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【「此処に居た」と】能力者スレ【忘れさせない証】 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/20(火) 01:01:41.48 ID:b+pd0h+a0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

無限大の大きさのこの世界。
多くのことが語られたこの世界だが、まだまだ多くの空白がある。
先人たちの戦い、絆、そして因縁。これらが絡み合い、この世界は混沌としている。
もしかすると、初めて見た貴方はとっつきづらいと思うかも知れない。
――だが、この世界の住人は新しい来訪者にことのほか優しい。
恐れず、以下に示す雑談所や、場合によってはこのスレでも質問をしてみてくれ。
すぐにスレへの溶け込み方を教えてくれるだろう。

【雑談所。質問や現状、雑談などはこちらでどうぞ】
PC【http://jbbs.livedoor.jp/internet/14029/】 

【はじめに】
このスレの元ネタはVIPで行われていた邪気眼スレです。
長く続けるに際して、いくつかのルールを設けています。以下にそれを記します。

この世界は「多様性のある世界」です。
完全無敵の能力は戦闘の楽しみがなくなり、またスレの雰囲気も壊れますので『禁止』です。 
弱点などがあると戦闘の駆け引きが楽しめます。
戦闘では自分の行動結果に対する確定的な描写を避けること。【例:○○に刀で斬り付ける。○○の首が斬れる】など。
基本の心構えですが、「自分が楽しむのと同じくらい相手が楽しむことも考える」ことが大事です。
書きこむ前にリロードを。場の状況をしっかり把握するのは生き残る秘訣です。
描写はできるだけ丁寧に。読ませる楽しみと、しっかりと状況を共有することになります。
他のキャラクターにも絡んでみると新たな世界が広がるかも。自分の世界を滔々と語ってもついてきてもらえません。
コテハン「推奨」です!
基本的に次スレは>>950が責任を持って立ててください。無理なら他の能力者に代行してもらってください。また、950を超えても次スレが立たない場合は減速を。
スレチなネタは程々に。
スレの性質上『煽り文句』や『暴言』が数多く使用されますが過剰な表現は抑えてください。
基本的に演じるキャラクターはオリキャラで。マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラの使用は禁じます。(設定はその限りでない)

【インフレについて】
過去、特に能力に制限を設けていなかったのでインフレが起きました。
下記の事について自重してください。

国など、大規模を一瞬で破壊できるような能力を使用。
他の人に断り無しに勝手に絶対神などを名乗る。
時空を自由に操る能力、道具などを使用する。時空を消し飛ばして敵の攻撃を回避、などが該当します。
特定の物しか効かないなどの、相手にとって絶対に倒せないような防御を使う。
あくまで能力者であり、サイヤ人ではありません。【一瞬で相手の後ろに回り込む】などは、それが可能な能力かどうか自分でもう一度確認を。
全世界に影響を及ぼしたり、一国まるごとに影響が及ぶような大きなイベントは一度雑談所でみんなの意見を聞いてみてください。

 勝手に世界を氷河期などにはしないように。

能力上回避手段が思いついても、たまには空気を読んで攻撃を受けたりするのも大事。
エロ描写について

 確かに愛を確かめ合う描写は、キャラの関係のあるひとつの結末ではあります。
 なので、全面的な禁止はしていません。
 ですが、ここは不特定多数の人が閲覧する『掲示板』です。そういった行為に対して不快感も持つ人も確実に存在します
 やる前には、本当にキャラにとって必要なことなのか。自分の欲望だけで望んでいないか考えましょう。
 カップル、夫婦など生活の一部として日常的に行う場合には、一緒のベッドに入り、【禁則事項です】だけでも十分事足ります。
 あまり細部まで描写するのはお勧めしません。脳内補完という選択も存在しますよ。

前スレ【http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1514984638/
wiki  【http://www53.atwiki.jp/nrks/
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714194866/

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

2 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/21(水) 22:43:06.88 ID:PI69GWNqo
前スレ>>999

【ちりんちりん、とドアに取り付けられた鈴が鳴る】
【女が抱いた第一印象は、彼の身長がやけに高いということだった】
【それに、衣服もどこか可笑しく感じられて。上下ともに真っ黒なのである】

【また新聞の方に目をやり、記事を漁って見る】
【芸能界のゴシップだとか、其のようなものには目もくれず、面白いことを探るように】
【しかし飽きたのか、新聞を閉じたタイミングで――彼は隣席に座した】


「ん、どうりょ――」
「ああ、失礼。其の“印”を見るにそうみたいだね」

【同僚か、なんて尋ねられたものだから。男の方へと目線を向ければ】
【左右へと“開いた”喉の内側に刻まれた、機関の紋章があった】
【なるほど、確かに同僚のようであった。新聞をスタンドに戻して、ブランデーを一口呑む】


「やっぱりあのニュース、話題になってるみたいだなあ」
「公安が内部で揉めてる内に、ちょっとした“実験”でもしたくて」

【優しげに微笑みを浮かべ、自らの予定を口にする】
【白衣からも分かるだろうが、女は実験室の所属であるが故に】
【目が此方に向かないタイミングで、何らかの実験を行いたかった】

「おっと、自己紹介を忘れていた」
「“第11実験室”室長、赤崎桐子だ。よろしく」

【自身を満々に湛えた其の目を彼に向け、名前と所属だけ述べる】
【彼はナンバーズであろうから、恐らく実戦に向かう者なのだろうと】
【畑は違うが、それでも同志には違いない。貴方は、なんて彼にも問うて】

//1乙です!
3 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/21(水) 22:45:06.90 ID:If8GwD/So
前スレ>>995 >>998
【どうやら、店内には先客がいたようだ。酔いどれか……それともセリーナ・ザ・キッド≠フ仕事仲間か】
【無暗な詮索をするような性格ではない。耳に入った幾つかの言葉は内に留め、今は必要な事柄に専念するのが先決だ】

俺は特に問題無い。それよりも、彼の方が疲弊しているだろう

【少年の体にはそれ程目立った傷は存在していなかった。戦闘が余り長引かなかったが故の幸運と言えるだろう】
【しかし、両者共に消耗していることは確かだ。思えば、森中での戦闘からこっち、延々と歩き続けだった。それも戦闘後の状態でだ】
【彼の表情にも明らかな疲労の色が見えるだろう。元から色の薄い肌が、より薄く、冷えた薄氷のように見えた】

【セリーナに促されるまま、店内の奥へと歩を進める。腰を下ろし、ある程度息を整えた所で、彼から事の一部始終を語り出した】

単刀直入に説明すると、俺は森の中で彼を保護した。そして、安全と判断したここに連れて来た
保護した理由は……彼がレヴォルツィオーンと言う会社が放った謎の男……謎では無いな。刺客に追われていたからだ
そして、俺は彼とその男の内、彼を信じることにした。助けようと思った

ざっくりとした説明だが、これで良いか?

【極めて淡々と、ここに来るまでの体験を事実の通りに述べる。確認はセリーナと青年の両方に向けての物だった】
【これで情報は十分か≠ニこれで言いたいことは十分か≠フ両方だ。言い切ると彼は机の上に置かれたカップを持ち、甘く熱く溶けたホットチョコレートを口に含んだ】
【時期は過ぎたが、遅めのバレンタインだ。もっとも、彼はバレンタインと言う行事が如何なるものか理解し切っている訳ではないが】

/1乙です!
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/21(水) 22:54:03.87 ID:Vn4auFY00
【路地裏】

【綺麗なオフィス街からバスに5,6分乗ってるだけでそこは貧困が支配する街】
【夜は警察は危ながってパトロールにも来ない。今日は自警団は死人が出なかったからいい日だという】
【そんな路地裏は何が起きても誰もかかわらない。クズとクズの揉め事なんて関わる価値もない。】

【ダグウッドはこの町でそこそこ上手くやってきた。ツレの紹介でヤク売人を始め、下っ端だがギャングに入り】
【この辺りを占めるまでに至った。けど、今は腹から血を垂れ流しながら、このクソみたいな路地を這っている】
【奴はずっと追ってきている。きっと殺し屋だ。うまくやってきたつもりだったのに。どこでしくじっちまったんだ――――】

【後ろからゆっくり靴音を立てて歩くヒットマン。拳銃が放たれる!Bang!Bang!Bang!!!】

あーあ…やっぱあっっったンねぇナ。ピストルってヤツぁ…スキじゃねェ。

【建物の中を反響する射撃音。そしてそいつは高笑いを響かせる。】

お前んちのブギーマンはクローゼットか?ベッドの下か?カッコは黒い帽子に黒い服かァ?
ハッ!覚えとけ。オシオキするのはおとぎ話じゃァねェ…………俺だ。

【血の痕を追ってやってきたヒットマン。柱の陰からゆらりと姿を表し、拳銃を売人の頭に突きつける】

【黒髪を今風な七三に分けて整髪料で整え、右目は眼帯で覆っている。紺のスーツで身を包む】
【片目を見開いて、薄い唇がわざとらしく笑う。売人は恐怖でもう何もすることができなかった。】

最後のチャンスだ。密造場所、ゲロっちまえば薬物所持で引っ張ってムショに2年で済ませてやるよ。
まァ、ギャングの世界っつーのは裏切り者を生かしとかねェけどな。それか、ギャングスタらしく死ぬか。
俺はどっちでもいい。掃き溜めでマトリやってるポリ公なんざ一生、クソみたいなもんサ。

【この状況を見たらどっちが悪人かわかったもんじゃない。が幾つもの銃声をさせている以上、面倒事中だと】
【辺りに知れていることだろう。ブギーマンの高笑いが響く】




【酒場】

【こちらは街中によくあるBAR的なところ。内装は開店当初流行っていた小奇麗でラグジュアリーな雰囲気をイメージしているようだが】
【予算の都合でややチープなラグジュアリーでかつ、もはやその流行はとうに過ぎ去っている】

【今は隅のテーブルで常連がカードゲームに興じたり、テレビでスポーツ中継を見たり、酒の肴に情勢を憂いてみたり…ま、普通の店だ】
【店主は今日も適当に商売して、ドタキャンしたバイトの分の仕事を片付けて…と気が重くなっている。】

【そんな頃、また一人来店する。店にいる男はばれないように取り繕いながら入り口の方を見たことだろう】
【長い銀髪で後頭部らへんでそれを複雑に編み込んでいる。白い肌に切れ長な青い瞳。耳にはピアス。目立つぐらいな数をつけている】
【ライダース風のジャケットを着て、ヒールのあるブーツを履いてパンキッシュな見た目にまとめている。そんな女が来たからだ。】

【だが全員そんな下卑た真似をしたことを連れ合いの仲間に察されないように振る舞う。】
【どことなくその女は、言葉にはできない不自然な雰囲気を持ち合わせていたからだ】

【カツカツカツカツ――ピタッ。まるで歩数を決めていたような歩き方で店内を進みピタリと止まる。】
【女はあたりを見回す。監視カメラであるかのようなキッチリと青い目で、全てを記録するかのように。】

つかぬことをお聞きしますが、この様な営業形態の飲食店というのは席の決定権は客と店、どちらにあるのでしょうか。

【唐突に、そこにいた貴方(貴女)に聞いてくる。切れ長の青い目はまっすぐジッと、あなたの目を見つめてくる】


/>>1乙です。   
5 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/21(水) 22:55:29.46 ID:I4eyBDrj0
// >>1乙です!

前スレ>>1000

……おカネ? ナニカ? 何それ、意味わかんない……

【そこまで言いかけて、はっと息を呑む。女の言った、「立ちっぱなし」のワードがひっかかり】
【……「立ちんぼ」とも言うんだったか。俗っぽい知識に偏った脳味噌が、検索結果をはじき出した】
【さらに眉根を寄せて、半歩後退る。「あたしノーマルだからそういうのいらない」、なんて言いながら】

お詫び、なんて、別になんにも……
あたしだってただ、ぼーっとしたくて此処にいただけだし、……

【そこまで言われて、ようやく警戒の色がすこしだけ薄まった。眉根が寄っているのは相変わらずだけど】
【もしかして本当に何もないんじゃ、ないだろうか。そう考えた瞬間、すぐに罪悪感が芽生える程度には】
【少女の思考はまだまだ幼かった。困ったような表情のまま、視線を逸らして】

……う。悪かった、よぅ。イライラしてて、ムダに警戒しちゃった。
ごめんネおねーさん……缶、ありがと

【ようやく出てきた謝罪と、礼の言葉はか細い声で伝えられた】
【戻ってきた視線は、今度は怒られるのを察知している子どものような色合いをして】
【上目遣いに女を見上げ、すぐ伏せられる。何か言おうとしては言葉に迷って取りやめて、を繰り返しているようだった】
6 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/02/21(水) 23:12:03.50 ID:+QkPfrBJo
/立て乙です!

>>2
【彼女が新聞を読んでいる間、大男の無遠慮な視線は彼女を観察していた】
【その目に、執拗なほどの好奇の色を感じ取り、その白衣と併せて、彼女が科学者なのだろうことは察する】

【とはいえ、今はそれだけしか知らない相手。これ以上は、相手に聞くべきだ】


こちらこそ、不躾に失礼を。同僚と顔を合わせたのは久々だったものでしてね

【店主から受け取ったビールのグラスを傾ける頃には、喉は閉じて元に戻っていた】
【フードの下の視線が、彼女が読んでいた記事にちらりと向く】


恥ずかしながら、ここ最近の情勢の裏には疎いのですが……公安が内部で揉めている、とは?
フルフェイス事件にパーティー会場の一件、今の記事にあった水の国の暴動事件……
確かに、いくつかきな臭い事件の噂は耳にしておりますが

実験=c…。科学者様とお見受けしますが、なかなかに興味深いですな

【優しげな笑み。その裏の顔が機関の科学者だとは、そう簡単には気が付けないだろう】
【カノッサ機関の科学者。大男自身も、幾人かを知っているが、いずれも一筋縄ではいかぬ狂気や技術の持ち主だった】
【眼前の彼女のそれは、いかに。値踏みしたがる欲望は、今は胸の内に秘める】


これは失礼、先に名乗っておくべきでしたな
No.29、カニバディールと申します。以後、お見知りおきを

【巨躯を折り曲げて一礼しながら、大男・カニバディールは挨拶を返す】
【瞳に湛えられた自信は、彼女の持つ力の大きさの表れか】

【そのような存在が行う、実験とは。――――そこに、自分が入り込む余地は】
【カニバディールの脳内で、早くもそろばんが弾かれ始めていた】
7 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/21(水) 23:13:59.13 ID:hGXXKIWR0
前スレ>>998

【緊張を解くつもりだったのだが、どうやらそう上手くはいかない様だった。】
【此処は決して信頼のない"組織"では無い。尤も、厚い信頼を寄せられているとも、言い難いが。】
【ともあれ実績は確かな物、名前さえ知っていれば"安全"である事には間違いがないと、そう思って貰える筈、だが。】

(―――それでも気を許せないくらい。ヤバイ"何か"を背負ってる、って事かな。)

うん、初めまして。アタシはセリーナ、セリーナ・ザ・"キッド"だ。
名前くらいは、ひょっとしたら聞いた事があるかな。
こうして言葉で言われても実感がないかもしれないけれど―――

此処は防弾性のあるガラスと鋼鉄の骨組み、緊急迎撃翌用システムで固められた酒場仕立ての"要塞"だ。
安心して、気を落ち着かせてくれて良いんだよ。カノッサだって直接攻め込んでくる事は無い、有っても返り打ちさ。
そういう訳だから―――ほら、飲んで。チョコレートや甘い物は気分を落ち着かせる、って「ルーピン先生」も言ってたしね。

【挨拶がてら、緊張をほぐすように話しかけるセリーナ。】
【テレビや雑誌、インターネットでの姿を知っていると、また違う印象を受けるかもしれない。】
【メディアに出る時はどこかふざけ倒した、明るさだけが取り柄の女といった存在だが―――今目の前にいる彼女からは】
【何かしらの明確な"意思"の様な物を感じられる筈。それは恐らく、護り人として、そして組織の首領としての責任感や―――正義感から来る物だろう。】


>>3

【業務用チョコレートを溶かした―――という訳でもなさそうで。】
【ちょっぴりビター気味のそれは、酒飲みの口に合うよう作られているのかもしれないが、】
【かなり香り高いカカオが使われていると分かるだろう、甘味が張り詰めた空気を解すのに一役買う筈だ。】

―――らしいね。さっすが義勇君、強いみたいで安心したよ。
けど、念には念を、だ。君も気になるところがあれば治療を、アタシが彼を見るから。

それで―――"森の中で"、か。
レボルツィオーン……、会社、それと追手に、逃げる男―――、刺客と森。

……オーライ、オーライ。ざっくりとだけどね、"要点"はつかめた。

つまりこういう事だろう―――。

【自身は前スレ>>998の彼に治療を施しながら、セリーナは言葉を紡ぐ。】


―――彼はその"怪しい企業"の関係者で、

―――その企業で何らかの"関わり"を持ったが故に

―――関係を断とうとして逃げた所を"危ない連中"に追いかけられていた。


……"とんでもない案件"を、持ってきてくれたね? 義勇くん。


【ふう、と息を吐き出しながら。セリーナは呆れたように笑う。】
【だが言葉はあくまで皮肉のソレ、持ち込む事にはきっと感謝しているのだろう。】
【口元をにい、と緩ませながら彼女は二人を見やった。先ずは、この言葉を掛けなくてはいけないだろう、と。】


―――ご無事で何より。命があってよかったよ、二人とも。

【青年の怪我を治しながら、セリーナは真剣なまなざしでそう呟くだろう。】


さて、それじゃ、もうちょい具体的な話を―――聞かせて貰おうかな。
君の名前は? そして、"礼の会社"とのつながりも―――全部。反して貰える、よね?

>>3
8 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/21(水) 23:23:26.66 ID:FJXTZ7Mp0
>>5

【どうやら"気づいた"らしい相手に、けれど、あまり大した感慨みたいなものは、ないようだった。軽い営業を掛けてみたけれど、おそらくはそれもきっと冗談で】
【"そんなつもり"がないのは見てとれただろう――ただ半歩後ずさる仕草が面白かったみたいに、くすくす小さな声で笑っていたけれど、ずっと笑っているから、よくわからない】
【とにかく相手にそんなつもりがないなら、こちらにもそのつもりはない――というのが分かるだろう。ただ――目の特異さだけは癖でも冗談でもない、"そういうもの"だったけど】

まあ――、では、お詫びにお茶でも。いかがでしょう? こんなに寒いところでぼーっとしていたら身体が冷えてしまいますわ、……女の子ですもの。
どうでしょう。それとも――あなた様が、お詫びに、わたくしのお茶に付き合ってくださいますか? ……食事くらいでしたらごちそうしますの。

【少しだけ警戒が薄まった様子を見て、女は降ろした手の指先を身体の前で絡ませるようにする、そうすると――コートの上からでも、その胸元が寄せられるのが分かり】
【それから持ち上げた片っ方の手で自分の頬に触れて――詫びに茶でもどうでしょうか、と、そんなお誘い。何となく曖昧なナンパみたいな、けれど違うのは】
【か細く告げられる謝罪と礼の言葉――それを聞いて、今度もまた笑ってから、ではそちらの詫びで茶でもどうかと誘うところだったろうか、なら、誘うことだけは確定しているよう】
【もちろん無理やりに連れて行ったりとかそういうことはないのだけど――】

どういたしまして。お気になさらないでくださいな――、わたくしでよければ、お話くらいは、聞きましてよ?

【――とんでもなく人当りのいいような笑顔だった。繰り返される視線の動き、それから何かを言いだそうとしてやめるしぐさの繰り返し。それをみとめた後だったなら】
【大丈夫だから言ってごらんと誘うように柔らかな声音がそう促す。とかく共通しているのは、どうあれ不快な気持ちであった相手の役に立てないかということだったから】
【どうやらこれは本当に本心で言っているらしかった。お茶とか食事を――という提案も、そのための場を整えようとするのにも、きっと、似ていて】
【なら。相手さえよければ――きっとこの女は、あまりに容易く頷くのだろう、というのも、簡単に予想できるみたいで】

/ごめんなさい、遅くなりました……!
9 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/21(水) 23:33:10.23 ID:I4eyBDrj0
>>8

ごちそう、なんて……いいよ別に、あたしが八つ当たりしただけだし……
……あったかいとこに行くのはまあ、うん、いいけど……

【寒空の下で立って話し続ける気力もなくて、お茶に行こうという誘いには頷いたけど】
【そこまでされるのは気が引ける、と。自分の分は自分で出すよ、なんて言いながら】
【丁度いい店もよく知らないし、女に誘われるままついていくだろう】

それで、えっと……あー、うん。話、ハナシね……愚痴になっちゃうんだけど。
……おねーさんはさ、家族……あ、血のつながりとかそーいうのに限定した話じゃなくて、
なんかこう……家族っぽい立ち位置にいる人。そーいう人とさ、仲良くやれてる?

【温かい室内、適当な店についてテーブルに座ったなら。重たい唇を動かし始める】
【内容はまあ、年頃の少女ならよくあるタイプの話だ。家族と仲良くできません、と】
【そんなありふれた悩み事を口に出しながら、メニューをぺらぺら捲っていた】

//いえいえー!
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/02/21(水) 23:37:02.50 ID:XYGqOnV1o
>>3>>7

【治療を提案されれば青年は大人しく承諾した】
【実際のところ、それほど酷い怪我はなかった。せいぜいが軽い切り傷程度。それよりも体力消耗の方が激しいようだった】
【セリーナに重ねて勧められてやっと彼はホットチョコレートに口をつけた。少しそれを口に含み、飲み込む。息を吐く。どこか緊張が解れたようだった】

【少年の紹介と説明には軽く頷く】

経緯は、合ってる
問題はあの企業がやろうとしていることだ……

【ホット・チョコレートのカップを持ったまま青年は俯く。その表情には絶大の苦悶】

レヴォルツィオーンと僕は、繋がりなんてないんだ。ただ、ある日僕は路地裏にいたところをさらわれた……
それで、妙なところに……研究所に連れていかれた。そこにはブランルって名前の科学者がいて、人間を、解剖か何かしていたんだ。まだその人は生きていたのに……脳を取り出しているように見えた
その部屋は最悪で、凄い広い部屋だったんだけど、壁一面に死体が吊るしてあって……
そいつは連れてこられた僕に”不死の軍勢を作ってる”って笑いながら話してた

僕も同じような目に遭うかと思ったけど、手術台みたいなのに乗せられた後、他の人たちとは違って、僕は多分、眠らされてたと思う。意識がなかったんだ
目を覚ましたときにはあいつの、ブランルの嗤った顔が見えて、あいつは”実験は成功だ”って言ってた。”お前には別の役割がある”とも言っていたような気がする……

【ここまで話して青年は大きく息を吐いた。記憶を掘り起こすことは彼にとってかなり負担なようだった】
【その後、何かに気がついたように顔をあげた】

あぁ、えっと、名前、だっけ
僕はアルベルト……

【名前を名乗ったかに思えたが、直後にはっとした表情を浮かべる】
【さらに何か信じられないものを見たような表情へと変わった】

”アルベルト”って……誰だ……僕の名前じゃない……っ
”ジョセフ”……違う……”ラヴィーナ”、も違う……
”ウィリアム”……“ミシェル”……”セオドア”……”サクラ”……っ!

思い出せない……僕の名前ってなんだ……っ!?

【突然錯乱したように青年は頭を抱え始める】
【二人には見えるだろうか。青年の左頬から首筋にかけて入った不可思議な文様の刺青が、微かに蠢いたことが】
11 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/21(水) 23:52:54.29 ID:PI69GWNqo
>>6

【彼がビールのグラスを傾ける時には、彼の喉は元通りであり】
【彼が異能者であることを理解し、そして彼の能力への興味も出てくるものだ】

「ああ、この前『公安一課』のエースとも呼ばれた人物が国家反逆罪で起訴されたらしい」
「でも、其のような人物を取り押さえられるほどの実力と、『逮捕権』を有するのはどの組織か?」

「――『公安』、そのものしかない。って私は思ったんだけどね」

【UTや自警団など、治安組織は幾つも存在する】
【だが、逮捕権を公的に有するのは『警察』のみなのである】
【そうであれば、警察の上部に属する組織である『公安』が逮捕したと見るのが妥当かと思った】
【正義を語る組織の、内乱が生じている。これは行動を起こすチャンスにほかならない】

「カニバディールさんね、よろしく」

【彼の名は耳にしたことが少なからずあった】
【どこで聞いたかといえば、忘れてしまってはいるものの――】
【とはいえ、ナンバーズの中でも特異な存在であると認知していたのは確かだ】

「それで、“実験”のことなんだけど」
「此れを見たほうが早いかもしれないね、多分」

【「口で説明すると長ったらしくなるからね」、なんて言いつつ】
【右手を少し上げる仕草をすれば、其の手には正四面体のガラス状の物体が現れる】
【それをカウンターに置けば、ホログラムのように映像が投影されて】


「私達第11研究室が主にする研究は、“魔術の増幅と拡張”。他の研究室と違って“生体因子”を作るんだけど」

【何も写っていない白色のスライドは、指を左に振れば次のスライドに切り替わり】
【そこには、“血管系魔術回路化についての議論”と大きな文字で書かれており――】
12 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/21(水) 23:59:20.58 ID:FJXTZ7Mp0
>>9

いいえ、お気にしないで……、――ああ、では。"こういうの"は、どうでしょうか? 

……わたくし、明日が誕生日なんです。二月の二十二日生まれでして――差し支えなければ、祝っていただけないでしょうか。
初めてお会いする方にそんなお願いするのですから、代金くらいは持たせてくださいな。祝ってくれる知人がいないものですから――。

【自分の分は出す――そんな風に言う少女に、そんな押し問答を仕掛けかけた女は、ただ、ふと……ふと、何かを思い出したみたいに】
【それで伝えるのは、あるいは出来すぎていたから嘘みたいでもあった。明日が誕生日なのだと言って――そのくせ、それ自体にあまり興味はないみたいに】
【双方詫びとしてお茶に誘うよりよっぽど気分もいいような"理由"――本当は幼馴染が祝ってくれたりするのだけれど、少しくらいは盛ってしまって】

【それで相手が移動するのに同意してくれたなら。ゆるりと歩き出すだろう、いわくあちらの方に割と洒落た店があるらしい】
【歩く時間は――長く見積もっても十数分ほどだろうか。街中のふと見落としてしまいそうな狭い道の中――見れば薄暗い場所だけれど、自販機が一つ、明るく目立って】
【目当ての店は、その自販機の向こう側だった。ちょうど真っ赤な色した自販機に入口が隠されてしまっていて、ただでさえ見落としそうな細い道、ぱっと見は見つけ出せない】

【中に入ればからりと古びたベルの音。それからふわっと珈琲の香りに、おいしそうな食べ物の匂い。内装はカフェのようでもあったけれど】
【実際は店主の趣味で珈琲にも力を入れているちょっとした食べ物屋――であるらしい、とは、メニューを開けば分かるだろうか。コーヒーはもとより、軽食からメインの食事まで】
【本当に使っているのか飾りなのか分からない水出し珈琲の機械、よくわからない駆け出し美術家の描いた絵、籠に積み重ねられた、おいしそうな林檎】
【メニューの最後のページ、デザートのページには黒板に書いてあるから見ろというようなことが書いてある。そして黒板には上手なチョークで描いた絵と一緒に、アップルパイの文字】

家族………………。

【暖かな店内。メニューをぱらぱら捲る少女の対面の女は、店員が置いていったうっすらとレモンの香りのする水を飲んでいた、愚痴……と称した少女の言葉に】
【お誘いしたのはこちらですから、なんて、言っていたのだけれど――。少女が、"家族"――それも、血縁ではない。家族っぽい立ち位置の人間との関係を、問うたなら】
【ことん――とかすかな音でコップが机に戻される、指先がつうとコップのふちを撫でる、それから、その指先をそっと、自分の唇に触れさせて】

――――ええ、はい、"幼馴染"と同居していますけれど、問題は。特に。

【――にこりと笑ってみせるだろう。問題は特にない――かといって、仲良しだ、とは、言わなかったけれど】
【偶然、だろうか。正真正銘の家族ではない人間――家族っぽい立ち位置の人間と暮らしているらしい彼女は――ただ、そう答えれば、また、冷たいレモン水を口に含んで】
【相手が何を頼むのか決めるのを待っているみたいだった。なら――こんな見つけづらい店を知っている時点で、何度か来たことがあって、メニューを把握しているのかもしれなかった】
13 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/22(木) 00:01:47.82 ID:N8OrcCoco
>>7
【ホット・チョコレートの甘美な香りが鼻腔を抜け、喉を通り、舌根を刺激し、脳髄に突き刺さる。珈琲とはまた違った薫りだ】
【今までに飲んだ珈琲はそのどれもが苦みの中に酸味やコクを含み、香ばしく、時にまろやかな薫りが鼻に抜ける度、五感を刺激し覚醒へと導いた】
【が、これはその逆だ。甘みを更に薫りが引き立てる。しかし、意識を覚醒へと導くものではない。むしろ、安らぎを与える為のものだ】
【これにより、彼の思考からは疲労感が幾らか拭い去られ、長旅の後とは思えない平静な会話を可能としていた】

強い……訳じゃない。俺は奴に一太刀も浴びせることが出来なかった
奴は途中で、俺の言葉に従うように退いていった。あそこで終わらなければ、その先どうなっていたかはわからない……

【実際、自分と相手の戦闘経験の差は明らかだった。初手では五分であろうと、長引くつれてどんな搦め手を使われるかわからない】
【歴戦の兵の策を単騎で打ち破れる実力が彼にあるかと言えば、怪しいと言わざるを得ないだろう】

―――――っ! ここに連れてくるかどうかは……正直俺も迷った
だが、俺が知り得る中で、こんな事態に対処できるのは貴方と、そしてもう一人くらいだ。どうか、頼む

【そう言うと、彼は静かに頭を下げた。自分一人で対抗できるような案件ではない。力不足であると言うことは誰よりも彼が理解していた】

>>10
【青年から語られる詳細な内容。それは、彼の想像の斜め上をいっていた】

誘拐された後に、君だけが他と違う術式を施された……故意的なものを感じるな
その不死の軍勢とやらは……何かのだったりしないんだろうか? 例えば、実験に使われた死体を総じてそう呼んでいる、とか

【考えられることは幾つもある。彼はホット・チョコレートを二口、三口と口に含みながら、青年の話を淡々と聞いていた】
【異変が起こった瞬間、彼の目の色が変わる。青年の首筋にある刺青が、確かに蠢動したのを目にしたからだ】

それは……一体その刺青は何なんだ? 今、確かに刺青が動いた。命を持っているように、意思を持つように
君は、何を抱えている?

【にわかに腰の刀に手が伸びる。いつ、何があっても抜刀出来るように右手を柄に沿えた】
【自己の固有名称を認識出来ない。それどころではなく、認識出来ないと言うトリガーに呼応して恐らくは実験で彫られた刺青が蠢いた】
【確実に、何かしらの因果関係が存在する。彼の警戒心は急激に上昇し、表情には出さないものの最大値に近くなっていた】
14 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/22(木) 00:05:40.35 ID:dAAjlZXL0
>>10

【多少なりとも、彼らの緊張は解せたようでセリーナは一安心する。】
【取り調べでも事情聴取でも、話す側が精神的に落ち着いていなければ正確な情報は得られない。】
【この"事件"においては、彼と、そして義勇以外に"詳細"について知る人間が居ないという状況、セリーナは全てを聞き出す必要が、あったのだが。】

15 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/22(木) 00:06:20.79 ID:dAAjlZXL0
/クソッタレ、途中送信だ!すいませんお二人方、書き直します!
16 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/22(木) 00:09:50.19 ID:N8OrcCoco
>>13
何かのだったりしないんだろうか?→何かの暗号だったりしないんだろうか?
/脱字ですね!上のように修正しておいてください!お願いしますなんでもしますから
17 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/22(木) 00:14:21.77 ID:OlpQ5CMu0
>>12

誕生日……そうなの? ふうん、おめでと。

【何歳になるの、なんて訊かないのは気遣いか、それともどうでもいいと思っているのか】
【「そんならこっちのケーキセットにすりゃいいんじゃない?」なんて言いながら】
【メニューを弄る手は止めないまま――だったはずだけど】

【女に流れるゆるやかな時間に、少しばかりの空白が生まれた。気がして】
【ぱちっと目を丸くして、それからまた伏せた。あんまり踏み込むのもなんだと思ったのだろう】

……ふうん。いいなあ、あたし、全然だめなの。
あたし、家出してんの。んでこないだ、久しぶりに、……帰った、ん、だけど、
……ぜんぜんダメだった。ヤな気持ちになって、喧嘩っぽくなって。
そもそも、仲良くしたい……とも思えなくってさあ。

【「家族に対して、そーいうこと思っちゃうのって、やっぱ良くないのかなあ」】
【最終的には適当に決めてしまったメニュー表を直して、グラスをいじる】

……おねーさんの幼馴染って、どんな人? 接しやすい?
18 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage]:2018/02/22(木) 00:19:45.18 ID:yNVAp44oo
>>11
【互いに向けるは好奇の視線。同じ組織と言えど、まるで知らない相手がゆえに】
【機関は巨大だ。数多くの邪悪なる者たちが、幾度もこの組織の内外を行き交った】
【同じ組織と言えど、相手を知らないこともよくあることである】

『公安一課』のエース……詳しくは知りませんでしたが、そこいらの下っ端ではないということですか
確かに、それに手錠をかけられるとすれば、同じ公安を置いて他にはいないでしょう

となると……公安一課以外の課が動いた、のかもしれませんな

我々機関も、同じ組織ではあれど内実はいくつも枝分かれしている
正義組織とて、組織である以上はそういった内部の複雑化は避けられないはずです
増して、権力の裏側に身を置く『公安』ともなれば……何をしているやら、わかったものではありますまい

【彼女の、赤崎の推論は理にかなっている。確かに、状況を見ればこれほど速やかな捕縛は】
【同じ『公安』が動いたと見るのが自然だ。そして、『公安』に内部の分裂が生じているとするならば】
【まず予想できるのは、課ごとの対立だろうとカニバディールは述べた】


こちらこそ、赤崎さん

【カニバディールの方では、彼女の名は耳にしたことはなかった。第11実験室。いったい、どのような魔窟なのか】
【眼前の彼女の、どこか掴みどころのない様子と同様、その実態は未だ霧の向こうだ】


ほう……研究内容を、このように映し出すことが出来るのですか。便利なものだ

【彼女がその手に出現させた正四面体を、カニバディールは食い入るように見つめる】
【彼女の言葉に引き込まれるかのように。深淵に足を踏み入れるかのように】


“魔術の増幅と拡張”……“生体因子”……

【思わずオウム返しの返答をしつつ、現れた文字を読む】
【まともな感性の人間なら、その文の秘める異様さに慄くのだろうが、この男は闇に身を置く悪漢だ】

……門外漢の私には、詳しい理論はわかりかねますが……
その研究内容と、このタイトルから察するに、魔術を有する人間の血管を魔翌力を流す回路に作り替えるということですか
それによって、魔術の底上げを……なるほど

となれば、その“生体因子”を生み出す実験の為には……生きた検体≠ェ必要になる、ということでしょうか?

【カニバディールは顔を上げ、彼女の目を真っ直ぐ見ながら重々しく言った】
19 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/22(木) 00:20:46.48 ID:dAAjlZXL0
>>10

【多少なりとも、彼らの緊張は解せたようでセリーナは一安心する。】
【取り調べでも事情聴取でも、話す側が精神的に落ち着いていなければ正確な情報は得られない。】
【この"事件"においては、彼と、そして義勇以外に"詳細"について知る人間が居ないという状況、セリーナは全てを聞き出す必要が、あったのだが。】

……なるほど、直接的な繋がりや会社的に関係がある訳ではない、と。
確かにね、レヴォルツィオーンと言えばそれなりに知名度のある会社だけど、それだけでは
君が関与している証拠にはならない。それに―――、拉致とはね。正直、あの会社がそんな事をしていただなんて。

―――話を纏めるとこういう事だ。
民間にだってそれなりに知れ渡ってる大きな企業が、
路地裏で拉致した民間人を"何らか"の人体実験のモルモット扱いしていて
その上脳味噌を取り出したり―――死体だらけの部屋で"軍事研究"をしている、―――と。

……オーケイ。ちょっと信じ難い話だ、けど―――……、。
ありがとう、勇気をもって話してくれて。辛かったでしょう、そんな場所で色々されたんじゃ―――っ!?

【話を聞き済めていけば、中途で取り乱し始める目の前の青年。】
【セリーナは慌てて彼の両手を掴み、落ち着かせようと試みるだろう。】

―――っ、もう、もういいからっ!
名前ならいい、無理に思い出す必要はない―――っ!
君は、"君"だ、落ち着いて―――息をして、先ずは息だ。次に、眼を。アタシの眼を見て、ほら―――っ。

【必死に彼をなだめようとし、正面からブルートも翡翠ともとれる神秘的な瞳を重ね】
【彼の顔を覗き込もうとするだろう。人間は人間の顔や、火を見ると気分を落ち着かせると聞いた事があった。】
【だが―――その中でも見逃さない。少年の身体には不釣り合いな文様の刺青が、まるで生命体かの様に蠢いていたのを―――……。】

>>13

【言葉に従う様に退いた、という義勇の話を聞けば、セリーナはそれを訝しむだろう。】
【レボルツィオーンがどんな実験を、どんな怪しい事をしているかはまだ不鮮明だが、察するに青年は】
【逃げ出したモルモット、という所。それが野に放たれればこうして情報が漏洩するというのに―――わざと、退いた?】

……太刀を浴びせて黙らせるだけが勝利じゃないさ。
こうして、義勇君は犠牲にあった人を安全な場所まで連れて来ているじゃない。
君の勝利だ、君の強さが導いた結果だ。誇っていいよ、義勇君。けど―――不思議だね、"退いた"、ってのは。

ま、ともあれ此処に来て正解だよ、間違っても警察組織や公安なんかには漏らしたら大変な情報だった。
警察はマスコミや政府ともつながりが深い、レボルツィオーンが「軍事」兵器に手を染めているのだとしたら
政府機関の内部に協力者がいる可能性も考えられる、そうすれば捜査状況やカチコミが向こうにリークされたり
なんならこっちの手の内を全部ばらされたり、上手い事逃げられたり―――捕まってる人たちが殺されたり、したかもしれない。

ウチは確かに小規模だ、その代わりこういった事への"隠密性"ではどこにも負けない。
ナイス判断だよ義勇。本当に―――ありがとう。……ごほっ、げほっ。

―――けほっ、けほっ……ごほっ! ―――、ごめん、大丈夫。

【何故かは、分からないが。セリーナは少し咳き込んで。彼を誉め称えた後に】
【ポケットから何らかの"錠剤"を取り出して、それを素早く呑み込むだろう。持病か、それとも―――。】
【分からないが、セリーナは咳払いをすると、直接青年に刺青について尋ねた義勇を見やる。直球勝負の質問―――彼らしいが、果たして。聞いて、よかったか。】
20 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/22(木) 00:34:00.62 ID:Quf9/z/80
>>17

【「ありがとうございます」、と、笑った表情のどれくらいが本当だっただろうか。誕生日であることは本当――だけれど、そんなに喜んでしまえるだけの、歳でもない】
【だからただ理由として引っ張り出されただけの、記念日。誰も祝ってくれる予定もなければ自分さえ忘れてしまいそうなくらい――ケーキセットを勧められれば】
【じゃあそれにしましょうと笑うけれど――】

【――笑ったままで、今度はそれがくっついてしまったみたいな表情をしていた。ずっとずっと笑っていたはずなのに、初めて、そんなようになる】
【くっついてしまって取れなくなってしまったような――それでまたレモン水を一口、二口目で、少しだけ長い息を吐いて。それでまたグラスのふちを指でなぞって】

……天音さん、と、言うのですけれど。――変な方です、面倒くさがりのくせに、口うるさいですから……。

【そのころになって、やっと、表情が切り替えられる。話すしぐさに合うような表情になって、告げるのが同居人……幼馴染の、名前なのだろう】
【接しやすいかで言えば限りなく否であるらしいというのが言葉以上に女の様子で伝わるだろうか、とりあえず――接しやすいかにくかで言えば、だいたいの人が前者と思いそう】
【というのが彼女からその人物への印象であるらしい、面倒くさがりで、口うるさい人。なるほど確かに接しやすさからは、逆の位置にあるように思え】

あなた様は……ああ、申し遅れました。二谷音々子です、お好きに呼んでいただけましたら。……それで、――その。
どうして、家出――された、のでしょう。仲良くしたくない、――から、でしょうか、

【あるいは。少女はこの女が困っているように見えたかもしれなかった、――ただ、困っているといっても、その相手の話。それが本当に愚痴だなぁ、面倒いなあというのではなく】
【おそらく彼女にもどこかしらで刺さる話なのだろう。だから困っているように見えて――それも、ずうっと上手に笑っていた女が困ったようになるくらいに、困ってしまって】
【だけれど――それは聞かないといけないことである、みたいに、問うだろう。どうして家出したのか、――その流れで相手の名前を聞いていないことを思い出し】
【自らも名乗るのだけれど。それがメインでないのはあまりにあからさまで――小さな店だった。店員はそのまま店長らしい一人だけ、客はほかに何人か居るものだから】
【頼んだものが来るのには少しだけ時間がかかりそうで――だから。お互いが遮らなければ、しばらくは、邪魔は入りそうになかった】
21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/02/22(木) 00:37:03.44 ID:fbWr79S2o
>>13>>19

【セリーナが落ち着かせようと青年の両手をつかんだ後も、彼はうわ言のように人名を言い続けていた】
【しかしセリーナと視線が重なると次第に声が小さくなっていき、波が引くように青年の口の動きが止まった】
【荒くなっていた息も落ち着いていき────】

……あ、ありがとう、セリーナさん
もう、大丈夫……”声”も消えたよ……

【なんとか会話ができる状態に戻ったようではあったが、やはりどこか憔悴もしていた】

……この刺青については、わからない。ただ、ブランルって科学者に何かされた後に気がついたらあったんだ
多分、あいつが言う”実験”ってのに大事なんだと、思う

【少年は覚えているだろうか。森で出会った追手が言っていた言葉を】
【──”彼”を大事に保護しておいてください】
【あの男は確か、そのようなことを言っていたはずだ】

今思い出せるのは、大体、これぐらいだ……
あとは一応、僕が連れていかれた研究所の場所なんかは、覚えてるよ

【言い終えた青年は深く息を吐いた】
【企業が何か恐ろしい計画を進めていることや、当事者である青年だけが施された何かがある、ということが齎された情報だった】
【さらには敵の陣地の場所もわかるらしい。他に質問があれば答えられるかもしれない】
22 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/02/22(木) 00:46:04.88 ID:F5YjeB5Qo
>>18

「もし課ごとの対立が起きているのなら、作戦行動にも支障をきたす筈」
「実戦には向かったことがないけども、此れだけは言えるわ」

【『公安』の課ごとの対立であれば、此れほどの好機はない】
【互いに足を引っ張り合い、手柄を取り合い、そこを滅する】
【それに、屈強な“素材”も幾つか集められるだろう。研究に使う道具としては持って来いだ】

「おお、洞察力すごいね。其のとおり、血管系を魔力回路に変えてしまう因子」
「でも唯魔術者の魔力を増幅するわけじゃないの。次のスライド――」

【また女が左に指を振れば、スライドも次のページヘ】
【彼の洞察力は恐るべきもので、先ほどの拙い説明だけでそうと理解できた】
【正直、驚かざるを得ない。ナンバーズは、やはり切れ者の集団だと】

「大体この通り。言葉で説明するより分かりやすいと思うけど」

【体内に先ほどの“因子”が注入されると、細胞内で増殖していく】
【生体の推奨程度まで因子が増殖すれば、自然に増殖が止まって】
【それから、“大気中”を漂う魔力を呼吸により吸収。ヘモグロビンが酸素と結びつくように、因子は魔力と結びつく】

「つまりは、何の力も持たない人物を魔術師に仕立て上げられる」
「無論魔術師の素質がある人間なら、間違いなく安定した定着を得られると思う」

【自信ありげな目は、熱弁と共に輝きを増していくようで】
【――つまりは、此れが成功したならば『機関』の戦力拡充に大きく貢献できる】
【さらに、魔術を扱える者であれば定着率も上がると。そう述べた】

「まあ、そういうこと」
「この実験に関しては、魔力行使が不可能な“人間”以外の生物は用いることができない」

【彼の重々しい声に追従するように、女の声も重々しいものになる】
【即ち、この混乱に乗じて拉致を行う。それが研究に必須の条件であった】
23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/22(木) 00:48:53.50 ID:OlpQ5CMu0
>>20

【女の顔が一瞬、なにか無理をしている表情にも見えた】
【あまり触れられたくない話だったろうかと、今更になって思ったけれど】
【同居人の話になって、ようやっと笑み以外の表情を見せた女を見て――少しだけ安心した】

……ふうん。優しそうなおねーさんでもそんな風に言っちゃうヒトなんだ。
難しそうだネ、でも同居に「特に問題はない」んだ?

【なんだか少しだけ面白くなってきた。そう言いたげな顔をして、ようやく少女の口元が笑む】
【悪戯っぽいのが性分だ。安心してつっつけるところは、いくらでも追及したがる】
【それ以上話したくない、という雰囲気を出されれば、あっさり退くわけでもあるが】

ねねこさん。あたしはユヅキ、夕の月って書いてそう読むの。
……んん、理由……そうだネ、仲良くしたくないってのは本当で……
「仲良くしたくない」の理由が、ちょっと、いろいろとあってさ……

……ねねこさんはさあ、その、アマネさん? ってヒトがさ。
「悪いこと」する人だったら、叱る? それとも、知らんぷりして見ないふりしてあげる?

【数瞬の空白。その間に檸檬の水で唇を湿らせ、再度開いたときには】
【ちょっとだけまごつくような、濁りをもった声色で。そんなことを訊くのだった】

//すみません、そろそろ寝なければならず……明日に持ち越させてもらっても大丈夫でしょうか?
//おそらく同じくらいの時間にはおります。。。
24 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/22(木) 00:54:35.15 ID:N8OrcCoco
>>21
【セリーナ・ザ・キッドが青年をなだめる様子を静かに眺める。発作だろうか? それとも、もっと恐ろしい何かの発現か】
【ひとまず、状況が集束に向かうことを確認すると、彼は刀の柄から手を離した】

声が……聞こえるのか……?
それはもしや、外側からではなく、君の内側から……

【そう言いかけた所でハッとして彼は口を噤んだ。無暗な憶測は口走るものではない。ましてやそれが、重大な事件に繋がるものならば】

その刺青が実験に重要な物か……とは言っても、まだどう使われるかもわからないんだろう?
ひとまず、安静にしておく他は無いか……

>>19
【黙らせるだけが勝利じゃない。慰めでも、そう言ってもらえるだけで肩の荷が下りる気持ちだった】

あぁ、俺が「黙って退いてくれるならば深追いはしない」と提案すると、文句も言わず退いていった
意図的に泳がせるような、そんな言葉を残してはいったが……それにしても不自然だ
獲物を前に牙を剥いた猟犬が、言葉一つですんなりと諦めるなんてことがあるだろうか?

【一度警察に行こうと提案した身としては、自身の浅慮を恥じ入るばかりだった。確かに、企業が相手ならば内通者がいる可能性も否定できない】
【それこそ、青年の存在ごと握り潰されかねない案件だ。そうなれば、青年を救えたことにはならない】

軍事兵器……まさかとは思うが……

【軍事兵器―――――その言葉を反芻し、思わぬ想像が脳裏を過る。例えば、不死の軍勢に使用させる強力な兵器を開発しているとして】
【それを用いて、戦争≠引き起こそうとしているとして。最悪、企業と治安組織ではなく、国と国の争いにまで発展するのではないか?】
【一企業が何故そこまでの研究を、悪事を行うことが出来るのか。その背後に一国の援助があるのなら、事態は想像を絶するものになる】

セリーナ・ザ・キッド……? どこか、体が悪いのか? それなら無理にここで話さずとも……

【彼女の異変を気遣うように立ち上がる。薬を服用していることは未知の事実だった。難病、それとも鎮静剤か】
【安静にしていられる場所に行くよう促すが、彼女はどう答えるだろうか?】

/申し訳ない……明日は早いのでここで落ちさせていただきます
/置きか、本スレで続けるかはそちらにお任せします。それでは一足先におつかれさまでした


25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/22(木) 00:55:49.66 ID:Quf9/z/80
>>23
/了解しました、この後お返ししておきます、ひとまずお疲れさまでした!
26 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/02/22(木) 01:11:47.91 ID:yNVAp44oo
>>22
間違いないでしょうな。常に自分たちのすぐ隣に敵が存在しているような状況です
場合によっては、我々が水面下で動いたとしても、他の課の仕業だと勘違いしてくれることもあるかもしれません

我々にとっては、これほどの好機もないでしょう

【『公安』ほどの組織が、そのような事態に陥っているとなれば、絶好の機会だ】
【悪事を行うにも、『公安』に打撃を与えるにも。とはいえ、実態がわからない今では、絵空事に域ではあるが】


ありがとうございます
しかし、人間の身体の仕組みから作り替えてしまうとは……この技術力には驚くばかりです

ほう……まだ先の段階がある、と……

【カニバディールもまた、第11実験室の、赤崎の持つ技術の高さに舌を巻く】
【これほど悪魔的な研究を、現実のものに。機関に集う科学者たちは、やはり並大抵のものではない】


これは……!!

【さらに、驚愕は上塗りされる。彼女が生み出した"因子"が、人体と融合し】
【酸素を取り入れるように当たり前に、魔力を己のものとしていく光景】

――――素晴らしい。この技術が確立すれば、機関の戦力は間違いなく飛躍的に上昇する……!!
誰しもが魔術を扱えるようになれば、組織化された術者の部隊を作り出すことさえ――――
赤崎さん、貴女は実に偉大な科学者だ

【彼女の熱と輝きに呼応するかのように、カニバディールの表情が醜悪な笑みの形に歪んでいく】
【シンプルかつ確実な力≠ノ直結する技術。なんと恐るべき天才の所業であろうか】


なるほど……となれば、正義組織の目を盗んで拉致を行う必要があるわけですな

――――赤崎さん。もしお許し願えるならば、私もこの研究に協力させてはいただけませんか?
拉致とくれば、私と私の手勢の得意分野の一つです

【異形の目が、邪悪な光を帯びた】
27 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/22(木) 01:13:34.46 ID:dAAjlZXL0
>>24>>21
/申し訳ないです、此方もそろそろ睡魔が厳しいので一旦ここで凍結をば!
明日はかなり帰宅が遅くなる予定なので、あまりコンスタントに返レスづる事は難しいかと思いますが
とりあえずお返事だけなるべく早い段階で致します、置きレスへ移行するかは私もディックさんの方にお任せしますね!
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) :2018/02/22(木) 01:18:24.28 ID:fbWr79S2o
>>24>>27
//了解です。おやすみなさーい
//置きか本スレかはどっちでもいいんですが、とりあえず本スレで継続しましょう
29 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/02/22(木) 01:27:32.71 ID:F5YjeB5Qo
>>26

「それだけ驚いて貰えれば、私としてはとても嬉しいな」

【彼の驚き様は、赤崎にとって非常に喜ばしいものであった】
【自らの研究がこのように讃えられることは、影の研究班からすればあまりないことだ】
【その喜びは束の間。でも、と赤崎が切り出すと】

「この因子の投与対象期間は、15歳8ヶ月〜17歳5ヶ月に限定される」
「性別は男女の関係が無いけど、この年齢層でなければならない」

【此れよりも若いと魔力に身体が“喰われ”、此れより老いると因子が増殖できずに“死ぬ”】
【更に、ことを難しくさせたのはその適合率の予想であった】

「そして、適合率。因子の増殖が安定し、確実に定着するまで監視が必要」
「現時点での定着率は――、たったの1%くらい。検体100人に1人の割合だ」

【ここが難しいところである。因子は定着しなければ意味がない】
【しかし、定着が始まったとしても“変異”し検体を喰う可能性もある】
【“喰われた”検体は死亡する、赤崎は述べた。正確には――】


「魔力の隆起性の性質により、身体の働きが戻ることがある」
「とはいえ不完全で死体の処理さえきちんと行えば問題はない」
「ただ、極々稀にその死体が“グール”として蘇ることがある」

【グールは体液から因子を伝播し、変異した因子の感染が行われる】
【因子は其の身体を維持するために熱量を必要とし、結果動物類を食す】
【喰われきって骨も残さないようであればいいが、噛まれたまま生き残ったとしたなら】

「此方の手を離れた、爆発的感染になりかねない。此れが最大のデメリットだ」

【そこで一息つき、赤崎はブランデーを一口口にした】
【落ち着きを取り戻すかのように、深く一度呼吸をすれば彼へと向いて】

「先ほどの年齢層であれば、是非拉致をしてもらいたい」
「更に要求をするならば、魔術に長けた家の子供であること。素質がある場合の定着率は大幅に跳ね上がるからね」

【彼の邪悪な光に、赤崎は鋭く、冷酷な目つきをして応えた】
【とにかく、先ほどの年齢層であれば誰でも良い。ただ、魔術師の家系であれば更に良いと】
30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/22(木) 01:39:51.89 ID:Quf9/z/80
>>23

……はい、変な方ですから、わたくしたち以外に友達だって居ないでしょう、――そんな方ですから。
――――ええ、問題は。特にないです。

【いたずらっぽく笑った少女に、こちらは――少しだけ目を丸くしてから、笑って返す。安心して突っつけるところだと判断したなら、それはたぶん正解で、だけど】
【もしかしたらちょこっとだけ不正解かもしれなかった。なぜなら、女の言葉は"そうあれ"という願望が混じっているように聞こえたからだ、自分たち以外に友達はいないし】
【暮らすうえで問題もない――そして、家出しているのだという相手の言葉に、さっきみたいな様子で返したなら――あるいは、?】

【(現状にきっと本当に問題はない。けれど、"そう"なってしまうことをどこかで恐れているように見えたかもしれない。それも、嘘を吐くのがうまそうな女が、取り繕えないくらい)】

【ただ――話すのが嫌だというそぶりは見せないのだ。だから、正解で、不正解】

夕月……さん、――、――ええ、と。夕月さんのご家族の方は、「悪いこと」をされる、のでしょうか、
でしたら……――申し訳ないです、天音さんは、しませんから。……絶対に。面倒くさいですから、そういうのは――、ですけれど、

【普段ならば相手をそうは呼ばない。だけれどそんな自分の中のやり方を変えたのは、どうしてだろう、――なぜだか、そうしたいような気がして】
【そしてその理由はきっと、相手が――家族のような他人の場所から逃げ出した人、だから、だ。だから、そうせざるをえない……だなんて、彼女の都合だけれど】
【――尋ねられたことに、彼女は返せなかった。なぜなら絶対的な信用があって、仮定さえも入り込む余地がない。こうまで言われる面倒くさがりはすさまじかったが、】
【だからこその絶対的な信用になりうる。だからその人物については、「絶対にしない」から答えることができない。だけれど――例えば、別の、幼馴染だったなら】

――――――「悪いこと」をしない方だったなら、仲良くしたいと思えたのでしょうか。

【"悪いこと"をしていた。普通ならばしないことをしていた。だからあれは――悪いことだった。人を殺すわけでもない、ただ、自分を殺させようとする、戯れ】
【それに気づいて、自分はどうしたのだったか――そしてもしあの時、傷ついて笑うのでなく、傷つけて笑うのだったら、自分はどうしていたのか】
【――考えて、思い至って、だけど、口には出さなかった。その人物の話は一度もしていなかった。名前を出してもいない。なら――言う必要はない、と、自分の中で決めて】

【結局、女の答えはどちらでもない。自分の中で導き出した答えは口に出されない。――けれど、その雰囲気で何となくは伝わってしまうのかもしれない、隠しきれないから】
【ただ同時に名前を出された人物については「しない」から「答えられない」という答えを出してもいる。それも本当のことだから――少しだけ、ややこしくって】
31 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/02/22(木) 02:02:00.90 ID:yNVAp44oo
>>29
本来ならば、当然の称賛でしょう
必ずしも、当然のことが遂行されるわけではないのが、残念なところです

【機関が未だ力を有しているのも、彼女らのような存在あってこそだ】
【しかし事はそう簡単には運ばないらしい】


ふむ……その範囲の年齢の人間となると、集めるのには多少骨が折れそうですな
確かに、『公安』が混乱している今のような機会でなければ……

さらには、定着率はまだ低い段階でもある、と
ならばなおのこと、多くの検体が必要になりそうだ……

【顎に手を添えて、邪悪な思考を渦巻かせるカニバディール】
【その耳に、さらに奇怪な事実が飛び込んでくる】

グール……因子そのものが、死体を媒介に熱を貪るようになるということですか
これは確かによろしくない……制御下を離れてしまっては、こちらにとっても不利益ですからな

【当然のように語られていく、悍ましき研究の過程。聞き手が悪漢でなければ、卒倒していたかもしれない】
【強力な力は、同時に諸刃の剣。強大な力だからこそ、慎重にならねばならない】

【グラスを傾け、ビールを喉に流し込む。いくらアルコールが血中を駆け巡ろうと、酔いは悪意に塗りつぶされる】


確かに、承りました。拉致に成功次第、すぐに“第11研究室”に届けましょう
それに併せて、『公安』の件で何か分かれば、情報交換をさせていただけるとありがたいですな

【頭の中ではすでに計画が立てられ始めている。狙うべき家、拉致の手順、充てる人員の調整など】
【小さな酒場のカウンター席で行うには、あまりにかけ離れた邪なやり取りである】
32 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/22(木) 18:51:37.39 ID:OlpQ5CMu0
>>30

【「天音さんは、しませんから」と言われたなら、「そっか、ごめん」と返す】
【好奇心が強くて突っ込めそうな所には突っ込みたがるくせに、やたらと臆病なこの少女は】
【ちょっとだけでも不穏な感じを嗅ぎ取ったら、すぐに手を引っ込めるのだ】

【目の前の女が、いろいろと考えてくれていることは少女にも分かった】
【それが自分のために焼いてくれているお節介なのか、はたまた女の内にある問題からきているものなのか】
【少女に判別は付かなかったが、それでも。焼いてもらえるだけうれしいものだ、と】
【ていねいに言葉を選んで返してくれる目の前の彼女に、目を細めて、僅かながらの親愛を示した】

うん、その通り。悪いヤツだよ、あたしの……家族っぽいヒトたちは。
……、……わかんないなあ。「そうじゃなかったら」、かあ。
仲良くできたかなあ、いや、ううん……

……「家族」とか、そういうくくりにあるヒトタチってさあ、
無条件で好きになんなきゃいけない、みたいな。なんかそーいうのあるじゃん。
アンモクのリョーカイ? シャカイのジョーシキ? みたいなの。
そういうのに当てはめなきゃいけないのかな、って

【問われれば、こちらも濁った答えを返す。曰く、「それが世界のルールならそうします」と】
【ひどく消極的で受動的な考え方。少女はまだ、それの破り方をよく知らないのだ】

【――そんなこんな、ぐだぐだ話を続けていたらいつの間にか運ばれていた前菜のサラダ】
【女の瞳の色合いよりいくらでも鮮やかさの劣る緑、レタスを銀のフォークで突っつきながら】
【めでたい誕生日の前日にするようなハナシじゃないなあ、こんなの。なんて考えたりしていた】

//持ちこしありがとうございます、お返しします!
33 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/22(木) 20:12:14.74 ID:Quf9/z/80
>>32

【少女に謝られれば、女も、それだけのつもりはなかったのだろう。一瞬目を伏せてから、「あの人が変なだけですから」と、そう返す】
【信頼だなんて聞こえはいいけれど――その理由が「面倒くさがりだから絶対にしない」だなんていうのは、信頼の中でもあまり――そう、カッコいいやつではない】
【カッコよくない信頼からものを言ったくせに、本当の気持ちは隠して、ずるい――けれど、あるいは、もしかしたら、大人なんてそんなものなのかもしれない、だなんて】

そう、……なんですね、ですけれど、それで良いとあなたさえ思えたなら、きっと――よかった、のでしょう、周りから見て、どうだったとしても……ですが。
――だけれどそうは思えなかった。それどころか、そうでさえなかったとしても、求められるのが窮屈なんでしょうか、そういう――仲のいい家族。

【悪いことをする人たち――内情はどうあれ、言葉の上ではひどくあっさりと認められたように聞こえた。だけど――それで良いと彼女さえ思えたら、よかった、のだろう】
【世界にはいろんな形の家族が居て。こんな世界だから……こんな世界でなくても、きっと、そういう"悪さ"に染まった家族はたくさんあって。だけど、そう思えなかったなら】
【まして、そうでなかったとしても――そういった"求められるかたち"に相手が窮屈さや義務感みたいなものを感じてしまったなら】

……――、

【――家族という単語に、いい思い出なんてなかった。今更それを思い知らされるから――首を突っ込むのではなかったか、と、その心中ではかすかに思う】
【そういう話なら自分ではない人の方が圧倒的に優れている。近場ならどこかの組織の酒場で給仕をしている"幼馴染"の方がとりあえず絶対に優れているだろうし】
【本当の家族に良い思い出が一つだってないならば、本当でない家族に対しても――どこか冷えたものがある。少なくとも、自分たちは、お互いを家族と呼んだことは、きっとない】
【一番最初に「幼馴染と暮らしている」と言ったくらいだ。親しくて距離が近くても、それ以上ということはない。そのやりようには、多分、ルームシェアなんて名前がついている】
【それでも――目の前の少女の持つ何かをどうにかしてあげたいと思ってしまう気持ちがあって。それは優しいかもしれないけれどきっと病的と呼んでしまえて】

――――どうでしょう。"私"はそうは思いません、……天音さんも、そうでしょう。私たちが会ったのは孤児院でしたから。天音さんも……、私も、

【どうあれ家族という形が壊れてしまった子供たちの集められた場所――そういう場所で出会った。そういう場所で出会って、お互いに家族なんてものに期待しないままだった】
【家賃とか生活費とかそういうことを最初に全部決めてしまって、時々何かの事情で変動することはあっても可能な限り忠実に守る。利害を一致させ続ける関係性】
【――だから。暗黙の了解も、社会の常識も、そうであれという周りの期待も、きっと彼女には届かないもの。そういうものもあるらしい、と、言って、棄ててきたもの】

【取り繕っていた口調が少しだけ緩む。親愛のため――ではない、取り繕ったままで話せないものに触れることになって、否応なしに引きずり出されたような、印象があった】
【それでも。相手の抱えているもの――それはきっと彼女にも刺さるもの。そしてその答えは、そっくりそのまま同じでは、きっと、ない。けれど、彼女にもまた、必要なもの】
【そんな世界のルールを無視し続けてきたツケみたいだった、あるいは――世間に溢れる"美しい家族愛"みたいなものを、理解しないできた、ツケ。きっと年下の相手に突き付けられて】
【答える言葉に迷っている――壁に掛けられた古い振り子時計は、まだもうしばらくの間は日付が変わらないことを示していた。こつ、こつ、と、決まりきった間隔の音が繰り返され】

それに――――、天音さんは、私のこと、

【「好きでしょうか」】
【"家族"というくくりが、互いに好き合うための呪いなら】
【呪いのない関係性はひどく平坦で、だからこそ協議の結果でも利害を一致させ続けられる、そういう仕組みにして、やっていける――多分】
【もうすぐ誕生日を迎える夜だのにただの茶を頼んでいた女は、気づけば空っぽにしていたレモン水のコップを隅に追いやって。ありふれたアイスティーを一口、舐めるように】

……おいしいですか。

【それで笑う表情は――きっと今日の今までで一番気の抜けたもの、純粋にそう思っていてほしくて聞いたような、ご飯を食べている幼子に、つい聞いてしまうような――そういう】
34 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/22(木) 20:13:03.87 ID:Quf9/z/80
>>32>>33
/うわーー遅くなりましたっ、お待たせしてしまいすみませんでしたっ
/そしてごめんなさい、次入浴のため少し遅くなってしまいそうです、申し訳ないです!
35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/22(木) 20:28:36.52 ID:OlpQ5CMu0
>>33

【サラダが片付いたら次の料理がやってきた。温かいスープと、魚介のパスタ】
【目の前の女が出してくれた答えは、少女にとって予測のなかにあるものだった】

【(表面的にやさしくしてくれるのが上手そうな人だったから)】
【(だから、あたしの求める答えを理解して、きっちり出してくれるんじゃないかって)】

【――結果としてそうなったけれど、思っていたより形は整えられていない答えだな、と思った】
【好きでしょうか。そう口にする女の声が、不安に揺らいでいるように。少女には聞こえた】
【スープをすすって、パスタをフォークに、くるくる巻き付けながら。また目を細めながら、こう答える】

んー、あたしはアマネさんに会ったことないから何とも言えないんだけどさあ、
さんざん言ったじゃん。ねねこさんがさ。アマネさんのこと、面倒臭がりって。
そーいうヒトが好きじゃないヒトと一緒に暮らすのって、……ないことなんじゃない?

【「あたしはそう思うけど」。逃げ腰なひとことを添えつつも、素直な気持ちでそう言った】
【その後フォークを口に放り込んで、咀嚼。素朴ながらに丁寧な味付けのされた料理は、文句なしにおいしくて】

……うん。おいしい。
ねねこさんは? 食べないの、ごはん。
食べないならさあ、ケーキだけでも頼んでみれば?

【誕生日、あしたなんでしょ、と言いながら。そんなめでたい日のイヴに、辛気臭い話をしてしまったこと】
【若干の罪悪感を孕んだ瞳がちょっとだけ揺れて――それでも笑み返した】
36 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/22(木) 20:29:05.93 ID:OlpQ5CMu0
>>34
//お待たせしたのはこちらもですし……! 了解ですっ
37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/22(木) 20:30:37.46 ID:GhtPqJdg0
/>>4で募集します。よろしければ
38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/22(木) 21:21:19.73 ID:Quf9/z/80
>>35

【いろいろな料理が机の上に並べられている、自分の頼んだものがないとしても――その光景は、彼女にとっては、快いものだった】
【そんな風に机の上がにぎやかになっていくのはどうしてか楽しく思える……気がした、それが本当に楽しい気持ちであるのかは、よくわからなかったけれど】
【料理好きの幼馴染が休みの時にふらりと家にやってきては、たったの三人でこんなにどうやって食べるのだろうという量を作って並べるとき】
【三人で食事でもということになって行ったら、二人とも全然遠慮しないで頼むから。机の上はあっという間にいっぱいになって、お店の人まで困ってしまった時】
【そういう時の気持ちとなんとなく似ている――気がした。気がしただけかもしれないけれど、でも、ただ――相手から見る彼女の表情は、心なしか、少しだけ穏やかで】

【――家族でないなら、好きかどうかを気にする必要もないはずだった。利害の一致、同じ建物の中で暮らすだけの他人、お金をどう出し合うかも、いろんな当番も決まっていて】
【実際守られないこともあったりするけど、それでやってきた関係性。家族だなんて呪いはないはずだった。だのに――そう漏れてしまったのは、あるいは、無意識みたいな】

私に得がなくなったら、居なくなると思います。

【くす、と、笑って言ったのが、きっと答えかもしれなかった。家族ではない関係性、利害が一致してやってきた関係性、だからこそ、利害がずれたときに、きっと、居なくなる】
【だから好かれているのかと気になる瞬間がある。そうであるなら、利害がずれたとしても、続くかもしれない。続けてくれるかもしれない――そういう"期待"、あるいは"願望"】
【本人が理解しているのが、利害がずれたら居なくなるだろう。そこまでであるというのもきっと分かるだろう、そこから先の――そういう期待。は、きっと、理解っていない】
【包み込むように持っていたコップの中で氷同士のぶつかる小さな音がする、あとから付け加えられる言葉に、ふ、と、小さな吐息。それから「ありがとうございます」と返し】

――――――、そう、ですね、私は、あまり……、ああ、でも、せっかくですから。

【おいしいですか――本当にふっと尋ねたような言葉。おいしいとかえってくれば、安心したような、嬉しいような、そんな風に笑うだろう】
【相手が食べるのを見るでもなく見ていた。なら少し食べづらかったかもしれない、悪気は――きっとなかったのだけど。それで、言われてやっと思い出すのなら】
【すでに下げられてしまったメニューをもう一度もらって眺める、捲る速度から見るに、流し見……でもないだろう。言葉通りに、あまり、そんな気ではなかったのだろうが】
【最後のページまでたどり着いて――はたん、と、メニューを閉じれば。そのまま、つい、と、相手の方へ――もちろん相手の向きに直してから――差し出し】

……決めてくださいますか。食べたいものがあれば、夕月さんの分も、どうぞ。

【そうやって笑むだろう。自分の意見がないなんて言えるかもしれなかった、けれど、彼女の中では、それが自分の意見だった】
【あるいは自分の意思で家出することを決めて実行してみせた少女よりも弱虫に見えただろうか――そして店内を見渡せば、片隅にケーキが並ぶガラスケースがあり】
【一押しは黒板にもあるアップルパイであるらしいのだけど、そうでない――手作りらしさはあるけれどわりに洒落たケーキが並べられているのだ】

【――料金は彼女持ちなのだし。食べていいというなら、夕月も――好きなものを選んでしまっていいだろう】
【ちょうどその時、隣の席――といっても少し離れている――に、ガラスケースから選ばれたケーキが配膳されてくる。意外と大振りな1ピースのケーキと】
【カクテルグラスに添えられたジェラート、真っ白なお皿にはフルーツソースで細かに花の絵が描かれていて。そういう――結構洒落たのは、それでも、誕生日に似合いそうだった】
39 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/22(木) 22:33:42.33 ID:OlpQ5CMu0
>>38

【言い切られてしまえば、少女はなにも言わなくなった。これ以上何か言っても気休めにもならないだろうし】
【だいたい、そういうのは苦手な性分だった。さっきの言葉を絞り出せただけでもだいぶマシだった】
【ただちょっとだけ、寂しいな、という気持ちにはなった。そう考えたのはきっと、女に随分心を開いたから】

……うん、っと、あたしが選ぶの?
えー、困ったな……嫌いなモノとかない?
んんー……何がいいかなあ、りんごが名物なのかな、ンでも今の季節苺がおいしいし……

【渡されたメニューとにらめっこをしながら、悩んで悩んで】
【ちらと見た隣の席に運ばれるプレート。なるほどそういうのがあるか、と気付いたけれど】
【――「もう一押し、欲しいなあ」などと考えて。んっと喉を鳴らした】

すいませえん、隣の席にきたやつと同じの、こっちにもひとつ!
あとあの……ええと、ちょーっとだけ席外すけど、その……なんかちょっと音しても気にしないでネ!

【まずは注文。華やかでちょっと特別感のあるプレートは、そのまま採用することにして】
【それから慌てて席を立って、ぴゃっと外へ続くドアの向こうに姿を消した】
【――――ぱん、と乾いた破裂音。だいぶ抑えてはあるけれど、確かに響いた異音はきっと少女がたてたもの】

【それからすぐに、店内に戻ってきた。コートの内側に、あきらかに何かを隠して】

//た、大変お待たせしました……連日申し訳ないです。
40 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y :2018/02/22(木) 22:44:21.34 ID:+En2mcg90
>>21

【どの様な実験を施されているのか、生物科学にも心理学にも聡くないセリーナにそれは窺い知れなかったが】
【それでもハッキリと理解が出来る、自身の"名前"を忘れ、あまつさえ大勢の名前と混同する程"脳味噌"を弄られているのだとすれば】
【非人道的を通り越し、もはや狂気的と言っても差し支えない。何を作っているにせよ、結果論だけでは片付けられない経緯の恐ろしさを感じ取っていた。】

―――"声"、ね。
消えたならよかった、けど少し栄養も取らないとだね。
此処には点滴があるんだ、使い方も教わってるし後でゆっくり休んでいくといいよ。

体力が回復したら……そうだね。事情が分かるまではウチで君を保護するよ。
どれくらいになるかは分からないけれど……その様子だと、まだ外に出るには少し早いから、ね。

―――で、君はその忌々しいボディ・ペイント屋さんの位置も覚えている、と。

【本当ならば、家の住所や家族構成、それに勤め先などを聞き出して、其方へ連絡を取るのが最優先なのだろうが】
【事情が事情だし、何より彼は"思い出そうと"すれば発作を起こしてしまう。ならば、安全が確保されるまで此処で待つのも手だ。】
【幸いにして居住スペースや避難所は確保されてり、地下には堅牢な基地もある、だが―――セリーナは考えていた。それは義勇の言葉が引っ掛かった、からだ。】


>>24


―――ああ、ううん。ちょっと、ね……けほっ、ごほっ……っ!
此処のところ疲労が溜まってるみたいで、医者に行ったら働き過ぎ、だってさ。
これでも休暇は取るようにしてるんだけれど……心配はいらないよ、今のもただの抗生物質。
感染性のある病に罹ってるわけじゃないから、安心して。ごめんね、変な心配かけちゃって。さて―――。


【発作のような状態に陥った少年、そして声がするという不穏な言葉。蠢いた入れ墨、逃がした追手。】
【"本拠地"を覚えているという発言―――正直な所を言えば、セリーナは怪しんだ。何か、作為的な物を感じる、と。】
【本当にこれは、"保護"だったのか。本当にそれは"逃走劇"だったのか。むしろ―――そう考えずには、居られなかった。しかしだ。】


……とはいっても。此処はUT、困った人の集まる場所か。
義勇君。追手は意図的に泳がせるような発言を―――していた、そうだよね。
正直不自然だというよりは……狙ってやっていた可能性も否めない様な状況だ。怪しんで当然。

―――普通は警察や自警団に駆け込む。そうなった時に、"彼等"が、"彼"を泳がせる事でどんな成果を得るか。


【仮にだ。仮の話だが、これが"逃走者"ではなく"潜入者"だった場合に。】
【警察や自警団などの組織で保護されることまで見越して"放たれて"いるのであるとしたら。】
【そこでどんな事をするか、想像に難しくない。そして、それを決定付かせる様に彼が"研究所を覚えている"と言い。】


ま、あくまで仮説さ。それに、正しかったとしても今困っている彼を保護しない訳には行かない。
そこで、なんだけど―――



>>ALL

【セリーナは自身の懐から何かしらの装置、を取り出す。発信機、にも似た何かだが。】
【それを義勇へと手渡し。自身は古びた牛革製のカウボーイ・ジャケットを羽織り、外出の準備をして。】

緊急用のコールを受け取れる超強力な電波装置だ。
おおよそのEMP(電磁パルス)阻害を跳ねのけて、衛星電波やアナログ無線の全てを介して
確実に緊急連絡が送れるよう作られた軍事用の"ポケベル"みたいな物、これを君に渡しておく。これから―――、アタシは行ってくる。


【行ってくる、とは。つまり―――そう言う事、なのだろうか。】


さ、教えてもらおうか。その、"研究所"とやらの場所をさ。

【置き土産一つを残し。明らかに危険な香りがする其処へ、とりあえずは行ってみる、という事だろう。】
41 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/22(木) 23:00:48.88 ID:fbWr79S2o
>>24>>40

【少年の言葉は幸か不幸か、青年の意識を乱さなかったようだった】
【それは途中で口を噤んだおかげだろう。次に同じような”発作”が起きたとき、何が起こるかは誰にもわからない】
【なのであれば、少年の判断は賢明だ】

……いいのか? 僕はあんたにとっちゃ、赤の他人だ
ここに来たいとは言ったし、保護してくれるっていうなら断る理由なんかない
でも……

【セリーナの提案に青年が不安げな表情を浮かべていた】
【彼にとってあまりにも都合が良すぎたせいだろう。治療に保護、全てを行なってくれている】
【勿論それは青年がUTとセリーナという人物をよく知らないせいだった】

…………地図を。場所を書くよ

【これから研究所に赴くという驚くべき提案に、しかし青年は静かに従うのだった】
【元々そのつもりでこの場所に来た。であれば、これ以上彼が口を出せることはない】

//すいません、今日は時間的にこのレスだけになってしまいます。本当に申し訳ない!
42 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/22(木) 23:08:16.24 ID:Quf9/z/80
>>39

【きっと彼女からすれば。多分そうだろうという本当のことを言っているつもりでしかないから、それが少し厄介、なのかもしれなかった】
【少女の心中などもちろん覗き込むことはできない、あの面倒くさがりは自分に利がなくなったら、居なくなる。そういう確信があるのだけ、分かったけど】
【だからってそれを"どうにか"できそうだとは到底思えないような――そういう様子だった。きっと――多分】

もちろん、無理にとは言いませんけれど――差し支えなければ。その方が特別なような気がして――、……嫌いなものはないです、とくには……。

【――だけれど、相手がそう思ってくれたみたいに、それくらいに心を開いてくれたみたいに。彼女もまた少し気を許したのかもしれない、気がするとは言ったものの】
【誕生日の日のケーキを選んでもらう。子供みたいにケースにへばりついてあれが、これが、と言うのじゃなくって――今日初めて会ったとしても、誰かに選んでもらおうとする】
【それは確かに"特別"なようだった。むしろかえって、初めて会った人に選んでもらうほうが――それっぽいかもしれなくて】

――――――、はい、気にしません。

【隣の席もまた何かの祝い事であったのかもしれない。聞こえた注文の声――これと同じものという――に少し驚いたような顔をしたけれど】
【すぐにどこかほほえましいように笑い合っているのが見えた、ただ一人の店員も了解したという風な仕草をして。"選んでもらった"彼女も不満そうになるわけもなく】
【というより先に席を立つ相手に少しだけ驚いたようだった、丸くなった眼に、刹那、いつも通りの笑みは、驚きの表情になって。小さな吐息を一つ挟む間】
【――笑って了承するだろう、音がしても……というなら音がするのか。事実追いかけるはずもなく待っていれば、外から、小さな、けれど目立つ破裂音】
【やがて戻ってきた相手がコートの中に何か隠しているのもきっと気づいて。けれど何も言わないままで、相手を出迎えるだろう。ただシンプルなアイスティーを一口飲んで】

……――あの、やはり、思ったのですけれど。

【それで――刹那、ふ、と、表情が薄れる。猫みたいな吊り目が一瞬だけどこか遠くを見て、上がりっぱなしだった口角がふと落ちる。甘い猫撫で声も、ベールの脱げるよう、消えて】

家族が嫌いなのでしたら――苛まれるのなら。手放して、いいと、思います。……私は。

【急にふっと真面目くさったようになって、呟く――だろう。あるいは礼のつもりなのかもしれなかった、気を使った物言いをしてくれた夕月へ、できる範囲の】
【自分にできることならと言った、これが精いっぱい。大人のくせにずっと未熟でつたない、まとまってない、歪なものかもしれないけれど】
【いつか手放した――否、"排除"した人からの、精いっぱいの助言。さっきと似たようなことかもしれないけれど――そう明確に告げようとしたのが、一番の、差異か】

【――かつ、かつ、時計の音は気づけばいくつも重なって、時刻はだいぶ進んでいた】
43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/22(木) 23:21:41.03 ID:OlpQ5CMu0
>>42

【席に戻ってきてもまだ、手はコートの中につっこんだままだった。そのままの姿勢を保っていたが】
【ふと、女の声のトーンが変わったのに気付くと、ぱちっと目を丸くして】
【聞き入った。欲しかった答えの音色、あるいははっきりと赦される感覚が、与えられる】

……、……うん。ありがと。
そうするよ、やっぱあたしは――キライなモノ、好きなふりするのは苦手。

【にっと笑って、そう言った頃合い。例のプレートがテーブルに運ばれてくるだろう】
【それを見て、ようやく少女は隠していた手を外に出す。そこに握られていたのは】
【――てっぺんに、ほのかな赤い光を放つ、蝋燭のかたちをした――魔翌力で編まれた灯】

んんー……やっぱホンモノのローソクじゃないから、ちょっと不恰好だな。
まーでも、これちゃんとフーってしたら消えるから。気分だけでも?

……ハッピーバースデイ、ねねこさん。
おめでたい日に辛気臭いハナシしちゃってごめんネ、でも、あたし嬉しかったよ。聞いてくれて、さっ

【それをそっと、プレートの上にのっけた。炎のゆらめきは人工的で、幾分不自然ではあったけど】
【もうすぐ時計の針がぜんぶ真上に向く頃合いだった。少女はじっと、その瞬間を待っている】
44 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/22(木) 23:51:57.88 ID:N8OrcCoco
>>40
>>41
【幸い、自身の言葉で青年がまたも動揺し、発作を起こすと言うことは無いようで、密かに安心した】


過労……と言うことか?
大丈夫な筈が無い。明らかに体に異常を来たしているいるじゃないか! そんな体で動けば、じき本当に病に罹る


【彼女の体を心配し、どうにか説得を試みる。しかし、そんな言葉で彼女が停まることは無いのだろう】
【自分にはどうすることも出来ない。過労を癒すことも、彼女を停めることも。そのどちらも不可能ならば、彼が選ぶのはもう一つの道だ】

【セリーナに手渡された装置を受け取り、彼女の言葉を聞き終えると、彼は再び立ち上がり口走る】


なら――――俺も行こう。貴方だけに任せる訳にはいかない。元々これは、俺の持ち込んだ案件だ
俺にはこの顛末を見届ける責任がある。立ち向かう責任も。これは……君に持ってもらえないか?


【ポケベルを青年に向ける。もし、セリーナが彼の同行を許すのならば、それを青年に渡し、彼も出立の準備をするだろう】
【少なくとも、前衛で盾になる程度の戦闘力は持ち合わせているつもりだった】

/確認が遅れてしまいました……!申し訳ないです!
45 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/22(木) 23:58:31.72 ID:Quf9/z/80
>>43

【――ずっと好きだと思っていた。こういうものなのだと思っていた。だけれど、ある日、――ふっと、何もかもが、分からなくなって】
【気づいたらあの人たちはいなかった。同じように親の居ない子供ばかりが周りに居た。周りの大人は"そう"したのは自分だと言ったけれど、そんな記憶は、ない】

――――はい、その方が……いいです、たぶん、

【きっとありふれた普通からは離れた自分の言うことだから――それが本当に正しいのかは分からない。少しだけ曖昧な「たぶん」はそれを意味するけれど】
【その方がいい。嫌いなものからは逃げていい。逃げるべきだと。そういう言葉はきちんと本当の気持ち――ただ、同時に、誰かの居なくなることを恐れている風であったなら】
【ひどく曖昧にいろいろな感情をまぜこぜにして笑うのだろう。何よりキライなモノを好きなふりするのは苦手、だなんて、言葉――あの面倒くさがりが、言いそうだから】

【――赤色と緑色のケーキだった。あるいはあつらえたように、けれど、偶然に――見れば、隣の席にあるケーキも同じだから、本当に、同じものが来ている】
【赤のケーキはカシスとショコラのケーキ。チョコレート色のスポンジに甘さを控えたチョコレートのクリームを挟んで、カシスの少し甘酸っぱいムースに、きれいな赤色のグラサージュ】
【つらつやした赤色の上にはチョコレートの飾りが載せられていて――都会の有名なケーキ屋のものより繊細に感じないのは、やはり、少しぽったりした大きな1ピースのせい】
【緑のケーキはピスタチオのケーキ。粉にしたピスタチオを混ぜて焼いたスポンジにナッツを混ぜ込んだピスタチオのクリームをたっぷり挟んで】
【表面にはココアパウダーと粉砂糖を型ごしに振るって書いた細かな模様――の一部。それから、これはぽってりと丸く熟れた赤いイチゴが乗っけられて】
【店長はなんだか色合いで決めた気がするけど――赤いケーキを夕月の方へ。それから緑のケーキを、女の方へ置くと、夕月へと視線をちらりと向けるだろう、意味ありげなアイコンタクト】

【――――見れば、女の方に置かれたケーキには、少女の方にはないものが。生クリームで支えられてそっと添えられているのは、白い、板状のマジパンが一枚】
【気づいて一瞬怪訝そうにしたけれど熟考する前に、相手が動く。隠していた手を見せられれば――そこには手作りのキャンドル、丸い目はきっとすっかり丸くなって】
【角度のあるマジパンに何が書いてあるかはきっと夕月の側からは見えない。けれど――たぶん、なんとなく、分かるだろう。謎のアイコンタクトは、つまり、】
【夕月がふと口にしていた――誕生日というワード。それを地獄耳みたいな店長は聞きつけていたのだろう、それで――「誕生日おめでとう」なんて書いてある板を、目の当たりにして】

あ――……、いえ、そんな、こと。えっと……。

【少し困惑したような顔だった、へなと眉を下げて、うろたえるように視線が左右に振れて――けれど嫌がっているものでは、絶対にない】
【なぜなら、笑ってもいたからだった、困惑したような表情で、少しだけ照れ臭いみたいに。それで気づけば自分の髪……あまり長くない毛先を、ちり、と、指先でつまんでしまう】
【きっと癖なのだろう。ほんの短い間だけそうしていたけれど――】

……いいえ、私が、誘ったのですから。……――ありがとうございます、夕月さん。

【ふわ――と、笑った時に、そんな不安そうな"癖"は消えている。そして、言い終えるか、言い終えないか――そんなときに、ちょうど、壁掛けの時計が】
【これもまた古い音で、十二時を伝えて――そのタイミングで、ちょうど、女の携帯端末――多分ポケットに入れてあった――が鳴ったような、音もしたけれど】
【少しためらうようにしてから、そのろうそくの炎へ息を吹きかけるのだろう。一度目は少し弱すぎて――それから二回目に、きっと、消せるはずだった】
46 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/23(金) 00:31:27.58 ID:5nYVvjTc0
>>45

【やって来た、目に鮮やかな色合いのケーキを見るや否や、ぱっと顔を輝かせた】
【年頃の少女らしく甘いモノが好きなのだろう。わあい、なんて声を漏らしながら】
【目配せてくれた店長に、心の中でお礼を言った。なんて気が利くんだろう、って】

はっぴばーすでー、でぃあ、ねねこさーん。
……いくつになったかは聞かないであげる。おめでとっ!

【火が吹き消されると、魔翌力造りの蝋燭はぱっと弾けて、きらきらと】
【赤色の粒子を撒き散らしてから、完全に消え失せた。ちょっとした小細工はこれで全部終わり】
【チョコレートの飾りを摘まみ上げて口に含みながら、少女はけらけら笑って】
【最初のころの、とんがった苛立ちはチョコと一緒に融けてなくなっているようだった】

【そうして、ケーキを片付けてから、店の外に出たあと】
【真っ白い息を吐きながら、少女はもう一度女と向き合って――小首を傾げながら】

……ねえ、ねねこさん。アマネさんに伝えといてくれる?
ねねこさんのハッピーバースデー、一番最初に祝う役目、とっちゃってごめーんネ、って。
いくら面倒臭がりさんでもさ、同居人の誕生日くらいは祝うでしょ。……たぶん。

【そんなことを言うのだった。ちょっとだけ悪戯っぽく笑って】
【「今日はありがとう。また会ったらよろしくネ」なんて言い残して、別れるだろう】

【少女には難しいことなんてさっぱりわからない。わからないなりに、ふたりが仲良くなれればいいのに、と】
【単純明快なことを思っていた。だから、別れ際にそんなことを言ったのだ】
【嫌いなモノから逃げることを赦してくれた女に、好きなモノに歩み寄ることを赦してあげたい】
【たったそれだけのことだった。傲慢にもそう願ったのは、きっと女のことがだいぶ好きになったからに違いない】


//こ、こんなところでしょうか……! 長いことお付き合いいただきありがとうございました!
47 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/23(金) 00:45:44.54 ID:i+9QIpLVo
>>31

「そうなの、検体も多く必要になってきそう」
「フルフェイス事件の拉致もあったから、それも併せて美味しい所」

【フルフェイス事件での政治家の拉致は世間を震撼させたものだが】
【それに乗じてことを行えば、此方への目は向きにくくなるだろう】
【さらに、できるだけ多くの検体を短期間で集めたい。赤崎の希望はそうであった】

「此方の制御から逃れられては困る。洗脳プログラムも用意したんだけど」
「万が一のことを考えて、一時的に因子の活動を抑制する麻酔弾も作った」

【自らは『機関』の尖兵であると、そう洗脳するプログラム】
【形状は先般のフルフェイスと何となく似ている気もするのだが――】
【効果はお墨付き、効率も良い。だが、万が一に備えてフェイルセーフは用意しておく】
【赤崎も、ブランデーの香りを愉しみながらグラスを空にした】


「ああ、有り難い。この件は機密にしておこう」
「情報局でもないから『公安』に関する情報は手に入りにくいかもしれないが、努力はしてみる」

【女も、今後の研究計画を脳内で立て始めていた】
【現状は想定通りで、何より彼の協力があれば都合よく事も進むであろう】
【――しかし、眼前で不意を突かれるとは。店主らしき男は、カウンターの奥で受話器を握っていた】

「……店主さん、貴方は知りすぎたなあ」

【顔に優しげなほほ笑みを浮かべながら、正四面体の結晶を手にする】
【数瞬後には、結晶の内部が七色に輝き。怪しいホログラムの数字が各色の上に浮かぶ】


   「   『カオス・エナドリー』   」

【女は、慈悲というものを生憎併せ持っては居なかった】
【右手に灰色の混沌とした魔翌力が渦巻く槍を手にして、店主へと向ける】
【そして、軽く手首のスナップを効かせて投擲すれば――店主は槍に“飲まれた”】

【受話器のコードが、バネのようにぶらんぶらんと垂れ下がり】
【無言電話と勘違いした警察であろう相手は、其の電話を切ってしまった】
48 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/23(金) 01:07:33.07 ID:IpwkCoFn0
>>46

【こんなのどうやってチョコペンで書くのだろうというくらいに細かな字だった、丁寧に、丁寧に――店に名乗ったわけじゃないから、名前までは記されていなかったけど】
【誕生日おめでとうの文字――それから、細かな絵。これは日付が日付だからだろうか、猫とか、花とか、描いてあって――。こんなの、初めてじゃあ、ないはずなのに】
【今までだって何度も"幼馴染"に祝われてきたはずなのに、なぜだか気恥ずかしい気がして――少しだけ目をそらしてしまう、そんな、照れ臭いものから】

【けれどそのあとにろうそくを吹き消して――キラキラした赤色の粒子を、その緑色の目に映して。それ越しに相手へ向けられる目は、きっと、きっと】
【今日のいつよりも素のもの――であったはずだ、取り繕わないし嘘も吐かない、まだ不慣れで拙い感情の発露、狭い世界に閉じこもってきたから、触れてこなかった】
【他人を目の当たりにして。驚いて、気恥ずかしくて、だけど嬉しくて――「ありがとうございます」と繰り返される言葉が、ひどく柔らかくて】

【それから相手が今の時期ならおいしいと悩んでくれたイチゴを頬張る、しゅわと口の中に溢れる果汁は甘酸っぱい、齧った通りに抉れる果肉の硬さも、また絶妙で】
【熟れすぎた古いイチゴでもないし、当然まだ未熟で硬いものでもない。――そうしてイチゴを片付けてしまってから、気づく。ケーキの上には、ぽっかり、丸い穴】
【だけれど相手が悩んでくれたものだから、一番に食べたかった……と思う。おっきな穴ぼこをあんまり気にしないように、そこから先は、きれいに、丁寧に、端から食べて】
【やがてきれいに食べ終えて――店の外に出れば。ひどく冷えた空気、雪さえ降りそうなくらいに、冷たくて――女もまた、真っ白な、吐息を一つ】

――――、はい、伝えておきます。……ですけど、きっと、違います、二番目は――天音さんでは、ないでしょうから。
その子に……、二番目の子に、伝えておきます。天音さんは……きっと、三番目ですから。

【小首を傾げた、悪戯っぽい笑み。一瞬よくわからないように瞬いた眼は、けれど――伝言の内容を聞けば、ふと、気の抜けたように笑って】
【どうやらこれだけさんざ名前を出された同居人は三番目であるらしい。これもまた自信を持っていうから、そうなのだろう――二番目は、違うひとだと】
【だけど三番目であることに対する疑いが、ない。だから、そういうかたちの信用が彼女たちには似合っているのだ――好きとかそんなこと、簡単な気持ちでは言えなくても】
【時々ふっと不安になる瞬間があっても、とりあえず今まで利害が一致してきた程度の信頼はある。だけど――相手が、そうやって、赦してくれたなら。願ってくれるなら】

……知ってた。

【よっぽど断られるとかでない限りは人通りの多い明るい道まで相手を送って――それから、薄暗い路地裏の影、ふと人込みから外れて、携帯の画面を点灯させて】
【確認するのはアプリで送られてくるメッセージ。一番は対面での夕月、二番目はきっと仕事中であるはずの、給仕の少女、三番目は――さんざ面倒くさがりと称した、同居人】
【そのくせ日付が変わって三分で送ってきているのを見て、少しだけ機嫌がよくなって――全部が全部叶ったわけじゃないけれど。その願いも、きっと、少しだけ、届いた――らしかった】

/おつかれさまでした! ありがとうございました!
49 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/02/23(金) 01:34:36.33 ID:G24rcB4Uo
>>47
そうですな、あの愉快な仮面軍団が、何を考えてあのようなことをしたのかはわかりませんが
こちらの益になるなら、せいぜい乗っからせてもらうとしましょう

【まさに今は、第11研究室にとって絶好の機会である】
【水面下で何が起きているのかはわからないが、悪党がそれにビビっていては話にならない】
【そこに機を見出してこその、機関員である】


準備は整っている、と。何よりです
飼い犬に暴れられては、つまらないですからな

【その形に、どこか件のフルフェイスを想起しつつ、カニバディールは空のグラスを置いた】
【備えは常に重要だ。この科学者はそれをきちんと理解している。ならば、ますます期待が持てる】


わかりました。全ては、成果に結びついた後に、ということですな
ええ、お願いいたします。こちらも、何かわかったらすぐにお伝えしますよ
「隠れ蓑」のことを何も知らない、というのも避けたいところです

【悪意に満ちた企みが進行し、その最初の犠牲者はすでにこの場にいた】
【カニバディールは、眼前で彼女が握った正四面体が、怪しく輝きながら数字を表すのを】
【直後、魔力の槍が放たれ、店主が飲み込まれるのを、じっと観察した】


……お見事。断末魔すら許さず、文字通りに消して見せるとは

【店主が消えたことで、もはや必要のなくなったフードを取り去る】
【右顔面に皮膚が引き攣ったような傷跡があり、額に巨大な第三の眼球が埋まった、醜悪な異形の面が露わになった】
【その表情には、赤崎のそれとはまた違った、見るからに邪悪な笑みが浮かんでいた】


【その後、赤崎に「失敬」と呼びかけてから、懐から携帯端末を取り出し、どこかへと連絡を取る】
【しばし言葉を交わした後、通話を切って彼女へと向き直った】

さっそく、最初の獲物の目途が立ちましたよ。以前、私が勤めていた趣味の悪い金持ちどもの会員制猟奇クラブがあるのですがね
そこにいたころ、金持ち連中からいくつか魔術師の家の話も聞いていたのです

自分たちの魔術を秘匿するために、郊外に籠っている偏屈な一族……
当代には三人の子供がいて、いずれもご希望の年齢層に合致しています

二、三日以内には、新鮮な検体をお届けできますよ

【笑うカニバディールの口元から、獣のように尖った牙が覗いた】
50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/23(金) 01:58:00.99 ID:i+9QIpLVo
>>49

「此方に利益が齎されるなら、みすみす逃す訳には行かないね」

【数年に渡った第11研究室の成果は、この実験の結果で明らかになる】
【失敗は許されない。ここで失敗するようなら、研究者として失敗である】
【悪党として、研究者として。この機を逃す訳には行かないのである】

「全てを明らかにするまで、秘匿しておこう」
「サプライズと共に、壮大な計画を世に披露したいからね」

【直後に、放たれた槍は店主を飲み込んだ】
【カオス。赤崎が使う魔術の中でも、魔翌力に耐性がない人間を飲み込む】
【断末魔さえ許さぬ、真に慈悲の無き一撃。受話器は虚空を揺れ続けていた】

「お褒めいただき光栄だよ。魔術には自信があるからね」

【フードが取り去られて顕になった彼の顔は、異形そのものであった】
【額に巨大な眼球が埋まり、右顔面には引きつったかのような傷跡】
【まさに歴戦の戦士といった顔で、神秘が宿っているようにも感じた】


「――はは。まさかそんなに都合よく行くとはね」
「よし、其の三人を検体として使おう。一族が魔術師であれば、素質は間違いなくある」

【彼が通話を切れば、年齢層と条件が合致した人間が3人いるという】
【金持ちとの伝手があったのも幸運であるし、それに非常に稀有な検体まで手に入った】
【研究者としての血が騒ぐ。貴重な検体を、どのような“作品”に仕立て上げてみせようか】

「――――この計画を、“神族創造計画”と名付けよう」
「『機関』の為に、我々のために。『公安』をも、『UT』をも、全てを灼き尽くす」
「    人類を超える、人類から産まれし神を。我らが手で創り出そう   」

【“神族創造計画”。赤崎は計画をそう名付けた】
【生体因子を用いて、人間を改造する。そして、“神”を創りだすのである】
【此れが実現しようなら――全てを滅ぼす程の、人体兵器が完成するはずだ】
51 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/02/23(金) 02:21:39.50 ID:G24rcB4Uo
>>50
【カニバディールにとってもまた、逃すことの出来ない機会であった】
【宿敵との戦いに敗北し、多大な被害を受け、機関の活動が長期間にわたって沈静化していた状態を経て】
【この異形は、今多くのものを失っていた。それを、取り戻さねばならない】


サプライズは私も好むところです。楽しみにしておきましょう

【言いながらも、一瞬揺れる受話器にその目が向く】
【何と恐ろしい力か。魔術の研究をしている以上は、彼女自身も魔術に精通しているのは自然なことだが】
【まさか、これほどのものとは。彼女が敵として隣にいるのではないことに、ひそかに感謝した】

直に目にしたことで、ますますの確信を得ましたよ
貴女の力を持ってすれば、研究の実現は遠くはない、と


【残念ながら、その金持ちたち自身は、カニバディールとの敵対の末に、この異形の胃袋の中に消えてしまっていたが】
【彼らの有していた資産や情報の多くが、カニバディールの懐にある。必要とあらば、それをこうして利用できる】

“神族創造計画”……。ついに機関は、神をも創り出す……
その一助となれることを、光栄に思います

【人体兵器。人を越えた怪物。神。なんと冒涜的で、それゆえに魅力的なことか】
【カニバディールは、その響きに酔うように笑う。また始まるのだ。ドス黒い、悪の企みが】

【会話が終われば、カニバディールは彼女に連絡先を教え、見た目に遭わない手慣れた一礼をして、去るだろう】


【そして、三日後。彼女の下に、眠らされた三人の少年少女が届けられることになる】
【怯え疲れたか、寝顔にも恐怖に引き攣った気配が残り、涙の跡が生々しかったが】
【生傷は、一つもない。得意分野、との言は伊達ではなかったのだろう】

【ニュースでは、また新たな事件が報じられていた。『郊外に居を構えていた、魔術師一家の邸宅が襲撃された』】
【『家人・使用人は全員が無惨にも銃殺され、この家の子供三人が行方知れず。警察の捜査は、今のところ進展を見ていない』】

【この事件の裏に隠された恐るべき計画は、果たしてこの世に何をもたらすのか――――】

/これで締めで大丈夫でしょうか? お付き合いありがとうございました!
52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/23(金) 18:33:08.78 ID:TWfiULPYo
【火の国・公園】

【全体的にかなり古びており景観とアクセスも悪いため人気のないこの場所――今日はどうも、賑やかだ】
【賑やかと言っても、複数人が騒いでいるわけではない】

【にゃー】 【にゃーん】 【にゃおーん】

「くゥッ……俺様としィたことが……」

【今にも崩れ落ちそうなベンチの上で猫まみれ状態になっているこの存在】
【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】
【頭部にはジャガーにかじられているように見える頭部型の帽子が被られており、その後頭部から鏡のように輝く鱗のマントが伸びる】

「こォれは由々しき事態!」

【にゃー】 【にゃーご】 【ごろにゃーん】

「そォー、今日は人間どもの暦で"2月23日"!」

【まーお】 【まーーお】 【まーーーーお】

「忙しさに構っていたこォとで逃してしィまったのだ! チャンスを!」

【ごろごろ】 【ふしゃー】 【がぶっ】

「猫の日に合ァわせて人間どもに猫の恐怖を与えることをッ!」
「人間どもは猫には逆らえない……猫まみれにすゥれば阿鼻叫喚だったはず」
「猫人も呼べばそォりゃもォーどったんばったん大騒ぎだった……くゥッ、まァ良い、覚えてろよ人間ども」

【猫をよく観察していると、明らかに二足歩行の挙動をした猫が混ざっていることに気がつくだろう】

【……さて、この公園は前述の通り人気がなく、周りも工場などなので近所迷惑にはなっていない(と思われる)】
【とはいえ、偶然でも通りかかればやたら騒がしく迷惑、悪い意味で目立っているだろう】
【それに、この顔……指名手配犯なポスターに載っていたような……?】
53 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !nasu_res]:2018/02/23(金) 20:33:57.25 ID:XY3XXuMzo
【かつ、かつ、かつ】

【何処とも知れない暗黒の中に靴音が響く】

【彼の脳内には、ある『機関員』のリストがある】
【これから、彼の持つ『メッセージ』を届けに行く対象である】

【大々的な共有情報ではない】

【『長老』によって吟味された、ごく一部の機関員にのみ、手渡しに向かう――】



【やがて、ある機関の施設内か、機関にその所在を明らかにしている所属場所において】
【その人物は、現れるだろう。――黒服の男。ハットを被り、頬はこけている。どこか生気を欠いていた】

【何者か、と問えば男はこう答える】


【――『長老』より遣わされし『使徒』である、と】


【『長老』――それは機関の内部でも半ば都市伝説として扱われている存在である】
【数百年の時を生きる古老達だが、既にその肉体はなく、脳髄のみが培養液の中で活動する化生だという】
【永き時を生きるあまり、個体としての意識は消え去り、一種の生体コンピュータとして化している、と】

【その下で、機関の資金集めや政治工作を行う小さな一派がいるらしい――という真偽の知れぬ噂だ】
【特に何か機関内へ表立った影響を及ぼした事はなかった為、本当に実在するのかは極めて怪しい存在だった】

【その、『長老派』からの遣い――『使徒』だと言った】

【にわかには信じがたいか】
【しかし、男の瞳中には確かな『逆五芒星』が刻まれていた】

【――その手には、二つのファイル】
【複製されたものであろうか。どうやら原本ではない】

【それを、無言のまま差し出した】

【これは何か、と問えば『使徒』は答えるだろう】


【――とある『機密』である、と】
【名は、『N2文書』――そして『グラーク書簡』】


【『長老派』による数年の交渉の末、『公安』と締結したある『密約』の内容だという】


【何故、そんなものを渡すのか】
【何故、それを今まで秘匿していたのか】
【何故、共有情報を通さず、自分の下へ直接なのか――】


【問うたならば、男は答える】


【 「我らに秩序は似合わしくない」 】
【 「『混沌』こそが我らを高みへ至らせる」 】


【そのようにだけ言って、黒服の男は踵を返す】
【仮に追いすがっても、その姿はすぐに煙のように消えてしまう】

【――残されるのは、二つの機密ファイルのみ】
【禁忌の箱を開くか否かは、一切が委ねられている】
54 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !nasu_res]:2018/02/23(金) 20:34:34.31 ID:XY3XXuMzo
/以後、機関員はこの黒服の『使徒』が来たということにして公安の裏事情を知ったことに出来ます。
/もちろん来なかったことにしても、どちらでも自由です。
/詳しくは避難所のSSスレ>>317にて記載してあります。
/お目汚し失礼しました。何かありましたらば舞台裏の方でお声かけ下さい。
55 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/23(金) 21:30:33.52 ID:MUydoxpx0
【UT酒場】

【正義組織UNITEDTRIGGER。民間運営の組織の中では世間の知名度も貢献度もダントツだろう】
【ここはその本拠地である事務所。見た目も機能も酒場といったほうがいいだろう。】

【UTに集まる人達には平日休日といった一般人の暦は関係ないのだろうだけれど】
【本日は政府のおじさんが寿司食べながらなんとなく始めた(そうとしか思えない)なんとかフライデーらしいが】
【特段、本日のUTは賑わっていない。店先のドアに手書きの張り紙がしてある。】

『セリーナ及びUTメンバー不在!依頼は言伝のみ也。酒場は通常営業』

【となるとやって来るのは書類を置きに来た探偵、近くまで来たからと言って手土産を置いていく賞金稼ぎ】

【カウンターに今日いるのはバイトだけだ。背の低い黒色の髪の少女である。】
【セリーナに頼み込みたまに事務所を使わせてもらう代わりに働いている。制服はメイド服だったが着た。頭につけるやつもつけた。】
【着ても、可愛くてラッキー喜ばないし恥ずかしいともあんまり。着ろっていうから着た、大人の対応というやつだ】
【服にあまり頓着しない性格なのでこのまま買い出しも出かける。脚に自分が開発したジェットローラースケートブーツを装着して】
【テレビで見た三回転トゥループも町中で決めてこないだ怒られた。警察もたまには仕事をしているようだ。あと買いに行った卵も割れた。】

【制服だっていうから仕方ない。だからといって愛想を振りまくような真似まではしない。今はカウンター内で座ってPCを操作している】
【初日で普通にこれまで通りのウェスタンスタイルの営業はしんどいと確信していた。あと客の絡み方がマジうざかった】
【そのためこの少女は持ち前の技術力でこの時計の針の止まった酒場に技術革新を勝手にもたらすことにした】

よしよし…やっぱり天井にウェブカメラ取り付けてリアルタイムでフィードバックしてくほうがよさそう…

【店内をお掃除ロボットが数台走り回る。カウンターにはノートPCが3台導入された。使うのは自分だけだろけど。】


//>>4 でも可でございます。
56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/23(金) 21:45:56.89 ID:k/CQj5afO
>>55

【からんと軽い音を立てて扉が開く、静かな店内に新しい風が吹き入れて】
【外はもうすっかり冷え込んで、入ってきた冷気にゾクリと身震いを重ねる思いもひとつ】
【コツコツと軽い靴音が、微睡みの中をかき消した】


­­──молоко(ミルク)、それと、いっぱいのお砂糖


【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけた黒い軍服と短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性であった】

【よく通るソプラノを零したら、近くのカウンター席について、じいっと店内を見渡しているだろう】
【しかしまあ、見ているだけで寒そうな格好であるのに、当の彼女はどこ吹く風という雰囲気】
57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/23(金) 21:55:33.01 ID:bV/wTaJzO
【路地裏】

『お、お願いします!金なら、カネなら必ず払いますから……!
 一回分だけでも……お願いしますよぉ!』

――いいやダメだね。お前が払うといった未払金はこれでいくらだ?

【ある酒場の裏に当たるこの場所で、そんなやり取りが行われていた】
【懇願している男はいかにも貧困層という出で立ちの中年の男であり】
【一方、取り立てをしている者はといえば――30代前半の、紫のスーツを着た男だった】
【栗色の長髪はオールバックにまとめ、冷酷な笑みを浮かべた顔は若干浅黒く】
【烏の黒羽をモチーフにしたフェザーピアスが耳元で揺れていて】

だがよ、俺も鬼じゃねえ。出来るだけ協力してやりたいんだ
そしてその為に必要なのは信頼だ、そうだろ?

【カラン、とナイフが放られる。柄が東洋の龍を模した、やや大振りの獲物だった】
【スーツ姿の男は、それが当たり前の事のように『指を落とせ』と口にして】

一本二百万。落とす指は選んでいいんだ、良心的だろ?
3本も落とせば釣りが来る。俺に貸しを作れるくらいだ、悪くないじゃねえか
……それじゃさっさとやってくれ。こっちも暇じゃないからな――。

【這いつくばった男が冷や汗をかきながらナイフを拾い上げる】
【自ら指を落として見せれば借金帳消し。そんな言葉を一蹴出来ないほどに彼は追い込まれていた】
【地べたに手をつき、鋭利な刃が皮膚を掠めて一瞬止まる。そんな姿を、金貸しらしい男は楽しげに見落としていた】
58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/23(金) 22:23:01.40 ID:MUydoxpx0
>>56

【少女の広げるノートパソコンの横にはうず高く積まれたコンピュータ関連の技術書や論文】
【メモ書き、逆に何処に売っているんだというぐらいそっけないマグカップにはなみなみとコーヒー】
【眉間にしわを寄せながら画面とにらめっこをしていたら、どうやら客が来たらしい】

あっ…ゴホン、いらっしゃいませ。

【ハッキリとした声だ。メイド服を着ているからと言ってメイド喫茶のように猫なで声で『おかえりなさいませ〜』なんて事は言わない】
【失礼にならない程度にそっけない。例えるなら石畳の坂の途中にある喫茶店そのベテランのマスターの適度な『いらっしゃいませ』である】
【場の空気を傷つけず、侘び寂びをまとってストレートに伝える、鰹でとった出汁のような『いらっしゃいませ』を彼女は習得している。】

【何故ならば彼女は飛び級で大学院まできた秀才と呼ぶにふさわしい頭脳を持っているからである。この程度お茶の子さいさいだ。】
【しかし、残念ながら殆どの人にはなんてことのない普通の挨拶にしか聞こえないのだ。】

――温めますか?それなりから激アツまでできますけど。

【上記のおばんざい料理ぐらいの適度な笑顔を添えてそう問いかける。そして少女の脳内では別のことが議論されている】
【この『いっぱい』は『一杯』なのか沢山の『いっぱい』なのか。イントネーションからそれを判別するに至らなかったのだ。】

【少女の丸い大きな目は客の容姿を観察し情報を整理する。ブロンド、瞳の色―北方系。ロザリオ―敬虔。スタイル、抜群。】
【服装、軍服はファッションか本物か。UTにくるぐらいだから本物だろか。総合して大人っぽい―が、幼さもある。よって判断不可能】
【見た目的には品のある『一杯』である可能性が高い。しかし、注文内容と雰囲気からここは沢山の方か…かくなる上は――――】

―お砂糖、ご自由にどうぞ。

【卓上にちょうどいいガラスの器に砂糖は入れていたからこれをティースプーンと一緒に出せば解決だ。トンチの勝利だ】

今日、セリーナも他の人も不在ですけど、構いません?
59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/23(金) 22:34:25.75 ID:cZv8LmVzo
>>58

【カウンターに頬杖をつく、シルクの手袋に包まれた指先が頬に沈む】
【白雪を踏破する赤子のように、無垢な指先が数刻数えて】
【肘に押されて少し形をかえて、柔らかな膨らみが揺れる】


温めて、それもうーんと、そうじゃないと、満足できないの
Благодарю(ありがとう)──ねぇ、いれてくれるサービス、ないの?
可愛らしい、給仕さん


【視線を傾ける、貴方を見つめる瞳は不思議な深みを携えていて】
【例えるなら調和の取れたシンフォニーに、半音欠落したディスコードを混ぜたよう】
【そこに残るディミニッシュな朱が、暗澹とした陰影を滲ませる】

【表情はあまり変わらない、積雪が平原を隠すように】
【それでも、眞白の頬を少し緩ませて、声のトーンが軽くなったみたい】
【貴方の優秀な脳みそであれば、笑ってるんだな!と理解できるだろう】


大丈夫──ここに来たのも、ただの道草だから


【軽く組んだ両足を組み替える、呼吸とともに肉感的な両脚が触れる】
60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/23(金) 22:59:25.18 ID:MUydoxpx0
>>59

【押されるな――これは戦いだ。少女はそう確信した。この女に負けてはならぬ。】

【圧倒的なスタイルと容姿、それらを把握した上で効果を上乗せするファッション】
【無骨な軍服はあえて美しさを隠すことで更に際立たせている。かの有名なミロのヴィーナスはそのかけた姿に】
【見るものは存在しない完全なる美を空想するのだという。かのベルニーニは女性の裸体を彫刻で表現する際】
【一枚の透き通ったシルクを体のラインに添わせた表現を用いることでイメージの陰影を際立たせたという。】
【尤も、この世界にミロのヴィーナスやバロックが存在するのかは存じ得ない】

わかりました。この世のものと思えないぐらいに温めましょう。
…え、あ……ゴホン。ど、どうせ、ここに居なければならないので。仕事ですから。

【その意味ありげな瞳に動揺するが、一旦、電子レンジの方に背を向けることでなんとか回避することができた】
【まるでメデューサだ。そこらの男ならもう逃げることはできなかっただろう。ペルセウスですらこの女性には構うまい。】

【そしてあのソプラノの声に頬を染めてそんなことを言われれば動揺もするものだ。頭の中は例えるなら数値解析の際に】
【時間積分に不確定な要素が混入して収束演算におけるアルゴリズムが終わらなくなった時のようであった】

その…給仕と呼ばれるのは好きではないです。初瀬、麻季音という名前がありますので。

【めちゃめちゃに熱くなったミルクをソーサーにのせ(熱くて持てなかったので)彼女の前へ差し出した。】
61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/23(金) 23:08:26.86 ID:cZv8LmVzo
>>60

【周囲を見渡したなら後は手持ちを無沙汰に、長い睫毛を瞳で濡らす】
【淡いルージュに彩られた口元、新雪のようなリップノイズが混じって】
【軽く背もたれに身を預けたなら、んぅ、と小さな葉音が落ちた】


それは、失礼しちゃった、麻季音という名前が、あったのね
初瀬は―――みょうじ、っていうのかしら、たしか


【みょうじのイントネーションが完全に障子と一致しているのさておき】
【少し辿々しい言葉は一音一音バラードを奏でるように紡がれる】
【掌に落ちた雪が水滴に変わるようにゆっくりと、言の葉を乱して】

【目のまえに差し出されるホットミルク、グラタンのように沸々いってるぞ】
【地獄の鬼も裸足で逃げ出すようなそれは、軽く凶器で】
【ソーサーへと指先を伸ばして、手繰り寄せる、夜を這うようにじんわりと】


Благодарю――――――よくできましt――――――!!!


【カップに口が触れた、女王陛下の接吻が如き高貴な飲み方】
【だがしかし、その後に響くは声にならない絶叫、いやあつすぎません!?流石に】
【カップをすぐに置いて、真っ赤なしたをだしてひーひーいってる】

【ほんでじとーっと恨みのこもった目で貴方を見つめるだろう】
62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/23(金) 23:30:56.60 ID:MUydoxpx0
>>61

【唖々、その一挙一動に心をいちいち動かされてしまうほど自分は脆かったのだろうか】
【しかし彼女はかの銀幕のスターに劣ることのない耽美的な何かを感じざる負えない】

ええ、好きな方を呼んで頂いて構いませんけど。

【彼女の真正面ではなく、1つ斜めのカウンターの内側、PCのあるいつもの定位置に腰掛ける】
【冷めたマグカップを手にとってインスタントのブラックコーヒーを無意識的に口元に運んでいく】
【それに気がついて俯瞰的に思考する】

(ああ、今自分はそうとう追い詰められていて、防衛本能が働いているんだな)

【なんでそんな美人が一人来たぐらいで動揺せにゃならんのか、それはわからないんだが、緊張するのは間違いない】
【なんせこの女性は立てば芍薬座れば牡丹で、指差すほうは薔薇色の暁であり、西風が彼女を何処へでも連れて行き】
【降り立つ地には愛という言葉が生まれ山は噴火して、戦争が起こり―あ、これはイーリアスか――――】


―――は…はぁ?ハァアアア??あんたが熱くしろって!言ったよね?言いましたよね!!??
悪いけどそういうクレームはここは対応しないのよ。文句ならセリーナに言ってちょうだい。
どちらさんかわかりかねますけどね。ワイルドが売りなのよこの店は!

【一旦据えた腰を、跳ね上がらせて立ち上がる(身長は小さい)。小さいが迫力は十分だ。こっちも負けじと睨み返す】
【確かに考え事のせいで電子レンジ長めに温めてはいたけど…】
63 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/23(金) 23:41:23.14 ID:cZv8LmVzo
>>62

【慌てて両手で口元を抑える、高貴な様子も剥がしてしまえば少女の妙】
【目尻に透明な涙を浮かべて、滲む赭色混じりのマリンブルー】
【うーって言いながら見つめる姿は同い年みたいな】


言ったの、言ったけど、限度が、あーるーのっ!
みひゃひゃいよ、ひはは、ひゃへほひははっは!


【ぐいっと身を乗り出して舌を見せつける、多分分からない】
【より一層舌っ足らずな喋り方に、何が読み取れるのだろうか】
【しばし不服を申し立てたら落ち着いたのか、ぽふんと腰を下ろすだろう】

【スカートの位置を少し直して、ため息一つ、改めてミルクを見る】
【恐る恐る指を近づけて、カップを持ち上げる、口元にそっと寄せる】
【あつすぎるわけではない、湖に爪先を浸すように、ミルクを飲み込む】


――――――вкусныйおいしい


【瞼をパチクリ、大きな瞳が嬉しそうな色を見せた】
【そして少し、バツの悪そうな顔、取り乱した自分が恥ずかしくて】
【心が落ち着く、お砂糖をもう少し入れようかな――――――】

【ガシャン、と音がして、砂糖の瓶がすってんころりん、カウンターに散乱する】
64 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/23(金) 23:53:55.53 ID:7Gxs4HhE0
【街中――路地裏】
【――とは言え、大通りには近い場所だった。すぐそばには賑やかさが溢れかえっているのに、ほんの少し……ほんの小道一本、入り込んだ、その場所は】
【たったのそれだけなのにすでに誰かが苛立ち紛れに蹴り飛ばしていった青色のプラスチックの大きなゴミ箱が転がっている、幸いにも生ごみ類は、すでに猫や烏が攫い終え】

――――、はあ、

【それでも少し残った腐敗臭は、けれど、こんな場所に踏み込む人間なら慣れたものなのかもしれなかった。だから――というわけでもないけれど】
【今宵この場所で目立つのは"甘い"匂いだ、うんとうんと甘い匂いの煙草の匂い――、人影の吐き出した紫煙が一度かすかな月明りに煌めいて、たなびいて】
【それからある程度近づけば、そこにぽつんとした灯り――うすっぺらな携帯端末の画面の明るさが、見えて。ならばそこに誰かが居ることを気づくのは、ひどく容易い】

【――うなじが見えるくらいに短い内巻きのボブヘアは黒猫みたいな毛の色をしていた、ほんの少しだけくせっけのように見えるのを、けれど上手にまとめて】
【不健康よりも血の気がなく見える真っ白の肌、だけれど顔にはそれをごまかすだけの化粧を施して――猫みたいにつんと吊った瞳は、宝石みたいに青りんごの色】
【きちんとボタンを閉じたコートの上からでも分かる身体つきはひどく女らしいものだった、コートの下の服装はうかがえなかったけれど】
【すらっと伸びた足には肌の透ける黒色のストッキングとかかとの高いショートブーツ。建物に沿うパイプに身体を預けて――そんな、女が、一人】

【それから――その足元に、ふさりと毛むくじゃらのシルエット。猫に見えた、見えたけれど――大きさで言えばライオンくらいもある、"黒猫"】
【女の髪色とよく似た黒い毛と同じ瞳の色、そんな大猫が女の足元には寄り添っていて……けれど彫像のように動かなかったから、あるいは、にせものにも見えた】

【片手には携帯、もう片手にはうんと細い煙草が一本、そんな女は――あるいは馴染みすぎているくらいだった、こんな場所であることを忘れたみたいに、甘たるく燻らせ】
【だけれどそのくせ足元に従える猫は間違いなく異能の発露でもあったから――ぢり、と、短くなった甘い甘い煙草を、携帯用の灰皿に押し込んで】

……、もう少し動いたらどうですか、不気味ですから。

【それで、ふっとあたりに目を巡らせるのだけど――コートのポケットに携帯灰皿を押し込みながら、甘い甘い猫撫で声の女は、足元の"猫"に声を掛け】
【その瞬間にぱちっと意識を取り戻したみたいに、猫は急に毛づくろいだなんて始めだす――不穏でこそないけれど、かといって奇妙な、そんな一瞬があった】
【何より狭い狭い道であるから――誰かが通るようなら、まず、互いに気づき合うだろう。甘い匂いで白く煙った場所に、女と、それから、変な猫一匹――ぺこん、と、まだ手にあった携帯端末から、よく目立つ通知音が一つ、聞こえた】
65 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/24(土) 00:01:09.02 ID:I8Eh/WVQ0
>>63

【麻季音はじっと訝しげな目でその女の顔を見る。おかしいぞ、これまでの完璧さなら】
【きっとアンドロイドだろうから、ごくごく飲めるはずだ。まあそれは冗談なんだけど。】
【少女は―――違和感を感じていた】

限度?この店じゃこれがマックスなのよ。丁度、電子レンジも新しくしたばっかりだったし
業務用の威力を最大限に楽しめるし、なによりヌルいの出されるよりいいじゃない。

いや、そんなの見せつけられても知らないわよ。何?よくわかんないんですけど〜

【つーんとそっぽ向いて、やれやれと座りなおす。コーヒーを取り敢えず一口飲む。自分の熱も少し覚まされた】

…ゴホン。そういえば貴女、ここの誰かの知り合い?名前教えてくださったら、伝えておきますけど。

【取り直して、ついうっかりお客ともあろう相手に失礼な態度を取ってしまった。これが優秀な正義の何方かだった場合】
【申し訳ない。UTが慇懃無礼だと思われても失礼だ。ここは礼節を持って。大丈夫自分は理性なら人一倍だ】
【研究者は我慢強さがもっとも求められ―――】

――――なるほど、貴女、ポンk…天然で…で、あらせられますね?

【よし、オッケー。】

【そして、カウンターの隅から小さい掃除ロボットがウイーンと砂糖を片付けにやってくるのである】
66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/24(土) 00:11:35.54 ID:FNNjwCGvo
>>65

【覆水盆に返らずと古人は言った、覆水だろうが何だろうが、戻らないものは戻らない】
【一瞬の静寂、心音すらも聞こえそうなぐらいに、とくん、とくん、と】
【白妙のように薄い首筋が濡れる、伝う冷や汗が凪をはためかす】


わ……わわわ……――――――


【プラチナブロンドの髪が揺れる、吐息と共に前髪が謡う】
【琥珀色の目尻に灯す涙の色は淡く、ああもう、うまくいかないななんて】
【手持ち無沙汰な両手が宙を描いてる間に、優秀なお掃除ロボがお片付けに】

【哀れ、瞬く間にスキルの違いを見せつけられた】


……知らない、天然なんて、言葉、知らないの
麻季音、言い過ぎた、かな……ごめん
暖かいのがいい、言ったから、暖かくしてくれたのに……


【数刻、沈黙した後、言葉を零した】
【囀りのようなつぶやきは、確かに水面へと波紋を投げかけ】
【揺らめく一つの言の葉を宙空に浮かべる】


―――カチューシャ、そう呼んで欲しいの
わたしも、麻季音って呼ぶから、お願い、麻季音


【おそらく漢字圏の出身ではないのだろう、少し舌を絡めた発音をする】
【それはさながら蜜を紡ぐように、舌先に浸した粘度のある糖】
【口内で転がす貴方の名前、飴細工のようにゆらりくらり】

【流す視線に艶が戻ったら、絢爛な彼女がそこに鎮座している】
67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/24(土) 00:23:04.85 ID:2mhZpGDIo
>>64

【路地裏、一人と一匹が佇むより更に深い方。そちら側から、真っ黒な服を着た男が数人、歩いてくるのに気が付くだろう】
【だが、彼女たちに何をするでもなかった。気味が悪いほどにノーリアクション、ただ通りすぎていくだけ】
【それらが過ぎ去ったなら。カラン、カラン、と下駄の音。ゆっくりとした歩調でそれはやって来る】

甘ったるっっ……何やこの煙……煙草か?
―――いくらここんところ禁煙禁煙うるさいからって、わざわざこんなところで吸うってまた、けったいなやっちゃなぁ。

【若い女だ。蝶が舞う和服の鮮やかな緋色は、煙った中でも目を惹くだろうか。ナチュラルボブの黒髪と、同じ色の瞳が彼女の姿を捉えれば】
【まだ浅い¥齒鰍ニはいえ、路地裏という場所に似つかわしくないその人物に、言葉をかけた】
【独特のイントネーション――所謂、関西弁、というやつだ――を伴った、少しからかうようなもの。】

いや、ほんまにけったいなんはソッチの方か。何やのその毛玉。化け猫でも飼うとるんかいな?


【足音が止まる。女は、先ほどの連中のように通り過ぎるわけではないようで】
【小さく傾げた首、顎にやった左手―――揺れる袖からは、右手は見えず】
68 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/24(土) 00:27:33.61 ID:I8Eh/WVQ0
>>66

【ああもう、ずるい。これが女の武器というやつか。私も使えるならこっちのスキルを伸ばせばよかった】
【ずっと、この調子だ。彼女の手に踊らされているような気がしてならない。彼女の中の複数の理性や俯瞰する自分が】
【色々と喚いているが、この女子力パワーの争いには眉間にしわを寄せて白旗を揚げるしかなさそうだ】

【自分が眉間にしわを無意識に寄せているのにはたと気づいて、この癖は治そうと思っているのにと。右手の指先で】
【眉間をもんで、誤魔化す。そうすれば柔らかくなるような気がしているからだ。】

い、いえ…こちらこそ。ごめんなさい。その…やっぱりお客さんに合わせるべきですよね。そうね…
じゃあ、お代はいいから。それで、ね。

【取り敢えず、予備の砂糖をカウンターにおいて、使ってと彼女の前に。お掃除ロボは仕事を終えて、カウンターの隅に帰っていく】
【少女の優秀な頭脳は空気を解析し重さを量ることで、気まずい!という結果を出力している。…どうしよう。議論やディベートは得意だが】
【カウンター内の店員として客との適度な雑談…ないしこの打開策はNot Foundである。】

わかったわ、カチューシャ。…それで、さっきの話だけど。こことは何か縁があるの?それとも用事?頼み事?道草とは言ってけど…

【カフェ代わりにするには彼女の趣味が合うコンセプトではないと思う。ウィスキーと土煙の味がしそうな空間は…】
69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/24(土) 00:37:00.67 ID:FNNjwCGvo
>>68

【無表情の雪化粧に微かな頬紅を加えて、紅潮した色味を揺らめかせる】
【彼女の微笑みは、それこそ消え入りそうなぐらいに微かな、微睡みのよう】
【絵画から抜け出してきたような微笑を携えて、言葉を一音選んだ】


そっちの方が、良いの──可愛い顔が、曇ってしまうのは、勿体無いわ
縁というほどもないの、ただ本当に、迷い込んできた、だけ
木漏れ日に誘われて、つかの間のうたた寝を、しにね


【眉間に伸びた貴方の指先、言葉にきっとうそはない】
【相応の小柄な少女は、きっと彼女の何倍も賢いのだろう】
【だからこそ純粋に勿体無いと思った】

【ピンヒールが床を叩く、立ち上がる姿は君臨という言葉に形容されるが如く】
【吹雪くコートの裾を抑えたなら、カウンター越しのあなたに近づくだろう】
【距離が狭まる、視界の大部分を彼女が埋める、長い髪の香りが届く範囲で】


私のことは、気にしないで、貴方のことを、もっと知りたいの
縁がないのであれば、貴方もそうじゃない?
──ここはもっと、野蛮な人の、席ではなくて


【朱が歪む、蕩けるように瞳の中に吃音が燻った】
【貴方もまた相応でないと、彼女は伝える、UTの人間にしては可憐な少女であると】
70 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/24(土) 00:39:47.13 ID:m0i+PnfP0
>>67

【自分の言葉で生き生きと動き始めた猫を見下ろして眺める、そんな行為はひどく静寂の中で行われていた――だから、誰かが訪れたときに、彼女"ら"はすぐに気づく】
【まず初めに女が振り向き視線を向ける――そしてそれをまねるように、猫もまた、目を向けるのだ。夜によく目立つ鮮やかな色が、瞬きのタイミングすら揃って】
【けれど――彼らはあまりに何もなく、通り過ぎていく。ならば、女も猫も、それ以上の行動はしないだろう。それどころか――通り過ぎる、と判断したときには】
【すでに視線は逸らされている。それで変に見つめ続けてケチを付けられることが面倒でしかないみたいに。だが――また、誰かの訪れるような気配がしたら】

…………――、

【また、ついと目が向けられる――だろう。女のものと猫のものが合わせて四つ――やがて暗がりの向こう側に、若い女の姿を見つけ出すのと同じころ】
【おそらく自分へ向けられている言葉が聞こえれば、ぱちりと瞬き一つ。本当に誤差よりも微細に目を細めれば――猫はついと興味を失ったように、地面に伏し】

あら……ごめんなさい。その通りですの、表では、禁煙だの、分煙だの、うるさいものですから――家でも吸うなと言われていて。
かといって……喫煙所は空気が悪いですから。こんなところの方が、都合がよくって――、

【返すのは甘たるい猫撫で声だった、相手の言葉にどこか遠い目……ため息交じりに残念そうな目をする、自分の身体を抱くように腕を回して、空いた方は、口元へ】
【悩ましいようなそぶりで言うけれど結局言っているのはどうでもいいことでしかないから多分あんまり意味はない。あまり聞きなれないイントネーションの訛りを気にした風もなく】
【あるいは相手も似つかわしくはないように見えた。鮮やかな色合いの和服は少しだけ脳裏で"幼馴染"を連想させて、ただ、――そんなの、余談でしかない】

……いいえ、猫はあまり好きではありませんの。煙草を吸っているだけで死にたくはありませんから。

【――にこりと向けた笑みはひどく人懐こいもの。あるいはこんな場所を当たり前に歩く相手には、そう作られたもの……と、分かるのかもしれないけど】
【似つかわしくない――そんなはずもなく、染まりきっている。よく慣れた――"こんな場所"でこんなふうにものおじせず笑う人は――多分。ありふれた一般人では、なかった】
71 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/24(土) 01:01:16.03 ID:I8Eh/WVQ0
>>69

【すっかり元の調子を取り戻しているお客の女性。目は真珠の首飾りの少女、微笑みはモナリザ】
【少し赤らんだ頬をみるとこちらはもっと赤くなってしまう。また負けそうになっている―強く自我を持たなくては…】

ええ、あ、うん。…そうなのね、不思議な人。こんなところ行き方も見た目もワイルドな人か物好きしか興味ないと思ってた。
普段は主のセリーナもいて、色んな人がいてにぎやかで…少しめんどくさいけど。

【なんとかこちらも合わせて、ちょうどよい微笑を湛えて少し遠くを見つめたりなんかして対応する。】
【定期的に飲んでいるマグカップのブラックコーヒーが生命線だ。なくなった瞬間にこの色気に飲み込まれかねない。】

ぐっ…いやっ、あのっ…えっっとぉお?私はアルバイトだから。学生で、お金も必要だし。少し縁があってね。
ここだと色んな情報も入ってくるから。…あの、その、少し近いというか…嫌ではないんだけどその…

【ぐっと近づいてきたのを瞬間的にぎゅっと体をそらして、距離感を維持し、目線を外して凌ぐ。凄い攻撃だ…良い匂いする】
【これはシャンプーなのか香水のたぐいなのか、本人の持つ特殊能力なのか。少女は椅子から転びそうだった】
72 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/24(土) 01:09:02.74 ID:2mhZpGDIo
>>70

【『さよか。』彼女がここで煙草を吸う理由には、そう返して。女にしても、特段重要なことではなかったのだろう】
【こちらへ向けられる笑みには、薄笑いと共に、値踏みするような視線が返される。彼女がどういった人間か、それを確かめようとするかのように】

――はァ。しかし何やこの毛玉、えらいでっかい。野良の親玉でもそんな図体にはならへんやろ?
いくら路地裏はけったいなんばっかりや言うても、見たことないでそんなん。

【―――似つかわしくない。確かにそうだろう。外見は。】
【だが、路地裏という危険な場所を、たった一人で、特に急ぐ様子もなく歩いていた。それはつまり、女もまた、『慣れている』ということの証左】

―――これが、ハジキにも対抗できるような武器になるんかいな。

【彼女の足元、横たわる大きな黒猫を見て、問う。路地の奥、女の来た方から風が吹いて】
【微かに匂いがした。煙、それも硝煙の匂いだった】
73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/24(土) 01:12:13.75 ID:FNNjwCGvo
>>71
【手袋越しの指先が髪を絡める、くるくると辿るのはプラチナブロンドの残光を響かせて】
【左手で右肘を支えたなら、苦しそうな胸が白身を浮かす】
【煽情的な仕種は、本能に訴えかける被虐の誘いにも似て】


そんなことないの、この場は本当に、温かい場だと、思うの
だからね、気をつけてほしいの──眩しい日差しは、時に騒々しくなって、余計なものも、呼んじゃうから


【零す言葉の一音一音に温度が宿る、糖衣に包まれた硝子細工の言葉】
【一回二回と大きく瞬きをする、その度に瞳が喘ぐように光を貪る】
【虹彩が呼吸をするたびに、大きな瞳孔が何度も締め付ける】

【カウンターに両手を付いて、下から覗き込む、前髪を透かして視線が向いた】
【谷間を強調しながらの上目遣い、耽美な肢体を傀儡にして】
【視線を逸らすあなたの耳元に口元を寄せる】

【ピンヒールもあり、身長は彼女の方が高い、包み込むような体勢に近いだろう】


麻季音がね、ただのアルバイトさんなら、良いの、私も、そっちの方が嬉しいの
でもね、その先に関わるのなら、私はあまり、快くないの
ねぇ、あなたはどちら、悪い猫さんか、そうじゃないのか

──私に、愛を、謡わせて──


【脳内に直接響くようなソプラノ、脳の皺一つ一つに浸透していくように震わせて】
【蕩かすような声色が、白栲の喉を揺らして落ちていく】
【唇と唇が重なるノイズが、雨粒のように滴り落ちて】

【貴方が本当にただのアルバイトなのか、と問いてきている】
74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/24(土) 01:28:19.17 ID:m0i+PnfP0
>>72

【そしてそれは――おそらく女にとっても、そうだったのだろう。なにせこんな場所でよりによって喫煙者は肩身が狭い、なんて、話をする必要はない】
【値踏みするような目にも彼女は笑ってみせるだろう。そんな目はよく慣れていた、自分を商品に生きてきたなら、その程度で今更動じるのもありえない】
【ただ――地面にお行儀よく伏せてまた彫像か置物か剥製のように固まっていた猫が、ちらと目線を動かす】

ええ、そうでしょう。わたくしも見たことがありません――動物園には居るかと思います。こういう、猫――いえ、ネコ科でしょうか。

【腰を抱くような――自分を抱くような。仕草はあるいは腕を組む動作にも似るのかもしれなかった。そこまであからさまではなかったけれど――あれは警戒のしぐさなのだという】
【あるいはもっと単純に豊かな胸元とその上のコートがやりたい恰好の邪魔をするのかもしれなかったけど。どちらにせよ――にこやかではある。友好的にも見える。だけど】
【信頼は――ないだろう。笑って話すけれど絶対に心の中までは笑っていないのだ。その時に猫がすっと立ち上がって――ちょうど手をおろした女の手の先、ぴったり頭が来る】
【優しく撫でてやるけれど――猫が好きではないと言ったあとなら、どうにも褪めてみえるのだろうか】

いいえ――、ご冗談を。大きいだけの猫が、叶うはずもありませんわ。それに――この場所で騒げば、すぐに自警団が駆け付けましてよ。

【くすりと小さな笑い声。けれど目はすっと細められて――、撫でられていた猫もまた、くうと目を細める。それは撫でられて心地がいいような、そんな風にも見えたけど】
【煙――硝煙の臭いには、おそらく気づいているだろう。だけれど真っ先に回避しようと試みるのは、こんな場所にありがちな血の気ではない、もっと、生き残ってきたもの】
【少なくともだれかれ売り歩いて生き残ってきたタイプではない――と見て取れるだろう。そして何より、小道一本内側なだけのここでは、すぐに、聞きつけられる】
【それは不利益でしょう、と、提示する。細められた目は、それでも、きらきらと宝石みたいにつややかで――やっぱり、こんな場所に、似合っていた】

/ごめんなさい、このレスで一度凍結をお願いできますでしょうか……!
/明日は早く帰れると思うので、遅くても8時ごろには待機していられるかと思いますっ
75 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/24(土) 01:31:23.80 ID:I8Eh/WVQ0
>>73

【少女は目をそらすぐらいしかできない。頬はみるみる赤くなり、鼓動が早くなる】
【アワアワしている中身をなんとか溢れさせないでいることしかできない】

そうね、そうね、そうね…ここの人は悪い人じゃないし…――――――


【自分の中にいる、冷静な自分の1人が何かを叫んでいる。なんだ?何を言いたいんだ?私の中枢の部分の私は】
【それに耳をそばだてるが、一体何を言いたがっているんだかわからない。でも気づかせる誰かが心の戸を叩く】

【耳から入って頭を包む声、言葉は抽象的だ。海外のおとぎ話を聞かされているような気分。さっきまでならこれで完全に】
【ノックダウンしていただろう。けど、私の中の冷静な科学者としての揚げ足取りな、あまり好きではない性格の一部を目覚めさせる】
【それに体が反応したかのように、麻季音は立ち上がる。ガタンと椅子を倒して、後ろに後退る。】
【目はまっすぐ相手の目を見れるようになっていた。嫌な汗が、背中を流れるのを感じた。――気のせいであってほしい】

蠱惑的ね…いいえ、意図的と言えるわ。…貴女、何が言いたいの?
言っておくけどバイトの私に聞いてもなんにも知らないわよ。何に関わるって言うの?―婉曲的なのはやめてちょうだい

【ここはUTだ。正義の組織。だからこそ、余計なことを警戒してしまう。カノッサ、フルフェイス――――】
【余計な心配を拭うためにもセキュリティから見直すべきだったか。あの壁にかかっている銃の使い方でも習っておくべきだったか】
76 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/24(土) 01:32:07.75 ID:2mhZpGDIo
>>74
/了解です、後でお返ししておきます
/こちらは明日はだいたい空いてると思いますのでー
77 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/24(土) 01:39:25.00 ID:m0i+PnfP0
>>76
/ありがとうございます、ひとまずおつかれさまでしたっ
78 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/24(土) 01:42:15.01 ID:FNNjwCGvo
>>75

【銀のロザリオが照明を反射させる、微かな瞬きが陰影をそこに浮かび上がらせて】
【十字架の表面に映る艶やかなルージュ、雪白の肌を穢す背徳のような色合い】
【息もできないような色情が、彼女の存在を強めていく】


Жалко(残念)──麻季音がもっと、もっと、ただの女の子ならね
そのまま優しく、仲良くできたのにね
アルバイトから一歩、進んでしまったら最後、私の敵になる、の
そうなってほしくないなぁ、なんて、思ってるの


【距離を取られる、その判断の適切さに思わず感嘆の声が漏れた】
【これより早くても遅くてもいけなかった、これ以上ないタイミングでの行動】
【高速思考、最適解への最短ルートを進む、シナプスの優秀さに笑い声も重ねてみたいと、思うほどに】

【淫らに笑う、艶やかに悦ぶ、蠱惑的に拐かす】
【頬が紅潮する、それはサディスティックな色合いに】
【首を刎ねるような微笑み、右の口角だけを微かにあげた笑み】


ごめんなさい、まだこっちの言葉、得意じゃなくて
仲直りしましょう、麻季音──そう、貴方はただの、可憐な女の子だもの


【踵鳴らす、鉢宮路の音。窮鼠に枕坐す仔猫の如く】
【ピンヒールが音を鳴らしたなら、硝子細工の微笑みを戻し】
【静かに佇みあなたの返事を待つだろう】
79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/24(土) 02:27:34.01 ID:I8Eh/WVQ0
>>78

【狭いカウンターの中、思わず手をついた後ろの棚が軋んだ。立ち上がった時にマグカップを割ってしまっていた】
【それに気が付かないぐらいに自分は切迫していたのだろうか。ほんの一瞬が脳内でとても長い時間のようだった】

私は正義を抱えて悪と戦うつもりなんてこれっぽちもない。イデオロギーだとか善悪にかまけているほど暇じゃないの。
私はただ、父を探しているだけ。こことはBusinessの関係よ。

けど貴女が、もし貴女がセリーナを傷つけるようなことがあれば、他のUTの人達やこの場所を奪うようなことがあるなら

――私はあなたを許さない。それなら、一歩、進む必要もないわ。――敵よ。
生憎、生まれたときから単なる普通の女の子じゃないのよ、私は。

【相手は能力者か?カノッサ機関か、フルフェイスが、政府機関が、口封じに来たのか?別件に巻き込まれただけなのか】
【対抗する手段は?こちらは丸腰だ。逃げるにも、何処へ?万事休すだが諦めが悪いのは私の悪いところだと思っていたが】
【こういうときには自分のことながらありがたい。だが、意地っ張りなところはどうやら今日も悪い方に出ているみたいだ】
【何故私は、危機的状況にも相手を煽るようなことを言っているのか。これについては後で考えたいな。】

ねえ、カチューシャ…ミルク冷めるわよ。折角、温めたのに。…飲み終わったら。また、素敵な笑顔をみせて。
そしたら…貴女は、立ち上がるの。私はドアに向かう貴女の背中を見ていて、貴女は振り返らない…

【麻季音は静かに、笑みを浮かべた。何故か落ち着いていた。彼女は語る。そうしようと提案する。美しい映画のワンシーンのようなプロット】
【少女は冴えていた。冴えすぎていてスキを探していたが圧倒的な相手を前に、全てのプランは却下されついでたのがこの言葉だった】
80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/24(土) 02:41:51.99 ID:FNNjwCGvo
>>79

【肩に横顔を預ける、悪戯っ子のように目を細めて】
【睫毛が泳ぐ、狭霧のように薄い頬に溶けていくかのように】
【マリンブルーの朱が交錯していく、幻想的な瞳の色合い】


──そう、それは、すごく残念なの
でも、麻季音なら、そう言うのかな、て思ってもいたの

麻季音、麻ー季ー音っ!覚えちゃった、嬉しいけど、でも、悲しいの


【造花が笑う、永訣の微笑み、微睡みの中で見た悪夢の様に】
【くるりと踵を返し、コートを吹雪かせる、長い髪が残照のように名残を残す】
【肩越しに貴方を見つめる、横顔は女性というより少女に近い】

【──でも、続く言葉を聞いて、きょとんと、表情が揺れた】
【女優が紡ぐ、幾千億もの価値を持つ綾言葉、それよりも尚、気高い貴方の言葉】
【憑き物が落ちたかのように、淫靡な雰囲気が消えて、頬が落ち着いた】

【言葉に引かれるようにゆっくりとカウンターへ向かい、カップを持ち上げる】
【軽く喉を震わせて、もう熱のないミルクを飲み干した】


Благодарю вас!(ありがとう)
やっぱり、麻季音のミルク、美味しいね


【頬が滲む、最初に見せた色合いに近い無表情の誤差みたいな微笑み】
【そこに色も艶もなくとも、柔らかな彩は残っていて】
【貴方に向ける最大級の賛辞にもにた、笑みの色合い】

【進む足取りが響く、ピンヒールが鳴らすスタッカート】
【新雪の残り香だけを残し、彼女は店をあとにするだろう】

//こんなとこでしょーか!ありがとうございました!
81 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/24(土) 03:10:41.67 ID:I8Eh/WVQ0
>>80

【落ち着いた自分は意識が漂って、俯瞰で外から眺めているような気分だった】
【言葉と言葉の間が永遠の沈黙のように感じる。段々と現実感が喪失していくように感じた】

女子は皆、生まれたときから特別なものよ。

【そんな冗談をいう元気は何処から出ているのか自分でもわからない。けれども今まともな脳内の回路は】
【この辺だけしか生き残っていないらしい。本当はもっと聞きたいことはある。正体、目的――――】

【そこから、カメラが回る。――勿論これは例えだが、それぐらい現実という感じがしなかった。】
【私たちは演じているように、自然すぎた。きっとカップを持つ彼女のカットは幾つも撮られたことだろう】
【私も同じようにじっと見ていた。】

…ありがとう。

【あれだけ饒舌だった言葉もついて出てきたセリフはこれだけだった。彼女が表れたときのようにその姿に】
【目を奪われるしかできなかった。カメラもきっと私の見ている景色と同じだろう。少しずつ遠くなっていくアクトレスを】
【引きの映像で画面いっぱいに映し出す。ピンヒールの音が遠くなっていくのに合わせてノクターンの第二が少しずつ挿入される。】
【誰も居なくなった店内を暫く写して…映画ならそれで終わりだ。深夜の店先をバックにエンドロール――――】

―――――な、な、なん、なん何なの!?映画ならそれでいいけど!あーあ!もう!その…もう!
結局誰?何者?脅されたの?私!?はぁ?こんなバイトするんじゃなかった!あーあーマグカップ割っちゃったし…
そうだカメラ!多分ちょっとなら写ってるはず…後で確認しなくちゃ

【そう、幕は降りないのだ。彼女は閉店作業も残っているのである!】

セリーナに頼んでマシンガンでも置いてもらおうかしら。は〜あ…疲れたぁ…


/こんなところですね。ありがとうございました。
82 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/24(土) 08:43:02.73 ID:3UxmWVWGO
【昼・UT】

【表向き酒場のようなこの場所にとっては開店準備にも等しい時間帯だが、二人の来客があった】
【一人は女性。純白のミンクコートに身を包み、黒髪を腰ほどまでさらりと伸ばし】
【そして瞳は黄土色。背も高く、ブーツということもあって175cmほどはあると見え】

……ほらな、此処を観光で楽しみたいってんなら夜来るべきだっつったろ?
見ての通り酒場なんだから、昼来たってつまんねーって。

『でも、聞くところによれば軽食くらいは出してくれるんだろう?
 その時の店員次第だ、とも聞いたけどさ。
 それにほら。観光っていうのは、その場所に来たっていう事実に感動するものだからさ』

【物腰柔らかなもう一人は男性だった。ふわりとした金髪に、この時期は寒そうなシャツとジーンズというラフな出で立ち】
【持ち物らしいものは小脇に抱えたスケッチブックが一冊ばかり、と】
【隣に立つ女性の凛とした雰囲気に比べると、どこか貴公子然とした、若干頼りない印象を受ける】

……まあ、そりゃそうだが。ここの店員がどういうやつらだかは伝えただろ?
全員が全員じゃねーが、こっちとしちゃ早く帰りたいんだがな。

【不満げな女性の言葉を笑って流しながら、男性はカウンター席に座って店内を眺め始める】
【飾ってある銃であるとか、酒瓶だとか。その場の空気を味わうような雰囲気は楽しげで】

【一方でコートを着た女性は呆れたようにその後方で立ったまま、閑散とした店内を眺める】
【ただし男とは目的が違う。店員や、他に客はいないかと探るような鋭い視線だった】
83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/24(土) 10:58:14.57 ID:2mhZpGDIo
>>74

【カラン、カラン、下駄が鳴る。縮まる距離、近付く女。口角が持ち上がり、歪な三日月を描く】
【ククッ、と喉を鳴らして笑う音がした。視線が足元の猫から、彼女へと移り変わっていく】

ま、せやなぁ。不必要にバラすんはうちのガラやなし。後処理にかける手間の方が大きいような事は、する意味あらへんわな。
せやから、別にうちもあンたをどうこうしようとは思てへんよ?

【カラン―――音がしたかと思えば、一息に彼我の距離がなくなる。すぐ目の前にまで緋色が迫る】
【表情の消えた顔が、そこにあった。感情のない声が、言葉を続ける】

まあ――――――自分がここで、何も見てへん、聞いてへん、言うんやったらの話やけど、なァ?

どないや―――何か変な音聞いたりしてへんか?

【余計な事は言うな≠ニいう言外の圧力。彼女自身に心当たりがあろうと、なかろうと。】
【女たちが現れるより前、呻くような声が聞こえていたとしても。通り過ぎていった男たちが、『人間が一人入れそう』な鞄を持っていたとしても。】
【何も見ていない。何も聞いていない。そういうことにしろ、と。】
84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/24(土) 17:40:37.99 ID:K1NItmlUo
【路地裏】

【頭と胴体が綺麗に分離した新鮮な死体が転がり血溜まりを作っているのは、まあまあいつもどおりの光景】
【いかにも路地裏にいそうな風貌の死体。その手には刃物が握られていたらしく近くに転がっている】
【そして、この死体が腹で半分ほど押しつぶしているカバンを漁れば、たくさんの宝石類が現れるだろう】

【その近くの木箱、血溜まりを回避した位置にあるそれに座り休憩しているのは……】
【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「どうしようかなぁ、これ」

【酷く面倒そうな表情でため息を付く彼】
【返り血や怪我などはなく、首を切断できそうな刃物も近くには見当たらない】
【近くの死体の製造者が彼であるかは怪しいところだが……言動だけ聞けば、おそらく犯人は彼だ。だが、証拠に乏しい】

「うん、放っておこう。回収したい奴がいたら勝手にすると思うし」

【彼は立ち上がり、この場を去ろうとする】


【この光景とは全く関係ないが、UTに所属していたある男『ユウト・セヴォラインディ』】
【精神をおかしくし一度失踪した後、幼児退行を起こしながらも再び戻ってきていた。だが、2016年初頭頃に再び失踪したのだ】
【そして2017年の夏の終わり頃、突然UT基地にメンバーとは顔を合わせずに脱退を告げる紙を出し(放置し)、今もなお顔を出していない】
【目撃証言自体は脱退宣言後の時期からたまに報告されるものの、声をかけても他人の空似としてはぐらかされてしまうとのこと】
【その際にあまりにも表情が崩れず怪しい態度も取らないため、本当に他人なのではとの噂もある】
85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/24(土) 19:46:14.19 ID:m0i+PnfP0
>>83

【下駄の音――そう聞きなれたものではないが、けれど、よほど珍しいものということもない。瞳はひどく鮮やかだけれど、黒い髪は――櫻の方の人間の特徴でもあり】
【ならばどこかで関係があるのかもしれなかった。詰められる距離はそのままで――ただ近づけば、甘い匂いがする。さっきの煙草とはまた違う、甘い、香り】
【女がつけているのだろう香水の匂い――相手の感じるのはきっとそれくらいだろう。敵意をあらわにするということもないまま、ただ、その甘さが分かる距離までを許し】

ええ、そうでしょう? わたくしもそう思います――、あなた様をどうにかしようだなんて。

【すっと冷えた顔がすぐそこに。だからこそ、こんな中でも笑うのが異質に見えるのかもしれなかった――変わらないままで、にこり、と、笑ってみせたなら】
【そのくせ瞳はやはり"笑っていない"。うんと近い距離で見つめって、ただ、ほんの欠片みたいな親愛もなく、こちらからも、また、何かをするつもりはないと】
【"そう"するとしたら、それは、相手が先に手を出した時だけである……と、そういう態度だった。向けるのはひどく鮮やかな青りんご色、はたり、と、瞬いて】

変な音――ですか。ううん……、聞いていないかと思います。ごめんなさい、さっきは、知り合いからのメールを見ていましたので。
それを読むのに夢中――でした。はい。何かを聞いた覚えはありませんわ、ついでに……何かを見た覚えも。

【その言葉には一瞬、そういう演技……演技だと分かる程度に荒いものが、混ぜ込まれるだろう。手を口元にやって、分かりやすく、考えるふり……思い出すふりをして】
【確かに携帯端末を見てはいた。けれど――誰かが通るときには、視線はそこになかった。だけど、"見ていない"。耳は自由ではあったが、文章を読むのにかまけて、"聞いていない"】
【それが女の答えだった。なにより――もしもそうでなかったとして、警察や自警団に駆け込むタイプにも見えないだろう。なにせ、こんな場所を喫煙所にするような女が】
【当たり前に駆け込めるくらい"全う"とはあまり思い難いから――もしそれができるような人生だったとして。そうだったとしても――多分、こういう"人間"は、それをしない】
【ふわと申し訳ないようなため息を漏らす、自分のすぐ傍らで"良い子"にしている猫を一度見やり、ぽつりと話しかける――「あなたは何か聞きましたか?」。猫はつんと澄ましたまま】

…………ですので、ごめんなさい。それとも――何かありましたか? 

【――だから、これで相手が何もなかったと言えば、多分、何もなかったことになるのだ。だって、何も見なかった聞かなかった女と――何もないと"知っている"女なら】
【何かがあった……そんな風に言い出す方が、狂気じみている。――にっこりと笑ってみせた顔は、やっぱり人懐こいような、そんな表情だった】

/大変お待たせしました、帰宅などしましたので、ここから再開できます……!
86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/24(土) 21:43:10.50 ID:2mhZpGDIo
>>85

【期待通り、いや、要求した通りの返事。彼女の口からそれを聞けば、満足そうに笑って】
【その答えが事実であれ、そういうこと≠ノしたのであれ、相手としても、厄介事は御免、ということだ】
【―――ある程度この相手を見ていてそう≠セろうと感じていたことではあったが。】

―――いや、何も。なーんも、あらへんかったよ?変わったことなんて何もない。
ただ、まあ……掃除しとっただけや。それだけ。

【笑いながら、両腕を開く。中程から空洞になった右袖が、だらりと垂れ下がって】
【息を吸えば、甘い匂いが鼻腔から肺まで一気に広がる。幾分か慣れてきた甘さとは、また異なる甘さ。】
【―――それはまた、こんな場所には不釣り合いな甘さ。それ故に、彼女の異質さを物語る】

【それから、左腕をつと伸ばし、黒猫の頭に触れようとするだろうか。抵抗されたならば『すまんな』などと言って手を引っ込めるのだろうが】

―――忠告、ってわけでもないけどな。最近また物騒になってきとる。うちの耳にもいろいろ聞こえてきとってな。
せやからまあ……もうちょっとまともな場所、探したらどないや?
87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/24(土) 21:45:38.19 ID:VZMA0GjSo
>>51

「この計画を、成功させなければならない」
「実在しない“神”を、私達が創り出すと、『機関』はここにありと示してみせようじゃないか」

【これから起こるであろうことを想えば、心が踊らずには居られない】
【思わず口元を歪ませ、正四面体の結晶を手放して霧散させる】
【これからの計画を脳内で組み立てながら、高々とそう語った】

「今日はここでお開きにしよう。ではまた、カニバディール卿」

【彼の連絡先を教えてもらうと、此方は名刺を渡しておいた】
【表面には名前と、球体に巻き付いた蛇のシンボルしか描かれていないが】
【ウラ面にはボールペンで連絡先が書いてあるのが分かるだろう】


【さて、酒場での出来事から3日経った】
【赤崎は相も変わらず生体因子の研究に勤しんでいたのだが】
【職員から呼び出されて荷役室へと向かってみれば――――】

「はは、さすがはカニバディール卿。得意分野の言葉に間違いは無かったか」

【三人の子供が、泣き疲れたかのように眠っていた】
【涙の跡が見ていて痛ましかったが、それでも捕まえられたことに変わりない】
【眠っている間に研究室へと連れ入り、洗脳装置を取り付けたのである】


「さてさて。どのような“神”に仕立て上げてみせようか……」

【彼女らに性格を、能力を与えるにあたり魔翌力適性も調べなければならない】
【因子の投与後の観察も必要であるし、暫く時間はかかるだろう】
【それでも、カニバディール卿の為に、『機関』の為に“神”を完成させなければ。また彼女は、目を輝かせた】

//お返し遅れて申し訳ありません、ありがとうございました!
88 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/24(土) 21:46:27.23 ID:n2la/zTV0
【路地裏】

『お、お願いします!金なら、カネなら必ず払いますから……!
 一回分だけでも……お願いしますよぉ!』

――いいやダメだね。お前が払うといった未払金はこれでいくらだ?

【ある酒場の裏に当たるこの場所で、そんなやり取りが行われていた】
【懇願している男はいかにも貧困層という出で立ちの中年の男であり】
【一方、取り立てをしている者はといえば――30代前半の、紫のスーツを着た男だった】
【栗色の長髪はオールバックにまとめ、冷酷な笑みを浮かべた顔は若干浅黒く】
【烏の黒羽をモチーフにしたフェザーピアスが耳元で揺れていて】

だがよ、俺も鬼じゃねえ。出来るだけ協力してやりたいんだ
そしてその為に必要なのは信頼だ、そうだろ?

【カラン、とナイフが放られる。柄が東洋の龍を模した、やや大振りの獲物だった】
【スーツ姿の男は、それが当たり前の事のように『指を落とせ』と口にして】

一本二百万。落とす指は選んでいいんだ、良心的だろ?
3本も落とせば釣りが来る。俺に貸しを作れるくらいだ、悪くないじゃねえか
……それじゃさっさとやってくれ。こっちも暇じゃないからな――。

【這いつくばった男が冷や汗をかきながらナイフを拾い上げる】
【自ら指を落として見せれば借金帳消し。そんな言葉を一蹴出来ないほどに彼は追い込まれていた】
【地べたに手をつき、鋭利な刃が皮膚を掠めて一瞬止まる。そんな姿を、金貸しらしい男は楽しげに見落としていた】
89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/24(土) 22:00:35.75 ID:m0i+PnfP0
>>86

【何より――彼女にとってそれはほとんど本当だった。音は聞こえたかもしれない、人が入りそうな鞄も見たかもしれない、……けれど】
【それにいちいちあれは何の音だろう。これの中には何が入っているのだろう――そんな風に気にしていたなら、きっと、もう、すでに生きていない】

――まあ。そうでしたの。

【くすくすとした笑い声が相手のものと重なる、開かれた腕――やはり途中から空であるのだろう袖が垂れて。ちらと刹那に視線を向けた気配だけはあったけど】
【それ以上のことはない。何を掃除したのかを聞くことも、ない。香水の甘い匂いは――確かにこんな場所では不釣り合いかもしれないけれど、こんな場所であったなら】
【"そういう"職業の女なのかもしれない……なんて思わせるのかもしれなかった。好まれそうな体型の女ではある、顔も――悪くはない、はずだ】

【――手を伸ばされた黒猫は、何の抵抗もなく、その手を迎え入れるだろう。その前に女はぱっと手を離していたから、その――猫よりうんと広い猫の額を楽しむことができる】
【毛並みはよかった。ただ、体温はない。ただ夜に冷え切った毛皮を撫でているみたいな、そういう――あまり楽しくはないかもしれない、ぴくりとも動かないから】
【生き物としての猫を期待したなら裏切られることになる。――時々動く剥製みたいなものらしいのだった、しばらく撫でていれば、そのうち、耳をパタタッと動かし】

そう――みたいですわね。ニュースで見ました、フルフェイス……がどうとか。
――ええ、では、考えておきます。煙草を吸っている間に死にたくはありませんから――、あなたのような方が忠告してくださるのですから。

【「聞いた方が良いでしょう」】
【それでまた笑う。ほんの少し前に世間をにぎわせた事件――知っている風の女は、ただ、言葉通りに"その程度"しか、知らないのだろう】
【ただそんな風な"忠告"を受けた……それもこんな場所で"掃除"に励む、女性に、と、なれば。聞いておいた方がいいという判断一つ、先ほどと同じ言葉を繰り返し】

ですので――、わたくしはもう帰ろうと思います。…………お名前は?

【コートのポケットから携帯端末を出して、時計だけを確認する。すぐに戻して――そのつま先を、大通りの方へ。ことん……と小さな足音一つ、けれど、歩き出さず】
【青りんご色の瞳がじっと相手を見据えるだろう。――名乗りたくなければ、もちろん構わない。その代わりに女も名乗らないだろうけれど――】
90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/24(土) 22:48:35.85 ID:2mhZpGDIo
>>89

…………ほんまにけったいな毛玉やな。

【手から伝わる感覚に、少しばかり眉を顰めて呟けば。興味を失ったように左手が宙を舞う】
【妙なものを見るような目を、暫く黒猫の方へと向けて。吐息を一つ、視線を上げた】

【それから、彼女が口にした事件の名を、小さく繰り返して。】

フルフェイス、な……あれは往来のど真ん中でもお構いなしやったらしいけど、な。
ま、カノッサやら何やらが大事やらかしよる時は大概そうやけども。

―――麝香 彼岸や。
覚えるんも忘れるんも好きにしたらええ。

【名を問われれば、少しばかりの沈黙の後に、そう答えた。もしかすると、麝香、という名には、覚えがあるかもしれない】
【どこそこの店を仕切っているとか、シノギでどこそこの会社をやっているとか、そんな程度の話だが】
【―――女組長がどうとか、そんな話もあったかもしれない。】
【しかし、それほど知れ渡っている名前でもない。そんな程度の話だ】

ほな、せいぜい気ィ付けるんやな。
ああ、それから――――――女の客は取っとるか?

【彼女が行くのなら、特に止めることもない。ただ最後に一つ、問いかけるだけ】
91 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/24(土) 22:48:59.43 ID:f4Mme7Py0
【―――路地裏。月明かりのみが照らし出す其処に漂う濃密な臭い】
【冷たいアスファルトに転がる数名は手首の先やら足首の先やらが無くなっている者達】
【他には腹部から大量の出血をしている者に首から溢れる鮮血を必死に抑える者と……兎にも角にも、無事な者は誰も居なかった】
【ただ一人を除いては、だが】

「キミ達に用事があった訳じゃ無い。……けど。キミ達が勝手に来たなら私にはどうしようも無い」
「……私が会いたいのはもっと別な人。――――だから、此処でキミ達がどうなっても私には関係無いよ」

【痛みに呻く者達は全員自警団の者達だろうか。其れ等に対して独り言の様に呟いたのは、十代も後半といった少女】
【藍色の髪に紅色の双眸。着ているのは何処かの学生服だろうが、それも血に濡れていて】
【得物らしき物を所持して居ない様だから、能力か素手で現状を作り出したのだろう】
【止めを刺す事は無い。だが同時に助け船を出してやることも無い】
【どうなったって知った事では無い、という事だろう】
【先程まで怒号や激しい音が響いていた場所。もしかしたら、それに惹かれてこの場に現れる物好きも居るだろうか】
92 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/24(土) 23:17:52.18 ID:m0i+PnfP0
>>90

【妙なもの――まさにそうであるのだけど。そんな目で見られた猫はやはり動じない、というよりも――女が気にしていないときは、あまり動かないようだったから】
【もしかしたらそうでないと動くことのない異能なのかもしれない――猫の形をした操り人形。その時々によっては生き物らしく動いたこともあるから、裏付けるよう】
【現に今この瞬間の女は猫に目さえ向けていなかった。楽しくなさそうに猫を撫でる相手を見ていて、そしてそのうち手を離すところまでを見ていて】

――まあ、最近はおとなしすぎたと言いますか。かといって騒がれるのが好ましいわけでは、ありませんけれど――……、
"不穏"、でしたから。嵐の前の――。

【あるいは。そういうところばっかりはだいぶ本心であるとも思えただろうか、ここ数年、彼らはあまりに静かすぎた。あれが機関の仕業であったかはさておき】
【騒がしいのが喜ばしいわけではない、が、かといって――静かすぎるとやはり不穏だと思う。その程度には関係がない人間として生きている……とも知れ】
【かといって"仕事"で関わらざるを得ない瞬間は、ある。それを分かっていたとて口に出すことはないけれど――とかく言えるのは、いわゆる数字持ちに顔見知りはない、くらいか】
【どうあれそういう意味ではこの向こう側の大通りを歩く人たちの大多数と同じくらいに、一般人だったから】

二谷音々子です、――では覚えておきましょう。知り合いが多いというのはだいたいの場合で得ですから。

【名乗られれば女はわずかに目を細めるだろう。それは名乗られることがないと思っていたからなのか、それとも、その名に心当たりがあったのか。どちらとは明確ではなかったけど】
【相手の名を認識すればこちらもまた名乗り返す。こちらの名前は――特に有名でもないだろう。しいて言えば――特に縄張りを持たない"彼女ら"のなかで、爪弾きにされ】
【わりに治安の悪いエリアまで追いやられている"娼婦"ではあったが。かといって何かをしでかしたわけでもないから――】

――――――ええ、"きちんと"買っていただけるのでしたら、どなたでも。連絡先はご入用ですか?

【――立ち止まったままの女の足元に、遅れて歩き出した黒猫が音もなく追いつく。女の手がその額に振れると、黒猫は"ぱっ"と散る】
【女の瞳と同じ色――鮮やかな青りんご色の魔力に散らばって、きらきらと舞うだろう。けれど攻撃性はない、ただ――これから出ていくのに、こんなものはかえって邪魔になる】
【それと同時に、"そう"尋ねた相手に、得物たる異能を出しっぱなしというのを気にした――というのもある。細い道に吹き込んだゆるい夜風に、髪がふわりと揺れれば】
【うざったいようにそっと手で押さえて――そのつま先に透明なトップコートだけが塗りつけられているのが、少し目立っていた】
93 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/24(土) 23:25:03.67 ID:I8Eh/WVQ0
>>88

【路地の奥から、足音が近づいてくる。だが夜闇に足音の主の姿は見えない。】
【この路地裏のやり取りに気がついているだろう。ゴタゴタの音は聞こえているはずだ】
【それでもまっすぐに向かってくる足音。少しずつその姿が煙草の臭いとともに現れる。】

【安っぽい蛍光灯に照らされてその主は長い黒髪の女だ。黒のスーツにコートを羽織り、腰に刀を吊っている】
【銀縁の飾り気のないメガネをかけていて、その目は腰の刀のように鋭い切れ長で、酒場の裏で誰かの置き土産の】
【吐瀉物を見るような目で、目の前の出来事を煙草を指先で挟んで眺めている。】

……目障り。

【煙草の煙をとともに吐き捨てるように言った。】
【スーツの襟には金色のバッチが光る。四つ割菱。所謂、代紋というものだ。これはマフィア組織に類するヤクザという奴らが】
【屋号や所属組織を示すのに用いる。四つ割菱は富嶽会と呼ばれる組織のものだ。もしかすると知っているかもしれない】
【しかしながらここは彼らの支配地域――シマではない。シノギを取り締まる理由はないが富嶽会の噂には必ず血と硝煙がつきまとう】
【世界有数の構成員、古臭い仁義のつながり、そして抗争に次ぐ抗争…マフィアすら過去の遺物の今日だが、知っているだろうか】

退けるか、さっさと終わらせなさい。

【自分が他の道を通るだとかそういう考えは毛頭ないらしい。なんなら代わりに始末してやろうかという目をしている】
94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/24(土) 23:50:48.20 ID:2mhZpGDIo
>>92

【黒猫が無数の光の粒へと変生する様を、女は何の感慨もない目で見ていた。】
【風に乗って流れる甘い匂いが鼻腔をくすぐる。ふん、と小さく笑う音がする】

よっぽど厄介な事に巻き込まれん限り、うちの名前覚えとってもしゃーないと思うけどなぁ。

―――いや、連絡先はええわ。縁があるんやったらいずれまた会うやろ。
会わへんかったら……縁がなかった、いう話。それだけや。

【『皺くちゃの婆さんになる前に会えたらええけどな』と付け加えたなら、女は彼女に背を向けて】
【カラン、カラン、と下駄の音が遠ざかるのがわかるだろう。もはや彼女を引き止める者もなく】
【 今夜、この場所では、何もなかった=\――二人の女が会っただけ。ただ、それだけ】



/お疲れさまでしたー
95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/24(土) 23:53:17.55 ID:n2la/zTV0
>>93

『ひっ!?』
    
      ――――あァ?

【男二人、落とし前を付けるだけの誰が見たがるわけでもない一幕】
【そこに現れた女性の姿は、それでもやはり路地裏の住人、らしく】
【ナイフを手にして自らの指を刻んでいた男は、ひどく怯えた様子でそちらを見上げ】
【一方でそれを共用していた方はといえば――じろりと、その金バッチを睨む】

……落ち目の極道風情が、随分と偉そうじゃねえか。
あとから来ておいて目障りなのは――『―――ひィィィいいい!』

【ナイフを放って、指を切り落とせと脅されていた男が逃げ出した】
【紫スーツの男は舌打ちをして、龍の意匠の刃物を拾い上げ】

……ほらよ、終わったぜ。お前のせいで560万がパーだ
指三本分、俺の楽しみも無くなっちまったって訳だ。
全くもって"目障り"だよなあ……場末にしか居場所の無いヤクザってのは

【その態度は挑発的で、表情は笑んでこそいたが恫喝的だった】
【自分から斬りかかるような真似こそしないが】
【相手をバカにして、どうなるのか楽しんでいる――そんな下卑た性格らしい】
【――道自体は、もう空いている。どうするかは女性次第だろう】
96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/25(日) 00:01:14.64 ID:ll+aYNRq0
>>94

【そうして散った黒猫は――最後には何一つ残さない。青りんご色のひとかけらも、ほんの一本の、黒猫の毛さえ】
【だから最後に残るのは同じカラーリングをした女と――それから、緋色の蝶で鮮やかに着飾った女だけ。それも――互いに、街角の立ち話のような、様相で】

ですけれど――お互いに、いつよっぽど面倒になるか、分かりませんから。

……はい、では、またいつか。お会いできるのをお待ちしております、……厄介ではないときに。

【そう広くないとしても名前の知れている人間の名前はそういう意味で価値を持つ、そして、本当に"そう"なった時に、忘れてしまっていたら】
【それは本当に意味がないこと、だから、きっと――この黒猫みたいな女は覚えているだろう。出来たらひどく平和なときに会いたいと、どこか冗談めかして、笑い】
【相手がやがて彼女へ背を向けたら――彼女もまたこつこつと高いヒールの特徴的な足音で、立ち去っていくだろう。そうして数十秒も歩けば、世界に情報がごった返す】
【どこかでやっているスポーツ大会の話や彼氏の話。上司の悪口に、給料日を喜ぶ声、煩雑すぎる情報の嵐に、女はわずかに眉をひそめて――けれど、人並みに混ざりこめば】

【やはり今宵、あの場所で、特筆されるべきことは何もなかったということになる。ただ黒猫みたいな女が、和装の女に会って――ちょっとした立ち話をした、だけ】
【それ以上のことは何もないしそれ以外のことも何もなかった。実際女はしかるべき場所に通報することもなかったし――そうするほど命知らずでも、なかった】

/おつかれさまでした!
97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 00:03:04.07 ID:5LHcdChso
>>91

【近くの上空……おそらく近くの建物の屋根から飛び降りてきたらしい何者かが降ってくる】
【そして、それはヒーローの如く華麗に着地……せず、受け身を取り前方へゴロゴロと数回転。そして流れるような起き上がり】
【その顔が、少女の方に向けられた。】

「なァー、これやったのあんた?」

【やたらテンションの高いそれは――】
【ガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性。2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っている】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

「てことは、あんた強いんだろォー、やろォーぜェー!」

【周囲の負傷者に気を配る様子は一切ない。ただ、好戦的過ぎる雰囲気で接してくるのみ】
【となると、野次馬か戦闘狂か……いや、その両方だろう。ともかく、色々な意味で面倒そうな輩だ】
98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/02/25(日) 00:04:43.72 ID:usacFPxQ0
>>91

―――ノン、そうではない。
我々も頭を使わねばならんぞ、取引だからな。
もちろん万全は期す。その上で備えろ、と言っている。

【路地裏に声が響く。かつかつとヒールの音も聞こえるだろう、】
【ブロンドに、肩がけのロングコート。仕立てのよさそうなソレを夜の風に閃かせながら、女性が何者かと通話していた】
【歩いているのは表通りか】

ああ、わかった。もうあと10分ほどで―――いや、待て。

【風に乗った血の匂いを嗅ぎつけたのか、街明かりを背に女性が立ち止まる】
【不審そうに目を細めると、思い切ったように路地裏へと踏み込んだ】
99 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 00:09:41.84 ID:IsH9+OmC0
>>95

【女は軽く首を回す。短なった両切りの紙巻きをその辺に投げつけるところは如何にもヤクザ者だ。】
【これで金バッチと刀がなければ何処かのエリート企業の秘書のような風貌だったが】
【据わった目つきと肝の据わった態度から腰に吊るしたものは単なる飾りではなさそうだった。】

私が、目障りだって言っている。
…こんな場末に転がってるチンケな端金、這いつくばってかき集めている姿は“無様”ね。

【まるで、この吸い殻のように。と言わんばかりに靴底でもみ消した。】
【女は顔色ひとつ変えずに、言い放った。クズの相手はもう何も思わないと言わんばかりに】

もっとマシなシノギを見つけることね。こんな掃き溜めで、長生きできる器じゃない。貴方は。

【女はチンピラの挑発は歯牙にもかけず、毅然とした態度で歩きだす。彼女の通るその道が】
【極めし道である言わんばかりに迷いはない。多く語るよりも腹の立つヤクザ流の挑発の仕方だ】

100 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 00:21:08.83 ID:drMD605V0
>>99

フッ……ハハッ。おいおい、場末だろうが金はカネだろうが。
大銀行の1億と、ゴミ山に埋もれた1億と、価値に違いはねえ。
這いつくばろうがカードで自動引落だろうと、それも変わらねえだろうが。

……まっ、そんな事はどうでも良い。文字通りの端金だからな
問題はアンタのその態度だ、一言でいえば――"俺の癇に障る"。

【やれやれと、その毅然とした極道の言葉に首を横に振る】
【しかし彼女が歩き出せば、その道を閉ざすように"青龍刀"をかざす】
【先程まで手にしていたのはナイフだったはずだが――ともかく】

こういう場所で因縁付けられて、ハイそうですかってな出来っ子でもなくてな
あんた、その腰に下げたモノは飾りじゃねえんだろ?
俺がこの掃き溜めで長生きできる器かどうか、量っていってくれよ。

【女性の道を塞ぐように正面に立ち、右手のみで青龍刀を持つ】
【にやりと笑うその姿は、さながら香港マフィアかなにかのようだったが】
【特別目を引くのは――その身に纏う、不快感のある黒い靄だろう】
101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 00:29:42.09 ID:QJCBemQM0
>>97
【思わぬ来訪者に対して浮かべたのは怪訝な表情だった。暫く黙って言葉を聞いては居たが――構えはしない】
【少女の方から仕掛ける気は無い、との事だろうか。しかし警戒を解くこともせず】

「見た所、キミはUTでも無ければ機関でも無い様だから……嫌」
「私が強いのか弱いのか何て事は分からないけど、少なくとも私は正義を気取る人と悪を愉しむ人だけにしか用事が無いから」

【機関を恨む者は多いだろう。其処に転がる自警団達は勿論、UTを始めとした正義の組織】
【――が。同時にこの少女はその正義を称する組織にすらも敵意を向けて居る様で】
【男性とは異なれどこの女もまた一種の戦闘狂か。それの対象者が、一般とは異なるだけ】

「……一応聞いておくけど、何処かの組織に所属してたりするの?答え次第では――まぁ……」

【男性は機関だ正義だとは関係無い様に思えるが、それでも確認だけはせねばなるまい】
【意味の無い言葉の濁し。何れかの組織に所属しているならば、戦う――否、殺し合うことも吝かでは無い】
【ただの流れ人ならば……きっと、戦闘とは無縁の存在として認識するはずだ】
102 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 00:52:27.62 ID:5LHcdChso
>>101

「えー、減るもんじゃアねェーんだしよォー、殴り合おうぜェー、なァー」

【今のところ相手に戦意が無いことをすぐに理解すれば、残念そうな表情でそう言う彼】
【少し気分を害したのか、近くに転がっていた者をサッカーボールの如く蹴っ飛ばそうとする】
【(気分次第では問答無用で殴ってきていただろう、だから今日の彼はおとなしい方か)】

「どっかの組織に入ってるかって? 知らねェーぜ」

【知らない、と言う時点で高確率で所属していないだろう。むしろ……】
【自警団などの間では"要注意人物"としてそこそこ知られている、食い逃げや(主に食品の)窃盗の常習犯】
【かと言って機関などに属しているわけでもない。彼女が思った通り、正義でも悪でもない、ただの野次馬。】

「まァ、頼まれればどっかの組織のために色々やるけどなァー」
「いっぱい戦えるなら俺はそれでいいし」

【あと、金。なんて無邪気に付け足しつつ】
103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 00:52:55.57 ID:IsH9+OmC0
>>100

【女は足をピタリと、止めた。】

てめぇの阿漕なクソみたいなシノギの金なんぞ三途の川の渡り賃にもなりゃしない。
それが何だと?金は金か。知った口をきいて。一億見たことあんのかテメェは。
私に言わせば、てめぇのほうが金の価値のクソもわかっちゃいない。

【ポケットから煙草を取り出す。暇つぶしにもならんから煙草でも吸わんと暇で仕方がない】
【煙草に火をつけて、煙を吐き出す。落ち着き払った態度。クズを見る冷徹なその目で相手を睨む】

誰だかわかってて、その口利いてるんかワレ。

――――――――――見逃してやるっつたんだから大人しくしとけや。

【ふぅううとわざとらしくタバコを吹かして。「まあ、いいわ。」】

これは使わないであげる。少しはできるようだけど。

【青龍刀、そして奇妙な黒い霞。それをみて、初めて女は笑った。】
【これとは腰の刀のことだ。煙草を捨てる。火がアスファルトにあたって線香花火のラストのように弾ける】

富嶽会、若頭筆頭。―――霧崎舞衣。良く覚えておきな。

【彼女の右手にはいつの間にか刀が握られている。その腰の刀は鞘に納まったままだ】

【そして――気づくだろうか。気づかずにはいられないが信じられるだろうか。さっきまでなんともない路地裏だったのに】
【辺り一面に刀、刀、刀…まるで戦場(いくさば)の中心に釣れてこられたような景色だ】
【だがここはまごうことなき路地裏だった。しかし辺り一面に墓標のように抜き身の刀が突き刺さっている―――】
【何故か血の匂いがする。幻術か妄想かもしれない。刀に触れようとしてもすり抜けることだろう。】
104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 01:12:54.53 ID:drMD605V0
>>103

クククッ……!おぉ、怖いこわい。ヤクザってのはオーラが在るなあ
……でも口先だけだ、そいつが残念。本当に偉そうだよなあ、お前?

――てめえが誰かなんぞ知らねえよ、女。
落ち目の極道風情が、相手も知らずに吠えるんじゃねえ
なんてな……ク、ハハッ……んじゃやろうか、霧崎さんよォ。

【大見栄は、切った。にやりと笑うこの男、単なるチンピラではない、らしく】
【周囲に現れた無数の刀が出現しても、わずかに瞳を動かし、確認する程度】
【怯え、驚き、戸惑う様子は無い。戦い慣れていることは明白であり】
【首をこきりと鳴らすと、青龍刀を肩に担ぐようにして、射程外から構え――】

――魏尤(ぎゆう)だ、アッチ行っても忘れるなよ。

【振るう――しかし男、魏尤が振るったのは青龍刀ではなく、矛であった】
【武器そのものが変形した。即ち射程も重さも予想外からの攻撃】

【上から一気に身体を両断するような一撃は、武器の長大さもあって、実に重く】
【受けるか避けるかしなければ、本当に切って捨てるという言葉のとおりになるだろう】
【そういう奇襲をする男らしかった。――黒い靄は、まだ動かない】
105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 01:14:50.51 ID:QJCBemQM0
>>102
【元より瀕死の状態。逃げる術も無く防ぐ術も持たず、不意打ちのように攻撃されれば容易く蹴り飛ばされる一人の男】
【壁に当たって聞こえた音。肉を叩き付ける様な水音混じりの其れは、確認せずとも死亡した事を告げる】
【――これが一般市民ならば、少女もまた異なった状態だっただろう。然れど、現実は少女自身も危害を加えた相手だ】
【絶命が早いか遅いか、それだけの事。無残に死のうと、関心を持ちもしない】

「……だったら、私の答えは何も変わらないよ。用があるのはそういった組織の人達だけ」
「キミにとっての戦う理由があるのかは分からないけど、私にとっての戦う理由は全部の組織を壊滅させる事」
「だから、関係無いなら私からすればどうでも良い事だよ」

【学生、にしては冷めすぎている。学生服を着たまま自警団を相手にする事からも、異常者とさえ思える】
【世間からすれば間違い無く悪と見なされるであろう少女。自身も組織に属さず、後ろ盾も無い状態で全てに喧嘩を売る様な真似】
【どうでも良い――その言葉を発したとき、くす、と笑って】

「だから、戦いたいなら別な人を当たって欲しいな。私はバーサーカーや路地裏の殺人鬼なんかじゃ無いんだ」
「どうしても戦いたいなら……キミがそのどっかの組織の為に色々な事をしている時に、ね。……ダメ?」

【相手から得られた答え。それは少女に戦う理由が無い、と完全に分かるもの】
【小首を傾げて問うたその表情は歳相応に見えるけれど、何れにせよ戦闘を仕掛けて来られれば避ける事だけは間違い無いか】
106 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 01:31:23.23 ID:IsH9+OmC0
>>104

弱い犬ほどよう吠えるっつうのは本当ね。目の前で煩くてしゃーないわ

【辺りの剣の山に驚く様子はないか。彼女はそう冷静に相手の技量を推し量る】
【能力使いであるとわかった以上、こちらも無傷で帰れることは無いだろう。もしかすると死ぬことも在る】
【口ではなんと言おうと戦いにおいて勝てると確信できる戦いというものは存在しない。】
【どんな相手でも窮鼠猫を噛むというべきか、不意に一本とられるというのは珍しい話じゃない】

【しかし、極道として啖呵を切った手前、ここで命を散らすことを担ったとしても構わない。常にそう覚悟して生きている】
【ヤクザの身で今日を生きただけで御の字だ。ならばその仁義、背負ったものに背いて生きるなら此処で死ぬ。】

【長期戦になれば彼女には少し分がある。このあたりに現れた戦場は単なる幻視というだけじゃない。“戦場の霧”と呼ぶべきか】
【恐怖や混乱、判断力の低下を徐々に敵に与える。その効果が現れるのはどれぐらいになるかは相手によるが…】

覚えておいてやる。――――墓に刻むのにな。

【腰を素早く落として、両手で刀を握る。片足を下げ、相手に向かって半身になり、紙一重で矛の一撃を交わす。】
【はらりと羽織りのコートが落ちて、振るった矛の勢いで風が舞い、彼女の黒髪が舞い踊る。】

―――――ハァッ!!

【彼女は手首を返し、下げた足を前へ踏み込み、腰の回転で刀を逆袈裟に斬り上げる!】
【そして素早く同じ剣筋で今度は振り下ろす!!続けざまの二連撃、“燕返し”の亜流といった技である】
107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 01:39:18.29 ID:5LHcdChso
>>105

【蹴り飛ばした男の方を振り向くことは一切せず、ただ、音が聞こえた時に不満げな口調で"弱えな"と一言だけ呟くのみ。】
【やはりというべきか、こちらも男がどうなったかに関心は殆ど無い様子】

「えー、けちィー。運動はいっぱいしねェーと駄目なんだぞォー」
「というかよォー、なんで組織限定なんだ? そんなに壊滅させてェーの?」

【そう言い、右腕をぐるぐると回す彼。】

「うーん、あッ、そォーだ!」

【鋭い動きで少女に接近、そして右腕を前方へまっすぐ振るう。ストレートパンチだ】
【だが、この攻撃は何もしなければ当たらない、寸止めの一振り。威嚇行為に近い】
【風圧はそれなりにあるだろうが、逆に言えばそれだけである……だが、もし命中してしまった場合は、中々の威力なので危険】

「今の俺は自警団の味方だ」
「自警団の奴らにあんたを持ってたら、食い逃げだかなんだかをチャラにしてもらえるかもしれねェ、よしこれでどォーだ」

【――当然だが、これはついさっき思いついただけの考え。仮に連れて行ったとしても、チャラになるかは不明であり】
【そもそも、先程自警団の1人にとどめを刺しておきながらこの発言……本人にその自覚はないのだが】
108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 01:47:50.73 ID:drMD605V0
>>106

【奇襲の初撃を避けられた――それだけで相手の技量は分かる】
【口だけの相手であれば、既に身体は二等分されているからだ】

【流れるような反撃には矛の柄を盾代わりにこれを受ける】
【素早い切り上げ、そして振り下ろし。いずれも防ぎ切るものの】
【長い方なの刃先は額をさくりとかすめていて、鮮血が頬を伝っていく】
【視界を阻害するほどでも無ければ、慌てふためくほどの重傷でも無い、故に】

――――オラァ!!

【息つく暇もなくまた一撃。矛を横一文字に振り抜くその攻撃は】
【先の半身になっての回避を受けての、それを無効化する攻めなのだろう】

【矛の刃はちょうど青龍刀の刃そのものと同程度。即ち、一般的な女性の胴回り位は】
【そのまま輪切りに出来る程の分厚さであり、狙いもまたその通りである】
【大振りながらも動作は正確。鋭い眼光は常に相手を見据えていた】

【少なくとも――現在までは、まだ周囲の霧の影響は薄いらしかった】
【むしろ。男の纏う靄は、彼女の一撃を受けてから目に見えて濃くなっており】
【未だどう、ということはなかったが、危険度は上がっているように感じられた】
109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 02:13:40.77 ID:IsH9+OmC0
>>108

――――クッ!!!

【刀を防御されるたびに金属の悲鳴のような高音が鳴り響く、そのたびに彼女は少なくない衝撃を受ける】
【能力によって作られた刀は対能力や魔術には遺憾なく力を発揮する。しかし、物理的には名刀とはいい難い】
【この刀の刃はそう何度も硬いものと対峙できるほどの強靭な耐久性は持ち合わせていないのだ】

(…クソ。踏み込みが甘かった。後、半歩で獲れた…っ!)

【手に嫌な、衝撃を感じながらも、剣士としての経験が相手への攻撃の感触を僅かに感じた】
【誤差みたいなものでしか無いが、これを好機と信じこじ開けて、一歩踏み込んでいくしか無い】

―――ッッ!!

【横からの一閃!コレも即死級だ。本能が死をまとった矛を逃げろと訴える。上体を反らし、勢いで後ろへ跳ぶ!】
【既のところを矛先が通り過ぎる。風を切る鈍い音がその威力を物語っている。コレを防御する術は――腰の刀を抜くか】
【いやまだ戦える。相手のあの黒い何かを見なくては、手の内は明かすべきではないと。…アドレナリンで加速する脳内で考える】

―――――まだまだッッ!!

【彼女もまた息をつく暇を自分にも相手にも与えはしない。武器のリーチ差と体格差、後ろに下がった分、踏み込んでいては間に合わない】
【そう考えた彼女は刀を相手めがけて投げつける!こちらも奇襲狙いだ。相手の距離を詰める時間をそれで稼ごうとする】
【そうして、1歩、2歩と踏み込んで、壁に突き刺さる血の香る刀を抜き、右手に柄を浅く握り、最大限にリーチを伸ばし】

【腰を入れ、右回転その回転のスピードで相手の足元を狙った下段の左から右への横薙ぎの一閃】
【そして勢いそのまま詰め寄ることができそうならば、膝蹴りをみぞおちへ食らわせようと繋げてくるだろう】
110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/25(日) 02:14:45.95 ID:QJCBemQM0
>>107
【接近されようとも動きはしない。ただ、瞳だけはその動きに合わせているのだから見えない事は無いのだろう】
【踏み込もうとも、拳を握ろうとも――今まさに、振るわれても。少女は動く事は無い】
【寸止めに終わったその拳から一歩退くその姿にも恐怖は無く】
【この年齢で多くの修羅場を潜り抜けてきたのだろう。或いは、肝が据わる……と言うよりも、自棄にも近いのか】

「――……約束、だから。もう、ね。これを着ているのも私一人だけなんだ」
「善人面して周りの事も考えないで、目前の悪人を殺す事が第一。相手を殺せばそれで終わり、その間に死んだ人達の事何て考えもしない」
「……それを正義と名乗っているなら、余計に被害を大きくするだけだよ。……だから」

【全部、壊す。無謀だと分かっていても行う。それが約束だから】
【正義も悪も全部が同じだ。それぞれの理想が異なるだけで、根本は変わりはしない】
【今は自警団の味方。そんな言葉を聞けばつい小さく笑ってしまうも、次第に少女の身体に‘影’が纏い始める】

「それなら、悪いけど私は一足先に帰らせて貰おうかな?今捕まると色々と面倒そうだ」
「……うん。また機会があったら、その時に。まだ私が生きてたら、ね」
「あ、この人達の事はお願いね。私の代わりに連れていったら、ちょっとは扱いが良くなるんじゃないかな」
「そのままにしてても、きっと誰かが綺麗にしてくれるとは思うけど……」

【やがては闇へと同化――ともなれば、夜のこの場所で見つけ出すのは困難か】
【コツコツ、と遠ざかる足音は少女が立ち去った事を告げるには十分】
【残された自警団達。その運命は、男性の気紛れに託されたのは言うまでもあるまい】

/2時を過ぎてしまったのでこれにて失礼します!お相手有り難う御座いました―!
111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 02:28:22.53 ID:drMD605V0
>>109

――――ッ!

【キィン、と高い音が響く。投げつけられた刀を矛で弾き落とした音だ】
【その攻撃による負傷は無いが、僅かな隙は確かに生まれた】

【一歩、二歩。踏み込んだ彼女を射抜くように睨んでいた男の対応は早い】
【彼の獲物が青龍刀へと変化する。恐らく、武器自体がそういった魔装なのだろう】
【ナイフに、青龍刀に、そして矛に。共通するのは龍の意匠であるが――今は、それはどうでも良い】

【足元を狙った一撃は、分厚い刃を持った青龍刀で受け止める】
【だが、重い。身長180cmほどあるこの男にとって、腰を据えた足元への一撃はバランスが悪く、ふらつく】
【そこに更に踏み込むという行動は、功を奏したといって良いだろう】
【鋭い膝蹴りが男の鳩尾を抉る。息が詰まり、その表情が一瞬曇って――】

……ようやく近付いてきたな。ッ、ハハ――!

【黒い靄が急速に形を持ち、無数の黒い槍となって魏尤の身体から解き放たれる】
【その数はおよそ30。短槍というに相応しいサイズであり、切れ味は悪い】
【言うなれば錆びた鉄柵の先端を尖らせた程度――即座に命を奪う鋭さはない、が】

【この近距離、そしてこの数。何より身に受けたならば、即座に吐き気を覚えるだろう】
【毒、あるいはそれに近しい何かが仕込まれている、らしかった】
112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 02:44:48.51 ID:5LHcdChso
>>110

「ケケッ、このまま振り抜いた方がよかったか?」

【寸止めしていた拳を下方向に振り下ろす動作、しかし勢いはなくそもそも当てる気のない冗談の類だ】
【その動作の流れで体勢を戻す】

「んー、よくわかんねェーけど……」
「まァ、そォーだなァー、殺られる前に[ピーーー]のは良いことだぜ! 壊すのって楽しいしな!」
「あ、でも組織とか壊されたら俺も戦いに呼ばれること減っちまうのかなァ」

【戦いが減るかもしれないと思った時の表情は少し残念そうだったが、基本的にアホ面のままだ】
【……おそらくこの男は殆ど理解していない。少女の言葉を】
【組織に関わることなんて、雇われるか追われるか、その程度。どうなろうと知ったこっちゃないのだ】

「えー、じゃあ生きてたら……いや、今生きてるんだし今から殴らせろよォーッ」

【どこまでも諦めの悪い男だ。だが、ちょうど少女が向かう方向とは別の場所から聞こえる足音を聞いた彼】
【少女を追うことはしなかった、その足音の主が誰であるかを知っていたのだ、だからそちらを優先した】


『ヘケメト、これはあなたがやったんですね?』 「1人蹴っぽったけど他は違うぜェー、別の奴」
『本当ですか?』 「うん」 『じゃあ放っておきましょう』
「なんか、こいつらどっかに渡したら良いことあるんじゃねって言われたんだけど」
『……渡したら別件で面倒なことになりそうですので却下しますが、治療だけしておきましょう』 「わかったぜェー」

【足音の主は、この男の飼い主……いや、パートナーである女性。】
【こうして、死んでいない自警団たちは体の傷を女性の治癒術によってある程度治された後、放置されたのだった】

/お疲れ様でした!
113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 02:54:45.34 ID:IsH9+OmC0
>>111

【足を狙った一撃―――脛を切れば動きを制限させることができたが…やはり、やる。】
【しかし押し切るしかない。そのまま膝を入れ】

(―――獲った)

【そう思って、刀を相手の肩にねじ込もうと力を込めた瞬間――――】

――――ッッッ!!クッ!!ハァッ!!

