茂っているため、少々移動しづらいか】
【草食動物の類はカニバディールの気配を察知すると距離を離すだろう】

【そんなサバンナ的なところを介して、ようやくジャングルへと辿り着ける】


【糸を吐くだけ吐いて逃げ出した蜘蛛。】
【――幸い、その隙に乗ずる何者かは訪れなかったようである。】
【オオハシの一種らしき鳥が近くの木の枝でその様子を観察していたようだが……表情というか視線が憎たらしい以外の害はない】
【その鳥も頭部などに蜘蛛の糸の破片がくっついているため、こいつも糸にやられたらしい……まさか、仲間扱いされているのだろうか?】
【同種の蜘蛛は、時々葉の上などに乗っていたり巣をはっていたりする。少々注意が必要そうだが……?】

【さて内部は……THE・ジャングルである。生き物の鳴き声があちこちから聞こえてきて、湿気が多く蒸し暑い】
【ツルがあちこちに伸びており、場合によっては邪魔になるかもしれない】
【空洞のある倒木の一部からは混沌が漏れ出しており、しかし小動物以外が空洞へ入るにはちょっと狭いか】
【また、切り株もたまに見られる。誰かが住んでいるのか、あるいは樹だけ持っていったのか】

【幾らか進んでいくうちに、川のせせらぎの音が聞こえてくるだろう】
【まだ小さいが、音を頼りにして進んでいけばそのうち辿り着けそうだ】
【水場ということもあり、その場所までの獣道も続いている……と、思われる】

【そして……音以外にも変化が現れるはずだ】
【大きな鳥か何かの足跡らしきものが、獣道を横断しているのだ。おそらく最近できたものである】
【足跡近くのとある地面には、つい先程抜けたばかりだろう羽毛が数枚。それと、血が付着した獣の毛も少々。】
【よく見てみれば、その足跡は獣道の1つを進むかのように残されており……】
【それを追っていけば、もしかすると何かに出会えるかもしれない。しかし、危険な香りもする――】
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 18:32:14.97 ID:vlXLCBKq0
>>32
/すみません、置きレススレへの誤爆です!
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/13(火) 19:00:48.74 ID:Rs5gGjJNO
【街中】

「――じゃあ、醤油風味コーラのSを1つください。それと、ココア納豆きなこバーのバナナ味も1つ」

【テイクアウト形式の店で買い物を終えた1人の人物が、再び歩き出す】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「はあ、疲れた。手当たり次第悪人ボコる作戦うまくいかないなあ、うーん」
「にしても、博物館から良い物盗んでこいに公安の情報良い感じの拾ってこいに……」
「もう少し具体的に何が欲しいとか言って欲しいなあ。やっぱりアイツ嫌い」

【ため息を1つ、そしてマスクを下げつつ持っていたコーラをストローで吸い上げた途端!】
【ブッフォオ! と、派手に噴き出し辺りにコーラをぶちまける】

「ちょっとねえ、どこが醤油風味コーラなの? ねえ、ほんのりコーラ香る炭酸醤油だよねこれ?」
「あーもう、よく見るとこの辺の地面にコーラ……いや、醤油散りまくってるし……みんなどれだけ引っかかってるの……僕もだけど……」

――――――――――

【セレンディピター】

「ええ、はい……ええ、市に持ち帰りご検討させて頂きます、ええ……」
「今すぐの御返事というのは少々難しいですね、ええ……はい……」

【――少し前まで、誰かから取引の相談を受けていたのは】
【身長182cm、きりっとした黒っぽい茶色の眉毛、ややたれ気味で奥二重な褐色の眼をした40代半ば程の男性だ】
【眉毛と同色だがところどころに白髪の混じった頭髪、赤のネクタイ、グレーの縦縞が入った濃いグレーのスーツ、黒いバッグ】

【ようやく開放された男、疲れた様子で人気のない場所へと足を運ぶ】
【さて、この男――どこかで見たことがあるかもしれないし、無いかもしれない】
【彼はブレイザーシティの市長、レイジ・クォーツ。つい先程まで、他の偉い方々と話し合っていた】

「あの手この手としつこいな……そこまでして我が市の資産を吸いたいのか。……そうなんだろうな」

【と呟いた後、周りに人がいなかったかどうかを慌てて確認した】

/どちらか片方的なあれです、0時頃に落ちます
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/13(火) 19:25:46.83 ID:sO4VgAM9o
>>34

【ぱたぱたぱたーと、市長に向けて歩いてくる足音が一つ】
【もぎゅっ、と貴方の胸の辺り柔らかな感触がぶつかるだろうか】
【成功したならばそのままスーツの胸元をぎゅっと掴むだろう】

【──存外に慣れた手つきであったことを、付け加えておく】


助けておじさまっ!悪い奴らに追われていますのっ
父の付き添いで船に来たのは良いのですが、はぐれてしまいどうしたことかと……
そうしていましたら、見るからに怪しい男が声をかけてきましたのっ

あぁ、困りましたわ……(チラッ)どこかに(チラチラ)
助けてくださるおじさまは──


【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女であった】

【瞳の端に潤んだ色合いを見せながら貴方に声をかけるだろう】
【少しして廊下の奥から如何にも成金という感じの男が歩いてくる】

36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 19:44:06.00 ID:vlXLCBKq0
>>35

「…………」

【聞かれていなかったか。ほっと胸を撫で下ろし、……それからすぐだった】
【何者かがこちらに向かって歩いてくる。警戒心を高める彼】
【――少女だ、何故こんなところに? などと思っているうちに、柔らかい感触。そのまま、スーツの胸元をぎゅっとされた】

「なるほど……お嬢ちゃん」
「(少し落ち着きすぎじゃあないか? それに、妙に手慣れている気が……)」

【優しい口調。だが、自ら少女へ触れるなどの行為は一切行わない】
【もう一つ足音が聞こえてきた。軽くため息を付きつつ、彼は目線を出来る限り合わせながら問いかける】

「うん、おじさんが護ってあげよう。ただ、少し良いかな?」
「どうして声をかけられたかとか、もし理由がわかるなら教えて欲しいのだけれども――わからないなら、それはそれで大丈夫」

【ダメ元で理由を聞きつつ、廊下の奥から歩いてきた男の方に顔を向けた】
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 19:58:10.91 ID:SL7Z2JmQO
>>36

【少女の顔がぱぁと明るくなる、宵月の灯りがしっとりと街路樹を照らす様に】
【──いや違う、頬の下に隠しきれないしたり顔が透けて見える】
【海千山千、魔物蠢く政界を生き抜いてきた市長の慧眼は、少女の演技を看破できるだろう】


まぁ!素敵なおじさまっ!私、最初から分かってましたの
こんなダンディなおじさまでしたら、きっと、きーっと助けてくださると!
ふふ、所々の白髪がチャーミングですわ!ハゲとは大違いねっ


【可憐な声色が踊る、掌で遊ぶ小動物が如く】
【長い髪をぴょんぴょんと揺らして、くしゃりと笑う】
【絹の様な肌が折り畳まれて、絵画の如き微笑みをそこに彩った】


「げっ──し、市長……!!どうしてこんな所にっ……」


【現れた男は貴方の顔を見て狼狽えるだろう、貴方ならば知ってるだろう】
【最近ちょっとした鉄鋼バブルで設けた小金持ち、その分悪い噂も絶えない男だ】
【一歩二歩と距離を開ける、今にも退散しそうな程に】


恐らく私が可愛かったからだと思うんですけどっ!
ふふ、冗談ですわ、いきなり背中を触ってきておじさんと遊ぼうだなんて言われましたの!
私もう怖くて怖くて、気づいたら逃げ出してましたの


【およおよと泣くふり、演技派】
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/13(火) 20:04:22.84 ID:btA8s8bZ0
――【水の国、某市街】

「いや〜、参りました、って言うか無茶だっての一度にこんな量!」

【セーラー服を着て学校指定のバッグを肩にかけた少女が歩いてる】
【一目で付近の学校の学生であると解るが、幾つか妙な部分がある】
【先ず、今は平日の真昼間、学生なら授業中であるが彼女はいま、港への市街地の道を歩いている、しかも手にした紙一枚とにらめっこし、時折激昂しながら】
【港まではもうすぐ、しかしながらこの辺はあまり治安のいい場所とは言い難い】

「中尉も全然任務に同行させてくれないし……私嫌われてるのかな?」

【溜息一つ】
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 20:18:13.92 ID:vlXLCBKq0
>>37

「……あ、ありがとう」

【何故か冷や汗を垂らす彼。どこからどう見ても"ハゲ"なんて単語とは無縁な気がするのだが……】
【いや、その二文字とは関係ない何かに反応していたのかもしれない。そういうことにしておこう】

【さて、現れた男の顔を見れば、どこかで見たことのあるようなそれ。少しの間記憶を探り……】

「おや、貴方は……」

【――ビジネススマイル。そして、少女に当たらない程度に軽く頭を下げて】
【少女が理由を語り終えた後、彼は口を開いた】

「始めまして。ブレイザーシティ市長のレイジ・クォーツと申します」
「最近とても儲かってらっしゃるようで……少しお伺いしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。」
「この彼女が、貴方に手を出されたとのことですが……本当ですか?」

【……すぐに手を出さなかったのは、あまり騒ぎを起こしたくないということもあるが】
【この少女、どうも怪しい。演技をしている気がする。――その点もある】
【一方の言い分のみで動くのは危険。それは痛いほど経験してきたことなのだから】
40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 20:28:13.85 ID:SL7Z2JmQO
>>39

【あら、おじさま額に汗がと言いながら姫袖からハンカチを取り出す】
【フリルが印象的な可愛らしいデザインのものだ、少女の服にマッチしている】
【……血の跡が付いているのを除いて】


空調が強いのかしら、男の人は大変ね、何時でもスーツを着なければならないもの
どんな所でもあんなピシッとした格好、私なら息が詰まりますわ
その点女の子はスカートにすれば宜しい分、楽ですわ

尤も、冬場は冬場で寒いのですけどっ


【市長にぐいっと体重を掛けるように密着し、背伸びして汗を拭おうとする】
【身長差もありかなり爪先立ちをしている、うんしょとバランスが危うい】
【揺れる度に髪の毛が靡いて、甘い香りを漂わせる】


「は、はは……いや、いや冗談ですよ冗談──
社交場ではこれぐらいのスキンシップ、挨拶にもなりません、よ」


【本人も後ろめたいのか、苦笑い、すりすりと後方に下がって】
【次の瞬間!ダッシュで入ってきた道から逃走しようとする】
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 20:47:59.09 ID:vlXLCBKq0
>>40

「はは、大変だけど仕方ないからね」
「(ハニートラップの類か……? 残念だが、俺には効かんぞ。……多分)」

【内心少し困りつつ……若干表情にも出ているが……抵抗しづらいのか少女になされるがままな彼】
【冷や汗を拭かれる時、ふと目に映ったのは――】
【……どこか擦りむいた、鼻血が出た、そんな普通の理由が原因ということも考えられるが】
【対面時からどこか怪しさを感じていた事もある、だが藪蛇になるかもしれない。あるいは杞憂か】

「なるほど、冗談だったのですね。……冗談で少女を触ると大変なことになりますよ?」
「……あっ! 待ちなさい!」

【脚を踏み出そうとするも、少女を巻き込む可能性を考え一瞬ためらう】
【その一瞬が命取り。逃走する男に対しては片腕を伸ばしながらお決まりの文句を言うことしかできず】

「(……マズイな、有る事無い事言い触らしそうなタイプだぞアイツは……どうするか)」

「……お嬢ちゃん、怪しい男はいなくなったみたい。どうする? お父さん一緒に探す?」
「それと……ハンカチ、少し汚れてたみたい。血がついていたような気がするんだけども、どこか怪我でもしたのかな?」

【――ひとまず、少女を先にどうにかする事が先決か。おそらくそう思ったのだろう】
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/13(火) 20:52:57.90 ID:pep1mkbPo
【???】

【そこは誰も知らぬ場所。光あるものが寄りつけぬ影の中。闇が支配する深淵の底】
【狂気の男が会談のために設けた特殊な場。ここで人知れずある邂逅が行われる】

【薄暗闇の空間に小さな光源が一つ。鋼鉄製の床と一つの人影を映し出していた】
【東洋風の男は微笑みを湛えていた。優しげに、愉しげに、穏やかに】
【男が立つのは暗闇の奥深く。ここに来られるのは彼が呼び寄せたものだけ】

【待ち人が来れば、彼は「あぁ」と言って声をかける。同志にするように、旧友にするように】
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 21:03:57.98 ID:SL7Z2JmQO
>>41

【男が逃げ出していくだろう、後に残るのは少女と市長】
【ほっと胸をなで下ろす所作、助かりましたわ──なんて呑気な言葉】
【続く貴方の言葉にぱちくり、瞼が呼吸をした】


あら、血がついてました?──もう、おじさまったら
レディにそんな事聞くのは失礼でございまし、少し恥ずかしいですわ
それよりも、助かりましたの、私本当にどうしたものかと

ねぇ、おじさまは市長でいらしたの──?


【貴方に背中を向けて、ぱたり、もたれ掛かろうとするだろう】
【胸板に頭が来るぐらい、本当に親と子ぐらいの身長差だ】
【中々苦しい言い訳をしながら話を逸らそうとする】


もし、市長でしたらこんな船に何の用ですの?
先程から見て回りましたが、何やら下品な方が大勢いらっしゃいますが


【見上げる蜂蜜色の視線、細い首筋が髪に撫でられ顕になる】
44 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 21:11:24.94 ID:SL7Z2JmQO
>>42

【 ────亡。と影が煌めくかの様──】

【歩みを寄せるのは宛ら靄、唯々薄い雰囲気を曇らせつ】
【場違いに響く靴の音。其れだけが確かに少女の存在を告げる】
【歪む頬の色、其れを微笑みと誰が言うのか】


待たせてしまったかな、何分此方に来る迄に愉しい見世物が多い事、多い事
『うち』も大概だと想っていたが、其方も──中々に良い趣味をしている
いや、うち以上かな、私の所は私以外大分マトモだからな

──申し遅れた<harmony/group>主任研究員
皆からは"教授"だとか──嗚呼、親しい者からは"魔女"とも呼ばれているよ

此の度はお招き頂きどうも、かけても良いかい?


【萌葱色の長い髪に病的な白さの肌、檸檬色の双眸は切れ長の面持ちを耽美に飾る】
【黒地に朱の艶やかな着物に、柑橘色の飾り帯を重ねて】
【太腿にまでかかる長い白足袋に黒い下駄を履いた少女であった】

【粘液の絡んだ艶のある声、唇の色合いを強めながら言葉を紡いだ】
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 21:26:20.48 ID:vlXLCBKq0
>>43

「そうか、失礼なこと聞いちゃってゴメンね」
「(――ふむ、……これは完全に誤魔化されたな。さて、どうするか)」

【口では謝罪を言いつつも、これで彼は確信したようだ。……何かしらの裏があることに】
【もたれかかる少女を拒否せずそのまま支えつつ、思案する】

「ああ、私はブレイザーシティの市長を務めさせて頂いてる者でね」
「何の用かと言われると……少し大人の話がしたいということで招待状を頂き、ここに来た……ってところかな」
「なかなか話がうまくまとまらないから困ったものだよ」

【目線を下の方に向けつつ返答する彼。嘘は言っていない、けれどもかなり曖昧な返事。】
【火種になりそうな言い方をなるべく避けたいのだろう、少し言葉を選んだような雰囲気だ】

「……ほら、いつまでもここにいたら船酔いするよ。お父さん一緒に探してあげるから、ね?」

【いつでもカバンから何かを取り出せるようにと、背後に手を回して】
【ちなみに、この場所が特別揺れるとか臭いがキツイとかそういうことは一切ない。船酔いのしやすさは対して変わらないはず】
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/13(火) 21:28:47.88 ID:pep1mkbPo
>>44

【来訪者に向けて男は変わらぬ笑みを向ける。狂気と正気の入り混じる笑みを】

ようこそ、我が社──いや、私の元へ
私は『レヴォルツィオーン』社開発主任のブランルだ
今日はお会いできて実に喜ばしい。どうぞ、リラックスしていてほしい

【男の声は甘い毒のように、心を溶かし入り込むような低音】
【右手が翻り椅子を指し示す。飾り気のない椅子が光源の下にはあった】
【ブランルも傍にあった椅子にかける。黒の衣服に包まれた脚が組まれる】

それで、”教授”────嗚呼、あるいは”魔女”よ
今宵この場で、我らは何を語ろう。何を紡ごうか
私の話か、あるいは私の作品か
それとも我が社の目的か、もしくは貴女の話か

お好みはどれかな────?

【謳うように、誘うように言葉が紡がれていく】
【この深淵で何から始めるのか、何を始めるのか、と】
【ブランルは期待と興奮、狂気を湛えた瞳を向けて、目の前の少女を見つめていた】
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/13(火) 21:32:04.13 ID:sO4VgAM9o
>>45

【わーって言いながら貴方の胸元で頭をコロコロ、逞しいそれを堪能しようとする】
【答えを聞くと、口の中でブレイザーシティと反芻した】
【指先がくるくると横髪を弄ぶ、どっかで聞いたことあるような】


んーっ思い出せないですわ、ねぇおじさま其れは、どんな街なのですか?
国の名前でもいいですわ、おじさまの統治する街を教えてくださいまし
きっと素敵な街なのでしょうね、童が歌い民が喜ぶ──

今にも瞼の裏に浮かんできそうですわ


【目を閉じて夢想する、長い睫毛が頬の白を濡らして】
【次に開いたなら貴方の言葉を聞いて、むすーっとした表情になる】
【ジトーっと貴方を見上げて、視線を交錯させる】


知らないですわっ、どうせすぐに会えますもの
それよりおじさま、私おじさまの話が聞きたいの
ねぇ、どうして市長になられたの?すごく大変だったのでしょう?


【父とはぐれたと言っておきながらこの言い分である、怪しい】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/13(火) 21:40:43.60 ID:sO4VgAM9o
>>46
  【 ──小首を傾げ嗤う。声も无く其れで居て愉しげに 】

宜しく、ブランル──噺で聞いていたよりも、ずっとずっとハンサムなのね
もっとどう仕様も无い男だと、想っていたよ──
嗚呼、変わらないか。其のどう仕様も无さは、溢れる狂気は止まらないのだね

丁度良い、実に興味深くて──度し難い


【するりと椅子に座る、体重を感じさせない優雅な所作】
【檸檬色の瞳が貴方を見つめる、暗澹を覗き込むよりまだ昏く】
【頬に肩肘を付いて、一度二度指先で机の端を叩いた】


そうだな、先ずは此方の要件を明かそう
私の所は現在通常の業務以外に、別の実験を行っている
其れが行き詰まっていてね、さあ困ったと云う所だ

怏々にして、困った研究者の前には使者が来ると云う、受胎告知じゃ在るまいしと──思っていたのだがね?


【ニヤリと唇の端を持ち上げた、愉しげな笑み】


協力関係を結びたい──貴方と私で、より良い社会を作ろうじゃないか
49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 21:49:04.09 ID:vlXLCBKq0
>>47

「――ブレイザーシティはいいところだよ。ちょっと蒸し暑いけどね」
「7〜8年前くらいかな? 一時期はカノッサ機関の手に渡っていたけれども」
「今は全然そんなことはない。……ちょっとだけ魔物も住んでるけれど、仲はいい」

【コロコロと転がされる頭、さすがに手を出したくなったのだろうか】
【裏側に回した手を戻して頭部を軽く押さえつけようとする彼。押さえつける、というよりも乗せると言ったほうが正しいか】

「ふふ、それを話し出すとちょーっと長くなっちゃうかな」
「そうだね、……機関の手から戻ってきたブレイザーシティを立て直したかった、辺りかな」

【他にも色々あるけれども――あまり長くなっても仕方がない。簡潔にまとめた後】
【バッグから何かを取り出した市長。……これはリボルバーだろうか。謎のゲージとツマミもあるが……】

「ブレイザーシティは今、兵器作りに力を入れているんだ。これもそうなんだけれども」

【――銃口が少女の斜め前の方より向けられる。弾は……籠められて"いる"。目視の限りでは】

「……ねえ、お嬢ちゃん。そろそろ本当のことを話しても良いんじゃあないかな?」

【体勢が体勢なため、少々持ち方が不自然だ。このまま撃ったら手首を痛めそうであり、奪いやすそうでもあり……】
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 21:55:27.02 ID:SL7Z2JmQO
>>49

【乗せられた手、頭の上に温かな手があるのは存外心地良いもので】
【手の下で頭を揺らして擬似的に撫でられる、積極的に行く】
【気持ち良さそうに喉を鳴らして、言葉を重ねた】


魔物が住んでらっしゃるのね!其れは素晴らしいわっ!
ねぇ、魔物のお肉ってブレイザーシティでは食べる事ができるの?
そうであったならより嬉しいわ、私小躍りしてしまいますし

お父様に頼んで、次の演奏会を其方で開いてもらいますの


【予想外の反応、魔物と聞いて何故か目を輝かせる】
【以前会った旅人の青年。彼が示してくれた魔物の肉】
【記憶にはっきりと残っている】


──あらおじさま、随分物騒ですこと
いたいけな少女に向けるにしては、あまりにも乱暴ですわ
おかしいですわ、私の調査ですと、こういう少女がおじさま方の趣味ではなくて?

ねぇおじさま──この船で何が起きてるか、ご存知?


【­­銃を向けられても動揺しない、寧ろ僅かに目を細めて】
【じぃっと、再び視線を向けた】
51 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/13(火) 22:07:25.91 ID:pep1mkbPo
>>48

【唇が下弦に歪む。低く喉を鳴らす。愉快げに濡れた黒絹のような瞳が揺れる】


女性にそこまで褒められる機会はそうないな
容姿だけでなく”内面”まで褒められるとは

貴女も実に美しく、醜く、そして”どうしようもない”ようだ


【椅子に座ったままブランルが姿勢を変える】
【まるで鏡合わせのように、女と対称の形を取る】
【我らは同じであると、そう示すかの如く】


────協力関係


【その言葉の意味を味わうように、纏わり付くような声で復唱する】


やぶさかではないな。貴女のような良い女性とそういった関係が結べるなら至上の喜びと言っていい
となれば、私としては貴女のことをもっと、より深く、知りたくなる
無論、それは寝台の上でまぐわうようなもの。であれば、私も詳らかにしなくてはそれは行えぬ
片側だけ裸では不公平だとも、それは望ましくない

貴女が貴女のことを教えてくれるというのであれば、私も私のことを教えよう


【わざとらしく”魔女”の身体に視線を這わせる。その秘密を探るために】
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 22:11:50.33 ID:vlXLCBKq0
>>50

「どうかな、2〜3年前に一度だけ輸出できるくらいの大量の魔物の肉は手に入ったけれども、今は殆ど捌けたからね」
「でも――確実とは言えないけれども、時々置いていることもあるかな」

【肉の処分に困った狩人が時々売りに来るんだ、なんて付け足して】
【2〜3年前というと、魔物襲撃事件の辺りか。その時に魔物の肉の処理のノウハウを手に入れたらしいという噂もある】

「乱暴でゴメンね、けれども君はどうも怪しい」
「……残念だが、私はそういう趣味はなくてね。年の差は±10歳程度に留めてもらいたいところだ」

【さり気なくターゲットゾーンを明かしつつ、少し口調から優しさを抜いて】
【少し……いや、ほぼほぼ素になった様子だ。銃を向けられても動揺しない相手となると、おそらく只者ではないのだから、作っている場合ではない】

「――いや、知らないな。元から良い噂を聞かない船だ……何か置きていてもおかしくはないが」
「ただ、"パトロン"という単語をよく聞くことだけは気になる。……そのくらいだ」

【銃はそのまま、知っている情報を話す市長。隠している様子では……おそらくない。】
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 22:16:42.25 ID:SL7Z2JmQO
>>51

【萌葱色の髪が頬を擽ると、指先が名残惜しそうに描き上げる】
【零れる小さな耳の形、艶やかな首筋を曝け出して】
【婪る喉の淡い白──白陀の如く競艶な色合いをしていた】


其れは随分とそそる言い方ね、レヴォルツィオーンの主様は女性の扱いも手馴れてるのかしら
乗ってあげても良いわ、貴方の前に私の姿をさらけ出しても、ね
一糸纏わぬ淫らな身体を、この火照りを埋めてくれるのなら

でも駄目よ、だーめっ、ふふっ、あの子の口癖が移っちゃったわ
ごめんなさい、今日はね、ビジネスの話、睦言はこの後ゆっくり果たしましょう
貴方がどれだけ素晴らしいかは枕元で、幾らでも


【"指先"で視線を絡めとる──視界の中で貴方と交わる様に】
【御預けをする様に言葉を返す、中々どうして妖艶な音色】
【嗚呼、いけない──と、内股加減に太腿を寄せた】


そうね──具体的には、私にもレヴォルツィオーンの開発に参加させて貰いたい
特に其方の製薬部門には、私も上も興味津々よ
──勿論、ただとは言わない、此方からも極上のリターンを返すわ

"私"よ、わーたーし。自分で言うのもなんだけど、結構美人じゃない?
私のこと、好きにしていいわ、愛でるなり嬲るなり、壊すなり──
良い声で啼くわよ、こう見えても得意だから


【なんて、冗談よ──と、付け加えて】
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 22:23:48.56 ID:SL7Z2JmQO
>>52

【貴方のストライクゾーンを聞いて、ふぅと小さく息を吐いた】
【其れは少し残念そうな溜め息、私じゃ無理かーなんて】
【むすーっとした表情で見上げる、これでも駄目?と言いたげに】


あらおじさま「パトロン」なんて言葉、知ってらっしゃるのね
──鋭いのだけれども、あまり情報は揃ってないのね
もうバレてる様だし、種明かしといきますわ


【次はもっとお姉さんに化けますわ、なんて小声で】
【黒い影が少女を包む、するり、と貴方の元から抜け出して】
【影が前方に移動したならそこでまた別の形を作り出す】

【一つの形に収束し拡散、後に現れるのは格好を変えた少女】

【純白の長い髪をツーサイドアップにし、黒いコサージュリボンで片方だけを飾り】
【黒く長いマフラーと巫女服を基調とした無袖の裾が短い白の着物】
【ゆらりと長い袂からメッシュの長手袋が漏れて見える】
【白いニーソに厚底の下駄を履いた姿へ変容を遂げた】

【────忍者、知っていればその感想が湧くだろう】


申し遅れましたっ!『公安三課』所属!鵺と言いますっ
以後お見知りおきをっ!


【聞いたことあるかもしれない、天下の『公安』に犯罪者から成る幻の部署がある、と】
【『公安三課』──市長ぐらいの権力者ならば、知っているかもしれない】
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/13(火) 22:35:37.51 ID:pep1mkbPo
>>53

【垣間見せる白い喉元、首筋。妖艶な動作に蠱惑的な音色】
【男の喉が鳴る。闇夜に瞳に情欲の炎が宿り────消えた】
【炎をかき消すのは──いや、隠すのは、小さな微笑みだった】


では後の楽しみにとっておくとして……
そうだな、”仕事”の話をしよう……私の護衛にもこのフレーズの好きなやつがいてね?

製薬部門への参加は是非とも歓迎したいところだ。あれは私の専門ではないのでね
その報酬が貴女だと言うのであれば──断る理由もないな

あぁ、仮に冗談だとしても、そんな言葉を言われるのであれば断れないな……?
何せ男などというものは、女の甘言には弱いものだ


【冗談か真意か、どちらにでも取れるように言ってブランルは続ける】


では、より一層の深部へ、深奥へ。寝所の紗幕を開くかのように

開発に参加、まことに結構。それで、作品はお持ちかな?
これから作るでも良し。持ち込んでいるのであれば私に示すも良し。自由だ

もちろん、私の作品は”ここ”にある
見せてもいいし触れてもいい

────互いをより深く知り合おう


【両腕を開き、誘うように男は返答を待つ】
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 22:44:13.84 ID:vlXLCBKq0
>>54

「残念だが、親戚の娘ってところだ」

【見上げてきた少女に対しては……ばっさり。……世の中、無情である。】

「元々の目的が目的だ。パトロンという言葉は取引中に聞こえようとも、調べる理由がない」

【するり、自身の元から抜け出した少女――警戒心を更に強めたらしい】
【リボルバーを撃ちやすいように腕を動かし、いつでも撃てるようにと引き金に指をおいて】
【少女が次に何をするのかをじっくりと観察。怪しい動きをしたら撃ってやる、そんなオーラ】

「(忍者……? いや、忍者はスパイの役割があったと聞く……)」

【そして格好を変えた後もリボルバーはそのままだ。彼女が名乗りを上げるまでは――】

「……公安、三課?」

【――聞いたことがあるような、ないような。立場上、公安に関する情報はそれなりに知っている】
【故に公安三課の存在は聞いたことがあった、が、実際に存在しているかまでは確かめたことがなかった】
【リボルバーをおろし(手放しはしないが)、そして深々と頭を下げる】

「……失礼致しました。鵺様、ですね。改めて……私はブレイザーシティの市長のレイジ・クォーツを申します」
「…………すまない、堅苦しいのは苦手なんだ。改めて口調を直す必要は……ないよな?」

「公安三課が本当にあったとはな……では単刀直入に聞こう。何故私に接近してきた?」
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 22:47:59.26 ID:SL7Z2JmQO
>>55

【──心の奥底に疼きがあった、目の前の男の精力に掻き乱される様に】
【其れは、願望──破滅する願望、嗚呼、なんて疚しい女なのだろうか、と】
【踏み込めば穢されるのを分かっていながら、然れど其れを求めてしまう】

【  ── 好奇心と、小さく口元から零れた ──  】


流石は天下のレヴォルツィオーン、懐が広い。
其れでこそ、手を借りる甲斐が在るのだ、私の好奇心を満たしてくれる。
生憎と私の作品は気軽に持ち運べるものではなくてね、示そうにも、之しか无い。

ブランル、貴方の作品が此処に在るのなら、奇遇にも私の作品も此処に在る。
"好奇心"──其れが私の唯一にして無二の、能力だと想っている。


【椅子から降りて貴方の元へ歩く、華奢な身体がしなやかに揺れて】
【近づいたなら小振りなお尻をテーブルの上に載せて、貴方の側に寄った】
【左の手を伸ばして貴方の顎に触れようとしながら、口を耳元に近づける】


好奇心は猫を殺すと言うが、私から言わせてみれば、猫を殺す程度で満たされるものは好奇心ではないのだよ。
頭蓋を刳り、髄液を滴らせ、皮質を割いてもまだ足りない。
渇望こそが私の希望で、欠落こそが私の心情だと。

──魅せ給え"坊や"──作品を、半端なら足りない。この渇きを抑えるには。
然るに割いて確かめよう、中身を見つめて判断する。


【舌が絡んだ吐息、紡ぐ言葉は貴方への布告】
【作品を見せろ、と婉曲的にそう伝える】
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 22:53:51.95 ID:SL7Z2JmQO
>>56

【堅苦しい口調を聞くと、ムズムズ、と擽ったそうな表情をして】
【戻ったらほっと一息、それでいいよーっなんて言葉を向けて】


んー何故近づいてきたか、と言いますかっ
鵺ちゃんの今の任務が件のパトロンの情報集めでして
見事なお嬢様に成りきって、沢山のおじ様を骨抜きにしてますのっ

あっ口調が──……でもねーもう雑魚は正直いいんだよねっ
やっぱりこれだけ人がいるとピンキリだから、さっきみたいな小悪党は良くてっ
鵺ちゃんの狙いはズバリ大物なのですっ


【くるくると指先で髪をなぞる、癖なのだろう、お嬢様姿でもやっていた】
【なのでっ、と貴方へと視線を向ける、弾む言葉の色が揺れた】


ブレイザーシティの市長さん!之は大物だ、と接近した迄で
最初は完全に知らなかったんだけどね、途中から方向転換っ
ああいう風に追われる女のコやってると、けっこー食いつきいいんだよねっ


【マフラーに口元を埋めて、微笑みの表情を強める】
【声も形も少女相応、それでも自分の魅力を最大限に使う様子は】
【手だれた芸妓のような、そんな雰囲気も宿していて】
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 23:15:52.25 ID:vlXLCBKq0
>>58

「なるほど。……確かに、追われる少女は見捨てづらい」
「私も警戒していなければ引っかかっていた……かもな。どちらにせよ、パトロンの情報は掴んでいないが」

【少しばかりの微笑み。……とりあえず、リボルバーをバッグに入れる彼】
【もしかするとまた必要になるかもしれないが――その時はその時だ】

「……ん? となると、あの男は君が雇っていたのか? それとも彼にも罠を仕掛けたのか」

【追われる女のコ――となると、追う側も必要になってくる。彼はふと思った】
【どちらかというと罠に引っかかりそうなタイプの男だな……なんて考えながら、問いかける】

「――しかし、パトロンか。他者の会話の断片から聞き取っていた程度の存在だが」
「わざわざ情報を集めに来ていたということは……どうやら相当重要な存在らしいな」

「一体何者なのか、教えてもらえるだろうか」

【鋭い視線が向けられる。もしも危険ならば何か手を考えなくてはならない】
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 23:26:24.16 ID:SL7Z2JmQO
>>59

【市長の言葉に不敵な笑みを見せる、マフラーから零れる年相応の笑み】
【純白雪の髪が長く揺れて其の頬を修飾したなら、何となく理解出来るかもしれない】
【之で落としたのだと、微笑みは如実に伝える】


鵺ちゃんも完全には知らないし、分かんないんだけど
おじさん、市長さんって事は頭いいんだよね?
私の代わりに考えてほしいの、どういう可能性があるか、って

数日前に私の元に来たリスト、そこにはこの船に乗ってるパトロンのリストがあったの
私の仕事は其のパトロンを片っ端から捕まえて、何が裏にあるのか──調べること、なんだけど

之が全然、検討も付かなくて──見る?捕まえたリスト


【肩を竦めてため息ひとつ、袂から携帯型デバイスを取り出し、市長に見せる】
【そそくさと近づいて胸板にもたれながら、この位置が気に入ったみたい】
【其のリストを見ていると、貴方なら気づくかもしれない】

【名前の書かれている人物──そのうち何人かは機関と関係を持っている、と】
【正確には機関に対する資金援助や癒着、その疑惑のある人物達であった】
【何人も弁護士や探偵が消されている、そんな過去もある】


ねーおじさん?なにか分かった──?
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/13(火) 23:45:07.85 ID:vlXLCBKq0
>>60

【少々戸惑った表情を見せる彼。"なるほどな"、そんな意味が籠もっていそうなため息を1つ、眼を少し伏せながら】

「……いや、そこまで頭に自信はない。秘書に時々手伝って貰っているしな」
「そして……パトロンを片っ端から捕まえろとは、……見せてもらおうか、リストを」

【まるで、そいつらが悪人みたいじゃあないか。――この船がどういう場所であるかは十分知っている】
【だから、驚きは少なかった。もたれかかる彼女、持つ携帯型デバイスを覗き込み】
【――何やらぶつぶつと言葉を漏らしているようだが……ほう、ふむ、その程度の言葉だ】

「…………あまり私は裏のことに詳しくないのだが」
「噂によると、この人物やこの人物なんかは機関との何かしらの関わりがある……らしいと聞いたことがある」
「その噂の真偽を確かめようとした者は、二度と帰ってこなかったとか……とにかく、黒い噂だ」

「それと、この人物だが」

【リストにあげられた人物の1人を指差す。とある街のトップの名前だ。】

「この者は私にしつこく一方的な取引を持ちかけてくる。ブレイザーシティの資産を欲しがっているようでな」
「彼に関しては機関との関わりはわからない、が……もしかするかもしれない」

「一部がそうならば、他もそうである可能性が高い……私の推測だが、このリストの人物たちは皆、機関と繋がっているのではないだろうか。」
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/13(火) 23:45:10.09 ID:pep1mkbPo
>>57

【頬に手が触れる。掴めば壊してしまえそうな細指が触れてくる】
【”あぁ”、と甘美な吐息が漏れる。耳元に聞こえてくる心地よい囁きに】
【女のもう片方の手を掴みかかる。同じように華奢な、それでいて貴女のものより大きなそれが包み込むように手を取ろうとする】


────嗚呼、いけないな
そのように挑発されては私も、”本当は見せるつもりでなかったもの”まで見せたくなってしまう
私の本性そのものを、ブランルという男の全てを


【低音の囁き声には昂ぶる気色。挑発に誘われるままに乗ってしまう】
【腕が女の腰へと回される。誘いに乗る踊り手のように優雅に】
【──あるいは、獲物を捕らえる獣のように獰猛に】


で、あればお見せしよう。まずは、貴女に、貴女だけに
私の至上の作品、至高の一品を
あぁ、そうだとも。好奇心は最大の能力だ

────そう言ったからには、どうか”殺されないで”くれよ?


【女の耳元に口を寄せて、舌を這わせようとしながら、力強く抱きしめる】
【言葉が止む。暗がりの中で静寂が二人を包み込む】
【────雑音が、遠くに聞こえてくる】

【初めは小さく、次第に大きくなっていく雑音】
【それは声だった。波濤の如く押し寄せる無数の声だった】
【遠くに微かに聞こえるはずだったその声はしかし────押し寄せ大音響となった】

【『痛い苦しい暗い辛い憎い助けて酷いどこ誰誰痛む怖いここは誰熱い苦しい助けて誰辛い暗い眩しい誰どこ痛い』】
【『助酷誰誰痛怖誰熱苦助苦助誰辛暗眩誰辛痛苦暗辛誰誰痛怖憎助眩誰辛痛苦助苦助誰辛暗眩暗辛誰誰痛怖憎助怖』】
【『声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声声』】

【脳内を覆い尽くすほどの声が永遠に響く。さらにはその中に人の意識のようなものが感じ取れる】
【その段階でブランルから離れれば、離れた瞬間に声は消え去り、跡形も残さない】
【だがもしも、”好奇心”が働いてさらにその状態を続ければ、今度は”誰かの記憶”が流れ込んでくる】

【それは──路地裏で飢え死にした少年──機関員に殺された女──恋人に裏切られ自殺した男──】
【──子供を食い殺して処刑された殺人犯──森に追放されて人間に殺された獣人──】
【いくつもの記憶が次々と、継ぎ接ぎに混じり合いながら流れ込んでくるだろう】
【まるで自分の記憶と他者の記憶が混濁するような感覚がするかもしれない】
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/13(火) 23:52:59.73 ID:SL7Z2JmQO
>>61

【理路整然と詰められる市長の言葉、一度二度と彼女は頷いた】
【それと同時に感服する、之だけの情報から正確に繋がりを導き出す能力に】
【なるほどーなんて淡い言の葉が漏れた】


──『機関』ですね、ここ最近は活動を潜めている印象でしたけどっ
こーんなところで名前が出てくるだなんて、ほんとに厄介な組織ですことっ
でもやっぱり、聞いてみるものですねっ!お陰で良い情報が貰えましたっ


【そっか機関か、と少女は何度か呟いた】
【ひとつ頷くと、ぴょんと前に飛び降り、くるりと向き直る】
【丁寧に頭を下げた。情報をくれた貴方へ】


ではおじ様、私はまた別のパトロンの元へ向かいます
おじ様の話ですと、ブレイザーシティにも魔の手は伸びてるのでしょう、それもお気をつけて──

困ったら呼んでくださいっこの船にいる限り、鵺ちゃんはいつでも、助けに現れますよっ!


【微笑みが漏れた、淡い色合いを残して、ふふ、と小さく揺れる】
【手を振りそのまま、奥の廊下へと消えていくだろう】


/こんな所でしょうか!お疲れ様でした!
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/14(水) 00:06:37.51 ID:aSs0MbFd0
>>63

「――あくまでも私の推測に過ぎない。間違えていたらすまない」

【頭を下げられれば、彼は下げ返す。市長としての癖なのかもしれない】
【まるで帽子を被っているかのように、頭髪の位置調整をしている気がするのはきっと気のせいではない】
【……特に見た目に変化はない。少し頭皮が痒かっただけである、きっと。】

「わかった。……気をつけよう。君も気をつけて欲しい」
「本当に機関が絡んでいるとしたら、パトロンの事を嗅ぎ回る君は能力者に襲われる可能性がある」
「……ありがとう、助けを呼ばざるを得ない状況にならないことを祈るよ」

【それでは――と、手を軽く振り返した後、近くの壁に背中を付けて】

「……強欲なだけなら話を受け流し無かったことにしていたのだが」
「機関か。……もし本当にそうであるならば……少し、考える必要があるな」
「また強引に我が市を攻め落とす可能性だってある。まずは……確かめるところからか」

【機関に良い思い出はない。あの時は市長でも何でもなかったが――】

/お疲れ様でした!
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/14(水) 00:06:43.79 ID:vOpQf46wO
>>62

【耳元に舌が絡み、僅かに身体が跳ねた。痙攣するかの如く】
【甘い吐息を漏らさない様に唇を噛み締める、震える舌の彩を添えて】
【耽美な感触、引き寄せられて抱き締められる情熱的な一幕】

【  ──然し──  】  【  ──暗転する──  】


っ──……!!之は──?

(……声、かしら……何これ、とてつもない、怨嗟の声──
気分の良いものじゃ、無いわね……耐えられない、訳じゃないけど)


【"魔女"の奇特な性質が出る、其の声を前にしても怯む事は無い】
【背筋を悪寒が這った、耳元に感じる貴方の熱量細い喉元から聲を漏らして】
【奇妙な感触であった、脳内の音は不快に、それでも耳元の舌は艶やかに】

【──踏み入ってしまう、奈落に、好奇心が猫を殺した──】


あっ……く────ぅ……!!


【記憶の奔流、溢れ出す無数の景色】

  【其れは惨殺であり。──】  【其れは虐殺であり。──】

【謀殺であった。──】  【然れば報殺もある。──】

  【脳内に死のイメージが溢れる──。】  【洋杯に勢いよくワインを流し込むが如く】

【溢れる、溢れてしまう──。】  【困惑した。】

【無数の死──、数多の死、曝される自分】

【ねぇ──私は、本当に、生きてるの──?】


【之だけの死の中に】──【生が在るなんて】──【思えな──z_______】



    【飛び退く、強く】

【ばたん、と地面に倒れ込んで、荒く呼吸をする】

  【はだけた着物、スリットから肉感的な両足が覗く】
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/14(水) 00:27:28.82 ID:dpS0xvBRo
>>65

【ブランルから離れた瞬間、記憶も声も霧散し、残るのは自分の吐息だけ】
【あるいは────いつまでも記憶が曖昧だという感覚だけが纏わり付くのかもしれないが】
【見上げれば、そこにはブランルが立っている。変わらない下弦の笑みを浮かべながら────】


…………ふ、ふふふふ
いかがかな、私の作品は。数あるものの中で、唯一絶対と言っていい一品だ

あぁ、あぁ────貴女は言ったな
頭蓋を刳り、髄液を滴らせ、皮質を割いても足りぬ、と
ならばこそ、私は────”我々”は
貴女に頭蓋を開いたその先を見せた、というわけだ


【倒れた女の両足の間に膝を割り込ませて】
【するりと、這うように近寄る。女の顔を真正面に捉えて】
【暗澹とした瞳の中には混沌が渦巻いていた。無数の意識による混沌が】


どうかな、お気に召していただけたかな?
私の深部、さらにその奥深くだ。拒絶されては傷ついてしまう
もしも貴女が良しとしてくれるのであれば、”我々”は今日から同志だ
レヴォルツィオーンという一企業もまた、貴女を受け入れることだろう


【低く蠱惑的な声が、ゆっくりと、心に沁みこむように、耳に触れる】
【男の手が女の頬へと伸ばされて、止まる。恐れぬのならば触れてみろ、と】
【触れたところで先ほどのような”声”は聞こえない。ただ試しているだけだ────】
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/14(水) 00:40:01.67 ID:wS3s3Hk/o
>>66

【歯の奥が細かく震える。──之は恐怖か。】
【恐怖だと思う。数多の死に曝された恐怖で、あって欲しかった。】
【  ──嗚呼、違う──最早恐怖ではない──  】


……素晴らしい、素晴らしいわ──今まで見た、どんな景色よりも鮮明よ
分からないもの、自分が死ぬ感覚など、味わえるものではない
嗚呼、良かった──そう、あんな気持ちなのね

ブランル、教えてちょうだい、また私に死の記憶を
まだまだ在るのでしょう?無数の、無数の死が

虚しい死が欲しいわ、激しい死も捨て難いわね
哀しい死もスパイスに、酷い死はアクセントに
惨めな死で心乱して、可憐な死に涙したい

──『足りないわ』──まだまだ
滔々と語る悪夢の様に、私にもっと、死をください


【頬が綻ぶ、檸檬色が三日月の様な微笑みを浮かべて】
【喜んで貴方の手を取る、其の経験が欲しい、と言わんばかりに】
【言葉は鮮烈に、それでいて苛烈に紡ぐ音律を唱えて】

【目の前の少女は喜悦に髪を靡かせて、甘える様に貴方の腕に抱きつく】
【ねだる様に頬をつけて、傅く様に声が媚びる】
【先程の怯えは真実で、今の彼女もまた真実】

【──尽きぬ好奇心がその身を壊すまで──】

【しばしの間、狂宴がそこにはあるのだろう】


/こんな所でしょうか!お疲れ様ですっ!
68 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/14(水) 00:43:18.04 ID:gZB4AWuzo
>>30-31
――――……。そうだったな。事件を追うメンバーには、入っていなかった

なるほど。たんぽぽ≠フ上での活動なら、不自然さもあるまい
大勢いるだろうとも。私がいた頃もそうだった。今も、これからもな

【その一瞬の間に込められた意味はなんだったのか。彼女が思い出したもののことは知らない】
【彼女にもまた、彼女の歴史があるのだから。今は、ただ未来のことを】

【あの土地で悪事を働き続けていたカニバディールが、このような形であの街に何かを結ぶことになろうとは】
【いずれこれが、また違う未来へと繋がっていくことになるかどうかは、今にかかっている】

【彼女の、彼女自身との誓いには、異形の入る余地はない】
【あくまで、カニバディールの持つ手段の一つ。必ずしも使う必要はないだろうが】
【使うことになった時、彼女の思い描く未来に、それは繋がっていくのだろうか】
【いずれにせよ、その未来に異形はいない。むしろ、対峙しなければならないのだ】


【彼女のトラウマは、事の巨大さの前に闇に葬られ。代わって差し出されるのは、もはや何もかも曝け出さんばかりの情報】

……私の場合は、いわば私自身が核のようなものだ。配下たちが死んだ場合は、肉片一つ残っていなくとも私が生きていればどうにかなる
だが、私が死んだ場合は肉片がなければ少々危うい……

手下たちと共有している命の大元は私だからな。私のこの身が肉片も残らないほど破壊し尽くされれば
蘇生が不可能とはいかずとも、時間もかかれば危険も伴う。一度、配下たち全員を集結させて、その肉をもって私を蘇生させねばならないからだ

UT事務所の上に我々が浮かんだ一件は覚えているだろう? まさにあれと同じような状態になる
その状態になってしまえば、常人と変わらなくなる……殺されるようになる

【彼女のように心臓はない。が、『スクラップズ』自体がカニバディール自身を核とした群体のようなものだ】
【その核たるカニバディールが、徹底的に肉体を破壊された場合。『スクラップズ』メンバーが寄り集まって、まずカニバディールを形成し蘇生する】
【その状態になってしまえば、自慢の生命力も働かない。分散している命が、一つに固まってしまうのだから】

【UT事務所上空の重力球の一件は、非常に危うかったのだ。一度ペースト状になるほどに破壊され】
【転移された後は強引に配下たちの大半を召喚して、重力球を抑え込むと同時に自分の命を繋いでいた】
【あの時落ちた肉片がなければ、あるいは今この時はなかったかもしれない】


そうなるな。セリーナはあれで激情家な一面がある。ギリギリになって伝えたところで信用されそうもない
そもそも、伝えるだけの時間などもらえないかもしれないな

セリーナが、その合図を発すれば切り札を切るタイミングだと、そういうことか? やはり、この手には入念な準備が必要だな

【彼女の受けるだろう一度目の説教のことは、頭から蹴り出し。脳裏に浮かべるのは、その時に至るまでのシミュレート】
【不確定要素を全て取り除いて、ようやく使えるこのカード。やはり、慎重にその時を選ばなければならないだろう】

……驚かせたことは謝る。もともとお前に会う前に、こいつを呼びつけていたものでな

【拗ねた目からは、少しばつが悪そうに目を逸らす。彼女が魔力を発動した時には、少し肝が冷えた】
【当のポイゾニックはどこ吹く風とばかりに、笑顔で状況を固めていたが】

【この場は、『スクラップズ』の異常性が功を奏したというべきか。普段は警官として活動する上で】
【抑え込んでいる性癖が、ここぞとばかりに顔を出している。それが、この一瞬の「間違い」を止めた】
【だが実際、このように唐突に敵の手が現れてもおかしくはないのだ。改めて異形は、自分に薄氷の上にいることを言い聞かせる】

【お互いに影での噂については、それぞれの胸に秘められるだろう。カニバディールも、配下らに鈴音のことを話す時は、複雑ながらもやはり脅威として扱っていた】


……もうすでに、UTを訪れていたのか
先ほど、私が生きているのを見てまずその事実に驚かなかったのはそういうことだったのだな……
ビデオ……そうか。スペンサー警部殿には、また一杯食わされたわけだな

【彼女の言葉の意味は、すぐに理解できた。スペンサーが、自身と取引していた違法映像業者を捕らえたのだということを】
【『黒幕』との闘いが終わった後も、当然ながら正義との闘いは終わらない。その事実は、今は封をして】

/続きます
69 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/14(水) 00:43:43.58 ID:gZB4AWuzo
>>30-31
せっかくの提案を、すまないな
だがこの一件については、セレンディピター号に近づけないお前より、この男の方がスムーズに済むだろうと思う

私はこいつを船内で捕らえ、殺す。それをもって、どうにかケイを騙しおおせる
その後の経過は、また改めて連絡することになるな

……それは何としても避けたいところだ。お前のことだ、そう簡単にはやられもしないだろうし
UTの仲間もいるだろうが……十分に警戒してくれ。


「僕の方はバッチリ殺されてみせますよ!! あっあっ……やはり工業廃水の血管注入は鉄板……虹……」

【汚らわしい液体の入った注射器の針を、自らの首筋に押し込むポイゾニックを尻目に】
【異形は彼女の掲げる最悪の未来の一つを想起する】
【まだ、すべては闇の中。自分たちにも、『黒幕』にとっても、誰からしても】

【使うべき時には使うだろう。だが、異形はそれでも密かに、避けたがっていたことも否定はできない】
【自分たちの戦い以外の場所で、一時とはいえ彼女に苦痛と死をもたらすことを】


ああ、その件については私の役割だとしておいて欲しい
どうにかやり遂げて見せるとも。そも、失敗すればその時点で、私の首が狩られるかもしれんがな
そうなったら、むしろ私の方が死んだふりをする役に回ることになるだろう

【彼女の覚悟に、異形も答えんとする。命を商売道具にしてきた己のこれまでを総動員して】
【もしその時が来たとしても、彼女の期待通り。極力苦しみの少ない方法で、それを遂行する】
【そのための準備もまた、しておかねばならない。異形の脳裏に、それは確かに付け加えられた】
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/14(水) 01:19:59.25 ID:pnL3vCwh0
>>68

【あの時――途中で脱落した少女の記憶は、UTの地下に転移した以降は、擦り硝子越しに外を見るみたいな、朧げなものになっていた】
【だけれど。彼が潰れる瞬間こそは見ていた、あそこまで行くと危ういのか。ならば偶然か、それとも彼の生への執念か、ひとかけら落ちた肉片のおかげで、今が繋がる】
【ならば生きていてよかったとも残念だったとも言えやしないけど――今こうして協力関係を結べたことについてのみ、それだけは、心の中でこっそりと安堵し】

――――だからね、前もって決めてもらって、わたしが死んだときに、殺したってひとが、その言葉を知っていたら……って、思ったんだけど。
難しいね――、ううん。でも、何か、考えておく。いい方法が思いついたら後で連絡するね、わたしの、殺され方――。

【セリーナに対しては、信頼があるからこそ、絶対に動いてしまうという確信があった。ならば前以て仕掛けておく必要がある。この不確定の中で】
【前以て準備するだけの余裕がその時にあるかは、分からなかった。どうあれ――"こんな"手を使う以上、互いにそれなりのリスクは負うと覚悟しておくしかないのだろう】
【多少軽減することが出来るかもしれなかったとしても。とにかく、あのガンマンのことはひとまず保留ということになるだろう】

いいよ、先に教えてくれていたなら、もっと良かったけど――、ごきげんよう、ポイゾニックさん。……。

【それでも――やはり味方であったなら、これ以上責め立てる必要もないだろう。しいて言えば教えておいてほしかったなんて、文句を言うけれど】
【そもそも最近の言は関係なく警察という存在に苦手意識のある少女だが。彼の配下とあればそんな態度もない、いくらか冗談めかして、スカートの裾をつまんでみせ】
【ぱっと離せば、スカートの裾は上等の金魚の尾ひれみたいにふわりと夜に揺らぐ。――殺鼠剤とかそういう単語は気にしないことにしたようだ。絶対飲んだらいけない奴だけど】

……大丈夫。別に何人"捕まえた"っていいんだろうし――、数が多ければ多いほど、あなただってきっと信頼される。
そのうえで――あなたがそのひとを"使って"やりたいことがあるなら、それこそ一石二鳥だし――、うん。

――――……、気を付けるよ。あなたも気を付けて――、生き残って。

【――そう、別に、彼女が最初に"捕まる"必要もないのだ。それこそ持ち帰る死体はいくつになったって相手は喜びこそすれ困りはしないだろう――と、思う】
【それから彼へ投げかける言葉は、きっとそれだけなら、ひどく平和だった。まるで親しい人間同士が、戦場で、ふと別れる瞬間に掛け合うような、少しだけ柔らかい声】
【ただ――ポイゾニックが自らの手で首筋に多分これもあまりよくなさそうなものを打ち込んでいるのを見れば。……これは単純に注射が嫌いという意味でもあるが、目をそらし】

分かった。じゃあこのことはカニバディール、あなたに任せる。
――あとは……、……そうだ。連絡先、……えっと。普通のやつでいいのかな、わたし、そんなにいくつも、ないんだけど――。

【やはり"それ"は彼の専門だと、彼の言葉でもう一度認識しなおす。――さて、そうなればあらかたの話は片付き始めただろうか。あんなに散らばっていた、言葉たちも】
【お互いに頑張って頭の中にしまい込んだから……あとはお互い無事に持ち帰るだけだろう。少女の場合、それを、仲間内で広げる必要があるが――とにかく】
【もう一つ大事なことがあった――連絡先。機関員と連絡先の交換だなんて初めてだから少しだけ戸惑った様子は見受けられるだろうか、いわゆる普通のスマホと、連絡先しかない】

電話番号は――、

【それで問題がなければ、読み上げるようにしてまずは電話番号を伝えるだろう。それからメールアドレス、これは読むのが手間であるみたいに、画面を見せて】
【併せて伝えるのは、仕事中の場合常に電話に気づくことはできないかもしれないこと。たまに気にして見るようにはするが、なるべく早く伝えたいなら、メールも送ってほしいこと】
【それなら気づいたタイミングで読める。そのあと折り返して連絡するときには状況を多少なりとも分かっていることが出来る――だろうから、と言って】
71 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/14(水) 10:34:34.84 ID:gZB4AWuzo
>>70
【全ての行動は、良きにせよ悪しきにせよ結果を生み出す】
【UTとスクラップズの戦いの結果は、今こうして一時の協力関係へと繋がった】

【事実、あの時セリーナに撃ち抜かれた瞬間、カニバディールは己は死んだと認識していた】
【肉のスライムとなったあの時、スクラップズのほぼ全員の命があそこに集約していた】
【あの状態が続けば、ポイゾニックらも呼びつけることになっていただろう。そうなれば、一度殺せば死ぬただの肉塊】
【だが、事実として異形は生き残り。何の因果か宿敵と手を結んだのだ】

ふむ……どうしても綱渡りになるのは、致し方なしか。不自然でない合図が必要だな
ああ、頼む。この手段は、『黒幕』との闘いが本格的になる前に確保しておきたいところだ

【戦いはすでに始まっている。事前にどれだけ備えておけるかが、勝利の鍵となる】
【そう、リスクを負うことは必要だ。だが、それを軽減することは出来る。備え方次第では】
【出来ることなら、使わずに済むように。使う時が来たら、より効果的に】
【セリーナとの話は、彼女に任せることになるだろう。全ては、『黒幕』を撃ち抜く弾丸を作り出すために】


……以後、気を付ける

「ごきげんよう、鈴音さん!! お互いに頑張りましょう!!」

【少し視線を下げるカニバディールに対して、ポイゾニックは元気に挨拶して見せる】
【そも、警察のふりをした盗賊ではあるのだが、彼女の過去の一端を考えれば警察への苦手意識も無理はないだろう】
【元より、盗賊どもはそれを気にするほどまともではないが。ゆえに、彼らの異常性もまた、気にしないのが正解だ】


それは確かだ。これほどの大陰謀、追う者が何人いても不自然じゃあないからな
……感謝する。何、上手くやるさ

――――互いにな。すべては、この戦いを生き延びてから考えるとしよう

【鈴音が提案した使い道は、まだ温存可能。それだけ『黒幕』の内側へと食い込む危険を冒すことは、異形は躊躇わない】
【全ては、カニバディールの裏切りがバレないうちであれば、だが】

【続く彼女の言葉には、重々しくうなずいて同じように平和な言葉を返す】
【今この時は同志であり、一蓮托生の戦友なのだから。異形の声もまた、少し柔らかかった】
【鈴音が視線を逸らしたのを見れば、カニバディールはポイゾニックに手振りで自重するように伝え、偽警官はそれに従って注射器をしまった】


ああ、頼む。そちらも、他のメンツへの伝達は頼んだぞ
それで構わない。私も、機関用ではない端末の連絡先を伝えよう
少なくとも、そこいらの物よりは、盗聴の可能性も少ないものだ

【路地裏の袋小路でちりばめられた互いの意思は、今こうして一つの闘志に収束した】
【後は行動。全ては行動が決める。ここでの会話もその一つであるし】
【連絡先の交換もまた、そうだった。カニバディールにとっても、正義組織に属する人間との交換など初の経験だが】
【それは確実に遂行されるだろう。自分にとっては、決して明かせぬ機関への裏切りの証拠ともなる】

……登録した。では、こちらの番号は――――

【番号とアドレスを入力し終えると、カニバディールも同じようにしてそれらを伝える】
【異形もそれは同じ。暗躍している間、常に電話に出られるとは限らない。むしろ、機会は少ないだろう】
【緊急性の高い連絡はメールで。異形は同意した。やり取りされる文面は、いずれ『黒幕』を刺す刃となるはずだ】

【こうして、同盟は締結した。巨大な敵に立ち向かう、歪だが確かな同盟が】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/14(水) 19:01:03.17 ID:aSs0MbFd0
【街中】

「――じゃあ、醤油風味コーラのSを1つください。それと、ココア納豆きなこバーのバナナ味も1つ」

【テイクアウト形式の店で買い物を終えた1人の人物が、再び歩き出す】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「はあ、疲れた。手当たり次第悪人ボコる作戦うまくいかないなあ、うーん」
「にしても、博物館から良い物盗んでこいに公安の情報良い感じの拾ってこいに……」
「もう少し具体的に何が欲しいとか言って欲しいなあ。やっぱりアイツ嫌い」

【ため息を1つ、そしてマスクを下げつつ持っていたコーラをストローで吸い上げた途端!】
【ブッフォオ! と、派手に噴き出し辺りにコーラをぶちまける】

「ちょっとねえ、どこが醤油風味コーラなの? ねえ、ほんのりコーラ香る炭酸醤油だよねこれ?」
「あーもう、よく見るとこの辺の地面にコーラ……いや、醤油散りまくってるし……みんなどれだけ引っかかってるの……僕もだけど……」
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/14(水) 22:35:34.32 ID:RJkLgzEi0
>>71

【そうして伝えた連絡先はいたってありふれた彼女個人の物。一瞬迷った無料通話アプリのアカウントは――メールでいいか、と、思い直し】
【やがて相手からも伝えられれば――きちんと登録して。念のためと言って一度鳴らしたり空メールでも送るだろうか、そうすればこちらの間違いも確認できる】
【彼よりは危うくない。けれど、彼女も――この繋がりを褒められる人間では、もはやない。むしろ知れ渡れば攻撃される的にもなるだろう、ゆえに、互いに秘するもの】

【だからこそ――敵同士である彼女らは自分たちの命を材料に使って敵を欺ける可能性があった。互いに決して褒められるものではないけれど、重要な意味を持つ】

じゃあ――、今日は、もう、大丈夫かな。よくわからなかったことがあったら、メールしてね。
ほかのひとの連絡先は……一応、みんなに確認してから伝える。……――それで、大丈夫?

【それらの行動を終えれば――少女は携帯をポケットに潜り込ませて。直後、何かを思い出したみたいに、また取り出せば】
【画面を点灯させて――おそらくは時間を確認した。それから相手へ画面を向けるだろう、ロック画面――表示されている時間は、もうだいぶ遅い時刻を示している】
【ところでこれは余談だけれど――待ち受けは白猫と黒猫、それから……これは子供のドラゴンだろうか。黒い鱗の竜が、互いにこんがらがって眠っている、写真】
【とかく見せたいのは時計だろう。問題がなければが――こんなに細い道の突き当りとはいえ、ポイゾニックが訪れたみたいに、誰かが来ないとは限らない】
【問題がなければ互いに立ち去ろうという誘い。もちろん二人で出て行っては妙だから、その場合、彼女はこの場から直接"転移"するつもりのよう】

…………今日は、ありがとう。話を聞いてもらえて、よかった。信じてもらえて嬉しかった――なんて、変だけど。
手伝ってくれるのも、ありがとう。"このこと"が終わるまでの間だけだけど――、……またお話できて、少し、良かった。

――いろいろな"約束"は守るよ。じゃあ――またね。

【――数秒の間をおいてから、ぽつんとした礼。もし彼に問題がなくてすぐ立ち去ろうとするのなら、それは、きっと背中へ投げかけられて】
【確かに敵意と殺意を交えたはずだのに。そうやって思ってしまうのはやはりおかしなことだろうか――薄ら考えながらなら、声音は少し上の空。だけど確かに彼へ向き】
【そしておしまいは明確に告げられる。状況次第で十全は叶わずとも、最善は尽くすだろう。それからやはり最後の挨拶は、今まで通りの、もの】

【――――もしそれまでに彼が何らかの用で呼び止めていなければ、少女はその段階でこの場から姿を消しているだろう。後にはきらきら光る魔力の欠片だけ、取り残して】
【もちろんそうでない――何か返答をする必要のある言葉を投げかけられていれば、まだ留まっているはずではあったが】
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/14(水) 23:03:21.69 ID:4SRgIorHO
>>71>>73

【ぴこん。鈴音の携帯に、新着メールが届く】
【差出人は────ミラ・クラァケ】

『よう鈴音。元気してっか。あたしはご機嫌だぜ』
『んで、M作戦の話なんだけどよ。金のメドがついたぜ』
『大層なことに、いくらでも貸してくれるってよ。億単位でな。ただしきっちり返すんだぜ?』
『それと──ぎゃは、ビビんなよ。サプライズだ』
『将来の六罪王が力貸してくれるってさ。景気のいい話だろ』
『公安の裏に“黒幕”ってぇ連中がいるのはさっき知った』
『麻季音のダディを助けるついでに、公安と黒幕ぶっ潰すぜ。他のなんとかって連中にも言っとけ』

【────タイミングさえ合えば】
【このメッセージは、カニバディールも目にすることになるやもしれず】

/ほんの一レスお邪魔します。失礼しましたっ
75 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/15(木) 00:14:49.16 ID:b4tTmbi8o
>>73
【ありふれていたものの方が、こういう場合は紛れ込めるだろうか】
【それとも、一般社会全てを管理しようとする彼らの前では無力だろうか】
【わかっているのは、『黒幕』が目的を成就すれば、こんなやり取りすら満足に出来なくなるだろうということ】

【確認のためのやり取りも、滞りなく行われるだろう。程度の差はあれ、互いに明かしてはならない登録先】

ああ、問題ない。こちらからも進展があれば、その都度連絡しよう
わかった。それで構わない

【彼女が向ける待ち受け画面を三つの目玉がのぞき込む】
【目に映る数字。暗闇に包まれた路地裏。ここに長く留まり続けること自体も、危険を伴う】

【カニバディールは頷いた。待ち受け画面の写真が、何となく脳裏に焼き付く】
【白猫、黒猫、黒の竜。当たり前のように、兄弟であるかのような体勢で眠る姿】
【鈴音の家族ということだろうか。彼女の、護るべきものの一つ。そういったものがある人間は強い。異形は嫌と言うほど身に染みている】


……こちらこそだ。この機会を得たのは、幸運だった
ふ、ふ。そうだな、全く妙な話だ

私も同意見だ。もうこのような機会はないと思っていたが
こちらも、約束を違えることはしない。ではな

「お疲れ様です、鈴音さん!!」

【礼を受けたのは、木箱からゆらりと立ち上がってから】
【確かにおかしな話かもしれない。間違いなく敵味方に分かたれたはずなのに】
【だが、そんな互いの恐ろしさを知る二人だからこそ、共同戦線の効果は大きなものとなるだろう】
【一時の別れは、今まで通りに。そう、今まで通りにやるだけだ】

【そうして、鈴音の転移を見送ろうとした直後。その音を聞いた】

>>74
――――今の音は、『同志』の誰かからの連絡か?

【短く、そう問いかけた】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 00:31:24.97 ID:Bqcb8Y4r0
>>74>>75

【――話は終わった。後は今日聞いた情報を整理する必要がある、それから……何より、"彼"が味方に付いてくれたこと】
【一つ大きな賭けを終えたなら、そこでやっと少しだけ気が緩む――もちろん、彼の前でそれは見せはしない、敵同士だから……ではなくて】
【味方であったとしても――なんだろう。例えば友達相手だって、家に帰った瞬間に疲れに任せて靴を脱ぎ捨てて靴下も脱いじゃう瞬間を見られたくない……みたいな、そんな感じ】

【それに、いろいろなことを話して疲れた。そのまま立ち去ろうとした――そのタイミング。ぺこん、と、気の抜けた音がする、一番最初、初期設定のままの着信音】
【ちらと目を向けた少女は――相手の言葉もあって、この場で確認しようと考えたのだろう。するりとポケットから端末を引っ張り出してから】
【ぱたぱた、と数度の操作。パスワードを解除して――これは身長差のせいもあってか、彼が見ようと思えば数字まで読み取れたかもしれない――それから】

…………クラァケさんだ。メール。待って――……。

【今の着信がまさに彼の言った通りであるのに頷いて返す。視線はすでに文字を追っていた、だから言葉自体はどうにも上の空な風に、返事をして】
【――やがて読み終えれば。これはもう味方であるのだから当然と言った様子で、少女は端末を――クラァケからのメールを、相手に見えるように差し出すだろう】
【彼がそうするならスクロールして前後が見切れていないか確認することも叶う――M作戦というのは、彼女の方から言っていなかったけれど、】

M作戦て、これのことだよ、MR作戦とどっちにするかって言って、麻季音ちゃんがM作戦でいいよって言ったの。
それで……――将来の六罪王? クラァケさん、機関に知り合いのひとが居たのかな――、えと。でも……お金にめどはついたって。

【だなんて説明する。それから、小さな呟き声――そのことは彼女にとっても初耳だったのだろう。それにしても、黒幕という名前まで出したうえで、力添えする六罪王というのは】
【つまり――円卓側の人間なのだろうか。このメールからではすべて判断はできないけれど、確実なのは――これまた必須である、金にめどがついたこと】
【ただしきっちり返すというのに対して、億単位の金を返す方法など当然知らない少女はすごいすごい、なんか、すっごい難しい顔をしたけど……】
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/15(木) 00:31:36.18 ID:cBgpOI3Co
前スレ >>895

「教えてくれると有り難い。何分外に出ないものだからな」

【彼は公安の面子を何人か知っているらしい】
【後で其の情報を教えてくれるという。特に“三課”と呼ばれる部署の情報を知りたい】
【かの“冒涜者”が存在を知らしめたそれに、興味があったのだ】


「山がちの地形か、風向きに留意する必要がありそうだ」
「夜間の襲撃で、山頂付近から“長女”の能力を使うことにしよう」

【山は風が変わりやすいと良く言われる。風向きのモニタリングが必要か】
【そして住人は夜間に山腹の住宅へ戻るため、深夜に“長女”の能力を用いる必要がある】
【取り敢えず、山道に詳しい人間と風向きのモニタリングを行えるスタッフが必要か】

「へえ、UTって正義を掲げる組織じゃなかったっけ」
「まあ顔が広いのは良いことだ、それだけ情報も多く集まる」

【UTにも協力者が居るとは驚いた、彼の顔はとんでもなく広いようだ】
【彼が“手札”を集めている間に騒ぎを起こせれば、様々な人間の目線を此方に向けられる】
【機関には“実験”と伝えているが、果たしてそれがどのような結果を齎すのだろうか】


「それじゃ、私は研究所に帰って支度をしてくる」
「────暫くは、君と会えないだろう。表向きは敵対しなければならないからな」
「だから此れを使って通信をしてくれ。くれぐれも普通紙と混ぜないようにな」

【別れ際、一見普通紙にみえる紙を彼に手渡した】
【マジックアイテムの一種であり、書いた内容がペアで共有されるというもの】
【見た目が非常に似ている為に、混ぜないように釘を差して】

「同志よ、幸運を祈る」

【後ろ手を振ると、白衣の両ポケットに手を突っ込んで歩き去っていく】
【相変わらず表路地は風が吹き荒れており、前かがみになって駅へと足を運ぶ】
【彼との約束は、機関に、公安に、市民に何を与えるのだろうか。目を期待に輝かせ、静かに消え去った────】

//数日に渡りお返しできず申し訳ありませんでした……
//絡みありがとうございました、またよろしくお願いします!
78 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/15(木) 00:46:40.32 ID:b4tTmbi8o
>>76
【彼女の一つ目の賭けの終わりは、異形の賭けの始まりでもあった】
【どこまで騙しおおせるか。どこまで機関員としての立場を保持するか】
【普段なら、戦いが終わった後の動きに至るまで、損得勘定を始めるカニバディールだが】
【今この時は、控えた。皮算用をしていて、勝てる相手ではない】

【そんな考えゆえに、鈴音の気が緩んだ様子を隠す様には気が付かず】
【気の抜けたところを見られたくないという望みは叶えられるだろう】

【緊迫した空気にそぐわない間の抜けた音は、新たな何かをこの場にもたらした】
【パスワードに目を落とそうと思えば出来たが、異形は盗み見はしなかった】
【彼女の義理堅さに対して、自分の中だけでの返礼である】


ミラ・クラァケからの……

【呟いて、文面をのぞき込む。文面からは、威勢のいい女性が想起された】
【同時に、その内容が伝える新たな秘密。異形はわずかに眉をひそめた】

M作戦……『黒幕』に対抗する一連の行動の作戦名か。私も次からは使わせてもらうとしよう

将来の六罪王……現ナンバーズの誰か、ということか? それも、『黒幕』のことまで突き止めている……
すぐに思い当たる人物はいないが……現時点で残っているナンバーズとは、ほぼ面識がないものでな

向こうも向こうで、人脈を築いているようじゃあないか。これが吉と出ればいいが……

【思わず、不穏な言葉を漏らす。あらゆる変化を経た現在の機関は、カニバディールにとっても謎が多い】
【この状況下で、『黒幕』に対抗する意思があり、億単位の金を動かせる存在――――】
【『円卓』の名は否応なく脳裏をよぎる。だが、まだ答えは得ていない】

【未知は恐怖そのものだ。カニバディールは、また別の方向から迫る言い知れぬ闇の気配を感じ取り】
【その視線を路地裏の闇に彷徨わせた】

ともあれ……また一人、同じ船に乗るものが増えたわけだ
船が転覆するか、目的地に辿り着くまでは、その景気のいい未来の六罪王とも手を携えるとしよう

【奥底の迷いを胸に沈めて、カニバディールはそう締めくくった】
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 01:18:03.15 ID:Bqcb8Y4r0
>>78

【彼の返礼に気づくことはなかったのだろう。少女はそのまま四桁の数字を打ち込んで――端末のロックを解除する】
【それで――メニュー画面の背景も、猫だった。おんなじやつらだ、黒猫と、白猫が――なんだか櫻の国の何とかって文様みたいに、寝ている画像】

このメール……必要なら、画像にして、あとで送るね。
それ以外にも――あなたに連絡先を教えていいかって確認する前に何か来たら送るようにする。

【彼がメールを読み終えたころだろうか。彼女はそう声を掛けるだろう。彼ならきっとそうしたがると思ったし】
【連絡網が出来上がる前にやり取りをした結果、彼が何かを知り損ねてしまうというのは誰にとっても損でしかないだろう】
【だから――というところまで考えたかは定かではないが。とにかく彼女はきっと短いだろうその間、彼にもきちんと情報を送ると宣言し】

機関のことはよくわからないけど――。……そう、ナンバーズも入れ替わったりするんだ。

【――それで拾うのは彼の言葉。長く機関に在籍する彼も、すぐに思い当たる人間が居ない……というのは、それだけ機関員同士の繋がりが希薄ということなのか】
【それともそれだけ入れ替わりが激しいのか。どちらであるのかは彼女には分からず――ただ、】

黒幕のことを知っているなら……、あなたみたいに、お使いのひとが来たのかな。――黒幕のひとから、お使い。
……クラァケさんの知り合いなら、あなたの名前くらいは聞いているかもしれない。わたし、みんなにあなたのこと、味方にできるかも、って、お話したから――。

だから――どんなひとかは分からないけど。"わたしたち"が話してるより、きっと、ずっと、不自然じゃないよ?

【だけれどその使いより文書を受け取ったカニバディールは、両方を知っていた。ならば違うルートで知ったのか。その機関員が両方を知っていて、円卓の名前を出さなかったなら】
【それは確かに不穏ではあったのだが――クラァケを信用している。けれど、だけど――そう、どうしても、顔見知りであったロッソや、その知人である麻季音】
【そして、何度も邂逅を重ね奇縁を紡いできた彼より、やはりどうしてもどういった人であるのかは、まだ分かりかねる部分がある。裏表がないひとだとは思ったが――】

【――とかく。ミラ経由で彼の名前を聞いたとしたら、同じ機関員同士だ。こうしてUTの少女に話しかけるより、よっぽど可能性は高いだろう】
【相手の名前も分からないけれど――どうあれ覚えておいて損はないだろう、という様子。あるいは――この中の誰より、彼が、その人物を見てくるのに適しているとも言いたげで】

うん。――、六罪王まで仲間って、なんだろう、変な感じ……。……

【ただ――結局は。彼女自身自分が考えたって機関のことは分からないと思っているから。彼よりも不穏さは感じていない様子――ではあっただろう】
【ひとまずスクリーンショットの送信も約束すれば、今度こそ改めて――別れとなるだろうか。考えることはいっぱいある、今も、一つ増えたのだから】
【それにこれからUTに言って麻季音ちゃんに盗聴?傍受?されない方法とか聞いて――よくわからなかったら、代わりに送信してもらおう。そうやって考えながら】

じゃあ……えっと。またね。

【さっきもやったから、ちょっとだけ気まずい。そういう顔で――今度こそ、ふつり。ぱらぱら漫画に描き忘れられたみたいに、少女の姿は消えるだろう】

/……という感じで大丈夫でしょうかっ
/長いロールにお付き合いいただきありがとうございました! おつかれさまでした!
80 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/15(木) 01:35:26.27 ID:b4tTmbi8o
>>79
【メニューにも使われている猫たち。この寝方は、あの櫻の国の紋章……何と言ったか】
【そんなことを考えているうちに、鈴音からの言葉が届く】

頼む。送信しておいてくれ
ああ、確認が取れて連絡先がわかったら、こちらから彼らにも連絡をしておこう

【情報はこの状況下では命綱だ。鈴音の判断は正しいと言えるだろう】
【いずれ敵となる間柄であっても、今この時はこのかりそめの繋がりを絶やしてはならないのだ】


……実をいうと、しょっちゅう入れ替わっている
端末を確認したら、今までいた者がいなくなっていたり、新しい者が加わっていたりが、短期間のうちに連続することすらある
混沌を掲げる組織だからな。内実も、それに沿っているといったところか

【機関員の個々の繋がりについては非常に個人差が大きく】
【入れ替わりもまた激しい。両方が理由と言えるだろう】
【カノッサ機関はそれそのものが混沌。カニバディールとて飲み込まれぬよう、抗い続けて来たのだ】


可能性は高いな。『長老派』がどれだけの機関員に使者をよこしたのかは知れないが
六罪王の席を狙えるほどのものであれば、十分その範囲に入っているだろう

……だろうな。この共同戦線の中で名前が出回るのは承知の上だ
戦いが終わるまでに、長老派や公安に知られさえしなければいい

……ふ、ふふ。そうだな、その通りだ
恐らくはM作戦のメンバーの中で、面と向かって話すのに一番苦労がない相手だろう

【怖れを振り払うように、異形は笑う。ミラ・クラァケやその機関員と会ったこともない以上、恐れてばかりでは仕方ない】
【鈴音の言いたげなところは、正確に受け止める。わからないなら、見極めればいいのだ】
【それには、自分が最も適している。それまでは、油断なく動いていくしかない】


全く、奇怪なチームが出来たものだ。これまでも、これからも、まずないだろうチームだ

ああ、また会おう。お互いが生き残るために

【これは鈴音には関係の薄い、自らの懸念。そう判断し、彼女を見送る】
【気まずそうな様子には、静かに苦笑して。かき消えた彼女のいた場所を、しばし見つめた】

……ポイゾニック。この件に関しては、お前が私の補佐だ
お前を「殺した」後は、隠密を中心に動いてもらうことになる。お前と私が、『黒幕』を内側から侵す毒となるのだ

「お任せを、ボス!! 腕が鳴りますよ!! oh……マスタードガスの香り……」

【張り切って見せながら、ボンベの取り付けられたマスクを取り出して装着し、中に詰められた毒ガスを吸引するポイゾニックと共に】
【カニバディールは、闇の中へと消えていく。もはや後戻りのできない道を】
【全ては己自身の為に。邪悪なる盗賊は、一世一代の賭けに出る】

/こちらも締めさせていただきます!
/こちらこそ、長期間のロールありがとうございました!! お疲れさまでした!!
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 02:54:37.39 ID:Bqcb8Y4r0
【深夜――夜更けすぎ、UTの酒場】
【すでに客も掃けた後の店舗内――こんな時間なら、目当てにした相手――麻季音、はすでに居ないだろうか】
【居れば色違いの目の少女は要件を伝えるし、居なければ――これは相手のロッカーか何かにでも、小さなメモ書きが入れられ】
【どちらにせよタイミングはともかく、必ず要件そのものは口頭で告げられることだろう。尋ねるのは――メールの盗聴?とか?されない?方法?なんて、疑問形だらけで】
【そういった知識は全くないみたいだから説明してやれば多分喜ぶだろう。どうあれ――最終的には彼女自身がせっせと打ち込んだ内容がメールとして発信されるはず】

「お疲れ様です。夜遅くにごめんなさい(黄色い饅頭みたいな生き物が謝ってる絵文字)」
「この前お話した二人とお話をしました。ウェインさんも、カニバディールも、手伝ってくれるそうです(黄色い饅頭が喜んでる絵文字)」
「二人にみんなの連絡先を教えても大丈夫ですか?(黄色い饅頭)その間のメールの内容はわたしが二人に教えます(黄色いやつ)」

【――そういった文章で始まるメール。それからいくつかの改行を挟んで――そこから先には、黄色い饅頭みたいな生き物もいなくなって、文字ばかりになる】

「カニバディールが教えてくれたことを書きます。これから書くことは、カニバディールが教えてくれたって、絶対秘密にしてください」

「まず、公安過激派……黒幕は機関と手を組んでいます。目的は世界征服。既存のシステムをひっくり返して、国を乗っ取る」
「国を乗っ取ったら、ほかの国も乗っ取り、あらゆる暴力を独占したうえで、反発する能力者を博士の技術で洗脳し、抑え込む」
「その結果、公安と機関によって管理されたディストピアを作るのが目的みたいです。N2文書というものを、長老派の人たちが持ってきたそうです」

「次に、円卓というひとたちも機関と組んでいるそうです。こちらの目的は世界の実効支配。政治家とかえらいひとたちがいっぱい居るのが円卓みたいです」
「この世のあらゆる利益を手に入れるために、世界中で紛争とかを起こしたりするのが目的だそうです。これも、グラーク書簡というのを長老派の人たちが持ってきたそうです」

「それと、黒幕と円卓は対立しているみたいです」

「それから……カニバディールはすでに黒幕側の人間と話したそうです。ケイという女のひとで、銀色の髪に、碧い瞳。眼鏡をしていて、見た目は普通の女の人みたいだって」
「ケイの目的は一連のことの裏事情を探ったりしている人を探して始末するのが任務らしいです。カニバディールは協力するふりをしていて」
「今はセレンディピター号に搭乗しているようです」

「それから、公安の中でも、内部分裂みたいなことが起こっているみたいです。そのケイって人が言っていたって」
「円卓も、今はまだ目立たないけど、これからどうなるのか分からないから、気を付けてください」
「あと……N2文書の送り主は公安部長のセリザワという人だそうです。その人が黒幕のトップかは分からないですが、最初に狙うのは水の国だと思います」

【治安側の組織でありながら、機関と手を組んで、洗脳と暴力で世界を征服しようとする『公安』】
【今でもすでに多くの権力と財を持っていながら、機関と手を組んで、金も権力も何もかも手にしようとする偉い人≠フ集団『円卓』】
【どちらが勝っても、自分たちの都合よくなるようにしようとする『長老派』】
【――とは、彼女にその情報をもたらしたカニバディールの言葉だが】

「それから……話している途中に、カニバディールに連絡があったみたいです。新しい六罪王が就任して、その人は黒幕を名乗ったそうです。ロジェクトという名前」
「ひとまずこれくらいです。分かりづらいところがあったらごめんなさい。詳しいことはカニバディールに聞いてください。すごく大きな、目が三つある人です。見たらわかります」

「何度もごめんなさい。今書いたことはカニバディールが教えてくれたことだって、信じられる人以外には絶対に言わないでください」
「それを約束して教えてもらいました。絶対にお願いします。機関の人だし、黒幕に協力するふりもしているので、ばれちゃったらまずいです」

「ウェインさんは金色の髪に赤い目の男の人です。優しそうな顔をしてるので分かると思います。わたしの家に泊まっているので分からなかったら言ってください」

【――あまりメール慣れしていないのだろう、ずいぶんちぐはぐな感じのもの――それが送信されるのは、打ち始めてからしばらく後、一時間くらい後だった、とは余談】

/補足のやつです!
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 12:54:33.46 ID:Bqcb8Y4r0
>>81

【――そのメール送信から何時間も後。時刻で言えば朝も過ぎたて昼も過ぎた、そろそろ昼下がりなんて言われてくる時間のころ】
【もう一通。今更何かに気づいたみたいなメールが送られてくるだろう、タイトルは「書き忘れました!」、差出人は、やはり鈴の音の少女で】

「お疲れ様です。おはようございます。ごめんなさい、書き忘れたことがありました」
「いろいろと複雑なので、みんなで会って話せたらいいねと言う話をカニバディールとしました」
「泥の街にカニバディールがセーフハウスを持っているそうです。ロッソさんなら探偵のお仕事で来たふりができるし」
「麻季音ちゃんやクラァケさんは、すでに追われているから、わたしたちの来ても不自然じゃないと思います。だそうです」
「カニバディールはもちろん、わたしもたんぽぽの仕事みたいな顔をしていれば大丈夫だと思います。ウェインさんもきっとうまくやってくれると思います」

「お話をするの以外でも、困ったら匿ってくれると思います。泥の街まで行けたら、案内してくれるように手配しておいてくれるそうです」

「とりあえず、書き忘れたのでこれだけ書いておきます。もう一度寝ます」

【時刻は昼下がり――のはずだった。先のものに比べたら短い追記、察するに間に空いた時間はほとんどそのまま睡眠時間だろう】
【そのくせまだ寝ると言って――それきり本当にそこから三時間くらいは連絡がつかなくなる、とは余談。とりあえず――安全に眠っていられる環境には、居るみたいだった】

/補足の追記ですっ、何度もすみません!
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 16:56:47.30 ID:pQtq4UyiO
【水の国 路地裏】

【表通りに歩いている人にも聞こえるほど、大きな怒号が爆ぜた】
【覗いてみれば一組の男女が、言い争いをしている】
【否──正確に言えば、一方的な詰問に近い】


「こんな路地裏を、そんな格好して歩いてるって、襲ってくださいって言ってるようなもんだろ?
痛い目みたくなかったら有り金全部置いてきな!」


【暴漢。粗野な男がナイフをちらつかせながら女に迫っている】
【女の方は怯えているのか、沈黙したまま男を見つめているだろう】

【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性】

【──黄昏時、よくある光景ではある】

/22:00ぐらいまでおきぎみですが!
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 18:08:12.87 ID:LLUcYpef0
>>83

「ん?」

【何処にでもこういう輩はいる物だ】
【国が変わろうが街が変わろうが、こればかりはあまり変わりはない】

「ちょっと、何してるんですか?」

【しかし、これは少々特異な状況と言える】
【暴漢の男から見れば声をかけてきたのは屈強な男でもなく、警察でも自警団でもない】
【セーラー服の付近の学校の女子学生だ】

「女の子相手にそんな物ちらつかせて、かっこ悪ッ!」
「男としては最低最悪の所業ですよ」

【果たしてどう出るか?】
【水の国の裏路地、黄昏時のほんの一幕だ】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/15(木) 19:01:40.33 ID:F8MOm5Q40
【路地裏】

「ふう、今日も収穫0かあ」

【壊れた蛇口が近くも遠くもない場所に疲れた様子で座りこんでいるのは……】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「しかしこの蛇口、急に爆発してびっくりしたよ」

【先程までこの蛇口は生きていた、しかし爆発したのだ】
【蛇口から吹き出る汚水に巻き込まれ、赤茶色で鉄臭い汚水をたっぷりと浴びてしまっている様子】
【……なのだが、汚水とは違う汚れもあるようにも見える。もっと深い赤茶色の……】

「でもまあ、ちょうどよかったかな。帰ったら洗おう」

【そう、例えば……"血"、とか】
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 19:05:35.28 ID:pQtq4UyiO
>>84

【宛ら迷い込んできた仔羊の如く、示し出される歪な光景】
【暴漢は思わず鼻で笑ってしまった、現れた少女は唯の可憐な花】
【舌舐めずりを一つ、上物だなんて呟きが聞こえてきそう】


「へへ……そいつはどうも、ほんでもって、その最低な男にお嬢ちゃんはどうしてくれるのかな?
可哀想なコイツに変わって相手してくれるんだろ?」


【どういう行動原理に従ってか分からないが、女から離れ少女に近づく】
【ナイフをくるくると回す、それなりに慣れている様子で】
【少女の右手を強く掴もうとする、動きは鈍重】

【──気になるのは言い寄られていた女か】
【じぃ、と少女を見つめる、面白いものが見れそうだというぐらいに】
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 19:12:37.61 ID:LLUcYpef0
>>86
「どうもこうも……」

【接近して自分自身の腕をつかもうとする暴漢の腕を逆に掴み】
【そのまま捻り上げて、固めようとする】

「先ず一つ目、私はあなたの慰み者になる気は一ミリもありません」
「二つ目、隙が多いです、私でよかったですね、中尉だったら即射殺です」
「三つ目、そのナイフの実用性に疑問があります装飾用ですか?」

【淡々と暴漢にこう答える】
【黄昏に見る少女の目は、実に冷静に実に冷淡に見えることだろう】

「(この女の人、逃げない?)」

【この女性も気がかりではあるが、先ずは目の前の暴漢と】
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 19:35:19.38 ID:pQtq4UyiO
>>87

【捻り挙げられ暴漢の顔に驚愕が浮かんだ】
【──慣れてやがる、漏れる声は薮をつつくと蛇が出たよう】
【美しき白陀に拗られながら、媚びる様に下賎な笑いを浮かべ】


「いたた!!いた──たんま!俺が、俺が悪かった……!!
す、すまん!謝る、謝るから許してくれ〜!!」


【零れでる情けない声、年下の少女にここまでされると哀れさも込み上げるほど】
【この国に来てから少女は多く見てきたかもしれない、治安の悪化は見て取れる】
【多種多様な組織による侵略──荒む心の表れか】


ねぇ、仔猫ちゃん──其の殿方を、どう為さるの?
私とても、気になるの、どの様に致すのかを
宜しければ語って下さらない?

だって手慣れてるもの、其の手腕は、とーっても、慣れてるの
訓練したの、どこかで──其れなら見せて欲しい、の
仔猫ちゃんがどう可愛がるのか、気になるの


【凛と、甘い音律が気怠く濡れる──嬌声の如く艶やかに】
【白いルージュが溶ける、女の言葉から舐る様な吐息が孕んで】
【無表情に微笑みが浮かぶ、新雪で掻き消された地表の様に薄く】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/15(木) 19:43:30.57 ID:ax0SD1M6o
【路地裏】

「がっ……な、なんでだ……おま、え……ナンバーズじゃ、ないのかっ……!」

いや、ナンバーズだとも……しかし、だからといって機関員を殺さないとは限らない

【薄暗い路地の奥地に二つの人影があった】
【片側は三十代前半の剣士。外套には<No.30>の刻印。装飾の施された幅広の大剣を突き刺して機関員の男を壁に縫い付けている】

【胸部を刃が貫通した機関員は喀血。そのままぐったりと両手足が動かなくなり絶命】
【大剣が引き抜かれて穿たれた穴から血が噴出。剣士の外套を赤黒く染め上げる】
【そのまま機関員の身体が地面に倒れこむ。死体を見下ろす瞳には空虚な暗闇】

ナンバーズってだけで機関員が寄ってきやがる……
探す手間が省けるのはいいが、仲間面をされるのは我慢ならんな……

────あぁ、頭が痛い

【虚ろな声が口から吐き出されていた。どこか焦点の定まりきらない双眸が何もないはずの宙を見つめている】
【脚がもつれ、壁に身体を預ける。外套の中から薬瓶を取り出して錠剤を三錠、飲み込む】
【再び壁から離れて歩き始める。引きずる大剣の切っ先が地面をがりがりと削る不快な音が鳴り続ける】

【大剣の音や機関員の叫び声につられて来れば、そこにはやつれた顔の男を見つけることができるだろう】




【路地裏】

【爆音が響く。土煙が建物の間から吹き上がり、静まる】
【爆心地では複数人の男女が倒れていた。いずれもチンピラのような格好で、気を失っている】
【立っているのは一人だけ。紺色のスーツを着た三十代前半の男だ】

……ちょっと、加減を間違いましたか
流石に今のは表通りからも聞こえるし、見えますね

【どこか困ったような表情をしながら帽子を片手で押さえる】
【偶然通りかかるか、あるいは爆音や爆煙に気がついてやってくる者がいれば】
【『レヴォルツィオーン』と書かれたアタッシュケースを持った男を見つけることだろう】
【情報に聡ければ、それがセレンディピターという船に乗っていたパトロンの一社だとわかるかもしれない】


//上下どちらでもお好きな方へどうぞ!
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 19:51:15.57 ID:LLUcYpef0
>>88

【この国の人心の荒廃も、また目に余るものがある】
【やはりこの国を取り巻く状況がそうさせるのか、少女は溜息を一つ吐いて】

「解ったなら、早くこの場から立ち去りなさい」
「あと、ナイフならこういうのをお勧めします、やはりそれは実用的じゃありません」

【助けを乞う暴漢に、情けなさも手伝いパッとその手を手放した】
【そして暴漢のソレより一回りは大きいであろう、自身の海軍30式銃剣を取り出し、暴漢の首筋に当てながらこう言った】
【だが……】

「どうするって、何もしませんよ」
「何で……そんなに楽しそうなんですか?あなた、襲われて……」

【しかしここで、女性の方を見やると、少女にはゾクっとした悪寒が走った】
【とっさに慌てて】

「や、やだな〜訓練って何ですか?わ、わたしはちょっと格闘技と護身術を齧ってるだけの普通の女子学生で……」

【女性の甘い甘い、甘美な声】
【男ならばその醸し出す色香に、一撃のもと陥落するであろう】
【だが、その微笑みが、その吐息が、黄昏の日に映されて何よりも怖いものに見える】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 20:01:10.56 ID:RTHkYK4K0
【街中――大通り】
【平日と言えども人通りの多い場所――その人込みを縫って、少しだけ足早に歩いている人影が、ひとつあった】
【見ればまだあどけなさを残す少女で……考え事でもしているらしい。目の前に現れる人影に対しては一つ一つきれいに避けて、歩いていくのだけど】
【――――ただその足元にころりと転がる空き缶一つには、それを踏みつけてしまうまで、気づくことはなくって】

――――ふやぁ!?

【それならば、周りを歩いていたひとは――ひどく奇妙な声を聞くことになるだろうか。喉が謀反したみたいに、素っ頓狂な、驚きの声】
【きっと元から高いのだろう声はさらに高く高く跳ね上がり、その金属質の声音のせいもあってか、どこかマイクがハウリングしたみたいな、耳障りさも混ざり】
【あるいはもっと"近く"に居たひとであったなら――その元凶が一人の少女で。その少女は今地面にしりもちをついて、まだ理解してないみたいに固まっているのも、見るだろうか】

【――毛先が肩に触れる長さの黒髪に赤いリボンの髪飾り。よく見れば赤い糸で童話をモチーフにした細かい縫い取られているのも分かり】
【透き通るように白い肌、あどけない顔にはたくさんの驚きが張り付けられて、黒と赤で左右の色が違う眼も、すっかりと丸く、大きく、見開かれている】
【深い赤色のワンピースは袖の大きく膨らんだ姫袖が目立つもの、袖や裾には紅茶染めのフリルを縫い付けられて、胸元はリボンで編み上げるデザイン、腰元にはコルセットと】
【転んでしまった姿勢のままで投げ出された足は長い長いサイハイソックスの一番上、素肌のところまでスカートのまくれた右足と、スカートに隠れた左足とがちぐはぐで】
【その足先にそれでもきちんと履いているショートブーツがなんだかいやに"きちっ"として見えただろうか。とにかく――年頃はまだ十六ほどか】

あ――、わ――、

【そうしてしばらく固まっていた少女なのだけど――やがて、人々の目線が集まっているのに気づいてか、びくりと肩を跳ね上げさせ】
【おそるおそるあたりを見渡す――そのしぐさで、何事かと視線を向けたひとたちのほとんどは目が合うのを嫌がったみたいに、去っていくのだけど】
【少女自身はそれどこではないみたいに、見渡す間にどんどん顔が真っ赤になっていく――のを、まだだれか見ていたら、きっと気づくはず】

【――真っ白い肌が真っ赤になるまで、たくさんの時間はかからなかった。そこからの少女の動きは、もう、それは、すごい機敏で】
【まず最初に自分が踏みつけて転んだ原因の空き缶を拾い上げ(スチールの硬い空き缶だった。珈琲のやつ)、道の傍らにあった自動販売機のゴミ箱に勢いよく叩き込み】
【そしたらわき目もふらず速足で逃げて行ってしまおうとするのだ、――よほど恥ずかしかったと見え】

【だけれど――たとえば恥ずかしい以上に気になるものや誰かに声を掛けられるとか……そういうことがあれば、その足も、きっと、止まるはずだった】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 20:10:32.91 ID:pQtq4UyiO
>>90

【暴漢の目に怯えが浮かんだ、視線の先に見える銃剣】
【之は不味い、と──本職だ、武を以て世界に臨む存在だと】
【清楚な雰囲気に見合わぬ威圧感、修羅場を乗り越えてきた者である、と】

【首筋に突きつけられ、腰が抜けて地面に座り込む】
【其の男の肩に触れるレースに包まれた手】


ねぇ旦那様、そんなに怯えて、どうしたの
怖いのかしら、そうよね──恐ろしいわ、あんな刃物があったら
どうなるのかしら、首筋に突き立てられたら、ねぇ

頚動脈を割かれたら、真っ赤な花が咲くの、朱い朱い血飛沫に塗れて
そしたらね徒花の様に無残に、死んでしまうの、椿の頭が落ちる様に
あゝ──可哀想、可哀想な旦那様、触れちゃいけない者に、触れたから


【唄う詩が淫らに揺れる、そっと男の耳元に口を寄せて死を沃ぐ】
【白い頬が月夜に照らされ──鮮やかな無辜を映したら】
【脱兎のごとく逃げ出すだろう】


だって、仔猫ちゃんがね、迷い込んできたもの
こんなに嬉しいことってないの、淫らに暇を潰す芥が、失くなったもの
ねぇ、仔猫ちゃん、素敵な素敵な仔猫ちゃん

どうしてこんな所に来たの?カチューシャは、其れが不思議
あんまり啼いて无いもの、乱暴なエスコートはお呼びじゃなくて
普通の女の子なら寄らないもの、こんな場所

不徳を致し、不貞を働き、不義を為す、やがて其れは不修多羅に代わるから
いけないいけない仔猫ちゃん、貴女のお家はどーこ?


【躙り寄る──長い踵が地面を叩いて、壱つ貮つ】
【値踏みする様に貴女を瞪める、可憐な姿に頬を滲ませて】
【其の姿は異様で異質──余りにも耽美な映画にも似て】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 20:36:16.46 ID:LLUcYpef0
>>92
「……あなた、何者ですか?」

【その一見にして可憐で、一見は優美で、一見は可憐な女性に問いかける】
【この際足元の元暴漢は、捨て置いてもいいだろう】
【普通ではない、断じて普通の人間ではない】

「私、私はたまたまです、たまたま通りかかったに過ぎません」
「じ、冗談、冗談はやめてくださいね、私はごくごく普通の女子学生、全く不審な所は無いんですから……」

【こうはこの女性、カチューシャと名乗ったか?に答えるが】
【その声と顔には動揺が走り、冷や汗が背に滲む】
【完全にこの女性の発する気に呑まれ、動けないでいる】
【全くもて計り知れない、優美で甘美で、そしてとても危険な香りだ】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 20:48:13.15 ID:pQtq4UyiO
>>93

【貴女の聲が彼女を示す、訊ねる鋒を私に委ねて】
【舌で擽る様に頬が緩む、貴女の言葉を愉しげに聞いたなら】
【沫雪の如き髪を撫でて──滔々と音を響かせた】


私が気になるの?カチューシャ──其れが私なの
仔猫ちゃんに呼んで欲しいの、カチューシャって、愛を嘯く様にそっと
殿方が腕に臥せながら、睦言を囁く様に、呼んで欲しいの

ねぇ、お願い、仔猫ちゃんの聲を聞かせて


【手袋に包まれた指先が伸びた、貴女のセーラー服に向けて】
【指の先でスカーフを握ろうとする、柔らかく引き抜くかの如く】
【今の所は触れるだけ、其れでも艶やかな雰囲気は変わらず】


仔猫ちゃんが不審かどうかをね、決めるのは私なの
さっき出した玩具、ふつーの女の子が持ってるの?
ねぇ、どうして躊躇い無く突き付けられたの?

とっても気になるの、どうしてかしら
仔猫ちゃんの事が知りたくて、仕方ないの
生娘が愛を請う様に、殿方を慕う様に

──貴方が普通じゃないのなんて、とうにわかってるけど


【ピンヒールの分彼女の方が高いかもしれない、そっと腰をおって見下ろす様に】
【マリンブルーに踊る朱、歪む色合いに鏡像を重ねて】
【虹の先に有る貴女に、思いを馳せた】
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/15(木) 20:53:09.32 ID:UioF4RNAo

【その日は、嵐だった。数年に一度の豪風雨が船を襲い、洋上を往くその巨体は時折大きく揺れる】
【だが、人々の欲に際限はない。 ──、 従って、この“王国”が瞳を閉じることも、決してない。】
【止まる時があるとすれば、それは、マルコ・ダルハイトという“王”を喪ったとき。】
【欲を喰らい、欲に換える。 その為だけに、この船は存在する。 それこそが、王の意思なれば。 】

【そのように“在って/狂って”いるからこそ、王国なのだ】



【セレンディピター号 カジノ】

【カジノの女王、ルーレット。その一角で、一時間ほど前からゲームに興じる者が居た】
【明らかに染められた金髪に眼鏡。派手なストライプのスーツに白いネクタイという、趣味の悪い衣装だが】
【──、ディーラーに向けて獰猛な笑みを浮かべ、“この状況”にある彼は確かに、他にはない存在感を醸し出していた】


 エラい汗流しとるなあ。まだ暑い時期でもないやろに。空調壊れとるんちゃうか?


【人集りが出来始めたときから見ていた者なら、分かるだろう】
【この男は、Passe-Manque(前半/後半賭け)だけで、元手を“1024倍”にした。つまり、10連勝】
【確率論として有り得ない。どう考えても、イカサマ。だが、それこそ有り得ない。──ここは、セレンディピター】
【世界最高峰の“監視装置”が働き、この世で知られるありとあらゆるイカサマは、此処で初めて“イカサマ”と定義される】


Passe。  ……ディーラー。手が止まっとるぞ。ちゃんとやれや。
あァ、それとも。まさか、天下のセレンディピターが、証拠もなく“お客様”に“イカサマ師”の汚名被せたりせんわなァ。


【──そして、その様な状況下で、証拠もなく“イカサマ”と論難すれば、それこそが胴元のイカサマと看做される】


 ────、 ほれ、黙っとらんでもっと騒げやアホ共ッ!! お前らの負け分取り返したるわ、ハッハッハ!! 


【ギャラリー達は、男に煽られ歓声を上げた。男も、女も、関係ない。此処に在る者は、欲に駆られた人間が殆どだ】
【そして、今の彼らの欲はただ、“面白いものが見たい”というだけ。 投げられたボールの行方を見ることもなく、男は椅子の上に立ち上がり、】
【更に騒げ、とでも言うように、両手を大きく振った。歓声が怒号と化して、場内を支配する。更に、ギャラリーは増え続ける】


あぁ、騒がしくしてすまんな、ディーラー。当たっとるやろ、どうせ。


【 出目は37。 これで、“2048倍” 】

【既に、チップの数は卓上に収まらないほどに。──それでも、ストップは入らない。ディーラーは滝のように汗を流す】
【この男について、あらゆる検査は既に終わった。それでも“証拠”が掴めない以上、この場を止められるのは、“王”しか居ない】
【だが、監視カメラの向こうでこの状況を見ている筈の“マルコ・ダルハイト”からは、何の音沙汰もなかった──、何故だ】
【此処は、“欲の王国”。 この男も、周囲の観衆も、“欲”として正当である限りは尊重される、とでも言うのだろうか】


 しかし、アレやな。これだけ勝つと興醒めや。──なぁ、そうやろギャラリー共。
 此処は一つ、俺の代わりに“誰か”にやって貰おうやないか。勿論、全賭けや。
 ──、おうおう、まーたアホみたいな大声出しくさって。そんな元気あるんなら博打なんかせんと働けや、ハッハッハ。


………… そうやな、“アンタ”にやって貰おうか。


【── 鳴り止まない喝采の中。そうして、男は“貴方/貴女”を指差し、手招きするのだ】


/仰々しいですが普通の投下です。
/面倒な話で申し訳ないのですが、時間軸としては“セレンディピター号での最後の日”となります。
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 20:56:00.73 ID:LLUcYpef0
>>94
「カチューシャ……」
「それが貴女の名前、ですか」

【するりと何の抵抗もなく、セーラー服のスカーフは抜き取られるだろう】
【たじろぎ乍ら、そう答え】
【その女性カチューシャのその花を愛でるような、優美で官能的な声と指は変わらずに】
【図らずもカチューシャの望む通り、声を出して名前を呼んだ事にはなるが】

「……全く私としたことがうかつでした」
「貴女をごく普通の女性だと思って、見せすぎましたね」

【この期に及んで正体を隠し続けるのは無理がある、そう判断し】
【魔導法衣、海軍士官U型制服へと姿を変える】
【白の詰襟に同じく白の帽子、モールはまだなく階級章と少量の徽章のついたそれに】

「私、軍人なんです海軍の」
「もう私については満足ですか?」

【そう言葉を投げかけながら、右手は拳銃に伸ばす】
【いつでも撃てるように、と】
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 21:10:36.06 ID:pQtq4UyiO
>>96

【宵月が沙雪を擽るかの様に、照らし出される貴女の横顔】
【意志を感じさせる強い瞳の色合い、瑞々しい彩は新鮮な果実を想わせ】
【羽毛で撫でられるみたいに、心地よく映るのだろう】


嬉しいの、呼んでくれて、ねぇ、もっとねだっていいかしら
最近ね、呼ばれて無いから寂しいの、心が乾いて仕方ないの
皆カチューシャの事を数字で呼ぶの、参つ目の胡乱な数字で

──"No.3"なんて呼び方、飽きちゃった


【掌に収まったスカーフを指先で弄ぶ、感触を確かめて】
【紡いだ言葉は不穏な響き、数字で人を呼ぶ特徴的な組織】
【──機関の者だと、察するかもしれない】


ねーぇ、仔猫ちゃん、仔猫ちゃんは本当に無垢なのね
其れは貴女の召し物でしかないの、どんな肩書きを着たって
剥いだ下には素肌があって、そこにある貴女を知りたいの


【姿を変えた貴女に向けて、言葉を向ける】
【彼女は貴女自身のことをもっと追求するだろう】
【じいっと見つめている】
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 21:17:13.90 ID:LLUcYpef0
>>97
「ねだって?」
「な、aI?貴女まさか、機関の!?」

【憂鬱そうに、それでも尚、降りしきる新雪の如く】
【カチューシャは語る、そう、己の素性までも……】

「素肌?」
「止めてくださいカチューシャさん、私本当に好きな人にしか肌は晒さないって決めてるんで」

【じっとこちらを見据え、言葉を投げかけてくるカチューシャに】
【同じく凛と見返し、こう答えた】

「カチューシャさん、聞かせてください、あなたの所属するカノッサ機関の事を」
「機関の、いえ、あなたの目的は何ですか?」
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 21:44:00.64 ID:pQtq4UyiO
>>98

【不思議そうに首を傾げる、何故貴女はそんな事を聞くのかなんて】
【妓院の様に自らの唇の端に指を置き、甘汁の如く伝う】
【怠惰に口を開いて言葉を残した】


私の目的──どうして、そんな事気になるの?
ねぇ、仔猫ちゃん、貴女には生きる目的が、あるの?
誰かに請われて生きてるの?其れ共、誰かを請う為に生きてるの?

唯生きてるの、慎ましく、ほんとよ?ほんと、私は思うが儘に生きてるの
海軍の仔猫ちゃん、其れではいけないの?
唯生きることは間違いなの?


【髪が靡いて、横顔を修飾しながら貴方に向ける】
100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 21:51:31.58 ID:LLUcYpef0
>>99

「……」
「……なるほど、わかりました」
「貴女には目的が無いことがわかりました」

【非常に、非常に甘い声色だ】
【ともすればそれだけで、酔ってしまいそうな】
【だが少女は、非常に淡々と答える】

「私は……」
「私は私のために生きている!」
「目的も目標もないけど、でも、私は生きている!」
「誰も請わない請われない!」
「貴女が好きに自由に生きるのはいい、誰もそれを咎めない」
「でも、でも機関は……」

【カチューシャの問いかけに激昂しながらもこう答える】
【やがて拳銃を構えて】

「カチューシャさん答えて、六罪王の話は本当?カノッサ機関はあなた達は何に向けて動き出したの?」
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/15(木) 22:02:29.84 ID:pQtq4UyiO
>>100

【意思の強い娘だと、其の答えから感じた、胡乱な心では全く無い】
【啄む夜鷹の囀りにも似た、僅かな呼吸音を響かせたなら】
【詰める互いの位置、手を伸ばせば触れられる程の距離】


素敵な答えね、仔猫ちゃん、とっても、とーっても気高くて
そうね、そう思うの、生きてる事、其れは其れだけで素晴らしいの
儚く散る命があって、無残に消える命があって、鮮やかに朽ちる命がある
其の中で生きてる事は素晴らしいの、ほんとよ?ほーんと

ふふ、気持ちがいいわ、とーっても、可愛らしい仔猫ちゃんと、愛を唄えて
あゝ───でもね、無粋なの、其の手は下ろして
貴女の指先は命を育む為にあるの、愛を沿う為にあるの
素敵な殿方に絡めて、温もりを知る為にあるの

だからね、おあずけ


【右の手が伸びる、貴女の構えた手に触れるように】
【銃口を向けられても身動ぎ壱つしない、僅かな揺れも見せないで】
【言葉を付け加えたなら音律が響いて、静けさを乱す】

【触れることが出来たなら、手を下にゆっくりと下ろさせようとする】


あら、仔猫ちゃんのね、さっきの言葉が答えじゃないかしら
目的も目標も無いけど、唯生きてるの
機関もそうなの、唯其の組織は、呼吸をするかの様に生きてる

其れは気紛れなの、殺める事も殺めない事も
女心と同じくらい変わりやすいものだから
正当性を求めるのなら、仔猫ちゃんのお家がお似合いなの


【掻き乱す様な言葉、機関の行動に指針はないと言っている様】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 22:13:34.43 ID:LLUcYpef0
>>101
【奇妙な部分で嚙み合い褒められている様子だ】
【少女としては、妙な気分ではある】
【やがて手を添えられ、その手の導きに応じるがまま】
【その構えた銃を下す】

「殿方って……私にはそんな人……」

【ダメだ、呑まれる呑まれてしまう】
【どうあっても、カチューシャに呑まれてしまう】
【中尉……そうある人物を思い浮かべた時】

「ただ生きている?機関も貴女も?」

【ともすれば、難解な回答と言える】
【ともすれば、明朗な答えと言える】

「私の家……」
「私の家ってどう言う意味なんですかカチューシャさん?」

【難解だ、少なくともこの少女には非常に難解な言葉のやり取りである】
【少なくとも機関にも、カチューシャにも明確な指針は無いと聞いた】

103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/15(木) 22:23:17.95 ID:w2ywdbh/o
>>102

【  ──其れは正しく、刹那と呼ぶに相応しい壱瞬──  】

【彼女の頬が綻ぶ、瞳の朱が深くなり蕩ける様に】
【吐息が漏れる、息の白が夜を鮮やかに染めて】


ねぇ、ねぇ!仔猫ちゃん!其の反応はいるのね、心に決めた殿方が!
なんて、なんて素敵、果報者の殿方は一体どの様な方なのでしょう?
逞しいのかしら、雄々しいのかしら、猛々しいのかしら
ええ、気になるの、きっと嘸素晴らしい益荒男なのでしょう

気になるの、カチューシャは知りたい、凄く知りたいの


【貴女の反応から想い人が居ることを推察、途端に言葉激しく】
【銃ごと貴方の手を握ろうとする、手袋に包まれたしなやかな感触】


ええ、そうよ、思うが儘、したい事をしてるの
其れは目的の無い凶器と一緒、振るいたいから力を振るうの
カチューシャは其れも悪くないと思うけど、でもね

美しくないの、唯乱暴をする事は
力を振るうのは愛を振りまく事と似て非なる事だから
お家はお家よ、仔猫ちゃんの大事な海軍

軍隊は大変なの、そこには明確な意思が必要だから
──何故なの?分からないの、でも、知ってる気がする、けど


【ふわりと撫でた言葉、不思議そうに首を傾げた】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 22:30:54.77 ID:LLUcYpef0
>>103
「想い人って……」
「ち、中尉は、そんなんじゃ……」
「そういうのじゃ、ないですから……」

【今度は、これまた妙な具合に】
【俯きながら、最後はかなり小さな声でそう呟くように答える】


「中尉は、その猛々しいとか、荒益男とかそういうのじゃないですけど」
「……すごく強くてクールですよ……その、そういうんじゃないですけど」

【完全にペースに乗せられていると言える】
【顔は赤く、少しボーっとしてきている】
【そしてそのまま、されるがまま、手を握られる、しなやかで優しい感触】

「海軍が、私の家?」
「わからないです、解らないですよカチューシャ」
「明確な意思と決意は軍人には必要です、でも貴女の言ってることが解らないですカチューシャ」
「カチューシャ、あなたまさか、記憶が無いのですか?」
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/15(木) 22:40:39.65 ID:w2ywdbh/o
>>104

【三盆白の頬擦りが、僅かに蕩けた笑みを見せて】
【更に距離を詰めて密着しようとするだろう】
【肉感的な身体を、寄り添う様に側へ運んで】


ふふ、聞いたの、聞いちゃったの、素敵な素敵な魔法の言葉
ねぇ知ってる?知らないでしょう、うん、きっと知らないの
女の子がね、大好きな、だーいすきな人のお話をする時の顔

ほんとにほんとにほーんとに、素敵な表情をしてるの
顔を赤くして、少し声が上ずって、多分頭の中は彼でいっぱい
ねぇ仔猫ちゃん、知らなかったでしょう?カチューシャは嬉しいの


【貴女の耳元に口を寄せて、すぐ傍で言葉を揺らす】
【微かに舌の絡んだ甘い音律、可憐な少女を弄び】
【貴女の返答を聞いたなら、少しだけ残念そうに】


伝わらないのなら仕方ないの、そういうものと、思っているの
記憶はあるわ、しーっかりと、生まれた時から覚えてる
でもね、時々靄がかかるの、霧の中にいるみたい

昼下りに見る微睡みの様に、うとうとしながら感じる白昼夢みたいに
お母さんの胎内に包まれるの、そんな感じね


【要領を得ない言葉かもしれない、答えているようで、重要な部分ははぐらかしている様子】
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 22:46:56.87 ID:LLUcYpef0
>>105
【されるがまま、体を寄せられ】
【その色香漂う身体にを寄せ付けられ、擦り付かれ】
【耳元で甘い声で囁かれ】

「あ、う……」
「ふ……ダメですって、それ、以上は……」

【顔は完全に上気している】
【それでも、なんとか平静を保とうと】

「中尉は、だから、そんな人じゃないですって……」
「カチューシャさん……記憶があるのに……」

【完全に聞きたい肝心な部分ははぐらかされているようだ】
【梨のつぶてに近い物を感じるが、これはこの空気に呑まれている少女もまた然りと言える】

「か、カチューシャさん……あなたは6罪王とは知り合いなんですか?」

【唯一絞り出せた質問は、これである】
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/15(木) 22:59:44.54 ID:w2ywdbh/o
>>106

【乱れる少女の姿、可愛らしく悶える姿が嗜虐心を擽る】
【之の儘閨事に持ち込み、競艶に耽っても良いと思える程】
【名残惜しそうに唇を食んだ、其れは余りにも尊く】


名前ぐらいは知ってるの、でも、其れぐらい
でもね、あの人達が為せと言えば、私は為すの
分かるかしら、之はね、仔猫ちゃんには知って居て欲しいの

世の中にはね、悪い狼さんも、狡い狐さんもいるの
でもね、皆みんな、自分の悦びの為に生きてるの
そうで無いのが、六罪王──だからね、とーっても恐ろしいわ


【目的が無いのが機関と言った、その言葉に象徴される様】
【六罪王は其れそのものが不穏であり不因】
【故に彼女も其の全容を知らない、唯言える事は】


仔猫ちゃんは好奇心旺盛ね、知りたがりの可愛い子
でもね、知らない方がいい事もあるの、知ったら危険とか、じゃなくて
呑まれるの、深い深い暗闇を覗いたことある、かな

不安にならなかった?光の届かない奥を見ると
何処までも、どこ迄も続く様な、深い、深い────
混沌と、誰かが言うのね、其れが全て


【もう片方の手で貴女の顎に触れようとする、軽く上にあげさせようとするだろう】
【しなやかな首筋が月に照らされ、絹糸の様な白を見せる】
【銀雪の如き髪が、ふわりと凪いだ】
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 23:07:18.23 ID:LLUcYpef0
>>107

【はあはあはあ、と呼吸が艶めかしくなる】
【これは、もはや少女の理性も決壊の直前であろう】
【それくらい顔は火照り、全身の力が抜けている】

「6罪王は……自分自身の目的の為に動いていない?」

【カチューシャの言葉から、そう読み取れ】
【聞いたが、カチューシャもそのあたりまでは、解らない様子だった】

「深い、闇?」
「混沌、私は、私は……」

【もはや少女の目に、光は無かった】
【深淵を覗く者は同時に深淵にも覗かれている、と】

「ん……」

【やがてされるがまま、顎に手を触れられ、顔を上に上げる】
【なんと、なんとカチューシャの美しく、儚くも淫らな事か】
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/15(木) 23:17:46.00 ID:w2ywdbh/o
>>108

【貴女の疑問にどうかしら、と返す】
【昨今の六罪王は不穏な程に静かであるから】
【彼女の与り知らぬところに、真相はあるのだろう】


可愛いの仔猫ちゃん、そう言えばまだ名前、聞いてなかったの
ごめんね、何度も何度も優しくカチューシャって言ってもらえたのに
悪いこ、わぁーるいこ、カチューシャはそんな、悪い子なの

乱されちゃってるの、仔猫ちゃんは
其れも其れで良いけど、可愛い可愛い貴女で愉しむの
でもね、悪いかしら、件のちゅーいさんに、怒られてしまうわ


【耳許で艶を撫でながら、そんな言葉を流して】
【ゆっくりと手を離して少し離れた、貴女の全身を見る】
【可憐な軍人の少女──嗚呼どこか、似ていると】
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 23:27:26.71 ID:LLUcYpef0
>>109
「あ、う……」
「わたし、で、たのし、む?」

【呼吸は荒く、目はとろんと蕩けて】
【まるでもう、完全にカチューシャのそれに持っていかれているようで】
【結局6罪王に関しても、あるいは機関に関しても主要な情報は得られなかった】

「わ、た、し……?」
「な、名前は……なす、しょうこ」

【そう名乗ると、カチューシャはその場から離れていく】
【そうすると支柱を失った身体は、ドサッとへたり込むようにその場に崩れる】
【肩で息をしている】
【カチューシャの記憶にある、可憐な軍人の少女と果たして似通った部分があったのだろうか、それはカチューシャのみが知ることでもある】

111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/15(木) 23:38:33.85 ID:w2ywdbh/o
>>110

【しょーこ、と口に出した、舌足らずの曲輪が靡く様に】
【不思議な響きであった、異国のビードロが奏でる音色】
【情緒を折り重ねた鈴の音にも似て、ころころと何度か転がす】


しょーこ、しょーこっ、しょーこ!
覚えたの、覚えちゃったの、之で貮度と忘れないの
カチューシャは覚えたの、だからしょーこも覚えて欲しいの

カチューシャって言うの、ねぇ、もう壱度呼んで
貴女の聲が聞きたいの、柔らかな音色で、可愛らしい声帯を震わせて
細い喉が裂けるまで啼いて欲しいの


【其れはまるで玩具を与えられた童の様に】
【何度も何度も揺らして、壊れるのも構わず】
【そうして漸く満足する様な、そんな感傷】


もう夜も遅いわ、カチューシャは帰るの
そうしなきゃいつまでも探してしまうから、失くした愛の続きを
さようならしょーこ、またきっと会いに来るの


【躄る貴女の姿に心揺さぶられながら】
【閨言を歌いながらも後は静かに、その場をゆるりとあとにするだろう】


/こんな所でしょうか!お疲れ様でした!
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/15(木) 23:45:53.49 ID:LLUcYpef0
>>111
「はあはあ……」
「か……」
「カチューシャ……」

【呼びかけに応じるように、そう一言】
【彼女の名を呼んだ】
【恐らく忘れることのできない、そういう名前となった筈だ】

【カチューシャの声は、まるで甘露をそのまま声としたかのような】
【甘く怪しく、甘美で、それでいて聴く物を魅了し戦慄させる】
【ああ、ああ、何とも罪な声色である事か】

「カチューシャ……」

【身体を何度も揺すられ乍ら、虚ろな目でこう呟いた】
【身体には全く力は入っておらず、いつの間にか魔導法衣の制服も解除されていた】
【そして別れの言葉を口にし、その場をゆるりと、ゆるりと去っていく】

「ちゅうい……」

【後には力なく座り込む少女がそこにあった】

//お疲れ様です!ありがとうございました

113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/16(金) 19:00:39.21 ID:IRnWyEti0
【カフェ】

【奥の方のテーブル席で何やらテレビ通話らしきことをしている1つの影】
【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「――"レオーテヴュート"、お前テレビは見ィてるか?」 『で?』
「……とォある法案が提出されると同時、能力者死ィすべき論が増ゥえ始めた」 『ふーん』

【スマートフォンをするすると操作し……とあるSNSの画面が開かれる】

「そォれにだ、ほォら……こォれは俺様が最近作ったSNSのアカウントだ」 『誰この子』
「拾った女子高校生の画像だ。……で、こォのアカウントでちょいと発言しィてみィるぞ」

【"今日、キモ親父に襲われそおになってヤバかったんだけどお(泣き顔)(泣き顔)(ピンチ顔)(汗)
 イケメン能力者に助けてもらったあ〜(照れ顔)(ハート目顔)(ハート)(ハート)
 マジヤバかったけどめっちゃ助かった〜(いぇーい)(クラッカー)(チョキ) マジ卍"】

『うわぁ』 「ちィなみにこォのアカウントは誰とも繋がっていィねェ……が!」

【"イケメンにキモい能力者から助けてもらったの間違いだろ?"】
【"後でその能力者に襲われるよ"】 【"嘘乙、あのゴミクズ共が助けるわけ無いじゃん"←"同意"】
【"通報しますた"】 【"犯罪者予備軍ハケーン"】 【"(グロ画像)"】 【"お前がキモい"】

「そォれなァのに即炎上だ」 『正論混ざってない?』 「通知が止ォまらねェぜ、一周回って面白ェわ」 『で、僕に何を言いたいの?』

【……幾ら奥の席とは言え、フルHDモニタ(と思われるもの)をどんと置いていれば目立つ】
【そして、三角の黒いサングラスを身に着けて誤魔化しているが、この顔は指名手配犯リストにあったような――】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/16(金) 19:17:14.89 ID:TUXrVdtq0
【風の国、とある路上】

「さて、お前ら解ってるよな……」
「そのまま大人しく、金目の物を全部置いてくッス!」

【乾いた風が吹きすさぶ路上、いかにもな高級車を停車させこれまたいかにも裕福な家族連れを車から降ろし】
【銃を突き付ける男女二人組、二人とも色違いのカウボーイスタイルで一人は若い男性、もう一人は田舎臭さのある少女だ】

「(やべッス兄ィ、アタシ等今めっちゃっぽいッス!)」
「(だろう、悪役はこうじゃなきゃ)」

【青ざめた怯えた顔で命乞いする家族連れ】
【対して、何故か非常に嬉しそうな顔で金や宝石、貴金属を置かせる二人組】
【家族連れには、これまた非常に小奇麗な、年頃の娘もいるが】

「(兄ィ、セオリー通りだとこの娘兄ィが好きにした後、連れてって売りさばくのがお決まりッス)」
「(バカおめ、そういうのはやってないの!)」
「(でも、他の悪は皆そうしてるッスよ!)」
「(ダーメだっつってんだろ、他所は他所ウチはウチなの、そんなに他所がいいんなら他所の子になりなさい)」

【小声での会話の多い二人だが、ここは周囲に視界を塞ぐものがない路上】
【誰かが通れば、この不自然な状況は直ぐに目に入るだろう】
【果たして?】
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/16(金) 21:24:28.91 ID:VkL2EeL40
【風の国――UNITED TRIGGER店舗内】
【少し古びた扉が内側から開かれて木の音が軋む、それに古いベルの音が混ざり合って、どうにも耳に快い――なんだか温かみのある音がする】
【だけれど、ちょうどそのときに店舗の前や近くを歩いていたひとがいたなら――全く別のものも感じるだろう、こちらは嗅覚に訴えかけて来るもの】

――――もう! お鍋、焦がした……さっきまで平気だったのに、もう、――。

【――とにかく少なくとも何かがすっごく焦げたときの、どうにもしがたい焦げ臭さ。それが扉が開け放たれるのと同時に、辺りに拡散されるだろう】
【もしそんな独り言も聞こえていたなら――鍋を焦がして室内が焦げ臭いから換気をしているらしい、とも、きっと気づけて】
【ドアからひょこりと顔を出したのはあどけない顔つきの少女だ、数度店の前をきょろきょろ見てから――少しの間、ドアを開けておくことにしたらしい】
【それでも虫だの鼠だのが入り込まないようにか。ドアのすぐ近くに佇んでぼうとだまりこむ。誰か覗き込めば――その姿を、真っ先に見つけ出すはずだ】

【肩を撫でる長さの黒髪に、ひらひらしたフリルをあしらったヘッドドレス。あどけなさをたくさん残す顔には、けれど少し大人びた化粧を施して】
【左右で色の違う黒と赤の瞳を長い睫毛がきちんと縁取って……その毛先が瞳の色を遮るように下がっていたなら、きっと何か考え事の顔。少し難しい表情をする】
【櫻の民族衣装をまねたデザインの給仕服だった、明るい色の布地に、たくさんの花の柄、袖は櫻の着物みたいに長いけれど、裾はありふれた給仕服のように長い、スカートで】
【真っ白なタブリエをきちんと締めて、それから足元は編み上げのブーツのつま先だけが見えた。かかとの高い靴だからか、あどけない少女――けれど背は百六十半ばほどあり】
【何より十六歳ほどの少女がそんな恰好で佇んでいるのは少し目立つのかもしれなかった、――あと、現在進行形で、通りに焦げ臭さを拡散しているさなかであったし】

――はあ、お鍋、どうしよう……。洗ってどうにかなるかなぁ……。
…………えい、早くどっか行っちゃえ――、

【少しけぶった店内を恨みがましく見つめて呟く、ふわぁとため息を吐けば――嫌でも煙たい焦げ臭い空気を味わうことになって】
【出入口に向かって手をぱたぱた、当然それでどうにもなるはずがないから――焦げ臭い空気を拡散する店のドア周辺で謎の動きをするひと、みたいに、なっていた】
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/16(金) 21:42:46.89 ID:TUXrVdtq0
>>115
ババババババ……トトトトトト……

【UTの店舗前、大きな側車付のオートバイが一台停車する】
【クラッシックなアメリカンタイプにボディーは全体がOD色に塗装されている】
【見る者が見れば、一目で軍用だと気が付くが】

「(さてここまでは、何とか来れたが)」
「(ここが、UT……)」

【運転していた男性は暗いネイビーのスーツにロングコート】
【革手を外し、その店舗前にたたずむ】
【すると】

「うッ……何だこの臭い、火事か!?」

【そして、そこにはこの異臭の中、奇妙な動きをする少女が】
【彼からすれば、少し懐かしさを感じるような給仕服】
【男性は自然、この少女に話しかける事になる】

「すみません、ちょっといいかな?」
「ここがUNITED TRIGGERで間違いは無いかな?」
「というか、この臭いは、火事?」

【一見人当たりの良い笑顔を張り付け、男性は少女に聞いた】
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/16(金) 21:57:01.18 ID:VkL2EeL40
>>116

【焦げ臭さ早くどっか行ってしまえの舞。当然そんなものは存在しないけれど、それとももしかしたら――巫女の舞うものに(似てない)】
【しばらくそうはしたけれど何か意味があったとも思えなかったのだろう。疲れたようにため息を一つ吐いた少女は――けれどやはりそこからは退かないまま】
【ゆえに。大きな……何かよくわからないけど大きな何かがくっついたオートバイが来れば、少女の視線は自然とそちらへ向く。それどころか――】
【――あるいはセリーナが戻ってきたのかと思って。けれどやがて運転手が違う人間であるのに気づけば、ぱちくりと瞬き一つ。相手が少女を見れば、自然に目が合うだろう】

あっと……、……えっと、お客さん? ごめんなさい、さっきね、お鍋を焦がしちゃって――、……中焦げ臭いけど、いーい?

【それから――相手の言葉に困ったような顔をする、あるいは少し慌てた顔。違うとアピールするみたいに手を動かして、それから、少し罰の悪い顔になったなら】
【火事とかではない、純粋に、不手際からの焦げ臭さ。もっと放置していればそれこそ火事になったかもしれないけど――あくまで被害は鍋だけ、という顔】

間違いないよ、だいじょうぶ――、火事でもないの、えっと……消防車とか、呼ばないでね?

【そうして答える、どうやら相手の目当てはここであったらしい。ならばここで間違いがないと少女は答えて、それから、やはり、火事かと問われれば】
【そんなとんでもない状況ではないから――と、今度はお願いするように首を傾げるだろう、あどけない顔をにこにこさせるけど、やはり少し困っている】

……、あ、えっと、いらっしゃいませ? 換気扇も回しているの、多分すぐ、臭くなくなると思うけど……。

【――――とはいえ。どうあれ用事のある人間を外に立たせておくわけにはいかないだろう、店内へと誘おうとするのだけど】
【やっぱりどうしたって中は焦げ臭い。すぐに消えると思うけれど――という言葉もあったなら、彼さえ我慢してくれるというのなら、という様子もあり】
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/16(金) 22:04:02.56 ID:TUXrVdtq0
>>117
【櫻国の正月に神社の境内で、巫女が舞う神楽に似ているも、そもそもそれは櫻国出身者でなければ抱けない感想だろう】
【店の脇にオートバイ『陸龍』を駐車して】

「あ、ああそうだったのかい、僕は構わないよ」

【この異臭の理由は、何てことはないそんな理由だったのか、と】
【相変わらずの笑顔のまま、こう答え】

「火事でないなら良かった、いや〜長旅だったからね、臭いなんて気にしてられないさ」

【ははは、と笑いながらこう少女に答え】
【消火活動や消防隊を呼ぶ必要は、どうやら無いようで】

「じゃあ、お邪魔させてもらおうか?」

【少女の導きで店内に】
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/16(金) 22:19:28.54 ID:VkL2EeL40
>>118

ちょっとね、考え事をしてて……、あ! えっと、明日の晩御飯どうしようかなあとか、いろいろと――。

【ちょっとだけ嘘を吐いた。だけれど気づかれるかもしれなかった、ちょっとだけわざとらしいごまかしかた、両手の指さきだけをふらふら絡めるようにしながら】
【相手が焦げ臭いなかでもいいと言ってくれれば申し訳ないみたいに「ごめんなさい」と謝るだろう。長旅の果てに出迎えるのが、この焦げ臭さなんて】
【そして相手が店内へ入れば、少女は少し悩んだようだったけれど――そのあとにぱたん、と、扉を閉めるだろう】

一応エアコンもつけるね――寒かったり暑かったりしたら、教えてね。

【店内は空いていた……というよりも、珍しく誰も居なかった。だから彼は好きな場所に座ってしまっていいだろう】
【言葉通り換気目当てでエアコンを付けたら遅れて相手の元へ向かう少女は、その途中で手に取ったメニューを彼に手渡すようにして】

えっと……あ、バイクで来たひとは、お酒はごめんね? ただのごはんとかも作るから、大丈夫だよ。
お茶とおつまみとかだって、別にいいし――、食べたいものがあったら言ってね。作れるものだったら、作るから――。

【だけれどこれは仕方ないみたいに、彼に渡したメニュー――お酒のあたりを、一度指差したなら、そんな風に言うだろう】
【そのうえでただご飯を食べるだけでもいいし――とのこと。食べたいものがあったら、というくだりでは、多分この少女が料理をするのだとも知れ】
【というより料理をするひとだから鍋を焦がしたりしたのだろうけれど――ただ確実なのは、今この場に居るのは、酒場には似合わないあどけない少女だけで】
【どうやら今日の店番は彼女らしい、それも彼女だけであるらしい――と、何となく分かるようでもあって】
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/16(金) 22:25:28.50 ID:TUXrVdtq0
>>119
「……」
【少女からは妙にそわそわした様子が見受けられた】
【正義組織UT、その間口となる店舗にこの少女一人と言う状況も、より不自然さが際立った】

「ありがとう、ははは、元からお酒を飲もうとは思わないよ」

【そう、変わらず張り付けた笑顔でメニューを受け取り】
【やがて】

「じゃあ、焼肉のサンドウィッチを貰おうかな、それと珈琲も」

【注文をする】
【そしてやや、間をおいて】

「僕は水国の記者で厳島命、今日はここに取材に来たんだけど……」
「どうやら君一人みたいだね……君はなんて名前だい?」

【過分な嘘を含みつつ、こう話しかけた】
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/16(金) 22:37:51.81 ID:VkL2EeL40
>>120

【お酒を飲むつもりはないという彼の言葉に「よかった」だなんて言って笑うだろう、だけどあくまで、雑談としての声音であり】
【ただそれももしかしたらどこか上の空に聞こえるのかもしれなかった、少し――なにかを気にしている素振りがある。ただ、相手がどうとかではなく】
【何か彼女本人の方である出来事について、いくらか意識を取られているような……そういう様子があり】

はい、じゃあ――ちょこっとだけ待っていてね。珈琲は温かいのと冷たいの、どっちがいいですか?
ミルクとかお砂糖は要るかな――、ほかに何か必要なものがあったら。

【――あまりありがちな給仕という様子でも、ないだろう。こういう場所だからか、態度は少し砕けたもので、いわゆるきちっとしたマニュアルの接客ではなさそうだ】
【にこにこ笑っている顔は人懐こさが見て取れるもの、客が一人で注文も少ないのであればメモを取る様子もなく】
【ひとまず珈琲の好みだのを聞けば、それらを用意するために一度裏へと戻ろうとするのだけれど――その時に、ふっと呼び止めるように、話しかけられ】

あ、あー……、記者、さん? ごめんね、セリーナ、今、居ないや……、えっと、……。ご用事? 伝言、しておこうか。
――うん、今日はわたし一人だよ、最近新しい子が増えたんだけど――今日は一人なの、……わたし?

白神鈴音(しらかみりんね)だよ、――厳島、さん。

【――それで少女は本当に困ったような顔をするだろう。記者であれば用事はセリーナかと思い至る程度には、きちんときちんと関係者であるらしく】
【ただし留守であるらしい。少し気まずいような顔をするのは――これも少女としての事情だ。それから名前を尋ねられれば、これはうそ偽りなく、答えるだろう】
【嘘偽りがあるとしたら――そもそも彼女には戸籍というものがないので、そんな人間はどこにも存在しないということなのだが。それ以外は、もう長いこと使っている名前】

【――――あるいは。相手が何か"調べて"来ているのなら。この少女もまたこの場所と名前を使って行っている活動があり】
【"たんぽぽ"なんて名前で行われているのが、身寄りがない、お金がない、ほかにも様々な理由で食事に困っている子供たちへ、無料で食事を振る舞う……という、もの】
【それももう何年も前からのものだ。そしてそれの発案者みたいなのがこの少女であって、多分そこまで調べていたら――この少女が、その数年前から成長していないことも、分かる】

【ただ。それらはあくまで余談でしかないこと。名前を答えて――それで問題がないようなら、やはり給仕である以上、一度は食べ物の準備をしに行ってしまうだろう】
122 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/16(金) 22:40:28.03 ID:tADsd2ago
【セレンディピター号】

【この邪な海上の独裁国家に、しばらく前から新人の警備員が入った】
【身長は2メートル超。太い手足に角ばった顔つきの厳つい面相は、むしろこの船にとっては日常のものか】

【仕事ぶりは真面目といえ、船内で日夜飛び交う悪事との付き合い方もわきまえている】
【最も、それが出来ないものは、あっという間に船から放り出されることになるだろうが。ゆえに、この男も体格以外では特に注目される存在でもなかった】


【日々、船内を見回って目を光らせ、客からのからかいや侮蔑にも愛想よく対処し】
【トラブルが起これば間に入り、度が過ぎるものであればその巨躯を盾にして止め、以降の対応はダルハイトの私兵に引き継ぐ】
【生傷も絶えなかったが、大男の警備員は顔色一つ変えずに粛々と業務を遂行し、欲の王国の秩序の維持の末端を守っていた】

【セレンディピター号が揺れた=Aその日までは】


お客様、落ち着いてください!! どうか落ち着いて――――

(何だというのだ……!! カジノで騒ぎが起こったと招集されたかと思えば、この欲の王国で暴動だと……)
(未だ、『黒幕』の敵たる公安内部のゴタゴタの尻尾も掴めていないというのに……!!)

(ポイゾニックの偽装のみで、『黒幕』に取り入られるかどうか……いや、後のことは考えている暇はない)
(脱出手段は複数確保してあるが……この嵐の中では相応のリスクも伴う)
(混乱に乗じて去るか、もう少し留まって情報を求めるか……ここが最初の正念場か……)

【額の目を封じ、能力と変装を併用して顔を変え、特注サイズの警備員の制服に身を包んで】
【情報収集を試みた日々は、どうやら報われず終わりそうだ】

【暗い考えを頭から打ち消し、邪な思いを抱えた警備員は、「応援を呼んできます!」と私兵らに叫び】
【一時、暴走の渦から抜けようと試みる。己の目的に向けて走るために】
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/16(金) 22:53:35.64 ID:TUXrVdtq0
>>121
【やはり、やはりだ】
【この少女にしてもUTにしても、何か困った事が起こったと見える】
【それが証拠に、この少女は先ほどから落ち着かない、妙にそわそわとした様子だった】

「ああ、ありがとう両方欲しいかな」
「……ああ、その代表のセリーナさんに、ね、インタビューがあるんだけども」
「そうだね、出来れば伝えておいて欲しいな、名刺も後で渡すからさ」

【あくまで笑顔で、代表者への伝達を頼む】

「白神、鈴音……か、そうか鈴音ちゃんだね」

【確か……と記憶の糸を手繰る】
【無論、ここに来る前に集められるだけの資料を収集し向かって来ている】
【その資料の中に同じ名前があった】
【この少女と同じ名前の人物が発起人となって、子供達への慈善活動を始めていた筈】
【しかし、それはもう何年も昔の話、これは……】
【その部分にひっかかりを、疑問を感じながら、やがてコートを椅子にかけて】

「ごめんね、鈴音ちゃんちょっとトイレは何処かな?」

【調理にかかる鈴音に、こう声をかけ席を立つ】
【しかし、これが甘い判断だった】
【バイクの振動と長旅で、内部の拳銃と銃剣のホルスターの結束が緩み】
【その場に拳銃と大型の軍用ナイフである銃剣が落下した】
【櫻に錨、櫻国海軍の刻印入りの武器、果たして水国の記者がそんな物を持ち合わせているだろうか?】
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/16(金) 22:59:15.65 ID:VSUF+fmUo
>>122

【走り出した大男の前に、都合の悪いことに人影が飛び出してきた】
【その人物は大男が視認するや否や、妙に素早い動きで足元にすがりついてくる】

た、助けてください!
あっちこっちで人が死んだり爆発したりしててぇ…………!!

【完全に怯えたような様子でその男は助けを求めていた】
【年齢は二十代中盤。この船に乗る人間の中ではかなり若い方になるだろう】
【格好はタキシードやスーツではなく、魔術師然とした黒衣だ】

【足元にいるその男は移動の邪魔になっている。蹴飛ばしてしまえばどうとでもなるが────】
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/16(金) 23:05:29.22 ID:VkL2EeL40
>>123

――――……インタビュー。そっか、えっと、セリーナは知っているのかな、……えと。ううん、分かった、名刺も――。
ごめんね、先に来るって言っていってくれていたなら、セリーナも、きっと、待ってたんだけど……。
二度手間になっちゃうみたい、お店だって焦げ臭いし――……。

【インタビュー。その単語に少女が一瞬強張ったようにも見えただろうか、だけどすぐに取り繕ったように笑って】
【これから話を通すのだろうか。どうあれセリーナ本人に話を通してからの方が、彼としても二度手間にならなかっただろうに、と、困ったような顔、気弱そうに笑んで】
【――焦げ臭いのはとりあえず少女のせいだけど。ちょっと他人事みたいに口にしたなら】

うん、そだよ――、……お手洗い? お手洗いはね、あっち、……。

【自分がそうであると肯定する声はどこか鈴の音に似ていた。それも、櫻の鈴――ああいった、涼し気な声。しゃんとした、あるいはりんとした、金属質の声音】
【「少し待っていてね」と改めて場を外そうとした、その背中を再び呼び止められ――振り返って指先で示す。その目の前で、がちゃりと、明確な得物が落ちるはずだ】
【ぱちくりとした目は明確にそれらを捉えるだろう。そして相手にもそれは分かるはずなのだ、今、彼女は絶対にそれらを見た】

……――危ないから、しまっておいてね。お手洗いはあっちだよ、ごゆっくりどうぞ。

【だけれど――あるいは、"こういう店だから"かもしれないけれど、少女の反応は、きっと彼が思うよりもずっとずっと、薄いだろう】
【少し困ったみたいに眉を下げながらも笑んでいるのは終わらない。なんせ――賞金稼ぎみたいな人間がよく来る店だ。得物を持ち歩く人間だなんて、見慣れているし】
【彼も店を見渡せば、壁にびっしりと様々な銃器が並べられているのに気づくだろう。それもいつだって使えるようによく手入れされていて――】

【――なんてことないただの少女、では、きっとないのだ。そのままこつこつとした足音で、その姿は一度消え――――彼が一人で、取り残されることになる】
【数分か十数分か。ただ言えることがあれば、天井の片隅には真新しい監視カメラが得意げにぴかぴかしていて。誰も居ないけど――その目が、全くないわけではないのだった】
126 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/16(金) 23:09:34.58 ID:tADsd2ago
>>124
(ぬ……!?)

【突然、足元に飛び出した男に不意を突かれ、大男は急ブレーキをかける】
【どうにか、彼を蹴とばさずに済んだ大男は、心中で舌打ちしながら平静を取り繕って彼を助け起こそうとした】

わかりました、ひとまずカジノの外までお連れします!!
応援を呼びますので、その後は彼らの指示に従ってください!!

(こんな時に面倒な――――だが、『黒幕』や『円卓』の関係者なら、無下にしては後々が厄介だ……)

【魔術師めいた格好に、この船では珍しい若さ。ある種の違和感は覚えながら、大男はあくまで警備員として振る舞う】
【彼が立ち上がれば、その巨体で彼を庇うようにしてカジノの喧騒から離れようと試みるだろう】
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/16(金) 23:18:20.62 ID:TUXrVdtq0
>>125
「いや……ここに来るまでに連絡を取ろうと思ったのだけど、どうにも取れなくてね」
「結局アポなしになってしまったわけさ」

【ははは、と空の笑いを】
【しかし、一瞬少女が見せた、強張った表情を見逃さなかった】
【鈴のように透き通っていてそれでいて可愛い、いい声をする少女だ】
【だが、変わらず拭い切れない何かがある】

「(何だ、何か困る事でもあるのか……いや、あったのか……)」

【やがて】

「(しまった!)」

【床に落ちる銃器、しばらくこんな事が続いており、これでは諜報員失格だ、と頭を抱える】

「あ、ああ、ごめんね、護身用でね最近物騒だから……」

【しかし意外にも少女の反応は薄く、それもその筈で壁には無数の重火器】
【こういう店なのだから、当たり前と言えば当たり前だ】
【しかし】

「(これで、セリーナへの警戒は確実に増したな、全くらしくない)」

【監視カメラをじっと見ながら】
【席に戻り、一人取り残されながらどうしたものか、と暫く考える】

「セリーナさんは今は何処に行っているんだい?」

【鈴音が戻ってきたら、取り繕いながらこう聞くだろう】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/16(金) 23:19:56.77 ID:VSUF+fmUo
>>126

あ、ありがとうございますっ!!

【礼を言ってから男は立ち上がって一緒になってカジノ場から離れていく】
【その足取りは重く、時折よろけさえする。一見して怪我などをしているようには見えない】
【酷く怯えている様子からそのせいで移動がままならない、と考えることもできるが────】

【ともかく、二人は混沌のただ中であるカジノ場からの退避を試みることになる】
【周囲は戦闘する兵士たちと逃げ惑う客たちで大混乱していた】
【その上、流れ弾も多い。うっかりすれば当たってしまいそうな位置にまで飛んでくる】

ひ、ひぃっ!

【そのうちの一つが男の前をかすめる。それだけで腰が抜けたのか、尻餅をついてしまう】
【さらには大男の前を三人の兵士が塞ぐ。いずれも銃装をしていた】
【三つの銃口が向けられ、男がまた小さく悲鳴をあげる】

わ、わ、わたっ、私はパ、パ、パトロンの一社なんだ!
助けてくれたら金をやるっ!!

【しどろもどろになりながらも男はそう言って助けを──つまりは敵兵の排除を求めた】


//モブ兵なので確定描写を入れて倒してしまってもOKです!
129 :鳴神 義勇 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/16(金) 23:31:38.91 ID:sAHgoEkF0
【蒼穹を駆ける人造の大鯨。その腹には幾百、幾千もの人々を抱え、鳥の如き軽やかさで雲海を征く】
【余りにも高い場所に来ると、不思議と自分の見ている風景が紛い物のように感じられる。世界が端から端まで作り変えられてしまったかのように】
【さっきまで見ていた世界とは全く違う世界。宙に浮く感覚が言葉に出来ない不安を誘い、戻る場所を見失ったかに思える】

【上空6000m。まともな装備無しでは人間が生きてはゆかれぬ環境を、飛行船「アネモイ・ボレアス」は悠々と飛び去っていく】
【大陸と大陸を繋ぐ空路の一つ。その中に備えられたデッキに、白いシャツと黒いベスト、黒いパンツを穿いた少年はいた】
【しなやか、それでいて十分に鍛えられている体躯。ややくすんだ銀の髪。鋭く中性的な顔立ち。その場にいる誰とも相容れぬ雰囲気を纏い】
【デッキの端、ガラス張りになった一部分に雲海を眺めながら佇んでいた】

(件の船……以前のレヴォルツィオーンでの出来事……魔能制限法……明らかに、世界中が混乱し始めている)
(いつもこうなのか? そんな筈はない。ここまで混乱した事態が続いていれば、世界はとっくに崩壊している)

セリーナ・ザ・キッドに……また厄介になるかもしれないな……

【徐々に世界を包み込み始めた混沌と暗闇。彼が知る世界と、これから始まる世界が相容れぬものであるなら、果たしてどちらを信じるべきか】
【自分一人ではどうしようもないことがこの世には山のように積み上がっている。それを痛感したからこそ、切り抜ける方法を模索する】
【次なる国へ向かいながら、彼は答えの出ない問答を繰り返していた】

悩んでも仕方がない……か。こう言う時、彼らならどうするだろう?

【茫洋と広がる雲海をただぼうと眺める少年。吸い込まれてしまいそうなその様態は、一種異端に見えた】
130 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/16(金) 23:33:14.83 ID:tADsd2ago
>>128
職務ですからな!!

【表面上は頼れる警備員を演じながら、異形の悪党は動き続ける】
【男の重い足取りに付き合い、よろける身体を支えながら、懸命に進む】
【負傷してはいないようだが、この状況では自分も含めて時間の問題だろう】

【私兵らが放つ銃弾は、威嚇の域を超えつつある。パトロンたちの私兵の弾も含まれているのだろうが】
【この状況下では、誰の弾でも同じだ。とにかく、ここを離れなければ――――】

何だお前たちは!!

――――わかりました、お任せを!!
(パトロン……運が良いのか悪いのか……)
(能力を使えば、正体が割れる可能性もある……ここは……)

【大男は、彼を庇うように前に出ると、床を蹴って三人に突進した】
【以前は鈍重だった大男だが、配下たちがUTとの戦いで封じられたことに危機感を覚え、廃の国の技術による肉体改造と鍛錬を通して】
【その性能を底上げしていた。一個の肉弾そのものとなった巨体で、三人の兵士に突っ込み、まとめて吹き飛ばす】

さあ、お立ち下さい!! 出口はもうすぐです!!

【叩きつけられた兵らを尻目に、大男は出口を指しつつ彼を立たせようとする】
【出ようとする者、入ろうとする者、あらゆる人間が殺到する出口に、巨躯を割り込ませて道を強引に作ろうとし】
【うまくいけば、ひとまずは危険地帯からは脱せるであろうか】

/了解です、そのようにさせていただきました!
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/16(金) 23:34:39.54 ID:VkL2EeL40
>>127

【――だけれど、気づくだろうか。少女が初めに考え事をしていたと言っていたときと……セリーナへのインタビュー、という言葉に反応したとき】
【それぞれ違った風に反応していた。"考え事"がありながら、セリーナへのインタビューというものに、何か、あまり好ましくない感情を持っている。少なくとも今は】
【彼女の気にしていることはどうやら一つではない――らしい】

そ、だね――、物騒だから。気を付けた方がいいよ、いろいろ……えと、フルフェイス事件、だっけ、ほら。
危ないよね、だから――、大事な時に使えなかったら意味ないよ。

【護身用……物騒だから。それらの言葉に笑って――答える。だけれどこれは本当に自然にそうなってしまったみたいに、わずかに言葉が途切れ】
【視線が一瞬だけ横に振れる、右手が口元に触れて。その向こう側に一瞬だけあった真顔を隠す、次の瞬間には怖いよね、とでも言うような表情をしてみせて】
【だから気を付けないとね――なんて風に言えば、今度こそ少女は一時ホールから姿を消す。戻ってくるのは、少ししてから】

……お待たせしました。サンドイッチと珈琲だよ、……セリーナ? どこだろ、どこでお仕事かって、全部は知らないから――。

【かたん、かたん、お皿を丁寧に配膳する音。それで彼の目の前に注文した品が並べられていくだろう、そのころにはすっかりと焦げ臭さも消えて……あるいは慣れたのか】
【珈琲のいい匂いは当然ながら、香ばしいパンの匂い、それと焼けたお肉の匂いに、それに絡む、たれの香り。これは焦げる直前まで香ばしくした、甘辛い味まで分かるような匂い】
【薄焼きのパンをかりかりになるまで焼いて。冷たい水にさらしてじゃきじゃきにしたレタスをたっぷりと。薄切りのお肉を甘辛いたれで炒めたものも、もちろんたっぷり挟み】
【きりっとからしを利かせたからしマヨネーズがその分厚いサンドイッチのレタスとパンが離れてしまわないようにのりの役目を担って】
【それでも少し食べづらい程度には分厚い。――それとも男のひとであればちょうどいいのかもしれないけれど――とにかく】

【尋ねられたことには、そう返すだろう。それについて――嘘を吐いている素振りではなかった。彼が不審だから教えないというよりは】
【本当にそれは知らない――それを言うときになんだか寂しいような、悲しいような顔をしたようにも見えたが】

…………お客さん、桜が好きなの? さっきのやつ、えっと、ちらっと見えちゃって……桜のマーク! あったよね、えーっと、それと……。
……船? のやつ? わたしね、桜の花、好きなんだ。櫻の国に行ったこともあるよ、ずーっと昔はね、わたしのお家も櫻にあったの。

何百年とか前だけど……。

【――そしてこれはあくまで雑談のつもりだったのだろう。もしかしたらさっきのことを気にしているかもしれないと思って、別に、気にしていないよと伝えるみたいに】
【ぱっと笑いながらそんな風に話しかける、あくまで目についたのは桜の文様であったらしく、それが何を意味しているかは、分かっていないだろう……と分かるだろう】
【それから話し出すのは――あるいは今日出会ってから短い時間の中で、一番ありふれた少女らしい表情であって。行ったことがあるというときなど、本当に楽しげだから】

【――――最後のは、まあ、余談だろう。あくまで彼女は血を引くけど……ということらしい。そういわれれば、黒い髪は櫻の国の人間の特徴と似通い】
【けれど左右で色の違った瞳はその限りではない。左の黒い瞳はそれらしかったが、右の瞳は――全く色素のないみたいに、きれいに、血の赤色をしていた】
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/16(金) 23:38:51.89 ID:VSUF+fmUo
>>130

【三名の兵士を強烈なタックルでなぎ倒し、男が立たせられる】
【より一層、重くなった足取りのおかげでかなり手間取るものの】
【無事に二人は混沌極まるカジノ場から脱出することに成功した】

ま、待ってくださいっ……もう、動けませんっ……!

【カジノ場から出て少ししたところで男が床にへたれこむ】
【すっかり息があがっているようで、動くのが無理だと言い出すのだ】
【幸いにも周辺に敵兵の姿は見当たらない。少なくとも今のところは、だが】

あ、貴方、なかなか……優秀というか……すごいですね……
本当に……た、ただの……警備、員、なんですか……?

【人気がないこともあって安心したのか、息を整えながらも話かけてくる】
【あるいは会話に持ち込む良い機会かもしれない。今ならば恩も売れている】
133 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/16(金) 23:47:12.36 ID:tADsd2ago
>>132
【流石に、この激流の中での逃走劇は、大男にも少々堪えたと見え】
【男が床にへたり込めば、大男も動きを止めて息を整える】
【油断なく周囲を見回すが、ひとまずは危害を加えてきそうな者は見当たらない】

……ひとまずは、危機は脱しました。この場に応援を呼びます
それまで、少し休みましょう

【無線で船の警備員らに連絡を取ると、へたり込んだ男を隠すように立ち、辺りに視線を投げる】
【そこに投げかけられる言葉。大男は警戒を続けながら返答する】

……この船には珍しいことではないでしょうが、訳ありでしてね
この船の『裏側』に雇われている、といったところです

【声音は冗談めかしていたが、大男の心中は算盤の弾かれる音が響き続けていた】
【この男が言葉通りに『黒幕』のパトロンだとして、万が一にも疑われるようなことがあれば】

【不安を押し殺して、大男は優秀な警備員の皮を保とうと努める】
【応援が駆けつけるまでに、まだ間があるだろうか。その間に、どのような会話が流れるか、あるいは誰かが訪れるか――――】
134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/16(金) 23:49:43.27 ID:vwEqo34Ao
>>129

【──アスタンを襲撃して、占領したと発表してから2日ほど経った日のこと】
【表向きでは彼がアスタンを奪取することになっているため、既に撤退を始めていた】
【三人はチャーター機で戻り、もう一人の赤崎桐子は──飛行船で風景を楽しんでいる】

「やれやれ、あれほど大規模な実験ができるとは」
「セラスはかなりの人数を宿れた、戦闘時のデータも取っておきたいな」

【大陸から来陸を空路で結ぶ、飛行船「アネモイ・ボレアス」】
【眼下には壮大な雲海が広がり、重力に縛られない快適さを感じる】
【ボサボサになったロングストレートの長髪を揺らしながら、デッキで風景を眺めていた】


「──おや、あの子気になるな」

【同じデッキに、一人の少年が居ることに気づいた】
【茫然とした表情で雲海を眺め、思索に耽っているようにも見える】
【一体彼が何を考えているのだろうかと、気になっている様子であった】

「やあ、さっきから随分考え込んでいるみたいだけど」

【問答を繰り返す少年に、気さくそうに声を書ける】
【口元に微笑みを湛えて、いかにも明朗な人物そうに見えるだろう】
【────左胸に刻まれた、球体に巻き付いた蛇のシンボルを除いて】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/16(金) 23:50:13.07 ID:TUXrVdtq0
>>131
「フルフェイス事件、確かに物騒で怖い事件だね……」

【彼自身はその事件の当事者ではなかった】
【しかし諜報員として、どうしても情報は入る】
【彼女があえてその話題を出した、それにこの少女と店から感じる違和感】
【ここは揺さぶりをかけてみよう、そう思った】

「そうだね、手入れも扱いも、気を付けなければね……」
「おっと、ありがとう、そうだったのか、それは残念だ」

【そこに質問の答えとともに、注文の珈琲と焼肉のサンドウィッチが運ばれてくる】
【いい香りを演出するそれらを口に運び】

「これは、美味しいね!君の手作りかい?」

【この部分は素直に、そう感嘆を漏らす】
【程よくカリカリに焼かれたパンに、丁度よい甘辛い味付けの焼肉、それを心地よく爽やかに包むレタス】
【からしマヨネーズがアクセントとなり】
【やがて】

「……やっぱり、見えてたのかい」
「う、うん、そうだね僕は櫻国の出身でね、ははは、その関係かな、それは風情があっていいね、君も見た所櫻国の人間の血を引いているようだけど?」

【彼女の名前と特徴から、そう判断し聞く】
【そしてやがて、少し間をおいて】

「正直な話を聞きたい」
「……鈴音、UTやセレーナに何か困った事は起きていないかい?」
「例えば『機関』とか『円卓』とか……」
「何でもいい、話を聞きたい、その……力になれるかもしれない」

【さっきと表情は一変し、しかし口調は変わらず厳しい目でこう聞いた】
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/16(金) 23:56:34.55 ID:VSUF+fmUo
>>133

はぁ、なるほど…………ふぅ…………
ダラハイト氏はなんでも招いてしまいますからね……
今までは平穏が保たれていましたが、おかげでこの有様ですよ……

【なんとか息を整えることはできたようだったが、動けないのに変わりはないようで】
【じっとしながら応援が来るのを待っていた】

もっとも、リストが流出したのもあって、公安が嗅ぎ回っているという噂もありました
遅かれ早かれ、ここはこうなっていたのかもしれませんね……

【危機的状況にありながら、存外にこの男はよく喋った】
【一人護衛がついているという安心感のせいなのだろう。緊張感もそこまで感じられない】
【公安については気がかりらしく、話題に選び出していた】
137 :鳴神 義勇 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/17(土) 00:02:15.73 ID:p14QNWWy0
>>134
【思案の海に沈もうとしていた所を思いがけない干渉によって引き留められる】
【はっとして振り向くと、そこには気さくな雰囲気をした長髪の女性が立っていた。声の主であることは間違いない】
【少年は一つ咳払いをしてから、凛とした表情を作り答える】

すまない、考えこんでしまうと周りが見えなくなる……
何か用だろうか? 生憎と、俺はこの船のスタッフではないんだが……

【女性の容姿は至って普通。大陸を渡る為に飛行船に乗り込んだ一般人と言えば十人中九人は首を縦に振るだろう】
【しかし、胸元のシンボルだけが気になった。球体と蛇。余り見たことのないモチーフだ】
【それが何を意味するかはわからないが、古来より蛇は狡知の象徴】
【良からぬ組織の人間はよく蛇を刻むと言うが……流石に穿ちすぎているだろうか】

それとも、俺が何かしでかしてしまっただろうか?
そうだとするなら謝罪する

【少年は自分に語り掛けてきた理由を淡々と問う。ただ空を見下ろすだけの彼を気に留める者がいるとは思いもしなかったからだ】
【榛色の瞳は貫くように女性を見つめる。一点の曇り無く、鋭利な瞳は刃を彷彿とさせた】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 00:04:08.05 ID:XLLvyehJ0
>>135

【手作りか――と聞かれれば、そうだと少女は返すだろう。もちろんパンはお店で買ったやつだけれど――と、ちょこっとだけ、冗談めかして】
【そのうえで客が食べているのをずっと見ているのも相手にとってはきっと気まずいだろう。焦がした鍋をどうにかしないといけないし……少女は、また席をはずそうとして】
【だけれど相手にそのつもりはないらしかった。だから……というわけではないけれど彼女ももう少しだけこの場に留まるだろう】
【どうせ暇であるのだから、雑談を持ちかけられれば彼女にとって応じない理由も特になくって】

……そうなんだ。うん、わたしもね、ご先祖様はそうだよ――八百年くらい、前かな。
だけど……わたしが生まれたの、水の国だよ。お母さんとお父さんは、よくわからないや。

【ご先祖様――少女は確かにそう言って笑う。八百年くらい前とは具体的なのかそうでないのかよく分からないけれど、そう言えるなら、これも本当だろう】
【そのうえで彼女が水の国生まれであるのも嘘を吐く必要はあんまりないか。あるいは一代上の生まれさえも分からないのは、少し変と言えるのかもしれないけど――】

……――、記者さん、なあに? そんなの、わたし、わかんないや――。

【――そこで、少女は明確に彼を拒んだ。出された固有名詞にわずかに目を丸くした少女は"確かに何か知っている"。けれど、それを誰かに言ってしまうことをしない】
【その時点でそれを言いふらせばどうなるかが分からないこと、この名前を知っているだけで何か恐ろしいものを引き寄せるかもしれないことを、知っているとも分かり】
【笑った顔は――笑っていたけれど、一番最初に店の入り口で見せたものより、さっき桜が好きなのだと笑ったものより、ずっと――そうしようと造られたものに見え】

【そして多分、それは相手が記者であるのとか、銃を落としたとか、あんまり関係なく――理由があるとしたら、初対面であるのが、きっと最も大きな理由なのだろう】
【ならば何か信頼される必要があるのかもしれない、とにかく――少女は明確に何かを知っている。だけど、少なくとも、初対面でしかない彼に、言ってしまうつもりがない】
【けれど今度はさっきまでみたいに要らない給仕は引っ込もうとする様子がない――相手に向けられる瞳は、気づけば警戒の色をしていて】

【少女自身とある人物に頼ることでやっと手に入れた二つの名前。それらを同時に出した時点で――この人間は、明らかにただの"記者"では、ありえなかった】
139 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/17(土) 00:05:08.31 ID:8sdh5Njjo
>>136
間違いありますまい。この船の懐の深さは、弱点にもなり得たということでしょう
わずかのきっかけで、あふれ出してもおかしくはなかった。この騒ぎも、ディーラーの一人がイカサマをやらかしたことが発端だとか……

【広大な船内、喧騒が届かないこの場所は不気味な静けさに包まれている】
【どうやら、今のところ人の気配はない】

(リスト……?)

公安の噂は、私も小耳に挟んではおりましたが……この暴動にも絡んでいるのでしょうか?
彼奴等なら、この船に潜り込んでいても不思議ではないでしょうからな

【もっともらしく頷きながら、大男・カニバディールは彼から話を引き出そうと試みる】
【リストの流出。聞き捨てならない言葉だ。裏では何が進行しているのか】

【こめかみに滲む汗をそれとなく拭いつつ、カニバディールの意識は会話に傾きつつあった】
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/17(土) 00:13:03.56 ID:LzOHWEQTo
>>137

「いや、特に用は無いんだけど」
「壮大で自由なこの飛行船で、何を思い悩んでいるのか気になってね」

【彼に用は無いが、重力の束縛から抜けられるこの飛行船で何を思い悩むことがあろうか】
【そう思って、彼に声を掛けた次第だ。たかがそれだけで話しかけるのも可笑しいだろうが】
【とはいえ、彼に自身に対する怪しさは持たれていないらしく、内心安心したようだ】


「いやいや、君は何も悪いことをしてないさ」
「周りが見えなくなるほど考え込んでいる事があるんだろう、こんな所で出会ったのも何かの縁だ」
「何に思い悩んでるのか、よければ話してくれないかい?」

【にこやかに、そして優しく。別に他意はない、彼が思い悩んでいそうだから相談に乗ってあげたいのだ】
【飛行船に、そして偶然にも同じ便に乗っていたのだ。これも何かの縁だろうと】
【デッキに設置されているベンチに腰掛け、隣どうぞなんて彼に促すのだが】
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/17(土) 00:13:36.89 ID:yNAZXt8zo
>>139

どうでしょうねぇ……私はただの企業人ですから、そういったことはよくわかりませんが
ただ、この暴動に乗じて動きやすい連中もいるでしょう。公安はその中に含まれているような気がします

【妙に真剣な顔をして男が答えていた。その上、何故だか確信めいているような言い方をする】

いやぁ、実は推理小説や組織が暗躍する系の小説を読むのが趣味でしてね!
他にも、国軍のエージェントや、あるいは他国のエージェントなんかも候補にあがりますね
もしかすると悪いやつらを倒すっていう理由でUTなんかも考えられるでしょうか……?