【既に自分は相手の手中に居たというわけか。咄嗟の判断が、武器を捨て腕を交差させ】
【胸から上の身を守る事が精一杯であった。腕にその毒牙は噛みつかれ、脇腹をえぐり、肩に突き刺さる】
【急所は守ったと言ったが、むしろそれ以外はズタボロに突き刺され、切り裂かれる。】

【なんとか歯を食いしばって、後ろに身を投げる。薄暗いアスファルトの上に身を投げる。起き上がって立ち上がろうとするが】
【毒か何かの影響で膝をついたまま立ち上がれなかった。彼女は考えようとするが必死に吐き気を堪えることしかできない。】
【いくつ在るかわからない体中の傷口から血が流れ出る。それが更に状態異常を加速ささせる】

…くそったれが。

【戦場の霧が立ち込める中、一気に窮地に追い込まれた彼女は歯を食いしばり、アスファルトに拳を殴りつけて、堪えている】
【耐えろ耐えろ耐えろ!!矜持を捨ててはならない。執念を見せろ!アスファルトに強く爪を立てる】

(退くにも退けない…!刀を使うか…しかし、それでこの状況を打開できるか…)

【此処で死んだって構わない。ならせめて一矢、せめて前のめりで死にたいものだ。それならば全力で――】
【震える手で、刀の鯉口を切る。血の匂いと共に霧がさらに深くなっていく――――――】

【薄暗い霧の中、路地の奥から、人影が1つ、2つ、3つ…】
114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 03:15:37.41 ID:drMD605V0
>>113

【額から滴る血を拭い、呼吸を整えながら唾を吐き捨てる】
【放たれた槍は役目を終えれば黒い靄へと再び戻り、男の周囲に漂って】
【その量が減っているのを見ると、一定の条件がありそうだが――】

――無様だなァ、ええ?

誰に向かって口聞いてたのか、少しは理解出来たかよ
能力も、勝つって自信も、何もお前だけのものじゃあねえ。
……さあて、このまま鱠切りにして――あァ?

【先程の攻撃の正体は無論能力。普段であれば、もう相手は動けない】
【だが流石というべきか、霧崎舞衣と名乗った相手はまだ生きている】

【いや、それ以上だ。常人なら堪えきれず嘔吐でもする所を】
【強烈な精神性だけで耐えて、尚も戦おうとアスファルトに爪を立てている】
【それを見れば、男の残忍性にも火が灯る。圧倒的に有利なこの状態、生かさない手はない】

【――だが、それを邪魔しそうな人影に男は気付いた】
【相手の組のものか、興味本位の悪ガキか、あるいは警察などという無粋な連中か】
【不安定な状況下で動く理はない。それが誰かと、攻撃の手を止めて視線を向けた】
115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 03:45:19.24 ID:IsH9+OmC0
>>114

【薄暗い霧が揺らめく。ゆらりと、人影がその姿を見せる。予想していなかった姿だろう。羽織袴の侍が表れたのだ。】
【1人、2人、3人…近づいてきてもはっきりしないその姿。白く煙が人形を成しているような姿だった。例えるならそれは亡霊】
【侍の亡霊は、各々、地面に突き刺さった刀、壁に刺さった刀を抜いて、ゆらりと、地面に伏せる彼女の周りに立ち止まった】

……くっ…フフッ、あの世と…この世の境目なんて…霧崎には……在って無いものよ。

――――“夢現”。任せるわ。

【彼女は刀を腰から抜こうとした。それを止めて、代わりに刀を抜く人影。最早誰がいて、誰がいないのか?急に表れた人影】
【そうそれは今目の前で倒れている彼女だった。倒れている彼女の刀をまた別の彼女が代わりに握りしめた。】
【ただ服装が異なる。美しい赤い着物を着ていた。しっかりと実体はある。でも、その纏う雰囲気に生気はない。在るのは殺気、其れのみ】

【男が仕込んだ毒と同じように彼女の仕掛けた恐怖も段々と色濃くなる。それを体現するかのように3人の亡霊と『何かが』いる。】

【亡霊の侍は刀を構えるとその狭い路地の中を駆ける。そして各々斬りかかってくる!気圧されなければそう難しい攻撃でもない】
【そしてその亡霊の後ろから着物の彼女が亡霊ごと突き刺そうと一閃襲いかかる――――!!】
116 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 04:14:57.64 ID:IsH9+OmC0
>>114
/お返事書いて頂いているところかと思いますがこちらの眠気が限界です。
/すみませんが凍結か置きか〆の対応をお願いしたく思います。
/明日も夜にはいると思いますのですみませんがお願いします
117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 04:16:40.37 ID:drMD605V0
>>115

【現れた人影の正体に、男はついその瞳を潜めた】
【侍――存在を知ってはいたが、このような場所で出会うはずがない】
【それも、明らかに相手の味方。というよりも、能力に寄るものか】

【男は獲物を青龍刀から矛に変える。一挙に斬りつける侍へは】
【その長大なリーチを活かした横薙ぎで対応する、が】

――――く、ゥ!

【"夢現"と呼ばれた赤い着物の存在。――あの女性なのか、あるいは霊か】
【周囲の霧に飲まれるように僅かに覚えた恐怖心が増大する】

【そして、その増大した恐怖心が身体の動きを阻害する】
【僅かな対応の遅れ。他の亡霊ごと突き刺そうとする一閃が、その左肩を捉え】
【骨に当たる鈍い音まで立てて刃は止まるだろう】

【だがそこまでされてしまえば、もう矛は震えない。右腕一本で青龍刀を持ち直し】
【傷からの出血も顧みずに後ろへたたらを踏むように下がり、距離を置く】

……は、ッ。なんだそりゃ、落ち目の上に死に損ないかよ、く、ハハッ……!
だが面倒だな、この上なくよォ――フッ。この場は預けるぜ、霧崎舞衣――!

【得体の知れない相手。自分のものとは思えない程の、背筋が冷える恐怖】
【まだ働く理性が選んだのは――それは恥も外聞もない、逃走だった】

【だがただでは逃げない。纏う靄を一挙に解放し、剣山のような壁を一時的に作り出す】
【あわよくば串刺しを、とまでは思っていないのだろう。それは簡単に避ける事ができ】
【そして数十秒もすれば無くなって、霧の奥深くへと消えていく】

【無論、既にそこには魏尤――あの男の姿は無くなっていて】
【僅かに残った血痕だけが、その場の戦闘を物語っていた】

/時間も遅いので、若干強引ですがこれにて!
/このような時間までお相手頂きありがとうございましたー!
118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 04:18:24.21 ID:drMD605V0
>>116
/見逃しておりましたが、締めという形で対応させて頂きましたっ
/久々の戦闘で非常に楽しかったです!改めてありがとうございました!
119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 13:40:42.10 ID:drMD605V0
【自然公園】

【都市部のオアシスとして作られた広大な敷地の、その一角】
【周囲には芝が生い茂り、春の兆しを見せる暖かな陽光が降り注ぐ】
【そんなのどかな場所で一人の男性がベンチに座っていた】

【年の頃は30前後。けれどシャツとジーンズという極めてラフな格好と】
【少々長めのふわりとした金髪は、何処か悠然として若々しく】

はぁ……たまには太陽も良いものだね、普通は眩しくて見れないのが残念だけど。
……このまま昼寝っていうのも、悪くないかな。

【ベンチには男の他に、何故か太陽ではなく"月"の描かれたスケッチブックが一冊】
【その腕前は見事なもので、荒野を照らす月光という風景を切り取ったかのようであり】

【それから、ベンチの脇には小さなテーブルとティーセットが置かれていた】
【更に言うなら椅子すらも。まるでカフェテラスの様だったが、私物だろうか】
【空いた椅子は物寂しそうで、誰か来客を待っているかのようだった】
120 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 14:56:21.86 ID:3DYrVn0jo
>>119

【自然公園にはそれなりの人々が憩いの時間を過ごしているのだろう。その中であれば、本来ならば居てはいけない人物がいても気付かれることはない】
【公園の敷地に長身痩躯の男が足を踏み入れる。風貌は三十代程度。いつもの赤黒い長外套はなしで、ジーンズにYシャツという”紛れられる”服装だ】
【本来であればこの男はカノッサ機関の人間。しかも元々は六罪王だ。こういった平和そのものの場所に現れれば騒がれてしまう。というわけで簡単な変装のつもりだ】

(どうにも考えが纏まらん時は散歩をするといいらしいな……)

【で、その男がこんなところに何故来たかといえば暴れるためではなく、単なる散歩の一環】
【魔術研究者であるためにこういった息抜きが必要らしく、それほど珍しい行動でもなかった】
【気温は昼間であれば程よくなってきた季節。あとは適切な場所さえ見つければ考え事には最適というわけだ】

【周囲をきょろきょろと見回しながら敷地内を歩く。視界にカフェテラスのようなセットが入り込む。他の場所にはないだけに、なんだか奇妙だ】
【その奇妙さが少し興味を引いた。ベンチの方へと歩いていき、私物であろう椅子を指差す】

椅子がわざわざあるってことは、ここに座ってもいいってこ…………

【視線が上がり、ベンチに座る男を見る。言葉と動きが同時に止まる】

……………………………………何してんだ、こんなとこで

【それが知人であると気がつくのに時間はいらなかった】
【長身痩躯の男は相手を知っているように──”本来は”互いを知っているように声をかける】
121 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 15:08:37.74 ID:drMD605V0
>>120

……うん?――――誰だい、キミ?

【足を組んで、のんびりと背もたれに身体を預けて陽光を浴びる】
【それだけでも眠れてしまいそうな所に訪れた来客に対し】
【その返事は、恐らく相手からすれば『何を言っているんだ』という感情を抱かせるだろうものだった】

【――が、冗談では無いらしい。その表情は冗談めかした笑みも無ければ】
【どうにか思い出そうとしげしげと相手を見つめる様子すら伺えて】

……ああ、もしかして以前の僕と知り合いだった人かな。
なんて言ったかな――あぁ、"ダグラス"って呼ばれていた時の。

――ごめん、覚えてないんだ。話には聞いてるけど、全部『あげちゃった』からさ。

【誰に、何故。――そんな疑問を覚えるかもしれないが】
【『まあひとまず座ってよ』と、男はのんきに椅子を示した】
【ティーセットはカップも余っていて、ポットからは微かなレモンの香り】
【要は暖かなレモンティーも準備されている。お話には、中々向いた環境だった】
122 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 15:14:57.60 ID:3DYrVn0jo
>>121

は、おいおい冗談よせよ

【冗談かと、初めはそう思った。こういった冗談を言うタイプかは別として、冗談そのものは好きだったはずだからだ】
【しかし、違った。その表情に冗談めかした雰囲気は一切なく、続いた言葉でさえそれが冗談でないことを裏付けるものだった】
【さしものこの魔術師も、驚愕を表に出さないことはできなかった】

以前……以前だと?
あげたとは、どういうことだ!?

【狼狽、と表現するのが一番正しいだろう。慌てふためいた様子で矢継ぎ早に質問を返していた】
【そこに挟み込まれるのは何とも呑気な提案。だがその呑気さはありし日の『ダグラス』を思わせるようなものだった】
【その雰囲気につい魔術師の男は「あ、あぁ……」と気の抜けたような声を出して頷き、勧められるままに椅子に座ったのだった】

…………それで、何があった?

【多少の冷静さを取り戻したらしく、落ち着き払ったような声で再び質問を重ねる】
【それでも頭が冷え切ってはいないようで声には答えを急く感情が見え隠れしていた】
123 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 15:25:59.63 ID:drMD605V0
>>122

【『まあまあ』と、狼狽した様子の男を呑気になだめる】
【そんな様子は彼の見知った男と一致するだろうし、明らかに本人だ】
【相手が椅子に座れば、レモンティーを勧めながら椅子に座り直し】

何が、と言われると説明に困るんだけど……そう、だな。

……簡単にいえば、夜の丘の上で月を書いていたら、老人が来て。
それで、実はその老人が悪魔で、言葉を食べるという存在で。
僕は、僕の真名と半生とを彼にあげてしまった――"らしい"ね。

これ、その直後の僕が書いた短編小説なんだけど。

【そういってスケッチブックの間に挟んであった数枚の紙を取り出し、渡す】
【書いてある内容は、今彼が口にした内容を更に細かくしたものだ】

【寓魔という存在に言葉――そしてその言葉が持つ存在そのものを食われ】
【自身はその一切に関する全てを喪失し、けれど代償に夢の中で月を好きな限り愛す特権を得る】
【そして、当の寓魔は食べた言葉の巨大さが己の許容量を上回り、消失する】

【そんなお話だった。どう捉えるかは読み手によるのだろうが】
【基本的にはリターンが少なすぎる、奇怪な話。自分という個をほぼ失い、得るものは空想だけ】
【――だが、"ダグラス"を知るものならどうだろうか。月の為なら、その男は何でもする。そうではなかっただろうか】


……というわけで、今は単に"画家"と名乗っているんだ。
なんだか、ダグラスって名前も自分のモノじゃないように思えてね?
それでだけれど……今度はキミの番だ。君は誰で、僕のなんだったのかな。
124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 15:45:35.45 ID:3DYrVn0jo
>>123

【ダグラス──いや、”画家”の始めた説明をアインはそれこそ神妙な面持ちで聞いていた。一体どんな話が語られるのかと、緊張さえしていたかもしれない】
【しかし実際に語られた内容は予想の遥か上を行くものだ。聞いているうちに 「は?」と言わんばかりの怪訝な表情へと変わっていった】
【そして紙を手渡され事の顛末を知ると────】

──あっははははははははははは!!

【アインは思わず笑ってしまった。それこそ腹を抱えての大笑いだ】
【真名に半生。言葉を喰うなどという悪魔にそれらを譲りわたすなど普通であれば自殺行為に等しい】
【おまけにその対価が”夢の中で月を愛する特権”など。あまりにも──あまりにもダグラスらしかった】

くっくくくっ……!
お前、お前はっ……本当に面白いやつだなっ……!
いや、驚いた……月が好きというのは知っていたがまさか”ここまで”とは!
くくくっ……最早、痛快と言っていいなこれは……!

【笑いを堪えながら話す男の姿ははたから見ても楽しそうだった】
【これも普通であれば理解不能で、あるいは知人を喪ったことを悲しむ場面なのかもしれない】
【しかしダグラスという男はその本懐を成した、そうとしか思えなかった。そのあまりの思い切りの良さがアインには面白くて仕方なかった】

画家、画家か、なるほど。それは手放さなかったわけだな、当然だ
では、これからお前のことはそう呼ぼう……しかし、だ
やつのことを知っている俺からすれば、月を渇望し月の絵を書く画家であるお前は『ダグラス』そのものだ。あいつに他の要素なんかありゃしない!
そう言った意味では……ダグラス、そう呼んでも差し支えないんだろうな

【画家と名乗る男はそれでもアインからすればダグラスと殆ど何も変わっていないように見えた】
【彼は名前が違って思えると言うが、一体何が違うのだろう、とさえ考えてしまう。自分の知るダグラスの要素を網羅しているではないか】
【であれば、目の前の男はダグラスだった。とはいえ、名前に拘るとは到底思えない。きっと画家と呼ぼうがダグラスと呼ぼうがどちらでもいいのだろうが】

あー、俺か……
そんな大層な話があるわけじゃあない。カノッサ機関の六罪王だったダグラスと会って、俺も六罪王になった
要するに単なる同僚だ。色々と世話になったがな

【アインの左手が左耳につけられたルビーのイヤリングに触れる。そこからは微かな魔力が放たれていた】
【手短にかつての関係性を説明しながら、空いているカップにレモンティーを注ぎ、口をつける。味が気に入ったのか、微かな笑みを浮かべる】
125 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 15:59:37.41 ID:drMD605V0
>>124

【ふふ、と小さく笑い返しながら自分もレモンティーを注ぐ】
【笑われて悪い気はしない。そう感じさせるくらい、爽快な笑み】
【『月を好む画家』という自分を知る、そして理解してくれる相手】
【そうと一度で理解できる彼の言葉に――つまり『ダグラスと呼んでも差し支えないのか』と】
【そんな言葉にうなずきながら、暖かな紅茶に口を付け】

結局の所、僕からすれば名前や肩書というのは虚飾に過ぎないからね。
その物体がどんな美しさを持っていて、あるいはその人物が何が出来るのか……

……本質を捉える事が大事なんだ。だから、その時の僕は名前もあげてしまったんだろうね
そういうわけだから、その方が呼びやすいというのならダグラスと呼んでくれていいよ
それもまた僕を表す符号だからね。……それにしても、理解してもらえるというのは

【『嬉しいね』と、雰囲気や年甲斐にもなく、何処か恥ずかしそうにすら思えるフレーズを口にした】

【続けて自分が尋ねた質問に対して『六罪王』というワードが返ってくると】
【へえ、と感嘆符を零しながら、彼の耳で揺れる女性もののイヤリングに目を転じ】

六罪王。……ということは、こんな日の当たる場所に居たらマズいんじゃないのかな。
ほら、警察とか自警団とか。……UNITED TRIGGER、だっけ。彼らも、さ。

……ん。待った、同僚ってことは、世間的にはまだ僕は六罪王なのかな。
それとも、何処かで死んだり、辞めたりなんて噂が流れたりは?

【これも記憶――過去の存在そのものを失った者ならではの質問だろう】
【自分は世間的にどんな扱いなんだろうか、と。何か思い当たる節でもあるのか】
【あるいは相手の今の立場なども知りたそうな視線を彼に送った】
126 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/25(日) 16:05:24.38 ID:38DlvEpL0
>>41

【自己紹介もまだだったか、そう言えばという所でセリーナはそれを思い出した。】
【UTなんだから匿って当然、とまで言うと言い過ぎかもしれないが、此処は矢張り正義の拠点。】
【記憶を喪失しているらしい青年には、納得してもらえるかどうかはともかく―――名乗る必要があると考え。】

―――良いも何も。"ウチ"はそれが仕事だ。
UNITED TRIGGER、カノッサやその他の悪事を働く輩に対して
正面に立って無辜の人々を護るべく組織された―――そういう"会社"、此処はその本拠地だ。

此処には基地もあるし、そうヤワな装備で作られちゃいない。
そして、なんとも幸運な事に君の目の前にいる金髪美人のおねーさんは―――、"皆の味方"だ。
大丈夫、この事件を見て見ぬふりなんてしないし、レボル社も、君も、放置したりなんてしない。君を助けるよ、アタシの誇りに賭けても、ね。

それがアタシ、セリーナ・ザ・"キッド"の信念だ。任せて、君が名前を思い出せるようになるまでおねーさんが付き合うから!


【そうして、青年が地図を描くと言い出せば。セリーナは壁に置かれている大きな地図を外し。】
【ここいら一帯の所在が載ったこの地図ならば、恐らくは青年の囚われていた"場所"についてもカバーしているだろう。】

オーケー、この地図で大丈夫かな。思い出せる範囲で、書いてみて。


>>44

【抗生物質―――と言われても、矢張り怪しいだろう。マスクをしていないのも可笑しいし】
【感染性でないというなら尚の事、義勇がそれを心配する理由も良く分かるという物。だが、それでも。】
【彼女は目を伏せ、彼の言葉に胸中で感謝をしつつ、首を横には振らず。苦笑いする、自身に対して、かもしれない。】


ん……そう、だね。病か、そう。罹るかもしれないし―――もう"罹ってる"かも。
人助け病、とかそんな名前でどうかな。普通の人からしたらまるで病人だろうさ、アタシや、君の存在はね。
ただ、残念なことに治し方が分からない、特効薬も見つからないし……オマケに君もアタシも、治そうって意識があんまりない。あはは。

そう、だから―――、え、あいや! 義勇君、それは―――っ。


【俺も行こう。そう声を掛けられれば、止める訳にもいかない。自嘲気味に人助け病、とまで言い切った後では。】
【止められよう筈もなく―――セリーナはただ肩をすくめる。どうするべきか、考えようとしたが悩むだけ無駄だ、と思い至った。】
【本当はこの被害者であり、同時にセリーナの中では"被疑者"でもある記憶喪失の青年を"監視"する役目を義勇に任せたいと、そう考えたのだが。】


―――……監視は別の人に任せるか。幸い、今"アイツ"が地上に来てるって話だし……はぁ。
オーケー、オーケー。分かったよ、確かに今のアタシじゃ君を説き伏せられそうにないし、説得力は皆無だろう。
それじゃあ君には一つだけ、絶対に約束して欲しい事がある―――"現場では、アタシの指示に従う事。"これを護ってくれるなら。

―――協力して欲しい。是非とも、君に同行して欲しい。義勇君、お願いできるかな。


【何があっても、この文言を護れ。年長者として、そして組織の長として。さらに言えば―――】
【義勇にとっての"英雄"で在る為に。セリーナは現地で自分が指揮をする事、それに従う事を要求するだろう。】
【危険な場所で、且つ少数での潜入となればバラバラには動けない。セリーナはそう告げながら、"誰か"に連絡を取り始める。】

……もしもし。ああ、そう。うん、ちょっとお仕事の依頼。
時給いくらかだって? ナンパに困らない程度には出してあげるよ、なんてね。
うん、だからその、アタシがちょっと不在になるから基地で"待機"をしておいて欲しいんだけれど―――、


【恐らくは、自身が不在にするときの為の予防策、だろう。電話を手短に終えれば、準備は完了。】
【セリーナは牛革のオールド・テイストなジャケットを羽織り、冬用の紅いスカーフを巻いて。ガン・ベルトを巻き付け、ハットを被り―――出撃の手筈が整った。】


/遅くなってしまい、申し訳ありません。ご迷惑おかけしました。
今日は夜七時頃からしっかりレス返せますので、どうかよろしくお願いします。
127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 16:11:48.98 ID:3DYrVn0jo
>>125

よし、ではダグラスと俺は呼ぶことにしよう。間違いなく、この名は本質を捉えているだろうからな
俺の名はアインだ……が、まぁ好きに呼べ。俺も名前に拘る方じゃない

【ダグラス、と名を呼ぶアインは少しばかり嬉しそうな表情だった】
【関係性の説明の際には単なる同僚だと言ったが、実際のところアインはダグラスのことをかなり気に入っていた】
【それは物の考え方であったりもするが、自身に絶大な影響を与えた出来事のきっかけとなっていたせいもある】
【元よりこの男は他者には厳しいが、自分に与する者には存外優しい。そのせいもあった】

理解、か。まぁそうだろうな。お前は変わり者だ
変わり者を自負する俺から見ても変わり者だ。だからその気持ちはわからんでもない

【喜ぶダグラスに向けてアインは大きく頷いていた。この男もまた、自身のことを理解されがたいものだと考えていた】

無論、普通はマズイ
だが考えてもみろ、こんな自然公園のベンチで六罪王の二人がお茶しながらのんびり喋ってると誰が思う?
顔を知っているやつが居たとして”なんだか似てるな”、が関の山だ

【両腕を広げて自然公園を示すアインの表情はどこか悪戯っぽいものだった】
【そこにダグラスが質問を続けると、「ふむ」と言って思案顔をする】

そのあたりの噂は流れていない、な。俺でさえ、お前の状況を今知ったぐらいだ
世間的にはまだ六罪王、なんだろうな。ここ最近は俺も自分の拠点にこもりがちで、自分の立場もどうなってるかよく分かっていないが

【「多分、どっちも六罪王なんだろうな」──なんて、まるで他人事のように話す】
【六罪王は世界の敵であるカノッサ機関の旗印のようなものだ。記憶を失っているとはいえ、自身が世界の敵であったことを、果たして今のダグラスはどう感じるだろうか】
128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 16:26:55.14 ID:QPTYTEDPo
>>126>>44

【”UNITED TRIGGER”にセリーナ・ザ・”キッド”──自身の名前さえ失った青年でも知っている正義組織】
【多数の無辜の民を助ける正義の味方────知っているし、聞いていた】
【しかしそれは対岸の火事ならぬ、”対岸の美談”だった。どれだけ彼女が人を助けようが、自分のところに来ることなんてありえない】
【それはまるでお伽話のようなものだ。そういう概念はあるが現実には存在しない。青年は──そう、思っていた】

【それが、どうだ。今ではその正義の味方が自分に名を名乗り、誇りを語り、あまつさえ手を差し伸べている】
【今でも、青年には信じがたかった。そんなものが”実在”することが。そんなものが自分を助けようとしていることが】
【それでも──目の前にいるならば、認めなくてはならない】


────ありがとう


【顔を俯かせた青年が、絞り出すような声で、ただ一言だけ礼を告げる。それが今の彼の精一杯の表現だった】
【地図を手渡されれば、意外なほどに手早く研究所の位置を書き込んでみせる。二人であればそれに作為的なものを感じることもできるだろう】
【つまり、これは明確な罠だった。しかしあの場に少年が来ることがわかるはずはない。その一点が謎として残るが────】

【地図に書き加えながら、少年へと顔を上げる。ポケベルを受け取ると、どこか申し訳なさそうな顔をした】

あんたも、悪いな。ここに来るときは”これ以上は関われない”って言ってたっていうのに
何かしてやれればいいんだけど、僕には何の力もない。だから、あんたたちに頼むしかないんだ

【そう言って再び地図にペンを走らせる。今できることはさっさとこれを完成させることだ】
【二人の会話が終わる頃には地図には線が引かれているだろう。街から離れた森の奥深く。普通ならば誰もいかないような場所】
【そこに線の終点が記されていた。闇への入り口、暗部の開く場所が】
129 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 16:26:58.30 ID:drMD605V0
>>127

【アインの簡潔な返事に『なるほど』 と相づちを打つ】
【確かに、こんなに平和な公園にかつて六罪王と呼ばれた二人の男が居るはずもなければ】
【のんびりと紅茶を啜って談笑している、というのは想像しづらい】
【職務質問をするほど怪しげでもない。言われてみればと、納得し】

そっか。……それじゃあ、僕も君も世間的には六罪王なわけだ。
それはちょっと困ったことになるというか……アイン、だっけ

……僕、"UT"に観光に行きたいんだけど、やっぱりマズいかな?

いや、実はね?先日僕に良くしてくれた青年から
色々と観光名所を聞いたんだ。湖とか、神殿とかさ。
その中にUTが入っていて、調べてみたら色々と面白そうなものだから。

【『で、行きたいんだけど』と――これまた呑気に尋ねかけた】
【UT。UNITED TRIGGERといえば、警察に勝る正義の旗印だ】

【常識的に――つまりカノッサ機関的に考えれば、潰すべき対象であれ】
【近付くことは憚られる。重大犯罪者が警察署に行くようなものだからだ】
【が、この男からすれば、自分が六罪王で、世界の敵でという意識は随分と薄いらしく】
【そして自覚もまた無いらしく。観光に行ってみたいなどと口にするのだった】
130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 16:36:25.76 ID:QPTYTEDPo
>>129

【”困ったことになる”────まぁそれはそうか、とアインは思う】
【いくらダグラスが月をそれこそ偏執的に愛する変わり者とはいえ、それ以外の部分は案外普通だ。自分にその気がないのに世界の反逆者扱いされるのは困るだろう】
【日常生活やら何やらについて問題が起こるかもしれないな、と考えながら再びカップに口をつけたとき】

【”UT”に観光に行きたい、なんて聞いたせいでアインは思わず吹き出してしまった】

……ごほっごほっ!
おま、話聞いてたか!? いくらなんでもそれは…………

【咳き込みながら止めようとしたところで、アインは思い出した】
【ダグラスは知らないことだったが、UTの創設者であるセリーナ・ザ・”キッド”はアインにとって知り合いと呼べなくもない】
【また恐らく彼女の性格を考えるに、今のダグラスが行ったところで殺したり警察に突き出したりはしないだろう】
【そう考えると可能ではあったが────】

…………うーん
無理じゃないだろうが、しかしお前、本気で行くのか?
普通、今の説明を受けたら取りやめそうなものだが……あぁ、お前に普通とか言ってもしょうがないか……
全く、”相変わらず”どうしようもないやつだな、お前は

【さらに重ねて止めようと──というよりはおかしさを指摘しようとしていたが】
【それもすぐに思い返して中断。さっき普通でないのがダグラスだと考えたばかりだった。今更言ってもどうしようもない】
【むしろその暢気さがまたダグラスらしく思えて、アインはまた笑ってみせるのだった】
131 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 16:43:14.28 ID:5LHcdChso
【火炎樹の森・入口】

「……今日も不作か」

【今まさに火炎樹の森から姿を表したのは40代半ばほどの男性だ】
【身長182cm、きりっとした黒っぽい茶色の眉毛、ややたれ気味で奥二重な褐色の眼】
【服装は、赤いニット帽、上下共に白いラインの入った赤ジャージ、白い運動靴
、そして茶色のウェストポーチ】

「やはり人を雇うべきか……」

【左肩から生える怪しげなキノコをぶちりとむしり取り、それを森の方へ捨てて】
【ニット帽にくっついていたツタ系の植物をそれから取り、やはり捨てて……まだ色々くっついている】
【あちこちが汚れており、怪我もしている。どうやら、この森の中を探索していた様子だ】

「いや、今はこちらに予算を回している場合ではない。それにもう少しだ。地道に探そう」

【そして、ため息を一つ。その後、近くに止めてある車に向けて歩きだす】


―――― 一方その頃 ――――


【路地裏】

「……」

【当然のように転がっている死体たち、その側に近寄る一つの影があった】
【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「さァーて、おォいお前」

【死体に話しかけるそれ。当然だが返事なんて返ってくるはずもない】

「問答無用で俺様のもォのとなァァアーーるのだァァーーーーッッ!!!」

【そして、死体の真下に現れるは魔法陣。そこから噴き出す闇が死体を包み込み】
【闇が晴れた時には既に死体の姿はどこにもなかった】

「おォ前らもだ! 成仏でェきずに残念だァッたな! ヒャアアーーーハッハッハッハッハァァーーッ!!!」

【同じ手順で残った死体も消してゆくそれ。そう言えばこの顔、どこかで見たことがあるかもしれない】
【例えば、指名手配犯リスト。大小様々な犯罪によって多額の懸賞金をかけられた"悪魔"邪禍】


/どっちか片方でお願いします!
132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/25(日) 16:56:10.94 ID:uXAi/7ThO
>>130
勿論、本気さ。そして君が『無理じゃない』と言ってくれたからね
今改めて、あそこに行くと決めたよ。

……確かに、六罪王とUTなんていうのは話を聞く限り水と油だ
少なくとも歓迎はされないだろうけど……その程度じゃ収まらない好奇心が、僕の中には渦巻いてる。
毎日のんびりと月を描いて、満足だけれど空虚なんだ。もっと……実感が欲しくてね?
だからこそ、僕は広いこの世界を見て回りたいと考えているのさ。

【そう語る"ダグラス"は、どこか青臭い青年のような若々しさがあった】
【得てして、芸術家というのはそういうものなのかもしれないが】
【なにかを知りたい、追求したい。そういう気持ちに火が点くと、止まらないのがこの男だ】

【そもそも、六罪王になったのも似たような理由だったのだが】
【それは今は関係の無いこと。笑うアインに、無邪気にも思える笑顔を返し】

というわけで、僕はこれからUNITED TRIGGERにお邪魔してこようと思うけど……

君はどうするんだい、アイン。聞いていた感じだと、魔術の研究をしていたようだけど
またしばらくは引きこもるのかな。それとも、どこかにまた散歩でも?
133 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 17:06:51.45 ID:QPTYTEDPo
>>132

【好奇心、なんてものを持ち出されてしまっては研究者であるこの男が余計に止められるはずもない】
【その理由に何だか呆れたように、しかし同時に納得したように溜息をつくと】

本当に仕方のないやつだな、お前は
そこまで言うんじゃ、”後輩”の俺が止められるわけもない、好きにしろ

【六罪王としての後輩、などというどこか滑稽にさえ聞こえる言葉を使ってアインは頷いた】
【勿論、そんなものは言い訳で、そもそもこの段階で止める気など消え失せてしまっている】
【それどころかダグラスがUTに行ってどうするか、どうなるのかが気になってきていた。この男もまた好奇心に勝てないタイプだ】

どーする、か
ある意味じゃそれに悩んでいたからこうして表に出てきたってのもあるな……六罪王としての活動もないしな。”仕込み”はだいぶ進んでいたんだが
まぁ、大して決めてもいないから、お前と一緒に観光に行ってもいいんだがな……

【今後の予定を聞かれてアインはどこか悩んでいる様子を見せる】
【挙げ句の果てには観光──つまりUTに行ってもいい、などと言い出す】
【記憶を喪った六罪王と活動を休止していた六罪王が二人揃って正義組織のUTに観光に行く────】
【この二人は全く気にしないのだろうが、かなりマズそうな絵面だ】
【もっとも、アインの方にはUT自体に行く動機はない。ダグラスが断れば大人しく帰るなり散歩に戻るなりするだろう】
134 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/25(日) 17:07:11.94 ID:u/EkmDpgo
>>126
【実際、青年を見張ってほしいと言う意図があったのだろう。それを理解していても尚、彼女をそのまま行かせることは出来なかった】
【彼女に託そうと思い立ちここに来た。しかし、それは同時に自分が持ち込んだ者として責任を負わなければと言う意識に繋がっていた】
【そんな中で、身体に不調を来した彼女一人を敵地に送るなどと言うことは、彼にとって責任の放棄を意味するのだ】


人助け病なら……俺も罹っている。そんな病気に罹ってるからこそ、貴方に着いて行くんだ
アイツ=c…? ともかく、俺も着いて行って良いんだな?


【彼女がやや面倒臭そうな、助けにはなるが同時に厄介事も誘き寄せるような、そんな口振りで言うアイツがやや気になるが】
【ひとまず、同行する許可は得られたようで、彼は胸を撫で下ろす。そうと決まれば、彼も出立の準備を始めなければならない】
【椅子に立てかけてあった一振りの太刀を掴み、腰の帯刀専用ベルトに佩き、しっかりと固定する。ガンベルトを改造したそれは、洋服に刀を携えるには持って来いの代物だ】


勿論だ。戦の経験が豊富な貴方に従うことは、作戦を円滑に進める為に重要だものな

>>128
【青年の書き綴る地図を眺める。それは意外な程に手早く、そして丁寧に綴られる地図は、初めから此方に教えることを想定したようにも思えた】
【勘の悪い人間でもここまで来れば気付く。これは明らかに敵対勢力を誘き出す為の罠だ。青年を泳がし、情報を伝え、本拠地に誘い出し、予め叩き潰す】


いいや、あの時は確かにそう言ったが……事情は思ったよりもずっと深く、暗闇の中にある物だった
それに、俺は君を助けると言った。そう決めた。そして、君をまだ助け切れていない。なら、俺も協力する責任がある
あぁ、頼まれた


【最初に青年を助けると決めた。それを反故にするのは、彼が以前この場で教えられ、知り得た感情、信念に反するものだ】


>>ALL

セリーナ・ザ・キッド。こちらはいつでも出れる
君は、ここで待っていてくれ。そのまま帰ってこないなんてことは、決して無い

【ブーツの紐を固め、服装を整えた少年は、静かにUTの戸に手を掛けた】
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/25(日) 17:20:55.72 ID:uXAi/7ThO
>>133
【『好きにしろ』と言われれば、素直に『ありがとう』と返す】
【これで決まった。かつての六罪王が、観光気分で正義のお膝元に行くことが、だ】

【問題はそのあとだ。アインもまた、何でもできるからこそ暇をもて余した人物で】
【その彼が一緒に観光に行ってもいいと言うと、こちらも思わず笑ってしまう】
【正義の輩からすれば悪い冗談だろう。だが、かつてそうだったように】
【今の"ダグラス"も、アインと行動を共にすることを楽しんでいる節があり】
【少なくともしばらくは考え込む。行ってもいい、だがどうしようか、と】

……いや、最初は僕だけで行くよ。その代わりというわけじゃないんだけど
君の連絡先を教えてほしい。何か楽しそうなことがあれば
僕の方から伝えるから……これ、僕が泊まってるホテルの連絡先。

【一度断りつつも、共に訪れる楽しみはきっちりと保留した】
【能力で作り出したカードには、風の国の四ツ星ホテルの名と、電話番号が示されていて】
【それを差し出してから、カップに残ったレモンティーを飲み干した】
136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/25(日) 17:27:00.55 ID:SGpP81+EO
>>131

【夕月傾く宵闇混じりの路地裏は、舞台袖のような陰鬱を垂らし】
【そこに広がる光景もまた、惨劇と呼ぶに相応】
【迷い込んだ黒猫も一様、鳴き声混じりの退屈を零した】


ねぇねぇ、こんなふっけいきなとこで、何してるのかな?
──ってあれ、よく見たらおにーさん、懸賞首じゃない
うんうん、知ってる知ってる、こういう時何すべきかって

痛いぐらいに知っているよね


【純白の長い髪をツーサイドアップにし、黒いコサージュリボンで片方だけを飾り】
【黒く長いマフラーと巫女服を基調とした無袖の裾が短い着物】
【ゆらりと長い袂からメッシュの長手袋が漏れて見える】
【白いニーソに厚底の下駄を履いた、ハチミツ色の瞳をした少女が路地裏の入口から声をかける】

【斜陽が流れ込んだなら、やがて陽は役目を終え】
【追憶にも似た夜闇に手綱を委ねる】
【右の袂から金属音が響いて、その掌に金属が現れる】

【クナイと呼ばれる、その金属片を彼女はくるくると回すだろう】
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 17:29:10.24 ID:QPTYTEDPo
>>135

なんだそうか、残念だ

【一人で行くというダグラスに悪戯が失敗したような笑みを浮かべる】
【六罪王二人がUTに観光気分でいく、というたちの悪い冗談を実践したかったらしい。ダグラスのおかげで世界の平和がちょっぴり守られたかもしれない】
【────いや、”延びた”という方が正確だった。ダグラスは”最初は”と言ったのだから】

【カードを受け取ったアインは反対の手で小さな宝珠のようなものを差し出す】

持っていけ。持っていれば俺と念話ができる
とはいえ、毎回それでは面白みがない。俺から連絡するときは電話を用いるとしよう

【念話可能な宝珠であれば連絡には過不足ない。だが六罪王同士が通常の回線を用いて連絡をとる】
【そんな状況を作れてしまうのなら、この男が見逃すはずもなかった。今日何度目かの悪戯っぽい笑みを覗かせていた】
138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/25(日) 17:52:05.58 ID:uXAi/7ThO
>>137
【差し出したカードの代わりに、小さな宝珠を受けとる】
【それを透かしてすぐ横の風景を眺めて、それからすとんと胸ポケットに納め】

ホント、魔術って便利だね。ありがとう、使わせてもらうよ
僕を呼ぶときだけれど、フロントには『画家の』って言えば通じるから。

……それにしても楽しみだね、UNITED TRIGGER。
あそこは多分、今も昔も事が起きる時の"渦"のようなものだと思うんだ
困った人が助けを求めにいって、一番安心できるのがあそこって噂も聞いた。

多分、行って見ればなにかが分かる。そして多分、それは面白いよ、アイン。
そうと分かれば、きっと最初に連絡させてもらうからね?

【そう語る姿は実に楽しげで、早速とスケッチブックを手に立ち上がり】
【グッと伸びをしてから『それじゃあ、また』と歩き出す。呼び止めなければ、そのまま歩いていくことだろう】

【――ところで、ダグラスの能力は無から有を作り出すが
【一度作られたものは勝手に消えることはない。すなわち、カフェテラス風のティーセット一式は残置されることとなる】
【幸いレモンティーはまだ何杯分か残っていて、日もそれなりに高かった】
139 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 17:52:39.32 ID:IsH9+OmC0
>>117

【侍の亡霊は、この世のものではない叫びと共に一斉に斬りかかる。最早既に死んでいるのだから迷いなど無い】
【横に切り裂く時、生身と似た手応えを感じただろう。怨念と呼ぶべきか執念と呼ぶべきか。亡霊は切り裂かれてもその上半身を】
【動かし刀を振り、切り捨てんと藻掻くがすうと霧と同化するように消えてしまった。】

【その後ろに着物の女が一枚の浮世絵を切り抜いたかのような立ち姿で、一閃を放っていた。】
【その討ち取った感触を確かめるように、ゆったりとした動作で刀を抜く。大回しの血振りで路地の壁に鮮血が弧を描く】

―――――――。

【着物の女は男のセリフに何の言葉も返さず、追い打ちをかけることもなく。ただ、無表情に。その闇の奥にある黄泉を見つめるが如く】
【着物の女は倒れてている霧崎に刀を、丁寧に鞘に納めて返す。そしてまたいつのまにかいなくなっていた。】

……・死に損ない。

【まだマシな気分になって起き上がった時に彼女は考える。そうだ、いつでも私は死に損ない。多くの仲間が命を落としてきたと言うのに】

だから、生きた証が要るの。

【ボロボロの体を隠すように、拾い上げたコートを羽織って、それでも任侠として堂々とこの場を立ち去った】


//遅くなりましたがこれで〆でございます。お疲れ様でした。ありがとうございました。
140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 18:04:01.08 ID:QPTYTEDPo
>>138

あぁ、真っ先に知らせろよ?
そうしたら見物人になってやる。あるいは参加者かもしれないが

【歩き出すダグラスに向かって手を振り、別れの挨拶とする】
【目の前にはまだレモンティーが残っていた。ここで過ごすのも悪くはない。そう思いカップに注ぎ足す】
【渦────何かが起こる発生点。その中心がUT】
【ふと、アインの脳裏にある人物の顔が過ぎる。火の国で出会った女盟主。彼女は今でも迷いながら進んでいるのだろうか】
【彼女は果たして、中心になってしまうことを望んでいるのだろうか。そんな考えが浮かんでは消えた】

【一時間もすればアインも立ち去り、自然公園の中にはベンチの傍に椅子や机、空のティーカップが放置されているという奇妙な”跡”が残されるのだった】

//お疲れ様です!
141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/25(日) 18:07:48.42 ID:uXAi/7ThO
>>140
/お疲れさまでした〜!
142 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 19:57:57.49 ID:5LHcdChso
>>136

「さァて、次はどォこに行ィくか……」

【全ての死体を消し飛ばしたそれ、迷い込んできたモノの気配に気がつけば】
【焦る様子もなく、ゆっくりと体をそちらに向けた】

「あァ? 俺様はたァだの死体回収者! 腐る前に回収されるこォとを光栄に思え!」
「……ククッ、そォーだ、そォして俺様は素ゥン晴らしい懸賞首でェもあァァアアーーるッ!」

【それの目の前に現れるは魔法陣、そこから現れる闇はそれの右手に集まり形を成してゆく】
【そして、闇は全長2mほどでターコイズブルーの蛇となった】

「おォ前、秩序の味方かァ? そォれともバウンティハンターの類かァ? だァッたら……」

【蛇を突き出すようにして構えれば、その蛇の口部から発せられるのは野球ボール程度の大きさをした火の球だ】
【性質、対処方法、あらゆる面で何の変哲も無い火の球、狙いは……右腕か】

「こォーだッ!」


/気がつくのが遅れましたすみません!
143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 20:08:26.20 ID:IsH9+OmC0
【街角のコーヒースタンド】

【2月の終わりと言ってもまだこの街は雪も多く残り、それどころか今日の夜は更に冷え込むらしい】
【一人の男が警察署から出てきた。背中を丸め、てコートのポケットに手を入れて歩く。伏し目がちで門塀に挨拶もしない】
【癖の付いた茶髪。中肉中背、片目には黒い眼帯。安物のスーツに安物のコートの襟を立てる。―そんなやつの仕事?】
【地方警察署の捜査6課、所謂、『所轄の平刑事』が彼の仕事。お巡りさんだとかポリ公ってやつだ】

【彼の務める6課は人手の足りない所の即応応援担当という】
【表向きはそんなこと言っているが実際のところは使えるが面倒な奴らで構成された何でも屋でしか無い】

『よぉ、エリート。相変わらず勤勉だな。』

うるせぇ、俺はもう帰る。当直ごくろーさん

【同課の人間とすれ違ったとき、めんどくさそうにそれだけ挨拶をした。】
【エリートというのは彼のアダ名だ。彼は数年前まで本庁の公安部でそこそこまともな出世コースに乗っかっていた】
【だがその時のゴタゴタに巻き込まれ、出世もパー。片目も失ってこの所轄に島流しにされたというわけだ。】

【本当なら口封じにされてもおかしくはなかったが、彼は『一芸入試枠採用』だった。】
【一芸入試は業界用語で能力や魔術なんか『一芸』がある者がそれを理由に採用された時、そうやって界隈で揶揄される】
【基本的にいい意味では使われない。】

【彼はあまりにも寒かったのでコーヒースタンドによることにする。彼は古い人間でサードウェーブだの、フラペチーノだの】
【トールサイズだの細かいことを言うカフェは嫌いだった。ブレンドホット、1番大きいサイズ。それで伝わるここによく通う】

……アチッ!
ああ、もう、クソッ…

【買ったばかりのコーヒーをこぼす。安物のコートに黒いシミがつく。クソ寒いのにクソアチぃってのはどういうこった。】
【男は花壇の縁にカップを置いて、ポケットを漁るがハンカチもなければ代わりになりそうなものもなかった】
144 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/25(日) 20:13:31.58 ID:HYmkX6Mao
>>142

【ゆらりと闇夜に揺れる、月明かりが一筋鬼灯の様に滴り落ちる】
【少女のマフラーが吹雪いたなら、彩る宵の明かりを薄めて】
【陽炎の様に鮮やかな、蜂蜜色の双眸を歪めた】


ふふんっ!それはすっごく好都合ねっ!こーんな大物の賞金首滅多に見ませんしっ!
とっ捕まえて、引っ立てて、鵺ちゃんの大手柄にしちゃいますよっ!

­­──昏遁制御開放術式
"Sonata Arctica"──


【弾む軽やかなソプラノ、口角を軽くあげて不敵な笑みを一つ】
【薄口紅の淡さが滲んで、目の前の敵への注意を高める、口調は軽いが呼吸は深い】
【強敵だ、生半可な集中では持っていかれると、本能が告げた】

【少女が術式を紡ぐ、クナイを逆手に持ちながら高速で印を結ぶ】
【刹那、夜闇に一陣の斜陽が差し込むが如く、彼女の瞳が揺らめいて】
【蛇の放った火の玉の色が"黒"に変わるだろう、宛ら色を欠落したように】


昏遁術式──暁光"Lunatica"
"公安三課"所属、鵺、参ります


【右腕を一閃、その場で火の玉を弾くように振り抜くと、火の玉が蛇へと反射されるだろう】
【あなたほどの能力があれば、白い袂に弾き返される様に反射されたのが伺える】
【黒色に変容した火の玉は発射された速度と同じ速さで蛇へ向かっていく】

【同時に、少女は体勢を低くし火の玉と併走するように駆け出すだろう】
【無駄のない身のこなしで、一気に距離を詰めようとする】
【靡くマフラーと、くるりくるり、回すクナイがコントラストを描く】

/お気になさらずっ!よろしくです!
145 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 20:30:08.95 ID:5LHcdChso
>>144

「公安の輩か……よォーし、俺様の強さをそォの身に刻むがよォーいッ!」

【まさしく悪魔にぴったりな、邪悪な笑み。堂々とした宣戦布告の構え。】
【相当舐めた態度を取っていたのだが、火の球が反射されれば少し表情を曇らせる】
【"反射か"、小さく吐き捨てて】

「でェてこォーい、フリゾール!」

【宙に現れる魔法陣、そこから現れる闇は悪魔の左肩に集まり、そして成す形は】
【水色と白の体、青いとさか、灰紺色の脚をした標準的な大きさや体型のフクロウだ。美しいスカイブルーの目をしている】

【フクロウが口部から吐き出したものはキラキラと輝く冷気。狙いは火の球である】
【それによって火の球の温度を下げ、消滅を狙った……のだが、初動が遅かったのか冷気の強度不足か】
【火の球はそのまま蛇の頭部に命中。火を吐くだけあって蛇自身にはあまり効いていない様子だが……】
【気がつくだろうか、この悪魔の頭部に軽い火傷が現れたことに】
【(なお、黒色に変容したことによる性質の変化があるとするならば、それもダメージに反映される)】

「ちィ」

【さて、フクロウによる冷気攻撃だが……まだ継続している】
【正面からそのまま向かえば、真夜中の吹雪ほどの冷気を浴びてしまうだろう】
146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/25(日) 20:42:09.03 ID:HYmkX6Mao
>>145
【それは白夜に宵が満ちるかの様、周囲の世界に視線を向けたなら奇妙な事象に気づくだろう】
【色が欠落している、さながら世界をまるごとモノクロコピーにかけたが如く】
【あくまでも見える範囲に限ることだが、建造物や雑草なども濃淡にしか違いのないモノクロに変化している】

【この中で変化がないのは、未だターコイズブルーを宿す蛇とフクロウ、貴方自身、そして­­──】
【世界から隔離されたかのように白い、彼女の姿だけであろう】


──っ!残念ですけど、この程度の冷気なんて日常的に浴びてましたっ!
奈落上がり舐められちゃ困ります、地獄の一つや二つくぐり抜けたんですから!!


【冷気による攻撃を咄嗟に右手で庇う、袂が揺らめいて身体を少しばかり覆うだろう】
【今度の冷気は色を保ったままで、彼女の右腕を中心に叩きつけられる】
【苦悶の声が軽く漏れた、ダメージは少ないが右手の動作性に影響を与えるだろう】


悪いですけど鳥類の扱いも一通り叩き込まれたんですよっ!
どーっちが上だか、白黒つけるのが一番だって!!


【防御に使った右手からそのままクナイを逆手で投擲、狙いはフクロウの腹部である】
【そして続けて、右手を自身の左肩へ振り抜き、地面へと触れる】
【すかさず左手も地面に叩きつけ、一瞬の内に逆立ちの体勢へ】

【正面に立っているであろう本体の腹部へ向けて、両脚で蹴りを放つ】
【下から上へ穿つような蹴りだ、直撃したならダメージはかなりのものだろう】
147 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 21:01:48.26 ID:5LHcdChso
>>146

「……む?」 「ほォーん、なァるほど……」

【――後ろへ退避する準備のためにちらりと後方を見た。そして悪魔は気がついた】
【"色が無い"、だがそれ以上のことは考えなかった様子。何があろうと、自分は強いのだ】

「回避しィろ! フリゾール!」

【フクロウが羽ばたき飛び立とうとする、その結果クナイが命中した部位は腹部ではなく左脚部】
【大きく裂けたのだろう、脚部から血を流しながらも悪魔の頭上を羽ばたくフクロウ】
【そして、脚部にダメージを受けたのはフクロウだけではなく、悪魔もだ】

「回避しィろって言ィッただろ……ッ!」

【同部位に裂傷を負った悪魔。それによって後方への退避が遅れた】
【鈍い音とうめき声とともに後方へよろめく悪魔。】

「ぐゥッ、なァらば、教えてやァろう……上なァのは……俺様だ、となァッ!!!」

【邪悪な魔翌力を感じる血をペッと吐き、そして蛇が吐き出すのはターコイズブルーの液体だ。量は……まあ、コップ一杯くらいか】
【頭から被せようとする形で吐かれたそれ、浴びるだけならなんということもない。若干油っこく、もし踏んだら滑るか否かと言った程度】
【……そう、油っこい、というか油と似たような物質だ。非常によく燃える、可燃性の液体】
148 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/25(日) 21:14:25.79 ID:HYmkX6Mao
>>147

【それは氷上で舞う華が如く、蹴りを放った後、大きく両脚を回転させる、弾くわけではない、液体を全て両脚だけで受けきる】
【寸刻地面を手でつき跳ね上がる、菟の様な跳躍をし、ストンと脚から着地する】
【上弦の月が半月を通し軈て下弦に変わるように自然な動きであった】

【──と思えたが、着地時に大きく滑った、右手で崩れないように支えて痛みが走る】


(っ……右手の感覚が悪いなぁ……氷の国の任務思い出すよ、何人か指切り落としてたっけ、ぐーぱーぐーぱー、よし、まだ動く動く
召喚系の能力かな──攻撃手段が読めないのが厄介だし、消えた死体も気になるね
火の玉の当たり具合からみて、ダメージはフィードバックかな……なら)


【肩幅以上に開いた両足、性質もわからないが、取得の一つである機動力を奪われた形だ】
【予想以上に頭が切れると、心中で舌打ちを一つ鳴らす】
【深呼吸、夜霧に交じる冷たさが熱くなりがちな心を沈める】


なるほど、口だけじゃないみたいね、そういう風に何人も殺してきたってわけ
だったら……よけーに許せないっ!能力を持った人が、そうじゃない人を傷つけるっ
弱いものいじめはいけないって、私でも知ってるのにっ!

── 昏遁術式──夜行"Nightfall"!!


【唇の端を噛んだ、歪むソプラノは思わず漏れ出た感情の一端】
【だから向いてないと言われた、必要以上に感情的になってしまうから】
【だから向いていると言われた、必要以上に感情的になれるから】

【その場で彼女の姿が"消える"それはさながら、真っ黒となった地面に沈むように】
【寸刻して、貴方の背後から彼女が出現するだろう、右手には別のクナイを逆手で持って、背中を切りつけようとする】
【消えた瞬間から気を張っていれば、出現に気づくことはそう難しくない】
149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 21:39:01.95 ID:5LHcdChso
>>148

【悪魔の周りに魔翌力が集まる……】

「ヒャハハハ! いィじめて何が悪い? 弱いなら強くなァれば良ォいんだ」
「そォれに、俺様はアフターケアが結構良ォい方なァんだぞ?」

【先程のダメージが効いているのだろう、左手で腹部を抑えながら喋る悪魔】
【口は一向に減らず、挑発的な態度も治らない。】

「……!」

【消えた、先程まで確かにそこにあったはずの姿が……逃げる雰囲気ではなかった、悪魔は警戒心を抱く】
【元々"魂"の居所には敏感である。背後から現る彼女を素早く察知すれば半回転、左腕でクナイを受け止める】
【ぎり、と、歯を軋ませる音がした。】

「なァかなかやァる奴だァな……戻れ、フリゾール!」
「そォして……ククッ、フクロウからハチドリに"ランクアップ"だ。だァが、こォこは狭い……故に、こォーする!」

【フクロウが闇となり魔法陣に吸い込まれると同時、悪魔の周りに集まった魔翌力が形を成してゆく……そして】
【頭部には、銀色の鎧のような羽毛が纏われた蛇の上顎。後頭部から生える9本の羽は羽毛と同色で】
【背面及び腕脚は青白い蛇革、腹面は山吹色の蛇皮。尻尾のように生える8本の羽、額から伸びるルビーのように赤く透けた角】

【悪魔はそのまま右腕を振るい、少女を殴ろうとする。その拳は火傷を引き起こす程の熱を帯びている】
【腕狙いで振るわれたそれ、パワーはあるが振りは中々の素人である】
150 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/25(日) 21:50:22.34 ID:HYmkX6Mao
>>149

【宵闇に紛れて姿が消えた、暗夜の深淵を歩くが如し】
【"黒"に沈み込み"白"で反射させる、世界をモノクロにしたのは空間を泳ぐ為】
【晦冥に舞う淫らな忍、能力の概要も貴方なら十分に理解できるだろう】


そんな自分勝手な言葉っ!そんな理由で、人を傷つけるなんて!
いったい、どれだけの人を、不幸にしてきたのっ!


【鍔鳴る交錯の音、力自体はそこまで強くないのかクナイを受け止められ苦悶の声が漏れる】
【肩幅に開いた両脚がじりっと揺れる、ニーソと下駄にベッタリとついた油が踏ん張りを弱くする】
【来る──攻撃を察知した寸刻、クナイを上空に放りあげ、両手を交錯し受け止めようとした】


ああっ──ぐぅっ……!!!!はぁっ……!!


【予想外であったのが、そのパワーと何より熱をこもっているという事であろう】
【思わず尻餅をつく、華奢な両足が地面を撫でる、端正な横顔が苦悶で滲む】
【衝撃を殺しきれなかったのか、両腕に痛みが残っている、荒い呼吸が揺れる】

【貴方は気づくだろうか、振り抜いた拳から熱が消えているであろうことを】
【火傷するほどの熱から、平熱ほどの温度へ、また熱を込めれば元に戻るはずだが】
【そしてよく観察すれば、拳を受け止めた白い袂に、黒い焔のような模様が刻み込まれていることに気づくかもしれない】
151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/25(日) 21:59:48.80 ID:12aVIgfgo
>>143

【――久々に太陽の姿を見た気がする】
【この前に見たのは三日前だったか、いや先週か】
【たまには気晴らしもいいだろうと、出掛けて散歩でもしていたのだが】


「……寒い」

【いつも以上にボサボサの紅色の長髪に、怠げに細められた黒目】
【羽織る白衣の下に数枚着たはずなのに寒さは紛らわすこともできず】
【限界というのは存在するわけであり。温かい飲み物を欲したところで】

「お、コーヒースタンド。コーヒーでも飲みますか」

【行き先が決まれば、寒さなど忘れてしまうくらい】
【そこに行き着けば、暖を取れるという希望的観測から】
【ポケットから財布を取り出し、店頭へとたどり着いてみせた】


【――店員からレギュラーサイズのカフェラテを受け取り】
【両手でカップを掴んで暫くかじかんだ手を温めて】
【それからカップを開いて一口飲んだところで――】

「おや、零したのかい。ハンカチあるよ?」

【花壇に腰掛けていた彼の声を聞き、そちらへと寄り行く】
【コートにはコーヒーのシミが広がりつつあるようで】
【白衣の右ポケットから、無地のハンカチを取り出して彼へと渡した】

//まだいらっしゃれば……!
152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 22:11:14.23 ID:5LHcdChso
>>150

「不幸? ヒャハッ、俺様に幸があァるなァら人間共がどォーなろォーと知ィッたこっちゃアねェ」

【若干苦しげな声にはなっているものの、その眼には未だ邪悪な光が灯っていた】

【攻撃が命中すれば、すぐに拳を引き寄せる。にやり、と歪む口部】
【何やら拳に違和感を感じたのだろう、引いた拳をちらりと確認する悪魔】
【――熱が奪われている、それに気がつくのに要した時間はごく僅か】

「……"魂吸技"の類か? まァ良い」

【しかし体勢を崩した相手への追撃のチャンスに気を取られ、白い袂に刻まれた模様に気がつくことはなかった】
【次の攻撃のため、悪魔はバックステップ。傷が傷んだのだろう、着地時に小さくうめき声を上げ、動きが鈍る】

「さァ、俺様のエネルギーで輝け、太陽! 焼ァき尽くしてくれるッ!」

【その後大の字のポーズを取る悪魔。その頭部の角が光を帯び、そしてそこから放たれるは太陽の光は、一直線に少女の足へと向かう】
【高熱を帯びたその光、普通に浴びても当然焼けるほど熱いのだが……先程浴びた油に火を点けるには十分過ぎる程の温度だ】
【だが、バックステップからポーズを取り角が光を帯びる、その時間は多くはないが対策を取るには十分だろう】
153 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/25(日) 22:27:53.53 ID:HYmkX6Mao
>>152
【痛い、身体中が悲鳴をあげている、何度経験しても痛みには慣れない】
【それでも、と地面についた掌が砂を掴む、よろよろとふらつきながらも立ち上がる】
【先程空中に投げたクナイが落下してき、右手でキャッチするだろう】

【負けたくない、と思った──死を待つだけの自分に役割を与えてくれた人の為】
【恥辱の中で死んでいく、そんな私を救ってくれた人の為にも】
【宵月夜も深みを増し、桑楡に舞う可憐な少女を一葉】
【刹那の朧に佇むように】


……それならっ──そこまでいうなら……っ!!
貴方を、倒して……っ!!証明して、みせる……っ!!
力は、弱者を傷つけるために──んぅ、あるんじゃ、ないって!

昏遁術式──暁光"Lunatica"!!


【最初に火の玉を反射させたのと同じ術式、クナイを持ちながら両手で印を結ぶ】
【先程は白い袂で、火の玉を反射させた、ならば今度は】
【考えるよりも早く、貴方へ向けて彼女はその場で右脚を振り抜いた】

【彼女の白いニーソに付いていた油が貴方へと反射される】
【両脚で受けきったのはそのためか、それなりの量になっているだろう】
【狙いは貴方の頭部、光を帯びる角に向けて油を反射させるだろ】


くっ……ぁっ……!!


【最早蹴りに耐えきれずもう一度尻餅をつく、力なく折り畳んだ両足が痛々しい】
【狙いが上手く行けば、彼女へ太陽光が当たる前に油が引火し炎上させられるかもしれない】
【失敗した場合、太陽光の直撃を受ける、油を反射させたため、致命傷にはならないだろうが】
154 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/25(日) 22:38:35.93 ID:38DlvEpL0
>>128

【何故此処がお伽噺のようにしか思えないのか、なぜ現実味がない組織なのか―――】
【その答えはシンプルにして単純明快、それは実際に"お伽噺染みた組織其の物"だからに違いないだろう。】
【悪人から人々を護り、希望を背負い君臨する―――お伽噺其の物だ。だが、そもそもがこの世界を取り巻く悪こそ、お伽噺のソレだ。】

【カノッサ機関。GIFT。マフィア集合体DRUGS。そして―――更なる影を齎さんとするフルフェイスの組織、更には警察の〇〇まで。】
【お伽噺は愚か、映画や漫画の世界でしか見られないであろう悪の組織のオンパレード、陰謀と銃弾、剣と魔法が飛び交い人の命が奪われる世界。】
【そんな危険で、あり得ない組織が居るのだから―――それを止め、対抗するにはどんな力が必要か。もう言わずとも分かるだろう、眼には目を、歯には刃を、だ】


―――You're Welcome, kid. ( どういたしまして、青年。 )


【たった一言、そう返す。お伽噺の英雄は、お伽噺の大悪党を討伐すべく。】
【明らかな罠に飛び込んでこうとするだろう。英雄は躊躇しない、罠は掻い潜ってこそ勝利を得る。】
【それにこの青年が自分の意志でセリーナや義勇を嵌めようとしているとは思えない。何かしらの―――脅迫を受けている可能性もある。】

(そう……彼が此処でアタシ達を導かなければ、組織が彼を始末する様仕組みを考えている可能性も否めない。)
(時限爆弾なのか、それとも何か"暴走"を促す様な生態改造を受けているのか……分からないけれど、それでも。)

……ま。あの暇人半魔なら。きっとどうにかする筈さ、……きっと、ね。
オーケイ、ありがとう青年。それじゃ……ちょいとドライブと洒落込もうか。
155 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/25(日) 22:38:44.48 ID:38DlvEpL0


>>134

【義勇の名は身体をよく表せているだろう。彼はまさに義に身を捧げ、勇ましく生きる現代の侍、その物。】
【セリーナは彼の責任強さに感心する、いや敬服を覚える。これから向かう場所は控えめに言ってもヨハネスブルグより危険だ。】
【逃げることも出来た、押し付けることも。自分にはまだ旅があると、断る事も。だがしない。見捨てない。そう、彼もまた―――セリーナにとっての"守り人"だ。】


……"アイツ"ってのはまあ、その。旧知の仲さ、厄介ごとを頼まれてくれる腕利きの―――、
なんだろ、変態? ま、そんなところ。とにかく腕は信頼できる、アタシが仕事を頼むこともそれなりにあるくらい、ね。

それに……どうやら、アタシにとっては君が英雄みたいだ。頼もしいよ、義勇。
背中を預けられる日がこうも近いとは思わなかったけど、ありがとう。それじゃ、一緒に行こうか!

【二人は準備を整えると地図を持ち、そのままセリーナが駐車場へと義勇を案内するだろう。】
【気づかなかったかもしれないが―――酒場は裏に巨大な駐車場を備えているのだ、それこそ"倉庫"の様な。】
【義勇の前に段々とその本性を現し始めるUTの酒場。倉庫内には強固な改造装甲車や戦闘車両、兵員輸送車や高級スポーツカーまで】
【多種多様な車両が並んでいる。セリーナ愛用の物と思わしきオールドルックな二輪車の横を通り抜け、彼女は義勇を乗せて逃げられる車両へと近づき。】


普段は馬かバイクを使うんだけど―――今回は事態が事態だ。
それに森が舞台だし、……ふふっ。世間にはまだ公表してなかったんだけどね。
義勇君にはお披露目するよ、ウチと提携してる軍事企業のマクスウェル・ファイヤー・アームズ社が、
地の国にある車両メーカー、ハディガン・モーターズと協力して三者で作り上げた高機動戦闘用車両、隠密にも打って付な―――、


【車両に被せられてあった大きなカバーをはぎ取れば―――浮かび上がるのはゴツゴツとした堅牢なシルエット。】
【ハディガン社、そしてマクスウェル社と言えばどちらも地の国アズテリオスに本社を置く世界的企業の二つ。その連合と協力し】
【作り上げたというそれはまさに―――装甲車。いや、それにしては聊かスポーティな印象だ、何方かと言えば"スーパーカーの形をした戦車"か。】


UTの新装備! 紹介するよ、こいつがプロジェクトコード"D"
正式名称を「ディアブロ・チャージャー」、最高速度500km越えの正真正銘、ハイパーカーさ。

【全体をマットブラックで塗られた装甲、堅牢そうだが素早い印象を与えるスラリとしたルックス】
【昔ながらのロングノーズ・ショートデッキスタイルは装甲車の改造品ではなく、むしろスポーツカーをベースに】
【そこへ装甲を付け足していったかのような鋭いイメージを持ち合せていた。例えるならば、磨き上げられた刀剣、最新鋭の重火器類だ。】

 まだ最終調整が済んだばかりで、初走行なんだけど―――テスト・ドライブに付き合ってもらうよ。
さ、地図の住所はマップに登録済みだ。乗って乗って!

【セリーナが声を発すれば、自動でエンジンが起動、強烈なエギゾーストが倉庫内に響く。】
【V10エンジンが唸り、高速走行モードで発進準備完了。音声認識のシステムといい、内部のコクピットといい】
【まさにハイテク装備の数々が義勇の前に飛び込んでくるだろう。そう、矢張りここはただの酒場でもなく、この女もまたただの酔いどれではなかった。】

【問題なく乗り込めば―――セリーナがハンドルを握る。そしてくだんの森へと向け、発進するだろう。】
156 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 22:45:26.04 ID:5LHcdChso
>>153

「なァらば、やァッてみせろ! 俺様を退けてみィやがれ! ヒャアーーハッハッハーッ!」

【――その言葉は"退けられるつもりなんてサラサラ無い"……勿論その意味も含まれていたのだが】
【どうも"退けられるならそれはそれで面白い"……そんな意味も暗に籠められているような気がした】

「……はッ!」

【その強い光は自分自身の視界も奪っていた。気づけば、目の前に迫るターコイズブルーの体液】
【反射的に振るわれる左手、液体の一部はそれによって弾き飛ばされるが……】
【その際、やってしまったのだ、体液を燃やすための条件を満たしてしまった。ぼう、と、左腕に広がる火炎】
【蛇皮が熱に強いのだろう、こちらは何度か腕を振るえば鎮火する】

「アアアーーッ! 眼ェがァァーーッ!」

【問題は、弾き飛ばされなかった液体の方。腕に引火した事によって、こちらにも引火】
【腕で弾いたことが仇となり、何も守るもののない顔に火が広がる】
【それと同時に止む太陽光。右腕を使って火を振り払う悪魔。その間は隙だらけだ】

【主人の危険に反応したのかあるいは火の振り払いに巻き込まれたくなかったのか、蛇が地面に落ちて】
【そのまま、少女に接近しつつ脚を噛もうとするだろう】 【2mの蛇に噛まれた時と同程度の威力であり、それ以上のことは起きない】
【……とは言え、口部から火やら油やらを吐く蛇だ。噛まれたままにしておくのは危険かもしれない】
157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/25(日) 22:53:53.52 ID:HYmkX6Mao
>>156
【黒いマフラーをぎゅうと抑えた、剋夜に沈む白い喉が震える】
【内股気味の両脚をそっと揃えて、華奢な体躯を抱き抱える】
【それは小さな少女の哀れな抵抗、弔鐘に怯懦する幼子さながら】

【色を失った世界で、純白の髪と蜂蜜色の瞳だけが強く意思を持っていた】
【蜜が蕩ける涙の色合いは、朝靄に透かした夜露のようで】
【白い着物の胸元が、呼吸と共に荒く上下する】


っ……そんな、あれだけのダメージを受けて、まだ……!!


【少女の目が驚愕に開かれた、瞳の中にはっきりと怯えの色が映る】
【間違いない、自分が相対してきた中でトップクラスの強者である】
【いつまでも放心していてはいけない──立ち上がろうとした刹那】


あっ……くっ!!この──へびっ……め!!


【襲いかかる蛇、右手のクナイで応戦するも、噛みつきを止めるので精一杯だろう】
【座り込んだ状態でじりじりと蛇が迫ってくる、呼吸が荒くなる】
【恐怖と、嫌悪感と、焦燥と、様々な感情が一杯一杯になって】

【彼女は反撃に移れない、じいっと悪魔を見つめることしか出来ない】
158 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/25(日) 23:07:29.58 ID:u/EkmDpgo
>>155
(旧知の仲の変態……? それはつまり変態では……?)


【彼女が任せる。と言った相手にそこはかとない不安を覚えながらも、彼女が認めている相手なのならば任せられると己を納得させる】
【戸を潜り、彼女の背を追い、すぐさまにこの酒場に備えられた駐車場へと辿り着く。彼は怪訝そうに周囲を見渡しながら、なおも彼女を追った】
【そして、本性を現すUNITED TRIGGERのその最奥。平穏に隠された、平穏を護る為の暴力が鋭利な爪を輝かせていた】


これは……一個師団級の戦力か? いや、設備だけで言えばそれ以上か……?
驚いたな。ここまでの戦力を常備しているとは……思ってもみなかった……


【ずらりと並んだ凄まじい量の戦闘車両、輸送車両、高級車両、車両、車両、車両。それら全てがこの一つの、一介の酒場の所有物であり、戦力】
【その事実を知っただけでも、彼にとっては新しい世界が眼前に広がるかのような衝撃だった】


公表していなかったって……そんな代物までここにあるのか? 底が尽きないな……


【そうして目の前に現れた車両は、最早車両と呼ぶことすらおこがましい程の盛大で、壮麗で、頑強で、優美な、暴力と美が一体となったナニカ】
【そう、それは車両とは呼べない。車両の形をした圧倒的存在感を放つ何かだった】


……はははっ……とんでもないなこれは! 言っちゃ悪いが心が湧き立ってきた!
あぁ、勿論だ。最高速度で突っ込んでやろう。テスト・ドライブで巨大組織の野望を食い止めました。なんて箔が付くこと間違い無しだ!


【彼にも少年心はある。普段は人に失礼の無いように出来る限り礼儀正しく振舞おうと心掛けているが、その実彼は好奇心の塊だ】
【つまり―――――こう言う化物じみたぶっ飛んだ代物は大好きだ。それはもう、目を輝かせて全身の血液が沸騰する程に】

【彼女に促されるままに助手席へと乗り込む。シートの座り心地は良好だ。最高のドライブになることは、間違いないだろう】

159 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 23:15:43.59 ID:5LHcdChso
>>157

【噛みつきを防がれた蛇、再びそれを行う……ことはせず、後方へ逃げていった】
【その理由はすぐに察するだろう】

「あァ、糞ッ……」

【先程の火によって悪魔の眼は確かに焼けたはずだ、それなのにしっかりと少女を捉えている】
【さすがに余裕綽々な態度は鳴りを潜めたらしい、血を滴らせながら、じりじりと近づいてくる】

「そォこまでやァるなら、俺様も少し本気をだァさざるを得ェないなァーッ!」

【全身を覆っていた蛇の鎧が闇となり剥がれ、元の悪魔……いや、見た目そのものは人間なのだが、それに戻る】
【代わりに右手に闇が集まり、そして……成人の身長程長さでルビーのように赤く透けた刀身を持った、ナタのようなモノとなる】
【青白い柄に、蛇をあしらったモチーフの銀色な飾り。先程の鎧をそのまま武器に変換したような姿である】
【更に、蛇も闇となって刀身の刃では無い方に融合。トルコ石のようなそれが刀身の一部を覆う】

「脳天かァら……かァち割ってくゥれるわァーーッ!!」

【そして、火炎を噴き上げるそのナタを両手で持って振り上げ、少女の頭上から真下に振り下ろす!】
【隙はある。近づき方がゆっくりであり、そして両手で持った際に左腕のダメージからか動作が少し遅くなり】
【振り上げた後、振り下ろすまでには多少のタイムラグが存在する。こちらは腹部へのダメージも響いているか】

【噴き上げる火炎は勿論本物の炎であり、刀身自身にも熱を帯びている。そして、刃の鋭さも中々のものだ】
【無策で斬られれば、どうなるかはわからない。】 【……なお、このナタは召喚した生物と同一の性質を持つ】
160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/25(日) 23:20:31.51 ID:QPTYTEDPo
>>155>>158

【二人が出発する際、青年は酒場から見送った。それしか出来ないのだとしても、それぐらいはしたかったからだ】
【さて、バットモービルもどきを爆走させてしまえば、森まで大した時間はかからない】
【そこから研究所までどのぐらいかかるかはセリーナの運転次第、といったところだろう】
【木々をなぎ倒し森と森の生態系を破壊しながら進めば多分、30分もかからない。そのあたりへの配慮というか良心がセリーナに残っていれば、もうちょっとかかるだろう、多分】
【そんなことはさておき、重要なのはこれといった妨害は道中でなかった、ということだ】

【地図に記された場所まで行けば、そこにはそびえ立つ崖があった。そして眼前には洞穴】
【中は夜だということもあって完全な暗闇だ。外から微かに見える部分については自然そのもので、研究所の入り口には全く見えない】
【だが地図は確かにこの場所を示している。であれば、巧妙に隠されていると考えるのが妥当だろう】
【内部に足を踏み入れるには明かりの類が必要かもしれない。隠密活動であることを考えるならば、明かりなしで入るのも手ではあった。……隠密になってるかは、件のハイパーカーのエンジン音次第でもあるが】
161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/25(日) 23:34:12.71 ID:HYmkX6Mao
>>159

【爪弾く言葉の一音一音が、落陽の様に散っていく】
【朧月が夜に消え、雲間に溶けた漆黒を濡らす】
【白陀の少女は、秋波な表情を歪ませながら、思考を回す】

【逃げる蛇を見て思わず息を飲んだ、怒気を漏らす貴方の姿は、まさしく悪魔そのものであった】
【手に持つナタは直撃すれば明らかに致命傷になる】
【動いて──っ声にならない声が響く、彼女の手が印を結んだ】


昏遁術式<解>──写鏡"Xandria"……!!


【直撃を受ける、確かに振り下ろした筈だ】
【だが、貴方の手に残る感触は軽い、そうまるで衣だけを切り裂いたかのように】
【視線を向けてみればその理由が分かるだろう】

【振り下ろしたナタの先、そこにあるのは彼女が先ほどまで着ていた白い着物だ】
【ところどころ焼け焦げた跡があるが形は残っている、そして】
【黒い紋様が所狭しと刻まれていることが分かるだろう】


……っ私の、白は無垢の白……っ、万象全てをそこに写し取る
もっとも、写したら写すだけ、黒く侵食されるんですけど、ね……


【声がする、振り下ろしたナタのすぐ後ろに、網装束姿の彼女が立っているだろう】
【残っているのは白い袂と黒いマフラー、ニーソックスのみ、煽情的と言っている場合ではないが】
【右の手は肩を抑えている、火傷と深い傷跡がある、全てを流しきれなかったようだ】

【所謂変わり身の術である、白い着物に攻撃の一部を受け切らせ、咄嗟に服を脱いで後に飛んだのだろう】


そして──写した黒は、再び意思を持つ
もう一度……焼かれなさい……!!

昏遁術式<解>──終宵"Paradise Lost"!!


【右の袂を振るう、以前吸収した拳の熱が放出される】
【狙いは変わり身に使用した白い着物、熱が触れた瞬間大きく炎上するだろう】
【ナタの一撃の一部を肩代わりするので臨界点に達していた、そこに再び負荷をかけたならば】

【自身が放った一撃と同じ威力の炎がその場で巻き起こるだろう】
【通常の貴方であれば回避は難しくない、所詮破れかぶれの行動だ】
【けれどももし、ダメージの蓄積が多ければ、結果は分からなくなるかもしれない】

162 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/25(日) 23:37:55.40 ID:IsH9+OmC0
>>151

【彼はシミなってしまうことよりもコートの替えがないこと、汚れたまま明日署に向かったら】
【くだらない同僚にくだらない冷やかしを言われるんだろう――そっちのほうに苛立っていた】
【そういえば公安にいた頃はアダ名は「カミソリ」だった。切れ者ではなくキレやすいから―――――】

――――ん、ああ。…すまない。

【お巡りがお高く止まっているわけじゃないが、市民から物を借りるというのは仕事上少し抵抗があった】
【だがまあ親切を無碍にするのもよくないだろうとハンカチを受けとる。愛想なく受け取ったように見えるだろう】
【気難しそうで伏し目がちな彼はササッとハンカチでコートのシミを落とす】
【大して落ちもしながったがその効き目とは裏腹にハンカチはコーヒーまみれだった】

申し訳ない、汚してしまって。洗ってお返ししたいところだが、次いつ合えるかそういう保証も無いし
かと言って、私もお礼をしなくては気がすまない。

【彼はまずハンカチを返し、そして慌ただしくポケットの中を漁る。出したものを花壇の縁に置いていく】
【スマートフォン、使い込まれたメモ帳とペン、何かのレシート、財布、警察手帳…】
【現金を手渡すのは無粋で逆にマナー違反だということはわかっている。だから悩ましい】


//すいません。ちょっと離席していて返信遅くなりました
//まだいらっしゃればよろしくお願いします。
163 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/25(日) 23:54:26.76 ID:5LHcdChso
>>161

「ちィ、外したかァ? ……はッ!」

【最後まで振り下ろされたそのナタ、しかしその軽さは脳天をかち割れなかったことを伝える】
【――いない、先程までそこにいたはずの少女の姿が。衣のみだ、あるのは】
【悪魔は思い出す。先程、似た現象があったことに。声のする方向に向けられる顔】
【反動か、否か。ナタは未だ、振り下ろされた状態のまま。】

「やァはり……魂吸技! くゥッ、防げ、輝蛇、シューダ!」

【放出される熱、そして炎上する着物。それからようやく、悪魔は動き出す】
【ナタが闇となり、何かの形を成そうとしていた。だが、それが形を成すことはなかった】
【今は熱に強い鎧なんて無い、後方に退避することもない、つまり悪魔は炎を纏うのだ】

「――アアアアァァーーッ!!」

【炎上する悪魔、放っておけばその内地面と仲良くするだろう。その後、反撃を行うことはない】
【どうでも良いが、服が全て燃え尽きたので……】

「お、おォのれ……今日は、体調が悪かった…………」

【物理的に燃え尽きた眼が少女を睨む。……さて、この瀕死の悪魔、どうしたものか】
【とは言っても、大体の行動への対応は"魔法陣を生成して逃走"なのだが】
164 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/26(月) 00:00:25.91 ID:YG3ly4Fl0
>>158

【内部に乗り込んだセリーナ、ハイテクには疎い彼女は備え付けの―――恐らくは手書きの、メモ帳を取り出し】
【一つ一つ発進までの手順を手早く確認、そしてステアリングを握る。コクピット内部は狭いがハイテク装備に満ち溢れていた。】
【燃料状態、装甲の強度、トルク配分、エンジン回転数や水温計等の情報が全てフロントガラス内部に立体映像の様に投影されているのだ。】

【しかしそれだけではない。パッと見ただけで分かるほど堅牢な内側、恐らくは戦車の主砲すら一撃なら耐えようという装甲。】
【ハンドブレーキはガングリップタイプで握りやすく成形され、ステアリングもF1かと見紛う程小型。その他にもスイッチ、スイッチ、スイッチの数。】
【見渡せばそれこそまさにSF映画に出てくる様なマシンが其処には存在していた。馬鹿馬鹿しい事この上ないが、義勇はどうやらロマンを解する男の様だった。】


―――ふふっ。それじゃ……ハイテクは苦手なんだけど。
なんとなくわかったし、オーケイ、"ヴィン・ディーゼル"も真っ青なドライブの始まりさ!

【踏み込む。アクセルペダルが足で沈むその瞬間、ノータイムラグで車体が獰猛に動き始めた。】
【まるでそれを予測していたかのように、重さや装甲を感じさせない程鋭い動きで車体が勢いよく加速を開始、そして―――】
【次の瞬間には100kmを優に超えて街道を爆走していた、恐らくは0−100km加速は1秒弱という、ドラッグレースマシンもびっくりの加速力だ。】


う、おおっ―――こいつは、まるで―――!!

【悪魔<ディアブロ>、とそう呼べる。付近の車や信号待ちのバイクを微塵もぶつからずにスレスレですり抜け、】
【完璧な精度で回避していく、これは各所に備えられた超高感度のセンサーとアクティブソナー、衛星画像や座標情報が可能にした】
【五秒後の道路状況を統計的に予測してしまう人工知能によって成される"回避"だった、これなら事件現場にも急行出来る、渋滞にも負けない車だ。】

【街道を潜り抜け、森へと着けばセリーナは一旦そこで車を停止。そして説明書を再び取り出してから読み込み―――】
【一分かそこらで答えを発見した様だ、思い出したようにコクピット内部で声を発する。音声認識システムだ、それもかなり高度な。】


あー、えっと……モード・ステルス! エンジンを電動に切り替え、それからー、あー……
オフロード・トラクション! サスペンションを上げて森林地帯走行可能にして!

【ぴぴっ、という認識音が鳴り、車の車高が急激に上昇、サスペンションがオフロード対応モードに変形したのだ。】
【これで大木や草を乗り越える事が可能になり、更にはタイヤの空気を減圧、オフロード用にスパイクが自動で飛び出す仕掛けまで】
【更にはあれだけ唸りを上げたエンジンがひっそりと静まり返り、完全なる無音状態へ。電気自動車に切り替わったのだ、これで隠密走行が可能だ。】

>>160

【配慮も良心もあったようだ、木々を回避しながらディアブロは静かに進んでいく。】
【そう、そもそもがこれは隠密潜入。確かに内臓兵器で森林を焼き払いながら破壊しつくして進む事も可能だが】
【それをやってしまっては元も子も無い、セリーナは慎重に車を進めていった。タイヤが泥を避け、最適なルートで基地へと進んでいく。】

【エンジン音は鳴り響かず、駆動音の代わりにロード・ノイズだけが付近に響く。つまりは、小枝が踏まれた音、などだ。】
【しかし精々が動物の動いた音程度にしか聞こえない程、この車は静寂の中を進み続けていく。なるほど、確かにステルスであった。】
【そして入り口、洞窟の付近へと近づいていけば―――セリーナはそこで車体を停止。エンジンを切り、無人モードを起動。緊急避難用システムを作動させ。】

>>ALL

オーケー、義勇君。これで何かあってもこの車で逃げられる、最悪の場合を考えて此処に待機させておこう。
それで、アタシ達はここから徒歩だ、そう。ダブルオー・セブンごっこと行こうじゃない、ゴールデン・アイで遊んだ事は?

【セリーナはコクピットを開けて森の中へと踏み出す。既に辺りは暗く、そして不気味な気配が漂っていた。】
【ガンベルトに手をやり、暗視用のゴーグルを車内から取り出し装備、確認。どうやら付近に敵は居ない様だった。】

さ、進もうか。っと、これ。一応義勇君にも渡しておくよ、視界が見えないと困るでしょう?

【セリーナはそう言って暗視ゴーグルを差し出す。これで暗闇でも敵を確認できるだろう。】
165 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 00:01:57.62 ID:din43XhXo
>>163

【決死の一撃は実を結んだようだ、兎に角殺されずにすんだ】
【それは引き分けなどという生温いものではない、首の皮一枚で何とか耐えたというべき所だ】
【唇の端を噛み締める、痛い痛いこの痛みを忘れないように】


──今日のところはっ!私の、負けですっ……!!
でも、次は必ず──っ、必ず捕まえて、みせますっ!
"公安三課"の総力をあげてっ……必ずっ!!

昏遁術式──夜行"Nightfall"


【振り絞る声、服も身体もボロボロにされた自分が惨めで】
【長いマフラーをぎゅっと抱きしめる、少しでも誇りを保てるようにと】
【ごしごしと涙を拭う、最後の印を両手で結ぶと】

【夜に溶ける少女、そしてそのまま黒夜に消えていくだろう】
【悪魔"邪禍"──その名をより一層響きわたらせることとなって】

/こんな所でしょうか!お疲れ様でした!!
166 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/26(月) 00:10:33.96 ID:YlLWARVZo
>>165

「ヒャハッ」

【悪魔の真下に現る魔法陣、盾になりそこねたナタだった闇がそれへと吸い込まれる】

「やァってみィろ」

【続いて、闇と化した悪魔もそれへと吸い込まれ、そして魔法陣も消滅した】

【そして、路地裏に残されたのは焦げ臭さと、衣類の燃えカスと、幾つかの血痕】
【気に留める者なんて殆どいなかった、その内風に流されそれらも消えゆく運命】

【その後、悪魔は公安に少し興味を抱いたとかなんとか】

/お疲れ様でした!
167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/26(月) 00:17:42.70 ID:QsqljmlKo
>>162

「別にいいさ、洗えばいいんだからね」

【にこやかに微笑むと、彼の隣に腰掛けた】
【彼は気難しそうで――何よりハンカチを受け取るのを躊躇っていたように見えたから】
【愛想もなくそれを受け取った辺り、頑固なのだろう】

「――――!」

【怠そうだったその目は、不意に見開かれることになる】
【彼が何か返礼をくれようとして、所持品を漁っていたのだが】
【其の中には警察手帳も含まれており――、つまり公安の情報が得られる可能性もあるのだ】


「返礼は結構、代わりに暇つぶしがてらお話に付き合ってくれないかな」

【息を吹きかけてカフェラテを冷ましながら、少しずつ飲んでいく】
【そうして、わざとらしく新聞を広げて記事の一つを指差した】

「公安で騒ぎが起きてるみたいだけど、どう思う?」

【なんて、正義組織の筆頭である警察内組織である公安を話題に挙げて】
【どう思う、なんて彼に訊いてみるのだが】

//此方もお返し遅くなって申し訳ありません、よろしくお願いします!
168 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/26(月) 00:27:51.66 ID:Be81ANeeo
>>160
>>164
【エンジン起動から加速、操縦は全てセリーナ・ザ・キッドに任せる。正直、彼は彼女の操作を見ていても全てを理解する事は不可能だと感じていた】
【爆発的な勢いで駆動する機関。唸るエンジン音。堅固な要塞かつ流麗な宝石の如き車体が、彼女の操作に任せて千里を駆けんと作動する】
【余りにも荒唐無稽。されど、これは現実に、此処に今存在する現代の赤兎馬だ。完全に不完全。少し間違えれば此方に牙を剥くモンスターマシンを御するは一人の英雄<ヒーロー>】


任せた! 最高速で辿り着いてや、れっ―――――!


【瞬間、全身が後方へと強烈な力で引き寄せられる。否、余りにも強烈な加速に、体の方が着いていけてないのだ】
【搭乗者のことなど微塵も考えるつもりの無い身勝手奔放な暴れ馬。そいつの加速に耐えながら、彼は行く先を真っ直ぐに見つめていた】

【景色が代わる代わる更新されていく。尋常ならざる脚力と蜘蛛の糸すら紙一重で避ける精密さによって、あらゆる車両存在を完璧に回避し悪魔は突き進む】
【その中からの景色を初めて見ることが出来る。身に余る光栄だ。そして、最高級のエンターテインメントだ】

【森に辿り着けばここからは打って変わってしなやかに地を這う毒蛇の如く、静寂の中をひっそりと進んで行く】


静と動の両方を兼ね備えているのか……規格外にも程があるな。こいつは
―――――あそこか……

【目的地へと辿り着く。するりと抜けるように車両から降りると、彼は再び袖のボタンを留め直した】

申し訳ないが、無い。けれど言いたいことはわかる。完全無欠の諜報員(スパイ)になり切るんだろう?

【暗視ゴーグルを受け取り、手早く頭に取り付ける。そして、彼女に伴って彼も入口へと進んで行くだろう】
169 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/26(月) 00:35:06.68 ID:+7T8j+lpo
>>164>>168

【洞穴内部に人工物の痕跡は見当たらず、ただ只管に単純な鍾乳洞が続く】
【数分間も歩いたころだろうか、二人は終点にたどり着いた。そこには岩壁を侵食するように人工的な扉が設置されていた】
【金属製の扉の真横にはカードリーダらしき機械が設置されている。だが二人がそこへと近づけば、扉は自動的に開かれる。まるで中へと招くかのように】

【続く内部構造も単純そのものだった。自然の通路が人工物の通路へと変わっただけで、ただの一本道がしばらく続く】
【途中で道が曲がり、その先には階段があり、降る。先には扉があり、開けばまた通路が続き、階段があり────】
【通路、階段、扉、通路、階段、扉────それらが無数に連なっていた】
【壁にも床にも天井にも、罠の一つも見当たらない。不気味なほどの静けさが漂っていた。人の足音さえ聞こえず、外部の音もまた聞こえない】
【────ただ奥深くへ。何かを閉じ込めているように】

【数十分間。距離としては洞穴から研究所の入り口よりも遥かに長い距離を二人は進んだ】
【無限にも思える通路とその景色にやっと変化が訪れた。最後の階段を降りきり扉を開けば、今までよりも大きな通路に出る】
【通路の先には10メートルを越えるほどの巨大な扉。表面には複雑な幾何学模様を描く魔法陣。この扉だけが、周囲の無機質な作りと違って”異質”だった】
【そしてその前には一人の男が立っていた。紺色のスーツに赤黒いネクタイ。紳士帽子を被ったその男は、この不気味な施設に似合わないような格好だった】
【それでもその表情には、狂気を孕んだ微笑を浮かべていた】

「…………これはこれは、驚きましたね」
「まさかこんな大物を釣り上げてしまうとは」

「初めまして、セリーナ・ザ・”キッド”」
「お噂はかねがね伺っております。有名な方とお会いできて嬉しいですよ」

【場違いな挨拶を男はセリーナへと言う。続けてその視線は少年へと向けられた】

「どうやら無事に彼を連れて行ってくれたようですね、感謝しますよ」
「それにしても、こんな大物を連れてくるとは思いも寄りませんでした」

【やはり少年を見逃したのは誘導だったらしく、わざわざ礼まで述べた】

「さて、では私の依頼人の元へとお連れいたしましょう」
「どうか、覚悟を決めてください。”貴方達”とは別種の怪物がこの先には待っています」
「貴方達は強靭な意志を持つある種の怪物。であればあの方もまた、強靭な意志でもって世界を歪める怪物です」

【忠告めいたことを言って、男はその扉へと手を触れる。扉が自ら開いていき、男がその中へと入っていく】
【────続けて入れ、ということだろう】
170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 00:38:12.73 ID:din43XhXo
【水の国、カフェ・ル・タンブラン】


でっさーリーちゃんてば、ぐちぐちぐちぐち私のこと悪くゆーんだよっ!!おかしくない!?
そりゃ私だって、いきなりね、三課の名前だしちゃったのやりすぎかなーって思ったけどっ!!
目の前で悪いことしてるんだよっ!?そりゃいくでしょふつーっ!!

もーあったまきちゃう(←カフェオレを飲む音)
ねーっ!!聞いてる!!ラピちゃん!!


【時間も時間であり、CLOSEがかけられた店内に、年端も行かない少女の声がこだまする】
【どうやらわざわざ営業時間外に給仕をしてくれている同僚に向かい、ぷーぷーいっている様子】
【ほっぺたを膨らませて起こっている少女がひとつ】

【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの彼女】

【鵺は、相方のラピスに向けてねぇねぇと言っている】
171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/26(月) 00:43:08.48 ID:uc0bcUla0
>>167

【彼はまたこういうときに愛想よくしっかりありがとうございますと言えたほうがいいと赴任してすぐ】
【誰かに厭味ったらしく言われたのを思い出した。街のお巡りさんは拳銃より使うんだから。と】
【しかし、それからだいたい仕事といえば暴れるヤク中の相手とか、売人の検挙とかで使うことはなかったが】
【今日も不器用にぎこちない笑みを浮かべるしかできなかった。】

え、ああ…それぐらいなら構わない。どうせ、帰って寝るだけだった。

【相手の思いがけない言葉に彼は片方だけの目を丸くして、それから伏し目がちに自分の足元を見ながら返事をした】
【この人は自分とは違い社交的らしい。白衣を着ているが――医者だろうか。そういえば学生の頃、何故か数学の教師も着ていた】
【だから一概に医者ともいいきれないな――と考えながら、一度出したポケットをしまう】

公安…?

【彼はどきりとしたがすぐに】

ああ…手帳をみたのか。確かに俺は警官だけど、所轄の平刑事。階級で言えば警部補だけど役職もない。
そういうところには何の情報も入ってこないよ。本店…本庁はそういうとこ。おんなじ建物にいても所轄の公安部は
本庁の指揮系統だから独立してる。そもそも警官の監視も仕事のうちだからそれも当たり前なのかもしれないけど

【癖の付いた髪を掻きながらそう言うた。警察の仕組みは派閥というか露骨に色分けされていて情報の流動性はない】
【噂話でまことしやかに色々騒がれるが公安でなにか汚職かそういう事件はあっただろうかと彼は考える】

私は…ここに来る前はその本店の公安にいたけどね。…ハハッ、ポカやらかしてさ。片目も出世も失っちまった。
昔からそういう場所だよ彼処は。皆、出し抜こうとギスギスしていてさ。出世と金と政治の闇鍋だ。

…なにかニュースになっていたっけ。ここんとこ、忙しくて。

【あの時の仲間は元気だろうか。何か起きているなら…また面倒になってないといいな。せめて生きていてほしいと彼は思う】
172 :セリーナ・ザ・"キッド" ◆/iCzTYjx0Y [sage]:2018/02/26(月) 00:58:16.57 ID:YG3ly4Fl0
>>168>>169

【ハットを被りなおす。咳払い一つせず、物音も立てず。セリーナは鍾乳洞を歩き始める。】
【暗視ゴーグルは動体探知機能を備えているが、今のところは特にそれらしい何かを発見する事は無かった。】
【精々が昆虫類、小動物が時折見える程度で、人の手が入っている様な個所もなく―――そう思っていた所に、"それ"は現れた。】

【明らかな人工物、岩の間をぶち抜く様な形で減り込んだ鉄製の扉。なるほど、"基地"らしくなってきた。】
【セリーナはガン・ベルトへと手を掛ける。親指でグリップの上部を触れ、何時でも神速の"抜き撃ち"で対応できるように。】
【そのまま半身で扉の前に、立てば―――カード・リーダーの存在を確認したその瞬間に鉄はオートで開かれる。まるで、招くかの様に―――】


―――義勇くん? まさか君まで基地の連中とグルで、アタシを後ろから刺したりは―――しないよね?
ふふっ、冗談だよ。けどさ、君の持ってきた案件でこうまで"歓迎"されてるとなると―――……もう、向こうも知ってて招いてる、って感じだね。


【スパイものと言えば裏切りだからね! 軽いジョークを飛ばしながら、開いた扉の中にセリーナは入り込んでいく。】
【静かな場所だ、気配もない。むしろ人為的すぎて無機質に思える程、洞窟内部を此処までおおきく改造するのにどれ程の技術力がいるのか】
【同じく、かつては避難用の鍾乳洞だった地下壕を基地へと改造し、今は拠点としている彼女は自身の本拠地以上に巨大な建造物であるそれに、舌を巻くだろう。】


―――気を付けてね。これだけの基地だ、どこに誰が隠れているか……っ!?


【どれ程歩いただろうか、ゴーグルは既に外され開けた通路に出た時には、目に映るのが巨大な扉。】
【科学的な印象を与えてきたこの基地の内部にあって、魔法陣の存在を見つけ困惑する暇もなく、その前に居る人物に反応。】
【素早く身体を構え臨戦状態に、もはやいつでも抜き撃ちで弾丸を届けられるという姿勢を取り―――狂った笑みを浮かべる彼に、セリーナは応えた】


……釣りあげ、る。それに"大物"、……へぇ。
それじゃ、最初からアタシ達をピンポイントで狙ってた、ってワケじゃないのかな。
アタシが大物かどうかはともかくとして、はじめましてミスター・ノーバディ<名無し>さん。だけど自己紹介は後だ。

両手を上げて頭の上に組み、背を向けて―――、って。聞いてないし……。
こらっ、ちょっと待って……!! 依頼人!? いや、それじゃアンタは一体どういう存在で―――、待って!


【言うだけ言えば、何ということは無く勝手に扉を開け進んでいく男。】
【セリーナもこの気の抜け様には面喰う、だがもうここまで来て引き返すわけにもいかず。】
【罠であることは重々承知、だが幸いなことに最初は自分を狙っていたわけではない様だ。むしろ、誰でも良かった、という事か。】

……義勇君。今ウチで匿ってるあの"彼"は、やっぱり囮だね。
警察か、それとも公安か、はたまた軍隊なのか自警団なのか、SCARLETなのかは分からないけれど
そういう連中を―――ウチも含めて吊り上げる為の"餌"、そういう事かな。気を付けて、いつでも武器を―――抜ける様に。いいね?


オーライ、ミスター。覚悟はもうとっくに腹の中に住み着いてるよ、じゃなきゃ来ないさ。
悪いけど罠だとしたらバレバレだ、正義感があるから突撃してきた、って言うよりは―――、
こうも堂々としてるんじゃ行かないほうがマズイ事になりそうで突っ込んできた、覚悟も何も、ハナからそのつもりだよ。

【セリーナもまた、歩みを進め扉の中へ。無論、愛銃へと手を掛けたまま、だ。】
173 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 01:05:45.31 ID:mrUeyI+m0
>>170

【キッチンで管を巻く怒声を受け止める少女の白い横顔が、微かな苦笑に膨らむ】
【彼女の格好は、いわゆる仕事モードというやつだ。モノトーンの給仕服を纏い、腰下まで届く長い髪をポニーテールに結んでいる】
【伏し目がちな菫色の瞳は眼鏡で守られていて、手元のカモミールティーから立ち上る湯気にも係らず、レンズに曇りは無かった】

【自分用の飲み物を作り終えると、彼女はどこか憚るような――誰に対してもそうだ――所作で鵺の正面に座るだろう】

はい。聞いていました。ハーブティーを作っている間もずっと。
その、なんというか……災難でしたね。お勤めおつかれさまです。

【まずはそうやって、慎ましやかな声音で鵺を労い】

けれどもリー先生の言うことにも理はあると思いますよ。
私たちは元気に陽の下を駆け回る犬ではなく、湿った蛇の道をいく蛇、ですもの。

【次いで、優等生じみた――というには、どうにも後ろ向きな所感を付け加えた】
174 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/26(月) 01:06:14.61 ID:QsqljmlKo
>>171

【彼のぎこちない笑みを見て、警察の辛さをなんとなく推し量る】
【普段笑うなどする仕事ではないだろうから――、そうなのだろうと】

「ふふ、ありがとう」

【彼の片目が開かないのを不思議に思ったものの】
【怪我でもしたのだろうと、其のようにして理解をした】


「あ、手帳見たのバレてたのか」
「いや、公安一課のエースが逮捕されて、国家反逆罪で起訴されたからね」

【手帳を見たのか、という言葉にどきりとはしたが】
【彼の言葉によれば、公安と警察の管轄は異なるのだという】
【となれば、めぼしい情報は手に入らないかもしれない。仕方ないと割り切るが】

「公安にいたんだ、仕事大変じゃない?」
「警察の警察とか、陰謀だとかつかれる話ばかり聞くけど」

【カフェラテの量は徐々に減り、冷たくなっていく】
【彼は元々公安にいたのだという。つまり、古いけれども情報が手に入る可能性は十分にあり】
【少しずつ、僅かながらに掘り進めていこうと】

【さて、白衣を着たこの女。数年前から公安の要注意人物リストに載っている】
【機関の研究員である可能性あり、接触時は注意せよ――、とだけだが】
【特徴は何も変わっていないために合致するはず。それに、左胸の球体に巻き付いた蛇のシンボルは決定打になるだろう】
175 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 01:12:09.04 ID:din43XhXo
>>173

【頬をふくらませて拗ねていた表情が緩む、ラピスが席についてくれて嬉しいのだろう】
【貴女の言葉を頭の中で反芻する、夜に霧が滲むように心の底まで落ち着くような言葉】
【自嘲気味な貴女の言葉は、もう慣れっこで、むしろ儚げな貴女の色合いをより一層強めるだけなのだろう】


そーだけどさぁ、んー……まぁ、でも、ラピちゃんがゆーなら、そーゆーことにしとくけどっ!
でもね!リーちゃんもラピちゃんみたいにね、こうゆってくれればいいのに、バカだとか、アホとかゆーしっ!



【いじいじしてる、チラチララピスを伺ってるのはもっと労ってほしい的な意味合いなのだろうか】
【それにしても、と彼女はラピスを見る度に少し複雑な気持ちになる】
【それは宛ら雨夜に煙る曇天のような、心の中を覆うもやもや】
【滑らかな黒髪は精巧な日本人形のよう、癖毛気味な自分の純白と比べて幾分も羨ましい】

【何よりその豊満な胸である、互いに細身であるが、そこに大きな隔絶した差があった】


……いいもん、忍は身のこなしが一番だしぃ、そんなおっきな胸あったら困るだけだもんっ
ぜーったいラピちゃん潜入任務できないよっ!!壁に挟まってジ・エンドですっ!
ああ哀れ囚われの姫君とかしたラピちゃんを、さっそーと助ける鵺ちゃんのとーじょーですっ!
どうどう!?これ!ありそーじゃない!


【篠突く雨の勢いもかくや、矢継ぎ早に飛び出す言葉の雨嵐】
【蜂蜜色の瞳が菫色の貴方を見つめる、信頼しきったその瞳】
【互いに背負うものがあるからこそ、その重みを知っているからこその関係だから】

【備え付けの大きなファンがゆっくりと揺れる、少し涼しいぐらいの風を回して】
【長い横髪を手袋越しの指先でくるくると弄ぶ、ラピスは知っているだろう、これが彼女のいつもの癖だと】
【──心に何か言いたいことを抱えている時の癖だと】
176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/26(月) 01:27:06.36 ID:uc0bcUla0
>>174

【ブラックのコーヒーが飲むたびに気温よりも冷めていくのを感じる】
【彼は冷たいコーヒーは好きではなかったので一気に飲み干すことにした】
【もたもたといろんな事をしていたせいで思ったより量が入っていたが、せっかちな性格がこういうところに出てしまう】

ああ…あった、あった。あれからすぐにうちにも取り調べがあったよ。本庁からのお達しだそうだ。
交通課にまでしつこく取り調べがあったそうだ、しかも俺は元公安…一日拘束されて大変だった。まあ、逆に
公安の誰かが保証でもかけてくれたんだろう急にお開きになって。ま、それからは俺はいつもどおり。

所内はバタついてるけどね。公安が色々勝手に動いてるんだ。今回は大掛かりでね。所轄にまで色々。
国家安全だかなんだかしらないけど、威張り散らして、あれこれ命令してくる、邪魔くさくて…
どこだっけ?取調中に犯人逃がしてたのは…ハハッ、ざまぁみろだ

【彼の元いた公安9課は彼が移動になった時に存在ごとなくなってしまった。経歴は適当に当たり障りなく書き換え変えられた】
【部署の違うエリート中のエリートである1課は会うこともそうそう無い。噂が幾つか流れていたぐらいだ】

国家反逆罪だか知らないけどね。実際は別の理由かもしれない。政治的なね。どこかのスパイが居たとはいえないからそうしたとか。
仮に本当にクーデターを起こそうとでもしていたなら……公安は内々で処理するのが得意だから

【表沙汰にはならない―――自分で話していて段々とその話の違和感に彼は気がついた。自分の居た時の慣例、体制が変わったのかもしれないが】
【しかし、彼はもうそういうことには関わりたくなかった。政争や陰謀にはもう疲れ果てていた。】

それで…カノッサ機関はどこまで知っている?あんたらが一枚岩じゃないこともわかってる。機関と言うより、君が…何が知りたいのかと訂正しようか。

【彼は腐っても元公安。伏し目がちなまま、そう訪ねた。彼が片目を失い、公安を追われることになったのは機関への潜入捜査だった】
177 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/26(月) 01:27:47.54 ID:Be81ANeeo
>>169>>172
【自然的洞穴を進み。辿り着いた先にあった物。如何にもここに基地があります、と言いたげな鋼鉄製の出入り口】

嫌な冗談だな……だが、こうまで来ると、やはり嵌められていたと考えるのが道理だな……

【苦々しい表情をしながら、太刀の鞘を左手で握りつつ扉を潜る】
【不自然さが漂う。明らかに人工物であると言うのに、人間の気配、それどころか生物の気配一つ感じられない】
【ただ、誰かを招き入れる為だけに作られた様な、それが本来の目的かのような静けさ】
【飛んで火に入る夏の虫、とはこのことだろうか。自分達が夏の虫ならば、火を浴びて尚も羽根を翻し、舞い上がる程の気概を見せてやろう】

【暫くの後、先程までの閉塞感に満ち溢れた通路とは違い、ある程度開けた通路に出る。そして、視界に入るのは記憶にある姿と記憶にない扉】

あぁ、いるだろうな。お前が―――――
そいつはどうも

【男の憎たらしい言葉に目を細めつつ、簡潔に皮肉を返す。ここで相手の口車に乗せられてしまえば思う壺だ】
【しかし、やはりこれは相手方の策略だったのだ。この場に関わった物を連れ込み、そして襲撃する。そんな魂胆だろうか】

何? ちょっと待て! 意志の怪物とは何のことだ! お前の言った、不死の軍勢がそこにいるのか!?

【男は何一つ手出しをしてこない。それどころか、依頼人たる者の場所に案内すると言うではないか。初めから、何者かに謁見させることが目的だったと?】
【しかし、それ程までに青年が流れ着いた先の者を誘き寄せ、引き合わせたい何者かとは一体何だと言うのか】
【怪物。その言葉が、彼の中で幾度も反響していた】

あぁ、十中八九、ここに誰かを連れてくるのが目的だったのだろう。まんまと、俺は嵌められた訳だ
いつでも斬り合う=iや)れる。任せてくれ

【彼もまた、右手を太刀の柄に添え、抜刀の体勢を整えつつ彼女と共に歩を進めていく】
【先に居るのは王か、皇帝か、それとも邪神か。いずれにせよ、真面な存在でないことは確かだろう。人の身で挑むことが、果たして可能か―――――】
【考えても仕方が無い。ここまで来たのならば、後は進むのみだ】
178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 01:41:46.52 ID:mrUeyI+m0
>>175

リー先生はきっと、ご自分の考えが誤解されたり、甘く見られたりするのを避けているのだと思います。
理不尽に怒っていることは殆ど無いはずです。
世間知らずの私からすれば、直すべき所を教えていただけて有り難いくらいで……。

【その特性上荒っぽい人物や奇人変人が集う公安三課において、ラピスの淑やかさは際立って見える】
【だが実際の所、彼女もまた周囲に負けず劣らずクセがある人物だった】
【年頃で言えばそう離れていないはずのリーを「先生」と称し、屑呼ばわりされて救われたような笑みを湛える程度には。】

【鵺の波打つ視線を――そう、目には敏感なタチだ――感じて、菫色をした瞳が軽く収縮する】
【羨むようなマリーゴールドが瞬いて、けれど鵺はこのちっぽけな蛇女の身に何を求めているのだろうとラピスは訝しむ】
【自分が彼女へ何か一つでも与えられるようなものがあるのなら、喜んで差し上げたいと常々想い続けていた】

むっ、胸の話は……ご法度ですよっ。

【尤も、どうやっても与えられないものは世の中にあるわけだけど】

それに私は自分の失態にはしっかりと落とし前をつけますので、心配なさらないでください。
正面切っての荒事しか能の無い身ですから。むしろ、鵺さんが安心して闇の深みを探れるよう私が頑張らないと――ですよね?

【隠密や心理掌握に特化した鵺と、雑魚を散らし強敵と討ち合う重戦車のような戦闘力を誇るラピス】
【身体の相性――もとい、『兵器』としての相補性は高い方だ。自己卑下が大得意な少女にも、客観的に見てそれは分かる】

……鵺さん。改めて、ご注文を伺ってもよろしいでしょうか?

【見に覚えのある所作。信頼できる仲間、そして優しい人が心に秘めていることを共有したくて、ラピスは問いかけた】
179 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 01:53:24.87 ID:din43XhXo
>>178

【鵺はそこまで聡明ではない為、ラピスの卑下に対して敏感に反応できない】
【どうしてこんなに綺麗で知的で優しいのに、悲しそうな顔をしてるんだろうって】
【そう思って少しだけ悲しくなるだけだから】


そんな世間知らずって、私に比べたら、全然だよっ!
覚えてる?最初に会った時、私、紅茶とか、カフェオレとか全然知らなくて
ラピちゃんが入れてくれたカフェオレを飲んで、すっごく感動したの!

今まで飲み物とか食べ物とかって、栄養補給の為のものでしかないって、思ってたから
だからね、ほんとに、びっくりしたし──それにね
こんなに美味しいもの作れる人が、悪い人じゃないって安心できたの!

それがね最初、私とラピちゃんの始まりだったんだから


【紡ぐ言葉の一葉に、表情がころころと変わる】
【綻ぶ横顔は硝子細工のような繊細さを残しながらも】
【どこか飴細工のようなあどけなさを見せていた】


へへーんっ、ラピちゃん紅くなってるーっかわいーっ!
わ、わ、わ……ちょっと違うかなーなんて
相変わらずラピちゃん、変なとこ真剣に考えるよねー

しょーじきラピちゃんが前で戦ってくれてたら、私の仕事なんて殆ど無いしねっ
と、ゆーわけでカフェオレお願いします!ミルクとお砂糖いーっぱいで!


【思わず苦笑して頬をかいた、鵺が軽い分ラピスの真面目さにたまに惑わされる】
【弾む声の響きをあげて、彼女は注文をするだろう】
180 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/26(月) 02:11:09.11 ID:QsqljmlKo
>>176

「警察官全員に捜査が入るんだね」
「やっぱりいろんなしがらみがあるんだなあ。警察さんも大変だ」

【公安が勝手に動いているせいで、所轄の警察官にも影響があるそうだ】
【威張り散らす公安の存在は、警察官にも迷惑になっているらしい】
【ざまあみろ、という言葉が出てくる辺り関係はよろしく無いらしい】


「ほう、面白い考察だね。興味が湧くな」

【彼の考察は、女の興味を惹いた――というのも、一般的な報道と異なる見方で】
【それが面白いというのもあったのだろう。目を輝かせて彼の方を向く】
【そもそも、其の理由が公開されないというのもおかしな話だろうと思ったのだが】


【さて、女の顔に微笑みが浮かんでいたのもここまでだ】
【今でこそ普通の警察官であるが、彼は腐っても元公安であった】

「あはは、流石に気づいてたのか」
「それなら言おう、公安の内乱の理由が知りたい。治安組織は齟齬が起きやすいというのは聞いていたのだけどね」

【公安の内部で、何が起きているのかを知りたいのだと】
【確かに治安組織は分裂を起こしやすいと聞く。だが、此れほどの規模の内乱が起きただろうか】
【それを真面目な目つきをして、彼に伝えたのである】
181 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 02:18:36.38 ID:mrUeyI+m0
>>179

【ずい、とカモミールティーを啜り、思っていたより甘味の溶けが悪いとスプーンで底をかき混ぜる】
【ココロの中に沈殿した思い出を混ぜ返し、ふわりと浮かべるように】

……はい。確かあの時、私も同じ考えを持っていました。
鵺さんが熱烈に褒めて下さらなければ、ずっとあの調子だったかもしれません。
それはそれとして、ニンジャの兵糧丸はこの上なく効率的だと驚嘆しますが……。

【二人が出会ったのはそう昔のことではない。けれどその関係には、時間の重みだけでは測れない質量がある】
【少なくともラピスにとって、鵺は初めての友人と呼べる存在だった。或いは、家族と言っても良いかもしれない】
【今よりずっと怖ず怖ずとしていたラピスの心の壁に取り組み、小さな窓を開けたのが――他ならぬ鵺だった】

【生まれて初めて向けられた、人間としての好意。それを喜ばしく思うほどに、胸は締め付けられる】
【――「お前は人喰いだ」「汚れた化物だ」と囁く本能が、愛おしい人を貪りたくなる衝動が、不意に鎌首をもたげて】
【鵺へと向けていた視線をカップへと落とすと、ラピスは透明な金の水面に映った自分の顔を見つめた】

そう、ですね。あなたが言うとおり――私は悪いヒトではないと、思うようにしています。

【少女たちの間で捻れた言葉の綾はねじれて、容易には真意を伝えない】

……おかわりでございますね。かしこまりました。
鵺さんの望むことでしたら、なんなりとお申し付けくださいませ。

【また脳裏にちらつく、髪に触れる仕草。彼女が言いたかったことは本当にそれだけなのかと気になりつつも】
【生来の控えめな性格――もとい悪癖から、迂遠に促すに留めてしまった】
182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 02:25:13.56 ID:din43XhXo
>>181

【貴方の考え込む憂いの表情を見る度に彼女は、胸が締め付けられるような騒めきを感じる】
【それは雲間に隠された蜜事を見てしまうような、背徳感にも似て】
【端正な横顔が描く儚さに、見蕩れてしまっているかのよう】


えーっぜんぜん思わないよっ!あんなん不味いだけだしっ!
ああいうのも、任務の時しかくれないんだよねーおかげでお腹いっつもすいてたし!

……あぁ、うん、そういうことじゃぁないんだけどなぁ
あ、おかわりありがとう!ラピちゃんがいれてくれたら、いくらでも飲んじゃうなー


【少し言葉に詰まった、あぁもう気づいてるのかなぁなんて言いたげな逡巡】
【三日月を隠す雲間の寸刻、帳が降りて夜を馴染ませる】
【頬に僅かな紅潮が混じったら、とくんと一滴言葉を飲み込んだ】


えっと──……ね、この服、どう……かな
前にね、覚えてる?ラピちゃんの服、とっても可愛いね、って話したよね
その時ね、ここで売ってるよーって言ってた──……よね
だからそこで、買ってみたの……


【さっきまでと違ってとても辿々しい、冬夜に零れた白い吐息が如く】
【言葉は室内を揺らして、僅かばかりの宵風をかき混ぜて】
【後に残る凪だけが、言葉の残照をかき消すのだろう】

【それまでずっと、忍としての生活しか知らなかったから】
【公安三課に来た時も、ほとんど着の身着のままで、お洒落とは程遠い格好であった】
【だから、強い憧れを持っている、綺麗で可愛い貴方に】

【でも本人に聞くのは恥ずかしいなーなんて、耳まで真っ赤にして】
183 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/26(月) 02:44:13.16 ID:uc0bcUla0
>>180

【彼はただでさえ公安からの天下りと煙たがられているのに挙句、公安がやってきたとなっては】
【何の関係がなくてもついでに冷たい目を向けられている。そして公安の人員にも元公安ということで厄介者扱い】
【だからこそこのゴタゴタは大きな何かだと勘付いていたが、目を背けていた。】

復帰しろと言われるんじゃないかとヒヤヒヤしている。なにせ目立つからね。私は。

【元公安、隻眼で、『一芸入試枠』。同じ経歴のやつは少なくとも所内には居ない。いい気分じゃない】
【そしてこの今の閑職で出世も昇給も見込めないのにも疲れ果てている。それが彼の全てだ】

ああ。私も中々のものだろう?そこそこ優秀だったんだ。昔は…。カノッサを担当したこともある。
まあ…今は君を逮捕する権限は無いけど。公安が手を出すなってさ。何かのゲンタイ出ない限りは。

【カノッサ機関員であるというだけで所轄の刑事は捕まえられないという。今此処でコーヒーショップで強盗でもしない限りは】
【男は空になったカップを抱えたまま。目だけ少し動かして彼女を見た。三白眼の鋭い“現役”の目だ。】

ごたついているらしいというのは知っている。何処と何処が、どういう訳かは知らない。再三だが、公安はそんな陰謀や噂が渦巻いてる。
珍しくない話だ。…ただ、今回の動きからみて、公安のお家騒動ってなわけじゃすまないらしい。複雑な何かが大きく関わっているんだろう。
……機関じゃないのか?内部にシンパがいて、一派閥形成しているとなれば合点がいく。となれば能力者を炙り出すだろうなんせ

【嫌いだからな。能力者が。――警察内部は組織という観点から個人が特別に力を持つことは比重の問題から煙たがる】
【一般人は厳しい試験を突破して地道に出世をする。なのに一芸入試は簡単に入って、すぐに出世。そして警察が敵対する多くは能力者】
【そういう個人的な嫉妬や嫌悪感も警察内部の空気には存在する。それは公安より所轄の今のほうが色濃く感じていた】

つまり私は、何も知らない。けれど…知ることは出来るかもしれない。
184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/26(月) 02:58:02.88 ID:QsqljmlKo
>>183

「あっはは、確かに君は目立ちそうだ。隻眼で元公安だからな」

【ひとつ笑い飛ばして、彼の心配を肯定する】
【公安に復帰すれば、また厄介者扱いされるであろうし】
【おまけにヘタすれば存在自体が“消されかねない”。そこまで危惧してもいい筈だ】

「へえ、『機関』の担当だったんだね」
「やだなあ、私は唯の研究者だよ?犯罪なんて起こしっこないさ」

【今日までは3日間地下に潜っていたしね、と付け加えて】
【しかし、彼は『機関』を担当していたと聞いて少しながら驚いている】
【それに彼の目つきは、“現役”のそれだ。何より鷹のような鋭さがある】


「公安の中でも珍しい程の規模なのか」
「知りようがないさ、私は研究だけをする唯の研究員だからね」
「新聞とか、ラジオとかからしか情報を得られない。ナンバーズの人たちも知らないらしい」

【これは間違いなく真実である。証拠に女の目線にはヘラついたものがなくなっていて】
【そして、彼も知っている通り女は研究者である。政治やらに興味を持っている暇があれば、研究をしたい】
【さらにナンバーズでさえことの仔細を知らないのだという。此方としてはお手上げの事案だ】

「知ることは出来る、か」

【深いね、なんて一言を彼へと言って】
【またカフェラテのカップに、口をつけた。もう中身は随分冷たくなってしまって】
185 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/26(月) 03:22:38.19 ID:uc0bcUla0
>>184

薬事法取り扱い違反だとかで引っ張って、勾留、公安に身柄引き渡しといこうか
なに、公務執行妨害でも、駐車禁止でもいくらでも逮捕は出来る

【そういう言い方をすれば警察というのはそうとう身勝手な組織に思えるが多くの制約がある以上】
【成果を出せないと彼の危うい立場が更に危うくなるだけだ。強権振りかざしたところで誰も得しない。】

公安はエリート中のエリート。組織の全体像ははごく一部の上層部しか知らないぐらいだ。独立した捜査権限
非公式な逮捕勾留して殺しても存在ごと消せる…うちの課では流石にそこまでは。だが、カノッサ以上の事もしてるかもな。
なのに噂がここまで届くのだから、制御できないレベルかそれとも訳があって誰かが意図的に流しているか。

【空のカップを置いて、手を組んで男は前かがみに、伏し目がちなまま続ける】

そういう状況ならどこも人手がほしいだろう。何でも出来て、何かあってもいい手駒なら特に。…私のような。
今後接触してくる可能性も否定できない。もっと簡単な方法もある。カノッサの重要な情報を掴んだと報告すればいい。
私が重要なパイプ役とコネクションがあるから戻せ、と。欲の皮の突っ張ったやつはすぐに捕まるだろう。
それには新鮮なネタが必要になる。

【彼が言わんとしていることはわかるだろう。公安に戻り潜入できれば、情報を探れる。しかしそれには手土産がなければならない】
【例えば機関のアジトのひとつ。資金源の何か。―――これは取引だ。彼がスパイとして潜り込めば情報はいくらでも手に入ることになる】

俺は公安に戻りたいわけじゃない。金も地位も要らん。―――これは貸しになる。
186 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/26(月) 03:26:04.18 ID:QsqljmlKo
>>185
// 申し訳ないのですが、眠気が凄まじく……!
// 明日お返ししてもよろしいでしょうか?
187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/26(月) 03:30:32.42 ID:uc0bcUla0
>>186
/了解です。ただ、明日の夜は私来れないと思いますので
/お返しの状況によって一日凍結と言うかたちになるかもしれません。
/その辺りご了承お願いします。ということで今日のところはお疲れ様でした
188 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 03:45:05.04 ID:mrUeyI+m0
>>182

【一旦席を離れて、再びキッチンに立つ。また、じっと見られているようだと感じた】
【この身体の本質は怪物だと言うのに、見せかけの殻がそうも良いだろうか。この点に関しては、ラピスも鵺を信じられない】
【けれど――ひとりの少女であることに集中できる時間は、確かにいっときの慰めにはなっている】

……服、ですか?

【手元ではカフェオレを淹れる作業を続けつつ、ラピスは鵺の言葉に耳を傾け――きょとんとしたふうに答えた】
【思い返せば確かにそういう会話をした記憶はあるが、服を可愛いと言われたかは曖昧だ】
【ラピスにしてみると、この衣装は「肌の露出を避けたい」というオーダーが通って、不満がないので着続けているだけの服にすぎない】

あの、えっと……私のは、マスターが用意してくれたものですので、実はよく知らないんです。
こういうのを普段使いしてる人が多くないと知ったのも、けっこう最近でして。

【思わず若干しどろもどろになる。何の気なしに伝えた言葉を、彼女がこんな真剣に受け止めていたなんて】
【自分に降りかかる悪いことは全部納得できるけれど、この鈍感さで鵺を傷つけてしまうとしたら、それは嫌になる】
【今はただ、これまでの無関心を埋め合わせる言葉が必要だった】

でも、着こなせていると思います。私なんかよりずっと。
白くて穢れのない鵺さんの髪に、率直で優しい心に、よく似合っています。

【そう言って、彼女は出来上がったカフェオレの二杯目を机の上に置いた】
【自己否定が行き過ぎる余り、ラピスはしばしば届かない太陽の輝きを謳うように人のことを語る】
【受け取る側にとっては、むず痒くて仕方がないかもしれない】
189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !美鳥_res]:2018/02/26(月) 05:14:13.31 ID:0lkgoH2to
【――ある時、ある日のこと】


【からんころん】
【趣あるベルの音を転がし、酒場・UNITED TRIGGERの扉が開かれる】

こんにちはー!
いつもお疲れさまですー!

【現れたのは、一人の『婦警』であった】
【そうと分かる制服姿に、丸眼鏡と三つ編みのおさげ】
【底抜けに溌剌とした笑顔を湛えつつ、店員と思しき者の姿を認めれば】

この度近くへ配属になりましたので、ご挨拶にと思いましてっ!
わたし、地域安全課の、曽根上ミチカと申します!
UTの皆さんには何かとお世話になると思います! どうぞよろしくお願いします!

【そねうえ みちか。年若い婦警はそのように名乗って、ぴしりと敬礼を決める】
【それから相手の口が開かれる前に、婦警は続けざまに喋り出して】

いやーそれにしても良い内装ですね。
わたしも入り浸りたくなっちゃうなー。
あ、もちろん非番の日にですよ。いやだなーアハハ――

【なんやかやとあちこちを見回しながら褒めそやすと】
【その反応すら待たずに、またぞろ口を開いて】

ああいけない、また長話を……!
それでは本官はパトロールに戻ります!
最近何かと物騒ですから、家の戸締まりには気をつけて!

ご飯ちゃんと食べてます? 適度な運動は?
税金はしっかり納めて下さいね。カクテーシンコクもお早めに!


『納税』と『幸福』は市民の『義務』です! ではではっ!


【そのように、まるで突風の如く言うだけ言うと、返事も聞かずに酒場を出てしまうのだ】
【外に止めてあった白塗りの警邏用自転車に颯爽とまたがって、上機嫌な鼻歌を歌い出し】
【ちりんちりん。呑気な自転車のベル音を一つ鳴らして、そのまま街中へと消えていく】

【何のことはない、日常風景】
【新任の婦警がただ挨拶に来た。それだけのことだ】
【少し変わった性格ではありそうだったが、こういう手合いもたまにはいるだろう】

【酒場を少しだけ賑わせた波はすぐに消え、再び平時の色へと戻っていく――】
190 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !美鳥_res]:2018/02/26(月) 05:15:30.34 ID:0lkgoH2to
/以後、UTへ出入りするキャラクターは、この『婦警』と軽い面識があることに出来ます。
/もちろん会わなかったことにしてもどちらでも無問題です。
/会ったところで一方的に捲し立てて勝手に去るので、変な奴だなあ、くらいしか残らないでしょうが。
/この後はパトロールで何回か顔だけ出しますが、大体似た内容を言い回し違いで勝手に喋って消えていきます。

/ミラさんジルさんとの線と繋がるかも、というのと、今後の伏線に……。
/軽く読み流して頂ければと思います。失礼いたしました。
191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 14:09:17.65 ID:din43XhXo
>>188
【注ぎ込む夜半の月明かり、燈籠の様に宵闇が照らされる】
【浮かび上がる二人の陰影、互いを信じているのに響く音色に不協が交じる】
【減少する三和音、セブンスの音色がよりいっとう、不安定さを響かせて】

【それでも、彼女は持ち前の爛漫さを見せるだろう】
【白妙の頬に笑みが混じる、純白に彩られながら微笑みを向けて】
【蜂蜜色がとろんと蕩けたなら、ぴょんっと椅子から飛び降りて】


知ってる?こーゆうの、里の言葉で「馬子にも衣装」っていうんだよ!
可愛い可愛い孫には、可愛い可愛い衣装を着せてあげたいねっ!て意味!
ラピちゃんが着てて、可愛いっ!て思ったから、私も揃えたんだよっ

だからね、私にとってこういうファッションは、ラピちゃんに教えてもらったのと、一緒だと思ってるんだ
選んでくれたのは、マスターだったとしても!ラピちゃんへの憧れが、変わることはないのっ

えへへーみてみてっ!ここのフリル気に入ってるんだーっ
長いスカートは動きにくくて、すこしやだけどっ


【貴方が自分を卑下するのなら、彼女はそれを直ぐに持ち上げるのだろう】
【月が雲間に隠れようとするのなら、夜風が直ぐに追い払うように】
【朝焼けが鮮やかに燃えるほど、宵月は強く輝きを増すのだから】

【とてとて、とカフェオレを持ってきた貴方の側に近づき、右の手をぎゅーっと抱きしめようとするだろう】
【成功したなら頬をつけて、子猫のように目を細める】
【右の手でワンピースのスカート部分を持ち上げる、鮮やかな白と黒のグラデーション】


にしてもーっ、あのハゲ親父にこーんなっセンスがあるなんてびっくり!意外とやるわねっ
ねーねーラピちゃんラピちゃん、ラピちゃん三課なら誰がタイプーっ?
まぁろくなメンズいないけどねっ!インテリヤクザに、お人好しにハゲ親父に、暴走族っ!
どーゆーメンツなのかしら、華がないないなーいっ!!

……まぁでも、怒ってない時のヤクザとか、ちゃんとした格好してる時のみやみはまだマシかなー……ハゲは無理だけど


【マスターの名誉の為に弁明しておくとハゲではない、親父でもない、ただ年上の男性=ハゲ親父という方程式の犠牲者なのだ】
【ころころと表情が二転三転する、万華鏡の中身をくるくると回すように】
【千変万化の表情を、口元に指先を当てる仕草で止めるだろう】

【俯きかげんの横顔、貴方から見下ろせる首筋が、白磁の髪に修飾されて艶やかに映る】
【少し力を入れたら砕けそうな、硝子細工の柔肌に】
【近くにいる分、とくんとくんと、心臓の鼓動が聞こえてくる】
192 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 15:03:53.10 ID:efe7oj5FO
【路地裏】

【この世の掃き溜めとも言えるような場末の道端。昼間とはいえ、ならず者がごろついていて】
【その一角、とある酒場の裏手に当たる箇所からは怒号が飛んでいた】
【声は大きく、ともすれば表の通りからでも一部は聞こえるかも知れず】

――なあおい、知ってるか?手足の指ってのはよォ、大概の保険じゃ保障の対象外なんだぜ
過失か故意か分からねえ上に、職業に致命的な影響が出るかっつーと怪しいからだ。

だからてめえの腕か足か、好きな方選ばせてやるよ。
借りた金は返す、お前そう言って楽しくギャンブルに使い込んだんだろ?
もう期限を三回越してんだ、確実な手段で返してもらうぜ、なァ――!

【青竜刀を手に物騒な言葉を吐き捨てる。その声の主は、交領衫という着物に似た漢服を着た無頼漢である】
【髪は栗色、オールバックにまとめてあって、左耳には烏の黒羽をモチーフにしたフェザーピアスを着けており】
【どうやら怪我をしているのか、額にはガーゼ、そして左の首筋に包帯が除いていて】

『……今日のジルさん、荒れてんな。』
         「確かに借りた金を返さねえ奴が悪い、けどなあ……」
『ありゃマジで腕ぶったぎる勢いだぜ、止めてやれよ』

【取り巻きは、いる。しかしながら誰一人として男をとめることもなく】
【倒れ付し、すでに左腕を中程でへし折られた若い"女性"を助けることもない】

【怒号と嗚咽、それとヒソヒソと周囲でささやく声は、酒場の中に居ても聞こえるだろうし】
【興味本意で路地裏を覗けば、運悪く青竜刀を振りかぶる男の目の前に出てしまう。そんな可能性も、また有った】
193 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 15:33:09.30 ID:CNGjCkRKO
>>192

【光の差し込まない路地裏、昼下がりというのに暗夜もかくや、という程に】
【奇妙な緊張感に包まれた静寂を切り裂くように銃声が轟く】
【青龍刀へと放たれる銃弾、勢いは激しく直撃し、常人であればその衝撃に青龍刀を落としてしまうかもしれない】


Нет хорошего──ねぇ、何してる、の
こんな、素敵な、昼下がりに──……
……全く"機関"の恥さらし、だから──


【声が響く、耽美なソプラノ、白陀の世界に震える幼子にも似た】
【舌を絡めた独特の発音、リップノイズが脳を揺さぶるように】
【路地裏の入口、女性を挟んで男と対峙する位置に彼女はいた】

【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒い軍服と短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性】

【右の手に握られるのは長い銃口を持つSVD、所謂スナイパーライフルである】


──いつになったらね、お金へにこだわるの、やめるの?
"教授"も言ってたの、このままね、ジルが、好き勝手するなら
Катюшаが、手を下さなきゃ、って──


【指先から雫が落ちるように、揺れる言の葉が淡々と空気を濡らす】
【貴方の妨害をする、彼女は正義の肩書きからも程遠く】
【"機関"の人間である貴方か、その取り巻きは気づくかもしれない】

【目の前の彼女がここ最近配属されたナンバーズであり】
【"機関"に仇なす存在に手を下す"掃除人"──】
【"No.3"こと、カチューシャである、と】

/途中で一旦離席しますが、それでもよければ!
194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 15:46:26.30 ID:CNGjCkRKO
/すいません!上の直撃し、の部分は
/もし銃声が直撃し、なおかつ常人であれば、と読み替えてください!
/ご迷惑おかけしますっ
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 15:50:49.84 ID:efe7oj5FO
>>193
【よく練り上げられた金属と、光速で飛来する弾丸のぶつかり合う音が一時的に路地裏を支配する】
【そしてその後の静寂は、微かな衣擦れと取り立ての対象である女性の啜り泣きばかりになる】

【――興が削がれた。その男、ジルベールはそう呟くと青竜刀を瞬時にナイフのサイズにまで変化させ、懐に納める】
【取り巻きの男たちは動けなかった。それは、ジルベールという男の怒りに触れないように、ではなく】
【見た目は幼げでありながらも驚異的な獲物を所有する、No.3という存在を理解したからである】

【『連れていけ』という声にようやくすくんでいた足が動いたというように】
【獅子の欠損を免れた女性を、取り巻きの男たちは慌てて酒場の上階へと連れていこうとする】
【邪魔が無ければ――彼女の運命は結局、変わらないということになる、が】

一桁のナンバーズ様が、素敵なお昼下がりにこの肥溜めに何のご用で?
こっちは仕事なんだ。正当に貸した金を、返さねえって奴から返して貰う。

……まっとうな仕事だぜ、プライド持ってやってんだ。
いつになってもこの拘りは消えねえよ、バカかお前?

【――ニィ、と口角が上がる。冗談だ、というような釈明もしないが】
【「頭に血が上った格下のチンピラ」なんていう態度は、それで終わりだった】

で、何の用だよ現ナンバーズ筆頭。
悪いがさっきのは事実だぜ、俺も目的があって金を集めてんだ
あんたがぶっぱなした弾の費用だって、俺が上納した金がほんの一部使われてる。
……どんな汚れ仕事だろうが、世界の歯車の一部だって忘れないで欲しいねえ

【ハイエナのような男だった。特にここ最近、その手の悪名を聞くだろうNo.100】
【数字の上では圧倒的に格上相手でも、引きも怖じ気づきもしない】
【その胆力は特筆に値するが――如何せん、下衆という言葉が似合いすぎていた】

/構いませんよ〜、よろしくです!
196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 16:03:07.98 ID:CNGjCkRKO
>>195
【沫雪が言葉を形作る、空気が揺らめいたなら淡いルージュが吐息を舐り】
【唇に触れる左の指先、柔らかそうな唇に沈むシルクが乱れる】
【鶯嬌に満ちた仕草、愛を嘯く芸妓の如く、頬白に表情を魅せる】

【上半身を折りたたんで、顔を足元の女性に近づける】
【それはまるで耳許に接吻するように、とろんと、マリンブルーの水際が蕩ける】
【高鳴る鼓動とともに大きく胸元が揺れた、ロザリオに音が宿る】


бедных(かわいそう)──痛いの、分かるの、おねーさんが、いっぱい痛い、痛いなの分かるの
でもね、知ってるの、その後に優しくされるとね、きゅぅって、お腹の下がぽかぽかするの
だからね、おにーさんたちもね、優しく、してあげて、ね


【連れていかれる女性を止めはしない、紡ぐ言葉は愛と呼ぶにはあまりにも独善的で】
【蠱惑的な笑が浮かぶ、三日月が道化のように笑うように】
【無表情の誤差に近くとも、それは間違いの無い愉悦】


бедных──品性は、躾では変わってくれないの
ねぇジル、貴方のお仕事は、分かってるつもり、それは"機関"も認めてる
でもね、それと同時に迷惑もしてる、の、貴方みたいな、狂犬野放しにできない、の

ねぇ、知ってる──飼い主さんに、噛み付いちゃった、犬の末路


【機関の数字に序列はない、それでも数字の大小は当人達には大きな問題でもあろう】
【唇が濡れる、プラチナブロンドが頬をくすぐり、嬌声に近い音律を混ぜる】
【カツン、ピンヒールが響いたなら、引き金に触れる指先に力がこもった】

【貴方なら彼女の意図が読めるだろう、行いに反省し、これから行動を慎むのなら何もしない】
【もし今まで通り、下衆を貫くのなら──】
197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 16:13:42.07 ID:mrUeyI+m0
>>191

あのぅ……どこから突っ込んでみたものでしょうか。
まず「馬子にも衣装」という言葉は――ひゃっ。

【カフェオレを零しそうになりながら、すんでの所でテーブルに落ち着けて手を投げ出す】
【肌に触れる柔らかな頬の感触と温度に、思わず甲高い声が弾けた】

……もう。私じゃなかったら、怒られますよ。


【呪われた血が流れ、幾つもの命を砕いてきたこの手を、何故彼女は恐れないのだろう】
【幼い頃から畏怖と欲望の視線に晒され、三課にあってはその乾いた風を好んでいたラピスにとって、鵺はまさに初めての存在で】
【勿論その関係に付随する年頃の女の子みたいな会話も、今までまったく経験がない】

えっ――まだカツラっていう歳でもないと思いますけど。

それはさておき、私にとってはみなさんが大切な人です。
森島さんも百家さんもマスターもビリーさんも。クリシュティナさんもリー先生も――勿論、鵺さんも。
この三課にいる人たちが、私が生きていく意味です。

【さりげなくハゲ扱いに反応しつつ、ラピスは鵺の質問へとやはり微妙に的を外した答えを返す】
【それが忌み者の寄り合い所帯で、決して謳われぬ者たちの戦場であっても、三課は彼女にとって唯一無二の居場所であり】
【自分の存在と価値を認められる共同体そのものを愛しつつも――どこか、個人に対しては一線を引いている】

鵺さんだって……私にばかり目をかけて下さらなくても、良いんですよ。

【或いは、一線を引くべきと思いこんでいるのかもしれない】
【初めて出会ったときのような怖気づいた声音で、ラピスは言った】
198 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 16:23:05.28 ID:efe7oj5FO
>>196
【耳元に感じる声。その甘さに、腕を折られ、絶望の淵に居た女性は息を吹き返す】
【売るんだ瞳を向け、助けを求めるようにマリンブルーの目を見つめ――そしてやはり絶望する】

【『えげつねえな』というジルベールの声を余所に、女性は助けの悲鳴をあげることも出来ずに運ばれていく】
【腕か、足か、命か。なにかをこの後奪われて、自分のしでかしたことにようやく気付くのだろう】
【だがそれも当然という様子で男は立っていた。憐憫の情など欠片もない、そんな様子が伺えて】

フッ、狂犬か。ったく、実際に飼い主の手を噛んだわけじゃねえんだからよォ
「元気があって大変よろしい」の一言ぐらい言えねえもんかね、偉いクソ共ってのは。

……まあいい。お前も落ち着けよ、どっちが狂犬か分かりゃしねえ
幸い、最近は金貸しよりもでかい山を見つけてな。まァ、まだ見積もりの段階だが
うまくすりゃどこぞの国家予算から色々と巻き上げられる。

それじゃあダメか?こいつを仕切れるようになりゃ、国の暗部を傀儡に出来る。
武力で叩き潰す時代じゃねえんだ、よっぽどお利口さんなやり方だろ?

【ナイフは未だしまったまま。けれどその不敵な笑みは、警戒を解いている用には見えなかった】
【目の疲れか、幻か。ジルベールの身をおおうように、うっすらと黒い靄がかかっていた】
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 16:26:04.13 ID:CNGjCkRKO
>>197

【純白の髪が触れる、軽い癖のかかった長い髪、彼女の性格みたいにふわふわしてる】
【思わず漏れた貴方の声、耳に心地よい高音に擽ったそうに笑う】
【ふつーの女の子どうしになれたなら、こんな事を日常の中で零せたのなら】

【それはあまりにも過ぎた願い、叶わぬ徒花にも似て】


ふふーんっ、ラピちゃんになら怒られてもいいかなって思ってるけどねっ!
──っ!!ふぇ、わ、わ、わ──……ラピちゃんってばっ!いきなり何言い出すのっ
そぉゆぅ風にいわれて……私も、私もね、嬉しいけどっ!!

そんな生きてく意味なんて、大げさに言われたら──はふっ


【予想外の貴女の言葉、舞台の上で女優が紡ぐような第一級の唄】
【困惑する、耳まで真っ赤にしながら、貴方の言葉を脳内でリフレインする】
【嬉しいな、なんて思った、素直に、ありがとう、って小さく言って】

【確かに的を外してはいたけども、意外にもそこには隠れた的があって】
【少女の心をゆさゆさ揺さぶる殺し文句、舞台作家も舌を巻く】


あーっ!!またそんなこと言ってーっ!!
何回言えばいいの?私は、私が好きだからラピちゃんのそばに居るの!
三課だってそう、私が好きだからここにいるのっ
ふふーんっ、忍は雇い主のためなら野を越え山を越え、骨のいっぺんまでも付き添うのですーっ!


【ゆっさゆっさとラピスを揺さぶろうとする、物理的に】
200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 16:33:10.33 ID:CNGjCkRKO
>>198
【潤雪の澄んだ香りが漏れる、彼女の髪から零れる耽美な芳香】
【手をとり勾引する遊里にも似た、無辜の表情で】
【貴方を見つめる瞳に媚びた朱が歪んで、吐息を混ぜた】

【彼女は知っている、目の前の相手がただの下卑た悪人ではないと】
【残忍かつ冷徹、容赦の無い戦いぷりは畏怖を持って出迎えられる】
【悪徳を栄えさす彼岸の花にも似た、苛烈な存在である、と】


──ジルが悪いの、もっと、それこそね、もっと弱かったら
"六罪王"もね、警戒しないの、いつか噛み付くんじゃないか、って
知ってるの、私は、過ぎた力が、身を滅ぼすって
だからね、ちゅーこく、するの、今いる足元が水際なのって


【それでも一応同じ組織の仲間だ、貴方を取り巻く環境について説明する】
【気は緩めない、いつでも発砲できる体制である】
【銃口は地面を向いてる、それでも彼女には何の意味もない】


──ねぇ、それ、どいうこと、なの
そんな大きな話、どこで聞きつけたの──……

悪いことは、言わないの、私は、思ってるの、ジルも大切な、仲間だって、だから──

手を引いて、その話は、ジルには大きすぎる、の


【言葉のトーンが一音下がる、沙雪に僅かな熱が籠る】
【彩雪ぐらいであれば溶かしてしまいそうな温度、頬に曇が滲んで】
【貴方の零した野望、そこについて彼女も何か知ってることがあるのか】

【不穏な雰囲気が強まる、大きな呼吸音がひとつ】
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 17:06:15.47 ID:efe7oj5FO
>>200
――く、ハハッ。

【過ぎた力が身を滅ぼす。"六罪王"がその手を噛まれるのではないかと危惧している】
【それを聞いた男は、こう文字に起こすのが似合いの声をあげた――「嘲笑」だ】

おいおい、なんだそりゃ。俺ごときを恐れてんのかよ、とんだ雑魚だな六罪王は!
それで俺を大人しくさせようと仕向けたのがお前か?やり過ぎるなっつー忠告をしに来たと。

――そりゃまた下らねえな。笑えねえよ、お前やっぱバカだろ。

【挑発的、反発的、非従属的。飼い犬としてはすこぶる危険な部類に入る男だった】
【今度は「冗談」ではない。なぜならその顔には、今や笑みは浮かんでいなかったし】
【瞳は冷たく苛烈で、身に纏う靄は既に明らかな"脅威"の域に達する濃さを帯びていたからだ】

あァ?今度は過小評価かよお嬢ちゃん、どっちだお前――バカか、阿呆か?

お前にとっちゃ色々と残念だが、既に手遅れだ。ネタ元は明かせねえ。
俺にとっちゃ信頼できる奴だからな、ありゃバカだが良い奴だ、守らねえとな。
それから公安にはもう砂かけてきたとこだ。俺の顔も連絡先もバッチリ伝えてな
いつラブコールがかかってくるんだか楽しみでな、夜も眠れねえよ。

――で、なんだって?俺のような暴力と卑怯の塊ごとき、路地裏で金をかき集めるのがお似合いで。
どうせそのうちつまらねえミスをして。んで、無様に死ぬとか――そう勝手に妄想でもしてたか?

【その男、狂暴につき。――データベースの隅に誰かが記した特記事項だ】
【彼が纏う靄は、その真実を隠すようで。笑みの消えた顔は、単なる下衆のそれとは明らかに違う】
【纏っている――粗野で目先の欲に眩む愚か者を演じている。そう思わせるような風格すら、この男は感じさせ】

仲間?始末の話してた奴が、同じ首輪つけた猟犬ですよってか。

――面白え、なら手を貸せ。俺には荷が重いって口出しする位だ
"お前ならちょうど良い"んだろ?……なあ、No.3。
なーんか、なあ?――隠すの下手だろ、お前。

【ニヤリと口許が歪んだ。数字の上での格上に対する敬意など存在しない】
【むしろ対等、あるいは交渉相手としてはこちらが優勢だと言わんばかりに問いかける】
【手を貸せ、と。――この男は、こういう交渉が得意だという話だった】
202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/26(月) 17:15:22.99 ID:+7T8j+lpo
【路地裏】

【壁際に立って新聞を読む男の姿があった。風貌は三十代】
【容姿にこれといった特徴は少ないが、背中にある大剣の柄と鞘は美しい装飾が施されている特異なものだった】

…………きな臭い、とは思ったがそれ以降何もないな

【折りたたまれた新聞の表面に視線を落としている。そこには『トウゴ・ニシジマ逮捕』と書かれていた】

まだ内々に処理している最中か、あるいはもう既に何か起こってるのか
……くそ、自分のやったことがどう展開してるのか分からないのはむかつくな

【男の表情には苛立ち。この逮捕劇はこの男が直接的に関与したものだったために、一種の責任感が働いていた】

黒野カンナに聞いてもいいが……仕事の話をおいそれと外部の人間に漏らすようには見えなかったな
それにそんなことやったら二度と食事に誘えなくなりそうだ……
直接警察署だのなんだのに……いや、自警団の俺が行ったらややこしくなるだけか

だぁー、もうどうすりゃいいんだよ!

【ガンッ! と路地裏の壁を蹴飛ばす。それだけで何故か壁が凹む。魔術の無駄遣いである】
【誰か通り掛かれば、そこには「くそっくそっ!」とキレながら壁を殴ってる中年の姿が見られることであろう】
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 17:40:30.64 ID:mrUeyI+m0
>>199

【他の運命など有り得ない。手に余る自由は要らない。ただ、生きることを許されたいだけ】
【ラピス・アン・グイスという『人間』が望むのは、そんな小さくて儚い、利己的な願い】

決して大袈裟なことなんかじゃないんですよ。
私が曲がりなりにも正当なお仕事を引き受けて、生きていられる場所が他にありますか?

【されるがままに揺さぶられながら、落ち着いたトーンで切り返す】
【罪を償おうとすることの是非はともかく、過去の行いが消えることはない】
【だからこそ、後ろ暗い過去の持ち主がそのまま汚れ役をして、それで生きていける三課は彼女にとって救いなのだ】

【それを言えば鵺だって同じ≠ニまでは言わないまでも、血腥い背景を負っているはずなのに】
【彼女がどうしてこんなに明るく居られるのか、何故失くすことの恐れより愛することを優先できるのか、ラピスには分からない】

本当に……物好きな方ですね。後悔しても責任は取れませんよ。
ああ、そろそろ離して頂いてもよろしいでしょうか。
……カフェオレ、冷めてしまいますから。

【只々――とてつもなく強くて、眩しいひとだと嘆息するばかりで】
204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 18:13:36.15 ID:CNGjCkRKO
>>201

【投げつけられる苛烈な言葉、雪白の頬に僅かな歪みが見える】
【無表情の表層は変わらない、それでも雪原の下の景色は見えず】
【口を開く前に一筋、考えるような一音を漏らして】


Кость много(よく吠える)──ねぇ、ジル、分かっているの?
言葉で私を嬲るのも、それもいいの、痛みの後には、悦びがあるから
でもね、女の子を口説くには、少し愛が足りないの
激しいだけでは、濡れないから──

いいの、卓についてあげるの、ジルのお誘いに、手を差し伸べましょう
そんな、万が一のことがなかったらね、ジルが死ぬわけない、の、そんな

Выстрел сзади(後ろから撃たれる)みたいな、万が一のことがなかったら、ね


【右手の狙撃銃が消える、朝焼けに雪が溶けるみたいに地面へと沈んでいく】
【その地面を見たなら、硝子細工の魔法陣が出現しているだろう】
【やがてそれも消える、夜露が朝靄に吸い込まれるみたいに】

【ふわりとコートが吹雪く、一歩大きく近づいて、なぞるように貴方を見上げる】
【可能なら貴方の胸にそっと寄り添おうとするだろう、遊女がふるようにたおやかに】
【媚びるようなマリンブルー、朱い陰影が深みを増した】


言葉が違うの、ジル──お姫様に囁くように、甘く
苛烈に可憐にね、嘯かなきゃ、見本を見せて、あげるの

Благодарю вас(お願いします)──って、言わなきゃ

いいわ、聞いてあげる、ジルのお話
ジルのことは、とっても、とーっても、好きじゃないけど
ジルのお話は、すごくね、興味があるの

私もね、褒めて欲しいから


【纏う黒い靄、それは形容ではなく事実に近い】
【矜恃を踏みにじるような言葉にも、彼女は靡かない】
【それはさながら雪欠片の如く、ひらりひらりと舞う言葉】

【耳元で紡ぐ睦言にも似た、跫音混じりの愛の言葉】
【手をかすかは明かさない、けれども彼女としても、その話は魅力的なのだろう】
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 18:22:47.43 ID:CNGjCkRKO
>>203

【ある意味で世間知らずなのだろう、良くも悪くも普通の人とは大きく違う道を進んできたから】
【安寧を知らない、細い糸の上で生きる生活だからこそ】
【今ある幸せを願う生き方ができるのだろう】


ラピちゃんなら何でもできるとおーもーうーよっ!
こんな美味しいカフェオレいれれるし!かわいーしっ!
私が男だったら、ラピちゃんみたいなお嫁さんがいいなーっ

そーだねっ!カフェオレ、温かいうちに飲む方がおいしいもんねっ!


【ぱっと両手を離してくるりとターン、靡くスカートの柔らかな揺れ】
【貴方に向けてはためくスカートを抑えながら、頬を綻ばせる】
【大切な人と同じ時を過ごせる、その喜びを感じながら】


ねぇ、ラピちゃん──こんな幸せがずっと、ずーっと、続けばいいねっ


【廣原海の願いが夜に零れる、無垢の祈りはあまりにも儚く】
【それでも願わずはいられない程に、尊い時を感じていた】
【静かに夜は更けていくだろう、やがて来る終わりを感じさせないように】


/こんな所でしょうか!お疲れ様でした!
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 18:46:36.49 ID:efe7oj5FO
>>204
【狙撃銃が消える、その挙動を見逃さない。だがそこから先はカチューシャに瞳が向いていた】
【野生の獣のようなむき出しの感情が宿るその視線は、近づく彼女から離れない】
【その言語を理解しているかは分からないが――後ろから撃たれたとしても、問題はない】

【そういいたげな自信に溢れていた。そしてゆるりと近付く彼女を警戒しつつも、その動きを妨げることはない】
【180cmほどもあるジルベールの懐は、どこからでも隙を突けるほどに広く】

――とんだ雌狐も居たもんだな。だが生憎、俺は女に興味はねえ
無論男にもねえが……飾った言葉なんぞ、上っ面だけの連中を騙すときに使うもんだぜ、カチューシャよォ。

【黒い靄は、腕の届く範囲にいるカチューシャをも包む。その感覚は――不快、その一言だろう】
【油分を含んで湿った空気の中に居るような、数十年かけてカビが覆い尽くした館の中を歩くような】
【「呪詛」という存在の中に在る。そういった感覚は間違いなく、正しいもので】

"公安"が動いてる。……たかが一組織がなぜ動くのか、考えられるのは二つだ
一つ、潰すべき相手もまた動いている。んじゃ、公安が動くレベルの「相手」ってのはだれだ?

俺たちじゃあ無い。お前も俺も、大した動きをする上もいないからな。
他に悪党なんているか、これも居ない。少なくとも"外"にはな。

二つ目、公安が勝手に動いている場合。……組織が勝手に、そりゃもう暴走だ。
その場合の相手は誰か。勢力争いなら内輪のどこか、あるいは――ご主人様か?
……全部妄想だがな。機関と公安、それを除いた第三者勢力がいるのは確かだろ

【『というわけで』と、ジルベールは先程前の獰猛さを静かに納めて膝をついた】
【さながら女王にかしづく家来のように。とはいえ、その表情には人を見下した笑みが残っていたが】

――今必要なのは情報だ。"麻季音"とその父親である"博士"、そいつが作った"アンドロイド"。
これ以外の情報――公安所属の人間、その上司。やつらの目的、敵、味方。
そして第三者の勢力はどこのどいつなのか。……敵の敵は味方だ、手駒としちゃ最上のな

【要するに求めるところは二つ。カチューシャが既に知っている情報を話すこと】
【そして今後も情報資料を集め、両者の間で共有し、パズルのピースを一つ一つはめていくこと】
【単純な協力関係だ。そして、その果てにジルベールが求めるのはただ『金』という単純なもの】
【故に他意が無い。そうゆるりと語り尽くしたところで、彼女の手を自由に動かせる右手で取って、片膝をついたまま返事を待った】
207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 19:42:14.47 ID:mrUeyI+m0
>>205

【頷きつつ、少し温くなったカモミールティーを口にする。甘味は希薄だが、それがラピスの性には合った】
【甘すぎるものは癖になるのが怖い。――眼の前の彼女も同じだ】

……私も、人間だったのなら。鵺さんのような人と同じお墓に入りたいと思うかもしれません。

とは言えこの身は毒持つ蛇、せめてケージに入れて珍重していただければ本望です。
みなさんを傷つける者には牙を剥いて、ぐさりと噛み付いてみせましょう。

【人間として罪を犯した者たちと、生まれ乍らの怪物の間に、明白なバリケードを築いて】
【けれども彼女はそれでいい≠ニ肯定するように、柔らかな微笑を浮かべた】
【大好きな誰も、傷つけたくないから。そして巣穴の友を守るためなら、誰でも傷つける覚悟があるから】

ふふ、休息もお仕事の一貫です。必要な時に最高のパフォーマンスを出せるように、今はごゆるりと。
けれど――また軽率に名乗ったりしたらダメですからね? これは鵺さんだけでなく三課の皆さんを想って……、……

【優しい凪の夜は過ぎていく。ただ、遠からず訪れる荒波を迎えるために】
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/26(月) 19:49:38.53 ID:LN5jW+2Fo
【夕刻、表通り】
【仕事終わりの会社員、タイムセールに向かう主婦、友人と歓談する学生……様々な人が歩いていた】

「クソッ!何でまだ追っかけてくるんだよアイツ!意味わかんねえ!」

【突然、モーゼの十戒よろしく人波が割れた。その中をパーカーにジャージ姿の男が走る】
【手には血のついたナイフ。時折後ろを振り返っては、困惑と焦りの表情を浮かべて。走る。走る。走る。】

――てめっ……ハッ、いい加減、ハッ……止まりやがれ……っ!

【さあ、彼の後ろを走ってくるのはトレンチコートの男。オールバックにした黒髪と、固く閉じた左目が特徴的で】
【抑えた腹部、ダークグレーのスーツに赤黒く滲んだ血。恐らく、前の男に刺されたのだろう】
【息を切らせ、痛みに表情を歪めながらも、走る。走る。走る。】

【―――前方の信号が赤に変わる。トラックが横切ろうとしているのを見て、ナイフ男が角を曲がろうとした。】
【当然、フルスピードのまま―――曲がる先に誰かいるかも、なんて気にしてはいない】
209 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/26(月) 20:17:45.33 ID:+7T8j+lpo
>>208

────うおっ!?

【曲がり角の先ではちょうど三十代ぐらいの別の男が差し掛かるところで、ナイフ男と正面衝突をする】
【普通ならフルスピードで走る人間とぶつかれば倒れそうなものだが、この男は倒れず多少よろけるだけだった】
【外見からかなり鍛えていることがわかる。倒れなかったのはそのせいだろう】

……おい、前を見て歩け

【文句を言うために近づく男だったが、ぶつかった相手がナイフを持っていることに気がつくと表情が変わる】

なんだ、事件を起こした帰りか?
俺は自警団だ。悪いが話を聞かせてもらおうか

【背負った大剣の柄に右手を添える。いつでも抜けるようにして相手の出方を待つ】
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/26(月) 20:34:11.69 ID:LN5jW+2Fo
>>209

「んなっ――――」

【正面衝突―――とはいえ、ナイフ男はそこに誰かいるなんて思っていなかったし、相手はそんなゴツい男だ。】
【全力で走っていた自分の勢いをそのまま返されるような形になって、盛大にすっ転んだ】

【追ってくる方の男は、ぶつかった彼がナイフ男に近付くのを見て、危ない、と言おうとした。が、只者では無さそうな彼の出で立ちを見て、言葉を変えた】

おいっ…………あんた!そいつ、捕まえてくれっ……!

「じ、自警団っ……クソっ、どきやがれえぇぇぇぇぇ!」

【―――突然の捕物劇に、ざわつく街中。男の声が彼のところまで届いたかはわからない】
【だが、どちらにせよ立ち上がったナイフ男は『自警団』という言葉を聞けば、血相を変えて突っ込んでくる】
【しっかりと握りこんだナイフを突き立てようとする動き。とはいえ動作は単純、対処するのは極めて簡単なことだろうが。】
211 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/26(月) 20:42:06.89 ID:+7T8j+lpo
>>210

【動作の単純さから相手は素人だと判断。素手で対処することにした】
【右手を柄から離し、左手でナイフをいなす。すれ違うように移動しながら右手で拳を作って顔面へと打ち込む】
【加減はしているが、相当な痛みを受けるような一撃だ】

全く、街中で事件を起こさないでもらいたいもんだ。余計な仕事が増える
で、お前、怪我してるな。治療できる場所に連れていこうか

【ナイフ男へ対処をしながら後ろから追いついてきた被害者の方にも声をかけておく】
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/26(月) 21:04:56.53 ID:QTouyQBD0
【データベース―破損。バックアップ―破損。任務目的―解読不可。救難信号―破損】
【自我認識―復旧中。記憶回路―破損。Ωsystem―正常。Ωbody―一部破損】
【再起動―エラー。再構築―エラー。自壊プログラム―エラー】
【信号:レッド。警戒度―零。自己修復プログラム起動――――……】

【此処は曾て戦場、と呼ばれていた場所だった。何の為に行われたのか、何故起きたのかは最早誰も分からない。迎えた結末すらも】
【時が経ち、其処は観光名所となった。中でも人々の目を惹いたのは無骨で巨大な機械。其れは現代で言えば人型戦闘ロボットと称されるだろう】
【そう、現代で言えば……だ。しかし過去。それもずっと昔にそれが存在して居るのは時代錯誤も甚だしい】
【オーパーツと言うにはあまりにも謎めいて居たが、やがてはその事も人々の興味の対象から薄れ存在を忘れ去られる】
【更に時は進み、現代。苔むして時間が停止していたその空間をゆっくりと動かし始める存在が居た】

「(――……何故、私は此処に居るのだろう。私は、何だ)」
「(此処は何処だ。私は――……何なのだ)」

【大人の女性、と呼ぶにはまだ幼さも残る女。色素が抜けた様な白髪に、同じ白い肌。裸体であるからこそ、月の光はより一層その白さを強調する】
【よく見れば古の機械の腹部に当たる部位にはぽっかりと大きな穴が出来ており、其処からはナニカの粘液らしき物】
【女の身体も濡れている事から、恐らくは人間の出産にも似た状況か。たった今、機械の中からこの女が生まれ出た。そんな所なのだろう】
【身体の全てが白である中、唯一紅い瞳が辺りを見回す。初めて踏む大地の感覚。身体を撫でる風。誰しも疑問に思わない感覚が、この女にとっての疑問】
【もし偶然にも誰かがこの場を訪れたとすれば、それもまたこの女にとって興味の対象で】
213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/26(月) 21:10:04.80 ID:CNGjCkRKO
>>206

【靄に包み込まれる、刹那、彼女の無表情が僅かに揺れた】
【嫌悪感、耳許を舐る背徳のような罪悪感、唇の端を噛んで、吹き出す声をこらえた】
【少なくとも表面上は崩さず、大きな瞳が貴方を見つめた】


ふふっ、飾るつもりは、なーいの、こうするとね、殿方は悦ぶのでしょう?
痛いのも苦しいのも、カチューシャには、して欲しくないから
だからね、ジルにもお裾分け、私の言葉、なんなりと


【紡ぐ言葉の一音に微かな媚を含んだのなら】
【淫靡な音律の最中に、貴方の言の葉を咀嚼する】
【舌先で転がす甘い蜜の味、成程どうして──頭が切れるなんて、思う】


びっくり、ジルって意外と、考えてるのね、感心しちゃったの
うん、そこまで分かるの、静かだった"公安"が、ぞわぞわと動いてるの
だったらね、そこに誰かが──悪い鼠さんが、ちゅーちゅーとしてるの、ね


【取られる右手傅く貴方を見下ろしたなら、僅かな驚きの色が見て取れる】
【芝居がかった仕種、彼女の曲輪にも似た言葉への意趣返しか】
【朱が歪む、愉悦と喜悦にぐちゃぐちゃに踏み躙られる無垢雪が如く】


わぁ──……いいね、ジル、すごく、очень(すごく)、いいの
ねぇ、そこまで、できるのね、自分よりもね、か弱い女の子にね、跪いて
好き、カチューシャね、そういうの、だーいすきっ

知ってるの、麻季音のこと、知ってるわ、彼女のこと
とーっても可愛い女の子、すごく、かしこい女の子
でもね、あの子について知ってるのはそれだけ、そうね、あとは

あの子がどこに、いるかだけ──


【雪白に色が滲む、あざやかな鮮やかなルージュにもにて】
【取られた指で貴方の手をなぞる、愛撫するように指先で辿る】
【謳うように紡ぐ言葉、マザーグースが如く、不可思議な音律】

【目的の為に手段を選ばない、そんなやり方は彼女の拒むところではなく】
【返す言葉は貴方の発言からでた知人の名前】
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/26(月) 21:22:53.11 ID:LN5jW+2Fo
>>211

【全く、何の滞りもなく、彼の動作は完遂されることとなる。ナイフ男は顔に拳を叩き込まれ、力無く崩れ落ちた】
【カラン、とナイフが落ちる音。程無くして、もう一人の男が追い付いて来る。手には、銀色に光る物があった】

ハッ……ハァ……協力、感謝する……。
よし、傷害および公務執行妨害の現行犯で逮捕だ……。……はァ。

―――公機捜8-Aから本部。売人と見られる男を確保した。ちょいと負傷したもんでな、誰か車回すように伝えてくれ。

【そうして、(元)ナイフ男の手首に素敵なブレスレットが嵌められる―――どうやら男は警察関係者のようだ】
【左耳には片耳タイプのヘッドセット。それを使ってどこかに連絡をした後、彼の方へと振り向いた】

いやぁ、迷惑かけてすまねえな。大した傷じゃないと思うが―――まあ、手当しとくに越したこたぁねえか。
ところで、仕事が増えるってのは、ご同輩で?それとも自警団の方か?

【―――腹部を刺された割には、よく喋る。男の言う通り、大した傷ではないのだろう】
【地面に倒れたままの(元)ナイフ男の上、抑え込むように腰掛けて、男は彼へと問い掛けた】
215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/26(月) 21:36:16.98 ID:+7T8j+lpo
>>214

【殴り飛ばした後の対処は追いついてきた警察の男に任せられることになった】
【腹を刺されてまで公務を行う姿勢にはちょっとした尊敬の念さえ覚える】

にしても……売人、か。皮肉なもんだ

【声をかけられて男は軽く頭を振った】

ん、あぁいや、いい
俺は自警団のディミーア・エルドワルだ
といっても、ちょっと”変わった”部隊にいるから聞いたことはないだろうが……

【迷惑かと聞かれて再び首を振ったディミーア。自警団の特殊な部隊に所属していると説明する】
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 21:45:05.31 ID:M7n8YE9iO
>>213
【『それはどうも』と、ジルベールは一転した態度で返事をした】
【さながら小さなお姫様にも紳士的に対応する大人の男性。例えそれが虚飾でも――】

【少なからず、その出来は良い。そしてそのタイミングで、件の黒い靄をさらりと納める】
【そうなれば先程の不快感はとたんに消えて、路地裏ですらその空気が上等に感じられるはずだった】
【――そういう靄の中心にいたジルベールは、常に変わらぬ態度だったが】

ほお……知っている、ね。マドモアゼル、よければそれを教えてもらえるか?

【知っている。初瀬麻季音の居所を知っている――それは今、最重要に類する情報だった】
【「すごくかしこい女の子」というのも、公安に終われるほどのものを作る博士の娘と思えば道理】
【思いがけない返事だった、ということだろう。ジルベールの表情は、僅かに歪んでいて】

初瀬麻季音は、恐らく公安に追われている。
俺の信頼できる協力者が、そいつを探していただけで目をつけられたからな。
そして、往々にして追われる側にはその心当たりがある。――肝は、そこなんだ。

【『カチューシャ』――言葉の最後を相手の名前で締め括る姿は、どこか様になっていた】
【金勘定ばかりではない。確かに武人めいた逞しさも感じさせる手をなぞる、彼女の指】
【そこに、怪我を負っているのだろう左手を重ねた。それだけの覚悟と、必要な情報であることを感じさせる行為だった】
217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/26(月) 21:55:04.18 ID:LN5jW+2Fo
>>215

【彼――ディミーアから名乗りを受けたことで、男は思い出したようにスーツの内側から手帳を取り出して見せた】
【―――公安機動捜査隊・第八方面部隊。記された所属は、そういったもの】

俺は秋平 新正。察しはついてると思うが、警察の人間だ。
―――ん、もう来たのか。仕事が早くて結構。

【一台の車が、彼らの近くに停車する。ザワついていた群衆も、ややもすればそれぞれの目的を再開して】
【確保した男を引き渡せば、コートの裾を払いながら、秋平は立ち上がった】

で?その『変わった』部隊とやらはいったい何なんだ?
ああいや、話せないような内容なら別にいいんだが。

【自警団のことに特段明るいわけでもない。更に特殊な部隊というのならば、その内情は予想もしようがないが】
【ちょっとした興味。袖振り合うも他生の縁というならば、と尋ねてみることにして】
218 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 21:57:11.84 ID:din43XhXo
>>216
【宵闇が二人を包む、夜が拐かす月明かりの調べ】
【月詠に烟る彼女の髪が、ふわりと靡く色合いを強めたら】
【沫雪にも似た輝きが一つ二つ、燈籠の如く煌めく】

【黒手袋に包まれた手で頬を抑える、軽く首を傾けて視線を蕩かす】
【大きな瞬きをゆっくり数回、長い睫毛が秋波を擽る】
【無表情の雪化粧が僅かに、その奥の揺らぎを透かして映す】


ねぇ、ジル、どっちが貴方なのか、私、分からなくなっちゃうの
此方が虚飾、それとも彼処が虚構──どうなのかしら
でもね、今の貴方──……悪くない、の


【紳士的に対応する貴方、落ち着いて喋る姿は好青年そのもの】
【偉丈夫然とした姿と、丁寧な物腰、ナンバーズとはこれ程までに変わるのか】
【焦らす、言葉をころころと指先でたおやかに揺らしながら】


ふふ──……いいのかしら、それを知っちゃっても
存外ね、思うの、知らない方が、いいんだって
探してたらね、狙われないの、分からなかったら、無理しなくて済むから
でもね、知っちゃったら、致しちゃうでしょ、ううん、きっとする

──"UNITED TRIGGER"の酒場に、いたの
可愛い、可愛い、麻季音、麻ー季ー音っ!
かぁいい名前でしょう?口に出して、ころころとしちゃいたくなるの
219 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/26(月) 22:03:07.58 ID:+7T8j+lpo
>>217

いわゆる精鋭が集まった特殊部隊ってやつだ
俺はこう見えてその隊長なんだが……待てよ
お前、警察の人間か……ふむ

【何かを思いついたようにディミーアは考え込む】
【それから新聞の切り端を取り出して秋平に見せる。そこには『トウゴ・ニシジマ逮捕』と書かれていた】
【元公安の人間が国家内乱罪で逮捕された、という内容が続いている】

警察と公安は別種のようなところもあるんだろうが
お前、これについて──つまり内乱とやらの詳細や公安について、何か知らないか?

【自警団がある国家に起こった事件を気にする、というのはある意味では不自然なのかもしれないが】
【ともかくディミーアはこの事件を追いかけているようだった】
220 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 22:14:03.08 ID:M7n8YE9iO
>>218
それはもちろん、どっちも"俺"さ。
どっちも作り物で、どっちも偽物で、どっちも空っぽだ。
――だが悪くない。そうだろカチューシャ?

【これだけ切り替えが効くというのも、この男が生き延びてきた理由だった】
【粗暴で下卑たジルベール・デュボン。一転して切れ者の策士、ジルベール】
【はたまた英雄伝にでも姿を見せそうな好青年めいた姿も――やはり、この男で違いない】

【"浸れる"というのも、そうしていくつもの貌を持つための一助となっているのだろう】
【――が、麻季音がいるという場所を聞いて、その顔色は恐ろしいほどに入れ替わる】

……"UNITED TRIGGER"だと?あの鼻持ちならない連中の巣窟に、初瀬麻季音が居る、だと……?

【ひとときは、取った手にキスでもしそうな穏やかな雰囲気であったのが、一変した】
【刺々しく、荒々しく、そして排他的。"敵意"という言葉をこれほど表せる状態もないだろう】
【よほど因縁があるのか、或いは単に、極度に嫌いなのか。暫し押し黙って、せめてもの紳士的な対応として静かに手を離すと】

【ゆらりと立ち上がり、心を落ち着けるように一度深く息を吸う】
【生まれ育った馴染みの地の空気は、不味い。だがそれを肺まで吸い込んで、ゆるりと吐き出し】

――よし。分かった、ならそこには俺じゃあない誰かを送り込むとしよう
俺は……向いてねえからな。あそこは、警察署よりも居心地が悪いだろうよ

だがこれで一つ大勢が見えた。麻季音は頭が良いんだな?それなら追われていることにも気付いてるはずだ
だから機関でも警察でもない、個人が運営する組織に入り込んだと見て間違いない

そして――セリーナ・ザ・"キッド"。俺の知る限り、困った人間は放っておけないタイプ。
……となりゃあ、敵の敵は案外――"UNITED TRIGGER"かも知れねえな。

【敵の敵は味方、と先程ジルベールは口にした。そして今の口ぶりで言えば】
【機関とUTは、公安に対する一連の構想における協力関係になりうる、と】
【そう口にしてまた黙った。無邪気にも見える目の前の死神の立ち位置が、まだ掴みきれていないからだった】
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 22:26:00.04 ID:din43XhXo
>>220

【白妙に滲む白磁の悦び、白陀の頬を揺らして白雪を思う】
【純潔を穢す、朱色の陰鬱、暗澹とした快楽が別の姿を見せて】
【千変万化の表情は、彼女の興味を引くのに十分すぎた】


ええ、悪くないの、калейдоскоп(万華鏡)みたいで、素敵なの
でもね、私はね、欲張りだから、悪い猫さんなの
ジルの、ほんとの姿も、衣を剥いだ、素敵な殿方も、見てみたいの


【離された手、変わる表情、雪崩のようだと思った、溢れる情報量に酔ってしまいそう】
【すっと両腕で自分を抱き抱える、激しい貴方の姿に強く服をはんで】
【言葉を返す前に一滴、喉を潤わせた】


ねぇ、分からないの、私にはね、あそこは凄く心地よい場所に、思えたの
敵愾心のない、ね、こんなとこより、ずっとずぅと澄んだ場所
でも、ジルには違うのね、それはとっても不思議──

──……ねぇ、ジル、セリーナって、どうゆう意味?
知らないの、その言葉、глагол(動詞)かしら
でもね、なんだか知ってるような、そんな響きなの──


【彼女の興味はその中身より表層にあった、不思議そうに眉をひそめて】
【一歩近づいたなら、手のひらを重ねる形で貴方の手を取ろうとする】
【華奢な指先、力を入れたなら砕けそうなほど】
222 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/26(月) 22:26:05.09 ID:LN5jW+2Fo
>>219

んー…………西島……ああ、クーデターがどうとか、そんな話があったな……。

【ディミーアの取り出した新聞記事を、銀色の瞳が追い掛ける。事件の事は、当然耳に入っていた】
【一通り記事を読みきってはみたものの、どうにも自分が知っている情報も、記事の内容とは大差ないようで】

いやぁ……この西島ってやつと面識があったわけでもないもんでなぁ……。
それに、俺も公機捜の人間ではあるが、どうにも上層部とか数字付き≠フ連中とは合わなくてな。
正直なところ、うちの部隊自体が上に厄介者≠チて判断されたやつらを集めたような部隊だしな。

悪いな、恐らくお前さんの知ってる以上の情報は無いと思うぜ。

【厄介者の集まり―――自らの所属する部隊をそう評した男は、公安という機関にありながら権謀術数を不得手とする】
【現場主義を掲げ、実績を上げながらも昇進を望まず。極めて扱いにくい。そういう人間であった】

ただ、まあ……最近、他方面部隊の連中が隠そうとしてる事件があるみたいだ。
隠蔽工作なんかは向こうの得意分野だし、俺も詳細は掴めてないが……まあ、長年の勘ってやつだな。
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/26(月) 22:30:58.82 ID:+7T8j+lpo
>>222

うーん、やはりそうか……

【記事をしまうディミーアはいかにも残念そうな表情だった】

事件、事件か……
どうにもこの公安絡みの話はかなり厄介そうだ。関わることはないんだろうが、お前も気をつけた方がいい
じゃあ俺はそろそろ行く。次は腹を刺されんようにな

【忠告めいたことを言い残してディミーアは去って行く】

//すいません、時間も遅くなってきたので短いですがこのへんで
//お疲れ様でした
224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 22:46:07.83 ID:M7n8YE9iO
>>221
本当の姿、か。……そいつはダメだな、俺も知らねえ。
どれが本当の自分か分からなくなるんだよ、こう濁っちまうとな。

【そういって、なんだか久方ぶりにも思える笑みを見せた】
【ただ、嘲笑では無い。言うなれば自嘲めいたものであり】
【自分を抱くような彼女を見ると、『悪いな』と気紛れに、その頭を撫でようとして】

【――無論、僅かにでも拒否の反応があればその手は引っ込めるのだが】

……俺は正義が嫌いなんだよ。あの空気は……なんつーか、ダメだ。
生まれた場所が違いすぎる。育った環境も、考え方も全部違う。
俺から見りゃゆないてっど\も公安も、宇宙人の集まりだ――あァ?

『セリーナ・ザ・"キッド"』は……そりゃあお前、UTの親玉だろうが。
いうなりゃ、俺たちがいつか殺さなきゃいけねえ相手だ――、――ほらよ

【ふと取り出すのはスマートフォン。着物に似た今の出で立ちだと、少し似合わないが】
【相手は有名人だ。検索すればすぐにその姿が出てきて、彼女に画面を見せてやる】

【一言でいえばカウガール。時代錯誤にも思えるその格好は、しかし伊達ではないという】
【『俺も実際に話したことはねえが』――熱い鉄のような心を持っていて、困った人は見捨てておけない】
【そして戦いにめっぽう強い。負けた、という話も聞くが、少なくとも今も生きた"正義の旗頭"だった】
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 22:54:26.16 ID:din43XhXo
>>224

【柔らかく頭を撫でられる、絹糸の様に柔らかな撫で心地】
【それはさながら雪のようでもあった、少し力を入れたなら溶けてしまいそうなぐらいに】
【儚いという言葉では足りない、芥雪の様、澄んだ冬の夜にも似た】


ねぇ、ジル──ほんとはね、ほんとの貴方は──ううん、ここで言うことじゃ、ないの
分からないの、でも、分からなくて、いいの
だから、もう少しね、もう少しだけ、撫でていて


【心地よさそうに目を閉じる、白百合の様な頬に瞼が溶ける】
【ことん、と貴方の胸に頭を預けるように、髪の香りが感じられる距離】
【成功したならつーっと着物の首筋、そこから見える素肌に指を這わせようとのばす】

【そしてその状態で、スマートフォンをみた】

【舌先が言葉の端を舐る、独特のイントネーションで愛を滲ませる】
【結実の様に赤い舌先が見える、乾いた自身の口元を這わせる】
【恋人が胸元をなぞるように、愛おしくゆっくりと】


知らなぁい、けどぅ、むずむずするの、ねぇ、ジル、分かる?
背徳なの、知ってはいけないことみたいに、悪徳なの、やってはいけないことみたいに
でもね、くしゃくしゃにしたくなるの、愛しい人を、強くつよーく、抱きしめるみたいに
セリーナ、セリーナ!セリーナ!まだ知らない人に、こぉんなに、なんで、心揺れるの


【鶯嬌混じりの言葉、指先が自身の唇に触れる、形の良い輪郭をなぞるように】
【薄く塗ったルージュが剥離する、蜜混じりの月夜に照らされ】
【貴方の唇に向けて、その指先を触れようとするだろう】


226 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2018/02/26(月) 23:00:29.01 ID:LN5jW+2Fo
>>223

忠告どうも。そうはいっても、現場に遭遇しちまったら関わらんわけにもいかんがな。
―――お互い、死なねえように気をつけることにしようや。

【小さく肩をすくめて言えば、去っていくのを見送って。ふう、と吐息を吐くと、シルバーのスポーツカーがやって来る】
【運転席には誰もおらず……自動運転、だろうか。扉をあけて乗り込んだなら、男はハンドルを握り、車は走り出す】

―――関わらないように、っていう訳にもいかねえよなぁ、流石に。

【『なあ、ミスズ』―――誰もいない車内。沈みいく太陽を背に、車は病院へと走っていった】



/お疲れさまでしたー
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 23:10:43.14 ID:M7n8YE9iO
>>225
【一度、ため息をつく。だが求められれば、不馴れな手つきでその頭を撫でるだろう】
【"ペースを崩される"――そう感じながらも、ここで友好関係を築くのは悪くない、と】
【そんな合理的な考えと、理性によらない自然な所作が彼女の指先を受け止める】
【途中で包帯に触れるだろうその指が捉えるのは、狂犬とはかけ離れた精悍な肉付きで】

……さあな。俺も会ったこともねえ"婦警"をめちゃくちゃにしてやりたいと思ったことはあるが。
その胸に深々とナイフを突き立てて、寝言いう前に口を塞いで、もう一度刺す。
そんな下らねえこと考える根元はたぶん、"嫌悪"だ。

だがお前は――"UNITED TRIGGER"の居心地は、悪くないと言った。
なら、一目惚れかもな。まっ、女が女を好きになるのも良いんじゃねえか

んだよ、冗談だ。……でなきゃ、どっかで因縁でも持ってんじゃねえのか?
殺しそびれた獲物に似てるとか、ちょっかい出された憎き相手だとか
あとは――"とっくに忘れちまってるくらい大昔の知り合い"とか、な。

【指先が唇に触れる。黙ってそれを受け入れつつも、わずかな違和感を覚えた】
【先程まで狙撃銃を手にして、人を狂犬呼ばわりしていた死神が】
【敵の親玉とはいえ、女一人に執着する。――スマートフォンは、すぐに画面を落とし】

【『そろそろ時間だ』と、そう口にして。自分でも意外だったが、まだ置いたままだった彼女の頭から手を離した】
228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 23:23:18.44 ID:din43XhXo
>>227

【黒手袋越しの指先が包帯に気づき瞬く、扇情的な舞をそこに被せて】
【不夜を渡る蝶の様に、包帯に触れようとするだろう】
【最初は出来たての瘡蓋をなぞるように、やがて傷口が開くかもしれないほどに強く】

【瞳の奥の朱が歪む、光を貪る様に喘ぐような瞬き】
【温度を下げる冬の夜、身を寄せあったなら、彼女の素肌の冷たさを感じるだろうか】
【そして、掻き集めるように、もがくように、貴方の体温を引き寄せる】


そう、色々考えてくれるのね、ジルはね、やっぱり、優しいとこ、あるの

その婦警さんを、刺したいの?ジルは、ふかく、ふかーく刺したいの?
いっぱい、いっぱい血が出るの、破裂したみたいに、いーっぱい
そしてね、そしたらね、びくんびくんって震えるの、柔らかいお肉が、何回も──……

想像しちゃうの?ジルは──そういう風に、人を、壊したいって


【臨場感を増す言葉、まるで今本当に人を刺しているかの様な錯覚を引き起こしかねない程に】
【離れた貴方の手を名残惜しそうに見つめる、上目遣いが交錯するだろう】
【細い首筋が見える、硝子細工の様に白く細い────】


ねぇ、ジル──怪我してるけど、どうしたの?
知ってる?怪我をしたらね、身体と、心も、てあてするの
ちゃんと巻いてるね、包帯、でも、心にてあては、できたの?

最初に思ったほどね、ジル、嫌な人じゃないの、そう思うの
だからねジル、てあてする?心にも、優しいお水をあげないと


【白妙に紅潮が交じる、無表情の頬が僅かにとろんと熱を持つ】
【それは嗜虐的な微笑み、他者を蹂躙する愉悦に近い】
【てあて、とは抽象的な表現だが、あまり良い意味には聞こえない】
229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/26(月) 23:43:26.03 ID:M7n8YE9iO
>>228
【傷は新しいものだった。刀で切られて、刺された傷。ヤクザとのつまらない喧嘩で得たものだった】
【触れる指の力に眉根が歪む。だが敢えてそれに耐えて、額に脂汗を浮かべ】
【そして聞き入る。どこか幼く思えるこの相手の、嫌気が差すほど具体的な人の殺しかたを】
【だが同時に、それは自分の中の欲求を具現化したかのよう――悪い気は、しなかった】

――ああ、刺したい。自分だけは死なないと思ってる連中に、抜けないくらい深く差し込んでやりたい。
引き抜いたナイフで瞼を切って、抉り出したそいつの右目で左目を見せてやる。
飽きたら目玉の代わりに砂を詰めて、泣いて謝るまで指の爪を剥ぎ取って、へし折って……

……そうやって殺すんだよ。溢れる血で一言もしゃべれねえ奴を、呆気なく。
俺の中の"俺"がそう叫んでる。あァそうだ、想像するさ。殺しを求める自分をな。

【マズい。こんなはずじゃなかったと、言うだけいってからジルベールは自省した】
【やはり彼女とは相性が悪い。内側を掻き乱される――"殺したくなる"】

心なら、もう遅えよ。枯れた草木は、二度と水を吸わねえんだ
お前は間違ってる……嫌なやつだぜ、俺は。

【紅潮した彼女の頬に手を伸ばす。大事な玉を救うようにその肌を撫でると】
【嗜虐的な笑顔に抗するようにフッと笑って、屈み込み】
【先程から耳障りの良い言葉を奏でる可憐な唇を、無言で奪おうとするだろう】

【――ジルベールからは、それだけだった。】
230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/26(月) 23:56:28.44 ID:din43XhXo
>>229

【泥漿の様に粘っこい、夜闇が二人を包む】
【黄昏よりも暗き靄、それはさながら微睡みの中で見る夢が如く】
【蝕む胡蝶の羽根は遠く、傾く月の彩すらも消える程に】

【堤防が決壊するように、熟した果実を強く押したように】
【溢れ出る欲望、あまりにも黒々とした悪意】
【耐え切れずに息が出た、ぞくり、首筋をなぞる艶かしい指先の如く】


吐き出せたの──ジルの、感情が、伝わってくるの
ぐちゃぐちゃにしたいの、そう、そんなに、なのね
でもね、実際にしちゃったら、ねぇ、どうなるのかな

それで心は、満たされるのかな


【それは純粋な疑問に近いのだろう、言葉が夜空を舞った】
【月夜は静かに佇んで、新雪に影を投げかける】
【プラチナブロンドが照らされて、傅く乙女を彩って】

【──唇に熱が伝わった、柔らかい輪郭が沈む】

【一瞬驚いて目を見開く、でもすぐさま、静かに閉じて】
【マリンブルーの水面を漂う綺麗な睫毛、心地よさそうに熱を感じる】
【静かに重ねる唇、永遠のような一瞬を】

【それはさながら羽毛の様に、貴方の熱を包み込むのだろう】
【猛る気持ちも覚ますほどに、貴方を受け入れるように】
【やがて唇を離す、名残が宵月に、絡む煌めきを残して】
231 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/27(火) 00:15:58.99 ID:8yyKbysxO
>>230
【重ねた唇は気付けば離れている。それはとても儚く、切ないもので】
【例えるならば、『冷たい』と感じた新雪が、目を落とした時には溶けているような】
【そんな一瞬。唇を離すと背を正して、今一度彼女の頭を撫でていく】

【今度は考えることも、答えることもなかった】
【それで心は満たされるのか?――――知っていて、答えたくないだけだった】

……俺は仕事に戻るぜ。UTには、信頼できる俺の協力者が行くはずだ
場合によっちゃあ、俺が行くがな。その時は……セリーナ・ザ・"キッド"、この目で見てきてやるよ。

【『連絡先は知ってるよな』と、機関のデータベースを暗喩しながら歩いていく】
【足の向かう先は酒場の二階。やり残した仕事がそこで待っているはずだった】

【ただ――その背中は、触れるものすべてを傷付ける狂犬というよりは】
【群れからはぐれ、行き場も狩りの仕方も分からない虎狼に近かった】
【そしてそれすらも虚飾なのだとしたら――本当に、空っぽの背中だった】

/という辺りでお時間も遅いですし、締めということで。
/お昼からの長丁場、ありがとうございましたー!
232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 00:23:59.64 ID:iqmmrvqRo
>>231

【月明かりに放り出される彼女、路地裏でなければもっと鮮やかな色合いを誇ったろうに】
【女性的な部位は肉感的に、それ以外は砕けそうなほどに華奢に】
【黒タイツで包まれた脚線美が、夜露を浴びて煌々と照らされる】

【くしゃり、頭を撫でられる、暖かい、知っている筈の温もり】
【どこかでずっと、感じていた気がする、今みたいなそんな優しい温もりを】
【────全ては幻、泡沫の夢、そう形容するには何か足りない】


──ねぇ、ほんとに、ジルって優しいの、私は、知ってるの
ううん、知っちゃったの、ふふ、大事に、だーいじにするの
カチューシャだけが、知ってる秘密、鍵をかけて、大事にしまうの


【頬が緩んだ、笑顔と形容するにはまだ淡い、偽りの様な彩り】
【それでも今までよりもはっきりと、微笑みが見えた】
【少女の微笑み、長い髪が飾り立てて、その一瞬を焼き付かせる】

【去りゆく背中を見送る、孤狼が歩く道は険しく】
【だからこそ寄り添う価値があるのだろう、踏み締める雪は淡くとも】
【どこまでも続く雪原は、寂しき旅路を彩るのだから】


/お疲れ様でした!!長時間ありがとうございましたっ!
233 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/27(火) 00:39:22.79 ID:aPfjcF3qo
>>185

「ひえー、警察は恐ろしいや。転び公妨なんていうのもあるんだろう?」

【罪状は様々なものが用意できる。それが警察の強みであり】
【しかし、誤認逮捕となれば一大事であるために、警察の弱みでもあろうと】
【空になったカフェラテのカップを傍に置き、一息ついた】

「ここで聞いた限りは、うちより酷いことをしてそうだね」
「――流さないように封じ込めてるから、誰かが流してるのかも」

【公安は警察の中でもエリートの集まりである】
【故に特権を持っており独立した捜査権限もあるのだが――】
【どうやら彼らの圧力が、逆に作用してしまっているのではないか、と】


「ああ、そうだろうな。情報を取るために網を敷きたがるものだ」
「……活きのいい『機関』の情報、か」

【彼の言わんとしていることは、確実に理解できた】
【公安へ戻り、情報を手にするためには再び公安へと戻る口実が必要だ】
【そこで、『機関』の情報を手にしたのなら。彼の“職場復帰”は確たるものになるはずだ】


「ふふ、あっははは!貸しか、よろしい。少し待ってくれ」

【ポケットからボールペンが挿さったメモ帳を取り出す】
【一ページにペンを走らせ、何かを詳細に記入していっているようだ】
【今までの公安に関する事件の情報と、その他を織り交ぜて作り上げたのは】

「これでどうだ、不足はないだろう」

【自信満々に輝く瞳で彼の方を向き、ページを千切ったものを渡す】
【その紙片には、以下のような情報が記されていた――――】

『水の国郊外の山中に、機関の研究基地があることが判明した』
『其の中では洗脳に関する研究が行われており、例のフルフェイス事件との関連が疑われる』
『また、人造人間の製造に関する情報も入手した』

// お返ししておきますが、内容がダメでしたらお声掛け下さい……!
234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 08:01:12.31 ID:iqmmrvqRo
【水の国、とあるカフェにて】

【静かな店内には疎らに人が居て、ラッシュを逃れた優雅な朝食に興じていた】
【ボサノヴァをBGMに談笑する人々の声、治安の良い水の国では見慣れた光景】
【そんな中に、むすーっとした面持ちの少女が一つ】


むーっ……どいつもこいつも、平和の上でぐーすかした羊のようですねっ
だいたい、今日の平和があるのも、我々"公安"の働きのお陰とゆーのにっ
まったく世知辛いのじゃ、とでも言いたくなりますよ、ぷんぷん

なぜ朝からこんなテンションですって?
そりゃ、服を新調するのに、経費は落ちないし、お気に入りの生地は売り切れだしの踏んだり蹴ったり!
ああ、もう、ついてないったらありゃしない!


【むーむーと少し大きめのテーブルに一人で腰掛けて、喋っている彼女】

【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女である】


……げぷっ、しかしですねーっ、これは頼みすぎた気が
モーニングセットに、セットのパンケーキまでは許容できましたが
あぁ……あのチーズケーキが魅力的すぎたのが運の尽き
今ならセットでマカロンも安くなるなんて言われた日には──


【もう1つ、周囲の注目を惹くとすれば、テーブル一杯に広がった料理の山】
【パンやらケーキやら、スイーツやら、閉店間際のお菓子屋のような様相】
【当の少女はといえば全くもって食が進んでいない、時折思い出したようにカフェオレを飲むだけ】
235 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/02/27(火) 08:17:30.66 ID:2jxrpVfn0
>>234

<すまないね、食事まで御馳走になってしまって……>
いや……良いんだよ。入院中、色々と世話になってしまったからね。これくらいは、させて欲しいんだ……
「まー、あたし以上に手際よくされちゃあねぇ……流石に完敗って奴よ」

【好ましい意味で人気のまばらなカフェに、少しばかり賑やかな一団が足を踏み入れてくる】

【燃えるような赤い短髪に黄金色の瞳を持ち、首には緑色のスカーフを巻いた】
【長旅用の生地の厚い服の上から、胸部を覆うブレストアーマーとショルダーパッド、焦げ茶のマントを羽織り】
【腰に歩兵用の両手剣を佩いた、身長170cm前後の青年と】

【白いストレートの長髪に赤く緩やかな光を纏った瞳をしている】
【白いタンクトップの上から白いジャケットを羽織り、白いハンドグローブに白いスカートを履いた】
【肌の色白さも相まって、眩いほどに白さが際立っている、身長160cm前後の少女と】

【華奢ながらも筋肉の浮き出た色白な上半身を晒す様に、ワイシャツだけをボタンも留めずに羽織り】
【下半身はジーンズとスニーカーで固め、腰回りに大量のチェーン装飾を巻き付けた】
【くすんだ水色の髪を前髪ばかり長くした、身長170cm前後の青年】

【3人連れの客の様だが、それぞれに相応の『目立つ』格好が、店内で自己主張をしていた】
【赤い髪の青年は、やや前時代的な旅人と言った趣の服装の上に、ややコンディションを崩している様な、身体を持て余す歩き方が見て取れ】
【全身を真っ白に染めた少女は、逆にあれこれと元気そうな姿を見せ、賑やかな雰囲気を湛えている】
【一方で、浮浪者然とした格好の、水色の髪の青年は――――言うまでもないだろう。一応、ドレスコードなどがうるさくなさそうな店というのは救いだが】
【――――とりあえず、清潔は保たれている様で、不快な悪臭などを纏っていないのは、救いと言えるだろうか】

<さて……っ、ん……あの席だねぇ>
「よっし……ん、え……?」
こ、こら……! ……失礼だよ

【空席を見つけ、少女の先導で着席しようとしていた一行だったが、その少女が、妙に品物の多い席を見つけ、思わず変な声を上げてしまう】
【咄嗟に、赤い髪の青年はそれを察したらしく、小声で少女を諫めにかかっていた。一応、水色の髪の青年は「見て見ぬふり」をしていたようなのだが――――】
236 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/27(火) 08:31:45.56 ID:LCq63aGVO
>>234>>235

【タイミングとしては賑やかな一団――彼らが入店する五分ほど前】
【『んだよ別にいいだろ!?絶対大丈夫だって、なんも壊さねーから!』】
【『……は?いや、入店お断りって……それは、ダメだ』】
【『せっかく小遣い貯めてきたんだぞお前、俺は……お、置いとけばいいのか?』】

【――何てやり取りがあった。概要だけいえば、客が巨大な盾にも似た剣を持ち込もうとしたのである】
【それも2mほどもあるものを、腰に横向きに下げて。そりゃあ物も壊すだろう、と】

【必死になって店員が止めてようやく事なきを得たのだったが】

……おぉ。甘(うま)そうなもんばっか置いてるじゃねえか、ちくしょー……。

【その騒がしい客というのが、誘蛾灯に呼び寄せられた虫のごとく】
【パンとか、ケーキとか、パンケーキとか、スイーツだとか――が、ところせましと並べられたテーブルに歩み寄って】
【それこそ涎でも垂らしそうな様子で、じっとそれらを眺めているのだった】

【その様子はきっと後から来店した一団にしても、入り口の巨剣の持ち主ということで目を引くだろうし】
【そもそもテーブルの主である少女からすれば『なんだコイツ』となるはずだ】


【さて、そんな世間知らずで粗暴な感のある来客だったが――少女、だった】
【髪は鮮やかな金髪。ターコイズブルーの瞳は優しげでありながら芯を感じさせる】
【が、入り口で脱いだ立派な外套の下はといえば、いかにもという修道服であり】
【どこかの教会から抜け出してきたかのような出で立ちであった】

【ちなみに少女といっても、年のころは10台前半だ。中学生かも怪しいくらいだろう】
【その彼女が巨大な剣を持ち歩いていたことも――また、奇妙ではあった】
237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 08:41:39.42 ID:iqmmrvqRo
>>235

【ピクピクっと猫耳が揺れる……かのように、騒々しい方向へ視線を見やる】
【良く食べてくれそうな三人、服装はバラバラだが各々それなりにフレンドリーそう】
【そして何より、その内の少女は此方に興味を持っている】


やっほ──げふん、げふん──……
申し訳ありませんわ、そこの御三方、しばしお時間の方よろしくて?
実は私、先程注文間違えてしまい、大量の──見てくださいまし、この料理の山を!
──げふんげふん、失礼しましたわ、そう、頼みすぎてしまいましたの

見たところ御三方とも、御立派な体格をされた、もうね、いっぱい食べてくれそうな逸材揃いなのでっ
──失礼しましたわ、ご一緒に遅い朝食でもいかがですの?