【にやりと得意げな顔をしてみせてから、さらに推理もどきを続けて話す。どうやら当てずっぽうだったようだ】

ともかくリスト、リストですよ
あれの流出さえなければ我々もこんな目には合わずに済んだのですが……
本当に……何故、パトロンのリストが流出してしまったのか、理解に苦しみます

【うーん、などと唸って首を傾げている】
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 00:18:46.16 ID:zhdDIjRp0
>>138
【随分と具体的な年数を答える】
【やはり、彼女の家系的な何かがあるのだろうか?】

「そうか、僕も水の国から来たけど……その年で独立できているのは偉いと思う」

【この部分はある意味本音とも言える】
【無論、彼女の正確な事情や年齢を知らなければこそ言える事なのだが】

「……鈴音……」

【明らかに、そして確実に何か知りつつも嘘をついている様子の鈴音】
【笑顔ではない】
【正確には笑顔のようにみせているそれは、笑顔ではない】
【我々諜報員がするのと同じ、張り付けた笑顔だ】

「……すまない、鈴音」
「言い方を変える」
「君に嘘を吐いた、すまなかった」

【ここで、再び鈴音に向き合い、その目を見据えるように】

「櫻国魔導海軍諜報員、厳島命中尉だ」
「現在水の国公安と共に、この世界が瀕している危機と共に戦うため各地の仲間達に渡りをつけに回っている」
「セリーナにはそのお願いに来た」

【やや、間を置きながら】

「時間がない、何があったのか聞かせてほしい」

【お願いだ、と頭を下げた】
143 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/17(土) 00:25:08.25 ID:8sdh5Njjo
>>141
確かに……公安のような行儀の悪い連中は、混乱の中ほど水を得た魚となりますからな
私も見た目通りに、行儀がいいとは言えない部類ですが

【男の調子に合わせ、カニバディールも頷く。その裏側では、必死の形相であったが】


気が合いますな。ああいった小説は、私も多少嗜む程度には読みますよ
それを思えば、この状況はまさに事実は小説よりも奇なり、といったところですか

国のエージェントにUT……いずれも、この船にとっては招かれざる客というやつですな
少し変装でもすれば、そのような輩が潜り込むことも苦ではないことでしょう

(今まさに、私がやっているようにな……)

【あてずっぽうの推理もどき、とはいえ全くの的外れともいえないだろう】
【この船には、誰がいても何をしても、全くおかしくはないのだから】

(パトロンのリストが流出した……!?)

全く、不本意な事態です。この暴動の根にも、リストの件が関わっているのかもしれません
流出したという以上は、何者かがそれを流したか、あるいは盗み出したか……

いずれにせよ、流出してしまった以上は、それを踏まえた対処が必要になるでしょう
私の如き末端では、前線で身体を張るくらいしかできませんが……

お役に立てることがあれば、是非ご用命ください

【そろそろ、応援の足音も遠くに聞こえつつある頃か】
【警戒しながらゆえ、速度は遅いが。それを受けて大男もわずかに警戒を緩め、彼に向って意外に優雅な一礼をした】
144 :鳴神 義勇 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/17(土) 00:27:16.53 ID:p14QNWWy0
>>140
【特に用は無い。と言う言葉に些か奇妙な雰囲気を抱く。用が無いのに話しかける人間がこの世にいるのだろうか?】
【いや、目の前に存在しているのだから自ずと答えはいる≠ニなる】
【思えば、人に話しかける動機など些細な物の方が遥かに多い。良好な物から険悪な物まで、人の関わりは千差万別だ】

思う悩んでいることか……大したことじゃない
ただ、最近の世の中は少々不安定になってきているんじゃないかと、そう思っただけだ

【雲海を横目に眺めながら答える。少年が世界を憂う程分不相応なことは無いが、きっとこの風景がそうさせるのだ】
【地に足の着かない感覚は、地に足の着かない思考を想起させる。人一人には大きすぎる問題を】
【それが悪いことではない。時には普段より高い目線で物事を見てみれば、背の高さからは見えない物も見えてくる】

魔能制限法……だったか? あんな突拍子も無いものが出てくるとは思いもしなかった
異能の制限を行わなければ、人は生きていけないのだろうか。他人を認めることが、それ程に難しいのだろうか

【異質であるが故に秘匿され、蔑まれていた自身を思い出す。ただ、他と違うと言うだけで迫害され、抑圧される謂れがどこにあると言うのか】
【そう考えると、この世界と言うもの自体が彼の封じ込められていた鳥籠≠フ拡張であり、彼自身の拡張が異能≠ネのではないかと思えた】
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/17(土) 00:40:20.36 ID:LzOHWEQTo
>>144

「ほう、世の中が不安定になりつつある」
「そうだろうな、公安の例の一件から飛び火して、色んな所で騒ぎが起きてる」

【セレンティピター号とかな、と付け加えておき】
【西島とかいう男の一件から、燃え盛るように事態は急展開を迎えていた】
【豪華客船や「円卓」、「黒幕」などわけのわからない方向へと展開しているから】


「──其の逆、だろうな。異能を持つ人間は戦略兵器よりも価値がある」
「となれば国が異能者を擁し、他の機関──UTや“機関”に能力者を置けなければどうなるか?」
「────それらの組織が国に背けば、いとも簡単に崩壊させることが出来る」

【異能の制限を行わなければ生きていけないのではなく、異能の徹底的な抑圧により国の目が届かない場所に異能者が居ないようにしたいのだ】
【現状機関やUTを始めとして、様々な信条を持つ異能者が散り散りに存在している】
【それを国が全て管理してしまえば、勝手に戦闘は起こされないし国の方針に背く組織を潰すことが出来る】

「其の陰で、陰謀を企んでいる奴はゴマンと居るだろう」
「国家の乗っ取りも簡単に出来るだろうな、議員共は異能者じゃないんだから」
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/17(土) 00:45:08.10 ID:yNAZXt8zo
>>143

いえいえ、すでに命を助けられた身ですから
むしろ、私の方がお礼をしなくては……さっきは金を出す、なんて言いましたっけ

そうだ、船の裏事情、とまではいきませんが
情報とか噂話とか、どうですか? 推理小説とかがお好きなら、なかなか楽しめるかもしれませんよ!
これでもパトロンの一社ですから、いろいろ耳に挟んでますよ!

【意気揚々と話す男だったが、気づけるだろうか】
【向かってきていたであろう応援らしき足音が途絶えたことに。そしてその直前には金属が衝突するような音がしたことに】
【大男が気づいたかどうかに関わらず、曲がり角から一人の男が現れた】

【年齢は三十代前半。外套を身に纏い、片手には装飾の施された大剣を持っていた。刃には血痕がはっきりとついている】
【外套の袖にはカノッサ機関のシンボルである逆五芒星とNo.30の刻印】
【剣士の男は二人を見るなり大剣を構えた。その瞳は大男というよりはパトロンの男を見ていた】

「警備員か、そいつを渡せ!」

ひっ!

【剣士に睨まれ、先ほどまで悠長に喋っていたパトロンの男は悲鳴をあげて大男の足元にすがりつく】
【面倒なことに第三者が現れてしまった。パトロンの男を助ければ、あるいは情報を取れるかもしれない】
【しかしこの船に乗っているパトロンは黒幕側であるはずだ。であれば、現れたナンバーズは黒幕側の敵である可能性があった】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 00:46:58.86 ID:XLLvyehJ0
>>142

【にこりとした笑い顔。きれいに弧を描いた唇は、白い肌とあどけない顔つきによく似合うかわいらしい色合いで塗られ飾られ、柔らかそうにな透明感がある】
【一緒に笑んだ形になる頬は透き通るように白く、頬に乗せられた鮮やかな色合いのチークは、そのまま紅潮して血の赤が透けたみたいに初々しく見えるだろうか】
【すっと長いまつげは数も多くてぱっちりした目を上手に縁取る――だけどこの瞳はたぶん笑っていなかった。こいつは誰なのかと、ひどく警戒して、相手を見ているから】
【そして"それら"はやはりありふれた少女ではありえないものでもあるだろう。ならやはりこんな危険を伴う酒場で給仕をしているだけあると褒めるべきか、それとも】

【そもそもそんな世界を知っているから、こんな場所でやっていけるのか。――だけれど今はそんなのどっちでもよくって】

【水の国公安と彼は言った。そしてそれを彼女は敵の名前だと認識していた、ただし――内部分裂しているらしい、という情報も手に入れていたなら】
【敵ではない方――という可能性もまた十分にある。その場合は彼は味方ということになるけれど――、逆の方の、敵の方の公安と組んでいる、ということなら】
【――すでにこの場所には公安黒幕側の人間が何度も顔を出しているからこそ、そうやって当たり前に来るのもありえてしまって】

――櫻国魔導海軍というのをわたしは知らない。証明できるものは? 今すぐ検索してその場所に電話して聞いてもいい?
水の国の公安も……、ちょっと足りない。それは誰? "どっち側"?

セリーナはいないよ。本当にいない。だからわたしがお話する。……時間はないけど、あなたが誰かって分からないと――駄目。
わたしがここで何年もお仕事しているの、調べたら――分かるよ。わたしは間違いなく、わたしだよ。
あなたが間違いなくあなたで――平気なひとだって分かったら。あなたを追いかえす必要、わたしには……ない。

【作っていた表情がするりと解ける。あどけない顔にはどこか異質である険しい表情になって――こちらは立っていて、相手が座っているなら、目線の高さはほぼ等しい】
【だからこそ真正面から思い切り睨みつけてくるのは給仕が客にするものではないだろう。そして相手にとって不利であったのは、彼女が"それ"を知らなかったこと】
【先祖が櫻に住んでいた。櫻に行ったことがある。あくまで彼女にとって櫻とはそういう場所なのだ、とても素敵だと思うが――他国の軍隊の様子など、よくは知らないから】
【まずそれを証明するところからを欲しがるし、何かしらで証明しないとまず話は進まないという様子もある。それ以上に――こちらは、一対一であるから、もう仕方がない】
【公安というものを信用しない。けど、黒幕側でない可能性があった。もしもこの彼が黒幕の使いであったなら――自分がどうにかしないといけない、思考に過らせながら】

【――時間がないのは、同意見。だけれどまだ相手を信用できていない。記者と偽った以上、櫻国魔導海軍というのも本当だか――諜報員、というのも、よく分からないし】
【言葉だけじゃあ足りない。相手がどちら側か分からない。けれど言葉の中で分かるのは――少女が公安の内部分裂をきっと知っていること。ならば、やはり】
【明らかに何か握っているうえで彼を信用できないと言っているのだ、そして、信用することさえできれば――そういったやりとりをすることは、彼女にとっても意味があるとも】
148 :鳴神 義勇 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/17(土) 01:00:20.07 ID:p14QNWWy0
>>145
公安……? 警察組織の中でも、何かしらの動きがあるのか

【セレンティピター号と言う名前を耳にした瞬間、一瞬だけ彼の表情が曇る】
【あの謎の深い依頼を終え、彼の船に何があったのかは彼の関知する所ではない。しかし、きな臭い何かがあるのは感じていた】
【是非とも話を聞きたい所だったが、余り個人で踏み入ってはならないと肝に命じていた】

確かに、一部に異能者はただの兵士百人よりも価値があるとも聞いたことがある
けれど……一人の人間であることに変わりは無い。何も考えない道具じゃない
抑圧すればする程、どこかに膿が溜まっていく。それが噴出した時どうなるか……

【人は考える葦であると言ったのは誰だったか。大きな力を持っているが、同時に個人の思考も兼ね備えているのが能力者だ】
【思考を、行動を、自由を徹底的に制限された中で、不満を抱える者も出てくるだろう】
【それらが結託して反旗を翻す可能性は無きにしも非ず。一方的な抑圧は、利益と不利益の両面を持つのだ】

異能者を使って国を乗っ取ろうとする者がいると言うのか?
それこそおかしな話だ。力で奪い取った所で、力だけの頭に着いていく人間は少ない
どうして、こんなに極端な方向に進んでいくんだろう……? そう仕向けている誰かがいるように

【事実、世界の流れを書き記そうとしている者達が存在しているのだろう。暗く、深い闇の底に、確かに】
【だが、それらを一介の旅人である彼が裁くことは出来ない。それがどうにももどかしい】
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 01:08:47.30 ID:zhdDIjRp0
>>147
【綺麗な顔だ、可愛らしくもあり、それでいて綺麗な顔立ち】
【美少女と呼べるだろうしかし】
【その少女から向けられた瞳は、決して笑ってはいなかった】

【なるほど、正しい対応と言える】
【なるほど、相手を見て、そして臆しない】
【彼女は間違いなく、このUTの窓口だ、それも極めて優秀な】

「身分を証明できるものは、現在通常の海軍発行の偽装した身分証明書の他は持ち合わせていない」
「後は、これだけだ」

【こちらでの身分を偽装した証明書】
【櫻国海軍の本来の身分証明書は諜報活動の妨げになるとして、所持をしていない】
【そして彼が取り出したのは、先ほどの拳銃、グリップ部分に錨と櫻の意匠、これは調べれば直ぐに解るだろう】

「海軍士官用正式採用拳銃、28式大型自動拳銃」
「少なくとも、我が陸海軍は武器の漏えいに厳しい、こんな物を所持しているのは所属軍人位だ」
「加え、弾薬もオリジナル規格、少なくとも民間人で好んで使う人間は居ない」

「君が不安であるならば、静ヶアの鎮守府に問い合わせてくれても構わない」
「私の方から連合艦隊司令長官に取り次いでもいい」

【なるほど、『どっち側』と来た】
【やはりこの少女は知っている、知っているのだこの一連の事件の事象の何事かを】

「私は現在公安ゼロと協力関係にある」
「黒幕、円卓、無論機関と敵対するものだ」
「状況はこの二派閥が動き出していることにある、その裏に潜む闇も、だから力を貸して欲しい」

【少女の表情は先ほどとは完全に打って変わり、険しく厳しいものとなっている】
【それほど、それほどまでに、UTを取り巻く状況もまた苛烈な物と言う事か】
【心を開かない、それはごく当たり前の事なのだ】
【むしろ当然と言える】

「私は……断じて、君たちに仇なす黒幕や円卓ではない、頼むムシのいい話なのは重々承知だが信じてほしい」
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 01:12:08.00 ID:XLLvyehJ0
>>149
/そしてすみません……! いいところなのですが、一度凍結をお願いすることは可能でしょうか?
/明日来られるのは10時過ぎごろになるかなと……っ
151 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/17(土) 01:12:17.51 ID:8sdh5Njjo
>>146
先ほども申し上げましたが、これが私の今の職務ですからな
相応の給金はいただいております

それは興味深い。是非ともお願いします。近頃の状況には、気になる点が多いですからな
そろそろ応援も到着する頃でしょうから、避難の道すがらにでも――――

【大男の言葉が、止まった。聞こえたのだ。聞きなれた、戦闘の音が】
【ゆらりとそちらに向き直り、身構える。『円卓』側の誰かか、公安か、UTかはたまた――――】

……何?

【思わず、小さく呟いた。現れた男を瞬間的に観察し、その目に外套の袖に刻まれた、見慣れたマークを見出したからだ】

(No.30、カタロス……!? 最近になって、突然ナンバーズに加わった男……)
(この船でパトロンを狙っているということは、『黒幕』の敵……『円卓』に与したということか……?)

(どう動く……私の目的は『黒幕』に取り入ることだ。ならば、このままこいつを渡してしまうのは良くない)
(仮に『黒幕』に反抗する側として、後で手を組めるとしても、この場では不可能だ……そもそも、この男の正体もわからん)

(しかし、剣士相手に正面からやり合っても勝ち目は薄い……ならば)

【足元にすがりつく男を宥め、彼の手を足から外すことを試み】
【成功すれば、男を庇うように立ち。大剣の男に向かい合う】

――――初めまして、カタロスさん
彼を狙うということは、貴方は『円卓』の犬になることにしたのですかな?

先日の新しい六罪王の言葉を借りるなら……小金稼ぎのチームに?

【言いながら、大男は首を上げて彼に喉を見せる。その喉の肉が左右に開いた。常人ではあり得ぬ動き】
【その内側の肉には、逆五芒星とNo.29の数字が刻まれていた】

【まずは相手の出方を見るために、正体の一端を明かす。言葉だけを取れば、『黒幕』についたナンバーズ、と彼には見えるだろうか】
【果たして、その反応は】
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 01:13:15.19 ID:zhdDIjRp0
>>150
/了解です、大丈夫ですよ!
/明日10時頃ですね、私は明日はいつでも大丈夫です
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 01:15:45.69 ID:XLLvyehJ0
>>152
/ありがとうございます、10時ごろ……だと思うのですが、もしかしたらもう少しお待たせしてしまうかもしれないです
/それでも遅くても11時ごろには……という感じです。遅い時間までお待たせしてしまうことになってすみませんっ
/それではひとまずおつかれさまでしたっ
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 01:19:01.49 ID:LzOHWEQTo
>>148

「ああ、詳しくはわからないが内部で分裂を起こしているようだ」

【詳細は分からないのだが、分裂を起こしているのは確か】
【しかし、警察の警察とも言えるはずの公安が分裂している理由までは分からず仕舞い】
【それを確かめようにしても、流動性が高いために正確さは保証できないのが難点】


「その膿が溜まることを恐れてないんだろう、だから出来るんだ」
「力を以って歯向かってきたならば、力を以って抑えこむ。そういうふうにやるつもりさ」
「じゃなきゃあんなに大胆な法案は提出できない。世論も誰かに操作されてるだろうな」

【個人の思考が如何なもので、それが束となって襲いかかってきても】
【それに耐え、跳ね返す位の力を持っているのだろう。その力も異能者なのだろうが】
【とにかくあの法案が成立しようものなら、正義組織の異能者は間違いなく排除されるだろうと】

「頭になってる人間は、もしかしたら異能者じゃないのかもしれないな」
「とはいえ切れ者であることに間違いはない。そいつを信奉してる奴も居るんだろう」
「国家権力を、自らの思想を顕現させるために使いたいんだろうな。まるで玩具だ」

【バカバカしいとは思いつつも、其のようにやる人間がいても可笑しくはない】
【それに、実際に事が起こっている限りそうなのだろうと。国家権力を玩具の様に扱える人間が居るはずだ】
【それが誰なのかは興味がない──研究者故に、其のようなことを考えている暇がないだけなのだが】


「しかし止める方法はいくらでもあるだろう。現状与党の議員が数の力で押し留めている」
「あとは法案を作り出した黒幕を探して、首を斬るしか無いだろうな。切れ者は早い内に殺したほうが良い」
155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 01:29:09.13 ID:zhdDIjRp0
>>114再募集で!
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/17(土) 01:32:08.11 ID:yNAZXt8zo
>>151

【カニバディールの喉が開き、立ちはだかった剣士の男────カタロスの顔が不愉快さに歪む】
【だがその刻印を見た瞬間、小さな驚愕に瞳が揺れる。この場でナンバーズと遭遇することは予定外のことだった】
【それが黒幕側についているように見える、というのも厄介なことだった】

(くそ、こんなところで出くわすとはな…………)

【事情は複雑化していた。内偵中である以上、可能な限りナンバーズとは敵対したくはない】
【しかし相手が抱えているのが黒幕側のパトロンとなると、これは確保すべき人間だ】
【さらには公安関連以外にも、眼前の男を斬り伏せねばならない理由もあった】

…………そういうお前は、どうなんだ
そこのやつを庇っているってことは、黒幕側ってことでいいのか?
それともあるいは…………

【カタロスにある考えが浮かぶ。もしや、目の前のこの大男も内偵中なのでは、と】
【内偵中であれば敵対は完全に悪手。しかし黒幕側ならば倒してしまった方が早い】
【戦うかどうかを決めるには、どうしても相手の正体を見極める必要があった】

……………………
円卓なんぞに興味はない、が、黒幕も気に入らん

【円卓と黒幕、そのどちらでもない、というのがカタロスの返答だった】

//すいません、いいところなんですが凍結してもいいでしょうか?
157 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/17(土) 01:33:05.61 ID:8sdh5Njjo
>>156
/了解しました、明日はちょっと帰りが遅くなると思いますが、またご連絡します
/ひとまず、お疲れさまでした!
158 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/17(土) 01:35:15.22 ID:yNAZXt8zo
>>157
//ありがとうございます、お疲れ様でした!
159 :鳴神 義勇 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/17(土) 01:41:22.63 ID:p14QNWWy0
>>154
内部分裂……そんなに簡単に言えることじゃないだろう

【まるで他人事のように語る女性を見て、やや呆れたように口にする。実際、彼女にとっては他人事なのかもしれないが】
【警察組織の奥の奥、中枢とも呼べる部分が内部分裂を起こしているようでは、件の会社にも太刀打ちできない】
【複数の国家に混乱が波及するのも時間の問題か。彼が知り得ているよりも、遥かに自体は深刻なのだろう】

力に力で答えても終わりは無い。両方が擦り切れ、削れ、無くなるまで続くだけだ
そんなことをしても得する者なんて、何処にも……

【いや、いる。国と言う形が疲弊し切り、能力者達が跡形も無くなって得をする者達が、一種類だけ存在している】
【レヴォルツィオーンやカノッサ機関と言った世を作り変えようと暗躍する者達。彼らからすれば、これ以上に好都合な展開は無い】

玩具だと……? そんなくだらないことに人を、大勢の人々を巻き込むつもりなのか
そんなもの、指導者でも、ましてや長でもない。ただの身勝手な独裁者だ

【本当に国を自分だけの物にしようとする人間がいるのだとすれば、誰かが食い止めなければならない】
【だが、それを成すのは彼ではない。彼は未だ矮小で、未熟で、道半ばの存在なのだから】

/この辺りで凍結で良いでしょうか?ロールありがとうございましたー!
160 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/17(土) 01:46:02.49 ID:8sdh5Njjo
>>156
【不愉快さを向けられるのはいつものこと。続く驚愕を目にすれば、ひとまずは威嚇は成功か】
【だが、厄介な状況には変わりはない。一触即発の空気の中、互いに取るべき道を模索する】


【まさに、この状況は複雑な対立関係の表面化であった】

【カタロスは偽名を用いた自警団員であり、機関員を憎む者。すでに敵対は避けられない相手なのだが】
【当然、カニバディールは知る由もない。ただ、自身がUTメンバーを含むM作戦の秘密同盟に与し、機関の機密を流したことを】
【知られるようなことは避けねばならない。その一心であった】

(……パトロンが後ろにいる以上、下手なことは言えんな)

――――私が、聞かれて素直に答えるような人間には、まさか見えないでしょう?

【カニバディールに言えるのは、ここまでだった。パトロンを庇っているにも関わらず、明確に『黒幕』側だと明言しないことで】
【自身が、完全に『黒幕』の理想に染まった人間ではないことを暗に示そうという、分の悪い賭け】
【少なくとも、背後のパトロンに聞かれても、敵に情報を少しでも与えたくなかったという言い訳は立つ】

……なるほど。どちらにしても、彼を渡すわけにはいきませんな

【いずれにしても、ここで『黒幕』側のパトロンを引き渡しなどしては、自分があの第五列≠ノ狩られる】
【あの喧騒の中、自分がこのパトロンを連れ出したのを見ている者はいるだろう。そのパトロンが死んだとなれば】
【その情報が、どこからかケイに伝われば。カニバディールの臆病さが、次々と最悪の事態の予測をはじき出す】

【先の言葉で伝わっていないなら、本気で殺し合う他ない。通じていれば、どうなるか。そこまではわからない】
【ただ、己の都合を通さんがため。身勝手な悪党は、カタロスの大剣に対峙した】

/お返ししておきます!
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 08:42:43.42 ID:c79as7iW0
【風の国・カフェテラス】

【土曜の朝、というのは清々しいものである。多くの者は先日仕事を終えていて】
【そして明日には日曜日が控えている。心配事のない、幸せな時間】
【或いは眠りこけている者もいるのか――今現在、開店したばかりのこの店には】
【白いミンクコートを着込んだ、黒の長髪と黄土色の静かな瞳が印象的な女性が居るばかりだ】

【街路樹には小鳥が囀り、磨きたてのガラスに朝日が輝く。車の往来も、大分少ない】
【女性もリラックスしているのだろう。新聞を広げて、『アスタンの悲劇』だとか】
【『魔能制限法案、可決なるか』だとかの記事を流し読みしつつ】
【時折、思い出したようにミルクたっぷりのコーヒーを口にしていて】


……ん。失礼、おかわ…――っ。……居ない、な。


【コーヒーが切れた。そこでおかわりを頼もうと立ち上がった所】
【どうにも店員が――というより、一人で準備をしていたマスターが見当たらない】

【客が少ないからとコーヒー豆でも発注しにいったのか、裏で休んでいるのか】
【それはともかく――もし他に来客があれば、本来対応すべき相手は居ないわけで】
【空のマグカップ片手に立ち尽くす、身長180cm弱(ブーツ含む)の女性が、その黄土の瞳を向ける事になるだろう】
162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 09:11:28.38 ID:Yr4chUWJO
>>161

【木漏れ日の様な静かな時間、微睡みの如く時間が過ぎる】
【店内を包む珈琲の香り──。深い芳香が瞼の裏まで広がって】
【淡く尊い時間、美しき休日を修飾して──】


ほんっと!!何なんですかっあのインテリヤクザ!!
完全にやってる事がヤのつく自由業ですよっ!!
んもぅびーっくりっ!!しかも、やっばい作戦考えてるし〜

あーもぅ最悪⤴︎ぅ⤵︎ ︎鵺ちゃんまじ萎えぽよ
こんな日はぁ、風の国のぉ、おっしゃれぇなCafeで
頑張ってる自分へのごほーびしなきゃっ


【静寂を切り裂く声、僅かすらも風情のない響きで】

【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女が店内にダイレクトエントリー】

【あまりにもぷんすかしてたのだろう、目の前の女性(180cm)に気づかない】
【凡そ忍者とは思えない間抜けな足取りで突っ込んでくる】
【ぶつかるだろう、勢いよく──。このままでは】
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 09:35:52.34 ID:c79as7iW0
>>162

【少女らしく高い声、どこか怒ったような、軽いながらも荒い足取り】
【そんな人物が入店すれば、自然と視線も向こうというもので】
【なにかにご執心な様子の彼女が止まらないと見ると、マグカップをテーブルに置き】

そう焦って歩いた所で、今はコーヒーは飲めないぞ。
……コーヒーだけじゃなく、パフェもパンケーキもな。

【勢いよくぶつかる――ということは、恐らく起き得ないだろう】
【というのも、前を見ずに歩いてくる少女の両脇に手を伸ばし】
【それこそ小さい子供をあやすように持ち上げてしまう、からである】

【――で、近くの椅子に座らせて。少し冷たい印象を受けるだろう瞳で、その顔を覗き込み】

どうやら、店主は不在らしい。……いや、そのへんには居ると思うが。
私もおかわりを頼めなくて困っているわけだ。そういうわけだ、大人しくしていろ。

【この女性、服に合わせた手袋をしているのだが――持ち上げた時に気付くだろうか】
【その左手には暖かさがない。すなわち、右手と違って体温が無い、ように感じられるだろうし】
【――そもそも、大柄とは言え少女を軽々と持ち上げるだけの力もあるらしく】


……それと、"ヤクザ"だの"作戦"だのという言葉は
外では口にしないほうが良いだろうな。……それじゃあ。


【そんな一言を残して、女性は静かに自分のテーブルへ戻ろうとするだろう】
【新聞を広げた、他に誰が居るわけでもない――いや、朝食代わりの冷えたスコーンはいくつか残っていた】
164 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 09:50:00.44 ID:Yr4chUWJO
>>163

【それこそ悪戯仔猫がそうされるように、少女の身体が持ち上がる】
【借りてきた猫の様、瞼をぱちくりと何が起きたかと確かめる様に】
【ぽふん、と椅子に座らされる──人形の様にスカートをふわりとはためかせて】


えーっ!そうなんですかっ!なんで〜
はぁ、もう今日はついてないな〜星占い最下位だったし(中の人)
やる事為すこと上手くいかないってどんな星の元ですかっ

あらっ乙女の独り言聞かないでくださいっ!
聞かなかったことにしてほしいですけどっ!


【わーわー言ってる、静かな店内に見合わぬ声で】
【自分のテーブルへと戻る女性、綺麗な人だなーなんて視線の端で追って】
【座ったままよいしょ、と椅子を持ち上げ、そのままとことこ進む】

【かたん、と音を鳴らして女性の正面に椅子を置いた】


ぅー鵺ちゃんお仕事明けでお腹すいたんです〜
ぺこぺこなんです、唯でさえ抜群のスタイルがよりキュートになってますっ
きゅって減っ込んだお腹が三割増しぐらいっ!何か食べないと持たないですです

──おーっと!こんなとこに美味しそうなスコーンがっ!


【わざとらしく両手でお腹を抑え、チラリと女性の反応を見る】
【大きな蜂蜜色の瞳がまーっすぐ見てる】
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 10:03:43.47 ID:c79as7iW0
>>164

……余程普段の行いが悪いんじゃないか?

【冗談なのか真面目な反応なのか、口調では感情が読み取りづらいタイプ】
【ただ、独り言を聞かなかったことにしてくれ、という言葉には】
【敢えて返事はせずに、肩をすくめてみせたりして】
【要は『分かったよ』と――或いは『そもそも何のことだ?』とか】
【そういう、一般人にしては随分と理解のある反応を示す】

【――けれど少女が自分の正面に椅子を置けば】
【新聞に落としていた視線をそちらへ向けて、呆れたようにため息をつき】

そのお喋りな口が静かになるまで、背と腹がくっつくのを待ったらどうだ?
私も、別段金が余っているからここに来ているわけじゃ、……――。

……――金に余裕があるわけじゃないんだぞ?

【なんて言いながら、右手の手袋を外してスコーンを一欠片、手に取ると】
【じっとこっちを見つめる少女の口元にそれを差し出す】
【合わせた黄土の瞳は面倒そうではあったが――面倒見は、良いほうらしかった】
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 10:26:02.75 ID:Yr4chUWJO
>>165

【餌付けされる仔猫の様、差し出されたスコーンを見て目をキラキラと輝かせ】
【ひょいっと貴女の手からスコーンを食べてしまうだろう】
【口いっぱいに広がる甘い感触、おいしーって言ってしまう、少し行儀が悪かった】


えへへ、優しいお姉さんで良かったのですっ
ねぇね、此処には良く来るの?お姉さんは風の国に住んでるの?
彼氏いるっ?居ないんだったら好きなタイプはっ?
スコーンもいっこ食べていいですかっ!?


【矢継ぎ早に飛び交う質問の雨嵐、お喋りという言葉では足りないぐらい】
【椅子に座り直して、脚をぶらぶら、こちらも行儀は悪い】
【大きな欠伸をひとつ、少し涙の出た目尻をごしごしと拭った】
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 10:31:03.67 ID:XLLvyehJ0
>>149

【――じとりとした目。足りない信用はそれだけ鋭さになって表れる、色合いの全く異なった瞳はそうやって睨むようにすると、かえって異物めいて目立つようで】
【偽装したものしか持っていないと言われたときには少し解せぬという顔をしたろうか、それから少し遅れて……諜報員とはそういうものなのかな、とか、思っている】
【正直イメージとしてはドラマみたいなやつだった、なんだかスパイみたいな――そういう理解。他国の軍隊について明るくないのも含め】
【そういう意味合いではものを知らない。それこそこれがリーダー相手ならもっと話は早かったのだろうけれど……なんて、ないものねだりか】

鉄砲――はよくわかんないけど。変な大きさなの? ふうん……、

【そして再び出される拳銃にはやはり何らかのマークが刻まれ。そうまで言うならば所属している組織のマークだろうか、一応、話も通っている】
【櫻の国の海軍だから桜と錨のマーク。おかしくはないだろう――それで当たり前に問い合わせても構わない、となれば。本当にそんなのしないと思われているのか】
【本当に問題ないのか――悩むような仕草をするだろう。それでいて、相手の様子は不安であればいくらでも調べて構わないなんて言うみたい、本当に疚しい人間ならしないこと】

"これ"と、さっき落としたやつ……机の上に出して、真ん中よりわたし側に置いてくれるなら、いいよ。
わたしはお客さんも味方も撃ったりする必要はないし――厳島さんだって、わたしを撃ったりする必要、ないよね?

ほかにもあったら、出していいけど――わたしは何にも持ってないよ。

【――――だから、少女はある程度相手を信用するのにしたらしかった。とはいえ、少なくとも把握している得物、さっき落とした物を机の上に出して置けと言ったり】
【ほかにもあれば――ただこれは相手が出すか出さないかにもよるだろう。言いながら相手の向かい側にふわりとスカートを揺らして少女は座って】
【手のひらをひらひらさせる。確かに恰好もあって何か得物を隠しているという様子でもなかった――本当は、どこかでも得物を"出せる"から、持ち歩く必要がないから、だが】

公安ゼロってところをわたしは知らない。内部分裂しているかもって言うのは、聞いてるけど――。
櫻の国の軍のひとが、どうして水の国のことをしているの? 

【それでもかねてよりの知人であるかのような無条件の信頼には、まだ遠い。知らない名前を出したことについて、何か自分たちの知らないことを知っているのには気づいたが】
【それもまだ――といった様子。何より櫻の国の軍、……諜報員、なんてひとが動いているのはどうして、と。これは信用にかかわるとかではなく、本当になんで、という様子で】

…………違ったら、どれくらいの針を飲む?

【――信じてほしい。その言葉で少女はまた表情を陰らせるだろう、情報は欲しい。協力者も欲しい。だけど、このひとが本当に信用していいひとなのか、まだ、分からない】
【だけど――機関員相手に"賭け"をしたより、いくらか気分はましだった。よくも悪くも初対面であるなら――手札を知らないからこそ、できる無謀なこともきっとあって】
【尋ねる言葉は――櫻のとある文化を知っていればすぐに分かるだろう。なんでも櫻の人間は約束を破った時に針を四桁単位で飲ませたり飲んだりするらしいのだ、恐ろしい】
【向ける目と声はすっと冴えて、冷たい。だけれど、それが同時に最後の確認であるのも分かるだろう。それである程度納得すれば、それで、ひとまずの信用ということにする】

【それでも言い終えれば、少し冗談めかしたみたいに、くすりと笑って――そんな顔は、裏切った場合、本当にその数の針を用意して乗り込んできそうにも、見えた】

/お返ししておきますっ、次お返事できるの夜になります……!
168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 10:39:51.13 ID:c79as7iW0
>>166

【多少の行儀の悪さはまあ、いいらしい。やれやれと小声で呟きつつ】
【本格的に頭を悩ませるのはその後の質問攻め、だった】
【くしゃ、と広げた新聞に肘をついて、左手に頭を乗せるような、あの格好――で、少女を気怠そうに見つめ】

お前、絶対に最後の質問したかっただけだろ。
もう喰っていいよ…――好きなだけ太っていけ。

……此処にはたまに来る。時間だけは余ってるからな
風の国には住んでないが、ホテルにしばらく泊まってるよ
彼氏、は……居ない。好きなタイプとか、考えた事もない。

【時間だけは余っている、すなわち暇。――コーヒーも無いことだし】
【店主も帰ってくる様子がないからか、話に応じることにしたらしい】
【といっても、相変わらず怠そうで、そして何より、言葉が崩れてきたのだが】

……なんだ、眠いのか?

【『仕事明け、とか言ってたな』と、欠伸をした少女に自分から話を振った】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 11:02:40.75 ID:Yr4chUWJO
>>168

【そんな事ないですーって言いながらも、スコーンを手に取る】
【くんくんと香りを嗅いで頬を綻ばせる、ころころと表情を変えて】
【ふふ、と小さく笑って貴方に向き直って】


あら、自由人なんですね、ひょっとしてお嬢様だったりします?
お姉さん美人だしっ、そういう深窓の令嬢が似合いそうっ!
えーっ彼氏いないんですかーっ!うっそだー
そんなに美人さんに彼氏さんいないのもったいないですよっ!


【非難する様に言葉を向けた、口を尖らせて応じる】
【軽く言葉を揺らしながら貴方の左手をじぃと見た】
【あれ、そういえばさっき、体温感じなかったなーって思った】


眠くないですーっ!……うそです、少し眠たいです
ふわぁ……'あんまり多くは言えないですけどっ、朝方まで仕事だったのです、むにゃ


【テーブルにへたり込む、ぐでーんと伸びて大あくび】
【ふと思い立ったように両手で貴女の左手を掴もうとするだろう】
【猫が小鳥とかを捕まえるそれに近い】
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 11:32:49.25 ID:c79as7iW0
>>169


馬鹿言え、お嬢様どころかただの職無しだよ。
生憎とそんな華やかな世界で生きたことも無いし、向いてない。
……黙ってれば、お前―……鵺、か?まあ、お前のほうが似合いそうだ


【『それだけうるさいと彼氏もできないだろうな』】
【――なんて悪口も言う。若干拗ねた性格をしているらしい】


……ご苦労な事だな。さっさと家帰って寝とけ
その歳で寝不足だと、背も小さいまま大人になるぞ?

――……なんだよ?


【おもむろに左手を掴まれる。その動作には気付いていた節もある、が】
【敢えて手を引いたり、拒絶したりすることはなくて】

【今も手袋をはめたままの左手は、薄布越しとはいえ、やはり冷たい】
【切り落とした食用肉のような、油粘土のようなひんやりとした感触】
【もし手袋まで外そうというのなら――その肌の色が、右手の白んだ人肌とは違い】
【"櫻色"という、また珍しいカラーリングであることも分かるだろうか】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/17(土) 12:18:29.72 ID:yk2uF8gDo
>>160

(……答えないとはどういうことだ?)

【カニバディールの答えに、目論見どおりカタロスは違和感を覚えていた】
【黒幕側であれば答えないメリットはない。当然、答えるメリットもこれといってないが】
【あるいは円卓側か、という疑念が浮かぶ。つまり円卓側がそうでないことを装って黒幕側に接触しているという推理だ】
【厄介なのはカタロスにとって”そちら”も敵であるということだった】

(黒幕側だろうが円卓側だろうがナンバーズである以上、殺してしまえば済むというのに……っ!)
(おまけにやつはレヴォルツィオーン社の人間だ、[ピーーー]以外の選択肢など……!)
(あぁ、くそ、頭が痛い…………)

【剣を握る手が震える。微かにだがはっきりと、鍛え上げられた全身から殺気が溢れ出す】
【憎悪と義憤が理性を押し流そうとしていた。どちらも斬り伏せてしまえば全てが収まるのだと】
【そう囁く何かがあった。切っ先がカニバディールを指し示す。後はこのまま踏み込んで────】

「────いいだろう
 ”そういうこと”ならば、その命は預けておく

 …………今はな」

【大剣を引き下げ、剣士が後退していく。その表情には苦痛と煩悶が満ちていた】
【膨れ上がり爆発寸前の殺気を理性が押しとどめていた。恐らく、カニバディールからすれば不可解だろう】
【意図が伝わった、ということはカタロスは黒幕側ではない。にも関わらず、見逃すことにここまでの怒りを露わにしている】
【単に、黒幕と敵対しているだけのナンバーズではないことが、わかるだろうか】

【いずれにせよ戦闘は回避された。狂気にも似た憎悪を湛えた瞳がカニバディールと後ろの男を一瞥した後】
【剣士は曲がり角の向こう側へと消えていった。ひとまず厄介な状況の一つが終わった、といっていいだろう】
【カニバディールの後ろでへたれこんでいた男も立ち上がる。その表情には安堵が────】

あぁ、なるほど
確かに、そしてやはり、ただの警備員ではないわけだな
もちろん、それは単に裏社会に精通している、という程度を含まないが

【────背後にいた男の様子は一変していた】
【先ほどまでの怯えきった弱腰の態度は霧散。意図の計りかねる不気味な笑みを浮かべながら】
【興味深そうに大男を見つめていた】

//お返しいたします!
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 14:25:57.01 ID:LzOHWEQTo
>>159

「とはいえ、それだけしか私にも分からんからな」

【彼の表情は少し呆れたものになっていたが、女にとっては全くどうでもいい──】
【というよりは、都合の良いことだった。警察組織を監査する公安がガタガタなのだから、全くの好機である】
【水の国だけではなく、他の国家へ混乱が伝播すれば、余程都合が良いのだが──、なんて】


「ふふ、居るんだな、それが」
「先般から“機関”の活動が大々的に再開された。公安の事情を鑑みてだろうな」

【力に力で応え、互いの勢力を削ぎ合っていて得をする組織】
【彼の勘付いた通り、レヴォルツィオーンや“機関”といった転覆を狙う組織であろう】
【漁夫の利と言わんがばかりに、公安内部にしか目が向かない状況で大胆に行動が出来る】

「独裁者だろう、まともな精神を持ったやつじゃないことは確かだ」
「人を巻き込むことに意味があるんだろうな。そいつを恐れて、屈伏して、崇拝する。恐怖はそうして使うんだろう」

【右ポケットから煙草のパッケージを取り出すと、底を叩いて一本を口に咥える】
【ライターなんぞ使わずに、指先に炎を灯して火をつける。湿気た白煙が飛行船の後部へと漂う】
【灰皿を探すために彼に背を向けた──、白衣の襟には“逆五芒星”が刻まれていたことも忘れて】

//遅れて申し訳ありません……!
173 :鳴神 義勇 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/17(土) 14:49:38.64 ID:p14QNWWy0
>>172
【女性にとってそれが好機であることなど彼が知る由も無かった。ただ、市井の人間と会話しているだけの感覚】
【どことなく、情勢に詳しい気配はしていたが、それだけを理由に疑う訳にもいかない】

機関か……随分と長い間暗躍している組織らしいが、未だ根絶されないんだな
それもおかしな話だ。ただ生きるだけで、脅かされるなんて……

【所謂悪の組織と呼ばれる者達。他者を踏み躙り、時に市井の人間を虐殺し、利益を欲しい儘にする】
【そんな者達が野放しにされている現状も、国や警察に力が無いことを物語っていた】

だが、それだけで終わる訳じゃない。抗う者達も必ずいる
暗黒時代は始めさせない

【それは決意にも似た言葉。誰かを助けることに理由などいらない。理由なく、助けたいから助けると誓ったから】

【煙草に火をつける仕草をちらりと見る。どうやら能力のようだ。さらりと使ってはいるが、それは一般人が使うには珍しいもの】
【それだけなら良かった。振り向いた彼女の首元、襟、そこには逆しまとなった五芒星。どこかで見た。どこかで知った】
【逆五芒星を掲げる者達、何よりも巨大で、何よりも―――――】

それは、その紋章は―――――
貴女は何者だ……? そんな物を身に着けるのは相当の変わり者か……カノッサ機関しかいない筈だ……!
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 15:11:22.44 ID:zhdDIjRp0
【風の国】
【世間が色々と騒がしくなってきているこの頃であるが】
【弱小盗賊団には全く無関係である】

「どうだ?マリー、大金持ちかあるいは小金持ちそうな車とか通ったか?」
「いや、って言うかどっちも希少種族ッスんなもんそうそう遭遇しねえッス」

【若い男性と少女が近くの丘の茂みに身を隠しながら、双眼鏡で少し下の道を監視する】
【最も双眼鏡を覗いているのは専ら少女の方で、男性は近くの木に身を横たえてサボっている】

「居ないと思うから居ないんだよ、いると思え通ると信じろ、さすればおのずと道は開かれる!」
「寝てるだけの奴がほざくなッス」
「ああ〜、でもそろそろあれだよ、ホットドッグ食べたい」
「アタシもッス、チーズバーガー食べ放題したいッス」

【同時にお腹を鳴らす二人】
【思えばここ三日ほどまともな食事にありついていない】
【憎らしいほどに暖かで爽やかな風が吹く、もうすぐ春だ】
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 15:28:56.83 ID:LzOHWEQTo
>>173

「正義を騙る組織があんな状況じゃ、いくら時間があっても無理だろう」
「例の法案が通過しなけりゃ、迫害されることもない。今は“何とか”耐えているみたいだけど」

【“公安”があんな状況では、“機関”が野放しになってしまう】
【悪の組織にとってはこれ以上ない好機とも言え、様々な人間が自らの利益のために行動をしているのだろう】
【公安の情勢が安定し、結束が戻るまでの間にどれだけの事が起こるであろうか】

「暗黒時代か、黄金時代か。人によっては取り方が違うだろうけどな」

【彼の決意の言葉を、多少揶揄するかのように】
【それだけ正義が力を失えば、悪の組織の力は強くなっていく】
【それがレヴォルツィオーンであり、機関であり────】


「私が何者か、か……。“機関”に属する唯の研究者さ」

【ベンチに細い足を組んで座り、金属製の灰皿を傍に置いて煙草を吹かす】
【口から白煙を吐くと、自らの正体を彼に明かしたのである】
【カノッサ機関に属する、唯の研究者であると──、しかし“機関”の人間であることに間違いはない】

「またの名を“Crimson”という、宜しくな青年」

【口元に厭らしい笑みを浮かべ、煙草片手に彼の顔を見る】
【先日の朝ラジオをジャックした人物であり、アスタンという小国を潰した張本人】
【彼がそんな人物にどのような感情を抱くか分かったものじゃないが──、良いものでないのは確かだった】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/17(土) 15:39:07.90 ID:25fKoHP1O
>>171
(どうやら、違和感は抱いてもらえたか? )
(かと言って、油断は出来ないが……)

【カタロスの様子を、異形はじっと観察する。今にも、その大剣に両断されかねない緊迫感の中で】
【互いに巨大な存在を同じく敵としており、されど同時に決して相容れない相手。そんな事情を知ることもなく、疑念の深みに沈む】

【カニバディールの立場は複雑だ。黒幕を許容出来ず、さりとて円卓に軽々しく与するわけにもいかない。そんな損得勘定の末に、機関への背信行為にまで手を染めている】
【複雑化した事情を知らぬカタロスが、円卓の回し者と考えるのも当然だろう】

【だが、カニバディールもまた、カタロスの複雑な立場を知らなかった】

(純粋な殺意に近い、憎悪と敵意……なんだというのだ……)
(黒幕にも円卓にも加わっていないなら、何故こうも同じナンバーズに強烈な殺意を向ける……?)

(見覚えはない。私個人が買った恨みの筋は可能な限り把握しているが、その中にこの男はなかった)
(ならば、機関員としての私を? ナンバーズが? まるでわからん……)

【そもそもが内偵のために機関入りし、今はより差し迫った存在である黒幕と円卓に対処しているカタロス】
【まさか、自分と鈴音に近い利害関係であるとは思いも寄らない。同時に、カタロスがそれとは別に機関員を許さぬ男であることも】

【疑念に答えが出ることはなく、大剣の切っ先が向けられれば身構える。今の身一つでどこまで持つか、と考えた矢先】

……話のわかるお方で助かりましたよ
ええ、「またの機会」に

(ともあれこの場は凌いだか……今後、無視できる相手ではないが)

【カニバディールにはわからない。彼がどれほどの思いで機関員に身をやつし、今どれほどの思いでこの場で引くことを選んだのか】
【機関内部の、黒幕と円卓の対立構造だけではない何かが、カタロスにはある。漠然と読み取れたのは、それだけだった】

【ならば、今は現状を考える時だ。憎悪の瞳に暗い視線を返し、彼の姿が見えなくなるまでカニバディールは警戒は解かなかった】
【カタロスが去ったことを確信すると、背後のパトロンを振り返る】

……どうにか、やり過ごせましたな
ですが応援はやられたようです。この上は、私が貴方をお連れし────


【前門の虎は去った。すると後門に狼が現れていた。カニバディールはそんな心境に陥った】

(我ながら、人を見る目がない……この場のパトロンともなれば、只者ではないことは自明だろうに……)

……お見苦しいところをお見せしましたな

ご明察です。単なる警備員でも、裏をかじった程度の者でも、ありません
ですがそれは、貴方も同じのようですな

【剣士の強烈な殺意に晒された時とは違う、どろりと濁った空気の中で】
【カニバディールは己を見つめる、新たな正体のわからない相手に向き直った】

/スマホから失礼します、少し間が出来たのでお返ししました! 次は少なくとも22時以降になってしまうかと思います、すみません……
177 :鳴神 義勇 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/17(土) 15:42:06.41 ID:p14QNWWy0
>>175
何とか……か
その何とかが、長く続けば良いんだが……

【可決されぬまま、瀬戸際で耐えている。それは彼にとっては良い状況】
【しかし、ずっととは言えないだろう。どこかで推進派に有利な事件が起これば、事態は瞬く間に進む】

【女性に問い、そして彼女の答えが返って来る。それは彼の予想通りのものであり、到底見過ごす訳にはいかなかった】

よろしくだと……?
軽々しく言えたな。何故俺に接触した。理由あってのことだろう? 
そして、何故ここにいる。機関の一員なら、こんな船を使わずとも済むだろう

【機関に所属する者がよもや公共の移動手段を使うとは思いもしなかった】
【戦闘員では無いにしても、異能を使えると言う点では十分な実力を持つ相手。油断する訳にはいかない】

その名はよく覚えておこう。お前を捕らえた時に必要だからな

【この場で戦闘を行う訳にはいかない。ここは地上より遥か6000mの上空。少しでも船に危害が及べば、乗客諸共地獄まで真っ逆さまだ】
【それを理解した上で、彼は細心の注意を払って女の動向を待った】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/17(土) 16:08:00.04 ID:zwJHDPlqo

【――ぱり、と真紅の電流が宙空を瞬く】
【直後、そこに猛り狂うような炎が顕現し、国軍兵の一人を包んだ】

【その貪るような炎熱は、合金の盾も特殊装甲服もほとんど用を成さず】
【急激な酸素の欠乏と体皮を蝕む重度の熱傷によって、兵は不可視の悪魔でも振り払うかのようにもんどり打ちながら倒れた】


【戦慄に駆られた国軍兵士隊は即座に散開、陣形を組み直すと同時、小銃を構えて連射する】
【絶叫するような銃声の連続、明確な殺害意思を帯びた鉛弾が束となってある男へ殺到していく】

【流れ弾が壁を床を無遠慮に蹂躙し、夥しい数の弾痕を場に刻む】
【だが、撃ち終えた時の有様は、兵士達の望んだ結果とは大きく乖離していた】


 ――――………………


【男は悠然と立っていた】
【羽織る漆黒のトレンチコートに片手をしまい込み】
【残るもう片手で、口元の煙草を鷹揚に摘まむ】

【硝煙に交じり吐き出された紫煙】
【燻る気流を貫いて、研いだ刃のような眼差しが兵士達を見据えた】


【嵐のセレンディピター号内】
【喫水線より下に位置する第三貨物室にてそれは起こっていた】

【数十分前、数人の男女達がゲストフロアから業務用区画の方へと息を潜めて逃れ始めた】
【それを目聡く見つけた国軍兵士が引き止めようとしたが、途端彼らは脱兎の如く駆け出す】
【明らかに真っ当ならぬ気配を感じた兵士達は急ぎ追いかけ、地下へ地下へと追い詰めるのだが】

【行き止まりと思われたこの駄々広い第三貨物室の扉を開いた時、】
【そこに立っていたのは先の群れではなく、ただ一人鋭い眼光を湛えた白髪壮年の男だった】

【――退け、と】

【男の口からではなく、何か地の底から物の怪が囁いたような面妖な声が告げたのだが】
【それで大人しく引き下がるような兵士達ではなく――果たして、斯様な有様となった】


――警告はしたでおろうに
いくら愚かしき人の子と言えど、我が声が届かなかった訳ではあるまい

今一度言う。退かば退けい。この男も軍人の背までは好んで焼くまいて


【今はまだ、な――】
【最後に言い添えられたそれと共に、ぱり、と】
【再び威嚇するかのような真紅の電荷が宙空をのたくった】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/17(土) 16:12:03.75 ID:yk2uF8gDo
>>176

【カニバディールの視線を受け、パトロンの男はだらりと首を傾げた】
【”あぁ”、などと感心したかのような声を漏らす。昏い双眸は考えを読み取らせない不気味さがあった】

いやぁ、こちらこそ不出来な演技を見せて悪かった
ふふふ、こういった場ではああいう態度でいた方が何かと都合が良くてね
おかげで面倒な相手に追い回されずに済んだ、礼を言おう

【にたり、と恐ろしげな笑みを浮かべる。数分前とは完全な別人がそこにはいた】
【言葉をゆっくりと、緩やかに纏わりつかせるように話す、そういう特徴があった】

改めて自己紹介をしよう
私はブランル。レヴォルツィオーンという企業の開発主任だ

【レヴォルツィオーン社────表向きは薬品・兵器開発を主業務とする比較的新しい企業だ】
【裏の顔としては薄暗い噂の絶えない企業であり、このセレンディピター号に乗船しているパトロンの中では、それなりの影響力を持つ一社となっている】
【カニバディールが船内で情報収集を行っていたのであれば、何度か聞いた社名になるだろう】

【さらに注意深く聞いていたならば、”代理人”と呼ばれる人物が社長の代わりに交流を行っていた、ということがわかるだろう】
【その”代理人”は常にスーツを着ている三十代前半の男だ。ブランルとは特徴が違っていた】

さて?
それで単純ではないお前は、どこの誰で、一体ここで何をしているのだ?
あぁ、安心してくれていい。今の私はお前の味方と言っていい
何せ、命を助けられたのだからな。礼もまだ支払っていない
推理小説の答え合わせをする気軽さで答えてくれていい

【不気味な笑みを浮かべたままで、ブランルから問いかけが投げられる】
【事情を探ってきているのか、単に好奇心で聞いているのか、判別のつかない雰囲気があった】

//了解です!
//ゆっくりで大丈夫ですからね、お気になさらずに
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/17(土) 16:18:51.13 ID:qTyTsj+Mo
>>177

「理由か、君が思い悩んでいるように見えたから──、なんて言っても信じられないか」
「いや、チャーターした機は横になれないから尻が痛くてね」

【理由は彼に興味が湧いた、ただそれだけのこと】
【他意はないし、その目も嘘をついているようには見えないだろう】
【そして飛行船に搭乗した理由だが、チャーター機は座ったまま寝るから尻が痛いから】


「ほう、捕らえるときに必要か!」
「なら、君には次の“実験”の時に招待状をあげなきゃならないな」

【如何にも面白そうに、口許には笑みすら浮かべて】
【捕らえられるなら捕えてみろ、といった挑発の意が含まれている】
【次の“実験”、ということは以前にもあったことに気がつくだろう】

「まあ、ヘタに私を攻撃しない事だな」
「今攻撃したら、どうなるか位判るだろう?」

【煙草の白煙をぷかりと浮かべて、彼の方を向く】
【それは攻撃すれば飛行船ごと落とすぞという脅しに近かった】
181 :鳴神 義勇 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/17(土) 16:41:17.19 ID:p14QNWWy0
>>180
どちらにせよ、大した理由は無いと言う訳か……

【こちらに興味があったから、自分が飛行機を気に入らなかったから、それともどちらでも何か】
【どれを選んでも、彼女が大した意味は無しにこちらへ関わってきたことは確かだ】

その実験が一体何を意味するかはわからないが……
何も俺だけがお前を捕らえる訳じゃない。然るべき機関、然るべき罪、それらが揃った時、然るべき者達で動く
至って単純な犯罪者を捕まえる手順だ

【然るべき機関。即ち、警察であれ、UTであれ、SCARLETであれ、正義に属する者達も多数存在する】
【彼らに少しでも情報提供を行い、検挙することが出来るならば協力する。それが彼の信条だった】

わかっている。ここが何処かを忘れる程取り乱してはない
お前が自分から行動を起こさない限り、騒ぎを大きくするつもりはない

これ以上……お前と関わるつもりもない。精々、静かにしておくことだ

【彼は左腰に佩いた太刀の鞘を握りながら、かつかつと靴を鳴らしデッキを後にした】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 17:55:59.41 ID:zhdDIjRp0
//>>174再募集です!
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/17(土) 19:39:24.13 ID:P1d7go07o


「この船の名前、どういう意味か知ってるかい。」


【セレンディピター号の中央部には、天を突く様に高く聳えるビルが経っている】
【そこは、船の主マルコ・ダルハイトの“居城”だった。──尤も、今や其処を守る兵士は出払っている】
【ただ、一人。 その中階で侵入者達を出迎えた男を除いては】


「“偶察力”、だよ。たまたま良いモン見つける、って意味さ。
 ── そういう訳で、俺もたまたま、昨日カジノで百家の事見かけてさ。
 この騒ぎもアイツの仕業だって分かったけど、友達の誼でちょっと邪魔してやろうか、と思って此処で待ってた訳。
 ……でも、あんまりやり過ぎてもだからなぁ──、 よし。

 アンタにしよう。ちょっと、付き合ってくれよ。」


【彼の背から、血が吹き出す。一瞬にして羽の様に形作られ、白い女の脇を抜け、青年を包み込んだ】


 【 ── 】


【 “嵐の日” / セレンディピター号甲板 】


【海が猛り、波が跳ねる。雨が弾丸のように頬を打ち、風はそれだけで視界を遮る】
【いかに混乱の坩堝に陥った船内といえども、この甲板に出る者は居なかった──しかし】
【嵐を突き破るような轟音を聞いた者は、少なくなかっただろう。 まるで、“宙から何か落ちてきた”かのような】
【すぐに窓の外を見たなら、甲板に、“赤い大玉”が突き刺さっているのが見える】

「……おいおい、降りただけじゃないか。これぐらいで気ぃ失うのは勘弁してくれよ。
 少しぐらい働いてるフリしないと、ダルハイトからボーナス貰えねぇんだから。」

【──どろり、と。大玉は溶けるように消え去り、中から現れたのは、二人の男】
【スーツに身を包んだ黒髪の青年が倒れており、その傍らに立つのは 紅の着流しに漆黒の帯と羽織、極彩色の『蝶』の髪飾りの男】
【彼は、青年の襟元を掴むと甲板の縁へと引き摺って行く】


「 まぁ、目が覚めないなら仕方ないか。心配すんなよ青年、案外人間って丈夫に出来てる。」


【そして、男は青年を荒れ狂う海に突き落とさんと、その脚を大きく振りかぶり── 】


/最初のお返し少し遅れるかも知れませんが、お暇な方いらっしゃれば
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 20:21:23.79 ID:Yr4chUWJO
>>170

【貴女の悪態にむーっとほっぺたを膨らませる】
【宵月の様な頬の灯り、柔らかげな影が一葉揺れて】
【職無しとの言葉にふんふん頷く】


そんな事ないですよっ、鵺ちゃんはまだまだ子どもですしっ
華やかな世界とは程遠い生き方してるのも事実なんです
生きるか死ぬかの最前線、こー見えても強いんですよっ

──ひっどーい!できないんじゃなくて、作らないだけですっ!
そういえば、お姉さんの名前、まだ聞いてなかったですです


【ふふーんと誇る様に笑った。洞察力に優れていればその言葉に興味を持つかもしれない】
【見た目はお喋りな少女、戦いとは程遠い明るい世界の存在】
【然して能力者であれば見た目は関係ない事は充分わかっているだろう】


背のことはあんまりゆわないでください、気にしてるんですからっ
まあまだまだ成長期ですしっ!今にも大きくなりますよっ!
……そうしていつかは、お姉さんのようなナイスバディに

むー、やっぱり、冷たいのです
お姉さん冷え性なんですか?さっき抱っこされた時冷たいなっ、て
手袋失礼しちゃいますよっ!


【ぺたぺたと数回触って、えいやっと一気に引き抜くだろう】
【その下の肌の色に驚いた。非常に珍しい櫻の色】
【目をぱちくりさせて、貴方の顔と交互に見る】
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 20:44:19.36 ID:c79as7iW0
>>184

……へー、なら飯くらいどっかから分捕ってこいよ
こんな所で暇してる無職からスコーン強請るなっての。

ん、名前か。……それ、どうしても言わなきゃダメか?

【なんて言いつつ、もし改めて強請られれば渋々こう答えるだろう】
【『アナスタシア・ケストナー』――好きに呼べ、とも付け加える】

【そしてこれは口にはしないが、目の前の少女がどんな存在かは気付いていた】
【独り言の内容。華やかな世界とは程遠い――生きるか死ぬかの最前線】
【こういうタイプがたまにいる。わざわざ口にするくらいなのだ】
【情報保全という面ではともかく、腕は確かなんだろうな、と内心で見定めて】

……チビ。……あー、嘘だようそ、もう五年もすりゃでかくなるだろ。
というかいま何歳だよお前……ナイスバディってのは否定しないでおいてやるが

【褒められて悪い気はしないもので、恥ずかしそうな笑みを浮かべ――無い、が】
【その表情は、手袋を取った所で変わらない。見られても、問題はないのだろう】
【確かに奇異な外見だったが――顔と手とを交互に見る、そんな彼女の手をギュッと握り返し】

左腕全部、こんなだぞ。人肌としちゃ妙な色だが、綺麗だろ?
体温がない事以外は普通に動く。……昔のな、友達に作ってもらったんだよ

……別に、怖いもんでも無いだろ?

【――からん、とカフェの扉を開く音。振り返れば、そこにはラフな格好の若い男性が立っていて】
【残念ながら店主では無さそうで、長めに伸ばした髪を靡かせながら窓際の席に腰を下ろした】
186 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/17(土) 20:44:46.72 ID:wRwubP1v0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】



【――――昼の国 森】

――――っはぁ、たまんねぇや……!!

【森の奥、人知れず湧き出る無人の温泉に、心底安らいだ声が響く。簡易的な間仕切りの中、湯に体を浸からせているのは】
【ごつごつした筋肉質のがっしりした体格で、深い眼窩が鋭い視線を放っている、スキンヘッドの居丈夫】
【もうもうと湯気の立ち込める中、単純塩性の濁り湯に肩まで浸かり、空を仰いでいる】

こういう奴のありがたさ、10代の頃にはイマイチ分からなかったもんだけどよぉ……体ぁ温まるし、解れるんだよな……
グニャグニャになっちまった頭の中も、これで解れてくれりゃあなぁ……くそ、酒飲みたくなってきたぜ……

【自分の手で肩や胸筋を揉み解しながら、居丈夫は満足げに溜息を吐く。腕の筋肉がモゴッと蠢いた】
【湯の淵には、青いコートや金属製の棍棒が置いてあり、周囲からは、鳥の囀る声、時には羽ばたきの音が聞こえてくる】
【人気のない、簡易入浴場にて、居丈夫は1人で温泉を満喫していた】



【――――所変わって、火の国 市場】

……………………♪

【前ポケットがやけに大きく膨らんでいる白のパーカーと、同じくポケットが目立つアウトドアズボンを着ている】
【明るい紫色の短髪と、勝気そうな金色の瞳が、元気の良さを印象付ける】
【ともすれば人ごみの中に消えてしまいそうな、身長130p前後の小柄な少年が】
【とある女性の姿を目に止め、悪戯っぽい笑みを浮かべる。ともすれば、幼い子供が綺麗なお姉さんでも見つけたのかと思われる光景だが】
【その女性がベンチにカバンを置いて、少し離れた隙に――――少年は、そのカバンに手を伸ばし、足早に人ごみの中に紛れていく】
【物怖じせず、速足ながら急ぎ過ぎず、慌てずに。すいすいと人ごみを切り抜けた少年は、道路脇に置いてあった木箱の陰に身を潜め】
【素早くカバンの中身を検分――――財布を取り出すと、中身を自分のポケットへと移し替え、カバンをその場に置き去りにして、木箱の陰から歩み出した】

っへへ、やりぃの……!
あーでも、そろそろ帰らなきゃな……

【満足げな笑みと共に、少年は雑踏の中の1人と紛れ、その場を立ち去っていく】
【この少年が、そばでオロオロと周囲を見回している女性の荷物を置き引きした事実は、恐らくは誰も知らないはずで――――】



【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 20:57:41.53 ID:Yr4chUWJO
>>185

【ずーっとねだる、まるで名前を知る事が使命であるかの様に】
【そうして聞き出す貴女の名前、アナスタシアと何度か口に出して】
【んーっと悩んだ、上手くあだ名を決めることが出来なかったから】


決めましたっ!姉やって呼びますっ、好きに呼べって言われましたし!
お姉ちゃん欲しかったんですよっ、姉や!無職の姉や〜
スコーン頂いちゃったのは過ぎた事なのです、水に流すです

──ずっるーい、自分の良いとこだけ認めてるしっ
鵺ちゃんは14歳です、まだまだこれからなのは知ってまーす
あ、でも早寝しないと大きくならない……頑張らなきゃ


【答える言葉は軽く、その言葉に合わせる様に姿を変える表情】
【あどけなさの中に微かな美しさが交じる、未完成の蕾に宿る可憐さ】
【成熟した貴女には及ばずとも、途上の景色も悪くは無い】


怖くは……ないです、唯少し、びっくりしちゃいました
つめたいけど、その分鵺の温かさ、伝わりますねっ!
姉やのお手手はつめたいのです、ということは心が温かいとのことですね!

──あれ、てことは私の心が冷たいってことになります?
あーっうそうそ!鵺ちゃんは優しー優しー心の持ち主です!
あっマスター────……違いました、はーずれ


【握り返されて少し戸惑いを見せたが、浮浪雲の如くすぐ消えて】
【後に残るのは慈しみに満ちた慈愛の表情、尊そうに自分の頬に貴方の手を当てる】
【丁度握り返されて手をそのまま引っ張って当てるように】

【扉の音に振り返ってみれば、ラフな格好の男、やや失礼な事言ってる】
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 21:15:08.84 ID:c79as7iW0
>>187

あぁ、好きにしろ。……でも、『お姉様』って呼び方はするなよ。
実の……じゃないが、そう呼ばれて面倒な思いをしたことがある。

14歳なら、戦いなんてやってないで家で寝てるほうが幸せだ
……でも、そうは言ってられない事情でもあるんだろ?
なんでも良いけどな。死んだら勿体無いぞ?

【色々と潜ってきていそうな、そんな言葉】
【おもむろに右手を伸ばすと、鵺を姉らしく可愛がるように】
【けれど割と雑にぽんぽんと頭を撫でてやって】

へぇ……、……確かに出来ないわけじゃなくて作らないだけっぽいな?

……あとアイツ、マスターじゃないが何でも出せるぞ
ケーキでもコーヒーでも、特盛パフェでもな。
それも種無し手品同然に…――あー、知り合いの兄ちゃんって所だ。

【『先に言っとくと』――恋人か、なんて問い詰められる気がしたのだろう】
【それにしても、何でも出せるというのはまた景気のいい話だった】

【長めの金髪、シャツにジーンズという格好、持ち歩く武器や荷物は無し】
【一般人――それもその辺をふらつくにしても、貴公子然としているというか】

【――もしも鵺が、数年前からの著名な犯罪者をしっかりと頭に入れていて】
【例えばカノッサ機関において"六罪王"として活動していた男を知っていれば】
【その顔には、見覚えがあるかも知れない。もう一年以上前に、消息を絶っていたが――】


【勿論、知らなければただの『お兄さん』でしかない】
【向けられた視線に気づくと、朗らかに笑って軽く手を振るような、そんな人物だ】
【無害、というか。それこそ彼が着ているような、真っ白いシャツの様な印象の男性だった】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/17(土) 21:15:42.54 ID:zwJHDPlqo
>>183

【ぱン、と銃声】
【男のすぐ側の床に、銃弾が一発、金属音と共に跳ねるだろう】

【弾の軌跡を遡れば、男の十メートルほど先、この豪雨の中一人立つ女がある】
【――すらりとした流線の体型、身を包むタイトなドレスとアームカバーは全て漆黒】
【精緻に結い上げられた濡羽の鴉の髪の端と、単筒状の帽子から下がる薄沙のベールが風に嬲られ靡く】

【無機質な幽玄さを湛えた白皙の女は、その細腕に自動式の拳銃を握り、男を精密に照準していた】

【挨拶代わりの一発は威嚇射撃という訳か、二撃目の前にその口腔を開き】


――気象条件を参照、文脈一致、引用します


【 「クソったれ、捨て犬の気分だわ」 】


【発話として不自然でない極限まで抑揚の削がれたその声が、卑俗な言を紡いだかと思えば】
【その白い指が再び引き金へ掛けられ――ぱン、と炸薬が爆ぜる】

【そうして放たれる銃弾が次に目掛けるのは、着流しの男の胴中心】
【口径の小さい銃弾であるが、その速度だけは狂暴極まりなく】

【それは何の変哲もない銃撃だが、もし、その青年を盾にするような素振りを見せた場合には】
【如何なる故か、銃弾は不自然に逸れ、青年にも男にも当たることなく、周囲の床へ着弾する】

【いずれにせよ、その攻性意識は『蝶』の男へのみ向けられているようだった】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 21:35:05.81 ID:Yr4chUWJO
>>188

【くしゃくしゃに撫でられるだろう、絹糸の様な柔らかい質感】
【心地よさそうに目を細めた、細い首筋がくぅ、と啼いて】
【涼し気な横顔に淡い笑みを浮かべさせる】


お姉様はダメなんですねっ、嫌って言われたことを繰り返す鵺ちゃんじゃないです!
事情とかじゃないですけどっ、なんと言うか!其れが鵺ちゃんの役割なので
死にませんよっ!こんな所で死んでる場合じゃないのです!


【貴方の言葉に釣られて、じいっと男を眺めた】
【知っている気がする──どこか、どこかで見た】
【刹那、雷が落ちるように、その正体を思い出した】


あっ──あーっ!!知ってます!あの人っ!!
ダグラス、ダグラス・マックスウッド!!かつてこの地を恐怖に陥れた六罪王!
って、公安のデータベースに乗ってました!


【大声で叫んでしまう、男にも聞こえる音量】
【しかも、つい、自分の所属も言ってしまう】
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 21:49:11.54 ID:zhdDIjRp0
>>186

【火の国、市場】

「おいおい〜、子供のうちからこんな手癖の悪い事覚えちゃダメだろって、アレだその年頃ならジャン○でも読んでなさいってんだ」
「世も末ッス、少年今盗ってきた物を返してくるッス」

【グイっとその場から立ち去ろうとする、少年の襟首に伸びる手】
【声をかけてきたのは、少年よりはと年上であろう少女と若い男性】
【二人ともカウボーイスタイルに男性は二丁のリボルバー拳銃を、少女はリボルバーライフルを担いでいる】

「どうなってるんだ?アレか?生活困ってる人?でもやっぱ人様の物に手を出しちゃいけないよね〜、お兄さんそういうの良くないと思うな〜」
「(今のセリフ、盗賊が言えた義理ッスかね?)」
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/17(土) 21:50:15.89 ID:P1d7go07o
>>189

【銃声に、脚が振り上げられた男の脚が止まった】
【振り向いた『蝶』の男は、彫りの深い顔を雨に濡らしながら、少しばかりの驚きを交える】


「…… アンタも百家の友達? それにしちゃあ、らしくない戦力配置だけど。」


【── 銃声の直前。男の背部から血が吹き出した。だが、弾丸が命中したわけではない】
【血は一瞬の内に凝固し、倒れ込んだ青年を持ち上げ、“盾”とする。だが、弾丸は自ずから逸れた】
【役目を終えた血液は再び液体に戻り、男へと戻っていく。青年は再び、地へ倒れ込んだ】


「でも、“コイツ”の友達ではあるのかな。じゃあないと、わざわざ外したりしない。
 俺からすりゃ友達の友達の友達 ──、 あぁ、何だ。」


【「他人じゃないか。」】

【男の口角が上がる。その身体から、魔力の蒼い燐光と、血液が溢れた】
【血液は凝固し、大量の“蝶”を象って彼の周囲を羽ばたく。この嵐も、彼らにとっては関係ない】


「まぁまぁ、焦らず話そうぜ。……アンタ、どこの誰?
 話さないなら殺す。単純に邪魔だからな。
 どっち選ぶのも、アンタの“自由”。同時に、俺の“自由”でもある。素晴らしいな。」


【──男が人差し指を立てると、一羽がそこに止まった。細めた瞳が、女を見据える】
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/17(土) 21:55:36.07 ID:56J7G6UT0
//流れとしては>>113のちょい後です

【カフェ】

【奥の方のテーブル席で何やらテレビ通話らしきことをしている1つの影】
【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「……と、いィうわけでだ"レオーテヴュート"」
「こォの法案出ァした奴〆てこい」 『無茶振りは止めて欲しいな』
「レオーテヴュート。――もォしこォれが通れば、お前はまァた除ォけ者にさァれるぞ?」 『……』

【そして、近くを通りかかった店員に対して声をかけ――】

「おォい、そォこの店員! 立体ラテアート1つ。とォぐろを巻ァいた蛇で」

【なんて、追加で注文をする。ついでに、既に空となっていたコップや皿を同時に回収してもらう】
【態度等が悪いためか、店員はこの者から離れたところで悪口を言っている様子。……もっとも、この者は聞こえているようだが】

【……幾ら奥の席とは言え、フルHDモニタ(と思われるもの)をどんと置いていれば目立つ】
【そして、三角の黒いサングラスを身に着けて誤魔化しているが、この顔は指名手配犯リストにあったような――】
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 21:55:46.36 ID:c79as7iW0
>>190

はいはい、よしよし。……役割、ねえ
そんな事言いながら死んだ奴らを何人も見てきたからな
仮にも"妹"なら、勝手にそうなるなよ。……ん、おい…――。

【なんというか――何処まで言っても粗雑で、気怠げなのだが】
【やはり面倒見が良いのか、彼女を仮にでも"妹"なんて言って】

【役割だとか、死んでる場合じゃないという言葉であるとか】
【その辺りの事はざっくりと理解をして――まあいいかと、放任した】
【と言っても気遣いくらいは出来るらしく、気に入った様子なので頭はぐしぐしと撫で続け】

【彼女が大声で男の正体を口にしたのは、そんな折である】


「……たまに言われるんだけど、恐怖に陥れたってほどかな、僕?
 あぁそれと、昔のことは全然覚えてないんだ。二ヶ月ほど前から、全部ね
 で、ベイゼ?君って妹とか居たんだっけ、"あの娘"以外にさ?」

――お前は黙ってろ。面倒なことにしかならねえだろうが

にしても……"公安"とはまた、私の……俺の"妹"も穏やかじゃねえな
鵺、とりあえず黙れ。……今はもう、六罪王じゃねえんだ。

【どう判断するだろうか――彼女の記憶は正しく、相手の男は否定をしなかった】
【そして手を握ったままの女性を、『アナスタシア・ケストナー』ではなく『ベイゼ』と呼んだ】

【ベイゼ――『ベイゼ・べケンプフェン』という名のナンバーズも、確か居たはずだ】
【その時期のデーターベースを見ていたなら知っているだろう。ともかく――】
【先程まで彼女の"姉"として話していた女性は、比較的穏やかに事を収めようとしていた】
【握った手は離さず、幸いにして他に人の居ない店内の――その外まで声が聞こえないよう、黙れ、と言って】


【無論従わないのも鵺の自由だ。公安としての指名をまっとうする、それもまた良いだろう】
【元だろうが六罪王、捕らえればかなり大きな手柄となるのも確かだった】
195 :?????? ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/17(土) 22:01:16.94 ID:wRwubP1v0
>>191

――――わっ

【存分に遊んだ子供の様な表情で――――実際に子供なのだが――――その場を歩き去ろうとしていた少年。その襟首を掴まれて、思わず驚きの声を上げる】
【その過剰反応は、心にやましい事がある故になのだろう。ギョッとした表情のまま、背後を振り返り、2人組の姿を確認する】

な……なんなんだよ兄ちゃん達。こんな子供の……なんだっけ……あれか、ピンハネしようって言うの……!?

【キョロキョロと、面白い様に視線が泳いでいる。そんな中で、少年は何とか言葉を絞り出し、逆にかまし返していく】
【多少おどおどした様子は見て取れるが、その根底にはどうやら、中々に生意気な性格らしい態度が垣間見えるだろう】
【ヤバい、とは思っていても、そこに悪びれた態度は感じられない――――無鉄砲な少年特有の、跳ねっ返りぶりだ】

これもう俺の金だから、兄ちゃん達には……やらないよ、っ!

【ポケットに突っ込んでいた手をさっと抜き放ち、掴まれていた手を振り解く】
【そのまま駆け足で逃げ出そうとした少年。年の割には足が速いが、それも子供の体格では、限度がある。追跡は難しくないだろう】
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 22:07:52.37 ID:Yr4chUWJO
>>194

【──くらり、と洋盃が傾く。中の葡萄酒が大きく波打つた】

【其れは宛ら、朧月に照らされ夜の素顔を見たかの如く】


【朝焼けには美しかった──  】
  【  ──夕焼けには鮮やかだった】
    【  ────然して其の招待は、残酷な朱──  】

【    息を呑んだ。──見知った景色が、急に反転したかの様】


……っ──先ずは聞きたいこと、あぁ、いっぱいあるんですけどっ
姉やは、"姉や"で────良いのかな、鵺は

──鵺は、姉やを信じていいのかな?

知ってます、其の名前がリストに乗っていたことも


【でも、と音律を繋いだ】


────私は自分の目で見たことしか、信じません
虚ろと現の境に住む存在です、其れが私達なのですから
ならば自分の周りぐらい、確かな物で合って欲しい、から


【ねえ、と貴方に向き直る、視線だけ向けて、手は未だ握られたまま】


信じて、いいの──信じさせて


【────────握り返す、強く】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 22:08:28.50 ID:zhdDIjRp0
>>195
「おいおいなんですかー、今度は人をヤクザ扱いですかコノヤロー、あのね〜お兄さん達はそんなお金に興味は無いのー、全くそんな言葉何処で覚えてきたんだか……」
「少年、お腹が空いてるなら一緒にご飯食べるッス、今アタシ達偶然お金あるッスから」

【慌てて振り返る少年から、あろうことか置き引きのピンハネをするチンピラ扱い】
【中々にませた言動と口調に呆れ乍ら】

「あのねーそのお金はあの女の人のでしょ?ほら、返しに行くぞジャ○プ買ってあげるから」
「(今週号まだ読んでなかったッスねそう言えば)」

【グッと、逃げようとする少年の手を掴む、カウボーイとカウガール】
【最も、周囲にはこの二人がいたいけな少年をかどわかす、不貞の輩に見えるだろうが】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/17(土) 22:15:20.35 ID:9OJp8+ugO
>>113>>>193
【店員がオーダーを伝えに厨房に去った、その直後】

────ぎゃは。そいつぁやめといた方がいいんじゃあねぇの?

【隣の席から、いきなり声がかかる。そこに座っていたのは女だ】
【ローブで身を多い、フードまで被った女。おまけにサングラスで表情を隠しているときた】
【──女の肌は、薄紅色をしていた。紅潮している、というわけではなくそれが素の色】
【フードの中では何かが蠢いているのが、はっきりと見て取れた。赤く、太い──蛇のような何かだ】

さっきからちょぉっとてめぇらのやり取り見てたけどよぉ
そのなんとかってぇ法律だか法案だかの話、してんだろ

気にいらねぇか────? “それ”

【女は彼らの意思を確かめるかのように、薄く嗤った】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/17(土) 22:20:44.50 ID:zwJHDPlqo
>>192

【細められた瞳と相対するのは、固定された紫の瞳球】
【この嵐の中で数呼吸、間には沈黙が挟まれるが】

――リクエストに応答します
個体登録名は『レイ』です

所属名:あなたにはアクセスする権限がありません

【やがてシステムメッセージじみた無機質な声が応答する】
【その銃口は男へ据えられたままだが、引き金は引かれず】

【視線だけが動作し、蝶の一匹と、それから倒れた青年を捉える】
【そうすれば再び、その赤い紅を引かれた唇が開かれて】

【 「―――条件一致、引用します」】


『薄汚い手でハニーに触るんじゃねえ』

『そいつから離れろ』

『さもなければその頭にもう一つ尻の穴を空けてやるわ』


【淡々とした口調で、何処かから切り貼りしてきたような言葉を向ける】




【――数日前】

【黒野カンナは捜査本部の暗号通信用機器の前で、そのメモを見つめていた】
【『彼』から渡されたという、とある『電話番号』――】

【――「僕が“どうなっても”、繋がる筈です」】

【何か不穏な予感が脳裏を過ぎった】
【しかし、これが確かに繋がりとなるのなら――躊躇っている暇はなかった】
【彼女は過たずその番号を、通信用機器に打ち込む】


【 「――森島 京さんからこの番号を預かりました」 】



【「こちらは水国公安部特務一課特捜班――『ゼロ』」】



【セレンディピター号へ『三課』のバックアップとしてある一機の『アンドロイド』を送り込みます】
【作戦行動の際に、必要とあれば使ってください。――いえ、全て初期化していますから、もう『レイチェル』ではありません】

【――『レイ』と呼んであげて下さい】



【――時は今に戻り】
【『ゼロ』所属の諜報用レプリカント『レイ』が、そのカメラアイを引き絞り、『蝶』の男をじっと補足した】
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 22:23:31.71 ID:c79as7iW0
>>196


――――ああ、信じていい。俺はもう、機関なんて辞めたからな。


【返事は驚くほど簡潔で、その言葉は驚くほど単調だった】
【言い訳もしない、まどろっこしい説明もしない】
【ただ握った手はそのままで、黄土の瞳はしっかりと蜂蜜色の揺れる眼を見つめていて】

……だが、判断するのはお前だ。ここに居る"元機関"の二人
『六罪王ダグラス・マックスウッド』と、『No.3ベイゼ・べケンプフェン』――。
それがお前にとってなんなのか、決めるのは鵺、お前だ。……そうだろ?

【信じさせてくれ――その要求に答えるのは、非常に難しい】
【だから判断は少女に任せた。その結果が"信じられない"のであれば】
【恐らくそれは、殺し合いに発展するのだろう。それが犯罪者とそうでないものの運命だ】
【だが、彼女が信じられると認めれば――また別の結果に、結びつくはず】【――"ことん"】


「本当はさ、悩みごとがある時は月を眺めると良いんだ。
 今日みたいに風の強い日は良いね、雲が無くて、きっと満月がよく見えるよ
 何も考えないで空を眺めて……でも残念ながら、今は朝だから」

「……コーヒー、飲むかい?」


【いつの間にか、男が――"ダグラス"が、二人の座るテーブルの側へ近寄ってきていた】
【その手にはコーヒーポット。先程置いたのは、鵺の分のマグカップだ】
【瞬きをすれば、今度はテーブルの上に山盛りの角砂糖とミルクカップが現れて】
【もう一呼吸すると、今度はスコーンどころか焼き立てのクロワッサンやスクランブルエッグ、ケーキなんかが盛られた皿が出現する】

【――はぁ、というため息が聞こえた。無論それは、アナスタシアであり、ベイゼである女性のものなのだが】
【何を考えているのか――何も考えていないのか、男の出現させた品々は、ひどく良い香りをさせていた。それは、紛れもない事実だった】
201 :?????? ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/17(土) 22:25:17.75 ID:wRwubP1v0
>>197

が、ガキ扱いすんなよ!

【ついさっき、自分の事を「こんな子供から」と言っていた舌の根の乾かぬ内に、子ども扱いするなと反抗する】
【これが置き引きをやらかす窃盗犯でなければ、まだ微笑ましい稚気と言えたのかもしれないが――――】

あっやべ……は、放せ!

【逃げ果せようとした少年の目論見は失敗し、振り解いた腕を再び掴まれてしまう。今度は不意を突いて振り払う事も難しいだろう】
【少年の表情に、確かな動揺が走った。このままじゃ不味い。何とか逃げ果せなければ――――と】
【2人の胸中を知らず、このままでは彼もこっぴどく叱られる事になるだろうと、そんな危機感を抱いていたのだ】
【叱られるのは嫌だ――――なら、何とか逃げ切るに限る】

ッ、もう怒った。もう許さねぇからな! 今すぐ放せよ、さもないと……!!
――――“Mighty Obstacle”……行けぇ、オニギリ丸!!

【こうなれば、強硬手段――――少年の顔が強張る。覚悟を決めた様に2人を睨みつけると、掴まれていない方の手で、そのやけに膨れているパーカーの前ポケットに手を突っ込み】
【何かを握り締め、抜き放つと、その場に放り投げた】

【――――それは、人形。正確に言えば、クレーンゲームの景品か何かの様な、フィギュアの様なもので】
【しかし、少年の体から、黄金色のオーラが立ち上ると共に――――手で握るほどの大きさだったフィギュアが、徐々に巨大化していき】
【最後には、等身大と言えるだけの大きさにまで巨大化。そして、少年と同じオーラに包まれる】

「――――邪悪なる妖鬼、拙者が斬る!」

【2つのオーラが収まると、かつて人形だったものがそこには鎮座していた】

【空色の長髪を伸び放題にしてざっとまとめたものが、サークレット状の兜から大きくはみ出し】
【全身を緋色の甲冑で覆い、手には独特の波紋の刀を携えた、櫻の国の武者然とした姿の青年】

【もはや、その存在は人形では済まされない。全く生身の人間と変わらない1人の人間『らしきもの』が、その場に現れたのだ】

オニギリ丸、そいつらをやっつけちまえ!
「拙者の、『霊刀斬鬼』……味わうが良い!」

【少年の声に従い、現れた武者は掴まれた手に対して、手にした刀で突きを見舞う】
【その力は――――見た目通り、真剣のもので。武者は2人を敵とみなして、襲い掛かってきたのだ】

/すみません、今日はそろそろ休まねばならない時間になりました。置きへの移行、お願いできますか……?
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/17(土) 22:27:12.70 ID:56J7G6UT0
>>198

「……あァ? 誰だお前。俺様は、やァめねェーぞ」

【突然話しかけられたからだろう、不意を付かれたのか少々威圧的な返事が返される】
【とはいえ、敵意は特に感じられない。もしかするとちょっとだけびっくりしただけ……なのかもしれない】
【蠢くフードに気を取られつつも、その者は彼女に対して悪い笑みを浮かべながら目線を向ける】

「聞ィかれていたか――ククッ。気ィに入らねェか、だァと?」
「――当然だァろう? 普通の奴が持ォッてねェ力を制限しィて何になァるんだか」 『…………』

【強気な表情と口調。その意志は、堅い。】

【補足――諦めた表情でやり取りを静かに聞く、テレビ電話の相手……それは】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男だ。左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 22:30:34.51 ID:zhdDIjRp0
>>167
「解った……勿論だ」

【鈴音の言葉に素直に従い】
【カウンターに拳銃と銃剣を置いた】
【これで、大丈夫か?と言うように再び顔を覗き込む】

「それに関しては任務の内容だが……」
「櫻国魔導海軍では、現在カノッサ機関の動向に神経を尖らせている」
「自国内では調達できない情報を、他国に赴き潜入とその他情報収集によって情報を集め本国に送っている」
「これが、諜報員の仕事だ、俺が派遣されたのが水の国、というわけさ」

【自分の任務と目的を簡潔に述べる】
【次いで、諜報員に関しても簡単に説明をする】
【無論、軍事に明るくない少女なら疑問と思い、気になるのも仕方がない話だ】

「その過程で俺は公安の、この場合『良識派』とでも呼称しようか、そういう関係者と知り合い」
「水の国、ひいては世界に迫る危機を知って、こうして動いているわけだ」

【簡潔かつ、解りやすく説明を】
【やがて】

「そうだな、『千本』でも万本でも飲んでやろう」
「……ようやく、笑ってくれたな」

【少女の問いかけとも思える言葉に、こう答えた】
【そして、それに笑いを浮かべる少女に、こう自らも笑みを浮かべて】

//遅くなりました、すみません
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 22:31:47.49 ID:zhdDIjRp0
>>201
//はい、大丈夫ですよ
//置きスレにレス返しておきます
205 :?????? ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/17(土) 22:33:19.72 ID:wRwubP1v0
>>204
/すみません、それではお願いしますー!
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 22:37:50.15 ID:Yr4chUWJO
>>200

【握った手に、感じぬ温もり──其れが貴女の証左】
【偽りは無い、虚飾など無い全てはそんな、そんなもの】
【其の冷たさが真実だった、有りの侭の姿──】

【くしゃり、と頬が緩んだ、分かっちゃった、って顔をして】


──もう、姉やが悪い人じゃないなんて分かりますよ
何かがあったのも分かります、そりゃ鵺ちゃんも悪い事の一つや二つ
……いや百つかな?ぐらいはしましたし

過去に何があったかなんて、些細な事だなって、思います
鵺の知ってる姉やは、口が悪いけど優しい、優しい姉やで
それでいて、ちょっと不器用な、そんな素敵な人、だから


【白い髪が頬を濡らした。無垢白は気高く美しく】
【隙間風差し込む宵月に似て、微笑む姿を修飾したなら】
【えいやーっと、お返しする様に両手を離して勢いよく貴女の頭をごしごししようとする】

【身長さもあって大分テーブルに乗り出す様な体勢】


──鵺ちゃんは分かってしまいました、この人はいい人です
コーヒーはたっぷりのお砂糖とミルクが無ければ飲めません、えっへん
月は好きですよ、潜入任務には月明かりは心の支えになります


【餌付けされる猫のよう、現れた満漢全席(比喩)に魅了されて】
【歓喜の声をあげて、コーヒーにいっぱいの砂糖とミルクをいれて、飲み出すだろう】
【警戒心は微塵もない、これでいいのか】
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/17(土) 22:41:57.35 ID:9OJp8+ugO
>>202
【女はその返答を聞き、余計に口元を弧に歪めた】
【彼の言葉は、女が待ち望んでいた返答そのもの】

──くく、ぎゃは、はっ……!
おいおい、あたしが言えたことじゃあねぇけどなぁ…………“そんなこと”大声で、しかもこんなとこで言うもんじゃあねぇよ
連中に聞こえたらどうすんだ、なぁ?

【「ほら、連中ってえのはあれだよ。てめぇらの気にいらねぇやつだよ」】
【そう、補足をして。女は一方的に話を続けた】

当たり前だ。自分の持ってる力を好きに使ってなにが悪い。自分が楽しく生きてなにが悪い
てめぇらの言うことにはすげぇ同感する。ヒャクパー同意、ってぇやつだ

…………だがな、ちょっと。ちょっとだけ、待てよ、な?
例の法案を通したがってるヤツら……あたしにはちょっとだけ心当たりがあるんだ

てめぇらの出自がどうかは分からねぇが──ヒトん中に紛れてる同士だ
あたしの話ぃ、ちょおっとだけでいいから聞いちゃあくんねぇか?

【す、と女はサングラスを少しだけずらす。──そこにあったのは、真円の目だ】
【金色の中に黒くスリットの入った……ヒトでは決してありえない目】
【更には女の右手が、ほんの少しだけ変化を見せる。肌色がじわりと赤みを帯び】
【手のひらにはぶつぶつと、吸盤のようなものが浮かびあがってきた。変身能力か、あるいは】

【もしも彼が女の話に興味を示したのであれば、彼女は場所を移すよう提言する】
【何せ公共の場だ。誰が聞いているか分からない。移動先に選ぶのは、路地裏の何処かだ】
【もちろん相手がそこより最適な場所を知っているのであれば、其方への移動に文句はないと言うだろうが】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/17(土) 22:46:47.36 ID:CijCrX4e0
【データベース―破損。バックアップ―破損。任務目的―解読不可。救難信号―破損】
【自我認識―復旧中。記憶回路―破損。Ωsystem―正常。Ωbody―一部破損】
【再起動―エラー。再構築―エラー。自壊プログラム―エラー】
【信号:レッド。警戒度―零。自己修復プログラム起動――――……】

【此処は曾て戦場、と呼ばれていた場所だった。何の為に行われたのか、何故起きたのかは最早誰も分からない。迎えた結末すらも】
【時が経ち、其処は観光名所となった。中でも人々の目を惹いたのは無骨で巨大な機械。其れは現代で言えば人型戦闘ロボットと称されるだろう】
【そう、現代で言えば……だ。しかし過去。それもずっと昔にそれが存在して居るのは時代錯誤も甚だしい】
【オーパーツと言うにはあまりにも謎めいて居たが、やがてはその事も人々の興味の対象から薄れ存在を忘れ去られる】
【更に時は進み、現代。苔むして時間が停止していたその空間をゆっくりと動かし始める存在が居た】

「(――……何故、私は此処に居るのだろう。私は、何だ)」
「(此処は何処だ。私は――……何なのだ)」

【大人の女性、と呼ぶにはまだ幼さも残る女。色素が抜けた様な白髪に、同じ白い肌。裸体であるからこそ、月の光はより一層その白さを強調する】
【よく見れば古の機械の腹部に当たる部位にはぽっかりと大きな穴が出来ており、其処からはナニカの粘液らしき物】
【女の身体も濡れている事から、恐らくは人間の出産にも似た状況か。たった今、機械の中からこの女が生まれ出た。そんな所なのだろう】
【身体の全てが白である中、唯一紅い瞳が辺りを見回す。初めて踏む大地の感覚。身体を撫でる風。誰しも疑問に思わない感覚が、この女にとっての疑問】
【もし偶然にも誰かがこの場を訪れたとすれば、それもまたこの女にとって興味の対象で】【データベース―破損。バックアップ―破損。任務目的―解読不可。救難信号―破損】
【自我認識―復旧中。記憶回路―破損。Ωsystem―正常。Ωbody―一部破損】
【再起動―エラー。再構築―エラー。自壊プログラム―エラー】
【信号:レッド。警戒度―零。自己修復プログラム起動――――……】

【此処は曾て戦場、と呼ばれていた場所だった。何の為に行われたのか、何故起きたのかは最早誰も分からない。迎えた結末すらも】
【時が経ち、其処は観光名所となった。中でも人々の目を惹いたのは無骨で巨大な機械。其れは現代で言えば人型戦闘ロボットと称されるだろう】
【そう、現代で言えば……だ。しかし過去。それもずっと昔にそれが存在して居るのは時代錯誤も甚だしい】
【オーパーツと言うにはあまりにも謎めいて居たが、やがてはその事も人々の興味の対象から薄れ存在を忘れ去られる】
【更に時は進み、現代。苔むして時間が停止していたその空間をゆっくりと動かし始める存在が居た】

「(――……何故、私は此処に居るのだろう。私は、何だ)」
「(此処は何処だ。私は――……何なのだ)」

【大人の女性、と呼ぶにはまだ幼さも残る女。色素が抜けた様な白髪に、同じ白い肌。裸体であるからこそ、月の光はより一層その白さを強調する】
【よく見れば古の機械の腹部に当たる部位にはぽっかりと大きな穴が出来ており、其処からはナニカの粘液らしき物】
【女の身体も濡れている事から、恐らくは人間の出産にも似た状況か。たった今、機械の中からこの女が生まれ出た。そんな所なのだろう】
【身体の全てが白である中、唯一紅い瞳が辺りを見回す。初めて踏む大地の感覚。身体を撫でる風。誰しも疑問に思わない感覚が、この女にとっての疑問】
【もし偶然にも誰かがこの場を訪れたとすれば、それもまたこの女にとって興味の対象で】
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 22:47:41.06 ID:XLLvyehJ0
>>203

そうかな――――ずーっと、笑ってたよ?
お客さんには笑わなくっちゃ、給仕さんだから――。

【相手が拳銃と銃剣を机に出せば、少女が一度「触ってもいい?」と聞いてから、相手が置いたより、もう少しだけ……自分の側へ動かそうとするだろう】
【怪しいことをすればこの銃でもって撃ち抜いてやるとでもいうみたいに――だけど相手にはきっと気づかれるだろう。この少女、銃に慣れていないみたいな、触り方をした】
【それどころかちょっとおっかなびっくりですらある。ただそうでないみたいに振る舞うのだ、鉄砲とか見慣れているし、もういっぱい撃てちゃうし、みたいな"ふり"】

…………わたしが知っていることと、セリーナが知っていること、一緒だとは限らないよ。
わたしとセリーナ、どっちがいっぱい知っているかも……分からない。それは分かっていてね、じゃあ、お話だけど……。

【それでも相手の得物であるなら、怒らすほど失礼な触り方はしないはずだ。もちろんよく知らないからこその失礼はあるかもしれないが――その時は、それこそ素人であるのがばれる】
【あくまで常識的に触って良さそうなところを触れてちょこっとだけ動かすだけ。そういうつもり、相手の目にどう映るかは分からないけど――いちおう】
【壁に飾られるものを手入れしているところは何度もなく見ている。だから……よっぽど変なことは、しない、多分】

――あなたが知っていることをわたしは知らないし、わたしが知っていることも、あなたは知らないの、何を知っているの?
えっと……その公安ゼロ、……"良識派"というひとたちとか。それはだれ? 

【それで――少女は手を彼から見える位置に、だけれど不自然のない机の上の一か所に乗せるだろう、ふざけるほどでもなく、机の木目を指先が撫で】
【相手とて、世間話をしに来たわけではないだろう。なら――さんざっぱら疑った分の時間ももったいないみたいに、切り出すのは、いきなりの本筋、本題、おいしいところ】
【まず互いに知っていることと知らないことを擦り合わせる必要があるだろう。ならば真っ先に彼女が気にするのは、良識派と称された公安――彼と組むという、ゼロ】
【公安という単語に反応した。円卓という言葉も知っているようだった。機関という単語に疑問も見せなかったなら、それらが関わり合っていることを知っていただろう少女は】
【だけれどその良識派というものを知らなかった――執拗に疑っているわけではない。この状況を作ってまで疑う必要はあまりない。なら……これは、知らないものを教えてほしいだけ】

【あどけない顔も――こうして冴えると、いやに大人びて見えた。青みの強い明かりの下で見るお人形さんみたい、じっと――相手を見据えて】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/17(土) 22:49:21.56 ID:P1d7go07o
>>199

【──“レイ”の語る言葉を受けて、男は笑みを浮かべる】
【システマティックな受け答え。切り絵のような会話。彼女の正体は、大体知れた】


「はっはっは、ロボットね。成程、意味分かんないな。」


【銃口にも臆することなく、彼は両手を広げ、レイに背を向ける】
【“蝶”の様に着物の袖を垂らし、一回転して再び彼女に向けられた顔は──】


「いや、本当に。機械かよ。全然“自由”じゃねぇ。」


【笑みを消して、片目を釣り上げ。隠しようもない不快感を湛えていた】


「確かに金は欲しい、貧乏は不自由だからな。コイツここで落とせば、“二重取り”だし。
 今回は俺の“舞台”じゃないから、それほど拘りもないんだ。端役が声張っても邪魔だろ。
 ── でもさぁ、それでも、こういう場所って面白いモンが見れるんだよ。それが楽しみで、楽しみで。
 それが味わえるなら、金も、コイツの命も、どうでもいいんだけど、さ。」


【だらり、と蛇が首を擡げるように、手首を曲げながら両手が差し出された】
【小さな“蝶”が手の甲に密集する。 個々の“蝶”の有する魔力が一層、膨れ上がり──】


「決めた。 俺は“お仕事”を優先することにする。」


【一斉に、“蝶”が弾幕のように放たれる。有するのは、ある程度の追尾性。何かに触れれば、“爆発”する】
【速度はそれこそ、蝶のように、軽やかに──目に留まる程度に、疾く。レイへと接近していくだろう】
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/17(土) 22:58:51.85 ID:56J7G6UT0
>>207

【ご注文の品です――なんて店員が置いていった立体ラテアート……とぐろを巻いた蛇はとても良くできていた】
【飲食店的にそれはどうなのかと思われるフォルムだが、基本的な色は白いのでセーフだ、きっと】
【スマートフォンでパシャリと一枚撮影、その後、会話を続けつつ立体部をかじったり、中身を飲んだり】

「聞こえても問題ねェーな、俺様は超強ェんだ……」
「まァー、法案通す側が俺様を出汁にしィかねねェけど。いィや、既に出汁にしィてたりしィてな! ヒャハハ」

【――その言葉の後は、彼女の話を静かに聞いていた。】

「待ァてと言ィわれて待ァつ俺様じゃアねェ……ほォう? 心当たりがあァると?」

【明らかに興味を持っただろう表情の変化。キラリと、目の奥が光る】
【サングラスに隠されていた人ならざる目、それと右手の変化も見逃さず】

「人外同士だ。良ォいだァろう……聞ィいてやるぜ」 「レオーテヴュート、必要になァッたらまァた呼ォぶ」

【フルHDTVが独りでに折り畳まれてゆく。テレビ電話の相手である男が『相変わらず自分勝手』なんて毒づいていて】
【その畳まれたTVをスマートフォンに重ねるようにして持った後――お会計。値段的に、結構色々頼んでいた様子だ】
【――その者は特に場所を指定したりはせず、彼女の提案する移動先におとなしくついてくる】
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/17(土) 23:04:22.46 ID:P1d7go07o
>>199

【数日前の連絡の際。通話口に出た“黎”と名乗る男は、こう言った】

【「──“我々”は、まだ『ゼロ』を信用するには至っていない。」】
【「こうして連絡を取る事自体、相当の譲歩だと理解して頂きたい。」】
【「その上で、支援は受け入れる。だが、その余の課員の理解を取り付けることはできない。」】
【「現場では、森島京の指示に従って貰う。恙無く任務が終われば、“次”の話に移ろう。 以上だ。」】

【つまり、『レイ』がその役目を果たすのならば、『ゼロ』自体に一定の信用を持つことが出来るということ】
【同時に、その慎重な態度は“三課”が公安の“闇”を察知し、警戒を抱いていることを意味していた】

【当然、現場でレイと接触したのは、森島京だけ】
【──、彼は申し訳なさそうに、彼女に対して他の課員と接触させることはできない、と説明して】
【頼んだのは突入のバックアップ。 自分達の誰かが危機に瀕すれば助けて欲しい、と、各員の写真を見せた】
【本当は写真も秘密なので、話さないでくださいね、と、手を差し出し──】


【「よろしくお願いします、レイさん。」】


【そう、微笑んだのだった】
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 23:07:19.14 ID:c79as7iW0
>>206

分かってくれたなら、それでいい。
後で仲間に知らせるなんてのがなければ、尚更な。
……まあ、そんな事はしないだろ、鵺?

あとな、不器用ってのは言わなくても良いんだよ…――な、ッ…この……!

【ほんの少し話しただけで、こうして通じあえる相手もいる】
【それをこの女性は知っていて、だからこそ鵺の言葉を同じように判断して、信じた】
【確かにちょっと不器用で――言葉は足りていなかったのだが】

【――ごしごしと頭を撫でるようにされれば、手を跳ね除けようと暴れるのだが】
【触れた感じで分かるだろうか。この黒髪は間違いなく、染めたものだ】
【少しだけ髪が傷んでいた。定期的に染めている――そういう事情なのだ、と分からせるのには十分で】

「そうだろう?僕はさ、人から言われるほど酷い人間じゃないと思うんだ
 確かに過ちの百か千か、まあ沢山踏み外してきたわけだけれど
 別に歪んだ性癖を持っているわけでも、戦争や人殺しが好きなわけでもない

 僕が好きなのはただ月だけで……――あぁ、良いね。
 誰にも言えない独りの夜は、月が寄り添ってくれるから」

……これ喰ったら帰るぞ、月馬鹿。

【さて――出された品はいずれも一級品。空想する品を、そのまま頭の中から引っ張り出してきたかのよう】
【砂糖もミルクも市販品とはわけが違う。そのまま別な店が開けそうなレベルだった】

【――仕方なしに、アナスタシアもおかわりと、それから軽食とを取っていって】
【二人がかりならすぐに片付くだろう。落ち着いた頃合いで、ぼちぼちと客が入り始め】
【店の奥からは初老のマスターも姿を見せる。どうやら、コーヒー豆を調達してきたようだった】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 23:15:47.60 ID:Yr4chUWJO
>>213

【貴女の言葉を聞いてふふん、と不敵に笑う】


さーっどうでしょぅ!姉やの秘密を握ってしまったからには、鵺ちゃんが一歩リードなのです!
可愛い可愛い姉やの、可愛い可愛い姿を鵺ちゃんが堪能することも……あれ?
姉やの髪ごわごわしてるです、少し傷んじゃってますねっ

髪染めるのは鵺ちゃん全然いいと思うし、実際姉やによく似合ってるけど
あーっわかった!絶対てきとーに染めてるでしょ!
待てないとかでちゃんと乾かしてなかったり!
染めむらは無いけどっ、綺麗な髪がかわいそーっ!


【──存外、恐ろしい相手に秘密を知られたかもしれない】
【相変わらず喧しい、それでいてバランス感覚がいいので、中々払い除けられない】
【漸く引き剥がされ、ぽすん、と椅子に座った】


良くわかんないですけど、そんなに月が好きなんですねっ!
鵺ちゃんはそこまで月が好きな理由、分かんないですけど
なんか、そこまでゆわれたら、今度じーっくりみてみようかな、って思うのです

いつからそんなに月が好きになったんでふか?


【またしてもお行儀が悪い、クロワッサンやスコーンに舌づつみを打って】
【暫し食べながらお話するだろう】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/17(土) 23:15:52.11 ID:zwJHDPlqo
>>210

【滔々と語られる男の言葉を、『レイ』の集音器を介して聞いた彼女は眉をひそめる】

(……雇われのヒットマン、ってところね)
(思想で動いてる訳じゃない、のか――)

【『レイ』は純然たる機械らしく、言葉には気の利いたリアクションを返さないが】
【魔力の収束を検知し、その視界にも『蝶』の密集が捉えられば――】

(――レイ。セーフモード解除。対象αを速やかに無力化)

【[――リクエストは受諾されました]】

【その時、『レイ』のもう片掌に、音も無くもう一丁の自動式拳銃が出現】
【すう、と達人の武術演舞じみた静謐な動作で、互いの腕が体前で交差し】

【「――条件一致、引用します」】


 『ミートパイの具にしてやるわ』


【刹那、炸薬が連続して弾ける】
【その銃口から機関銃の如き怒濤の勢いで銃弾が射出され】
【踊るような腕の動作と共に、展開された蝶の一匹一匹へ正確に発砲する】

【弾幕に対して、弾幕を】
【銃弾と蝶、互いに衝突しあえばそこかしこで火花の散る如く爆発が瞬き】

【その熱風の余波がレイの髪や衣服の端を嬲っていくが、明確な損傷では無く】
【粗方を落とし終えれば、二つの銃口を真っ直ぐ着流しの男へ据えて――引き金を引く】

【射出された弾丸は、ぱり、と青白い電流を纏い】
【互いに螺旋状に絡まり合いながら一度上空へ舞い上がると】
【さながら弾道ミサイルの如く、男がいる地点へと着弾していくだろう】
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/17(土) 23:19:34.24 ID:9OJp8+ugO
>>211
【相手の注文したラテが席に届けば、「ぎゃは、うまそうじゃん」「今度あたしも頼むかな、それ」】
【そんな風に冗談を飛ばし、彼がそれを飲みきるのを待つのだろう】

っしゃ、話早くて助かるぜ

【──『聞いてやる』その一言が出てくると、心なしか女は安堵の表情を漏らす】
【彼女にとっては、このやり取りは幾許かの賭けだったのだろう】

【そして彼らは会計を済ませた後、路地裏へと移動する。女が頼んだ飲み物は2杯ほど】
【1杯目を飲み切った後、ずっと彼らの会話を盗み聞きでもしていたか】
【「あたしな、ミラ・クラァケってんだ。クラァケさんとでも呼びな」──道中、軽い自己紹介くらいはあるだろう】
【「あたしは蛸。知り合いに蛇の子孫がいるな」その程度の雑談も交えながら】
【辿り着いたのは本当に適当な路地。誰も聞き耳を立てていなさそうな、ひっそりとした場所だった】

さぁて──どっから話すかな。声かけたはいいものの、小難しい話はよぉ、実は苦手なんだ

ま、でも声かけちまったもんはしょうがねぇ
とりあえずは例の法案の話だ。あんた、“公安”が今、やたらクッセェ動きしてるの知ってっか

【──彼女の話はこうだ】
【公安という組織に、“黒幕”という連中が絡んでいること】
【“黒幕”は世界を“変える”といいながら、恐らくは能力を持つものを消そうとしていること】
【公安は“黒幕”に協力している。恐らくは警察の中にも“黒幕”側の人間がいるであろうこと】

【「見ろよ、あたしの顔。これ、ちょっと前まではしっかりヒトの皮ぁ被れてたんだぜ」】
【「それを──あたしのチカラを、“婦警”が消しやがった」】
【「1ヶ月も前のことか。最近ようやっとチカラが戻りかけてきてよ。リハビリ中だぜ、ぎゃは」】

【そして──彼女は今、“黒幕”を倒すために仲間を集めている最中だと語った】

幸いなことに金はある。スポンサーがついてるもんでな

今ここで下手に法案賛成派の連中をぶち殺しでもしたら、それこそ世論が法案を可決しろって方向に傾きかねねぇ
多分、法案なんてどうでもいいって連中もいるが……そいつらが能力者どものことを危惧しだしたらマジでやべぇ
それに…………ひとりで動いてたら連中、多分“消し”にくるぞ。実際、あたしはやられかけた

こーいうときはあれだぜ。一人一人バラバラに動くよりも、固まって動いた方がやりやすい。“待て”ってぇのはそういうことだ
あんた──連中のこと気にいらねぇんだろ。少しだけ、手ぇ貸しちゃくれねぇか

【仲間になれ、とまでは言わない。ただ、一時的に共同戦線を張らないか】
【彼女の言うことは、つまりそういうことだった】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/17(土) 23:25:45.75 ID:9OJp8+ugO
>>216
/【「例の法案は、多分“黒幕”連中がやろうとしてることじゃねぇかな」】
/【「能力だの魔術だのをどうこうしようってぇのが最高にくせぇ」】
/【そう、ミラは語った。あくまで予測の範疇。だが、今までのことを考えるとそう推察するが妥当だと告げる】

/一番大事なとこ書き忘れてました!どっかに入れといてもらえれば!
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/17(土) 23:34:34.53 ID:zhdDIjRp0
>>209
「ああ、それは好きにするといい」
「なんなら、構えながら聞いてもらっても構わない」

【少女は不慣れな手付きで拳銃に触れようとする】
【どうにも、見慣れてはいるが、扱い慣れては居ない様子だ】
【妙に微笑ましいとすら思えてしまう】
【恐らく、この状況ならどんな触り方、持ち方をしても怒ることはないだろう】
【やがて】

「わかった……」
「では俺から話そう」

【やや、一呼吸分間をおいて話し出す】

「先ずカノッサ機関に関しては説明は不要、か」
「このカノッサ機関を支持し、カノッサ機関を持ち上げ表裏共にこの世界の支配者たらしめようとする組織、それが黒幕と呼ばれる一派だ」
「この黒幕は、公安内部とその支援者で構成された組織だ、これには反能力者の過激派閥も含むな」
「これに対しカノッサ機関をあくまで裏の世界での支配者とし、国からその利益を吸い上げる一派、これが円卓だ、これは政財界を中心とした一派だな」
「両派閥はカノッサ機関の扱いに関してもさることながら、その『能力者』の扱いに関しても真逆だ、対立しているわけだ」
「これに対し、公安ではこの二派閥の毒手から逃れている者、とりわけ秘密裏に結集されている者達がゼロとその協力者達だ」
「俺もこれに含まれるな」

「さて、俺は魔導海軍司令長官の命令によりカノッサ機関を追っていたが、その過程でこの公安ゼロの協力者と接触した」
「彼が語るには、ある公安捜査官の逮捕劇がこの話が明るみに出る発端だったと言う」
「ある公安捜査官が国家反乱罪で逮捕される事件があった」
「これは結論から言うならば偽装逮捕だった、その捜査官は円卓の企みを知り、その構成員が記されたリストを所持していた」
「恐らく構成員逮捕に踏み切ろうとしたんだろう、所が、公安内部には既に円卓の息のかかった捜査員が居た、彼は罠にかけられたわけだ」
「逮捕はこの捜査員を守るための措置、しかしこれを良しとしない勢力があった、これが黒幕だ、狙いは彼の所持する円卓構成員のリスト」
「なんとかリストは両勢力の手から守ることは出来たが、これにより公安、円卓、黒幕、政府の癒着が浮き彫りとなった」

【ここでやや間をおいて】

「そして、先だって水国豪華客船セレンディピター号にて、俺は襲われた」
「セレンディディピターはそもそも、機関や黒幕、円卓の人間たちも出入りする、犯罪の温床、悪い話しか聞かない場所だが」
「襲った相手は船のパトロンと呼ばれる企業の一つレヴォルツィオーン社、奴らは生きている人間を何らかの手段で改造し、決して死なない考えることもない」
「そう、まるでゾンビのような……不死の軍勢を製造これをカノッサ機関や円卓、黒幕や各地の軍隊等に売りつけ、戦争をコントロールし、自分達が世界の支配者に君臨する事だ」
「加えて、これはまだ未確認の情報だが、機関に潜入している協力者からの情報だ」
「カノッサ機関六罪王の一席が埋まり、各地で動きを見せ始めた」
「さらに、水国では先だって『魔能規制法案』が提出され、国民感情も能力者規制に動き始めている」
「明らかに黒幕による行動だ」
「加えて、場所や時を選ばず、黒幕の人員であろう謎の『婦警』の出現も記録されている」

「機関に絡む色々なことが、一度に動き出している」
「だからこそ……時間がない我々ゼロと関係者には協力者が必要なんだ」

【長い話だが、ここまでを語り終え】
【溜息を一つ吐いた】

「これが俺が掌握している状況だ」
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/17(土) 23:43:51.90 ID:P1d7go07o
>>215

【嵐の中、無数の爆発が両者を照らす。ひゅう、と、男は口笛を吹いた】
【人間のフリをする機械など全く好んだものではないが、“機能”の高さは目を瞠る物がある】
【──誘爆も相俟って、全ての“蝶”が雲散霧消し、風雨に紛れるように消え去った】
【その雨を切り裂くように、雷光の如き弾丸が迫り──、】


「……、おいおい、曲がるのかよ──ッ!!」


【展開しかけた“血の盾”を、弾丸の変化に対応して上方に切り替える】
【──、が、直前に強度が足りない、と判断し、盾に魔力を流し込む、すると】
【ボンッ、 と雨音に遮られながらも響く “爆音”。 自爆し、無理矢理に弾丸を弾き飛ばしたのか】

【同時に、雨の向こうの男の影が消えた。甲板に走った衝撃からして、下の階まで突き破って落ちたらしい】
【これで仕留められてはいまいが、しばらくの時間的猶予は得られただろう】


 ……っ。


【青年──、森島が、小さく声を上げて、目を覚ました】
【その身体は船の縁で、今にも落ちそうな、ギリギリのバランスを保っている】



【 ── 】


 【──甲板の下。木材に埋まりながら、男は唾を吐く】
 【会話は楽しくないし、相性は悪いし。 金に見合った仕事ではない】
 【ダルハイトだけから金を貰って、此処は降りた方がいいかな、と思いながら──渡されていた、通信機のスイッチを入れた】


「なぁ。面倒臭くなって来たんだけど、どうする。倍出すなら何とかするけどさ。」


 【“えぇ〜、戒能さん、ダルハイトからボーナス貰えるからこれでいい、って言ったじゃないですかぁ。”】
 【“薄給なんですよぉ。お小遣いは『みっちゃん』と均等に分けるから少ないし──”】


「機械が相手なんて説明されてないぜ。楽しくない仕事は、当然高くなる。」


 【“……分かりました〜。ちょっと『みっちゃん』に訊いてみます、待って下さい。”】

 【「ねぇ、『みっちゃん』。 どうしてもあの人、欲しいんです。」】
 【「きっと、皆の役に立ちます。──それに、分かるでしょう。あの人と私達、きっと気が合いますよ。」】
 【「だから、お金はんぶんこにしませんか?」】


【いいねぇ、イカれてる。心中で呟きながら、男は天井から見える荒天を見て笑った】
【──、やっぱり、人間のほうがかなり面白い】
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/17(土) 23:44:54.36 ID:c79as7iW0
>>214

……そんな事した日にはお前をとっ捕まえて
椅子に縄で縛り上げた後、目の前でデザートの食べ放題でも楽しんでやるよ。
泣いても謝っても、味わえるのは匂いだけのスイーツパラダイス。楽しみだろ?

ん?んー、あー……まあ、黒くなれば良いだろ、別に

【対抗策がいやらしいのは素の性格なのか、それとも機関員だった名残なのか】
【拷問のような言葉をさらりと述べながら椅子に座り直して】


「そうだよ、好きなんだ。なんなら愛してると言い直してもいいね
 明るい顔もあれば暗い顔もする、気分屋な彼女が好きなのさ。

 ……でも、じっくり見るのはオススメしないな
 魅力的だけれど、絶対に手に入らない。そういう物を見つめるのって、虚しいからね。
 おすすめは、何も考えずに空を眺める、なんてくらいかな

 ん?いつ、から……さあ、考えたこともなかったな
 子供の時からだと思うけど……"能力に気付いた時"、かな?」


【返事は、案外淀んだものだった。というより、考えた事がなかったのか】
【"恋は盲目"なんて言うが、彼の場合はそれに該当するのかも知れない】
【好き、でも理由は分からない。いつからそうなのかも不明なまま】
【ただ思い当たる節は、あるのだろう――ちょっとだけ、黙り込んで】


……話があるなら、後で電話でもしたらどうだ?
どうせバレてんだ、泊まってるホテルの番号でも伝えとくか?


【ふぅ、と一息ついた女性が立ち上がる。手にはコーヒー一杯とスコーン分の領収証を持つ】
【すなわち、帰りの用意。鵺を一瞥して、お前はどうする?なんて風に首を傾げた】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/17(土) 23:51:52.12 ID:56J7G6UT0
>>216

【"蛸か、茹でたくなるな"――なんて、本気ではない適当な冗談を言いつつ】
【自分は邪禍と呼ばれる超強い悪魔であり、指名手配されてるらしい(……事実だが)ことも明かすだろう】
【――と言っても、サングラス1つで隠せる程の無個性な見た目でないため、既にバレていたのかもしれないが】

「……そォーだな、公安に関しては俺様もちょいと気ィになっていィたところだ」
「正義の心をぶゥつけて来ィた奴もいィれば、一方で世界を滅ぼすなァーんて噂もあァってな」

【――――】

「公安に黒幕、ほォう……公安の黒幕じゃアなく、公安と黒幕か――そォれはさァておき」
「……能力を消ェされた? そォいつは厄介だ……そォーんなこォとさァれたら俺様は消ィえるかもな! ヒャハハ」

「なァるほど、能力者を消ェすか――ククッ、俺様はそォーいうの大嫌い」
「天使の糞どォもを超絶思い出してな……可能性を消す、糞どォもだ」

「――暇潰しにどォーっかテロっとこォーかと思っていたが、そォーなると自重せェざるを得ェねェーな」
「まァ、俺様は消ェされねェが」

【先程、消える可能性を示しつつのこの発言。自信があるのか無いのか――】

「……ククッ、だァから手ェを貸ァせと」

【後ろを向き、数歩進む。そして、振り向き直す――思わせぶりな、挙動】

「良ォいだァろう……俺様の求める世界への道を潰される前に、奴らを潰しておォきたいとォころだァからな」
「だァが、……ククッ、俺様は荒っぽいんでなァ……こォーいうゴタゴタの解決は好ゥかん」
「――裏だ。裏かァらだ……俺様は"モノ"をお前らに一時的に提供すゥる――俺様自身気ィが向ゥいたら荒事関連に顔を出ァす……どォーだ?」

【――結論としては、OKという事なのだろう。】
222 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/17(土) 23:52:49.45 ID:8sdh5Njjo
>>179
【首を傾げる様子。その目の昏さ。狂気と悪意を身に纏ってここまで生きて来たカニバディールにはわかる】
【この男もまた、怪物だ。自分とはまた性質の違った、恐るべき異物だ】

とんでもありません。見事な擬態でしたよ
そうでしょうな。能ある鷹は、と申します。現に私も、見る目のないばかりに虚を突かれる羽目になりました

ありがたいお言葉です。警備員としては、最大級の賛辞ですよ

【カニバディールもまた笑みを形作るが、どうにも引き攣りを隠せていなかった】
【カニバディールとて邪悪なるカノッサ機関員として、あらゆる悪事に手を染めた外道】
【だが、それでもこの男から感じ取れる邪悪さには、怖気を感じずにはいられない】


開発主任……あのレヴォルツィオーン社の……!!

……貴社のお噂はかねがね伺っておりました。この船の中でも、確かな影響力を有するパトロンの一角として
あるいは、死すら超越した恐るべき力を生み出す組織として……

この船では、代理人@lがその窓口となられていたと聞き及んでおりますが
どうやら、貴方はその方をは違うご様子で……

【続く言葉には、思わず驚愕を露わにする。レヴォルツィオーン。積極的に裏社会の情報を集めて回るカニバディールは】
【公安の一件に関わる前から、その名は耳にしていた。当然、この船に乗り込んでからも、幾度となく】

【薬品と兵器の開発を主な事業とする企業。表にも裏にも一定の知名度を持つ彼らの噂は】
【不死の軍勢を作り出しただの、いずれは戦場の全てが彼らの商品で埋め尽くされるだの】
【一見、荒唐無稽なものばかり。だが、カニバディールは直感的に悟っていた。それらが、単なる与太話ではないと】

(その会社の、開発主任……すなわち、狂気そのものとも言うべき数々の商品を、この世に産み落とした張本人ということだ……)

……貴方に比べれば、大した者ではありません。ですが、そうまで言っていただいては、名乗らぬわけにもいきますまい
カニバディール、と申します。カノッサ機関でナンバーズとして活動している、ケチな悪党ですよ

【言いながら、カタロスにしたのと同じように喉を晒して肉を開く。奥に刻まれた逆五芒星とNo.29の刻印】
【この異形もまた、それなりに世間では名の広まった悪党ではあったが、果たしてレヴォルツィオーンのマッドサイエンティストたる彼が】
【研究と無関係のことまで知っているかどうか。同じ裏社会の存在でも、その格は明確にブランルの方が高いといえよう】


(――――解せん。何故、レヴォルツィオーンが『黒幕』に手を貸す……?)
(兵器開発を主力とする彼奴等にとって、『黒幕』の目的の成就は、自分たちの商品の価値を奪うものであるはず)

(公安府の下に力が集約すれば、戦争など起こり得ない……。それとも、生み出すことだけが目的で、それがどうなろうと関係はないのか?)
(わからん……『黒幕』ども以上に腹の内が読めない……。なんなんだ、この男の目は……!!)

【まるで内面が読み取れない、ブランルの不気味な笑みに作り笑顔で対しながら】
【カニバディールはまたも密かに脂汗を流した】

/すみません、お待たせしました……
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/17(土) 23:54:20.38 ID:56J7G6UT0
>>217,221
//がっつり入れ忘れた!
//天使の糞ども云々の後に「例の法案をそォの目的で通そうとしィてるなら、全力で阻止しィねェーとな」的なセリフ追加で!
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/17(土) 23:55:34.02 ID:Yr4chUWJO
>>220

【ひどーい!なんて言葉を返す、楽しそうに声を出して笑う】
【然しまあ良くも尽きないものだと思う程に表情は豊か】


其れはまずいですねっ反動でスイーツを買い漁ってしまいます
その結果鵺ちゃんのナイスバディが、可愛らしいぷにぷにのお餅に
……それもそれで人気でそうな気もしますけど

むー……はぐらかされた気がしますーっ
何も考えずに空を見上げるのは私もしますっ!任務が上手くいかなかった時とか!
能力ですか──んー、月に関する能力、とか?


【立ち上がった貴女に追従する様に立ち上がって】
【スカートの裾を直しながらブーツをとんとん、ズレた踵を整える】
【髪を手ぐしで溶かしてくるっとたーん、スカートをひらりと揺らして笑う】


あっ教えてほしーです!鵺ちゃん長電話大得意なので!
暇な時とか!暇じゃない時とかに、そーだんするあいて欲しいんですよね!
ラピちゃんはラピちゃんで忙しいからっ、姉やに構ってもらいます!


【ばーっと帰ってきた時の子犬みたいに貴女に抱きつこうとする】
【成功したならダグラスの方を向いていいでしょーっとふんふん笑う】
【──多分成功率はとんでもなく低い】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/17(土) 23:57:20.08 ID:zwJHDPlqo
>>219

【きん、ききききン――と、吐き出された薬莢が地に落ち、澄んだ音を連続させる】
【二丁の弾倉を同時に排出すると、その時に宙へ現れた新たな弾倉を、引っ掻くような動作で装填】

【落ちていった男をカメラアイで補足すれば】

――――――――

【かつ、かつ、かつ、と】
【容赦なく追撃しようと精密な歩幅を幾つか進めるが】
【そこで、生体反応の変化をキャッチ。青年、森島へと首を向ける】

【「――状況一致、引用します」】


 『おはよう、相棒。良い夢見れたか?』


【二丁の拳銃を磁力によって腰の後ろへ固定すると】
【かつ、かつ、かつ。正確に計算された歩幅で歩み寄り、その手を掴むだろう】

【同時に、バイタルスキャン】
【青年の損傷具合を計測しようと試みた】

【現状の優先順位は、彼の救助へと切り替わる】
【階下で起きていることに、リソースを割く余裕は無く――】
226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/17(土) 23:58:26.54 ID:zwJHDPlqo
>>212

【電話先から伝わる声に、身が張り詰める】
【確かな『プロフェッショナル』としての息吹】
【公安一課の西島当護よりも、更に奥深く徹底した圧を感じた気がした】

【この接触自体も半分博打のようなもの】
【公安三課というセクションの性質自体を考えれば、】
【『試される側』になるのがこちらであることは必然】

【協力を築くに値する存在であるかどうかは、言葉ではなく】
【確かな『行動』で示す必要があった。故の要請。それが受け入れられた】

【ひとまず、門前に立たせてもらえただけで、この一歩には大きな価値があった】
【その敷居までを踏み越えられるかどうかは――今、この任務にかかっていて】



【森島の説明に、レイは全て受諾したと応答した】
【それから手を差し出されれば】

【「――条件一致、引用します」】


『良い夜になりそうね、相棒』


【そうして、嵐の夜は始まったのだった】
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/18(日) 00:08:49.33 ID:4k74a/Jg0
>>218

……公安や円卓と機関のことは、知っているよ。長老派はどっちとも手を組んで、上手にいったほうで"いいや"みたいな、感じに思ったの。
それで、"ゼロ"は――、公安の中の、どっちでもないひとたち、その中でも、秘密で組んで――どっちもの邪魔をするひとたち?

公安と円卓は対立してるって聞いたよ、だから……えっと、スパイ。が居たのかな、公安の中に……それで――、……えっと。
円卓を追いかける公安のひとを捕まえようとして――失敗。だから、そのひとを守るために警察が逮捕したら、今度は、公安のひとが狙ったの……かな。
それで――んん? ん……、あー、と、……えっと。ニュースで見たことあるやつかな、だけど、その――ごめんね、そこのところは、わたし、よく知らないの。

……――えっと、リストは、どこにあるのかって、分かるの? それがあったら……。

【基礎の知識としてそれらは持ち合わせている。そのうえでやはり知らない名前が出れば気になるみたいに彼女はじっと言葉を聞くのだろう】
【情報は魔物だと探偵は言っていた。なら少しでもたくさんのものを知りたいと思う、なるべくたくさんのことを知って――電波に乗せれば、あとはこちらの勝ちだ】
【たとえ自分が死んだとしても、遠くに居る仲間の元へ届けばいい。そしてなにより"そこから始まる"こともある】

【――だけれど、少女の知識は急にそこで欠けてしまう。件の逮捕がどうだのというニュースはちらと見ていたが、それだけだ】
【ならば彼女が気にするのは件のリストのありか。それさえ分かればゼロというひとたちは有利に動けるはずだが――だけどそれがあったら、もっと状況は違うのだろうか】

セレンディピター号も――知ってるよ。だけどね、わたしは行けないの、行かない方がいいって……顔を知られているから。
だけど……――仲間のひとが居る、何かあったら教えてくれるって思うの、だけど――、レヴォルツィオーン? なんだっけ、聞いたことあるけど……。
……――ゾンビ? ゾンビ、お船のなんとかって会社はゾンビ作って、いろんなところに売ってる……。

――――それも、知ってる。六罪王が一人増えたの、ロジェクト。黒幕側って聞いた。それで……もう一人、増えるよ。きっとだけど――、

【知っているものには知っていると言う。だけどその理解が浅いところはところどころ見受けられただろう。件の船についても、知っているが――近づけない】
【やはりUTのことを調べれば少女のことも出てしまうことが多い以上、どうしたって顔が割れている彼女には難しいのだろう――変わりに、仲間のひとがいる、とは告げ】
【しかし"何かあったら教えてくれる"という言葉で分かるのは、まだ、そういった連絡が来ていないこと――続く名前と目的はぶつぶつ呟いて、記憶にねじ込み】

【――あるいはこれは彼を驚かすかもしれない。ほぼ最新の情報である新任の六罪王。それを知っていると言い切った少女は、さらにもう一人の出現まで、予言する】
【考え事をするときに口元を隠すように手をやるのは彼女の癖だろうか。その向こうでぶつぶつしゃべるから少し聞き取りづらいけど――鈴の音の声はよく目立つから】

魔能規制法案も知ってる。あれ嫌い……――婦警はここに見回りに来るよ。何度か来ているの。名前は曽根上ミチカ、武装も……少しなら、分かるよ。

【それから先は――すっごい個人的な意見だった。顔をぐむと歪めて、小難しいことを言うことさえなく、ただ「嫌い」と言い捨てる】
【そして婦警のことも知っている。というか、たまに来る――むしろこの様子だと顔を合わせて会ったことすら、ありそうで。これもまた、少し子供っぽいくらいの苦い顔】

【――さて、彼の言ったこと。大雑把ではあるが「知っている」と「知らない」をより分けた彼女の反応を見れば、彼からも、彼女の持ち合わせる情報の分布はおおよそ分かるだろう】
【特に公安方面の情報に疎いようだ。ただ――まだ現れていない六罪王を予言してみせるあたり、そちらに情報源があるようにも見えて、しかし、ここはUTで】
【少女は何よりUTで何年も務める給仕だから――それは少し怪しいかもしれなかった。だけれど――どうあれ次に話すのは少女だろうか。あるいは彼の方から】
【こういうことを知っていたら……なんてことがあったら、この時に言えば、そうするように努めるだろう】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/18(日) 00:10:22.66 ID:TmEo/7vDO
>>221
【最初のカフェで話を聞いてくれるかどうか。そこが第一の関門とするのであれば】
【彼が自分に──いや、自分“たち”に協力してくれるかどうかは、第二の関門】
【どちらかといえば、後者の方が大きく、そして重要な意味を持っていた】

【話しているだけで、ジルベールとは違う意味で尊大な男だとすぐに気付いた】
【自信家で、恐らくプライドは高い。実力の程はまだ定かではないが──】
【──自然と、鼓動が早くなる。断られてしまうだろうか。その要素はある。ゼロではない】
【この手の連中は、なにかとひとりで動きたがる……そう、ミラは思っていたからこそ】
【『協力する』の言葉には、思わず深く安堵の息をつくのだ】

…………あぁ、かまわねぇ。あたしらは金を、あんたはモノを出す
ぎゃは、実に分かりやすくていいじゃねぇか
何せこちとら、人材不足気味でよぉ。タコの手も借りてぇってもんだ!ぎゃははっ!

互いに協力できることは協力する。“黒幕”をぶっ潰したら、解散!今んとこ、あたしらの方針はこんな感じだ
もしかしたら“黒幕”をブチのめす過程で、ちょっとした救出劇があるかもしんねぇけどよ
ま、そっちも気が向いたら暴れてもらって構わねぇよ

【──要は、『好きにしてくれて構わない』ということだろう】
【黒幕さえ潰してもらえればいい。助力をしてもらえればいい】
【彼女が要求しているのは、ただその一点だけだった】

…………つぅか、悪魔か。マジか
なんで悪魔がカフェでラテなんか頼んでんだよ、ファンシーか
もうちょっとこう、あるだろ、こう……よぉ?

【──話したいこと、はこんなものだったのだろう。質問があればそれに応じるが】
【どうもこの女、先程も言った通り小難しいことを考えるのは苦手なタチらしかった】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/18(日) 00:16:02.14 ID:oasKIOJFo
>>222

【下弦の笑みを浮かべながら、ブランルと名乗った男はカニバディールの返答を待った】
【侮蔑、嘲笑、期待、安堵────そのどれにも見え、またどれにも見えない表情だったが】
【カニバディールがその番号を見せた瞬間、それらは収束してある種の興奮だけを表した】

おお……!
その喉、なんとも”美しい”な!
見せる相手にのみ見せられるという機能美に加え、肉の内に隠すという部分に拘りさえ感じる!
開閉可能にするには技術も必要だったのではないか? 素晴らしいじゃないか!!

【ブランルが感情を露わにした理由はカニバディールが機関員であったことではなく、その肉体的構造であった】
【双眸には純粋な興奮と感動による輝きさえ宿る。「あぁ」と感嘆の吐息さえ漏らしていた】

実に良いものを見せてもらった……!
私の命を助けるだけでなく、一個の芸術品さえ披露してくれるとは
ナンバーズというのは案外、もてなすのが上手いな?

────ところで

【一歩、ブランルが歩み寄る。再び昏い笑みが表情を覆い隠す】

それで、カノッサ機関のナンバーズが────

【二歩。黒絹の瞳がカニバディールを捉える】

この世界を支配しているといえる組織の数字持ちが────

【三歩。右手が持ち上がり、カニバディールの顔に触れようとする】

────────一体、”こんな船”で何をしているんだ……?

【四歩目で立ち止まる。ブランルはカニバディールのすぐ目の前まで迫ってきていた】

…………おや、汗をかいているな
そう、緊張してくれるなよ、”ナンバーズ”
こっちはただの会社員だぞ? そうでないといっても、ただのしがない魔術師だ
お前ならば私ごとき、食ってしまえるだろう……?

【────冷笑が浮かぶ。まるで見透かしているかのように】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 00:19:56.34 ID:lGexy70T0
>>224


「いやいや、はぐらかした訳じゃないんだ。
 ……ただ、考えてみたらいつから好きなのか分からなくて
 でも、そういうのってあるだろう?君、いつからスイーツが好きなんだ?

 ……なんてね。ん、いや……能力は多分、月とは関係ないんだ
 僕の"頭の中身を現実に引きずり出す"、そんな能力だからね」


【六罪王、というからには様々な特性があるもので】
【罪科の極めて重いもの、特異なバックボーンを持つもの、世界を狙うもの】
【そしてこの男の場合は、際立っていたのは月への偏愛とその能力の強烈さだ】
【後にデータベースを見直せば分かるだろうが――擬似的な"月そのもの"ですら、この男は以前に作り出している】

【――が、それはともかく。教えて欲しい、と番号をねだられれば】
【何枚か持ち歩いているらしい、ホテルのフロントに繋がる番号が記された札を渡し】

……204号室が俺、1101号室がこいつ。
夜中に掛けてくんなよ、電話ぶっ壊して怒られるからな

"ラピちゃん"ってのは同僚か?
出来ればそっちと仲良くして欲しいもんだが、まあ……
……相談くらいなら、いつでも乗ってやるよ。

【『暇だしな』――なんて言いながら、鵺が抱きつくのを好きにさせる】
【そのまま立ち止まって赤面したり、おもむろに抱き返したりすれば】
【それはきっと素敵なのだが。――ずず、と引きずりながら会計に向かう辺り】
【恐ろしくマイペースで、子供心が分かっていない感じがあった】

【ちなみにダグラスはといえば、少女の笑みを見てもどうでも良さそうに戯けてみせた】
【それもそのはずで、絶世の美女が裸で部屋に居ても『寒くない?』と言うようなタイプなのだから】
【『月』以外に興味が無いのだろう。――それはそれで、偏執的だった】


【ともあれ、会計を済ませれば二人組の男女は店を後にすることだろう】
【店の外で鵺とも分かれて――何もなければ、それでおしまい】
【お休みの日の朝、カフェという狭い世界での一幕、だった】

/この辺りでしょうか、ちょっと眠気もあるので失礼しますっ!
/朝方から楽しませて頂きましたっ、お疲れ様でした〜!
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/18(日) 00:23:11.17 ID:AWL4XU+Ro
>>225

【掴まれた青年の身体は、この雨で冷えている。だが、能力が能力だ、その点は心配ない】
【気がかりなのは、打撲と骨だろうか。微細な骨折が、肋骨の数本に入っている。激しい戦闘は困難】
【──それに、衝撃で揺らされた脳も万全とは言えなかった】


……おはようございます。ここは──甲板、ですか。


【答えながら、森島は思考する。 “アンタにしよう”。そう、『蝶』の男は言った。それは、いかにも不合理だ】
【──あの中なら、一番に狙うべきは“クリシュティナ・レールモントフ”に決まっている】
【片腕がなく、杖を持った女。森島も強靭な見た目をしている訳ではないが、彼女よりは手強そうに見える】
【あたかも、彼女の方が強いと分かっているような。 ──いや、寧ろ、“彼を狙っていたのを隠す”ような──、 】


──、 あの男は?


【厭な予感と予測が、頭の中を走り抜けた】


 【──】


 【血の流れを遅くする。体温が下がる。──これで、大体のセンサーは騙せる】
 【今の戒能は、まさしく“死にかけ”だ。少なくとも、即時に追撃を食らうということはない】
 【いや、でもロボットはよく分からない。そう思い直して、“もう一つ”の手を打つことにした】


「……で、結論は? こっちは、いつでもOKだが。」


 【打ちながら──、囁くように、仮に探知されても呻き声にしか聞こえない声量で、戒能は問う】
 【二重人格か多重人格か知らないが、どっちでもいい。面白いことは面白いが、今日はカネだ】
 【話がついたのなら、そう『みっちゃん』から返答があるのかも知れない。──たとえ、了承が得られなくても】
 【あの勢いなら、電話先の名も知れぬ女は、“同居人”を振り切って、了承の声を出すのだろう】
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/18(日) 00:26:35.54 ID:AbMrKk2XO
>>230

【諭す様に紡がれるダグラスの言葉に納得する、成程と応えて】
【いつからと言われると明確に答えられるのだが、敢えて答えず】
【頭の中身、と聞いてダグラスの端正な頭がぱかーと開いた様子を想像する】

【少し笑った、戯れに近い】


ラピちゃんとは仲いいもん〜ぶわぁ〜あーあー
姉やひどいぃ〜なんか〜もっとロマンチックな〜ぁ〜


【ずりずり、引き摺られたまま運ばれる少女】
【彼女といい、ダグラスといい、ふつーの感性から切り離された空間】
【何方かと言えば常識人よりの少女は少し割を食った】

【休日の朝の素敵な出会い、鵺が手にした連絡の手段】
【──連日連夜の電話の結果、鵺が怒られるのもそう遠くない未来だろう】


/朝早くからありがとうございました!お疲れ様です!
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/18(日) 00:28:38.23 ID:OZiN7OU90
>>227
「そうだ、その認識で間違いはない」

【彼女のそれに対する認識は間違っていない】
【概ね正しいだろう、だがリストの話になった時に】

「リストは……『こちらが』握っている」
「それに関しては問題ない」

【少しぼやかした、と言うより意図的に詳しい回答を避けた】
【万が一と言う事もある、リストは最後の切り札だ】
【それは絶対秘匿の情報だと】

「顔を知られている?」

【恐らくはUTのこの仕事の関係だろうが】
【それは即ち、やはりこのUTがこの一連の何かに関係しているという事の裏付けでもあった】

「何!?」
「もう一人増える!?それは本当か?どうして知っているんだ?」

【ここで淡々とした口調からは少し変わり】
【やや興奮したような、かなり驚いているような口調で聞いた】

「なるほど、婦警を知っているんだな……すまない、その武装とやらを教えてくれないか?」

【やはり、だがこの少女の情報は機関や黒幕に寄っている】
【それは彼女が誰かしらの関係者と知り合いなのか、あるいはUTがすでに巻き込まれているか……】

「UTに何があったのか、教えてほしい」
「何かあったんだな?」
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/18(日) 00:32:48.63 ID:al6flsZz0
>>228

「あァ、別に金以外で払っても良ォいぞ? タコ100kgとォか、魂の一部とォかよ」
「ヒャハハ、俺様は対価さァえ支払って貰えりゃア良ォい……」

【――これは冗談でも何でも無い、補足だ。】
【その者との取引は、相手の立場などで補正をかけるとは言え……大体見合うモノ同士であれば、金以外でも問題ない】

「ククッ、頭数なァら俺様の部下が大量にいィるぜ? 人間は0だァがな! ヒャハハ」
「制御無でブレイザーシティにそォいつらで襲撃かァけたら、一部は敵対すゥるどォころか住ゥみ着いちまう程の自由な奴らだ。ククッ」

【……邪禍が制御をある程度できる範囲ならば、頭数を増やせなくもない】
【人外しかいないが、一部は人の姿にもなれる。戦力に数えられる……かもしれない】

「シンプルだ。そォれで良ォい……俺様は俺様なァりに動かせて貰おう」

「……別に良ォいだァろう。俺様は混沌そォのもの! 故に、ラテも頼む!」
「部下に後で写真送りつけとかねェと……ククッ」

【答えになっていない答え。しかし、本人……いや、本悪魔は本気で言っている。おそらく】


「おォーっと、俺様の連絡先がねェと不便だァろう……送っといてやァる。手書きの方が良ォいか?」
「そォれと、他にメンバーいィるんなァら、言ィいな。人間共の顔は覚えねェ質だァが、一応な」

【先程ラテアートを撮影した端末をもう片方の手に持ち替え、寂しい電話帳を開いた】
235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/18(日) 00:43:00.17 ID:EG/3bROao
>>231

――N箇所の打撲と骨折を検知
速やかなメディカルケア、または安静状態を推奨します

【森島から手を離したレイはそのように告げるが】
【あの男――対象αの情報をリクエストされると】

対象αのバイタルは86%低下しています

【どうやら弱っている、と――センサーはそのように捉えた】
【肝心の所在となれば、す、と。甲板に空いた穴を指差し】
【それから親指を下に向け「――条件一致、引用します」】


 『地獄で待ってるわよ』


【そうして、対象自体は階下にいることを告げ】


【――――】



【「ふぁ〜……あむ」】
【「ん? くるちゃん何してるんですかあ」】
【「――ああ、なるほどですねぇ。お金ですかあ」】

【「うーん、こっちも色々入り用ですからねえ」】
【「でも、ま、大丈夫でしょう。ルハニアさんも来てくれたことだし」】

【「なので、ここはドーンと、気前良く出しちゃいましょう――」】


【 「全力全開スロットル――“倍プッシュ”ですっ!!」 】



【その時目覚めた『みっちゃん』は、そうして思い切り良く――GOサインを出した】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/18(日) 00:48:47.99 ID:4k74a/Jg0
>>223

――え、そうなの? ……そう、なんだ、……それは、言えない?

【ぱちりと瞬き一つ。多分……持っていない、と思ったのだ。言葉上公安や円卓が持っているではないだろう、と思いこそしたが】
【けれど現実は彼らが持っている。こちら――とはゼロのことだろうという予測、ひどく驚いたように目を丸くした少女は、一瞬欲しがるように目を細めたが】
【さんざっぱら警戒し倒した後では、説得力もない。"言えない"と言われてしまえば、ひとまずは諦めるだろう】

……UTのこと調べたら、わたしのことも少しは分かるよ。
それに……、――それに……、わたし。わたし……、UTのCMとかに……出たことあるし……。

【UTの給仕……だけでは、そうなるには薄い理由。だけれど彼女にはそれなりの理由があった。もう何年も前になるが、このUTがとある活動を始め】
【身寄りや金のない、あるいは家も家族もあるが、何かの理由でまっとうに食事にありつけない――そういう子供たちに無料で食事を振る舞う、"たんぽぽ"なんて名前の、活動】
【それの発案者が彼女だった。だからこそその関係でUTのCMに引っ張り出されたこともあるし、何度かならテレビにも出たかもしれないし】
【ただなんか言いよどむような様子は――もし彼がこの後にでも、あるいはすでに知っていて、そのCMの内容を知るか思い浮かべるかすれば……多少は理解もあるだろうか】
【コスプレにしてもてろてろした布地で胸元に謎の穴とか開いたすっごい謎のメイド服を着せられたトラウマ――だなんて、余談だが】

【もっと言うなら――この少女は、その時からほんの少しだって、成長していないように見えた】

えっと――――、仲間のひとに、聞いた。

【――本当かは、分からない。どうして知っているのかと聞かれれば、あくまで又聞きだ、というのが彼女の答え】
【けれど――そういうくだらない嘘を吐く必要はないとも思うなら、ある程度きちんとした情報だと思う。だけどあまり深くまで語らないのは】
【やはりこちらもしゃべれないことがある――あるいは釣竿を揺らしてもっと大きな魚を待つみたいに。ちらつかせて、相手がそれでどこまで気にするか見るみたいに】

……ペンライトみたいなやつだって聞いたよ。中で変な光がぎらぎらして……機械が爆発するみたいになって、能力が使えなくなった。
さっき厳島さんは魔能規制法案が黒幕の仕業だって言ったけど――それが本当なら、黒幕のひとたちは、誰かの能力を使えなくできる道具、持っている。
それから――のっぺらした悪者みたいなロボット……アートマンとかマインドじゃない"と思うって"。それがいきなり頭上に出てきたって――。

【それで――これもおそらく又聞きだ。ただこちらは存外素直に口にする、やはりお互いにあれを敵と見るなら、武装は伝えておいたほうが、きっといい】

UTに何かあったかって……それは、今のところ、ないと思うよ。セリーナやほかのひとが"どう"かは知らないけど……――、
その"婦警"が時々見回りに来るの。今はそれだけ――、ただ、わたしが関わっているのは、ばれてる――はずだよ。

あとは……、……。

【だけれどUTとしてはまだ、何かがあったわけではない。あるいは彼女の知らない場所で何かはあるかもしれないけれど――彼女の知らないことを、彼女は話せないなら】
【あくまで彼女の知る中では、なんにもないというのが答え。しいて言えば婦警が見回りに来ることと――給仕である彼女が、これらのことに関わっているのを、知られていること】
【それからもう一つ何か心当たりがあって――だけど、これは、黙った。彼がリストについてぼやかしたみたいに――何かまた違った関わりがあるのは確かなよう、だけれど】

/そしてごめんなさい、今日もそろそろ時間が厳しく……!
/もう一度凍結をお願いできますでしょうか。明日は早く帰れる予定ですので、夜早い時間から再開できそうですっ
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/18(日) 00:49:58.80 ID:OZiN7OU90
>>236
//了解です
//すみません、明日は私が厳しいです……置きに移行しますか?
238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/18(日) 00:53:45.05 ID:4k74a/Jg0
>>237
/了解しましたっ、では置きへの移動お願いしますっ
/そのうえでまた明後日以降お互い暇なようでしたらリアタイ進行なりなんなりで出来たらなと!
/ではひとまずおつかれさまでしたっ、
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/18(日) 00:54:40.74 ID:OZiN7OU90
>>238
//了解しました、では置きに返レスしておきます
//お疲れさまでした!
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/18(日) 00:58:52.81 ID:TmEo/7vDO
>>234
【法案は潰す──黒幕も潰す。シンプルで分かりやすい、とミラは嗤った】
【一時期と比べると、敵がどのような存在であるかは分かってきたのだ。それだけで随分とやりやすくなった】

…………いや、その二択じゃ金だわ
タコ100kgとかむしろあたしが欲しいくらいだしな!ぎゃっは!
それに魂はやらねぇよ。あたしの魂はあたしのもんだ──もし誰かに捧げるとすりゃ……そりゃあんたじゃあねぇ

【悪いな、と小さく続ける。そして戦力の話になれば、また口元を歪めて嗤うのだ】
【「十分すぎる。期待してるぜ、邪禍」「楽しそうなやつらじゃねぇか。好きだぜ、そういうの」】
【何せ今、戦力らしい戦力は数人しかいないのだ。それが一気に増えるときた】
【(悪魔の配下連中か──ぎゃは。ますます面白くなってきやがった)……密かにそのような思考を胸の内に沈める】

ぎゃははっ、なんかあんたとは気が合いそうだな
あたしもシンプルなのすげぇ好きだぜ。分かりやすいってぇのはいいこった!


あぁ、そうそう──それとな。後からビビんねぇように今のうちに言っとくぜ

“黒幕”側には、六罪王がついてやがる。どうも、夢ん中にまで出てきて“お話”してくれやがる愉快なやつだ
で、────だ。実はな、“あたしら”の側にも近々六罪王が味方してくれる予定なんだよ

…………ぎゃっは!すげぇ面白そうだろ!?
その“あたしら”側の六罪王はまだ厳密には六罪王になってねぇけどな
機関の中でもこりゃ揉めに揉めるぜぇ────?
くくっ…………あんた多分、こういうの好きだろ?
なんたって悪魔だもんなぁ……あたしもな、こういう話大好きだぜ
ぎゃははっ!夢の中っつぅ安全圏から好き勝手しやがるお喋り野郎をブチのめすってぇのも今から楽しみでしょうがねぇ!

【──この一件には、機関も絡んでいる。そのことをミラは平然と語った】
【更には、六罪王が異なる立場の組織に与しているという事実も。──混沌】
【まさに現状はその一言に集約されるのだろう。様々な思惑が、複雑に絡み合って】

あぁ────なんの話してたっけ。ラテアートだっけか?
あんたあれだな、悪魔なのにギャル文字とか使ってそうだな
なんか……悪魔のイメージまじ変わったわ。もっとこう、何?
『クックック──力が欲しいか』みてぇなもんだと

おっと……そうそう。連絡先だな、このまま送ってくれりゃいい
それと他のメンツだけどな────

【スマホを取り出し、連絡先の交換はスムーズに行われることだろう】
【そして他のメンバーについて。「UTにいる白神鈴音。あとは初瀬麻季音。麻季音の雇われ探偵、ロッソ」】
【「鈴音からも手は回してもらってる。ウェインってやつと、カニバディール……だったかな」】
【「…………そんなもんだな。マジ人材不足」名前を告げたあとは、外見も伝えるのだろう】

連中にはあたしからも言っとくわ
ただ────今言った連中は主に“とある人間”の救出を主目的にしてる
公安やら黒幕をぶっ潰すってぇことは“救出劇”の延長線上にあると思っていい
なんか文句でも言われた時にゃ、あくまで協力してるってぇスタンスを貫いた方が楽だとは思うぜ
「黒幕を倒すために今はお互い協力しよう」──そう言っとけ

【最後に、助言をひとつ。今言った名前は、ひとりを除けば所謂“正義”を掲げる者たちだ】
【邪禍が彼らの輪に入ることで、築き上げた輪が瓦解する可能性もゼロではなかった】
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/18(日) 01:01:51.01 ID:AWL4XU+Ro
>>235

【仰向けに転がる形だった森島は、安静を勧める音声に首を振りつつ、上半身を起こした】
【──すぐに、ダルハイトの居室へ向かう必要がある。森島の本来の役目は、此処ではない】
【居室の前で待ち受けるであろう、国軍の司令官を“剥がす”ことだった】


…… 下、ですか。 ならすいません、逮捕は任せても── 、


【 その瞬間、森島が“レイを突き飛ばそうとする”。 残ったありったけの力を込めて 】


 【 ── 】


 【“あっ、もしもし、戒能さん? やりましたよ〜、これで契約こーかいです!!クルージングだけに!!”】
 【“お金は振り込んどくんで、早くお届けしちゃって下さい!!海流抜けちゃうんで!!”】


「あぁ、それは良かった。 ──じゃ、上手く“拾え”よ。」


 【 ── 】


【船を打つ雨に入り混じって、静かに、密やかに。レイの背後の甲板は、薄っすらと、“赤く染まって”いた】
【──爆散した“蝶”の大群。それでも、雲散した“血”が死に絶えることはない。雨に紛れ、血に降り注ぎ、息を潜め】
【この瞬間まで、待ち続けていた。 戒能鴉の十八番、血液の再凝固と操作──“鐵血のトートロジー” 】

【それが、発動する瞬間を森島だけは目にできる角度に居た。 薄い膜のように、血液の“壁”が立ち上がり】
【レイが突き飛ばされたなら、森島だけを。耐えたなら、二人を、“血の大球”に包み込まんと襲いかかる】
【耐久力は、それこそ銃弾で簡単に突き破れるほど脆い。だが、虚をついたそれは、蝶と比べ物にならないほど素早かった】


…… 、ッ──!!


【もし、何れかを呑み込んだなら──、その大球は、勢いのまま、甲板から嵐の大海へと落ちていくだろう】
242 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/18(日) 01:04:25.69 ID:H0emLvx7o
>>229
【見れば見るほど、あらゆる感情がそこに見て取れる。見れば見るほど、眼前の男がわからなくなる】
【まるで生きた迷宮。すでに自分は、この男の闇に迷い込みつつあるのだ】

……これを見て美しいと評してくださったのは、貴方が初めてだ
これを私の拘りだと指摘してくださったのも。肉体を操作して、これを出来るようにするまでにはなかなかに苦労したのですよ

【恐ろしいことに、すでに引き込まれかけていることをカニバディールは自覚する】
【彼の見せる純粋な興奮。感動。自分の内面の一端をストレートに評されたことへの、かすかな喜び】

【無論、それに溺れるほど愚かでもない。この男は、この純粋さのままに、どんな残虐なこともやってのける男だと、カニバディールの経験が叫んでいた】


……お喜びいただけて何よりです

【返す言葉は少なくなる。この状況をどう受け取るべきか】
【そんな思考を打ち切る、言葉と足音。昏い昏い笑顔。目と耳から自分を侵食する】

【ブランルの右手は、抵抗されることなくカニバディールの顔に触れるだろう】
【何か違和感を覚えるかもしれない。表面上を繕っているような、触感】

【いつの間にか眼前に立ち、冷たく笑うブランルを見て。矮小なる盗賊カニバディールは】
【口角を釣り上げた。耳まで裂けよとばかりに深く】

――――く、ふふふ、ふ……!! 何でもお見通しですな
失敬、貴方のような圧≠ノ接したのは久方ぶりなもので。いささか、気圧されてしまいましたよ

ご謙遜を。擬態の最中ならともかくも、今の貴方を見てただの会社員やしがない魔術師だと思う者はおりますまい
確かに私は悪食ですが……煮ても焼いても食えぬ相手の、区別くらいはつきますとも

【カニバディールの脳内を狂気と反骨が満たした。ただ飲み込まれてなるものか】
【そうでなければ、何のために機関に背いてまで、あの鈴の音の少女と己の密約を結んだというのだ】

【ブランルが触れた違和感が、正体を現す。警備員として動く上では邪魔だった、自身の異形を覆い隠す肉の化粧が落とされる】

【顔の右半分の肉が薄く剥がれ、その下から皮膚が引き攣ったような醜い傷跡が露わになった】
【開いた口元から、獣のように尖った牙と、異様に長く太い舌が覗いた】

【そして、その額に。面積一杯を埋める巨大な第三の眼球が現れて、ブランルを見た】


何、ちょっとした雑務ですよ。私は、この欲望の船に放たれた『猟犬』役です
事態の裏にいる『黒幕』を嗅ぎまわる野犬を探り出して、噛み殺すためにここにいるのです

後はまあ……美味い賄いをいただきに、ですかな

【カニバディールからも一歩。もはや互いの息がかかるほどの距離で】
【怪人と異形は、互いの視線を絡ませた。その内側に、何かを抱えながら】
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 01:14:54.93 ID:AZEKRekR0
【ぞぶ、と、鈍い音がして】
【最後のひとりが倒れた。水の国正規軍の海兵部隊である】

【セレンディピター号、船内。下部水密区画】

―――物騒な客船だな。
いや、遊興のメッカとしては正しいか?
俺のような者にも似合いの遊びを提供してくれるとはな。

【そう呟くと、今しがた海兵の胸に突き立てた槍を抜く。軍人の身体は力なく地面に崩折れた】

に、し、ろ、は、とお。
ひぃ、ふぅ、み、と。

13人か。こちらに来た小隊はコレで片付いた、ということかね。

【死体の数を無感動に数える。組討で殺したもの、槍撃で殺したもの、雷撃で殺したもの】
【雷撃に反応したか、スプリンクラーからは水がさわさわと降り注いでいる】
【その水煙の中、惨劇の下手人が立っている】
【――背の高い、男だった。深い蒼の髪を、後ろに撫でつけて】
【細身のレザージャケットを纏っている。痩躯では在るが、その長い手足には凶猛な獣性が充溢していた】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/18(日) 01:15:47.66 ID:EG/3bROao
>>241

【その時、時の流れが堰き止められ】
【世界からあらゆる音が失せたような気がした】



  ―――――――――


           (――――――ッ、!)
 


【どん、と突き飛ばされた機体】

【遠ざかる視界に浮かび上がる、紅】

【消える、青年の姿】


 (――森、島さっ―――)


【轟――と】
【嵐の颶風が吹き抜けて、それで全ての感覚が戻った】

 (レイ、追って――!)

【体勢を立て直したアンドロイドはすぐさまその命令を受諾し】
【波に煽られ傾く床をものともせずに駆け出して、欄干から下を覗き込むのだが――】


 ――エージェント『M』、ロストしました


【激しい風雨のせいもあろうか、レーダーも機能せず】
【レイが視認できたのは、夜闇と深海――二つの闇が混ざった深い暗黒のみだった】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/18(日) 01:25:00.81 ID:AWL4XU+Ro
>>244

【そのときには、既に甲板の下から、男の姿は消えている】
【血球に気を取られている隙に、バイタルを低く保ったまま、蝶のように何処かへと】
【羽ばたいて、消え去ってしまった。 元より、何らかの逃走手段を用意していたのだろう】

【ただ、“通信機”だけは残されている】
【既に通信の用に供することは出来ないだろうが、何らかの断片にはなるかも知れない】

【── それが、男の恣意的な行動だったのか、定かではない。気儘に、自由に飛ぶ蝶は、これ以上の介入を望まない】
【しかし、それ故に。“天秤”の片方に、少しだけの重みを残したのかも知れなかった】

/この辺りでしょうか、お疲れ様でした!
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/18(日) 01:30:42.62 ID:oasKIOJFo
>>242

【細指から伝わる偽の感触。まだ何かを隠しているという感覚】
【引き裂いたような笑みが浮かび、皮膚が剥がれ落ちていく。ブランルの瞳が驚愕に揺れる】
【露わになったのは”異形”の姿。そしてそこに微かに垣間見える強い意志】


──────あぁ、お前


本当に────素晴らしいな


【────熱気は無く────興奮は亡く────狂気は失く────】
【ただ純然たる事実を認めるかのような理性でもってして、ブランルはカニバディールを評した】
【指先が醜悪な傷跡に触れる。そして美品を扱うかのような繊細さでもってしてなぞられる】

【額の瞳と昏い双眸が視線を交錯させる。その奥にある何かを見据えようとして────】
【突如、ブランルは黒衣を翻して背を向けた。数歩、さきほど近寄った距離をそのまま戻して】
【再び振り返り、相対する。表情には下弦の笑みが戻っていた。が、狂気じみた不気味さは薄れていた】


黒幕を嗅ぎ回る野犬を狩りに、か
カニバディールよ、残念ながら…………嗚呼、実に残念なことだが
私はお前の期待に沿えそうもない

何故ならば、確かにレヴォルツィオーン社は黒幕側の企業だ
しかしそれは現在の段階の話であって、今後はわからん。利益になる方につくだけだ。明日には円卓側かもしれん
何よりも…………”私”は”そんな退屈な話”に興味がない
この世界が何を選ぶかなど、どうでもいいことだ

重要なのは────私が世界に何を選ばせるか、だ


【それはどこか奇妙に聞こえる言葉だっただろうか】
【黒幕、円卓、公安に機関、国家に正義に悪────】
【陰謀渦巻くこの船に乗り込んでおきながら、しかしこの男はその全てに興味がないと宣ったのだ】

【理由は極めて単純。そこに価値を見出していない、ただそれだけだった】
【その上、企業としてさえ、明確な立場というものがなかった。黒幕であれ円卓であれ、どちらでも”どうでもいい”ことだった】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/18(日) 01:31:21.97 ID:al6flsZz0
>>240

「ほォう、残念だ。金魚の餌1tとォかでも受ゥけ付けてたんだが……」
「あァ、先っちょだァけかァじる程度なら魂はそォのうち治る。検討しィな、しィとけ」

【おそらくは、魂を喰らいたいのだろう。必死というほど必死ではないが、デメリットはそれ程ないと伝えて誘導しにかかる】

「六罪王VS六罪王! ヒャハハ、そォいつは面白ェ……」
「素晴らしい混沌が拝めそうじゃアないか……ククク」

【とても良い笑顔だ。心の底から面白がっているだろう、悪魔らしい、笑み。】

「夢の中か……夢魔で捉えられるか……ふゥむ。俺様の世界内なァら問題無ェんだが」

「しィかし、機関か……俺様はそォれなりに機関側に味方しィているが」
「とォーとォー内部分裂まァで起ォこすとはなァ。面白い」

【機関に味方はする、けれどもそれは混沌のため。】
【内部分裂しようとも、混沌になるならば――それはそれで、構わない】


「あァ、そォれもたァまにやァるぞ? 路地裏でくゥたばってる人間共によォ」
「欲ォしいって返答が来ゥると捕獲が楽でなァ」

【ラテアートは頼む、力が欲しいかとも聞く、ついでにテロも起こす。】

【連絡先を交換し終えれば、その者は持っていた端末を闇へと変え、そして手のひらに現れる魔法陣へと吸い込ませた】
【畳まれたモニタはそのままだ。一応、ということだろうか】

「……ほォう、カニバディール。あァの野郎に既に声をかァけていィたのか」
「ククク、……まァすます気ィが向ゥいた。各種アレコレの料金2割引にしィてやる」

【そして、外見を伝えられた後――少し考えたかと思えば、こう告げるのだった】

「鈴音とォか言ィう奴よォ……俺様、ちょいと前に会ァッたよォーな気ィがするなァ」
「ククッ、もォし記憶が間違ってねェなァらよ、あァいついィじめたこォとがあァるぜ」
「俺様の存在は隠しておォいたほォーが良ォいかもなァ? ククク」

【――もとより、邪悪な存在である。正義側にはそもそも積極的に伝えられる存在ではないか】

「あァ、そォーだ……今、UTとォか言ィッたな? 丁度良い。さァッき会話しィていた"レオーテヴュート"だァが」
「あァいつはUTに所属しィていた。まァー、脱退届置ォいて失踪しィたこォとになァッてるけェどな……俺様が捕まえた事は多分バレてねえ。役に立つかァもしィれねェぜ」

【本人はUTに絡む事をめちゃくちゃ嫌がるかもしれないが、なんて付け足しつつ――】

「元よォりそォーいうスタンスだ。安心しィな……呉越同舟。今だァけ、手ェを組む。味方じゃア、ねェ。正義の糞共は嫌いだァからな――」
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/18(日) 01:55:31.79 ID:TmEo/7vDO
>>247
【「単位がおかしいんだよ、単位がよ」呆れたように言う。「検討しねぇよ」】
【「……触腕の端くらいは、噛んでいいけどよ」どうしても、魂はダメらしい】
【自分のものは自分のものという拘りが強いのか。あるいは、余程捧げたい相手でもいるのか】

つぅか…………『チカラが欲しいか』もやんのかよ!てめぇますますわっかんねぇな!
いや、分かるけどよぉ!なんか分かるけどよぉ!
よーは楽しいこと大好きだろてめぇはよぉ!
くっそなんかてめぇの性格分かる分腹たつぜクソが!!
ラテ好き悪魔なくせにしっかり悪魔っぽいことしやがるとかクッソ!ムカつく!!クソが!!