【席についたまま声をかける、淑女然とした落ち着いた声色で】
【ゴシック調のドレスを身に纏い、気取りながらも丁寧な口調】
【添える微笑みは借りてきた貴族の様な笑み、どこからどう見ても暇を持て余したお嬢様】


あ、でもこのショートケーキはダメですよっ!今おなかいっぱいになっちゃってますけど、ぜったいに最後に食べるので!
見てくださいな!このふわふわっとしたクリーム!おいしく食べてくださいねーって言ってるみたいです

更になんと、なんと!こーんな大きな苺がまるごとっ!乗っかっちゃってます!
んもぅ!まさに天国に一番近い国ですよここはっ!


【というレッテルを自ら剥ぐ、キラキラと目が輝いてる】
【くんくんと苺の甘酸っぱい香りを嗅いで、すぱーっと頬を綻ばせる】
【よもやこの苺ショートケーキ手を出そうとは、思えないほどに】

>>236

【巨大な武具を持った少女がこちらを観ている、仲間にしますか?】
【これが嵐舞い、巨大生物飛び交う新大陸ならまだしも平穏な朝のコーヒーブレイク】
【そんな相手を好き好んで仲間に入れる人など──】


ぷっくっ──あははははっ!なーんですかっそのおーきな武器!
そんなのよく持って入れましたねっ!てか、ふつーっ!置いてくるでしょっ!
でも、でもでも凄いです、世界は広いなーっ!こんな人もいるんですし、なーにーよーり

へっへっーそこのちびっ子シスター、ケーキ食べたいですか?ケーキ!
欲しいでしょー私!知ってますの、修道院は厳しくめーったに甘いお菓子なんて食べれないって
ほれほれ〜私を食べてみなさい(裏声)


【彼女は大笑い、お腹を抑えて貴方を見て笑うだろう】
【少しムスッとさせるかもしれない、遠慮のない笑い方だから】
【けれども、落ち着いたら目元をぐしぐし、ちょっと出た涙を拭って】

【近くのパンケーキをフォークでさして、目の前でゆらゆら】
238 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/02/27(火) 08:56:23.66 ID:2jxrpVfn0
>>236

ん……っ――――っぐ!!
「し・つ・れ・い・だ・よ・っ!」
<(……よくやるよ)>

【ドシンと言う音が響く――――どうやら、赤髪の青年が、その巨大な剣に興味を惹かれた様なのだが】
【先ほど、戒められた少女が「ささやかな仕返し」を思いついたのだろう。思い切り青年の足を踏みつけたのだった。赤髪の青年が、妙な呻き声をあげる】
【水色の髪の青年は、呆れた様子でそれを横目に捉えていた】

<(……それよりも、その服装……人の事を言えた義理じゃないが、色んな意味でアンバランスだねぇ……頑張ってる身、なのかい……?)>

【まぁ、水色の髪の青年も、彼は彼で修道服の少女に視線を惹かれていたのだが――――幼さが見て取れるほどに残ってはいるが、それでもどうやら「ひとかどの人物」らしい、と】

>>237

ぇ――――おや、良いんですか?
<……僕ら、朝食に来たんじゃないのかい?>
食事は食事で、僕らで注文すれば良いよ。ここは、デザートの類は御相伴に預かろう
「……っ」

【そうして興味を向けていた中で、逆にテーブルの主であるドレスの少女に声を掛けられる一行】
【赤髪の青年の主導で、その招きに応じる事にした様だった。彼もまた、その口語に合わせて丁寧な言葉遣いで応じるが】
【――――どうやら、白い少女はその「使い慣れていない気どり口調」に感づいたらしく、口元を結び、綻びそうになる表情を必死にたもっていた】

え、ぇ……あ、いや! 分かった、分かりましたよ、僕らは大丈夫ですから!
「っく、あっはっはっはっはっは!! 良いよ2人とも、御馳走になっちゃお!」
<ふぅ……まぁ良いや。とりあえず、僕らは僕らで注文を済ませちゃおう……失礼するよ>

【どこかぎこちなくも醸し出され始めていた優雅な雰囲気が、一瞬で紙切れの様に吹き飛んでしまう】
【急転直下、慌てた様子で答える赤髪の青年に、とうとう状況に堪え切れなくなった白い少女が大笑いしてしまう】
【――――店内は、一瞬で賑やかなものになっていた。ともあれ、3人は招きに応じ、それぞれテーブルに腰掛ける】

あぁ――――僕は、サリード=ヴァルマンウェ。こう名乗るのもなんだけど……冒険家を、やってます
「あたしはその相棒、レミーって呼んでね!」
<……シャッテン=シュティンゲル。宜しく……>

【着席し、一度はメニューを手に取ろうとした赤髪の青年だったが、まずは相席の礼儀としてそれぞれに名を名乗る】
【赤髪の青年がサリード。白い少女がレミー。水色の髪の青年がシャッテン。既に見て取れる話だが、この3人は親しい間柄の様だった】
239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/27(火) 09:25:28.78 ID:LCq63aGVO
>>237
ん、なぁっ――……!!?

【修道院は滅多に甘いものが食べられない、これは真である】
【というのは、テーブルの上に向く視線が釘付けだったことで分かるはずで】
【その上、煽られやすいタイプなのだろう。いかにもむすっとしています、なんて顔をして】
【じいっと目の前を漂うパンケーキに視線を向ける。さながら、お預けを喰らった子犬のごとく】

ぁ、甘いモンなんか食いたくねーよ!
口の回りがベトベトになって、どうせ食べ過ぎて気持ち悪くなっちまうからな!
それにこんな店のより母上の作ってくれる奴の方が美味っ……――あぁもう寄越せッ!

【――食らいつく!パンケーキをまるごと一口、フォークごと噛みつく勢いで】
【が、あまりに直線的すぎる。その性格を表すように単純だった】
【すなわち、ふわりと横に避けられでもすれば"ガチン!"と歯を噛み合わせる空しい音が響く事となるだろう】

>>238
【青年が興味を引かれた件の大剣、どちらかというより斬るよりも潰す類いのものに見え】
【もし彼に魔術的な素養があるのなら、何らかの術式が付与されていることと】
【それから、これは更に素質のあるものの場合だが――剣の更に内側に、秘めた力が感じられるかも知れず】

なあ、っ――!?う、うっせーなこの……!
俺だって可愛い服とか着てみてーけどなっ、こーゆー感じなんだよ、ウチはっ!

【確かにアンバランス。というか、修道院から逃げ出してきただけにしか見えないのに】
【入り口にかけてあった外套はずいぶんと立派なものだったし、剣などはいうまでもない】
【何かしらの事情があるのは間違いなくて。ただ、それは相手も一緒なのだろう】

【口をモグモグとさせながら――目の前でふらついていたパンケーキを奪えたなら、だが――】
【目の前の一行の出で立ちに目を奪われる。特に視線が向く先は赤髪の青年で】

【アーマー、マント、腰に下げた両手剣。興味津々という様子は隠しきれず】
【幸か不幸か、少女の方にはじろじろと見るのを失礼だと言ってくれる者もおらず】


【物欲しげな目線をその青年や、人が集いだしたテーブルの上に忙しなくむけつつ】
【テーブルの主である少女に、『……俺も食べたい』と小さな声で、一歩で遅れて席をねだった】
240 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 09:35:54.17 ID:iqmmrvqRo
>>238

【スカートを履き慣れていない少女が、フリルの裾を踏んで滑って転ぶように】
【使い慣れてない気取り口調、未熟な言葉は隙だらけ】
【案の定響き渡る大笑いに、えっえっと目をぱちくりさせた】

わわっ!!なんで笑うんですかっ!そんなに笑顔でもケーキはぜーったい渡しませんからね!
んもぅ、せーっかくの優雅な朝が台無しですっ!私は、たまの非番にこーして朝食を食べるのが生き甲斐なんですっ
もうどこからどう見ても、深窓の令嬢でしょぅ?

病に侵され、病床のベッドから窓の外を見つめる日々
そんな私に爺やが、こう朝食を持ってきて──


【ツッコミどころが多いが本人は至って楽しそう】
【ドヤ顔を披露しながら三人の自己紹介を聞くだろう】
【ぱちくりと瞼が呼吸をする、ふんふんと頷きながら相槌を打って】


私は"こうあ──げふんげふん、鵺、といいますっ!
レミミン!シャッくん!よろしくねっ!

……あと、サリサリくんもっ!冒険家!?すごーいっ初めて見たのっ!
ねぇねっ!聞かせて聞かせてっ!どんなすごい冒険したのか聞きたいの!
七つの海を渡ったり!六王と激闘を広げ!涙あり笑いありの珍道中!


【謎のタイミングで咳き込んだ、まるで何かを言おうとして思い出したみたいに】
【気を取り直して自己紹介、鵺、と一言だけ名乗って】
【後は恒例の渾名タイム、いつにも増してひどい】

【サリードの職業に食いつく、身を乗り出して、純白を揺らす】
【蜂蜜色が煌々と輝く、しっとりとした色を見せて】

>>239

【ひょーいっと音がしそうなほど、目の前でパンケーキを引いて自分の口へ】
【響き渡る歯を食いしばった音をBGMに彼女は美味しそうにもぐもぐ】


おほーっ!美味しいです〜しっとりとした生地に、シロップの甘さがマッチしてて
お腹いっぱいだと思いましたがっ!これは底なしで入りま──っあ……


【少し冷静になる、自分のした事の非道さに気づく】
【目の前の少女、逃げ出してきた修道女という表現が近い姿で】
【やりすぎちゃったかな、なんて反省する気持ちが漏れた】

【頭の中でラピちゃんが怒る声も聞こえた】


あーっ……えーっと、ごめんっ!ちょっと、やりすぎちゃったっ!
ごめんね、ほんとに──甘いもの食べられない苦しさ、知ってるのに

うんっ、いいよ、いっぱいあるから、一緒に食べよっ!
私ね、鵺って言うの、おじょーさんの名前は?


【小さな声、ポツリと漏らしたのは本音なのだろう】
【自分の隣の椅子をぽんぽんっと叩いて、おいでと微笑む】
【同い年か、彼女が少し上くらいだろう、今だけ、おねーさんになった気持ちで】
241 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/02/27(火) 10:01:52.40 ID:2jxrpVfn0
>>239

<いや、良いじゃないか、その服装……身を修めてる、凡俗じゃないって事が、すぐに分かる……>
<(……実際には、不良の類なのかもしれねいけどね……まあ、本当の意味で「落ちこぼれて」いないだけ、マシなんだろうさ……)>

【どうも、水色の髪の青年――――シャッテンは、その服装を気に入った様だった。日々を修身して生きている、その輝かしい証なのだ、と】
【彼自身が、浮浪者の様な格好をしているのとは、正反対だろう。――――まぁ、その言葉遣いなどには、胸中思うところもあったようだが】

「(んっ……!? この剣……ただの豪快仕様かと思ったけど、なんか、ある……単純な術式補強だけなら、格好から分かるけど……それだけじゃない、何か……!)」

【一方、先ほどから賑やかに振る舞っていた少女――――レミーは、つと口を噤んでしまう。赤髪の青年――――サリードではなく、その剣の『本質』に気づいたのは、彼女の方だった】
【先ほどとは違う趣で口元を引き締め、じっとその視線を剣へと注ぐ――――恐らく、少女の方はサリードを見ているのだから、この変化には気づきにくいだろうが】

ん……ぁ、はは……流石に目立つかな? これでも、あちこち冒険して回ってるんだよ。特に、魔海……そう、あそこは、僕のライフワークなんだよね……
……まぁ、流石に無事にって訳にはいかないから、この間まで入院してたんだけど、ね……

【自分に向けられる視線の意味を、サリードはすぐに解したのだろう。苦笑しながら頬を掻く】
【いささか、格好だけ――――コスプレを疑われかねないものだというのは、否定の仕様が無いが、それでも彼は、本来人間の立ち入れない『魔海』にまで足を踏み入れているという】
【ブレストアーマーにも、使い込まれ、手入れを施されていると思しき跡がある。なるほどそれ相応の修羅場を潜り抜けてきたようだ】

でも、それを言うなら君の剣。それも凄い物じゃないか。多分、僕には振り回せないよ……武器として、使いこなしているんだろう?

【興味を言うなら、サリードとて同断だった。その大仰な得物は、彼の服装に匹敵するほどに目立つ。それが気になったのだろう】

>>240

「ふふっ……うんうん、使い慣れた言葉の方が、やっぱり馴染むってもんでしょ、ねぇ!」
あー……うん……
<っ……っっ……>

【席に着くなり、レミーはニヤニヤと表情を緩ませながら、しきりに頷いている。無理やりにでも背伸びした口調を織り交ぜる様な様子に、微笑ましさを感じているのだろう】
【逆に、サリードはその場のテンションに完全に困惑してしまう。一方で、シャッテンは少し遅れて笑いが込み上げてきたようで、此方は此方で堪える仕草を見せていた】

「鵺ちゃん、ね。宜しく!」
<(……こうあ……? ――――なるほど、偽名なんだね……まぁ良いさ。今詮索したって、仕方ない……多分ね……)>

【互いに名乗りを済ませ、改めてドレスの少女――――鵺と相席する一行】
【その中で、シャッテンは鵺の言いかけた言葉が気になったようだが。食事時に何を気にしているのかと、言葉に出そうとはしなかった】

あー……うん、僕はそうだね……魔海。瘴気のせいで、人間は入っていく事が出来ない、あの人外魔境によく挑むんだ……
まぁ、帰ってくれば瘴気のせいで、入院してばっかりなんだけど……用意のおかげで、それくらいで済んでる。あそこは凄いよ……
巨人がいれば、魔獣もいる。空を飛べる事が前提の『道』があれば、丸々木の上にある獣人たちの村、なんてのもある――――人間の国家じゃ、見れないものだらけだ……!

【冒険談を、食事の話題にとねだられて。困惑気味だったサリードも、それで呼吸を取り戻したのだろう、徐々に言葉に熱がこもる】
【人間社会ではありえない、魔海の中のワンダー。サリードにとっては、正に宝物の様な体験だったのだろう。その瞳に、少年の様なあどけない光が集い始める】

【流れで、サリードは軽くクッキーをつまみ始め、レミーとシャッテンもそれぞれに甘味に手を伸ばす。同時に、自分たちの注文は、手早く済ませた様だった】
242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 10:30:33.20 ID:lLkt4bemo
【路地裏】

……遅いな、とっとと迎えに来いよ

【通りから離れた路地裏に二人の男がいた】
【片方は三十代程度の年齢。夜闇に似た黒い髪に長身。鍛えられている肉体が外見からもわかる】
【背中には大剣。柄や鞘に様々な修飾が施されていて、儀礼剣さえ思わせる美しさがある】
【もう片方の男は壮年で、縄のようなものでぐるぐる巻きにされて壁際に座らされている。顔を隠せるフードを被っていることから、闇売人なのだろう】

「旦那ぁ、今日は見逃してくださいよー」

やかましい。俺の職務中に見つかったのが運の尽きだ
そもそもまだ一回も捕まってないだろ。初犯なら大したもんじゃないんだから我慢しろ

【売人の男は自分を捕まえたらしい剣士の男に困り顔を向けていた。そのやり取りは公権力と闇商人がしているにしては穏やかなものだ】
【どうやら剣士の方は移送用の人員が来るのを待っているようだった。路地裏で待つ、というのはこの新世界ではかなりの危険を伴う】
【つまり、どういう危険人物が現れるかわからない、ということだが────】
243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/27(火) 10:31:22.26 ID:LCq63aGVO
>>240
【むすっとした表情が、『一緒に食べよう』という言葉ですぐに晴れる】
【ちょっぴり――どころではなく嬉しそうに、示され席に座る】
【まだ背が低いせいで、若干背が届いていなくて。犬の尻尾のごとく、ふらふらと足が揺れていて】

へへっ……まっ、こんだけあったら食いきれねーもんなー!
誘われちまったならしょうがねえ、食べてやるか!……ん、名前か?

【お調子者、というか。子供らしい自己中心的なところはあったが】
【恐らく根は悪い子ではないのだろう。なんというか、良い意味で無邪気で】
【少しだけ遠慮した様子でモンブランケーキをもらいつつ、上の栗だけを先に食べたりして】
【もぐもぐ、と。せっかくの甘味を楽しみながら、問われた言葉に答えようとごくんと喉をならし】

――ベアトリクスだ!ベアトリクス……いや、うん、ベアトリクスだな。
昼の国から来た。……で、ヌエって、どこの名前だ?

【世界は広い。鵺、という響きは彼女のなかにはまだ無いものだったのだろう】
【名前と、なにかそれに続く言葉を言おうとして言い淀んで、結局相手に質問を振る形に納め】

>>241
……修めるっていっても、俺はシスターにはならねーぞ。
なるのは"騎士"だ!教会の……神殿騎士、的な……?

【年頃の少女が目指すにしては、またオールドタイプな夢だった】
【騎士。それもまたニッチな分野とあって、だからこそアーマー等に興味を引かれたのかもしれない】
【それも行き先は『魔海』ときた。少女からすれば、もはや物語の中の世界であり】
【分かりやすく瞳を輝かせて、話を聞きたいというように身を乗りだし】

ん。……ぁ、あぁアレか!もちろん使いこなしてるぜ、父上が教えてくれてな。
まあ、流石に持てねーから魔術で"浮かせてる"んだけどよー……
いつか自分の手で持てるようになりてーよな。父上は持てるんだぜ?

っつーか、だ……それより魔海の話、聞かせてくれよ!

【あの巨剣を持てる父親、というのは恐らく尋常の父親ではないのだろう】
【それもまた興味を引く対象かもしれないが、少なくとも少女――ベアトリクスは、彼の話に興味があるらしく】
【鵺との会話にも耳をそばだてて、冒険譚に聞き入る。そんな姿は、少女というより少年に近いものを感じさせた】
244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 10:37:27.90 ID:iqmmrvqRo
>>242

【朝靄も途切れる時間帯、曇り空の路地裏に涼風が吹く】
【どうやら荒れた天気になるかもしれない、そう思わせるほど】
【ぞくり、とするほどに冷たい空気がそこに流れ込んだなら】


ねぇ、素敵な旦那様──こんな時間から、お仕事かしら
それはそれは、熱心なことなの、素敵過ぎてお邪魔したくなるの
遊んでくださらない?──私と、朝日に溶けるワルツを


【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒い軍服と短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性が姿を現す】

【路地裏の入り口から姿を見せた彼女は、右の手に持つ大きな銃を剣士に向けるだろう】
【漆黒の狙撃銃、一呼吸置いて引き金を引く】
【狙いは剣士の右肩、挨拶がわりといったところか】
245 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 10:44:19.75 ID:iqmmrvqRo
>>241

【合計五人でテーブルにつく、彼女と修道女が隣同士】
【サリードら三人が対岸に座り、間には大量のスイーツ】
【雪崩のような乱入が終わり一段落といったところか】


……なーにっ笑ってるんですかっ、レミミンてばいーじーわーるっ
はいはい、どーせっ私にはきれーな言葉似合いませんよーっだ
んぅ、まぁでも、確かに、レミミンのゆーとーり、なじみますけどっ

鵺ちゃんだって、たまには、たまにはっ!なんとゆーかー、おしとやかとゆーかっ!
こうね、物静かでね、儚い……こぅ、なんとゆーか、そーゆー
あっダメだ、これ完全にラピちゃんやん、無理無理ーあんな可愛くなんてむーりーっ


【良く喋る、ほんとに、レミーに指摘され腕を枕にしてテーブルに突っ伏す】
【うーっていいながら目元だけをあげ、蜂蜜色を揺らす零す言葉は少し投げやり】
【バタバタと両脚をふって、足音が何回が響く】


魔っ海──……!!すっごーいっ!!世界に、そんなとこ、あるんだっ!!
びっくり、私全然知らなかった!!巨人!魔獣!獣人!!お伽噺みたいねっ!
ねーねっ!他には、他には!魔海にはどんな生き物がいるの?どんな食べ物があるの?

サリサリくん、パッと見は昔の旅人さんだけど、実はすっごい人なんだね!
でも、瘴気って、大丈夫なの?なんか──良くわかんないけど、危なそう……


【好奇心が瞳いっぱいに映る、食い入るように貴方の言葉を聞き入る】
【冒険譚、スリルに満ち溢れた夢の詩はいつまでも聞いていたくなるぐらいに、鮮やかだから】
【話を聞いて想像を膨らませる、まだ見ぬ世界に夢を馳せて】

>>243

【足が届いてない、可愛い、子犬のようだ、めっちゃ可愛い】
【彼女の心の中にあるお姉さんぶった心が擽られる】
【一旦目を閉じて、開く、すいっちおーん】


ベアちゃん、ベーアちゃんっ!!いっぱい食べてね!お代わりもあるからっ
もぅ!遠慮なんてしないのー鵺お姉さんにまっかせなさーいっ!
ベアちゃんモンブラン好きなの!?店員さんっモンブラン追加で5個!
わーっ!えらいのっ!ちゃーんと食べ終わってから喋ってるっ!
ベアちゃんはちゃんとできるんだねっ!私なんか、昔それ失敗して長に指折られたのにっ


【もう殆ど過保護のよう、ベアトリクスの一挙手一投足に大袈裟な反応】
【それもそのはず、今までどのコミュニティでも一番下であったから】
【めっちゃ世話したい、と心が叫びたがってるんだ】


ん……そうだね、どこにでも、あるんじゃないかな


【──貴方の言葉に、ぴくりと、時が止まった】
【存外にぶっきらぼうな言葉、取り繕うように慌てて笑う】
246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 10:46:27.88 ID:lLkt4bemo
>>244

【────冷えた空気が、剣士の肌を撫でていった】
【背筋が凍るような気配。咄嗟に剣を引き抜き振り返る。しかしそこにいたのは一見すれば普通の女性だ】

なんだ……っ
…………女?

【格好に違和感を覚える。扇情的な胸元に──軍服。そして右手の銃】
【軍服を着て狙撃銃を持ち、路地裏に来るような女性が”まとも”なわけがない──!】

くっ……!!

【その微かな逡巡が剣士の対応を鈍らせた】
【大剣が跳ね上がり、盾のように構えられる。剣士の狙いは狙撃銃相手でも正確で、大口径の弾丸が鋼鉄製の剣身に激突。金属同士の激しい衝突音を響かせながら表面で火花が散る】
【しかし問題はその衝撃だった。たとえ剣が砕けずとも衝撃を殺しきることは剣士でさえ不可能だ】
【強烈な反動で大剣がさらに跳ね上がり、両腕が上へと引っ張られる。踏鞴を踏むように足が一歩、二歩と下がっていく】
【これは完全な隙だった。戦闘の主導権は初撃を放った女が継続して持ち続けることとなった】
247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 10:55:42.89 ID:iqmmrvqRo
>>246

【ゆっくりと彼女が両手を開く、羽織ったコートが大きく揺れる】
【両足は爪先をキュッと揃え、指揮者のように両手を軽く垂らして】
【瞼を閉じて白い音律を紡ぐだろう】


やっぱり、素敵な剣士さん──きちんと、私の期待に答えてくださる
ねぇ、そんな風に誘ってくださらなくてもね、私から向かうの
だからね、おいでのポーズなんてされたらね、

────余計に

"Разбитый Стеклянный Синдром"
──"Broken Glass Syndrome"

壊しちゃいたくなる、の────


【言葉と同時に彼女の後方に六つの魔法陣が出現する】
【朝日を浴びキラキラと輝くそれは、硝子細工でできた魔法陣】
【その全てから彼女の握る狙撃銃と同じ銃口が覗く】

【────来る、死線をくぐり抜けてきた貴方なら分かるだろう】


давайте танцевать(さあ、踊りましょう)


【言葉を引き金に、六つの銃口から銃弾が放たれる】
【点ではなく面の射撃だ、狙うのは貴方と、縄でぐるぐる巻きにされた売人】
【雪白に愉悦が混じる、躊躇なく】
248 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/02/27(火) 11:10:20.80 ID:2jxrpVfn0
>>243

<……騎士、なるほど……剣技に礼法に、名家の紋章だとか、色々大変だと聴いているよ……そりゃ、息抜きもしたくなるだろうね……>

【修道女というには少しスレ気味だと感じたその振る舞いも、騎士見習いと捉えれば、なるほど合点がいく。シャッテンは感心したようなため息とともに頷いた】
【武を鍛錬するだけに限らず、主に対する作法、誓いの立て方と、それを順守する精神。そして上流階層に対する知識】
【息が詰まるような日々だろう。こうした場に出向いて気分転換したいとなっても、無理からぬ事だ】

それは凄い! あれを持てそうな人間……流石に想像できないな。僕の知り合いに、持てそうな奴はいるけど、彼は純粋な人間じゃないから……
これを武器として、しかも補助なしで使いこなしているなんて、どれだけ練り上げられた武術なんだろう。そんな人が……

【興奮した様子でサリードは、少女――――ベアトリクスの言葉に耳を傾け、そしてその興奮の一端を口から漏らす】
【人外魔境に挑む彼にしても、まだまだ人間の世界にだって、知らない事がたくさんある――――そんな事を思うサリードにとって】
【この剣1つからでも、胸が高鳴り、心躍る。面識もないベアトリクスの父親に、思いを馳せる。どのような偉人なのだろうと】

魔海か……そうだ、例えばこの剣。これをそれこそ、釣り竿か何かの様に振り回す、オーガの一族なんてのがいるんだよ
彼らは、その土地の、大地の支配者『土龍』を狩り、そのドラゴンステーキを糧にして、ひたすらに力を磨き続けているんだ……
前に「命の保証はない」って前提で、その狩りを見せてもらったけど……アレは本当に死闘だった。巨人と龍が、死力を尽くして戦うんだ……雨の様に、火花を散らしてね……!

【魔海の冒険譚を、ベアトリクスにもねだられて。サリードは、彼女の興味の持ちそうなとっかかりを用いて、その中身を話していく】
【この剣が「常識的」な存在となる、巨人たち。そしてその巨人たちすら命がけで狩りを行う龍――――土龍】
【その戦いの凄絶さを、サリードは語り始める――――正に、人間世界では貴重な、活劇の物語となるだろうか】

「(うーん……浮遊補助、かぁ……それだけなのかなぁ……?)」

【熱が入る会話から距離を置き、レミーは尚も剣を見つめていた。どうやらまだ、得心が入っていない様である】

>>245

「いやー、朝から元気だねぇ。見てて気持ちいい感じだよっ! ま、今は気楽に行こ、気楽に!」
おしとやかに、か……そういう作法、僕も苦労したし、今でも間違えちゃうや……
<まずは、言葉を少なく、静かに……だねぇ。優雅というのは、すべからく穏やかな物だ……>

【テンションの上がっている鵺に、さしもの男性陣は追い付けない――――かと思えばさにあらず、レミーの笑顔が丁度良い潤滑剤になっている様だ】
【どこか遠い目をするサリードとシャッテンだが、それを含めてレミーは笑い飛ばす。賑やかさも、好ましくまとまってきたような印象だ】

ま、魔海の食べ物? うん……やっぱり、土龍の肉は凄かったなぁ。オーガ達が命がけで狩る、空を飛ばないドラゴンなんだけど……
その肉の切れっ端だけ、食べさせてもらったんだ……切れっ端でも、凄くおいしかった。ちょっと上等な牛肉みたいな、信じられない旨さだった……
あれを本格的に食べるなら、彼らがああも力強い一族のも分かるよ……
それに、獣人と言っても色々いてね……猫がそのまま人間らしくなった種族とか、トカゲのヒューマノイドとか、色々いるんだ……

【自分自身の冒険から、興味をひかれそうな話題をチョイスする。意外とサリードはそれに手古摺りながら、回想を話していく】
【ドラゴンの肉。ワーキャット。リザードマン。まるきりファンタジー小説の中の世界だ。それを彼は、その目で見てきたというのだろう】

――――実際、危ないよ……魔海の中にいると、いつもフラフラする。本当にちょっとしたことで命を落としかねない、人間には危険な世界だ……帰ってくれば、いつも寝込んでしまう……
……『コレ』のおかげかな。これのおかげで僕は「人間の限界を超えて、人間の立ち入れない領域」に、入ることが出来るんだ……
じゃなきゃ……まずあそこで、人間は3日も持たずに病死してしまうだろうね……

【ふいにサリードは左手の腕輪を撫でる。3つの宝石が埋め込まれた腕輪――――恐らく、その石は魔石で、その作用によって、人間には致命的な瘴気を、和らげているのだろう】

【そうこうするうちに、3人の注文も届く。サリードはモーニングセット、レミーはハニートースト、シャッテンは海鮮スパゲッティだ】
249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 11:10:48.25 ID:lLkt4bemo
>>247

(マズイマズイマズイマズイ────っ!!)

【剣士の脳裏で特大の危険信号が点灯。前方には極光が輝く。朝日を乱反射した硝子が形作る死の魔法陣。その中から銃口が現れる】
【狭い路地という場所が状況をさらに悪化させていた。回避するとしたら上しかない】
【剣士の目に全てがスローモーションに見えた。危機的状況で脳が活性化して起こる現象だ】

(どうする……魔術を撃つ暇はない。回避は不可能ではないが、”こいつ”が死ぬ)

【最大の問題は女性が狙ったのが自分だけでなく、売人も巻き添いだった、ということだった】
【自分が捕まえた相手ではあったが、しかし死んでいいとは微塵も思っていなかった。その程度の倫理観が剣士にはあったのだ】
【────銃口が狙う中で剣士は決断を下した】

(…………仕方ない、か)

【スローモーションだった時間が戻り、剣士の身体が動き始める】
【彼は何を思ったのか真横へと移動して売人を”蹴り上げた”】
【潰れたカエルのような声を出して売人が真上へと跳ね上がる。魔術で自動強化された剣士の脚力がなす技だった】
【轟音と共に射撃が開始。売人を蹴り上げていた剣士に回避する術はない】

ぐっ…………!!

【銃弾の三発が命中。左肩、左脇腹、左太腿の三箇所を銃弾が貫通、後方へと血の尾を引いていく】
【左腕が力なく垂れ下がるが剣士はそれを無視。右手だけで大剣を構え、一歩前へと進む。太腿の負傷のせいで通常の速度が出ていない】
【接近に成功したならば単純に大剣を振り下ろす。が、乱れた動きから放たれる剣戟など対処は容易だ】
250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 11:18:57.01 ID:iqmmrvqRo
>>249
【銃弾を放ったなら、木漏れ日に結晶が溶ける様に魔法陣が砕けていく】
【降り注ぐ硝子細工、雨粒の様に空気を叩いて】
【プラチナブロンドの輝きをより一層強める】


ほんとに、偶然なの──ほんとよ?嘘はないの──
ただ偶然、覗いてみただけ、そしたらね、素敵な殿方が二人もいらして
あぁ、これは、誘わなければって思ったの、朱い朱い、痛みの世界へ

ねぇ、付いてきて下さる?私一人じゃ、寂しいもの


【売人を蹴り上げての回避、自分はダメージを受ける、倫理に則った見事な回避だといえよう】
【彼女の表情に僅かな驚嘆と、そして三日月の様な喜びが混じる】
【──良いと、これこそ、私の愛せる殿方だと】


──嬉しいの、こんなにも近くに来てくれて
でもね、そのやり方じゃ、だめ、貴方ならもっと上手ないれかた、知ってるでしょう?
丁寧に、ゆっくりと、焦らして焦らして──食べてくださいな


【左手で銃口を支える、狙撃銃を杖の様にして、振り下ろされる大剣を受け流すだろう】
【貴方側から見て更に右側へ、脚を運びつつ、狙撃銃を用いて攻撃を受け流そうとする】
【技の精度はそれなりだが達人の程ではない、落ち着いていれば受け流しを弾くことも可能だ】
251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 11:25:51.17 ID:lLkt4bemo
>>250

【跳ね上げられた売人が落下。再び「ふげっ」とカエルのような声をあげる】

くっ……痛みの世界、ねぇ
そんなもの、こんなやり方してる段階でとっくの昔に頭の天辺までどっぷり浸かってるっ!
いい女なんだから、もっと違う形で誘ってほしかったもんだ!!

【剣撃が入った、かのように思えた瞬間、狙撃銃が傾きその表面を刃が滑る】
【いつもならば容易に対処できる受け流し。しかし無理な流れで打ち込んだせいで受け流されて前方へと身体が流れる】
【左足を前に出して身体を反転しながら大剣で横払い。振りそのものは早いが太腿の痛みが動きを一瞬止めたために振り始めるのが遅い。これも回避は難しくないだろう】
252 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/27(火) 11:33:23.10 ID:LCq63aGVO
>>245
んぁ?……お、おぉ、まあ好き……っていうかケーキは全部……は!?五つ!?
ま、待てまてっ!そんな金、俺は持ってねーぞ……、っ!?

【美味しい。甘いものは最高だ!と言わんばかりの食べっぷりなのはまちがいない】
【だが追加で五個となると流石に焦る。そんな持ち合わせはない、といいつつも】

【畳み掛けるように、今度は誉められる。そうなると思わず言葉に詰まって】
【色白な肌を真っ赤にしなから『……おう』と心ここに有らずな返事をする】
【チョロ――いや、慣れていないのだろうか。お節介な姉のようなペースに、早速巻き込まれつつあって】

……はぁ?なんだそりゃ、どこでもはねーだろ。
少なくとも俺の近くじゃそんな名前のやついなかったつーか……

父上が言ってたぞ?人の名前ってのは全部意味があって
大体親の祈りとかが込めてあるんだってよ。
ちなみに俺の名前は『幸せの運び手』って意味らしいぜ!

……だから、お前もそういうの、あるんじゃねーの?
いや、国が違うなら別かもしんねーけど……ほら、栗食うか?

【大人なら、空気を読んで言葉を慎むのかもしれない】
【だがそこは子供の特権だった。一気に踏み込んでいって、荒らすだけ荒らす】
【それが良いか悪いかは別として、ストレートな物言いには他意もなく】
【おまけに、結局来てしまったモンブランの栗をフォークで刺すと】
【食べろよ、とおすそわけのように彼女の口許に差し出して】


>>248

そうそう、大変なんだよ覚えること多すぎてよー。
……でも、騎士ってのはカッコいいんだぜ。困っている人を救って当然、顔してよ
でも、その裏じゃずっと努力してんだ。ずっと訓練して、我慢して、名誉があっても慎んで。
憧れちまうよなー……あ、俺の父上なんかその騎士団長だったんだぜ!

【騎士団長――にしても、2m近い巨岩のような剣を振るうことは出来るものなのだろうか】
【よほど鍛え上げているのか、あるいは能力者なのかもしれないが】
【誇りに思っているのだろう。少女が"父上"を語るときはいつも楽しそうで】

……あいつを棒切れみたいにってマジかよ。
しかも巨人と龍の戦いって……う、嘘じゃねーだろうな!?

【――さあ、食いついた。たぶんそれらしい嘘をいっても食いつくのだろうが】
【思わずケーキに――ちなみにケーキしか食べていない――伸ばしていたフォークも止めて】
【ぐいぐいと身を乗り出して聞き入って。おぉ……と感嘆符を上げながらフォークの先をかじる】
【行儀は悪いが、気持ちは分かるだろう。要は、それを――】

――見たい!見たいぞ、それっ!

魔海って言ったか?……入れないのか、普通のやつは。
俺もお前みたいに冒険して、色々見てみたいぞ。……ずるい。

【子供のわがまま、ではあった。だが行きたいという気持ちは本物らしく】
【若干拗ねたようにまた目の前に並んだモンブランを食べ始めるのだが】

……どうした?

【剣を見つめるレミーの様子に気付いて、そう声をかける。その表情は楽しげに笑っていて】
【『なんか気付いたな』なんていいたそうな、彼女の違和感の正体を知っている顔だった】
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 11:37:24.30 ID:iqmmrvqRo
>>251

【大剣での横払い、彼女の予想より体制を立て直すのが早かった】
【素晴らしいバランス感覚ね、と心の中で賛辞を送りつつ、貴方から見て更に右に飛んで避けようとした】
【しかし、路地裏だということに遅れて気がついた、背中に感じる壁の感触】


──っ……あっ──くぅ……っなんて、荒々しい、歓迎なの
でもね、嫌いじゃない、の、ふふっ、そういう無骨なのも良いの
不器用な殿方の、精一杯は、熱くて濃い、から


【右腕に深く食い込む大剣の一撃、みしりと骨の軋む音がする】
【軍服越しに血が滲む、熟した果実に力を加えた様に無花果が弾ける】
【熱い吐息が漏れる、冷たい路地裏の壁を背中に感じて】


ありがとう、そのラブコール、とっても好きなの
私もお返ししなきゃ、この身を鬻いで、繕わなきゃ
──ねぇ、そうでしょう?


【ピンヒールが強く地面を叩いて跳ね上がる、大剣の側面に着地しようとするだろう】
【指先に感じるであろう重さ、見た目よりも軽い彼女の重量】
【成功したなら、一気に大剣を駆け上がる、貴方の顔に肉薄するように】

【両脚で貴方の頭を挟み込むようにして、そのまま押し倒そうとするだろう】
254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 11:44:50.26 ID:iqmmrvqRo
>>248

【言葉を少なく、静かに──ちょっとしたアドバイスに大きく頷いて】
【なるほどっ!と大きく声を上げちゃうあたり、まだまだである】
【レミーの笑顔を見て釣られて彼女も笑った】


すごーいっ!話を聞くだけでもっ、なんか、すっごく美味しそうっ
えーっサリサリくん!今持ってないの、切れ端でもいいから!
そんなの、聞いたらねっ、食べたくなっちゃうよ

でもさ、そんな凄いのスーパーになんか売ってないし、うちのハゲ親父に頼んでもさっ、用意してくれないし
ヒューマノイド……なんか、そこまでくると想像もつかないや


【サリードへの抗議、理不尽極まりないものではあったが】
【目の前のスイーツすら食べ切ってないのに、ややおろか】


わーっきれーなうでわ……ねぇねぇ、これでサリサリくんは、魔海を旅できてるの?
っと、ゆーことはっ!これがあったら、鵺ちゃんも旅できるの!?
美味しい、美味しい、土龍食べ放題ツアー!!

まずはどーやってあの、鬼上司を説得するかっですねっ、取り敢えず闇討かな?


【サリードの差し出した腕輪を見て目を丸くする、感嘆の声をそこに載せて】
【どうやら過酷さはあまり伝わってない様子、戒めるのもいいかもしれない】

>>252

【にやりと笑う、わっるーい笑みで、真っ赤になったほっぺたをぎゅーっと摘もうとするだろう】


なーんて顔してるんですかっ!もっちろんベアちゃんが払う必要なんてっ!ある訳ないんですからっ!
サリサリくんが払ってくれますしっ!

にしてもっ!何このもちもち肌っ!ずっるーいっ!どんなスキンケアしてるのっ!?
鵺ちゃんはびっくりです!すっべすべーっ!きゃーっ!


【暫しあなたの頬を堪能しようとするだろう】
【けれども、あなたの続く言葉に躊躇いが混じった】
【答えるのに少し時間がかかる、正しい答えを探すように】


う──うぅ……もぅ!どうだっていいでしょっ!
ベアちゃんのばかっ!答えたくないの、わかってよっ!
答えたくないの……答えられないの、わかってよ──……


【弾けてしまった、言い切って、しまった、と思った】
【慌てて何とかしようと試みる、ごめんね、なんて言えばいいかわからない】
【どうしよう──どうしよう、と頬を涙が伝う】
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 11:52:08.34 ID:lLkt4bemo
>>253

(よし、何とか入ったか……!)

【大剣の刃が腕を捉える。女の肉に沈み込み、深部の骨に剣身が触れる。その奇妙とも思える感触が自分の腕へと伝わってくる】
【左足に重心を一時、移動したせいで太腿から鮮血が流れ出して足元に小さな血溜まりを作っていた】
【こちらは左半身の三箇所、女は右腕。痛み分けというには未だに不均衡、か】

はっ、いちいち”煽って”きやがるな……!
わかった、わかったよ……そんなに俺と踊りたいっていうんなら付き合ってやろうじゃないか
どちらかが気を失うまで、きっちりと、な……!

【女が壁際まで引いた都合で、大剣の切っ先が壁に入り込んでいた。女が跳躍してその側面に着地する。男の顔には驚愕がありありと浮かんでいた】

ちっ、色々と”テクニック”持ってるじゃないか!

【大剣を手放すという必死の対処をしようとするが、遅い。大剣の上を移動するなど、誰が想像もできようか】
【一歩引き下がる頃にはすでに肉薄されていた。打撃か、と思い両腕を防御のために上げようとする】
【しかし実際の行動は両脚で頭を挟み押し倒すという────寝技への移行だった】
【予想外に次ぐ予想外の攻撃。あえなく剣士は地面へと倒されてしまう】
256 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 11:59:16.52 ID:iqmmrvqRo
>>255

【黒タイツに包まれた肉感的な太もも、冷たい彼女の体温を感じるだろう】
【地面に押し倒したなら、丁度股間の下に貴方の顔が来るように】
【さながら貴方の顔をクッションに、鳶座りをする様な体勢になるだろう】


ねぇ、聞こえるかしら、素敵な殿方──……
私は今、貴方様を如何様にもできる、の
このまま縊り殺しても、どのようにも──

いいかしら、剣士様、貴方はどうされたい、の
聞かせてください、私に、愛を嘯くように、気高く、慎ましく


【圧倒的に有利な体勢、顔をそっと下に向けて、耳元へ近づける】
【舌先の絡んだ、揺蕩うような言葉、一つ一つ誘うような蜜の言葉】
【それはさながら、余裕の様に感じるかもしれないが】

【寸刻後、彼女の拘束が弱まるだろう──苦悶の声、右腕についた傷が疼いた】
【その隙を見逃さなければ、拘束からの脱出も、反撃も充分可能だ】
257 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/02/27(火) 12:05:24.65 ID:2jxrpVfn0
>>252

<……修身の先の、完成された人間の姿だろうねぇ……本当に、素晴らしいと思うよ。そうやって、我を出さなくても、彼らの命は、眩しく輝いているんだ……>
……騎士団長。本当に凄いな……それだけの人なら、そこまで鍛錬を積みあげられるんだ……いや、それだけの鍛錬の末に、長となったのかな……

【シャッテンの憧憬である「輝く命」――――ベアトリクスの父親はまさにそれだった。騎士と言うだけで素晴らしいが、その規範となる人物なら、どれほどのものなのだろう】
【ややベクトルは異なれど、サリードも同じような感慨を抱いていた。一意専心――――その果てにあるのが、偉大なる男の姿だ】
【人の成す事にも、心躍る光は尽きない。どこか感動したようにサリードは頷いていた】

あぁ……いくら巨人と言ったって、危うく食いつかれてしまえば終わりだ。それでなくても、その突進に巻き込まれては踏みつぶされる……
だから彼らは、それこそ大砲の様な弓を使い、道路標識ぐらいはあるハンマーを使い、ともすれば、僕のこの剣くらいはあるナイフを使って、戦うんだ……
あのオーガ達は……むしろ、人間に近いんじゃないかな? 力任せに振り回すんじゃなくて、武術にしなきゃ意味が無いって、言ってる様だったよ。その信念で、土龍と戦うんだ……!

【クッキーを食み、そして自分の食事を始めながら、サリードは更に言葉を重ねていく】
【巨人たちの体に見合う武器。そしてそれを『力』ではなく『武』と表現できるという戦い方。その狩り、討伐の凄絶さは、ベアトリクスの頭にどう結ばれるのだろうか】

あ……うん、僕も、たまたま『これ』を手に入れたから、行ける様になったようなものなんだ……普通には、行っちゃいけない。あそこは、そもそも人間の居て良い土地じゃないんだ……
言葉が通じても、命を狙われる事だって、少なくない。とても楽しいけど、同時にとても危険だよ……

【当然、冒険ともなると、危険は瘴気だけに留まらない。時には、魔海の住人達とのいざこざがあり、命のやり取りもある】
【そこはサリードの冒険の闇の部分なのだろう。当たり前の話かもしれないが、決して楽しいばかりではないのだ】

「えっ……あぁいやさ、改めて凄い剣だなって思って。術式まで織り込まれてるんでしょ?」
「(ヤバ……ひょっとして、探っちゃいけないところだったかな……?)」

【どこか悪戯そうなベアトリクスの問いに、慌ててレミーは取り繕う。何かの秘密が無いとも限らない。興味からのぞき込んでいたが、或いは良くなかったかと】

>>254

え、さ、流石に今は……!

【そこらのスーパーで売っていないというのも当然の上に、今サリードが持っているかと言われれば、それも『無い』と答えるしかないだろう】
【そもそも、オーガ達のソウルフードにして人外魔境にある特産品なのだ。そう簡単に入手出来ても困る】
【鵺のテンションに引きずられそうになり、サリードは慌てて否定した】

……ワーキャットたちは、ちょっと気難しい人たちだったけど、リザードマンはね……見た目は女の子にはきついかも知れないけど、良い人たちだったよ……
……まぁ、食料として見られないうちはね

【魔海の中での出会いを思い出しているのだろう。サリードの目が遠くなる。ポツリと、不吉な言葉も交じりつつ】

た、食べ放題……――――そんなに気楽な話でもないよ。下手したら、僕らだって獲物として狙われる事だってあるんだからね……
人間を丸呑みするハエトリソウみたいなのとか、催眠を掛けてこようとする鳥とか……危険とも、背中合わせさ……

【鵺はどうやら、完全に夢の国か何かと思ったのかもしれない。苦笑しつつ、サリードは脅威についても話する】
【下手をしたら命を落とす――――冒険とはその連続だ。そのリスクを乗り越えた先にあるリターンこそ、冒険の真価である】

ん……?
<(……ッ……どうだろうね。やっぱりこの子……尋常じゃない何かが、あるのだろうな……さて……)>

【――――そんな風に賑やかな食事を進めていた3人だったが、ふと鵺の言動に引っかかりを感じた様だった】
【やや静かに食事を堪能していたシャッテンは、変わらずスパゲッティを口にしながらも――――すっと、表情を怜悧にする】
258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 12:09:25.95 ID:lLkt4bemo
>>256

(なんだこいつ、妙に冷たいな……人間じゃない、のか?)

【体温の低さに強烈な違和感を覚える。しかし今それを気にする余裕のある状況ではなかった】
【女の声が聞こえる。蕩けるような甘い声が。華奢にも思える重みが身体にかかり、体温を肌で感じる。戦闘の興奮と女の所作が男の心をかき乱す】
【────嗜虐心が、どうにも湧き上がってきた】

悪いが────俺は”上”の方が好きでね

【一瞬の隙を剣士は見逃さなかった。地面を滑るように移動して脚の間から頭部を引き抜く】
【そのまま上体を起こして女の背後へと回り、首元へと腕を回そうとする】
【成功すれば両腕で首を固定。いわゆるヘッドロックの状態に持っていくだろう。そのまま腕に力を込めて、微かに苦しい程度に締め上げる】
259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/27(火) 12:21:38.39 ID:IS2CgJFrO
>>258

【しまった、と彼女は内心舌打ちする、優位なポジションを取ったからこその慢心】
【すぐさま後ろを振り向こうとする、刹那、後方から強い衝撃を受けた】
【呼吸が制御される、咄嗟のことに肺の中の酸素を大きく吐いてしまった】


──っ……くぅ──あっ──んぅ──……!!


【呼吸が苦しい、荒く口を開けて酸素を求めるが、大幅に制限される】
【大きく胸が揺れる、空気を貪るように、強く激しく】
【徐々にブラックアウトしていく視界──何とかしなければ】

【左手に小さな硝子片が出現する、先の尖った小さな欠片】
【たしかこの辺り、最初の散弾で傷ついた左肩を目掛けて】
【細くなる視界の中、硝子片を突き立てようとする】
260 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/27(火) 12:24:21.87 ID:LCq63aGVO
>>254

――ん、がっ!?なに、ふんだよふぉの……!……!
ま、まひか!いやでもわいーだろ……あぁもう離せっての!

す、スキンケアとかしてねーよ。早く起きて早く寝てるだけだ。
あとはまあ、汗流したりとか……こう、トレーニングでだな。
……飯もけっこうさっぱりしてるからな。お前もシスターになるか!?

【上半分はこうである。『何すんだよ、この。』といったあとに】
【サリサリ君――すなわち、冒険譚を語る彼であろうが】
【そちらが払うという言葉に『マジか!でも悪いだろ……?』とまあ、そんな具合で】

【スキンケアなんて話になれば、それは全く未知の領域】
【ケアどころか化粧すらしたこともない。それでもふにふになのは、これも子供の特権だろうか】

……お、おいなんだよ。んな急に泣くなって……!
俺が悪かったって……答えなくたっていいから、ほら……!

【だとすれば、その純真な残酷さも子供の特権、と呼べるのかも知れず】
【先程までけらけらと笑っていた彼女が頬を濡らしている。それを見れば】
【困惑したように。ただ、慌ててナプキンを取って、その目元の滴を拭ってやって】

>>257

……父上は本当にスゴいぜ。俺の目標で、越えなきゃいけない壁だからな
でも、もし会いたかったら昼の国に来いよ。
やることやったあととか、休息日とか……結構暇してるぜ?

【昼の国。そして騎士団というと、少々有名なところがあるのだが】
【まあ、それを知るのは昔のニュースを覚えているか、物好きくらいなものだろうか】
【ともあれベアトリクスの目標は偉大らしい。となれば、それを越すためには更なる知見が必要というわけで】

【だからこそ、彼の冒険譚に興味を示したのだろう。人間では及ばない、別の世界】
【確かに同じ大地に立っているのに、まるで神話の中のお話のように聞こえるのは何故なのか】
【やはり、見てみたい。『行っちゃいけない、居ていい土地ではない』と言われても】
【そのワクワクは止まらない――そんな様子でしばらく、悩むように黙り混んで】

……じゃあ、俺がもっと強くなったらどうだ?
巨人とだって渡り合える、そこらの通りを歩くくらいに気楽に魔海を歩けるようになったら。
それでもやっぱり……行っちゃダメ、なのか?

【子供らしい発想ではある。しかしこの少女は、単なる夢見る乙女ではない】
【既にその身よりも大きな剣を持ち、自在にそれを振るうという実力を秘めている】
【だからこそ、粘る。どうしてもダメだと言われない限り、いつかは飛び出していきそうな危険さも兼ねていて】

あぁ、術式は父上がかけてくれたもんだ。……でもその感じ、"内側"の方にも気付いてんだろ?
別にいいんだぜ、隠すことじゃねーし……鎧になるんだよ、この"センチネル"は。
でかい見た目はいうなりゃ『鞘』だ。本物はもっと小さい……魔装、ってやつだな

【と、楽しげに解説して。これもまた少女の誇りなのだろう、どこか得意気な様子がうかがえた】
261 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 12:31:23.89 ID:lLkt4bemo
>>259

くっ、くくっ……いい声で鳴くじゃないか
できればベッドの上が良かったが、こういう場所っていうのも違う趣があって悪くはないな
お前から誘ってきたんだ、今更止めてくれ、なんて言わないだろう……?

【先ほどとは打って変わって男の方が饒舌になっていた。有利な状況から来る余裕のせいか。あるいは気が立っているのか】
【腕の締め上げもきつくしたと思えばわざとらしく緩めてみせる。肉食獣が獲物を痛ぶって遊ぶように】
【しかしその余裕が反撃を許した。硝子片が左肩に突き立てられる。硬い肉を突き破る感触が硝子を通じて伝わるだろう】

────……っ、ぐ──っ!
やる、な……この状況でやり返すなんて、な…………っ
とはいえ、突き刺すのは”こっち”の役目だ…………それ、借りる、ぞ……!

【左肩を突き刺されたというのに逃げようとはしなかった。それどころか、回している右手で女の左手を掴もうとする】
【掴めたならば、男は強引に女の手を動かして女の左肩に硝子片を突き刺そうとするだろう】
【しかし左肩には激烈な痛み、右手で動作を行おうとすれば必然的に首の固定は弱まる。抜け出すこともできるし、少なくとも呼吸に難がない状態にはなっていた】
262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/27(火) 12:32:48.19 ID:q0cWm4tyO
>>257

【否定するサリードを見て、えーっと不平を漏らした】


えーっないのっ、サリサリくんってば気が利かないんだからっ!
だったらねっ、今度持ってきてよっ、それか、連れてって!
いいでしょっ?私、一回食べてみたいのっ!

食料!?私たちが食べ物になっちゃうの!?
すごいなぁ、想像もつかないや──……サリサリくんってすごいね
なんか、ただの優しそーなおにーさんかなって、思ってたけど

冒険家の名前は、伊達じゃないってことかな?


【頬が綻ぶ、白い少女が擽ったそうに笑う】
【鈴の音色みたいなソプラノ、耳に心地よい旋律を奏でるが】
【それも曇る、ベアトリクスへの、言葉をめぐって】

【冷静に観察していたシャッテンなら気がつくかもしれない】
【彼女の名前はどう見ても、櫻の国由来である、それならばそう言えばいい】
【言えないのか、言えないなりの理由があるのか】

【彼女は言葉を探した、うまく出てこない言葉を】

>>260

【指先に感じる感触、これが若さなのかっ!と言いたげな視線】
【少し怖く感じるかもしれない】


あー──……早寝早起き、それですねっ、んもぅ仕事柄むりなんですけどっ
でもぉ、私も汗流してるし、ご飯もちゃんと食べてるしぃ
──あぁじゃぁ、間食減らします、ケーキとかそういうのっ
シスター?シスターっ!まぁ変装のバリュエーション的に、ありかも……


【お肌の環境は気にするタイプみたいで、色々言ってる】
【シスター鵺!想像してみてふふっと鼻で笑った】


ぅぅー……ベアちゃんんんん、ごめんねぇ……
いきなり怒っちゃってぇ、怖かった、よね?


【貴方に涙を拭われながら、ぐすんっと鼻をすすった】
263 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/02/27(火) 12:44:19.88 ID:2jxrpVfn0
>>260

<……最初の言葉をもう1度繰り返すよ。そうやって修身に生きてるのは、素晴らしい事さ……!>
昼の国、か……是非1度、この目で見てみなきゃいけない事が、また増えちゃったな……!
「もー……良いけど、身体はちゃんと治してからね……!」

【まだまだ未熟というのはそうだが、やはりベアトリクスはその服装の通り、身を修めて努力を重ねている人間なのだろう】
【シャッテンはそれを、祝福するように頷いて笑顔を覗かせる。サリードも、冒険心に小さな灯がともった様だった。レミーがその様を見て苦笑する】

――――というより、下手をしたらもう、単純な戦いでは僕と同等レベルにいるんじゃないかって思うよ……
でも、瘴気はそれとは別問題だからね……瘴気を凌ぐ、何らかの手段を探さなきゃ、大変だ……
それと、世の中に慣れる事かな。魔海の中は、本当に油断がならない……『騙す』って行為をしてくる連中だっている……そこら辺だね。必要なのは……

【強くなる。その点でいえば問題はないだろう。サリード自身は、決して戦士として上等な強さを持った存在ではない】
【だが、それと危険に立ち向かう技能はまた別だ。そして瘴気の問題は何より大きい。何とか凌いでいるというサリードでさえ、常に体を蝕まれると言っている有り様だ】
【何らかの、魔力的に身を護るアイテム。少なくともそれが、必要な『チケット』と言う事になるだろうか?】

「あちゃ……バレた? って、なるほど……この大きさ。見た目通りの中に、文字通り『隠してる』って事なんだ……!」
へぇ……凄いな、この仕込み武器。それなら秘密なのも分かるよ……この秘密が敵に割れちゃ、大変だ……
「いやー、ありがと! 気が付くと、どうしても気になっちゃうんだよねぇ……」

【ベアトリクスの説明に、レミーはようやく納得し、そしてその内容にサリードも興味を惹かれる】
【随分大きいと思ったが、それは破壊力だけの問題ではなかったのだ。思い及ばなかったその説明に、サリードとレミーの瞳が光る】

>>262

ぅ……つ、次ね! 次に魔海に潜る機会があって、彼らの里を訪ねる事があったら!
(……さて、となると手土産はどれくらいの物を持って行けば、彼らは満足してくれるのかな……)

【サリードにとっても、土龍の肉を仕入れてくるのは簡単なミッションではない。何とか慌てて言葉を濁して、曖昧な約束を取り付けるので精一杯だった】
【――――彼らにとっても、命がけの糧だ。それを分けてもらうよう交渉するのは如何すればいいか。密かにサリードは頭を悩ませていた】

――――妖精かと思ったら、こっちを抱き込んで食べてしまおうとする妖女とか、生きている『沼』とか、いたよ……危なかった……
準備と勘が、滑ったら……その時には、僕は殺されてただろうね……

【危険の話もまた尽きない。サリードも、最終的には運に恵まれているのだろう。それらについては、あまり思い出したくないのかもしれない。言葉少なに】

<(――――櫻。それも暗部……聞いた事がある。あの国もまた……腹黒い物を抱えてる事があるんだ……)>
<――――ふぅ、一段落ついたね……>

【食事を平らげ、デザートに手を伸ばしながら、シャッテンはなおも思索を重ねる】
【櫻の名前であるし、彼女が何らかの所縁を櫻に持っているのは間違いないだろう。それを隠そうとするのは――――どの文化にもある、暗部に属するから】
【そんな中間結論を、シャッテンは導き出した。ただ静けさを装って、場から一定の立ち位置を保ちながら――――】

/次ちょっと遅れますー
264 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/27(火) 12:50:08.34 ID:q0cWm4tyO
>>261

【確かな感触、それでも首を絞めている手を緩めない】
【なんて胆力──軽口の一つも叩く余裕がない程に】
【腕の締め付けを変えるたびに呼吸の音律が変わる、細い首筋が呼吸を喘ぐ】


──っ……いい、精力的ね──……でもね、それじゃ、だめ
んぅ、激しいだけじゃ、乙女は、おとせない、の


【左手を掴まれる華奢な手首、貴方の力では動かすことなど造作ない】
【突き刺される左肩の硝子片、びくんと大きく身体が揺れる】
【痛い、苦しい、脳内が真っ赤になる、早く楽になりたい】

【けれども、彼女は知っている──悦びとは、その先にしかないと】


ねぇ、貴方の……容赦なさ、凄くいいわ……でもね
最後まで、気を抜いちゃダメ、果てる最後の一滴まで、気を持たなきゃ
ほうら、また気を抜いた──
"Разбитый Стеклянный Синдром"
──"Broken Glass Syndrome"


【自身に刺さった硝子片、そこから出現する一丁の拳銃】
【硝子がそのまま変化するように左手で握ったのなら】
【そのまま、自身"越し"に貴方の左肩を撃ち抜こうとする】

【一回、二回、三回、と自身の傷口を抉り、肩に穴を開け、その奥の貴方へ、届くように】
【力が弱まったなら、絞め技から逃れようと前へ逃げようとする】
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/27(火) 13:06:02.94 ID:LCq63aGVO
>>262

――ばっかお前、俺が怖がるわけねーだろ!?

まあ、急に泣かれたのは、こう……悪いことしたなって思ったけどよ。
別に……俺からすりゃ、名前の意味とか、どこの名前だとか
そんなの関係なく『鵺』なんだろ、お前はさ。

【『だったらそれだけでいいじゃねーか』と、また子供らしくざっくりと片付ける】
【最初こそ賢ぶって名前の意味なんていってしまったが】
【結局、こうして話して友達になって、なんてなればそこに大した意味はない】

【――なんてことを、どこかで似たような説教をされたように語るのだった】
【そうする間に気づけばモンブランは3つまでがなくなっていて】
【残りは二つ。そのうちの一つを選んで、栗をフォークで取って――今度こそ、と口許に差し出して】

>>263

【"瘴気"と"騙す"という二つのワード。なるほど、と少女は静かに話を聞いた】
【彼は真摯になって話を聞いてくれる。それは幼い少女としては嬉しいことだった】
【自分の夢は本気だといっても大人はなかなか信じてくれないものだからだ】
【だからこそ早速頭の中では少ない知識をかき集めて、対策というのを考えていて】

瘴気ってのは多分……魔術か、それを込めたアミュレットなんかでなんとか出来そうだ。
……でも、世の中に慣れる、か。結局そこだよなぁ……。
あー……んー…………、早く大人になりてえなあ、ちくしょー……。

【『――でも、ありがとな』と最後にお礼を行った。多分、いずれこの少女は魔海へいくのだろうと】
【そう感じさせる雰囲気があって。にやりとした勝ち気な笑みは、それでも余裕を思わせ】

――まっ、バレた所で負けないけどな!
確かに虚は突けなくなるけどよー、騎士ってのは真っ向から戦うもんだ。
特にパワーでガシッと決めるのが俺のお気に入りだ!

だからバレたっていいんだよ。むしろ、こいつはすごいって褒められる方が嬉しいだろ。
それに、あんたたちは騎士と戦う悪党には見えねーしな!

【そう嬉しそうに語って、またモンブランを食べ始める。飽きないのだろうか】
【あるいは頼まれたからには絶対に食べ尽くそうというしっかりした所があるのか】
【ともあれ小柄だ。満腹自体は近いらしく、フォークを持つ手はゆっくりと動いていた】
266 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 13:08:55.86 ID:lLkt4bemo
>>264

【わざわざ相手の硝子片を使って左肩に突き刺す、なんて行動は全く論理的でも戦術的でもない。自分の中にある冷静な部分がそう語りかけてくる】
【だが────手から伝わる肉の感覚が、耳で感じる女の苦しげな吐息がそんな冷静さを吹き飛ばす】
【あぁこれはマズイな、なんて他人事のように思う────気分が昂ぶってしまう】

【右手の中、冷たい女の体温のその先に、もっと冷たい銃が現れる】
【女は手を動かそう、どかそうなんてしちゃいなかった。まさか──などと思うあたり、まだこの女のことを分かっていなかった】
【破裂音。女の息遣いなんて小さな音をかき消すようなそれが聞こえた瞬間、痛みで視界が赤く染まる】
【女の身体を抉った弾丸が自分の肉体も入り込み抉り取る。激痛が脳内を埋めつくしていく】


────…………がっ……、くそっ、やりやがるな、ほんとにっ


【元より弱まっていた腕の力が完全に抜けてしまい、女が前へと逃げていく。それが────死地にあるというのに、残念にさえ思ってしまった】
【左肩を右手で押さえながら男が立ち上がる。出血は多量。いくつも空いた弾痕から鮮血が絶え間なく流れ出して地面を赤黒い色へと変えていく】
【左半身はほとんど血だらけだ。痛みで気が狂ってもおかしくないというのに、男は何故だか笑っていた】


…………はっ……はは……────っ
悪くない…………悪くないな…………俺としては、だが
俺を突き刺した硝子をお前にも突き刺せば”愉しい”かと思ったが…………っ
────…………お前も、”同じ事”を考えてくれたのか……?


【────あるいは、すでに狂っているのかもしれない】
【同じ硝子で同じ”痛み”を味わう。同じ銃弾で同じ”痛み”を味わう】
【その考えもまた一緒のものだったのかと、気持ちが通じたのか────などと】
【そんな狂った考えを、想いを、男は口にしていた】

【壁に突き刺さった大剣を引き抜き、構える】


…………おい、お前はもう邪魔だ。足まで縛ってるわけじゃないんだからとっとと逃げろ


「へ、へい……そうさせていただきますよ……っ」


【未だに床にへたれこんでいた売人に向けて男は言う。この状況に他の人間など無粋なだけだった】
267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/27(火) 13:16:35.36 ID:q0cWm4tyO
>>263

【言質をとったり、ふふんっと軽く声が漏れそうなくらい】
【サリードはきっと約束を守る男だ、ならば自動的に、私の願いもやがては成就する、と】


サリサリくん、約束だよっ!鵺ちゃんは楽しみに待っとくのですっ!
その時はまたね、一緒に食べよっ、ねーねー、その時はね!
私の友達も、呼びたいんだ──……


【叶うのなら、幸せは分かち合いたい、それでもうまく実を結ぶかは分からないけど】
【言葉の端が切れてしまった、呼吸の代わりにケーキに手を伸ばす】


うへぇ……沼が、生きてるの?変わり身とか、幻術じゃなくて?
そういうのはちょっとやだなー、私、怖いの、あんまり好きじゃなくて


【注意深く聞いていれば、彼女が何の気なしに零した言葉に気づくかもしれない】
【さも当然のように紡いだ言葉、卓越したエキスパートのみが使える技の名前】
【──忍術の一部である、と】

>>265

【ベアトリクスの言葉、荒んだ心に染み込む優しい音色】
【子どもらしい純粋な響きは、真っ直ぐ彼女が受け取れて】
【ああ、もう──どっちが年上か、分からなくなってしまう】


もう……ベアちゃんは年下なのに、強いなーっ
ほーんとにっ、なんなのっ、流石騎士さんですねっ
そーですっ、私は、鵺、ベアちゃんのお友達なんですっ


【大きく頭を降ると、純白の髪が大きく揺れて】
【落ち着いた先には元の、見た目だけは可憐な少女が現れて】


ぱくっ!えへへ、ベアちゃんのモンブラン、もらっちゃった!
ではでは、もらったものはお返しですっ!
ほれほれー観念なさいなっ!


【お返しに、と彼女もモンブランの栗をフォークでとって】
【貴方の口元へそーっと近づけて】
【ぱくっともう一度、自分の口へと放り込んだ】
268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/02/27(火) 13:30:09.98 ID:q0cWm4tyO
>>266

【前へと逃げするりと立ち上がる、その仕草に澱みはない】
【改めて向き直るだろう、数mの距離、左肩と右腕に深い傷をつけて】
【それでも彼女は立ち尽くす、凛とした表情を乱さずに】

【────否、微笑が歪んだ、無表情に僅かな喜悦が混じる】


えぇ──とっても、とーっても愉しいわ
ねぇ、貴方様、分かっておられて?あっちこちから血を流して、手当しないと、死んじゃうかもしれないの
でもね、笑ってるの──貴方、とーっても愉しげに

ほんとに、素敵な人、貴方、ほんとに常人なの?
そうは思えない、でも──……とっても素敵


【左肩の傷は深い、零れる大量の血液が白妙を染める】
【軍服とコートを濡らす、それでも目の前の貴方から目を離さず】
【唇から吐息が漏れた、頬の色が赤く淡く染まった】

【左手がだらりと下がった、もう力が入らないのだろう】
【右手に拳銃を持ち替え、指先を引き金にかけた】
【大剣の間合いよりは少し遠い、距離的には彼女の方が有利か】


さあ、お別れの時間なの、演目が終わって、舞台に役者は一人でいいの
私は、降りる気はなぁいの、まだ演じなきゃいけない、ロールがあるから
"カノッサ機関"──"No.3"カチューシャ
やがて、ヴァルハラで、会いましょう──


【向ける銃口、放つ銃弾、言葉とは裏腹に狙いは大剣を握る手だ】
【左半身にダメージが集中している、大剣を精密に扱うのに難があると読んで】
269 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/02/27(火) 13:42:06.54 ID:2jxrpVfn0
>>265

……そうだね。僕が瘴気を凌いでいるのも、要するにそういう事なんだ……でも、人生経験――――こう言っちゃうと、自分でも手前味噌だなって思うけど、こればかりはね……
近道はないよ。今は今の生活を頑張る。そして広い世界を知ったら、その時にこそガンガン突き進む――――それが良いんじゃないかな?

【サリードにしても、今の状態が万全であるとは思わない。だが、これ以上にベターを実現する方法は知らないのだ】
【同じ事を、ベアトリクスへのアドバイスに乗せる。せっかく騎士見習いとして自分を磨けるのなら、それに専心するべきだと】
【時間は若者の味方だ。サリードとてまだまだ若者の範疇であるが、そのサリードをして若いと思わせるベアトリクスには、そう言ってやるのが一番だろう】

はは……まぁ、悪党ではないつもりだね……
「……やっぱ、見た目通り豪快だねぇ。そんな人にこそ、この剣は相応しいんじゃない? 同じ力で寄り添って、それでいて痒い所に手を伸ばしてくれるんだからさ……
 良い相棒なんだよ、ベアトリクスとこの剣!」

【要するに自慢したいと言う事になる。その心根に微笑ましい物を感じ、サリードはふっと頬を緩める。無論、自分たちは騎士に討たれる必要はないと思いながら】
【レミーも、感心した様子で剣を見つめつつ頷く。聞いていると、この剣の力は、正にベアトリクスに相応しいものであると思われたのだ】
【ならば尚の事、この剣を使いこなせるように――――そう、サリードとレミーは願うのだろう】

さて――――僕らも、そろそろ平らげようか……
「あぁ、そうだね……」

【2人もそれぞれの食事を済ませ、残ったスイーツに手を伸ばす。そこはやはり、レミーのペースの方が、サリードに比べて早かった】

>>267

ん――――勿論さ。ならなおさら、僕は頑張るよ……!

【鵺の表情に、初めて分かりやすく陰が差す。先ほどから感じている引っかかりとは別に、初めて垣間見えた明確な『陰』だ】
【それでもサリードは、あえてそこに触れる事を善しとしなかった。そうした秘密を抱えていない人間などいない。そこを掘り返すのは無礼であるし、無粋だ】
【――――少なくとも、鵺の人柄そのものに疑問を抱かない限り、ではあるが――――】
【それでも、サリードは世界に手を伸ばす。そのためには、こうした鵺の願いも無下には出来ないのだろう】

――――正確には、沼の底に何かがいたのかもしれないけど……水の中から蔦を伸ばして捕まえようとしてくるし、周りの土はズルズルと吸い込まれるし……
多分、ああやって獲物を水の中に引きずり込んでいるんだよね……
<……?>

【生きている沼。そうサリードは表現したが、サリードとてその正確な正体を理解している訳ではない。ただ、その表現が一番的確に思われたのだ】
【さしものサリードも表情に苦い物が走る。やはり相当に、そうした危険な出来事は、本人にとっても不快な記憶の様だった】

(――――変わり身? 櫻の隠密の技の名前じゃなかったかな……?)
<(上司を闇討、とか言ってたね……あくまで洒落のめすって感じだったけど……洒落で、そういう言葉が出てくるのが、彼女の自然体って事かな……)>

【スイーツに手が伸び、お茶を楽しむ。そんな微笑ましい朝食の中に、サリードとシャッテンは確かに、不穏な臭いをかぎ取った】
【――――どうも、鵺の中から、容易ならざる何かが――――隠されている何かが――――感じられるのだ。口には出さねど、胸の内がざわめき始めていた】
270 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 13:58:27.17 ID:lLkt4bemo
>>268

【売人が指示通り逃げ帰る。だが、もうそんなことはどうでも良かった】
【今はどうにも目の前の女を屈服させなければ気が済まない。暴力性が、嗜虐性が、残虐性が、邪な感情が胸の奥で吹き荒れていた】
【確かに、この男は常人ではない。胸の内に仄暗いものを秘めている。それもこの女の前では隠す必要もなかった】


────はは、そうだろうな
お前のようないい女とこんな演目を演じることができるのであれば、嗤いもするさ。“素敵”、だなんて言われれば尚更だ
出来るんならデートにも誘いたいところだが…………今、この時がそれみたいなものだ

いや、口惜しい…………ずっと、踊っていたいような気分にさえなってるんだが、な…………────


【意識の端が霞み始める。彼女の言う通り、いくらなんでもこれ以上の出血は命に関わる】
【引け、と理性が言う。水を差すな、と激情が答える。この踊りをまだ続けられるのだとしたら命さえ惜しくはないと思えてしまっていた】
【左手にはもう殆ど力が入らない。片手で持つ剣は使い慣れていても重みを感じてしまう。いずれにせよ、それほど長くは持たない】

【銃口がこちらを向く。距離は二歩分か。平時であれば一瞬あれば詰められるが、片足がうまく動かない今は永遠にさえ思える距離だ】
【満身創痍と言っていいような状態では銃を相手取るのはあまりにも無謀。撃たれて死ねば、この女はどんな顔をしてくれるのか──などと余計な考えが脳裏を掠める】
【あぁしかし────女が言った最後の言葉が、男の頭を撃ち抜いた】


────…………カノッサ機関、だと

そうか、ならば…………────お前は殺さねば、な


【それは、劣情とも違った激情────強烈な殺意だった】
【激発音が響く。同時に男の周囲で魔力の淡い燐光が灯る】
【女の狙いは正確だった。確かに今の男の状態では大剣を緻密に扱うことなど不可能。銃弾など避けることも難しい】

【しかし────”景色が歪む”】
【男の前方で異変が起こる。弾丸が向かう先の経路、その場所だけが不自然に揺らぎ、歪む。破砕音が地面から生じ、弾丸の軌道が真下へと歪められた】
【それは魔術による現象だった。一部分の空間でのみ重力を強め弾丸を強引に”押し下げた”のだ】

【高重力で地面にできた窪みを踏み越えて剣士が進む。彼我の距離を詰めて、女へと迫る。逃さないように、逃げられないように】
【大剣が真上へと掲げられ、真っ直ぐに振り下ろされる。片手であっても剣士の一閃は滑らかで淀みのないものだった】
【だが、それでも。全身の負傷が接近の動作を遅らせる。大剣を掲げる動作に痛みを伴わせる。あらゆる所作にそれは絡みつき、少しずつ遅延が重なり、足し合わせたそれらが隙となった】
【女の目の前に迫る頃にはきっと、彼女が動くのには十分な時間が与えられているだろう】
271 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 14:13:11.41 ID:iqmmrvqRo
>>539

【スイッチを入れたかのように豹変する貴方、その変化に思わず彼女も驚いた】
【ぞくり、と背中をなぞる変容、それはさながら正体を見せる悪鬼も似て】
【表情が固まる、冷たく淡く色を変える】


……あら、時間切れ──なの、それはそれは、とっても残念


【歪められる銃弾、これは勝てない、と本能が察知するだろう】
【本来であれば回避はできない、そのまま、貴方の大剣の錆になっていただろう】
【明暗を分けたのは傷の量、貴方にはしる傷が、行動の所作を遅くした】

【後ろに飛んだ、路地裏の奥の、更に光の届かない場所へ】
【──完敗だ、なんて思う心を静かに隠して】


ねぇ、最後にね、貴方の名前──聞きたいの
素敵な素敵な、旦那様──睦言混じりに、伝えて欲しいの


【コートを吹雪かせる、傷だらけの両手を隠して背を向ける】
【朱色混じりの残照、貴方に向けた微笑みは歪んだ色を見せていて】
【さようならの言葉すらも聞こえないほどに】

【彼女の逃走で戦闘は終わるだろう、両腕と鮮烈な印象を彼女に与えて】

/こんなところでしょうか!お疲れ様です!
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/02/27(火) 14:13:48.02 ID:LCq63aGVO
>>267

だろ?まっ、まだ騎士見習いだけどよー
これでも家じゃ"お姉ちゃん"だからな、任せとけ!

【お姉ちゃん――妹か弟がいるということなのだろうか】
【友達、といわれるとこちらもにっこりと明るい笑顔を見せて】
【今度こそはぱくりと差し出した甘味を口にしてくれた彼女を見て】
【『もう大丈夫だ』と、内心胸を撫で下ろす。――少なくとも、表面上はそう見えて】

なんだよ、俺もか?さっきから何個も食べてるってのに、まあ――

【『あーん』――食欲には素直な質らしく、もぐもぐと味わいながら、また笑顔】
【変に恥ずかしがったりもしない辺りもまた純粋で。さてこれで、新たにきたモンブランは食べ尽くしたことになり】

>>269

【サリードの言葉にしっかりと頷く。今を頑張る――結局はそれが近道になる】
【多分、それは正しい。何事も一つ一つの積み重ねが大きな力になることを、この少女は知っていて】

【そしてレミーも会話に加わり、"センチネル"を相応しい剣だ、といってもらうと】
【満足というか、実に嬉しそうに笑って『そうだろそうだろー!?』と腕を組んで首を縦に振る】
【10才そこらの少女がする動作にしてはなんとなく、堂に入った仕草だったが】
【あるいは件の『父上』がそういうタイプなのか、親の面影がうかがえて】

……まっ、とりあえず今度昼の国に来てくれよな。
俺ももっと話を聞きたいし、父上だってあんたたちみたいなタイプは嫌いじゃないはずだぜ
いっつもしかめっ面なんだけどよー、結構いろんなお話とか知ってんだよなぁ

【と、一段落ついた会話で彼らを昼の国へ誘う。いいとこだぞ!と満面の笑みを添えて】

>>all

【ケーキも食べ終え、サリードたちとの会話も一段落ついたその折に、修道服のポケットが震える】
【どうやら小さな玉――宝珠が入っているらしく、取り出してぎゅっと握りしめて】
【それは念話に使えるマジックアイテムなのだが、知る者が見れば会話中だとわかるかも知れず】

――悪い、そろそろ帰らないとだ。
食べっぱなしでなんだけどよ……楽しかったぜ?
今度はうちに来て、母上の手作りでも味わってくれよ

鵺も、サリードもレミーも、そっちのシャッテンもな!

【親からの呼び出しか、見た目通りの脱走がバレたのか、おやつの時間か】
【それは分からないが、少女なりに重要な用事があるということなのだろう】

【今度は是非うちに来てくれと、偶然居合わせた彼と彼女に声をかけてから席をあとにする】
【立派な外套をまとって、巨大な剣を腰に下げて。そうして店を出るや否や――彼女は消えた】
【それは高等な転移魔術。要は瞬間移動であり、あっという間に彼女がいた痕跡はなくなった】

【――――否、ひとつある。それは5皿に及ぶ追加注文の代金だった】
【『サリサリくんが払うから』という言葉を真に受けたのか】
【あるいは確信犯か。どちらにせよ、瞳を輝かせた"幸運の運び手"はその場を後にしたのだった】

/ということで、一足先にお邪魔します!
/お二人とも朝からお付き合いいただき、ありがとうございましたー!
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/02/27(火) 14:24:14.23 ID:iqmmrvqRo
>>269

【彼女の中のまあるい欲望は、恐らくすぐには成就しないから】
【忘れた頃にやってくる幸福を、楽しみにするように】
【それでも、真っ直ぐに答えるサリードの言葉、頼もしさなら溢れている】


うげぇ……そいつは、ぞわぞわーってしますね!
私そーゆーの無理かもっ清純派美少女鵺ちゃんには合わないしっ
話聞いてる限りー魔海って、ほんとに危ないところなんだねっ
少なくとも私は、サリサリくんのお土産待ちって、ことで!


【ぶるると震えて露骨に嫌悪感を示す、生理的に不快なのだろう】
【想像もしたくないと言いたげに視線を逸らすと、残ったスイーツに手を伸ばす】
【先程間食を控えると言ったがあれは一体】

【サリードとシャッテンの持った違和感、それにも未だ気づいていない様子で】

>>272

【楽しいなぁなんて思った、この子といると、自然に笑みが零れる】
【頼りになるおねーちゃんなのだろう、きっと家でも】
【だから、ありがとうって伝えたかった──そんな貴方に】


頼りにしてるよっ、おねーちゃん!ねね、ベアちゃんってさ、兄弟いるの?
きーっと!ベアちゃんに似た、可愛い、かわいーっ!兄弟さんなんだろうねっ


【送り出す言葉、本心から漏れた言葉をそこに重ねて】
【見れば貴方へ連絡が入っている、帰る、との言葉】

>>2

【去って行くベアトリクスを見送りながら彼女も席を立つだろう】

なごりおしーですけどっ、私もそろそろお仕事に向かわなきゃです!
ありがとうっ、レミミンにシャッくん!いーっぱい楽しいお話ができてよかったのっ!また会いましょっ!

それとサリサリくん、約束したからね──っ!!


────代金もよろしくっ!


【どろん、能力を使ったのかはたまた忍術か、彼女の姿も消えてなくなるだろう】
【後に残るのは請求書、悪いことに自分の分の精算までちゃっかりサリードにつけてる】
【楽しい邂逅の終わりにしては、中々悪いことをしてる】


/では私も閉めます!お疲れ様でしたー!
274 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/27(火) 14:31:25.51 ID:lLkt4bemo
>>271

【剣が宙を走る。目の前の女の全てを奪い去るために。あるいは、自らの激情を消すために】
【しかし────あと一歩が、あと一瞬が足りない。切っ先は虚しく何も掴めず、ただ地面に打ち付けられて空虚な音を響かせた】
【女を捉え損ねた剣士は苦渋の表情を浮かべる。吹き荒れていた感情が行く先を失い、心の内側で暴れ続けていた】

【それでも、どれだけ惜しくとも、もう肉体が動かなかった。物理的な消耗が精神的な欲求を抑え込んでいた】
【視線の先に女がいても、最早一歩を踏み出すことも叶わない。崩れ落ちようとする身体を保つので精一杯だった】
【男が顔を向ける。憎悪、憤怒、欲望────後悔。様々な感情が複雑に入り混じった表情を貴女へと向ける】


────ディミーア・エルドワル
待っていろカチューシャ…………そこに追いついて、次こそは俺が殺してやる


【彼は名を名乗り、今日この時の続きを、その先を口にする。まるで誓うように、求めるように】
【男の視線は彼女のその姿が見えなくなるまで、一瞬たりとも離れることはなかった。ただ少しの時を過ごしただけだというのに、そこまで惹きつけるものが彼女にはあった】
【カチューシャが見えなくなった瞬間。ディミーアは膝から崩れ落ちて地面に倒れ込んだ。完全に、体力の限界だった】


…………あぁ、くそ
俺ともあろう者が、カノッサのナンバーズを逃すとは、な…………部下に申し訳が立たんな、これは

────…………あぁ、しかし

むかつくが────────いい女だったな


【殺意は未だに微かにさえ薄れていなかった。機関員を、ナンバーズを殺すべきだという思いに変わりはなかった】
【それでも、だとしても────彼女の狂気じみたその美しさは、頭から離れることはなかった】


//お疲れ様です!
275 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/02/27(火) 14:36:35.97 ID:2jxrpVfn0
>>272

(そうだな……僕も、我が身を正さないとね……。僕にだって、まだ足りない未来は、ある……!)

【努力を重ねる事をベアトリクスに説きながら、サリード自身も心を引き締める。――――人間同士の物騒な戦いを経験した事もあり】
【その中で生き残るためには、まだまだ自分自身の力量不足を痛感させられているのだ】
【努力は、自分にとっても必要だ――――】

あぁ、機会さえあれば、こちらからお邪魔させてもらうよ……!
「昼の国、かぁ……ついでに観光もしていきたいなぁ……!」
<……夜が無いって言うのは、僕としては落ち着かないなぁ……>

【まだ見ぬ騎士団長に、3人は思いを馳せる。そして昼の国という国土にも。夜の無い国。観光立国――――思うところは、そういうところだろう】
【ただ、真逆の昼の無い国こと、夜の国の生まれであるシャッテンは、若干慣れないモノを感じているようだが――――】

>>273

まぁ、人間の世界にだって、普通に危ない所はあるからね……危険のベクトルは違うけど、そこは同じような物じゃないかな?

【水の国にだって、大瀑布があり、雷の国にだって、未開の湿地帯がある。そしてその中に分け入っていくのは、命の危険を覚悟しなければならない行為だ】
【サリードにとっては、その文脈において、本質的に同じ事なのだろう。無論、対処の仕方に得手不得手はあるにしても】
【そこから先は『世界に触れる』為の試練と言う事になる。サリードはそれを承知の上で、冒険に生きているのだろう】

そういう意味でも、あそこは人間の世界じゃないよ……本当にね、良い意味でも、悪い意味でも……
「……全くだねぇ」

【目を見張る様なワンダーに出会うために、目を覆う様な危険に立ち向かう。その営みは、人間の本来的な範疇を超えているのだろう】
【だからこそ、人間の手には届かない、人外魔境であり、秘境であるのだ。レミーも、小さく頷いた】

>>272-273

あぁ、それじゃあ僕たちもそろそろ――――ッ!?
「あっ!! え……ぇ、えぇ……」
<お、おいおい! ……はあ、やられたね……ベアトリクスの追加注文くらいは、払ってやるつもりだったんだろう……?>
あ、あぁ……うん。でもこれは…………――――持って行かれたなぁ、全員分か……
「えーと……うん、良い事あるよ。うん……今日はもう帰ろう、サリー君……」

【ベアトリクスの後姿を見送り、鵺の注文分は除いて、支払いは行おうと考えていたサリードだったが――――鵺に、逃げられる。見事なほどに】
【――――優しさは、時には裏切られる事もある。頭を抱えるサリードに、言葉を失うシャッテン。思わず肩に手を回して慰めにかかるレミー】
【――――爽やかな朝に、哀愁の雫が沁み込んでいく。主に、サリードの口から漏れたため息によって――――】

/はい、乙でしたー!
276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/27(火) 17:23:52.77 ID:yE40xYzv0
>>233

点数稼がないと給料に響く。警察も人の子ってことだ。問題は制度にある。

【彼は警察に対する冷笑的な感想を述べ、手渡された『情報』の中身を確認する】

ハハッ、洗脳に人造人間か。傑作だ、如何にも悪の組織らしい。

【彼は笑っている。機関がそういう研究をしていても何もおかしくはないがそれを公安を釣る餌に使うとは思わなかったのだ。】
【精々、武器密輸の一部か、警察に売っても問題ない機関員の所在だと思っていたしそれで十分とも感じていた。】
【だがよく考えるなら公安に戻るぐらいのネタだからこれぐらいのでかい山を裝ったほうがいいのかもしれない。】

もう少し詳細なのを適当にでっち上げる。私はそれを昔のコネでなんとか上に送る。
数日のうちにガサが入るだろうから、君はうまく準備しておいてくれ。私は信用されなくちゃならないからな。

【要は本物でなくて構わない。当たり障りのない外側と中身であればいい。それを検挙できれば信頼につながる】

電話やその他の連絡手段は不可能だと思ってくれ。直接会うか、使いを出す。

【それから、連絡手段やある程度の打ち合わせを済ませる。遠くから見れば単なる世間話だ】
【しかしこの寒空の極短時間の間で、どれだけの密約がかわされただろうか】

――最後に、私は函南(カンナミ)だ。調べるなら調べてくれ。


/遅くなりました…お返しします
277 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/02/27(火) 18:23:30.26 ID:J7nersUzo
【火炎樹の森・入口】

「……ふふふ」

【今まさに火炎樹の森から姿を表したのは40代半ばほどの男性だ】
【身長およそ182cm、きりっとした黒っぽい茶色の眉毛、ややたれ気味で奥二重な褐色の眼】
【服装は、赤いニット帽、上下共に白いラインの入った赤ジャージ、白い運動靴、そして茶色のウェストポーチ】

「ようやく見つけたぞ、片割れを!」

【左肩から生える怪しげなキノコをぶちりとむしり取り、それを森の方へ捨てて】
【ニット帽にくっついていたツタ系の植物をそれから取り、やはり捨てて……まだ色々くっついている】
【あちこちが汚れており、怪我もしている。どうやら、この森の中を探索していた様子だ】

「さて、スケジュールを確認してから依頼を出すとしよう……ううむ、いつ空いてたか……」
「……んん? 参ったな、頑固な奴め……」

【近くに止めてある車に向かいつつニット帽のてっぺんから生える大きなキノコに手を出し、それを引き抜こうとする男】
【片手でニット帽を押さえながらの作業だ。なかなか根強い……思わず、足が止まる】
278 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/02/27(火) 21:08:19.14 ID:pwiJB8VRo

【水の国】

【警察署の受付で、窓口職員が少女に対応していた。──少女は、夜色の髪に、同色の瞳】
【もっとも、パーカーのフードを目深に被っていて、その印象は明瞭ではない】
【そんな、少し怪しい彼女が用件を告げると、職員は小さなため息をついた】

「また、ですか。」

また?

「えぇ、同じような方が二組。どちらも空振りだったようなんですけどね。
 片方は、その来栖、という方をお探しだったようですよ。……担当した職員、お呼びしましょうか?
 そちらの椅子で少しお待ち下さい。  ── ……すいません。何処かでお会い──。」

……少し、用事を思い出しました。また来ます。

【少女は踵を返し、警察署の玄関から出て行く。しばらくして、警備の制服警官がその姿を追って、玄関を出た】
【が、その姿は見当たらない。辺りを見回しながら無線に手を掛け、警官は警察署の前を離れようとする】

【──もし、警察署の玄関辺りを数分前から見ていた者が居るならば、少女が玄関脇の茂みに隠れたのが見えたかも知れない】
【その存在を警官に知らせるのも、警官が去った後に自ら声をかけるのも、その者の自由だ】
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/02/27(火) 21:19:48.87 ID:aPfjcF3qo
>>276

「『機関』は悪の組織だからね。それらを現実にしてしまうんだ」

【彼の笑みで、納得してもらえたのだと安心した】
【紙片に書いてあることの一部は真実だが、それ以外はハッタリを含み】
【公安へと彼が戻るために、十分すぎるほどの大きなネタを詰め込んだ】


「ああ、了解した。“素体”でいいなら三時間もあれば準備できる」
「一応聞いておきたいんだけど、ガサ、っていうのは証拠品だけ持っていくのか、それとも私が逮捕されるのか。どっちかい?」

【本物でなくてよければ、一日あれば簡単に用意できるだろう】
【しかし気になるのは、ガサ入れ後に逮捕されるかどうか、ということで】
【もし逮捕をされそうであれば、赤崎本人をクローンしなければならないのだが】

「連絡手段か、それなら此れを君に預けておこう」

【そう言って手渡したのは、一見唯の紙に見えるそれ】
【何か物を書けば、此方のものと文字が共有される魔術アイテムである】
【取り敢えずの説明だけして、他の紙と混ぜるなよと釘を差しておく】


「函南くんか。私は赤崎桐子、『機関』第11研究室室長だ」

【ポケットから名刺を取り出し、彼に渡した】
【名前と、研究室のシンボルだけが描かれた、単純なそれ】
【連絡先等は一切記されておらず、名前だけ知ってもらうために作ったのだろう】
280 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/27(火) 22:06:42.62 ID:nXs601r10
>>278

【──おぜうさん、──おぜうさん】
【風で揺れる茂みの音でかき消されそうな、彼女以外に聞こえないくらいの小さな声が聞こえる】

【声の方向は、彼女が隠れる茂みすぐ横の『木』だ。しかし、誰も居ない。彼女も隠れる時に確認しただろう】
【脳に直接語り掛ける『木の精霊』なんてファンシーなものじゃなければマイクを疑うかもしれないが──】

【強い風が吹いた。すると、その木の周辺の空間が一瞬歪んだ】
【至近距離じゃなければ気づかれない、恐ろしく精度の高い迷彩】
【よく確認すれば、彼女の横には立体的な、透明になれるテーブルクロスのようなものを被った何かがいるのである】
281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/02/27(火) 22:17:56.46 ID:pwiJB8VRo
>>280

【制服警察官が去っていく。灯台下暗し、というやつだ】
【後は周囲を確認して、誰も居ないタイミングで出るだけ──、というときに、耳に響く、小さな声】

…… わ、 っ!! ── ッ、……何?

【基本的には冷静な彼女だが、思わず声が出る。もう少し話しかけられるのが早ければ、危なかった】
【誰、ではなく、何と問うでもなく呟く。──少女は腰のホルスターから、ナイフを抜き】
【茂みに身を潜めたままに、正体不明の何者かへ向けて、切っ先を向けた】
282 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/27(火) 22:23:03.72 ID:yE40xYzv0
>>279

正義も悪も、似たようなものか。

【彼はお得意の伏目がちに、皮肉めいた冷笑を浮かべる】

廃工場の中に持って行かれてもいい資料とかなにかと捕まってもいい奴が数人いれば問題ない。
後のことは公安がやってくれるさ。私が呼ばれるのはその後からになるだろう。

【マッチとポンプの用意が整った。函南の存在を公安上層部にアピールできればそれで目的は達成である】
【彼は赤崎から紙を手渡される。魔術のようなものは彼には珍しかったのかしげしげと眺めたが彼にはただの紙にしか見えない】
【釘を差されたので彼なりに丁寧に警察手帳の隙間に挾む。常に携帯していて落とすことも人に預けることもない場所だ。】

それじゃあ、これで私は権力の犬で機関の犬にも成り下がったというわけだ。忙しくなるといいが。
ま、うまくやるとしよう…

【自嘲的な皮肉を述べ、彼は立ち上がる。あまり長居して誰かに見られても困る。軽く挨拶をして、彼は立ち去った。】

【彼は歩きながら考える。公安9課の面々、機関の捜査、裏切り、隠蔽―――自分が今しようとしているこれは復讐なのか】
【機関のスパイになる――あんなことを口走ったのはそれが自分の心の奥底に眠っていたからなんだろうか。彼はそんなことを反芻しながら】
【寒く厳しい風をその身に受けながら家路につくのだった】

【数日後、彼の報告書は公安部に届けられる。その情報が確かであることはその後の捜査で認められることだろう】
【陰謀の渦中にその身を置くことになるかは――また別の話】


//という感じに〆にしたいと思います。数日間ありがとうございました。
283 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/27(火) 22:38:07.40 ID:nXs601r10
>>281

【──おっと失礼。〜〜→】

【謎の人物は依然姿を見せないが声のする方向が徐々に変わっている事から移動している事が分かる】
【木の正面に背中を預けていたが、周囲から見えない木の裏にぐるっと移動し──そのヴェールを脱ぎ捨てるのだった】


──可愛らしい“かくれんぼ”をするお仲間がいたので。

【姿を現したのは男だった。年齢は20代後半だろうか。『櫻』出身者だろうか、髪色は黒。目つきは鋭く、信用ならない顔つき】
【右腕が機械義手。この季節にそれがすぐ分かるというのも、春もまだというのに半袖の夏服を着た──妙な人物であった】


つい……ね。声を掛けてしまった次第ですよ。

【彼女の“かくれんぼ”が可愛いかどうか置いておいて、】
【こんな場所で訳の分からないスキルで隠れているこの男は間違いなく不審者であった】
【男がずっとここにいたのであれば、おそらく彼女の一連の動きも見ていたはずで】
【──お仲間などと言うからには彼もまた、堂々とできない用がこの『警察署』にあるのだろうか】
284 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/02/27(火) 22:52:03.97 ID:pwiJB8VRo
>>283

【移動する声に従うように、ナイフの切っ先が動く】
【──やがて、男がその姿を見せても、切っ先の延長線が喉元に向かうだけだ】

……“お仲間”なら、名前と目的、言ってくれる?
言わないならその頭蹴飛ばして、倒れた貴方を署の前に置いておくけれど。

【警戒の色は解けていない。──というか、一層深まったような表情】
【この場で騒ぎになっては困るから即座には蹴り飛ばさないだけ、とでも言うような目つきだ】
【不審者ということで言えば、男の方はグレーで、警察に追われていた少女はクロ、なのだろうが】

【── もし、男がよくニュースを見る方で、記憶力がいいのなら】
【少し前、この警察署で、“被疑者が壁を爆破して逃走した”という事件があったのを覚えているかも知れない】
【決して鮮明ではない監視カメラ映像が映していたのは、この少女によく似た背格好の女と、男が二人】
【傷害罪の嫌疑の被疑者がわざわざ大掛かりな逃走をした、ということで、少しだけ陰謀論も囁かれた一件だ】
285 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/27(火) 23:26:18.20 ID:nXs601r10
>>284

【名前?そんなものは『向こう』に置いてきた……なんてふざけた事を言いかけたが】
【ナイフの切っ先が首にとんできそうなので、顎に手を当て真面目な表情で考える様子を見せる】


T.K.Ur……………いや、ここはシンプルに『ジョー』とでもお呼び下さい。

【もしかして呼び名を考えた?『ジョー』なんてできる男にしか許されない名前にふさわしい男かはてさて】
【そして、はぁとため息を付いて頭をくしゃくしゃとかくと、ぱちんと指を鳴らす】
【大きな音を立てて、周囲にバレやしないかと驚くかもしれないが。その心配はない】
【奇妙な術で、周辺の音がかき消されているのだ。奇妙な感覚かもしれないが、茂みの音が消失し、男の声だけが聞こえる──】


えぇ、ちょっと。まあ、大した事じゃあないんですが。──身内が連続殺人犯の容疑が掛けられてましてねぇ。
今、連行されてるんだか、取り調べられてるんだか、逃走中だかまだ分からないんですが──問題が起きる前に回収、しにきたんですよねぇ。

【──面会でもアリバイ証明でもなく『回収』と来たか。要するに脱走。身内とやらは、やむを得ない事情があるのか、或いは完全にクロなのではないだろうか】


で、ここでじぃーっと、待っていたんですが。ほんと退屈で退屈で──。面倒だからもう帰っちゃおうかぁ?って思ってた所に。
なんか面白そうな人がやってきて、眺めてたんですよねぇ……。まさか、もしかしてって?そうしたら横に来るもんだから、よく見てほんとびっくりですよ。

──『ニュースで見たことがある顔』が真横に居たってのは、流石にえぇ。
いやぁ、犯人は現場にやってくるってのは本当にあるんだなぁ、ってね。私もびっくりしちゃってついつい声を、

──あ、声は周囲に聞こえてないので安心してください。

【彼らは隠れているのだが。あまりに、堂々と関係無い事までベラベラと喋り、──ワザとだろうか、最後に音消しがされている事を伝えるのだった】
【まとめると。ジョーと名乗るこの男は殺人容疑者の身内で、脱走させようとしている悪党臭い人物。『警察署』の目の前で誰にもバレずにずっと立っていた。】
【ニュースを見ていて彼女の顔を知っていたため、つい迷彩を解いて話しかけてしまった。……といった感じか】
286 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/02/27(火) 23:26:44.56 ID:yE40xYzv0
【路地裏】

【このあたりは治安も景観も良い中心街からバスに5,6分乗ってるだけでそこは貧困が支配する街】
【シャッターに落書き、車上荒らし、タトゥーパーラーに下世話な看板の飲み屋、そして銃声】
【夜は警察は危ながってパトロールにも来ない。今日は自警団も大通りを見張るのが精一杯だ】

『テメェェエ!!ぶっ殺してやる!!』

【地元のギャングがピストルを乱射する。狭い路地裏に銃弾が跳ね、街灯が割れ、火花が散る】
【今夜の路地裏は一段と賑やかだ。ギャングの抗争でも始まったかっていうぐらい車が走り回り銃声がする】
【入り組んだ路地裏の先でそのギャングに狙われているのが、アパートの壁を背に隠れているこの男】

…どうしていつもこうなるのかなぁ…オレ。

【背の高い痩せた男。ボルサリーノのハットにいつから愛用しているのかわからない擦り切れたトレンチコート】
【サングラスで目を覆い、両手にリボルバーの2丁拳銃。銃弾が真横をかすめるたびにビクリと反応してそのたびにため息】

『出てこい!ポリ公!』『何処の差し金だ殺し屋!』『スパイ!』『マフィア!』

……いや、だから探偵なんだけど…まあ…うん。
287 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/02/27(火) 23:43:16.87 ID:pwiJB8VRo
>>285

……………… ジョー?

【長い沈黙が、彼女が全く信用していないことを物語る】
【だって、見るからに櫻の人間なのに。しかも、その後に滔々と話す話ぶりの胡散臭いこと】
【──、オマケに、こちらの“事情”も知られている。昏倒させたほうがいいか、と思い始めたが】
【消音しているとのこと。少しだけの沈黙の後、少女はナイフの切っ先を腹部に下ろした。まるで敵意のパラメーターだ】


貴方、今“警察署を襲撃する”って言ったわよね。


【言ってない】


なら、協力しましょう。私も、あの中の“記録室”に用がある。
貴方の目的は取調室か留置施設でしょう。──、玄関先で騒ぎを起こしてくれれば、ついでに寄って来るわ。
この間、中に入ったときに中の構造は大体分かったから。


【警察署の目の前で、立派な建造物侵入と脱走幇助の提案を始めた彼女】
【──冷静な語り口だが、見た目は少女。しかし、“脱走”の前科はアリ】
【信じられるかどうかは、微妙なところだが── 】
288 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/27(火) 23:49:25.79 ID:RwQEvvUP0
【冬は次第に遠ざかり、やがて春が訪れる。大気が温みを孕み始めた時、季節に別れを告げる最期の時】
【大通りを歩く人影はまばら。緩む寒さに気まで緩めた服装を纏う者。用心し、冬用のダッフルコートやジャンパーを羽織る者】
【二種類の人間が入り乱れる街の一片に、少年はしずと佇んでいた】

さて、と……どうしたものか……

【旅を始めて暫く。やれ宿が無い、やれ飯が無いと言った問題には幾度となくぶち当たってきた。それなりに耐性もついた】
【しかし、いざ問題の状況下に置かれるとなるとやはり右往左往するのが人間で、やはりと言うか彼も現在進行形で行き詰まっていた】

金が……無いな
これでは食事も取れないし、鉄道も利用出来ないな。当然の如く

【路銀が欠片も無い。元々、収入源の一つも持たずに家を飛び出した身。持ち合わせの金が無くなれば路頭に迷うのは必然だった】
【ひとまず、悩み立ち止まっていても仕方が無い。彼はやや狭い通りから目前の大通りへ抜けようと、足早に進み出した】

【さて、ここで一つ質問だが、足早に進みだした先に人が通りかかると言うことがあるだろうか? そして、狭い通りから急に飛び出したが故に、思わぬ遭遇になってしまうとか】
【無論、他の出会い方もあるだろう。今この場で、彼は大通りへと早急に抜け出ようとしていた】
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/28(水) 00:14:57.04 ID:ef4K4oSL0
>>288

【――ひどく冷え込みの強かった冬が終わろうとしていた、昼間に何をするでもなく携帯をいじっていたら、幼馴染から「梅の花咲いてた!」なんて、写真が届く】
【そのあと「猫が居たよ」「変な形の雲」――付き合いたてのカップルだってそんなのしないくらいメッセージが送られてきたから、多分、暇だったんだと思って】
【だけれどそれと今は関係がないこと。昼間の暖かさもどこへやら、すっかりと冷えた夜の中――この時間ともなれば、歩いている人間もだいぶん減ってしまった、大通り】

――――きゃっ、

【ちょうど彼が細道から歩み出した瞬間――彼の視界に人影が入り込むだろう。けれど気づいたとしても、もう互いに避けるには、近すぎた】
【ならば結果も決まりきったようなもの、だろうか。背はそう大きくない、悲鳴に似た高い驚きの声、ぶつかった感覚というのも特に大振りでなく、ならば相手は女であるらしい】
【けれど幸いであったのは相手はどこかへ急いでいたわけでもなくゆっくり歩いていたよう。ぶつかったと言ってもごく軽く――男性ならよほど気を抜いていなければ、転ばないほど】
【それでもしりもちを――】

【(ちっちゃな音がした。ばき、というか、ぼき、というか、ぱきり、というか――)】

【――ついて見上げたのは、やはり女だった。寒い夜にたっぷり警戒をしてきた冬の装い、厚着のコートは上まできちんきちんとボタンが留められていて】
【黒猫みたいな毛色の髪はうなじの白いのをたっぷり見せる程度には短いもの、内巻きのボブヘア。丁寧に化粧をしているのがこの夜でもよく分かり】
【猫みたいにつった形の眼は宝石みたいに鮮やかな青りんご色――相手にしても予想外だったのか、驚いたような表情になって】
【服装はコートのせいでうかがえないけれど。肌を透かす黒のストッキング越しとはいえ大胆に露出された足が少しだけ寒そうだった、足元には、かかとの高い靴――が、】
【――――と、もし彼が落ち着いて"見れ"ば、気づくことは簡単だろう。その靴のかかと……高いヒールが、転んだ拍子にか、折れてしまっていて】

あ――、……。――ええ、と。ごめんなさい、よそ見をしていました、お怪我は、ございませんか――? 

【けれどまだ気づかない女はしりもちをついた格好のままで相手へそう投げかけるだろう。たとえ転んだのが自分だけだったとしても、きっと彼女は真っ先にそう問うはずだ】
【鮮やかな色の眼をひどく申し訳ないように揺らめかせて、眉をしゅんと下げて――甘い猫撫で声はそれでも不安そうに語尾が囁くようになり】
【甘い甘い香水のにおいがした――のも気づいたかもしれない。そんな"女"は、全く自分のことを優先させる素振りもなく、そう尋ねていたのだけど――】

お召し物に汚れはございませんか――ッ!

【とあるタイミングで立ち上がろうとする――だけれど当然かかとの折れた靴で立ち上がれるはずもなく、何より気づいていなかったらしいなら】
【その瞬間にどうしたって大きくバランスを崩して――もし。もしだけれど、助け起こそうとでもして近づいていたら――思い切り、倒れこまれることになる可能性も、あって】
290 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/28(水) 00:17:28.27 ID:QiX4CogU0
>>287

【長い沈黙。突きつけられたナイフ、ヘラヘラと笑いながら彼女の返事を待っていたジョーは彼女の返事を聞くと】


────言いましたねぇ。

【言ってない】

【オホー、イーネ、イーネ。待ってましたとばかりに両の手を叩く。音はまだ消えているから安心だが、心臓に悪い行為かもしれない】


いいですねー、突撃、爆撃、クライシス!楽しそうで!いいですよ。ついでに“スザク”も回収出来たらラッキーですねぇ。

【即答である。なんか当初の目的がどうでもよくなってそうだが、“スザク”というのが彼の身内の事だろうか】
【いや、しかしまだそこまでやるとはまだ誰も言っていないが。ニュースの内容が内容のため彼女が御礼参りに爆撃しにきたとでも思っているんじゃないか】
【思ってそう。多分、思ってる。しょうがない。しょうがなくない。退屈を持て余していて、刺激を求めまくっている危険人物、充填十分な爆弾男だ】

【ジョーは特異な異能を持っており、利用価値はあるかもしれない。だが、まともな人間では間違いなく無く、この『ノリ』は危うい】
【───────考え直した方が良いのかもしれない、が】

【パチン。と再び指を鳴らせば、ざわざわと風でざわめく茂みの音が戻る。消音が解除されたのだ】
【ジョーの左手にはいつのまにか、『クローバーの13』のトランプを指に挟んでいた】


騒ぎってぇ、例えば。

【そのトランプカードをポイーンと、茂みから入口付近に投擲すると──『ボォオオオオオオオオオオオン!』】
【『ボン!』じゃない『ボォオオオオオオオオオオオン!』である。トランプが爆発して地面をえぐりクレータが出来る】
【漫画みたいに煙が立っている…………】


こういうのですかね?

【例えば。 じ  ゃ  な  い  】

【───────考え直した方が良いのかもしれない、が。もう手遅れである】
【うまく立ち回らない事には、見事に『爆弾魔』の称号が烙印されれてしまうかもしれない】
291 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/28(水) 00:34:33.98 ID:TPCb1nnk0
>>289
【余りにも、歩を進めることを急きすぎていた。あろうことか、通りすがった女性の気配にすら気付かない程に】
【路銀が足りないことへの焦りもあっただろう。旅を続ける為にどう路銀を稼ぐか思考を巡らせている為でもあったろう。空腹も理由の一つだ】
【けれど、どれだけ理由を重ねても、どれだけの理屈を盾にしても、自分が相手にぶつかってしまったと言う事実は消えはしない】

【ましてや―――――その為に、女性を転ばせてしまったと、靴を傷つけてしまったとなれば、理屈も理由も意味を為さない】

―――――っ! すまない! 怪我は無いか!?
俺なら問題無い。それなりに頑丈だ。それより、貴女に怪我が無いか心配だ

【歳は十七かそこらの中性的で鋭い顔つきの少年。服装は白い長袖のシャツに黒いベスト、同じく黒いズボンとややタイトな格好】
【ネクタイはしていないようだが、ボタンはしっかりと閉じられ、襟元が少し開いている点を除けば礼服と言って差し支えないだろう】
【ややくすんだ白銀の髪に榛色の瞳。西洋風の見た目だが、実の所櫻の国の生まれであった】

靴が……本当に申し訳ない……必ず俺が弁償しよう。そうさせてくれ

【その時、折れた靴に気が付かなかったのか、女性がこちらへとバランスを崩し倒れ込んでくる。突然のことに動揺しつつも、彼は漸く平静を取り戻していた】
【女性の肩を掴みながら支えると、彼は再び口を開く】

俺の服は問題無い。元より、汚れを気にするような服でも無いからな
それより、この靴では歩きにくいだろう。どこか、座れる場所があれば良いんだが……生憎、この近くの地理には疎いんだ
無礼を働いてしまった俺が聞くのも悪いんだが……どうしたものか……?

【心底、心配そうな声色で女性に尋ねる。こちらが無礼を働いたことは明白。その償いをしたい気持はやまやまだが、この近くに何があるのか、と言うことさえわからない】
【旅人故の失態。されど、それだけで済まされるものでも無いだろう。むしろ、彼自身が自分を許さない。さて、対する答えは如何に―――――?】
292 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/02/28(水) 00:35:54.21 ID:ZazSt+2Ko
>>290


……………… えぇ、上等よ。 

【── 言葉と裏腹に、ジト目、を越えた何かを伺わせる目の色だ。呆れた、というのを通り越して】
【今の瞬間からどうすればコイツを“有効活用”できるか、という事しか考えていない】
【わぁ、わぁ、と辺りの人々が騒ぎ回り、警察署の中から署員達が飛び出して来た瞬間を見計らって】


“スザク”、ね。……あぁ、“捕まる”前に見た目と性別だけ教えて。
貴方の話が本当なら、その人“には”罪がない筈だから。ちゃんと助けるわ。

 ── じゃ、よろしく。


【彼女はそう告げるやいなや、茂みから立ち上がり── “ジョーの背中を思いっきり回し蹴り”しようとする】
【成功すれば、彼は茂みから飛び出て、丁度出て来た警察官達の前に転がり出ることになるだろう】
【横にはクレーター。そしてヤクでもやってんのかという半袖。 間違いなく、疑われる】
【しかも、この男が持っている“能力”からすれば、大捕り物が行われる筈だ】

【──その間に裏手から入って用を済ませればいい、というのが、少なくとも彼女の計算だった】
【無論、ジョーの安全は度外視である。だって胡散臭いし、実際危ない人みたいだし】




【もし、ジョーを蹴り出すことに成功すれば、彼女はまず、自分の用を済ませる】
【恐らく、此方は数分で済む。──その後に、取調室のあるセクションに進入するだろう】
【恐らく爆発だけで、署内は騒然としている筈だ。警備は緩く、取調室を順に覗くぐらいは容易】
【もし、ジョーに教えられた通りの姿の者、若しくはそれっぽい者が居れば、足を止めて、じぃ、と扉の窓越しに中を覗くだろう】
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/28(水) 00:53:07.43 ID:ef4K4oSL0
>>291

【立ち上がろうとして失敗した女は。おそらくひどく驚いたのだろう、掴まれ支えられた身体はぎしりと強張っているのに気づくだろうか?】
【とかくやがてやっと自分の足で立ち上がる。分かっていれば何てことなく立つことはできた――ただ、この先歩いていくには、いくらも不足ではあったが】

――――いいえ、わたくしは大丈夫です。靴も……大したものではありませんから、お気になさらないでくださいな。

【数秒ほど折れたかかとを確かめるようにしていた女は――やがてこれはどうにかなるものではないと諦めたか。どうせ大した靴ではないから、と彼に伝えるだろう】
【互いに怪我がなくてよかった。靴も大したものじゃないから気にしないで。そういうこと――だったのだろうけれど、だけれど、相手の様子を見れば】
【ぱちりと瞬き一つ。青りんご色を誤差のように少しだけ細めて相手を見つめるだろう、じっとじっと覗き込むようにしてから、それから、初めて。ふと人懐こい笑みをして】

……では、お願いしたいことがございます。新しい靴を買いに行きたいのですが、これでは歩けませんし――素足では、危ないですから。
ですので――少しの間、付いてきていただけませんか。向こうに二十四時間営業の店がございます、それこそ大したものはないでしょうけれど……。
少し歩くくらいでしたら問題がないでしょう。……もちろん、差し支えなければ、で、構わないのです――。

【そんな"お願い"を口にするだろう。曰く、新しい靴を用意したいから、一緒に来てはくれないかと。これでは歩けない、靴を脱ぐわけにもいかない】
【だからついてきて――だけれど負ぶうことを要求するでもなければタクシーを呼びつけろと要求するわけでもない。ならばどうするのかと思えば】
【一番初めは、ひとひらの小さな魔力の欠片だった。それがひるりと女のそばに現れて、するりするりと編み上げられるのは、よつあしのけもののかたち】
【ほんの数回の瞬きの間に、女の足元――そこには大きな。おそらく動物園で見るライオンとか、それくらいはある、黒猫……女の髪と同じ毛の色、同じ瞳の色の、ねこ】

街中で能力を使っていては目立ちますから。一緒に付いてきていただきたいんですの。
――靴は構いませんから。本当に……、わたくしも不注意でした――。

【――これに乗るから。そういうことなのだろう――あるいは、もしかしたら、そのまま帰るまでできてしまいそうにも思えるのだけど】
【申し訳ないような様子をする相手へ、分かりやすいお願いをすることで少しくらいは気が済まないかと提案するみたいだった、――かもしれない】
【今度はこちらがひどく申し訳なくて忍びないような顔をする、しゅんと眉を下げて――それから困ったような上目遣いを向けて、「だめでしょうか」、そう問うた】
294 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/28(水) 01:00:36.40 ID:QiX4CogU0
>>292

【黒髪に赤いメッシュの入った私みたいな女──。と特徴を言ったところで蹴り飛ばされる】
【私みたいな……というのがなんとも微妙だが、身内というからには顔が似てるとかだろうか──?】

【「ぐぇええ!」という潰れたカエルみたいな声を出して──ズサー!と爆心地の目の前に蹴り飛ばされたジョーは】
【あっという間に警官に囲まれ、銃口を突きつけられるのだった、言われるがままに手を上げていやあこの国の警察は優秀だなぁなんてへらへらと笑った】


【彼女が内部に侵入すれば、定期的にグラグラと建物が揺れるのを感じるだろう。外で何が起きているのか非常に分かりやすい】
【次々と増員が出ていくことだろうか────】


【彼女が順に取調室を除いていく途中──『ボォオオオオオオオオオオオン!』という音とともに扉の一つが吹っ飛んだ】
【『ボン!』じゃない『ボォオオオオオオオオオオオン!』である。その後、警官が中から投げ飛ばされる。ジョーが中に侵入したのか──いや】

【爆発音の割には外傷は一切無い。だが、体から黒い煙のようなものが発生し、立ち上がる力が残っていないようだ】
【さらに、その中から一人の人物が首を出し、左右を確認して、ひょいっと出てきた】


「なんかよく分かんないですけど、今のうちに…………」

【赤いメッシュの入った黒髪の少女。伊達を隠す気のないレンズの無い眼鏡】
【シャツとデニムのカジュアルファッションに白衣をマントの様に肩に羽織るその姿は研究者のコスプレのような】
【首にハートとドクロが乗った天秤が描かれた金色のチョーカーを巻いている。──その天秤はドクロに傾いていた】

【髪の色は一致している、がはたして───】


「あぁあああああ!」

【"スザク"と思われる少女は、彼女を見つけるや目を輝かせ。何やら色紙を取り出した】


「殺人犯の人ですよね!サイン下さい!」

【うん、間違い無い。ジョーみたいなやつがそこにいた。顔は似てない】


「“朱玖雀(スザク)”ちゃんへ──って」

【うん、間違いない。そして殺人犯ではないと思う】
295 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/28(水) 01:12:16.30 ID:TPCb1nnk0
>>293
【女性が立ち上がるのを確認してから力を緩め、手を離す。必要以上に女性の身体に触れていると言うのも失礼なことだ】
【大した靴ではない、と告げられると、そうもいかないと狼狽するが、少し悩みながら引き下がる。はてさて、こう言う時にはどうしたものか】
【彼は礼節を教え込まれた人間ではあるが、社交場に常に出張る程自由を許された人間ではない。むしろ、華やかで薄暗い世界とは無縁の存在だ】
【そんな彼に、咄嗟に彼女をエスコートする、と言った高尚で流麗な技能は備わっていなかった】

勿論だ。貴女がそう言うのならば、俺はそれを成すべきことと受け取ろう
けれど足は―――――

【そう言おうとした瞬間、眼前に即座に一匹の黒猫が現れる。週末の大通りを、威風堂々と歩むような、そんな黒猫】
【しかし、彼の見知った黒猫と、眼前の黒猫には明らかな乖離点があった。大きさ、一点においては】

貴女は……能力者だったのか。驚いたな……
―――だが、俺が壊してしまったことは事実だ―――――すまない……

【相手方は明らかに此方のことを考えて着いて来るだけで良い≠ニ言ってくれている。それを容易く飲んでしまえば、軽薄な人と思われるやもしれない】
【しかし、冷静に考えてみて、今の自分にあれ程高価そうな物を買える程の持ち合わせは無い。路頭に迷う寸前なのだから】
【相手の厚意と、自身の状況を鑑みて、彼は苦々しい表情をしながら謝罪の句を述べた】

これが、今の俺に出来ることなら

【彼は表情を切り替え、黒猫に乗った淑女の護衛、と言う役目を果たさんと歩を進め始めた】

/時間的にこの辺りで凍結させていただきたいです……
/それでは、夜中までお相手していただきありがとうございました! 続きも、よろしくお願いしますー
296 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/28(水) 01:14:34.84 ID:ef4K4oSL0
>>295
/りょうかいしました、ではこの後お返ししておきますので、どうぞおさきにお休みになられてくださいっ
/ひとまずおつかれさまでした、また明日よろしくお願いしますっ
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/02/28(水) 01:21:43.26 ID:ZazSt+2Ko
>>294


(……あの人、蹴り飛ばして正解だった。
 ビックリするほど誰も居ない。 ……それにしても、ここでもな )── 、ッ!?

【眼前の爆音に、少女は記録室から拝借してきた“ファイル”で目の前を覆い、足を止めた】
【爆発がそれ以上起きないことを確認すると、手を下げて、視界を確保する】
【前回、此処を訪れたときがときだ。また、例の“機械警官”か、と警戒し──、 】

……あ。

【赤いメッシュの少女。それに、今のどこかで聞いた爆音。間違いない、この子だ】
【そして、この子も間違いなく危ない。──というか、別に助けに来る必要はなかったのではないか】
【言語化できない感情だが、これ以上、関わらない方がいいような気がする、と彼女は思って】

うっ、わ ──!!

【目が合う前に踵を返そうとしたその瞬間に、大声を上げられた】
【珍しくたじろいだ表情をして、上擦った声を上げてしまう。こうなっては、仕方ない】
【こほん、と小さく息を吐いて、僅かに染まった白皙を誤魔化し──、スザクの言葉に、頭に手を当て】


……い、いや、誰も殺してないからっ!!
じゃ、なくて──、貴女が“スザク”? ……ジョーっていう貴女の知り合いから、助けて、って頼まれた。
今なら裏口から出れるから、早く行きましょう。うん、早く。犠牲を無駄にしちゃいけないわ。


【ガンガン来られるとペースを乱すタイプなのか、動揺しながらも右手を差し出す】
【──別に手を繋ぐ必要はないのだが、ちょっと正常な思考が追いついていないのか】
【どちらにせよ、彼女はスザクを、裏口に向けて先導する。脱出に、それほど時間はかかるまい】
298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/28(水) 01:45:14.49 ID:ef4K4oSL0
>>295

【音もなく――ほんのわずかの音もなく編み上げられた黒猫は、そっと手をおろした女の掌に、ぎゅうと顔を埋めこむようにする、その手と顔では大きさが違いすぎたが】
【それからひどくなつっこいように、女の掌ごとぐぐっと押し上げてしまうから、でっかくて毛深いひじ掛けみたいになってしまう、そのやはり長い尾を女の身体へ沿わせ】

ええ、ですけど、目立ちますから――あなた様のような方が一緒でしたら、安心できます。

【能力者であることは簡単に認める。何より見せたのだから――うんと大きな猫の頭を抱くようにしてから顔を寄せる、その大きな耳元に囁くように唇をよせ】
【だけど何かを言うわけでもないから意味はない。それから相手へ戻される視線が、きっと、その目へじっと合わせられ――嫌な素振りを見せればすぐに逸らされ――て】
【うんと嬉しいように笑うだろう、それからくすくすと笑い声を夜に紛れさせて、ふわ――とやはり音もなく大型の黒猫に横座りで身体を預ければ】
【猫は慣れたものでしっかりと女の身体を支えて、足音もなくゆっくり歩きだすだろう。遅すぎない早すぎないから、目当ての店までは――十数分ほど、だろうか】

……あなた様は。どこかからかいらしたの? 素敵なお召し物ですわ、何かのお帰りですかしら――、
もっと早い時間でしたら、どこか案内もできたのでしょうけれど……。

【猫の歩くたびにゆらゆら揺れる頭の位置、それでも猫が慣れているなら女も当然慣れている。やがて道中話しかけて来る声は、ゆるい語尾の穏やかな、甘い声音】
【この辺りの地理は詳しくないと言った言葉、それから、普段着には少し気取ったような服装。どこかに呼ばれでもした帰りかと尋ねる、正解はどうかという風に、見上げ】
【正解がどうあれ続く言葉は。どんな店がどこにあると言えた彼女はやはりこの辺りの地理には詳しい少なくとも、彼よりか――だからか、そんな風に、惜しい風に、ため息一つ】

【――そんな様子を見ていれば、本当に、本当に。靴のことなど気にしていないときっと分かるだろう、こうしてお願いしたのも、彼が気にしたからというのが大きいようだったし】
【きっと彼女が一人で転んで勝手にヒールをへし折っていたなら、こうやって一人で帰っていただろう――というのがどうにも想像できるようだった。かといって、】
【面倒くさいなあなんて様子もない、ただ――至極人懐こいような顔と声をして、話しかけてくるのだった】
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/28(水) 01:45:33.11 ID:QiX4CogU0
>>297

えぇっ、私の事御存じで──“ジョー”?

【彼女が自分の名前を知っていた事におほー!と興奮する。そういうものなのだろうか】
【そして、自分の救出を依頼した人物に誰それ?と首を傾げるが、ジョージョー、……と鳥の鳴き声の様にその名前をつぶやくと】


あぁ、リロードお父さんですね!はいはい、過保護なんですからまったく。
まだ殺ってないですってば。全然、まだ我慢できましたよ。ね、ほら。生きてる、まだ。

【──あ、クロじゃね、こいつ。まだ、とか言ってるし。目の前で警官が一人死にかけているんですが。】

【“リロード”というのが弾丸の再装填の事ではないとしたら、ジョーの名前の事だろうか。カッコいい(?)コードネームで名乗ったのに台無しである】
【お父さん、と言うにはギリギリな年齢に見えるが、まあ複雑な家庭の事情なのだろう──性格以外は血がつながっているようにはまったく見えないし】


「──あ、はい。」

【彼女に手を引かれれば、素直についていくのだが。「おっと」と、一瞬足を止め、ふぅーと息を吐いた】
【彼女の口から倒れた警官の体から噴き出す『黒い煙』と同じものが吐き出され、警官の体に入り込んでいく】
【すると、衰弱しており、今にも息絶えそうな警官に生気が戻っていく──。】


「良かったですねぇ……。お父さんが慈悲深くて──」

【クスリ、と笑い。手を引く彼女についていく──。】
【もしかすると、この少女を放っておいたら外で暴れている奴バリに内部で恐ろしい事件に発展していたのかもしれない……】
【面倒になる前に『回収』──。と言っていたのも分かるだろうか。真のヤベー奴はこっちだったのである】

【手を引かれながら、何事も無ければ大人しくついていきはするものの「お名前は?」「なんであんな事したんですか?」】
【────とか、こんな状況で、異常なマイペース。世間話でもするかのようにぺちゃくちゃ質問しながら走るのだった】
300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/02/28(水) 02:01:56.27 ID:ZazSt+2Ko
>>299

……はは。偉い。

【──少女はできるだけ、考え事をしないことにした。多分、連続殺人は冤罪だろう】
【深く考えると、規範意識の薄い彼女にも流石に、罪悪感が芽生えかねない】

── えっ、名前!? “初”よ、初!!

【名前を問われれば、必死で先導しながら答える。質問に答える是非を考える暇はなかった】
【結果、彼女の問いには全て答えることになり、初の話を総合すれば】

【彼女が犯人として報じられている脱走事件は、実のところ、“機械警官”から逃げただけの話で】
【彼女は数年より前の記憶がなく、なぜ自分が襲われたのか、ということを調べていて】
【その為に、同席していた“来栖”という警官を調べに来たが、何故か情報が秘匿されているので】
【記録室に侵入して警官の名簿をぶん取って来た ──、という】

【突飛すぎて、この少女の妄想じゃないか、という物語が語られる】
【──彼女の話が真実ならば、“国家権力”が、この件の裏にあるというのだから】


 出口っ!!


【暫く走った末に、彼女達は裏口に到達した。警備の警官はおらず、見咎めるのは“監視カメラ”だけ】
【このまま走り抜けてしまえば、晴れてシャバなのだが──】


……スザク、ちょっと待って。数秒で終わるから。


【そこで彼女は立ち止まると、監視カメラを睨みつけ。“中指”を立てた】
【まるで、その向こう側に居るだろう“何か”を挑発するように。──まぁ、彼女だけならご勝手に、だが】
【射角の関係で、スザクが離れなければ、バッチリ顔が映るだろう】

【挑発が終われば、彼女は幾分スッキリした顔をして、スザクと共に青空の下に出るだろう──】
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/28(水) 02:41:01.48 ID:QiX4CogU0
>>300

【正直、──突っぱねられると思っていたが予想以上に喋ってくれる(無理やりそうさせた感が否めないが)】
【はえー、はえー。と、本当に分かってるのかよく分からないような口調で道中、付いていく】

【出口が近づいてきて走るスピードを上げようとするが】


「やった────?」

【立ち止まる彼女を見て首を傾げるが。言われたとおりに足を止めて、首を傾げて大人しく彼女の様子を伺うが】
【監視カメラに中指を立てる初を見るや、こいつはクールだぜ!と言わんばかりに後ろからこっそりとピースする。──緊張感!!】

【脱出に成功すれば、初の手を解いて足を止めた】


「"ハッチャン"────。貴方良い人ですね。」

【"ハッチャン"とな。初だから。ハッチャン?】


「今日、どんな経緯があったかは存じませんが『あんな人』と協力して私を助けてくれて。
こんな私を信用して名前とか色々喋ってくれて、私は貴方の言う事、信じますよ。」

【『あんな人』とは言うまでもなく正面で暴れているボンバーマンの事で。信用されてないし。全てに置いて"なりゆき"なのだが……】


「改めまして、私の名前は朱玖雀・“P(ピュロボロス)”・グラディウス、私、こういう者で困った事があったら────ヴッ」

【朱玖雀が何かごそごそと懐から取り出そうとするが、突然、彼女が浮き上がる】
【次の瞬間。初めて出会った時の様に、体を透明化してそこに居た“ジョー”が現れる。──左手で朱玖雀の首根っこを持ち上げた状態で】


いやはや、────ただ大暴れするだけでも“大義名分”があるとそれだけで燃えますねぇ。
いや、助かりました。この爆弾娘が大問題をやらかす前に回収出来て本当に良かった。

【今日の出来事は彼の中で大問題には該当しないのだろうか──。】
【あの警官の包囲を一人、切り抜けて来たか。上半身の衣服が燃え尽きているが大きな怪我が無いように見える】


貴方も、その表情を見る限り目的は達成できたようですね。
で──あ、その、ですねぇ。増援がね、凄い事になっているので。──という訳で。

【後から分かる事だろうが、奇跡的に死者は出ていないとか】
【だが、襲撃場所が場所である。別の管轄からの増援などが追加され正面は現在、凄い事になっている】


──逃げましょう!死ぬ気で!!

【と、朱玖雀を掴んだまま別れを惜しむ間もなく、その場を立ち去ろうとする】
【じたばたする朱玖雀が、先ほど出そうとした何かを初に向かって放り投げる】
【それは名刺だ。兵器や薬品を取り扱う『レヴォルツィオーン社』の『朱玖雀・P・グラディウス』の名前が書かれた】

【彼女が回収できなければ、その名刺は証拠品として警察に回収されるだろうが────】
302 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/02/28(水) 02:57:50.78 ID:ZazSt+2Ko
>>301

【脱出したから安心、という訳ではないのだが、空が見えると、何だか安心する】
【裏口にジョーの姿はない。──おかしい人を亡くした、と、心のなかで一応、手を合わせた】
【足を止め、手を離し、これからどちらに逃げようと周囲を見回していたところで──】

……は、 ハッチャン?
い、いや、──ぇ、っと ……その。

【先程の比ではないほど、声が上ずる。──そして、それからの“信じる”との言葉に】
【また白皙が、少し染まった。多分、彼女はスザクの言葉を嬉しく思っているのだろうけど】
【それを表現できるほど、豊かな感情を持ち合わせていなかった少女は、少しだけ、頬を緩める】


こんな状況で、言うことでもないのかも知れないけれど。
ありがとう、スザ 【────ヴッ=z …… あぁ、生きてたの、貴方。


【友情めいた何かが芽生えようとしていたタイミングで、おかしい人が彼女を持ち上げる】
【今度は、正真正銘のジト目。機嫌の悪さを隠そうともせず、彼の状況説明を聞く】
【──、どうやら、事態は逼迫しているらしい。別れを惜しむ暇もないか】
【近場の、乗り越えられそうな高さの柵に手を掛けて、振り向き】


じゃあ、此処でお別れね。
──さようなら、スザク ──、ッ!? ごめんっ、落とした!!


【ひらり、と投げられた名刺に必死に手を伸ばすが、取り切れない。──書いている内容は頭に入れたが】
【既に警察が迫っているのが見えた、名刺はこのまま置いていくしかない、と腹を決め、謝罪の言葉を1つ】
【少女は柵を乗り越えて、混乱の坩堝から逃げ出して行った ──】
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/02/28(水) 04:04:18.26 ID:QiX4CogU0
>>302


【──────水の国・某所・路地裏】


「お父さん、ご迷惑を……おかけしました」

【パトカーのサイレンが鳴り響く中。路地裏に身を隠す"リロード"は左手に掴んだままだった朱玖雀を壁に叩きつけた】
【「ぐっ」とうめき声を上げた朱玖雀を冷たい視線で見下ろすと、彼女の首に巻かれたチョーカーに手を当てがった】


そんな事はどうでも良い。──が。……随分と"喰"ったみたいだな。

【顔を近づけ、睨まれると朱玖雀はびくりとして体を震わせる】


殺すなとも、善になれとも、他人に従えとも、俺は言わない。──だがお前に架せられた『ルール』は守れ。
『能力者』は自由だ。だが、人は戒めを持たなければ獣になる。

"人の形"を成して生き抜きたかったら、獣として狩られたくなければ。必要なんだよ──コイツはな。
あと、あんまり自由過ぎると俺がどうこうする前に銀玖雀が殺しにくるだろうから。本当に気を付けろよ、マジで。本気で怖いからな、あいつは。

【銀玖雀、その名を聞いて朱玖雀は不服そうな表情で歯を噛みしめる】
【ふう──と。息を吐くとリロードは厳しい表情を解いて路地裏の外でビュンビュンと飛び回るパトカーを眺める】


しかし、どうするよ、これ────。“私”はまあ、良いんですけどねぇ。

【何を隠そう、リロードという男はリロード・ザ・マジシャンとかいう芸名で年がら年中仮装をしているため】
【素顔がばれ、大罪を犯して指名手配されようが意外と痛手では無いのだが────問題は朱玖雀の方で……】

【殺人容疑・職務妨害・取り調べ中の脱走・その他もろもろ、さらには現場で勤め先の名刺を落とすという致命的なミスを犯しているのだ】


「そうだ────った」

【絶望的な表情を見せる朱玖雀に肩をポン、と叩き「これが人の世で生きるという事ですよ」と言えばリロードは路地裏の闇の中に消えていく】


「そうでした。え、どうしよう明日から──ていうか、大暴れして問題にしたのはお父さんじゃん!」
「あ、ちょっと、あの野郎、逃げやがった!う、ぅ─────ぁぁぁぁ!」

【言葉にならない悲鳴を上げ、明日以降。彼女は震えながら出勤するはめになるのだった──】

//お疲れ様でした!
304 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 19:10:53.16 ID:A5IhpeDA0
【街中――カフェの禁煙席】
【特に隠れた名店というわけでもないごく普通のチェーン店、なんとなく入るにはうってつけ】
【そんな気軽さがあったから、今日もそこは人でごった返していた】

【新しく入店したならば、店員から「申し訳ございません。ただいま満席となっておりまして」】
【「何方かと相席していただく形になります、大変申し訳ございません」と言われるだろう】
【そんな中で、入口にほど近い席――二人掛けのテーブルに、ひとりだけ座っている人影がある】

【着込むのは古びた黒いコート、フードをしっかりと被って頭を隠し】
【ぼろぼろに加工した裾から伸びる、赤黒ボーダーのニーハイに覆われた足の先】
【機能性なんてまるきり無視したような、底のぶ厚い、真っ赤な靴を履いている少女】

……事件、事件、ジケーン。まーこの世界ではよくあるコト? ってヤツ?
大変そーだネ、ケーサツも。休むヒマとかあんのかな?

【彼女はドリアとアイスコーヒーを置いたトレイの隣に、さらにスマホを置いていて】
【タップ・スワイプ・タップ・タップ。赤く彩った爪先を、ひかる液晶の上で踊らせている】

うーん、カゲっちゃんが「現役」だったら、面白いハナシいくらか聞けたんだろーけど……
さすがにもう、ヤンチャしたがる年頃ではないかなぁ?

【湯気を立てるドリアは表面に適当な穴を穿たれて、それきり。続きを食べるそぶりが見られない】
【混んでいるんだからさっさと片せ、という文句のひとつくらい入れてもいいだろう、あるいは】
【空いている席に座り込んで、かるーい独り言にツッコミを入れるのも。なんでも、自由だ】
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 19:30:09.11 ID:6PnGsPvvo
>>304

【満員の店内だと店員も忙しすぎていちいち席に案内したりも難しい】
【相席であっても「あそこに座ってください」みたいに言って、ばたばたとどこかに戻っていく、なんてこともあり得る】
【そういうわけで、相席の相手には自分から声をかけなきゃならなかったりもする】

そこ、いいか?

【何ともぶっきらぼうな声が少女にかけられるのだった。顔を向ければ、そこには三十代ぐらいの、いわゆるおっさんがいる】
【鍛えているのか何ともガタイがいい。大剣らしきものを背負っているのもあって剣士っぽい】
【そのおっさんの指が空いている方の席を差している。つまりは相席しろってことだ】

【マナーの一環として声をかけたんだろうが、おっさんは返事も聞かずに座るのだった。マナーが台無しである】
【座るや否やおっさんは持っていた新聞に視線を落とす。そこには”公安”がどうこうだとか、”警察”がどうこうだとか書いてあった】
306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 19:40:36.25 ID:A5IhpeDA0
>>305

……んン? あ、どーぞどー、

【ぞ、を言い終わる前に座られれば、さしもの少女も片眉を上げたけど】
【まーいっか、で片付けられる程度の不愉快。トレイを自分のほうに引き寄せて】
【スマホのホームボタンを押して、それからスリープモードにした。ポケットに直して】

おじさんもニュースに夢中? 奇遇ーっ、あたしもさっきまでニュース見てた。
ね、おじさんって戦う系のヒトなんでしょ? じゃあ面白いハナシとかないの?
なんかヤバいテロとか事件とか起きてんじゃん、なんか齧ったりしてなーい?

【そんなことを口走った。スマホを弄っていた手は、スプーンを持ち直してドリアを抉り】
【もう片方の手で、行儀悪くも頬杖をついて。ニマニマ笑いながら訊くのだった】
【おそらく、男が剣を持っているのを見たから試しに聞いてみたのだろう】
【何か面白いことはないかなあ。その程度の浮ついた好奇心、隠すことなく少女はぶつけてくる】
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 19:51:30.60 ID:6PnGsPvvo
>>306

ん、面白いハナシ、か?

【返事をしたおっさんは少し面食らった様子だった。それもそうだ、相席になった若い女の子に声をかけられるなんて思いも寄らない】
【それでもおっさんは暇だったのでちゃんと相手をすることにした。新聞の自分が読んでいた記事を、少女が見えるように机の上に広げる】
【公安についての箇所は”国家内乱罪”の話が、警察についての箇所は『レヴォルツィオーン社』という企業が警察に事情聴取を受けた、なんて話が書いてある】

こっちの話は世間様においそれとは言えない齧り方をしてる
こっちは、これから齧るか考えてる

【最初に指差したのは公安の方。次に指差したのは企業の方だった】

……なんて言って、お嬢ちゃん、信じるか?

【何やら悪戯っぽい笑みを浮かべていた】
【事件に噛んだりしてないか、という質問に”噛んでます”とあっさり答えたのでは普通は信じないだろう。なのでからかってる感じを装ったのだ】
【しかし実際のところ、おっさんは嘘は言っていないのである】
308 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 20:02:41.37 ID:A5IhpeDA0
>>307

……、……ふーん、ふんふん。
なんだ、おじさんヨリドリミドリできるんだ。もしかしてスゴいヒトだったりする?

【指差されたふたつの記事は、どちらも大きく紙面を占領するニュースで】
【少女は目を丸くした。目の前の男がダブルで齧りつける立場にいるなんて、思いもしなかったから】
【信じるかどうかを訊かれれば、ツリ目の赤色がチェシャ猫めいて細められ】

信じる信じる、チョー信じちゃう。あたしジュンスイな子だもん。
ぶっちゃけウソでもホントでもどっちでもいーんだよ、あたし面白いハナシが聞きたいだけだし。
だからさあオジサン、面白可笑しく話してよ。あたしのタイクツ紛れさせて?

【マスカラできりりと上向きに伸ばされたまつげが、ぱちっと瞬いて】
【その向こうにある瞳がキラキラ輝いていた。目の前で玩具を振り回されている猫のように】
【ただ、その好奇心に殺されるかもしれない、なんて杞憂はちっとも抱いてないようだった】
【本当に単純に、たのしい話を聞かせてよ、とねだる子供みたいに。次の言葉を促した】
309 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 20:18:08.10 ID:6PnGsPvvo
>>308

…………はっ
純粋かどうかは別として、好奇心がえらく強いみたいだな、まるで”キトゥン”だ
あんまり危ないところに首をつっこむなよ?

【少女のことをキトゥン────子猫のようだと言って呆れたように笑えば、大人がよくしそうな忠告をするのだった】
【店員がやってきて注文を取る。「ホットココアを」と手短におっさんが言って、店員は忙しなく戻っていった】
【その後、少しばかりの沈黙が流れる。忠告したからには危険と思しき情報は教えないということか──と思いきや】

……そうだなぁ、レヴォルツィオーンの方は面白い話はあってもこれからなんだろうが
公安の方はそれなり、か。国家内乱罪とやらで追い回されてた西島ってやつを捕まえたのは、何せ俺だからな

【あっさりとおっさんは話し始めるのだった。大人めいた忠告は完全にフリだったようだ】
【西島、というのは国家内乱罪で逮捕された元公安の人間の名前だ。逮捕されたというニュースはそれなりの頻度で表に出ている】
【少女がニュースをよく見るのなら、まず間違いなく知っている情報となるだろう】

【そんな重要人物を捕まえた──らしい】

中々、腕の立ついいやつだったな。できれば仲間にしたかったぐらいだが……
魔術も能力も持たない癖に結構、逃げ回られた。単に牢屋に放り込むには惜しいやつだ
一緒に公安所属の女と捕まえたんだけどな。あいつ、なかなかその後の展開を連絡してきやがらねえ

【語られるのは非日常な話。国家内乱罪という大罪人を、公安の人間と一緒に追い回した──】
【おまけに一緒に逮捕に関わった人間からの連絡を待っているというのだ。まるで小説だ】
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 20:31:47.51 ID:A5IhpeDA0
>>309

子猫ってほどか弱くもないよ? それに目も青くないしー。

【けらけら笑いながら、ミルクとシロップの混ざったコーヒーのストローを手繰り寄せ】
【ゆるやかな速度で吸い上げながら、男が話し始めるのを待っていた】

【国家内乱罪。ニュースでも聞いたけどどうもフワフワ宙に浮かんでいるような、現実味のないような】
【そんな単語だなあと、少女は感じていた。テレビドラマの刑事モノでもなかなか出てこないような】
【多分劇場版になるくらい人気なヤツだったら出てくるワードかもしんないなあ。なんて考えながら】

……えぇ? おじさんが捕まえたの?
なんで。おじさん別に刑事とか、そーいうやつではない……んじゃないの?

【そこでようやく、ストローが口から離れる。さすがにそこは疑ってかかるらしく】
【「あ、刑事といっしょにいたんだ」。その先を聞けば、ちょっとだけ納得したような顔をする】

まーその女刑事さん? も、おじさんなんかに構ってるヒマないんじゃない?
最近次から次に事件続きじゃん。かわいそーだよねえ。

【何気なく失礼なことを言いながら、ぐりぐりとドリアを痛めつけ】
【続きをねだる姿勢に入る。これでもう終わりなら、もうひとつのほうも頂戴よ。なんて、目が語る】
311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 20:43:13.36 ID:6PnGsPvvo
>>310

【”なんか”と言われてがくっとおっさんの力が抜ける】

おいおい失礼な奴だな……自警団の中じゃそれなりなんだぞ、こっちは
でもまぁ、忙しいには忙しいんだろうな。何せ大ごとだ。俺の相手をする暇もない、というのはあながち間違いでもないかもしれん

【少女が言ったことにおっさんも納得した様子で頷いていた】
【それはそれとして、このおっさん、自警団らしい。そういった意味でも逮捕に協力するのはおかしくないだろう】
【自警団の中じゃ悪くない立ち位置的なことを言ってるが、少女の目からすると果たしてどうだろう。ただのおっさんかもしれない】

【残念なことに公安についてはそれでおしまいだった。そこで少女のねだるような視線に気がつく】

なんだ、もう片方もか。しょうがないな……
レヴォルツィオーンの方はなんでも、そこの関係者が警察署で暴れたとかなんとか。名刺が現場に何故だか残ってたらしい
それと関係あるかは知らないが、なんだか怪しい話というか、噂もある

────人体実験をやってる、とかな

【わざとらしく声を潜めてみせる。ホラーな話をする感じのトーンだ。あんまり上手くできてないが】
【店員がホットココアを持ってきておっさんの方に置く。生クリームの乗った、なんとも甘そうなヤツだ】
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 20:52:45.67 ID:A5IhpeDA0
>>311

え? おじさん自警団なの? なんだーそれ早くいってよお。
あたしてっきりこう……さすらい? るろうに? の必殺仕事人、的なヤツなのかと思ってたぁ

【いかにもテレビっ子がしがちな妄想。さんざんつっついたドリアをようやく頬張って】
【呑み込んでから、小声でぼそり――「ぜんっぜん見えないけどネ」。とんでもなく失礼】
【やっぱりどこか、信用しきってはいないのだろう。それでもいいと言うからいいんだろうけど】

【二つ目の話。またしてもニュースで聞いた企業名、ふんふん言いながら聞いていたけど】
【続く男の言葉を耳にした途端――好奇心できらきら輝いていた少女の瞳が、くもる】

……、……人体、実験?
…………、…………。

【さっきまでさんざん煩いくらいに回っていた唇が、途端にぎこちない動きをするようになり】
【スプーンをトレイに置く音。食欲を失くしたのだろうか、口元を手で覆って】
【確かにこんな話を聞きながらごはんを食べるというのも、悪趣味な話ではあるけれど】
【――それにしたって過剰反応、に見えるだろう。まつげが細かく震えていた】

……ホントにヤな噂じゃん。
やっだなーもう、ごはん時にするハナシじゃなーい……。

【次の瞬間にはつくろうように軽く笑って、頬杖をつき直した。けれど目が、笑っていない】

//おっとすみません、風呂&夕食タイム行ってきます!
313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 21:03:06.83 ID:6PnGsPvvo
>>312

──あっははははは! そいつはいい!
確かに自警団というよりは必殺仕事人の方が俺に合ってるかもしれんな!

【少女の勘違いがおっさんには愉快だったようで、豪快に笑っていた】
【ある意味、それは勘違いでもなかった。自警団という警察のお仲間みたいなものからこの男は程遠く、もっと過激なタイプなのだ】
【だから全然そう見えなくても仕方ないっちゃ仕方ないのである】

【二つ目の話を聞いていた少女の様子が変わる】
【あぁしまったな、と思った。確かに食事時にする話ではなかった。少女の好奇心にかこつけて配慮を忘れていた。胸中に苦いものが混ざる】
【それにしてもこの反応はどうだろうか。人体実験、という言葉に直接的に何か思うところがある、ように見えた】

…………あぁ、悪かったな。確かに配慮に欠けていた
何か、嫌な思い出でもあるのか?

【聞くべきか聞かざるべきか、少し悩んだが。結局は尋ねてみることにした】
【どういうものが引き出されるかは分からない。そもそも答えてもくれないかもしれないが──】
【彼女に何か問題が生じているならば、助けも要るかもしれない。あるいは、彼女自身が問題なのであれば、対処も必要だろう】
【男の表情はつい先刻とは違い、真面目なものへと変わっていた】

//了解です。ごゆっくり!
314 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/28(水) 22:01:49.68 ID:TPCb1nnk0
>>298
【生きているのか、生きていないのか。魂があるのか、魂がないのか。心があるのか、心がないのか】
【仲睦まじいように見えて、実はそれが中身を持たない虚像なのかもしれない。しかし、眼前の黒猫は、それを否定するように生を実感させる】
【能力で作り出されたにせよ、どこかから口寄せしたにせよ、尋常ならざる存在に間違いはないのだが】

俺は櫻の国から来た。ここまで―――――いや、ここから、一人で旅をしている
世界を見て回っているんだ。なるべく多くの物を見て、なるべく多くの人を知る
それが、俺を形作る物だと教わった。きっとそうなのだと、俺も信じている

【猫の歩みに合わせて少年も進む。問われたことを、きっぱりと答える。なるべくわかりやすく、簡潔に】
【それが彼の癖だった。包み隠すことなく、真正面からはっきりと物事を言う。その性格故に、誤解されることもしばしばあった】
【だが、それも昔の話だ。今や彼は鳥籠を砕いた。翼に絡みつく鎖は解けた。羽ばたけると信じ、羽ばたいた】
【自分を正面から見る人間もいるだろう。故に、彼は自身の性格を改めるつもりは、毛頭無い】

貴女は……本当に些細なことだと思っているんだな
その靴のことだ。俺が言うのもおかしいが―――――面白い人だな。貴女は

【女性の態度が不可思議な程に飄々としていて、それでいて物事の本質を見据えるような雰囲気】
【彼女は一体何処を、否、何処も見ていないのではないだろうか。何処にでも興味深く、人懐っこく見えているが、それが本質なのだろうか】
【不思議な、今までに見たことのない人種を見る表情で、彼は女性を見つめていた。ついでに猫も】
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 22:10:01.11 ID:A5IhpeDA0
>>313

【ここまで首を突っ込んだんだから、こっちも突っ込み返されても文句は言えないな、とか】
【その上でここまで喋ってくれたんだから――嘘か本当は抜きにして――こっちも返すのが道理かな、とか】
【意外にも、そんな律儀なことを考えて。あー、とかんー、とか言いながら、まごついていた】

……んん、えーっと……そう、知り合い……に、
そーいうのが得意なヤツ……実験するヒト? マッドサイエンティスト? 的な。
とにかくそーいうのがいて、そいつ、ヤなヤツで……

【「ふと思い出して、気分が悪くなっちゃった」。それだけ言って、窺うように男を見返す】
【きっと本当のことを言っている。けれど隠している部分のほうがが大きい】
【そんな響きを含む言葉。いくらか言葉を選び疲れたようで、すぐに視線を外し】

その……レヴォル? なんとかって会社とも、つながりあったりして、ネ。
なーんてこと、あるわけない……とは思うんだけどさあ、あはは……

【付け加えるようにして、冗談。……にしてはちっとも面白くないそれを口にして】
【乾いた笑いを添えてから、やっぱりどこかばつの悪そうな顔をして、男を見た】

//大変お待たせしました……!
316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/28(水) 22:22:57.47 ID:2HVy37e00
>>314

【もし――もし彼が猫に触れていたなら、それに気づくことは容易だっただろう。体温の全くない猫、ならば、感覚としては剥製を撫でるのにも近しい感覚】
【それがやけに生きたように動くからひどく気味が悪い――というのは感想でしかないけれど。何よりその本質、実体がただの木偶であったなら】
【――もしかしたらこの女その人にも似通うのかもしれなかった。ひどく精巧で本物らしいけれどまったくそうではないもの。だなんて、余談、だけど】

まあ。櫻からいらしたのですか、遠い――でしょう、わたくしも……、櫻の血が入っているのですが。
ですけれど行ったことはありませんから。……そう、世界を見て回られるのですね。苦労も多いでしょう、わたくしは旅をしたことはありませんけれど――。
……何かお困りのことがあったら言ってくださいな。ええ、何かお力になれるかもしれませんから――。

【ゆーらゆら揺れながら話す、相手の言葉に――少しだけ驚いたようなそぶりで口元に手をやり。それからなんとなしに伝えるのは、自分のルーツもそこなのだと】
【とはいえ。髪の黒さは櫻の人間らしいが、そのあまりに宝石みたいに鮮やかな瞳は櫻の方の特徴ではない。言葉通り、純血ではないのだろう……と思わせ】
【行ったことがないという言葉で笑う、そんなに遠いところから……という風に一瞬考えるようにしてから、続けられた言葉に、はたと瞬き一つ】
【それから妙案を思いついたかのように手のひらを合わせて笑う。鳥籠から羽ばたいてみせた、そうして広い空を飛ぶ彼を、きっとこれからもっと高く飛び上がる彼を、見ながら】
【透き通る瞳は笑っているように見えたけれどそのどこかで少しだけ――本当に少しだけ、違った色合いも混ぜていた。どこか羨ましいような……けれどすぐにかききえ】

靴は――いくらでも買えますから。あなた様こそ……お急ぎではなかったのでしょうか、それとも、何か、心配事でも?

【もはやその折れてしまった欠片を持ってきてさえいなかった。すっと虚空に伸ばしてみせた足先にはきちんと靴が嵌ったまま、だけれどもう使える品ではない】
【「帰ったら棄てましょう」と冗談めかして呟く、決して責める色合いではないまま――話題の先は彼へ向かう、あの早い足取りは、どこかへ向かっていたのではないかと】
【となれば――こうやって連れ歩いているのも悪いだろうかと尋ねるみたいに。それから続く言葉は、寸前の彼女の言葉とも似通って】

旅のお方でしたら、余計にでしょう――、何か、お力になれることはございますか?

【ひどく優し気に目を細めて微笑んでみせる――囁くみたいな声はやっぱり甘い猫撫で声で、なら高い声音、囁くように話しても、夜の中ではよく目立った】
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 22:26:24.75 ID:6PnGsPvvo
>>315

【「ふむ」と話を聞いて唸る。少なくとも自警団である自分が仕事の対象としてこの少女を相手取る、という展開ではなさそうだ】
【むしろ話の内容的には彼女が被害者であるような、そんな印象を抱いた。勿論、思い出して気分を悪くした、と言っただけで敵対してるとまでは言っていなかったが】
【しかし──何かを隠している。そんな気配は感じ取れた。経験から来る勘がそう告げていた】

【ちらり、と視線を返す。ばつの悪そうな顔をしている。そんな顔を見ていると何とも毒気が抜けてきてしまう】
【年下の少女にそんな顔をさせておいて尚、細かいところを疑うことに少しばかり嫌気が差す。職業柄とはいえ、面倒くさい】
【「うーん」ともう一度唸りながら、間を持たせるようにココアの入ったカップに口をつける。甘ったるい味が口に広がるが、胸中としてはどちらかといえば反対だ】

……もうちょっと、詳しく聞いていいか?
そいつはなんて名前で、どういうやつで、なんで知り合いなんだ?

【自警団の男ははっきりと、踏み込んだ質問をした。それは少しばかり尋問のような、そんな雰囲気があった】
【結局のところ言いづらそうにしている少女を目の前にしても、この男は”その知り合いやこの少女自体が危険かどうか”を探ることを優先してしまったのだ】
【勿論、ただの知り合いであれば何も問題はない。隠している部分が社会に反するようなものでなければ、鬱陶しい大人と思われるだけだ】
【男はそう考えたが──さてどうか】

//お気になさらず!
318 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 22:40:52.64 ID:A5IhpeDA0
>>317

ええと……名前、名前かあ……本名より、通り名? のほうが有名だったかも……
えっと確か……こんな? 感じの名前、使ってた気が、すんだけど……

【そう言いながらスマホをポケットから取り出して、操作し始める】
【名前を教えることにはまず抵抗しなかった。ついついと液晶をなぞる指が何度か、考え込むように止まりつつ】
【それでも何とか目的の画面を映し出すことに成功したなら、それを男に向けて見せるだろう】

【画面に表示されているのは、ひとつのワードを翻訳ツールにかけたもの】
【「blasphemy」――「冒涜」を意味するその単語は、裏社会において少しだけ名のある人物にかかる】
【報酬さえ渡せば非合法な施術を請け負ってくれる、ありきたりな研究者がひとり。居るには居るが】
【――それくらいの悪党ならいくらでもいるだろうし、知らなくってもおかしなことではない】

なんで……って、……なんで、か。
えっと、ううん……ノーコメントじゃだめ?

【続く質問、何故そんな人間と知り合いなのか。そちらには、素直な答えが返ってこない】
【「やましいことはないし、勿論あたし、そいつの手伝いとかしてるわけでもないし……」】
【これもきっと嘘ではない。けれどやっぱり言いたくないという姿勢は、きっと不自然に映るだろう】
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 22:52:14.39 ID:6PnGsPvvo
>>318

blasphemy────”聞いたことがあるな”

【裏社会で知られているその名を、自警団の男は知っている、と答えた】
【それは奇妙なことではあった。自警団は基本的には警察のようなものだ。警察でさえ裏社会と関わるのは一部の部署になっている】
【公安所属ならまだしも、裏社会の”ちょっとした有名人”ぐらいの名前を自警団員が知っている、というのは稀有だ】
【勿論、それは特殊な部署があれば済むだけのこと。少女が違和感を覚えるようなことではないのかもしれないが──】

……できれば、職務の一環として聞きたい。守秘義務は守る

【重ねて男は尋ね続けた。職務として行うと決めた以上、途中で引くつもりはなかった】
【しかしこれは男の側の都合だ。もう一度断られるのであれば、それ以上聞き出す手段はない。そうなれば、諦めざるを得ないだろう】
320 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/28(水) 22:56:23.52 ID:TPCb1nnk0
>>316
【相対する者が櫻の国の出であることを伝えられ、彼は少々ならず驚いた。その見た目、漆塗りの如く艶めく黒髪は確かに櫻の者の特徴らしい】
【しかし、その瞳や顔立ちはやや違った血が混ざっていることを示している。彼女の言葉通り】
【彼もまた、櫻の国の者とは思えない顔立ちをしている。白い髪に榛色の目、およそ東洋風の容貌には見えない】
【なれど、彼は正真正銘櫻の国の純血だった。驚くべきことに、他の国の血は一切混じっていないのだ】

そうなのか? 櫻は良い所だ。四季により、国全体が表情を変える。春夏秋冬、飽きが来ない
俺は冬が好きだ。誰もが凍え、家に籠るが、その分景色を静かに楽しめる。雪が音を吸い込むからな

あぁ、確かに苦労は多い。だが、苦労も良いものだと感じられるようになってきた
その気持ちだけで有り難い。だが、まずは俺が貴女に何かを返す番だ

【彼女に問われ、自身の身の上をはたと思い出す。実際の所、自分は今旅の資金に困窮している所だった】
【いざとなれば徒歩で国を渡ることも出来るが、入国手続き諸々が面倒になってくる。なるべく避けたいことだ】

そうだな……実を言えば、俺は今一文無しだ
流石に一文くらいはあるが、殆ど路銀を使い果たした。どこかで少々依頼を受けるかして、路銀を稼がなければならない

【だが、何度も言う通り彼は旅人だ。そう簡単に仕事が見つかる訳でも無い。そして、一つ所に留まっていてもいけない】
【何かしらの任務、彼の腕が活かせる任務であれば尚良い。そんな都合の良い物が見つかれば良いのだが】

しいて言うなら……仕事が欲しい。なるべく短期間で終わるものが……

【そう女性に問うた。この付近での人材斡旋所などがあれば、是非とも教えてほしいと】
321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 23:04:09.35 ID:A5IhpeDA0
>>319

【「知ってるんだ」――少女はその言葉を容易く信じたし、驚いても見せた】
【だけど、何故知っているの。その問いには繋がない。その理由はひとつだけ】
【少女は本当に、くだんの人物を「知っている」だけで、裏社会でどれほどの地位を持っているかは知らないからだ】

……え、っと、……
……そいつに、身体、弄られたことあってさ……あたしから頼んだわけじゃわけじゃないんだけど、
とにかくそういうことがあって、……それっきり。

【さらに深く切り込まれれば、それだけ返した。きっとこれ以上は、口を割らない】
【特に「どこをどう弄られたんだ」という話題に及べば、口を塞いで黙り込んでしまうほど】
【それくらいに、あんまり言いたくないことらしい。いつしか少女の眉間には渋い皺が寄っていた】

【冷めきったドリア、氷が解けて薄まったアイスコーヒー。それらの乗ったトレイの縁を無意識に握り締め】
【少女はちょっとばかし、後悔しているような顔をしていた。首を突っ込みすぎたかな、みたいな】
322 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 23:18:38.45 ID:6PnGsPvvo
>>321

……なるほど。なら、お嬢ちゃんはそいつの仲間やら何やらじゃ、ないわけだな

【──尋問の結果は”白”だった。少女の言葉を信じるならば、彼女は裏社会の怪しげな科学者と積極的な関わりなどなく】
【ほとんど被害者のようなものだった。これで自警団の一員であるこの男の目的は達成されて、めでたしめでたし────】
【とは、いかなかった。本来ならば関係がなかったことを喜ぶべきところのはずだが、男の胸中にはあまりにも不躾なことをしでかしてしまった苦さだけがあった】

【結局のところやったことと言えば、少女の秘密を暴いて心を抉りとっただけだった】

(…………で、この空気をどうするんだよ、ディミーアさんよ)

【目の前には暗い顔をする少女。大の大人が職務を全うするだのなんだのと考えた結果がこれである。全く、酷いものだ】
【自分の判断に後悔はない。ないが、それとこれとは別問題だ。どういう理由があれど──”一部の例外”を除いて──いたいけな少女を落ち込ませて楽しいことはない】
【どうにかしたかった。しかしそれをするにあまりにも目の前の少女のことを知らなかった。何せ、今日会ったばかりなのだから】

────すまん! 悪かった!!
怪しい部分がないか聞く必要があったとはいえ、酷い質問をした、許してくれ!
詫びになるかわからんが、今日の分は全部奢る! 何だったら外に連れ出してくれても構わん!

【気まずい沈黙は男の声で破られた。少女に謝罪の言葉を述べながら、頭を下げる】
【結局のところ、これしか思いつかなかった。ただ謝る、ということしか今のところは出来そうになかったのだ】
【詫びとして出てくるのが奢りというのも、いまいち格好がつかない。が、すでにかっこ悪いのでどうしようもない】
323 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/02/28(水) 23:23:17.34 ID:2HVy37e00
>>320

【混血でありながら多少は面影を残す彼女と、純血でありながら、全く違った風貌の彼と。だけれど遠く遠い異国であるこの地なら、この二人が並んで歩いていたとして】
【誰かが気にすることも――なかった。あるいは彼の地であれば目立つのだろう彼の容姿も、この場所なら。ありふれたものとして誰もが気にしない、気にするはずもない】
【それもまた鳥籠の外の世界なのかもしれなかった。黒猫に腰かけた女は、行ったこともない自分に関係ある場所から訪れた相手を、楽しげにまた見上げ】

はい、行ったことはないです。行きたくないわけではないのですけれど――機会がなくって。残念です。
――――そうなのですね。ずっと桜の咲いている場所があると聞きました、きっとさぞかし美しいのでしょう、……。

……まあ。こんなふうに一緒に来てくださるだけで十分ですわ、男の方と一緒でしたら、変な方々もあまり関わってこないですから。

【言葉通りにひどくしょんぼりしたように指先で頬を撫でた、それから口元に手をやって――思い返すように唇を撫でる。それから語られる、まだ知らぬ地の四季】
【櫻は特に四季のはっきりしている国だと聞いた――ふと睫毛の毛先がわずかに下がる程度に目線が伏せられる。一瞬別のことを思い出すように、曖昧に語尾が途切れ】
【そして彼の言葉には、やはりというべきか。これが礼であるからいいのだと繰り返す。気づけばあたりの人気はさっきよりも減っていた――夜は一層更けて】

【それで――その向こう側に、おそらく目指している店だろう。こんな夜中だというのにイカでも釣るみたいにピカピカ明るい店が見えて来る】
【女はついと指先でそれを示して、「あちらです」と伝え――だけれどそれで猫の足取りを急がせるということもなかった】

では――――お困りでしょう、見知らぬ場所で持ち合わせがないだなんて……。

【――伝えられる事実。旅先でそろそろ金も底を尽きるということになれば、多分……旅をしたことのない女が思うよりも、事態は深刻だろう】
【ひどく驚いたように丸くなった目が瞬く、それから彼を心配するように伏せられて、うろうろと地面をさまよう、意味のない石ころを二つか三つ数えたなら】
【視線は緩やかに戻されて――】

お金をお貸しすることは可能ですけれど――、あなた様はきっとそれを望まないのでしょう、――――、

【「お仕事ですか」】
【少しだけ困ったような笑い顔。考え込むように口元は噤まれて、けれど猫は変わらず歩く。通り過ぎるおんぼろのポストには古い張り紙、少しだけアウトローな探偵の連絡先】
【"職業"上、全く知らないわけではなかった。けれど、だいたいは法に触れるギリギリか、すでに触れているか、踏み倒しているか。路地裏の奥を縄張りにする女だから】
【知っていると言えばそういう"やつら"になる。いくらなんでもそれがふさわしいと思わない程度の良心はあったなら】

……わたくしの知り合いとかではないですし、行ったこともありませんが。水の国のギルドの支部の場所なら分かります。
日雇いのものもあるかと思いますが――、いかがでしょう?

【そのうち口から出て来るのは、全く自分の持ち合わせる縁やコネとは全く違った情報だ。ギルド連盟の水の国支部――その場所なら分かります、と、控えめに笑い】
【そこならその性質上旅人という不確かな立場でも仕事を探すことは容易だろうし、仕事内容自体も多岐にわたるだろうと思ったか。ただ――彼女の紹介とかでは、ない】
【ただ知っているものを伝えるだけだ、だから、それでそこに行けば何か優遇されるということもない。――そもそも彼がどのようなことを得意とするかは、分からないから】

【なんとなく幅広く仕事を斡旋していそうな場所――という認識での、答え】
324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 23:30:28.45 ID:A5IhpeDA0
>>322

そういうこと、なんだけども……うん、うん?

【いきなり下げられた男の頭を見て、少女は目を丸くして】
【ぱち、ぱちと瞬きを数回――それから、くっと喉を引き攣らせた】

……っは、あっはははは! いーよ別に、そんなコト気にしなくてさっ
あたしはおじさんのハナシを聞きたがった。そのお返しにあたしのことも喋ってあげた。
そんだけのハナシだしー、別になんも気にしてないヨー。
……いやちょっとはしんどくなったけど。マジでごはん時にするハナシじゃねーし。

【けらけら笑う。先程までの不安げな表情はどこへやら】
【やたらと深刻そうに謝ってくる男が、なんだかおかしく見えて】
【ほとんど断りも入れずにここに座ってきたヒトなのに、ヘンなところで律儀だなと。そう思った】

ん、んー……じゃあ名前教えてよ。お詫びにさ。
そんでまた、面白そうなハナシ仕入れたら教えて? あたしここらへん、よくいるし。

【ふ、と息を吐いて、頬杖をつき直しながらそう口にする】
【殺されかけたとて尽きぬ好奇心。猫も逃げ出すくらいに厄介な娘だった】
325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/02/28(水) 23:44:07.69 ID:6PnGsPvvo
>>324

【頭を下げたまま、目線だけを移動させて様子を伺う。不安な表情を浮かべるのは今度はこちらの番だった。おっさんが情けない話である】
【目を丸くしているのが、この男には少女が怒っているようにさえ見えた。やはりこんな謝り方ではダメだったか、と、そう思ったとき──】
【──少女の、明るげな笑い声が聞こえてくるのだった】

悪かった……いや、許してくれてありがとう、と言うべきか

【顔が上がる。顔には安堵がありありと浮かび上がっていた。目尻の下がった、それこそ情けない顔だ】
【詫びの提案に今度はこっちが目を丸くした。ついさっき気分の悪い話題が飛び出してきたというのに、また次も何か聞かせろと言う】
【本当に猫──いや、猫以上の好奇心を持っているのだから驚きだ】

ディミーアだ。ディミーア・エルドワル
酷い質問をする酷いおっさんだが、これでも腕は立つ。困ったことがあったらいつでも言え……どこからでも向かってやる

【弁明と言わんばかりに、何だか自警団っぽいことを言う。だがその表情は割と真剣だった】
【ペンを取り出すと紙の切れ端に連絡先を書いて渡す。その”困ったとき用”ということだろう】
【それを差し出して受け取る受け取らないに関わらず「お嬢ちゃんは?」と名前を聞き返す】
326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/02/28(水) 23:46:03.50 ID:EJoTt9+Ao
【昼過ぎ・公園】

【噴水を中央に配した広場には複数のベンチが並び、鳩や子供がそこら中をうろうろとしていた】
【長かった冬の終わりを感じさせる、午後の陽気。そんな穏やかな空気の中、難しい顔をして新聞を睨む女が一人】

【左手にはサンドイッチを、右手には新聞を。膝の上にはサンドイッチの入った袋を置き、何部かの新聞を隣に。】
【一つ結びの銀髪に、細いフレームの眼鏡と切れ長の碧眼。黒のパンツスーツ姿の、細身の女である】

―――――む。

【風が吹いた。置いていた新聞が飛んでいく―――既に読み終わったものだ、後で拾えばいいだろう。】
【視線は右手の新聞に戻り、食事は続く。風を受けた新聞が、地面の上でバサバサと音を立てていた】
327 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/02/28(水) 23:54:10.87 ID:TPCb1nnk0
>>323
【夜の帳が落ちる。されど、この街は不夜城。毒々しく、瞳孔を貫くネオンの光が、天蓋を貫かんとばかりに煌めき舞う】
【虚飾、虚栄、借り物の美で飾り立て、真偽も定かでは無い身分の人間がこれ見よがしに腕時計やネックレスを自慢し歩く見栄の城】
【そうでもしなければ、自分を保てないのだろう。そうでもしなければ、自分がそこにいないのだろう。悲しいことだ】

【辿り着く先、目当ての店はもう目の前だ。やはり、ネオンが毒々しい。ギラギラと光る看板が、いやに目に刺さった】


金を借りるなんてことは出来ない。貴女の言う通りだ
形はどうあれ、路銀を稼ぐのは俺自身だ。そこは、なるべく徹底しておきたい

【彼は相手の身の上など知る由も無かった。彼女が、もしかすれば自分が敵対する可能性のある人種かもしれないとは、思いもせず】
【彼女の表情に些か奇妙な気配を抱きつつも、彼女の言葉に耳を傾けた】


ギルド支部か……確かに、そこなら日雇いの仕事の方が多そうだ
出来れば、場所を教えてほしい。後のことは、俺の力で何とかする

【有り難く、それを受け取る。人材斡旋において、ことギルド連盟に比肩する物は少ないだろう。それ程に巨大で、そして強大】
【その場所がわかると言うなら、聞いておかない手は無いだろう】
328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/02/28(水) 23:54:40.22 ID:A5IhpeDA0
>>325

いーっていーって。なんかヘンなとこ小心者だネーおじさん。
あたし? あたしは夕月っての。んふふ、そんじゃー今後ともよろしくネ?

【「ホントに、困ったら呼んじゃうから」なんて言いながら、紙を受け取ってポケットへ】
【盛大に残しっぱなしのトレイを持って、何も言われなければ席を立つだろう】
【厚い靴底をこつこつと鳴らして去っていく少女の表情は、男に背を向けた瞬間に】
【ひどく凪いだ、温度を持たないそれになる。……いやなことを思い出したからだろう】


【その後。少女が示した「冒涜」の名を持つ研究者について、もし調べてみたならばわかることがいくつか】

 【若い女であること。黒髪赤目、背が低く痩せぎす。不健康そうな出で立ち】
 【いつも隣に若い男を連れていること。銀髪に黄色い眼、背の高い褐色の人物を】
 【生物の肉体を弄るのが得意なこと。違法な肉体改造手術や、合成獣の作成を主に請け負っている】
 【そうして得た報酬を、「生きた人間を買うこと」――それも「金髪碧眼の少年少女」に限定して、使用していること】

【「冒涜者」――「ブラスフェミア」と呼ばれるその人物は、赤い靴の少女にどう関わっているのか】
【そればっかりはわからないままだったけど――まあ、そのうち、いずれ。】


//こんなところでしょうか。お付き合いありがとうございました!
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/01(木) 00:09:37.44 ID:Y/dEBfWYo
>>328

【「ああ、よろしく」なんて言ってディミーアは少女──夕月を見送った。その表情の変化は、残念ながら気づくことはできなかった】
【多少は気分を変えられただろうか、などということを考えてしまうのは、やはり彼女のことをよく知らないが故だった】
【すっかり冷めきったココアを口に含む。冷えると甘ったるさが余計に感じられて、今の気分には合わなかった】

【その後、ディミーアは夕月の言っていた人物について少しばかり調べてみた】
【合成獣に肉体改造。出てくるワードはどれもこれもがレヴォルツィオーンの噂と似ているものだが、関係性までは分からず】
【それよりも気がかりだったのは特定の人物のみを集めているという点だった。偏屈だ、の一言で済ませても良かったが、そういった部分に厄介な意味があることも珍しくなかった】

──何とも面倒な相手だな。一応、気をつけておいた方が良さそうだ

【路地裏に立つディミーアは目の前にいた売人らしき男に金を渡していた。情報料だ】
【売人は慎重に枚数を数えると懐にそれをしまいこむ。そして闇商人らしい下卑た笑みを浮かべる】

「しかし、旦那が”情報”をお求めになるとは珍しい。いつもは別の……」

黙っていろ。死にたくなければな

【何かを言いかけた売人を剣士の視線が押し留めた。そこには殺意さえ込もっていた】
【これを機にディミーアはブラスフェミアと呼ばれる研究者の情報を可能な限り集めるようにするだろう】
【その結果どうなるかは────まだわからない】

//お疲れ様でしたー!
330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/01(木) 00:14:32.88 ID:rgja/PID0
>>327

【遠目であればきっと美しい夜の景色も、その場に立ってみれば下品でしかないものだった。ならば外から眺めるに限る、間違えても、その中に踏み込むのはよろしくない】
【だけどこの女はこの中からさえ弾きだされた――そういった違法の組織の人間ではない。ただ……身体を売るのを生業にしているだけ、突飛した悪ではない】
【だけれどそういう違法な人間と関わることは、一般人より確実に多かった。絶え間ない笑顔、その隙間に混ざる時々違った表情も、全部が、完成された一つずつの作品のよう】
【夜の風に揺らいだ髪をかき上げる指先には色のない透明なマニキュアが塗りつけられていた。そうして歩くうち、やがて、件の店の前まで、たどり着く】

【よくわからないキャラクタが店の壁一面にでっかく描かれているのはそれだけでなんだか近寄りがたい、何より店の前には、いくつもいくつも大きな商品陳列の棚があり】
【多種多様の洗剤や原色のゴムボール、安売りの粉チーズ、よくわからないうえにパッケージをよく見てもなお分からない謎のCD――などといった、謎の品ぞろえ】
【店に入る前から渾沌としたさまだった。だからこそこんな時間に、ありあわせでも何か靴みたいなものが買えそうだ――という謎の信用まで生まれてくる、この場所】

……ええ、そうでしょう。ですけれど――、お金がなければ寝食にも困るのではなくて、お食事くらいは……お手伝いさせていただけませんか。
わたくしも夜はまだですから。いかがでしょう――?

【――さて、現場に着けば。いくらなんでもこの大猫にまたがったままでは買い物は難しいだろう、というのが、分かってくるだろう】
【とかくいろんなものを詰め込みまくった店は入り口から中を伺っただけで、かなり狭い。ふわりと黒猫から降りた女は、やはり高さの違う靴に斜めっていたのだけど】
【変に適応力が高いのか大きな黒猫はお買い物中の犬みたいに駐車場の片隅に座らせてから――彼へ「お付き合いいただいてありがとうございます」と笑うはずだ】
【おかげでここまで平穏無事に来ることができました、なんて、言う風に。――それにしても、さっきから。まだ名も知らぬ旅人に金を貸そうか、と言ってみたり】
【だめになった靴をすぐ買うことにためらいがない――もっというと、直そうともしないところとか。一緒に食事でもどうですかと当たり前に誘って、みたり】
【少なくとも彼女の方に金に困窮している様子はなさそうだった。それ以上に彼に何か手助けをしたいのだというのも伝わるだろうか、世話焼き……と言えば、聞こえはいいけど】

では――あとで地図を書いて差し上げましょう、と言っても……最寄りの駅だとか、だいたいの道筋程度ですけれど――。
ごめんなさい、詳しい行き方まではよく知らないんですの、使ったことがないですから。

【店先でメモ帳を広げて地図を……というのは少し憚られたか。もちろん彼が食事の誘いを拒めば、そのまま立ち去ると言えば――最速で、買い物の後に用意されることになる】
【とにかく靴を買わねばどうしようもないだろう。といっても――狭い店内へ足を進めた彼女は、品ぞろえの様子からそれっぽいものがありそうな場所へ向かうと】
【特に値段を確かめるでもなく、なんでもなく、パンプス風だけれど樹脂でできた安い靴を選んでしまって――なんにもなければ、買い物だなんて、数分もかからないかもしれなかった】
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/01(木) 00:16:52.74 ID:BmQY8xzt0
>>326

【くしゃり、と】
【新聞紙を踏みしめる音が聞こえただろうか】
【もしも目線を動かせば、ロングのブロンドに、仕立ての良いトレンチコートを羽織った女性が見えるだろう】
【滑らかな光沢を持つ革製のブーツで踏みしめた新聞紙に目をやると】

―――君の新聞かね。
無用にゴミを撒き散らかすのは関心せんな。

【そんなことを、言ってのける。女性の声としては、やや低いだろうか】
332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/01(木) 00:31:51.33 ID:/i4djYaqo
>>331

【音――というよりも、人の気配に対し、女は視線を向けた。無愛想な、不機嫌そうな表情で】
【口の中のものを嚥下したなら、一息の後に口を開いた。発するのはこちらもまた、低めの声】

……如何にも。それは私のものだ。
後で拾おうと思っていたところでな。丁度いい、それをこちらへ寄越してくれるか。

【後でやろうと思ってたんだ―――女の本心は別として、『行けたら行く』と同じくらい信用ならない言葉だろう】
【しかしそんなことは気にも留めず、女は手にしていた新聞を置き、右手を彼女の方へと差し出した】
333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/01(木) 00:38:50.28 ID:BmQY8xzt0
>>332
【ふん、と鼻を鳴らす】
【放っておけば風に吹き散らされるものだ。どう拾おうというのか】
【だが、特段気にしたような様子もなく、腰を屈めて足元の新聞紙を拾う】

ふん、ふん……世の中事件ばかりだな。
全く忙しないことだ。

【ちょうど手に取った新聞の記事に目を落としながら、女性の座るベンチへと歩む】
【新聞紙の土埃を払いながら、女性の目の前まで来ると、】

ほら、大事にしたまえ。情報は何より大事だ、そうは思わんかね。

【そう言いながら、女性が差し出した右手に新聞を手渡した】
334 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/01(木) 00:45:58.37 ID:ZaoEaoT/0
>>330
【混沌の只中、あらゆる趣味嗜好をミキサーで掻き混ぜ、所かまわずぶちまけたような、整合性の欠片も無い店内】
【確かに、ここならばどんな物でも手に入りそうだろう。何か一つを求めるよりも、何も求めずに来るような場所だ】
【だが、それで本当に良いのだろうか。何でも良い、と言うのは余りにも、刹那的すぎる】


食事―――――いや、それはよしておこう
そこまで貴女に世話になる訳にはいかない。それは、俺が決めたことでもある
出来るだけ、自分の力で進んでみる。そう決めたからには、無暗に誰かの世話になる訳にはいかない

【今晩の食事は、持ち合わせの携行食料(レーション)で済ませよう。別段、味にどうこう言う程舌が肥えている訳ではない】
【それ以上に、彼にはこの女性への何とも言えない警戒心が生まれ始めていた。どこか捉えどころが無い。それでいて、不動】
【水の様に流れるのに、岩の様に揺るがない。野草の様に靡くのに、巨木の様に芯がある。二律背反の存在に思えた】
【そこに生じた不可解な感覚。無暗矢鱈と近づけば、そのまま帰ってこれなくなるような深みの気配】
【そうだ。あの黒猫の色は、黒色だった】
【光を飲み込む、黒色だった】


地図まで書いてもらえるなら十分だ。何から何まで、感謝する
そうだ……まだ名前を聞いていなかった。俺は鳴神 義勇と言う。貴女は―――――?

【買物が終われば、彼は最後に彼女の名を聞こうとするだろう。出来れば、お互い名を知った状態で別れたかった】
【名を知る、と言うことは一種の契約。この夜、ここでお互いが出会ったことを無かったことにしない為の、名の交換】
【全てが終われば、きっと彼は宵闇に消えていくだろう。ほんの少しの警戒心と、小さなメモと鞄を持って】
335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/03/01(木) 00:51:11.78 ID:NRIb6RfAo
>>303

【その日は夜から“お招き”があったので、本当なら警察署に突っ込む気なんかなかったのだけれど】
【──、あの“ジョー”という男の狂気にも似た雰囲気に流されてしまったのだろうか。結果として、大事になってしまった】
【それに、ファイルの方も空振りだ。“来栖”という名の刑事の名前はやはり、其処にはなかった】

(…… あの人どれだけ暴れたのよ。死人出してないでしょうね──。)

【ちら、ちら、と、初の視線は卓上の料理ではなく、テレビの画面に向かう。──ニュース映像は、大立ち回りする男を映していた】
【この間の逃走事件のことは、“目の前の人”にバレていないみたいだけれど、今“挑発”が映れば言い逃れ出来ない】
【── でも、どうやら、余りにも“ジョー”が大立ち回りしたことで、現状此方はニュースになっていないらしい】
【スザクの名刺を落としたのが気になるけれど。──彼女には悪いことをしたな、と芒としていると】


「 ……お口に合わない?」


【“マキ・ランガスター”が、微笑みにも似た表情で彼女に問いかけた】
【──あの頭の螺子が幾本か飛んだ軍人の妻が、こんな女性だというのが、初には納得がいかない】
【櫻の女性らしい艶のある黒髪に、長い睫毛。知性的な語り口。和装をすれば、大和撫子の同義語だろう。オマケに料理も上手い】

ぃ、いや、全然!!
「全然。……和食の方が良かった?」
── じゃ、なくて。その。大丈夫、の全然です。美味しいです。
「ふふっ。ごめんなさい、少し意地悪しちゃった。ケーキもあるから、後で食べましょうね。」

【決して、表情がころころと変わるわけではない。けれど無愛想にも見えない。むしろ、逆だ。】
【静かなのに柔らかい。それに、たまに見せる少女らしさ。──この女性を見ていると、初は、春の凪いだ海を思い出す】
【──こんな人になりたいな、とたまに思うけれど、私には無理だ、とも思う】
【多分、色々な経験と言うか──“過去”が積み重なって、彼女を形作っているのだろうから】

「下唇。」
──え、っ。

【なんてまた、取り留めのないことを考えていると、白魚のようなマキの指が、初の口元を指した】

「何か考え込んでるとき、噛む癖があるでしょう。私、これでも心理学を齧ったことがあるの。
 ……ふふっ、その顔は図星、かしら。こっちは誰でも分かるわね。」

【彼女の言う通り。悩み、と言えば、初には悩みだらけだった。──自分の過去が分からない、というのが一番大きなそれだけれど】
【“来栖”が影も形もなく消えてしまったことで、あの“機械警官”を追う端緒は完全に潰れてしまった】
【── 初は数秒、黙って視線を下げ。それから、マキに視線を向ける】

その、……少しだけ、開けたと思った道が、本当は塞がっていて。
……マキさんなら、どうしますか。
「諦めて戻るのは駄目かしら。」
それは──、出来ません。後ろは断崖絶壁です。
「そう。なら、何とかするしかないのね。」
はい。

【今度は少しの間、マキが沈黙する。テレビの向こうでは、手配、だとか物騒な声はもう掻き消えていて】
【流行りの歌が、平和と愛を歌っていた。──彼女は、】


「……なら、少し休憩するかしら。」
休憩? ──、いや、でも ──、
「休憩は大事よ。その間に、誰かが穴を開けてくれるかも知れない。
 ……そうだ、この前、良いカフェを見つけたの。時間があれば、行ってみなさい。
 きっと、後悔はしないわ。 “カフェ・ル・タンブラン”っていう所なんだけれど、ね──。」



/遅くなってすいません、お疲れ様でした!
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/01(木) 01:01:11.70 ID:/i4djYaqo
>>333

【特に目に留まる記事といえば、政治家達がそのターゲットとされた、フルフェイス事件≠セろうか】
【とはいえ、種々様々な推測が書き立てられているのを見れば、手にしているのがとんだゴシップ新聞であると気が付くだろうか】

―――既に読んだものだ。
大した情報も書いていなかったし、それほど価値のあるものではないぞ、これは。

【受け取った新聞をこれまた適当にベンチに放れば、言うのはそんなこと。拾わせておいてこの様である】

だが、事件が多いのは私からすれば有り難いことだ、犯人が捕まれば仕事が増えるのでな。
……しかし、最近はどの新聞も同じ事件ばかりだな。特に進展も無いくせに、よく飽きないものだな。
それとも、市民が求めている、というやつなのか?

【拾ってもらっておきながら、礼の一つもない。気付けば視線は新聞に戻っているし、どこまでも無愛想な女である】
337 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/01(木) 01:07:59.10 ID:BmQY8xzt0
>>336

【新聞を手渡すと、コートの胸ポケットから葉巻を取り出す】
【それを手に持ったまま】

いや、この新聞自体はどうでもよいさ、お嬢さん。
君のような手合がなにより配意するべきなのは「君がどんな情報を収集したのか」だ。

自身が取得した情報は隠匿したまえ。
何を知ろうとしているか、何を得たのか、何を不要と判断したのか、もね。

【そう言うと、取り出したマッチで火を点ける。香り高いその煙は、どこ産のものだろうか】
【無愛想さを気にした様子もない。ソレを言うのなら、断りもなく葉巻をくゆらせるこの女性も相当のものだろうから】
338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/01(木) 01:14:34.18 ID:rgja/PID0
>>334

【何も求めずに来る場所――それはきっとまさにその通りだった。ここには海外のクッキーが並んでいるのに、少し視線を動かただけで、プラスドライバーが陳列され】
【かと思えばその隣には有名どころのキャラクターのぬいぐるみが親に首根っこを咥えられる子猫のようにぶら下げられていた。それであちらも見れば、老眼鏡まであり】
【ないものは――ほとんどなさそうだった。あるいはなんだって手助けしたがる女にも少しだけ似るのかもしれない。役立ちたいと、いろいろな形で待っている】
【未だかつて一度だって見たことがないデザインの謎のキャラクターのクッキー缶をちらりと眺めた女は、それから相手に向き直るだろう。一度ゆるく瞬いてから】

――そうですか、では、何か買われますか……いえ。やめておきましょう、これ以上はご迷惑でしょうから。

【滑らかに移行した表情はやがて残念そうになる、ならばここで何か……と言いかけた言葉は、だけど、自らの言葉で断ち切って。わずかに眉を下げて、笑うだろう】
【聞いたこともないブランドの靴。よくわからないハンガーみたいなパーツで固定されたのを指先にぶら下げて――雑多すぎる店内で、この女は、少しだけ希薄だった】
【それに比べたら彼はきっとこの中でもよく目立つだろう。きちんと自分のある人間として――それが余計に彼女をふとたくさんのものに紛れさせてしまいそうになって】
【それでも人間がある一瞬で消えてしまう奇跡はあんまりない。だからそこに留まったまま。要件は済んだともなれば、その本当にどうでもいい靴の会計を済ませ】

【雑多でせまっ苦しくて、もっと言うと暖房が効きすぎていて暑い店内から出る、やる気のない店員の礼の声も、自動ドアが閉まれば、途中で聞こえなくなり】
【店から出てしまえば女は買ったばかりの靴を固定するパーツを、丁寧に――ただよく見ると端々はむしり取るようではあったけど――外し】
【そっと足元並べてから靴を履き替える。高いかかとの靴に比べて、樹脂の靴だからか、いくらも身長が低くなった彼女は、それから相手を見上げ】

では――地図をお書きしましょう、少々お待ちくださいな……いえ、お付き合いいただいたのは、こちらですから。

【にこりと人当りの良くて人懐こい顔をする――駐車場の片隅に座らせた猫は消えていた、能力者たる女と離れ、視界から外れ、意識から逸れたから……なのだけど】
【かすかな警戒心と疑りを覚えた彼にはそれさえも何か意味のあることに見えたかもしれない、――やがて荷物の中からありふれた手帳を取り出し】
【はたはたと捲ってメモ帳として切り離せる場所を探す――その途中、ちらりと見えるスケジュールにはいろいろと書き込まれているのも分かるだろう。読むことはできないけれど】
【やがて目当てのページ群――すでにだいぶ切り離されている――を見つければ、言葉通り、最寄り駅と、そこからの大雑把な行き方を記すだろう。よほど仔細ではないが】
【もし分からなくなっても、適当な通行人を捕まえればあとは簡単に教えてくれる程度には"だいたい"書いてくれるはずだ】

……二谷音々子です、どうぞ、お好きに呼んでくださいな――――義勇さま。

【やがて書き終えればミシン目の刻まれたページを切り落として、相手へ差し出すだろう。それを受け取れば、それ以上女が何かに誘うとか、引き留める、ということはなく】

本日はありがとうございました。では、お気をつけて――。

【旅人たる彼を送り出すことになるのだ、その背景がこのひどく雑多な店というのも、なんだか、雰囲気みたいなものがなかったけど】
【逆にどこかそれっぽくもあって――そのまま、黒猫みたいな女の姿も、その数分後には消えていた】

/おつかれさまでした!
339 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/01(木) 01:29:34.46 ID:/i4djYaqo
>>337

―――ほう?

【眉が動いた。くゆる紫煙の向こう、碧眼が鋭く光る】

面白いことを言う。
まるで――――そうだな、まるでそこら中に敵がいる≠謔、に聞こえるが。

【薄い唇が緩い弧を描く。女は、笑みを浮かべていた。薄雲を纏う三日月の如く】
【興味の対象は今や、手の中の新聞紙ではなく、目の前の彼女へと移っていた】

――――何者だ。
ただの一般人、とは見えんが。
340 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/01(木) 01:43:03.88 ID:BmQY8xzt0
>>339

違うのか?
女子たるもの、一歩外に出れば七人の敵がいる――というものだが。

【葉巻を銜えたまま、女性の横に腰掛ける】
【一つ煙を吐くと、くつくつと喉を鳴らした】

さてね、人に名乗る時は自分から、と言いたい所だが、
名乗っておこうか……クリスという。

今はそうだな……公務員の真似事をしているよ。
君はどうかね、お嬢さん。

【碧眼の女性と目線を合わせると、同じように口端を上げる】
【恐らく、戦闘力はさほどでもあるまい。ただ、何事か――ある種の迫力があるような】
341 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/01(木) 02:03:29.97 ID:/i4djYaqo
>>340

フッ…………女子たるもの、か。
男社会で生きているものでな。そういう感覚は随分と薄くなっているのだよ。

【彼女が自らの隣にやって来るのを尻目に、サンドイッチを口に放り込む】
【ビニールの袋からペットボトルを取り出せば、中の水を一口、口内を湿して】

―――私は、ケイだ。弁護士を生業としている。
だから、まあ……先の言葉も、あながち間違いではないだろうな。我々は情報を武器とするものだ。

しかし、公務員とはまた、幅の広い呼称だな。それにしても、こう物騒な気配のやつはそうそう見かけないが。
やはり只者ではないのだろうが――問うても答える気はないのだろうな。

【ケイ、と名乗った女も、細身である。外見からすれば、戦闘力の高い部類ではないだろう――外見だけで語るならば。】
【クリス、と名乗った彼女のその直人ならざる存在感にも、退くことはなく。真っ直ぐに目を見つめ返していた】
342 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/01(木) 02:23:44.29 ID:nzVSNhmTO
>>341
ふふ。
私も男社会だ、奇遇だなケイ。
それに弁護士ということも悪くないーー私の故国は、訴訟社会でね。
法理で身を守るというのは実に腹に馴染むの
さ。

おや、物騒とは心外だな。
これでも荒事は得意な方ではないんだ。
だから私が荒事に挑むとすればそれは、
すでに私の勝ちが決まっているようなときだろうね。

【そういうと、銜えた葉巻を手に取って一息】
【いつしか噴水の公園には、行き交う人が増えていた。清掃の男性、電話しながら歩くスーツの男性】

そうだな、多少面倒な身分なものでね。
それで、その『フルフェイス事件』。
少しは調べがついたのか?
今のこの国では、猫も杓子もその話題だが。

【まっすぐに見つめるケイの目を正面から見返して、そんな質問を投げ込んでくる】
343 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/01(木) 02:49:13.20 ID:/i4djYaqo
>>342

訴訟社会、か……さぞ弁護士が重宝されているのだろうな。それとも、弁護士が増えすぎて、却って飽和状態になっているか。

【――学校帰りだろうか。子供たちの笑い声が聞こえる。】
【手にしていた帽子を顔に被って、『フルフェイスだー!』だなどと一人が言えば、キャーキャーと逃げ回って】

なに、弁護できるような犯人がいないものでね、あまり時間を裂けないのもあって、サッパリだ。
ボスに話を聞いてはみたが、暴れていた連中は揃いも揃って『覚えていない』という。
記憶喪失のフリ、というわけでもない、と。そんな状態では裁判もできんだろう?
それに、例え依頼があったとしても、勝ち目が薄すぎる。私も負け戦は好まないのでな。

聞こえてくるのは下らん噂話ばかり……詳しい人間がいるのなら是非ともインタビューしたいくらいだ。

【肩を竦めてみせたなら、ふ、と息を吐いて。少しズレた眼鏡のブリッジを押し上げた】
344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/03/01(木) 19:15:16.83 ID:NRIb6RfAo
【水の国/街中】

【路上に出来た幾つかのクレーターと、砂埃の匂い】
【警察や野次馬が集まる中、黒髪の青年が事情聴取を受けていた】
【──少し前から現場を見ていた者なら、彼が別の能力者を制圧したのだと、分かるだろう】


(…………困った。何かに映ったら絶対怒られる。)


【自らの“力”を自覚したばかりの能力者が暴れまわり、居合わせた能力者がこれを止めた】
【──最近では珍しい程の、ストレートな事件だ。不健全だが健全で、彼の“仕事”には関係がない】
【と言うか、下手に顔が売れては差し障る。ここは、“匿名の一般人協力者”として、後は警官達に任せたい】


じゃあ、僕はこれで──、えっ、治療費が出るから名前と住所?
僕、怪我してます? ……あぁ、頬が切れて。いや、大丈夫です。すぐ治るんで。
そういうことで、失礼 ……感謝状が出るかも知れない?
ぁー、……えっと。そういう場所は、緊張するんで。
お茶も結構です。本当、ちょっと急いでるんで──、パトカーで送る? いや、その。


【──のだが、人の良さそうな中年警察官の、善意の制止が中々激しい】
【この場は通りかかっただけなので、急ぐ用事などないが、警官はせめて送ると言う】
【困った。 こうなれば駆け出して逃げてしまおうか、どこか丁度いい方向は、と、周囲をキョロキョロ】
【見る人が見れば、“断りきれずに誰かに助けを求めている”ようにも、見えるのかも知れない】
345 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/01(木) 19:15:46.78 ID:+QYe1uuJo
路地裏】

〜〜〜〜〜♪

【綺麗に刈り上げられた側頭部、ツンと縦に伸びた金髪とその髪型は所謂ソフトモヒカン】
【野山を舞台に巨大な骸骨が描かれた絵が刺繍されたスカジャンを着込んで】
【まるでチンピラのような風貌の男が道端の木箱に座って調子っぱずれな鼻歌を歌っている】

【加えて、異様な点が一つ】
【男の右腕からは一本の触手が生えていた】

「ぅ、ぁ………っぁ、…ぁ、ぁ…っ」

【チンピラ男の腕から伸びる触手の先端】
【其所には二十代半ば程の女性がその首に絡みつく触手によって宙吊りになっていて】

「…ぁ、ぁ…っ!ぅぁ、……っ!…っ!」

〜♪〜〜〜♪〜、ヒャヒャッ!

【女は触手の拘束から逃れようと必死にもがくが】
【抵抗空しく男の笑い声を皮切りに触手の締め付けは一層強くなっていく】
346 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/03/01(木) 19:54:07.42 ID:NRIb6RfAo
>>345

……やれやれ。路地など通るものではないな。

【路地裏の壁に、声が反響した】

【路地の表通り側から、かつ、かつ、という足音が聞こえる】
【──、やがて、姿を現すのは、水の国の軍服と、古びた軍帽を被った男だった】
【怜悧な印象を与える碧眼は、左が眼帯で覆われ、右だけが、言葉と裏腹に爛々と輝いている】


夜警の真似事は吝かでないが、君のような者をこの眼に映すのは不快だ。
──、それとも、何かね。積年の恨みを晴らす現場だと言うのなら、私が見届けるが。
その鼻歌を聞く限り ──、問うまでもなく、“こう”するべきなのだろうな、私は。


【独白のような言葉とともに、軍人はナイフを投げる。狙いは女性の首元に絡む触手だ】
347 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/01(木) 20:01:04.48 ID:mNdclX5l0
>>344

―――― あっ、いましたっ!

【不意に青年の背後で、馴染み深い――とまでは言えないが、覚えのある声が聞こえるだろう】
【目をやったならば、声の主である黒い長髪の少女が、温厚な押し問答を繰り広げる二人の傍にてとてとと駆け寄ってきていた】


はぁ、はあっ……探しましたよ。お兄さん≠チ!
……ふらっと歩いていったと思ったら、こんなところにいるなんて。


【髪色や歳の差で言えば大きな無理はないとは言え――二人の間に血縁関係はない】
【それでも、突発したカバーストーリー≠飲み込んでくれるだろう、という信頼を込めて、彼女は青年にちらと視線を向けた】

あのっ、刑事さんですか? うちのお人好しが余計なことに首を突っ込みまして、申し訳ありません。
色々と話されていたみたいですけど……用事がありますので。お気持ちだけ、受け取らせてください。

【彼女は本来持っている内向きさや幸薄そうな雰囲気を利用して、懇願するように警察官に語りかける】
【目には目を、情には情を。眼鏡越しに見つめる菫色の瞳には、有無を言わさぬ頑なさが輝いていた】

お兄さん、詳しい話はあとで聞きましょう。今日はお買い物の約束でしたよね?
一緒に行きたかったところ、あと30分で閉まっちゃうんですよ。

ごめんなさい刑事さん……後のことはお願いしますっ。

【少女――公安三課のラピス・アン・グイスは、言い残して青年の手を引きその場を去ろうとするだろう】
【彼女の格好はグレーのチェスターコートを主軸に据えたカジュアルなもので、その普段着≠謔闔s井に溶け込む努力が見られた】
【隠しようもない豊満なバストと、手と顔以外の『皮膚』を露出しないことに関しては、変わりない様子だったが】
348 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/01(木) 20:13:04.14 ID:+QYe1uuJo
>>346

〜♪〜〜……んァ?

【突如響いた声に鼻歌を間抜けな声で中断し】
【声の元へ顔を向け軍服の男性を視界に捉えると】

ヒャヒャッ、なんか面倒臭そうなのが来たな…

【相手の独白を気味悪い笑い声で答えて】
【触手は歪むようにぐにゃりと曲がってナイフを躱した】

【次いできゅ、と触手が収縮したかと思うと】

「ぅ、……あっ…――――」

【肉と骨の潰れる鈍く嫌な音と幽かな呻き声】
【女性は急な脱力と共に重力に従って触手にその身を預け事切れた】
349 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2018/03/01(木) 20:18:28.69 ID:NRIb6RfAo
>>347

【“お兄さん”── その言葉に、彼の身体が、びくり、と反応した】

…… 、 あっ。

【呼び止められて振り向いた青年は、反応までに数秒を要する】
【──普段は、こういう“その場の嘘”には長けた方なのだが、今回は少し不自然だ】
【それでも、人情に溢れた警察官は、そうかい、そうかい、良い妹さんだねぇ、と快く彼を送り出す】
【青年は手を引かれるままに、彼女に導かれ──何とか、その場を脱することが出来た】


すいません、助かりましたラピスさん。
あのままは不味かったです、かなり。お給料減る所でした。
…… お出かけですか?


【未だ手を繋いだままに歩きつつ、青年──公安三課の森島は、苦笑を浮かべる】
【用向きを尋ねたのは、彼女が普段着ではなく、街行きの服装をしていたからだろう】
【それとも、何か彼女が関わっている“案件”があったか──、と、思考を巡らせる】
350 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 20:31:14.76 ID:NRIb6RfAo
>>348

【──こと切れた女性を見て、軍人は小さく鼻を鳴らした】
【恐らく、彼の使命は人々を守ることなのだろう。なのに、怒りの色も見せない】
【ただ、軍人の右目が釣り上がる。 口元は、片方だけが“笑み”を浮かべていた】


…… クックック。


成程、“殺した”か。 ならば次に、私はこう問わなければならない。
君の“名前”と、“何故、彼女を殺した”か。 ──まさか、快楽殺人などと言ってくれるな。
人が人を殺すには、それなりの“矜持”があって然るべきだ。 そうでなければ、2つ困る。
1つは、今夜の件をどのように記録に残すか。 もう1つは ──、


【軍人は腰を僅かに落とす。何らかの格闘術を修めている者の構え】



…… “君が戦士足り得るか”、看取し得ない。


【──、更に、“黒い鎧”が彼の両腕だけを覆った。能力者だろうか】
351 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/01(木) 20:45:36.90 ID:ualZAHUiO
【――――がたん】
【ごとん――――】


【水の国フルーソ経由、風の国エルジオ行き大陸間鉄道“オリエント急行”】
【臙脂色を基調とした中世西欧風の車体は今、どこぞの駅から出たばかりだった】
【設備そのものは現代式。だが、レトロモダンな内装が施された車内は】
【まるで自分が中世にでも迷いこんだような、そんな錯覚を抱かせることだろう】

【『はぁ!?よりにもよって“UT”に“麻季音”がいるだとぉ!?』】
【三等客席――所謂自由席に座っている女は、“協力者”との会話を思い浮かべていた】
【『いやいやいやいや、さっすがに機関のやつが“UT”に行くのは――』】
【『――あ、だからあたしが行くのか。オーケイ、ジル。任せとけ』】
【『それに、あたし自身“麻季音”に用があるしな。んじゃちょっくら行ってくるわ』】

(…………にしても、流石に列車は無謀だったか?)
(いや、でもしょ〜がねえよなぁ?車じゃあ遠いし、時間かかっちまうしなぁ)


【――――がたん】
【ごとん――――】


【車両はボックス席のみ。女の座っている席は最後尾、最後列だった】
【他の車両には立っている客もいる。最後尾の車両もほとんど埋まっていた】
【だが、女のいるボックス席だけは、彼女以外座っていないのだ】
【それもそのはず。女の風体は、明確に“不審者”だった】

【程よく空調の聞いた車内にも関わらず、女はフード付きの外套を着ていた】
【フードで頭を隠し、さらにサングラスで目元を、マスクで口元まで隠している】
【徹底的に顔を見せないようにした格好――おまけに、フードの中では時折何かが蠢いているのだ】
【客の誰かが、「不審者がいる」と自警団や警察に通報したかもしれない】
【あるいは、不運な旅人が車両の空席を見つけてしまったのかもしれない】
【どのような形であれ、列車は走り出していた。行き先は風の国】
【この旅路が凪のように穏やかなものとなるか。はたまた嵐と化すかは――】
352 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/01(木) 20:50:28.95 ID:mNdclX5l0
>>349

【ラピスは現場を速やかに離脱し、寂れた通りを縫うように走った】
【やがて視線の先に、殆ど人気のない小さな公園を見つけた辺りで】
【手を繋いだままだったことにようやく気付いて、薄っすらと赤面しつつ――「失礼しました」と一言】

こちらこそ、すぐに話を合わせて貰えて助かりました。
……鵺さんの真似をしていたつもりだったのですけれど、こういうのは私には難しいですね。

【はにかんだ笑みを浮かべてラピスは、一瞬の硬直を見せた森島の手際をそれでも賞賛する】
【彼女は(自分を卑下してでも)仲間を立てる方なので、何かの違和感を抱いていたのかどうかは判断しがたい】

はい。マスターが、その、もっと普通っぽい服を用意して下さったので。
昨晩は『眼』で沢山の扉を破ったので、少し心身を労れ、とのことでした。

【『眼』の話になると、ラピスは俯いて眼鏡を顔に押し付けるようにブリッジを押した】
【高度なセキュリティや隠匿された地下空間も石化による脆化破砕で突破し】
【或いは隠された脱出口も容易く封鎖するラピスは、謂わば三課のマスターキーだ】
【その極めて危険な能力は、カフェ・ル・タンブランでの勤務や私的な外出の際には特注の眼鏡で封印されている】

……ただ、その。結局はお仕事の話になりそうですけれど。
私もあの『巡査』のことは、気になってますし。

【森島が知る限り、彼女が引き受けている仕事は今のところ大したものではない。だが、時間の問題だろう】
【辺りに誰も居ないことを鋭敏な五感で確かめつつ、彼女は森島の顔を見上げた】
353 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/01(木) 20:59:14.24 ID:+QYe1uuJo
>>350

なんだよなんだよ、俺をとっ捕まえようってのかァ…?


【笑う軍人を訝しげに見つめながら男はそう言うと】
【構える相手をよそに木箱から怠そうに立ち上がって触手は徐々に縮み始め】
【男は触手から女の亡骸を抱きかかえるように受け取った】

【そして触手は相手の腕に起きた変化を警戒しているのか男の周辺で宙に漂う様に蠢いて】


ん〜……“矜持”、“何故殺したか?”、ヒャヒャッ!


【抱えた亡骸の片腕を顔の前までゆっくりと持ち上げると】


そりゃ勿論、飯だ飯ィ…食うためさ!


【言い捨てると同時に勢いよく目の前の腕に噛り付いた】

【男の歯は亡骸の皮膚を破り血を溢れさせながら肉を裂いて】
【まるでフライドチキンを食べるように亡骸の肉を食い千切り咀嚼し飲み込んでいく】
354 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 21:07:14.50 ID:NRIb6RfAo
>>352

……あはは、なるほど。鵺さんの真似ですか。
結構似合ってましたよ。その服にも合ってました。 ──、そう、ですね。

【無論、森島もラピスの過去は知っている。事件に直接関わった身だ】
【出来れば年相応の、ああいった姿を見せてくれると嬉しいので、褒めておく】
【──なんて計算高いことまで考えるような男ではないが、そういった気持ちは普段から持っていた】
【なので、『巡査』の話が出れば、少し考え込むような顔を見せて】


クロさん、“休め”って言ったんですよね。
──、なら、仕事の話はやめましょう。その話については、僕達が悩んでも、何もなりません。
百家さんもさっきの事後報告で散々怒った挙句、ビリーさんと飲みに行きました。


【森島は少しだけ、悪戯をする子供のような笑みを浮かべる】
【今日は休暇なので悪いことでもないのだけれど、こういった時間は珍しい】


もしラピスさんが暇なら、どこか行きませんか。
好きな所でいいですよ。お金は僕が出しますから、ね。


【どうでしょう、と首を傾げて、彼女に問う】
355 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 21:22:36.02 ID:NRIb6RfAo
>>353

【──食人鬼。眼前の男はそれに違いなかった】
【“快楽殺人”などとは比肩できない、必要に迫られたがゆえの行動】
【それが故に、市民にとって、これほど恐ろしい相手はない。誰もが彼の毒牙に掛かって、おかしくない】


……ふむ。 そう言われると、困るな。


【しかし。何故か、軍人の敵意は和らいだ。──依然として面白そうな表情は崩さないが】
【構えを解き、“鎧”も消滅させる。 それから、男が腰掛けているのと同じような木箱に座る】
【眼前で繰り広げられるスプラッタにも表情1つ変えず、軍人は、彼に目を向ける】


君が“それ”しか食べられないのなら、中々に根深い問題だ。
──、君は自らの生のために殺した。彼女は他者の生のために死んだ。それは、“戦争”だ。
死者に畏敬の念は持ちぞすれ、生ある私が君を糾弾することは難しい。
仮に君が好みで“それ”を食べるのだとしても、同じ話だな。精神と肉体、何れが優れたものなど誰が決められるか。


【「まぁ、ここに誰かが通りかかれば君の頭を吹き飛ばす必要があるが」、と、笑えない冗句を挟む】
【小難しく、何を言っているのか分からないが──ひとまず、即座に彼を害することはないらしい】


……しかし、食べるのならば別の方法は駄目ねのかね。
その過程で、“君が”殺す必要はないだろう。戦場や貧困国、墓場。この世には死が溢れている。
殺人行為は、引き換えに君の社会生活を犠牲にするだろう。君は紛れもなく、“人間の天敵”なのだから。


【──もう少し上手いやり方があるのではないか、と、問いたいのか】
356 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/01(木) 21:32:11.24 ID:mNdclX5l0
>>354

ですが……、……っ。……、そうですか、百家さん達まで……。

……分かりました。マスターまで怒らせるのも良くないですし、今日は休息をいただきましょう。

【諭す森島を前に、ラピスの唇が尖りかけた。けれど抗弁の言葉はすぐに霧散していく】
【課の重鎮クラスですら休んでいるのだ。それに、最近「休息もお仕事の一貫」なんて台詞を偉そうに吐いたばかりでもある】
【そして何より――森島の意志力を勢いでも屁理屈でも乗り越えることは困難だと、経験則に刻み込まれていた】

はい、時間はあります。むしろ、使いみちに困っていました。
私って遊興の類に疎くて、……別に、堅物というつもりはないんですけれど。
どちらかと言うと、何をしていいのか知らない……もしくは、私が楽しんでいいものがあるのか分からない、と言いますか……。

【先程のソツのない演技や任務中の機敏で獰猛な動きがウソのように、ラピスはもじもじとして目を伏せた】
【先天的な怪物≠ナあることは、彼女にとって他の三課メンバーと自身を切り分ける大きな溝だった】

お食事ぐらいなら、わかりますけれど……お金を出させたら、申し訳ないですし。
森島さん、何か――ご存知ではないですか?

【再び、見上げる視線。だがそれは先程の決然として仰ぎ見る目つきではなく、自信なさげな上目遣いに変わっていた】
【尚この場合の申し訳ないというのは――彼女が文字通り『怪物的』な大食らいであるから、という意味合いだ】
357 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/01(木) 21:44:54.01 ID:+QYe1uuJo
>>355


(いきなり現れてただの生真面目正義野郎かと思ったが…)


(…どうやらちょっと違うらしいなァ)


【相手の戦意が消えたことに少し驚いた表情を見せ】
【死体に齧り付きながら軍人を見据え心の中で独白する】

【触手は男の右腕に沈み込むように消えて】
【死体を抱えながら男も改めて木箱に座りなおした】


たまには買ってくるなりなんなりで違う形で用意して済ませることもあるぜ?
でもまァ、自分好みの飯を食いてえからな…


【こちらに歩み寄るような語り口につられて相手に少し気を許した表情を見せ】


気に入ったのを見つけたらこんな風になっちまうこともある、ヒャヒャッ!


【短く最後に笑うともう一度死体に噛り付いて】

【既に男の口元は血塗れになっているが】
【不思議と足元には血は一滴も垂れておらず妙な男の食人への美意識を感じさせる】


ヒャッヒャッヒャッ、食事ってのはァ色々とこだわりたいモンだろ?


【赤く染まった口を死体から離して高笑いし】
【楽しそうな表情でそう言った】
358 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 21:50:58.58 ID:NRIb6RfAo
>>356

【繰り出されるネガティブな言葉の山に、森島は思わず苦笑を浮かべた】
【彼自身も似たような性格だが、流石にここまでではない。──だけど、気持ちは分かる】
【結局、自分が肯定できないのだろう。 直ぐに治るとかじゃないし、そもそも、治すのが正しいとも限らない、けれど】


…… 、じゃあ、あんまりお金がかからない所、行きましょうか。


【安心しろ、とでも言うように、今度は柔らかな笑みを浮かべる】
【懐から端末を取り出すと、操作。──「ちょっと待って下さい」と言うやいなや、エンジン音が聞こえた】
【見れば、公園の外に森島のバイクが到着している。 彼はヘルメットを取り出すと、はい、とラピスに差し出して】


ここから少し離れる──のかな、分からないですけど。
そんなに遠くないので、二人乗りで我慢してくれますか。はい、どうぞ。


【もし、彼女が同意するなら、森島はラピスを載せて、水の国の中心部へと走り出す】
【日が沈み始めた時間でも、少しだけ感じる春の空気のお陰で、それほど寒くはないだろう】
【わざとなのか、恐らくは彼女が余り見ることもないだろう、華やかな通りを通る】

【──やがて辿り着くのは、“フライハイト・タワー”。 この国でも一二を争う、高層建築物だ】
【その下、登り口のエレベーターの近くで、バイクは停車するだろう】
359 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 22:04:16.10 ID:NRIb6RfAo
>>357

【自分好みの飯を食いたい。──その言葉だけを取れば、一般人でも首肯するだろう】
【その“飯”が“人間”になると、人々の首が向く方向は90度変わる。 面白い、と軍人は思った】
【結局、倫理観と呼ばれるものの正体は、自己防衛本能にすぎないのではないか、と】


分からないものだな。自分の考えか、“社会”に羈束されているだけなのか。
……、あぁ、すまないが死体は少しだけ、残しておいてくれ。不味い箇所でいい。何なら、買おう。


【独白。──その真意は、恐らく男には掴みきれないだろうが】
【軍人の方は、彼の話を聞くのが、一層に楽しくなってきた。と、共に、“人間”としての言葉も添える】
【男と違って、彼は異端であっても、人間の敵ではない。 遺族に一部を届けてやろう、という程度の義理はあった】


しかし、君も元よりそのような嗜好を持っていた訳ではあるまい。
差し支えなければ、どうして“そう”なったのか、お聞かせ願えるかな。興味がある。


【興味、という一言で済ませる辺り、異常なのはこの軍人なのかも知れない】
【ともあれ、軍人は男に、食人の“なれそめ”を問う。──彼の美意識を感じさせる所作】
【それからは、ただの食欲ではなく、何らかの出来事が今を形作っているように感じられたからだ】
360 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage saga]:2018/03/01(木) 22:14:35.90 ID:liLxusp40
【路地裏とはどんな危険が潜んでいるか分からないもので】
【今宵もまた、複数人の犯罪者達が一人の女を囲んでいるといった様子。相手は全て機関の下っ端か】
【一人孤立している女は身形からして教会の人物なのだろう。所属を示す紋章のみが装飾された簡素な長剣を構え、臆する事も無く対峙して】

「今ならば見逃す、などと言う気は毛頭ありません。貴方達の様な存在を逃がせばどの様な結果を招くのは分かりきっていますから」
「――とは言え、今ならば命までは奪わないと約束しましょう。所謂、クズと呼ばれる様な方でも最低限の生きる権利だけはある事くらいは理解して居ますので」

【狼を思わせる黒い毛並みの耳、尾。冷静に相手の出方を窺うのはまるで狩人の様な鋭い視線】
【対して悪人達は怯える事すら無く、知った事では無いと言わんばかりに一人の男が襲いかかり――右腕がボトリ、と地面に落ちる】
【翻される剣。激痛から来る抑えきれない叫び。軽い身のこなしに揺れる黒髪】
【――誰かがこの場を訪れるとすれば、きっとそんな場面】
【敵対。加勢。傍観。どんな行動を取ったって、この場に来たからにはこの流れの中へと巻き込まれる】
【それがどの様な結果をもたらすのか、誰にも分かりはしないけれど】
361 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/01(木) 22:19:57.88 ID:mNdclX5l0
>>358

……はい、お願いします。

【自分がどういう面をして幸せを味わえばいいのか。しかし、生死を共にする仲間の好意を無碍にも出来ない】
【そんな葛藤に囚われた時――罪悪感を覚えながらも、少女の天秤はしばしば後者に傾く】

わぁ……お利口さんですね。コールしたら来て下さるなんて。
今後はバイクさん、とお呼びした方がよいでしょうか?

【ややあってバイクが現在地まで自動操縦でたどり着くと、ラピスは驚きを口にしてそれを迎えた】
【こういう感性はどうにも子供っぽい所がある。実際子供だし、常にもっと無邪気であれば良いのだが】

ありがとうございます。……ヘルメットって初めてかもしれません。あと多分、二人乗りも。
道路交通法はあまり気にしたことが無いですけど……ビリーさんなら詳しいかも。

【というのも髪の毛は立派な攻撃手段かつ防具より頼もしい防御手段で、それを包み込むものは任務でも不要だからだ】
【ヘルメットを受け取ると、小さな手のひらの中で興味ありげに数度転がしてから被った】

……少し、失礼しますね。

【シートに座ると、若干の寒気と初めての不安からか、ラピスは森島の腰にそっと手を置いた】
【べったりとくっついているつもりは無いはずだが、たわわに実った胸が嫌でも背に当たる】

【気恥ずかしげな吐息の音は、駆け抜ける鉄騎の轟音にかき消され――タワーの前で、二人はバイクを降りた】
【ヘルメットを外して、開口一番。かつてここで起きたことを知ってか知らずか、「……きれいですね」とラピスは呟いて】
362 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/01(木) 22:21:25.96 ID:wndY3oNS0

【その混雑した人並みを掻き分けて3等客席の扉を開けて目につく男が3等の客車に入ってきた】
【ボルサリーノのハット、擦れた着古したトレンチコート。そしてサングラス。不審者というよりこちらは】
【絵に描いたような追ってのようだった。古い映画のヒットマン。きっと懐には消音器付きの拳銃―――】

【一歩ずつ、確実に人並みより高い背は時折人混みに紛れても被ったボルサリーノのハット見え、それは最後尾の席に近づいてくる】

ごめん…ちょっと。あ…悪いね

【彼は言葉少なげだが、愛想のいいヘラヘラした笑いを浮かべて空いた席に座ろうとした。】
【ダブルサングラスと傍から見たら通報は必死の状況になってしまうが、彼は席何も言われない限りは動かないだろう】
【そして、彼の手には茶色い紐閉じの付いた封筒だけが握られている。】


//まだいらっしゃればよろしくお願いします。
363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/01(木) 22:21:57.64 ID:wndY3oNS0
//>>362>>351宛です
364 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:27:30.34 ID:w1MV0AEX0
>>351

【――――がたたん、がたん、ごとん。不定期ながら断続的な揺れが繰り返される、車内】
【最初はゆっくりだった風景もそのうちどんどんと早くなって、しまいには、看板の文字さえ追いづらいほどに】
【家も街並みも通行人も木も植木鉢もびゅんびゅん通り過ぎてあっという間に見えなくなる――そんな頃合いだった、彼女が訪れるのは】

――――、えっと……。ここ、だいじょうぶですか? 

【かけられる声はしゃんとして、きっと鈴の音に似ていた。そう思わなかったとしても金属質の声だというのは伝わるだろう、なんだか不思議な、少し変わった声音】
【高くて澄んだ声は性別とだいたいの年齢を分からせるよう――見ればその声の通りに若い女だった。というよりも、少女と呼ぶ方が、ずっとふさわしいだろう】

【――真っ黒い艶やかな髪は肩を撫でる程度の長さ、透き通るように真っ白な肌の顔はひどくあどけない顔つきをしていた。少し遠慮がちな表情を浮かべ】
【眼自体はうんと丸い吊り目は左右で色が違うもの、黒色と赤色をぱちぱち瞬かせて、視線は相手の不思議な……あるいは不審な恰好を、失礼でない程度に見ていたけれど】
【だからといって通報とかするつもりもないらしい、ふわふわしたフェイクファーで縁取った赤いケープの内側、身体の前に両手で持ってぶら下げているのは贋物の革の鞄と】
【鞄と腕越しに見える服装は深い赤色のワンピース、胸元を編み上げたデザインと、その腰のところをあまり本気ではないコルセットでゆるく締めて】
【膝上丈のスカートから伸びる足には厚手の黒いタイツ――足元はかかとの高い靴で、だから、身長は百六十五を少し超えるくらい。座って見れば、いくらか大きくも見えたか】

んん、ごめんなさい、電車って、あんまり、乗ったことがなくって――ええと。こういう電車は、特に、なくって……。

【それでも話しかける言葉は決して強いものじゃない。許可をもらうまでは鞄を持ったまま――車体が大きく揺れて、椅子に取り付けられた手すりをぎゅっと持つ以外は】
【じっと立って、相手の返事を待っている――だろう。あんまり電車は分からないから、もしかしたら変なことを言っているかもしれない――なんて、不安そうな、顔をしていた】

/まだいらっしゃられましたら!
365 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/01(木) 22:28:16.41 ID:w1MV0AEX0
/わー!ごめんなさい、更新してないマンでした……お恥ずかしい……
366 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 22:41:07.63 ID:NRIb6RfAo
>>361

【幾ばくか前に機関によって占拠されたタワーに、もはや、その名残はない】
【きれい、と呟く彼女に、森島は満足げに笑みだけを返した。──だけど、これで終わりではない】
【バイクを駐車場に止めて、二人分のチケットを購入し、展望台への直通エレベーターに乗る】
【外の風景は、まだ見えない。 1、2分の上方への旅。鼓膜への圧力が、移動の方向を示す】

【そして、漸く扉が開く── 】
【そこに広がっていた風景は、“百万ドル”という表現では、足りないものだろう】


【 360度の硝子張り。その向こう側には、この国の華やかさを可視化した夜景があった 】
【 ビル群の放つ光。 その下では、幾人の人々が動き回っているのか、分からない 】
【 ── それが故に、人々の全ての感情が、そこには詰まっていた 】
【 その光は、この国に棲む幾万の人々の愛であり、欲であり、正であり、負であった 】
【 宙空を見れば、星の光はない。人類の英知が齎した光は、その光を奪い取っている 】
【 その空を見てから、下に目を落とすと──、それこそが、“星空”なのだと錯覚するような 】
【 人々は、星空を地に落としたのだ。 それを誇るかのような、生命の輝きが、この国を形作っている 】




── “これ”が、ラピスさんが守っている物ですよ。



【森島の語彙では、それしか言えないけれど。彼女には“これ”を見て欲しかった】
【貴女が卑下する貴女は、これだけの事を成し遂げているのだと。──それを、否定するのなら】
【自分嫌いの貴女の守っている、この光景までが、嘘になってしまう】

【かと言って、そこまで今分かってくれ、と言っているわけではない。だけど、これだけは】
367 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/01(木) 22:42:33.11 ID:KaltUhxBO
>>362>>364
【フードの中で、またなにかが蠢いた】
【まさか頭にアナコンダを巻きつかせている、なんてことはないだろうが――】
【そのような“何か”が“そこ”にあるのは確かだった】
【近づいてくるガンマン。追手か。追手がかかること自体に、彼女は心当たりがあった】
【――さあ、どうする。ローブの中に手を引っ込める。先に撃つか。それとも確実に追手だと分かるまで待つか】
【ぴりりとした緊張。そこに――凛と、鈴が鳴る】

…………ぎゃは。なんだてめぇら、古風なヒットマンにファンシーファッションな嬢ちゃんたぁ変わった組み合わせだなぁおい?
コスプレ大会帰りのカップルってか?ぎゃははっ!

……構うこたぁねぇよ、あたしだけの席ってぇわけじゃああるまいし
流石に3人だと狭くはなるだろうけどよ、ほら座んな
にしても兄ちゃんの方は随分と荷物少ねぇな。持ち物がすっ晒しの封筒だけってぇのも妙な“ヒットマン”だなぁ?

【少しだけ奥に詰めるような素振りを見せ、2人に応じる女。マスクのせいで声は籠っているものの、意図は問題なく通じるだろう】
【「嬢ちゃんこっち座んなよ。それとも、“彼氏”のお隣がいいかぁ?」】
【――女はそう言って、2人を揶揄う。女の隣にどちらが座るかは彼ら次第だが】
【勿論。2人が並びあって座る、ということもこの状況であれば出来るはずだった】

/3人ロールな流れですかね、くぉれは
/次のレス、遅くなると思いますがそれでもよろしければ!
368 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/01(木) 22:46:31.70 ID:+QYe1uuJo
>>359


飯一つとっても好みや価値観なんて人それぞれの千差万別よォ
自分の考え方がが正しいかどうかなんて考えるのは無駄さ、腹が減るだけ…

ん〜嫌だって言いたい所だが、…最後に骨だけ残すからそれでどうだ?

【喋りながら男は死体の腕に噛り付く】
【気がつけば死体の片腕の肉は殆ど男の胃袋へと運ばれていて】
【残された骨はこびり付いた僅かな肉や組織を剥がされ男の足元へ並べられていく】


ヒャヒャッ俺がこうなったワケ?

とりあえず、まずは先に自己紹介させてくれ
俺はアド・チカチーロ…何処にでもいる普通の食人鬼だァ、ゲヒャヒャヒャヒャ!

よろしくな


【剥ぎとった肉片を口に運びながらそう言うと】


んァ、人を食うようになった理由…
まァ別に大した話じゃねーんだが…きっかけみたいなモンはあるな

元々俺は孤児でよォ、物心ついてすぐには親が死んで姉貴と二人でなんとか生きてたんだが…

まぁ年端もいかないガキ二人で生きてくのも無理があってな
金もねェ食い物もねェ、そんな中で姉貴が死んじまったんだ

んで、しょうがなく死んだ姉貴を食って俺はなんとか生き永らえたっつうだけの話なんだが…

この姉貴を食ったってのが俺の食人のきっかけだな、ヒャヒャッ
それ以降はもう人にしか食欲が湧かねーんだ、ゲヒャヒャヒャヒャ!

【楽しそうに笑いながら狂った身の上話を語ると】
【再び美味そうに死体に噛り付く】
369 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/01(木) 22:47:26.07 ID:+QYe1uuJo
>>359
/すいません、遅れました…
370 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 23:09:26.88 ID:NRIb6RfAo
>>368>>369


結構だ、チカチーロ君。
身元の分かる物があれば、それも置いておいてくれ。
……まさか、君は安い“盗人”ではあるまい。クックック。

【骨だけを残す、という提案を軍人は受け入れる。──が、自らの名は名乗らない】
【よろしく、とも返さない。そこが、“興味”の対象であっても、“同類”ではない所以だ】
【軍人はアドを尊重する。だが、“人間”であるが故に、それ以上は擦り寄らない】
【──、それから、笑い声をあげる彼とは対照的に、黙り込んで身の上話を聞き続け】


ふむ。 よくある“不幸”だな。


【この言葉は、もしかすればアドを怒らせるかも知れない──が、ここまで会話をして来た彼なら】
【一方で、この何処か螺子の抜けた軍人が、安い同情をかける人間でもないと分かっているかも知れない】
【それに、彼の言葉は、これで終わりではない】


──、“不幸”で言えば、君が殺したその女性も同じだ。
従って、私は君の身の上も、姉君の身の上も、取り立てて残念に思うことはない。
姉君も食したことで君の心理にいかなる影響が生じたか──ということも、私の専門ではない。

だが、ね。

私は思うよ、チカチーロ君。君の生き方を“間違い”と断定できる者は、どこにも居ない。
姉を食べたから食人に奔る、大いに結構。君が言う通り、“正しいか否か”など、無駄な話だ。
……、しかし、それでも、君は“人の敵”であることには違いない、で、あれば、“戦争”は起こる。
害を為す者としての君を排除しようとする“矜持”と、君の≪ロマン≫との衝突だ──クックック。
あぁ、失礼。話が長いな。だが、中々君のような人物には、会えるものではない。何が言いたいか、と言えば、だ。


【軍人は立ち上がり、軍帽を目深に被る】
【──、その下の口元は、片方だけが釣り上げられる、“笑み”だった】



今度会ったときには、君の“戦争”を聞かせてくれ。



【それは、ある意味で再開の約束でもあった。──結局、軍人が興味があるのは】
【アドが、その業にも似たものを背負いながら、この世界をどう生きて来たか、という“物語”だった】
【今度会うときまでに、その話をもっと仕入れておいてくれ、と。 これ以上にない、自分勝手な話】
【だが、この軍人がアド・チカチーロを一切否定しない、恐らくは社会で稀有な人物であることもまた、事実だった】


/大丈夫っすよ!
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/01(木) 23:16:16.56 ID:mNdclX5l0
>>366

【まさしく、まるで『きょうだい』で遊びに行くような――諦めていた時間がこの瞬間に満たされていく】
【こみ上げてくる喜びと、自縄自縛の不安。悟られないように、ラピスはエレベーターが上昇する間じゅう口を噤んでいた】


【そして扉が開かれたときも、彼女はすぐに声を出せなかった。けれども沈黙の色は確かに変わっていた】

【眼下に果てしなく広がる地上の星々。人間の営みが積み上げてきたエネルギーを束ねて輝く無限の世界】
【その隅々までもが狂おしいほどの生きる≠アとへの意欲で満たされ――紺碧の夜空すら、飲み込まんと煌めいている】

――――――っ、うく、はあっ……、……。

…………、私、ですね。……目を奪われるあまりに、息の仕方を忘れるかと思いました。

【もしかしたら、それは地を這う蛇には眩しすぎる光景だったのかもしれない】
【展望台をゆっくり歩きながら、ラピスは息を整える。瞬き以外で目を閉じないように努めて、広がるパノラマと対峙する】
【鮮やかで、汚れていて、けばけばしくて、けれど愛おしい――怪物と人間が同じ星の下で生を享ける大地と】

普通の毎日も、普通じゃない毎日も、みんなみんな――この中にあって。
明日が来ることを信じながら、沢山の人が生きているんですね。

ごめんなさい。なんだか……上手く、言葉に出来ないです。

【自分が守っているもの。森島さんが守っているもの。三課(わたしたち)を必要とする社会の光と影】
【そのすべてを理解することは、到底出来ないけれど――彼女は確かに、受け止める意志を瞳に宿していた】
372 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/01(木) 23:39:00.89 ID:+QYe1uuJo
>>370

【軍人の話を興味深そうに、心底楽しそうにアドは聞く】


ヒャッヒャッヒャ…あァ、なんか丁度良いネタがあったらな

【珍しく自分に対して否定一辺倒ではない人物との会話】
【アドにとってそれは面白く楽し気な物のようで】
【相手から勝手な願いを頼まれれば笑顔でそれに答えた】


あんた面白ェ人だな、ヒャヒャッ!

【にこやかにそう言うと】
【一旦“食事”を止めて赤に染まった口を拭う】

【再び右腕から腕と同じような太さの触手が一本、伸び出して】


んァ〜、ちまちま食うのも面倒だ…

【触手の先端がぷつ、と真横に割けたかと思うと裂け目は口へと変化した】

【触手がその口を大きく開いたかと思えば】
【大蛇のようにその体を膨らましながら死体を飲み込んでいく】


骨と服一式、残しておけばいいよな?

【すっかり女性の亡骸は触手の中にすっぽりと包まれて】

【一瞬、脈打つように触手の表面が揺れたかと思うと】
【元の数倍の太さから元の太さまで触手は戻り】
【最後に女性を内外から形作っていた骨と衣服をどろりと吐き出した】
373 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 23:41:51.45 ID:NRIb6RfAo
>>371


それでいいんです。謝るような事じゃないですよ。
……ただ、忘れないで下さいね。ラピスさんも、“この中”に居るんですから。


【── ラピスが展望台から、この国を見て回る間】
【森島は、近くの手すりに腰を預けて、薄く、笑みを浮かべていた】
【言葉にできない、という言葉が、彼には嬉しい。 言葉にすると、理由になる】
【彼女には、何の理由もなく──子供のように、思ったものを、思ったように感じて欲しかった】

【暫くの間、ラピスが満足するまで、彼はその姿を見続けて】
【──時計の針が、幾つか角度をつけた所で、彼女の傍に寄り、話しかける】


 …………実は、ですね!!


【にこー、と。今度は大きな笑みを、森島は浮かべた】
【教えたくて仕方なかったことを、やっと教えられる、という、悪戯に成功した子供のような笑顔】


ここの展望台、一個下にレストランがありまして。
……ふふ。さっき予約しました。普段は一杯なんですが、運がいいです。
多分、ラピスさんの日頃の行いが良いからですね。──なので、さぁ、行きましょう。


【森島は彼女に向けて、左手を差し出す。 ──その手を、取ったなら】
【彼がその服装の酷さに、入店拒否をされかけたり、レンタルの服を借りて何とかなったり】
【結局色々なものを食べてしまって、青い顔になるようなことがあったり、色々と締まらない出来事はあるだろうけれど】

【──何だかんだで、そう悪くはない“人間”としての夜が、待っている筈だ】

/此方からはこの辺り、でしょうか!
374 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/01(木) 23:50:55.74 ID:wndY3oNS0
>>367 >>364

【彼は腰を掛けて、その無駄に長い足を自慢するかのように組んだ。コートから少し煙草の匂いがする。】
【サングラスで表情は見づらい。封筒を自分と肘掛けの間にすっと納める。】

ヒットマンとは僕のこと?嫌だなぁ…殺し屋だったらもっとこう…殺し屋とバレたら駄目なもんだと思うけどね。
まあでも古いノワールのように仮装ならそれっぽくなきゃぁいけないのか。狙うのは女性の心だけって事にしようか。

ああ、仕事に荷物はいらないのさ。今時、コンビニはどこにでもあるからそこで事足りるし。ミニマリストってやつさ

【営業マンのような当たり障りのない、好感の持てる話し方で彼は気楽に話を合わせる。】

どちらでも、お嬢さん。…それで、何処へ行かれるので?
大きな街なら…乗り換えも大変だ。今のうちに調べておくのが得策だ。答えられる範囲だけれど

【彼もわざとらしい社交力を見せつけて、とってつけた紳士さを醸す】
【あえての奇妙な個性がぶつかりあったせいで変に収まりのいい席になった気がしないでもなかった】

//すみません遅くなりました 複数了解いたしました。
375 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/01(木) 23:52:20.22 ID:NRIb6RfAo
>>372


君にそう言われるとは光栄だ。コメディアンにでも転職しようか。

【面白い、と言われて、軍人も冗句を吐く。──女性の死体が、丸呑みされている隣で】
【この空間は、紛れもなく狂っている。しかし、誰もそれを糾弾する者は居ない】
【少なくとも、路地裏の狭い天から覗く月は、彼らを赦していた】
【──、骨と服一式が吐き出され、軍人はまた、結構、と告げる】


では、私は失礼する。
……そうだな、五分もすれば匿名で通報を入れようか。
その時までに、君もこの場を離れるがいい。監視カメラには気をつけ給え。
そこらの警察に捕まって終わり、では、この場で私が君を“狩った”方がマシな三文芝居だ。


【この上なく、自分勝手な言い分を告げて軍人は去って行く──、最後まで、名乗りはしない】
【それは、再び出会った時に、軍人がアドを“狩る”ことも、その逆も有り得るだろうことを意味していた】


では、達者でな。


【── だが、少なくとも今夜は、“どこにでもある、狂った”話のまま。邂逅は幕を閉じるだろう】

/この辺りでしょうか、お疲れ様でした!
376 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/01(木) 23:58:22.02 ID:w1MV0AEX0
>>367

【じっと相手を見つめた少女の眼は、きっと、フードの中でうごめくものがあることにも気づいているだろう。それが何――とまでは、当然まだわからずとも】
【けれどあどけない顔で遠慮がちに……あるいは不安げに話しかけてきたくせに、"それ"に怯えた様子はないはずだ、その直後に、もう一人の存在へ目を向ければ】
【このひとも座りに来たのかな……?というような目、ちょっとだけ丸くなった目が向けられて。帽子に古びたトレンチコート、サングラス……サングラスが二人揃っている場に】
【素顔の少女はあるいは浮くだろうか、一応左右で瞳の色が違うのは少し特殊だったけど――ほぼ全く露出のないひと、すごく古い映画に居そうなひと、それに比べたら】

わあ。あー……、

【――今更になって、その場にあった緊張に気づいたらしい。ぱちくりした目でヒットマンじみた男を見ていたのだけど、それから少しして、視線は初めの女へ戻り】
【お取込み中だったかもしれない――とでも思ったらしかった。ふわと口を開きかけたところで、女に声を掛けられれば】

――――え、っと、か、カップルじゃないよっ、えーっと……はじめまして。かな? ……ね、お兄さん、

【一瞬びっくりしたみたいになって否定するだろう、それはそういわれた相手……彼に悪い気がしての否定という意味合いが強かったけれど】
【びっくりしたままそのままで急に否定するからあるいは少し失礼かもしれなかった――とは余談。それからちら、と、男の方を横目でうかがい】
【彼が座ろうとしたのを見て――それから女が自分だけの席ではないと言ってくれれば、少女も少し遅れて控えめに座ることになるだろう、――場所は、と言えば】
【男が女の隣に座れば、その向かいに。男が女の向かいに座れば、誘われた通り、女の隣に――という感じ。とかく、二人が座ってから、空いたところに座る、というつもりらしい】
【ただこれは誘われた以上気を使ったか、それとも見知らぬ男の隣は気が引けたか、男の隣には。率先して座ろうとしない――はずで】

じゃあ、お邪魔します――、わ、わたし? えっとね、行く場所は、風の国だよ、今日はお休みなんだけど――、
こういう電車って、乗ったことがなくって。それでね、テレビで見たの、楽しそうだなーって……、 ……乗り換え?

ん……――どこについても大丈夫だよ、どこからでも帰れるから。

【それからどこに座る……みたいなことがだいたい決まれば、彼女もまた座り込む。そう大きくない鞄を膝に置いて、数度、その収まり具合を確かめるようにしてから】
【一番初めの言葉通り。あまり電車には慣れていないのだろうか、きょろきょろと目線があたりに動く、きゃあきゃあ黄色い声ではしゃぎだしこそ、しないものの】
【多分気持ち的にはそういう感じなんだろうな――というような、顔。少し遅れてからはっと気づいて、おしゃまさんみたいなすまし顔をするのだけど――いくらか遅い】

【そうしているときにふっと話しかけられれば――少しだけ慌てたような声。問われたことに、問われたとおりに返すだろう】
【つまりは暇な昼間にふらっと電車など乗ってみようかなと思い立ったらしい。少しだけうきうきした声で返すのが初々しいが――はてと言う顔になるから】
【そういう概念もあんまり持ち合わせていなかったらしい。そのくせ変なことを言い出すのだろう、なら――行先も行く当てもあんまりない、あてずっぽうな冒険みたいだった】
377 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/02(金) 00:02:38.06 ID:4I55vXuWo
>>360
【路地裏の奥から、重々しい足音が響いてくる】
【ゆらりと姿を現したのは、身長2メートルを軽く超えているであろう大男だった】

【薄汚れた灰色の作業着の上に黒いラバー地のエプロンを着用し、黒いゴム長靴を履いている】
【角ばった顔つきに、短めに切り揃えられた黒髪。黒い瞳の両目の上には】
【額を埋める巨大な第三の目玉が存在した。醜悪な異形というべき面相だ】

【教会の女性がもし指名手配書に目を通しているなら、その男がカノッサ機関構成員として、手配されている犯罪者だと気付くだろうか】
【男たちが機関の下っ端であるなら、その男がナンバーズの一人であると気が付くだろうか】


……喧嘩を売る時は、十分な警戒を持って当たるべきだな、お前たち
路地裏を一人でうろついている女、とくれば私ならばまずは警戒する

物狂いか命知らずであればいいが、このような恐ろしい相手の場合とてある
見た目で相手を判断していては、長生き出来んぞ?

死にたくないなら、そいつを連れて逃げろ。腕も忘れずに持ち帰れ。機関の技術なら、まだ繋がる可能性もある

【女性が何らかの行動に出ることがなければ、大男は周囲を取り巻く男たちにそう話しかけつつ、男たちの間をすり抜けて前に出ようとするだろう】
【三つの視線は女性から逸らされることはない。警戒と敵意を滲ませながら、大男は女性に相対した】

/もしまだいらっしゃいましたら、宜しければ
378 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/02(金) 00:12:46.36 ID:NBAmsTUIo
>>282

「言われてみりゃそうだ。互いに正義を騙っているから、こうなる」

【正義とか、悪とかは世間がつけた印象(イメージ)なだけで】
【お互いに『自らが正義だ』、と我を張っているからこうなるのだろう】
【現状はそのようなもの、彼と自らの立場は真逆の筈、なのに】


「了解した。森の中にある廃工場か、いかにも怪しげだな」
「此方から“職員”の派遣をお願いしておく。どうでもいいやつが数人来るだろう」

【廃工場の中に、持って行かれてもいい資料と、捕まってもいい人間】
【フラスコの中の、小さな世界を思い浮かべるが――怪しげな雰囲気に、幻想は崩れ去り】
【用意の手順を脳内で思い描けば、あとはそれを実行に移すのみ】

「組織が変わっても、犬に変わりはない――」
「ってわけじゃないさ。二重スパイとかでもやらかさない限り、お上は寛容さ」

【機関のスパイになる、彼が受け入れた選択肢だった】
【しかし公安の時とは違う。彼には義務を果たせば権利が保証される】
【それは自由であり、何より。権力の犬であるときには得られなかったものだっただろう】


【さて、赤崎は研究基地に戻り、せわしなく準備を始めた】
【どうでもいい素体に、どうでもいい職員。要らないものばかりで構成された偽の研究基地】
【それを繕い終える頃には――、すっかり卓上は綺麗になっていた】

//此方こそありがとうございました!
//体調を崩しており、お返事ができませんでした……。申し訳ありません。
379 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/02(金) 00:19:40.86 ID:bt7EyEh+O
>>374>>376
【目の前の“ヒットマン”が本物なのか、あるいはただの“フリ”なのか。彼女は判断しかねていた】
【ざわざわとフードの中でまた何かが蠢く。どうにも隠し事は苦手だ。心の中で愚痴を吐く】
【嘘をつくのも、知らないふりをするのも、感情を隠すのも昔から苦手だった。苦手だから、なるべく演技はしないようにしていた】

ぎゃっは!その格好はどう見たって殺し屋か、良くて“売れない探偵”だぜ!
んなくっせぇセリフをさらっと吐くあたりがますます“それらしい”ってぇもんだ

おい聞いたか嬢ちゃんよぉ!『狙うのは女性の心だけ』――だぁってよ!
ぎゃはっ……ぎゃはははは!そーいうコトをタバコの煙と一緒に吐くのはベッドの中だけで十分だっつぅの!
彼氏じゃねぇってんなら余計に嬢ちゃん、気をつけねぇとなぁ!

【マスクもサングラスも取らないままぎゃはぎゃはと品無く笑う女】
【そこには男はともかく、少女に対しての礼儀や気遣いというのも一切なかった】

【さて。今は女の隣に少女が。女の向かいに男が――そのように座っているだろうか】
【相変わらず女の方は男を警戒していた。サングラスの奥から視線がちらちらと男に向かうのが分かるだろうか】
【一方少女に対しては――見た目や雰囲気の問題もある。然程敵意は持っていないらしく】

なんだぁ、嬢ちゃんも風の国行くのか?んじゃあ終点まで一緒かもなぁ!
あたしも風の国に行くんだけどよぉ……あそこはいいとこっぽいよなぁ
前テレビで見た感じじゃあ野っ原?が広がっててよぉ
昼寝するには良さげな国ってぇ印象あったぜ。ピクニックにはもってこいな国だな

…………ところで兄ちゃんはどこまで行くんだぁ?
まさか風の国のコンビニまで、ってぇワケじゃねぇだろーけどよぉ!ぎゃっはっは!

【「にしたって嬢ちゃん、どこからでも帰れるとかあれか、テレポートとか出来るのか」「かっこいいじゃねぇか」】
【そんなことを冗談めかして言いつつ、やはり気にしているのは男の動向】
【何度も視線が彼へと向かう。封筒と男とを何度も見てから、たまに誤魔化すように少女に話しかけるのだ】
380 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/02(金) 00:20:01.41 ID:Ax8UR5fJ0
>>373

ふふ、森島さんはとても強情な人ですね。
私なんかをこうやって連れ回して、素敵なものを見せてくださって……はい。とっても、嬉しいです。

【「ラピスさんも、“この中”に居るんですから。 」】
【森島の心からの肯定に、当の少女は逸らかすような答えを返す。――――まだ、遠い】
【全てを諦めたような儚さを秘めた微笑も、根底から揺らいではいない】
【むしろ幸せを知れば知るほど、その幼い心は自ら危惧する通りに軋んでいくのかもしれない】

【それでも彼女は与えてくれたものに報いるため、今日この日を記憶し続けるだろう】
【しばし、ちっぽけな存在を取り込む無辺の地平に見惚れていると――森島の人好きのする笑顔が、隣にいて】

そっ、そんな。こういう立地だと尚さらに値が張るのではありませんか。
ご存知の通り、私ははしたないぐらいの大食らいですし。

……、……うう。その笑顔はダメです。わっ、私の負けですっ!
こうならったらちゃんと責任を取って頂きますよ。――私のお腹、すごいんですから!

【卑屈な言葉にも翳らない優しさを前に、根負けしたラピスは森島の差し伸べられた手を取った】
【ちょうど、今日の出会いとは反対の格好で。彼女は手を引かれて、幸福な夜へと強制連行されるだろう】
【まあ財布は少しばかり致命傷を負うかもしれないけれど――少女の胸には、金貨よりもキラキラとしたものが残った】

/ではこちらもシメで!ありがとうございました!
381 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/02(金) 00:32:10.56 ID:kc4v5J6n0
>>379 >>376

【席次は窓際にこの男が座り、その向かいには謎の女、そしてその隣が謎の少女ということだろうか】
【彼はリラックスしたような態度で座りながら、口元がその場を和ませる適度な笑みを2人に向けている】

風の国?それは奇遇だ僕もそうなんだ。…となると確率論的にこの列車の全員がそうかもしれない。
何処についても…ああ、あてのない旅というやつか。羨ましい、僕はいつも仕事だ。

【肩をすくめる。冗談だと言わんばかりに。】

道によく迷うのは僕でね、ああ、そうだ。折角だからちょっと地図を見てくれないか。レイモントホテルに泊まるんだが
何処にあるのかこの地図わかりづらくて…スマートフォンがあれば便利らしいが。生憎ローテクで。

【男はおもむろに懐に手を入れ、手帳を取り出した。挟んである地図にペンでおもむろに何かを書いている】
【そして向かいにいる謎の女性に手渡す。渡し方から『隣の少女には見せるな』と勘の良い人間にだけ伝わるような意思を感じる。】
【何故か地図だけでなく手帳ごと。地図の下をめくれば、手帳に何か書いてある。】

『見張られている。狙いはオレか、オマエか。2人組、斜め後ろ』
『会話、聞こえないように。』

【走り書きでそう、書いてあった。男は何気ない動作で、空いた席に自分のハットを置く】
【彼も自分に心当たりがある。この車両に着たときから気がついていた。状況からこの少女は単なる一般客であると彼は思っていた】
【いらぬ心配や、もしものことに巻き込まないようにこっそりと、コンタクトを取る】

探偵ね…たしかに。でもこんな格好は大半のサラリーマンはしているよ。そしたら多くの人間が殺し屋と、探偵と、マフィアってことになる。
……おや、御気に召してくれて嬉しいね。でも、電車内ではもう少しお静かにしたほうがいい。ねえ、お嬢さん?

【わざとらしく口元に人さし指を当てて、相変わらず役者じみた話し方をしている。胡散臭さはどちらかと詐欺師だ】

それで、『レイモントホテルに心当たりは?』
美味しい料理の店でもあれば聞きたいね。折角だから。それぐらいの楽しみはほしいところさ
382 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/02(金) 00:38:43.55 ID:nPhH5HjL0
>>343
さてね。
いつでも確かなのは、有能な者は引く手あまたということさ。

【子どもたちの笑い声。少し眩しそうに目を細めて】

――しかしまあ、平和になったのは良いことだろうな。
訳のわからん噂話が満ち溢れていく妙な事件。
いや妙だったが、まあ日常に埋もれて忘れていこう―――

それでいいのか?

冷静に、 欺瞞情報に惑わされず考えてみたまえ、ケイ。
「あれほどの事件を引き起こした背後関係もバラバラの連中が」
「同じ格好で暴れまわってみせ」
「同じように何も覚えていない」のだ。

これは果たしてチープな都市伝説か?
ノン、絶対に違う。

「共通点のない一般市民を」
「ある程度の戦闘力を持たせて」
「自我すらない状態で凶行に及ばせ」
「そして当人にすら痕跡を残さない」

という、全く笑えない事件なのだよ、これは。
私は危惧している。面白おかしい都市伝説として、
ユーモラスな雰囲気すら漂わせて過去になろうとしているこの事件を。

次に我々の目の前にこの事件が現れた時、それは手を付けられない巨大な獣になっているだろう。

止めるのならば、此処なのだ。ここしかないのだよ、ケイ。

【目の前で走り回る子どもたちから目を離さず、金髪の女性はそう語る】
【目の前の得難い平穏。確かに忍ぶ、剣呑な事件】
【それらを解き明かそうとするように、眉根を寄せて――まったく、と息を吐いた】

/大変お待たせを。大変大変申し訳ない。もしもまだいらっしゃれば!
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/02(金) 00:55:13.06 ID:rgSQNn4Z0
>>379>>381

【席順は――そういうことになるだろう。窓際に女と、その向かいに男と、それから通路側の少女は、さっきから窓の外を見たり、通路を挟んだ向かいの窓を見たり】
【完全に慣れない電車をエンジョイしている様子だった――だろう。ただ……これはきっと少女本人がそういうやり取りに慣れていないのか、二人の会話には】
【目をぱちぱちしながら聞くことになる、殺し屋とか売れない探偵、狙うのは女性の心だけとか――ベッドの中だけで充分、とか】

――――えっ。ええっと……、その。……え、えっとね、あてがないって言うと違うのかもしれないけど……、
UTに行こうかなって、だけど大した用事じゃないから。今日はお休みだし……。電車で行ってみようかなあって思ったんだ、それで、えっと……――二人は、どこへ行くの?

【多分結構に困った顔だったのではないか、お仕事の都合上、そういうことを男性に言われるのには慣れていたけど、同姓から……となると、目をぱちぱち瞬かせ】
【「でも映画のひとみたい」と取り繕うみたいに言葉を続けるはずだ。「殺し屋とか探偵とかは、よくわからないけど……」とまで続く、のだけど】
【だけれどこうあどけない顔でこういう服の趣味の少女の多くはハードボイルドみたいなものはあんまり見ない。多分。――話の感じをなるべく理解しようと笑っていたけど】
【彼の言葉にすぐ返事をしたあたり、よくわからなかったのかもしれない――なんて、最後にはそう尋ねる。女が向かう先がそこだとは、もちろん知らず】

うん、いいところだよ。そんなにいろいろなところは行ったことがないけど――風が気持ちいいの、冬はちょっと寒いね。
…………あ、お兄さん、場所が分からないの? わたしよく行くから、分かるかも……あ。でも、そんなに詳しいってわけじゃあ、ないんだけど――。

【野原、昼寝するのによさそう、ピクニックによさそう――女の言葉に少女は楽しげな声で返す。よく風が吹くのは名前の通り、だけど、寒い時期にはうんと寒いと】
【少しだけ不満げに付け足してから――男が地図を取り出すのを見ている、言葉を聞けば……絶対分かるとは言い切れないけれど、よかったら見せてみて、という様子で】
【だから、きっと。彼が女へ向けた意思には気づいていないのだ、地図だけなら見せても構わない……という感じなら、きっと少女は一生懸命考えてくれるのは確実だけれど】

ええとね、友達……ん、知り合いにね、魔術師の子が居て。わたし、本当に住んでるのは、夜の国だから――それじゃあ大変だろうって、用意してくれたんだ。
転移の魔術……だからね、本当はどこに着いちゃってもいいの。――――えっと、レイモントホテルだよね、ん――。

【テレポートとかできるのか。尋ねられた少女は一瞬だけ思案するように視線を動かした。けれど最終的には伝えて問題がないと判断したのだろう、伝えるのは】
【転移の魔術という移動方法。だから電車には不慣れ……ということらしい。それから男の目指すホテル、それから、おいしいお店をまじめな風で考え出すから】
【悪い子ではないのだけど――もしかしたら、"UT"その組織の関係者なのかもしれなかった。UTに行く、大した用事ではない、今日は休み――そうだと明言したわけではないが】

【――――もし。もしかしたら、女や男は彼女のことを知っているかもしれなかった。と言っても、主だって彼女がテレビに映されていたのは、もう何年もまえになる】
【UT――UNITED TRIGGER、まさにその組織のCMに、件のリーダーと一緒に映されていた。知らずとも問題はない、けど、知っていれば、何か――?】
384 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/02(金) 01:19:35.60 ID:DfSYJIbho
>>382

―――まさか、風化させるなど。
こういう謎めいた事件には、しつこく追い掛ける人間が付き物。そうだろう?

だが、考えるほどに底の知れん相手だ。
どういった手段を用いているのかは知らんが――大した技術だ。
機関に与する存在か、あるいはまた別の勢力か。後者であるならばその規模はどの程度のものか。

……我々には情報が不足している。そう言わざるを得ない。
ケースが少なすぎる、という言い方は、少し不謹慎か。

【はしゃぎ回る子供たちを微笑ましげに見ながら歩く女性。電話越しに頭を下げる会社員―――】
【そんな光景の中に、次の加害者≠ノされる人がいるかもしれない】
【―――考えると嫌になる。軽く頭を振って】

ただ―――もう一つ、気になる事件もあってな。
西島、という男の事件だ。このタイミングで国家内乱罪で逮捕者が出る、というのはどうにも、な。
確か、裁判が近かったはずだ。私も傍聴に行くつもりなのだが。

―――そちらは、この事件をどう見る。

【差し出される新聞。指し示すのはやや小さめの記事。】
【西島容疑者、なおも黙秘=\――そんな見出しが付けられていた】
385 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/02(金) 01:32:27.28 ID:nPhH5HjL0
>>384

おそらくは相手が巧妙だ。
私も探りは入れているが、そう上手くいかんな。

【紫煙を燻らせながら、今のところ没交渉さ、と肩をすくめる】

能力なのか技術なのかは不明だが、確かなのは、
こういった事件を起こす意志を持つ、何者かが居るということだ。
そこを特定できれば、事件の解決は遠くはなかろう。
UT、自警団、あらゆるお節介な能力者たちが止めようとするはずだ。

【しかし、どう見る、という質問には明確に答える】
【ディティールはわからない。が、意思決定者は必ずいるのだ、と】

だが彼等はあまりにも真っ直ぐすぎる。
いや、正義というのはそういうもので、そういうものでなければならないのだがな。
少しくらいは――汚れ仕事‘ウェット・ワーク’を買って出る者がいなければ。
まあ、お互い苦労する身だ、ということだろうな。

【そうだろう、ご同類、と首を傾げて】
【そして、西島。あらゆる意味で今一番話題に昇るこの男だが】

――重要な情報を持って「いた」男だろうな。

【と、クリスは過去形でそう表現した】

この男がどの立ち位置かはわからん。
が、一度逮捕され、勾留され、何某かの組織の手に落ちている。
まず情報は吸い上げられたと見るべきだろう。
強靭な意志も高潔な人格も、最新の自白剤の前には用をなさない。

そして、それは彼が今まで所属していた組織も承知のはずだ。
西島の持っていた情報は既に対立側に渡った。となれば、知られてまずいことは変更し、対処するだろう。
まるでパスワードを変えるように。
ただ、まあ――

【最早何人の目に晒されたかわからぬ、西島の容貌。それが当たり前のように貼り付けられた記事を見ながら】

彼個人の能力と、そして彼が何を目指していたのか、には興味があるな。

【そう呟いた】
386 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/02(金) 02:09:41.55 ID:DfSYJIbho
>>385

同類とは恐れ多い。私はただのしがない弁護士だよ。

だが、汚れ仕事、か……。確かに、綺麗な手、などとは言えたものではないのかもしれんが。
彼らは彼らの正義をもって進むだろうが、我々も我々の正義を執行させてもらう。
願わくば、衝突することのないよう、といったところだな。

【小さく笑いを零し、自らの手を翳してみる】
【さて、どこまで掘れるものか―――と呟いて】

その情報を『邪魔』とする者の策略か。或いは、その情報を欲する者の策略か。
内乱罪などというのは、結局のところ大義名分に過ぎんのだろうな。

いずれにせよ――彼がどちら側の人間であり、今彼を手中に収めているのはどの側なのか。
秩序を為すか、混沌を産むか。その情報はどちらに作用するのやら。

【もう一度記事の中身に目をやって、ばさり、と雑に新聞を手放した】
【代わり映えしない紙面。退屈に過ぎない情報だったが、今は少しばかり面白く見えた】

しかし、これだけ大きな動きを起こせるとなれば。
この男が追っていたものも、随分と大きな存在なのだろうな。

―――それこそ、国が覆るようなことにならなければいいのだが。

【嘘から出た真、というべきか。大義名分としての『国家内乱罪』が、現実のものとなるような】
【そんな事態さえも想像される。可能性としては十分にあり得る話だろう】
387 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/02(金) 02:33:57.63 ID:nPhH5HjL0
>>386

まあ、正しく「内から乱す」行動ではあったのだろうがね。

秩序側、混沌側。
それらの陣営分けさえ難しいような、
なにかひどく異質な気配がする。

【そう呟くと、腰掛けていたベンチから立ち上がる】

――ケイ、身辺には気をつけたまえよ。
中枢に近づけば近づくほど、君の身にも危険は迫るだろう。

【まるでそれを合図にしたように、公園の入り口、滑るようにセダンが停車した】

私はもう行く。
どうにもならなくなったときは――いや、どうにもならなくなる少し前には、
この番号へ電話したまえ。

【そう言うと、懐から紙片を取り出し、ケイに手渡す】
【そこに記されていたのは、一つの電話番号だった】
388 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/02(金) 02:49:00.78 ID:DfSYJIbho
>>387

複雑に入り組んだものだ、全く。

【やれやれ、と嘆息すれば、立ち上がるクリスの姿と入り口側からのエンジン音】
【対するこちらが座したままならば、見上げる形となって】

―――ああ、せいぜい気を付けることとする。が、同じ言葉を返させてもらおうか。
そちらも、探るのならば注意したまえ。

【差し出される紙片を受け取れば、女もまた懐から名刺を取り出し、手渡す】
【記されるのは法律事務所の名前と、ケイ・ガーヴェイ≠ニいう名前。それから電話番号】

一応、こちらも渡しておこうか。表にあるのが仕事用の番号で、裏にあるのがプライベートの番号だ。
―――裁判をすることがあるなら、弁護の依頼でも構わない。

だが―――――お互い、連絡する機会がなければいいがな。

【裏面には、手書きと思われる数字の列。それを渡したなら、特に引き止めることもなく】
【ゴミや新聞を一纏めにビニール袋に詰め込んで、女もまた鞄を手にその場を去る】
【一度だけ、チラリと横目の視線を送ってから、公園を後にすることだろう】
389 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/02(金) 03:05:23.19 ID:nPhH5HjL0
>>388

ああ、ありがとうケイ。
だが私は警戒しているよ、常にな。

――どうか無事に。またこんなふうに行き会えたのなら、その時は再会を祝おう。
よい赤ワインでも開けるとしたいね。

【そう言うと、振り返ることもなく入り口のセダンに向けて歩いて行く―――今、乗り込んで発車した】
【それを見送るように、清掃の男性、電話をしていたスーツの男性が公園から出ていく。よく見れば、その身のこなしは素人のものではなく】
【備えている、というのは、彼等のような要員が常に彼女の側には居る、ということなのだろう】


【もしもケイが、クリスの渡した電話番号に掛けることがあったのなら】

【「こちらの電話は受信専用です。貴方の現在位置を特定しています。お待ち下さい」という音声が流れるだろう】
【「危険があるのなら移動してください。現在位置をトレースします。――救援が向かいます、ETA、15分」】
【そうして15分を凌いだのならば、歴戦の兵たちがケイの援護と回収に現れるだろう】

【その部隊の名はノーヴェンヴァーチーム。10年をこの新世界で戦い続ける、最精鋭の特殊部隊】



/このあたりかな! 長らくありがとうございました!
390 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/02(金) 03:32:27.84 ID:DfSYJIbho
>>389

【―――夕刻、建物に阻まれて陽の射さぬその場所は既に暗く。カツン、カツンと靴音が闇に響く】
【ガサガサと鞄を漁る音。一つを取り出し、二つを取り出し、三つ目の携帯電話。】
【先の二つを元に戻せば、暗がりに灯る幽かな光】

――――――私だ。
ブロンドの長髪、クリスと名乗る女。フルネームは不明。公務員の真似事、などと言っていたが素性も不明。
正直言って、よくわからん女だったが……『探りを入れている』、とのことだ。
一応、映像データを送っておく。解像度の低いポンコツだがな。

…………ああ、ああ。そうだ。しばらくは様子見でいいだろう。
利用できるようならば利用してやればいい。使えるものは何でも使うべきだ。そうだろう?

だが―――あまりにも嗅ぎ回るようならば…………

【眼鏡の奥に灯す冷たい光。フッ、と笑んだなら、通話の終了を選んで】
【静寂と夜闇が辺りを包む。靴音だけを後に残して】



/最後にちょっと付けまして。お疲れ様でした!
391 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/02(金) 09:29:07.72 ID:bt7EyEh+O
>>381>>383
【何度も、男の方を見る。あまりじろじろ見れば怪しまれるから、適度に少女の方も見る】
【その動作を何度か繰り返し――は、と女はサングラスの奥で目を見開いた。もしや、“彼女”は……】

(ちくしょう、考えなきゃいけねーことがわんさか来やがる!難しいコトは苦手なんだよクソが!)
(このガキは多分“そう”だとして……野郎の方はどっちだ?)
(敵か?味方か?……あぁ、もうわっかんねぇなクッソ!)

レ、レイモントホテル、だぁ?いやぁ……あたし風の国にはあんま行かねぇからよ
正直地図なんか見て分かるかどうか――あぁ、あたしは観光だよ観光!
ぎゃっは、ちょいとのんびりするのもいいかと思って、よぉ…………

【考えることが多い。だが、何を考えるにしても目の前で起きていることをまず処理しなければならない】
【女は適当に話を合わせつつ、男から地図を受け取った。違和感。ち、と心の中で舌打ちをひとつ】
【こんな接触をしてくるなんて、どう考えてもマトモな奴じゃあない】
【けれど地図の下にあるメッセージに気付けば――また、密かに舌打ち】

(味方っぽい、ってぇわけか。でも“本当”に……?)
(…………クソ。どいつもこいつも怪しく見えてくるじゃねぇか!考えるのはヤメだヤメ!)
(とにかく今はこいつを信じるしかねぇ……面倒事が膨れ上がったらそん時はそん時だクソがっ!)

……ぎゃっは、は、は。や、うるさかったか?悪ぃ悪ぃ
にしたって、“レイモントホテル”か……あー、あー、思い出したぜ、“知ってる”わ
“何度か世話になって”んだ。しかしうまい店、ねぇ?
正直、路上に売ってるホットドッグでもうめぇって思っちまうからなぁ……

【……何かを追加で、手帳に書き込む。地図は見せないが、「××通りの側だってよ」と控えめな音量で言う】
【通りの名前は適当だ。地図で目に入った通りをそのまま言ったに過ぎない】
【「こことか名前的に良さそうだと思うけどよぉ」――そう言って、男に地図と隠された手帳を返す】
【手帳には男が書いたメッセージの下に、短い追記があった】

【――――『CM with S the "KID" ↗︎』】

にしたって嬢ちゃん、そんな見た目で意外なとこ行くんだな?
嬢ちゃんに“案内”を頼んだ方がいいんじゃあねぇのか?
あたしもそん時はご一緒してぇとこだけど、な……

【転移魔術。そんなものを隣に座る少女が持っているならば、正直言って利用したいというのが女の本音だった】
【何かしらの形で“巻き込む”ことにはなっても、UTならば大丈夫だろうという慢心もあるのは確かだが】
【何より。さっさとこの厄介な状況から逃げ出したい、というのが第一だ】

【どうする、と言いたげに女は男を見る。「殺し屋ですし詰めの電車か、そりゃおっかねぇな」】
【場を繋ぐようにして会話を挟む。少女を巻き込むか、巻き込まないか】
【女は既に決断していた。後は彼が、どう判断するかだ】

/時間が空いたのでお返ししておきます
/次はおそらく夜になるかと!
392 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/02(金) 13:37:34.88 ID:kc4v5J6n0
>>383 >>391

【少なくともこの席は見張られている。の根拠はこの男の直感としか言いようがない。】
【車内の彼の席からは二人組みの男の後ろ姿が座席で遮られつつも見えている。こちらも監視できる席というわけだ】
【しかしそれらが本当に何者かで、2人しか居ないのかはわからない。ただ自分なら、大きな行動はしないだろう】
【本部と連絡し、応援を呼んで次の駅で合流。――――となると次の駅までは後どのぐらいだ?】

そうか、じゃあお嬢さんのほうが詳しいかな?魔術ならきっと一瞬だろう。僕はそのスペシャルな気分を味わったことがない。
列車の旅よりよっぽど貴重だよ。家でゆっくり寝られることがどんなに素晴らしいか…

【そして彼は返してもらった地図をわざとらしく見ていた。勿論それは地図に疎い、出張者を演じているに過ぎない。】
【頭のなかではこれからのこと、どうやって追手を巻くかを考えている。】
【だが今回は、こちらに女神が微笑んだようだ。】

レイモントホテルを知ってるか…僕は彼処はあまり好きじゃないんだ。けれど営業がしつこくてね。
あっ…ん?あれ?駅を出たならどっちに向かえばいいんだろう…お嬢さんもちょっと見てくれないか?

【彼は地図を3人の中心に持ち出し、覗き込む。3人で地図を囲んでいるようにしか見えないが周りからは表情も声も不明瞭になる】
【そして都合よく列車の車内は暗くなる。走行する音がやけに響く。トンネルへと入ったようだった。男は今までの胡散臭いものを取っ払う】

――トンネルを抜けた瞬間にUTまで俺たちを連れていけるか?狙いは俺達の…多分両方だ。
この事件はセリーナにも話は通ってる。兎に角まず逃げなくちゃならない。時間がないんだ。

【彼もまたUTへと向かう旅路の途中だった。UTには“助手”を通して既に話をつけてある。はずである。どこまでかは分からないが少なくともセリーナには】
【少女のことはUTだとわかっていた。となればこの少女の正義を今は頼るしか無い。UTの関与は既に“追手”にも知らていておかしくない】
【敵方がしびれを切らす前に情報だけは持ち帰らなくてはならない。それはこの謎の女も多分同じとこだろう】
393 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/02(金) 18:31:31.37 ID:J/e60v2Go
【路地裏】

【通りの喧騒が遠いほど奥深くの路地に男がいた】
【風貌は三十代前半。背中には大剣があり、一般的に市販されているもののどれとも違う装飾が施されていた】
【男は壁にもたれかかりながら思案に耽っていた。口から嘆息が吐かれる】

……さてさて
カンナ相手に息巻いたのはいいが、どうしたものかな
こんな陰謀めいた物事に首を突っ込んだ経験はないからな……
いや、頭を使うのがあいつの役目だから、俺が調べるということなんだろうが……

【男の目の前の床には別の男が這いつくばっていた。うつ伏せになりながら頭だけを上げて男を睨みつけている】
【這いつくばる男の両手や両腕が小刻みに震えていた。まるで背中に何か重たいものが乗っているかのように動けずにいた】

「お、俺に何の用だっ! 俺はカノッサ機関の一員だぞ、こんなことしてタダで済むと思ってるのかっ!?」

だからこうしてるんだろうが……安心しろ、”お前”に用はない

【剣士の右手人差し指が持ち上がり、下げられる】
【ぎしっ──と何かが軋む音と共に床に這いつくばる男が苦しげな叫び声をあげた】

「ぐぅ、ぁああああああっ!!」

おーおー、よく耐えるな
……さて、これを聞きつけてナンバーズか、別の機関員か
もしくは公安か警察か……誰か来てくれると助かるんだがな

【この機関員は剣士にとって、別の獲物を釣り上げるための”エサ”だった】
【情報を持つ何者かが来ればよし。情報を持っていないのだとしても、とにかく何者かと接触するところから始めなくてはならなかった】
【加重される度に機関員の叫び声がこだまする。果たしてこの場に誰が現れるか────】
394 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/02(金) 19:12:51.80 ID:om14EPhu0
【――――「闇市」】
【どこかの国のどこかの街、いつも陰ってばかりいる場所にそれは存在した】

【そこは、ありとあらゆる悪逆が売り買いされている場所】
【たとえば違法薬物、禁止兵器、機密情報、保護されているはずの珍獣】
【果ては、生きている人間の命でさえ。禁忌が金によって受け渡しされる非道の市】
【それ相応の情報を、相応の手段で得ることが出来たなら、踏み入れることが出来るだろう】

【そんな場所に、一組の男女が並んで歩いている光景があった】
【男の方は、銀髪に黄色い目をした褐色の青年。黒いスーツをノーネクタイで着崩して】
【女の方は、黒髪に暗赤色の目をした低身痩躯。シャツとプリーツスカートの装いの上から白衣を纏う】

【――女の方をよくよく見たならば、気付く者がいるかもしれない。裏社会ではそこそこの有名人だ】
【「ブラスフェミア」……「冒涜者」の通り名を持つ、若い研究者。それが彼女であり】
【生物の肉体改造を得意としており、報酬さえ渡せば非合法な施術を請け負ってくれるとされている】

……ねえ、ネクタイはどうしたの。
出発したときにはきちんと着けてたよね?

「ンー? キュークツだから外しといたら、失くしちった」

そんなこったろうと思った。ここでは身形をきちんとしておけっていつも言ってるのに。
ほら、僕のスペアだから君には細いけど――ほら屈んで、締めてやるから

【彼らの歩みは、ひとつの「店」の前で止まる】
【人身売買の仲介所。どうやらそこが目的地であったようだが】
【その扉の前で、女が男にネクタイをかけ始めた。彼らに何かをするのなら、今が絶好のチャンスだろう】


//なんかイベントのようなそうでもないような感じになりましたが普通に絡み募集しております……
395 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/02(金) 20:29:28.97 ID:K+9rgtFlO
>>394

【軽い音を立てて『店』の前に馬車が止まるだろう】
【時代錯誤の馬車、軽く鼻を鳴らして毛並みの良い馬が女性の前で立ち止まる】
【御者の男が二人の方を見て片方の眉をあげた、これは珍しい客人が来ている、と言いたげに】


「Bonne journée(ごきげんよう)、今宵も御足労頂き、誠に感謝の極み。
我々が生活できるのも、客人方のおかげにございます。
さあ、今夜は一段と冷える様です、中へお入りくださいませ。温かいお飲み物も、用意しております。」


【シルクハットに燕尾服、立派なカイゼル髭を生やした男性が御者席から下り、深々と挨拶する】
【片目のモノクルが宵月を浴びて細められる、目から下は笑顔なのに肝心の目が笑っていない】
【扉を開き、二人の客人を丁寧に案内しようとするだろう。何度か店に来た事があれば彼の姿も慣れている筈だ】

【男が案内をしている裏で、ぞろぞろと馬車から"積荷"が降りてくる】
【白を基調とし、黒いベルトが多くついた拘束衣、口元にはマスク、視界を奪うアイマスク──殆どモノの様に扱われる人間達】
【男は目配せし、その内の一つを手繰り寄せる】

【拘束衣に包まれた人の髪を強く掴んだ、月夜に輝く眩い純白の髪】
【マスクの下でくぐもった声が漏れた、華奢な体躯から年端もいかない少女だと伺える】


「────今宵の目玉商品です、上物ですよ」


【アイマスクをずらし、拘束衣の少女の目を見せる】
【満月と見間違えるかのような蜂蜜色の瞳、秋波な目元が潤いを浴びて】
【さあさ、と言って男は二人を室内に案内していくだろう】
396 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/02(金) 20:44:12.33 ID:om14EPhu0
>>395

【音が聞こえた。二人揃ってそちらを見やる、表情は至って平坦で】
【もう慣れたことだった。最初のうちは何かの撮影でも始まるのかと、笑ってしまったものだけど】
【ふっ、と息を吐いて、ネクタイから手を離す女。勢い余って前につんのめる男】
【一歩前に出たのは女のほうだった。降りてきた男に向かって、ゆるく笑って見せる】

ええ、こんばんは。少し寂しくなったから――来ちゃった。

【――なんて。言いながら、男のうしろをついて行く。足取りはずいぶん軽やかで】
【案内された室内、「上物」と呼ばれた少女をじっと見つめるのは女ばかり】
【男は白けたような顔をして、少し離れたところから眺めるだけだった】

……ふうん、綺麗。僕、金髪碧眼が一番好きなんだけど、
こういう色味の子もいいね。「これ」はどこから来た子?

【折り曲げた人差し指を血色の悪い唇に当てながら、ふむふむ呟くこの女】
【金髪碧眼の若いニンゲンばかりを大量に買うことで有名な人物だった、しかし】
【琥珀じみて輝く少女の瞳が気に入ったらしい。口角を吊り上げながら、商人に訊ねた】
397 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/02(金) 21:06:49.02 ID:om14EPhu0
>>395
//グエッすみません、夕食等で少々席外します……!
398 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/02(金) 21:07:22.34 ID:9BA7gjvFo
>>396

「それはそれは、何時も御贔屓にして頂きありがとうございます。
ブラスフェミア様のお眼鏡に適う商品も一苦労でして、その分毎度毎度素晴らしいお値段で購入して頂いております。
客人の皆が皆、ブラスフェミア様の様な素晴らしい方でいらっしゃれば良いのですが、最近な客人の『質』の低下が甚だしく
────加えて『公安』の影がちらつくといった、お寒い状況であります。」


【恭しく反応を返しつつ言葉を付け加える、客を上げて自分を下げる、中々どうして商売上手な口振りだ】
【女の質問に、ほう、と大袈裟な返答をするだろう】
【脚本を読み上げる様に演じて言葉を返す】


「如何にも!ブラスフェミア様に気にして頂けるとは、此方の商品もさぞ幸せな事でしょう!
此方の来歴は『金の国』──ええ、"ネル·ナハト"の騒乱以降、この手の孤児は後を絶たないのでね、此方も助かっております。
風が吹けば桶屋が儲かると言った所でしょうか、上客の幾人かを失いましたが、それ以上の利益もまた、得ているのが事実です。
──加えてどうやら原産は『櫻の国』と伺えます。和装を着させると尚のこと、瞳と髪が美しく映えるのです、ええ、勿論、『競り』の場でとくと、ご紹介します。
そうです、私めらも仲介だけでは生き残れないのでね、簡単にですが競りの会場を用意致しました。
此方になります、どうぞ────」


【滔々と雨が戸板を流れるように言葉を紡ぐ、何も無ければ話しながら室内に案内するだろう】
【地下にあるのか、開けたスペース、暗いパーティ会場の様で、何人かの客が談笑している】
【近くのテーブルへ案内しながら、ステージへと目配せするだろう】

【──パーティ会場に似つかわしくない、様々な器具が置かれたステージ】
399 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/02(金) 21:11:29.49 ID:J/e60v2Go
>>393
//まだ募集しております
400 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/02(金) 21:23:31.19 ID:9BA7gjvFo
>>397
/了解です!ごゆるりと!
401 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/02(金) 21:28:32.31 ID:NBAmsTUIo
>>393

【春が近づきつつある証なのか、嵐が吹き荒れているらしく】
【誰にも容赦無い強風が吹き付け、風を防がんと鞄を顔の前に構えている者もいる】
【それは夜になっても変わらない訳だが、裏路地の奥深くへ行くほど風は収まっていった】
【──脅威の増大と、トレードオフのようにして】


「今日の買い出しは終わり、後は転送するだけ……、っと」

【白衣の上に茶地の薄手のコートを羽織る女が、表路地を歩いていた】
【ボサボサした紅髪を向かい風に乱れさせながら、右手に持つメモを見ている】
【どうやら買い出しの途中だったらしく、レジ袋の中身は食料やコーヒーといった日用品】

「今日は風が強いなー……、裏路地通って帰るとしますか」

【風を防ぐ為に、路地裏を経由して基地に戻ろうとする】
【奥へ奥へと進むほど風は侵入してこないらしく、風圧も感じなくなる】
【暫く進んだ所で、何か騒がしい──断末魔にも似たそれが確かに耳に入った】


「こんな所で何やってるんだい?」

【そちらで何が起こっているのかが気になって、目を輝かせてそちらへ向かう】
【路地裏で起きたというのだから、ろくな事件の筈がないだろう】
【能力者なのか、魔術者なのか。はたまたそれらがどのような人物なのだろうか──】

【女はひょっこりと顔を覗かせると、まず男が地面に這いつくばっている姿が見える】
【次に、背に大剣を背負った男の姿。不思議なのは、何も男の背には載っていない筈なのに】
【男が身じろぎするだけで立ち上がれないこと。どのような力が働いているのだろうか】

「あっはは、えらい一方的だね。潰れた蛙みたいになってるじゃないか」

【レジ袋を右肘に提げたまま、女は二人が居る路地裏へと入っていく】
【胸元に刻まれた球体に巻き付いた蛇のシンボルは、知る人なら分かるだろう】
【──女は『機関』の研究員である、と。それさえ知っていれば、得物を“釣り上げる”ことができたと分かるか】

// まだよろしければ……!
402 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/02(金) 21:40:44.09 ID:J/e60v2Go
>>401

【微かな気配を感じた。それだけで剣士の手が素早く大剣の柄を握りしめる】
【現れたのは白衣の女。誰が見ても明らかな研究者然とした格好。胸元には機関のシンボル────】


(……釣れはした、か)


【目的の一つを達成──したというのに、剣士はギリ、と歯噛みをする。強烈な憎悪が、憤怒が、殺意が胸中で吹き荒れる】
【機関員はすべからく殺すべき敵だと激情が訴えかけてくる。それだけこの剣士にとってカノッサ機関とは忌むべき敵。地上から払拭せねばならぬ相手】
【しかし────今はそうすることはできなかった。この女と戦わず、会話を試みる必要があった】

【ゆっくりと、相手を刺激しないように気をつけながら、男は大剣から手を離した】


…………ちょうど、お前みたいなやつを探していた
カノッサ機関に少しばかり興味があってな。だが、雑魚と話してもつまらんだろう?
お前は強い弱いとかじゃなさそうだが、研究者みたいだな。こいつより、カノッサのことをわかっていそうだ


【表面上は単なる好奇心、ということにした。その態度は機関に入りたがっているようにも見えるだろうか】
【男の右手が持ち上がる。その動作一つで床に這いつくばっていた機関員の身体から加重が解かれ、反動で微かに身体が跳ねた】
【驚いた表情をする機関員だったが長時間拘束されていたせいでまだ動くことはできないようだった】
403 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/02(金) 22:16:47.72 ID:NBAmsTUIo
>>402

【男は大剣の柄をガッチリと掴んでいたらしく、流石に一歩退く】
【彼のリーチに入ってしまえば、此方の魔術では太刀打ちできないだろう】
【彼が柄を離したのを見て、ようやく彼の方へと歩み寄っていった】


「ふーん、『機関』について知っている人間か……」
「いいよ、私でいいなら話に付きあおう。っと其の前に」

【彼は機関に興味を示しているようだった】
【それも単なる興味ではない、雑魚とは話をしたがらないようで】
【態度も、何となく機関に入ることを志望してそうなそれではあったが──】

「一つ条件がある。其の大剣で、私に刃を向けないこと」
「それさえ守ってもらえるのなら、いくらでも話をしよう」

【まずは自分の身の安全を確保するのが第一だ】
【彼の得物である大剣はリーチも長いし、破壊力もすさまじい】
【それに、彼の能力か魔術か男は蛙のようにへばったままであるから】


「それで、まずは何を聞きたい?」

//お返し遅れて申し訳ないです、お風呂行ってました……
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/02(金) 22:19:57.60 ID:om14EPhu0
>>398

公安ねえ……うーんでも、最近は僕らみたいな小悪党に構ってるヒマもなくなってるんじゃない?
ほら、国家内乱罪……? だっけ。そんな大それたことしようとしてる人もいるみたいだし。

【喋りながら少女の髪を撫でる。絹のような質感に気をよくしたのか、目を細めて】
【「全部まるまる買えなくっても、この髪だけでも欲しいかも――あああと、目も」】
【蜂蜜色の瞳も、覗き込む。女の瞳は熟れすぎてぐずぐずになった果実のような、暗い赤色をしていた】

ふうん、金か……頭のおかしい王女サマが大暴れしたのって何年前だっけ?
あのヒトも結構好みだったんだけどなー、瞳が赤くなっちゃったのが本当に勿体なかった。
……ふんふん、櫻? 櫻のニンゲンでもこんな色するんだ、へええ……

【つらつらと、どうでもいいような話ばっかりしながらついて行く。その後に褐色の男がついてきて】
【彼はずっと無表情、無言のままだった。ちらと少女のほうを見て、それから何もなかったように視線を外し】
【そんな調子で会場に辿り着けば、テーブルの上のグラスを手に取った。唇を湿らせて、息を吐く】

……ほら言っただろ。僕がスペアのネクタイ持ってなかったら、どうなってたことか

「めんどくせーめんどくせー。さっさと帰りてーんだけど、ナニが始まんの?」

【小声で会話しながら、光り輝く壇上をぼうっと眺めていた。表情はやっぱり凪いだまま】

//お待たせいたしました……!
405 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/02(金) 22:22:53.75 ID:uImHQYZm0
>>391>>392

【――――だけれど、少女には"おかしな"点が、一つだけあった。あるいは女が彼女を知ったのがCMであったなら、それは余計に目立つ事実として存在するだろう】
【あのCMはもう何年も前になる。だのに――この少女は、その日からまるでただの一つさえも変わっていないのだ。まだ年齢は十六ほどに見える、成長期と呼べるはずの少女が】
【全く同じ顔で――強いて言えば髪の長さだけが違う――今ここに存在していて。ならば人間ではないのか。それとも、また違った――例えば、擬態、?】
【だけれど別の見方をすれば、だからこそ確実にこの少女があの少女であるという証明にもなる。鈴の声もおんなじ。問題は――人間ではありえない不変を見せつけるだけ】

――んん、そうかな。だけど……あそこね、お店だってやっているんだよ、行ったことは……、……ないかな。よかったら今度来てね。
お料理作ったり、お酒作ったりするの。それで――、え。そう? 電車の方が楽しいよ、いろいろな景色が見られるし――。

【にこにこと笑ってしゃべる様子に怪しげなところは見えないだろう。意外なとこに出入り、だなんていわれれば、普通に……彼女にしてはもう慣れた、場所だから】
【話しぶりを聞けば戦闘要員ではないのかもしれなかった。そして女が件のCMを見たことがあったなら――その時宣伝していたのは、"たんぽぽ"だなんて名前の、もの】
【つまり孤児やお金のない家庭に居場所のない子供に無料で食事を振る舞う。そういうことをUTが始めるのだというCMで――それでこの少女がCMに引っ張り出されたらしいと見え】
【地図のやり取りをする彼らを疑問にも思わず見ていたのだ、ただ自分には見せてもらえなかったから――退屈そうではあったが】

【――そのうちに地図を見てくれと言われれば、少女はぱちぱちした瞬きを挟んでから、「いいよ」と笑うだろう。俯けば少しだけ目にかかる長さの前髪を、指で押さえ】
【鞄の中の何か……あるいは鞄そのものが前のめりになった少女の身体と膝の間で潰されて軋む音がした。それで覗き込んだ瞬間――車体はトンネルの中に入り】
【一瞬びっくりしたように表情を変えたのは、暗がりのせいか、それとも、掛けられる言葉のせいか――あるいはどちらも。男の演技じみたものを取り払った言葉に】
【色違いの眼を丸く丸くした少女はちらと女を伺う。俺たちというからにはこの三人だろう――そんな話を、いつしていたのか。欲しがったのは、女からの肯定か否定】

え、っと――、……。

【たぶん、女と男の中に共通の理解があるのかを知りたかったのだ。それがなければ男がおかしい。それがあるなら……自分がおかしかったことになる】
【言葉である必要はない。小さな頷きでも十分。……少しだけ残念そうに見えたのは、多分、電車の旅をエンジョイしていたから】

…………うん、いいよ、案内してあげる。

【――まだ状況は分かりきっていない。だけれどそれが必要なことだと理解すれば、そうするべきだろう。全く気づけなかった二人みたいにカッコいいことは何にも言えないけど】

――だけどごめんね、この地図……もうちょっとこっち向きで見たいな。それに、次の駅で乗り換えた方がいいかも、……お荷物は持っている?

【そう言いながら、左手がぎゅっと女の腕を掴むだろう。何にも言わないままだから驚かせるだろうか。振りほどこうとしても、簡単には取れないほどの力で】
【そして言葉の途中では右手が男の手に触れる――それで手首をぎゅっと掴んで、地図を回すようにする。けれどこちらもやはり、力は必要以上に込められていた】】
【電車がトンネルを通り抜けるときのごうごうした音、それから、耳の中に別の膜ができてしまったみたいな感覚――急に訪れた緊張を唾で飲み込めば、ぱっと消えて】

【トンネルを抜ける――その瞬間、二人は眼前に桜色の魔力がかすかにちらつくのを見るだろうか。よほど周りから見えるほどではないが、その気配までは隠せない】
【それでも――"何もなければ"、少女は転移のための術式を起動するだろう。何か――少女の集中を極端に殺ぐ出来事でもなければ、為されるはずだ】
【そうなれば世界は一瞬暗転して――次の瞬間には、件の組織の店舗内に、移動する。硝煙の臭いも、煙草の臭いも、酒の臭いも……電車の中には、なかったものたち】

【――もし転移が為される前に、少女に触れていなければ。その人物は置き去りにされることになる。また、手元になかった荷物も範囲から外れてしまう】
【少女と、少女に触れていたひとと、物が範囲の中だった。一応聞いたけれど――明確に言葉で説明できたわけじゃないから、それが、少しだけ不安だった】
406 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/02(金) 22:32:12.18 ID:J/e60v2Go
>>403

【女の提示した条件は至極もっともなものだ。頭ではわかる】
【それでもそんな些細な部分にさえ、抑え込んでいた感情の渦が吹き出しそうになった】
【”機関員ごときが、何を”と口が勝手に言いそうになる。必死にそれを堪え、飲み込む】


────あぁ、当然の条件だ。話す相手を斬り殺したんじゃ、俺だって困る


【嘘偽りのない言葉だった。実際、目の前の女を殺すわけにはいかなかった】
【問題はここからだ。一体どのようにして話題を持っていけばいいか、考える必要があった】
【内偵や密偵ほどの難易度はないものの、あからさまに”最近、公安と繋がりがないか”などと聞くわけにはいかない】


あー、さて。何から聞いたもんかな
実際、本物を目の前にすると難しいんだが……そうだなぁ
最近、お前たちの話をあんまり聞かない気がするんだよな。何やってるんだ?
何かこう、新しいことでも始めてるのか?


【可能な限り、その場で話題を探しているかのように振る舞いながら質問をする。馬鹿馬鹿しい演技だがやらないよりマシだろう】
【遠回しながらもその質問の意図しているところは、機関の最近の動向を尋ねるものだった】

//全然問題ないですよー
407 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/02(金) 22:36:26.36 ID:9BA7gjvFo
>>404

【髪を撫でられて少女がびくっと身体を震わせた、さながら怯懦に濡れた小動物の様】
【無理もない、身体の自由を奪われこの様な会話を聞きながら撫でられるのだ】
【公安の名を聞いて、震わせた様に見えなくもなかったが】


「そうでは御座いますが、大義を成す者の裏には小路に蔓延る者が多くおります。点数稼ぎに使われては我々としても些か始末が悪い。
おっと、其れ以上はブラスフェミア様といえどご勘弁を、奴隷が怯えてしまいます──嗚呼、本当に恐ろしい御方だ。
して、其方の御仁は──初めて拝見するお顔にありますが」


【熟れた果実の様な暗い朱、その目に映る蜂蜜は僅かな意志を秘めている様で】
【男にぐいっと髪を引っ張られ別のスタッフに連れられ運ばれていった】
【男の口角が歪む、珍しくも無い、ただのサディストであるだけ】

【視線を向ければステージ上で一際目を引く天井から下がった銀色の棒】
【両端についた鎖からは拘束具が着いており、スポットライトを浴び煌々と輝く】
【テーブルの上には所狭しと<人体に適さない>器具が設置されているだろう】

【付着した血液が其の儘なのは、観る者の嗜虐心と、受ける者の絶望とを掻き立てる為か────】


「巷では性処理用の奴隷が氾濫している様ですが、私としては理解出来ない所です。抑、身分違いの立場に其れを要求する事が間違いと言えましょう。
幸いにも此処へ足を運んでくださる客人方の多くは、分別を弁えた上流階級の方々でありまして──私の希望により、其の様な用途の器具は設置しておりません。
然し、『其れ以外』の器具は十全に用意しております。御希望とあれば、揺籃から墓場まで、此方で一括できます。
はは、ええ、ジョークですよジョーク、奴隷風情に揺籃も墓場も過ぎた装置にございますし──」

「ええ、お連れの御仁が退屈をなさっておられる、まずは『養殖』の競りから行いましょう。
『養殖』にございます。様々な機関から入手した、人為的に手の入った個体です。主に研究者に人気ですね。
軽い再生能力を持つ個体は人体実験に、内蔵を強化した個体は治験に向いております、変わった所では瞼をなくした個体は目薬の研究に役立ちます、どんな劇薬を使っても構いませんしね──」


【言葉の通り、競りが始まる、ステージ上に吊るされる大小様々な人間】
【『養殖』とは言い得て妙で、各々に何かしらの手が加えられており、それをアピールする為に様々な"催し"が行われている】
【切られ、潰され、焼かれ、砕かれ──生命の尊厳とは何処にあろうか】


「ですが、ブラスフェミア様の作品に比べては児戯も良いとこ。所詮『養殖』は『養殖』に過ぎません──
どうでしょう?是非ブラスフェミア様の作品を我々共に『卸して』いただけませんか?
勿論特A級の待遇で買わせていただきます、それだけの価値があるのですよ」
408 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/02(金) 22:39:41.45 ID:i99RHzAuO
>>392>>405

【中央に広げられた地図。――乗ってきた】
【隣の嬢ちゃんには申し訳ねぇが、と女はほんの少しだけ思う。何も罪悪感が皆無というわけではないが】
【それでも、追手がいると言われてしまえば】
【つい先程たまたま席が同じになっただけの他人よりも、自分の方が彼女にとっては大事だった】

悪ぃな、嬢ちゃん。ここはひとつ、あたしからも頼むわ
詳しくは後で話すからよ。ちょっとだけ、巻き込まれてくれや

【――少女が得たのは、女の肯定だった。】
【男と違い、女の態度は今までと大差ない。男は嘘が得意で、女はそうではなかった】
【ただそれだけの違いだろう。勿論、最初と比べると随分と声は小さくなっていたが】

【そして、少女に腕を掴まれる。抵抗はしない。するわけがなかった】
【思いの外強い握力には多少驚きはしたが、今気にすることではない。少女の不変性についても、同じことが言えた】

【――少なくとも女は、少女の邪魔をすることはしない。だが追手の方はどうだろうか】
【何も起きてくれるなよ……そう思った時。目の前で淡い色が流れていった】
【車体がガタつく音が消え。乗客の咳払いが失せ。最後に聞こえたのは、汽笛の音】
【何事もなければ、女は驚いたように酒場の中に佇んでいるはずだ】
【荷物は元より少ない。「すげぇ」と、まずはそんな声が、彼女から溢れる】
【だが全ては、“何もなければ”――そのたった一言の前提の上に成り立っていた】
409 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/02(金) 22:58:48.48 ID:om14EPhu0
>>407

おっと、ごめんごめん。怖かった? とは言っても見つめただけなんだけど……
……ん、ああ。こいつはボディーガード。聊かマナーはなっちゃいないんだけど、
それなりに働いてくれるいいヤツだよ。

【言われれば軽く頭を下げる青年は、本当につまらなさそうな顔をしていて】
【虐げられる少女のあわれな様を見ても、無感動にそれを眺めるばかりだった】
【こんな女の付き人が務まるくらいの人物だ、まともな人の心など持ち合わせていないのだろう】

【やがて始まる、鮮やかな肉色の宴。吊るされたヒト――とは呼ばれぬ奴隷たち】
【それを眺めながら、女は男の説明をよくよく聞いていた。研究職に就いている人間としては、興味深い話だ】

んー、なるほどねえ。安いのをいっぱい買って使い捨てるより、
何回も使えるヤツを買ったほうがお得なのかも……。

……ん。僕のやつ? 別にいいけど、最近何か売れるようなの造ったっけな……

【褐色の男に向かって、ちょっと来て、と手招きする。近寄ってきた男はタブレット端末を取り出して】
【タップを数回、それからスワイプを何回か繰り返して――「作品」の画像を、何枚か男に見せた】

【下半身を丸ごと取り除かれ、魚のそれと繋げられた、人魚と化した美しい女】
【両腕を断たれ、代わりに輝く翼を縫い付けられた、あどけない顔立ちの少女】

【そういった幻想種に似せて改造された人々の画像のあとに、それまでとは趣の違う改造を施された人々の画像】

【シャム双生児。精巧に形作られた人面瘡。単眼に複眼、余分なパーツを沢山付けた躰、などなど】
【見世物小屋に売るならそれなりに面白がられるかもしれない、人工的に奇形にされた人々がたくさん】

……だめだな、面白味に欠ける。ねえなにか、リクエストとかない?
僕、基本的に自分の欲しいものしか買わないから――ほかの人のニーズがよくわかってないんだよねえ
410 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/02(金) 23:06:53.94 ID:kc4v5J6n0
>>405 >>408

【この賭けが一体どういう方に転がるのかは未だ読めないでいた。そもそもこの謎の女は直感で(確かに最も重要なものではあるが)】
【助けることにしたのが一体どう転ぶのか。その点、少女は信用できる気がする。――違和感もある。だが、この世界。一般の物差しなんてものは】
【とうの昔に捨てている。あるのはその直感のみ。だが、此処で転移をして大きく彼女を巻き込むべきなのか。UTだってそうだ。】

【そんな葛藤をしている時間ももうなさそうだ。男は席の上に置いたボルサリーノを被り直す】
【少女に手を掴まれたまま、空いた手はハットを抑えて(魔術をよく知らないので飛ぶかもしれないと思っているのだ)】
【客室の雑音は響く線路の音に飲まれて消える。―――男は息を呑んで、トンネルを抜けるのに備える。】

ああ…旅は道連れだ。

【気がつけば。あの列車に乗っていたなら、何時間かかっていただろう。息苦しい3等客室で体の何処かも調子が悪くなっていたところだろう。】
【タバコが吸いたくてイライラもしていた。…今は何もかもすっ飛ばしてあの――どこか懐かしい、映画のセットのような酒場にたどり着いていた】
【奴らは気づいていただろうか。…多分何も気づかないノロマではないだろう。だが転移魔法を阻止できるような技量がある奴らではなかったようだった】
【きっと残り香のような微かな魔翌力と、男が置いてきた資料入れの茶封筒をみて、クソッタレと叫んでいることだろう。】


『…え?ちょ、ちょ、え?…何?』

【こっちがまだ緊張の糸が切れていないのに、店の奥から気の抜けた女子の声が聞こえる。背の小さい黒髪丸い髪型、大きい目】
【飾り気のないシャツにカーディガンを羽織り、手にはマグカップ。UTの新入りアルバイトであり、なんとか大学研究員でもある―――】
411 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/02(金) 23:10:03.47 ID:9BA7gjvFo
>>409

【見せられるのは金を貰っても見たくはない魑魅魍魎】
【さながら悪徳の栄えが如く、目の前の光景が霞んで見える程のコレクション】
【其れをまるで息抜きに書いたデッサンの様に、捲っていく女】

【────素晴らしい、と息を飲んだ】


「申し訳ございません、私、オペラント──どうやらブラスフェミア様を見損なっていたようです。
嗚呼、本当に、なんという下手物を見せてしまったのでしょう。
素晴らしい、本当に、なんと素晴らしいコレクション、更にオーダーメイドまで可能とは、バイヤー泣かせこの上ない。
ええ、すぐにでも商談に────失礼」

「始まるようです、会話の途中ですが、主菜の準備が整いました」

[さあ参ります!『天然』商品の御紹介です!]


【会場の粘度が一層増したかの様、拘泥に潜む狼が獲物を見つけて低く唸る雰囲気にも似た】
【言わばこの人身売買のメインイベント、上流階級の客達は騒ぎ立てる事はしないが】
【高級料理に舌鼓を打つが如く、差し出される商品へ視線を向ける】


「基本として『天然』の商品は全ての反応を見せることにしております。
痛みへの反応、恐怖への反応、嫌悪への反応、尤も──競りに参加せず見世物として楽しむ客人も多いのですが。
嗚呼、先程の上物が来ました、どうでしょう?ブラスフェミア様もお連れ様も、好きな器具をお使いいただけますが?」


【天井から下がった銀の棒に両手を広げるように拘束された、純白の髪の少女】
【服装は白の襦袢に着せ替えられ、それ以外は何も身にまとっていない様だ】
【脚がつかない様に空中で吊られ、時折苦しげな声を漏らす】

412 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/02(金) 23:20:55.03 ID:NBAmsTUIo
>>406

「ありがとう、此れで落ち着いて話が出来る」

【殺される可能性がある中で、話などしたくはない】
【彼からの了解を得た所で、女は壁に背を凭れて彼の方を向く】
【白衣の内ポケットから煙草のケースを取り出し、角を叩いて一本口に咥えた】


「ああ、機関の動向の話か」
「私の研究室の目線で悪いが、今は“公安”の隙を伺ってる感じだね」

【今は公安の内乱に合わせて、何らかの準備をしているということ】
【女の研究所から見たところだけだが、恐らく機関全体がそうであろうと】
【唯の推測に過ぎないが、それでも機関の中の人間の話である】

「それで、他にはある?」
413 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/02(金) 23:21:08.40 ID:om14EPhu0
>>411

やだなあそんなに褒めてくれなくても……うん? 始まるんだ。
それもういいよ、仕舞っておいて――ああ、さっきの子だ。

【壇上に吊るされた少女を見て、ぱっと顔色を明るくする】
【「何をされちゃうんだろうねえあの子。ここに居る人たち、だいたいいい趣味してるから」】
【気軽に声を掛けられた褐色の男は、つまらなさそうに目を細めてから――あくびをひとつ零して】

おっ、僕もなにかやっていいの? いいね楽しそう、久しぶりに――
……したいところだけど、僕けっこう調子に乗っちゃうタイプだから。最後にしとくよ、
最初っからやりすぎちゃって、後の人に怒られるのはゴメンだし。

【けらけら笑いながら、周囲の人々へどうぞお先に、のジェスチャー】
【彼らが少女に何をしでかすのかを眺める姿勢に入る。それはもう、楽しそうな顔をして】
【さんざん甚振られたあとの少女を、さらにどう調理するか。あらゆる案を考えているようだった】
414 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/02(金) 23:29:17.00 ID:uImHQYZm0
>>408>>410

【女の言葉に小さく頷く。これでおかしかったのは自分ということになる――というか、気づいていなかったのが自分だけということになる】
【そうなってしまえば地図を見せてもらえなかったのはそういうことなのかなとか今更思いつくから面白いものだ、その時は……そうとは気づかないのに】
【あとから考えると意味が通じて来る。……とにかく、"何事"はなかった。ただの一つも。ならば場面は移り変わる――ちょっと時代を間違えた、みたいな、室内へ】

【――電車の中の光景を彼女たちが見ることはない。けれど、居合わせたひとたちはきらきら立ち上る魔力の残滓を見たろうか】
【もしかしたら一瞬くらいざわつくかもしれない。だけど――まあ。電車賃自体は先払いだからいいのか。よくないけど……そういう感じで、日常に戻るのか】

よい、しょ――、

【ぼさん、と、そう硬くもないものが床に落ちる音がする。見れば、少女の鞄……膝にのせていたものが、床にごろりと転がっていて】
【両手をそれぞれ貸してしまったから膝の上のものまで抑えていられなかったらしかった、二人の手を早々に開放すれば、言葉通りに拾い上げ】
【適当な机の上に置いてしまう、ふわあとため息は――よくわからないけど。なんかもしかしたらヤバかったのかもしれないというのをゆるく考えた証拠の吐息】

えっと――、二人とも、大丈夫? お荷物とか……忘れ物は? だけど二人とも来たね、良かった!
急だったから、ぎゅって掴むの、びっくりして離されちゃったらどうしようって……そしたら、置いてきちゃうから――。

あと、全然違うひとが混ざってこなくって良かった。

【それで……彼女としてはひどく慣れた場所だからかまるで自分ちみたいに振る舞うのだ、とりあえず空いてる席の椅子をすすめて、そう話しかける】
【ころころと笑うなら上機嫌にも見えたろうか、理解して巻き込まれたけど必死さは足りていない様子。最後はすっと真顔で言うから、冗談なんだか、本気なのだか】

あ――麻季音ちゃん、お疲れ様。えっとね……、……お客さん。んんと、わたしも、よくわからなくて……、今から説明してもらうの、それで……。
――――えっと。セリーナって。居ないのかなぁ、……麻季音ちゃん、わかる?

【それから――聞こえて来る気の抜けた声。振り向けば……相手からすればどんな状況なのだろう、これ。あどけない顔で笑うバイト先の先輩、あと……ほか二名】
【少女からすればほかの人間関係は分からないから、触れないけれど――とかく客であるらしい。それも、可能であればセリーナを呼んできてほしいような、客】

とりあえず……、お茶を淹れて来るね。珈琲のひと?

【ただ――非番であったなら、そのあたりはよくわからないらしい。相手へ尋ねた少女は、だけど、とりあえずという様子で、言葉通り茶を用意しようかと席を立ちかける】
【問題がなければ二人は座って待っていれればお茶だか珈琲だかが出て来る、お話はそれから――?】
415 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/02(金) 23:30:55.53 ID:9BA7gjvFo
>>413

【大きく銀の棒と共に少女の身体が揺さぶられる、スポットライトが激しく照らす】
【司会の男がテーブルの上の器具に手を伸ばす、可憐な少女を嬲る悦び】
【舌舐めずりでも一つ聞こえそうな程、僅かな静寂が空間を包む】

【さながら会場全体が、固唾を飲んで見守る様に、白き蝶の羽根が無残に毟られる事を、今か今かと】


────昏遁制御開放術式────
────"Sonata Arctica"────


【暗転。電線が切れたかの様に周囲が闇に包まれる。周囲に生まれるざわめき】
【寸刻して、非常電源がつき照明が戻るだろう、喧騒が再び湧いた】
【"居ない"──先程まで吊られていた少女が、影も形も、空っぽになった拘束具だけが、がらんと揺れる】


縄抜けの応用ですよ、詳しくはまぁ、企業秘密ということでっ
っしっかし、任務も酷いものなら、潜入先も酷いもので、なんですかね、このマルキ・ド・サドの世界観

あちらもこちらも、見た事ありますよ、表では何とまあ聖人君子で通ってること通ってること

────『公安三課』所属、"鵺"
下手人共、お縄につきなさい────


【スポットライトが追った、天井に逆さまに立つ"少女"を】
【襦袢姿をはためかせ、純白の髪が舞う、天井を蹴って司会の男の肩に降り立つ】
【顔面に膝蹴りを一発、鼻の骨が砕け散る音が響く】

【そして少女はこちらを見る、御者の男を見つけ、テーブルを飛び交いながら向かってくるだろう】
416 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/02(金) 23:32:36.30 ID:J/e60v2Go
>>412


────公安?


【努めて、初めて聞いたような顔を作る。上手くやれているかはわからないが】
【あまりにもあっさりとその言葉が出てきたせいで、驚きを隠しきれているか微妙なところだ】


公安って、最近話題のあれか?
機関が絡んでるとは知らなかったな……


【さて、続きが難しくなってきた。次はどうするべきか】
【どうにも相手は事情にそこまで詳しくないように見えた。そう考えるならば、会話で情報を抜き出す、というのは難しい】
【となると次に取れる手はたった一つになってしまうが────】

【思案に耽ってしまったせいで不自然な沈黙が流れた】
【その隙を狙ってか、這いつくばっていた機関員が突然起き上がり、手にナイフを持って剣士へと向かう】
【何かを思いついたように剣士の顔が上がり、横へとずれる。機関員の男は勢い余って壁に激突──いや、叩きつけられた。まるで壁方向に重力が生じたかのように】
【バタリ、と機関員が床へと倒れる。今度という今度は気を失ったらしく、ぴくりとも動かなくなった】


…………よし
お前なら、どうやって機関の一員になれるか知ってそうだな
こんなアホでもなれるんだ。俺でもなれるだろう?


【と、思いついたばかりのように言う】
【いや、実際に思いついたばかりではあった。しかし情報を入手しなくてはならないことを考えるとこれが最善であるように思われた】
【とはいえあまりにも唐突。そこに不自然さを感じても全くおかしくはないが──さて、どうか】
417 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/02(金) 23:33:16.36 ID:L+r6KeVl0

【町中、とある路地裏】


痛っ……痛いってば!離してよ!
【昼でさえも薄暗いその場所に響いたのは少女の金切り声】

【その声に被るように聞こえるのは男の「誰が離すか!」「観念しろ!」などと言う叫び声で】

【声から察するに少女と男の間に何か一悶着あったようなのだが、此処は路地裏。そんなものは別段変わった事ではない】

【少し思い起こすだけでもやれ酔っ払いの喧嘩だ、やれ借金取りに追われる輩だ、人身売買だ、娼婦同士の贔屓の客を巡るキャットファイトだ、果ては
路地裏人間解体ショーだのなんだのとまあ一日に何度も大小様々な事件が起きたり起きなかったりするわけで】

【表通りを行く人も「何だまたか」みたいな感覚で路地裏には目もくれず素通りしていくのだが】

【まあ実際目を向けてやったところで飛び込んでくるのは少女がスーツ姿の如何にもといった男に手首を掴まれて何処かへ連れて行かれそうな、これまた路地裏では日常茶飯事ともいえるような場面なのだが】

【ただ唯一目を引くのは少女の容姿だった】

【月白色の肩まで伸ばした髪、本来人間の耳があるべき場所には見当たらずその代わり頭頂部から生えている猫のような月白色の耳。この時期ではだいぶ冷えるだろうと思われる薄く白い小袖、その裾から伸びたこれまた月白色の猫の尻尾。やはりこの時期だと冷たいであろう何も履いていない足】

離して……離せって言ってんでしょっ!?
【金色の瞳で男を睨み付けもがく少女。しかし彼女の抵抗も虚しく男は少女を引き摺るように路地の奥へと連れて行こうとする】

【その路地に立ち入り一瞥すれば分かるのだが、彼らが向かおうとする路地の奥、その行き止まりには何やら怪しげな建物がそびえている。どうやら少女と男はそこから来たようだ】

【──これはあくまでこの界隈の噂、なのだが】

【その怪しげな建物の深層は奴隷市となっており日夜競売が行われているのだとかいないのだとか】

離せ……!離……ッ……誰か!誰──
【引き摺られそうになりながらもなお足掻き通りに向けて叫び始める少女。しかし男は「うるせぇ!黙ってろ!」と叫びその口を少女の手首を掴んでいない方の手で塞ぎ連れて行こうとする】



418 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/02(金) 23:40:19.78 ID:om14EPhu0
>>415

【にこにこ。たのしそうに笑いながら、壇上を眺めていた女の肩を】
【ふいに褐色の男が掴んで、引き寄せた。つまらなさそうな表情が、いつの間にか引き締まっていた】
【「なに、もうすぐいいトコロなのに」「黙ってろって。死にたくないんなら」】

――――――っ、

【ぶつん。灯が一気に落とされた音。女は目を見開いて、息を呑み】
【肩を握る男の手の力が強くなる。すぐにその手を後ろに振り払って】
【女は後方に突き飛ばされた。男が前に出る、首元を詰めるネクタイを忌々しげに解きながら】


「…………あーあっ、やっ……と面白くなってきたでやんの。
 なあミア、これを見越しておれをココに連れて来てくれた? だったらおまえ、イイ女っ!」

ちっがいますぅー、ちぇーっつまんないの。
舌の先っぽちょん切って、一生甘いモノ味わえないようにしてあげようと思ってたのに。

【一転して。心底がっかりしています、とでも言いたげな顔をする女を置き去りにして】
【満面の笑みで、男が駆け出す。少女へ肉薄せんと、姿勢を低くしてテーブルの合間を縫い】
419 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/02(金) 23:40:22.94 ID:i99RHzAuO
>>410>>414
【改めて、酒場の空気を吸い込む。上品とは言えない煙草や酒の香りも、硝煙の香りも】
【列車の中と比べてしまえば、それだけでどこか安心出来るものがあった】
【「あぁ、あたしは、大丈夫だ」……そう言って、ぎゃは、と笑おうとした時だった――「いた」】

【……す、と。女がサングラスとマスクを外す】
【横にスリットの入った、真円の目。薄紅色の肌。明らかに、ヒトという種族ではない】
【フードの奥には、吸盤がいくつも並んだ触腕が蠢いてすらいたのだ】
【「コーヒー」それだけ答え。ぎしりと床を軋ませて――女は店の奥にいた少女へと、近付いていく】


…………“初瀬 麻季音”、だな?


【その声は、列車の中で見聞きした女の態度とは少し違っていた。緊張、安堵、僅かな不安】
【ローブの中に手を入れる。触腕でフードを取り払う。頭部から生える8つの巨大な触腕が、露わになった】
【ぎしり。また一歩近付く。金色をした真円の目は、真っ直ぐに“彼女”のことを捉えている】
【女は“公安”か。もしくは別の“追手”だったのか。女が、“麻季音”に向けて何かを――!】

――――2週間だか、3週間前
“ゾーイ”から、こいつを預かった。あんた宛だ、麻季音

……出来れば、あんたの口から何が起きているのか聞いておきてぇ
“博士”だの、なんだの。そういや、“世界を変える”とか“変えない”とか……んな話もあったような気がするが、よぉ

【“何かを”。差し出されたのは…………封筒だ。中身を開けた形跡はない】
【戦闘や旅路を経て、だいぶシワがよってはいたものの】
【確かにそれは、あの日アンドロイドから託された“預かり物”に違いなかった】
420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/02(金) 23:47:54.12 ID:9BA7gjvFo
>>418
【夜闇に閃光が舞う、怒号と喧騒に引っ張られスポットライトが会場中を照らす】
【然して映るのは残り香だけ、煌めく純白の残照を微かに捉えて終わる】
【各テーブルに居る用心棒だけを一撃で昏倒させていく、テーブルを飛び回る影の後には────】

【奇妙な沈黙だけが広がっているだろう】


ざっと、こんな所でしょうかっ、全員が全員、百万遍殺しても殺したりない連中ですが
私が手を下すのはもう時勢じゃないんですし、この程度で
──尤も、そっちの方が何万倍もマシだったんでしょうが


【『公安三課』の尋問、毒を以て毒を制す、相応のエキスパートがいるのだろう】
【だが、彼女の任務はそうではない、テーブルの上から近づく男を見据える】
【テーブルとテーブルの隙間だ、そこまで大きくスペースはない】


あらっ!少しはできそうな人も、いるもんですねっ!
お若いのに、ひっどい趣味!そーんな不届き者にはっ!
きっつーい、一発、お見舞しちゃいますよっ!!


【軽く身体を曲げ右手でテーブルクロスを掴む、シワがテーブル一杯に広がって】
【そのテーブルを蹴って飛ぶと同時にテーブルクロスを放り投げる】
【丁度近づく男の目の前にテーブルクロスが広がる様に、テーブルの上のグラスが割れ、ワインが飛び散る】

【彼女自身は、と言えばそのまま空中で一捻り、男の後方のテーブルに着地しようとする】
421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/02(金) 23:58:23.73 ID:NBAmsTUIo
>>416

【公安について初めて聞いたような顔をしたものだから、此方が驚いた】
【てっきり新聞などで情報を得ているものと思っていたから】

「機関が絡んでいない……、とは言い切れないが、半分公安の内乱らしい」
「少なくとも私は“そう”聞いている。まあ違うかもしれないけど」

【パイプがまだ出来上がっていないから、情報の伝播はまだない】
【しかしながら、それが出来上がれば情報の面で大きなメリットを得られるのだが】
【時期尚早、まだ急ぐべきではないのだろう】


「……は?いやいや、ちょっと待ってくれ」
「あまりにも唐突過ぎやしないか?そりゃ、まるで──」

【「スパイのようじゃないか」、と小さくつぶやく】
【表情は唐突な申し出に驚いたそれのまま、言葉尻にも驚きが見え隠れして】
【機関に入るのは自由であるが、情報に対するアクセス権はアンダーナンバーでも厳しいとある】

「いや、すまない。君が機関に来るのは自由だ」
「しかし、君が望むような機関の動向の情報は一般構成員じゃほとんど得られない」

【一旦落ち着きを取り戻すと、彼にそう告げた】
【機関の動向については、その殆どをナンバーズや六罪王が担う】
【それを一般構成員が詳しく知ろうとしても、統制が働いているはずだと告げた】
422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/03(土) 00:00:31.21 ID:CIv8YoOl0
>>420

「おれのじゃねーよ、このオンナのシュミ。
 ひっでーってのには同意すっけどぉ……ッ!」

【投網のように飛んでくる布、真っ白な布に視界を遮られ】
【すっぽりと。背の高い男の頭部はクロスに覆われて、その動きが止まる】
【少女が着地したテーブル。そのわずか数メートル先に、「ブラスフェミア」は留まっていた――】

【――――「きゅイん」。甲高くて、それでも小さな音が鳴った】
【きっと少女にはよく見えることだろう。「ブラスフェミア」の、光の差さぬ暗赤色の瞳に】
【「青白い光」が灯って、十字のかたちにきらめいたのが】

【その直後だった。び――――ィ、と、ナニカが裂ける音。それは少女の背後から響き渡って】

「――――――とんでもねぇ悪趣味の、サイアクな女だけどなあ、
 それでもそいつはおれの創造主<マスター>なんだよなァ…………!」

【振り返ったなら、布に包まったままの男が見えるだろう。その布の向こうから――】
【――風切り音。先端が鋭利に尖った、細長い触手が一本。一直線に少女に伸びてくる】
【布を突き破って、少女の胴体を狙って真っ直ぐに。刺し穿たんと迫る、が】
【ごくわずかな一点を狙った攻撃だ。回避するには苦労しないだろう】
423 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/03(土) 00:00:32.26 ID:S6x84QEB0
>>414 >>419

よぉ、“助手”。

【男はどっと疲労感が体中を駆け巡り、片手を軽くひらひらと挙げて店の奥の少女に挨拶する。】
【すぐさまコートのポケットを漁り、紙巻きの”赤マル”に火をつけて、一服する。女性陣とは2歩ぐらい離れたのが彼の】
【本来持っている謙虚さと紳士さによるものだ。ため息を吐くように天井を仰ぎながら煙を吐き出して。ウロウロと歩きだす】

荷物は置いてきた。どうせあれは職質でも食らったとき用の偽物資料だ。中にはいっているフル―ソ止まりの切符のほうが
役に立つかもしれないけど……まあ、あれだね…………うまく言ってよかった本当に。
ああ、俺はいいよ。ビール飲むから…

【そうして勝手に店の奥へと消えてしまう。勝手知ったるように冷えてないビールを探しに行ってしまった】

『えぅう?あっ、お疲れ様です…?。…いや、なんで探偵のアンタも…というか何処から?…いや、であセリーナ?』
『さっきまで居たような居なかったような…いや、その前に―――へっ?』

【頭の回転はいいほうだと思っていた彼女だがこの状況を処理できるほどの頭脳か冷静なハートは持ち合わせていない。】
【全然理解できていないまま、名前を呼ばれる。反射的に返事はしたものの。誰?それより人ならざるものが思いっきり目の前に】
【しかもこっちにやってくる。なんか雰囲気も「テメェのせいで酷い目にあったじゃねえかコノヤロウ」と言っているような居ないような】
【しかし体は動かないもので取り敢えず硬直していたら――差し出されたのは手紙】

『…へぇ?はぁ…手紙?ゾーイ?……博士…か。』

【全ては“博士”この言葉に通じていたのか。それに気がつけば頭も冴えてくる。封筒には父親の名前が書いてあるが印刷で肉筆ではない】

『兎に角、座って。一から話す必要がありそうね。』

【彼女は最近作り上げたカウンター端の自席のノートPCを開く。ここからは一通りのフルフェイス事件のおさらいだ】
424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/03(土) 00:08:10.02 ID:80wxNWiBo
>>422

【少女の状況判断能力は高い、必然ブラスフェミアの変化にも敏感に気づく】
【瞳に別の光が交じる、体質か──否、そうだと判断するにはあまりにも不自然すぎる】
【ならば、と脳内の回路が繋がる、能力の発動に違いない、と】

【テーブルを蹴って空中で一回転、背中の衣を摺る形で紙一重の回避をするだろう】
【瞳に気づいていなければ直撃していた、相手の能力の高さを感じ取った】


親が親なら子も子ですねっ、いきなり不躾な挨拶ですことっ!
今からお母さんのとこにでもいって、正しいレディへの挨拶を学ぶんですねっ!


【着地しテーブルを蹴って男へ向かう、勢いのついた膝蹴り】
【右の膝が真っ直ぐ、テーブルクロスの絡まった頭目掛け放たれる】
【視界を覆っている、本来なら回避には苦労するかもしれないが──】

【目の前で広がる惨状、それを目にしてもオペラントの表情には怒りが見えない】
【ふむ、と小さく呟き片目のモノクルを操作、其の奥の少女を見据えた】
【『公安三課』か──声を漏らし、後方に飛ばされたブラスフェミアに手を伸ばす】


「これはこれは、物珍しい事もありますね、どうやら窮鼠が猫を噛んだ訳でも無いようだ。
私ももう少し審美眼を鍛えねば、あれは『される側』でなく『する側』に御座いました。
いやはやこれでは、全く──調和には程遠いと。
ブラスフェミア様は聞き及んでおられますか、かの『公安』には犯罪者のみで構成された『セクション』があると。
私も客人から聞いたフォークロアに過ぎないと思ってましたが。
ええ──聞いたでしょう、確かに『公安三課』と。
それなんですよ、件の。ロアの名前が」


【ブラスフェミアが起き上がれたなら、近くのイスを引いて差し出すだろう】
【女王猊下に差し出すかのように、恭しく】
425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/03(土) 00:13:54.95 ID:CkySClX50
>>419>>423

【女が珈琲と言えば少女は間違いなく珈琲を用意するだろう。味の好みまでは分からないから、とりあえず、ミルクとか砂糖とかも持ってくるはずだ】
【それで男……男がビール飲むからと言って奥へと入って行けば。なんだかびっくりした顔をするだろう、というか、多分、本当にびっくりして――したんだと思う】

【ただ――それを少女の前でやるべきではなかったかもしれない、なぜなら】

……おにーさん? ちょうどよかった、わたし、腕って二本しかないから――、一緒にいろいろ持っていくの、手伝ってくれる?
飲み物だけじゃちょっぴり足りないみたい……。

【――女の珈琲とついでに自分の飲み物を用意するために同じく奥に入ってきた……あるいはついてきた少女が、にっこり笑って話しかけてくるから、だ】
【曰くお話するのに飲み物だけじゃ足りない。そしてそれを運ぶには腕が足りない。そしたらちょうどいいひとが居る、やったあ――そういう感じの、顔をして】
【有無とか言わせないし多分きっと逃がさない。お手伝いしてくれれば少女はそれ以上のことは言わないだろう、……たぶん】

【――――それで、やがて戻ってきた少女は、ひとまず言われたとおりに珈琲とか。ビールとか(?)。それから自分のための飲み物とか】
【麻季音は自分の分の飲み物を用意してたようだけれど必要だと言えば用意するだろう。あとは――ちょこっとつまめるような食べ物、お菓子とか、酒場用の作り置きとか】
【そういうのを持ってきて……あるいは手伝わせて。だから、その間少女は少なくともこの場を離れる。男が付き合ってくれたなら、二人は一緒に戻ってくるのか】

【だから――"二人"が二人きりで話している時間は、きっとある。それが長いか短いかはともかくとして――、】

え――っと……、わたし、それより、お名前聞きたいな……。後ででも、いいんだけど――その、なんだろ、きっと難しいお話するときに、
…………お姉さん、とか、お兄さん、じゃあ、……その、ね、呼びづらいなって――。

【――ただ確実なのは、麻季音の話を一瞬遮るように話すことだ。いろいろ用事があったり知り合い同士ではあったらしいのだけれど】
【少女からすればよく分からないひとたちばっかり――というより、一人は、多分、ヒトじゃなかったっぽい。そういう場面で、少し、遠慮がちな提案】
【受け入れられれば少女は少し安堵したような表情でとりあえず自分の名前を名乗るだろう、白神鈴音――シラカミリンネ。やはりUTの給仕として何年かは居る、人物で】

426 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 00:14:09.23 ID:SnStAzRLo
>>421


(ちっ、疑ってきやがったか、鬱陶しい……!)


【感情が沸騰しかけるが再び抑える。ここで表に出してしまっては苦労が水の泡だ】
【単に失敗するだけならまだしも、おかしな奴がいる、と言い広められる可能性さえある。それはかなりマズかった】
【警戒されていないから動けるというのに、その立ち位置を失ってしまう】


おいおい、何を勘違いしてるんだ
俺はそのへんのことはどうだっていい。単に、世間話のつもりで振っただけだ。実際活動を見ないしな
それよりも、俺としては暴れられればいいんだ。カノッサに入ればそうできると思ったんだが、違うのか?


【好戦的かつ野心的────ひとまず、そういう人物像を目指した。カノッサに多い人種であろうと踏んでのことだ】
【路地裏で現機関員を痛めつけ、機関入りを狙う。一応、筋は通っているはずだが、どうか】
427 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/03(土) 00:20:50.63 ID:CIv8YoOl0
>>424

「オカーサン? おかーさんかあ……だったらそこの女がそうかもなぁ」

【布に阻まれてくぐもる音。けれどその声色は――たしかに嗤っていた】
【未だに布を払いのけないままだった。それはあまりにも不自然なことで】
【迫りくる膝蹴りも、回避する術なんてないだろうに】

【――――――――離れたところで、女も嗤った。】

【男が片手を上げる。飛んでくる、少女の膝を受け止めるように、大きな掌を広げて】
【不自然なまでに自然な動きだった。まだ視界も万全じゃないはずなのに、「見えている」ように】
【きれいに少女の膝が到達するであろう位置に、その掌を持ってきたのだった】
【もし受け止めることに成功したなら、その腕を思いっきり振り下ろして、床に叩き付けようとするだろう】


……へえ、犯罪者の。
公安っていうのもけっこう裏事情抱えてるんだねえ、
齧ってみれば面白い味がしたりするのかなあ……んー。

【一方の女の状況。差し出された椅子に座って、男と少女の戦闘を見守るばかり】
【瞳の中で光り輝く十字は依然、明るさを失わないままだった】
428 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/03(土) 00:30:31.45 ID:80wxNWiBo
>>427

【オペラントの命を受けスポットライトが、男と少女を映すだろう】
【其れはさながらこの戦闘が演目であると伝えるが如く】
【光が投げつけられ影が出来る】


なっ──えっ……見えてる……はずっ!


【掴まれる膝、勢いはあれどそもそもの筋肉量が足りない、軽い蹴りだろう】
【そのまま右肩から地面に叩きつけられた、受け身を取れず激痛がはしる】
【このまま眠ってしまえれば、どれだけ楽か、苦悶の声が漏れる】

【それでも、よろよろと立ち上がる、左手で右肩を抑えながら】


なるほど……っ、そこの女がっ『目』にもなるんですねっ……
恐らくは操作系、それも、自我も持っている……っそんなの、相手したこと、ないってば……

ほんとにぃ……人使い、荒いん、だから


【肩巾に両足を開く、右足がかくん、と大きく崩れる】
【ダメージは大きいが、何とかこらえて、両手で印を結ぶ】
【ずるずる、と音がする、周囲を見てみればパーティ会場のテーブルが地面に吸い込まれる様に消えていく】


「まあ『公安』は警察にあって、警察では無いところがありますし、それに──
今回の件で信用は失墜しましたが、この手の施設を必要としている客人はまだまだ居るのでね。
場所を変えねばなりませんが、ノウハウさえあれば、再開には苦心しません。
今は此の演舞を楽しみましょう、ブラスフェミア様の従者はかなり出来る方とお見え致します。
其の様な付加価値があれば、また新たな商品を客人に提供できそうです。
ええ、そう在るべきなのです、調和とは、少数の権力者が多数の奴隷を率いる事で、成り立つのですから。」


【そうブラスフェミアに声をかけると、近くのテーブルからワインボトルを拾い、グラスに注ぐ】
【鮮血の液体がグラスを泳いで、水面に羽音を立てた】
429 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/03(土) 00:35:09.22 ID:Cxc//yR2O
>>423>>425
【手紙を渡し。座れと言われれば……それこそ、疲労をやっと自覚したかのように椅子に身体を投げ出す】
【だらりと触腕が垂れ下がり、上を向いて一度、深いため息。一先ず、頼まれごとは解決したのだ】
【それだけで、だいぶ気は楽になった。とはいえ、まだまだ問題は山積みなわけだが】

……なんだ、てめぇら知り合いだったのか。そりゃ、心配して損したぜクソ
しかし随分と探したぜ、麻季音ちゃんよぉ……

【少女と男が、どこかへ行った。店の奥。軽食でも用意しに行ったのだろう】
【その間、女と麻季音が2人きりとなる――だが、出てくるのはため息と愚痴ばかり】
【よほど面倒ごとにでも出くわしたのだろう。だらしなく椅子に座る格好が、それを物語っており】

…………“公安”。多分、てめぇも追われてんぞ。知ってんなら、いいけどよぉ
てめぇが寄ったでけぇ警察署な、あそこ。ばっちりてめぇの画像が保存されてたぜ。警察、危ねぇからあんま行くな
それと、妙な“婦警”に気をつけろ…………ニコニコとしたアホっぽい婦警だ…………ってぇ、あ?

【だらしない格好のまま、視線だけをPCに移す。今まで得た情報を、ざっと麻季音に話す】
【追われていることは、麻季音自身自覚しているのだろうか】
【しているのであれば、それはそれでいい。情報の取捨選択すら、今の女にとっては面倒だった】
【そして……麻季音のPCに、フルフェイス事件の内容が映し出される】

あー、…………そりゃあ、…………、フルフェイス――?
なんだってぇ、それが……?なんか急にニュースで取り上げなくなっちまったけど、よぉ……

……っと、コーヒー、ありがとな嬢ちゃん
つか、しまったな……酒か。あたしもそっちにすりゃあよかったな、クソ
あぁ、そうそう。あたしはミラってぇんだ。ミラ・クラァケ

【そのあたりで、2人が帰ってくるだろうか。飲み物を持ってきてくれたことに対しては礼を言い】
【「クラァケ“さん”と呼びな」――気が緩んだのか。ぎゃは、と女はようやく嗤うのだ】
【「よろしくなぁ、リンネ」「後、麻季音ちゃんもよぉ」続けて挨拶をする程度の常識もある。「悪かったな、いろいろとよ」】
【鈴音を巻き込んだこと。あるいは、鈴音の分からない話をし続けたこと。それに対しても、ちゃんと謝れるやつだった】

/申し訳ない、そろそろ落ちる時間でして
/明日は急用さえ入らなければ、割と1日スレにいれるとは思います。時間が空いた時に続きはお返ししますべ
/それでは、今日のところはこれで。お疲れ様でっした1
430 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/03(土) 00:45:33.31 ID:CIv8YoOl0
>>428

「お? おー、なんだなんだ。手品? 魔法? すっげーなあ。
 おれそーいうハデなヤツ、ぜんぜん持ってないんだよナー。
 いーなあいーなあ。おれもそーいうのがよかった! オトコノコだしそーいうの憧れる!」

【少女を床に叩き付けてから、ようやく布を取り払った男はへらへら笑っていた】
【さながら人懐こい大型犬がじゃれついてくるような、人当たりの良さそうな顔をして】
【それなのに、少女に対して優しくしてあげようという素振りもない。酷い男であるのは、確かなことだった】

「今日はどいつにしよっかなあ。うーん、噛むヤツ? 絞めるヤツ? メッタ刺しにするヤツ?
 ……だめだ決まんねー。ねえあんた、どれがイイ? 選ばせてやんよっ」

【少女が術を行使し始めるのと同時、男もまた、なにかをし始めたようだった――「ごきン」】
【「ぼき、ばきっ、めりめりめり……ぐちゃっ」。骨と肉とが蠢いて混ざるような音】
【それが、「男の体内」から響き渡ってくるのだ。男はゆったりと歩みを進め、少女に近付いてくる】


もうこの街まるごと移動させなきゃだねぇ。面倒なことだ。
さあ、それなりに使えるようには「調整」してるけど――最近あんまり動かしてなかったからなあ。
もしかしたら負けちゃったりして……そしたらまた、弄り甲斐が出来て面白いには面白いけど。

【「男が負けたところで問題はない」とでも言いたげな口ぶり。薄く口の端を吊り上げて】
【揺れる赤色の水面をくるくる動かして、瞬いた。瞳の光は依然として消えない】
431 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/03(土) 00:52:37.93 ID:80wxNWiBo
>>430

あら……っ、貴方みたいな人にっ……刃物ってのが、いっちばん、危ないんですっ!
痛みを知らない人がっ、痛みを与えるから──っ!!


【結ばれた印、細くしなやかな指先越しに蜂蜜色の瞳が映る】
【淡い口元に持ってき、言葉を紡ぐ、夢と現を結ぶ忍の魔術】
【昏闇に隠遁する彼女の忍術────】


昏遁術式──夜行"Nightfall"!!


【天井の暗闇から落ちてくる大量の『テーブル』今いる男の位置を中心とし、広い範囲に落ちてくるだろう】
【それなりの質量を持ったテーブルだ、直撃すればダメージは大きいかもしれない】
【そしてついでに、昏倒させておいた客人達の上にも、纏めてしょっぴく為に】


「そろそろ潮時でしょうか、ブラスフェミア様──今なら直ぐに地上へと出る事ができます。
そうですね、私も早く商売をさせていただきたい。
その為にもブラスフェミア様、貴方様の作品を幾つか購入させて頂きたいです。
──それと、あの少女に似た作品も可能であればお願いしたあと思っております。
ええ、通常より頑丈で、良く啼く個体を──きっと、飛ぶように売れます」


【後方の扉を開く、ブラスフェミアが望めばいつでも地上に上がれる様に】
【然し、男は未だ戦闘中だ、見捨てて移動する事はできないかもしれない】
【そうして紡ぐ、オペラントの言葉──酷く暗い、楽しみに満ちた言葉】
432 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/03(土) 01:00:30.06 ID:TNW6XBOZo
>>426

【彼の急な申し出に驚きはしたが、冷静さを取り戻したみたく】
【ふぅ、と溜息を一つついてまた彼の方を向く】


「ああ、機関に所属するのは君の自由だ。是非暴れてほしいところ……、なのだが」
「肩書は一般構成員からだろう。破壊や混沌を齎せばナンバーズに入れるかもしれない」
「ただ、もちろん所属時に検査がある。こちらもスパイの疑いがある人物のブラックリストを作っているからな」

【好戦的で野戦的──、カノッサにはぴったりだろう】
【無論所属するかどうかは本人の自由である。しかしながら、下っ端からになるはずだ】
【それに、ブラックリストの存在は彼に不利益を齎すだろう。機関員を殺害し続けている人物の顔も割れているはずで】

「それにしても、機関に入るために機関員を傷めつけるのは“珍しい”な」
「大抵のやつはそれなりの理由や信条、復讐といった理由があるはずだが」
433 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/03(土) 01:12:26.26 ID:xIYb80CDo
>>417
/まだいらっしゃいますでしょうかー
434 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/03(土) 01:12:42.16 ID:CIv8YoOl0
>>431

【何処かへいってしまったはずのテーブルたちが、頭上から降ってくる。本当に手品みたいだと】
【わ、と声を上げて、男ははしゃいだ。無邪気な子どもか、動物みたいな仕草で】
【それと同時――男の体内で鳴っていた音が止む。腕を振りかぶる。一歩大きく、片足だけ引いて】

「――――痛ェのはもうゴメンだってくらいずっとずっと!
 味わってきたからもう腹ァいっぱいだ――返すぜ、これッ!!」

【振りかぶった腕が、めきめき音を立てて「変形した」。それはスーツの袖に収まりきらないくらい膨張して】
【びっ、と袖の裂ける音。中から出てきたのは――太い太い、大きな「ケモノ」の腕だった】
【黒い毛のみっしり生えた巨大な腕。それを以って、落ちてきたテーブルのひとつを思いっきり殴りつける!】
【――轟音。表面に凹みを作ったそれは、垂直落下から方向を変えて――少女に向かって吹っ飛ぶように】

【ただし運動の方向を変えられたテーブルはそれひとつのみ。他のテーブルはそのまま、男に向かって降り注いだ】
【轟音ふたたび。落ちてくるテーブルの山の下敷きになって、男の姿は見えなくなった――】


ん。アイツはもう……放っておいてもいいよ、それなりに頑丈に作ってある。
わかった、あの子に似たヤツね? オプションパーツ、何か欲しいならリクエスト聞いてあげるけど。
でも、ああ……あの綺麗な琥珀の目は、再現できないかもねえ――

【女は椅子から立ち上がる。従者に対する信頼が高いのか、それとも薄情なのかよくわからない】
【とにかくあの男は大丈夫だと告げて、扉に向かって歩き始める。勿論少女が何もしてこなければ、の話だが――】
435 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 01:18:10.65 ID:u1JVfoSE0
>>433
/まだいますよー!
436 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/03(土) 01:18:41.56 ID:S6x84QEB0
>>425 >>429

【男は適当に積まれたビールケースから一本抜き出して頂くことにする。本当ならオールドヴィンテージのウィスキーを】
【頂きたいところだったが(多分セリーナが隠していることだろう)遠慮しておこう。とかしていると、話しかけられて。】

……俺も、2本しか無いけど足りるかい?

【笑いながら特に面白くもない冗談をいいつつ快く引き受けるだろう。コーヒーでもクッキーでもライフルでも構わない。】
【少しばかりの裏での時間を過ごして、少女とともに戻ってくる。トレンチコートが飲み物を運ぶトレンチを持ってくるってのは】
【冗談にもならない。男は適当な椅子を引いて、肘をカウンターにつき、灰皿をたぐり寄せ、足を組んで一休み】
【話は麻季音がやってくれる。俺は暫く休みだと宣言しているように】

俺は……そうだな、ロッソ。でいい。“そこ”のお嬢さんに雇われてる探偵。そこの…あー、“ネェさん”にはそれで十分だろう。
もっとも…“そっち”のお嬢さんには不十分かもしれない…けど。
一芝居うたせてもらったが中々のもんだったな。でも…1番ビビってたのはミラじゃないか?

―――それと、マキ。調査結果。

【指をさす、そこは麻季音であり、ネェさんはミラをさす。そっちは鈴音で…ちょっと歯切れが悪い。】
【そしてロッソはおもむろに何かを麻季音へカウンターの上を滑らせて渡す。SDカードのような小型記録媒体だ】

『警察…それも公安が?フルフェイスの捜査はしているだろうけど。けどどうして私まで。一応私は関係者の家族だけどその程度よ。』
『それも犯人ならまだしも…頼まれたって誰よ?ゾーイ?人の名前っぽいけど。…あれ?この婦警って………』

【ノートパソコンを操作する。この店の防犯カメラ映像だ。以前怪しい来客が来てからリアルタイムでデータを取るようにしたのだ】
【映し出された画像は角度や解像度から鮮明には見づらい。丸眼鏡と三つ編みのおさげの婦警――――】
//>>189参照

『この人?いやでもそうだとすると目的はUTそれとも…私…?…自惚れているわけじゃないけど。』
『とにかく、公安は内部に裏切り者が居たとかで大変みたいよ。ニュースでやってたわ。国家ナントカ罪で。』

【麻季音はPCにデータを読み込ませる。中はいろいろな調査ファイルだ探偵は仕事ぶりは真面目らしい。】
【そこにあるフォルダ、一番の目玉は『第211号事件』のオリジナルを写真で写したと思われる画像だ】

『………あの、これだと。容疑者Bってのがクラァケさん?でそのせいで私も巻き込まれているように思えるんだけど。』
『婦警さんだかが追ってるの貴女じゃなくて?…いったいどれがどうなってるのか。』

ああ、公安のファイルか。ミラは博士一派、マキもグレーって感じだね。…警察の悪い癖だ。決めつけってやつ…。
どうも公安の内紛とこの1件は繋がってるらしい。ただ…ストーリーテラーは1人じゃなさそうだ。


//了解です。私も夜は割と早い頃にはいると思いますので。お二方今日はお疲れ様でした!
437 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/03(土) 01:20:23.88 ID:xIYb80CDo
>>417

【―――大衆というものは、厄介事に巻き込まれることを嫌う】
【それは自らと関わりの無い人間の危機に於いては、特に顕著だろう】
【衣を裂くような女の悲鳴。それを気に留めることなく通りすぎていくのは、“慣れ”以外にも、そんな理由によるところもあるのだろう】

【引き摺られていく少女、引き摺っていく男、過ぎていく人波―――立ち止まる女】

―――概ね噂通り、といったところか。

【一つ結びの長い銀髪、縁の細い眼鏡、パンツスーツといった出で立ちで、奥へ向かう二人の後方に女はいた】
【冷たい声と鋭い眼差しは刃のごとく。敵意をもって歩み寄る】

貴様の行いは、私の正義に反する。
故に――――――振るわせてもらおう。

【細身の身体は、並の男にもあっさりと負けてしまいそうなもの】
【されど、言い知れぬ気迫を携えて、女は二人を見ていた】


/やったぜ。
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 01:20:26.07 ID:SnStAzRLo
>>432


(検査……検査だと?)
(そんなものをいちいちやっていやがったのか??くそ、盲点だったな)


【所属のための検査。組織としてはある種、当然あってしかるべきものだったが、この男はそれがあるとは考えていなかった】
【何故なら、機関員の下っ端がそういったものを通っているように思えなかったからだ】
【しかしスパイを疑う、というのもまた当然のこと。胸中の苦悶を出さないようにしなくてはならなかった】

【何よりも厄介なのは────”この男は機関員をさんざん殺している”という点だった】
【必ずしもブラックリストに載っているとは限らない、という賭けに出ざるを得ない状況になってしまった】


??検査でもなんでも好きにしろ
珍しいだと? こんな雑魚が機関員だってことが気に入らないだけだ
実際、こいつを痛めつけていたら機関に入れそうだしな


【追加の質問に対しても、作った人物像を崩さない範囲で答えるよう努める】
【しかし下っ端というのはやはり都合が悪い。何らかの方法で次に繋がる状況にしたかった】
【──「ところで」、などと言って獰猛な笑みを作ってみせる】


下っ端からなのはいいんだが、それでもやっぱりとっととナンバーズとやらになりたいところだ
お前、ナンバーズの知り合いぐらいいないのか、機関員なんだろ?


【好戦的な人物像、というのを利用して更なる野心を覗かせるかのように振る舞う】
【上手い具合にナンバーズの紹介なり何なりしてくれれば僥倖といえるだろう】


//すいません、眠気ががが
//凍結かここで別れるかはお任せいたします
//今日はお先に失礼します??
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/03(土) 01:27:17.30 ID:80wxNWiBo
>>434

【思わず息を飲んだ、目の前から現れた異形の腕】
【あろうことか『落下してくるテーブル』を殴って飛ばしてくるのである】
【どれだけの腕力があればそんな芸当が出来るのか、皆目検討がつかなかった】


──っ!!かはっ……なんて……馬鹿力……っ……!!


【直撃、骨が軋み、肉に食い込む鈍い音がした、羽毛の様に吹き飛ばされる】
【地面に叩きつけられる、一回二回とバウンドしそのまま壁際へ】
【まるで彼女の身体で床を拭いたかのように血の跡が着いた】

【立ち上がれない、ダメージが大きすぎた、汗が頬を伝う】
【見えるだろう、彼女の身体が床に溶けていくのが】
【テーブルを溶かしたかの様に、黒い床に消えて逃走を図る】


「左様でしたか。逃げた少女が応援を呼ぶまで暫しありましょう。
それ迄ビジネスの話でも、ええオプションパーツは充実させましょう、今日痛い目にあった方々の溜飲が下がる様に。
それと、私にも一体、とびっきり痛覚を高めた個体を融通して頂きたい。
おや、天下のブラスフェミア様にも再現出来ないものがある、と。」


【一方でオペラントは、談話でも楽しむ様にブラスフェミアと言葉を交わし、会場を後にするだろう】
【一時間もすれば闇社会に精通した警察がやってくる、一部の特権階級を除いた面子を逮捕していくだろう】
【────その中に褐色の男の姿があるかは、分からない】


/こんな所でしょうか!お疲れ様でしたー!
440 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/03(土) 01:29:00.31 ID:TNW6XBOZo
>>438

「ま、考え方は人それぞれか。ただ下の人間が居てこその組織だ、それを忘れないように」

【下部の人間が居なければ、組織は成り立たない】
【其のことを、彼には心に留めておいて欲しかった】


「ナンバーズの知り合いか、私が知っているのは……」
「──カニバディール卿だけだ。彼以外に知り合った人も居ない」

【ナンバーズの知り合い、と言われて思いつくのはただ一人】
【以前“実験”の内容を披露し、賛同を頂いた上に検体まで拉致してもらった方】
【それがカニバディール卿だった。彼の名は、様々なところに轟いている筈で】

「機関員とはいえども、私は研究職さ。知り合いはあまりいないね」

//了解しました、凍結でよろしくお願いします。
441 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/03(土) 01:39:19.52 ID:CIv8YoOl0
>>439

……やだ結構怒ってる? はは、貴方のそんな顔初めて見たかも。

【女は愉しげに笑っていた。従者が死んだかもしれないのに、自身も危ない目に遭ったのに】
【今はもう、作成予定の少女の模倣品、どこにどんな機能をつけるかの話で盛り上がって】
【当たり前のように姿を消す。それが日常の話であるとでも言いたげな、ありふれた後姿を残して】



【――一方、積み重なったテーブルのあたり。もうもう埃を巻き上げていたのが薄まってきたころに】
【がら、と音を立てて。身体の至る所に痣を作った男が、テーブルを掻き分けて這い出てきた】

「……あーあーあー、もうっ……えほっ、げっほ……ぶぁっくしゅ!
 いっでぇ〜、これ絶対ホネ折れたっしょ……サイアクだわ。
 しかも置いてかれるしナンなんだよマジでもお〜〜〜〜……げ、なんかサイレンの音聞こえるっ!」

【異形と化した腕は、力任せに乱暴に扱ったためか。拳がひしゃげてボロボロになっていた】
【ずるずるとそれを引き摺りながら、男もまたこの会場を後にする】
【かくして「闇市」はこの地から消える羽目になったのだけど――きっとすぐ、他の場所に同じようなモノが出来るだろう】

【人々の悪意が消えない限り。闇はどこかに影を落とし続けるのだから】

//わー! ありがとうございました!
442 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 01:44:01.62 ID:u1JVfoSE0

>>437

【路地裏に凛と響く女の声、その声に少女と男はそちらを向き女の姿をその目にとらえる】

【助けが来た、と理解したのだろう。少女の瞳は輝き、逆に男は苦々しげな表情を浮かべる】

【女の口から発せられた言葉、それは男の表情を更に歪ませ】

「はぁ?正義?振るわせてもらう?何言ってんだ姉ちゃん?」
「怪我したくなかったらさっさと何処かに行くこった!」
「それとも何か?人の仕事の邪魔しようってのか?あぁん?」

【如何にもといった台詞を口にし拳をボキリと鳴らす男】

【その際に少女の体を乱暴に離してしまったのだがどうも気付いてはいないようで】

【少女の方はというと乱暴に突き放されたために少しよろけ、少し離れた場所にぺたんと尻餅をついている】



443 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/03(土) 02:07:39.45 ID:xIYb80CDo
>>442

【突き飛ばされるような形で解放される少女。しかし当の女はそちらに目をやるわけでもなく】
【見据えた男から目を逸らすことなく、淡々と返す】

言われて去るのならば、始めからここに来ていない。そうだろう?

【女が前方へと手を伸ばす。それと同時、男の眼前に現れるのは光が形作る剣】
【重力に逆らい空中に留まるその切っ先は、されど確かな切れ味を有する】
【決して男の身体には触れない刃は、威嚇だ。退かぬのならば、覚悟をしろ、と】

―――警告はした。
先の録画データを警察へ送らなくてはならない。あまり、手間をかけさせないでもらいたいのだが。

【トントン、と指先が眼鏡のフレームを叩く。微かに明滅する光、小さな機材が取り付けられていて】
【要するに、『そいつを連れていく様子は撮ったぞ』と。攻撃されるのを覚悟の上で女を止めるか】
【それとも、ここは退き、逃げる準備を整えるか。選ぶのは男だ】
444 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/03(土) 02:12:44.27 ID:CkySClX50
>>429>>436

【「うん、十分だよ」】
【くすといたずらっぽく笑う声は静かな厨房の中でよく目立った、それから――す、と、その相手の前に立ち】
【じーっと見上げてくる目は今日で一番訝しげだったことだろう。というか、これは、多分、バレてる――バレてる。向けられたじとりとした目は】
【公園でいきなり禁煙の看板を実弾でぶち抜いたひとだというのをしっかりとした表情で伝えてくる、それから、――それからは、とりあえず、はい、とお盆を持たせて】
【長いこと給仕をしているなら少女の方が上手なんじゃないかと思うけれど……、気分の問題かもしれなかった、そういう、気分。よくわからないけれど】

【かたん、かたん、いくつかの音で机の上には飲み物が置かれていくだろう。それと食べ物――こちらは本当に軽いもの、それらを並べ】

ん、どういたしまして。ごめんね、味とかは……自分で好きにしてね。
……最初はすっごくびっくりしたんだよ、ほんとにホテルの話してるって思ってたもん、――いつからそんなお話、してたの?

【"ミラさん"。一番最初にそう呼んだ少女は、すぐに相手の訂正の通りにクラァケさんと呼び直すだろう。こちらもまた今になって気が緩んだか、いやに拗ねた顔をする】
【いつからそういう話になっていたのか――それを訪ねながら自分用の飲み物を飲む。ペットボトルから出しただけの冷たいお茶……だけれどそれが頭の中も冷たくして】

…………あと"ロッソ"さん、あとで、お話あるの。いーい? ううん、ビールの話じゃなくって、……。

【ふわと一つ吐息をついて。彼の名乗りには――いやに真面目な目が「じっ」と向けられるだろう。そうやって名乗ったから……その名前の人間を絞めろと言われているから】
【――いや、語弊が。締め上げろと言われているだけ、〆ろだなんてとってもとっても言われていないけど、ただ――この場では余談でしかないこと。ただ彼に向け伝え】

【ひとまずみんなの名前も分かれば少女も話を聞く姿勢になる。とはいえ――公安だとか警察だとかフルフェイスだとかいう話になれば】
【それらはなんとなく聞いたことはあるけれど、特別にかかわったことはないです……というような顔をしていることだろう。真面目に聞いていた、けれど】
【どうあれ給仕の娼婦はあまり最前線に食い込まない。だからか――あくまで報道程度のことしか知らない様子で。
【ただ――麻季音のパソコンに映し出された婦警。その姿を見れば、冷たいお茶を一口飲んでから、】

――このひと、最近たまに来るよ、いっつもじゃないけど……えっと。すっごくおしゃべりしてね、すぐにどこか行っちゃうの……パトロール?
曽根上さん……そのひとがどうかした?

【――けろりと口にするのは。あるいはミラにはどう映るだろうか、この言いぶりでは親しくはない、ただ……知っている。あるいは知られている】
【冷たいコップを両手で包んで手のひらを冷やすみたいにして――ミラへ視線を向けて尋ねるのだ、「どうかした?」なんて、あまりに普通に】

【――――麻季音とクラァケが話していた時、彼女はその場に居なかった。だからこその様子だろう、気を付けろ……とまで聞いていたら、きっとこんな顔と声は出てこない】

/了解しましたというかたっぷり時間をかけて書いてしまったわけですが!
/こちらも明日は一日暇している予定ですので再開はいつからでも大丈夫です、おつかれさまでしたっ
445 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 02:31:20.34 ID:u1JVfoSE0

>>443

【自分の言葉と行動に怯む事なく自分を見据え続ける女に男は詰まるような声を発する】

【しかし先程から浮かべていた苦々しげな表情は女の行動によりみるみる変わっていく】

【目前に現れた光の剣。男も流石に能力者の存在は知ってはいたのだろうがまさか目の前に現れた細身の女がそれだとは夢にも思わず、驚愕からか目を見開く】

【しかし男としても譲れない何か(恐らく金だとかそういったものなのだろうが)があるのだろう】

【未だ地面に座り込み男に掴まれた手首を擦る少女をちらりと見、どうにかして少女を此方に連れ戻そうと考え始めた様子、だったのだが】

「え…………」

【女が次に告げた言葉に表情が強張る】

【見れば確かに女の眼鏡には録画機能を備えたらしき小さな機材。みるみるうちに男の顔は青ざめていき】

【じりじりと後ずさり、どうやらその場から離れようと画策しているようだ】



446 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/03(土) 02:48:07.27 ID:xIYb80CDo
>>445

【掌握した―――そう、女は判断した。力≠ノよる威嚇と、脅迫にも近い言動】
【これを受けた男にはもはや、こちらへ向かおうという様子はなく】

どうした、随分と大人しくなったじゃないか。
ご多分に漏れず、威勢のいい輩だと思ったのだが……気のせいだったか。

【じりじりと後退する男に対し、一歩、二歩と歩みを進める】
【相変わらず剣は空中に浮かび、女が進むに連れて男へ近付いていく。】

―――帰るならば、それもいいだろう。
私としても手間がかからずに済むのは有り難い。

さあ、どうする?

【―――ちなみに。】
【録画データが云々というのは、ハッタリに過ぎない。そも、女自身、事の一部始終を見ていたわけでもないのだから。】
【だが、それを疑わせない程度に纏う気迫。そして、先に男に与えたプレッシャーが、効果的に働いている、だろうか】
447 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 03:10:54.04 ID:u1JVfoSE0

>>446

【男を挑発するような言葉と共に一歩、また一歩と近付いていく女】

【男も一瞬その挑発に乗って何やら威勢のよい言葉を返しそうになるが女と共に近付いてくる剣の刃と、やはりちかちかと点滅する女の眼鏡に仕掛けられた録画機材とが目に入り言いよどむ】

【くそぅ……などと呟きながら男はまた少女の方をちらりと見】

「ぐ……ぐぬぬ……か、帰るよ!帰りゃ良いんだろう!?」
「そうすりゃデータは消してくれんだろ!?」
「くそぉ……何だってこんな事に……」

【女の気迫に圧されたのかそれはもう情けない表情と声色で吠える男。素直に帰れば女がデータを消してくれるとでも思っているのかすごすごと建物に戻っていこうとする】

【女が何もしなければ男は「あの櫻の猟師め……」などとぶつくさ呟きながら去っていくであろう】




/すみません……そろそろ眠くなってきたので凍結かこの後何事もなく別れたという形でも大丈夫でしょうか……?
448 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/03(土) 03:13:17.43 ID:xIYb80CDo
>>447
/了解ですー
/そちらがよろしければ明日以降に持ち越しでも置き移行でもこちらは構わないです
449 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 03:19:33.19 ID:u1JVfoSE0
>>448
/ありがとうございます……では明日以降に持ち越す方向でお願いします……
450 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/03(土) 03:23:57.77 ID:xIYb80CDo
>>449
/はいはい〜、では後でお返ししときますー
451 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 10:46:43.36 ID:SnStAzRLo
>>440

【カニバディール────カノッサ機関No.29】
【セリーナ・ザ・”キッド”の宿敵。恐ろしい肉の怪物】
【ナンバーズの中でもかなりの古参に位置する人物であったが、しかしこの剣士はその名を初めて聞いた】


カニバディール……なんだか変な名前だな
そいつを探してお前の名前を出せば、それなりに相手してくれるのか?


【その恐ろしさを知らないために、男はとにかく近づける方法を模索する】


//お返しいたします。今日は終日いると思われます
452 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/03(土) 13:20:54.68 ID:Q43kTdBEO
>>436>>444
【「ロッソ……赤か」「いい名前だな、赤ってのがいい」】
【ぎゃは、と嗤うミラ。彼女の品の良くない笑いにも、そろそろ慣れてきたころだろうか】
【「うるせぇな、あんなんビビるぜまったく」「こっちは警察も追手も気にしなきゃいけねぇんだからよ」】
【列車内での態度のことを突かれれば、流石にバツが悪そうだ。ビビりを否定しないあたり、自覚はあったらしく】
【言い訳めいたことを口にして――ず。鈴音が持ってきた珈琲を啜る】

【「あぁ──悪いな、リンネ」「こっちだって最初はビビったんだぜ?」】
【「いつから、ってぇのは……ほら、地図渡されたろ。あん時だ」】
【「下に手帳があってよぉ。“追手がいる”とか書かれてて」「んで、“ホテル”がどうだときた」】
【「いくらあたしのオツムがポンコツでも、流石に気付くぜありゃ」】
【“ホテル”の種明かしをすれば、簡単なことだった。ヒントがあれば気付けたが、なかったら気付けなかった】
【手品と同じだ。片方だけから見ていれば、決して真実は分からない】

【そして。他愛のない話やフルフェイス事件の上映会の途中】
【ついに“そいつ”が、画面に映し出される。いかにも人の良さそうな笑みを浮かべた“彼女”は────】


【────がしゃん。ミラの手から、珈琲カップが滑り落ちる】
【割れるカップ。床に広がるブラック珈琲。薄紅色をした彼女の肌は】
【心なしか、色が白くなっていた。頭部の触腕も、まるで怯えたかのように硬く縮こまっている】


……………………どう、して


【絞り出すような声、だった】
【理解が追いつかない。だが、決して見たくはない現実だけが、目の前にあった】

────どう、して……そいつが、そ、……そいつ、が…………、こ、……“ここ/UT”に、い、る
どう……いう、わけ──だ?だ、だって…………そいつ、は……!

そ、ね……がみ。…………曽根上、って、言うのか…………、あいつ、は…………

【声が震える。怒りよりも恐怖が先に来た】
【いなくなったと思った人間が、先回りして自分の目的地にいたのだ】
【だが、説明はしなくてはいけない。元より上等ではないオツムではあったが】
【この場から逃げ出す、という結論には決して至らなかった。情報を伝え、情報を得なくてはいけないのだ】

…………ゾーイ、は。“博士”とやらの作った、アンドロイド、だ
そいつに頼まれて……あんたに、その封筒を渡そうとして……あんたを、探してた──麻季音

あんたそっくりに“化けて”……あんたの情報を得ようとしてたら……“そいつ/婦警”に声をかけれられて…………警察署、に
『“初瀬 麻季音” とどういう関係だ』──そう、尋問、された……
危うく殺されかけた。今も、ヤツから受けた後遺症がある…………だが、今はあたしの話はいい

奴らは、あんたを追ってる……あるいは、あんたを経由して繋がる“誰かを”追っている
────ゾーイは、“博士”がどっかの国の公安に追われてるって……そう、言ってやがった
あんたが“博士”に繋がるんなら…………あんたが追われてる理由も、分かる

…………あんたは、何を知っている。初瀬 麻季音
あたしはあんたに手紙を届けるために、そして知るために、ここに来た
あんたは────あんたらは、何を、知っている?


【真実は、片側だけから見ていては決して分からない】
【フルフェイス事件。公安の内紛。婦警。自分が巻き込まれた事件が、決して単純なものではないのだと】
【ミラはようやく気付いた。いや、気付かざるを得なかった】
【手を引けと、頭の片隅で警鐘が鳴っていた。だがそうしなかったのは……ある男の信頼に、応えるためだった】
453 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/03(土) 13:28:57.16 ID:7axEj/+e0
【火の国 広場】

【ざわざわと人々は屋台村に集まり、食事を楽しんでいる。結構な人ごみの中、行き交う言葉は食欲と、それを満たす充足に彩られていて】
【――――そんな中に、チョロチョロと人ごみを縫うようにして歩いていく、1つの影があった】

【前ポケットがやけに大きく膨らんでいる白のパーカーと、同じくポケットが目立つアウトドアズボンを着ている】
【明るい紫色の短髪と、勝気そうな金色の瞳が、元気の良さを印象付ける】
【ともすれば人ごみの中に消えてしまいそうな、身長130p前後の小柄な少年】

【大人たちの合間を縫い、器用に道の隙間を潜り抜けて、少年は雑踏から離れて一息つく】
【まるで、迷い込んだ子供が何とか無事に抜け出した様な光景。そのまま少年は足早に屋台村を離れる】

――――へへっ、やりぃ! 今日は人多かったけど、楽しかったぁ……!

【街路樹の陰で立ち止まった少年の手には、明らかに彼の物ではないだろう、大人用の財布が2つ】
【中の金を手早く抜き取ると、さっと周囲を伺い、足元に財布を落とし、前ポケットに手を突っ込んだまま少年は再び歩き始める】
【満足げな笑みを浮かべて歩いていく姿は、一見微笑ましい――――先ほど起こった出来事を、知らなければの話だが】
454 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/03(土) 16:06:02.94 ID:xIYb80CDo
>>447

【男が立ち去るならば、特に女の方からアクションは無い】
【完全に姿が見えなくなれば、光の塊は霧散して】

――――他愛ない。

【はぁ、と吐息したなら、視線の先には少女の姿。表情は相変わらず。微笑むでもなく】

獣人の類か……連中が好みそうなものだな。

【鋭い眼差しを無愛想に細める姿は、少女に不安を与えるかもしれず】
【ただ、そうなったとしても、女は気にする様子もない。平時からそんな調子なのだろう】

【―――不意に、女がジャケットを脱ぐ。手にしたそれを、少女の方へと放り投げて】
【シミ一つないブラウスに包まれた姿は、より一層細身に見えた】
455 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/03(土) 17:45:03.30 ID:S6x84QEB0
>>444 >>452

ん…あ、ああ…勿論。

【席に座りながら、ビールを飲む。男は外見は落ち着いているように見えるが内心は困惑している】
【正直、一旦、事件だとかそういう話は置いておいて、個人的な問題というやつが発生してしまったからだ。】
【一体どこからこの話をしなきゃならんのか…。男はワシャワシャと自分の髪の毛を乱雑に掻いた。】

【PCに映し出される婦警――ミラのその驚きように麻季音は更に驚かされた。】

『ちょっと…!…落ち着いて。今から一から、組み立てていかなきゃならないのよ。この話は。』
『何度も言っているけど、私だって何も知らないの。……探偵!アンタが説明しなさいよ。調べたんでしょ。』

【コーヒーカップがよく落ちるカウンターだ。その前は自分だったがそれは形状の問題なのだろうか。…いいや】
【それほど、この場所は全ての謎の渦の、最も流れの急な場所なのだ。マグカップが滑り落ちるほどに…】

『貴女だって…“博士”の作ったアンドロイドですって?何故貴女がそんな真相に一番近い何かに頼まれて事なんて』
『だって私は…何故私がアンドロイドと謎の婦警に追われるのよ。…単なる学生の…』

だがコイツは、パンドラの箱を開けた張本人だった。まあ、いい。俺が途中まで説明する。
あんたらもびっくりばっかしてないでまあ、此処は1つ。

探偵らしくよくできた仮定の積み重ねの推理をしよう。まずこのストーリィの大枠は公安にある。公安は内部分裂しているというのはちょいと違う。
正確には公安が国家の治安維持装置というパーツから独立しようとしているんだ。あの報道の逮捕者は国家に楯突いたんじゃない。
公安に楯突いたんだ。…ミラにそんな超法規的な事ができるのは公安自体が暴走状態にあるからだろう。

そして…フルフェイス事件の首謀者がその“博士”だって言うことも間違いなんだ。これは俺が田舎までわざわざ出向いて
ナントカ手に入れたマジで頑張った…まあ、そういう事実だ。なぜなら――――

―――博士はもうこの世には居ない。

事件を起こせるはずがない。いや…たしかに墓を掘り起こしたわけじゃないが。一度目の事件の前には既に。

【やれやれと言った様子で立ち上がる。ビールを飲んだお陰で大分口も回るし、頭も冴えてきたところだ。】
456 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/03(土) 18:46:03.60 ID:CkySClX50
>>452>>455

わっ!? あ――――、だ、大丈夫? やけどしていない? クラァケさん――あ、

【――――がちゃん、と、マグカップの砕け散る音がした。びくっと肩を震わせた少女は、おそらく反射的にか目をミラへと向けて】
【次の時には立ち上がっている。ぱたぱたした足音で駆け寄ったなら――少しだけ通り過ぎて。どこぞから取って持ってくるのはタオルとかいろいろなもの】
【熱いのを浴びてしまってはいないかと確認しようとする、ひとまず浴びてしまった部分があれば拭く用にと差し出しながら、のぞき込もうとしたなら】

え、えっと――、曽根上、曽根上……ミチカ、て、名乗ってたよ……。
……麻季音ちゃん、会ったことない? えと――セリーナなら、もっと会ったこと、あるかな、わたしは……、そんなに何回もは、

【恐怖……おそらく恐怖しているその表情に気づいて。やはりミラが珈琲をかぶってしまっているようなら、それについて手を動かしながらになるけれど】
【どちらにせよ割れたカップと珈琲くらいは大雑把でも片付けたがるだろう。ちょっとひどいようなら別の席を使ってもいいというし、とにかく――】
【少し前からこの場所に顔を出している婦警。それが――初対面とはいえ、悪いひとにはあまり見えないミラがこれだけの顔をする、してしまう、人物だとは理解する】

【麻季音にも尋ねるだろう、店番を任されたりするなら会っているかもと。なら、もっと、違ったことも分かるかもしれない――と、だけど】
【先ほど画面にその人物を映し出した様子を見るに、そうではないのかもしれない。心配そうに眉を下げた少女は――ミラの様子を気にしているらしかった】

ゾーイ? ……アンドロイド? えっと……、公安、? クラァケさん、このひとに……、この、曽根上さん。に、――殺されかけた?

【それでも聞いた話。単語単語を繋げて疑問形でつぶやいていくのはそれだけ部外者だった証明にもなるだろうか、本当に何も知らない……知らなかった、という顔】

え、と。――もう死んでるひとが、フルフェイス……事件の、犯人だって言われてて。
麻季音ちゃん……が。その犯人だって言われてるひとに……繋がっている、の? ――あ。ええと、……そういうのじゃなくって、
麻季音ちゃんに関係のある、すでに死んじゃってるひとが。……犯人だって言われている? の、かな――えっと、それで。
クラァケさん、その……死んじゃっているひと。そのひとに関係のあるひとから頼まれて、麻季音ちゃんにお届け物があって――。
……探しているときに。曽根上さんに、殺されかけた? それで、その、公安ってところは、もう多分、ちゃんと動いてなくって……?

それで……えっと。……さっきの電車の中に、いたってひと、……追手? は、ミラさんと、ロッソさん……追いかけていたの? 一緒に? 別々?
あ、と、……ね、えっと。別々のひとたち、ふたりをそれぞれ追っかけてたひとが、二人が電車に乗っちゃったから、一緒に居たの? 
それとも――んん、同じひとたちに。二人とも、追いかけられていたの……?

【あるいは。少し取り残されているようでもあったかもしれない、どうあれ、何らかの方法で関わってきたほかのひとたちに比べて、全く何も知らなかった少女は】
【一生懸命に聞いて、自分頭の中でまとめてみる。詰まったり途切れがちなのはそれだけ急に聞かされたことであるからだろう、――最後には、これでいいのか、と】
【そういう風に尋ねるような目を、ロッソやミラに向けるのだ。様子を見るに、どちらかといえば麻季音も困惑しているようだったから、何かを知っていそうな、二人へ】

【それから尋ねようとしたことは支離滅裂な言葉の形になる、つまり、追手……というのが、全く関係ない人同士が、ミラとロッソを追いかけ、偶然居合わせたのか】
【それとも、ミラとロッソ両者が、同じひとたちに目を付けられ、両者が追いかけられていたのが――二人が、電車の中で偶然居合わせたのか】

…………お手紙の、中身は?

【――――ふ、と、思いついたように尋ねることがあった。そうまでしてミラが届けた手紙、その中身がどんなものであるのか】
457 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/03(土) 19:09:01.29 ID:CIv8YoOl0
【街中】
【さまざまな思惑潜めく世界とは少し離れた、一般人たちの過ごす世界】
【そんな中でも――やっぱり、不穏なことはないわけでは、ないようで】

いやいやいやちげーんスよ、まーじで知らなかったんスってばぁ、
このオネーサンがおっさ……おじ様のカノジョだってこと?
知ってたら? そりゃナンパなんかしなかったっつーか? マジで。
いやマジマジマジ……はぁーっなんだよ謝ってんじゃーん……怒ンのやめてよぉ……

【そこそこに鍛えられた身体を包む高級そうな黒スーツ、スキンヘッドにサングラス】
【いかにも「その道」の人です、とでも言わんばかりの外見の男が、傍らに女を連れて】
【ひとりの――若い青年の、胸倉を掴んで怒鳴りつけていた】

【対する青年。銀髪褐色、黄色い眼をした背の高い彼は、両手を上げて降伏のポーズ】
【あたたかそうな黒のダウンコートの下、カーキ色のニットを思いっきり掴まれて、伸ばされている】
【勘弁してくれよとでも言いたげな表情。視線を目の前の男から外して、周囲に走らせていたけど】
【……悲しいかな、人々は見ないふりして足早に過ぎ去っていくばかり】
【自ら厄介ごとに首を突っ込んでいくヒトなどそうそういないのだ。きっと、たぶん――?】
458 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/03(土) 19:53:25.14 ID:eEeVC1dQO
>>455>>456

曽根上──曽根上、ミチカ。曽根、上…………

【魘されているように、何度もその名を口にする。忘れないよう、脳ミソにその名前を刻み込む】
【「悪ぃ」ふと、ミラが謝る。カップを割ったこと。動揺したこと。それらをごちゃ混ぜにして】
【笑みはない。その余裕なんてない。知らないのはあたしも同じだ、と叫びたかったが】
【そうさせなかったのは、ロッソや鈴音のおかげだった。誰かひとりの頭の頭が冴えていれば、こちらも冷静さを取り戻せる】

【「大丈夫だ、悪ぃ」鈴音に対して、もう一度謝る。ヤケドは大丈夫だ、と重ねて告げる】
【少しばかり珈琲がかかっていたが、ローブに染みが広がっただけだ】
【席を移動、はしない。今の空気を乱したくはなかった】

大丈夫、大丈夫だ鈴音。その理解で、合ってる
あたしとロッソは……多分偶然、居合わせた。別々に追われてたのか、どっちかを追っていたのか
それがどうだったのかは、今じゃ分からねぇけど、よ……はっきりしてんのは、あたしにも、ロッソにも追われる理由があったってことで
その追われる理由、ってぇのは……多分、どっちも麻季音と関わってた、とか……そんなとこだろうよ

にしても…………公安。連中が動いているらしい、ってぇのは知ってた、けどよ
まさか──まさか、そんなにでけぇことを…………?
国からの独立だなんて……そっちの方がよっぽど大罪じゃねぇ、か……

それに…………博士が、死んだ────?
…………いや、話を、続けてくれ

(どういう、ことだ。博士が死んだ、ってんなら……ゾーイは、どうなる?)
(第一フルフェイス事件……それより前に博士が死んでんなら……あたしとゾーイと会った時には、とっくに、博士は)
(あの時、あいつはなんて言ってた──?確か、確か…………)

【『今回のことは、博士と私の情報を総括するAIに報告してもよろしいですか?』】

【頭がパンクしそうだった。いや、パンク寸前だ。何から先に手をつければいいのか、分からない】
【何本ものタコ糸が絡まったものが目の前にあって。頭に銃を突きつけられながら「それを解け」と言われている気分だった】
【まずどこが、糸の端か分からない。糸が正確には何本あるのかすら、知らされていないというのに】

【──いや。糸の端なら、あった。それも、ここに。鈴音の言葉で、それに気付かされた】
【よりにもよって、自分で運んで来たものなのに。それをすっかり忘れてしまうなんて……クソ、と自分に対して暴言を吐く】

…………ぎゃ、は。確かになぁ、鈴音
麻季音、よぅ。その封筒……開けてみようぜ。何が入ってんのか、見てやろうじゃあねぇか
正直、あたしにも何が起きてやがんのか、未だに整理がついちゃいねぇ
けど──分かんねぇことをあーだこーだと考えるより…………目の前にあることを、まずは確かめてみようぜ

【話を続けろ。ロッソにはそう言ったが……まずは、封筒を開けようとミラは言う】
【考察はその後でも十分だ。頭の中で考えたことよりも、目の前の現実の方が確かな真実を伝える】
【例外はあるだろうが──今は麻季音宛の封筒が、真相に近付くための大きな手がかりだった】
459 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 20:23:41.55 ID:SnStAzRLo
【水の国・港────セレンディピター号】

【港に接岸している豪華客船。マルコ・ダルハイトという富豪が所持するカジノ船】
【ここには様々な人間が集まっていた。経済界や政界、あるいは更に後ろめたい所属のものたちまで】
【彼らはこの場所で遊戯に興じながら、同時にある人物への支援をするためにも集まっていた】

【客船上の喧騒から逃れるように、男が船倉へと足を踏み入れる】
【男の年齢は三十代前半。紺色のスーツに赤黒い色のネクタイ、頭には紳士帽子。この場所に乗り込むのに十分な正装をしていた】
【しかし、彼はわざわざ人気のないこの場所に来ていた。まるで人目を避けるかのように】


…………さて。ここまで来ればいいでしょうか


【目的は定かではない。ただ静かに男は船倉の中で佇んでいた】
460 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/03(土) 20:59:33.84 ID:TNW6XBOZo
>>451

「さあ、そりゃ私にも分からんさ」
「とにかく、会うならできるだけ早いほうがいい。“宴”も控えているしな」

【ただの研究者である自らの名を言った所で、彼が相手にされるだろうか】
【それとは別に、女は挨拶をするならできるだけ早いほうがいい、と言った】
【それも“宴”が行われるから、と意味深な発言も残して】


「さて、晴れて君も機関の一人となるわけだが」
「──“魔翌力増強”、に興味はないか?」

【不意に、彼へと聞いてみたのである】
【研究に協力してはくれないか、との意味合いを込めて】

//ただいま帰りました、今日はずっとおりますので!
461 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 21:05:45.60 ID:SnStAzRLo
>>460


(宴……? こいつら、このタイミングで何をするつもりだ)


【それは極めて不穏な言葉だったが、今は口を挟める状態ではなかった】
【気がかりではある。が、他に優先しなくてはならないことがある】
【さらに女研究者が続ける】


魔力の増強だと?
俺も魔術師だ、興味がないわけじゃないが……


【今度は先ほどと違って不信感を表に出す。口ぶりからそれが何かしらの実験なのでは、と予測を立てることはできた】
【容易に加担するわけにはいかないが、しかし話ぐらいは聞かなくてはいけなかった。それはそれで情報だ】


//おかえりなさい!
462 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/03(土) 21:10:56.16 ID:S6x84QEB0
>>456 >>457

【この見慣れた酒場…ミラにとってはそうではないが、決してあの取調室、あの列車の最後尾の席のような緊張する場所ではない】
【そして恐ろしいものも何もない、安心できる場所であるのに…何故ここまで薄ら寒く、落ち着かないのだろう。】
【謎と恐怖が次々に湧き出す、不気味な底なし沼。そして見えない敵――今までとは勝手が違う。この場に正義として心を決め】
【悪との戦いに身を捧げ続けた人物が居たとしても、今回の件も同じように戦うことが出来るだろうか】

『ごめんなさ、鈴音さん。』

【冷静を装うことしかできない。カップが割れても動くこともできなかった。頭をなんとか回そうとする】
【だが今はオーバーヒートして固まってしまっている。ここはただ探偵に任せよう。】

マキは親父が博士に拐われたと思っていて、俺がその捜査をしていた。 これをマキ派としよう。UTも今のところここだ。
マキ派の敵はフルフェイス事件の犯人の博士。…今となってはどうだが。

ミラはその博士のアンドロイドにマキ宛の手紙を頼まれた。だが途中で婦警に捕まった。これは…ミラ派としよう。
敵は――婦警。仮定だが多分それは公安の――過激派とするか。
列車のあいつらは多分ミラを追ってたかつけていたか…俺はうまいとこ巻いていたはずだからな。
あの列車で俺らが偶々、乗り合わせたのは運命のいたずらということで神に感謝しようぜ。

そして公安の過激派はフルフェイス事件にもご熱心だということがミラのことからわかった。それは…
『技術ね。記憶と意識に関する。』

【麻季音は周りに促されて手紙に手をかける。簡素な父親からの手紙。一体どういうことなんだろう。もし仮に】
【誘拐されている父ならなぜアンドロイドを通じて手紙を出せるのか?名を騙る偽物なのか?】
【そこには――――】


   『"BWV639”―――それだけ?それしか書いてない』

【ペラリとカウンターの上に置く。印刷されたそれだけの文字が――ミラが命がけで運んだのは6文字しかないのだった】
【彼女は頭を抱えて、続けるように話す】

『父親からの手紙ならその……2通目なのよ。ごめんなさい色んな事が矢継ぎ早に起こったものだから言うタイミングが』
『この前にもそのあの………誰かが置いてったらしくて…こちらは肉筆で』

【手紙を取ってくる。と麻季音は一旦席を外す。一旦冷静になるにはいい時間だ。コーヒーを入れ直すのにちょうどいい】
463 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/03(土) 21:34:16.70 ID:TNW6XBOZo
>>461

「まあ、信じられないのも仕方ない」
「私の主な研究は、『如何にして“一般人”が魔翌力を持てるか』というものだ」
「紆余曲折あって、若年層のみに適用できる因子を生み出すに至った」

【不信感を前面に出すのも、致し方ないことだろう】
【というのも、研究の内容が内容である。“一般人”が魔翌力を持つなど、不可能である筈】
【しかしながら、それを可能にしてやろうと様々な実験を行っていたのである】


「心配しないでいい、君を検体に使うわけじゃない」
「君に楯突いてきた──君の足許に居るような人間を連れて来てほしい」
「これは至って個人的な依頼だ、断りたいなら断ってもいい」

【彼を実験体として使うわけではなく、彼に楯突いた者を使いたいと】
【カニバディール卿から提供を受けた検体は、今も慎重に調整を続けている】
【のだが、実験を継続するにあたって、検体の数が不足していると考えての事だった】
464 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 21:50:39.57 ID:SnStAzRLo
>>463


一般人が魔力を持つ、か


【その内容を聞いて不信感がいくらか薄れる。一般人が対象なのであれば間違いなく自分はそれから外れる】
【しかし自分と直接の関係がないにせよ、それ自体は恐ろしいものだった。何せそれが可能なら効率的に兵士が作れるだろう】
【────実現すれば、かなりマズイ代物だった】


(……どうする。厄介ごとが増えた、なんてものじゃないぞ、これは)


【考えねばならない局面だった。単に実験に加担するなどもってのほか。ここで見逃すのも危険】
【場合によっては──”今の目的”よりも優先される事態に陥るかもしれない。公安と機関の関係も危険だが、この女がやろうとしていることも危険だ】
【この場で斬り殺すことも十分に選択肢としてありうる。やろうと思えば一瞬。距離があろうがなかろうが関係ない。それだけ剣技に自信があった】

【────だが、失敗したらどうなるか】


……………………わかった
いいだろう、手伝ってやる。暴れるついでに死体をくれてやればいいんだろう
どうせだ、早速こいつを持っていくか?


【そう言って足元に転がっている機関員を片手で掴み、腕を軽く振るう。大の男が宙を舞い、女研究者の足元に転がる】
【この場で斬りかかるのは失敗のリスクがあった。そして失敗しようものならこの女研究者を追うことも、公安と機関の関係をあさることも不可能になる】
【ならば、次の機会を。確実に妨害できるタイミングを見計らう。それしかなかった】
465 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/03(土) 21:52:33.83 ID:CkySClX50
>>458>>462

【――ふわ、と、漏れる吐息はか細い。急なことにまだ理解が追い付いていないみたいに……だけれど、自分の中で整理したことが間違えていないと聞けば】
【少し安堵したような顔をするだろう、珈琲で濡れたタオルを、これも適当な袋に詰めて――ぎゅと口を縛る。ぼたぼた垂れる珈琲もちっちゃな硝子片も、閉じ込めて】

ううん、大丈夫だよ、えっとね、……みんなびっくりしてるよね、だから――その、

【「だいじょうぶ」】
【何が大丈夫なんだか言っている本人も多分分かっていない顔だった、いろいろな形で関わってきたひとがいて、だのに誰もが本当のことなど知らなくて】
【よくわからないというのが正解らしい。――ミラに謝られれば、気にしないでという風に笑うはずだ、それから冗談めかして「よっぱらいのお客さんの方が良く割るから」】
【だなんて――言うけれど、くしゃと浮かべてみせた笑顔はすぐに消えてしまうだろう、それを保ち続けるには、少し、分からないことが多すぎた】

麻季音ちゃんは――フルフェイス事件の犯人のひとに、お父さんを誘拐されたと、思ってて……、ロッソさんが、調べてて……。
……わたし何にも聞いてないよ、だから、その……ごめんね? よくわかんないや、セリーナが事情を知っているって言ってた――よ、ね、?
それで、敵だと思ってたひとは――もう死んでた、それも、あの事件より前に、……だけど、クラァケさんが、そのひとの……知り合い? のひとに、頼まれごとを――、

――していた、けど、その途中で、曽根上……ミチカ、に、捕まって。ひどいことされて……、追いかけられてたけど、なんとか、ここに来られて。
お手紙を――わたせた。

【小難しい顔でぶつぶつ呟くのは鳥がするみたいな繰り返し、自分へ理解させるための行動】
【途中婦警の名を出すときは一瞬迷った素振りで――だけどその人物がどうやら危ないと知った後では、かたちとしてそのまま名を呼ぶ、だけど分からないのは】

…………じゃあ、えっと、その……曽根上、は――、麻季音ちゃんが目的で、来ているの? わたし、は……その、関係ない、と、思う、あまり……。
麻季音ちゃんじゃなかったら……セリーナ、かな、それか――この場所ぜんぶ? SCARLETとか自警団にも行っているのかな、分からないけど……。

……あと、ね、あの、追手のひと――、曽根上ミチカ、と同じところのひとなら……その、わたし、会っている、から。
クラァケさんと、ロッソさん、追われている二人と、わたしが一緒で――魔術で移動したって言うのも、見るひとが見たらわかると思うの。
だから……、UTの人間(わたし)が、二人を逃がしたって、きっと、すぐにわかるの――、あの婦警のひと、近くに配属になったって……本当にそうかは分からないけど。

本当に何回かは来てるのなら、……今も来ようと思えば、すぐに来られたりするのかなって、

【その婦警がここに顔を出した理由。目当てが分からないと――ただそれはこの場のほかのだれかがすでに分かっていたら、多分、こんな空気ではないだろう】
【おそらく目当ては自分ではないだろうと言うのはやはり何にも関わったつもりがないからだ、ならばあとは――麻季音か、セリーナか。それとも、ほかのメンバーか】
【あるいは――もう全部ひっくるめてUTそのもの。頭が痛いような小さな唸り声、拗ねるみたいに漏らして】

【それから――こちらは気になったことが一つ。直接の面識がないミラさえ少女がUTに関わっていると知りえた。この少女はそういう人物だった、調べればすぐにわかるだろう】
【なにより追手と婦警が同じ派閥の人間であれば情報を照らし合わせれば間違いない。そういう人物が本当に偶然とはいえ、追われていた二人に接触して逃亡の手助けをした】
【誰かに迷惑をかけるとか誰かに迷惑をかけられたとかいう様子ではない。なら純粋に――今この瞬間のこの場所は本当に安全なのか、と、ふっと気になってしまった、ような】

【――それから、封筒が開けられる。緊張した様子で中身の発表を待った、彼女は。だけど告げられた内容に――ひどく面食らったようだった】
【麻季音が手紙を取ってくると言えばこつこつ歩いて机の上に置かれた紙面を覗き見る――だけれどわからず】

えっと……、……あ、クラァケさん、新しいの……要る? 手を洗ってくるから――いっしょに持ってくるよ、

【いっときこちらも頭を冷やそうとするみたいに、尋ねて】
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/03(土) 22:03:54.47 ID:TNW6XBOZo
>>464

「一般人が魔翌力を持つなど、ロマンがあることだろう?」
「それを不可能と決めつけていた連中を、ぎゃふんと言わせてやりたくてね」

【軽い笑いと共に出てくるのは、そうした言葉】
【「『機関』はいいところだよ、自由に研究もさせてもらえるからね」、と嬉しそうに言って】


「ああ、ありがとう。此方も例の件の情報が入ればフィードバックする」
「そうだなあ、もう少し若いほうが良かったが持って行こう」

【公安の件で情報が入れば、フィードバックすると約束した】
【此方には公安に居るスパイが付いている。うまく行けば情報もそれなりに引き出せる筈】
【しかし、話すのは目の前の男との信頼ができてから。まずはざっと10人、というところだろうか】


「さて、他に話すことが何かあるかい?」

【なければここらへんでお開きにしよう、と】
467 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 22:08:29.13 ID:SnStAzRLo
>>466

【嬉しそうにする女への嫌悪感を飲み込み、頷いてみせる】


ああ、よろしく頼む……
最後に聞きたいのはお前の名前だ。その、カニバディールとやらに会ったときに出したいからな


【効果のほどは分からない。それでも名前を出さないよりはマシだろう】
【そう考えて名を尋ねておく。聞けることは、これで恐らく全てだ】
468 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/03(土) 22:10:54.14 ID:eEeVC1dQO
>>462>>465
【“博士”がフルフェイス事件の犯人とされていて──初耳。実は、そうでないことがロッソの調査で】
【婦警が、公安の過激派──これは、そうだろうと予測がついていた】
【だが……『技術』?『意識と記憶に関する?』】

…………あのアマ。曽根上ミチカ、妙な機械使ってやがった
ペンライトみてぇな見た目で、中でギラギラぐるぐると妙な光があってよぉ
そのペンライトが爆発だかなんだかして……あたしは、<チカラ>を使えなくなった
あんたらで言うところの異能ってぇやつか……それと

フルフェイス、じゃねぇけどな……のっぺりした、いかにも悪役ってぇ感じのロボットだかアンドロイドだかも使ってやがった
そいつは急に、曽根上の前に現れて…………ただの人間じゃ、擦り潰されてオダブツするとこだったぜ、ありゃ

ただ……なんだ。曽根上が鈴音や麻季音に手ェださねぇってことは──
あんたの、鈴音の勘に従うんなら…………曽根上は、見張っている? UTを、か……?
だが、確かに鈴音の言うとおりだ。曽根上と追手が繋がっているんなら、曽根上がすぐここにきてもおかしくねぇ
そうじゃねぇってことは……“あえて”来てねぇ、ってことだ
…………。……………………多分、だけどな。

【「少しはあんたの推理のタネになるといいが、ロッソ」】
【自分じゃあいくら考えても分からない。だから、すぐ近くにいる頭の良さそうな奴に判断を丸投げする】
【「博士、か。あたしは、博士派っつぅかゾーイ派な。あいつダチだから」】
【ロッソの解説に余計な茶々を入れつつ、今度は麻季音の言葉にも耳を傾ける】
【「博士、死んでんなら……ゾーイどうしてんだろうな」そう、ぽつりと呟くが】

……っと、ちょい待ち。あたしはその手紙、てっきり“博士”からのもんだと思ってたんだけど、よぉ。違うのか?
麻季音、あんたの親父から?その、博士の協力者、だっけな……?

って……………………はぁ?んだこりゃ?
『BWV639』──?どういうこった……?