しかもなんか……てめぇ思ったより人脈あるのかよ!
カニバなんとかといい鈴音といい、なんだ意外と有名人なのか!?
は〜〜〜〜〜、ったく、最初に声かける時ちょっとビビっちまったの損したぜ、ったくよぉ

【──どうも、最初の声掛けの時は割と心臓ドキドキだったらしい】
【カッコつけてはいたものの、現実なんてそんなもんだ】
【しかし……特に鈴音との因縁があるということは聞き捨てならなかった】

……鈴音にはじゃあ、言わねぇ方がいいな。
連鎖的にUT絡みで繋がってる連中には、あんたのことは伏せとくぜ、邪禍
あんたのことは、あたしとそれと──協力してくれる方の六罪王サマにだけ伝えとくわ

代わりになんだ、そのレオなんとかってえヤツをUTに派遣しときゃいいんじゃねぇの?
あたしも風の国までの往復はダリィからな。UT内部の情報収集も兼ねて。どうだ

【取った策は、身代わりのようなものだ。邪禍の代わりにレオーテヴュートをUTに送り】
【何かあった時は邪禍が部下の軍勢を派遣する。レオーテヴュートが元UT、ということも都合がよかった】
【仲間の帰還、というものは受け入れられやすい。もしもその方向で話を進めるのであれば、鈴音たちに連絡しておく、と付け足し】

──味方じゃねぇけど、チカラは貸してくれる
ぎゃは。それでいい。十分だ。これも一種の信頼ってぇやつだな
あんたの立ち位置ってやつは分かってんだから、よ

【最後にまた、口を歪めて嗤うのだ。「後は何か、あったか?」】
【そう尋ね──何もないのであれば、今日はこの辺りで解散となるだろう。彼女はこの後、関係各所へ彼のことを伝える仕事が残っているのだ】
249 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/18(日) 02:09:12.20 ID:H0emLvx7o
>>246
【何と細い指だろうか。自身の表面をなぞる感覚に、カニバディールは思う】
【同時に、悪党としての感覚が伝える。この指が、どれほどの命を奪ったのかを】
【そして、己のうちの自負を肥大化させる。この指ですら、私の命は奪えはしないと】


【だが、それでも、確かな理性から放たれたその声音は、脳に直接差し込まれたような感覚を覚えた】
【己の傷跡を、これほど繊細な指先でなぞる者など、今までにいるはずもなく。しかもそこには、熱気も興奮も狂気もないのだ】

【これを、純粋に素晴らしいと称せるその理性。ある種、そこに魅力を感じそうになることが余計に恐怖を湧きあがらせた】
【そう、この男は、ブランルは恐ろしい。怖がるべきは怖がる。その上で、這いずってでも生き延びる。カニバディールは自身をそう定義していた】

【しばし、にらみ合い。先にそれを外したのはブランルだった】
【カニバディールはこちらに背を向けるブランルをじっと見た。彼が振り返って、再び顔を合わせるまで】
【狂気のフィルターを薄れさせた、彼自身の底知れない昏さで、こちらを向くまで】


なるほど……それは残念ですな。直近の、私の利≠ノは繋がらない

当然のことですな。誰もが、己のために動く。そのためには、陣営など二の次です


――――貴方≠ノとっては、この欲の王国も大して意味のない茶番だと
奇遇ですな。私もそう思います

私も、私にとって価値あるもののために動く。黒幕も円卓も関係なく、私≠ニ食い違うのか否か
結局のところ、それに尽きます

その上で……少しばかり興味がありますな。貴方の見出す価値とは。世界に、何を選ばせるおつもりなのか

【奇妙、とは思わなかった。カニバディールとて、そこまでまともな人物ではない】
【そも、十重二十重に利害が絡み合い、複雑に入り組んだ今の状況。黒幕も円卓もどうでもいい、という立ち位置など当然だ】

【ならば、彼は何のために。何を選択するために、ここに来たのか】
【この底知れぬ深淵の如き男にとって、どうでもよくないものとは何なのか】

【ここに来てカニバディールは遭遇したのだ。更なる闇と】
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/18(日) 02:14:21.13 ID:OZiN7OU90
【水の国、とある山奥の廃寺】

【やや深い山だ、かと言って観光地とも違う】
【よって人なんぞ滅多に寄り付かない】
【そう、特定の目的を持った人間以外は】

「ノーマクサンダーバーザラダンカン、ノーマクサンダーバーザラダンカン、ノーマクサンダーバーザラダンカン……」

【寺の中には大きいしかし古びた仏像が一体、その前に炎が焚かれ、法師がその前で何か唱えている】
【数珠をこすり合わせる音が、念仏の間にジャッジャッと響く】
【やがて、法師はその中にヒトガタを放り込む】
【すると炎は黒い色に変わり、それを燃やし始める】
【やがて……】

「ノーマクサンダーバーザラダンカン……」
「誰かな?今は儀式の途中なのだが」

【法師は振り返らず、あなたの来訪に答える】
【黒い炎しか明かりのない暗く古い寺】
【あなたは果たして誰だろう?噂を聞きつけやって来たお客様か、あるいはこの法師を何らかの理由で倒しあるいは捕縛に来た者か】
【あるいは、ただの迷い人か、あるいはそのどれでも無い客人か……】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/18(日) 02:20:23.62 ID:al6flsZz0
>>248

「ククク、そォこに気ィがつくとォは……鋭い奴だ」
「ご明答。俺様は混沌を齎す者だァが、やァはり楽しまねェと損だァろう」
「魂は刺激があァッた方が輝けるかァらな……ククク」

【余裕の表情を見せながら言葉を発するそれ。……やたら腹立つ表情をしているのは、きっと気のせいでない】

「俺様は指名手配さァれる程の有名人――いィや悪魔だ」
「人脈の1つ2つくゥれェあァる……電話帳に登録しィてねェだァけでな」

【……人間の顔は覚えない、その言葉はきっと嘘なのだろう】
【もしそれが真であるならば、人の顔を見てわざわざ会ったかどうかを思い出そうともしないだろうから――】


「そォれで良ォい。……伝えて混沌と化ァするのォも悪くねェーがな!」

「――聞ィいたか? レオーテヴュート……略してユウト」 『聞いてないし、その略し方は止めて』
「UTに戻れ。俺様の窓口代ァわりになァるんだ」 『嫌だ。2度失踪し、2度戻るの? 退団届けも置いてきたんだ。悪人も殺しまくってる』

『それに、アンタの命令で窃盗までしてるのに。これ以上迷惑は――』 「戻らなくても十分迷惑かァかってるだァろう?」

【畳まれたモニタから聞こえる声。いつの間にか接続し直していたらしい。この後も、レオーテヴュートの抵抗は続いたが】
【捕まえた――つまり、邪禍のほうが立場が上。最終的には折れて、UTに戻ることに渋々同意したのだった】

「……ククッ、俺様かァらは以上だ。用がでェきたら呼ォびな。気ィが向いたら応じてやァる」

【――そして、その者は闇と化し、足元に現れる魔法陣へ吸い込まれていった】

//お疲れ様でした!
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/18(日) 02:23:11.20 ID:oasKIOJFo
>>249

【「欲の王国、か」と、小さな声でブランルは呟いた】
【────瞳に妖光が灯る。黒絹の瞳の中で黒光が”蠢く”】


────ならば、片鱗を見るか、カニバディールよ

”我らの王国”ならば、眼前に広がっているとも


【言葉に呼応するように、ブランルの足元の影が立ち昇る】
【それは亀裂が入り、分裂して形をなし、いくつもの黒い触手へと変貌を遂げた】
【何をするつもりなのか────それらは緩慢な動作でカニバディールへと近づいていく】


安心しろ、見せるのは少しだけだ
お前ほどの狂気があれば、”殺されず”に済むだろう

さぁ、触れてみろ。それで”全て”がわかる


【触手の群れの中から、一つだけが伸長。カニバディールの眼前に差し出される】
【触れるか、触れないか、それを選べ、ということだ】


//すいません、もうかなりいいところなんですが、眠気が……
//二度目ですが凍結の方をお願いしたく……!
253 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/18(日) 02:30:11.17 ID:H0emLvx7o
>>252
/了解しました、また明日よろしくお願いします!
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/18(日) 02:34:36.88 ID:TmEo/7vDO
>>251
【「そりゃな。あたしも楽しいこと好きだし。楽しいことが一番じゃねぇか、なぁ?」】
【腹の立つ表情に苛立ちながらも、口の端を吊り上げて嗤うミラ】
【どこか似ているのだろう。この2人は。だからこそ──相手を理解することは容易だった】

…………部下の連中の電番、片っ端から登録しときゃすぐマックスまで埋まるんじゃねえの?
ま、仕事用とプライベートのスマホ分けたいってぇのは分かるけどな!ぎゃはっ!

【ぼっちじゃねぇか、と言いかけたがそこはなんとか堪える】
【ただのぼっちならいいけど邪禍てめぇ嫌われもんじゃねぇか──これも堪える】
【しかし何も反応せずスルーとなると……なんだか可哀想な気がしたので、役に立ちそうもない提案をした後】

伝えたら真っ先にあんたがエッラい目にあいそうだけどな……

ぎゃははっ、まぁユウト?レオ?とにかく頼んだぜ?
頭下げりゃ、連中もあんたのこと受け入れっだろ
どぉしても大義名分背負いてえってんなら──そうだな
黒幕潰しのお手伝いとでも思っとけよ。なぁ?

【立場の弱いユウトのことは少しだけ哀れに思ったが──今は自分のことが優先される】
【ぎゃははと慰めにもならない言葉を彼に投げつけ。「おう、じゃあな」と】
【随分と気軽な感じで、悪魔には別れを告げた。──この一手がどう出るか。嗤いを浮かべ、ミラはメール画面を立ち上げる】

/お疲れ様でした!
255 :You’ve got mail. ◆DqFTH.xnGs [saga]:2018/03/18(日) 02:44:01.95 ID:TmEo/7vDO
>>To 鈴音/ロッソ/麻季音

『よう、元気か。こっちは色々と今進展してるとこだ。鈴音はこないだのメールありがとな』
『金の都合はついたってこないだ鈴音に話したな。まぁそういうこった』
『億単位で準備できる。ただしきっちり返せよってぇことがひとつと』

『後は戦力の話だ。これも鈴音には話したが、どうやらあたしらの敵、黒幕って連中の方には六罪王がいるっぽいな』
『夢の中でお喋りしてくれやがる愉快で不気味なヤローだ』
『で、鈴音には既に言ったが──こっちにもご機嫌な六罪王がひとり、味方してくれる』
『あたしら側の六罪王はまだ六罪王じゃねぇけどな。未来の六罪王ってこった。心強いだろ』
『それと追加の戦力として、レオーテヴュート?だかユウト?ってやつが協力してくれることになった』
『元UTなんだって?仲良くしてやれよな』

『あと──あたしは麻季音の親父を助けた後、黒幕潰しに走る。あんたらもそうするよな?』
『もし無理そうってんなら……人材集めだけ頼むわ。黒幕潰しに協力してくれそーなやつ』
『人はいればいるだけいい。何せ、連中ヤベェ法案通そうとしてるしな』
『どーせあの法案、黒幕連中が出したやつだろ?マジむかつくぜ』
『とにかく。力貸してくれそうなやついたら、あたしにも教えてほしい』
『で、協力してくれそうなやつがいたらあたしのことも話しといてくれると助かるわ』
『お互いやっぱ、顔合わせることになるだろうしな。今日はこれくらいかな。じゃな』


>>To ジルベール

『早速協力者をひとり見つけたぜ。邪禍っつう悪魔だ』
『味方にはならねぇがチカラは貸すってよ。まぁ妥当なとこだな』
『昔ブレイザーシティを襲撃したとかなんとか言ってたな。いい戦力になりそうだ』
『金のことと六罪王のことも言っといた……ただ、念のためあんたの名前を直接出すのは控えたぜ』
『円卓のこともまだ話してねぇ。黒幕潰しに協力しろで押し通した』

『邪禍は基本的にはあたしと気が合いそうなヤツだ』
『楽しいこと大好きって感じ。なんか分かるだろ。連絡先も控え済』
『UTの鈴音とはちょっとイザコザあったらしくてな。UT連中には邪禍のこと伏せてる』
『ただ、邪禍の代理人としてUTにはレオーテヴュートってやつを向かわせるそうだ』
『なんかあったらまた連絡する。じゃな』
『あ、これ邪禍のメアド【×××@×××××】』

『PS. 写真消せ』
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/18(日) 03:21:23.40 ID:EG/3bROao


【「吸盤でスマホって打てるんですかねえ」】

【「ベロで打ってるのかもしれないですよ。こう、んべ、って」】

【「ベタベタじゃないですかあ」】

【「ヌメヌメですよぉ」】

【「「あははははははは」」】



【「――あ。掛かりましたよ」】



【「宛先、間違えてますね」】

【「じゃあ、直してあげないと」】

【「直してあげないと」】



【ピッ】
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/18(日) 03:22:44.30 ID:EG/3bROao
【送信者 不明】



>>To 鈴音/ロッソ/麻季音



『早速協力者をひとり見つけたぜ。邪禍っつう悪魔だ』
『味方にはならねぇがチカラは貸すってよ。まぁ妥当なとこだな』
『昔ブレイザーシティを襲撃したとかなんとか言ってたな。いい戦力になりそうだ』
『金のことと六罪王のことも言っといた……ただ、念のためあんたの名前を直接出すのは控えたぜ』
『円卓のこともまだ話してねぇ。黒幕潰しに協力しろで押し通した』

『邪禍は基本的にはあたしと気が合いそうなヤツだ』
『楽しいこと大好きって感じ。なんか分かるだろ。連絡先も控え済』
『UTの鈴音とはちょっとイザコザあったらしくてな。UT連中には邪禍のこと伏せてる』
『ただ、邪禍の代理人としてUTにはレオーテヴュートってやつを向かわせるそうだ』
『なんかあったらまた連絡する。じゃな』
『あ、これ邪禍のメアド【×××@×××××】』

『PS. 写真消せ』





【――それが何故、そうなったのかは分からない】
【何処かからの転載のようではあったが、誰から誰に宛てたものなのかも記されていない】
【何故、そんなものが届くのか。誰が、何の意図を持ってそうしたのか。それも一切不明】

【これが小さな罅となるのか】
【あるいは何事もなく過ぎるのか】

【それもまた、誰の目にも、不明】
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/18(日) 03:37:48.35 ID:OZiN7OU90
>>250まだ募集中です
259 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/18(日) 04:11:30.49 ID:H0emLvx7o
>>252
(なんだ……?)

【ぞわり、と背筋に悪寒が走る。彼の瞳の奥で、何かが蠢いたのを見たから】


……是非とも

【答えは短く、だが確実に。カニバディールは、彼らの王国に一歩だけ足を踏み入れる権利を得る】
【彼の闇をそのまま表しているかの如き影から、立ち上ってくる黒い触手。これが、王国への入り口か】


全てがわかる――――なんと魅力的な響きだ……

【ブランルの言葉に返すよりも、眼前の触手に魅了されたかのように】
【カニバディールは、一本だけ伸びて来たそれへと、躊躇うことなく手を伸ばした】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/03/18(日) 13:48:26.34 ID:oasKIOJFo
>>259


────────ようこそ、”我らの王国”へ


【カニバディールが触手へと手を伸ばし、触れる────何も起こらなかった】
【ブランルに変化はない。触手に変貌はない。風景に変容はない。遠く聞こえる戦闘の喧騒にも変調はない】
【失敗か、あるいは口からでまかせを言っただけなのか。黒衣の魔術師はただ不気味な微笑みを湛えたまま佇んでいた】

【─────────────────『──けて』─────────────────────────────────────】

【一秒か、十秒か、一分か。一体どのぐらいの時間に感じられるか。不変が続くかと思われたときに、微かに、そして遠くに”何か”があった】
【それは”声”だった。船上の騒々しさにかき消されてしまうような小さな”声”が聞こえる】

【───────『──ね』─────────────────────────『──けて』────────────────】

【初めは意識を集中させなくては聞こえないほどにそれは小さい】
【だが集中させればさせるほど、時間が経てば経つほどに少しずつ大きくなり、近づいてくる】

【──『憎い』『誰』────『苦しい』────────『助けて』───『──して』─────『[ピーーー]』───】

【その”声”は一つではなかった。二つでさえなかった。いくつもの声が重な『助けて』り、合わさり、波濤となって迫ってきていた。それらは無数の意識が発する”声”だった】

【聴覚に訴えか『殺して』けるものではない。カニバディールの意識その『[ピーーー]』ものに介入してくる精神汚『私は誰』染の一種であり、たとえ耳を塞いでも脳裏に入りこんでくる】

【囁き程『憎い』ったそれらは船『[ピーーー]』戦闘音をかき消『苦し誰助けて』ほどの喧騒へ『ここはど暗い』貌を遂げ、それには止まら『[ピーーー]憎苦し殺』なる大音響へと変調し続『あなたは誰』た】

【精神を蝕『憎憎どこだ苦し私は殺死にたい助け』、意識『違うそれは私ではな誰が俺を殺し出し助死』裂く『”声”』の波濤。も『声が怖誰一緒になる私は貴方聞こえる化物飲み込ま助け[ピーーー]』る絶叫と化し『助気持けて一緒良い幸福憎一緒声い殺さ』】

【波『私が私殺たのこはdr貴はこkr[ピーーー]気mtい幸nk嬉kwts一つに王苦swzい我らの』確か『全てを絶tywkrsいどkcp死vt私jwlkgなsqkrlxこ前は私我らaw全wklmn妬ましい私は一つ助け』その『てdklhj[ピーーー]声貴ntgjhい誰qpj[ピーーー]てszせ楽b国嬉d楽しい誰おljk』う】

【『rkijb誰■ngl■■iirj全てnngjl■■mo■i■i我らrtbxc■spk■■kw殺しjokg妬bpodv■■mj私uf■vi憎k■■■bo誰ldoeo何処kw■dre愉sl■■bn一ue■dここは■■ek』】

【『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■』】




【────重なり合わさった声はもはや声と認識することはできなかった。ただ渦巻く音の波濤がカニバディールの意識を飲み込もうとしていた】
   【しかし。それらに飲み込まれることなく自我を保っていられたのならば。”声”にならぬ”声”の暴風雨の中で立っていられたのならば】
                【完全なる静寂が訪れ、ただ一つの言葉だけがその脳裏に響くだろう】



【                             『全てを一つに』                             】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/18(日) 13:50:59.49 ID:oasKIOJFo
>>259


────────ようこそ、”我らの王国”へ


【カニバディールが触手へと手を伸ばし、触れる────何も起こらなかった】
【ブランルに変化はない。触手に変貌はない。風景に変容はない。遠く聞こえる戦闘の喧騒にも変調はない】
【失敗か、あるいは口からでまかせを言っただけなのか。黒衣の魔術師はただ不気味な微笑みを湛えたまま佇んでいた】

【─────────────────『──けて』─────────────────────────────────────】

【一秒か、十秒か、一分か。一体どのぐらいの時間に感じられるか。不変が続くかと思われたときに、微かに、そして遠くに”何か”があった】
【それは”声”だった。船上の騒々しさにかき消されてしまうような小さな”声”が聞こえる】

【───────『──ね』─────────────────────────『──けて』────────────────】

【初めは意識を集中させなくては聞こえないほどにそれは小さい】
【だが集中させればさせるほど、時間が経てば経つほどに少しずつ大きくなり、近づいてくる】

【──『憎い』『誰』────『苦しい』────────『助けて』───『──して』─────『死ね』───】

【その”声”は一つではなかった。二つでさえなかった。いくつもの声が重な『助けて』り、合わさり、波濤となって迫ってきていた。それらは無数の意識が発する”声”だった】

【聴覚に訴えか『殺して』けるものではない。カニバディールの意識その『死ね』ものに介入してくる精神汚『私は誰』染の一種であり、たとえ耳を塞いでも脳裏に入りこんでくる】

【囁き程『憎い』ったそれらは船『死ね』戦闘音をかき消『苦し誰助けて』ほどの喧騒へ『ここはど暗い』貌を遂げ、それには止まら『死ね憎苦し殺』なる大音響へと変調し続『あなたは誰』た】

【精神を蝕『憎憎どこだ苦し私は殺死にたい助け』、意識『違うそれは私ではな誰が俺を殺し出し助死』裂く『”声”』の波濤。も『声が怖誰一緒になる私は貴方聞こえる化物飲み込ま助け殺す』る絶叫と化し『助気持けて一緒良い幸福憎一緒声い殺さ』】

【波『私が私殺たのこはdr貴はこkr殺す気mtい幸nk嬉kwts一つに王苦swzい我らの』確か『全てを絶tywkrsいどkcp死vt私jwlkgなsqkrlxこ前は私我らaw全wklmn妬ましい私は一つ助け』その『てdklhj死ね声貴ntgjhい誰qpj死ねてszせ楽b国嬉d楽い誰おljk』う】

【『rkijb誰■ngl■■iirj全てngjl■■moi■i我らrtxc■spk■■kw殺しjokg妬bpodv■■mj私uf■vi憎k■■■bo誰ldoeo何処kw■dre愉sl■■bn一つueyv■dここはj■■ek』】

【『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■』】




【────重なり合わさった声はもはや声と認識することはできなかった。ただ渦巻く音の波濤がカニバディールの意識を飲み込もうとしていた】
   【しかし。それらに飲み込まれることなく自我を保っていられたのならば。”声”にならぬ”声”の暴風雨の中で立っていられたのならば】
                   【完全なる静寂が訪れ、ただ一つの言葉だけがその脳裏に響くだろう】



【                             『全てを一つに』                             】
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/18(日) 18:16:27.13 ID:EG/3bROao
>>245


(――――――――)


【レイは、往生際の悪い使役者の命を受けて、そのサーチモードを出鱈目に切り替える】
【サーモグラフ、魔力サーチ、ソナー、パルスレーダー、暗視モード、高感度集音】

【だが】
【全ては遅きに失していた】
【この猛るような嵐と海流の中では、ただのノイズが形を変えて返ってくるばかりだった】


【強い虚無が彼女を打った】

【全身の力が抜けそうになる】
【思考がフラッシュアウトし、自分が何者かさえ、その一瞬は失いかける】


【ごう……ん、と】

【何処かで雷鳴が唸りを上げて、それで自意識を取り戻した】



【――血】

【『血』を操っていたあの下手人のことが、視界に像を結ぶほど強烈に想起される】
【かつて無いほど赤熱する臓物から声を絞り出し、彼女はレイへ命じた】

【「――対象αを追跡」】

【途端、白皙の機人は爆発的な速度で床を蹴り、その双銃を引き抜きながら階下へ跳躍】
【だンッ――と床板をへこませる衝撃を伴って着地、慈悲のない追跡者の眼光が周囲を薙ぐが】

【そこに残されていたのは、全てが去った後の空虚ばかり】

【――ぴぴ、と】
【僅かな電気信号の残滓を感じ取り、それをズームすれば、『通信機』の姿】
【脈絡無く置かれたそれは、あの蝶の男が使っていたものだろうか。――誰と、何を話していたのか】

【黒野カンナ/レイはそれを拾い上げ――】
【何かに直感されるまま、嵐の中に聳える、船の中央塔を見上げていた】


【――轟、と。何処かで雷光が瞬いた】


/では改めて、お疲れさまでした! ありがとうございましたー。
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 19:00:44.44 ID:w1kpP4Two
>>181

「ふふ、是非沢山の人に成果を見に来てほしいね」
「然るべき罪というものを──、お見せしようじゃないか」

【楽しそうにくつくつと嗤い、瞳を輝かせて】
【然るべき罪を見せつけてやると、宣言したのと同然であり】

「ちぇっ、冷たい子だなあ。もうちょっと話したかったんだけどな──」

【名前とか、なんてつぶやいた後、煙草を灰皿に押し付ける】
【灰がらをゴミ箱に放り込むと、灰皿を元に戻す】
【そして、裾を揺らして客室へと戻っていった──。次の“実験”の計画を練りながら】
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/18(日) 20:07:49.72 ID:AWL4XU+Ro


【公安三課による、“マルコ・ダルハイト”の捕縛作戦の内容は、以下の通り】

【ダルハイトはこの1か月、中央棟最上階の、厳重に警備された私室に籠もり切りだ】
【そこで、百家が暴動を起こして警備の私兵と国軍を散らし、鵺とリーイェンが私室の電子ロックとセンサー類を解除する】
【国軍は“警備任務”を完全には放棄しないだろう。そこで、私室前での待機が予想される国軍への対応は、森島が受け持つ】
【ラピスの役割は、“マスターキー”だ。私室の扉は単純な超重量をも伴っており、クリシュティナでは開けることができない】
【その上で、私室内のダルハイトをクリシュティナが確保する。室内警備の存在も考慮して、此処に“ジョーカー”を打つ】
【後は、ビリーの操る小型船舶で総員離脱。嵐の中でも、彼の技能なら凪の海と変わらず航行できる】

【──だが、1つのアクシデントが起こった】
【先程まで、両名と共に中央棟を登っていた森島が、突如現れた正体不明の能力者によって“落とされた”のだ】
【それでも、作戦中止は認められない。クリシュティナは短く、「行くよ」とだけ声を掛けて、階段を登って行く】
【ラピスもまた、それに続いて階段を登ったことだろう。 それしか、道はないのだから】



【 “嵐の日”/セレンディピター号・中央棟 】

【両名は最上階より、1つ下の階まで辿り着いた】
【エレベーターを使わない理由は“罠を張られていれば終わり”だから。停止なり爆破なり、どうにでもなる】
【幾分か時間は掛かっても】


…… さて、この上だね。 息を整えがてら、話を聞いてくれ。


【その雪の様に白い肌に、一切の汗も浮かべず。クリシュティナは立ち止まり、ラピスに声を掛けた】
【平時と変わった様子もない。──違うのは普段は垂らしているプラチナブロンドを、縛っているぐらいだ】


鵺とリーイェンの方は上手くやったらしい。ひとつ下の階の照明、落ちていただろう。あれが合図だ。
──、残りの“レイヤー”の除去については、森島が居ない以上、私が代わりをするしかない。
ラピス、君は真っ直ぐに扉に向かって、そのまま中に。 ダルハイトの確保も任せる。

何か、質問はあるかな。


【上階への階段の手摺に腰を預け、クリシュティナは滔々と語る】
【──その態度は冷徹とも言えるのかも知れない。先程まで共に居た仲間の行方も知れないのだから】
【或いは、その冷静さこそが“公安”に彼女が在る理由なのか。──普段、どうでもいい、と謳うように呟くのが、彼女の癖だった】

/申し訳ありませんが、予約です
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 20:10:57.80 ID:lGexy70T0
【路地裏】

【宵。切れかけの街灯が瞬く広場で、一人の男が"矛"を振るっていた】
【一振りごとに"ぶンッ―"という音が立ち並ぶ建造物の間に低く響き】
【時として、獲物に見立てた古い木材が叩き斬られる破壊音もまた、入り交じる】

【男は30代前半。180cmほどの身長で、髪は短く刈り上げており】
【衣服はといえば着流しの上衣を肌蹴た状態――すなわち上半身は裸であって】

【その肌にはびっしょりと汗をかき、それなり、という程度に引き締まった筋繊維の盛り上がりが灯りに映える】
【鍛錬、と言うにしては荒いソレは、見るものが見れば暴れるだけのようでも有り】
【また一方で、我流の矛術にも見えるかも知れない。――やがて男は、正面に立てられた分厚い木板に狙いを付けると――】


――――ッ、うら、アァァァぁぁぁぁッッ!!!


【ベギッ≠ニいう音を立てて、矛の刃が木板を斜めに捉える。――そして、一度は止まる】
【振るう勢いが足りなかったのか、そもそも斬り裂ける厚みではなかったのか】

【――しかし、裂帛の気合というものはそれで止まるほど柔いものではないらしく】
【ダンッ!≠ニ踏み込むと、今一度全体重を矛へ預けて――厚さ4cmほどのそれを、叩き斬る】
【斬り落とされた大きな木片はこの広場に繋がる辻の一つへと重たげに飛んでいき】


チッ……馬鹿みてえに重ぇな、クソ。
魏尤の野郎、どうやってこんなもん振ってやがったんだ?


【はぁ、とため息を付いて矛を下ろす。すると、"矛"は一瞬にして"ナイフ"へと造形を変える】
【マジックアイテム、だろうか。男はといえば、路端に置いていたタオルとスマートフォンを拾い上げて】
【汗を拭いながら白い呼気を吐き出して、ナイフ片手にメールチェックを始めていた】
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/18(日) 20:11:36.81 ID:dGXIUBxZ0
【街中――繁華街】
【細い道を取り囲むビルには様々なチェーンの食べ物屋が軒を連ねる、ほんの少し奥の道に入れば、"そういう"店ばかりになるような通り】
【こんな時間になればただでさえ狭い道にはどこぞのメニューを片手に通り過ぎる人々の道を片っ端からふさぎにかかるような客引きも多くて――】

……あれ?

【――だから、そんな人影はかえって目立つのかもしれなかった。まだあどけなさの残る少女だ、店と店の隙間、どこぞの店の立て看板の、さらに奥】
【隙間も隙間にはまり込んで携帯を見ていた、少女――、そんな場所だからか一目には付きづらい。客引きもそんな少女は見落とし、あるいは数度断られ】
【かといって誰かを待つ素振りでもなかった、なにせ、こんな通りの隙間――なんていうのは、待ち合わせにはきっと適さないのだから】

【肩を撫でる程度の黒髪をくしゃりをかき上げる、それから耳にかけるように整えて――その途中、リボンの髪飾りの尾っぽを捕まえて、指先にくるくる絡め】
【あどけなさの目立つ顔はひどく色白で透き通るよう。少しだけつった丸い瞳は左右で色の違う一対、黒色と赤色は、手元の携帯端末を変わらず見つめたまま】
【青みがかるくらいに白いブラウスに真っ赤なリボン、襟元には細かな刺繍が施されて――ミルクを入れた珈琲色のスカートは、背面をぎゅうと編み上げたデザインのもの】
【ただでさえ膝上丈の短さはパニエで膨らませたらもう少し短くなって――足元はタイツだろうか。素肌の透けないものに、それから、かかとの高い靴】
【――なにかが不可解なように「んん?」と小さな唸り声、寄り掛かった壁に靴底をこするように足を持ち上げたなら、ほんとうはそれがタイツでない長い靴下であると知れ】
【布と詰め込まれたパニエのほんのきわどい隙間から素肌が覗いて見えた。もう一度「んん?」なんて声は、どこか鈴の音に似た涼しさを持って】

えっと……、悪魔? ん――?

【かりり、と、靴底が薄汚れた壁をひっかく音。長いこと壁に寄り掛かるようにしていた少女は、まだ画面に視線を釘付けにしたまま、ふわりと立ち上がるから】
【もし通りすがるひとが居れば急に何かが立ち上がるように見えて驚かせるかもしれなかった。あるいは――その直後、その少女が、物陰から出て来るのに気づかなければ】
【そのままぶつかってしまうことも、ありえて――それくらい、この少女は携帯の画面を気にしていたのだ。すぐ横の壁には半分風化したポスター、『歩きスマホはやめましょう』】
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 20:33:46.53 ID:AZEKRekR0
>>265

【斬り落とされた木片が、丁度辻から出てきた少年の足元に落ちた】
【黒髪。無造作に伸ばされたそれが、軽く目元を隠していて表情は伺えない】
【着丈の長いコートの色も、また黒】

…………。

【足元に、からん、と転がった木片から、目線を男に上げた】
【矛が、ナイフに変わるその様を見て】

――そのナイフ。どこで手に入れたのですか。

【そんなふうに、声を掛けてきた。年の頃は、17-8だろうか】
【けれどどこか、疲れたような。そんな響きさえ感じさせた】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 20:40:36.52 ID:lGexy70T0
>>267


――――あァ?


【ぶっきらぼうな返事だった。顔を拭ったタオルを首にかけ】
【如何にも路地裏の住人らしい鋭い視線を、少年に向ける】
【同時にナイフを数十センチほど放り投げて、それをキャッチして】
【そんな手遊びを繰り返しながら、気怠そうにスマートフォンを下ろし】

昔、俺のことを散々痛め付けてくれたクソ野郎から奪ったのさ。
ブッ殺して、痛いくらいに握ってた指を千切ってな。

……で、それがどうした?く、ははっ……お前も奪い取ってみるか?

【ナイフの意匠は龍≠セ。東洋の物らしく、柄が龍の頭を模している】
【その色は金。刀身は錬鉄の厚みが感じられる白銀であり】

【手に入れた手段というのも、また随分と荒々しいものだった】
【或いは、そのニヤリとした表情からして嘘なのかも知れなかったが】
269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/18(日) 20:47:57.76 ID:IkJtbGRv0
【路地裏、まっくら】
【ずり、ずり、と靴底を地面に滑らせるような音が響いていた】
【そんな音を立てるのは、やたらと底の分厚い赤い靴】
【これならまあ、多少擦り減ったって問題はないだろうと思うくらいの】

(…………嫌だ嫌だ、ああ嫌だ。帰りたくない)
(あいつらのところに帰るのはヤダな、でも野宿はもっとイヤ)
(どうしようかな、これから。てきとうな宿を転々と? ……そんなお金ないし)

【そんな靴を履いているのは、闇に融けてしまいそうなくらい真っ黒の】
【コートを纏って、フードを目深に被っている。少女のシルエットだった】
【ずり、ずり、……こつん。靴音が止まる、進む足が止まる】

……おうち帰りたいよう、……もうやだよう……

【ぽつりと吐き出されたのは、弱弱しい泣き言。ひどく疲れているような声色で】
【しゃがみ込んで、喉を引き攣らせるような嗚咽を零し始めた】
【……真暗な路地裏。啜り泣きの声。誰かの耳に入れば、ホラーちっくな誤解を与えるかもしれない】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 20:48:41.61 ID:AZEKRekR0
>>268

【くすり、と】
【笑ったのが聞こえるだろうか。唇が吊り上がったのが見えただろうか】

――いえ。
別段、それが欲しい訳ではないですよ。
『似たようなものを持っていますから』。
ただ、興味を惹かれただけです。

鍛錬のお邪魔をしてすみませんね。
どうぞ、続けて頂いて構いません。
精々汗でも流すといい。

【どこか棘のある物言い。ふらり、と頭を揺らして歩く】
【黒髪が、動きに合わせるようにさらり、さらりと動いて】
【男の横を通って、広場の反対側へ向かおうとするようだ。もしも歩いているときに、その眼が見えたのなら】
【何もかもを憎んでいるような、何もかもに疲れているような、そんな眼をしていることに気づくだろう】
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 20:58:52.02 ID:lGexy70T0
>>270

【『へぇ』――なんていう、極めて単調な返事を少年はどう受け取るだろうか】
【似たようなものを持っている≠ニいう点に関する興味なのか】
【或いはその笑いと、そっけない態度に対する侮蔑なのか】

【それは分からない。ただ、彼が随分と非友好的な態度を取り】
【かつ、隣を通り過ぎようとした時の、その瞳を見ると――にや、と笑い】


……まあ待てよ。なあおい、クソガキ――その憎悪≠ヘ置いてけや。


【少年の肩に、手をかける。いや、避けられても構わない――それよりも緊要な事象が、この広場には発生する】

【――黒い靄≠ェ現れる。能力者にしか視認できない、霧のようなものだ】
【それは鍛錬をしていた男を中心に渦巻いて、少年をふわりと包もうとするだろう】

【見えようが、見えまいが――もし纏われれば、彼が感じるのは不快感≠セ】
【人の持つ憎悪、呪詛。それを流し込まれるような、込み上げる吐き気と頭痛が主症状】
【もし靄が見えるのならば、男の方を振り返ると――巨大な黒髑髏がその背後に出現していることにも、気付けるだろう】
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/18(日) 21:02:38.46 ID:/IRZTkYt0
>>264

……、……はい。

【クリシュティナに声をかけられて、ラピスはその蛇の如き静音の歩みを止めた】
【菫色の瞳は規則的に瞬き、調息は整えるまでもなく】
【この計画された混沌の中で唯一のイレギュラー≠ノ対する動揺の色は、表面的には窺えなかった】

クリシュティナさんが森島さんの分まで引き受ける、ということですね。
予測される、電子網から外れた室内警備の排除については如何しましょう。
――後先のことを考えない≠ネらば、私が丸ごと行うことも視野に入りますが。

【『彼』の不在によって、作戦は本来の予定をわずかに外れた】
【ラピスは極力私情を排し、自身の能力の危険性も含めて、軌道修正についての摺合せを問うだろう】

【彼女はクリシュティナのことを非情だとは思っていない。寧ろ、その平静さに感謝すらしている】
【回答が得られればこくりと頷き、少しばかり遠い――けれども他の皆と等しく大切な『僚友』の背に、身を隠すように進み始める】
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 21:07:52.28 ID:AZEKRekR0
>>271

【肩を掴まれる寸前、くるりと身体を捻ってそれをかわす】
【コートがはらり、と翻った】

――憎悪を置いていく、ですか。
神父のようなことを言いますね。
どうみても善人には見えないくせに。

【じゃり、と男に向き合うと】
【辺りを満たす、黒い靄≠視認した】

……なんですか、これ。
気分、悪い……なァ、もうッ!

【そうして、靄に纏わりつかれる。眉根を寄せて、奥歯を噛みしめるが】
【戦闘不能にまでは至らない。コートの袖から、手のひら大の銀色の球体がひとつ転がり出て】
【少年の傍らにふわりと浮かぶ】

――なんだか、苛つきます。
これ、すぐ消してもらえません?

【呼吸を調えるように、背筋を伸ばす】
【少年はその、憎悪に満ちた視線を、男に向けて正対した】

274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 21:16:02.51 ID:lGexy70T0
>>273

『神父』……あァ、そりゃ演った事なかったな。
確かに今のはそれっぽかったな。……ま、善人じゃねえのは合ってるんだが

……さあてコイツはなんでしょう。
ハイ。正解は能力者にだけ見える俺の能力≠セよ、クソガキ
気分悪いか?だよな、だってそういう能力なんだから。

【黒い靄は少年を包もうと無形の網となって漂い、寄せる】
【けれどここは広場だ。距離を取ることは可能だし】
【ある程度離れて、路地裏のものとはいえまともな空気を吸えば気分も良くなるはずで】

【男が手元に持っていたナイフ。それを、青龍刀≠ヨと変化させると】
【それを肩に担ぐようにしながら、彼の手元の球体に視線を向け】

あァ?……嫌だよ、俺の能力をどう使おうが、俺の勝手だろ?
ましてや誰から見たって悪人の野郎が、なんでお願いを聞く必要があるんだ?

……にしても良い眼だな、強盗に目の前で彼女でも殺されたような眼だ。
もっと憎めよ、ガキ。そうしたらその分、俺の能力が強くなる
人の憎しみだの呪いだのを喰うんでね…――で、そのボールで何する気だ?

【男からは動かない。あくまで煽るような言葉を掛けるのみ】
【青龍刀を持つのは左手だ。右手のスマートフォンは、邪魔になるからと何処かへしまったらしかった】
275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 21:23:08.55 ID:AZEKRekR0
>>274

【そういう能力だ、と聞くと、周囲の靄を一瞥する】
【網状に姿を変えたそれと、引く様子のない男を見ると、一つため息をついて】

――ひとつ質問ですけど。
あなたが僕の、憎悪や呪いを喰らうとして。

【傍らにあった、銀色の球体が回転し始める。その形は、徐々に扁平な長方形の板へと変化している】
【少年自身に当たらぬよう、角度をつけて回転し始めたソレは、まるでヘリコプターのローターのように風の流れを生み始めた】

どれほど喰ってもらえば、僕の中からその憎悪は消えるものなんですか。
それとも、消えるものじゃないんですか。

【おんおん、と、風が唸りを上げる。木片や辺りの塵が、宙を舞い始めた】
【無形の靄がどの程度風によって弾けるものか未知数ではあるが――気流に影響されるものならば、それは吹き散らされていくだろう】

276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/18(日) 21:24:47.44 ID:AWL4XU+Ro
>>272

【「それは、君に任せる。」】
【ラピスの質問に、返されたのはその言葉だけだった】
【信頼か、それとも諦観か。 見定める暇のない間に、クリシュの背は階段を登っていく】


【 ── 】


【階段を登り切ると、広い廊下の広がるフロアに出た。豪奢な装飾と、奥には巨大な扉】
【──まるで、金庫のようだ。中身を決して出さない、という決意が漏れ出るような、異様な扉】


『 予想より、少し遅かったな。』


【──そして、その前で。年季の入った軍帽の下、皮肉げに笑む男の姿が見える】
【“金狼”の隊章が胸元で牙を剥いている。 ラピスも、事前情報で確認済みだろう】
【この船に乗り込んだ国軍の司令官を務める水国軍中佐、“ロロケルム・ランガスター”】
【彼に“パトロン”の情報を送り付け、その結果として、現在のカオスは醸成された】


アクシデントがあってね。
……そこ、通してくれはしないのかな。

『可憐な女性達の頼みでも、それはできん。残念だが、上からの案件だ。
 ──クックック、宮仕えというのはお互い苦労するな。公安三課。』

……そんな顔はしていないけどね。どうでもいいけれど。


【国軍側の指令と三課側の指令がバッティングしている以上、何れも現場判断では退くことができない】
【──、クリシュとロロケルムの間に、玲瓏たる殺気が交わされる。能力者同士が対峙する、独特の雰囲気】
【そして、クリシュが無言で、ちらり、とラピスに目を向けた。 ──「駆けろ」、とその瞳は言っている】
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 21:29:48.58 ID:lGexy70T0
>>275

――さあな。あんまりそういう使い方、しねえんだ。

【少年の質問に対しては、また簡潔な返事をした】
【彼の手元の銀色が板へと変わり、風を巻き起こし】
【そうすると、靄は敢えなく消し飛ばされる――そういう性質なのか】
【ニヤつく男がそう演じているだけのか。ともかく、少年の側から靄は消え】

まあ、でも……大人しく何分かさっきのに包まれてりゃ
そのうちそっくり無くなるだろうぜ、その憎悪。

なにせ、俺の能力はさっき言った通りのもんだ
憎しみ、恨み、呪い……生きてようが死んでようが
俺の周りで漂うそういうエネルギーを吸収して、コイツ≠ンたいに溜め込んでいく。
……喰ってる間は不快だろうが、根こそぎってのは保証するぜ?

【コイツ=\―男の背後で佇む、巨大な黒髑髏のことだろう】
【確かに不快な、背筋を寒くするような存在感がソレからは漂っていて】
【けれど男の言葉は交渉のようでもある。どう取るかは、やはり少年次第と言う所だった】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 21:37:58.22 ID:AZEKRekR0
>>277

【『へぇ』――、と返事をした。先程の男の返事と同じように】

エネルギー、ですか。
その原因から、元から絶ってくれるわけじゃないんですね。

……だとするなら、やっぱりこの世界がこんな風な限り、僕の憎しみは消えません。
あとからあとから、溢れ出てくるのだから。

僕には忘れられないことがあるから、やらなければいけないことがあるから、
この憎悪を貴方にあげるわけにはいかない。

【少年が口にしたのは、決裂の言葉だろうか】
【回転する板は、その側面を細く、鋭く変えていく】
【両刃のブレードのような形態になったそれは、少年の横で依然として、解き放たれる時を待っていた】


279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 21:45:45.56 ID:lGexy70T0
>>278

……なんだよ、お前も『こんな世界を作り変えたい』ってクチか?
最近多いよな。今の世の中は汚れきっていてクソばっか
だから誰も悲しまない素敵な世の中を作りましょー……って言う、馬鹿。

で、こんな世界を憎む黄昏れ少年クンは何をするんだ?
敵討ちか、それとも使命感に燃えて新世界の創造か?

【元からは断てない――それを否定も、肯定もしない】
【けれど決裂を持ちかけられたからといって、襲いかかりもしない】
【少年をバカにしているのは態度でわかるだろう】

【だが彼が能力者であり、明確な敵意と武器を持っているのは確かなのだ】
【そういう相手と問答無用で刃を交わすほどの馬鹿ではない】
【見た目と行動はナンセンスな無頼漢だったが――そういうタイプ、らしく】

……あとな、その武器。さっさとしまっておいた方が良いぜ
対抗する俺の武器がこれ≠セけだと思ってるなら、まあ良いんだが

【これ≠ニは、青龍刀のことだ。脅しというより――忠告、だろうか】
280 : ◆DqFTH.xnGs :2018/03/18(日) 21:47:19.02 ID:JRvsCdppO
『────特定超規安全保障法案が』 『いやあ、どうなんですかねえ。我々としましても』
『魔限法についてはまだ議論を重ね────』 『どうして今までなかったんだろうって』

【 『何としてでも、魔限法は可決していただきたいですよね』 】


【路地裏に、ざらついた音声が流れていた。その音を辿れば、空き地のような場所に着くだろう】
【木箱がいくつか積み上げられ、そのまま忘れさられたゴミ捨て場のような場所だ】

【積まれた木箱を椅子がわりにして、ローブで身を包んだ女がテレビを見ていた】
【随分と古い箱型のテレビ。そこに映されていたのは、よくあるニュースバラエティ番組】
【話題のニュースを突いてタレントが好き勝手言い、適当なところで次の話題に移る】
【今はどの局も同じ話題ばかりだ。なんとかとかいう、異能も魔術も国が管理しようという法案】

…………おー、戻った戻った

【フードで頭部をすぽりと覆った、怪しげな女だった。フードの中では何かがざわざわと蠢いていたが】
【テレビの内容もそこそこに、女は手鏡をじっと見つめていた】
【最初は魚眼のように丸い金の目──ぱちり。カメラワークが切り替わったかのように】
【文字通り、目の色が変わる。まずはヒトのような黒い瞳】
【ぱちり──人当たりの良さそうな目。ぱちり──黒い白目と血のように赤い虹彩】
【ぱちり──左右で色の違う赤と黒の瞳。ぱちり──ぱちり──ぱちり──】

っし、もいっちょおさらいすっかぁ

ジルベール 【ぱちり】 ゾーイ 【ぱちり】 曽根上 【ぱちり】
鈴音 【ぱちり】 麻季音 【ぱちり】 邪禍 【ぱちり】 レオなんとか 【ぱちり】

【それはまさに、手品のようだった。女が瞬きをする度、目が変わる】
【大きさも雰囲気もばらばらに、ただ目だけが────】

/最初の方、レス遅れるかもしれません+12時過ぎには落ちますが、それでもよろしければ
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 21:57:00.66 ID:AZEKRekR0
>>279

作り変える?
素敵な世界?

【また、くすりと笑い声を上げた】

貴方も知っての通り、無駄ですよ、そんなの。

人間が人間であり、能力者が能力者である限り、
どんな仕組みを作っても、どんな綺麗事を並べても、
悲劇は再生産されるし、加害者も被害者も無限に増えていく。

―――ああ、でも。敵討ちはいいですね。
何も解決しないし、きっとあの子達も喜びはしないですけど。
それでも、ほんの一瞬、その刹那だけ、僕の溜飲は下がるでしょう。

【ポケットに手を突っ込んだまま、男と言葉を交わす】
【武器をしまったらどうなんだ、という言葉に、首を傾げて】

武器を仕舞うなら、あなたが先ですよ。
先に敵対行動をとった―――黒い靄、ですか。これを出したのはあなたですし。

僕も無益な戦いは好みません。疲れますしね。
だからといって、無防備に戦闘態勢を解けない。
ほら、あなた――誰から見たって悪人の野郎、じゃないですか。

【そういうと、肩をすくめた。真意が何処にあるのか、それはわからない】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/18(日) 21:57:21.93 ID:/IRZTkYt0
>>276

【現れたのは『要人警護』の任務に就く国軍の司令官で、しかし階下で『パトロン捕縛』に勤しむのは国軍の兵卒たち】
【その状況を俯瞰すれば、百家が演じた手品の巧妙さと大胆さを改めて痛感することになる】
【にらみ合う国軍と公安の能力者。それは偽を真足らしめるための、凄絶無比なる茶番劇】

……、……!

【クリシュティナの視線を受けて、細い首が微かに頷く】
【二者の緊張が弾けるより先に、ラピスは音もなく床を蹴って砲弾のように飛び出した】

―― 魔眼、解放。

【一歩目を踏み出した瞬間。菫色の瞳に不浄の光が閃き、鼓動する】
【それは鉄壁の門扉の前にラピスが到達するまでの僅かな間で、怖気を震うようなうねりと化していた】


―――――― 穢せ。『Gaze of Granite』――!!


【そして――――1点に収束して、放たれる】
【視る≠アとさえ可能ならば、あらゆるモノを物言わぬ塊へと変える凝視。石化の魔眼】
【例え対象が柔らかな人肌であろうと、無毀の鋼であろうと】
【彼女の視線は内部構造までを貫き、一刹那のうちに『砕けるほど脆い岩』へと変性させるだろう】
【尤も――魔翌力や能力の影響を受けていない尋常の物体であれば、という但書はつくが】
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/18(日) 21:59:17.49 ID:IkJtbGRv0
>>280

【ひっ、と喉が引き攣れるような音が鳴った。その後、靴底がずりりと地面を滑る音】
【テレビの音にひかれてやって来た誰かがいるようだった。あなたが振り向けば】
【黒いコートを着込んで、フードを目深に被っている少女のシルエットが目に入る】
【闇に融けそうな色合いの中、足元の赤い厚底靴だけが目に痛い】

……、……お、おばけっ……?

【やたらと嗄れている声で、少女はそう口にした。悪気もなく、ただ思ったことを咄嗟に言っただけ】
【ブラウン管の輝きに照らされるあなたの目――万華鏡みたいにころころ移り変わる】
【それを見て、そう思ったんだろう。さてそれが、あなたにどう思われるだろう】

【(余談。この少女、つい先日『円卓』に招かれた謎の人物が、兵力として差し出した能力者のひとりであり)】
【(「赤い靴の娘」。それだけの特徴で広められていた人物像。小耳に挟んでいるかもしれないし、そうでもない、かも)】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 22:05:00.00 ID:lGexy70T0
>>281

【『へぇ』という言葉が、再び男の口から漏れた】
【しかしながら今回は先の――言うなれば適当なモノ、ではなくて】

【少年の言葉。すなわち『世界を作り変えるなんて無駄』】
【『人間が人間であり、能力者が能力者である限り』――】
【――『武器を仕舞うなら、あなたが先ですよ』】

【そんな言葉の数々に対しての、一定の理解を示す一言だった】
【そして余りにもあっさりと、男は背後の黒髑髏を霞の如く消し去って】
【更にはおまけと言わんばかりに青龍刀をナイフに変形させ、腰に収め】

これでいいだろ?何処からどう見ても、無防備な悪人の野郎って感じだ

フフッ……にしてもお前、良い考え方してるじゃねえか。
何処のひねたクソガキかと思ったが、案外悪くねえ
その態度と眼だけは、ちょっとばかり気に入らねえけどな

……お前、名前は?――あァ、『先に名乗るのが礼儀でしょう』ってか?

【『ジルベールだ。ジルベール・デュボン―』――それが、この悪人の名前らしかった】
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 22:14:03.30 ID:AZEKRekR0
>>284

【あまりと言えば、あまりにあっさりと戦闘態勢を解いた男に、わずかに驚いたように息をつまらせ】

……調子狂いますね、あなたと話してると。

【回転していた銀色は、ヒュンヒュンと音を立ててその速度を緩めていく】

――ええ、ぱっと見は無防備な悪人に見えます。
僕の名、ですか。
名前なんて、大事なものとも思えないけれど。

【静止したブレードは、いつのまにか元の銀色の球体へとその姿を変えていた】

……蒼月 慎、と言います。
ジルベールさん。

【球体を手で掴み、コートの袖口に押し入れる。よろしく、とは言わず、少年は己の名を名乗った】
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/18(日) 22:14:04.94 ID:AWL4XU+Ro
>>282


【 ≪ Wirbelwind ≫ 】

【軍人は、脇を駆け抜けようとするラピスに向けて、そう呟く】
【すると、彼の周囲の空気が収束し──、渦巻く“鎌鼬”と化して放たれた】
【刃の如く研ぎ澄まされた空気は、死の匂いを伴ってラピスに迫り── 】


 可愛い後輩に手を出さないでくれるかな、雷狼。


【── 途上、“紅い氷”に包まれた】
【鎌鼬はその空気ごと、氷の内に閉じ込められる。クリシュは、元の位置から一歩も動いていない】
【零れる吐息は、口元の笑みを覆い隠すように、白く澄んでいる。──それを見て、軍人の瞼は釣り上がった】


『…… 笑うのか。君は獣だな。三課は随分と業の深いモノを飼っているようだ。』

 評論はどうでもいいよ。気障な言い回しは嫌いでね。
 ── さぁ、やろうじゃないか。


【“氷の壁”が隆起し、扉に辿り着いたラピスと、両名の間を塞ぐ】
【軍人は背後を振り向くと、嘆息した。 ──狩りと戦争は、似て非なるものだというのに】


 【 ── 】


【ラピスの魔眼が、鋼鉄の扉を砕く。“氷の壁”ができたとはいえ、早急に中に入った方がいいだろう】
【──、背後からは、壁越しでも伝わる激しい戦闘の音と、海揺れとは震源の違う地鳴りが響いている】


【もし、扉を抜けて中に入ったなら】


【そこは、拍子抜けするほどの“普通の部屋”だった】
【広々としており、所々に造りの良い調度品は散見されるが、決して、豪奢なわけではない】
【ここまでの道程を思えば、高低差に現実感が失われる──まるで、都市部の一軒家のような部屋】

【家に引き直すのなら、そこは“リビング”だ】
【テレビに食卓机と椅子、ダイニングキッチンに、奥の方には別室への扉】
【ごく普通の生活感と、そして── 】


 【“ぱたん”】


【そんな、小さな音を立てて。人ひとりは隠れられそうなクローゼットが閉まったのを、ラピスは聞いたかも知れない】
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/18(日) 22:19:29.28 ID:d3X/LiwI0
【時折、じりじりと頭が痛む。それがただの頭痛なのか、内側から溢れ出そうな何かによる者なのか。誰も知らない】

【―――火の国・某繁華街―――】
【敗者と勝者。その両方が入り乱れる混沌の街に、少年は身一つで乗り込んだ。無謀でも、勇気でも無い】
【世界を見ることは、美しい面だけを見ることでも、どうしようもなく薄ら暗い面だけを見ることでもない】
【多種多様、千差万別、あらゆる面を見てこそ、この世界と言う物が見えてくる。自ずと、自分がいるべき場所も】
【故に、彼は自らの意思でこの煩雑とした土地を選んだのだ】

この、今日のオススメと言うものと、烏龍茶を頼む
ひとまず……ここで三日は過ごしてみるか

【繁華街に無数と立ち並ぶ料理店。その一つに、彼の姿はあった】
【ややくすんだ白銀の髪。鋭く整った中性的な顔立ち。白いシャツに黒いベスト、黒いズボンとタイトな格好は余り繁華街には似合わない】
【歳の頃は十代後半から二十歳くらいだろうか。注文を終えた少年は、溜息を一つ吐き出すと、水の入ったグラスに口をつけた】

【大きな丸テーブルを囲む幾つかの椅子。恐らくは複数人が座ることが前提なのだろうが、今このテーブルに座る客はまばら】
【しかし、店内は埋まった机も複数存在する程度には盛況。つまり、入って来た客はこのテーブルに通される可能性が高い】
【この日、この時、旅人である彼に出会う数奇な運命を持った者は、果たしてどのような人物だろうか】
288 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 22:25:30.36 ID:lGexy70T0
>>285

ああ、名前なんて何の意味もない。ただの符号だよ?
ジルベールって名前だって偽名だ、でも『こいつだ』って分かればいいだろ。

というわけで、蒼月。お前、能力者だよな?
そこに期待して一つだけ勧誘しときたいんだが
お前、国家権力とか、警察とか、あとはさっきの理想≠語るやつとか……

……そういう連中、ズタズタに引き裂いて川に捨てたいと思ったり
俺と一緒に世界を買ったりしたいと思ったら、連絡してもらえるか?
電話番号、メモが無いんで口頭で伝えたいんだがな。

【相手が名乗れば、それが交渉開始の合図になる――そう言わんばかりの誘いだった】

【突拍子もない、それこそ調子を狂わすような言葉なのは間違いない】
【少年を能力者と見込んで、その力を自分の元で使いたいので、以下略】

【――白痴か何かか、と切り捨てるのもまた結構だろうが】
【男の、ジルベールの言葉には澱みがなかった。すなわち、言い慣れている様子があった】
【言い慣れている――それを嘘としてか、自信満々の真実としてか】
【どんな理由で慣れているのかは、少年の判断次第だったが】

【もしYES≠ニ答えるのならば、ジルベールは淡々と電話番号を伝えるだろう】
【仮にこの場でかければ、彼の着流しの何処かから着信音も聞こえてくるはず、であった】
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/18(日) 22:28:42.10 ID:JRvsCdppO
>>283
【ぱちり──最後に女の目は、ヒトのような金色の目に落ち着く】
【そして物音が聞こえれば。更には少女の言葉が耳に届けば】
【に、と口元を歪めて嗤うのだ。ざわりと、フードの中で何かが踊る】

…………よぉ、お嬢ちゃん。悪いお化けになんか用事かぁ?

ぎゃは────ほぉら、悪いお化けがやってくっぞ
てめぇの目を、食うかどうするか…………なぁ?

【木箱の上に立ち上がる。そのせいで、女の姿が余計に大きく見えるだろうか】
【薄紅色の肌。その肌の色もまた、女を化け物と感じさせる一因になるだろうか】

【木箱から飛び降りれば、女は少女の方に歩み始める。──ぱちり。目の色が変わる。赤に。青に。黒に】
【あるいはオッド・アイ。あるいは白濁した目。あるいは──】
【一歩一歩、少女に近付く毎に目の色が変わる。にたりと女は嗤っていた】
【わざとらしく、歪んだ唇を舌で湿らせる。このシチュエーションを女は愉しんでいた】
【少し脅してやろうと、そういうつもりだったが──】

【(──赤い靴の少女については、女は知らなかった。知っていても、失念していた)】
【(彼女は円卓でありながら、円卓でない身。機関施設に身を寄せる、機関員でない身)】
【(円卓がどう、というよりも。女は目の前のひ弱そうに見える少女を脅す方に、愉悦を感じていた)】

/申し訳ない、次も遅れるかもしれませぬ!
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 22:38:26.04 ID:AZEKRekR0
>>288

ええ、能力者です。
別段、僕はそう思わないんですけどね。
軍や警察はそう思ってないようで、たまに追手が掛かります。
川に捨てたりそのへんにバラ撒いたりしていますけど――煩わしくなったら、貴方に連絡すればいいんですね。
世界を買う、ですか。世界を貴方に売る人もいるんですかね。

【恐らく、何かしらで戦力を集めているのだろう――少年は、そんなことを朧げに察するが】
【しかし、彼の道行きがそれで変わるわけでもない。何かの時の助けにできれば、と、あくまで自分本位にそう考えて】

【ジルベールの伝えた番号に、自身の端末から電話を掛ける。『それが僕の番号です』、と】

3日に一度くらいは見るようにしています。
気が向けば、折り返しますよ。

【最初からリアルタイムで取る気がない、とでもいうように、そう伝えた】
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/18(日) 22:40:09.48 ID:IkJtbGRv0
>>289

……っさ、最近のお化けは、テレビ見るの?
ずいぶん現代的じゃん、イメージ変わっちゃうぅ……

【フードの下、靴と同色の瞳が吊り上がる。無駄に負けん気が強いらしい】
【それでも、ずりずり言う靴音は止まないままだった。それなりにビビっているのだろう】
【くるくる変わるあなたの目の色、変わった肌の色。間近で見ればなおのこと不気味。そう思った】

っふ、ふぅ〜ん……ヒトを食べる系のオバケ?
ややややってみりゃいいじゃん、あたしこう見えて結構ツヨいんだからネ?

【「それ以上近付いたら、どうなっても知らないからっ」……めちゃくちゃ強がってる。】
【呂律が回っていない。肩が小刻みに震えている。怯えているのは目に見えてあきらかだった】
【焦ったように宙を泳ぐ右手に、魔翌力のうずまきが発生する】
【何かしら、術を行使する準備でもしているんだろう。瞳には警戒の色ばっかりが濃ゆく映っていた】

【――テレビでは未だ、魔限法の話題が続いている】
【それが可決されるなら、この少女だって規制される対象になるんだろうが】
【特にそういうのは気にしてない、あるいは自分には関係ないとでも思っているのか】
【何らかの能力を使うのを、やめようともしないままだ】

//承知しました! ごゆっくりです〜
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/18(日) 22:40:41.33 ID:/IRZTkYt0
>>286

【完全防備の扉だったものがばらばらと崩れ落ちる音に、ラピスは今日初めてくすりとした】
【ひとつ壊すごとに、怪物としての衝動が少しずつ満たされる。武器としての価値を自己に見出だせる】
【だからこそ仲間たちは化物の生存を認め、望むべくもない幸せが心を癒す】

【だが、まだ仕事は終わりではない】
【表情を引き締め、室内に踏み入る。眼にするは――想像とは全く逆のベクトルで、異質な光景】

(家、ですね。普通の家、モデルハウスしか見たことがないですけど。……想定外です)
(……いや、こうでもなければ、一ヶ月も正気のまま籠れはしないでしょうか?)

【船内外との通信手段や重要な資料が放置されてはいないかと、ラピスは細心の注意を払って辺りを見た】
【それでも目につくものは尽く、ただの生活用品で――と。戸惑っている内に漏れ聞こえる音】

【ざっと確認できた範囲で詳細が不明なのは、今の音の音源と、奥の方に見える扉だ】
【どちらを選んだとしてもリスクはある。どちらが逃走経路であるかの判断材料は不明】
【言うなら、今の『音』も露骨だ。ダルハイトは無能力者かもしれないが、無能ではない】

(最悪でも、二正面作戦は勘弁ですね。……こうしますか)

【短い思案の後、ラピスは可能な限りの安全策を取ることにした】
【まずは『眼』の魔翌力を解放して、別室への扉を一瞥。それを先程とは反対に、『堅い石の壁』に変えようとする】
【これならば中に何かが隠れていたとして時間は稼げるし、あとで脆く作り直すのも簡単だ】

【その上で――未だ魔翌力を燻らせる瞳を侮蔑に細めながら、伸ばした『蛇の髪』一本を駆使してクローゼットを開けようと試みるだろう】
【相手の手の内が不明な以上、バカ正直に正面に立つのは避けたかった】
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 22:50:37.56 ID:lGexy70T0
>>290

そういうことだ。幸い、そういう連中とは仲が悪くてな
住む場所も喰う飯も着る服も用意してやるさ。

……ただ売るんじゃない、売らせるんだよ。

【少年の想像は間違っていない。無論、口に出さなければ肯定もないが】
【困った時に連絡する、という程度の返事にも快諾し】
【それなりに気前の良さそうな事を言ってから】
【随分と自信満々に、売らせるんだと口にして――端末を手に取り】

3分に一回は画面見ないと気が済まないような歳の割に、随分気長なことで。

……ま、いいか。お前にとって都合が悪くなったら俺に連絡する。
俺は俺で、力が必要な時に連絡する。……それでいいよな?

【分かりきったことではある。だが、口に出して確認する】
【そういう辺りは若干几帳面と言うか、しっかりしているというか】
【けれどYES≠ノ準ずる反応があれば『じゃあな』なんて言って】
【そのまま、帰ろうとするだろう。ちょうど少年が姿を見せた辻の、その奥へ】
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/18(日) 22:52:02.20 ID:AWL4XU+Ro
>>292

【扉は何の問題もなく、“石の扉”へと姿を変えた】
【だが、その向こうからは何のアクションもない。或いは、音までもが阻まれているのかも知れないが】

【そして、ラピスの髪がクローゼットを掴む。きぃ、と、年季の入った音が響き】


「 ……見つかっちゃった。」


【── そこに居たのは、マルコ・ダルハイトではない。ラピスより少し年上の少女だった】
【桜色よりも尚薄く白みがかった髪は、光を受けては透き通るように、幻想的に煌めく】
【この部屋と相俟って、どこか浮世離れしたような美貌だった。──そして、彼女は、ラピスと違って】
【その美貌には“そうあって欲しい”と望まれていることを、分かり切っているように。可憐に、薄紅色の稜線を曲げた】


「そろそろ頃合いかな、と思ってはいたんです。
 ほら、私超可愛いじゃないですか。 だから、×××されないように隠れようと思って。
 男の足音なら自死しようと思ってたんです。女の子で良かった。……あら。あなた、お人形さんみたいですね。」


【体育座りで、少女は目を瞠る。彼女が纏っているのは、白いネグリジェだった】
【その少女性に加えられる、アンバランスな成熟性。──これも、“高低差”】
【だが、その事実を冷静に見れば気づくだろう。ネグリジェは、部屋着だ。 ──しかし】
【ダルハイトに、家族が居るという情報はなかった。彼はたった1人でこの国を支配する“王”だった筈だ】


「“お父様”にご用なら、お名前とご職業、それから目的。
 教えてくださいな、“お人形”さん? 教えて貰えないなら、服毒して死にます。」


【── それでも、彼女はその言葉を使った】
【あーん、と口を開けて、舌の上の“カプセル”を見せる。 少女は、今度は悠然と、淑女のように笑った】
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/18(日) 23:02:37.77 ID:AZEKRekR0
>>293

ふうん……

【売らせるんだ―――という言葉に、そう唸った少年の声は、年相応で】
【そう気づいた当人は、まるで禁忌を犯したように顔を下げた】

……ええ、構いません。
力を貸すかはまたそのときにお返事します。

【そう言うと、当初向かっていた、広場の逆側へと歩いていく】

【――妙な邂逅だった。この数年、少年が生きてきた在り方からすれば、初対面の人間に連絡先を教えるなど】
【それが男のカリスマ性に由来するのか、あるいは少年が誰かとの繋がりを欲したのかはわからないが――】
【ひとつ、縁は紡がれた、ということだろう】

/このあたりでしょうか! お疲れ様でしたー。
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/18(日) 23:08:19.72 ID:WVU7M8hm0

【風の国・繁華街】

【夜になり灯りが点る街角。少女は行き交う人の波を縫うように歩きながら辺りをキョロキョロと見回していた】

【月白色の肩まで伸ばした髪に白のブラウス、青いスカートに紺のローヒールのストラップパンプス】

……ここまで来た、は良いんだけど……
【何処にあるのUT……と途方にくれたように呟く少女。頭から生えた月白色の猫の耳とスカートの裾から伸びたこれまた月白色の尻尾がぴこぴこと動く】

【この辺りを探索し始めてからはや一時間半。未だにそれらしき建物を見つけられていない】

【……否、そもそも考えてみればほとんど勢いのままにここまで来てしまったが、本当に大丈夫なのだろうか?】

【以前会った軍人から頼まれた情報収集。『カノッサ機関』『"とある船"とそのパトロン』これらについての情報が必要だ、と】

【つまり、"そういう"案件が起きている(かもしれない)という事】

【UNITED TRIGGERは正義の組織。対してカノッサ機関は悪の組織。UTが何処かで起きている、かは不確定だが"そういう"案件に関わってないという事があるだろうか?答えはNoだ】

【そんな重大な案件を抱えている(かもしれない)UTが果たしてこんな小娘の母親の死体探しに協力してくれるだろうか?】

【目当ての建物が見つからないのと、ここまで延々と電車に揺られ続けていた疲れと、その出自からか常人よりは利いてしまう鼻のせいで臭ってきてしまう繁華街のカオスな臭いに対するストレスとでいつになくネガティブになってしまう少女】

【ああもう帰ってしまおうか、などという考えが頭を過るが、せっかく風の国まで来たのだから、という考えも同時に過る】

【少女は道の隅で立ち止まり、どうしようと考えながら若干涙目になり、耳と尻尾もへたれて下がってしまっている】

297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/18(日) 23:16:41.01 ID:JRvsCdppO
>>291
【ぱちり────女の目が赤くなる。少女の目と、同じ色だった】
【形も、色も。少しの歪みすら、まるで同じ。毎朝鏡で見る自分の目。その目だけが、少女を楽しそうに見つめていた】

……ぎゃは、そうだぜぇ?最近のお化けはテレビも使うし、なんなら銃だってぶっ放す
飯も食うし酒も飲むし……ダチだっているさ。アンドロイドの愉快なダチが、なぁ?


【──近付くことをやめない。少女の正面にいる、女。彼女が被るフードの奥には、触腕がぞわぞわと蠢いている】
【この距離なら、異形の蠢きがはっきりと分かることだろう】
【「ヒトな、特にてめぇみてぇな年頃のガキが、一番うめぇんだよ──」そう、囁くように言葉を紡ぐ、が】

くくっ…………ぎゃは、ぎゃはははははははは!!
てめぇ、そうとうビビってやがんなぁ?んん?
そう強がんなって。だからその手ぇおろせ、な?

…………能力者だか、魔術師だかしらねぇけど
最近やたら流行りのあの法案──知らねぇわけじゃねぇだろう?ん?
ちょっとばかり、お化けサンがこの世界の仕組みってぇやつを教えてやろうか

【──ぱちり。目が、金に変わる。赤い目だったのは、ほんの僅かな時間だけだった】
【女はヒトのように愉快そうに笑っていた。心から、楽しそうに。そして少女が魔術を行使しようとするのを見て】
【近くに寄れていた、というのもあるのだろう。ヒトのカタチをした両の手で、少女の右手を包み込もうとするのだ】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/18(日) 23:22:05.84 ID:lGexy70T0
>>295

【少年と分かれて、しばらく歩く。たどり着くのは、やはり路地裏】
【とある酒場の裏手にある溜まり場で、ボロのソファに腰を下ろすと】
【隠すようにクッションの下に仕舞われていたケースから、紙一枚と鉛筆を取り出して】

……んじゃ、そろそろ始めるか。

【『Game Start』と書き殴り、鉛筆を放ると端末を手にする】
【今日、奇縁を繋いだスマートフォン。しかし掛ける相手はまた別人】
【世界を売らせる為の、第一手。まだ、少年には直結しない単なる小事】

【ただ――後日、『魔能制限法』などのニュースに混じって】
【『夜の国』に関する知らせを見る時は、少々耳を傾けるべき、ではあるだろう】

/お疲れ様でしたー!
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/18(日) 23:23:57.85 ID:/IRZTkYt0
>>294

【不意に響く、鈴を転がすような甘い声。反射的に俯いて瞳の魔翌力を霧散させ、蛇をすぐに元の髪に戻す】
【慈悲をかけるわけではない。剣には、収めてことを進めるべき時があるというだけ、だが】
【モノトーンを纏った一人の少女としての姿で、ラピスは異彩の美貌と向き合う】

足音が聞こえましたか。それは、失礼致しました。

【――そんなはずはない。ラピスの歩みは音もない、蛇のそれだ。言葉の綾か、ハッタリか、それとも。】
【しかも、どれだけ脳内を精査しようと、ダルハイトに娘が――或いは妻や娘がいるという話すら聞いたことがない】

私は、ラピス・アン・グイス。水の国の公安警察官です。
単刀直入に言えば、マルコ・ダルハイト氏への強制処分を目的に伺いました。
よろしければ、お嬢様にも身分証明をお願いできますか?

【平静を装って応じつつ、それとなく目を、耳を、そして鼻を働かせた】
【聞き及んでいるマルコ・ダルハイトの人相との類似点――或いはもっと根本的な、生き物の臭い≠フ有無】
【ほんの少しの手がかりでも、手探りで見つけ出さなければならない】

事情をご存知のようですね。
捜査に援助をいただけない場合、あなたにも犯人隠避・証拠隠滅についての罪状が課される可能性があります。
……ダルハイト氏は、どちらにいらっしゃいますでしょうか。

【必要とあらばいつでもカプセルと舌を『凝視』できるように構えつつ、問うた】
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/18(日) 23:30:46.00 ID:IkJtbGRv0
>>297

【ぞわぞわ蠢いているなにかしらを目視して、今度こそ隠しきれない悲鳴を上げた】
【すぐさま、手を上げようとして――それを両手で掴まれれば、ぱちくり。目を丸くする】
【大きな声を上げて笑う目の前の女を見て、頭の上にハテナマークをみっつくらい浮かべてから】

……ホーアン? 法案、えっとあの……能力者をキセーしますとかいうやつ?
ばっかばかしい、この世界にどんだけ能力者がいると思ってんの、
どうせあんなの通んないし! それがなんか、関係でもあんのっ

【少女の言い分は、こう。テレビの中で、えらそうにふんぞり返っている人々が口にしているだけの】
【いわば別世界で起こっている話であるように、とらえているようだった】
【清々しいまでの一般人気質。そんな人間がどうして、こんな場所にやって来たのかはわからないけど】

オバケが社会の授業してくれんの? へんなのっ!
面白いじゃん、ぜひ教えてちょーだいよ……っ

【はん、と笑い飛ばした。ずいぶん舐めてかかっているような口調だが、まだ怯えは抜け切っていないらしい】
【顔色をちょっとばかし青っぽくしながらも、とりあえず術の行使は止めにした】
【正面から睨み付けるみたいに。あなたの、金の瞳を覗き込んだ】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/18(日) 23:47:39.98 ID:JRvsCdppO
>>300

──いい目だ。あたしは好きだぜ、あんたの目
赤いのはいい色だ。赤色が好きなやつに悪ぃヤツはいねぇし、赤いヤツだってそうだ

【女は少女の赤い目を、真っ直ぐ見つめ返す。──嘘を言うような目では、なかった】
【正義の瞳ではない。むしろどちらかといえば、悪巧みが好きそうな表情ではあった】
【だがそれでも。女が少女を見る眼は、淀んではいないのだ】

…………世の中にはな。今の、世の中にはな
世界をぶっ壊して、能力者だの魔術師だのを無くしちまおうだとか、管理しちまおうだとか考えている奴らがいる
“黒幕”──そうだな。そう、呼ばれている。あたしが“お化け”になっちまったのも、こいつらのせいだ

んでもって…………そう、だな。“円卓”ってぇ連中もいる
こいつらは金の亡者だ。で……あぁ、そう。政治家とかがいっぱいいる、ってぇ聞いたな

だから……そう、だな。あの法案は、黒幕側の連中がなんとか能力者を管理しようと頑張ってるんだろうよ
で──与党の連中がそれを押しとどめている。それもいつまで持つか、怪しいところだ

なにせ能力者だの魔術師だのってぇのは、お嬢ちゃんみてぇに血気盛んな連中も多い
法案反対のテロでも起きてみろ。…………死者多数、行方不明者多数
ここでご家族の声を聞いてみましょう──なんて報道されてみやがれ
丁度お嬢ちゃんみてぇに、「法案には興味もない、馬鹿馬鹿しい」って思っている一般人は怒り狂うわけだ
「能力者を殺せ」──こうなっちまえば、与党も押さえきれねぇだろうな

お化けサンはちっと頭が弱いってぇ自覚くれぇはあるよ
ただ……こういった想像くらいは簡単に出来る。なにせお化けサンだからな

【突拍子も無い話だった。だが──信憑性はある】
【少女が円卓に身を置いているのであれば、分かるだろう。“円卓”も“黒幕”も、当てずっぽうで出てくるワードではないのだ】
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/18(日) 23:49:33.22 ID:AWL4XU+Ro
>>299


【彼女が名乗り終えると、少女は口を閉じて、カプセルを隠した】
【よっ、と、声を出して、彼女はクローゼットから降りる。ひらりと、ネグリジェの裾が舞う】
【太腿のなだらかな曲線が一瞬、露わになって── 檸檬の匂いが鼻を擽る。 香水だろう】


「“公安”のラピスさん。
 私は、“エヴァンジェリン・ダルハイト”。 マルコの娘です。」


【幾ら感覚を研ぎ澄ませても、少女は“人間”だ。それは間違いない】
【そして、その瞳の色はダルハイトのそれと一致していた。無論、それだけで血縁を肯定はできない】
【だが、否定する材料がないのも確かだった。 ──身分証明、とエヴァンジェリンは呟く】


「“これ”じゃダメですか。 ──あっ、見るだけですよ。」


【彼女が差し出したのは、一枚の写真だった。クローゼットの中で、持っていたらしい】
【──、幾分、よれてはいるが、そこには“三人”の人物が映っている】
【未だ若いマルコと、幼いエヴァンジェリン。それから、彼女によく似た女性】
【それは、紛れもない“家族写真”だった。 数秒経てば、すぃ、と、エヴァンジェリンは手を引く】


「そんな、脅すような言い方はしないでくださいな。可愛い顔が台無しですよ。
 ……お父様なら、“あっち”です。」


【白魚の様な手が示すのは、“石化した扉”】
【どうやら、ラピスが引いたのはハズレだったらしい。 マルコは、向こうの部屋に居る】
【── この少女が、内緒話をするように囁くことを信じるなら、だが】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/19(月) 00:02:22.21 ID:/7NVQ0oe0
>>301

……そう、赤色好きなの。奇遇だネ、あたしも好きだよ。

【警戒心はまだ捨ててはいないようだけど、それでもいくらか紛れたようで】
【フードを脱ぐ。目と同じ色をした髪が出てきて、それからアピールするように赤い靴のヒールを鳴らす】
【清々しいまでに赤色が、少女の身にたくさんあった。まあ、そこらへんは置いておくことにして】

……黒幕? なにそれ、映画とかドラマとか、そういうのの話、みたい……

【はぐらかすように、何にも知らない一般人みたいな反応を返してみる、けれど】
【「円卓」のワードが出てくれば、不自然なくらいに顔をこわばらせた】
【(……知ってる。だってそこに属してるから)――警戒を続ける以上、そこまで明かすことは今はない】

ふうん。じゃあそれで……オバケさんはどうするの、
今からでも政治家になる? そんで、やめてくださいって訴える?
そういうワケじゃあないんでしょ……そういうワケでも、ないのに、
なんでそんなに詳しいの? 黒幕を倒す正義のミカタでも、やってるワケ?

【あくまでも、一般人のふりを続ける。半分くらい冗談のつもりで口にした、「正義の味方」】
【万が一にも、目の前の女が本当にそうなんだとしたら。きっと厄介なことになりかねない】
【そう考えてのことだった。……それにしても頭が痛くなってくる。少女は、難しいことを考えるのが、にがてだ】
304 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/19(月) 00:12:50.72 ID:dntqrur/o
>>261
王国……

【思わず、オウム返しにしていた。固唾を飲んで、待つ。しかし、何も起こらない】
【無意味な嘘か。不発か。何しろ、腹の底の読めない男だ】
【しかし、彼の笑みは伝えてくる。嘘でも不発でもないことを】


【――――やがて。それ≠ェやってきた】

む……?

【微かに首を傾ける。その始まりは虫の鳴くように。ゆっくりと、しかし確実に】
【声。それ≠ェはっきりと聞こえるようになった時には、すでにカニバディールの精神は取り囲まれていた】


……これ、は

【精神汚染。触れた者の心を砕き尽くす、無数の声。逃れようのない、狂気の浸食】
【やがて何も聞こえないほどに。全てが声で埋め尽くされていく。憎悪。怨嗟。嘆き。恐怖。幸福すらも】

【絶叫。絶叫。意識の渦。声。声。声。声声声声声声声声】
【まるで暗黒の大海に投げ出されたが如き、一個の地獄。それが己を飲み込んだ】

【全て■が■■声で■■■■埋ま■■りやがて■■■■■何もわ■■■■■■■からなく■■■■■■■■■■■■】
【声声声声絶叫絶叫絶叫絶叫汚染地獄悪夢死死死死死死死死死――――――】


――――なるほど。貴方の能力の一端ですかな? なかなかに面白い。そこいらの人間なら、あっという間に廃人でしょう

【異形は、平然と言葉を返した。触手に触れたまま。今もまだ、声の中にいるはずなのに】

申し訳ない。流石に少々うるさくて、今貴方の声が聞こえないのですがね、ブランルさん
なおで一方的に話させていただきますが……もし、私の試す意図がおありだったのなら、この方法は私に限ってはあまり効果的とは言えないかと
何せ、私は常に『こういった状態』にあるものでして

【表情一つ変えず、むしろ最初にブランルが正体を現した時よりもリラックスしたように見える表情で】
【カニバディールは、数字を示した時のように首を上げ、喉を見せた。その喉の肉が、ビクビクと蠢き。みるみるうちに盛り上がって】

【表面に無数の顔を浮かび上がらせた、巨大な赤褐色の肉塊がその場に広がった】
【いや、顔だけではない。人間、動物、植物、虫、あらゆる生き物の顔や一部分】
【カニバディールが、己の欲望の赴くままに食らい尽くしてきた、あらゆる命が、そこにあった】

【はっきりとブランルを見据え、彼との距離を調節してブランルに肉塊が当たらないようにしつつ、続けた】


ヨクモ……ヨクモ……ヨクモ……!!∞シニタクナカッタンダ……!!!∞ダシテ、ダシテ、ダセエエエエエエエエ!!!

能力の副作用でしてね。食事をしたり、自分の細胞が死んだり、どこかの誰かを殺したりするたびに
私の肉には、こうして連中の魂が増えていくのです。恨み事を垂れ流すこと四六時中、静寂という概念は辞典でしか知らない身なのですよ

グルルルル……ガルルルルアアアァァァ……!!∞ナンデナンデナンデナンデナンデナンデ=@ウアアアアアアアアアアン……ウワアアアアアアア……

私にとっては『当たり前』……精神が声に浸る程度は、ごく普通のことと言わざるを得ません

オマエモシネ……オマエモシネエエエエエ!!!=@おいよせ、ブランルさんに失礼をするな。もういい、引っ込んでいろ

【怨嗟の声を子守歌に、憎悪の叫びをゆりかごに、嘆き呻きを常に隣に置いてきたこのカニバディールは】
【ブランルの能力の、少なくとも第一段階に対しては完璧な耐性を有していたのだ】

【ブランルにまで手を伸ばそうとした己の肉塊を掴み、無理やりに引き戻すと】
【その時になって聞こえたらしい。最後の一言が】

『全てを一つに』。これが、貴方が世界に選ばせたいものですか? ブランルさん

【その精神にかすり傷一つ負うことなく。カニバディールはブランルに笑顔を向けた】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/19(月) 00:18:34.64 ID:bcI1h3NXO
>>303
【少女がフードを脱げば、女もそれに倣う。手をかけずとも、フードがひとりでに脱げる】
【中からずるりと出てくるのは、グロテスクな触腕だった。大蛸の如き巨大な赤が、8つ】
【化け物とでも言われれば、慣れたように「そうだな」と流し】

…………だろ?思うだろ映画みてぇだって
あたしも最初思ったさ。今でも思ってるかもしれねぇ
始まりはなんでもねぇ、ちょっとした人助けだったんだがよ
──“お化け”になって、いろんなことが起きて……ま、それは置いといて、だ

バッカだな、嬢ちゃんよぉ。あたしみてぇなツラとアタマしたヤツが政治家になんてなれるわけねぇだろ
けど……お察しの通りだぜ嬢ちゃん。半分、あたってる

黒幕をぶっ潰す。お化けにされた恨みは、必ず返す
嬢ちゃんも気をつけろよ?なにせ、チカラ/能力 を消そうと目を光らせてる“婦警”が、世の中にゃウロついてんだからよぉ
曽根上ってぇんだ。あたしが“お化け”になったのはあいつのせいだな。いつかぶっ殺す

半分、ったのはあたしは「正義の味方」じゃあねぇからだな
こういう事色々知ってんのは──協力者がいるからだ。いろんなとこにな
むしろ正義ってぇのは気にいらねぇってすら思ってるな。どっちかってぇとあたしは“悪いお化け”だからよぉ

【「もしかしたら、機関とか円卓にもお友達がいるお化けサンかもしれねぇぜ──?」】
【女は冗談めいて、そんなことを口走る。ただ……もし、この女の協力者が円卓にいるのだとしたら】
【こんな風に事情をよく知っている、知りすぎていることは納得がいくのだろう】
【ただ“婦警”に能力を消され、事の真相を追う正義の輩にしては──彼女は情報を持ちすぎていた】

/っと、すいませんそろそろ落ちなくてはいけない時間になりました
/もしよろしければ、一旦凍結という形をとらせていただけないでしょうか
/明日もおそらく9時とか10時くらいには来れます
/もし都合が悪いようであれば置きに移行、という形か、もしくはこのまま別れたという形でも構いません
/どうするかはお任せしますね!それでは、今日のところはこれにて失礼します。お疲れ様でした!
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/19(月) 00:21:36.12 ID:q1rCImSp0
>>302

エヴァンジェリンさん、ですね。かしこまりました。
それでは、捜査を継続させていただきます。

【毅然とした態度、淀みない応答。それが繰り返されるほどに、厭な感覚が首筋を這う】
【マルコ・ダルハイトという闇の傑物の娘にしても、彼女の存在は余りにも異質だ】
【例えるなら、食虫植物。甘い薫りと瑞々しい色彩の下に、恐るべき何かを隠しているような――】

【――ぎり、と。ラピスの視線が鋭く絞られる。唐突にして、エヴァンジェリンの首へと幽鬼じみた女怪の手が伸びる】
【菫色の瞳はエヴァンジェリンに据えられ、もし彼女が『ただの無能力者』であれば、首を掴んでから数秒で頭以外を石化させるだろう】
【奇妙なことだが、生命を保ったままで。尤も――石化拘束の成功は理想のシナリオに過ぎない】

マルコ・ダルハイト氏は、何であれ一廉の人物です。
愛娘がわざわざ別室で死を待ち構えなければならないほど、小さい男ではないと思っていたのですが。

【仲間たちと言葉を交わす時とは趣を異にする、冷たく嘲るような声色】
【手段を選んでいられる状況ではない。あの石扉の向こうにこの少女を守れるほどの力があるなら、それは来る=z
【そうならないなら、不安要素を排除した上で悠々と調査するまで】

……そもそもこの一ヶ月、彼の安否を確かめた者すらいない。違いますか?
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/19(月) 00:35:03.35 ID:MuxiUdnWo
>>304

【圧倒的な────”本来であれば”圧倒的だと誰もが感じるであろう意識の群れ】
【”魔女”と呼ばれる狂気の女科学者に対してこの男が”最高傑作”とまで言って披露したこの異変は】
【────ただの傷さえ異形に与えることはなかった】

【平然と言葉を返すカニバディール】
【初めて────”初めて”ブランルの笑みが崩れた】
【純粋な驚愕だけが浮かび上がっていた。『これ』に触れて無傷の存在など、今までいなかった】


──────…………………………


【言葉を失っていた。意図を一切計らせず、意志を見抜かせず、思考を読ませぬこの男が】
【ただこの瞬間に限っては、平凡な人間に戻ったかのように、その感情を表出させていた】

【カニバディールが喉を開き、肉塊を現出させる】
【無数の顔や声、蠢く生物たちを見て、ブランルは納得がいったように笑い声をあげた】


────はっ
なるほど、そういうことだったか……
気合いを入れて披露しただけに、中々にショックだな、これは

そうか、”お前も”、というわけか
流石に驚きを隠せなかったな。私以外にも脳内で”声”が響いている男がいるとはな


【ブランルの指が自身の頭を指差し、二度、突く】
【カニバディールと同様に、ブランルという男もまた常に無数の声が響いている状態だった】


そう、『全てを一つに』
それ以外にこの世界が目指すべき先など、ありはしない


【その意図するところの詳細を語らないままに、再びブランルに笑みが宿る】
【今となってはこの男からもたらされる”声”は消えていたが、しかし触手は未だに差し出されていた】


”我らの王国へようこそ”とは言ったが、あれだけでは歓迎が足りないようだ
無数の意識による声が響く…………それだけでは合一化は不可能
次こそはお前の興味が引けるといいが、な?


【ブランルの指が触手を指し示す。もう一度触れるように、と】
【そうして触れたならば────”第二段階”に入るだろう】
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/19(月) 00:44:12.59 ID:/7NVQ0oe0
>>305

【ひゃ、と声を上げた。何かが蠢いていたのを見ていたかぎり、人間ではないのだろうと思ってはいたが】
【それでもこうして目の当たりにすれば、さすがに吃驚はした】
【今までさんざんオバケ呼ばわりしていたのに。改めて、そう呼ぶのがなんとなく憚られた。本当になんとなく】

……チカラを、消す? なにそれ、そんなことが……

【あるの、と訊きかけて、口を閉ざす。実際あったから、女はこんなことになっているんだろうし】
【そねうえ。そねうえ。出されたワードを咀嚼するように復唱して、――首を傾げる】

婦警? どうしてそんな人が、そんなこと……あっ、ケーサツが黒幕ってこと!?

【声を張り上げる。イヤなことに気付いてしまった、みたいな、苦々しい顔をする】
【――何かが起きたとき、まっさきに助けを求めるべき機関が黒幕であるのなら、そんなひどいことはない、って】

……そう、悪いオバケさんなの。それじゃあちょっとだけ――安心した。
ねえ、オバケさん……実はネ、あたしも「悪い子」なの……って言ったら、信じる?

あたしの正体は、お人形なの。糸がついてて、誰かに操られてるお人形。
そのイトを操ってるやつがさあ、――オバケさんのお友達と一緒のところに、いるかもしんない。

【女が冗談めいて口にするなら、少女のほうも断定しないで曖昧に返す】
【だけれども、お互いに本当のことを言っているとするのなら――話はそんなに遠くはならないだろう】
【「……ねえ、あたし、ただのお人形だから。まだ何にも知らないの。いろいろ、教えてはくれない?」】
【要は、「お友達になりませんか」のお誘い。何かしら動くにしても、情報が足りなさ過ぎてどうにもならないから】
【少しだけでも、自分の置かれている立ち位置の情報が欲しかった。眉をハの字型にして、小首を傾げた】

//凍結承知しました! 私もそのくらいの時間には居ると思います、よろしくお願いします〜
//ひとまずおつかれさまでした!
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/19(月) 00:45:57.96 ID:90EVxnFYo
>>306

【か細い首は、呆気なく捕食者によって掴まれた】
【── 全身が石化する。 その数秒間には、いかなる邪魔も入らなかった】
【向こうの部屋から何かが突き破って来ることも、エヴァンジェリンが、抵抗することもない】


「 それは、どうでしょうね。 」


【それでも、エヴァンジェリンの、凪の如き落ち着きは消えなかった】
【マルコの人物評を否定する言葉は、寂寥混じりの笑みと共に、プリズムの声音で紡がれる】


「私は“ここ”の事しか知らないけれど、誰よりも“ここ”の事は知ってます。
 当然、お父様のことも。この船がどうして、“こう”なったのかも。
 ……、でも、その話は今、関係ないですよ。聞きたいなら、後でお話しますけど、ね。」


【そして、最後の問いかけに対しては、先程と同じ】
【可憐な笑みを濡れた口元に浮かべて、首を振った】


「確かめましたよ。1か月前に、私が。
 ……“だから”、こうして色々と準備して待ってたんです。
 その辺り、色んな書類で一杯だったんですよ、この部屋。読むのに苦労しました。
 少し前、深夜にぽーん、と海に投げちゃいましたけど。ふふっ。」


【「確かめたらいいじゃないですか、貴女も。」】

【そう言って、目線を“石の扉”に向け。次いで、ラピスの菫の眼を捉えた】
【── 恐怖は宿っていない。 今の状況も、彼女にとっては“覚悟”の内だったのだから】
310 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/19(月) 00:52:54.60 ID:dntqrur/o
>>307
【そう、初めて≠セ。彼の表情が笑み以外の形に崩れるのは】
【正体を明かされた時、今までにない圧≠受けた時、『黒幕』側の相手として接した時】
【今日、幾度となく彼によってもたらされた驚きの、一端だけでも返せただろうか】

【腹の底が何も見えないほどに真っ暗な、彼のこの瞬間の表情はきっと貴重なものだろうと、脳裏に焼き付けて】


ほう……貴方も=Aそうだと
今度は私が驚かされましたな……ですが考えてみれば、貴方自身から発せられた力だ
術者たる貴方がその渦中にいても、何ら不思議ではない……

しかしまさか、これ≠ノ関して共通点のある相手に会うことがあろうとは思ってもみませんでした

【カニバディールの手が、自身の髪をぐしゃりとかき乱す】
【常に無数の声に晒される人生。そんな人間が二人もいるとは、新世界とは何という場所だろう】


ふむ……
(これだけを聞けば、『黒幕』の目的と合致するようにも思えるが……)
(この男は、それだけに収まるような器ではなさそうだ)

【詳しくは語らぬ彼に、カニバディールも一瞬思考に沈む】
【彼に戻った笑みの裏は、未だ闇の中】

ふ、ふ。期待してやってみますよ。まだ王国のほんの入り口、そうなのでしょう?
ならばもう一歩。踏み込ませていただきましょう

【カニバディールは、やはり一切の躊躇なく触手に触れる。更なる深淵に分け入るように】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/19(月) 01:04:01.60 ID:q1rCImSp0
>>309

――残念です。全ての資料が残っていたなら、あなたの尊厳ある選択を許したかもしれません。
ええ、今は聞きたいことを全て聞くつもりですよ。

【悪い勘ほど当たる、というものか。エヴァンジェリンの物言いにラピスは嘆息した】
【今この瞬間を以て彼女は重要な参考人となった。自死を防ぐためにも、手元で監視する必要がある】
【……『眼』を使っておいて、今更情が移ったなんてことは、断じて無い。……はずだ】

では拝見しましょう。あなたが見た真実を、私も。

【またも紫の魔翌力が閃き、扉は脆弱な石のブロックに変わった。それを蹴破り、部屋に押し入る】
【見かけに反しての剛力を誇る腕の中には、エヴァンジェリンを抱えたままだった】
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/19(月) 01:16:45.14 ID:90EVxnFYo
>>311

【部屋に入れば、悪臭が鼻をつく。嗅いだことがあれば、決して忘れはしない臭い】
【腐臭だ。人の死の臭い。それも、決して幸せに逝くことのなかった者だけが、遺す臭い】


 「ほら、そこに。」


【その声の先には、ベッドに横たわる“人だったもの”がある】
【腐敗が進んでいる。それでも、セレンディピターに乗り合わせる者ならば、誰もが知るであろう相貌は見て取れた】
【“マルコ・ダルハイト”。  ──この船の王が、エヴァンジェリンの言葉通りに息絶えている】


「お父様は1か月ほど前に死んでしまいました。服毒です。」
 確かですよ。私、医学の心得があるんですから。  ……けほっ。」


【そう。このセレンディピターという王国の“王”は、既に息絶えていた】
【──、この1か月。この王国は、王の影に支配されていたに過ぎない】
【否。正確には、影に怯えた国そのものが、その意を汲んで動いていたのだろう】

【パトロンを受け入れたのも、それを利用して公安を釣ろうとしたのも、此処が、“欲の王国”として成立していたのも】
【この船に組み込まれた誰かが、“マルコ・ダルハイトならそうする”、と。そう推し量ったからにすぎない】
【それが、王の“意思”なれば。 ──王の虚像が、この船を未だ、セレンディピターとして成立させていた】


 【 それが、この船の“真実”だ 】


【──だが、同時に“ガタ”も来ていた。ダルハイトが生きていれば、見境なく戦力を集めるような真似はしなかったろう】
【或いは、カジノで馬鹿勝ちする客にも、それなりの対応をすることが出来ただろう──、だが、そこまでの才覚を臣民は持たなかった】
【その結果が、現状を招いた。 ゆっくりと、音を立てて、この王国は崩壊を始めている】



「…… そういうことで、私は、私の“保護”を貴女達に要求しますね。
 書類の中身、バッチリ覚えていますよ。私、可愛い上に頭も良いんです、ふふっ。」



【そして、父を喪った少女は、未だ、ラピスの腕の中で笑んでいた】

【── ラピスの耳元で、クリシュからの通信が響くだろう】
【拘束の成否と、離脱を急かす内容だった。既に、後方で響いていた戦闘の音は鳴り止んでいる】
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/19(月) 01:45:21.26 ID:q1rCImSp0
>312

【あらゆる欲望と事情が絡み合い、死者の列に加わることすら許されなかった者が、そこにいた】
【――人の血を好んで貪る怪物だからこそ、その臭いはなお不愉快だった】

これを隠し通し、一ヶ月間王女として生き残ったと仰るのですね。
あなたにとっては世界のすべてだった、閉ざされた部屋で。

【ラピスは想う。やはり、このエヴァンジェリンという少女はどこか『超人』じみている】
【この状況はただの野心でも、或いは家族愛でも耐えられる状態ではないのだ】
【恐ろしくも気高く力強いその在り方は、生に執着する『怪物』にとっては苦い皮肉に思えた】

【改めて周囲を検分し、実際書類が全て破棄されていると確認した辺りで、クリシュティナの声が届いた】
【「結論から言えば、対象は死亡しています。証人は「一ヶ月前に服毒自殺」と。血液サンプルを取りますか?」】
【「室内にマルコ・ダルハイトの娘を名乗る少女が生存し、彼女は身柄の保護を要求しています」】
【「その他、オーダーはありますか?」――――いくつかの事務的なやり取りを、手短に終えたなら】


……、エヴァンジェリンさん。あなたは、この船(ゲーム)を降りたかったのでしょうか。


【これまでの酷薄な調子を僅かに崩し、感傷めいたものを滲ませて、ラピスは尋ねる】
【それにどんな答えが帰ってくるにしろ、あとの彼女は三課としての職務を果たすだけ、だが……】
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/19(月) 01:47:41.86 ID:MuxiUdnWo
>>310


────では、”第二幕”だ


【触手に触れた瞬間────ぷつん、と】
【画面が消えるように、カニバディールの視界が”消える”】
【完全な暗闇と静寂だけが訪れる。存在するのは自己のみ。他には何もなかった】


          【────────────────ザザッ──────────────】


【ノイズが走る。聴覚に、視覚に、思考にノイズが走る】

【暗黒が侵食されていき、画面の砂嵐のようになっていく】
【耳障りな雑音が響き、静寂が吹き飛ばされていく】

【視界が開ける────目の前には路地裏の景色が広がっていた】
【時刻は夜のようだ。建物の隙間からは月明かりが差し込み】
【遠くには通りの喧騒が聞こえてくる。夜風が肌をくすぐり、冷やしてくる】

【カニバディールの意思とは無関係に腕が持ち上がる】
【それは────”細身の少年の腕”だった】

【『あぁ、これは自分の腕、自分の身体だ』、と確信するような感覚が降りかかってくる】
【カニバディールの自我が強ければ、それを否定することはできる】
【だがその奇妙な感覚は常に、意識にまとわりついてくる】

【手には重みがあった。その”細身の少年の手”にはナイフが握られていた】
【視界が自動的に下がる。路地裏の地面へと向けられた視線は、倒れている少女を捉える】
【腹部から夥しい量の血を流して、その少女は死んでいた】

                  【『彼女は俺が殺したんだ』】

【奇妙な感覚が付け加えられる。まるで自分が突き刺したような、生々しい感触が蘇る】
【同時に──苦痛──憎悪──憐憫──愉悦──孤独──】
【”愛した少女を殺した”という感覚と共に、様々な感情が入り込もうとしてくる】


          【─────────ザザッ─────────────────────】


【視界が変わる】
【今度はベッドの上にいた。天井が見えていた】
【ベッドは安物で硬い感触がした】

                【『安月給のせいで粗悪品を買うはめになった』】

【そんなことを”思い出した”ような感覚が沸き起こってくる】

                【『もういい、死のう』、思考がそう語りかけてくる】


【いや、それは自分の思考だったのかもしれない】

                         【そうではなく、他人の思考かもしれない】

        【これは夢だろう】

                            【いや、さっきのが夢だろう】


         【──────────────────────────────ザザッ】

//続
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/19(月) 02:10:38.14 ID:MuxiUdnWo
>>310

                   【視界が変わる】

【今度は”女の身体”だった】

                            【いや、これが元の身体かもしれない】

【胸から血を流していた】

                            【激痛が走る。『何故』、と叫びたくなる】

【激痛はあくまで”記憶”だった】

                            【────誰の?】

【女の口は『何故』と叫んでいた】

                            【私の口は『何故』と叫んでいた】


                【次は路地裏で餓死した子供の姿】

               【次は仲間に裏切られて死んだ機関員】

               【次は妻子に逃げられて自害した男】

             【いくつもの死と絶望の記憶が繰り返し再生される】


【その度に、『これは自分だ』と感覚が強く訴えかけてくる】

                            【その全てが『自分』であり『自分』ではない】


                【苦しみ、悲しみ、怒り、憎しみ】


【様々な感情が意識に流れ込む】

                            【様々な感情が胸中から沸き起こる】

【────これは私ではない】

                            【これが私だ────】

       【”お前”は誰だ】

                            【”私”は誰だ】



                【【今、”誰”の話をしている?】】




         【────────────────────────────────】



//続
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/19(月) 02:17:26.31 ID:90EVxnFYo
>>313

【── ラピスからの報告には、さしものクリシュも、数秒閉口した】
【それから紡がれたオーダーは、“血液採取”と、娘を連れて帰れ、ということだけ】
【小型船が出発する予定時刻は、迫っている。 船内が混乱している状況では、いつまでも待ち続けることはできない】
【室内を詳しく探索する時間はないだろう。 ──、ぐらり、と嵐に船が、大きく揺れた】


「けほっ。 ……相談、終わりましたか。
 なら、戻してくれませんか。この格好、はしたないから。
 出る前にコートぐらい羽織りたいんです。殿方に見られたら、恥ずかしいじゃないですか。」


【ラピスの言う“世界のすべて”が崩れようとしているのに、少女は笑んだまま、そんな言葉を紡ぐ】
【でも。少しの色を持ったラピスの問い掛けが放たれれば──初めて、きょとん、とした顔をして】


「……この船から?」


 【  「エヴァ。君には寂しい思いをさせて済まない。」  】
 【  「私は約束する。 二度と、君にこんな思いはさせない。」  】


「どうでしょう。そんなこと、考えたこともありませんでした。」


 【  「君が、何の不安もなく、一人の人間としてそう生きられる日が来るように。」  】
 【  「お母さんを殺した能力者を、この世から消し去るんだ。」  】


「でも、今は降りたいですよ。
 ここに居たって、もう、何もないじゃないですか。私、前向きでもあるんです。」


 【  「それまで君は、ここで私と安全に暮らそう。 ──そうか。私も嬉しいよ、エヴァ。」  】
 【  「あぁ。君が嬉しければ、私も嬉しいんだ。その為なら、私は、何だって出来る。」  】


「だから、早く行きましょう。 ねっ。」


【それから、この部屋を出るまでにそれほどの時間はかからないだろう】
【──、ネグリジェ姿のままで連れ出そうとするなら、それだけは文句を言うだろうが】
【そうでなければ、石化が解かれずとも、従順に彼女に従う。隠し事も何もしない──、しかし】


【1つだけ。 この部屋を出るとき、眼だけを、既に動かないモノに向けて】
【彼女は誰にも聞かれないように、口の中で呟いたのだった】


【 ──  「 嘘つき。」 と。 】


/この辺りでしょうか、遅くまでお疲れ様でした!
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/19(月) 02:19:44.25 ID:MuxiUdnWo
>>310

【無数の意識が持つ『記憶』】
【それらが絶え間なく、自己の経験や感覚、記憶と混ざり合い、混濁するかのように】
【次々と目の前の光景として広がっていく】

【自我の強さがあれば、意思の強さがあれば】
【それらと混ざり合わず、確固たる自己を区別することが可能だ】

【そうでなければ、あるいは意思が強くともわずかにでも】
【”自分は誰だ”という疑問が意識にこびりつくかもしれない】

【視界が暗転し、再び開く】
【眼前には黒曜色の触手があり、黒衣の魔術師が笑みを湛えて待っていた】
【身体は元どおり────『本当に?』────異形のままだ】

【感覚は正しく機能し、記憶は正しく連続している────『さっきまでもそうだった』】
【これが自分だという強い確信も恐らくは持てることだろう────『次の瞬間は?』】


           【────『また別の誰かにならないといえるか?』】


【────】


…………さて
どうかな、”我らの王国”は
ここまで案内するのは、お前で二人目だ
以前に案内したある女は、ずいぶんと気に入ってくれていたが

お前は、どうだ?


【しゅるしゅる、と逆再生するかのように触手が戻されていき】
【その全てがブランルの足元の影へと収まった】
【異形の反応を窺うために、昏い双眸が向けられる────】
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/19(月) 02:55:55.61 ID:q1rCImSp0
>>316

【諸々の作業中、エヴァンジェリンの答えを聞いて、ラピスは薄っすらと口元を緩めた】
【それは「腑に落ちた」と言いたげな微笑であると共に、悪党の父を持つ仲間としての自嘲だった】

【何故この少女を相手に大いに疑心暗鬼を生じてしまったのか、今なら分かる】
【同じ≠ネのに違う≠フだ。エヴァンジェリンは自分の価値を自ら決められる程に、強い】
【誇りのために[ピーーー]ると。自分は美しいのだと。そう衒いなく告げられる覚悟に、気圧されていた】

ふふ。あなたは、巣ごもりの蛇にはなりそうもありませんね。

【気付いてしまえば、なんてことは無かった】
【自虐的な微笑は更に広がり、声になって口から溢れて】

それなら私から言えることは何もありません。
どうか、エヴァンジェリンさんの行く末に……あ、服でしたか。

【「失礼しましたっ」と早口で言って、石化を解除。クローゼットからコートを取り出して手渡し】
【そして意外な長身を活かしてエヴァンジェリンをお姫様だっこの要領で抱きかかえると、ラピスは朽ちた鳥籠をあとにする】
【か細い恨み言には気付かず。輝かしい『人間』の少女に、微かな憧れを向けたままに――】
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/19(月) 07:14:00.20 ID:Qfxn5x4TO
>>308
【あるんだ、と。彼女は少女の驚きを肯定する。「だから、あたしは“お化け”になった」】
【能力の詳細こそ語らなかったが──隠したのではなく、その必要性を感じなかったから──】
【少女の話を聞けば、一言「分かった」と告げて言葉を紡ぎ始めるのだ】

…………警察全てが、黒幕一派とは限らねぇ
中にはなぁんにも知らねぇやつもいるんだろうさ

そう、だな──警察も怪しいが、特に怪しいのは“公安”って名乗る連中だ
ダチのアンドロイドは“公安”に追っかけまわされてて、よぉ
そのダチ助けてちょいと届け物しに人探ししてたら曽根上に“お化け”にされた
おまけに“異能管理特課”っつぅ警察のやつにもボコられかけるし……ま、そうだな
青い服着てる連中は基本怪しいやつら──そう思っといてもいいのかもな

【ひとつ、疲れたように息をつく。話を聞くだけで、短期間で何度も危険な目にあっている】
【そりゃあ、たまには悪ふざけのひとつくらいしたくなるのだろう】

で──ここまではあたしが誰にだって喋る”一般的“な話だ
黒幕が気にいらねぇ。だから一緒に戦わないか……そう言って、あたしは協力者を集めてる真っ最中だ

それで、だ──お嬢ちゃん。あんたが本当に“悪いお人形”だってんなら……ぎゃは。信じるも信じねぇもねぇよ
お嬢ちゃんが“そうだ”ってぇんなら“そう”なんだろ
あたしのツラ見てビビってるよぉなお嬢ちゃんが、わざわざ「自分は悪い子です」だなんてウソつくとは思えねぇしな

んで…………色々っつってもなぁ? あたしもあんまアタマ良くねぇから理解しきれてねぇとこあんだけど、よぉ

【また、息をつく。今度は、話し出すまでに少しだけ時間を有した】
【話すか。話さないか──(あぁ。考えたらダメだな)】

────よし。立場はっきりさせようぜ。ハラの探り合いはなしだ

あたしは“黒幕”をぶっ潰すために動いてる
その協力者どもに、正義も悪もねぇ。黒幕潰せりゃ、なんだっていいんだ
UTの奴もいれば、こないだは悪魔を勧誘した。んでもってあたしは────


…………──── “円卓”


【ぎゃは、と嗤う。口元が愉快そうに歪む】


とはいえ、だ。正規の構成員ってぇわけじゃあねぇ
円卓にいるあたしの……あー、協力者?
そいつの隣でぎゃはぎゃは笑ってるのがあたしのポジションだ

あたしはあたしがしてぇって思ったことをしてる
曽根上ぶっ殺すのも、黒幕潰しのために協力者探してんのも、全部な
そりゃ、“あいつ”のアドバイスくれぇはうけたが──全部、あたしが“してぇ”って思ってしてることだ
あいつン側いると楽しいからな。だからあたしはあいつの隣にいるわけ、なんだが……

だが、なぁお嬢ちゃん。お人形ちゃんよぉ。あんたは、どうだ…………?


──────あんた、随分と “つまらなさそう” だなぁ?んん?


【彼女は、随分と楽しそうに語っていた。同じ円卓という組織に居ながらも】
【女は……愉快そうに笑っていたのだ。「何をそんな、難しい顔してやがる」】
【「ムカつくやつがいたらぶっ殺す」そうだろう、と。笑いながら言うのだ】
320 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 17:05:17.84 ID:am1Gdn6hO
  【  ──路地裏に翳る、吐息の様な発音──  】


【迷い込んだなら、羽根を毟る。蜘蛛の様に女郎が貪る】


      【無意識に観る、悪夢の如き光景】


【死体が在った。額を撃ち抜かれた、哀れな遺体が】
【特筆すべきは其の格好。壱糸纏わぬ裸体で、男は朽ち果てていた】
【其の側、木箱に腰掛ける憂いを纏った影が壱つ】


詰まらないわ、おじさま。──強引な愛では、感じなくて
撃ち抜いても足りない、撃ち抜かれても足りない
其れならばどう致しましょう?之以上の玩具を探して

……ふぅん、あゝ──退屈、ね


【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性】

【木箱に腰掛けて、両脚を組む。──静かな双眸が死体を眺め】
【側に立て掛けた狙撃銃、黒く長い銃身が印象的か】


/22:00ぐらいまで置き気味ですか!
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/19(月) 17:49:15.83 ID:GscI3uPEo
>>320


【――ぷつっ】


【ざザ】

【ザざザ】 【ざ、ざ】


【ヴ――……ン】

【ヴヴ……ヴ】  【 ヴ】



【カチューシャが殺した男は命を奪われたので生きている】
【だから君は哀しみのあまり心を躍らせて静かに笑うんだ見えない涙で】

【そうだろうカチューシャ】
【僕は君のともだちだから】


【よく見てごらんよその屍は笑っている】
【それは君の顔であり僕の顔だ、だから初めて会う僕らはお互いをよく知っている】


【おいでカチューシャ】
【瞼を閉じて。君の良く知るあの夢へ行こう】


【僕は因果の終わりからずっと君を待っていた】




/目を閉じると場面転換しますの。
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 18:08:20.82 ID:am1Gdn6hO
>>321

  【  ──擦り切れたテープの如きノイズ──  】

【雑音が混じる。雑念が思考を澱む】

      【記憶の混線。──之は何時の事か】

  【痛み】   【苦しみ】
              【────悦び。】


【嗚呼、と声を漏らす。──吐息の絡んだ甘い甘い】


【知っている。不条理な夢の如く。違和感をすんなり受け入れる様】
【死を経験しても尚、さも当然と理解する様】




【    ──頷くようにその場で目を閉じた】



       【雑踏か遠くに消える──     】



【───────<場面転換>──────z____】
         【──<暗転>──】
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/19(月) 18:55:18.80 ID:/7NVQ0oe0
>>319


【ほとんど口も挟まずに、ずっと聞き入っていた】
【頭の作りは上等じゃない。一言でも聞き逃せば全部だめにするだろうし】
【きちんと聞いたところで、咀嚼して飲みこんで消化するには時間がかかる】

【ただ、キーワードと思われる部分だけは、小さく復唱して】
【「公安」「異能管理特課」――それから、「曽根上」をもう一度】
【とても怨んでいるんだな、と思った。そりゃあそんなひどいことをされたならあたりまえか、とも】

【――それで。女が「よし」と、話を締めにきたならば、うんと頷いた】
【難しいことを考えるのが苦手なのはきっと、少女の方が上だろうし】
【わかりやすく話をまとめてくれるなら、そんなに嬉しいことはない。ようやっと口を開く】

…………うん。ここまで来て、どっか他の――
ぜんぜん知らないような勢力のスパイです、とか言われたら
どーしようかと思ったけど、……うん、ほんとによかったよ。

あたしもだよ、おねーさん。あたしの操り手は、『円卓』にいる。

【女の口が楽しそうに歪むなら、少女の顔も釣られて、笑った】
【だけどそれは、女が指摘しているように――ひどくつまらなさそうな】
【どうでもいいです。あきらめてます。そうとでも言いたげな、投げやりなものだった】

……言ってんじゃん? あたし、お人形なの。
誰かがイトを動かさないと動けない。動かない。楽しいもなにも、ないんだよ。
ぶっちゃけ言うと――べつにどーでもいいと思ってる。だいたいぜんぶ。
おねーさんみたいに誰かなにか、赦せないものがあるってわけでもないし……

【「ただまあ――能力、消されるっていうのはちょっと困るかも。ちょっとだけネ」】
【そこまで言って、笑うのをやめる。死人みたいにつめたい表情をして】

……ヤる気まんまんで、たのしそうだネ。羨ましいような、そーでもないような。
あたしは本当、そーいう意思がなんっにも、ないからさあ……ねえおねーさん、
あたしの『操手』も、どうせ似たよーな、信念もないようなやつだし、きっとどうでもいいと思ってる。
だからヒマなの、今んとこ。だからいっときだけ、あたしに繋がってる操り糸――貸してあげようか?

【その次には、そう言った。つまるところ、お手伝いしましょうか? というお節介】
【意思もなければ動機も目的もない。どうせ流されるばっかりなら、ちょっとでも強そうな潮流へ】
【そうしたほうが多少は「マシ」だろう、って。そんな不埒な考えからきた提案だった】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/19(月) 19:25:25.80 ID:GscI3uPEo
>>322


やあ。
久しぶりだね、初めまして。

ようこそカチューシャ、君は変わらないね。


【そのともだちはスーツをきっちりと着こなして立っている】
【頭部だけ鏡面反射するのっぺらぼうみたいなそのいつもの顔がカチューシャを向く】


【今更説明の必要もないことだろうけれど】
【ここはオメラスという世界唯一の理想郷都、その中心部に聳える『たいようの塔』】
【カチューシャやそのともだちのような『席のある者』だけが入ることを許される】

【この部屋は百と何階だっけな】
【忘れたけどとにかく高いところだ、そう、僕らはいつもここで遊んだり話し合いをする】

【塵の分子一つなくクリーンで広い無菌空間の中心に、】
【脚のない円形の大きなテーブルが浮いている。もちろん、君が落書きや傷を付ける前の情報組成で】
【その周りに浮いてる流線型の椅子、数は何個あったかな、ひい、ふう、みい……片手じゃ足りないや】


とにかくいつものように座ってよ。今日も景色がいいんだ。


【僕はいつも通りその向かい側へ座るから】

【外の景色? ああ、そうだね、今日の夕焼けも綺麗だよ】
【映画のスクリーンなんかよりずっと大きい硝子張りの窓、曇りなんて一つもない】
【いつも通り、見下ろせばオメラスの豊かな緑と芸術的な建造物群が描く幾何学的な地上絵を見られる】
【遙か先を見通せば、オメラスの緑と『ジャンク』エリアの灰色がくっきり分かれた美しいラインがあるよ】

【あそこから向こうは『席のないモノ』の置き場だ、】
【『ソイレント/何かから出来た美味しい培養肉』の工場はあの辺だっけ。忘れちゃったけど】


ああ。君の好きな飲み物は何だったっけ? 今持ってくるから。


【教えて欲しいんだ君のこと、旧知の仲だからね】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 19:43:27.34 ID:am1Gdn6hO
>>324

【──瞼を開くと、景色があった。通学路の様な何時もの光景】
【不安定な蟠りが、安定した渾沌に戻ったかの様、心に耽る凪の様】
【『のっぺらぼう』の姿を見て、落ち着いた様な声を漏らして】


えぇ、会いたかったの、お久しぶり、初めまして
ふぅ、今日もねいっぱい疲れたの、どうしてかしら
何だかとーっても、イケないことをしていた気分、不思議ね

──ほんとに不思議、だって私そんなにはしたない事、する子じゃ無かったもの
それにしても喉が乾いたわ、何時もの様にミルクを頂戴
ソイレントの緑を溶いて飲むには十分なぐらい、濃いミルクを



【柔らかな頬に紅潮が混じる。──筆洗に溶かす淫らな朱】
【耳朶まで纐纈模様に染めたなら、白地に赤を誂える様】
【透かした可憐な色合いが、名残を魅せる少女を想わせて】

【雪白の如き素肌が濡れて、絹糸の様な首筋を髪が擽る】
【肉感的な唇を蕩けた咥内に浸して、潤んだ桃の慕情を露わに】
【舌と唇が擦れる音律、幇間と魅せる媚びの如き音色】

【椅子に座り脚を組み直す、黒いストッキングに包まれた蠱惑的な両脚】
【煽情的な姿を移しながら、病的な白に浮かぶ】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/19(月) 20:01:41.52 ID:GscI3uPEo
>>325

【ことん、と】
【継ぎ目のない銀色のマグカップに注がれた濃い乳白の飲料が】
【僕たちが何もしなくても独りでに現れて、テーブルへ置かれる。いつも通りだ】


そうか、そういえばカチューシャはミルクが好きだったね、初めて思い出したよ。


【君が飲み物を手にすれば、僕はいつも通りこうして指を組むんだ】
【何だかこうすると偉い人に見えるだろう。それがいつも何かを始めるサインなんだ】


カチューシャ。
最近の『向こう側』は退屈だ。そうだよね。
けれどだから君は来てくれた。

でも退屈は余白、余白には何を描いてもいい。
だからそして僕はまたお絵かきを始めるよ。

でも少しばかり、僕の色鉛筆には色が足りないんだ。
少し貸してくれるかな、カチューシャ。君の色を。


【また素敵な城を描くんだ】
【ともだちが皆笑って過ごせる立派なお城をね】
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 20:18:52.44 ID:am1Gdn6hO
>>326

【其の光景に僅かばかりの動揺も見せず】
【従者が姫に傅く様に、当然とばかりに指をかける】
【紅いルージュに白妙が濡れた、ミルクが喉を潤した】


ええ、其の通りなの、何度も言った通り
──ふふ、美味しいの、生命をそうと、流し込んでる様に
ねぇ貴方も如何?斯うして分け合うのは、初めてかしら?


【軽い音を立ててカップを置いて、指先でそっと押した】
【小首を傾げて長い髪が揺れる、愛嬌をたっぷりと混ぜて】
【何も無ければ貴方の手元までカップが流れる筈だ】


……退屈は病よ、疾患なの、煩いなの
だけどそうして、然るに私は来たの、幾千の曖昧を踏破して
描いて欲しくなったの、貴方の絵を──退屈な世の中に、また刺激を

ねぇ、親愛なる貴方へ──望むのなら、私の色を差し出しましょう
然して綺麗な色じゃないの、濃くて淡くて、淫らで乱らで
其れで貴方は何を描くの?退屈しない世界を描けるの?

退屈は真平、心を濡らす程に美しい景色を頂戴


【彼女は周囲を見渡す。──純白雪が如く穢れなき空間】
【射し込む夕焼けが微睡みの様に染め上げて、後に残るは薔薇の色彩】
【調和の取れた白と朱。夕日に煌めく硝子細工が眩しい】

【カチューシャは外を見やる。マリンブルーに浮かんだ朱を引き絞つて】
【編まれた布地を壱枚貮枚と重ねた様な、痴情の姿】
【宛らタペストリーが如く、完成された美しさに喉を震わせた】

328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/19(月) 20:42:30.91 ID:GscI3uPEo
>>327

ははは。
僕はミルクが飲めないんだよ、カチューシャ。

だから戴くことにするよ。

【汗の玉雫がその柔肌を滑り落ちる時のようにやってきたマグカップには君に似付かわしい色が注がれている】
【君はいつもそれを僕に飲ませようとするから僕は決まってこうするんだよ】

【僕がそれを見つめてやれば、乳白の表面がへこむように波打つんだ】
【まるでずっと高いところから見えない雫でも落とされたようにね】
【それで一瞬だけ出来上がるミルククラウンを切り取って】

【宙へ浮かべて】
【ふうと膨らまして】

【そうしてやれば、ほら】


似合うだろ。王さまだ。


【白い王冠を戴いたオメラスの王さまだ】
【王さまは退屈が何よりきらいなんだ。だからもっと美しいものを描きたくなる】


オメラスの続きを一緒に描こう。
きっと『向こう側』なら、ここよりもずっと良い色で描けるよ、カチューシャ。

あの未完成の世界を、完成させるんだ。


【僕の顔はミルク色、夕焼けの色、それぞれ交ざって揺らめいて】
【そこに乱れる前の君が映り込めば、それはきっと誰にも出せない色になる】
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 20:56:26.27 ID:am1Gdn6hO
>>328

【  ──乳白色が冠を描く。優しい悪夢の様な光景──  】

【然し彼女は其の光景から目を逸らせない。釘付けされた蝶の様】
【演目を眺める芸妓に選択肢は无く、唯、水泡の様に見つめてゐた】


素敵よ、王様。──優しい優しい王様、其れでこそ傅く価値があるの
ねぇ、もっと魅せて。貴方の描く奇跡を、続け様に、溺れる位に
凡佰には飽きたの、並ば唯壱を──然る形で耽溺する様に

あゝ──間違えたの、紡ぐ音律は媚ではなくて


【とろん、と──瞳の端が蕩ける、歪む朱の色彩を遺して】
【頬杖を付いたなら、形の良い乳房が形を微かに揺らした】
【指先で辿る頬の線。磨き抜かれた陶器の様に滑らかな感触】

【目の前で広げられる狂宴を、さも当然の様に見ゆる】
【之は空想か現実か、其れとも狭間か──】
【解らなゐ、解る道理が無い為に】


『此方側』に来てくれるのね、あの怠惰で身勝手で残酷で
如何し様も無く胡乱な世界に貴方が凱旋するのね
そうであるのなら、幾らでも、私を鬻ぎ、簪すとしましょう

巫山の雨に濡れながら心ゆくまで果てましょう


【合っているかはわからない、唯貴方の言葉を其う捉えた】
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/19(月) 21:27:38.07 ID:CDsxB8kqO
>>323
【少女の所属が『円卓』だと言われれば──女は驚いたような、けれどどこか納得した表情を浮かべる】
【「悪いお人形ちゃんだなぁ」とひとつ笑ってみせるが。少女に釣られでもしたか。つまらなさそうに口を尖らせるのだ】

…………楽しいも何もねぇって、なんだぁ、そりゃ
楽しいとか嬉しいとか、そーいうのはねぇのかよお嬢ちゃんは、よぉ
それとも何かぁ?お嬢ちゃんは“ビビり”専門のお人形ってか、ぎゃははっ!!

【ぽん。握ったままだった手を一度軽く叩いて、一歩下がる】
【もう一歩、下がる。更にもう一歩下がり──そこで立ち止まり、女は口の端を歪めた】

ま、それは置いといて、だ──お嬢ちゃん。ビビりのお人形ちゃんよぉ
“操り糸”をあたしに握らせよぉってんなら…………“お断り”だ
あたしは楽しいことが大好きだが、あいにくと人形遊びの趣味はねぇ。だが、な──


────あんたがあんたの意思で、あたしんとこ来るんなら……“一緒に”遊んでやる


意思がねぇわけ、ねぇだろう。じゃなきゃあんたが喋れてる道理がねぇ
最近じゃ、アンドロイドだってジョークは飛ばすし「友達になってくれ」とか言ってくるんだ

もしも…………もしも本当に“その気”があるんなら、しっかり自分の意思を示せ、お嬢ちゃん
曖昧な言葉でごまかすな。逃げんじゃねぇ。ちゃんと、“どうしたいか”を言うんだ

そうしたら──ぎゃは。あたしがあんたを“買い取って”やるぜ?
…………いや。出来るかどぉかわっかんねぇけどよ
円卓のおエライさんがあんたのご主人に言えばなぁんとかなる気がすんだよなぁ?
「お化けサンが赤い人形気に入ったから売ってくれ」ってな感じに、な?


【さぁ、どうする。そう言って、女は少女の言葉を待った】
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/19(月) 21:30:29.31 ID:GscI3uPEo
>>329

【君の言霊は水面に溶ける血のように夢の中へとよく馴染む】

【君は僕をいつだって視てきたし僕も君を魅ていた】
【倦んでいる君の横顔を少し黙って見惚れる程度にはいじわるしたけれど】
【やはり流れる音階の線上で舞う君の方が美しいと思うよカチューシャ】

【君の色は完璧だ】

【その猥れるような蕩けるような絵の具で】
【あの新しいキャンパスを愛でるように誑かすように】
【この艶めく筆で踊るように乱れるように】

【世界の色を、塗り替えよう】


ああ。また逢えるよ、『向こう側』で。


【僕がそんなことを言うと夕暮れのオメラスは鐘を鳴らす】
【とても幸せな音色と旋律はあの暖かい家の匂いを思い出させるね】
【カチューシャ、素敵な踊り子、愛しいみなしご。微睡みへ目醒めよう】

【そうして僕は、指を鳴らすんだ】


【――――ぷつっ】




【次に彼女が目覚めるのは何処であろう】
【その麗しい目元に注ぐ光は陽光か月光か】

【何処にせよ何時にせよ】

【彼女の傍らには一冊の本が置かれている】
【丁寧に装丁された表紙には、格式高い型押しでこう印されている】

【『OMERAS』】

【頁を開けば溢れる想念】
【それを受け入れたなら刹那で解る、この世に『オメラス』を描き出すまでの道筋】
【その素敵な登場人物としてカチューシャの名が鮮やかに綴られているのを目にするはずで】


【「オメラスのおはなし」】
【冒頭はこのように始まる】


【「そこに国はありません、全ての大地はカノッサと呼ばれていました」】



【全てを統べるユートピア、今宵はその礎が建てられた】



/ほいだらばこの辺りになりますが。
/補足等々は舞台裏にて、お付き合いありがとうございました!
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 22:01:42.99 ID:kDl0h9JOO
>>331

【鳥が朝を詠う。──】

                 【──。童が夕を嘆く】


        【廓が夜を伽ぐ。───】


   【──。凡ては未だ胡蝶】


【目覚める少女、大きく伸びを為たら、吐息が零れる】


【悩ましげな肢体を、ゆつたりと這わせて、ベッドの上を弄び】


【天鵞絨の如きシーツのみを纏つた裸体。──照明を浴びて煌々と】


  【  ──ぐるん。】


【寝返りを打ち、俯せに成つて、枕に顔を埋める】
【血の巡りが悪い。寝惚け眼を伏せたなら長い睫毛が呼吸をし】
【虹彩が本を捉えた。正確にはずつと、捉えてゐたのだろう。】


【お尻を上に突き上げて、本を開く。頬杖を付きながら頁を捲つた】


【軈て其れは洪水の様に──。渦中へと巻き込まれていく】



【──歯車が壱つ、絡まる聲を為て】



/お疲れ様でしたーっ!
333 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/19(月) 22:11:22.12 ID:dntqrur/o
>>314>>315>>317
【第二幕。その宣言は、カニバディールの耳には届かなかった。そうなる前に、もう視界は暗転していた】

(暗闇……? 次は五感の遮断か何かか?)

【最初はそう考えたが、すぐに否定する。恐らく、それだけでは済まない】
【はたして、その予感を裏付けるようなノイズ】

(――――……? !? なんだ……)
(路地裏……? つい先ほどまで、船内に……腕、この腕はなんだ?)

(これは、私の腕……そう、私の腕だ。これは私だ。私が……俺が彼女を……)
(――――違う!! 私の名はカニバディール……私は、私だ!!)

【どうにか、飲み込まれそうになる意識を覚醒させる。己自身への確かな認識。自我の強さ。エゴ】
【そうしたもので、自分の意識の頬を張るように、どうにか自分≠繋ぎ止める】


(これが……第二段階、か……!! 少しでも気を抜けば、私≠ニ『俺』の区別がつかなくなりそうだ……)
(動きに逆らえん……どこぞの誰かの、記憶……?)

【自分が愛した少女を刺し殺した、という事実にあらゆる感情が流れ込んでくるのを感じた】
【殺しなど、日常茶飯事である自分が。人を愛するということになど、欠片の縁もない自分が】
【なぜ、『俺』は彼女を殺した。そう疑問に思った次の瞬間には、チャンネル≠ヘ切り替わって―――――ザ、ザザッ】


(もういい、もう……死――――ふざけるな。この私が自ら死を選ぶなどあり得るものか)
(別の誰かの……安月給――――粗悪品――――なぜこんな生活……違う!! 私は……)

(思考すればするほど、別の誰かと混ざっていく……!! 何という力だ……!!)

【先の声による汚染とは比べ物にならない、狂気の迷宮。カニバディールの異形の精神は、まだ形を保ってはいた】
【しかし、今にも押し流されそうだ。果たして自分は自分なのか。常人とは違った形だからといって、カニバディールの精神は特別製でもなんでもない】
【無数の記憶。いくつもの意識。知らない感情。いや、知っている。自分の感情だ。いや違う、私は私だ。私とは誰だ?】


(何故――――違う、これは私ではない!! もう何日食べていないんだ……違う!!)
(あいつが俺を裏切り――――妻も子も僕を捨てた――――私が、僕が、俺が、私、私、わたしわたしわたし)
(話……誰の話を……私とはなんだ? 私は誰だ?)

だ、れ……カニバディール。私はカニバディール。私の名は、カニバディールだ

【思わず、口をついて出た疑問を否定した。全身が汗に塗れていた】
【今度は、カニバディールの笑みが崩れる番だった。まだ、疑問がこびりついている。私は、果たして私か】

【記憶。感覚。疑いようもなく持っていたはずのものが、もはや信じられなくなる感覚】
【やっとのことで、カニバディールは己の異常性を持ってそれを振り払う】

――――恐ろしい。そして素晴らしい……
その先客の女性も大したタマですな。これを体験して、気に入ったと言い放てるとは

自分の脆弱性を思い知らされた気分ですが、だからこそ私も気に入りましたよ
そうそう出来ない体験でした。感謝します

あらゆる意識が一つに……全てを一つに

【先に聞いた言葉を反芻する。それもまた、彼の王国を理解するには程遠いのだろうが】
【改めて、思い知る。恐ろしいのは『黒幕』や『円卓』や『長老派』だけではない。ここは新世界なのだ】
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/19(月) 22:17:01.89 ID:/7NVQ0oe0
>>330

【――――断られた。そりゃあまあそうだろう、とは思っていたけど】
【続く言葉に、少女は身を硬くした。それこそ操手を失った、人形みたいに】
【本当は、いますぐにでも前に出て――飛びつくくらいの勢いで、そうしたかった、けれど】

 【 瞼の向こう側で十字架がひかっている。冷たくひかって、圧し掛かってくる 】

【……乱れた呼吸。そんなに暑くもないのにだらだらと、流れてくる汗】
【それらを整える素振りすら見せないで、少女はその場に、突っ立ったままだ】

…………ぅ、あ、……っ、
あたし、あたし、は…………ちが、あたしはっ……

【「本当はこんなところにいたくないの」「『円卓』も『黒幕』も、どうでもいいのは本当なの」】
【「ただ、ただ本当に――――おうちに帰りたいの。それだけなのに!」】
【……ぜんぶ言い出せなかった。本当に、本当に臆病な少女は、それすら口にすることもできず】

【――――ただ、】


…………っ、いま、は……今はっ、……ッ!
……今は、言え、ない……ごめんけど、ほんとう、に……

今は、そういうこと、言えない……言える立場にないの、だけど、
いつか、いつか言えるかも、しれない……わかんないけどっ、
だからっ……あの、お願いがあるの、……いつか! いつかの時が、来るならっ、


【 「それまで、待っててくれる?」 】

【――到底無茶なお願い事をしている自覚はあった】
【いつになるかわからない、来るかどうかもわからない時を待っていろだなんて】
【本当にひどいお願い事。だけどそれだけが、今の少女が口に出せる――精一杯の本音だった】
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/19(月) 22:23:32.19 ID:UtKOko7q0
【UNITED TRIGGER事務所】
【その向かい側の建物に背を付け、不安げかつ憂鬱そうな顔をするのは】

「……2回失踪して2回戻る、これってもはや反抗期の子供が起こす家出状態じゃあないかな」

【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「30過ぎて何やってんだろホント。全部あのクソ悪魔が悪い、うん。そういうことにしておこう」
「ああ、僕が置いていった蜘蛛みたいな形の植物が見事に残ってる。成長してるなあ」

【――背中を建物から離して、……またつける。どうも、踏ん切りが付かないようだ】


/0時頃に落ちます
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/19(月) 22:24:33.37 ID:MuxiUdnWo
>>333

【意識を飲まれず、自我を保ったまま戻ったカニバディールに】
【黒衣の魔術師は興味深げな笑みを浮かべていた】
【それはどこか────試練を乗り越えた者を見るかのような】


お前もやるじゃないか、カニバディール
ああ、非常に気に入ったとも。カノッサ機関のナンバーズよ
『全てを一つ』にする。その要点を、お前には”実感”してもらった


【要点、と。あくまで詳細は語らないままに】
【それでもブランルは、この男にしては珍しく素直に感心した言葉を述べていた】
【すでにカニバディールという異形の”自我の強さ”というものを認めていた】


さて、自己紹介とデモンストレーションが終わったところで、本題だ
カニバディールよ、私についてくるつもりはないか?
”我らの王国”が一体どうなっていくのか、この世界に私が何を与えるのか
それを、特等席で見たいとは思わないか?

もちろん、タダで、などという退屈なことは言わん
目下のお前の目的を尊重して、私の立場上、知りうることを今後提供してもいい
どうだ?


【ブランルが告げた言葉。それは一種の勧誘だった】
【目的は定かではない。しかしそれを見てみたくはないか、と】
【有益な情報を与えるという交換条件と共に、それは提示された】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 22:27:43.47 ID:F/eyqTM/0
【風の国――UNITED TRIGGER店舗内】
【時刻は昼下がりを少し過ぎたころだろうか、空はなんとも微妙な薄曇りで、湿っぽいけれど、雨が降り出すほどでもない】
【それでも何か用事があって――あるいはなくって、観光気分でも、なんでも、誰かが扉を開くなら】
【古い木のドアが軋む音と、古びたベルの、くすんだ音色――それからテレビの音が聞こえてくるのだろう】
【家ならちょうどよくっても店なら小さすぎる音量はドアの向こうの話し声に耳を欹てるみたいで、少しだけぞわぞわした気持ちにさせて――】

【――そしてすぐにでも見つけるだろう。こそこそしゃべるテレビの音しかしない室内に、人影が一つだけあった。客用の机に、突っ伏すみたいにして】
【ならば眠っているのだろうか。華奢なシルエットと服装を見るに少女だろう、顔はうかがえなかったけれど――まだ大人になりきっていないサイズの頭が、ちらりと傾げて】

…………セリーナの馬鹿。

【――――ぼそりとした声は怨嗟みたいだった、とは、余談。絶対に寝ている人間じゃない声、明確に起きている声、だけど、深く考えごとでもしているらしい】
【それは誰かが来ていたとしても気づかないくらい。ふさいだ腕の中では声はくぐもってしまうから、聞き取られることも、もしかしたらないのかもしれないけれど】

【――細くってさらさらした髪はきれいな黒色をしていた、さらさらと重さに任せて雪崩れれば、突っ伏した少女の顔を隠しこむ腕の輪郭を黒く浮かせて】
【真っ白な肌と色違いの瞳は今はうかがえないけれど。呟く声はきっと鈴の音によく似ていて、何か思いだして怒っているみたいに、足元でこんこん音を鳴らす】
【青みの黒色のAラインワンピースはセーラー風の襟を模したもの、切り返しのないデザインに満足いくまでパニエを詰め込んだなら、その裾はふっくら丸い円を描いて】
【わりに珍しいロング丈のスカートに高いかかとのショートブーツ。さっきこつこつ鳴らされたのは、どうやらそのかかとであったらしく】

【それを呟けば、また眠ってしまったように少女は静かになる――つけっぱなしのテレビから聞こえる話題は、件の魔能制限法についてのものだった】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/19(月) 22:38:11.56 ID:CDsxB8kqO
>>334
【──少女が全ての言葉を紡ぎ切るまで、彼女は黙って聞いていた】
【金の目が、少女の赤を捉える。少女の呼吸の乱れも、滲み出てくる汗も、その全てを──そして】


────────── よく言ったぜ、お嬢ちゃん


【ぎゃは、と。薄紅の口元に、弧が描かれた】


ビビりのお嬢ちゃんにしちゃあ、大層な一歩だ。やりゃあ出来んじゃねぇか、なぁ?
今はそんだけ言えりゃ上等だ。生きてりゃ誰にだって怖いもんくれぇはある
安心しな、ビビりのお嬢ちゃん、よぉ。────ぎゃは


“その時”が来たら、きっちりお化けサンが、お嬢ちゃんのこと攫ってってやるからな


【────その言葉は、少女にどう聞こえただろうか】
【愉快そうに口元を歪め、言葉を言い切ったならば。女はそのまま、彼女に背を向ける】
【離別の合図ではない。その行為は、“いつかの時”のためのもの】
【「なんかあったら、連絡しろよな」──そう、言い残し】
【連絡先の書かれた紙を、路地に落としていくのだろう。何か言葉を投げかければ、一度くらいは答えるはずだった】
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/19(月) 22:49:37.14 ID:/7NVQ0oe0
>>338

【落とされた紙。ひらひら宙を舞うそれを慌ててキャッチして、前につんのめる】
【ぜーはーと、荒い呼吸は未だなおらない。髪もぐしゃぐしゃになっていて、汗で化粧も崩れていて】
【簡単に言えばひどい顔をしていた。既に女は背を向けていたから、見られはしなかったけど】


――――ゆづき、夕月っ!!

……あ、あたしの名前っ……覚えてて、そんで、
その時が来たら――呼んでっ、ちゃんとっ!!


【――だけど、見られても問題はないとまで、思っていた。なんでかは知らないけど】
【去り行く背中にそう叫んで、それでやっと、ふうっと大きく息を吐く】
【手櫛で髪を梳いて、フードを被り直して、――コートの内側に潜ませていたネックレストップを、握り締め】

【女の姿が見えなくなったなら、少女もまた、踵を返して歩き出す。今行くべき場所へ向かうために】
【かつん・かつん。赤い靴の分厚い底は、しっかりした足音を刻んで――闇に融けて、消えた】


//ここらへんでしょうかね!?
//連日お付き合いくださりありがとうございました、おつかれさまでした!
340 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/19(月) 22:54:10.63 ID:dntqrur/o
>>336
【興味。マッドサイエンティストに向けられるその感情ほど、恐ろしいものがあろうか】
【試練を課す者。世界を一つにする者。世界に選択させる者。それはもはや、神といっても過言ではあるまい】
【ならば、この男は神になるつもりなのか】

光栄ですな。しかし、貴方ほどじゃあありませんよ
要点……なるほど

【未だ全貌は闇の中に。その上で、カニバディールの目にも称賛の色が宿っていた】
【悪党としての異常な価値観というフィルターは無論あるが、それでも間違いなくこの男は恐るべき男だと】


……魅力的なお誘いですな
ええ、私は貴方の王国には大いに興味があります。その行く先が、貴方がもたらすものが何なのか
是非とも、この目で確かめたい

――――その上で、貴方も今おっしゃった通り。私にも、私の目的があります
機関のでも、公安のでも、円卓のでもない、私の目的が

飲み込まれるつもりは、ありません。ただ追従するほど、私は殊勝な男ではありませんのでね
それでも、いい席を用意してくださるというのなら……見届けるための努力は惜しみませんよ

【結果として返されるのは、この身勝手な悪党らしい、利己的な返答であった】
【ただついていくつもりはない。だが、彼が世界に与えるものは見てみたい。何たる我儘であろうか】

【だが、たとえブランルが何というとしても。それがこの異形の本質。どこまで行っても、己のためなのだ】
【カニバディールがそれを見たいと思っている間は、この異形はブランルについていくだろう。あるいは、いつでもその背中を狙える位置取りで】
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 22:57:47.44 ID:kDl0h9JOO
>>337

【──からんころん、と少女の悩みとは関係なしな音が響いて】


いらっしゃいましたーっ!……って、誰も居ないんですかねっ
この前のお店もそうでしたけどっ、最近は開店休業状態が流行りなんでしょーかっ!
最近姉やも懲りたのか長電話してくれないしーっ鵺ちゃんの溜まったフラストレーションはどこで発散してくれようか!

と思ったらこーんなところにっもふもふしてくださいと!言っているような!
可愛い可愛い女の子(確定描写)が!ふふーん、鵺ちゃん閃いたのです
今日の獲物は君だーっ!的な!


【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女が入ってくる】

【少女は眠り姫を見つけテンションが上がる!その指先をわきわきとしながら】
【狙うは少女の無防備なわき!素早い身のこなしで俯く貴方の後方に回ったなら】
【えいやーとわきをこちょこちょします、逃れる術はない】
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/19(月) 23:03:48.12 ID:CDsxB8kqO
>>339
【『ミラ・クラァケ』紙にはそんな短い言葉と、アドレスらしき文字の羅列があった】
【名前だろうか。名前なのだろう。──女はそのまま、背を向けたまま歩き続け】


…………“その時”が来たらな、ビビりのお嬢ちゃん


【一度だけ、振り向いた。口元に歪んだ弧を湛え──今はまだ、彼女の名は紡がれなかったけれど】
【いずれ“その時”が来たら。必ず、呼んでくれるのだろうと。そう思えるような笑みだった】
【────かけられた言葉は、それっきり。やがて彼女の姿は、見えなくなり】

【『ぴろりん』──ミラのポケットから、メールの通知音】

…………あん?おいおいおいおい“その時”来んの早すぎや──


────あぁん?…………鈴音ぇ?


【──────】
【────】
【──】

/こちらこそありがとうございました、お疲れ様でした!
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/19(月) 23:10:29.11 ID:MuxiUdnWo
>>340

【『全てを一つに』すると宣う。それに対して平然と飲み込まれるつもりはないと答える】
【────狂気の男の笑みは、今までにないほどに深く、刻まれることになった】


そうだ、それでいい
抗えよ、カニバディール
私と、”我々”と、そしてお前、あるいは”お前たち”

この世界の終焉のときに、果たして何が残っているのか
お前か、それとも私か
ふふふ、愉しみが一つできたな


【カニバディールの利己的な答えが、この男が求めているものだった】
【声の波濤、意識の混濁。それらを乗り越えられるものがいるのだとすればそれは────】
【最後の瞬間にどちらが残るのか、と。これは一種の”宣戦布告”でもあった】


では
レヴォルツィオーン社開発主任のブランルは
カノッサ機関ナンバーズのカニバディールに対して
必要な情報提供を行うことを約束しよう

私はさして興味の湧かない事柄ではあるが
しかしこの一連の事件はそれなりに手応えがありそうだ
それを乗り越えるお前の”意志”を、ひとまずは狂宴の肴としよう


【邪悪な誓約と共に、カニバディールの脳裏にある情報が浮かぶ】
【それはブランルと連絡を取り合う手段だった。念話か、電子上か、何がしかの都合の良い手段だ】

【魔術師が黒衣をはためかせる。その背後の空間が歪む】
【これが移動方法なのだろう。何かあるならば、まだ呼び止めることは可能だ】
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/19(月) 23:13:57.23 ID:P2RUj3TA0
/>>296で再募集します!
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 23:18:00.93 ID:F/eyqTM/0
>>341

【こそこそ声のテレビの音。時計の針がかちかち鳴いて、そう狭くないけれど広すぎない店内には、そういう――まるで無人のような、環境音だけが詰まっていた】
【だからこそ「からん」と鳴ったベルは何より生きた色彩を持つ、とりあえず昼間っから怨嗟の声を漏らす給仕(見えない)より、ずっと健全で、生き生きしているし】
【テンション高い声なんてまさに生きているとしか言いようがないだろう。閃いちゃった声、薄らと感じ取った嫌な予感はもうもはや野生の勘みたいになって】

――――、?

【――だけど。遅かったのだ、ゆると持ち上げた頭、真っ白いおでこには服のしわがくっきり赤く刻まれて、本当にずっとそうしていたのか、目が少し眩しそうに細められる】
【こりこりと靴のかかとが床の木目をひっかく音がして、何かの気配を感じた……というか絶対誰かの声がした方向を見やれど、だけど、相手はもうそこに居ない】
【昔のテレビなら子供が熱狂して後ろだのなんだの叫ぶ場面なのだけど。今ついているテレビの話題は最先端も最先端、それもしゃべくっているのはおじさんだから、熱狂してくれなくて】

【だから――――(?)】

ふにゃあ!?

【びっくー!と跳ね上がった身体の動きが相手の指先から腕から脳まで伝わるだろう、多分椅子から十五センチくらいは飛び上がって(体感)、心臓も三秒くらいは止まって(体感)】
【驚きのままで発生した声はりんりんきれいな音で鳴る鈴をナントカって野球選手が本気で振りかぶってコンクリートに叩きつけたみたいにうるさいだろう、いっそ超音波めくほど】
【こんなふうに人間の言語っぽい声は、たぶん、その場で聞くと出ていないのだ。耳がきんとしそうなくらいの高い高い声、余韻が金属質なら、マイクのハウリングにも似て】

きゃ――ぁ!? やっ……やあぁ! だれっ――! 

【とりあえず少女はどこぞの草食動物でないから前を向いたまま自分の尻尾だなんて見られなくって、なら、次のしぐさは後ろを振り向こうとすること、相手を振り払おうとすること】
【相手は上手にくっついてさえいれば、しばらく視認されないのだろう。ならばまだしばらく擽っていられると予感させるだろうか】
【それにしても少女からは甘い匂いがするだろう、真っ黒の髪からは少しビターな柑橘の香り、洋服からもラベンダーのような、かすかな香りがして】
【混乱して暴れるたびにくしゃくしゃになる髪から、服から、そういうのに気を使っているのが漂ってくるのだ。――――だけど、もし、気づくことが出来たなら】

【少女のあげている声はきゃあきゃあうるさいけれど、決して笑ってはいなくて。後ろを見ようとするのと振り払おうとする仕草は、もーやめてよーなんて感じじゃなくって、本気で】
【少女の纏ういい香りの中に、ぴたんと、かすかに、紛れ込む、水の香り。深い深い山の奥で今まさに沸いた瞬間の清水のような、澄んだ香りが、鎌首をもたげるよう、強くなるなら】
【――それと同時に、魔力の気配がした。そしてそれは間違いなく攻撃の予兆であって――過剰防衛とも言えた。だけれど、それをしかねるほどの、状況ではあった】
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 23:25:48.01 ID:kDl0h9JOO
>>345

【鼻腔を擽る馨しい香り──甘くて爽やかで、其れでいて何処か切ない髪の芳香】
【間違いないと鵺は直感する、之は美少女のみが持つ高貴な香り】
【くんかくんかすーはーすーはー。脇をしっかりこちょこちょしながら顔は髪に埋めて香りを堪能】


なにこれ!なにこれ!すっごい!めっちゃいい匂いする!
コンディショナー!?トリートメント!?リンス!?いや、ほんと何使ってるん!?
ツバキですか!?TSUBAKIなのね!?椿だと言って!?

やーんっ大当たりですっ!鵺ちゃん大歓喜っ!!
すいませーんっ!マスターテイクアウト美少女ひとつ!
鈴の声の少女持ちかえりますわーっ!


【エッセンシャルダメージヘアー、現在進行形でストレス与えつ】
【忍び式固め技、両脇をがぅと、両手で固めながら交差する様に脇をくすぐる】
【幼子を背後から抱きしめてる形が想像しやすいか】
347 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/19(月) 23:31:13.51 ID:dntqrur/o
>>343
【異常は異常を知る。悪と悪は、悪なりのやり方で引かれ合う】
【深い深いブランルの狂った笑みに、同じくカニバディールも醜悪な笑顔を返した】

無論です。抗うことが、生きることですよ
あなた方と。我々と。あるいは他の誰かと。全てが混じり合う混沌。新世界とは、混沌そのものだ

ふ、ふ。私も楽しみですよ。最後に残るのは、何なのか。その結果、何が起きるのか
まったく、この世界は退屈しません

【そう、どこまでいっても食らい合い。悪とはそういったものだ】
【そして、それすらも楽しんで見せる。狂気とはそういったものだ】
【宣戦布告。カニバディールは受けて立つ。心から楽しそうな狂った笑みをもって】

ありがとうございます。ええ、きっと手応えは感じてもらえますよ
この一件、思ったよりもいろいろな面を見せてくれます

今後の転がり方によっては、面白いことになるかもしれません
その中で私が、どう動くのか。それを肴にしてもらえるなら、望外の喜びです

【かくして、悪と悪は誓いを結ぶ。手を組むわけでも、協力関係を築くわけでもなく】
【狂気にそんなものは似合わない。ただ楽しむだけだ。己の目的に邁進する、その道中を】

【脳裏に浮かんだ連絡手段を、警備員の制服の懐から取り出した手帳に手早く記録し】
【当たり前のように空間を歪めるブランルを見送る】

この出会いを嬉しく思いますよ、ブランルさん。これで、もっと面白くなる

【船内の喧騒をよそに、この場で起きた出来事は何を引き起こすのか】
【それはまだ、きっと誰も知らない。見送る異形も、見送られる怪人も、誰も】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/19(月) 23:36:23.03 ID:MuxiUdnWo
>>347


────では、”また会おう”


【別れの言葉を告げ、歪んだ空間の境界線を跨ぐ】
【歪曲された風景の表面が波打ち、渦巻き】
【歪みは修正されて魔術師の姿をかき消した】

【船内に残るのはただ一人、カニバディールのみ】
【────喧騒はまだ聞こえる。動乱はまだ終わってはいないのだ】


//数日間ありがとうございます、お疲れ様でした!
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 23:38:20.07 ID:F/eyqTM/0
>>346

【脳内は大混乱だった、最近いっつも時間をずらされている気がする。いつも、出勤する時間に"たまたま"いないことが、多い気がする】
【気のせいかもしれないとは思った。前も、前だって、こんなふうにセリーナが居なくて――というのはたくさんあった。あったのに、覚えているのに】
【避けられているんじゃないかと思ったら不安になって。寂しくってテレビを付けたら、うんざりするような話をしていて――だから、ふさぎ込んでみたのに。珍しく】

椿じゃないもん! 違うもん! ちがっ……違うの! ちがぁっ――!

【なんでいきなりがっちり捕まえられてシャンプー方面のことで詰められているのか。そこでやっと少女は知らない声だと認識する、認識するけど】
【知らない声であるというならつまり"婦警"でもない、だけどこの状況はどうあれ、なんだこれ、好ましいとかそれ以前に、なんだこれ――としか思えなくって】
【がっちりがっちり抑え込まれているからばたばたしても逃れられない。足もばたばたするせいか、ごつんごつん、靴が床とか椅子の足を蹴っ飛ばす音が響き渡って】
【だから……なんか。もしも。この店舗としてじゃない場所、例えば裏へ続くドアの向こう側に誰かいたら。多分。すっごい修羅場を想像しそうな、音が――】

――――やめてっ!

【――最後に響くのは"ばちん"なんて音だった。聴覚であれば鮮烈な破裂音。視覚であれば、突如少女からあふれた桜色の魔力光が"はじけて"】
【その小さな欠片の一つ一つがぶわりと膨れ上がり、まるで桜の花びらみたいになる。そしてそれがあまりに鮮やかに舞い散るから、ならば、満開の桜を見上げた瞬間のような】
【聴覚と視覚をふさぐための魔術だ、その予兆はほんの数秒前からとは言え、明確にあった。相手が"慣れて"いれば、十分対処ができるだけの時間はあったし】
【何もしなかったとしても――本格的な攻撃ではなかった。ただちょっと耳はきーんとするかもしれないけれど、花びらはそのまま、好き勝手に、ひらひら落ちて行って】

――――――――ッ、

【荒い荒い息の音がした。相手がまだくっついていても、いなくっても、ばたばた暴れるのはやめて、きゃあきゃあ騒ぐのもやめて、飛び跳ねまわる心臓を落ち着けようとする】
【はーはーした荒い息、薄っぺらい胸元が精いっぱいに呼吸しているのがよく分かる。疲れたみたいに――あるいは、混乱しすぎて、処理落ちしてしまったみたいに、黙り込んで】
350 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/19(月) 23:41:14.86 ID:dntqrur/o
>>348
ええ、また

【そう、また≠セ。次がある。更にまた、次が。いつまでも続いていく、狂気と悪意】
【空間そのものが歪み消える。ブランルの恐ろしさを、幾度も見せつけられたカニバディールは】
【込み上げてくる笑いを、抑えるのに少しの時間を要した】

く、ふふ、ふふふ……!! これだから、生きるのはやめられないんだ……!!

【そう、何も終わっていない。むしろ、始まったばかりだ】
【カニバディールは、再び顔を能力で取り繕うと、動き出す。恐らくは、もはや寿命が近づいている船の中を】
【まずは眼前の状況を。やがては、彼らの王国を。全てを味わい尽くすために。異形は進む】

/ありがとうございました、お疲れさまでした!!
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/19(月) 23:52:07.58 ID:kDl0h9JOO
>>349

【修羅場ならば慣れていた、血と硝煙の烟る鉄火場なら彼女の住処】
【然して之は──鮮やかな桜舞う景色等、遠き過去にしかなく】
【暫しその光景に見蕩れた、嘗ての故郷へ憧憬を馳せて】

【────耳鳴りがつぅ、と鳴った】


ひみぃぃぃ!!耳がーっ!!耳がーっ!!
わぁっビックリしました!鵺ちゃん耳めーっちゃ聞くんですよっ!ひと離れしてて
あーっもうビックリですよぅ、可愛い女の子こちょこちょしてたらこんなんなるって

うぅ、まだ耳鳴りしてるーっ、じんじんやだぁ
あーあーっ、鵺ちゃんのかわいー声もあんま聞こえないしっ
そこの娘っ子!一体どんな魔術を──って……あっ


【数瞬、飛び退いた、耳を抑えてじたばたのたうち回る】
【見た目は清楚な格好、然してその態度は中々に乱雑で】
【落ち着いたなら、此奴やりおるみたいなテンションで見つめて】

【──数回、大きな瞬きをした】


……あちゃぁ、之はやりすぎちゃいましたねっ
うー……えっと、最近、ピリピリする事ばかりでそれで
ふらーっと入った店に可愛い子がいて、それで──

ぁー……ちがぅぅ、ちがうの──そうじゃなくて、えーっと


────ごめんなさいっ……


【口から零れるのは沢山の言い訳、思っている以上にくちゃくちゃになった貴方へ】
【何回か頭を振った、そうじゃない、今伝えるべきなのは】
【──ぺこり、と頭を下げる】
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 00:06:00.77 ID:d/syPwWv0
>>351

【ふーっ、ふーっ、荒い息の音。薄っぺらの胸元がお腹までべこべこ動いて息をする、アコーディオンの蛇腹だってこんなに動かないくらい、息をして】
【顔の下半分を手のひらを指先で覆ってしまって、それでも目まで隠さないなら、色違いの目がろりめくみたいにきょろきょろとせわしなく動き回っていた、まだ混乱して】

だれ……っ、だれ!? なんでいきなりっ――、音しなかったのにっ! あのドア、うるさいのにっ、ぎいって言うのに!

【ちょっと涙目だったかもしれない、黒色と赤色の瞳は爛々としているのに潤んでいて少し変になっていた、ようやく離れてくれた相手を、初めてそこで視認するなら】
【やっぱり婦警ではない。だけどこれは誰だろう、知らないひとだと思う、それからわあわあ喚いて並べ立てるのはいつの間に此処へ来たのとの問いかけ、だけどずっと荒い】
【音がしなかったなんて大嘘だろう、たしかに相手は聞いたはずだ、軋んだドアの音、それから、からんころん、少しくすんだ古いベルの音】
【なら悪いのは少女だったに違いない。それに気づかないくらい――物理的にも気持ち的にも、きっと、ふさぎこんでいたみたいで】

え、ぅ――、うう、

【――だけど。謝る相手を見れば、見てしまえば、怖がりながら怒っているみたいだった目は急に元気をなくす、福笑いみたいになってた変な表情も、しゅんとなって】
【ポーズばっかりは手で口を隠すようで変わりないけど。今度は逆にひどいことをしてしまったのを悔いるみたいに、視線がぐっと落ちて、しまって】

――ゎ、あ、の。ご、ごめんなさい、わたしも、えっと……、その、びっくり。した、して――、えと、
み、耳――。だいじょう、ぶ? ――うるさかった、

【「――よね?」】
【わああと慌てるみたいに立ち上がるだろう、そうすると意外と身長が高いのに相手は気づくかもしれない、靴と合わせて、四捨五入して百七十になるくらいには、ある】
【そのくせあどけない表情や態度はわりに大きな身長をごまかしすぎるくらいにごまかして、今度はかえって「どうしよう……」と泣きそうな目まで、する】
【くっちゃんくちゃんになった自分の服や髪を整えることもしないままで相手が許してくれるなら近づこうとする、それで――そこで、相反する指示を受けた子犬みたいに、おどおど】

353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 00:14:37.86 ID:LoASwDhKO
>>352

【良く見てみると不思議な少女だと思った】
【黒と赤のオッドアイ。万華鏡でも見ているかの様な輝きで】
【呼吸を思わず忘れるぐらい、絵画の如き姿】


鵺ちゃんは訓練してるのでっ、ちょっとやそっとのダメージじゃ挫けないのですっ!
大丈夫ですよっ、このとーり!耳に関しては大丈夫です!
何なら触って確かめてみても!いやいや、是非とも触って!

こうね!無事を確かめるように優しく、それでいてつややかに!
少し背伸びした少女の様にやらしく触るといいのです!
鵺は哀れな仔猫のように従順に傅くのですっ


【近づいておどおどする相手、可愛い。鵺は思った。語彙が足りない】
【そうして、紡ぐのは謎の要求、いいから私の耳を触れ、と】
【身長差から見上げながらぐいっと、近づく、くっつくぐらいの距離】


くんくん、くんくん──やーっぱりいい匂いする!
服と髪が違うよーな!之は香水の違いですかねっ!
あー……くんくん、でも、素肌が一番いい匂いするーっ


【恍惚の表情で、貴方の胸元(ぺったんこ)にもたれ掛かろうとする】
【くんかくんか、少し鼻息が貴方の胸元(絶壁)に当たってくすぐったいかもしれない】
【貴方の胸元(鉄板)】
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 00:27:54.69 ID:d/syPwWv0
>>353

【黒色と赤色の白色。それが少女を構成する色合いだった、もちろん服や装飾のたぐいは別の色合いをしていたが、それだとしても、その三つの色で彼女はできていた】
【添えられるのは桜の色合い、まだ咲き誇るには早い色、すっかり困惑する少女の頭のてっぺんにも一つ花びらが乗っていて――それが、少女のしぐさで落ちていく】
【床にはさっき散らした花びらが降り積もっていることだろう、だけど、掃除をする必要もない。なぜなら、時間が経つごとに朧げに掠れて、やがて消えていくのだから】

えっ……えっと、無事を確かめ……つややか? やらしっ――、……えええ、

【――だけどそのちょっと不思議な色違いの目。どこか昼行性の蛇にも似るような目は、件のいきものとは違って、うんと感情豊かに瞬くだろう】
【えええと困惑したみたいになると目も困惑する。わりと律儀になぞって繰り返すが、多分だいたいの意味を理解していない。言葉を知っているかと理解は別次元】
【子猫がどうとか言われたころにはすっかりビビってしまってホールドアップみたいになっていた。といっても手の位置はだいたい胸の高さ、ドン引き中】

え、えと……、香水、してない、今日は、――なくなっちゃったから、かってもらうの、かってくれるって、言うから、えと、

【だけれど割と言葉には返してくるのだ。だから多分これは混乱しているだけなのだろうとも思えた、香水はしていないらしい。なんでも、なくなったから】
【誰かが買ってくれるらしい。てんぱったぐるぐる目がてんぱりゆえに相手の目をじっと見つめていた、気づいたらもたれかかられていて、すっごく近くて】
【服越しの吐息は直接の時みたいにくすぐったくはないけれど、布地を抜けて、あるいは吐息で揺れる布地の肌に擦れる感覚は、あるいは直接撫でられるよりも、背徳感に似る】
【困って困って困っちゃったみたいに顔を真っ赤にしていた、というかさっきから真っ赤だった。ぜーぜー息をしていた時にはすでに赤くて、それが、まだ、今も赤いだけ】
【それでもなんだか夜更かしのテレビみたいなちょっとした感じ。もたれかかられたのを抱きしめるでもなんでもないけど、中途半端な位置の手は、それをためらうみたい】
【抱きしめたくって仕方ない愛しさを必死にこらえるみたいな手の位置でもあった。――本当はそうじゃなかったけど、そう見えるのだから、仕方なくって、仕方ない】

――――待って、待って! えと……あなた、だあれ? 知らない子みたい、えと、――鵺ちゃん?
何かご用事? セリーナ……居ないよ、えっと――。

【それでも少し遅れて状況の変さに気づく。なんかすっごい距離が近いのに気づいて、ぱっと一歩分後ずさ――ろうとする、だろう】
【中途半端な位置にあった手をぱたぱたして相手が何者であるのかを尋ねる、ただ名前は知っている気がした。だから尋ねてみた、だってさっき言っていたし――】
【その後に尋ねるのは、どうしてここへ来たのか、だ。ふううと落ち着こうとしたみたいな吐息の音が一つ。口角が少しだけ下がった、少しだけ悲し気な表情になって】
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 00:37:19.92 ID:LoASwDhKO
>>354

【少ない色彩は造形の美しさを強調する。美に多すぎる色合いは必要ないのだと言わんばかりに】
【明らかに困惑している、その様子を眺めるのも楽しいが、落ち着きも欲しかった】
【一歩空いた距離──見つめるには、丁度良いと】


御用と言われましたら、ただ単純に鵺ちゃんは暇を持て余していたのですよ
正確には休養と言いますか、連日連夜の任務に身体と心がへとへとにっ
あぁ、もう之は癒しが必要ですっ、とさすらってましたら

──こーんなところにオープンシェア!な美少女が!
と、言うわけです、まあ、要するに偶然入ってきたとのことです
ビックリさせちゃいましたか?


【言葉を要約するに、本当に偶然であったのだろう】
【以前別のカフェでも別の人と邂逅したように、ふらふらーっと良くどこかに行っている】
【然してそれは今重要な事柄ではなく】


ねーね、お嬢さんのお名前教えて欲しいのですっ
んー、お嬢さんかな?お姉さんって言うには、子どもっぽいし
あ、でも、でも!身長は大きいよね!凄いなー憧れちゃう

何食べてんのってぐらい細いし!最近お腹にお肉ついちゃった鵺ちゃんおこですよっ!
まあその分ぺったんこみたいだからいいですけどっ


【紡ぐ言葉はやや失礼か、両手を後ろに回して小首を傾げる】
【長い髪が頬を染めて、柔らかな色を映した】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 00:50:23.46 ID:d/syPwWv0
>>355

【三つの色合い。だけど色合いが少ないのは少ないだけ不安定にも思えた、だって、一つ失うごとに、世界から消えていってしまいそうで】
【いろんな色を持ったひとなら大したことないたった一つの色だって彼女にはどうしようもなく大切に違いなかった。減らせるのは三回だけ、それで零になる】

えっと……、お仕事の、お休み? ……え、でも、鵺ちゃん。まだ、お仕事とかじゃ――、学校?
オープンシェア? 何それ――、

【休養、任務、へとへと、そんな単語の連なりから導き出す答え。お勤め帰りのサラリーマン!(違う)】
【それから相手の見た目にそんなわけないんじゃないかと疑る独り言が漏れた、それからそういえば学校なんていうものもあったな、みたいな、そういうのり】
【学校に行ったことがないからあんまり実態はないけれど――なんだかテレビとか見ているとすごいらしい。何十人も人間を積み上げたり、するらしいし】
【ただカタカナ語にはすっごいはてなをぴょんぴょこ飛ばして。美少女だとかそのあたりでは言葉も見つからないみたいに黙り込むだろう】
【とりあえず確実なのは絶対違うって感じの顔をしていた。チョコレートの箱を見つけたから開けたらお弁当についてた醤油とかソース入れになってたみたいな顔(イメージ)】

びっくりさせちゃっ……、

【それどこじゃなかったという顔もするだろう。びっくりしまくった後の顔、なんだか相手の方に全部の進行を握られてしまっているみたいに】
【きっと年上だのに情けがなかった。それでも見た目だけなら十六歳だから、許してもらえるだろうか、許してほしいなんてどこに祈ればいいのか、分からないけど】

し、白神、鈴音――、子供、じゃないのっ、今度で二十五歳――だよ、二十五歳なの! ね、大人だよ、大人でしょ――、
背はね、気づいたらね、伸びてたの。測ったことってあんまりないから、分からないけど――、

――――、

【――それでも。名前を聞かれたら答える、お嬢さんかお姉さんか悩まれたら……いまがチャンスと見たか、一生懸命アピールしだすのだ、年齢を、お姉さんであると】
【ひどくうすっぺらい胸を少し張るようにして得意げな感じを演出する、二十五歳なんてうんとお姉さんでしょうと言うみたいに、ちょっとどや顔な感じは、子供ぽいけど】
【背が大きくってすごくて憧れるとか言われたらそうでしょそうでしょって感じで少しでも年上ぶろうとするのは、威厳を保とうとするみたい、生存本能にも似て】
【――――――たのだけど。次の瞬間に無になるのだ。すごい固まる、すっごい固まって、お姉さん路線をアピールする生存戦略、したかったのに、がらがら崩れる音がする】

ちがっ……、

【ちがくなかった。完全に無だし、フラットだし、すっごい平らな感じ、目線をおろせば足のつま先までなんにも遮るものが……あ、いや、お洋服がふわふわして見えない】
【勝った。勝ってないけど――】
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 00:59:48.85 ID:LoASwDhKO
>>356

【貴方の黒髪に対応する様に、彼女の純白が揺れる】
【夜闇に照らされる芥雪の如く、白い水面に照明が落ちて】
【煌々と輝く白妙に似た、淡い色合いを残していた】


おーしーごーとっですっ!こう見えても鵺ちゃんはバリバリのキャリアウーマンです
北へ南へ東へ西へ、どこへ也とも任務に赴く凄い人なのです
あーっと!残念ですが任務の内容は開かせません、守秘義務なのです

……まぁでも、最近はお船とかばっかりでしたので、大変でしたけど
それに最近はみょーな法律ができたかとかで、きったなーい議員さん宅とか
お姉さんみたいな綺麗な人がいるとこに来たくなるんですよね、これが!


【紡ぐ音色の一端、割り切れないオーギュメントの響き】
【鋭い感性であれば気づくかもしれない、言葉に含まれた意味を】
【──ただの少女ではないと、まあ、そこは多分最初からわかる】


へっ?にじゅーご?にじゅーご??じゅーごさいじゃなくて?
うっそだー!!うそうそうそっ!!ぜーったい違うしーっ!
嘘つきは泥棒の始まりにして終焉、その瞬間地獄行き確定なんですよっ!