【また、訳の分からないパズルのピースが出てきた。糸を解こうとしたら、余計に絡まった】
【自分の運んだものがたった6文字。その事実よりも、自分の運んだものがまた理解不能なものだった、ということに腹が立つ】
【ち、と舌打ち。やはり、考え事は向いてない。「ちょっと、写真撮るわ」──そう言って】
【返事も待たず、そのメッセージの写真をスマートフォンで撮ろうとする。流石にスマホを叩き落とされでもすれば止めるが】
【そうでない限りは。ピロロン。撮影時の間抜けな音が酒場に響く】

あぁ、なんか悪ぃな鈴音。あたしもなんか疲れちまった
次は珈琲より、コーラみてぇな冷たくて甘いもんがいい

【そして鈴音に声をかけられれば、疲れたような笑みを向けてゆるりと笑うのだ】
【そろそろ糖分の補給がしたいところだ。この場にいる皆が、情報の渦を前にして疲弊していた】
【けど、と。ミラはスマホを持ち直す。画面こそ割れちゃいないが、ケースは傷だらけだ】

/長いって怒られたんでレス分けます
469 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/03(土) 22:11:52.00 ID:eEeVC1dQO
>>462>>465

【『・麻季音宛の手紙のメッセージだ。麻季音の親父から、らしい』──『BWV639』の写真を添付】
【『・“博士”はフルフェイス事件の犯人、ってぇ話だったらしいが、実はそうじゃねぇ』】
【『・“博士”は既に死んでる。そう麻季音付きの探偵が言ってた』】
【『・麻季音は“博士”が麻季音の親父を攫ったと思ってたらしいが、多分そうじゃねぇ』】
【『・麻季音と探偵の話じゃ、公安が狙ってるのは“記憶と意識に関する技術”らしい』】
【『・公安の目的は国家からの独立。こないだ国家なんとか罪で逮捕された奴は、公安に楯突いたから罰を受けた。これも探偵調べ』】
【『・婦警。名前が分かった。曽根上ミチカ。UTに顔を出していやがった。最近たまに来るらしい』】
【『・曽根上の目的はなんだ?見張り?今のところは何もしてこねぇらしいが』】

【触腕で器用にスマホを弄り、メモ帳にメモを残していく】
【指に吸盤があるせいで、フリック入力が出来ない。曽根上のせいだ、と愚痴る】
【触腕の、一番先端でスマホを弄るのには神経を使う。ぺた、とうっかり吸盤が画面に貼り付き、舌打ち】
【苦戦しつつ、何行かメモを書いたところでロッソに「今までの情報。これでいいか?」と確認】
【間違いがない、と言われればそのまままたスマホを弄る。訂正箇所があれば、それを修正し】

【『まだ話の最中。なんで麻季音の親父がゾーイ(あたしのダチな)に接触出来て、麻季音に手紙出せたんだ?分んねぇ』】
【『すぐ忘れちまいそうだから、とりあえずここまで』】
【『麻季音も状況が分かってねぇ。婦警の鼻先に吊るしっぱなしにしとくか?どうする?』】
【『とりま、また連絡するわ。じゃな』】
【──メール送信。送信先は、ジルベール・デュボン】
470 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(宮城県) [sage saga]:2018/03/03(土) 22:14:11.27 ID:AJcV4LLE0
【穏やかな月の光に照らし出される草原の一角】
【心地よい風が吹き、寒すぎず暑すぎずといった気候は正に月光浴に最適であろうか】
【虫達も鳴かず、在るのは静寂であって――音らしい音といえば、時折草木の揺れる其れ程度】


「ん〜……今日も疲れた……っと
流石にあの子達全員分のパンを焼くのは結構な重労働だよね
まぁ……お陰でボクもお零れを貰ったから良いけどさ」

【其処を気ままに歩く一人の姿。纏うのは所謂修道着であって――よく手入れの施された金色の髪が、月光を眩しく反射させていた】
【腰に提げた銀の双銃は何処か物騒な印象を与えるかもしれないけれど、その身形が修道女の其れなのだから不思議なもの】
【持った袋から漂うのは香ばしい匂い。焼きたてのパンの香り、であろうか。数ある中から適当に一つ取りだしたならば行儀悪く歩きつつ頬張ったり、なんて】


「――やる事も山積みだけど、偶には良いよ…………ね」

【ぽつりと呟いた言葉はまるで自分に言い聞かせるかの様で。手にしていたパンを、また一囓り】
【何を考えているのかは分からないけれど――上の空、なんて事は無さそうだ】
【その証左として、もし誰かが近くを訪れたならば其方へと視線を送るし】
【話し掛けるならば立ち止まりもする。この時間に修道女が出歩いているなんて可笑しな話で】
【銃を抜いたりはしないものの、やがてはゆっくりと小首でも傾げる事だろう】
471 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/03(土) 22:33:01.39 ID:TNW6XBOZo
>>467

「私は赤崎桐子、第11研究室の室長だ」

【「君の名前も聞いていいかな」、とその後に続ける】
【せっかく知りあった同志であるし、名前を聞いてもいいだろうと思って】
【ついでに、ポケットから名刺を取り出して彼に渡す。名前とシンボルだけの、単純な作りだ】


「それじゃ、検体の件は任せたよ」
「機会があればまた会うだろう、それじゃ」

【後ろ手を振り、スーパーの袋を提げたまま女は路地裏深くへと歩いて行く】
【研究の手伝いをしてくれる人間が増えたために、少し上機嫌なようであった】
【始終警戒をしていなかったために、ここで襲ったとしても反撃は遅れるであろう】
472 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/03(土) 22:35:21.68 ID:S6x84QEB0
>>465


【何本目かの煙草に火をつけながら、話を続ける。ロッソは立場上冷静で居なけりゃならなかった。】

鈴音…すまないな。…多分だが、婦警はUTを監視しているんじゃないか。おそらく公安の内乱に関わる方だ。
…ミラの言うとおりだろう。UTを監視していて…あえて来てない。それは機関だって似たようなもんだろ?

【ミラはその取り調べの話をしてくれた。パズルのピースばかり増えて答え合わせの絵は浮かび上がらない】
 
マキは大学で科学者やってるなんか…まあよくわかんないんだけどまあ超賢いんだよ。
だから博士が洗脳システムだかでフルフェイス事件を起こしたんじゃないかってのが当初の推理だった。
マキが論文を読めるからわかったんだ。意識が何処にあるかみたいな…哲学みてぇな話で俺にはわからん。

まあ、で、能力が使えなくなった?そりゃあれか?スミ吐いたり……能力を封じるってそりゃ…もしくは…

【ニヤリと笑っていたがそこで男はふと、気づく。この構図…余計なものが多すぎる。が取っ払ってシンプルに考えれば】

もしかしたら…これは簡単な構図かもしれないな―――

……親父の名前を騙って警戒心を解こうってことかもしれないが…クソ、もう謎は懲り懲りだよ。



『ごめんなさい。…でもこっちも白紙だったの。宛名だけ見知った字でそれに…』

【麻季音は戻ってくると、父親からの手書きの手紙を皆に見せる。似たような封筒だった。】
【封筒には父親の名前が手書きで。そして“BWV639"―――】

『でもこれ…中身が白紙だったの。だから…あれ?』

【白紙だと行って取り出した封筒の中身は、びっしりと文字が書き込まれていた。】

“親愛なる、麻季音。こんなことに巻き込んですまない。しかし、今はこうするしかない。
私は研究施設でフォルケン博士の技術を応用した洗脳装置の開発に従事させられている。
一体、誰が黒幕かはわからない。しかし、フォルケン博士でないことは確かだ。博士はこの黒幕に対抗しようとしている。
この手紙は秘密裏に接触できた博士のアンドロイド“ゾーイ”に託した。麻季音も会っているかもしれない。
研究は完成間近だ。これが完成してしまうと人類は自由を失うかもしれない。ただこれだけのことが出来るのだから黒幕は巨大だ。
その前に、最も重要な基幹、“ソラリス”を奴らより先に見つけ出さなくてはならない。私にもわからない。博士はそれを残さなかった。
奴らは血眼で探している。私の身もそろそろ危ない。その前に、ゾーイの手引で、逃げ出す。
麻季音、警察は信用しない方がいい。通報はするな。なんとか信頼できる人物に救助を求めてくれ。
手筈がついたらゾーイに託せ。”

【そして――ミラが持ってきた手紙にも変化が起きる。インクが滲み上がるように文字が浮き出る。】

“君が、ソラリスだ。”

【一番先に、口を開いたのはこの謎にもう疲れ果て、嫌気が差してきたロッソのため息だ】

ミラ、メモに書いとけ、クソッタレは公安の野郎だって。
473 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 22:49:29.12 ID:SnStAzRLo
>>471

【差し出された名刺を受け取る。何かの証拠に使えたりはしないだろうが、一応】
【名前──聞けば聞き返されるとわかってはいたが、しかし本名を名乗るわけにはいかない】
【その場で考える必要が出てきた。こんなことなら用意しておくべきだったと思うが、遅い】
【何かないか────そう考えたとき、ある女の名前が思い浮かんだ。最近、殺し合いをした女の名が】


…………カタロスだ
奇妙な名前だが笑ってくれるなよ


【「純粋」を意味する偽名を名乗り、去り行く赤崎に焦点を当てる】
【無防備には、見える。ここで斬るべきか、そうしていいのか────】
【結局、斬りかかりはしなかった。この場でやるのはやはり、リスクが大きすぎた】
474 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/03(土) 23:07:45.93 ID:CkySClX50
>>468-469>>472

【ミラが語る婦警の装備。装備……だろうか、ペンライトみたいな機械――それから、チカラ……異能を使えなくなった、というところでは】
【あどけない顔にふさわしくないくらいに眉をひそめていただろう。少しだけ長い前髪越し、だれも気付かないかもしれないけれど……それが警戒すべきあるように】
【あるいはミラは気にしていたかもしれない、この少女の普遍性。もう何年も前の映像から少しだって成長していないこと――全く本筋ではないから、ないけど】
【彼女にとってはその情報に重大な意味があった。まして――対面したことがあったなら、余計に】

急に、現れた……、アートマンとか、マインド、かな――?

【でも、関係がないかなと、小さな呟き。急に現れた機械みたいなもの――というのはやはり曽根上ミチカの能力だと考えた方が、簡単に思えた】
【ペンライトは装備で能力がアートマンかマインド。どちらでもいいけど……考えようとした思考回路はあまり深くはならない、なぜって、語るほど詳しくない】
【ただアートマン使いとマインド使いを思いつく限り思い浮かべて――なぜかロッソを一瞬じとりとした目で眺めたみたいな気がしたけど、気のせいということにして】

――わかんない、普通に入ってきて、普通におしゃべりしていって……その、急にたくさんしゃべるから。ちょっとびっくりしてるうちに――出ていく。

…………ええと、ドアに、鍵する?

【やはりその理由は分からなかった。当たり前にドアから入って、しゃべって、帰る。ちょっと変わったひと……だけど、知らねば不審には思わない】
【よく冷えたコーラ、新しい飲み物をミラの前に置いて、しゃべっていたのだけど……急に不安になったみたいだった。とはいえ――まだ本気、という口ぶりでもない】

機関のひと……うん、来ない、けど、あのひと……普通に来ていたから。

【機関の人間は来ない――いや、気づいていないだけということもある。数字を外したり黙っていられたら、よほど有名でなければ気付かないこともある……けれど】
【あの婦警は堂々と名乗ってまで来たのだ。こうやって少し話せばいろいろと不穏な情報がずるずる出て来る人間が、堂々と――それが嫌、であるらしい】
【はあと長い溜息は少し少女らしくないもの、最初に座っていた椅子にちょこんと座りこんで――ロッソに手伝わせようと(無駄に)持ってきたお菓子を一つつまむ】
【――――と、その時だった。戻ってきた麻季音の手の中にある封筒を見やる、ただ白紙だったのだ、と聞けば、不可思議そうに、目を細め】

あ、れ――、……櫻の国にね、あぶり出しって言うのがあるんだって。蜜柑とかの皮の汁で、文字を書くんだけど――――、

【この場で"そんな"嘘を吐く必要はないだろう。文字が書かれていることに気づいた少女は、座ったまま、少し乗り出すみたいにして】
【白紙から文字が現れると言えばなんだか聞いたことある――だけどそんなことを口にするのも、疲れていたからかもしれなかった。ただ、少し気持ちを緩めるように】
【それでも――手紙の中身を見れば。あるいは聞かされれば、丸い目はもっと丸くなって。きょとん……と黙り込む、一瞬】

……――えっと。"黒幕"が欲しがっている、何か……それが見つかったら、すっごく、うんと、大変になる、何か……、"ソラリス"。
だけど何だかは分からなかった、……一つ目のお手紙の時には。だけど、二つ目のお手紙、……クラァケさんが持ってきたお手紙を出した時には、分かっていて……。

……二つ揃うと、見えるの? だけど――それだと、二つ目のお手紙。そもそもソラリスが何かってわかんなかったり、クラァケさんが"ダメ"だった時、読めない……ね?
ええと――ああ、そう、じゃなかった。……ええっと、ごめんね、わたし、難しいの、よくわからないけど……。

…………麻季音ちゃんがソラリスで、麻季音ちゃんそっくりに化けていたクラァケさんのところに、敵っぽい……曽根上が、来たの? 
それで、そのひと、今は……麻季音ちゃんがバイトしている、UTに来ているの? 

【手紙の仕組み。あぶり出しとかそれ以外の技術とか、考えそうになるのは……多分現実逃避だった。本人さえ気づいたなら、違う、と、わざと口に出して、否定して】
【気になったのは――それ、だった。ぽつと呟くみたいな声は、ほんとうに、ただそう思いついたみたいに】
475 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/03(土) 23:24:58.36 ID:TNW6XBOZo
>>473

「カタロスか、いい名前じゃないか」
「それじゃ、また会おうじゃないか」

【研究者然の女は、手を振って立ち去っていく】
【“宴”の始まりを、楽しみに思いながら】

//こちらはこれで〆とさせていただきます、数日間に渡ってありがとうございました!
476 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/03(土) 23:32:21.26 ID:eEeVC1dQO
>>472>>474
【「擬態能力だよ。あたしはミミック、って呼んでたが。人に化けるのに便利でな」「婦警のおかげで始終この姿を人前に晒す羽目になった」】
【「バケモノ扱いされて通報されねぇか、特に今はマジで冷や冷やしてんだよ……あのアマ。クソが」】
【ち、とイラついたようにミラが吐き捨てる。失った能力がいつ戻るのかも、分かっていない】
【そもそも戻るのか。永遠に失われたままなのか。それすら分からないのだ】

【「怖ぇか、鈴音。あたしも、あいつが怖ぇ。でも、同時にぶっ殺してぇ」】
【「あんたにも──わかるんじゃないか。隠れ蓑に隠れてんのかどうか、知らねぇが」】
【そして、眉をひそめる鈴音に対し。小さく、そう言うのだ。あんたなら、あたしの気持ちが分かるだろう】
【暗にそう言っていた。ヒトの姿を借りて社会に溶け込んでいたミラにとって】
【鈴音もひょっとすれば“そう”なんじゃないかと……彼女の表情を見て、思ったのだ】
【勿論、鈴音の姿が数年前に見たきりのCMから何も変わっていない、ということもあったが】

【────ごとり。冷たいコーラが目の前に来る】
【グッと飲む。炭酸と冷えた感触が、少しだけ頭をすっきりとさせた】
【さあ、本題に戻ろうか。ごと、とグラスを置く】

…………簡単な構図ぅ?は、流石は探偵だぜ
頭脳労働はお手の物、ってか?
あたしにはまだサッパリ──お、戻って来たか麻季音
けど、そりゃ聞き捨てならねぇな……手紙が白紙、…………っておい

【「白紙どころじゃ、ねぇじゃねぇか」どうやらもう少しばかり、頭を働かさなきゃいけないらしい】
【フォルケン博士──“博士”の名前か。ゾーイ。これはダチの名前だ】
【研究──そういえば、ゾーイが言っていた。人類がどうとか、世界がどうとか。そのことだろうか】
【黒幕。最重要基幹“ソラリス”。黒幕は公安のことだろうが、ソラリス──?】

【ソラリスって、なんだ。そう、言おうとした時。最後のメッセージが、手紙に浮かび上がった】
【ミラの視線が、麻季音に刺さる。ただ、手紙を渡すだけ。最初は、そう思っていたはずだったのに】

────“ソラリス”

あんたが…………これが、あんたが追われている、理由か……?

公安は…………フォルケン博士の洗脳技術を利用して、世界を、変えようと……?
独立した先で、何かを企んでいやがるかは知らねぇが……そのテスト・プレイが“フルフェイス事件”、か──?
けど、企みに必要な、大事な大事な“ソラリス”がねぇ……だから、フォルケン博士周りを探って……
麻季音、それで────あんたが、“ソラリス”とやら、で

【「全部、公安が仕組んでいやがったのか」】
【そう考えれば、ロッソの言うとおりだ。物事は実にシンプルだ】
【全ては公安に繋がっている。新しい世界を作るために、国家を守る公安が──クソッタレ】

あたしがミスれば確かにこのメッセージは届かなかった
だが……あの時のゾーイは、あたしならやれるって思ったんじゃねぇか
本来、あたしは誰にだって化けられる。チカラが戻りさえすれば、麻季音にも、ロッソにも……鈴音。あんたにだって
ま、危ないシーンはあったにせよ、実際ミスらなかったんだ。今はそれでよしとしようじゃあねぇか

/また怒られました!訴訟!!分けます!!!
477 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/03(土) 23:32:51.30 ID:eEeVC1dQO
>>472>>474

それで…………婦警は、UTも見張ってた。だが、UTと一緒にきっと、あんたも見張ってるんだ、麻季音
もしも……“ソラリス”が麻季音だってことを公安が知ってるんなら
大事なパーツは、出来れば安全なところに隠していた方がいい……例えば、有名な正義組織の酒場とかに
だから曽根上はここに来ていた。……違うか?
UTが公安やフルフェイス事件に、首を突っ込んでないか探りに。それと……

【「初瀬 麻季音。あんた/ソラリス が、確かにここにいるってことを確認しに」】

【それが確かだという証拠は、ない。ただ、確信のようなものは持てた】
【だが、それが分かったところで……次はなにをすればいい】
【麻季音を“隠れ家”につれていくか。このまま麻季音をここに置いておけば】
【公安の思う壺になりそうなことは、なんとなく察せる。さて────】

…………鍵をする、はやめといた方がいいんじゃねぇかな
あいつの連れてた悪役ロボはすげぇ強烈だ。多分、防弾ガラスとかも意味ねぇんじゃねぇかな

────なぁ、麻季音。あたしさぁ、今、“隠れ家”に住んでんだ
セーフティ・ハウスみてぇなとこだが……どうだ
あんたがここに居たくねぇ、ってんなら──来る、か?

【──ほんの少しだけ。慣れない嘘をついた】
【正確には、嘘ではない。ただ、少しだけ真実を話さなかった】
【どうすればいいのか。本当にミラは、分からなかったのだ】
478 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/03(土) 23:40:28.92 ID:SnStAzRLo
>>475

【手を振り立ち去る赤崎を見送る────いや、見逃す、なのかもしれない】
【この行動がどうなるか、正しかったのか間違っていたのかはわからない。あるいは公安絡み以上の脅威となって目の前に現れることになるかもしれない】
【”他に手の取りようはなかった”と思うことだけが、胸中の不安を拭い去ってくれた】

【赤崎がいなくなった後も、”カタロス”は路地裏で佇んでいた。口元には自嘲めいた笑みが浮かんでいた】


…………ははっ。この俺がカノッサ機関の一員、か

──────────っ!!


【拳が壁に叩きつけられる。爆音の如き轟音と共に壁に巨大なクレーターが穿たれる。破砕された壁の粉塵が舞い上がった】
【機関員が立ち去り、もはや取り繕う必要がなくなった瞬間に怒りが沸騰して爆発した。拳からは血が滲むほど握り締められていた】


……これほどまでに屈辱的な思いをしたのは初めてだ。目的のためとはいえ、耐えがたい……!
だが、それも公安との繋がりを見つけるまでだ。それが終われば機関の人間の悉くを八つ裂きにしてやる……!

────だから、耐えろ。今は


【言い聞かせるような言葉が口からこぼれる。目的がかなうかどうかは、まだわからない────】


//お疲れ様でした!
479 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/03(土) 23:42:28.41 ID:u1JVfoSE0
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480 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/03(土) 23:49:33.67 ID:u1JVfoSE0
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481 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/04(日) 00:06:52.67 ID:TZ9NgtTn0
>>474 >>476

能力だったらミラなら気づいてもおかしくなさそうなもんだが…

【鈴音の質問にできる限り答えていくがどれも推論の域を出ない。頭を掻きながらビールを飲む】
【そして…そそくさと二本目のビールを取りにどっかに行ってしまった。危機回避能力が高いのは天性のものだ】

『こないだ変な人が来た時に、セリーナにマシンガンつけてって言っとけばよかった。でもお客さんが来るわけだし』
『取り敢えず婦警の件は保留ね。警戒しておくべきだと思うけど。変に接触するとどうなることか。』

……炙り出しじゃない?あるだろこう…ライターで…

『いや、電子インクの類いかしら…多分2つが符号になってて近づくと反応する仕掛けかもしれないわ』

【いつの間にかビールを片手に戻ってきたロッソは意図せず鈴音と同じようなことを言っていた。】
【麻季音はそんな冗談に付き合う余裕が無いのか真面目な顔をして、ずっと腕組みをしながら手紙を眺めていた】

独立かクーデターか国家転覆か革命か…言い方は知らない。けど黒幕は公安を好きに動かす立場にある。
そして資金も技術も――何処までつながっているか。本当の思惑はわからないけど…。
で、麻季音はソラリスと。

『……知らないわよ。ソラリスなんて。何を意味してるっての?』

…んだよ。わかってるのは俺と博士だけか。知らない?映画の惑星ソラリスだよ。タルコフスキーの。陰気で面白くはないけど名作だ。
そんでオープニングでかかってるのが………わかったよ。省略する。

『よろしい。…それで、ということはこの手紙が本当に父なら…ゾーイとかいうアンドロイドは味方…ってことになるわね。』
『そもそも…クラァケさんはなんでアンドロイドなんかとそんなに親しく…?まあ、でも…』

『私の知らないところで私がなんか鍵みたいな扱い……なにそれ。ばっかみたい。』

敵が何処まで知っていて何をする気かはわからない。今は、この手紙に乗るかどうかだ。
助けに来いってさ。…俺はやるしか無いと思うが…もし公安と1つやりあうことになったら、勝ち目があるかどうかもわからん
しかも下手すりゃ指名手配犯だ…まあミラはもう関係ないだろうけど。

【そして、ミラの誘いには麻季音はこう答える。】

『隠れてもすぐに見つかると思うわ。それなら、人目も多いし、此処のほうが守りは上々だと思う。』
『ありがたい誘いだけど…UTに頼るわ。こんな大事になるとは思わなかったけど。もう巻き込んでしまっているし。』
482 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:58:07.45 ID:6slRHdAS0
>>476-477>>481

【擬態能力――ミミック。それがミラの能力であるらしい、ミラの言葉を聞いていた少女は、ひとが話すときはそうであるように、視線をじっと向けていた】
【眼前のミラは確かに人間とは呼べないような姿をしていた、話の重大さに忘れかけていたけれど――彼女は明確に人間ではなかった】

――――、っ、それ、は。

【――刹那、言葉に詰まったようだった。少女に視線を向けていたなら、目も合うだろう。色違いの瞳……丸く吊った眼は、どこか蛇の眼にも似て】
【その瞳が動揺したように振れて、逸らされる。その向こう側には再びビールを取りに行くロッソの背中が見えていた、――それを見送ったなら】

あなたとは、少しだけ、違う――、でも、わたしも……それは、とても、

【怖い、と、そう言いかけた言葉は、途切れてしまって】

……うん、クラァケさんはちゃんと届けた、見られた。――ごめんね、ひどいこと、言っちゃった、
電子インクってよくわからないけど――。

【それから、遅れて失言したことに気づく。その自在さは何より役立つものだろう――それ以上にきっとミラの人格が信用されたのだろう、と】
【短い間だけでも話して分かった。眉を下げた謝罪と……ロッソが自分と同じようなことを言えば――まばたき一つ、それから納得一つ】

えっと……、じゃあ、あのひと。……あの婦警は。ソラリスってまだよくわからないけど――あっちが、麻季音ちゃんが"そう"って知っているかもわからないけど。
とにかく――関係者の麻季音ちゃんと。UT、……あ。自警団とか、SCARLETって――、警察のひと、多いよね? 警察って、もう、自分たちで動かせるから……。
…………いや、ううん、そんなの――ないよね? だって、ここ、一番偉いのセリーナだから、国が作ったものじゃないから、……ここ、

【ミラの言葉をなぞりながら考える――ここに顔を出す婦警の目的。麻季音の監視とUTの監視――麻季音はともかく、UTの介入という点だと】
【こうして少女が二人を手助けしたのは確かだけど……組織としては、まだ、動いていない。はずだ、ほかのひとの動向まで、詳しくは知らないけれど】
【――ぽつぽつ独り言みたいに考える思考回路は途中で少しだけ脱線する。脱線して――言葉になって。ぐうと眉をひそめた、今度は表情までも、硬くして】
【警察が駄目なら、その人員を多く含む自警団やSCARLETはどうなっているのか。とかくUT(ここ)は、警察――あるいは国直属のものではない、はずだ。そのはずだ】

……とにかく。えと――あのね、クラァケさん、ここね。ここの地下――秘密基地、みたいになっているの。セリーナがとっても好きそうな。
だからって大丈夫って言いきれないかもしれないし――えと。隠れ家が駄目になったら、なんて、言ってほしくないと思うけど――もし、危ないって思ったら。

いつでも来て、セリーナにも言っておく。麻季音ちゃんも……、……ロッソさんもだよ? 聞きたいことあるし――あるんだからね。
こんなだから、今日じゃなくたっていいけど――、えっと。助けに行くのは……わたしも、したほうがいいと思う、麻季音ちゃんの――お父さん。

【――麻季音を隠れ家に匿おうとするミラを見やる。そしてすぐにそれを断る麻季音も。そのあとに少女から付け足されるのは、ミラへ――この場所の、こと】
【こうして見るには少し時代を間違えた建物みたい。だけどこの地下には想像もできないくらいに大きな地下空間、それから、たくさんの物資があるから】
【麻季音がここの方がいいと思ったなら――それとは別に、クラァケも身の危険を感じたらこちらへ来てもいいと提示するのだ、少しためらったような声は】
【今身を寄せているという場所が駄目になったらなんて仮定をすること自体申し訳ないみたいに――最後にロッソには少しだけ子供ぽく。何度も言うから、よほど大事と見えた】

【――――それから、手紙に乗るかどうか。それについては、やはり――助けに行くべきだと思うのだ。思うが――やはりどうしても自信があるようには、見えない】
【いろいろなことがいっぺんに溢れてきて――だけれどセリーナならきっと、きっと、やるって、助けるって、言い切るのだろうなって、思ったなら】

……ううん、するべき。助け、なくちゃ。

【少しだけ勇気を奮い立たせる、虚勢だって言葉は言葉だった、少しだけ――やれるような、気がした】
483 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/04(日) 00:59:24.65 ID:6slRHdAS0
>>476-477>>481>>482
/そしてごめんなさい、いい感じのところですが、明日朝起きなければならないので、一度凍結お願いできますでしょうか……!
/明日は割と早めに帰れるかと思います……
484 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/04(日) 01:02:37.78 ID:P1ri2ojtO
>>483
/凍結了解です!
/こちらは明日も昼過ぎには来れるかな、といった具合です
/長引かせてしまって申し訳ないです。それではひとまず、お疲れ様でした!
485 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/04(日) 01:10:01.48 ID:TZ9NgtTn0
>>483 >>484
/1番長引かせてるのは自分なんで…お付き合いありがとうございます
/明日は用事がなければ一日いますのでよろしくお願いします。
/本日はお疲れ様でした。
486 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/04(日) 01:25:30.44 ID:P1ri2ojtO
>>481>>482
【「あのロボは……んな感じじゃ、なかったな」】
【「空間に、隠れてた。なんか、そんな感じだ」】
【婦警の話は、それで終わりだ。麻季音の言うとおり、婦警の話は後でだっていいだろう】

【だが、もう少しだけ。ロッソがビールを取りに行っている間、鈴音との間で話は続くのだ】

あんた…………その目は“蛇”か?あたしはまぁ、ご覧の通りだ……ぎゃは
正直、曽根上はぶっ飛ばしてぇがそれは今すぐ、ってわけにもいかねぇ
だから……鈴音も、あんま曽根上の前で派手なこと、すんなよ。社会で生きてきたかったら、な
いずれ曽根上にはたんまり礼をしなきゃいけねぇ。それまでは、ちっと我慢してくれ、な?

【曽根上の前では、素知らぬフリをしてほしい。そういう、お願いだった】
【恐怖を押し殺すことは、難しい。それでも、そう頼むほか無かった】
【自分と似たような出自であろう鈴音が、曽根上に能力を消されるだなんて……仲間意識が、そうさせるのか】
【とにかく。そうなることは、絶対に避けたかったのだ】

【ロッソが帰ってくれば、この話は本当にそれまで】
【「炙り出しマニアかよ、あんたら」あまりに似たことを3人が言うものだから、呆れたようにミラは笑うのだ】

…………どこまで、繋がってんのか、か
は────確かに、その通りだな
公安ってったって、金はいる。金、金か……

【『組織に対抗するには、組織だ』──とある男の言葉が、脳裏を過ぎる】
【力を借りるしか、なさそうだ。「陰気な映画はちょっと趣味じゃあねぇな」】
【半笑いしながらロッソに返す。「ほら、麻季音もっと言ってやれよ」そう言って、麻季音の疑問にも答えるのだ】

あぁ、ゾーイと会ったのも偶然なんだ
あいつがなんか追われてたところを助けてよ。んで、スシ奢ってもらった
友達になろうっつって…………

【『今回のことは、博士と私の情報を総括するAIに報告してもよろしいですか?』】

…………。………………AIに、報告
まさか、な…………まさか。は、は

【一瞬、嫌な予感がした。気のせいだといいんだが】
【情報管理用のAIが、公安の手に落ちていないだろうか。そんな予感だ】
【気にしすぎだと思う。思うことにする。きっと、色々とありすぎて疲れているんだ──きっと、そうだ】

……あんたらが乗るってぇんなら、あたしも噛ませろよロッソ
なにせ、麻季音はあたしがずぅっと探してた相手なんだ。下手に死なれたり利用されちまうと胸糞悪ぃ
それに、ここまで知っちまって、「じゃあな」ってえのも味気なくねぇか? ロッソ?
もしも公安連中とヤりあうってえんなら……あたしだって、仲間はいるんだ
そいつも一緒に来てもらうさ。戦力は、多けりゃ多いほどいい。違うか?

それと…………麻季音の言うとおりだな。下手に移動するより、ここにいた方が安全、だもんな
鈴音が言うように……UTがセリーナの持ち物ってぇのも都合がいい
なにせ警察の手が入っちまえば正直その後どうなるか分からねぇからな──自警団やスカなんとかより、UTの方が好都合ってわけか
ま、何かありゃまた連絡してくれよ。とはいえ、ここにはセリーナとやらや、それに鈴音もいるしな
滅多に連絡はこねぇだろうが……期待せず待ってるぜ

ぎゃ、は……にしても、ここの地下も秘密基地みてぇになってんのか!
そりゃあいいぜ。ま、あたしの方の秘密基地がブッ潰れちまう予定は今のとこねぇけど、よぉ
“そういう場所がある”ってことくれぇは、覚えておくぜ?

【そこまで言いきれば。残しておいたコーラを一気に喉へと流し込むのだ】
【最初と比べれば、氷が溶けて水っぽくなっていたが】

/お返ししておきます!
/それではこちらも、今日のところはこれで。お疲れ様でした!
487 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/04(日) 01:52:18.54 ID:qF2fwQtj0

【――季節は夜に差し掛かろうというのに、随分冷え込む夜だった】
【月が出ていた。妙に青白く、冷え冷えとした夜で】
【静謐な夜の空気。これくらいの季節は、悪くない。生きていくのには、辛かったけれど―――なんて、思いながら】

―――無駄だよ。貴方達では僕に勝てません。
生命を散らす必要なんか、ありますか?

【目の前に立つ二人の男を、少年は見据えた】
【二人ともに素人ではない。この国の治安機関の特殊部隊に属しているはずだし】
【『能力者』だ。それも練度の低いものではなく、たしかに修羅場を潜ってきている】

……引く気、ないんですか。
面倒くさいな。職務熱心なら職務熱心で、もっと早くアンタたちは動けばよかったんだ。

【少しだけ声に苛立ちを混ぜながら、少年は『掌を上に向けた』】

「―――来るぞッ! 『神変万化』だ!」
「任せろ!! お前は能力の準備を頼む!」

【一人の男が、印を結ぶ。彼の取得した高度な結界術は、半球状に男と、その仲間を包み込む】
【あらゆる戦いを、ペアで潜り抜けてきた二人の男。片方が結界を展開し、もう片方の男が高い破壊力を持つ一撃で相手を仕留める】
【そうして勝利を重ねてきた。下位とはいえ、機関のナンバーズを仕留めたこともあった二人だが――】

……無駄だと、言ったはずですよ。

【つまらなそうに少年がそう呟いた、刹那】
【結界の上方から杭状の金属体が伸びる。容易く結界を貫き、二人の男の身体をズタズタに引き裂いた】
【ぱりん、と結界の砕ける音が、一瞬遅れて響き】

―――くだらないな、ほんとう。

【少年がそう呟く。それなりの戦闘の音だ。周りに誰かが居れば、気づくこともあるかもしれない】
488 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 10:56:55.88 ID:5XuZFMydO
【路地裏】

【常日頃、薄暗く怒声の飛び交うこの場所にも休日というのは存在するらしい】
【少なくとも今日この一角――とある酒場の裏手においては、暖かな陽光が差し込んでいて】
【"うぃぃいん"という、携帯のバイブが震えるような音だけが響いていた】

「……それで、あの、旦那。どのくらいまで切ったらいいんで……」

うるせえな、今考え事してんだから黙ってろ。
……横は1ミリ、上は5センチ。"軍人っぽく"しろ、それだけでいい

【さて、そこにいるのは二人の男。一人は美容師、一人は散髪に応じる男なのだが】
【どうやら立場は椅子に座って散髪に応じる男の方が圧倒的に上らしい】
【そもそも、こんあ場末の広場で散髪というあたり――無理矢理美容師が連れてこられたのだろうが】

【――椅子に座って散髪に応じる男の意識は、どうやら髪そのものには無いらしい】
【目線が向く先は無理に配線を引いたらしいテレビ画面。流れているのはある豪華客船の紹介映像だ】
【"セレンディピター号"――タイタニックから事故の不安要素を取り除いた、世界一の夢の船】

【と、その番組では紹介されていた。あいにくと、こんな場所に居る人間とは不釣り合いな船であったが】

……護衛対象者一人食うだけで、いくら稼げるかねえ
国脅すのも大事だが、うぜえ金持ち潰す方が手っ取り早いか……なあ、おい?

「はっ!……あっ、はあ……そう、なんでしょうか……」

【などと、不穏な会話。やがて髪を切り終えた男は立ち上がって、先ほどまで自分の一部だった栗色の髪を払い落とす】
【その髪型は左右を刈り上げた精悍なもの。鏡を見てニヤリと笑いながら、美容師の男に札を数枚掴ませると】
【彼は表通りへと大慌てで出ていった。まるで虎狼に追われるような急ぎ方は、ずいぶんと目を引くことだろう】


【――等という前置きを挟み、そこを通りかかるものがあれば】
【件の栗色の髪を短く切り揃えた男が、例の客船の映像を眺めながら】
【"逆五芒星"のマークがうっすらと浮かぶ小型端末をいじっている、そんな姿を見ることになるだろう】
489 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 11:16:38.21 ID:MUYV3hcTo
>>488

【路地裏といえば戦闘、虐殺、犯罪の温床というのがこの世界での常識であったが】
【しかし常にそうだというわけでもないのが不思議なところ。それでも機関員が散髪させているあたりは路地裏は路地裏、といったところか】
【昼間だろうと足を踏み入れるものはきっと少ない。そんなところにわざわざ来る男がいた】

【年齢は三十代前半。大剣を背負った黒髪の男だ。剣士らしく鍛えられた肉体をしている】
【背中の大剣は特別なものなのか、柄や鍔、鞘に様々な装飾が施されていた】
【この男が路地裏なんぞに来たのは他でもない。一応は自警団なので警備ぐらいする、というわけだ】


(…………で、これはなんだ)


【路地裏にきてみれば無理やり持ってきたテレビに美容師。端末を見れば逆五芒星────】
【なんとも奇妙な光景がそこには広がっていた。好戦的なこの男も呆れ顔をせざるを得ない】
【加えて、今は容易に斬りかかれない事情もあった。機関に対して密偵中の身だ】
【さて、どうするか、と考えると────】


…………機関員とはいえ、これは無茶苦茶じゃないか?
さっきのやつなんか顔面真っ青だったぞ


【ひとまず、友好的な雰囲気を出しながら声をかけてみることにした】
490 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 11:34:56.69 ID:F4jhf8YXO
>>489
──あァ?誰だ、てめ……──。

【フラりと姿を見せた男に対する第一声は、酷くぶっきらぼうなものだった】
【が。椅子に座り込み、今日は萌黄色の着流しをきたこの傍若無人な男はふと口をつぐむと】
【若干なにかを考えるようにして押し黙る。その折に、端末はぷつんと電源が落ちて】

──いや失礼、少々気分が荒れていたもので。
それで誰かな、貴方は。見ての通り、私は休日の時間を楽しんでいるのだが
散歩か何かかな?しかしその剣、暇潰しに持って歩くには重そうに思えるな。

【さっぱりとした笑みを浮かべてそう語る男は──なんというか、信用ならなかった】

【別に、なにかを仕掛けてくるわけではない。会話だってきちんと応じている】
【だが言葉の端からして、明らかに相手の事を警戒していたし】
【そのくせ、椅子から立ち上がることもなかったし。──なんというか、中途半端】

【だが会話は続いているのだ。友好的な態度は、決して悪いものではない】
【まだ探りあいの段階というわけで──単発の男は、ゆったりと相手の返事を待っていた】
491 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 11:53:54.12 ID:MUYV3hcTo
>>490

【反応の変化に思わず男は怪訝な表情を浮かべてしまった。あまりにも変化が著しい】
【それを指摘するかは難しいところだった。結局、ひとまずは黙っておくことにした】


剣士なのに剣を手放すやつはそうはいないだろうよ
それにここは路地裏だ。お前みたいなやつがいるんじゃ武器は手放せない
…………なんてな。俺も”同じ”さ。といっても、最近入ったばかりなんだが


【懐から逆五芒星の描かれたアミュレットを取り出す。機関員だという印として】


で、それに興味があるのか?
なんだったか……怪しいやつらがたむろしてるんだったか、その船には


【男の指がテレビの画面を指差す。そうしながらゆっくりと、自然な動作で相手へと近寄る】
【どうにも怪しい雰囲気がする。いざというときに有利な位置についておく必要があった】
【剣士であれば、一歩で剣撃を叩き込める位置へ。そこまで行けば立ち止まる】
【が、それは警戒心を上げてしまう行動かもしれない。戦闘の経験が豊富ならば、”剣の間合いの一歩手前”という位置は気になるだろうか】
492 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 12:08:07.07 ID:F4jhf8YXO
>>491
あぁ……なるほど、剣士!いや失礼、そういう方もいるでしょうね
であれば納得だ。随分と大振りな剣ですが、鍛えているのはそういう訳で。
はあはあ、道理でねえ……その腕っぷしなら、早速"ナンバーズ"にでも?

【胡散臭い──最初の印象があるだけに、それはなおさらだろう】
【だが関係ない。むしろ堂々とした雰囲気すら漂わせながら会話を続ける】

【取り出されたアミュレットを見れば、とりあえずの警戒は解いたようだったが】
【そもそも知らない相手を信用しないのか、よほど警戒心が強いタイプなのか】
【どことなく、一線引いた──距離感のある空気は、どうにも残り】

……ええ、まあ。ほら、出てるでしょう。
ここに居るっていうお金持ちを守ってくれって要請が、いくつか。

それもよっぽど焦っているのか知らないが、個人的な礼をするっていう人も居るとか。
なら私も行こうかなと。で、車で初めて行く先を地図で見るようなものでね
こうして色々と調べてるわけで……いやすごいですよ、もう小さな街のようで。

【"人が一人二人消えたところで、きっと分からないんでしょうね"】
【と、楽しそうに薄く笑いながら口にした。単なる構成員、という雰囲気ではなく】

【──なにより剣士の男が近づくと、椅子に腰かけた男の周囲には黒い靄が現れるのである】
【もっとも、その中心に居る男は何も言わない。警戒の視線を向けることすらない】
【そう──この靄は、能力者にしか見えない。だから、もしも靄を警戒するのならば能力者だ、と分かるだろうし】

【逆にわからないか、そのフリをして近づけば──靄に触れた瞬間、おぞけが走るだろう】
【不快きわまりない。身体の不調、精神的な苦手意識などなど、その靄がよろしくないものであることを知らせるようだった】
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 12:18:15.72 ID:MUYV3hcTo
>>492

いいや、ナンバーズじゃあない。下から始めろ、とか言われてな
もっともそんなのは鬱陶しいだけだ、俺としてはさっさと番号がほしいところだ
誰かの推薦でもいるのか何なのか、俺もよくわかっていないんだがな……

じゃあなんだ、関係者ってほどじゃないのか
これから稼ぎに行くってわけだ。金持ちが多いとは聞いてるからさぞ…………────っ!?

【返事をしながら動きを止めない。能力者ではないせいで霞が見えていなかった】
【その”領域”に足を踏み入れた瞬間、剣士の言葉が止まる。表情が一変。全身に鳥肌が立つ】
【思わず足が動いた。ダンッ、と地面を踏みならして二歩分、後退。会話中にするはずのない、不自然な動きだ】


(…………なんだ、今のは。攻撃を受けたのか、何故だ?)


【冷や汗が頬を伝う。正体不明の攻撃、という認識だった。警戒心がありありと浮かんだ表情のまま、眼前の男を見ていた】
494 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 12:27:29.67 ID:F4jhf8YXO
>>493
ええ、まだ関係者では。ですがまあ、こうして髪もさっぱりしたことですし
どこかの軍服でも借りて、それらしく護衛に就こうかと、まあ。

【──足が止まらない。対抗手段があるのか、あるとすればそれは能力なのか】
【いや、止まった。引く──早い。剣士というのは伊達ではないらしい】
【なにより勘が良い。そう、勘だ。"能力者じゃあなさそうだ"と、呟いて】

……んん。無能力者にしちゃ、随分と良い反応だ
そんだけ巣の能力が高いんだったら、ナンバーズにでもなった方が機関のためだろうな。
なにせ、100ある枠の九割は空席なんだ。もったいないだろ、そんなのは。

──推薦してやろうか。嫌われもののNo.100のお墨付き、なんてのでよければ。

【靄はなおも消えていない。とはいえ、それは彼には見えないのだろうが】
【近付くことが利益にならないというのは分かっただろう】

【けれどそれ以上の言葉を男は吐いた。No.100──ナンバーズで言えば、末席だ】
【その男は"名前は?"と尋ね、返事の前に"ジルベールだ"と自らの名を名乗った】
【敵対的ではないが、相手を図るタイプ。確かに、嫌われものらしい性格をしていた】
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 12:37:51.98 ID:MUYV3hcTo
>>494


…………試したのか、俺を


【怖気が立った。能力に、ではない。自らが図られていたことに。そして何よりもそれに気がついていなかったことに】
【霞は見えていない。だからこそ、それ以上近づくことはしなかった】
【しかし遠ざかりもしない。何が起きているのかわからないからだ】


推薦、か
それは渡りに船だが……確かに嫌われるだろうな、”これは”

名前は、カルロスだ

【こんなことを初対面でしてくる男だ、嫌われ者というのは納得だった】
【ジルベール、という名前に偽名のカルロスを答える。そうしながらも警戒心は微塵も解かれていなかった】
【相手はかなり厄介なタイプだ。推薦してくれるのは僥倖だったが、こちらの活動を見破る危険性もある】
【ひとまず、相手の応答を待つことにした】
496 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 12:48:56.54 ID:F4jhf8YXO
>>495
そりゃまあ、な。そんな体格で大剣使うようなやつが
おまけに能力まで持ってたらこっちとしても"怖い"……そうだろ?

【『こっちもまだまだ死にたくないんでね』】
【と、そう語る口調は若干砕けたものになっていた。最初のそれが素だとすれば】
【今のは作り半分、素が半分というところか。にやりと笑って、視線を合わせ】

……で、あんたはどのナンバーが良いんだ?
今なら上位ナンバーだって選び放題だぜ。……あァ、No.3はだめだが。

【『ほらよ』といって見せるのは、先ほど電源を落とした端末の画面】
【所属するナンバーズの名簿らしいそれは、確かに白抜きが多く】
【目立つところでは先のNo.3である『カチューシャ』】
【そしてNo.29である『カニバディール』、そして末席に『ジルベール・デュボン』とあって】

ま、今いった通りこの空いてるところならどれでもなれる。
……つっても、それを回りが認めてくれるかは別だ
ましてや無能力者なら、圧倒的に相手を黙らせるなにかが要る。

……あァ、持ってたとしても俺には見せなくて良いぜ
こっちはナンバーがどうとか、どうでもいいからな。

【機関員にもいくつかの種類がある。忠誠を誓うもの、利用するもの、隷属するものなどだが】
【この男はどちらかと言えば利用する側なのだろう。どのナンバーでも、リスクを負えるなら選べ】
【その数字で推挙する、と口にして。しばらくすると疲れたように端末を下ろして、返事を待った】
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 13:07:13.65 ID:MUYV3hcTo
>>496

【こちらが機関員だと判明していても警戒する。そのことに驚きを覚えはしたが、むしろこちらの考えが甘かった】
【機関員だと示せば一定の信用が得られると一方的に考えていた。それを改める必要があった】
【素を半分見せるジルベールに対してカルロスの警戒は未だに解けない────過剰な反応に、見えるか】

【端末の画面に目を落とす。ジルベールは目の前に。カニバディールの名は先日、赤崎という研究員から聞いた】
【そして────No.3『カチューシャ』】
【小さな声でその名を口にする。端末を見る表情には複雑な感情が浮かび上がっていた】


……俺も、ナンバーがどれ、なんてのはどうだっていいんだがな。上位ナンバーの方が箔はありそうだが
で、そういうお前は? ナンバーがどうでもいいのなら、何故ナンバーズなんだ?


【どうでもいい、と言いながら端末上の画面を適当に指差す。それがNo.30を当てれば「これでいい」などと言う】
【ナンバーよりも重要な目的があった。それはジルベールの目的を知ることだ。公安との関係性を知る必要もある】
【理由を今思いついたかのように尋ねる。が、これは事情を探るような行動だ。果たしてどう見えるか】
498 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 13:11:06.33 ID:MUYV3hcTo
>>496
//すいません、昼飯の調達に行くので次遅くなります!
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 13:15:10.41 ID:F4jhf8YXO
>>497
【カルロスと名乗った彼がNo.30を指差せば、しばし端末をいじりまわし】
【『申請はした。なにもなけりゃ──』──二日後には、正式にナンバーズだという】
【あまりにあっさりした対応。頓着しないからといえば、運がよかったのかもしれないが】

何故ナンバーズなのか……そりゃ、大半の連中より上に立てるからだ。
上は実質六罪王、そしてスペルビオとかいう嘘臭えトップだけ。
動きやすく、情報が入ってきて、待遇もいい。便利だろ?

それに……ナンバーズは1から100まで数字があるが、これは序列じゃない
そう見られがちなのは事実だが、実質入ってくる情報や使える権利は同列だ

──だったら雑魚に見られたい。その方が、生きやすいもんな?

【すなわち、あえてNo.100を選んでいる。そう取れる返事をした】
【曲者、なのは間違いないだろう。だが同時に打算的で、あまり感情で激動するタイプでもないように思える】
【尋ねるなら、円滑な会話ができるようになってきた今か──ジルベールは、なにごとか携帯を弄っていた】
500 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 13:31:09.79 ID:tBPECx2/0
【潮風が肌を刺激する。肌を刺す冷たさでは無く、あくまで肌を刺激する程度の爽やかさ】
【鴎が鳴き、呼応するかのように電子汽笛が鳴り響く。大海原を往く白亜の城郭の如き大型船。少年は今、海路で大陸を渡ろうとしていた】

【輸送用タンカーと見紛う程の巨体。40ノット近い速度で航行する為の爆発的なエネルギーを生み出す機関部。大型敵性海洋生物の衝突にも耐えうる強靭なフレーム】
【そのどれを取っても規格外と称する他に無いこの最新鋭大型船舶「デウス・エクス」は、旧来の手段である海路を一挙に空路に並ぶ流行りの選択肢へと押し上げた】
【船内には豪勢な客室に加え、乗客が集いパーティーや式典を開くことの出来る大広間。モーニングからディナーまでを請け負う高級レストラン】
【甲板には各国の多種多様な酒類を楽しめるバー。日光浴や海原を一望出来ることから乗客同士の交流の場としても人気が高い】

【そんな完全無欠の巨神と称するに相応しい船舶のデッキ。皆が談話やボードゲームを楽しむ隅に、少年はひっそりと佇んでいた】
【白いシャツに黒いベスト、黒いズボンとタイトな格好。くすんだ白銀の髪に榛色の瞳。鋭く中性的な顔立ちだが、顔色は些か青みがかっていた】


後二日か……随分と長旅をしてきた気分だ……
まさか船旅がここまで過酷とは……無理にでも飛行機を取るべきだった……


【少年は、端的に言えば船酔いをしていた。生まれてこの方乗り物に乗ることなど滅多に無かったのだ。船に乗ることも勿論初めてだった】
【初めて船に乗り、初めて船酔い≠ニ言う感覚を知る。これは彼にとって貴重な経験であり、今後船酔いをした時に『これは船酔いだな』と理解する為に必要な段階だ】
【尤も、船酔いであると言うことを理解した所で、それが三半規管を過度に刺激されたことによる失調状態であることに変わりは無いのだが】


次の国は、どこにするか……火の国……砂の国でも良いかな
ひとまず、人の多そうな所に行ってみるか……


【グラスから伸びるストローを咥え、透き通った赤紫色の飲料を口に含む。葡萄だの蜜柑だの、諸々の果汁を混ぜて作った特製のジュースだと言う】
【無料で配られていたそれを体調を整える糧にしながら、彼は茫洋と広がる大海原をぼんやりと眺めていた】
【騒がしく、喜々として笑う人々とは外れ、ハレであるこの場に於いては異端であるケの雰囲気を纏いながら、ただぼうと景色を眺める彼に関わろうとする者などいるだろうか?】
501 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 13:32:54.91 ID:F4jhf8YXO
>>498
/おっと了解です、どうぞごゆるりと!
502 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 14:26:52.95 ID:ZWRwR60p0
>>500

――――もし、お兄さん?

【声がする。小さいけれど芯の通った、聞き取りやすい音色】
【少年が声のしたほうを見たなら、そこには少女が立っている。小柄で細い、か弱そうな子だった】

【肩甲骨を覆うほどまで伸びた髪は白。肌色も似たようなもので、瞳すらそれに近い灰青】
【服装は白や黒や紺、落ち着いた色合いで纏めた清潔そうなもの。全体的に彩度の乏しい出で立ちで】
【特徴らしき特徴と言えば、長く伸ばした前髪で右目を隠していることか。そんな感じの、希薄な存在感】

御気分、優れないですか? 酔いました?
でしたらあの、よく冷えたお水とか……持ってきましょうか、
それとも医務室に行って薬でも貰ってきましょうか?

【波に乗って揺れる船上にいるのはこの少女も同じことなのに。彼女はけろっとした顔をしていて】
【風が吹けば折れてしまいそうな外見をしているくせに、なんともなさそうだ。慣れているのだろうか】
【眉尻を下げ、心配そうな表情をしながら――一歩、二歩と少年に近付いてくる】

//いらっしゃられましたら是非〜
503 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 14:38:08.34 ID:MUYV3hcTo
>>499

【あっさりと、なんて印象さえ持つ。ただ端末を操作して申請するだけ、とは】
【それも現役のナンバーズがやったからだろうか。その簡素さに少し意外そうな表情を浮かべていた】


生きやすい、か。狡猾なやつだな、お前は


【本当に、厄介な相手。そう思った。情報を聞き出すことを躊躇わせるほどに】
【それでも今はチャンスだった。少なくとも会話ができている。流れ的に不自然でもない──はずだ】
【内心の緊張を押し隠しながら、次の質問へと移った】


情報が入ってきて待遇がいい、ときたか。これで俺もナンバーズのはずだから、その良い立場に立てたわけだ
しかし、その立場で何をするかってのが問題だろう。俺は暴れられればそれでいいんだが……
そのあたり、お前はどうなんだ? ナンバーズとしてどういう活動を?


【一歩ずつ、慎重に話の流れを動かす。肝心な部分を尋ねても不自然にならないように】

//ただいま戻りましたー
504 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 14:46:13.11 ID:tBPECx2/0
>>502
【青く、遥か彼方で空と溶け合って尚広がる海原を眺めていると、どうしようもなく自己の存在がちっぽけに思えてくる】
【広大で、偉大な景色を目にすると、どうしても自身が常々見ている景色との乖離に戸惑い、そして世界の大きさを認識せざるを得なくなる】
【今にも水底に意識が吸い込まれてしまいそうになった時、目の前の世界に引き戻すように声が届いた】

ん……?
いや、少し調子を崩したので風に当たっているだけだ。心配せずとも問題無い……

【見れば、声の主は彼よりも歳の低そうな一人の少女だった。少女が一人でこんな船に乗っているなんて危険では、と思ったが年齢的には自分も同様】
【少女の纏う雰囲気は不思議と周囲と一体化するような、どうにも個としての気配が薄いような、それでいて他とは違う確固たる気を纏っていた】

【答えた後で手に持ったグラスを見やる。既にジュースは飲み干され、口に含む物は一つも無い。そして、もう少しだけ体を冷やしたい所だった】

すまない……もし良ければ、水でも頂けるだろうか?
飲んでいれば落ち着くだろうから

【少女にそう頼むと一つ深呼吸をする。先程よりは幾らか体調がマシになってきた。後一杯程の水があれば、問題無く活動出来るだろう】
505 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 14:56:29.63 ID:ZWRwR60p0
>>504

わかりました。水ですね? 少々お待ちくださいね……

【それだけ言って、少女は踵を返す。ぱたぱたと小走りで船内へ向かい】
【――数分後。よく冷えたミネラルウォーター入りのペットボトルを――何故か「二本」】
【手にして帰ってきた。そのうち一本を手渡して】

……ええと、ちょっと、ちょーっとだけ動かないでくださいねっ……
大丈夫です大丈夫、危ないことはいたしません、のでっ……

【……もう一本。それを手にしたまま、そろそろと少年に近付いて】
【背伸びする。腕を伸ばす。そうしてボトルを持った手を、少年の顔のほうへ近付けたなら】


――――――でりゃあッ!!


【 ※ 掛け声 】

【何とも勇ましいそれとは裏腹に、動作は最小限。ようく冷えたボトルを、少年の首筋に押し付けるだろう】
【それだけのことだったが、何せいきなり大声を上げられたのだ、多少は吃驚するかもしれないし】
【なにより、いきなり冷たいモノを皮膚に押し付けてきたのだ。素っ頓狂な少女の動作に、少年はどうリアクションするだろう――】
506 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 15:03:33.07 ID:F4jhf8YXO
>>503

【『狡猾なやつ』という言葉を聞いて、それを好意的に受け止めたのだろう】
【くすりと笑ってから携帯を弄るのを止めて、背もたれにゆったりと体を預け】

まっ、そういうことだ。希望すりゃ部下もつくし、研究所やら基地やらも手に入る。
機関っつーのは力の悪党にとっちゃ、本当に便利なところだぜ?
やりたいことは何でもやれる。その代わり、警察やUTには身分がばれた瞬間に追っかけ回されるがな

……で、どういう活動、ね。そりゃ難しい質問だな、俺は結構手広くやってる。
金貸し、カジノ経営、職業と住居の斡旋、正義気取りを見かけたら殺す。
まあでも、ここ最近一番熱いのは──"公安"だろうな

【『国を守るはずの"公安"が勝手に動いている、これが怪しい』】
【『能力を無効化する力を持った"婦警"がいるが──』】
【『所轄の警察署に聞きに行ったところ、婦警などはいないと追い返された』】

【──そういった大まかな流れを話しつつ、狩るべき組織もいないはずなのに、と付け加え】

勝手にやつらが動いてるってのは、なんかしら裏がある。
それがどういうことであれ、国の組織だ──国を揺さぶるチャンス、と俺は思ってる。

【『そういうわけで色々と調べてるんだが』──お前はなにか知らないか、と】
【そう尋ねかけた。"公安"に関しては、ジルベールという男は敵対心を持っているらしかった】

/おかえりなさいまし〜
507 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 15:14:39.05 ID:tBPECx2/0
>>505
【戻って来た少女の手には何故か二つのペットボトル―――――二つ? 自分が飲む為の物かな?と思いつつ】
【手渡されたペットボトルを快く受け取る。ひやりとした感覚が手の平から手首、腕へと駆け昇って来る。自律神経失調の解消には冷や水を掛けるのが良いと言う】
【頭を冷やすと言う言葉通りの対処法だ。実際、冷えたジュースを飲んでいると随分と良くなった】

ありがとう。本当なら、俺が自分で取りに行くところなんだが……
えっ? 動かな―――――

【突如として放たれた一撃。暗殺される覚えは無い筈だが、どこかで誰かの恨みでも買っただろうか? 随分と前にウェインと叩きのめした破落戸共とか】
【いや、そんなことはどうでも良い。重要なことは今、凄まじい速度で冷え切ったボトルが迫っていることにどう対処するかだ】
【冷えた感触が頬を伝い、反射的に後方へと仰け反る。だが、ここは甲板の端≠ナある。そう、後ろは手すり、そして――――大海原!】

【咄嗟に仰け反った身体を船側へと引き戻す。一瞬、宙に浮く感覚がした。胃がフワッと浮く感じのあれだ。後に残る気持ち悪さのあるあれだ】

待った! 待った待った!
……何をしているんだ? 危ないことは……直接的では無いが結果的にかなり危なかったと言うか……
とにかく! 一体なんでこんなことを?

【思いがけない行動にもさして怒ってはいない様子。彼もこの世界に、と言うより能力者の世界に段々慣れて来たか】
【毒されてきたと言った方が良いかもしれない。それでも、ひとまずは少女の頓珍漢な行動の理由を聞く事が先決だ】
508 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 15:18:37.84 ID:MUYV3hcTo
>>506


────”能力を無効化”だと!?


【ジルベールの語った内容にカルロスは驚愕の表情を浮かべた】
【未だ嘗て、そんなことを行なったものなどいない。能力の無効化が可能ならば──】
【カルロスが顔を俯かせる。何かを思い悩むような、そんな表情を浮かべていたが】

【ジルベールに尋ねられると「公安、か」と言って考え込む】
【再び難しい状況に立たされていた。公安に敵対心を持っているならば強力な協力者となってくれるかもしれない】
【しかし目的がいささか異なる。片や国の安全、片や国を揺さぶるチャンス。安易に言い出していいものか──】


…………公安については、俺も調べている
奴らの背後には”何か”がいる


【慎重に言葉を選ぶようにして質問に答えた】
【何か──それは機関のことだ。しかし機関であることを明言することは憚られた】
【国を揺さぶるチャンスだと考えているのなら、むしろその背後にいるのが機関だと知られるのはマズイかもしれない】
【とはいえ、何かを知っていて隠している様子なのは分かりやすい。ぼかしながらジルベールの反応を伺うが──】
509 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 15:23:48.71 ID:ZWRwR60p0
>>507

あっ、あっ、あわわ――――っ、あぶなっ!

【少年が仰け反ると同時、少女も前につんのめった。ボトルを押し付けようとする手が空を切る】
【そうして手すりに腹を乗せるような体勢になって――少女も大海原を、灰青の瞳に映す】
【きゃあっと悲鳴。一瞬だけ足がばたついて、すぐに地面に着いたなら、慌てて身体を引き戻し】

……はあっ、はあっはあっ……う、動かないでって言ったのにっ……
な、なんでと言われましても、その……わ、私なりにあなたを気遣ってのことと言いますか、
ご存知ないです? 首筋をこう、冷やすとですね、何でしたっけ……ふくこーかんしんけー?
とにかくそういうアレがアレして、乗り物酔いによく効くんですっ、決して危ないことではっ……

【ぜえぜえと肩で息をしながらも、青白くなった唇はくるくるよく回る】
【ボトルを自身の首筋に当ててみせながら、なにやら必死に説明してみせたけど】
【……それにしたっていきなりやることじゃあないだろう。そんな感じで】
【文句のひとつふたつ、それ以上を浴びせる権利が、少年にはあるはずだ】
510 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 15:32:06.16 ID:F4jhf8YXO
>>508
ああ、そうだ。現に俺の協力者が一度やられててな
なんでもでかいロボットが現れて、妙な光をピカッとやられて
……で、気づいたら能力が使えなくなってたと。

かれこれ何日か忘れたが、数日単位で使えなくなってたぜ

【それが"婦警"だと、協力者の体験談をそのままに語る】
【能力を無効化する力。それが事実なら、驚異的だ】
【カノッサ機関の実質的な頂点に立つ六罪王ですら、窮地に陥りかねない切り札でもあるだろう】

【が、ジルベール自身はそういう相手をさほど重要と思っているようには見えなかった】
【淡々とした語り口には、倒してやりたいという仄かな殺意こそ覗いていたが】
【絶対に俺が、であるとか、そういう強い意思は感じられなくて】

なんだよ、"なにか"って。……いや、もちろん分からねえからそういってるんだろうが
お前なりの推理ってのを聞かせてくれよ、カルロス。

【さて、"公安"の裏とはなんなのか。ジルベールから言わせれば、それは大きく国、だったが】
【また違った答えを持っていそうな口ぶりに、問い詰めるというよりは尋ねかける】
【そんなニュアンスで言葉を返した】
511 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 15:38:03.64 ID:tBPECx2/0
>>509
なるほど?

【つまり、善意による行動であったと言うことだ。それは水を持ってきてくれたことからも伺えるのだが……】
【善意による行動であわや大惨事、なんて洒落にもならない。海の藻屑とならなかったことが幸いだ】

確かに……冷やせば酔いが治るとは聞いたことがあるが……
けれど、場所は選んだ方が良い。今みたいに海に落ちかけると危ないだろう?
こっちを思ってしてくれたことは素直に感謝してる。今度からは、気をつけること

【子供を嗜めるように言う。年下に関わったことが余り無い為、これで合っているかどうかはわからないが】
【少なくとも、年下を叱る時は感情的になってはならないと、いつか読んだ本の地の文に書いてあった】
【そして、手渡されたペットボトルを開けると、よく冷えたミネラルウォーターを口に含み、飲み込んでいく】

そう言えば……名前を聞いていなかった
俺は鳴神 義勇と言う。義勇と呼んでくれて構わない。君は?

【恐らく、先程の危機一髪体験が効いたのだろう。水を飲まずとも彼の酔いは既に醒めているようだった】
【案外、突然の行動が功を奏することもある。少女の行動は一応、成功と呼べるだろう】
512 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 15:47:43.96 ID:ZWRwR60p0
>>511

……む、確かにいきなりすぎました。すみませんでした、
でも動かないでとは言いましたので……先に動かれたのは其方ですし……

【ぶつくさ。言いながらも視線は斜め下に、申し訳ないとは思っているのだろう】
【そんなこんなしながらも自身もボトルの口を開けて、傾ける。細い咽がわなないた】
【何口か嚥下してから、ふうと息を吐く。そのころにはもう、息も落ち着きを取り戻して】

義勇さん。響きからして、櫻の方ですか?
でしたら同郷ですん、私は佳月。白坂のカゲツと申します。
義勇さんはどうしてこの船に? 私は単なる旅行でやって来たのですけど――

【「ちょっとばかし贅沢しちゃいました。すごいですよね、この船」】
【言いながら、手すりに寄りかかり直して。小首を傾げて笑うのだった】
【船酔いもしていなさそうだし、身なりも軽やかで落ち着き払っている】
【もしかしたら旅慣れしているのかもしれない。貧弱そうな娘なのに、内側はそうでもないのかも?】
513 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 15:51:45.31 ID:MUYV3hcTo
>>510

【なにかとは何か──当然の質問が返された】
【カルロスは明らかに言い淀んだ。聞かれたらマズい、とまではいかないが、言うかどうか悩んでいるように】


俺の推理、か
確証はないんだが……そうだな
国を揺さぶるチャンス、なんだろ。だとしたら裏にいるのはそうなって喜ぶ連中だ
当然そいつらは公安には協力してるだろう。あるいは国を揺さぶってるのは公安が主体、とも考えられるが……

そういう連中が裏にいるとしたら、お前はどうする?


【カルロスの答えはいささか明瞭さに欠けるもの、かもしれなかった】
【言わんとしているところは、つまり裏に立つ何かが国を揺さぶっているか、公安自体が国に対して行動を起こして裏に立つものがそれを利用しているか】
【いずれかが考えられるが、その場合に今後はどうしていくのか、と問いかけていた】
514 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 16:02:34.34 ID:F4jhf8YXO
>>513
【相手の答えは明らかに明瞭さに欠けていた。だが、それを咎めることはない】
【回答の仕方など千差万別であるし、こうだと言葉を選んだ相手に再回答を求めた所でなにも変わらない】
【ならば。まあ、いいか──ふぅ、と吐息を漏らして、わずかな間を置き】

潰す……いや、"乗っ取る"だろうな。

どんな組織にも弱点はある。例えば、機関なら罪神って奴の首がそれだ
公安なら、国をこっちの味方につければいい。
だがそれは現実的じゃないからな──動いてる理由を突き止めて、その証拠を押さえる。

……押さえた証拠を大々的にばらしてほしくなければ、ってな。
当然ながら、木っ端の連中はそんな秘密は知らねえだろうが……辿ってきゃ、必ず獲れる。

【そう確信しているというように、すっぱりと言い切って言葉を終えた】
【それに対する相手の反応はどうだろうか。──なにか隠しているのは感じている、が】
【自ら提示してくるか、こちらから引きずり出さねばならないか。それを量っていた】
515 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 16:03:43.07 ID:tBPECx2/0
>>512
【先に動いた所にやたらと執着する辺り、少女はかなりの変人なのかもしれない】
【そうだとして、態度を悪くすることも、苛立ちを見せることも無い。変人には慣れているし、そもそも自分も変わった人≠ナあるからだ】

あぁ、生まれも育ちも櫻だ。そうだったのか、櫻には中々いない姿だからそうとは思わなかった
俺は……旅をしているから、この船に乗って次の何処かに向かうんだ

【櫻には中々いない、と言えば彼もまた櫻では珍しい姿なのだが。もしや櫻は黒髪黒目が多いと言う話は迷信かもしれない】

【旅、と言うよりただ流れているだけかもしれないが、それでも彼にとっては立派な旅だった】
【自分探しと言えば聞こえは良い。だが、その実自分を探すだけでなく、世界を多方向から眺め、観察し、理解する為の旅だ】
【ミネラルウォーターをぐいと飲み干し、息を吐くと少女を眺める。か弱そうな見た目に反し、随分と旅慣れしている雰囲気だ】

白坂。君は一人で来ているのか?
俺よりも年若いように見えるが……随分と慣れているんだな

【事実、少女にしては図太い。精神も、行動力も、かなり経験を積んだ雰囲気を纏っている】
516 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 16:10:12.03 ID:tBPECx2/0
/申し訳ない……次のレス少々遅れるかと思います。なるべく早く戻ります!
517 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 16:15:47.73 ID:ZWRwR60p0
>>515

次の何処か。と言いますと、まだお決まりではないんですか?
放浪の旅というやつでしょうか、それも中々楽しいですよねえ――

【まるで「したことがあります」とでも言わんばかりの口振り。未だ中身の残るボトルを揺らしながら】
【さらさら、潮風に揺れる無彩色の髪を片手で留めていた。懐かし気に目を細め】
【問われれば、んん、と咽を鳴らした。ちゃり、と微かな金属音を付随させて】

ええと、正確にはひとりではないですけど……まあ、ひとりではありますね。
旅行が趣味なんです。いろんな国の有名な場所を見て回るのが好きでして。
……義勇さん、次に行かれる場所の目星は付けてらっしゃいますか?

【「行ったことがある国でしたら、おすすめの場所、教えますけど」】
【そう気軽に口に出してしまえる程度には、慣れているようだった】
【ボトルを傍らに置いて、ポケットから携帯端末を取り出す】
【すいすい指を動かして、地図アプリを起動している様子】
518 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 16:16:02.42 ID:ZWRwR60p0
>>516
//承知しました! ごゆっくりどうぞ〜
519 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 16:19:23.72 ID:MUYV3hcTo
>>514

【潰すなり乗っとるなり──いずれも、そういった組織がいるならば敵対する、という答えだった】
【言葉に嘘はないか、推し量るようにカルロスはジルベールを見つめていた】
【この答えが嘘ならば明かしてしまうのはかなりマズイ。が、後に引くには少し遅いようにも思えた】


……なるほど
俺が思うに、裏にいるのは機関だ
証拠があるわけじゃあない……むしろ、それが必要な状況だろう


【嘆息混じりに、諦めたかのようにその”推理”を口にした。あくまで推理として】
【情報源まで語るつもりはなかった。その必要は恐らくないだろう】
【仮にこの部分に切り込まれると、またしても答えに窮することとなってしまうが】


で、だ。お前はどうにも公安が気に入らんらしいな
ナンバーズに推薦してもらったこともあるし、何なら情報収集なんかを手伝ってやってもいい
俺も何かしらの実績はほしいところだしな……


【すぐにカルロスは協力を申し入れた。建前としては礼がてら、と言ってはいるが】
【受け入れるかは、つまり信用するかはジルベール次第だ】
520 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 16:34:38.69 ID:F4jhf8YXO
>>519
【『──ほう。』と、ジルベール・デュボンの答えはごく単調だった】
【それもまた予想はしていた、そう言いたげなほどのあっさりとした言葉】
【だが、確証もなにもない。単なる予想だったものが形を得た、という所なのだろう】
【組んでいた腕を解いて、深々と腰かけていた椅子から立ち上がり】

そりゃ"長老派"とかいう連中のことか、それとも別の派閥か?
……いや、あくまで証拠もねえなら知るわけねえか。

いいぜ、なら協力しようじゃねえか。機関、なんていっても一枚岩じゃねえ
ここは信頼できる奴同士、少しでも生き残る公算を上げたいところだ
……公安食ったら、あんただって六罪王くらいなれると思うぜ?

【あっさり、と。差し出した手は、間違いなく握手を求めるものだろう】
【それは古今東西において信頼関係を築くきっかけとなる行為であったし】
【どこかギラギラとしたジルベールの瞳は、そういう意味では純粋で、怪しい要素はあまりなかった】

【なにより──近付いたのだ。そう、先ほどは不快感を覚えたあの距離に】
【そして相手の剣の間合いに自ら踏み込んだ。それもまた、信頼の証でもあった】
521 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/04(日) 16:35:03.12 ID:oRMzN9cs0
『光を絶ち、光を得よ。』

【火炎樹の森・入り口】
【30代後半ほどの女性が運転する1台の車が、付近に止まる】

『ご武運を』

【そして助手席から降りてきたのは40代半ばほどの男性だ】
【身長182cm、きりっとした黒っぽい茶色の眉毛、ややたれ気味で奥二重な褐色の眼】
【眉毛と同色だがところどころに白髪の混じった頭髪、そしてスーツ……風のジャージ、茶色のウェストポーチ】

「皆様、それでは早速向かいましょうか」

【――それは少し前のことだった】
【ブレイザーシティの市長が、ある依頼を力ある者に向けて出したのだ】
【内容は至ってシンプル。火炎樹の森にて"光り輝く水晶の獣の討伐"である】
【その依頼を請けた者は、当日"市役所前"への集合を命じられる――だが、これを無視しても現地で合流できれば問題ない】

【――光り輝く水晶の獣とは?】
【今からおよそ500年ほど前、平和だったとある村に突然、凶暴な魔物が現れた。
 その魔物は薄笑いを浮かべながら楽しそうに、そして理由もなく村を焼き尽くした。
 これ以上被害を拡大させないため、人々は様々な力を結集して獣を2つに分け封印した。
 だが、封印は永続的なものではない。いつの日か、本当に獣を殺さねばならぬ時が来るのだ。】
【出典:よくわかる歴史の本・◯ページ・右下コラムより抜粋。なお、この魔物が光り輝く水晶の獣だと確定するには別資料が必要】

【さて、当日、市役所前に訪れれば……市長から挨拶と依頼内容の再確認をされた後】
【画面の付いた腕時計型のデバイス、飴を渡されるだろう(現地集合の者は合流したタイミングか前述の女性から渡される)】
【前者は、地図・目的地への方向及び場所・他のメンバーの場所を表示するもの】
【後者は、火炎樹の森に足を踏み入れるための耐火服の代わり。一時的に、暑さや熱に強くなるハッカ味の飴だ】
【他、兵器の貸出希望についてもこのタイミングで一度聞いてくる】

【そして、それらが終われば車による移動を始める。そうして、火炎樹の森の入り口までやってきた】

「途中、兵器などが必要になりましたらお申し付けください」
「それと……森の中を1時間程歩きます。道中には危険が多く潜んでおりますので、ご注意ください」

【森の中へと足を踏み入れる市長。その頭頂部に落下するキノコ】
【市長はキノコ周りの頭皮を押さえつつキノコを引っ張る、取れない、引っ張る、取れない、引っ張る、取れ……!?】
【あろうことか、全ての頭髪ごとキノコが取れてしまう。そこには不毛の大地が広がっていた】

「……こんな感じに、ですね」

【何事もなかったかのように頭髪とキノコを分離させ頭髪を再装着し、そしてキノコは遠くへ力強く放り投げられた】

【(道中、別行動をしても問題はない。寄り道をしまくろうとも、目的地に集合さえできれば良い。)】

/続きます
522 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/04(日) 16:35:52.03 ID:oRMzN9cs0
>>521

【市長がポーチから取り出したのは、プラスチック爆弾の一種だ。それを水晶に設置してゆく。】
【しかしこのポーチ、明らかに容量がおかしい。設置中の爆弾を全て回収してポーチに入れたとすれば、間違いなく入り切らない】

「起爆するので離れてください」

【様子を見つつ水晶から離れ、爆弾を爆発させる市長】
【天井が崩れ落ちるんじゃないかと思わせるほどの爆音、そして飛び散る水晶、舞い上がる砂埃】

【やったか? ――やってない。】

【砂埃が晴れれば、水晶があった位置に……体高(ここでは脚から肩までの高さとする)が1.5メートル程の、何かが立っているのだから】

【間違いない、それは光り輝く水晶の獣だ。光り輝く流体のようなもので構成された身体と、それの一部を覆う水晶。】
【――その形を簡潔に述べるならば、腕の生えたキリン。】
【体高と同程度ほどの長さがある首、がっしりとしていて翼としても機能しそうな2本の腕】
【腕としても機能しそうな前脚、首と同じくらいの長さでトカゲのような尻尾】
【手足、首下から腹部、(想定される)背骨のライン周辺、尾先、そして頭部を覆うのは水晶の鎧】
【鎧がなければ太いミミズにも見える頭部がこちらに向けられる】

【さて、ここで先手を取るか、それとも――】

/投下文長くてすみません、次からは逆に短くなります。
/あと、過程を色々省略した関係でその辺りが確定描写っぽくになってますが、別の方法で来てもらっても大丈夫です。それこそ通りすがりでもOKです。
523 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 16:43:32.56 ID:tBPECx2/0
>>517
決まってはいないと言うより、決めていないと言う方が正しいか

【少女の問いに、どこか曖昧な答えで返す。決めると決めないの違いは様々だが、一番の違いは流れに身を任せる所だろう】
【物事には流れがある。流れはある程度決まっているが、流れていく先は自分で決めることが出来る。舵を切れば良いのだ】
【しかし、彼はそれをしない。舵を切らず、ただ船に乗るだけ。流れていった先で、思いがけない物がある。すると思いがけない経験となる】
【彼はそちらを選んだのだ。その方が、得られる物が多いと踏んで】

【やはり旅の経験があるのだろう。少女は見た目よりずっと経験豊富だと言う事が言葉から伺えた】

正確には? けれど、一人なのか
色々な国を見て回るのは、確かに楽しいな。その先で出会った人も、知ったことも、どれも貴重な物になる
ある人に「世界を見ると良い」と言われた。それから、世界を見ることが好きになったんだ

【何気ない言葉だったのかもしれない。しかし、何気ない言葉が、何気ない出会いが、今の彼を作っている】
【それは輝かしい事実だ。伝えられた言葉を、思いを失うことは決して無い。真に誰かに奪われることも、決して】

目星は付けていないな……元々、何処とは決めずに進んでいく
なら、君のお勧めする場所を教えてくれるか? 俺も、そこで何か知ることがあるかもしれない

【携帯端末を取り出した少女を見て、どうやら各国の情報を調べてくれているようだった】
【ならば、今はこの流れに沿っていくことにしよう。彼は少女の返答を待つ】
524 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 16:46:34.95 ID:MUYV3hcTo
>>520

【単調な答えを聞いて、安堵したかのように息を吐いた。少なくとも厄介ごとに発展はしなさそうだ】
【今は、だが。ジルベールが具体的にどう公安を利用していくかは、まだわからない】

【近づいてきたことに驚いた表情を浮かべる。間合いに入ってきた。確かに、それはある種の信頼を表すことになるだろう】
【だが────”機関員が殺せる距離にいる”という事実は心をざわつかせた。右手が震え、剣を取れと何かが語りかけてくる】
【今はまだそのときではない、と言い聞かせる。僅かに溢れた殺気を、ジルベールは感じ取っただろうか】


六罪王、か。悪くない響きだが、それは今後次第といったところだろう
じゃあ今から俺とお前は協力関係ってわけだ。よろしく頼む、ジルベール


【その手をカルロスは取った。機関員と自警団員が協力する、という奇妙な状況が生まれた】
【もっともジルベールは恐らくそのことを知らないのだろうが】


それでその長老派とかいうのはなんだ?
入って日が浅いせいで、初めて聞いたんだが


【重要そうなワードを取り上げて、再びカルロスは質問を投げかけた】
525 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/04(日) 16:51:21.97 ID:qF2fwQtj0
>>521-522

【森の入り口に停まったその車から、金髪の青年が降りてくる】
【ご武運を、という女性の声に、ひらひらと手を降って返すその姿は、あまり「力ある者」にも見えないが】

──いや、参った。
名前の通り、随分暑いところだね。

【柔和な顔立ち。整ってはいるが、どこか芯の強さも感じさせるような】
【ただ、眉根を潜めてぱたぱたと襟口を仰いでいるその様は、今から魔物討伐、という気負いを感じさせない】

【暑いと言いながら、白銀の外套を身に纏う。腰には刀と西洋剣、二対の獲物を交差させるように差している】

……さて、今回同道するのは、市長さんと、僕と、誰だったかな……

【市長の頭部は努めて見ないようにしながら、そんなことを呟いていると】
【どうも話の早そうな市長が投げた爆弾が、水晶を砕いたところだった】

おお。
まさにモンスターハント、ってところかな。
ランクの高い魔獣だ、油断は出来ないぞ……!

【先手は取らない。まずはキリンがどういった所作を取るのか、見‘けん’に回る】
【高ランクの魔獣はまさに災厄だ。人の子ひとりなど、気まぐれのブレスで消し飛び得るのだから―――!】
526 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 17:07:25.69 ID:F4jhf8YXO
>>524
【殺気については──ジルベールは、気付いた様子は見せなかった】
【それはちょうど、無能力者であるカルロスが黒い靄に気付かず】
【そのまま踏みいってようやく気付いた、そのときのような"自然な様子"であり】

【──やがて何事もなく手を離せば、続けて胸元から名刺を差し出す】
【名刺といっても、名前や肩書きは載っていない】
【乗っているのは連絡先。それだけというのを見ると、よほどの秘密主義なのだろう】
【思えば、他の協力者についても語っていない。すべてを手元で管理したがる相手、らしく】

『長老派』か……いや、詳しくは俺も知らねえ。
だが、簡単に言えば混沌を望むクソジジイってとこか。

機関の派閥のひとつで、秩序を嫌う偏屈な連中っつーか……
公安と繋がりがあるとすりゃ、そういう奴等しか思い付かねえからな
生憎と俺も古株じゃねえ。その辺り、気になるなら"データベース"でも漁ってみたらどうだ?

【ナンバーズとして正式に認められれば、機関側から自然と接触がある】
【そこで受けとる端末から入ることのできる、機関の情報集積所】
【それが"データベース"だと説明をして、髪を撫でながらくるりと背を向け】

……さて、そんじゃ俺はシャワーでも浴びてくるとするか。
あとは……アンタの方から、なんかあるか?

【敵対組織を潰す、乗っ取る。いつかは国を脅して見せる】
【そう口にするにしてはのんきな台詞を吐きながら、無防備な背を見せたまま】
【肩越しに視線をカルロス、と名乗った男に向ける。なければ、と──その瞳はどこか、楽しげであった】
527 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/04(日) 17:07:54.43 ID:3m87jIoH0
>>521-522 >>525

【ある種の怪物にとって――[ピーーー]こと≠ヘ、食事や睡眠に近い本能として認められる】
【それは発散しなければいずれ身を滅ぼし、かと言って駆られるままに振りかざせば周囲に累が及ぶ、不可避の爆弾だ】

【ラピス・アン・グイスは、そういう自分の性情を痛い程に理解している。だからこそ、ここに来た】
【向こう数週間分の破壊衝動を満たして、暫くはおとなしい人間の少女として目下の『事態』と向き合うために】
【そして、この頃本格的な能力者との戦闘を欠いて鈍っていた体のギアを、衆目につかない場所で上げていくために】


なるほど。想像していたよりもずっと、救いがたい雰囲気ですね。
……「バケモノにはバケモノをぶつける」とは、よく言ったものです。

【髪を留めていた蝶のバレッタを取り去って、懐に収める。水晶の獣を見つめる視線は、侮蔑とも憐憫とも取り難い】
【ラピスはその菫色の瞳で、ウェインと市長を順番にちらりと見やった】

ウェインさん、でしたよね。私は通りすがりのラピスです。
はしたない戦いぶりを見せてしまうかもしれませんが……どうか、ご容赦ください。

それと……市長さん。ここからは――危ないですよ。

【腰を低く構えながら、魔獣に向き直る。彼女の黒い艶髪は、心なしか強く波打って見えた】
528 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 17:12:39.81 ID:ZWRwR60p0
>>523

決めてない、ですか。
それでは旅の目的も特には決めていないということで?

【ぱち、と目を丸くして。驚いたような顔を示す】
【綺麗なモノを見に行くという、ぼんやりしているようでそうでもない指針を立てて旅をしている】
【そんな自分とはまた違った旅人なのか。そう感じて、少女は感心しているようだった】

……ええ、とても楽しい。知らない人、知らない場所、すべてが新鮮でキラキラしてて、
新しいものに触れることができてうれしいなって思うと同時に――故郷も懐かしくなっちゃったり、しません?
こう、他のものに触れて初めて、今まで持ってたものの大切さとか、また違った側面とか。
そういうのに気付かされるのもまた、旅の醍醐味かな、っても思うんですけど――

【「どうでしょう、私だけでしょうか」。誤魔化すように笑いながら】

ええと……そうですね、おすすめと言ってもいろいろありすぎて……
うーんそうだなあ……義勇さん、大自然と大都市。どちらのほうがお好みですか?
どっちを選ぶかでまた、行先も変わってくるかと……。
529 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 17:18:21.82 ID:MUYV3hcTo
>>526

【機関員の名刺を受け取るのはこれで二度目だった】
【自警団の自分が、と思うと奇妙な感覚が胸中にはあった】


なるほど、そういう奴らがいるのか……
それは重要な情報だな、礼を言おう


【長老派。それが目標となる相手】
【明確に”敵”の姿が見えたカルロスの瞳には闘志のようなものが宿っていた】
【その後、データベースについての説明を受ける。説明については口を挟むことも特にはなかった】


────ない。あとは調べて、潰すだけだ


【楽しげなジルベールに対してカルロスはより攻撃的な、獰猛な笑みを浮かべていた】
【用件は終わったと言わんばかりにこちらも背を向ける。そしてそのまま立ち去っていくのだった】


//お疲れ様です!
530 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/04(日) 17:21:16.79 ID:oRMzN9cs0
>>525

「ええ、本当ですよ……かと言って脱ぐわけにもいきませんしね」


>>527

「ご心配していただきありがとうございます。ですが、私も戦わせていただきます」
「目の前で見ているだけというのは性に合いませんので」


>>525,527

「いきますよ! まずはこのバズーカで!」

【ポーチから取り出されるバズーカ。当然だがその中に収まる大きさではない】
【どうやら、このポーチは見た目以上に多くのものが入るようだ】

【バズーカを発射するためのポーズを取ろうとしたその時、市長に衝撃が走る!】

「! アァァーーッ! うがァァーーーッ!!!」
「あ、後は……よろしく……頼みます…………必要なものがあれば……こちらまで……」

【市長――ぎっくり腰で再起不能】
【ひとまず階段まで這って避難する市長。ここから先の戦いは、力ある者たちに託された】


「やはり暴走状態か……」

【獣は水晶の柱を1本生成、そしてウェインとラピスに向け、それぞれ1本ずつ発射】
【柱――とは言うが、杭のようなものでもある。故に、当たりどころが悪ければ身を貫かれるおそれがある】
【幸い、柱の発射のタイミングは読みやすく、見切れないほどの発射速度でもない】
【なお、この柱は破損せずに床か壁に衝突するとそこに突き刺さる。場所によっては邪魔になるかもしれない】

【そして、獣は2人のちょうど中間ほどに身体の向きを調整した】

【更に、獣が両腕を前後に振るえば、前方に光の波が発生し押し寄せる】
【扇形に広がるその波は、獣の横や後ろなどが安置となるだろうか】
【光の波は目に悪いだけでなく高熱も帯びている。多少の耐性あったとしても、火傷を負う可能性が高い】
【また、腕付近は風圧や腕に巻き込まれる心配もある。本命でないため、そこまでの脅威ではないのが幸いか】
531 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/04(日) 17:31:01.54 ID:qF2fwQtj0
>>527

ああ、よろしくラピス。
僕も通りすがり、似たようなものだ。

【目を細めて、目の前の少女を見やる】
【常ならば、ラピスのような線の細い――楚々とした少女が戦場になど、とも思う所だが】
【今ここに彼女がいるのは、市役所からの依頼を受けたからで】
【とするのならば、恐らくそれなり以上の使い手なのだろう】
【過分な心配は無礼にあたろう、と自分を納得させて、ウェインは目線を少女からキリンに移した】

>>527
>>530

【市長の撤退を目線で追いながら】
【すう、と息を一つ吸い、吐いた】
【どこかコメディリリーフな市長ではあったが――目の前の獣の脅威は本物だ】

ラピス、僕は前衛が得手だ。
得物は刀、サシならそう押し負けはしない。

【ずあ、と空気を裂いて飛来した、水晶の柱を屈んで交わす】
【タイミングさえ計れれば、さほどの脅威にもなるまいが】
【背後の壁に突き立った柱、いや、杭を見て、生身で受けれるものではないな、と威力を分析した】

苦手は物量タイプの攻撃で――ああそう、こういうのは嫌いだなッ!
どっちかが囮で、どっちかが殴る! それで行かないかい!

【扇状に放たれた光の波。だん、と低い姿勢のまま前方に跳ねて回避するが――正面はこの光の波と水晶の柱で攻勢範囲】
【となると、横か後ろか――ラピスが自身か、どちらかが獣の攻撃を引きつけて、もう片方がキツい一撃を御見舞する】
【そういう役割で戦うべきだろう、と分析した】
532 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 17:35:11.57 ID:tBPECx2/0
>>528
いいや、目的は決めている。世界を見て、知って、俺を深めること
それが目的……と言うよりは、生きる為に必要なことだ。俺がこの先、生きていく為に

【少女が感心する程に高尚な旅では無い。ただ、自分が誰でも無いと言うことを否定する為に、自分が此処にあると言うことを肯定する為に】
【簡単に言ってしまえば、知識と経験を深める為に、自分の好みで決めるのではなく、様々な場所に行こうと言うだけだ】

故郷が懐かしくなる……か
悪いが、俺にはそう言う、郷愁の念と言う奴は無いんだ
むしろ俺は故郷を、俺の家を……憎んですらいる。意識したことは無いが、心の奥底で確実に

【十七年間。普通の人間が普通に学び、普通に学友と笑い、普通に恋をし、普通に悲しむ十七年間を、彼は一つの屋根の下で生きた】
【外に出ることは決して無い。自身の存在が外部に認知されることも無い。屋敷は広く、不自由の無い暮らしだった】
【しかし、それは怒りを恐れた家の者達が仕組んだこと。誰に知られることもなく、いないも同然に生きた彼にとって、故郷とは即ち牢獄だった】

いや、すまない……こんな話、するべきじゃなかった
俺はどちらかと言えば自然が好きだ。森や、山の中の空気を吸うと心が落ち着く

【櫻の国は自然豊かな国でもある。四季があり、色とりどりの季節が巡る】
【家を恨んでいる、とは言っても、国その物を恨んでいる訳ではないと言うことだろう。無意識にも、自然を好きになっているのだから】
533 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/04(日) 17:45:45.08 ID:F4jhf8YXO
>>529
【『あとは調べて潰すだけ』──その言葉ににやりとして、手を振って酒場の二階へと消えていく】
【拠点代わりの小汚ない宿。シャワーを浴びる前に再び端末に目を落とす】


  【『・麻季音宛の手紙のメッセージだ。麻季音の親父から、らしい』──『BWV639』の写真を添付】
  【『・“博士”はフルフェイス事件の犯人、ってぇ話だったらしいが、実はそうじゃねぇ』】
  【『・“博士”は既に死んでる。そう麻季音付きの探偵が言ってた』】
  【『・麻季音は“博士”が麻季音の親父を攫ったと思ってたらしいが、多分そうじゃねぇ』】
  【『・麻季音と探偵の話じゃ、公安が狙ってるのは“記憶と意識に関する技術”らしい』】
  【『・公安の目的は国家からの独立。こないだ国家なんとか罪で逮捕された奴は、公安に楯突いたから罰を受けた。これも探偵調べ』】
  【『・婦警。名前が分かった。曽根上ミチカ。UTに顔を出していやがった。最近たまに来るらしい』】
  【『・曽根上の目的はなんだ?見張り?今のところは何もしてこねぇらしいが』】


  【『まだ話の最中。なんで麻季音の親父がゾーイ(あたしのダチな)に接触出来て、麻季音に手紙出せたんだ?分んねぇ』】
  【『すぐ忘れちまいそうだから、とりあえずここまで』】
  【『麻季音も状況が分かってねぇ。婦警の鼻先に吊るしっぱなしにしとくか?どうする?』】
  【『とりま、また連絡するわ。じゃな』】


【『了解。とりあえず、麻季音のことはそのままにしとけ』】
【『ただし連絡先だけは確実に取っておけよ。毎回UTに行ってたんじゃ、いつかそのミチカってのに見つかるからな』】
【『こっちはこれから"セレンディピター号"ってのに乗り込んでくる』】
【『公安が紛れ込んでるそうなんでな、またなんかあったら連絡する』】

【『ところで、俺以外のナンバーズに会っても今のことは話すなよ』】
【『機関内にも公安とくっついてる奴がいるかも知れねえからな』】
【『一応、No.3とNo.30はこっち側だが。なんかあれば、俺の名前を使っとけ』──メール送信】

……国家からの独立ねえ。どんだけ個人が優秀でも、そんなことが簡単にできるのかい公安さんよ
俺と考えてることが同レベルじゃねえか──さて、と。

【端末をおいて、シャワールームへ入る。この日、かのNo.30となる男に敢えて伝えていない情報は多い】
【感じ慣れた殺意、大柄な剣士の割に下手に出るあの語り方、探るように言葉を選ぶ不馴れな様子】
【まだこっちのが一枚上手だと笑いながら、蛇口を捻った】

/お疲れさまでした〜!
534 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 17:52:53.20 ID:ZWRwR60p0
>>532

……そうですか。それは、すみませんでした……面白くない話、させちゃって。

【瞼が伏せられる。白い睫毛が、頬に影を落とした】
【少しはしゃぎすぎたと、反省していた。相手にどんな事情があるかも知らないで】
【それだけ言うと、きっともう「故郷」の話は口にしないだろう。気を取り直すように端末を握り締めて】

ううんと……それじゃあ火の国とか、風の国とかがいいでしょうか。
そうですね、今の時期なら火の国の、山のほうにある温泉とか。気持ち良くってよさそうですね。
水の国もいいかもしれないです。大都市ばっかり注目されがちですけど、
名前の通り、きれいな水源地がたくさん。海も川も湖も、なんでもあります。今は少し寒いですけど……

【つぎつぎに国の名前を口に出しながら、液晶を突っついて画像を見せる】
【山も海も森も川も。手当たり次第に思い出した風景を検索にかけて、その都度見せながら】
【少年の反応を窺うように、睫毛を少し持ち上げた。お役に立ててますか、なんて訊くように】
535 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/04(日) 17:54:59.94 ID:3m87jIoH0
>>530 >>531

……言わんこっちゃないです。

【暗闇の中で張り巡らされたピアノ線を躱して進むような、陰謀に満ちた生活こそがラピスの日常だ】
【そこから乖離した、ともすれば冗談じみた空気に、思わず肩を竦めながら市長を見送る】
【とはいえ――目の前の敵を殺せば解決する、そんなシンプルさも悪いものではない】


――、小手調べ、というわけですか。

【開戦を告げんと飛翔する水晶の杭を、ラピスは放物線を潜るように前転して躱す】
【目標を見失った杭は岸壁に突き刺さり、深く穿ったまま止まった】
【石伝いに微震を感じる。少なくとも『あのままの材質』なら、身体で弾くのは得策ではない】

わかりました、ウェインさん。では私は足止めを引き受けましょう。
視える′タりは――弾けないものであっても止めてみせますので。

【身を起こし、ラピスは殺到する光波を――――字義通り『見据える』】
【ぎろり。彼女の瞳孔が夜行性の蛇を思わせる細長い楕円形に変じ、紫に輝いた】


魔眼、解放。――――《 Gaze of Granite 》!!


【宣言とともに妖光は弾け、凝視を可視化した暗黒の光線が殺到する光波を迎え撃つ】
【ウェインを狙っているものも含めて、魔眼の眼光と怪物の閃光は相殺しあい――それが変じた脆い石塊が地面に落ちて砕けた】

【そして石化の魔眼は、魔物の本体にも舐めるように浅く降りかかるだろう】
【重傷を受けることは無いにしても、動きを阻害されたり表皮の強度が変成によって低下するかもしれないが、果たして――】
536 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 18:08:48.57 ID:tBPECx2/0
>>534
いや、言い出した俺が悪い。君のせいじゃない

【下手なことを口走ってしまった。悠々とした旅には似つかわしくない話題だ】
【手すりに留まった鴎が此方を見ている。やらかしたな、とでも言うつもりだろうか。随分と偉そうだ】

火……水か
水の国にはギルドもあるらしいな。それに自然も豊富か……

【以前、仕事を請け負い路銀を稼いだギルド連盟。その本部が水の国にあるとか言う話だった】
【ならば仕事を受けるのにも困らない。そして、自然も豊富となれば、最早選ぶ側は決まったも同然だった】

では、水の国にしよう。どこか良い所はあるだろうか?
例えば……自然が多くて、少し人のいる場所、とか

【水の国に行く。そう決めたならば、次は少女のオススメの場所だ】
【観光地でも、そうでない場所でも、行った事が無い場所だらけなのだから、どこでも問題無いのだが】
537 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/04(日) 18:12:21.24 ID:oRMzN9cs0
>>531,535

【突き刺さった水晶は今のところ何かしらのリアクションを起こすことはない】

【獣の視線がウェインに向けられる――眼となりそうな部位は無く、頭部を向けたわけでもないのだが――】
【距離が縮まったためか警戒している様子、しかしこのタイミングで手出しすることはなかった】
【それよりも優先すべき脅威を見つけたからである】

【石塊へと変化してゆく光の波、獣の頭部がラピスの方を睨みつける】
【目に見える変化は少ないだろう、ただ、宿す光の強度が少し弱まった――その程度か】

「ふむ、……結構効いているようだな……」

【獣はその前足を垂直に振り下ろし、ラピスを切り裂こうとしてくる】
【鋭い水晶の爪は熱も帯びており、切り傷だけでなく火傷も与えるだろう】
【だが、この性質のお陰で出血量が抑えられるというメリットも無くはない――か】

【それに、先程の石化の魔眼が見た目以上に効いていたことを証明してくれる】
【鋭さや熱、どれも初手の水晶や光の波に劣り、そして水晶の爪も脆くなっているのだ】
【破壊するのも容易い状態であり、地面に自身の手を叩きつけるだけでも一部が砕け散る】

【そして……少なくともこの行為中は、ウェインに対してほぼノータッチである。】
【正確に言えば"見ている"のだが、それだけだ】
538 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/04(日) 18:20:43.21 ID:qF2fwQtj0
>>535

【目の前で、光波が『石化』する】
【Gaze of Granite という名のその魔眼の通り、実体を持たぬエネルギーすらも花崗岩と化したというのか】

(なんてレベルの魔眼だ――人間が持ちうるレベル、なのか?)

【今足止めをする、と宣言した少女の行使する能力の強力さに舌を巻く。けれど今は、この上なく頼もしいサポートであろう】
【Gaze of Graniteが獣に作用したかはわからない。だがこの好機を逃すものか、と】
【剣士はその鋼鉄の下肢に力を込めた】

>>537

(見られた、な)

【力を込め、跳躍しようとしたその態勢で、獣の視線を感じ取る】
【その上で、ラピスのほうへと獣は注意を向けた】
【石化能力。そして先程の身のこなしも考え合わせれば、当然のことで】
【ラピスは十全に、彼女がこなすべき役割を果たしている】

じゃあ、僕も僕の役目を果たすとしよう。

【だん、と獣に向けて、ウェインが疾駆する】
【アーマード・マッスル。彼がかつての戦いで失った下肢を代替する、異世界の軍が開発した人工筋肉】
【およそ生物の性能ではないその膂力を遺憾なく解放して獣へと突き進みながら、己の愛刀に手を伸ばす】

―――唸れ、断空。

【ぐ、と柄を握る。鞘の中のその刀身に、荒々しい魔翌力が集約していく――】
【断空。物体としてこの世にあるものならば、その硬度、性質に関わらず万物を斬り裂く魔刀】

おおおッ!

【ラピスに向かって前足を振り下ろす獣、その背中に向けて、抜刀の一撃を放つ―――!】

/すみません、次のお返事ちょっと遅れます。
諸々用事がおじゃまぷよのように降ってきました!
539 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 18:31:26.41 ID:ZWRwR60p0
>>536

【気を持ち直すように、んん、と咳払い。小さく首を振って】
【液晶を大きくスワイプした。画像を表示するウインドウが、いったん閉じられる】

そう、ですねえ……自然も人も、となると……
首都のフルーソからちょっと外れたあたりが、一番無難でしょうかね。
フルーソの街中はちょっと賑やかすぎるかもです。その分なんでも揃ってはいるんですけど。
でも、そこから離れすぎると少し治安が悪いところもあって……
なんだったかな、地の国との国境付近が危ないんだっけ。なんとかの街って言ったような……

【少女の知識は、一般的な観光地のものに偏っていた。故に危険な土地の情報は、聞き齧った程度にしか無くて】
【だからそういった場所の話はこれくらいしかない。代わりに、有名な観光地をいくつか教えるだろう】
【噴水が有名な、大きな公園だとか。綺麗な湖だとか、そういう無難なものばかりだけど】

……これくらいかな。
教えます、なんて言っちゃったけど、有名どころばっかりになっちゃいましたね。

【すみません、なんて言いながら、地面に置きっぱなしだったボトルを拾い上げた】
【そろそろ日も傾いて、寒くなってくる頃合いだ。室内に戻ろうとしているのだろう】
540 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/04(日) 18:47:58.78 ID:TZ9NgtTn0
>>482 >>486

とりあえず―――

【探偵はこのゴチャついた状況をまとめようと、仕切り役を買って出た。探偵の前の仕事では】
【よくその役をやっていたから正直、推理や調査より得意だ。1番得意なのは…まあ、よしとしよう】

これがマジにしろどっかの誰かの罠にしろ、乗っかってみるしかねぇ。“麻季音を親父を救う”が目標だ。
『ミラの能力も取り返し』、『公安の奴らも潰す』。…やるならデケェほうがいいだろ?
UTは監視されている以上、デカイ動きはできないと思う。『知らないふりをしつつ秘密裏に事を進める。』
鈴音はセリーナに言っといてくれ『お前は目立ちすぎるから今は大人しくしてろ。』って。
完全に相手が黒だってわかればお得意のドンパチをしてもらおう。

UTは必要な場所だ。だが、今回は相手が悪い。
公安が敵なら、相手は名目上、『正義』なわけだ。『権力も武力も資金力も大義名分』もそろった強敵だ。
それだけの奴を相手取ってやろうってことだ。カノッサとはやり方も違う。覚悟しきゃならない。

俺達は『救出計画』、『情報収集』、『協力者』、『資金』…これらの用意が必要だ。
計画は俺と麻季音で立てる。目下の問題は…協力者と資金。しかも、公安の目を掻い潜りながらな。
電話もメールも盗聴されてると思ったほうがいい。『これは騙し合いだ。』
利用できるもんはなんでも使う。自警団でもマフィアでもカノッサでも…公安でもな。

【そして、ため息1つ。】

高度の秘密性を維持しつつ可及的速やかに臨機応変に……っつーことで。

/すみません。遅くなりました。お返しします。
541 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/04(日) 18:48:28.43 ID:3m87jIoH0
>>537

【ウェインへの攻撃を撃ち落とし、魔物の身体も一部石化させられたことを確認すると、ラピスは凝視を止めた】
【魔力を焼べて煮立った瞳を冷ますように俯く僅かな間、視線を落とした地面は石灰質に塗り替えられていく】

……、はあっ、ふうっ、あぁぁっ……、……。

【魔眼を解放したラピスの手首や首元には、薄っすらと金色の鱗が生じていた】
【高熱の環境にも関わらず彼女が厚着を崩さなかったのは、これが原因なのだろう】
【その呼吸も幾分か荒くなり――とは言え苦痛の色は伺えない。むしろ、法悦に耐えているようで】

(同類の匂いは――しませんね。機械化兵士の類?)
(ただそれにしても、性能頼りの戦いではありません。手慣れている。まさしく、歴戦の戦士と言ったところでしょうか)

【獣性の呼び声を感じながらも、ラピスは冷静に戦況を確かめる。見ればウェインが一筋の流星のように駆けていた】
【人外じみた身体能力と神秘の力に支えられていても、彼の武技が至ったのは人としての極≠フ領域】
【その美しい完成に微かな羨望を覚えつつ――彼女もまた、自らの敵と向き合う】

くっ……、動かなければ、痛みもなく優しく殺して差し上げたのですが。

【振り下ろされる赤熱した爪を前にラピスは後ろへ翔ぶが、飛散した水晶がその身体を掠めた】
【そのうち胸に向かっていくものは、その髪の一房を咄嗟に『変貌』――太い蛇の頭のような形にして振るうことで打ち払うだろう】

怪物(わたしたち)の誼です。せめて、手早く片付けましょう。
――――――――魔眼、解放!

【距離は至近。魔物の前足が持ち上げられる前に動く余地がある。ラピスはすかさず再びの眼光を放った】
【直撃すれば脚は骨格にまで及ぶ重篤な石化状態に陥り、姿勢を維持するのは困難になるだろう】
542 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/04(日) 18:50:58.19 ID:tBPECx2/0
>>539
【携帯端末のウィンドウをまじまじと眺める。実の所、彼は携帯端末と言う物を所持していないのだ】
【そもそも、買う金も無ければ契約する為に必要な住所な職業、保証人と言った物が一つも無いのだから仕方ない】
【故に、少女に見せられた携帯端末は彼にとって物珍しい存在だった】

郊外辺りが、やはり自然の多くなる境界になっている訳か
確かに首都の真ん中になると開発され切ってるだろうな……なら、郊外を目指そう
国境付近が治安が悪い。そこも了解した。まぁ行けばわかるだろう

【地の国との国境上にある街、と聞けばわかるだろう。きっと、行かない方が良いと言う忠告と共に】
【有名なのであろう観光地を次々と教えられ、それぞれを明確に頭に刻み込む。幾年も本を読み続けていただけあって、記憶力は一級品だった】

いいや、随分と良くしてもらった。本当に感謝している
水の国に行ったら……まずは、君の言う綺麗な場所に行ってみることにしよう。湖の空気は、さぞ美味しいだろうから

【少女の動きを見て、既に日が沈みかけていることを思い出した。デッキにいる人影もまばらだ】

そろそろか……ありがとう。おかげでまた旅が良い物になりそうだ
またいつか会うことがあったら……感想を言おう。俺が見て来た景色と、人々の

【空になったペットボトルを握りながら、彼もまたあてがわれた客室へと戻っていく】
【水平線に沈んでいく夕陽は、網膜に焼け付く程に朱銀に輝き、やがて海へと呑まれていった】

/では、この辺りで〆とさせていただきます!
/絡んでいただいてありがとうございました! またいつか、ご一緒させていただけたら幸いですー
543 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/04(日) 19:01:54.60 ID:ZWRwR60p0
>>542

そうですか。少しだけでも、お役に立てたんなら幸いです。
ええ、良い旅を。お互いに、ですね!

【言い残して少女も室内へ向かっていく、暗くなった空の色にに白い髪先の余韻を残して】
【そうして辿り着いた客室内。ベッドに寝転がって、襟元で手をもぞもぞ動かす】
【――服の内側に隠し持っていた、臙脂色の水晶のペンダント。それを取り出して、やさしく握り】


……ねえユヒカちゃん。もうすぐ桜の季節ですね、あれから――何回目でしょうか。
義勇さん、故郷にイヤな思い出がないんでしたら……見に行きませんかって誘えたのに、ね。

【きっと櫻の国そのものを恨んでいるのではないだろう、とは思ったけれど】
【あの話の流れで、どうも出しにくくて言えなかった。少女が愛する、さくらの森の満開の下】
【「だれか」との思い出の地でもあるその風景のことを伝えられなかったのを、ちょっとだけ後悔ながら――目を閉じた】

//ありがとうございましたー! こちらこそ!
544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/04(日) 19:02:38.42 ID:oRMzN9cs0
>>538,541

【危険を察知したらしい獣は前脚を振り下ろし終えた直後、ラピスの視線を遮るような形で水晶の柱を幾つか生成した】
【そうして作られた水晶はみるみるうちに光を失ってゆき、そしてほんの少しの衝撃でも崩壊するほどの状態にまでへと変貌】

【そして獣は間髪入れず地面を強く蹴り、跳躍。前述の水晶はその衝撃で崩壊】
【最大で数メートル程の高さはある跳躍だ、基本的に巻き込まれることはないだろうが、無いとも言い切れないか】
【この時点では石化の効果が持続しているため、もし衝突してしまったとしても大きなダメージにはなりにくいだろう】

「……いや、これは……尻尾に気をつけろ! 今はまだ大丈夫だが……!」

【跳躍行為の目的は、ウェインの放った一撃の回避である。】
【胴体を斬られることは回避したものの、その長い尻尾は綺麗に根本近くからバッサリと切断され、地面に落ちた】

【石化がどの程度効いていたのかを語ることはなく、けれども嫌がったことだけは確か】
【尻尾を斬られた獣の身体に光の波が一瞬だけほとばしる。そして、細かな水晶の破片が辺りに飛び散った】
【まだ余力がある。十分な抵抗力がある。それは、石化を跳ね除けた証。】
【なお、飛び散った水晶は特に脅威でない。威力なんてほぼなく、数秒後に光の粒子となって消滅するためである】

【獣は空中で半回転し2人を正面付近に捉えつつ着地。前脚に石化の影響が残っていたのか一部貫通していたのか、ともかく何らかの理由で着地が乱れるも】
【それと同時、ウェインやラピスの足元や他の幾つかの場所にヒビがほとばしり……そして次の瞬間、そのヒビから勢い良く生える水晶の柱!】
【太さおよそ20センチメートルのそれは、最終的に1メートル程の長さまで伸びる】

【なお、この柱は攻撃後も残り続ける。今のところは何も起こらない。さて、破壊するか放置するか、それとも――】
545 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/04(日) 21:53:35.03 ID:MUYV3hcTo
【路地裏】

【爆音が響く。土煙が建物の間から吹き上がり、静まる】
【爆心地では複数人の男女が倒れていた。いずれもチンピラのような格好で、気を失っている】
【立っているのは一人だけ。紺色のスーツを着た三十代前半の男だ】

……ちょっと、加減を間違いましたか
流石に今のは表通りからも聞こえるし、見えますね

【どこか困ったような表情をしながら帽子を片手で押さえる】
【偶然通りかかるか、あるいは爆音や爆煙に気がついてやってくる者がいれば】
【『レヴォルツィオーン』と書かれたアタッシュケースを持った男を見つけることだろう】
【情報に聡ければ、それがセレンディピターという船に乗っていたパトロンの一社だとわかるかもしれない】




【水の国・港】

【セレンディピター号が停泊している港で、豪華客船を遠くから眺める男がいた】
【年齢は三十代前半。背中には大剣。剣士らしい肉体はよく鍛えられている】
【大剣は特殊なもののようで、鞘や柄、鍔に様々な装飾が施されている】

さて。あそこに行ってもいいが、どうするかな

【誰に向けたわけでもない独白が男の口から発せられた。その表情は悩んでいるようだった】
【誰か通りかかれば、そこには港の端に立って船を眺める妙な男を簡単に見つけられる】
【その男の左手にはカノッサの一員である証の”逆五芒星”のアミュレットが握られていた】


//上下どちらでもどうぞ。両方もいけるかもしれません
546 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/04(日) 22:36:39.18 ID:M1RSlFuX0
>>486>>540

【――"蛇"。そう呼ばれた少女は見開いた目……驚いたような仕草でミラへ視線をやるだろう。ぱちぱちと数度瞬いて……うう、と、小さなうめき声】

わ……わたしは、違うよ、ご先祖さまが――へび、なの。蛇の、神様……、"わたし"は、もうちょっとだけ、違ってて――、
だけど……わたしも、きっと、クラァケさんとおんなじ。能力を駄目にされたら……きっと、この身体は、壊れちゃう。

【やがて観念したように白状する。蛇は蛇でも蛇の子孫だと言って……ましてどこぞの蛇神の子孫なのだという。ただそれについては本筋ではなく】
【その蛇神の血を引く少女は――蛇の子であるかは別にして、能力が身体を維持しているらしかった。ミラとは似ている、だけど、少しだけ違う】
【――それでも。その忠告には、神妙な顔で頷くのだ。そんな差異はどうあれ――彼女もまた、ヒトのふりをしてヒトに紛れ込む異物の一つ、であったから】

【――――】

――――うん、麻季音ちゃんのお父さんも助けるし、クラァケさんの能力も、取り戻す。公安を潰すのは……その、まだよく、分からないけど……。
……ん。セリーナには言っておく、それか――ロッソさん、お手紙か何か書いてくれたら、わたし、届けるよ。わたしが絶対に届ける――、わたしがお話するより、いいかも。

【――ミラの感じた嫌な予感を、きっと少女はよく分かれない。AIというのがよくわからないから――だけど、そんな不安は、もしかしたら少女が感じたものに、似通うのだろうか】
【公安が敵で、警察は信用できない。その状態で、警察の人員を多く含む自警団やそこから派生したSCARLETがどれだけ信用できるのか。あるいは、】
【国と直接繋がっていない正義のために動く場所――もしかしたらそんな場所は、ここが最後なのかもしれない、なんて、】

【それこそ「まさか」って笑ってしまいたい。考えすぎだって、疲れてるって――誰かに笑ってほしい】

――ねえロッソさん、わたし、そういうの、よくわからないの、えっと……なんだろう。裏で……暗躍? みたいな、そういうの、だけど、
悪いこと企んでいる、なんだか偉いひとたちが居て……そのひとたち、ほんとうに、カノッサとは全く別なのかな、その――わたしだったら、ね、
カノッサのひとたち、慣れているって思うの、そういう……思いっきり、悪いことを、すること? ――うまく仲良くなれたら便利そうだなって思う、と……思うの。

――――ん、ん。あれ? でも、そっか、そうだとしても、動かしてるのが、公安ってひとたちなら……一緒なのかな、組んでいたとしても――。

【――よくわからないけど、やることがいっぱいあることは、分かった。助けるのも、取り戻すのも、なんでもかんでも、やるために必要なものが多すぎる】
【計画は二人が用意してくれるとして、あとは情報収集、協力者、資金……とうてい集めるのが簡単ではないものばかりだ、特に……追われていたり、見張られている、いま】

うん、連絡先は、後で、渡すね――、あとは、協力者……、……、えっと。協力者のひとって、つまり、えっと……信用できるひと?
わたしが信用できるって思うひとに、お願いを……する? わ、あ、すごい、映画みたいだね――。…………。

【ミラの言葉にうなずき一つ。だけどその後にロッソが盗聴されているとか言い出せば、表情はなんとも微妙なものになる、もの悲しいような、寂しいような……】
【それから協力者の集め方は彼女なりに一瞬考えてみて最終的に「映画みたい」とかちょこっとだけ冗談めかしたみたいに笑う。すぐに真顔になったけれど】

えっと――すっごい内緒だけどなるべく急いで、……いっぱいアドリブ?

【それでも呟くのはだいたい大筋に合っている……はずだった。すごく簡単な言葉にしてしまったから――ロッソの格好いい感じを全部駄目にしていくのは、問題だったけど】

/お待たせしました……!!
547 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/04(日) 22:50:13.72 ID:qF2fwQtj0
>>541
【ラピスの状況、金色の鱗の発現などには、目線は及んでいない】
【放った抜き打ちの一撃を当てるべく注視しており――ラピスの作ってくれた隙を全力で活用しようとすればこそ、余所見の暇はなく】

【ただし、何某か――ラピスも犠牲を払いながら、獣の攻撃を引きつけているのだということは理解した】

>>544

【背に向けて放った必殺の一撃。恐らくさほどの運動性もないだろうと踏んだ獣の、回避行動まで織り込んだ一撃だったが】

――な、飛んだ……!?

【予想を大きく上回る機動。まるで空へと跳ねるようなその行動に、しかし奥歯を噛み締めて一撃を合わせる】
【結果として獣の尻尾を両断したその一撃ではあるが】

……躱された、か……! すまないラピス、もう一撃必要……


【その刹那、地面に罅が入り】
【攻撃を放った態勢のウェインは、もちろんそれを凌げない】

―――ラピス! 足元に気をつけろッ!

【そう共闘者に短く吠える】
【そして衝撃。柱に跳ね飛ばされるようにウェインは中空を舞い】
【――獣は二匹に分かたれて封印された、という伝承を、頭の中に巡らせた】
548 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/04(日) 22:51:58.99 ID:tHIQ3x21O
>>540>>546
【「助かるぜ」つい呟く。頭を働かせるのは苦手だという自覚はある。事態を纏めてくれるというのは、大助かりだった】
【それにしても、あれだけごちゃついているように見えた事件も】
【こうして纏めてみれば、現状の目的は思いのほか少ない】
【やることが少なくていい、とみればいいのか。あるいは、“まだそれだけしかやれない”と考えればいいのか】
【──やれることからやる。それが自分らしい、とミラは笑った】

なるほど、実にシンプルでいいぜぇ
麻季音の親父救出作戦──ぎゃは、“M作戦”とか、かっちょよく名前でもつけてみるかぁ?
あたしのチカラを戻すことも公安も、具体的には何すりゃいいかさっぱりだ……だが麻季音の親父に関しちゃ違う

いいねいいねぇ、分かりやすくなってきやがった!

【Mは麻季音のM。とりあえずアルファベットを作戦名に加えれば、どんな作戦だろうとそれなりのものに聞こえるから不思議だ】
【それにしても、正義が敵、ときた。あいつが大好きそうな言葉だ、と心の中で笑っておく】

あんたらが計画を立てるんなら、残りは情報収集に協力者に資金、か……

…………資金にはアテがある。とはいえ、金貸しにツテがある、ってぇくらいだが
いくら必要になるか知らねぇが──あんたらが利子込みで、きっちり返してくれるんなら……話は通しといてやるよ
流石に、ボランティアで大金すっ飛ばされちゃあこっちとしてもたまんねぇ

協力者、は……そうだな。鈴音の言うとおり、今は誰を信用して、誰に頼ればいいのかさっぱり分んねぇ状況だ
だったら────結局のところ、テメェ/自分 が信用出来るやつを頼るしかねぇ
あたしには2人、そういう奴がいる。1人はゾーイ、もう1人もダチだ
ゾーイには会えるかどうか分かんねぇが……もう1人のやつはいつでも会える
多分……今は、そういう奴を少しずつ、集めていくしかねぇ

公安が敵かもしれねぇ。警察に見張られてると思えば、機関に助けられるかも、しれねぇ──
────今は、何が起きても不思議じゃあねぇ

【自分が実際にそうだった。警察に銃を向けられ、機関員に助けられた】
【その詳細すら語ることはしなかったが……誰を信じればいいのか。それを語るミラの言葉は】
【今まで彼女の口から出たどの言葉よりも、重々しいものだった】


っつぅかロッソ、よぅ!可及的速やかに、臨機応変に、っておめぇさぁ
それって結局、映画の中だと『好きにやれ』ってぇ風に翻訳されちまうやつじゃあねぇか!ぎゃっは!


【ぽーん。スマホの着信音だ。ミラの携帯から。「ダチかな」】
【触腕をまた小さく震わせつつ、慎重に操作。いい加減、ヒトの姿に戻りたくなる】
【なんだかんだで、スマホを弄る時が一番そう思っているかもしれない】
【「そう、そうだな……鈴音と、麻季音と、ろっそも。後で連絡先教えろよな」】
【そう言って、一度メール画面を閉じる。今は見なくても良いメールだったのだろうか】

【「さて、方針は大体これで決まったか?」着信音で集中が削がれたが】
【話もだいぶ纏まってきた。まだ他の面々が話すことがあれば、ミラは大人しく耳を傾けているだろうが】
【そうでなければ、早速3人と連絡先を交換しようとするはずだ】
549 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/04(日) 23:00:41.27 ID:3m87jIoH0
>>544 >>547

【ラピスの魔眼は、視認できるものであれば何でも無差別に石化させてしまう】
【裏を返せばそれは、遮蔽物を用意する≠ニいうシンプルな回答がある、ということでもある】

っ、賢い――、いえ……。これはむしろ、本能の賜物でしょうか?

【敵の特性を見抜いたかのような挙動で攻撃を捌く魔獣の手際に、敵ながら思わず舌を巻く】
【そこにあるのは、人間の洞察力とは別種の力。生きたい≠ニいう原初の欲求に引き起こされる決死の反応】
【ラピスにそれを嘲ることは出来ない。彼女もまた、同じ願いを抱く『獣』なのだから】

……ふふ。私がここに来たのも、良いめぐり合わせだったのかもしれませんね。

【激しい戦闘のさなかにも係わらず、少女の口元が緩む。獰猛で、尚且つ全てを受け容れるような諦観を孕んだ微笑が浮かぶ】
【――狩人は憐れむなかれ。敵が同類というのならば尚更のこと】
【さあ、次の一手をと本能を研ぎ澄ました刹那――ウェインの叫びが轟いた】

ッ、これは……もう一匹=H けれど、一体どこから……?

【ウェインの指示によってワンテンポ早い反応に成功したラピスは、罅割れる寸前の地面を蹴って跳躍】
【辛くも直撃を回避し、周囲を見渡そうとするだろう】
550 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/04(日) 23:07:31.12 ID:oRMzN9cs0
>>547,549

「いや、あの水晶は獣が生成しただけのものだ……」
「が、やろうと思えば奴は2匹にも3匹にもなれる! 力も分かれるからやらないだろうが……わからんな」

【それにしてもこの市長、獣の事情にとても詳しい……】

「来るぞッ!」

【確かに身体との繋がりを絶たれたはずの尻尾がうごめく】
【そして、まるでそれが別生物であるかのように動き始めたかと思えば、ウェインへと飛びかかり襲いかかってくる】
【その攻撃は締め付け。もし体に巻きつかれれば強く締め付けて動きを阻害してくる。放っておけば血流や骨にも影響が出かねないほどの強さだ】
【ただし、タイミング問わず何らかの攻撃を加えれば尻尾は再び地面に落ち、光の粒子となって消滅する】

【更に、獣がその頭部をラピスに向ければ、少しの間の輝きと溜めの後、10cmほどの太さがある光のレーザーが発射される】
【高熱かつ高速で厄介な攻撃だ、村を焼き尽くしたとされるだけある。だが対策方法が無いわけではない】
【まず、レーザーは"光そのもの"ではない。光と熱のエネルギーで構成された、白熱の魔翌力による攻撃。つまり、高速だが光速ではない】
【また、一度発射されたレーザーの方向が変わることはない。一定時間または中断されるまで、同じ位置へと照射される】
551 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/04(日) 23:18:35.73 ID:qF2fwQtj0
>>549

っ、くそ―――

【空中に跳ね飛ばされる。それはウェインが自身の戦闘においてほとんど選ばない選択肢だ】
【空中での移動手段を全く持たないウェインでは、攻撃への回避、対応の手段が大きく制限されるためである】
【ただし、この時点でウェイン自身は空にある――魔獣の水晶攻撃によって】

【そのため、地上に帰還するまでは、彼はほとんど動きを取ることが出来ない】
【ラピスが水晶攻撃を躱したことを見届けると、自らの周囲を注視した】

>>550

【しかし、ワンテンポ遅れる。切り落としたはずの尻尾が、飛びかかってきた】
【回避手段なく、ウェインは断空を握った側の腕に、巻き付きを受ける】

――この程度で……!

【間髪入れず、もう片方の手で懐中から短刀を取り出し、尻尾を切り開こうとする】
【うまく行けば、尻尾は地面に落ちて光の粒子となるだろう】

【そうして、ラピスに放たれたレーザーを見る】
【いまだ少女は、自身に攻撃を引きつけて――】

じゃあ、僕がもたもたしてるわけには行かないな……!

【ちゃき、と断空の刃を返すと、ウェインは更に獣へと突貫する】
552 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/04(日) 23:25:30.90 ID:3m87jIoH0
>>550 >>551

市長さん、よく調べていらっしゃるんですね……。

【……うーん、なんか詳しすぎないでしょうか?】
【この手の仕事で依頼主が黒幕なんてことはザラにあるので、ラピスの胸中に若干の不安が過ぎった】
【尤もブレイザーシティ≠フ公権力に関わる者は、カノッサ機関からの解放以後は念入りに背景を洗われているはずだが――】
【何にせよ三課の所轄ではないし、今は目の前の敵を潰すのが先決であろう】

ウェインさん、詰めは任せます。

【手短に告げて、押し寄せる閃光と対峙する。ラピスは咄嗟に魔眼を開き、僅かな間その奔流と拮抗した】
【そうして作り出された隙を利用し、敵の方へと踏み込んで躱す】

きゃ、っ……熱っ……でも、この程度!

【放散する熱光の余波で背中が少し焼けるが、耐えられる程度だ。ましてや彼女は――人ならざる身なのだから】
【彼女は獲物を追う獣のように極端な前傾姿勢で駆け、足元の土に凹んだ痕を残しながら、獣へ急接近】

【先ほどから石化の視線による負担が散見される『前足』に――踏み込む勢いそのまま、両拳をハンマーのように叩き付ける】
【人外の筋力から渾身の速度を込めて振り下ろされるそれは、命中すれば事実鉄槌のような威力を脆弱化した部位にもたらすだろう
553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/04(日) 23:34:12.73 ID:oRMzN9cs0
>>552

「……うむ、下調べは大事だからな」

【一瞬言葉に詰まった後、無難なことを言う市長。表情はほぼ変化なく、真顔のままだ】


>>551,552

【ウェインの短刀による攻撃が成功し、尻尾は地面に落ち光の粒子となって消滅した。復活する様子もない】

【回避され近づかれた事を"見れば"、レーザーの照射を止めて次の行動を起こそうとした獣】
【だが、それは間に合わずラピスの拳が前脚に叩きつけられ、水晶が砕ける音とともに前のめりになる形でバランスを崩す】
【腕を利用し、倒れ込むことだけは回避したようだが……前脚に大きなダメージを与えることに成功したようだ、これで機動力を多少抑えられるだろうか】

【さて、体勢はそのままである獣の身体の光が少し弱まったかと思えば、辺りに光のレーザーをばらまき始める】
【性質としては、先程ラピスに放ったものと同一である。1本1本の照射時間は短いが、数が多い】
【このレーザーは誰を狙ったわけでもない。運が良ければ全く動かずとも当たらない可能性だってある】

【だが、レーザーばかりに気を取られてはならない。】
【今までの攻撃で幾つか残されていた水晶の柱、それの3本ほどにレーザーが命中した……その瞬間】
【水晶が軋みだしたかと思えば、少しの間を置いて水晶が破裂し辺りに大量の破片をばらまく】
【1つ1つの威力は小さいが、どれも鋭い。また、近くにいるほど破片の飛ぶ速度が速い】

【対象となる水晶の柱は――初手で地面にめり込んだ水晶の柱の内、ウェイン側を狙ったものが1本】
【先程ラピスが回避した水晶の柱が1本、そして対象もなく生えてきていた後ろの方にある水晶が1本】

【後ろの方にある水晶の柱の破裂にはほぼ巻き込まれないだろう、けれどもこの水晶が真っ先に破裂する】
【その次に、近場にある2本も破裂するといった流れだ。また、何らかの理由で水晶の柱が破裂前に損傷・劣化等すればこの破裂は発生しない】
554 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/04(日) 23:42:22.96 ID:TZ9NgtTn0
>>546 >>548

【ロッソはカウンター前の椅子だかスツールだかに腰掛けて、もう一つの椅子に組んだ足を乗っけている】
【ワシワシと自分の髪の毛を掻くのは癖だ。他にも手を回したり、顎を触ったり…落ち着きが無い時はなにか考えを】
【その行動から引っ張り出てこないかと無意識にしてしまう。パソコンの砂時計みたいなもんだ。】

ああそうだな…まあセリーナには麻季音も説明するだろうし。俺は…まあ、面倒だから任せる。
鈴音のほうがすんなり話も聞くだろう。…ここのことは任せる。

『まあ、私も居るし。…あんまりバイトはできなくなっちゃうと思うけど。…下手に隠れたほうが感づかれるかもしれないし。』

そう、まさにそれだ。カノッサが一枚も二枚も噛んでないってのは不自然だ。何処かにパイプは持っているかもしれない。
あいつらがどっち側なのか…それも調べて、使えるもんは使う。…映画でもこんなややこしいのは滅多にない。
……ル・カレならこの中にスパイが居るだろうな。

『M作戦じゃミラのMでもあるじゃない。もう…私ばっかり担いで。早く終わらせたいわ。全部。』

【ロッソも麻季音もニヤリと笑っているが、今後敵味方増えてくればスパイもない話じゃない。今回は何度も言うようにハッキリとした戦いじゃない。】
【いち早くパズルのピースを集めて、絵を完成させたものが勝利者だ。ブラフのピースがいくつもあるなかで。】

人を雇うにも、アシも、武器も、メシも金がいる。…金貸しっつーのは…信用できるのか?まあ、いい。稼ぐのは得意だからな。
返済には協力してもらうぜ。…今回の仕事よりはイージーだからさ。

ったく、だからテキトーにやれ。死なねぇ程度に。

『じゃ…まあ、作戦会議は終わりってことでいいの?…まあ、もう後は情報共有は簡単そうだし』
『もうヘトヘトよ…よくまあそんな酔狂な話を延々できるわね…。クラァケさん、泊まっていけば?』

【連絡先はロッソ、麻季音は電話番号だ。プリペイド式の偽名。逆探知対策で連続通話は3分までだが不便はないだろう。】
【麻季音はミラにそう提案する。どちらかといえば自分がもう休みたかったのでミラをダシに引っ込もうという魂胆だ。】

まあ、じゃあ………そういうことだ。
555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/04(日) 23:43:01.38 ID:qF2fwQtj0
>>552

【攻防一体の魔眼に感嘆の声を漏らす】
【もしも自分が彼女と交戦するとすれば、少なくとも視界の開けた場所では勝ち目が在るまい】
【密林か、あるいは市街地か。どちらにしても長期戦にはなるだろう――そんなことをふと考えるのは、戦士の性か】

ああ、任せてくれ。
君もあまり無理はするなよ。

【獣へと躍り込む、最後の一歩。ぐ、と力を込めて跳ねる】

>>553

【跳ねた。しかし、それを迎撃するように――獣が仕掛けた、水晶柱の罠が起動する】

―――ッ……!

【この相手に、長期戦はまずい。そう直感する】
【水晶柱にしても、レーザー攻撃にしても、そうそう凌げるものではない。況や、能力者二人のみの現状では】
【幸いにして、この身は断空であり、相方は高レベルの魔眼持ちだ。瞬間的な攻撃翌力、対処力では恐らく引けを取るまいが】
【長期戦となれば、獣と人間の体力の差が出る。しかも、獣はこの一匹とも限らない】
【最悪の場合は撤退を可能としておくために、必ずこの獣だけは仕留めておく必要がある】

【ここまでの思考は一瞬だ。刃の上の選択と呼ばれる、ウェインの卓絶技巧、殺戮論理】

【跳ねたその勢いを、更に加速させる。騎士の外套で致命部位を護るが、腕、肩に複数の破片が着弾】
【下肢はその装甲性を遺憾なく発揮して水晶を弾くが、それでも機能の低下は否めず】
【砕かれ、弾けていく水晶。その煌めく結界の中を、ウェインはダメージを顧みず疾駆する――】

【断空の一撃。それを今度こそ、獣の頸部に直撃させんとして】
【成功するにせよ失敗するにせよ、ウェインへのダメージは甚大だろう】
556 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/04(日) 23:52:12.81 ID:M1RSlFuX0
>>548>>554

【分かりやすくなった――ミラの言葉に、少女は驚いたようになる。いろいろなことを考えてしまって、やれることだって途方もなく大変そうと思った少女と】
【どうしたらいいのか分からないものだらけの中で、明確に、一つ、麻季音の父親を助け出すという"わかりやすい"ものを、ぱっと見つけ出したミラと】
【少しだけ似た境遇なのかもしれない、けれど、違う――少しだけ似るからこそ違うところがよく目立って】

お金、は――、……ごめんね、分からないや、セリーナに聞けば、もしかしたら。……だけど、それ以外だと、分からない――わたしは。
だから、情報収集と、協力者だけど――。ええと……情報収集は、よくわかんない。だから、協力をお願いできそうなひとは……――思いつくのは、二人、

一人は、ウェインさん。強いのも知っているし、信用できるって思う、きっと頼んだら――聞くところまでは、絶対に、してくれる。多分……口も軽くない。
できないとしても――言いふらしたりは、きっと、しない。

もう一人……、もう一人は。その――、わたしとそのひとは、味方じゃない、ぜったいに……。そのひととUTは敵対してる。だけど……絶対に味方じゃないけれど。
……これから、わたしね、少しだけ、そのひとを試すね。だけど――みんながそのひとを信じられないって言うのは、きっと、当たり前だと思うの。……えっと。

【「きちんとそういうことになれば、信用できる」】
【作戦はロッソと麻季音がやる。お金は、ミラがどうにかできる……かもしれない。なら残される選択肢は二つ、その中で、何かできることがあるとすれば】
【協力者――自分の知っている中で、信頼できる人間。どうあれ確固なものを持ち、ある程度の戦力があり、口が堅い……そしてひどく優しいか、生きるためなら狡猾を極めるひと】

…………ロッソさん。わたしね、二年前くらい、かな、……――ベイゼが居なくなった、あと。
聞いたんだ、カニバディールに。何か知っていることはないかって――機関の追手がベイゼを探しているって、聞いたから。それを……伝えてあげられなかったから。
そのせいかもしれないって思ったの、だから、聞いた。カニバディールはね、ダグラス・マックスウッドか……あなたを。探して、締め上げろって。

――どう、何か、知っている? それがね、聞きたかったことだよ――、そして、それが本当なら。……わたし、やっぱりあのひとを、信用できるって……思っちゃうの。

絶対に敵だけど。味方じゃないけど。だけど――、あのひとは。利害が一致しているうちは、きっと、裏切らないの、……今まで何度か会ったけど。
そういう意味では、ウェインさんと、おんなじくらい……信用できる。って、思う、――――だけど、みんながそう思えるかって……きっと、違う。それも、分かるの。

【それで――声音は急に変わるだろう。だけれど表情はひどく複雑になる。信頼できる人間として機関員――それも、すでに敵対している人間を挙げる、というのが】
【まして絶対的に敵だけれど彼女個人としては信頼できると主張するのが。ひどく気が引けるというような――だけれど、ロッソに向けられる目はあまりにまっすぐだから】
【限りない本心であるのも、きっと――これはミラも麻季音も、きっと分かるのだ。――それから返事を待つように黙り込む。これは本筋じゃないけれど――あるいは、関わるもの】

【――あるいは。疲れた様子の麻季音がミラを引っ張っていくようなら、返事はそのあとでもいいのかもしれなかったけれど。どうあれ、答えねば納得しないという顔をしていたなら】
【みんなの前である必要はそう大きくないけれど――少なくとも彼女には聞かせないと、いけないみたいな、そういう雰囲気があって】
【あどけない顔をしていたってこの顔つきは数年前から不変だから、嘘つきだった。中身は……それでもまだ、少し、幼いけど】

【それから――少女が伝えるのもまた電話番号だろう。必要そうなら、有名どころの無料通話アプリのアカウント……とかも教えるだろうし】
【なんでも仕事中に電話をもらっても出られなかったりするから、夜だとこういう文字のやり取りの方がありがたいのだとも付け加え】
【とはいえ。最悪最凶の緊急事態ならUTの電話を鳴らせば出るだろうとも分かるから――もちろんその時仕事していれば、だけれど。少なくとも、誰かは出るはずだ】
557 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/04(日) 23:52:57.57 ID:3m87jIoH0
>>553 >>555

【吹き荒れるレーザーがラピスの頬や肩を掠め、細い血の線が宙に描かれた】
【最接近状態は危険と判断しバックステップ。髪の中から二房分を『蛇頭』に変えて、その頑強な外皮で流れ弾を捌き始める】
【即時に判断する――至近距離でもこの程度の威力ということは、飽くまでも牽制】

【もしくは、自身に密着させない≠アとを企図した攻撃であろう。そして本命はおそらく、また『背後』】
【そうラピスが考えたときには、既に最後尾の水晶が起爆≠オ始めていた。予断は許されない――】

魔眼、解放……、止まっ、てぇえぇえぇぇぇ――――――ッッ!!

【再び闇の眼力が迸る。優先すべきは己が先程回避した――否、そのような悠長なプランは取れない】
【ラピスは残り二房も含めた四房の『蛇頭』を展開して、後方からの礫に対するカーテン≠ニして背後に展開するだろう】
【そうして重傷を避け、痛みに耐えながら彼女が狙うのは、飽くまでも魔獣の本体】
【上から視線を下ろしていき――ウェインの『断空』の太刀が過たず届くよう、魔獣が跳んで避ける軌道を塞ごうと試みる】
558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/05(月) 00:00:46.00 ID:t0BT6D+70
>>555,557

【攻撃に力を入れていた獣、刃を避けるべく腕と後ろ足を利用し前方へ逃げようとしていたのだろう】
【だが、それは叶わず。ラピスの視線が獣を捉え、その動きを封じたのだ。そして頸部を刃が通り抜け――】
【レーザーが停止し、そして首と頭部が地面に落ち……光の粒子となって消滅した。尻尾と違って残ることはない】

【――これで崩れ落ちて消滅して終わり、となればよかったのだが……崩れ落ちた後もなお、消えることはなく】

「……気をつけろ! あの獣は霊に近い魔の存在……だからか知らないが、首を斬られようとも死なない!」
「だが、おそらくもう少しだ!」

【獣に宿る光が弱まった――かと思えば、急激に強まる!】
【そして、壁や天井に生えていた水晶、獣が生み出した水晶、それらも光り輝き……一斉に、射出された】
【水晶のミサイルたちは光の軌跡を描きながら辺りを飛び回り、そのうち皆を襲い始める】
【1発1発が重く危険な行動だ、しかし何かしらの衝撃……床などへの衝突を含むそれを与えればミサイルは止まる】
【また、追尾性能はそこまで高くなく、獣に少しでも当たった場合は何もせずに消滅するという性質も持つ】

【さて、水晶消滅の条件はもう一つ、獣にトドメを刺すこと。】
【この行為中、あるいは行為後の獣は隙だらけである。息切れしたかのような状態になるのだ】

【首を斬られてもなお生きる獣、しかし失ったことによるダメージはけして無視できるものではなかった】
559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) :2018/03/05(月) 00:11:53.67 ID:wFUNttwhO
>>554>>556
【は、と息を呑む。考えてもみなかったが──ロッソの言う通りだ】
【公安が裏で動いている中。機関が噛んでいないなど……不自然極まりない。そちらに、探りを入れていく必要もあるのだろうか】
【このメンツの中で、“それ”が出来そうなのは自分だ、と思う。だが】
【自分が機関の世話になっているなどと、言えるはずがなかった。スパイ。その響きが、イヤに重く聞こえる】

…………ぎゃ、は。確かに、そうだな
あたしのMでもあるが……やっぱメインは麻季音だろ!
それとも、ロッソと鈴音の“R”も加えておくかぁ?

【MR作戦。M作戦とどちらが聞こえがいいかは、この場にいる全員の感性次第だが】
【連絡先を告げられれば、ミラはとりあえず紙にメモをして自分の連絡先──アドレスやら電話番号やら──を教えるのだ】
【流石に今この場で、番号登録作業をするには疲れが溜まり過ぎていた。早く人間に、】
【昔のアニメイションじゃないが、切実にそう思った】

まぁ金貸しは信頼出来るが……っておい、あたしも稼ぐのかよ!
参ったぜまったくよぉ。別にそれは構わねぇが、利子分はあんたらが払えよ!

【「ダチから取り立て喰らいたくねぇんだけどな!」と、これは半分冗談だったが、半分は本気だ】
【稼ぎ口を探さなきゃいけない。結局、どこで稼ぐかも例のダチとやらに聞く羽目になるのだが】

…………UTの、敵、か
あんたが真っ先にあげた“ウェイン”ってぇやつは、余程信用出来るんだろうな
じゃなかったら、一番に名前なんて出てきやしねぇ
んでもって……その“UTの敵”は、“ウェイン”と同じくらい、信用できる

──ぎゃは。敵の敵は、味方ってぇ言葉もある。利害が一致してるってぇのは、悪党にとっちゃかなり大事なことだ
聞く限りそいつは……軸がぶれねぇ、かなりの悪党なんだろう
そう言うやつは──あたしの勘だが、信用できる。利害が食い違った途端、切られる危険はあるけど、な
それを承知で手を組むんなら……きっと、悪い相手じゃあねぇとあたしは思うぜ

【と、それだけ言えば。ふぁあと大きく欠伸をする。流石に疲れた】
【列車での旅は短かったが、UTに来てから慣れない頭脳労働をしぱなっし】
【残念なことに労働なんちゃら法はこの場では適用されなさそうだ。そもそも、裁判をしても得るものなんてない】

【「そうだな、あたしも疲れたわ麻季音」「ここ、宿にもなってんのか?んじゃ、泊まってくわ」】
【──そう、疲れた表情で笑うと。引き止められない限り、麻季音と一緒に休憩スペースだか宿の方に向かうのだ】
【アドレス登録だの協力者へのメールは、明日にしよう。流石に、触腕の先端が攣りそうだった】

/こんなところでしょうかっ
/長い間お付き合いくださりありがとうございました!お疲れ様です!
560 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/05(月) 00:15:24.77 ID:6dK929Hi0
>>557
>>558

【獣の動きが、一瞬、止まったように見えた】

――ラピス。すごいね、君は。

【距離を考えれば、届くはずのないほどのボリュームで、今の相方へと賛辞を送り】
【そうして、頸部が見えた】

【弾ける水晶の嵐の中を突っ切ってきたのだ。ただ立っているだけですら危険なその刃の嵐の中を、自らの速度がダメージを倍とするような】
【肩、腕、脇腹、頬、耳――外套でガードしきれなかった分のダメージは、ウェインに蓄積していて】
【血みどろといっていいような状況ではあれど】

……唸れ、断空。

【もう一度だけ、己の愛刀の名前を呼ぶ。持ち主が満身創痍ではあれど、断空は常のように、荒々しい魔翌力で応えた】
【一呼吸。そして、もうひとつだけ加速。……一閃。獣とウェインのすれ違い様、断空の刃は確かに、獣の頸部を両断し―――】

【ざしゅ、と地面を滑る音と共に、ラピスの横にウェインが滑り込む】

や、ラピス、ありがとう……

【息をつきながらそう言葉を掛ける、その背後から、膨大な光】
【そして、市長から響く言葉】

……概念に近い存在だとでも……!

【乱舞される水晶、光の奔流】
【満身創痍のウェインにこれを回避する手段はなく――】

―――『主護り敵砕く宝玉の剣』<デュランダル>―――!

【窮余の一策として、腰に交差させるように差したもう片方の得物、西洋剣の柄に手を触れさせ、魔翌力を通す】
【デュランダル。第三回大会の優勝賞品たるそれは、持ち主の魔翌力に呼応して周囲に魔翌力障壁を展開する】
【今回の障壁のサイズは、なんとか自身とラピスを囲む程度】
【全てを防ぐ、という強度では到底ない。能力者の渾身の一撃を受ければ破れてしまうような、そんな強度だが】
【衝撃を与えれば止まるというミサイル攻撃ならば、ある程度凌ぐことは可能だろう】
【しかし、この障壁の発動中ウェインは刀の柄から手を離すことはできず――また、発動に集中力が必要となるため、機敏な動作も難しい】
【先ほどの突貫で負った傷もあり、ジリ貧の防御である―――彼が、ひとりきりであるならば】
561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/05(月) 00:32:43.01 ID:JFlVpwo50
>>558

【雨霰と飛び交い始めた水晶を前に、四つの『蛇頭』が牙を剥く。それらは空気を舐めるような唸り声と共に】
【絞ったホースのように勢いよく毒液を噴出し、ラピスを押し潰そうとする弾幕に挑んだ】

【水晶があの『獣』の一部≠ナある以上は――生体組織を魔術的に劣化させる作用が大なり小なり働く】
【毒液を浴びた水晶は急速に崩壊し、無数の無害な粒になって落下していくだろう】
【だがそれだけでは十分と言えなかった。ざく、ざくと。彼女の身体のあちこちに、鋭い痛みが走る】
【このままでは物量の差を覆しきれない――そんな危機の瀬戸際で、ウェインの防壁が二人を包んだ】

恐縮です。それに私のような者など、気にしていただかなくても……、

……いえ。戦術的な判断ですね。流石です、ウェインさん。
せめて、私の『眼』でその慧眼に報いることができれば、と思います。

【いやに自虐的な口調ながら、彼女はウェインの意図を理解したらしい】
【弾丸を弾き返す不可視≠フ斥力。そして攻撃に集中しきっている敵。完璧なシチュエーションが揃った】
【ラピスは目を一層大きく見開き、敵の存在の根源を見据える。心臓を穿けば、さしもの化物にも眠りをくれてやれるだろう】


この髪は牙剥く蛇、この血は死を齎す毒の雫。そしてこの瞳は――――命を紡ぎし母の悔恨。

――――――魔眼、解放。貶めろ!《 Gaze of Granite 》――!!


【詠唱によって魔力を練り、放つ。――それはラピスが自我を保っていられる′タ界値に近い出力】
【石化の魔力は病める紫紺の光芒を象って、真っ直ぐに魔獣へと襲いかかる】
【それが決定的な結果を齎すならば――彼の獣の存在はまるごとが何の変哲も無い岩石に置換され、搾取し得る力すら残らないはずだ】

【――そう。やはり彼女は、この戦いを通じて市長に些かの疑いを持っている】
562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/05(月) 00:44:45.33 ID:t0BT6D+70
>>560,561

【毒液を浴びた水晶が迎える結末は予想通りだ。粒となったソレはばらばらと落下し、やがては消滅する】
【そして何かしらの衝撃を受けたならば消える。それが何であろうとも――その性質が仇となったか】
【障壁に次々と飛来する水晶のミサイルたち。衝突1つですぐにそれらは粉々になり消滅する】
【とは言え、そのミサイルは能力者の渾身の一撃には及ばぬもののけして弱いものではない。このまま凌ぎきれるだろうか――】

【――答えはYes。なぜならば、獣はその前に活動を停止するからだ】
【隙の塊だった獣に、ラピスが放つ石化の魔翌力が襲いかかる。始めは腕や後ろ足でもがいていたが、やがてそれもなくなり】
【やがては首と尻尾のない、虫のような姿の獣の石像がそこに誕生。水晶のミサイルも同時に消滅した】

「やったか……な、なにッ!」

【――獣の石像の、ちょうど胸部辺りの位置だろうか。そこからつららのような形をした光の流体が飛び出して】
【今の今まで"解説役でしかなかったし攻撃のターゲットにもならなかった"市長の元へと一直線に飛来、そしてその心臓付近を突き刺した後、煙のように消滅した】
【幸い、致命傷は免れたようだ。胸元を右手で押さえているが、特に倒れたりはせず、熱に焼かれた事もあって出血量はそこまで多くない】
【その後、獣だった石像はがらりと崩れ落ち、風化し、そして跡形もなく消滅する】

「いや、獣は完全に石化していたはず……何故……」

【近くの床に血を吐きつつも、ふらりと真顔で体勢を整える市長】
【いつの間にかコルセットらしきものを服の中に装着していたらしく、挙動は滑稽ながらも一応動けるようだ】

【――地響きがする、小さな石の欠片が天井から降ってくる。獣との戦いで古びた遺跡にダメージがあったのだろうか】

「遺跡が崩落します! 皆様早く!」

【市長は他の者が階段の方に来るまで、けしてこの場を立ち去ることはしない】
【皆が逃げられることを確認してからだ、自身が逃げ出すのは】
【階段から出口までは崩壊することがない。そこまで逃げられればひとまず安心である】
【……まあ、ぎっくり腰である都合上、そもそも素早く逃げ出すことも叶わないのだが】

【何らかの理由で避難(あるいは防御)に間に合わなさそうな者がいた場合、何者かがその者の近くに現れる】
【抵抗しないのならばそれが助けてくれるはずだ。何本かの触手で捕らえ、飛行するかサポートし、階段で開放してくれるだろう】

【――こうなれば、後は遺跡を脱出するだけだ。一応、崩れ落ちた部屋を探索することもできなくはない】
563 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/05(月) 00:54:25.79 ID:6dK929Hi0
>>561

【殺到する水晶の弾丸に、刻々と防壁は削られていき、やがてその効果を消滅させる】
【ただ、ラピスが決定的な仕事をするまでの時間は何とか稼げたか―――】

まずい、ちょっと、キツいな。

【どしゃ、と膝をつく。頬や額から流れる血を、ぐい、と拭って】
【肩で一つ、大きく息をした】
【肩を並べたラピスは、その魔翌力と魔眼を、おそらくは最大限解放し】
【決定的な一撃を獣へと放ったのだろう、恐らくは、終末させる一撃を】

>>562

【そうして、暴威を振るった獣は石化する。断空で断たれた首と尻尾を除いたその立像は、どこか足らないような印象を与えたが】

――――、市長!

【光の流体。声を掛けるも間に合わず、市長の胸へと着弾し】
【だがしかし、致命傷とはならなかったようで】
【どうみても戦の素人ではない市長の挙動に、じっと目線を向けていた】

【しかしのんびりとしている暇もない。遺跡が細かく振動を始めると】

ああ、いや。こりゃお約束だけど、今はキツいな……!

【受けたダメージは甚大だ。重たい身体を引きずりながら、なんとか階段へと退避する】
【共に戦ったラピスの後退も確認したところで、】
【市長。もう少し詳しい話を伺えますか、なんて言いながら、遺跡の脱出を行った】
【部屋の探索は、少し難しい。その余力は、ウェインにはなかった】
564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/05(月) 01:01:16.58 ID:JFlVpwo50
>>562 >>563

【妖光を照射し終えると、ラピスは肩で息をし、視線を下に向けながらハンドサインでウェインに手応えを伝える】
【すぐに彼の方に振り向いてしまうと、服を石にしてしまうかもしれない。数秒のクールダウンが必要だった】

【確実な命中が期待できるからこそ、ラピスは足を止めて最大出力の魔眼を放った】
【それは対象が幻獣の類であれ、抵抗を突き抜けて表面から中核までを石化させ得る一撃】

(……えっ、そんなことが?)

……腑に落ちませんが、今は退きましょう。ウェインさん、市長さん!

【――しかし水晶の怪物は、この破滅的な行為ですら完全には滅ぼし尽くせないというのか】
【凝視の魔力が発散して視線を上げたときには、一連の怪現象は既に起こり始めていた】
【何故穢しきれなかった。何故市長の方へ?】
【内心に走る動揺を努めて抑えながら、彼女は髪を人のソレに戻し、崩れゆく聖域に背を向ける】
565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/05(月) 01:08:11.59 ID:uC9BMnGb0
>>556 >>559

『Mでもなんでもどっちでもいいわよ!…もう、じゃあ、M作戦ね。』

【麻季音はパタンとノートPCを閉じる。ちょっとふくれっ面なのは自分が重要人物みたいな扱いなのに】
【情報を知っていて、活躍できる仕事がある他のメンツと比べて仕事があまり無いからだ。】
【狙われているなら外もおちおち出歩かないほうがいいのもわかって居るが…羨ましい。】
【大人しく情報の整理と博士の研究の解析役に徹するとしよう。】

『じゃあ、また。…それで、クラァケさん。行きましょ。あの探偵ほっとくと話長いから…わかったでしょ?』

『じゃあ、鈴音さん。お先に失礼しますね。……探偵はあんまり鈴音さんを引き止めないように。』

【余程疲れたのか、探偵と鈴音に軽く挨拶した後はすぐに奥へ引っ込んでしまった。】
【ミラと麻季音はどうせ明日も居ることだろう。細かい話は明日すればいい】

…わかってるよ。
それで…ウェインか。そいつは知らないが…鈴音が言うなら。助けてもらうとしよう。
今のところ俺らに1番足りないのは腕っ節だしな。

【ロッソは頷く。そしてその次に出た名前には流石にこの男も少しばかり動きが固まった】

カニバディール…俺も、機関でまともに…まともというか。…アイツが1番、見知ったやつだ。
アイツは…今も機関か。…ハハッ、まだしぶとく生きてやがるのか?だと、いいがな。
確かにUTに取っちゃ最悪だな。…アイツだけでUTと張り合えるんだから。

【煙草に火をつける。そして、一口すった後は手が止まり、ずっと灰皿の上でただただ煙草は燃え続ける。】
【利害が一致しなら確かにプロとして信頼できるし力も期待できる。だが俺達の利はなんだ?】
【公安とカノッサが敵対していれば話は早い。しかし、分の悪い賭けにのるか?】

接触する価値はありそうだが…どう接触するか。

【自分も色々なつてを辿れば行き着けるが、鈴音ができるならそれは任せることになる。】

それで…ベイゼか。…多分その居なくなってからはダグラスに助けれたはずだ。どういう経緯だったかか…もう何年も前だ。
まあ、無事だった…っていいっていいのかはわからないが…その後は、2人は機関から身を隠す必要があった。そんなところだったはず。
俺も…暫く潜ってなきゃならなくなった。元々、お尋ね者だしな。…それに、まあ色々……だ。

【うつむき気味に淡々と話す。歯切れが悪いのは元からだが。…2,3年という月日は経ってみれば早いがあまりにも長い】
【数年前に無事を確認してからはなにも…ということらしい。何かを隠しているのかもしれないが…表情を読み取るのは難しいだろう】


/ミラさん、お疲れ様でした!お付き合いありがとうございました!
/鈴音さんはもう少しなにかあるなら続けます!お任せします
566 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/05(月) 01:09:12.45 ID:t0BT6D+70
>>563

「ご心配していただきありがとうございます。私は大丈夫です。このくらいの傷は何度も負いましたから……ええ」
「……詳しい話、ですか……語ることなど特にないと思いますが」

【口調に変化は見られない、けれども明らかにその話題を終わらせようとする返答だ】


>>564

「ええ、いつ階段も崩れ落ちるかわかりませんから、ね……!」

【2人が崩落に巻き込まれなかったことを確認すれば……】
【階段を生まれたての子鹿より拙い動きで階段を登り始める市長。少なくともこの間に崩れることはない】


>>563,564

『市長、こちらへ』 「すまない」

【入口に待機していたのは、先程の運転手である女性だ。女性に背負われる市長】
【……市長はけして痩せているわけではない、ということはこの女性がパワフルなのだろう】

【さて、獣を倒した一行は火炎樹の森から脱出することとなるはずだ】
【余裕があれば探索することもできるだろうし、動くことすら辛いならば市長から移動用アイテムを借りることも借りパクすることもできる】

「本日はありがとうございました。獣のもう片方は1年ほど前に討伐済みです。これで獣による脅威はもう訪れないでしょう」

【火炎樹の森を抜け出せば、市長はこのようなことをいうだろう】
【そして、おそらくは火炎樹の森付近に止められている車に乗り込み、ブレイザーシティ市役所前まで戻ることとなる】
【あるいは、自力で帰るか……その場合は、後述の報酬をその場で受け取れる】

【――報酬の内容は、基本報酬の10万と討伐成功分の200万の計210万が記された小切手と】
【ブレイザーシティ内にある各種医療機関や治療術使いの利用を今日〜明日受付分に限り無料(市の税金100%払い)にするチケット、】
【そして、その他上乗せが存在するならばそれも(金の場合は小切手に合算される)である】

/締め的なレスですが、市長探りは続けていただいても大丈夫です!
567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [sage]:2018/03/05(月) 01:16:19.90 ID:6dK929Hi0
>>564

オーライ、ラピス。
さっさと逃げるとしよう。
市長の調査は別途、ってやつだね……!

>>566

【恐らくでは在るが――なにか、市長の個人的、あるいは彼の属する何かへの大きな利益が、この討伐にはあったのだろう】
【市民の安全とか、そういうものは副次的な目標だったのかもしれない】
【また、所作からしてこの市長が悪人であるとも思えない。機関やその他の組織に所属しているのであれば、】
【自分もラピスもまとめて処分することは容易かったはずだ。それほどに二人の消耗は激しかった】
【だが、それを援護し、自身の身体も危険にさらすほどに撤退を支援した】

――1年前に、か。
随分と前だったのだね。そのときも、こんな風に依頼を?

【帰り道の車の中、傷に応急手当を銜えながらウェインは市長にそう問うた】
【受け取った報酬。金銭も、だが、医療費を市が持ってくれるのが何よりありがたい】
【特段の上乗せを要求することもなく、また過分に探りをいれることもなく。前述の質問程度で、ウェインは眠りに落ちるだろう】
568 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/05(月) 01:37:21.43 ID:JFlVpwo50
>>566 >>567

【任務が終わったあと、ラピスはエネルギーの消耗による飢餓感に襲われていた】
【予め持ち込んでいた水筒らしきものから彼女の口に注がれる液体は、濃い赤みを帯びていて、どこか鼻をつく匂いがあった】

(……あれだけのを穢し≠スら、大分ふわっとします。効果的な調査ができる状態ではないですね)

【能力の行使による心理的・肉体的な開放感と、疲労と負傷による意識の曖昧さから、彼女は市長の追及は困難と判断】
【この件に関しては、頭の隅に留めておく、という形に終わるだろう。なにせこれから余りにも大きな『ヤマ』が待っている】

……そうですか。では私は少し休ませてもらいましょう。
何かあったら起こしてください。貧弱な魔獣や野盗でしたら、寝起きでも噛み付いてみせますので。

【彼女は疑いを胸に秘して眠りにつき――帰路につく車の中を、微睡んだまま過ごすだろう】


【そして後にウェインが着替えるなどして自分の服を探ったなら、あることに気付くはずだ】
【――水の国フルーソ市警 異能捜査特課≠ニいう(ダミーの)職掌や連絡先が記載された、ラピスの名刺が入っている】
【恐らくは防御円を展開してお互いが密着し、ウェインも魔力の操作に集中しきっていたあの時に仕込んでいたのか】

【彼女が想定しているのは、無論火の国での事案が想定以上にきな臭い場合の対応ではあるが】
【こうして結ばれた縁がいつどのような形で立ち上がってくるかは、未だ分からない】
569 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/05(月) 01:44:20.46 ID:TjLWHtpI0
>>559>>565

【M作戦。あるいはMR作戦――急に自分の名前まで引っ張りだされた少女は驚いたようになって変な声を上げていたのだけど】
【最終的には「わたしはどっちでも……」というのが答えだから。おそらく麻季音の言ったM作戦が正式な名前になるのだろうか、それにしても】
【この場に居合わせた人間の頭文字がMかRできれいに揃っているというのもなんだか偶然みたいで――偶然だけど――おもしろい気がした】

【一つ目の名前は、まず無条件に信頼できるとのことだった。とにかく話は確実に聞いてくれるだろう、そういうひとだ……と思う。少女は、思っている】
【そして二つ目の名前は――だけれどこちらも、条件さえ合えば、信頼できると言い切るのだ。その言葉がどれだけ不確かに聞こえるかも、分かっているつもりなら】
【まずミラの言葉、軸がぶれない大悪党。それに頷いてみせるだろう、それから先のこと――利害が食い違ったとたん、という言葉には、】

……セリーナが、倒したと思ってた。だけど――生きてた、だから、今も生きている。機関に居るかは分からないけど……多分、居る。
あとは――わたしたちのしたいこと、麻季音ちゃんのお父さんを助けたり、クラァケさんの能力を取り戻したり……公安を潰すこと、が。
どれくらいカニバディールにとっても都合がいいかって――。

【しぶとく生きているのかという言葉には、悩むこともなかった。生きているという断言、機関に居るかどうか……には少しだけ曖昧な、だけど、居るはずだと】
【だけれどこちらの案には問題もある。相手に提示すべき利がどんな形をしているのか――またそれが本当に相手にとっての利なのか。機関がどこまでの情報を持っているのか】
【そうやって持ちかけていいのかどうか。だけれど――そういうのを取っ払って、あの人物を考えるなら、やはり信用できるとは思う。それはきっと、ロッソも同じで】

…………もう何年も前だけれど、多分、抜け道に使っていた――マンホールの場所なら、分かるよ。
それを今も使っているかは分からないけど……、もしかしたら連絡が取れるかもしれない。そうしてくれるかは、分からないけど――。

ロッソさん、どうする? ウェインさんは……すぐに連絡付けられる。わたしのお家に泊まっているの、だから、すぐにでも。
カニバディールは……ちょこっと時間がかかるかな。それで本当にお話してくれるかも分からないし……、

【もしかしたら接触する方法はあるかもしれない。ただ、不確かだ。ましてそんな手段で連絡を取ろうとしたとして、相手が乗ってくるかは分からない、けど――】
【そうでなければ、あるいは、また別の機関員を"お使い"に使うか。だけれどそのための機関員の知り合いがいない――となれば、方法は一つしかないように、思え】
【(ミラが機関員の元に匿われていることを知らなかったから――)】

……ロッソさん、一つね、いいこと教えてあげる。
カニバディールが、ダグラス・マックスウッドかあなたを締め上げて吐かせろって言った、わたし、今、あなたに聞いて……、あのひとが本当のことを言っていたってわかった。
それでね、わたし――ウェインさんに聞いたんだ。つい最近――、ベイゼと会った。UT(ここ)の近くのホテルを取って、人探しをしている、って。
ウェインさんが言うにはね、「クソ元気だった」って。――、どう、かな。

【――それで、これは、きっと、礼だった。急にくすりと笑ってみせた顔は優しいもの、内緒話するみたいに――ミラと麻季音が引っ込んでから、彼のそばに立って】
【カニバディールの言っていたことが本当だったと証明された。そして、彼女が挙げた人物――ウェインによって、ごくごく最近の、"彼女"の無事と健全が保証されている】
【少しだけ泣いてしまいそうな目で笑うのだろう、ずっと伝えたかった長患いでは、きっと、ない。だけど――このひとにとっては、きっと、大事な、大事な、こと】

【少なくとも――彼女の見る限りでは、数年は会っていないのだろう、と思えた。隠し事も、きっと、彼女にはあまり意味がない、伝えたかったのだ、ただ、ひたすら】

/ミラさんの方おつかれさまでした! そしてロッソさんの方、差し支えなければ、もう少しお願いできたら嬉しいです!
/ただ時間的にそろそろ落ちなければいけないので、また明日に持ち越しをお願いすることになってしまうのですが……
570 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/05(月) 01:47:25.20 ID:t0BT6D+70
>>567,568

【助手席で胸部の応急処置を行う市長、ウェインの問いかけに対してはこう答えるだろう】

「ええ、1年程前にも同じ様な依頼を出し、そして力のある方々と共に獣の片割れを討伐しました」
「私も腰に魔女からの一撃を受けなければ応戦していたのですが……申し訳ございません」

「あの時は前調査無しでしたが、偶然すぐに遺跡を発見できました」
「ですが、やはり偶然は偶然。遺跡の場所はきちんと調査すべきだと思いましてね、私が休日返上で調査を行いました」
「……公務が多忙を極めていたこともあり、もう片方の獣が封印されている遺跡が中々発見できず」
「ようやく発見したのが1週間前程でした。時間が空いてしまったのは、そのような理由がございます」

【市役所で同じようなことを問えば、同じような内容の返答が帰ってくる】
【市の人々の一部も、1年ほど前に市長が討伐依頼を出していたということだけは教えてくれるだろう】
【口裏合わせをしていないとは言い切れないが……この件に関しては特に嘘はない、おそらくは】

「暫しの間となりますが、ごゆっくりお休みください」
「ええ、目を覚ます必要はおそらくありません……いざとなったら秘書にマシンガン撃たせますから」

【そして、眠りにつく前のラピスに対してはそう語りかける。穏やかなトーンだが、好戦的なオーラが少し滲み出る】
【(マシンガンを撃ったら音で目が覚めるのではないだろうか? そう、秘書は思った)】

【――――】

【2つに分けられ封印された光り輝く水晶の獣は、どちらも倒された。けれども、どうも不可解な点が多かった。】
【市長は我々に何か隠し事をしているのではないか――抱かれたその疑念は、後に解消されるのだろうか】


【後日、市長が光り輝く水晶を操っていたという噂が流れ始める。一体誰が流したのか、事実かどうか、様々な面で真偽は不明だが……】

【それは、市長が獣の力を手に入れたとしか思えない噂だった】

/お疲れ様でした!
571 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/05(月) 02:05:26.04 ID:uC9BMnGb0
>>569
/了解しました。自分もそろそろ落ちなければならないので
/お返事は明日にさせていただきますが申し訳ないんですが0時頃になるとおもいます。
572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/05(月) 02:07:33.46 ID:TjLWHtpI0
>>571
/了解しました、こちらも明日は帰りが今日くらいで早くないので、お気になさらないでくださいっ
/ではひとまずおつかれさまでした!
573 :ミラ ◆DqFTH.xnGs :2018/03/05(月) 09:11:45.59 ID:2xKCnA/8O
【朝。UT内の寝室で目が醒める】
【悪くない寝心地だったが、UTというだけで多少の居心地の悪さがある】
【それに──婦警、曽根上ミチカがいつ現れるかと思うと、あまり落ち着いてもいられなかった】

【まずはスマホのメール画面を立ち上げる。充電42%。当たり前のように指で操作しようとして】
【画面に吸盤が張り付いた。クソが。朝からテンション下がる】
【寝起きでぐんにゃりしている触腕のひとつを手繰り寄せる。今度スマホ用のタッチペンでも買おう】


【『全部公安に繋がった。フルフェイス事件も、麻季音も』】
【『ま、結局公安が悪さしてる、ってのは変わんねぇ』】

【『んで……あたしと麻季音が持ってた手紙で、色々と分かったことがある』】
【『フォルケン博士は洗脳装置を開発してた。それを公安が狙ってる』】
【『博士自体は抵抗しようとしているらしいが……研究は完成間近』】
【『そうなると人類は自由を失うかも、だとよ』】
【『……けど博士は死んでる。公安は死人の影でも追ってんのか?』】

【『それと、研究が完成するためには“ソラリス”って基幹が重要だったらしい』】
【『手紙には、“麻季音”が“ソラリス”だと書いてあった。ただのガキじゃなかった】
【『本人は全然知らなかったっぽいけどな』】

【『麻季音はUT、了解。連絡先は確保』】
【『もしかしたら、麻季音たちが麻季音の親父を助けに公安に殴り込みに行くかもしれねぇ』】
【『そん時は、あんたも行くだろ?ジル。行くって言っちまったから来るよな』】

【『それと、公安の金の流れがどうなってるか分かんねぇって探偵が言ってた』】
【『セレンビター号でなんか分かるといいな。そっちは頼んだ』】
【『昨日今日で分かったことは言われなくても喋んねぇよ。どっから撃たれるか分からねぇからな』】
【『にしても話がでけぇな、ジル。国どころか、世界が買えちまうかもな』】

【『P.S. 』】
【『ここまで公安が動いていて、機関が全然絡んでねぇのはおかしいって探偵が言ってた』】
【『あたしはちょっと、機関の方を探ってみる。やれるとこまで』】
【『なるべく、あんたには迷惑かけないようにすっから』】
【『あと、金貸して。ちゃんと返す。救出作戦に必要なんだと』】
【『あたしも働くからよ。……んで、働き先融通してくんね?今の見た目のままでOKなとこ』】


【────メール送信。字が間違ってても気にしねぇ】
【飯を食って、鈴音やロッソに追加の情報がないか聞いて……列車に乗るのは、それからでいいだろう】
【鈴音のテレポートで街に戻るのもいいが、どうすっかな。ま、とりあえず飯だ】

/絡み不要です
574 : ◆3inMmyYQUs [saga]:2018/03/05(月) 11:33:14.31 ID:mLjy8ZjDo


 ――ええ。はい。
 『ソラリス』は『イの8』してます。
 ええ……ええ……

 え、『酒場』ですか?
 何だか『ネズミ』が増えてきたみたいですよ、最近。
 暖かくなってきたからかなぁ。そろそろ撒きます? 『お団子』


 あぁ、そうですか。了解しましたー☆


 じゃあ、『船旅』、楽しんできてくださいね、ジェフリーさん。
 お土産、待ってまーす!


【つー、つー、つー】
【通信を切った後、その婦警は自転車のスタンドを上げた】
【上にまたがれば、ペダルを踏んで。きこきこ。僅かに軋む音を立てながら、車輪が転がる】
【婦警は空を見上げ、上機嫌に目を細めた。この国は風が気持ちいいなあ――と思いながら】

【ちりんちりん】
【今日もどこかで呑気なベルが鳴った】


/幕間です。読み流しください。
575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 14:02:24.01 ID:JxXVjRVeO
>>545

【遠巻きに船を眺める男に向かい、近づいてくる気配が一つ】

【 ──ゾクリ、と背筋に悪寒が走るかもしれない、其れは恐怖かそれとも歓喜か── 】

【振り向けばそこには雪代が佇む、蠱惑的な瞳を朱に濡らして】



привет там(こんにちわ)──素敵な昼下がりね
お日様が照って、ああもう、冬が終わるのねって、伝える様──
でもね、私には合わないわ、日の下で生きるには、私はあまりにも淡いもの

ねぇ、ディミーア、ディミーア・エルドワル
ふふっ、ディミーア──覚えてるわ、覚えちゃったんだから
カチューシャはね、記憶力がいいの、受けた傷も、かけられた言葉も、全部全部ぜーんぶっ覚えてるの

ディミーアは覚えてる?覚えてなきゃ──少し妬いちゃう


【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性】

【 ──新雪の様な柔肌に、僅かな微笑を浮かべ鈴の音を鳴らす様な言葉をかける── 】

【右の手にはゴシック調の日傘、未亡人の様に身を預けて】
576 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/05(月) 14:11:20.47 ID:XOAXcoz/o
【廃屋】

【路地裏の奥地、まともな人間ならまず寄り付くことはない】
【つまりは、そこから聞こえてくる口笛と、漂ってくる肉が焼ける匂いの主は、まともな人間ではないということだ】

【空間に見合わぬ澄んだ口笛の旋律は、あるいは聞き覚えがあるものかもしれない】
【最近になって新作が発売された、ある人気ゲームシリーズのBGMの一つであった】


【廃屋の中で木箱に腰かけて、口笛を吹きながら握った棒を回転させているのは、身長2メートルを軽く越える大男だった】
【薄汚れた灰色の作業着の上に黒いラバー地のエプロンを着用し、黒いゴム長靴を履いている】
【棒には手足と首を切断された人間の胴体が刺さっており、その下では石で囲まれた焚火が燃えている】

【この男は、人体を焼いているのだ。回転する肉を見つめる、三つの目玉は異様な真剣さに満ちている】


【そう、所業に輪をかけて異様なのが大男の面相である。額に三つ目の眼球が埋まった人ならざる顔】
【短めに切り揃えられた黒髪に、角ばった顔つき。黒い瞳の三つの目。酷薄極まる目】

【やがて口笛が止み、それと同時に棒が持ち上げられた】

……上手に焼けました

【重苦しい声でつぶやくと、大男は焼きあがった胴体にかぶりついた】

/夜中までのんびり置いときます
577 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 14:15:33.20 ID:LFJrdawao
>>575

【────背筋が凍るような感覚がした。腹の底で何かが燃えるような感覚がした】
【相反するものが身体の内側で生じる。憎悪と憧憬、殺意と渇望】
【こんなものを思わせるような相手は────ひとりしかいなかった】


……それなら心配するな。お前のような女を、忘れたりするものか
ただの一秒たりとも、ただの一瞬たりとも、この頭と身体から出ていくことなどあるものか


【ゆっくりと、焦らずにディミーアは振り返る。そこにいるのはNo.3、カチューシャ】
【ぞわり、と鳥肌が立つ。殺してしまえという欲望が湧き上がる。他の機関員では決して起こらないほどの激情が再び】
【それでも今日のこの男は剣を手に取らなかった。震えている右手が如何に欲求を押さえているかを表している】


こんな、辺鄙なところで……何をしにきたんだ?
なぁ────”カチューシャ”


【愛しい者の名を呼ぶように、仇敵の名を呼ぶように、その名を口にする】
578 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 14:48:21.11 ID:JxXVjRVeO
>>577

【 ──雪片が掌に寄り添う様に、体温で溶ける淡やかな華── 】

【そっとディミーアにもたれ掛かろうとするだろう、逞しい胸板に掌を当てながら】
【夜伽をする曲輪に似て、媚を孕んだ細い喉が喘ぐ】
【見下ろす白妙の可憐なルージュ、雪原に浮かぶ朱い花弁】


覚えてたのね!ディミーアは、カチューシャの名前を覚えててくれたのね
恋人を呼ぶ様に、愛を囁く様に、支配を嘯く様に呼んでくれた
ねぇ、私の悦びが分かる?分かってくれなくても、良いけど

だけどね、やーっぱりわかって欲しいの、そう、殺し合った仲だもの
ディミーアが『数字』を持ったこともね、知ってるの、ふふ、何でも知ってるのよ
ひょっとして、私を追ってくれたの?──蛇が獲物を追うように、ゆーっくりと締め[ピーーー]為に、追ってくれたの?


【唄う旋律は妖しく、艶やかな頬に喜悦が滲む】
【指先がなぞる貴方の言葉、横顔に色が鮮やかさを増して】
【溶けた吐息の温度すら、伝わってくるような距離】


あら、ディミーア、貴方なら私の用事など分かるんじゃなくて?
ふふ、良いわ、教えてあげるの、優しく愛撫してあげる
手を取って次は足を取って、ゆっくりゆっくりそうの

──『セレンディピター号』──此処でね、気になってる人が居るの

ちょうど良かったの、ディミーア──ええ、参りましょう、一緒に
恋人の様に睦まじく、愛人の様に悩ましく、従者の様に慎ましく、御一緒しましょう


【可能ならばディミーアの手を取ろうとする、手袋に包まれたしなやかな指先】
【硝子細工の様に繊細な、指先を出来ればそっと絡めて自分の口元に寄せようとする】
【瞼を閉じれば、頬に睫毛が溶ける。柔らかな唇が手の甲に触れるかもしれない】
579 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 15:09:24.86 ID:LFJrdawao
>>578

【カチューシャがもたれかかり、少し驚いたような表情を浮かべる。心臓が跳ね上がる】
【ああ、と────この女は悦んでいたのか。悦んでくれていたのか、と】
【そんな感慨が脳裏に浮かんだ】


────はっ。機関に入ったこともお見通しか
だけど残念だったな。お前を追ってきたわけじゃない。俺にも他にやることがあってな


【意地悪な笑みを浮かべながら、焦らすように言葉を告げる。追ったわけではない。お前だけが追う相手ではない、などと】
【──追ったのだと言えば果たしてどんな顔をしただろうか。その方が喜んだだろうか】
【それでもあえてそんな嘘はつかなかった。求めていると、女の方から言われたかった】

【”セレンディピター号”──目的は同じだった。そのことにディミーアは少しばかり驚いてみせた】


お前もあそこに用があるとは、意外だな
あぁ、いいだろう。今は俺もナンバーズらしいからな
同じナンバーズのお前と手を取り合うのも悪くはない────


【指先を絡めて手繰りよせられる。手の甲に口付けを受けて、ディミーアは小さく微笑んだ】
【彼女が許せば、今度はこちらから手を手繰りよせる。そうして同じように口付けをしてみせるだろう】
580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 16:58:14.40 ID:JxXVjRVeO
>>579

【ディミーアに手を取られる、堅く大きな手──大剣を自在に操る強さと器用さを併せ持つ手】
【此の手に強く抱き締められたなら、優しく撫でられたなら】
【其れはきっと、女に生まれた冥利に尽きる悦びなのだろう】

【 ──とろん、と目尻が蕩けた。擽ったそうな声を漏らして】


ディミーアってば、大胆なの──ふふ、貴方の愛を感じるの
ねぇ激しいのはお嫌い?私は好きよ、だぁい好き、激しい愛で壊して欲しいから
出来ればこのままクシャクシャに、一音一音不確かに、殺めて欲しい

ううん、違うの、ふしだらな……ふしだらな、私に仕置きが欲しいの


【手の甲に感じるディミーアの熱、逞しい男の熱】
【熟れた果実を貪るかの様に、ディミーアに力強く愛して欲しい】
【ホンキートンクな言葉の端に、彩言葉の様な彩を添えて】

【一歩離れて自分の唇に指先を落とす、日傘に小首を預けて】


ええ、行きましょう──欲望の坩堝に
ねぇ知ってる?今あそこでは悪徳の限りが尽くされていて
どうしましょう、分からないの、私が正気でいられるか、分からないの

あぁ、焦れったいの、それでいて恐ろしいの、深淵を覗いているの
其れは背徳的で官能的で──ディミーアがいなきゃ、果ててしまいそう


【アリアを紡ぎ、可能ならば左の手を貴方の右手にそっと絡める】
【婦人が夫にする様、愛人が男にする様、芸妓が客にする様、従者が主にする様──愛も媚も悦も瀟も、全部含めて】
【そのまま乗り場まで仲睦まじく歩いていこうと試みる】
581 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 17:22:40.01 ID:LFJrdawao
>>580

【声の一音一音に脳が甘く蕩かされる。指先に、肌に、唇に──軽く触れるだけで抑えが効かなくなる】
【この柔肌を引き裂けばどんな声で鳴いてくれるか。この喉を締めつければどんな笑みを浮かべてくれるか】
【触れてはいけない甘美な果実が目の前にあるのに手を出せない──堪えなくてはいけないというのに】


あぁ────お前は酷い女だな
今、俺がどれだけお前を殺すのを堪えているか、分かるか?
何もかもを放り出してあのときの続きをしたいというのに、今はできない

それなのに…………お前はそんなことを言って俺を誑かすのか?


【本来であれば、知られてはいけないことだった。自分が機関に潜り込んでいることなど】
【本当ならば、隠さなければならなかった。だというのに、取り繕うことさえできなかった】
【この女に手を出すことを我慢しなければならない。それを守るだけで手一杯だった。嘘をつく余裕など、あるはずがない】
【もはやこの女の前で、一体何を取り繕えるというのか────】


ならば、俺がお前の正気を掴んでいよう
お前がそれを求めるならば、今はそれに応じてやろう
お前が俺以外の何かで果てるなど────嫉妬で狂いそうだからな


【右手を求められるままにカチューシャの左手に絡める。決して離さぬように。誰にも渡さぬように】
【共に行くのに、何の躊躇いもそこにはなかった】
582 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/05(月) 17:46:12.81 ID:1fqiT4Cbo
>>576

【世間の常識から隔離された、常闇の世界】
【直人ならばおよそ関わりあうことなどないであろう、陰の国】

【―――不快ながらも香ばしい臭気に誘われたか。それとも、魔に誘われて迷い込んだか】
【その人物は――こんな場所でなければ――まともな$l間に見えた】

甚く上機嫌のようだな、悪意と欲望の怪物。―――No.29、だったか?

【それは、黒いパンツスーツに身を包み、縁の細い眼鏡をかけて身奇麗にまとめた女だった】
【口笛を吹く大男の様子を“上機嫌”と評して、部屋の入り口――だったであろう場所に女は位置どっていた】

実際に目の当たりにするのは初めてだが。想定していたよりは、人間らしい外見なのだな。
―――怪物、というのは撤回しよう。怪人、としておこうか。

【一つ結びにした銀髪に、碧の眼差し。どこか冷たさを孕んだ相貌】
【スーツに革鞄といった出で立ちでありながら、眼前の光景に臆する様子もなければ。】
【およそまともな$l間ではないのであろうことは、言うまでもなく】
583 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 18:16:46.57 ID:JxXVjRVeO
>>581

【ディミーアの言葉1つ1つにゾクゾクとする、深い愉悦が沸き上がってくるように】
【逞しいだけでなく雄々しい其の姿、さぞ正しく強いのだろう】
【欲望を蓄えた強さは素敵な男性らしさの現れで】


ねぇ、恐ろしいわ、貴方の其の目、強く深く逞しいのに、なんて
なんて──深い色、暗い業、狂気を孕んでいるのかしら
ありがとう、嫉妬してくれて、私のことを思ってくれて

ディミーアの様な素敵な殿方に、思ってもらえて
それだけで、濡れてしまう──の


【豪華客船へ向かう、ディミーアと手を取り合い】
【蜜月の日々を添い遂げる新妻のように時折媚びた目を向けて】
【猫撫で声でねぇと呟くたび柔らかな膨らみが腕を包む】


ふぅん、案外中は広いのね──あぁ、わぁるい匂いがぷんぷんふるわ
加爾基の香り、栗の花の匂い、も一つは今は内緒に
ねぇ貴方、カジノへ向かう?それとも、客室?


【道中何も無ければすんなりと客船の中に入れるだろう】
【子猫のように甘えながら声を向ける】
584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 18:32:13.58 ID:LFJrdawao
>>583

【手を取り合いながら客船へと向かう。どこか惚けた頭を落ち着かせる必要があった】
【これから向かう先は────厄介な場所なのだから】
【セレンディピター号の中へと入る二人。道中は恐らく、何もないだろう
【誰かに見つかっても、さも夫婦だ、と言わんばかりに応対する。それできっと、誤魔化せてしまうだろう】


さて、どこから行ったものか
重要人物の探すか、直接的な証拠を探すか
そういったものがここにあればいいんだが……


【客船の内部に入ってからは、垣間見せていた激情は隠れて、冷静な一面が表へと出る】
【ただ、方針があったわけでもなく、どのようにするかは考え込んでしまう】


お前は、どこから行く?
どこから、どう探るのが好みだ?


【意味深な笑みを浮かべながら、主導権を渡すように、そう尋ねた】
585 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/05(月) 18:38:22.41 ID:XOAXcoz/o
>>582
【異形の目が声の方に向く。暗い光を宿した三つの視線】
【一見して、「まとも」な人物、だが悪意渦巻くこの場においては異物】

【大男は彼女から決して視線を外さないまま、咀嚼していた肉を飲み下し】
【肉の刺さった棒を肉焼き台の上に戻すと、傍らのバケツに汲んであった水を焚火にかけて火を消した】

……久々に上質な肉が手に入ったものでね。香ばしい良い香りだろう?
ああ、その通りだ。No.29、カニバディールという者だ

(出入口は塞がれた……他の退路を使おうにも、背後から攻撃されれば無傷ではいられまいな)
(目に付かない場所を選んだつもりだったが、少々迂闊だったかね……)

【脳裏に渦巻く思考とは裏腹に、表向きはまるで古くからの友人に出会ったかのような笑みを浮かべる】
【果たして、何者か。観察するような無遠慮な視線を女性に送る】

ハハハ、まさかこの姿で思ったより人間らしいなどと言われるとは
どんな噂が広がっているのかね……まあ、少し前までは怪物≠フ方がしっくりくる姿だったのだが

それで――――どちら様かね? 私のような小悪党に、何か御用でも?

【体温が下がるような、冷たい碧の瞳。異形はどろりと濁った黒い瞳で、相対する】

/気付くのが遅くなりました、すみません!
586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 18:48:05.18 ID:JxXVjRVeO
>>584

【室内は豪華絢爛を凝らした内装である。大きなパーティ会場が幾つもあり】
【二人が歩く廊下にも、有名な彫刻家や画家の作品が等間隔に並べられている】
【其のどれもが『暗い』──人間の暗黒面をモチーフにした作品ばかりだ】

【急にカチューシャは立ち止まるだろう、怪物の絵を目にして】
【怪物が人を食べている絵だ、禍々しい雰囲気が作品から伝わってくる】


『フランツ=フェアブレッヒェン』ねぇ、知ってる?
私はね、知らないの、初めて聞くの、そーんな名前
でもね、裏社会では有名なそうよ、えーっとね、確かね

パトロンってゆうの、自分の手は汚さず、甘いあまーぃ蜜だけを吸うの
ねぇ、どんな気持ちなのかしらね、何人も何人も壊して得をするのって
気持ちいいのかしら、それとも愉悦なのかしら

──分からないの、ディミーアは分かるの?


【ディミーアが裏社会に通じていれば、其の名を聞いた事があるかもしれない】
【近年急激に勢力を伸ばしてきている製薬会社<harmony/group>の若き社長である】
【この製薬会社自体が裏社会を中心に活動しており、名前を知る人も少ない会社であるが】

【くるり、ディミーアの手を離し怪物の絵に背を向ける】
【ピンヒールを数回鳴らして、腕を組んだ、悩ましげな横顔が麗しい】


私のお仕事はその護衛、なんでも、わっるーい人達が狙ってるみたいなの
『公安』かしら、それとも別の、生き急いだ羊かしら
ねぇディミーア、私と来てくれる?生命を別の誰かの為に使える?

私はね、嫌なの──私は私の悦びの為に、命を使いたいの
だからね、ディミーア、貴方に守って欲しいの


【そっと手を伸ばす、貴方の首筋に指をつーっと撫でさせようとする】
【つまり、ディミーアに護衛を任せたい、とそう伝えている】
【視線を向けてみれば、一際大きな客室がある、恐らくはそのフランツの部屋なのだろう】

【闇夜に浮かぶ月、暗い水面に陰謀が渦巻く】
587 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 19:05:45.93 ID:LFJrdawao
>>586

【パーティ会場やカジノの喧騒を遠くに聞きながら、二人が廊下を歩む】
【人間の暗部ばかりに焦点を当てた作品群が並び──「悪趣味だな」なんて退屈な感想を言う】
【唐突にカチューシャが立ち止まり、腕が引かれる。首を傾げる】


フランツ……<harmony/group>の若社長か
最近、裏社会を始点に業績を伸ばしている企業だな

そうか、ここのパトロンだったか、十分ありうるな
黒幕なんてものの気分がどういうものか、俺には想像しにくいが……


【裏社会の情報をディミーアはそれなりに知っていた】
【公安に関わるようになってから調べた、というのもあったが、他にも理由があった】
【手を離して悩ましげな顔を覗かせるカチューシャに、ディミーアが怪訝な顔をする】

【しかしその理由が分かると、彼は小さく笑った】


はっ、お前が誰かの護衛なんてのは、それこそ想像できないな
いいさ、やってやろう
目的にも適うし、お前が別の誰かに殺される、なんてのは想像もしたくない


【あっさりと、簡単に──ディミーアはその頼みを聞くのだった】
【この女を殺すのは自分でなくてはならない。重要なのはたったそれだけだった】
【首筋を這う指先。くすぐったさに身を震わせる。同じように女の喉元を指で触れようとする。感触を確かめるように】
588 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/05(月) 19:11:06.01 ID:1fqiT4Cbo
>>585

【焚火が消えれば、室内は幾分か暗くなる。笑みを浮かべる異形に対する女は、表情を変えることもなく】

いや、『冒涜的な姿をしている』などという噂を聞いていたものでな。
ここまで人間らしい形をしているとは思わなかった。
それとも、その少し前≠フ話だったのかもしれんが。

【内心で警戒する大男に反し、構える様子もない。“狩り”にきた、というわけでもなさそうで。】
【『何者か』『何用か』という問いに対し、ゆっくりと口を開いた】

『N2文書』―――この言葉に、聞き覚えはあるか。

【もし、彼がとある文書≠受け取っていたのならば、女の言わんとしていることも理解できるかもしれない】
【しかし、そうでないならば―――何を訳のわからないことを、と。】

【彼が観察するような視線を向けるならば、女もまた、見定めるような視線を向けていた】
589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 19:16:19.68 ID:JxXVjRVeO
>>587

【撫でられる首筋、擽ったそうに声を漏らすだろう】
【淡い声色、睦言にも似た甘い甘い蜜の様に】
【揺蕩う愛の欠片を一片そこに垂らした様に──】

【 ──絹の様な質感、氷の様な温度、それでも生命の残照が呼吸の度に細く揺れて伝わってくる── 】


ああ、素敵なディミーア、そこにいたのが貴方で本当に良かったわ、えぇ、本当
それじゃぁお願いするの、貴方に私の生命を預けるの


【扉を開く、パンドラの蓋を開けるように】
【室内はまるで豪華ホテルの一室、開けたスペースで】
【ソファーに座る男の姿が見えるだろう】

【黄金の様に輝く長い金髪、同じ金色の双眸は全てを見通すが如く】
【白い軍服の上から黒いコートを羽織る、黒い紋様の書いた手袋をはめ】
【威圧感を与える貴族然とした長身の男】


「入りたまえ──ふむ、なるほど。君が『クイーン』か、いやはや、一般人のネットワークも使ってみるものだ。
宜しい、私の前に傅く事を許可しよう、なに──余興には丁度良い。
して、付き添いの騎士殿はどの様な御仁かな、見るからに荒事に手練れてはいるようだが──」


【カチューシャに『クイーン』と声をかける、それが呼び名なのだろう】
【カチューシャは彼の事を知らないと言っていた、つまり、直接の面接は無く、何かで連絡を取り合っていたのだろう】
【ディミーアに視線を向ける、舐るような視線で】


「些かばかり私は不安を感じているのだよ、分かるかい騎士殿。私は善良なる一般市民でね、自分の身すら自分で守れない有様さ。
何故かって?単純だろう。自分の身は自分より大きく、自分の敵は敵より大きいのだから」

「くくく、私は尋ねよう。騎士殿、君にだ──君は果たして他人の為に生命を張れるのかな。
其れは悪行で悪徳で悪疫で悪事で悪辣で、私は正しく悪人なのだ。
其れを守れと云う。私はまだまだ快楽に浸りたい、悦楽を貪りたい。
だから撒いた、災禍の種を、誘蛾灯の如く──」

「私が此処に居ると連絡を流した、直に刺客が来る。特A級の戦士が命を狙いに来るだろう。その間私は奥の寝室で『クイーン』と夜を伽ぐ。君が生命を危機に晒している間に」

「さあ──返事を聞こうか、私を、守りたまえ」


【立ち上がり、ディミーアの前へと歩みでる同じくらいの身長か】
【カチューシャを見る目が明らかに雄の目をしている、高貴な、それでいて色欲に耽るような】
【低い声で笑う、地の底から響くような低い声で】
590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/05(月) 19:20:03.03 ID:6dK929Hi0
【公園、ベンチ】

――医局のジャニスさんをお願いしたいのですが。
はい。トーカーと言います。繋いでもらえればわかります。

【金髪の青年が、ほぼ新品であろうスマートフォンを片手に通話している】
【もう片方の手には、名刺。水の国フルーソ市警 異能捜査特課≠ニ記載があるが――電話しているのは、どうやら市警ではないようで】
【恐らく通話は保留されているのだろう。少し手持ち無沙汰に、辺りを見渡して】

……ああ、もしもし。ジャニスかい。僕だ。
―――あれ? 聞こえてるかい? もしもーし。

……っとと、うん、僕だよ。その通り。
少し因果が在ってね。

あ……泣かないでくれ、うん……その時は、悪かった。
うん、うん。そうなんだ。
調べてほしいことが、あるんだけれど。

【何事か話しながら、もう一度手元の名刺に目を落とす】
【そこに書かれた情報を告げると、じゃあ、よろしく。今度行くよ、とそう言って、電話を切った】

――さて。異能捜査特課、か。聞いたことはあるけれど――

【ふむ、と一息ついて、名刺を懐中に仕舞い込む。少し思案を巡らせているような表情だ】
591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 19:39:13.53 ID:LFJrdawao
>>589

【誓いの言葉を告げるのは二度目。一度目は奪うために、二度目は守るために】
【どちらも意味は同じだった。他の誰にもこの女を渡さないためだった】
【ただ一度、静かに頷く。機関員を守るなどおかしな話だが──命を賭すにはそれだけで十分だった】

【カチューシャの後に続き、深淵の底、その中心近くとなる部屋へと入る】
【長身の男。その姿はいくつかの情報から見たことがあった】
【その威圧感を前にしても、怯むことはなかった】


他人の為に生命を張れるのか、か
────愚問だな、張れるとも
だから、『騎士』なんだろう?


【言葉短く、ディミーアは答えた】
【それができるからこそ、ここに立っていた。その対象が誰であるかなど答える必要はなかった】
【そう、今宵、『ナイト』が守るのは『キング』ではないのだから】

【それが結果として悪逆非道な人間に加担することに繋がるのだとしても、後悔はない】
【が、しかし。自ら敵をおびき寄せるという行動の不可解さには怪訝な表情を浮かべ】
【その次の言葉には────微かに殺気を溢れさせた。それは独占欲か、あるいは高貴なものに汚物が触れる嫌悪感か】


俺の役目は戦うことだけだ
その間、お前が何をしていようと知ったことじゃない
さっさと仕事を始めさせてもらおう


【不機嫌さを隠そうとはせず、フランツに向けて言い放つ】
592 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 19:49:42.82 ID:mLjy8ZjDo
>>590
【――そこから幾時間か前のこと】

【とある人物が、廃墟の一室内で目を覚ます】

――う……ん……

【埃まみれの毛布にくるまった彼の目元に、窓から日差しが差し込む】
【捨て猫のような有様ではあったが、それなりに眠れたらしく、存外すぐに起き上がる】

【彼は短い身支度を済ませると、慣れた様子でその廃ビルを出た】

【風に揺られて、ひどく錆び付いた看板がぎいぎいと音を立てる】
【長い年月と風雨にさらされたその文字はほとんど朽ち果ててしまっていて】
【たった一つ僅かに残った『ぬ』の文字だけが、その可読性を留めていた】

さて、今日も無事に食いつなげるといいんだけれど……

【その人物は歩み出す。放浪者然として当てもなく】


【やがて彼は街中へ至るのだが、何やら当初の目的は果たせなかったらしく】
【人混みの中で一つ、ぐう、とひもじい腹の音が鳴った】

【ああ、仕方が無い。また雑草でも摘んで食べよう】
【青年はそう思い、ふらりと公園へ足を踏み入れると――】

……?

【ベンチの辺りに、何か覚えのある人影を認める】
【数回瞬きをしてから、はっと一瞬、記憶と眼前の実像が一致し】


……トーカー?
あなたはもしや……Mr.トーカー≠ゥ!?


【信じられない――と言った震える声と共に、一人の青年が彼の前へ歩み寄っていく】

【元の色が分からぬ程に褪せてしまった外套で身を包み、その両目は何故か黒い帯状布で覆われている】
【だというのに如何なる故か、視界はしっかりと確保されているようで】
【そんな異質な風体ではあるのだが、男性にしては少し長いその灰色の髪と、朴訥とした若い声には覚えがあるかもしれなかった】
593 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/05(月) 19:51:00.67 ID:XOAXcoz/o
>>588
【薄闇が、異形の醜悪な笑顔を少しばかり覆い隠した。もっとも、この女性はそれを気にする性質でもなかろうが】

ふ、ふ。そうだな、おそらくは少し前の姿のことだろう。今の姿も十分に冒涜的だと自負してはいるのだが
何せ、今の半分のサイズの身体から、蟹足だけを生やした有様だったからな
正義の味方も、私のような存在相手には苛烈にやってくれたものでね……

【戦意は感じられない。だが、警戒を解く理由にはならなかった】
【そして、続く言葉を聞いて。薄暗がりの中でもわかるほど、確かに大男は硬直した】

――――その名を出せるのは、私の知る限り二種類
受け取った℃メ……機関員か。送った℃メ……すなわち長老派か、公安か

もし、お前がどちらにも属さない者であれば……ここで私の胃袋に収まってもらわなくてはならないところだが
どうやら、そうではなさそうだな……?

【大男・カニバディールの顔から溶けるように笑みが消えた】
【『N2文書』。その言葉の持つ重要性を知っているがゆえにだ】

【カニバディールがそれらを受け取ったのは、ほんの数日前。第11研究室の室長、赤崎と酒場で会話を交わして少し後のこと】

【公安に絡んだ事件が、自分たちの隠れ蓑になるとくらいしか考えていなかったカニバディールは】
【あの『使徒』の突然の訪問を受け。反射的に彼を追いかけようとして、結局は捕らえること叶わず】
【文書の中身に。パンドラの箱の中身に目を通して、思い知った。自身の考えが、いかに浅はかであったか】

【あまりに巨大な陰謀。世界を揺り動かす闇。すでに始まっている、水面下での数々の暗闘の気配】
【肉を焼いている間。カニバディールは上機嫌などではなかった。脳内で必死に算盤を弾き続けていたのだ】
【自分は果たして、これを前にどう行動するべきなのかと】

【そこへ、狙いすましたかのような、彼女の訪問。異形の盗賊の心中は、表向きの平静さとは裏腹に混乱にかき乱されつつあった】
594 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 20:04:04.91 ID:JxXVjRVeO
>>591

【ほう──とフランツは軽く声を漏らした、中々どうして苛烈な青年ではないか、と】
【皆が皆、彼に傅いた。其れは愉悦でもあり退屈でもあった】
【素晴らしい、目の前の男は不機嫌を隠しもしない、其れが蛮勇か矜恃かは分からないが】


「くくく──はははっ!!戦うことだけ、と来たか!!
なあ『クイーン』やはり君の見立ては素晴らしいな!!引いた札は十全足る鬼札であったと!!
宜しいならば私はベットしよう、君というジョーカーにかけてみるとしよう」


【嗤う。高らかに、激しく、苛烈に。其れは宛ら演目の如く】
【カチューシャの手を引く、ディミーアの側を通って彼女が男の手に渡る】
【──刹那声が零れる、ディミーアに聞こえるだけの音量で──】

【 ──頼りにしてるの、と── 】

【カチューシャの手を取り、フランツは奥の寝室へ消えていく】
【静寂が室内を包むだろう、深海の如く静かな室内】
【精神を統一するには十分な時間が経つだろう、そして】


【──照明が落ちる、寸刻、扉が開き金属音が響く】

【『クナイ』が投擲される、狙いは右肩。金属音に気づけば防御態勢に入れるだろう】
595 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/05(月) 20:09:24.78 ID:6dK929Hi0
>>592

【幾度か名乗った偽名――たった今も名乗ったそれを、呼ばれる】
【ちろ、と目を移せば、どうやら放浪者のようで】
【名前を聞かれて、何らか物乞いの種にでもするのかな、とそちらを見ると】

―――んん?

【灰色の髪。朴訥とした声。―――両目の布? それには覚えがなかったが】
【たった一瞬と言っていい邂逅ではあったものの、青年の記憶には色鮮やかに、その名が刻まれていた――】

ああ―――エヌ!
君、エヌか!

【思わず立ち上がる。最早会えぬと涙した友が、そこに立っているのだ。そちらへ向けて、勢い良く歩きだすだろう】
596 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 20:13:57.70 ID:LFJrdawao
>>594

【”頼りにしてるの”────最後に、鈴の音のような声を聞いた】
【寝室へと消えた二人に背を向けるようにして佇む。口元には笑み】


そう言われたんじゃ、やる気を出すしかないだろうな
…………とはいえ、だ。問題は”誰が”来るか、だな


【フランツを守る、というのはいい。しかし襲撃者によっては相手を倒してしまうわけにもいかない】
【公安が来るのであれば、それが敵か味方か、探りを入れなくてはならない】
【極めて困難な内容ではあったが────やるしかなかった】

【深淵の底にふさわしい静寂。頭を落ち着かせるには十分な時間が過ぎた】

【照明が消失。周囲が暗闇に包まれる】
【特徴的な高音が前方から聞こえた。即座に大剣を引き抜き、飛来する投擲物を正確に迎撃。金属同士の軽い衝突音が鳴る】
【来たか──そう思いながら、剣を構えながら周囲の気配を探る。暗闇のせいで目はあてにならなかった】
597 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 20:15:06.22 ID:mLjy8ZjDo
>>595

トーカー! やっぱりそうだ!
ああ、僕だ! エヌだ――!

【彼我の距離はすぐに縮まり、二人は互いをすぐ眼前に認める】
【青年――エヌは、目元こそ意味深に隠されていたが、それ以外全ての表情が驚きと喜びに染まっていた】

そんな、まさか、ここが『君達の世界』だったなんて――!

【ああ、信じられない――】
【それ以上言いたいことが溢れすぎて二の句に詰まる有様であったが、そこで】

【ぐう――と】
【間へ割って入るように、無粋な腹の音が大きく鳴り響くのだ】

【――感動の再会も結構だが、私を捨て置いてもらっては困る】
【とでも言いたげな不遜さすら伴って】
598 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/05(月) 20:19:49.46 ID:t0BT6D+70
【路地裏】

「ねぇ、どうしてこういうことしたの?」
『ひ……!』
「ちゃんと正直に話さなきゃ駄目だよ?」

【揉め事は日常茶飯事なこの場所で、やはりそれが起きていた】
【嫌な壁ドンをされているのは金髪の男。いかにもなチンピラだが……酷く怯えている様子だ】

【そして壁ドンしている側は、サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「どうして強盗なんてしたのかなぁ?」 『え、えっと……ババアの入院費……』
「本当? 嘘ついちゃあ駄目だよ?」 『あ、遊ぶお金が欲しくて……』
「本当? 嘘ついちゃ……」 『本当、本当です!』
「本当だね? よく言えました――じゃあ、悪人は死んでね」 『言ったじゃあないか! なんで駄目なんだよ!』

「駄目なものはだーめ。」

【両腕でチンピラの腕を固定し、更にコートの中から伸びるもう1対の腕、その左で胴体を圧迫】
【そして、追加右腕の手には赤い刃が生えており、それをチンピラの首筋スレスレに当てている】
【その刃が首から離れ、そして今まさにチンピラへと迫る――!】
599 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/05(月) 20:23:53.15 ID:1fqiT4Cbo
>>593

【碧眼が細められる。暗がりの中に見える大男の反応を、一つたりとも見逃さぬように】
【そうして、彼の笑みが消えるのと対照に、女の薄い唇が三日月に歪む】

残念だが。私はカノッサに名を連ねる者でもなければ、公安などに所属する身でもない。
だが……そうだな。あの文書の内容を反故にしない限りは、貴様の敵とはならないだろう。

【女が告げた言葉、その意味と、その重要性を知っている。ならば、“今のところは”味方である、と】
【揺れる男の心理とは関係なく、女は淡々と言葉を続ける】

――――貴様の立場を確認させてもらおうか。
我々と敵対するつもりは、あるのか、ないのか。

【―――自らのことは、未だ語らず。先に、敵か、味方か、それを明らかにするよう女は問う】
【『長老派』の交わしたもう一つの密約。機関という組織から見れば、どちらを取ろうと利はある】
【だが、他方―――女の側からするならば。“そちら”を取る者は敵になる、という仕組み】
600 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 20:32:26.38 ID:JxXVjRVeO
>>596

【 ──夜が姿を現す、扉から流れ込む幽玄の月── 】


(<──三課長特命第013号──>……)


【純白の長い髪をツーサイドアップにし、黒いコサージュリボンで片方だけを飾り】
【黒く長いマフラーと巫女服を基調とした無袖の裾が短い着物】
【ゆらりと長い袂からメッシュの長手袋が漏れて見える】
【白いニーソに厚底の下駄を履いた、蜂蜜色の瞳をした少女】

【扉から静かに流れ込み、ディミーアを見据えるだろう】
【初撃を防がれる、その技量の高さを感じ取って】
【手練を雇ったのだと咄嗟に判断、攻め込む事はせず相手を見つめる】

【暗闇に目が慣れたなら互いの位置関係も大まかにわかるだろう】
【5m前後、遮蔽物はなく開けたスペースである】


貴方も、パトロンに与する勢力の一人ですか
構いませんっ、私がするのは、一つ一つその可能性を潰すだけっ
名乗りを上げますっ!盛大に、そうしろと言われたので!

『公安三課』所属、鵺──さあ、その罪を白日の元に晒しなさい!


【響くソプラノ、年端も行かない少女の姿を見せて】
【両足を肩幅に開いて自然体で構える】
601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/05(月) 20:33:40.08 ID:6dK929Hi0
>>597

【互いの顔を合わせる。確かに、確かにエヌだ】

ああ、一体なんでここに――いや、うん、そうだ、ここは僕達の世界だ。
君が救った、僕たちの世界だよ!

【目の前の友の肩を掴むような勢いで、手を伸ばす――万感の再会】

結局何も体験させてあげられないまま、消えてしまうものだから。
どれほど鈴音と悔しかったことか――

【と、いいかけた所で、エヌの腹の音】

―――――。

【少しの間。うん、と頷いて】

ふふふ。
思ったより早く、何かご馳走できそうだね。
どこかで何か、食べていくかい?

【そう言いながら、スマートフォンで何事か操作する。誰かに連絡を取っているようだったが、瑣末ごとだろう】
602 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 20:40:50.57 ID:LFJrdawao
>>600

【月光がその姿を照らしだす。眼前に現れたのは和装の少女】
【距離はおおよそ5メートル。半歩踏み込めば十分に間合いに捉えられる】
【堂々とした名乗りをあげられる。心中の迷いを表に出さないようにした】


(公安三課……カンナはどれだったか)
(パトロンを潰しにきた、ということは目的は俺と同じといってもいいかもしれんが)
(さて、どうやるか)


【様子を伺うような沈黙が続く────が】
【先に動いたのはディミーアだった。その僅かな距離を詰めにかかり、大剣を振り下ろそうとする】
【問題は距離の詰め方だ。一瞬のうちに加速したかと思えば、ほとんど密着するような位置まで突っ込んでくる】

【大剣の間合いを考えれば完全に無意味な行動。目的は鍔迫り合いに持ち込むことで、クナイで防がれれば適度に加減をして押し込む】
【一連の行動は接近に成功すれば、だ。咄嗟に逃げられれば、次の手を考えることとなる】
603 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 20:42:37.64 ID:mLjy8ZjDo
>>601

【肩を掴まれば少し驚くが、それで一層笑みは深まった】
【のだが、腹の音が鳴ったところで】

……いや、その……――忍びない。

【躾の足りていない腹の虫を恥じてか、決まり悪そうに頭を掻く】

ああ……迷惑でなければ、どこか案内してもらえると助かる。
通貨支給日まで、何とか生き伸びられれば……

【世界を救った、などという意識は微塵もないだろう】
【本当に済まないかたじけないと言う風に、俯きながら言うのだ】

【通貨支給日、という言い方はどこか回りくどかったが、要は給料日らしく】
【何やら積もる話もありそうで、どこかへ示されればそれへ従うだろう】
【彼の操作する端末を物珍しそうに見る辺り、まだ世界へ適応しきっているのかも怪しいのだ】
604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/05(月) 20:50:14.59 ID:JxXVjRVeO
>>602

【右の袂からクナイを取り出す、一瞬その手が震えた】
【悟られない様に慌てて握り直す、逆手に握り強く力を込める】
【 ──『次は[ピーーー]』明確な殺意は時として怯えを生む── 】


っ──速いっ……!!


【それ程の大剣をそれ程の速度で振るう、鍛え抜かれた身体と技術は十分な武器になると、実感する】
【咄嗟の出来事に回避が遅れた、迷わずクナイで一撃を防ぐ】
【刃と刃が垂直に交差する様に、金属が混じり合う音色が響く】


貴方は……貴方は知ってるんですか!貴方が守ろうとしてる相手が、どれだけ悪い人かっ!
違法な人体実験、危険な薬物使用、噂では遺伝子操作にも手を加えているとかっ!
剰え、パトロンとして資金援助もしている、と知っているんですかっ!

なんでっ……なんで!!それだけの力を持ちながら、悪に与するんですか──っ!!
力を正しく……っ!!使えないんですかっ!!


【ディミーアの意図を知らず、鍔迫り合いに持ち込まれる、両足を更に開き重心を下に置く】
【刃越しに言葉を向ける、何処までも真っ直ぐな言葉】
【信じている──目の前の相手が雇われているだけだと】
605 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/05(月) 20:50:28.18 ID:6dK929Hi0
>>603

構わないさ……生きていれば、腹は減る。
腹が減るっていうことは、生きているってことだ。この世界で。

はは、もう少し偉そうにしてもいいんだよ、エヌ。
君がいなければ僕もこの世界も、無事では済まなかった。
それを考えれば、少し美味しいものをご馳走するくらい、なんでもない。

【送ったメッセージに、今のところ反応はない。ただまあ、彼に最初にご馳走するのなら――】
【風の国のあのお店しか、ないだろう。ちょうど、この公園からさほど遠くでもないことだし】

【こっちに案内したい店があるんだ、と一歩を踏み出す。連れ立って歩きながら、『通貨支給日』なんて、彼らしい表現を耳にすると】

ああ、給料日のことかい?
エヌも仕事してるのか……僕も花屋でバイトを始めてね。
ただ、先日魔獣退治で報酬が入って、これはどちらを本業にするべきかと悩んでいるところなんだけど――

【そんなふうに話しながら、往来を歩いて行く。表情豊かに話す二人は、まさしくどこから見ても友人だ】
606 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 21:01:04.66 ID:mLjy8ZjDo
>>605

【生きている――】
【その言葉がすっと奥に染み入り熱を灯す】

ああ、痛み入るよ……
今日は君の温かい厚意に甘えることにしよう……

【その口元は、苦々しくも嬉しげな笑みを描いていた】

【連れだって歩きながら、彼は何を眼に収めたものかという風に忙しなく周囲を見やる】
【あれは何だいと聞いて答えられれば、それを反復しながら感慨深げに頷きつつ】

――ああ、『給料日』という表現が、より大衆的か。
なるほど、給料日、給料日……うん、そうなんだ。

存外善意に溢れた人がいるものでね、僕は今、図書館員の一時雇用者……バイト?
そうか、バイトだ、図書館員の『バイト』というやつをさせてもらっている。

……ま、魔獣? そんなものがいるのか、ここには――

【どこへ連れて行かれるのかは彼に心当たりがある筈もなく】
【連れだって、豊かな情報連結――『会話』に興じる】
607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 21:01:58.89 ID:LFJrdawao
>>604

【激昂した言葉が胸を打つ。果たしてこの状況でここまで言う少女が、信用に値しないものなのか】
【相手が公安だということはわかった。問題はその部署が真の黒幕側であるかどうか、だが】
【────どうにも、目の前の少女は信じたくなってしまう。そんな雰囲気があった】


そう、怒鳴るな
違法行為のオンパレードなのは俺も知ってる
しかし、単に捕まえてどうする? 口は割らないだろうし、それに……

────お前たちの内部に奴の協力者がいないと、言い切れるか?


【至近距離でしか聞こえないほどの小声でディミーアは言う】
【その視線は周囲を伺うように動いていた。まるで他の誰かに聞かれてはマズいと言わんばかりに】


本当に摘発したいのなら証拠がいる、噂じゃない完全な証拠が、だ
それはここで奴を捕まえたら、恐らく手に入らなくなる、そう思わないか?


【ディミーアはまだ、自分の所属と目的を明かさなかった】
【しかし言外に、調査のためにいるのだと、そういう意図を含めていた】
608 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/05(月) 21:07:20.65 ID:XOAXcoz/o
>>599
【続く彼女の、機関員でも公安でもないという言葉を聞いた時、異形は身構えようとした】
【今ここで、討ち果たさねばならない相手かと】
【だが、三日月を思わせる女の笑みは、矮小な食人鬼にそれ以上の行動を許さなかった】

正式に所属はしていないが、そちら側≠ニいうわけかね……

【大男は内心で大いに冷や汗をかいていた。あの機密文書の名前まで出した以上は】
【眼前の女は、事の中枢に近い存在ということになる】
【カニバディールにとっては、まずい状況と言えた。なぜならば――――】


(『N2文書』――――あの密約に記された彼奴等の目的が成就などしてみろ……)
(そんな世界に、他者を食らう以外に生き方を知らない、私のごとき『異物』の居場所などあるものか……!!)

(何より、我々が廃の国で盗掘した成果……力の散逸≠ヘ彼奴等の目指す世界にとっては、間違いなくノイズとなる)
(配下らが動けない今、このまま彼奴等の企みが進行すれば、我らが手に入れたものの全てを、長老派と公安に接収されかねない……!!)

(仮に、彼奴等に加担したとして、手にした力を持ち続けることが許されたと仮定しても、根本的には彼奴等の管理下に置かれることになる可能性は極めて高い)
(そうなれば、ボックス一家との同盟を反故にすることになる……黒幕どもに取り入る前に、私がヴォルドゥに背中を刺されるということだ……)

【カニバディール。この異形の盗賊にとって、『N2文書』の内容は、己の利害と対立するものだったのだ】
【機関は居心地のいい場所であったが、カニバディールは機関そのものに忠誠を誓っているわけでもない】
【機関があの文書の通りの形で利を得ようと、それがカニバディールの利に直結するとは限らない】

【ならば、どうする。ここで敵対を宣言するのか。眼前の女を害するのか】


【それも不可能であった。公安もバカではない。対立する相手とも密約を結ぶ長老派に、自分たちの手の内全てを明かしているはずもなく】
【すなわち、『N2文書』を打診した側の全貌は未だ見えないのだ】

【鈴音とセリーナ・ザ・”キッド”との闘いにより、手勢である『スクラップズ』の主力をことごとく封じ込められた今のカニバディールでは】
【正体の見えない黒幕に正面切って対立してみたところで、あっさりと叩き潰されることは目に見えている】
【同時に、密約を交わした張本人たる長老派が、そうなった時に自分を救うはずがないことも】

(長老派の政治力には感服する……こうも完全に相反する思想を持った勢力それぞれと、両勢力に知れる形で密約を結ぶとはな)
(だが、そのシワ寄せを受けるのは私だ……今の私では、どの勢力を敵に回しても勝ち目がない……ならば……)

――――敵対するつもりはない。私には、『N2文書』の密約に従って、行動する意思と用意がある

【虚偽。欺瞞。カニバディールはその道を取った。表向きは『N2文書』に、それを発したものたちに従い】
【その上で、裏ではどうにかそれを阻止しようと目論む道を。姑息な盗賊らしく、こそこそと這いずり回る道を】

【あるいは、彼女の眼力をもってすれば、このような姑息な企みなど見抜かれているかもしれない】
【努めて平静を装っていたが、その動きに不自然さが出ているかもしれない】

【果たして、彼女の反応は――――?】
609 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/05(月) 21:09:43.30 ID:6dK929Hi0
>>606

【灰色の、悪意に満ちた彼の元居た世界】
【それを肌で感じた身としては、この新世界をエヌと共に歩けることが、とても嬉しい】

そう、魔獣。まあ町中にはいないけどね。
君にもいつか、ボア種の魔獣を焼いたやつをご馳走しよう。

【エヌの質問に、飽くこと無く答えるだろう。喧騒と、あらゆる色に溢れたこの世界を、誇るように】
【彼なしでは存在し得なかったこの風景を、一つ一つ教えるように――それは、金髪の青年にとっても再確認なのだ】

ん。図書館員か。
君らしいといえば、とても君らしい。
まあ、最初の給料日までは大変だろうから、今日は食べ物や飲み物も買い込んで帰ろうか。
そういえば今は、どこに住んでいるんだい?

【角を曲がる。もうすぐそこに、建物が見えている――UNITED TRIGGER。世界規模の正義組織本部にして、ランチのお得な酒場である】
610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/05(月) 21:11:53.57 ID:Dgnh3r64O
【"セレンディピター号"】

『なるほどなあ、金貸しか。うん、今までバカにしていたが……
 10貸したものが11になり、回収しきれない場合は担保で補い
 その担保が無い場合はそもそも貸さない、と……言われてみれば、銀行というのはそうつぶれないものなあ』

まァ、そういうことで。手堅く確実に金を増やすなら、貸すことが一番。
利息ってのは最強の力であり、支払いは同意の上の義務な訳で……

……払わない、って連中は俺たちに任せてくれりゃあいい。
そうすりゃ俺もあんたも得をする。そうだろ、パトロン殿?

【悪徳渦巻くこの豪華客船の一角、露骨なまでの金儲けの会話がそこでなされていた】
【パトロン殿、と呼ばれているのは白いコートに袖を通した太めの男性だ】
【見るものが見れば、その人物が鉄鋼業界の重鎮「central steal社」のメイガス・ゴードン社長だと分かるだろうが】

【その隣に立つ、180cmほどの軍礼装に身を包んだ男はどうだろうか】
【精悍に刈り上げた栗色の髪、知的なモノクル。階級は大尉であるらしいが】
【会話の内容は、らしくない。楽しげに笑う姿は、だいぶ打ち解けた様子であって】

……あァ、ちょっと失礼。勝手に部屋出て死なんでくれよ、社長?

『はは、はっはっは……!勿論だ、そういう君こそすぐ戻ってきてくれよ、ジル
 話したいことは山ほどあるんだ──"公安"の話も、聞きたいからね』

【軍人の胸元で携帯が震え、軽い会話をしてからパーティー会場をふらりと出て】
【男が向かう先は後部デッキ。様々な娯楽施設がある以上、わざわざ誰かが来ないような場所】
【電話、ではないらしい。ただ、手元で弄る端末の画面には逆五芒星がうっすらと浮かんでいた】
611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 21:23:07.57 ID:mLjy8ZjDo
>>609

ボア種の魔獣……
ああ、君の記憶情報にいたあれか――美味、なのか……?
どこか空恐ろしいような、興味深いような……――

【彼からもたらされる情報の濃度は、以前の世界とは比べものにならない】
【エヌもまた、ゆっくりと一つ一つ、咀嚼する必要があった】

いや、本当に痛み入るよ……
通貨も使用法も、まだよく分からなくてね……
何が通貨の提示を必要として、何が必要でないのか……僕にはその法則性がさっぱりだ。

ああ、今はとりあえず、郊外の廃墟ビルを拠点にしているよ。
名前も情報もよく読み取れなかったから、僕は勝手に『ぬ』のビル≠ニ呼んでいる。

【今の根城が、奇しくもあの二人が最初に邂逅したあのビルであることなど彼はまだ知らない】
【やがて現れたその堂々たる『酒場』を認め――エヌは言葉を忘れ嘆息する】
【読み取る以前から、極めて濃密な情報子群を感じ取る。圧倒的だ】
【それこそ銀河の中心に位置する重力体を想起させるほどに】

【そこでもしあの少女が勤めている姿を認められれば――またどれだけ驚くのか、未だ知れず】
612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/05(月) 21:39:50.74 ID:HKXBCDUpo
>>607

【紡がれる言葉に彼女は困惑の色を表に見せた】
【何故、と脳内で問いかける。理性的な男の言葉に心揺さぶられ】
【数瞬して、小声の意味に気づいた。聞かれたくない何かを知っている、と】


口を割らせる方法なんて無数にありますっ!そーゆーの、得意ですからっ!
って……何を言ってるんですかっ!部外者の貴方に『公安』の何が分かるとっ!
それに私は、その中でも特務──『公安三課』の人間です!

例え『公安』の中に裏切り者が居たとしても、私の『三課』は信用できますっ


【然して、其れ単体でディミーアへの疑念を晴らす訳にはいかない】
【自分の素性は明かしながらも、未だディミーアの素性は靄のまま】
【純白の髪が頬に溶ける、冷たい汗が伝った】


貴方の言葉は一理あります、ですが、あるだけです
明らかに今回の『事件』はおかしいんですっ、アレだけ厳しい『公安三課』が名乗る事を許されるなど……
私は信用できませんっ、貴方の事を、まだ


【真っ直ぐ見据えつけて言葉をたした】
613 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/05(月) 21:43:10.73 ID:6dK929Hi0
>>611

んー……そうだね、僕は好きだな。
生き物食ってるって感じがする……

【美味いのか、アレ、と聞かれて、そんな答えを返す】
【無論食肉用に品種改良された家畜のほうが、味は安定している。肉も柔らかい】
【だが、原種にしかない野趣というものも、これは堪えられない美味さがあるのだ】

通貨は……概ねのものに必要だ。
少し考え方が君の世界とは違うかもしれないが――ああ、そうだね。

この世界では、みんなが生活するために何事か『仕事』をしてお金を稼いでいる。
つまり君が受け取る何かは、ソレに拠って対価を得られる『誰か』の糧なんだ。

そう考えると、何にお金が必要で、何にはお金がいらないか理解できるかも知れない。
一つヒントがあるとするなら、公的なサービスは税金で運営されているから、お金のかからないことがある。

【自由な経済活動など、許されていなかったであろうエヌの世界】
【エヌは未開人ではない。明らかに水準以上の知性と知識を持っていて、ただ、育った世界の常識が違っただけなのだ】
【だから金髪の青年は、『値札がついていればお金が要るよ』などとは言わない】
【この世界の成り立ちを知ってもらうために――今後彼が生きていくこの世界を理解してもらうために、経済活動の観点から代価と生活について話をした】
【そうして、彼が今どこに住んでいるのかを聞くと】

――え、『ぬ』のビル。マジか。
あの得体の知れないホームセンターみたいなホラーハウスみたいな、あの『ぬ』のビルかい?
看板に『ぬ』の字だけ残った。

いや参ったな、そりゃ住むよな。あのビル妙な魅力があるんだ!

【目を丸くして、そして大きく笑う。何せ自分も、このビルに住むと宣言したのだ――今から訪れる、その酒場で働いている彼女に対して】
【会えるかはわからない。けれど、きっと会えるような、予感がした】


/エヌの人、お風呂入ったりご飯食べたりしたら22:30とかになりそうじゃないです?
614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/05(月) 21:43:53.09 ID:1fqiT4Cbo
>>608

【―――少しの沈黙。その間、思考の読み取れない無感情な表情と、向き合うこととなるか】

口では何とでも言える。初めから、貴様が何と答えようと信用するつもりはなかったが。
――――言質は取った。なに、お互いに利用しあえばいい。そういうものだろう?

そも、機関だなどと言っても、一枚岩ではないだろう?
あの文書を作成した連中も、そんなことは承知の上だろう。いずれ裏切るとしても、それまでの行動で利を齎すならばそれで良い。

【―――信用していないが故、か。それとも、彼の考えを見透かしてのことか。】
【それは定かではない。が、いずれ@切るとしても、現局面において同じ側にあるのならば、それでいい、と女はして】

――――――第五列 / インフォーマー
それが私の役割だ。今の言葉を貴様が違えたならば。その時は私が狩って≠竄う。

だが、それまでは―――貴様にも野犬≠ヌもを狩ってもらおうか。

【告げる役割は『密告者』の意味を持つ言葉。『公安でも機関でもない』という女の立場を鑑みれば、その意味は語らずとも知れる】
【敵となる人間――即ち、嗅ぎ回る野犬≠フ存在を探し出す。】
【そして、然るべき狩人≠ヨとその情報を渡し――――――狩る。】

【その一方で、敵に回ったならば、狩られるのはそちらだ、として。】
【自分達にはそれだけの力がある、という自信故の発言か】
615 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 21:53:17.23 ID:LFJrdawao
>>612

【鍔迫り合いを続けながら、ディミーアの表情に迷いが生まれる】
【三課の情報があまり手に入っていないのが痛手だった。例え少女がこう言っていたとしても安易に信用はできない】
【しかし、彼女はいくつか気になることを言っている。聞き出すにはこちらが信頼を得る必要があった】


わかった、まずは信用される必要がありそうだな
俺はディミーア・エルドワル。本来は自警団所属だが、ある知人から頼まれて公安と機関の繋がりを探っている
今日、ここに来たのもその一環だ。あのクソ野郎の護衛をすることになったのは成り行きだったが

どうやらお前は、自分がどうしてここに来るはめになったのか、正確には知らないようだな


【まずは自身の素性を明かすことにした】
【三課が信用できず、目の前の少女が自分を信じていない以上、この行動にはリスクを伴ったがやむを得ない】
【少なくともこちらの視点から、彼女のことは信用できる。この場で分かっていることはそれだけだった】


国家内乱罪で捕まった西島のことは知っているな?
やつは最近の一連の出来事について、かなり重大な証言をしていた
それを教えてやってもいいが、お前が俺を信用する必要がある……しかし、だ

俺はお前が信用できる確たる証拠は持たん
だから、これは”賭け”になる────どうする?


【現段階で出せる限りの情報をこちらから開示した上で、相手の決断を待つ】
【信用の証か、少しずつ腕から力が抜かれる。クナイにかかっていた重みがゆっくりとなくなっていくのがわかるだろう】
【とはいえディミーアにはもう一つの”事情”があるために、完全に戦闘を止めるわけにはいかなかったが】

//夕食をとるので次ちょっと遅れるかもしれません
616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/05(月) 22:03:29.54 ID:HKXBCDUpo
>>615

【 ──夜月が傾く、煌々とした光が二人を照らすだろう── 】

【白装束の少女は迷っていた、左の指が白い髪をくるくると弄る】
【其れは彼女が考え込む時の癖、仕事とプライベートの境目が薄くなっている証左に他ならず】
【白い袂が大きく揺れて、濡羽烏の心を拐かす】


『自警団』── その人間がどうして……?
知らないって、そんな事ないですっ、特命を受けて赴いた迄です!
重大事件のパトロンを拘束する事、その目的の為に来ましたっ!

貴方が守っているフランツ 彼も、そのパトロンの一人なんですっ!!


【明かされるディミーアの素性、続く言葉に顔の端に苦悶が映る】
【彼女自身疑問があった、この特命が通常と何か違うと】
【感じるきな臭さに陰謀を振って、残りは灯火に近い】


──『西島当護』──っ『証言』……!?
どうして、『自警団』の貴方が、其の様な事実を知ってるんですかっ

……ですけど……っ、あぁっ!もぅ!!
わたしっ!こーゆーのっ!ほんとっ苦手でっ!!もう、わっかんないんですっ!
どっちなんですかっ!!私の味方なの!?敵なの!?


【緩む力も手伝って、だろう──彼女の感情が爆発する】
【わからない、と叫ぶ、些か滑稽だが、間違ってはいないだろう】
【口を尖らせて叫ぶ、年相応の幼さが頬に残る】


/りょうかいでーすっ!ごゆるりと!
617 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 22:04:04.46 ID:mLjy8ZjDo
>>613

【凶暴そうに土煙を巻き上げるあの魔獣――彼が美味だと言うのなら、】
【自らの手で生命を屠り、それを捕食するという体験も中々に奥深いものを感じた】

仕事、誰かの糧……なるほど……
――公機関が、市民≠ノサービスをするのか……逆ではなく……?
いや、それは驚いた……そうか、なるほど……それは素晴らしい在り方だ――

【包括的、かつ本質的に説明される経済の有り様を、エヌは酷く感心しきった様子で聞いた】
【元の世界とは様々な面で在り方が違う。しかしそこには確かな豊かさが感じられた】
【この短時間で、エヌは彼から重要な様々――確固とした世界の有り様を、貪欲に学んでいた】

【「いや、実に理解しやすい。ありがとう、トーカー」】
【しばらく一人で頷いていたのだが、何か得心したように、向き直って礼を言い】

【彼の口から『ぬ』のビルという言葉が出ると、エヌは声のトーンを一つあげて問い返した】

――知っているのか?
『ぬ』のビルを? ――そう、それだ、あの妙に奥へ誘われるあのビルだ!

あはは、驚いたな、いや、何から何まで全く――あははは!

【それが確かに今自分が住んでいる拠点に相違ないことを認めると、】
【本当に心から楽しげに、そして可笑しげに、笑い声をあげるのだ】
【そう、あそこが良くてさ、等と好みの点で意気投合することもあろう】

【そうして、また再びの喜びの可能性を秘めたあの『酒場』へと歩みは進み】


/なりそうですねぇ! なりますなります!
/いや〜大変申し訳ないな〜次ちょっと遅れますーいやー実に申し訳ない。
618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/05(月) 22:13:00.33 ID:6dK929Hi0
>>617

そう。
とは言え治安維持、暴力装置としての側面もやはり公機関は兼ね備える。
社会全体を維持するための役割というのは、やはり担っているわけだね。
ただしそこには大いに我々の自由意志が反映される……というわけだ。

【道辺で楽器をかき鳴らす若者、何やら仲睦まじく歩く男女】
【飲食店の呼び込みの声に、なにかいい匂いが鼻を刺激して――】

【『ぬ』のビル談義が盛り上がる。結局、何のビルだったかは全然わからないままなのだが】
【特に調べる必要もないのだろう。そういうのをロマンと言うのだ】

【そして、二人は酒場へとたどり着く。ぎい、と軋む扉を開いてみれば―――】

/ですよね! 僕も少し遅れるなあ!
619 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/05(月) 22:13:43.13 ID:XOAXcoz/o
>>614
【沈黙の時間は、カニバディールにとっては数時間にすら感じられた】
【その間も、彼女を観察し続けたが、その鉄面皮から読み取れるものはなかった】

当然だな。最初から手放しで信用してもらおうなどとは、私も思っていない
……全くだ。我々のような人種は、そういうものだ


ああ、その通りだよ。カノッサ機関という組織は、その構造そのものも混沌としている
今までもこれからも、一枚岩になることなど、まずあるまい

ふ、ふ。そうまで言い切ってもらえると、いっそ清々しいな
(利用するだけ利用して、いつでも切り捨てられるということか……言ってくれる)

【姑息な盗賊の警戒など、どこ吹く風と言わんばかりに】
【彼女の言葉はあまりにドライで、的確であった】

第五列 / インフォーマー=c…貴女のことは、そう呼べばいいのかね?

……肝に銘じておこう
それで私の役割は、野犬≠嗅ぎ出して排除する猟犬≠ニいうわけかね
(そしていずれは、『狡兎死して走狗烹らる』というわけか……)

【狩人≠フ手足となる猟犬≠スれ。そういうことなのだろう】
【その情報を探り出して彼女に渡すか、あるいは自らの手で野犬を狩るか】
【今の、つかの間の安全を保つためには、いずれの形にせよ猟犬たる役割をある程度は果たさなければならないだろう】

【同時に、裏切ったその時には、彼女自身が。そうまで言わせるのは、彼女の背後にいるものたちの力か、彼女自身の力か、その両方か】
【肩書は機関員でも公安職員でもなく、その上で狩人だというのならば。彼女は、この巨大な闇の案件を操る黒幕勢力の中に合って】
【さらに闇の力というべき、最前線に立つ者なのだろう】

(生命力においては、引けを取るつもりはないが……やはり直接対決は避けたいところだな)

ならば、聞いておきたい。現状ですでにわかっている野良犬の情報はあるのかね?
せっかく嗅ぎ出した情報が、すでにそちらが握っていたなどという、無様な二度手間は避けておきたいのだがね

【重苦しい声は、どうにか震わせずに済んだ】
620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 22:36:37.44 ID:LFJrdawao
>>616

【ディミーアは鵺よりもむしろ、背後の扉に注意を向けていた】
【ここまできたのなら鵺の説得は大丈夫だろう。気がかりなのは向こうの方だ】
【今の会話を聞かれている心配はないだろうが、万が一、出てこられると困る】


俺はお前の味方だ。お前が俺を信用するならな
重大事件のパトロンを拘束する、というのならばお前が抱いている違和感はなんだ?
この事件がおかしいというのなら、その正体は”陰謀”だ

西島当護は公安内部に機関と繋がる連中がいると言っていた
俺の目的はその証拠を見つけることだ。つまり、公安に単に捕まえられると困るんだ


【ディミーアの目的は証拠を押さえることであって身柄の拘束ではなかった】
【ここで新たな問題が生じていた。三課課長の目的をディミーアは分かっていない】
【その上、三課を信用することができないために、互いが協力できる状況にあることを気がついていなかった】

【唐突に、ディミーアは気の抜けた笑みを浮かべてみせた】


俺はお前を信用する
さっきみたいな熱いことは、ちょっとおっさんになってきた俺には言えないからな


【少女の怒りは、真にこの男の胸を打っていたのだ】
【いくつもの戦場を抜け、戦いを続けてきたために、わざわざ敵に自分の感情をぶつけるなど】
【今となっては、そういうものがなかった。懐かしささえ覚えた】


//ただいま戻りましたー
621 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/05(月) 22:46:23.17 ID:HKXBCDUpo
>>620

【むぅ、と頬を膨らませた。戦いの最中であっても表情は良く変わる】
【其れはきっと慣れているから、命の取り合う戦いが日常に有ったから】
【幾重もの死線を越えても未だ足りない、世界の裏側を知っているが為】

【ディミーアの言葉は筋が通っている、だからこそ冷静に考えねば、と言わんばかりに】


っ……『陰謀』があるんですね……
そんなっ──『公安』内部にっ──


【一つ一つ精査する、ディミーアの思考に、少しでも追いつける様にと】
【刹那、笑みが零れた。かけられる優しい言葉と笑み】
【胸に暖かい感情が溢れる──ここ最近、荒む出来事ばかりだったから】


ふぇっ── あっ──……ぅ、い、いきなりなんですかっ!
そんないきなりぃ、優しく来られると、て、照れちゃいますっ
そ、そこまでゆぅならっ……信用してあげないこともっ、ないですけどっ

別に、別にっ貴方の事、完全に信じた訳じゃないんですからねっ!
こほんっ!こほんっ!えっと……なんでしたっけ、公安内部?かなっ……

裏切り者──── ほんとに、ほんとにいるんです、かっ?


【頬白に紅が交じる、朝焼けが宵雪を染めるが如く】
【クナイを下ろして──思わず顔を背けてしまった、恥ずかしさがあって】
【視線を外しながら言葉を返す、ああ、もう、上手くいかないな、なんて】

【内股加減の両足がもじもじしてる、少しでも冷静にならねば】
622 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/05(月) 22:54:31.65 ID:p7EGXUwg0
>>617>>618

【ぎいい――見た目に違わず古びた扉が開かれる。扉に付けられたベルがころん……と小気味のいい音で鳴るだろう】
【開けられた扉から吹き込んだ風が店内の空気をくるくる動かしていく、その道中、いろいろな匂い――例えば料理、酒、煙草――を引き連れ、彼らの開けた扉から出ていく】
【そのたくさんの匂いの中のいくつをエヌは知っているだろうか、たとえばトマトのソースで煮込まれた魚の匂い。調味料に漬けて焼かれた鶏肉の匂い、香ばしく炙ったパンの――】

――いらっしゃいませ! ……、なあんだ、ウェインさんだ。今日も晩御飯? クッキーはないから、安心してね。
あれ、知り合いのひと――? こんばんは、いらっしゃいませ――。

【――そして出迎える声は、りんとした鈴の音の声。いくらかいる客がそれぞれ好き勝手話している中でもよく目立つ声は、目ざとく新しい入店者を捉え】
【ぱっと振り返った笑顔が少しだけ緩む。"なあんだ"なんて冗談めかした言葉、ころころ笑って、歩く足音はやはりことんことんと硬くて鋭い。やがて入口まで行けば】
【前回たらふくクッキーを食べさせたものだから……もうないよ!なんていうけど。あの後家でも割と食べさせられたことだろう、それより……】
【お菓子を察知した幼子をどうやって振りほどいたのか。そんなところも気になるけれど――本筋じゃない】

【それから少女は彼が連れてきた一人を見つけ出す、にこりとした笑顔はひどく人懐こいもの、また同時にあどけないから、こんな酒場には少し目立たないのだけど】
【エヌにそういった認識はあるのだろうか。あのときとは違った服装の少女――肩までの髪は変に垂れてこないように横のところで編み上げられて】
【ふわふわのフリルがわさわさになるくらいまで使われたヘッドドレス。それから透き通るように白い顔には、少し大人びたようなお化粧。そのくせ、造形は幼くって】
【櫻の民族衣装をかたどったような服だ。袖と襟元は似るように作られているけれど、ふわっと広がるロングスカートは間違いなくよその文化のもので】
【その上に白いタブリエをきちん、と、縛り付けている。ことんことんとした足音から考えるに、おそらく、いくらかはかかとのある靴を履いているようで――】

【――――少女は、すぐに気づいた様子はなかった。どうあれ、"彼"は、違う世界のひとであると、思っているのだろう。だから、いろいろなことは叶わない】
【彼がほんの小さな紙の切れっぱしで知ったというサンドイッチも、野生の魔獣の肉も――もちろんほかの、いろいろなものも、食べさせてあげることは、きっとできないって】
【だから――――だけど、】

あれ――――、……お兄さん、て、……わたしと……――会ったこと、ある?

【その少し長い灰色の髪には見覚えがあった。あるいは身体つきも特別に変化がなければ特徴の一つになるだろう。まして数年とはいえ客商売をしてきたのなら】
【はたと不思議な顔をする。確かに見覚えがあった、そしてその人物は。もう会えないと思っていたひと。だのに……連れてきたのは、また、あの日を共に過ごした、ウェインなら】

あ――――! わ……エヌ? ほんとに? 本当に――!? 

【瞬間、その表情は色濃い驚きで彩られる。続いて、ぱっと――うんと色濃く染まった蕾が、朝露の中で開けば、もっと、もっと、鮮やかに、煌めくみたいに、喜ぶ】
【心なしか目まで潤ませているように見えたことだろう。少女がもっとフレンドリーなタイプなら間違いなく抱きしめていたってくらい、それくらいに喜色を満たして】

怪我してない? 寒くない? 病気は? どこか変なところとか……、――、お腹は? 空いてない?

【わあわあと嬉しそうな声をあげながら、矢継ぎ早に尋ねるのだろう。つまり元気でいたかと聞きたいのだろうけど……あまりにわっと尋ねるから】
【相手を困らせてしまうかもしれなかった。それでも最後に気にするのが、"それ"であったから――やはり、彼女らしい】

/お言葉に甘えて……! よろしくお願いします!
623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 23:02:03.59 ID:LFJrdawao
>>621

【顔を背けるという子供っぽい動作に、思わず違う笑みがこぼれる。つい、気を緩めてしまう】
【クナイが下がる──どうやら説得は成功したようだった】
【大剣を構えたまま数歩、後ろへと移動。ある程度なら声量を大きくしても問題ないだろう】


────いる。西島が、あの男が言うのであれば、間違いなく


【ディミーアの答えには西島当護という男への信頼が伴っていた】


さて、俺のことを多少なりとも信用してくれたのなら、この場を収める方法を考えなきゃな
俺としてはある程度、ここの奴の”信用”を得る必要もあるだろう
あるいは、パトロン全体の信用か

さっき言ったとおり、三課の目的がわからん
ひとまずここは、俺に任せてほしいんだが


【背後の扉を気にしながら提案を口にする】
【三課自体がどうなのかわからない。ならば信用した自分にフランツの対処をやらせてほしい】
【そういう内容だった】
624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/05(月) 23:10:57.94 ID:HKXBCDUpo
>>623

【頭の中で算盤を弾く、ディミーアの言葉は信用できるだろう】
【彼女はあまり知らない、西島という男が優秀な捜査官であったというぐらい】
【同じ組織に属していても尚これだ──】

【──隣の部署は外国より遠い、少なくとも彼女はそう思っている──】


ミーくんがそうゆうならっ信じちゃうよ、もぅ……
それとっ、いきなりそんな風に笑うの禁止ねっ!だめだめだからっ
なんかっ、クールな男の人のそんなとこ見ちゃうと、だめだからっ!


【故に嬉しい──組織以外に協力者が出来た、ことに】
【言葉の音律が軽くなる、ふわふわとスフレの様に響くなら】
【思わずにやけて緩む頬を、ぶんぶんと振って引き締めた】


そうですねっ、私はミーくんに任せるって決めましたからっ!
どーしますっ?鵺ちゃんは逃げちゃった事にします?
そしたらミーくんが無傷なの、なんか癪なので一発ぐらい叩きますけどっ


【物騒な提案を一葉、見つめてみればケロッとした顔】
【何か文句ある?的な感じでふふーんと笑うだろう】
【少女の姿、どこかそれは幼げでもあって】
625 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 23:16:01.22 ID:mLjy8ZjDo

【そうして、満を持してその酒場へと足を踏み入れれば――】

【多種多様な視覚、聴覚、嗅覚情報が彼へ殺到する】
【しかしそれはどれ一つとっても非常に麗しく、味覚で例えれば『美味』であった】

【そこで繰り広げられている人々の豊かな営みに、エヌは圧倒されるように立ち尽くす】
【全てが初めて相対する要素。そして全てが不規則性と多様性を秘めた豊かな情報流体】

【その最中、現れた一人の少女に眼が止まる】
【ウェイン? 隣の人物へ掛けられたその名に、僅かばかり首を傾げるも】
【その名を呼んだ彼女への注意の方が今は濃かった――覚えがある】

【服装こそ違ったが、その面影は確かに――】

……鈴音? 鈴音、なのかい……本当に?

【自分の名を呼ばれ、曖昧だったものが確信に変わる】

【そのあどけない顔に喜びの彩花を乱舞させる彼女にも劣らぬように、】
【エヌの顔貌にもまたこれ以上ない程の驚愕と喜悦が咲き乱れた】

――鈴音! 本当に鈴音じゃないか!
ああ、なんだその服装は! なんて麗しさだ! 嗚呼、なんてことだ――!!

【そうして声を上げるエヌの表情は最早千変万化であった】
【『どちらがより驚けるか選手権』の決勝ばりに、両者のリアクションが拮抗した】
【彼女に矢継ぎ早に繰り出される問いに、しかし彼は律儀にも早口で答えていく】

あ、ああ、怪我はない、寒くもない、病気……も多分ない、
この世界は僕にとって少し情報的に眩しすぎるから、『マスク』は欠かせないけれど……それぐらいだ。

あと――……

【ぐうう――】
【我を忘れてもらっては困るな――腹の音が、そこで今一度大きく鳴く】


……――お腹は、空いている。……とても。


【そうして、へらり、と】
【その口元が力なく微笑むのだった】


/ありがとうございます! よろしくおねがいしまーす!
626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 23:16:56.16 ID:mLjy8ZjDo
/失礼、安価が抜けていました。大丈夫だとは思うけれど。
>>618>>622
627 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 23:21:35.76 ID:LFJrdawao
>>624

【簡素な言葉ではあったが、信用してもらえたようで安堵の息を吐く】
【────が】


…………おい、ミーくんってのはなんだ


【さっきまでのシリアスな雰囲気が霧散。思わず突っ込みを入れてしまう】
【因みに”ミーくん”ってのは彼の幼少期のあだ名でもある(今そう決めました)】
【おっさんになってきた、と自負する今、そう呼ばれるのはこそばゆいなんてものではなかった】

【それはともかくとして】
【年端もいかない少女と不毛な争いをせずに済み、かつ、相手が喜んでいる様子を見たのなら】
【それを喜ばないほど冷酷な男でもなかった】


ふん、調子に乗るな
実際に戦い始めればお前ぐらい無傷で倒せる
だから────とっとと行け


【鵺の提案をわざわざ鼻で笑う】
【それから大剣を窓へと向ける。剣身に魔力の淡い燐光が宿り、炸裂】
【閃光と爆音。窓際で小規模な爆発が発生。窓ガラスを吹き飛ばし、爆風で家具が転がる】
【夜闇に包まれた部屋に涼しげな夜風が吹き込んできた】

【「今のでお前を撃退したという体だ」──などと言ってニヤリと笑ってみせる】
628 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/05(月) 23:23:47.96 ID:6dK929Hi0
>>622

【なあんだ、と言われるくらいは通ってきたこの酒場】
【けれど今日は、少しだけ事情が違う。全ての始まりだった、あの事件――その、締めくくりのために来た】
【世界のあらゆる場所を考えても、あの事件の終わりは、此処を置いては有りえない】
【鈴音の居るこの場所こそが、この三人が再会の食事をするのに、きっとふさわしい場所なのだ】

……ああ、鈴音。
彼は、彼だ。僕らの友達、エヌだよ―――

【何度か空想した、その光景。現実に起こり得たそれは、空想の中の再会よりも、ずっと色鮮やかで】
【飛び跳ねる鈴音を、微笑みながら見ていた】

>>625

あ、と――名乗ってなかったな。
僕の本当の名はウェイン。トーカーというのは、そうだな、役割の話だ。

【そうして、鈴音との再会を喜ぶエヌと、鈴音を見ながら】
【三人掛けの席を取る――鈴音は仕事中だろうけれど、少し落ち着いたら座ることくらいはできるだろう】

じゃあ、鈴音。例の、あの時話したサンドイッチを頼むよ。
言ってたとおり、少しだけ塩を効かせて。
629 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/05(月) 23:31:05.79 ID:HKXBCDUpo
>>627

【わぉ、と小さく声を上げた。小規模な爆発──能力かな、なんて口の中で転がして】
【強引に開かれた窓にぴょんと飛び乗る、さながら飛び込み台かの如く】
【マフラー越しに微笑みが漏れた、頼りにしてるよ、なんて言いたげに】


わーっ無傷で倒せるって!ミーくんってば中々達者だねっ
ふっふーん!私も本気出せば凄いよっ、模擬戦とかできたら楽しいねっ!
じゃあミーくん!後は頼んだよーっ!

あっ──それと!一つ!大事なこと、言い忘れてたっ!!


──絶対に、死なないで──


【窓枠から飛び降りる、夜に溶ける吐息が如く】
【白妙が闇に消えたなら、僅かばかりも痕跡を残さず】
【唯、夜霧だけが淡やかな色を残しているだろう】

【殆ど同じタイミングで、奥の扉が開く】
【ゆっくりとフランツが出て来るだろう、悠然とした歩み】
【空いた窓枠にほう、と小さく声を漏らして】


「やぁ、刺客は追い払えたかな?騎士殿。幾分か大きな音が聞こえたが。
それとも、恐怖のあまり武器を落としてしまったか──ああ、すまない、気分を害さないでくれ。
可能性の話だよ、騎士殿。経営者には必要なのさ、ありとあらゆる可能性を考慮する事が」


【バリトンで紡ぐ暗澹とした言葉、ディミーアの側まで近付いてくるだろう】
630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/05(月) 23:31:10.77 ID:1fqiT4Cbo
>>619

ああ、その呼び方で通じるだろう―――私の名前など、どうでもいいだろう?
猟犬=c…ああ、そういうことになるか。

【あくまでも、自身の素性を明かす気はないようで。大男が己の立場を猟犬≠ニするならば、それには肯定を返す】
【そして、彼が情報を求めたならば、少しばかり思案した後に、口を開いて】

【伝えられる情報は、フルフェイス事件を追うフリーライターや、義心に燃える自警団員など、様々な野犬£Bの名前と外見的特徴】
【とはいえ、その中には既に“狩られた”という者もいたのだが。】

それから―――公安。
公安内部にも躾のなっていない犬が紛れ込んでいる。
塒は見つけられていないが……直に明らかになるだろう。

――――セレンディピター号。知っているか?
こちら側に通じる要人が多数あの船にいる。そして、その情報はやつらにも渡っているだろう。
ならば―――待ち受けて、炙り出す。私も向かうつもりだが、何せ巨大な船だ。可能ならば貴様も来るがいい。

【『長老派』と密約を交わす二つの勢力。それらを擁する公安そのものにも、敵がいるという】
【そして、その正体を暴く場として女が挙げたのは―――とある、カジノ船】
【もしかすると、彼の下にも護衛の依頼が来ていたかもしれず】



/すみませんお待たせしました!
631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/05(月) 23:43:27.85 ID:LFJrdawao
>>629

【「ちっ、声がでかいんだよ」──なんて、悪態をつきながら、窓から飛び去る鵺を見送る】


死ぬな、か
久しく、誰からも言われてなかった言葉だな


【誰もいなくなった部屋の中で、独り言を呟き、大剣を背中の鞘に収める】
【その表情は穏やかなもので、その中に郷愁の念があった。すでに失ったものを懐かしむ想いがあった】
【扉の開く音がする────まだ、問題は終わっていない】


ふん、誰に向かって言っているのやら
お前がお楽しみの間に、やることはきっちりやっておいた
窓の修繕費はそっち持ちでいいよな? まさか、払えなんて狭量なことは言うまい


【不機嫌さを露わにしてフランツと相対する】
【今までの会話が聞かれていたかどうか。そこが問題だった】
【バレてしまっては苦労が水の泡になる────そうなってしまっては、殺すことも考える必要があった】
632 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/05(月) 23:44:15.16 ID:p7EGXUwg0
>>625>>628

【また――たくさんの情報は、嗅覚だけでは飽き足らないように、聴覚も、あるいは、視覚にも、襲い掛かるだろう】
【取り付けられたテレビのなんだかよく分からない芸人のコント。あっちで酔っ払って笑い倒しているおじさんに、こちらは泣き上戸のお兄さん】
【あちらのひとが食べているのはきれいな赤色のトマト、こちらのひとが食べているのは、鮮やかな緑色のサラダ。いろんな色彩の――つまり具沢山の――スープを食べる、ひと】

――――うん。うん、わたしだよ、わたし……! 鈴音だよ、また会えた――!

【名前を呼ばれれば何度も頷く。そうだよって、本当だよって――表情も声も態度も雰囲気も、その全部が彼へ喜びを伝えるだろう】
【花屋さんでとっておきの花束を注文したときみたいに、いろいろな花がうんとうんと詰め込まれた花束みたいに、ほんの一つもしなびた花のない、新品の花束みたいに】
【ありったけの感情――もちろんマイナスのものなんて一つも存在しない、するはずない――を、こんな風じゃ到底表しきれないみたいに、声を掛ける】

ウェインさん、すごい、どこで会ったの? こんなの――もう会えないって思ってた、なのに……。

【もういっそ抱き着いて撫でまわしちゃおうかな。それくらいのテンションだった、しばらくぶりに飼い主に会った犬みたいにも見えたかもしれない、くらい】
【それでもそうしなかったのは、ちょっぴりの理性と、ウェインの言葉。本当にそうなんだと――本人が言うのだから疑うはずはないけれど、もう一度、改めて実感する】

【普段なら照れてしまいそうな言葉も、全部が喜びに切り替えられていく。「セリーナが着ろって言ったんだよ」と、ちゃっかり風評被害】

良かった。よかった――、どこも痛くないの? 寒くもなくって、苦しくも――ないの?
よかった、エヌ、あんなふうにお別れしたから――どこかで怪我をしていたらどうしようって。寒くって、苦しかったら、どうしようって……。
……うん。顔を隠しているから、少しだけ、分からなかったよ。だけど――うん、そっか、

【あんなにうれしそうだった顔は、けれど一転して泣きそうになるだろう。だけど悲しいものじゃない……とは伝わるはずだ、ひどく安堵して、嬉しくて、安心して】
【へにゃと笑った目じりから涙が一粒落ちていく。それを親指の付け根でずっ、と、ぬぐい取るようにすれば】

――――うん。サンドイッチ……作る。ほかのものだって、なんだって作るよ――!

【とびきりに笑うだろう、そうできることがとんでもない幸福みたいに、それがとてつもない名誉みたいに、嬉しそうに、誇らしそうに】
【ひとまず注文はサンドイッチ――だろうか。ほかに何かあれば頼めばいいだろう、エヌはまだ分からないかもしれないから――それなら、ウェインが頼めばいいのかも】
【周りの客は、入り口付近の異質な様子になんだなんだと振り返って、それで、何となく理解したらしい。俺たち邪魔しないから……というような、アイコンタクト】
633 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/05(月) 23:54:14.96 ID:HKXBCDUpo
>>631

【口角を釣り上げて表情で笑いを示す、愉悦という言葉が相応しい笑みで】
【目から下は笑顔だゆったりと歩きながら上機嫌を振りまく】
【だが目だけが笑っていない黄金の双眸がディミーアを見据えて】


「これはこれは、騎士殿ともあろう御仁が下賎な言葉を。
立派な仕事ぶり──誠に賞賛に値する、して、褒美は幾らに致しましょう?
ご生憎と、仕事の方は順調の一言。騎士殿のご期待に添えるだけは用意できるだろう。」


【 ──金色が歪んだ、初めて瞳に笑みが浮かぶ── 】


「それとも、騎士殿は"あの女"がお好みか?睦まじく船に乗り込んできたそうではないか、宛ら夫婦の様に。
嗚呼、すまない、セキュリティの為にね、全てチェックしているのだよ、乗ってくる客は、全てね。」

「どうぞ選び給え、金か──それとも
騎士殿の下賎な言葉を借りるのであれば"やりたい"か?」


【黄金の髪が吹雪く、後に響くのは高笑い】
【それは弛まぬ優越感、金も地位も持ち合わせた男の嘲笑】
【或いは──挑発、なのかもしれないが──】
634 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/05(月) 23:59:06.28 ID:mLjy8ZjDo
>>628

そう、か……本当の名……
ウェイン、というのか。なるほど、良い音響だ。

【「僕もこれからそう呼ばせてもらおう」】
【そう言って頷くのだが、ふと、そこで眉根を寄せて】

……僕にも本当の名があったはずなんだ。
どういう訳か今は思い出せない……じきに復元するのか、
情報的に失われてしまったのかは分からないけれど……

どうやら、僕という独自性と個体性は何も変わらないらしい。
だからこれからも当分は、『エヌ』のままだ。――改めて宜しく、ウェイン、鈴音。

【今一度微笑み直し、しっかりと刻むように二人の名を呼んだ】

>>632

いや、また会えるなんて……
それも、この世界で生きることが出来るなんて
僕にも、全く想像できていなかった……――

【喜びに涙すら流す彼女へ、最初は何事かと狼狽えそうになったが】
【それが好ましい感情の発露なのだと理解すると、穏やかな笑みを返した】

【『サンドイッチ』――】
【概要と名前だけで、その実物は知らぬ】
【それが、今から出てこようとしているのだと知ると、おお、と思わず嘆息した】


【三人掛けのテーブル、その椅子の一つに付いて、今一度辺りを見回せば】

……何だかここの人々はとてもその、感情の発露が激しいみたいだけれど
この世界の人達は、これが普通……なのかい?

【酩酊して笑いに吹っ切れたり泣きに突っ込んだりしている人々を見て】
【この世界ではこれがスタンダードなのか、と真剣にウェインに問うたりするのだ】
635 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/06(火) 00:03:30.59 ID:Oemlivjzo
>>633

【その黄金の双眸はあまりにも不愉快な印象を与えた】
【機関員ではなく、恐らく能力者でもない。本来はこの男の煮えたぎるような憎悪を向けるような相手ではない】
【が、しかし。それでもフランツという男はディミーアにとって不愉快だった。その程度の正義感は持っていた】


褒美、か
それなら金銭でも…………────っ!?


【報酬の話に移ると単純に金銭を要求しようとした、が】
【続いた言葉に絶句した。驚いたわけではない。純粋な怒りが沸き起こってきたのだ】
【それこそ下賤な扱いを────彼女に向けるのは許し難かった】


…………悪いが
俺は女は自力で落とすのが好みでね
金や権力に物を言わせるのは趣味じゃない


【今度という今度こそ────明確な殺気をディミーアは放っていた】
【悪人だからではない。”彼女”とのことに余計な口を挟まれた】
【ただそれだけの酷く個人的な理由が、恐ろしいまでの怒りを招いていた】
636 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/06(火) 00:07:54.72 ID:fNn2nDjoo
>>630
……いや、差し支えがないのならば、本来の名前も聞いておきたいところだな
名前というのは、個人を規定するために案外馬鹿に出来ない情報だ
本名を捨てた私が言うのもなんだがね

ならば、せいぜい頑張るとしようか。狩人≠ノ質のいい獲物を持ってこられるように

【少しでも何かを得ようとするのは、この異形の性質である。どうでもいい、とまで言われれば、なおさらに知りたがる】
【それこそ、彼女にとってはどうでもいいだろうが、この男の本名に関しては、指名手配書を見ればすぐにわかるだろう】

【彼女が情報を伝えれば、カニバディールはエプロンから取り出した手帳にそれを手早くメモしていく】
【小さな手帳が、そのまま自分の命脈を握る情報の塊に変わっていく】
【すでに何人かが狩られているという事実への、焦燥感は押し隠して】


一枚岩でないのは、機関に限らないというわけだ……
流石に、そちらを嗅ぎ出すのには少々時間が必要になりそうだな

セレンディピター号。知っているとも
表向きは豪華客船、裏の顔はカジノ船、その実態はマルコ・ダルハイトの支配する独裁国家

あの船が騒がしくなっていることに関しては、文書を受け取る前から聞き及んではいたが……
そちらへの出資者たちだったわけか。合点がいったよ

わかった。私のような者でも、あの船ならば乗り込める。物理的な巨大さもさることながら
金になるなら、何でも受け入れる坩堝のような場所だからな

【カジノ船、セレンディピター号。裏の世界に生きる犯罪者としてカニバディールも当然その名を知っていたが】
【護衛の件は、聞き及んではいても依頼はカニバディールには来ていなかった】

【何しろこの異形の盗賊は、正義組織や一般市民に対するのと同じように、あるいはそれ以上に】
【機関と直接の関わりがない、裏世界の金持ちを獲物として定め、幾度も被害を与えてきたのだ】
【自身の故郷である昼の国の犯罪都市・ヴェンドゥラー、それを支配していたファニー・ゲーム・クラブの会員たちに対してやった仕打ちがその最たるもの】

【ゆえに、黒幕に通ずるパトロンともなれる者たちからの信頼度は絶無。護衛の依頼がないのも当然と言えた】
【だが、潜り込むことは出来る。セレンディピター号とはそういう場所なのだ】

【今現在、当のその船で恐るべき修羅場が展開されているとはさすがに知る由もなく】
【異形は乗船の決意を固めたのだった】
637 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/06(火) 00:11:35.89 ID:wXGsfo0lo
>>635

【クツクツと声が漏れた、白い手袋を顔に当て笑いをこらえ】
【それでも抑えきれぬ声──闇を切り裂く閃光の如く】
【何処までも他人を転けにし、蔑む様な声で】

【──だが、笑みは長くは続かない、双眸が再び捉える──】


「ほう、『金』や『権力』も自力では無いのかね?
単なる力比べで男の価値が決まると、何時の時代の話だ。
騎士殿、後学の為に示してさしあげよう、幾ら君が力を持とうと、其れは井の中の蛙だと」

「力は金で雇える、君が幾ら強かろうと、其れには抗えない。
そうだろう?君は女一人自由にできないのだよ。
嗚呼、素晴らしかった。至福であったとも言えよう」

「その横で君は、どこか地中で蠢く蚯蚓みたいに齷齪と働いていたのだ」


【弁に熱が乗る、些か不愉快な感情が漏れ出てるのだろう】
【自分を前にして傅く訳でもなくて、怒りを向けるディミーアに】
【支配者である自分に、跪かない愚民がいると──】


「──まあ良い、安いヒロイズムに酔って命を落とすだろう。やがて、やがてな──
報酬は直ぐに渡そう、貰ったら一刻も早く消え給え」


【くるりと踵を返し、ディミーアに背を向ける】
638 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/06(火) 00:28:03.51 ID:Oemlivjzo
>>637

【不愉快さ、あるいは怒りか。それが含まれたフランツの言葉に歯噛みをする】
【確かに、女一人自由にはできなかった。確かに力は金で雇える。一言一言に、ある程度以上の論理があった】
【フランツの言うことは、間違っていない。それを認めざるを得なかった】

【それでも──ただ見送るにはその背中はあまりにも不愉快だった】


────命を失うのが惜しいか?

自分の生命を預けられるような、そういう誰かがいるというのは悪くない気分だ
果たしてそれは金で買えるのか


【最後に一矢報いるために、言葉を矢として放つ】
【やがて命を落とすことなど、重要ではなかった。ただそれを懸けられる何かがあれば十分だった】
【彼女は自分にそれを預けた。自分はそれに答えようとした。それ以上、何が要るものか、と】

【ディミーアがフランツにかける言葉は、それだけだった】
639 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/06(火) 00:29:36.05 ID:cwtJ0Otl0
>>622

いや、何も劇的な出会いじゃなくて、
実は公園で電話してたら声掛けられただけなんだ……なんか済まない。

【それから、いくつかの料理をメニューから頼む。肉にしても、野菜にしても――素材感のある料理を頼んだようだ】
【再開を喜ぶのも、まずは腹を満たしたあと、ということだろう】

>>634

ああ、よろしくエヌ。
いつかもし君の本当の名が蘇ったなら、その時は、その名前で呼ばせてもらうよ。

【それから、感情の発露について問われると】

――そうだな、そうだ。アルコールについて、エヌには語っておかなければいかないだろう。
エヌ。

【真面目に向き直る】

この世界の住民の大半には『飲酒』という習慣がある。
アルコールを含む飲料を摂取するものだ。
当然アルコールは酩酊作用を引き起こし、人間の意識を覚醒状態、あるいは朦朧とした状態に陥らせる。
それがあのように、感情の激しい発露を引き起こすのさ。

――論理的に考えれば、ひどく滑稽だ。
自らアルコールを摂取し、意識を手放すことさえあるのだから。
エヌ、君はそうなってはいけないよ。

ああ、鈴音、飲み物の注文を忘れていた。
生ビールをふたつ頼む。

【しれ、っと注文を付け足して、ウェインは真面目な顔をして酔客達を見ている】
640 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) :2018/03/06(火) 00:35:09.13 ID:wXGsfo0lo
>>638

【不愉快だ──背中が伝える、どうしてこうも心が掻き乱される】
【ちっぽけな存在だとさえ思う、自分に比べれば芥も同然】
【けれども折れない、芯の通った言葉は確かに熱を持ち】

【歯軋りを一つ加えた。奥歯が擦り切れるほどに強く】


「詭弁だな。そもそも本当の力とは命をかけないことであり、絶対的な安全の事を指すのだよ。
君達は野蛮人のゲームをしてい給え、私達は其れを観て僅かばかりの退屈を紛らわせる。
──ふん、名前を聞いておこう、なに──直ぐ忘れるがな」


【窮鼠が猫を噛むと云うが、圧倒的な力は噛まれる前に鼠を狩る】
【だが極希に──本当に希に──折れない鼠がいる、と】
【だから知らねばならない、やがてその名が首を狩るかもしれないが】

【──死神の名ぐらい、覚えておきたかった】

【名前を聞いたなら、奥の部屋に戻るだろう、鍵の閉まる音が無情に響く】
【静かになった客室、欲望の音だけが渦巻いていた】

/お疲れ様でした!!
641 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 00:39:08.40 ID:vINpj4sv0
>>634>>639

うん、うん――、もう、わたしね、とびっきりのサンドイッチ、作るね。
お腹いっぱいで泣いちゃうくらい作るから! いろんなおいしいものね、あるんだよ、ここには――。

……エヌの居た世界では消えてしまった食べものも、きっと、あるよ。
ねえ――何か、食べてみたいものはある? サンドイッチだけじゃなくって。

その本には、ほかに何か書いていなかった? そうでなくても、誰かに聞いた、食べ物の名前は、ある?

【泣くまで食べさせる気だ。まさかとは思うけれど、あるいは、ウェインなら――この少女が時々食べきることを考慮していない量を作ることを、知っているだろうか】
【仕事帰りに疲れ切って、とりあえずみんなの朝ごはんを作ろうと台所に立って、出てきたものが朝には到底戦えないフルコースみたいなものだったり】
【今日はお休みだからと張り切って昼頃から調理して夜に出来上がったのが、なんか、すっごい、すごかったり――】

【二人が席に着けば。けれど給仕である少女はそこには座らない、代わりに、落ち着かなくって仕方ないみたいに、そわそわしながら、相手へ尋ねる】
【ふと気づいたのだ。もしかしたら、サンドイッチみたいに……エヌの世界にあった食べ物。だけれど消えてしまったものが、こちらの世界にはあるのかもしれない】
【何か思い浮かぶ名前はないかと尋ねる。同じように本の切れ端で知ったものでも、あるいは人づてに聞いた伝説みたいなものでも、なんでもいいから】
【――あるいは突拍子のないもの、満漢全席とか言われたとしても、自業自得だろう。自分で言ったのだから。……だからって、それを悔やむようにも、見えなかった】

――そうなんだ? でも、すごいね、偶然……ううん、運命みたい、なんだか――。

【少女は取り出したメモにウェインが告げていくものを書き連ねていく。それから、エヌの言葉……この世界の人間のデフォルトがこれなのか、と聞かれれば】

えっと、ね――、これは……。

【急に言いよどんだようになるだろう。アルコール。なかったのか、そうか――という顔だ、あのひとたちがどうしてああなっているのか、を説明するには】
【まずとりあえずここの店主、セリーナ・ザ・”キッド”という人間が、どれだけ普段恰好よくてなんだか優しくてすごいっていうのを話したあとに】
【ワインとかビールとかしこたま飲んですごいことになっているときのことを説明しようとして――つまりすごいひとでもすっごい駄目になるもの、という説明を】
【しようとしたとき――ウェインが急にまじめな顔になって。エヌに向き直って――説明する。ならば少女は口を挟むことはないだろう、名誉は守られた】

…………――じゃあ、エヌは、何を飲む? ウェインさんは生ビールを……お酒を、"一人で"二杯も飲むみたい。

【だけど――続いた注文。すごいしれっとしたものには、少女はこれはすごい分かりやすい営業スマイルを見せるだろう。あれ、なんだか話が違っている】

お茶は飲んだことがある? 植物の葉っぱをね、蒸して……乾かした? ものを……抽出……したもの……、……お酒じゃないよ。さっぱりしてる!
お水とかの方がいいかな。ジュースはどう? いろいろな味があってね、甘いんだよ――。

【アルコールというものさえ知らなかったひとにアルコールをいきなり飲ませようとするの、駄目らしい――にこにこ笑った少女は、それから、エヌへそんな説明を】
【あのお兄さんのお話は聞かなくって平気だよーって様子だった。かといって――彼自身がお酒というものを飲んでみたいというのなら、もう、止めやしないだろうけれど】
642 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/06(火) 00:45:48.90 ID:eG0FIdwGo
>>636

……ケイだ。

【溜息が漏れる。面倒な、とでもいうように、少しばかり眉根を寄せて、己の名を口にした】
【それから、彼がメモをとる様をしばらく無感情に眺めていたが、どうやら件の船については既に情報を得ていたようで】

フッ……流石にそういった情報は早いようだな。ならば話は早い。

公安内の犬を見つけたならば、その素性を明かせ。それ以外なら―――狩れ。
まずは、その成果を見せてもらおう。

カノッサ機関のナンバーズを務めるその実力――――私の買い被りでないことを願うが。

【長年に渡り、ナンバーズを務めるある種“有名人”ともいえるであろう存在、カニバディール】
【裏世界の富豪相手に行ってきた様々な仕打ちもまた、その名を知らせる一因だろうか。】
【そういった彼の実力を確かめたい、と。そう告げて】

―――さて、食事の邪魔をしてしまったな。もう冷めてしまったのではないか?
私は、別に食べながらでも構わなかったのだが。

【彼の内心など知らず――否、口角を持ち上げて笑う様は、皮肉で言っているのか】
【何か質問はあるか―――と、そう問うた】
643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/06(火) 00:46:32.02 ID:Oemlivjzo
>>640

【「ディミーア・エルドワルだ」────剣士は己の本当の名を告げた】
【本来であれば隠しておいた方がいい名なのだろう】
【それでも、いずれこの不愉快な男の首を斬るのだとしたら、名を知らしめる必要があった】

【不快な音のする部屋を後にして、廊下へと出る】
【身体の奥底には汚泥のような不愉快な感覚が渦巻いていた】
【額には汗がにじむ。単なる不調を超えた何かだった】


くそ、思ったよりもむかつく男だったな
その上…………色々と堪え過ぎた、か


【壁に力なくもたれかかりながら、ポケットから小瓶を取り出す。中には錠剤】
【それを二粒取り出して、口に入れ飲み込む。しばらくすれば、頭が冷えてくる】
【余計な物事が頭の中から消えていき、落ち着きを取り戻す。肉体の不調も消えていた】

【それからディミーアはほんの少しだけ女が出てくるのを待ってから──船から降りるのだった】
【彼の持っていた小瓶のラベル。そこに書かれているのは通常の薬品の名ではなかった】
【むしろそれは────闇商人たちが取引しているものの一種だった】


//お疲れ様でしたー!
644 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/06(火) 01:00:23.08 ID:fNn2nDjoo
>>642
ありがとう、ケイさん。やはり、名を呼ぶ方がしっくりくる

【溜息をつく彼女の様子には構わず、異形はわずかに口元を歪める】
【得ることは、この男の手段であり目的なのだ】


猟犬としての初仕事だな。ああ、微力を尽くさせてもらうとしよう
それをもって、先の言質と実力との裏付けとさせていただく

【いつもは値踏みするように相手を眺めまわす自分が、試されている】
【それも、根本的に敵対する自分よりも強大な相手に】
【渦巻く負の感情を押し殺し、カニバディールは見た目に似合わぬ優雅な一礼をして見せた】


……構わんよ。食事の損害を取り戻して余りある有意義な時間だった
貴女が私と同じ食事の趣味を持っていたのなら、食卓を囲んで話してもよかったのだがね

【彼女の皮肉には、苦笑しつつもそう返し】
【最後に、情報を手にした時に必要となるだろう、彼女と連絡を取る手段を聞くことになるだろう】
【脳内では絶えず、打算の算盤の音を響かせながら】
645 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/06(火) 01:00:30.13 ID:XJc+MnMMo
>>639>>641

【アルコールについて講釈するウェインへ、エヌもまた真剣に向き直る】
【教師と生徒、というよりはある難題を論じ合う哲学者達とでも言った趣か】

――なるほど。
神経系を過敏に刺激し意識の混濁を引き起こす危険な飲料ということだね。
それは何とも度し難い。肝に銘じておくよ、ウェイン。

鈴音、生ビールを頼む。

【最後だけ、文の接続が滅裂していた】
【ふざけた様子もなく至って真面目、冷静に】
【重大な国政判断を下す首相さながらに重々しく、鈴音へと告げるのだった】

毒は自ら味わわないと、その危険性が分からない。
今後身を守るために、しっかりと知っておきたいんだ。
大丈夫だよ、一口だけだから。

【大丈夫、大丈夫、と最早不穏な匂いしかしないその言葉を繰り返し、念を押した】
【お茶やジュースも大変興味深かった。鈴音が言うのなら尚更だ。しかし、今は進まねばならぬ時だった】

【でも、料理も気になる。周りの群衆が食べているのを見れば、尚のこと】
【食べてみたいものは、と聞かれ――数呼吸逡巡するのだが、やがて】

じゃあ――『ハンバーガー』、というものを食べてみたいな。
お願いできるかな、鈴音。

【パンがダブってしまっていることなど思い至る様子もなく】
【どうやらそのジャンクフードが、彼の今回の望みらしかった】
646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/06(火) 01:20:05.95 ID:eG0FIdwGo
>>644

―――生憎と、魚派なのでな。

【苦笑混じりの言葉に返すのは、そんな一言。】
【それから、連絡手段について問われれば、女は一つのアドレスと、電話番号を伝える。】

急ぎの案件ならば、電話をかけろ。
そうでないならば、メールだ。情報の受け渡し場所を伝える。
――場合によっては、傍受される可能性もあるのでな。なるべく通話は避けたい。

【そう言って、次は彼の連絡先についても尋ねるだろう。】
【その後は、特に引き止められなければ『失礼する』と一言、廃屋を後にして】
【残るのは、カニバディールと冷えた食べかけの肉塊。秩序の仮面を被った混沌の渦は、波乱の気配を撒いていく――。】



/こんなところでしょうか!
647 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/06(火) 01:23:07.33 ID:cwtJ0Otl0
>>641
【鈴音の料理が、たまに海賊じみた量出てくることを、もちろんウェインは知っている】
【みんなに沢山食べてほしい!という思いの量に比例して、料理も沢山でてくるのだ】

ああ、たくさん作ってくれ、鈴音。
エヌにはこの世界をたらふく味わってもらわないとね!

【先日の討伐で懐は潤っているし】
【成人男性ふたりで食べるのだし、このあと『ぬ』のビルに食料品と飲料を運ぶつもりだし。それならば、そのうちの一部が鈴音お手製の料理になるのなら】
【それは全くかまわないことだ】
【ただ、『泣いちゃうくらい』という表現に、少し嫌な予感がした――が、それを心中で握りつぶして】

―――♪

【生ビール二つ、作戦が失敗したと見るや、下手な口笛を吹き始める】
【よく考えてみれば、たったひとりでこの酒場を御しているのだ――そう甘くはないか、と思ったそのとき】

>>645

【エヌが生ビールを頼む。その趣旨はあたかも神農のような】
【毒であれば、自身の身体をもって試しておきたい、というものだったが】

――でかした、エヌ。それでこそってやつだ。
でも身体に合わないと思ったらすぐやめるんだよ。

とは言っても、古い時代には水代わりに老若男女飲んでたものだ。
大きな心配はいらないと思う。

【なお、このウェインの発言は能力者・新世界基準である。お酒は20歳になってからだし、あなたの体質に合わせて飲酒を楽しむようにしてほしい】

【閑話休題。ハンバーガーと、サンドイッチ。生ビールに、いくつかウェインの頼んだ料理】
【それらが頼まれ、運ばれてくるまで、酒場のあれこれをウェインは解説するだろう】
648 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/06(火) 01:29:05.55 ID:fNn2nDjoo
>>646
それは残念だ。なら、次の機会には魚を用意しておこう

【食の好みに関しては、至極まじめな様子で返答する】


了解した。警戒は常に必要だからな
何せ、敵は非常に多い

【自らの連絡先を教えながら、呟いた言葉は本心だった】
【敵は多い。眼前の女性も含めて】

【『ああ、それでは』。去っていく彼女を見送って、しばらくした後】
【カニバディールは二口で残っていた冷めきった肉塊を食らい尽くすと、凄まじい速度で肉焼き台を片付け】
【自身がこの場にいた痕跡を消した。迅速に動かねばならない。己の命を繋ぐために】

【全て済めば、カニバディールは廃屋を足早に去っていく。混沌の渦中へ向かって】

/こちらもこれで締めということで! お付き合い、ありがとうございました!!
649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/06(火) 01:30:38.12 ID:Z8Z6Nc/E0
>>569

…思うに、この戦いは正義じゃない。俺は正義なんて言葉は好きじゃない。…俺はな。
マキも、鈴音も、ミラも俺も…自分の生き方を信じてるからやるんだ。誰かのためじゃない。
結果として誰かが救われたり救われなかったり殺したり殺されたりするんだ。だから、ヤツの哲学を信じる。
俺は…どんな手を使っても乗ったゲームで負ける気はない。
…汚れ仕事だってやるさ。どうせ、俺は元々、しょうもないお尋ね者だしな。

【男は口には出さないが、この烏合の衆だって本当に絶対的に信頼していない。特にミラだ。】
【鈴音は旧知の仲でUT,マキは良くも悪くも何もできない。ミラは――どっちに転がってもおかしくない】
【これは最悪を想定しているだけだ。もしそうなったら、勝ち目はほぼゼロになることだろう】
【男は元々しがない泥棒だ。チームで仕事をして裏切り者が居たこともあった。利害はころころと変化する】
【なら機関員だろうと誰だろうと、関係ない。互いに利用し合えばいい。勝ち続けて価値を高めていくしかない】

…鈴音を信用する。俺が出来るのはこれぐらいだ。…くれぐれも気をつけてやってくれ。
あまり、喋りすぎないように。相手の欲しがりそうな情報だけチラつかせてやれ。

【ロッソは鈴音を信用する。間接的に後の二人も信用する。だが、今俺達の1番の武器は公安も知らないだろう『情報』】
【それを知っている。それが今のところの唯一にして最大の武器だ。『情報は魔物』だ。】

…そうか、元気か。元気ならそれでいい。…自由にやれてんならもっといい。
俺に関わると…ろくな目に合わない。こんな生き方に付き合わせてやりたくはない。
ボニーアンドクライドはクールだけど、悲劇には変わりないよ。

【彼は空になったビールの小瓶の方を眺めている。目線を鈴音と直視するのはつらかった。】
【ウィスキーは簡単でも、彼女の善意はストレートで飲み干す事はできない。】
【「すまない。」口には出さないが、心のなかでそう付け足す。】

【彼には珍しい迷いのある言葉だ。言葉が出てこない為に変な間が空いたりするのとは違う。いつもの癖は出てきていない】
【独白のようになんとなしにそういうと、スツールから立ち上がり、背伸びをする。】

…タバコが切れたな。ったく、コンビニあったっけ。

【頭を掻きながら、店の外へと通じるドアへと歩きだす。多分だがこのままふらっと出かけたら暫くは…少なくとも2,3日は帰ってこないだろう】


//遅くなってすみません。お返しいたします!
//しかし、当方大変おねむな為、今夜はこれで失礼させていただきたく思います。
//ですので、続きはもうしめちゃうか置きの方でお願いしたいです。
650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 01:42:53.90 ID:vINpj4sv0
>>645>>647

【神経系を過敏に刺激し意識の混濁を引き起こす危険な飲料。なるほどよくわからん。そんな顔をしていた彼女は、多分、あんまり、お勉強は得意じゃない】
【とにかく酔っ払うのだ。便利な言葉があってよかった。だから危ないよ――!と、必死に、目線で注意を促していたのだけど】

…………なんで?

【すごい素の声が出た。といってもやっぱり高い鈴の音の声だ、ひどく気が抜けて、ありのままの疑問を漏らしただけで――】
【ただエヌがそういうのなら、給仕たる少女としては出さざるを得なかった。もう一回周りのひとをよく見てほしかった。……いや、なんだか、楽しそうだけど】
【もっと記憶を失ったり吐いたりとか大変な部分も伝えてほしかった。一瞬それでも個人的な意見を突っ張るか悩むように目を閉じたのだけど……】

うん――、……そしたら残りはウェインさん、飲むよね? わたし、ビール飲めないよ。苦いし――、

【どうしようもなさそうだと思った。思ったから、受け入れた。手元のメモに書き加える。一口だけ……ならそのあとは、言い出しっぺが飲むよねと】
【なんだか念を押してもいたけど。どうやら彼女は飲めないらしい、苦いから――そもそもこの顔で飲酒経験があるというだけで、わりと犯罪みたいなものだが】
【一緒にお水を持ってきてさぞ当たり前であるようにお酒はこれと一緒に飲むものだと言って教えよう。そうやって一人決心しながら――】

――もちろん。任せて、……ウェインさん、ごまかしたって駄目だよ! ……もう。苦いのに……、

【ハンバーガー。もちろんと言って笑う、得意げに言うけれど――その脳裏では、要るものを考えている。丸いパン、あっただろうか】
【急いで買いにいけば――魔術を使って――とかいろいろ考えている。そうしたらウェインがへたっぴな口笛でごまかすから、むっと怒ったような顔をして】
【一般的にビールはそんなに度数が高くない。けれど初めての酒にしては強いような気もした、もっと、缶の、ジュースみたいなやつとか……ああいうのがよさそうなのに】

【ぶつぶつビールの味わいへの呪詛を吐きながら少女は裏へと消えていくだろう。その間――あるいは、酔っ払った客たちが】
【どういう関係なのかとか聞いてくる――とか、そういうこともあるのかもしれない。それくらいに少女ははしゃいでいた、なにせうんと高い地声だから】
【店内中にだいたいの会話が聞こえていたっぽかった――? とはいえ相手は酔っ払い、聞いたけど聞いてないようなやつばっかりで――だから、余談でしかなくて】

【そうして裏に引っ込んでいった少女はまず一番最初にビールを持ってくる、のだけど――いっしょに持ってきたのがポテトサラダ。といっても】
【にんじんとかたまねぎとかなんかそういう王道じゃないほう――具材で明確なのはポテトサラダだからじゃがいもとベーコンくらい、あとはこっそり卵】
【いかにもおつまみっぽい――たっぷりの胡椒を利かせたもの。二人で食べてもすぐになくならないくらいの量、あとは取り皿とかいろいろ必要なものとか――】

…………エヌ。これはね、大事なことなの……。――お酒を飲むときは、おなかを空いているときは駄目。絶対に、何か、食べてから!
あとね、お酒と同じ量のお水を飲むといいんだよ。じゃあ、ほかのものはもうちょっと待ってね――。

【物凄い真剣な顔。真剣な顔でそう言っておくだろう、お酒を飲むときのルール――何か食べてから。あとは、同じ量の水をちゃんと飲む】
【それを伝えれば彼女は裏へ戻っていくはずだ、――不安なのは、ウェインがどんどん飲ませたり、初めて酒を飲むエヌが、よくわからなくなって飲みすぎる……とか】
651 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/06(火) 01:59:27.43 ID:XJc+MnMMo
>>647>>650

――ああ、分かったよ。
ちゃんと気をつけて飲むことにする。
あんな風にはならないよ、絶対。

【二人から向けられるアルコールへの様々な忠告に、エヌは神妙に頷く】
【あんな風――酒場の端の方で全身のネジが吹っ飛んだように笑い狂う者達を見ての言葉だ】

【そうして鈴音によって運ばれてきたビールと、おつまみ類を目にすれば】
【おお、これが実物か、と興味深げに様々な角度から観察してみせる】

【カトラリーの使い方をウェインに聞いて、答えられればそれに倣い】
【いよいよ口へ運ぶ段となれば、彼は神妙に一つ瞑目してから、それを食すのだ】

【だが、その前にふと気になるものが飛び込んだ】


――ん? あれは何だい。


【エヌの視界の端で、何か掛け声と共に、互いの杯を掲げてぶつけ合っているのだ】
【あのようにしてはグラスも痛むし中の内容液も零れてしまうのではないか】
【彼はそのように思い、実際そのように口にするのだが】

【自分たちがこれからしようとしている、酒飲みの前の、あるいは祝辞の際の通俗儀式であるとはまだ知れず】
652 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/06(火) 02:10:24.13 ID:cwtJ0Otl0
>>650

【飲むよね、と心配そうに言われれば】

もちろん、一口飲んでダメそうなら後は僕が飲むよ。
そんなに無茶はさせないから、大丈夫さ。

あれ、鈴音ビール嫌いなのかな……

【と、裏へと消えていく鈴音を見送る】
【首を傾げていると、さっとビールとポテトサラダを持って戻ってきた。あとはチェイサー】
【また裏へと戻っていきそうな鈴音をひとつ、呼び止めて】

>>651

鈴音のいうとおり、
ビールと同量の水を飲む。
これはどの酒でもそうしたほうがいい。
あとは食べてから飲むこと、家に帰ったら大量の水を飲んで寝ること――が、飲酒という習慣に立ち向かう秘訣だ。

【そのとき、エヌが見たであろう『乾杯』の声が上がる】

さて。そして飲酒にあたって、一つ大事な儀式がある。
さっきやってたアレだ。『乾杯』。
互いの無事を祝って。何かの成功を祈って。誰かとの別れを惜しんで。

あらゆる場面で、人間はお酒を――飲めない人はそれ以外を――飲む。
飲酒はひとつ、それそのものが儀式的な側面を持つのだが――
その契機となるしきたりが、この『乾杯』だ。互いのグラスを触れ合わせて、これから一緒に卓を囲むのだ、ということを示すのさ。

【そうして、グラスを持ち上げる。呼び止めた鈴音にも、チェイサーの一つを持ってもらって】
【エヌにも同じようにするよう、目線で示して】

じゃあ、僕ら三人の再会を祝して。

――――乾杯!
653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 02:21:59.64 ID:vINpj4sv0
>>651>>652

うん。少しでも変だなって思ったら、言ってね。お薬とかがあるわけじゃないんだけど――そこから先は、お酒じゃないものを持ってくるから。
……ビールはあんまり。わたし、甘いお酒なら飲めるんだけど――、酔っ払うとかじゃなくって、その……味が、あんまり――。

【全身のネジが吹っ飛んだ方々。なんだかすっごい楽しそうだ、なんか――ビールの炭酸の泡が立ち上るのを見てウケている。今日び年頃の女子すら箸で笑わない現代に】
【確かにすっごい楽しそうではある。けれど――エヌにしてみれば、二人がすっごい真剣な顔をして飲み方をレクチャーしてくるのだから、とんだ代物に見えるだろうか】
【というよりエヌは成人しているのだろうか。なんとなく大人っぽいからしている気がする。大丈夫――根拠はないけど】
【それからまた裏へ戻ろうとした彼女は、きっと給仕として役割を果たそうとしていたのだろう。だけれど呼び止められれば、やはり当然立ち止まり】

うん、ウェインさんの言う通りだよ。ちゃんと食べてから飲んで、お水もちゃんと飲んで、お水をたくさん――、
あれは――えっとね、乾杯って言って。これから一緒にお酒飲むよ、ご飯食べるよって時に――――んん? あれってなんて意味なのかな……。

【いきなり飲ませようとしたわりにはちゃんとしたことを言っているというような顔をしていただろうか、ちょこっと失礼だけど、それだけエヌが心配なのか】
【しょっぱなから泥酔してひどい目に遭ったという思い出が残ったらかわいそうだ。お酒だって上手に飲めば楽しいものだから、どうしたって、口うるさくなる】
【それから――あれは何かというのを尋ねられれば。名前と、それをするときを教えるのだけど――意味までは、よく分からなかったらしい】
【だからウェインの言葉を納得したように聞くだろう。儀式なんだ――というような顔、きちんと信じた顔をして】

わっ……あ、かんぱい!

【それから――チェイサーとして持ってきた水を渡されれば、少女はそこで気づく。だけれどここから口を挟むのも野暮だろう、慌てながら、乾杯を行い】
【これも礼儀として口を付ける――といっても、中身は完全にただの水なのだけど】

もう――エヌ、ごめんね、わたしすぐに新しいの持ってくるね。
ウェインさんも、言ってくれたら、わたし、ちゃんと自分の飲み物持ってきたのに――。

【それで――ちょこっと拗ねたみたいに言うから。せっかく乾杯の意味も聞いた直後だし、自分もちゃんとした飲み物でやりたかったのかも、しれない――なんて】
654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/06(火) 02:44:10.51 ID:XJc+MnMMo
>>652>>653

乾杯……そうか、これも一つの儀式なのだね。
なるほど、とても興味深い――こ、こうか?

【辿々しくも合わせてみせるのだが、少しタイミングがずれて】
【そんな風に少し決まり悪くなってしまったので、今のは練習ということにして】
【鈴音が自分の飲み物を持ってくるを待ってから、改めて――集う】

【そうして、世界の壁さえ超えて、再会を果たした三人は、今一度大きく、杯を掲げるのだ】


 ――――乾杯!


【そう、高らかに告げて――】




【そうしてからエヌは、まずはくい、と一口。舌を刺す複雑な苦みと炭酸に思わず顔を顰める】
【なんだこれは、度し難い味だな――とそれ以上飲むことに難色を示す、かに思えたのだが】

【歓談を続け、その多彩な料理をたらふく詰め込んでいくうちに】

【「でも何だか止められない味だ――」】
【グラスを持つ手は離れず、くい、くい、と料理や水の合間に次々と差し挟まれ始める】
【うん、慣れてくると、そんなに悪くない――ぐび、ぐび、ぐび。段々とその流れが勢いを増して行き】

【――そして】



  ―――― アジャラカモクレン !!



【別人が現れていた】
【いつの間にやら他の酔客と一緒になって狂喜乱舞し、テーブルの上で謎のポーズを決める別人が】
【それは時折、雷にでも打たれたように発作的な笑いを爆発させるのだ――ゲッゲゲゲゲゲゲと】


【流石においたが過ぎて止められたか、それとも一緒になって散々はしゃいだ後になってかはともかく】
【しばらくすれば、色々と弾け飛んだ反動故に、顔を真っ青にして憔悴する一人の青年が出来上がる】


 ――……度し難い……


【折角の手料理も、そのほとんどが今や下水管の中だった】
【あれだけ注意されたにも関わらずやらかしたせいで申し訳も立たず、鈴音には特に何度も詫びるだろう】


【――そのようにして、波瀾万丈ながらもエヌはこの宴を楽しむ】
【これまで味わえなかった『交流』というものを、精一杯身に受けるかのように――】


/夜も更けて参りましたのでちょいと回してしまいますが、最後に↓
655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/06(火) 02:44:47.47 ID:XJc+MnMMo

【良い嵐も、良からぬ嵐も、全てが凪いだ後で】
【エヌはぽつり、零す言葉があった】




【「なあ、ウェイン」】

【「ここは本当に、僕のいた世界とは別の次元軸なんだろうか」】



【「いや、上手くは言えないんだけれど…… 】
【 何だかたまに、『同じ臭い』を感じるんだ」】



【「――あの、全てが死んだ灰色の世界≠ニ」】





【その真意は知れぬまま】
【また、新たな日々が始まろうとしていた】


/ではこちらからはこれで! 遅くまで大変ありがとうございました!!
656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 02:47:41.86 ID:vINpj4sv0
>>649

…………そう、だね。わたしも――ちょっと、ぐるぐるするの、これって、正義なのかな、悪なのかなって……わかんない。

【誰もが自分の生き方を信じている。だからやる。誰かのためじゃない――、その言葉で、少女はかすかに昔を思い出す。昔――たんぽぽをセリーナに、提案したとき】
【あの時の自分は。当たり前に生きられない子供たちのために。当たり前に社会から排除されてしまった子供たちのために。やりたいと思った、だけど、それは】
【後から考えてみれば、自分のためだった、と、思うのだ。いつか社会から排除されていた自分が欲しかったもの――理想なんかよりずっと小さいけれど、手を伸ばす】
【だけれど言えないこともあった。言えていないことがあった。言えるだろうか、言ったら、"あのひと"は、どんな顔をするのだろう――】

――わたしも、負ける気、ないよ。麻季音ちゃんもないだろうし、クラァケさんも、きっとない。
誰も負ける気だなんてないと思う、それに、それくらいじゃないと――多分、相手って、うんと強い。

【真剣な声だった。彼女らしい鈴の音が冴えて、すらっとした刃を幻視しそうなほどの、声になる。誰も負ける気だなんてない――それくらいじゃないと、駄目だ】
【それだって、相手はきっと強い、だろう。物理的には当然ながら、存在が大きい相手をひっくり返すのは、それだけでうんとうんと難しいこと、のはず】
【そういった経験のない少女はそういう意味ではきっと頼りないけれど――意地を張るところではとんでもなく意地っ張りだとは、もう、ばれているだろうか】
【――相手の抱く疑念は、きっと彼女の中にない。それはやはり未熟さ故だろうか、それとも、信じるって――決めたのか。この場の誰も疑わない、そういう生き方を、信じるって】

もう、……――難しいこと、すごい簡単そうに言うね、わたし、そういうの分からないのに……。
――でも、うん、頑張る。ロッソさんが信じてくれたの、無為にしない、したくないの、わたしが信じられるって思った気持ちを、あなたにも信じていてほしいの。

カニバディールがあなたなら知っているって信じたみたいに。わたしがカニバディールを信じてあなたに聞いたみたいに。あなたがわたしを信じてくれた今、
それってすごいなって思うの、だから――わたし、頑張るよ。それに――わたしが失敗したら、みんなが危ない目に遭うかもしれない。

【あまりしゃべりすぎない。相手の欲しがりそうな情報だけ――それって、なんて、難しいのだろう】
【困ったように少女は笑うだろう、それから――わざと気分を変えるみたいに、ぐうっと身体を伸ばす。すっかり凝り固まってしまった身体を伸ばして】
【深呼吸を一つする。それで――続けるのは、そんな言葉たち。数年越しに繋がった縁の切れ目。それがどんな偶然だって――無駄にしてしまうのは、忍びない】

【たとえそれがすでに敵対した人物であっても。それでもなお、あのひとは信じられる――と、やはり思う】

だけど――――、そんな風な顔をするくらいなら。一度会って、お話した方が、いいと思うの。――ねえ、だめかな。
ベイゼ、この近くに居るかもしれないんだよ。ここに来たって……言うんだよ。きっと、ロッソさんなら――、探偵さんなら、見つけられるよ。

……わたしは、少し、怖いの。教えてあげられなかったことがあるから。だから――よわむしだから。だけど――……ベイゼが許してくれるのなら、会いたい――。

【言葉に悩む様子の彼とは目が合わない。だからといって無理やりに合わせるようなことはない、ただ――思ったことを、思ったように、言うだけ】
【そんな風に悩むなら会っちゃえばいいのに、なんて、他人事みたいに言うだろう。だけれどそれは、怖くて自分では探せない――ひとにお願いするしかできなかった、彼女なりの】
【精一杯で一生懸命の応援なのかもしれなかった、――最後は少しだけ泣きそうに笑うだろう、それで、彼が立ち上がれば――】

…………セリーナには、言っておく。ウェインさんにも――。カニバディールにも……きっと。

【セリーナに言うことに戸惑いはない。ウェインに言うことにも――巻き込んでしまうという引け目はあっても、戸惑わない】
【ならば問題は一つだった。信じられると思った。わたしを信じると言ってくれたひとが居た。そういうやつは信用できると言ってくれたひとが居た。だから、あとは】
【自分が頑張るだけ――ひどく緊張した顔。ふらりと出ていこうとする背中には――、「またね」と声がかけられるだろう】
657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 02:49:15.62 ID:vINpj4sv0
>>649>>656
/書き込めるギリギリそうだったのでひとまず送信してから……!
/いい感じにまとまったかな、まとめていただいたかなという感じですので、これでお疲れ様でしたっ
/ありがとうございました!
658 : ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/06(火) 15:18:28.87 ID:/xmF9j9l0
【風の国 台地】

――――――――――――――――
「……思えば、随分と時間が掛かっちまったねぇ……お前はどうなのさ、少しは気が晴れたかい?」
晴れるも何もありません。私は、もうケリはつけてきました――――
「そういう事を聞いてるんじゃないっての、分かって答えてるよな?」
――――――――――――――――

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のまるで死人の様な冷たいオッドアイを持ち、体表に紋様の様な、仄かな光を放つ金色のラインが走っている】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女と】

【銀色のウェーブがかったロングヘアーに、目元をサングラスで隠し、毒々しい赤い口紅が塗られた唇をしている】
【全身は、飾り気のない黒のライダースーツで固められており、スマートな印象を与える】
【両手足が、どこか不釣り合いな細さの、鋼鉄製のものに接ぎ変えられている、身長160cm前後の女性が】

【緩く草木のそよぐ山道で、崖から眼下を見下ろしながら佇んでいる】
【もうすぐ冬も明ける中で、この日は特に春を先取りした様な陽気が広がり、この国特有の常に吹きすさぶ風にも、その暖かさが滲んでいる】
【とは言え、その場にいる2人の雰囲気は、とてもピクニックか何かとは思えない、静かで、どこか沈んだもので】

【オッドアイの少女の身からは、尋常ならざる量の魔力が感じ取れるかもしれない】

「まぁ良いさ。お前もそんな事、一々聞きたくもないだろうさ……けどね、お前がそのままでいると、悔いを残す奴もいる……」
――――――――そのまま死ぬのは、良くはないと言う事ですか?
「そりゃそうさ。あたしだって、危うく死にかけたの、見ただろ……やっと外に出てこれるくらいになったんだ……」
――――ひどい傷でした。コンディションが良くなかったとはいえ、よほどの激戦だったんですね――――
「みんな敵を殺したがってる……そんな中で、あたしゃ奇縁に恵まれて、宗氏替えなんて出来たんだ……でも、お前には……」
――――縁など、ありませんでした。『父』が死んだあの日から――――私の糸は、結局誰にも伸びませんでした――――
「そしてお前は、伸ばされた絆の糸を拒否したんだ……それがどうだこうだなんて、あたしも野暮は言わねぇ……でもその先に、お前の求める答え、あんのかい?」
――――――――――――――――
「無いまま死んだら、お前はあの世で泣く事になるし、お前の為に泣く奴もいる。それを良い死に方だって思うなら、何も言わないけどさ?」

【草木生い茂り、緑に染められた山と大地、そして眼下に見える街に視線を向けながら、少女と女性は少し冷えた、重い言葉を交わす】
【太陽に暖められた地面から、土の匂いを孕んだ息吹が立ち上る。それが、2人の周囲だけ、逆に沈み込んで行く様で】
【清々しい空気の中、2人は自分達だけの会話に、深く深く沈降していた】

「まあ良いさ。あたしにゃ、やっと見つけた『道』がある。お前らには、迷惑かけちまうけど……まだ少しの間、付き合ってくれるんだろう?」
――――戦いの道は、私の『道』です。何も言う事はありません――――
「……お前に「変われ」なんて、野暮で無責任な事、あたしゃ言わねぇよ。だが、変わりたくなったら、その時はおあいこって事、忘れんじゃねぇよ……?」

【ただ、そんな2人の間でさえも、取り巻く風は――――清新で、綺麗な流れだった】

/18時頃まで待ちますー
659 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2018/03/06(火) 19:09:24.78 ID:3DTlRS8x0
305名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!2018/03/05(月) 19:45:45.47ID:043tq/ZJ
某所が復活しつつあると聞いたから雑談辿ってたら復活初期のキングとウェインの会話で笑った
同時に流石に気持ち悪いとも思ったのは俺が成長したのか

306名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!2018/03/05(月) 19:49:23.92ID:eHlOn0AI
中に居たら楽しいし
外から見たらキモい

307名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!2018/03/06(火) 00:03:23.25ID:tlRV5EYH
いい歳して文で戦いごっこしてるからね。
幼稚園児と同じ。

308名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!2018/03/06(火) 02:48:36.37ID:REcnIv+/>>310
おめえそんなこと言い出したらいい年こいて陰口叩いてばかりの斜に構えた中学生みたいなのはどうなのよ

309名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!2018/03/06(火) 04:06:47.74ID:scpsoE5H
いい歳した大人があんな一般人なら近寄りもしないようなスレに集まってワイワイやってんの見ると冷めた目しか出来ないな実際
若かったころは抵抗なく出来たけど今じゃ恥ずかしくないのかね?と思う
あんなスレでレスする時間があればもっと有意義な事出来るだろうに、結局いつまでたっても幼稚なんだよねああいう遊びしてる人って

310名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!2018/03/06(火) 04:58:54.28ID:tlRV5EYH
気持ち悪いなって思います。
なりきりを楽しんでる奴らは幼稚園児だ
660 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 19:41:36.83 ID:SF024TLYO
>>658

【どこか沈んだ様子の二人──日も傾き夕焼けも沈む頃合には不釣り合いで】
【夜の訪れを告げる宵月の欠片、残照には少し遠く】
【白妙が靡く、ゆらりと澄んだ空気を食んで】


あら、あらっ──素敵な、えぇ、とっても素敵な香り
こぉんな所で、いったい何をしてるのかなって、気になっちゃうの
ねぇ、そうでしょう、そんな誘う様な香りをしてちゃ

お嬢さん、貴女よ、あなた──……とっても濃い魔力をした、貴女
近寄ると凄く分かるの、之は素晴らしいものだっ、て


【二人の背後からゆっくりと歩む影がひとつ】

【プラチナブロンドの長い髪、紅が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート、スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な女性】


привет там(こんにちは)──素敵な、素敵なお話ね
私も一葉、混ぜてくださらないかしら?


【片方ずつ、一対の狙撃銃を彼女は手にしていて】
【二人が彼女に気づいたなら、二人に向けてそれぞれ一発ずつ銃弾を放つ】
【狙いはそれぞれの肩、慣れた手つきだ、対処が遅れたなら回避に困難が生じる程に】
661 :ラベンダァイス&ブラックハート ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/06(火) 20:02:10.88 ID:/xmF9j9l0
>>660

――――――――
「はぁ……さて、気晴らしも、そろそろお終いかね。そろそろ戻って――――ッ!?」

【柔らかい風とそよぐ草木にぼうっと見とれながら時を過ごしていれば、いつの間にか太陽は傾き始めている】
【それを区切りとして、2人は一息ついて背後を振り返った――――風に血生臭い色が感じられたのは、正にその瞬間だった】

ッッ、誰ですか――――!?
「っ、ラベンダー跳べ!!」

【スナイパーライフルを二丁構えた、不思議な体勢の女性――――いつの間にか近づいてきていた、その姿を視認する】
【驚きがまずは突き上げ、その次の瞬間には戦慄が走る。ライフルは、真っ直ぐに2人に向けられているのだ】
【これで発砲の意図があれば、すぐに撃ち抜かれる。その有りや無しやを考えている余裕は無い。2人は咄嗟に体勢を変えて、その場を駆ける】

っぅ、ぐ――――ッ、肩に――――ッ!
「チィッ、間一髪――――っ!?」

【咄嗟に身を投げ出した、オッドアイの少女とライダースーツの女性。だが、オッドアイの少女は離脱が間に合わずに、左肩を銃弾に貫かれてしまう】
【ライダースーツの女性の方は、まだ反応が早かったのだろう。銀の髪を軽やかになびかせ、放たれた銃弾を見送る様にそよぐ】
【腕で姿勢を支えながら、改めてその襲撃者の存在を見た時――――その女性の表情に、また違った色が浮かんだ。見て取れるのは、困惑――――】

「お前……お前、その武器、その髪……そのロザリオ……ッ!?
 お前、ベイゼを匿ってた、あのスナイパーか!? 『UNITED TRIGGER』の……!!」
――――っ、ぇ、『UT』――――の――――ッ?

【女性――――現在、『UNITED TRIGGER』に保護されている彼女には、その面影に覚えがあったのだ】
【正に『UNITED TRIGGER』に保護されるきっかけとなった、かつての戦い。そこで彼女は、機関の≪No.616≫として、戦った】
【その時に、彼女と激戦を繰り広げた、プラチナブロンドの髪に、ロザリオを下げたスナイパー――――その姿に、よく似ている】

「っ、ま、待て! 今のあたしゃ、機関に属してる訳じゃないし、UTの中にいるんだ!!」
――――違います、ブラックハートさん――――この人、どうもそういう意味じゃ、なさそうです――――ッ

【咄嗟に、口にしたのは弁明。かつての敵である事で、問答無用を通されようとしていると判断したのだろう】
【だがそれを、肩の傷に体を震わせているオッドアイの少女が遮る。どうも不吉な雰囲気があるのだ――――積極的に他者を傷つける、そんな雰囲気が、スナイパーの少女には】
662 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/06(火) 20:07:20.70 ID:wkErsihjO
【UNITED TRIGGER・店内】

【夜、西部劇の酒場のような店内は活況を呈していた】
【その片隅、カウンター席が一際騒がしい。囃し立て、驚き、注文をつけるような声が大きく響いていて】

そう、少し上を向いて……うん。……これでどう、かな?

『お、おぉ……!こりゃまた……俺が俺じゃねえ、みてえな……』
「バーカ、どうみても元より100倍はよく描けてるだろうが!
 ……いやにしても、"画家"ってだけあって流石に上手いなあ、あんちゃん!」

いや、そんなことは……まあ、少しはあるかな。
といっても、普段は似顔絵よりも風景ばかりを描いているんだけれど……

【話題の中心は一人の客。緩めの金髪に、シャツとジーンズという軽装の男性だった】
【何でも絵が上手いらしい。確かに、メモ帳に鉛筆で描かれた似顔絵はとても"良く"描かれていて】

【だが他にも──例えば、壁に貼り付けられた手配書の一つ。『六罪王・ダグラス・マックスウッド』に激似だな!とか】
【その割にはお人好しそうな雰囲気やら、温室育ちにも思える物腰が「まさかな!」なんていう笑い声を呼んでおり】
【ついでに酒場であるにも関わらず頼んだミルクなどが、常連の客からは面白かったらしく、しばし賑やかに談笑する姿が見られるだろう】


【ただ、しばらくもすれば取り巻きたちも落ち着いたらしく──"彼"は、カウンター席に一人となる】
【その状態から、"それらしい"店員が近くを通れば、ちょっと、と声をかけるだろうし】
【逆に新たな客があれば、混雑する店内で空いている自身の隣席を示し、どうぞ、と語りかけるだろう】
663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 20:17:23.93 ID:SF024TLYO
>>661

【両の手を曲げて狙撃銃を身に沿わす、溜息の様に空の薬莢が排出される】
【喜悦を隠さず声が漏れた。跳ねた沫雪を見届ける様に目を細めて】
【再び両手を下ろしたなら爪先を揃えて佇む】

【 ── 調教された曲輪の様に無駄のない動きで、秋波な目元を淡く濡らして ── 】


知ってるの、その名前『UNITED TRIGGER』の名前、知ってるの
麻季音が居るとこでしょっ、麻ー季ー音っ!ふふっ、呼んだら来ないかしら、なんてっ
でもね、二人は知らないの、ほんとなの、私は香りに惹かれて寄ってきただけ、なの

──ねぇ、私を知ってるの?私の知らない私を、知ってるの?


【遮ってきた少女越しにブラックハートを見つめる】
【面影の残るマリンブルー、そこに浮かぶ微睡みの如き朱】
【嗤う──新雪に僅かばかりの温度が満ちる様に微かな、笑み】

【 ──純白よりもまだ白い、幻の如く── 】


だーったらね、そうだったら、もし、そうだったら、いいえ、そうでさえあったなら!
それはなんとも、幸せなのっ、すっごくすっごく幸せ
素敵な殿方の腕に包まれて眠る様に、幸せなの

何処にあるの?私の知らないカチューシャは、何処に
お姉様を裂いて、丹念に、えぇ──絹を剥ぐ様に丁寧に探したら、見つかるの?
そうね、きっとそう、そうでしょう

そうであったなら、カチューシャ嬉しいの


【­­──刹那、彼女の後方に無数の硝子細工で出来た魔法陣が出現する】
【右手の狙撃銃をゆっくりと二人に向ける、寸刻、魔法陣から銃口が出現】
【引き金を引くと同時に銃弾が弾幕を形成し襲いかかる】

【数は多いが一発一発は威力が低い、致命傷にはなりづらいが】
【狙う事よりも削ることを目的とした攻撃だ】
664 :ラベンダァイス&ブラックハート ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/06(火) 20:45:44.56 ID:/xmF9j9l0
>>663

「っ、な……なんだと、お前……!? バカな、こんなそっくりなスナイパー、何人も居る訳が――――ッ!?」
――――記憶が、混乱してる――――それとも、改竄されてる――――ッ?

【返ってきたのは、歌う様な、煙に巻かれた様な言葉だ。己の記憶違いだったのか、いや、そんなはずはないと、女性――――ブラックハートは逡巡する】
【もしも、記憶違いでなければ――――その答えを、オッドアイの少女は提示した】
【――――この世界、記憶や人格を書き換える、などという外法の類は、決して珍しい物ではない】
【もしも本当に、ブラックハートの記憶の中の人物と同一人物なら。そうした可能性は、十分に考えられると――――】

「私の、知らない私……!?」
――――っ、ブラックハートさん、この人物は、誰です――――?
「待て、あたしも名前までは――――っ、いや、前に聞いた……確か…………っ、確か、ソニア、とか……そんな名前だったはず……!」
――――確かに、ソニアって名前は、『UT』の名簿に見た事がありますが――――私は、面識が無いので――――

【まず、眼前の人物に対して情報を共有するべきだ。同時にその方針を一致させた少女とブラックハートは、口頭で情報交換する】
【ブラックハートの見た、眼前のスナイパーに酷似した人物の名は、ソニア。そしてオッドアイの少女の知る名前に、その名は確かに存在する】
【敵意と殺意を以って襲い掛かってきたこの女性は、ソニアに関係する、非常に近しい何者かであるのは、間違いないだろうと、見解を一致させた】

「だが、これは……!?」
――――良くは、分かりません――――ですが、危険な人物なのは、間違いない――――ッ!

【しかし――――疑問は、最初に立ち戻る。何故彼女――――自らをカチューシャと名乗るこのスナイパーは、危険な敵意を以って襲い掛かってくるのか】
【敵である事は間違いないだろうが――――もし、ソニアと同一人物なら、敵になった事自体が、決して優しい問題ではない】
【その疑問を氷解させるのは、現状では難しいのは百も承知だが、放置しても置けないだろう――――まずは、この危険を切り抜ける事を第一に考えなければならないのだが】

――――っく! 『ギガンテス・フォース』――――!

【そうして放たれたのは、無数の銃弾による弾幕。このままでは餌食になるだけだと、負傷しながらもオッドアイの少女は、言葉を紡いで力を解放する】

【3m程の人形の様な巨体】
【土偶とも、石像とも表現できそうな威圧感を備えている】
【寸胴で、巨大な腕を備えており、腕の先端には、半透明のラベンダー色の爪がついている】

【左肩に大きく抉れた傷があるが、それ以外には堅牢な雰囲気を満身に湛えた、巨大な姿だった。その姿で、細かい弾幕を真っ向から受け止める】

「ッチ……なに、しやがるよ!!」

【一方のブラックハートは、両腕の鋼鉄を用いて銃弾を受け止めながらステップするも、徐々に肌に傷が目立ち始める】
【流れる血は、水の様な透明度の高い、肌色の液体で。同時に、その背中から肩口に、ガトリングの砲身を展開させる】
【わずかにアイドリングすると、その砲台からビームの弾丸が、カチューシャに向けて発射された】
【数発ならば、大したダメージにはならないだろうが、連続して被弾するのは危険でもある】

【――――全身に武器を仕込んだサイボーグ。それがブラックハートの正体だった】
665 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 21:01:47.00 ID:SF024TLYO
>>664

【 ──水面に爪先が触れる様な微かな音、広がる波紋だけが衝撃を伝えるが如く── 】

【右手の狙撃銃が地面を叩く、棒高跳びの要領で彼女の身体がふわりと持ち上がる】
【まるで雪原に舞う粉雪の様、体重を感じさせない動きで空中を飛び、ガトリングを回避するだろう】
【空中に浮いた状態の彼女、本来ならば無防備で良い的であったのだが】


つれないお姉様方、私をおいて、こそこそと睦言を囁くの?
ねぇ、私にも聞かせて欲しいの、嘯く様な愛を分けて欲しいの
いけないんだぁ、知ってるの、仲間外れはいけないの

だってそうでしょぅ?一方的に嬲って傷つけて、虐めるのが愛だなんて
そんなもの、悲しすぎるの


【羽織っていた白いコートを左手で掴む、伸ばした先は少女が出現させた土偶の様な巨体】
【土偶の頭にコートを掛けようとする、成功したなら命綱の様にコートに体重を預ける】
【月夜を滑るが如く、夜を舞う、狙いは少女とブラックハートへの距離を詰めること】


わぁ──なんて、なんて痛ましい姿のお姉様、素敵な姿だわ
そう『されたの』?『なったの』?『生まれたの』……ねぇ、どうなの?
だって、有り得ないものねっ、自然にそう生まれるなんて、有り得ないものっ

そんな姿を受胎するだなんて、悪夢みたい──


【銃口が煌めいて、銃弾が爆ぜる、右手の狙撃銃が跳ねた】
【狙いはブラックハートのガトリング、砲身を真っ正面から撃ち抜く様な軌道】
【恐るべき技量であろう、狙いは非常に正確である】

【コートによる移動が成功していたならば、彼女は巨体の肩に立とうとしているだろう】
【失敗していたなら、地面に着地し距離を置いた状態で言葉を紡ぐ】
666 :ラベンダァイス&ブラックハート ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/06(火) 21:25:10.82 ID:/xmF9j9l0
>>665

「なっ……っく!」
「(スナイパーの癖して、なんて身のこなしだよ……これは、油断ならない。あの日にも、分かってたつもりだけどよ……!)」

【放ったビームガトリングが、鮮やかな回避によって無力化される。思わず「ブラックハートは口元を噛み締めた】
【――――正確な射撃を身上とするのが『スナイパー』である。かつて敵対した時にも――――仮に、カチューシャとソニアが同一人物であれば、の話だが】
【彼女は、精密な射撃を、しかも一打一打だけではなく、先々の展開を見据えての最適解に近い射撃を使いこなしていた】
【戸惑いを引きずりながら戦っていい相手ではない。胸中に活を入れ直す】

うっ――――っぐ、むぅ――――ッ!

【一方で、多少の小口径銃弾の被弾など問題にならないと、カチューシャを見据えていた巨像だが、その顔にコートを浴びせられる】
【何が狙いなのか。それは分からないが、戦場で視界を奪われる事は、重大な不利を招く事になる】
【慌ててコートを跳ねのけようとするが――――その時には既に、カチューシャはその身をコートに預け、跳躍していた】

「っ……――――ッ、ソニア、ソニアってんだろお前! なんのつもりだ!! 『UNITED TRIGGER』所属のメンバーが、何のつもりでこんな事!!」

【自分を省く形で囁くな――――カチューシャのその言葉に、意を決したようにブラックハートは叫ぶ】
【彼女の自称である『カチューシャ』ではなく、己の知る名前である『ソニア』を用いて。言葉を叩きつける】
【何の反応が返ってきても構わない。今はともあれ、反応自体が欲しい。それだけでも、彼女が何者なのか、どういう状態にあるのか、何を求めているのか、考える手がかりになるのだ】

「ラベンダー! こいつに、こいつに『卵』らしき反応はあるか!? お前分かるだろう、『卵』の魔力波動!!」
――――い、今探ります――――ッ

【同時に、ブラックハートは巨像と化した少女――――ラベンダーに怒号を飛ばす】
【最もポピュラーな、人間を変異させる道具と言えば『哲学者の卵』である。それが、眼前のスナイパーに埋め込まれ『発芽』している可能性はないのかと】
【すぐそばにいる相手に対して、ラベンダーは意識を集中させる。彼女を歪めている因子が、果たして本当に存在するのかどうか】

「ッッ、黙れ――――――――ッ、な!!」

【続く言葉は、ブラックハートには嘲りの言葉に響いた。サイボーグとしての己の姿を、嘲笑われている】
【そこには、奇異の目による興奮がありありと感じ取れた。それは、純粋な不快感だ】
【怒りと共にブラックハートは、カチューシャへとさらに照準を修正しようとするが――――そこに飛んでくる、カチューシャの発射した弾丸――――】

「うっ――――ああぁぁぁ!!」

【銃身に、見事に叩き込まれたライフル弾が、ガトリング砲台を痛く傷つける。そして、右肩のガトリングは銃身ごと吹き飛び、ブラックハートの頭部を叩きつけた】
【その場で頽れるブラックハート。思わず義手で傷を庇う様に抑える。ダメになった砲身を格納して、代わりに先端に鎌状の刃の付いた触手を1本、展開する】

――――っ、乗るな――――!

【一方、肩に止まられたラベンダーは、すぐにやるべき事を選択する。視界を取り戻すよりも先に、スナイパーライフルを構えた相手に、すぐそばに居られる状況を改善しなければならない】
【己の両腕を、自分の後頭部へと組むように振り上げる。肩に乗っていれば、それで振り払えるだろう】
【――――実際には、あっさりと回避できる様な攻撃なのだろうが、少なくともカチューシャを下ろさなければ、危険な状況に変わりないのだ】
667 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 21:39:36.63 ID:SF024TLYO
>>666

【振り払われる彼女の身体、空中に投げ出され体勢を僅かに崩した】
【再び右手の狙撃銃の先端を地面に預ける、ストンと立たせたなら】
【引き金からするりと指先を抜き、銃身に添わせる】

【宛らポールダンスの様に、くるりと狙撃銃を回って着地するだろう】


『ソニア』?知らなぁい、そんな名前、聞いたことも見たこともないの
でもね、『UNITED TRIGGER』は知ってるの、カチューシャ勉強したのっ
私が居る『機関』の敵よって、教えてくれたの、愛しのジルが紡いでくれたの

──だからね『No.3』 出会った時は確りと殺しなさいって、ゆわれちゃった──

分かるの?期待に答えなきゃ、殿方の期待に応えるのが女の悦びなの
この身果てるまで、奉仕するの──


【再び両手に狙撃銃を持った、足を揃えると布地越しの肉感的な脚線美が顕になる】
【『卵』の反応を探ったとしても反応は無いだろう、それではないようだ】
【頬を歪める、口角を少しだけ三日月のように傾けた】


お姉様、素敵で惨めなお姉様──あぁ、なんと憐れな姿なんでしょう
改造されたのね、冒涜されたのね、蹂躙されたのね
素敵よ、本当に素敵、尊厳も何もあったものじゃない

ねぇ、どんな気持ちなの?どんな気持ちで、生きていけるの?


【朱が深く歪む、マリンブルーを食い散らかす様に】
668 :ラベンダァイス&ブラックハート ◆auPC5auEAk [sage saga]:2018/03/06(火) 22:06:26.47 ID:/xmF9j9l0
>>667

(――――あの身のこなし、ただの技術じゃ説明つかない――――能力が、関係してる――――?)

【振り払った際に垣間見えた、カチューシャの着地。銃に体重を預けて体を捻る。まるで棒高跳びの様に】
【それは、本来スナイパーライフルでやる事ではない。照準の調整を破綻させる、そんな乱暴なやり方を、スナイパーがやるはずがない】
【なら、あの身のこなしには何か「普通ではない」理由があるはずだと、コートを振り払いながらラベンダーは踏んだ】

「ッッ、機関だと――――お前、むざむざ機関に身を投じたってのか、えぇ、カチューシャ!?」
――――『UNITED TRIGGER』のメンバーが、機関に――――!?

【体勢を持ち直しながら、ブラックハートは吼える。踏みしめた足元が、ジャリっと微かな音を立てた】
【――――自身のかつての古巣である、機関に――――未だ、根拠のない確証でしかないが。これではあの時の逆だ】
【――――機関員だった自分と、『UNITED TRIGGER』のメンバーだったソニア。それが今、『UNITED TRIGGER』の食客である自分と、機関員であるカチューシャ】
【死んでしまった――――それが偽装だと、彼女は知らない――――ベイゼの存在を軸にして、互いの立場が綺麗に入れ替わってしまっている】

――――何故、『勉強した』なんて必要、あるんでしょう――――?
「あぁ、どういう事だラベンダー!?」
――――仮にカチューシャ、あなたがソニアと赤の他人だとしても、『UNITED TRIGGER』は、わざわざ「知ろうとする必要」が無い様な、常識みたいなもののはず――――
「……やっぱり、精神的にどこかおかしいって言える理由になるってか……!?」
――――『卵』は、ありません。ですが――――やはり変です、この人――――何かが、頭の中に、心に、識覚に、介入している気がする――――!

【そんな中で、ラベンダーはやり取りの中に生じた疑問をぶつける。カチューシャの言葉は、仮に機関員としても曖昧模糊とした認識だ】
【その対象が、仇敵のはずの『UNITED TRIGGER』。それでなくても『UT』は、世間的に既に有名な存在になっており、時折議論の俎上にも乗せられる】
【それに対する認識が曖昧というのは――――不自然な話だ。人の「精神に影響する」という事を忌み嫌っているのか、わずかに渋い様子を言葉に乗せて】

「っく……ッ――――あたしゃなぁ、元≪No.616≫……お前らのお仲間の、鉄砲玉やらされてたんだよ。それがこの体だ……!
 どんな気持ちだと……お前らみたいなのが許せなくて、気が狂いそうになってんだよッ!!」
「(――――訳が分からねぇ。だけど、これは、この口調は間違いねぇ――――あるいは、その「愛しのジル」とか言う奴に……!?
  分からねぇが……これは、放っておけない。こういう時の為に、あたしゃ命を繋いだようなもんじゃねぇかよ……!)」

【その出自を――――かつて機関員だった、しかも最低レベルの扱いを受けていた事を叫び、そしてそれ故に殺意を消せないのだと、ブラックハートは怒鳴りつける】
【だが、心の中は、その言葉の様に荒れ狂ってはいなかった。時が経つにつれ、相手が自分の知るスナイパーと同一人物である事への、確信が強まっていく】
【同時に、だからこそ彼女を『変えた何らかの存在』がある事にも思いが及び――――それ故に、「このまま放っておけない」という感情が湧き上がってくる】
【「意に反して隷属させられ、矢面に立たされている存在を救いたい」――――和泉 瑠璃の為に誓った、後人生の目標を、今ここで再確認したのだ】

「ラベンダー!!」
はい――――!!

【それはそれとして、敵である以上、無力化しなければ自分たちが危ない。ブラックハートとラベンダーがごく短い言葉を交わす。それで彼女らには十分だった】
【ラベンダーの右腕、その肘から先が切り離され、カチューシャへと発射される。先端にラベンダー色の爪が伸びている、重厚な『ロケットパンチ』だ】
【同時に、ブラックハートは地面を蹴り、カチューシャへと距離を詰めにかかり――――接敵に成功すれば、右肩の鎌を、カチューシャ向けて振り下ろす】
【左右からカチューシャへと挟撃を仕掛けたのだ。スナイパーである以上、距離を詰めなければ、自分たちが一方的に不利になるだけだと――――】

/すみません、そろそろ持ち越し、お願いできますか?
669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/06(火) 22:11:38.13 ID:SF024TLYO
>>668
/了解ですっ!詳しくは雑談で!
670 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/06(火) 22:26:53.85 ID:7em0OPxz0
【水の国―――とある湖の湖畔―――】
【首都フルーソを出て暫く、公共交通機関を幾度か乗り継ぎ、更に人気のない山道を歩くこと数時間】
【まず、都市部とは呼べない大自然の中に鎮座する巨大な一枚鏡。燦燦と降り注ぐ日光を反射し、艶めく湖面は正しく優美の一言】

【澄んだ空気と清涼感溢れる光景の中を、普段よりやや重装備を着込んだ少年が濡れた土を踏みしめ歩いていた】

随分と遠くまで来たな……それにしても、良い空気だ

【巨大連絡船『デウス・エクス』で出会った少女、白坂 佳月に教えられた水の国の観光地の数々】
【その中で、個人的に気になった場所へと足を運んでいた。彼が好む大自然、尚且つ人気が少なく、一人で見て回れる場所】
【途中、猪に出会うこともあった。熊に出会うこともあった。しかし、彼は持ち前の脚力と能力で事無きを得ていた】
【逆を言えば、それ程までに人の来ない野生の世界と言うこと。もし、ここに来れる者がいるとするならば、それは相当の手練れか途轍もなく幸運の者か】

この辺りで少し休んで行くか……よっと

【倒木に腰かけリュックから水筒を取り出す。中にはスポーツドリンクが注がれており、よく冷えた液体を口に含み嚥下する】
【やや疲労を感じる身体に冷えたドリンクがよく染み渡る。ふぅと一息つくと、彼は風にさざめく湖面をふと見つめた】
【彼の周囲からは何故か小動物が軒並み逃げ出しており、まるでそこだけが別世界かのような雰囲気】
【こんな誰も来ることの無い辺鄙なしかし、美しい場所に訪れる遭遇者<エンカウンター>は果たして誰ぞ―――――】
671 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/06(火) 22:42:11.66 ID:Oemlivjzo
>>670

【青年から少しばかり離れたところに、先客がいた】
【外套に身を包んだ黒髪の男だ。年齢は三十代前半】
【湖のすぐ側で何をするわけでもなく座りこんでいる】

んー…………ん?

【ふと、おもむろに顔を動かしたところで青年と目が合う】
【すると、珍しい生き物を見たように、驚いた表情を浮かべた】

こんなところに人が来るとはな
坊主、旅人か何かか?

【興味が向いたらしく、声をかけてくる】
672 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/06(火) 22:55:26.73 ID:7em0OPxz0
>>671
【低い声が耳に届く。年齢は二十代後半から三十代か。性別は男だろう。この低さならば、きっと男だ】
【しかし、先程までそこに人がいただろうか? 存在していたのかもしれないが、彼の認識の外だったのだ】

ん……? おや、俺以外にも人が来ていたのか
もしや、邪魔をしてしまっただろうか? そうならば謝罪する

【倒木に腰かけたまま、軽く頭を下げる。静謐の中で精神を研ぎ澄ましているのならば、来客の存在は雑念を生むだろう】
【こんな場所でやけにラフな格好だと思いもしたが、それはそれ。もしかするとこの付近に住んでいるのかもしれない】

あぁ、旅人だ。見えないだろうか?

【装備こそクライマーのそれだが、顔は鋭く中性的で、髪はややくすんだ白銀色。図書館に籠り、書物を漁るような、そんな見た目だった】
673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/06(火) 23:00:23.39 ID:Z8Z6Nc/E0
【セレンディピター号、ラウンジ】

【豪華客船、セレンディピター号は優雅な航海を続けている。洋上の月は明るく、波も穏やかだ。】
【多くのVIPを乗せ、それに引き寄せられた野望と欲望を抱えて。誰の手中か、踊り続けている。】
【船の豪華なラウンジ。薄暗い照明に豪華な調度品。バーカウンターでは年代物の酒が並び、楽団の生演奏。】
【今宵は少人数で編成された弦楽器アレンジの何処かできいたことがあるが名前は知らないクラシックの定番が演奏されている。】

―――この度も、船旅というのは優雅で気品あるものでございますが…ノアの方舟よろしく
“地上の水が引けるまで”ここにとどまり続けるというのも些か…。いえいえ。

ダルハイト氏を悪く言うつもりなど滅相も。しかし、時代は進歩しているのです。
神の啓示を待つよりは我々の手で、新しい世界を手に入れたほうがよろしいかと。
ええ、ですからその一歩として我々がオリーブの葉を見事持ち帰って見せましょう。如何でしょうか

【あるテーブルでは3人が会話をしている。ゆったりとした談笑のようだが、その席には警備が立っている】
【周りを囲むように2名の黒いスーツにサングラス。耳に連絡用のイヤホン。この船の警備員によくある服装だ。】
【そしてひときわ目立つのが黒い革のコートに背にはカタナ風の細身の長剣。黒いメカニカルな頭全体を覆うマスクを被っている人物だ】

『――まるでロボットだな。それか巷のフルフェイス。』

【席に座る1人の男が言った。この男は所謂“パトロン”の1人でリストアップされている。】
【もうひとりも同じだ。だがひとり、淡い水色のスーツを着た、メガネの男はデータにない】

いえいえ、マスクはデザイナーがアクション映画だかからインスパイアしたものらしくて。中身は人間ですよ。
ただ仕事中はきっちり…そう、それこそロボットのように働きますよ。心ひとつ動かさずに。
警備は我々にお任せを。そろそろ奥様の料理も恋しい頃でしょう?危険は我々『テクノドッグス』が取り除きます。

【テクノドッグス社は警備会社だ。コンピュータ・セキュリティから立ち上がり総合警備会社になった。親会社は『オーウェル社』である】
674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/06(火) 23:03:39.84 ID:Oemlivjzo
>>672

【男のすぐ近くには鞘に入った大剣が横たわっていた。様々な装飾があり、儀礼用のようにさえ見える】
【男の肉体は体格的には優れている、と言っていい程度には鍛えられている。装備が簡素なのはそのせいかもしれなかった】
【来客の意外な真面目な応対に、男は思わず笑ってしまった】

いや、気にするな
自然なんてのは誰のものでもないんだ、誰が来たっていいだろう
それに邪魔といったって、何をしていたわけでもない
こいつも当たらんしな

【そう言って目の前にある釣竿を指差す】
【釣竿とは言ったが、そう呼ぶのがはばかられるほど簡素なものだ】
【木製の竿に単純な糸を取り付けただけのもの。それを木の枝を組んだ土台で固定しているだけだ】

うーん、装備はそれっぽいな
ただ……人の見た目にケチをつけるわけじゃないんだが
こんなへんぴなところに来るようには見えないな、インドアって感じだ

【風貌から来る印象を指摘しながら、軽い笑みを見せていた】
675 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/06(火) 23:21:26.80 ID:7em0OPxz0
>>674
【不意に笑い出した男を目にし、何故笑っているのかと怪訝そうな、不思議そうな表情を向ける】
【咎めることは無い。純粋に、男が笑った理由を解することが出来なかったのだ。だからと言って、男を毛嫌いすることもない】

こいつ? あぁ、釣りか
当たらないのは……もしかすれば俺のせいかもしれないな……

【小動物が彼の周囲からは軒並み消え去っている。それは魚も例外ではなく、まるで結界が張られたかのよう】
【元来の彼の性質であった。自身より小さく、そして言語の通じない動物が彼の周囲からは離れていく】
【彼の本質、肉体の底に秘める血統がそうさせるのだ。無論、例外もある】

そうだろうか? 鍛えてはいるんだが……

【顔付きは外に出る様には見えないだろう。しかし、服の下の肉体は違う】
【相対する男程では無いが、彼もまた戦闘の為の筋肉を鍛えている人種だった。見れば、リュックに一振りの太刀が括りつけられている】

そう言う貴方は、如何にも冒険者然としている
貴方も旅をしているのか? それとも、山の中で修行でも?

【単純な問い。男の素性が未だ霞の中に隠されているとなると、探らずにはいられない】
676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/06(火) 23:27:26.46 ID:wXGsfo0lo
>>673

【 ──流石、要人と云った所か。非常に厳重な警備である── 】

【黒スーツは何とかなる、所詮船の雇われ警備員──少なくとも見た感じからはそう思う】
【然し、マスクの男──身に纏う雰囲気は猛者の其れである】
【正面から突撃するには些か分が悪いか、と考えて】


ねぇ素敵なおじ様、横のお席宜しいかしら?
お父様の付き添いで来たのだけれども、お父様ったらカジノに夢中ですの
もう退屈で退屈で死んでしまいそう!と、思っておりましたの

──……そう、気になって仕方ありませんの、其方のマスクの御仁が


【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女が声をかけるだろう】

【鈴の音を鳴らす様な軽やかな声、落ち着いた音律は淑女めいた音色で】
【パトロンの男に声をかけ、相席を希望するだろう】
【身に纏う雰囲気は少女のそれだ、常人なら見分けはつかない】

【──だが、修羅場をくぐり抜けてきた戦士であれば、その身のこなしの軽さに、違和感を覚えるかもしれない──】
677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/06(火) 23:29:45.71 ID:Oemlivjzo
>>675

ん、俺か……

【話が自分のことに振られると男は少し困ったような顔をする】
【それから顔を上に向けては「うーん」などと唸り声をあげる】
【どういう風に話すか悩んでいる、そんな様子だった】

まぁなんだ、最近、仕事が忙しくてな
きつくなってきたからこんなところまで休息に来たってわけだ
休むんなら人がいないところの方がいいと思ってな

【わざわざ休むためだけにこの人里離れたところまで来た、らしい】
【つまりは冒険者であるだとか、旅人だとか、そういうものではないようだった】
【地面に仰向けになって寝転がる。釣竿にはもう興味がなさそうだ】
678 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/06(火) 23:35:49.20 ID:7em0OPxz0
>>677
【素性を聞かれて困り顔、とはどう言った理由だろう。明かせない理由でもあるのだろうか】
【それはそれできな臭い物を感じるが、単に自分を語るのが苦手なだけと解釈しておこう】

仕事か……その大剣で仕事となると、随分と荒事になりそうだな

【少し笑いながら、冗談めいて口走る。実際、それは冗談だったのだろう】
【湖畔に吹く薫風を頬に感じながら、ただぼうっと時を過ごす。たまにはこう言うのも良い】

でも、仕事がキツくなったからと言って辞める気はあるのか?
そんな大仰な物を抱えてるってことは、まだ抱えていられるってことだろう?

【「やはり釣れないか……」と小さく呟きながら、彼は足元の枯れ枝を眺める】
【まだ腐らずに残っている、と言う事は最近折れ落ちた物だろう。少し、物悲しくなった】
679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/06(火) 23:42:46.97 ID:Oemlivjzo
>>678

【冗談めいた言葉に、男の方も笑っていた】

荒事も荒事だ
”こいつ”を振り回して、殺すだの殺されるだのって話さ
最近じゃそれだけでなく、スパイごっこまでやるはめになっているがな

【仕事内容に少しだけ言及すると、小さな嘆息が吐かれた】
【その最近の内容というのがストレスの原因らしい】

ん……辞める気はないな
キツいっていう理由で辞めるぐらいなら初めからやっちゃいない
俺の仕事は、それなりに世の中に役立つ仕事だからな
俺が辞めちまったら、困るやつらが結構いる

【男の言葉には些か以上の真剣さと、誇りのようなものが含まれていた】
680 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/06(火) 23:53:54.08 ID:7em0OPxz0
>>679
そうか……それは、大層疲れるだろうな

【斬って、斬られて、殺して、殺されて】
【そんな血腥い世界に生きる者だからと言って、必ずしも精神(こころ)まで丈夫だとは限らない】
【自分が誰の為に戦っているのか。何の為に戦っているのか。見失ってしまえば、永遠の摩耗が待ち構えている】

世の中に役に立つ、だからまだ続けられる
そう考えられるのは、素晴らしいことだと俺は思う。誰かの為に戦えることは、誇らしいことだ

【以前、セリーナに教えられた。誰かの為に戦うこと、そこに正義だの正当性だのを介在させる必要は無い】
【ただ、人を救いたいと思ったから救う。それだけで素晴らしいことなのだと】

……俺も、少しでも誰かを救えたらと考えている
俺はまだ何も知らない。けれど、旅をしている内に、少しでも誰かを救えたら良いと思う
そうすることで、俺自身が広がっていく気がするんだ

【視線は遥か水面の向こうを見つめながら、少年は不思議と落ち着いた雰囲気で呟いた】
681 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/07(水) 00:03:20.38 ID:ktOhLxts0
>>676

【少女が現れると、警備の者共と、メガネの男は警戒した。1人は腰に下げた拳銃に手をかけようとしたぐらいだ】
【それぐらいここに居る奴らは訓練されている。比べてパトロンの男2名は顔を向けたものの警戒心はなさそうだ。】
【そして――黒マスクは動かず、身じろぎ一つせず。操り主の居ない人形のように――ただそこで仕事をこなしている。】
【少女の予測通り、此処で1番面倒な相手はこの黒マスクだろう。隙らしいものは見当たらない。】

すまないがお嬢さん。我々は今仕事を…

『まあ、いいじゃないか。姪を思い出すよ。…お名前はお嬢さん。甘いものは好きかい?』

【なんて手招きをする。もう一人の要人も笑っている。しかしそこでもメガネの男が割って入る】

ミスターゴードン。先程もいいましたように警戒すべきです。奴らは卑怯な手を使ってくるのですから。
もしかすると子供に化けた魔女かもしれません。能力者は生まれつき殺しの術を持っているのです。

『ん…まあ、しかし。ならどうしろっていうんだね?』

…能力を封じる機械がありますのでそれを使ってみましょう。我々に効果はわかりにくいですがね
一日は能力や魔術といったものを無力化します。

さてお嬢ちゃん。面白いものを見せてあげよう。――デルタ、警戒しろ。

【スーツの男は胸ポケットに手を入れる。取り出したのは万年筆かちいさなペンライトのような見た目のものだ】
【それをひねると、カメラのようなものがある。――能力を封じる機械と彼らは言っていた。】
【もしそれをまともに受ければ、能力は今日一日使えなくなる。】
【しかし見た目にかかわる能力でなければ彼らに能力の有無はわからないはずだ。セキュリティは突破できる】
【能力無しで確保しにいくか、能力で強引に突破するか――選択しなくてはならない】
682 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/07(水) 00:04:04.63 ID:RK26cEtQo
>>680

【男からすれば、何気なく言ったつもりの言葉だったが】
【予想外にも、相手の何かを引き出したように思えた】
【少年の答えを静かに聞く。それから身体を起こして、少年をまっすぐに見つめる】

────ああ、いいな
それはいい考えだ、そう持てるようなものじゃない
大事にしろよ

【誰かを救えたら、と】
【少年の考えを、男は何一つとして否定せず、ただ良いものだと言った】

【男が地面に寝かせていた大剣を手に取る。美しい装飾が日光で煌めいていた】

…………一つ、思い出話をしてもいいか?

【わざわざ前置きをして、男は少年に許可を求めた】
683 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/07(水) 00:12:58.01 ID:zfAgcxkd0
>>682
【思い出話。と言われれば、自ずと身構えてしまうものだ】
【何せ、相手の過去、経験を相手の口から直接聞くことになるのだ。そこにどんな驚愕が隠されているか】
【ともすれば、酷く物悲しい過去かもしれない。深い深い大穴のような記憶かもしれない】

【心して、聞かなければ。されど、聞かないと言う選択肢は無い。それは相手に対して無礼となるからだ】

あぁ、俺で良かったら、話に付き合うことは出来る
けれど、俺で良いのだろうか? 今ここで出会っただけの、俺に

【男を見つめる。本当に、今しがた出会ったばかりの自分でも良いと言うのなら、彼は静かに男の言葉に耳を傾けるだろう】
684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/07(水) 00:18:19.30 ID:JzuHvchUo
>>681

【困惑の色を頬に見せた、まぁそんなに慌ててどうしたのと言いたげに】
【細い眉を潜めて男達を見る、可憐な少女を演じる】
【並の異性なら手玉に取れる位には、房中術は慣れていた】


まぁっ!素敵なおじさまっ!私お話のわかるおじさま大好きよっ!夜鳥、と申しますわ
お父様の友達にも、おじさまの様な素敵な殿方は沢山いらして、みーんなっ、おじさまの様に優しいの
でも今日ばかりはみーんなカジノに夢中よ、ほんと殿方ったら淑女を何だと思ってるのかしら

ねぇ、おじさま!私もう14歳ですわ、社交界でも充分立派なレディでしょう?
ええ、好きよっ!だーいっすき、お砂糖をいっぱい使ったスフレが大好物なの
たーんと甘くしたカフェオレも一緒にいただけるかしら?


【捲し立てる少女の言葉、夜鳥と名乗りパトロンに近付こうとする】
【が、止められるだろう、もぅと口を尖らせる、あくまでも年相応の少女の仕草で】
【言葉に餌をつける、少女の父親がかなりの資産家である事をアピールし、魅力的に着飾る】

【──然し、続く言葉にドキッとした──】


(えっ……何!?能力を──使えなくっ……!?
この格好じゃ、暗器とかほとんど無いってっ!!やっば……っ)

……もぅ、男の人ってばほんとにレディの扱い方がなってないんですのっ
何かしらこの怪しげな機械、そして何が面白いのかしらっ
はいはい見ましたわっ、これでよくって?


【賭けにでた、能力を封じる機械をもろに受けるだろう】
【打算があった。もしこれが本物であれば、その情報を持って帰ることも大きなプラスになる】
【──問題は、無事に持って帰れるか、にあるが】
685 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/07(水) 00:27:20.76 ID:RK26cEtQo
>>683

【思ったよりも重く捉えられてしまって、またしても男は笑みをこぼした】
【それはしかし、少年に対する好感の現れでもあった】
【初対面だ、というのは逆も言える。初対面だというのに、誠意ある応対をしてくれているのだから】

あぁ、構わない
それに、あんまり重く考えないでくれ
おっさんが、ちょっと若人に聞かせたい話があるってだけだ

【言い終えると、男は静かに語り始めた】

この剣はな、ある山村を助けたときにもらったものなんだ
そこの人たちは、近くに居着いた能力者どもにかなり酷い目に遭わされていてな
食料や金は取られるわ、女は攫われるわで、本当に酷い有様だった

たまたま、俺が行ってそいつらを追い払ったんだが
そのときにこの剣を礼としてくれた
そして「ほかの困ってる人たちも助けてやってください」って、そう言われたんだよ

それが、俺が今でも戦えてる理由なんだが…………

【大剣を脇に置いて、男臭い笑みを浮かべる】

つまり、この”思い出”が俺を支えてくれている
お前も旅をして誰かを助けることもあるだろう
そうしたら、今度はその人たちがお前を助けてくれるってわけだ

【男の話はこれで終わりだった】
【少しの沈黙が流れた後、気が抜けたように笑ってみせる】

────ってのが、なんとなく、お前さんに聞かせたくなった話ってわけだ
悪いな、いきなりこんなこと聞かせて
歳食うとどうも、年下には何かしてやりたくなって困る

【言い終えると再び、地面に寝転がる。「らしくないことをしたな」なんて言いながら】
686 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/07(水) 00:33:43.56 ID:ktOhLxts0
>>684

『ハッハ、こりゃお転婆だな。レディなら我慢も習わなくてはならないよ。』
『いやいや、女というのはいつまでも我儘なものだ。それを許すのも紳士の嗜みという』

命を失っては元も子もありませんでしょう。

【緊張感のない要人らと比べこのメガネの男は疑り深い。めんどくさいやつだ。この男のせいで】
【普通の警備ですら緊張がもろに面に出ている。そして黒いマスクは威圧感だけ放ち続けている】

【カメラを覗き込めば、強いフラッシュが発せられる。能力を消し去る光だ。とたんに体から能力の使い方が抜け落ちるだろう】
【使い方が思い出せなくなる。腕の動かし方が思い出せないかのようなもどかしい違和感。使おうとしても感覚はするりと抜け落ちている】

…もし能力者だったとしてもこれで問題ありません。…いま、カフェオレを持ってこさせよう。
『失礼なやつですまないね。彼は営業マンだから、こういうところはなれていないんだよ。レディなら許してやりなさい』
『さ、さ。寛いでくれ。それよりどちらの高名なお方のご令嬢だろう。確か有栖川のご一家がいらっしゃった…』

【客人の2人はやれ何処かの名家ではないか、財閥関連だと噂をする。客人に対する掌握はいとも簡単に完了した】
【眼鏡の男はウェイターを呼び、カフェオレと何か適当に持ってこさせる。前かがみになり、テーブルの上で手を組む】
【未だ警戒心はといていないらしい。それか契約の話が進まなくなったので怒っているか…どちらもだろう】
687 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/07(水) 00:43:46.51 ID:JzuHvchUo
>>686


【スーツの男、黒マスク──それぞれ知と力を制御しているのか】
【少女は思案する、能力を封じ込められた、其れは即ち己の力一つで任務を果たさねばならない】
【喉の奥が震える、身近に感じる死の恐怖、周りには敵ばかり】

【 ──『絶対に殺してやる』── 】

【嗚呼もう、と思った右を見ても左を見ても敵ばかり】
【そんな状況ばかりであった、生まれたからこれまで潜り抜けてきたのは】
【姫袖を小さく握る、大丈夫──失敗しても、死ぬだけだ】


構いませんわっ、営業のお仕事も大変ですもの
特に此処は危険な場所とお父様も言っておられましたし
営業の方も、本当におじさま方を心配してらして

まぁ、有栖川様も来てらっしゃるの?この前の舞踏会以来ですわ
本当に素敵な豪華客船ね!おじさま方はどうして来られたの?
おじさま方はカジノをなさらないのかしら


【パトロンの側にぴょんと腰掛けるだろう、ワンピースの裾が跳ねる】
【いけませんわっと舌を出しながら太腿で抑え、パトロンに近づく】
【やや大袈裟に声を上げながら、ぐいっと身を寄せるだろう】

【柔らかな少女の感触、持てる武器はふんだんに使う】


ねぇ、此方の営業の方は何処の会社の方かしら?
使えそうな会社でしたら、ぜひお父様にも紹介したいわ!


【カフェオレに口をつけ、チューっと勢いよく飲む……ふり】
【一切摂取するつもりは無いだろう、笑顔の裏に静かなかまをかける】
【会社の名前、まずはそこから聞き出そうとする】
688 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/07(水) 00:55:47.44 ID:zfAgcxkd0
>>685
【初対面だから、と言う理由で相手を軽んじるなどと言う考えは彼には微塵も存在しなかった】
【決して他人に無礼を働かぬよう育てられ、教えられた通りに動く。ある種それは、見えない呪いだった】

おっさん、と言う程老けてはないだろう
多く見積もっても、精々十五歳程度じゃないか? 歳の差は

【男の話を静かに聞き始める。それはとても単純で、それでいてなによりも重要な物語】
【与えられた力を悪用する者は必ず存在する。それが当然であるかのように、力無き物から簒奪する】
【それも一つの力の使い方だろう。しかし、誰もが簒奪者達の所業を許すかと言えば、否だ】

【この話では、それを許さなかった者がこの男だった。例えるなら裏に対する表、陰に対する陽】
【ただ一方のみで存在する物はこの世には一つも無い。確実にだ】
【そうして、勝利したのは陽だった。時に敗北することもあるだろう。この世界の何処かで、挫かれる志もあるだろう】
【だが、男は違った。勝ち取り、そして守ったのだ。それは誇り高いことであり、何よりも価値あることだ】

いいや……良い話を聞かせてもらった
きっと、貴方が今も戦える理由はそれだけじゃない。そうやって、誰かの為に戦えるからこそ、辞めることが無いんだろう
旅を続けてみれば……いつかは俺も救われることがあるかもしれないな……

【呟いた少年の表情は、光を受けて揺れる水面の如く清々しいものだった】

さて、と。俺はそろそろ行く。まだ、旅を続けなければならないからな
最後に……名前を聞いていいだろうか? 俺は鳴神 義勇と言う。義勇と呼んでもらって構わない

【「貴方は?」と返しながら、彼は倒木から腰を上げた。名を聞けば、きっと立ち去って行くだろう】
689 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/07(水) 01:04:00.44 ID:RK26cEtQo
>>688

【初対面の相手に思い出話などをしてしまって、恥ずかしさが男の表情には現れていた】
【しかし、少年の真っ直ぐな言葉がそんな気持ちさえ吹き飛ばしてしまう】
【いつしか清々しい笑みが取って代わっていた】

いい奴だな、お前は
俺の部隊に招き入れたいぐらいだ

俺は自警団のディミーア・エルドワルだ
またな、義勇。きっと、どこかで再び会えるだろうぜ

【別れの挨拶がてら、男──ディミーアは左手を掲げる】
【彼はまだここに残るようだった。義勇がいなくなるまでは、見送るのだろう】
690 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/07(水) 01:04:02.33 ID:ktOhLxts0
>>687

【黒マスクはじっと動かないでその場を監視している。眼鏡の男と会話する様子もない。】
【眼鏡の男は見るからに疑いながらいらついている。要人には分からない程度に隠してるが】
【後の警備は普通の警備体制で、それほどの戦力ではないだろう。】

【能力が封じられ、警備も居て、挙句に強敵が目の前という状況的には最悪の条件ばかりだ】
【ただリストの対称が2人もいて、他の客とは離れた場所にいる。リスクに値するかどうかはここからだろう】

『なんと、有栖川様と知り合いとは結構な名家だ。ご無礼を、お嬢さん。』
『カジノはねえ、もうし飽きてしまったよ。同じところにずっといるのは性分に合わなくてねぇ』

【少女をこの要人たちは女性として意識しているかどうかはわからないがこういうタイプはカッコばかり気にするもので】
【上流階級のご令嬢と思い込んでいるならなおさらだ。権威主義者は普段威張る代わりにそういう相手に弱い】

…この話は密談でありますので。

『まあいいじゃないか。彼は私達を守ってくれるっていうヒーローさ。こんなロボットみたいな強い味方を連れたね。』
『私たちは悪い人たちに命を狙われていてね。…きっとこの船はそういう人が多い。そうだ彼女の父親とも契約してはどうだね』
『警備会社のテクノドッグス。…悪い人も倒してくれるっていうから安心さ。』

………。

【彼らからすれば自分らは正義なのだ。仮に権力や金儲けのためだとしても、正義の看板を信じたふりをしている。】
【ブランデーグラスを彼らは揺らす。いつのまにか楽団の演奏はショスタコーヴィチのワルツがかかっている。】
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/07(水) 01:13:49.65 ID:JzuHvchUo
>>690

【 ──テクノドッグス、聞いたその名を彼女は脳内で反芻する── 】

【その企業の名と、能力を一時的に封じる技術、そのどちらともが脅威である】
【だからこそ持って帰らなければならない、手段を選んではいられなかった】


……っ、申し訳ありませんわ、少し酔ってしまいましたの
先程お父様と、そのお友達に唆されてワインを飲んでしまったのがダメだったのかしら
気分が優れないですの、少しふらつきます


【ふらり、とパトロンの一人にもたれ掛かろうとするだろう】
【見てみれば白い頬に赤みが増している、さもアルコールに酔ったように】
【とろんと、蜂蜜色の目尻が蕩ける何処か艶やかな表情を移して】

【小さな唇が潤いを浴びる、リップノイズが重なった】


ねぇおじ様、おじ様のお部屋に連れて行ってくださらない?
この船はそういう人が多いのでしょう?
私、おじ様のお部屋なら、安心できますの


【──ある種の賭けであった、冷静な判断力を持つ者なら、この申し出の不自然さに気づくだろう──】

【だが、目の前の相手が欲に目が眩んだ金持ちであれば】
【少女が傅く、女性へと上り掛けの階段を1歩ずつ】
692 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/07(水) 01:28:50.41 ID:RK26cEtQo

【────その後】

いや、それにしても気持ちのいい奴だったな
あれはきっと、色んな人間を助けるんだろうな……

【義勇がいなくなった後、ディミーアも立ち上がった】
【かつて助けた人々が自分に託した剣を背負う】
【銘は『導くフィデリウス』──輝きを意味する言葉を冠したその剣は、暗闇に迷う人々を照らすためのものだった】

【──そのはずだ】

【ふと、ディミーアは隣へと目を向けた】
【そこには正しく誰もいなかった。この場にはディミーアという男しかいなかった】

【────そのはずだ】

【男の目が見開かれる。何もないはずの空間を、恐怖に囚われて震える瞳が見続ける】
【そこには女がいた。小さな子供の手を引いた女がいた】
【女は何も語らず、ただそこに佇むだけだった】

【「あぁ」──と、男の口が動いた。それに合わせるように、女の口も動いた】
【”何故なの”────と。”何故、貴方は安らいでいるの”────と】
【いるはずのない女が、確かにそう言っているように見えた────】

【裏に対して表があるならば。陰に対して陽があるならば】
【それらは果たして、混じり合わないものなのだろうか】


//最後に余計な一文を追加です……
693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/07(水) 01:44:49.39 ID:ktOhLxts0
>>691

『おおっ…ハハッこらこら、年上をからかうんじゃない。』
『いやいや、ミスター。たまにはいいじゃないですか。刺激も無くては。』

【下世話な男の笑いがラウンジに響く。すっかり術中の要人を扱うのは容易い】
【眼鏡の男は前かがみでついには貧乏ゆすりまで始めたが酒と欲望にまみれた要人はそれにも気が付かない】

【彼はいらついていた。崇高な使命のため、人類のための仕事だから、金のためにこの薄汚い金持ちの相手をしているが】
【本来であればこの旧態依然とした俗物の精神は新たなる人類には不要だ。だが計画のためには今は受け入れて】
【後で新人類的思考を“啓蒙”する予定だった。…だが、この愚者はもう救えない。】

【ただこの少女は単なるオヤジ趣味の令嬢であるはずがない。…だとしたら何処のやつだ。公安のクズか?】
【彼はメガネを指でズリ上げて、ハァと短いため息、何かを決めたようだ。】

ではお楽しみを邪魔するのはよろしくないので、彼女のお父様とお話することにしましょう。
…お父様のお名前は?

【眼鏡の男はスーツの警備の1人に声をかける。警備はその場を離れ、どこかへ駆けていく。】

『それじゃあ、失礼しようかな。さぁ、お嬢さん。足元に気をつけて』
『ハハッ、明日にでも話を聞かせてくれ。』

【要人の目つきは欲望を隠そうともせず、少女の全身を下衆な視線で舐めるようにみてくるだろう。】
【そして紳士のふりをしているがわざとらしく際どいところに手を回してエスコートのふりをする】
【警備の1名はこの2人についてくる。まあ、部屋まで入ってくることもなく、始末も簡単だろう】

【少女を連れて歩く男の足取りは酔っているのか遅い。残された者はそれを見送る。ただすぐに眼鏡の男は立ち上がる。】

…ゴートン。6632室か…下から2番目のグレード。成金らしいケチくさい見栄だ。
君、あの女の親父に確認してこい。クロだったらすぐに連絡しろ。デルタ、先回りだ。

【1人の要人を置き去りに、メガネは警備と黒マスクに命令する。】
694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/07(水) 01:59:35.07 ID:JzuHvchUo
>>693

【背中に手を回され──ぞわっと、背筋を冷たい汗が流れた】
【笑顔は崩さずもたれかかる、跳ねる心拍音を悟られない様に】


私のお父様ですか──?
夜鳥……夜鳥 京と申しますわ


【潮時か、と感じた──眼鏡の奥の鋭い視線に交差して】
【豪華客船のカジノへ向かい、そんな人物がいないと分かるまで数分程だろう】
【視界の端からスーツの警備が離れていくのを見つけた、存外に時間は無さそうだ】

【見送られたなら角を曲がる、お手洗いに行きたいですわ、と何か理由をつけて】
【眼鏡の男からは分からない位置に付けたなら、パトロンの鳩尾に一撃、鋭い突きをくわえようとする】
【怨みのこもった一撃、鍛えていない人間が直撃すれば気絶は免れないだろう】


あらっ、どうしたのおじさま?──

(このフロア一帯に警備が回る──筈ですっ
その前に何としても、逃げ出さなければ……!!)


【恐らく二人に着いてきた警備も不審がって近づくだろう】
【可能ならば彼女は、顎に向かって一撃鋭い突きを加えようとする】
【目論見が上手く行けば2つの気絶した男がいるだろう】

【位置的には先程まで全員がいたラウンジから少し離れた廊下である、角にあり眼鏡の男からは直視はできない】
【この位置から外に出るにはラウンジを通り抜けるか、ラウンジに沿って作られている廊下を大きく回る必要がある】
【少しの間思案するだろう、ちらりと案内板の地図を見た】
695 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/07(水) 02:24:00.64 ID:ktOhLxts0
>>694

【パトロンと警備の排除は手本の例になるくらいに鮮やかに片がつくことだろう】
【廊下は時間帯もあって人気はない。しかし船という構造上狭く、入り組んでいてかつ窓など逃げ道はない】
【デッキに通じる非常口も遠い(この場所だとラウンジから外へ出ることが案内図では推奨されている)。】
【別のフロアに逃げて人ごみに紛れるのも手だが、時間がすぎるたびに特徴が警備に通達されて捜索が始まるだろう】

【ラウンジは大きなデッキに通じるドアも窓もある。だがそうなる場合あのメガネと黒マスクが邪魔になるだろう。】

クソガキ…アバズレが。まあいい、これで本来の仕事ができるというわけだ。デルタ、準備しておけ。

【眼鏡の男は懐から小型のピストルを取り出し、消音器をとりつける。黒いマスクはせの大太刀のようなカタナににた剣を抜いた】
【チタン製の刃でテクノドッグス社の技術がつぎ込まれた軽量かつ高硬度な剣。見た目通りの威力が保証されている。】

…なに?やはりクロか。…舐めやがって。君は6632号室に向かえ。始末する。

【テクノドッグスはこの船の警備になっているわけではない。個人契約の延長線である。そのため全警備に一斉に命令はできない。】
【それに大事にして失敗したとなっては社の沽券に関わる。メガネはしがらみにイラつき、テーブルを蹴り飛ばす。】

【そして通常の警備の1名が先に動き出す。後からマスクと眼鏡が追従して。一歩ずつ警戒しながら廊下へと歩み寄ってくる…】
696 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/07(水) 02:35:31.34 ID:JzuHvchUo
>>695

【入り組んだ廊下、彼女が使えそう地の利はこれぐらいだろう】
【鬼ごっこの始まりだ、違うのは命が掛かっているか、だけ】
【姫袖からクナイを取り出し右手に握る、耳を澄ませると廊下を歩く警備達の男】


(うーっ……圧倒的に戦力不足ですねっ……!!能力が使えないのがほんとに苦しいですっ!
なんですかあの機械!ヤバすぎなんですけどっ、しかもなんか怠いしっ
取り敢えず、動きを止めます──っ)


【懐をまさぐり金属片を取り出す】
【鋭く尖った幾つかの刃『まきびし』である】
【それを曲がり角にばら撒く、警備が角を曲がったならすぐ踏むかもしれない位置に】

【すぐ側には先程気絶させた要人と警備が1人ずつ伸びている、其方に気を取られたなら、まきびしに気づかないかもしれない】


(──狙いは疑わせること、まきびしなんてそんな持ってないですよっ
慎重になってくれたらこっちのもの!後は走るだけっ……!)


【彼女は廊下の奥へと移動する、ぐるりと大きくラウンジを迂回する形だ】
【男達が曲がり角につく頃には少し先の廊下を走ってる背中が見える】
697 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/07(水) 02:56:02.94 ID:ktOhLxts0
>>696

「…ッッ!!大丈夫ですか!!」

【曲がり角を曲がると、伸びている2名を発見する。警備は慌てて駆け寄ろうとするがまきびしによってもたついた】
【それのせいで後の2人も前に進めずに居たが、眼鏡は抜かりない。気を取られずに逃げる少女の後ろ姿を捉えていた】

…クソッ、追え、デルタッ!力を見せろ!ハッ!精々逃げてみろ。
お前たちを消し去るために作り上げた我々を見くびるなよ

【眼鏡の男は逃げる背中に向かって拳銃を撃ちまくる。時間をロスして距離が空いてしまったために命中率は低い。】
【しかし狭い廊下、壁や床を跳弾して予想外の軌道を画く。眼鏡は笑う。弾を打ち尽くすと黒いマスクに合図を送る】

【何も言わずともマスクが追いかけてくるだろう。脚力はにげる少女に引けを取らない速度だ。】
【黒マスクは単なる警護には非ず、能力者を狩るために訓練された存在だった。】
698 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/07(水) 02:57:52.50 ID:JzuHvchUo
>>697
/すいません!そろそろ良いお時間なので持ち越し可能ですかっ!
/置きレス移行にしていただけると助かります!
699 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/07(水) 03:01:13.53 ID:ktOhLxts0
>>698
/了解です。置きでお願いします!
700 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/07(水) 03:03:59.27 ID:JzuHvchUo
>>699
/了解ですっ!ではおやすみなさいっ!
701 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [saga]:2018/03/07(水) 18:32:13.39 ID:5knxoKRNO
【某国、路地裏】

【その場所からは、警察署がよく見えた。外壁に青い染みのある妙な警察署】
【ち、と舌打ちがした。ローブを纏った奴が、その建物を睨みつけている。恐らくは女だ】
【サングラスにマスク、そしてフード。徹底的に顔を隠したそいつからは】
【件の警察署に対する憎悪が感じられた。フードの中で、ざわりと何かが蠢く】

…………ち。こうしてても、何にもならねぇな
クソが。……つってもどうすっかな

(機関を探るってぇ勢いでメール送っちまったが……まず取っ掛かり見つけねぇとな)
(擬態/ミミック さえありゃ、ンな面倒なこと考えずに済んだってぇのに、クソがッ!)

【──ガンッ。近くにあったドラム缶を、思い切り蹴りつける】
【けれどそうした所で、女の置かれた状況が変わるわけでもない】
【ちっ。舌打ちの音がひとつ、また路地裏に消えていった】
702 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(青森県) [sage]:2018/03/07(水) 18:44:43.59 ID:xKiQiDULo
【路地裏】
【大通りから遠く外れ人気のない寂れた裏道】
【そんな場所を黒い大きな袋を背負った一人の男が歩いていた】


あー…重てェ…


【男はそう呟くと背負っていた袋を地面に放る様に置いて】
【近くに転がっていたプラスチック製の箱に座った】

【綺麗に刈り上げられた側頭部、ツンと縦に伸びた金髪とその髪型は所謂ソフトモヒカン】
【野山を舞台に巨大な骸骨が描かれた絵が刺繍されたスカジャンを着込んで】
【まるでチンピラのような風貌だ】

【一方無造作に置かれた袋はナイロン製の縦長の人間一人が丁度収まるようなサイズで】
【使い込まれているのか所々汚れが目立ち】
【袋の表面には赤黒い乾いた染みが点々としていた】
703 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/07(水) 21:25:15.73 ID:STbdpjb0o
【水の国・セレンディピター号】

【欲望渦巻く船上王国は、現在、ある港に停泊中であった】
【―――デッキの上、二つの人影。一方は、ステッキを手にした小柄な老紳士】
【老紳士はただ黙って、目の前のもう一人の言葉に耳を傾ける】

突然の申し出、快諾いただき感謝する。サー・マイルズ。
私が乗船する理由を作るならば、貴方を頼るのが最適であったもので。

―――恐らく、こちらの要人が多数乗船している、この機に乗じて来るものかと。
猟犬 / ハウンド・ドッグ≠フ配備も既に。貴方に危険の及ぶようなことは―――ええ。

【その場の話者は、濃紺のワンピースに黒のジャケットを羽織った、銀髪碧眼の女。】
【女の話が終わると、老紳士は二、三、何事か告げた後に船内に戻り、デッキには女が残った】

【人気のないエリア、一人佇む女。近くにやって来る者がいるならば、目を惹く存在かもしれず】
【女はデッキの手すりの側に立ち、胸元のブローチを触りながら、海を見ていた】
704 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/07(水) 22:10:50.51 ID:TUY02cFH0
【裏町――】
【路地裏ほどでもなく治安の悪い場所、道沿いの店屋と思われる建物は、けれど軒並みシャッターを下ろして】
【そのシャッターでさえ落書きされたりこじ開けられたような穴がある始末。とはいえ人影が少ないのは、もはや飽きられてしまった場所にも似て】
【あるいは――そういった空気に慣れた人間であれば、姿を見せないだけで、ぴりぴりした緊張の気配、間違いなく"住人"たちは、どこかへ潜んでいるようだった

んん――――、

【そんな街中。数回の雨を経た後みたいな煙草の空き箱を踏みつけるくしゃりとした音があった、こつん――と響く足音は、ひどく硬い、軽いものなら】
【女が歩いている――というのはきっとすぐに分かるのだ。何か考え事をするような小さな声もまた、高く澄んだ、鈴の音に似る声音】
【ゆっくりと歩いてきょろきょろと視線を巡らせているのは、あるいは何か探しているようにも見えたかもしれない】

【――黒い髪の少女だ。肩を撫でる長さの髪を編むようなハーフアップにして、髪の黒によく映える赤色のリボンがひらりと翻り】
【透き通るように白い肌、顔はあどけなさを残すもので――左右で色を違えた瞳、黒色と赤色は、どこか蛇にも似るように見えた】
【赤色のワンピースは袖のふわっと広がったもの、あしらわれたたくさんのレースとフリルは紅茶染めの落ち着いた色合いで。腰元をぎゅうと結わえたリボンは】
【ふっくらと丸く膨れたスカートの上に尾っぽを乗っけて垂らしていた。羽織るケープは黒いもの、それから、レースで編んだ指のないドレスグローブもまた黒く】
【肌の透ける黒のストッキングに足元も赤い靴、やはりかかとの高いストラップシューズ、そのかかとが一度ためらうような足取りでころころ鳴いて】

――――まあ。居るわけ、ないかな。

【こつこつと等間隔で歩いていた足音が、少しずつゆっくりになって、最後に止まった。ふっと漏らしたため息は、久しぶりの寒い夜に、わずかに白くなって見え】
【そこで少し歩き疲れたみたいに、ぐうと身体を伸ばす――年頃は十六ほどに見えるだろうか、ならば、こんな場所ではひどく"浮いた"彼女は】
【どうしようかな……と独り言一つ。それでもほかにやることのないみたいに――あるいは考え事をしながら歩くみたいに、また、ゆっくりゆっくりと、歩き出すのだろう】
705 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/07(水) 22:13:52.03 ID:zfAgcxkd0
>>703
【きっかけはごく単純な物だ。水の国で仕事を請ける必要があった。その中で、船に乗って移動可能な仕事があった】
【内容もごく単純。件の豪華客船に乗り込み、内部で大きな動きがあった場合、怪しい人物を捕らえること】
【正直、余りにも内容が曖昧過ぎて、仕事として成り立つのかも不明瞭だ。しかし、報酬が約束されているのだから行動する他無い】

【仕事に対する謎は深まるばかりだが、ひとまず自分に利が大きいと判断した】
【と言う訳で、今現在少年は、似つかわしくも無い豪華客船の内部に、腰に一振りの太刀を佩いた状態で乗船していた】
【むしろ、彼こそ怪しい人物に見られることもあるだろう。そこを彼は、警備員だの一言で押し通していた】

(しかし、何故こんな目的もわからない仕事が……? 出来る限り多くの人員を、などと書いてはいたが……)

少し、風に当たるか……

【目的も無く船内を巡回した所で得られる物は少ない。自分の置かれた状況を整理する為に、一度一人になろうと思い立った】
【デッキに足を運び、誰もいないことを確認しながらふらふらとそぞろ歩く。目立った物などありはしないが、動いた方が頭が回る】
【だが、彼が入った場所から丁度死角となっていたのか、視界に一人の女性の姿が入る。こんな場所で一人でいる。少なくとも、普通には見えなかった】

そこで、一体を何をしている? こんな所で賭け事など、微塵も出来はしないだろう

【白いシャツに黒いベスト、黒いズボンと言うタイトな格好。ややくすんだ白銀の髪を持つ、鋭い中性的な顔立ちの少年】
【彼もまた、こんな所≠ノいるのは似合わぬ存在。彼女はどう反応するだろう?】

/まだいらっしゃいましたら……
706 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/07(水) 22:43:00.52 ID:STbdpjb0o
>>705

【凪いだ海。大きな波もなければ、巨大な船の上に揺れはほとんどなく】
【海原を茫洋と漂う視線。思考は様々に駆け巡り、吐息へと帰着する】

【―――気配がした。振り返れば、刀を携えた少年の姿】

知人に招待され、付き合いで来ただけでな。生憎と、賭け事などに興味はない。
年寄り連中の機嫌取りをする気にもならん――だからここにいる。それだけだ。

【返す言葉は淡々と、鋭さを帯びた声色で。鉄仮面の如く、表情一つ変えることもなく】

―――そちらこそ、何をしている。
こんな客船の上で、そんな得物をぶら下げているのは、年寄り達の護衛連中くらいのものだと思うが。
一人で彷徨いている辺り、そうではないのだろう?―――何をしている

【続けて返す問いは、先刻少年が投げ掛けた問いと同一のもの。そこに、彼に対する“不自然”をぶつけて】
【見据える碧は鋭く、少年を測るように真っ直ぐに。】
707 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/07(水) 23:00:19.91 ID:zfAgcxkd0
>>706
【海は静かに鳴いている。目立った波も無ければ、渦を巻く流れも見受けられない】
【嵐の前の静けさ。そう呼ぶに相応しい程の静寂が、海上に鎮座する不夜城を取り囲んでいた】

ご機嫌取りをする気にならないのは同意だな……
だが、それなら尚更招待された理由がある筈だ。もっと大事なこと≠ェ

【この船に人生を賭けるでもなく、接待をするでもなく、ただ招待されただけで来る者がいるだろうか】
【彼と同様の仕事を請けた可能性もあるが、もしかすれば相手が仕事上捕らえるべき人物である可能性もある】

護衛……と言えば良いのか
仕事だ。仕事を請けた。この船に乗って、とにかく調査をしろと言う曖昧な仕事だ
ただの金持ちの遊び場じゃないんだろう? 此処

【相手が同様の目的で乗船しているならば、この場のみで話を終わらせるだろう】
【逆の目的ならば……最悪、この場で戦闘になる。しかし、相手が自身の目標であると言う確信は持てる】
【状況を探るのにうってつけだ。そう踏んで彼はあえてペラペラと仕事の内容を口に出した】
708 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/07(水) 23:33:39.41 ID:STbdpjb0o
>>707

【分厚い扉に遮られ、船内で談笑する声も聞こえなければ、静かな波の音と、二人の会話ばかりが夜空に響く】

無論、これだけの金持ちが集まる場所だ。表沙汰にはできないようなこともやっているかもしれないな。
―――ああいう連中は悪趣味な者も多い。案外、船の中で奴隷の競売をやっていたりするのかもな。

だが、今はどうでもいいことだ。敢えてそのような魔窟に首を突っ込むメリットがない。
確たる証拠を抑えて一斉捜査に踏み切る、くらいのことをしない限り、返り討ちがいいところだろう。

【“ただの遊び場ではない”という言葉は肯定する。だが、それをどうこうするつもりもない、と女はまずそう語って。】
【彼が自分に対し疑惑の目を向けていることは、すぐにわかる。故に、告げる】

……“死んだ孫娘のようだ”などと言ってやたらと世話をやいてくる老人がいてな。
マイル・エドワーズ―――エディックス商会創設者の一人。今回もその老人が、たまには羽を伸ばせ、と言ってきたものでな。

それだけ――――――それ以外の理由などない
それとも、何か―――言いたいことでもあるか?

【エディックス商会――業界ではそれなりに名の知れた企業の名だ。交易を中心に大きな業績をあげているという】
【女は、そんな企業の創設者からの招待で来たという。同業でもなければ、対象でもない。】

【あくまでも、ただの¥オ待客である―――表情、行動、声色、全てにおいて揺るがない】
【女の様子から言葉の真偽を探るのは、難しそうに見えた】
709 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/07(水) 23:48:18.71 ID:zfAgcxkd0
>>708
【結論としては――――シロだ】
【この場で口を封じに来ないと言うことは、それなりの余裕があると言うことで、そうでなければ懇切丁寧に名を出す必要は無い】

奴隷売買……か。ろくでもないな
確たる証拠を抑えて……と言うのなら、確たる証拠を抑えることが出来れば、動く者達がいるのか?

【一斉捜査に踏み切る、なんて言えるのならば、それをしようとする者達もいるのだろう】
【とすれば、自身はその前にここに戦力を潜入させておく準備に付き合わされているのではと考えつつ】

つまり、ただの休暇か
わかった。信じよう。それにしても、随分と偉大な人から目を掛けられているんだな

【今この場で信じる以外の道は無い。必要以上に疑った所で、意味など無いと判断したからだ】
710 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/08(木) 00:11:44.64 ID:0/Dgbiqwo
>>709

さあ……これだけの権力者の集まりだ、まともに動けるとすれば―――今話題の公安&モりか。
ひょっとすると、こうしている間にも乗り込んでくるかもしれないな。

まあ――――そもそも、今のはすべて想像の話、だがな。

【そんな行為は何も行われていないかもしれない、と結んで。口にしたのは公安というワード】
【このところ耳にする機会が多いであろう組織の名前を挙げて、少年の様子を見た】
【“護衛の依頼”と彼は語ったが、本当は公安職員、という可能性もある。そのワードを口にすることで、反応を窺っていた】

―――信じてもらえたようで何より。
もし何の根拠もなく疑っているようであれば、最悪、法廷に出る覚悟をしてもらうところだったのでな。

ああ。弁護士をしているのだが、所属している事務所に彼が依頼を持ち込んだことがあってな。
その時に私が担当した、という些細な事が始まりだったよ。年寄りの気紛れというのはわからないものだ。

【明かすのは自身の職業と、“老人”と出会った切欠――一応、どちらも真実だ】
【女は確かに弁護士という職を持ち、エドワーズという老人は数年前に彼女のいる事務所に依頼を持ち込んでいる】
【その点に関しては℃鮪タであった。】
711 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/08(木) 00:24:46.13 ID:eeDCZJWs0
>>710
公安か……確か、警察組織の中の一部分、だったか?
警察でも、そんな一部の者達しか動けないなんて、どうかしてるんじゃないか?
力が無いんだな……全く

【どこか嘆息気味に答える。ただの警察では、最早権力に屈するしかないと言うのがどうも不満げだった】
【所詮はたかが警察と言うことか。より一層、自らの意思で戦う者達の重要さが深まる】

弁護士をしているのか
そんな御仁に依頼されるとなると、さぞ優秀なんだろうな
……嫌味とかではないからな? 本当に、素晴らしいことだと思っている

【ふと口を閉じ、自分の言葉がどこか嫌味ったらしく聞こえたかもしれないと思い、最後に付け加えた】
【淡々と、そしてゆっくりと会話を続けながら、事が起こるか起きないかを待ち続ける】
【恐らくは、自分に課せられた仕事はここに居ること≠ネのだろう。薄々、その事実に勘づき始めていた】
712 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/08(木) 00:44:38.30 ID:eeDCZJWs0
/すいません……時間的にあれなので、次で凍結か〆お願い出来るでしょうか……?
/どちらかはお任せします。それでは今日はお疲れ様でした
713 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/08(木) 01:53:37.99 ID:0/Dgbiqwo
>>711>>712

社会というのはそういうものだ。
所詮、権力の前には法も役に立たんということだ。真なる平等など、今の世の中にはないさ。

―――お抱えの弁護士が体調を崩しでもしていたか、そんなつまらない理由でもあったんだろう。
そして、たまたま目に入ったのがうちの事務所だった、それだけのことだろう。私の実力ではないさ。

【達観したような言葉。その中に混ぜた苦笑は、ようやく女が見せた、僅かな表情】
【そうして、“優秀なのだろう”という彼の言葉には、否定を返す。すべては偶然に過ぎない、と】

警察が動けないのが気に入らないなら、調べてみればどうだ?この船で何が行われているのか。
仕事とはいえ、折角乗り込んだのだから。こんな機会は滅多とない、そうだろう?

――――まあ、その場合の安全は保証はできないが。
大した案件ではないが、望むのであれば、私の持っている情報を渡しても構わない。
仕事とは外れるかもしれないが……どうする?

【不敵な笑みが浮かぶ。始めに女が言ったように、ここは魔窟=B魔物の巣の只中で】
【踏み入れるのならば、相応の覚悟をしろ。そう告げて、彼の答えを待った】




/了解です。こちら〆・継続どちらでもいけますのでこういう形でお返ししておきます
714 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/08(木) 12:42:46.21 ID:eeDCZJWs0
>>713
【全てが平等であるとは思っていない。むしろ、平等でないからこそ、そうであろうと努力する人がいるのではないか】
【だが、平等でないからこそ、他者を踏み躙ることを愉悦とする者がいることも事実だった】

どれもこれも偶然だったと。だが、運も実力の内、と言わないか?
少なくとも、事が終わった後も目を掛けられるくらいの実力はある、と思っているが……

【女性の言葉に不可解な表情をする。この不夜城に隠された混沌の真実を僅かでも知り得ているならば】
【彼女もまた、謎を解き明かす側の存在ではないのだろうか? それでも尚、動くことが出来ない】
【そんな底の見えない暗黒に足を踏み入れることは、彼一人に出来ることではない】

いや、止めておこう……
あくまで、俺の仕事は今ここを見張ることだ。その先に踏み入ることは……俺一人が手を出して良いことじゃないだろう
然るべき時に、然るべき人たちが動く。それが正しい道筋だ

そろそろ行かせてもらおう。また、どこかで

【静かに、彼はデッキを後にする。宴は未だ終わらない。何故ならばここは享楽者の集う伏魔殿】
【恐らく、彼が思うよりも遥かに大きな闇が、この大鯨の腹の中で熟成されているのだろう】
715 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 14:50:46.46 ID:X3y+/YYR0
【街中――】
【ひどく暖かな昼下がり、薄曇りの空模様はそれでも過ごしやすい暖かさと程よい日差しをもたらして】
【広場の一角に移動販売の車が停まっていた、なんでも武骨な見た目の車のわりに、とってもおいしいクレープを売っているのだと近頃話題の店舗らしく】

それナニ?

【店先にいくつか並べられたベンチにはすでに購入した人達がクレープを食べる光景、車からラジカセで流れる音楽はいかにも女の子の好きそうな流行歌で】
【気温のせいも相まってなんだか朗らかな中――あるいはその人影も少し違った意味合いで、朗らかを演出していたのかもしれないけれど】

【クレープを食べる女性に話しかけたのはまだ幼い女の子だった、距離感を気にしない年齢ならずずいと身を乗り出して、女性が食べているクレープの具をチェック】
【少し困った様子ながらも優しく教えてもらったクレープの名前はバナナチョコレート、それを聞けば女の子は「ン!」満足げに頷き、一つ隣に座る女性に】

それは?

【とまた尋ね――今度もまた教えてもらった。鬼盛りイチゴスペシャル。なんとイチゴをたっぷり1パックも使ってどうこう。店先に看板が出ているくらいイチオシの逸品を】
【幼子は「フーン」と瞬いて――、またふいっと、さらに隣の女性に「ナニ?」と尋ねていく――なんて、そんな光景】

【透き通るような白い髪の子供。長い髪の毛はところどころがピンピン跳ね上がるようなくせっけで、頭にはふわふわのフリルで飾り付けられた白いボンネット】
【赤いリボンで首元に結わえて固定して。表情のコロコロ変わる顔は子供らしくあどけない、瞳は落ち着いた黄色の色合い、うんと白い肌に、頬がふっくりと赤いのが目立ち】
【真っ白な服もフリルがたくさんあしらわれていた。とはいえ子供服であるからかあまり窮屈そうなデザインでもなく――くるぶしまで隠すようなロングのスカートに】
【ちらりと覗く靴のつま先も赤い色――まだ五つか六つほどだろうか。それでまた次の女性にもクレープの中身を教えてもらって、トコトコ歩けば】

それナニ?

【――だなんて、また、次の客に尋ねるのだ】
716 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage saga]:2018/03/08(木) 19:12:34.54 ID:ySt6zyKXO
【────送信先:ミラ・クラァケ】


【『よう、元気か?単なる人探しだったはずが、ずいぶんな大金脈じゃねえか』】
【『危険なのは確かだろうが、こんなチャンスそうそう来るもんでもねえだろうしな』】
【『お前、捕まえて離さないのは得意だろ?安心しろよ、ヤバくなったら俺が助けてやる』】

【『ところで、こっちはこの間"公安三課"の奴とやりあってな』】
【『鵺って名前の、蜂蜜色の目をしたガキだ。大分痛め付けたが、仕留め損ねた』】
【『その時研究や"ソラリス"について聞き出せればよかったんだが、悪いな』】
【『こっからは憶測だが、例の研究の基幹がつまりは麻季音なんだろ?』】
【『だったら、例えば起動の時にそいつの生体認証が必要だとか』】
【『前の写真の数列がパスワードだったりって可能性もあるはずだ』】
【『曽根上って婦警がUTを見回ってるってのも、必要なときに麻季音を回収できるようにと思えば話は早い』】
【『まっ、どっちにしろその婦警はぶっ殺した方が得だぜ、ミラ』】

【『殴り込みに行くときは必ず呼べよ。ちょうど例の鵺ってのに"全員喰ってやる"って見得切ったとこだ』】
【『……そういや、連中は偽の身分を持ってる。俺の時は「異能操作特課」を名乗っててな』】
【『怪しいと思って色々とけしかけたんだが、それなりに"らしく"はしてたからな』】
【『それが表向きの身分なのかも知れねえ。まあなんだ、気を付けろよ』】

【『機関については"長老派"ってのが臭え。調べるなら慎重にな』】


【『で、こっからは俺とお前の個人的な話だが』】
【『金を借りたいなら担保を出せ。金貸しは契約だ、お友達ごっこじゃねえ』】
【『借り手はその探偵だか、UTだか知らねえが、俺はその辺り厳しいからな』】
【『……というかお前、幾ら借りる気だ?俺のとこは利子も高いって忘れんなよ』】

【『それから仕事についてだが、お前毎日カジノで遊んでたよな』】
【『ってことは、チップやカードの扱いは分かるだろ?』】
【『ディーラー、ってのはどうだ。お前ならイカサマしねえって信頼もあるからよ』】
【『でなきゃ、取り立て屋だ。相手は路地裏で金借りるような後ろ暗い連中しか居ねえ』】
【『お前の見た目はむしろ武器になるだろうしな、上手くやれたら歩合給も足してやる』】

【『ってことで、好きなのを選べ。都合いい日に仕事、教えてやるよ』】




【メール送信。】


【セレンディピター号の後部デッキに居た軍礼服姿のジルベール・デュボンは船室内に舞い戻る】
【待っていたのは「central steal社」のメイガス・ゴードン。優秀な護衛として雇ったカノッサ機関のナンバーズを見れば】
【出会って2日、という間柄ながらも気が合うのか、楽しげに笑い】

「同僚かね?それとも、私を裏切って殺すように命令か」

まさか。協力者でね、色々と情報交換を……で、メイガス社長?
ちょいと商談が……あァ、個人的に俺が仲介しての金貸しと……
あとはまだ、構想の段階なんだが……──国を、買わないか?

【ふむ、という興味深げな声を最後に、船室は静かに施錠される】
【この世界に渦巻く欲望、悪徳、そして策謀を覆い隠すように】

/絡み不要であります!
717 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/08(木) 19:23:21.50 ID:4APxnjFn0
【街中――とある店の軒下】
【ざあざあ降りしきる雨を、呆然と眺める人影がひとつあった】
【傘を忘れてきたんだろう。そこから一歩も動けないまま、ポケットに手を突っ込んで】

(……カゲっちゃんに迎えに、……来てもらえないやそう言えば)
(旅行? 行ってんだっけ、「サクラの季節なのでちょっと行ってきます」とか言ってさあ、)
(ふらっといなくなるんだもん、治してほしいなあの放浪癖。……あーあ)

【スマホを取りだして、ホームボタンに指を置いたまま硬直するシルエットは、少女のものだ】
【前を開け放った黒いコート、フードをすっぽり被って頭を隠し】
【中に着ているシャツの上、胸元でしろがねのネックレスをきらきら輝かせている】
【履いているのは赤い靴――ロッキンホースと呼ばれる形状の、厚底のそれ】

【彼女はしばらく動かないままだったが、ふと赤色に塗られた爪先が、スマホの液晶を滑り】
【惑うような軌跡を描いてインターネットブラウザを立ち上げる。検索ボックスをタップして】
【「blasphemy」と打ち込んで――消す。「レヴォルツィオーン」と打ち込んで――やっぱり消す】
【そういった、何がしたいのかよくわからない行動を繰り返してから――完全に動かなくなった】

…………、……さむ。…………

【そうしてスマホをポケットに仕舞いこんでから、彼女はしゃがみ込んで、うなだれた】
【俯いた顔、唇の動きはきっと誰にも見えないけれど――周囲にギリギリ聞こえるか、聞こえないか】
【それくらいの音量で、彼女はたしかに「さびしいな」と呟いた。雨音にすぐ、掻き消されたけど】
718 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/08(木) 19:55:33.00 ID:0/Dgbiqwo
>>714

下手なことをして、依頼そのものが無かったことになっては意味がないだろうしな。
――――まあ、それが賢明かもしれない。

ああ……いずれ、また。

【彼がデッキを去るのなら、女はその後ろ姿を見送るだけ。】
【少しして、指先でブローチの裏を触れば、“カチッ”と音がした。何かのスイッチを操作するような。】

第五列≠謔閾猟犬≠ヨ―――こちらは異常なし。引き続き警戒を。

【蠢く闇と、暗躍する影。そしてそれを照らさんとする者達を乗せ、輝ける魔城は静かに佇む】
【今宵の静寂は、嵐の前の静けさとなるか。夜はまだ、続く】



/お疲れ様でしたー
719 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 20:03:34.43 ID:X3y+/YYR0
>>717

【――どこか遠くで車のクラクションの音がした。それ以外はきっと雨の音ばっかりだった、ぽつりと紛れ込む少女の独白めいた呟きも、雨粒の中に隠しこまれて】
【――――隠しこまれてしまった、と、思ってしまいそうな瞬間に、ふっと違う音が混じりこんだのに、相手は気づくだろうか。ぱらぱらと聞こえて来る音は】
【新品の傘が初めての雨にはしゃいで鳴らす音みたいに聞こえてきて――「あーっ」と続いたのは、小さな小さな、子供のような】

――お姉ちゃん、どうしたのっ? あっ、分かった! 傘ね、忘れちゃったんでしょ!

【駆け寄ってくるような足音と一緒に投げかけられる声があった。というよりも前から知っている友達に話しかけてくるみたいな声、もしも視線を向ければ】
【雨粒のカーテンの向こうに確かに人影が認められるだろう。あるいはしゃがみ込む少女と目線があまり変わらないくらいの――小さな、女の子が、駆け寄ってくる】
【その足元ではかわいらしい長靴がぱっしんぱしんともう水たまりでもなんでもない濡れた地面を踏んで小さなしぶきを散らす、やがて相手の前までたどり着くなら――】

【雨の湿気のせいか少し膨れた髪は淡いクリーム色、きちんと結われたツインテールのねっこを、くしゅくしゅしたシュシュでめいっぱい飾って隠して】
【ぱっちり丸い眼はそれでも気が強くないのが分かる垂れ目、真夏の抜けるような青空の色の両眼は私たち友達よね!みたいに相手を見るけれど、間違いなく初対面のはず】
【何より目立つのは右目の下に刻まれたものだろうか。毒々しいくらいの紫色で刻み込まれている蝶々のタトゥーが、浮かべられた満面の笑顔に、わずかに歪んで】
【ポンチョタイプのレインコート、その下は黒色のワンピースか。だけれど透けないレインコートの上からなら、中まではよくわからず】
【足元はこれもまたピカピカした新品みたいな長靴。その手元――というか両手でぎゅっと握りこんでいるのは、子供用にしては少し"大人びた"、いわゆる普通の大人用の傘】

あれっ……お姉ちゃん、どうしたの? お腹痛い? 

【にっこにっこと笑顔を振りまく幼子――年頃はきっとまだ五つか六つほどだろう。ひどくご機嫌な様子は、相手とはどうしようもない真逆に見えて】
【傘からの雨だれを相手の頭に落としてしまわないように傘を自分の後ろ向きに斜めにしながら――幼子は相手の顔を覗き込もうとするみたいに、自分もしゃがもうとして】

【それを受け入れようと、拒もうと――あるいは近づくことさえ拒まれたとしても。どうあれ――「だいじょうぶ?」と尋ねることは、きっと変わらないだろう】
720 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/08(木) 20:15:14.39 ID:4APxnjFn0
>>719

【おねえちゃん。おねえちゃん、って誰だろう――そう思って顔を上げた】
【きついツリ目を誤魔化すようなアイメイクが、ちょっとだけ滲んでいる。自分では気づけないけれど】
【そんな顔で、ぽかんとした表情をしてから――あ、自分のことかって、やっと気づいた】

…………うんそう、傘ないの。
おなかは別に、なんともないよ……むしろ空いてるほうが強いかも。

【へたくそに笑う。しゃがんでいるのはそのままで、赤色の視線だけこどもに向けて】
【そのまま、周囲を見渡した。もうすっかり暗くなってきた頃合い】

あんたこそどうしたの、こんな時間に……パパとかママは?
暗くなってきたし、どんどん寒くなるよ……さっさと帰ったほうがいーんじゃない?