そんなうすぺったんまっくすなお胸の25歳がどこにいようか!いいやいまい(反語)
えーっだってぇ、ラピちゃんとか14歳の同い年なのに凄いよっ、もうおっぱい大きいし!
お鈴ちんの嘘つきーっ!


【大きく手を振った有り得ないと言いたげに】
【くりくりとした瞳を大きく見開いて、強い否定、こいつぁひでぇ】
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 01:09:45.53 ID:d/syPwWv0
>>357

――もう、鵺ちゃん、嘘は駄目だよ、お仕事ってね、大変なんだよ、酔っ払いのおじさんとか、酔っ払いのおじさんとか、酔っ払いのセリーナとか――、
守秘義務ってね、言えないなら、わたしが考えてあげる。えーっとね、迷子の子猫ちゃんを探すの、それで――、

――――お船?

【急にすっと目を細めた。乱れていた抑揚が凪ぐように静かになって、なんか、すごい、優しい感じの声になるだろう。それこそ"おいた"した子をたしなめるみたいに】
【さっきぺったんとか言われた仕返しなのかもしれなかった。お仕事は大変だと、具体的にどの辺が大変かって酔っ払いが大変だって、優しい声で説くなら】
【勝手に仕事内容まで決めてきちゃうし本当に仕返しなんだろう。迷子の迷子の子猫ちゃん、あなたのお家は――お船?】

【ぱちりと丸くなった目。お船――最近聞いた"船"というのは、もしかして、"あれ"のことなのか】

なっ――ぅ、嘘じゃないの! 本当だもん、本当! だって、幼馴染の子だって、二十五歳なの、もう二十五歳なの!
地獄なんて行かないのっ、本当だよ、だってわたしちゃんと数えて――、

【――だけど、その一瞬の真面目は長続きしなかった。年齢についてちくちく責められたら違う違うって言い張るしかないのに、見た目はどうしたって十六程度にしか見えず】
【なら違うって言い張る言葉はどんどんニードルで突かれる羊毛フェルトみたいにちーっちゃく丸くなっていく、最後の方はすごい変な言い訳、ちゃんと数えたから二十五なんて】
【まるでそうじゃないと年齢を証明してくれるものがないみたいだった。それでも幼馴染――実在するかは知らないけど――は二十五なのだと言う、アピールしまくって】

う、うそだあ……、

【――――それでもほんの少しの嘘があった。見た目と年齢の剥離、それは本当に、この身体は十六歳のある日から、ちいとも成長できていない】
【だからこの身体は本当に十六歳のまま。だけど平坦すぎて、なら、それを知るというか分かりきっている少女に対して"十四歳"で"おっきい"というのは、その――】
【発育の程度には個人差があるとはいえ世界は残酷すぎた。かたや洗濯板、かたや――、いや、ラピちゃんとやらを、この少女は知りもしないから、それが唯一救いでもあった】
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 01:18:27.73 ID:LoASwDhKO
>>358

【落ち着いた貴方の言葉に勢いが止まった、凪いだ水面に嵐は無く】
【窘める言葉、優しく耳に流れ込む言葉は、彼女の熱を覚ますが如く】
【雰囲気も相まって聖女の様だとすら、思えるぐらいに】


う、嘘じゃないですっ!鵺ちゃんはりーっぱにお仕事してます!
大変なのも分かってます!お鈴ちんに言われなくても……ぅ
そんなお姉さんみたいな話し方されたら、困りますっ

そうですっ!セレンディピターでしたっけ、彼処の船に乗ってて
来る日も来る日もおじ様のお相手!肩が凝りますわ!
あら──口調が、とにかく!こんな感じだったんです!


【調子がくるってしまう程に、貴方の雰囲気は鮮やかな桜のように千変万化】
【と、思いきや予想外にダメージを与えた】
【口角が軽く釣り上がる、これぞチャンスとばかりに】


ふふーんっお鈴ちんってば、証明できないんですねーっ
大丈夫ですっ、お胸が女の子の全てではないのです!
鵺ちゃんは知ってるんですよ、殿方は女の子の色んなとこを好むので

お鈴ちんは座ってるだけで、お人形さんみたいに綺麗だから大丈夫です
大人に見えなくても、なんだか優しそーな人ですしっ!
鵺ちゃんは安心して甘えられまーすっ!


【ばっ、と抱きつこうとするだろう、思いっきり押し倒す感じで】
【成功したならぎゅーっとしながら頬ずり、子猫のよう】
【愛おしい、自分より年上で、そういうとこに悩む貴方が、とても】
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 01:31:07.73 ID:d/syPwWv0
>>359

セレンディピター号――、知ってるの? お仕事って……お仕事で乗ったの?

【はたと言葉が途切れた。うんとうんと年下の子、一回りも下の女の子に翻弄されていたのが嘘みたいに、それでも子供みたいに目をまあるくして】
【相手の挙げた名前を繰り返す。知っているの――というからには、彼女も知っているのだろう。それから続く言葉は、ひどく驚いたようなもの】
【少なくとも少女の知る限りその船に乗っていると言ったのは――それを思い浮かべれば、仕事という名目であれ、眼前のこの少女があの船に乗っていたというのは信じがたい】

む――、……、

【――だから、我慢した。年齢は証明できないし、それどころか多分戸籍もない。彼女の存在を国は誰も認めてくれやしないだろうけれど、確かにここに居るなら】
【ちょっと年下にからかわれたって子猫が戯れで噛むみたいなものだと思おう。子猫の爪とか牙が大人の猫よりうんと細くて鋭いから倍くらい痛いとかも、忘れてしまって】
【押し倒すくらいの勢いで抱き着かれればこつんこつんと勢いに負けたみたいに数歩後退する――だけど本当に押し倒されは、しないだろう。きちんと立つ、"大人だから"】
【それでもまたちょっと子供っぽく怒ったみたいな顔をしていたのだけど。それだけ"真剣"なのだろう、あるいは、急所、それこそ逆鱗みたいな、うんと痛むところ】
【そんなの気にしていなかったのに。ただちょっと大きくならなかっただけなのに。それを初めて指摘されたときに、そのことが、泣いてしまいそうなくらい悲しいって知って】
【"だめ"なのかもしれないって思った。思ったけど、どうしようもなくって――もう何年も前のことのはずなのに、今も、その言葉が、刺さったままの棘を動かすみたいで】

【どうしよう――って思ってしまうのだ。どうしようもないのに。いけないことなのかって思ってしまう、いけないなんて言われたって、泣いちゃうしか、手段はないのに】

えっと……――、鵺ちゃん、あの船に、乗ってたの? えっと、なんで……、お仕事って、そんなの――えっと、

【――――抱き着けば、また、あの甘い匂いがするだろう。鵺がそれを感じるなら、彼女もまた、相手の匂いに気づいているだろう、少女は少しだけ鼻が利くから】
【あるいは鵺が感じるよりも強く強く相手の匂いを感じているに違いがなかった。あんまりに近い距離はあまり慣れていないのか、少しためらったようになりながらも】
【急に真面目ぽさを帯びた声は、今日で一番"大人っぽい"。だけれどそのくせ言葉は不明瞭で、急に聞かされた言葉に驚いてしまったみたい、言葉を探すようになってしまう】
【それでもその様子を見れば、相手は思うのだろうか。少女もまた何かを知っているのかもしれない――だなんて】
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 01:40:58.71 ID:LoASwDhKO
>>360

【貴方の雰囲気が変わった、例えるなら宵月に翳りが見える様】
【──否、違う、そこには微かな憂いもあった、暫し逡巡して】
【抱きついた貴方は倒れなくて、もたれ掛かる体勢となった】


うんっ!そういう訳です、詳しくはえーっと、言えないんですけどっ
あの船に乗ってる悪い人達の情報を集める、仕事をしてました
ふふっ、内緒ですよっ!鵺ちゃんのお仕事は、凄く、危険なんですから

それでも、平和を守るのがお仕事です、大切なお仕事です
お鈴ちんみたいな、平和に生きるべき人々を
平和に生きることが出来るようにする、それがお仕事です


【顔を上げて、貴方を見つめる、真っすぐな蜂蜜色がオッドアイを映す】
【少し傷つけてしまったのかな、って思った──言葉の端が微かに揺れて】
【それでも体勢は崩さない、ほんとにいい香りだから】


むーっ……ちょっと、お鈴ちん、怒ってる?
怒ってるかな?怒ってる、よね──……弄りすぎちゃって、ごめん
鵺ちゃん、けっこー人怒らせちゃうから……ぅ、ごめんねっ!ほんとに

……あと、もしかして、お鈴ちん、私の乗ってた船、知ってる?
けっこー色んな団体が絡んでるってのは、聞いてたけど


【怒りではなく哀しみだと、そこまでは分からない】
【けれども可憐な水面に傷が入ったなら、わかる気がした】
【表情を曇らせて、それでも小首を傾げてあなたに尋ねる】
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 01:56:12.57 ID:d/syPwWv0
>>361

【見下ろす蜂蜜色は丸い形、それなら本当にお月様みたいにも思えて、それが少しだけ、羨ましいような気がする】
【色の違う瞳はどうしたって目立ってしまう。それに何よりそれぞれ違う色を通してみるから、世界がちぐはぐになってしまうような、気がする】
【そして本当に――見えやすい世界が違ってしまうのだから。暗いところが苦手、明るいところが苦手。言葉にすると簡単だけれど――やはりどこか歪で】

船に乗ってる、悪いひと……、――あっ! 
あ……え? えっと、待って――、えっと……、鵺、ちゃん? 鵺って、言った? 鵺ちゃん?

【もたれかかられた少女は数歩分押し負けた。だけれど――落ち着いてしまえば、意外と、不安には思わないだろう。一緒に倒れない程度に支えもするし】
【ずるっといって転ばれてしまっても気まずいしかわいそうだ――とまで考えてはいないけれど、一段高いところに登って歩きたがる子供と自然と手を繋いでしまうみたいに】
【だけど急にびくっとなった身体、その瞬間に何かを思い出したみたいに、あるいは何かと何かが繋がったみたいに――ばっ、と、もう一度飛びずさろうとしたのだけど】
【もたれかかられているから逃げ出せなくって、結局――それでも何かの気づきに任せて、相手の服、背中のところをぎゅっと握りしめてしまうだろう、少しだけ、強く】

【気づきにびっくりしてしまったなら、これもまた半ば無意識の行動。顔を相手の顔へ寄せる、身長差も詰めて、うんと近いところで見つめ合うみたいに、刹那なって】
【すぐに気づいて慌てたみたいに元の距離へ戻りながら「怒ってないよ……」と目をそらして伝えるだろう。怒ってない、少し、昔のことを思い出してしまっただけ】

う、ん――知ってる、知ってるよ、それに、わたし、あなたのこと、知ってた、……えっと。公安の……鵺、ちゃん?
わたし、白神鈴音、あ、えと、言ったっけ――、……UTでお仕事しているの、――、……ここだよ、えっと、適当に来たっぽいこと、言っていた、けど……。

【――あるいはそれは相手にとって驚きだったかもしれない、もしかしたら、警戒されるかもしれない。まだすこしどきどきしているみたいだった】
【だって相手は何度も自分のことをそう呼んでいたし――自分も彼女をそう呼んだのに。気づかなかったのだ、船と聞いて、悪いひとと聞く、そのときまで】
【だから冷静じゃない。こんなふうにしたら警戒されるかもしれない……普段ならきっと思ったはずの思考は、だけど、できなくて。だから、あまりに急に、尋ねてしまう】
【うろたえたような少女はさっきだって伝えた名前をもう一度伝え直して――それから自らの立場も明かす。UTでお仕事……というか、ここで働いている、と伝え】
【――――もしかしたら、相手、気づいていないんじゃないかと、ふと思ったのだ。ふら〜っと入ってくる店では、あんまり、ないと思う――多分だけど】
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 02:04:20.63 ID:LoASwDhKO
>>362

【顔と顔が近づけられる、ほんとに綺麗な人だなーって思った】
【彫刻の様に整った顔たち、アンバランスな瞳の色彩もアクセントには丁度良く】
【同性の自分でもドキドキしてしまう況や異性ならば──と】


ふぇ、ぇ……あれ、あれれ!?鵺ちゃんのこと、どうして知ってるんですか!?
えーっ誰にも言ってないよ!鵺ちゃんが公安で働いてること!!
あーだめ!だめ!!忘れて、忘れてーっ!!

ほんとにぃっ!!内緒なの、なーいーしょっ!
シークレットすぎてやばいので!あーもぅ、なんで知ってるの!?
お鈴ちんなんて!?ゆーてー?


【動揺している、何故かバレている自分の名前】
【守秘義務という言葉がきらきらと頭の中で光る】
【リーイェンの冷たい目が脳内でリフレインされた】


あーっ!!聞いたことあるの、United TRIGGER?そんな感じの
現在活動的な正義団体の一つ、だったかな、あーデータベース見てなさすぎぃっ
なーんで、こんなとこに情報漏れてるの!?スリーサイズとかも乗ってる!?

……ミーくんか、もしかして!?いや、サリサリ君には言ってない、し
あれーっ姉や達にも言って……長電話の時口滑らせたかもっ
とーにーかーく!お鈴ちん、忘れて!!忘れるの!?


【顔を真っ赤にしてあたふた、頬に赤を交えて】
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 02:14:10.71 ID:d/syPwWv0
>>363

【丸い目、きっと彼女の顔の中で一番表情豊かな場所、だからこそきっと特別の秘密を隠している場所。全く色素のない、赤い、赤い、血の色の目】
【底がないみたいに。あるいは底まで透けて見えてしまっているみたいな、鮮やかすぎる血の色。一緒にそろえて詰め込まれた黒色は――ありふれた色だから、余計に】
【――だのに、それが。その歪さが、わたわた慌てたみたいになってすっごくうろたえて泳ぎまくるのだ。水泳大会なら優勝待ったなし、それくらいに、困惑して】

えっ、えと、あのね、聞いたの、厳島さんて、ひと……えっと、公安の"協力者"だって、えっと!
ああ――会ったことないって言ってた、えと、鵺ちゃんは……知っている? そのひと、知らなかったら……えっと……、どうしよう、

【動揺している相手につられたように少女も動揺する。むしろ相手の動揺はこの少女から伝播したところがあったりしたら、どうしよう】
【そうしたらきっと動揺がスパイラルして多分そのうち塔とかになってラスボスになる。そうなってしまわないように出す名前は、果たして相手は知っているのだろうか】
【知らなかったら……とりあえず別の手段を考えるしかないだろう。とにかくその情報源を口にするのだ、それで、――どう?と尋ねるみたいに、ぱちぱち瞬き】
【むしろアイコンタクトみたい。知っているよね、ねっ、きっと知っているでしょ、みたいな――】

スリーサイズは……載ってない、データベースとかで知ったんじゃ、ないから……。

【――その瞬間すごい一瞬テンションが下がったような気がしたけど】

――え、でも、協力者だって! 味方のひとだって――――、

【忘れないって言ってるみたいだった。すごく忘れる気のない感じの顔をしているだろう、お城のお化けにいいえ連打するみたいに、頑なな意志の顔】

わ、わた――その、わたし! えっと……、あなたのこと、探してた、え、――思ってたのと、

【ちょっと違う――失礼な言葉は頑張って飲み込んで。"協力者"と繰り返したのだ、混乱と困惑の中だけれど――また彼女が何に所属するかを理解してもらえたなら】
【何かを知っていて――何かを知りたくて――相手のことを探していたのかもしれない、と、気づいてもらえるかもしれなくって。本人は、そんなことも言えずにてんぱっているけど】
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 02:25:09.31 ID:LoASwDhKO
>>364

【パズルのピースが音を立てて当て嵌る様に、一つ一つの歯車が絡み合う】
【それこそが出会いの妙、偶然の一致、必然への昇華】
【"厳島"──紡がれるその名、彼女と貴方を繋ぐミッシングリンクに────】


……誰ですか、厳島……?聞いたことないのです


【が……だめ……!!ならない……!!ミッシングリンクが……ミッシング……!!】


【然して、鈴音のファインプレーは『公安』の名を出した事であった】
【彼女は"厳島"を知らずとも、件の彼は彼女が『公安』である事をしっている】
【──然れば、そこには十分な根拠があった】


わっ……んと、あんまり、飲め込めないんですけどっ!
お鈴ちんは、知ってるんですね、私が『公安』の人間だって
それは、まぁ、いいです──良くないです、けどっ、悪くない人なのは分かります

けど、協力者──って、ゆうのが、少し分からないのです
確かに『公安』の仕事で私は、セレンディピター号に乗っていました
けれども、其れはあくまで『公安』の仕事で、他に何も疚しいことなんて無いのです

──機関が関わっていることしか


【情報量の違いであろう、彼女は公安の命令でしか動いていない】
【故に、貴方が知っている情報の半分程も持ち合わせてはいない】
【言葉に不思議を載せながら、言葉を返す】
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 02:38:31.00 ID:d/syPwWv0
>>365

【一瞬の間。少女は固唾をのんで相手の言葉を待つのだろう、返事はたぶん「知っている」だと思う。そうであると予測した。そうであってほしかった】
【だけれど現実は非情で、非情すぎて、やっぱり泣きたくなる。店長と大喧嘩するし、胸だって育たないし、知り合いじゃないし、ふさぎ込みたい気持ちは】
【そもそも冷静になって思い返してみればやっぱり「会ったことない」って言われていたのだ。つまり、まあ――鵺も彼には会ったことがないのである(当然)】

えっと――っ、その、聞いただけだから。本当にそうなのかっていうのは……、分からなかったの、だけど、今、分かったよ。
鵺ちゃん、あなたは公安のひと。それで――黒幕側じゃない、ひと。黒幕に関係のない、公安のひと……でしょ? ねえ、きっと、そう――でしょ。

あっ……えっと、黒野カンナってひとは? 知っている? 厳島さんが言っていたの、黒野カンナってひとと、あなた、鵺ってひとが……。

【知っている――けれど、証拠は、なかった。その言葉を嘘であると決めつけるだけのものも、本当だと信じられるほどのものも、なかったけれど】
【今。まさに今、目の前で話す少女――鵺本人が少女に対する証拠になる。ころころ変わる表情はほんとうに忙しそうに色合いを変えて、万華鏡だって逃げ出すくらいに】
【だけれど少なくとも悪い感情は浮かび上がってこなかったのだ。うろたえながら、それでも、何か持っている糸の切れ端を提示する、これは繋がるだろうかと確かめるように】

機関……? あ、えっと、関わっている、――。

【――だけれど。次の瞬間に浮かべた表情は「あれっ」とでも言いたげなものでもあって、不思議がるような声は、鳩が豆鉄砲だと思ったのに金平糖が出てきたみたい】
【そういうちょっと不思議にちぐはぐな声だ。思っていたのと違う――そういうような。あるいは少し期待外れだったようにも見えただろうか】

……――そっ、か、そうだよね、あと。えっと……ごめんなさい、えっとね、わたしね、公安が内部分裂みたいになってるって、聞いて……その、
公安の中にも黒幕側じゃないひと、協力者のひとが居るって聞いて――それが、あなたの名前だったから、えっと、何か知っているのかも!って――、えっと、

その、――ごめんなさい、えっと、

【それでも少しだけ遅れてから、ゆっくりと理解する。それで急に申し訳ない顔をするだろう、早とちりした、あるいは突っ走ってしまったのを恥じるみたいに】
【つまりはちょっぴりの勘違い。だけど――互いに互いの所属を明かし合って、それで。それぞれの立場で知っていることがあるなら、お話するのはきっと損ではないだろうし】
【ちょっと思っていたのと違うだけで。全く意味のなかった出会いでは、当然ないのだ。ただこの一瞬、少女は自分が勘違いをしていたのに気づくのに、時間を使ってしまっただけで】
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 02:48:40.84 ID:LoASwDhKO
>>366

【矢継ぎ早に繰り出される言葉、『公安』そして『黒幕』──】
【其れは彼女の想像を超えている、小さなフィールドでは収まらない出来事】
【頭が冷える、貴方や他のみんなみたいに、賢くはないけど──】


ちょっと待って、お鈴ちん──いや、鈴音さん
整理しても、いいかな、私が知ってる事以上の内容が、多すぎて……
えっと、私が『公安』に所属しているのは知ってるよね?

『公安』はその中でもいくつかの部署に分かれてて
例えば花形たる『一課』サイバー部門に強い『六課』
……そして、毒を以て毒を制す私達の『三課』があるの

つまりね、同じ『公安』であっても、私は自分の所属の内容しか知らないの


【守秘義務だから、と付け加えて】


黒野カンナに関しても、名前は聞いたことあるぐらいで、どういう人なのかは知らないの
だからね、鈴音さん──その内部分裂について、詳しく教えてくれない?
少なくとも私が知ってるのは、公安という組織は部署に分かれてる

でも、仲が悪くとも──分裂とまではいかない、の


【秘密主義ではあるんだけど、ね】
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 03:06:57.55 ID:d/syPwWv0
>>367

【少しだけ顔が熱くなるような感覚があった。早とちりしたという羞恥と、それから、それこそ公安内部からの情報が分かるかもしれない、期待】
【ココアいっぱいに乗せてもらった生クリームを崩すみたいでも焦ったらくちゃくちゃになって悲しくなるだけ、分かっているつもりなのに、まだまだ上手にできない】
【だから年下だって場数を踏んできた鵺の方が、きっとこういう時に冷静になるのがうまいのだ。だから――彼女もまた、相手が、落ち着いた様子で話し出せば】

――えっと、う、ん。だけど――聞いただけ、だよ、わたしがそれを知ったのは、厳島さんがそう言ったから……それだけ。
何かで見たとかじゃないし、あのひとに聞かなかったら、今も……なんかすっごい子が来たなって、思ったままだったと思う。

【それはもしかしたらちょっぴり失礼な言葉、知らなかったらものっそい女の子が来たという印象しか残らなかっただろうと、ありのままを素直に述べて】
【だけれど――知っていたなら、話しは変わる。ものっそい子だなという印象は消えてしまうことはないけれど。消えてはくれやしないけれど、】

えっと……、じゃあ。えっと。公安の中は、もともと分かれてて……知っていることも、別々。
だから内部分裂とかじゃなくって、仲が――……悪い、だけ? えっと。じゃあ……、こういうことは、普通。なの?
今までも――? 

【ひとまず――立って話すようなことでも、きっとないだろう。少女は仕草で相手に椅子をすすめる、相手が座れば、こちらもまた座り】
【公安がどういったものであるのかを聞くだろう。少なくとも――公安に所属する鵺という人物が、自らの所属する三課、が所属する大本の公安をどう認識しているか】
【だから――少女が何を言っているのか、分からないのかもしれない。ええと、と、言葉を探りながら話すようになってしまった少女の言葉は、ひどく不明瞭になって】
【それでも。そのうえで。一瞬だけ向けた瞳は、ひどく、怯えたような――あるいは不安そうな、もので】

……――わたしが知っているのは、公安の……、公安の中の"どこ"かは、知らない。
だけど、公安の……わたしたちは、過激派、とか、黒幕、って、呼んでるの。

そのひとたちが……機関と組んで、世界を支配しようとしている。
国を支配して、支配する国を増やして、反発する能力者から、能力を奪って。
実際に、警察署の中で――"婦警"に能力を消されたってヒトにも、会ったよ。……本当のこと。
それから――黒幕側を名乗る六罪王が、就任したって。これも――本当、だと思う。

魔能制限法……だっけ、それも、黒幕側がやっているんだろう、って。

【――それから、少しためらいがちに話し出すだろう。公安が内部でそもそもいくつかのグループに分かれているのを聞いたうえで、それがどことは知らないから】
【あくまで呼び方はそんな風になってしまうけど――とかく、公安の"どこかが"、世界を征服しようとしている、なんて話。時と場合はお薬と病院が必要そうな、それ】
【だけれど少女はひどく真面目に言うのだ。といっても、本当にお薬と病院が"必要"なひとも、真面目に言うだろうけど。だから、信じてほしいみたいに、必死さも帯びてくる】

【さっきまでふざけあっていた少女とは同じひとなのに、違うひとみたいだった。そうやって少し真面目な顔をすると、急にうんと大人びて見える――とは余談、だったけど】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 03:09:32.43 ID:LoASwDhKO
>>368
/お鈴ちん!話が本筋に入ったんですけど中の人の睡魔がマッハでやばいのです!
/置きレスへの移行宜しかとですか!?
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 03:17:41.83 ID:d/syPwWv0
>>369
/こちらも眠たいところでした、置きへの移行も大丈夫ですっ
/明日は一日お休みの予定ですので、時間あるとき言っていただけたらリアタイ進行も可能な限り可能かと思いますっ
/ひとまずおつかれさまでしたっ!
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/20(火) 07:34:42.61 ID:zD69RY4Qo
>>368

【"なんかすっごい子"と言われ、照れた様に頬を少し掻く、自覚はある様で】
【示されるままに椅子に座る。──ぽふんと軽い音を立てて人形みたいに】
【ゴシックなワンピース、スカートをお尻の下に敷いて】


"こういうこと"という表現が、どれ位を指すかは分かんないんですけど、
それぞれの課が極度に秘密主義的なとこは有るんですよね、曰く──


【"隣の課は外国よりも遠い"──と、苦笑しながら】



でも、其れはあくまで『手段』の段階です、『目的』──"治安の維持"という其れに於いては
『うち』と『よそ』に──大きな違いは無いと、思ってたんですが
鈴音さんの話を聞いてる限り、そういう問題じゃないみたいなんですよねっ


【"くるくる"──手袋に包まれた指先が、横髪を弄って】


──ですから、余計に……信じられない、とゆーか、何とゆーか
"『公安』の内部に『機関』と組んで国家転覆を企む勢力がいる"
……正直なところ、妄想の域を出ないと思います

寧ろ、"はい、そうです"って言える方がおかしくないですか、紛いなりにも、自分の家なんですよ
そう思ったのが素直な感想です、『黒幕』──『過激派』、『六罪王』
鈴音さんの言葉は、空想で想像で抽象で──


【一息付いたなら、其れは吐息に代わり、頬が軽く緩んで】
【貴方を見つめる蜂蜜色の瞳、柔らかな色合いが強く滲む】
【内股気味に両脚を曲げて、その上に両手を置いた】


……もーぅ!お鈴ちん、すっごい顔してるよっ!まじめーな
顔すると、折角の可愛い顔が
──うん、可愛いままだけどっ、寧ろ凛として可愛さ百億倍だけど
やっぱり俄には信じられないってゆーのが率直な感想、かな

だから、鵺ちゃんが信じるに足る証拠が欲しいです
『公安』の中に、『機関』と繋がる勢力がいる『証拠』
其れが無いと、私も上に掛け合えられない──の


【微笑む、茶化した言葉で真剣味を濁しつつ】
【求めるのは証拠、確とした其れが無ければ絵空事のままだと】
【鵺が見据えるのはその先、『三課』の面々を思い浮かべながら】


/それならもう本スレでやっちゃいましょうか!
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 10:18:58.07 ID:NWWj87Lto
【路地裏】

【薄暗い路地裏の一角に廃棄された機械類のゴミ山がそびえ立っていた】
【その麓に青年が座りこんでいた。年齢は二十代中盤。白衣を羽織り眼鏡をかけている姿は研究者のようにも見える】
【がさがさ、とゴミ山に両手を突っ込んで何かの部品らしきものを掘り出し、それを見つめる】

…………これはダメだな

【ぽいっと。それを後ろに放り投げた】

【よく見れば彼の背後のちょっと離れたところにも似たような小さなゴミ山ができていた】
【その後も何かを引っ張り出しては「ダメ」「これもダメ」「壊れすぎ」なんて言って】
【ぽいぽいぽいぽい──投げまくるので後ろのゴミ山がどんどん大きくなっていた】

うーん…………ないな…………
…………お、これはいいかな

【気に入ったものを掘り当てたらしく、それは投げずにすぐ近くの地面に置いておく】
【そこには数えられる程度の何かの部品が置いてあった。後ろに山積しているものと比べれば】
【比率が随分と極端なことになってはいたけれど】

【そんな感じのことをしているので、周囲に人がいないのもあって目立って見えてもおかしくない】
【あるいは、投げまくっている部品が運悪く当たってしまっても────】
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 10:29:56.83 ID:L2z4LwsZ0
>>372
「あ、あのー……」

【その日は本当に少女にとっていい事は無かった】
【コンビニでジャン○を買おうと最後の一冊に手を出したら、カウボーイ姿の男と同時に手に取ってしまい、大奮戦の末買われてしまい】
【その際、お気に入りの『しろいぬ二等水兵』のマスコットも落とすし】
【挙句、現在謎の白衣の男性が投げ捨てた謎の部品が頭に命中】
【とても痛い】

「そんなポイポイ色んなもの投げてたら、危ないですよ」
「って言うか何してるんですか?」

【涙目ではあるが、頭をさすりながら】
【青年に声をかけた】
【青年から見れば、眼鏡の付近の学校の物だろう、セーラー服の少女が突然声をかけてきたことになる】
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 10:36:35.61 ID:NWWj87Lto
>>373

【「うん?」と言って青年が振り返る】
【そこには学生服姿の少女。何故だか涙目】
【彼女を見て青年は怪訝な表情を浮かべる。警戒心とかではなかった】

こんなところに学生なんて珍しいな……?
いや、使える部品を漁っていたんだけど…………

【危ない、という言葉と頭をさすっている少女の姿が繋がる】
【よく見てみれば大体、似たようなところに積まれてる後ろのゴミ山から】
【ちょっと離れたところに一つだけ、仲間はずれになっている部品があった】

【そういえばついさっき、あんなのを投げたよーな────】

……あー……あー……
いや……悪いな……人が来るとは思わなかったんだ
大丈夫か? まいったな、薬の類は持ち歩いていないんだよな……

【自分の不注意が起こしたことに気がついたらしく、結構申し訳なさそうな顔で謝って】
【白衣のポケットなんかを両手であさるが、そこに使えそうなものは入っていなかった。残念】
【怪我を治すとかの芸当はできそうになかったので、もう一言「ごめんな」と謝る】
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 10:44:37.76 ID:L2z4LwsZ0
>>374
「私は通りすがりです、いえ本当に」
「使える?何にですか?何か作ってる、とか」

【青年の様子は、本当に部品探しに没頭していたようで】
【声をかけてようやくと気が付いた様だ】
【何か探している様子だが、とそこも気になり聞けば使える部品、と端的な回答】

「いいですよー、怪我とかしたわけじゃないですから」

【実際に、流血があるわけでもなく痛みも直ぐに引くだろう】
【しかしまあ、裏路地とはいえ、よくもこんなに小間物を広げた物だ、と感心しながらその部品たちを見渡す】
【それら部品に何か共通点はあるだろうか?】
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 10:57:55.41 ID:NWWj87Lto
>>375

【「ならいいんだが」なんて言って、それから少女の視線に気がついた】
【並んでいる部品群はある程度綺麗な形状を保っているものが多いが、特徴的な共通点というと難しい】
【恐らく雑多な印象を受けるだろう。むしろそれが特徴かもしれない】

あー……そうだな……
機械人形って言ってわかるかな
人を模したからくり仕掛けの人形で、魔力で動作させるんだけど
それに使える部品を……いや、見せた方がいいか

【おもむろに立ち上がって何もない空間に右手を差し出す】
【するとそこに魔法陣が現れる。魔力による淡水色の燐光を放っていて】
【すぐにそれはいくつもの破片となって散る────そこには一体の人形が現れていた】

【全体としての形状は人型だ。四肢があり、頭部がある】
【だが細部では違っていた。通常の人間と比べれば胴体が小さかったり】
【脚や腕が細身であったりする。肩は流線型を描いて大きく突き出していて】
【頭部を模した部分にもよく見れば口や耳といった部分がなかった】
【鼻に似たパーツは作られていて、上半分は別のパーツが上から被って覆い隠すデザインになっている】
【そしてその全身は金属光沢で輝く銀色の滑らかな装甲で覆われていた】
【全体として流線型の意匠を持つ人形は腰に該当する部分にくびれのようなものもあって】
【女性形であるような、そんな印象を与える】

こういうのを作る技師、魔導具技師なんだ、俺は
で、こいつは俺が動かすわけなんだが

【両手の五指を開いて、まるで見えない糸を手繰るように動かす】
【すると機械人形が人間と見紛うほどの滑らかな動作で少女に恭しく礼をしてみせた】
【「という感じなんだ」、と。どこか自慢げな表情を青年は浮かべていた】
377 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 11:14:21.60 ID:L2z4LwsZ0
>>376
【部品にこれと言う共通点は無かった】
【非常に雑多な様々なパーツ類】
【だが、青年の次の行動を見れば、それも納得がいくものだ】

「魔翌力!?」
「あなた、能力者?」

【機械人形の話を始め魔法陣を展開する】
【そして、展開が終了した魔法陣の跡には、一体の機械人形が出現していた】
【SF映画にでも出て来そうな、そんな印象のデザイン】
【恐らく女性であろうか?そんな形状だ】

「凄い、凄いです!」
「わあ動いた!滑らかに動くんですねー」

【感心したように、そう思わず拍手交じりに感嘆する】
【礼をされ、こちらもお辞儀を返すと】

「どうやって動かしてるんですか?自動?」

【素朴な疑問だが、そう自慢気な青年に聞いた】
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 11:23:14.83 ID:NWWj87Lto
>>377

【能力者かと聞かれれば「能力者と魔術師は俺は分けてるんだけどね」なんて答えて】
【つまりは自分のことは魔術師だと、そういう意味で返事をするのだった】

【拍手までされると、ちょっと照れ臭そうにする。むずがゆそうな笑みを浮かべていた】
【両手の指が動き、腕が指揮するように振るわれる。それに連動して機械人形は姿勢を整えた】

いや、手動なんだ
こう、俺の魔力を指から動力系に接続して、濃淡変化をセンサーが探知して…………
…………あぁいや、まぁ、なんだ?
こうやって腕を振ってるのはかっこつけじゃないってことなんだ

【何か細かい説明をしようとしていたが、分かりにくいかと思って中断】
【大振りな動作はそれで意味があったらしく、弁明するみたいに言葉を付け足した】

とはいえ、最近は困ったことがあってね
なんだったっけ、”魔制法”だっけ?
ああいう法律が実施されると、俺たちみたいな技師は仕事ができなくなっちゃうんだよね

【世間話を振って困ったような笑みを見せる青年だった】
【「ああでも、ニュースとか見ないかな?」なんて、学生だからって偏見みたいなことも言う】
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 11:34:35.21 ID:L2z4LwsZ0
>>378
「へえ〜、つまり魔翌力を通して一体一体に指示を出している、と?」

【青年は説明しながら、指揮者かマリオネットの奏者のような動きを見せる】
【なるほど、魔翌力を駆使した操り人形の要領なのだろう】
【やがて】

「あの法律……確かに能力者、魔術師さんも一緒に規制されますね」
「むう、私だってニュース位見るんですからね」

【世間事情に疎い、そんな最近の若者のような見方をされ、ちょっとむっとして言う】
【最も、そこに関してはニュースがと言うより、仕事柄裏の事情まで色々知っている、と言った方が正しいが】
【いかんせん、彼女の正体を知らない青年が察するのは難しいだろう】

「可決されちゃったら、お兄さんはどうなるんですか?」

【覗き込むように、そして幾分か心配そうに、そう聞いた】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 11:39:56.27 ID:NWWj87Lto
>>379

【むっとした顔になったのに気がついて、「ごめんごめん」なんて笑いながら謝っていたが】
【仮定の話へと移ると、表情には真剣さといったものが宿る】

うーん、どうなるんだろうな
企業ごとに許可が下りるとかなら、それなりのところに勤めてるからいいんだけど
個人ごとに許可を取るっていう風なら、どうなるかな……

【話している青年には不安といったものも現れていた】
【ただ本当にどうなるか、わからない。困惑という言葉も近いかもしれなかった】

俺はそれなり程度の技師だけど、師匠がむちゃくちゃなやつだからね
あいつが俺を破門にする気がないんだったら、どうにかしちゃうんだろうけど
……でも気まぐれっていうか、何考えてるかわかんないからなぁ、あいつ

【うーん、と唸って首を傾げる】
【師匠と言いながらもあいつ呼ばわりで、敬意があるんだかないんだか】
【おまけに弟子のくせに何考えてるかわからない、ときている】
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 11:51:31.94 ID:L2z4LwsZ0
>>280
「企業?」
「お兄さん、何処か勤めてるんですか?」

【これは意外な話だった】
【てっきり個人経営とばかり思っていたようで、それが勤め人とは】
【しかし、機械人形を製造何らかの手段で商売している企業など、あっただろうか、と】

「本当に、どうなるんですかね……この国は」

【それはそのまま、自分達とも言い換えられる】
【各勢力、組織が密接に絡み合いながら、状況を構築し】
【そしてこの国を蝕もうとしている】
【この国の人間ではない、この少女もひしひしと感じ、心を痛めるばかりだ】

「師匠?機械人形って子弟制度なんですか?」
「その師匠って、有名な人ですか?」

【師匠が居るという青年】
【師匠の存在にも驚きだが、何より師匠をあいつ呼ばわりする青年の言動も疑問だ】
【仲のいい信頼の証かあるいは……】
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 12:03:58.68 ID:NWWj87Lto
>>381

ああ、名刺があるよ

【白衣の胸ポケットから名刺入れを取り出して、青年が名刺を差し出す】
【白色の単純な色合いのそれには『開発部門 赤木怜司』と書かれていて】
【社名の欄には────】


       【  ────レヴォルツィオーン、と書かれていた  】


【「そうだねぇ」なんて言って青年は普通の、いたって普通の顔をしていた】
【様子からくる印象は一般人そのものだ。危険人物である気配はほとんどない】
【それでも、所属している企業の印象は最悪だ。何かしら疑ってかかっても不思議ではない】


いや、そういう制度があるわけじゃないんだけど、俺に色々と教えてるやつがいてね
直接の師匠はセオドア・キングスっていうんだけど、多分知らないよね。表に出たがらないから、あいつ

レヴォルツィオーンで仕事してる間に教えてくれるのはブランルっていう……なんていうかな
むちゃくちゃ気味の悪いやつなんだよ。教えるのは上手いし、面倒見もいいんだけど


【呆れたような顔をしながら、赤木と名乗った青年はその名を口にした】
【セオドアという方はきっと知らないだろう。機械人形の類に極めて詳しければ】
【都市伝説的に、そんな技師がいる、なんて噂を耳にすることもできるのだろうが】

【ブランルという男のことを厳島から知らされているならば】
【青年の物言いにはもしかすると違和感を覚えるかもしれない】
【人非人、狂気の男、外道。そういった印象は青年の口ぶりからは感じられないはずだ】
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 12:15:44.57 ID:L2z4LwsZ0
>>382
「赤木さんっていうんですねー、私は……」

【そこまで言いかけて、名刺の社名を見た】
【そこには『レヴォルツィオーン』と書かれていた】
【セレンディピター号で自らの上官を危機に追いやり、追い詰めた企業】
【パトロンの一社で、各勢力とは提携しながらも独自の支配構造を打ち立てる黒き兵器企業……】

「セオドキア、さん?う、うーんちょっと解らない人、ですね……」
「ブラ、ンル!?」

【師匠と呼ばれる人物の名前は不明だったが、もう一人】
【レヴォルツィオーンで、この青年を教えている人物の名前は聞き覚えがあった】
【いや、それこそ上官を追い詰めた張本人だ】

「は、はは……あ、赤木さん、は、会社ではどんな事を?」

【とたんに、本来ならば人当たりのいい目の前の青年が、恐ろしい物に見えてくる】
【何か得体の知れない、恐ろしい物に】
【それでも、なるべく情報を集めようとするのは、情報士官の性だろうか】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 12:24:17.28 ID:NWWj87Lto
>>383

”うち”じゃあ、機械人形は扱ってなくてね
その他の魔導具の開発やらを手伝っているよ

そうそう、さっき言ったブランルっていうのが開発部門の主任、お偉いさんでね
なんだかよくわからない仕事も寄越すんだよ、ほかのやつには内緒だとかなんとか言ってさ

【そう言って赤木は肩を竦めながら、「なんかやばいもんでも作ってんのかな」と冗談めかして言う】
【”よくわからない仕事”とは言っているが、他の人間に内密にそれをやらせるあたり】
【ブランルからある程度の信頼か何かがあるのだと予想できるかもしれない】

ん、顔色悪い気がするけど、大丈夫?

【少女の様子が変化したような気がして、赤木が怪訝な顔を浮かべていた】
【それにしても、何かを探ってくるような気配はない。単純に心配している、といった感じだ】
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 12:30:05.11 ID:L2z4LwsZ0
>>384
「た、確かに、機械人形を扱う企業って聞いたことがないですからね……」
「魔道具、ですか、武器とかですか?」

【開発主任ブランル、間違いない上官を追い詰めた狂気の技術者】
【しかし、青年の口ぶりからはそんな様子は感じ取れない】
【この部分にはかなりの疑問を感じながら】

「よく、わからない仕事、ですか?」
「例えばどんな?」

【青年の話の一つ一つが、繋がっていく気がした】
【この状況を、あの会社の裏の顔を、青年は知らないのだ】

「は、はは、そんな、だ、大丈夫です大丈夫」

【口ではそう言って見せるが】
【やはり顔色には出ていたのだろう、青年から心配されてしまう】
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 12:45:04.31 ID:NWWj87Lto
>>385

【「そう、魔道具としての武器とかね。主業務だから」】
【質問に答える赤木にはやはり、その表の顔を疑うなんて様子は一切なかった】
【裏の顔を知らないのだろうという判断は、恐らく正しいのだろう】


なんだろうな……
普通は開発する兵器のパーツとか作れって言われるんだけど
あいつのその仕事は……なんていえばいいのかな

────まるで、人間から”何か”を取り出すような
    そういう、非人道的なことに使えそうなものに思えるんだ


【赤木の表情には陰りがあった。自分が何か危険なことに加担しているのでは、という】
【そういう危惧を感じさせるような苦さがあった】


まぁ、物は使いようだ
いくらあいつが不気味なやつだからって、人体実験みたいなことをやってるとは思いたくないね
もしもそうなら、これ以上、あいつの下にはいられないかもしれないし
俺自身がそれに加担してたってことになっちゃうからね
そうなったら、責任取らないと、な


【不安げな表情はそのまま。思いたくない、なんて言いながらも疑念が消えきらない様子】
【一般的な程度の倫理観があるらしく、自分がそういったことに加担してしまっているのかが】
【一番、気になる点のようだった】

【あるいは、その凶行を知ることがあれば、行動か何か】
【起こすつもりがある、と。そんな意図の隠れた発言もあった】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 12:54:48.78 ID:L2z4LwsZ0
>>386
「に、人間から……」

【符合していく、歯車がかみ合っていく】
【彼はあくまで、何も知らない】
【何も知らない状況で、加担してしまって、その悪魔の如き兵器開発に】

「あ、あの……」

【何かを言いたげにしたが、しかしそこで言葉を止めた】
【この人のいい青年に、この話は酷過ぎるだろう】

「で、ですよねー、流石にそんな事はしてないですよね」
「そ、それこそ漫画かSFの世界ですから……」
「赤木さんだって、そんな事はあり得ないって思うんですよね?」

【必死にこの場を取り繕おうと】
【青年もそう言いながら、不安そうに】
【僅かな物だろうが、やはり疑念は拭えないらしい】

「赤木さん……」
「これ、私の携帯端末の連絡先とメールアプリのIDです」
「何か、赤木さんが、本当に本当に困った事があったら、連絡してください」

【メモ翌用紙に、それを名前とともに書いて渡す】
【那須翔子、の名前と連絡先】
【それを渡す少女の目は真剣で、手には些かの震え】
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 13:04:13.56 ID:NWWj87Lto
>>387

【何かを言いかけた少女に赤木は首を傾げた】
【何かを隠している気配は察知できていた。が、それが何なのか、何故なのかがわからない】

……本当に、困ったことがあったら?

【怪訝な表情のまま、そのメモ用紙を受け取る】
【何故だか彼は極めて慎重に、那須の手には触れないようにしていた。理由はわからない】
【それでもその真剣な眼差しと手の震えには気がついたようだった】

待ってくれ、何を隠しているんだ?
知っていることがあるなら教えてくれ……!

【詳細はわからない。だが知っていることがある、ぐらいは彼にもわかった】
【こちらの表情も真剣そのものだ。最早、自分が無関係ではない何かがあるのだと】
【そう直感していた。どうしても、この少女から聞かねばならないという意志もそこにはあった】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 13:11:37.17 ID:L2z4LwsZ0
>>388
「赤木さん……」

【怪訝な表情から、やがて何かを察したかのように】
【そう翔子に詰め寄る赤木】
【その表情は真剣そのもので】
【そこにはかなりの意思と、決意を感じる】

「……何を聞いても、何を知っても、後悔しませんか?」

【そう確認するように聞く】
【やがて、目の前でその服装を一変させるだろう】
【白の詰襟、僅かな数の徽章と階級章、櫻国海軍U型士官制服の姿に】 
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/20(火) 13:13:22.78 ID:AkNcIRx7o
【水の国のとある路地裏のことだった──】
【そこは違法薬物の取引の温床となっていたのだが、武装が厚いために警察も踏み入るのを恐れる場所】
【“放浪の人非人”と呼ばれた明るいブロンドの女は、そこに現れた】

『そこのお姉さん、こんな所に来るってことはどういうことか分かってんのか?』
「……うるせえ、死にたくなけりゃさっさと失せたほうが良い」

【女の姿を認めた男が、そう忠告したが】
【女は逃げるどころか、逆に失せろと言い張ったのである】
【この言動に男はキレてしまったらしく、拳銃の銃口を此方に向ける】


『ふざけた事を抜かしやがって、本当に殺すぞ?』
「やれるもんならやってみな、お前のちんけな拳銃じゃ無理だろうけどな」

【女の発言に激昂した男は、銃声を数度響かせる】
【女はその射線を見て、楽々と銃弾を回避すると腕を振りかぶる】
【────刹那、女の手許には杭の形状をした十字架が顕れて】

【腕を振り抜くと、それは銃弾並みの速度で男へと迫る】
【回避の仕様もなく、腹部に直撃、貫通してしまい】
【地に伏せた男は臓物の一部を空いた穴から溢し、赤黒い血をどくどくと地に流していた】

【着ている服は古めいた火の国陸軍のカーキの軍服】
【おかしなことに、首には十字架をかたどってあるロザリオを下げているのだが────】
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 13:23:21.64 ID:NWWj87Lto
>>389

【突然の変化に、赤木は驚きの表情を浮かべる】
【ただの学生だと思っていた少女が軍服姿へと変貌したのだ】

なっ…………
こ、これは、一体…………?

【完全に言葉を失っていた。それだけで少女の正体を見破るには経験や知識が足りていなかった】
【それでも、重要な何かを知らせるための動作だということぐらいはわかった】
【惚けた頭を振って、再び少女を見据える】

……しない
後悔なんてのは、二度で十分だ

【はっきりと赤木は答える。そこには彼なりの想いがあるようだった】
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 13:23:41.68 ID:L2z4LwsZ0
>>390
「おいおいおい、ドンパチドンパチせわしねえな」
「本当ッス、女の人を寄って集って、ここはDV野郎共の巣窟ッスか?」

【裏路地、薬物の取引現場】
【音か、声か、はたまた血の匂いか】
【そんな物に引き寄せられ、ふらりとその路地裏に来たのはカウボーイ姿の男女二人組】
【一人はまだ若い男性で、もう一人は少女だ】

「いや、DVはどうやら逆のようだったか?」
「本当ッス、スゲー強いッスあの人」

【しかし、二人が来た時には既に勝負はついたも同然かと思われた】
【十字架首から下げた、軍服姿の女性】
【足元には腹部からの流血が見られる男の死体】

「これじゃあ俺らは出る幕がねーな」
「そうッスね〜、一応索敵術使うッスよ」

【少女が術式を起動】
【索敵能力で、周辺の伏兵や罠を調べる】
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 13:29:33.08 ID:L2z4LwsZ0
>>391
「私は、学生じゃありません」
「櫻国海軍特務士官、曹長、那須翔子です……すみません、これでも諜報員なので騙すようなことして」

【こちらを見据える赤木と目が合い】
【やがて】

「では赤木さん、お話ししますね」
「結論から言うと、あなたの会社は人体実験、いえ、人間を使った兵器を製造しています」

【極めて淡々と、しかし時折赤木の顔を見て、気を使いつつ】
【話を始める】
【知っている情報を、一つ一つ話す】
【レヴォルツィオーンの事、この国を取り巻く状況、兵器の事、自分の上官が船で戦った事……】

「赤木さん、これが真実です」
「協力、してくれますか?」

【再び赤木を見据え、やがてこう聞いた】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 13:42:35.32 ID:NWWj87Lto
>>393

ちょ、諜報員……?

【初めにその言葉を聞いたとき、赤木の浮かんだ表情は疑念だった】
【いや、疑念さえ通り越している。冗談か何かを言っているんじゃないか、と】
【ほとんど信じられなかったが、それは彼が本当に一般人であるせいだった】

【それでも彼は那須の言葉に耳を傾け続けた】
【自分が所属している企業の裏の顔。公安に黒幕、カノッサ機関】
【そして恐らくは自分が作り上げたものが関わった、その恐ろしい兵器の話、ブランルの正体、本性】

【那須が話している間、赤木は一言たりとも発することはできなかった】
【確かに疑念は持っていた。万が一、億が一、全くありえないとは思っていなかった】
【心構えもしたつもりだった。それでも、だとしても、事実として話されるのは衝撃が強かった】

【────那須が全てを話し終えたとき、彼の顔には絶望が広がっていた】

そ、そんなことが…………
じゃあ、俺が、あいつに頼まれて作ったものが……

【がくり、と地面に両膝をつく。震える瞳が、自らの両手を見つめる】
【最早それは、自分がやったことであると、そう考えるのと何が違うというのか】
【そんな考えが脳裏に浮かんでしまう】

【一分か、二分か。それとも五分か】
【赤木はそうしたまま、那須の問いに答えられずにいた】
【────だが、やがて彼は顔を上げた】

…………勿論だ
責任を取らなくちゃいけない。その言葉に二言はないよ
俺が加担してしまったのであれば……この国がそうなっているのであれば……
そして俺にできることがあるのであれば、やらなくちゃいけない

【責任感と僅かな義憤によって、再び立ち上がる】
【その双眸に恐怖はまだ残っていた。しかし同時にいくらかの勇気もまた宿っていた】
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/20(火) 13:44:01.92 ID:AkNcIRx7o
>>392

【男が死に際に放った断末魔は、信号弾としての役割も十分にあり】
【ぞろぞろと武装した男たちの足音が迫ってくる】
【その数は十数、かなりの大勢で襲い掛かってきた】

『おいお嬢ちゃん、俺の仲間を良くもやってくれたなあ』
「ふん、自分らが死なねえと思ってるからそんな口聞けるんだろうな」

【男たちは皆長銃短銃、散弾銃やらすべての銃口をこちらに向けて】
【その首魁とも見れる男は悪役がいいそうな台詞を吐き】
【女との睨み合いが暫く続いた後、女は手をしたに降った】

【すると背丈の半分ほどの高さを持つ十字花が顕れて】
【自らの指を噛むと、流れ出てきた血で何かを描く】
【そしてその模様を男たちに向けると────】


「お前らも一緒に地獄行きだ、良かったな」

【炎が十字架の底面から一気に噴き出し、男達を襲う】
【高温な炎がいきなり遅かかってきたものだから、銃器を手放してしまって】
【数人は炎に暫く焼かれた後、地面吸い付くかのように倒れていった】

【男たちの対処で手一杯な女は、彼らの存在に気づいていない】
【もし話しかけようとしたのなら、火炎放射器の口を向けられてもおかしくはない】
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 13:49:50.46 ID:L2z4LwsZ0
>>394
「すみません、赤木さん、こんな話本当はしたくなかった」

【心底絶望し、心底落胆する赤木に】
【少女はこんな言葉しかかけられなかった、そのショックは計り知れない】
【身を置く会社が、信頼する上司が、負担に耐えきれるかも怪しい】
【だが、やがて、顔を上げる彼に】

「ありがとうございます、赤木さん」
「早速ですが、その連絡先を端末に登録して下さい」

【彼の瞳には決意の炎が宿る】
【言葉にも迷いは無いだろう、ならばと】

「赤木さん、あなたに頼みたいのは情報収集です」
「普通に出社して普通に勤務して、隙があれば企業内部の情報を送ってほしいです」
「なるべく多く、なるべく広い情報が、特にゾンビ兵とブランル氏の動向には気を付けて」
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 13:50:11.05 ID:d/syPwWv0
>>371

証拠――――、

【――それは、仕様のない言葉だっただろう。鵺にとって居場所である場所、"家"とまで称したその場所が】
【機関と組んで、世界を征服しようとしている――なんて、ひどい突拍子のない話である、とは、分かる。分かるけど――巻き込まれた以上、嘘とは思えなくて】
【そうだったなら彼らはみんな真面目腐った顔でとんでもない大嘘でおしゃべりしあっていたひとたちということになってしまう、みんな劇団に行くべきだって】
【それくらいのことになってしまうのに。こうして証拠を求められて――少女は、困ってしまったみたいに、少し、固まってしまうのだ】

っ、え、っと――、そう、だよね。証拠が、要るよね。……えと、ごめんなさい、急に、変なこと、言って。
怒らないでいてくれて、……ありがとう。怒られて、仕方ないって思うの、だから――えっと。うんと、

…………証拠、だよね。――鵺ちゃん、えっと、見たもの……ほかのひとに。言わないでくれる、これは、絶対、秘密のこと……。
証拠になりそうなもの、持ち歩いていないの、――これくらいしか、持ってない。だから、これを、見せるね。

……誰かに言いふらしたり、しないでほしいの。

【明確に「これが証拠です」と言って出せるものを、彼女は持ち合わせていなかった。頭の中に入っているいろんなことは、けれど絵空事と区別がつかない】
【困ったみたいになって視線をうろつかせる。それで、そのうち、取り出すのは私物だろう、スマホタイプの携帯端末だ。それの画面をぱちりと点灯させ】
【まだ少しためらうみたいに呟きながらも、指先は数度の操作を繰り返す。そうしてやがて、目当ての画面を出したのだろう。指先はそこで止まるから、分かる】

【――それから向ける目は、きっと今日一番で真剣だった。言いふらされる……というのが、誰かに明確に危害を与えることにつながる、と、思っている目】
【そのうえで相手を信じて見せるのだ、というのも分かるだろうか。相手がきちんとそう言ってくれるなら、それでやっと少女は画面を見せるだろうし】
【そうでなければ、画面を見せてはくれない。――もし相手が画面を見るような状況になったなら、そこがメールボックスだと気づくだろうし】

【そうしたら――数人とのメールのやりとりがあって。それを彼女は"証拠"とするのだろう、どれも、日付は最近のことだが、ここ数日程度の直近ではなく】
【少なくとも鵺を騙してしまうために少女が酔狂を言ったとするには――よっぽど本気で鵺を騙してやろうとでもしていない限り、その日付はいくらも"前"であるように思え】
【証拠として提出するのだから、中を見ることも当然だろう。そうして中を見れば――誰が仲間になったとか、"カニバディール"という機関員が流出させたという情報であるとか】
【M作戦という名称、金のメイドがついた、そして六罪王が味方につくという連絡。"麻季音"のダディ――父親を助ける。公安と黒幕をぶっ潰す、と文面で〆られるものとか】
【そしてまた新たな協力者の話。法案の話にも触れて――そしてそのメールの後に。同じような文体であるものの"送信者不明"となった、どこかからの引用のような、メール】

【もっと微細な、新しい仲間というひとに連絡先を伝え合うようなメールもあったが。それ以外の、重要なやり取りをしたメールを、彼女はひっくるめて証拠とするだろう】
>>74>>81>>82>>255、――――そして>>257。その内容は鵺を騙すためにしてきた下準備にしては、すこし、手が込みすぎているような、気もする】

【――言いふらさないでというのは、彼女がメールそのものでも触れているようだった。機関員が重要な情報を流出したから――漏らすな、ということだ。"消されてしまうから"】
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 13:56:15.94 ID:NWWj87Lto
>>396

【「わかった」と短く答えて、手早く連絡先を携帯端末に登録する】
【これで両者はいつでも連絡がとりあえる状態にはなった。内容には気をつける必要があるだろうが】

……要するにスパイをやればいいってことだな?
わかった、プロでも何でもないが、やれるだけのことはやってみるよ

【そう答えて、思い出したように直立させていた機械人形へと手を向ける】
【その一動作で機械人形はまるで幽霊のようにす、と姿を消したのだった】
【それから、赤木はもう一つのことを思い出した】

そうだ、一つ、役に立つかもしれない情報がある
一度だけブランルのやつに社内以外で部品を渡したことがあった
そこはかなり辺鄙なところにある上、やたらと地下に作ってあった
最初は何かの趣味かとも思ったけど、今考えればあそこで何かしているのかもしれない

【携帯端末を操作して地図を表示。いくつかの情報を入力して”その場所”を見つけ出す】
【赤木が那須に見せた画面には人里からかなり離れた場所にある森林地帯が表示されていた】
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 13:57:55.90 ID:L2z4LwsZ0
>>395
「うわッ!兄ィ一杯ッス一杯いるッスよ!」
「女一人に寄って集って……流石天下の無法地帯、俺らも加勢するぞ」
「本当にアタシら盗賊ッスか?」
「盗賊だよ、極悪で非道で、女を泣かさないアパッチ盗賊団だ」

【目の前にはアウトローの大群】
【女性のえき応戦、それに応呼するように戦いが始まる】
【そして、こちらも銃を構え撃鉄を起こし】

「「殴り込みじゃー!!」」

【男性は二丁のリボルバー拳銃を】
【少女はリボルバーライフルを】
【それぞれ悪漢に向けて放つ、その数は多くは無く狙いも丁寧ではないが狙いは複数名】
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 14:04:24.48 ID:L2z4LwsZ0
>>398
「はい、厳しく辛い戦いになると思いますが、手を貸して下さい」

【携帯端末、メールアプリにはそれぞれ赤木が登録された】
【一技術者である彼には、相応の負担となるだろう任務だ】
【だが、決意も想いも『プロ』のそれとなんら大差は無い】
【間違いなく、信を置ける仲間だ】

「社外で……ここは……」
「ありがとうございます!赤木さん、これ凄い情報ですよ!」

【赤木から示された地図を、端末に登録】
【辺鄙で誰も近寄らない森林の地下、十中八九ゾンビ兵の製造プラントだろう、と那須は当たりを付けた】

「(これは……中尉に報告しないと……)」
「そう言えば赤木さん、ごはんってまだですか?」

401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/20(火) 14:05:51.74 ID:AkNcIRx7o
>>399

【轟々と噴き出る炎は、悪漢達を焼き払っていき】
【命乞いをする者、降参する者も少なからず居たのだが】
【それらの存在が眼中にないかの如く、すべてを焼いていった】


「誰だ、公安の連中か……?」

【背後から殴り込み、という言葉が聞こえてふりむく】
【カウボーイの格好をした男女が、それぞれ銃を構えてこちらに向かっている】
【奇襲か、それとも増援か──女が彼らを怪しんでいたのは間違いない】

【彼女らの援助もあり、悪漢たちは走り去っていった】
【死体はそこらに6、7体ほど転がっていて】
【女はそれぞれの死体の傍に据わり、十字を切り始めた】
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 14:13:24.40 ID:NWWj87Lto
>>400

食事? いや、まだだけど……

【唐突な誘いに首を傾げる。だがすぐにその意図は察することができた】

どこかに移動するなら、実はもう一人会わせたいやつがいるんだ
俺の妹なんだが、事情をちょっと説明しておきたい

【赤木がそう言った瞬間、どこからともなく『わっはっはー!』という高笑いが聞こえてきた】
【声の方向を見れば、それは隣接しているアパートの踊り場からだった】
【そこには子供用のスーツを着込んだ10歳ぐらいの女の子が立っていて────】

【────何故だか赤木と那須の二人に向かって指をさしてポーズを決めていた】

『呼ばれたときに空気読んで登場だぞ!!』

『とうっ!!』

【ベタな掛け声と共に少女が跳躍! 空中でアクロバティックに何回転もしてみせる!】
【そしてそのまま地面へと落下。回転の勢いを殺して見事な着地を────】

『ぷぎゅっ!?』

【────できませんでした】
【轟音と共に地面に見事に”衝突”した。どういう原理か、かなりの質量を持った物質が落下したように】
【土埃が舞い上がっていた。一方の少女はだらーんと倒れたまま動かない】

【踊り場から地面まではなんと十メートル近くある。落下すると危なそうなものだが】
【しかし赤木の表情がおかしい。心配とか警戒するとかじゃなく、なんでか呆れ顔をしている】

…………そいつが俺の妹だ

【地面にぶっ倒れたままの少女を指差して、赤木がぶっきらぼうに言った】
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 14:20:29.57 ID:L2z4LwsZ0
>>401
「オマワリじゃねえっての!」
「むしろ真逆ッス!」

【そう言い乍ら、何とか悪漢たちを退ける】
【最も、殆どが彼女によって駆逐されたのだが……】
【やがて、死体に十字を切る女性に】

「そんな奴らにも祈りを捧げるのか?」
「敬虔ッスね、兄ィもちょっとは見習うッス」

【こう、声をかけた】
【はたして反応はあるだろうか?】
【だが、それもつかの間の話だった】

「……ゴッあっ……」
「あ、兄ィ!?」

【先ず女性の耳にはシャン、シャンと聞きなれない音が聞こえただろう】
【続いて、うーうーと唸る少女のうめき声も】

「この、お前もあいつらの仲間ッスか!?兄ィに何しやがるッスか!?」

【そこには、気配を悟られることもなく】
【そしてこの場において、異様とも言う風体の男が居た筈だ】

「いえ、邪魔なんで貴女もどいて頂けますか?」

【編み笠に黒衣、そして袈裟の所謂僧形の男だ、声はまだ若い】
【何より、まだ年端も行かないだろう制服姿の少女を縛り上げ、口を塞ぎ抱えている】
【彼は先ず無言でカウボーイ姿の男性を殴り倒した】
【そして】

「邪魔です」
「ごッ!う……」

【カウボーイの少女もその手にしている杖、錫杖で殴りつけ弾き飛ばした】

「あ、兄ィ……」

【少女は壁に叩きつけられ、そのまま気を失う】

「さて、貴女も退いて頂けますか?意外と『荷物』は重いのですよ」

【祈りを捧げる女性に、そう声をかけた】
【声は恐ろしく淡々と、少しの抑揚も無い】
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 14:27:01.94 ID:L2z4LwsZ0
>>402
「妹さん、ですか?」

【中尉の隣の部屋になっている自宅のワンルームで、食事でもしながらと思ったが、しかしそれはまだ後になりそうだ】
【高らかな、しかし幼い笑い声】
【見た所10歳位か、子供用のスーツを着た少女がアパートの踊り場から……舞い落ちてくる】
【何回転も空中で回った後に】
【近くの地面に衝突】

「……」
「えええええええええッ!?」
「妹って、ちょ、ちょっと待ってください!!」
「ちょ、ちょっと!?だ、大丈夫!?赤木さん!!救急車!!」

【何故か呆れた様子の赤木に、そう叫ぶ】
【流石にこれには度肝を抜かれたようだ】
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 14:33:29.50 ID:NWWj87Lto
>>404

【大慌てする那須をよそに赤木は冷ややかな視線を自分の妹に送っていた】
【まるで、いつものことだ、とでも言いたげなほどだ】
【一方で少女の方はちっとも動かない。痺れを切らした赤木がぼそっと「ドジ」と言うと】

『 ドジじゃないぞっ!!!!11!!1!!!! 』

【大声と共にがばっと少女が起き上がった】
【赤木を見るや否や、ぷくーっと、頬をこれ以上ないくらいに膨らませている】
【どうにも元気そうだ。それどころか怪我の一つさえしていない。多少、衣服に破れはあるが】

どうにも、こいつはああいうバカっぽい登場が好きでね、昔から
ああ、それで、食事だっけ?
詩織も来たし、移動しようか

【ふくれっ面の妹には一切目もくれず、那須にさっきまでの話を振る】
【案内されれば、二人は素直に那須についていくことだろう】
【移動中に妹の方がひっきりなしに喋ってるかもしれないが】
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 14:41:15.06 ID:L2z4LwsZ0
>>405
「……」
「……え!?」

【赤木の一言で一気に起き上がる】
【見た所怪我もなく、何より反応が元気そのものだ】

「あ、そ、そうなんですか、あ、あはは……」
「し、詩織ちゃんって言うんだ、その、よろしくね」

【少女詩織とも合流し、赤木兄妹を家まで案内する】
【家、と言ってもワンルームマンションだが、なお、すぐ隣は上官厳島命の家だ】
【オートロックのキーを外し】
【エレベーターを上った先の一室】

「すみません、ここが私の家です」
「さあ、どうぞ、あ、後今日はこの曜日なのでカレーライスです」

【家の鍵を開け、二人を案内する】
【少なくとも、ここならば邪魔も入らず、盗聴にも対策が施されている】
【家の中にはカレーの匂い、お手製だろうか?】
【ベランダには下着を含め洗濯物がいくつか、これには気が付くかは不明ではある】
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/20(火) 14:50:04.17 ID:AkNcIRx7o
>>403

「ああ、死んだ奴はどうしてやることもできないしな──ッ!?」

【増援に入ってくれた男の言葉にそう応えた】
【その直後くらいからか、シャンシャンと聞きなれない音が聞こえて】
【背後では男が殴り倒され、女は壁に叩きつけられてしまった】


「よぉ、その姿じゃ坊主か?」
「それにしてもそこらの人間より人間臭く坊主だな、とにかく」

【すっと立ち上がると、殺意が孕んだ目線を彼に寄越す】
【縛られたセーラー姿の少女を片手に、買い物でも行ってきたのか──】
【とは思えない。兎に角、考えれば考える程女の憎悪が増していく】

「その女を放せ。それまでは退けねえな」

【十字架の砲口を男に向け、少女を放すように脅す】
【何らかの動きを取れば、容赦せずに攻撃すると】
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 14:50:42.38 ID:NWWj87Lto
>>406

【案内をされて二人同時に「お邪魔します」なんて言って部屋へと入る】
【那須が何者であるか、という説明は道中、怜司が詩織にはしていた】
【そのため二人揃って、軍人の部屋とは、という好奇心が顔を覗かせていた】

『ほー、これが諜報員の部屋なのかー!
 カレーのいい匂いがするな、ご主人!』

そうだな……結構、部品漁りも疲れたからちょうど良かった

【無礼ではあるものの、好奇心に勝てない二人は部屋をきょろきょろと見回していた】
【あるとき「ん?」と怜司が言ってベランダの方に視線を向け、ようとした】
【その瞬間、詩織の右フックが胴体に直撃。「ごふぅ!?」なんて声をあげて怜司が蹲る】

な、何をする…………っ

『ご主人、そういうのは良くないぞ』

【今度は詩織が怜司に冷ややかな視線を向ける番だった】
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 15:01:04.34 ID:L2z4LwsZ0
>>407
「はい、拙僧は間違いなく御仏に仕える者」
「人間臭いとは、いい褒め言葉ですね、光栄の至りです」

【どうにも、声だけ聴けば人間臭いとは真逆の人物に思える】
【しかし乍ら、この場でのその姿は、間違いなく人間以上に、悪漢以上に悪漢である】

「全く、どうしてそうも血気の勇に走るのです?何の意味も持たない事でしょうに?」

【銃口を向けられ、こうやれやれと言った様子で答える】
【感情は無い返答だ】

「お断りします、この娘は今夜の糧、拙僧の小さな『娯楽』ですから」

【こちらも錫杖を片手に、もう片手には数珠、そして経典が開かれ自分の周囲を浮翌遊】
【結界が展開される】

「そうしても、と仰るならば、気は進みませぬが……」
「ノーマクサーマンダーラーバーザラダンカン……」

【数珠を手にした片手から、漆黒の炎が出現、それらは5つ程の小さな火球に分裂し】
【女性に飛来してくる】
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 15:08:29.65 ID:L2z4LwsZ0
>>408
【部屋の中身は普通の女子学生の部屋、と言った具合だ】
【可愛げのある家具やカーテン、ソファ、テーブル、そして櫻国で流行のキャラクター『しろいぬ二等水兵』の大きなぬいぐるみ】

「ははは、武器や道具は隠してあるので、あんまり弄らないでくださいね」

【そうにこやかに告げると、キッチンへ】
【なおこの間に背後では詩織が怜司に右フックをお見舞いしているが、それには気が付かない】
【やがて三人分、お盆にのせて、湯気を立てたカレーライスが運ばれてくる】
【付け合わせは福神漬け、サラダにゆで卵、バナナだ】

「さあ、熱いうちに食べちゃいましょう」

【頂きます、と】
【味は甘めの、それでいてコクが強く出ている】
【複数の隠し味が演出する、カレーライスだ】

「それで、何故妹さん、詩織ちゃんを呼んだんですか?」

【食事中、もっともな疑問だが、怜司に聞いた】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 15:18:25.98 ID:NWWj87Lto
>>410

【詩織は年頃もあるのか、家具や調度品などを見ては『ほー』とか『おー』とか声をあげていた】
【それでも見た目の年齢に対して常識があったようで、勝手に物に触ったりはしていない】
【一方、怜司は痛みでそれどころではなかった。食事が運ばれてくるまで蹲っていたのだ】

【それから、那須に呼ばれて二人は席へと移動。”いただきます”と二人で言って食事をとり始める】
【一口目を口に入れた瞬間、二人の瞳が輝く】

あ、美味しい……!

『おー、これはこれは。色んな味が楽しめて美味しいですね!
 まるで……そう……濃厚で芳醇な……あれで……その……』

【食べながら詩織は頑張って上手いこと言おうとして、一言も出てきていなかった】
【上手いことは言えなかったが美味しいと思っているのは事実らしく】
【彼女は満面の笑みを那須へと向けているのだった】

【食事中、那須から質問が投げかけられて、一瞬怜司は呆気にとられたような顔をした】
【が、すぐに「あぁ」と納得した声を出す】

やばい話、するんだろ?
家族だっていうのもあるが、こいつは俺の護衛役でもあるんだ
だから、俺が何かするなら無関係じゃない。こいつにも教えておきたいんだ

【そう怜司は当然のように語るものの、詩織は一見してただの子供だ】
【勿論、高所から落下して無傷なあたり、見た目通りとはいかないのだろう。何か秘密があるようだ】
【ともかく無関係ではない、という怜司の説明に隣で詩織がうんうん、と頷いていた】
412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 15:29:55.28 ID:L2z4LwsZ0
>>411
「ありがとうございます」
「海軍カレーなんですよ、私たち櫻国の海軍は航海中曜日感覚を忘れないために、決まった曜日にカレーライスを食べるんです!」
「今日のカレーライスは、私が前に乗艦していた魔導戦艦『長門』のレシピです」

【ここで少し、今日のカレーの話を挟む】
【割と本格的なカレー、軍艦のレシピだ】

「詩織ちゃんも、お代わりあるからね」

【カレーを頬張る詩織に、こう笑顔で告げ】

「そうだったのですね、それなら解りました」
「護衛役?」

【不思議な事だった、詩織は僅か10歳くらいにしか見えない】
【そんな彼女が護衛とは、この兄妹は何かあるようだが】

「詩織ちゃん、さっきも高い所から落ちてきて無事だったし、何かあるんですか?」

【ここは率直に疑問を口にする】
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 15:40:43.62 ID:NWWj87Lto
>>412

【那須の解説に詩織は『ほー』と感心したような(?)声をあげ】
【怜司は静かに相槌を打っていた。兄妹で反応がそれぞれ大きく違う】
【お代わりがある、なんて言われてしまっては詩織はもう、これ以上ないぐらいににっこりとするのだ】

【詩織について尋ねられると、怜司はうーん、と言って悩むような素振りを見せる】

どうやって説明するのが一番楽かな

【悩んでいる怜司に向かって『なぁご主人、私、ターミ○ーターのあれやりたい! 皮膚剥がすやつ!』】
【なんて詩織が言うが怜司はガン無視】
【やがて説明が決まったのか、口を開く】

結論から言ってしまえば、詩織は機械人形なんだ
身体が金属でできてるから、重くて『重くない!!』頑丈ってわけだ

昔、ロバート・レイントって企業があってね
そこが確か、七体作った人形の内の一体で、五女だったかな
能力も使えるし、多少は魔術もいける
戦わせるなら俺よりよっぽどっていうか、結構強いよ

【外見は完全に人間そのものだが、その正体は少し前に怜司が見せた機械人形と同じ、らしい】
【動作、表情の動き、会話から何から何まで、詩織は人間そのものだった】
【もしも滑らかに動けて、その上で重量や頑丈さを併せ持つのであれば、確かに護衛はありうる】

【問題はそれでいて10歳に見える子供を護衛にするのはどうか、という部分だったが】
【機械人形であれば、見た目と年齢が一致しているとも限らなかった】
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/20(火) 15:41:08.05 ID:AkNcIRx7o
>>409

「ふーん、放す気がねえのか」

【此方も呆れたような様子を見せると、十字架を空中に投げる】
【それは霧散して消え去り、掌を男の方に向けると】
【礫柱が男のみぞおち目掛けて射出される】


「なら、殺り合うしか無いってなぁ!!」

【黒い火球が5つ放たれると、勢いよく後方に腕を振るう】
【ジャリジャリと鎖が擦れる音と共に、礫柱が背後の壁に突き刺さる】
【それに引き寄せられるようにして後方へ跳躍し、火球を回避した】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 15:51:22.15 ID:L2z4LwsZ0
>>413
「た、ターミネー○ー!?」

【次の怜司の話を聞かなければ、全く持って素っ頓狂な話だろう】

「き、機械人形……」

【にわかには信じられない話だ】
【それもその筈で、目の前の少女には自我も意思もあり、会話をし、そして物まで食べる】
【生きている人間と見分けがつかない】

「詩織ちゃん、ちょっといい」

【そう言うと詩織の肌に触れるだろう】
【なるほど、魔術も能力も駆使できるのであれば、それは護衛としてこの上ない信頼だ】

「ロバート・レイント?」

【知らない名前だった、機械人形の企業だろうか?】
【興味深げに、詩織の肌や髪に触れる】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/20(火) 15:53:10.16 ID:zD69RY4Qo
>>397

【真剣な目であった。──赤と黒の双眸に、彼女は思わず息を呑んだ】
【其れは幾つもの修羅場を乗り越えてきた目、暗い部分を見てきたからこその】
【小さく頷く、驚きで緩んだ表情を引き締めて、貴方への答えにした】

【──ごめんね、と言いながら出された端末を弄る、何度かスワイプして考え込んだり】

【呼吸の様に髪の毛を弄る指が止まらない、喉が渇く】
【────ひょっとして私は、とんでもない事を目にしてるのかもしれない】


『セリザワさん』の名前まで出てくるとは、予想外ですね……これだけで一気に信憑性が増します。
西島さんとは違って、殆ど表に出ない人ですから──悪戯にしては手が込み過ぎです。
ありがとう鈴音さん、貴方のおかげで因果関係を整理できました


【──でも】


鈴音さん達の行動指針には、此の『カニバディール』が大きく関わってますが
──どうしても、私は此の人を直接見た訳では無いので、信用できません
特に、『公安』に過激派がいるって部分(>>81)──之こそが『カニバディール』の策略ではないか、と思います

機関員がどうして自らの内情を明かすのか、其れが理解できない部分です
『N2文書』にしたって──実物を見ない限り、なんとも


【返ってくる返事は色の無い言葉であろう】
【加える、少女の表情が曇って】


──『邪禍』私も知ってます、凶悪犯で、戦った事もあります
強くて、それでいて残酷な……そんな悪魔が、協力者──
絶対に、何か裏があると私は思います

鈴音さんは信じられるけど、情報源の人々にまでは私は信用できません
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 15:57:06.30 ID:NWWj87Lto
>>415

【『いいよー』と言って詩織は腕なり何なりを差し出す】
【皮膚の感触は人間そのままだ。が、強く押し込んだりすれば】
【本来は骨格があるべき箇所により堅牢な構造を持つ”何か”の感触が返ってくるだろう】

どういう企業だっけな……
俺も当時はそのへんに興味ない子供だったから、正直あまり覚えていないんだ
今ではすっかり聞かなくなったから、倒産したのかもしれないけど……

【と、ロバート・レイントについてはあまり詳しくない様子だった】

【詩織の髪の質感もやはり人間のものと大差がない】
【もしも胸付近に手を触れれば──詩織はくすぐったがるだろうが──初めて違和感を持てるかもしれない】
【そこにあるべき鼓動がないのだ。もしも耳を近づければ、小さな機械類の駆動音が聞こえるだろう】
418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 15:58:48.02 ID:L2z4LwsZ0
>>414
「だから、何故そうも血気に走るのです?」
「無益、全くの無益……貴女にはこの娘がどうなろうとも関係も何も無い筈では?」

【僧形の男は本当に不可解、という口調で聞く】

「全く……」

【射出された礫柱は的確に男の急所を狙ってくる】
【少女を抱えたまま、男は意外にも軽快な身の熟しで、横に飛びそれの回避を試みる】
【やがて黒の火球が全て避けられたのを見届け、今度は】

「正義感とかいう感情ですか?それは無価値です」
「それは人の魂を真に縛る鎖にしか成り得ない……」

【大きな、大きな黒い火を出現させ、今度はそれを鳥の姿を象らせ】

「お行きなさい……」

【女性に向かい飛翔させる】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 16:05:18.80 ID:L2z4LwsZ0
>>417
「……」

【色々と触れてみて、やはり人間と変わりが無い事を実感する】
【しかし、強めに押し込んで触れば、機械のような骨格に触れ】
【また、耳をすませば微細な駆動音が聞こえる】

「なるほど、そうだったのですねー……それでお話なのですが」

【やや間を置き、詩織からも手を放し、こう切り出す】

「私の上官の中尉は現在風の国に居ます、そこの正義組織UTとコンタクトを取るために」
「私は、その森林の地下に潜入してみようと思います……」

【極めて危険、極めて無謀な話だが】
【これが、現在できる最上の一手だろう、そう考えて】

「お二人は先ほども怜司さんに言った通り、企業内の情報提供をお願いします」
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/20(火) 16:14:29.37 ID:AkNcIRx7o
>>418

「ここでお前がその子を連れてって、食い物にされんたなら後味が悪いだろ」

【そもそも坊さんは女を食い物にしないだろ、と】
【女の方も呆れた顔をして見せて、そちらがおかしいとばかりに】


「バカ言え、お前の方もその子を縛ってるじゃねえか」

【かの坊主の方は物理的に縛られているのだが】
【とはいえ彼の身のこなしは相当軽いらしい】
【人一人抱えながら、あれだけ動けるとは珍しいものだ】


「あっぢ、何しやがんだ……!」

【ワイヤーに掴んだ手を離し、着地する寸前に、右に向かって飛翔する】
【しかし、男が作り出した火球──いや、火の鳥の翼が左腕を掠める】
【元々熱への耐性はそれなりに持っているが、熱いものは熱い】

【手を下に振り礫柱を掴むと、彼に向かってそれを振るう】
【すれば、ワイヤが男の足目掛けて射出される】
【足にそれを絡まらせて、転倒させようという腹づもりだが】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 16:16:12.18 ID:L2z4LwsZ0
>>414
//すみません、ちょっと眠気が酷いので以降置きレスへの移行よろしいでしょうか?
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/20(火) 16:19:25.20 ID:NWWj87Lto
>>419

UT、か。凄いな……

『話がとっても大きいな、ご主人……』

【その名前は一般人である二人にこそ有効だったらしく、わかりやすく感嘆の声をあげている】
【またUTが関わるというのが事態の大きさをより身近に感じさせる効果を発揮していた】
【潜入をする、という那須に対しては、二人とも不安げな表情を浮かべる】

その……年齢のことはいい、プロなんだろう
それでも大丈夫なのか、一人で?
俺はブランルがどれほど恐ろしいかは分からない……
けどその技術の高さは知ってる。それを悪事に回せばどうなるか、想像力ぐらいは働く

【那須の軍人としての能力は、素人である怜司には疑うこともできない】
【しかし、そうであっても心配を口にせずにはいられなかった】
【詩織にいたっては『私も行くよ?』とまで言い出していた】
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/20(火) 16:26:31.65 ID:AkNcIRx7o
>>421
//了解しました!
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/20(火) 16:39:29.36 ID:L2z4LwsZ0
>>420>>422
//すみません、置きスレに続き書きました
//ありがとうございます、すみませんがそちらでよろしくお願いします。
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 19:31:18.20 ID:BIyNcd/W0
>>416

【携帯端末を相手へ預ける。そうすればあるいは相手は彼女が見せようとした以外のメールも見てしまうことが、できるかもしれない】
【――普通の、ものばかりだ。といってもこのご時世であるから、メールという手段でひとと話すことはあまりないのか。きっとお気に入りのお店のメールマガジンとか】
【そういうものがある中で――"そんな"メールが、急に混ざっているから。それこそ異物であるように、異なった世界の出来事が混ざりこんでしまったみたいに見えて】

――……カニバディールのこと。
鵺ちゃん……ううん、鵺さんが機関員を信用できないって思うの、当然だと思う、だって……公安と機関が組んでいるのを、わたしたちは黒幕って呼ぶから。
だけど、機関だって一枚岩じゃなくって……えっと。今回のこと、黒幕のやろうとしていること。――カニバディールにとって、望ましくなかった。

わたしはあのひとのことを五年くらい前から知っているの、わたしがUTに来るまえから、あのひとが二十九番になるまえから。
何度もお話して、わたしはあのひとを信頼できるひとだって思った。……利害が一致しているうちは、って、言わなくっちゃ、いけないけれど。
それで……今回は、わたしたち、利害が一致している。カニバディールは黒幕が征服した世界を望まない。わたしたちも……。

――だから、信用できる。上手に言えなくって……ごめんなさい。N2文書の本物も、見たことない。
だけど……わたしは今あのひとを信頼しているの。それで――このことが終わったら、もう一度、敵同士に戻るよ。そういう、"約束"。

【――それは当然の懸念とも言えるだろう。なにせ何年も前から機関に居る人間、今確認されているナンバーズの中でも、相当の古株とも言える、人物】
【彼女はその人物と昔よりの知り合いであると言って。今でこそ正義組織の人間と機関員という対立しあうものだが、それ以前は、そうではなかったのだ、と】
【そこには到底言葉では説明しきれないような奇縁が存在していた。お互いに禊ぐように双方から切り合った糸――それがほんの一時繋がる奇跡が、今のこの瞬間なら】
【少女からは、信じてほしいというしかない。――そして少女が本当にきちんとその人物を信用しているのも、伝わるのだろう。ありえてはいけないはずの信頼関係がそこにあり】

【だけど――それは言葉にできない、あるいは言葉にすることがひどく難しい気持ちの結晶、理解されないことがあるのも、またきちんと分かっている風でもあり】
【ただそのうえで――彼女以外の人物は、この人物を引き入れることを許容したのだろう。――あるいはそれだけ切羽詰まっている、とも見えるか】
【とにかく。カニバディール――そのひとのことは、この少女が保証する。少なくとも今回のことについては、信じていい】

…………――邪禍のこと。わたしも知っている、襲われたの、戦ったことも……ある。
……ごめんなさい、その邪禍のこと。わたしは"絶対に大丈夫"って、言ってあげられない。……それだけ言ってしまえるだけ、知らないの。

【――そのうえで。続く言葉は、あるいは鵺のものと似通うのかもしれない。彼女もまた邪禍と交戦したことがあり、知っている】
【だけれどこれはあるいは先に述べた"カニバディール"が信用できると言い切ったのと見比べて、なんでもかんでも信頼できるよって言うわけじゃないのを、証明するみたいで】
【そればっかりは――彼女にはどうしようもないことだ。カニバディールのことは、保証できる。保証する。だけれど――邪禍。その人物にそうしてあげることは、できない】

……わたしを信じてくれるのなら、カニバディールのことも。信じて。あのひとを仲間にできるかもしれないって言ったのは、わたしなの。
その話をしたのも、わたし。信じられるって思ったのも、そのためのお話をしに行ったのも、わたしなの。だから、わたしが……保証する。

UTとか、機関とか、関係なくて――わたしが。カニバディールってひとを、信じてる。

【色違いの視線が一度伏せてから、相手へ向く。自分のことを信じてくれるなら――自分が信じたひとのことも、信じて、ほしい】
【だけれどそれはやはり二十九番に対するものでしかない。あの悪魔のことに彼女は責任が取れない。それは――彼を誘い入れた、ミラという存在の、すべきことなのだろう】
【なにせ――件の邪禍に触れるメールは、送信者が不明という状態なのだ。確かに文体は似通っているが、そもそもそのメールそのものが、届くはずない、おかしなものみたいに】
426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/20(火) 19:48:43.66 ID:zD69RY4Qo
>>425

【"敵同士に戻る、そういう『約束』"──】

【重い言葉だと思った。そこの奥にある深い事情を感じたから】
【故に鵺の思考には鈴音の言葉は深く染み入る、雪が掌に溶ける様に】

【暫し沈黙があるだろう、雑踏が消えて深い夜を導く】
【宵月だけが闇を照らす様な、そんな瞬間】
【不思議と、悪い心地はしないだろう──。】


……鈴音さんの言葉は分かりました、うん──分かった、というか何というか
やっぱり”嘘だ”とか”信じられない”とか思っちゃうけど、けど……


鈴音さんの言葉を、嘘にしたくないの、不思議だね、今日会ったばかりなのに


例えば之が手の込んだペテンでも、質の悪い罠でも
大丈夫、其の時は私が貴方を守るよ、『公安三課』の名を掛けて
知ってる?『三課』は『公安』の中でも特別なの

構成員は全員、皆元犯罪者──それも、死刑判決を受ける様な、とびっきりの


【だからね──鵺は、右手を自分の胸元に当てる】


私"達"の絆は深いの、皆が皆、之が最期の瞬間だと思って生きてるから
だから、鈴音さんが、信じられなくても、『公安』の中にはそういう部隊が居る事を知って欲しい
全部が全部を信じられる訳じゃないけど、兎に角『公安』内部に裏切り者が居ることは分かった


【ここからが本題、と前置きを切って】


今、鈴音さん達が『何』をしようとしているのか、が知りたい
邪禍を引き入れた人に関しては、直接聞くことにする、けど
貴方達が何をしようとしているか、によって私の仕事が変わるの

──もしも、必要とあらば、『三課』に掛け合っても、いいよ
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/20(火) 20:26:02.69 ID:j28ovhbAo

【 “嵐の日”/セレンディピター号 】


【初めに起きたのは、爆発だった。船内の騒乱と船外の嵐、双方の音源を引き裂いて余りある程の衝撃と音が、船を揺らす。】
【船の速度が急速に落ち、それから数分して急激舵が切られた。更に、船の後方、船尾側がゆっくりと沈み始める。】
【もはや、船は満足にそのバランスも取ることができない。船内は前後左右に掻き回され、混乱、という言葉ですら生温い。】
【嵐の中、揺れる船から脱出することのできた者は多くないだろう。──尤も、僅かな人数は、救難ボートに自らの運を任せて出て行ったのかも知れない。】


【それから、しばらくして。】
【能力者ならば、或いは熟練の者ならば、そうでなくとも、勘の働いた者ならば。】
【あの、独特の感覚を得たかも知れない。──何かに備えなければならない。これから、更に何かが起こる、という予感。】


【その瞬間と前後して、突然に、船を覆う大気がその温度を急速に喪った。】
【降りしきる雨が凍る。風に吹き付けられ、氷の粒がセレンディピター号の巨体を打つ。】
【── そして、その接地点から水面に波紋が広がるように、“氷”が船の表面に広がり始める。】


【最初は甲板や船上構造物の外面から。そして、そのまま船の内部にまで氷が侵食し、その全てを包み込んで行く。】
【何の備えもなくその氷の波紋に触れた者達は、初めに衣服から凍り始め、狼狽える間に自らも同じ命運を辿った。】
【その波紋に触れてはならないと心得ていた者は、或いはそれを避け、或いは波紋に触れたとしても、即座に対処を行っただろう。】
【服を捨てれば氷の侵食が身体に及ぶことはない。そうでなくとも、氷に何らかのダメージを与えれば、侵食は止まる。】


【生き延びた者の脱出は、それほど難しいことではない。】
【波紋が過ぎ去った後の凍った場所に触れたとしても、それはただ冷たいだけ。自らの身体が氷に包まれることはない。】
【甲板に出れば、先刻の氷雨はもはや降っていない。相変わらずの激しい風雨がその頬を打つ。注意深く探せば、救難ボートの1つも見つかるだろう。】
【そうでなくとも、一晩を過ごせば救助はやって来る。凍った人々は、その氷を何らかの手段で除去すれば救うこともできるだろう。】


【何れにせよ、その者は── 零度の静穏に支配された、欲の王国の末路を見届ける筈だ。】


/ソロールです&続きます
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/20(火) 20:26:41.35 ID:j28ovhbAo

【 水の国/アラバ湾 】


【アラバ湾は、その名の通り内海だ。東西の岬によって湾口が形成されている。】
【それほど大きな湾ではなく、少し離れた小高い山に登れば、穏やかな光に照らされる全景を望むことができる。】
【豊かな自然の息吹と、湛えられた水の美しさを同時に眼に映せるとあって、同国の景勝地として名高い。】

【だが、数日前。数年に一度の嵐がこの国を襲った日から、湾の中央部には、異質なモノが現れていた。】

【それは、巨大な氷山だった。正確には“氷の島”と表現するべきなのかも知れない。】
【水中カメラの映像を見ると、湾の底にまで氷が及んでいることが分かった。丁度、少し歪な円錐の置物が置かれているような状態だ。】
【自然に作られたものでないことは、誰の眼にも明らかだ。数日前に現れたときから、水温の上昇に関わらず溶ける様子もない。】


【そして、その三角錐の頂点付近にあたる部分を構成しているのは── 世に名高い巨大豪華客船、“セレンディピター号”。】
【今や本来あるべき角度から30度ほど船首を上げ、船尾はその甲板を水面に辛うじて付けていない状態。】
【そして船は氷に包まれているのではなく、その表面を氷で塗装したように、その身を輝かせていた。】
【──その氷の島の総体を分析的に見れば、円錐ではなく、円柱の上に船が乗っている状態、という表現が正しい。】


【人々は、これを“事故”と表現してもよいものか惑ったが、結局は“セレンディピター号難破事故”という呼称が定められた。】
【嵐の過ぎ去った凪の翌日には、対策チームの指揮のもとに軍や海上警察の船が氷の島に上陸し、船の内部調査を開始する。】
【その過程で見つかったのは、やはり氷の塗装を施された内部と──凍りつき、仮死状態となった人々だった。】


【「何故こうなったのかは、分からない。だが、何が起こったのかは説明できる。」】
【現場でメディアの取材を受けた専門家グループの一員は、“船だったもの”を指してそう言った。】
【セレンディピター号の喫水では、アラバ湾の港に入港することはできない。幾ら当日は嵐で潮位が高かったとしてもだ。】
【つまり、船は何らかのアクシデントで意図的に航路を変更し、湾口を抜け、陸に接近した。現状の角度から、船尾付近から沈没間近だったと思われる。】
【── そして、その後に凍りついた。凍りついたことで、船は沈没を免れたと言える。】
【何故凍りついたのかは、我々の関知することではない。救出作業の協力に全力を尽くす、と述べて、彼はカメラの前から去っていく。】


【人々を包んだ氷は、船体と氷山のそれと違って、温度の上昇によって簡単に除去することが出来た。】
【医師が信じられない、と呟くほどに、健康状態にも影響はない。船から助け出され、仮死状態から“解凍”された女は取材に対してこう言った。】



【  “ 嵐が凍っていた ”  、と。 】



/セレンディピター号〆のソロールです
/なにか質問等ありましたら、雑談の方でどうぞ
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 20:31:09.80 ID:BIyNcd/W0
>>426

【互いが互いの立場を考えた、そのとき。彼女と彼は明確に違えなければいけない、敵対しなければいけない。していなければ、いけなかった】
【だのに続いてしまった縁は奇妙だからこそ重たくて、奇妙だからこそ複雑で、糸口なんて見えないもの。だから、こうですって、分かりやすく言ってあげることが出来なくて】
【少女も、また、黙り込む。それ以上の言葉を持たないのだ、これが彼女の精一杯。その瞬間にはテレビの囁き声も、ドア越しの雑踏も、聞こえては来ない】

――――――、ありがとう。ごめんなさい、こんなの、とんでもないことだって、分かっているの、わたしが――こんなこと、言っちゃ、いけないって。
分かってるんだよ、わたしが……わたしみたいな、ひとが。ここに居る、わたしが、あのひとを、機関のひとを……信じて、だなんて、そんなの。
そんなのおかしいって――駄目なことなんだって、分かってるの、分かって――……。

【――嬉しい、と、思った。安堵に緩む表情はそれでも複雑さを帯びる。正式な構成員ではないとはいえ、UTに属する彼女が、機関員を信用して、と、擁護するのは】
【やはりおかしくて――どうしようもなくおかしくて。だけどどこまでだって本気で、本当だから、信じてもらえた時の安堵は大きく、深くて、色濃く、鮮やかに映えて】
【ああ、でも――相手の言葉を聞けば。やはり自分はとんでもないことを言ってしまったのだ、というのも、分かるのだ。思い知らされる、どれだけ非道いことを言ったかなんて】
【彼女"たち"が抱えるもの――毒を以て毒を制する、と、言った。その言葉を遅れて、理解する――治安を維持するための集団に、そんな部分があるなんて、知らなかった】

【それで――当たり前にここに居る自分を後ろめたく思うのだ。その深い事情まで、知らない。だけど――自分もまた、裁かれるべき。である、はずなのに】

……うん。ごめんなさい。知らなかった――だけじゃあ、謝れない、くらいのこと、――言った。
だから……わたしの分かっていることを、言う。それがお詫びになったり、何かになるかは、分からないけど――……、

【だから、信じる。信じてもらえたお礼みたいに――そういうひとたちも居るのだと知って、そんな風に全部を賭けているひとたちが居るのだと知って】
【後ろめたい少女はそうするしかできない、それ以外の方法を知らないみたいに――本題へ、触れるだろう】

/ごめんなさい、長くなってしまったので一度分割しますっ
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/20(火) 20:31:33.92 ID:BIyNcd/W0
>>426>>429

フルフェイス事件……、あれの犯人だって言われている博士は、その事件の前に、死んでいるの。……これは、ロッソさんの、情報。
だから博士はフルフェイス事件を起こせない。――それで、麻季音ちゃんのお父さんは、今、誘拐されているの。それで……博士の研究のことを、誰かにやらされている。
その研究が完成してしまったら、世界がどうなってしまうのか、分からない。……麻季音ちゃんは記憶と意識に関する技術だと言っていた。
わたしは……その、ごめんなさい。難しいことは――よく分からないけれど。それを完成させるには"ソラリス"ってものが必要で――それが、麻季音ちゃん。

だから……一番最初の目的は、麻季音ちゃんのお父さんを、助けること。技術が完成する前に……麻季音ちゃんが、ソラリスが取られちゃう前に。
いま――麻季音ちゃんはここでお仕事をしている。だから、多分、あっちも手を出せない。"まだ"、だけど……。

……クラァケさんは、博士のアンドロイドを名乗るゾーイってひとに、麻季音ちゃんへお手紙を届けてほしいって、お使いを頼まれていたの。
それで――クラァケさんは、別のひとに化けることが出来る。擬態能力(ミミック)って呼んでいるって、言ってた。その力を使って……麻季音ちゃんに化けて、探していた。
そして、婦警に襲われた。警察署に連行――されて、そこで、能力を消された、って言っていた。ペンライトみたいな、機械を使って――能力を消されたって。

だから……えと、二番目の目的は、クラァケさんの能力を取り戻す方法を、探すこと。

――――それから、わたしが知っていたのは、クラァケさんを襲った"婦警"。そのひとが……曽根上ミチカって名乗って、UTに何度か来ている、こと。

三番目の目的は……。公安を潰す。だけど、これは――公安の、黒幕を。――ごめんなさい、知らなかったの、そんなふうに、……いろいろなことを。

【説明しなきゃならないことはどうしたって多かった。メールのやりとりは、それらの話をした後のこと、それらの情報は、全部、前提として知っている人たちの会話だ】
【だから。ひどく大雑把でも相手に伝えるだろう、いろいろなところを端折ってこそいるが、大筋はだいたい――これでいいだろう、その上で、一つ、二つ、三つを伝え】
【けれど最後の三つ目だけは、おそらく「原案」とは違うことを言っている。これは三課の存在を知った彼女の独断による改変だが、することは、多分ほとんど変わらない】

今のわたしたちの目標は、これだよ、「高度の秘密性を維持しつつ可及的速やかに臨機応変に」――、

【――彼女らしくない言葉は"誰か"の指示内容だろうか。ひどく具体的ではないもの、つまり、それだけ、困っている――ようにも、聞こえ】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/20(火) 21:54:04.88 ID:8LLdvx6T0
【路地裏】

「さァて……新鮮な情報も取ォれたこォとだが」

【何かをかじりながら歩くそれは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「能力を消ェす、か。――どォこまァでが能力扱いなァんだァろォーなァ」
「下手すゥると、聖よォりも相性悪ィかァもしィれねェ」

【よく見ると、そのかじっているモノは透き通っているようにも見えて――マネキンの一部のようにも見える】
【たとえるなら幽霊。腕から先の、それ。――もしかすると本当に幽霊だったりするのかもしれない】

「まァー、俺様がそォの程度の能力に負ァけるわけねェーんだァけどなァーッ!」
「そォーいう奴は物理で殴りゃア良ォいんだよ……適任の部下も多くいィる……ククク」

【やたら写りの良い自身の写真――この顔にピンときたら即通報と書かれたそれを、その者はちらりと見た後に通り過ぎた。フラグを立てながら】
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/20(火) 22:57:56.85 ID:YM7jQTYC0
【――――回想】

 【「いいよ。行きたいんなら行ってくれば?」】

 【――あんまりにも簡単にそう言われたものだから、開いた口がふさがらなくなって】
 【思わずえっうそ、なんて返したりもした。そうしたら嘘じゃないよって笑われて】

 【「僕らのお仕事は『円卓』を勝たせることだ。それに繋がることなら何してたっていいよ」】
 【「その人も、そうなんでしょ? だったらいいよ別に、不利益にはならないでしょう」】
 【「……ま、でも。忘れないでいてほしいことはあるよ、嫌でも忘れらんないだろうけどさ」】

 【暗赤色の瞳がゆがむ。笑みのかたち。子を諭す母親のように】

 【「 何処へ行こうと誰と居ようと。君の創造主<つくりぬし>は僕だってこと 」】
 【「 それだけはどうしたって変わらないんだってことを。――ねっ? 」】

【――――暗転。場面転換】

【路地裏。特に人気のないところを選んで、少女はそこに存在した】
【着ているのは闇に融けるみたいに真っ黒のコート。フードを目深に被って頭部を覆い隠し】
【そうしている割に、履いている靴だけはいやに真っ赤な厚底。そこだけやたら目立っている】

…………えーっと、み・ら……くらーけ? で、いいのか。
よし、登録っ……と、

【彼女は薄汚れた壁に背中を預け、ついついとスマホを操作していた】
【暗がりの中で光る液晶画面のバックライト、目立つといえばまあ目立つ】
【そうしてから――じっとスマホを見つめて。フードの下、顔を強張らせて】

(いつか、まで、待っててとか言っといて……翌日即連絡するのって)

………………ダッサくねっ!?

【なんか唐突に独り言を零したり。やたらでかい声で。そんな感じで、突っ立っていた】
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/21(水) 04:16:06.77 ID:3WAk6iyBO
>>430

【鈴音の話を聞き終えて、彼女は小さく息を飲んだ】
【"一体どれだけの重荷を、その肩に背負っているのか"──と】

【聞くだけで頭がこんがらがる、多くの人名、組織】
【其の全てに鈴音が関わり、与しているのであれば】
【目の前の少女はどれ程の重要人物かと、思ってしまう】

【──同時にその身を案じる自分がいた】


なるほど、上二つは了解しました。
『麻季音』なる人物に関しては私も知らないので、できれば接触がしたいとは思います。
唯どうしても、活動の中心には置けないので、捜索の主は鈴音さん達にお任せしたいです

勿論──敵施設の潜入等でしたら、幾らでも手を貸します
『三課』での私の主な任務は潜入、諜報、工作──そして


【"暗殺"──と、彼女は付け加えた】


之は二番目の『婦警』──に役立てるかもしれませんが
能力を奪われるんですよね、俄には信じ難いですが
『船』で私も実際に能力を封じられました、一日だけですが


【付け加えるのは大きな情報かもしれない、鈴音が食い付いたなら詳しく説明するが】


しかし、本題は最後です。『公安』を潰す、と言われましたが、具体的にはどうやって?
『公安』内に『機関』と通じる勢力がいる、芹沢部長が関与しているかもしれない。
ですが相手は組織です、そこいらのギルドとは違うんですよ


【真っ直ぐに鈴音を見た。──実際にその組織を知っているからこそ】
【敵の強大さに呆れてものも言えなくなるぐらいに】
【緩める口元、僅かばかりの微笑みを添えて】


掛け合ってみます、上に──幾ら『公安』全てが敵に回ろうとも
『三課』のメンバーは、信用できます。私達には利害がないから。
そこにあるのはたった一枚の生命、敵を間違えたら死ぬだけです。

だから鈴音さん、見せてくれたメール送ってくれませんか?
今私のメアド教えるので


【姫袖からデバイスを取り出し、貴方の答えを待つ】
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 07:18:16.96 ID:VPUBUro50
【公園・東屋】

【今日は雨。冷えるという事もあって人手は疎ら】
【そんな中で一人の少女が雨を除け、東屋でくつろいていた】
【歳は10歳とちょっと。金の髪にターコイズブルーの瞳】
【少々大きめの豪奢な外套を纏い、手には古びた――聖書、だろうか】
【ともかく本を持って、読んでいて。ふと栞を挟んで、一呼吸つくと】


…………――腹、減ったなー……。


【そんな事を呟いて――つまらなさそうに、公園内へきょろきょろと視線を向けるのだった】

【――ちなみにこの少女、傘を差して来たわけでないらしく、東屋には雨具が見当たらない】
【けれどその代り――その身長よりも巨きな剣が、傍らにずしりと置いてあって】
【どれぐらいの重さになるのだろうか、剣というより柄の付いた盾のようなソレは】
【分かるものには分かる、という程度の微弱な魔力を放っていた】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 08:16:00.14 ID:k4RkxIcbo
>>434

【雨音に足音が紛れ込む。──ぐちゃ、ぐちゃ、とん】
【濡れた砂を踏みしめる音から床を、もしくは乾いた砂を歩く音へと変わる】

【音のした方には一人の青年がいた。年齢は二十代中盤ぐらい。眼鏡をかけた黒髪で】
【腰の右側には銃の入ったホルスター。Yシャツにネクタイ、スラックスという背広なしのスーツ姿】
【白衣を手に持っていて、傘代わりにしたらしくびしょ濡れになっていた】

あーもう、いきなり降ってくるんだもんな……

【天気に文句を言うように独り言を呟く。それから東屋にいる少女に気がついた】
【視線はやはりというか、巨大な剣に向けられる。驚いたように「おお」なんて声をあげていた】

あー……こんにちは
それ、すごいね

【なんて、挨拶をしながら、青年は剣を指差した】
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 08:29:06.59 ID:VPUBUro50
>>435

【公園内は静まり返っていて、だからこそ別な音というのは響く】
【足音――それが聞こえればちょうど彼が雨に濡れて】
【それから乾いた地面を踏むまで、蒼い瞳はしっかりとその様子を捉えていて】

ん。……あ、あぁ。
……まあな!俺の自慢の武器だ、すげーだろ!?

……つーか、あんた大丈夫か?
今日って大分寒いだろ、なのにそんだけ濡れたら――。

【「風邪引くぜ」と、最初に相手を気遣う辺りはよく躾けられている様子で】
【なんなら、なんて自分が着込んでいた外套を脱いで】
【毛布代わりにもなりそうなそれを、「使うか?」と渡そうともし】

【――それと同時に、相手を見る。それとなくではなくて】
【恐らく年齢故かじろじろと。腰の拳銃、持ち物にしては珍しい白衣】
【若干ちぐはぐな印象を受けつつも、姿勢は変えない。単なる、子供らしい純粋さの発露だった】
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 08:39:04.06 ID:k4RkxIcbo
>>436

【「いや、すごいよ。うん、本当にすごい」、と感嘆というか】
【純粋な驚きと感心が混ざったような返事をして】

そりゃあもう寒いなんてもんじゃないよ……
最近、やっとあったかくなってきたと思ったらこれだもんな

【なんて言って少し身震いする】
【それでもかなり年下に見える少女に外套を差し出されると目を丸くして】

いや、いいよ!
それ脱いだら君の方が寒そうだし、なんとかできなくもないからね

【提案を断りながら濡れた白衣を広げる】
【指先に魔力の燐光が灯る。そのまま白衣の背面を複雑になぞり、魔法陣を描く】
【完成した魔法陣が一度、強く発光。すると白衣から水気が取り除かれた】

とまぁ、こんな具合に

【何度かばさばさと揺すってから白衣を羽織る】
【水気を含んだシャツと接触しているにも関わらず、白衣にはそれが移ることはなかった】
【特異な魔術による効力だ】
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 08:52:32.22 ID:VPUBUro50
>>437

【巨剣を褒められれば、それはもう露骨に嬉しそうな顔を見せる】
【余程自慢の武器なのだろう――それにしても、大きすぎたが】
【この少女が振るうとしたら、結構なファンタジーだろう】

ん、そうか?大丈夫ならいいけどよー……ぉ、おぉ……!

【大丈夫、と言われれば渋々なんて様子で外套を着直す】
【その際に分かることだが、外套の下は質素な修道服姿であり――】

【――直後に、青年が白衣を魔術によって乾かしてしまうと】
【マジックを見た――というよりも、それが何なのかを理解した上で、らしい反応を見せ】
【濡れたシャツと触れても水気を吸わない白衣を見て、思わずと言った様子で歩み寄り】

すげーな……兄ちゃん、魔術師なのか?
今のって結構、複雑なやつだよな。単純に乾かしただけじゃなくて
そういう状態を付与してる、って感じだ。……今も、濡れてねーし

……そっち系の研究者か、なんかか?

【流石に、特異な武器を持っているだけはあるという所か】
【興味の持ち方は明らかに同年齢の子供とは違うベクトルを向いていて】
【許されるなら、乾いた状態の白衣に触れようと――その手を伸ばした】
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 08:59:25.96 ID:k4RkxIcbo
>>438

【少女の反応に青年は意外そうな顔を浮かべていた】

あ、分かるんだ?
そうなんだ、状態を付与する魔術
これが本職ってほどじゃないけど、利用する仕事をしていてね

【白衣は完全に乾いているどころか、仄かな熱さえ放っていた】
【さらには先ほどまではなかった微量の魔力が感じ取れるだろう】

”それ”も似たような感じはするけど、そっちは初めから?
それとも、後から魔力を付与したのかな?

【青年が大剣を指差して尋ねる】
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 09:12:53.66 ID:VPUBUro50
>>439

【白衣に触れれば「おぉ……」と分かりやすい感嘆の声】
【ぺたぺたと乾いた布に触り、撫でて、またじっと触れて】
【どういう術式だろうか、なんて考えるように魔力を感じ取り】

……良い仕事してんなぁ。
俺も早くこれくらい出来るようになりてー……

……んぁ?あー、だな!初めっからだ、そういうアイテムだからな
どういう由来かは知らねーけど、父上から貰って……。
……なあアンタ、魔術の分析とか出来るか?

【と、おもむろに尋ねかける。「コイツとは違うんだけどよー」】
【なんて言って示すコイツは、すなわち大剣のことなのだが】

【言葉からするに、それ以外の何かを分析して欲しい、ということなのか】
【他にそれらしいものと言えば――不釣り合いに豪奢なマントと】
【先程まで座っていたベンチに置きっぱなしの古びた本、か】
【そのいずれからもよくよく探れば魔力は感じられて――】
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 09:17:07.64 ID:k4RkxIcbo
>>440

【仕事を褒められれば「まぁね」なんて言って曖昧に笑う】
【この青年の師匠は決して人を褒めないタイプだったので】
【こういう言葉は言われ慣れていなくて、少しくすぐったかった】

分析?
物に寄るとは思うけど……?

【唐突にも思えた申し出に青年が首を傾げる】
【外套に本。いずれからも魔力を感じ取ることができた】
【「この場にある物?」と言って、ひとまず返事を待つ】
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 09:25:42.85 ID:VPUBUro50
>>441

【「あぁ、これだ」――そういって、少女は改めてその外灯を脱ぐ】
【臙脂を貴重とした、大柄な人物であればマントにでもしそうな外套には】
【広げてみれば無数の刺繍が織り込まれていて】

【さらに言えば、その刺繍には全て"意味"がある――すなわち、魔法陣だ】
【それは重厚で、緻密で、そして人目では分からないような秘匿もされており】
【簡単に言うなれば一級品のマジックアイテム。そして、その魔術はと言えば――】


――"瞬間移動"のスペルが織り込まれてる、っていうのは知ってんだ。
ある程度理解してりゃ、どんな魔術下手でも、何処へでも行ける
例えば今この瞬間に世界の裏側にだって……場所を知ってれば、だけどな

これも父上から貰ったモンだ。何処へでも行けるように、ってな
……でも、俺はいつか物に頼らないでこの魔術が使えるようになりたい

【だからこそ外套の魔術を分析して、それを着ずとも使えるようになりたい】
【すなわち――この複雑なパズルのような織り込み術式を、見える形の魔法陣にしてもらいたい】

【――そういう旨の事を少女は語った。その表情は、かなり真面目で】
【ただ、分析は困難が容易に予想できた。そもそも、偶然出会った相手に頼む事でもないのだが】
【その辺りの遠慮の無さはやはり、という所か。返事を強請るように、気の強そうなターコイズブルーが青年を見つめていた】
443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 09:39:13.20 ID:k4RkxIcbo
>>442

【「では失礼して」と言って外套を受け取り、広げる】
【子供の頼みだ、と思って侮っていた部分もあったのか】
【一見しただけで判明したその難解さに、思わず「むぅ」と唸る】

これは……中々…………難しいな…………

【年下の少女と話していた優しげな雰囲気は消え去って】
【魔術師としての本領が顔を覗かせる。その表情は真剣そのもの】

【視線が順に魔法陣を追っていく。何度も、何度も】
【同じところを往復し、順に次へと進む】
【順繰りかと思えば視線が別の箇所へ跳躍。読み込み、また元の場所へ戻る】
【そんな行為を数分間以上に渡って続けていたが────】

………………悪い、これは俺には解けそうにない

【降参するかのように、青年は外套を少女へと差し出した】
【顔には些かの悔しさのようなものは滲んでいたが、あまりにも難解すぎたために】
【その感情は、かなり、と言うほどではなかった】
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 09:47:10.89 ID:VPUBUro50
>>443

【魔術師らしい集中力。――これは、もしかしたら】
【少女の胸のうちにはそんな期待が広がっていた】
【自分では解けない難解なパズル。それは恐らく、相手にとっても同じなのだろう】

【それほどに良く出来ている。だからこそ、読み込みが終わり】
【青年が口を閉ざした時は「分かったのかっ!?」と声を荒げたが】


――――ん、なっ……!?解けそうにない、って、そんな……!

っ……悪ぃ、なんでもない……っていうか、その……


【「ごめん」――そう素直に口にできる辺りは、やはり育ちが出る】
【口調はあらっぽく、性格も直情。だが、根は良い子であるようで】

【差し出された外套を受け取ると、しばらく残念そうにそれを眺め】
【やがては諦めたように着直して改めて青年に向き合い】

……無理言って悪かったな。自分でも分からねーのに
ついさっきあったばっかの奴……あー、兄ちゃん名前は?
とにかく、そういう相手に解いて貰おうってのが虫のいい話で……

……詳しい知り合いとか、居ないよな?
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 09:57:35.96 ID:k4RkxIcbo
>>444

【声を荒げる少女に初めこそは驚いていたものの】
【それだけの期待を寄せていたということと、それだけ彼女が真剣だったということ】
【その二つが分かり、少女が謝るころには困ったような笑みが浮かんでいた】

いいよ、謝らなくても
大事だっていうことは伝わったから
ただこれ、本当に難しいね…………

【視線が外されて青年の表情が戻る】
【口元では何かを呟いていて、「あの箇所と隣接する箇所が」とか「接続箇所が」とか】
【何かの予想を立てようとはしていて、しかし結局、答えは出ない様子で】

名前は赤木怜司。レヴォルツィオーンってところで働いてる
詳しい知り合いは、いるにはいる。俺の師匠だったらいけるのかもしれない
ただ、あいつは本当に気まぐれだから、やってくれるかどうかは…………

【「言ってみないことには」と、そう話す青年の表情は、どちらかといえば否定的だった】
【また余計な期待を持たせてしまったかもしれないという不安が胸中に現れて】
【ちらり、と少女の様子をうかがってしまう】
446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 10:06:39.83 ID:VPUBUro50
>>445

……まあ、作った相手が悪かっただけだな。
しょうがねーよ。……むしろ、そんだけ考えてくれて嬉しいぜ、俺。

【見ず知らずなのにな、なんて呟きながら彼の話を聞いて】

【「赤木怜司」「レヴォルツィオーン」「師匠」】
【それらのワードを聞いた少女は――青年が、不安を抱いて要素を伺えば分かるが】
【その瞳をきらきらと輝かせて、うずうずと青年を見つめていた】
【言うまでもないだろう。――その"余計な期待"を、少女は抱いた訳である】

――俺っ!俺な、ベアトリクスって名前だ!
昼の国に住んでて、将来は騎士になりたいって思ってる。

……金とかはねーけど、その師匠ってのに会えないか?
アンタの師匠なら、きっと、もっとずっとスゲー魔術師なんだろ?
なら、もしかしたら……――なっ、アンタもそう思うだろ!?

【その食いつき方は、ミンチに群がるピラニアの如く】
【しかも質が悪いのは子供ということだ。すなわち、諦めは相当に悪くて聞き分けが無い】
【特にこの少女のようなタイプは――。とはいえ、分別はあるというのは分かっているわけで】
【すげなく断る、というのも出来るだろう。当然ではあったが】
【――返事を待つのももどかしそうに、少女は赤木を見つめ続けていた】
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 10:16:39.82 ID:k4RkxIcbo
>>446

【────しまった、と思ったときには遅かった】
【すっかり少女の瞳には期待が広がっていて、まだかと言わんばかりの雰囲気を出していた】
【対照的に赤木の表情は明るいものではなかった】

か、金がある必要はないんだけど…………
でも、あいつは人助けなんかも全くやらないし…………

【言葉を並べ立てようとしたが、脳裏に落ち込む少女の姿が思い浮かんだ】
【今となっては自分がここで断っても師が断っても落ち込むのは同じだろう】
【だとするならば────どうしてもこの頼みを無下に拒絶することはできなかった】

…………保証はないけど、いい?

【結局、赤木は折れたようにその言葉を口にしたのだった】
【子供である、というのが働いてしまっていた】
【目を輝かせている少女を失望させるのは、どうしても心苦しかった】

【ベアトリクスが承諾すれば、赤木は彼女を連れて街から離れるだろう】
【向かう先は郊外の森林。その中にぽつんと建てられた木造の家屋があった】
【その中に”師匠”とやらはいるらしかった】
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 10:26:56.72 ID:VPUBUro50
>>447

【金がある必要はない、と口にすれば】
【それだけでも「おぉ!」と歓喜の声。障害が一つ取り払われた】
【そんな態度で、もう端から会える気持ちでいるらしく】


……ああ、良いぜ!会ってくれないなら何度も行くだけだしな!
早速連れて行ってくれよ、赤木!


【それが迷惑になるというのも、こと欲求のまえでは思わないらしく】
【見るからに浮かれた様子で首を何度も縦に振るのだった】

【あとは、彼についていくばかり――剣については】
【恐るべき事に片手で持ち上げて、その腰に横向きに括る】
【そうすれば剣先を地面に擦ることもないと言う訳らしく】
【ただその代り、狭い場所を歩くのには苦労をしつつ――森へ】

【「それっぽいな」なんて呟きながら、木造の家屋が見えてくると】
【ここだろうかと、移動中は収まっていた高揚が蘇るように、青年を見上げた】
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 10:37:56.47 ID:k4RkxIcbo
>>448

【大剣を片手で持ち上げる様には「えっ」と驚いた表情を浮かべていたが】
【ともかく森の中まで案内をした。家屋にたどり着いて鍵のない扉を開く】
【少女が見上げた表情は、悩ましいものだった】

セオドア、戻ったぞ!

【ベアトリクスを中へと招き入れながら奥に向かって呼びかける】
【家屋の中はいたって普通の内装だ。机に本棚、ソファが並ぶ。リビングのようだった】
【そこから左右に別の部屋への出入り口。真正面には扉が一つ】

【少しすれば奥の扉が開かれる。現れたのは赤毛の少年だった】
【見た目の年齢は十代前半、ベアトリクスと大差はないだろう】
【黒色のぶかぶかとした作業着のようなものを着ている】

「…………誰?」

【その少年はベアトリクスを見て平坦で無機質な声を出した】
【昏い赤色の双眸が少女を見つめる。感情を映さない冷たい瞳だった】

【赤木が「実は頼みがあって」と切り出す】
【青年に説明を任せることもできるだろうが、割って入って説明するのも可能だろう】
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 10:48:36.92 ID:VPUBUro50
>>449

【一体どんな魔術師なんだろうか。やはり、師匠というからには】
【厭世家で、森の奥に引きこもって、毎日分厚い本ばかり読んでいて】
【ゴーレムあたりを使役しながらのんびりと余生を過ごす】
【白い顎髭の似合う老人だろうか――などと、勝手に妄想していたのだろう】

【剣が入るよう半身になって扉を通り、家屋の奥へ踏み入って】
【思うよりも普通の内装――そして姿を見せた、ごく普通の――】
【強いて言えば何処か瞳の冷たい少年を見れば。そして、赤木が話しかけたなら】

【『――……いや、どう見ても俺と変わらねーくらいのガキじゃねーか』】


【なんて呟きも、する。聞こえるかも知れない、だが悪意のあるものではない】
【率直な感想なのだろう――咎められなければ、説明は赤木に任せるだろう】


【途中で『ベアトリクスだ』なんて名乗りくらいはするかも知れないが】
【興奮が少し冷めたような様子。勝手な理想が、自分と同年代に見える少年に化けたせいなのだが】

【そんな姿は何処かふてくされているようにも見えて】
【けれど何処かで期待はしているのだろう。値踏みするように、またじろじろと】
【最初に赤木にそうしたように、人を寄せ付けない雰囲気の少年を見つめていた】
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 10:53:55.85 ID:k4RkxIcbo
>>450

【呟きは赤木には聞こえていたらしく、”そういう反応もしょうがない”というような顔をしていた】
【少年────セオドアの方は無反応だったために聞こえていたかどうかは分からないが】
【ともかく赤木は、ベアトリクスが特殊なマジックアイテムを持っていて解析をしてほしい、と頼み込んだ】

【セオドアは無言のままベアトリクスへと近寄り】

「見せて」

【とだけ言って手を差し出した。感情の込もっていない言い方はぶっきらぼうというか】
【もしかすると、偉そうだとか、そういう悪感情を招く可能性もあるかもしれない】
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 11:13:40.60 ID:VPUBUro50
>>451

……ぁ、あぁ。頼むぜ、えっと……セオドア、か?

【その瞳、無言の歩み、ぶっきらぼうな喋り方】
【気を悪くする――というようなことはなかったのだが】

【意外、だったのだろう。空想上の相手と違うのもそうならば】
【なんというか、人形めいた少年の様子もむしろ不安、というか】
【――何とも言えない。そんな表情で外套を脱いで、手渡す】

【その概要は先に赤木が見た時と何一つ変わらない】
【ある程度その術式を理解していれば、多少の魔力で何処へでも瞬間移動出来る】

【更に細かく言えば、魔力に余裕さえあるものであれば短時間に複数回の移動も可能であり】
【また、距離が離れていてもその消費する魔力量は変わらないものとなる】
【大陸の端から端でも、この部屋の扉からソファまででもかかる"運賃"は一緒というわけだ】

【また――時空、或いは世界。例えば魔界のような場所には、行けない様子だった】
【それほどの高位な、言うなれば禁術の域に達するものではない】
【ごく一般的な魔術を最高の粋まで練り上げた物品、魔術式――そういうモノ、だった】
453 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 11:22:50.85 ID:k4RkxIcbo
>>452

【外套を受け取ったセオドアは無言のままその魔法陣を見つめ】

「消費魔力が一定なのは珍しい」

【ほんの、一瞬。その言葉が出てきたのは外套を一見してすぐだった】

【その後、セオドアの目線が魔法陣の上を走る】
【────そう、”走る”のだ。身体は微動だにせず、表情も固定されたままだったが】
【機械が高速で読み取るかのような速さと正確性で、その視線はくまなく動き続けていた】

「それで、解析してどうするの?」

【解析作業と並行してセオドアの口が動く。尋ねた先は赤木ではなく少女の方だった】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 11:35:44.69 ID:VPUBUro50
>>453

【――何だコイツ、というのがベアトリクスの素直な印象だった】
【見た目も態度もそうだが、最初の一言が決定的】
【理解できている。つまり、魔術的な眼は確実に持っていて】

【そしてその後の目線の動きもまた少女の思いを深めることになる】
【手にとって一つ一つを解析するのではなく】
【まるで機械が全体を読み込み処理するような、そんな雰囲気】
【少々、怖くも思う。相手の様子に見入ってか、返事は少し遅れ】

ぁ……は?いや、そりゃ……使えるように、なりたい……。
……そういうアイテムがなくても、同じ魔術が使えるように。

物がないと何も出来ないなんて、騎士として恥ずかしいからな。
だから、同じ術が身一つで出来るような魔法陣にしてもらいたいんだ
それを俺が使えるかどうかは別だ。……出来なかったら練習するだけだからな。

【――と、少年からの問いかけに返答した】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 11:45:45.52 ID:k4RkxIcbo
>>454

【外套を手にとって数秒で、その目線の動きは止まる】
【髪と同じ色合いの赤い瞳が魔法陣から外れ、少女へと向けられる】

「極めて非効率だ」

【ただ一言、少女の考えを否定するように言う】
【赤木が「おい」と若干の怒りの混じった非難の声をあげるものの、手で静止】

「解析は終わった。望むのであれば、術式だけ取り出すこともできる
 その前に一つ尋ねたい。誰が、”何故”、これをお前に渡した?」

【抑揚のない声が、しかし何かしらの意思が感じられる問いを発する】
【双眸は変わらず虚無の色合いを崩してはいない】
【それでもどこか、逃げられないような威圧感を感じ取れるかもしれない】
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 11:58:42.55 ID:VPUBUro50
>>455

【非効率、という言葉には珍しく少女は食いつかなかった】
【それだけ――相手がなにか、底知れない人物だと感じられたし】
【何よりそんな事は分かっていた。自分は大魔導師でもなんでもない】
【現時点では、補助輪を着けた自転車で走っている様なものなのだ、と】
【それを知っているからこそ何も言わず、続く言葉に暫し口ごもり】

……父上だ。父上の名前は……昼の国、ゼン=カイマの
"元"第三近衛騎士団長、フレデリック・シャリエール。

どうして俺にくれたのかは、正直知らねー。
外に行きたいって言った時に『寒いから』なんて言って着せてくれたモンだ
……でも、後で母上が「心配だから」だって言ってた。
元々父上が使ってたモンだ。加護もあるし……何かあっても、戻れるようにって。

…――術式、取り出せるんだよな?

【戸惑いながらも素直に話す。有無を言わせない、相手の威圧感】
【それを感じてか、或いはそうすべきだと判断したのか】
【どちらにせよベアトリクスという少女は――眼を逸らしもせず、そう答えた】
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 12:04:04.80 ID:k4RkxIcbo
>>456

【セオドアは世俗に疎いのか、一時期知られていたであろうその名に反応はしなかった】
【視線が下に落ちる。ぴたりと動きが止まり、ただ瞬きだけが繰り返される。一つ、二つ────】
【何度目かの瞬きが終わり、再び両者の視線が交錯する】

「分かった。少し待っていて」

【手短に伝えてセオドアは奥の扉の向こう側へと消えていく】
【一部始終を見ていた赤木は、それはもう、目を丸くしていた】
【月並みな言い方をすればおばけか何かを見た、というやつだ。とにかく信じられないという表情】

…………よ、良かった、な?

【あまりにも衝撃的なのか、ベアトリクスにかける声さえ疑問系】
【呆気にとられた顔をしたまま奥の扉を見つめていた】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 12:23:28.15 ID:VPUBUro50
>>457

【あぁ、と返事をする。少々気の抜けた様なその返事の理由は】
【わざわざ聞いておいて、随分とあっさりした"OK"だったからだ】

【それがベアトリクスにとって、セオドアとの初めのやり取りだった以上】
【どれほどのことかは理解できていない様子で――】
【赤木の言葉にも、「そうなのか?」と生返事をし】

…………、……アイツ、友達とか居るのか?

【疑問に思ったというより、その人間味に欠ける様子への投げかけ、だろうか】
【本当に答えが聞きたいというタイプの言葉ではなくて】
【彼と並んで奥の扉――セオドアが消えた場所を見つめながら】
【何処か落ち着かない様子で、改めてその姿が現れるまでじっと待っていることだろう】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 12:34:02.75 ID:k4RkxIcbo
>>458

【赤木の返事は「見たことない」だった】
【ともあれ、セオドアはすぐに戻ってくる。その手には薄い本というか】
【メモ帳のようなものがあった。それをベアトリクスへと差し出す】

「その魔導具の効力を再現する魔術がここに載っている
 魔術そのものも極めて難解なため、詳細は省いている」

【中には細かな文字がびっしりと書かれていて】
【それは外套が行えることを外套なしでやるための魔術だった】
【省いた、と言われるのは細かな解説がないために読解する必要がある、という意味だった】

【それを渡すだけ渡して、すぐにセオドアは扉の向こうへと戻っていってしまった】

あー…………愛想がなくて、ごめんね
あれで凄い技師なんだけど…………どうにも人付き合いって概念がなくてね

【あはは、と赤木は困ったように笑っていた】
【何にせよベアトリクスのとりあえずの目的は達成できただろう】
【後どうするかは彼女次第。例えば部屋の隅に置いてある人形めいた機械に興味を示してもいいし】
【もしくは、セオドアが消えていった扉の向こう側を気にしてもいい、自由だ】
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 12:51:41.76 ID:VPUBUro50
>>459

【戻ってきたセオドアの手から渡されたメモ帳を見るや】
【「うえぇ……」と、少女は露骨に嫌そうな顔をした】

【覚悟はあっても――苦手なのだろう、この手の事は】
【何となく行動や性格から察せられそうなもの、だが】
【ともあれ目標が一つ出来た。束ねて胸元にしまいこみ】

詳細は自分でってことか……了解だ、ありが、っ……おーい。

……はぁ。まあ、そういう人間だって居るだろ
ましてや魔術師尚更……あいつの力っつ〜か、凄さはわかったしよ

……ところで、ここって電話とかあるのか?
でなきゃ、お前の連絡先とか、知りたいんだけどよー……
弟子入りじゃねーけど……なんかあったら、話とか聞きたいっつーか……。

【「ダメか?」と、それが青年にとって頭痛の種になりそうな事を問いかける】
【もっとも、視線は時折部屋の隅の人形にも向いていたし】
【そちらに無理やり話を持っていっても良いかも知れなかった】
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 13:05:11.25 ID:k4RkxIcbo
>>460

連絡先なら携帯端末のがあるけど……
………………
………………話?

【連絡先の交換、何も問題はない。話を聞きたいのも何も問題はない】
【いや、問題がある。そこまで考えて怜司は”やな予感”というものを感じ取った!】
【もしやこれは、件の魔術についての質問がしたい、ということではなかろうか】

いや、いやいや!
あれは難しすぎて分かんないって!
しかもあいつがわざわざ”省いた”とか言ったやつとか読解すんの無理だって!

【ぶんぶんと頭を振る。それはもう必死である】
【今までは相手が年下の少女ということもあって優しげな口調を心がけていたが】
【それが吹っ飛ぶレベルである────ところが】

「お前もやれ。課題」

【なんて声が、扉の向こう側からかけられるのだった】
【赤木は「えっ!?」と驚いた声をあげて、それから「うー」だの「でも」だのと】
【何か言い訳なり何なりしようとしていたが、結局一言も言わずにがくっと肩を落とした】

【師匠を”あいつ”呼ばわりしていたものの、どうやら力関係ははっきりしているようで】

これ、俺の連絡先ね…………

【落ち込んだ様子で携帯端末の画面を開いて提示。メモでも取ればいつでも連絡が取れるようになるだろう】
【その後で視線に気がついた様子で、赤木も人形の方を向く】

あー、気になる?

【そう言って片手を人形の方へと向け、手繰り寄せるように手を動かす】
【すると見えない何かに引っ張られるように人形が手元へと浮遊しながら移動】
【魔力が感知できるのであればその瞬間、赤木の手と人形の間に魔力的な繋がりを見ることができるかもしれない】
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 13:18:33.10 ID:VPUBUro50
>>461

【「課題」――その言葉が聞こえてくれば、ニヤリと笑う】
【本当はどうしても分からないときや、、また別な相談がある時】
【あの小さな賢人の知恵を借りられないかと思った程度なのだが】
【この難解なメモ帳をなんとかする、その手伝いがあればありがたい】

んー……、…オッケーだ。後で電話させてもらうぜ
お前にもコイツを解く手伝いをしてもらわないとだしな?

【ぽん、とメモ帳をしまった胸元を叩いて、ヘヘ、と笑う】
【面倒を抱えた、というのは確からしく】

ん、ああ……結構目立つしな。なんだろう、って。
……お前の操り人形、って感じか?

【手を動かせば人形がふわりと動き出す】
【その際に見えた魔力的な繋がりが、恐らくは糸の様なモノなのか、と】
【答え合わせを求めるように声を掛けて。ただ、初めて見たのだろう】
【視線の方は人形に向いたまま。――物好きだな、というのが心中での印象で】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 13:26:25.30 ID:k4RkxIcbo
>>462

まぁそうだね、それで正しいよ

【操り人形という言葉のとおり、両手それぞれの五指が糸を手繰るように動く】
【それに合わせて人形は腕が動いたり、脚が揺れたり、あるいはポーズを取ったり】
【腕部や胸部にあたる箇所の装甲的な部分が開閉したりと、様々に稼働する】

俺たちはこういうのを機械人形って呼んでる
俺もセオドアも、これを作ったり使ったりするのが本業なんだ

【人形がベアトリクスの前に立ち、手を差し出す】
【手といっても試作品なのか、手のような平べったい部品がついているだけだったが】
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 13:45:19.30 ID:VPUBUro50
>>463

へぇ……だから技師≠チて言ってたのか。
魔術で人形を操るって、初めて聞いたぜ
……この腕とか、小さい大砲とか仕込めそうだな!

【少女、であるにも関わらず興味を示したのはそこだった】
【或いは何処かで、似たような機構を見たことでもあるのか】
【そしてそれは人形ではないのだろうが――】

【両手を動かす度に自由に動く人形に、随分と興味を持ったらしく】

すげーな、こんな事できるのか……

……もっとしっかり出来た、人間みたいな見た目の奴があったら
普通に街とか歩いてても気付け無さそうだぜ、これ。
やっぱ、あれか?完成品的なやつもあるのか?

【差し出された手を取って、手のひらを合わせたりして】
【その形こそ人形らしいが――見た目が違えば、相当なものだ】
【そして、目の前のこれはどう見ても試作品。出来上がりには程遠く】
【ならばと思い切って尋ねてみて。その視線は、ようやく青年へ戻ってきた】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 13:55:52.52 ID:k4RkxIcbo
>>464

お、いいね?

【少女の提案に青年もまた興味深げに反応を示す】
【彼女がそういった発想をするとは思ってなかったために「意外とこういうの好き?」なんて】
【どこか嬉しそうな顔をして言ったりもしていた】

あー、あるし、いるね
その言い方をするならば、一つと一人

【”ある”に”一つ”、”いる”に”一人”】
【物に対する言葉と人に対する言葉を明確に、明らかに、はっきりと】
【青年は区別をつけた上でその質問に答えた】

【両手を横へと流して操っていた人形を部屋の隅に戻す】
【それから片手が宙を撫でる。呼応するかのように魔法陣が現れ、破片となって砕け散る】
【砕けた魔法陣と入れ替わるように、一体の機械人形が現れていた】

【全体としての形状は人型だ。四肢があり、頭部がある】
【だが細部では違っていた。通常の人間と比べれば胴体が小さかったり】
【脚や腕が細身であったりする。肩は流線型を描いて大きく突き出していて】
【頭部を模した部分にもよく見れば口や耳といった部分がなかった】
【鼻に似たパーツは作られていて、上半分は別のパーツが上から被って覆い隠すデザインになっている】
【そしてその全身は金属光沢で輝く銀色の滑らかな装甲で覆われていた】
【全体として流線型の意匠を持つ人形は腰に該当する部分にくびれのようなものもあって】
【女性形であるような、そんな印象を与える】

これが一応、完成品の”一つ”

【その人形に対してはある程度の自信があるのか、にやり、と得意げな顔をしてみせた】

【ちょうどそのとき、少女から見て右側、隣接する部屋から一人の少女がやってきた】
【見た目の年齢は10歳ぐらいで歳が近そうな印象だ。ピンク色のフリフリとしたパジャマを着ていて】
【なんだか眠そうに目をこすりながら二人の方を見るのである】

で、あいつが残りの”一人”

【などと言って青年はやってきた少女を指差す】
【つまりは────彼女が機械人形だと、そう言っていた】
【少女の容姿はどう見ても、それこそ人間そのものだ】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 14:18:48.80 ID:VPUBUro50
>>465

【ある≠サしている=\―期待していた答え、ではある】
【だが実際に魔法陣が出現し、一体の機械人形が召喚されると】

【その形状は完全な人とは言い難い。どちらかといえば】
【人形であることを突き詰めた≠ニいうようなフォルム】
【流線型が際立つ辺りは、どこか機能美めいたものを感じ】
【へぇ、と小さく感嘆しながら歩み寄って、各パーツをじっくりと眺め】

……いや、流石に嘘だろ?

【そして一人=\―姿を見せた少女を見て、ベアトリクスは小さく笑った】
【悪い冗談はよせ、という笑みだ。そう思うくらいに少女は"よく出来て"いて】

【思わず歩み寄り、間近でじいっと見つめてしまう】
【それこそ、相手が人間なら『何だコイツ』と少し引く程度には】
【けれどそれすら無いのなら頬に触れたり、髪に触れたり】
【柔らかそうな唇に指を伸ばしたり――本当に人形なのかと、確かめようとするだろう】
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 14:25:54.87 ID:k4RkxIcbo
>>466

『??』

【寝ぼけているせいもあって会話についていけていない少女】
【間近で見つめられると最初こそはぼーっとして首を傾げていたが】
【ある程度、意識が戻るとむっ、と唇を尖らせる】

『ちょっとあなた、初対面なのに失礼じゃない?』

【なんて、年頃に合わないような言い方で文句を告げる】
【けれど頬や髪に触れられたりしても、やや嫌そうな顔をするだけで】
【特別に避けたりはしなかった。因みに肌はすべすべで髪もさらっさらである】

【ところが、その指が唇に触れると────これも程よい弾力を返してくるが────口を開けて】

                【 ガブッ! 】

【その指を噛みつこうとしてくるのだ。もっとも甘噛みぐらいではあるが】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 14:34:44.48 ID:VPUBUro50
>>467

お、おぉ……っ。喋るのかよ……っていうか、これ……。

【良いところのお嬢様のような口調で彼女が喋ると】
【流石に驚いたのか、一瞬身を引くものの】
【付きない好奇心と無抵抗な少女の様子に、ついまた手が伸びて】

【すべすべの肌、さらさらの髪。それこそ人形のように整った顔立ち】
【どう見ても人間だ――少なくとも、ベアトリクスはそう感じ】
【ついに唇にも触れて。その柔らかさに『おぉ〜……』と言葉を漏らしていたのだが】

――痛ぁ!?……おまっ、ぁ……痛くねーし……
……悪かったって、だから噛むなよっ。

【ものの見事に噛まれてしまう。これも声を上げて驚くのだが】
【甘噛だと気付けば、加減してくれたのかと――加減できるのかと、思いながら】
【誤りつつ、指を引いて。同じ年頃に見える少女が、どうも機械人形には見えず】

……これ……こいつ、か。本当にあんたの……?

【と、赤木を振り返って尋ねかけるのだった】
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 14:41:56.85 ID:k4RkxIcbo
>>468

【”これ”と言った瞬間、一瞬ではあったものの青年は顔を顰めた】
【わざわざはっきりと区別するあたり、その”線引き”はかなり重要視していたようだ】

【一方で少女の方は抗議めいた視線を向けながらあぐあぐとベアトリクスの指を噛み続け】
【満足したあたりで離してあげた。次にその視線は赤木の方へと向けられ】

『ご主人! いつもいつも人形かどうか確かめられる私の身にもなってよ!』

あー、悪い悪い
つい、いつもの癖で

【何だか奇妙な呼び名で呼ばれながら怒られた赤木は少しだけ申し訳なさそうにしていて】
【それからベアトリクスの方へと向き直ると】

そう、俺の…………と言いたいところなんだけど
残念ながらそうじゃないんだ
昔、ロバート・レイントとかいう企業が作った機械人形の一人でね

だから、本当に人間そっくりの機械人形は俺は持ってないんだ
期待させて悪かったね

【と、今度はベアトリクスに向かって謝るのだった】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 14:54:28.18 ID:VPUBUro50
>>469

【『ご主人』という呼び方に、若干危ないものを感じるものの】
【先程の反応――これ、と言った際に顔を顰めたのを思い出す】
【要は、大事な存在なのだろう。赤木も彼女を大事にしているし】
【彼女もそれに応じて、人形なりの忠誠心を持っている――そんなところだろうか】

【なんて、思いつつ。何度かはむはむと噛まれた指を撫でながら話を聞き】

ロバート・レイント……すげーな、そいつ。
どう見たって完全に人間だぜ?なんか、こう……喋るし。

……別に謝ることじゃねーけどよ、完成はまだ、なんだな。
なら、また出来上がったら見せてくれよ。
一番すごい奴を見せてもらったわけだし、どっちのが凄いのか見てみたいしな?

【そう言って、それから――最後だけどよ、と前置きをしつつ】
【『こいつって名前あんのか?』或いは、『お前名前は?』と、先に目が合った方に尋ねかけるだろう】
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 15:01:04.85 ID:k4RkxIcbo
>>470

出来のいいのが出来たら、見せに行くよ
そっちも……まぁ……何だ……
わ、分からないことがあったら…………遠慮、なく、聞いて……ね

【作ったら見せると約束してから、しどろもどろになりながら何か言い出す】
【多分、後半のは魔法陣についての話だろう。嫌そうというか、なるべくやりたくないっていう】
【そういう感情を隠すことはできてない感じだった】

『私は詩織っていうんだ、赤木詩織。あなたは?』

【ずっとむくれてはいたが、名前を聞かれるとすぐに機嫌を直して】
【満面の笑み、とはいかないけれど、にっこりと笑って名前を教える】
【それから小首を傾げて、少女の名前もたずねるのだった】
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 15:15:25.89 ID:VPUBUro50
>>471

【ふふん、と笑う。良いものが出来たら見せに行く、という言葉と】
【その後の明らかに例の魔法陣に触れたくない、という様子】
【完全に無視して聞き流すような笑い。子供ながら、いい性格をしているらしく】

シオリ……結構普通だな。でもいい名前だと思うぜ
……よろしく、でいいのか?ベアトリクスだ。

【『ベアトリクス・シャリエール』――そう詩織に言葉を返し】
【同年代ということもあってか、打ち解けやすい雰囲気を感じてか】
【握手を求めて、手を差し出す。先程の、すべすべの肌を思い返しながら】
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 15:23:45.34 ID:k4RkxIcbo
>>472

【『よろしく〜』なんて言って詩織は握手に応じる】
【手の感触も人間そのものだった。が、もしもベアトリクスが少し強めに握れば】
【骨格があるはずの箇所に、より堅牢な構造物、金属の感触が返ってくるだろう】

【『ご主人、またロリっ娘連れてきたのか?』「またとはなんだ、失敬な」】
【そんなちょっと怪しいやり取りを二人はしていたが、その様子は仲の良い兄妹そのもので】

『で、ベアちゃんはもう帰っちゃうの?』

【なんて、ベアトリクスに問いかけてくる。用件が終わっているのは何となく察しているらしく】
【帰るんだろうなぁ、と思いながらもちょっぴり残念そうな顔をしている】
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 15:46:22.67 ID:VPUBUro50
>>473

【心なしか感じられる、柔肌の奥の骨格】
【それを確かめるように握手は少しだけ強めにしてみる】
【骨――とは、違うもの。そこでようやく、本当に作り物なのだと分かる】

【それにしても握手に応じ、話すことも出来る存在が】
【果たして機械人形と言えるのだろうか――なんて、心の片隅にはあって】

……ん、まあな。あんまり外にずっと居ると、母上が心配するし。
それに今日は、勉強しないといけないことも出来たからな。

まあ、なんだ。……昼の国って良い所だからよー
たまには息抜きに来てみたら良いと思うぜ!
特にゼン=カイマとかな!……赤木、アンタも来いよ?

【握手した手を離すと、数歩ばかり後ろへ下がり】
【またな、と声を掛けて――改めて声を掛けられなければ、それで終い】
【術式の込められた外套へと魔力を流し、瞬間移動により姿を消すこととなるだろう】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 15:52:20.87 ID:k4RkxIcbo
>>474

【『そっか』と残念がる詩織に赤木は「どうせ、また会うことになる」となんだかネガティブな意味合いで言い】

『じゃあ今度遊びに行くよ!』

昼の国のゼン=カイマ、ね、分かったよ
あいつの出した課題は極端に難しいだろうけど
やってみれば、結構ためにはなると思うから、頑張ってね

【詩織は再会の約束を、赤木はそれと共に魔術習得への応援を】
【それぞれ言い終われば、二人揃って手を振って消えていくベアトリクスを見送るのだった】


//乙です!
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/21(水) 16:01:00.48 ID:VPUBUro50
>>475
//お疲れ様でした〜!
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/21(水) 17:34:58.71 ID:SZbkKhpY0
【UT酒場】

【この惑星で忙しないのは我々人類だ。我々が勝手に存在のすべてを担う唯一と考えてそれを世界などと呼び】
【それらを崇め奉り、何故か振り回されている。そんなことは見えるものから人類を除けばすぐにわかることだ。】

【最近のニュースや、ここのところ出来事で麻季音は、一段とそんなことをいつのまにか考えてしまうようになっていた。】
【黒髪のショートっぽい髪型、丸い目、同年代の平均よりだいぶ小さい身長その他色々のおかげで実年齢の17歳より若く】
【見られてしまうが大学院まで進んでいる少しだけ勉強の得意な――普通の、私の定義では私は普通の人間だと思っていた。】

【今日は久しぶりにカウンターに出ている。ただ居候というのも居心地が悪いので店番くらいはしていたい。色々な“出来事”のせいで】
【危険もある。けど、色々と“対策”もしているから少なくとも殺されたり、拉致されたりは無いはずだと――言い聞かせている。】
【だけどやっぱりバイト着であるメイド服を着る気にはなれなくて、いつものパーカーを着て、データ解析をしながらカウンターの中ですわっている】

【探偵はたまに来る。セリーナさんも、鈴音さんも忙しそうで、クラァケさんは…どうなんだろう。報告だけがただはいってくる。】
【客もまばらで、彼らも時間つぶしか人を待っているのか。居るだけで暇な時間だけが流れている。そのせいで余計な思考が多く生まれてしまう】

【もしここに“黒幕”が居たなら。機関が襲ってきたら。“円卓”、“ソラリス”、お父さん、魔能制限法、あの計画。悩むばかりである】

…退屈。

【天気の良い夕暮れの赤い日の差し込む窓外をぼんやりと眺めながら、雲のように憂鬱も運んではくれないだろうかと考えていた。】


/投下しますがすぐに出かけなくてはならず帰りも11時頃になると思います。
/置き進行でもよろしければお願いします。
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/21(水) 18:37:02.16 ID:k4RkxIcbo
>>477

【UTの本拠地である酒場の出入り口。その真ん前に青年と少女が突っ立っていた】
【青年の年齢は二十代中盤。黒髪に眼鏡で服装はスーツ姿。背広まで着た完全な正装】
【裾で隠れているが腰の右側には銃の入ったホルスターがある】

【少女の方は十歳ぐらいの年齢。何故だかこちらも子供用のスーツを着用】
【胸元にはエメラルドグリーンの宝石をあしらったペンダントが夕焼けの光を受けて輝いていた】

【無駄に出入り口をふさぐような位置で立っている二人は、表情に緊張が現れていた】


…………来ちまったなぁ

『き、来たな、ご主人』


【UNITED TRRIGER────知らぬものの居ない所謂”正義”組織】
【一介のサラリーマンに過ぎない自分たちがこんなところに来ることになるとは】
【想像もしていなかったし、未だに信じられなかった】

【かつては『Justice』や『対機関連合』といった組織の名前を聞きはしたものの】
【一般人である自分たちとは程遠い、まさしく他国の話のようなものだと思っていた】
【それらと比肩する組織の本拠地に、明確な目的を持ってこれから足を踏み入れるというのだ】


じゃ、じゃあ、行くか

『お、応!』


【二人は同時に一歩前に出て、そして左右それぞれの扉を同時に──無駄に勢い良く開く!】
【そして中にどういう人物がどういう状態でいるかも確認せずに】

                  【 ”たのもー──────っ!!” 】

【などと無意味に大声を出す。ここは道場か】

【もしかすると入り口で突っ立ってる二人の姿が見えたかもしれず】
【そうなのなら入ってくる二人に驚くことはないのだろうが、そうでなければ】
【酒場全体に響き渡る無闇矢鱈な大声は、ちょっとびっくりさせられるかもしれない】
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 19:42:24.26 ID:f9W3sFXZO
【夜の街、終電の出ていった駅近くで】

あーだる、あの●ゲ係長、書類だけ押し付けて帰りやがって。
せめてマニュアルの場所くらい教えてけっての……

【スマホ片手に呟くのは、すっかり慣れてしまったぼやき】
【アッシュグレーのスーツに同色のショルダーバッグを提げて歩く、会社勤めとおぼしき女がいた】
【目の下の隈とスーツに刻まれた皺はどちらも濃く深い】
【眼鏡の下の疲れ目を揉みながら、上司への呪詛を吐きつつ、引き摺るように街灯の下を進む】

…………

【か細く鳴った腹の虫。嫌でも回りの飲食通りに目が向くが、日付が変わる時分に開いている店などそうありはしない】
【溜め息をついて、誘蛾燈に引き寄せられる虫の如く、コンビニの灯りにふらふらと吸い込まれていった】

飯はあるし、惣菜だけ買うか。

【ウェルカムコールに反応する者は疎らな店内。俯き気味に食品コーナーへ】
【目ぼしいおかずは大抵売り切れ、残っているのは疎らな棚。カゴにサラダチキンとひじきのパック】
【ぐるり回って、「甘さ3倍!」と銘打たれたカップアイスも放り込む】
【明日の朝食にとパンコーナーでしゃがんだ時、怒声が店のガラスを揺さぶった】

『動くな! レジの金を出せ!』

【3人組のサングラス集団が、銃を取りだしレジに喚いている】
【派手で安っぽいブルゾンと地毛の垣間見える揃いの金髪は、変装のつもりなのだろう】

(こんな時間にコンビニ強盗かよ……)

【こんな時間だからこそ、と言えるのだが、巻き込まれた側にはたまったものではない】
【かかわり合いにならないよう、棚の陰で実を潜め、様子を窺っていたが】
【バッグに金を要求する二人を置いて、一人が店内を回り出したのに眉をしかめる】
【自分との間を隔てるのは棚が二つ。幸い男は道路側から見回っているが、自分は出入り口の対角線、店の奥側】
【逃げる事も出来ず、いずれ見つかるのは時間の問題。バッグに手をやり覚悟を決めて目を瞑った】
480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/21(水) 19:49:43.43 ID:vupX6bmG0
>>433

【だけれど――その様子を見たなら、きっと、分かるのだ。彼女は今までこんなこと、一度だって触れてはこなくって】
【今度も――あるいは自主的に望んでこうなったのではなく。ただ確実なのは、こうしてかかわったこと、きっと後悔はしていなくって】
【自分にできることをがんばろうとしている半面で、やはり不慣れなところが時々覗く。それでも――機関員と長く知り合いであるなど、"普通"ではないところも目立ち】

……麻季音ちゃんはね、UTでお仕事しているの。だから、いつもじゃないけれど――居ると思うよ。
それに、同じ場所でお仕事しているから、わたしも、すぐに会えるし……その。連絡とかも、付けやすいの。

"お父さん"のいる場所は……まだ、目星もついてない。だけど――もしかしたら、博士のアンドロイド。ゾーイってひとに会えたら……分かる、かもしれない。
だから、そのゾーイと会ったことがあるのは――クラァケさん。敵施設は――、だから、ごめんなさい、まだ……早い、みたい。

あっ――と、ごめんなさい、言い忘れて、いた。ゾーイがクラァケさんに頼んで届けてもらったお手紙は……麻季音ちゃんのお父さんからだったの。
だから、その手紙を持ってクラァケさんに渡せたなら……場所が分かっている、はずだって。

【麻季音――について、接触は簡単だろうと彼女は返す。なにせここで働いているのだと言う、今は……どうだったか。居るかどうかは確実には知らないものの】
【口頭で話すことが出来るし――それならば必要ならばメモや手紙のたぐいを鵺が用意すれば、この少女が仲介するだろう。間違いなく、本人に渡すはずだ】
【そして、もう一つ……目的の一つに据えられている父親の救出、だが、まだ手掛かりはないらしい。しいて言えば父親から手紙を運んできたという、アンドロイド】
【その存在が何かに繋がるかもしれないが――まだそれは推測の域でしかないのだろう】

船で――!? え、うえ、それ、本当? えっと……その、婦警。みたいなひとじゃなくって……違うひとに?
ああ、ええと――婦警。曽根上ミチカ……、おさげにしていて、眼鏡のひと。すごく……なんだろう、元気なひと、だよ。それで――、

――それで。えっと、……違う、ひとに? ……ごめんなさい。船に、カニバディールが乗っているの、あのひとは……きっと能力がすごく大事だから、

【驚いたような声。その武装がすでに広まっているかもしれない――というのと、そして続く言葉には、心配することがもう一つ】
【"船"に乗っているという協力者――機関員のカニバディール。ならば先に伝えなければいけないとでも焦っているような、そういうものが、まず目立ち】

/ごめんなさい分割で!
481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/21(水) 19:50:08.85 ID:vupX6bmG0
>>433>>480

――――――……、――具体的、には、……。

【だけれど――その先に問われたことで、少女の言葉は途切れる。不出来で不本意な点数のテストを親に見せるときの子供のような顔と声をするだろう、しゅんと目を下げ】
【ならば無策か。そしてここで言い切ってしまえるだけの格好いい冴えた手が思い浮かんでいるということもなく、なにせ――公安の中がもとより分岐しているものと、初めて知る】
【そこいらのギルドとは違う――何となくわかっている気だった。でも、やっぱり、何にも分かっていなかった、というのが、分かって】

――ほん、とう? わ、あ――、あり、がとう、わたし、こんなの、今まで……したこと、なくって、
どういうことしたらいいのかって。わかんなくって、ぜんぜん――こわくって、だって、わたしが失敗したら、みんな、――、

【――だから。緩んだ口元、ほんのわずかな微笑みは、それでも彼女の中で大きな安堵になる。丸い眼をぱちぱち瞬かせて、声は囁くような、少しだけ震えるものへ】
【それでかすかに漏れるのは――多分ずっと頑張って隠していたのだろう本心の欠片。みんなを殺してしまうかもしれない――自分の、言動で、その気もなく】
【今でこそ信頼できると言い切れるが、機関員とも交渉してきている。すでにおっきな危ない賭けをいっぱいしてきて、ふっと、漏れてしまったみたいな、気持ちは、だけど】

うん……、……これでよければ。それに、ほかに、わたしが知っていることがあれば――、

【「なんでも言うの」】
【そうやって言って少女は相手の連絡先を聞くだろうか。そうすれば聞いた場所に、メールを転送――しようとした、手が、ふと止まり】

…………えと。ごめんなさい、このメール、えと、これ――邪禍を仲間にしたっていう、このメール。
多分――黒幕のひとが、変にしたの。そういう話を、クラァケさんとして……そう、だった、えっと、――――どうしよう、

【少し遅れて――思い出す。メールはもしかしたら傍受されるかもしれない――だなんて少し今更過ぎるけれど、送る前に気づいただけ、上出来ではあった】

/さんざっぱらお待たせしてしまってすみませんでした!
482 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/21(水) 20:11:35.99 ID:84/SSnzD0
>>479

【時間層もあり、まばらな客。強盗をするにはまず人質を探さねばなるまい。となれば】
【標的となるのは、抵抗されづらく、力も強くないであろう女性。当然、そう考えるであろう。】
【大の男が女を人質にとるなど卑怯だと思うが、正々堂々としているならばそもそも強盗など企図すまい。】
【つまり、貴女はもうすぐ不運にもたまたま巻き込まれた挙句人質にされる運命……の、はずだった。】

……うぇ?

【誰もが息を殺して音を立てまいと身を隠している空間に、ガチャリとあまりに無警戒な音が響く。】
【音のした方を向けば、其処はトイレ。……そう、恐らく店内で強盗が発生したことを知らずに】
【用を足していた人がトイレから出てきてしまった、という事だ。しかも、不味い事に】
【その「人」は、少女。貴女よりもさらに見た目若い……というよりむしろ幼くすら見える、少女。】
【童顔……というか背丈に見合ったあどけない顔立ちの、ショートヘアの少女。】
【黒いトレンチコートにベージュのハンチング帽と、ちょっと大人っぽい格好をしているが……正直、ちっちゃくて大人さが似合わない。】
【人質に、これほどうってつけな人がいるだろうか。きょとんとしている少女は、まだ状況を飲み込めておらず……】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 21:02:53.32 ID:f9W3sFXZO
>>482


【息を殺す緊迫した空間に、場違いなな音が響く】
【一番近かった音の正体に、瞼を開けた女はその目を疑った】
【なんで子供がこんな時間に? 素朴な疑問はセーフティーを下ろす音に中断させられる】
【少女のいる場所はまさに男の正面】

【溜め息をつくまもない】
【バッグから出したコンパクトを掲げ立ち上がる】

――――変身。

【言葉と共にスーツがブラウスとスカートへ】
【よれよれの其れがひらひら過多且つ、清楚さも兼ねたものへ変わり】
【骨格が丸みを帯びた可憐な形状へ変わる――――否、縮んでいく】

なんでこんな深夜に出歩くかなっ!?

【ハスキーからソプラノへ変わった声で毒づくのは、腰に手を当てた小柄な少女】
【一応ポーズをとるように見えるそれは、まるで小学生に見える。先の女の面影は最早野暮ったい眼鏡だけ】
【バッグもいつの間にか赤いランドセルになっていて】

おい、このクソオヤジ!

【『変身』した身体を棚の上に踊らせ男の注意を引く】
【言い終わらないうちに膝を曲げて跳躍、ニードロップを顔面に叩き込んで】
【体格差をものともしない威力が、二人分の体重をガラスに押し込み外へ放り出す】
【弾みで引き金が引かれ、発砲音。明後日の方向に飛んでいったが】
【それが合図になって、振り向いた二人が銃を撃ち始める。当然狙いは騒動のもとのトイレ側。出鱈目ながらも数多の銃弾が二人を襲う】
【仁王立ちで着地した少女の陰か傍の棚に隠れれば凌げそうだが、二丁分の弾の雨は弾倉が空になるまで降り注ぐだろう】
484 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/21(水) 21:21:04.13 ID:84/SSnzD0

>>483

【ほぼ鉢合わせと言っていい距離に、荒っぽい男とちんまりした少女。―――緊張が、走る。】
【と思ったその時、一瞬のうちに繰り広げられた変身ショー。鮮やかに、軽やかに、まるで踊るかのように】

【ぽかーんとしていた少女は、さらにぽかーんとする。無理もあるまい、あまりに突然の出来事だったから】
【強盗があったことも、貴女が変身したことも、全部少女にとっては一瞬のうちに起こった事。】
【その場の状況を瞬時に理解できるほど、少女は鋭敏な感性の持ち主ではなかった。】

【しかし、それでも、流石に銃を持った男がコンビニに居る=強盗であることは理解できたようで】
【今更「うわあ、強盗!?」と、本当に今更な事を言う。暢気というか悠長というか……】

【だが、そこからの行動は悠長だとか暢気だとかを通り越して、あまりに意外なものだった。】
【一回棚に隠れたかと思った少女は、すぐに棚から身を乗り出し……―――両手を広げて、棚の上に立った。】

キミっ!今のうちだ!!

【間違いなく、少女に弾が集中することだろう。すわ、蜂の巣か……いや。】
【―――どれも、ことごとく、体を通過していた。まるで幽霊でも相手にしているかのように】
【弾が体を通り過ぎているはずなのに、傷もつかなければ弾の軌道も変わらない……?】
【原理はともかく陽動としては完璧だ。攻撃の効かない相手に攻撃しているのだから。】
【少女は、大声で叫ぶ。――――あれ?今、声自体は棚の後ろから聞こえたような。】
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 21:47:07.32 ID:f9W3sFXZO
>>484
【身構える二人に容赦なく降り注ぐ凶弾たち】
【それより早くランドセルから取り出したのは、……下敷き。ブラウスとペラペラで透明のピンクのやつ】
【安っぽいプラスチックに見えたそれ。しかし少女が掲げると、不思議と空中に固定され雨あられの弾丸を阻む】
【その最中、止める間もなく飛び出した陰に少女は再度目を見開くこととなった】

おぉ!? よく分からんけどサンキュー!

【状況を理解するが速いか、ローファーが床を打つ】
【後方で注意を引く彼女を守るように、下敷きのシールドが広がる】
【彼女のお陰で、自分への攻波はにわかに減った。一瞬だがそれで十分。頭上の弾丸を容易く掻い潜り】
【後掃腿――水面蹴りで二人の足を払う】
【レジへ倒れ込んだ頭を各々片手で掴み、互いにがんと打ち付ける。強盗たちの意識は速やかに沈んだ】
【掌でスカートの埃を払い、店内を見渡す。蜂の巣になった棚からは破裂したスナックやペットボトルが転がり台風の後のようだった】

おーい、無事か?
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 21:50:37.67 ID:bqMDAnib0
【商売の活発なその街ではこの時間にも関わらず、多くの人々が行き来していて】
【――屈強な男や如何にもといった風の女。昼の顔とは打って変わり、どことなくアウトローな雰囲気】
【……そして、その場だからこそ、少女の存在は浮いていた】


「へぇ……違法薬に禍々しい武具……噂に違わず中々面白い物を売っているのね……」

【ローブを纏い、スッポリとフードを被っては居るけれどその背丈や体つきは誤魔化せず】
【キョロキョロと物珍しげに辺りを見ているのだから尚余計に目立つ】
【――中々に高価そうな弓を肩に掛け、二振りの短剣を腰に提げては居るが】
【……そんな姿をして居ても、やはりこの場では浮いている】


「――喧嘩、かしら。やけに五月蠅……っと?!
ちょっと!!危ないでしょ?!」

【突如始まった乱闘騒ぎ。品に関する押し問答が原因である事は明白だが――少なくとも、巻き込まれ掛けた少女には関係のない話】
【フードが外れたならば青色の髪が露わとなって、同時に朱の双眸も見える事だろうか】
【殴り飛ばされた巨体に押しつぶされそうになれば咄嗟に避けはするけれど】
【――暴力の波は広がり、彼方こちらで諍いが起き、やがては大乱闘へと発展することか】
【……罵声、呻き、流血。様々な物が行き交う中に、少女が一人。――良くも悪くも、よく目立つ】
487 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/21(水) 22:00:34.26 ID:84/SSnzD0
>>485

【ガンッ、とひと際大きな音。それを最後に、銃声が鳴り響いていた店内はシンと静まり返る。】
【どうやら、事態は収束したらしい。無事……とは店内の様子を見る限り言えないが、それでも】
【死人や怪我人は出なかったようだ。それだけでも一安心と言えるだろう。】

【そして。ずっと棚の上で両手を広げたままだった少女は、事態が収束すると】
【それこそ幽霊のように、ぼやーっと薄くなって消える。それと同時に、棚の下からひょっこりと】
【全く同じ姿かたちをした少女が、安堵の表情と共に顔を出す。どうやら怪我はしていないようだ。】

うぁー……とんだ目に遭ったよ……。
色々訊きたい事はあるけれど……うん。とりあえず、僕は大丈夫。

キミは無事かい?ふふ。凄い戦いっぷりだったなぁ……!まるで、ヒーローみたい!
あ、いや。ヒーローじゃまずいか。ヒロイン?どっちにしても、カッコ良かったよっ!

【色々訊きたいのはこっちの方だとツッコミが飛んできそうな事を言いながらも】
【大立ち回りをやってのけたばかりの貴女の安否も気遣って。無事ならば「そっか、良かった」と微笑む。】
【それから、目を輝かせて貴女の戦いっぷりを褒める。まるで、ヒーローショーでも見たばかりの子供のよう。】
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 22:23:49.93 ID:f9W3sFXZO
>>487

【棚から姿を見せる彼女】
【どうやら自分の力がなくとも、無傷であったようだ】
【タイミングが悪かったとはいえ、無事切り抜けた事に安堵が漏れる】

ん。ま、私は大丈夫。弾丸位じゃ死なないし。
うーん、複雑……つうか嬉しくねぇー……。

【幸い自分にも怪我はない。心配する声に軽く手を挙げ、近くへ寄る】
【ヒーローとの誉め言葉には眉をしかめ、コンパクトを畳む】
【すると小学生の姿は消え、明滅のあとには草臥れたスーツの女が戻る】

あ゛ぁ〜〜、腰にくる……
災難だったわね。まあありがと。
さっきはあんたの幻覚の能力? で助かった感じだわ

【途端気が抜けたように、文字通り別人のような姿】
【急に襲い来る変身の負担に顔をしかめ、腰をさする】
【眉根を寄せながらも片手で、相手の頭を礼を込めて軽く叩こうとするだろう】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/21(水) 22:26:46.58 ID:kqBclwhQ0
>>486
【喧騒と怠惰。あらゆる汚濁と悪辣がむせ返る夜の街】
【あちらでは違法薬物が売買され、こちらでは人間の部品が売買され、法など一つも存在しない世界】
【其処にふらりと現れた十代半ばに見える少女。豪奢なドレスに身を包み、鴉の羽根の如き外套はさながら夜の女王】

(全く……いつになっても、ここの豚共は進歩しないのね)
(考えることを知らないのかしら? 豚はより上を目指すことをしないらしいわね。あら、やっぱり豚だった)

【少女の目的は一つ。実験に必要な材料を集めること。例えこのような場所でも、そこそこに使える物が見つかることは稀にある】
【殆どが失敗作のままに終わっていく運命だが、それでも実験を繰り返さなければ良い結果を得る事は出来ない】
【故に彼女は新たな材料を求めそぞろ歩く。時に人であろうと買い上げる。自分好みに飾り立て、上手くいかなければ作り直す為に】

【やがて、露天商を漁る少女の元にも乱痴気騒ぎが届き始める。彼女は騒ぎを起こす者達を忌々し気な表情で一瞥し】
【なるだけ騒動の端に行くように歩き始める。その途中、視界の端に違和感のある物を捉えた】

あら……?

【この騒ぎの中、誰に触れることも、触れられることもなく其処に居る¥ュ女が一人】
【明らかに異質。このような場所に来るような人種では無いだろう。それなのに、この状況の中取り乱すことなく、そこだけが別世界の如く在る】

(面白そうね……ただの豚より高級な豚の方が良いわ)

ねぇ貴女。そう、そこの貴女よ
こんな所で何をしてるのかしら? ぼうっとしてても巻き込まれるだけよ。私ともっと良い所に行きませんこと?

【陶磁の肌は白く、紅玉の瞳は赤く、蠱惑的な笑みは化生の如き気配を放つ。怪しげな雰囲気を放ちながら、少女の前に躍り出た】
490 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/21(水) 22:44:32.98 ID:84/SSnzD0
>>488

えへへ……そっか。うん、それなら良かった。
正確には幻覚じゃないんだけど……うん、細かい事は今はいいよね。
嬉しくないの?弾丸を跳ね返して小さな僕を救うなんて、ヒーローそのものじゃないか!
そんなキミの助けになれたなら、僕はそれだけでも嬉し……って、―――わ。

【―――変身が解除されると、そこには先ほどの姿とは似ても似つかぬ……と言っては失礼になるかもしれないが】
【とりあえず、若さという点においては全く違う(やっぱり失礼)姿の女性がいた。】
【目を細めながら、貴女に軽く撫でられつつ……そのびっくり変化と言葉の内容に、またまた目を輝かせる。】
【その子供っぽいちんちくりんな姿からすれば、相応の反応と言ってもいいだろう。】

……わ。同じ、人?さっきと同じ人?
凄い、凄い!一体、どうなってるの!?ね、ね、教えて!キミ、一体どういう人なの?

【ぴょこぴょこ跳ねながら、大きくてつぶらな瞳で興味津々と言わんばかりに見つめる。】
【嵐のような強盗の後は、嵐のような質問攻め。草臥れた貴女にとっては堪えるかもしれないが】
【でも、人畜無害な分強盗よりはずっとマシだろう。答えてあげられるなら、きっと大人しく聞くだろうし。】
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 22:54:05.98 ID:bqMDAnib0
>>489
【肩がぶつかった。その程度から起きる争いなどたかが知れている】
【暴力はエスカレートする一方、略奪だといった事も起きるだろう。店主が品を守ろうとして野蛮な行為を行うのも必須】
【巻き込まれた側からすればたまったものでは無い。更には女、ともなればこの騒ぎに乗じて拉致されるのも可笑しく無い】
【――それ程までか弱い少女ならば、だが】

「アンタ達、好い加減に――ッッッッ!!」

【無関係を装うのも限度。少女の右手に集うのは、大凡生身の人間数人を‘蒸発’させるには十分の魔力】
【今まさにその刃を振るわん、とした所……その声だ】
【予想外だったのだろう。声を掛けられる、というその事自体が】
【主の方へと視線を向ければ……これまた、意外そうな表情を浮かべて】

「何をしてるかって……珍しい物があると聞いてたから旅の途中で寄ったのよ。それも数分前までの話。今はこの通りだけど
……先に言って置くけど、アタシにソッチの趣味は無いわよ
―――けど、まあ。こんな状況だったら何処に行っても此処よりはマシね」

【最早露店としての機能は失せた。ならば、暴力だけで埋められたこの場所に用は無い】
【右手に集っていた魔力を飛散させると、改めて声を掛けてきた女へと視線を移す】
【自分と然程歳が離れている様には見えないが、その身形は別世界に生きる者だろうか】
【この場所とは異なるも――でも完全に切り離された場所では無い。若しくは此処に通う男達を食い物にする様な】

「どうせもうする事も無いし、お誘いには乗ってみるけど――先に聞かせて頂戴?
もっと良い場所って言うのは何処を指しているのかしら」

【ただ適当に客を取り、後で法外な値段を請求するような相手だったらその場で叩き潰せば良い】
【……しかし、目の前の少女は其れ等とは異なる様にも思える。だからこそ、警戒したのだろう】
【下手をすればこんな場所など比較にならない場所に連れて行かれても困る、と】
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 23:03:21.12 ID:f9W3sFXZO
>>490

やぁよ、恥ずかしい
いい歳してヒーローごっこは、心がくさくさする感じだわ

【悪党を懲らしめるのはこれが初めてではないらしく、ずれた眼鏡を直す顔は平静そのもの】
【寧ろ誇るとは正反対とさえ見える態度は、すれた年月を物語るように。顔の横の枝毛を指でうんざりと弾いて】
【輝きを増す少女と反比例して、女の目はみるみる淀んでいく】

マジ勘弁して……明日朝イチで会議だから、今度にしてよ
てかあんた、遅いんだから早く帰りなさい
言っとくけど送んないからね

【一仕事終えればにべもなく。我に返った顔で扉を差す】
【確保していた買い物が棚の下敷きになっているのを見とめ、渋い顔で無事な菓子パンを拾う。奥に縮こまっていた店員に硬貨を投げて寄越し】
【それを掴んで出口へ向かう。言葉通り、騒動の後始末までやり遂げる気概はないようで】
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/21(水) 23:19:18.63 ID:kqBclwhQ0
>>491
【少女が解き放とうとした魔力を鋭敏に感じ取る。彼女自身も魔術の使い手であり、魔力の流れを感じ取る能力には長けていた】
【その彼女を以てして、十分だと思わせるだけの魔力量。やはり、眼前の少女はただの好事家などでは無いのだろう】
【魔力の質も十分。大した収穫など無いと思っていたが、存外に大きな収穫が得られそうだった】

あら、それなら私と同じね。私も珍しい物が無いか、特に使い勝手の良い物を買いに来るのよ
うふふ、私はどうかしらね? けど、こんな煩い所よりはずっとマシよ?

【ふと、何処からか花瓶が飛んでくる。こんな殺風景で下卑た場所に花を飾る趣味を持つ者がいるとは思えないが】
【其処にあると言う事は何処かに飾られていたのだろう。本来の用途からかけ離れ、宙を舞っている状態ではまるで意味を為さないが】
【彼女は掌からぬるりと這い出た蛇の如き赤黒い鎖で花瓶を弾き落とす。誰かに押し倒され、気絶している男の頭に落下した】

此処、沢山のお店があるでしょう? 私がよく行っているお店も一つあるのよ
其処だけはまだマシなお茶が飲めるわ。心配しなくても、普通の喫茶店よ? 私が贔屓にしてるんですもの

さぁさぁ行きましょう?

【事実、彼女が案内しようとしていたのはただの喫茶店。裏路地を進んだ先にある、小さく古ぼけた喫茶店】
【艶のある白髪と髭を蓄えたマスターの経営する、正体不明の者達が集う喫茶店】
【彼女に案内されるが儘に着いて行けば、五分程で辿り着くはずだが、果たして警戒心の強そうな少女の反応は如何に】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/21(水) 23:25:46.62 ID:sdlt0zZeo
【水の国・カフェ―――テラス席】

【休日の昼下がりともなれば、大通りから近くにあることもあって繁盛しているようで】
【店内の席はほぼほぼ満席。春を感じる気候にテラス席もいくつかの空席を残して埋まるほど】
【穏やかな陽気と、賑やかな活気。そんな空気が流れていた】

【……ただ、少し空気の違うエリアもあった。そんなエリア、四人席に座っているのは一人の女】
【一つ結びにした銀色の髪と、濃紺のパンツスーツ。細いフレームの眼鏡をかけた、鋭い目の女】

……こうなっては、欲に塗れた船も少しは綺麗に見えるものだな。

【テーブルの上に置いた新聞紙、開いた記事の写真には、朝日を受けて煌めく氷に包まれた船=z
【眼鏡のレンズの向こう、碧の眼を細めながら、女は写真を眺めて呟いた】

【―――一人で来店した女に対し、席は四人掛け。そしてこの混雑状況】
【新たな客が案内されるとすれば……】
495 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/21(水) 23:25:48.35 ID:84/SSnzD0
>>492

【取り付く島もない、つれない態度。疲れた様子の貴女を見ると、少女は残念そうな表情をするが】
【しかし、無理に訊こうとする事はない。疲れた人をさらに疲れさせるほど、子供ではないようだ。】
【―――けれど。貴女の一言、たった一言だけは聞き逃さなかった。】

―――ごっこなんかじゃないよっ!
キミは僕の盾になって守ってくれたし、悪い人に立ち向かっていったじゃないか。
キミが行動を起こさなければ、僕は死んでいた。それは、紛れもない事実でしょ?

【透き通った瞳は、貴女を見つめたまま。出口へ向かう貴女の背中に、叫ぶ。】
【返事をされなくたって、それでいい。聴いてくれなくても、それでいい。】
【貴女の耳に届いているのなら……それで構わない、と。】

悪人と戦って、弱い者を守るのは、これが初めてじゃないんだろう?
キミが何と思おうが、その行動は……助けられた人にとっては、ヒーローそのものじゃないか。

うん。……言いたくないなら、言わなくていいよ。潔くあきらめる。
でもさ、感謝くらいは、させてくれないかな?キミは僕の命の恩人だもの。
命を拾ってくれたキミの、名前も知らないなんて……僕は、そんな失礼なこと、出来ないよ。

【ありったけの声で、貴女に届かせる。このまま、たった一度の恩と縁を切ってしまうのは】
【僕にはあまりにも辛かったから。】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/21(水) 23:29:31.59 ID:2zZNlRQXO
>>480-481

【"麻季音"──"ゾーイ"】
              【曽根上ミチカ。──】

      【──カニバディール】

【夜空に舞う淡雪が如く。──幾重にも乱舞する多数の人名】
【散弾銃の様に飛び交う其れに、彼女は暫し振り回される】
【同時に驚嘆するだろう、目の前の少女の情報処理能力に】


  【  ”之最早能力の類じゃないですか──”  】


【とすら、考える程に】


成程です、何となく整理できました、鈴音さん説明じょーずですっ!
鵺ちゃん、こういうの得意じゃないんですけどっ、するする入ってきました!
それと、メールの件も分かりました、まぁあんま分かってないんですけど

要するに大事な連絡は、直接ここに来ればいいんですねっ!
お安い御用です、ついでにお鈴ちんの無防備な脇をくすぐりますですっ
きっといい声で泣いてくれるんですよねっ!


【両手をわきわきとさせて、ふふふと笑った】


【  ── そして】


……雨になってきましたね、もうこんな時間
私は『船』に向かいます、そうですね、間も無く嵐になるんじゃないか、と
確証がある訳ではないです、でも──誰かがきっとそうするから

鈴音さん、ありがとう。貴方の言葉を元に、私なりの襷を繋ぎます。
其れが伝わったなら、私よりも、何倍も何十倍も頼りになる人達が動きます


【窓を雨粒が叩く。── 少女はブーツを履き直しながら、扉へ向かう】


  【  ”雷鳴”──少女の影が妖しく煌めいた  】

【次の瞬間にはもういない】

                【名残を残す間もなく】

     【少女は<船上/戦場>へ向かう。──】





              【  時の歯車が、音を立てて周り出した】


/お疲れ様でした!
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 23:43:59.39 ID:bqMDAnib0
>>493
【きっとこの騒ぎに何らかの一団が介して来たのだろう。同じ装備の者達も視界に入り始め】
【一層面倒な事になりそうだ――そんな溜息を漏らした其の時】
【肌で感じる細かな土の感触。数コンマ後には最小限の動きで其れを避ける体勢へと移行していたのだが】
【へぇ――。そんな声が漏らされる。何しろ目前の少女は避けるでも無く受けるでも無く、叩き落とすのだから】
【それも正攻法とは言い難い、異質な術。只の商売女とは異なる。それが確信へと変わり、同時に興味が沸いた】

「さてね、何処までが本当なんだか――でも、良いわ。此処よりマシだというのだけは信用出来るし
……ああ、そうそう。当然奢って貰うわよ?
見掛けからしてアンタはお金を人並み以上には持っていそうだし、アタシはこの通りで大したお金は持ち歩いていないから」

【別に腕に自信がある訳では無かった。それでも、この歳にしては修羅場は潜ってきた方だとは思っている】
【当然の様に、奢りでしょ?何て言えば悪戯っぽく笑うのだ】
【その後は後を着いていくのだが……】

「……結構意外ね。アンタの恰好からして、もっと豪勢なお店を想像していたけど
それとね……アンタが贔屓にして居るって聞くと何だか普通の喫茶店も普通じゃ無く思えてくるわよ
――――兎にも角にも入らせて貰おうかしら。オススメの注文、宜しくね?」

【キョロキョロと辺りを見回すも、やはり喫茶店と言えば扉を前にした此処のみ】
【思ったより庶民的だ。皮肉でも何でも無く、それは素直な感想なのだろう】
【何事も無ければ、そのまま店へと入り適当な席を取るのだけれど】
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/21(水) 23:46:52.30 ID:vupX6bmG0
>>496

【ただ――これらはあくまで共通認識の一部。そのほかにも、個人個人でそれぞれ違った情報を手に入れているだろうし】
【それらを持ち寄り組み合わせたら――また違う形が見えてくるかもしれない。だからこれはあくまで"現時点"の情報たち、並べて見せて】
【相手が持ち帰ってくれるなら――その先で、また、何か違う形にもなるのかもしれない。これらの情報は、ひとによって、きっとその形を魔法みたいに変えるのだ】

えっと――そんなこと、ないよ、あんまり……、えと。味方だって分かっているひとたち――見た目も、教えるね。
違う恰好をしていることだってあると思うけど――うん。ここに来てくれたら、嬉しいな。ああでも――気を付けてね。婦警が来るかも、しれないから。

【褒められたなら少し照れたみたいになる、それから――名前は伝えたけれど、そういえば、見た目は伝えていなかったと思い出し】
【簡単に見た目を伝えるだろう。服装については大雑把に、把握している限りの身長や身体つき、瞳の色や髪の色――そちらを重点的に、口にする】
【大事な要件の時は、ここへ――それにも頷く。なにせ自分はここに居ることが多い。ただ――手放しで推奨して歓迎できないのは、どうしても、"来る"から】

……え、あ、――えーっと、ね、びっくりするから、急には、やめて、ほしいな……。

【――――わきわきした指。ふふふって笑い声。怖い。怯えるみたいになって――お願いするだろう、年上の威厳、完全になかった】

あ……、本当だ、雨――、鵺さん、行くの? ……そっか、えっと、その――、"気を付けて"。
ほんとうにそのひとたちが、鵺さんより、何倍も、何十倍も、頼りになるかも、しれなくっても――――わたし、ね、また、あなたとお話、したいな。

――――だから、

【――本当なら、そんなことさえ言う権利はないのかもしれない。犯した罪を償うことなく、紛れて生きる彼女の覚悟は、きっと彼女らより不確かで】
【だけど――またお話したいと思ったなら、そう伝えるのだ。またねって――その言葉。雷鳴に紛れた相手には届いただろうか、それは定かでは、ないけれど】
【少しずつ雨の強くなっていく部屋の中――ひとり取り残される。ちっちゃな嵐みたいな女の子が通り過ぎて――それで、これから、きっと本当の、大きな嵐になる】

……がんばらなくっちゃ、

【小さな声で呟く――雨の音は、瞬きする間に、そんな声くらい簡単に隠してしまうくらい、うるさくなっていて】

/おつかれさまでした!
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/21(水) 23:54:11.95 ID:f9W3sFXZO
>>495

【送らないと宣言通り、それ以上の関わりは期待せず】
【少女の能力や、一人で居る理由なども聞くことはなかった】
【暴れ終えた女の頭には、既に今夜の睡眠時間しか頭に無かったのであるが】
【必死な呼び掛けには、流石に足を止めて】

はいはいアリガト。でもどうかしらね……
私がいなくても、案外何とかなったかもしれない。あんたみたいなのも居たし、お節介な奴は何処にでも現れるものでしょ。この街では。
わたしはその、上ずみみたいなもの。そんな感じだわ

【背中越しになげやりな声をかける。開いた扉から臨むのは街の夜空。曇り空は星を覆い、女の心象のように晴れ晴れとしない】
【騒ぎを聞き付けて集まりだした野次馬、そのざわめきに意識を戻し、頬を染める】
【柄にもなく語ったと、誤魔化すように髪を梳いて】

『ブラックチルドレン』。ダサいから極力名乗りたくないのよ。本名はいいでしょ?
どうせ無名だから、忘れていいわ

【苦虫を噛み潰した顔で、ぶっきらぼうに言い捨てる。足早に店の外へ】
【割れたガラスを踏まないように歩くと、パンプスの爪先に固いものが当たる】
【見れば黒い拳銃。最初に蹴り飛ばした男のものだ。しかし、持ち主の姿はなく】
【その意味を理解して溜め息。逡巡ののち、踵を返す】
【それは家路とは別の方向。見つかる如何に関わらず、女の帰宅はもう少し延びそうだった】


/これで〆させてください。ありがとうございました
500 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/22(木) 00:05:11.28 ID:N4Uszch10
>>497
勿論そのつもりよ? 私が誘ったんですもの。私が貴女の分を用意するのは当然のことだわ
あら、人のことをそんな目で見るなんて不躾よ? それに人並み以上じゃないわ。人と比べ物にならない程よ

【外套を翻し、少女を導きながらけたけたと笑う。人と比べ物にならない程と自ら語るのだ。余程傲慢なのか、それとも真実なのか】
【少なくとも、少女の奢りと言う言葉に不満一つ見せず答える程度には余裕があるようで。だとすれば真実なのだろう】

見た目だけが人を作る物じゃないわ。シックな雰囲気は人を優美に見せるのよ?
うふふ……普通かどうかは、貴女が決めることだったわね

【意味深な言葉を残しつつ、喫茶店の扉を開く。来客を知らせるベルが店内にちりんと響き、マスターの目線が此方へと向かう】
【そのまま彼女は一番奥の角に位置する席へと歩を進める。どうやら、其処が彼女の定位置のようだった】

マスター、彼女にも私と同じ物を
そうね、漸く落ち着ける場所に来たのだし、何かお喋りしましょうか。貴女、ただの旅人さんじゃないでしょう?
だってさっき、物凄い殺気を感じたんですもの。私が話しかけなかったら、何人か殺<こわ>しちゃうつもりだった?

【肘を立てて両手を組み、その上に顎を乗せる感じで少女を見つめる。言葉は恐ろしい物なのに、声音はどうにも楽し気】
【少女の返答を待つように、彼女は熱を持った息を一つ、はぁと吐き出した】
501 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/22(木) 00:14:54.06 ID:BDtxOue10
>>499

【勇ましく軽やかに戦う貴女の姿は、少女にはとてもカッコよく映った。ヒーローと言っても、全く差し支えないくらい】
【けれど……現実に擦れてしまったのかもしれない貴女から見る景色は、少女から見るソレとは異なっていたようだ。】
【ヒーローが語るにはあまりに現実的で、世知辛い言葉。吐露されたその言葉は、きっと貴女の本音なのだろう。】
【ヒーローが華々しくカッコ良いのなんて所詮は物語の中だけ、なのだろうか。現実は大したことないのだろうか。】
【ヒーローじゃない少女には、分からない。けれど……】

忘れるわけないよっ!ずっと、覚えてる。
代わりはいるかもしれないけど、何とかなったかもしれないけど。
それでも、助けてくれたのは、キミなんだから。……ね。

【足早に去ってしまった貴女に、その言葉が届くことはない。ゆえに、独り言のように】
【小さく呟いて……貴女の名前を、忘れないように。もしもう一度会ったなら、その時は】
【ちゃんとお礼を言えるように……小さな胸に、しまい込んだ。】

//はい、こちらこそありがとうございました!
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 00:15:26.50 ID:FA4FMhPV0

【とある酒場】

【夜も更け酒飲み達でごった返すフロア。ベルをカランと鳴らして入ってきたのはその場にはそぐわなそうな人物】

【月白色の肩まで伸ばした髪に同色の猫の耳と尾、白いブラウスと青いスカート、紺色のローヒールのストラップパンプスの少女】

【ちょっと不機嫌そうな、それでいて少し疲れたような様子で空いていたカウンター席に座り、少し考えてからレモネードを注文する】

【それからはカウンターに突っ伏すようにしてため息を二つ、三つ】

……ホント、何処にあるんだろうなぁ……UT……
【誰に話しかけるでもなく小さく呟き】

【周囲の酔っぱらいが面白がって話しかけるが何か考え事に集中でもしたいようで、耳を伏せて聞こえない振りをする】

【フロアは大分埋まっているがカウンター席はまだ空きがあるため誰かが来たのならば自然と少女の近くに座る事になるのだが……】


503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 00:29:57.33 ID:oKJe5Dpl0
>>500
「――アタシもよく変人だとは言われる方だけど、アンタはそれ以上に変人かもしれないわね」

【旅をしていれば色々な人物と話す機会が有る。その中でも目前の少女は上位から数えた方が早い位には……】
【人のことを言えない、と自覚もしているのだろう。注文された品が届くのを待ちながらも言葉に耳を傾ければ、そんな事かと笑い】

「そうね。きっと何人かはこの世界からさようなら、だったもしれないけど……別に私は道徳を説くお説教なんて聞く気は無いわよ
アンタはそんな事を説く様な人間にも見えないけど
それこそ逆側。花瓶を落とした時の様子からして、マトモからはズレた位置に居そうよね
アタシがただの旅人じゃ無いのと同じ様に――アンタもただの水商売人では無いのでしょう?」

【そもそも、少女の誘いを受けたのは気に掛かる事があったからだ】
【アレだけの中で、態々自分に声を掛けてきたその理由。物を探しているのであれば、騒ぎになったその時点で離れてしまえば良い】
【突発的に巻き込まれた風でも無い。それにも関わらず、あの場所に居たのは――】

「……それを聞くためにお茶会に誘ったなら、悪いけれど大した情報も得られないわよ
理由が有るとすれば邪魔だったから。殺人狂じゃ無いから誰彼構わずに殺す訳じゃ無いけど――別に、あの場に居る人間なら大抵消えても誰も気付かない程度の存在だもの」

【言葉を濁すことも無く、少女の問い掛けを肯定。複数人殺すつもりだった、と】
【遅かれ早かれ死ぬ様な者達だ。ただ原因が違うだけで】

/っと申し訳無い!そろそろ寝なければ不味く……
/持ち越し、〆のどちらにするかはお任せ致します!
/〆の場合はこの後適当にお喋りして別れたよ〜的な感じで脳内補完して貰えたら!
504 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 00:30:21.98 ID:O4EaHvL10
>>502

【また1人、酒場へと訪れる。その者は……】

「はぁー……不登校の子の気持ちがとってもよくわかったよ」

【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「生ビール1杯、あと枝豆1皿お願いね……あ、隣良いかな?」
「……しかし、君。こんな時間に1人で出歩いて大丈夫? 何かあったのかい?」

【こんな夜更けの酒場になぜ少女がいるのだろうか――なんて思いつつ】
【店員へ注文を出し、そして少女の隣の席へと座るだろう】

/すぐに凍結か置きレス移行になるかもしれませんが、それでもよろしければ
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/22(木) 00:33:17.92 ID:FYXgkiIYO
>>494

  【  ──入口の方から騒めきが起る。】

【其の主は壱つの女であつた。】  【音が抜け落ちた加の様】

【静寂に染入る、壱房の音律にも似た。──】


【衆目が喧騒を作つて、各々噺を為たり、写真を撮つたり為る】
【其れ程迄に、其の女は魅惑的な姿形を為ていて】
【──若しかすると、貴女の脳内にも印象が有るかも知れない】


ねぇお姉様、此方の席宜しいかしら、生憎相席を強要されて
私は構わないの、見目麗しいお姉様と添い遂げるだなんて、幸福なの
けれども、蝶が蜜に惹かれる様、馨しい香りは得てして多くの酔狂を引き起こすの

そうでしょう、そうなの、お姉様──
だからね、私は雑踏が嫌いなの、青を噛んでは逝けなくて
ふふ、戯言は此処で御終い。── 斯様な位に

【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性であった】

【ソプラノで唄う不思議なスケールの音を携えて】
【貴女の目の前の席に座ろうとするだろう】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 00:57:04.86 ID:FA4FMhPV0
>>504

【猫の耳の少女。見た目からして15か6くらいだろうか?】

【何かを考えているらしく青年の「隣良い?」という問い掛けには答えない。おそらく聞いていないのだろうが】

【少女が青年の存在に気付いたのはその後。青年が実際に隣の席に着いてからで】

ふぎゃっ!?へぁ……っ!?
【突然(少女からすれば)現れた青年に思わず耳と尻尾を立てて驚いてしまい】

【それでもこんな時間に一人で大丈夫かと問われれば、驚いてしまったせいか少ししどろもどろになりながらも「え、え、大丈夫なんじゃないですか多分!」と答える】

【何というか実に挙動不審な少女だ】


/了解です、よろしくお願いします!


507 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/22(木) 01:02:30.30 ID:N4Uszch10
>>503
変人ね、よく言われるわ。でも、歴史において才人と呼ばれる人は、皆変人とも言われているわ
その点で言えば、私は変人でありながら才人でもあると言えるわ

【自らを才人と呼ぶ者程、得てして傲慢であると言えるだろう。彼女は実際にそれ相応の技術を有してはいるが、天才であるかは怪しい】
【それでも、才人であることを殊更強調していると言うのは、何かしら彼女に思う所があるのだろう】

あらあらあらあら、良いわねぇ。とっても良いわ!
道徳なんて語る気は無いわ。むしろ想像した通りの子で嬉しいくらい。そうよね、豚共が騒いでいたらつい叱りたくなっちゃうわ
私だって煩い豚共を叱りつけてあげたくなったもの。当然よね

私? まさか私のこと娼婦とでも思っていたの? 
あははははっ! 面白いこと言うのね貴女。こんなに高貴な娼婦がいたら、世の中の経済が狂ってしまうわ

【圧倒的なまでの自信。尽きることが無いかのようなその自信は、傍から見れば呆れる程のもの】

それだけじゃないわ。ちょっとだけ、貴女と言う人が欲しいの
端的に説明するわね。まどろっこしい話嫌いなのよ。貴女、お金を貰って仕事をするなら善悪は問わない?
もしそうなら、いつかその日が来た時、私に協力してほしいのよ

【ばっさりと話を切り出す。唐突ではあるが、旅人を連れて来た理由としては有り得るもの】
【そして、注文された品がテーブルに置かれる。薫り高い珈琲に、しっとりとしたシフォンケーキ。地味な様に見えるが、どちらも使われている素材は上質な物だった】

/了解しました!それではここで凍結させていただきますー
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/22(木) 01:03:49.86 ID:PJ3JNwRgo
>>505

【喧騒が耳に届く。だが女は、特に気に留める様子もなく、コーヒーを口にして】
【そうしていれば、目の前に現れる影、かけられる声。目に映るのはどこかで見たような貌―――】
【あれは何年前だったか。テレビか何かで見た記憶。あまり興味のない話題だったのだろうか、記憶を探る手は答えに辿り着かない】

……随分と大仰な物言いをする。―――座るのなら、好きにすればいい。
店舗側が相席を指示したのであれば、私に拒否する理由もないのでな。

【未だにこちら側へ集まる視線。相手は知己でもなければ、今の自分は第五列≠ナはなく一介の弁護士】
【余計な騒ぎを起こすのは気が向かず、無神経に切られるシャッターに捉えられのも気に障る】

まあ、騒がしいのが嫌い、というのは同意見だ。
尤も―――原因の一つは君自身なのだろうが。

【―――新聞を開く。こうすれば、少しくらいは顔が隠れるだろうか。】
【『魔限法』『特区制定』そんな文字が、開いた紙面には躍って】
【一面を大きく彩る朝焼けのセレンディピター号が、彼女の方へと向けられていた】
509 : ◆DqFTH.xnGs [saga]:2018/03/22(木) 01:07:34.52 ID:yUUVui40O

『────よぅ。ジルベールにな、今度デートしようぜって言っとけ』


【とある機関施設。廃工場を改築し、地下に裏カジノを構えたその場所で、機関員は声をかけられた】
【ミラ・クラァケとかいう女。1ヶ月と少し前からこの施設に顔を出すようになった、少し生臭い女だった】
【短い伝言を一方的に告げると、すぐに女はどこかに行ってしまう。借金取りをしに行ったか、ディーラー服に着替えに行ったか】
【それは定かではなかったが──やれやれ。電話の使い方も知らないのか、あのタコは】
【リン。機関員はジルベールに対し電話をかける。「あぁ、ジルベールさん──あのですね」】

/SSですらないのでこちらで1レスお借りしました
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 01:08:17.20 ID:O4EaHvL10
>>506

「ありゃ、考え事の真っ最中か」

【まあ良いか、他に良い席もないし――なんて思いつつ、注文のビールを受け取って】
【まずは一口。……あまり美味しそうな表情をしていないが、別に不満があるわけでもない様子】

【憂鬱そうにため息を1つ、直後、少女が驚きの様子を見せたことに対して、彼もビールを思わず少しこぼしてしまう】

「本当に大丈夫? ――まあ、とりあえず落ち着いて。僕は何もしないから。尻尾ニギニギとかもしない」
「しかし、そんなにびっくりしちゃうほど何考えてたのかな? もし悩み事なら、僕でよければ相談に乗るよ」

【ビールを置いてから、両方の手のひらを少女に見せるようにしつつ軽く前後させる。落ち着いてくれのモーションだ】
【その後、軽く微笑みながら優しげに少女へ話しかけてくるだろう】
511 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 01:22:12.05 ID:FA4FMhPV0

>>510

【自分が驚いた事によりビールをこぼしかける青年。それが目についたのか、えっ、そっちこそ大丈夫ですか飲み物!などと更に慌てる少女】

【しかし、落ち着いてと言われどーどーというハンドサインをされると、あ……すみません……と頭をペコリと下げる】

【そして悩みがあるなら聞くよなどと言われれば、ひどく真剣な表情になり、レモネードを一口飲み】

……あの、UNITED TRIGGERってお店がこの界隈にあるって聞いたんですがどの辺りだか知りませんか?
その……二時間以上探してるんですが全く見つからなくて……
【真顔でそう尋ねる。どうやらこの少女、UTを探して迷子になっていたらしい】

【多分探し方が悪かったのだと思うのだが】



512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/22(木) 01:23:43.90 ID:FYXgkiIYO
>>508

【硝子細工に彩られる知的な双眸、嗚呼知つてゐると彼女は云う】
【機関に与する人間として、貴方も私も顔と数字ぐらいは記憶しているのだろう】
【故に紡がない、其れは歌う必要の無い置字が如く】

【無音の旋律に無拍を込めた様に】


ふふ、だーって、唯座るだけじゃつまらないもの
曲輪は愛を込めるの、其の所作壱つ貮つに、悠然たる愛を
お姉様ならきっと分かってくれるの、其れが美しく愛される為の掟

鶯嬌な聲に愛を結んだなら、其れは真実ではなくて?
えぇきっとそう、だからね、だーかーらっ
一緒にしてもらったの、もらえたの、かしら


【詩的な言葉、貴方ほどの聡明さであればその中から意図を汲み取る事は容易い】
【無表情に僅か染まる頬の色、ご一緒出来て嬉しい、と】
【なんのことは無い、好意を示す、それだけの事】


あら、其れはお姉様にもあるの、私だけならそこまで目立つ事でもないの
でもね、お姉様も合わせると、其れは最早必然になって
貮つで壱つ、偶には貮人で伽ぐのも悪くは無いでしょう?

──『法律』変わっちゃうのね、カチューシャは、よく分からないけど
ねえ、お姉様、教えて頂ける、之がどういう事なの、か
専門でしょう?お姉様の


【両肘を机に置いて、軽く顎を預ける、長い髪が腕を染める】
【じいつと貴方を見つめ乍、紡ぐ言葉は不思議そうに】
【届く言葉の宛先に、帰る答えの意味を待つた】


/すいません!今日はこれぐらいになりそうです!
/後は置きレス移行宜しいですか?
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/22(木) 01:29:08.06 ID:PJ3JNwRgo
>>512
/了解です!置きの方にお返ししときますー
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 01:35:49.57 ID:O4EaHvL10
>>511

「あ、僕は大丈夫。お金はクソ上司からせびればいいし、ちょっとくらいこぼしても平気だよ」

【すみません、台拭きください――そして出された布で溢れたビールを拭いて】
【それからまた、ビールを一口、二口……もう少し美味しそうに飲めないものか】

「……あー、UNITED TRIGGERね、うん」

【渋い顔を見せる彼、そしてビールを一気飲み。その後、ビールの追加注文。完全にやけ酒スタイルだ】

「知らない……なんて言える立場じゃないから困ったなあ」
「どうしようかなー、ここから歩いてそこそこのところにあるんだけどなー」

【そして、ブツブツと独り言……まあ、十分少女に聞こえる声量だが】
【場所は間違いなく知っている様子だ、しかしどうも乗り気でない】
515 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/22(木) 01:39:33.22 ID:FYXgkiIYO
>>513
/ありがとうございます!ではよしなに!
516 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 01:55:13.69 ID:FA4FMhPV0

>>514

【相手から大丈夫だと返されれば少女はどこかほっとした表情を浮かべる】

【そして、UTの場所の話をした途端青年の表情が渋いものになるのを見て少女は首を傾げる】

……?貴方も場所を……
【知らないんですか?と言いかけた時に青年の口から発せられたのは「知らないとは言えない立場」なんて言葉で】

【あれ?それじゃあ知ってるんじゃん、などと思った刹那青年が続けたのは「ここから歩いてそこそこ」なんて少々曖昧な説明】

や、その歩いてそこそこ〜ってのが分からないんですってば!
大体何なんですか!「シュッといってキュッと曲がってドドドッといった辺り」って!
【具体的に言ってよ駅員さん……と少女は長いため息を吐く】

【しかし青年があまり乗り気では無さそうな様子なのを見ると】

……あの、もしかしてUNITED TRIGGERと何かあったんですか?じゃなかったらその……失礼ですけど機関の方……とか?
【少し不安げな様子で青年に尋ねる】


517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 02:03:57.76 ID:O4EaHvL10
>>516

「うん、大丈夫、そのうち見つかるから。びゃーって行けばあるから」

【見つからずここに辿り着いた少女に対してかけられる非情な言葉】
【……続く彼女の言葉を聞いた後、二杯目のビールを一気に飲んで、そして口を開く】

「……機関はむしろ敵だよ。うーんと、なんて言えば良いのかな」
「一応UTに所属してたんだけどね、自己都合で2回ほどUTから失踪してるんだ。去年退団届けも置いてきたし。だから帰りづらいというか……」

「……うん、でもまた戻らないといけなくなってたんだ。ゴミ上司のせいで」
「だから、君はある意味でグットタイミング。……うん、悪者じゃあないなら連れて行ってあげる」

【多少酔いが回って口も回るようになってきたか。ともかく、彼に誘導されるか、あるいは場所だけ聞くか――】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 02:21:58.28 ID:FA4FMhPV0

>>517

そのうちって……びゃーって……
【二時間くらい迷ってたのに……と苦笑する少女。何なの、風の民冷たくない?などと心の中で突っ込みを入れる】

【そして、青年がUTにいた事、UTから何度か離れている事、そして帰るに帰れないという事を聞けば】

……じゃあ、お兄さんは正義の味方だったって事なんですね!
【かっこいいなーそういうの!と無邪気に笑う】

【そして悪者じゃないなら連れていってあげると言われればパッと顔を綻ばせて】

だったらお願いします!連れてってください!
【などと頭を下げる】

【そうしてふと思い出したように】

……そういえば名前、まだ聞いてませんでしたよね?
私、銀ヶ峰つがるっていいます!
【と名乗る】



519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 02:31:42.09 ID:O4EaHvL10
>>518

「……うん、一応ね。あんまりカッコいいとか言われると照れるなぁ」

【――とは言っているが、実際に照れている様子は見られない。少しばかしの影を落とす】
【そして3杯目のビール。一気飲みばかりしてると急性アルコール中毒にでもなりそうだが……今のところは、大丈夫】

「うん、本当に悪者ならもう少し演技っぽさがあるもんね、多分」
「いいよ、案内するね。歩きたくない時は言って。"乗り物になる"から――」

【お客さん、枝豆は? あ、誰かにプレゼントしてください。――そんなやり取りの後、支払いを済ませる彼】

「僕は――そうだね、今は"レオーテヴュート"って名乗ってるんだ。まあ、特にUTに対しては"ユウト・セヴォラインディ"って言った方が通じるかも」
「好きに呼んでもらって大丈夫だよ」

【そして、彼は立ち上がる。フラフラしている様子はないため案外酒に強いのかもしれない】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 02:57:09.63 ID:FA4FMhPV0

>>519

【照れる、などと口にしてビールをあおる青年。あまり嬉しくないのだろうか?などと一瞬思案するも先程彼が言った何度か離席しているという言葉が浮かび、そういう事なのかと何となくだが理解する】

【そして、相手が案内してあげると言うと礼を言うが】

……乗り物?
【青年の口から出た言葉に思わず首を傾げるつがる】

【乗り物、乗り物とは何なのだろう?彼女は身近な"乗り物"の姿を思い起こす。とはいっても名前の響きから察せられる通り彼女は櫻の国出身だ。考え付ける乗り物といえばまあ偶蹄類のあれやこれな訳で】

……あー、四つ足の動物に変化する能力なんですね!
【当たってるでしょ?と言いたげにちょっとどや顔をする少女】

【そして相手が会計を済ませている間に自分もレモネードを一気に飲み干して次に会計を済ませる】

レオーテビュ……ビュ……ユウトさんですね!よろしくお願いします
【その後に告げられた相手の名前。どうにも上手く発音が出来なかったようで最終的には諦めてユウトの方で呼び始め】

【ではお願いします!と椅子から立ち、ユウトについていこうとする】


521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 03:08:33.09 ID:O4EaHvL10
>>520

「ふふ、どうかな?」

【――不正解だ、とは暗に言わず。けれども、何となく雰囲気で察せるかもしれない】

「よろしくね、つがる。」

【にこり、と、微笑みながら返す。その後彼は外に出て、辺りに人がいないかを確認した後】

「最近何とか法で能力者に厳しい目を向けられがちになっちゃったのが困りものだね」

【彼の姿がみるみる内に変化していき……そして、背中に一対の翼を持った長さ5m程の東洋系の龍にへと変身した】

【金色の眼に、サメの様なヒレが頭部にあり、赤い身体に黄色の腹部、黒色の爪や頭部から生える2本のツノ】

【頭部と両腕には赤い鉢巻が装備されていて、マグマのように朱色で軽く光る模様が全身にある】

「そして乗り物の正解は龍なんだ、残念。……乗り物自身が酔っ払ってる時は飲酒運転じゃあなくて整備不良だっけ?」

【――彼女が背中に乗れば、そのままUTに向けて飛んでいくだろうし、歩いていくと言えば変身を解いてUTに向かって進み出すだろう】
【どちらを選んだとしても、彼が最初に言っていた通り歩けばそこそこの距離で辿り着く】
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 03:31:28.78 ID:FA4FMhPV0

>>521

【どや顔で答えるつがるに笑って返すユウト。違うのかな?などと彼女は考えながらユウトの行動を見守る】

えーっと……魔ナントカ法ですよね
私なんかはこんな姿だけど能力は別にあるからもし──
【言いかけた言葉が止まる。目の前の人物が変身したのは龍。少女の目はみるみるうちに輝き】

────ごい……

凄い……凄い!本物の龍なんて初めて見た!
こういうのって滅多に人前に姿を現さないっていうから……
【乗っても良い!?と興味津々な表情で問いかけるつがる。良いと言われればおずおずとその背に乗るだろう】

……でも何だか嬉しいなあ……此方に来てから人間に変化する妖や神の御遣いの類いって見た事なかったから……
【そして道中、彼女はそう呟くだろう】


523 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 03:44:19.63 ID:O4EaHvL10
>>522

「そうそう、魔の制限の何とかかんとか。まだ可決はされてないみたいだけど」
「色々面倒な感じの裏があるらしいからどうなるのかなぁ」

【全く名前を言えていないが、とりあえず同一の法案を思い浮かべているのに間違いはない】

「初めて珍しいって言われた気がする。そう言えば、基本的に戦闘中に変身してるから皆反応する余裕ないんだろうね」
「ふふ、でもね、僕は龍じゃあないんだ。龍にも変身できる能力。他にも色々変身できるけれども――」

【それはまた後で。――少女が背中に乗れば、若干の蛇行運転でUTまで飛んでいく】
【建物の上を飛ぶということもあって歩くよりはよっぽど速い。少女が落ちないように気をつけながら、そこまで飛んでいった後……】

「よし到着。ここがUTの事務所。夜だから皆寝てるかな?」

【UT事務所の前にへと着陸する。表向きは店であり、もし扉に鍵がかかっていたとしても彼が開けるだろう】
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 04:29:56.27 ID:O4EaHvL10
>>523
/すみません、一旦落ちます!
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 13:10:59.37 ID:FA4FMhPV0

>>523

【目を輝かせるつがるに笑い、自分は龍ではなく龍以外にも色々な変身が出来る能力なのだと言うユウト】

【その『色々な変身が出来る』という言葉は彼女に狐狸を思い起こさせる。在りし日の母によれば彼らないし彼女らは美男美女どころか大入道から金子の精、龍から蚤まで変幻自在なのだとか。まあ実際は変異すらしていない野生の狐狸にしか出くわした事がないのだが】

【そんな訳なので人に化ける自分の種族(半分だけど)に似ているな、などと何やらユウトに親近感を覚えてしまう】

【そうして龍の背に乗り暫しのフライトを楽しんだ後にUTの事務所へと到着し】

……あー、じゃあ明日になっちゃうかな……
【夜だから皆寝ているかもというユウトの発言に対しポツリと呟く】


【そしてもし扉に鍵が掛かっていたとしてユウトがそれを開けようとしたのならひどく焦った表情で「え、勝手に入ったら大変ですって!」などと注意する】


/すみません……寝落ちしてしまいました
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/22(木) 15:54:30.37 ID:Ko8F9STP0
>>525

「大丈夫、カノッサ機関員とかじゃあないから勝手に入っても問題ないよ」

【そう言いながらドアを開けようとする彼。少女が背から降りた時点で人間の姿に戻っている】

「おーい、セリーナぁー。女の子連れてきたよー、もふもふしてあげてー」
「ありゃ、ドアが分裂した。焦点がブレてるね」

【がちゃがちゃがちゃ……運動したことで酔いが回ったのだろうか】
【酔っ払って家に帰ってきた親父のように、UTの入り口のドアを扱う】
【(多少手荒くドアを扱ったところで壊れはしないだろう、たぶん。)】

「うん、ダメみたい。ごめんね、やっぱり明日になっちゃう感じかな」
「この辺りは結構良い宿とか時間潰せるところとか色々あったと思うから……うん、場所だけ忘れなければ大丈夫」

/お気になさらず!
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 16:50:30.94 ID:pTmHduL10
>>478

【店内に響き渡るドアが勢いよく開いて番や木製のウェスタンな感じのドアが軋む】
【そして勇ましい、気合の入った一声。響いては、店内に反響する声も自然に収まっていき】
【もともとかかっていた店内のBGMが静寂にならないのを既で止める。店内に居た人やカウンターの少女も】
【頭け動かしてそのやかましい出入り口の二人組みを見たが、客はまた静かに新聞に目を落とした。】

……あら、敵ですか?…ちょっと待っててくださいませ。えっと…拳銃は…っと

【少女はカウンターの下にしゃがみこんだ。入り口の2人からは消えたように見えるだろう。次に頭を出したときは】
【カウンターのしたにしまっていた緊急用の自動拳銃を握りしめていて。次にする行動は教科書通りの3ステップ】
【装填して、セーフティを外し、狙いを定める。少女は流れるように一連の動作を終えると】

ごめんなさい。おまたせして。練習以外で撃つのは初めてだから。
それで、どちらからいらした敵ですか?目的は?
ああ、まあ。殺すつもりはないので後でもいいですよ。代わりに海馬に直接電極ぶっ刺して、記憶引っこ抜かせてもらいますね。

【丸い大きな黒の瞳には驚きも怒りもない。淡々と、やるべきことをしなくてはならないという覚悟の悟った目をしている】
【麻季音は、自分でも驚くほどに落ち着いていた。なんでだろう。ぼんやりしていて急に来たからだろうか。】

あ…でも、私、UTの人じゃないからなんかそういう…私怨?的なやつはご勘弁したいわね。


/すみません…遅くなりました。もしもよろしければお願いします。
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/22(木) 17:17:27.85 ID:miNtO409o
>>527

【無駄な大声を出して入ったせいで当然、注目が集まる。その視線は痛かった】
【入ってきた二人組は一瞬経ってから自分たちの行動が奇行に分類されるであろうことを悟り】
【お互いを視線で見合っていた。顔が赤いのはきっと夕暮れのせいではないんだろう】

…………失敗したな

『そ、そうだな』

【後悔しても時すでに遅しというやつだったが、問題はその次だった】
【アホなやつが来た的な視線を客が向けてくるのはまだいい。いや良くないが】
【しかしカウンターにいた少女がしゃがみこみ、次に出てきたときにはその手に拳銃を持っているのはマズすぎた】

わぁあああああああっ!!

『ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待てっ!!』

【スーツ姿の青年の方は絶叫。少女の方が彼の前に素早く出てきて】
【つまりは射線を塞ぐ位置に移動してから、大慌てで両手を前に突き出してぶんぶんと横に振る】
【少女の背後で守られている青年は降参するように両手を挙げる。左手にはアタッシュケース】

確かに大声出したのは俺たちが悪いけど!!

『海馬に電極ぶっ刺すとか怖すぎないでしょうか!?』

【拳銃を構える少女のあまりにも恐ろしい宣言に二人揃って涙目に】
【それからは「敵じゃない!」とか「ただのお客さん!」とか「UTに用事が!」とか】
【色々と必死に、それはもう必死に叫んでいた。店への迷惑は、まぁ、考えられてない】

//お待ちしておりましたよー!
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 17:32:55.26 ID:pTmHduL10
>>528

【カウンターの少女は目をギィっと細めて拳銃を両手でしっかり持ち初心者丸出しの構えをしていた】

ちょっと!動かないでもらえます?まだ動く的で練習したこと無いのよ。そんなに動いてたら当たらないじゃない!

【少女は能力者でもなく武術を身に着けているわけでもなく拳銃もここ最近撃ち方を習っているレベルだ。】
【拳銃にも当てはまるかわからないが、自動車の運転だって長時間大型を乗り回すプロよりも街乗りの下手な素人の方が】
【案外、取り返しのつかない事故とかさせがちである。】

そもそも、これぐらいのことは想定しておくべきだったわ。大丈夫だって言ってたけど、自衛くらいはある程度できたほうがいいはずよね。

【独り言のように言う。UTは正義の民間組織の有名所だ。いつ襲撃が置きてもおかしくない。それに今は個人的にも疑心暗鬼な時期なのだ】
【この人達みたいにおおまっぴらな敵のほうがむしろありがたい。…しかし、どうも様子が違う。けど、信用はまだしていない】

じゃあ何しに来たの?セールスも警察もお断りよ!
脳の方は心配しないで。痛くないはずよ。痛いなんて感覚も脳が作り出したイメージでしか無いんだから。多分、安全よ。きっと。

【弁解の余地があるなら早めに誤解は解いておいたほうがよさそうだ。下手に刺激すると誤射でも撃ちかねない相手だ。】
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/22(木) 17:43:39.90 ID:miNtO409o
>>529

【「当てないで!」とか「下ろして!」なんてことも叫んでいたが】
【一向に敵視をやめてくれないので、これでは埒が開かないと思い】
【ひとまず叫ぶことはやめて別の路線でいくことにした】

お、俺たちは人を探しにきただけなんだ!

【肯定するように少女の方がうんうん頷く】
【その後、青年の方が続きを言おうとして口を開こうとする】
【するのだが、二の句が何故だか告げない。言葉が出てこない】

【代わりに出てきたのは「あ」とかいう間抜けな声だった】

……………………な、名前、知らないわ

【どうやらこの青年、人探しにきたというのにその人物の名前を知らないようだった】
【馬鹿丸出しもいいところだったが、本当の本当に事実なのでどうしようもない】
【お仲間の少女でさえも『えぇ……』と呆れ顔だった】

……………………
………………………………とにかく許してください……!

【最後には最早命乞いのような言葉を言うのが限界だった】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 18:00:42.56 ID:pTmHduL10
>>530

人探しぃ?………人探しねぇ…

【うーん…と少女は首を傾げて、目を細めて二人組みをじーっと見てくる。絶対に疑っている。】

確かに…まあ、UTだし。私も人探しでここに来たわけだしまあ…そうね。それはあるけど
でも、セリーナさんとか今居ないから…話だけでも聞けるけど

【なにか考えているようだ、独り言をいいながら少しずつ持っている腕の角度が下がってきている】
【もう少しでこの少女の敵対心がまあニュートラル迄戻りそうだったが―――!】

名前も知らない人を…何故探すっていうの?!

【ジャキッ!!っとそんな音でも漫画ならついてそうな勢いで少女はまた構え直す。麻季音は考えている。】
【探す相手…“ソラリス”を追う相手なら、私かもしれない。名前もわからない相手を本当に追っているなら怪しいし】
【咄嗟の嘘にボロを出したのかも知れない。安心するはまだ早い――――】


【そんなこんなを小一時間やって】


まあ…取り敢えずかけてください。…コーヒーでもいれますから。
あの、一応言っておきますけど。…まだ疑ってますからね。いまこっちピリピリなのはご理解して頂けたらと。

【ジト目のまま、2人を睨む。拳銃は取りえずカウンター後ろの棚の上に乗っかっている。位置的に少女のすぐ手の届く範囲だ。】
【だされるコーヒーはインスタント。紅茶を頼んでも安いパックだし、コーラは缶のままだろう。それはこの少女がそのへんむとんちゃくなだけだ】
532 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/22(木) 18:12:55.21 ID:miNtO409o
>>531

【────小一時間後のこと】

【心臓を握られ続けた二人はすっかりしょげかえっていた】
【勿論、相手の少女側からすれば当然の警戒である。事情を分かっていないこの二人が悪いのだ】
【悪いのだが、事情が分からないせいでそのことも分かっていないのである、悲しい】

…………うう

『すいません……』

【落ち込んだ二人はとりあえず適当な飲み物──青年の方は紅茶、少女の方はコーラを頼み】
【それをちびちびと飲むのである。拳銃を見ながら飲むコーラはきっと、苦い】

【さて、彼らも命がけでコントをしにきたわけではなく、ちゃんとした目的があった】
【名前を知らないというわけの分からない状態ではあったものの】
【青年の方は真面目な表情をして顔を上げるのだった】

……この店に、軍人は来なかったか?
確か、櫻の国の軍人だ

【名前の代わりに所属という情報を提示する】
【二人が探しにきたのは厳島という男だった。名前は出てこないが】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 18:29:08.53 ID:pTmHduL10
>>532

【麻季音は飲み物を出した後はいつもの席、ノートPCの前のところに座った。】
【なんとなく落ち着いてきた気分だ。2人を見つめながら話を聞くことにする】

…取り敢えず、名前もわからない相手と話すもの変でしょう?
私は初瀬麻季音。UTのアルバイトみたいなものよ。だから答えられることは限られているわ。
正式なメンバーじゃないから。それだけはよろしくね。

【パソコンを操作して、話はメモを取りながらする。場合によってはボイスレコーダーを回すこともあるが】
【どういう内容であれ、UTのメンバーには正確に伝えたい。そういう性格である。】

…軍人?

【反応から察するところには知らなさそうな口ぶりだ。大きな目をキョロキョロ動かして首をかしげる】
【居候でずっとこのUTに居ることが多いが、自身の研究と作戦にかかりっきりで余り人と会わないことも多く】
【他のメンバーも多忙だ。それに立場的に込み入った話を聞くのは憚られていた】

【少女がわざとそんな態度をとっているということもあるが、どうやら心当たりはなさそうだ】


/すこしご飯食べてきます!
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/22(木) 19:04:44.60 ID:iSss8tWq0
【街中――とある広場】
【一秒ごとに薄暗くなる空の下。生ぬるい空気はそれだけ春が近づいているのを予感させ、そしてなにより――】
【その大して広くもない広場――よく分からない謎の像が一つある以外はなんにもない煉瓦敷きの場所。それが、今宵だけは】
【うんとたくさんの色合いと華やかさで彩られて――暖色の明るさで灯る電球やランプもまた明るく、ぱああと華やぐよりも色濃く、咲き誇っているから】

――――、いろいろ買っちゃった。わあ、ぁ――どうしよう、こんなに?
でも……――お店に飾ろう。お花だらけにするの、セリーナびっくりするかな、するよね、きっと――。

【――露店営業する花屋。今宵この広場にはそれが存在した、元からそうでもない広さの広場の、その大部分を、黒色の花桶が埋め尽くさんばかりに占領し】
【その中には色とりどりの花が。世界中の花をいっしょくたにここに集めてしまったみたいに――なんて言ったら大げさすぎるけれど、そう思えてしまいそうなくらいに】
【たくさん――本当にたくさん、集められていて。色や形やもとより、様々な香りまでが満ちて。通りがかるひとも、つい、不要な花を買ってしまったりしては】
【"どうすっかな"――そんな様子で、立ち去っていくのだ。今だって、くたびれたスーツの男がひとり、多分人生で初めて、きらきらした花束なんて買ってしまって――――】

【――そんな広場の出口。ピコリーノタイプの柵で区切られる、その外側――嬉しそうだけれど少し困惑したような声がして、誰かが目を向けるなら】
【腕いっぱいになるくらいに花を抱えた少女の存在に気づくだろうか。まだあどけなさの残る顔を子供っぽく笑ませて、大きすぎるくらいの花束を、また抱きなおす】
【「仲直り、できるかなぁ」――小さな声は、けれど近くに誰かが居たなら聞こえる程度では、あった。なにせ――鈴の音みたいな少女の声は、よく目立つから】

【肩を撫でる長さの黒髪――透き通りそうなほどに白い肌はひどくあどけない造りをして、少しだけ化粧をしているらしいのが、少しだけ背伸びしたみたいに見える】
【特徴的なのは左右で色の違う眼だろうか。左がうんと黒い反面、右はまったくの色素を持たないかのように透き通り、その血の赤色をくっきりと浮かばせ】
【深い赤色のワンピース、ふわっと広がった姫袖にはたくさんのフリルが絡りそうなほどにあしらわれ、腰元をぎゅうと締めるコルセットが、その細いのをひどく強調し】
【羽織っているのは生成り色したレース編みのケープ。ほんの少し少女が動くだけでふわふわご機嫌な子犬みたいに揺れるスカートの丸みから伸びる足もまた細く】
【わりに高い靴のかかとを履いているなら――あどけない顔の割には、思ったよりも大きな背をしているだろう。百六十後半くらい、年頃は十六ほどに見え】

【とかく――うんと花を抱えた少女はちょっぴり機嫌がいいみたいに歩き出すだろう。あるいは、誰かが声を掛けるなら――そこに留まるのだろうけれど】
【そうでもなければ、おっきな花束を抱えて――ちょっと前が見づらくて歩きづらいみたいに、身体を傾けて――こつこつとした足音、少し、まばらな間隔なら】
【たぶんほんとうに前が上手に見えていないようにも見え――もし急に横から誰かでも出てきたら気づかずぶつかってしまいそうな、様子だった】
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/22(木) 19:36:41.49 ID:miNtO409o
>>533

【「赤木怜司だ」『赤木詩織っ』と、それぞれが名前を名乗り返す】
【苗字が同じということは兄妹だということなのだろうが、見た目はあまり似ていないように見えるかもしれない】
【怜司と名乗った青年の方は背広の胸ポケットから名刺入れを取り出して、初瀬に名刺を差し出した】

【そこには社名として『レヴォルツィオーン』と書かれていて、所属が開発部門であることが分かる】
【レヴォルツィオーンは薬品・兵器開発の企業で表での知名度はそれなり。裏ではかなり、といったところだ】
【件のセレンディピター号に乗ったパトロンの一社でもあったが、そのあたりを知らなくても不思議はない】

【初瀬が知らなさそうな素振りを見せると、赤木と詩織の二人は同時にがくっと肩を落とした】

遥々ここまで来たが、無駄足だったか……

『残念だったな、ご主人……』

【ふと、赤木が周囲の様子を伺うように辺りを見回す】
【明らかに何かを警戒している、というような様子ではあった】
【それから声のトーンを一つ下げて】

…………それ、UTのメンバーに聞かせるなり見せるなり、してくれるのか?

【と、パソコンを指差す】
536 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 19:51:40.78 ID:pTmHduL10
>>535

【麻季音はPCに書き込んでいく。氏名、容姿、性別、レヴォルツィオーン社…彼女は研究者としての顔が自分の1番】
【メインだと思っているだから観察眼はそこそこ養われているはずだ。そうでなければ研究者は向いていない嫌味なくらい】
【細かいところに気が付き、理屈っぽくて、負けん気が強い。生まれつきの性格がそれの信頼度を支えてくれている】

ええと…ごめんなさいね。ここ(UT)、結構個人主義なとこあるから。セリーナさんぐらいじゃないかしら。全部把握してるのは。

【レヴォルツィオーンについてPCでリサーチ、ウェブサイトの簡単な情報を手に入れてどういう企業か情報を手に入れる】
【薬品と兵器。なんともきな臭いというか嫌な匂いのする取り合わせだ。自社でそこまでできれば相当なものだろう。麻季音は】
【科学技術を、自分の愛する科学を人殺しのような“くだらない”ものに利用するのは好きじゃない。…が、それを顔に出すほど】
【子供でもない。がっちりと見えない警戒心のレベルを更にあげて、相手を冷静に観察することにする】

ええ、勿論。伝えたいことがあるなら。今のところは『怪しい会社の怪しい兄妹』としか書いてないけど。

【肩をすくめて、冗談交じりに言う。でも顔は全然笑っていない。眉間にシワのよった小難しい表情だ】
【とりあえず、今は話を聞き出すことに徹することにする。】
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 19:55:35.34 ID:oKJe5Dpl0
>>507
「――そんな人は嫌でも目立つもの。歴史に名前を残せた人なんて一握り。変人の全員が歴史に名を残すような人達なら歴史の教科書が何冊あっても足りないわよ
結局は残りの人達は誰も知らないまま死んでるでしょ。アンタがそのどっちに転がるかなんてアタシにはどうでも良いけど」

【自負できる程に才能があるのは確かな様だ。それが何に特化しているのかは分からないが、少なからず戦闘の面に於いても申し分は無いだろう】
【……だが、目の前の才女に靡くような素直な性格でも無い。呆れた様に言いながら、テーブルに並べられた一組を自分の方へと引き寄せて】

「アタシ自身が善人でも悪人でも無いからどうだって良いけど――傭兵が欲しいなら他をあたってくれないかしら
好き好んで戦う気は無いし、別にお金を稼いでるわけでも無いもの
アンタに借りがあれば話は別だけど、実際はついさっき会ったばっかり。協力する理由も見当たらないわね」

【コーヒーを一口。続いてケーキも一口。存外気に入ったのか、続けて同じ事を繰り返した後の返答】
【返答は明らかにNOだ。一匹狼とは異なるのだろうが――金の損得で動くような人間では無いのだろう。どちらかと言えば、自分の行いたいように行う気侭なタイプ】
【答えを告げれば食を楽しみ……空となったカップをコトン、と置いて】

「――それに、アンタみたいな才人ならアタシの手助けも要らないでしょ
これが答え。さて……ご馳走様。…………そういえばアンタ、娼婦では無いと言っていたけどそれだったら何なのかしら
さっきの能力からしても一般人とは違うのでしょう?その派手な姿と言い、男にでも貢がせてるのかと思ってたんだけど」

【片や如何にも旅人の風ぼう。妬みでは無く、純粋な疑問だろうか】
【一瞬ばかり垣間見えた能力といい、大凡普通の人間と異なる――そんな事だけは予測できるのだが】
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/22(木) 20:08:48.72 ID:miNtO409o
>>536

【セリーナ──セリーナ・ザ・”キッド”】
【その名前ぐらいは二人も知っていた。UTの若き女盟主。正義の旗印】
【あまりにもあっさりとその名前が出てきて、二人は改めて自分たちがUTの本拠地にいるのだと自覚させられた】

【とはいえ、そんな野次馬みたいな明後日な緊張や感動は今、必要ではない】
【赤木の表情には別種の緊張感が漂っていた。少なくとも、ここに遊びにきたわけではない、と】
【そう分かる程度には顔が強張っている。もう一度、周囲に警戒を配ってから】

…………じゃあ、話す
とりあえずは、ここに来た主な目的から

さっき櫻の国の軍人を知らないかって聞いたけど
その軍人の部下と少し前に会って、それで上司がここに向かってるって聞いたんだ
その部下の子……名前は那須翔子って言うんだけど……
彼女がレヴォルツィオーンの怪しい施設に潜入しに行ったから、それを伝えに来たんだ

【赤木が携帯端末を取り出して地図を表示】
【示されている地点は街からかなり離れた箇所にある森林の奥深くだった】

……どうも、その子が言うにはレヴォルツィオーンは”真っ黒”らしくてね
俺は内部の人間なんだけど、確かに、思い返せば怪しいところがたくさんあった

で、軍人さんを探すついでに、UTにそれを知らせに来たってわけなんだ
正式メンバーが居ないのは残念だけど、それで伝えてくれるんなら、助かるね

【話し終えた赤木はまた周囲を見回して】
【それから初瀬へと視線を戻す。どういう反応が返ってくるかと、不安な様子で、だ】
【つまるところ、目的は軍人を探すことと、UTに危険な企業の話しをすること、というわけだった】
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/22(木) 20:17:37.40 ID:33B3/6WM0
【路地裏】
【大通りから遠く外れ人気のない寂れた裏道】
【そんな場所を黒い大きな袋を背負った一人の男が歩いていた】


あー…重てェ…


【男はそう呟くと背負っていた袋を地面に放る様に置いて】
【近くに転がっていたプラスチック製の箱に座った】

【綺麗に刈り上げられた側頭部、ツンと縦に伸びた金髪とその髪型は所謂ソフトモヒカン】
【野山を舞台に巨大な骸骨が描かれた絵が刺繍されたスカジャンを着込んで】
【男はまるでチンピラのような風貌だ】

【一方無造作に置かれた袋はナイロン製で縦長の人間一人が丁度収まるようなサイズだ】
【使い込まれているのか所々汚れが目立ち】
【袋の表面には赤黒い乾いた染みが点々としていた】
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 20:47:25.08 ID:pTmHduL10
>>538

【PCで話を打ち込み、その文字情報を改めて認識することで冷静に何を聞くべきかわかるような気がする】
【麻季音の個人的な感覚だが、直接目を見て話すのは緊張するためこの方がありがたかった】

【時折、二人組みの顔をちらりと見る。頷いて、相づちをうって聞き手役のルールを守る。兄の方だけをみず】
【妹もその横でどんな表情をしているのか、何に反応して何に目線を…UTはプロフェッショナル集団だ。】
【偶然にも彼女もこういうことに関しては引けを取らない技量がある。下手に嘘をつけないだろうというプレッシャーを発しているようだ】

部下…ね。…怪しい施設?それは…どういう意味で?

【示した地図を見て、わかるなら座標を確認。同じものをPCで確認して表示するなり。その地図を写真で移すなりしてデータを保存しておく】

そう、私が今気になっているのはその…あなたの会社が真っ黒で、何故それをここに知らせに?あなたの会社でしょ?
…どういう意味で“真っ黒”かわからないけど。売るような真似をするのはどうしてなのかしら。正義の心ってやつ?

【麻季音は顔を二人に向け、聞こえやすいように明瞭に、ハッキリとした声で口を開く】

伝えなきゃならないことは確かに伝えるわ。そして…あなたは伝えてそれからどうするの?

これは個人的な意見だけれど…
もし、何かを変えたいならあなたも何か犠牲にしなきゃならないわ。中途半端な真似をするぐらいならね。
貴方がたを煽るわけじゃないけど、会社の命令で軍人さんだかを追って情報を聞き出そうとしている。そういう風に疑うことも出来るのよ。
この場所に傍観者は必要としない。――私はそう思う。

【なんとなく相手が話をぼやかしているように思えて、つい熱くなった。ここの人たちは他人のために自分の命を何度も危険にさらしてでも正義で居る】
【あてにして自分は安全圏にいる。多くの“弱者”に麻季音は…複雑だった。自分の件はだから自分も自分の命はかけているつもりだ。】
【セリーナさんや鈴音さんは優しい。人の話を信じて行動してくれる。そのかわりに私が疑うような嫌な奴になってもいい。】

……ごめんなさい。不安なの。もう、誰が敵対者で味方か、わたしにはよくわからないから。
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/22(木) 21:17:00.96 ID:miNtO409o
>>540

【妹の方は、といえばずっと緊張した面持ちを続けていた】
【初瀬の視線に気がつくと、下を向いてコーラの缶を傾ける。プレッシャーには弱いらしい】
【説明に参加していないという意味では、この場にいなくても良さそうではあるが】

【射抜くような視線が青年へと向けられる。感情の込もった叱責にも似た言葉が放たれ】
【それを受けた青年は────はっとしたような、そんな表情を浮かべていた】
【そしてほんの少しだけ間を置いて、どこか自嘲めいた笑みを浮かべる】


傍観者は要らない、か
確かに────その通りかもしれない
なら、”今度こそ”、俺も何かしなきゃいけないな


【言葉には後悔と自省の感情が乗っていた。何か、昔を思い返すような、そんな気配があった】
【かつて、全てを押し付けてしまった人たちがいた。ブレイザーシティとその解放戦】
【そのときの相手の名は確か黒野────】

【顔を上げた青年の視線には、少しばかりの意志が宿っていた】


何が信用の証明になるかは、俺には分からない
だが理由が要るというのなら、答えるよ

レヴォルツィオーンがやっているのは人体実験だ
奴らは”不死の軍勢”だなんて名前をつけた生物兵器を作成している

…………俺は、その開発に加担していた。知らず知らずのうちに
その人体実験に用いる道具を、上司に言われるまま、何に使うのかも分からないのに作っていたんだよ

だからこれは、贖罪のためにやっているとも言えるし
そのふざけた生物兵器の存在を知った以上、止めるために何かしなくては、と思ったんだよ


【────青年の言葉は重々しく紡がれ、それはまるで罪の告白のようだった】
【何故、自社を売るのか。正義の心、などという称賛されうるものが理由ではなかった】
【いわば、無知の罪。彼は自らの行いを正すために、ここにやってきていた】


伝えて、巻き込もうとした以上、責任は取る
さっき見せた施設はおそらくはその人体実験のための場か、生物兵器の保管場所だ
以前、それらしき部品をそこまで運搬させられた。関連施設なのは間違いない

今でも俺には開発部門っていう立場がある。だから、あの企業の情報だったら抜ける
つまりはスパイ、というより、内部告発者
必要であれば、大した力はないけど、戦うつもりだって、ある


【今度は詳細を、嘘偽りなくその全てを話した】
【さらには戦う覚悟も決めてある、と。今の彼に話せるのはこれが限界だ】
【これでも信用できないというのであれば、これ以上、やれることはないだろう】
542 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/22(木) 21:32:47.27 ID:BDtxOue10
>>534

【そんなに沢山の花を携えることが出来るという事は、漸く花が咲く季節がやってきたという事、なのだろうか。】
【春の便りとも形容できる、芳香と彩り。文字通りぱっと華やぐ花々は、見るだけで心を軽くさせてくれるから】
【流れる日々に草臥れた人々も、まるで花に誘われる虫みたいに、ふらふらと寄ってきてしまうのだろうか……】

【ならば、彼女も例外ではないのだろう。一人の女性が、花の束にちらっと眼をやって】
【誘われるように軽やかに足を進めて……それから、きょろきょろと目移りさせる。】
【無理もあるまい、これほど色とりどりなのだから。あれやこれやと、いろいろと見て回って】
【何か一つ大切な人に買って帰ろうか……なんて、画策していたようだ。けれど】

【それは、ほんの偶然。目を泳がせているうちに、雑踏の中に花よりも気になるものが目に留まった。】
【懐かしい後ろ姿。華奢で、あどけなくて……そして、少し危なっかしい足取り。ああいや、足取りはいつもそうだったわけではないけれど】
【少し右に左にと体が振れているのが遠めから分かれば、もう見ていられない。小走り、ヒールがリズミカルにアスファルトを刻んで】

―――大丈夫?持ちましょうか?

【穏やかな声色が、あなたの耳に届けば……振り返れば其処には、あなたにも懐かしい姿があるはず。】
【凛然とした、マリンブルーの瞳。さらりと、白金色の髪を冬の名残の風になびかせて】
【少しだけ、あなたが知っている締まった彼女の姿より柔らかくなった印象を受けるかもしれない。】
【象牙色のトレンチコートを身に纏い、あなたの後ろに立っている。振り返ってくれれば、きっと】
【嫋やかに会釈をして。「お久しぶりですね?」と微笑みかけるはず。】

543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/22(木) 21:33:43.54 ID:N4Uszch10
>>537
そうね。貴女の言うことは正しいわ。誰でも偉大な人間になれる訳じゃないわ。世界は残酷にですもの
けれど、人よりも優れていると言うことはその可能性が人よりも高いと言うこと
貴女も、誰かと違う自分を作ってみるのはどうかしら?

【シフォンケーキの一片をフォークで口に運び、薔薇のように艶やかな紅の唇を撫で口腔へと導かれる】
【咀嚼し、嚥下し、次いで珈琲を口に含む。黒檀の如く混じりけの無い液体が薄く唇に膜を張り、その艶が一層増していく】

あら? 私はてっきり、雲のように流れるのが貴女の本質だと思っていたのだけれど
存外、石橋を叩いても渡らないタイプだったかしら? ま、貴女にその気が無いなら無理強いするのは酷ね

【珈琲カップをソーサーに置き、血潮のような瞳で少女を見つめる。その眼差しは獲物を見定める鷹のようだ】

そうも言えないのだけれどね……あらやだ、愚痴っぽい話はご法度ね
えぇ、貴女の答え、受け取ったわ。私? そうね……私はね、貴族なの
肥え太ってるだけの貴族じゃないわ。常に高みを目指す誇り高き高貴な血統<ブルーブラッド>よ

【憎たらしく聞こえるかもしれないが、その言葉は半分事実であり、彼女は自らの血に誇りを持っていた】
【血統だけではない。純粋に、自らの身体に流れる血にも誇りを持っていたのだ】

544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/22(木) 21:49:41.93 ID:iSss8tWq0
>>542

【数歩歩きだして、それで気づいた。やっぱりちょっと買いすぎた――という事実。気づいた、というよりは思い知った、でもいいのだけど】
【とかく前が良く見えない、がさがさしてちょっとうるさいし、お花の匂いはあまりに色濃くって、どうしたって気が逸れてしまう】
【だけど――もしもその時の彼女の表情を誰かが眺めていたなら。きっと言うのだ、"すっごく嬉しそうな女の子"だって】

――――あ。えと、ごめんなさい、大丈夫……、……、あ。

【――いつか腰まであった長い髪はすっかりと切られてしまっていた。今では肩に触れる程度の長さ、だけれど、それ以外は変わり映えしない】
【というより――ただの一つも変わっていない、というのが正解だろうか。声を掛けられた少女は少しためらいがちな声を最初に返す、やはり件の鈴の音で】
【声音は"嬉しいけれど""悪いし""だから大丈夫です――"という相手への遠慮の形、それから少し遅れて振り返り――色違いの目が、丸く、まるく、なる】

わ――あ、わあ! マリア? マリアだ――!

【それで――新しいお花が一つ、その場に増えるだろう。両手いっぱいいっぱいに花束を抱き留めてなお、それにも負けないくらい、鮮やかな喜びの色合いで咲き誇るなら】
【あどけない顔――最後に会った時から全く変化のない――を目いっぱいに綻ばせて笑うだろう。なんだか奇妙な仕草を繰り返すのは、】
【すっごい嬉しくって何かしたい、握手でもハグでもなんでもいいから何かしたいけど、その腕にはめいっぱいのお花があって――だからどうしようもない、みたいな、様子】

――どうしたの? お散歩? マリアもお花を買うの?
わたしね、こんなのやっているって知らなくって――チラシが置いてあったの! たまにね、やるんだって。

それで、UTに飾ろうと思って――。

【そうしてしばし目をきらきらにしてはしゃいでいたのだけど――流石にそれは子供ではないのだし、やがて落ち着いて】
【鈴の音の声は嬉しそうに高くなるともっとしゃらしゃらした不思議な声になる、にこにこ笑いながら花束ごと相手に見せるように傾けて】
【一層嬉しそうに笑うから――やはりまだ彼女はあの場所に居るらしいのだ。だなんて、相手には言うまでもないだろう。例の活動で援助を受け続けているのだし】
【これで少女が無関係な人間になっていたりしたらUTのほうがヤバいのだろうけど、そんなこともなく】

マリア、この後時間ある? よかったら、どこかで――あ、でも、……お家、帰るのかな。
マリア――おかあさん、だよね? だったら、帰らなきゃだよね――。

【ひとしきりはしゃいだ少女はやがてそう尋ねるだろうか。久しぶりに会うのだし、どこかでお茶でも――そんな提案は】
【だけれどすぐに何か思いだしたようになって――笑みの色合いも少し変わるだろうか。うんと子供みたいな鮮やかさから、少し大人びたものに】
【変わらない生活をしている自分に比べたら――きっと相手の暮らしは違ったものになっているのだろう。だったら、無理に誘うのも悪いかなって――大人ぶる】
545 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/22(木) 22:14:12.49 ID:BDtxOue10
>>544

【変わらない表情、変わらない声色。いつか振りに見るその姿は、記憶の中にあるあなたと何も変わっていなくて】
【その変わらなさに、少し安心する。仰天チェンジなんて事は無いにしろ、人は少し見ないと結構変わってしまうものだから。】
【もちろん、変わってしまうのが悪い事であるとは限らない。けれど、悪くないとも限らないのだから……】
【……少なくとも、あどけなくて、可愛らしくて、それでいて子供らし過ぎるわけでもない、私の好きなあなたの部分は】
【何も変わっていないことが分かって……それが嬉しくて、思わずふわりと微笑んでしまうのでした。】

――ふふ。久しぶりに会う人への反応としては、百点満点です。

【驚かそうとして、ちゃんと驚いてくれる。サプライズを仕掛けた側にとって、これほど嬉しい事はないわけで】
【少しだけ悪戯っぽい表情を見せるのも、昔とあまり変わらず。やっぱり人間根っこの部分はそうそう変わらない。】

私はね、お散歩。ええ、少し買って帰ろうかなと思いましたけど……
でも、懐かしい姿が見えたから、やめちゃいました。――

【矢継ぎ早にいっぱい問いかけてくるあなたに、はにかみながら……此方も、しばし久しぶりの再会を喜ぶのでした。】
【そして、その言葉の春嵐がようやく収まれば……お茶のお誘い。でも、以前みたいな直球勝負のお誘いじゃなくて】
【遠慮と気遣いの入った、少し大人のお誘い。でも、その遠慮は必要なかった。】
【だって――お母さんも、たまにはお友達との時間を楽しむ普通の女の人に戻りたいのです。】

大丈夫。お母さんだって、お友達との再会を楽しむ時間くらい作ってもいいのです。
……このままお別れなんて、寂しいもの。だから、ね?

【「誘ってくださいな?」と、一言。にこっと微笑みかける顔色に、あなたへの遠慮の色なんて微塵も無いから】
【きっとそれが本音だって、言わずともわかるに違いない。じゃあ、答えは一つ。】




546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 22:16:25.07 ID:oKJe5Dpl0
>>543
「――雲の様に流れる、と言うのは間違いでは無いかも知れないけど
誰に頼もうと何をしようとその雲の流れは止められないし、変えられないのよ。例え何処かのお偉い貴族さんでも……ね」

【貴族、との言葉を何処まで本気で捉えたのだろう。冗談めかす様に笑いながら言えば席を立ち】
【そのまま身支度へと移行するのだろう。露店の時と同じ様に弓を肩に掛け、フードを被って】

「……そ。なら、誇り高い貴族としてこれからも頑張ってね
アタシはただの人間として気侭に生きてみるわ。――それじゃ、コーヒーご馳走様
アンタが何を考えているのかは分からないけど……まあ、死なない程度に」

【何事も無ければ、それが最後の言葉。店主の男性へと視線を向けて適当に手を挙げればそれを挨拶代わりとして出て行くか】
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/22(木) 22:27:52.92 ID:iSss8tWq0
>>545

【最後に会った日と同じ、十六歳の少女。だけれどきっとその内面まで不変ではないのは、声音か、態度か、それとも、もっと些細な何かか】
【とかく――伝わるだろう。どこか軽やかな雰囲気は、明確に昔と違う。何か一つずうっと抱えていたものをおろすことが出来たみたいに、笑って】

――そっか、最近ね、暖かいなあって思っていたの、そしたら、こんなにたくさん……売っていたから。
マリアは買わないの? とってもきれいだよ、お家に持って帰ったら、きっと、喜ぶよ。

【なら――彼女もまた散歩、なのかもしれなかった。理由なんて特にないと言い訳する、本当は――少しくらい出歩かないと、疲れすぎてしまいそうで】
【喧嘩した。それもうんとひどいことを言ってしまった。それはもちろん、それ以上にも、いろいろなことがあって――だから、息抜きのために、出歩いていた】
【それで旧い知り合いに会ったのだ。だからこそ余計に喜んだのかもしれない、昔からの知り合いは信用できる、だって――黒幕とか、そんなの、関係ないはずだから】

…………そう、かな、――なら、ちょっとだけ!
わたしね、マリアとお話したかったの、たんぽぽのこと! それ以外もね、もちろんだけど――、

【一瞬気遣うように落ち着いた表情が、また、ぱああと彩度を高める、それでも一瞬ためらうようになった声が、だけどすぐそうしたい気持ちに負けてしまって】
【にっこり笑うと持ち上がる頬が少しだけ紅潮する、嬉しそうに――挙げる名は。元から少し用事があったみたい、ただそれだけだなんてありえなくって】
【久しぶりに会うなら話すことだっていっぱいあるだろう、それこそそぐそこの広場で並べられているいろんな色と形と香りの花たちみたいに、語りつくせないくらい】

えっと――、マリア、お話するの、UTでも……大丈夫?
このお花、しなびちゃったら可哀想だから――その、お水に入れてあげたいの。セリーナに見せてあげたいからっ、

……えっとね、セリーナと、喧嘩しちゃって――――だから、こんなお花、たくさんあったら……喜ぶ、かなぁ、って――。

【ただ――すぐに少し気まずいような顔になる。申し出るのは場所の移動だ、相手なら――少しくらい場所が移動したって、平気なのかもしれないけど】
【それで示すのは抱えた花束。たしかに"花束"という体ではあるが、包装は簡易であって。ただこれは別のひとを見るに、彼女がおそらくそうお願いしたのだろう】
【すぐに持って行って処置するつもりだった、と見える。だから――お話はしたいのだけど、特に暖かなカフェとかでは、しなびてしまうから】
【最初っからUTでお話するのはどうだろう、と、提案して――もちろん、相手が希望する場所がほかにあれば、そちらへ向かうのだろうけど】

【どうあれ――花を水に活けてあげたい、というのは本当らしかった。それできっと、この花がしおれてしまったら――きっと彼女は、悲しい顔をするだろうから】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 22:32:10.95 ID:pTmHduL10
>>541

【キーボードを打つ手を止めて、少女はしっかりとした眼差しで見ている。疑いではなく真摯な目で】
【その言葉をセリーナさんなら素直に信じるのだろうか。受け止めるのだろう…麻季音もその言葉には】
【これまでよりも信頼できるような気がしてる。それは甘さなのか…わからない。あくまで私はUTじゃない】
【けれども間違ったことはしたくない。正義というよりもヒューマニティ。そういう問題として】

…あなたの存在こそ、意味があるようね。あなたがしたいと思うなら、それが正しいと思うなら。きっとUTは協力してくれる。
あくまでも協力よ。私はそれが筋だと思う。私も出来ることがあるならしてもいいわ。戦えないけど、工学専攻だからなにか
専門的な知識は役立つかも。…ま、開発部門を方には及ばないかも知れませんけど?

【麻季音はここでやっと少しだけはにかんだように笑った。PCに向き直ってここまでの話をまとめる。】

なら、会社を倒すなら…証拠が必要ね。悪どことやってるっていう証拠がないと。せめてその在り処。どっちに御旗があるかは
重要よ。お互いに正義と言い張るのが戦いなんだから。…全てちゃんと伝えてとくわ。

ああ、それと…重要な話は電話もメールもここにはしないほうがいいわ。別件で、盗聴と傍受される可能性が高いの。
電話は両者とも番号を特定されてなければ大丈夫だけど…メールは監視されてる。量子暗号通信をどうにか導入したいんだけど
暗号鍵を生成する光量子装置が高くて…セリーナさんの車売らないとならないくらいに。
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/22(木) 22:46:36.97 ID:N4Uszch10
>>546
ふふっ……確かに、雲の流れを決めるのは風だけだったわ

【少女の言葉にけたけたと笑う。彼女は風では無く、揺らめく炎と言う方が正しいのだから】
【少女が身支度を始めたのを認めると、彼女はにこりと笑って告げる】

では最後に……私はシャルロット・ノブレス・ミゼラブル
ミス・ミゼラブルと呼んでちょうだい。旅人さんっ

【去りゆく旅人に名前を伝えると、彼女は席に着いたままひらひらと手を振っていた】
【そして、彼女もまた店を後にする。扉を潜ったその時、どこからともなく一羽の鳩が舞い降りた】

あらあら……王様、本当に王になっちゃったんだ……
どうしよっかなー……やっぱり王様よね

【呟くと、宵闇の中へと消えていった】

/ではこちらからはこれで〆となります!お付き合いいただきありがとうございました!
550 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/22(木) 22:54:08.72 ID:BDtxOue10
>>547

【あなたが変わったのなら、此方も変わった。凛とした騎士の面影は、瞳に残りはするものの】
【護り手の色よりも、母性的な色が濃くなったのは、随分と戦いから離れて平和に過ごしているせいなのだろう。】

いいのですよ、ちょっとなんて言わずに……ね?
ふふ。積もる話が、ちょっとだけで済むはずが無いですもの……

【渦巻く陰謀、交錯する思惑、権謀術数の噂話は、遠く離れている場所に住んでいる自分の耳にも届いている。】
【最も信頼できる自分の夫が政治的にも中枢を担っている街に住んでいるのは、この時代の趨勢を見るに】
【もしかしたら、非常に幸いなことなのかもしれない。少なくとも、色んなことを疑わずに済むのだから。】
【裏を返せば―――最前線と言ってもいいUTに所属しているあなたなんて、きっと心が休まらないだろう。】
【もしも、このひと時があなたの心を安らかにさせられるのなら、それ程嬉しい事はない。だから】
【ちょっとなんて言わず、心行くまで。柔らかな微笑みに、そんな思いも託して】

……ああ、そういう事でしたか。心のすれ違いなんて、誰にだってある事ですものね。
それを、喜びで埋めようとするのは……ふふ。とっても、鈴音らしいなって。素敵な案です。
――それじゃあ、その花を枯らせる訳にはいきませんね?

【「勿論、構いませんよ。さ、行きましょうっ」と快諾する。あなたの思惑と想いを聞けば、断るなんて選択肢は】
【当然、有り得ないわけで……せっかくの仲直りに水を差してしまうのは、本望であるはずもない。】
【という事で、早速あなたと足並みを揃えて帰途に就く。「持たなくていいのですか?」と、もう一度訊く。】
【……むしろあなたよりも背が低いという事を、お人好しな彼女は忘れているようで】



551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/22(木) 22:54:50.03 ID:pTmHduL1o
>>541
/すみません、エグ眠いので少し仮眠を取らせていただきます…
/もしかしたら起きられないかもしれないのでその時はお返しが明日の夜になってしまいます…
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/22(木) 22:56:03.70 ID:miNtO409o
>>551
//あ、了解です!
//明日の夜でも大丈夫なので、ごゆっくりおやすみください
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 23:06:37.93 ID:oKJe5Dpl0
>>549
【呼び名を教えられれば、後ろ手を振って反応を示した】
【自身の名は明かさず――また、会う事があればその時にきっと】

「――――だからその呼び方は止めなさいって言ってるでしょ。嫌いなのよ、“猟犬”って呼ばれるの
そもそも今は喉に喰らいつく獲物も無いでしょうに
さ、次に場所に行くわよガーちゃん。そうね……遺跡でも探索してみましょうか。きっと掘り出し物の一つや二つ位見つかるでしょ」

【扉を出た先に待っていたのは掌サイズの小さなガーゴイル。じゃれつくように頭の周りを飛べば、きっと何かを話し掛けていたのだろう】
【不機嫌そうな表情を浮かべながらも少女は応え、やがてその姿も街から見えなくなるのだろう】

/こちらこそお相手頂き有り難う御座いましたっ!
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/22(木) 23:08:21.29 ID:iSss8tWq0
>>550

……だけどね。わたしが悪かったの。迷惑ばっかりかけて。だのに、セリーナが疲れちゃってるの、気づかなくって――。
――――ひどいこと、言ったの、嫌われちゃったかも、しれなくって……。

【――そうして、二人は歩き出すだろう。相手よりも少しだけ高い背丈、それでも表情はきっと相手よりも子供めいたもの、到底大人になりきれていないもの】
【かつこつとした足音はさっきに比べて粒ぞろいのもの。隣に誰かが居るというのは彼女にとって何らかの意味があるのだろう、どんな理由だって】
【それでも――ちらりとこぼす言葉。ときどき花に隠される横顔はひどく悲し気で。あるいはいろんなことを後悔しているような――ものになっていて】

マリアは……、旦那さんと。どう? えっと……喧嘩とか、するの? ――ううん、ほかのひととでも。
そういうときって――どうやって仲直り、するの? ……わたし、ね、上手に、分からなくって――。

【「持たなくっても大丈夫だよ」「ありがとう」並べられる言葉は、けれど、迷った素振りでもない。これは自分が持っていくことに意味があるって、言うみたいに】
【ちらりと横目でうかがう――少し気が引けるような、困ってしまったような。あんまり喧嘩に慣れていないのか、分からない宿題を教えてもらいたいような様子で】
【仲直りの仕方が分からない――なんて、尋ねるのだ。自分よりも"大人"であるひとに尋ねる、困ってしまったから――何か、知っているかもしれないと】
【――ぐるぐる渦巻く気持ちはある。だけれどその糸口は自分だけでは見つけ出せないみたい、だった。もちろん、喧嘩である以上相手のこともあるは当然だし】
【もしその相手が絶対に許さない――と少女を責めれば、それで、おしまい。だけれどどうにかしたいって思っている様子なら、彼女からは決してそうではないはずで】

…………お料理、作ったの。そしたら、お皿も、全部、片しちゃって……、置いておいて、ほしかったのに、わたし――、

【ちいさな呟き声――だけれど、こつこつ歩く足音は変わらず。目当ての場所に行くのにそう時間もかからないだろう】
【そうやって話していれば、きっとすぐ――ついてしまう、はずで】

/ここまでお返ししちゃいますっ、次が遅れます!
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/22(木) 23:13:42.31 ID:miNtO409o
>>548

【はにかむ初瀬に、赤木と詩織は安堵の息をついた】
【どうやら信用は何とか勝ち取れたようだと、そう思えた】
【話が具体的な内容へと進むと、再び赤木の表情に緊張が戻る】

……証拠については、さっき言った那須っていう軍人の子が手に入れられるかもしれない
多分、そのために潜入しに行ったんだと思う
問題は無事に帰ってこれるか、なんだけど…………

【二人は揃って不安を露わにしていた】
【元々は上官にその危機をわざわざ伝えに来ていたあたり】
【その潜入というのには相応の危険が伴う、という考えなのだろう】

連絡手段は……難しいな
確実に安全な方法となると、俺も手立てがない、かな
作ろうと思えば作れるけど、距離が短かったり、色々と障害も出るだろうし

【開発部門に所属しているだけあって通信装置の作成自体は可能なようだが】
【しかしそれでも専門とまでは言えず、これといった打開策は持ち合わせていなかった】
【しばらくは考え込んでいたが、「あぁ、そうだ」と言って話題を変える】

頼んでばかりじゃ悪いからね
今、世間がかなり怪しいことになってるのは知ってる
公安だとか、機関だとか
だから、何か手伝えることがあるなら、手伝わせてほしい

【「もっとも、機関なんてのはいつだって何かやってるんだけど」────】

【先ほどの”傍観者”という言葉のせいもあるだろうか、青年はやれることがあるなら、と】
【そう言い出すのだった。例えばそれは公安の厄介ごとでもいいし、あるいは違う事件の話でも】
【初瀬が話せば、それに真摯に耳を傾けるだろう】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 23:14:55.94 ID:FA4FMhPV0

>>526

【勝手に入っても大丈夫だと言われるとつがるは、あー、と納得した声をあげる】

そっか、そもそも構成員だから大丈……って、えぇ!?もふもふしてやれって何ですか!?
というかユウトさんそんなガチャガチャしたら扉壊れますからぁぁぁ!
【そして言いかけた途中で誰かの名前を呼びながら扉をがっちゃがちゃさせるユウトに対し目をぐるぐるにさせながら突っ込む】

【こんな深夜に迷惑ではというくらいの声でそれはもうきゃいきゃいと】

【そしてユウトが扉を開けようとするのをやめ、やはり明日になるだろうと言うのを聞くと若干突っ込み疲れたのか、はぁ……と返す】

まあこのまま扉の前で待ってたら朝起きた時UTの人達ビックリさせちゃいますもんね……
【宿かぁ……とつがるは呟く】




557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 23:28:03.35 ID:O4EaHvL10
>>556

「きっとセリーナのことだから、てんてこまいで疲れてると思う。もふもふは癒やしの正義なんだ」
「扉は、まあ、壊れても直る。直すから大丈夫」

【ぐるぐる、こちらも目の挙動が怪しい。表情は殆ど変わりないが、言動がおかしくなってきた様子】
【――彼の行動によって扉が壊れたりはしなかった。少々うるさいため、夜更かしをしていた近所の住民が窓から様子を覗くかもしれないが】

「うん、――あ、もし宿代無い時は少しくらいなら貸せるよ。UTのカウンターにでも返してもらえればいいかな」
「ちょっと僕の家や研究所はここから遠くて……うん、それと30代の男が女の子家に連れ込んで泊めるのは色々マズいと思う」

【少し怪しい手付きでポケットから財布を取り出す彼。少し……いや、それなりに入っている】
558 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/22(木) 23:41:05.64 ID:BDtxOue10
>>554

【並んで歩く時、普段するようにちゃんと目を合わせて会話することはない。前を見ながら、声だけを聴きとる。だから】
【余計に、その声色が際立って聞こえてしまうのかもしれない。少し迷ったような、悲しいような、そんな色】
【言葉にしなくたって、その思いの丈は十分に伝わる。感情豊かなあなただからこそ、特に】
【あなたに害意はない。悪意もない。そんなの、あなたに関わりがある人ならすぐに分かるはず】
【ましてやセリーナ女史なら、汲み取れぬはずも無かろうに。それなのに、心のすれ違いで諍いになる。】
【人の心の、なんと複雑な事か。もしくは、今彼女らの抱えている問題がそうさせているのか】

……私だって、諍いの一つや二つはあります。ええ、勿論。

【小さく、苦笑いをする。「愛していたって、争わないとは限りませんもの」と付け加えて】
【あなたとおんなじで、悪気はなくても……それでも、些細なことがきっかけで喧嘩してしまう事はある。】
【通じない、伝わらない、もどかしい。他人なのだから、自分の心がすべて伝わるわけがないのに。】

でも。……喧嘩をするという事は、それだけ相手に期待してた証拠なのです。
期待してるからこそ、……その期待に沿ってくれなかった相手に、腹が立ってしまうのです。
―――そんな風に期待できるのって、仲がいい証拠だと思いませんか?

【きっと、経験談でもあるのだろう。実感の伴った言葉が、子供に言い聞かせるようにゆっくりと綴られていく。】
【これが正解とは言わない。ただ、自分はそういう経験をしたという事を、伝えるように】

喧嘩をするのは仲が悪くなったからじゃなくて……むしろ、仲が良いから起こるものだと、私は思うのです。
その証拠に、ほら。鈴音は、喧嘩した後セリーナさんを嫌いにならずに、自分の言葉を後悔したでしょう?

だから、ね。仲直りの方法なんて、簡単です。喧嘩をしたって、相手が嫌う事なんて無いのですから。
一言、ごめんね。――それだけで、魔法が解けたみたいに元通りになるはずですよ?

【小さく、微笑みながら。あなたの心に渦巻く不安を、そっと取り除けられたらいいなと、期待して。】
【きっと、その花はごめんねを伝えるいいきっかけになるだろう。こういうのって、なかなか伝えづらいものだから】

【到着すれば、両手が塞がったあなたの代わりにドアを開ける。いつ振りだろうか、此処に来るのは】

/了解です!
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/22(木) 23:44:47.22 ID:FA4FMhPV0

>>557

いやそういうものなんですか!?というかセリーナさん?っていうのがリーダーさんなんですか!?女の子もふもふってどうなんですかリーダーとして!
【酔っぱらって不思議な発言をする相手に対し此方はパニックになってわたわたと突っ込み続ける】

【……というかパニックから彼女の中で猫耳をもふもふするのではなく女の子の方をもふもふする事になっている気がしないでもないがそれは気にしたら負けなのだろう】

【……と、まあそんな突っ込みがあったりもして現在に至り】

【何処に泊まるかの話になれば彼女は、お金なら少しはあると答える】

【そして、彼の却下した選択肢の中に研究所という言葉があるのを聞けば、研究所?とおうむ返しに呟き首を傾げる】

560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/22(木) 23:56:07.77 ID:O4EaHvL10
>>559

「うん、UTのリーダーはセリーナって言うんだ。むちむちだよ」
「まあまあ、リーダーだってもふもふしたい時もあるって、きっと。大丈夫、減らないから」

【何がむちむち――とまでは言わなかったが、とりあえず相手が女の子側をもふもふすることと勘違いしているのに気づかず】
【勝手に第三者を巻き込んでのセクハラまがいな言動を始めるのだった。ダメだこの酔っぱらい】

「研究所、うん、研究所。僕ね、ソイルベイビィ研究所って研究所のオーナーなんだ」
「まあ、しょっちゅう帰ってこないから実質的なオーナーは違うかもしれないけど」
「研究所って言っても、怪しいことはしてないよ。クリーンな研究所だから安心して」

【特に有名でもない研究所の名前だ。怪しい噂以前に、そもそもどういうことをしているのかすらの情報も乏しい】
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/22(木) 23:57:41.43 ID:iSss8tWq0
>>558

【――がさり、と、包装紙のこすれ合う音がした。こすれ合う紙の音に鈴の音が混じれば、ひどく耳慣れない音になり】
【その向こう側で少女がどんな顔をしているのかを余計に隠すようでもあった。かすかに伺うことのできる顔は、まっすぐ前を見ていたけれど】
【それは単に歩いているからで――例えば座って話していたなら、その目は、うんと下へ向いてしまっていたのだろう、と分かるようで】

マリアも――する? どういうときに、するの? わたしね……、大変なこと、して。
そうだって分かった時に、どうしたらいいか、不安になって――謝りに行くのだって、一人じゃ……駄目、で。

その相手まで――セリーナに探してもらって。謝りに行くのも、一緒に言ってもらうの。

……――わたし、それなのに、そんな風なのに。

セリーナがきっとすごく……疲れちゃっているの、気づかなくって。
何にもできないのに――セリーナのお仕事変わるよって。わたしがやるよって。
セリーナが怒るの、当然なの、だって、わたし、銃を触るだけだって、怖いのに。戦うことなんてできないのに。なのに、そんな――。

【ほんの一瞬、足取りが鈍くなる。かつこつしていた足音がころりと時々かかとを引きずるようになって――すぐに気づいたように、また、歩き出す】
【話したことはたくさんあったのだろう。その結果、喧嘩になったのだろう。一から十まで口にするわけじゃないから、言葉だけでは不明瞭でしかないけれど】
【言葉にするたびに少女の中では何かが整理されているはずで。がさりとした音で花束をきちんと抱きなおす。扉を開けようと無理やり片手を空けたところで】
【相手が扉を開けてくれたなら――「ありがとう」と小さく笑う、それで中へ入ったなら】

……好きなところに座っていて、ごめんね、お花を水に入れて来るね。
飲み物は何がいい――? お菓子とかも。うんとたくさんはないけど――。

【まず相手にはどこか好きな場所に座っているのを促す、それから自分は花を抱えて、裏へ向かうのだけど】
【その途中で相手が何を飲むのかとか、何かお菓子があったほうがいいのか、というのも尋ね】

【それを聞けば――彼女は一時姿を消すだろう。そうすれば――店内はひどく静かになって、少し、寂しかった】

/おまたせしましたっ
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 00:09:42.60 ID:/wyx3igw0


>>560

そい……?
へぇー、凄いんですね!
【ソイルベイビィ研究所、と相手が名前を口にすれば一発では名前が覚えられなかったらしくきょとんとし、そして凄いと口にして誤魔化す】

【そしてクリーンな研究所だと聞けば具体的にどのような研究をしているのか聞きたがるだろう】

でも研究所……研究所かぁ……そっちの線もあるな……これは調べるの大変だぞ……
【そしてユウトに研究の内容を尋ねた後、またポツリと呟く】

【そういえば、彼女の口からまだ聞いていない事がある筈だ】

【──何故、UTを訪れるのかを】



563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/23(金) 00:17:15.25 ID:74yQMToD0
>>562

「うん、ソイルベイビィ研究所。凄いかはわからないけれども」
「例えば……そうだね、哲学者の卵っていうカノッサ機関が開発した危険な物体があるんだけど」
「それによる汚染を取り除くためのアレコレの開発とか、武具の加工とか、その辺り」

【そして、先程までいじめていたUTの扉に背を付け、言葉を続ける】

「……うん? 調べるのが大変って?」
「そう言えば、全然聞いてなかった気がするけど……君は何の目的でUTに訪ねようとしていたんだい?」
「メンバー入り? 悪い目的だったら……」

【どうなるか、それは勿論……悪人でないと判断して連れてきた責任を取らなければならない】
564 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/23(金) 00:18:23.92 ID:gW1f3VSC0
>>561

【小さく頷きながら、その言葉を受け止め続ける。否定も、肯定もせず、聞き続けて、足並みを揃えて】
【そして、改めて悪意が無い事を知る。綴られた言葉のどこにも悪気が無いのを、理解する。】

【悪意を持って行った行動によって起こる争いと、そんなつもりは全く無いのに起こる争いは、別物だ。】
【互いに悪意が無い喧嘩は、少し時間が経てばやがて自ずと理解する。相手にそんなつもりはなかった、と。】
【だからこそ、自分の放った言葉を後悔する。自分が間違っていたと、理解すればこそ】

逆もまた、然り……じゃないですか?
きっと。……同じことを、セリーナさんも思っているはずです。

【―――そして、その後悔はきっとあなただけが味わっている訳ではないはずだ。】
【痛みを知るからこそ、正義を張れるのだ。そんな彼女が、あなたの痛みに気付けぬはずなどなくて】
【ならば、後悔はあなただけの物ではないはず。ドアの前で、二言。自分自身もセリーナ女史を知るからこそ】
【そんな事を、迷えるあなたに伝えて……ドアを、開ける。】

それでは……うぅん。そう、ですね。
ミルクティーと、それに合う物を見繕って下さいな。

【空いている座席……と言っても、全部空いているけれど。適当に見繕って、腰をかけて】
【パタパタ、小さな足音が遠ざかれば……しん、と。】
【待つ時間が長く感じられるのは、話すのが楽しかったからこそ……だろうか】

/いえいえ、大丈夫ですよー!
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/23(金) 00:29:15.00 ID:CAB/tuSM0
>>564

【少女が戻ってくるのは――それから少し後のことになる。というのも、これだけ大量の花の水きりをするなら、ざっとするだけでも、多少の時間はかかり】
【その間に平行してお湯を沸かしても――まあ、どちらにせよ、それくらいの時間はかかるのだ。なら、テレビでもつけて待つでもいいし】
【ぼんやりしていたとしても誰も文句はつけないだろう。それで――少し後、少女が戻ってきたとき、その手にはお盆に乗せられたいろいろと、花瓶】

【さっき買ったものを少しだけ先に持ってきたらしい。大雑把に長さだけ合わせたものだから――特別にきれい。見栄えがする。というものでは、まだなかったけれど】
【それでも鮮やかに咲き誇る花はきれいだから少しだけずるくなる。あるいは花なら、こんな気持ちも知らないのだろうか、なんて、一瞬羨ましくなって】

……――ごめんね、お待たせしました。お砂糖をどれくらいとか、分からなかったから……全部、持ってきたよ。

【だから好きに使ってねと口にして。持ってきたのはティーポットと数種類のクッキー。といっても既製品であるらしく、個包装に詰め込まれたものたちで】
【カップとミルクと砂糖と――とにかくいろいろな一セットだ。ひとまず紅茶を飲んでクッキーを食べるのに必要なものは全部、あるらしく】

えっと、それでね――、――ああ、もう、ごめんね。久しぶりだから、何のお話しようって……考えていたんだけど。
いろいろなこと、あったから。――ううん、たいしたこと、なかった気もするの。だけど、いろいろなこと、お話したいような――気もするの。

【――それで、彼女は話を切り替えるつもりらしかった。あるいは、この中でまでその話をしたくなかったのかもしれない、――だって、聞こえてしまうかも】
【だから言葉は繋がらない。奥にいる間に何を話そうって考えて――だけれど結局思いつかなかったなら、何のお話をしよう、なんて、相手へ尋ねるよう】
【どちらにせよ確実なのは久しぶりの再会に浮かれているような。ちょっとだけふわふわしたような声と様子、ひどく嬉しげであって】
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 00:40:53.62 ID:/wyx3igw0

>>563

【哲学者の卵の汚染を除去する物や武具の開発。それらを行っているのだとユウトは語る】

【だがつがるにとってはカノッサ機関以外は耳慣れない単語らしくまたきょとんと目を丸くし】

【それでも何とか、人の役に立つ研究をしているという事は理解出来たらしい】

【そして、何故UTを訪れたのかを聞かれれば】

……母の遺骸を探す為に協力して貰いたくて、です
【はっきりと相手を見つめ、真剣な眼差しで答える】

私は見ての通り化け猫と人間の間の子です
母と櫻の国の北の山の中で暮らしていましたが、母は猟師に殺されました
それで……母の遺体と私はこちらの大陸に連れて来られ、私は奴隷に売られました
母の遺骸の行方は分かりません
だから──
【少女は相手の目を見据え、淡々と語る。まるで何かの物語を語るかのように】
567 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/23(金) 00:50:19.56 ID:gW1f3VSC0
>>565

【ふわり、漂う紅茶と花々の芳醇な香り。三つ混ざってもいい香りなんだから、きっと全部いい香りなのだろう。】
【それと、小さな足音。二つが、あなたがやって来たことを告げてくれて……姿が見えれば、お待ちかねといったように】
【微笑みと共に、あなたを同じ席に招き入れる。椅子が引いてある状態だったのは、色々持ってくるであろうあなたを気遣っての事。】
【律儀なあなたは、ティーセットごと持ってきてくれて……それが、なんだかあなたらしくて、嬉しい。】

わざわざ、ありがとうございます。ふふ、いい香り……
私、コーヒーより紅茶が好きなの。コーヒーの苦みがあまり好きになれない、なんて……子供みたいですけど。

【えへへ、と少し恥ずかしそうに照れ笑い。結婚までして、お母さんにまでなって、それでもまだ子供っぽい所があるなんて】
【少し、恥ずかしいけれど……別に今更、あなたに対して大人ぶって格好つける必要もないんだもの。】
【紅茶を注いでから、ミルクも砂糖も気持ち多めに入れて。慣れた手つきで、いつも自分が飲んでいる好みの味に仕立て上げて……】

それじゃあ……たんぽぽの、お話。聞かせて下さいな?
その、色々の中に……きっと、訪れる子供たちのお話も含まれてるでしょう?
あなたがどんなふうに子供と接しているか、気になるんです。……ふふ、懐かれてるのかしら。

【お話がたくさんあるのなら、まずは一番話したいところから。ショートケーキのイチゴから食べるみたいに、ぜいたくに】
【もし懐かれているのなら、その姿が容易に想像できる。同じく子供を相手にしているからこそ、子供を相手にしたあなたの姿が気になる。】
【「あとは、髪形を変えた理由も気になりますね。ふふ、気分転換かしら?」って。そんな、おまけの質問も添えて】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/23(金) 00:55:46.57 ID:74yQMToD0
>>566

「――なるほどね。確かに、そういう案件ならUTになるかもしれない」

【真剣な眼差しに対して、穏やかそうなそれを返す彼。】
【相手が抵抗を見せないのならば、頭に軽く手を乗せるだろう】

「うん、僕はあまり裏の販売ルートに詳しくないけれども、力になれる事があったら協力するよ」
「UTの皆も、多分手伝ってくれると思う。少しでも手がかりになりそうな事があったら、情報として残すと良いかもしれない」

「ただ、今のUTは色々なゴタゴタに関わっていて――頼った場合、もしかすると巻き込まれるかもしれない」
「だから、気をつけたほうがいい。お母さんの後を追わないためにも……ね」

【終始穏やかな様子でしっかりと見つめながら、言葉を続けた。】
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 01:15:12.26 ID:/wyx3igw0

>>568

【真剣そうな眼差しの少女。その頭に軽く手が置かれて】

【自分も力になれるなら協力すると言われるとつがるは少しだけ表情を和らげて、ありがとうございます、と礼を述べる】

【しかし、色々なゴタゴタに関わっていると聞けばその表情は暗くなり、やっぱりそうなんだ、と口が動く】

……本当はよく分からないんです、此処を頼っていいものかどうか
他の人に勧められるがままにここまで来ちゃったけど……良かったのかなって
今は法案だフル"フェース"事件だってたくさんの事件が起きてるし……きっと忙しいんだろうなって
それなのに一化け猫の死体探しなんて小さな世界の事頼んで良いのかなって……
【少女は目を伏せ俯く】

【此処まで気を張ってやって来たがやはり慣れない土地で不安だったのだろう。目的が見えて、綻びが出かけている】


570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/23(金) 01:16:48.18 ID:CAB/tuSM0
>>567

【いろいろな色で咲き誇る花が詰まった花瓶を机の上に乗せる、それで、一番いい顔をする角度を探して。花の場所も何回か交換したりして、出来上がる】
【ただ詰め込んできただけの時より少しは見栄えもするだろうか。花もどこか誇らしげになって――だなんて、それは、こちら側からの妄想に過ぎないのだけど】

――わたしも。珈琲はね、得意じゃないの、たっくさんミルクとお砂糖、入れていいなら、別だけど――。

【言いながら――カップにミルクを注いで。それから濃い目に入れた紅茶を注ぐ。砂糖をざっと――甘いもの嫌いなひとが眉を顰めそうなくらい入れたなら】
【一度味を確かめるみたいに、少しだけ口を付ける――それから「ロイヤルミルクティーでもよかったね」と小さな呟き。そちらの方が楽だったかな、と】
【とはいえ。紅茶とミルクな時点でもうロイヤルには泣いてもなれないから、どうしようもないのだけど。――少し足りなかったみたいに、砂糖を足して】

たんぽぽ――うん、そだね。あんまり、特別な変化、ってないけど――、今もね、ちゃんと。やっているよ。
いろんなお料理、たくさん作るの――上手になったって思うの。普段って――あんまり。そんなにたくさん、作らないから。
おっきなお鍋でね、わーって作るの! 楽しいんだよ、じゃがいもとか、たまねぎとか、なんだっていっぱい切るの、それで……。

――いつもね、どれくらいの子が来るか分からないから。大変なんだよ、いーっぱい作りすぎちゃったり、全然、足りなかったりして、

【あまり変化はない。それはつまり安定して行われている、特に問題もなければ、かといって何か特別に良いことがあったというわけでも、ないらしく】
【しいて言えば少女自身が料理うまくなったのが一番彼女としての実感、なのかもしれなかったし】
【なにより。もう三年目であるなら、ここの調理場も彼女のやりやすいように物の並びとか、すっかり変えられてしまっていて――とは余談だけど】

なついたりは――あんまり。ないかな、そういう子も、もちろん居るし、ずっと来てくれている子は、お友達みたいにしゃべってくれたりするけど――。
この大人信じて大丈夫かなって顔されること、あるよ。ひどいこと言う子も居るし――、試してるんだと思うの、わたしのこと。自分を裏切らないかって、

だからね、仲良しの子もいるけど――結局二度と来てくれない子もね、居るし、来てくれるけど、ずーっと睨んでくる子とかね、居るよ。
何にもない日は、すっごい静かで、おしゃべりしたりすることもあるけど――。

【それから――子供のこと。だけれどこれはあまり楽しいばっかりでもないらしい、もちろん信用してなついてくれるような子もいる反面で】
【この"大人"は信じていいのかと疑ってかかる子、それを確かめるために到底思いつかないようなひどい言葉を使う子もいれば、子供同士の争いも】
【それを収める必要もある中で、だけれどほかの子供たちをないがしろにするわけにもいかない――ただ、やはりどうしても安定はしないのだ、相手が相手だからこそ】
【結局答えとしては――まあ、いろいろな子供が来るよ、としか言えないのだろう。それから、相手が髪のことに触れれば、ほんの一瞬の沈黙】

――――うん、気分転換なの。変じゃない? ずっとね、長かったから――、こんなに短いの、久しぶりなの。子供の時ぶりくらいかな――。

【――まさか。本当の理由なんて言えないだろう、好きなひとと結婚をして、子供も生まれて、そんなひとに。言えるはずないこと、だから、嘘を吐いた】
【ころころ笑って黒髪に触れる、短くなった毛先を少しだけ指に絡めたり、ふわっと払ったり。――ちらりと覗く片方だけのピアスは、ありふれた既製品に変わっていて】
【そして何より。その左手――薬指にあったはずの指輪は、すっかりとなくなっていた。くびれたような跡もないから、おそらく、だいぶ前に――】
571 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/23(金) 01:20:29.03 ID:gW1f3VSC0
>>570
//すみません、そろそろ眠気が限界です……!
//明日はちょっとロールを回せるか怪しいので、続きは置きの方に投げておいて構わないでしょうかーっ……
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/23(金) 01:22:50.60 ID:CAB/tuSM0
>>571
/了解しました、置きも大丈夫ですっ
/ではひとまずお疲れ様でしたー!
573 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/23(金) 01:27:11.51 ID:74yQMToD0
>>569

「――大規模な事件ばかりに目を向けてちゃあ、ダメだからね。森に隠れた木だって、大事さ」
「今はタダの繁忙期。少し手が回りにくいかもしれないってだけ」
「……やっと戻ってきたばかりの僕が言えたことではないけれども」

「……そうだ、心当たりが1件」

【通信端末を取り出し、どこかにへと電話をかける彼――】
【――"アンタ化け猫の死体手に入れたことあるか?" ――"多分ねェよ、いィきなり何の話だ"】 【――ぷつっ。】

「うん、アテの1つは外れた。……僕のクソ上司は死体収集大好きだから持ってるかと思ったんだけど」
「とにかく、遠慮しなくて大丈夫。ただ、大きな闇に気をつけてもらえればそれでOK」

【おそらくは軽く数回頭を撫でた後、手を自身の元へと戻すだろう。】
574 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/23(金) 01:28:56.13 ID:gW1f3VSC0
>>572
/ありがとうございますっ。それでは、其方こそお疲れ様でした!
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 01:45:48.18 ID:/wyx3igw0

>>573

少し手が回りにくいかも……ですか……
そうだと……ユウトさん?
【話の途中で何か思い付いたように何処かへ電話を掛けるユウト。その様子にきょとんとするつがる】

【そしておそらく僅か数十秒。電話を切られた彼はアテが一つ外れたと告げる】

【それでも彼女を勇気づけるにはそれだけでも十分だった。例えハズレだったとしても一つの可能性が潰えた事は分かったのだから】

【そして、自分の悲願に真剣に向き合ってくれる人がいてその人が実際に目の前で行動してくれて】

【まだ何も見えないけど、きっと大丈夫なんだ】

【それが理解出来たから】

【だから、つがるは頭を撫でられながら力強く、頑張ります、と答えた】


576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/23(金) 01:55:43.28 ID:74yQMToD0
>>575

「うん、頑張って。でも、頑張りすぎてもダメだよ」
「空回りしない程度に、程々にね。――疲れた精神は漬け込まれやすいから」

【経験者は語る。――いや、実際に自分が頑張りすぎて酷い目に遭ったとは一言も言っていないが】
【それは、妙に説得力のある発言だった】

「……あ、宿の場所とかわかるかな?」
「多分、ここから見える位置にもあったと思うけれど――」

【宿らしき看板は周囲に……ある。遅い時間だが、おそらく受付はしてくれるだろう】
【もちろん、他の場所にも宿はあるし、時間を潰すだけなら他の施設も幾つか空いているだろう】
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 02:07:18.25 ID:/wyx3igw0

>>576

頑張り過ぎても駄目……程々に、ですか……
【多分大丈夫です!と妙に自信満々に言い切り胸(薄い)を張るつがる】

【実際問題、彼女も結構危ない質だろう。元来勝ち気な性格だし、何よりただ一匹の家族を亡くしたにも関わらずその性格が邪魔をして多少無理をしている感じなのだろうから】

【そして宿の位置を教えられればそれを確認し、そちらの方に向かおうとするだろう】

ユウトさん、本当に色々とありがとうございました!
またお会いしましょう
多分近い内、かもしれませんが……
【そう言って彼女はペコリと頭を下げ、宿に向かうのだった】




/この辺りでしょうか!
/絡みありがとうございました!
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/23(金) 02:14:49.50 ID:74yQMToD0
>>577

「うん、……勿論、頑張らないといけない時は頑張らないとダメだけど」
「そうでない時にも頑張ってると、休めなくなっちゃうからね」

「いえいえ、――気をつけてね」

【――ニコリと微笑みながら、宿へ向かう彼女を見守った後】


「…………コンビニ、コンビニはどこだっけか」
「……ああ、でも良い機会だった。今度は酒の力に頼らずちゃんと入ろう…………そう言えば、鍵って結局空いてたのか閉まってたのか……」

【コンビニのトイレにキラキラを生み出し、そして路地裏の闇の中へと消えていった】


/お疲れ様でした!
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 16:25:57.58 ID:FnWFHyyL0
>>555

【麻季音は立ち上がって、背伸びをする。厳しい眼差しとその大人びた口調で忘れがちだが背の小さい少女である。】
【自分のコーヒーを取りに行くついでに2人にもおかわりをいるかどうか聞くだろう。少しの間だけその場を離れる。】

【自分用の安っぽいマグカップにブラックコーヒーを淹れて戻ってくると、そのひとときの間に思いついた疑問を投げかける】

そもそも…櫻の国の軍人が何故、潜入しているのかしら。ここ(UT)だったら正義のため、とかそういうワケでもわかるけど
一国の軍人となればそれは政治的介入よ。いくら悪いことしてるからって表沙汰になれば国際問題になりかねない。
政治のことはわからないけど…平和のためとはいっても軍人がそういう事をするのは…私はキナ臭いと思うわ。
それぐらい国家レベルでの危機なのか…櫻国の政治的な動きなのか…

【眉間によったシワを親指でほぐすのが、ものすごく悩んでいる時の癖だ。じっと考えるより手や足を動かしたほうがまとまるような気がするし】
【17歳の女子が眉間にシワを寄せてるというのは可愛げがなくて個人的に嫌だ】

公安がここを見張ってる。あなたが来たことももしかしたらバレているかも知れないわ。まあ、“一連”の事件と関係していないなら心配することは無いだろうけど

…考えはあるわ。傍受されないし、技術的にも既存のものを利用できるからそう難しいものじゃない。ワンタイムパットってやつよ。鍵は事前に生成しておく
暗号化した文章や音声は既存のネットワークで送って、傍受されても問題ない。量子暗号なら鍵を解読するのに300年はかかるし、念を入れて一回しか使わない。
やり取りも多くはないだろうし、人数も…それでいいと思う。……まあ、いいわ。それをどうにかして導入するわ。

【UTは表向きにはこの酒場兼事務所があるだけだが実際は地下に巨大な施設を有する。麻季音はそれらを思い出して、資金さえ集まればどうにかなるだろと考えるに至る】
【資金も現状、“M作戦”の予算は潤沢。先にシステムを作り、後から支払えばいいか。と、大胆な作戦に出ることにした。】
【技術面も既存のシステムを導入するだけで良い。細かいところは自分でも可能だろう。…以外にも暗号通信の問題はクリアできそうだ】

あとは…あなたに頼むとしたら何かしら。兵器会社の開発部…武器は欲しいけど使う人手も足りないし。…そうね。プログラムか設計はできる?
世界の平和を守るのに技術者が今の所私しか居なくて。今後力を借りるかも知れないわ。でもこれはUT(ユナイテッドトリガー)にではなく…そうね。
強いて言うならUR(アンダーグラウンド・レイルロード)に力を借りたいわ。…これは仮の名前だけど。

【公安について一連の話は敢えてしなかった。下手に動いて彼らも公安にマークされるより、必要なときまで待っていてほしかったからだ。あえて説明しないのもそれに含まれる】
【しかし自分らがとてつもない事に巻き込まれかねない誘いを受けている。それは伝わるだろう】


/やっぱり朝まで寝てしまいました
/そして予定が変わってしまい、夜はちょっと来れないと思います。
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/23(金) 17:23:36.16 ID:u2CfBHDko
>>579
//了解しましたー。レスは置きの方に書いておきますねー
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 20:55:41.69 ID:U9QQHIvPO

【堤防脇の家が並ぶ、川近くの一帯】
【半分整備され、半分自然の残る其所は、水は適度に濁りつつ。天気のいい昼下がり、開いた窓からは穏やかな春の気配が流れ込み、代わりに昼のTVニュースを切れ切れに外へ伝えている】

『続いてのニュースです。先日未明、古代文明遺跡展を襲撃した
外国人グループが――――

船が発見されたのは港から10km離れた都心部の河川敷――――
国外への逃走を画策していたと見られますが、現場の被害状況を――――
持ち出された遺跡の品は船内からは見つからず――――

――――民間人の怪我人はおらず、警察では犯行グループ内での仲間割れ等を視野に入れて捜査する模様です……――』


【ごぼりと、家屋傍の川面から泡が立つ】
【都会特有の濁った泥濘から、更に粘度の高い一塊が水面に浮かぶ】
【下流へ流れる群から、分離したその一抱えは岸へ流れ着き、ずるりと土へ這い上がった】

【砂地に広がった泥はやがて水分を捨て、徐々に土に近づいていく。回りの砂に近づくにつれ、濃い褐色からも黄土色に】
【形も扁平から、樽型の丘陵へ。やや細長い塊を四つと、楕円の塊を一つくっ付けた出来の悪い玩具の如く】
【宛ら四つん這いの幼児のようになった物体は、残った雫を滴らせながら蠢く】

【『其れ』は己が何処に居るのか分からなかった】
【位置や地理云々ではなく、単純にそれを知る頭が戻っていなかった故に】
【深い眠りの底からゆっくりと浮上したかのように、未だ思考に濃い霞が渦巻いている】
【暖かい日が徐々に傾くのを身動ぎで感じながら、その場に停滞し続けていた】
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/23(金) 21:32:12.36 ID:r5WCSBCh0
>>581
「やーな事件じゃねえか、こんな穏やかな日によーなあマリーちゃん」
「本当ッスねーあーでも本当いい日和ッス」

【こんな事を話しながら河川敷を歩くのは、カウボーイ姿の男性と少女】
【二人は一応、水の国の自警団として、見回りと言う名のサボり……散歩を楽しんでいた】
【風に乗って、TVのニュースが流れる】
【穏やかではない話題だが、反するようにこの住宅街は穏やかだった】

「こう、どったんばったん大騒ぎ的な、そんなのは無いもんかねーマリーちゃん」
「そんなのそうそうあるわけねえッス、ってか嫌ッス」

【そんな二人だが、河川敷のその個所に差し掛かると】

「え、マリーちゃん、あれ何?」
「いや、誰かが作った泥人形?」

【その、まるで不出来な泥人形に二人は近づく】

「おいおい勘弁してくれよー、まさかこの泥の撤去も自警団の仕事ってか?」
「流石にねえッスよシルバー人材呼びましょうッス」
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/23(金) 21:49:19.96 ID:u2CfBHDko
【路地裏】

【月明かりと僅かな街灯のみが照らす薄暗い路地裏に、二つの人影があった】
【片方は青年だ。年齢は二十代中盤。黒髪で、研究者然とした白衣を身に纏っている】
【腰の右側には拳銃の入ったホルスター。眼鏡の奥の双眸は、目の前のもう一つの人影を追っていた】

【彼が見ている人影は、人間ではなく人形だった。全身が装甲に覆われた機械人形だ。月光で金属光沢が煌めいていた】
【女性的な流線型のフォルムを持つその人形は、青年の五指の動きに合わせて、様々な動作を行なっていた】
【歩行、跳躍、装甲の開閉、しゃがみ、腕の移動────】

…………まぁ、こんなところかな

【青年が両手を広げて振るうと、ぴたり、と機械人形の動きが止まる】
【薄暗い場所における金属装甲は、明かりを反射するために少しばかり目立って見えていた】
【さらには、その動きに注意を向ける青年は、あるいは無防備にも見えるだろうか────】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 22:06:42.60 ID:U9QQHIvPO
>>582

【『其れ』は己に近付く気配を認めた】
【動くものと言えば揺蕩う河川の流れと砂をさらう風のみ】
【それを遮る規則的な足音を、全身で感じ、蠢きに変化がある】

【頭のような部分眼窩と口腔らしき窪みが現れ、棒だった手足も節らしきラインが起こった】
【其れは霞がかった意識のなかで記憶を掘り起こす】
【人間――――と彼ら自身が呼ぶ者たちと対峙するとき、同じフォルムをとった経験から】
【つまり其れにも過去と呼べるものがあったのだが】
【半身を起こした体勢のマネキン擬きになった其れは、顔の部分を二人に向ける】
【眼球すらないそこは視線が合うなど考えられないのだが】
585 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/23(金) 22:14:40.38 ID:r5WCSBCh0
>>584
「な、う、動いたぁ!?」
「あ、兄ィ!!形も変わってまッス!!」

【こちらに反応し、その姿を変化させるその何かに二人は同時に反応した】
【人間とはとても言えない、しかし、シルエットは人間のそれ】
【明らかに異質で、明らかに異形】

「あ、兄ィどうするッス!?」
「んなオメー、どうするって……いやこっち見てるし!?あれ?これ見てるの!?あ、これやっぱ見てるよね!?こっちめっちゃ見てるよね!?」

【こちらに眼球のない目?を向けるそれに、二人ともたじろぎながらも、ジリジリと歩み寄り】

「あ、あのー、何してるんですかー?そのいい天気ですねー、ははは」

【なんとか話しかける事に】
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 22:33:39.55 ID:U9QQHIvPO
>>585

【二人が焦る通り、眼球のない顔はしかし確りとその姿を捉えている】
【目に当たる部位が存在しない代わりに全身で見ると言うべきか】
【沈黙を保ったまま、明瞭さを取り戻しつつある意識で自己の腕に相当する部分を持ちあげ、向こうにある生身のものと見比べる】
【彼我の距離が十分に接近した時】

『――――我が王は何処ぞ』

【其れが発したのは、失われた古代の言葉であった】
【それが何故明確に伝わったのかというと、喉を、声帯を介して発せられたのではなかったからである】
【耳孔を通さず直接脳に入るよう調整された、所謂テレパシー】
【相手の言葉を理解しているのかいないのか……兎も角其れは自身の役割を優先的に実行すると決めた】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/23(金) 22:42:44.39 ID:r5WCSBCh0
>>586
「ひ、ひえッ!」
「あ、兄ィ何かしてるッス!」

【その何かは腕を動かし、こちらと自分の腕を見比べるような動作をし】
【やがて】

「「しゃ、しゃべったああああああああッ!?」」

【仰け反るように、尻餅をついた】
【テレパシーの類で、脳内に響く声は】
【確実に伝わったようではあるが、いかんせんこの二人、何故?の考察まで踏み込めない】

「お、王?王って人を探してるッスか?」
「さ、さあ……パチンコでも行ってるんじゃないのかなぁ?あ、一緒に探すその人知らないけど?」

【しかし、気絶するようなことは流石に無い物の、その何かの言葉には、こう答えた】
【かなり震えながら】
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/23(金) 22:43:10.84 ID:Y9SRk8Lc0
【街中――こじんまりしたカフェ】
【大通りから一本入った小道を街はずれに進んだ場所にある店舗。そんな立地だからか、小さな店の中はずっと静かで】
【その代わりに店主の趣味をたくさんたくさんに詰め込んだように店内には小さなトルソーに掛けられた、小さな小さなお洋服が無数に並び】
【またそれがどこか不思議な世界に迷い込んだみたいで一部界隈では人気――らしい。とにかくそんな店舗の中】

…………――、――。

【すう、と、ちっちゃな吐息が聞こえた。というよりもだいぶ前から、聞こえていた――というのが正しいだろうか】
【店の片隅――後ろと横を壁に囲われた一番端っこの席。見れば、どうやら少女が一人で居るらしいのだけれど、どうにも、寝入ってしまっている】
【机の上には飲みさしで放っておかれた飲み物や本、ノートなんかもあるのだけれど。斜め後ろの壁に寄り掛かって眠ってしまった少女相手では、どれも意味をなさず】
【もし誰か覗き込もうとすれば、それらの内訳も分かるくらいで――ミルクティーと、魔術の本と、それを勉強しているノート。あとシャープペンシルとか、携帯とか】

【――それで、もし、のぞき込んだのが魔術式を見て理解できる人間であれば。本は正しいのに書かれたものがどこか不自然であるのにも気づけるのかも――だなんて、余談か】

【艶とした髪は肩を撫でる長さの黒髪。くしゃくしゃとフリルをたくさんあしらったヘッドドレスは、壁に寄り掛かって眠る姿勢のせいか少しずれて、おでこの方に】
【透き通りそうなほどに白い肌の顔はあどけない造形のもの、きれいに閉じた瞼の形に添って伸びる睫毛が長くきれいに顔の中で目立って】
【起きていれば見えるはずの黒色と赤色の眼もうかがえないなら、ひどく子供みたいに穏やかな寝顔でも見ることになるのだろうか】
【――深い赤色のジャンパースカート。薄い生成り色のブラウスは袖がぎゅっと狭められたもの、すらっと細い指先は腕ごと、ソファーの椅子に投げ出され】
【もう片っ方の腕はふわふわしたパニエがたっくさん詰め込まれたスカートに埋もれるように膝の上。足元は丈の長い靴下に、かかとの高いストラップシューズで】
【寝顔のあどけなさもあってひどく幼く見えるけれど――おそらく身長はわりに高いのだろう、起こして立たせれば、百六十の後半ほどは、ありそうで】

――――、――ふ、あ、――ゎ。あー……、……っわ、! 寝てっ、!

【すや――と穏やかな吐息。だけれどそれが綻ぶ瞬間があった、長いまつげがふるふる震えて、その向こう側の色違いをわずかに覗かせ】
【寝ぼけた指先が手探りで自らの顔を撫でる、それでひどく眠たげながら目を開けたなら――数秒の間。その直後に、静かな店内、場違いなくらいの声が出る】
【店内に居ればきっと聞こえるだろう、りんとした鈴の音みたいな、よく通る金属質の声。――それから顔を真っ赤にして、慌てて"お勉強"に戻る、姿】

【というより――めちゃくちゃ没頭しているみたいな"ふり"をしてごまかそうとする姿、なのだけど。とにかく――ちょっと、うるさかったのだ】
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/23(金) 23:14:44.59 ID:ckIlc8e5O
>>587

【その時其れは大分人間らしい形になっていて、曲げた膝を持ち上げ立たんとしていたが】
【二人が腰を抜かした拍子にびくりと躓き、再び四つん這いになる】
【驚いたというより、地面を伝わった振動に足をとられて】
【そのままモゾモゾと手足を屈伸させていた】
【時間の経過により、水気は大分抜け、その表面は乾いた砂が流れるようにゆっくり巡る】
【手袋を着けたような両手で口元を押さえる】
【下顎を幾度か開閉させた後】

……ぱ、ちん、こ

【今度発したのは、紛れもなく空気の振動を伴った生の声】
【おまけに軋るように掠れ気味であったが、答えた相手そっくりの声色が起こる】
【其れが模倣に長けている性質を生かしつつも、しかし言葉の意味は理解しかねたようで】
【言語の把握は流石にまだ遠いのか、相手の親切な申し出には応えず、意味のない言葉の繰り返しに留まった】
【しかしその事は其れ自身にとっては重要ではなく】

『王を探さねば』

【古代語で呟いて、今度こそ立ち上がる】
【その足は生まれたての小鹿並に頼りなかったが、それでも泥の塊だった時と比べれば格段の進歩といえた】
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/23(金) 23:25:17.46 ID:r5WCSBCh0
>>589
「あ、パチンコって言ったッス!」
「な、なんだ、あいつも行きてーのか?」
「って言うか、声兄ィっそっくりッス!」
「本当だ……どうなってんだ、あいつ?」

【今度は声帯を通した肉声、最も肉と呼べるかは不明であるが】
【おぼつかない言語を発する】
【しかも、男性の声と同じ声に聞こえる】
【何から何まで、意味の解らない何か】
【やがて】

「っちょ待てって!」
「そんな姿で出歩いたら大混乱ッス!」

【フルフルとこれまた覚束ない足取りで歩き始め】
【王を探す、と言い立ち去ろうとするそれに、二人は追い付き】
【男性は肩を掴み、それぞれ声をかけた】

「王って奴を探せばいいんだろ?しゃーねー一緒に探してやるよ」
「取りあえず服だけでも着るッス!泥ちゃん!」

【呼び方が無いと不便なのか、泥ちゃんと仮に呼ぶことに】
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/23(金) 23:59:56.55 ID:74yQMToD0
>>583

【少し離れた場所から声が聞こえてくる――その主は】

「ほォう……面白そォーなモノを動かしてるじゃアねェか……」

【黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長約216cm、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「お前が作ったのかァ? こォれ」

【その者は機械人形に向けて近づいてきて、もし何かしらの方法で止めに入らない場合は無遠慮にそれをペタペタと触り始めるだろう】
【――もしかすると、この顔はどこかで見たことがあるかもしれない】
【例えば、この顔にピンときたら即通報の文字とセットになっていたとか――】

/まだいらっしゃいましたら……
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/24(土) 00:02:05.09 ID:pKBqyVpBO
>>590

【自己の状況よりも目的を優先するのは、其れが私心と呼ばれるものを持たないからで】
【感情という機能も極めて鈍い或いは存在しない故だろう】
【だからこそ目覚めたばかりでこんな頓珍漢なやり取りとなるのだが】

【幸いこの二人はそれを利用するような人間ではなかった】
【そればかりか手を貸そうという。人の良い奴――――所謂善人なのだろう】
【しかし、残念ながら泥ちゃんと呼ばれた其れの判断基準に善悪は含まれていなかった】
【引かれてがくんと歩が止まる。ぎこちなく首を回して無言の抗議】

『邪魔をするでな、い』

【しかしそこが限界だった】
【惜しむべきは、回復、つまり乾燥が不完全だった事だろう】
【掴まれた部分と、両膝か脆くも崩れ去る。半分振り返った姿勢のまま、重力に斜め横――――即ち川面へ】
【相手の手に一握の砂を残し、身体は再び川へ落下する】
【飛沫に呑まれ結合の解けた砂たちは、たちまち流れの泥土と混ざっていく】

ぱ、ちん……――


【そんな呟きも、水面の泡立ちと溶けて消えていった】
【死んだ訳ではない、しかし釈然としない味気なさを残して――――】


/この辺りで〆させてください。ありがとうございました
593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 00:08:35.88 ID:7h0ZivsTo
>>591
//あー、すいません、もう寝るところでした
//なのでレスは明日になるかと思います
//もちろん、取り消してもらっても構いません、どうもすいません
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 00:12:13.70 ID:rwigNl9Z0
>>592

「……え?」
「あ、兄ィ!泥ちゃんが!!」

【肩を掴んだ拍子、がくんと膝が止まり】
【首をゆっくりと、緩慢かつぎこちなく回し】

「泥ちゃん!!」
「泥ちゃんどうしたッス!?」

【両膝と、そして掴んだ肩が崩れ去り、そのままバランスを崩し】
【川の中へ】
【身体は水に溶け、流され、再び元の泥と砂へと戻ってゆく】

「泥ちゃん……」
「一体、何だったッスかね、泥ちゃんって」

【二人の胸には、何とも奇妙な味気無さと、煮え切らなさが残った】

//了解です、お疲れさまでした!ありがとうございました
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 00:26:33.96 ID:Xy93vo4b0
>>593
/そうでしたか、すみません
/了解しました、明日は目が覚め次第返レスできるかと思います
596 :File:ZERO 新章導入 [saga !nasu_res]:2018/03/24(土) 10:55:12.60 ID:nXvA283go
【号外】



【 魔能制限法、施行開始=@】



【一面の大見出しに堂々とそう載った号外が街中で飛び交った】

【異能者規制法案。それは満を持して可決された】

【民衆のほとんどはその報せを聞いて嬉々とした】
【まるで我が子が何か偉業を成し遂げたかのように】
【当然と思う心もあり、それでもなお誇らしく思い】

【我らの民意が反映された】
【これは民衆の勝利だ、と】

【実際口にする訳ではなかったが、ほとんどの者がそう胸に抱いた】


 『──これは我々人類史の新たな一歩と言って過言でなく──』

 『──特別福祉戦略区≠ニして制定されたのは以下の区域で──』

 『──早速この『特区』への移住を希望する住民の問い合わせも殺到しているとの──』

 『──これがやはり法治国家として本来あるべき姿であってですね──』

 『──ようやく国が僕らの味方になってくれたっていうか──』


【メディアはそうした民の反応を次々取り上げた】



【────】



【ひゅう、と吹き抜ける風】

【幾人かの手を経て揉みに揉まれ、やがて新聞としての役目を終え紙くずとなった一枚が】
【当て所もない風に煽られるまま、流れ流れて人気のない郊外にまで流浪する】
【やがてある時、ばさり、と一人の青年の足下へ纏わり付き、その旅路を終えた】

【青年は何気なく拾い上げる】
【そこに印字された情報群を、目で追う】

【途端。彼の背に怖気が走り、それは全身を凍結せしめた】


(──────……なん、だ……これ、は)


【巨大なダムの壁に入った亀裂を一番最初に見つけてしまった人間のように】
【恐ろしいものを目にしつつ、そこから眼差しを逸らすことが出来なくなって】
【彼はしばし呼吸を忘れて、立ち尽くした】


【そんな、馬鹿な──】

【これでは、まるで、あの────】
597 :File:ZERO 新章導入 [saga !蒼_res]:2018/03/24(土) 10:56:03.66 ID:nXvA283go
【水の国・特別福祉戦略区】


 <──こちらは『福祉局』です──>


 <──現在、当区域は規制実施エリアです──>


 <──認可のない魔能行使は厳しい処罰の対象となります──>


 <──認可申請をする場合はお近くの総合福祉センターにて所定の──>
 

 <──なお、本日の開館時間は──>


【無機質な銀色の円盤状ドローンが、その指向性スピーカーから愛嬌のある声を向ける】
【ひとしきりのアナウンスを終えれば、氷上を滑るような滑らかさで以て、宙空に気まぐれな軌道を描き去って行く】

【途中で急に止まり、進路を変えたのは、誰かのストレス指数の異常を検知したのだろう】
【案の定、ややあってから福祉局のバンが現れ、ドローンの向かった方へと急行していく】


【どこかの街頭スキャナが音も無く振り向き、精密にあなたを照準する】
【それは目視できるかもしれないし、光学迷彩によって視覚的に秘匿されているかもしれない】


【あなたが認可を受けた者か自殺志願者でなければ、】
【ここでは不用意な魔能の発動を控えるべきなのは言うまでもない】

【規定値を超えた魔力放出量、あるいは異能による物理的及び量子論的定数の変動をスキャナが検知すれば】
【 “Bi Bi──Bi Bi──” 強く咎めるような低い電子音が、指向性スピーカーからあなたへ向けて放たれる】
【警告で済んだなら運が良い。大抵の場合、それは即座にけたたましい(しかしあなただけに指向された)警報音と化し】

【即座に警官隊やその仲間が駆けつけ、あなたを大規模なテロの主犯と同等と見なし相応の処置を取る】

【その『仲間』には色々といる】
【認可能力者であったり、対能力者捕縛に特化した装備を積んだドロイドの群れであったり】
【あるいは、無慈悲な科学兵装を満載した機械兵が、その場へ量子的に記述されて現れることもあるというが】

【命を賭けてまでその真偽や詳細を確かめる価値があるかどうかは分からない】


【とにかくここは芽吹いたばかりのユートピアで】
【理想郷には客人にもそれらしい振る舞いが求められる】



【「こんにちは、旅人さん」】

【市民の一人が見知らぬあなたに挨拶をし、すれ違っていく】

【背筋を伸ばし、颯爽とした足取りで】
【その横顔は、完全な幸福に満ちていた】
598 :File:ZERO 新章導入 [saga !nasu_res]:2018/03/24(土) 10:56:35.45 ID:nXvA283go


【 <exist> 】

【 命題 : クオリアの有無 】

【 不明 : 『センター』の奥には何 存在 】

【 過程 : 高度なシステム 設備 この短期間で配備 】

【 前提 : 『福祉局』なんて部署 政府 存在 】

【 齟齬 : 大衆 何故 当然 認識 受諾 】 

【 欠如 : カノッサ 何 】

【 幻視 : オメラス 】

【 内観 : 私 何 】

【 </exist> 】








【「こんにちは! 福祉局の者ですが」】

【「あなたはまだ、市民定期検診に来てないみたいですね」】

【「ええ、義務なんですよ。市民の健康は国の礎ですから」】


【「顔色が悪いですね。相当疲れてるみたい。なんて可哀想に」】

【「でも、もう大丈夫ですからね」】










【「────よいしょ、と」】






【「一名、浄化入ります。ハッピー!」】


【 「「「ハッピー!」」」 】
599 :File:ZERO 新章導入 [saga !nasu_res]:2018/03/24(土) 10:59:23.00 ID:nXvA283go
/File:ZERO$Vシーズンの導入です。
/『魔能制限法』が可決され、水の国の一部地域で異能や魔術の使用が制限されるようになりました。

/※!ただし!※
/中の人の都合で向こう数日ロールで出せるか分からないという事情により、
/『特別福祉戦略区』は現在、まだ普通の街です。まだ普通の街です。
/現在は手続き期間中として、周りには警察や軍隊などが厳戒態勢を敷いています。

/詳細はwikiの『特別福祉戦略区』のページをご覧いただくか、
/その他不明な点は舞台裏の方でお尋ねください。連投失礼しました。
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 11:51:48.32 ID:7h0ZivsTo
>>591

【声がしたとき、青年は慌てた様子でそちらを振り返った】
【この場所は路地裏だ。どういう人間が────人間以外も────やってくるか分からない】
【どちらかといえば害意のある相手の方が多いぐらいだ。警戒する必要があった】

【しかし相手は何だか敵意のなさそうなコワモテお兄さん】
【なーんだ、と拍子抜けするほどではないものの、青年の警戒心はひとまず無くなり】

…………ん、あぁ、そうだよ
人様に見せてもいい程度の、自慢の一品だよ
よく動くし、内蔵も気に入ってる、もちろん、見た目も…………

【話しながらも青年は何だかどっかで見たことあるような、既視感を覚えていた】
【小首を傾げて記憶を検索。例えばだが、駅の構内の張り紙だとか】
【そういう公的機関の壁で見たことがあったような、ないような】

…………あっ

【青年はその顔を思い出してしまった】
【す、と携帯端末を取り出して耳に当てる】

もしもしポリスメン?

【※実際には繋がっていません】
【すっとぼけたような顔をしながら警察に連絡する素振りなんかを、してみたり】

//お返しいたします!
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 13:44:39.20 ID:Xy93vo4b0
>>600

「ほォう……悪くねェ……俺様は機械系あァまり得意じゃアねェモノでなァ」
「どォれ、攫ってやァろう――」

【――敵意はないが、何やら不穏な雰囲気。機械人形に近づいていって】
【そして、それに触れようとしていた、しかしそれは実現しなかった】

「……!」

【青年がポリスメンを呼び出そうとしていることに気がついてしまったその者】
【呼ばれても問題ないが――なんて呟きつつ、彼の方に向けて接近】
【運動神経はそれなりに良さそうだ、方向転換の動きがなかなか滑らか。】

「さァてはアンチだァな、お前!」

【そして、変なポーズと共に華麗なる動きで繰り出されるチョップ!】
【それは青年の持つ携帯端末を落とすか壊すか等をさせることを狙った一撃】
【――それ以外の目的はあまり持っていないため、もし身体のどこかに当たったとしてもアザになるかもしれない程度の威力だ】
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 14:02:57.92 ID:7h0ZivsTo
>>601

【華麗なチョップによって通報は中断。「うぼぁ!?」みたいな変な声をあげて】
【ぼとっ、と携帯端末を落とすが、もう片方の手で無事にキャッチ。液晶画面は守られた(?)】
【大人しく携帯端末を白衣のポケットに入れる青年だったが、チョップを受けた手をさすりながら恨めしそうにコワモテお兄さんを見ていた】

アンチって、そりゃアンチでしょ。犯罪者アンチ
全く、いきなり何するんだよ、酷いな……

【最初に通報しようとしたことは棚に上げて────まぁ市民としては普通の反応かもしれないが】
【さも”お前が悪い”と言いたげな顔をしていた青年であった】

で、もしかしてあれ、欲しいの?
売れなくもないけど、それなりに金をもらうことになるし
それにちょっとぐらいは時間かかるよ

【機械人形を攫おうとしていたこと自体はちゃんと見ていたらしく】
【指名手配犯相手に商談を持ちかけようとまでしていた。ちょっとこいつ舐めてるかもしれない】
【一応、穏便に機械人形を手に入れることはできそうな、雰囲気ではあったが】
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 14:21:05.38 ID:Xy93vo4b0
>>602

「ヒャハハ、俺様を通報しィようとしィたお前が悪い」
「まァー、俺様ほォどの力があァれば、かァけつけた奴らをまァとめて返り討ちにすゥるがな……」

【――自信たっぷりの、腹立つ顔。強がりとかではなく本気で思ってそうである】
【変なポーズの解除と共に、チョップを繰り出した手を引っ込める】

「そォーだ、俺様は現在、公安だァか黒幕だァかを潰す為の戦力強化キャンペーンを実施中なァのでな」
「なァにかしらの理由をつゥけて年中実施しィてるのは置ォいといて……ククク」

【そっとポケットから黒い財布を取り出す。中身を確認――……】
【――まあまあ入っている、いや財布に入っている金額としては高額な方か】

「金なァらあァる。11万くゥれェな。よォーし、売ゥれ」

【コイツもコイツで舐めた態度。……と言っても、口調的に本気でこの値段で買えるとは思っていなさそうだ】
【おそらく、相手の出方を伺うことも兼ねているのだろう。】
【何となくだが、金庫とかに大量の金を蓄えていそうな雰囲気も無くはない、が……】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 14:34:17.08 ID:7h0ZivsTo
>>603

【返り討ちにできる、なんて言われても「えー」なんて言って信じてないような顔】
【指名手配も受けているし犯罪者は犯罪者なのだろうが、どうにも、言ってしまえば怖さが足りない】

【この青年も相手をそのへんで判断してはいけないという常識ぐらいはあるが】
【相手に愛嬌がある、ということにしておこう、うん】

財布に11万も入ってるのはすごいけど、それじゃ特注品は売れないなぁ
せいぜいが既製品を改良したものぐらいだよ

【「これとかね」と言って、ホルスターの上から自動拳銃をとんとん、と指で叩く】
【一見すればただの銃だが、どうやら何かしらの改良がしてある様子】

ところで……今、公安やら黒幕やらって言った?

【青年の表情に若干の真剣さが宿る。その二つの言葉の意味を、彼は知っていた】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/24(土) 14:48:48.44 ID:OgvghszM0
【水の国・公園】

【――――魔能制限法、施行開始=z
【そう書かれた新聞を、いつしか強く握りしめる】

悪い法律じゃない。
ある意味、国家がこう動くのは当然、であるけれど。

【能力者の危険性が滔々と解かれた解説欄】
【個人の身に余る異能は、国によって管理運営されるべきだ――】
【能力者たちだけの手にそれを渡しておくのは、危険なことだ、と】

だとするなら、国家を運営する人間は、
果たして正しいのだろうか。
今正しくても、今後ずっと正しいのだろうか。
それは相互監視される今と比べて、ずっと腐敗しやすいものではないのか。

【新聞をばさり、とゴミ箱に捨てて、腰掛けていたベンチから立ち上がる】
【白銀の外套、金髪に紅眼。柔和な顔立ちをした青年だが、その表情は厳しい】

やはり、この関連法案――鈴音の行っていた『公安』と何某か絡みがありそうだな。

【法案可決に沸く街を歩む。特区の外のここでも、話題はこの件で持ちきりだ】
【知り合いか、、あるいはまだ見ぬ他の能力者か――それか、図書館で働き始めたあの知人か】
【誰かと邂逅すれば、この問題について口を開くだろう】
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 14:49:35.04 ID:Xy93vo4b0
>>604

「ククク……俺様の凄さがわァかってねェよォーだな……」

【その言葉とともに懐から取り出されたのは、とある新聞の切り抜き】
【書かれてある内容を要約すると、邪禍って悪魔がテロ起こしてしっちゃかめっちゃか――と言ったところか】
【能力者の手によって鎮圧された……という情報はご丁寧に指で隠してあるが、少し強引にずらせば簡単に見れるだろう】

「端数の4千と115を足ァしても駄目か? ……ククッ、冗談だ冗談」
「俺様だァッてそォの程度の金額で買ァえるとは思っちゃアいィねェ……金ならそォれなりにあァる」
「よォほどぶゥッ飛んだ値段じゃアねェなら出ァせるくゥれェにな」

【――言い値で買う(かもしれない)、直接は言わなかったが】
【おそらく、どの程度の価値があるのかがあまりよくわかっていない、故に自ら値段を提示しない】

「ほォう、そォの銃も改良品か……ククク、銃なァら足ァりてる……どォーだァッたかな、後で倉庫見ィとくか」
「……あァ? 確かに言ィッたが。公安やァら黒幕やァらとは」
「通っちまァッたかァらな、例の法案も……俺様の怒りが有頂天って奴だ」

【言葉の端々から滲み出るのは、それらに対する敵意。――潰す、と先程言っていたか】
【となると、この者の立ち位置も少し見えてくるかもしれない】
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 15:01:37.87 ID:7h0ZivsTo
>>606

【「んー、どれどれ」と言って新聞の記事を眺める】
【そこには目の前のコワモテお兄さんがテロを起こして大活躍したという内容】
【青年の片眉が上がる────記事と邪禍を交互に見る。どうも、まだ信用できていないようで】

【新聞を指でつまんで、すっ、と横にずらす。そこには隠された真相が!】

いや、鎮圧されちゃってるじゃん…………
…………まぁでも、凄いには凄いのか……うん

【鎮圧された、なんて内容は邪禍にとっては隠したかったのだろうが】
【しかしむしろそれは逆に、話の信ぴょう性をあげる効果があったらしい】
【一応はその凄さ的なものに、納得したように青年は頷いていた】

おー……それはありがたいね
まぁ、こいつは結構いいパーツも使ってるし手間もかかってる
売るんならそうだなぁ、基本は200万かな
他にも何をつけるかにも寄るけどね

【その後も細かい内蔵兵器の話やらカスタマイズの話やらをして】
【全部つけたりすると桁が一つ増えたり二つ増えたり】
【それよりも問題なのは意外と時間がかかることだったかもしれない。納品には数ヶ月かかるなんて話もあり】

【銃については「あるのかないのかどっちだよ」なんて突っ込みを入れたりもしていたが】
【やはり公安絡みの話になると表情を引き締めていた】

……技師の俺も、あの法案が通ったりするのは困るし
それに、色々と話は知ってる

ただ、どうしておま……あんt……うぅん
邪禍…………さんが、その公安や黒幕と敵対してるの?

【こいつ、お前やらあんたやらと言おうとしてました】
【仕方ない感じで敬称を付け足して、その目的や理由について尋ねる】
【前述の話からすれば邪禍はテロリストだと分かる。あまり敵対する理由が彼には見えていなかった】
608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 15:26:48.00 ID:Xy93vo4b0
>>607

「……おォいコラァ! 俺様がせェッかく凄いとォころを証明しィてやァろうとしィたのに!」
「まァ、鎮圧はさァれたが! 俺様は超強ェ! 覚えておきな」

【それからの行動は早かった、新聞の切り抜きを懐へ戻すその者】
【ちょっとした怒りの表情で威嚇するが、あまり本気で怒っているわけでもない様子】
【(わざわざ指で隠すくらいならば、最初からその部分を削っておけば良いのではないか――)】

「ほォう……ふゥッかけて来ゥるかと思ったが、まァーまァの値段だ。数えてねェが、倉庫にそォのくゥれェはあァる、はァず」
「……ふゥむ、しィかし数ヶ月か。長期目線で見ィるなら問題ねェが」
「ちょいと今は即戦力が必要な時期だ。さァて、どォーするか……」

【懐事情的には問題ないが、やはり納品にかかる時間がネックの様子】
【今回の戦いがどれくらいの期間と規模になるのか、その者はまだあまり見えていない。故に悩む】

「好ゥきに呼ォびな。……俺様は、力を奪う輩が大嫌ェなァんだよ。"魂"を鈍らせる、輩が。」
「そォれに、力が制限さァれたとォころで、人間共が争いを止ァめるわけねェだろ。」
「あァ、今回の法案は黒幕とォかそォッち側の奴らが出ァした――らァしい。だァから敵だ、奴らは」

「さァッきのテロの話もよ、もォし能力者が駆ァけつけてなァッかたら……まァ、軍や特殊部隊辺りがェ出るんだァろうが」
「すゥぐに来ォれるかァ? そォして俺様がたァだの軍に止ォめられるとでも思うかァ? 超強ェ俺様をよォ? ヒャハハハハ!」

【相変わらずの自信過剰な態度。軍の強さを少し過小評価しているようだが――】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 15:32:22.63 ID:7h0ZivsTo
>>608

【一連の話の流れで、何となく青年には邪禍の状況が読めてはきていた】
【機械人形を欲したのも、今回の事件への対抗策なのだろう、と】
【こうなってきては彼にとっても無関係とは言えなくなってくる】

公安や、黒幕だとか、そういう連中と戦うのに必要だっていうんなら、話は別になる
流石に”こいつ”を量産とかは無理だけど、でも支援はするよ、可能な限り、ね

【青年の表情は真剣そのもので、陰謀や争いに巻き込まれる覚悟も決めている様子】
【具体的に何を必要とするかは邪禍次第ではあったが、それでも協力は惜しまないという姿勢だ】
【彼としても騒動には思うところがあった。それは単に技師として困る、などという理由だけではない】

…………でも、その方が邪禍さんにとっては都合がいいのでは?

【邪禍の言い分に青年は思わず首を傾げてしまった。こいつ、実はいい奴なのではなかろうか】
【そんな考えさえ脳裏を過ぎる。さっきから悪人感がなさすぎる!】
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 16:02:41.38 ID:Xy93vo4b0
>>609

「話が早ェ奴だ、そォーいうこと! 公安に黒幕、奴らを潰す手段は多ければ多い程良ォい」
「カノッサ機関が絡んでんだ、どォーいう手がどォれだけあァるか――俺様も知ィらねェ」
「人手はとォもかく金なァらそォれなりに出ァせる。――よォーし、言ィッたな? 支援しィろ。事が終ォわるまァで!」

【物理的にも精神的にも上から目線で、そしてややうるさめに。】

「あァ、俺様は完全に悪の存在だ。しィかし、今回の件に関する協力者がUTに何人かいィる」
「正義の糞共とつゥるむ方が好みなァらそォッちに話を通しといてやァろう。気ィが向ゥいたらな」

「……量産は無理か、何人か買ァッて事が片付いたらテロ要因の頭数にしィてやァろうかと思ったんだァが」
「まァ、お前技師なァんだろう? 直接戦闘に関わらねェでも……裏方支援のツールの開発とォか、やァれそォーな事は色々あァる」

【――こいつに下手にモノを渡すと後々悪用されそうな気もしないではないが】
【ともかく、その者も偶然出会った相手をどう活かすかを全然考えていなかった様子】

「…………まァ、都合は良ォいが。」
「あァれだ、ほォら。飽ァきる。刺激がねェとよ」

【おそらく適当に思いついた理由なのだろう、本音だろう感じは全くしない】
【嘘をついた時のような挙動不審さはないが、間違いなく何かを隠している……ような、気がしないでもない】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 16:35:20.33 ID:7h0ZivsTo
>>610

【上から目線ではあったものの、相手の立場というか考えを踏まえると】
【そういう態度であるのも頷けるので、青年はこれといって嫌な顔はしなかった】

UTだったら、この間行ってきたところではあるね
”彼女”が本当に俺のことを信用してくれて、本当に話を通してくれたかは分からないけど
でも、複数人の紹介がある方が信用…………信用…………?

【”複数人の紹介がある方が信用されるよね”、と青年は言おうとしていたのだが】
【しかし目の前にいるのは邪禍である。テロリストで犯罪者である】
【果たして犯罪者の紹介が自分の信用度向上に繋がるのか、全くもって不明であった】

【邪禍の邪な発想に「テロに利用されるのはなぁ」と素直に難色を示していたが】
【ともあれ、後半の部分には頷いていた。技師としての力を発揮すること自体に異論はないようだ】

…………邪禍さん、何か隠してない?

【※普通に突っ込む人】
【隠し事が何か、そんなに今の話に重要ではないが、それでもあからさまだと気になる】
【じーっ、と。疑いの眼差しが邪禍へと向けられるのであった】
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 17:03:12.30 ID:Xy93vo4b0
>>611

「あァ、行ィッたこォとあァるのか……なァら話が通り易いだァろう……通り易いかァは微妙だァが!」
「俺様の部下であァり、UT所属……元が付くかもしィれねェが、」
「そォんな"レオーテヴュート"の名前でェも出ァしときゃア、少しは信頼さァれるんじゃアねェーか」

【そしてその者は"何とかなるだろ"なんて投げやりな言葉を付け足した。】
【(なお、邪禍とレオーテヴュートが繋がっている事は既に流出済みである。ただ、この悪魔が知らないだけであり)】

【……懸念の通り、この者が信頼の証になるかは不明瞭だ。味方ではない、あくまでもタダの協力者。そして指名手配犯。】
【敵対する相手が同じだから手を組もうとするだけの存在である】

「資金源はあァるってあァのタコ言ィッてたよォーな気ィがすゥるが……まァ良ォい」
「俺様たちへの協力で発生しィた費用の領収書はレオーテヴュート宛にでェも出ァしとけ」
「牛丼100杯とォかおォかしい用途じゃアねェなら多分通してやァる」

【――本当に支払ってもらえるのだろうか、その辺りが少々不安になるところだが】


「あァ? ……隠してねェよ。俺様は見ィてのとォーり、悪魔だ。人間共に混沌を齎す悪魔!」
「人間共を阿鼻叫喚さァせるには、軍よォり能力者の方が……あァ、さァすがに意味不明だ」

【疑いの眼差しから逃げることはせず、そして出されたのは自分でも気づくほど無理がある理由】
【とりあえず水に流そうと、右手から目潰し的に繰り出されるは液状の魔翌力。レモン汁程度の威力がある、混沌と生命のエネルギーだ】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 17:15:34.91 ID:7h0ZivsTo
>>612

分かったよ、レオーテビュ……ドゥ……ヴ……

【※言えない】
【発音に困難が伴っているようだったが、まぁとりあえずは承諾していた】

【次は金の話である。牛丼100杯とかのおかしな領収証はダメだ、と釘を刺すあたりは】
【なんて普通なんだ、と妙な感動というか感心を覚えていた。まるでうちの経理みたいだ!】
【無論、テロリストが本当に払うかは分からないが、そのあたり何故だか信用できる。何故だろうか】

……え、邪禍さん悪魔なの? 悪魔は苦手なんだけどな
意味不明って自分で言っちゃだめじゃ────いだだだだだだだだだっ!!

【この青年、悪魔には一つ嫌な思い出が。昔、刀に宿った悪魔に肉体を乗っ取られたことも】
【それはさておき、目潰しをもろに食らった青年はそれはそれは悶え苦しんだ】
【両手で顔を覆うもレモン汁ほどの威力があれば人は死ぬ(過剰表現)】

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!
そ、それ、でっ、タコって、誰っ!
邪禍さんがっ、払う、ん、じゃ、ないのっ!?

【もがき苦しみながらも資金源について尋ねる】
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 17:31:38.95 ID:Xy93vo4b0
>>613

「昨日本人かァらも愚痴らァれたな、名前発音し辛い問題」
「レオーテヴュート、略してユウト! よォーし、わァかったよォーだな」

【最初から略称を教えれば良かったのでは――それはさておいて】
【案外まともな部分も兼ね備えているのかもしれない、この悪魔は】
【(実際、こちら側の利益になる用途で使われたと判断すればさっと出してくれる)】

「ヒャハハハハ! 苦手な悪魔に深入りすゥるのォが悪い……」
「俺様の力を侮ったお前のそォのそォれを恨むんだァな!」

【――などと供述し、先程の疑問への応対を無かったことにしようとする】
【なお、魔翌力については放っておけば問題ない。よく染みる目薬みたいなモノで、そのうち蒸発する】
【つまり害はない、たぶん。……おそらく。……うん。】

「タコは協力者だ。ミラ・クラァケ。そォのタコかァら色々話を聞ィた結果が今の立場」
「で、そォいつがスポンサーつゥいてるとォか何とか言ィッてた、だァから資金源は既にあァるんだァろう」
「俺様はモノを出ァすと言ィッたが――まァ、金だァってモノの1つだ。」

「つゥまり、俺様かレオーテヴュートに領収書切ィッときゃア、俺様が払う。気ィが向いたらな……」

【――綺麗な金なのか、汚い金なのか。その辺りは明確にせず】
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 17:42:27.73 ID:7h0ZivsTo
>>614

【「じゃあ初めからそっちを教えてくれれば」なんて、ちょっと不満そうに言っていたが】
【ともあれ商談そのものは成立したと言えるのだろう。意外と金払いも良さそうに見える】
【問題は実際に何を作らされるか、という部分ではあったが】

【ひとまず、邪禍の怪しい部分については置いておいた】
【またレモン汁攻撃をされてはたまったものではないし、あまり突つき過ぎてもいいことはないだろう】

だっ、だいたいは、分かったよっ!
その、タ、タコ? ミラって、人、……人?
と、とにかくっ、そっちも探した方が、良さ、そう、かなっ!

あぁもう痛いっ!!

【効果抜群のレモン汁攻撃の痛みは中々消えず、会話もちょっと苦労していたが】
【真っ赤なタコさんも探す気でいるらしい。味方は多い方がいいし、直接会うに越したことはない】
【あと、ちょっと、そのへんの連絡についてはこの悪魔に信用が置けない。雑事が苦手そうに見える】

……で……何、作る……?

【片目がやっと開けるようになったらしく、左目だけで邪禍を見る。真っ赤だ】
【そういえばこいつ、眼鏡をかけていたような気もするが、きっと魔力だし貫通したのだろう、多分】
【そういうわけで、両手で顔を覆う都合上、眼鏡は取り外して胸ポケットに入っている(描写忘れ)】
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 18:02:18.72 ID:Xy93vo4b0
>>615

「タコは――まァー、タコだ。見ィた目は大体人間に近いが」
「そォいつの連絡先なァら持ォッてるぞ……ククク、さァッきの目薬代にどォーだ」

【目薬……いや、レモン汁を処方したのはコイツであり、つまり払う側は相手になるはずだが】
【おそらくマイナス料金とかそういうことなのだろう。実際にマイナスにしかなっていないし】

【――ただし、これは邪禍が知らない話だが、通常の連絡網は色々あって使用に不安がある】
【使用の際は、何者かにメールの内容を知られる可能性もあるので、注意が必要だ】


「あァ、……、……何作らせよォーか。テロ用……おォッと、対公安用に機械人形とォかか?」

【行き当たりばったり。先程難色を示していた用途で発注をかけようとするが】

「……まァ、ちょいと他の奴らとォの相談が要ィりそうな話だ」
「たァだ、異能を封じる手段があァッちにはあァる。そォの辺りを防ぐアレコレはあァッても損はねェか」

【――実現可能かはともかく、必要になりそうなモノが思いついたらしいそれ。】
【両腕を組んでおり、とても発注側の態度には見えない】
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/24(土) 18:05:07.45 ID:+F1NyPw60
【路地裏】

―――それが計画だ。……飲むか?