【まわりに大人がいないのが気になった。そんなことを訊く声は、少しだけ疲れているみたい】

【――疲弊していた。精神的に。だから、人に会いたい気持ちとそうじゃない気持ちが混ざっていて】
【面倒臭いことになってはいたけど――それを幼子にぶつけるような真似はしない。だから拒みはしないけど】
【こちらから進んで歩み寄ろうとする気配も、なかった。幼い貴女にそれが伝わるだろうか、きっとそうならないとも思うけど】
721 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 20:31:48.66 ID:X3y+/YYR0
>>720

【顔を上げれば――少女からすれば、自分のことをじーっと覗き込んでくる、見覚えもない子供がいる、という状態になるだろうか】
【まあるい目をぱちぱち瞬かせて――少しだけきょとんとしたような顔。どうしたの?と聞いてきた言葉通りに、ただ気にしてきたようにも見え】

えーっ! お姉ちゃん、大変! お風邪ね、引いちゃうわっ。
それにね、おなかペコペコなのもね、ダメよ! あのね、お菓子ね、持ってるよ!

お姉ちゃん、大人のヒトだから、ちょこっと足りないかもしれないけど――。

【――その顔が。相手の言葉にわあと驚いたようになる、それは大変だと少しオーバーなリアクションは。だけれどこの雨の中、沈んだ気分で見るには、少し無遠慮すぎた】
【相手に雨だれをひっかけないように傾けた傘から垂れる雨だれが幼子のつむじをぱたぱた叩いている、そんなの気にならないみたいに話していた、彼女は】
【そのうち勝手に傘を畳んで――勝手に、相手が雨宿りしていた店先の狭い空間に一緒に入り込もうとするのだろう。優しい子ではあるように見えた、ただ、気遣いは足りず】
【だから――拒まれる可能性もあった。だけれど彼女はそんな可能性を知らないみたいに、あるいは思い至らないみたいに、あまりに善意のままで、踏み込もうとする】

パパね、居ないわ! 御主人様(おかあさん)なら居るけど……、んーとね、"ヒキコモリ"なのっ、ニュースでね、見たわ!
お家でね、ご本読んでる! 私ね、あのね、お散歩! おウチに居るよりね、お外の方がね、好きっ。

それにね、新しい傘なの! だからね、雨をね、見せてあげに来たのよっ、"オトナ"の傘をね、買ってもらったの!
――はいお姉さん、お菓子ね、好きなのいいよ! クッキーだってチョコだってあるの! キャンディもあるし――おせんべもあるわ!

【幼子の表情がころころ変わるたびに頬っぺたの蝶々が羽ばたくように歪む、パパはいなくて――ママは、居るらしい。ただ、この場には居合わせない】
【本来の意味はともかく、言葉として問題はなかった。金色の髪に青い瞳の彼女だけれど、ママだってお母さんだって、聞く限り特別に大きな差異でもなく】
【ヒキコモリの親を置いて夜中にうろつきまわる幼子――という全く別の問題点はあったけど。それはさておき新しい傘なのだと自慢して見せつけるのは、ありふれた大人用】
【それもすぐ話題が変わって、レインコートの中から引っ張り出して口を開けて中を相手に見せるするのは、ポシェット――言葉通りに、たくさんの菓子類が詰め込まれ】
【明らかにポシェットそのものの見た目以上に入っているようにしか見えない以外は、あんまり問題もないように見えた。――相手の疲れた様子に、気遣いをしないままなら】
【"そういった"存在が好きな人には喜ばしいかもしれない。けれど、そうではない……"こういう"存在が嫌いな人間には、だいたい、嫌われるタイプの――】
722 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/08(木) 20:49:06.75 ID:4APxnjFn0
>>721

【お菓子でぱんぱんに膨れたポシェットを見て、ちょっとだけ笑う】
【相変わらず目尻は疲れたように滲んでいて、それでも子供を拒むほどには尖りきれない】
【曖昧な声色で「ありがとう」なんて言いながら、キャンディをひとつ摘み上げた】

……散歩なら、もうちょい明るい時間にしなさいよ……
寒くないの? あたしは寒い。もうすぐ春なのに、ネ……

……、……って違う違う、寒さの問題だけじゃなくて。
ダメだよこんな時間に、こども一人で散歩なんかしちゃあ……

【「夜になったらワルい人もいっぱい出てくるンだよ、あたしがいい人でよかったネ」】
【包み紙から取り出した飴を口の中に放って、転がして。おどすような口調】
【……ひきこもりの親ってそれ、ネグレクトっていうやつか。考えただけで眉間に皺が寄る】

ねえ、帰る気ないの? あたしは早く帰ったほうがあんたのためだと思うけど。
そうじゃないんだったら……ねえ、その傘ちょっと貸してよ。
どっか時間潰せる店――ファミレスとか、そーいうとこに行く間だけでいいからさ。

【おなかすいたし。そう言いながらようやく立ち上がる、足元に広がる水を厚底が踏み躙って】
【どうやら場所を変えて雨宿りをしたい、らしかった。確かにここは、居続けるには肌寒い】
【ずいぶん下のほうにある貴女の、きれいな金髪を見下ろして――息を吐いた、真っ白に色付く】
723 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/08(木) 20:50:09.54 ID:4APxnjFn0
>>721
//絡み始めていきなりすみません、夕食と風呂をすましてきます……!
724 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 20:50:47.50 ID:X3y+/YYR0
>>723
/了解しました! お返ししておくので、ごゆっくりですっ
725 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 21:10:26.75 ID:X3y+/YYR0
>>722

【あるいは――相手がお菓子を選ぶのに中身をひっかきまわしでもしたら、分かっただろう。本当に……本当に、明らかに、あからさまに、入りすぎているのだ】
【かといってそれ以上に特別な様子はない。単にずっと昔に"友達"にもらった、いくらでも物の入るポシェット――ちょっとくたびれたみたいに古いのが、使った年月を示して】

どういたしましてっ、あのね、お昼のお散歩も好き! でもね、今日はね、夜がいいなって思ったのよっ。
それにね? だからね、お姉ちゃんにも会えたわっ、私ね、みんなとお友達になるのっ、だからね、お姉ちゃんともいつかお友達になるんだったんだけど――。

【「それが今日だったのよ、なの!」】
【なんて、底抜けに明るい声で言うのだろう。真夏の青空みたいに、どこまでも――宇宙なんてなくって、その青色が無限に続くかと思うくらいに、鮮やかな青と、同じ声】
【どこまでもどこまでも明るい、あるいは相手の事情を考慮することもないまま、あるいは出来ないまま、暴力的なぐらいに、ぱっと笑ってみせ】

あのね! お母さんね、いろんなヒトとね、会っておしゃべりしなさいってね、言うのよ!
私がね、みんなとお友達になりたいなーって言ったらね、そうしなさいってっ。それにね! 私ね、ワルイヒトなんてね、怖くないわっ、

だってね、あのね、だれもお友達にヒドいことなんてしないでしょっ? 私ね、みんなと友達になるんだからっ!

【――どうやら、この行動は件の母親公認であるらしい。そういう目で見れば――あるいは気づくのかもしれない、この幼子の髪型、きちんと結いあげられたツインテール】
【ある程度年齢を重ねた慣れた人間ならば、一人でも上手に作るだろう。けど、こういう、まだちいちゃな子供だったなら――母親が結い上げ、送り出しているのかもしれない】
【友達に悪いことをする人なんていませんという謎の理屈を展開する幼子は、そんなの、本当に普通のことであるみたいにおしゃべりしていたのだけど】

えーっ、もうちょっとね、お散歩するわ! 傘ね、いいよっ! お姉ちゃんに貸してあげる!
私ね、カッパ! 着てるから、大丈夫! 

【帰る気はないのか。年長者として当たり前のことを尋ねる相手に、けれど幼子はヤダと顔をゆがめ――ただ傘を貸してくれないかと問われれば、すぐにぱっと明るくなる】
【もちろん大丈夫という様子で地面に倒していた傘を起こして渡せば――横向きに置いた一瞬に内側に入り込んだ水滴にさえ気を付ければ――それで、相手は使ってよいということ】
【それから相手を安心させるようにポンチョタイプのレインコートを両腕で羽ばたくみたいにバサバサさせる――いくつかのしずくがパッと飛んで】
【そんなの気づかなかったみたいに上機嫌に背中に垂らしていたフードもかぶれば、完璧!というような顔。相手から見れば、ツインテールで押し上げられたフードは、すごく変な形だった】
726 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/08(木) 22:02:45.49 ID:4APxnjFn0
>>725

みんなとトモダチ、そう、トモダチねえ……。

【呆れたように復唱する。お母さんとやら、面倒臭がって適当なこと言ってるんじゃなかろうかとか、考えて】
【それでもきれいな身なりをしているんだから、本当に放っておかれているわけではないんだろうとも思う】
【なによりこの子は、悲しそうな顔をしていない。それならそれでいいのかも、なんて投げ遣りな結論を出して、おしまい】

 【心から、素直に綺麗な色をしていると思った。金色の髪も、青い瞳も】
 【だからこそ、嫌なことを想起させた。現在進行形で彼女の精神に影を落とす女の姿を】
 【金髪碧眼のかわいい子どもが「好き」なあの女が、この子を見たら。この子の言葉を聞いたなら】
 【どれほど厭らしい顔をして嗤うかなんて――想像しなくても、いやでも思い浮かぶ】

【――ちいさくかぶりを振る。数瞬口の中で舌をまごつかせ、それから言葉を出す】

……あのネ、大人ってすぐ嘘つくんだよ。
だから、トモダチになったと思っても――騙されてることあるかもしれないから、

【だから誰も彼も信じちゃダメよ、と結ぼうとして躊躇した。純粋なこどもの心を、沈ませるのも忍びないと思って】
【あいまいに語尾を濁して、そこで打ち切った。傘を手にして開く、軒下からやっと出る】

【それから歩くこと、数分ちょっと。子どもの歩調に合わせるためにテンポを緩くした足音は、さきほどの宣言通り】
【何の変哲もない、ありふれたファミレスの前で止まった。店の前で傘を畳み、それからちょっとだけ黙り込んで】

……あんた、ごはんまだ? まだなら御馳走したげる、傘と飴のお礼。

【そんなことを言った。本当は、ぼっち飯がさびしいからという理由から来るものだったけど、気恥ずかしいのかそれは言わずに】

//おまたせしましたー!
727 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 22:21:59.35 ID:X3y+/YYR0
>>725

うん! お友達よ、みんなとね、お友達になるの――そしたらね、きっとね、世界だって平和になるわ!
今はね、みんな、"まだ"お友達じゃないから、ケンカしちゃうの! でもね、あのね、お友達なら、もしケンカしちゃっても、仲直りできるし――。

それにねっ、お友達にヒドいコトするヒトなんてね、居ないわっ! いないの! だからね、わたしがみーんなとお友達になれば……。

【「世界平和なのよ!」】
【――だなんて、幼子はひときわ鮮やかに笑うだろう。理論としては破綻していた、友達同士だってケンカする、仲直りできないこともある、ヒドイことをする人も、居る】
【なんせ友達が気に食わなければやめてしまえばいいのだから――だから、結局、子供じみた夢でしかない、理想でしかない】
【夕方にやっているテレビ番組でお兄さんとお姉さんが歌うみたいに"そうだったらいいのにな"。それを疑いもせずに宣言した幼子は】

だからお姉さんもお友達ね! これでね、私のね、"野望"にね、一歩近づいたのよっ! なの!
……あっ、今のね、この前のね、テレビで見たの!

【急にわるーい顔になってあやしーポーズをして笑うだろう。だけどすぐに面白かったみたいにきゃらきゃら笑いだすから、ネタバレは――テレビの悪役の真似らしい】

大丈夫よっ、だってね、私、みんなと友達になるし――。

【「お友達同士はウソつかないわ」】
【くすくすとした笑い声。にんまりした笑い顔で持ち上げられた頬っぺたがまあるいつぶら眼の下、ふっくらと、やわらかそうに、盛り上がって】
【忍びない――そう思った少女の優しさは、けれどそのあいまいさゆえにか、届かなかったのかもしれなかった。それ以上に、それで止まるような子であったなら】
【きっとこんなことは言い出さないのだ――というような予感もあって。だからふふふんと鼻歌混じりの上機嫌、「私はお姉ちゃんにウソつかないよ、なの!」なんて】

【――それから二人は雨の中を歩くだろうか。さっきより少しだけ強くなった気がしたのは、うんとおっきな大人用の傘が、なくなったからかもしれない】
【だけど顔に雨粒がぺちゃぺちゃかかっても幼子は楽しそうにしていただろう、本当にあんまり意味のない雑談を振ることも、あっただろうし】
【とにかく――数分の道のりで、二人は某ファミレスの前にたどり着く、それから一瞬、もごもごっと何かを言おうとしたように見えたのだけれど】

! わあ、ほんとっ? でもね、でもね! 私もね、あのね、お金持ってるから、大丈夫よ!
でもね、私もね、今ね、お姉ちゃんとご飯したいなってね、思ったの――お姉ちゃんと、もっとお話ししたいわっ、

【結局先に言葉を発したのは相手――もし少女がその時の幼子の顔を見ていたなら、すっごく驚いた顔、それから、ぱぁ――と鮮やかになる、グラデーションを見たはずで】
【ちょうど自分も相手を食事に誘おうと思っていたのだという――お金も持っているという様は、だけど、大人びたお支払いごっこに憧れる子供とはなんだか違う様子】
【自分の分は自分で払うものだという認識があって――だけど、んーっとした声で考え事、視線が横に逸れて……妙案を思いついた、顔になって】

分かった! お姉ちゃんとね、お友達になった記念! はんぶんこしましょっ、ね!

【提案するのは割り勘だった。いやに現実的――相手の誘おうという言葉と自分が誘おうと思った気持ちを半分ずっこ。だって、自分だってそう思っていたのだから】
728 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/08(木) 22:36:42.16 ID:4APxnjFn0
>>727

【世界にまで話のスケールが広がったなら、もう笑うしかなくなった】
【へんなポーズ。「それ日曜朝にやってるヤツ?」なんて訊きながら、水溜りを踏む音が弾けて】

……そう。じゃああたしもあんたにウソつかない。……そうだ、
オトモダチってんなら名前知ってなきゃおかしいんじゃない?
あたしはユヅキっていうの、あんたの名前は?

【疲れ切った横顔に、わずかな安らぎが戻っていた。底抜けに明るい子どものパワーに照らされたのか】
【声のトーンはまだ少し低いままだったけど、突き放すような音色はもう混ぜたりしない】
【店の前、割り勘を提案されたらちょっとだけ渋い顔をしたけど――まあお金に困ってないならいいや、でまた流す】

【店内に入れば、「禁煙席二名。ドリンクバー割引クーポンあります」、慣れた調子で口にする】
【どうやらそれなりに入り浸っているらしい。年頃の少女であるから、まあおかしなことではない】

はーお腹すいたすいた。何食べる? お子様ランチ的なヤツ?
決めたらドリンクバー行こうよ、ファミレスの醍醐味ったらソレしかないし。

【テーブルについたらさっさとメニューを広げる。特に変わったモノもない、ありふれた商品ばっかりで】
【頁を捲っていったら最後のほうにはデザートがある。安っぽそうなケーキとか、パフェとか】
【……余裕があったら頼むか、くらいの気持ちで眺め終えてから、子どものほうにメニューを回した】
729 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 22:59:05.95 ID:X3y+/YYR0
>>728

【世界平和――きっといろんな人がそうだったらいいのになって思うこと。思ってきたこと。だけど、今日に至るまでかなったことのない、幻想】
【あるいは幼子が何であるかを知る人間が聞けば笑うだろうか。それとも応援してくれるだろうか。褒めてくれるのか、あるいは、一緒に、目指してくれるのか】
【"生物兵器"として造られた彼女が願っていいものなのか――だけど確実なのは。きっとこの幼子はそれが叶うって、きっと、大多数の一般人よりも、信じていて】

【「そう! そうなの! あのね、男の子のテレビでしょ、でもね、カーッコいいんだよ!」】
【ぱああーと表情をきらめかせる、それから一通り主人公の変身ポーズの真似をして――「お姉ちゃんも見てるの!?」と興奮も隠しきれずに尋ねる】
【お母さんは一緒に見てくれないから――お話ができない。すっごくカッコいいのに!だなんて、少しご立腹、ぷりぷりしたりなんてして――】

ファラエナ! うん、あのね、私もね、ユヅキお姉ちゃんに嘘吐かないよ!

【――名を問われればにっこりと笑って応じるだろう。相手の名前を聞いて頷き、こちらもやはり嘘は吐かないと宣誓する、いっそ指切りでも、というようなテンション】
【それから割り勘提案を受け入れてもらえれば――消極的だったとしても子供はあんまり気にしなくて――ふんふんと上機嫌、店内に入れば】
【店員のお姉さんに「二人よっ」とこちらもユヅキよりうんと下の頭の位置からピースサインでアピールしていたことだろう、やがて席に通され】

私ね、私ねっ、んー、んーとね! じゃあね! そうするわっ、お子様セット!
あのね? あのね、私ね、もっとね、カッコいいやつ! いいなあ〜って思うんだけど――、これね、いろんなものがあって、楽しいのっ。
いろいろね、乗ってるでしょ! オモチャももらえるのよっ! 

【最初は気取ったように渡されたまま大人用のメニューを見ていたのだけど。ふんふんとかうーんとか分かったような分かってないような声を繰り返し】
【やがて手に取るのは子供用のお子様メニュー、どどーんと大きく描かれたのはやはり"いかにも"な感じのお子様プレート、これにすると指差し教え】
【写真で見る限りでは自分でケチャップで顔を描けるオムライスにお星さまの形のポテト、から揚げにウィンナー、ポーションタイプのゼリー】
【栄養より子供が好きそうなものを優先しましたというような感じ。器もかわいいデフォルメされた動物のお皿で――だけれど】

【いろんなものがあって――というなら、レディースメニューと称されたメニューにも、似たようなものがあった】
【こちらは大人用だから顔も描けないしゼリーもつかないしオモチャももらえないけど――いろんなおかずのちっちゃな小鉢をぞろぞろ従えたオシャレな感じの定食メニュー】
【いろいろあって……というのが良くって、だけどカッコいいのも頼んでみたい、なんて言っていたなら。あるいは薦めてみても、いいのかも――なんて】
【もちろんそうでなかったとしても問題はないだろう。そうしたら彼女はお子様プレートを頼む、あとは――まあ、多分、こんなの気まぐれとかの、問題なのだろうけれど】
730 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/08(木) 23:14:11.56 ID:4APxnjFn0
>>729

たまーに早起きするんだよねえ日曜。たまーに見るだけだよ
世界平和を願うんだったらあーいうヒーロー……ヒロイン? に憧れちゃったりするの?

【休日の朝、さまざまなヒーローがわかりやすい悪を倒す番組が流れる時間を思い出しながら】
【子どもなら、なるほどああいうやつに影響されてもおかしくないなと考えた】
【ファラエナの事情なんて、まったく知らない。だから憶測で言う言葉も軽くなる】

かっこいいやつ……って、こーいうヤツ?
じゃああたしこれ頼むから、ちょっと分けたげる。
それだとオモチャも貰えてこっちも食べれてちょうどいい?

【小鉢のいっぱい揃ってるやつを指差して、いいと言われたんなら注文を始めるだろう】
【店員を呼ぶボタン。「押したい?」なんて訊ねて、うんと言われれば押させるし、別にいいと言われたら自分で押す】
【そうして注文を終えたなら、席を立ってドリンクバーに行くだろう】

【――注ぐのはオレンジジュース、それとコーラを、あろうことかブレンド。邪道な娘だ!】
731 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 23:27:47.57 ID:X3y+/YYR0
>>730

あのねっ、カッコいいなって思うわ! だってね、後ろでね、すっごい爆発するでしょ!
私ならね、びっくりしちゃうって思うなのっ、だからね、すっごくカッコいいの! だけどね、あのね、――。

――あのねっ、あのヒトたち! 悪いヒトとね、お友達にはなれないの、絶対に許さないって言うでしょっ、なんでかなって……。

【カッコいい理由が割と大雑把にも聞こえた、もちろんほかにも、なんとかパンチがすごいとか、いろいろあるのだろうけど】
【あんなにどかーんどかーんして平気なのはすっごいと思うのだ――だけれど幼子はそのあと、なぜか、言葉に困ったような様子を見せ】
【しばらくうにうにと脳内で言葉をこねていたのだけど――そのうちに言うのは。どうしてあの人たちは悪役と友達になろうとは、しないのだろうと】
【もちろん例外はある。敵から寝返って仲間にって変身する悪役も居た、だけど――結局、みんな、最後は、一番の悪いやつを倒して……平和になったねって、笑うから】

わあ! すごい、大人のヒトもね、こういうの……食べるのねっ、"こういうの"、子供のだって思ってたのっ、

【だけれどすぐに意識は逸れた、指差されたメニューを見てすごいすごいときゃあきゃあはしゃぐ、多分机の下では足もばたばた揺らして……ごごん、と、靴が椅子を叩く音】
【それではっとしておしゃまな感じで取り繕う、それから言うのは――こういういろいろなのがあるのは子供のための食べ物だと思っていた、なんて、笑って】
【すごくうれしそうにするだろう、わあいって感じで――ボタンを押すかどうかを聞かれれば「押すわ!」と即答。それからふっふっふとまたアヤシい表情と手つき】
【またどっかの悪役の真似――その悪役は爆弾のスイッチを押していた――をして、ポチっとボタンを押す。ぺぽーんと気の抜けた音がして、店員がすぐに来るんだろう】

【注文の際に「ユヅキお姉ちゃんにわけっこしてもらうの!」と店員に報告していた。店員もちょっと微笑ましいようなマニュアル笑顔で立ち去って】

…………えっ! なにそれ!? あのね、あのね、私ね、見たことないっ! ジュースってね、混ぜちゃうの!?

【そのあとは二人でドリンクバーコーナーへ――相手がブレンドし始めたのを見て、めっちゃくちゃ、それはもう、すごいすごいびっくりして見せるのだろう】
【そしたら自分もやりたいと言って、相手のオススメを聞くのだ、それでその通り作るだろう、すっごい素直だから、騙そうと思えば騙せるくらいだった】
732 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/08(木) 23:41:12.82 ID:4APxnjFn0
>>731

【なんで、の言葉を出されると、思わず詰まってしまった。自分でもよく分からない】
【罪がどうとか、罰がどうとか、そういう言葉で説明するにはちょっと難しいとも思ったし】
【――そも、自分でもなぜそうなるかがよく分からない。悪者は倒されるのがお決まり、なんてルール、いつからあったろう】

……んー、許しちゃったら、悪いこと真似する子どもが増えちゃうから?
なあんだ悪いことしても、ヒーローはいいよって言ってくれるから。だから悪いことしちゃおうって、
勘違いする子がいる、かも、しんないし……。

【考えて、思い付いた答えはずいぶん苦し紛れ。こういう手合いの真面目な話は苦手なのだ】
【やがてやってきた店員の応対に入って途切れる話題。ちょっとだけ助かった、なんて思ったりした】

ふふふ、そうよ、ドリンクバーは自由の象徴だから――。
好きなように混ぜていいの、ただしお行儀悪いからママの前でやったりしないでネ?

【「あたしが怒られちゃうから」。そう言って、悪戯っぽく笑いながらオレンジコーラを揺らすのだ】
【おすすめを訊かれたらちょっと考えて――メロンソーダとカルピスのブレンドを教えるだろう】
【混ぜれば淡い緑色になるそれを、零さないよう気を付けて、と言いながら席に戻る】
733 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/08(木) 23:56:35.90 ID:X3y+/YYR0
>>732

でも――、悪いコトをしたらね、みんなを守るヒーローにもね、許してもらえないの?

【ぽつん――とした声だった。店員が来る間際、本当に注文が始まるほんの一瞬の、呟き】
【本当にふとした疑問みたいな――だからこそ長続きしない。注文すれば忘れてしまったみたいにけろっとなって】

あのね、あのねっ、お母さんはね、あんまりね、こういうトコには来ないよ、なのっ!
うんとね、それにね、一人ぼっちだと、ダメって言われちゃうの! だからね、たまーになのよっ。

ユヅキお姉ちゃんみたいに、一緒に来てくれるヒトが居たらね、お外でごはんなの!
あのね、お菓子とか食べたりはするけど――でもね、一緒にご飯食べた方がね、好きっ!

【ユヅキ一押しのブレンド――メロンソーダとカルピス。慣れない手つきで慎重に混ぜて、それから、両手でぎゅっと持って、席まで戻るだろう】
【その間はひどく真面目だから多分声を掛けても聞いてなかった、じーっと。あまりにじーっと、これを一滴でも零したら、世界が亡ぶくらいの真剣さで】
【やがて机に置けば、またぱーっと笑って、よいしょと椅子に座ったなら】

すごいわっ、あのね、私ね、絵の具でお絵かきしたことあるの!
あのね? ピンク色ってね、白色と赤色混ぜるでしょ、水色ってね、白色と青色混ぜるでしょ……、緑のジュースと白いジュース混ぜたら、黄緑色になったわ!

【お行儀が悪いけど――机の上にほっぺたを乗っけるみたいに初めて見る飲み物を眺めていた。それではっと気づいたみたいになって、ばっと身体を起こしたなら】
【世界で初めての新発見、ノーベル賞待ったなし……そんな様子で、ユヅキへ伝えるだろう。それからこれも持ってきたストローをえいと放り込み】
【ちょっと横着したせいでストローの先っぽに数度逃げられてから、一口、ちゅうと吸い込み】

――すごいっ、おいしいわっ、ユヅキお姉ちゃんって、天才さんなの! あのね、私ね、あの機械、使ったことあったけど……。
こんなの思いつかなかったのよっ、なの! 

【初体験の味わいに目をきらっきらに輝かせて――もう何度目だろう、真夏の青空と、それから精一杯に咲くひまわりみたいな。そういう笑顔――めいっぱいに、咲かせる】
【その容姿が相手にとって何か心当たりがあるものであるのを、やはり彼女は知らないから。すごいすごいと何度も繰り返すのだ】
734 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/09(金) 00:04:19.70 ID:O/ZrmPcR0
【表通り】

【今夜は冷える。そのうえ雨も降っていて、風も強い】
【そうなると住宅地に面するこの通りなどは、もう誰も通らない】
【通るのは見回りの警官くらいなもので――今まさに、その警官が一人】
【きこきこ、と河童姿で自転車のペダルを漕いで来た】


『や、これはどうもお疲れ様です……軍の方、ですか。
 どうなさったんです、こんな夜更けに、こんな場所で、ぇ――?』


【"ざくり"――それは見事なまでに通り魔的な、当初から目的の決まった行動だった】
【警官が近寄っていったのは、この雨の夜にじっと水滴に打たれ続けていた男であった】

【軍の方、と呼ばれたその男は、確かに軍の礼服をしっかりと着こなしていた】
【左目のモノクルは知的な雰囲気を醸し出していたし】
【それでいて、左右を刈り上げた髪型は精悍な印象を持たせる】
【どこから見ても青年将校。しかし、その手には龍の意匠が特徴的なナイフが、血に濡れて握られていて】


――――……、……警察狩り。


【倒れかける警官を軍服姿の男が抱きとめる。左手で支える、右手でその腹部をまた刺す】
【刺す―刺す―刺す―刺す―刺す―刺して、刺して、刺して、鈍い音がゼリーを掻き混ぜる様な音に変わった頃】
【ようやく警官は倒れることを許されて、地面には真っ赤な血液が雨水に混じって流れ出し】

【下手人の男はそれを見届けると、平然とその場を立ち去ろうとする】
【返り血も、手にしたナイフも。強い雨が全てを流してしまいそうな、露骨なまでの殺人現場だった】
735 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/09(金) 00:11:28.26 ID:H7v+I8Qz0
>>733

……そうだネ、許してもらえない。だって許したら、それでいいんだって思っちゃうコが出るじゃない。
でも……それはきっとお芝居なんだよ、子どもがイイ子に育つようにって。そういう願いを込めた、お芝居。

【「だからきっとヒーローと悪者も、テレビカメラの見えないところで握手してたりするかもよ?」】
【――ウソはつかないと約束した。だから、罪はそうそう許されることはないと口にして】
【お芝居であることもまた、嘘じゃない。そうして継ぎ接ぎして、それっぽい形に整えた】

そうね、一緒にごはん。楽しいよネ、きもち美味しさも倍増するし。
あたし今日、エナがいてくれなかったらひとりぼっちでごはんするトコだったの。だから、

【ありがとう、の言葉は照れが混じって低音量】
【ファラ「エナ」だから「エナ」。勝手にそう呼ぶ程度には、心を許し始めているようだった】
【きらきら笑うエナに、そりゃあよかったと返しながら。細められる目に、ひとさしだけ影が灯る】

 【世界、どうかこの子にひどい側面を見せないで。願うだけ願って、なんにもできない、あるいはしない】

【やがて運ばれてくる料理たち。マニュアル通りに作られた、可も不可もない味わいの平坦なそれ】
【いちいち「おいしい?」なんて訊ねながら食べるのだ、いやにお姉さんぶって】
736 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/09(金) 00:28:42.75 ID:u0SISe1d0
>>735

【――相手の言葉に、幼子は黙り込むだろう。そしてそれは、何も言いたいことがなかったわけではない……と、すぐにわかるはずだ】
【この瞬間自分の中にある気持ちを言葉にすることができなくて、黙り込んだに違いがなかった。悪いコトをしていいと信じる子供が現れるのは、たしかによくない】
【でも。だからって――悪いコトをしたからって、世界中のみんなを救うために戦っている人たちに、「絶対に許さない」と言われてしまう、あの悪役が】
【たとえお芝居だったとしても。とても可哀想に思えてしまうのだ――持ってきた、黄緑というにはしらっちゃけた緑いろのジュースを、また、飲み込んで】

悪いコトをしたら許してもらえないって、思っちゃうコだって、居るかもしれないわっ
その子たち、きっと、怖いよ――、私だったらね、怖いなって、おもうもの……。

【一生懸命に反論する、あれを見て悪いコトをしても誰かに許してもらえると思う子供が居たとするなら】
【きっと同じくらい、悪いコトをしたら、だれにも許してもらえないと思ってしまう子供も、居ると思う】
【大人からしたらもしかしたらくだらないかもしれない、そんな感受性が嫌に高い弱虫なんて、大人からしたら、面倒くさい子供なのかもしれないけど】
【それでも、そんな子が居たら不安になってしまうんじゃないかって、――悪役だって、多分、みんなとお友達になりたいはずなのに。そんな思考は、彼女の考えでしかないけど】

……私もねっ、ユヅキお姉ちゃん居なかったらね、一人でご飯だったわっ!

【難しいことを考えたからか表情は一瞬鈍る。鈍ったけど、少し遅れて、にんまり笑うだろう】
【それから、ぱちくりと瞬き、数度重ねて――「あ!」と、びっくりしたみたいな声】

ユヅキお姉ちゃんもそうやって呼んでくれるのねっ、鈴音お姉ちゃんとおんなじだわっ!

【急に声を出すから何かと思ったかもしれないけれど――ユヅキがそう呼んでくれたことが嬉しかったみたいに、くふくふ変な声で笑いだし】
【それからコップのストローをお行儀悪く指で突っつきながら――挙げる名は相手の記憶の中に残っているだろうか。――ちょうどそのタイミングで、料理が来たなら】

わあい! いただきま――、あっ、あのねっ、お姉ちゃん、お願いしてもいいっ?

【きらきらおめめはなお煌めく、白い持ち手の付いた大人用よりずっと丸いフォークを手に取って――それから、ふっと、気づいたみたいに】
【「オムライスのお顔描いて!」とのリクエストだった。ケチャップはよくありがちな小さい小分けになっているうすっぺらいやつ。やってくれるなら】
【プレートとケチャップを相手に手渡して――難しそうなら幼子が自分自身で画伯っぷりを披露することになるだろう、とは余談だけど】

とってもおいしいわ!

【どちらにせよ――味は一緒だ。もし描いてくれたようなら、ひどくはしゃいで喜んでから「お写真撮ってもいーい?」とか尋ねるだろうし】
【描いてくれて写真まで許可してくれれば「お母さんに見せる!」と言ってはしゃぐし――とにかく、何を食べてもなんでもおいしそうにするから、食べさせ甲斐はあるだろう、とっても】
737 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 00:33:56.04 ID:8SQ7wVf2o
>>734

【――ぴくり】

【確かに絶命したはずの警官が、僅かに指を動かした】
【その掌は痙攣のように小刻みに震え始め、それはやがて全身に伝播していく】

【気配に気付くだろうか】
【もしもそれで振り向いたならば】


 『――――――――』


【かつて警官としての生命を宿していたその肉体が】
【何によってか宙へ浮かび上がり、地から僅かに離れた宙空に立ち上がった】

【散大した瞳孔は何の光も宿していない】
【あまつさえそれぞれの眼球は互い違いの動きを巡らせていた】

【何か具合を確かめるかのように、全身の関節が思い思いの方向へねじ曲げられ】
【電流でも迸ったかの如く、発作じみてその全身は震える。据わらない首がそれに伴い暴れて】

【顎が、その限界を超えて大きく開かれた】

【の刹那、それは何かに弾かれたように飛び出し】
【男の首筋へ喰らい付かんとして、迫った】
738 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage]:2018/03/09(金) 00:45:01.69 ID:O/ZrmPcR0
>>737

【気配には、気付いた。振り向けば、そこには先程殺した相手】
【殺した――それは確実だ。僅かに浮いたその姿も、尋常の存在ではない事を】
【実に分かりやすく、そして状況を不可解な物としていて】


おいおい。警察はいつからゾンビを正式採用したんだ?
……お前ら、ヤラれる側だろ。死んだなら、大人しく眠ってろ――ッ!


【眼球はこちらを捉えていない。浮かんだ身体の関節がバラバラに】
【そしてぎこちなく動いている。思い描いたのは、糸で吊るされた人形】
【ゾンビと口にはしたが、であるならば浮いているのも話がおかしい】

【――能力者か。そうあたりを付けつつも、己を喰らおうとする"存在"へは】

【『矛』を振るった。それは先程まで男の手元で『ナイフ』だったものである】
【マジックアイテム、というものだろうか。今は甲冑を着た男すら両断する分厚い刃を備えた武装となり】
【振るわれたその刃は、真っ直ぐにこちらを狙う警官だったものを、文字通りに真っ二つにしようとする】
739 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/09(金) 00:48:47.06 ID:H7v+I8Qz0
>>736

【「許してもらえないのが怖い」――そう言われると、ふっと唇の端が、上向きになるのをやめる】
【そもそも何をしたら罪を許してもらえるのか、ごめんなさいって言ったら終わり、なのか】

 【(たとえば「あの女」がごめんなさいと泣いて謝ったとして)】
 【(あたしは、あいつに踏み躙られた人々は、あいつを赦すことができる?)】

【どんどん翳っていく林檎色の瞳が、ファラエナの声で我に返る。びく、と肩を揺らして】

りんね、リンネ? なんだか聞いたことある名前――
……あ、うん。ええっと……何描けばいいかナ、うさぎ? ねこ?

【次の瞬間には取り繕うように笑うのだ、そうしながらケチャップを手に取って】
【言われるがままに描いた赤い線のらくがきは――ありていに言ってへたっぴ】
【うさぎにしては耳が短い。ねこにしては耳が丸すぎる。目は左右で高さが違って、口はぐにゃっと曲がっている】
【「ちょっと待って、リテイク! リテイク!」――さっきまで翳っていたのが嘘のようにはしゃぐ】

 【きっとひとりでごはんを食べてたら、ずっと落ち込んでいたばっかりだろう。料理の味もろくにしなかったはずだ】
 【それをこうして、笑いながらおいしく完食できたのは、ファラエナのおかげ。おいしいと笑ってくれる顔が、ささくれだった心にしみた】

【食べ終わるころには雨もほとんど止んでいるだろうか。そうしたら、ドリンクバーを何度か巡って、おしゃべりして】
【店員の視線が痛くなってくるころに、ファラエナを連れて外に出るだろう。雨上がりの、湿った夜の空気】
【深呼吸して、今度こそお別れ。去り際に笑んだ顔、目尻に滲んだアイシャドウのラメが、きらめきの尾を引いて】

それじゃあ、ネ――ママには内緒だよ、あのブレンド。

【――――お友達だからできる秘密の共有。それを残して、赤い靴の娘は、夜の暗がりに消えていった】

//お時間がイイ感じになってきたのでここらへんで〆ますね、ありがとうございました!
740 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 01:00:15.08 ID:8SQ7wVf2o
>>738

【ざン、と】
【振るわれた刃の軌跡に正しく沿って、その生命の残骸は真っ二つに割れた】

【それで何かの糸が切れたか、その後は重力に囚われるまま】
【どしゃり、と濡れ雑巾でも叩き付けるような音と共に、その場へ崩れ落ちた】


――ひどいですねえ。
こんなにひどいことをするのは、誰ですか?


【ばしゃり、水溜まりを踏む音】
【屍の先、十数mのところに、人影が現れる】

【ぱち、ぱちり――】
【切れかけた街灯が明滅しながら、その人物へ光を当てる】
【照らされ、すぐまた闇に消え、再び照らされ。曖昧に浮かび上がるその姿は】

【婦警、とそう正しく言い表すことが出来るだろう】
【確かに警察官のそれとして正式採用されている制服を纏った女であった】

【丸眼鏡に、お下げ髪。口元は固定されたように弧を描いていたが】
【明滅する光と闇の奥から覗く眼差しは、ひどく無機質に据わっていた】


【とりわけ異質であったのは、この雨の最中であるというのに何の雨具も差さず】
【何か見えないドームに覆われているかのように、女の周囲だけ雨が避けていた】

【ぱしゃり、ぱしゃり】
【女は街灯の下から緩慢に歩みを進め、男の方へとやおら迫る】
【何もしなければ、男から数mの距離を置き、そこで立ち止まるはずだ】

741 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/09(金) 01:08:14.90 ID:u0SISe1d0
>>739

【――――そのあとのこと。そのあとは、きっと、二人でいろいろなこと、楽しくおしゃべりをするのだろう】
【ウサギかネコかよくわからない謎の生き物を描いてもらった幼子はすごく嬉しそうにして、リテイクの申し出をことごとく却下するはずだ】
【というのも、「これが好き!」だの「ユヅキお姉ちゃんが描いてくれて嬉しいから!」とか――とにかく、最後までリテイクの魔の手からオムライスを守り通す】

【それでパシャーとありがちなスマートフォンで写真を撮って。「お母さんに見せてあげるわ!」とにんまり顔、道端でお土産のドングリを拾ったみたい】
【それからフォークをぎゅっと持ってもぐもぐとほっぺたを膨らませながら頬張るのだから――これはもしかしたらリスなのかもしれなかった。新手の生き物、みたいな】
【――それとも相手は気づいていただろうか、この幼子の名前。ファラエナ――というのは、どこかの国の言葉で"蛾"を意味するのだという。そうだったなら】
【夜に羽ばたく虫の名前と、目の前で太陽みたいに笑う顔はなんだかひどく剥離して見えるのかもしれなかった、そうでなければ――行儀が悪いリスの食事風景】

【この幼子がするのは草花や虫、鳥や空、それから街で見かけた人、どこのクレープ屋さんがおいしかったとか、そういう話が多かったはずだ】
【最近新しいお友達が増えたとか――もちろんユヅキお姉ちゃんもお友達だわ、とか。そういう話を、いろいろと、たくさんと、重ねていたなら】
【気づけば時計の針はだいぶ遅い時間を指し示して、店員からの目も厳しい。となれば、退店することになり――約束通りの割り勘、それから外に出れば】

わあ。雨ね、止んじゃった! よかったって思うな! ユヅキお姉ちゃん、濡れないで帰れるねっ。
――あっ、でもね! 私ね、まだざあざあぶりだったらね、貸してあげるって決めてたの! だからね……、

また会おうね! 傘ね、返すつもりでね、返してもらうつもりでね! 約束よっ、なの!

【実際は必要のなくなった傘を貸した"つもり"】
【だから返すつもりで――次もまたきっと会おうね、なんて、そんな風に告げたなら】
【幼子も、また、どこかへ――街中のほうへと、歩いていくのだった】

/おつかれさまでした!
742 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 01:13:08.59 ID:O/ZrmPcR0
>>740

【叩き切った肉塊には興味はない。そういうように矛は下ろされる】
【やはり特殊な武器なのだろう、そこから再びサイズが縮まるのだが】
【形状は『ナイフ』ではなく『青龍刀』――警戒はそのまま、ということか】


……あァ?そりゃあお前、悪いやつに決まってるよな
最初から殺すつもりで此処に居て、心臓止まるまで出血させて。
気が触れた異常者の、思いつきの反抗じゃあない。

嫌いなんだよ警察。特にそう……婦警。"婦警"は、嫌いだな。


【光に照らされ、姿を表すその相手。――そう、"婦警"だった】
【この場に似合うようでいて、そぐわない。その笑顔、無機質な視線、雨が避けるその空間】

【――逆恨み、だが。ぐっしょりと濡れた自分の衣服と見比べると、苛ついて】


……お前、"初瀬 麻季音"って知ってるか?
じゃなきゃ"洗脳装置"とか、"ソラリス"とか、"公安"とか。

……知らない?なら、タコ頭の口が悪い女は知ってるよな?


【雨は止まない。濡れて視界を塞ぐモノクルを邪魔そうに外して、放り捨てると】
【青龍刀の背を肩に乗せ、幾つかのワードを彼女に問いかけた】
【この距離感を気にしていない、わけではない。が、先手を打つようなことはなかった】
743 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 01:31:57.68 ID:8SQ7wVf2o
>>742

あらぁ……なるほどぉ……。
あなた≠ナしたか――初瀬 竜胆≠ウん。

【近付いてみてやっと分かったという風に】
【女はその名を呼び、掌を拳でぽん、と軽く叩く】
【それが『正解』しているなどという証左はない筈だが】
【それでも尚、なのか。女は知人に巡り会えたという風に目元を緩ませる】

【それから、男から次々に投げかけられたワードに、婦警はあっさりと答えた】

知ってますよ。全部。
特に初瀬 麻季音≠ニ彼女≠ヘ、わたしの大事な『お友達』です。

何かお困りのことがあるんですか、市民。

【知っている。全部】
【特に隠すこともなく平然と言ってのける女の裏は秘匿されているが】
【両者の間に張り詰める緊張は、いつどちらへ振れるかは知れず】
744 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 01:54:58.79 ID:O/ZrmPcR0
>>743

【にぃ、と口角が上がった。そうなるのを抑えられなかった】
【話が早い。機械的で、底の知れない様子が限りない不安要素ではあったが】
【相手の返答は濡れて冷えた不快感を払拭するのには十分で】

なんだ、きっちり伝わってんじゃねえか。
だったら連絡してくれよ、"曽根上ミチカ"――寂しかったぜ?

【『青龍刀』が『ナイフ』に変わる。その瞬間は、瞬き一度のごく短いタイミング】
【ともあれそれをベルトに括ったケースへ収めると、両手のひらを相手に見せて】


あァ、いくつか悩んでる。あんた言ったよな、全部知ってる、と。
って事は、公安が国をどうこうしようと似合わねえことしてるのも
そのためのキーとして、"麻季音"関係の"洗脳装置"とやらを求めてるのも
機関のジジイ共と仲良くしてるってのも――知ってる、って事だよな?

で、此処で問題なのは……『俺は悪人だ』って事だ、分かるよな。
別に小娘の一人二人が死のうが拷問されようが
どっかの国が国民丸々洗脳済みの管理社会になっちまおうが――……

……別に、俺にそれを止める義理は無い。義憤に駆られもしない。
で、そう……悩みだったな。どっちに付いた方が儲かると思う、曽根上さんよ?


【黒い靄がかかっていた。それは、能力者のみに見える現象だ】
【この男の周囲を包むように漂うそれは、無能力者であっても不快感を覚える異様なもの】

【だがやはり攻撃はしない。むしろ、新しい玩具を得た時の子供のように】
【それは楽しげ、と形容するのが正しいのだろう】
【粗雑な極道風の男――署員の報告とは、いくらか相違する所があった】
745 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 02:18:59.78 ID:8SQ7wVf2o
>>744

【名前を呼ばれると、その婦警――曽根上ミチカは、嬉しそうににっこりと笑んだ】

【それから彼女は、男の語る『悩み』を】
【「ふんふん」と相槌を打ちながら聞き届けるのだが――】

――うーん、困りましたねえ。
わたしはそういう、難しーい話のことは、よく分からないんです。

【悩んでる、と言った男以上に悩んでる、といった風に】
【婦警は文字通り頭を抱え、うーん、うーん、と唸りながら上体を左右に揺らす】

【だが、ふと思い付いたことがあったように、「あ」と突然呟きを漏らすと】

――そうだ。
あっち≠フ方なら、分かるかもしれません。
ちょぉーっと、待っててくださいねー。

【「くるるん」】

【そういうと彼女は、天を仰ぐように首を逸らし】
【そのまま数呼吸、じっとしているのだが――やがて、顔が戻ってくる】

ああ、お待たせしましたー!

【その表情は、本当に些細な変化なので気付くのは難しいかもしれないが】
【先ほどまでぱっちりと見開かれていた目元が、今はどういう訳か細い糸目で】
【纏う雰囲気も、少しだけ有機的なそれに変わった】

【何が起きたのかその口からは説明されないが、】
【とにかくこれで話が通じるようになったらしく、すぐさま本題を返す】

どっちが儲かるか、ですよねぇ――

正直に言っちゃいますけど、私たちの方は、あんまりお金とか、ないですよ?
あのヘンなおじさんやおばさんが書かれた紙が沢山欲しいなら、別のところを当たった方がぁ……

――あ、でも。
こんな簡単に、強そうな人をさようならしちゃったら
後で怒られちゃうかなぁ、怒られちゃいますよねぇ……始末書はいやですぅ。

なので! 私はもう少し食い下がることにします!

竜胆さんは、そんなに儲けて何をするつもりなんですか?
お金がないと出来ないことなんですかねぇ?

【人格が入れ替わったか何かした割には、】
【どちらも思考を上手く隠すということが下手なのか、】
【思っているらしいことをそのまま口にしつつ、最後にはそう質問した】

【金を手に入れる目的は何なのか、と】
【黒い靄に怯える様子もなく、あるいは余程鈍感なのか、】
【何にせよその婦警は、ひどく無邪気そうに男へ眼差しを向けるのだった】
746 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 02:29:16.67 ID:8SQ7wVf2o
/あ、やばい、眠かったこと忘れてました。
/すみませんが明日に持ち越しても大丈夫でしょうか?
747 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 02:30:10.58 ID:O/ZrmPcR0
/おっと大丈夫ですぞ。明日はお休みですので、午後以降ならいつでも!
/舞台裏なりこちらなりで呼んで下さればオッケーです故!
748 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 02:33:55.93 ID:8SQ7wVf2o
/ありがとうございます!
/こちらもお昼過ぎにはまた来ますー。それでは一旦お疲れさまでした!
749 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 07:55:43.63 ID:O/ZrmPcR0
>>745

【何処と無く間の抜けた、"悩んでいます"というその動き】
【コミカルなようでいてわざとらしい。こんな問答を続けていれば】
【きっと"あいつ"は起こるだろうと、そんな思いが僅かに浮かぶ】

【が、その印象を変えたのは首を逸らすというその動作】
【外見上の異変が無い以上、『儀式的な行為』なのか、と予測したが】
【所詮、予測は答えではない。微細な目元の変化には気付いたらしく、じっと視線を合わせ】


……お金を儲けて何をするんですか、ね。そりゃ、"使う"んだよ。

今の使い道は『国を買う』ことだ。大国じゃなくていい、都市国家で十分だ
適当な戦争かクーデターで極端にその価値を落として、援助という形で俺が買い取る。
そこで、俺の金で飯を食いたいって連中を呼び集め、全員養う。"食客"としてな?

そこらで嬲られてる奴隷のガキ、行く宛のない元機関員
まっとうな社会には居場所のない化物、厭世家、犯罪者、その他誰でも。

養った連中は、全員俺の手札になる。
いつか、どこかで、何らかの形で俺の役に立つ。
そういう手札を持っておいて……また次の何かの為に、金を集めて、使う。


【儲けて、国を買い、次の動乱の為の手札を己が手元に揃えたい】
【即ち終着点は、無い。自分が死ぬまでの楽しみとして、この男には金は必要不可欠であり】


――金は、裏切らない。たとえどんな一瞬であろうと
無条件でお前を養う、と言われてマイナスの感情を持つやつは居ない。
特に現代なら、だ。それくらい、金の力ってのは純粋で強い。

だから俺はそれを信じてる。"絆"なんていう、目に見えない甘っちょろい言葉よりも万倍強い。
国を買うために、それを踏み台に次の何かをなすために。更にその先を求める為に。

……簡単に言えば、そんな所だ。金はいくらあっても良いもんだぜ?


【――黒い靄が密度を増す。それは"初瀬 竜胆"の上方に渦を巻いて】
【やがて『漆黒の髑髏』を形成する。巨大なソレは、虚ろな眼孔を婦警に向けた】

【周囲に満ちる、ぼそぼそと誰かが囁くような音、或いは声】
【もしも"婦警"が今までに人を殺してきたならば、その数に応じて声の大きさは増すだろうし】
【例えそうなったとしても――強靭な精神力があれば、なんということもない、だろうが】
【"攻撃"というよりは、"現象"だろうか。話し足りない様子で、男は返事を待った】

/お返事の後に力尽き侍。昨夜はお疲れ様でした!
/余裕がありましたのでこちらからお返事しておきますね
750 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 15:27:34.03 ID:8SQ7wVf2o
>>749
【浮かび上がった髑髏に、婦警は「うぉ」と驚いて仰け反るが】
【女に聞こえる声は起こりうる限り最低のものであるらしく、狼狽えた様子はなかった】
【それどころか、酷く哀れんだ目をして、囁く声の一つ一つに寄り添うかのように手を伸ばしさえする】

【だがそれもほんの仕草のみで、視線はすぐに男の元へ据えられ】

――そうですか。なるほど〜。
竜胆さんは、『国』が欲しいんですね。

だったら――

【「ぴったりじゃないですか」】
【婦警がそこまで言い終えたか終えないかの刹那】
【――ぱしゃり、と。男の背後の方で微かな音がした】


 「金は裏切らない。そう――単純だが真理」


【もしも振り向いたならば、そこにはまた街灯の下に人影がある】
【――黒いトレンチコートに身を包んだ長身の男。同色のハットに、同じく傘】
【よく磨かれた革靴で濡れた地面を踏みながら一歩一歩、こちらへ歩んできていた】

【それはやはり婦警と同じ程の間隔を空けて、立ち止まる】
【丁度“初瀬 竜胆”を挟んで、婦警と黒ずくめの男が対峙する形】

 「捜しましたよ、初瀬 竜胆さん」

【婦警の目つきがその一瞬、険しさに満ちる】
【黒い男の眼光もまた据わり、冷え切っていた】
【衝突する緊迫した眼差しは、両者が剣呑な関係にあることを如実に示していた】

――後から来て横取りですか。
良くないですね、とても良くないですよ。

「この御仁は理を解する方だ。貴様らのような痴れ言には耳を貸さんよ」

【そこで黒い男の視線が、竜胆へと据えられる】

/すみません分けまする↓
751 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 15:30:38.85 ID:8SQ7wVf2o

「歓談の途中で無礼な横入りを許していただきたい。
 私は、円卓≠謔阮スを賜った使者――ひとまず円城と名乗らせていただきましょう。

 初瀬 竜胆さん……貴公の慧眼と野望は、我々円卓≠ニ共に在る方がより相応しい」


【『円卓』――それは国を裏から牛耳る巨大な闇組織の名】
【今やもう古い都市伝説として通っているが、闇に深く足を踏み入れ生きる者ならば、一度は耳にしようか】
【経済の中で起こる様々な利益へ寄生の管を刺し、その養分を闇へプールする国家官僚達の機構――】


「単刀直入に申し上げましょう。
 ――金。それを我々は誰よりも持っている。
 市民、企業、政治家――彼らの産む利益はパイプを通り我々に連なる。

 金の大山はどんな王の託宣よりも人を動かす。
 その『真理』を解する者にこそ、金は与えられるに相応しい」

「――我々円卓≠ノは、貴公を丁重に招き入れる用意があります。初瀬 竜胆さん」


【語り終えたとき、男の右目に仄暗い何かの粒子が渦巻き】
【それはやがて、男の瞳中に『逆五芒星』を闇の中であっても爛々と浮かび上がらせる】
【同時――婦警の左目にも動揺の変化が起こり、妖光と共に『逆五芒星』が浮き出た】

【混沌と悪性を司るそのシンボルを湛えた両者の眼差しは、激しい敵意と共に衝突していた】
【今は拮抗するこの力場。事を焦らなければまだどちらとも交渉の余地はありそうだが】
【今後この二つの闇がどちらへ傾くかは――全て、黒靄を纏う彼の一手に掛かっていた】
752 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 16:03:45.56 ID:O/ZrmPcR0
>>750-751

【2つの見えない力に挟まれる。そんな息苦しさを、まず覚えた】
【振り返れば、夜闇と溶けてしまいそうな黒尽くめの男が一人】
【曽根上ミチカとの関係性は、その空気と言葉の刺々しさから察せられる】
【敵――否、同組織内の敵対派閥、とでも言うべきなのか】


フッ……どいつもこいつも、話が早くて助かるぜ。
全員ブッ殺して乗っ取るか、証拠を押さえて世界にバラすか。

何かしらの形で、横から全部もぎ取るつもりだったんだが……
……"円卓"ね。って事は"婦警"、お前は 『N2』の方だな?
そして円城、アンタは『グラーク』……そういうことだろ。


【2つの文書の名は、ごく一部の機関員が知るものである】
【"公安"を調べる。機関を怪しいと思い、調査する協力者が居る】

【そうなった時、他者に漏らすことなく目を通した2つのファイル】
【その中身がようやく形を帯びてくる。円城、曽根上。それぞれの瞳を見れば、瞭然で】
【ナイフを収めたケースへと手を重ね、思案するように指を踊らせて】


あんたらの勢力争いに興味はない。が……――"円卓"。
……一度あの文書を読んだ時から、アンタらのことは気に入ってた
俺の考え方とぴったりだ、悪くねえ。だから、受けるぜ円城。


【『俺は"円卓"と組ませてもらう』――その一言が、重く感じられた】
【だが同時に、口にするのは楽しかった。それは、当然そうだろう】
【夢想ではない、リアルな"夢"への一歩と、確かにそう言えるのだから】


……曽根上ミチカ。いや、"婦警"。
アンタは、俺が決めたことを邪魔するか?


【――だが問題は、傾いた均衡の末にこちらへ掛かるもう一方の"圧"だった】
【だから端的に問いかけた。自分の前に立つのか否か】
【ナイフのケースに掛けた手が、対応の選択肢を持っている証に見えた】
753 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 16:05:46.69 ID:bOcS9sb/o
【水の国────セレンディピター号】

【数の多くの富豪や政治家といった有力者たちが集まる豪華客船】
【今日も船内は大勢の人間が埋め尽くしていた】
【一見すれば一種の社交場に過ぎないが──一部の人間は危険な密談が行われる場でもあることを知っている】

【交流用の大部屋に、一際異彩な気配を放つ男がいた。年齢は三十代前半。この場にいる中では明らかに若手に入る】
【紺色のスーツ姿に紳士帽は決して場所に合わない格好ではない。むしろすぐにでも忘れてしまいそうなほど特徴がない】
【しかし、周囲の人間とは明らかに目つきが違っていた。何か危険な気配のする男だった】

では、そのように。社長にも伝えておきます

「ええ、よろしくお願いしますよ、代理人」

【貴族然とした風貌の老人と会話を終えて、スーツ姿の男はバルコニーへと出た】
【柵の側に寄り、ポケットから端末を取り出して何かを入力し始める。画面には『レヴォルツィオーン』と表示されていた】
【誰かが近づいてくれば社交辞令のお手本のような笑顔を見せて挨拶をするだろう────】





【路地裏】

「へぇ、旦那もセレンディピター号に?」

そうだ、ちょっとした野暮用でな

【表通りからほど近いところに闇商人と剣士風の男がいた】
【闇商人は全身をローブで包んでいて顔はよく見えない。声からして壮年か。地面に座り込んでいて目の前にはシーツの上に商品らしきものが広げてある】
【剣士風の男は三十代前半の風貌。背中の大剣は純粋な戦闘用とは思えないほどに装飾が凝っている】

「そりゃあ恐ろしい。あそこはあたしらのような木っ端商人じゃ近寄れん場所ですからねぇ」

だろうな。それに近寄らんでいい

【「へぇ」と商人が頷く】
【剣士の男もまた外套に身を包みフードで顔を少し隠していた。時折、風に靡く外套の裏地には”逆五芒星”の刺繍】
【また商人が目の前に広げている商品はいくつか違法なものが含まれていた】
【一見すれば怪しい取引の現場にも見えるだろうか】


//上下どちらでも。終日おります
754 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 16:34:39.56 ID:8SQ7wVf2o
>>752

【その最重要機密たる文書の名を聞いて、両者の緊張は益々張り詰める】
【そうしてもたらされる、圧しかかるような沈黙が、男の言葉を無言で肯定する】

【今、この場の主導権を握っているのは、間違いなく彼であり】
【その一挙手一投足を両者は黙したままその眼差しに捉えていたのだが――】

【やがて、明確な『返答』がもたらされれば】

――即断即決!? 
そ、そんな〜……!

【両者にとっても思いの他、速やかに決断されて】
【まず婦警は心底残念そうに眉根を寄せて、がっくりと肩の力を落とした】
【対して円城は冷ややかに、口の端を吊り上げるのみで】

本当に、本当にそうするつもりですか? もう少しゆっくり考えてみません? お茶でも飲みながら!
お金がそんなに大事ですか! もっとプライスレスなものは沢山あるじゃないですか!
ほら、私だっているんですよ! こんな可愛い婦警さんが、夜な夜なあなたをタイホしちゃうんですよ!?
クニが欲しいなら、ひとつやふたつ、竜胆さんになら上げられますって!

はぁ〜……私たちだってそりゃお金は欲しいですよ〜……

【と、滔々と語りながらわざとらしく項垂れて、その表情が隠される】
【が、それが再びゆっくりと起き上がる時、また目の色は変わっている】

困りましたねえ、貴方は『更正』の必要はない『完全な市民』だと思っていたんですけど――

【逆五芒星は消え、大きく見開かれた瞳がその中に男を移す】

邪魔、ですかあ……
出来ればしたくないですけどねえ……

わたしは、皆と仲良くしたいだけですよお。
だから、竜胆さんがこの国の外に行ってくれるなら……
お互い余計なことはしなくて済むと、ミチカはそう思いますけど――

【「どうですかねえ、竜胆さん?」】
【そうして問いかける眼差しは、どこか熱のこもらぬ無機的なもの】

【『この国』を獲り合うのならば、衝突は避けられない】
【しかし国外でそれをやるならば、互いに干渉はしない】
【つまり持ちかけているのはそういった不戦の選択肢なのだが】
【決定権は彼の方にあると言って良い。国を出ろと言われて素直に従う義理もなかろう、が】
755 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 17:05:44.89 ID:O/ZrmPcR0
>>754


――――俺は警察が嫌いなんだよ、"婦警"。


【静かに笑む円城とは裏腹に、それこそ芝居ががって見えるほどに】
【その眉根を寄せて、落胆した様子を見せる"婦警"に対し】
【"初瀬 竜胆"が告げた言葉は、ひどく冷たく端的なものだった】

【別に、感情論で決めたのではないのだろう。彼なりの打算があったに違いない】
【が、とどのつまり――先程の一言で、彼女に対しては全てが足る】
【けれど突き放すばかりではない。ナイフのケースから手を離し、腰へ当てて】

出て行くってのは、そりゃあ無理だ。俺だって根無し草じゃあないからな。
だが、約束はしてやるよ。俺が『買う』国は、此処じゃない。

【『水』『風』『昼』『夜』『櫻』――これらをはじめとした、主要各国】
【これには手を出さない。そういう言葉を返事とした】

【思えば先程、この男は『都市国家で良い』とも言っていた】
【或いは、その国が主要各国の朋友である可能性は十二分にあるのだろうが】
【そして『その次』の目標にはならない、とも言わなかったが――】

……それで、話は通るだろ?
だが、まだ文句があるんだったら…――円城、アンタが"処置"してくれるんだろうな?

【高みの見物は許さない。そういうように、黙した男を引きずり出す】
【"円卓"に誘われた、そして与すると返事をした。つまり、彼の保護下にあるとも言える関係】
【それを敢えて盾にした。上下関係も曖昧な今だからこそ出来る事、でもあった】
756 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 17:34:50.05 ID:8SQ7wVf2o
>>755

――ま、そうですよねえ。

【淡々とした声が応答する】

【ちらり、道端に転げる肉片を一瞥して】
【余程の怨恨でもなければここまで穴だらけに、況んや真っ二つになどしないだろう】
【もっとも“分断”までさせたのは半分この婦警の手によるようなものだが】

【だが、譲歩と言って良いのか、存外折良く届けられる返事に】
【婦警は少しだけその眼差しを明るくさせて】

――本当ですかあ?
それはすっごく、助かりますよお。

「……何を戯けたことを」

【その時、黙していた円城が動く】
【空間の裏から取り出されでもしたかのように、その手にはサプレッサー付きの拳銃】
【その銃口を婦警に向けるや否や数回引き金が引かれ、押し殺された銃声が連続する】

【しかしその銃弾は見えないドームに阻まれるかのように不自然に逸れ、一撃たりともしなかった】

【だがそれでいいと言わんばかりに円城は竜胆へ言葉を紡ぎはじめ】

「初瀬 竜胆さん……
 今、最も大きな金脈は、『この国』です。

 それをこの狸共は獲ろうとしている。
 貴公が本当に小国だけを獲って満足するならばともかく――
 後から喰らうにしては、少々余分に骨が折れるかと思いますが……

 本当によろしいのですね」

【引きずり出された男は、そうして竜胆を見据えるだろう】
【彼の判断に異議は唱えない。ただ、単なる確認というだけだ】
【今ここで見逃すということは、その分後にツケを回すことに他ならない、と】

【彼の野望が大きくなるにつれ、きっとこの『黒幕』は眼前に立ち塞がる】
【そうした時、どちらがより強大な勢力になっているか――それは賭けでもある】

【即ち、円城は彼が望むであろう『次』の『次』のその『次』――】
【彼自身の『野望』が、どこまで大きくなりうるかと推し量ろうとしているのだ】

【彼が一体どれほど深い器を秘めた男なのか、と】
【深淵が深淵を、覗き込もうとしていた】
757 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 17:54:53.42 ID:7gPUy5PO0
【水の国、とある港街】

【夕方近くだろうか、大きな港から程近い市街地に年の頃27.8くらいの1人の男性が佇んでいる】
【腕時計を時折見ながら、さてどうしたものかと頭を抱えながら】

「司令長官の命とは言え……いや、今までもか」

【ロングコートから覗く暗いネイビーのスーツはこの時間の海の色に程近い】

「何か食べるかな?」

【そう考え、男性はレストランでも探そうかと周囲を見渡した】
【某国の海軍陸戦隊付諜報部士官、厳島命中尉、そう初見で見抜ける人間はそうそうは居ないだろう】


//この様な感じで大丈夫でしょうか?よろしくお願いします。
758 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 18:03:29.40 ID:O/ZrmPcR0
>>756

【円城の撃ち放った弾丸が、婦警を狙う。しかし、外れる】
【まあ、そうだろう――雨粒に濡れない彼女を見てから、想像はしていた】
【だからといって狼狽えるわけでも驚くわけでもなかったが】

【強いて言えば、その反応は"円城に対する嘲笑"であった】


円城。アンタ、ガキの時からダチが居たこと無いだろ?
少なくとも、そういう態度を諌めてくれる友人、っつーのは。

く、はは……っ。……なに、別にバカにしてるわけじゃねえ
だがさっきから聞いてりゃ、『全部俺に判断させよう』としてるじゃねえか。
そういう一線引いた態度は嫌われるぜ。『俺は関係ありません』ってのはな。


なあ……お前が今すぐに動かせる金の額を言ってみろよ、円城。
動かせる組織と人員、お前のところの傘下は全部教えろ。
指揮権も寄越せ。分かっている範囲でお前に敵対している連中の居場所もだ。

……それだけするって言うんだったら、この『金脈』を掘り尽くしてやるよ。
掘り尽くした後は俺が頂く。別に良いよな、俺が判断し、指揮する立場なんだから。


【先程の即断を期待していたのなら、それは大きく裏切られる事となるだろう】
【どうするのかと問う、円城の言葉。対する返答は強引で、恫喝にも似た要求】
【半ばは本気にも聞こえるだろう。要求に答えれば、どう行動するかは予想がつく】
【なにせ、欲望ばかりでしがらみがないのだから。――しかしながら、ナイフを抜きながらもう一度笑うと】


"嫌"だろ、俺に掻き回されるのは。だから、判断するのはお前だよ――円城。
『曽根上ミチカを殺せ』って言えば良いんだ、『連中を根絶やしにしろ』ってな

……まあ最も、俺に任せた所で相手を放っておくわけもねえけどな
国盗りは相手の力を削る所から。その間にこっちは"手札"を増やす
戦う時ってのは、勝つ時だ。俺が死なない限り――"全部上手くいく"


【――これだけ言い切る自信がどこから湧いてくるのかは、分からない】
【だが一つだけ言えるのは、その言葉には一切の澱みが無く】
【粗野で暴力的でありながら、確かな芯をその内に秘めている、ということだ】


【円城が――例えば、今一度拳銃の引き金を引いたのならば】
【"竜胆"に寄り添う巨大な黒髑髏は、一挙に無形の奔流と化して婦警を襲うだろう】
【それは土石流に似た威力を持つ。怨嗟そのものを塊にした、質量を持つ呪詛】
【途中、肉塊に成り果てた警官の死体は、それを受けて単なる挽肉へと成り果てる】

【――円城が、婦警をどうするか。それ次第で、という話だった】
759 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 18:17:26.26 ID:bOcS9sb/o
>>757

そんなにきょろきょろして、どうしたんだ?

【厳島に声がかけられる】
【振り返るとそこには三十代前半ぐらいの男がいた】
【旅人のような外套に身を包みフードを被っている。肩越しに剣の柄が見えていた】
【剣士であるのか、鍛えているのが外套の上からでもわかる】

…………観光客には見えねえな?

【厳島の格好に視線を動かして、男は怪訝な表情を浮かべていた】

//そんな感じで大丈夫ですよー
//ではロールの方、よろしくお願いします!
760 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 18:25:30.43 ID:7gPUy5PO0
>>759
「ああ、これはどうも、すみません」
「いえ、私、ちょっとこの辺りで待ち合わせの約束がございまして、でも相手さんまだ到着してないみたいでして、小粋なレストランかBARでも、と」

【突然声をかけられて、少したじろいだが、直ぐに笑顔を見せながらそう答えた】
【剣士?それも中々に場数を踏んだ精鋭、傭兵か?と考えを巡らせながら】

「何処か良い感じのお店、ご存知ありませんかね?何せ私この辺りは初めてなもんで」

【ニコニコと笑顔を絶やさず、しかし警戒もその姿勢も解かず、男性に歩み寄る】

//ありがとうございます、よろしくお願いします。
761 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 18:39:33.09 ID:bOcS9sb/o
>>760

なるほどな、思ったとおりだ
まぁそういうことなら、そうだな……うーん

【腕を組み、思案顔を浮かべる】
【今のところ、何か目的を持って近づいてきたような気配はなかった】
【困ってそうな人間を見つけたから声をかけた──そんな感じだ】

小粋なBARか……なくもない、な
案内してやるよ。その代わり、こっちの暇つぶしに付き合ってくれないか?
俺も待ち合わせの約束があったんだが、全然来やがらないからな

【「状況は同じだ」────などと言って男は笑顔を浮かべていた】
762 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/09(金) 18:50:16.22 ID:qcUpjZ0R0
【路地裏――壁に拒まれる行き止まり】
【もはや道というよりも建物の隙間と呼んだ方がふさわしいような場所、明かりと言えば、ごくわずかな月明りだけ】
【まして傍らの店舗――おそらく雑貨屋の在庫と思わしき木箱がただでさえ細い道を圧迫するように積み上げられていたなら、視覚的にも物理的にも狭苦しく】

ここも――――、

【――その狭い空間。呟く声を誰かが聞けば、それはまだ年若い女のものだとすぐに気づくだろう】
【よいしょ――と小さな呟き声で、道をふさぎかけている木箱に身体を預けて身を乗り出す、その向こう側の行き止まりのスペースを見下ろして】
【小さなため息の音――それからこつんと小さな足音と、はたはたとした音。前者は高いかかとの靴のもの、後者は、木箱から降りた少女が土ぼこりの手を払う音】

――居るわけないね。

【それからせまっ苦しい中でせめて気を休めるようにぐうと身体を伸ばす――時間はたっぷり数秒ほど。そのうち終えれば、またため息が一つ】
【最後に周りを無意味に見渡してから、こつんこつんと目立つ皇室の足音で歩いていこうとするはずで――】

【――肩を撫でる長さの黒い髪の少女だった。長いリボンの飾りがついた小さな帽子の髪飾りを付けて】
【透き通るような白肌に顔のあどけなさがよく目立つ。その中で左右で色の違う眼は特によく目立っていた、黒色と赤色は、あまり警戒した様子も見せないまま】
【しゃんと白いシャツに黒いベスト、襟元には深い赤色のリボンを結わえて――前後で長さの違うアシンメトリーのスカート、裏地の赤いのはリボンと同じ、後ろは燕尾のようになって】
【肌の白さが透ける黒いストッキングにかかとの高いストラップシューズ。年頃はまだ十六ほどだろうか、ならば、あからさまにこの場では"浮いた"】

…………今日は少し寒いね、暖かくなってきたと、思ったんだけど――。

【だけれど明らかに異質である少女はそれを気にした素振りもなく、路地裏の深いところから、より浅い、明るい方へと歩もうとするだろう】
【途中で誰かが居たとしても何もない限りは視線もやらずに通り過ぎようとする。だから――いくらか、慣れているらしいとは、うかがえた】
763 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 18:57:25.63 ID:7gPUy5PO0
>>761
【男に怪しげな素振りや様子は見受けられなかった】
【こちら側の敵でも、ましてや目的を損ねる相手では無いだろうと判断し】

「それは助かります、渡りに船とはこの事ですね、いやいや本当困っていまして」

「なるほど……そちらさんも……それはお互い困り物ですな」

【ほんの一瞬だけ、鋭い目付きになり、しかし一瞬でまた元の雰囲気に戻り】

「構いませんよ、暇つぶしでも何でも、案内頂けるならこちらも何分暫くは暇ですから」

【そして言い忘れたとばかりに、ポケットの名刺入れから名刺を取り出して】

「見ての通りしがない新聞記者をしております、厳島命と申します、以後お見知り置きを」

【この国の新聞社名が記された名刺を手渡そうと】
764 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 19:06:19.20 ID:bOcS9sb/o
>>763

ん、あぁ、そうだな……

【雰囲気の変化を感じ取ったらしく、剣士の男は再び怪訝な表情を浮かべた】
【そういった微かな気配を察知する程度の能力はあるらしい】
【名刺を受け取ると「これはどうも」と言って外套の中へと仕舞いこむ】

俺はディミーア・エルドワル
自警団という組織に所属している。その中で部隊長をやってる

【自警団、と男は名乗った】
【自警団というのは各国に存在する組織の名前だ】
【国によっては軍と定義する場合もあるが、基本的には人命救助等を行う公僕の一種だ】

【「じゃあ行くか」と言ってディミーアは街を進む】
【連れていかれるのは表通りから少し外れた裏路地に店を構えるBARだ】
【外観は看板と扉が一枚、後はその日のメニューの書かれたボードだけ】
【簡素な入口と異なって店内は思いの外広い。テーブル席が四つか五つ。当然、カウンターもある】
【照明が絞られ小粋な音楽が耳障りにならない程度にかかっている】

【店内にはすでに何人かの客が来ていた】
【店員がやってきて二人をカウンター席へと案内する】
【注文すればそれほど時間もかからずに出てくるだろう。種類も豊富にあった】

……で、だ
新聞記者だったか。普通に暮らしてるとなかなかお目にかかれないな
何か事件を追っていたりするのか?

【注文を終えたあたりでディミーアが話を切り出す】
【といってもそれほど重要そうな雰囲気はなかった。むしろ単に好奇心が働いている、といった様子だった】
765 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 19:28:55.02 ID:7gPUy5PO0
>>764
「これはどうもご丁寧に、ディミーアさん」

【お互いに挨拶を交わし、ディミーアの案内に着いて行く、もし何か危ない事があったらその時はその時だろう、と】

「自警団ですか、軍とはまた違った組織ですね、なるほど中々にいい剣と身体をお持ちなわけだ」

【道すがらそんな事を話し、やがてBARに着く】
【裏路地にある静かながら、いい雰囲気のBARだ、落ち着けると店内を見渡しながら思い】
【やがて、注文を終え】

「そうですね〜、まあ私はちょっとした小さな事件と後は支社への挨拶回りですかね、何、何の役職もないしがない平記者です。大きな事件も担当はさせて貰えませんよ」

「……まあ、機関関係の事件やらもゆくゆくは、担当したいものですがね……あ、注文の物が来ましたね、先ずは乾杯といたしましょう」

【目の前に置かれた注文の品、乾杯をとグラスを近づける】
766 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 19:34:13.93 ID:8SQ7wVf2o
>>758

【彼の言葉を聞いて、前へ出ていた円城は顔を振り向かせながら大きく眉をひそめた】

【――そう、彼はただの『使者』だ。上からの意のままにただ伝え、全ての決定にただ従うのみ】
【今もこうして、『初瀬 竜胆』を追って彼を円卓≠ノ誘えと命じられた故に来ただけ。『私は関係ない』】
【彼自身が何かを決めることはない。彼はその役割に無いし、それは男が見抜いた通り自身の人生にも共通していた】

【故に、今ここでこうして『判断しろ』と告げられると――】
【彼の頭脳はしばし、慣れぬこと故にぎこちない動きをすることになる】
【円城の脳裏にまず真っ先に浮かんだのは、『上の指示を仰ごう』だ】

【だが、竜胆の荒々しい圧がそれをさせなかった】
【それは最適な解ではないように彼には思われた】
【そういう他人の機微を読み取る能力だけで彼はここまで渡り歩いてきた】

…………………

【円城は銃口を婦警に向けたまま、しばらく固まる】
【――ここで判断しろというのか。自分が。正しさは誰が保証する】
【これが不適切だったならば。責任は誰が取る。私か。そんな馬鹿な】

【私はただの『使者』で、決めるのは全て他の――】


【――ぱンっ】


【その時、何かの火薬が炸裂した】

【あるいには竜胆には見えていただろうか】
【婦警の手に音も無くリボルバー式拳銃が現れ】
【瞬くような刹那の中でさりげない仕草と共に円城へ照準され、引き金が引かれたことを】

「――あ……?」

【じわり、と。コートの下で鮮紅が滲む】
【自身の身に何が起きたか把握する前に、その身は糸が切れたようにその場へ崩れ】

/↓
767 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 19:35:08.13 ID:8SQ7wVf2o
>>758


――そっちには『そういうの』しかいないんですよ。竜胆さん。


【硝煙の奥で、無表情が笑んだ】
【そこにはもう、彼へ媚びるような色は微塵もない】
【ただ排除すべき異物、無機的な眼差しは彼をそう認識していた】


【そこでもし、怨嗟の濁流が婦警へ迫ったのなら】
【女の周囲には一際強い陽炎が纏われ――それが見えざる防護壁として展開】
【迫る奔流を受け止め、その力は拮抗する】


【いずれにせよ――婦警はじりじりと後方へ歩を下げ始めて】


竜胆さん……
わたし達は『国』を獲るんじゃないんです。

『新しい世界』を作るんですよ。
お金なんか、いらなくなるんです。
可哀想な人も、誰もいなくなるんです。

竜胆さんなら、分かってくれると思ったんですけどねえ……
でも、わたしはまだ、諦めませんよ――――

【そのまま後退を許したならば、婦警の姿は段々と闇の奥へと溶け込んでいくだろう】
【追い打ちを掛けるならばそれも叶うだろうが、しかしそれは即ちこの『金脈の蔓』を捨て置くことになる】

「……ぐ、がはっ……」

【『円卓』を利用しようと思うのであれば、この円城の情報は不可欠と言って過言でなく】
【最もらしく『真理』を語った割に貧弱に崩れ落ちた彼の命を現世に留めなければならないのだ】

【そうした最中にも、彼が見せる「私はどうすればいいのだ」というような眼差しに、】
【『円卓』という組織の構造が透けて見えるだろうか。合議制、と言えば聞こえはいいが、】
【水面下でプロパガンダを推し進める『黒幕』と異なり、要はそこに『カリスマ』がいないのだ】

【本当に金だけがある。そして古びて固着した既得権益のシステムだけがある】
【着々と盤面を進める『黒幕』の動きに焦り用心棒を得ようと画策したが、それもこのざまだ】

「……わ、わか、った……5、億、やる……ぜ、んぶ、教え……がはっ……や、つらを、殺……」

【ごぷり。一際大きな鮮血を噴き出し、それ以上は言葉を紡げなくなる】
【だが、途切れ途切れにも紡いだ意思は確かに、「やれ」の一声】
【死の危機に面して初めて、彼がその人生で初めて発した『自らの声』であった】

【『円卓』はその百貌の男の意思を飲む】
【老衰した吸血鬼が若い生き血を浴びて蘇るかの如く】

/大変お待たせしました。
768 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 19:42:01.56 ID:bOcS9sb/o
>>765

【両者がグラスを近づけて、小気味の良い音が鳴る】
【一口だけ口をつけるとディミーアは早々にグラスを置く】
【今の興味は話の方にあるようだ】

支社への挨拶回りか、面倒そうだな
下っ端の時代を思い出すよ

【そう話すディミーアの眉が顰められていた】
【昔のことを思い返しているのか、どうにも苦々しい表情だ】

機関関係の事件、か
事件、と言うとズレてくるがカノッサ機関のことは専門だと言ってもいい
連中は俺の仇敵だからな。といっても今は…………

【機関、という言葉を聞くと表情にいくらかの真剣味が足される】
【自警団という治安維持組織の一員である以上、機関との関係は切っても切れない】
【何かを言いかけて言葉が止まる。少し考えた後に再び口を開いた】

新聞記者ならあれは知ってるか?
水の国の元公安が逮捕されたって話

【世間話を振るような気軽さでその話題は取り上げられた】
【しかしそれが少し取り繕われたものであることが気づけるだろうか】
【ディミーアという男にとってその事件は重要で、その重みが少しばかり声ににじみ出ていた】


//っと、すいませんが夕食を取るので次のレスは少々お待ちください
769 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/09(金) 20:00:01.18 ID:MnqRJiQ90
【セレンディピター・甲鈑】
【人気のない船縁に両腕をつけ、ぶつぶつと文句を言いながら疲れた様子で遠くを見る一人の男がいた】

「……はァ、何のためにこんなところへ呼び出したかと思えば案の定か。若いからと舐めやがって」

【身長182cm、きりっとした黒っぽい茶色の眉毛、ややたれ気味で奥二重な褐色の眼をした40代半ば程の男性だ】
【眉毛と同色だがところどころに白髪の混じった頭髪、赤のネクタイ、グレーの縦縞が入った濃いグレーのスーツ、黒いバッグ】

「何が取引だ、ほぼ一方的な条件だったじゃあないか」
「しかし、あまり公にはしていなかったはずだぞ……"熱電石"の件は……」
「やれやれ、どこから漏れたのか。心当たりがありすぎて全くわからんな」
「まあこれは問題ない。いずれ表に出てくるだろう案件だ……」

【さて、この男――どこかで見たことがあるかもしれないし、無いかもしれない】
【彼はブレイザーシティの市長、レイジ・クォーツ。つい先程まで、他の偉い方々と話し合っていた】
【招待状が届いてしまった以上、気乗りはしないが来ざるを得なかったのだ。ため息を1つ】

「それよりも、変な圧力をかけられなければ良いのだが……」
「ああいう輩はマスメディアに圧力をかけかねん……」

――――――――――

【崖の上】
【落ちれば遥か下の森へと真っ逆さま……そんな危険な場所に腰掛ける、1つの影】

「…………」

【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「ふゥむ……」

【その者の視線のずっと先にあるのは、聖都スラウロット。なんとなく、その者は立ち入ることすら困難な気がする場所だ】
【何かしらの悪巧みを考えている……といった雰囲気ではなく、どちらかというと何かに憂いているようなそれだが……】
【――押すなよ、押すなよ、絶対押すなよ!】
770 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 20:09:50.71 ID:7gPUy5PO0
>>768

「ええ、機関にGIFT新聞記者も中々大変ですからね〜」

【注文のビールを飲みながら、しかしその一瞬の表情の変化を見逃さなかった】

「自警団の人なら、やはりカノッサ機関とも縁がおありでしょう?いやはや、骨が折れる事ですね」

【日常会話の様な言葉や口調の中に、少しずつ揺さぶりを入れて行く】
【厳島の中ではこのディミーアと言う男、何かあるぞと確信めいた物を感じながら】

「公安の?ああ話に聞くだけですが、存じていますよ」

【トンッと小気味よくグラスを置いて】

「何せ私の先輩方の担当でしたからね、私も話に聞くだけですが……中々この国も闇の深そうな話でしたね」

【表情は先程の様な明るさは無く、それはディミーアの変化を機敏に感じ取ったのかもしれない】

//了解しました、いってらです!
771 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 20:18:11.86 ID:O/ZrmPcR0
>>766-767

【"竜胆"は、婦警の動きに気付いていた。呆れる位に手慣れたその動き】
【狙う相手が自分でないことにも気付いていた。しかしながら、止めなかった】

【――『見たかった』からだ。自分の言葉に、見事に返事の機を逸し】
【そしてどう答えるのかを懸命に考える男の力量を。己がそう、量られたように】
【結果的には、落胆だった。だがそれはそれというように――濁流は、婦警を襲わない】

……あァ、そうらしいな。今のでよく分かった。

だが、まあ…――その方が、俺にとっちゃ都合が良い。

【婦警が闇へ溶けていく。しかしそれを追う、という行動を竜胆は選ばなかった】
【手遊びすらするようにナイフを放って、握って、また放って】
【どうしようか、と考えているのがよく分かる動作。だが、姿を消す前の婦警に視線だけを向けると】

お前らの考えは"理解"出来る。いいよな、その理想。
上手くいけばきっと平和な世の中ってのが来るんだろうよ

だが俺は受容しねえ。そんなくだらない世界、滅びた方がまだマシだ
それに、この円城クン程度の人間しか『円卓』には居ないと、その敵であるお前が言うんだ。
多分それは本当なんだろう。だったら、だ……簡単だろ?


――――俺が"王"になればいい。


【ナイフを収め、円城へと歩み寄る。その傷を確かめ、胸元のハンカチを取り出すと】
【銃創へと強く押し付ける――痛みで喚こうが、圧迫止血を止めることはない】

【その間に婦警は失せるのだろう。だが、今重視すべきはそちらではない】
【雨は止みつつあった。防水仕様の携帯を取り出し、普段は暇な救急対応の部下を呼びつける】
【途中でメールが入ったが、これも後だ。数分もすればこの男の生命は救われるだろう、が――】


……5億、5億ね。……ちっちぇえな、お前の判断基準ってのはよ
いずれ世界を買う男への初期投資だ。もっと全力で賭けてみろよ――負け犬。


【人よりも優位に立った時、この男はその本性を露わにする】
【凶暴、それもまた良し。徘徊する下郎から世に冠たる王まで、その素質は備わるものだ】
【果たしてこの男がどうであるかは、まだ推し量り難いものもあるだろう、が】

【この日、"初瀬 竜胆"は。――"ジルベール・デュボン"は、その身を『円卓』の闇へと投じたのだった】
772 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/09(金) 20:48:45.91 ID:8SQ7wVf2o
>>771

【――それから後のこと】


【何処かの、深く隠匿された円卓≠フ合議場】

【そこは深い闇が満ち、その天井の高さも奥行きも計り知れなかった】
【床には大きく刻まれた逆五芒星が、ぼんやりとした燐光を帯びている】
【百貌の男――ジルベール・デュボンは、後にその中心へ召喚されるだろう】

【彼を取り囲むように、周囲には正しく円形を描いて様々な造形の巨大オブジェが浮遊していた】
【――馬頭の騎士、百の目を持つ球形、漆黒の一枚板、絡み合う二匹の蛇、幾何学的な抽象図形、などなど】

【それら『円卓』の一翼を成す者達は、それぞれに声を響かせる】


【「誘われたか」】  【「血に飢えし混沌の申し子」】

【「王の器か」】 【「だが粗暴に過ぎる」】  【「野蛮な目だ」】


【思い思いに鳴くそれは反響し、無秩序な音響を成すが】
【もし彼が何か一言でも発すれば――それで水を打ったように静まるだろう】


【何がそうさせたのかは分からない】
【偶々虚を突いたか、言葉の内容か、声の調子か、あるいは――『王』たるものの資質か】



【後にそこで何が話されるのかは、その男だけが知るのだろう】
【討議、機密の開示、真っ先に排除すべき敵、他国の裏情勢。あるいは何かの要求】



【「――従おう」】

【何が話されるにせよ――最後には、その言葉でもって落着する】
【死にかけていた闇が、その時底知れぬ何かを孕み、大きく蠕動し始めた】


/こんなところでしょうか!
/連日に渡ってありがとうございました!
/何かありましたらば舞台裏にて。
773 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 21:26:56.73 ID:O/ZrmPcR0
>>772

【それが何処であるのかは、ジルベール・デュボンにとってはどうでも良かった】
【下らない造形の"代理人"。声ばかりで力のないその虚勢には、流石に驚いたものだった】
【だが、それでも尚この集団は存続している。理由はただ一つ、流れ込む"金"だ】
【世界で最も強い力が、間違いなくこの場で呆れるほどに渦巻いている】


――――俺が"王"だ。付いて来い、全部上手くいく。


【相手が誰かなど関係ない。そこで必要なのは、構築されたシステムだけだ】
【かしこまる必要もない。顔も出さないような置物相手に、畏怖する要素など感じられない】

【故に圧し潰した。雑多な声色を制圧するように、『円卓』を黙らせる】
【その静かな余韻に酔いしれる。悪くない、と口の中で呟いて】
【そうして諮問は始まった。――結果を知るのは、ジルベールただ一人だったが】

【「――従おう」というフレーズは、あまりに従属的で好きではない】
【だが、言葉一つで大局を動かすこの感覚は、何とも表し難い満足感にも溢れていた】


【まずは"手札"を増やさなければ。余った金を腐らせるほど無駄なことは無い】
【対抗する"黒幕"と、そして私怨も残る"公安三課"と戦うには、"力"が要る】
【それは何処に在るのか。在野か、機関か、或いは――】


――"UNITED TRIGGER"……か。



/こちらこそ、二日間の素敵な時間をありがとうございましたー!
774 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 21:43:31.21 ID:bOcS9sb/o
>>770

先輩の担当、か。なるほど
あれは……面倒な話だ
自警団ってこともあって追いかけてるんだが、なかなか難しい

【声に込められた重みの正体。それはこの男が関係者である、ということだった】
【剣士の表情に疲労が浮かび上がる】
【機関と対峙する立場のこの男からしても、公安事件は厄介なものらしい】

【公安事件はここ最近に起きた出来事だ】
【世間的に発表されている内容は単に公安の一員であった男が事件を起こした、程度のもの】
【しかし情報に聡いものにとっては違う意味を持つ】

【その裏には非常に難解な陰謀が渦巻いている。そういう意味で”厄介な”事件だった】
【厳島がこれについて詳しいかはわからないが】
【立場的に興味をひかれるものなのであれば、この男からは情報が手に入れられるかもしれない】

機関だの何だのと、この世界はごたついてばかりだ
まぁ、ごたついているのは俺たちの力不足のせいなのかもしれんが

【ふぅ、と嘆息が吐かれる】

//大変お待たせいたしました!
//無粋ながら補足を入れますと、公安はここ最近スレ上で行われている一種の流れ、物語のようなものです
//それに参加したい、ということでしたらここから情報を得るのはどうでしょうか、と提案させていただいている次第であります
775 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 21:53:31.46 ID:7gPUy5PO0
>>774
「なるほど、いやはや、やはり自警団の方……気苦労の種は尽きないと見えますね」

【表情、口振りからやはり何か知っている?それもかなり重要で深い情報を】
【そう察して、グラスを少し避けた、選択肢は2つだ】
【正体を明かし、現地協力者の一人として仲間となるか、あるいは最後までシラを切り通すか】

「まあ、何れにしても……腕試しは必要か」

【先程までとは打って変わった表情】
【ワザとわかりやすく、ワザと見えやすくワザと殺気を振りまきながら、コートの中に手を入れ中の拳銃を握る動作をしてみせる】


//ご説明ありがとうございます。
//乗っからせて頂きます。
776 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 22:08:27.75 ID:bOcS9sb/o
>>775

【厳島と話しながらディミーアはグラスを傾ける。その間に厳島が動き、拳銃を握る】
【ディミーアは動かなかった。気がついていないのか────】
【────そういうわけではなかった】

……おいおい、ただの記者じゃなかったのかよ
これはしまったな。信じてぺらぺら喋りすぎたか

【ディミーアは厳島の動きも殺気も気がついていた。分かっていながら何も動かなかったのだ】

で、俺を試してどうしようっていうんだ?
殺す気じゃなさそうだな

【意図を察したらしく、そう言いながらグラスを置いた】

//よっしゃ! お任せあれ
777 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 22:20:11.56 ID:7gPUy5PO0
>>776

【一つ奇妙な事があった、いや普通ではなかったと言うべきか】
【普通これだけの殺気を向けられ、この動作をされれば、大抵の人間は何らかの動きを見せる】
【所が目の前の人物は、恐れる事も防御の姿勢をとる事も、ましてや反撃の体制をとる事も、何も無かったのである】

「なるほど、これは……」

【自分が投入された場所は、今までとは全く違う、そしてより複雑な陰謀渦巻く厄介な場所かもしれないと】
【もっとも、これは着任早々に僥倖と言えるのか、はたまた?】

「失礼、貴官の実力は本物の様だ」

【居住まいを正して、改めて目の前に座り】

「私の名は厳島命……とある国の魔導海軍陸戦隊付特務中尉、わかりやすく言うなら、海軍の諜報員だ、主に機関相手のな」

「話を聞きたい、良くすれば力になれるかもしれない」

【声を潜めながらこう告げた】
778 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 22:33:06.62 ID:bOcS9sb/o
>>777

【何事なのか、という疑問がディミーアの中では最も大きかった】
【単なる新聞記者が自分を試す理由がわからない。どういう理由がそこにあるのか、と】
【その疑問は厳島が正体を明かすことによって晴れることとなった】

なるほどな、さっきのは演技ってわけだ
すっかり騙されたぜ……俺も少しは見習わないとな

【男臭い笑みを見せてから、再び表情が引き締められた】

今は、確かに人手がほしい
長いか短いかわからんが、まず聞いてくれ

【前置きをしてからディミーアも声を潜めて話し始めた】

元公安が逮捕された事件。俺はその元公安の男、西島当護と直接会っている
理由は簡単で、逮捕を手伝ったのが俺だからだ

世間的にはどっかに移送されて尋問を受けたってことになってるが、実際は違う
公安の”とある奴”がそいつから情報を聞き取った。曰く、公安内部には機関と協力している奴らがいるってな
西島のやつはそれを知ったせいで消されかけたらしい。逮捕劇は奴を保護するためのものだった

機関と協力している公安の奴らは国に対してかなりヤバイことをしようとしているらしい
だから今のところ俺は、機関と公安の繋がりを証明するものを探している

…………っと、ここまではいいか?

【ディミーアは厳島の反応を窺うようにして言葉を止めた】
779 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 22:40:47.98 ID:7gPUy5PO0
>>778
「なるほどな、そうだったのか……これで一つ合点がいったな」

【ディミーアの話に思い当たる節があった様で、口元を引きつらせながら、話を聞く】

「私がここに着任させられた理由も、その辺りと言うわけか……」

「ああ、ありがとう、大丈夫だ続けてくれ」

【興味深そうに、食い入る様に話を聞きながら、ディミーアにそう答えた、途中途中周囲に目配せ警戒しながら】
780 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/09(金) 22:42:06.39 ID:qcUpjZ0R0
>>762
/日付変わるころまでお待ちしておりますっ
781 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 22:52:35.70 ID:bOcS9sb/o
>>779

【厳島に促されてディミーアは頷き、続けた】

ここまでなら公安と機関の話で済むんだが……どうにもそれだけじゃない感じだ
水の国にセレンディピター号とかいう客船がある。どこぞの富豪が作ったカジノ船なんだが
ここに集まってる金持ちどもも何か怪しい。公安かその周囲か、何かに絡んでる予感がする

実際にこの船には行ってみたが、『公安三課』とかいう部署のエージェントが探りにきていた
そいつは鵺っていうんだが、上層部から命じられて来ていたらしいが、どうもその命令は”おかしい”らしい
詳しいことは俺も掴めてないが、あそこにも何かあると見て間違いない

話を纏めると、だ
まず、公安の一部と機関には繋がりがあり何か企んでいる
それと関連してセレンディピター号に集まってる金持ちどもが関わってる
今のところ重要なのはこの二つだ

【一気に話して疲れたのか、グラスの中身を飲み干す】

あ、さっき言った鵺ってのは一応、協力者だ
俺の名前を出せば信用してくれるだろうよ
なんつうか……忍者みたいな格好のガキだ。女のな

【鵺、という協力者の詳細を伝える。こういった容姿の少女を見かけたら名前を出せばいいとのこと】
782 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 22:54:51.06 ID:O/ZrmPcR0
【水の国・闘技場】

【不定期に開催される"大会"――武を競う催しの際も使用される、平たい会場】
【地面の質は土。周囲は50m四方が真っ平らで、更に外は観客席となっており】
【席とフィールドの間には魔術による隔壁が張られている】

【――普段は予約制で自由使用可能なこの場所に、今は一人の少女が居た】
【鮮やかな金髪にターコイズブルーの瞳、年の頃は10代前半だろうか】
【修道服を着てはいるが、どうやら迷い込んだ、というわけではないらしく】

だァあ、クソッ!シミュレーションの敵、弱すぎんだろこれっ!
もっとしゅぱって動くやつとか、避けるのとか……なんか無いのかー!?

【そう、少女は今まさに戦闘シミュレーションを行っていたのである】
【これもまた魔術によるのだが、魔物などを擬似的に立体化させ、戦闘する機能だ】

【――が、それに不満があるらしい。というのも、問題は彼女の武器にあった】
【それは剣だ。しかし、盾の如き巨大な剣。少女の身長よりも大きいものであり】
【しかし、彼女はそれを容易く振るう。結果的に、スケルトンなどは一撃で粉砕してしまう】
【だから詰まらない――なんて言葉を管理側に大声で叫んでいたわけである】


【さて、この闘技場には純粋な試合の機能も備わっている】
【怪我をしても優秀な救急班がいるために、本気での戦いが出来るわけだ】
【当然ながら、この少女のエリアも"対戦者募集中"で――立ち入ることは、誰でも出来た】
783 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 23:03:10.35 ID:7gPUy5PO0
>>781
「セレン、ディピター号?」

【話がかなり大きな事になってきた、と溜息をつく】

「それでは、まるでこの国は……」

【言いかけて、そして言葉を紡いだ、まるでこの国ぐるみの大規模な陰謀ではないかと】

「この国の公安か、何れ接触しなければと思っていたが」

【まさか、向こうから糸口がやってきてくれるとは】
【奇妙な運に身震いをする】

「鵺、か、わかった、仲間にも打電しよう、もちろんこの話もディミーアの事も」
「それと……」

【空になったグラスを指差して】

「同じ物、か?」
784 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 23:10:07.39 ID:bOcS9sb/o
>>783

こっちも、なるべくお前のことを信用できる奴らに教えておく
事が事だからな、仲間は多いに越したことはない

【ディミーアの声にはある種の脅威が含まれていた】
【それは恐らくは厳島が感じたものと同じなのだろう】
【相手の巨大さと陰謀の深さに恐れる気持ちもあったのだ】

【しかしそういった恐怖は仲間の存在が和らげてくれるものだ】
【厳島がグラスを指差すと、ディミーアはにやりと笑ってみせた】

あぁ、そうだな、”同じ物”を貰おう
そしてもう一度乾杯といこう。今日会えた一種の幸運にな

【これから”同じ敵”を相手取る同志として】
【そういう意味が言外に込められていた】
785 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/09(金) 23:12:37.21 ID:/3R9SZXa0
>>782
【水の国の方々を巡り、数日でこの国を後にしようと考えていた所に件の話が飛び込んできた】
【闘技場での戦闘訓練。どうやら、この国では発達した技術により様々な条件で戦闘訓練を行える場所がある】
【彼は戦闘を好む訳ではない。しかし、とある事情から足を運ぶ事となった】

【レヴォルツィオーン。件の会社に潜む不死の軍勢の事実。それらを知ったことにより、彼の意思は自ずと戦へと向けられていた】
【自分が率先して関わる必要は何処にも無い。だが、だからと言ってこのまま無視を決め込むのは、彼自身が許さなかった】
【きっといつか、大きな戦いがある。その時に、少しでも自分が誰かの役に立てるなら】
【そうして、彼は剣の腕を磨くべく、件の闘技場の門戸を叩いた】

ここで……間違いないか

【対戦者募集中の表示。折角特訓するならば、生きて考える相手の方がずっと学ぶことが多いだろう】
【エリアに立ち入ると、目に入って来たのは自分より数歳は若いだろう少女の姿だった】

……君が、相手なのか?
一つ聞きたい! もし、君が本当に戦う相手ならば、その意思を示してくれないか?

【少女へと問いかける。少なくとも、彼の目には相手が戦場に身を置く存在とは見えなかったのだ】
【しかし、警戒は怠らない。腰に佩いた太刀はいつでも抜き払える。立ち姿からも、戦う人間であることが伝わるだろう】
786 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 23:21:17.55 ID:7gPUy5PO0
>>784
「いつの、どの任務も同じだが……」
「仲間がいると言うのは、心強い」

【厳島命もようやくと、僅かだが本来の笑みを口元に浮かべてそう答えた】
【敵はあまりにも大きいが、勝算はまだある、と】

「ああ、乾杯だ」

「海軍厳島命特務中尉、貴官達に合流する」

【やがて、注文した飲み物が来れば、この数奇な出会いの祝福を告げる小さな乾杯の音が響くだろう】

『……海は今日も穏やかで、向こうの島の猿は今日も元気でしょうね』

【ぼそりと、ディミーアにこう告げた】

「我々の間の仲間を識別する、所謂合言葉だ、聞かれた場合はこう答える」

『あの島に猿は1匹も居ませんよ』
787 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/09(金) 23:24:55.23 ID:O/ZrmPcR0
>>785

【「あァん?」――などというあらっぽい言葉がその返答だった】
【若い。それは確かで、恐らくは信仰の道に生きるものなのだろう】
【だがその武装と態度は、どちらかと言うと荒れた武芸者にも似て】

……此処は闘技場だ。お散歩で来る場所、じゃあねーだろ?
で、そこに二人が揃ったなら……意思、なんて必要なのかって話だぜ

――――そうだろッ、生っちょろいのっ!

【勝ち気な笑みを浮かべて、挑発的に言葉を返す】
【どうやら相手で間違いはないのだろう。幼いが、しかし――】

【――などと考えているのなら、相当に痛い目を見ることになる】
【先手で少女が選んだのは、巨大な剣を振るって地面の一部を削り飛ばし】
【そこに交じる土砂による遠距離攻撃と、そして目くらましだ】

【威力、などというものは皆無に等しい。――だが、少しでも目を閉じてしまったのなら】
【身体よりも大きな剣を手に、身軽に突進してくる少女の姿は捉えきれるだろうか】
788 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 23:26:31.84 ID:bOcS9sb/o
>>786

【再び小さな心地よい音が響く。しかしそれの意味は先ほどとは大きく違っていた】

へぇ、合言葉とはそれっぽいな、いいじゃないか
わかった、覚えておこう

【グラスを傾ける横顔にはいくらかの緊張が解けていた】
【仲間を手に入れた、ということもあるが、今やれることは全てやったためだ】

さて。俺から出せる情報はこれで全部だ
聞いておきたいことはあるか?
これからきつくなっていくだろうからな、憂いは残すなよ

【先に見える敵はあまりにも強大で、それを忠告するような言葉を言って】
【ディミーアは何かないか、と厳島に尋ねる。勿論、なくても問題はないだろう】
789 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 23:33:30.55 ID:7gPUy5PO0
>>788
「そうだな、聞きたいことは山ほどあるのだが……」
「いや、今はいい、関連資料もこちらで手配が出来るだろう、ああそうだ」

【そこで思い出したように】

「君や君の仲間と連絡を取るにはどうしたらいい?拠点のような物があるのか、あるいは連絡役がいるのか?」

【情報戦においての仲間との連携には、とても重要な事だろうと、こう聞いた】
【今のところ周囲に怪しい気配もなく、ここまではここで話しても安全だろうと判断して】
790 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 23:38:41.17 ID:bOcS9sb/o
>>789

んん、連絡手段か……

【それを言われてディミーアは困ったような顔をする】
【というよりも、思いつかなかった、といった感じだ】

鵺とも連絡手段を確立しているわけじゃなかったな、しまったな
俺との連絡ならこれを使ってくれればいい

【ディミーアが差し出したのは一枚の紙片だった】
【そこにはネットワーク上の連絡先が書かれていた】
【これを携帯端末に入力すれば電子上で連絡が取り合える、というわけだ】

あー、つまりだ
拠点やら連絡役やらはいない
悪いな、こっちも急造の協力網でな……

【自らの不手際を恥じ入るようにディミーアは顔を伏せてしまう】
791 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/09(金) 23:43:00.62 ID:/3R9SZXa0
>>787
【一言で言えば―――――それは歪な存在だった】
【内面がではない。見た目と態度が余りにも合致しなかった。粗暴が清純の皮を被っていると言うのが正しいか】
【暴虐と純真。二律背反である筈の二者が、彼女から得られる情報には同居しているのだ】

成程……聞くまでも無かったか。なら、俺も君に応えなければ
まずは名乗らせてもらう! 俺は鳴神 義勇!
―――――いざ、尋常に!

【大剣によるステージを抉った遠距離攻撃。質量に任せた戦闘体系かと思わせて、的確に行動の隙を埋める一手】
【一筋縄ではいかない相手と解釈した。抜刀と共に迫る土塊の数々を慣れた手つきで叩き落とす】
【少女が接近する音。しかし、砂塵に隠されその姿を明確に捉え切ることは出来ない】

【ならば、と彼は正眼の構えで少女を待ち受ける。まだ、後少し……そこだ】

はぁっ!

【接近してくる少女へ向かって袈裟に斬りかかる。右肩口から左脇腹までを狙う一閃】
【彼の得物は太刀一振り。単純な質量では少女の大剣に負けるが、その質では引けを取らないと自負していた】
792 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/09(金) 23:46:00.22 ID:7gPUy5PO0
>>790
「なるほど、いや大丈夫だ」

「むしろ、拠点があれば襲撃の危険も付きまとう、連絡役も同様だな……今ではこっちの方が安全かもしれないな」

【紙を受け取り、そして胸ポケットに仕舞う】
【ネット上電子上なら別の危険もあると言えばあるが、物理的に拠点や連絡役を置くより安全と言うのは、ある意味この時代の皮肉かもしれない】

「さて、そろそろ戻るか……こちらの連絡役もそろそろ着いている頃だろう」

【腕時計を見ながら、そう言った】
793 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/09(金) 23:46:49.04 ID:DSTK2Q2ao
>>762
――――いや、今のところ収穫はない
良くない状況だ。彼奴等の懐に潜り込むには、何としても最初の段階を通過しなければ……

ああ、そちらについては問題ない。慣れない警備員の真似事は、少々窮屈ではあるがな
わかった。また連絡する

【路地裏の出口へと向かう彼女の下に、聞こえてくる声】
【おそらくは、彼女にとっては聞き覚えのある声だろう。かつてと同じ、重苦しい不吉な声音だ】

【誰かと通話していたらしい声が止み、彼女とは逆に闇の深い方向へと向かおうとする】
【そのまま行けば、おそらくは。路地裏の汚れた通り道一つ挟んだ向こう側に、その姿が見えるだろう】


【身長2メートルを軽く超える体躯。薄汚れた灰色の作業着。黒いラバー地のエプロン。黒いゴム長靴】
【短く切り揃えた黒髪。黒い瞳の暗い目。角ばった顔つき。そして、その額に埋まった大きな眼球】

【そんな異形も、紡がれた因縁の前では慣れたものだろうか】


【慣れた様子で歩いていく彼女に、大男はす、と視線を向けて】
【次の瞬間には、驚愕に三つの目玉を見開いた】

【声を上げることはなく、動揺と警戒を露わに、大男は飛び退って彼女から距離を取ろうとするだろう】
【彼女の出方によっては、そのまま路地裏の闇に駆け出さんばかりの様子であった】

>>780
/持ち越しになりそうですが、よろしければ……
794 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/09(金) 23:53:31.79 ID:bOcS9sb/o
>>792

まぁ、そうだな
危険がないわけでもないが、しかし100%安全な手段なんかない
だから、やりとりが早い分、こっちの方がマシかもな

【そう言ってディミーアは携帯端末を取り出して示すように軽く振る】
【「そういえば」と言ってさらに続ける】

もう一人協力者……一緒に西島を捕まえたやつがいるんだが
そいつが言うには、もうちょっと便利な連絡網を用意している最中らしい
どういうものかは知らんが、それが出来上がればもっと動きやすくなるはずだ

【言い終えたタイミングで携帯端末が振動】
【ディミーアはそれに目を通して端末を外套にしまい込んだ】

こっちの待ち人もやっと来たらしい
じゃあ……よろしく頼む
好き勝手やりやがるクソ野郎どものケツを蹴り上げてやろう

【極めて野蛮な言い方ではあったものの、ディミーアなりの檄を飛ばした】
【そこには信頼と期待が含まれていた。新たな仲間を見つけた興奮もあった】
【なお、去り際の厳島には「ここは奢っておく」なんて言ったりもする】
795 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 00:04:25.25 ID:4h2DEKLO0
>>791

【思い切り土をぶっ掛ける。そういう戦法はまれにある、が】
【まれだからこそ、その対応手段で相手の力量が知れるものだ】
【そして相手――鳴神と名乗った青年は、見事に慣れた行動で土を落とし】
【こちらの接近をしっかりと確かめて、その上反撃までしてきた】

【――"ギャリッ!"という、高硬度の物質が擦れ合う音が響く】
【一挙に接近した少女は、巨大な剣をまさしく盾として使ったわけだ】

【太刀の一閃を予想し、攻撃よりも防御を優先してこれを受ける】
【それなりの戦闘スキルを持っているのは確からしい。剣の影で、少女はニヤリと笑い】


――"昼の国"のベアトリクスだ!

やるなぁ、兄ちゃん。最初の避けるとは思わなかった、ぜッ――!


【一瞬剣を引いて、相手の体勢を崩そうとすると共に、若干の距離を取ると】
【そこから一気に横一閃。豪剣によって相手の腹部を攻撃しようとする】

【――この一撃、剣による重さは確かに感じることであろう】
【しかし、膂力。すなわち筋力による押し込み、振り込みの威力については皆無に等しい】
【怪力というわけでは無いようだが――ともあれ、会場のルールを無視したような強烈な一撃は青年めがけて放たれた】
796 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/10(土) 00:05:05.10 ID:RwJWH7Bq0
>>794

「なるほどね、それは大いに期待が出来そうだ」

【と、ここでディミーアの端末が振動する、何かしらの連絡が入ったようだが】

「そちらの待ち人も、か、今日はタイミングが噛み合う日だ」

【口元の笑みを崩さずに、そう言って】

「ああ、ここからは共闘戦線だ」

「何か情報が入ったら直ぐに連絡を入れる」

【と、去り際に檄を飛ばすディミーアにそう答えて】
【そして、ついでにBARの料金も奢ってもらう事になってしまった、これには少し頭をかきながら】

「まあ、借りはちゃんと返せばいい、かな」

【BARを後にした】

【厳島命中尉より特務護衛艦如月へ】
【水の国に潜入、公安関係に黒幕の疑い、調査中、現地にて有力な協力組織と接触関係締結、調査は難航を極める模様】
【上記は全て暗号での打電】
797 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/10(土) 00:10:58.77 ID:PYX+xdx/o
>>796

【厳島がいなくなった後、BARに残るディミーアの元に一人の男がやってきた】
【年齢は恐らく三十前後。ディミーアよりも若いかもしれないが、やつれた顔つきのせいで判別しづらい】
【古びた軍服を着たその男はディミーアの隣の席に座り、言葉を交わす】

「久しぶりじゃないですかぁ、隊長ぉ?」

あぁ……今は別件で忙しくてな、アルベルト

【────そのときの会話は公安事件とは完全に無関係のものだった】

//お疲れ様です!
798 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/10(土) 00:12:41.69 ID:RwJWH7Bq0
>>797
//お付き合いありがとうございました
799 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/10(土) 00:18:57.04 ID:+fVKNJ0L0
>>795
【一撃目は不発に終わった。大剣による防御、その大ぶりな刀身を防壁の如く利用した戦法は攻守一体その物】
【やはり、修道女の服を着てはいるが、その本質は戦場に生きる者らしい。ならば、戦い甲斐があると言うもの】
【競り合い、少女が剣を引いた瞬間に自らも後方へと飛び退る。そのままでは反撃を食らっていただろう】

よろしく頼む。ベアトリクス
遊びで来ている訳じゃないからな。俺も、全力で行かせてもらう

【迫る大剣の薙ぎ払い。まともに体で受ければ胴と脚とが泣き別れになることは必至だろう】
【腰を低く落とし、太刀で剛剣を受ける。力のままに少年の身体は吹き飛ばされ、地面と水平に飛ぶ】
【しかし、身を任せるだけではない。空中で体を捻り、猫科動物のように体勢を持ち直すと、左手を軸に着地した】

力任せも、度を越えると立派な技術か……
ふんっ―――――!

【少年の足に雷が迸るのが見えるだろう。身に備わった力により、彼は瞬間的に膂力を高めることが出来た】
【加速する踏み込み。地を削り、火花を散らしながら突進し、下段からの斬り込みを浴びせかけんとした】
800 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/10(土) 00:28:17.63 ID:3n/eP2PD0
>>793

【――かつん、かつん、と、華奢な体躯そのままの、軽い足音。歩みはゆっくりとしたもので、ならば、何かに追われるだの、焦っているだの、そんな様子はうかがえない】
【あるいは誰かが見ていたなら――考え事をしているようだったとでも言うだろうか。あどけない顔も表情をなくして、口角はわずかに下がって、ただ足音だけが続く】

――やっぱり。あの、マンホール……まだ使っていたらだけど。ほかの場所は……、通りがかった、みたいな――。
…………んんん、やっぱり、機関のひとを探した方が、早いのかな――。ううん、駄目だ、誰かに気づかれないように……。

ロッソさんにどこで会ったか聞いておけばよかった。

【ぶつぶつと漏れていくのは考え事の欠片、そんなときでも鈴の声はいつもと同じで澄んでいた、そうして吐き出される吐息はわずかに白く染まり】
【それでも――道の分岐する場所で、彼女の足は明確に止まる。それから、視線をあたりへ巡らすだろう。誰かが居れば無視するが、何かがあるかは警戒する】
【特別な感慨もなく見渡した眼は――けれどその途中で何かに引っ掛かったようになって、止まる。――あるいは、目が合うかもしれなかった。黒と赤、不揃いの一対と】

ッ――――、

【――彼がそうであったように、彼女もまたひどく驚いて動揺したようだった。すっかりと丸くなった目が、けれど相手の動作を明確にとらえて、焦ったような声がする】
【飛びずさる行動が邪魔されることは、ない。ただその代わり――す、と。ぴったりと相手へ向け指し示された右手の指先でぎらりと魔力の光が強く瞬き】
【けれどこうした闇の中で長く生きてきた相手ならば、おそらく気づくだろうか。きっと脅しのはずのその行為は、けれど、その先にわずかの敵意も、害意も、うかがえず】
【あるいは"禊いだ"ことさえ忘れてしまったようにも見えたかもしれない、だけど――そうではありえないのは、その瞳はそれ以前とは違って、明らかに複雑な色を帯び】

待って――、あなたを、探してた、……UTも、セリーナも、"今は"関係がない――、ロッソさんに頼まれたの。
――話があるの。――あなたから攻撃されない限り、わたしは今夜、あなたを絶対に傷つけない。約束する、……絶対に。

へびさまに誓う。……信じて。

【今にも駆け出してしまいそうな様子は、野良猫みたいにも見えた。逃がしてしまったら終わりだと分かる、そうしたら――慎重な彼を探しだすのは難しくなる】
【ぎらぎらと指先で光るのは何より目立つから――交戦したのだ。多少なりとも警戒するだろう、せめて"彼"の名前を出すまでは、相手をここに留めたい】
【個人として探していた……あの組織も、ガンマンも、関係がない。その言葉には、けれど"今は"という補足が必要不可欠になる、ならば信じてもらえるのだろうか】

【ひとまず――魔力を光らせた彼女は、だけど、そのまま攻撃する意思を見せては来ない。「待って」と乞う声も、ひどく間に迫ったものであり】
【恨みがましい相手を日夜這いずり回って探していた――という風でも、決してなかったのだ。緊張した表情も――ここから先に失敗できない、というものから来て】
【「おねがい」と唇だけで呟いたのが見えただろうか、条件付きの約束――だけど、彼女がその名前を出してまで、願う。きっとその意味を、彼なら――】

【(分かってくれるって、信用して)】

/気づくの遅れてしまってすみません……!
/遅くまでが難しいので1時前後で持ち越しお願いしてしまうかと思いますが、大丈夫でしょうか……
801 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 00:33:01.48 ID:4h2DEKLO0
>>799

【豪剣が青年を捉える。"取った"――と、ベアトリクスは思ったのだろう】
【実際、相手は吹き飛んだのだから。受けたにしてもダメージは在る】
【そう思っていたからこそ、軽業のような着地には額に汗が浮かぶ】

ヘヘッ……なんだよそれ、どうやったら出来んだあんなん……!

でもいいぜ、さっきまでぶっ殺してた奴らとは大違いだッ!
やっぱ戦いってのはこうじゃねーと……っっ、う、おォ……!?

【雷が迸る。それは見えた、青年が踏み込むのも、接近を図るためだろうと理解できた】
【問題はそこからの速さ――地を削って火花を散らす。普通の人間では有り得ない業】

【その速度が虚を突いたのだろう。後ろに避けようとするが、間に合わず】
【浅くではあるが、少女の胸元から右肩にかけて、鮮血が溢れて】
【その痛みに負けじとすぐさま反撃。大剣を垂直に青年へ向け振り下ろす】

【――その真の目的は、相手を両断することではない】
【相手が避けるか、受けるか。その動作を取ったならば、大剣より、周囲に光が満ち溢れ】
【僅かな間であろうが、その視界を完全に閉ざす事になるだろう】
802 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/10(土) 00:48:41.56 ID:+fVKNJ0L0
>>801
【手応えあり―――――しかし、まだ浅い。切り傷を残したが、戦闘不能に至るには程遠い】
【そして、懐まで踏み込んで致命傷を与えられなかったと言うことは、次に振り掛かるのは相手の有効範囲内での攻撃】
【咄嗟に足を開き、腰を落として太刀で大剣を受ける。だが、先程のように力を流す場所がある訳ではない】

ふっ! っっっ……!
随分と重いな……こいつは!

【腕、背筋、腰、脚へと鈍痛が駆けていく。質量に任せた攻撃は、人の肉体を軋ませるには十分な威力を持っていた】
【だが、このまま潰される訳にはいかない。太刀を滑らせるようにし、後方へと飛び退る。が―――――】

なっ―――――

【視界を埋め尽くす白。それが光であると認識した時には既に、彼の目の前は何一つ存在し得ない無と化していた】
【目晦まし。あの大剣にそんな絡繰が仕込まれていたとは予想だにしなかった】

中々やるな! 昼の国の戦士!

【咄嗟に目を抑え、牽制の如く右手で太刀を振り払う。特にどこを狙った訳でも無い。隙を埋める為の当てずっぽうな攻撃だった】
803 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/10(土) 00:50:23.96 ID:ZXFSyIPco
>>800
【自らが置かれた状況への焦燥のあまり、迂闊にもいつもなら欠かさない周囲への警戒を怠っていた大男は】
【彼女の軽い足音も、その表情に悩んでいるような色があることも気付くことは出来なかった】

【地下通路はまだ使用していたが、頻繁にルートを変えている】
【一度行った場所にも、そうそう近づくことはない】

【臆病で用心深いこの男のこうした行動パターンからすれば、この場で彼女のオッドアイと】
【大男の三つの目玉が、交錯したことは奇跡的と言えるかもしれない】


(――――日頃の行いの良いはずがないのは、わかり切ったことだが……)
(このようなタイミングで、この人選はないだろう……!)

(どうする……この狭さでは、酸も魔力もかわしきれん……)

【必死に周囲に視線を巡らせ、状況を把握しようとする】
【だが、どう見てもこの状況は不利。構造的に、退路も限られている。下手をすれば後ろから撃たれる】

【突然の予期せぬ遭遇への動揺、戦いになれば明らかに不利となるだろう状況】
【そうした要素が、彼女にとっては僥倖であったか。向けられた指、その先の魔力がそのとどめとなり】
【大男は逃走を諦め、防御の姿勢をとった。次に来るだろう攻撃に備えて】

【ゆえに、言葉が届いた。そして、この場の敵意が感じられず、かつ言い尽くせぬ感情が渦巻くその瞳を見て取るに至った】


ロッソに……? UTもセリーナも関係なく、個人的な話だと……?

――――お前が先祖の名まで出すとなれば、切って捨てるわけにもいかない、か……

【少女の咄嗟の賭けは、図に当たった。大男は 吸い寄せられるように指先の魔力に警戒を強め】
【それゆえにその場に留まった。「今は」という言葉も、彼女が決して敵であることを忘れていないことが伝わり】
【かえって、その焦燥を大男に確かめさせるものとなった】


――――何があった?

【大男・カニバディールはそう問うた。わずかに距離を詰めて、言葉を交わすに支障がない程度にしながら】
【居住まいを正して、異形は敵たる少女と再び会話のテーブルについた】

/大丈夫です、こちらこそ遅くにすみません
/すぐに持ち越しになってしまいそうですが、よろしくお願いします!
804 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 00:59:49.51 ID:4h2DEKLO0
>>902

【狙いを付けず、牽制として振るった太刀は何かを捉えるだろう】
【ただし、"ギャリッ!"という聞き覚えのある音を立てて、だ】


――当たり前だ。でも一個だけ外れだぜ、鳴神よォ


【目くらましの効果はすぐに解ける。そうして落ち着いた目で見れば】
【少女が立っていた位置には、灰色の分厚い鎧を着込んだ騎士が立っていて】
【そしてその手には、ブロードソード程度の長さを誇る光剣が一本】
【迸る魔力を表すように、その刃は波打っていて】


俺は"戦士"じゃねえ、"騎士"になるんだ。
確かにどっちも戦うが……騎士の方が、強いんだぜ―ッ!


【そう、青年の太刀が捉えた鈍い音とはすなわち鎧だ】
【先程までの巨大な剣。それ自体が、今少女が纏っている鎧であり】

【そして光を放った大本こそが、今その手にある光剣なのだろう】
【これが真の姿と言わんばかりの自慢げな言葉は、しかし荒い踏み込みに消える】
【相手の右肩から腰にかけての袈裟斬り。――注意すべきは、"受けないこと"だろう】

【理由は一つ――刃が魔力で構成されたこの光剣は、防御ができないのである】
【要するに、物理的な物を透過する。攻撃に特化した性能を持つらしく】
【今まで攻撃を受けて流していた相手の虚を突くには、これ以上無いステータスにも思えた】
805 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/10(土) 01:18:24.76 ID:3n/eP2PD0
>>803

【一度行った場所にも、そうそう近づくことはない――ならば、これは、本当に。偶然だったのだろう、彼は思い出すだろうか】
【この場所――ちょうど、彼女が出てきた細道の奥は、行き止まりになっている。近くの店屋がそれをいいことに、在庫を詰めた箱を好き勝手に積み上げて】
【いつか――この少女はそれをひっくり返してしまった。そうして、彼に戻してもらった――木箱一個分の約束は、もうずっと昔のことだけど】

【――もし彼がそれのことを思い出せば、あるいは。この少女はまさに自分を探していたのだという証拠にもなるのかもしれなかった】

そう――、だけど個人かって言ったら、きっと、違うね……、……全部言えない。わたしとロッソさんが関係あるのは、言う。信じてもらいたいから――。

【彼であればきっとこの場からも逃げ出すだろう。人間としての身体の構造とは関係なく動く彼が逃げ出せないわけはないと思っていた――ならば】
【彼が逃げられないと考えていたのとは真逆だ。彼女は彼が逃げ出しえると思っていた。ならば彼が逃走のための構えではなく、防御のために構えたとき】
【少女の目はわずかに細められる――逃げないことを確信する。少なくともこの瞬間、小さな賭けには勝った】

――――よかった、ありがとう。

【何があった――その言葉で、少女の表情はわずかに緩むだろう。それと同時に、約束を守るという証明みたいに、指先の煌めきは消し去る】
【そしてひとまず一つ目の壁を越えたのに安心したような息を吐きながら、短く切られた髪をかき上げる――右耳にだけあったはずのピアスは、ありふれた市販のものになっていた】

ここだと……誰か来るかもしれないね、この先が行き止まりなの。ほかの誰かに聞かれたくないから――、


――後ろを歩いて、いいよ。あの公園の時に一番最初をくれたお礼……、

【「来て」――と、伝える言葉は短いものだった。それから少女は相手へ背中を向ける、こつ、こつ――と、二歩ほど歩いてから、ふと振り返り】
【そうとも伝えるのだ。視覚であり咄嗟に反応することのできない背後を取らせる、それもまた信用されるために差し出すもの、――彼女自身は礼だと言って】
【ひどく下手に出ているようにも感じるだろうか――あるいはそれほど重要な用であるのか。確実なのは――ロッソが関わっていることと、人に聞かれたくないものであること】

【――彼がついてきてくれるなら、少女はたった今自分が出てきた道へ戻り、狭い袋小路で足を止める。ぎゅうぎゅうに木箱の詰め込まれている場所は狭いけど】
【立ち話もなんだというのなら椅子にするくらいは、許されるみたいだった――店主が怒りそうだけど、二人とも、多分あんまりそんなことは気にしないだろうし】
【もしこのままの場所がいいと彼が言うなら、「そっか――」と、受け入れる。彼が選んだ距離感は、やはり、どこか懐かしいもので――なんだか、奇妙な気持ちになる】

【(セリーナは怒るかな――ちらりと過った思考は、顔に出る前に飲み込んでしまって)】

/了解しました……と書いた矢先で申し訳ないのですが、ここで凍結をお願いできますでしょうか……?
806 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/10(土) 01:19:42.33 ID:ZXFSyIPco
>>805
/了解です、明日はちょっと何時ごろ帰れるかわからない状況なのですが
/可能となり次第、連絡させていただきます!
807 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/10(土) 01:21:10.08 ID:+fVKNJ0L0
>>804
【太刀の刃が接触した感覚が手に伝わってくる。しかし、それは肉の柔らかさではなく、鋼鉄の硬さ】
【霞む視界のまま飛び退り距離を取る。やがて、視界に映ったのは先程の彼女とはまるで変った姿】

騎士……か。だからその姿で戦うと言う訳か
良いな! 形からでも、何かを目指して努力するのは誇らしいことだ!

【素直に、彼女の気概<こころ>を称賛した。形がどうあれ、目指す者があるのは人をより強くする】
【相対する者が騎士だと言うのならば、こちらも騎士との戦いに相応しい礼儀を持つべきだろう】

【未だ、全身を包む鈍痛は残留している。じりじりと、肉と骨が歪まされかけた痛みが脳裏に焼き付く】
【だが、痛みがあるのなら、自分はまだ生きている。生きているのなら、まだ動いている】

【続く少女の一撃を受け流さんとするも、その刃は目の前であたかも存在しない≠ゥのように太刀をすり抜けて見せた】
【咄嗟の判断で体を仰け反らせ、更に後方へと回避する。二の腕の外側を刃が掠め、白いシャツとその内の肉を切り裂いていく】
【鮮血が迸り、汚れ一つ無い彼の服装を薔薇のような紅で染め上げた】

光の刃……どこにでも在る代物じゃないな……?
何故それを持っているかは知らないが……より気を引き締める必要がある―――――なっ!

【全身を蒼雷が駆け巡る。肉体を活性化させ、運動機関を強制的に全開にする。今の彼は謂わば限界まで引き絞られた弓の弦】
【地面を抉る踏み込みと共に少女に急接近し、鎧の隙間を狙った突きを繰り出した。見れば太刀も雷を纏い、まともに食らえば身体に電流が流されることを意味していた】
808 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/10(土) 01:29:32.21 ID:3n/eP2PD0
>>806
/了解しましたっ、こちらはおそらく夜8時頃には待機していられるかと思います!
/ではひとまずおつかれさまでしたっ
809 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 01:43:39.74 ID:4h2DEKLO0
>>807

【手応えあり――光刃の剣は、おそらく物理的な重量にも縛られていないのだろう】
【その振り抜きは素早く、正確で。兜で表情こそ見えないが】
【おそらくまたあの勝ち気な笑みを浮かべているのだろう】
【剣を構え直す姿は、小さくこそあれ重厚な騎士そのものであり】

まーた雷かよ、それも全身に纏っての攻撃……。
……いくら早いっつっても、当てりゃこっちのもん、だ……―ッ!?

【純粋すぎるほどの肉体強化。その速度にはやはり眼を見張るものがある】
【だが、確かにそこに存在するのだから、と】
【ちょうど青年が動く予想軌道上に剣を置くように、光刃を振るう】

【そしてその刃が届くかどうかというタイミングで、相手の突きが鎧に届いた】
【"ガチンッ"という音は、鎧の弱点が隙間だと言うことを熟知しており】
【その部位をしっかりと締めたからにほかならない。つまり、防御されたのだ――】


ぐっ、おおおぉォ……!!武器にまで、コイツ……ッ!


【――物理的には、だが。この鎧、どうやら雷は通すらしい】
【そして防いだ武器は雷を纏い、今たしかに触れていて】
【びくん、と鎧姿が揺れる。そして弛緩――僅かな間だが、決定的な隙がそこに生まれ――!】
810 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/10(土) 02:01:20.35 ID:+fVKNJ0L0
>>809
【きっと、今も彼女は勝ち誇ったような表情をしているのだろう。見えずともわかる。その剣気、気迫で】
【戦いを楽しんでいるのだろうか。その姿勢は彼には余り理解出来ない物だったが、心躍る感覚はにわかに感じていた】

【素早く、的確に光の刃が軌道上に乗せられる。むしろ、この状態を振るった時の方が剣筋に冴えがあるとさえ思えた】
【だが、この一撃は逃さない。体を傾け、頬を切り、耳までを切り裂いていく光刃。後に続くのは飛び散る紅】
【入った―――――そう確信した瞬間に、右腕に鈍痛が走る】

(さっきの一撃か……! 血が流れ過ぎたな……)

【二の腕を切り裂き、流れ出る血液は腕に入る力を咄嗟の所で弱めさせた。意識の外、自身の身を護ろうとする反応】
【相手は僅かな瞬間だが隙を見せている。一撃を捻じ込むならば今しか無い。彼は自ずと―――――太刀を握る手を離す】

せぇあぁぁぁぁっ!

【左腕を引き、全力で筋肉を引き絞る。鎧相手に通用するかは全く以て不明瞭。しかし、やるならばこれしかない】
【己が得物を手放した状態で、彼は鎧の胸部分目掛け一直線に正拳突きを放った。届け、この一瞬に届けと願い、打ち放った】

/時間的にこの辺りで凍結で良いでしょうか?今日はありがとうございましたー!
811 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/10(土) 02:17:32.21 ID:ZXFSyIPco
>>805
【正確には、一度行って誰かに遭遇した場所――――特に、敵に遭遇した場所には】
【危機を避けるように、敬遠する傾向がこの男にはあった】
【だが、今日に限っては何かが彼を引き寄せたのか】

【はたと思い当たる。この場所は、あの日。袋小路の、木箱一つを持ち上げた場所】
【そんな場所に、通話しながら近づいていたとは。いよいよ焼きが回ったか、と自嘲する】

【されど、だからこそ。彼女が本当に自分を探して危険な場所をさ迷っていたことは信じられた】

……どうやら、思った以上に込み入っているらしいな
ああ、それで構わん。私も、全ての情報を出すことは出来ないのは同じだ

【あるいは、やろうと思えば逃げ出せたかもしれない。ならば、異形の足を止めたのはなんだったのか】
【相手が、鈴の音の少女であったからか。答えるものはいない】
【ただ事実として、この場で二人の間で言葉が交わされることとなった】


(ありがとう、か……余程切羽詰まっていると見るべきか)

【複雑な関係ではある。が、今や明確に敵同士。にも関わらず、この言動は。その表情は】
【状況が差し迫っていることを示している。異形はそう判断した】

【それでも指先の光が消えるまで、防御姿勢は解かなかったが。その目は、ただのアクセサリとなったピアスを一瞬眺めた】


……わかった。ならば早いところ移動すべきだな

――――お言葉に甘えよう

【警戒しつつも足を踏み出しかけ、彼女が明確に背中を取らせると宣言すれば】
【信用の証として、異形は正しくその意味を受け取る。彼女に譲った初手で受けた右顔面の傷は、宵闇に覆われていた】

【脳裏では、彼女とロッソの関わるこの事態への、あらゆる憶測が瞬間的に飛び交うが、すぐに打ち消して】


……ここか。いつぞやの

【狭苦しい空間に、木箱が鎮座するありふれた路地裏の袋小路】
【されど、いつかの記憶の場所。このような形でまたここに来ることになろうとは】

【今更、店主に気遣いをするような人格であるはずもなく。単になるべく痕跡を残さないために、木箱の中身は壊れないように】
【カニバディールはゆっくりと木箱に腰を下ろす。位置関係は、彼女が袋小路の奥側となるだろうか】

【異形が少女を追い込んでいる、とも取れるが。万が一誰かがこの場にやってきた場合】
【異形が少女の盾となるような形ともいえた。知ってか知らずか、大男の巨体は路地裏の向こう側から少女を覆い隠すには十分だった】


>>808
/わかりました! ひとまずお返ししておきます!
812 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 11:57:49.94 ID:4h2DEKLO0
>>810

【"ドゴッ"という鈍い音。圧倒的な質量に対して、同等の衝撃を叩き込む低音】
【僅かな間だが――時が止まったように、二者の動きは鈍るだろう】
【重厚な鎧を身にまとった少女は、光刃を手に――振るったままの、その姿勢で動きが止まり】


――…ぐ、ごほ…っ……!


【篭った、苦しげな声。兜の呼吸孔から、鮮やかな赤い血が溢れ出し】
【やがて鎧そのものの重さに引かれるように膝をつき――がらん、と後方へ倒れ込む】
【それは瞬時の気絶でもあったのだろう。使用者の意志が途切れたためか】
【光刃が再び強い光を放ち、瞬きの間に武装は解除。元の巨剣と並ぶように少女が倒れていて】

っ……!く、そ……痛えな、今の……、…ぁ〜……!

【罵倒とともに、その矮躯がもぞりと動く。先程の傷は浅いながらもじわりと修道服に滲んでおり】
【口元を朱で濡らした姿は、10歳と少しの幼い外見には似合わなかったが】
【観念した――『負けた』と潔く口にして大の字になる様子などは、余程戦いに慣れた騎士のようでもあった】

/先にお返事しておきますね〜
/それと遅れながら、昨夜はありがとうございました!
813 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/10(土) 13:53:36.66 ID:+fVKNJ0L0
>>812
【堅牢なる鎧殻に拳が叩き込まれる。無論、拳側にも損傷は及び、左手の指の肉は裂け、血が滴っていた】
【全てが停まったようだ。肌がじりじりと痛む。息をしていないことに気付き、途端にふっと肺が膨らんだ】

……はぁっ! かはっ……

【少女が崩れ落ちるのを目にしながら、彼もまた大地に膝をつく。反射的に地に着いた右腕から、生温かな液体が流れ落ちる】
【がらん、と音を立てながら太刀が転がる。両の腕に太刀を握る力は残されていない。拾い上げる隙も、無い】
【少女は負けた≠ニ言った。しかし、素直に勝った≠ニ認められる勝ち方では到底なかった】

……いい勝負だった。手合わせしてくれたこと、光栄に思う
立てるか? ベアトリクス

【大の字に転がる少女へと手を伸ばす。伸ばされた左手からも血が流れ落ちているが】
【どちらの手を差し出しても紅に染まっているのだから仕方が無い】
【闘い抜いた騎士に対して最大の礼儀を払いつつも相手の安否を確かめるのは、彼の性格による所が大きかった】

814 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 14:05:18.16 ID:4h2DEKLO0
>>813

……勝てなきゃ、いい勝負でもなんでもねーよ。
勉強には……まあ、なったけどな。……立てない。

【多感な時期だからだろうか、どうやら相当な捻くれ者らしい】
【立てない――なんて言いながら鳴神の手を取ると】
【傷の痛みと、苦しげな呼吸を堪えながら小柄な身体を起こし】

【そのときに、自身の隣に転がっていた巨剣をこともなげに拾い上げ】
【ズン、と地面に突き刺して。ちょうど背もたれ代わりに、そこに身体を預けて】

にしてもお前、ホント速いな……あの電気、魔術か?
それとも、能力者か?……どっちにしても、鍛えてんのはよく分かったけどよー

【傷を押さえながら、競技場内を監視するカメラの方に手を振る】
【試合終了の合図だ。少し待てば医療班が姿を見せ、傷の手当をしてくれるだろう】

【しかしその一方で、ベアトリクスと名乗った少女はまだ不満げで】
【若干じとっとした視線を青年に向けながら、戦闘中の事を尋ねかける】
【地面を削るような踏み込み、反応仕切れない速度――あれはなんだ、と】
815 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/10(土) 14:22:52.15 ID:+fVKNJ0L0
>>814
立てるじゃないか。実戦なら……確かにそうかもしれないが
実戦で勝つ為の勉強になったなら、それで良いんじゃないのか?

【端的に疑問を投げかける。勝利に固執する、と言うのは戦場で生きる者にとって必要な才能かもしれない】
【獣の如く、鬼の如く、草木を燃やす烈火の如く、脇目も振らず勝利へと邁進する者は、それだけで常人と一線を画す】
【その点では、ある意味少女は騎士≠ノなるに相応しい存在なのかもしれない】

ん……俺の能力か……?
あれは……そうだな……

【自身のことだと言うのに、彼はまるで見ず知らずの他人のことを聞かれたかのように口籠る】
【それもその筈、何故ならば彼の力は―――――】

わからないんだ
四つの頃から竹刀を握らされていた。だから剣術は単純に練習した技術≠ネんだが……
あの電撃は、よくわからない。いつの間にか使えていたし、いつから使えたのかもわからない
何故か使えるんだ。小さい頃から

【少女がそれで満足するだろうか。しかし、それはれっきとした事実であり、嘘偽り言葉だった】
【自分の力が何に由来するのか全くわからない。それは自己の存在を半ば認知出来ていない訳であり、つまりは出来損ないとも言えた】
816 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 14:38:07.15 ID:4h2DEKLO0
>>815

……んだよ、真面目君かよお前はよー。

俺の中じゃ、コイツを握った時はいつだって実戦と一緒なんだよ
確かに今回は競技場で、死なないかも知れねーけどな。
大体……"騎士"が負けたら、後ろにいる連中を守れねーだろ?

【相手を倒す、殺す。それもまた勝利というものの一つの形だ】
【だがそれを以て誰かを守る――それが、少女なりの理想なのだろう】

【言うなれば"騎士"という存在に対する、あこがれのような物か】
【割り切って考えられないあたりはなんとも言えない子供らしさがあったが】
【それなりに熱いものを、このベアトリクスという少女は持っているらしく】

分からない、って……おいおい、自分のことだぜ?
まあ、聞いた感じだと能力ってことなんだろうが……
制御だって出来てるし、便利そうで俺も欲しいっつーか……

……良いよなぁ、能力。

【ほとんど無自覚な雷撃の使用。それは間違いなく、彼の持つ固有の能力だろう】
【対しての少女の言葉は、本当にぼそっと呟いた様な声量で、羨むような言の葉】
【恐らくは聞こえないかもしれないが――。――競技場の扉が開いた】

【こちらへ向かう複数名のスタッフは、おそらく医療班だろうか】
【大人しくしていれば担架に乗せて、手当をしながら医務室へと運ばれることになるだろう】
【そうなれば、恐らくはお別れだ――所詮は一期一会の競技場、何かあれば別れる前に、というのが良いかも知れなかった】
817 :鳴神 ◆cznYvuLKk/TS [sage saga]:2018/03/10(土) 15:03:25.39 ID:+fVKNJ0L0
>>816
守る、か……

【彼は少々驚いていた。自分が人に教えられて初めて自覚した誰かを守る≠アとの本質】
【誰かを守る為には勝ち続ける必要がある。勝つと言うことは、誰かを殺めると言うことにも繋がる】
【それでも、彼女は自身が背負った者達を守る為に戦うと言うのだ。その覚悟を既に持っていると言うのなら】
【それは相応しい存在ではなく、既に一人の騎士なのではないだろうか】

あぁ、きっとなれる。君は騎士になれると、俺は思う
立派だな、君は

【心よりの称賛と激励。自分もまだ発展途上で、未成熟な存在ではあるが、言葉を贈らずにはいられなかった】

す、すまない……
便利な能力……か。それだけでも、無いんだけどな……

【呟くように言う。思い出されるのは泥濘を這うような過去の記憶。十七年間の、孤独と侮蔑の檻】
【その中で彼の力は皮肉にも磨き上げられ、今この場で少女と刃を交えるまでに至っている】

【少女の口が小さく動いたように見えた。言葉の内容までは伝わらなかったが、きっと少女は―――――】

もう終わりか……ありがとう、ベアトリクス。おかげで俺も良い鍛錬になった
またいつか会った時は……もう少し楽しい話もしてみたい

【別れの時が来た。しかし、永劫の別れではない】
【この世界を旅していれば、きっとどこかでまた出会うだろう。その時、共に誰かを守れるなら、何よりも素晴らしいと言えよう】
【担架に乗せられ、空を見上げながら先の手合わせを反芻する。この戦いが、次に繋がることを祈って】

/ではキリが良いので此方はこれで〆とさせていただきます!
/二日間ありがとうございましたー!
818 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 15:28:24.63 ID:4h2DEKLO0
>>817

お前がなんて言おうが、能力は無いよりある方が便利だぜ。
少なくとも俺はそう思うけどな。……まあ、いいや

……楽しい話っつっても、なんもねーぞ?
父上達の冒険の話とかならいくらでも、だけどな……
……むしろお前のこと聞かせろよ、鳴神。あと――次は俺が勝つからな!


【最後の最後になっても、やはり残るのは負けず嫌いな台詞だった】
【そう、最後の別れではない。なにせわざわざ"昼の国"の、と名乗ってすらいるのだから】
【また何処かで会うことがあれば、その時はもう少しだけ平和的にお話でも】

【――なんて言葉を聞き取ってからの記憶は、実を言えば無い】
【気が抜けて、眠るように意識を失って、それからしばらくは処置室の中】
【気持ちよく目覚めてから――大事な修道服が血塗れな事に、今更気づき】
【顔を青ざめさせながら競技場を後にした、というのは――また、別のお話】

/お疲れ様でした〜!
819 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/10(土) 16:08:00.04 ID:3JRjMQDFo
【水の国── 停泊中の豪華客船『セレンディピター号』】

【欲望渦巻くカジノ船は、今日もまた多くの因果を巻き込みながら繁栄している】
【場所は船内の一室に在るパーティ会場、ホテルの其れと遜色ない広さだ】
【落ち着いた音色が流れ、多くのテーブルに料理が積まれている】

【本日は休日── その為、大々的なパーティが催されている】
【一種のチャリティであり、普段ならば乗り込む事ができない者でも無料で参加できるのが特徴か】
【その為、一般人にアピールをしようとするお金持ちが沢山居るのが確認できる】


(あー……ほんとっ、ここ数日働きすぎですよっ!
確かに人員不足なのはあります、私とかフッ軽なんで適してるのは事実ですけどっ
毎日こうもこうもおじ様方の相手は大変ですっ!!)

(ぜーったいラピちゃんとか、こーゆぅ場向いてるのになぁ、可愛いし)


【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女が端の椅子に座っている】

【明らかに一人だけ年齢層が低く、その点でまず注目を浴びやすく】
【事実幾人かの中年の男性が、彼女のテーブルに近づき声をかけている】
【声をかけられるとぎこちない笑みを浮かべて相手をしているだろう】


え、ええそうですわ、父が財界の有名人でして……


【中でも一際彼女に熱心な男性が、猛烈にアピールをかけてきている】
【すぐ側の席に座り、食い入る様に声をかけて】
【困った彼女は周囲をちらちら見渡し、助けになる人物を探しているだろう】
820 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 16:51:48.73 ID:uFh+Gyhso
>>819


── 失礼。


【男性の肩に、手が置かれる】
【声の主は若い男性。──青年、と言ってよい年頃の男だ】
【撫で付けながらも、少し崩した髪型はいかにも若手実業家、といった雰囲気を醸していて】
【ひと目見ただけで仕立ての良さを感じさせるスーツと、落ち着いた声音がこの船によく溶け込んでいた】


その子、僕と先約がありまして。
……さぁ、甲板へ行きましょうお嬢様。コンサートが始まりますよ。


【歯を見せて、爽やかな笑いを男性に向ける。──引き止めないなら、傅いて少女の手を取って】
【そのまま、パーティ会場の外、廊下へと、馴れた手付きで彼女を先導するだろう】


──、── はぁ、はぁ。……息が詰まりますね、ほんと。何ですかこの船。


【──まぁ、廊下に出て誰も見ていないことを確認すれば、一気にその落ち着いた雰囲気は破れるのだが】
【森島京。三課の“後発組”の一人だ。ようやく彼らも、この船に到着した、という事らしい】
821 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/10(土) 17:16:01.34 ID:3JRjMQDFo
>>820

【── しまった、と思った、顔を見つけた瞬間、明らかに表情を変えてしまった、から ──】

【幸いにも彼女に声を掛けていた男は『愚鈍』にして小物】
【青年の纏う雰囲気から暗雲漂う行き先を感じ取った】
【──側の少女が、まるで白馬の王子でも見る様な表情をしてたのも手伝って】

【『攫われる』──拐かされた少女は其の儘、廊下へと躍り出た】


……ぶっぶーっ、みやみやってば、ほんと雰囲気持たないよね
いつもと違って少しお洒落してるから、いいかもって思ったけーどっ
まぁあのままのみやみやが続いてたら、後でラピちゃんと笑い話にしてたしっ
どっちもどっちかなーっ

あーっ!でもありがとうっ!お陰でめーっちゃ助かりましたわっ!
……あぁ、口調が残ってるねっ、てかこの一週間ぐらいずーっとこの口調ですわ!
もうほんとにぃ、人遣いが荒いとゆーか、ブラックだとゆーか


【露骨な溜息、やれやれと軽く頭を振って】
【ドレスの裾をぴんと摘みながら、歩きづらいーなんて声を漏らし】
【見上げる彼女の視線、よく見れば少し痩せたかもしれない】


──まあ良いけど、みやみやも、今着いた所かな?
取り敢えず何人かのパトロンとは接触できたし
幾つかきな臭いことも聞けたけど

どっちから話そーか


【姫袖から零れ落ちる携帯型デバイス、くるくると指先で画面をなぞる】
822 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 17:35:40.86 ID:uFh+Gyhso
>>821


着いたのは昨日です。色々と、下調べをしてました。
──この服動きづらくてあんまり、芳しくないですけど。

【ちなみに、服装を見繕ったのはリーイェン。残り二人の面子を思い浮かべても、言わずもがなだろう】
【“下調べ”、というのは、後発組のターゲットである“マルコ・ダルハイト”その人について、だろう】
【──、思えば、鵺は此処に来た初日から、マルコの姿を見ていないはずだ】
【この船の“王”が民衆の前に姿を見せないのは、いかにも奇妙だが、既に此方の動きが漏れているのか】


……そう、ですね。パトロンの話から聞いておきましょうか。
本当なら百家さんが良いんですけど、あっちはあっちで忙しんで。
僕の方から伝え── 、 お嬢様。そのドレス、お似合いですよ。


【森島が急に、“キャラ”を戻す。──廊下の角を曲がった所に、特殊装備を身に着けた兵達が立っていた】
【マルコの私設兵にして、この“国家”の正規兵だ。船内の所々で、捻れた秩序を守護しているのを見たかも知れない】
【この船に参集した腕利き達に実力は劣るが、それでも、その組織網はバカに出来ない】


…… 、甲板で話しましょう。あそこなら、多少マシです。


【斯くして、両名は甲板へ。先程の彼の言葉通り、そこではジャズ・コンサートが行われていた】
【鳴り響く音響の中なら、多少の会話は漏れ聞こえない。私設兵達も、遠巻きの所で警備を行っていた】
【──適当なテーブルにでも座って、会話を再開することになるだろうか】
823 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/10(土) 17:54:26.56 ID:a+LphauD0
>>769
/とりあえず再投下
824 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(関西地方) [saga]:2018/03/10(土) 17:57:20.44 ID:3JRjMQDFo
>>822

【──私設兵を見て、うげっと小さく声を漏らした】

【忍び装束の格好で何度か戦闘した事もある、その都度苦戦を強いられた相手だ】
【練度もさる事ながら、最も厄介なのはその連携である】
【悟られぬ様に森島へ話を合わせながら、甲板へと向かうだろう】


ありがとうございますわ、私のお気に入りの方に見繕ってもらいましたもの
其れは私にお似合いで当然で── あっ、もう大丈夫そうだね

うん、中々良い雰囲気だねっ、任務じゃなかったらもーちょっと羽伸ばせたんだけどっ
まぁ、レディを之だけ待たせた『下調べ』についても聞かせてほしーんだけどっ

あっそうだ、ワイン頼んでいい!?ワイン!経費で落ちるんでしょ?
ねっ、ねっ!この高いやつ高いやつ、お願いダーリン!


【席に着くや否や矢継ぎ早に飛び出してくる言葉、宛ら戦場】
【ウォーキングベースが淫らに揺れる、ライドシンバルがテンポを早めた】
【サックスとピアノが旋律をぶつけ合う、ジャズセッションの妙だろう】

【──因みに鵺は未成年である】


まあ何人かは送った通りかな、手出せる分は何人か引っ張ってきたけど
それでも全然、リストに載ってる人数のこれっぽっちも接触できてないよ

……ってか!多すぎない!この人数、鵺ちゃんが覚えられる訳ないじゃない!

もーほんとに此の国の裏って腐ってるんだなって思いましたっ、まる!
あーあと、捕まえてないけど、此の人、結構重要かも


【ぷんすか、携帯型デバイスをテーブルに置き、リストをスワイプしながら示す】
【鵺の言葉通り、何人かのパトロンは既に身柄を『三課』に拘束されているだろう】
【然し──どれも小物である、金儲けに欲が眩んだ小悪党ばかり】

【鵺はリストの途中で止まる、タッチして詳しい情報を見せるだろう】
【『フランツ=フェアブレッヒェン』製薬会社<harmony/group>社長と書いてある】
【多分能力者、と付け加えた──】
825 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 18:10:50.76 ID:uFh+Gyhso
>>824


ははは、ダメです。リーイェンさんに殺されます。……まぁ、ソフトドリンクなら奢りますよ。
この前も、ラピスさんに結構奢っちゃいましたし、不公平ですから。

──“下調べ”の話は後にしましょう。少し長くなる話なので。

【鵺も分かりきった事だろうが、本件は潜入任務だ。そうである以上、原則として現場接触はご法度】
【それに情報連絡なら、リーイェンという“ハブ”を使えばどうとでもなる】
【現場で打ち合わせるべき事柄が出来た、と考えるのが自然だろう】

【それから、小さく頷きながら彼女の話を聞き──、リストの一点に目をやる】
【製薬会社社長。確かに、森島にも見覚えがある名前だ。しかし、他との“相違点”までは分からない、が】


……“フランツ=フェアブレッヒェン”──能力者?
それは、おかしいですね。ダルハイトが好き好んで船に乗せる筈がない。


【マルコ・ダルハイトをはじめ、パトロン達の多くが“反異能力思想”を持っていることは、既に明らかになっている】
【鵺が重要、と指したのはそのことなのか、更に別の情報を手に入れたのか──】
826 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/10(土) 18:21:03.68 ID:vaWZcUj7O
>>825

【こくり、と頷いた── 森島の疑問に是と答えるように】


そうなんだよねっ、私もはっきり見た訳じゃないんだけど
でも確かに『能力』を使ってたんだよ、そうじゃなきゃおかしいし
まあ、状況が状況で凄く混乱してたから、咄嗟に出たのかもしれないけど


【状況を付け加えるだろう、鵺が船内で敵組織と戦闘していた際助けてくれた、と】
【『アイスピックを回転させてた』──俄には信じ難い情報ではあるが】
【──まあ、下心丸出しだったけどと口を窄めた】


だからね、普段は『隠してる』──と考えるのが普通かな、それも巧妙に
裏を返せば、それだけの人物が関わってる、とも言えるのかな……うーん、分かんないっ
確かに私が接触した中で、一番偉そうではあったけどっ

──あっ、そうそう!この人と関わってる時に、出てきたのが
『テクノドッグス』──警備会社かな、この船のパトロンの何人かを警備してるの
その時戦闘したのが変なマスクをした剣士で──


【こんな感じとジェスチャーで示す、顔全体を覆う機械チックなマスクで】
【其れは『第211号事件』で確認されたフルフェイス──其れに近い存在であった】
827 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 18:35:53.44 ID:uFh+Gyhso
>>826

【“能力者であることを隠す”──それは、日常生活での奇異の眼を避ける、という例としてはあり得るが】
【この特殊状況では、違う意味を持って来る。重要なのは、他のパトロン、特にマルコがそれを知っているか】
【マルコ達にも隠しているのなら、パトロンの思想も一枚岩ではない可能性が出て来るが──】


……駄目ですね。僕らじゃ分からない。
百家さんとリーイェンさんに整理して貰わないと。──その、『テクノドッグス』についても。


【ひとまず、保留せざるをえない。次の話題は、『テクノドッグス』】
【ジェスチャーで示されただけでは、“フルフェイス”と繋がらない。──そもそも、彼らの特殊性は“洗脳”にあった】
【森島が整理して貰う、と言っているのは、任務遂行上の障害としての調査を指しているだけだ】

【これまでの話が、“きな臭いこと”も含んでいるのなら、鵺からの情報は以上、だろうか】
【まだそちらを話せていないのなら、彼は引き続き、鵺の話に耳を傾けることになる】


──、あ、すいません。ココナッツジュースを2つ。


【どちらにせよ、鵺が話を終えれば森島は、飲み物を頼んだ。すぐにジュースが運ばれてくる】
【鵺にとっては不満かもしれないが、自腹である。我慢してあげて欲しい】
828 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/10(土) 18:42:18.97 ID:vaWZcUj7O
>>827

【  ── 昂る演目が終わり、スローバラードに入る ──  】

【ゆったりとしたピアノの音色、全音符で放るウッドベースの低音】
【鵺は決して音楽への造詣が深くないが、それでも綺麗だと感じる様に】
【編み上げブーツが床を叩く、細かいシャッフルビートに合わせて】


──ぷはっ、一気に喋ると疲れるなーっ鵺ちゃんの頭ももうパンパンだよ
百家さんやラピちゃんみたいに頭良かったら、もっと上手く纏められるんだけど

……ケチなみやみやがワイン奢ってくれないから仕方なく、ね
って、さっき流しちゃったけどみやみや、ラピちゃんと何処か行ったの!?
ひょっとしてデートっ!?


【合間合間に緊張感が緩む、雲間に見せる宵月の表情】
【満ちる月にも似た、淡い淡い色合い楽しそうに笑いながら】
【こうして話していると、年頃の少女と何ら変わらず】

【尚、百家にのみ彼女は渾名を付けない】


んー、鵺ちゃんの情報はこんなとこかな?
肉体労働娘はきっちり働いたので!後は賢い人におまかせーっです

それでそれで、みやみやどーして来たの?
『らしくない』よね、こーんな情報収集にしてもさ
リーちゃんが纏めてくれてからでいいのに


【両肘をテーブルについて顎を支えながら、ココナッツジュースを飲んで】
【そのままの体勢で尋ねる、行儀が悪い】
829 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 19:02:02.37 ID:uFh+Gyhso
>>828


……いや、デートじゃなくて。ラピスさん、暇してたのでお食事に行ったんですよ。
えーっと、そうじゃなくて、僕が来たのはですね。
いや、その前にこっちの説明したほうがいいのか──。

【思えば、森島は現れたときから重そうな“アタッシェケース”を片手に持っていた、と思い出すかも知れない】
【今も、足元に。 ──彼はそれを引き上げると、口を開けて鵺に中身を見せる】
【そこにはPCよりも重厚な機械。 モニターが付いており、そこに、見慣れた少女型の“アバター”が出現した】
【冷たい瞳に、真っ直ぐに切り揃えられた銀の前髪。受付嬢のような、黒い制服】


……リーイェンさんは、“ここ”に。

“片方は課員同士でデートに興じ。片方は自らの給料分の仕事もしない。
 ──向上心というものがないのですか、屑。その時間で頭の皺を増やしなさい。”


【 ── 万能後方支援少女型“AI”、リーイェン。 】

【かつて、某国により水の国の金融システムを混乱の坩堝に陥れるべく開発された人工知能】
【ディープ・ラーニングの果てに人格を手に入れた機械生命体。三課でも極めて特殊な、“人ならざる”構成員。】

【それが、“彼女”だ】

【事件が未然に防がれた後、その存在の破却と引き換えに三課に所属することと相成った】
【──無論、このことは三課員なら全員が諒解している。普段のコミュニケーションは、PC画面の向こう側から】
【そのことを除いては、普通の人間と比べて遜色がない。むしろ、優秀な捜査官だ】


“事情については、私が説明します。耳を澄ませてようく聞きやがれ下さい。”


【一切の表情を変えず、リーイェンは鵺を見据えた。──モニターの向こうで】
830 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/10(土) 19:12:23.68 ID:vaWZcUj7O
>>829

【クルクルと長い髪を指で掻き混ぜる、何時もの癖だ】
【考え事をする際、鵺はよくこの仕種をする】
【頬が柔らかく掌に潰される、白磁の様に白い頬】


ねぇ、みやみや── 今回の事件ってさ、変な感じしない?
何というか、指令にしても内容にしても、いつもと違うとゆーか
だってさ『名乗っていい』だなんて、不自然だよっ

いつも名乗ったらリーちゃんに烈火の如く怒られるのに
──ってあ、噂をすれば、だねっ


【テーブルに置かれたアタッシュケース、中から現れるアバターの女性】
【やっほーと手を振った、痛切な言葉にも彼女は動じた様子はなく】
【ひょっとして結構長く放ってたのリーちゃん怒ってる?】
【── なんて森島に身を乗り出してひそひそ】


あははっごめんごめんっ!給料泥棒で悪かったねっ
でも鵺ちゃんは立派な忍者ですのでっ、ある意味泥棒がお似合いなのです
ではでは、優秀なリーちゃん、何時もの様に啓蒙してくださいなっ


【ふと、初めて会った時の事を思い出した、人工知能の絡んだ事件】
【其の時も彼女が先遣隊として、森島が本隊として乗り込んだ、と】
【似てるっちゃ似てるね、なんて心の中で思っていた】
831 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 19:32:47.12 ID:4h2DEKLO0
【路地裏】

【とある酒場の裏手にあたる広場。椅子やらテーブルやらが置いてあるなか】
【一人の男がそこで暇そうにラジオを聞いていた】
【男の衣服は黒く丈の長いコート。冷えるからか、手袋の揃いの黒革で】
【左右を刈り上げた栗色の短髪を掻いてから、落ち着かない様子で椅子に背を預け】

……来ねえな。そもそも単なる口約束とはいえ
ここで来なかったら絶対今度会った時ブッ殺すぞ、アイツら……。

【――どうやら、彼は誰かが来るのを待っているらしかった】
【それだけだ。とても普通、ちょっぴり物騒な場所というだけ、かもしれない】

【ただ唯一の違和感があるとすれば――その男のすぐ背後には】
【巨大な黒髑髏がはっきりと浮かんでいて、更に広場一体に黒い靄がかかっていること、だろうか】
【この靄は一部が表通りまで染み出しており、触れると"不快感"を覚えるだろうし】
【基の弱いものであれば嘔吐やめまいすら引き起こすかも知れない――そんな只中に、男は居た】
832 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 19:33:53.98 ID:uFh+Gyhso
>>830


……さっき、重いって言ったらちょっと怒っちゃって。

【──ひそひそ、と言い返す。コイツが悪いらしい】
【身体を持たない彼女にとって、アタッシェケースの重さが“体重”に当たるのかは不明だが】


“不自然であろうが、なかろうが、我々は課長の命令に従うだけです。
 ──それができないなら、『執行』されるだけのこと。”


【鵺に対して一切の愛想を返すことなく、指向性マイクから冷たい声が放たれる】
【周囲の人間からは、テレビ通話でもしているようにしか見えないだろう】
【「では、始めます」と彼女が告げると、画面には“セレンディピター号”の見取り図が現れた】


“客用の地図に、昨日、そこのデリカシー欠如屑が歩き回って集めたデータを貼り付けました。”
……歩き回った、と言うか、深夜に壁登らされたんですけどね。


【何とも言えない顔をしている森島を尻目に、地図の中の、上層の一区画が赤く光る】
【──丁度、今いる地点から見える、一等高い船上ビルの最上階。このビルは、例の正規兵達の拠点でもある】
【いわば、そこはマルコ・ダルハイトの“城”だった。 ──画面に、“Target”の文字が映る】


“マルコ・ダルハイトの私室はこの場所に。ですが当然、警備は強固です。
 ゴミのように大量の私兵が下階を固め、部屋の前には水の国の正規軍。更に、扉は多重ロック。
 加えて──、聞き取りはどうでしたか。”

ダルハイトはここ一ヶ月、客の前にも姿を現していないようです。
……多分、この船の運営についての指示は室内から出しているんでしょう。

“結構。オートロックの虎穴の前に狼が立ち塞がり、更に撒菱が撒かれている状態です。”


【「貴女ならどうしますか」、と、リーイェンは鵺に問うた。尤も、既に作戦の大筋は決まっているのだろう】
【だからこそ、わざわざリーイェンが前線にまで出張っている。──森島が持って来たのは、彼女の“本体”なのだ】
833 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/10(土) 19:44:18.96 ID:KiLzWHtAo
>>832

【森島の返答に鵺は頭を抑える── 有史以来ここまで見事に鈍感と言える男は見たこと無かった】
【後でお仕置きっ、と言葉を付け加えてリーイェンの話に戻るだろう】


あはは、其れはみやみや大変だったねーっ今度壁登りのコツ教えてあげるよっ
そんなみやみやの涙ぐましい努力のお陰で、こうして鵺ちゃんも楽できるのです
なるほど……此処にターゲットがいるんですねっ

てか、私この何日かずーっと船内探したけど、ちーっとも見れなかったのって
つまり此の人が『引き篭もってた』からなのかな
だとすればちょーっと、骨折り損的な


【地図に釣られる様にちらりとビルを見た、あの上かと小さく漏らす】
【シュミレートする、自分ならどの様に忍び込むか、を】
【リーイェンの質問、鵺ちゃんを試してるのかな、なんて思ったり】


忍びの世界では攻めるのが難しい拠点は、正面から攻めないのが鉄則
堅牢な城こそ内部が脆いもの、内側から火をつけたり、兵糧を絶ったり
──そこから導き出される結論はひとつ

沈めちゃいましょ、この船


【へへーん、と目を閉じて得意そうな顔】
【ピンと伸びた人差し指が軽く夜風に擽られた】
834 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/10(土) 19:53:19.24 ID:3jOWFR0m0
>>811

【委ねた背後から見下ろす少女はやはり華奢であった、長かった髪をばっさりと切り落としてしまっている以外は、目立つ違いはなかったけれど】
【目立たないながらに大きな違いであったのは片方だけのピアスがありふれた市販のものになっていたことと――それから、左薬指に嵌めていた指輪がなくなっていることか】
【長いこと指輪を付けていると外した後もしばらくその跡が残ったりするというけれど――それすら残っていない。さらにもう一つだけ、違いがあったとしたなら】

【――今まで会ったどのときとも、その雰囲気が軽やかになっていたのだ。"卵"を二つも抱いていたあの頃はもとより、卵を喪った後より、幸せだと笑ったより】
【不審な動きをすることもないなら、こつこつとした足音はやがて言葉通り袋小路の一番奥で止まる。――壁に背を向けるなら、彼に追い詰められたような形になるか】
【相手の退路を残したままで振り返る――それから、はたと気づいて。やはり今でも重く感じる木箱の一つを、足で半ば蹴るみたいに、好きな場所に動かしたなら】

――――――――……、

【木箱に足を掛けたままで、少女は黙り込むだろう。見ればあどけない顔をぐっと険しくして――話はある。だけれどどう言い出すのかはまだ決まっていないようなそぶり】
【最後に思い切りを付けるみたいに「えい」と小さな声で、木箱を壁に押し付ける。――中身がこすれ合う音がしたけれど、気にした様子もなく、そのままふわりと座り込む】
【前後で長さの違うアシンメトリースカートは背面は地面に擦るようになりながら、全面では華奢な足が大胆に見えていた。その足の、ひざの上に、手を置いて――呼吸が一つ】

/ごめんなさい長くなってしまったので分割させてくださいっ
835 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/10(土) 19:54:01.70 ID:3jOWFR0m0
>>811>>834

えっと……、まず、ね、一つ目。……関係ない話するね、これは――もう、言うこと、ないって、思ってたけど……。
……間違ってたのは、わたしの思い出だった。あの時、あなたは本当のことを気にしてた。わたしが間違えてた――ごめんなさい。

【言い出すと思った言葉は。だけれど途中でくじけたみたいに違う方向に逸れる、――どちらにせよ気にしていたことであるのは確かだ、もう言うことはないと、思っていた】
【あの日――公園で会い、明確に敵対することとなった、日。彼女の言葉には不可解な点があった、それらは――自分のせいだった、と謝罪】

…………もう一つ。これを言ったら、本当の用事を言うね、これも――もう言わなくっていいかなって、思ったの、言われた方が、あなたは困るんじゃないかって。
だけど……セリーナには言わない。ほかの誰にも言わない。だから、えっと――秘密、ね、あなたが教えてくれたことには、うんと敵わないけど……。
リリアのこと教えてくれた……でしょう、だから、わたしも、教えるね。……うん、でも、機関(あなたたち)が喜ぶことじゃないよ――それだけ、ごめんね?

わたしがたんぽぽをやろうって思ったのは、あなたのおかげなんだよ。
……――覚えている? わたしに、「まずは飯でも作ってやるといい」って――、「善人も悪人もまずは腹を満たしてからだ」――って、言ったこと。

……わたし、怖がりだから、何かをしたいって思うきっかけがあるだけじゃね、駄目なの。それをやりたいって言って、拒まれないって分かっていたとしても……きっと、駄目。
あの時あなたが言ってくれたこと。わたしにはね、特別だったんだよ。だから――これをしようって思った。そのための勇気をくれたのが、あなただったの。

わたしの知っている中で誰よりも悪いあなたが言ってくれたことだから。……あなたのしたこと、到底褒めてはあげられない。セリーナにしたことも……いろんなことも。
だけどね、そうやって言ってくれたことに、すっごく感謝しているの。でなければ、わたしは――今でもきっと夢なんてなくって、きっと何者でもない、わたしだった。

きっかけをくれたひとがいて。やっていいよって言ってくれたひとがいて。……やるための勇気をくれたのが、あなただった。誰にも言ってないの、――秘密だよ?

【それから――今度も、また、彼女は本筋ではないことを口にする。だけれど寄り道はこれで最後。これが終わったら、本当の話をする……前置きをしてから】
【話し出す。自分がどんな表情をしているのかはよくわからなかった、ずっと伝えたかった気もするし、伝えたって迷惑をかけるだけではないかという気もする】
【彼が教えてくれた秘密にだなんて到底及ばない――なんせ"たんぽぽ"を始めた理由の一つがあなたです、なんて、持ち帰ったって機関は喜ばないだろう】
【だからこそUTとは関係なく邂逅した今夜だからこそ、言えることでもあった。――言い終えれば、最後に一つだけ、深呼吸をして】

………………――"公安"のことを知っている?

【――結局、ひどくまっすぐに聞くことになる。こんな時にもっと口が上手だったなら良かったのに――そんな風に、わずかに後悔しながら】

/大変お待たせしました、これから食事なので一時抜けますが、それから戻ればその後は継続してお返しできる状況になります……!
836 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 20:04:15.98 ID:uFh+Gyhso
>>833


“屑。”


【一刀両断。画面から謎の鋭い光が放たれ、鵺の瞳を捉える(確定)】
【精々目潰し程度だし視力にも影響は出ない。少し驚く程度だろう】


“沈めて終わるのなら、クリシュティナ・レールモントフ一人で事足ります。
 現状のトップターゲット、マルコ・ダルハイトの身柄を確実に拘束する必要性。
 ──まさか、分かってない訳ではありませんね。そうですね、屑二号。”

えっ!?……い、いや、“僕は”分かってますよ。ははは。


【パトロン達がこの船に助けを求めた──ということは、ダルハイトが最も、“その裏”に近い可能性が高い】
【少なくとも、受け入れたパトロン達の身辺は凡そ把握している人物。故に、最重要対象となる】
【屑一号の二の舞になるまいと森島が鵺を売り、リーイェンは画面の向こうで小さなため息をついた】


“……ですが、搦手を使うしかない、というのは辛うじて当たらずも遠からずです。
 私と森島京、百家羅山が一枚ずつ、虎穴から邪魔なレイヤーを剥がします。
 そこに正面から『ジョーカー』をぶつければ、ほぼ確実に目的は達成可能でしょう。”

……今更ですけど、クリシュさんなら一人でいけるんじゃないですか?

“あの屑には刺激が強すぎます。
 少なくとも部屋の前までは辿り着くでしょうが、その頃にはこの船が沈んでいても不思議ではありません。”


【あぁ、と口には出さないが、森島は小さく唸った】
【──クリシュティナという人物が“何をした”のか知る者は、百家とリーイェン、それに森島だけだ】


“私が担当するのは電子ロック。ですが、この船は完全にスタンドアロンです。
 正直、此処まで徹底されているとは想定外でした。国家レベルのセキュリティです。
 そこで、鵺。──貴女には、私をこの船の電脳に連れて行って頂きます。”


【いつか、森島とクリシュが担当したパーティ会場の一件と同じ手口だ】
【アナログで直接に接続するしか、船の制御系統を操作することはできない】
【──、ぴこん、と。今度は船の別の場所が青く灯った。ここが制御室か】
837 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/10(土) 20:16:18.70 ID:KiLzWHtAo
>>836

【 ──声にならない声が出た、直撃した光に悶える鵺── 】

【何度か目を擦って瞬き、漸く視力を取り戻したなら】
【浴びせかけられる追撃の言葉、加えて森島までが鵺を裏切る】
【みーやーみーやーっ!だなんて恨み節の篭った目線】


もぅ、聞くまでもないじゃんっ、鵺ちゃんはそういうの専門じゃないのでー
まぁでも、相変わらずスマートな作戦ですねっ、ほんと感心しちゃいますっ
私なら逆立ちしても思いつかない作戦ばかりなのでっ

──あれ?みやみやも分かった感じだけど、そんなにクリシュ姉って凄いの?
鵺ちゃん、任務中ペア組んだことないからあんま分かんないんだけどっ


【──何をしたかを知らない鵺にとっては気になる所で】
【取り敢えず言葉を投げかけておく、何方かと言えば】
【続く言葉にニヤリ、と片頬を上げて】


ふふーんっ、よーやく鵺ちゃん好みの役割がやってきましたっ!
お任せあれっ大事な大事なリーちゃんを、細心の注意を払ってお運びしましょう
838 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 20:28:55.16 ID:uFh+Gyhso
>>837

【クリシュについて問われれば、森島は「いや、まぁ」と口を濁し、リーイェンは一切答えない】
【こればかりは本人に問うしかないのかも知れない。──ともかく、鵺が不敵に微笑むと】
【森島も僅かに笑みを浮かべた。リーイェンは相変わらずの無表情だが、瞳を閉じて】


“それでは、鵺。宜しくお願いします。
 ── 森島京、私を手渡しておいて下さい。集音マイクはONにしておきます。”


【珍しく、一切の毒が含まれていない言葉を残して、ふっ、とモニターが消えた】
【無駄な電力を使いたくない、ということなのか、“よろしく”なんて言って、少し気恥ずかしかったのは定かでない】
【森島は苦笑を浮かべてアタッシェケースを閉じると、鵺に差し出した】


日時は追って連絡します。……それまで、よろしくお願いします。
作戦内容の詳しいことは、後でリーイェンさんに聞いて下さい。


【──森島が念押しのようによろしく、と言ったのは、リーイェンの“一個性”を指してのことだろう】
【電脳生命体でありながら、その複雑さ故に複製も、再現も不可能。つまり、彼女には命があるような物だ】
【この本体が失われてしまえば、それは、リーイェンという存在の消滅を意味する】
【それを諒解して尚、自らの身を託すというのは──、鵺のことを、信頼してのことなのだろう】
839 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/10(土) 20:36:43.79 ID:KiLzWHtAo
>>838

【消える通信、ばいばーいっと最後に軽く挨拶するだろう】
【差し出されるアタッシュケース、テーブルの上に置かれたそれを掌で触れて】
【大事そうに彼女の元へと引き寄せるだろう】


えへへーみやみや聞いた?聞いた?リーちゃんが宜しくだって!
かわいーよねっ!恥ずかしがり屋さんだから、普段あんな感じだけど
笑ったらとーってもキュートだし、えへへー好きーっ

という訳で任されました、こっちの事は任せといて
後は前の任務通りパトロンを探ればいいのかな?
まぁお嬢様言葉には慣れてきたけど──


【微笑む、新雪に傅く宵月の如く明るい笑みで】
【嬉しいなぁなんて口の中でコロコロ転がして、森島を見る】
【『共感』を求めている!そうですね──その一言だけで救われる命がある!】


それでみやみやの要件は、リーちゃんの事だけかな?
他に無かったらそろそろ鵺ちゃんはワインを所望しますが!
840 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/10(土) 20:40:29.19 ID:p8EpS61Bo
>>831
【春の訪れを感じさせる陽気も、夜にはすっかり姿を眩ませ】
【寒風が路地に吹き付けて、コートの裾を揺らしていく】
【夜が更けていけば当然人の数は減り、風の勢いは増して──】

【クリムゾンの紅毛と白衣の裾を風に靡かせた女が、歩いていた】
【頬は薄く紅づき、酒を嗜んだ後だと分かる】
【左胸には球体に巻き付く蛇が織られ、襟には『逆五芒星』が刻まれている】

「──何だこの感じ、ちょっと気味悪いな」

【表通りを歩いていたはずだが、何か違和感を感じ取り】
【怪しい雰囲気でも感じ取ったのだろう、そちらへと目を向ける】
【さすれば、一本の路地。細く、暗く、じめついた、正に路地裏である】

【女はその“不快感”の正体を確かめるべく、コツコツと路地へ入っていく】
【奥に進むほどその“不快感”は増大していき、顔を顰めて】
【そして、それを一番濃く感じた場所。見たところテーブルと、椅子と──】


「魔石の類じゃなかったか、それにしても立派な髑髏だな」

【一人の男だった。背後に立派な黒髑髏を浮かべている】
【“不快感”の最中に居たのは彼であると、そう気づく】
【それ以外に特に何も言うことなく、胸ポケットから煙草の箱を取り出した】

【箱の底を叩いて一本だけ唇に挟むと、右ポケットをごそごそと探り出す】
【緑ケースのオイルライターを取り出せば、先端に火を寄せる】
【ぷかりと白煙を浮かべて、彼の反応を待った】

//まだいらっしゃって、よろしければ……!
841 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 20:51:21.66 ID:uFh+Gyhso
>>839

【リーイェンさんって笑うんだ、なんて驚きを心の中に隠しつつ、彼女がケースを引き寄せるのを見て、笑みを浮かべる】
【── 三課は“はぐれ者”の集まりだが、だからこそ、リーイェンも人として受け入れられる】
【彼女達の間に友情が芽生えているのなら、それは、とても嬉しいことだと思った】


ふふっ。そうですね、嬉しいですね。料理はいいけどワインは駄目ですよ。


【鵺の過去も、森島は知っている。──けれど、こうして明るく振る舞える彼女を、愛おしく思った】
【無論、それは恋愛対象とか、そういう物ではなく。親しい友人や、親兄弟に向けられるようなそれだ】
【さらっと、未成年には酒を出さないことも忘れずに、彼は笑って】


そう、ですね。うん、僕の要件は以上です。
これから一旦船降りて、二人と打ち合わせするので。
……ほら、あの二人僕が居ないと喧嘩するでしょ。


【──百家とクリシュは、二人で話すと兎に角ウマが合わないことになる】
【両者とも、第三者が居ればそうでもないし、森島が入れば寧ろ三人は仲が良さそうなのだが】
【二人の間にしか知れない緊張関係というか、何かがあるのかも知れない】
842 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 20:59:06.62 ID:4h2DEKLO0
>>840

――そりゃあどうも。で、誰だアンタ?

【ふらりと迷い込んできたのは、どこか研究者然とした女性】
【その姿を見ると、一瞬だけ男は身体を起こすが】
【待ち人とは違ったからだろう。呆れたように、また椅子に座り込む】

【その目元はいくらかクマが濃く、寝ていないのか疲れているのか】
【粗暴な雰囲気ながら、どこか手負いの獣の様な感じもあり】

はぁ……待ち合わせしてる時に、違うやつが来た時の気持ち、わかるか?
……まぁ、"お仲間"らしいから良いけどよ。

アンタ、名前は?……酔ってんのか、まあ座れよ。

【不快感は男に近寄れば近寄るほど強くなる。が、相手に気付いてからというもの】
【黒い靄はスッと引いて、その分髑髏のサイズと黒色の濃さが増していく】

【周囲にはいくつも椅子がある。パイプ椅子、革の破れたソファ、割れたベンチ】
【さながらチンピラの溜まり場だ。が、そういうナンバーズが最近台頭しているという噂も聞くかも知れない】
【"ジルベール・デュボン"という、金貸しから成り上がった『No.100』】
【たしかその男も栗色の髪だったが――まあ、知っているなら早い、というだけの話だった】

/おりますとも、いいですとも!というわけでよろしくです〜!
843 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/10(土) 21:00:25.24 ID:KiLzWHtAo
>>841

【森島の言葉にあー、と苦い顔を漏らした、苦笑という表情が相応しい】
【何度が見てきた喧嘩 ──否、喧嘩と呼んで良いのか】
【それだけ激しいぶつかり合いを、喧嘩という言葉で片付けて良いのか、と】


確かに……みやみやが居ないとやっばいよねーあの二人
ねーなんかみやみや知らないの?あの二人だけにある、かんけーとか
其れこそ驚きの情報、例えば──

──元夫婦、とか


【ココナッツジュースをちゅーっと飲み干して言葉を返す】
【悪い笑みを浮かべる姿、そうだったら面白いのにね、と言いたげに】
【驚きの情報で思い出した、そう言えば、と付け加えて】


みやみやもこの船で活動するでしょ?
実は鵺ちゃんっ!何人か協力者を見つけてきましたっ!
いぇーいっ!どの子もみーんな正義の使者なんだ──!

中でも、ミーくんって子は凄く強くて──


【其れは宛ら高得点を取ったテストを褒めてもらうみたいに】
【へへーんと胸を張って森島に伝えるだろう】
【もしかするとこの周辺に、件の『ミーくん』がおり】

【──その特徴的な呼び名から、気づくかもしれない】
844 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/10(土) 21:09:08.38 ID:p8EpS61Bo
>>842
「──“Crimson”。コードネームだけどね」

【先日出会って意気投合した彼女によばれた渾名】
【以来それをコードネームとして使っていた】
【機関内にいる人間なら、もしかしたら聞いたことがあるかもしれない】

「ああ、痛いほど分かるさ。待ってたときに限って、来ないものだからね」
「ほう、仲間なら話が早い。私は赤崎桐子、第11研究室の室長だ」

【待ち人が来ない、という彼の気持ちは痛いほど良くわかる】
【彼はどうやら“仲間”だったらしく、名前と所属とを明かしておく】
【君は、と問うと座面が裂けたパイプイスに腰かける】

「いやー、“例の一件”も騒がしくなってきたね」
「“公安”の動向も気になるけど、機関が全体でどう動くかが気になってね」

【じゃなきゃ動くに動けないからさ、と付け加えて】
【“公安”の三課を除いた情報はそれなりに入ってきてはいたものの】
【女は機関内の派閥について詳しくなく、機関全体としてどうすればいいのか分からない】

//ではよろしくお願いします!
845 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/10(土) 21:13:29.25 ID:PYX+xdx/o
>>841>>843


────誰が『ミーくん』だ、クソガキ


【その一言と共に、鵺の真上から拳骨が落ちてくる】
【彼女の後ろに立っていたのはスーツを着込んだ男だった。耳には通信用イヤホン、目元にはサングラス】
【典型的な護衛の格好だったが、背中の装飾のある大剣だけはごまかしようがなかった】


で、何の集まりだ、これは?
俺の名前を出してたってことは、”そういう”のだろ?


【森島の方を見ながら勝手に席に座る】
【サングラスとイヤホンを取り外して胸ポケットにねじ込む】
【会場内の席に護衛が座っているのはさすがに不自然なので、護衛ではなく富裕層側と言い張るためだが、今度は大剣が邪魔をする】
【もはや変装を放棄しているような状態だが、他にやりようがなかった】
846 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 21:16:42.39 ID:4h2DEKLO0
>>844

【"Crimson"――或いは、赤崎桐子。役職も知らないものだった】
【だが話しやすそうな雰囲気だからか、単に暇だからなのか】
【相手が椅子に腰掛ければ、ようやく少しだけ身体を起こし】

……ジルベール。ジルベール・デュボンだ、"No.100"をやってる。
研究室ってのは関わったことがねえな、ヤバイもんでも作ってんのか?

あと、"そいつ"は…――機関も、一枚岩じゃ無いんだ。
アンタも何か美味い汁を吸おうってんなら
上がどうこうとか、考えないほうが良いと思うぜ?

【動くに動けない。確かにそうだ、ナンバーズのように独立的でもないのなら】
【尚更、そういうものなのだろう――と、返事をするジルベールの言葉は】

【何処か含みがある、というか。既に『美味しい汁を啜った後だ』】
【なんて、言い出しそうな雰囲気があって。或いは、また別に何かを知っているのかも知れず】
【相手がナンバーズではないことも手伝っているのだろう、聞けば話しそうな様子でもあった】
847 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 21:22:45.64 ID:uFh+Gyhso
>>843>>845


ミーくん。

【──確かに、本件では三課の素性を明かすことが許可されている】
【元より、内通者や現地協力者を用意するのは“マトモな”公安の常套手段だ】
【呟くように、“協力者”の名前を繰り返す。ウェイターの少年か何かだろうか、頭の中で紡がれた像が】


……ミーくん?


【一瞬で消え去った。どう見ても、腕利きの傭兵か何かである】
【──、が、これはこれで、悪い相手ではない。この船には無数の雇われが集っている】
【彼の姿は、浮いているが故に浮かない。今のこの船には見合った人間だ】


どうも、森島です。 ……ワイン、飲みます?


【ひとまず、彼に右手を差し出す──義手だが触感は生身と同じだ──と、共に】
【返事を訊かずに、ウェイターにワインを頼んだ。これで、「用心棒に酒の相手をさせている」ように見えるだろう】
【それほどしない内に、森島とディミーアの間にはワインのグラスが置かれ、鵺の前にはジュースのおかわりがやって来る】
848 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/10(土) 21:30:09.03 ID:KiLzWHtAo
>>845

【ばこーんっと子気味の良い音が響くだろう】
【スローバラードが一転、情熱的なラテンジャズへ】
【パーカッションが刻むクラーベに、身まで踊るよう】


いったー!!ミーくん何すんのさっ!女の子叩いちゃいけないんだよっ!
あーっ死んじゃった!鵺ちゃんの大事な大事な脳細胞死んじゃった!
もうこれは慰謝料請求だよっ暴れ仕りますわっ!


【両手で頭を抑える、長手袋に包まれた手が傷口をすりすり】
【罵声が飛ぶ、あーだこーだ言ってる姿は猫の喧嘩を連想させ】
【じーっとディミーアの姿を見た鵺は、笑い声を漏らす】


ってかミーくんってば!何その格好っ……似合ってないねっ!
いや、ガタイはいいしそっちの貧弱朴念仁よりは合うけどさ〜
よりにも寄って大剣がねっ、ミスマッチ半端ないねっ


【鈴の音を転がした様に楽しげに笑う、心の底から】
【お腹を抑えて、あー苦しいだなんて目尻に涙を浮かべて】
【白い髪が頬を擽って、濡れた色を滲ませる】

>>847


ちょっと!みやみやからも叱ってよっ!ミーくんってば酷くないっ!?
いっきなりレディの頭叩くんだよっ!信じらんないっ
もう鵺ちゃんお怒りですわっ、怒り心頭どんどこどん!

ここでビシッと!みやみやから迫真の言葉っ!


【テーブルにぐいっと身を乗り出して森島に嘆願】
【慣れた手つきでアタッシュケースは足元へ、こういう所はしっかりしてる】
【森島君の、ちょっといいとこ見てみたい?】


なーんーでージュースなーのーっ!!
おっとなってばひどいんだーっいーつもいつも子ども扱いしてっ!
そんで都合が悪くなったらもう、大人でしょ!なんて!

鵺はもう大人だから、立派な火遁の術使えるよね?って
むーりーだーしーっ!!何火遁とか!?口から火ぃ吹くって無理でしょふつーっ!


【ガルルルル、吠える様子は宛ら狂犬】
【顎をそのままテーブルにおいてゴロゴロ、器用な体勢である】
【みーやーみーやーなんて言葉をかけて】
849 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/10(土) 21:42:28.89 ID:PYX+xdx/o
>>847

【ミーくん──森島の確認するような発言にさえ、ぎろっと睨みを利かせる】
【”次に呼んだら殺すぞ”──目がそう訴えかけていた。むしろ目で殺そうとしていた】


森島か。俺はディミーア・エルドワル
自警団所属だが紆余曲折あってこの事件と関わることになった


【自己紹介を手短に済ませてグラスを手に取り】
【どこか意地悪な笑みを浮かべて「ありがとうございます、”坊ちゃん”」、などと言う】
【森島の意図を察したらしいが、彼の童顔に対する皮肉だろう】


>>848


あーもう、ぎゃあぎゃあうるさいんだよ、お前は
そんなんだからクソガキなんだよ
第一、呼ぶなって言ってんのに呼ぶようなやつの脳細胞なんかすでに死滅してるだろ
いまさら変わんねえよ


【鵺の文句にさらに文句を返すディミーアだったが、格好を指摘されるとむっとなる】


似合ってねえのは言われなくても分かってるよ!
けど何もしないよりマシだろうが……
フランツの奴の機嫌損ねちまったから見つかったらどうなるか分かんねえしよ

貧弱朴念仁……?


【森島を見るディミーアが「あぁ」なんてどこか納得したような顔をする。酷い】


>>847>>848


で、”こいつ”は?


【森島を指差しながらディミーアは鵺に問いかける】
【続けて森島に視線を向ける。それは全くもって無遠慮で、まるで値踏みをするかのような目線だった】
【事実、この段階でディミーアは森島という男を信用していなかった、今はまだ】
【彼が森島を信用するためには鵺からの言葉か、森島自身の言葉を聞く必要があった】
850 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/10(土) 21:52:12.80 ID:p8EpS61Bo
>>846

「No.100のジルベール君か、よろしく」
「はは、私から見たらとても“面白い”代物だけど、聞きたいかい?」

【まるで聞いてほしいとばかりに目を輝かせて】
【普段ナンバーズが研究機関と繋がりを持つことがない為に、どの様な活動をしているか分からないだろう】
【そのヤバイものを披露したいと、白煙を吐きながら彼の方を向く】

「当然一枚岩じゃないのは分かってるんだけど、皆口が堅くてね」
「ま、私は私らしく動くとしよう」

【彼の返事は、いたって分かりやすいものだった】
【機関の動向を気にするよりも、自らの利益を優先せよ、と】
【ただ気になるのは、彼の言いぶり。何か気になるような──】

「でも、君の言い方からすれば『既に』美味しいところを知ってそうだけど」
「興味あるな、教えられるものなら教えてほしい」

【微笑みを湛えて、彼へそう聞いた】
【彼が手にした美味しいところは何か。興味津々なようだ】

//お風呂入ってて遅れました、すみません!
851 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 21:56:11.33 ID:uFh+Gyhso
>>848>>849

【貧弱とか朴念仁、という言葉は聞き飽きているのか、それとも本当に気にしていないのか】
【愛想程度の笑みを浮かべて、】


……“同じ”、ですよ。


【ちらり、と遠巻きに警備をするダルハイトの“正規兵”に目を向けた】
【──流石に三人になると、“目につく客だな”という位の視線が向けられるのを感じる】
【かと言って、疑われているわけでもないのだが。あまり長居はしたくない──残りの二人も、視線は感じるだろう】


はいはい、痛かったですね。──これで治りましたか。
鵺さん、あらましを教えて下さい。あと、ディミーアさんと共有しておくべき情報があれば、それも。
……貴方の方も、よろしくお願いします。


【鵺の頭に手を伸ばして撫でようとしながら、話を進める】
【レディどころか子供扱い。──森島からは、強いて話すことはないが】
【何か情報を求められれば、“マルコ・ダルハイト”がターゲットだ、という程度のことは話すだろう】
852 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [saga]:2018/03/10(土) 22:00:21.40 ID:KiLzWHtAo
>>849­­-851

【フランツの名前が出て、ピクリと反応した】
【── あの後一度会っている、結果は散々であったが】
【まあ、そんな事は関係ない、見つけたのは漬け込める隙】


……あ、ミーくんってば!怒らせちゃったんだっ!
だよねーっミーくん、そういう気遣いとか苦手そーだしっ
よりにもよって鵺ちゃんみたいな、キュートで可憐な娘をクソガキだなんてっ

ほんともう失礼しちゃいます!だーからっモテないんですっ
ふふーんっ、でもでも、優しい優しい鵺ちゃんはミーくんとデートしてあげても良いですよ〜


【片手を口元に当ててふふふ、と笑う、怒らせたことを弄る】
【ムッとなってるディミーアに落ち着きなさいと言いたげに】
【ばっと指を伸ばして背伸びして、ディミーアの鼻をぐりぐりしようとする】


もうっ、コイツなんて指差しちゃダメでしょっ!私も沢山言われたんだからっ
この子はみやみや!私の……うん、まあ、時々?
頼りになることも無いような、有るような、な同僚かなっ


【とまあこんな具合で、上手く説明出来てはいない】

【チラリ、と機会を伺って鵺はアタッシュケースを握る】
【三人組は疑われる、ならば一旦身を隠そう、と】
【次の瞬間には軽く挨拶をすましてその場をあとにするだろう】


//本当にすいません!!急に仕事入っちゃって!!落ちます!!ごめんなさい!!
853 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 22:05:19.13 ID:4h2DEKLO0
>>850

……その目、話したくて仕方ないって感じだな。
何作ってるんだか知らねえが……じゃあ、話せよ
俺は金貸しが専門なんだ。その手の話は疎くてね

【白衣を着た人間が目を輝かせると、何か嫌な予感がする】
【というのは、何もジルベールだけの感情ではあるまい】

【彼女の話を聞いてみたい、という好奇心から促しつつ】
【続けて――もう既に、美味しいところを知っているのでは、と聞かれると】
【若干楽しげに。というか、得意げにニヤリと笑い】

――こういう都市伝説がある。

ある国には政治家や官僚、警察組織、大企業のトップ等など
偉い連中が集まって作り出した"集金システム"が存在する。
公金や、企業取引のキックバックをそこに溜めておく……
言うなれば闇の貯金箱。だが、主導的にそのシステムを管理する人間が居らず……

……――俺がそいつを。今、大本から握ってるとしたら……アンタどうする?

【国家ぐるみで形成された集金システムの、主導権を握っている】
【――こんな場末で、ナンバーズの最終番号を持て余しているような男が】

【そんな、根も葉もない都市伝説を元にした話。信じるかは、聞く者次第だろう】

/お返しなさいませっ!気にしないでくださいね〜
854 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/10(土) 22:06:52.92 ID:4TDjIuCd0
【廃墟地帯――文明の発達によって打ち棄てられたモノたちの墓場】
【そのうち一つ、通信機器の発達により今はもうほとんど、どこでも見かけないであろう】
【「電話ボックス」――外観も、罅割れていたり蔦が張っていたりして、きっともう使い物にはならないだろう、その中】
【背の低くて線の細い人影が――ひとつだけ。朽ちた緑の受話器を握って、おしゃべりしていた】

【黒い髪、暗赤色の瞳の女。喪服めいて真黒なワンピースの上から、色褪せたキャメル色のコートを羽織る】

――――ええ、ええ。ご入金、確かに確認させていただきましたので、
此方も納品を行いました――はい。また何かあればご連絡を。

それでは、またご縁がありましたら。よろしくお願いいたします、「冒涜者」で御座います――。

【……受話器を置く音。どうやら会話を終えたらしいが、こんな錆びた機器でまともに連絡なんて取れるとは思えない】
【もし見られたなら、精神異常者のごっこ遊びとも取られかねない。そんな光景を残してから】
【ぎい、と重苦しい音を響かせて――ボックスの中から出て、溜息を吐く。足取りは重々しいものだった】



【――――場所、変わって、繁華街】
【けばけばしい色合いのネオンが灯り始める頃合い。行き交う人々の層も変わり】
【ぎらぎらした装飾ばかりを身につけた、化粧の濃い女とか、キンキンにブリーチを掛けた頭のスーツの男とか】
【歩いているのはそういう人種ばっかり。所謂、風俗街というやつで】

いや、あたし別におカネ困ってないんで――いやマジマジマジ。
や、この裾は加工したヤツなんでマジで、着る服に困ってるとかじゃなくってえ、
あーっもうウッザ! ケーサツ! ケーサツ呼びますケド!?

【人混みの中で、やたらと騒がしくしている人影があった。ぼろっちい黒のコートを身に纏った、おそらく少女】
【裾から伸びる、赤黒ボーダーのニーソックスの先には――ロッキンホースと呼ばれる形状の厚底靴】

【そんな少女が、おそらくそーいったお店のスカウトと思われる男に絡まれて】
【ぎゃーぎゃー騒いでいるのだから、ちょっとばかし、目立つかも】


//上と下とどっちかをお選びいただけるパターンのやつです。よろしくおねがいします。
855 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/10(土) 22:17:42.66 ID:p8EpS61Bo
>>853

「私が担当しているのは、血液に魔翌力を内包できる因子を投与して血管系を魔術回路にするプロジェクトだ」
「簡単に言えば、大気中の魔翌力を吸着する因子を作っている」

【呼吸と同じ仕組みだ、とも付け加えて】
【ともかく、女が何を研究課題にしているかは分かっただろう】

「その因子を使って、大規模な魔術を行使できる“神”を創る」
「今は三体だけだが、因子を改良すれば更に増えるだろう」
「今度その試し打ちをしたいんだがな、どこにしようか決めかねている」

【神、なんて大仰なネームをつけられているらしい】
【それはともかく、戦略級兵器並の威力を持つモノを作っており】
【公安の目が此方に向かない内に、それを実験してみたいようだ】


「ほう、とても面白い話だ」
「そうだとしたら、研究資金を少しでも出してほしいところだ」

【自らの願望を晒しはしたものの、彼の話に偽りは感じず】
【都市伝説としても、やはり現実味を帯びすぎている気がして】
【彼の話を肯定すると間接的に伝えた】

「それで、仮に君がそれを掌握していたとすれば、何に使うんだい?」

【まさかうどんを食べるとか言わないだろうね、と笑って】
【白煙を吐き、それが昇る様子をぼんやりと眺めていた】
856 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/10(土) 22:20:14.16 ID:PYX+xdx/o
>>851>>852


野郎に遣う気なんかないんだよ
……って、誰がガキとデートして喜ぶか!
鼻に触るんじゃねえよ!!