『私は一般に食用のもの以外は飲み込むことは出来ません。しかし承諾するという意味であるなら肯定します。』

なら…オレは暫く、姿を消す。マキにはよろしく言っておいてくれ。

『了解しました。それでは探偵。幸運を祈ります。』

【男女の話し声。路地裏から人目をはばかるように漏れ聞こえる。そして男女は別々に歩きだした。】

【その場には電波障害が発せられており、また例えるなら“黒と白、天使と悪魔”のような相反する混ざりあった魔力が漂っている】
【それらどちらかに気がつくには魔力に鋭いものか、携帯で通話中ならわかるかもしれない】



【男は背の高い痩せた、黒髪の無精髭を生やした、とんがったような鼻と大きめの薄い口が特徴的で目はサングラスで覆っている】
【年季の入ったトレンチコートをスーツの上に着た、古い刑事ドラマや探偵ものに出てきそうな風貌をしていた。彼は直ぐに紙巻きの煙草の箱と】
【オイルライターを取り出して火をつける。白い煙をその路地裏に置き去りにして、路地を歩いていく】

さて…これで俺も地下へ逆戻り…か。

【先程の魔力はこの男から発せられている。例えるなら、煙草と血と硝煙の臭いがする】





【一方の女性は、青い目をした色白で、長い銀髪を複雑に編み込んで、耳にはいくつものピアスを開けている。目の周りにはくっきりとした化粧をし】
【口紅は流行りの濃いめの色。真っ赤なライダースジャケットを着て、パンキッシュだが、姿勢よく規則的に歩きその表情はすんとした無表情で前だけを見つめている】

………。

【この女性に近づけば近づくほど携帯電話のノイズがひどくなる。すれ違うときにはブツッと壊れてしまうかもしれない。】
【かくもここは路地裏だ。女性の独り歩きは危険な場所、危険な時間帯であった】
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 18:17:56.48 ID:7h0ZivsTo
>>616

うぅ……この苦痛に対する慰謝料として受け取っておくよ
ついでに、これもあげよう……うぅ

【まだ若干苦しみながら、白衣のポケットから名刺を取り出して邪禍に差し出す】
【そこには『レヴォルツィオーン社 開発部門 赤木怜司』と書かれていた】

【レヴォルツィオーン社もまた公安と無関係ではない。知っていてもおかしくはないが】
【関係性を尋ねれば、青年はすんなりと答えてくれるだろう】

異能を、封じる?
それはかなり……危ないというか……恐ろしいね
そういえば”彼女”から聞いたな……記憶をいじるだの、意識を奪うだのって
それへの対抗策を作れるかは分からないけど、原理を教えてくれたら、あるいは

【両目がやっと回復したので胸ポケットの眼鏡を取り出して身につける】
【どうやら”誰か”からその手の話は聞いていたらしい。すんなりと頷いていた】
【それから「あ」と何かに気づいた声をあげて】

機械人形だけど、手動と自動がある
そいつは手動で、動かすのにはかなりコツがいる
自動だと多少は不便になるよ

【そう言って彼は動かずに佇んでいる機械人形を指差した】
619 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 18:23:52.40 ID:rwigNl9Z0
【水の国、都市部コンビニ内】

「……なんですか、いくら何でも……」
「おいおいおい、こりゃ、ディミーアの言ってた通りじゃねえか」
「アタシらも、この特別福祉戦略区ってのは立ち入れねえッスね」

【他に客も居ない時間帯、店内に居るのはセーラー服の女子学生と】
【他にはカウボーイ姿の男と少女だった】
【いつも、漫画雑誌の残り一冊を巡り争う男と女子学生だが】
【今日この日に限っては様子が違っていた】
【魔能制限法の施行開始を告げる新聞の夕刊】
【これを広げる女子学生と、それを覗き込む男と少女の奇妙珍妙な構図だ】

「って、うわあああああッ!いつものカウボーイ!?何してるんですか!?今日はジャン○買わないんですか!?」
「いや、それどころじゃねーかなって……なあマリーちゃん」
「そうッス、アタシらにも任務があるッス」

【珍妙な三人なだけに、コンビニのガラス越しにも、ましてや店内ならば尚さらに、その深刻そうな三人は目を引くだろう】

620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 18:39:06.66 ID:Xy93vo4b0
>>618

「ククク……ほォれ、手書きの奴だ。携帯に送った方が良ォいか?」

【懐から取り出された1枚の雑にちぎられたメモ翌用紙、そこには確かにミラ・クラァケの連絡先がギリギリ読める気がする字で書かれている】
【――そして、悪魔は悪魔で彼から差し出された名刺を受け取り、内容を確認】
【レヴォルツィオーン、聞いたことがある社名だが――裏の繋がりまでは、知らない様子】
【返す名刺は持ってない、そう告げた後に彼の名刺は懐へとしまわれた】

「あァ、危険だ。――あァいう危険物は放っておォけねェ、ぶゥッ壊す」
「しィかし俺様は使われたこォとがねェ、だァから原理は知ィらねェな」
「さァッき言ィッたタコが1回受ゥけたみィてェだが……そォれ以上の情報はねェ」

【となると、現在ある情報だけで作るのは少々難しそうだが……】

「……記憶操作に、意識を奪うか。能力者の手ェによォるモノじゃアなく技術なァら、厄介だ」
「俺様には効ィかねェだァろうがな! ヒャハハ」

【謎の自信――それから、彼の言葉を受けて機械人形の方に顔を向けて】

「ほォう、――心配は要ィらねェ……俺様の腕を持ォッてすゥれば! 動かせる!」
「……まァ、ちょいと"加工"しィて自動の方の使い勝手を良ォくすゥるかもしィれねェが」
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 18:46:11.21 ID:7h0ZivsTo
>>620

【メモ用紙を受け取って赤木がそれに視線を落とす────そして眉間にシワが寄る】
【じーっとそれを見つめ、ちょっと離し、また近づけて眺める。読むのにかなり難儀しているらしく】
【それをしばらく続けてからポケットに放り込む。多分、読めた。きっと】

じゃあ一応、そのミラって人を探して話でも聞こうかな……
いきなり連絡を入れたんじゃ怖がりそうだしね、これだけ相手が面倒そうなのだと、さ

加工、かぁ。技師としてはちょっとむかつくっていうか悔しいけど
でもまぁ、好きにしてよ。役立つ形にするのが一番だからね

【「ただし」と赤木は付け加えて】

これらの事件が収束したら、使えないようにはしておくからね
流石に俺だって邪禍さんのテロを手伝ったりはしたくないよ

【こっちはこっちで釘を刺しておく。表情は”文句あっか”とさえ言いそうな雰囲気】
【目の前の悪魔が危険人物であることは分かっているが、だからこそ、ここは引けない一線だった】
【そもそも、世間を助けるためにやったことが世間を脅かしては意味がないのだ】
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 18:56:15.29 ID:Xy93vo4b0
>>621

「――安心しィな、"技術的な"加工は俺様の領域じゃアねェ」

【先程渡したメモ翌用紙の片割れと思われる紙切れを取り出せば、それに魔翌力を流し込み――】
【――そして、その紙切れの形が変化していき……最終的には、ぺらっぺらの芋虫のような状態になる】
【挙動は尺取り虫だ。邪禍の手のひらをうねうねと動いたり、あるいは固まったり】
【強さは下手すると本物より弱い。特に足腰。――風でも1吹きすれば、おそらく飛ばされる。】

「ククク、まァそォーなァるか。」
「俺様の加工とお前の技術、どォッちが上回るかなァ?」

【答えは言うまでもない、そんな自信たっぷりの顔。――もっとも、実際の結果は不明だが】
【なんだかんだで律儀なやつである、条件として提示しておけば多分テロ等には使わないだろう】
【……保証はできないが】
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 19:02:57.40 ID:7h0ZivsTo
>>622

【紙切れが変化して動き始める────その様を見た赤木は驚いた表情を浮かべていた】
【彼も一応魔術師の端くれだ。それが魔術的な、というか魔力的な作用によるものだというのは分かる】
【だがその技能は特殊なもののように見えた。「邪禍さん、凄いな……」と、今日初めて本心から言っていた】

あー…………そういう話になっちゃうのか
なるべく使わないようにしてよね

【言葉で釘を刺すだけにしておいた。やっぱり、言っておけば聞いてくれるような気がする】
【「後は何かある?」と質問を付け足す。なければ────特にやることもないのでここに居続けるかもしれないが】
【少なくとも赤木からは何もなさそうだ。機械人形の話をするのもアリだし、それは邪禍さん次第】
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/24(土) 19:08:52.93 ID:MAyF4Fhe0
>>617
/まだいらっしゃられますか?
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 19:18:44.50 ID:Xy93vo4b0
>>623

「そォーいう話だ。俺様は生命を作り魂を吹ゥき込む力を持ォつ!」
「そォして、支配もな……褒ォめろ褒ォめろ! ……あッ」

【――邪禍が腕を動かしたその風圧で、紙の芋虫が吹き飛ばされる】
【そして、タイミングよく吹いた風によって更に遠くへと飛ばされ――見えなくなった】
【大した痛手ではないようで、まあいいかと言わんばかりに相手にへと顔を再度向ける】

「ククッ、――考えといてやァろう」

【――怪しい笑み。信用ならない顔だ、だが逆に表情を作っているだけな可能性もあって】


「あァ、そォーだ。機械人形の発注だァけはかァけておォこうか……」
「まァ、戦場にぶゥちこむだァろうから良ォい感じの装備にしィてくれ。今のアレコレに間に合う程度にな……ククク」

【曖昧で無茶振りな要求だ。一応予算としてそれなりの金額は提示してくるだろう。多少オーバーしても特に文句は言わないはず】
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/24(土) 19:21:14.10 ID:+F1NyPw6o
>>624
いらっしゃいます
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 19:24:24.30 ID:7h0ZivsTo
>>625

【吹き飛ばされていく紙の尺取り虫を「あっ」と言って見送る赤木】
【命の儚さを何となく実感してしまった。していないかもしれない】
【こう、せっかく芽生えた敬意がちょっと、削れる音がした】

分かったよ、なるべくやってみる
どこまでやれるかは分からないけれど、ね

【事が事なために、赤木もそれほどむちゃくちゃな金額は請求しない。程々のところで話をつけるだろう】
【後は数だったが、それに関しては「後で連絡する」らしい】

というのも、作るのが俺一人か、”もう一人”が手伝ってくれるかに依るんだよね
そいつが手伝ってくれればかなりの数も用意できるんだけど……

【「気まぐれなやつだから」と言って唸る】
【そういうわけで数については確定はできなかったが、どうにも赤木だけではどうしようもない様子】
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/24(土) 19:30:23.44 ID:MAyF4Fhe0
>>617>>626

【こつん――と、小さな音がした。聞けば分かるだろう、女物のかかとの高い靴、それ特有の足音が、路地裏のより暗がりの方から聞こえて来る】
【まだ距離としては十分――だけれど、相手はおそらく"気づいている"。どこか警戒するような、そんな足取りがその足音からは分かり】
【また、何か声がするわけではないから――通話中、という線は薄いだろう。ならば"魔力"の方に気づいている、と見るのが妥当に思えた】

【――ただ。気づきながら迂回する、あるいは引き返す、ということはないのだ。だから――、その程度には"慣れている"とも思わせ】
【あるいは相手の方からわざとらしく方向でも変えない限り、順当に足音が近くなって――それで、そのうちに、出くわすだろう】

…………――あ、

【だけれど第一声は不穏なものではなかったし、相手からも、おそらくはそうだろう。ひどく拍子抜けしたみたいな声、――"鈴の音"の声がして】
【少し驚いたように丸くなった目を数度ぱちぱち瞬かせたなら、少し恥ずかしいみたいに目を逸らす、だろう。なら――やはり気づいて警戒していたと見えた】

【――肩を撫でる長さの黒髪は透き通るように白い肌とは対極のもの、"むかし"と違って今はたまに化粧でもするのか、そのあどけない顔は少し大人びて】
【それでもその幼い造形まではごまかせず。まして、左右で色の違う瞳――黒色と赤色の一対は隠しこめるはずもなく。それが今では、相手から少し逸らされている】
【胸元にリボンで結わえ付けた赤色のケープは後ろにフードがついているもの、これも深い赤のワンピースには紅茶染めのレースがたくさんたくさんあしらわれ】
【足の白が透ける程度に薄い黒色のストッキングにつま先の丸いストラップシューズ。足音通りにやはりかかとは高く――なんて、つまり、"あの"少女】

わ、あー……、えと。こんばん――あ! そうだ、ロッソさん、わたしね、言おうと思ってたことがあって!
麻季音ちゃんにはすぐ言えるからいっかなぁって……えーと、それでね、メールするのはちょっと嫌だなって思って――だから……。

【警戒してきた名残が抜けきらないなら初めの数秒はあんまり意味のない声で鳴いていた。それでもすぐに気を取り直し、人間らしい言葉を――発する前に】
【何か途中で要件があったのに気づいたみたいに言葉が途切れるだろう、それで、実際、挨拶を切り上げてまで、一つの要件が紡がれていこうとする】

……ええと。クラァケさんからのメール……見た? わたしたち宛なんだけど――わたしたち宛じゃ、ないほう。

【それで――急に顔は真面目なものになる。声音も少しひそめるようになって、尋ねるのは……とあること、一週間ほど前のこと】
【となれば>>255>>257のメールだろうと見当もつくだろうか。――ご挨拶も適当に要件を突っつきだすのは、少し性急でもあったから】
【その前に彼が何か言葉を挟んだりするようなら――彼女は一度黙るだろう。ただ――そうでなければ、ここまでを一気にしゃべってしまう、はずだった】

/わーい、よろしくおねがいしますっ
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 19:40:35.05 ID:qZFtaYex0
「――続いて、夜の国・アスタンに関するニュースです。
 先日まで機関により甚大な被害を受け、継続して占拠が続いていた都市ですが
 つい2時間ほど前、有志の能力者と国軍により奪還された、とのことです。

 なお、細部については不明ですが――この有志の能力者というのは――」

【ニュース番組。鍛えられたアナウンサーの咽から坦々と語られる内容を】
【まったく違う、ふたつの場所で。ぼうっと眺めている、ふたりの人物が居た】


【一方。街中、大型ビジョンに映るそれを見上げて、呆然としている細身の少女】
【ところどころ解れた白い髪は肩甲骨までの長さ。前髪は長く伸ばして、右目を覆い隠し】
【晒されている左目は、限界までたっぷり見開かれ――映像に釘付けになっていた】

……な、なんっ……なんでっ、夕月さんっ……なんでぇ……?

【ニュースは丁度、「有志の能力者」の後ろ姿をとらえた動画を流しているところだ】
【背の高い男がふたりと――「赤い靴の娘」。それが映った瞬間、少女はひっと咽を引き攣らせ】
【「うそ」、と口にして。それから何にも言えなくなって、人混みの中で動かなくなる】

【行き交う通行人が、突っ立っているばかりの少女にぶつかり、迷惑そうな顔をする】
【それも何人も、何人も。けれど少女は何にも反応を返すことすらできず、ひたすら、硬直していた――】


【――もう一方。空港、ひろいロビーの片隅で、いくつか並んだ椅子に座っている低身痩躯の女】
【首の中程まで伸びた黒髪の毛先をいじりながら、テレビを眺める暗赤色の瞳はゆったり細められ】
【黒い薄手のコートから伸びる、ストッキングに覆われた細い脚は――ゆらゆら退屈そうに揺れている】

……ふう。上手く行ったみたいで、よかったよかった。
首の皮……三枚くらい? は繋がってるかなあ、いやーあの王様こええんだもんな……

【「……にしても、遅いなオム。どこまでコーヒー買いに行ってんだよ」】
【肘掛けをひとりで占領しながら(マナー違反。真似しないでください)、女は辺りを見回して】
【見知った人物がどこにもいないのを確認すると、はあと溜息を吐いて背凭れに凭れかかる】

【――疲れている様子だ。履いているパンプス、片方の踵がすっぽ抜け、心もとなくぐらぐら揺れたあと】
【爪先をすり抜けて落下し、隣の席の方へ転がった。おっと、なんて声を上げても、拾おうともせず】


//冒頭「」で囲っている部分、したらばSSスレ◆9VoJCcNhSw様の記述をお借りしております。
//上か下かどちらか一方をお選びいただけるタイプの投下です。よろしくおねがいします(ねこ)
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 19:41:58.71 ID:Xy93vo4b0
>>627

「ククク、――そォのもォー1人の気分次第といィうことか」
「まァ問題ねェ、俺様は俺様で戦力強化キャンペーンを続行すゥるかァらな」

【そして最後に、そう言えば忘れていたと言わんばかりに取り出されるもう1枚の紙切れ。それを赤木に対して渡そうとする】
【相変わらず汚い字で書かれたその内容は、邪禍とレオーテヴュートの連絡先だ】
【前者のメールアドレスはドメインが独自のものなのでわかりやすい……かもしれないし、そうでもないかもしれない】

「俺様はとォもかく、レオーテヴュートはUTにいィる……こォとがそォれなりにあァる」
「数とォか以外にィも何かあァッたら連絡しィな……ククク」

【そして、その者は路地裏の闇へと……正確に言うと、尺取り虫が飛ばされた大体の方角にへと歩いていくだろう】
【その後回収できたかは定かでない――】

/この辺りですかね、お疲れ様でした!
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/24(土) 19:44:50.73 ID:7h0ZivsTo
>>630
//お疲れ様です!
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/24(土) 20:11:08.05 ID:+F1NyPw60
>>628

【男は足を止め、指に挟んだ煙草を口元から離した。空いた片方の手を懐に入れる。そこには拳銃があるからだ。】
【グリップを握り込む前に、その足音が見知った人物だということに気がついて手を離した。】

…鈴音じゃないか。どうしたんだ、こんなところまで。

【いつもの口調で話す。ポケットに手を入れて、煙草を挟んだ手は灰を落としてから口元に持っていく。ほっとけば彼はいつまでも吸い続ける】
【相変わらずその口元は薄っすらと優しげな笑みを浮かべているがサングラスでその全てを見ることは出来ない。誤魔化しの多い人間だと自分では思っている】

ああ、メールはもう危険だ。マキが暗号化されたケータイを用意するらしいから近い内にそれで連絡するようになると思う。こんどUTにいったら貰えるんじゃないか?
なんでもセリーナの車を一台売らなきゃならないかも知れない額使ったらしいが…なんでも…まあ、これはいいか。

【尻切れトンボに話を終わらせて、鈴音の話を聞く。内容は…予想していたことの話。やはりこれか。と彼は思う】

ああ、見たよ。ミラが間違ったわけじゃなさそうだな。“黒幕”の介入と見ていい。…だが本題はそこじゃない『やはり、“円卓”だった』か。

【彼は、やはり。と銘打った。もしや既に、どこかの段階で予見していたということだろうか】

本当は“黒幕”のスパイか…利用されているんだと思っていた。何故なら、ヤツがあそこにたどり着く話には“出来すぎている”ような気がしていたからな。
まあ、俺達はそういう出来過ぎた運命に巻き込まれることはある。だから疑うといっても警戒していたくらいだ。
しかし…円卓とはな。確かに…今の所、大した問題はない。今のところは…

【そこで彼の言葉は途切れた。困ったように頭をかいた。「クソッタレ」その言葉に心中の全てが詰まっている】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 20:31:23.38 ID:rwigNl9Z0
//>>629様まだいらっしゃいましたら、大丈夫でしょうか?
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/24(土) 20:35:08.12 ID:MAyF4Fhe0
>>632

こんなところって……わたしよく歩くよ、ここだけでもないけど。

【一瞬の驚きさえ抜けてしまえばけろりとした顔、ボランティアの方の業務上出歩くこともあるけれど、そもそも、元から、こんな場所はよく歩く】
【いつか暮らしていた世界なら慣れ切ったもの――とは余談だろうけれど。ならばこちらもいつもの口調だ、あどけない顔も同じ。表情は――まあ、普通】
【煙草については今度はうるさく言わない、ただ――よっぽど好ましくって大歓迎、副流煙最高!というような様子では当然なかったけれど】

うええ、ロッソさん分かってたの? どうしよ、わたし、メールしちゃったから――見られてたら、どうしようって……。
ううん――だけど、わかんないこと言ってても、しょうがないから……。

ほんと? じゃあ今度会った時、聞いてみる――、え。セリーナの車? 売ったの?

【――あるいは。煙草の煙よりも一瞬嫌な顔をしたのだ、メールは危険だと言う言葉。ただ彼は最初っから言っていたから、ならば、こちらが分かっていなかっただけのこと】
【小さなうめき声で自分の行動を悔やむ。一応よく分からないからよく分からないなりに、麻季音には聞きに行っていたのだけど――だから、彼女次第では】
【ある程度安全なやり取りの方法は聞いたのかもしれないけど。とかくデジタル畑じゃないならそんな理解度なのだろう、暗号化された携帯、とやらには目をぱちくり】
【セリーナの車……という話になったなら、え、と。そんな声を漏らして】

……きちんと確認して送った、って言っていたよ、だから、"誰か"が――宛先を変えちゃったんだろうって。……えとね、
そのことでクラァケさんとお話したの。だって、わたしのお名前、出ていたから――……それでね、その邪禍って悪魔、やっぱりわたし知っている。

だから"そのこと"自体は気にしないって言ってあるの、……ええと。昔揉めたやつを内緒で……っていうのは、気にしないって、ね。

【それから――彼女はそのことですでにミラ本人と話をしてきてあるのだと言う。その理由も簡単で自分の名前が出されていたから。自分と揉めたらしいから】
【それで話をしてやっぱりそれが本当だと確認したのと、揉めたやつが協力者という扱いでも別に気にしないということと――それで、相手の言葉に眉をひそめて】

…………そのことも、クラァケさんとお話したよ。黒幕を潰すところまでは、一緒で……そのあと。
そのあと――わたしたちが円卓と敵対するなら、その時は敵だって。だけど、今回のこと、この黒幕のことについては――。

【その反応で、ミラがロッソと……おそらく麻季音にも自分から話に来ていないのだろうことは分かった、自分が出張って言いふらすものではないと思っていたから】
【苦い虫を噛む前に口に含んでいるときみたいな顔、ふわりと小さなため息、こんな時期じゃあ、もう、白くもならなくって】

円卓に関わるようになったのは、わたしたちとお話をした後だって。それで……クラァケさん、もう、能力がだいぶ戻っているみたい。
わたしは……カニバディールと、また敵になる約束をしているの。だから。今味方のひとが敵になるのは――"いまさら"って、思うから。

……わたしは、信じる――、……きっと、嘘は吐いてなかった。騙されたとか洗脳、とかじゃなくって……クラァケさんは、きっと自分であそこにいる。
それか"そう"だって分からないくらいにだめにされているか、だよ、――ロッソさん、どう思う、クラァケさんは――このことが終わったら。

多分ほんとうに……メールで言っていた六罪王について、円卓側に回る。

【どうせすでに敵対している人間を味方に引き入れている。その一点で、彼女はどうしようもなくそうするしか、なかった】
【だけれど同時に伝えられる情報は――擬態の能力が戻ってきているのだと。"そう"なったのは、あの話し合った日よりも、後のことであると】
【きちんと言い切って――だけど困ってしまったみたいに、目を伏せるだろう。それで――自分よりも慣れているはずの彼の様子、うかがうように、少しだけ持ち上げて】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 20:40:05.79 ID:qZFtaYex0
>>633
//はーい、大丈夫ですよ!
636 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 20:41:29.50 ID:rwigNl9Z0
//>>635ありがとうございます、では出します
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 20:53:35.56 ID:rwigNl9Z0
>>629
【惨憺にして、この状況を象徴するかのような内容のニュースが大型ディスプレイから伝わる】
【状況は刻一刻と変貌し、それ自体がまるで生物であるかのように日々進化を続ける】
【街もそう、国もそう、人も然り】
【だが、そんなニュースが果たして意味を成すのだろうか?】
【街の人々は誰も、誰も足を止めてその報を聞く者等いやしない】
【そう、一人を除いては……】

「ん?あ、あれ!?」
「どうしたッスか?兄ィ?」

【そして、ニュースを見て足を止めた少女を見てまた足を止める二人組もいた】
【少女に見覚えがあった】
【もっと言うなら、この二人は少女から頼まれ事をされていた】

「あ、兄ィ!でも何かちょっと様子がおかしいッス!」
「ああ、行くぞマリー!」

【人ごみをかき分け、ようやくと少女にたどり着き】

「久しぶりだなー、その、何してるんだ?」

【カウボーイ姿の男と少女が声をかけた】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/24(土) 20:59:39.39 ID:+F1NyPw60
>>634

そりゃあ…悪かった。俺はこんなところあまり好きじゃないもんだから…さ。

【肩をすくめる。まあ別にどんなところだって構わないが、煙草を吸っても誰も文句を言わない場所はいい場所だ。】
【だがこういう場所はよく“ろくでもないこと”に巻き込まれがちだ。だから、こんなところに足を踏み入れるのは少し驚いたが】
【よく考えれば、鈴音はそういう子だし、そういう立場だ。だからこそ今は働いてもらっている。】

盗聴や傍受の危険はあるって初めに言ったはずなんだけど…まあ、ほら俺……そういうの逃げるの慣れてたから。
まあまさかあんなふうに“黒幕”が煽ってくるとは思っても見なかった。だから…まあいい。後のことはマキに聞いてくれ。
…いや、そんぐらいの額がかかるって。ミラが早めにお金くれないとそういうことになるかも知れないけど。

【傍受と言っても相手のアドレスを割り出して色々と面倒なことをしなくてはならない。ミラは一度奴らに捕まっていたから】
【そういう介入をされたのかもしれない。となれば後のメンバーはまだ大丈夫なはずだ。後手に回る前に保護された連絡網を確保する必要がある】

…カニバディールを引き入れたんだ。いまさら、それぐらいじゃどうってことないんだろ?鈴音は…。

【本当の所の心中はわからない。けど、そうやって言ってくれているのならそれを立てる。それが彼なりの信頼と優しさの示し方だった】

どちらにせよなんにせよ…アイツは円卓についちまったんだ。その話じゃ…それが変わることはないだろう。…“黒幕”倒すのには問題ない。
“円卓”も黒幕を倒したがっているし、俺らよりもよく相手をしっている。むしろ強い味方だ。

【「だが…」と彼は区切る。そして少し悩んでいるようだった。間を持たせるためか、長引かせるためか。2本目の煙草にゆっくりと火をつけて。一呼吸】

“黒幕”を倒さないとマキは危険だし、俺達の命もかかってる。あの法律みたか?狂ってるぜ。だが…このまま“黒幕”を倒してあるものは“円卓”の支配だ。
俺は正義を気取るつもりはないし、そんなもんは信じちゃいない。今もそういうつもりじゃやってない。けど…クソッタレ。

……俺は円卓も潰す…そのつもりだ。…だからこのチームは“黒幕”を倒すそれまでになる。
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 21:02:29.82 ID:Xy93vo4b0
【――ぴろりん、一通のメールが送信される】

【to:ミラ・クラァケ】
【cc:レオーテヴュート】

【本文:

邪禍だ。

協力者を見つけた。
名前は赤木怜司。
レヴォルツィオーン社の開発部門の者とのこと。
その会社の詳細については知らないが、問題ないだろう。

原理がわかれば、異能封じに対抗できるモノを作ってくれるかもしれない。
ついでに俺様は、戦力強化のために機械人形を複数体発注した。
金の心配は不要だ。これは俺様個人で頼んだモノ。故に、金は俺様が支払う。

邪禍宛やレオーテヴュート宛の領収書が届いたら俺様に回せ。
たこわさ255パック等のふざけた内容でなければ支払おう。

お前の連絡先は既に伝えてある。
それと、赤木は既にUTを1度訪れており、誰かと接触したとのことだ。おそらく女性。

以上。



(ピースサイン)(タコの絵文字)(ピースサイン)




「メディアット経由の方が楽だな。まァ、こォの端末もメディアットだァがよ」

【今どきの若者に劣らぬ滑らかな操作でメールを送信した後、その者は小さく呟いた】
【その者はまだ、電波傍受等の可能性についてを知らない。】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 21:04:55.60 ID:qZFtaYex0
>>637

【振り向いた。まるでゼンマイ仕掛けの人形――しかも相当古いそれが、そうするみたいな】
【ぎこちない動作。ぎちぎちと音を立てるみたいに。そうして二人を見る】
【灰青色の瞳は、恐ろしいくらいに凪いでいた。いっぱいに見開かれているのはそのまま】

【――お久し振りです、の挨拶すら寄越さない。表情は硬く、こわばっていて】
【しばらくそのままにしていたと思いきや――す、と片腕を上げて】
【指差した先には大型ビジョン。映像はまだ、赤い靴の娘の後姿を残していた】

…………あれ。
覚えてらっしゃいますか、行方不明になってる私の友人っていうの、
――あれです。今テレビに映ってる、赤い靴の。あいつです。

すみませんね、お願い事してたのに。もう見つかっちゃいました、
はは、なーにやってんでしょうねあの人……テレビに映るようなこと、してっ、

【そこまで。一息に言うと、ぎりっと唇を噛み締めて】
【かぶりを振る。白い髪の毛先が乱れて、夜の空気を掻き乱す】
【そうしてからもう一度――あなたたちを見直す、その視線は、ぎちぎちに尖っていた】

――――――なんなんでしょうあれ。本当に。私、なんにも知らない聞いてないっ……
ねえビリーさん、マリーさんっ……あの日、私と出会って、別れてからっ!
なんにもなかったですか、手掛かり、なんでもいいです……本当にっ、何でもいいから教えてよッ!!

【吠える。何人かの通行人がびっくりした様子で少女を見て――すぐ見ないふりして去っていく】
【少女は、ひどく怒っているようだった。八つ当たりするみたいに、二人に荒い声を投げかけた】
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 21:16:15.76 ID:rwigNl9Z0
>>640
【やはりだ】
【やはり、様子がおかしかった】
【出会った時の狼狽とは全く違う】
【目を見開き、腕だけをディスプレイに……そこには】

「「?」」
「――あれって!?」

【そこに映されていたのは、紛れもない】
【その少女から頼まれた、その『探し人』の少女】
【その特徴全てが当てはまる少女だった】

「まさか……あれが……」
「みたいッス、アスタン?夜の国ッス?」

【だが、ここで少女、佳月が突如激昂する】
【周囲の通行人が驚く声で、振り向く気迫で】

「お、落ち着けよ佳月ちゃん、一旦、な?」
「そうッス、落ち着いて話すッス、取りあえず……そこの喫茶店にでも入るッス?」

【話をする前に、先ずは気持ちを安定させようと】
【佳月を宥める】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/24(土) 21:26:00.24 ID:MAyF4Fhe0
>>638

――まあ、楽しいところじゃ、ないけど……。

【だけれど――やはり楽しくはない。だいたいの場合いいこともない、嬉しいこともほとんどないし、なら、やっぱり、ろくでもない】
【それでもやっぱり"業務上"立ち入る理由があるというのは悪くないだろう、元からうろつく上にきちんとした理由まである。どこかで誰かに会っても――】
【――入り組んだ中まで誰かが追いかけて来ていれば、よほどでもない限り彼女も気づくのだ。そしてそれは彼も、だろう】

んん……分かった、麻季音ちゃんに聞く。わたし、そういうのよく分からないの、クラァケさんも分からないって言ってたよ。
カニバディールにも言わなくっちゃ、なんだけど――、……カニバディールはクラァケさんが探しておいて、言ってくれるって。
わたしが何度も探して会うより、クラァケさんのほうが――機関側、だから。わたしより、不自然じゃないの、……でしょ。

【詳しいことは麻季音に聞く。少し不服そうながらも頷いた少女は、まず、この様子だとメールの使用は控えるだろう――というより、すでに控えていただろう】
【今回カニバディールにはミラが"お使い"しに行くらしい、メールはまずいというのと――もう一つ、あるのだけど。それは、まあ、こちらの話か】
【安全な連絡先を探すための落書きごっこ――だから。これで確立されるなら、タイミングを見計らって〇を書きに行くだけだし、と】

どうってことなく、ないけど……、もう何年も前だし。そんなにずーっと怒ってるくらい、"ひどい"こと、されたわけでもないし。
されたことならよっぽどカニバディールのほうがひどいけど――あのひとは。その……特別、だから、何度もお話しているし――。

協力してくれるってだけでね、ありがたいの、――ウェインさんも。

【やはりどこかではわだかまる気持ちはある。だけどそれは気にしないでいることを選べるくらい、些細なものなのだろう】
【ならば今回のことの中では無視する。そのうえで――カニバディールの話になれば、なんだか複雑な顔。思うところはいろいろあるらしいけれど】
【やはりどうしたって最終的にあるのは信頼なのだ、彼女が引き込んできた面子には彼女からの信頼がある、少なくとも彼女が保証する】
【もし彼らが裏切るのであれば、彼女もまた一緒に裁かれていい。それくらいに――ただやっぱり、それは、彼女の問題。なら、件の悪魔については、どうしようもないけど】

……うん、見たよ、――よくない。麻季音ちゃんが危ないのも、もちろんだけど――、なんで、みんな、あんなに……、嬉しいんだろう。
わたしは、ちっとも、そう思えないの、――わたしが、能力者(こっちがわ)だからかも。しれないけど――、うん、そだね、

【表情が陰る、憂鬱なような、悲しいような、直接ではないけれど――自分が否定されてしまっているような、そんな、ちくちくした、気持ち】
【それを喜べないのはやはり異能持ちだからか。それとも、黒幕が何をしようとしているのか、多少なりとも分かっているからなのか。ぎゅうと服の裾を握りしめ】
【そのうえで――やっぱり黒幕は倒す。円卓も、倒す。ミラのこともことも――今回については味方だとする。そのあとのことは、別にする。それを理解すれば】

…………――ロッソさん、公安のひとにあったよ。"公安三課"、鵺って言う女の子。
公安は中でいくつも分かれているんだって、それで、三課は――元犯罪者の集団、死刑宣告を受けるような、ひとたちの……"毒を以て毒を制す"ための。

その子が――少なくとも、三課の上に掛け合ってくれるって。公安全部を敵に回しても――利害がないから、って。

【ため息、あるいは深呼吸。一つの呼吸を挟むだろう、煙草なんてたしなまない彼女はそうやって間を作るしかないみたいに、わざとゆっくりと呼吸をして】
【それから――これは別の案件だ。公安の人間に会ったのだと言う、それも、黒幕側ではない――むしろ協力してくれる側の人間と】
【あるいはこれも――メールが使えないと言うので、周りの人間に周知できなかったのかもしれない。だから口頭で伝える、真剣みを帯びた、声で】
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 21:26:48.69 ID:qZFtaYex0
>>641

【はあっと大きく息を吐いて――無意識に作っていた握り拳を解いた】
【爪先が掌の肉に喰いこんでいたらしい。白い指先から、赤い血が滴って】
【音もなく地面に吸い込まれていく。そうしていたら、少しばかりは落ち着いたらしい】

………………、…………すみません。怒鳴っちゃって。
私いま混乱してて、それで、もう頭おかしくなりそうで……
余裕が、ないです。ごめんなさい。……でももう、大きい声は、出しませんから。

……ごめんなさい。お腹、すいてないです。
だからお話は――どこかもう少し、人のいないところで。
誰かに聞かれても構わないような、どうでもいい話題じゃないですし――

【そう言って、彼女の言う通りに人気のない場所を選んでいったなら】
【人気のない路地の、誰もいない公園。そのあたりが条件に合う場所になるだろう】
【ベンチに座る。項垂れれば、重力に沿って真下に流れる白い髪。かき上げることもせずに】

……話、戻しますね。あの日私と別れたあと、街に行って――何もなかったですか?

【疲れ切ったような声色。下を向いているから聞き取りづらいところもあるだろう】
【けれどそれに配慮する元気もないのか。呼吸音はひたすらに、沈鬱なものだった】
644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/24(土) 21:34:37.58 ID:4t8xUAjgO
【自然公園】

【ポカポカとした日向の芝生に、1人の男性が寝転がって新聞を読んでいた】
【衣服は白のワイシャツに綺麗なジーンズ。草で背が汚れることも気にしない様子で】
【ぺらり。めくったページには『魔能制限法、一部地区で試験的に施行』と印刷されていて】

『…………にゃー。』

そうだねえ、能力や魔術を使ってはいけないんだって。
そんなことされたら困る人だって居るのにさ
僕なんか、能力が使えなければただの犯罪者なんだから……ねえ、シュタイナー?

「にゃあ……?」

……あれ、君はシュタイナーじゃなくてアーデルハイトだったかな。

《にゃ〜……》

【おや、君だったか。そんなことを言いながら、自分の周りでくつろぐ三匹の猫を優しく撫でる】
【ふわりとした金髪の、どこか貴公子然とした男がそんなことをしていると】

【なんだかとても平和で、穏やかで。魔術、能力が制限されるという時勢とはとても思えず】
【けれど、猫との会話には不穏なものも含まれている。そして男と猫たちがいるのは】
【散歩道からほんの数メートルのところ。或いは通りかかるものに聞こえることも、あるかもしれなかったし】

【暖かそうな雰囲気につられてか、遠巻きに近付こうとする何匹かの猫の集団が、いくつか】
【いずれも男の元へそろそろと距離を詰めていく様子も、なんだが屋外の猫カフェみたいで目を引いた】
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 21:40:49.74 ID:rwigNl9Z0
>>643
【痛々しい、実に何とも痛々しい拳だった】
【感情の昂ぶりか、握り込み過ぎてその爪が皮膚を破り、血が滴り】

「良かった、よし!行こうぜ」
「いいッスよ佳月ちゃんが話せそうな場所でいいッス!」

【こうして、佳月の言う通り、この時間は全くと言っていい程人気のない公園に】
【佳月がベンチに腰を下ろしたのを見て、自分達もすぐ前のベンチとブランコに腰を下ろす】
【佳月は項垂れ、先ほどとは打って変わって】
【冷静と言うよりも、力なく二人に聞いてきた】

「佳月ちゃん、そのッスね……」
「佳月ちゃん、街でその子を知ってるって人に会った……」

【マリーの言葉を遮り、ビリーがあの日の夜の事を佳月に話した】
【夕月を知っていると言う、あまつさえ夕月の兄を名乗る男に会った事】
【怪しすぎる、恐ろしさを湛えた金髪に黄色い瞳の青年、彼も嘘か誠か夕月が何処に居るかは解らないと言っていた】
【それを前に、自分達は撤退した事も……】

「佳月ちゃん、今度はこっちの番だあの子について知ってる事を話してくれ、こいつぁ間違いなく只の家でなんかじゃねー、だが俺らも何が何なのか全くわかんねーんだ」
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/24(土) 21:48:56.64 ID:E0NWenTy0
>>644
【「魔能制限法、施行開始」のニュースは瞬く間に全世界を駆け巡った】
【情報化された社会。一国の行く末を決める程の重大案件は飛ぶ鳥よりも速く人々に伝わっていくのは至極当然のこと】
【旅人である彼もまた、そのニュースを耳にしており、言い様の無い不信感を抱いていた】

(施行されたは良いが……これで本当に世の中が変わるのか?)
(あの女が言っていたように、力を悪用する人間が恣意的にことを進めているだけではないのか?)

【飛行船で出会った女の言葉を反芻しながら、彼は本当にこの法が世の中の為なのかと問い続けていた】

【訪れた自然公園。少しだけ、気分を変えようと宿から出た時、彼はその光景を目にした】
【マタタビでも撒いたかのように群がる猫、猫、猫。中心にいるのは、何処か浮世離れした雰囲気を放つ一人の青年】
【こんな所で何をしているのか。奇妙な雰囲気に惹かれ、彼は散歩道から草むらへと踏み出した】

あの……こんな所で、何をしているんだ?
猫に群がられて……襲われて……? いるようだが、大丈夫なのか?

【慎重に声をかける。もしかすれば、途轍もない変人かもしれない。それこそ、猫を好きなように操れるくらい猫に染まった】
【そして、周りを見れば気付くだろうか。彼が近づいた途端、数匹の猫が彼を見て警戒し始めたことを】
【何かしら、理由があることは確かだった】
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 21:53:15.49 ID:qZFtaYex0
>>645

……、……兄?
なんですそれ、そんなのいるなんて聞いたこともない……
いや……聞いたことがあるはずもない。だってあの人、

【ここでようやく顔を上げる。眉間に皺を寄せて、険しい表情】
【教えてくれと言われれば頷いて、きゅっと唇を噛む】

夕月さんは、記憶喪失なんです。ここ数年、それより前の記憶がないって。
小さいころ、生まれたときの記憶もないから……「夕月」って名前も、本物じゃない。
だから、兄っていうか――家族がいるとか、いないとか。
そういうことすら「知らない」はずなんです、あの人は。

【「だったら一体、兄って、なんなんだろう……」そう口にする頃には、俯いて】
【唇に軽く握った拳を押し付けていた。考え込むような仕草】

【……考えても考えても、何も出てこない。それくらいのことしか知らないのだと】
【数年間、一緒に暮らしてきたはずの友人に対して、知っていることはそれだけしかないんだと】
【そう考えるとひどく悔しい、みじめな気分になってきた。……振り払うように頭を振って】

……とにかく、そういうことです。
私も知らない……夕月さんすら知らない過去、空白の期間があって、
そこに、あなたがたの言う「兄」が関与していた可能性がある……ってこと、ですかね。

【結論付けたように見せかけて、実のところなんにもわかっていない。そんな状況】
【どうしようもなく、わからないことばかりで――深い溜息。「……すみません」なんて、小さく謝って】
648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/24(土) 22:02:24.24 ID:4t8xUAjgO
>>646

……うん?……あぁ、ちょっと日向ぼっこをね?
あんまりいい天気だったものだから、ホテルに居るのも勿体無いなって。

彼らのことは、別に――『……にゃあ』
……彼と彼女たちは、気付いたらこんな調子でね。
中々温かいものだからそのままにしているわけだけれど、と…――。

【話し方も柔らかく、何となく平和ボケすらしていそうな雰囲気】
【ゆるりと身体を起こして胡座をかくと、膝下には二匹ほど猫が集まって】
【件の記事が載った新聞を側に置きつつ猫の頭をよしよし、と撫でると】

それで、君は?……この子達が君を怖がってるみたいでね
猫は敏感な動物だって言うだろう?

例えば他の獣や、自分にとって危険だと感じる相手を本能的に察知する、とか。
見たところ、君は獣や人を見境なく襲うタイプの血に飢えた怪物でもないようだし
……そうなるとなにか別な。特別な力を持っているのかなって

【『ボクは思うのだけれど、どうかな』と、青年――そう見えるが、30代の男は口にした】
【変人なのは間違いなさそうだ。だが、同時に人との会話を楽しむタイプにも思える】
【幸い、草むらだ。座る場所はいくらでもあって、いずれも地面は乾いていて】
【腰を下ろせば、陽光で温まった芝生は中々の座り心地を誇っていた】
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 22:07:45.35 ID:rwigNl9Z0
>>647
「何だって!?」
「それじゃアイツは一体ッス……」

【確かに、確かにあの怪しい青年は自らを夕月の兄だと名乗った】
【正確には夕月の事を、妹だと呼んでいた】

「記憶喪失?」
「そんな、夕月ちゃんがそんなッス……」

【謎は深まる、あまりにも深い】
【この少女佳月が一人で抱え込むには、あまりにも】
【聞いた事実は、夕月の過去に関わる事、だがそれならば猶更、その出生からして謎が深い】
【そこに持ってきてのあの、アスタンのニュースだ】
【考え込むように、そして自分を責めるかのように落胆し頭を抱え込み、ついには謝り出す佳月に】

「佳月ちゃん……」

【マリーが包み込むように、優しく自らの胸に、その頭を肩を抱き寄せた】
【事が事だ、情緒が安定しないのは仕方がない】
【ましてや、佳月はまだ年端も行かない少女だ】

「佳月ちゃん、こんな話を知ってるか?」
「この世には水の国の自警団に所属しながら、とんでもない悪党で、迅速で……それで女の子を泣かさない、そんな『万事屋』がいるって」
「依頼してくれ、万事屋アパッチに……」
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/24(土) 22:09:24.77 ID:+F1NyPw60
>>642

【路地裏に来る理由はそれぞれだがそれは部分的な問題は何の意味を持たない。全体を見て初めてその意味がわかる】
【人生は運命的だ。歩くか立ち止まるか。選べるのはそれぐらいで結局は進むしか無いのかも知れない】

よくわからないけど……普通の携帯と一緒だそうだ。早めに全体と連絡を取り合えるようにしておきたい。
まあ…それだけじゃなく、公安に尾行されていることも在る。鈴音は…そのほうがいいかもね。できるだけ感づかれないほうがいい。

【この探偵も詳しい技術的なことは知らない。だがまあ情報の流出は最小限度にすんでいる。そう思ってこの話はクリアだ】
【アナログな情報伝達も信頼できるが今後―どうなるかわからない。探偵も鈴音の事は深くは聞かない。お互いに信頼しているなら】
【必要なことだけ共有して任せたほうがいい。それが…高度な柔軟性というやつ…なんだろうか】

ああ…でも、今はそうするしかない。あの法律がある時点でどんなやつも“こっち側”にいてくれるはずだ。…状況が悪化した今、逆に
こちらの利害関係ははっきりした。むしろそういう悪党の方がよくわかっているだろう。
…一般人からすりゃ、やっと“平等で安心な社会”なのかもしれない。もっとも、多くのやつはそんな事考えちゃいないさ。

メディアが良いって言ったものを良いと思いこんで釣られてる。……これは偏見かな。ある程度、銃や麻薬みたいに能力も…危険なもんだからね
ヤバい奴が暴れないようにするのはいいかも知れないが…これは、馬鹿げてる。全部。……それだけ奴らは“正義”ってことさ。

【煙草の煙を吐き出す。重く苦しい味だ。こんなにまずい煙草を久しぶりに味わう。…それでもやめられないのは中毒よりももっと深い意味だろうか】

…3課?…つまりは公安内部の独立派ってところか。それはいい…それはいいな。カードが、揃ってきた。少なくとも“黒幕”は倒せるかも知れない。
これでこのゲームの勝利条件がわかるかもしれない。クソッタレの名前と証拠を白日にさらして、叩く。…オレも色々動いてるんだ。
さっきも……ヤツに会ってきた。…博士のアンドロイドとやらに…な。

651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/24(土) 22:18:58.95 ID:E0NWenTy0
>>648
確かに、今日は良い天気だ。良い知らせがあれば、もっと良い日になったんだが……

【手を庇のようにしながら、上空を見上げる。雲一つ無い青空、燦燦と光る太陽、これを快晴と呼ばずして何と呼ぶ】
【しかし、そんなハレの日にニューストップを飾るのは、一部の人種にとってケどころではない負のニュース】

猫が……? あぁ、俺は昔から、動物には余り好かれたことがないんだ
特別な力か……確かに持っているが、俺は彼らを害するつもりは一つもない
だから、嫌わないでほしいんだが……無理そうか

【草むらに腰を下ろし、片膝を立てて猫の瞳を見つめる。目線を低くし、敵意が無い事を示せば、幾らか変わるかと考えた】
【白いシャツに黒いズボン、黒いベストとタイトな格好。土に腰を下ろせば汚れが目立つ筈だが、彼はそんな事気にする素振りも見せない】

それか……人でないから、とか

【やや小さく、自身に聞かせるように呟いた。春風が吹き、ややくすんだ銀髪が揺れる】
【人でない、と言った物の、彼の姿は紛うこと無き人間のそれであり、やや奇妙な言葉であった】
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/24(土) 22:20:14.49 ID:UzyEkiIO0
【路地裏とはどんな危険が潜んでいるか分からないもので】
【今宵もまた、複数人の犯罪者達が一人の女を囲んでいるといった様子。相手は全て機関の下っ端か】
【一人孤立している女は身形からして教会の人物なのだろう。所属を示す紋章のみが装飾された簡素な長剣を構え、臆する事も無く対峙して】

「今ならば見逃す、などと言う気は毛頭ありません。貴方達の様な存在を逃がせばどの様な結果を招くのは分かりきっていますから」
「――とは言え、今ならば命までは奪わないと約束しましょう。所謂、クズと呼ばれる様な方でも最低限の生きる権利だけはある事くらいは理解して居ますので」

【狼を思わせる黒い毛並みの耳、尾。冷静に相手の出方を窺うのはまるで狩人の様な鋭い視線】
【対して悪人達は怯える事すら無く、知った事では無いと言わんばかりに一人の男が襲いかかり――右腕がボトリ、と地面に落ちた】
【翻される剣。激痛から来る抑えきれない叫び。軽い身のこなしに揺れる黒髪】
【――誰かがこの場を訪れるとすれば、きっとそんな場面】
【敵対。加勢。傍観。どんな行動を取ったって、この場に来たからにはこの流れの中へと巻き込まれる】
【それがどの様な結果をもたらすのか、誰にも分かりはしないけれど】
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 22:20:22.98 ID:qZFtaYex0
>>649

【抱き寄せられた、マリーの胸の中で、小さく小さく嗚咽が漏れた】
【だけど、それだけだ。濡れるような感触は覚えさせない。もう泣きはしない】
【白坂佳月は、見た目通りの弱弱しい少女――ではない。そこらへんの話はまた、いつかするだろうけど】

…………ええ、万事屋さん。なにごともすべて、よろしくお願いします、

……と言いたいところですけど、それだけでは済ませません。
この私をこんなに心配させたんだ、あのバカ靴真っ赤女は絶対絶対絶対――赦しません。
私もやります。喰らいついてやりましょうとも、この訳の分からない事態に。

――――意外に見えるでしょうけどね、私、けっこう荒事に巻き込まれて、
それでも生き残ってきた経験、あるんですよ?

【静かに、マリーから離れて。あなたたちをまっすぐ見つめながら――少女は、笑った】
【不敵な、それでいてどこか獰猛な獣の姿さえ想起させるような。牙持つ者の笑みだった】
【ベンチから立ち上がる。身体を向き直らせ、正面からふたりを見据えるように】


協力しましょう、万事屋さん。
改めて自己紹介いたします、私はカゲツ――白坂の佳月です。
昔は正義の味方やってました、今は半分くらい引退してますけど――まあ、まあ。

これを機に復帰ってことで。よろしくお願いします。


【右手を出す。握手を求めるための、ぴんと伸び切った指先が、あなたたちに向けられる】
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/24(土) 22:22:21.65 ID:Xy93vo4b0
【とある海辺】
【まだまだ冷たい海の中から現れたのは……】

「……酷い目に遭った」

【身長182cm、きりっとした黒っぽい茶色の眉毛、ややたれ気味で奥二重な褐色の眼をした40代半ば程の男性だ】
【輝く頭部には大きなワカメが添えられていて、赤のネクタイ、グレーの縦縞が入った濃いグレーのスーツ、黒いバッグ】

「"フォトン"は見ていた。セレンディピター号が沈む光景を、そしてそれがあっという間に凍てつくそれも」
「……元々きな臭い船だったが、ますますきな臭くなったな」

【ワカメを頭から取りつつ、砂浜でバッグを漁る彼。――先程までびしょ濡れだったはずの身体は素早く乾いていって】
【しかし磯の香りはどうしても抜けず。……で、何を探しているのかと言うと】

「……予備がない、だと……変装用ばかりじゃあないか…………」
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/24(土) 22:26:28.74 ID:4t8xUAjgO
>>651

そっか。なら、君の持つ能力が偶然彼らの嫌うものなのかも知れないね
異能というのは人それぞれで、合う合わないもあるだろうから。

……でも、仲良く位は出来るんじゃないかな?ねえ、シュタイナー。

【『にゃぁん?』――男は楽しげに微笑みながら、膝下の一匹を抱えると】
【そっと青年の方にその猫を差し出して。猫は青年の前の前でじっと彼を見つめ】
【手を伸ばされれば、警戒こそすれ――優しく接すれば、頭を撫でるくらいは出来るはずで】

へえ、"人でない"ってどういうことかな。
見た所じゃ、ボクには普通の男性のように感じられるけれど……
……何か混じっているとか、実は神様でした、とかかな。

【『先に言っておくと、ボクはただの絵描きなのだけれどね?』】
【なんて簡単な自己紹介をして、向かい合った青年に問いかける】
【君は何者なのか――単なる好奇心の発露。悪い人間には、あまり見えなかった】
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/24(土) 22:34:00.50 ID:MAyF4Fhe0
>>650

【よく分からない。彼からその言葉が出れば、結局は彼女も"よく分からない"。普通の携帯と一緒なんだと聞けば、多分もっとよく分からなくなったのだろう】
【ならばやっぱり「麻季音ちゃんに後で聞いてみるね」と言うしかない、早い方がいいなら彼と別れた後にでもUTに顔を出すだろうし】
【そうでもなければ――まあ、どっちみち、近いうちには嫌でも会うだろう。それこそ何か不測の事態でもない限り、そうなるはずだ、だって同じ職場】

尾行……、ロッソさんやクラァケさん、確か追われていたよね、今も――――なのかな。
わたしは追われていたってあんまり関係がないの、だから、あまり――、……ウェインさんも、かな。

わたしとウェインさんはあんまり尾行とかって関係ないと思うよ。
ウェインさんは婦警を見かけ次第処分するっていってた、……ええと、ごめんね、早いうちに言った方が良かったかな……。

……ウェインさんとお話したときにね。ウェインさん、婦警と会ったらって、辻斬りみたいだけど――って、

【気にするのは、眼前の彼やミラのこと。かつて追われていたなら、今もそう……なのだろうか。少し不都合があるような、そんな顔をしつつも】
【自分やウェイン――協力者として挙げた人物は大丈夫だろう、と。ただそれから、少し遅くなってしまった……あるいは、少しためらうみたいに、声が続き】
【出会いがしらに襲い掛かる宣言を受けていた。少し不安そうな顔、「やめてもらったほうがいい?」と少し弱気な声が付け足して】

――――、うん、能力者のひと、嫌がるひとが多いって思う、だけどそんなの分かってる……よね、あっちだって。
だからそんなひとたちが出て来るの、うんと増えるの、分かっててしたと思う――、今はまだ水の国だけ、だけど……ううん、それだってヤだけど。

ほかの国にも来るって思う? こんなに話題になって、こんなに――、

……それで、いやだって言ったら、わたしたち、不利だよ、なんかしでかす気だから嫌がるのかとか言われちゃったら……。

【喜ばれて。そんな風には言えなかった、ほかの国にも広がること、想像したらうすら寒くってぞわぞわする、どこか不安な気持ちになってしまう】
【何より。それが能力者の反発を買うのを分かったうえで動いて――実際反発したら相手側からしたらいくらでも言えるのだ。ましてそれで反発した能力者が荒事に出れば】
【ほら見たことかと言われてしまって、終わり――、反発する人間が出て来るのを分かっているうえでそれを封じられる形で宣戦布告。ずるくって、上手で、悲しくなるほど】

/ごめんなさい、長くなってしまったので分割で……
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/24(土) 22:34:16.52 ID:MAyF4Fhe0
>>650>>656

博士のアンドロイド……って、ゾーイ? え――、じゃあ、えっと、麻季音ちゃんのお父さんの場所はっ?
お手紙預かってきたひとなら、分かるんじゃ……、ていうか! 麻季音ちゃんの……お父さんは? だって、その、アンドロイドの手引きで逃げるって……。

【――明らかにうろたえた、はじめはきょとんと繰り返した声がすぐに上ずって、それなら麻季音の父親のことも何か分かったんじゃないかと、尋ねるよりも問い質すよう】
【少し身を乗り出すみたいになって尋ねる――少しだけでも近づけば少女からは甘い香水の匂いがした、ほんのわずかに大人びて、だけどまだ足りなくって】

…………ほかにも聞いたの、公安側の協力者。UTに来たんだ、櫻の国の……えっと、なんとかっていう……軍の……諜報員?
厳島って名乗っていた。厳島 命。だけど……最初記者って言っていたの、それはいいんだけど……いくつか聞いたよ、"本当かは知らない"けど。

もう一人の公安内部の協力者が黒野カンナ、連絡先も知っているって、だから、わたしがお話したがっている……って、伝えてくれたはずだよ。
それで――セリーナに用事だって言っていた。多分このことで。協力者を探しているって言ってたの、だから、そのひとが書いたお手紙、セリーナに渡した。
なんて書いてあったかは――知らないけど。それでセリーナ、動くかもしれない。……わたしね、セリーナと、喧嘩したの、それで、少し気まずくって……。

【公安三課――鵺、という少女は、どうやらひとに聞いた名前であったのだという。それが運よくすぐに出会うことが出来た。ほかの公安側の協力者と言って聞いたのは】
【黒野カンナという人間、情報源は櫻の国の軍人。厳島――という人物らしい。ただ、これは、よっぽど信頼しているというわけではないのか、少し不明瞭な言葉が必要】
【それ以外は――聞いたのを伝えるだろう。黒野カンナの方にも連絡はつけてもらったはず。ただし本当かは知らない。また彼はセリーナに用事だったのだとも言って】

……円卓の構成メンバーのリストを、厳島さん側が持っているんだって。だけど見せてはくれないって。

【セリーナと喧嘩したというのはひどく苦い顔をしていたから本当なのだろうけれど、些事とは言い切れないけれど、だけど――そう、特別に重大ではない、はずだった】
【ならばゆるゆる首を揺らして言葉を切る。最後に付け加えるのが――多分あの晩聞いた中で一番重大なこと。ただこれは、黒幕側ではない、円卓側へ強いカードに見え】
658 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/24(土) 22:37:00.91 ID:E0NWenTy0
>>655
仲良くくらいなら……出来れば良いな

【差し出された猫の瞳を見つめ、その奥にある猫なりの感情とやらを探る様に目を光らせる】
【そうして、伸ばした右手が柔らかな毛に触れ、耳を少し押し、掌に体温が伝わる】
【彼はゆっくりと猫の頭を撫でながら、鋭く端正な顔立ちを少しばかり綻ばせた】

ん……いや、俺もよくわからないんだが……
以前、知り合った人に言われたんだ。混じってる≠ニ。何が混じっているのかまでは……
……出会ったばかりの人にこんなことを言うのはおかしいな。すまない

【何故かはわからないが、自然と己のことを引き出されるように感じた】
【そう言う風にさせる雰囲気、場を作り出す空気と言うものを、彼が相手の男に感じていたのかもしれない】

貴方は画家なのか。成程。だから、こう……独特の雰囲気を纏っているんだな
こう言う所で絵を描いたりするのか? 例えば、この猫達の

【世の中には猫だけに固執して描き続けた画家もいると言う。男にも、何か妄執の如き物を感じることはあるのだろうか】
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 22:37:05.58 ID:rwigNl9Z0
>>653
【ただ小さく、ただ少しだけ嗚咽が聞こえた】
【ただそれだけだった、それは続かなかった】

「ははは、よし!そう来なくっちゃなあ!」
「つ、強いッスね、佳月ちゃん……」

【佳月は直ぐに起き上がり】
【そして威勢のいいセリフとともに、そのさっぱりと切り捨てたような顔を二人に向けた】
【そこには迷いもなく、しっかりと『戦う』意思の込められた強固な瞳】

「水の国自警団……の手伝いで、万事屋アパッチのリーダー、ビリーだ!」
「同じく、水の国自警団の手伝いで、万事屋アパッチのマリーッス!」

「「よろしく!佳月ちゃん!」」

【ビリーがその手を握り、マリーがそこに手を添えた】
【固く、強い握手】

「正義の味方か、よし!ますますいいねえ!佳月ちゃんには万事屋アパッチの会計担当兼ツッコミ担当の地位を授けよう!」
「ツッコミ担当はいいッスけど、兄ィ『盗賊団』は?」
「るせー!!そんなもん今は休業だバカヤロー!」
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/24(土) 22:49:01.53 ID:4t8xUAjgO
>>658

【『……にゃぁ〜』と間の抜けた声を出す猫は、剣呑で】
【雰囲気は緩いが瞳は鋭い。その手が近付くとじっと睨んでくるものの】
【やがて触れれば、その優しさに気付いたのだろう】
【静かに身体を任せて――時には、自ら頭を擦り付けるようにして】

なるほど。……となると、君の先祖か何かが"そうだった"のかも知れないね。
ボクの知り合いにも似たような人が居たよ
もう亡くなっているけれど……でも、気にしなくても良いんじゃないかな?

それも君の個性だし、多分大事にすべきものだ
その点、ボクはただの人間だからね。少しだけ羨ましくもあるわけで。

【ふふ、と微笑む。その笑顔は優しく、穏やかで、少しの教養を匂わせる】
【およそ戦闘や殺戮とは縁が無さそうな――それこそ、貴公子のような男】
【そんな印象を抱かせるのに十分な要素が、この会話だけでも満ち足りて】

そうかい?でも、そう言われると画家冥利に尽きるというもので。
……ふふ、猫や風景も描くけれど、主として月≠描くんだ。

でも、こだわりが強すぎて。……聞くかい?
知り合いには『人に話すと引かれるから止めろ』って言われるんだけど。

【月=\―今は昼故、見えないが。こだわりはあると、それを聞きたいかと反問した】
661 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 22:49:12.81 ID:qZFtaYex0
>>659

ふふ……舐めてもらっちゃ困ります。
私、世界だって救ったことありますからねっ

【嘘か本当かはわからない。けれど響き的には冗談っぽい】
【そんなことを口にしながら、しっかりと握手を交わした】
【見た目通りに握力は強くない。それでも出来る限りの力を籠めて】

か、会計かぁ……うーん数字とやりあうのは苦手なんですよねえ……。
それ以外に何かよさげな役職ありません?
こう、書記とか……あーっでも文字もそんなに綺麗に書けない、し……

……ん。思いつきました、特攻隊長はどうです、特攻隊長。
斬り込んでいくのは得意ですよ、櫻の国のサムライソウルが私にはありますので――

【――――そして。こんなことを口にするのだから、きっと二人はこう思うだろう】
【「コイツにツッコミは無理だな」――と。残念ながらこの少女、天然だ。ドがつくほどの】

――――よしっ! 気持ち、上手いこと切り替わりました。
連絡先の交換は前回やりましたから、もういいとして……

……ほかに何か、気になってることとかありません?
夕月さんのことだけじゃなく。もっとこう、マクロなものごとで――

【「何かありましたら力になりますよ。特攻隊長ですし」。そう付け加えて、返答を待つ】
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/24(土) 23:05:20.78 ID:E0NWenTy0
>>660
【撫でる内、猫も気を許し始めたのか、次第に頭を擦りつけてくる】
【柔らかな毛の感覚を手に感じながら、力を入れすぎないように撫で、話を続けていく】

先祖……か。俺は、俺の一族の昔のことはよく知らないからな……
知り合い? そんな人と知り合いだったのか……貴方も、面白い交友関係を持ってるんだな

個性、か。大事にしていれば、いつかは役に立つ日が来るだろうか……

【微笑みの裏にある物は、陰も裏も無い真性の真心か、内に闇を秘めた感情か】
【完璧に、完璧なまでに柔和で高貴なイメージを抱かせる相手が、一瞬だけやけに恐ろしく見えた】

月を描くのか。月、よく考えると、余りまじまじと眺めたことはないな……
それだけ、拘りを持って描いているんだろう? なら、きっと聞く価値のあるものだ
職人がそれだけ心血を注いでいるものは、何よりも学びになる。聞かせてほしい

【月。宵闇を照らす慈愛の光でありながら、ルナティックの語源ともなったように、人を狂気へと誘う暗黒の光でもある】
【その月に対する拘りとは、如何様なものであろうか】
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/24(土) 23:06:25.85 ID:NIz2Pu5io
【先日、というのも“彼女”と話をする前のことだ】
【ジルベール、件の男から“紙”を通して連絡があった】
【『で、相談なんだが……この紙、会議みたいなことって出来るのか?』──、と】

【『紙は一定の魔翌力チャネルでつながっているから一対一でしかできない』】
【『いくらマジックアイテムとはいえ、制限事項はいくらでもあるさ』】
【『例の場所で、待っていてくれたまえ。暇さえ出来れば、そちらに向かおう』】

【なんて、相変わらず研究者臭い返事を寄越してから】
【研究所からタクシーで30分、徒歩1分。彼がいつもいるという路地裏にたどり着く】
【「──“Crimson”だ入るぞ」と一声かければ、彼の前に姿を現すだろう】


「やあ、久しぶりだね。例の一件は無事終わったようで何よりだ」
「そして、六罪王の就任おめでとう。まあ席はいくらでも空いていたみたいだけど──」

【そこまで定形のような挨拶を済ませれば、そこらに転がっていたドラム缶に腰掛ける】
【関係者として、謝辞と賛辞を。彼が実質カノッサの頂点に立ったのだから】
【胸ポケットから少し高級そうなパッケージを取り出して一本の煙草を口に咥えると、指先に炎を灯して火をつける】

「さて、例の紙の話だったか」
「あれは三人以上の通信は不可能。私の“伝送魔術”を染み込ませているが、双方向チャネルだからそれは不可能だ」

【──女の能力/魔術は、マテリアルの生成と情報伝送に特化したものだった】
【その魔翌力を染み込ませたとしても、せいぜい双方向の通信だけ】
【その事実だけを伝えて、「さて、どうする」なんて彼に尋ねるのだが──】
664 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 23:11:08.49 ID:rwigNl9Z0
>>661
「世界ッス何をしてたッス!?」
「ははは、いい!ますますいいねえ!気に入った、どうだいマリーちゃん?」

【世界、とはかなり大きなことを言った物だ、とビリーは冗談と認識、マリーは本気に取っている様だが】
【反面少女の様子からビリーは、あ、会計はダメっぽいんだうーんじゃあ何にしようか】
【と、ちょっと考えている最中】

「と、特攻隊長?あーうん、それだいいねそれ、うんそれで行こう!」
「それは具体的に何するッスか兄ィ?」

【どうにも、ツッコミよりボケ担当要員がもう一人増えたな、と感じた二人だったが】
【やがて】

「そうだなー、あ、そうそうこの件と直接関係あるかはわかんねーけどこの国の、と言うか世界の最近の状況は知ってるか?」
「具体的に言うとッスねー……」

【機関とそれを巡る黒幕と円卓の存在、公安や政府との癒着】
【セレンディピター号に由来する、レヴォルツィオーン社等企業の存在と暗躍】
【黒幕派による魔能制限法制定の動き】
【自分達は現在それを自警団の手伝いとして追っている事】
【自分達に与えられている情報を、噛み砕いて説明しながら】

「それで、佳月ちゃんこう言う動きで何か知ってる事ってある?それこそ何でもいいんだけどー……」

【これが現状二人が気になっている事、でもある上記にある事でも無い事でも、どんな小さな糸口でも、と】
【それがもしかしたら、夕月に繋がるかもしれない、と】
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 23:20:43.99 ID:qZFtaYex0
>>664

さきほど言ったでしょう、正義の味方やってたんです。
……っとまあ、そこらへんの話はまたいつか、お聞かせしますので……


……、……うーん。ニュースでやってるようなことはまあ、そりゃあ知ってはいますけど。
黒幕に、円卓……? それにセレンディピター、レヴォルツィオーン……
ううーん、そのあたりはさっぱりですね。すみません。

自警団の方が味方にいるんですか、それなら話は……早くはないでしょうね。
早いってんならもう、お話、終わってますもん……

【「困りましたね、“組織”に属してなかったら、こんなに大変なんて――」。これは独り言】
【なんでもないような口振りで流したあと、んん、と喉を鳴らして】

……ビリーさん、その自警団? の方、ご紹介願えませんか。
こないだ言ったみたいに警察の方には頼れないんですけど、自警団だったら――
夕月さんの捜索、手伝ってもらえるかも……。……だめですか?

【そんなことを訊ねてくる。少しでも人手が欲しいのはどこも同じことで】
【それで言うならこの少女も同じことだった。だめだったらいいですけど、と付け加えて】
666 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/24(土) 23:23:51.97 ID:4t8xUAjgO
>>662

絶対に来るよ。それは君という個人を形作る、大事な柱だ
今は何でもないように思えても、いつかね。

……さて、それじゃあ。少しだけ語ってみようかな、ボクの愛する月について。

【膝下で丸くなった猫を優しく撫でていた手を、止めて】
【ふぅ、とため息をつく。これから語る内容は単なる偏愛のお話】
【少しだけ気恥ずかしそうで、そんな様子は恋について語る少女のようでもある】

【それくらいに"純情"なお話というわけだ。――まず、と口を開き】

大前提としてだけれど、ボクは月が好きなんだ。愛している、という意味でね。

理由は分からない。けれど子供の時から夜となれば月を眺めていたし
落書きもほとんどは月をモチーフにしたようなものだった。
画家としても何千枚と描いてきた。満月、半月、朧月に下弦の月。
新月も良いよ、あれはあれでそこに月があるのだと、眼を凝らせば黒い形が見て取れてさ

それで……月の素晴らしさっていうのは、その魅力にあってね
綺麗だろう、月って。疲れた時に海をぼうっと眺めるように
いつまでも眺めていて飽きない――そんな美しさを、"彼女"は持ってる。

……なのに、どれだけ手を伸ばしても届かない。
当然さ、何万キロも離れた場所に居るんだから。
でもね、届きそうじゃないか。いつだってそこに居て、優しく僕らを照らしているんだから。

きっと、そんな魔性のヒトなんだろうね、月っていうのは。
優しくて、静かで、穏やかで、それでいて悪魔のように魅力的で。
地上から絶対に届かないボクを見て、多分空の上で笑っているんだろうと、そう思うんだ。

言うなれば…――神と人の関係に似るのかな。少しだけ、ね。
……そういうわけで、ボクは月が好きなんだ。……君は、何か好きなものはあるのかな。

【月に恋をしている――愛している。その言葉は嘘ではないと、分かるだろう】
【それだけの熱意がある。言葉の一つ一つに、万感の思いが込められている】
【偏執的な、月への憧憬。ひとつ区切るように、自嘲的な笑みを見せた】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 23:33:45.97 ID:rwigNl9Z0
>>665
【悩み顔を見せる少女と二人】
【なるほど、情報不足は何処も深刻なようだ】
【しかも二人はこの件に関しては新参者、佳月は全く無関係の民間人】
【しかし、ここで佳月から提案が】

「佳月ちゃん……」

【二人は一瞬顔を見合わせた、だが、やがて】

「佳月ちゃんは、もう万事屋アパッチの三人目ッス!」
「ああ、俺たちの仲間だ……よし!ディミーアに連絡だ!」

【人手不足は自警団も、ディミーア側も同じ事、それならば人数は多い方がいい】
【何より佳月はもう、立派な『万事屋』メンバーだ、と】
【携帯端末を取り出し、ディミーアに連絡を入れる】
【『こちら万事屋アパッチ、いたいけな少女が助けを求めている、尚、すでに万事屋のメンバーに引き入れた模様』と】

「まあ、これで大丈夫だろ、その内連絡が来るさ」
「最も佳月ちゃん可愛いからねぇ、またディミーアによからぬ疑いをかけられちまいそうだ」

【そう言ってビリーは佳月に笑って見せる】
668 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/24(土) 23:36:58.91 ID:4t8xUAjgO
>>663

【入るぞ、と一声掛けて路地に入ったならば、どうぞ、と返事がある】
【踏み入った酒場裏の溜まり場は、相も変わらず小汚く】
【けれど革の破れたソファは座り心地が良さそうで】
【「まあ座れよ」なんて声を掛けながら受け答えするジルベールの姿は、今日は灰色のコート姿で】

――そっちこそ、また随分と派手にやってくれたじゃねえか。

く、ハハッ……まさか六万人ぶっ殺すとは思わなかったぜ、"Crimson"さんよ。
だが、お陰で"復興"の方も順調だ。例の"魔能制限法"の影で着々と、な。

六罪王のほうは……まあ、な。アンタもなってみたらどうだ?
案外居心地は良いもんだぜ、なんだって出来るしな

【円卓を支配し、カノッサの頂点に立つ。――それにしては、俗世的というか】
【煙草を吸う彼女を前にゆったりと座る男は、あまり変わらない様子だった】
【偉ぶるでもなければ、変に忙しそうにしているわけでもなく】
【何とも自然体な。いうなれば、根が悪党ならすることは変わらないのだろうという雰囲気で】

……で、その紙だ。通信が不可能ってのはわかったが……なら、別の手段は無いか?

実は、俺の協力者とそのお仲間…――"黒幕"に対抗しようって連中が居てな
そいつら、メールを傍受された上に内容の改ざんまでされたらしい。
で、代わりの信頼できる通信手段を探してるわけだが……俺としちゃ、協力したいわけだ

【"円卓"として"黒幕"を潰す。そのためには、敵の敵を支援するのも大事な一手だ】
【故に通信手段の確保は急務だと、ごく簡潔に目の前の彼女に要求を伝えた】
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/24(土) 23:46:37.55 ID:qZFtaYex0
>>667

ディミーアさんって仰るんですね、わかりました。
ああ、連絡まで……ありがとうございます、このご恩は必ず……
――そうですね。万事屋としてのお仕事を立派につとめて。返してみせますとも!

【ぐっ、と拳を握って笑って見せる。かわいいなんて言われれば、またまたぁ、なんて返して】
【それで今日のところの情報交換は――終わりになるだろう。夜はすっかり深くなっている】

それでは、私は今日はこれくらいで失礼します……
んんっと、ビリーさん、って呼ぶのもなんですね。私もう、万事屋の一員ですし。
なんてお呼びすればいいですか? リーダー、とか?

【別れ際、そういうことを訊いてくる。意外と形から入りたがるタイプ、っぽい】
670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/24(土) 23:48:46.35 ID:E0NWenTy0
>>666
【語り出した男をじっと見つめる。いつの間にか、彼の傍らに一匹の猫が座っており、彼はその猫の頭を撫でていた】
【良い感じの所に良い感じの頭があったから、何か良い感じに撫でているのだ】

新月か……確かに、月は出ているか問いても、月は常にそこにある
彼女……?

【月は綺麗だ。その言葉には概ね同意した。しかし、続く言葉に何か、妙な違和感を覚えた】
【物を擬人化する文法は往々にして世の中に氾濫している。だが、現実でそれを使う者は中々いない】
【男は本当に恋人として′獅見ていると言うことなのだろうか。そうだとするならば、かなり奇特な人間であると言う他無い】

それだけ、月のことを愛しているんだな
手が届きそうで、届かない。それを愛する感情か……余り感じたことが無いが、どこか美しいとは思う
簡単に手に入る物よりも、手に入れ難い物の方がずっと、尊く感じるものだからな

【掌をかざせば、月はすっぽりと其処に納まる。だが、本物を手の内に入れた訳ではない】
【虚像、虚構、其処にあって無いものを手に入れているだけで、真実はいつも空の果て。遥か38万キロのボヤージュの果てだ】
【だからこそ、人は焦がれ、手を伸ばす。手に入らないとわかっている。いつか離れていくとわかっている】
【それ故に、少しでも傍にいてほしいから近づこうとするのだ。それは、寂しさに似ている】

俺か……? 俺には、何かを愛すると言う気持ちが本質までは理解出来ない
好きな物は幾つもある。物語や、新しい学びや、この刀だってそうだ。どれも俺の好きな物に違いは無い
だが、本当に、心の底から愛する物が見つかったことはない。どうしてか、見つからないんだ

【それは、彼の人ならざる部分に起因した彼特有の欠陥。好くことはある。大切に抱えることもある】
【だが、愛することが出来ない。愛とは、自らを擲ってでもかけがえの無い愛とは、一体どのような物なのだろうか】
【彼の体を突き動かす感情に、愛が加わることはあるのだろうか】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/24(土) 23:57:20.95 ID:NIz2Pu5io
>>668

「そりゃあいつに言ってくれ。まあそうしろと言ったのは私だが」
「一人残さず殺しておいて正解だっただろう?イメージ向上に繋がったってところだ」

【ご褒美に買ったピースとかいう、現状と懸隔した銘柄の煙草は】
【確かに美味かったが、どうにも上品すぎて吸い難い。湿気た煙草を吸い続けていたからか】
【『魔能制限法』が騒がれる影で、どうにか復興も始まっているようであった】
【タイミングが丁度よかったと、まあ彼にとってはそうなのであろうけれども】


「他の手段か、そうそう思いつくものじゃないが──」
「インターネット回線も、電話回線も駄目か。ならこうしよう」
「それらの利用時に、魔翌力パターンを利用して暗号化するのはどうだ」

【通信妨害の現状を知った赤崎はそう提案する】
【複雑な魔翌力パターンを用いた、高度な暗号化を加えること】
【発信元や通話先は解読される可能性もあるが、内容が漏れないことは担保できる】

「だが、これは自分も相手もその魔翌力を含んだ物を保有する必要がある」
「先日渡した紙は、チャネル・マギックと呼ばれる方法だ。つまり、2つだけの間に共有できる」
「しかしながら、2つ以上には共有できない。性能と制約はトレードオフだ」

【先日彼に渡した紙に使われる技術と、その制約を伝える】
【そして魔翌力パターンを利用した暗号化の欠点もきちんと伝えたうえで】
【またどうする、と彼に尋ねるのである。それを確実に、漏らさないように渡さなければ意味がない】
672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/24(土) 23:57:59.02 ID:rwigNl9Z0
>>669
【ディミーア初め自警団との合流は、また後日別のお話となるだろう】
【気丈に、しかし芯のある言葉を言う佳月に二人で笑顔を見せ】

「うーんそうだな、まあ俺は何でもいいぜ、ビリーって呼ばれるのも落ち着くし」
「アタシは兄ィって呼んでるッス!」

【こう、別れ際の佳月に答えた】
【リーダーでもビリーさんでも兄ィでも、好きな呼び方を選べるようで】
【もう、ここには悲しみや悲観等は無くなったのだから……】




――のっぺりとした Day by Day まったく今日も同じだろう?
とけ込めない人に 慣れない街
Ah 人波に 立ち止まり 振り返り 確かめた足跡
前より ほんの少しは歩けてるかも――
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 00:00:35.45 ID:Hwg/xyAXO
>>670

そうだよ、愛してる。……でも珍しいね、真面目に聞いてくれるなんて。
ほら、大概の人は『そんなのおかしい』って言うんだけれど

……そう、手に入れがたいものだからこそ恋い焦がれるんだ
例えそれが一生手に入らないものでも、愛するのは自由だからね。
そして幸いなことに、どれだけ深く片思いをしたとしても
"彼女"はボクを訴えたりしないものだから。今夜も、ボクは彼女を見つめるよ

【若干の寂しさが残る、空虚な恋愛。応えもなく、実ることだって無い】
【けれどそのロマンスを理解してくれる青年には――正直、好意を覚える】
【なにより嬉しいのだろう。柔和な表情を見せて、彼の目を見つめ】

……本質が理解できないというのは、つまりもう一歩ということだよ。
その一歩は千尋の谷を超えるような困難かも知れないし
実は、ちょっとした小石を蹴飛ばすようなものかも知れない。

要は、きっかけが無いだけなんじゃないかな。
君はボクの感情に共感してくれた。つまり、理解できるだけの心は持っている

物語、新しいことを知る快感、そして刀。
それはどちらかと言えば愛着であって、恋愛ではない
……まあ、普通は恋愛というのは他人に対してするものだけれど。

つまり…――君はまだ、手を伸ばしたいと思う人に会っていないだけ、ではないかな。
命に代えても守りたい。その人を思うと、胸が苦しくなる。
そんな経験がないのならきっとそうさ。……でも、いつか会えるよ。

【『君は優しいからね』と、そう言って久しく止めていた手を動かした】
【「にゃぁ」と剣呑な声が風に交じる。青年に先の猫が一匹すり寄って、その膝下を占領しようと身体を丸めた】
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/25(日) 00:02:51.41 ID:wLxiCh2U0
>>672

わかりました。それでは次会う時までに考えておきますね。

――――ありがとう、これからもよろしくお願いします、万事屋さんっ!

【言い残して去っていく。その足音は、軽くともしっかりしたもので】
【きっと彼女にとって、そう悪くはない方向へ進んでいくものだ】

【 少女は、幸せ者だった。「だった」のだ、きっと、――――これから先も? 】


//ここらへんで〆ますね、ありがとうございました!
675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 00:06:07.01 ID:/eB/Ni7I0
>>674
「じゃあな、また連絡するぜ!」
「またッスね佳月ちゃん」

【足取りは来た時よりずっと軽く】
【気持ちはもっと上向きで、少女の幸せを、いや、叶うならもう一人の少女と共に幸せを】

「じゃあ、俺らも行くぜ」
「そうッスね、帰りにジ○ンプ買うッス!」

//では、ありがとうございました!
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 00:08:15.76 ID:Hwg/xyAXO
>>671

暗号化、ね……確かに、それなら対抗は出来そうだ
どうせやり取りは既にバレている以上
誰から誰へってのは、相手に分かっても問題は無いわけで……

……むしろ、中身だけが分からないってのはプレッシャーになりそうだな

【魔力パターンを用いた暗号化。門外漢ではあるが、理解は出来る】
【発信・受信が相手に読まれた所で、既に問題はないと口にした通り】

【要は通信の内容が分からなければ良い。"Crimson"の提案は、的を得ているように思えた】
【既存の回線を用いているのであれば、それこそインターネットを用いた会議も可能であるし】
【敢えて名前だけを分かるように通信すれば――その数が、そのまま黒幕への圧力足りうるとも口にして】

で、問題はその魔力を含んだ物≠ゥ。
……例えば、俺なんかは魔力だの魔術だのってのはサッパリだからな
俺の協力者ってのも、生憎とそっち方面はダメそうだしな。

何かあるのか、それらしい物が。
ファンタジーな話なら、魔力の篭った石だとか
そもそも端末自体にそれらしい改造を施すとか……そんな感じか?

【アイデア自体は、やはり専門家に尋ねるのが一番で】
【反問、二回目。魔力含有物をどうするか、師に教えを乞うように視線を向けた】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/25(日) 00:16:44.82 ID:LEcvfoUfo
>>676

「ほう、それなら大丈夫だろう」
「それは言えてるかもしれないな、中身だけ分からなければ何を話しているかわからない」

【通信内容が検閲できなければ、何をしているか把握できないだろう】
【それが逆に相手に対するプレッシャーになり、通信内容を妄想させる切っ掛けになる】
【とはいえ、問題は魔翌力を含有したものをどうするか。悩んだ挙句、ゆっくりと口を開く】

「そうだな、前渡した紙は魔翌力を浸透させたものだ」
「同じようにして、魔翌力を浸透させれば別個なパターンが完成する」

【ただ、と付け加えるようにして】

「同一の魔翌力パターンを、紙を媒体にして保つのは難しいだろう」
「それこそ魔石とか、そのあたりを持ってくるしかあるまい」

【例の紙は簡素なパターンであるから数週間は持つが】
【複雑になればなるほど、その媒質の強靭さも求められることになる】
【ということは、それ自体が魔翌力を含有する魔石なんかが好ましいことになるが──】
678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/25(日) 00:18:35.77 ID:BfU56Rhx0
>>673
……人の話を真面目に聞かない人がいるのか?

【それは彼にとって、今までに経験した事が無い程の感覚だった。人の話は最後まで聞く。彼にとっては当然のことだ】
【そして、しっかりと相手の話を聞く。これも。彼にとっては幼少期より教え込まれたごく当然のことだった】

もう一歩……もう一歩か
そのもう一歩が、一体いつになるのかは貴方の言うようにわからない物なんだろう
それも、旅の中で探していけば見つかるかもしれない

【きっかけが無い、と言うのは正しいことだ。彼の欠陥を、欠損を埋めるだけの出会いが、何処かにあるかもしれない】
【もしくは……埋めるに至るまでに、重大な別れを経験するかもしれない。それは、何れわかることだ】

俺が誰かに手を伸ばすなんて、考えたこともないが……
そう言えば、貴方にはあったのか? 手を伸ばすだけの人が、月以外にも

【ふとした疑問。月をこの上なく愛していることは理解した。それが男の技術を、そして人生を形作る物であることも】
【ならば、月以外にも男の感情を揺さぶり、突き動かす物はあったのだろうか】
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 00:25:50.60 ID:Hwg/xyAXO
>>677

「――ではその魔石、私が調達してくるとしましょうか」

【女の声、だった。よく響く、よく通る、そして深みのある低めの声】
【姿を表わすのは酒場裏手の扉より。その姿は巫女のそれにも似るが】
【櫻の国に古くからある狩衣とか、そういう類の衣装らしく】

【亜麻色と新緑色。髪と瞳は左右で見事にその色合いに別れていた】
【オマケにその髪からはぴょこんと耳が覗いていて――獣人、らしく】

……この間、アスタンで暴れた銀髪の刀使いが居ただろ。
あれを引っ張ってきた、俺の食客だ。名前は…――「――どうも、クズノハと申しまして」

「さて、魔石は私が用意をしましょう。なんなら指輪の形にでもしましょうかね
 問題は暗号化に関する所でして……術式、後で教えていただけます?」

【モノがあれば、後は件の暗号化を施すための魔術をそれに込めれば良い】
【クズノハという獣人はそう語る。"Crimson"がその意見に同意出来れば、話も早い】
【ある点では――目印、にもなるだろう。指輪というのが、一つの符号にもなるはずだった】
680 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 00:31:46.23 ID:Hwg/xyAXO
>>678

時には、ね。それにほら、他人の惚気なんて聞いていて疲れるものだし
自分の興味がない物の話というのは面白くないから。
ボクにとっては命に代えてもいい大事な"月"だけれど
ある人からすれば何でも無い、単なる大きな岩でしかないわけで。

……そうだね。旅は良いよ、自分の世界が大きく広がるし
色々な人と出会えるから。きっといつか、良い出会いをするよ、君は。

【ボクが保証するよ――そういって、次の彼の言葉に少し悩んだ】
【月以外に手を伸ばすだけの人物は居たのか】
【少し、黙る。即答できるだけの人物が居ないのは、間違いないのだろう】

【だが居ない、とも言い切れない。そんな出会もまた、体験しているらしく】

一人……居た、のかな。実は、今年の頭から前の事をあまり覚えていなくてね
でも、調べた限りでは多分、居たんだ。それは男性で、ボクの友人で。

……どうして、大事だと思ったんだろうね。もう忘れてしまったけれど
でもとても実直で、人の本質を捉えて、いつだって真面目に話してくれる人だったんだと思う。
要するに……ボクを本気で理解してくれた、初めての人だったんだろう、けど。

……ごめんね。答えというには、ちょっと曖昧かな

【記憶が無い――妄執的だからこそ、"月"については覚えていたのだろうが】
【それでも片隅に引っかかる男性の姿を、おぼろげながら口にした】
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/25(日) 00:43:14.45 ID:LEcvfoUfo
>>679

【突然の声に、脊髄反射的にそちらに顔が向く】
【すれば、銀髪が美しい女性の姿が──って、どこかで見覚えがあるような】
【記憶の糸を探っていけば、ひとつの答えに辿り着く。そう、彼女は】

「あっ、君はアスタンで暴れてたあの剣士じゃないか」

【オッドアイで、髪からは両耳をピョコンとのぞかせている】
【どう見ても獣人である。余程のやり手なのだろう、彼が見込んだ人材であるから】
【彼の紹介を遮るように名を言ったために、クスリと少し嗤ったりもしたが】


「クズノハさんか、よろしく」
「魔石は君が調達してくれるのか、了解した」
「術式についても一応教えておこう、魔翌力を投じればいつでも使えるようにしないとな」

【魔翌力を放り込めば、パターンによって勝手に暗号化される術式】
【それと指輪さえ持っていれば、暗号化通信が可能になるのだ】
【共通鍵と秘密鍵──、今それが結びつこうとしている。指輪という目印を介して】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/25(日) 00:46:40.55 ID:BfU56Rhx0
>>680
【保証する―――――その言葉に彼は背中を押されるような力を感じ、小さく頷いた】
【旅を続けることで見えてくる物がある。世界は万華鏡のように姿を変え、時に道を惑わすが、それ故に経験は無限大となる】

今までも、良い出会いを何度も経験して来た
きっと、これからも何度も出会うんだろう。そう考えると、俺は恵まれているのかもしれない

【男が悩む姿を見て、もしや聞いてはならない事を聞いてしまったのかと内心後悔する】
【だが、続く言葉は彼の想像とはやや違った物だった】

今年の頭から前を覚えていない……?
それは、記憶喪失と言うことか? 何故そんなことに……?

貴方を理解する人がいた。そうか……その人のことを、今でも信用しているのか?
もし、信用しているのなら、例え名前を忘れていたとしても、あらゆる事が消え去ってしまった訳じゃないんじゃないか?

【何気ない、とても何気ない言葉だった。それが、人によっては鉛よりも、鉄よりも重いことだとは思いもせず】
【だが、これだけは断言したい。人の名を、声を、姿を忘れてしまっても、たった一つ感情が残ってさえすれば】
【その人と過ごした日々は、決して無駄ではないのだと】
683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 00:54:35.85 ID:Hwg/xyAXO
>>681

「おやご丁寧に。これはどうも、こちらこそよろしく願いますね?
 ……では、後ほど酒場の方にお願いできます?
 ここの二階、宿場になっていますので。ついでに試作品をお渡ししたいなーと」

【魔石の準備も良し、術式も共有できる】
【そうなればもう問題は無い――後は作って、使うだけだ】
【配るのに若干の面倒がありそうではあるが、そこは仕方がない】
【ともかく目処が付けば、クズノハはにこりと笑って元来た扉の奥へ消え】

【一方でジルベールは、どっかりと腰を下ろしていた椅子から立ち上がり】

……んじゃ、後はアイツと話してくれ。
出来上がったらこっちから配って、使わせてもらう。

ひとまずはそんなところか……アスタンもしばらくはあのままだしな
アンタと、その下の"神"か。手配されてるんだ、気を付けろよ?
あぁ、あと……お前は『こっち側』って事でカウントして、良いんだよな?

【――『こっち側』。先日機関の連絡網図に流れたメッセージ、思い出せるだろうか】
【要は、あのことだった。対立構図、そのどちら側にいるのかと簡潔に問いかけたのだった】
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 01:02:28.15 ID:Hwg/xyAXO
>>682

んー……いや、ね。その日は寒くて、ストーブを焚いてたんだ
夜の丘の上で、月を描いていてさ。

そうしたら、"悪魔"が着てね。言葉を…――その言葉が持つ意味を食らう悪魔さ
それで、彼に"あげちゃった"んだよ、ボクの半生と、真名とをね。
でも月が好きだっていう感情はあげなかった。……そんな事が、本当にあったんだ

だから、忘れたと言うより失ったと言うべきなのかな。
その代わり、その日から夢で好きなだけ月を楽しめるようになってね?
だから毎晩楽しいんだ。寝る前に月を眺めて、寝てからも味わえるんだから。

【淡々と語るが――それが真実なら、異常とも言えるだろう】
【自分が生きてきた年月を、その場に現れただけの悪魔に喰わせてしまった、と】

【――ただ、青年なら分かるかも知れない。この男は、虚飾や名誉には興味がない】
【いうなれば物事の本質を大事にするタイプだ。例えば、月を愛するという心】
【それが自らの真だからと譲らなかった、反対に重ねた年月や過去は、肩書でしか無いと切り捨てた】

【そういう判断も出来る。ただ、青年の言葉に、少し後悔するような表情も見せて】

……多分、信用しているんだろうね。だって、忘れたはずなのにこうして話せるんだから。
きっと彼との年月はかけがえのないもので……とても、素敵な物だったんだ。
一緒に居るだけで楽しい、そんな時間を共有できる真の…――、……。

……少し、探してみようかな。自分探しなんて歳でも、無いんだけど。
そういえば君――名前は?ボクは……"ダグラス"と、そう呼ばれていたんだ。

【半生、そして真名。失ったが故に、名を名乗るのも他人事のよう】
【けれどこの男だ、と分かる符号は必要で、仕方なくなんて様子で話しながら、問いかけた】
【大分深く話し込んだのに、未だ知らない青年の名前を、静かに。】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/25(日) 01:11:38.98 ID:LEcvfoUfo
>>683

「ああ、了解。ジルベールともう少しだけ話してから行くさ」

【クズノハはニコリと笑うと、酒場の勝手口から中に戻っていく】
【さて、と一息付いて彼の方を向けば此方が今出すところだった話が告げられる】

「はは、やはり手配されていたか。今後は気をつけるさ」

【なんて後ろ髪をかきつつ軽くそういえば】
【不意に表情は朗らかなものから真面目なものに変わってしまって】


「──それは非常に難しい話だ、研究以上に難しい」
「私は機関内で中立を保てるよう努力はしていたのだが、黒幕側の動きが読めなくてね」
「それももう限界なのかもしれないな……」

【対立構図の、どちらにお前はいるのか】
【その問はいたって簡潔であったが、その答えを紡ぐのは非常に難しかった】
【というのも、中立を保たなければどちらかにやられる危険性があるのを承知していたためだ】

【それは政治ごとであるから、一研究者には関係ないと】
【ずっとそう思っていたかった。だが、アスタンの一件からそう言えなくなったのではないかと】
【悩んでいるうちに、煙草はすっかり短くなっていた。吸い殻を側溝に投げ捨て、空を仰いだ】
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/25(日) 01:17:36.23 ID:BfU56Rhx0
>>684
なるほど、ストーブを焚いていたのか……丘の上で?

悪魔。なるほど。半生と名をあげちゃった……と。なるほど

【流石の彼でも、頭上にクエスチョンマークが複数浮かんでいく。まず丘の上にストーブがある。おかしい】
【そして、突然悪魔が現れた。言霊を喰らう悪魔。きっと、随分とお喋りな悪魔なのだろう。喰っただけの言葉を溜め込んでいるなら】
【更に、自分の存在とも言える人生の経験と、存在の証左とも呼べる名前を一辺に。そんな事、普通では無い】

【だが―――――】

貴方は、それを自ら選んで受け入れたんだな?
それなら、そう言う生き方もあるんだろう。俺は、少し勿体ないと思ってしまうが……貴方は常に、其処に在る物を大事にしている

そうか……なら、貴方は今もその人を捨ててないじゃないか
そんな風に思わせるってことは、きっとその時間は無駄な物じゃ無かったんだ

【念を押すように告げる。彼自身が否定したくなかったのだ。生きてきたことを、出会ってきた人を、無意味だと思いたくなかった】
【いつか消える物もあるだろう。置いていかなければならない物もあるだろう。だが、その全てに意味があるのだと】

俺は鳴神 義勇。義勇と呼んでもらって構わない。よろしく、ダグラス

【ダグラス。その言葉にどこかで聞いたような感覚を覚えながら、彼は右手を青年へと差し出した】
【握手を求めていたのだ。月を愛する画家との出会いに、意味を持たせる為に】
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 01:20:07.67 ID:Hwg/xyAXO
>>685

……だろうな。だが、決めてもらわなきゃこっちとしても困るわけだ
なにせ俺は円卓を預かっていて、黒幕は完全に敵だからな。

アンタが悩ましいと思ってるのは、例の六罪王だろ?
だったら、こっちに付きたくなるようなプレゼンでもしなきゃあな。
……俺は世界を買う男だ。この世界を穫るという点じゃ
あのロジェクトって奴と同じ様な目的を持っていると言っていい

で、"Crimson"…――こうして面と向かって話している俺と
夢の中に急に現れるような正体不明の存在、どっちを信じる?

【質問は誘導的なものではあった。かといって、恫喝とは違う】
【もし煙草を投げ捨てた彼女が何らかの信念をもって"お前にはつかない"と言えば】

【それはそれで、残念だと言うのだろう。単なる技術的な協力に留まる】
【別にこの場で口封じをするわけでもなければ、後で刺客を放つこともしない】

……もっとも、俺に手を貸した時点で、相手がどう思うかは別だが。

【そう、問題はそこだった。――もう既に、彼女はこちらに手を貸している】
【それをロジェクトがどう捉えて処理するか。少なくとも、良い印象ではないのだろう】
【だからこそ、分かっていて。"お前はこちら側だ"と言うように】

【その協力を取り付けてからこの質問をしたのだった。そして、再び同じ質問をした】
【空を仰ぐ研究者の側に歩み寄って、『こっち側だよな』と、声を掛けた】
688 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 01:29:33.12 ID:Hwg/xyAXO
>>686

【青年の言葉に、ダグラスは何度か頷いた】
【ストーブ、悪魔、人生と真名をあげたこと。そして何より】
【自ら望んで選択し、受け入れたという事実を肯定する】
【そんな生き方を認めてくれる彼を称賛する、そんなうなずきも含まれていて】

……君は結構、はっきりと物を言うね。
それは美徳だと思うし、僕は好きだけれど……人によっては、気をつけた方が良い。

今の僕にとっては、そう……無駄じゃなかったんだと、心強く感じられるけれど。
時には、分かっていても何重にも言葉を包んで欲しい人も居るはずだから。
……余計なお世話かな。ともかく、ありがとう。少し探してみるよ、昔の僕を

【そして彼を――青年が肯定してくれた大事なものを、求めてみる】
【悪魔に食われてしまったとしても、もともとは自分の物なのだ】
【きっと何処かにあるはずで、見つかるだろう。そう思わせる響きが、青年の言葉にはあった】

ああ、櫻の国の名前だね。……いい名前だ、よろしく義勇。
……もうしばらく、ゆっくりしていくかい?

【お茶なんかも出せるけれど。――荷物なんて、何処にも見当たらなかったが】
【丘の上でストーブを焚くような男だ、それくらいは出来る様な、そんな気もするだろう】

【――彼の名と顔を覚えて、何処かで手配書でも眺めていたならば】
【また別な理由で、それが可能なはずだと気付くだろうが】
【今はまだ――平和なままだ。近くの木立で、鳥がほのぼのと鳴いていた】
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/25(日) 01:40:15.99 ID:LEcvfoUfo
>>687

【彼の話を、一切何も言わず黙して聞いていた】
【なるほど彼の話は非常に理路整然としていて、わかりやすい】
【姿を現さないもう一人の六罪王、そしてもう一人の座につく彼】

【どちらを取るか──、と言われてもなかなか難しい問題であった】
【先日のアスタン侵攻に加担した時点で、あちらの印象は決まっているだろう】
【もう腹を括るしかないだろう。ここまでくれば、乗るしかない。この大波に──】


「────ああ、そちら側だ。私は“円卓”側に付こう」

【これで、退路を絶った。中立としての、立場を】
【後はどちらが先にやるか、ということになるだろうが】
【それについては彼が指揮を執ってくれるはずであろうから──】

「後はお前の指示に従おう。私に出来ることがあれば、何なりと命令してくれ」

【指揮官には恭順を、全てを差し出さんとばかりに──】
【白衣の背は薄く桃色の光を帯びて、その瞳は意志を固めたもので】
【兎に角、Crimsonの行く先は決まった。“円卓”側に、付くと】
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県) [sage saga]:2018/03/25(日) 01:44:31.01 ID:BfU56Rhx0
>>688
【青年の忠告に、彼は少し目を見開く。今までそんなことは考えもしなかった】
【単純に、明快に、率直に、相手に意見を伝える事が何よりもわかりやすく、伝わりやすいことだと思っていたから】

そうか……これは、癖のような物なんだ
昔から、誰にも言葉を伝える事が出来なかった。だから、何よりもわかりやすく話そうと思った
少し、相手のことを考えないといけないのかもしれないな

いいや、そう言ってくれて感謝する。ダグラス、貴方も旅をすれば見つかる物があると思う
それが貴方にとって意義ある物であることを祈っている

【背中を押されたのならば、背中を押し返す。1を受け取ったならば、1.1にして返す】
【少しでも誰かの助けになれば良い。守りたいと思った人を守れる力になれば良い。その願いの形だった】

あぁ、櫻で生まれ、櫻で育った
そうだな……後少し、ここにいさせてもらうよ。また、旅を続けなければいけないからな

【そうして、幾らか時間が過ぎ去れば、彼は立ち上がり「ありがとう」と礼を言って立ち去るだろう】
【それまでに、何か話しておきたいことがあれば、今が最後の機会だろう。次にいつ出会うかは誰にもわからない】
【何故ならば、それが旅≠ニ言う物なのだから】

/申し訳ない……そろそろ就寝時間が迫って来たので、〆でも凍結でもいけるようにしておきます
/どちらにするかはお任せします!それでは、本日はありがとうございましたー
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 01:55:36.95 ID:Hwg/xyAXO
>>689

【"Crimson"の言葉を聞いて、ジルベールはニヤリと笑った】
【彼女の逃げ道はない。その言質は取った――後顧の憂いはもう無いだろう 】

そりゃ結構。だが従うだけじゃ大変だろ?
どっかだの誰かがちょっかいを出してきたら、俺に言えばいい
用心棒じゃないが、従うというからには俺も庇護する義務があるからな。

……そういうわけだ。ひとまずは例の通信の件を頼む
あとは…――"ブラスフェミア"って、知ってるか?

【静かに語るのは、同じく円卓に属する研究者のことだった】
【きっと話が合うだろうから、コンタクトを取ってみたらいい】
【そんな言葉を掛けて、他は指示を待ってくれ、それまでは自由にしたらいい】

【と、簡潔な話をした。――ブラスフェミアとの出会いは、恐らくすぐ叶うだろう】

それと…――あぁ、いや。『ミラ』ってのと会ったら、よろしく言っといてくれ
俺の大事な協力者だ。口は悪いが……優しくしてやってくれよ?

【そう締めくくって、ジルベールは歩き出す。声をかければ止まるだろうが】
【でなければ路地裏の辻へと消えるだろう。やることはいくらでもある、そんな背中をしていて】

【――酒場の二階では、クズノハが待っている。対黒幕の下準備は、ここからはじまる事となるだろう】

/明日は夕方から!ということでしたがきりが良さそうなのでここで!
/お疲れ様でございました〜!
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/25(日) 02:10:36.84 ID:Hwg/xyAXO
>>690

【これだけ前向きな、そして邪念の無い会話も珍しいだろう】
【相性が余程良かったのか、"噛み合った"のか――】

【――青年が後少しと口にすれば、ダグラスは嬉しげに微笑んで】
【数匹の猫たちと戯れながら、またしばらく色々な事について語るのだろう】
【能力とはそもそも何だろうか。例のニュースはどう感じるか】
【それから、自分の能力についても――これはダグラスが一方的に、だが】

【『種無し手品』なんて言いながら、虚空からティーセットを取り出して】
【芝生にカップとソーサーを置き、暖かな紅茶を淹れて、味わって】

【曰く、何でも作り出せるのだとか。その頭の中で想像しうる物は、何でもだ】
【万能にも思える力。冗談めかしていたが、青年がどう取るかはまた別の話】
【ともあれ優雅なお茶会を楽しみながらやがては別れの段となれば】

【ダグラスもその場から立ち上がり、猫たちを離して――二人は道を、違えて行く】
【けれど、旅とはそういうものだ。またいずれ出会うことも在るだろうと、その背に手を振り】
【充実した思いに表情を緩ませながら、かの男は帰路についた】


【――――その道で、運命を分ける出会いがあるとも知らずに。】

/了解であります、でしたらここで締めということで!
/遅い時間までお疲れ様でしたっ、ありがとうございました!
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/25(日) 10:03:21.44 ID:OnQs4tWq0
>>656-657

あの尾行は多分…ミラを狙ったものだったんだろう。いまは…わからない。あると思ったほうがいい。
鈴音もホテルとか泊まる時は予約せずに飛び込みにしたほうがいい…予約だと、先回りされる危険もある。

ああ…っとその…ウェインってのは結構、気の早いやつなのか?…俺としては敵のリストアップが済んでから
効果的に排除していきたい。…一度話をしておきたいね。雑魚ばかり相手にして疲弊されては…困る
だいぶ頭数は揃ってきたと言ってもまだまだなんだ。精々、10とジャックのスーツ、ツーペアってところか。

【ロッソは頭を抱える。煙草の灰を落として、短くなったやつを根本ギリギリまで吸おうとしかめっ面ですっている。】
【彼なりのプランが思いついているらしい。それは全員がしっかり組織的に行動しないと意味がないらしいが…】
【今現状のこのチームの強さをポーカーで例えたが多分、それは鈴音には伝わらないだろう】

だが、能力者も自警団とか…そういうところでこれまで貢献してきたはずだ。支持率とかもあるんだろう。成立しやすい街が先に
そういう……まあ政治的な話はナシだ。水の国は…影響力のある国だからな他も…そうなるかもしれない。
これは“黒幕”が仕掛けたイビツな法案だ。“黒幕”さえ倒せばいい。支持率は急落してそれをどうにかするために法律を撤廃するだろう
政治家なんて殆どが『風見鶏』。意外と敵の数は多くないんだ…大丈夫だ。

【法律を盾に行動を縛られるのは正義や一般の能力者だ。元々法の外にいるやつからすれば何も変わりはない。しかしこれを放っておけば】
【変わるのは価値観だ。道徳や、倫理が変わり、人も変わる。それが恐ろしい。】

まあ、待て。ゾーイも“黒幕”に追われている。父親がいる施設もわかるらしい。もっと重要なのは敵のデータにアクセスできるってわけだ。
正確には『オーウェル社』のな。…博士はそこで研究していたが、会社が“黒幕”と手を組んだことで脱走した…そういう話らしい。
オーウェル社のデータにアクセスできる変わりに自身の居場所もバレる。どうにか誤魔化しつつ逃げているらしい。だからUTには近づけない。

【彼は昔のようにタバコの臭いがする。そして今は昔より魔力のようなものが強く感じられる。だがそれも黒と白の混ざりあった複雑であまりいい気分のするものではない】


/分けます
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/25(日) 10:03:54.16 ID:OnQs4tWq0
>>656-657

…軍の諜報員?しかも櫻…。櫻の国が調べに来たってのか?…まあ、それはそうかもしれない。
だがそれが裏の目に出てしまうと、国際問題になりかねないかも知れない…“本当かどうかわからない”のは俺たちも…さ。
疑ってかかるのは間違いじゃない。それは仲間にも言えることだ。…とくに情報は幾らでも書き換えられるんだからな。

公安は3課だけじゃないのか?…まあそうかもしれないけど。…ちくしょう、登場人物が多すぎるな。後で整理しよう。
協力者をさがしているのはこっちもだが…どうもそうなると向こうが協力してくれるかどうか……まあ、セリーナのところに行くのは…うん。
……なんだ、喧嘩したの?……そりゃ、一大事だ。まあ、しばらくは頭を冷やすのも…大事なんじゃない?
どういう話かわかんないし、あんまり言えないけどさ。…まあ、ね。

【ハハッ、と彼は笑う。シリアスでストレスで複雑怪奇な話ばかり続けていた中でなんだか小さい話が紛れていて、少しうれしくなった】
【そういうのがいいと思えるってことはやはり、俺は悪人になりきれなんだろうなとも思いながら】

円卓のメンバー…何故、だろう。わからないな。聞きたいところだが…そう簡単に話してくれる相手ではなさそうだ。

【一通りの話が出揃ったのだろうか。彼は辺りに気を使いながら、この莫大な情報を整理しなくてはならなくて疲れていた。】
【それを表すかのように壁に背をついて、ずりずりとしゃがみこんで、何本目かわからない煙草に火をつける。深い溜め息と共に】

ありがとう鈴音…ここまでやってもらって。正直、うまく行き過ぎてるぐらいだ。もう少し、時間がかかると思っていたが。
UTに機関、公安に円卓、軍の諜報員とまできた。……あとはどうするか…だ。


/すみません…ゴリッゴリに寝落ちしてしまいました。せっかくのお時間を申し訳ないです
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 10:18:16.69 ID:Lxiz6ycHo
【それは満月の夜】

【道を往く画家の前に、奇妙な人形が一つ、空から舞い降りた】

【小ぶりな体躯に大きい頭部、それはまさしく幼児のよう】

【宙空で停止し、その無機な瞳球が彼を映す】
【虹彩の無い、サファイアをそのまま埋め込んだような瞳】
【装飾の排された全身銀色の肌が、うっすらと月光を帯びて朧な輝きを纏う】


 【 見つけた 見つけた すてきな 王子さま=@】


【エレキで作った音波が空気を震わせ言葉を紡ぐ】
【操り主が手練れか、機械にそぐわぬ流麗さで、踊るようにその身を翻す】

【それを合図に、“姉妹”たちは次々虚空より舞い降りる】
【皆がそれぞれ瓜二つ、ひい、ふう、みい、よ、片手じゃ足りない大家族】
【練習してきたお遊戯会を披露するかのように、画家を芯にして円状に並ぶ】


 【 さし絵が足りない さし絵が足りない=@】


【かごめ、かごめ】
【機械の幼子はふわふわ浮いて、画家の周りをぐるぐる廻る】


 【 おとぎ噺の さし絵が 足りない=@】
 【 ねえねえ 絵描きの 王子さま=@】

 【 描いて 描いて=@】

 【 ゆめは うつつ ゆめを うつつに=@】

 【 筆をもってる 王子さま=@】

 
【円が窄まり、密集する。球体関節の掌たちが、彼の両手を掴んで】
【きちきち、くるくる、ちゃかちゃか、楽しげにその歯車を回して、行進を始める】


 【 往こう 往こう 王子さま=@】
 【 おっきな 真っ白 さし絵のページ=@】

 【 描いて ほしいの その筆で=@】


 【 ユートピアの夜=@】


 【 オメラスの月=z


【静謐な月下の一刻】
【奇妙な絡繰り人らが行進し、名も無き画家を暗幕の向こうへ誘った】


/以上、罪深い画家さん確保の模様を現場から中継でした。お邪魔しました。
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 10:26:19.72 ID:kenNbpxDO
【  ────其れは微睡みの中で見る夢の様に】

【水の国にある郊外、開発計画の頓挫により見捨てられた街】
【曰く付いた名は"旧市街"──住み着くのは未だ居場所の無い波久礼雲】
【然して、『魔防法』の成立と共に、僅かばかりであるが人数が増えている】

【"能力"を使って糊口をしのぐ、芥の様な能力者、吃音の如き小悪党】
【清浄化する社会から爪弾きにされる彼等が、少しずつ移住してるのである】
【故に治安は悪い、死にたくないのなら一人で出歩くなと言われる程に】

【其の"路地裏"──微かに光が差し込む程度の影】


【女性が居た。特筆すべきはその格好──】

【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性】

【場に沿わない扇情的な姿、それでいて彼女は瞑目している】
【木漏れ日の下である様に、静かに路地裏の木箱に腰掛けて】
【眠っている、静かに寝息を立てる度、長い睫毛が胡乱に揺れて】

【御守りのように抱くのは細く長い"狙撃銃"──それもまた、異様であった】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 10:30:20.50 ID:Lxiz6ycHo
>>695の続き


【──ちりんちりん】

【しばらく奇妙な行進が続くと、ふと、目の前に一人の陰】
【こんな夜更けだというのに、いやそれだからこそか】
【一人の『婦警』が、そこに現れていた】

【満月を背に受けて、固定された笑みが、じっと彼を捉えていて】


 ──もしもし、そこゆく金髪のお兄さん。


【「ちょっとよろしいですかー?」】

【その時、気付けば幼子たちは消えていた】
【あたかもそれこそ夢であったかのように】

【婦警は小さく首をかしげて、口を開く】


【「なにか良いことでもあったのでしょうか」】


【笑みが深さを増す】
【彼を映す瞳が深い闇を湛えて】



 ──結構素敵な笑顔ですねー。



 ──────ねっ、"ダグラス・マックスウッド"さん?



【刹那。閃光が瞬いて、全ての色を蒸発させた】


/そして置きスレに……連投失礼しました
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 10:44:30.16 ID:/eB/Ni7I0
>>696
【治安の悪化は時勢と共に】
【ただただ市民、名もなき人々は水流に揺蕩う落ち葉のように】
【そうして、出来た大局に抗う事も出来ずに流れてゆくのだ】
【そうして流れ着いた先は……】

「ここ、本当陰鬱な所ですね〜……職務でなければ、絶対こんなとこ来ないのに……」

【水の国旧市街、流人の流れ先の一つであり】
【そうして犯罪の温床の一つともなっているこの場所に】
【些か不釣り合いな人物がもう一人】
【セーラーの学生服の少女だった】
【ずり落ちそうになる眼鏡を、くっと上げて】
【しかし、付近に警戒を絶やさぬように】
【それはよくある、よくある探索任務だった】
【しかし】

「ッ!?あ、貴女は……」

【ひッと喉から悲鳴にも似た声が出た】
【見覚えのある、その人物、不釣り合いな狙撃銃を抱いたその女性】

「か、カチューシャ!」

【思わず、その名を呼んだ】
【意外と、とも当然とも言えるだろうが裏路地は静かであり、少女の声はよく通る】
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 11:00:23.09 ID:kenNbpxDO
>>698

【其れは泡沫に消える閨言の如く。──】

【流れ込む言の葉、刻む音律は淡く、耳に心地よい音階を残して】
【白百合の如き瞼が開く、蕾の中から現れる花片】
【ぱちり、と呼吸をする様に大きな瞳が貴女を捉えたなら】

【────あっ、と細い喉が開く音がする】


しょーこ、しょーこっ!嬉しいの、こんな所で貴女の声が聞けるだなんて
えぇ、本当に──素晴らしいの、貴女が私を覚えていてくれた事も
此方へどうぞ愛しい人、私の側は空いていて


【内股加減に両足を曲げて、両手は太腿の上、膝の下を羽ばたかせたら】
【小首を傾げて微笑む、整った顔を僅かばかりに揺らして】
【絵画の様であった。──其の一瞬を切り取れば十分な程に】

【狙撃銃を抱きながら、貴女の名を呼ぶ】
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 11:08:41.38 ID:/eB/Ni7I0
>>699
【されど人は、誠……幾千の星の光が交錯するが如く】
【その女性、カチューシャは翔子を認識した】
【そのマリンブルーの瞳が、翔子に向けられる】

「カチューシャ……」
「その銃、貴女ここで何を?」

【警戒しながら、それでもじりじりと、カチューシャの側へ】
【とても繊細で、儚い雰囲気を醸し出す女性】
【最もな疑問だが、そう口にして】
【なんとも、見惚れてしまうような、とても絵になる姿だった】
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 11:31:01.52 ID:kenNbpxDO
>>700

【ピンヒールの爪先が地面に接吻する、宛ら水面に沈める様に】
【音も無く地面に降り立つ、姫君が騎士に誘われるが如く静謐に】
【羽織ったコートが鮮やかに靡く。──沙雪が彼女を彩る】


──"RaumKraunkheit"私の大事なお友達の名前
そうよ、とても、とーっても大事なの、貴女と同じくらいよ
えぇ、分かってるの、お利口さんのカチューシャは分かってるの

貴女がそんなつもりで聴いたわけじゃないぐらい、分かるの
でもね伝えたかったの、幼子は愛する母君に果てるまで伝えるのだから
私の愛がどのぐらいだなんて、伝えるまでも無いのにね


【それは優しく貴女を辿る様に、左手が銃身をなぞる】
【首筋を伝って背筋へ、柔らかな貴女の曲線を感じるが如く】
【右手は引き金に指先をかけて】

【ゆるりと開いた両脚──銃口は地面へ向けられて】


ねぇしょーこ、根元から縛って先端を閉じたなら加爾基はどうなると思う
溢れるの、とめどなく、洋杯から一杯ね
だったら如何しましょう、私は其れを舐め取らなきゃいけないから



   【  ──銃口が真っ直ぐ向く──  】



ごめんね、しょーこ


【狙いは貴女の右肩、轟音と共に銃弾が放たれる】
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 11:46:50.48 ID:/eB/Ni7I0
>>701
【まるで水面の上で踊るバレリーナの様に】
【優美に、艶やかに、その場に立つ】 

「RaumKraunkheit?それがその銃の名前?」
「愛って……カチューシャ……」

【降り立つように近くに立った彼女は、まるで女性に触れるかのように】
【その銃を煽情的に撫で】
【やがて……】

「か、カルキ?カチューシャ、何の話?」
「カチューシャ!?何をッ!?」

【乾いた銃声と共に、弾丸が翔子の肩に】
【全くの無抵抗、至近距離からの発砲】
【弾はあっけにとられるだけの翔子の肩を打ち抜き、貫通するだろう】
【こちらが回避行動をとるよりも、銃に手をかけるよりも早く、洗練された動きだった】
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 12:02:42.98 ID:kenNbpxDO
>>702

【白煙が少女を透かす。──硝煙の香りが路地裏に満ちて】
【流れ出る血液、可憐な貴女が染まる朱】
【瞳の色合いが強まった、其の姿すら美しいと思う】


法律ができたの、『魔防法』──だったかしら
異能を許さない其の法律、素敵な素敵な戯れ言みたい
だからね、追い立てられるの、能力者達がどんどんと

カチューシャは其れを狩るの、そうすればやがて探す殿方が来るの
愛しい愛しい何処かの誰か、知らないわ知らないけど
素敵な素敵な貴方様──『彼』の為に愛する様


【軽い音を立てて薬莢が転がる。──地面を鳴らして貴方を見つめる】
【刀剣の様であった、長い銃身が黒に染める】
【病葉の如く、突き立てる牙も無いように】


ふふ、しょーこ、痛いの?傷口が痛むの?
かわいそう、かわいそうすぎて、虐めたくなるの


【ねぇ、と声を一葉載せた】
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 12:11:23.67 ID:/eB/Ni7I0
>>703
「くッううッ……」

【その場に銃創を押えて座り込む】
【止めどなく、白いセーラー服をジワジワと血が伝い赤に染めてゆく】
【焼けるような鋭い痛みが襲う】

「魔防法……か、カチューシャ、貴女は……」
「貴女は、探しているの?その……『彼』を?」

【はあはあ、と息切れをさせながら、それでもカチューシャを見据えつつ聞く】
【地に先ほどの弾の、まだ熱を帯びた薬莢が転がる】
【紛れもなく、しかし、人はカチューシャが持てばそれさえ忘れるのかもしれないが】
【紛れもなくソレは武器だった】

「痛い、痛い、よ……」
「カチューシャ……そうまでして、貴女は、誰を?」

【虐めたくなる、の言葉にたじろぎはするも】
【拳銃が近くにあるのを確認しつつ、そう聞いた】
705 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 12:25:13.25 ID:kenNbpxDO
>>704

【貴女の言葉に彼女は首を傾げる、疑問に思うが如く】
【"誰を"──その言葉に意味が無いかの様に】
【転寝の中に僅かな繋がりができたみたいに】


探さなくても『彼』とは直ぐ会えるの
そう有る様に願ってしまえば、そう有るかの様に
祈りを捧げるなら、其れはきっと辿りに着くから

だからね、探さなくても大丈夫なの
愛しの『彼』の、愛しの合言葉────


【『OMERAS』──口から付いて漏れる歌事】
【白い髪が流れて、ふわりと香る音色を残す】
【八束に重ねた色相が如く、無数の彩を探す】


ごめんなさい、しょーこ、痛いのね、すっごく痛いの
傷口が熱を持って、焼けて消えそうなぐらいに
どうしましょう、このまま嬲られるのがお好み?


【言葉を重ねてゆっくりと近づく、狙撃銃の銃口が地面に触れた】
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 12:36:50.49 ID:/eB/Ni7I0
>>705
「会える?では何で……貴女は追われた能力者を狙うの?」

【これもまた、彼女の発言を解釈するならば、最もな疑問なのだろう】
【その『彼』と会える算段があるのなら、わざわざこんな事はしなくていい筈】

「OMERAS?それは何?何を……意味しているの?」

【その彼が誰かは解らない、解らないのだが】
【カチューシャが口にした、その言葉はこの大局に関わる重要な何か、そんな気がして】
【だが……】

「い、痛い……血塗れ、だよ……」
「ひッ、カチューシャ……何を?」
「やめて……それ以上するなら、私は貴女を撃たないと、いけなくなる……」

【カバンの中の、自分の拳銃に手を伸ばして】
【その間にも流血は止まる気配はなく、また、カチューシャの銃口も地面に触れて音を立てた】
707 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 13:38:10.25 ID:kenNbpxDO
>>706

【貴女の疑問は正しい、彼女の言葉にも行動にも真意を掴むのが難しい】
【自由律に紡がれる幾重もの言葉、投げかけられた言葉に】
【静かな微笑みをそこに浮かべた】


そこに理由がいるのかしら、カチューシャは好きに振る舞うの
大好きなしょーこには伝えてあげるの
私が能力者を探すのは、また別の『お姉様』の為


【血に塗れる貴女の姿、其れはどこか可憐な美しさ】


ねぇ、貴方は私を歯牙にかけるの?
魅せるのなら抵抗を、それを待つのも悪くはなくて
私はしょーこを信じてるの、貴女なら私を、満足させてくれるって


【静かに銃口を下に向けて、貴女の答えを待った】
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 13:47:50.91 ID:/eB/Ni7I0
>>707
「お姉様……また、別の?」

【つまり、カチューシャが能力者を狙うのと】
【その『彼』と会うのはまた別の話?】
【そう思考を巡らせる】

「そのお姉様、が、カチューシャにこうさせるの?」

【その人物が、カチューシャを動かしている?そう行き当たり】
【やがて】

「貴女が私を攻撃するなら、これ以上ここで人を狙うなら」
「私は……カチューシャを止める!」

【拳銃を引き抜き、カチューシャに狙いをつける】
【もし引き金に指をかけ、銃を撃つ動作を見せるなら、迷いなく発砲するだろう】
【その、左肩に目がけて】
【最も、ここで彼女を問答無用で撃たないのは、翔子の甘さとも言える】
709 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 13:56:01.74 ID:kenNbpxDO
>>708

【凛と放たれる貴女の言葉、気高く嫋やかな其の仕草】
【美しいと思った。──同時に可憐でもあって】
【描く姿の其の全てを、啄みたいと思う程に】


素敵よ、本当に素敵、素晴らしいの、しょーこ
痛いでしょう、苦しいでしょう、それでも貴女は戦う道を選ぶの
それでこそ私が愛する事のできる証


【まるで絨毯を歩く様に、自然体で数歩進んだなら】
【狙撃銃の長い銃口が揺れる。──下から上へ薙ぎ払う様に振り上げられる】
【丁度薙刀でも振るうかの様に、狙いは貴女の拳銃】

【成功したなら、両足を肩幅に開き振り下ろす】
【左手で銃口を支え、右手は引き金へ、流れる様な所作で】


こうさせるの、ではないの、私はそこに従うの
ねぇ、しょーこ、貴方は戦う理由を他に求めるの?
聞きたいわ、聞きたいの、カチューシャは不思議に思うの


【刃を向けながらも滔々と、流れる言葉は淀みなく】
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 14:08:08.96 ID:/eB/Ni7I0
>>709
「私は……」
「カチューシャ……貴女は……」

【優雅な動作だ、まるで爵位でも持つ人物かのような】
【銃口が、銃身が動いた】
【こちらに銃口が向けられる】
【その所作すら美しいと感じる、優美と優雅と】

「私は……」
「私は此処に居る……」
「私の為に戦わなければいけない!」


【流れるように、そう、水が上から下に流れるように】
【風が吹き木の葉や花弁が舞うように】
【滝が落ちるように】
【カチューシャの指が、引き金にかかった】

【――パアンッと一発、拳銃の引き金を引いた】
【狙いは、左肩、銃弾はカチューシャに向かう】
711 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 14:17:07.03 ID:/eB/Ni7I0
>>709
//すみません読み間違い、>>710は訂正を……

「私は……」
「カチューシャ……貴女は……」

【優雅な動作だ、まるで爵位でも持つ人物かのような】
【銃口が、銃身が動いた】
【その所作すら美しいと感じる、優美と優雅と】

「!!??」

【カラン、カランと音を立て、拳銃が弾き飛ばされる】
【どうすれば、この状況で、どうすれば!?と】

「私は……」
「私は此処に居る……」
「私の為に戦わなければいけない!」

【拳銃は弾かれた】
【他の武器は、銃剣か、擲弾筒は持って来ていない】
【カバンを漁るが、銃器の火器の類は無い】
【そうしている間にも……カチューシャが銃を構える】

「カチューシャ!?」

【流れるように、そう、水が上から下に流れるように】
【風が吹き木の葉や花弁が舞うように】
【滝が落ちるように】
【カチューシャの指が、引き金にかかった】
【成す術は……能力の生成】
【間に合う可能性はかなり薄いが、能力生成を開始、氷の能力】
【狙うのはカチューシャの銃、引き金の部分から銃を覆うように、氷結させんと、しかし間に合うものだろうか……】
712 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 14:24:15.06 ID:kenNbpxDO
>>710

【銃弾が左肩を撃ち抜く、彼女の身体が大きく揺れた】
【細い身の丈が風に吹かれるが如く、表情に浮かぶのは驚愕】
【──ほんの僅かな表情の変化、窮鼠が猫を噛んだかの様に】

【猫が笑う、凄いわ、と言いたげな色合いで】


っ──……そうなのね、しょーこは自分の為に戦うのね
ふふ、良いわ、良いの、それでこそ血を流す意味があるの
No.3の名は、如何してあるのか、しょーこは分かるの?

其れはね、私の思うがままに、思うがままを為すための楔なの


【巨大な狙撃銃を支える左手、その担い手たる左肩を撃ち抜かれた】
【右手で血が滲んだスーツを抑える、溢れる血は未だ多く】
【力が入らない様子で、銃口がぐらりと下を向く】

【右手に狙撃銃を移す、引き金に軽く指先をかけたまま】


戦うのは楽しいわ、傷つくのは哀しいの、私はそれを漸く認められたの
ねぇ、そうよね、穢れを知らぬ生娘だった頃には信じられないの
しょーこに見せてあげるの、カチューシャの能力を

"Разбитый Стеклянный Синдром"
──"Broken Glass Syndrome"


【言葉と共に展開する硝子細工の魔法陣──カチューシャの背後に複数出現し】
【彼女が右手の狙撃銃を挙げたなら、追随する様に魔法陣から銃口が出現する】
【銃口を貴女に向け放つ。──片手で扱うが故に発射までの狙いは荒い】

【然し、それでいて貴女に狙いを定められるのが彼女が狙撃手たる所以か】
【狙いは貴女の右肩、そして──】
【魔法陣から複数の銃弾が同時に放たれる、粗製の為か威力も低く、狙いも荒いが】

【数が多い。──弾幕をいきなり、形成する】
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 14:24:59.13 ID:kenNbpxDO
/あーっ!リロードしてませんでしたっ!書き直します!
714 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 14:26:40.45 ID:/eB/Ni7I0
>>713
//すみません、進行上大丈夫でしたら、>>712から進行します
//すみませんです
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 14:29:48.39 ID:kenNbpxDO
>>714
/大丈夫ですよーっ!
/折角しょーこちゃんの能力が見れたんですし!いっちょ派手な文章書いてきます!
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 14:30:38.64 ID:/eB/Ni7I0
//>>715
//すみません、ありがとうございます
//お願いします
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 14:44:50.30 ID:kenNbpxDO
>>711

【初めに感じたのは遠き記憶、身を焼く様な冷たさの感覚】
【かつてに残る過去は、やがてに繋がる現在へと】
【凍りつく"RaumKrankheit"──其れは宛ら、氷像の如く】

【表情が僅かに曇った、無表情の仮面に彩はあまり映らず】
【新雪に隠されたその下の景色は見えず、それでいて艶やかに】
【素敵よ、そう小さく微笑みを見せる】


そうよ、そう、私が見たかったのはこの景色なの
貴女も能力者なのね、しょーこ。──嬉しいわ、嬉しいの
氷の能力かしら、懐かしいの、カチューシャの記憶にもあるの

氷は辛く、氷は厳しく──だからこそ、唄う価値があるの
美しいでしょ、カチューシャの祖国にも、良くあったの
つまり、しょーこと同じくらい、慣れてるの


【右手の手袋を外す、凍りついた狙撃銃を地面に放る】
【刹那、出現する硝子細工の魔法陣、沈み込むように狙撃銃が消える】
【得物を失った彼女、傷はないものの状況は劣勢か】


一流の狙撃手はね、良い目を持ってるの
大切なのはそれだけ、それさえ有れば何も要らないの

"Разбитый Стеклянный Синдром"
──"Broken Glass Syndrome"


【カチューシャが右手を虚空に振る、指揮する様に滑らかに】
【指先に沿って前面に展開される硝子細工の魔法陣──狙いはそれ単体】
【路地裏に僅か差し込む陽光、微かなそれを掻き集める】

【瞬間破裂する、眩しい閃光──目潰しには十分だろうか】
【目潰しと同時に貴女の元へとかける、低い体勢から貴方の腰を掴もうとし】
【成功したならば、そのまま押し倒そうとするだろう】
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/25(日) 14:55:49.70 ID:/eB/Ni7I0
>>717
「うん、能力を使ったのはこの国に来て初めて、かな……カチューシャ、もう止めて……」
「そう、氷に関する能力……」

【無表情な、それでいて、冷たいとても冷たい感覚を覚えたそんな僅かな微笑み】
【慣れている、とカチューシャは言った】
【出生に関わる事か?だとしたら、相性は最悪と言える】
【そして、再び硝子の魔法陣が展開される】

「(ウィザード(魔術師)系!?)」

【銃を格納した時のように、硝子の魔法陣は展開され】
【それは僅かな太陽光を蓄積し】
【そして、炸裂させた】

「きゃッ!?」

【瞬間的に発生する、強力な閃光】
【それは目くらましにはあまりに十分で……】

「ぐッ!?ううッ!!」
「カチューシャ!?な、何を!?」

【容易に組み付かれ、押し倒されてしまう】
【傷は再び、血を吹き出す】
【両者の血が、地面で血だまりを作り混ざり合う】



//重ね重ね申し訳ありません
//当方、そろそろ時間となってしまいました
//続きは置きか凍結にてお願いします……色々とすみません
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 15:29:35.36 ID:kenNbpxDO
>>718

【押し倒す貴女の質感、指先で辿る事のできる距離】
【──このまま、と思った、このまま壊してしまいたい、と】
【願う感覚が一葉過ぎたなら、後に残るのは微かな違和の様に】

【嘆息する、小さく吐いた呼気が淡く互いに触れる】
【目の前に広がる可憐な少女の残照を、静かに眺めて】
【戯れ言混じりの音律をせめてもの償いに、なるように】

【貴女の口元にそっと、柔らかな接吻を試みて】


ふふ、みーっちゃった!みちゃった!
しょーこのかわいい姿をね、みちゃったの
その目も、口も、鼻も、耳も、手も──どれもどれも、かわいいの

素敵ね、素敵よ、素敵なの、ほんとにほんと
食べちゃいたいぐらいかわいい、しょーこ、あぁもう──


【──我慢出来ない、と紡ぎそうに】


でもね、ここから先は御預けを、残した響きに口付けしなきゃ
今日はここまでにしましょう、貴方を辿るには少し傷つけすぎたの
また会いましょう、次は最初から


【──殺す気でおいで、と耳元で嘯く、遊里の様に艶やかに】
【糸が解ける様に貴方から離れる、踵を返したなら路地裏の更に奥へ】
【やがてあとも見えなくなる程に、彼女の姿が消えるだろう】


/了解しました!やや強引ですが締めさせてもらいますね!
/お疲れ様でしたー!!
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/25(日) 18:05:14.51 ID:JjD5m+hXO
【修業は苦ではない】
【というより、これを修業だと思った事はなかった】
【幼い頃から、不器用だった自分にとって、父と祖父が友達代わりの遊び相手だった】

【今日は影鬼の日】
【ビニールの中身を指で撒きながら、空から足下に目線を移す】
【他所の国では鳩を食べる文化があるらしいが、我先にとパンくずに群がる彼らを見ても、そんな欲望は湧いてこない】
【袋を空にし、粗方食べ終えた。その辺りを見計らって片足で地を踏む。如何に膝を上げず、強く踏みつけるかがミソだ】
【それは観衆のざわめきの如し。地鳴りで一斉に飛び立つと、叢雲だった地の影が、絨毯に溢した染みみたく滲んでいく】
【それが消える、或いは遠くへ行ってしまうより先に、すかさず爪先で踏んでいく】
【触れるのは親指の付け根。時間は一つにつき10分の1秒も留まらない】
【ととととっ、と土煙より早く身体が動く。けんけんぱみたいだが、進む先は真っ直ぐでも一方向でもない】
【羽ばたきに埋没する視界の中、夥しい羽を避けて前後左右、1つでも多くの影を踏む】
【時間にすればほんの一瞬の、楽しい一時】

【土のついた裸足に、元は純白だったろう擦りきれた着(ギ)】
【前が見えているのかどうか、黒のミディアムヘアは1度も梳った事がないような鳥の巣で、全体的に汚い】
【胸や尻の丸みがなければ男にさえ見える。そんな変な女がいる公園は、昼下がりの穏やかな陽気に満ちていた】
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 20:05:00.33 ID:BaJg2rTw0
>>693>>694

そっか――うん、わたしは、あんまり、ホテルとかって泊まらないけど……、その時は気を付けるね。

ウェインさんは……、その――見た目よりもワイルド、かも、えっと、じゃあ……言っておく、ロッソさんがリストアップするから……でいい?
ええと、じゃあ、それは……新しい携帯のやつ?をもらったら? なのかな、それとも――泥の街、行く?
わたしはいつだっていいから、いつでもいいけど――お仕事じゃなかったら大丈夫だよ。

【すでに何かしらの計画があった様子の彼に、少女はぱちぱち瞬きして――ならば彼には伝えておく、と言うだろう】
【理由はそれでいいのかなと尋ねながら。一度話しておきたいと言うことなら、それは件の暗号化された普通の携帯――?――とやらをもらってからになるのか】
【それともどこかで日付を擦り合わせて、実際に会って話すのか。どちらにせよ携帯があったほうがやりやすいだろうことは確かだけど】
【――あと、やっぱり。ポーカーに例えられた部分は、分からなかったらしい。「ツーペアってトランプ?」だなんて言葉で、トランプだとは分かったらしいけれど】

うん……、セリーナは違うけど、今までそういう風にしていたひとだって、きっとほとんど能力者だったと思うの、だから、
多少は――だけど。こんなふうに盛り上がっちゃうの、ちょっとくらいは"さくら"のひとも居るかもしれないけど……、でも、なんだか――、

【それで。法律とかそういう政治的な話も、彼女はよく分からないのだろう。今まで正義として世間を守ってきた人間たちの多数が能力者であったのは確かだし】
【ならば彼の言うことも分かる。分かるけど――だけれどやはりあの熱狂ぶり、手放しで喜んで騒いでいる様子をテレビなんかで見てしまえば、うっすらと寒くなる】
【つまるところは簡単に不安、なのだろう。それでも彼が大丈夫と言うならば――それを信じる。それができないくらい信用が足りないなんてことは、ありえないから】

……――オーウェル社? じゃあ、麻季音ちゃんのお父さん、そこに……――、
――え。でも、それじゃあ、――――麻季音ちゃんのお父さんは、もうしばらくは、そのまま?

【――批難するような目だった。そう強く咎めないが、場所が分かるなら……と少し性急なことを、思っているし、きっと言いたがっている】
【ただそれをただ怒って言ってしまうほどに子供ではないだけ――だろう、服の裾をぎゅうと握りこむ、少し乗り出すみたいになって、問うだろう】
【少し怒ったような、批難するような、それでいて不安そうな、麻季音の父親を心配する、複雑な表情。もっと強いて言うなら――いつか両親を喪った少女自身の、気持ちも込めて】

……櫻の国だって言ってたよ、なんでそのひとがこのこと、水の国のこと――しているのかは、よく、分からなかったけど……。
鵺ちゃんが言っていたのは花形の『一課』、サイバー部門に強い『六課』 ……厳島さんが言っていたのは、あと、ゼロってところがある、みたい。
黒野カンナはそこの協力者だって。…………もう! わたし、真剣なんだよ、だって、セリーナと喧嘩、なんて――、初めて、で、
ひどいこと言っちゃったし。セリーナお皿まで片すし――――……。

【公安の中の区分。彼女が知らなかったみたいに、あるいは彼もよく知らなかったのかもしれない、なら――聞いた限りは思い出して、口にする】
【そのどこが黒幕になっているのかを言わないなら、彼女もそこまでは知らないらしいと伺え――彼に笑われれば、少女もまた急に子供ぽく拗ねたようになり】
【だけどすぐに目線が逸れて、下がって、しょげかえる。そのくせ拗ねたみたいに批難がましく何かちーっちゃく呟いていたりはしていたけれど――】

…………セリーナとかには、見せる気なのかも。わたしは、結局、お料理作るだけだから――。

【それもまた自分の力の足りなさを痛感するみたい、――銃も握れないくせに何が出来る。言われた言葉が想起されて、また少し悲しくなって】

ううん、わたし、なんにもしてないの。運が良かっただけだよ、運がよくって――協力してくれそうなひとに、会えているだけ。
あとは――そうなの、たまたま知っているひとが、手伝ってくれるって言ったり――してくれただけ、なの。

【――相手がしゃがみこめば、少女も合わせてしゃがむ。スカートが捲れないように気を付けて、目線をそろえ】

……ロッソさん、わたしも、銃を使えた方がいい?

【――――ふと思いついたみたいな、声だ。だけれど"そう"でないのは、きっと伝わるだろう。ひどく複雑な目をして――】
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/25(日) 20:09:02.65 ID:RzhEur0eo

【「神谷、移送だ。」】

【刑が確定した数日後の朝。神谷皐月は檻越しの言葉を聞くだろう。】
【拘置所から刑務所への移送。──それは、彼女が本当の意味で“もう戻れない”ことを意味していた。】
【これから6年、塀の中での生活が始まる。人々は彼女を忘れるだろう。娘は犯罪者の娘としての人生を歩むだろう。】
【今更、控訴しなかったことを悔いても遅いのだ。この水の国は、“善良”な人々の住む“法治国家”なのだから。】

【警察官か刑務官か知れぬ男達が、錠の掛けられた彼女を護送車に乗り込ませる。運転席とは仕切られ、窓もない。】
【対能力者用の特殊車両。脱走は敵わないだろう。彼女は最後列に座り、腰縄が傍の金具に括り付けられた。】
【── 少し、妙だと思うかも知れない。少なくとも20人は入ろうかという大きさの車両なのに、乗客は彼女だけ。】
【思想犯としての危険性を考えたのかも知れないが、それにしても、先程の男達も乗り合わせないのは不自然だった。】

【それから暫くして、彼女は車両が動き出したのを感じる。】
【外が見えない。時計もない。どれほどの時間、それほどの距離を走っているのかも分からない。】
【だが、決して短くはない。──途中でぐる、ぐる、と何度も同じところを回るような感覚もあっただろう。】
【これも妙だ。まるで、“どこに行くのか知られないようにしている”かのような。尤も、その疑問を吐露する相手も其処には居ない。】


【どれほど経っただろうか。 車は、静かにその動きを止めた。】
【それと共に、腰縄の括り付けられた金具が引っ込み、彼女の身体は手を除いて自由になった。】

【そして、扉がひとりでに開く。】
【降りろ、とは言われない。それでも、彼女にその意思があれば、降りることはできる。】

【そこは、広い場所だった。──倉庫のようにも見える。だが、窓はなく薄暗いし、物も置かれていない。】
【車が入ってきたのだろう入口は厳重に封鎖されており、逃走できるようには思えない。】
【周囲を見回すと、在るのは自分と、護送車と、】


【 それから、広い場所の中央。机の上に置かれた“モニター”。 】


【机の前には、椅子が置かれている。まるで、彼女に其処に座れ、と促しているかのように。】
【何も指示はない。ただ、そのモニターの放つ光が、ちか、ちか、と。 誘蛾灯のように、“犯罪者”を誘っていた。】

/申し訳ない、予約です。
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/25(日) 21:00:11.84 ID:OnQs4tWq0
>>721

本当は…敵の名簿を手に入れるほうがいいんだが。それは最重要なものだ。…俺も誰を狙えばいいかわからない。
“婦警”なんかは実行役で末端なんじゃないかな?排除したところで次の“婦警”があてがわれるんじゃないか…そう思う。
そう…だな…。カニバディールにも会いたい。足並みをここらで揃えておきたいところだが…マキが用意したついでがベストだな
まあ、数日と言っていたからそれはいいとして…なんなら俺だけ行けばいい。

【煙草をくわえたまま頭を掻く。そういうときは悩んでいるときだ。誰がリーダーというわけでもないこのチームで如何に】
【足並みをそろえさせるのはどうしたものだろう。やり方は人それぞれだ。各々自主的に動いてもらいつつ一個の結果に帰結しなくては効果はない】

【「そう、ホールデム。俺がよく負けるやつ。」とトランプについてコメント。】

世間が喜んでるからって俺たちは諦めて死ぬなんて訳にはいかない…そうだろ?誰かのための前に自分たちの為に、生きるために。そのために戦うんだ。
ただシンプルなそれだけの話……今までだって抗い続けてきたんだ。

【彼は元強盗、しかもわざわざ強大で困難な相手ばかりを獲物にしていた酔狂。彼からすれば…今までと変わらないのだろうか。】

けど、今回はついに…死ぬかもなって思う時がある。折角手に入れた自由も捨てて、また追われる。自分は何やってんのかわかんない。
でもこれが正しいって信じるしか無い。……これは“祈り”さ。…純粋な愛ってのは祈りっていう無意味な行為と同義。

【自分が思う正しいことに命をかけて、立ち向かっていく。その行動は全て、祈り。何に、何を祈っているのか本人にもわからない。だが、祈る。】
【彼は下を向いて、聞こえるか聴こえないかわからない独り言のような言葉を吐いて路地裏に捨てる。一旦、飛んだ意識は戻ってきて】

オーウェル社っていうデカいITの企業が洗脳装置を作ってるみたいだ。そう…マキの親父はそこに囚われた。…まあ聴いてくれ。今のままだと
アンドロイドの動きは黒幕にバレる。だから、バレずにやるかバレても突破できるようにしなくちゃならない。
バレなくする方法簡単だ。それはゾーイが向こうのデータにアクセスしなければいいらしい。だがこちらも欲しい情報があるから無理だ。
次の方法は強引に突破する方法。向こうの戦力を分散させて、奇襲にすれば…うまくいくかもしれない。これは賭けだ。

そして次のことも考えなくちゃならない。コレはマキの作戦だが…マキは“ソラリス”だって話はしたな?洗脳装置は博士なき今は天才様麻季音お嬢様にしかできない
…となると、だ。マキにならそれを解除するだの防御するだの…そういう装置が作れるんじゃないかって。だから、それにはゾーイにデータを盗んできてもらう必要がある。
このままだと、多くの市民は洗脳され、能力者は能力を封じ込められる。…俺たちはそれを“解放”するんだ。……どう?

【黒幕のメンツを特定し、攻撃する。その裏で能力者や市民を解放していく。それがこの探偵のざっくりとしたプランだ。話を聞くだけでは…眉唾というか寝耳に水というか…】
【だが父親の安全のためにも我々の安全のためにもそして探偵は勝つためそれを第一としている。だから、非情な選択も冷静に提案していく。】

公安に黒幕を特定してもらえたらいいんだが…まあ、それは後だな。任せておいてもどうとでもなる。情報だけはしっかり頂いておきたい…

まあ、まあわかってるさ。…俺が間に入ってもどうしようもないしな……ハァ、こういうときに――

【「アイツがいたらな」といいかけた口を、髪を掻いて誤魔化す。煙草も後5本。無くなる前に話がまとまればいいけど。と火をつける。】

十分、やってくれたじゃないか。運も無いやつには無い。料理を作ってるだけなのにこうやって動いているから力を貸してくれたんじゃないのか。
……俺みたいに運もなけりゃ、戦っても何も残んないやつもいる。

ああ…いや…。……そう…だな。…うん。使えたほうがいい。

【彼もまた、そうではない。そんな事は言いたくなかったが、誰かがそう口にさせた】
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/25(日) 21:04:00.98 ID:XuIis8ZEo
【廃教会】

【人里離れた薄暗い森林。その奥地に一軒の廃教会が佇んでいた】
【何年も人が入っていないのか、壁の至るところは塗装が剥がれ、老朽化によって屋根が朽ちて穴が開いていた】
【木造の扉は腐食と経年劣化で斜めに傾いている。片側だけが不自然に開かれていた】

【内部も荒れ果てていた。整然と並んでいたはずの長椅子の列は崩壊。一部は倒れ、一部は脚が折れて傾いている】
【木板で作られた床はあちこちに亀裂が入り、元の土を露出している箇所さえあった。土からは雑草】
【壁にも亀裂。崩落こそしていないものの、隙間からは夜風が入り込む】

【入口からの真正面には、天井まである巨大な天使像が祀られていた】
【女性的な特徴を持った天使の石像は、両手を合わせて神に祈るかのような姿勢を取っている】
【上に向けられているはずのその顔面は、石が崩れ落ちてざらついた断面だけが残っていた】

【その断面には、血糊がついていた。表情があるべき箇所の下段には下弦の月】
【月の両端には下向きの三角形。月の上には中央に辺が二つの三角形が続き】
【さらに上には楕円形が二つ。それぞれの上端には円弧が接していた】

【まるで子供が書いた落書きのような、そんな雑さで血の悪魔の顔が天使像の顔には描かれていた】

【雲間が動き、月明かりが天井の穴から差し込む】
【最前列の長椅子を月光が照らし出す。そこには人影があった。椅子の背に両肘を乗せながら、調子の外れた賛美歌を口ずさんでいた】
【横顔が暗闇から浮かび上がる。美しい顔を持つ若い男だった。しかし、その表情はこの世のものとは思えない恐ろしさがあった】

【廃教会に、賛美歌が響く】
【その歌は異国の言語で『神よ、我らを悪魔から救い給え』と祈っていた】

//ブラスミフェアさんどうぞー
725 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/25(日) 21:13:24.14 ID:hnzMlEfi0
>>722

【もう戻れない?何を言っているのだ。元から戻る道などなかったのだ。―――いずれ、こうなる定めだったのだ。】
【「移送」という言葉に、何か感情が沸くことはない。無感動に、無表情に、ただ言葉に従うだけだ。そうすれば、苦しくない。】
【何かを……いや、何もかもを諦めたような表情で、何も言わずに立ち上がる。今更、何かを抗う意思などない。】

【―――大袈裟な話だ。こんなに重装備で、たった一人の為に護送車まで用意するとは。何もしていない人間相手に。】
【ああ、違った。何もしていないんじゃなかった。私は凶悪テロリストなんだった。「そういう事になっている」んだった。】
【誰も見ていない空間で、嘲笑ともとれる表情を浮かべる。一から十まで馬鹿馬鹿しい。全てが茶番だ。】

【しかし、茶番にしてもこんな風に一人で移送するか?凶悪犯と扱っているのなら、警備の一人でも付くだろうに。】
【元が大学教授なせいで、無駄に違和感に敏感になってしまう。研究とは、小さな差異や違和感を見つける事だから】
【何かおかしいという勘を辿るのはお手の物。……もう、そんな能力を発揮することも無いのだろうけれど。】


【やがて、エンジンが止まる。着いたという事か。さて、私を迎える刑務所はどんな大げさで厳重なのやら……】
【……扉が開く。何だ、水の国の警察は降りろとも言わないのか。随分とぶしつけなのだな、とまた皮肉っぽい笑みを浮かべる。】
【まあいい、降りてやろう。降りなければまたいたずらに時間を使うだけなのだから。】


【空間に、降りる時の足音だけが残響する。――他には何も、物音一つ聞こえない。おや、ここも私一人だけか。】
【ここが私の居るべき独居房だとでもいうのか。そうだとしたら、随分と広いものだ。いや……違う】
【独居房にモニターなんて物はない。何だ、この期に及んでまだ私に何かさせるつもりか。】
【ため息交じりにモニターに近づき、座る。どうせ、そうしなければいつまでもこのままなのだろう?】

……私の口から、あなた方の望む「真実」など出てきませんよ?

【ああ、そうだ。私の知っている真実は全て嘘なのだから。「そういう事になっているのだから。」】
【誰に向けたかも分からないし、誰かが聞いているとも期待していない独り言を呟いて……虚ろな微笑みを浮かべ】
【何も期待していないという目でモニターを見る。示されるものは、何―――】

//お待たせしました!
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/25(日) 21:28:21.56 ID:I5Jagrxo0
//>>654でもOKです


【UNITED TRIGGER・店舗内――端の方の席に座り、よくある携帯端末を操作する者がいた】

「レヴォルツィオーン……?」

【それは、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【左頬には猫と思われる引っかき傷の痕があり、茶色いコートを羽織り、頭部と両上腕には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、両手足にグレーの指ぬきグローブ、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「……検索すると薬と兵器の会社とは出てくるけれども……うーん」
「絶対怪しいことしてそうな雰囲気が……はぁ。既に悪人共とも組んでる以上、そこに文句は言えないか」
「それにまだ、危険なところとは決まったわけじゃあないしね」

【1つため息をついた後、ミルクがたっぷり入ってそうなコーヒーに口をつける。そして、携帯端末をコートのポケットに入れて】
【近くにおいてあった新聞を手に取る。――魔能制限法可決とそれに関する好意的な内容が多い以外は、いつもどおりの紙面か】

「火の国の都市・フェイディアのトップが一身上の都合により辞任ねぇ。どうでもいいかな」
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:34:55.11 ID:BaJg2rTw0
>>723

それは……わかんない。だけど、手に入れられるとしたら、カニバディールだと思う。
あのひとは――黒幕のひととすでに接触していたみたい、それで……協力するって、嘘を吐いてた。

だから――うまく信用されれば、そういうものがあるのかもしれない。そうじゃなかったとしても、何人かと接触はできるのかも――、でも、
すっごく危ないの。だから、別の方法があればいいんだけど――、だからって、"婦警"、捕まえたって……。

【足並みをそろえる――そのために号令をかけるための、手段が要る。それも内緒で、ほかの誰かに知られない方法で】
【それとも。彼女がいつか送ったメールを"見られていない"という前提で動くとするなら――今持っている連絡手段で、普通に、「例の場所に集合」とでも言えば】
【もしかしたら集まるのかもしれないけど――それだってどこかで後ろをついて来られたら、件の場所さえも割れる可能性があって、賭けになる】
【黒幕側のリストがもしあるとすれば、一番近いのはカニバディールだろう。ただそれはどうしたって危険を伴う、スパイみたいなものだ、下手を打つと"消される"】

――――当たり前なの、べつに、誰かのために死んじゃってあげたっていいけど……それだって、納得尽くじゃないと、化けてでてやる。
……わたしもね、よく神様に祈るよ、わたしのこと、世界で一番、だーいすきで居続けてくれる蛇(ひと)。だからね、わたしも、だいすきなの。

【ちなみにホールデムとやらは本当に知らなかったらしい。なにそれって目をした、けど――まあ、余談だろう。ここで説明してやる必要は、きっとない】
【祈り――彼女にとっての祈る相手は、いつかの先祖だ。もう八百年以上も前に生まれた、真っ白な蛇。それが彼女の祈る神で、そしてまた、蛇が彼女に祈る】
【そういう関係。すでにちりぢりになった信仰の残骸は複雑に絡み合って――彼女もまた独り言みたい、だった。相手の言葉の一部だけを拾い上げて、好き勝手】

/分割でっ
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 21:35:12.56 ID:BaJg2rTw0
>>723>>727

で――、じゃあ。分かったの、わたしたちのすること、えーと……ゾーイがデータを盗んで、麻季音ちゃんが、洗脳の逆のやつ。作る――そのために。
ゾーイと麻季音ちゃんは守る。必要だから。それ以外のひとたちで、オーウェル社を襲っちゃう――襲う? かな? 奇襲って……物理的?

どうって――映画みたいだなぁって、思うよ。だけどね、ロッソさんがそうだって言うなら――だって計画の担当はロッソさんと、麻季音ちゃんなの。
――、……ロッソさんがそれが作戦って言うなら、するよ。なんでとか、どうしてとか、なんでこうなの……とか、思わなかったら、言わない。

今ね、わたし、思ってないの。だからね――、

【――すごくざっくりした物言いになってしまうのはどうしたって彼女の癖なのかもしれない、だけど、内容自体は。そう間違えても居ないだろう、大雑把だけど】
【麻季音が逆洗脳装置を作るためにオーウェルのデータが必要。そしてそのデータを盗んでくるには――あちらの目を逸らす必要がある】
【失敗したら多分いろんなひとが洗脳されたり能力を封じられてもっと面倒になる――そこまでを彼女なりに理解すれば、それを批判するだけの材料を彼女は持たない】

じゃあ……そのお料理作るだけで精一杯のわたしと知り合いだったのが、ロッソさんの運なの、だって、わたし――。
あの時お話しているのが麻季音ちゃんと、クラァケさんと、ほかの誰かだったら……こんなに。こんなにね、しなかったかもしれない、だって、
知らないひとばっかりで。難しい話で。失敗したらみんな死んじゃうかもしれなくって――、こわい、よ、こわいでしょ、そんなの――ね、怖い、の、こわいよ。

…………じゃあ、ロッソさん、教えて。

【冗談めかした声。けれど本当が含まれているのは簡単に分かるだろう――あの場。あの場において彼女は本当に部外者だった、何にも知らなかった】
【そのなかで。ロッソという知り合いがいたから――その一点で彼女がどれくらい勇気が出たのか。同時に"こわかった"と――あるいは、ずっと、怖かったのかもしれない】
【敵か味方かどうか分からない機関に属する人間に協力を持ち掛けに行く。いつ婦警がやってくるかもわからない店で仕事をする――何かあれば、麻季音を守らないといけない】
【知らない人間を短時間で信用して情報を共有する。知らないうえに"公安"の人間に信じてもらうために持ちうる情報を差し出す――そういった、様々なこと】

【一瞬だけ――ほんの一瞬だけ、泣いてしまいそうなくらいに不安そうな顔をした、それでもすぐに、ぎゅうとスカートの裾を握りしめて】
【――彼が銃を扱う人間であるのは知っていた。なんせ公園でいきなり目の前で発砲されたりすれば嫌でも思い出にはこびりつくだろう。だから、教えてほしい】
【言い方としては乞うようでありながら、声音や語調としては――「教えろ」と脅しているみたいな、そういう、強さが混じっていたけれど】
【だからこそ真剣だと伝わるのだろうか。あの日――公園で彼が看板をぶち抜いた日。彼女はひどく怯えたみたいに泣きそうになっていたのだから――多分、怖いのだ、これも】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/25(日) 21:55:48.16 ID:RzhEur0eo
>>725


 “ ── 神谷皐月。 ”


【モニターから響いたのは、男のものとも女のものとも知れぬ合成音声】
【抑揚はなく、凡そ人間らしさは読み取れない。だが、確かなのは“向こう側”に誰かが居る、ということだった】


 “ 僕は、真実を望みはしません。真実はただ、そこに在る物です。 ”

                “ 貴様には、貴様の真実を語って貰う。それ以外に興味はない。”

 “ 貴女は、具体的にどのようなテロを計画したのですか。詳細を全て答えられますか。 ”

     “魔制法が国会でブチ上げられて日がないのに、よくあれだけ準備できたねぇ。本当にお前がやったの?”
   
   “嗚呼、答えられないなら答えられずともいい。それこそが、答えとなり得る。 ”


【 今度は一人称も二人称も、口調も声音もその全てが一定しない】
【ぷち、ぷち、 と。所々が途切れるのは、別人が話す音声を貼り付けているからだろう】
【──、それは、異様だった。これまで彼女が受けてきた取調べには、明確な『意思』があった】
【彼女を貶めようと。ハメようと。割らせようと。だが、これは違う。違うからこそ、皐月には“機会”が与えられる】
【この場では誰も、彼女の発言を遮ることはない。世俗の意図は全て、あの扉の向こうに遮断されてしまった】



  “ 私は、『公安三課』。 ”



【「あなたには、真実を語るか否か、選択肢がある。」】

【最後に、複数人の声が入り混じった機会音声に戻って。画面の向こうの何者かは、そう告げた】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/25(日) 21:58:37.86 ID:wLxiCh2U0
>>724

――――悪魔の一矢を、打ち砕きて。
捕虜(とりこ)を放つと、主は来ませり、主は来ませり、

【――――被せるようにして讃美歌。女の声。クリスマスシーズンに、よく聞くやつだ】
【足音は一人分――軽々しい音だった。きっと体重もそんなにないヒトのそれなんだろうな、とわかるくらい】
【音は真っ直ぐ、男の方へ向かってゆく。二重の歌声と足音だけしか響かない空間】

主は、――――主は、きま、せ、り。

【女のほうの歌が終わった。そのころには、男のいるあたりまで到達しているだろう】
【黒い髪は首の中程まで伸びている。にっこり、人当たりのよさそうに細められた目は暗赤色】
【死人めいて蒼白い肌色、目の下には濃ゆいクマ。そう高くもない身長、伸びる手足はみすぼらしいほど細く】
【それを覆い隠すように、あるいは職業をアピールするように。白衣を纏って登場する】


…………来ちゃっ、た?
ねえ、僕のこと呼んでくれたのは――あなたかな。


【ポケットから取り出したのは携帯端末。液晶には、この場に来いという命令の文章だけが映されていて】
【そうそう広めているわけでもないアドレス。それに連絡を寄越すことができるというなら】
【――その人は、きっと「悪人」だ。座している男も、そうなのだろうか?】
731 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/25(日) 22:23:58.19 ID:hnzMlEfi0
>>729

【―――音が聞こえる。声が聞こえる。私の名前を、告げる声。人か?人じゃないのか?】
【いや、そんな事はどうでもいい。独り言に反応した。という事は、向こうには何かしらの】
【意志を持った何かが存在するという事だ。それが人であるか、AIであるか、はたまた怪物であるか】
【その正体は掴めない。だが、今はその問題は二の次だ。本質は、コミュニケーションを取れるという事だ。】
【ここで黙っているという選択肢は、ある。はじめは、「もう話すべき事は話した」の一点張りを通すつもりだった。】

【しかし、その選択肢は次の言葉で消滅した。―――真実を、「望まない」と。】


……。


【そうか。向こうは、この一件に対する違和感を覚えていたのか。】
【それは……そう、自分がこのタイミングでテロ計画を立てるという事に対する違和感だ。】
【彼か彼女かはたまた彼らかは分からないが、とにかく向こうはその違和を感じ取っていた。】
【世間は能力者憎しの世論に流され、そのおかしな点を無視している。しかし、彼ら?は違う。】
【ならば。―――今までとは様相が異なると判断して、差し支えない。そういう結論に至った。】

【淡々と、感情を込めずに、口を開く。それが、今すべき事であると判断したから。】
【思えば、自らの意思で何かの行動を起こすのは一週間ぶりか。―――随分と、従順になっていたものだ。】

……計画については何も、答えられません。
答える意思が無いという意味ではなく、答えを知り得ないという意味です。
私は、何も知らないまま逮捕され、自分自身の容疑と動機を拘置所の中で知りました。

私は何もやっていないし、何も知らない。……何も知らないし、何も知れなかった。

【ああ、そうだ。何が起こっているかさえも知り得なかった。そして、知る権利を与えられなかった。】
【まるで舞台装置のように、無理矢理「テロリスト」の役を演じさせられていた。悪夢の中で、踊り続けるように】
【―――言葉に、生気が戻る。6年間演じ続けるつもりだった無表情の仮面を脱ぎ、自らの意思で主張する。】

732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/25(日) 22:41:31.13 ID:OnQs4tWq0
>>728

なおのことカニバディールに会う必要が出てきた。奴がやられたら…相当まずい。先に手を打たないと
真っ向から立ち向かえ無いんだ。内部に紛れ込んで、弱点を突き崩す。それがこの作戦の前提条件だ。

【だからこそ自らで向かなくてはいけない。このチームの全員が集まることはすべてが終わっても無いだろう。】
【カニバディールはまだ鈴音に聞けば居場所の見当もつく。あとの遠いメンバー、公安の協力者らなんかは情報のやりとりと】
【最低限の協力で動くことになるかも知れない。同じ目標の別組織の集合体。それがこのチームの組織図といえよう。】
【その方が何処かが潰れて情報が流出して芋づる式にってこともない。古いレジスタンスと近い形になっていた。】

…プランは…まあそんなところだ。オーウェル社は結構デカいし、一体どこのどれを襲えばいいかはわからない。
物理的に壊すというよりは…『乗っ取る』かな。…俺の得意は『盗む』ことだからね。
だから、その隙を作って欲しい。ゾーイが言うことには色々な監視だとか…私兵の命令とかも1つのデカいコンピュータがやってるらしい
その分仕事が増えれば…どっかが疎かになるからその隙をつくとか…まあそういうことを言ってた。コンピュータは俺もわかんないんだよなあ…。

【苦笑いしながらまた頭をかく。もう髪の毛はぐしゃぐしゃだ。いつもどおりとも言えるが】
【そんな彼もざっくりとした言葉でもしっかりとやることをやればどうにかなると示す。これが高度な柔軟性ってやつだろうか?】

じゃあ、俺の運も捨てたもんじゃないね。

【そうやって笑っていた。どこか嬉しそうだった。救われたような気がしたんだ。】

俺の銃は…俺にしか撃てない魔銃なんだ。だからこれでレッスンするわけにいかないけど。
まあ、見てなよ。

【彼がコートの懐に手を入れて、取り出したのはリボルバー式の拳銃。赤みがかった白銀で美しい模様が刻まれている。】
【まるでそれは美術品だが、彼いわく魔銃なんだそう。撃鉄を親指で引き起こすとガチリと重たい音がなって、弾倉が回る】
【そうするとその模様がじわじわと赤く染まっていく。まるで彼の血を吸い上げていくようだった】

これは多分、拳銃にしてはデカいほうだ。鈴音はもっと小さくて、オートマティックの方がいい。UTにちょうどいいのが転がっているはずだ。
腕は真っすぐ伸ばして、目はつぶらない。体の中心で構える。引き金に指は撃つときしかかけない。あとは躊躇しない。…そんぐらいだ。

【他にも装填やら分解清掃やら拳銃を撃つのは意外と覚えることは多い。でもそれは彼がわざわざ教えなくてもいいことだ】
【彼が教えるのは現場での使い方。どうすれば、生き残れるか…それを伝える。タバコをくわえながら。なにもない路地裏を狙う】

大事なのは撃った後だ。当たったかどうかは気にしない。撃っちまったらどうしようもないし…ね。撃ったら隠れる、それか逃げる。間髪入れずに撃つ。
あとは……勝ち目のある状況を作り出すほうが大事だ…銃は…カードを捲るだけ。勝敗にはあまり価値はない…俺はそう思う。

733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/25(日) 22:48:51.89 ID:RzhEur0eo
>>731

【彼女が『真実』を紡ぐ間、画面の向こうの何者かは押し黙る】
【まるで、壁に話しているように。肯定も否定も、向こう側からは届かなかった】
【だが、自らを取り戻した顔は、声は、──投げかけられ、届いている確信を抱くだろう】


 “ 以上ですか。 ”


【彼女の言葉が途切れると、『公安三課』は念を押すように、そう告げた】
【もしそれで全てだ、というのなら、彼/彼女/それは、言葉を投げ返すことだろう】


 “ 俺は、お前の言葉を信じることはない。 ”

 “ この国は法治国家なんだよね。証拠もなしに、クロをシロにはできないのさ。 ”

 “ でも、貴女の言葉通りなら。それは、シロがクロにされたことを意味するのよ。 ”

 “ この国の裏には、『闇』があるのです。そんなことはいとも容易いでしょう。 ”

 “ でもって、この先アンタが辿る道の1つは、そのままムショにブチ込まれること。 ”

 “ そして、もう1つは、狗に成り下がって尚、自らの真実を追い求めること。 ”



 “ ── 私は、『公安三課』。 ”



【その言葉を引き金に、モニターに無数のウィンドウが浮き上がる。それは、“三課”の概要の全て】
【ネットの検索結果の都市伝説の類から、内部文書と思しき書類まで。──その全てに目を通したのなら】
【向こう側の人物が、皐月に何を呈示しているのか分かるだろう】

【『公安三課』にとって、彼女の言葉の真偽は問題ではない】
【重要なのは、“執行停止”という首輪で縛られることを甘受して尚、従う意思があるか】
【彼女の事件と“闇”が繋がっている確証もない。一生を“狗”として利用され続けるかも知れない】
【それでも、その細い糸を手繰る意思があるか】



 “ 貴女には、選択肢があります。 ”



【  】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/25(日) 22:54:23.06 ID:XuIis8ZEo
>>730

【歌が、女の声で重ねられる。雌雄の歌声が打ち棄てられた教会を満たす】
【暗澹とした闇夜が支配するその場所を、荘厳な賛美歌が別種の彩りを加える】
【血の天使像と月光。黒衣の男と白衣の女。重なる旋律の全てが教会を闇の祝福を与える場と変えていた】

【────ここは打ち棄てられた場所。ならば、常世の神の愛などこの場には存在しない】
【存在するのは、光を反転させた者だけ。この世の悪を内包するこの二人だけだ】


────嗚呼、良い歌声だ
音とは空気の振動ではあるが、しかし肉体は精神によって動かされる
ならば、歌声に魂が宿るのは必然。お前のその魂は、さぞや”良いもの”なのだろう

ふふ、”振動”ではあるが、私がそれを扱うとどうしても”人と違って”しまう
聞き苦しかっただろうが、許してほしい。私は、実に良い気分だったが、ね?


【床の軋む音と共に、男が立ち上がった。月明かりの下へとその姿を晒す】
【その全身は黒衣に包まれていた。夜風が吹き込むと、まるで影のように靡いていた】
【男の唇が下弦の月の如き笑みを刻む。濡れた黒絹のような瞳が、女を見つめていた】


初めまして、だな
私はブランル。レヴォルツィオーンという企業で開発部門の主任をつとめている、ただの魔術師だ


【”ただの魔術師”────ブランルはそう名乗った】
【しかしその佇まいも、魔力も、表情の一つを取っても、常人とは違うものを感じさせる男だった】

【レヴォルツィオーン社は表向きには薬品・兵器開発を主業務とする企業】
【しかし裏向きには公安の『黒幕側』に協力。さらには謎の”生物兵器”を作り上げているという噂がある】
【それらの情報を、女科学者が持っていたとしても、何ら不思議なことはないだろう】


今日来てもらったのは他でもない。単刀直入に言えば、勧誘というやつだ
優秀な科学者だと聞く”ブラスフェミア”、そう呼ばれるお前と
是非とも共に、”この世界で楽しく過ごしてみたい”、そう思ったのだ


【ブランルは自身の用件を、一切暈すことなくそのまま言った】
【具体性は皆無。言葉には大言壮語の響きさえある。だがその表情は当然のことを言うだけだという】
【そういう自然さだけがあった】
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/25(日) 22:56:48.73 ID:wLxiCh2U0
>>734

……歌を「振動」呼ばわりする人、初めて見た。
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/25(日) 22:57:16.20 ID:wLxiCh2U0
>>734
//ぐええ途中送信した……しばらくお待ち下し!
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/25(日) 23:04:58.07 ID:wLxiCh2U0
>>734

……歌を「振動」呼ばわりする人、初めて見た。
聞き苦しいなんてそんなこたあなかったよ、ええ、初めまして――ブランル?

【小首を傾げて笑う、幼い子供がそうするように】
【所属を教えてもらったなら、レヴォルツィオーン、レヴォルツィオーン……何度か復唱して】
【「……ああ、あの大企業」。思い当たった節があるのか、僅かに頷いた】

へえ、勧誘……表でも売れっ子の大企業サマが、
しがない研究者でしかない僕のどこに惹かれたんだろう。
教えてくれる? 僕のなにが欲しいのか。
特に何も、大したものを創った記憶がないのだけど……

【肩を竦めるポーズ。やたら芝居がかって白々しい、ともすればうざったいほどの仕草】
【口にしている通り、女はありふれた改造生命体を創ったことくらいしか実績がなくて】
【ならば何を目当てに、声をかけたんだ、と。探りを入れるように訊いてくる】

【「楽しく過ごしたい、ってのはまあ、わかんなくもないけどさ」――言って、へらっと笑った】
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/25(日) 23:13:33.49 ID:BaJg2rTw0
>>732

カニバディールは……どこにいるのかな。わたしは――偶然、会えたの。偶然だと思う。あとは――もしかしたら。
クラァケさんは機関側だから――クラァケさん経由で呼び出してもらえるかもしれない。そうじゃなかったら、……あとは、
どこって言わないで――例えば昔に会ったところ。"一緒にお星さまを見たところで集合"――みたいにすれば、尾けられなければ、たぶん。

【――だけれど、彼女は、その居場所を明確には知らなかった。彼のことだから一つの場所に留まることはないだろう、とは、思うけれど】
【だから方法があるとしたらカニバディールと連絡を取っていてそう不自然ではない手段のあるミラに頼むか。メールと言う方法を使うのだとしても、】
【相手側には分からない呼び出し方――というよりこの少女はあの彼とどこぞで星を見たのか――をしたらどうか、という提案をして】

乗っ取る……、その、隙? 監視……コンピューターって――、
ええと――――お水をかけて壊しちゃったりしたら、だめ? えいってお水かけるだけなら、わたし、たぶん……少しくらいなら、遠くても。
ものを壊しちゃうのなら、得意なんだけど――、跡形もなくしちゃうの、ぜーんぶ、溶かして、水に流しちゃって――……。

【物理的じゃない奇襲。乗っ取るのと盗むのはなるほど確かに近い気はするけれど――多分冷静に考えるとそんなに近くもない気がする】
【ただ物理的な奇襲ならまだイメージとしても思い浮かびやすかったのだろう。乗っ取る――盗んでしまうという話になったら、少女はとたんに困ったようになって】
【考え込むみたいになって――ぽつぽつ出て来る言葉は、単純に機械ったら水で濡らせば壊れちゃうよねとひどく簡単で大雑把な理解、そして、なにより】
【多少なら遠隔操作ができる"水"。それならば扱える――もっと言うならば強酸を帯びる水だから。やろうと思えば――理屈の上なら、できるだろう、と思うのだ】

【そのうえで。彼の計画に役立つようなら、彼女はきちんと従うつもりであるのだろう。ただ――壊すだけというのは、多分、違うのだけど】

うん、だからね――。

【「だいじょうぶだよ」】
【なんて言葉に、根拠はない。それでもちょっとだけ元気が出る気がする、自分の言葉で誰かが笑ってくれるのは、やっぱり、安心する】
【それがどれだけ年上だって。どれだけまずい状況だって。今はまだかろうじて動けるだけで、これからどうなるかなんてちっとも分からない状態だって】

魔銃――って、セリーナの、みたいなやつ? いろいろあるのね、分かるよ、でも、よく分からないの。
――セリーナの飾ってるのより、きれいだね、…………。

【教えて――自分で言ったはずなのに、いざ実物を取り出されると、わずかに身体が硬くなるのが自分でも分かった。彼の言葉をなぞって、思い浮かべて】
【魔銃というので思い出すのはやはり"あれ"か。いろいろある――というのはUTの壁に飾られているたくさんの銃についてだろう、ただ、その違いまではよく知らない】
【だから魔銃同士の違いもよくは知らないだろう。ただこれは素直にそう思ったみたいに、ぽつりとつぶやいて――そこから先は、じっと、静かに見ている】

【もっと小さいやつ。オートマティックとかはよく分からないからあとで考えることにする。ちょうどいいのが転がってる――いやでもそれセリーナのじゃないかな、とか考えない】
【腕はまっすぐで、目はつぶらない。身体の中心、指は撃つときだけ、――躊躇しない。少女はきっと瞬きさえ忘れるくらいに見入っているだろう、彼の挙動の一つまで】
【そうして口の中で小さな声で呟く――、料理ができるなら、きっと要領自体は悪くないはずだ、"スペック"としては】
【問題があるとすれば、銃が怖いらしい彼女がどこまでそれを忠実に実行できるか。だけれど言われることはちゃんと聞く、それが必要なことだとも、分かって】

【撃ったあとのことは気にしなくっていい、そのあとは隠れたり逃げたりする、間髪入れずに――】
【勝ち目のある状況を作る、と言うのは、分かる。ただ――今までこの得物を使ってこなかった彼女には、カードを捲るための手段、というのはよく分からず】

まくる――?

【あるいは――別の得物であっても意識できること、すべきことなのかもしれない。だけど、彼女は、知らなかった】
【勝敗に意味はない――これは、分かる。生き残った方が強くて偉い、実際の被害がどうあっても――それが彼の認識と同じかは、ともかくとして】
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/25(日) 23:14:11.35 ID:XuIis8ZEo
>>737


そう、謙遜をするな
ことキメラにおいては中々の技術だと聞き及んでいるぞ?


【にたり────とブランルは笑みを深くした】


合成獣に生体の改造、どれを取っても私の趣味に合う
お前がその手を貸してくれるならば、今よりもさらに素晴らしいものが作れることだろう
私の動機としては、それで十分に過ぎる


【ブラスフェミアの、謙遜に思える言葉にブランルは真正面から賞賛の言葉を返す】
【その言葉のどれを取っても嘘や方便の気配はなかった。この男は本心からそう言っていると分かるだろう】
【「納得いっていただけるかな?」と、ブランルは微笑みを浮かべたまま、女を見つめていた】
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/25(日) 23:23:26.31 ID:wLxiCh2U0
>>739

なかなか、止まりだよ。それ以上でも以下でもない。
僕なんかよりもっと上手くやれる人だって、それこそごまんといるだろうし……

【謙遜でもなんでもなく、これが事実なのだと。困ったように笑いながら】
【それでも褒めてらえるのはうれしいことだ。照れたように後ろ頭を掻いて】

いいよ、報酬さえきちんと渡せば何でもする女――それが僕の評判だから。
その通りに、あなたがきちんと僕にご褒美くれるなら――腕の一本でも二本でも、
いくらだって貸してあげる。

でもさ――――僕の腕を使って、何をつくりたいの?
今よりもさらにってことは、まさに今、造ってるモノがあるってことでしょう?
それが何なのか、教えてほしいところだな。
いくら僕でも、できないことはそれなりにあるから――

【肩を竦めて、掌を上に向けるポーズ。これもまた芝居めいてオーバーに】
【納得はしたらしい。けれど詳細はなにもわからないから】
【探りを入れる。まずはごく浅い部分から、さらっと触れるだけ】
741 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/25(日) 23:24:48.13 ID:hnzMlEfi0
>>733

【―――最初、公安という言葉を聞いたときは、自らが再捜査の対象になったのだと認識していた。】
【つまり、一連の事件の違和感に感づいた公安が、秘密裏に再捜査するのだと思っていた。しかし】
【それは、どうやら間違っていたらしい。認識を改めるのに、眼前に提示された情報はあまりにも】
【十分過ぎるほどに、多く、そして……―――根深かった。】


……。


【二つ返事で受け入れることはない。目の前にぶら下げられた餌に、疑いもせず食いつくほど、彼女は短絡的ではなかった。】
【情報を提示された意味を自分に問う。目の前の情報は、機密文書さえも含まれる。一囚人が見て良いものではない。】

【この国には裏がある。その通りだ。ほかならぬ自分自身が、その「裏」に逮捕されたのだから。】
【もはや、言葉を信用出来る人物などいないと言ってよいだろう。全てが捻じ曲げられた嘘であっても不思議ではない。】
【ならば、信じるべきは事実のみ。―――国に逮捕されたという、国に与していない厳然たる証拠のみ。】
【だから私は選ばれたのだろう。テロ計画の認否はともかく……少なくとも、闇の側ではない、と。】


……どの道、首輪を掛けられる運命だったのです。
飼い主が『闇』になるよりかは……貴方達の方が、マシかもしれない。


【そうだ。能力者である限り、このままではいずれ首輪を掛けられる運命だったのだ。】
【同じ飼われるなら、まだ闇ではないという確証を得られる此方が百倍マシだ。】
【―――もはや自分に、失うものなどない。糸を辿った先に何も無いとしても、それで元々だ。】
【ならば、取るべき選択肢は一つ。ああ、そうだ。これは、自分で決める選択肢だ。】
【チャンスが無いから、抵抗を諦めた。だが……一縷でもその望みがあるのなら、諦めはしない。】


―――従いましょう。


【―――静かで、しかし重みのある声色で、たった一言だけ。それが彼女自身の意志であることを、雄弁に物語っていた。】
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/25(日) 23:49:47.19 ID:XuIis8ZEo
>>740

【女が納得をすれば、ブランルは満足げに頷く】


無論、褒美はいくらでも。働きに応じて差し出そう


【その後に続く指摘。一体、何を作るつもりなのか、と】
【当然の疑問が投げかけられて、黒衣の男は愉快だと言わんばかりに唇を歪める】
【両腕が左右へと広げられる。黒衣が外套のように広がり、重力に引かれて戻る】

【戻った黒衣の後ろに現れたのは二つの人影。男と女。虚ろな白目、俯いた頭部、口元は緩く開いていた】
【ブランルの左右に召喚された二体の人間は、魔術的な改造を受けた一種の兵士だった】
【死なない兵士、”不死の軍勢”────あるいはその名を、聞いたことがあるかもしれない】


これが、今、私が作っている作品の一種だ
こいつらは不死身の兵士でな。すでに不死の特性を与えることは成功している
だが、問題がいくつかある


【ブランルの会話の途中、両側で佇む兵士が突如震え出す】
【苦しんでいるかのように、男が頭を抱え、女が自らの身体を抱きしめる】
【うわ言のように『苦しい』、『助けて』、と途切れ途切れの言葉が口から吐き出される】

【────そして、顎が落ちて大きく口が開かれる】


『『 AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!! 』』


【大音響とさえ思えるほどの奇声が放たれた】
【そして両側のどちらともが、ブランルへとその腕を伸ばす。男は首へ、女は腹へ】

【────ぐしゃり】

【粘質な音を立てて、男の指がブランルの首を貫通。女の手が腹へと突き刺さる】
【獣の如き俊敏な動作で、二体の不死の兵士がブランルの身体へと牙を突き立てる】

【がり、ごり────ぐじゅり────】

【骨を噛み砕く硬い音の後に、その奥に隠された肉を喰い千切る音が鳴る】
【肩と脇腹に噛み付かれたブランルは一歩だけよろける。それぞれから鮮血が吹き出し、床を血で汚す】

【召喚された兵士は、召喚者であるブランルに食いついていた。つまり、コントロールが完全ではない証拠だった】
【女の目の前で、醜悪な瞳の、人間の姿をした怪物が、人を食い続ける】

【────が、ある瞬間、男と女の兵士はその身体が爆散した】
【肉片と血と臓物の破片が廃教会の中で吹き飛び、壁や床を汚染】
【身体と首が分離した兵士は顎の力だけでブランルの身体に食い込んでいたが、やがて重力に引かれて床に落下】

【兵士の牙が抜けたことでブランルの身体からも大量に出血】
【首からは体圧で鮮血が噴出。腹部からは夥しい量の血が滝となって足元に血溜まりを作る】
【普通の人間であれば確実に死んだ状態だったが────ブランルの口が動いた】


…………と、まぁこんな具合に、とにかく”脆い”
これでは兵士としては不十分。そのへんの人間相手ならともかく
能力者や魔術師の精鋭相手には勝ち目が薄い。そこを何とかしたいと思っている


【ほとんど死体か、生きていても瀕死の状態にも関わらずブランルは平然と言葉を口にしていた】
【さらにはこの状況、コントロールが効かず自身が食われるということを問題とはせず】
【何かしらの手段で────ブランルの魔術によって────爆ぜたその耐久性を問題だとしていた】
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/25(日) 23:51:22.35 ID:RzhEur0eo
>>741


 “ 結構です。 ようこそ。 ”


 【 ぷつ、ん】


【ひと1人の運命を決めるにしては、余りに呆気ない言葉】
【その言葉を最後に、モニターの電源が切れる。もう、向こう側から声が聞こえることもない】
【──、それでも、確かに。彼女はもう戻れない所まで来てしまったのだろう 】


「……終わったな。」


【背後で、扉の開く音が聞こえる】
【振り向けば、そこに立っているのはサングラスを掛けた禿頭の男。皐月よりも歳上だ】
【“三課”の人間と見て間違いないだろう。 言葉は短いが、声音には水面下を生きる人間特有の重々しさがあった】



「 黎子豪だ。細目の説明は拠点で行う。 」



【黎は、人差し指で皐月を手招いた。──ここから出る、というのだろう】
【彼の後に続けば、彼女は“カフェ・ル・タンブラン”という名の喫茶店に誘われる】
【問うべきことがあれば、可能な限りは彼が説明するだろう。 他の課員との顔合わせも行われるかも知れない】
【数時間前に拘置所に居たとは思えぬほどの、パラダイムシフト。高低差に現実感が消え去る程に、数多の事柄を彼女は認識する】


【だが、 彼女がその場から出たときに見るであろう、晴れとも曇とも知れぬ空は、それを“現実”だと告げていた】



/短めですがキリもいいですしこの辺りでしょうか、お疲れ様でした!
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/26(月) 00:03:39.12 ID:YbUxxKoM0
>>742

【現れた人影、ふうん、なんて興味なさげに眺めていたが】
【その様子がおかしくなっていくにつれて――目を、大きく見開いた】
【ブランルが、ここまでされて「死なない」ことに驚いているわけではないようで】
【むしろその点は「どうでもいい」とまで感じていた。どうせただのヒトじゃないと、思っていたから】

【――――「<被造物>が<創造主>に、逆らうなんて!」】
【女の観点からすればそれは、ありえないことだったのだ】

……ええ、うん……脆いっていうかさ、
制御できないの? そいつら。そういうの、あんまりよくないと思う……
僕なんかはあなたみたいに、「殺されても死なない」ワケじゃあないしさ……

【冷や汗が垂れる。細い顎を伝って、音もなく滴らせながら】
【それ以前の問題じゃあないのか、ということを暗に訊ねてくる】
【もし「コレ」を、自分でも造らねばならないのだとしたら。……】
【……「制御できない駒」が、女にとって一番怖いもの、だから】

……耐久性を高めたバージョンアップ。それはまあ、やってみれば出来るだろうけど、
コントロールが上手く効かないヤツは、僕はあんまり……作りたくないな。
だって僕、弱っちいもの――歯向かって来られたらすぐ死んじゃう、し、

【「……なんか、怖くない?」――意外にも、真っ当なニンゲンみたいなことを言うのだ】
【“冒涜者”のくせして、ヘンなところでヘンな常識がある。それはそれで、狂っているとも言えるのだけど】

//ウワーすみません、そろそろ寝なければならず……
//明日に持ち越しさせていただくこと可能でしょうか……
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/26(月) 00:03:52.11 ID:NELzGLXM0
>>738

それでもいい。兎に角…気をつけて。

【どんな警戒も最終的にはこの言葉に落ち着く。星を見たところ…その言葉に余計な反応をしそうになったが】
【それは関係のない偶然…星なんて誰だっていつでもみるものだ。タバコの煙がかき消してくれるはずだ】

それだと…壊れちゃうんじゃない?…壊したら駄目で…なんつーか。ったく、あのアンドロイド難しい言葉ばっかりつかうんだ。
だから要は乗っ取ってシステムを盗んでそれを利用して…まあ、そん時が来たらもう少ししっかり考えるよ。
取り敢えずは…使えるもんは使う。そういうことだ。

【拳銃を構えた彼は、まっすぐ狙いを定めたまま話をしている。】

セリーナみたいに立派なもんじゃないけどね。俺のは『人の心を撃ち抜く』…冗談。
俺の血が弾薬になって、意志がそれを飛ばすんだ。撃つたびに『コイツ』は俺を嘲る。最悪なもんさ。

【それでも彼はこの銃で何度も命拾いした。そして何度も命を落としかけた。どっちがどっちかはわからない。】
【彼は白と黒の2つの銃を持つ。さながらそれは天使と悪魔で、どちらも彼を翻弄している。彼はその間に立って引き金を引く】

銃を撃つのは答え合わせ。当たるか外れるか。死ぬか生き残るか。……そういう例えだよ。
それでもこの一発で俺はその運命を意志で…抉じ開けれると信じてる。…矛盾したこと言ってるけど。

【理性では戦いだとかそういうものが自身の意志だけでどうにかなるものじゃないことはわかってる。それでも、意志を信じたい。それは祈りだ】
【全部蹴飛ばして、銃弾がハッピーエンドを切り開くと思いたい。エースが揃うまでカードをめくり続ける。それが彼の生き方だ】

【彼は拳銃をおろして、コートの内側へしまう。撃ち方のレッスンには程遠いが、教えるべきことは教えた。そんな気がしている。】

ちゃんとした話は事務所に戻ったときにするよ。それより…ビールが飲みたいな。煙草も買いたいし、腹も減った。

【彼は立ち上がる。なにもない路地裏から、街の大通りのあるほうへ体を向ける。「行こう」と一言。歩きだす姿はいつもの猫背である】


/そろそろ終わりかなあと締めの雰囲気を出しましたがもし何かあるなら続けます!
/ただ眠気が相当なので今日はここで失礼させていただきたいです。

746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/26(月) 00:05:31.73 ID:CJNp1uuZo
>>744
//了解です!
//レスはしておくのでまた明日にでも
//では、おやすみなさい
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 00:07:13.79 ID:8txbEcI90
>>745
/了解しました、〆かどうかはまだちょっとレス書いた後次第かなとは思うのですがっ
/ひとまずお先にお疲れさまでしたっということでレス付けておきます!
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/26(月) 00:07:31.83 ID:YbUxxKoM0
>>746
//ありがとうございますーっ、明日も20時くらいには帰れると思います! おやすみなさい!
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/26(月) 00:22:10.45 ID:CJNp1uuZo
>>744

【かくん────と、首が傾く。筋肉の断絶によるものではなく、意思によって】
【笑みが消え、黒絹の瞳が女を見下ろしていた。興味か、失望か、疑念か、期待か】
【感情は黒曜色に覆われて隠されていた。昏い双眸がただ、女へと向けられていた】

【ふ、と。魔術師の口元に笑みが戻る】
【「死が怖いか、それも良かろう」と、そう言って影のように黒い足が床に転がる頭を踏み砕いた】
【脳漿が散らばり放射状に血の跡がつく。それには何の意味もなく、ただ邪魔なものを退かしただけだった】


であれば、こちらからも譲歩しようではないか

案か、あるいは一部だけを構築してくれるのでもいい
何も、一から作れとも言わないし、動かせ、とも言わない

科学者であれば、携わる手段など無数にある。そう心配するな


【女の恐れに気がついたか、そうでないかは定かじゃなかったが】
【ブランルは決してその部分を改良しようとはしないが、しかし助力する上での危険性は取り除こうとした】
【提案なり、動き出す前の改良のみを行うなり、と。いずれにせよ、殺される心配のないようにするつもりのようだ】

【「それとも」】


死なぬように、しようか?
お前のその肉体を、私の手で…………


【毒蛇のような、低く甘美ささえ纏う囁きが一つ、向けられる】
【細い指先が女の頬へと向けられ、伝う汗を拭おうとする】
750 : ◆jw.vgDRcAc [sage saga]:2018/03/26(月) 00:31:56.93 ID:DHqfB8u80
>>743

……。

【音声が、切れる。暫く何も起こらない。―――同意はしたものの、冷静になるとあまりの事態の大きさに少しの間戸惑う。】
【仕方があるまい。つい最近までの彼女は一般市民に他ならなかったのだから……。まさか、こんな事になろうとは。】
【だが……もう、内心では分かっていた。もはや、自分は一般市民ではなくなった事を。―――これは、自分の選んだ道。】
【覚悟は、出来ている。これから行く先に何も見えないとしても―――。強く強く、言い聞かせるように頷いて】

―――はい。

【現れた、ある程度年を重ねた自分よりもさらに年上の男に、ついていく。信用したわけではない。】
【それが、今の自分の選ぶべき選択肢だと、自分で決めたから従うのだ。】


【外に、出る。いつ振りだろうか。暗闇に慣れた目は、思ったより外の光を受容し過ぎるようだ。薄雲掛かる空が眩しく感じる。】
【それでも、空を見上げる。この空の繋がる先に自分の愛娘がいると思うと、一歩踏み出す勇気が湧く。】

【これは現実だ。現実だからこそ、戦わなければいけないのだ。護るべきものを護り、取り戻すべきものを取り戻すために】

//はい、お付き合いいただきありがとうございました!
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 00:45:43.48 ID:8txbEcI90
>>745

そっか――じゃあ、だめだね。わたし、壊したり……無くしたりは上手だけど。
んん、と――、……ああ、そっか、邪魔する人間とか、警備の"なんか"は殺/壊しちゃってもいいんだよね。

【――やはりか。機械を壊したら駄目、なぜって、のっとって、中身を盗んで、使うから。すごい簡単な話だ、猿どころか蛇にも分かる、わかるから】
【少し考える、機械を壊しちゃ駄目だけど――それを乗っ取るくらいの機会を作る方法。――すごく簡単に思いついた、邪魔するものがなくなってしまったら】
【あとは空っぽの建物に欲しい機械とかいろいろが詰まってるだけになる。――そうやって考えるとすごくすごく簡単な話だった。――実現できるかは、置いておいて】

セリーナのやつ、持ったことあるよ、うんと重いの。だから――それも、重たいのかな。
ひとの心って……心臓? 頭? 頭ならね、撃たれたことあるよ。あとは、おなか――、……血と、意志?

【まっすぐに狙いをつけている。向こう側に敵は居ない、それが分かっても、きっと、彼女にはできないことだった。――今は、まだ】
【だからこれは彼女なりの場を和ますジョーク――にしてはすこしエグすぎた。人間の心がどこにあるかってそういう話は関係ないし、それこそ"そういう話"じゃない】
【二つの要素は銃撃に必要には思えなかった。だからこそ魔銃なのだろう、血と意志で撃ち出して、そのたびに嘲る――きっと全うではない】
【血を吸い上げたように赤くなった文様を見やる――だけど。やっぱりきれいだと思って――その一点で、ありふれたものよりは、少し、許せる気がした】

答え合わせ……。

【血と意志で撃ち出した銃弾で運命を抉じ開ける。矛盾しているなんて彼は言うけれど――分かりやすくはあった】
【自分を信じて生きるし生き残るために頑張るし、それで最後、答え合わせの時間になって――それでもまだ諦めないで文字通りぶち込む、ねじ込む、抉じ開ける】
【ひどく力業で、だけど、彼はそうやって生きてきたのだろうから――説得力があった。なら彼女もそれを一生懸命に覚えているだけだ、いつか役立つときまで】

……UTに行くの? じゃあ、わたしに"ちょうどいいやつ"、探すの手伝って。ちっちゃくって……オートマチック?
なんでもいいけど…………、あんまり怖くない、やつ、

【立ち上がる彼に付き合うみたいに彼女も立ち上がるだろう、ちょっとだけ地面に擦れていたお尻側のスカートの裾をぱたぱた叩いて】
【彼がそのつもりなら"ついで"にもう一つ、どうせビールは勝手に飲むだろうし、煙草は知らないけど――いっしょに行くなら、食べ物くらいは用意する】
【その代わりに自分じゃあ全く分からないものを選ばせようとするのだ、そういうところ――彼女はちょっとしたたかなのかもしれない、あの時も、無意味に配膳させたりして】
【選んでくれるなら。あるいは実際にやらせるのも彼女だって仕方ないって理解しているだろう、ちょうど地下にはそういう設備もあるし――そうでなくても】
【麻季音も交えて話すことがあれば話すし。そういう様子だった、――こんなところを出歩いていたのだから、多分、絶対、暇だったのだし】

/そしてごめんなさい! レス書いてみたところ、こちらもどっちにも取れそうな感じになってしまい……
/お任せ返しみたいな形で申し訳ないのですが、わたしもどちらでも大丈夫です……!
/一応明日レスを返せるようになるのは11時前後くらいからになりそうですっ
/それだけお先にお伝えして、ひとまずおつかれさまでした!
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/26(月) 12:11:48.23 ID:jqmsZYAhO
>>749

【もし、男がこの女の何かしら、狂っている部分に期待していたというなら】
【さぞかし失望したことだろう。何せ、思いのほか「普通」のことしか言わないのだから】
【だけどそれが、それこそが――この女が、壊れていることの証であると】
【そのうちにでも、理解できるだろうか。暗赤色の瞳がまばたきをひとつ】

……怖いよ。死ぬのは怖い、だから、うん……
あなたがそう言ってくれて少し安心した。
それだったら安心して「仕事」ができるよ、ありがとう。

――――ただね、

【頬に添えられた指先。それを包み込むようにして、女もそれに手を添える】
【そうしてから――笑うのだ。蒼白の頬に一滴の紅を垂らして、仄かに染め上げ】
【照れたように、あるいは慈しむように唇を綻ばせる。花咲くように、笑って見せた】
【夢見がちな少女めいて――ぐずぐず腐った果実みたいな、濁った色の瞳を潤ませすらして】

不死には、ならなくていい。さっき、死ぬのは怖いと言ったけど。
でもそれは「今」死ぬのはいや、って思ってるだけのこと。

……一緒にね、お墓に、入りたいひとがいるの。
世間一般的には――「恋してる」って言うのかな。そんな人がいてね、
一緒に生きて、一緒に死んで、一緒に天国に行きたいって思うの。
そんな、大切な大切なたったひとりが、居るから――――

【「だから今は[ピーーー]ない。だけど、いつかは死にたいって、そう思うんだ」】

【――大真面目に、そんなことを宣うのだ。非道の限りを尽くす冒涜者のくせして】
【恋をしている。誰かと添い遂げられると思っている。天国へ行けると思っている】
【幸せになれると――信じているのだ、心の底から、それが当たり前のことであると思っている】

【狂人が狂人たりえるのは、「正常」ではないからだと言うのなら。この女は】
【どこからどう見ても狂っているくせに、自分が「正常」であると錯覚している】
【そこが、この冒涜者の――もうどうしようもないほど、一番壊れている箇所だと。男には理解できるだろう】
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/26(月) 15:52:50.79 ID:CJNp1uuZo
>>752

【”失望”という感情は────確かに、あったといえる】
【同じく勧誘をした”魔女”は、他者と混じり合うというこの世ならざる現象を受けて、なお嗤った】
【カノッサ機関のナンバーズたるカニバディールは、無限の意識に飲み込まれもせずに自我を保った】

【それらと比べれば目の前の女は、あまりにも”平凡”だった】
【確かに倫理観は欠如している。だがそんなものはブランルという男からすれば瑣末ごとどころではない】
【それが正常なのか異常なのか、語ることさえあり得ない。それほどまでにどうでもいいことだ】

【そういった意味で言えば、ブラスフェミアと呼ばれる女は何も特徴がないとさえ言えた】
【人並みに欲望があり、人並みに死を恐れ、人並みに報酬や評価を手に入れようとする】
【あまりにも────あまりにも”普通”に過ぎる】

【だが────その二つが合わさったら、どうだ】


…………お前、中々に”面白い”やつだな?


【唇が歪む。下弦の月を描く。黒絹の双眸が興味深げに細められた】

【悪辣で醜悪で邪悪な人間は大勢いた。”魔女”もカニバディールも、自身でさえそうだ】
【しかし目の前の女はそれだけではない。行動の全てはどす黒い狂人のものだというのに】
【それでいて────汚れを知らぬ少女のように微笑むのだ。これが、狂っていない、というのならば何なのか】

【これほどまでに”ずれた”人間は類を見なかった。そういった意味で言うならば────】

【────この女は、他の誰よりも”狂って”いる】


くっ、くくくくくくっ
いいぞ、気に入った。そういうことならばお前の願い、このブランルが聞き届けないわけにはいかないな?
死なぬようにするのはやめよう。いずれはその”愛しき人”の元へと逝けるように、な

そしてその代わり、お前の技術を私に貸せ
死を喪った私では作り出せぬものを、死を恐れるお前が作るのだ

────やってくれるな?


【女が包む指先。研究者らしく細く滑らかな指で頬をなぞり】
【そしてそれを顎に添えて、顔を上向かせようとする。視線を、己の昏い双眸に合わせようとする】
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 17:25:18.44 ID:/DM/ZVeIO
【水の国 公園】

【夜の気配が近づく時間帯、夕焼けが微かな片鱗を見せて】
【射倖が俯き加減に笑う頃、一つ少女の残照を残す】
【彼女はベンチに座っている、此処迄は未だ普遍】


……うん、うん。──それじゃ、また連絡するね


【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女】

【つい先程まで携帯型端末で通話をしていた、終えたなら溜息一つ】
【憂鬱そうな表情が暁に染まると、そこに残るのは憂いの景色】
【ぱたぱたと足を振る姿、本人の顔立ちも手伝って中々絵になっている】
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 17:39:18.36 ID:ozWHxgYY0
>>754
【誰そ彼……】
【この時間を人は黄昏時と呼んだ】
【自分の向こうの相手の顔も視認し難く、あなたは誰か?と問いかける意味】
【そんな時間に、付近の学校だろうか?セーラータイプの制服の少女が一人公園を歩いていた】

「ようやく、あのジ○ンプカウボーイから奪取できましたよー!」

【少女は漫画雑誌を小脇に抱え、意気揚々と公園に】
【そして、ベンチの少女に気が付く】
【何やら電話をしている少女、通話が終了したならば、その顔を上げる】
【目を引くゴシックワンピースに加え、その顔立ちに】
【宵に染まりつつある夕日が、少女を照らした】
【思わずため息すら出るような、そんな光景、少女はひたすらに美しかった】

「……ッ」

【思わず見惚れていた自分に気が付き、セーラー服の少女は自制を掛け】
【やがて足をバタバタと振り、何やら溜息交じりに憂いの瞳を】
【袖擦りあうも些少の縁と言うのか、何か放っておけない感覚を覚え】

「あ、あのー……」
「どうかしましたか?」

【少女は少女に声をかけた】
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 17:55:46.06 ID:/DM/ZVeIO
>>755

【声をかけられ、ぱちり、と大きな瞳を向ける】
【可憐な顔立ちの少女であった、可愛いなぁなんて思うけど】
【声も聞き取りやすいソプラノ、鈴の音の彼女を想起させるけど】

【"ぴこーん"と、獣耳でも立ちそうなぐらい(※比喩表現です)】


セーラー服っ!!セーラー服じゃないですかっ!!
鵺ちゃんの憧れっ!!セーラー服!!ほんでもって美少女!
うわーっ!びっくり仰天ですっ!!野生のJKがセーラー服持って現れましたよ!

鴨がネギ背負って自分で鍋に入りながら今にも火をつけそーな!
んもぅどーしたんですか!?ずーんっと沈んだ鵺ちゃんにご褒美ですか!
わぁーっ!うっれしーなぁっ!鵺ちゃんまじぬえぬえ!


【いきなり立ち上がって其の手を取ろうとする、身長は平均よりやや小柄】
【手を取れたなら大きく上下に振って喜びを表現】
【満面の微笑みをそこに映して、貴女に捧げた】
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 18:04:20.81 ID:ozWHxgYY0
>>756
【大きなそして綺麗な色の瞳に、それに加えなんとも心地の良い声であった】
【その少女が此方を認識するやいなや】

「え、え、え!?」

【いきなり立ち上がり、何やら早口で話し乍ら】
【此方の両手を取ろうとする、無論成す術もなく両手を取られ】
【ぶんぶんと上下に振られる】

【困惑の色は隠せない】

「え、え、え、え!?」
「その……セーラー服好きなんですか?」
「と、言うか美少女とかそんなんじゃありません!!」

【この部分は顔を少し赤くしながら否定、眼鏡がずれ掛けている】
【さっきとは打って変わった様子だが、向けられた満面の笑みは悪い気もせず】
【むしろ非常に可愛いとすら思える】
【年齢は同じくらいだろうか?】
【腕を取られぶんぶん振られているため、漫画雑誌も、銃器の隠し入れられた通学カバンも地面に落ちる】
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 18:08:50.65 ID:/DM/ZVeIO
>>757

【長い睫毛と涼し気な目許、細い首筋は磁器の如く】
【純白の髪に黄昏が差したなら、そこに映るのは鮮やかなグラデーション】
【万華鏡の様に移り変わる、千変万化の色を見せる少女】

【───そして、それら全てを無に帰す明るい言葉】


あーっ分かってない、分かってないよーっ!
ふふん、鵺ちゃんが啓蒙して差し上げるので、良く聞きなさいですっ!
セーラー服が好きなんじゃなくて、セーラー服を着てる美少女が好きなんですっ!

んまっ!美少女でないと!そんなかわいぃ顔して美少女でないと!?
そのマシュマロみたいなほっぺたはなんだ!お人形さんみたいな目はなんだ!
上から下まできっちりきっかり美少女じゃないですか!!


【ぐわっしゃーっ!と物凄い擬音が飛び出しそうな勢いで抱きしめにかかる】
【華奢な両腕が絡まったなら、そのまま貴方の首筋に顔を押し付けようとして】
【くんかくんかすーはーすーはーっ、鼻息が擽ったい距離】
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 18:30:29.36 ID:ozWHxgYY0
>>758
「ひッ!?」

【世の中には『残念』と言う言葉がある】
【所謂この少女は残念美少女、だろうか?】
【こんなにも可憐で、綺麗な少女のその口から出るのは……怒涛の言葉達】

「あ、あ、うう……ち、違います違います!」
「そんなんじゃ、ないです、美少女、とかじゃ、なくて……」

【完全に顔を赤らめ、恥ずかしそうに小さな反論】
【だが、全く持ってこの少女は聞く耳持たず】

「あッぐッ……」

【ちょっとよろめきながら、少女に抱きしめられるような体勢に、華奢な腕が首筋に絡み】
【そのまま首筋に顔が近づき】

「ひゃッ、ふっ……んッ」
「あっ、んっ、だ、ダメ……く、くすぐったい、ですよ、んっ」

【くんかくんかとされ、息が掛かるたびに声を上げる】
【このままでは完全に、この少女のペース、と思い】

「あ、貴女、名前は……鵺ちゃん?って言うの?」

【先ほどから少女が自分の事をそう呼んでいる、その様に聞こえ】
【こう聞いた】
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 18:36:54.50 ID:/DM/ZVeIO
>>759

【上気する貴女の声、甘美な響きが公園内に響く】
【良い香りがする、良い声がする、故に彼女が止まる道理がない】
【有るとすれば理の外───呼ばれた名前の答えを探して】


あらっ、そのとーりですっ!鵺ちゃんは鵺ちゃんです
ねーねっ!貴女の名前は何ですかっ?お姉さん、ぅーん、ちょっと年が近そうかなっ
此処はしっかり仔猫ちゃん、とか!?……それは淫らなおねーさんに置いとくですです


【一頻り堪能したなら一端抱きしめる力を弱める、ふひぇーと緩んだ頬】
【身に纏う服装こそ高貴なれど、中身の少女は未だ年端もいかない姿】
【落ち着いたなら、少し見上げる様にして貴女に視線を向ける】


ごめんなさーいっ、少しやり過ぎちゃいましたかね?
改めまして!鵺と言います!以後お見知りおきを!
まぁ、そーゆーの柄じゃないんですけどね、最近くらーいニュースばかりなので

聞きました?『魔防法』ですよっ!?んもぅびっくりしません!?
一体今までどれだけ自分達が、能力者に助けられたか知らないんですから!
ほーんとっ、やになっちゃいますよねー!頭でっかちのおじさんばかり!


【と、思いきやぷんすかと頬を膨らませる、表情のコロコロ変わる娘だ】
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 18:48:51.91 ID:ozWHxgYY0
>>760
「あー、うん、私は那須翔子って言います……んっ」

【顔を赤らめながら、鵺の言葉にこう答えた】
【まだ緩く抱きしめられたままだが、どうもその部分は諦めされるがままの様子だ】
【年齢的には、鵺は自分よりも少しばかり年下の様子だが】
【年齢的に見ても小柄な鵺は、自然こちらを見上げる形となり】
【やはり、可愛かった、と顔をさらに赤くして、視線を反らし】

「はじめまして、そのよろしくおねがいしますね!」
「うん、魔能制限法、通称を魔防法ですね……貴女もやはりそう思いますか?」
「本当、暗い話ばっかりですね……私も嫌になります」

【黒幕の、いや、この国を取り巻くもっと複雑な陰謀により、制定された法は記憶に新しい】
【現在は特区でのみ適用されている様だが、この部分の話には顔を暗くしつつも】
【しかし、そう考えてくれる民間人もいるのだな、と安堵し】
【漫画雑誌と銃器の格納されたカバンを持ち上げる】
【銃と銃剣の音が鳴る】
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 18:58:29.59 ID:/DM/ZVeIO
>>761
【ぱっと、両手を離して開放、少しだけ名残惜しそうな】
【よいしょ、とベンチに再び腰掛けるだろう、両膝をちょこんと揃えて】
【こっちこっちー!と右手で自分の側を叩く、その度に髪が揺れて】
【白妙が染める横顔、微笑みが彩を強めた】


しょーちゃんかな!可愛い名前だねっ!すきーっ!
めーっちゃ合ってるね!誰が名付けてくれたの?おとーさん?おかーさん?
那須って苗字も美味しそうだよねっ!いいなー

思うよーっ!鵺ちゃんあんまり政治とか興味ないけど
流石にこういう法律は……ね、自分にも関わってくるし
それにさー不思議だよね、なんかあっという間に決まった気がして


【人差し指を口許に当てる、柔らかな唇が形を歪めて】
【潤んだ表層が可憐に揺れたなら、軽く其の端を噛んで】
【愁眉な目元が濡れる、微笑みの色合いに妖しさが混じる】


ねーねっ、しょーちゃんは、学校でどんなこと勉強してるの?
鵺ちゃん学校とか行ったことないから、全然分かんないけどっ
きっと美少年美少女、イケメン美女が狂喜乱舞してる花園で!

それで高度な内容を毎日毎日勉強してるのは分かりますです!


【貴方の方を見つめる少女の表情──きらきらと輝く様】
【聡明な貴方であれば汲み取れる事実も幾らかあろうが】
【目の前の彼女は、何方かと言えば、凄く素直に気になっている様子】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/26(月) 19:06:06.32 ID:YbUxxKoM0
>>753

【ブラスフェミアは、特段優れた技術者でも何でもないのだ、実のところ】
【ただ金を払えば、他の誰もが断るようなことだって平気でやる。それだけのことで】
【裏社会における地位を確立しただけの、「普通」の女だ。本人もそれを自負している】

【 けれど、その「普通」が。世間一般的に言う「普通」と、あまりにかけ離れているものだとしたら 】

…………面白いこと言ったつもりは、なかったんだけどな。
でもいいや、何かしらあなたのツボに入ったんなら。

あなたが喜んでくれて、僕、うれしいよ。

【あなたを見つめ返してぱっと笑う。瞳が輝く。痛々しいほどまっすぐに】
【まっすぐにまっすぐに――どこまでも歪んでいた。もう自分では気づけないほど】
【狂っているというよりは、壊れている。本来持っていたカタチが何らかの原因で壊れてしまったわけじゃなく】
【最初っから、生まれ落ちたその瞬間から――おそらくこの女は「こう」だったのだ】

【この女にとっての「普通」は、他の人間にとっての「普通」ではない。間違っても、だ】
【それはもう、どうしたって直すことのできない「欠陥」だった。噛み合うピースが見つからないのではなく】
【最初っから存在しないのだ。この女のために用意されたピースなんて、歯車なんて、世界中のどこにも】

【 だからこそ。あなたのように「狂った」人には、扱いやすい駒になるかもしれない 】


うんっ、やるよ。僕、お金とか、いろんなもの、たくさん。必要としているんだ――――
だからそのために頑張る。愛しい愛しい「あの子」のために。あなたのお手伝い、してあげる。

大丈夫だよ、安心して――――「恋する女の子」のパワーはね、
世界でいっっっっ…………ちばん――――強いんだから!


【「あなたみたいな、男の人にはわからないでしょうけどね」――くすくす、笑いながら】
【吐き気がするくらいに陳腐で、凡庸で、どうしようもなくイカれた言葉を口にする】
【――男の気に、召しただろうか。壊れた女の、純粋無垢なこどもみたいな微笑みは。】
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 19:19:33.88 ID:ozWHxgYY0
>>762
「しょ、しょーちゃん!?」

【何とも独特な、変わった会話の人物だった】
【だが自然と悪い気はしない】
【誠、不思議なものだ】
【ベンチに招かれ直ぐ側に座り】

「ははは、さーどうですかねーうーん、確かお祖父ちゃんって聞きましたよ」

【自分の名前がまさかここで褒められるとは、と少し意外な気分だ】

「鵺ちゃんも、カッコいい名前ですね、私の国の伝承に同じ名前があります」
「ですよねー、内容も過激に感じるし、なんだかかなり早い話だと思うんです、その……自分にもって鵺ちゃんは能力者?」

【ふとした疑問だ、傍目からは少女二人の他愛もない会話に見えるだろうが、内容は中々に濃い】
【やがて】

「が、学校ですか!?」
「え、えーっと、その……美少年も美少女もイケメンも美女も、そんなには居ませんよ!ふつーふつーの学校です!」
「ええーっと、国語とか、数学とか、それと科学と、社会とかも……」

【翔子もその職務上学生として籍を置くだけで、学校にはあまり行っていない、そのためこの様な曖昧な回答になる】

「鵺ちゃんは普段は何を?学校には行ってないみたいだし、お仕事を?」

【今度はこちらから、鵺を見返す形になり】
【その素直で、綺麗な瞳を覗き込んで聞いた】
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 19:27:44.32 ID:/DM/ZVeIO
>>764

【名前を褒められ、表情が綻ぶ。──そうでしょーっ!なんて言葉を返して】
【えへへーと、照れた様な微笑みで、其の色を際立たせると】
【続く貴女の言葉に肯定の意味で頷いた】


そうだよ、しょーこちゃんもそうでしょ?
色んな人に聞いてみて思った事が一つあるの
この法律を気にしてるのって、能力者だけなんじゃないか、って

正確には否定的に捉えてる人、なんだけどね
普通の人にとっては、この法律は受け入れるべきものなんだって
……なんとゆーかっ、歯痒いとゆーかねー


【有耶無耶とした言葉、むすーっと頬を膨らませる】
【素直に肯定したのは、貴女も能力者であると想定したからであろう】
【紡ぐ言葉に信用を載せて、小さく微笑みを残す】


うっそだーっ!それならしょーちゃん争奪戦起こるでしょっ!
こーんな可愛い娘っ子が学校にいるんだよっ!
時には気になる同級生!時には可愛い後輩!時には憧れの先輩!

あーいいなぁ!想像するだけで、楽しそーっ!


【脚をじたばた、相変わらず賑やかで】
【しかし、覗き込まれて、ドキリ、とした──綺麗な瞳に吸い込まれそうに】
【いやーそのーと言葉を曖昧に濁した】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/26(月) 19:34:43.29 ID:CJNp1uuZo
>>763

【真っ直ぐで純真無垢な瞳が輝き、男の視線と交錯する】
【その輝き、言葉の凡庸さ、いずれをとっても男の笑みを深くするばかりだった】
【「嗚呼」、と感嘆の吐息が漏れる。見惚れるような視線。純粋さ、そう、純粋さだ】

【その”欠陥”が、男にとってはどうしようもなく美しく見えたのだ】


────実に、実に美しいな、お前は

ふふふ、その真っ直ぐな瞳を私に向けさせたくなってしまうな
いつもならば女だ、より深く知るために寝所にさえ誘うところだったが

その純粋さを私が汚すというのも……いや、一興ではあるが、しかし意中の相手がいるのでは、な
手を引かざるを得ないというもの。実に、残念なことだ。その心、お前は良い女だというのに


【細指が顎をなぞり、上がる。その唇に触れようとする】
【それから本当に、心の底から名残惜しそうに男の手が女から離れていく】

【いつの間にか、首と腹部の出血は収まっていた。それどころか、何もなかったように修復されていた】
【黒衣を再び外套のように靡かせながら男が後ろへと下がっていく】
【月明かりはとうに消え失せて、暗闇だけが教会を満たしていた】


では、ここに契約は成立した
仕事の委細は追って通達しよう。連絡手段の確立と共にな

無論、何かあればお前も私に言うといい。お前のことは気に入ったので、助力は惜しまないつもりだ
単に共に時間を過ごしたい、とかでもいいが、な?


【最後のは冗談か本気か、分からない声色ではあったものの】
【これで本題の全ては終了した────かに思えた】
【「ああ、ところで」、と、思い出したように男が口に出した】


この世界”以外”の生物の合成はやれるか?
あるいは、興味はあるか?


【以外、その言葉を、男は妙に強調していた】
【この世界に住まうものとは違う生物。それをこの男は取り出せる、とでも言いたげだった】
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 19:40:26.30 ID:ozWHxgYY0
>>765
「――え?」

【少し意外だった、この鵺意外と鋭い観察眼を持っているのかもしれない、と】

「うん、そうですよ!私も能力者です」
「一般の方にとっては、きっと私達は脅威以外の何物でもない、なんですね、悲しいですが」

【口にするのは、悲しいそして、あまり考えたくない現実だった】
【鵺がどんな能力を持つのかは不明だが、しかし、この笑顔にはあまりその現実は向けて欲しくない、そう思った】

「いや、だから私は美少女じゃないですって!全然持てませんし……」
「……え、あ、その……そんな人、居ません、から……」

【鵺の語る乙女チックな学園浪漫、その言葉の中の憧れの先輩、の部分で】
【不覚にも、ある男性を思い出し、顔をそらして、赤くして、そう呟くそうに言った】
【海風に吹かれる、紺の詰襟の男性……】
【やがて】

「ん?どうしたんですか?」

【珍しく、というよりも初めての反応だった】
【歯切れ悪く、何をしてるの?の質問に鵺が言葉を濁したからだ】
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/26(月) 19:48:33.31 ID:YbUxxKoM0
>>766

美しい? ……そんなこと言われたの、生まれて初めて。
ふふふっ、そんなに褒められたら照れちゃう。ああでも……「ソレ」はオススメしないなぁ、
僕、不感症なの。肉付きも悪いし、ほんとうに抱き甲斐がないって。
さんざんな評判しかないからさ、そういうのはもっと――やわらかそうな女の子とやってちょうだい。

【女の唇を撫ぜたなら、乾いた感触だけが響くだろう】
【特に手入れもされていない。色合いだって美しくない。本当に貧相な、みすぼらしい薄っぺらさ】
【しかしそれを以って、触れた指先をゆるく食むようにして――それでおしまい。噛んだり舐めたりは、しない】

うん、最近はちょっと忙しいけど――何かあったら連絡するよ、逆もしかり。
呼ばれたらすぐ飛んでいくから。期待はそこそこに待っててね。

――――うん? この世界、じゃない、もの……?
やったことは、ないけど……そりゃあまあ興味はあるよ。
はしくれと言えど研究者だし。どうせ殺されるなら好奇心にそうされたい……

……あなたはそれが、出来るっていうの? ブランル。

【問われたことに対する回答はそれ。これまた普通な、研究者としてテンプレートに沿った答え方】
【子どもっぽく小首を傾げて、「この世界、以外、以外……どんなものだろう?」なんて。想像を巡らせているようだ】
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 19:56:24.08 ID:/DM/ZVeIO
>>767

【顔を赤くする貴女の姿。──そして、それを見る鵺の表情】
【猫に鰹節、鵺に恋話、見せる反応はワクワクとした色合いで】
【ふふふーんと口元に手を当てた、之は良いネタを見つけたぞ、と】


あーっ!その反応は!!いるでしょ!しょーちゃん好きな子いるでしょ!
だれだれーっ!鵺ちゃんの知ってる人!?(んな訳ないです)
ねーねっ!その人の何処が好き!?

顔!?もしかして顔!?それか──顔!?


【意外と面食いなのかもしれない、当人以上に盛り上がってる】
【いーなーって反応から、彼女には想い人がまだ居ないようで】
【暫しそのまま楽しげに見つめてるだろう】


うぅ、鵺ちゃんのお仕事はないしょーの部分が多いのです
社会の秩序を守る仕事なんですけど、明かせない部分も多くて
ですから、ちょっと困ったなーって……


【仕事の事を追求されるとしどろもどろ】
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 20:10:59.97 ID:ozWHxgYY0
>>769
「え!?あ、の鵺ちゃん?」

【鵺の心の琴線に引っかかったのか、俄然顔が輝きだす鵺】
【恋話、恋愛トークがかなり好きな、そう至って普通の少女の顔】

「うう……その、その……」
「その人は、そんなんじゃないですって!その、でも……顔も、声も、性格も、全部……」

【茹で上がったタコの様に、すっかり顔を赤くして、こう後半はボソボソと答えた】
【やがて】

「秩序!?鵺ちゃん、そんなカッコいいお仕事を!?」

【かなり意外で、かなりびっくりする部分が大きかった】
【自分が知る所となると、その仕事は公安?だろうかと辺りを付けた】
【急にしどろもどろな様子の鵺、だがここで記憶の糸に引っかかる部分がある】
【確か中尉の報告に、そんな名前があった】
【我々の第一の協力者ディミーアの、その重要な協力者、公安内部の良識派】

「ディミーア、ディミーア・エルドワルさん、西島捜査官逮捕事件……」

【呟くように、そう言った】
【鵺と言う名は、そう多くは無いだろう】
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 20:21:39.07 ID:/DM/ZVeIO
>>770

【翔子の可愛らしい反応、きゃーっだなんて声を上げて】
【聞いちゃいましたーっ!て嬉しそうに顔を手を当てる】
【何処からどう見てもそこら辺の小娘】


全部!?全部ですか!そいつぁすげぇです、大物です!
ふふーんっ!しょーちゃんの心を射止めるだなんて、幸せ者ですね!
あーぁ、私もしょーちゃんみたいなお嫁さんが欲しいですっ


【と、テンションを上げていたが、貴女の言葉に表情を崩した】
【知っている、その名前──長い睫毛が呼吸を一つ】
【蜂蜜色の瞳に音色が満ちて】


ね、ね──どーして、しょーちゃんミーくんのこと、知ってるの?
それに西島さんの事件と、どうして結び付けられるのかな
そんな風に知ってるって、ことは




ひょっとして!しょーちゃんの好きな人ってミーくん!?
確かに!カッコイイし、逞しいし、身長も高いし!
まぁちょっと子どもっぽいとゆーか!そーゆーとこもあるけど!



【めいすいりをひろう】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/26(月) 20:27:29.05 ID:CJNp1uuZo
>>768

【「ああ、それは実に残念だな」、と男は言った】
【指先には乾いた感触だけ。それでもブランルは愉快そうに顔を歪めたまま】
【彼が惚れ込んだのはその”ズレた”魂。ならば、肉体が何であるか、どうであるかは些細なことだった】

【だから────「不感症ではお前が楽しめないな」】
【自身の欲求はそれでも満たされる。しかし相手がそうでないのであれば、それは問題だ、と】
【そんなことを、続けて言っていたのだった】

【暗闇に紛れるブランルの両腕が広がり、持ち上がる。天を仰ぐように】
【その先には天使像。血で汚され、その顔は悪魔のものにすり替わっていた】
【そう────”悪魔”だ】


嗚呼、嗚呼、そうだとも
私であればやってみせよう、”開いて”みせよう

この世界の生物だけでは物足りぬ、事足りぬ
この退屈を紛らわせるため、そして目的を果たすために

何よりも、この好奇心を満たすために
それを呼び寄せ、切り開き、我らのものにしてみせよう


【謳うように、祈るように、告げるように】
【男の声が朗々と言葉を紡いでいく】


我らの隣人を────その扉を叩くときだ

ブラスフェミア、魔界という言葉に、聞き覚えはないか?
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/26(月) 20:38:18.62 ID:YbUxxKoM0
>>772

【無言のままに見上げる、悪魔の像。ぱちぱちと、濁った色の瞳をしばたかせ】
【「……あんなのだったっけ? なんか怖い」と言って見せるのだ】
【しかしそれでも、目が離せない。釘付けになったまま数十秒】

……魔界。聞いたことあるよ、勿論。
ふふ、僕ね、悪魔サマと知り合いだもの……ようく知ってる。

【半分本当、半分嘘。悪魔の存在をこの目でしかと見たことはあるけれど】
【仲良しかどうかと言われればノー。ちょっぴり会話をしただけの仲】
【ようく知っているというのも、ノー。物語の中に出てくるような、地獄のイメージしか脳内にない】

隣人、隣人……なのかなあ。
もうちょっと遠くない? はす向かいくらいのイメージあるわ。

まあそれはどうでもいいけど……悪魔を、創れってこと?
いいねそれ、楽しそう――ニンゲンに蝙蝠の羽と角と牙くっつけただけの、
まがい物なら造ったことあるけどさあ……

【「ホンモノ創ったことは流石にないよ。いくら冒涜者といえども!」】
【けらけら笑いながら、ようやく像から視線を離し――男を見る】
【(……幼い頃、毎日のように礼拝で見ていた神父みたいなポーズだと思った。思っただけ)】
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 20:44:43.39 ID:ozWHxgYY0
>>771
「で、でも、なんかそう言うの良く解らなくて、これがそう言うのかも解らないし……でも、全部、好き、かも、しれないです……」
「お、お嫁さっ!?」

【もう、見るもかわいそうな位には顔を真っ赤にして、俯いて話している】
【一方の鵺は、これはまたかなり気分が高翌揚している、この対照的な絵は見る者にはとても楽し気な、女の子の会話風景だ】
【だが、やがて……】

「……鵺ちゃん、私は……」

【だが次に鵺の口から出たのは、大いに翔子を転ばせた】

「もう!違います!!」
「何でそうなるんですか!?全然違います!!それに私はディミーアさんとは『会ったことも無い』んですよ!!」

【本筋からそれ、そう激昂しながら反論する】
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/26(月) 20:52:21.98 ID:CJNp1uuZo
>>773

【「それは重畳」、そう言ってブランルは口角を上げてみせた】
【隣人。その言葉で、ブラスフェミアは悪魔を創るといった】
【しかし、ブランルは緩慢な動作で首を横に振るのだった】


いや、違う
”呼び寄せる”のだよ、彼らを、あるいは彼女らを

かつて、この世界には何度か悪魔が、魔族が現れた
魔界というものは確かに存在していて、そしてその扉は開くことができる

私ならば、それを成してみせよう
お前も、本当の魔族をいじり回したくはないか?
私はやってみたい。どんなものが作れるのか、想像するだけで楽しみだ


【両手の五指が複雑に蠢き、最後にぎゅっと握りしめられる】
【恍惚とした表情。まだ見ぬ禁忌に触れる、触れようとする興奮が表面に現れていた】

【ブランルは魔界に通ずるゲートを作成して、魔族を直接手に入れるつもりでいた】


その計画もすでにある。そう難しいことではない
お前にそれを手伝ってもらってもいいが、メインは検体を手に入れた後だ
奴らを手中に収めたならば、お前にもそれをくれてやろう。好きにいじれ


【仕事、とは言えないような内容。ただ魔族を手に入れたら横流ししてやる、と】
【楽しみを友人を分かち合うような、そんな雰囲気さえ漂わせてブランルは話していた】
【あるいは魔界への扉を開くという計画、それに加担することも歓迎する、と】

【「余分な話ではあったが、用件は終わりだな」────】
【これで彼の話したかったものは全て終わり。何かあるか、と言いたげな瞳だけが】
【ブラスフェミアへと向けられていた】
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 21:01:14.09 ID:/DM/ZVeIO
>>774

【へけ?と小首を傾げる、会ったことがないとの言葉】
【其れは不思議な響きで、彼女の疑問を擽る】
【ふむ、と小さく口の中で漏らした】


えーっ、そうなんだ!
だったらさー、どしてしょーちゃんはミーくんのこと知ってるの?
会ったことない人のこと、知ってるの?

確かにミーくんは、ある意味目立つけどさ、そんな人山ほどいるよ
ねね、しょーちゃん、どうして?
それに、西島さんの事件と、ミーくんを関連できるって、さ


【少し気になるなーと続けて】
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 21:11:56.23 ID:ozWHxgYY0
>>776
「そ、それは……」

【言葉が過ぎたか、とも思った、しかし彼女が話に聞く鵺ならば、と】

「上官から聞きました、上官は、ディミーアさんとは協力関係にあるので」

【ここで服装を一変させる、白の詰襟、僅かな数の徽章、階級章】
【櫻国海軍士官用第U種制服】

「ごめんなさい鵺ちゃん、私は櫻国魔導海軍の諜報員、特務曹長……女子学生っていうのは嘘なんです」
「私もディミーアさんの話、上官……中尉から聞いているだけなので……」

【そのあたりの事で、知っている限りの情報を話す】
【無論、知らない内容も多く、情報の欠如は見られるが】
【概ね西島捜査官逮捕事件の際の情報は、把握している様子だ】

「念の為に確認します、その、鵺ちゃんは……公安の、ディミーアさんの言う鵺ちゃん、ですよね?」
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 21:19:51.39 ID:/DM/ZVeIO
>>777

【──寸刻の変化であった、目で捉える事すら、できない】
【大きな呼吸をひとつ、それほど迄に姿を変えた貴女に驚いて】
【夢から覚めたなら、いっとう、大きな声を上げて】


わーっ!!すっごい!しょーちゃん魔導海軍の人だったんだ!
しかも、諜報員でしょっ!?めーっちゃエリートじゃないですか!
鵺ちゃんも"櫻の国"出身なので、名前だけは知ってましたけど

びっくりしちゃいましたよっ!ただの美少女と思いきや、軍人さんです!
もうフィクションか何かですよーっほんとに!


【はしゃいでいる、無理もない。──それ程迄に魔導海軍の名は祖国では強い】
【エリート中のエリート、軍隊式の訓練と魔導と、両方に長けた逸材のみが所属を許される】
【故に彼女にとっても、眩い輝きを放っていて】


それは間違いないです、私は『公安』の人間ですっ!
────です、けど、今のとこ、ふつーの女の子と変わりませんよ?
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 21:35:00.95 ID:ozWHxgYY0
>>778
「鵺ちゃん櫻国出身だったんですか!?」

【目を見開く、確かに鵺とは変わった名前だとは思っていたが】
【なるほど、同郷とは、納得ができた】
【同郷人とはあまり会わないこの国で、やはり嬉しい感情も同様にあった】

「そ、そんな大した物じゃないですよ……私はその中でも全然ダメな方で……」

【羨望とそして眩いまでの瞳の輝きに、照れを隠せずに、こう言った】
【先ほどとは違ったベクトルで、顔を赤く染め】

「じ、じゃあ!あの鵺ちゃんこれ、知ってますか!?」

【やや興奮しながら、通学カバンにつけられたマスコットのぬいぐるみを提示する】
【櫻国で流行っている漫画のキャラクター『しろいぬ二等水兵』】
【間抜けな顔の白い犬が、水兵の服装をして手旗を持っている】

【やがて】

「そう、でしたか……」
「鵺ちゃん、連絡先交換しませんか?」

【聞きたい事、話したいことは山とあった】
【あったのだが『ふつーの女の子』の言葉に、それを引っ込めた】
【そして携帯端末を出して、そう言った】
【さも、知り合ったばかりの仲のいい友人同士がそうするように】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 21:41:17.48 ID:/DM/ZVeIO
>>779

【貴女の言葉にこくこくと頷く、えへへーっと小さくも笑って】
【憧れの人物に会う、それだけで何処か緩む頬もあるから】
【謙遜の言葉には首を振るだろう、卑下しちゃだめ!と言うように】


知ってるー!!しょーちゃんも『しらいぬ』好きなんだっ!
しかもこのバージョン!『櫻の国』地域限定バージョン!
めっちゃかわいい!この間抜けな顔が、んもぅ職場の同僚そっくりで!


【指さしてぷぷぷと笑う、誰の事だろうか】
【翔子が取り出した携帯端末、鵺も釣られて出すだろう】
【渡されたままの無骨なデザイン──少し思うところもある】


しよしよーっ!鵺ちゃん仕事以外はめーっちゃ暇なの!
毎日電話してもいい!?嫌って言ってもするけど!
最近姉やが素っ気ないもん!ほんとにーっ


【仔犬のようにぱたぱたと手を振って喜びをアピール】
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 21:50:54.25 ID:ozWHxgYY0
>>780
「うれしい!解ってくれるんですねー!!」
「そうなんです!こっちに来る前に買って置いたんです!あ、ぬいぐるみもあるんですよー!」
「同僚の人に、こんな顔の人がいるんですかー?」

【キャーキャーと燥ぐ、身近な人間は誰も知っている人が居らず、少し寂しい思いをしていた】
【これはもう、完全に『素』の部分の反応だった】
【やがて、鵺のその仕事用とも感じ取れる、アンバランスな武骨なデザインの端末を受け取り】
【自分の連絡先とメールアプリを登録】

「うん!いいですよ!いつでも電話して下さい!」
「何か困った事があった時も、いつでも連絡下さい!」
「って、姉や?鵺ちゃんお姉さんいるんですか?」

【まるで仔犬のようで、翔子も妹が出来たみたいな】
【そんな感覚になる】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 22:07:41.21 ID:/GOjEP8N0
【夜の公園】
【中規模程度の広さを持ち、日中は人で賑わっているが―――この時間帯になると人影もなくなっていた】
【怪しげな数人の男達を除いて――】

んー、おかしいな……?確かここで金と情報を交換する約束だった筈なんだが
何で俺は君らに包囲されてるんだ?

【恍けたような声を上げたのは、中心に立つ男】
【歳は30前後か―――わざとらしい程にギラついた金髪を靡かせ、指には自己主張の激しい銀のアクセサリ】
【これまた派手なスーツと開襟シャツを身に纏うその姿は、一言で形容してしまえばまるでホストのようだ】

【そのホスト風の男を囲むように取り囲むのは、計5人の男】
【皆がナイフやら鉄パイプなどの武器を持っている。いかにもゴロツキといった風体だ】
【無防備で立つ男に向かって下衆な笑みを浮かべている】

ああ、成程。俺は騙されたってわけか
……まあダメ元だったからいいんだけど……なっ!!

【ホスト風の男は言葉を言い終ると同時に、地面を右足でダンと強く踏み込む】
【その瞬間、足元のコンクリート舗装が砕け、そこから勢いよく『泥水』が噴出した】
【泥水はウォーターカッターのように細い線となり、5方向へ射出され、5人のゴロツキの脚部を撃ちぬいた】

あーあ、せっかく大金を用意してやったってのによお

【ゴロツキ達は悲鳴を上げながら地面を転げまわる】
【全員息はあるものの、戦意は完全に喪失したらしい】
【ホスト風の男はこのゴロツキ達をどうするのか―――】
【人通りが少ないとはいえ公園の中。一部始終を誰かが目撃していても不思議ではないが―――】

783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/26(月) 22:09:39.11 ID:YbUxxKoM0
>>775

……ふうん。あくまで素材の味は活かしておきたい派? 悪魔だけに!

【……。】
【とりあえず、イチから「創る」のではないと言われれば。そうなの、と曖昧に返して】
【思い出すのはちょっと前に遭った「悪魔」の姿だった――あれのようなものを、弄るのだと考えたら】
【まあ、面白そうだとは思ったけど。そういえば彼は何が嫌いだと言っていたんだったか――】

――――天使。できれば天使も弄ってみたいな、
……ああ今のは単なる独り言だから、あんまり真に受けないで。

おっけーおっけー。魔界に通ずるゲート、ねえ……
確かに面白そうではある。うん、やってみたいな!
好きにやっていいんだね? 確かに言質取ったから、存分にやらせてもらうよっ

【人差し指と親指でつくるサークル。にっこり笑って、OKのサイン】
【創るものの想像をあれやこれや広げるのは、確かに愉しい事だった。既に妄想は広がり始めているようで】
【――でも、男が考えているそれとは多分違う。酩酊にも似た陶酔感は、抱かない】
【純粋に、たのしそうな玩具で遊べることへのワクワク。やっぱりどこか子どもっぽい】

うん、それじゃあ今日はここで終わりかな――――。
ありがとう、お話できてすっごく楽しかったよ、ブランル。

……ねえ、いつか僕の「好きなヒト」を、あなたに紹介してもいい?

【――――去り際。ちょっぴり照れた様子で、そんな言い残し】
【その返答を聞いたなら、きっと女は帰っていくだろう。実に楽しげな、スキップにも似た軽い足取りで】
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/26(月) 22:15:55.62 ID:gD82276so
>>781

【わきゃわきゃと言葉を返すだろう、話の通じる同年代の相手】
【学校に行けば山ほど居るのだろう、然して──】
【皆までは言うまい、こんな日常が嬉しかった】


んーお姉ちゃんみたいな人ですね!一方的に呼んでるんですけどっ
まーたしょーちゃんにも紹介します!
めちゃ美人さんなんですよーっ!


【言の葉を一つ二つ、紡いだならふわふわと揺れて】
【ふふふ、と舌先に転がす響きを楽しんだ】


あっと、私そろそろ会議があるので行きますねっ!
ありがとうしょーちゃん!お陰で元気でたよ!
また連絡するねーっ!ばいばーい!


【ちらりと表示された時間を見てびっくり仰天】
【姫袖に端末を戻して、手を振る】
【そうしてそのまま夜の中へ、去っていくだろう】


/この辺りでしょうか!
/お疲れ様でしたー!
785 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/26(月) 22:16:06.64 ID:CJNp1uuZo
>>783


………………………………。


【ブランルという男がこの表舞台に登場するようになってからというもの】
【この男はずっと嗤っていた。たまに怒ったりもしたが、大体は嗤っていた】
【”魔女”に会おうがカニバディールに会おうが厳島に会おうがセリーナに会おうがだいたい嗤っていた】

【そんな男が、今、なんと、閉口していた。偉業と言っていいかもしれない】
【不死身の男の唯一の弱点は、つまらないジョークなのかもしれない。どうでもいいかもしれない】

【それはさておき】

【天使────真に受けるな、と言われたが、しかしその言葉を耳にしたブランルは】
【いつものように、その唇を下弦の月の如く歪めるのだった】
【まるで、何かを暗示するかのように】

【そして去り際の、照れた表情を浮かべる女へは】


ああ、もちろんだとも
そのときを楽しみにしている

ではな、ブラスフェミア


【そう言って友好的で────温和な、そう、温和な笑みを浮かべて】
【そうして女を見送る。廃教会に残るのはただ一人、黒衣の男だけだった】


//こんなところですかね。お疲れ様でした!
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/26(月) 22:27:54.44 ID:ozWHxgYY0
>>784
【士官学校の同期でもなく、海軍の枠の中でもない】
【そんな心許せる同年代の、そう気さくで気楽な友人の感覚】
【それが、とても心地よく感じた】

「気になりますねーその人、ふふふ、楽しみにしてますよ!」

【やがて、鵺は携帯を見て】
【その表示された時間に驚いて、そして夜の闇の中に去っていく】

「はい!じゃあまた!連絡待ってますよー!」

【手を振って別れを】
【誰そ彼、そして夜を挟んで『彼は誰』】
【この出会いは、この誰何は、成立したのだろう】
【またね、と別れのそして再開の約束を残し】
【時間は夜になる】

//お疲れさまでした!
//ありがとうございました!
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/26(月) 22:33:43.70 ID:YbUxxKoM0
>>785
//なんかうまいこと返レスが思いつかなかったので挨拶だけで失礼します、おつかれさまでした! ありがとうございましたーっ
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/26(月) 23:05:18.87 ID:gD82276so
>>782

【暗澹する景色、その最中に混じる違和感の如く】
【まるでスイッチを切るように、ゴロツキが順に目を閉じていく】
【意識を手放したかの如く、一人ずつ】

【──注意してみて見れば、彼等の首筋に針が一本ずつ刺さってるのが分かるだろう】


大丈夫、『急所は外した』──市民に代わりはない、例えどんな形をしていてもね
単純な話だよ、枯れ木も山の賑わいと、嗚呼──少し酷いかな
こんばんは、御機嫌よう、良いお手並みを拝見させてもらった

見事だね、泥水のカッター、実に合理的だ
工業現場でも使われている、水圧さえ上げれば切れない物等ない
しかし、随分と時代錯誤な真似だね、そんな見える風に能力を振るうとは


【エリート然として撫でつけた黒髪に、黒いスーツ】
【穢れ一つ無い白い手袋と、同系色のナローマフラー】
【そして完全に目を覆い尽くすサングラスが印象的な男が歩いてくる】


"狩ってください"と、言ってるようなものだけどね
初めまして、御船 千里と言う。──『水の国警察 異能捜査特課』で管理官など務めているよ。
さて、紹介も済んだところで、君の素性を聞こうか


【スーツの袖から取り出す『長針』──右手に握って】
【月が眩く歪んだ。】
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/26(月) 23:48:59.63 ID:/GOjEP8N0
>>788

あぁ?

【近づく気配、そして倒れたゴロツキ達の異常にほぼ同時に気付き】
【男から不快感を顕にした声が漏れる】

ちっ、なんだその針は?能力か……?
これからこのクソ共と「おはなし」をしようと思ってたんだがなぁ

【挨拶は返さず、当然とばかりに反論する】

時代錯誤とは言ってくれるじゃねえか
見えないように能力を使っちまったらこいつらの薄っぺらい頭じゃ何をされたかも理解できねえだろうが
俺との”格”の違いを見せつけて二度と逆らわないようにさせてやるのが俺様流よ

【どうやら、自分の能力にある程度の自信があるよう──】
【だが、御船と名乗った男の職務を聞き、初めて顔色が濁る】

サツか……こりゃ職質か?
名前は紅葉橋御嶽(もみじばしみたけ)。ある企業でコンサルタントをやってる
もちろんまっとうな企業だぜ

【差し出したのは名刺】
【そこに書かれた会社名は、規模としては大企業に知っていても知らなくてもおかしくない程度──所謂普通の商社の名前】
【もちろん、この名刺が本物であるという保証はないが──】

言っておくがおまわりサン、これは正当防衛だ
こいつらに襲われたから能力で反撃した、それだけだ
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/26(月) 23:59:18.57 ID:gD82276so
>>789

【差し出された名刺を"その場"で制した、5m程の距離を置いて】
【掌でこれ以上近づかなくて良いと、言わんばかりに】
【薄暗い照明、常人であれば全く見えない程の距離だ】


ああ大丈夫だ、紅葉橋君。──キミの行いには不当性は無いよ
其の程度の行いで捕まえていては、キリがないからね
それにキミの会社は十分に大きい、そう、十分に


【唇の端を釣り上げて口元だけで笑う、些か皮肉めいて】


時にニュースは良く見るかい?最近は何処の番組も『魔防法』で忙しいが
我々もあれに頭を悩ませていてね、市民を納得させるにはより多くの事実が必要なんだよ
『能力者』が、『一般市民』に乱暴を働いた『事実』が


【気絶した男達と、目の前の紅葉橋を交互に見て】


──"Dr.Feelgood"


【御船が右手の針を投擲する、狙いは紅葉橋の右肩】
【針が触れたなら、其の部分だけ非常に重量が増したように感じられるだろう】
【動きを阻害するかもしれない、効果はすぐきれるが】

【同時に御船は地面を蹴って距離を詰める、身のこなしは軽い】
791 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 00:21:25.04 ID:+fu2gmNO0
>>790

【名刺を制され、さらに怪訝な顔をする御嶽】
【職質ならばこちらの情報を知りたがるはずだが──】
【まるで、もうこれ以上の情報は必要ないかのような──】

不当性は無いと認めてるれるんなら、とっとと帰ってくれねえか
そのゴロツキ共を逮捕したきゃ勝手にすれば……

【不意の悪寒──その正体にはすぐに気付いた】

(笑ってやがる……?)

はぁ?そりゃ一部の区域限定の話で……
俺ら健全な一般能力者には何ら不自由はないはずじゃねえのかよっ!!

【ニュースサイトで見た政治の話は、ビジネスマンの自分とは無関係で】
【偉い奴らが勝手にもめてるだけ──そう思っていた】

おいおいおい!!
ざけんな!!それが警察のやることかよ!!

【だが現実に目の前で、自分が良くない形で巻き込まれようとしていることを本能的に理解した】
【針を投擲する動作を確認した瞬間、反射的に地面を踏みつける】
【先程のように足元から泥水が吹き上がり、自らの目の前に3mほどの"泥の壁"を作り出す】
【但し、防御用のために殺傷能力は皆無、水の勢いは強い噴水程度──人間が簡単に突破できるものではある】


792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/27(火) 00:33:36.28 ID:W4K9D0oRo
>>791

【針は泥の壁に制されるだろう、軽い音を立てて地面を鳴らす】
【目の前に泥の壁が出現し、御船の突進は止まるだろう】
【恐れたのではない、服が汚れる事を嫌がったかの如く】


警察のやる事、とは語弊があるね、秩序のやる事と言い換えると良い
大勢の為には少数の犠牲はやむを得ない、ビジネスマンなら市場の原理ぐらい知っているだろう
覚えておくといい、耳障りの良い言葉程、妖しいモノはないのさ


【右手の袖から再び針を取り出し、泥の壁に突き刺す】
【まるで爆発するかの様に、泥の壁に大きな穴が開くだろう】
【御船は左手をポケットに突っ込みながら、その穴を歩く】


泥の能力か、下品な能力だ
僕の目にはあまり相応しくない光景だ、野蛮だし美しくない
能力とは其の人間の品格を表す。──そうは思わないかい

国家の繁栄のために、キミには礎となってもらう──!
"Dr.Feelgood"──!!


【御船が右手の針を虚空に刺すと、御船の背後から大きく吸い込む様な"突風"が吹く】
【踏ん張れば耐えれる、しかし、いきなりの出現に戸惑えば御船の方向に吸い寄せられるかもしれない】
793 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 01:02:05.54 ID:+fu2gmNO0
>>792


そりゃ、市場は勝者と敗者がいて成り立つもんだからな……!
犠牲者がいなきゃいけないのは当然だぜ
だが生憎俺は自分勝手な人間なもんでな!俺が犠牲になるのだけは嫌なんだよ!

【吠えたところで、泥の壁に穴を開けられ御船が接近してくる】
【紅葉橋が再び地面を踏み鳴らすと、泥の壁はタダの泥水となってビシャアと散らばった】
【万が一スーツに泥水が跳ねたとしても、タダの泥水である】

さっきは時代錯誤だが合理的って言ってた気がするが、下品と来たか

言っておくが泥は土と水で出来てんだ。土と水は人間生活の基礎だぜ?
わけのわかんねえ針なんかよりよっぽど"格”があるだろうが!!

【御船の右手が動く──また投擲──?】
【それにポケットに入れた左手も気になるが──まずは避ける!】
【思考を巡らせ行動を決定したところで、予想外の技】

なっ!?

【いきなりの突風に、紅葉橋は体勢を崩し、前のめりになってしまった──】


//すいません、寝落ちの危険が出てきたので明日に持ち越しか、置きレス以降をしていただいてもよろしいですか?
絡んでいただいて申し訳ないのですが……
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/27(火) 01:05:46.33 ID:W4K9D0oRo
>>793
/了解しました!では置きレスの方に返しておきます!
/お疲れ様です!
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 13:50:42.66 ID:nbRTlKhn0
>>751

そういうことだ…それが唯一の突破口。

【作戦について大体、鈴音にもわかってもらえたようなので話を切り上げる。歩きだしながら話を続ける】

よくわからないな…自分の能力だとしても…複雑なんだ。未だに何処まで真実なのかも…まるで白昼夢さ。
心はどこにあるのか知らないけど…理屈じゃない。理屈じゃない法則で俺は撃ち抜く。どっちがマシか…

【心を打ち抜くとはたとえなのだろうかそれともそういう能力だろうか。撃ち抜かれたら、撃ち抜いたらどうるんだろう】
【悪魔が心を持っていくのだろうか、天使が微笑んで救済するんだろうか。…彼はその答えは言うことはないだろう】

折角だから…俺の馴染みの店に行こう。セリーナに怒られても…まあ、どうせ鈴音にそんなもん持たせたて
怒られるかもしれないけど…アイツのコレクションだったら旧式ばかりかも知れないしね。

【そんな事を言って、彼は歩く。どこに行くのか…路地を曲がり、途中でタクシーを拾い、途中で降りて、また少し進む】

【閑静な場所にあるワインの専門店の前で立ち止まった。シックで高級感ある店構えで広くなく、選ばれた人間しか立ち入りを拒む雰囲気だ】
【だが彼は躊躇せずそのドアを押す。拳銃を買うのに。内装も赤い絨毯に年季の入った照明、壁や棚に所狭しと並べられたワイン】
【ゆったりとしたBGMがリラックスさせるどころか、一般人は逆に緊張させてしまうようなそんな雰囲気で、店主もエレガントなスーツに白髪のオジサマだ】

『お久しゅうございます。“お仕事”はご引退なされたのでは?』
別件で…まあ…ゆっくりテイスティングさせてもらうよ。

【簡単な挨拶を交わすと、店の奥へ店主は案内する。ドアを開けると、地下へ通じる階段。降りきった先にあるドアはパスコードと指紋認証のロックがあるほど厳重だ】

『さて…何がご入用でしょう。』

【店主が鍵を開け、中へ2人を案内する。そこは一人暮らしのワンルームぐらいの広さで、シックでエレガントな内装。テーブルと椅子までも貴族の屋敷から持ってきたみたいだ。】
【ただ壁の棚やショーケースにあるのはワインではなく。拳銃からライフル、ショットガン。手榴弾…所狭しと陳列された銃器、や武器であった。】

/すみません。昨日は家に帰れなかったものでして。もう少しだけお付き合い頂けたらと思います。
/今日一日は空いていますのでいつでもお返しできますので
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 18:23:26.55 ID:nbRTlKhn0
【UT酒場】

【夕暮れ時、いつもの静かな日常だ。世の中がどれだけ変化しているようだとしてもこの空間、この時間は変わらない】
【変わっているように何も見えない。麻季音はいつものように――いつからかここにいることがいつもになっていた。そういつものように】
【UTの事務所兼酒場であるこのカウンターの端の席にいた。丸っこい髪型の黒髪、丸い目、少しだけ平均より小さい身長(自己申告)】

【いつものグレーの飾り気のないパーカーを着て、コーヒーを飲んでPCをいじる。時折来る客の話を聞いて、仕事の主は伝言役だ】
【メインのUTのメンバーはここのところ忙しくて、あまり見かけることもない――アルバイトとしてここにいるが留守番役にしては仕事は多い】
【店を開けて、書類を片付け、連絡事項をまとめておいて、バーテンダーの仕事もして片付けて、自身の研究もしている。】
【ルーチンワークなってしまえばそう難しいことでもない。特にここ最近は客もまばらであるが。常連が増えた。】

……ずっとそこにいるけど大丈夫?

『お構いなく。待機モードで消費エネルギー量を最小限にしているだけです。』

【じゃまにならない端の方の席から落ち着いた澄んだ女声で、無機質な話し方をする声。マナーの手本みたいな綺麗な姿勢で椅子に座っている女性がいる。】
【長い銀髪を複雑に編み込んでいて、耳にはいくつものピアスを開けている。蒼の瞳はよどみ無く、まつげは長く、目の周りにはくっきりとした化粧をし】
【口紅は流行りの濃いめの色。真っ赤なライダースジャケットを着て、パンキッシュだが、着せられたマネキンが置いてあるようにじっと動かないでいる】

………気まずい…っっ!!

【麻季音は苦笑いをしながらPCに集中しようとしたが、視界の隅にいるアンドロイドに気が散って仕方なかった】



【路地裏】

【所変わって、斜陽、眩しい西日が差す路地裏。入り組んだ先にある雑居ビルから銃声や、戦う音が聞こえる。使われなくなった廃ビルのようだが】
【複数人はいるようだった。不意に外に取り付けられた非常階段へ通じるドアが開き、3階のフロアから2人が出てくる。自警団員のようだった】

『今のうちに引くぞッ!!先にいけっ!………・グハッッ!!!』

【1人が慌てて階段を降りる。それを援護する1人はそう声をかけて一瞬、ビルの中のその“奴”から目を離した、そのために】
【ビルの中、暗闇から表れた、大ぶりの直剣が彼の体を貫いた。真っ赤に熱された刃が肉を焦がし、辺りに血と嫌な肉の焼ける匂いが立ち込める】
【貫かれた自警団員の体は持ち上げられる。まるで串刺し刑に処されたように血を吐き、そしてその苦しみから解放されだらりと動かなくなる】

              [ 敵性非異能者をハイジョ。 追跡ヲ続けマス]

【機械音声が流れる。ビルから姿を表したのは黒いコートを着た人物。顔は機械的なマスクに覆われていて目のところがディスプレイになっている】
【表示されている文字は [ 排 除 ]  】
【性別は判断できないが体躯は大きく、その自身と身長と同じ程の直剣を片手で振るう。死体は階下のアスファルトに投げ捨てられた。】
【そして自身も、飛び降りる。最後の一人となった自警団員は、何名もの命を犠牲にして得たアドバンテージを一瞬で失う】

[ 市民ト国家の安全ハ、テクノドッグス社二お任せクダサイ]
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 18:52:23.83 ID:v/y5AqPS0
>>796
【斜陽の、夕方の光の差し込む店内】
【珈琲や紅茶の香りは、もう少ししたら種類の香りに変わるのか】
【少女と、そしてアンドロイドの女性の居る店内】
【そんな中、ドアベルが鳴る】

「すまな……今日は鈴音ではないのか」

【店内に入って来たのは、暗いネイビーのスーツにロングコートの男性】
【カウンターの席に座り】

「カクテルは出来るか?」

【PCを操作する麻季音に聞いた、もし話が伝わっていれば、この男性が櫻国魔導海軍中尉厳島命と解るだろう】
【伝わっていなければ、只の最近よく見る良く解らない常連客だろう】
【別の席の女性に一瞥し】
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 19:09:28.35 ID:qCp45IyO0
>>795

……なじみのお店? お酒のところ? 別にいいけど――、わたしね、初めてのお店だと多分飲めないよ。
セリーナね――怒るの、かなぁ……。

【よく分からない――彼自身がそういうならば、彼女にもよく分からない。冗談のつもりだった言葉は、ただ、相手の中では違った意味があったらしい】
【はたりはたりと大振りな瞬き、それでもその後ろをこつこつした足音できちんとついていって――路地を曲がる、曲がって、タクシーを、という段階になれば】
【少し「むっ」とした顔をしたのは余談だろう。それで窓開けていい?とか聞いてくるから、多分、車が得意ではないらしく――開けてよければ、全開を希望する】
【そうすればすごく楽しそうに窓の外を見ているだろう、ちょっとならいいということなら半分死んだ目で開けてもらった隙間から外の空気を一生懸命吸っているだろうし】
【それも駄目なら――――死んだ目すら見せずに目を閉じていることだろう、なんでも寝ると酔わないらしい。まあどうあれ、吐いたりするほどではないのだけど――】

――――わ。え? わ、わたしね、ワインって飲めないよ、それに、お洋服だってそんなにきちんってしてないし……。
ええ、ロッソさんこういうところ、来るの? 

【――そしてやがて"馴染みの店"とやらに着けば。ふわぁと少し驚いたみたいなため息、なんだか思っていたのと違うような顔をして】
【それでちょっぴりだけ不安そうな顔をする、服の布地を指でつまむみたいにしながら――ためらわない彼の後ろ、一瞬出遅れる】
【少し慌てながら後ろについていくのだけど――必死になって訴えているのはそんなことだ、多分分かっていない。というよりも、偽装されたのを真に受けている】
【ワインは飲めないしきちんとした店に来るような恰好ではない。ただ――こういう店に来るのは初めてではないみたいに、そこまで過度の緊張はしていないようだったが】
【そこだけ少し違和感だったかもしれない、ただどっちにしろ――店主が出て来れば、彼の後ろに少し引っ込むようになって。やがて裏へ通されれば】

【多分いっぱいいっぱいに"はてな"って感じの顔をしていることだろう、それでもなんでなんでって子供みたいに尋ね捲ったりしないなら上出来、なのか】
【やがてパスコードと指紋認証の扉を目の当たりにしたときには、すっかり不思議そうな顔も慣れたみたいに、逆に少し訝しむみたいな顔をしていたのだけど】

わ――、あ、えっ、

【扉が開けられる。一人暮らしにちょうど良さそうな室内は――ただ一人暮らしにはありえないくらいに豪華に整えられていて】
【だけれどすぐに目につくのは、内装に似合わぬ武器の数々。少し古びた感じの店内にあまたの銃を並べるUT店内、よりも、その物々しさが目立つよう】
【――少女が一発目に出した声はひどく気の抜けたものだった。行き先がUTではないところから、高そうな店構え、ワイン、謎の階段、厳重な扉に、それで、これ】

【そこでようやっと気づくのだ、彼の言葉はずーっと同じ方向に示していたのに、自分がどこかで勘違いしていたこと。途中から、ただの店にでも向かうのかと】
【気づいて――だけどうろたえたりするのはなんだか恥ずかしくって、口を噤む。それでも――少し拗ねたみたいな頬っぺたはよく目立って】
【それでも、UTで何年も働いた後なら、ちょっとは見慣れた景色だ。あそこに似て、だけど違う光景、少し興味あるみたいに、視線はゆっくりと室内を見渡していた】

/うわーごめんなさい!外出していて確認遅れました……!
799 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 19:09:32.67 ID:nbRTlKhn0
>>797

【麻季音は頬杖をついてリラックスした姿勢でPCに向かっていた。ドアベルの音で跳ね起きて、少しまともな姿勢を取る】
【多少なりの礼儀はしっかりしておかないとUTに迷惑だろうと考えたからだ。それぐらいのマナーと常識は彼女にもある。】

鈴音さんはここのところ外回りよ。この時間帯は特に。今は、アルバイトの店番しか居ないわ。

【それでもいいならどうぞと。案内する。彼女はまだ、彼が件の櫻の軍人とは気がついていないようだ。】

…カクテルゥ?…そりゃ鈴音さんならできるかもしれないけど……生憎、未成年の私にはウィスキーとブランデーの違いも知らないから

【こういう場所に手慣れたような客に対し、彼女は眉間にシワを寄せてリアクションを示す。】
【知らない…というより興味が無いんだろう。銘柄だってどれも一緒だと思ってるし、種類も適当だ。商売人として値段だけ把握している】
【今の所、彼女の酒類の区別の方法は値段と、注ぎやすさだ。あと度数の高いのを沢山出すと面倒な客が増えるというのも最近覚えた】

…というわけでビールで――――

『私でよろしければ、お作り致します。店内にないリキュールのものは少々お時間頂くかと思われます。が、可能です。』

【麻季音が1番楽なものを提供してごまかそうとしたところ、静かな声が窓際の席から聞こえる。前を向いてじっとしたまま、手だけ小さくあげてアピールしている】
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 19:17:44.14 ID:v/y5AqPS0
>>799
「そうか、それはすまなかった」

【眉間に皺を寄せた様子に、ああ、これはご不興を買ってしまったかな、と少しバツの悪そうに】
【なるほど、まだお酒の味は知らないと見える】
【しかし乍ら、鈴音もそうだったがこの娘も曹長と同じ位の年齢だろうかと考え】
【そこに】

「!?」
「貴女は、ここのスタッフか?」

【その妙に抑揚の無い話し方をする女性に聞く】

「もし可能ならば、頼みたい『グラスホッパー』は出来るか?」
「あと、このステーキも、あるならば貰いたい」
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 19:26:22.03 ID:NYfUDm2z0
【路地裏】

【頭と胴体が綺麗に分離した新鮮な死体が転がり血溜まりを作っているのは、まあまあいつもどおりの光景】
【いかにも路地裏にいそうな風貌の死体。その手には刃物が握られていたらしく近くに転がっている】
【そして、この死体が腹で半分ほど押しつぶしているカバンを漁れば、たくさんの貴金属類が現れるだろう】

【その近くの木箱、血溜まりを回避した位置にあるそれに座り休憩しているのは……】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「僕みたいに悪人を斬る人もまとめて制限かけるつもりなのかなぁ」

【酷く面倒そうな表情でため息を付く彼】
【返り血や怪我などはなく、首を切断できそうな刃物も近くには見当たらない】
【近くの死体の製造者が彼であるかは怪しいところだが……言動だけ聞けば、おそらく犯人は彼だ。だが、証拠に乏しい】

「嫌な法案が通ってしまったって点では、クソ上司と意見が合うのが癪に障る」

【彼は立ち上がり、この場を去ろうとする】
802 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 19:31:39.14 ID:nbRTlKhn0
>>798

【話は鈴音がどれだけ戸惑っていても、怪訝に思っても、怒っても不思議に思っても感情より先に進んでいく】
【タクシーも窓を全開にして、彼もまた同じように外を見ていた。別のことを色々考えながら外の景色に重ね合わせて浮かんでは消えていく】
【そうこうしてる間に、更に困惑させるワインを売る高級店へとたどり着き、そしてそれもタクシーの景色のように素通りして、目的地は】

【彼の言う所の“テイスティングルーム”。客用の美しいテーブルと椅子。サイドテーブルにはワイングラスやティーセットがあってウェルカムドリンクもサービスされる】
【ロッソはその名の通り、赤…ではなく白のスパークリングを頼む。鈴音にも頼めばなんでも出してくれるだろう、紅茶からジュース。クッキーからケーキまで。】
【味から注ぎ方、店主の歩き方まで一流だ。何一つよどみ無く、そして銃器に囲まれたなかでティータイムが始まる】

あ…そうか、ここに来るっていってなかったけ。銃がいるなら、馴染みの(ガンショップ)で買おうって…まあそういうわけだ。
俺みたいな“表”にあんまりいられないやつはこういう“裏社会の専門店”に来るんだ。プロフェッショナルしか知らない場所さ。
ここならつけられていてもセリーナのお使いで、ワインを買いに来たとしか思わない。まあ…うん。

【この男が口下手で言葉足らずでマイペースなのは今に始まったことじゃないが、鈴音が状況についていけてないのを今やっと気づいたようだ】
【ロッソは綺麗な刺繍のテーブルクロスのひかれた上に肘をついて、ムダに長い足を組んでワインを飲む。味わっているようには見えない】

この娘に見合ったのを1つプレゼントしたいんだ。初心者向きで、信頼性が高くて、常時携帯できるような重たくないやつ。

『なるほど…護身用ですかな?それとも暗殺用?それと、お嬢さん。利き腕はどちらでしょう。』

護身用で…利き腕はどっちだっけ。

【それでしたら…と店主は生き生きと動き回る。手にシルクの手袋をはめ、白い布で丁重に銃器をあつかう。まるでワインと同じだ】
803 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 19:37:43.70 ID:v/y5AqPS0
>>801
【血の、濃厚で濃密な血の匂いを感じる】
【そんな、もしかしたらよくある、よくある事なのかもしれない路地裏】

「おいおいおい、白昼堂々とはしてねえが人斬りですかーコノヤロー」
「兄ィ!うかつに近寄っちゃ危ねえッス!犯人近くに居るかもしれねえッス!」

【少し休憩とばかりに、死体の側の木箱に腰掛けるその男性に】
【声をかけたのは、カウボーイ姿の男と少女だった】

「これはお前さんが?」

【この死体の製造者は?と】
【この状況だけ見れば、犯人はこの男と考えられるが、しかし刃物も何も無い】
【幾らでも否定が出来る状況だ】

「最も嫌な法ってのは同意だがね」
「あ、それはアタシもッス!」
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 19:45:22.98 ID:nbRTlKhn0
>>800

『スタッフではありません。ここの店主であるセリーナ・ザ・キッドとは面識もなく、客としての範囲でのみ行動が可能と思われます』

【パンキッシュなピアスが見え隠れする。その顔を必要最低限だけ、カウンターの厳島へと向ける。青い目のまるで人形である】

『その状況から鑑みるに、初瀬麻季音の許可があれば、可能と思われます。』

…いいわよ勿論。

【麻季音も驚いている。それは厳島とは理由は異なる。なぜなら彼女をアンドロイドと知っていてかつ、アンドロイドがカクテルを作れるとは聴いたことがないからだ】
【麻季音の許可を得ると、銀髪の女性はマナー教室の手本のような無駄のない動作で立ち上がり、カウンターに立つ。まっすぐ前を向いて注文を待つ】

『グラスホッパー…』

【カウンタの壁に並べられた酒のラベルをざっと見ると】

『可能です。類似するカクテルの8種類も可能です。…初瀬麻季音。ステーキ用牛肉の在庫はありますか?』

えっ、まあ…あるけど。

『ではお客様、少々お待ちください。』

【銀髪の女性はシェイカーを取り、氷を入れ、必要なものを棚から取り、シェイクする。まるで熟練のプロがやるような小技もはさみつつ、淀み無く―――】
【麻季音はびっくりして見とれていたが、思い出したようにハッとしてコースターを取り出して厳島の前に置く。そして間髪入れずに――】

『グラスホッパーでございます。…只今ステーキを焼いて参ります。』

【何とも100%完璧なものがでてくるだろう。女性はすぐに厨房へ消えていく。麻季音は丸い目を更に丸くして、唖然とする他なかった】
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 19:45:49.49 ID:NYfUDm2z0
>>803

「……ありゃ、見つかっちゃったか」

【ため息を1つ。その後、彼らに対して体ごと顔を向けて――】
【――人を殺したというのに、罪悪感なんてものは微塵も感じられず】

「うん。そうだけど、問題あるかな?」

【問題大アリでしかないこの状況、微笑みながら彼らに対して問いかける】
【……そして、ごまかそうと思えば幾らでもごまかせるこの状況であっさりと認めたのであった】

「嫌だよねぇ、例の法案」
「"力"が無ければ悪意から身を守れない人たちだっているはずなのに」
「――早く法案ごと潰したいところだよ」
806 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 19:46:37.76 ID:qCp45IyO0
>>802

【それで――困惑した少女はしばらく室内を見渡していたのだけど。座れと言われれば……あるいは言われなくても、そういう場面だと思えば座るだろう】
【しゃんと背中を伸ばした座り方。意外と――でもないのかもしれないけれど、姿勢は特に悪くないのだ、少なくともこんな室内に見合わぬほどでは、きっとない】
【何か……というのになれば、少し悩んだ後に、やっぱりノンアルコールのもの。紅茶を選ぶだろう、お酒は嫌いではないけれど、ほとんど酔えないので、あまり意味を感じない】
【強すぎるのもちょっと"面白くない"のかもしれなかった、頼むのはストレートの紅茶。何かお菓子でもあると言われればそれも――とお願いして】

事務所って言うからUTだと思ったの、だけど、違うし……、ワインのお店? って、ワイン、飲めないし――、
わたしね、ワインって、すっぱい……しぶい? 得意じゃなくって――、プロフェッショナルって、プロじゃないからわかんないの。

【――だけどちょこっとだけ文句を言うのだ、仕返しのつもりかもしれないけれど。裏社会の専門店――と説明されれば、改めて室内を見渡し】
【確かに――まあ、専門店だろう。プロフェッショナルだと言うのも、分かる、こういうところは……多少以上の訳ありでも、気にしないでいてくれるところだ】

えと……、……右手、

【それでもやっぱり――見知らぬ場所で。武器に囲まれ。豪奢な室内。ソムリエだかなんだかはよく分からないけど"きちん"とした店主を前にすれば】
【少しは気にしたようになる。おしゃまな感じ――というよりは少し澄まして、紅茶をもらっていれば口を付けようとした。その時に利き腕を尋ねらたから】
【一度カップを戻してから――答えるだろう。言葉通りに相手らに見せるように右手をぱっと開いて見せる、給仕だなんて水仕事を気にしないみたいな、真っ白な手のひら】
【今まで何か重たいものを持ったり頑張って鉄棒の練習をしたりしたような痕跡は何一つもない。腕は手折れそうなほどに細く、ならば力が強い、ということもないだろう】

【言えばやっと紅茶を一口――そういう上手な店の人間を見ているのは何となく楽しかった。それに比べて自分は無駄だらけだけど、と、薄っすら考えながら】
【かたん――カップをソーサーに戻して、一瞬。あれっ……と思考が巻き戻ってから、わずかに眉をひそめて】

……ロッソさん、わたしね、お金払うよ――……?

【ちょっとだけ潜めた声、都合の悪いことをおしゃべりするみたいな声音。プレゼント……という単語を数秒遅れで気にしたらしい】
【足組みなんて普段からしなさそうな少女はきちんと揃えた膝に手を置いて、少しだけ身を乗り出して――】
807 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 20:04:05.03 ID:v/y5AqPS0
>>804

「なるほど、お客であるのに、すまないが、では頼もうか」

【対してこちらは彼女がアンドロイドであるという事実は知らない】
【整った顔をした、青い目の、妙に人間臭さのない人形のような女性だと認識した】

「素晴らしいな……」

【海軍士官学校でも、あるいは実践でも、各種マナーを教え込まれているこの男から見ても】
【その所作、振る舞いは見惚れる程であった】
【やがて、カクテルが出される】
【クリーミーな緑の鮮やかなカクテル】
【ミントの濃密な香りと味】

「これは、美味しい、なるほど……いい技量をお持ちの様だ」

【所作もさることながら、味も格別のようであった】
【ステーキにも期待が出来るというもの】

「彼女は本当に客なのか?あるいはどこかの名の知れた店のスタッフか?」

【唖然とする少女に聞いた】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 20:08:10.32 ID:v/y5AqPS0
>>805
【全く悪びれる様子のない男だった】
【悪びれることも無く、こう返してきた】

「一応聞くが、何故、何で斬った?」

【一度に二つの質問だが、警戒の色を強めながら、こう聞いた】
【少女は男から少し退き、男性は目つきが変わる】

「……やっぱりそうッスよね、内容も過激ッス」
「と言う事は、お前さんも能力者か?」

【魔限法の話には、こう返した】
【やはり、この男ただの人斬りではない、と】
【何もかもが、手慣れている、と】
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 20:11:59.19 ID:nbRTlKhn0
>>806

【出てくるのは香り立つ紅茶、カップも超有名な白磁で、菓子も各種様々…味も見ただけで想像できるだろう】
【ロッソは慣れたものなのか、もともとこういうところでしゃんとするような人でもない。UTにいるときと同じ様な感じだ】

ワインも一流だけどね。ソムリエってのは目利きは何でも一流みたいだ。銃も。どっちが本職か今もわからない。

『お嬢様ももう少し、人生を楽しまれますと。きっとワインも楽しめるかと思われますよ』

【店主のソムリエは笑顔を絶やさずに、いくつもの拳銃を持ってくる。鈴音からすればどれも似たようなものだろう】
【だが店主が一つ一つ、丹精込めて選びぬいたモノだ。通常のガンショップとは違うところは客の要望をつぶさに感じ取り】
【思い描く最適を提供する。…ロッソも餅は餅屋に任せるというスタンスで口は下手に挟まない。】

『では、こちらから。SIG P224 SASなんて如何でしょう。口径は9x19ミリ12発装填可能、ロングマガジンもございます。
堅牢なナイロンフィニッシュ加工に丸みのあるアンチスナッグ設計はお嬢様のお召し物を傷つけません。』

【店主は静かに差し出す。ロッソはそれを手にとって構えたり、いろいろな部品を触ったり、色々確かめる。】
【ちなみにここから出てくる銃の名前は便宜上である!!この世界にSIG社やベレッタ社があるとは限らないから!!!】

…少し重たいな。装填数は少なくていいからもう少し重量を削りたい。

『ではベレッタ ナノはいかかですか?9ミリパラベラム、6発、600グラム弱ですがマニュアルセイフティがございません』
『そこでオススメするのが、ワルサーPPS。サブコンパクトの名機PPKの最新モデルでございます。』

【そんな話をしばらくしていて、多分退屈だなと思った頃にやっとロッソが話しかけてくるだろう】

鈴音…ちょっと持ってみて。大きい?…それでバックストラップは―――

【またすぐ店主とよくわからない話に戻るだろう。ティーポットにはまだ沢山の紅茶がある】
810 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 20:19:26.37 ID:NYfUDm2z0
>>808

「――だって、この人は悪人だからね。」
「ほら、さっきあの辺で泥棒騒ぎあったでしょ? アレの犯人だよ」

【死体の胴体に近づけばそれを雑に蹴り飛ばす。2人には当たらないように配慮している様子】
【そして、腹で半分ほど押しつぶしていたバッグを拾い上げれば、中に入っているモノを2人に見せるような形でそれを開ける。】
【――貴金属類だ、泥棒騒ぎがあった店が取り扱っているそれ】

「更生の余地がありそうなら考えなくもないけれどね。今回も駄目だった」

【どのような会話があったのか、死体が語ることは一切なく】

「そう。僕は能力者。――悪い奴らが大嫌いな、ね。」
「で、いま"も"って言ったよね。ということは、君たちも能力者ってことで良いのかな?」

「君たちが悪でないか、あるいは……そうだね、"黒幕の敵"なら斬らないから安心して」
811 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 20:23:23.25 ID:nbRTlKhn0
>>809
鈴音さんの最後のところ触れ忘れてたので追加です!!


【鈴音がお金のことを口にすれば、彼は笑って】

いいんだよ。女性にそんなマネをさせるのは…こういう場所ではマナー違反さ。拳銃であってもね。
それに、俺はたんまり稼ぎがあったんだ。気にするな

『ライリーズ銀行、ルーロン証券、アブダラ・キング・パレス…色んな所でお仕事なさいましたね。』

…詳しいじゃないか。ま、そういうことだ

【それは昔のことで今は自身の自由や色々な事に余るほどいらないほどあった多くの金は何処にもなくなってしまった。それでも彼はひかないだろう】

812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 20:25:57.53 ID:qCp45IyO0
>>809

【出された紅茶――普段慣れているのはありふれたティーバッグだからこそ、それが良いものであるのはきっとすぐにわかり】
【カップは――まあ。これは……あんまり。食器にこだわる方ではないのだろう、きれいだなあと思いはすれど、どこの……というのまではよくわからなかったらしい】
【お菓子は。多分よっぽど変なものは出てこないだろうから、それは安心だろう。ありがとうございますとでも言って笑って、お菓子を一つつまんだなら】
【表情はひどくあっけなく綻ぶのだ。ワインだ銃だのには絶対似合わない顔――だっただろうけれど】

むう……、甘いお酒なら飲めるの、果物のお酒とか――、あ、
ぶどうって果物だね、じゃあ、もっと……ううんと、果実酒……、だめ?

【ちょっとむうとした顔はロッソに向けてか、それとも店主に向けてだったか。もうちょっと大人になったらなんて言葉は彼女には難しすぎる――物理的に】
【というよりも。そもそも未成年にしか見えないのだ、だのに甘いお酒なら、とか、果物のお酒なら、とか、言って。自爆して――つまり梅のお酒とか杏のお酒なら】
【とってもおいしく飲めるのだけど――と言う話だ、二十五くらいになると急にビールがおいしくなるらしいけど。今年で二十五にあるけど。到底難しそうに見え】

えっ…………と、

【どうでしょうと聞かれるからには自分も関わるべきだろう。だけど店主がいくつか持ってきたやつはどれも似たようにしか見えなくって、よく分からないし】
【こちらから――という時点ですでになんて言ったのか聞き取れないから呪文みたいだった、どこぞの珈琲店でやるやつより聞き取れないなら、びくっと肩が跳ねる】
【それで困っていたらロッソが店主の出したのを手に取っていろいろ確かめだすから――ああこれは自分が要らない奴だなと思うのだ。よかった、と安心して】
【そこから先は紅茶とお菓子を楽しむだけのひとになる――すぐそばの話なんて聞こえないみたい、ここはたぶん午後のうららかな陽光の差し込む室内だと思い込んで】

【――ただ、まあ。こういった高いような店で。連れが店の人間とよく分からない話をしていて。それで無意味に食い込んでくるほど、お行儀が悪くないなら】
【このお菓子おいしい、これよりこっちのほうが好き、紅茶おいしい、お菓子おいしい、おか――、そこで話しかけられて】

んん? 持つの? いいけど……。

【求められた通りに手も貸し出すだろう。こういう風にしろとか言われたら従うからずいぶんといい子だ、――わかんないことには、口出ししない】
【銃が怖いくせに自分の使う銃を選ばれているというのを少し忘れているみたいだった――いや、あるいは、全部の話をロッソがしているから、まだ実感が薄いのか】
【それか――彼に任せておけば悪いようにはされないと思っているのだろう。それもまた信頼を示す、一つのやり方で】
813 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 20:26:57.52 ID:qCp45IyO0
>>811
/わーごめんなさい!今から急いで追加するので少々お待ちください!
814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 20:27:04.74 ID:v/y5AqPS0
>>810
「悪人?」
「え!?こいつがッスか!?」

【この付近の店舗で泥棒があったとの通報があり】
【故に自警団手伝いのこの二人も、この近辺をパトロールしていたのだ】

「にしたって、こいつぁ……」

【一太刀の元に切り捨てられた死体】
【見事なまでに、ともすれば見惚れる程に、鮮やかな手並みだ】

「正義漢ってやつか?」
「ああ、俺達も、だな……」
「そうッス、ついでに黒幕も円卓も機関も全部敵ッス」

【男の質問にはそれぞれこう答えた】
【だが、そして当然の事だが、一つの疑問が浮かぶ】

「お前さん、何処まで知ってんだ?この件普通の野郎、ましてやそこらの人斬りじゃ察しもつかねえ、お前さん何者だ?」
815 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 20:29:50.89 ID:nbRTlKhn0
>>807

『最大限、人類の幸福に奉仕するように言われておりますので。』

【とよくわからないことを言い残し、厨房に消えていく。暫くすればいい匂いが漂うことだろう】

いや…あの…なんていったらいいのかしら。

【アンドロイドだから、といってもああだから言動が味気ないのかというアンサーの1つにはなっても】
【何故、カクテルを作れるのかは彼女も今知った。】

まあ、客では…ない…?私の…なんといえば…協力者?うーんと…何処を話せばいいものか。
取り敢えず居てもらってるんだけど。未知数な部分が多くて…取り敢えず、アンドロイド?らしいわよ。
ロボットともいえるけど…本人はヒューマノイドっていうし…まあ、そういうことよ。

【そうこうしていると、銀髪のアンドロイドは戻ってくる。サッと、カラトリーを置いて】
【それを見て麻季音も慌ててどっからか紙エプロンと紙ナプキンを探してなんとか持ってくる。洗練さもなにもない】

『お待たせ致しました。申し訳ございませんが、焼き加減をお伺いしておりませんでしたため、食材に合わせてお持ち致しました』

【眼の前に差し出される、ステーキ。付け合せまで簡単に用意されている。塩、胡椒、醤油にワサビ、赤ワインベースのソース。かけるものも準備万端だ】
【銀髪の言動とファッションが不釣り合いな彼女はこの場でできる最適解を提供することだろう】
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 20:30:58.71 ID:nbRTlKhn0
>>807 >>813
/お二方すみませんがお風呂に入ってきますので少しレス遅れます!
817 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 20:31:26.66 ID:qCp45IyO0
>>>>809>>811>>812

【出された紅茶――普段慣れているのはありふれたティーバッグだからこそ、それが良いものであるのはきっとすぐにわかり】
【カップは――まあ。これは……あんまり。食器にこだわる方ではないのだろう、きれいだなあと思いはすれど、どこの……というのまではよくわからなかったらしい】
【お菓子は。多分よっぽど変なものは出てこないだろうから、それは安心だろう。ありがとうございますとでも言って笑って、お菓子を一つつまんだなら】
【表情はひどくあっけなく綻ぶのだ。ワインだ銃だのには絶対似合わない顔――だっただろうけれど】

むう……、甘いお酒なら飲めるの、果物のお酒とか――、あ、
ぶどうって果物だね、じゃあ、もっと……ううんと、果実酒……、だめ?

【ちょっとむうとした顔はロッソに向けてか、それとも店主に向けてだったか。もうちょっと大人になったらなんて言葉は彼女には難しすぎる――物理的に】
【というよりも。そもそも未成年にしか見えないのだ、だのに甘いお酒なら、とか、果物のお酒なら、とか、言って。自爆して――つまり梅のお酒とか杏のお酒なら】
【とってもおいしく飲めるのだけど――と言う話だ、二十五くらいになると急にビールがおいしくなるらしいけど。今年で二十五にあるけど。到底難しそうに見え】

えっ…………と、

【どうでしょうと聞かれるからには自分も関わるべきだろう。だけど店主がいくつか持ってきたやつはどれも似たようにしか見えなくって、よく分からないし】
【こちらから――という時点ですでになんて言ったのか聞き取れないから呪文みたいだった、どこぞの珈琲店でやるやつより聞き取れないなら、びくっと肩が跳ねる】
【それで困っていたらロッソが店主の出したのを手に取っていろいろ確かめだすから――ああこれは自分が要らない奴だなと思うのだ。よかった、と安心して】
【そこから先は紅茶とお菓子を楽しむだけのひとになる――すぐそばの話なんて聞こえないみたい、ここはたぶん午後のうららかな陽光の差し込む室内だと思い込んで】

【――ただ、まあ。こういった高いような店で。連れが店の人間とよく分からない話をしていて。それで無意味に食い込んでくるほど、お行儀が悪くないなら】
【このお菓子おいしい、これよりこっちのほうが好き、紅茶おいしい、お菓子おいしい、おか――、そこで話しかけられて】

んん? 持つの? いいけど……。

【求められた通りに手も貸し出すだろう。こういう風にしろとか言われたら従うからずいぶんといい子だ、――わかんないことには、口出ししない】
【銃が怖いくせに自分の使う銃を選ばれているというのを少し忘れているみたいだった――いや、あるいは、全部の話をロッソがしているから、まだ実感が薄いのか】
【それか――彼に任せておけば悪いようにはされないと思っているのだろう。それもまた信頼を示す、一つのやり方で】

うぇ……う――、分かった……。

【ただ金はいい――と言う話になれば、ある程度までは目いっぱい抵抗しようというような顔をするだろう、だけれどそれは、一瞬だけのことで】
【マナー違反と言われてしまえば黙るのだ、不服そうではあったけれど――ひとまず相手を立てるのを選ぶ。文句があったら、それこそ、後で言っちゃえばいい】
【それこそお行儀が悪いみたいだけど――とりあえずこの場では、ひとまずの納得をするだろう。声は……やっぱり、不服そうな、それだったけれど】

/こちら修正版でっ!
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 20:32:54.65 ID:qCp45IyO0
>>816
/りょうかいしましたっ、ごゆっくりどうぞ!
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 20:39:07.52 ID:v/y5AqPS0
>>815

「アンドロイド?ヒューマノイド……なるほど、通りで……」

【その言葉に人間味を感じさせないわけだ】
【そして厨房からは、これはまた良い香りが】

「ふふふ……」

【思わず笑みが零れてしまう】
【麻季音とアンドロイドの女性との、このアンバランスさ】
【丁度いい、店内には人は居ない、この二人のこのアンバランスで興味深い光景を、楽しめる】

「ありがとう、すまない、この様な注文まで」

【ステーキが目の前に、ナイフとフォークを取りながら、そう女性に言う】
【ステーキにはソースをかけて】
【行儀よく切り、口に運ぶ】

「これは、旨い……」

【事実、程よく内部に赤身を残したステーキは、ソースと絡み、濃厚で豊かな肉の味を口に広げた】
【比喩ではなく、今まで食べたステーキの1か2を争うほど美味と感じた】

「このソースも自家製か?」

【銀髪の、そのアンドロイドの女性に聞いた】

「ああ、そう言えば君達の名前を聞いていなかった、何と言うのだ?」
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 20:40:06.72 ID:v/y5AqPS0
//>>815了解しました!お待ちしてます
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 20:40:56.95 ID:NYfUDm2z0
>>814

「そう、この人は悪。……後で盗品返してこないとね」
「バッグ血まみれだから別の何かに入れないと」

【手に持っていたバッグを地面に優しく置く。……バッグの血が付いたりはせず】
【上手に持っていたのか、あるいは何かしらの方法で防いでいるのか】

「いや、僕も悪人だよ。人は[ピーーー]し、上からの命令で窃盗もした」
「――でも、それで良いんだ。僕の正義は世間の悪、ってね」


「……そうだね、僕は"黒幕絶対許さないチーム(仮)"のメンバーの1人さ。」
「どこまで知ってるかって、見ず知らずの人にあまり明かしたく無いところだけど」
「……まあ、あの法案を潰すなら、黒幕も潰さないとならない。辺りかな」

「普通の人なら黒幕なんて聞いてもさっぱりなはず。どうやら君たちも色々知ってるみたいだね」
「――円卓って僕、初耳なんだけれども。ねぇ、教えてもらえるかな? それのこと」

【口は微笑みの形、目は……全く笑っていない。早く教えろと言わんばかりに圧力をかけてくる】
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 20:54:24.50 ID:v/y5AqPS0
>>821
【意外にも男性には血の跡は見られなかった】
【バッグの血を気にする辺り、配慮も出来る様だ】

「行きついてやがるな、考えが」
「悟りッスねある意味」

【自分の存在も悪と認め、それでもその正義を遂行する】
【ある意味、この世界を象徴するかのような考え方なのだろう】

「"黒幕絶対許さないチーム(仮)ッスか?」
「UTか何かか?まあそこまで知ってるんだったら、只者じゃねえな」

【風の国を中心として動いていたこの二人も、UTとセリーナの名前は知っていた】
【やがて円卓の話が出ると】

「……それを教えるには、先ずはお前さんの詳しい所属と名前を聞かにゃならねえな」
「水の国自警団手伝い、『万事屋アパッチ』ビリーだ」
「……マリーッス」

【ここに来て、ようやくと、その名前を名乗った二人】
【だが、目の前の男は目は全く笑っていない、なんとも恐ろしいその雰囲気に飲まれそうだ】

「(兄ィ、あいつ怖いッス……)」

【この場でこの男とまともにやり取りできるのは、この男性ビリーだけかもしれない】
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 21:10:52.31 ID:NYfUDm2z0
>>822

「……そこまで知っていたか。」

【ここまで情報を持っているとなると、あまり隠していられないか】
【なんて思った彼、頭を抱えて軽く横に振る。――やれやれ】

「仕方ないね。」

「僕はレオーテヴュート。さっき言ったチームにゴミクズ上司の手によって強制加入させられた身であり、そして……」
「……察しの通りUNITED TRIGGERのメンバーの1人だよ。去年、退団届けは出したけれども、なあなあになってる気がするね」

【セリーナのことだから、きっとそんな気がする……なんて呟いて。】
【登録はおそらく正規の手順で行ったが、退団は届け1枚バーンと置いて終わり。どうなったのかは、彼にもよくわからない】

「自警団、……じゃあなくてその手伝いなんだ。少し珍しいかも、いやわからないけれど。……自警団も色々と忙しい感じなのかな?」

「……あ、で、円卓ってなにかな?」

【こちらの件はなあなあにならなかった。顔付きは優しいが、態度はぜんぜん優しくない。】
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 21:25:50.19 ID:v/y5AqPS0
>>823
「なるほどな、まあUTとなると、話は別だな」
「兄ィでも退団してるみてえッス」
「あん?あの組織退団とかやってたか?」

【なんて会話を交わしながら、この男レオーテヴュートの立場を理解したようだ】

「ああ、忙しいみたいだな、俺らも殆ど無理矢理、強制的にやらされてるからなこれ」
「さっきの組織に加えて、今はレヴォルツィオーン社って企業も敵ッスね確か……」

【この部分は少し嫌々が滲み出るように、最も報酬は貰えるし色々悪くない部分はあるが】



「正直クソ上司ってのも気になる所だが、まあいいか」
「いいかー、円卓ってのはだな……」

【レオーテヴュートの立場を理解したのか、こちらも構えは幾分かは解けた】
【だがやはり、恐怖は隠せない様で、マリーも極力距離を取っている】
【円卓に関して基礎的な情報を伝えた】
【無論、直接の接触があるわけでも無いため、幾分かの欠如はあるが、概ね伝わっただろう】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 21:43:37.96 ID:NYfUDm2z0
>>824

「なるほどね。本当、上の立場の輩がうるさいと面倒で困るよ」
「……レヴォルツィオーン? …………その会社が、君たちの敵?」

【念の為だろう、ポケットから取り出した携帯端末を操作し、そしてとあるメールに辿り着く】
【――バッチリと、レヴォルツィオーンの奴と組んだからよろしく、なんて感じの事が書かれていて】

「…………いや、うん、これはちょっと事情聴取が必要な気がしてきた」

【そして携帯を画面をOFFにすれば、それを再びポケットにしまう】
【だが、少しの間フリーズしていたため、その隙に覗き込めばメールの内容――>>639の一部が見れるかもしれない】


「クソ上司はそうだね、見つけたらボッコボコにしてもらって構わないよ」

「……なるほど、ありがとう。ごめんね、ちょっと威圧しちゃって」
「黒幕だけじゃあなかったんだね、今回の闇は」
「まあ、黒幕よりはマシかな? ……どっちもどっちか。」

【円卓については上司改めゴミから一切聞いていなかった、故に現在自分は円卓に関わっているのかもわからず】
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 22:00:09.14 ID:nbRTlKhn0
>>817

【退屈を凌ぐには十分なお茶菓子と気分の良い内装の部屋だ。――銃器さえなければ】
【ロッソは話し込んで、どこがどうだと細かくきいて、分解したり組み立てたり…】

【店主は鈴音を単なる少女。強いて言うなら銃を持つぐらいだから面倒事に巻き込まれた幼気な少女】
【とでも思っているのだろう。まさかの真実はきっと知ることはこの先無いだろう。そしてワインが美味しくなるのも】
【まあ暫くはないだろう。その前に拳銃が撃てるようになっていると思われる。】

じゃあ…鈴音も問題なさそうだしこれにしよう。あとはトリガーの遊びをもう少し持たせて――――

『それがいいでしょう。スライドも特殊研磨されたものに変えればコッキングの際のストレスが―――』

【どの拳銃にするかは決まったようだがまだ話はあるようだ。こんどは何処をどうカスタマイズするかの話し合いだ】
【できるだけ軽くて持ちやすくて力がいらなくてもいいように細かく合わせていく。値段にすると2丁買うのと同じぐらいだ】

…待たせたな。というわけで、これを使ってくれ。

【テーブルに置かれた、拳銃。セリーナが持つようなのに比べたらだいぶ小さいが飾り気のない黒で、可愛いさみたいなものはゼロに等しい】
【ワルサーPPS。それがこの名前だがまあ何だって構わないだろう。持ってみれば重さは大体、500のペットボトルぐらいで思ったほどでは無いはずだ】
【小さくて持ちやすく、ロックもしっかりしている。護身用には十分すぎるぐらいで、戦える。ソムリエは完璧に応える。】

使い方は…コレに、弾を入れる。いれたマガジンを、ここに入れて。ここを引っ張る。コレがセーフティだからちゃんと上になってることを確認して。
撃つ時は下にする。撃つのをやめる時はセーフティを上のまま、ここを引っ張りつつここのボタンを押す。

【彼は簡単に説明するが別に全部此処で覚えてもらおうとは思っていない。他にも分解清掃の仕方、アタッチメントの取り付け方、ホルスターの…色々】
【説明しなきゃいけないことは多い。銃ってのは便利そうで意外と面倒が多いのだ。】

UTにレンジあるだろ?的とかある練習する場所。…慣れとくことだね。
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 22:01:09.55 ID:v/y5AqPS0
>>825
「そこがってか、そこもだな、どうにも敵の一つらしいぜ」

【妙に他人事な話し方をするのは、そのどれともまともな接触が無いからである】
【敵とは言うが、実質この二人を雇っているある人物の敵だ】
【故にこの二人とは本来縁もゆかりも無いのだが、ひょんな事から乗りかかった状況だ】

「事情聴取?っておいおい、話の最中に女とメールですかー?コノヤロー、何処の女……」

【軽く覗き込んだのが間違いだった様だ】
【そこにはきっちりとレヴォルツィオーンの文字……】
【一気に後退する二人】

「あ、あんた……本当何者?」

【そして】

「有り難くないお話だ、見つけてもシカトする」

【最もこの二人では、その上司に逆にボコボコにされかねない】

「まあな、だから色々と大変なんだよ」
「勢力は単純でもなく、簡単でもねえ、一つじゃねえんだ」

【複雑を極める状況だ、それらが密接に絡み合って】
【密接に関係を築き】
【そうして、今の状況がある】
【故に、故にだ……】

「俺らも戦わねえとなんなくなっちまった、ってわけだ」
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 22:11:07.54 ID:nbRTlKhn0
>>819

まあ、その?…わかって貰えたのなら。

【麻季音は逆になんでそれで納得できるのか不思議でならなかった。一体どこのアンドロイドが】
【器用にステーキも焼けるのか聞きたかったが、厳島の見た目と客という立場からそう失礼な真似はしなかった】

『構いません。私に可能なことならばなんなりと。』

【綺麗な一礼をして、カウンター内で立ち尽くすアンドロイド。姿勢は完璧であるがまっすぐ前を見て表情は無である】
【一体その目線の先に何があるのかとききたくなるがそのへんはアンドロイドらしい。】

美味しいんだ…

【麻季音はさらに混乱する。何処で学んだのだろう。色々と世界の危機とかやることはいっぱいあるはずなのに】
【BARとステーキハウスで修行でもしていたのだろうか。それとも生みの親がグルメでその機能を重点的に強化していたのだろうか】

『肉質にあうソースを調べたところ、適当と思われるものをご用意致しました。』

【素直に肯定する。今の所愛想以外は完璧と言えるだろう。そこにいる少女よりよっぽど店員に向いている】

私は初瀬麻季音。そのあの…ロボットは…

『人間を模している為、ヒューマノイドという表記が最適と思います。ゾーイです。以後、お見知りおきを。』

【マナーの教科書に表記された礼の角度と1度も変わらないのでは無いかと思われる一礼と見合わない無表情さ。クールさは今の所絶対零度だ】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 22:16:21.25 ID:NYfUDm2z0
>>827

「……ひとまず、僕たち"黒幕マジFuckチーム(仮)"の敵か否かの確認からかな」

【もとより機関の者とも組んでいるチームなのだ、彼らの敵であっても自分たちの敵ではない可能性もある】
【――溜息が思わずこぼれる。本当やってられない、なんて心の声が聞こえてきそうで】

「僕はさっき言った通りの存在だよ。ただ、ファッキン上司がちょっと面倒な輩なだけ」

【きょろきょろと辺りを確認し、そしてとある壁に貼られたポスターを指差す】
【――この顔にピンときたら即通報! 懸賞金いっぱい! 罪は色々! 召喚士の悪魔、"邪禍"】
【なんて文字と一緒に、人間、半悪魔、悪魔の3枚の写真……やたら写りが良く表情もいきいきとしたそれが貼られていて】

「大丈夫、あのポスターの相手は聖属性や退魔・除霊の類が効果抜群。それ系を持った棒をケツにぶっ刺せば何とかなるから」

【にこにこ。変わらぬ優しげな口調から繰り出される無茶振りだ】


「状況は単純明快じゃあない、ってことかあ。」
「まあ、僕たちのチームは黒幕潰したら解散。つまり、その後円卓を叩きに行くのも自由なんだろうし、そうしようかな」

「うん、互いに頑張ろう。黒幕が敵ってところまでは共通してるみたいだから――」
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 22:23:36.53 ID:v/y5AqPS0
>>828
「世の中には機械人形と言うものがある……」
「私の部下が、人間の少女と寸分違わない機械人形と会ったと言っていた」

【まあ、そんな存在が居れば、ステーキを焼きカクテルを作るアンドロイドが居ても不思議はない、と】
【むしろ、余程機械らしいと思って】

「ああ、最高だ」
「君も今度作ってもらうと良い」

【美味しそうにステーキを完食する】

「最高のステーキだった、ありがとう、やはりソースも自家製だったか……君を作った人物は極めて優秀なのだろう」
「一体、何処で製造されたんだ?」

【余程の技術を有す職人か、はたまた企業か】
【いずれにしても、賞賛に値すると言える】
【幾分か、この機械的な表情や声にも慣れてきたようだ】

「麻季音にゾーイか」
「私は、櫻国海軍中尉厳島命だ、よろしく」

【諜報員にしてはすんなりと身分を明かしたのは】
【ここUTでは既に名乗っており、偽名や偽装の身分を明かすのは逆に良い事ではない、そう考えたからだ】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 22:24:23.43 ID:qCp45IyO0
>>826

【ついでに言えばビールもしばらくは駄目だろう。そのくせわりに度数の高い蒸留酒は大丈夫だったりするのだけれど――とは余談】
【そのくせ焼酎は嫌だのなんだのわがままは一流だった――というより。妙に強すぎて酔わないせいで、味ばっかり気にするのだ、甘くて、飲みやすくて、おいしいやつ】
【それがだいたい彼女の一番欲しがるもの――だけど。おいしい紅茶とおいしいお菓子があればそれに勝ることはない、緑茶と櫻の菓子ならもっといいけど――】

………………。

【よく分からない話をしてるひとたちを眺めていた。知っているというのがどれだけ強い武器になるのかを薄っすら考えながら――ぼうとしているだけに見えたが】
【それは知らないから彼らの話を理解できないだけに過ぎず。理解できないから話に入れないから仕方ないだけで――また一つお菓子を頬張るから】
【この短時間で割と大量のお菓子が消費されたことだろう。紅茶も結構減っているから――意外と食べるタイプ、らしい】

え、えっと――、これ? 

【――だけれど、いつまでも無関係ではいられない。というよりも一番の重要人物だろう、だって、彼女自身が使うものを、選んでもらっていたのなら】
【専門的な話が終われば――というよりも名前を呼ばれて「これだ」と言われれば、目をぱちぱち瞬かせ。当然"これ"がどんな名前かも知らないなら、感想としては】
【ひとまず可愛くはないなというか、黒いなあというか。――当然なのだけれど、これが自分のものだと言われると、やはりまだどこか、少しだけ、他人事のような気持ち】
【彼女にとって銃と言えば怖いもの、怖いがいっぱい並べてあるので見るだけなら平気になりつつある――という印象が強い。だからか、ここで初めて少し強張り】


えと……、……。

【それでも。まだ大丈夫だった、ここはそういう店で、よく分かっている人間が最低二人は居て。敵は居なくって、ならば、ここに居る限りはゆっくりでもいい】
【少しおっかなびっくりという様子で選んでもらった銃を手に取る――ものの、ひどく拙い手付きだろう、ええと、とか言いながら、なんとなくそれっぽく】
【それでいて引き金はそうじゃないときに触らないと言われていたのを覚えていたなら相当気を付けているのかかえってぎこちなくなって、それはもう素人らしさが溢れる】

レンジ……? セリーナが全部穴ぼこにしちゃってる、やつ?
…………う、ん、練習、してみる。……えっと、どうだったら――上手?

あっ、あとね、どこに持ってたらいいの? こういうのね、持ってたこと、ないから……えっと――、鞄の中?
――あ、セリーナがしてるみたいなやつ、使うの? わたしね、わたしの刀は、その――、どこからでも出て来るの、だから、持ち歩かないし……。

【――これはある種しょうがないことだろうか。銃の話をするとき彼女はよくセリーナの名前を出した、一番近しいガンナーとして思い浮かぶのは、やはり彼女であるらしく】
【UTのレンジ(よく分からない)は穴ぼこらしい。理由は簡単でセリーナが穴ぼこにするから。だけど練習はしてみると頷いて――上手の基準も、よく分からないから聞いて】
【あとは――持ち歩き方だろうか。見て分かる通りに得物を持ち歩いていない様子の彼女は、銃に限らずそもそも何か武器になるものを持ち歩く、という経験に乏しく】
【一度目口にしたのはたぶん違うだろうと本人も分かって、それから"セリーナがしてるみたいなやつ"……ガンベルトだろうか、尋ねて】
【一度銃を机の上にきちんと置いてから――説明するみたいに虚空に伸ばした手、そこできらりと桜色の魔力光が瞬いたなら】

――――だからね、わたしね、こういうの、どうやって持つのか……。

【そこに"ぱっ"と、鞘に納められた櫻の刀が現れるのだ。黒塗りの鞘、細かく彫り込まれたのは桜花の模様で、ならばこれもどこか芸術品のように美しい】
【そもそも鞘と合わせて観賞用であるかのようなひと振り。こういう風にいつだって出せるから――どういった風に携帯していればいいのか、本当に、知らないみたいだった】
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 22:34:21.71 ID:v/y5AqPS0
>>829
「おい、チーム名変わってるぞ……」

【だあ、ここでその話題の上司が判明する】
【賞金首の悪魔、邪禍】
【二人は思わず顔を見合わせ】

「「悪魔かよオオオオオオオオオオ!!」」

【この二人とは比較にならない程の懸賞金の額】
【恐らく強さも、写真が妙に生き生きと明るいのも逆に恐ろしい】

「無理無理無理!んなもんケツに辿り着くまでに5回は殺されるわ!!」

【こいつ絶対にS、それも弩級のS、つまりドSだ】

「まあな……あー一応念の為だ」
「連絡先交換してもいい?」

【この先、あるいは共闘もあるだろうか、と】
【携帯端末を出しながら】

「まあ、色々大変みてえだけど、色々頑張ろうやお互いな」
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 22:40:44.36 ID:nbRTlKhn0
>>830

貴方は随分と…柔軟な思考の持ち主のようね。器が広いとでも言うのかしら

【麻季音は驚きつつ、自分の偏見を反省した。科学者でありながらそういった既成概念にとらわれるのは良くない】
【むしろ知識を無駄に蓄えているからこそそこから外れたものを恐れるのだろうか。そう感じたが】
【技術的な問題と料理ができることを受けいるのは少し違うのではないかとも思う…】

いただきたいものね…。

『ステーキを提供するのは構いませんが、一般的なまかないの域を逸脱しており、その分の材料費は初瀬麻季音が負担すべきと存じます。』

なっ…!…じゃあ、ハンバーグなら

『………』

カレーライスは…

『了解致しました。』

【不満げな表情の麻季音と対称的なゾーイ。なんでもかんでも無条件でいうことを聞くわけでもないようだ】

『主幹開発者はロベルト・フォルケン博士です。開発元はオーウェル社となります。』

櫻…櫻の国の軍人て…この間聞いたような…

【麻季音は別のことが気になっていた。すぐさまPCでデータを探す】

もしかして…那須翔子の上官の方?
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 22:49:00.03 ID:NYfUDm2z0
>>832

「いやあ、だって正式なチーム名知らないし」

【大体あってるから問題ないんじゃあないかな、とまでは言わなかったが】

「大丈夫大丈夫、君たちタッグでしょ?」
「まず1人が……まあ、良い感じにおびき寄せて注意を引く」
「で、もう1人が、その隙にケツにこいつをぶっ刺す。ね、簡単でしょう?」

【ポケットから取り出されるそれは短槍である。明らかにポケットに入るサイズではないが……槍先は鋼鉄製、柄は何かしらの木だろう】
【――槍を持っている手の方の、彼の前腕が白くなる。淡く光る水色の模様もあって】
【その手によって槍先に籠められるエネルギーは、聖と魂砕。こいつ、ガチで殺らせる気か】

【(なお、それなりに強力なエネルギーが籠められてはいるが、ケツにぶっ刺しただけではおそらく奴は死なない。むしろブチ切れて大変なことになる)】

「そうだね、これも何かの縁。君たちが黒幕に仇するならば、きっと僕たちと接触することになるだろうし」
「ちょっとまってね、携帯携帯……この槍邪魔だなぁ……」

【槍を持っていない方の手で携帯を取り出し、そして操作。何かしらの妨害などが無ければ連絡先の交換を行うだろう】

「そうだね。大変だけれども、無視するわけにはいかないもの。うん」
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 22:54:54.56 ID:v/y5AqPS0
>>833
「そう言うわけでも無い、ただそういう事もあるのかもしれない、と思っただけさ、何となく、だがね」

【麻季音の言葉をやんわりと、こう答えた】
【何か一つに知識の依代を依存しない、多方面から一を観察する】
【自ずと世界は見えてくる、と】

「ふふふ、愉快だな君たちは」

【案外といい相性のコンビではないだろうか】
【そう思えてくる二人のやり取りに、思わず笑いが零れる】

「カレーなら私も得意だ、海軍カレーと言うやつでね、乗艦のレシピでよければ、だが」
「ロベルト博士にオーウェル社、知らない名前だが、しかしいい企業と技術者なのだろうな」

【やがて話は】

「ん?いかにも私が那須曹長の上官だが」
「麻季音、君は何故那須曹長の事を知っている?」

【自分の存在よりも先に、来たことも無い筈の部下の存在が知られて居た事に】
【かなりの疑問を感じ、そう聞いた】
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/27(火) 22:56:44.02 ID:Oo4yrbMyo
【『To:xxxxxx@xxxx.xx.xx』】
【『from:xxxxx@xxxxx.xxx』】
【『件名:赤木怜司です』】
【『本文:』】
【『はじめまして、赤木怜司といいます。邪禍さんからこの連絡先を教えてもらいました』】
【『公安や黒幕に対抗するために協力する、という約束を邪禍さんとしました』】
【『その際に資金源含む協力者としてミラさんの紹介をしていただきました』】
【『つきましては、一度顔合わせをしていただきたく存じます』】
【『場所、日時は──────。目印は白衣と”機械人形”です』】
【『よろしくお願いいたします』】


【──────】
【────】
【──】


【路地裏】

【件のメールがある日に赤木からミラへと送られた。約束の日時、指定した場所に赤木は来ていた】
【二十代中盤の外見年齢。黒髪に眼鏡をかけた青年。背広なしのスーツ姿の上に、目印となる白衣】
【腰の右側には自動拳銃の入ったホルスター。傍にはもう一つの目印である”機械人形”】

【全体として女性的な印象を与える流線型のフォルム。全身は銀色に輝く装甲に覆われている】
【その人形は赤木の手の動きに合わせて複雑な動作を取っていた。動かしているのもまた、気付きやすくするためだ】


//タコさんよろしくお願いします!
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 23:01:17.50 ID:nbRTlKhn0
>>831

【ロッソは既にボトル事置かれたワインを飲みながら、鈴音にレクチャーしていく】
【その間もソムリエは、給仕にまわり、紅茶もお菓子もまた完璧に用意して、挙げ句に新しいバリエーションで飽きさせないぐらいだ】

そう、これ。…そういうもんだよ。へんにピンクとかの方が気持ち悪いぞ?本物か偽物かわかんなくなるから危ないし…

【多分このソムリエはこの拳銃の色を可愛らしいカラーリングにすることもできるのだろうけどそれはロッソが止める。】
【一応、人を殺傷できる武器なのだから。ある程度緊張感があったほうがいいというのが持論というか一般論的な話だ】
【こんな男でも一般論の1つや2つは知っているようだ】

そうそれ…取り敢えず、当てたいところに当てれるようにならなきゃね。弾の飛ぶ距離も決まってるから。射程を体で覚えておかないと
それに…音、大きいから。いちいちびっくりしてたら…いつまでも使えないしね。

【こうやって持つんだとかそういう話をしながら、ここにきて本当に彼女は銃なんて扱えるのかどうか不安になってきたが。それでも頑張ってもらわないと】
【使えないよりはずっといいはずだ。闇雲に撃つような真似はする娘じゃないし、おっかなびっくりのほうが車の運転と同じで適正的にあっているかも知れない】

もつ…持つねえ。…上着を着てるなら内側とかにホルスターで…セリーナのやつみたいなやつね。それで持っておくほうがいいと思うけど。

『女性はその日で服装を選ぶものでございます。できるだけ肌身離さずお持ちいただいて意味があるかと思います。』

【ロッソは煙草に火をつける。一通り終わって、一息つきたくなっていた。鈴音の持ち出した刀を眺めて感嘆を漏らす】

便利だな…これさえあれば、セキュリティを突破して暗殺もお手の物だ。
というより……そういうもの、持ってたんだな。

【物騒な物言いは前職の価値観をそのまま感想に持ってきてしまったせいだ。それぐらい、武器の持ち運びは彼も悩ませる】
【そして思い返せば鈴音が戦えるなんて思っても居なかった。刀を取り出すなんて上等な真似を急にされたものだから驚いた】

『歴史的に女性貴族や諜報員はスカートの内側や足の腿、袖の内側、胸元、帽子の中、化粧道具のなか…そういったところに忍ばせておるものでございます。』

兎に角…人から見えるような場所は鈴音は…やめといたほうがいいかもしれない。できるだけ隠して、持って歩くことだ。
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 23:02:44.24 ID:v/y5AqPS0
>>834
「いや待て待て待て!」
「それ今どっから出した!?てか何で持ち歩いてんのそんなもん!」

【目の前に出されたのは短い鎗、それでもポケットに収まるサイズでは無い】

「いやいやいや!なんでケツ限定!?ケツに恨みでもあるの!?」

【かなりの属性エネルギーを感じる】
【並の魔性ならば一撃だろう】
【最も、何故尻限定かは解らない、彼は痔か何かだろうか?】

「よし、これで大丈夫だ」

【無事に連絡先を交換】
【端末にはビリーとマリーの連絡先とメールアプリの連絡先が入っただろう】

「まあ、何かあったらメールするわ、そっちも連絡くれよ新しく何か解ったら、な」
839 : ◆DqFTH.xnGs :2018/03/27(火) 23:12:40.54 ID:HJLBTBUlO

────機械人形、ねぇ

【メールを受け取った時、最初に紡いだ言葉がそれだった】
【正直言って、最近機械人形には良い思い出がない。精巧に人を模したアンドロイド、なのであれば話は別だが】
【機械人形。響きからして、無機質に光る銀。タフで扱いが面倒なモノ】

【──仕方ない。邪禍からの紹介とあっちゃ、向かわないわけにもいかなかった】


>>836
【当日。機械人形を動かしている彼の元に、約束の時刻通りに現れた女がいた】
【赤いコートに赤い靴。髪もインナーも、何から何まで赤い女。唯一、目だけが金色をしていたが】
【──少なくとも、前評判通りの“タコ”というわけではない。タコ要素があるとするならば、赤いことくらいだろうか】


…………はっ、邪禍の紹介で来てみりゃとんだクソナードって感じじゃあねぇか、んん?
おまけに胸糞悪ぃクソロボットまでいやがる!

おい、赤木ってぇのはあんたでよかったか?
レヴォルなんとかの開発部門で…………あぁ、後なんつってたかな
異能を……あぁ、そうそう。異能封じ対策が出来るってぇ話だったけど、よぉ?
それと────そのクソボット、ひっこめたりは出来ねぇのか


【左手をコートのポケットに突っ込んだまま、いきなり女は品のない言葉を浴びせてきた】
【恐らくは彼女がミラ……なのだろう。代理人という可能性も否定はできなかったが】
【彼女が話している内容自体は、先日邪禍と彼が話した内容と一致しているはずだった】
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 23:17:41.85 ID:nbRTlKhn0
>>835

私は、すべての可能性までに目を向けていられるほど器用じゃないの。

【自嘲気味に話す。科学者的な見方というのはこういうときに不便なのだと気付かされる】

愉快?…そりゃあ、よかった。まさかアンドロイドに手玉に取られる日が来るとは…

『ヒューマノイドです。』

【間髪入れずに訂正され、麻季音はバツの悪そうな顔をしてる。私にだけなんか厳しくない?】
【そんな疑問もわきつつ、ゾーイの顔を見てみるがいつものとおりに無表情だ。不思議である】
【一体何をどうしたら此処までのものが出来上がるのだろうか。それはまだこれから解析する】

『是非、ご教授いただきたく思います。。カレーのレシピは今の所6種類記憶してあります。また、
食べたもので75%以上の再現性を見込めるものを含めますと10種類可能です。』

……アンd…ヒューマノイドなのに食べれるのよ。栄養やエネルギー供給システムでは無いようだけど。

【麻季音はそんなことよりも厳島が博士やオーウェル社を知らなくてホッとしていた。もし知っていれば】
【黒幕やソラリスなど厄介な話をしなくてはならないからだ。勿論、白を切っているということもあるが。このまま】
【触れずに終わるならそれでいい。それにしてもゾーイにあまり口にしないよう忠告しておくことを忘れていた。】

少し前に伝言を頼まれたのよセリーナさん宛に。正確にはセリーナさん経由で貴方に。何でも部下の那須…さん?が
レヴォルツィオーン社の施設に潜入したって伝えるように…って。内部告発者さんが教えてくれたわ。
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 23:17:47.30 ID:NYfUDm2z0
>>838

「ふふふ、ちょっとした裏技かな? ――これは僕の研究の成果だよ」
「まあ、槍は持ってて損ないもの。いざという時に役立つから」

【あ、欲しい時あげるよ――と付け足す。差し出しているわけではないが、手を伸ばせば渡してくれるだろう】

「まあ、せっかくだしマヌケな感じでくたばって欲しいかなーって思って」
「アイツ集合体みたいな存在だから、頭や心臓潰した程度じゃあ死なないもの。属性ダメージならどこ狙っても大体一緒の効果を発揮するしね」

【恨みの籠もった眼と口調。――上司である悪魔のことがよほど嫌いなのだろう】
【弱点やら何やらをどんどん提供していくスタイルだ】

「よし、ありがとう。……邪禍の連絡先は要らないよね?」
「イタズラで各種サイトに登録したいとかなら喜んで提供するよ」

【まあ、そこそこ登録済みなんだけど。――画面を見て、2人の連絡先が追加されている事を確認、そしてポケットにしまう】

「うん、何かあったら連絡するね。……それじゃあ、僕はこの辺りで盗まれた宝石返しに行ってくるけれど、大丈夫かな?」

【他に何かが無ければ、彼は路地裏のどこかへと立ち去っていくだろう】
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/27(火) 23:22:49.22 ID:qCp45IyO0
>>837

ピンク……ピンク? そんなので殺されたら一生化けて出そう…。

【それでも――誰かが見ているところで。一通りを見てもらいながらやるというのは覚えるにはいいだろう、正解を最初に知っておくのが、一番いい】
【そのあとのことは――彼女自身の努力次第になるだろうから。真っ先に触れたときに見てもらいながら、触り方を覚える。ただやはり素人であるものだから】
【時々変な風にしてしまうかもしれないけれど――それも、よく慣れた人間が二人も居ればお叱りを受けるだろう。そうやって覚えるはずだ、今はチュートリアル中】
【とりあえず彼の言葉でやっぱり黒くてよかったと思い直しはしたようだ。かといって殺された側が化けて出てきそう――という理由は、どうかと思うけど】

当てたいとこと射程……。
音は――……うん、おっきいの、知ってる……。びっくりするの、だめ、だよね、――、

【当てたいところに当てる。やっぱり目指すところ単純明快、脅すだけなら――素人相手なら、へんなところでも撃てばいいのかもしれないけど】
【かといってこちらも素人であちらも素人でへんなところを狙って――というのを考えたら、やっぱり、ある程度はできるようになっておくべきだろう】
【当てたいところに当てることと射程に慣れること。それもまた覚えこむ、音は――大きいのは知っている。びっくりしない練習は、少し、時間がかかりそうだけど】
【おっかなびっくりでも話はきちんと聞いている――けれど、やはりどうしたってびびりながらだった。そうしてしばらくいじくりまわしていたのだけど】
【途中でちょっと気疲れしたみたいに、紅茶とお菓子を一口。新しい面子が出てきたなら食べるべきだろう、お菓子もそれを望んでるし――】

上着……、これかの時期、脱いじゃう、暑いのね、苦手なの。ゆだっちゃうから――、お洋服の内側……。

【上着――彼がそうしていたみたいに、だろうか。ならまだ少しイメージも浮かびやすい、けど、これからの時期はどうしたって薄着になる】
【厚着はしないが薄着もしたくないのは彼女自身の都合だから別に口にだしやしないけれど――あんまり上着なんてずっと着ていられない、なんてわがまま一つ】
【服の内側――といっても。彼女のような服装だとどうしたって目立ってしまいそうだった、隠せそうなところをぺたぺた触って探すけれど、思い浮かばない】

――うん、持ってるよ、これはずーっと昔から……。もう一つあるけど、それは返しちゃった。
牙のない蛇ってね、恰好悪いでしょ――だから一つだけなの。だけど、これは――、ちょっとね、殺しすぎちゃうかな……。

【ほんの少しだけ椅子に寄り掛かる、刀は足の間に通して――すらと刀身をわずかに抜けば、あまりに磨かれた刃は周りを映しこみ透明かと一瞬錯覚するほど】
【だけれど次の瞬間には滲みだしたような水が纏わり――到底普通の刀ではありえない様相になる。室内だからかあまり水をこぼさないように、またすぐ収めてしまって】
【それで鞘をぽんぽんと叩く、もう大丈夫だよってするみたいに――そうしたら、また、きらりと光って消えるのだ。それで両手を空っぽにすると】

スカートの中とか腿って、どうやってするの? わたしね、ずーっとこういうお洋服だよ、好きなの。
スカートの中なら、誰かに見せたりって、しないし――、見られたらそれ以前に蹴っ飛ばしちゃうけどっ!

【スカートの中、腿、袖の中、胸元、帽子、化粧道具……並べ立てられたいくつか。一瞬考えるようにした少女は、そう尋ね返すだろう】
【それで言って――言うのと同時にスカートの裾をひらとつまみ上げるのだ。それだけでわりに上等な布地の下には、パニエを幾重にも仕込んでいたから】
【なるほどこれなら少しくらい何か隠しても外からは見て分からなさそうなのだ。袖はともかく胸は薄いし帽子はかぶらないし化粧道具は――多少は持っているけれど】
【座っているのにこんなに膨らむほどのパニエ。ぺらっと持ち上げた裾を落とせば、そのふわふわのスカートに腕を埋めるみたいにして――それが良さそう、と】
【ちょっと子供っぽく笑ってみせた。怖いとか扱いはともかくとして――新しいことをやってみたり考えたり。そういうのは割と、嫌いではないタイプらしい】
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/27(火) 23:27:23.91 ID:Oo4yrbMyo
>>839

【足音がした瞬間、その青年は素早くそちらを向いた。警戒している、といった様子で】
【だが相手が約束した人物だと分かると、露骨に安堵した表情を浮かべる】
【それから両手の五指を動かして機械人形に直立の姿勢を取らせる】

【「ど────」】
【どうも、と言って挨拶から始めようとした赤木だったが、言葉が止まった】
【何故なら相手が先に口を開き、その内容がどうにもこうにも友好的でないというか】
【有り体に言ってしまえば、ショックを受けるようなものだったからだ。酷い】

【青年が浮かべようとしていた愛想笑いが引きつり笑いへと変わる】
【だが、よくよく考えてみれば紹介してきたのはあの、”あの”邪禍である】
【まともな人間が来ると期待する方が間違いなのではと思えてきた。そもそもタコだと聞いているし】


…………タコじゃ、しょうがないか


【がくっと肩を落として、酷い言い草を相手がタコだっていう理由で何とか耐える】
【それがつい口に出てしまっているあたりはこの青年もまだ詰めが甘いのかもしれないが】
【ともあれ、彼は心を持ち直した。何とか、持ち直した】


えーっと……何だっけね……

そう、俺が赤木怜司で、邪禍さんの紹介で、別にナードじゃないよ……
レヴォルツィオーンの開発部門だけど、あそこの悪行は嫌っていて……

それで、異能封じは原理が分からないと何とも言えなくって……
それからこれは引っ込められないよ……護衛みたいなものだからね……


【持ち直した、と言ったがあれは嘘だ。まだ落ち込んでいる。ショックから立ち直れていない】
【淀んだ瞳でミラを見つめながら、質問やら何やらに一つ一つ答えていく】
【メールの文面よりも砕けた口調になっていたが、それは礼儀を保つのがどーでも良くなったせいである】

【ミラは嫌がっていたが、赤木は機械人形を下げたりはしなかった】
【直立不動のまま、目に該当するパーツがじーっとミラに向けられていた。じーっと】
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 23:28:14.19 ID:v/y5AqPS0
>>840
「本当、愉快だ君たちは、いいバディだ」

【コミカルな、しかしゾーイの方は至って変化のない様子だ】
【その変化の無さすら、コミカルな対応に思えてしまうほどに】

「解った、今度厨房を借りれるならば、教えよう」
「そして、すまないが『アレキサンダー』を頼めるかな?」

【知らない企業だった、あるいはまだ目立って此方と交戦状況に無い故か】
【兎にも角にも、黒幕を追うならば、機関を追うならば、何れは接触する事になる相手だろうが】
【だが】

「セリーナが!?」
「何、何だと!!麻季音それはいつの事だ!?」

【さっきとは表情が一変している】
【かなり慌てた、厳しい様子で麻季音に聞いた】
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/27(火) 23:34:33.18 ID:v/y5AqPS0
>>841
「ああ、じゃあ一応……ケツには刺さねえけど」

【鎗を受け取った】
【何かの時の為に、と言うか貰える物は貰っておけ精神】
【正直卑しい】

「じゃあ余計無理じゃん!絶対勝てねえじゃん!!」

【悪魔、というただでさえ厄介そうな相手だ】
【そのうえ集合体と来る、この二人では仮に弱点を押えても、ものの数秒でミンチだ】
【次の言葉も然り、だが、やはり真正のSのようだ】

「……お前はドS星の王子か何かか?」

【やがて】

「ああ、じゃあ、また会うこともあるだろう……」
「達者で暮らすッスよ!」

【こちらもまた、別の方向へと向かい別れた】
【果たしてこの先の道の、何処に次の交差点があるのだろうか】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/27(火) 23:43:00.59 ID:NYfUDm2z0
>>845

「軽く説明しておくと、槍先は蓄えた魔翌力が減ると周囲のエネルギーから補充する性質を持つ金属なんだ」
「使い切ったら駄目だけど、多少減ったくらいならそのうち戻る……かもね?」
「それで、裏技は……"使う"って思えばサイズが本来のそれに、"しまう"って思えば数センチくらいになる。そんな仕組みだね」

【その他補足として、魂砕のエネルギーは、魂のみならず他のエネルギーも砕く性質を持っている】


「聖で抜群ダメージ取っていけば大丈夫大丈夫、そのうち崩壊するから。多分」
「ドS……かは知らないなぁ。ふふふ」

【……こいつ、わざとやっているのかもしれない。】

「それじゃあね」

【バッグと共に路地裏を歩いて――どこかで袋に貴金属を詰め替え、そして店のポストに投函。はみ出てるけれども】
【その一連の動作は、妙に手慣れていた】

/お疲れ様でした!
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 23:49:13.85 ID:nbRTlKhn0
>>842

【レクチャーは簡単に済ませる。兎に角、変なところを押して暴発させないように、銃口は常に自分に向けないこと】
【そんな事を念入りに言って終わりにする。これ以上は口でいうより実際にやっていくべきことだが彼もまた忙しい身だ】

…本当は俺が射撃練習に付き合ってやりたいんだが、これから例の作戦のために色々、やることもある。
セリーナに頼みたいところだが…まあ、状況が状況だしな。…と、ちょうどいいところでさっきのアンドロイドがでてくるんだ。
マキに協力する事になっている。マキの護衛もしてくれるそうだ。となるとUTに暫くいることになると思う。
多分、銃も撃てるだろうし。わからないことはそいつにきいてくれ。…結構、面白そうなロボットだったぞ。

【煙草をふかしながら、忘れいたわりには結構重要な話を始める。多分今度UTに行けば見慣れぬ女性が居て】
【微動だにせず、抑揚のない声で聴かれたことだけ話すようならそれが噂のアンドロイドである。】

まあ…能力が使えなくなるかも知れないからな。

【こんな隠し技を持っていたならわざわざ銃もいらなかったんじゃ…と思いかけたがそういえばそういう相手をするから】
【銃を持たなきゃならないというそもそもの話を思い出して、1人答え合わせみたいな事をして納得していた探偵であった】

じゃあ…スカートの内側に縫い付けて

『それですと、お召し物が傷んでしまいます。腰のホルスターを少し下にして、その上からお召になればよろしいかと…
それか腿に巻くホルスターをお使いになればよろしいですね。只今お持ちします。』

【ロッソは無粋な事を言い、ソムリエは女性の服装にまで気を使う。どちらが紳士なのかは一目瞭然だった】
【探偵はバツが悪そうに頭をかいて、ソムリエは最適なホルスターを持ってくる。ベルトを腰に巻いてその上にスカートを履けば】
【きれいに内側に隠れてかつ、洋服も傷まない。それかシンプルに太ももにベルトを巻きつける。どちらも少し歩きづらくなるが】
【最も服装にあった方法であるだろう。】

…じゃ、まあ…こんなところか。

【かくして、拳銃とホルスター、弾薬と一揃い買い揃えた。それが意味のある買い物だったかは…本当ならば無いほうが良いのだが】
【それは鈴音の練習とこれからの状況次第ということになる。】
848 : ◆DqFTH.xnGs [saga]:2018/03/27(火) 23:49:22.93 ID:HJLBTBUlO
>>843

………………あぁ?

おいてめぇ、“タコじゃしょうがねぇ”たぁどういうことだ、んん?
ヒトを見た目で判断しちゃあいけませんって、ママから習わなかったか?あぁ?
最近じゃアンドロイドだって赤い色が好きだし、金貸しが指輪買ってくれたりするんだぜ?

まぁてめぇがナードっぽい見た目、ってぇことは撤回するつもりねぇけどなぁ!!ぎゃはははは!!


   【 ま さ に 外 道 ! 】


んでぇ、レヴォーン(※レヴォルツィオーン)の悪行だぁ?
ロボットの研究でもやってるってぇのかよ。胸糞悪ぃ

おまけに肝心の異能殺しは原理が分からねぇから作れねぇときた!けっ、これだからナードはよぉ!
こっちは原理もなんも分かんねぇけど困ってるから色々探り入れてるっつぅのに


【原理も分からないが対抗策を作れ──なんて無茶を言う】
【だが彼女もこう見えて切羽詰まっているのだろう。多分】
【「で、なんかあるから顔見に来たんだろ?」そう、赤木に問いかけるが──】
【ちら、と機械人形の方を見る。見なかったふりをして、もう一度】
【さらにその動作を数度、繰り返し……ざわりと。赤髪のひと束が、悍ましい触腕へ変貌する】
【巨大で弾力のありそうな腕。無数の吸盤が規則的に並んだ赤いそれは──確かに、“蛸”だ】


…………おいそれよぉ。護衛だかなんだか知らねぇけど引っこめろって

引っ込め…………おい、こっち見んな。見てくんじゃねぇ
おい聞いてんのか、おい。…………見、……クソ、見んな、って……!


【────がじ】

【がじ、がじ、がじ………………がじり】

【機械人形がミラを見続け、さらに赤木がそれを止めないのであれば──】
【現れた1本の触腕の端を、そろそろと噛み始める。視線は警戒するように機械人形に向けられており】
【どうにもこの行動と、まるで無関係とは言えなさそうだ。ずぶり。触腕に歯が立てられる】
【「痛っ……」そうはいいつつ、歯を立て噛み続けることはやめない──そういえば】
【ストレスを感じると蛸は己の脚を噛みちぎってしまうという話が、あるとか、ないとか】
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/27(火) 23:59:52.70 ID:nbRTlKhn0
>>844

バディ…ねぇ。複雑な気分よ。

【敵だと思っていた博士のロボで、現在進行系で敵の会社が製造元】
【よくわからないうちに協力者としてそばにいて自分のない優秀さを持ち合わせている】
【表情や感情は殆どないが自分よりよっぽど人間味がある。不思議だった】

『かしこまりました。』

【ゾーイはまたこの場所専用のバーテンダーかのような華麗な動きでシェイカーを振るう】
【レシピはインターネットで調べているのだろうか。全部記憶されているのだろうか】
【どちらにせよ、その記憶力は羨ましい。】

お、お…落ち着いて!…私が聞いたのは数日前だけど、その那須さんが調べに行ったというのは
それのもう少し前だとおもう…詳しい日付は聞かなかったけどそう前の話ではないはず。
セリーナさんが何処まで知っているかは知らない。情報を教えてくれた人は、貴方がここに来る
はずだから…って。

【アンドロイドは静かにアレキサンダーを提供する。場の空気を読む機能もあるようだ】
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 00:08:43.97 ID:dZVaOwZu0
>>847

【レクチャーを受ける目はひどく真剣なものだ。だからその時に彼女はふざけていない、けれど、どうしたって経験不足はある】
【彼に見られている状態でいじってみたり、あるいは彼にいじってみてと言って渡すこともあるだろう、それで――ちゃんとした扱い方を、見て覚える】
【聞いたことと見たのを合わせて覚えようとするのだ。――料理であれば少しくらいちんぷんかんななレシピでも言いたいことを分かって、作ることが出来るけど】
【全く経験のない銃となればそれは難しくなる。だから今のうちに可能な限りを覚えようとしているようではあって――事実、そうやってしばらくやらせていれば】
【最初の瞬間みたいな拙さは――消えはしないけれど、よっぽど変なところを触ったりはしなくなる、はずで】

アンドロイド――、ゾーイ? UTに居るの? そうなんだ――、ロボットなのに銃が撃てるの?
すごいね……、じゃあ、今度。聞いてみる――、あとは、鉄砲を使いそうなひと……、だれだろ――。

【いろいろやることがある――というならば、やはり彼女は無理には強請れない。少し不安げに眉を下げたが、続く言葉をきちんと聞いたなら】
【とりあえずゾーイに聞いてみると言って。ロボットなのにというのは失礼だろうか、それとも誉め言葉なのか、分からないけど――】
【あとは他に誰か習えそうなひとは、と、記憶を思い返す。……持っていると知っている時点で撃たれた人間が多いので諦めた】

……そう、だね。それにね、セリーナね、銃も握れないくせにッて言うんだよ。

【能力――使えなくなったら死ぬだろう、とは、言えなかった。それはカニバディールとの約束のこともある、知らない人間は多ければ多いほどいい】
【敵を欺くには……ともいうのだから。そういう風にごまかして濁す、――だって自分からは言いたくなかった、そんな、人間どころか生き物でさえない、特徴】
【ただすぐ続いた言葉は――もしかしたら。そっちが「使えた方がいいのか」と尋ねた理由に近いようにも、思えたかもしれず。――喧嘩した、らしいなら】
【その途中で何か言われたのかもしれない――し、おそらく、言ったのだろう。少し怒ったような、それでいて子供っぽく拗ねたような、声と顔】

【それから――縫い付けろと言われた彼女は「そうなのか」と言うような顔をするだろう、もう一度ぺらりとスカートの布地を持ち上げて】
【だけどすぐに店主が遮って行ったのを見てきょとんとした目になる――服装自体にこだわりはあるが、その服が実際どうなっても大して気にしないのは、へんなところ】
【というよりも彼女自身が服が傷んだり汚れたりと言うのに慣れているだけなのだけど――だけれど、痛まないに越したことはないのだ、持ってきてもらったなら嬉しそうにして】
【映画みたいとか言うだろう、なんでもかんでも映画みたいって言う癖でもあるのかもしれなかった。ないけど――それだけ不慣れなことをしている証拠、なのかもしれない】

…………うん、ロッソさん、ありがとう。
練習は――その、頑張る。わかんなかったらゾーイに聞くね。それも分かんなかったら……。

……分かりそうなひと、探してみるね、カニバディールとか――知っていそうだけど。

【一段落――だけど結局は能力に頼らない得物を手に入れただけ、扱った経験は皆無どころか、苦手意識のあるところから始まる、マイナススタート】
【ならばやっぱり練習するしかないだろう――使わないに越したことはないのは当然だけど。刀と魔術――ずうとそれで戦ってきた、少女だから】
【ここで全く別方向の得物を手に入れたのは、戦い方を知っている人間相手なら少しだけ優位に立てる。あくまで、上手に使えたら――だけど】

【――すでに戦法が割れている人間と対峙することもあるかもしれない。そういう意味合いでも、きっと、悪い手では、なくって】
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 00:09:54.03 ID:DnP3A3lxo
>>848

【笑うミラに赤木はげんなりとした表情】
【それでも見た目については仕方ないとも思っているのか「白衣に眼鏡だしね」なんて言って】
【それ以上反論することはできなかった。聞いてくれるとも思ってなかった】


原理が分かれば何とかできるかも、と邪禍さんに言っただけであって
何とかできる、なんてことは言ってなかったはずなんだけど……ちゃんと伝えたのかな……


【何だか情報が曲がって伝わってる感じがしたが】
【赤木が最初に疑ったのは邪禍の方だった。いや、実際にはちゃんと伝えていたのだが】
【そこまでマメなタイプに見えていなかった。可哀想な邪禍さん】

【なんかあるのか、と問われれば、青年の表情には多少の真剣さが戻る】


もちろん、そうさ……公安やら何やら、とにかく厄介そうだからね
けど、俺が知ってる情報はかなり少なくって、そのあたりの話を直接…………

……………………
………………な、何してんの?


【話の途中、ミラの赤髪が蠢き、蛸を模した────というより、蛸そのものの触腕へと変わる】
【それを見たとき、赤木はぎょっとした表情を浮かべた。タコだとは聞いていたが】
【髪が触腕にいきなり変われば、普通は驚く。しかし、次のミラの行動はさらに驚くものだった】

【その触腕を、いきなり噛み始めたのだから!】
【もうドン引きである。何が始まってるのかさっぱり分からない】
【ミラの視線をたどってみるとその先には自分の機械人形。ただ立ってるだけだ(赤木視点)】


え、いや、動かないよ、これ……
それに見てもないし、立ってるだけだって……ちょっと、やめなって


【とりあえず言葉で止めようとはしてみるが、まだ引っ込めたりしない】
【赤木からすれば何がそんなにストレスなのか分かってなかった】
【なので引っ込めたりしないのである。引っ込めないのである!】
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 00:18:12.52 ID:VarjVBw+0
>>849
【この二人に何があったのか、あるいはこの二人の背景】
【それは、解らない】
【だが、傍目には、息はこの上なく合っているように思えて】

「ああ、すまないが、頼んだ」

【だが、やがて】

「あ、す、すまない……」
「なるほど……私がUTに来たのと同じ位の、解った……」

【ここでアレキサンダーが出される】
【携帯端末を出し、そして二口、三口で飲み干し】

「せっかくのカクテルだが、すまない、ゆっくり味わっている暇は無くなってしまった」

【料金をその場に置いて】
【携帯端末を操作しながら】

「情報をありがとう麻季音、近くまた来る」
「カクテルもステーキも非常に美味だった、感謝する、ありがとう」

【それぞれにそう告げ、慌ただしく店を出た】

//ありがとうございました
//この辺りで〆と言う事で、お疲れ様です
853 : ◆DqFTH.xnGs [saga]:2018/03/28(水) 00:27:59.60 ID:PF21CNCKO
>>851
【言葉で止められても、触腕を噛み続けるという動作はまったくもって止まらない!】
【もし仮に赤木が強引に力づくでミラを止めようとすれば、次々に髪が触腕へと変貌して彼を押しとどめるのだ】
【がじ────話している間も、なおも行為は止まらず】


…………うるせぇうるせぇうるせぇ!!
さっさとそいつを引っ込めやがれ!
その手のロボットは大ッッッッ嫌いなんだよ!

さっきからずぅうううううっとそいつはこっち見てきてやがる!
だからさっさと引っこめろ!そいつみてぇなのにじっと見られてると落ち着かなくってしょうがねぇ!!

だいたいなんだてめぇ、やっぱり公安の仲間なのか、あぁん!?
連中もそんなクソボット使ってやがって!クソが!!クソ!
マジでイラつく…………おいてめぇ、いつまでぼさっと突っ立っていやがる…………


          ────いいから

   そいつを──────

        引っこめろ──────ッッッ!!


【邪禍が、とか異能殺しが、とか公安が、とか】
【最早それどころの話ではない!傷ついた触腕からはばたばたと青い体液が溢れ始め】
【それが彼女の口元を汚しているのだ!完全にホラー映画そのものである!】
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 00:56:16.90 ID:CuNapqXx0
>>850

ああ、そうらしいというか、そう頼んだ。まあ仲良くしてやってくれ。

【ロボットと仲良くというのも不思議な話だが、彼は最適な言葉が見つからなかったので適当にそう言う】
【UTは随分とかしましく、そしてなんか普通なやつは1人も居ないんじゃないかと思いながら…】

セリーナが?…そりゃあ、酷いな。…包丁も持てないやつに言われたくないな。

【手をひらひらさせて少し笑いながら冗談交じりに話すのは彼なりの優しさである。銃が使えたらなにか変わるだろうか】
【むしろ変わるのは気持ちのほうだろう。仲直りするかどうかは…ロッソにわかるはずもない。そういうことには向いているタイプじゃない】
【ヘラヘラしながら真ん中に突っ立っているのが常のスタンスだ。本来リーダーシップは取れないタイプなのだ】

カニバティール…まあ、そうか…まあ、でも……任せる。

【なんとなく直ぐに実践タイプな気がしないでもなくてちょっと想像してビビった。だが、それでもなんとかして鈴音には扱えるようになってもらう必要がある】
【なんせそれぐらい、自分たちは渦中にいるのだから。落ち着いて練習できる時間もそう残されていないだろう】

…よし。なら、俺は次の仕事に向かう。もう少し仲間が欲しいからな…今のうちにいろいろな方面でネットワークを作っておきたい。
また警察と鬼ごっこか。……鈴音も。色々と…まあ、その…頑張って。

【語彙が少なくていろいろと考えた挙げ句に当たり障りのない言葉で落ち着く。またしばらく後にいつものように会えるかもしれないし】
【事態が動くまで会えないかも知れない。いつもの通り、飄々としてその場を先に出ていこうとするだろう】

あ…そうだ。店主…上等な赤を一本包んでくれないか。…セリーナに渡してやってくれ。

【思い出したというか思いついたようにそれだけ言い残して、彼はまた何処かへ行ってしまうだろう。猫背で、煙草の匂いをまといながら。】
【店主は鈴音に言われたとおりワインと、購入した一式を質のいい、紙袋に詰めて渡してくれる。そしてにこやかに鈴音を送り出すだろう】


/私、大変眠くなってまいりましたのでこのへんで締めに致します!数日おつきあいありがとうございました!
/お疲れ様でした!!
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 01:06:12.58 ID:CuNapqXx0
>>852

【麻季音はじっと厳島の様子をうかがっている。彼が動揺しているのは目に見えている】
【その内容は一部分だがわかる。前に会った彼らが教えてくれた。しかし、その自体は】
【考えているよりも重大であるということが今、わかる。】

いえ、その…何かあれば…

『私達が、お力になります。』

【麻季音は言い淀んだ。状況がわからない訳ですこし尻込みしたがそれをゾーイが押し切る】
【このヒューマノイドは眼差しのごとく真っ直ぐなシステムが組み込まれているのか、躊躇はない】

あ、どうも…ありがとうございました。

『またのお越しを。』

【風のように去っていく、姿を見て麻季音はまたも唖然としていたが。ゾーイはいつものごとく綺麗な礼で背中を見送る】

…結構、重大な事件のようね。…何も教えてくれないけど教えてくれる時間すら無かったと言うか…

『こりゃあ、面白くなってきやがった。』

……っっ?!?!…今、なんて。

『………。食器を片付けてまいります。』

いや…ちょ…!!もぉ!!なに?!ズルい!!

【ゾーイの背中を麻季音は追っかけて厨房の奥へ2人は消えていった】


/お疲れ様でした!!
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 01:18:15.54 ID:dZVaOwZu0
>>854

【まあUT自体については――彼女がコメントできる立場ではない。ただとりあえず――セリーナがひどいと言われたら、自分が言ったくせに少女は】

――でも、わたしが悪いの、わたしが悪くって……。
できるようにならなくっちゃ、いけない――、――あ、でもね、そのためだけじゃなくって……。

その――、――、きっかけ、なの、多分。今がね、その時間だから――、

【冗談交じりの優しさに、だけど、帰ってくるのは案外本気の言葉なのだ。しゅんと目線を下げて――反省する。何をか、は、相手は知るはずもないだろう】
【銃も握れない――そう言われた言葉がきっかけ、だけど、後押ししたのは今の状況もあって。これが喧嘩だけであったなら、彼女はこうして手を伸ばそうとしなかった】
【なら――言葉通り、だろう。今がたまたまそのタイミングで、だからできる限りはがんばる。そういう性質だ、タイミングが来たら――来さえすれば、頑張れる】
【そして初めてしまったら簡単に諦められないのも、性格。だから――なんだかんだで頑張るだろう、ロッソは忙しくってそれを見ないかも、しれないけれど】

うん、探してみる――だからって誰にでも聞けるんじゃないけど。
わたしたちの中で……でしょ、難しいね――、だから。ロッソさん、また今度、教えてね?

【――やっぱり、この状況に置かれて初めて覚える気になったなら、このことに関わる人間の間でやるべきだろう。となれば、教われる面子は限られてくる】
【だからなんとなくイメージで使えそうなひとを思い浮かべて――ただ今宵はさすがに気疲れしたのだろう。今日はもういいね、なんて小さな呟き】
【あとはアンドロイド――ゾーイか。それも今度尋ねてみようとしっかり覚えておく。そういえば最近あまりUTに居ない気がする、良くない――なんて思考を噛み潰して】
【ごまかすみたいに笑う、教えてね――そんな顔は少しだけ子供っぽいような、悪戯っぽいような、見た目通りの年頃のものだ、一見したらかわいいと評されるような】

――――うん、わたしも……もうちょっと、誰か居ないか探してみる。
ロッソさんもカニバディールに会って、お話してみて――、うん、頑張るよ。ロッソさんも頑張って……気を付けて。

【心当たり――真っ先に思い浮かんだ二人はやはり直近で会うなどで印象の強いひとたちだった。ならもう一度思い返してみると約束して】
【それから願うのはやっぱり互いに健全であることだ、多少の怪我なら仕方ないかもしれないけれど、それ以上のないように――表情はするりと真面目に差し替えられ】
【「何かあったら言ってね」とも付け加える。その時には――多分麻季音の方で端末の用意もできているだろう、結局暗号化とかはよく分からなかったけど】

【それも後で聞かなくっちゃ、と――そのついでにアンドロイドが居たらいろいろ聞いてみよう。そんな風に考えて――そしたら、いろいろとうまく行く気がして】
【ほんの少しだけ元気になる。包んでもらったワインとか、プレゼントしてもらった銃一式とか、丸ごと全部ひっくるめて、紙袋をぎゅうと大事そうに握りしめ】
【ありがとうございましたってコンビニのレジで言うのと同じ声音――それを置き去りにして、立ち去り方はあっけない。きらりと残滓だけ残して、その姿は刹那にどこかへ消えていた】

/おつかれさまでした!
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 11:17:22.53 ID:DnP3A3lxo
【水の国 特区】

【魔能制限法によって指定された一部区域】
【その路地裏でディミーアは調査を行なっていた】

【調査、といっても該当地域は未だに手続き期間中であり】
【変化は厳戒態勢が敷かれている程度のことではある】
【したがって、彼が来たのは些か時期尚早とも言えた】


…………やっぱり、ちょっと早かったか
実際のところ、この辺りで俺がやることなんざ
魔術師含む能力者が捕まったときに、助けるぐらいだろうしな……


【外套の内側で自警団の手帳の感触を確かめる。まだ、警ら中という言い訳も使えるだろう】
【ひとまず不審者がいれば声をかける、つもりではあった】
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/28(水) 11:30:18.99 ID:5ePd9dZ0o
>>857

    【  ────匙で糖を拾うが如く、  】

【  ”すぅ”という音が貴方の耳許で響く】  【同時に首筋にゾクリとした感触が】
【”這っている” 絹糸に包まれた指筋の触感】

【誰かが撫でている、首筋を、嘯く様に布地を伝って】
【そのまま貴方の顎に人差し指をくっつけるだろう】


みぃつけた、みーつけちゃった、いけないの
愛しい愛しの旦那様、一体こんな所で何の様
あゝ───違うわ、違うの、私が紡ぎたいのはそうでなくて

会いたかったわ、お久しぶり、会いたかったの、こんにちわ
ねぇ、こんな所で何してるの、カチューシャに会いにも来ずに
寂しかったんだからっ、ふふ、そうね、これが正解


【視線を向けてみれば、右方向に人影がひとつ】

【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性】

【声のままに振り向いたならほっぺたに人差し指が沈むだろう】
【ぷにぃっとあなたの頬を押してる、感じ】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 11:40:20.54 ID:DnP3A3lxo
>>858

【絹の感触。滑らかで肌触りの良い指先が首筋を撫でてくる】
【唐突に訪れたそれに思わず男は驚いて、結構勢いよく振り向いてしまった】

              【 ────ぷにぃっ 】


…………よう、カチューシャ
ずいぶんと可愛いことしてくれるじゃないか、ええ、おい

逢いたかったって言うんなら……そうだな、俺もだ
フランツの野郎と会ったとき以来か、確か


【向けられるのはちょっと不機嫌そうな顔。悪戯に引っかかったような気分】
【お返しとばかりに、男の右手が上がる。柔らかそうな頬に無骨な指先が当てられて】
【そのまま、ぷにぷにと、弾力を確かめるように指が押し込まれる】
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/28(水) 11:49:55.59 ID:5ePd9dZ0o
>>859

【柔らかな頬の感触、潤いを浴びた瑞々しい柔肌は蕩ける様な味わいで】
【宛ら羽毛が如く、貴方の指先から神経を誑かしていくのだろう】
【彼女は愉しそうにほっぺたに空気をいれて膨らませたり、子どもみたいな遊び】


ひっかかったーディミーアはおっちょこちょいなの
ふふ、可愛い顔してる、そんな顔見ると嬉しくなっちゃう

あら、カチューシャはいつも可愛いの、きちんとおめかしして、外に出るもの
ねぇ、ディミーアなら分かるでしょ、愛には可愛らしさも美しさも必要なの
優しく添い遂げてもらうには、いつも可愛くあらなきゃ

女の子はそうなの、いつもいつでも可愛いの


【表情の仮面を少し崩して、いつもの様に小さな微笑みを浮かべる】
【それは令嬢が浮かべる調和の取れた笑み──調度品として相応しい絶妙なバランス】
【プラチナブロンドの髪が修飾する角度まで計算されたように】
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 12:05:33.09 ID:DnP3A3lxo
>>860

【指先から伝わる感触は心地よく、ついその表面を撫でてしまう】
【頬を包み込もうとする手は女のそれよりも大きくて逞しく】
【しかし、剣士の手であるために、ザラついた感触も与える】


ふ、ならその可愛らしさとやらは褒めてやらないと、な
ああ、そうだな、今日もお前は愛らしい
そんな女に会いたいと言われるのなら、男冥利に尽きる

あれから、どうしてた?
お前の方こそ、こんなところで何を?


【声には慈しむ色合いがあった】
【表情が疑問によって変わる。首を傾げて、薄灰色の瞳が向けられる】
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/28(水) 12:14:04.41 ID:5ePd9dZ0o
>>861

【朝焼けの残照が差して、彼女の色を溶かす。──儚い少女の質感】
【限りなく透明に近いその淡さは泡沫が如く、目を離したら消えてしまいそうな程】
【秋波な目許に無垢白の模様を塗して、僅かばかりの紅を指す】


あれから?そうね、色々と悪巧みをしてたの
カチューシャはね、わんわん、吠える猟犬さん、悪いわんちゃんを懲らしめるの
お姉様が言ってたわ、機関の中にも悪いわんちゃんがいるって

だからね、それを探すのが一番のお仕事
でも、そこまで真剣にやるつもりもないの、所詮は微睡み
午睡を貪ればそれが全て、夢にすらなりはしないから


【冗談の様に紡がれる音律、辿る意味合いには幾重もあるが】
【裏切り者を探している──そう読み取れる】
【小さく微笑みを残したまま、ねぇ、と鬻いで】


カチューシャはこんな所で日向ぼっこしているの、心地よい風に当たりたくて
暖かい陽だまりは気持ちいいわ、特に、生まれ故郷とは全然違うから
ディミーアの手は暖かいの、素敵ね、大好きよ


【両手を伸ばして、頬を撫でる貴方の手を取ろうとするだろう】
【無骨な手は鍛えられた逞しさの象徴、それを慈しむように頬に寄せて】
【一回二回と楽しむように頬ずりしようとする】
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 12:34:14.54 ID:DnP3A3lxo
>>862

【剣士の顔に影が差す。裏切り者の探索────自分がそれだと、気がついた】
【白百合のような少女。目の前の彼女と殺し合うのは、いい。元よりそういう関係のはずだ】
【それでも、今はもう少し、微睡んでいたかった】


ああ……そうか、そうなのか
なら、そのうちお前が俺を食いに来るのかもしれないな……

お姉様……そうか、そういうのが、いるのか


【双眸には思案の色。”お姉様”というのはきっと指示した人間なのだろう】
【重要な情報だった。聞き出さなくてはならなかった、のだが】
【言葉が続かない。そういう面倒事を後回しにしたい気分だった】


ふ、そうか
まるで猫のようだな、お前は

手を温かい、なんて言われるのはそんなに、ないな
人殺しの手、なんて言い方はあまりに陳腐だが、そうだからな


【頬ずりをされて、少しくすぐったそうに笑ってみせる】
【少女のそれとは違って、無骨な手は硬い感触を返してくる。歴戦の剣士の手は美しさとは無縁だった】

【筋肉質の逞しい腕が、少女の背中へと回る。拒絶されなければ、そのまま抱き寄せようとする】
【なるべく優しく、それでいて逃さないように。少女の頭を胸元に寄せるように】
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/28(水) 12:43:42.05 ID:5ePd9dZ0o
>>863

【音にならない声が漏れたなら、其れは吐息に近かった】
【胸元に抱き寄せられる彼女、驚いた色合いを表情に映して】
【やがて戻る、この場所が心地の良い場所だって、伝える様に】


猫だなんて、ディミーアは可愛い事を言うのね
それならね、可愛く啼いて差し上げましょうか?みゃーぉと
ふふ、なんだか心地いいわ、貴方の腕に抱かれるの

私は知らないわ、貴方が誰を殺した、とか誰を傷つけた、とか
貴方も知らないでしょう、私が誰を殺めたかなんて
其れは構わないわ、ダメと分かっていても、背徳は美しいもの


【視線を上に傾ける、前髪がほんのりと彼女の視線を隠して】
【覗く大きな瞳、じぃっと見つめる色合いは鮮やかに】
【それでいて、どこか切なげなそんな表情で】


逞しい腕に抱かれていると、女の悦びを感じるの
私は家を守り、貴方を待つの、何処で道草食ってるのかしら、と
夕餉の準備をしながら、ね、その時間は格別なの

────そうあれかしと、思う程には


【滔々と語るのは理想、あったかもしれない未来】
【然して彼女は数字を持つ。──その意味は、深くは語らなくとも】
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 13:06:24.39 ID:DnP3A3lxo
>>864

【猫の真似を無邪気にする少女に、男は微笑みかける】
【そう、互いのことは、案外よく知っていなかった。誰を死なせたのか、だとか】
【元より敵同士で、機関員で。だから、人殺しかどうかなんて大事じゃないと、今更になって分かった】

【瞳が向けられる。美しい色合いの瞳が】
【切なさを秘める美姫の表情。それが何なのか、初めは分からなかった】
【続けられた言葉は、残酷なほどに胸を打つものだった】

【驚いたように目を見開いて、そして、瞳が揺れる。灰の瞳が、悲しげに揺れる】
【男の表情が崩れる。悲痛に、哀愁に、どうしようもなさに】
【無意識に、腕に力が入ってしまう。少女の身体を離さぬように、と】


ああ────そうか
そうだな…………”そういう人生”も、あったかもしれないな

退屈な仕事を、それでも家で待っているお前のためにやって
それで、毎日、十分なんだ。平凡だが平穏で、何もなくても…………

それが…………どれだけ”良かった”か…………


【まるで実感を伴ったような、”かつてそうであった”かのような言葉が漏れる】
【手が、少女の顎に添えられる。上を向かせたまま、そのままにして】
【嫌がられなければ、拒絶さえされなければ、男はそのまま、少女に口づけをする】
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 13:15:57.37 ID:Dm/DYWbtO
>>865

【口元に熱を感じた、接吻の後に残るのは甘酸っぱい名残】
【淡いルージュに紅が指す、欠片さえも美しいと思うぐらいに】
【夕月夜の如き朱が頬に揺らめくみたいに】


────あら、存外に貴方も夢想家なのね
どうしてこの道を選んだかは知らないけど、分かって選んだのでなくて?

”私達が歩く道のりは常に厳しくて”
”照らす灯りはいつも光を失っていて”
”言いたいことも伝えたいこともいっぱいあるけど”

でも、どうやって伝えればいいか分かんないの


──そんな歌があるの


【知ってる?だなんて小首を傾げて、胸元に顔を埋めて】
【貴方の香りを胸いっぱいに感じる】
【その熱の残り香を確かめる様に】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 13:34:44.85 ID:DnP3A3lxo
>>866

【唇に残る感触は甘さがあって。それでもそんな甘さを胸の痛みが拭い去る】
【どうしてこの道を選んだのか。どうして選ぶことになったのか】
【確かに────分かっていて選んだものだった。それでも、それでも】


────”ああ、それは多分、きっと”

”君が、俺を救ってくれるたった一人の人だから”


【歌声は、決して綺麗なんかじゃなかった】
【それでも、不思議なくらい、感情が込もっていた】

【抱きしめる腕の中に、胸元に、少女の暖かさを感じる】
【機関員で、能力者で────敵である理由なんか無数にあるというのに】
【それが分かっているというのに、それでも、離すことなんかできなかった】

【理由が何なのか、分からないけれど。それはもしかすれば、きっと────】


────………………っ


【苦痛。痛みが、男の顔を歪める。それは悲痛さから来るものではなく、もっと物理的なものだった】
【少女を抱きしめたまま、手が自身の頭を押さえる。酷い、頭痛がした】
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 14:09:21.31 ID:Dm/DYWbtO
>>867

【頭を抑える貴方の姿、彼女はじぃっとそれを見て】
【表情に少しだけ不安気な色を浮かべる、大丈夫って聞くように】
【伸ばした手、貴方の頬に触れるように】


ねぇディミーア、どうしたの、そんなに苦しそう
どこか痛いの、大丈夫?
カチューシャにできることなら、するの


【だから──】


苦しまないで、貴方が苦しむとね、私も悲しいの
どうしてかしら、理由は、わからないけど
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 14:18:52.86 ID:DnP3A3lxo
>>868

【頬に手が触れる。汗が滲んでいて、まるで悪夢でも見ているかのようだった】
【虚ろな灰色の瞳が恐ろしげに揺れる。恐る恐るそれは動いて、少女の右と左を見る】
【そこには誰もいないのに、何もないのに。震える双眸は”誰か”を見ていた】

【青白くなった唇が動く。小さな消え入りそうな声で「薬……」とそれは呟いていた】
【外套の内側、服の中を調べてみれば、確かにそこには薬を入れる小瓶を見つけることができる】
【ラベルには名称。闇商人たちが取り扱う劇薬だと、カチューシャは分かるだろうか】

【問題は────その中身が空だということだった】
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 14:40:22.05 ID:Dm/DYWbtO
>>869

【薬、との言葉を聞いてカチューシャは手早く外套をまさぐる】
【仕事柄危険な物品への知識は備えている、そのラベルを読んで彼女の表情が僅かに曇る】
【ラベルとディミーアの顔を交互に見比べる、唇の端を軽く噛んだ】


今は"どうして"貴方がこの薬を持ってるかなんて、聞かないの
カチューシャでも知ってるの、この薬がアブナイものだって
ううん、そうね、今は──そんな事してる場合じゃないの

ねぇディミーア、予備の薬どこかにあるの?


【見上げる視線、交錯する色合い】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 14:59:51.31 ID:DnP3A3lxo
>>870

【顔面が蒼白となったディミーアは、カチューシャの問いかけに首を振った。予備はない、と】
【腕が、身体が震える。怖がる子供のような震えが走る。それはきっと、抱きしめていたカチューシャにも伝わる】
【だが────ディミーアは手で彼女を押しのけようとする。それができなければ、自分から離れようと】


────…………ああ、ああ、分かってる……
機関員は殺す…………能力者も…………
全員……全員、殺すさ…………一人、残らず…………っ!
分かってる……分かってる…………分かってるよ…………!


【呪詛のようなうわ言が男の口から吐き出され続ける】
【片手が頭を押さえながら、苦悶で身体を折る。遠ざかろうとする足元さえ覚束ない】

【視線が彷徨う。怯えた目は、やはり何もない場所を捉える】
【口元が小さく動き、「分かってる」、「でも」と、誰かと会話しているようにも見えて】
【言葉が止まれば、視線が動く。少女を見つけて────何かを、堪えていた】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/28(水) 15:09:32.19 ID:5ePd9dZ0o
>>871

【瘡蓋が剥がれる様に、手許から離れていくディミーア】
【漏れ出る呪詛、其れは宛ら悪夢にも似た歪な光景で】
【痛みに耽溺するが如く、紡がれる言葉の意味を負った】


────そう、そうなのね、ディミーア
貴方が何を見ているか、分からないの、心配なのは真実よ
でもね、貴方が紡いだ音律も、真実なの


【言葉を止めた貴方、頭を上げれば見下す彼女の朱が歪む】
【冷たい冷たい視線、踵をひとつ鳴らして貴方を見下ろす】
【潰えた後の後悔に似た、僅かばかりの慕情を込めて】



────"RaumKrankheit"
ディミーア、貴方少し、いえ、とっても、素敵だったわ


【虚空に硝子細工の魔法陣が出現、引き抜くように細長い狙撃銃を取り出す】
【左手で銃身を支え、右手は引き金へ、大きな銃を持つと】
【貴方の頭へ、その銃口を向ける】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 17:08:40.11 ID:DnP3A3lxo
>>872

【視線の先に現れるのは夕日に煌めく硝子細工と、冷たいマリンブルーの瞳】
【震える手が、背中の柄を握る。『導くフィデリウス』の剣身が鞘から引き抜かれる】
【鈍く輝く銀の切っ先が、少女へと向けられる。しかし、それは揺れたまま、定まりきらない】


……そう…………はなから、敵同士だ……
だったら……だから……”そんな未来”は、ない…………


【苦悶と苦痛に苛まれながらも吐き出された言葉は、悲痛ささえ含んでいた】
【それは、まるで言い聞かせるような言葉だった】


…………機関員も……能力者も……全員殺す……
だから、俺はお前を殺さなくちゃいけない…………

────そうでもしなければ…………っ!!


【苦鳴。叫びと共に剣士が一歩を踏み込む】
【手首が反転。幅広の剣身が半円の軌道を描く。接する先には銃身と少女の身体】

【狙撃銃とその先にあるカチューシャを狙った一閃。だが、あまりにも遅い】
【屈む、下がる、回避はどちらでも容易。それどころか銃身で受け止められるほどの軽さしかない】
【精神の衰弱は肉体にさえ影響を与えていた────】
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 17:15:25.83 ID:DnP3A3lxo
>>853

【無理やり止める、まではいかないが、とにかくドン引きだ】
【「ねぇ……」と言ってさらに何か言おうとしていたが】
【そこにミラの怒号が叩きつけられる。肩がびくっと震える。びびりか】


わ、分かった、分かったって!
引っ込めるからその猟奇的な行動はやめて!!


【こうなってはこっちも必死である。負けじと叫びながら】
【機械人形の足元に魔法陣らしきものが出現。青く淡い光を放ち】
【次の瞬間に、機械人形はその姿を跡形もなく消した。転移術式だとか、そういうことはどうでもいいだろう】


……………………。


【もはや絶句である。話す内容など吹っ飛んでしまった】
【”ひえぇ〜”と言わんばかりの表情。とんでもないやつを邪禍さんは紹介してくれたもんだ!】
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/28(水) 17:46:22.15 ID:5ePd9dZ0o
>>873

【横薙ぎち放たれる一閃、その攻撃を彼女は】
【"踏みつけよう"とする。──横の攻撃に縦の力を加える】
【叩き落とす様に、剣ごと踏みつけ攻撃を防ごうとした】


悲しいね、悲しいの、最初から未来が無かっただなんて
ええ、知ってるの、それが束の間の夢だなんて分かってるの
理解してたの、でも、どうして


【────こんなにも】


胸が締め付けられるの?心がむず痒くなるの?
分からないわ、分からないの、愛、恋──違うの、私の思う愛は
こんな悲しいものでは、無いの



【くるり、と空を飛ぶ、前に飛び込んで】
【正確には狙撃銃の銃身を使った棒高跳び、夕日を背に高く飛んだなら】
【空中で姿勢を整える、狙撃銃の銃口を向けて】

【揺れ動く上からの狙撃、高い技量を感じさせる技か】
【狙いは右肩、銃弾が撃ち抜かんと放たれる】
【白いコートが翅のように羽ばたいた】
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 18:02:50.78 ID:DnP3A3lxo
>>875

【剣を振り抜く、よりも先に剣身に不自然な重みが加わり、引っ張られる】
【切っ先が地面に激突。視界の中で少女が跳躍。金色の髪が夕日で輝いて見えた】
【銃口。大剣を跳ね上げる。腕が鉛のように重かった。遅すぎる。撃発音】


──────っ!!


【右肩に衝撃。肩が弾丸に引かれ、右半身が後ろへと流れる。右足で勢いを殺して踏みとどまる】
【銃弾が貫通して右肩から出血。右手から力が抜けて柄を離すが】
【すぐに左手がそれに代わる。片手だけで大剣を持ち上げる】


なら、それはなんだっ!?
だったらお前は……俺を……っ!!


【愛ではない、恋ではない、ならば何なのだ、と】
【意味を持たせられない叫びと共に、『導くフィデリウス』の切っ先が上昇】
【空中で挙動を取る少女へと向かうが、やはり遅い。片手ではいくらディミーアとはいえ、十分に扱えない】
877 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/28(水) 18:13:45.08 ID:5ePd9dZ0o
>>876

【振り上げられる切っ先に、ピンヒールを添わせる】
【宛らスケートの様に、両足を揃えて大剣の刀身を滑り落ちる】
【そしてそのまま、貴方の頭を太腿で挟み込むように押し倒そうとする】


分からないの、ディミーア───私にもね、分からないの
心の奥に靄がかかっている様、知っている事に鍵がかかっている様
でもそれを、確かに信じていた、と私の心が嘯くの

ねぇディミーア、私貴方の本当の事は知らないの
でもね、貴方が私に見せてくれた景色は、嫌いじゃなかったの
不思議ね、本当に。──貴方にとって私は、殺すべき存在なのに


【夕陽越しに髪の毛が透ける、淡い色合いが染まって見える】
【曲輪の紡ぐ睦言は、例えそれが嘘なれども、時に真実味を負って】
【彼女の微笑み、悲しい悲しい落陽に似ていた】
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 18:35:29.34 ID:DnP3A3lxo
>>877

【切っ先に再び加重。いつぞやに見たのと似た、一連の動き】
【咄嗟に柄から手を離して、一歩下がる。彼女の行動を阻害するには、やはり間に合わないが】
【頭ではなく、身体でその行動を受け止める。引いていたのもあって、そのまま押し倒されてしまう】

【大剣が落下。金属音を響かせる。その次に二人の落下音が響く】
【下敷きになったディミーアは、苦痛に顔を歪めていた。右肩は負傷していて動かない】
【左は動く。だがその手に剣はなくて、素手でどこまでやれるかは、分からなかった】


…………俺にも、分からないんだ
そうだ、お前は殺さなくちゃいけない……いや、違う、それも違う

お前じゃなく、『機関員』は、『能力者』は殺さなくちゃいけない……
でも……ああ、そうなんだ…………お前のことは、殺したくないと……そう、思うんだ……

どうしてなのかは……分からない……
それでも…………俺はお前を……愛しているんだ…………

…………それを、”あの二人”は許してはくれないんだ


【悲痛さを含んだ言葉は、まるで懺悔のようだった】
【左手が動く、少女へと向かう。その行く先は、頬か、それとも喉か、分からない】
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/28(水) 19:04:06.41 ID:5ePd9dZ0o
>>878

【  "愛している"──と貴方は言った】
【彼女の紡ぐ何万編もの愛の詩よりも、その言葉は深く染みて】
【同時にとても悲しくなる、悲劇よりも更に儚い夢の様】

【何故だかは分からない、けれども何故だかは伝わる】
【彼女の歪んだ愛とは違う、正しく純粋な愛だから】
【貴方を脚の下にしいて、見下ろして。──撃ち抜くだけだったのに】

【頬を伝う、雫が一滴、霧雨の如く拙く落ちた】


……ねぇ、ディミーア、私は分からないの
この胸の奥が感情で一杯だけど、その感情を知らないの
愛なの?でも、カチューシャが知っている愛は、もっと情熱的よ

傷つけて傷つけられて、その後に来る絶頂の様な悦び
そうじゃない、そうじゃないの──っ……心の奥が、奥がね
じんじんするの、ぎゅーっとしめつけられて、とってもくるしいの


【其れが切欠だと言わんばかりに、白い水面に沢山の波紋が落ちて】
【暖かい雫。──冷えた頬を一杯に伝う其の意味合い】
【分からなかった、失くした心が呻く様な音色がしたから】

【ふらふらと立ち上がる、狙撃銃を両腕に抱いて】
【淫らな彼女の姿は無かった、プラチナブロンド越しに映る横顔】
【無垢白に濡れた彩を残して】


…………帰る、の。──今日はね、ちょっと、疲れたの
ディミーアはね、敵なのね……其れは、とっても悲しいの
できれば、会いたくないの、会いたくない、けど


【────またあいましょう】

【消え入りそうな声で、芥雪の様に切なく響く】
【踵を返して黄昏に消える、その先は誰も知らず】


/この辺りでしょうか!お疲れ様でした!
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 19:48:12.34 ID:WxNIHXrWo
>>879

【涙が、見えた。少女の頬を伝う涙が】
【それが何なのか、何から来るものなのか、彼女は分からないと言った】
【それでも胸が苦しくなる、と。それならば、同じだった。彼女が涙すれば、胸が苦しいのは同じだった】

【左手は宙を掴む。淡く溶ける雪のように、消え入る声が届く】
【去っていく彼女に声をかけることさえ出来ないままに、左手が力なく地面へと落ちた】


……………………。


【酷い頭痛がした。いつもとは違う痛みが胸に走る。一体、何だというのか】
【胸の中で渦巻く感情が抑えられずに、涙として溢れ出てきた。とうに、枯れ果てたと思ったのに】
【滲む視界の中、誰かが自分を見下ろしていた。子供と女が、ディミーアには見えていた】


…………俺には、無理そうだ
どうしても、どうしても…………殺せないやつが、いるようだ


【許しを乞うように男が言う。二人は答えない】
【涙が落ちて、視界が晴れる────子供と女は消えていた】
【酷い、頭痛がした】


//お疲れ様です!
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/28(水) 19:56:20.37 ID:lgIq9/22O
>>874

…………………………。


【金色の目が、じとりと恨めしげに睨み上げる。機械人形が消えて尚、警戒は続け】
【彼女の口はまだ己を咀嚼し続ける。ぞろぞろと、青い体液がまだ傷口から滴り落ちるが──】


     【  ぺっ  】


【べしゃりと、青色に塗れた何かが赤木に向けて吐き捨てられる】
【生暖かな温度。触れれば硬さの残る弾力。何より、指でなぞればそれはぬるりとした手触りを残し──】
【──其れは名状し難き深海生物の断片。切り離されてなお僅かに蠢く欠片、だった】


…………で。なんか用か、あぁん!?


【その目は完全に据わりきっていた。口元に付着した体液を、ぐいと雑に手で拭い取る】
【数度手を振り、手についた青が周囲に飛び散る。迷惑など、まったくもって考えていない!】
【口調は路地裏のチンピラそのもの。ここで「何もない」などと言おうものならヤクザキックが襲ってきかねない】
【かといって何も答えなければ、それはそれで彼女の勘に触る。その場合は襟元をひっ掴み、締め上げるという暴挙にでるのだが──】
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 20:04:32.25 ID:WxNIHXrWo
>>881

【ぺっ、という擬音と共に吐き出された何かを赤木はうっかりキャッチ】
【手の中に視線を落とす。そこにはなんか体液まみれのタコの一部が。うげぇ】
【気持ち悪そうな顔をしながら、それを路地裏の地面にポイ捨てする。条例違反かもしれないが許してほしい】


……………………
……………………

……………………………………………………えーっと


【 忘 れ た ^q^ 】
【あまりにも目の前で起こった猟奇事件がショック過ぎて赤木青年の短期記憶が破壊された(言い訳)】
【「あー」とか「確かね」とか言いながら思い出そうとしているが思い出せていないし】
【そもそも忘れてるってことがきっと癪に触るだろう、多分】
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 20:18:43.34 ID:CuNapqXx0
【酒場】

【時刻は平日の夜更け。深夜でもゆっくりと酒を飲める店はこの街には少ない。】
【路地にある小さなBAR。洒落た高級な場所でもなく店構えもシンプルなものだ。】
【特別なカクテルがあるわけでもなく、BGMも当たり障りのない有線放送。薄暗い照明】

【それでもそういう店にも客には傾向がある。小さい店だからこそ口コミで広がる色合いがある】
【能力者が多い。それがここの色だが誰もそれを口にすることはない。気づいていないのかも知れない】
【全体論的結果としてそれがあるだけだ】

【あるテーブルではポーカーが行われていた。もはやそのテーブルには1人しか居ない。】
【テーブルの上には散らばったトランプと賭けられた小銭やよれた札、空いたグラスに吸い殻いっぱいの灰皿】

【1人残ったのは黒髪のサングラスの男。茶の革でできたシングルのライダースジャケットを赤い色のシャツの上に着ている。】
【腰にはホルスター。リボルバー式拳銃を持っている。白と黒の2丁でどちらも美術品のようなエングレービングが施している】
【そしてこの男からは魔力のようなものを感じる。能力者特有の。例えるなら白と黒が混ざること無く両方があるので珍しいかもしれない】

【彼は人を待っていて、その暇つぶしで知らないやつと賭け事に興じて、酒を飲みそして幾ばくか負けてゲームは終わった】
【夜はまだ長いが目当ての人物とは会えそうもなかった。そういうことも探偵という仕事にはよくある。】
【なんとなく所在ない時間が過ぎていく。】

【テーブルの上にはクイーンとジャックのスーツ。最後に降りた手札がそのままになっている】
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/28(水) 20:30:59.46 ID:lgIq9/22O
>>882


────ほぉ〜〜〜〜〜?

てめぇ、こんだけ人のことコケにしといて…………まさか
まぁさか忘れたとか、そぉ言うんじゃねぇだろぉなぁあああああ!?


【が、と赤木の首を掴もうとするミラ。抵抗がなければそのまま、彼の体を持ち上げようとするのだ】
【彼女の怒りを現すのように、ざわざわと赤い髪が揺らめく。その髪が偽りの姿であることは、よく分かったはずだ】
【早く、一刻も早く答えなければ彼女の怒りは解けそうにもない。しかしそうは問屋が下ろさない!】


早く言えっつってんだろぉがぁ!このクソナード野郎がよぉおおおおお!!!


【彼が口を開くよりも先に、彼女はがくがくと彼を激しく揺さぶろうとするのだ】
【仮に最初、首を掴めていなかった場合は触腕で強引に彼を搦め捕ろうとする──その時は】
【髪の毛が全て巨大な触腕に変化。その数はなんと8もある。それらが全て彼に向けられ】
【一度その凶暴な赤に捕まったが最後。彼をガンガンに振り回そうとするのだ!】
【もちろん機械人形を出すことはできるのだろうが──その際はまた、あの猟奇的な光景が眼前に広がることになる!】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 20:35:53.44 ID:VarjVBw+0
【水の国特別福祉戦略区】

「おいおいおい、こいつあヤベーんじゃねーの?」
「今更何言ってるッスか、これも任務ッス」

【魔能制限法が制定され、一部地域での施行が決まった】
【その情報は、多くの者達の記憶に新しいと思うが】
【この場所こそ、その一部地域『特別福祉戦略区』だ】
【夜の帳が完全に降りた、この場所に】
【二人の人影があった】
【カウボーイ姿の、見るも異様な二人だった、一人は男性、もう一人は少女】
【彼らは自警団手伝いとして、ある人物からの任務としてここに忍び込んでいた】

「いやだってさ、見た?あの外の警備態勢、見た?あの外の厳重な警戒網、絶対無理だって、今からでも普通の観光に切り替えようぜ」
「もう、嫌なら一人で帰るッス」

【そんな会話をしながら、街の物陰に身を隠しつつ進んでいく】
【検知システムも、まだ不完全と踏んで、しかし能力は使わないように】

「だー、もう!だったらアレだ何かあった時の合言葉!」
「『政府バンザイ』『能力者死すべし、慈悲は無い』」
「はい!素晴らしい、これで切り抜けられるねマリーちゃん」
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 20:39:00.17 ID:WxNIHXrWo
>>884


あー、いや、忘れたわけないじゃないか、やだなぁ
そんな酷いこと言うわけが、って、わぁあああああああっ!?


【首を引っ掴まれて持ち上がる。成人男性として重い方というわけではないが】
【しかし自分の身体を持ち上げられてびっくり。そこまで膂力があるとは思ってなかった】
【首はとっ捕まってるがついでに赤い触腕にも捕まる。そうしてぶんぶんに振り回される!】


あぁああああああっ!!
た、助けてぇ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!


【振り回されながら助けを求める赤木。これはあれだ、路地裏で襲われてるモブと一緒だ】
【すっかり情けない姿であったが、しかしこのままでは命に関わる、気がする】
【当人としては必死にならざるを得ないのである。なので頑張って思い出す】


だーかーらー!!
情報のっ、交換っていうかっ、教えてほしいってっ!!
言ってんだってば〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!


【実に哀れなことに、振り回されているせいであまり喋れていないが】
【情報を教えてほしい、とのことだった。これで許してくれるかはタコさん次第、うん】
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/28(水) 21:02:14.46 ID:lgIq9/22O
>>886
【──そこまでよ!…………あるいは。──弱いものいじめはよくないなぁ】
【とばかりに割って入る正義の能力者……が今はいない!それもきっと】
【なんとかとかいう法律が一部で施行されたせい──かどうかは分からないが】
【ともかく。哀れな赤木青年の元に助けは来なかった。路地裏にいるのは彼と、暴れタコが1匹だけだ】


うぉらぁああぁあぁあぁあぁあぁあぁああぁああああ────────!!!


【触腕にも捕まってしまえば最早彼女を止める手段はない!あるがソレを出してしまえばスプラッター確定だ!】
【ぶんぶんがんがんと三半規管をぶち壊しかねない程に思う存分彼をぶん回すタコ。その姿は悪の怪人バッド・オクトパス・ガール!】
【更にぶん回すだけでは飽き足らず。最終的には彼を路地裏の壁目掛けて……投げた──!!】


…………っし。スッキリしたわ

んでぇ…………?情報交換、だぁ?
別にいいけどよぉ。どぉせその辺は邪禍も知って…………

…………。…………。…………あれあたし邪禍に教えたっけなぁ。ま、いっかぁ
どーせ知りたいのは協力者連中の面子とかそのへんだろ?
大体UTに行けば会える連中ばっかだぜ?


【「探偵のロッソに、初瀬麻季音。あとは鈴音だな。白神鈴音。」「機関員にカニバディール。こいつとだけはまだ会ってねぇけど」】
【──なんだこいつ…………赤木青年のダメージガン無視で一方的に喋ってやがる…………】
【しかも“スッキリ”と。“スッキリした”と言い切っていた。途中からストレス解消の道具に使われていたのだろうか、彼は】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 21:06:05.39 ID:mFuq2fV10
【海辺の街――街はずれ】
【生ぬるい春風は海の匂いをしていた、耳を澄ませば落ち着いた波の音が聞こえて、見通せば海は黒黒と夜の色】
【季節が早すぎるのはもちろん、こんな時刻では人影もまばらになって砂浜――さらさらと砂のこすれる音と、ぽつぽつした足跡が、刻まれて】

…………、やっぱり、しばらくは来ない方がいいのかな――。

【見れば人影が一つあった。見渡す限り向こうからあちらまで続く砂浜を、ゆっくり歩く】
【その両手には左右で一つずつ、おそらく人影自身の靴がぶら下げられて――呟く声は、こんな夜だからかよく目立った。鈴の音に似た、涼しげな声】
【どこかりんとした声音は夜に響いて――誰に向けたのでもない独り言、それを周囲にこぼしてしまう】

【――どうやら考え事でもしているのだろうか。本当に時々ぽつりぽつりと声がこぼれる瞬間があるようなのだ、ただ――そこまで明瞭に聞こえるほどでは、きっとない】
【そしてその独り言に、誰かに意味のありそうなものも、きっとない。だから本当にただの考え事――だけど目立つ声と、長く続いた足跡が、そこに誰かいると示して】

【肩を撫でる長さの黒髪。少し長い前髪を編んで流した毛先を、夜の海風がからかうみたいにふわふわ揺らして】
【透き通るほどに白い肌にあどけない顔がよく目立った。特に目立つのは左右で色の違う瞳だろうか、黒色と赤色の色違いは、ぼうと遠くを見ていて】
【レース編みのチョーカーにオフホワイトのブラウス。黒色を基調にしたジャンパースカートはたくさんの布を使っているのがよく分かる、ひらひらしたもので】
【たっぷり詰め込まれたパニエでふっくら膨らませてなお、柔らかそうに夜になびいていた。足元は――これも真っ白な素足、よく乾いた砂浜にぽすぽすと小さな足音がして】
【両手にぶら下げている靴は編み上げのショートブーツ――なのだけど。そのリボンを持ってぶら下げられているから、どこか、お仕置きを受けているみたいに見えた】
【――まだあどけなさを残すような年頃の少女だった。十六歳ほどだろうか、ならば、少し悪い子気分の夜遊びにも似て――】

――いたっ、え、なにっ……、あ――、もう、貝殻だ、もう……っ!

【――――だけど、ちょっと格好がつかない。鈴の声がぴゃんと跳ね上がったなら、彼女自身も、まるで何か踏んづけたみたいに、ぴゃっと跳ね上がり】
【少しびっくりしたみたいに手にぶら下げた靴のつま先で砂をほじくる――すぐに原因を見つけ出したのか、少し拗ねたような声ため息一つ】
【片足立ちで足の裏を確かめるから――その一瞬、きっと彼女の意識は周りのいろいろなことから、逸れてしまって】
889 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 21:12:30.96 ID:WxNIHXrWo
>>887


ぅおわぁああああああああああっ!!


【絶叫。そして激突音。背中から壁に激突。ギャグ空間でなければ即死である】
【ばたん、と壁から地面にも落下。眼鏡は当たり判定がないので割れないしずれない】

【「うう」と言いながら倒れ込んだまま、赤木青年は呼びつけたことを大いに後悔していた】
【邪禍といいミラといい、最近出くわす相手は酷い相手ばかりである。というか、邪禍よりミラの方が酷い!】
【テロを起こす悪魔より酷いタコとはなんだろうか。流石はバッド・オクトパス・ガールだ】

【驚くべきことにまだ何もしていない。まだ何もしていないが、赤木はもう家に帰りたくなっていた】


UTなら……この間行ったけど……そう、麻季音ちゃんしか居なかったよ……
探偵に科学者に、白神鈴音に、機関員のカニバディール……?
どんだけバラエティ豊かな面子なの…………

…………………………
…………今、鈴音って言った?


【むくり、と顔を上げる赤木青年。その目はちょっとばかり真剣なものだった】
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/28(水) 21:28:35.03 ID:ZNWqIdO5o
>>883
/まだいらっしゃいますか?
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 21:33:52.05 ID:CuNapqXx0
>>890
/おりますです
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 21:39:14.72 ID:iYCD9Kd/O
【街路樹を駆け抜ける風はめっきり春めいて、桜の吹雪を街に運んでいく】
【日が傾き始めた午後、裏通りを一人歩く女がいた】
【目的の無さそうな歩みは、足の動きの都度、金属の擦れる音を響かせて】

訪ね歩いて、こんな街まで来たけれど

【女は腰に一振りの太刀を佩いていた】
【ひっつめの黒髪に細い銀縁眼鏡、革のロングブーツにインパネスコート】
【春の装いには少々厚着なのだが、不思議と女の周囲にはひんやりとした風が流れていて。コートの前を革手袋の指で掻き合わせる】


……ここはどこかしら

【ふと見上げれば覚えのない地名】
【絶賛迷子の剣士は、顎に触れて首をかしげた】
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/28(水) 21:41:07.94 ID:lgIq9/22O
>>889
【蛸──その生き物を一部地域の住人は“悪魔”と呼んで恐れた。ならば】
【大蛸そのものである彼女の所業が悪魔的所業であることも。嗤いが悪魔的嗤いであることも】
【触腕の動きが悪魔的動作であることも当然のことなのだ】


あー、麻季音はUTでバイトしてんだっけな。その口調だと、まだまだ無事なようだな
そっちの方があたしにとってもありがてぇ、が────

なんだぁ?てめぇ鈴音の知り合いかよクソナード
あいつの電話番号やらメアドは持ってるけどよぉ……悪ぃが、よっぽど急な用事じゃなきゃ繋がねぇぜ?
何せ今は────おっと。そうだクソナード野郎

あんた、安全な通信方法っつうのに心当たりはねぇか?
どーにもこーにも、公安だの黒幕だのの連中がウザくってよぉ。こっちのメールを弄ってきやがる
まだ送信先をちょちょっと変えちまう程度だが……いつ内容を書き換えられるとも限らねぇ
だから今な、通信手段をどーしようかーって色々探してる真っ最中なんだ
あぁ────だからあんたも、そうホイホイとメールとか電話、するんじゃねぇぞ?
特にあたしはちょっと、連中に目ぇつけられてそうだからな

んで…………そういったもんに心当たり、ねぇか?


【とそこまで言い切った後。「あぁ、鈴音だったな悪ぃ悪ぃ。なんだっけ」──しれっと言う】
【言いたくなったことは我慢せず、ムカついたらとりあえずぶっ飛ばす。あるいは、投げ飛ばす】
【出会ってものの1時間も経っていないが──彼女の性格は、おおよそ理解できただろうか】
【するすると、触腕が赤髪に戻っていく。どうにも蛸形態が、彼女本来の姿らしかった】
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/28(水) 21:41:39.80 ID:8Z1pppR1o
>>885

【水の国──『特別福祉戦略区』】
【「この境界線以降、魔術と異能の一切の行使を禁じます」という仰々しい看板】
【白衣を靡かせながらその境界線を踏みにじるかのようにして、進入していく】

「へえ、警備が厳しいように見えて実はザルなんだねえ」

【大量の人員を配備した、とんでもなく厳重な警備】
【爆破テロでも予告されたかのような、重大さを感じ取るも】
【逆五芒星に気づかないのか、はたまた見えなかったのか──。誰にも呼び止められずに】


「流石に煙草吸っても怒られはしないだろう」

【胸ポケットから質素な煙草のパッケージを取り出す】
【底を小突くと、口から頭を出した煙草を一つ口に咥えて】
【指先に火を灯す──いつものルーティンワーク、のはずだったのだけど────】

『この区画では魔術の行使は禁止されています!繰り返します──』
「あっ……」

【やらかした。顔面蒼白というほどでもないが、驚いた表情で】
【あー、どうしよう、収集がつかなくなっても困る──。そこで考えたのが】

「フュードル・ブローリアード。すまんな、少し黙ってくれ」

【掌から溢れだした雷の魔翌力は鉾を形どっていき──】
【収束、捕捉、発動。頭上でけたたましい音声を響かせるドローンに直撃させる】
【大電流によるショートが発生し、赤ランプを点滅させながら地面に吸い込まれていく】

【男女の存在に気づくこともなく、また何もなかったかのように】
【白い煙をくゆらせながら、女は路上喫煙とたれこんでいた】
【よくよく見れば、その顔は確かに手配書に記されていたような──?】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 21:49:35.38 ID:VarjVBw+0
>>894
「「!!??」」

【背後で爆発音】
【これには、流石の二人も警戒を余儀なくされた】

「おいおい!どうなってんだー、本格的な施行はもっと後じゃねえのか!?」
「アレッス、きっとテロッスよテロ!」

【だったら最悪だ、とその音の方向に向かうカウボーイの男女二人】
【そのけたたましい音だ、場所は直ぐに解る】

「おいおい姉ちゃん、魔防法違反の他に路上喫煙防止条例違反ですかコノヤロー」

【ゆったり喫煙と洒落込む、その人物に、少し余裕を持たせながら】
【こう、カウボーイ姿の男性は声をかけた】

「(この人何処かで……見たような、ッス……)」

【一方カウボーイの少女は、何処かで見た事のあるような女性に記憶の糸を手繰る】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/28(水) 21:56:22.75 ID:ZNWqIdO5o
>>883
【重々しい足音がBARに忍び込んできた】
【彼の他に客がいるなら、その姿を訝し気に見ただろうか。身長2メートルは超えているだろう巨体】

【全身をすっぽりと黒外套で覆い、フードを被って顔を隠している。床を踏みしめるのは、黒いゴム長靴】
【能力者たちが集まるこの店、『魔能制限法』がはびこり始めた今の情勢では、緊張感も漂うだろうか】


【黒外套の男は、そのままカウンターに歩いていき、店員に適当な酒を注文すると】
【テーブルに一人座る彼の方へと歩み寄って来た】

【残された賭け事の残滓たる手札を指でなぞると。フードの下から、三つの眼を覗かせて問うた】

……久しぶりだな、ロッソ。相席をしても構わないかね?

>>891
/お願いします!
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 21:57:30.24 ID:Dm/DYWbtO
>>892

【────貴女の耳へと、喧騒が流れ込むかもしれない】
【視線を向けてみれば近くの路地裏、少女の姿と複数の男性】
【口論の内容は、なかなかきな臭い】


近付かないで下さいまし、私は貴方がたに用はありませんの

「へへ、そう言うなって……ちょっと遊んでくれよ」


【ゴールデンブロンドの長髪にコサージュリボンをつけ】
【身体にピッタリと張り付く黒のゴスロリドレス、スカートの丈は短く】
【黒いストッキングに編み上げブーツ、翡翠色の瞳をした少女が困った様に声をかける】

【壁に追い詰められ、表情に陰りが浮かぶ、取り囲む男達が今にもその腕に握りかかりそうだ】
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 22:06:12.90 ID:WxNIHXrWo
>>893

【「知り合い、といえば、そうだね」と、答える赤木の声色は重く】
【何かを含んでいるような、そんな雰囲気を匂わせるものではあった】
【その後、ミラの言葉は全て黙って聞いていた。彼女が話している間に起き上がって】


あー、そうだったんだ。それは悪いことをしたね
そういう事情があるとは知らず、君には普通にメールしちゃった…………
邪禍さんからは何も言われなかったから、あいt……彼は知らないのかも


【某悪魔のことをあいつ呼ばわりしかけつつ、不手際については謝罪】


で、通信手段だけど
それは麻季音ちゃんとも話したけど、彼女が何か用意するつもり、みたいだよ

一応、協力するとは言ったし、やりようがないわけではないんだけど
本業じゃないから、そんなに便利なものは作れないとは、思う


【真面目な話には真顔で返事。”本業”という言葉を出しつつ】
【完全な回答を用意できないことをはっきりと断言した。若くとも技師故に、その部分に嘘偽りを混ぜることはない】
【無論、その上で頼めば”それなり程度”のものを用意はするだろう】

【それから「で……」と続けて、さらに何かを言おうとするが、言葉が中々続かない】
【考えるような、迷うような。少しの不自然な沈黙の後に、ようやっと赤木は続きを言った】


…………鈴音、も、UTに?


【時間をかけて出てきた質問は、これだけだった】
【だが、それでも。妙に緊張した面持ちがあった】
899 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/28(水) 22:06:14.44 ID:7HA+tw2yo
【夜も深まり、暗闇を僅かな月の光が照らしだす路地裏の奥】
【一人の少女が車いすに座り、ぐったりとうなだれていた】

【一見すると死んでいる、または意識を失っているように見えるが、わずかに声を漏らしている】

「はぁ…」

【その場所に似つかわしくない少女は、うめき声ともため息とも取れる小さな声を漏らす】

「……」

【道に迷ったにしては、かなり奥まで来ている、となると何かの意思があってここに来たのだろう】
【けどどうしてこんな少女が?こんな場所に?】
【どう考えてもイレギュラーな存在、この少女の存在がこの場所にはどうにもアンバランスで、一種の不和を醸し出している】

「…はっ…はぁ」

【少女のうめき声もかなり大きくなってきた】
【けれど不思議な事に外傷と見られるものは一切見られない】
【実際はその真逆で、少女の身なりは酷く綺麗に整えられていた】

【まるでどこかのパーティーにでも招かれたかのように】
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/28(水) 22:07:17.83 ID:8Z1pppR1o
>>895

「へえ、こんなところにカウボーイがいるんだ」

【煙草のフィルター越しに肺へ入る煙は、僅かな幸福感を齎して】
【声のかけられたほうに顔を向ければ、一人の男がそこに立っていた】
【こんな近代都市に、カウボーイ然の男がいるのはなんとも】


「煙草ぐらい吸ったっていいだろう、市民の権利さ」

【先ほどまで地面に落としていた灰を、携帯灰皿に落としていく】
【持っているならそれを使えという話だが、どうにも面倒くさかったらしい】
【別に表情を変えるでもなく、男の方に身体も向けて】

「それで、なんでわざわざこんな物騒なところに」

【吸い終わった煙草を携帯灰皿の中で窒息させると】
【ようやく向かい合って話すようになり、まず口に出したのはそれ】
【こんな物騒な場所に、なぜわざわざ来たのかという問い】
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 22:11:35.28 ID:CuNapqXx0
>>896

【グラスを傾けながら、考え事をしていた彼は、声をかけられて一瞥する。サングラスで外からその目の動きは】
【殆ど察することは出来ないだろう。だが吐き出した一息が察する。テーブルの上に転がるショットグラスを1つ】
【テーブルを挟んだ、向かいの席に置いて、ボトルの半分ほど無くなったウィスキーを注ぐ。自身にも注ぎながら】

よぉ…。…まあ、飲んでくれ。

【相手が酒を飲むやつだったかどうだったか、そもそも知っていたかは覚えていないが彼は気にしない。】
【挨拶も程々に、煙草に火をつけながら昨日もあった友人かのように当たり障りのない話を始める】

さっきのゲーム。俺はジャックとクイーンだった。最初に捲られて、ツーペア。だが俺は降りた。やたら強気のやつが居たから
ゲームは途中でお流れになって終わりだった。最後の一枚…捲られないままな。…何だっただろうか。なあ、カニバティール。

【何だっただろう。と独り言のようにいいながら、煙草に火をつける。】

良く、俺らの話に乗ったもんだぜ。全く…。…大体の事は聞いている。
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 22:12:53.37 ID:iYCD9Kd/O
>>897

【首をかしげた頭に、春風以外の喧騒が飛び込む】
【踵を合わせて体を回すと、自分が来た道の奥にて複数人の声】
【それらを聞くともなく耳を傾けていたが、一人の女性の高い声音に、思わず足を向ける事となる】

ちょっと、ちょっと

【見た目によらず、女も剣の腕で世を渡る人間である】
【揉め事に首を突っ込むのも吝かではない】

事情は知らないけれど穏やかじゃないわね

【知らぬといいながら大方予測はつくが――多勢で一人を囲む姿は、やはり見ていて気持ちのよいものでなく】
【絡まれている彼女に伸ばされた手、その指の一本を握り、軽く捻って遮ろうとする】
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 22:15:31.09 ID:VarjVBw+0
>>900
「これはお前、アレだよ、ファッションだよ新しい時代の先端……」

【確かにアンバランス極まる】
【少なくとも、この風景にカウボーイはミスマッチ極まるというもの】
【自覚している部分もあるのか、男の反論は弱弱しい】

「へッ、なら市民らしく喫煙所使うんだな」
「俺らは、アレだ、ちょっとした調査だよ調査、特区の市民生活、的な?」

【携帯灰皿に煙草の灰を落とす女性に、こう答えた】
【答えはつっけんどんだが、一々答えている辺り優しいとも言える】

「そう言う姉さんは、何してんだ?まさか観光、ってわけじゃあねえな……」

【逆に同様の質問を返した】
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 22:18:07.60 ID:Dm/DYWbtO
>>902

【指を捻られ呻き声を漏らす男、何事かと思えばそこには女性】
【上物だ、と男の内一人が軽く喉を鳴らす、怜悧な目元は実に扇情的で】
【少女に絡んでいた男達が取り囲む様に躙り寄るだろう】


ちょっと!貴方達、その御仁は関係ありませんわっ!

「そこのちんまい娘は黙ってな、俺達はこっちの姉ちゃんに用があるんだ」
「そうそう、腰に刀とか付けてるみたいだが、そんな別嬪さんには似合わないぜ」
「大人しく俺たちの相手をしてくれよ」


【後ろでぱたぱたと声を上げる少女を尻目に、男達が下卑た声を漏らす】
【指を捻られた男は苦悶の声を漏らす、女性の技量を何となく察したのか】
【男達は取り囲もうとするだろう、危害を加えるつもりがあるのは容易にわかる】
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/28(水) 22:18:44.04 ID:PpAwBrOQo
>>899

【車椅子に座った身なりの良い少女。確かに、それは目に留まるものであったが】
【この世界の路地裏では、奇異な者こそ警戒の対象となる。──なので、】
【通りがかった“彼女”は、それを横目に捉えながら、脇を通り抜けようとしたのだが──】

(── あぁ、もう。)

【荒いうめき声を、その耳朶は捉えてしまった】
【少しの逡巡の後、“彼女”は車椅子の少女に近寄って──】


 ……貴女、どうかしたの。


【声を掛けたのは、深い夜色の髪に、同色の瞳をした少女だった】
【──車椅子の少女と対象に、暗い色のシャツとスカートという味気の無い服装】
【平坦な声音には未だ警戒の色が強いが、少しばかりの気遣いが込められているのも事実だった】
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/28(水) 22:26:05.41 ID:8Z1pppR1o
>>903

【此方の服装も白衣だけと些か市民に見えないのだが】
【それを棚に上げて相手の服装に目をつける辺り、なかなか適当なのだろう】

「特区の市民調査、ねぇ……」

【正直なところ、彼らの存在に怪しさを感じるところがある】
【特に、後ろのほうで控えている女の方──まるで何かを考えているような】
【油断はできないか、と表情を変えずに彼の話を聞いた後】


「私か、見ての通り研究者なんだが研究室の候補地を捜していてね」

【嘘を付いているのか、はたまた事実を述べているのか分からない態度】
【冗談めかしているようで、嘘はついていないのだが】
【兎に角、能力を抑制されるこの地域で研究室を設けるというのもおかしいだろうが】
907 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/28(水) 22:28:54.44 ID:7HA+tw2yo
>>905


「はぁ…」

【声をかけられて、フッと前を見る。そこに居たのは一人の少女だった】
【それと同時に一瞬、彼女の頭上に疑問符が浮かんだ】

「あ…えっと。何かご迷惑をおかけしましたか?」

【そして頭上の疑問符を打ち消すかのように、彼女は申し訳なさそうな顔で目の前の少女に問いかけた】

「ごめんなさい…あの。信じてもらえないかもしれないですけど…。記憶が全然なくて」

「あ、けど…その…えっと。こう言うのは時々あって…えっと」

【完全に彼女の顔は「やってしまった」そんな表情を浮かべている】
【焦りながら紡いだ言葉の節々には言い訳とも謝罪とも取れない言葉が多々ちりばめられていた】

「…自分でも不思議だなぁって…思うんですけど、お医者様は異常は無いって…」

【とりあえずこういう時は笑っておけと何かで学習したのだろうか、彼女はそれはもう光るような笑顔を少女に向けた】

「…って、きゃあっ!」

【しばらくは笑っていたのだが、何かに気付いたのかひざ掛け代わりにしていた毛布を地面にポイッと投げた】
【まったくもって慌ただしい、色々と忙しい少女である】

【けど、彼女が悲鳴を上げた理由は、今までの雰囲気を一変させるような出来事】
【地面に投げ捨てられた毛布に、べったりと血が付着していたのだ】


【そしてなによりそれは――――】


【――――真新しいものだった】

908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/28(水) 22:29:28.89 ID:lgIq9/22O
>>898
【そういえば、“敵”が通信網に介入出来る事を知ったのは邪禍の件が契機だった。であるならば、邪禍が通信の件を知らなくても当然だろう】
【「UTにユウトってのがいる。そいつに今のこと、言っとけ。邪禍に伝わるだろうからよ」】
【──メールが使えないと、この手の短いやり取りでさえ手間になる。まだチームの人数が少ないうちから面倒なのだ】
【今後さらに人が増える前に、どうにかしなくては。そう思っていたところに──聞こえたのは、朗報だった】


…………麻季音が、か。はっ、さすがは研究者
出来れば早いうちになんとかしてくれりゃ、いいんだけどよぉ
あぁ、一応こっちも目星みてぇなもんはつけてたんだが──どうだろうな。協力者の返事待ち、ってぇとこだ
で────あんたも協力すんのか、クソナード、よぉ。ま、研究者同士仲良くやれよ


【そこまで答えたあたりで──流石に、彼の様子がおかしいことに気付く「……おい、大丈夫か」】
【不自然な沈黙。いくらなんでも、この沈黙が無意味でないことくらいは分かる】
【訝しげな表情を浮かべつつも……それでも、今回ばかりは空気を壊すような真似はしない】
【彼が言葉を絞り出すまでは、欠伸ひとつせずに彼を見続けるのだ。──妙な所で、真面目さがある】


…………なんだ、ただの知り合いってぇ風じゃあなさそうだな

そうだな、多分ありゃ随分と前からいるぜ?あんたテレビとか見ねぇのかよ
何年か前にCMとかにも出てたぜ、あいつはよぉ
んで…………あぁ、ガキに飯食わせてるっつってたな。UTの酒場だかなんだか借りてよぉ
ほら、路地裏に痩せっぽっちのガキとかいるだろ。そういう連中にだよ
ちっちゃな灯火になればいい、みてぇなこと言ってたな…………ほぉんと、ご立派だぜあいつは

ふわっふわな見た目の割に案外しっかりしてるし──肝も座ってやがる
で────?鈴音がどぉしたってぇんだよ。…………ん?


【──鈴音のことを語る言葉は、今まで彼に向けられていたものとは少し違っていた】
【友人を自慢するような、そんな口調。口元も少し上に歪み、どことなく嬉しそうなのだ】
【けれど、緊張した様子の赤木に対してはまた荒い口調で呼びかける。友人の悪口は許さないとでも言いたげな様子ではあったが──】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/28(水) 22:32:33.33 ID:H4cnloSbO

【路地裏】

【幾多の悪と戦いとを生み出しただろう暗い暗い闇の中に微かに浮かぶのは一人の青年の姿】

【紅色のメッシュが入った少し長めの黒髪に、黒いレザージャケットとレザーパンツ、黒いチョーカーと闇に溶け込むような出で立ちのその青年は壁に背を預けながら端末を弄っていて】

……もっしもーし?俺でーす……や、振り込め詐欺じゃなく……あーもう!分かってんなら何で変なボケするんすかッ!?
……はい…………ああ、此方はバッチリっす
"オト"は"そっち"にやりましたんで後で確認頼んますね?

…………りょーかーい、じゃーそっち帰りますね?
【青年は気怠げな声で何処かに連絡を取ると端末の通信を切り、ため息を一つ】

あークソ……仕事が終わったかと思ったらまた仕事かよ……
【ちっとは休ませろよな……とぼやきながら青年は歩き出し、その辺りに落ちていた空き缶を蹴り飛ばす】

【もし誰かが見ていたのならば路地裏で何者かと連絡を取る青年の姿は怪しく見えるかもしれない】

910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/28(水) 22:34:07.88 ID:ZNWqIdO5o
>>901
【サングラスをかけていなくても、おそらくは彼の瞳の向こう側は見通せなかっただろう】
【ショットグラスが置かれれば、大男も静かに着席する。日常の一コマであるかのように、自然に】

ああ、いただこう

【この異形も、酒はそれなりに飲む。注がれたウイスキーをぐいと一息に飲み干した】
【煙草の煙を何とはなしに額の目玉で追いながら、その下の両目でカードを眺める】

さあて……私は賭けには滅法弱くてな
こういう時、私の場合なら捲っておけばフルハウスという有様だろうが
お前の場合なら……どうだったろうな。お前の引き際を見る目は、確かだと見るがね

【至極真面目に考え込むような仕草で、顎をさすって見せる】

それは良かった。迂闊に電波が使えない以上、現状の把握には苦労していたのでな

――――私は、先も言ったように賭け事には基本的に手を出さないが……ひどいと思わないか?
乏しい稼ぎから、せっせと上納を欠かさずにやってきた私に対して、どちらに転んでも損にしかならない二枚舌外交の選択肢を突きつけたんだ
私に言わせれば、裏切られたのは私の方だね

フォールドは緩慢な死となれば、不利に見えてもレイズする他あるまい
私のような賭けの素人でも、それくらいはわかるさ

【店員に頼んでいた酒とつまみを受け取りながら、ロッソに向ける視線は以前と変わらぬ暗い光】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 22:37:09.54 ID:iYCD9Kd/O
>>904

【注意を反らしたはいいが、今度は女の方がその対象となってしまう】
【囲まれて下卑た眼差しに晒されながらも、しかし女は落ち着き払って腰に手を伸ばす】
【ゆるりと鞘走るのは反りの強い刀身。昼間に月が現れたが如く、白刃がさえざえと青い光を宿す】

その子と同意見ね
見る目がない男には私も用はないわ

【ふと鼻で笑い、ざ、と手の中の刃を突き刺した。男たちにではなく、近くの地面に】
【次の瞬間、爆発したように冷気が足下を走り抜け】
【一拍遅れて、吐く息が白くなる程の寒風が辺りを包む】

身長を下げたくなければ、解けるまで待ってなさい
足が要らないなら別だけれど

【そうさらりと言い放つ。冷気を浴びたならば男たちの足下は須く脛まで氷漬けになっているだろう】
【それが自然現象でないのは、女自身と彼女に雪粒一つの被害も無いのが証拠である】
【太刀を鞘に戻しながら、少女に手を振って注意を呼び掛ける。凍っていないとはいえ、周囲は滑り易くなっているから】
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 22:37:46.16 ID:VarjVBw+0
>>906
「そうそう、生活環境とか、何かそういう色々な」
「(いやーなんかこう、思い出せないッス……何処で見たッスかねー)」

【怪しさ、と言うのも怪しさならば全く隠されていない】
【表情一つ動かさずに、こちらの話を聞く女に】

「なるほど、研究室ねー……」
「するとーお姉さんは、学者さんか何か?」
「(あ、思い出したッス!!自警団の……)」

【男の方が再び質問を】
【白衣姿、と言うのがらしさを強調している】
【あえて能力制限区に、と言うのは少し気になり】

「へえ、でもお姉さん、能力制限区域だよねー、ここ、お姉さん見た所能力者っぽいしー色々不便じゃないかなー?」

【そう質問するも、これは直ぐに遮られる】

「茶番はそこまでッス……兄ィこの人手配犯ッス」

【リボルバーライフルを構えながら、カウボーイ姿の少女が初めて女性に聞いた】

「機関の人ッスよね?何が目的ッスか?」
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/28(水) 22:39:24.20 ID:PpAwBrOQo
>>907

【記憶がない、こういうことはたまにある。──夢遊病の類だろうか、と、眉根を寄せる】
【訝しげな表情には、車椅子の少女が弾ける笑みを見せても、温度が灯ることはなかった】

……血が付いてるわね。
それも、新しい。 ──“これ”についても、覚えてないの。まぁ、聞くだけ無駄かもだけど。

【──夜色の少女は存外冷静に、投げ捨てられた毛布に目を遣り、持ち上げた】
【元より警戒はしていたのだ。この程度は想定内。それに、血を見て叫ぶほど初心ではない】
【彼女の言葉通りなら、そして反応を見る限りは、“これ”も覚えがない、という返答が返るのだろうか】


名前。それから、何処から来たのか。
……言えないのなら、このまま警察呼んで引き渡す。


【現状、少女が“危険人物”かどうかは五分五分だった】
【本当に身に覚えがないのなら、身許を明かせる筈。──彼女を信じるにしても、まずはそこからだった】
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/28(水) 22:45:53.35 ID:8Z1pppR1o
>>912

「ああ、生物学の研究をしていてな」

【学者の中でも、生物学の研究をしていると】
【実際は魔術学がメーンなのだが、それを口にするには惜しく】
【自らの研究に最も近いであろう、生物学の研究者と言った】


「不便かもしれないが、魔術関係でなければ──」

【積極的な投資ができる、という言葉は少女の割り込みで引っ込められる】
【何かと思えば、彼女は自らのことを手配犯だと言い切って】
【ああ、そういえばジルベールがそう言っていたか。なんてぼんやり思い出した】

「ああ、そうだ。私は“Crimson”、機関の研究員だ」
「目的──、目的か。魔術や能力が失われた街の末路が見たくてね」

【けらけらと愉しそうに、嗤いながら語る】
【機関の研究員であることはもう広がっているらしい、例の件の影響だろう】
【そして目的と言うには──、やけに壮大なものが語られるが】
915 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/28(水) 22:50:03.16 ID:7HA+tw2yo
>>913

「…ビックリしました。私の毛布っていつかこうなる運命なんですね…。また新しいの買わないといけないですね…」

「…もしかすると体から血液を噴出する私の新しい力なのかも…。けど私をびっくりさせるくらいしか使い道ないですし…」
「血がぶわーって針とかになってかっこよく戦える!とかなら…人を助ける能力者さん達みたいになれるかもなんですけど…」

【彼女も一周回って凄く冷静になった、いやこの場合はキャパオーバーで現実逃避していると言った方が良いかもしれない】
【そして今も「血がかっこよく吹き出ろ!」なんて脳内で念じている】
【この状況を理解していないのか、そんな事が出来てしまったら完全に目の前の少女に警戒されるではないか…】

「えっと…えーと…えー。ここがまずどこか分かんない…です…」

「あ、ですけど住所は言えますよ!一人暮らしなんで頑張って覚えました!」

「あと名前ですね、えっと、法定寺って言います。法を定めるお寺で法定寺、下の名前は光里、光る里で光里です!」
「光里ちゃんってみんなから呼ばれているので、光里ちゃんって及びください、こう見えて20歳です!」

【それはもう個人情報をペラペラ話し始める彼女、少しは警戒心を持った方がいいと思うレベルでペラペラ話し始めている】
【住んでいるところの住所、郵便番号、電話番号、しまいには向こう三軒隣りに住んでいる人たちの事まで詳しく説明してくれている】

「あそこの家は犬が可愛くて…。って、あ…そんな事じゃないですよね……」

【明かせる身分をすべて明かした彼女、それが少女の目にどう映るかは不明である】
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 22:50:35.44 ID:Dm/DYWbtO
>>911

【男達が騒然とする。──目の前で起きた異常】
【彼らに欠如していた危機感、其れは正しく事実で】
【困惑の声を上げつつ、女の言葉通りに動かないでいるだろう】


凄いですわ!お姉様──!!こちらはお姉様の能力でして?
助かりましたわ、ささ、お姉様こんな所さっさと移動しましょう
私、この様な方々と長居したくありませんわ


【とてとてと近寄ってくるだろう、時々滑りそうになりながら】
【小柄な少女が羨望の眼差しを向ける見る色は完全に、尊き騎士へ向けて】
【翡翠色の大きな瞳、異国情緒を含んだ音色】
【ふと気づくかもしれない、少女の言葉はとても耳に心地よく響くと】

【可能ならばその細腕で貴女の片手をとって、近くの公園に移動しようとする】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/28(水) 22:57:40.51 ID:WxNIHXrWo
>>908

【ユウト、ユウト────そういえば聞いたことのある名前だ】
【本名はかなり長ったらしかったような気がする、そっちの方は思い出せなかったが】
【「わかったよ」と言って首肯。一つ、仕事ができてしまった】

【それから、自慢げに話すミラの言葉を、遮ることなく聞いていた】
【聞いた特徴は、なんとも、昔とは変わった印象を受けたけれど】
【前に会ってから随分と経っている。だからか、と納得をして】


…………仲、良さそうだね


【そう、心の底から安堵したような表情を浮かべて】

【────表情が、もう一度変わる】
【それは正義感だとか、誠意だとか、そういう前向きなものは一切含んでいなくて】
【執念や悔恨のような、これ以上ないぐらい”後ろ向き”な感情が浮かべさせる覚悟の表情だった】


何か、やるのだとしたら…………
是非とも手伝わせてほしい。邪禍さんにも言ったけど
前とは意味が違う…………”何でも”、だ。文字通り、何だってやるよ

機械人形がいるなら作るし、通信装置がいるなら技術をかき集める。兵器だって作る
後方支援で足りないのなら、どこへだって行って何だってやる
情報収集でも、殺しでも、何でも

…………死にに行け、と言われたとしても、それもやるよ


【声には、冗談のような気配は一切なかった。彼は本気で言っていた】
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 22:58:32.94 ID:CuNapqXx0
>>910

【サングラスを掛けた彼の目はずっと手元のカードを見ている。ありもしないジャックかクイーンかそれ以外か】
【何かに例えているのかそれとも別のことに思いふけっているのか。たった二枚のカードがいつまでもそこにある】

俺もめっぽう弱くてね。カードで勝ったことはない。その場にいるヤツの癖とか…そういう外れたテクニックで
たまに勝つぐらいさ。…引き際ってのはわからないもんだ。引いたと持っても場に引きずり出される。そういうこともある。

…ここ数年で、俺は“シゴト”は引退したつもりだった。自由になるために命を賭けて、金も無くなった。全部、もっと
マシな生き方を探すつもりだった。それで……それで…。…今また、こうして、ここにいる。

【灰皿の縁に置いたタバコの煙が細く揺らめいて、ただその身を燃やしている。彼は火をつけたことも忘れているかのように】
【それを視界の隅に追いやったまま、何杯目かのウィスキーを飲み干した。】

少額のレイズじゃ相手もまだ動かない。相手が俺たちのブラフに、騙されるまで張り続ける。
……カニバティール。お前は何処までやるつもりだ。このゲーム、席に最後までついているつもりか?

【“黒幕”、“円卓”、"機関”…最終的な"勝利者”。すべての勢力と思惑が交差して混乱を極めるテーブル。】
【彼は問うた。まずはこのゲームに何処まで付き合うつもりか、そして何を求めるのかを】
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 23:00:56.06 ID:VarjVBw+0
>>914
「生物学、こりゃまた大層な御先生のようで……」

【そんな会話の中だが、突如それは打って切られた】

「おい!マリー何を……手配?機関?」

【そして意外にも、あっさりと女性はその正体を認めた】
【それは、この二人にとっても重要な意味を持つであろう名前】
【そして機関の存在だった】

「……なるほど、あんたがアスタンの?」
「にしちゃ、随分と壮大な目的ッスね」

【男もここでようやく、腰のリボルバー2丁を引き抜き】
【魔術や能力が失われた街の末路が見たい、随分と壮大な話だ】

「じゃあ、色々聞きたいことがあるなーマリーちゃん」
「そうッスね、兄ィ……アスタンであんたと戦った人達の話を聞きたいッス」
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/28(水) 23:07:36.72 ID:8Z1pppR1o
>>919

「ほう、私と戦った相手ねえ……」
「私は直接戦ってない──というより、救援部隊が入ってた時にはもう居なかったからな」

【またポケットから煙草を取り出せば、今度はオイルライターで】
【白い煙を吐きながら、彼女の問いにそう答えた】


「まあまず、君たちはそのリボルバーを収めてくれ」
「いつ撃たれるか分からない状況だったら、話せるものも話せないだろう?」

【彼女らの能力が何かわからないが、此方には魔術がある】
【銃器を仕舞ったのなら、距離が離れていても攻撃できる此方が優位になるはず】
【それに従わないのなら──取り合わないつもりだろう】
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/28(水) 23:10:13.04 ID:PpAwBrOQo
>>915

【車椅子の少女は兎に角、よく話す。夜色の少女とは対照的だ】
【後ろめたいことを隠そうとして言葉を多くしているのか、それとも、と考えるが】
【それを見極めるほど彼女は人間に通じていなかったし──、何より、“そう”は見えなかった】


……法定寺さん、ね。


【少女は目を閉じ、ため息をつく】
【光里ちゃん、という呼び名を無言で却下したのは、未だ解けない警戒心の現れだろう】
【それに、この少女がそこまでフランクな性格ではないこともあるが、何れにせよ冷たい印象を与えるだろうか】


正直、私は半分ぐらい貴女が怪しいと思ってる。
──、けど、私に危害を加えないのならどうでもいいわ。
で、どうする。 乗りかかった船だから、休める所まで連れて行ってあげてもいいけど。


それとも、ちょっとでも“クロ”って思われるのが嫌なら──、“これ”の主でも探しに行く?


【「多分、貴女の血じゃないでしょ。」】

【少女は断定するようにそう言って、光里の眼の前に、ぐぃ、と血のついた毛布を差し出した】
【──、まるで、“現実を見ろ”と突きつけるように。その声音は、低く、冷たい】

【彼女の言通りなら、「記憶を失うタイプの能力者」で、かつ、「血を操るタイプの能力者」】
【──、それよりも、「記憶を失っている間に誰かを襲った」と考える方が自然だろう】
【仮に彼女の血なら、この周りに血が飛び散っていないのもおかしい。全て毛布に吸い取られたとは考えづらかった】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 23:12:13.63 ID:iYCD9Kd/O
>>916

【場を血で汚すことなく切り抜けられ、納刀の鍔鳴りも高らかに】
【とはいえ能力で一度凍った地面はそう簡単に解けない】
【宛らコンクリートのごとく、暫くは頑固に固まっているだろう】
【それが騒ぎになるかは、こんな場所を選んだ彼らの運次第】

怪我なくて良かったわ
助かりついでに表まで案内してくれると嬉しいんだけど……

【救助にかこつけて道案内を頼もうとするが、それに先んじて腕が絡められる】
【あまり人慣れしない女としては顔をしかめるような場面なのだが――】

【眼鏡をくいと指で直す】
【何故かその手を振り払う気になれず、導かれるままに公園まで足を向けた】


さっきの場所だけど、待ち合わせや探検には不向きじゃないかしら?

【軽く咳払い。見ず知らずながら、彼女の軽率さをやんわりと指摘してみる】
【目的や行く当てがあったにしても、迷子の女が言えた義理ではないが】
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 23:12:28.10 ID:VarjVBw+0
>>920
「居なかった?」
「……嘘は話してねえみたいッス」

【煙草を取り出し、火をつけるCrimson、中々のヘビースモーカーの様だ】
【やがて、武装を収めるように言われ】
【お互い顔を見合わせ】

「これでどうだ?」

【男はリボルバー拳銃をホルスターに】
【少女はリボルバーライフルを背中に】
【二人は武器をそれぞれ収めた】

「で、聞かせて貰おうか……本当にアスタンでは戦って居ないんだな?」
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 23:18:47.63 ID:Dm/DYWbtO
>>922

【それぐらいお茶の子さいさいですわ、と自信ありげに声をかける】
【ふふーんっと少し誇らしげな感じ、長い綺の髪が揺れて】
【柔らかく微笑みかける姿、警戒心など微塵もなく】


そうなんですの、話すと長い訳がありまして
実は、あそこの路地に、美味しい焼肉屋さんがありますの
つまりはダクトですわ、あそこから零れる匂いが良いのです

ですので私は、夕餉をあちらで取るのが日課ですの
ふふーん、美味しいんですのよ!
良い匂いを食べながらおにぎりをたべると!


【聞くも涙語るも涙な内容、声色も手伝ってどこか哀愁がある】
【しかし、お嬢様ぜんとした話し方と服装とは裏腹に】
【──話す内容は庶民ぽい】
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/28(水) 23:22:13.05 ID:8Z1pppR1o
>>923

「オーケーオーケー、最近は非武装を考えない連中が多くてね」
「それで、アスタンでの話だったかな」

【彼女らが武器を収めたのを見て、数回うなずいた】
【アスタンでの話をしてくれ、と言われて記憶を探っていく】


「ああ、私は戦闘してない」
「そりゃそうだろう、魔翌力を喰って瘴気に変えてしまうような被造物がいれば、な」

【テレビでは、金髪碧眼の女が能力を行使して──などと言われていたか】
【彼女の能力は、魔翌力を喰って瘴気に変えるというものだった】
【広範囲にわたってそれを展開し、その副産物として現れた宿られた者と戦闘したのだ】
926 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/28(水) 23:22:40.20 ID:7HA+tw2yo
>>921

「私…怪しくない!!怪しくないですもん……」

【否定する言葉が強く、そしてそこから弱く小さくなっていく】
【心のどこかにもしかしたら、なんて思いが僅かにあるのかもしれない】
【だが、彼女は自分自身の性格をよく分かっている、自分は人を傷つける事なんて出来ないと言う事も】
【それでも相手にそこまで妖しいと思われているのなら、その確信さえ揺らぐのが自分だと言う事も】


「え…探しに行きますか…」

【彼女は明らかに怯えと不快の表情を浮かべながらも目の前の少女の意見に賛同した】
【疑いを晴らすため、なのだろう】


【そしてスッと車椅子の向きを変えて路地の一つの筋の方へ進んでいく】

【自分でも不思議だった、どうしてそこに歩みが進むのか】
【けど不思議な確信めいた気持ちもあった、【ここで人が死んでいる】と言う】

「……」

【ついてこいと言わんばかりに車椅子の車輪を進める】

【そして暫く進んだなら見えてくるだろう、途方もない人間業とは思えない惨状の舞台が】


【そこでは屈強な男達が無残な骸を晒していた】
【ある物はめり込むほど強い力で壁に頭を打ちつけられ、ある者は体を縦に両断され】

【そして不思議な事に、そのどれもが身体の一部を切断されていた】
【前述しためり込んだ頭も、頭だけがめり込んでおり、胴体は下に打ち捨てられ】
【縦に両断された死体は文字通り体を左右に分けられ】

【そのほかにも腕や脚が散乱し、そして何よりその血液は毛布に付いた物と同じ】

【―――――真新しかった】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 23:34:08.80 ID:VarjVBw+0
>>925
「なるほどな……つまりお前さん、Crimson自身はその救援部隊とは戦ってないってわけだ」
「アタシらニュースの内容しか知らねえッスからね、と言うかCrimsonあんたの能力の正体って何ッスか?」

【女性の説明は、理に適っていたとも言える】
【この部分は割とすんなりと納得する】
【ただ能力の部分は、端的に過ぎる説明の為、理解は出来ていないようだが】
【最もこの二人もその場に居合わせた訳ではなく、その情報はニュースのそれだけだ】

「じゃあ、その救援部隊の人間とも会ってねえし、その部隊の事も知らねえってわけだな?」

【再び男が聞いた】
【どうにも、部隊の人間の事を知りたい様子だが】
【ついでに、煙草一本くれ、と言わんばかりの動作を見せる】
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/28(水) 23:34:14.55 ID:ZNWqIdO5o
>>918
【どれほど可能性を模索しても、どれほど思考を重ねても】
【事実としてあるのは、ただ二枚のカード。後は何も見えない】

外れていようと技術があるのは悪いことではないだろうが
理不尽は、そう言ったこととは関わりなくやってきて背を押す、か

探偵をしている、と聞いた時は驚いたものだが……
お前が数年かけて払った代償も、この世界には不足だったわけだ
どうやら今後も、我々の賭けの腕が上がる見込みは薄いらしいな……

【異形の声音が、地を這うように響く。一人くゆる紫煙は、どこへ行くのか】
【同じく、何杯目かのショットグラスを空ける】

そうだ。こちらの上乗せに答えてもらわなければならない
――――最後までテーブルを離れなければ、結局は形の違うデッドエンドにぶち当たるだけだろうからな
引き際がわからなくても、引くために足掻くくらいはせねばなるまい


……『黒幕』がテーブルから消えるまで。彼奴等をこの世から降りさせれば、私も全力で席を蹴る
その先に何が待っているかは、まだ見えないがな……何せ『黒幕』が倒さねばならない敵であると同時に
このぎゅう詰めのテーブルに、ある程度の指向性を持たせる楔だ


『機関』は無論のこと、『円卓』の玉座についた男や敵を退けた後の『公安』
楔が引っこ抜かれた時点で、それぞれが自分たちのゲームを始めることは想像に難くない
そも、勝利者≠ェ決まるかどうかも怪しいものだ

ゆえに、その後は新しいテーブルに座るどこぞの誰かの、席の後ろに隠れるなり
私も自分のテーブルを掲げて盾にするなり。とかく、生きて凌ぐ。私が求めるのはそれだけだ

……お前はどうする? ロッソ

【利己的な異形は、今までと同じ答えを。手段を選ばず、立ち続けていることを求めた】
【ならば、彼は。眼前の探偵に、異形は問い返した】
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/28(水) 23:35:57.37 ID:PpAwBrOQo
>>926

【静寂の歩みの中には、少女の足音と、車椅子の車輪が地を捉える音だけが響く】
【それは何か、運命の歯車が回っているような音にも似ていた。 ──然して】


……。 酷い。


【そこに在ったのは、この荒れ果てた路地裏の中でも“地獄”と言っていい光景だった】
【酷い、という少女の言葉には光里を責める色はない──、ただ、見た光景を表現しただけ】
【だからこそ、この光景が彼女の仕業だとするなら、光里にとってそれは耐え難い事実になるのだろう】


この人は、斬られてる。……この人も。
獲物は分からないけど、相当大きな刃物。それと、使い手の膂力も強い。
普通、“車椅子”に乗ったままじゃ無理ね。まぁ、能力者にはバケモノみたいな人も居るから断言はできないけど。


【夜色の少女は物怖じせず、打ち捨てられた屍体の傷口に触れ、淡々と言葉を紡ぐ】
【犯人像と光里は一致しない。しかし、彼女は間違いなく、この場所を知っていた。だと、すれば】
【──「記憶が全然なくて」。 先程の彼女の言葉が、フラッシュバックする】


法定寺さん。
……何か、思い出したことはある。
それとも、自分で“こういう事かも知れない”って思う結論。


【屍体の傍で立ち上がり、少女は光里に振り向いた。──依然、言葉はぶっきら棒で、表情は硬いが】
【どこか、彼女に同情するような目の色をしていた。 少女の中で、一定の結論は既に出ている】
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 23:40:34.35 ID:iYCD9Kd/O
>>924

【せいぜい退屈な日常から飛び出した箱入り娘の冒険】
【そんな予想をしていただけにその回答は想像の斜め下だった】

……今度焼肉食べ放題を奢るわ

【ついそんな約束をしてしまうほど】
【庶民的と言うか、寧ろせせこましい】
【なまじ育ちがよさげなだけに余計憐れすぎて、つい目頭を指で押さえる】
【左の手で彼女の豊かな金髪を撫でようとしながら】

それと、並ぶならパン屋さんの裏口にしなさい
運が良ければ余った切れ端を貰えるから

【ここでお金を渡して場を凌ぐのは簡単である】
【しかし女には少女の人生を変えるほどの財力はない。一般人に毛の生えた程度の懐】
【助けてなんだが無責任なことはできない。故に危険を避けるアドバイスを与えるに留まるのである】
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/28(水) 23:41:46.94 ID:8Z1pppR1o
>>927

「そうそう、なかなか理解が早くて助かるよ」
「私の能力?魔翌力分光構成魔術“スペクトラム”、まあ魔術だな」

【彼女らはなかなか理解が早いようで、説明がいらない】
【彼女に能力について尋ねられるが、厳密に言えば魔術になろうか】
【純魔翌力を属性ごとに分解、それを構築することで術式をつくり上げるのだ】


「おお、なんと物分りのいいカウボーイ」

【物分りの良さに感心するばかりだ】
【どうにも部隊に所属している人間のことを聞きたいようにも思えるが】
【あえてそこは言わない──というより、自ら尋ねないと言わないつもりだ】

「だめだめ、こいつは半分麻草が入ってるやつだ」

【快楽と趣味が結合した、たちの悪い物】
【パッケージには魔法陣らしき紋様が描かれているそれ】
【吸い慣れていない人間が吸えば、卒倒するレベルのやつで】
932 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/28(水) 23:47:19.59 ID:7HA+tw2yo
>>929

「思い出せること…は無いです…」

【どれだけ思考を巡らせても思い出せることは何一つない】
【目が覚めたらここに居て、気が付いたら少女に声をかけられていた】
【ただそれだけだった】

「…こういう事かもしれない…こういう事…」

【それについても考えを巡らせてみる、そしてハッと思いついたことが一つ】

「…私の能力じゃ治せない」

「私の能力じゃ治せない条件を全部満たしてる…」

【フッと口をついて出た言葉、それがコレだった】

「私の能力は時間さえあればどんな傷でも治せるんです」

「けど…例外が二つあってですね…。一つは死んでいる事、もう一つは体から切断された部位は元に戻せない事」

【この言葉の裏をかけば、死んでさえいなければ、心臓がまだ少しでも動いていたのなら、ジリ貧で治療は出来ると言う事】
【けどここにある死体は完全に殺されており、体の一部がどこか壊されている】
【もしここに生きている人間が存在して、彼女の能力が作用したとしてもそれは完全ではなく、生き延びた者は体の一部を欠損した苦しみを一生アジわなければいけないと言う事】

【彼女から見て、犯人はとてつもなく残酷な人物だ】

「……これじゃ仮に息があったとしても治せません…」

【酷く辛そうな顔をする、彼女】

【こんな事をする人が同じ人間だとは思いたくなかった】
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/28(水) 23:47:53.95 ID:Dm/DYWbtO
>>930
/すいません、ちょっと忙しくなっちゃって
/続きは置きレスで宜しいですか?
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/28(水) 23:51:33.71 ID:VarjVBw+0
>>931
「ああ、そりゃどうも……」
「魔術!?話を聞くと原初魔術のようにも思えるッスが、いまいち仕組みがわかんねえッスね、無属性ッスか?」

【純魔翌力を元に術式を構成する原初に近い魔術、と少女は認識したようだ】
【男の方はさっぱり、と言った顔をしている】
【おつむの出来は、少女の方がいいかもしれない】

「ああ、そりゃどうも……いや、単にアレだ、その救出部隊の中に探してる奴がいたみてえなんだわ」
「黒いパーカーに赤い厚底の靴と赤い髪の女の子ッス」

【その辺りを詳しく聞いていた理由を開示する】
【最も、この辺は期待が薄くはなってしまったが】

「あ、え?お薬、的な?」

【一瞬間抜けな顔をさらす、どうにも殆ど御禁制を通り越したソレな様子だ】
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/28(水) 23:52:55.16 ID:lgIq9/22O
>>917

………………へぇ?


【その宣言と表情を見て──薄らと笑った】
【何でもやる。その言葉に嘘偽りがあるようには思えなかった】
【とはいえ──彼の表情からは負の感情が感じられた。信頼できるか、どうか】


(…………この手の奴はコマとしては使い勝手がいいってぇ相場が決まってやがる)
(──鈴音、鈴音…………かぁ。あいつの知り合いっつうのはちっと気が引ける、けどよぉ)


ワケあり、っつう感じだなぁクソナードよぉ?
鈴音と何があったか知らねぇけどよぉ……なんでもやるっつうからには、しっかり働いてもらおうか


まずは────そうだな。情報収集だ。何でもいい。敵の情報に繋がるもんなら、なんでも
邪禍から話聞いてんだろ。公安に、黒幕に、円卓…………。そいつらが今好き勝手やって色々やってやがる
なんとかっつう法律がその際たるもんだな。ほんと、能力者や魔術師にとっちゃ鬱陶しいことこの上ねぇ
何だったら……そうだな。あの法律、もう一部地域ではテストプレイみてぇなことされてるだろ
なら、直接あの法律がテストされてる地域に入って調査とかしてくれたって構わねぇ

後は…………黒幕の弱点。円卓の弱み──他にも、黒幕潰しに協力してくれそうな連中探しとかよぉ
今んとこウザってぇのは、円卓よりも黒幕連中だ。利権を貪る円卓連中は……後でいくらだって潰せる


【──少しだけ、嘘をついた。さも円卓も敵の一種であるような語り方をしたが】
【ミラ自身が円卓に加担していることを、彼女は意図的に隠した】
【更には黒幕をより意識させるかのよう、危険性を強調する。──UTで詳しく話を聞いてしまえば】
【彼女が円卓の関係者であることはすぐにバレてしまうのだが、それは一種の賭けであった】

/ちょっと離席していました……
/遅くなって申し訳ないです
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/28(水) 23:55:25.26 ID:iYCD9Kd/O
>>933
/了解です、ご都合のよい時にお返しください
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/29(木) 00:03:10.33 ID:ZLcyiLHj0
>>928

【諦めたようにカードから視線を外して、思い出したようにタバコを手に取る】
【ジリジリと先の火は赤く、真っ白な灰が落ちる。粘ついた煙を空調がかき消していく】

探しものがあったんだ。色々とな…そのついでに探偵をしていた。旅のついでのつもりだった
…そして、残った金でBARでも買い取って、海沿いに家でも買おうと思ってたんだ
いいところがあったんだよ。元音楽のプロディーサーだかが住んでたっていう白いモダンな…
退屈かもしれないけどそれでよかったはず…そんな夢もあった。2,3年っつーのは一瞬のようで…長いな。
1人でいると、こんな風に考えることが多くなったのは、老けちまったってことかな。

【ウィスキーがやけにスモーキーに感じるのはピーティな銘柄だとかそういうわけじゃない気がする。】
【そんな昨日見た夢のような話から、今目の前に迫る悪夢の話へと変わる】

俺は、"黒幕”みたいなクソッタレ共は、嫌いだ。この事件に首を突っ込んだのは完全に偶然だった。だがな、乗っかっちまった以上
降りるつもりはない。もう一度、自由を取り返す。…そして、"円卓”みたいな、のうのうと生きてる奴らも俺は、気に入らねえ。
特権だとか階級だとか…そういうロクでなしがいるってわかって、中指立てるしか無いのさ俺は。
勝利者になるつもりはない…ノーゲーム。クソッタレを降ろして、ジャックポットが弾け飛んだらそれでいい。

【彼の目的は一貫している。正義のためでも金儲けでも権力が欲しいわけでもない。ただ、気に入らないやつを殴りたいだけだ】
【それは強盗だった頃と変わらない思想。自由と信念で生きている。アナキズムに近いがもっと合致する言葉を言うならば――ロックンロール】

カニバティール…お前が"こっち”にいることよりも彼奴ら側にいることのほうがこのゲームに勝つには重要だ。
…奴らを騙し続けなきゃならない。潜り込んで、奴らを奪う。
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/29(木) 00:03:36.91 ID:rk/3uPG2o
>>932

【まるで、彼女の能力の“裏返し”のような犯人。否、能力だけではない】
【そのパーソナリティも何もかも、彼女とは逆だ。だからこそ、何か因果めいたことを感じられる】
【だが、彼女自身には自覚症状がない。 ──だからこそ、少女は敢えて口にする】


…… これは、私の予想でしかないけど。


多分、“これ”をやったのは貴女。
トリガーは分からないけれど、貴女が記憶を失うときは、こういうことをする人格にすり替わってるんだと思う。


【明確な証拠はない──、だが、状況証拠は全てが彼女を指さしている】
【それを光里が受け入れるか否かは彼女次第だが、少女が告げたいのは、“その次”だった】


……そのことを気に病む必要はないと思う。
貴女は気にするかも知れないけれど、私は仕方ないと思うから。
でも、最近の水の国の話は知ってるでしょう。


【水の国。この世界でも一二を争う大国。──ここ1ヶ月程、その国の世論は“反能力者”に傾いている】
【TVを見てもネットを見ても、能力者の能力行使を制限すべし、の論調が圧倒的多数だ】
【国会では“魔制法”と呼ばれる、能力行使を禁止する法案が審議されている始末】
【──、その流れは、恐らく光里も知っているだろう。だとすれば、少女の言わんとする事は分かる筈だ】



今のままなら、きっと貴女は“誰かを殺す”だけじゃなくて、“自分を殺す”ことになる。



【“自分を制御できない能力者”──、それは、昨今の世論が最も批判の的にしやすい存在だ】
【その内に、彼女は、“もうひとりの彼女”のせいで国家から、或いは民衆から非難の対象となり】
【或いは暴力の対象となり、 その末路は、想像に難くはない物だった】
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/29(木) 00:07:12.61 ID:YP3HfJSOo
>>934

「無属性の魔翌力を各属性の魔翌力に分配してから魔翌力を行使する、って感じだな」

【純魔翌力を属性ごと分解して、それからじゃないと魔術を行使できない】
【原初的な魔術も当然ながら使えるが、燃費があまりよろしくなく】
【そして、彼女のほうが男よりも知能があることが見て取れた】


「黒いパーカーに紅い厚底の靴と赤い髪──」

【あっ、という小さな声とともに漏れだす小さな笑い声】
【彼女──“ブラスフェミア”の被造物の一体だ。可哀想だから助けてあげた、という】
【彼女とジルベールしか救援部隊に関わってないのだから、自然とそうなる】

【だが、詳しいことは教えない腹積もりだ】
【勿論そうだろう、親友とも言える研究者の秘密を容易く漏らすわけにはいかない】
【それに、彼女らがその本人を探しているように思えなかったのもあるけれども──】

「ああ、お薬に近いかもしれんな」

【白煙を吐きながら、そう軽く答えた】
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 00:12:20.76 ID:ir2LjrNHo
>>935

【ミラの指示をただひたすらに黙って聞いていた。頷きもしなければ首を傾げもしない】
【反応は酷く薄いものだったが、時折、視線が動いていた】
【やがてミラの話が終わると、静かに口を開いた】


……要するに、ひたすら情報を集めろってことだね
その言い方から察するに、有益な情報は今のところ、あんまり持ってないのかな


【ほぼ全てが情報収集で埋められた指示に、赤木は首を傾げてみせた】
【何かすでに判明していることはないのか、と尋ねる。重複した情報を獲得するのに命を捨てるのは】
【流石に無駄遣いに過ぎる。命を捨てること自体は、全く構わなかったが】

【ここまでの様子で、ミラのことを疑う気配は一切なかった】
【確かにこれ以上、便利な駒はないといえる。それがどこまで保てるか、という問題はあるものの】
941 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/29(木) 00:14:31.14 ID:EVMDyhxzo
>>938


【―――少女のある一言を聞いて、サッと血の気が引いた】
【彼女にとっては死刑宣告にも近い言葉、いや、もっとひどい】
【だってこれをしたのが同じ人間、しかもそれが自分?それは否定したかった】

【否定したかったけど、自分が犯人、そう考えれば辻褄が合う所が多々ある】

【だから否定できない】

「…でも私は車椅子で…歩く事も出来ますけど、走ることなんて無理で…」

【否定の言葉を紡ぐ、けれど、じぶんがもしそうなら】
【今の国の内情から考えても、そして自分の未来を考えても】
【そして何よりこんな事をしているのが自分だったのなら】


【カチンと少女の地雷が作動した】

「あ…」

【少女の体が淡い光を発し、それは徐々に彼女を包み込んでいく】

「……確信を持ってしまったんですね」

【光に包まれる少女の体、その中から発せられる彼女の声】

【もしかしたら自分が犯人かも知れないそれによる不可、そして目の前の少女は自分が犯人だと確信した】
【それがトリガーになった】

【意識のもっと深い所、そこで彼女は思ってしまったのだ、確信した少女が居なくなれば―――と】

【光が消えた瞬間、そこに佇んでいるのは異形に近い怪物】
【肘から先が巨大なナタに変化し、全身は黒尽くめ、そして顔を覆ったマスクの片方に開いた穴からのぞく真紅の目】
【そして何より、その身体はか細い彼女とは違い、鍛え上げた成人男性の様になっていた】

942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 00:15:40.28 ID:59Ey2t5i0
>>939
「属性行使術の一種ッスかね〜、分配してからの魔翌力行使って手間も技術も掛かってるッス」
「え、マリーちゃん魔術詳しかったっけ?」
「齧っただけッス」

【最も、完全に理解できているかは、疑問視されるべき点ではあるが】
【口調に反して、知能や知識面は少女の方が上の様だ】

「ん?何か知ってるのか?」
「何か知ってるなら教えて欲しいッス!その子の居場所を探してるッス!」

【無論、そんな背景等解るはずも】
【また当然Crimsonの腹積もり等知るはずもなく、こう詰め寄るように聞いた】

「や、止めとく……あ、副流煙とか、そういうのも影響あったりする?」
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/29(木) 00:19:56.56 ID:YP3HfJSOo
>>942

「教えて欲しいなら、それなりの対価を出してもらいたい」
「例えばUT関連の動きでも、何でもいいんだが──」

【兎に角、この一件が終わればまた“実験”を行うつもりでいた】
【今のうちに正義を騙る者の情報は多く集めておきたい】
【UTや公安、軍など何でもいい、本当に情報が足りないのだ】

「副流煙の影響?麻草は魔翌力に影響与えるだけだから大丈夫かな」

【彼女らが此方に詰め寄ってきても、吸うのをやめようとはしない】
【ヘビースモーカーというよりは、麻薬中毒者のように見られるかもしれないが】
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 00:25:57.69 ID:59Ey2t5i0
>>943
「仲間を、売れってのか!?」
「そ、そんな……」

【確かに職務上、伝聞程度だが情報は入る】
【だがそれは機関に仲間を売るのと同じことで】

「……」
「兄ィ……」

【男は目を瞑り、黙り】
【少女は、オロオロとCrimsonと男を交互に見る】
【二人の思考には、一人の少女が居て】

「……お前さんの言う事は解った……」
「だが、考えてえ……時間が欲しい……連絡先だけ交換できるか?」
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/29(木) 00:26:05.50 ID:rk/3uPG2o
>>941

【昏い路地裏の中、突如として現れた淡い光源。──光里の身体が包まれる】
【驚きと同時に、少女の中には確信があった。 予想は間違っていなかったのだ】
【彼女であって、彼女でない言葉が鼓膜を揺らす。 腰のホルスターからナイフを引き抜いた】


……、 馬鹿じゃないの。
そうやって逃げても、何も解決しない。向き合うしかないのに。


【光里が何を思ったのか、不思議と少女は理解することが出来た】
【──それは、彼女自身が状況は違えど、似たようなバックグラウンドを持っていたからかも知れない為か】
【吐き捨てるような言葉。そして、少しの怒りと、同情。 相手は今宵出会ったばかりの人物なのに】
【少女は珍しく、その心に波を立てていた】



アンタ、人の話の邪魔しないでくれる。まだ終わってないから引っ込みなさい。
……、それとも、まだ“斬り足りない”っていうなら、相手するわよ。



【少女は明確な敵意と共に、異形を睨めつけた】
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/29(木) 00:32:50.01 ID:YP3HfJSOo
>>944


「仲間を売れってわけじゃないさ」
「ただ情報をくれたら、“その価値次第で”彼女の情報をあげるってだけ」


【余程の悪人なのだろう、情報の価値によって渡す情報は変えると】
【間接的に仲間を売ることになる上、相手が機関の人間ということになれば】
【彼女たちが狼狽えるのも納得できるというわけで】


「連絡先?手配されている身分だからね、教えればどうなるか分からない」
「フリーメールくらいなら大丈夫だろうけど」


【さらさらとメールアドレスらしきものを紙に記入していく】
【このアドレス自体は重要な情報をやり取りするために存在するわけでもなく】
【ショッピング用だとか、そこら辺の為だけのメールアドレスだった】
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 00:33:46.26 ID:wrRCc8UHO
>>940
【「判明している情報、ねぇ」ぽつりと呟いて、しばし考える】
【考えるというよりも、思い出すという方が近いか。何せ、彼女が持っている情報は多いのだ】

…………メンツは言ったな?後は──黒幕と円卓の立ち位置
黒幕は世界をぶっ壊して、新しい世界を作ろうとしていやがる
円卓は金ばっか持ってて、権利ばっか主張するような連中だ

んでもって──公安。こいつらは黒幕についていやがる
聞いてるかもしれねぇが、公安の連中は能力を消すような装置を持ってる
あたしがぶちかまされたのは、ペンライトみてぇな装置だ。中が妙にギラついている、ヤな感じのな
他にも、“異能捜査特課”みてぇなのを名乗る連中も黒幕側だと思っていい

【ここまではいいか、と一度区切る】
【いかんせん話が長い。話している側としても、少し疲れる】


…………後は、六罪王か
今のところ──黒幕側にも、円卓側にも六罪王がついている
要はあのカノッサ機関ですら仲間割れしてるってぇ状態だ
黒幕側の“王様”はこう言ったらしいぜぇ──?「自分のチームじゃないやつも頑張って」とかよぉ
おまけに黒幕側の六罪王は夢にまで出てくるらしい。ほんっと、不気味なヤツだぜ


…………結構、情報あるように聞こえるだろ。でも、実はそうじゃねぇ
今までの情報は、隠されていた勢力図がちょっとばかし明らかになった程度だ
黒幕を倒す──そのためには、まだまだ足りねぇって感じだ

連中が普段、どこで何をしているのか。あるいは、何を待っているのか

…………。…………通信にも介入できる。法律も出せる。能力だって一時的に消せる
だってのに、連中はあのなんとかっつぅ法律を一部地域にしか適応させてねぇ
流石になんか────イヤな感じがしやがる。まだ、なにか隠されてる、みてぇな……よぉ


【──そこでようやく、言葉を止める。「こんなもんか」と】
【聞いてみれば確かに──黒幕や円卓を倒せる手札など持ち得ていないのだ】
【「あぁ、金はある。戦力は、邪禍が」思い出したようにそう付け足して】
【それで本当に、情報は最後なのだろう。あるいは、忘れているだけか。……言わない、だけか】
948 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/29(木) 00:35:33.44 ID:EVMDyhxzo
>>945

「ああああああああああああああああああああ!!!!」

【低い男の声が断末魔、いや、雄たけびの様に路地裏に鳴り響く】
【それはもう声と言うより音、酷く不快な何かの音だ】

「あーあーあー…んんっ!!」

【そして目の前の少女に咳払いをして、切りかかる事もなくじっと見つめる】

「邪魔も何も、私です、ちょっと姿が変わったくらいで驚かないでください」

【声は先ほどの車椅子の少女の物だった】

「何か勘違いしてるみたいですし、教えてあげますね」

「私、記憶は共有してるんですよ、ていうか変身能力みたいなものですね」

「あ、でもでもでも、あっちの私は私ほど明確に記憶は無いですよ?バカだから回復しかできないと思ってますね」

【要するに記憶は共有されているが限りない一方通行】
【それをおどけた様子で、睨みつける少女に説明した】

「で?どうします?誰にも言いません?なら殺しませんけど」

【言うなら―――】

【それを示すかのようにナタの先端、平面になっている部分を勢いよく壁に突き立てる】
【よほど強い力なのか、平面は数センチ壁にめり込んだ】

「仲良くしましょう、私の為にも」

949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 00:41:13.79 ID:59Ey2t5i0
>>946
「っく……同じ意味じゃねえか」

【彼女が言っている事は、言葉尻を変えただけの】
【言わば同義だ】
【彼女に伝えることは、即ちこちらの情報を機関に話すことに他ならない】
【だが、同様に】
【折角掴んだ、その少女の情報への貴重な尻尾にも他ならないのだ】
【完全に足元を見られたと言える】

「ありがとよ、まあ……連絡する」

【力なく、そのメールアドレスを貰い】

「悪いな姉ちゃん、邪魔した……マリー、行くぞ」
「ああ、兄ィ、待つッス!」

【二人は、何も無くば、Crimsonの前この場から速やかに立ち去るだろう】
【無論、この特区からも……】
【震えるその手でディミーアと、そして佳月にメールを打ちながら】
【『話したいことがある、会いたい』と】


//お疲れさまでした!ありがとうございました
//何も無ければ、このまま〆でよろしいでしょうか?
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/29(木) 00:43:11.06 ID:bqk17V7to
>>937
【テーブルの上のカードよりも、きっと空調に吹き飛ばされていく煙の方が自分たちには近いのだろう】
【しかし、まだ消えてはいない。少なくとも、今は】

何かを探す旅の途上で探偵か。私には出来ない生き方だが、悪くなさそうじゃあないか
それはつくづく残念だ……そういう物件は、このご時世貴重だからな

退屈というのは、案外求めても手に入りにくいものだ。現に今、その夢が悪夢に取り換えられたようにな
……お前の口から、そのような言葉を聞くことになるとは、私としても時の流れを実感せざるを得ないな
あの路地裏でお前と初めて会った時から、ここまで。決して、短くはなかったということか

【あの日、彼が抱えていたアタッシェケース。彼はもう持っていないのだろうか、などと場違いなことを考えて】


ゲームそのものがクソッタレなこのテーブルに、偶然乗っかることになるとは、お前も運が良いのか悪いのか
『黒幕』に対する意見は、私も同じだ。このまま行けばあの連中は、自由という言葉そのものを辞書から消すだろう

『円卓』の方には、おそらく私の方が気に入られない。その手の特権階級たちには、散々酷いことをしてきたからな
ノーゲーム。流石、ロックな回答だ。探偵に転職しても、アウトロー時代の気質は、きっちりと残っている
自分で言うほど、老けてもいないんじゃあないかね、ロッソ

【そう、それでもやはり彼は、あの日と同じ男なのだ。路地裏の闇の中にいながら、確固たる己を抱いていた、あの】


無論の事だ。私は何としてでも、現状の立ち位置にしがみ付かねばならない
それをやり通すには、最初の窓口は強敵ではあるがな……鈴音から聞いたかね? ケイという女だ

あれは、よほどの懐疑主義者だ。私に野犬狩りの任務を与えはしたが、欠片も私を信用してはいない
今夜、ここに来るのにも相応のアリバイ工作が必要だったくらいだ

騙し続けるには、当分は従順な猟犬の演技をやり通さなければならん
それも、『黒幕』の中心たる計劃者≠フ目に留まらない程度にな

【ガチガチ、と犬めいて軽く歯を噛み鳴らし、異形は重苦しくそう言った】
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 00:50:16.22 ID:ir2LjrNHo
>>947

【あまりないと思って聞いたが、思った以上の情報量が返ってきて少し面食らう】
【本当に予想外にミラは情報を知っていた。ただ、実際のところ敵に有効なものはないというのも】
【ミラの言う通りだと思えた。確かに、勢力図が判明しているだけだ】


状況は、おかげで大体分かったよ
確かにそれなら、俺に頼むのが情報収集に偏るのも頷ける
相手が六罪王じゃ、真正面から行くってわけにも、いかないだろうしね


【青年の口からは嘆息。「全く機関は」なんて感想さえ追加された】
【機関に対してはいい思いはなかった。それはこの世界に生きる者ならば大体はそうなのだろうが】
【その機関にこれから刃向かうというのは、何だか奇妙な感覚がした。人生、何が起こるか分からない】

【法律に通信介入、能力消去。どこから取ってもまともな相手ではなかったが】
【青年は────意外に思えるだろうか、嫌に冷静だった。冷え切っている、と言ってもいい】
【それはやはり、先ほど言ったとおり死ぬ覚悟さえももう決めているせいなのだろう】

【それほどまでに彼にとっては、この件に助力するのが重要なことだった】


…………他のメンバーも情報収集を?
それから、機関員がいなかったっけ?


【赤木が追加で質問をする。気になった点は二つ】
【チーム内の役割分担がどうなってるのかと、カニバディールについてだ】
【機関が割れているのなら、彼はどうなのか】
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/29(木) 00:54:50.07 ID:YP3HfJSOo
>>949

//ちょうどいいのでこれで〆とさせてください!
//ありがとうございました!
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/29(木) 00:57:16.77 ID:rk/3uPG2o
>>948

【一方通行の二重人格。光里の二面性の正体が、少女に向けて披瀝される】
【そして、突きつけられた明確な“脅し”。 それは、命の危機を思わせるに十分な物だった】
【── 恐らく、従うのが賢明なのだろう。眼の前の黒マスクは、“彼女”でもあるのだから】
【今夜会っただけの、それも、人1人より希薄な存在を守る必要など、何処にもない】

【少女は、“提案”に対して目を閉じ、俯いた。 それは恭順の意思の発露に見えたかも知れない】
【だが、次の瞬間 ──、彼女は、目を見開き。 真紅の眼をきっと見据えて、こう言った】



    舐めんじゃないわよ、引っ込め変態覆面野郎。  



誰が“アンタ”の為に仲良くなんかするか。私が知ってるのは、“法定寺光里”よ。 
……、それに、二重人格だか何だか知らないけれど、アンタの口振りが気に入らない。
殺せるもんなら殺してみなさい。その前に、二度と私の前に顔出したくないようにしてやるわ。


【少女はナイフを構え、“提案”を明確に拒否した】


【少なくとも、光里は黒マスクの存在を認識していなかった】
【そうだとすれば、私だとか、私じゃないとかは洒落臭い話だ。つまり、彼女の身体に“異物”が棲んでいるだけ】
【間違いかも知れなくとも、そう考えてしまえばいい。 彼女の冷静なようでいて、単純な頭はそう結論を弾き出した】
【──、 記憶だとか何だとか、そういうモノで苦しむのは、私だけで十分だ、と彼女は黒マスクを睨み付ける】
954 :??? ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/03/29(木) 01:01:22.70 ID:Ub/IqYa60
【――――平穏。静けさ。そういった何かで表される様な、波も風も立たない静かな夜だった。】
【世間こそ"異能を制限する法案"だとか、"フルフェイスを被ったテロ事件"だとかの話題で賑やかではあったのだが】
【"此処"はそういった噂話だとか、大きな事件だとかとはかけ離れた静寂の土地。"時の流れ"から隔離された、忘れられた者達の在処。】

【夜桜がひらひらと舞い降りて、葉が地面に落ちる音すら耳に聞こえてきそうな程の安寧だけが支配する、その空間へ】
【甲高い機械の音が突如として木霊した。遠くから徐々に、徐々に近づいてくるそのシルクにも似た滑らかな鼓動は、無機質だが美しく。】
【鋼鉄で出来た心臓部に、ガソリンという名の血液が宿り、内燃という脈拍を刻む。並列四気筒のマルチエンジンが笛の様に鮮やかな音色を刻み、近づいて。】

【現れたのは一台の大型二輪車。シルバーの車体に真っ赤なラインの入った秀麗なボディ、高回転エンジン特有の叫び声の様な高音。】
【向かい風を破砕するフルカウル、これでもかと絞られたセパレートハンドルにかち上がったリアシート。所謂"スーパースポーツ"と呼ばれるオートバイが】
【タイヤと路面の間に生じるロード・ノイズを盛大に響かせて、獲物に飛び掛かるチーターが如く静寂へと飛び込んできた。ブレーキをかけ、素早く車体が制止し、停車する。】

【暫くはその場にエンジンを掛けたまま、"搭乗者"<ライダー>を乗せたそのバイク―――異世界はイタリア製、"MV AGUSTA"が誇る"F4"と呼ばれるマシンは】
【宙から地へと散っていく桜吹雪のシャワーを、暫くは浴び続けていた。そのうちに夜風が靡き、舞い上がった花びらを纏う様は、如何にも"絵画的"だ、と言えよう。】
【搭乗者はゆっくりとエンジンを切る。からん、からんとマフラーが排熱音を上げ、そうして遂には"彼"が二輪車を、降りた。少し戸惑う様に、躊躇するかの様に、ゆっくりと】


―――季節外れの墓参り、ね。


【ヘルメットも碌に被っていない状態のその男は、跨っていたバイクをちら、と横目で見る。まるでもう一度乗り込み、走り出したいと言わんばかりに。】
【早くこの場から離れたい、という気持ちがあるのだろうか。男にとってこの場所は、ある意味で特別な空間だった。しかし、意を決して彼は目の前の"其処"へ歩き出す。】



【―――――花々が咲き、木々が生い茂る其処は、大きな石造りの門<ゲート>を持った神聖なる"土地"。】
【ゲートの中央には、横文字でこう書かれている―――――"Warriors place"<戦士の眠る場所>―――――と。】



……ガラじゃねえんだけどな。ったく……―――しゃあねえ。ケジメはつけねえと、な。


【此処はかつての"聖なる都市"が郊外。街道の果て、名も無き道を進み続けた先にある"どこでもないどこか"。】
【誰かに忘れ去られた、"どこかに埋葬されなかった"、そんな"かつての誰か"達の墓場が無作為に設けられた―――永遠なる墓地。】
955 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/29(木) 01:09:28.14 ID:EVMDyhxzo
>>953


「交渉決裂ですかぁ、そうですかぁ…」

【マスクは残念そうに、それはとてもとても残念そうに声を出した】
【けれどこの怪物は一筋縄ではいかない】

「なら、こっちの方が手っ取り早い…かな?」

【ナイフを構える少女、それに呼応するかのようにナタを大きく振り上げた】

【そしてそのナタの餌食になるのは――――】


――ドンッ

―――ザシュッ

「あっ…痛い痛い。これを続けると死んじゃうかもしれないですねー」

【―――少女ではなく、黒マスク自身】

「じゃあもう一つ提案です、言わないか、ここで抵抗せずに殺されるか」

「賢い貴方ならよーく分かりますよね?」

【そう、黒マスクは記憶を共有している、即ち光里の知識も黒マスクには備わっている】
【いつもはこんな事は無く獣の様に襲い掛かるのだが、今回ばかりは特例だった】

【やったのは貴方だ、それを突き付けられて変貌した光里は、そして黒マスクは少し同化したのだ】

【だからこそ黒マスクは今自分自身を人質に取った】

956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 01:10:58.02 ID:wrRCc8UHO
>>951
【赤木が思いの外冷静であることに驚きはするが──話を続ける】
【パニックになられるよりは余程よかった。だが、自分がこの話を始めて聞いた時は】
【馬鹿みたいに驚いたことを思い返せば……少し複雑な気分にはなったが】


…………カニバディール、な。
あいつとはまだ直接顔を合わせたわけじゃあねぇが──あっちもあっちで、情報収集をしてくれている
そのうち会わなきゃいけねぇんだけどよ、どぉも今は都合がな

他のメンバーに関してもそうだな、主に情報収集と──あぁ、そうだ
麻季音のこと、あんた知ってたな。その麻季音の親父が、黒幕側にとっ捕まってる
今んとこ鈴音やロッソは、麻季音パパを助けるためにも動いてる……どの道、情報は足りてねぇ

そういや、麻季音は“ソラリス”つってな。黒幕側に必要なヒトのパーツ、ってぇもんらしい
あいつが具体的になにができるかはしらねぇけど、そういうことになってんだと
んで…………婦警。お下げ髪ににこにこ顔した婦警には気をつけろ
そいつがペンライトを持って、能力を消しに来たり──とにかくヤツは黒幕側だ。定期的にUTの様子を探りにきてる
大方、麻季音がUTにきっちりいるかどうか見張ってんだろうな

…………他のメンバーについて、だったな。鈴音や麻季音は、UTからの情報を
カニバディールは機関側からのアプローチ……自然と、そんな感じになってる気がすんな
んで、あたしはその橋渡し役だ。UT連中と機関員が堂々と会ってちゃマズいからな


【追加の情報──“ソラリス”と婦警のことについて伝え】
【肝心のカニバディールのことに関しては、恐らく味方だろうというニュアンスは込めていたが】
【結局のところ、直接顔を合わせていないから何とも言えないところがあった。とにかく】
【役割分担はと聞かれると言葉を濁し──「好きにやれってぇのが、あたしら/Mチームのスタンスだからよ」】
【最後にそう付け足すのだ。得意分野は各々違う。下手に役割分担をするよりも、好き勝手動いた方が却っていい時もある】
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/29(木) 01:22:21.39 ID:rk/3uPG2o
>>955

【黒マスクからの次なる提案は、極めて邪悪な物だった】
【光里のことを守ろうとすれば、彼女を傷付けることになる。──呑むしかないのか】


…… 分かってるじゃない。 “決裂”よ。


【 ──、しかし、 少女はどちらでもなく、黒マスクへ向けて駆けた 】

【その手に握ったナイフを振りかぶる。訓練された動き、とは感じるだろうが、何のことはない】
【避けることは十分に可能だろう。 ──それに、彼女は光里の枢要部を狙うことができない筈だ】
【そうすれば、ナタの代わりに彼女のナイフを使うだけ。 結論は同じ、光里の死だ】


 ──、 死ね。


【 そう、普通は考えるかも知れない】


【だが実際に、接近した彼女が狙って振り抜いたのは、黒マスクの“首筋”近く】
【一片の迷いもなく、その生命を駆らんとする殺意を伴って、刃が迫る──、一体、どういう積もりなのか】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 01:23:16.76 ID:ir2LjrNHo
>>956

【ミラの説明を聞いて、「うぅん」と赤木は唸り声をあげた】
【監視がついている、と聞いては平然とした顔はしていられなかった】
【流石にそれは、状況が悪すぎた。相手はこちらを見ているのだから】


…………思ったより、面倒な状況なんだね
能力を消す道具を持ったやつが、わざわざUTにまで来てるだなんて
ついこの間行ったばかりだけど、遭遇しなかったのはラッキーだったな……


【顔が想像上の恐怖に少しばかり歪む。冷や汗こそ流さないものの、危ないところではあった】
【そこで出会った少女が重要人物だというのは、そういえば当人から聞いていた】


ソラリス……ソラリス、か、仰々しい名前だね
その、なに……Mチーム? 君たちの周辺の状況も、分かってきたよ
とにかく情報を集めて、麻季音ちゃんの父親を助ける。そして麻季音ちゃんを相手に渡さない
これらをその婦警とやらに一切バレないようにやって、そのためにも秘匿通信可能な端末が必要、と

…………合ってる?


【ミラのくれた情報を、簡単にだがまとめて、それが正しいかの確認をとる】
【「ああ、端末についてはUTと機関員の関係もあったね」と、さらに続けた】
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 01:36:26.01 ID:wrRCc8UHO
>>958
【「そうだ、あってるぜ」簡潔に返事をする】
【我ながら、よくもここまで情報を集めたものだと思ってしまう】
【あぁ、とまた一声かけて更に情報を追加する】


秘密の通信が出来るようなもんに関しては、あたしの方も探しててよぉ
一番は“テレパス”みてぇなやつが見つかるのがいいんだけどよぉ
通信に関しちゃ、鈴音も一緒に探してくれてる

んでもって…………通信方法が見つかったらお互いだけが分かる“サイン”で知らせるっつう約束だ
その“サイン”を見たら、あたしがUTに行って話を聞きにいく。あるいは、話をしに行く
シンプルで古い方法だがだがわかりやすい方法だろ?

【他に何か質問はあるか、と促す。どうにも情報量が多すぎて、いくつかは抜けてしまう】
【ならばこれからは、質問に答える形式の方が楽だと踏んだのだ】
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/29(木) 01:42:56.13 ID:ZLcyiLHj0
>>950

【彼はその夢のなごりについて少し笑いながら話す。純粋にその話をする時は楽しかった】
【だがいまとなっては…と思わずにはいられない。】

探偵ってのは大変だ。あっちこっちに振り回されて…他の探偵もこんな事してるとは思えないけど
それでも…悪くはないぜ。この生き方も。…そう思っていたい。
ああ…この時間の長さ、それはお前だってわかってるはずさ。俺なんかよりよっぽど…

【また、酒をついでグラスを傾ける。そのグラスに移るのは過去か、それともこの先の未来なのか】
【何度飲み干しても残るのは今だけだ。どうしようもない過去と、どうなるか分からない未来はまるで】
【運命という他人に預けているようでちっとも自分の手元にあるような気がしなかった】

しいていうなら、あの頃よりも具体的で、慎重なプランを立てるような年になったんだ。
とにかく、黒幕を潰すところまでは他の奴らも同じだ。だがまあ、喜んでくれ。この作戦ってのはお前のリスクは
デカい。向こうにいい顔しつつ、こっちもやらなくちゃならないわけだからな。…だがその分、得するのもお前だ。
俺たちを敵の懐まで誘導してもらえるほど、出世してくれたらありがたい。だからこそ…何とかしなくちゃならない

その女、俺も会った。探りを入れていて、特段何もなかったが…念を入れて数日は潜っていた。
随分と優秀なようだ…流石に厄介だ。本当なら、早いうちに片付けたい。
ターゲットとその居場所さえ分かれば、こっちの“掃除屋”が始末できるんだ。だが、リストもなけりゃ、会ってもまだその効果を発揮するに至らない。

【敵の目を掻い潜りつつ準備をしていく。それは危険すぎるぐらいだ。だからその安全策として暗殺、謀殺。黒幕の戦力を削りたい】
【しかしその機会が今のところ無い。そのために行動を起こすのは悩ましいところだ。初手ではそれはしたくない】
961 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/29(木) 01:45:43.41 ID:EVMDyhxzo
>>957

「…!?」

【駆けてきた少女に対して初めて黒マスクは動揺した】
【自分の知識を超えた行動をして来たのだ、まさしく想定外だった】

【だからこそ、反応が遅れた】

「ちょ!?」

【ナイフが首筋に迫ってくる】

【けれどそれを避けるすべが見当たらない】

【油断しきっていたのだ、だからこそ黒マスクは負けた】
【いや、まだ負けてはいない、けれどこれは負けたに等しい】

【この状態のマスクに向かってくる人間なんて今までいなかった】

【ヤバい、そう思った瞬間にマスクはまた光に包まれた】
【防衛本能が働いたのだろう、元に戻るつもりだ】

【だがこの状態こそが完全に無防備】

【いつでも殺せる状態である】
962 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 01:46:58.96 ID:ir2LjrNHo
>>959

【「テレパス……」、と呟きながら何かを考える仕草を取る】


…………うぅん、テレパス、か
擬似的に、それと同じことはやれなくもないけど
通信状態が悪いだとか、時間が短いとか距離が短いとか、何かと制限がつくものしか作れないな
一時的な代替物ぐらいにはなるかもしれないけど…………

あと、そのサイン、というのは俺が聞いてもいいもの?


【念のため、そのサインが何なのか、と赤木は尋ねる】
【少し前に通信装置を作れなくもない、と言っていたのはこういう理由だった】
【制限が多過ぎるため、代替物ぐらいにしかならないらしい。それでも必要なら、と思って言い出してはいたが】
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/29(木) 01:55:17.61 ID:rk/3uPG2o
>>961

【 ──光里の言葉が、脳に去来する。】

【「「けど…例外が二つあってですね…。一つは死んでいる事、もう一つは体から切断された部位は元に戻せない事」」】

【ならば、多少は傷つけても、彼女の能力ならば生き永らえる筈だ】
【そして、一旦心臓が止まっても、“もう一度動かすことができれば”、彼女自身の能力が彼女を治療することができる】

【だから、首筋を切る。出血多量の上、心臓まで止まる寸前になれば必ず、黒マスクは“戻ろうと”する】
【光里の能力がなければ、黒マスクまでもが死んでしまうからだ。──そして、彼女が元に戻れば、そこで心臓を動かす】
【少女の能力は、“電気操作”。止血しながら、除細動器の容量で再び心臓を動かす。 この計画は、賭けでしかない】
【能力をそんな方法に使ったことなどないのだ。──、だが、この状況は、そこまで危ない橋を渡らなければ、御せない筈── 】


  …… ッ!!


【──、だった。少女の想定外は、“自身の行動が黒マスクにとって想定の埒外”だった、ということ】
【自らの行動の異常性を図りきれていない彼女は、ある意味で、黒マスクよりも異常と言って良かった】

【首筋を捉えかけたナイフを無理やり止めて、その身体ごと横転する。勢い余り、二度、三度、と少女はコンクリートに叩き付けられた】
【複数箇所が打撲を負い、服は埃に塗れる。 ──痛みに舌打ちし寝転んだ状態のまま、少女は顔だけを上げて、“光”の行く末を見守る】
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 01:58:54.16 ID:wrRCc8UHO
>>962

…………それじゃあ、ダメだ
Mチームを中心とした、黒幕に対抗する連中はこれからも増える可能性がある
どこにいても、メンバーにはメッセージが正確に届くよう、かつ……敵には悟られねぇようにする必要がある

悪いな。生半可なもんじゃ、危ねぇんだ
……メールをイジられてよ、ビビってるってぇのもあるんだが

それと────“サイン”もあんたには教えられねぇ
どんなものなのか、なんなのか。そういうのも……ただ、“サイン”としか
むしろ“サインがある”っつうのが精一杯の譲歩だ
このことは…………あたしと、鈴音の秘密だからな

【メンバーは各地に散っている。内偵を進めるロッソに、テレポートのできる鈴音】
【機関員として闇に潜むカニバディールや、悪魔である邪禍】
【全員に問題なく通信が届くようにするには──制限がある、という条件が厳しかった】

【そして、先ほどまではよく情報を話してくれたミラだったが……メンバー同士にも公開していない事項、というものもあるらしい】
【“サイン”に関しては、ただ“サイン”としか答えない。どれだけ聞いても、それだけは譲らなかった】
965 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 02:07:34.18 ID:ir2LjrNHo
>>964

【サインが教えられない、ということに疑問を覚えて首を傾げたが】
【それ以上は何も追求しなかった。メンバーにさえ教えないというのは何とも不可思議ではあるものの】
【そうだと言われては、納得するしかなかった】


んー…………
こんな、ところかな
かなりごちゃ混ぜのチームで、情報統制をかなり厳しくかけているのは、分かった

あぁ、えっと、多分、最後だけど
俺は手に入れた情報をどうやって、誰に言えばいい?
どうにもそのチーム……このチーム……まぁどっちでもいいんだけど
あんまり、リーダー的なのがいるような感じはしないし……全体を仕切ってる人って、いるの?


【麻季音のこともあり、メンバー内でさえ伝えていないこともある、というのは理解できた】

【それから赤木は、自分の役割について尋ねる。リーダーがいればそこに言えばいいのだろうが】
【どうにもそれが誰なのかが分からない。加えて、伝達手段も直接話すしかないのであれば】
【どうやったものかと、悩むところでは、あった】
966 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/29(木) 02:17:55.93 ID:EVMDyhxzo
>>963

【全てが元に戻ったとき、彼女はこの惨状が何か、理解できなかった】
【けど理解するしかない】

【今さっきまで話していた少女は横転しているし、なぜかナイフのような物も見える】

【となればさっき少女が言ったことは真を帯びてくる】

【自分自身が犯人だと――――】

「っ!!大丈夫ですか!?お怪我は!?」


【急いで車椅子を少女の方に向かわせる】

【そして手はわずかに発光している】
【言っていた治癒能力を発動しているのだろう】

「…私…何かお怪我をさせるような事でも!?」

「それとも…それよりもっとひどい事を?!」

【酷く焦っていた、それはなぜなのだろうか】
【自分が人を傷つけてしまったと言う罪悪感?それが一番近いかもしれない】

【とにもかくにも今は少女の安否が先決だ】

967 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 02:24:31.84 ID:wrRCc8UHO
>>965

…………あー。…………んー

とりあえずUTにいるメンツの誰か、ってぇ言いたいところ……なんだけどなぁ
やっぱあんたに直接頼んだ以上、あたしが真っ先に情報を聞きたいところでもある

が────あー…………実はあたしも結構その辺フラついてるタイプでよ
…………。…………ま、UTにいる誰かに話せば勝手にメンツ内に情報は伝わるだろ
今だとそれこそ、鈴音とか……後は麻季音とかがUTに割といるイメージだなぁ

【結局のところ、情報は必然的にメンバーの多いUTに集まるのだ】
【ならば、彼の情報もUTに回しておくのが効率的だと考えたのだろう】
【ちなみに、チーム内の人間関係はあまり考慮しないタチ】
【人間関係は、当人同士で解決してほしいと考える、上司向きではない性格だった】


んでぇ…………?…………あ?リーダー?………………いねぇな!!

強いて言えばロッソかぁ?知ってるメンツの中じゃ、一番この手の厄介ごとに慣れてそうだったし……
そうそう、ロッソってぇのはくたびれた探偵みてぇな見た目のやつだ
見ても逆にすぐ分からねぇ、場末の酒場でシケモク吸ってそうなタイプのやつ


【────今、彼女はさらりと重要すぎることを言わなかっただろうか】
【実質的なリーダーはいない。全員が全員、本当に好き勝手やっている状況だ。ただ一つ、黒幕潰しのために集まっているだけ】
【彼女はロッソがリーダー格だとあげたが……他のメンバーに聞いて同じ回答が返ってくるとも限らなかった】
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/29(木) 02:34:41.31 ID:rk/3uPG2o
>>966

【視線の向こうで、彼女が“元”に戻ったのが見えた】
【ふぅ、と──張り詰めた感情を弛緩させるため息をついた】


 …… 大丈夫。 大丈夫だから。


【──、先程、自分が犯人だと否定し切れなくなった彼女が“変身した”のを覚えている】
【きっと、彼女のトリガーは“罪悪感”か、それに似た物なのだろう。少なくとも、メンタルへの負荷の類】
【とにかく、自分は何も傷を負っていない、と伝えなければならない。 少女は、立ち上がった】
【実際に怪我は大したことがない。少しの打撲と擦り傷。 それも、光里のおかげで殆ど治癒していた】


法定寺さん。


【それから、光里の眼を見据える。──今度は、先程までと違って】
【幾分か温度の灯った表情。心なしか、少しだけの笑みが少女の顔には浮かんでいるようにも見えた】


……、詳しいことは後で説明するけれど、1つ、分かったわ。
やっぱり、貴女は悪くない。 でも、貴女はきっと、戦わないといけないんだと思う。
私にできることがあれば、協力するから。


【「私の名前は、“初”。」】

【そう言って、少女は右手を差し出した。──握手しよう、とでも言うのか】
【光里からは、急すぎて何のことだか分からない話かもしれない。それでも、この夜色の少女は】
【彼女が何処か、自分と似ているように思ってしまった。 記憶がない、という恐怖は、彼女も同じだ】


【──、この後、彼女はこの場を離れよう、と光里に告げて】
【その過程で、何があったのか、というあらましを彼女に伝えるだろう。無論、それを聞いてどう考えるかは彼女次第】
【初の介在できる事柄ではない。 ただ、彼女は、自らの連絡先を光里に渡しておくだろう。 それが、1つの救いとなりうることを祈って】


/そろそろ遅い時間なので、この辺りで失礼します、お疲れ様でした!
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/29(木) 02:36:22.10 ID:bqk17V7to
>>960
【誰にでも過去があり、そこに夢を置いてきた者もいる】
【しかし、今この世界に迫る闇は、その過去すらも押し潰さんとしているのだ】

イメージとは違って、世に看板を掲げている探偵の仕事の大半は、浮気調査だと聞いた覚えがあるな
確かに、お前ほど振り回されてはいないだろう

……一般的な倫理観からかけ離れた私の意見が、参考になるかはわからんが。悪くない生き方だと、私も思う
そうだな……まったく、長かった

【グラスをもう一杯空ける前に、少し中の酒を揺らして眺めた】
【このショットグラスの中の酒ですら、揺らさずには持てないもどかしさ】


ふ、ふ。なるほど。ならば、老獪になったと言い換えるべきかね
ああ、ひとまずのゴールまでは並んでいられる。今はそれで十分だ

……嬉しいね。私にとって、得をすることほど嬉しいことも、そうそうない
ああ、手段を選ばず、這い上がるとも。彼奴等の懐に、毒を引き込める位置にまで

何? すでにお前にまで接触していたとは……
すでに、ケイは何人か『黒幕』を追っていた者を消している。フルフェイス事件を追っていたフリーライター、自警団員……
彼奴め、疑心のみならず鼻の効きも相当らしい

【ケイに会った時に聞いた、野犬≠スちの幾人かの名を口にする。この中に加わることだけは、何としても避けねばならない】


同感だ。彼奴等が消えれば、空いた席を狙うことも出来るだろうからな
お前が選んだ掃除屋≠ネらば腕は疑わないが、現状では機会はなし、か……

リスト……今のところ、この船に乗った者の中でそれに一番近いのは私か
後は……『公安三課』の連中なら、あるいは掴んでくるかもしれんな


先日、嵐もろとも氷漬けになったセレンディピター号という船で、彼奴等の一人と会った
連中とは互いを利用し合うように話をつけている。そちらからくみ取れる可能性もある

三課の腕は、本物だ。セレンディピター号に、警備員の真似事をして潜り込んでいた時、『黒幕』のパトロンの一社だという
『レヴォルツィオーン』社の、ブランルという男から聞いたのだが。『公安三課』はセレンディピター号に乗っていた『黒幕』側のパトロンたちのリストを、探り当てたらしい

その挙句、あの船を岬のオブジェに変えてのけた。彼奴等も、『黒幕』に対する限りは、こちらと並んでいられるだろう

……あくまで、他力本願の可能性だがな。無論、私自身が敵の懐を目指す方が確実だ。そちらに手を抜くつもりはない
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 02:38:50.56 ID:ir2LjrNHo
>>967


……鈴音か、麻季音ちゃん、ね
何にせよ、情報はUTに持っていけばいいわけ、だ
それで、リーダーは別にいるわけじゃない、と…………

…………まぁ、なるべく君に持っていくよ


【ロッソの人物像を何となく想像してみた。あまり、相性が良いタイプには思えなかった】
【それならリーダー格に持って行かず、UTか、でなければミラに伝えた方がいいだろう】
【そもそもリーダーか怪しいとも言っているようだし、何ともふわっとしたチームな印象はあったが】

【ミラから視線を外して「んー」なんて声をあげながら、頭の中で情報を並べる。多過ぎる】
【抜けがあったり聞くべきこともあるのかもしれないが、聞いた量が多すぎてすぐには出てこなかった】
【なので情報の点検をあっさりと中断して、視線を戻す】


麻季音ちゃんなんかも、初対面のときはかなり警戒されたから
名前だけは、他の人たちに教えておいて。これ、名刺ね


【白衣のポケットから名刺を取り出して差し出す】
【そこには連絡先と『レヴォルツィオーン開発部門 赤木怜司』と書かれていた】
【名刺なんてのはこれといって役に立たないが、渡すのは癖のようなものだった】

【「これで機関員やらと知り合いか」なんて、何とも嫌そうに言っていたが】
【ともあれ、赤木からはこれで終わりだった。ミラからもなければ、後は帰るだけだった】
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/29(木) 02:49:47.81 ID:wrRCc8UHO
>>970

おう、分かった。ま、普通はそうするわな
とはいうものの──マジであたしはUTにいねぇからな
情報もらうのは、お互い運が良かった時に、ってことで

名刺も渡しとくぜ。クソナード野郎に書き換えててもいいんならなぁ!

【彼女ならば本当に名前を書き換えかねない。だが、了承はしてもらえたのだ】
【どのような形であれ、いずれ彼の情報は他のメンバーにも伝わることだろう】
【そして──彼からの質問がなければ。ミラが先に背を向ける。「今日、仕事あんだわ」】
【なんの仕事をしているかまでは言わなかったが、どうせロクでもない仕事に決まっている】
【もらった名刺を片手に、ひらひらと手を振って彼女はその場からいなくなることだろう】


【そして────彼と別れた後。違う路地で、彼女は立ち止まる】
【ずるり────姿が、変わった。赤い髪が顔に張り付き、皮膚に沈んでいく】
【金色の目が、赤と黒のオッド・アイに。髪の色も、骨格すらわずかに変わり】
【…………冷たい笑みを浮かべた、蛇の目とよく似た少女の姿がその路地にあった】


…………さてと、クソナード野郎
どぉいう理由で鈴音のこと気にしてんのかはしらねぇけど、よぉ────

────あんたを利用すんのは、黒幕をぶっ潰した後の話だ

く、く……ぎゃはっ。果たしてあんたは、この姿のあたしをぶっ殺すことが出来るかな────?


       【 「────楽しみだ」 】


【そう呟いて、再び彼女は路地の奥へと消えていく】
【──彼女が仕事先で、とある届け物を受け取ったのは…………また別の話だ】

/この辺りでしょうか
/遅くまでお疲れ様でした、ありがとうございましたー!
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 02:56:07.47 ID:ir2LjrNHo
>>971
//乙です!
973 : ◆DqFTH.xnGs [saga]:2018/03/29(木) 02:57:09.08 ID:wrRCc8UHO
【────路地裏】
【その場所は特別な場所だった。たった3人。鈴の少女と、人喰い肉屋と後1人だけが知っている場所】

【夜半過ぎ。木箱が積まれたその場所に、ひとりの女が現れる。派手な帽子をかぶり】
【如何にも水商売をやっていそうな──路地裏にいてもおかしくなさそうな女】
【そんな女がするりとこの場所に入り込み…………落ちている赤いチョークを、拾い上げ】


         【  ◯  】


【ただそれだけを書いて、女はそこを去る。……いや。ふと見れば、そこにいたはずの彼女は】
【チンピラのような男になっていた。あの女は、どこに行ったのだろうか────】
【──そういえば。あの女も、今しがた表通りに消えていった男も。左の薬指に、赤い指輪をはめていた】

/絡み不要でございます
974 :法定寺 光里 ◆JxE16ZRNxw [sage]:2018/03/29(木) 03:01:26.96 ID:EVMDyhxzo
>>968

「よかったぁ…」

【少女が無事なのを確認してホッと一安心】
【そしてその後に湧き上がってくる自分への恐怖と罪悪感】

【自分があんなことをするなんて…と】

【そして確信を得た、得ざるを得なかった】
【自分があの凄惨な舞台を作り上げた張本人だと】

【もうそれから逃げる事は出来なくなっていた、だって一度逃げ道を塞がれたのだから】

「戦う…戦うですか…」

【何もできない、そう思っていたのに、前線に立たなければいけない、それは恐怖だった】
【けどこの罪悪感を払拭するためには、仕方のない事なのかもしれない…】

「初さん…」

【差し出された右手をぎゅっと握りしめた、この人は殺さなかった、ここにいる、それを実感できた】


「これからよろしくお願いしても…いいですか?」

【初と言う人間は、差し出された名刺は地獄に垂らされた一本の蜘蛛の糸だった】


【そして彼女も路地裏を去った】

【一筋の光を手に入れて―――】

/お疲れ様でした!初ロールで色々不備があったと思いますが、お付き合いありがとうございました!
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/29(木) 03:05:03.86 ID:ZLcyiLHjo
>>969
/すみません…眠みがすごいので今夜はここで失礼したく…
/自分は明日も予定空いてますのでレスしておきます
976 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [sage saga]:2018/03/29(木) 03:07:29.35 ID:bqk17V7to
>>975
/わかりました、こちらも時間が取れそうなので、また明日に!
/いったんお疲れ様です!
977 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/29(木) 03:10:07.78 ID:PEymcVkEo
>>936
/置きレススレの方にお返しいたしました!またよろしくお願いします
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/29(木) 12:02:54.40 ID:ZLcyiLHj0
>>969

いや…それは間違いじゃない。この事件の始まりだって…いや、今はよそう。今度、ゆっくり話すよ。

【また楽しげに笑う。思い出話でしか笑えないのはやはり歳を重ねたせいだろうか。それとも歳のせいにして】
【逃げているからだろうか。どちらも…置いてきたものが多すぎて、進むのに邪魔ばかりしているようだった】

だからこそ、お前が此処でドロップアウトされちゃ困るんだ。黒幕の内部に食指を伸ばし、鍵を開けてもらわないとな

鈴音から聞いたお前の話通りのヤツだった。うまく巻いたとは思うが…危険だな。“黒幕”もUTに牽制をかけてきている
能力を封じ込める機械を持った“婦警”…厄介すぎるぐらいだ。だが他に目に見えた敵は俺のまわりには居ない。
計劃者だが…そういうやつも態々、俺らのところに出向くことは無いだろうしさ…。

【それよりも、と彼は一度、酒を一口飲んでから話を続ける】

俺たちのチーム…Mチームだとかそんな風に言っているが…内部に“円卓”がいるほうが厄介だ。…俺としては味方とは言い切れない。しかも資金を握っている。
“黒幕”打倒には問題ない。だがな、カニバディール。…俺はこっからお前を口説くぜ。

黒幕を討って、そこで解散しちまったら既得権益のクソ野郎と機関で作り上げた今の世界の延長線。想像してみろ、奴らはこの一件でさらに力を伸ばすだろう
挙げ句に、指導者を得た。表も、裏も同じ奴が操って、奴らの金儲けのために戦わされる。混沌?闘争?そうかもしれない。だがそれは奴らが計画したもんだ。
箱庭で作られたカオスで、生かされて、殺して、殺される。1人の運命には十分すぎる混沌だがな。…そこに意味はあんのか?
カニバディール。俺はお前の生き方をわかることはない。求めるものもわからない。だからこそ、話しておく。

黒幕か円卓か。そういう二択の話じゃないんだ。…機関に混沌と矜持を取り返す気があるなら。最後まで力を貸してくれ。

【今この男たちがやろうとしていることは人々を抑圧しようとしているものを打倒し解放する。リベラリストやアナキストからすれば正義と言える立場だ】
【だが自由は平等や公平ではない。実力がものをいい、弱者は搾取される。…その状態は正義とは言えない。だが、混沌という言葉は自由に似ている】
【ロッソはその先の話をしている。場合によってはさらに機関は力を得ることになる。そういったのだ。カニバディールも得るものは大きい。】
【だがこの話の中心は生き方。プライド。悪人には無意味なものかそれとも何よりも大切にすべきものかは…人によるだろう】

鈴音の選んだ“掃除屋”だな。…血の気の多いやつらしい。辻斬りで片っ端から殺すと言っていたようだ。…その気概があるなら
反体制ゲリラでも率いて、重要な施設の破壊工作なんかやってもらいたいもんだ。…特区もできたことだしな。

3課は鈴音もメンバーと接触したらしい。どこまで協力的かはわからないが、情報は貰い、こっちが行動する。そういう形になるだろう。

【さて、そろそろ計画の話に移ろう。と彼は一度区切って、煙草に火をつけた】
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/29(木) 13:04:06.52 ID:z4zji3mX0
【風の国――UT店舗内】
【窓から差し込む光が春めくようになってからいくらも経った頃合いなら室内は自然と暖かい、なら風情のないエアコンの駆動音も黙り込み】
【その代わりに室内にあるのは音量を絞られたテレビからの声に――かりかりとした筆記音。また時々本の頁をめくるさらさらした音が聞こえて】

…………、んん?

【――店内に人影は一つだけだった、客用の机を誰も居ないのをいいことに本やらノートやら紅茶やらお菓子やらを広げて、どうやら勉強でもしているのか】
【教科書代わりにしているのは分厚い本、一見する限りでもいくらか古いものだと知れて――黄ばんだ頁を華奢な指がつまんで、ばたばた無遠慮に前の頁と見比べ】
【結局よく分からなかったのか漏れるため息と椅子の軋む音。思いっきり体重を背もたれにかけて――ぐうと伸びをする、くうと吐息が一つ、そのまま身体を預けたまま】

よく分かんないや……、あれ、なくなっちゃった。

【小さな呟き一つ。それからよいしょとちいちゃな声、姿勢を戻してティーポットを手に取れば――ひょいと持ち上がりすぎる仕草、言葉通りを示して】
【机に手をついて立ち上がる――お湯でも沸かして淹れなおすつもりか。広げていたいろいろなものを放置して、人影――といっても少女、はふらりと裏方へ姿を消す】
【どちらにせよそう大した時間はかからない。誰か訪れるようなら――"誰か"が一時離席しているだけと思って待っていればすぐに戻ってくるし】
【そうでなくとも――用事でもあって呼びかければ、すぐに戻ってくるだろう。あるいは少女が新しいお茶を用意して、勉強を再開した後なら、誰か来ればすぐに気づくだろうし――】

【どちらにせよ。色違い瞳をした黒髪の少女だ。まだ明るい時間だからか仕事着――給仕服でこそないけれど、服装自体は方向性として似通ったもので】
【誰かの訪れる瞬間に少女が居合わせれば、それこそ鈴みたいに澄んだ声が「こんにちは」とか「いらっしゃいませ」とか言って、出迎えるのだろう】

/次お返事できるの夜になりますが! 今時間があるので、というやつです……
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/29(木) 13:24:29.62 ID:StqtaS8UO
>>979
【酒場の扉が軋む。誰かが入ってきたらしい】
【ベルでもついていれば、からからと音を立てて客の来訪を知らせでもするのだろうが】


誰かいるかー?鈴音ー?麻季音でもロッソでもいいけどよぉー?


【──聞き覚えのある声だろう。彼女が台所から戻ってくれば、見慣れぬ姿の女が入り口付近に立っているのだ】
【赤い髪に赤い服。目だけが金色の成人女性。鈴音が“この姿”を見るのは、始めてなはずだった】
【鈴音が奥から顔を出せば、「よぉ」と左手を軽くあげて挨拶をする】
【──もうひとつ、見慣れないもの。女の左薬指に、赤い指輪が光っていた】

/こちらも次のお返し夜になっちゃいますが、それでもよろしければお願いします!
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 13:25:27.72 ID:ir2LjrNHo
【路地裏】

【昼でなお薄暗い路地裏に奥地で、奇妙な金属音が響いていた】
【音源にいたのは一人の少女だった。年齢は十歳前後。子供用のスーツ服を着ていて】
【手には革のグローブ。胸元ではエメラルドグリーンの宝石をあしらったネックレスが輝く】

【彼女の前には金属の塊が屹立していた。壁というには薄いが、板というには厚い】
【その前で腰を深く落として、右腕を引いた姿勢で止まっている。そして】


────どっせぇええええええいっ!!


【女子力ゼロの掛け声とともに拳を突き出す。金属に衝突、”金属同士”がぶつかる高音が響き】
【破砕音がそれに続く。拳により砕かれた金属は上下に引きちぎられ、上半分が宙を飛ぶ】

【周囲には似たような金属の残骸が散乱。訓練風景のようではあったが】
【ちょっと、いや、かなり掛け声がうるさい。しかも激突音もうるさい。近くを通れば気づくかもしれず】
【さらにはちょいちょい吹っ飛ぶ金属の一部が通行人の方へと飛んでいく、かもしれなかった】





【水の国・特区】

【手続き期間中故に、まだあまり人通りのない特区に一人の男がやってきていた】
【全身は紺色のスーツ姿。同色であしらった紳士帽子を被った三十代前半の男だ】
【周囲をきょろきょろと見回す姿は観光客のようにも見えるが、不審者にも見えるかもしれない】


……ここが、噂の特区ですか
私のような傭兵としても、能力に制限がかけられるのはあまり好ましくないのですが……
ブランルさん、そのへんちゃんと考えてるんですかね…………


【人気が少ないことで油断してるのか、独り言が漏れ聞こえる】
【特区の様子を見にきたらしい男は、とりあえず近くに人がいれば声をかけるだろう】


//上下どちらでもってやつです、はい
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 13:32:32.14 ID:59Ey2t5i0
>>981
【巨大な金属音だった】
【金属同士がぶつかり合い、やがて一方が破壊される音】
【ともすればスクラップ工場のような、そんな音の響き】

「……詩織ちゃん?」

【近くを通り、その轟音を耳にしたのは】
【近くの学校のセーラー服に、足に頭に包帯を巻いた少女だった】
【金属片が目の前を掠めていく】

「どうしたの?こんな所で……赤木さんは?」

【もう一人、いつも一緒にいるであろう青年の姿が見えない事も疑問だった】
【兎にも角にも、人目を惹く光景であることは間違いなかったのだが】
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 13:39:57.48 ID:ir2LjrNHo
>>982

【金属塊を破壊しては、「もっと捻りが」だとか「速さが足りない」だとかぶつくさ言っていたが】
【人がやってきたのに気がつくとそちらを向く。そして相手が誰か分かるとにっこりと笑顔を見せて】


あ、翔子ちゃんだ!
やっほー、って、どうしたのその怪我!?


【包帯を見てびっくり。一転して心配そうな顔になって駆け寄る】
【「わー」とか「えー」とか言いながら包帯をしている箇所を見ていたが】
【特に何ができるわけでもなかったので、眉がへの字に曲がってしょんぼり顔】


えっと、私は単に訓練してたんだけど……
あの人は仕事よ、仕事。レヴォルツィオーンに今日も行ってるわ


【と、説明。口調が何だか変わってはいるが、何かあったわけではないようだ】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 13:49:30.38 ID:59Ey2t5i0
>>983
「こんにちは、詩織ちゃん」

【金属塊から離れ、笑顔でこちらに挨拶する詩織に答え】
【やがて、と言うよりも当然の流れか、怪我の事を聞かれ】

「ははは、ええーっと、その、うん……『例の所』に行って、それで、その……」

【バツが悪そうに、こう言った】
【先の研究施設への潜入で、負傷した傷のようだ】

「訓練?訓練って、この塊で?」

【何ともダイナミックな修行もあったものだ、と】
【同時に詩織の戦闘能力の高さを証明するものでもあるのだろうが】
【周囲に散らばる砕かれた細かい金属片を見て、呆れたように】

「(あの人?何か口調が違うような……)」
「詩織ちゃんは、武器とかは使えるの?能力とか」

【ふと、思い聞いてみる】
【金属の塊を見るに、徒手格闘がメインだろうか?】
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 13:58:19.40 ID:ir2LjrNHo
>>984

【怪我の理由を知るとへの字だった眉がさらに下がり】
【それでも生きて戻ってこれたことに安堵して、優しげに微笑む】


……頑張って、きたのね


【翔子を褒めるようにそう言って、詩織の手が頭へと伸ばされて】
【けど、躊躇うように止めてしまって。結局、頭を撫でたりはしなかった】
【それから「えっと、能力だっけ」と言って】


そう、能力が使えるの。こんな感じにねっ


【翔子に背中を向け、屈んで両手を地面につける】
【地面に紫電が走り、道を突き破りながら金属塊が上昇、停止】
【高さ二メートルほどの銀色に輝く塊が出現した】
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 14:06:17.96 ID:59Ey2t5i0
>>985
「ふふふ、ありがとう、でも失敗しちゃった」

【頭を撫でようとするも、途中でてを引っ込める】
【そんなちょっと微笑ましい、そして死地からの生還はそんな光景すらも愛しい】

「すごーッい!これって、鉄の塊を操る能力、とか?」

【初めて見る能力、まさか使う事が出来たとは】
【実はかなり器用なのかも知れない、と】

「地面以外からも、その塊出せるの?」
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 14:13:34.34 ID:ir2LjrNHo
>>986

【驚く翔子に詩織はにやりと笑う。いわゆるドヤ顔である】


鉄じゃなくて鋼、らしいわ
鉄よりも頑丈で、伸ばしたり曲げたりしても割れにくいそうよ


【姿勢を戻して右手を掲げる。グローブに紫電がまとわりつき、散る】
【手の中には小さな鋼の塊が現れていた】


ご覧のとおり、地面からも出せるわ
攻撃に防御、それ以外にも移動やら何やら
結構、便利なのよっ


【ふふん、と自慢げに話す詩織。能力については自負があるようだった】
988 :??? ◆/iCzTYjx0Y :2018/03/29(木) 14:17:08.00 ID:Ilg5+Hkh0
/ふぇぇ……スレの流れ早いよお
という訳で>>954で今夜一杯まで募集します。
お返事は少し遅いですが、宜しければどなたでも。
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 14:24:18.65 ID:59Ey2t5i0
>>987
「鋼!?詩織ちゃんそれ、かなり凄い……」

【鋼を自在に操る能力、と言った所だろうか?】
【出現、位置、大きさ、かなり自由が利くと見える】
【能力を使った戦闘では、中々トリッキーに動くのかも知れない】
【やがて右手に紫電が宿り】

「凄い!凄い!」

【思わず拍手しながら】
【そして】

「じゃあ、私も……これが私の能力」

【術式構成――展開】
【詩織の出現させた鋼の塊を中心に周囲を覆うように、氷が出現する】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 14:30:31.79 ID:ir2LjrNHo
>>989

【鋼の周囲に氷が現れると「わぁ……」と言って瞳を輝かせる】


とっても綺麗な能力ね!
……私もそっちの方が良かったかもしれないわね
鋼を出したりは便利だけれど、ちょっとこう、可愛くないわよね


【むぅ、と口を尖らせる。金属塊よりも氷の方が美しさでは勝ると思ったようだ】
【指先で鋼の塊をころころと回し、指でつまむとそれは消える】
【それからまた表情を変える。ちょっと暗い顔をして、悩むような仕草】


……レヴォルツィオーンの施設に入った、のよね?


【恐る恐る、といった様子でその話題を切り出す。流石に、気になっているようだった】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/29(木) 14:32:44.58 ID:ZLcyiLHj0
/新スレ立てておきました!
/http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1522301519/
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/29(木) 14:33:49.47 ID:QnhPEaD2O
>>954

【────流れ込む僅かばかりの吐息にも似た】

【雪白の香りを思わせる冷気、夏場に浴びる冷水が如く】
【端麗な涼しさを感じさせたなら、夜の寒さよりも殊更曖昧で】
【視線を向けたなら背後から歩み寄る一つの影】


ねぇお兄様。──貴方も、お墓参りなの?
ふふ、嬉しいわ、嬉しいの──私以外にもね、此処に来る方がいて
宜しければ御同伴しても良い?一人で歩むには、寂しすぎるの


【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性であった】

【軽く踵を鳴らしながら、貴方へと歩みを寄せる】
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 14:37:04.30 ID:59Ey2t5i0
>>990
「ふふふ、でも詩織ちゃんの能力、凄い素敵だと思うよ!」

【氷の能力を綺麗と言う、この子の純真な部分は人間のそれより遥かに豊かなのだろう】
【最も能力的な強さや利便性は、鋼に分があるのだろうが】
【詩織も、能力を使いこなしているように思える】
【やがて】

「……」
「……うん、入ったよ」

【唐突な質問に、俯き気味にそう答えた】
994 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 14:40:24.71 ID:ir2LjrNHo
>>993

【空気が一変して重いものに。詩織は言葉を続けづらそうにしていたけれど】
【それでももう一言を、時間をかけて言うのだった】


どう、だった?


【酷く曖昧な質問。そこで何が行われたのか想像もつかない彼女には】
【そういった聞き方しかなかった】
995 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 14:46:39.21 ID:59Ey2t5i0
>>994
「……失敗しちゃった」

【どうだった、と言う質問に、俯きながらこう答えた】
【収穫としてはいつでも、その場に行けば起動可能な破壊筒設置】
【そして内部の証拠写真数枚】

「潜入は上手くできたんだけどね……でも、最後に敵に見つかっちゃって……」
「何とか逃げては来たんだけどね」

【諜報員失格だな、なんてから笑いしながら】
【詩織を抱き寄せるようにして】
【敵の首魁、ブランルは、あまりにも、あまりにも凶暴で、そして狂っていた】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 14:54:28.44 ID:ir2LjrNHo
>>995

【俯く翔子に詩織は黙って抱きしめられる】
【小さな両腕を彼女の背中に回して、ぎゅっとして、背中を手が撫でる】


…………私は、ね
翔子ちゃんが生きて戻ってきてくれて、とっても嬉しいわ


【失敗したかとか、戦果がどうとか、詩織は一切気にしていなかった】
【ただ、見送るしかできなかった彼女が生きて帰ってきてくれた。それが大事なことだった】
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/29(木) 15:01:45.88 ID:59Ey2t5i0
>>996
「詩織、ちゃん……」

【小さな手が、妙に心地いい】
【思わず、涙が零れる】
【一筋、二筋、詩織の背中にかかるだろう】

「私、私……」
「私、どう戦って行けばいいのか、解らない……解らないの」

【詩織や赤木、中尉や話に聞くディミーア、鵺、そしてカチューシャ】
【彼らに共通してあるものが、自分にはない】
【覇気とでも言うのだろうか、明確な目的とそして意識だった】
【ぎゅっと詩織を強く抱きしめる】
998 :??? ◆/iCzTYjx0Y :2018/03/29(木) 15:10:12.43 ID:Ilg5+Hkh0
>>992

【"名もなきセメタリ―"へと足を踏み入れていく男。背丈は190後半、黒いミディアムショートヘアに】
【上半身はダブルのブラックライダースジャケット、下半身はレザーのパンツで覆い、纏う雰囲気は濃い魔翌力の"ソレ"。】
【顔つきこそ端正だったが、どこか危険な香りがついて離れない、そんな風貌だった。"彼"は声が後ろから響けば、驚いた様子で振り返り】


――――っと。"お兄様"だって? ハハッ、そいつは捨て置けねえセリフだな。
俺は魔界じゃ"劣等生"だったし、エモノは銃だし、それに超ウルトラスーパー強くてモテるからまさに"ピッタリ"の表現だ。

……冗談だよ、忘れてくれ。さて、お嬢さんに声を掛けられたんじゃ相手をしない訳には行かないな。
こんな夜更けの墓場に、女の子が一人で散歩とはあまり感心しないぜ。どうだい、ここはひとつ"なろう小説"の主人公様と深夜のデートでも――――、、


【くだらないセリフを吐きながら、麗しいボイスの持ち主へと礼儀正しく頭を下げるその男。】
【交わるプラチナとブラック、男と女。死の匂いが漂うこの場で相対したのは因果か、それとも神の悪戯か。】
【だがキザでナンパなセリフをつらつらと口にする彼は、頭を上げ"彼女"の顔を見たその時、口をあんぐりと開け、押し黙った。】


―――っ!?、―――……あ、ああ。そう、だな――――もちろん、ご一緒、に。
どうぞどうぞ、俺でよけりゃぜんぜん、そりゃもう、是非ともッてとこなんだが、えーっと……その前に。



きみさ、あの〜……どこかで、オレと会わなかった?



( ――――――――いや、口説き文句とかじゃなくて。
割とまじめな話、オレ、キミの顔をどこかで見てるんだ、マジで、いや、ほんとに! )

( でも、ええい、くそっ! この俺が女の顔を思い出せんなんて……くそっ、"どこ"だっ!?
"どこ"でなんで見たんだっけ、いやとびきり美人だったから覚えてるんだ、マジで、本当に!! ―――ううん、だれだっけ……!! )



【逡巡する。どうやら見覚えがあったようだ、しかしかなり"前"の事で、且つ"直接"ではない。】
【男は悩みに悩んだ結果、あろうことかナンパの常とう句である"どこかであった事ない?"を臆面もなく口にしてしまい。】
【慌てて相手の反応を見る。―――美しい髪。雪より白い肌、モデルが束になっても勝てない透明感、そして―――纏うのは淫靡な雰囲気と薫り。】

【一言でいえばドストライク。この男の好みど真ん中、というより彼女を見て鼻息を荒くしない男などいないだろう。】
【だからこそ目に覚えがあった、確かに見たことがあった、知っている顔だったのだ、だが―――それがどこで、誰だったのかまで、至れず。】
【仕方なしに"彼女"へと判断をゆだねた。貴女と私は、知り合いではなかったでしょうか、と―――変な意味ではなく、本当に不思議がる様に、この男らしからぬ質問を、投げた。】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga sage]:2018/03/29(木) 15:18:08.45 ID:ir2LjrNHo
>>997

【見上げれば、翔子が涙を流している。悲痛さが詩織の胸も締め付ける】
【涙が伝う頬を、詩織の手が包もうとする。悲しみに揺れる瞳が向けられる】


怖い、のね
怖くても仕方ないわ……分からなくても、仕方ないわ


【どう戦えばいいのか分からない。それは、実のところ詩織も同じだった】
【レヴォルツィオーンに立ち向かう、とは言った。けどそれは正義感というより義務感から】
【だから、そう、詩織にだって、分からない。どうやればいいのか、なんてものは】


ごめん、ごめんね……私にも、分からないの
翔子ちゃんが苦しんでいるのは分かっても
だから……せめて、一緒にこうしていることしか…………


【涙を流す彼女に寄り添うことしか、詩織にはできることがなかった】
【今すぐに助ける方法がないことは辛かった。無力感が胸を苛ませた】
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/29(木) 15:25:23.94 ID:PEymcVkEo
>>998

【目尻が呼吸をする様に歪む、長い睫毛がひたりと柔肌の水面に溶けて】
【刺激的な風貌の男性であった。───行う所作もそこに合っていて】
【長い髪が横顔を修飾したなら、流麗な目許に軽い笑みを浮かべて】


ふふ、夜更けの墓場の何処に恐れる要素があって?
少なくとも喧騒の無い景色はね、私にとっては好ましいの
祖国を思い出すの、冷たい、静かな、そう、とっても静かな夜の様

なーんて、嘯いても見るけど、それはお兄様にも言えるでしょう?
お兄様の様な、精力の溢れた殿方が、斯様な場所に如何して?
夜の街が余程似合うと思うの、遊里で会ったなら、添い遂げるのも吝かではないの


【整った顔立ちに僅かな笑みを浮かべる、宵月の反射で溶けてしまいそうな程の微笑み】
【それでも確かに微笑と呼ぶのに相応しい表情の変化】
【毛先が豊満な胸を擽る、大きくはだけさせた姿は否が応でも目立つ】


────ねぇ、お兄様、らしくない言葉だと思うの
そうよ、童じゃないのだから、お兄様の様な殿方には素敵な睦言がお似合いよ
でもね、その言葉だと閨事に至るには、少し足りなくて

そーんな、そんな、ありきたりのナンパじゃ、だーめっ
私は知らないわ、知らないの、行きずりの殿方は嫌いじゃないけど
お兄様の様な素敵な方なら、きっと、心も、体も覚えているの


【歩みを寄せる、腰を基準にして歩くモデルの様な足運び】
【距離を縮めたなら、貴方の目の前で少し身体を折って】
【上目で貴方を見上げながら、大きな谷間を強調する】
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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【理想は全ての代替に】能力者スレ【記憶は憂いで曖昧に】 @ 2018/03/29(木) 14:31:59.47 ID:ZLcyiLHj0
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ぐだ男「サーヴァントビーストだってええ!?」 @ 2018/03/29(木) 14:12:53.93 ID:QgBXjWcpO
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俺「安価でソレスタルビーイングと戦う」part4 @ 2018/03/29(木) 13:38:42.23 ID:V8MZwaIDO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522298322/

ルビィ「おかあさんといっしょのコンサートのチケットが当たったんだ!!」 @ 2018/03/29(木) 13:17:27.03 ID:zRQxDlif0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522297046/

【咲-Saki-】由暉子「由暉子王国戦国絵巻」【SS】 @ 2018/03/29(木) 13:03:40.54 ID:SLJESz/J0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522296220/

イチロー「エヴァンゲリオン?」 @ 2018/03/29(木) 02:40:53.50 ID:qR45x3zkO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522258853/

【SW】シス「わらわの弟子にならんか?」ジェダイ「断る!」【オリキャラ】 @ 2018/03/29(木) 01:17:01.32 ID:0XOCVNPz0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522253821/

【マンネリ】パー速でモンスト【ネンマリ】 @ 2018/03/29(木) 01:11:12.58 ID:If17vaoCO
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