【落ち着かせようとしても逆効果。余計にヒートアップしてしまっていた】
【とはいえそこは歴戦の剣士。周囲の気配を敏感に察知して席を立つ】

【────その後、鵺とは別れて森島と一緒に移動。客室の並ぶ廊下を歩く】


同僚だ、と鵺は言ってたな
ってことはお前は公安の三課ってことになるな


【サングラスを改めて着用したディミーアは護衛の振りを続けていた】
【周囲に神経を尖らせながら声を潜める。言葉には推し量るような気配があった】


…………何故、公安にいる?
あるいは、何故、こんな厄介なことに首を突っ込んでいる?


【重々しい声と共に問いが発せられる。それは今回の事件とはまるで関係がないような質問だった】
【だがそこに軽々しい好奇心など微塵もない。これこそが重要な質問だと言わんばかりだ】
【それは森島の行動理由を問いかけるものだった。どういう”意志”を持つのか、という問いかけだった】
857 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/10(土) 22:39:49.25 ID:bc36WTdK0
【酒場】

【とある街の路面電車の駅を降りて、教会のある三叉路を目指せ。線路のない方に進み】
【本屋と仕立て屋の間の路地に入るんだ。その路地でやっている店はここだけだ】
【杖を持った髑髏のネオンがついていたらやってる。不定休だがだいたいはあいているから心配しなくていい。】
【それがこのBARへの道程だ。】

【ここは15人も入ればいっぱいの小さい店で、時代に取り残された古臭い場所だがある界隈の一部では知られている。】
【裏の、悪のDMZ。非武装中立地帯。機関員でもお尋ね者でも誰でもここは静かに酒を呑むことが出来る。】
【基本誰でもウェルカムの延長でそうなっている。ルールがわかるなら誰でも。】

………どうしろっていうんだよ。

【カウンターの端の席で、男はつぶやく。伸びた黒髪を掻きむしる。サングラスの男。彼は探偵だった。】
【いつもは探偵らしく着古したトレンチコートだが今日はシングルのライダースにジーンズ。】

公安…機関…UT…博士に…俺ら。

【カウンターに肘を付きながら考え事の溢れたものが言葉に出てくる。もう何杯目か数えていないウィスキーグラスを傾けながら。】

…真実は何だ?
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 22:44:00.94 ID:4h2DEKLO0
>>855

俺は魔術には詳しくないが……
そいつを聞く限りじゃ、大気からの補給を行うことで
無限の魔力を持った魔術師…――"神"を創るってことか。

……ははっ。"神"ってのは、ちょいと大仰な名前な気もするが
そんな奴が三体も居たら堪らねえだろうな。場所、場所か――。

【思っていたよりもグロテスクな話ではなかった】
【だが、その突拍子の無さは図を抜けている。"神"とは、酔狂で付ける名前でもないだろう】
【少々興味が惹かれたのは確かだった。黒の瞳は、気付けば真剣に視線を合わせていて】


……いいぜ、別に。ただしその研究がプラスになるなら、だ
腐るほどの金といっても、俺は無駄遣いしたくはねえ。なにせ、元々金貸しだからな

誰かの為に使った金は、俺のために増えて帰ってくる。
そういう条件だったらいくらだって貸してやるさ。……で、何に使うのか、だっけか

――国を買うんだ。最初は都市国家くらいの、ちいせえやつ。

そこで何百人と、俺の金で飯が食いたいやつを募る。
身分も元の所属も種族も関係無い。要は、俺の"手札"になってくれればいい
"手札"が増えたら、出来ることも増える。金もあれば何かを成すための力になる

……で、次の目標をどんどん作って。俺が生きてる間に、世界を買うんだよ。

【子供じみていると、言えなくもない。国を、そして世界を買う――】

【――問題は、どう見ても気質ではないこの男が、それを真面目に語っている所だった】
【大真面目に叶わない夢を語るほどの大馬鹿には見えないのだ】
【だからといって、壮大過ぎる――言うなれば、世界を統一するような、夢】

【30半ばに見えるこの男が言うには、少々規格外なきらいがあった】
859 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 22:46:18.36 ID:uFh+Gyhso
>>856

【歩を進めるのは船の降り口だ。──会話の猶予はそこまで、か】

──“厄介なこと”、ですか。
正直、どこからどこまでを指しているのか、僕にはさっぱりなんですが。

【ディミーアから問いが飛ぶ。その内容は、協力者との密談という程のものではない】
【公安に必要なのは、情報だ。 寧ろそれとは逆で、身の上を話せ、と彼は言う】
【──しかし、関係がないだろう、と切り捨てる事はしなかった。彼の眼が、本気だったからだ】


首を突っ込んでるのは、僕達が“そこに所属しているから”、ですよ。
……僕達は命令に逆らえば、塀の向こうか、命を無くすか、ですから。


【ディミーアも、都市伝説として聞いたことがあるだろう】
【──犯罪者を“再利用”しているセクションの存在。公安三課は、それに他ならなかった】
【だが、それでも。「命惜しさ」に働くには、命が幾つあっても足りないこともまた、事実だ】
【真に悪意を持つ者ならば、行方を眩ませることは十分可能──、そこまで考えが至れば、森島が口を開く】


でも、ね。
入ったばかりの頃の僕には、あんまりそういうのは関係がなくて。
自分勝手な事しか考えていなかった、……というか、今もですね。

自分勝手っていうのは──多分、僕は、僕の知ってる人に誰も不幸になって欲しくないんだと思うんです。
こういう世界なんてなんにも知らずに笑ってるその辺の子供とか、その親とか、お爺ちゃんとか、お婆ちゃんとか。
たまに行くパン屋さんとか。 勿論、鵺さんみたいな友達も、そうなんですけど。

そういう人達が、不幸になるのは嫌だな、って思うんですよね。
……きっと、だから、僕は此処に居ます。


【「そんな感じです」と、苦笑する。我ながら、稚拙な表現だと思ったのだろう】
【だが、森島が考えているのはその程度だった──、それから、あっ、と小さく声を出して】


……あと、死ぬならいつだって死んでもいいと思ってたんですけど。
最近、あんまり死にたくなくなりました。なので、自分可愛さでもあるんだと思います。


【何が可笑しいのか、ふふっ、と自嘲気味に笑って、歩を進め続ける】
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/10(土) 22:56:36.85 ID:PYX+xdx/o
>>859

【初め、ディミーアは退屈さを抑えるような表情となっていた】
【”所属しているからやる”、などという答えはあまりにつまらない。そこには何の意志もない】
【単なる仕事、役職だけならば務まるだろう。だが命を預ける相手としては不十分に過ぎる】

【────続いた言葉でその評価は覆された】
【知っている人に不幸になってほしくない、なんて。思わずディミーアは「ふっ」と笑ってしまった】
【あまりにも幼稚で稚拙。現実を何も分かっていない人間の言う夢物語のようなものだ】

【しかし、ディミーアという男はそういった理想論が嫌いではなかった】
【そういったことを口にするには些か歳を重ね、少しばかり戦場を歩きすぎた】
【そんな自分では言えないようなことを言う森島を、心の底から笑うことはできなかった】


────あーあーあー!
鵺といいお前といい、そんな部署に所属している割にどうしてそう純情かねえ!


【ディミーアは苛立ったようにがしがしと頭を掻く】
【犯罪者を再利用するなんて、あまりにも恐ろしい話】
【そんな場所にいるというのに、鵺と森島の二人はあまりにも────】


分かった。鵺のやつも信用しているらしいし、俺もお前を信用しよう
あいつからそのうち聞くことになるかもしれんが…………


【言葉がそこで止まる。これから重要なことを言うと、前置きするように】


…………公安の内部に裏切り者がいる、といったらどうする?
861 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/10(土) 22:57:00.37 ID:a+LphauD0
>>854

「ほォう、そォれ動くんだな」
「俺様がさァッき見ィつけた奴は触ったら崩れちまったぜ」

【近くの朽ちた電柱に体重を預けながら彼女に話しかける1つの影】
【それは黒い外套を羽織っている、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長は約2mの、筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【上下共に長袖黒ジャージを身に着けていて、首に紫色の毛のマフラーを巻いており、手袋や靴下も紫色だ、靴は黒】

「しィかし、こォーんな寂れたところでやァりとりすゥるとは……」
「なァかなか、闇とかの香りを感じるなァ? ククッ」

【きらり、と、それの目が女性に向けられる。――それは、正義に燃えているなんてことは一切ない】
【もしも指名手配犯の情報をある程度知っているのならば、この顔は指名手配犯リストに載っているそれであることがわかるだろう】

/まだいらっしゃいましたら……
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/10(土) 23:03:53.96 ID:p8EpS61Bo
>>858

「そうそう、その通りだ」
「仕方がない、酒の席で結んだ約束なんだ」

【気分が高翌揚していれば、それなりの名前をつけてしまう】
【今思えば“神”なんて大仰かと思ってしまうのだが】
【いつの間にか彼の黒い瞳は真剣な眼差しになっていることに気づいた】


「ははは、冗談だよ、研究資金なら湯水ほどあるからね」
「──驚いた。段階をきちんと踏んでいる辺り、現実味が余程ある」
「世界征服なんて、君にかかれば夢じゃないかもしれないな」

【彼の金の使い道は、予想だにもしないものだった】
【小国から徐々に目的を大きくし、終いには世界を手中に収める】
【子どもじみた発想かもしれないが、自由の中に生きる女にとって魅力的であった】

「提案だが、私に君の援助をさせてほしい」
「まずは都市国家の襲撃でもしよう」

【つまりは、この女を悪者に仕立て上げて行うマッチポンプ】
【先程の“神”を用いて都市国家を襲撃し、彼がそこに救いの手を差し伸べる】
【そうすれば、喜んで彼に従うであろうと】

「そこで、君に選択肢を与えたい────」

【そこまで言えば、また煙草のフィルターを咥えて】
【白煙を一つ吐いて、彼の方を向くだろう】
863 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 23:05:57.20 ID:uFh+Gyhso
>>860


驚きません。思い当たる節はあります。


【思い起こすのは、“六課”の存在。──あのとき、“三課”とは正面からバッティングした】
【公安内部で、少なくとも2つ以上の異なる考えが存在しているのは確かだった】


……けど、僕達にはその“相手”が分からない。
知っているのなら、教えて下さい。全部。


【裏切る、という言葉を使うのなら、そこには必然的に“何を”“何処へ”という枕詞が付く】
【──、“初老の男”、マルコ・ダルハイト。この二人が、同じ側に付いているのは確かだ】
【故に、その背後を洗えば、“六課”の行き着く先も知れる筈──、なのだったが】


お願いします。


【それが、ディミーアの持っている情報で代替・補強できるかも知れない】
【先程までの柔らかな口調は消え去り、明確に、“意思”を持った言葉が放たれた】
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/10(土) 23:07:45.48 ID:4TDjIuCd0
>>861

……魔法で動くんだよ、魔女しか使えない魔法でね。

【疲れているんだろうか。かけられた声の方を見やる視線の動きは鈍重】
【血の気のない青白い肌、下瞼にはくっきりと黒いクマがあって、見るからに辛そうな面持ち】
【そんな状態なのに、男(?)を見て、唇をうすく笑みのかたちに歪める程度の余裕はあるようだった】

闇? ヤミ? なんのことやら。
今が夜だから、ってことなら、まあわかるけど……
僕はちょっとだけ、ヒミツの話をしてただけだよ。ねえ、「同種」さん?

【はぐらかす声色。言葉の上では否定したけれど、男に対してそんなことを言ったのは】
【きっと「はい、その通りです」を表すためだった。事実、この女は裏社会でちょっぴり顔が売れている】
【非道なる研究を行う、闇の科学者――「ブラスフェミア」と呼ばれるそれである。男は果たして、彼女を知っているだろうか?】

//おりました! よろしくおねがいしますー
865 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/10(土) 23:12:58.45 ID:G2Gdq5ta0

【とある港町】

【コンクリートに打ち寄せる波、遠くに微かに見える貨物船。橙色に灯る酒場の明かりにそこかしこの建物から漏れてくる船乗りの喧騒や笑い声】

【そんな賑やかな街中。海に面した石畳の路を蹴り、海の方へと駆ける白い影が一つ】

【月白色の肩まで伸ばした髪にそこから生えた同色の猫の耳、白いブラウスに青のスカート、素足に履いた紺色の底が浅いストラップパンプス。スカートの下からは月白色の長い尻尾が伸び、少女が走るのにあわせてゆらゆらと揺れる】

【少女は息を弾ませ、その金色の双眸を輝かせ、海へと向けて走り、やがてすんでの所で立ち止まり下を向いて息を整える】

【そしてパッと顔をあげると】

────!

海だぁぁぁぁぁ!!!
【周囲を気にとめる様子もなく叫ぶ】

海だ……!海だ海だ海だーっ!
本当に青……っ、い、か……っは暗くて分からないけど!
本当にザバーンって音がしてる!本当に魚みたいな匂いがしてるー!
【きゃあきゃあと楽しげにはしゃぐ少女。全くもって違うというのに貨物船をじっと見て「あれが『せれんでぴたぁ号』なのかしら!?」などと言ってみたりして】

【その姿は十代半ばらしき外見よりももっと子供のようで】

【そして、少しばかり言い間違えてはいるが『セレンディピター号』の名前を口にした辺りで少女はハッとしたような表情になって】

……って!何やってんの私!?何で降りる所でもないのに降りちゃってんの!?目的地でもないのに!
【馬鹿じゃん!と叫び来た道を引き返そうとする少女】

【くるくると感情を変えながら騒ぐ少女の獣人じみた姿は周囲から見ればだいぶ浮いて見えるだろう】
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/10(土) 23:17:31.22 ID:PYX+xdx/o
>>863

【明確な”意志”が感じ取れて思わず笑みが浮かんでしまう】
【戦友とはこうあるべきだという強い確信が胸中に生まれていた】
【が、そんなものに感動している暇はなかった。すぐにディミーアの口が開かれる】


悪いが、誰が相手なのかはこっちも調べている最中だ
公安の誰が裏切り者かは分からん。だがどこと組んでいるかは分かっている

────カノッサ機関だ


【公安内部に存在する『黒幕』、それが何者かは未だに霧の中】
【ディミーアが確信を持って語れるのはその背後に立つ者の存在】
【それはこの世界の暗部そのもの。常に彼らの前に立ちはだかる組織の名だった】


事はすでに公安の内部分裂などでは済まない規模になっている
公安の一部が機関と組んで国に刃向かおうとしている、そんなレベルの話だ
厄介なのは────そう、”厄介”なのは
それだけじゃ済みそうにないってことだ

俺がここにいるのは、ここにいる連中と公安の一部、そして機関との関係を探るためだった
今でもそれは継続中で…………今のところ有益な情報は手に入れられていない
機関と公安を繋げている”誰か”を見つけてほしい、なんて頼まれたんだがな


【初めはきっと、一見すれば小さな事件がきっかけだったのかもしれない】
【しかしディミーアが語ったのは一つの国の内側だけで済むような話ではなかった】
【それは果たして森島の予想どおりだっただろうか、それとも遥かに超えるものだっただろうか】
【ディミーアは再び、彼の反応を伺うように視線を向けていた】
867 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/10(土) 23:18:13.74 ID:4h2DEKLO0
>>862

そりゃまあ、俺がガキの頃からの夢だからな。
考える時間だけは腐るほどあった。……ま、世界は無謀かもしれねえが
どうせいつかは死ぬんだ、生きてる間にデカイことやりたいだろ?

【何事も、根源というのは幼稚な物だ。世紀の大発見だって】
【そして今まで歴史の偉人がなした大業だって、元を辿れば一人の人間の欲望が原因で】
【そういう大きな目線で見れば――この夢、単なる夢想でもなく】

【話して正解だった、と男が思ったのは、それに続く桐子の言葉だった】
【『都市国家の襲撃でもしよう』と。それを聞くと、『へえ』と楽しげに身を乗り出し】

……あんた、分かってるじゃねえか。俺が考えてたのと一緒だ
金は人を魅了するが、それで全てが手に入るわけじゃない
買う側が俺なら、売る側だって存在する。……売る側を、まずはその気にさせないとな

で、その選択肢ってのは?
この生命を差し出せっての以外なら、なんなりと。

【ここ最近は迫る側――選択肢を与える側ばかりだったから、新鮮だ】
【一体何だと、煙の向こうに赤崎桐子を真っ直ぐに見据えた】
868 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/10(土) 23:23:51.64 ID:a+LphauD0
>>864

「ほォう、なァるほど。便利な魔法だ……ぜェひ教えてもらいたいとォころ」

【全く本気ではない口調。捉え方によっては皮肉的に感じるかもしれないが――本人にその気はない、らしい】

「まァー、宵闇時……闇まみれなァのは当然だ」
「そォして、俺様たちも、か――なァるほど、ちょっとした"ヒミツ"ねェ……まァ、聞ィいたところで言ィわねェんだろォ?」

【そして相手の顔を見れば、酷く疲れたような様子だが――思い当たる節があったらしい】
【その者の表情に、多少友好的な雰囲気が宿る。】

「ククッ、……よォく見ィたら……どォッかで噂になってる"有名人サマ"じゃあねェか」
「ずゥいぶん疲れてるよォーだな、研究疲れかァ?」

【どうやらこの者、指名手配されているだけあって裏の世界にはそこそこ詳しい様子】
【軽く相手に近づきながら、自身が想像している人物と一致するかを確認するため、彼女の特徴を詳しく観察するだろう】

/よろしくおねがいします!
869 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 23:28:09.34 ID:uFh+Gyhso
>>866

【“機関” ──驚きと、それ以上に、納得があった】
【国を裏切る価値のある存在など、そうはない。 国か、それに比肩する何かか】
【条件には合致する。……だが、まだ足りない。全く足りない。機関と組んで、どうする】
【破滅主義者の集まりが公安内部に巣食っているなど、考えがたい。──まだ、何かがある】

【だが、ディミーアにもそれは分からない】
【──そうである以上、調べるしかない。 それが分かっただけで、小さな1歩にすぎなかった】
【だが、大きな1歩でもある。向き合うべき敵の輪郭が、朧気ながら見えてきた】

【彼の言葉には説得力がある。──しかし、もう一つだけ、確認しておかなければならない事があった】


……誰から“頼まれた”んです?


【恐らくそれは、ディミーアの話の“ネタ元”と同じだろう】
【ファクトチェックが済まないことには、完全に信じることはできない──、森島の言葉は、そう語っている】
870 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/10(土) 23:29:26.44 ID:P8bai/Boo
>>857

【―――それは、ちょっとした気紛れだった】
【超のつくほどの豪華客船。そこにしばらく滞在していたものだから、その反動とでも言うべきか】
【それとは真逆の、裏道へ外れたところにあるところへと。自然と足を踏み入れていた】

真実とは何か、か。迷い込んだ酒場で哲学者に会うとは、何があるかわからないものだ。
――――――バーボン。ロックで。

【そんなことを言いながら、男から1つ空けた隣の席に女は腰を下ろす。キツそうな顔立ちの女だ】
【小奇麗な黒のパンツスーツ姿は、ここでは少しばかり異質。しかしそんなことは気にも留めない】

公安、か――――――例の事件≠フ話、か?
だが……私の知るところでは、機関やUTの関わりは見えなかったがね。

―――ああ、ナッツも貰えるか。

【結い上げた銀髪、細いフレームのメガネ。レンズの向こうの碧は男の方を向きはしない】
【されど、その言葉は間違いなく彼へ向けられたもの。】
【男同様カウンターに肘をつき。その手の甲に細い顎を預け、女は注文を追加した】
871 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/10(土) 23:36:30.58 ID:4TDjIuCd0
>>868

残念だね、魔女しか使えない魔法だから――貴方には無理だよ。

【冗談にしても、まったく面白くないそれを口にしながら目を細め、羽織ったコートの前を閉める】
【三月にもなったのに、夜はまだまだ寒い。漏れた微笑が、白い息になって夜に融けた】

そう、ヒミツ――大事な大事な「お客様」との遣り取りだからね、漏らすわけにはいかないの。
たとえ貴方が、「業界」において僕より立場が上の人だったとしてもねえ……

【「そこは御了承くださいねえ」。どうやら彼女のほうも、貴方に心当たりがあったらしい】
【それでも断定には至らない。具体的な名前を出すのは、まだ避けて】

……そうね、最近不穏な事件が多いせいで、僕もそこそこ忙しい。
知っている? 公安絡みで、それはもう大変なゴタゴタが起きてるらしくって――

【「僕も詳しいことは知らないけどね」、そう締めくくった女は、今日は私服】
【いつもなら、白衣を着て出回っているけど――今日は寒かったからナシ、なんだろう】
【首の中程まで伸びた黒い髪。暗赤色の瞳、ここまでは「ブラスフェミア」の特徴として広まっているけれど】
【もうひとつ、最大の特徴――「褐色の青年を付き人として、常に隣に連れている」ことは、該当していなかった】
872 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/10(土) 23:37:46.08 ID:PYX+xdx/o
>>869

【”誰から頼まれたのか”────その質問にディミーアは黙った】
【何故ならばそれが最も重要な部分だからだ。万が一にでもそれが敵側にバレるわけにはいかない】
【今こうして自分が動いているのも、”彼女”が動くことができないためなのだから】

【ディミーアはもう一度考えた。目の前にいる男、森島という男は信用に値する人間なのか、と】
【公安三課所属。自身と対峙した際に迷うことなく正義感をぶつけてきた鵺が信頼する人間】
【そして自分自身に直接、その正義の拠り所となる心の部分を語ったこの男は、果たして信用できるのか】

【────答えを出すのは容易だった】


────黒野カンナ、という公安所属の女だ
西島当護を捕まえるときに出くわした


【依頼主のその名をディミーアは、その意味を知らずに口にした】
【どこで出会ったか、という情報と共に】
873 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/10(土) 23:44:20.01 ID:p8EpS61Bo
>>867

「世界で誰も成し遂げていないことを行うことを偉業と呼べば」
「君はその偉業を達成するのかもしれないな」

【子供からの夢というのは、案外馬鹿にできないものである】
【物理法則だって、化学結合だって、それは幼い頃に学者になると志した者が見つけた訳で】
【彼の理想も、単なる夢で終わるとは思えなかった】


「それが一番手っ取り早いだろう、何より君が楽で済む」
「宜しい、なら準備をしなければならないのだが」

【左ポケットからメモ帳を取り出すと、ページをパラパラとめくる】
【煙草を側溝に放り投げると、あるページで動きを止める】
【彼の方を、真剣な眼差しで見つめたかと思えば──】

「君の命を奪う程のことじゃない」
「君に、襲撃で使う“道具”を選んでほしいだけだ」

【要は、彼に襲撃するための“神”を選んでほしい】
【それ以外の他意は含まず、聞くこともそれだけ】

「3つから、君が一番“好きな”言葉を選んでくれ」
「『反射と時』、『瘴気と闇』、『堕落と剣』。君はどれを取る────?」
874 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/10(土) 23:53:55.07 ID:uFh+Gyhso
>>872


……分かりました。

【──森島が返した言葉は、あっさりとしていた】
【ディミーアからすれば、“一応の名前”を聞いたから、という程度にしか思うまいが】


うん、信じられます。


【彼にとっては、それだけで十分だ】
【少しだけ。彼に先程の柔らかさが戻ったように見えたのはきっと、錯覚ではない】

【角を曲がると、ダルハイトの私設兵達が検問のように固める出口が見えてきた】
【森島は懐から、メモ書きを取り出すと──さらさら、と番号を書いた。押し付けるように、それをディミーアへ】
【見ればそれは、“電話番号”だと分かるだろう】


その番号は、僕が“どうなっても”、繋がる筈です。
──できれば、“その人”に渡して下さい。伝えるだけでも構いません。
掛けるときは絶対に傍受されないように、とも。


【その人、とは、“黒野カンナ”のことだ。 西島の話も聞きたいが、もう、時間がなかった】
【──それに、これ以上は情報過多だ。その件は、ディミーア達が追うべき線なのだろう】
【彼は、今日の情報を信じて、信じるところを進むだけ。 それが、“協力”だ】


じゃあ、僕はこれで。
……ディミーアさんも、お気をつけて。


【彼の背中が、一足先に出口へと向かっていく。──あっさりとした、別れ】
【しかし、それは“大切な繋がり”であるが故に、万が一にも周囲に気取られないようにしたようにも見えた】
【それをどう思うのかは、ディミーア次第だが。 此処に、“三課”と“ゼロ”の接触点ができたのは、間違いなかった】
875 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/10(土) 23:54:05.77 ID:a+LphauD0
>>871

「残念。俺様なァら魔女くゥらいなァんとかなァると思ったんだがなァ」

【なんとかなる、その自信がどこから来るのかは定かではないが――】

「ククッ、やァーっぱりそォーなるか」
「漏ォらしたくねェ情報なァんて俺様にもあァるしな。"今は"追求しィないでおこうか」

【――今は。まるでそのうち聞き出してやろうと言わんばかりの、悪い笑み。】
【少し肌寒くなったのだろうか、巻いていたマフラーの隙間を少し減らして】

「ほォーう、不穏な事件ねェ……俺様は起ォこす側だァからなァ」
「――ふゥむ、公安か」

【顎の下に手をあて、何かを思い出そうとする。が、その表情がはっとすることはなく】

「俺様も知らねェーなァ。ゴタゴタは好ゥきだが、あァんまり裏で動かれると俺様もわァからねェーんでな」
「まァー、面白そうなァら……首を突っ込んでも良ォいけどなァーッ!」

【……特徴はおおよそ一致している、服装に関しては……まあ、いつも同じとは限らない】
【ここまでは良いのだが、と思いつつ……一番の特徴である「付き人」がいないことに、気がついた】
【周りのどこかにいるのだろうか? その者は、周りの様子をさり気なく……さり気なさ0で伺い、該当する人物がいないかを確かめようとする】
876 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/10(土) 23:56:38.56 ID:bc36WTdK0
>>870

【サングラスの下の目は隠されているが目だけを少しその女に見やる】
【このうらびれた酒場には珍しい客だ。ここに来るのは久しぶりだったがよく入り浸っていた頃は】
【その界隈で有名な殺し屋や、手配書で見た顔なんか居たものだがそれも時代かと思いふける】

…嘘が嫌いなだけさ。

【男は半分ほど無くなったウィスキーのボトルを1人でグラスについでは飲んでいる。】
【見た目や声からはそれほど酔っているようには見えないが、1人で開けているなら相当な量になる】

例の事件?…ハッ。211号か?フルフェイスか?…それとも俺の知らねえ別の事件か?
知らないほうがいいこともある。出した手を噛まれる前にな。…それともあれか?アンタは。
公安か?…ハッ、そうだとしたら、俺も舐められたもんだ。監視か?警告か?それとも消されるのか?

【男は笑う。力なく投げやりな自嘲。カウンターに転がる煙草の箱を手に取り、この店のロゴのはいったマッチ箱から】
【火を擦って、煙草につける。この男はなにか知っているようだが酷く酔っていて憔悴している様子だ】
877 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/11(日) 00:00:21.22 ID:ogEpQD1oo
>>834>>835
【短くなった髪は、何らかの決意の表れか。彼女にもまた、多くのドラマは当然あり、自分がそれを知る由もない】
【だが、確かにあったはずの指輪と変わってしまったピアスは、どうにも意識に留まった】

【さらには、この状況にも関わらず、その足取り。まるで大きな荷物を降ろした後のような。今まで自分が見て来た、どの彼女よりも】
【それら全てが、カニバディールを困惑させた。自身が置かれている状況、予期せぬ邂逅の衝撃なども手伝って】
【普段の臆病ぶりが嘘のように、間が抜けているとすら言えるだろう足取りで、彼女の後を追う】


【あの日、持ち上げられなかった木箱を蹴り動かし、足をかけたまま固まり、さらに壁に押し付ける】
【一連の動きを眺めながら、カニバディールもまた木箱を引きずって自身の椅子とする】
【何とも少女らしい仕草だ、などと思いながら。しかし彼女は自身の敵足り得る戦士であるのだ】

【元よりカニバディールには、大胆に晒される足に惑わされるような健全な思考回路は備わっていないが】
【今この時はそれ以上に、それを気に掛ける余裕などなく。ただ彼女の言葉を待った】


――――あの指輪も。魔力の色も。私の記憶違いではなかった、ということか
何があったのかは知らないが……お前も変わらず数奇な人生を歩んでいるようだ

私に謝ることはあるまい。だが……わざわざ話してくれたことには、感謝はしておこう

【最初に紡がれるのは、かつての敵対の日の追憶。彼女に何があったのか、それはわからない】
【しかし、彼女はそれを気にかけており、それを今自分に伝えた。異形にとっては、それだけで十分だった】


――――……。秘密、秘密か。そうだな、それはここだけの話にしておいた方がいい
たんぽぽの話は、私も小耳に挟んでいた。あの純粋な人助けが。あの穏やかな空間が
まさか、私の如き外道の怪物の言葉から生まれただなどと……何といえばいいのかわからんな
確かに、我々が喜ぶべきことじゃあない……

お前は義理堅いのだな、鈴音。公園での初手のことだけでなく、あの半魔の情報のことまで借りを返してくれるとは
よく覚えているとも……らしくもないセリフを随分と吐いたからな


く、ふ、ふふ……全く、何ということだ。私のしたことが許されないのは当然だ。これまでも、これからもな
そんな私が、意図せずにお前の背中を押して……その結果、あのたんぽぽに何人もが助けられて

今、セリーナすら知ることがないだろうお前からの感謝の言葉を受け取った……ふ、ふふ
私の汚れ切った悪党人生の途上でこんなことが起きようとはな……つくづく、この世は面白い

ああ、秘密だ。今この時、UTも機関も関係ないこの場だけでの、秘め事だ
だから、私のこの言葉も、全くの気の迷いだ……一度殺そうとして、これからも殺し合うだろう相手にこのような言葉を言うのだからな
おめでとう、鈴音。お前が何者かになったことを祝福する

【そう、全くの気の迷い。敵対した相手への祝福。これからも殺し合う相手への感謝】
【あまりに低い確率を超えて、こうして出会ったのだから、これくらいはきっと許されてもいいだろう。今この時、この場だけは】


――――知っているとも。忌々しいことにな

【そして、本題へ。その単語を聞いた途端、カニバディールの表情は溶け落ちた】
878 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 00:02:04.21 ID:imVh2Cf5o
>>874

【紙片を受け取るディミーアの表情には疑問が浮かんでいた】
【何か、ただ連絡先を教えて連携を強化する以上の意味がそこに込められているような気配を感じ取っていた】
【しかし、ディミーアは何も言わなかった。おそらく自分が踏み込む領域ではないのだろう】


わかった。可能であれば伝えておこう
……気をつけるのはお前の方だ。誰に向かって言ってやがる、小僧


【森島の忠告には不敵な笑みでもって返す。そこには歴戦を自負する剣士の矜持があった】
【ディミーアの方は船内へと戻っていく。自らの責務を果たすために】
【両者は別々な方向へと進む。それぞれの道のために────】


//このへんですかね
//お疲れ様でした!
879 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/11(日) 00:04:12.56 ID:ImQrDlUb0
>>875

魔女ってつまり、女ってことだし。男性には無理ってことさ――まあ、いいけど。

【「今は」――いつか暴いてやる、という脅しにも聞こえる言葉を聞いても】
【女は依然、笑っているままだった。それくらいで怯えるようでは、生きていけない世界ではあるけども】

そう、裏で。裏でコソコソやられてるみたいでねえ――まあ僕もそうするタイプの人間なんだけど。
ちょっと前に「同業者」と喋ったときには、もしかしてその「黒幕」、世界を滅ぼそうとしてるんじゃない?
――なあんて、トンデモな結論に至ったんだけどさあ。そうなったら貴方、首突っ込んじゃう?

…………ところで、キョロキョロ見渡してどうしたの。探しものでもしているの?

【探している人影は、近くには見当たらないだろう。気配もないし、足音も聞こえない】
【代わりに、貴方の耳がとてもいいのなら――遠い遠い「上空」に、羽搏きの音が聞こえる】
【鳥が飛んでいるだけ、ともとれる。それくらいしか、他の生き物の要素は、この場所にはない】
880 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/11(日) 00:04:38.47 ID:3mPOuACz0
>>873

【微塵も構えなかった、といえばそれは嘘になるだろう】
【なにせ、"神"なんてあだ名を付けたものを研究するような相手だ】
【金で無いのならどんな選択肢かと、無駄に頭を働かせたのは事実である、が】

……なんだ、そんなことかよ。
そういうのは選択肢じゃなくて、『アンケート』ってんだよ

で、『反射と時』に『瘴気と闇』……『堕落と剣』ね……。

【はぁ、とため息をつきながら少しだけ考える】
【おそらくそれは魔術の傾向や、性質によって付けられた名前なのだろう】
【では、もっともらしい"絶望"はなんだろうか。救いの手が欲しくなるような、暗いもの】

【――この時点でもう、決まったようなものだったのだが】
【ちら、と。自身の能力が溢れ出して形成された背後の髑髏を見やると】

……『瘴気と闇』だな。その"神"がどんな力を持ってるかは知らないが
俺は国って枠が手に入ればそれで良いんだ。国民も、財産も要らねえ。

幸い、例の都市伝説――"円卓"は、国家権力に深く根付いてる。
どっかの外郭団体でも使って買い上げるとして
国は深く傷付いていた方が良い。慈悲深く見えるからな……多分、ぴったりだろ?

【そう言って、いかがですか、と言わんばかりに視線を返した】
【それともう一つ――『これもメモってくれ』と言って、とある番号の羅列も伝える】
【要は電話番号だ。連絡先は伝えておくべきだと判断したのだろう、胸元の携帯をとん、と叩いてみせた】
881 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/11(日) 00:17:02.62 ID:+IeF11ul0
>>879

「俺様に性別なァんて区別はねェんだぜ、ククッ」

【と、どうみても男にしか見えない胸部を親指で指差すその者。何か変化があったりもしない】
【たとえ胸部が変わったとしても、他の諸々も男性的なのでほぼ無意味なのだが――】

「人間共の組織に依存しィねェとそォーいう情報が手に入れづれェのが困ったモンよ」
「――で、世界を滅ぼす、ねェ」

【ぴくり、と、眉毛が動く。】

「そォー言ィわれたら首を突ゥッ込みたくなるなァー」
「俺様は混沌の味方。……"黒幕"が目指す滅びた世界が、俺様の求める世界と同じかどォーか」
「そォーのへん含めて首を突っ込みたくなるぜェ」

【意外にも、"世界を滅ぼす"という行為を無条件に肯定する発言は一切なかった】
【むしろ、少しばかりの敵対心すらも言葉からにじみ出ている様子。】

「……いィや、他に人がいィねェかと思ってな。なァーんとなァくだが、青年とォかがいるよォーな気ィがしてよ」

【誤魔化しとすら呼べないそれ。ふと上空から何かの音を感じて、しかし鳥か何か……おそらく自分に害はないだろうと、気に留める程度で終える】
882 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/11(日) 00:27:16.83 ID:ImQrDlUb0
>>881

そうなの? 性別がないってんなら、天使か悪魔か……ふふっ

【あえて天使のほうを先に口にするあたり、冗談と受け取っている様子でもある】
【……立ち話に疲れたらしい。少し歩いて、そのへんにある柵に腰掛けた】

世界がどうとか、そういうスケールの大きな話にはしゃいじゃうタイプなんだ、貴方。
僕はそういうの興味ないから――向上心が強いのはいいことだ、尊敬するよ。

【「一般市民には縁のない話だからね、いやはや」】
【それもまた、面白くもない冗談のひとつだろうか。けれど口振りは、意外と真剣な声色】
【「世界」がどうなろうと知ったことではない、というのは本音なんだろう。疲れた足を投げ出して】

――――ああ、青年って、いつも連れてる子のこと?
あいつにはね、今、おつかいを頼んでて――ここにはいないけど、居るには居るよ。
もう少ししたら帰ってくる頃合いだとは思うけど……会いたい?

【ばさ、ばさ、ばさ。遠くで響く羽搏きの音は、次第にその量を増やしているようだけど――】
【ここに居る限り、特に何か起こるわけでもない。地上は静かなままだった】
883 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/11(日) 00:30:21.94 ID:/+TXrqZpo
>>876

【成り行きで辿り着いた女が、ここにどんな客が来ているかなど――推測こそすれど――知るはずもなく】
【ならば男の考えなど知る由もなく。出されたバーボンを、何の感慨もなさげな顔で一口飲み下す】

ご名答。そしてさようなら。残念だが、貴様は知りすぎた=\―――とでも言えばいいか?

仮に私が公安の人間だったならば、簡単に真実を得られたのかもしれんがね。そればかりは少し、残念だ。

【肩を竦めて見せたなら、ナッツを一つつまんで。酔った様子の男とは対照に、ひどく落ち着いた声だった】

『フルフェイス』も―――そして、公安≠ノ関する事件もだ。今現在、水の国を取り囲んでいる事件≠フことだ。
あくまでも私の推測に過ぎないが―――あれらの事件は、同じ根から繋がったものだと見ている。

そちらが嘘が嫌いなように、私は真実を見つけ出す、というのが好きでね。その点、この事件は非常に興味深い。
で。私の推測はどうだったかな?―――消され≠ゥねない程度には、何か知っているのだろう?

【一つ、声のトーンが下がる。横目で男を見て、女はまたバーボンを一口】
【警告の言葉を、“好奇心”というだけで簡単に退けて。男の反応を待った】
884 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/11(日) 00:35:24.70 ID:FVy0X5QY0
>>877

――――ふふ、そう? そうかな――だけど、"あれ"には返せそうにないの。……いい女だ、なんて、言われたの、やっぱりあれっきりだよ。

【この瞬間に少女は今宵初めて笑うだろう、ちっちゃな笑み、少しだけ冗談めかしたような――いつか、ほんの少しだって気にせずに流した、あの言葉】
【「きっとこれからもないね」とまで続けた――その表情がわずかに変わる。少しだけ丸くなった目が、それから、ひどく優しく細められて、彼へ向けるのは】
【何より特別な日に、大好きな花ばかりを詰め込んだ花束を、とっても大事な人から受け取る瞬間みたいに――少しだけ照れ臭いような、誇らしいような、特別な表情であって】

――あなたにそんな風に言ってもらうだなんて、変なの……、ううん、変だね、とっても、変……――……、――――ありがとう。

【――実際は何かをもらったわけではない。ただ彼の言葉が背中を押してくれた現実があって。そして実際に、ほんの一時だって、餓えを忘れることができた子供たちが居て】
【時々向けられる「ありがとう」は自分だけで独占するべきではないと思っていたのかもしれない。もしかしたら似ていた彼へ、その勇気をくれた彼に、伝えたかった】
【おめでとう――それが気の迷いだって、きっと彼女にはそれくらい特別なものをもらうのと同じだったに違いない。返す声は――ひどく穏やかで、優しくて、暖かくって】

【――――だけれど、それは、長続きはしない。させてはいけないだろう、今宵の奇跡はあくまで条件付きの会話。UTも機関もあまり気にしなかった過去とは、違うもの】
【相手の表情が変わるのに合わせて、少女の顔もまた冷える。そしてそうなれば、さっきまでの――ひどく穏やかな温度は消えてしまうのだ。掌に落ちたひとひらの雪みたいに】
【あるいは砂場に落とされた一滴のしずくみたいに。すっと消えて――細めて向けた目は、きっとそこまでは彼女も予測していたような、色合いをしていた】

……どこまで知っている? それとも――機関の人間はみんな知っているの?
知っている人間を消しに来たんじゃない。……あなたは信用できると思ったの、――ロッソさんも、あなたならって。

あなたは公安と……ううん、公安を、どう思っているの? それによっては――、

【そこで言葉は急に迷いがちになる。さっきも悩んでいる素振りを見せていたから――こういうことには不慣れなのだろうと思わせる。少なくとも交渉する、という点において】
【あの"探偵"は簡単みたいな顔して言っていたけど。「あまり喋りすぎないように」「相手の欲しがりそうな情報だけチラつかせてやれ」――それが、すでに難しい】
【彼にしてみれば――ひどく緊張した様子で言葉を探りながら話す彼女はどう見えただろうか。喋りすぎるなとか言われているから、かえって気にしてしまっているのも一つ】
【もう一つは――失敗すれば、それで終わり。知らないままで機関がすべて公安側であったなら、自分が彼と接触した意味は、欲しかった結果とは真逆のものになる】

【ただあくまで公安側のお使いでは、ないようだった。同時に機関側の情報を全く持っていないことも分かるだろうか、相手の表情、ほんの少しだって見逃せないような目は】
【いやでも徐々に必死さを帯びる――あるいはそれこそ彼女……あるいは彼女"ら"が、彼へ接触しようとした理由かもしれない。なにせ、彼は、もう何年も機関に籍を置いている】

【まして少女にとっては、ナンバーズでさえなかったころから、知っているのだ。――だけれど、そのうえでも。最後の言葉は緊張のあまり、言い切られることはなく】
【たとえば機関と公安がすでに組んでいて。彼にとってそちらの方が"利"であったなら――どうあれ"UT"に関わる少女が接触してきたというのは、すぐにその情報網に乗せられる】
【すでにUTにだってあちら側の人間が警察のふりをして顔を出していたのも、分かっている。――まだ言えないことはある。だけれど、少なくとも、嘘は吐いていないと分かるか】

【知っている――忌々しいことに。よくは思っていないのだろうか、そうちらりと考えながらも、期待はしない――それで話しすぎたら、終わりかもしれないから】
885 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/11(日) 00:35:39.07 ID:lmazH9Qfo
>>880

【それはアンケートだと指摘され、恥ずかしそうに頭を掻く】
【彼の選択を待つ間、どこに戦力を送り込むか考えていた──】
【というのも、公安が居ないうちに成立させられればそれが一番だからだ】


「了解、『瘴気と闇』ね」
「私の一番の自信作だ、働きは保証するさ」

【ま、国民が皆死ななければいいんだかな、と】
【兎も角、彼の決定により必要な“道具”は決まった】
【あとは、いつ攻めるかを決めるだけだ】

「ああ、偽善の塊にはぴったりだ」

【彼らのことを偽善と罵り上げて】
【口角を上げて、彼の言うことに同調を示した】


「さて、あとはいつ攻めるかだが」
「できれば例の船に奴らが釘付けになっている間にやりたいものだが」
886 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/11(日) 00:47:36.56 ID:+IeF11ul0
>>882

「ほォう、挑発かァ? そォいつは。俺様は断じて天使じゃあない……超強ェー悪魔だ! 覚えておきな」

【"天使か悪魔か"――その言葉に強い反応を見せるその者。天使扱いを非常に嫌がっている様子だ】
【その者は悪魔(自称)。一部特徴を除けばほぼほぼ人間の見た目であるため、嘘の可能性も無くはない】

「そォりゃア当然よ。俺様はいィずれ世界を混沌で満たす者! どォんどん尊敬しなァ」
「まァー、首を突ゥッ込まなくとも問題なく実現できるだァろうが、気ィになるモノは気ィになる」

【傲慢で舐め腐った表情。……本気でそのつもりなのだろうが、ならば最初から首を突っ込まなくとも良い】
【どうも、一部の本音を隠してるような気もしなくはないが……】

「ククッ、一般市民ねェ……そォーは見ィえねェが」

「そォう、俺が知ィッてる話だといィるはずなのにと思ってな」
「まァ、少しくゥらい見ィておこうかとな――あァのへんから聞こえる音がそォーだったりすゥるのか?」

【羽ばたきの聞こえる方に軽く顔を向け、そして再び彼女の方へと向き直す。】
887 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/11(日) 01:00:41.34 ID:ImQrDlUb0
>>886

そいつは失礼――悪魔翌様。怒らせるつもりはなかったんだ、ごめんね?
へえ、悪魔翌様もニンゲンのゴタゴタに興味持つモンなんだね?
まあ――「ニンゲン」が起こしてるゴタゴタなのかどうかは、わからないけどさあ……

【大きな反応が返ってくれば、唇の端を大きく吊り上げて、愉快そうな調子を強くする】
【挑発はしていません。口ではそう言っているけど、本心はそうでもない、のかも】

……おや、僕のことご存知? それは光栄。
僕はごく普通の一般人だからさ、音はなんにも聞こえないけど――たぶんそう。

【「月光を浴びる鴉の羽根をね、たくさん取っておいでって、命じておいたんだ」】
【その声と同時――一枚の黒い羽根が、二人の間の地面に落ちてきた】
【それを追いかけるようにして――轟音。それなりの質量があるモノが、落下する音が響いた】

【――土煙をもうもうと立てる着地点には、くだんの青年がしゃがみ込んでいて】
【相当な高さから落ちてきたのに、傷一つ作らずに、地面に降り立っていた】
【着地の衝撃を和らげる、低い位置から――見知らぬ男を見上げる視線は黄色いもの】
【「ブラスフェミア」が連れている人物と、同じ特徴をしている。ビンゴだ。】
888 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/11(日) 01:01:30.71 ID:GcdcOZo00
>>883

【男は椅子を回して女の方に体を向ける。笑いながら、カウンターの下に手を回す】
【取り出したのは、リボルバー式拳銃。ひと目で素人でもその威力が想像できるサイズだ】
【そして黒っぽい銃身には複雑なエングレービング、彫りの模様が刻まれている。彼はそれを握りしめて】

今の俺には冗談にならない。

【銃口を女に向ける。】
【体をカウンターによりかかったまま、煙草を口元へ持っていく。銃を握った親指は撃鉄にかけている】

なんで真実を知らなきゃならないかって?生きるためさ。このクソッタレの世界で、せめてマシな生き方ができるように
俺や…俺の友人やそういうやつのために俺は真実を知らなくちゃならない。
……この件に正義もクソもない。…真実すら無いかも知れない。何故アンタは知りたがる?

【男はゆっくりと銃口を下ろし、拳銃をカウンターの上にを置いて、代わりにグラスを掴んだ。】

それぐらい命がかかってるんだ。俺だけじゃない。何人か…いや、もっと計り知れないぐらいかも知れない。
これを聞いたら…聞いたことが公安に知れたら、もう引き返せない。

なあ…あんたは真実を聞いて、何をする?
889 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/11(日) 01:03:56.54 ID:ogEpQD1oo
>>884
……私も、これを言う機会は二度とないだろうと思っていたのだが
今でも、その言葉の通りに思っている。恐らくは、これからもだ。最終的に、我々がどんな結末を迎えようともな

【異形もまた。薄く笑った。時は過ぎ去り、どうしようもなく関係性は変わってしまっているが】
【それでも、確かにあの時間はあったのだと、この場に残る微かな残滓がそう証明した】
【不倶戴天の敵同士。であるはずなのに。つくづく、奇妙な縁。だが、それを結んだことに後悔はなかった】


全くだ……とても奇妙だ。まったく……

【腹を満たしてから。自身が放った言葉は今、形になってどこかの誰かを満たしている】
【そこに自分はいないし、いてはならないが。実際に何かがやり取りされたわけでもないが】
【鈴音を介して受け取ったそれを、カニバディールは胸中にしまい込んだ】
【いつか来る自分の滅びの時まで、異形はそれを抱き続けることになるだろう】


【そう、奇跡。あまりに短い奇跡。当然、終わりを告げる】
【穏やかな時間はもう終わった。ここからは、命を賭けた闘争の時間だ】
【正面切っての戦いよりも、よほど恐るべき暗闘の時間だ】

さて……どこまでと言ったものか。少なくとも機関員全てが知っているわけではないはずだ
それを聞いて安心した。この件は知った時点で、誰が消しに来てもおかしくない
ロッソが……彼ほどの男に、そこまで言われたことは光栄に思うべきかね


……結論から言おう
公安は、私の敵だ。機関の、ではない。私の、敵だ

彼奴等の目的は、私とは根本から相容れない
私にとって公安は、決して許容できない敵だ。どんな手を使ってでも、叩き潰さねばならない。そう思っている

【躊躇いの色が滲む彼女の言葉に、異形はきっぱりと言い放った】
【不慣れな言葉のぶつけ合い、水面下のやり取りに必死の手探りをしている彼女を見て】
【普段のカニバディールであったなら、手玉にとるべく手段を講じていたかもしれない】

【緊張している様子を見れば、何か賭けに出ていることは見て取れた。自分に対して何を求めているのかも、察せられた】
【公安側ではないだろう、とは見えても。機関の内実をまるで知らないとは思えても】
【その必死さを前にして、いろんなことを読み取ってなお、この口数の多い異形が言葉を弄さず、ストレートにこういったのだ】


【彼女の賭けは、再び当たったと言えるだろう。少なくともカニバディールにとっては、公安は許せる相手ではなかった】
【だが、同時に読み取れるだろうか。機関のではない、私の敵だ。つまりは、カニバディールの意志に関わらず】
【機関そのものはすでに、公安と繋がっているという事実を】
890 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/11(日) 01:07:22.71 ID:3mPOuACz0
>>885

全員死んだなら、それはそれで問題ないさ。
国による国土復興事業とデモすればいい
なんなら、葬式代も墓代も俺の方で出してやるくらいでな

それに、強すぎて実験にもならないってんなら
報奨金を出して適当な能力者を雇えば良い。
……そこまで"演出"してやれば、お優しい国主にはぴったりだろ?

【――そこまで決まれば、あとは何処を、どう攻めるか】
【これについては案がある、とジルベールは口にして】

夜の国の片隅に、"アスタン"って名の小国がある。
人口75000、第一次産業メインの暗い国だ。
そこを襲ってくれ。100km四方にバラけてるが、集落でも首都でも好きにな。

【『時期は任せる』――すなわち、世間の興味が向いている内が良い、それに同意した】
【細部はまた連絡する。他に質問は。そんな主導的な態度は、流石に夢を語るだけあり】
【そして、その語る姿は楽しげで。それこそ、子供が夢を語るかのようでもあった】

【――もっともその内容は、邪悪だったが】
891 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(福岡県) [saga]:2018/03/11(日) 01:07:51.87 ID:KnhWcyN/0

【どこか、公園】

【かつて、この世界において治安維持の一翼を担った組織があった】
【その名を六王教団という】
【各国軍、警察が能力者達への対処を行えるような組織へと変革されていくその途上を守った、宗教組織に端を発するものたち】
【神官戦士、治癒術士。あるいは傭兵たち、志願した市民たち】
【当時この新世界に派遣軍を保有していた米軍と協同し、鉄火場に立っていた彼等だが】
【その主戦力たる勝利王の騎士を失ってからは、その武力としての役割を各国軍、警察へと譲り、現在は六王の神殿を運営する、一般的な形での宗教組織となっていた】

―――ああ、ありがとう。
やはり、最近水の国の周りはキナ臭い。十分に注意してくれ、ジャニス。
いざというときはルート9がまだ使えるはずだ。……うん、そうそう。

【そして、金髪の青年は何か忙しげに電話やメールを繰り返していた】
【余人には知るべくもないが、その宛先は旧六王教団の職員たちだ。自警団、各国軍、警察、神殿詰め――
 それらに六王教団時代の経験を買われて所属しているものたち】

……やはり、中将の言っていた通り、か。

【ぐ、と手に持っていた端末を握る。どこか表情は重たく、暗く】
892 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/11(日) 01:16:02.49 ID:lmazH9Qfo
>>890

「ははっ、正に策士様だな」
「能力者は数名募集を掛ければ良いだろう。公安の奴が名乗りを上げれば、どんな人相かも分かる」

【実験ついでに、多くの利益を生み出していく彼の姿勢】
【いやはや、本当に感心する。そこまで考えが行き届くとは】
【此方からも多少の提案をした上で、また煙草を取り出す】

「夜の国の“アスタン”か、了解した」
「地理はどうなんだ、平原か丘陵か、どちらに近い?」

【攻める上で重要なのは、地形であった】
【彼女の異能は、瘴気をばら撒くと言う単純で強力なものだが】
【平原と丘陵では、彼女の配置を考えねばならなかったからだ】


「さて、忙しくなるな」
「機関の方で計画を組むのは“難しそう”だから、此方は実験で通す」
「そっちはどうする?」
893 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/11(日) 01:18:31.39 ID:+IeF11ul0
>>887

「次からは気ィをつけな……天使なァんて糞共と一緒にさァれると殺意が湧く」

【相手の方に鋭い視線を向けつつ、発するは低めの声】
【愉快そうな調子を強める彼女とは対照的に、その者は不愉快そうなオーラを発したのだった】

「ククッ、人間共をゴタゴタさせるのが悪魔の仕事だァろう?」
「他の奴らが起ォこしたそォれだって気ィになるぜ」

「まァな。どォこかの噂だァか何かで聞ィいたことがあったんだよ」
「人間共のこォとなァーんて覚える気はねェーんだが、ふと思い出してな」

【人間に興味があるのか無いのか――と、彼女との間に落ちてきた1枚の黒い羽根。】
【それを目で追っていたかと思えば、その先は轟音とともに土煙に包まれて】
【軽く咳き込みつつ目をそらし、それが落ち着いた頃に青年の方を見るだろう】

「なァるほど、こォいつがいィつも連ゥれてると噂される奴か」
「ずゥいぶんと丈夫じゃあないか……能力者か? そォれとも……」
894 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/11(日) 01:29:32.06 ID:ImQrDlUb0
>>893

それは失礼――相当お嫌いな様子だね、天使。
何かイヤなこと、されたりしたのかな?

【目を伏せる。怒らせ過ぎればきっとひどいことになるというのは、流石に理解できている】
【けれどそこで完全に退くことはしなかった。あるいは、研究者としての習性か】
【興味を持った物事は、とことん突き詰めていかないと気が済まない。そんな調子】

ふふ、じゃあ僕は、貴方に覚えていてもらえたレアなニンゲンってこと?
なんだか嬉しいなあ――ふふふっ、

「能力者」かと言われれば、ノー。そうだねえ、なんて言うのが適切かな……

【立ち上がり、落ちてきた青年のそばに歩み寄る。同じく立ち上がった彼の隣に立って】
【背の高い青年の、褐色の頬に手を伸ばして。つい、と指先で撫ぜながら、目を閉じて笑った】

…………あ、「被造物」っていうのが正しいかも。僕が創ったんだ、こいつ。

【――青年は、ひどくつまらなさそうな顔をして。「用事終わったし帰ろうぜ」、なんて急かしていた】
895 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2018/03/11(日) 01:29:54.26 ID:3mPOuACz0
>>892

【"公安"――その名が出ると、そうか、と呟く】
【自分は何人か、その人相を知っている。なら、情報は流すべきかと】
【『あとで知ってる公安の情報、教えてやるよ』と付け加え】

アスタンは、はっきり言えば山だな。街自体は山腹にある
街道がしっかり作られてて、夜は都市で身を守り
昼は山から降りていって仕事に励む……そんな土地だ

仮に山頂から毒でも流せば、大半は死ぬだろうな。
街に住んでない一部の人間は別だろうが……地図も、あとで送るとして。

……こっちは、しばらく"手札"を揃える時間が要る。
ちなみにアンタが一番目。二番目と三番目は今待ってる所だ

他にも当たりは付けてる。俺の個人的な協力者が一人
機関のナンバーズが一人、もしくは二人。
それから後は……――"UNITED TRIGGER"にも、一応な。

【"円卓"は人材不足だ。金や権力はあっても、それを運用する人間が極端に少ない】
【敵対する相手とは対照的でもある。だが、もしその状態で味方を増やすことが出来れば】
【勝てる。――世界を買うという夢に、大きく前進することが出来るだろう】
896 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/11(日) 01:32:33.14 ID:/+TXrqZpo
>>888

【女は溜め息をついた。――――それだけだった。いつ撃たれてもおかしくはない、そんな状況だったと言うのに】

……まさかそこまで余裕がないとは。随分と追い詰められていると見える。

【そんな様子を見ればわかるだろう。好奇心旺盛なだけの只の一般人ではない、ということくらいは。】
【――彼が銃を放せば、女はグラスを傾ける。不自然なほどに、何も無かったかのように】

そうだな…………たとえ、俗に言うような正義≠ェそこになくとも。
真実を知るということは、事の本質を知るということ。本質を知れば、その真実を己の正義≠ナ以って計ろう。
――――そうすることで、自分がどう振る舞うべきかが見えてくる。

上辺しか知らないままにどう振る舞うかを決めて後悔するならば、全てを知った上で後悔する方がマシだ、と思ってな。

【『結果として真実を知る』のではなく、『真実を知り、結果を決める』と。】
【まるで仮面でも貼り付けたように、その表情は変わらない。ただ淡々と続ける】

――――もし、君の行いが私の正義に反するものでないならば。私も力を貸そう。

【後から、『反するものだった場合の保障はできないがね』とだけ、付け加えて】

【―――決して、見えはしないが。女は、腹の内で笑っていた。】
【――――――野犬≠見つけた、と。】
897 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/11(日) 01:48:01.68 ID:+IeF11ul0
>>894

「そォりゃア、糞オブ糞よ! 糞共は俺様をちィぎっては投げ、ちィぎっては投げ……」
「違う違う! まァー、俺様を追い出し、追い詰め、帰れなくしたとかそんなとォころだ!」

【なんともあやふやな返答。思い出そうとすると怒りが勝るのだろうか、苛立った様子で言葉を返す】
【冷静になれれば多少は詳しくなるのかもしれない、けれどもこの様子ではあまり期待できなさそうだ】

「かァもなァ? ククッ」

「――創った、ねェ。良ォい趣味だ」
「見ィた目は人間みィてェーだが、中身は違うって奴か?」
「"同業者"としィて気ィになるとォころは色々あァるが……」

【皮肉ではない口調だ――興味を持ったようだが、触れようとは一切しなかった】
【おそらくは、彼女が青年の隣に立ち接触を行っていたからだろう。手を出すのは危険かもしれない、と】

「……どォこまで人間なァのかは少し気になるとォころだ」
898 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/11(日) 02:05:35.61 ID:ImQrDlUb0
>>897

ふうん……帰れないというと、魔界とか天界とか、そういうところに?
いろいろ事情があるもんだね、悪魔にも。

【「いつか帰れるといいね」なんて適当な言葉は、たぶん本心で言ってない】
【かつ、と女の靴のヒールが、アスファルトの罅割れを叩く。身体の向きを変える】
【帰るつもりなんだろう。悪魔に背中を向けて、首から上だけ振り返る姿勢】

悪魔に褒められてしまうなんて、僕もなかなかやり手なのかな?
うふふ、嬉しいな。さあ、中身はどうだろう――また機会があったら、
切り開いてみてくれても構わないよ。

「……おれは全然構わなくねーンだけどお。やめてよね」

【それじゃあね、と言い残して、女は歩き始める。うんざりしたような青年が後をついていき】
【こうして二人はこの場から姿を消したけど――ひとつだけ、残していったものがある】

【青年が着陸する前に、舞い落ちてきた羽根が一枚。そのすぐそばに、いつの間にか名刺が一枚置いてあって】
【「Blasphemia――またお会いしましょうね、悪魔翌様」。それだけ、手書き文字で書いてあった】

//眠気を私のゴールにシュウーッッッ(錯乱) お付き合いいただきありがとうございました!
899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/11(日) 02:23:47.71 ID:+IeF11ul0
>>898

「そォーよ! ……天界にィは"二度と"帰らん! 魔界の方だ、魔界!」
「……まァー、人間共だァけの特権じゃアねェーってこォとだ、面倒な事情はよ」

【怒りすぎてもダメだと自ら思ったのだろう、深呼吸を1つし、幾分かの冷静さを取り戻す】

「ほォう、次は遠慮なく切り開いて良ォいんだな……ククク」
「安心しィな……後でくゥッつけといてやァるからよ……糊かボンド辺りでな」

【まさしく悪魔の笑み。空の方に向けられた両手の爪が、きらりと光る】
【こいつなら本気でやりかねない、そう思わせるほどの雰囲気だ】
【……さすがに糊やボンドでくっつける辺りは冗談だろうが】


【――彼女を追うことはせず、代わりに先程まで彼女が座っていた柵に腰掛ける。べきり、柵が破損し背面を打つ】
【強く座りすぎたか――とりあえず適当な石を椅子にし、そして少し考え込む】

「ふゥむ、しィかし……公安か……一回公安三課の奴に会ァったが……あァの野郎は俺様を"悪"として攻撃しィてきたはァずだ」
「黒幕の真の目的は知ィらねェが、話を聞く限りじゃア俺様はむゥしろ"協力"を持ォちかけられそォーな立場だァろう……ふゥむ」

【ふと、青年が元いた場所に目を向ける。見覚えのない名刺――その者は拾い上げて】

「ククッ、貰っとこうじゃアねェか」

【それをポケットに入れた後、宵闇のどこかへと歩き出し……そして消えていった】

/超! エキサイティーーン! お疲れ様でした!
900 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/11(日) 02:30:19.28 ID:GcdcOZo00
>>896

【男は酒を煽る。すべてを忘れたいかのような自暴自棄にも見える行動。】
【暫くロックグラスを見つめたまま黙っていた。女からすればどう見えただろう】
【酔っぱらいが酔いつぶれたと見えたかそれとも覚悟を決めた男の姿か。】

【だがこの男も、単なる飲んだくれでないことを後に知らしめられることだろう】

…全ては公安の内部抗争。…奴らの革命ごっこに振り回されているんだ。
だがそれも、真実の全てではない。カノッサ機関がその背後の本物の主役だ。
…機関の奴俺はツテがあった。…これでも昔はそこそこ“そういう界隈”じゃ有名だったんだ。俺は。
カジノ、銀行…なんでも襲って、金なんかいらねえってほど稼いでたのさ。
そこで…そいつらに、聞かせてもらった。…だが、その話も全体の全てじゃない。騙されてるよ。機関の奴らもさ。
バカな奴らだ…自分らが黒幕だって思いながら、使い捨ての駒でしかない。

【乾いた笑いだ。タバコの煙が狭いBARの中を漂っている。――女は気がつくだろうか】
【この男が撒いているブラフ。ポーカーは彼の得意なゲームだ。これはブラフその1.機関員かどうかを炙り出す方法だ】
【もしそうであるなら、自分の情報との齟齬に疑問が生じるはず。そしてその情報の内容や元の機関員の名前を知りたくなるはずだ】


しかし…俺は公安が狙っているソラリスを手に入れている。全ての、事件は…ソラリスなんだ。
革命ごっこには洗脳装置が必要らしい。最後のキーはソラリス。それを守るのが俺の仕事…

【泥酔した男の妄言のような意味のわからない事を言っている。そんなふうにしか見えないだろうか。】
【だが、これは彼の巻いたブラフその2。相手が公安だった場合、こっちに反応することだろう。ソラリスは初瀬麻季音。それは黒幕も気がついているはずだ】
【洗脳装置の開発が急がれる中、其れを手に入れたいはずだ。その場合、ソラリスは人であるという先入観が「何処に居る」などと云うてしまうだろう】
【彼はソラリスは人ではなくものであるかのように誘導していたにもかかわらず】

結局、どいつもこいつも文書だの指示だの…間接的にしか情報を得ちゃいない。情報ってのは悪魔さ。どれだけの文書が偽造や改ざんされているか知っているか?
ありもしないものをあるように見せかける。……文字の羅列の何処を信じるっていうんだ?あいつらはさ…

【ダメ押しの、不安を煽るようなセリフ。まさかこんな泥酔した男が罠を仕掛けてくると思うだろうか】
【ただ彼が相当警戒しているのは最初からわかっている。言葉を得意とする人には見破るのは造作も無いかも知れない】
901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/11(日) 02:36:36.00 ID:GcdcOZo00
>>896
/すみません。めちゃめちゃ眠くて返信遅くなってしまいました
/多分待っている間に落ちてしまいそうなので、いいところかと思うんですが
/凍結か置きスレか締めちゃうなどをお願いしたいです
/続ける場合、明日は夜10時過ぎくらいには来れると思います
/申し訳ないですが、よろしくおねがいします。
902 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/11(日) 02:43:35.88 ID:/+TXrqZpo
>>901
/了解です!自分も明日夜は22〜23時くらいに来られると思うので凍結か置きかはお任せしますー
903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 12:43:08.79 ID:imVh2Cf5o
//>>753で再募集します
904 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 13:15:31.76 ID:cQtYqjsy0
>>903>>753

【セントディピター号大広間に、その男性とは別のもう一人の男性が乗り合わせていた】
【今日は黒のタキシードスーツに髪型も場所に合わせ、外套は手にかけるように持ち、時折周囲を鋭い眼で見渡しながら】

「失礼サージェント、この船は初めてでして、すみませんが甲板はどちらになりますか?」

【と、表面的な笑顔を貼り付けてながら周囲の人物に聞いたりなどしている、立ち居振る舞いは見かけ倒し的には上流階級のそれと遜色ないだろう】
【海軍諜報員、厳島命である】
【果たして、この潜入に成果はあるだろうか?】

//今日はごく短時間のロールになってしまうかと思いますが、よろしくお願いします。
905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 13:18:21.98 ID:cQtYqjsy0
>>904
//訂正、サージェントではなくサーでお願いします
906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 13:42:32.12 ID:imVh2Cf5o
>>904

甲板でしたらそうですね……
手が空いていることですし、ご案内しましょう

【厳島と”同様の笑顔”を見せながらスーツ姿の紳士は端末をしまい、先導するように歩き始める】
【こちらは厳島と違い周囲を警戒する様子などはない。潜入等でここにいるわけではないことによる差だろう】
【それでも潜入を専門にする厳島ならば、この男が上流階級などではないのがわかるだろうか】

あぁ、ご挨拶が遅れました
私は『レヴォルツィオーン社』の社長の代理として来たものでして、代理人とでもお呼びください
そちらは?

【廊下を歩きながら紳士は話題を振る】
【『レヴォルツィオーン社』というのは兵器・薬品開発を主業務とする企業で、最近になって業績を伸ばしている】
【当然この船にいるということは裏の顔もある。怪しげな実験をしているのでは、という噂も立っている】
【何よりこの企業はパトロンの一社であった】


//ちょっと気づくの遅くて申し訳ないです!
907 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 14:01:52.64 ID:cQtYqjsy0
>>906
「それはそれは、痛み入りますサー」

【側から見れば、品のいい上流階層同士の会話に過ぎない】
【が、厳島は既に気が付いていた、相手はそんなお上品な人種ではない、隙を見せられない、と】

「レヴォルツィオーンと言いますと、最近よくお名前を伺います、専門分野では素晴らしい業績を上げているとか?いやはや、我が社も見習いたいものです」

【あくまで、決して貼り付けた笑顔を絶やさぬように】
【あくまで、気取られぬように】
【その社の名前には、無論覚えがあった、ディミーアの話にも出て、そして仲間からの資料にも名のあった社名、所謂パトロンの社名】

「実は私も会長の代理でして、水国日報新聞社の者です。あくまで身内と言う事で、本日は代表の代わりとして乗船した次第です」

【以後お見知り置きを、と名刺を差し出す、無論だが、全ては偽造したものだ】

//いえいえ、お気になさらずに
908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 14:10:17.00 ID:imVh2Cf5o
>>907

【あちこちで商談や単なる交流などで賑わっている船内だったが、廊下は流石に静かだった】
【それでも全く人がいないわけではなく、少し歩けば人とすれ違う程度といった具合だ】

これはご丁寧にどうも
こちらも名刺を。名前が無機質なのはご容赦ください

【名刺を受け取り、胸ポケットから名刺入れを取り出す】
【男が差し出した名刺にはレヴォルツィオーン社の連絡先などの情報と共に単に『代理人』とだけ書かれていた】
【今のところ、この男が何かを怪しんでいるような様子はなかった】

それにしても新聞社の方、ですか
どうやらこの船の主人が持つ権力というものはよほど強大なようですね
貴方も”裏”とのコネを?

【話は乗船の目的へと移る】
【男の質問はあまりにも直球といえるか。何ら躊躇も遠慮もすることなく裏社会の話を話題に選ぶのだ】
909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 14:21:48.47 ID:cQtYqjsy0
>>908
【すれ違う人々にたまに会釈をしつつ】

「ご丁寧にどうも……流石は飛ぶ鳥落とす勢いのレヴォルツィオーン社様の名刺ですね、紙質からして違います」

【これもまた、本来のビジネスの席やあるいは上流階層のパーティーではよくある、実にありがちなリップサービスと言える】
【やがて、これもまたさも普通の会話のように、しれっと裏社会の話を振ってくる】
【無論、厳島としては待ってましたと言わんばかりの状況である】

「ええ、もちろん……何分こういった仕事ですからね、裏も表もツテもコネも網の目を張り巡らせているのが我々記者の世界ですから」

【何とも自らも呆れるくらい、スラスラと嘘を並べ立てられるものだ】

「では、御社もこちらの船のご主人の直接のコネですか?」

【決して表情にも、声にも、顔にも出さないが、核心を突く時だ】
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 14:33:00.75 ID:imVh2Cf5o
>>909

それはそれは、流石は社会の基盤を成す業種、といったところでしょうか
どこにでも根を張る……なんとも恐ろしいことです

【そう言って男は肩を竦めた。これもリップサービスの一種だったが、上流階級向けでは全くない】
【裏社会、もっと言えば闘争の世界にいる者向けのものだった】
【一方で厳島のリップサービスへの反応は薄かった。代理人故、なのだろう】

ええ、もちろん。マルコ・ダルハイト氏と協力してこの難局を乗り切る、と社長は仰っていました
なんでも、我々”パトロン”のリストが流出したんだとか
となれば、この船に公安やその他、妨害が入ってもおかしくないですからね

だから、私のような人間が代理に選ばれたということです

【厳島からすれば意外だろうか、紳士はすらすらと情報を話していた】
【そこには気負いがなかった。情報を死守しなくてはならない、という気配がなかった】
911 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 14:46:11.49 ID:cQtYqjsy0
>>909
「いえいえ、そのような大層な物ではありません、所詮はブン屋、粗探しと市民感情を煽る事に躍起になる罪な仕事です」

【少し演技じみた動作でやれやれと首を窄めて見せる】
【まだ、まだ怪しまれてはいない様子だ】
【そして齎されるマルコ?ダイハルトの名前、無論、覚えがある否、ある意味核心的な人物の名前だった】

「氏とはやはり、然し乍ら公安とは恐ろしい……我々ブン屋では到底手が出せない相手ですからね」

【ここで声を潜めて】

「と言うことは、やはり機関の方々もこの船には?」
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 14:56:49.97 ID:imVh2Cf5o
>>911

カノッサ機関でしたら……どうでしょうね
いてもおかしくはない、というところでしょうか
少なくとも私は直接出くわしたことはないですが

【機関との繋がりについてはこの男は何も知らない様子であった。嘘を言っている気配もない】
【廊下を進み、階段を下る。案内はまだ続きそうだ──つまり、まだ会話は続けられる】
【ふと、何かを思いついたように紳士が顔をあげた】

御社は、このコネを用いて何を?
ただ業績を伸ばす、というのは退屈では?

【今度は社の展望についての話だった】
913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 15:07:35.18 ID:cQtYqjsy0
>>912
「なるほど、左様でございましたか、いやはや失礼を記者の性分かついつい込み入った事まで聞きたがってしまいます」

【この代理人の様子からは嘘は話していないようだ、その部分は信用が出来るだろう】
【しかし、一抹の不安はあった】
【この人物、えらく素直に情報を話し過ぎやしないか?と】
【しかし、そんな不安も束の間、えらく広い船内をまだまだ歩いて行く、果たしてデッキとはこんなに距離があった物だろうか?と海軍出身の厳島は少し訝しく思い始めた】

「ははは、出来る事ならばこの国のメディアの頂点に立ち情報ビジネスを独占、一本化と言うのは少々尊大に過ぎる夢ですかな?個人としては、そうですな、何不自由無い人生と老後の渇望ですよ、小市民の小さな夢ですな」

【笑いなぞ浮かべながら、ペラペラと思っても無い嘘をつくのは職業病だろう、こんな答えを返した】

「代理人様は、果たしてどの様な展望をお持ちで?」
914 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 15:17:14.84 ID:imVh2Cf5o
>>913

なるほどなるほど、裏社会のコネを用いた目的としては中々に”手堅い”かもしれませんね

あぁ、私ですか?
私にはこれといった目的はありませんが……社長にも一種の野望がおありのようですね

【廊下を進んでいき、また階段を一つ下る】
【周囲の雰囲気が変わっていた。無機質な鋼鉄製の廊下。明らかに客室が並んでいる箇所ではなかった】
【ふと気がつけば周囲に人影もない。しかしそれでも紳士の男は躊躇いもせず歩いていく】

お聞きになりますか、新興企業レヴォルツィオーン社の展望を?

【顔だけ振り返り、紳士はそう尋ねた。社の目的そのものを聞きたいのか、と】
【企業についての情報という側面においては、恐らく最重要となるものだろう】
【この陰謀渦巻く状況で何をしでかそうとしているのか、知れるかもしれなかった】
915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 15:24:45.22 ID:cQtYqjsy0
>>914
「ははは、お褒めにあずかり光栄です、サー」

【ここで、本来の核心のさらに深層とも言える話題に入る事になる】
【ここで引いていればある意味確かに身の安全は確保できるかも知れないが……】
【否、断じて否】

「宜しければ、お聞かせ願えますか?御社の展望を……」

【何とか表情だけは取り繕いつつ、しかし背中を一筋の冷や汗が伝う】
【ディミーアや協力者達の助力は得られるだろうか?脱出用内火艇の位置は?弾薬は十分か?色々な思いが一瞬で脳内を巡る】
【ある種、この代理人なる男性に気圧され、飲まれている状況だろう】
916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 15:34:34.10 ID:imVh2Cf5o
>>915

【厳島の返事に────紳士は嗤った。満足げに、恐ろしい笑みを浮かべた】
【そのまま何も語らずに廊下を進み、扉の前で立ち止まる】
【そして数歩引き下がり──厳島の後ろまで下がる】

目的地はその扉の向こうですよ、記者さん

【仄暗い声が進む先を示す】
【後ろにこの男が立っているということは、退路はない、と考えていいだろう】
【廊下は今となってはかなり狭い。ひと二人が通るのが限界なぐらいだ】
【暴れて逃げる、という手はあまり現実的ではなさそうだった】
917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 15:41:17.16 ID:cQtYqjsy0
>>916
【ゴクリ、と生唾を飲み込むのが自分で解る】
【全く海軍士官としては失格かも知れない】
【甲板に出るのに、何故階段を『下る』必要があったのか?】
【全く、間が抜けていた】
【周囲は最早地の利は最悪と言える状況だ、だが、だが……】

「この扉の、奥に?」
「開けますよ、代理人様」

【扉に手をかけた、冷や汗は頬を伝い、顔からも笑顔は消えていた】
918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 15:49:39.00 ID:imVh2Cf5o
>>917

【扉の先は船倉だった。いくつもの巨大なコンテナが規則正しく並べられている】
【それらの隙間がそれなりに空いているおかげで人間が移動するのに不都合はなかった】
【扉を通ったすぐ目の前にはコンテナがどかされて開けた空間ができていた。その中央には男が座り込んでいた】

【東洋風の顔つきの男だった。年齢は若く見える。服装は黒いローブのような、魔術師を思わせるものだった】
【おもむろに顔を上げ、厳島を見つけると、にたり、と笑う。それは紳士が見せた笑みよりもさらに昏いものだった】
【紳士が見せたものが獲物を捉える肉食獣のソレだとするならば、この男の笑みは生贄を待つ悪魔のようなもの】
【それほど別種であり────かつ危険な気配があった】

「あぁ、いらっしゃい。私はブランル。『レヴォルツィオーン』の開発主任だ」

【厳島の背後で重々しい音と共に扉が閉められる。深淵の底に、厳島はたどり着いてしまっていた】

弊社の目的を知りたければ、彼から
彼が最もよく知っている……というよりは
彼が目的達成の全てを担っていますから

【紳士が座っている男──ブランルを指で示す】
【今でも情報の取りやすさは変わっていないようだった。それが意味するところはきっと違っているのだろうが】
919 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 15:58:15.87 ID:cQtYqjsy0
>>918
【先ず、背中に走ったのは悪寒だった、何よりも命の危機を感じる悪寒だった】
【言葉尻こそ優しいが、その笑みも放つ気配も何もかもが危機を感じさせる】

「!?」

【ここで、扉が閉められる】
【万事休する、荒事では決してこの分厚く深い船倉からは脱出は困難だろう】
【ここに至って、厳島は軍人としての立ち居振る舞いを隠しきれずにいた】

「お初にお目にかかります、サーブランル、私は水国日報新聞社記者、会長代理の厳島と申します」
「御目通り光栄です。サー、早速ですが……御社の展望を、目的をお伺いしたい」

【歩み寄りながら、なんとか平静さを保ちつつ、こう尋ねた】
920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 16:05:59.73 ID:imVh2Cf5o
>>919

【ブランルへと歩み寄ると何か、雑音のようなものが耳に触れてくる】
【厳島の神経が研ぎ澄まされていれば、それがうめき声のようだと、分かるかもしれない】
【一方でブランルにそれを気にしているような様子はなかった】

「なるほどなるほど。目的を知りたい、と
 問いを問いで返すのは無礼ではあるが、教えてほしい
 一体、どうしてお前はそれを知りたがるのだ?」

【頬杖を突くブランルの陰鬱な瞳が厳島へと向けられる。黒体のように暗い瞳が】
【それは個人の理由を尋ねているのか、企業の理由を尋ねているのか判然としない問いだった】
【何をしでかすか分からない雰囲気がブランルにはあった。答えには慎重さが求められることが、分かるだろう】
921 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 16:14:18.87 ID:cQtYqjsy0
>>919
【これは、まるで呻き声?】
【このコンテナ、まさか?!】
【厳島は内心この声を聞き、はたと頭を巡らせた、それは彼個人何度も聞き慣れ、夢にも出る苦悶の声】

「……なるほど」
「単なる情報をもって一時代を築きたい愚かな記者の好奇心、と言う返答は納得頂けますかな?」

【汗は止まらず、喉が乾くのがよくわかる】
【何とか絞り出した回答は決して人によっては、非常につまらずある種愚弄とも取れる回答であったのは、重々本人も承知である】
【果たして、この魔術師然とした男の回答は?】
【ただ、手に持ったコートと袖に隠しながら、携帯端末でディミーアに電子文書を送信する行動は取る、文書はSOSとだけ】
922 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 16:28:26.62 ID:imVh2Cf5o
>>921

【愚弄かと思われたその質問に対する返答は────哄笑だった】
【肩を震わせるブランルは、心の底から愉快だと言わんばかりに笑っていた】

「あっはっはっはっはっ! 悪くない返答だ!
 確かに典型的な答えではあるが、しかし今となってはその平凡さがむしろ愉快だ
 分かった、ならば答えよう」

【パチン、と指が鳴らされる。ブランルの両隣に人影が落下してきた】
【どちらも成人の男性。ボロ切れのような布を服代わりに纏っているだけで、それ以外におかしな点はない】
【────いや、異変はあった。獣のように歯をむき出しにしてうめき声のような音をそこから鳴らしているのだ】

【周囲の音の正体は”これ”だった。つまり、他にも数人いるということだ】
【白濁した瞳が厳島に向けられる。口の端からは涎が垂れて、うめき声の合間に”助けて”や”腹が減った”といったような言葉が聞こえてくる】
【どこか胴体が固定しきれずに上半身を揺らす様は映画などに出てくるゾンビに酷似していた】

「我々の目的は単純だとも────ああ、単純だ、お前の目的ほどに単純だ
 それはある種の支配欲だ。我が社の社長はこういった”不死の軍勢”を国やカノッサ機関に売りつけたいと考えている
 こいつらは死なず、休息も不要という無敵の人材だ。全ての組織が必要とするだろう
 そうして業界どころか戦争を含んだ闘争を支配するのが目的なのだ」

【ブランルが語った内容はあまりにも、それこそ映画的に非現実なものだった】
【つまりは生体兵器を売りつけて裏から、影から、戦力を必要とする組織を支配するのが目的だ、と】
【幼稚と言って一笑に付してもいいような言葉だったが──ブランルは”死なず”と言わなかったか?】

「で、今日の私は性能試験のために来ている、というわけだ────意味は分かるかね?
 あるいはこう言おうか…………

 ────好奇心は猫をも殺す、と」

【ブランルの言葉と同時にゾンビのような人間二人が厳島へと向かってくる!】
【その動きは並の人間ではあり得ないほどの速度だ。組みつかれてしまえば人間離れした膂力で押し込んでくる】
【さらには腕なり脚なり可能な箇所に噛みつこうともしてくるだろう】
923 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 16:40:44.23 ID:cQtYqjsy0
>>922
「!!??」

【現実とはあまりに非情で、現実とはあまりに容赦がない】
【厳島はその現実を前に、全く言葉を出せなかった】

「これはまるで……」

【傭兵産業?否、BOW?否、生体実験?否、そのどれでもなくどれでもある、新しく極めて吐き気を催す、支配構造の確立だ】
【月並みだが、洒落にならない情報を知ってしまった】

「こんなこと、こんな事が……!」

【奥歯を噛み締める、血の味が滲む、それ程迄に現実は醜悪だった】
【瞬間、ゾンビのような兵士が2人厳島に襲いかかってきた】

「貴様ら!初めからこのつもりで!?」

【横っ飛びにコンテナを盾に回避を試み、その間にコート内から拳銃を取り出しゾンビ兵2人の頭に向け発砲する】
【海軍28式大型自動拳銃、果たして?】



//すみません、良いところで後ろ髪引かれる思いですが、そろそろ時間が迫っております、このまま持ち越しか置きレスをよろしいでしょうか?
924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 16:44:00.82 ID:imVh2Cf5o
>>923
//では置きレスに移行ということで
//レスは用意しておきますので! ひとまずお疲れ様でしたー
925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/11(日) 16:46:17.15 ID:cQtYqjsy0
>>924
//すみません、お願いします。ありがとうございました!
926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 16:52:47.31 ID:w1MvlwWC0
【とある大きな病院。小さな怪我から大きな怪我、果ては大病にも対処してくれると有名で】
【日々昼夜問わずに沢山の患者で賑わっている事だろう】
【其処に有る、数種類の自販機などが並んだ少しばかり豪華な待合室】

「……暇なのです。あの馬鹿二人も何処に行ったか分からないのです」

【ぶすっと頬を膨らませ、足を悪くしているのか車椅子に座る一人の少女】
【汚れを知らない白銀の髪。何より特徴的なのは、額に生えるその角か】
【魔力を感じ取れる力があるならば、少女から強い“聖”の魔力を感じるであろうし、仮に無かったとしても何と無くその周囲だけ清んだ気配が漂っていることに気付くか】
【とは言え、本人はそんな聖人からは掛け離れた様子。抱く不満を隠す事もなければ、当然看護師達だって近寄ろうとはしない。故、今この場は少女以外の者は居らず】

「ふん。全く困ったものなのです。別にあの馬鹿二人がどうなった所で私の知った事では無いのです
そんな事よりもジュースを……を……――
ん……んん…………――何なのですこのアホ自販機は!お前にお金を恵んでやろうとしている私を拒否するのです?!」

【キィキィと車椅子を自販機の前まで移動させたならば、お金を投入して】
【いざ、最上段にあるココアを購入しようと手を伸ばすが――届かない。手をプルプルと振るわせながら伸ばそうと届かない】
【何度か挑戦するも、やはり届かない。終いには何とも理不尽な理由で自販機を叩き出す始末である】
【まるで子犬の如くガルルと唸りながら自販機を威嚇するする少女だが――仕切りも何も無いこの待合室、外から丸見えであって】
【果たして一連の流れを見た者はどんな感想を抱くのだろうか】
【この少女は扱えないが、近くには踏み台代わりに使える椅子だって存在している。小さい者であろうが手を貸すことが出来るけれど】
927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage saga]:2018/03/11(日) 18:01:58.81 ID:/+TXrqZpo
>>901
/すみません……ちょっと予定が変わってしまいましてやっぱり置き以降でおねがいします
/後ほど置きレスにお返しいたします……
928 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 18:37:46.20 ID:imVh2Cf5o
>>926
//まだいらっしゃいますか?
929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 18:37:53.05 ID:9yG7LhE3o
>>926


――イタっ! ッッてえなあ! 何すんだこのチビは!


【ふと、どこからともなく声がするのである】
【だがもし、それで周りを見回してみたとしても、そこには少女に声を向けている者はおらず】


最近のニンゲンはこんなコドモまでモノを大事にしやがらねえと来た
まったくどうして、世も末だね。やれやれ――

――あ? どこ見てやがる。こっちだこっち


【こっち――】
【そう呼ばわれて、何かの予感と共にでも再び自販機へ目を据えたなら】
【妙なことに、その機械と『目が合う』ような感覚を覚えるかもしれない】

聞こえてんだろう、チビ?
そうだよ、その『まさか』だよ。俺はお前の『目の前』にいる

分かったら、謝れ。俺を叩いたことを謝れ
モノを大事にしなくてゴメンナサイ、と今すぐ謝れ

【「そうすれば許してやらんこともない」】
【そんな風に言って、まるで荒い鼻息でも噴き出すかのように、ヴーンとその機体を唸らせるのだった】
930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 18:38:49.26 ID:9yG7LhE3o
>>928
/あ、被っちゃった! どうするかは>>926さんに任せます。
931 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 18:51:23.23 ID:imVh2Cf5o
>>926>>930
//複数が難しい場合は>>930の方にお譲りします!
932 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 18:57:28.13 ID:w1MvlwWC0
/>>928>>929
/反応遅れてすみません!途中御飯で抜けてしまうのですが、それでも宜しければこちらは複数可能です!
/お二方も複数が大丈夫であれば先ずはこちらの返レスから〜な流れで出来ればとっ
933 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 18:59:14.46 ID:imVh2Cf5o
>>932
//了解しました。そちらのレスの次にこちらがレスしますねー
934 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 18:59:25.30 ID:9yG7LhE3o
>>932
/こちらは大丈夫ですよ、よろしくお願いしまーす。
935 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 19:10:38.98 ID:w1MvlwWC0
>>929
【予想外の言葉にビクリと小さな身体を震わせ、辺りを見回して】
【――誰も居ない。空耳か、と思った時にはその考えを見透かされたような言葉にまた身体を跳ねさせる事だろう】
【威張り散らす生き物ほど存外に臆病、とはこの少女にもきっちり当てはまるらしい】
【「うひゃあっ?!」そんな間抜けな叫びと共に身体を少しでも自販機から遠ざけようとするのだ】
【車椅子のブレーキが効いている事も忘れて】

「うううう煩いのですアホ自販機!何でこの私がお前なんかに謝らなければいけないのです!
だ、だ、大体お前が意地悪するから悪いのです!」

【然れどそれだけで終わらないのがこの幼子】
【震える声。そして震える指でズビシッ、と自販機を指しながら抗議を行うのだ】
【その体勢が少しでも後ろに逃げようとするそれで無ければ少しは良い絵図でもあるのだろうが】

「しゃ、喋る事が出来るならさっさとココアを出すのです!それが出来ないなら身体をバキバキにしながらでももっと背丈を縮めるのです馬鹿!
偉そうに話してお金を恵まれる事を待つお前何かより、田んぼで突っ立ってる案山子の方がよっぽど仕事熱心なのです!」

【抗議の間に何時もの勢いが戻って来たのだろう。ズケズケと毒舌を交えながら話すも――たった一度の唸りで攻守交代】
【ひぃっ!と頭を庇いながら俯くのだから情けない】
【さて、妙に騒がしくなり始めたこの場。病院である事を考えれば誰かを寄せ付けるには十分で有ろう】
【更には仲良くお話しする少女と自販機。目立つなんてものでは無いだろう。因みに此処、精神科は無い】

/こちらこそ宜しくお願いしますですよー
936 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 19:19:33.46 ID:imVh2Cf5o
>>929>>935

【そんな二人──あ、いや、一人と一機を見ているやつがいた】
【年齢は三十代前半、大剣を背負ったガタイのいい男だ。病院にはちょっとした治療のためにきていた】
【さぁ帰ろうか、というところで廊下で大声が聞こえてきた。自警団であることもあって様子を見に来たのだが】

…………おっかしいな。ここに精神科はなかったよな

【来てみれば自販機にマジギレしている少女がいるではないか】
【あぁきっと頭のおかしな可哀想な子なんだろう、なんて視線を送っている】
【つまりは自販機の声はこのおっさんには聞こえていないわけであったが】

【とりあえず、飲み物が出てこないことだけはわかった。それで何で自販機に喋ってるかはわからない】
【どうしようかと逡巡。ひとまず様子を見ていることにした。じーっと】
937 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 19:30:20.40 ID:9yG7LhE3o
>>935-6

――ああ? いつ誰がお前みたいなチビに好き好んで意地悪をしたってえ? ええ?

チビなのにそんな『高望み』するからいけねえんだろうが
悔しかったらもっと『身の丈』に合ったものを頼むんだな

【「例えばそう、こういう『お子ちゃま向け』のやつとかな!」】
【ピピッ。ガタ、ゴトン。するとひとりでにボタンに押されて、何かが出てくる】

【もし、それを手に取ってみたならば】
【――『ママのほほえみミルク』と書かれたパック飲料】
【可愛らしくデフォルメされた母子のイラスト、その端には『0〜1歳児用』と書かれている】

【――また何か舌戦の火蓋が落とされそうな気配で】
938 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 19:46:50.12 ID:w1MvlwWC0
>>936>>937
【自分の勝利を確信。今し方取りだし口から聞こえたその音が何よりの証だ】
【その前に不穏な言葉が聞こえた気がするが……恐らく、気のせいだ。多分。きっと】
【先程までの警戒も何処へやら。ふふん、と得意げに鼻を鳴らしながら取り出し口に手を入れて――】

「な、ななな……自販機の癖にお前は自分が扱っている品も理解できないのですか愚図!
誰が!何時!どこでっ!!こんな子供向けの飲み物が欲しいと言ったのです!!
それに、誰が0歳児です!!!」

【怒りに任せてパックを握れば裂け目が出来て。ブンブン、と振る度に中が溢れてくるのだから容器の状態はある意味で良好】
【撒き散らされた牛乳を誰が拭くのか?そんな事を気にする様な性格の人物はきっとこの場に居ない】
【――しかしせめて一歳児と例えれば良いものを態々自身から0歳児と例えに出すのだから何とも】
【要らん!とばかりに投げ捨てられたパック。クルクルと綺麗に周り、辺りに白い飛沫を舞わせながら向かう先は――自警団の男だ】

【悲しいかな、それに当たれば物理的な威力は無くとも色々な意味で精神的ダメージを受ける事になるだろうか】
【更には当たったその瞬間にパックの裂け目が大きくなるのだ。まるで手榴弾の如く、小規模な牛乳爆弾を受ける事となろう】

「さっさと要求している物を出すのですノロマ!そんな簡単な仕事すらも出来ないならばお前はクビなのです!
業者に引き取られて倉庫の隅で虫達の住処となりながら一生を終えるのです!
――お前なんかに絶対お金は恵んでやらないのです!」

【それはどちらに対しての、誰に対しての悪態か。バンバン、と小さな掌で無遠慮に自販機を叩こうとする始末】
【その最中で、ふ――と思い立ったように返却レバーへと手が伸びるのだ。まるで勝ち誇ったように、仕事が出来ないならばその代金の払い戻しを求め】
939 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/11(日) 19:48:13.14 ID:49cuzsE80
>>889

【――――嗚呼と、心中に溢れる言葉は、けれど、表情までは漏れ出さない】
【思い返しても"好き"と思った瞬間はなかった。恋人みたいに触れ合いたいと思ったことなんて、なかったけれど】
【だけれど好ましいと思うのだ、もっと――こんな風でなければ、いろいろなことをお話してみたかった、なんて、ふと思いそうになる】

【そんなのはほんの刹那だけの話。瞬きが終わる前のほんの一瞬ですべて片付けてしまって、あとは――自分だけれない誰かの命さえも、言葉に賭ける】
【ぎゅっと唇を噛むように黙った少女は相手の言葉の一言、その吐息や表情までも、すべて見逃せないとばかり……じっと、じっと、見つめていた】
【機関員全員が知っているわけではない――だけれどつまりそれは機関の中の人間は何かを知っているということになる。様子を見れば、彼も知っている一人であるのか】
【しまった――と思う気持ちは、だけど精一杯に押し隠す。それでも隠し切れない動揺が一瞬まなこにちらつく、大外れだったら――見逃してくれる相手ではない】

【――そんな様子は、けれど、続く言葉に。ぱちりとした瞬き一つで、少女はまだ黙り続けた。しかしそれは先ほどまでの緊張に押しつぶされそうなものとは違って見え】
【少なくとも――言葉の上では。賭けに負けなかったことを理解する。それでも――"それ"が嘘でないという確証は一つもない。正解である、という保証もないけど】

なら――……カニバディール。あなた――……"わたしたち"と、組む気は、ない?
"たち"って言っても、何か、組織とかじゃない。UTは関係がない、今のところは……。――機関も、全然。関係がないの。
自警団もSCARLETも関係がない。もちろん、公安も……それ以外も。――"そのはず"、だよ。

……そのうえで、わたしは、あなたを信用できるひとだと思って、探していたの。ロッソさんも……あなたを信用するって。

――――わたしたち、公安が持っていない情報を持っている。もしそれが知られていたのだとしても……、欲しがるだろうものを持っている。
全部なはずもないけれど、いくつかのことも分かってる――あなたが味方をしてくれると約束するなら、全部伝える。これから分かることも、全部知っていい。

もちろんその間にセリーナとあなたが何か揉めたりするようなら、わたしが間に立つ。……これはわたしがお願いしていることだから。
セリーナはまだ関係ない。セリーナは目立ちすぎるから大人しくしていろって――ロッソさんが。

公安を潰すのが目的。……人脈とか、お金とか、情報とか……全部足りないって、ロッソさんは言っていた。
――わたしの知っている中で、あなたは一番……一番悪いひとだけど、とても強くて、一番、信用できる。――――何より、わたしの、恩人でもあるから。

【あのひとたちの前で、彼は信用できる人間だと言った。そしてあのひとたちも――信用できる人間だろう、という判断をした】
【だから――彼女もまた、この場で、彼を信用することを選んだ。どうせ言葉がうまいのはあちらであるはずなのだから、変に取り繕わないで、言いたいことを言ってしまう】
【相手の言葉が嘘だったなら、自分はもとより名前を挙げたロッソには特に迷惑をかけるか。それでも――彼も知っているロッソと、自分以外は、かたくなに出さない】
【やはり緊張した様子ではあったが、さっきまでよりは――彼個人にとって敵であると表明された以上、それを信じたうえで話すのだから、いくらか強張りも解け】

【――ならば今宵の彼女は"公安を潰す"のを目的にしたグループからのお使いであったらしい。使いに出したのはロッソか。それとも、彼にとって知り合いだから名を繰り返すのか】
【だけれど同時に分かるのは、そうはいっても、様々なものが足りていないこと――そのうちの一つとして、この少女が、カニバディールを、信用できる人間だと推薦したこと】

もちろん――、これが終わったら、それで、おしまいだよ。もうこうやってお話したりするのも、本当に、きっと、二度とない。
……助けなくっちゃいけないひとがいるの。全部だめだったとき、どうなってしまうのか、分からないの。……今のわたしは、この世界が壊れてしまってほしくない。

【――禊いだ意味を、忘れたわけじゃない。そんなに簡単に無碍にしてしまっていい約束なはずがない】
【ただ一度、一時だけ、その約束を忘れてくださいとお願いする――最後の言葉は、彼女からの本心の"お願い"でもあった。UTでもお使いでもない、少女から、彼への】
940 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(山形県) [sage]:2018/03/11(日) 19:53:06.68 ID:+IeF11ul0
【風の国――街中】

「公安の情報持ってこいって言われてもなぁ……一般人に拾えるわけないじゃん」
「脱退届置いてきたUTにノコノコと顔出せって言うのか、って言葉は否定しないし」
「んもー、彼女らに迷惑かかるようなことはできればしたくないんだってば」

【サメのヒレの様なツノのあるボサボサとした説明しにくい黒髪に、金色の眼の20代後半〜30代前半の男】
【長方形で黒色のサングラスと普通の使い捨てマスクを着用しており、左頬には猫と思われる引っかき傷の痕がある】
【茶色いコートを羽織りフードも着用(ツノはがっつりはみ出ている)し、頭部には赤色の鉢巻が巻かれている】
【他、ほんのり青いタンクトップ、紺色のジーパン、青いマフラーと手袋、紐タイプの無難な黒ベースの運動靴】

「となると、やっぱり路地裏で悪人〆まくるのが一番なのかなあ」

【どこかで買ったらしい紙コップのジュース、それをストローで吸いつつ】
【路地裏の入口で立ち止まり、その先を見る】

「……ブファッ! ゲホッゲホッ! 考え事と飲み物って相性悪っ……ゲッホゲホッ!」

【……どうやらジュースが変なところに入ってしまい、むせたらしい。オレンジの香りが少しだけ散った】

/日付変わる頃には落ちます
941 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 20:02:49.75 ID:imVh2Cf5o
>>937>>938

【しばらくは自販機と格闘する少女を微笑ましく(?)見守っていたが】
【何やら自販機から妙な音がしていることに気がつく。どうにも声に聞こえる】
【しかし自販機から声がしたところでそれをまともに信じるわけもない】

(…………疲れてんのか、俺)

【そういえば最近忙しいもんな、公安とかいろいろな────なんて考えて現実逃避】
【それでもやっぱり気になる。このままだと一日中気にするはめになりそうだ】
【そう思って少女と自販機へと近づこうとする。調べればそれで済むんだからその方が早い】

【────次の瞬間、視界に何か飛んで来たと思ったら目の前が真っ白になった】

【ゲームオーバーになったのか、と思いきやそうではない】
【前髪が垂れて来て肌に張り付いてなんだか気持ち悪い。鼻腔をくすぐるのはほのかに甘い香りで】
【どう考えてもミルクだった。一体どうして自分の顔面がいきなりミルクまみれになっているのか、これが分からない】

【そういえばさっき少女が持っていたのはパック飲料だったような────】
【そう考えた瞬間、男の脳内で何かがブチッと音を立てて切れた】


こォのクソガキッ〜〜〜〜〜〜!!!!!
後ろ見ずに適当に投げてんじゃねえぞボケェ!!!!!


【激怒、激怒である。それこそ少女に匹敵する勢いでブチギレ、少女を超える声量で叫ぶのである】
【そのままズカズカと肩を怒らせながら近づいていき、車椅子の少女の頭めがけて拳骨を落とす】
【そりゃあもう痛い。鍛えているおっさんの拳骨だから痛いに決まってる。しかも少女からすればいきなりだ】
942 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 20:09:16.43 ID:9yG7LhE3o
>>938>>>>941


――あにィ?
お前は金を入れた、俺は品物を出した、それで終わりだろうが!

誰がお前みたいなチビから恵んでもらうか!
こちとら売れっ子だ、そんなに困っちゃ――あイタッ!
てめえこのっ! やりやがっ、イタっ、やめろこのイタっ、痛いってんだこの――


【――――「「クソガキッ」」】

【その言葉が、男の激怒するそれと重なった】
【何やら尋常ならぬ気迫を湛えて迫り来る男に、敢えて警告などしない】
【ただその時だけは都合良く普通の自販機に戻って、拳骨が振り下ろされる様を黙って見て――】
943 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 20:35:47.85 ID:w1MvlwWC0
>>941>>942
「お前は希望していない品を出したのです!詐欺だと言う事に気付かないならお前はポンコツ以下なのですよ!
さっきから話を聞いてやっていれば好き勝手ばっかり――ピャイ?!」

【魔術に特化した存在は防御力が低い事が多い。特にこの少女、尖りに尖った魔法使い型である】
【――故、防御力は紙。自販機との論争の為に、周りへの警戒も無し。結果、男性の一撃はクリティカルヒットとなるだろう】
【ゴツン。最初は痛みを感じるよりも驚きの方が強かった】
【目の前の星々が消えた後に猛烈な痛み。じわり、と涙が浮かんで来たと思えばそのダムの崩壊に至るまで実に早く】

「だ、だって!――――だって……!」

【後はもう予想通りの号泣である。自販機を指差しながら意地悪するだの欲しい物を買わせて貰え無いだのと言うのだが……まあ、現状信憑性はこの通りだ】
【喋る自販機が〜。お金を払ったのに勝手に別な商品を〜。そんな事を唐突に言われた所でどれだけの人が信じられるのだろう】
【グスグスと泣き、真っ赤な目で自販機を睨みながらまたもやバンバンと叩くのだ】

「嘘だと思うなら牛乳臭いお前も何か買ってみると良いのです!!
そして私を急に叩いた事を土下座しながら謝るのですよ!!」

【牛乳臭いのは誰の所為か。そしてそれについての謝罪はする気も無いらしい】
【更には自身も買って体験しろとの言葉だが――或いは、それはフラグか】
【但し、少女とてただされるだけでは無い。咄嗟にせめてもの復讐を考え】
【――この自販機、痛みを感じていたか。ならば、男が商品を購入するその刹那にまた痛みを与えればどんな反応が返ってくるだろう】
【その痛みの為に商品を違えるか、それとも自販機らしく全うするのか。分からない、が……男性が促されるままに何かを買おうとするのならば、その瞬間を狙って小さな拳が自販機を叩くのだ】
【人間ならば下腹部か鳩尾に当たりそうな高さ。自販機に部位の名称があるか分からないけど】

/御飯を食べてくるので少し離れます―
944 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 20:46:14.01 ID:imVh2Cf5o
>>942>>943

【見事にヒットした拳骨のせいで少女が泣き出してしまった】
【と、いうのにこの男、悪びれる様子もない。どれだけ大人気ないのか】
【自販機をばしばし叩く少女の言い訳もどこ吹く風。”何言ってんだコイツ”って顔をしていた】

【していたのだが、内心ではどうも気になっていた】
【思えば自分が殴りにやってきたときも明らかに声は二つあった】
【となるともしや────などと考えずにはいられなかった】

牛乳くさいのは誰のせいだっ!!
これでお前、自販機何もなかったらどうなるか覚悟しておけよ……?

【ドスの効いた声で少女を脅かすおっさん。こっちはこっちで酷い】
【ともあれ、気になっていたことを確かめるためにもとりあえずは小銭を取り出して自販機へと投入】
【無糖のブラックコーヒーのボタンをぽちっと押すのだが、少女の打撃が同時に入る】
【果たしてどうなるか】

//了解です!
945 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 20:58:22.68 ID:9yG7LhE3o
>>943>>944

――――――――――

【男が近付いてくれば、無音。この自販機は見たままの自販機である】
【自販機が喋る訳ないじゃないですか。何を馬鹿なことを。ハハハハ】

【そうして無機質にだんまりを決め込んでいたのだが――】


――――あぽォ?!


【男がボタンを押したのと同時、ガンッと拳が叩き込まれれば】
【鳩尾でも抉られたみたいな声が唐突に上がるのである】

【ガタ、ゴトン】
【それと平行して飲み物が出てくる】

【が、それを取って見たならば――】

【『アタイとボクのいちご牛乳』】
【ピンクの可愛らしいパッケージに、そう書かれているのである】


…………………・・・・・・


【あれれおかしい、故障だろうか】
【しかしたまにはそんなこともあるかもしれない、仕方ない、仕方ない】
【何もおかしいところはない、至ってごく普通の自販機だ。そうに決まっている】

/ごゆっくりどうぞー
946 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 21:26:37.26 ID:w1MvlwWC0
>>944>>945
【何だこの自動販売機。やたらと牛乳関連を押してくるでは無いか。胸の貧しい方々の味方か】
【と言うか、アタイとボクのいちご牛乳……果たしてそこに彼/彼女或いは別な二人称三人称が無いが購入者に飲ませる気はあるのか】
【いいやそもそも、だ。アタイであってボクでもあるとは多重人格者が作り出した商品なのだろうか。苺牛乳と書かれて居ながら無果汁なんて落ちは無いだろうか】
【――そんな事、ポンコツな少女が考えはしないけれど】


「……!私が言った通りなのです!!この自販機、今間抜けな声を出したのです!!
ほら、さっさと地ベタに額を擦り付けて私を崇めるのです!!」

【最初は謝れと言って居た筈なのに、今度は崇めろと忙しい。纏う“神聖”もこれでは何の意味も無い】
【弱者に対してだけ非常に威圧的に出る典型的な小悪党。別称やられ役】
【――さて、男性が何かアクションを起こす前に出てきた飲み物を横から奪い取ろうとする事だろう】
【それが成功すれば、通常通りに蓋を開けるなりストローを差し込むなりするのだ】

【しかし運ぶ先は自分の口元では無い。あろう事か、自販機の小銭入れ】

「――ふふん。私は優しいので、お前のいちご牛乳なら返してやるのです
さあ正体を現すのです悪魔!でなければこの聖水がお前の身を焦がし魂を煉獄で清めるのです!
牛乳臭男、お前も生き証人となるのです!」

【いちご牛乳=聖水。代金、男性持ち。端から見れば自販機を壊そうとしている悪い子供】
【この少女、目が本気だ。恐らく男性が止めるか、自販機が制止しなければ――】

/ただいまですよー
947 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 21:36:16.52 ID:imVh2Cf5o
>>945>>946

【”あぽォ?!”────明らかに変な声が聞こえたぞ】
【確かに今のは幻聴ではなかったような気がする。しかしそれはそれで怖いのである】
【だって自販機が喋ったんだぞ。心霊現象か、もしくは悪魔とかそういうアレな気配】

…………確かに声が聞こえたな
って、なんで俺が土下座を通り越してお前に礼拝する話になってんだよ!!

【声は認めざるを得ないが頭のおかしい(おっさん視点)少女の要求はつっぱねておく】
【とりあえず飲み物を取り出そう、として横から奪われる。「あっ」なんて言っている間に蓋が開封】
【そして何を思ったのか、小銭入れなんぞに流しこもうとしているではないか】

誰が牛乳臭男だ!
ってそんなことはどうでもいい! お前自販機を壊す気か!!
お前が自販機を壊そうものならなんやかんやあって最後にはどうせ俺が謝るはめになったりするからやめろ!!

【大慌てで男は止めに入った。なにせこの場にいる大人は自分だけなのだから、きっと自分のせいになるに違いない】
【そういう予想である。小銭入れに液体を流し込んだだけで壊れるかはともかく】
【しかし悲しいかな、あまりにも突飛な行動であったせいで男の制止は間に合いそうにない、これは困ったな】
【こうなってしまっては自販機の自衛(?)に期待するしかない、頑張れ】
948 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 21:36:29.66 ID:imVh2Cf5o
>>946
//おかえりなさいですー
949 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage saga]:2018/03/11(日) 21:37:10.09 ID:BCu1KoxEo
>>878

【数時間後、港近辺の倉庫】

【広い倉庫の中心に、小さな円卓。──というよりも、事務机が置かれている。倉庫の備品だろう】
【卓上には船の見取り図が置かれ、到るところに矢印や注釈が書き加えられていた】
【囲むようにパイプ椅子に座るのは、4つの人影。何れも、“セレンディピター”に似つかわしい華やかな装束】

「そんなボヤケた話信じられるか、アホ。」

【その内の一人。黒髪の青年が話を終えると、間髪入れずに、煙草を燻らす眼鏡の男が悪態をついた】
【すると、雪のように白い肌の女が口角を上げる。左手で髪をかきあげ、謳うように、おやおやと呟いた】

『……鵺が選んだ“協力者”だよ。あの子を信じられないのかい、百家。』
「煽るなボケ。──言いたいこと分かるやろが。」
『まぁ、大体かな。珍しく気が合う。』

【百家とクリシュ。両名の間で合致した意見は、“合理的ではあるが確証がない”というものだった】
【──森島も、その点は納得できる。マルコ・ダルハイトの背後に“機関”との繋がりでも出てくれば、話は別だが】
【現状では、公安内部と機関が繋がっているなど絵空事だ。そのことを信じられるのは、彼だけだろう】


…… そう言われると思いました。ので、後はクロさんに任せます。


【そう言って、森島は残る一人に目を向ける】
【──黒々とした髭に、スキンヘッド。普段、“クロさん”と呼ばれる寡黙なマスターとは打って変わり】
【眼の向こうを覆い隠すサングラスはその感情を漏らさず、低い声音には、他の三名を押し黙らせる存在感があった】


[受け持とう。── エルドワル、それからクロノ、と言ったな。]
はい。電話番号を伝えておきました。


【彼の名は“黎 子豪(レ・ツィーハオ)”。明らかに偽名だが。──現在の三課の体制が構築されたときから所属する、最古参の課員】
【犯罪者ではない。公安警察として数十年のキャリアを積んだ捜査官にして、“課長”の右腕。唯一、その素性を知る者】
【彼の役割は、“監視者”にして“連絡役”。常に命の危険を晒して課長に成り代わり、課員を統制する“歯止め”の一つだ】
【尤も、そこまでを知るのは今、此処に集っている三人のみ。他の者達にとっては、後方支援担当の課員でしかない】

[……だが、浅慮でもある。森島。俺や課長が、“あちら側”だという可能性も考えろ。
 身内を疑え。それで初めて、捜査官としては一人前だ。]

【それは、黎がこの国の闇の中で学んだ大原則。だからこそ、彼は“三課”に身を置いている】
【信じる、信じないの話ではない。疑うことが大前提の生き方をする彼にとって、この場所は天職と言ってもよかった】
【──だが、それを言われた森島はと言えば、おかしな話でも聞いたかのように、笑みを浮かべた】

あはは。
あぁ、いや。それはないですよ。ねぇ。

「はっ。それやったら、俺が“そっち側”に誘われてないのおかしいやろが。森島とレールモントフは兎も角。」
『私はどうでもいいよ、裏切るなら潰すだけ。
 ── それに。ふふっ。疑うなら百家の方を疑うよ私は。こいつ程の悪人は居ない。』
いや、僕が言ったのはそういう意味じゃ、ないんですけど。
「……おうおう、頭の螺子飛んどる“×××”は言うこと違うわ。右腕もブッ飛ばしたろか。」
『おや。レディに利く口ではないね。少し剥ぎ取ってあげようか。』
……ちょ、ちょっとストップ!!クリシュさん、地図、地図凍るから!!

[……ふっ。]

【わぁ、わぁ、と、“公安”らしからぬ声を上げる三者を見て、黎は呆れたように口元を綻ばせた】
【「皮肉だな、ハルストレム。」 ──心中、そう呟いて】
950 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 21:51:52.24 ID:9yG7LhE3o
>>946>>947

【“確かに声が聞こえたな”】
【その言葉に、自販機は内蔵モーターをどきりと急回転させる】
【だがまだだ、まだ慌てるような時間じゃない。黙り通せば気のせいで済む――】

【そう思っていたが、そこであろうことか小銭入れにいちご牛乳が流し込まれると】


――っぶほぁッ!?
てめえ何やってだ正気か??!?

あぼッ、やめどゴポッ、この、クソガごぷウウ――


【すると、――べちゃり】
【何かが小銭入れから滑り出て来て、それはすぐ前の床に落ちたのである】


――――はあッ、はあッ、はあッ……てめえこの野郎、殺す気か!!


【そこへ視線を落として見たならば――】
【――何かの生物? 一対の手と足、それぞれに五指がある】
【どうやらそれは某かの『小人』であった】

【全身が青い肌、衣服も体毛もなく、頭部にはカタツムリのような二本の触覚】
【肩をぜーはー上下させながら、まん丸い黒目をこれ以上ない程に見開いて叫ぶ】
【人間の中指ほどの全長しかないので分かりづらいが、紫の舌と鋭い犬歯が認められた】

【そうして現れた謎の小人は、少女の方へなんやかやとがなりたてるのだが】
【男の方へはあまり意識が向いていないらしく、もしつまみ上げようと思えばそれは容易く叶うだろう】
951 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 22:07:38.87 ID:w1MvlwWC0
>>947>>950
「どうでも良いならお前はミルク臭星人と呼ぶのです
――ふふん。普段ならばお前の様な人間は私の事を見る機会は無いのです。今の内に一生分崇めると良いのですよ」

【普段見る機会の無い様な人が病院で普通にウロウロとしている。これ如何に】
【さて、制止も虚しくそれは実行されるのだが……奇妙な呻き声。そしてとても硬化が落ちてきたとは思えない音】
【流石に予想外だったのだろう。投入口に注いだまま、少女の動きも暫し固まる】
【中々に可愛いとも言い難い。だがしかし、ニヤリと悪い笑みを浮かべるのだ】

「思いの外、本体は私よりも‘チビ’なのです。喧嘩相手を探すのなら『身の丈』に合った相手を選ぶと良いのですよ?
たった一本の飲み物で死にかけるなんて、0歳児よりも貧弱な生き物なのです。お前は」

【――完全に根に持っていたらしい。ぷぷーっ、と非常に腹の立つ表情をしながら頬を膨らませて笑うのだ】
【勝利の確信。勝者の余裕。先程から迷惑ばかり掛けている男性に対して、顎で示して】

「またコイツが悪さをしない様に捕まえるのです!悪人はどうなるのか、その身を以て教えるのですよ!
さあミルク大好き男!お前の最初の任務なのです!」

【言い方はアレだが、放って置けば何をするのか分からないのは確かだろう。――害があるのか分からないが】
【半分以上は私怨なのは気にしないでおこう】
952 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 22:13:44.44 ID:imVh2Cf5o
>>950>>951

【小銭入れにいちご牛乳が流し込まれるわ自販機はまるで溺れてるみたいな声を出すわ】
【もうこの男にはついていけなくなってきていた。もしかすると自分は地獄に落ちてこれは何かの拷問なのでは】
【────べちゃり?】

…………なんだこれ

【呆然、まさに呆然とした表情であった】
【小銭入れから出て来たのは小人。なんとも不気味な見た目の小人だったのである】
【何なのかよくわからないので、とりあえずつまみ上げることにした。こう、指でひょいっと。首を持つ感じで】

…………これ、俺が収拾つけるのか?

【周囲をきょろきょろと見てみる。小人に少女に自分しかいない。残念】

俺からしたらどっちかっていうとお前の方が悪もんなんだけどなぁ?

【小人を持ちながら、怖い笑みを浮かべて少女の方を向く男性】
【最初におちょくっていたのは小人の方であったが、このおっさんはそこを見ていなかった】
【何より──何を言ったとしてもミルクを被るはめになったのは少女のせいなので、とにかくそれを怒っていた】
953 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/11(日) 22:21:56.92 ID:ImQrDlUb0
【街中――駅前、喫煙所】
【分煙が進み、喫煙者の肩身が狭くなってきた昨今】
【彼らは狭い硝子張りの室内に追いやられ、誰とも目を合わせることなく無言で煙草を嗜むようになった】
【――そんな人々のためのスペースで、少しばかり目立つ長身の人影があった】

……………………げ、

【銀髪褐色、黄色い目をした青年。煙草を口に咥えたまま、目を丸くして】
【黒いスカジャンの、色褪せたスキニージーンズの。ポケットをぽんぽん叩いている】
【何度かそれを繰り返したあと、呆然としながら口にする――「火ィ忘れた、サイアクっ」】

……すンませぇん、誰かぁ、火ィ貸してくんないッスかぁ…………。

【おそるおそる視線をあげて、へらっと困ったような顔をしながら、へたくそに笑う】
【そのままの表情で、ちらりと周囲を見回してみたが――返答はない。誰も、視線すら上げてくれない】
【がく、と肩を落とす。そのままのろのろと、煙草を咥えたまま移動して――喫煙所の戸に、手をかけ始めた】
954 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 22:27:42.55 ID:9yG7LhE3o
>>951>>952

言ったなこの野郎……!
俺だって昔はなあ――!

【そこまで言いかけた時、ひょいと身体が持ち上がる】
【「ぬわッ!?」と驚きながらじたばたするが、それで何が変わろう筈もなく】
【宙ぶらりんとなった状態で屈強な男を見れば「ひい」と怯えたりはするのだが】

【どうやらこの男、謎生物をいきなり握りつぶすほど鬼畜ではないことが分かり】
【ひとまず息を吐くと、鬼みたいな笑顔を浮かべる男に同調して、ずびしと少女を指差し】

そうだ! この生ける文化的遺産と言っても過言ではない超希少悪魔『井戸魔人』様をいきなり理不尽に叩いたりするお前が悪い!
モノを大事にしないやつは祟られろ! 地獄に落ちて尻を百叩きの刑だ! このアクマめ! 人でなし! バーカバーカ!

【と、散々罵ったりするのである】
【哀れ、一時奇妙な二対一の構図が出来上がる。はてさて少女は如何にするのか】
955 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 22:29:07.08 ID:9yG7LhE3o
/こちら次スレでございます。
/http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1520774065/
956 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 22:47:39.15 ID:w1MvlwWC0
>>952>>954
「なっ……この私の何処が悪者なのです?!お前なんてお伽噺に出てくる悪人そのものの顔なのです!
第一お前はそんな物も避けられないノロマで――――……ほぅ?」

【今まで通り、男性に悪態を吐こうとして――悪魔と言った辺りからか。その言葉が止まり、少女の‘神聖’が高まった】
【其れは戦闘時にも似た高まり。その魔力を右手一つに収束させれば一振りのナイフが完成するのだ】
【何も知らない人物が見れば聖剣、と呼ぶか。光源の多いこの場所で尚一層眩く輝く】
【余りにも強すぎる光は生命を灼くが、それが聖であるならば天使であろうと傷付けるに足り得る】
【況してや小人が本当に悪魔の類であれば……否、この場合は悪魔で無かろうと斬られれば傷を負うか】

「この足も悪魔にやられた呪いなのですよ。進行性の石化のせいでついには膝まで動かないのです
――――だから、私は悪魔が嫌いなのです。お前は希少な悪魔……でしたか
ならば、絶滅危惧種にしてやるのですよ。安心するのです、お前個人に対してはそこまで恨みは大きくないので一瞬でおわらせてやるのです
元よりそれが教会の務めなのですから
牛乳男。その悪魔をしっかり掴んでいないとお前の手首まで落ちるのですよ」

【怖い笑みにも、同調する声にも返すのはただ一つ。歳相応の笑みだ。いや、手に持つナイフが怖い】
【男性が宥めるか庇ってやるかしなければ、本気で刃を振るうという事は察するに容易い】
957 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 22:55:21.99 ID:imVh2Cf5o
>>954>>956

【自称悪魔が少女に向かって悪魔とけなす────男はなんだか頭が痛くなってきた】
【ノロマ呼ばわりされてさらにムカツキ度合いが上がったが、どうにも少女の様子がおかしい】
【なんかちょっと、マジっぽいじゃないですか】

あー…………まぁ、俺としちゃこの自称悪魔がどうなろうと知ったこっちゃないんだが

【そう言ってつまんだ悪魔を軽くぶんぶん揺する。扱いが雑】
【こいつとしては悪魔を庇う理由も案外なかったりする。死んだって、まぁしょうがない】
【とはいえ無意味な殺生はいけない、ぐらいの倫理観は持ち合わせているので止めることにはした】

とりあえず、だ。ここはお前らが謝って終わりにしたらどうだ、ん?
でないとこのガキ、マジでお前のこと殺しそうだぞ

【と、悪魔の方に話しかける。要するに”お前から謝れ”だ】
958 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/11(日) 23:15:25.69 ID:9yG7LhE3o
>>956>>957

【強まる神聖、顕現する光の刃を見て、小さな悪魔は流石にびくりと身を跳ねさせる】
【あんなもので一閃されれば、自分など塵芥のように消し飛んでしまうことは明らか】

【だがこの小人にも古株の悪魔なりの矜持があるのか、ふん、と虚勢を張って】

はッ、天使の力で逆恨みたぁケッサクだぜ!
もう一度辛気臭え修道院にでも籠もり直して、
三食『バイブル』のページだけ食ってやがれ!

【そんな罵声を紡ぐのだが――男にぶんぶんと振られ、二の句は告げない】
【ぐるぐると目を回し、うえっぷ、と何かえずいたりしつつ】

――はあ? 何で俺様が……

【謝れ、と言われてもそれは大変承服致しかねると言った様子で顔を顰めるのだが】
【その狂暴さすら帯びた光の刃を一瞥し、頬には僅かに冷や汗が伝う。いくら悪魔と言えど命は惜しい】

【やがて意を決したか、そっぽを向いたまま大きく舌打ちをしてから】

……ち
ああ、確かに“オトナ”が“コドモ”にするにしてはちっとばかり大人げなかったかもな

悪い、悪い――

【「なんてったって悪魔だからよ」】
【そんな余計な一言を付け足せば、口の端だけを歪めて、ヘッと吐き捨てるように言うのだった】
【吊られたまま腕を組み、ぶすっと。言ってやったぜ文句あるか、と】
【それがこの小人に出来る精一杯であったらしい。後は野となれ山となれ、そんな自棄さすら滲んではいたが】
959 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/11(日) 23:40:15.87 ID:w1MvlwWC0
>>957>>958
【――次第に、刃の色合いが褪せてくる。数秒後には虚空へと溶けて無くなり】
【ただ一瞥。それは、非常に冷たい一睨み。敵対者を殺す事に対して何の感情も抱かない……天使が悪魔を屠るのと同じく】
【ふん、と鼻を鳴らしては悪魔を視線から外して】

「確かにそうなのです。‘子供の様に小さいお前’に対して‘大人のように寛大な私’がする事では無かったのです
所詮お前を手に掛けた所で世界が良くなる訳では無いのですから、特別に見逃してやるのですよ
お前は悪魔よりもいたずらっ子が相応しいのです
――それとも、お前の様な小人は聖書の栞にでもしてやるです?」

【自分が優位という姿勢は崩したくないのだろう。どちらが子供なのかなんて分かりきった事なのだが】
【そのまま男性を指差し、流れるように床を塗らしている牛乳を差し】

「それとお前。其処に零れている牛乳をちゃんと拭いておくのですよ。はしゃぐのも良いですが後片付けをちゃんとしなければ一人前にはなれないのです
……後、その悪魔もガムテープで巻いてゴミ箱にでも捨てておくと良いのです
私は忙しいので、もう行くのですよ。小さい悪魔何かよりも大事な事があるのです」

【散らかしたのは誰か。自販機に飲み物を与えたのは誰か。元凶は全てコイツだが……本人は素知らぬ顔だ】
【気付けば遠くで修道服の女と白のローブを着た少女。恐らくは、この角の生えた少女の知り合いか】
【咎めようと止めようと、聞く耳持たずで車椅子を漕ぎ始め――やがて、その場から去る事になる】
【残されたこの悲惨な現場は……まあ、男性が掃除せずとも次の日には綺麗になっているだろう】


/そろそろ良い時間なのでこの様な形で締めさせて頂きます!お付き合い有り難う御座いました―!
/それと、スレ建てありがとうございます!
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(中部地方) [saga]:2018/03/11(日) 23:46:31.19 ID:imVh2Cf5o
>>958>>959

【なんとか悪魔は見逃されたらしい。男は安堵の息をついた】
【掃除をしておけと言われてまたまたイラっとしたが文句を言うより先に少女がいなくなってしまう】
【残ったのはおっさん一人に妙ちくりんな悪魔が一匹だ】

…………シャワー浴びたいし、帰るか
お前もおちょくる相手は選べよ。悪魔だか何だか知らんが、結構やばかったんじゃないか?

【ガムテープに巻けとか言われていた気もしたが無視して丁寧に悪魔をそのへんに下ろす】
【落とすと死ぬかもしれないので慎重に。このおっさん案外優しいかもしれない】

……黙っては、帰れねえな、やっぱ

【床を見ればミルクがぶちまけられている。一人のまともな大人としては、放置できなかった】
【布をどこからか調達して、泣く泣く床掃除をするおっさんがそこにはいたのだった】
【────それで、まぁ、この話は終わりだった】


//はーい、二人ともお疲れ様でしたー!
//こちらもこれで〆です!
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/12(月) 00:03:21.48 ID:q6dgw+r1o
>>959>>960

【去って行く少女の背中へ、小悪魔は思い切り舌を出していた】
【やがて見えなくなれば――ほっ、と盛大な安堵の溜息を吐いて】

……ま、まあ、お互いタダじゃ済まなかったかもな

【と、あたかも少女へ張り合えたかのように言うのだが】
【その青い肌を更に蒼白にさせているあたり、虚勢なのは言うまでもなく】

【それから存外優しく床へ降ろされる小人】
【「おう、いつかあいつにあんたの爪の垢でも煎じて飲ませてえもんだな」】
【悪魔らしからぬことを言い、床が近くなればその掌からひょいと飛び降りるのだが】

【つるっ、べちゃん】

【床に零れていた牛乳に思い切り足を滑らせ、不格好な形で這いつくばった】
【いでえッ、などと小さな悲鳴をあげて、少女が去って行った方を恨めしく睨む】
【だがそれからすぐに立ち上がると、ヤモリのようにそそくさと自販機へ登り始め】


――あんたも苦労人だなあ。ケケッ


【それだけ言うと、小銭入れから中へするりと入り込み――それきり、日常が戻った】




【だが、男が掃除をしていると】

【――ピピッ。ガシャン】

【突然、何故か音も無く自販機が動いて、何かが降りてきた】
【もし、それを取り出して見たならば――それは、青いラベルの『缶コーヒー』である】


【――世界は、誰かの仕事でできている】


/お疲れさまでした、ありがとうございました!
962 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 00:05:10.93 ID:nYxjgPdpo
>>939
【この間柄をなんと言い表せばいいものか。異形の方でも、彼女にそのような感情を抱いたことはなかった、というより元々狂気的なこの男に】
【そのような感情など、もう摩耗し果てていた。だが、その上でなお、異形もまた思ったのだ】
【悪くない縁であったと。他の出会いも、もしかしたらと。だが、そんな想いを抱くことは、異形自身の罪が許しはしない】

【彼女が自分のみならず、他の誰かの命までも賭けのテーブルに乗せるほど切迫しているように】
【異形もまた、この件に関しては追い詰められていると言える。ゆえに、普段のように言葉を弄している余裕はなかった】
【こちらを真正面から見つめる視線、いつもは自分が相手に這わせる無遠慮な視線を受ける立場になり】
【彼女の瞳の動揺を見て、異形の脳内ではますます高速で算盤を弾く打算の音が鳴り始める】


【彼女の瞬きを見て、自身の言葉が何の影響を与えたのか、思考の堂々巡りに陥りそうになり、打ち消す】
【異形とて、彼女の内面を覗き見られるわけではない。彼女が公安に自主的に協力するとは思えないが】
【あの狡猾な黒幕たちなら、本人すら気付かぬように利用している可能性すらあるのだ】
【互いに暗闇の中を手探りでいくような、緊迫した時間が続く】


……UTでも機関でも、自警団でもSCARLETでも、公安でもない
つまりは、お前とお前を含む何者か……ロッソを含む誰かとの、個人的同盟。そう考えていいわけだな?

"そのはず"……本来なら不安に思うべき言葉だが、この状況でお前がそれを言うのなら
誰がどの陣営に繋がっているかわからない、という不確定要素はしっかりと疑いつつ、なおこうして行動しているということだ

――――少なくとも、お前たち≠フ公安と対峙するという意思は確かなものだと。私もそう信じよう


情報が足りないのは、私も同じだ。わからないことが多すぎる
本来なら、私のような悪党がこのような形で弱みを見せるなど、言語道断だが
はっきりと言って、この件に関して私はすでに追い詰められている

ならば、私もそうしよう。公安を前にして、呉越同舟の共同戦線を私とも組むというのなら
私も知っていることを差し出す。これから知ることもな


セリーナにも話していないのか……だが、彼女は賞金稼ぎだ。利にも情報にも聡いだろう
あるいは、すでに何かを掴んでいるかもな……
どのみち、お前が間に立つというのなら私はそれを信じよう。もはや、私に残された道は少ない

……目的は同じだ。公安を倒す。彼奴等の企みを阻止する
――――光栄だな。私の知っている中でお前は一番儚げだが、案外と強かだ
そこに関しては、私も信用している。昔のよしみも、まあ無関係ではない

【取り繕うことのない言葉が、かえってこの異形の警戒を解いていた】
【どこか拙く、それでも他に関わっているものの名前は出さず。強張った様子もまた、彼女が本気で必死なのだと感じ取れた】
【ならば、今はなりふり構っている場合ではない。あるいは、ロッソにも何か別の考えがあるかもしれないが】
【首がなくなるという時に、髭の心配をしてもしょうがない】

【相手が、鈴音であるという事実も、決して無関係ではなかっただろう。彼女が自分を信用したということも、また】

当然だな。後は、元の通りだ。今が異常事態なのだから
……立場は違えど、私も同じだ。何もかもご破算になった時、どうなるか……それについては、ある程度は私は知っている
今のこの世界が壊れるのは間違いないな。そしてその後に、私のいられる場所はない

そんなことを許すわけにはいかない。戦って殺されることは認められても、根本から覆されることは認められない

【禊の証たる、右顔面の傷を手でなぞりながら異形は言った。そう、決してなかったことにはできない事実】
【だが、今この時は。異形は彼女の願いを受け入れるだろう。何よりも、己自身のために】
【己の最期を、彼女らに敗れて死ぬより遥かに受け入れがたい形にしないために】

……では、情報交換といこう。公安に抗うために
963 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 01:12:24.74 ID:fMqbzfDI0
>>962

【情報交換――その言葉を聞くまで、彼女は黙っていた。やがて彼がそう発したなら、少女は小指だけを立てた右手を差し出す――櫻式の、お約束のおまじない】
【本当に絡めることは重要ではないかもしれない。ただ――「やくそくね」と呟く声は、知ってしまった以上後戻りできないときの、緊張感を残して】

――――そう。ロッソさんとわたしを入れて、四人。それからあなたと……もう一人の心当たりのひとが手伝ってくれるなら、六人。
ほかのひとが誰か連れてくるかもしれないけど――わたしが今すぐに思い浮かぶのはそのひとたちだけだよ。……もう一人には、まだお話もしていないから。

【「五人になるかもしれないけど――」】
【人差し指から一、二、三、四を数える。それから相手にその手を向けて――五本目の指を立てる。あなたは五人目だと伝えて】

その中でどこかに所属しているのは、わたしと、もう一人……、UTのひとがいる。でもそのひとも最近のひとだし、戦闘要員じゃないよ。その子はロッソさんの知り合い。
それから……あなたが機関のひと。ロッソさんは今探偵をしているのだって、もう一人は……――そのひとは、だれとも初対面。あなたのことも知らないみたいだった。

一人目は……知っているでしょ、ロッソさん。……わたしはヒライって名前だって、聞いてたんだけど――、まあ、いいかな。
……二人目。ロッソさんの……弟子? 初瀬 麻季音ちゃん。最近UTでお仕事を始めたの、機械が得意みたい、いっつもパソコンしているの。
もう一人――……三人目が、ミラ・クラァケさん。……――これは、後で言うけれど。……公安側のひとに――その、能力を消されたんだって。それを取り戻すのも、目的。

四人目がわたしで――五人目があなた。……自己紹介をする? 白神鈴音――今年で"十三歳"だよ……、ふふ、うそだよ、二十五歳になるの。

【まず、関わっているひとたちのこと。ひどく大雑把だけれど名前を伝える、それからどんな――近況、というか、状況というか、どんなひとか】
【四本立てた指で自分の胸元に触れる。四人目――冗談めかした言葉はだけど本当に嘘だっただろうか。初めて会った日から髪の長さ以外何にも変わらない少女は】
【それから改めて相手へ五本の指を立てた手のひらを見せる。五本っきりの協力者、ただ、これで――手のひらの中くらいのものなら、きちんと掴めるに違いない】

【――そうしてざっくりではあるけれど、関係者の名前を伝えたなら】

/ごめんなさい分割でっ
964 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 01:12:48.79 ID:fMqbzfDI0
>>962>>963



じゃあ、まず――えっと。わたしたちのほうで、分かったこと。"探偵"のロッソさんが調べたこととか、クラァケさんに聞いたこと……そういうのを、合わせたことね。

……フルフェイス事件の犯人って言われているひとは、もうすでに死んでいる。それも事件より前に、だから、できるはずがない。
麻季音ちゃんは――その、犯人と言われているひとと関係があった。えっとお父さんが、その犯人って言われている博士と関係があって……。
その博士にお父さんが誘拐されたのだと思って、調べていたみたい。でもそれは……ロッソさんが調べたので、違うって分かった。死んでいるから――。

クラァケさんは……――その"博士"。博士が作ったアンドロイド……に、麻季音ちゃんへ手紙を渡すようにって、頼まれていたみたい。
それで、探している途中に――婦警に会って、殺されかけた。……それも、警察署の中で。その時に能力を消されたって、言っていた。
クラァケさん、人間じゃないの。能力で人間のふりをしていた……みたい。わたしと会った時は――たこ、みたいだった。もう少しひとの形だったけど……。

それで――これは、わたしが知っていたこと。最近ね、UTに、婦警さんが挨拶しに来たの。……そのひとが"曽根上ミチカ"、クラァケさんに攻撃した、婦警だって分かった。
……曽根上ミチカは能力を使えなくする武装を持っているみたい。――あなたも、困るでしょう、わたしも――……だけど。

ロッソさんとクラァケさんとわたしが会ったのは、電車の中。わたしは気づかなかったけど……追われていたみたい。それで、二人をUTに運んで……。
クラァケさんが持ってきたお手紙。麻季音ちゃんも持っていたの、だけど最初は白紙で……そのあと、文字が出てきて。

……麻季音ちゃんのお父さんは黒幕に誘拐されている。博士は関係ない。それどこか、抵抗しようとしていて――その研究が完成すると、世界が駄目になる。
だけど――"ソラリス"って言うもの。それがないと、駄目みたい、黒幕はそれを探していて……、警察は信用できない。……これが、一通目。書いたのは少し前かな。
二通目は……――、麻季音ちゃんがソラリスだって。

ロッソさんが言っていたのは、公安……えっと、公安の"過激派"って言っていた。そいつらが欲しいのは、記憶と意識に関する技術。博士や、麻季音ちゃんのお父さんが研究してた。
それで、目的は――、国から独立することじゃないかって。国を護るのじゃなくって……もっと違うものになる、……なろうとしている?

【――本職じゃない。それがまず分かるだろう、なにせ今までの彼女を見てきた彼なら、こういう話をするだけなら、もっとふさわしい人間が山ほど居ると分かったろうし】
【だけれど少なくとも彼に対してこの少女を使いに出した点でロッソは正しかったのかもしれない、彼が、彼女自身を信用すると言ってくれたのなら】
【ところどころ端折りながらにはなるがざっくりと――細かなことは彼から聞かれれば答えるだろう。あるいは、後日、何度も名前を出されるロッソに聞くこともできるはずだ】

とにかく――わたしたちは麻季音ちゃんのお父さんを助ける。それで、クラァケさんの能力も取り戻して……公安も潰す。
それが今の目標、……えっと。たしか、"高度の秘密性を維持しつつ可及的速やかに臨機応変に"……やれって。

【結局――彼女らの方も、やはり、手探りであるのは否めない。格好いいことを言っていたって、その後「死なない程度にテキトーに」と付け加えられたことは、黙っておいた】
【疲れたみたいな顔。――それから、どう思う……と尋ねるみたいな、目を向ける。これだけのことを即興で嘘つきで仕立てられる性質ではないだろうから――きっと、本当だった】
965 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 03:46:45.70 ID:nYxjgPdpo
>>963
【彼女が差し出す小指の意味は当然知っている。あまりにも有名な、櫻の国の儀式】
【異形もまた、小指を差し出した。「自分の首がかかっている以上、約束を違えはしない」】
【カニバディールの返答は、重苦しかった。鈴音との同盟とは関係なく、すでに後戻り出来ない段階に踏み込んでしまっているがゆえに】

五人か六人……公安と言う巨大組織を相手にするには心もとないな
だが、贅沢は言っていられない。今あるもので、どうにかするしかない。それで足りなければ、手に入れればいいだけの話だ

【五人目を示す指が自分を指せば、重々しく頷いてそれを受け入れる】
【立場も何もかもバラバラの、歪だがただ一つの対抗手段を】

UTが二人、機関員が一人、無所属が二人。何とも珍しい組み合わせだな
戦闘要員ではなく、最近UTに来た身でありながら関わっている……そのUTメンバーが事に近い立場にあるということかね?

探偵? あのロッソがか? 何とも意外な……ただの銀行強盗ではないことはわかっていたが、いくつの顔を持っているのやら


お馴染みのロッソ。ヒライというのも、ロッソというのも、本名なのかはわからないな。あの男はそう簡単には尻尾を掴ませない
初瀬 麻季音。探偵見習いといったところか? ロッソが弟子までとっていたとは驚きだ。電脳に強い人員はありがたい。公安のような組織相手では特にな
ミラ・クラァケ。誰とも初対面の無所属。能力を消された……? 連中はそんな真似まで出来るのか……。公安の被害者というわけだな

ふ、ふふ! 十三歳でも通らないことはなさそうだがな
私も自己紹介しておこうか。カニバディール。歳は30を超えてから数えるのをやめた

【大雑把ではあるかもしれないが、名前と所属だけでも十分だ。許されるなら、見た目の特徴も聞こうとするだろうか】
【異形もまた、冗談のような言葉を返す。姿かたちの変わらない彼女に、あの日味わった人ならざる肉の味を思い出して】
【同じく一本ずつ広げた指を、カニバディールは握りしめて見せた。公安の心臓を、掴んで潰す光景を想起しながら】
【そこからは、彼女の話を相槌を打ちながら聞いていく】

フルフェイス事件……報道の流れにきな臭さは感じていたが、あれも公安絡みか
表向きの犯人とされていた"博士"が、フルフェイス事件とその初瀬 麻季音の父親誘拐の濡れ衣を、死人に口なしとばかりに着せられた
それを、我らが名探偵ロッソが突き止めた

アンドロイドまで開発していたとは、"博士"は相当な技術者だったらしいな。惜しい人物を亡くした。会ったこともないが
ミラ・クラァケが受けた被害は、その婦警からのものか。公安の尖兵と見て間違いないだろうな
人間ではない? 擬態の能力というわけか。それを奪われたとあっては、死活問題だな

その上、UT本部に乗り込んできたと? 敵の手は想像以上に速いじゃあないか
曽根上ミチカ……能力を消したのは、婦警の力ではなく武装か。となれば、公安の中の誰が使ってもおかしくない……
ああ、非常に困る。能力を剥ぎ取られれば、私などただの肉だ

手紙は無事に届けたのだな。隠し文字とは周到なことだ
黒幕……公安に、か。警察が信用できないのは当然だな、公安相手では警察など敵の巣窟だ

"ソラリス"……初瀬 麻季音本人が、黒幕の目的を成就させる鍵だと?
公安過激派……記憶と意識に関する技術……独立

……鈴音。お前たちは大したものだ。まさかそこまで突き止めているとはな

【慣れない様子のたどたどしい言葉たちは、この異形以外が相手だったなら手玉に取られていたかもしれない】
【だが、ロッソは見抜いていたのか。あるいは偶然か。鈴音という人選は、この異形に対してのみ、特効であった】
【どのみち、あの機密文書を受け取った時点で、ある程度の覚悟はしていたが。改めて実感する。彼女を信じ、手を組むことはすなわち】
【もはや後戻りはできないということだ】

"高度の秘密性を維持しつつ可及的速やかに臨機応変に"……ふっふふふ!!
何も定まっていないも同然じゃあないか……これに命を乗せる私も、まあ狂っているのだろうな

さて――――さて、さて、さて

【彼女の口から鈴の音で聞く情報の数々。尋ねるような視線を向けられた異形は】
【震えていた。その巨躯を震わせていた。脂汗を流しながら。確かな恐怖を露わにして、自嘲的な笑みを浮かべながら】

/続きます
966 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 03:48:00.50 ID:nYxjgPdpo
>>963>>964
――――すまないが、情報を話す前に私からもお前にお願いをさせてくれないか
今から話す情報を私が漏らしたのだということを、可能な限り伏せておいて欲しい

我々を含めた五人には伝わるだろうし、そこから広がることもあり得るだろうが……可能な限り、だ
でなければ、お前たちに協力する前に、私の首が飛ぶことになる
機関員をクビになる、という意味だけではない。ここに繋がっている本物の首のことだ

これを私が漏らしたと機関や公安に知れたら……その時点で、私は終わりだ
だが、この事態をそのままにしておいても、終わりだ。だからこそ、お前にこれを話す
つまりは――――機関への裏切り行為を働くということだ

私は利己主義者だ……私のためにならんのなら、機関員の身分など不要だ
そのつもりで、私は動く。まずはそれを知っておけ

【ぎりり、と歯を食いしばり。今更ながらに沸いてきた怖れを噛み殺して異形はそう言った】

(コーネリアス様はもういない。レギン様はもういない。ウルバヌス博士はもういない)
(ナンバーズにも六罪王にも通さず、『長老派』はこの状況を作り出した。機関の形を、私の望ましくない形に変えていこうと)
(恩人たちの消えたカノッサ機関が、私の望まぬ形に変質するというのなら……もはや構わん。数字など、かなぐり捨ててくれる)
(それであえなく死んだなら……まあ、その時はそこまでだったというだけの話だ)

【改めて鈴音を見たその表情から、恐怖の色は失せ。代わりに、狂気の色が滲んでいた】


……私の下を、ある一人の男が訪れたのが始まりだ。そいつは、『長老派』の使徒だと名乗った
『長老派』は、機関内部ですら実態の掴めない一派でな。脳髄だけの化け物だの、もはやコンピューターに近いだのと、そんな噂ばかりを聞く

そいつは、ある二つの機密文書を私に手渡した。一つは『N2文書』。一つは『グラーク書簡』
これは『長老派』と……お前のいう黒幕。公安過激派。そしてもう一つ……『円卓』と呼ばれる連中との密約を記したものだった

まずは『N2文書』。記された密約はありていに言えば、公安と機関による「世界征服」だ
公安が違うものになろうとしている、というお前たちの推測は実際当たりというわけだな

「現在の国家システムの破壊」。「真の法治国家の構築」。そのために機関と組んで公安がクーデターを起こし、既存のシステムを全て根本からひっくり返す
その上で公安府を設置し、国の運営を全て牛耳る。それを他国へも拡大する。あらゆる暴力を独占し、誰も逆らえない世界を作り出す

そこで登場するのは、"博士"の技術だ。記憶と意識に関する技術。それを持って機関と公安に反発する能力者を洗脳し、徹底的に抑え込む
結果、出来上がるのは公安と機関に完全に管理されたディストピア……争いもないが希望もない、どこまでも平坦な世界

それが、黒幕の目的だ。そんな世界になれば、私の持っている力もまた接収されることになるだろう
力の散逸は彼奴等にとって許せない事態だからだ


続いて『グラーク書簡』。記されている公安過激派と対立する『円卓』との密約は、「今の世界の実効支配」だ
『円卓』の内実は私にもわからないが、財閥・企業・政治家・警察幹部・政府高官……こういった連中の汚職と腐敗の人脈による集まりだろう

機関と『円卓』が組むことで、この世にもたらされるあらゆる『利益』を貪り尽くす。そのために、世界各地で戦争や内紛を煽り立てる
徹底した既得権益システムの構築

それが、『円卓』の目的だ。一見して私の望みに沿うようでいて、彼奴等は私にとっては競合他社だ
何より、『円卓』の中には私に恨みを持つものがいる可能性も高い……裏世界の連中には、私はずいぶんと被害を与えて来たからな
もし恨みを持ったものがいて、そいつらが力を持てば、いずれ私は消されるだろう。人は利益を最優先するようでいて、受けた恨みは決して忘れないからだ


――――そういうことだ、鈴音。今この世界では、絶対秩序を標榜する狂信者の如き公安と、汚れ切った金貨の上に鎮座する肥え太った豚の如き『円卓』と
その両方と癒着し、対立構造を生み出してすらいる機関の『長老派』とが。裏でそれぞれの「我儘」を通そうと躍起になっているわけだ
そのうちの誰が勝とうと。私に先はなくなる。ゆえに、私はお前たちと組む。そういうことだ

/すみません、もう一つ続きます……
967 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 03:48:47.98 ID:nYxjgPdpo
>>963>>964
そして、もう一つ。私はすでに『黒幕』に与する一人から接触を受けている
ケイ、という女だ。『黒幕』内部では、第五列 / インフォーマー≠ニいう名も与えられているらしい

任務は、こうした一連の裏事情を嗅ぎまわる者の探索と始末……まさに我々のような者を消すことだ
機関員でも公安職員でもない、狩人……現状、我々が婦警などと並んで最も警戒すべき相手だ

私は、『黒幕』に協力するつもりがあるかと聞かれ……あると答えた
そうして、彼奴等の懐に潜り込もうと考えたからだ。表立って反抗しても、私に勝ち目はない

ケイは、協力の意志を示す証拠として、真相を嗅ぎまわる「野犬」を探し出すよう私に命じた
それを遂行し、「黒幕」側に潜り込むべく、私は今「セレンディピター号」に警備員として搭乗している……
知っているかね? 水の国の港にいる巨大カジノ船だ。中には、「黒幕」のパトロンたちが満載されている

それに釣られて寄ってくる野犬を狩る。そういうことらしい

そして、もう一つ……これはそのケイから聞いた話だが。お前が公安「過激派」と言った通り
公安の全てが、「黒幕」側ではないようだ。これは私の勘だが、おそらくは公安の課ごとでの対立が起きているのではないかと考えている

公安一課の元エースが逮捕されたという先日の事件も、その延長ではないかと、な
公安内部の、反「黒幕」派……あるいは、我々のために利用できるかもな

【結局は公安であるがゆえに、カニバディールは反「黒幕」派は信用していないらしい。鈴音がどう受け取るかは、わからないが】


機密文書をお前の話と符合すれば、お前の遭遇した事態の輪郭が浮かび上がってくる……

公安過激派、つまりは『黒幕』が"ソラリス"を手に入れて洗脳技術を確立しようとした
それに繋がる手紙を持ったミラ・クラァケを、黒幕の一味である婦警、曽根上ミチカが襲った
能力を奪う武装とやらも、力を独占するための手段の一つなのだろう

黒幕は、何としても初瀬 麻季音を奪おうとするだろう。そのために邪魔になる者、そして事態の裏を知った者は
一人残らず始末するか洗脳する。そういうつもりなのだろう

もはや『黒幕』とは明確に敵対し……それと相対する『円卓』の実態はつかめない
だが、もはや『黒幕』との戦争は始まっている。後戻りは出来ない

『黒幕』。『円卓』。背後の『機関・長老派』。そして、それに対抗する我々のような者たち
十重二十重の対立構造というわけだ……ワクワクしてくるな? ふ、ふふ……

【語り終えた時。カニバディールの目は、以前にも増して暗く淀んでいた】
968 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 06:03:36.41 ID:fMqbzfDI0
>>965-967

【ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのます、――ゆびきった】
【そんな小さな歌声は――場にそぐわないものだっただろう。りんと澄んだ鈴の音は、こんな時でも、こんな時だからこそ、いやに澄み切って】
【この狭い狭い空間で、この二人にだけ届くほどの声量――絡めた指はやはりいつかと同じで暖かかった。「わたしに裏切られたって思わせないように、する」――】
【――それは彼女なりの信じてくれた彼への礼なのだろう。信じてくれた以上、彼女の行動によって彼が裏切られたと思ってしまっては、いけない――と】

【それから――尋ねられれば彼女はそれらの人物の容姿を挙げていくだろう。本人だと特定しやすいような分かりやすい情報をいくつか伝え】
【さらに彼の言葉も聞けば――彼女がミラから聞いた例の武装についても伝える。なんでもペンライトみたいなものであるらしい、中にはぎらぎら奇妙な光があり】
【それが爆発したみたいになって――能力が使えなくなったのだという。それを伝えるとき少女はひどく苦い顔をしていた、これは単純に個人として好ましくないように見え】

あと――思い出した。クラァケさんがほかにも言っていたのは、曽根上ミチカの……別の武装。……能力ではない、みたい、……分からない。けれど、聞いたのは――、
のっぺりしてて……悪役みたいな見た目の……ロボット? アンドロイドみたいなものが、いきなり頭上に現れたって言ってた。
えっと、威力があるのかな――ただの人間ならすりつぶされてお陀仏。……、アートマンやマインドかと思ったけど、違うって――。

丸い眼鏡におさげの髪だよ。すごくにこにこしてて、元気すぎるくらいの――その、あんまり、ひとの話聞いてなさそうだなあ、って、感じの……。

【――そしてもう一つ例の婦警については付け足す。さらに見た目も付け加え……ただどちらにせよ彼にとっては警察はすべて敵であるようなものだろうけれど】
【その中で。"そいつ"は確実に手を出してきたという実績がある、なにしろすでに――攻撃され能力を使えなくされたミラが来るより先、UTに姿を見せている】
【ただ人物の印象としてはすごく平和にも聞こえたろうか――だからこそ彼女の中には第一印象としての明るい婦警と、あとから聞かされた印象があるのだろう】

……――ううん、わたしは何にもしていないよ。ロッソさんがいろいろと調べていたの、セリーナが事情を知っているって言われたけど……それはきっと麻季音ちゃんの事情だね。
それも――この前分かったようなことは、わたしはセリーナに伝えてない。ロッソさんたちも多分……まだだと思う。あとは――ミラさんの知っていたこと。
麻季音ちゃんはお勉強が得意なんだって。だから――えっと、論文が読めるんだって、よくわからないけど……、……わたしは。あんまり、何も――。

気になることがあったら、ロッソさんや麻季音ちゃんやクラァケさんにも聞いて。いろんなひとの言葉で聞いた方が、きっと、確実だから。

【相手の様子を見ている――そして言葉を聞いている。カニバディールは自分たちの知らない情報を持っている、そして、それは、自分たちの情報と照らし合わせたとき】
【どちらとも重なる場所があるのだろう――と判断する。そしてそう思ってしまえば――やはりこれがどれだけ深く逃げ出せないものであるのか、思い知るよう】
【ほんの欠片だって知ってしまったら存在をむしばむ猛毒の結晶みたいだった。触れただけで指が焼けただれる、そういう猛毒を――今、まさに、口に含んで】
【飲み込んでしまおうとしている――それはひどく恐ろしかった。彼なら分かるだろう、ただ護られてあどけない子供で居ることが安らぎであった少女が、こうして、居ること】
【それこそ長い時間の齎した成長であると。見た目は変わらないかもしれないけれど、確実に何かが変わっていること――そして、互いの様々な瞬間を知っている二人だからこそ】
【こうして信用しあうに足るものがあること――ただ最後については。いろいろな物事が絡んでいるからか、可能であればほかのひとの言葉でも聞いてみてほしい、と付け加え】

……クラァケさんも言っていたよ、「好きにやれ」ってことでしょうって。

【――相手の震えを見つけた少女は、けれど、何も言わなかった。しかし無感情ではない、その心の中で、これはあれだけの力を持つ彼を恐れさせる事柄なのだ、と思う】

/分割ですっ
969 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 06:05:58.00 ID:fMqbzfDI0
>>965-967>>968

――――――うん、もちろん。……"少なくともわたしは"、それをあなたから聞いたことを……わたしたち以外の、誰かに伝えるつもりはない。
こんなの言いたくもないけど――ほかのひとがしゃべっちゃったとしても、わたしだけは、あなたじゃないって言いながら死んであげる。

……知ってるよ。だって、あなた、一番最初に会った時から――機関を裏切るようなこと、していたの。とっくに分かってるよ。
言ったでしょ、――約束は守るって。だけど――、……ありがとう。

【――そして、告げられる。当たり前の"お願い"だろう、これから聞かされるであろう情報の出どころがどこかであるかなんて】
【それが"あちら"に知れたら、間違いなく彼は"消される"。そうなれば集団としては貴重な戦力と情報源が失われる。それ以上の損失も大きいだろう】
【そして――彼女にとっては。きっと、また、別の意味を持つ。"約束"――今日契ったものもある。今叶えると誓った願いもある。それ以前にも、あった】
【それは例えば――あの星空の下でした"約束"までも含むのかもしれない。義理堅いと彼が称した通りに――きっと彼女は、それも覚えていて】

【いろいろなことが不確定な中で、絶対に自分だけは、その約束を守ると誓う。それは彼を誘い込んだ少女が果たすべきものだろう、たとえどんなことがあっても】
【そのうえで、それほどのことを教えてくれることを、感謝する。こんな場であるから、表情はひどく曖昧な、笑いたくて笑えなかったような、ぎこちないものだけど――】

……長老? それは、ナンバーズとか、六罪王とも……別のもの、なの? いつかの議会とかでも、なくって……?
そう、――そっか、あなたでさえよく知らないなら、……わたしみたいなのが知っているはずもない、ね……。……――、

…………世界征服――、国をひっくり返して。……う、ぇ、博士の? それで、洗脳、して――、――ディスト、ピア?
――、とにかく――公安と機関は手を組んで、世界を征服しようとしている。その計画書……みたいなのが、N2文書。

【語られる言葉――言われたことを一生懸命覚えようとしているのが見て分かるだろう。公安……治安側の存在が、よりによって機関と手を組んで、世界をひっくり返す】
【そのうえで逆らう人間を洗脳して平坦な世界を作り出す――ディストピアという単語に反応したように見えた。その思考の裏側に、とある青年を思い浮かべる】
【灰色の世界――世界に開いた穴――情報で埋め合わせた、あの穴。あの時に見た光景は、確かに――"そう"であるように、見えた……ような】

もうひとつが……、その、公安と対立している、円卓の――、グラーク書簡、これは――……この世界の、実効支配が、目的?
えっと……偉いひと。偉いひとが、いっぱい居る。偉いひとたちと機関が手を組んで、全部の利益を――きっと。お金だけじゃないよね、ぜんぶ……。
とにかく――何もかも自分たちのものにしようとしている。そして、それは、あなたにとって……ううん、スクラップズにとって、かな。商売敵だし、お礼参りされちゃう。

【だからといってもう一つをおろそかにはできないなら、少女の思考は無理やりに切り替えられる。今度はさっき機関と手を組んだ公安と対立する円卓が機関と手を組んで】
【――どうにも彼が伝えてくれる難しい言葉は彼女を通すと簡単になってしまうみたいだった。それでも本人は真面目な顔をして、聞いた話を、可能な限り覚えこむ】

――――じゃあ。敵は、公安の過激派と……機関の長老派と――円卓。特に長老派は、そのどっちとも約束して、どっちがどうなっても、自分たちがいいように……。
……それだと……、長老派のひとたち。どっちになってもいいみたい、自分たちが何かしたいだけみたい――、よっぽどカニバディールの方が、かっこいいな……。

【それで――この認識で大丈夫か、というような目を向けるだろう。機関の内情について全く知らずに来た少女だから、細かなところは理解しきれていないかもしれないけれど】
【ひとまず敵らしき存在は三つあるのだと分かった。三つもあると分かった。目を伏せて――小さなため息。それからまた息を意識的に吸い込んだなら】

/もう一度分割でっ
970 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 06:11:05.31 ID:fMqbzfDI0
>>965-967>>968>>969

黒幕……、じゃあそのひとは、公安の方の……ひとなのかな。ケイ……第五。――なら、あと四人は居そう、かな。分からないけど……。
……じゃあ、そのひとたちが消しに来るんだね、……どんな格好のひとかは、聞いても大丈夫? 
それで――黒幕にとって不都合なひとたちをあなたが探す。それは、わたしみたいなのとか――、……そういうのを怪しんでくるような、ひととか。
…………船のことは知ってたよ、ニュースで見たの。おっきな船が来るんだって――、でも、そんなの、あんまり関係ないって思ってた、そっか……。

だけど、わたしは、行けないね。わたし、UTに居るってみんな知っているよ、それに……あの婦警にも、見られてる。

【船――その存在だけは知っていた。だけど自分に関係のあるものだとは思っていなかった。その船の正体も知る、イカ釣り漁船の明かりみたいな、あるいは、撒き餌のような】
【わざとそういった人間を集めて――集まってきた自分たちにとって不利益な人間を、消す。うんとおっきなねずみ捕りみたい、あるいは、ゴキブリホイホイとか――】
【――そう思い浮かべて少し微妙な気分になった、わけでもないのだが。眉をひそめた少女は、そちらには自分は関われなさそうだと口にする、何しろ】
【顔が割れすぎている。さすがにあのセリーナほどではないだろうけれど――そのセリーナと一緒にCMに映されてしまったのだ。"あっち"のひとたちが知らないはずはないだろう】

【(そう思いながら、今更ひやりとする。敵は――彼へすでに接触していた。彼にとっての利があちらにあれば、この行動は、藪を突くどころでは、なかった)】

公安全部が黒幕側じゃない……じゃあ。えっと、今はまだ……内部分裂、みたいな感じなのかな。まだ同じ公安でも、邪魔なひとたちをどうにかしないと、動きづらい?

【公安すべてがすでに堕ちているわけでもないらしい。聞いて、しかし、顔が晴れることもない――警察署で殺されかけたというミラの言葉がある以上】
【たとえ一部だってその思想で動く警察官が居る、あるいは紛れ込んでいて何も言われないということになるし――】

……えと、ね、これは……勘、というか。気になっていることがあるの、言ったでしょう、クラァケさん、警察署の中で襲われて――お手紙には、警察を信用するなって。
あなたなら知っていると思うの――自警団と、SCARLET。さっき、わたし、関係ないって言ったけど――自警団は国のものだし。SCARLETは、警察のひとも居る……でしょ。
国が全然関係ない"正義"のところって……今は、UTだけな気がするの。UTは――セリーナのものだから。国は……関係ない、はずだよ。

水の国と風の国で、国も違うけど――、国のこと全然関係なくって、セリーナが一番偉くって、っていうの……やっぱり、嫌がられるのかな。

【最後の方は小さく呟くような声になって――、だけどこれはやはり"気になる"というだけのことだった。ふわと大きなため息。座ったまま、薄汚れた壁に背中を預け】

公安過激派――黒幕――、あの婦警。……クラァケさんがUTにお手紙を持ってくる前に、来ていたから、きっと、もう、ソラリスが何か、知っているね。
そのうえで……まだ準備ができていないのか、何なのかは知らないけど。様子だけ見に来てる、クラァケさんとかは、監視してるんだろうって言っていたけど……。
かといって麻季音ちゃんが急に隠れちゃうのは感づかれたってあっちにばれちゃう。――それとも、ばれてるのかな……、もうどっちでも一緒みたい……。

――円卓のひとたち……、そんな風なものがあるなら、全然何にもないなんてありえないけど……なんだろう。ちょこっとね、影が薄いみたい、……慣れてない、みたい。
あなたの言うこと本当だって信じてるよ、だから――偉いだけのなんにもできないひとが、集まってるのかな……ドラマみたいな――偉いだけの何にもできないひと!
それが集まって計画したって結局おっきいことできない。……だからって、やりたいことあるなら、きっとそのひとたちだって、何かしようとして――なら、

頭のいいひと――円卓のひとたちと利害が一致する、すごいひとを仲間にしたら……。

/うわーごめんなさい!あと一回だけ分割させてください!
971 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 06:12:01.33 ID:fMqbzfDI0
>>965-967>>968>>969>>970

【カニバディールの齎した情報と、自分たちの持っていた情報。重ねて合わせれば少しずつだって分かってくる、一見ごちゃごちゃの模様でも重ねて透かせば文字が浮き出るみたいに】
【手で口元を隠すようにしながらぶつぶつと呟いているのは少女なりの考えを整理する行動らしかった。聞いたことを自分の中で整理して、もう一回、吐き出してみる】
【――それから漏らすのは。どうにもいきなり馬鹿にしているみたいだった、すごいことを計画しているくせに、行動が伴っているという印象がない】
【やはり怖いと感じるのは公安側――黒幕の方だ。けれどそれは彼を信じていないというわけじゃなくて……信じたうえで、そんな風ではないかと、推測する】
【なんにもできないひと、だなんて――声だけ明るくつくろって、だけど顔はひどく色のないままで。――最後にまた、考え込むように、口元を両手で隠してしまう】

――――映画みたいってね、思うの。あんまり、見たことないけど……。

【それから――ワクワクするという言葉には、多分、彼女は元気に頷けそうになかった。疲れた目をしている、こんなにいろいろな話を聞いてしまって】
【それでも意識的に彼の暗く淀んだ目を見据える。――それから、また、一つ深呼吸。変わらず向いたままの視線は、だけれど、今度は覗き込むように見えただろうか】

……カニバディール。これから一つだけ、あなたに……わたしの秘密、ひとつ、教える。敵としてのあなたには、教えたくなかったけど……味方をしてくれるから。
覚えていて、わたしに何かがあったら……このこと。役に立つかもしれない、誰かが知っていないといけない。でないと、上手に使えないから――。

……――わたし、ね、死ねないの。ううん、死に続けていることができないの。死ぬことはできるよ、呼吸だって止まるし、心臓だって……多分、止まってる、知らないけど……。
死ぬみたいな怪我をしたら、死ぬ。だけど――わたしの身体は勝手に治って、元気になって、そのうち目覚める。……生き返るの、みんなから見たら、そうやって見えるはず。

だから……わたしがどこかで死んでいたら、持って帰るか、どこか見えないところに捨てて行ってほしいの。傷が治る死体って、変でしょう――?
殺したはずのやつが生き返って動いているって、普通は思わないよ。――わたし、成長しないでしょ。だから、そういうのが変だっていうのは、ばれていると思うけど……。

"そんな風"だとは、ばれていない――はずだよ。ありえないの。それを知っているのは、へびさまと*ちゃんくらい。……それから、あなた。

【それでも――もう一つ。これは、あるいは彼女の持つ重要な手札かもしれなかった。敵としての彼であったなら教えたくなかった、とは前置きをしながら】
【けれど今回は事情が特別すぎる。だから伝える、――それから告げる秘密の一つは。あるいは彼女の不変性を証明するものでもあった、死んでなお生き返るモノ】
【細かい原理とかまでは言いはしないけれど、その事実で充分だろう。とにかく――殺したと思った相手がその後再び現れるだなんて、普通は予測しない出来事を起こせると】
【ありふれた人間として生きることを望んでいた彼女がそれを口にするのだ、表情は当然それだけ複雑そうで――ただ、彼にとっては何らかの納得があるのかもしれない】
【――だからお願いは、そうやって利用するなら、とりあえず……相手に気づかれない場所まで持って帰るか、相手に見えない場所に捨てておいてくれと】
【とうてい正気じゃないことを言っているのだけど――限りなく真面目な顔と声をしていたから、やはりこれも、本当のことなのだろう】

/これで最後ですっ、すみませんでした!
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2018/03/12(月) 09:30:18.50 ID:q6dgw+r1o
【りりりりん】
【りりりりりん】

【がちゃ】


もしもし。僕だ。
元気か、セリザワ。
そうか。それは何よりだ。

ああ。構わないよ。好きにやって。
うん。そうだね。その子は、蒸発。
うん。うん。よろしく。

ああ。君ほど機関を愛している者もいないよ。
そうだね。僕達はともだちだ。一緒に世界を救おう。

うん。君もステージが上がってきたね。
前とは波動が違う。離れていても分かるよ。

そうだ。真理は常に僕達の側にある。
ああ。ラ・ヨダソウ・スティアーナ。


【――ぶつっ】
973 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !nasu_res]:2018/03/12(月) 09:31:22.46 ID:q6dgw+r1o
>>機関員ALL

【――ヴン】

  【ヴヴヴヴ】

【ジジジ】   【ジジ……ジ】



やあ。番号付きのみんな。
そうでないみんなも。

初めましてだね。この線上では。
ロジェクト。きみの新しいともだちだ。よろしくね。


チーム分けは済んだかな。

僕達は、黒幕だ。世界征服をする。
小銭稼ぎに興味はないチームだ。

狩りはもう始まっている。

みんなには選択肢がある。
一人で動いて、小さな兎を獲るか。
それともパーティを組んで、龍を落とすか。

どちらがより賢い。
聞くまでもないね。

僕達は誰だ。

そう。カノッサだ。
その名前に、兎取りという意味はない。

もう休憩はいいだろう。
みんな、十分にバカンスは取ったはずだ。


獲るよ、この世界。

その先もね。


じゃあ、始めよう。
僕のチームは、着いてきて。

僕達じゃないチームも、頑張って。
健闘を祈るよ。それじゃあ、また。


【――ぶつっ】

 【ヴン……ヴヴヴヴ】

   【ジ】   【ジジジジ】

【ザザッ】    【ザ】   【ザザザザザ】
974 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [saga !nasu_res]:2018/03/12(月) 09:32:53.76 ID:q6dgw+r1o
/六罪王の一角《計劃者》ロジェクトなる者が動き始めました。
/どうやら機関内における『黒幕派』の者のようです。
/機関員は夢の中、あるいはふと目を閉じたときにこの話を聞いたことに出来ます。
/詳細はまた追々。お邪魔いたしました。
975 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 18:52:59.95 ID:nYxjgPdpo
>>968-971
【その気になれば針千本くらいは飲み下しそうなこの男は、確かに誓約を交わした】
【いくつもの命を奪ってきた、己の指に伝わる温もり。耳に届く鈴の響きと共に、異形は頷いて彼女の言葉を受け入れる】
【彼女からの裏切りはない。異形もまた、それを信じる】

【関わる人物の情報はしっかりと頭に叩き込む。共闘する者も、戦う相手も】
【武装の話を聞いた時は、カニバディールも顔をしかめた。これに関しては好ましくないということ以上に】
【ペンライトのような持ち運びのしやすいものが、それほど強力な機能を持った武器として黒幕側に配備されていることへの危機感であった】

婦警は他にも戦闘手段を有しているわけか……「黒幕」が尖兵として使うだけのことはあるようだな
アートマンともマインドとも違う、ロボット……婦警の能力なのか、先のペンライトとは別の武装なのか
後者だとしたら面倒だな。それほどの威力を持ったロボットを、黒幕側はいくつも持っている可能性すら出てくる……まあ現状ではわからないが

話を聞く限り、「黒幕」に与するものとはわかりそうもないな
だが、その人物像を聞くに、「黒幕」の目的を正しいことだと盲信している……そんなところか
そういう相手は厄介だ。命ある限り、いつまでも向かってくる

【そう、表の世界に探りを入れることはカニバディールでは難しい。だからこそ、組む価値があるともいえるが】
【ともあれ、一見して明るく元気で、人の話を聞かなさそうという弱みも魅せる普通の婦警】
【その行動や「黒幕」の目的とのギャップが余計に恐ろしく思えた】


ロッソは探偵としても腕がいいらしいな
セリーナならば、もっと早くに巻き込んで欲しかったと怒りそうな気はするが……まあ、その辺りはロッソの判断に従おう
論文を読みこなすほどの頭があるが、麻季音「ちゃん」か。いわゆる天才少女といったところか?

いや、十分だ。知らないことばかりだった。「黒幕」相手に、後手後手とならず済みそうだ
ああ、そうするとしよう。彼らと接触する機会があればな。多方面からの視点は重要だ

【別々の場所で起きた出来事が、こうして奇妙な縁が生み出した会話の上で重なっていく】
【浮かび上がってくる事実はしかし、同時に自分たちを侵す猛毒だ。飲まずに踏み込むことは叶わない】
【まして、かつていろんな人たちの庇護と絆の中で生きていたあの少女が、自らの意思で毒に挑もうというのだ】
【ならば、悪党たる自分が続かずしてどうするのか。成長した彼女は、心強い味方となってくれるだろう。たとえ、一時的な同盟だとしても】

……ミラ・クラァケとやらは核心をついている
そういうことだ。各々が最善を尽くす。それぞれのやり方でな


……助かる。お前がそういうなら、お前のことは$Mじられる
そのような事態が来ないことを願うよ

――――ふ、ふっふふふふ!! 一本取られたな!!
そうだった、私が機関を裏切るのはこれが初めてじゃあない……
こちらこそだ、鈴音。約束を守ってくれて、ありがとう

【異形も、覚えていた。だからこそ、感謝した。彼女がそこまで固く約束を守っていてくれたことに】
【一度は敵味方に分かれ、共闘も一時的にすぎない今となっても】
【そんな彼女だったから、この協力関係は成立したのだ】
【異形の表情もまた、どんな顔をしていいかわからなさそうな曖昧なものとなっていた】


そうだ。ナンバーズでも六罪王でもない。最高議会とも違う
いつからいるのかも、何をしてきたのかもわからない。私に機密文書を届けた『使徒』も初めて見たし、用が済んだらそいつはすぐに消えてしまった

――――無駄に難解な言い回しをした私などより、よほどまとめるのが上手いな
流石、鈴音だ。全くその通りだよ

治安側の組織でありながら、機関と手を組んで、洗脳と暴力で世界を征服しようとする『公安』
今でもすでに多くの権力と財を持っていながら、機関と手を組んで、金も権力も何もかも手にしようとする偉い人≠フ集団『円卓』
どちらが勝っても、自分たちの都合よくなるようにしようとする『長老派』

この三つが、我々の敵だ。その理解で間違いない

/続きます
976 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 18:54:00.03 ID:nYxjgPdpo
>>968-971
【長々と語られた情報は彼女に濾過され、よりわかりやすく、より危険なこの状況を端的に導き出す】
【ディストピアという言葉への反応は見て取ったが、異形は彼女の脳裏の青年までも知ることは出来ない】
【世界に開いた穴。異形はまだ知らない。こことは違う、別の世界に再現された平坦な未来】
【あるいは、いずれ目にすることもあるのだろうか】


ふっふふふ!! いつものように身勝手に振る舞って、「かっこいい」などと称されることがあるとはな
それだけ、「長老派」が狡猾だということでもあるが

ケイ自身がどういう立場にあるかまではわからないが、彼奴は『N2文書』の名を知っていた
機関員でも公安でもないにも関わらずこの名を出せるということは、「黒幕」側の中心に近い存在なのだろう

黒いパンツスーツに縁の細い眼鏡をかけて革カバンを持った、身奇麗にまとめた女だった
銀髪を一つ結びにし、目は碧。「婦警」と同じく、見た目だけならとてもそんな陰謀に関わっているようには見えないだろう
公安が裏にいる以上、「黒幕」側にはそういった存在も多いのかもしれないな。表社会を堂々と歩ける肩書きは、彼奴等の大きな強みだ

そうだな、そのまま五番目の狩人、ということならそうだろうが……決めつけはまずい。敵の全貌は闇の中だ
セレンディピター号そのものが、元々裏社会の犯罪の温床だからな
「黒幕」に繋がるパトロン、と先ほどは言ったが、考えてみればそれすら決定事項ではない
関わっている人間が多く、それぞれに思惑や立場がある……何とも面倒な話だ

それが賢明だろうな。UTの中でも、お前やセリーナは特に顔が知られている

【彼女の言葉には、頷いて見せる。ある意味ネズミやゴキブリなどよりずっと質が悪いものだろう】
【ともあれ、彼女が直接船に乗り込むのは危険だ。表に顔が売れているということは、良いことばかりではない】


そういうことなのだろう。機関と組んで世界征服など、誰しもが賛同するはずもない
同じ公安内部に敵がいるとなれば、「黒幕」は我々以上に排除したい存在だろうな

【知っておくべき情報ではあるが、今これを活かす道は二人にはないようだ】
【公安内部の勢力図もまた、複雑怪奇。何より、疑うことを仕事とする公安が、この異形を信用などしないだろう】

警察署の中で……まさに警察関係の施設は敵の腹の中か
――――言葉はたどたどしいようでいて、なかなかにいい点を突くな鈴音

確かにその通りだ。自警団にもSCARLETにも公安の手が及んでいたとしても何ら不思議ではない

セリーナという個人がトップ。嫌がる輩は、決して少なくはないだろう
だが、だからこそ事ここに至っては、どんな正義よりも信用に値する
創立者たるセリーナが経営≠キる、「正義の営利組織」……権力の介在する余地が少ないという点では、これ以上ない存在だ

【溜息をつく彼女に、異形はその言葉を肯定して見せる】
【かつて自分が憎んだ、正義でありながら欲望の象徴たる金を求める、その在り方が】
【今この時は、何よりも信じられるものになるとは、皮肉なことでもあるが】

/もう一つ続きます
977 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 18:54:58.56 ID:nYxjgPdpo
>>968-971
「黒幕」もソラリス≠フ正体は突き止めているのか
それでも、監視に留めているとは……公安も今は表の立場がある以上、慎重にならざるを得ないのかもな
残念ながら、向こうの思惑についてはここで議論してもわかるまい

ふっふふふふふ!! 痛快な毒舌だ鈴音。全くその通りだ。彼奴等は所詮、今ある力に胡坐をかいているだけだ
偉いだけの何も出来ない人の集まり。考えても見れば『円卓』という言い方そのものが
お互いを対等に置いている、指導者のいない集団だということを表している
だからこそ、私にとっては『黒幕』の方が都合が悪い。『円卓』の企みが成立しても、まだ抵抗の余地はあるからな

……だが、そうだな。もし『円卓』がそうしたブレーン≠得たのなら。彼奴等も無視できない存在になるだろう


【自分の中に情報を落とし込んでいく彼女。異形はしばしそれが終わるのを待つ】
【今この時は一蓮托生。彼女が正しく状況を認識するために、多少の時間くらいは何でもなかった】

【やはり恐れるべきは『黒幕』。だが『円卓』もまた、動いていないゆえに実態が見えない】
【複雑に絡み合った糸の上を、自分たちはどう渡っていくべきか】


事実は小説よりも奇なり、だな。まさしく映画の中の話だ

【ワクワクする、と言っておきながらカニバディールもまた目は全く笑っていない】
【自嘲を含んだ皮肉だったのだろう。状況は未だ、無謀な戦いでしかないのだから】


――――……。お前は、自分のアキレス腱ともなる情報を明かした
機密文書を漏洩までした甲斐はあったよ

違和感はあったが、そのようなことがあり得るとは……いや、この世界は何が起きても不思議ではないな
致命傷を負えば死ぬが、時間を置けば蘇生する……死に続けていられない、と聞くと恐ろしいことでもあるが

それは、この戦いにおいて切り札の一つともいうべき大きな武器となる
バレてしまえば、そこまでだが……バレなければ、相手の不意を突く大きな力になる
わかった。この戦いの上で、もしお前が『死に』、その死体を見つけたなら、必ず回収する

……先日の戦いで、感づいているとは思うが。私にも、似たような力がある
私は『スクラップズ』の配下たちと、命を共有している。『スクラップズ』の誰か一人でも生きていれば、そこから全員を再生できる
流石に、相応の時間と補給は必要だがな。やろうと思えば、お前のそれに近いことも出来る

【異形もまた、一つ付け加える。自身の生命力の正体を】
【この二人それぞれが、形は違えど死すら武器に出来る力がある。公安に対抗できる大きな武器となるだろう】
【いつか交わした会話のように、普通の日常を享受しようとした彼女がこれを口にすることの意味は、胸に秘めて】
【正気の沙汰ではない願いを、異形は聞き入れた。彼もまた、狂気の域にあるがゆえに】


……最も重要なところは、これで交換し終えただろうか
お前の方から補足がないなら、最後に一つ付け加える。『黒幕』側の中枢と思しき男の名だ
『N2文書』はその男……水の国警察の現公安部長セリザワから送られてきた
この男が『黒幕』側のトップなのかはわからないが。彼奴等が最初に乗っ取りを図るのも、おそらくは水の国――――!!!?

【ふ、と。カニバディールはその時、何の気なしに目を閉じた。『黒幕』側の重要人物の名を口にしながら】
【偶然ではあろうが、まさにその時。カニバディールの脳裏を、その声が直撃した】


>>973
――――があ、が……!! ロジェクト……『計劃者』ロジェクト……!!
新任の六罪王……『黒幕』側の機関幹部……!!

鈴音……今まさに、メッセージが発せられた……六罪王の一角が……
『黒幕』に与する者として動き出すと……もう休憩はいい、と……世界を獲ると……!!

【苦し気に頭を押さえ、カニバディールは告げた。より切迫した恐るべき事実を】

/大変お待たせいたしました……
978 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2018/03/12(月) 19:38:00.57 ID:mWSHyHjJ0
>>927
/こちらも返信遅くなってしまいましたが了解しました
/時間のあるときにでも宜しくおねがいします。
979 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) :2018/03/12(月) 19:53:48.65 ID:0FQ1FIRQ0
// >>953で再募集するなどします
980 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 20:51:13.63 ID:UwbvElh20
>>975-977

……もう何度もUTに来ているみたい。だから、もう交戦しているクラァケさんに、あなたやロッソさんはともかく……。
わたしや麻季音ちゃんが攻撃されることがあったら、それってもう本当にばれたときか――、もうごまかさなくって良くなった時、だよ。

……――だから、じゃないけど。気を付けて、UTでお仕事している間の時間なら、わたしと麻季音ちゃんは、もう少しくらいは、安全なはずだし――、
……"そんなこと"したら、それこそセリーナが怒るよ。

【UTで働いている時間であれば。相手がパトロールと称して様子を伺いに来る以上、お互いににこにこしていればそれでいい、それが難しいのは、ひとまず置いておくとして】
【問題はUTに居るのに攻撃されるようなことがあった時――それは相手も本当にやる気で来た時ということになるだろう。だからではないけれど、と、前置き一つ】
【ひとまず自分と――件の重要人物である麻季音は、その分は安全であるはずだと。問題は――すでに交戦したミラや、彼のように、警察が追っていて不自然でない人物】
【そういう意味ではロッソもだろうか。彼女たちはまだUTで働いているというのを隠れ蓑にすることができる――それさえ完璧ではないと、分かりながらも】

あなたが"手伝って"くれること、みんなに伝えておく。だけど、電話とかメールは、盗聴? されているかもしれないって、ロッソさんが。
麻季音ちゃんとロッソさんはきっと会おうと思えば会えるね、わたしも、麻季音ちゃんとは、お仕事同じだから……給仕さんだよ、最近お仕事するようになったの。
とりあえず――……麻季音ちゃんからロッソさんに言ってもらって、みんなに言ってもらうのがいいかな。……あとはクラァケさんだけなんだけど――、

盗聴とかって……わたしよくわかんない、あとで麻季音ちゃんに聞いてみる。

【彼がほかのひとたちと接触するのなら、あらかじめ彼女の方からそうであると伝えた方がこじれることはないだろう。そうはいっても、電話だのはまずいかもしれないと聞いている】
【あまりデジタルの方に優れていないらしいのはこの言葉できっと分かった。ならばやはり機械に詳しいだろうと思われるもう一人の給仕――新人さん――に聞いてみると】
【なにより彼女経由でロッソへ伝われば、あの彼がちゃんとした方法でみんなに伝えてくれるだろう。多分。――変に動いて藪から蛇を出した上に尻尾を踏むより、マシだと思う】
【――あるいは。あの初めの邂逅がなかったら。会ってきた夜の、どれか一つでも欠けていたら】
【彼がそうして条件付きだとしても機関を裏切ることができる人間だと知らなければ。彼の言葉の端々から、その行動の根本にある利己的に生きるさまを知らなければ】
【それでいて彼女が手に入れた一時の平穏を祝福してくれる人柄や、いつかの言葉からもらった勇気から、一つの行動を咲かせた経験がなければ】
【彼女は彼をこうまで信用しなかっただろう。そうして、それは、きっと彼も同じだろう。今までの全部があったからこそ――引きちぎれたと思われた奇縁も、また、刹那に繋がる】

――治安側の組織でありながら、機関と手を組んで、洗脳と暴力で世界を征服しようとする『公安』。
――今でもすでに多くの権力と財を持っていながら、機関と手を組んで、金も権力も何もかも手にしようとする偉い人≠フ集団『円卓』。
――どちらが勝っても、自分たちの都合よくなるようにしようとする『長老派』。

だけど公安は内部分裂、機関だって一枚岩じゃなくって……、円卓は、まだ、よくわからない。
機関は……ほかにも居るのかな。カニバディールみたいに、こんなの嫌だって思うひと――、ううん、ごめんなさい、わたし、機関のことは分からないから。

…………、身勝手かもしれないけど。そうやって、ずっと……わたしには変わらなく見えるの。羨ましいなってね、ちょっとだけ、思うよ――。

【「わたしは、きょろきょろしすぎるから」】
【相手の言葉を繰り返してなぞる。それから知ったことを続けて呟いて、脳内で紐づける。彼の言葉……機関員全員知っているわけではない、というのは】
【つまり機関の中でも信用されていない人間が居るのか。それはもとより、集まった理由さえ明確でない機関の構成員なら、彼以外にも裏切り者は存在するかもしれない】
【ならば取り込めるかもしれない――だけれど、それは彼へ任すべきだろう。そう思いついたらしい彼女は、けれどすぐに思い直して、言葉を切り】

/分割でっ
981 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 20:52:04.77 ID:UwbvElh20
>>975-977>>980

うん――、銀色の髪に、碧色の目。普通のひとみたいな……ひと。
……そうだ、ね、第五だからって。五人目だって限らない、……――うん、わたし、やっぱりその船には、行けないや。
逆にセリーナとかなら、えいって行っちゃいそうだけど――、その、なんだろ? なんかだって言って、わたしのこと、いきなりテレビ局連れて行ったみたいに――。

【思い込みを咎められれば少女は少し遅れてそれが思い込みだったと気づく。それから彼の言葉も受ければ――やはり、そこには行くことが出来ない、と、口にする】
【そのうえで"セリーナなら""えいって行っちゃいそう"――褒めてるつもりなのだろうけれど。後半には少しだけ私怨が混じったようにも……いや、余談でしかないのだけれど】

…………うん。そうだと思う、だけど――、公安のひとって、知らないや、公安のひとだって、自分が公安でーすって、言って回らないと思うし……。

【そう思い至ったところで――けれどこの点については、この瞬間の二人だけでは詰みだろう。そんなひと居るわけないね、と、ため息を一つ漏らしてから】

――もちろん、そうだって決まったわけじゃないから。わたしが不安になってるだけかもしれない。
それに――ロウみたいなひとだって居るの、あのひと、多分……そんなことになったら、きっと従わない。

だから――、もし"そう"だったとしても、多分、ここも、中で揉めると思う。だってもともと治安を維持するための場所だから、……公安も。
集団全部が駄目になっちゃう前に、絶対に、反対するひとたち……どうにかする。それこそ"消しちゃう"かもしれないし、"洗脳"、するかも――しれないけど。

【不思議ではない――彼の言葉に、懸念はわずかに深まる。けれどあれだって治安のための組織であるなら、公安がそうなっているように、内部で分裂するに違いない】
【だからといって恐ろしいのは――"公安"がそういった技術に手を出していることだ。確かミラはフルフェイスがそのテストではないか、と、言っていたような】

――――だって。急なの、こんなの、ちょこっと前まで考えもしなかったのに……、……うん。やっぱり、今すぐに怖いのは、わたしは公安だって思うの。
だけど……そういうものを手に入れた後のことは分からない――……、忘れていたら駄目だね、……ちゃんと覚えておく。

【彼女なりの仕返しだった、冗談じゃないくらい切羽詰まった状況の中で、一つ、なんだか周りに比べて見劣りするものが見えて、ついつい、ちらっとした悪口を】
【それでため息を一つ。どちらにせよ機関と組んでいるという時点で、普段なら大問題だろう。今は、それより目立つものがあるだけ――事情が込み入りすぎているだけ】
【常であれば機関と組んで何かを企んでいる存在があるらしい……という時点でそれこそセリーナみたいなひとが動いたりするのだから】

/分割ですっ
982 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 20:52:44.24 ID:UwbvElh20
>>975-977>>980>>981

――――――……だから、わたしは、死んじゃっても、大丈夫。そのたびに死んでいるから、痛いのも、苦しいのも、分かるけど――。
魔力と時間があれば、ちゃんと戻ってこられる。魔力は――知り合いの子にもらっているの。あとは時間だけど……、これも、魔力がたくさんあれば、少しは減るかな。
身体がいっぱい壊れたらその分遅くなる。"あんまりひどくなければ"――ううん。致命傷なんだけど。

【なら、よかった――そんな風には、言えなかった。この少女が言葉で以ってそれを説明したのは、目の前の彼が初めてということになる。明らかにヒトと違う特性を】
【そうでないからこそ切り札として使えるかもしれないと言って教えるのだ。表情は少し強張ったようではあったが、言葉そのものは特に閊えることもなく、続けられ】
【どうあれ致命傷ではあるが、例えば心臓を一突きされて死ぬのと全身ごとミキサーに放り込まれて死ぬのでは当然後者の方が魔力も時間も必要とする】

――ありがとう。こんなの、あなたにしか頼めないの、ロッソさんも、言えばきっと、してくれる。だけど……、言えない、こんなこと、――。
麻季音ちゃんにも、クラァケさんにだって、頼めない。あなただけなの、……どれくらい、分かっていた? わたしの"味"――人間と、おんなじだった?

【泣き笑いに似た表情を一瞬浮かべるだろう。彼にしか頼めないのだと言って――そして彼がきちんと言い切ってくれたなら。ひどく曖昧な顔、泣くでも笑うでもなく】
【――ふっ、と、そう尋ねる。違和感があった――成長しないことについてだろうか。だけど彼なら、彼みたいなひとなら、きっと覚えているのだ】
【彼女自身さえ知らない彼女の味――人間とよく似て、けれど何かが明確に違う、あの、味を】

多分……全部ではないけど。大事なところは、大丈夫だと思う。あとから思い出したことがあったら、連絡してくれたら――。
……N2文書は今の公安の偉いひと、セリザワってひとから……、届いた。……――?

【大方のことは話し合っただろう。それでもあまりに複雑な状況を整理しながらの会話、お互いに、細かなところは取りこぼしている可能性がある】
【ならばあとは顔を合わせずとも文字や電話越しのやり取りでも問題がないと思われた。もちろんこれは彼が了承してくれたらになるけれど】
【彼女の方からは彼へ連絡先を伝えるつもりがあることの証明でもあるだろう――その後付け加えられる情報、これもまた大事なことだと判断して、ぎゅっと記憶へ刻み――】
【――その瞬間に、カニバディールの様子がおかしくなる。刹那に訝しさと心配を混ぜたように眉をひそめた少女は、思わず座っていた木箱から立ち上がり】
【相手へと近寄りかけ――「大丈夫?」と尋ねようとした言葉が、明確な音になる前に、彼の言葉によって遮られる】

ロジェクト……六罪王? 黒幕側の――新しい、六罪王。
……カニバディール、大丈夫? 顔色が悪いみたい、――特別、だよ。今は、特別、全部が……、

【――どうやら、すべてのことはこの瞬間にも進んでいるらしい。それを彼の言葉で理解させられる、この瞬間、新たな六罪王が誕生したことも】
【彼がこちらと組んでくれなければ知りえなかった情報だ。――困惑したような、そしてどこか怯えたように表情をこわばらせた少女は、短いスカートの裾を握りしめ】
【一瞬ためらうようにしてから、ふわりとおそらくは座ったままのカニバディールの目の前に立つだろう。それから地面に膝をつくように座り込み、彼を見上げ】
【そうしてもう一度ためらうように跳ねた手が――けれどカニバディールへ伸ばされる。苦し気に頭を押さえる手のもとへ、叶うならば優しく触れようとするから】
【思い出すだろうか。あの日、ビルの屋上で――たったの一度きりだと言って施した、あの魔術。怪我を治すだけの強度はない、けれど、心の中の濁りを祓い清めるような】
【それをもう一度――いまは"味方"である彼へ施そうとするのだ。――もちろん無理やりの行動ではない、拒めば、少女はそのまま腕をゆるりと引っ込めるだろう】

/これで分割終了ですっお待たせしました!
983 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/12(月) 21:09:54.38 ID:RyF990sJ0
>>953

【彼が喫煙所から出ようとすると、ちょうど、入れ違いの様に一人、やってきた】
【その人物は、出ようとしている彼が口に煙草をくわえたままであることに気が付いて、】


──外で吸っちゃ駄目なんじゃないですか?

【なんて、話しかけるのは、“お前こそ吸っちゃ駄目なんじゃないか”という外見をしていた──】

【赤いメッシュの入った黒髪の少女。伊達を隠す気のないレンズの無い眼鏡】
【シャツとデニムのカジュアルファッションに白衣をマントの様に肩に羽織るその姿は研究者のコスプレのような】
【首にハートとドクロが乗った天秤が描かれた金色のチョーカーを巻いている。──その天秤はドクロに傾いていた】
984 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/12(月) 21:21:03.98 ID:0FQ1FIRQ0
>>983

……場所かえよーと思ってたダケだしィ?
つーか何、オジョーチャンに言われたくねーんですけどぉ……

【けだるげな声を上げながら、唇で挟んでいた煙草を手で持ち直して】
【はぁ、とわかりやすい溜息を吐いて、戻っていく。どかっと座り直し】
【――沈黙ばかりが支配する喫煙所の中で、少女と青年はあきらかに浮いていた】
【事実、周囲の人々は視線を上げないままだったけど――すすす、と端っこに寄っていく】

まーいーや。オジョーチャン、火ィ貸してくんない?

【なんにもよくない。よくないのにそんなことを言うあたり、きっとこの男はろくでなし】
【煙草を咥えなおして、先端を少女の方に向けながら。だるそうな声でそう言った】
985 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 21:28:32.07 ID:UwbvElh20
>>977>>980>>981>>982

【どうあれ致命傷ではあるが、例えば心臓を一突きされて死ぬのと全身ごとミキサーに放り込まれて死ぬのでは当然後者の方が魔力も時間も必要とする】


――――"わたしは"、あの時、居なかったの。だけど……聞いたよ。へびさまに、あなたは「死んだと思う」って。
だけど、生きてる――、へびさまはわたしに嘘を吐かない。だから……へびさまも信じて、あなたの言うことも、信じる。

……――――ふふ、こんなの、初めて言ったのに。なんでだろ、似てるのかな、やっぱり――、あなたの方が、ずっと、ずっと、強いけど。

……じゃあ。わたしも――あなたが死んだように見えたら、そう思うようにする。
"その時に"何かしてほしいことは、ある? こんなの、不謹慎だけど――。

――ありがとう。こんなの、あなたにしか頼めないの、ロッソさんも、言えばきっと、してくれる。だけど……、言えない、こんなこと、――。

/この位置にこれらの文章を追加させてくださいっ、少し時間が経ってからの修正になってしまってすみませんでした!
986 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/12(月) 21:31:24.68 ID:RyF990sJ0
>>984

【明らかに煙草を吸う年齢でない少女だが、周囲の反応をまるで気にしていないように付いていく】


あぁ、ライターを忘れたんですね。うっかりさん。

【なんて、けらけらと屈託のない笑顔で笑うと、「んべ」と舌を出した】
【馬鹿にしてる?という感じでもないがどういう意図が──】


──はい、どうぞ

【!?】

【──どうぞ、というのはどういう事なんだろうか】
【彼が言ったのは「火ィ貸してくんない?」であって「口貸して」なんて言っていないはず】
【周りの人間も関わろうとしないしろ、間違いなく証人になってくれるはず】

【しかし、よく見れば、彼女の舌からほんのわずかに煙のようなものが出ており……そう、付くのだが舌に、たばこの先端を押し当てれば】
【少女の舌に煙草を押し当てるだなんて、そんな発想にたどり着ければの話なのだが───】
987 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/12(月) 21:37:38.80 ID:0FQ1FIRQ0
>>986

うっかりさんでワルかったッスね――――、……・ふぇっ、

【 !? 】

【――――その場の空気が凍り付く。視線を下げっぱなしにしていたギャラリーが、一斉に少女を見て】
【かたやチャラそうなおにーちゃん。かたやまだ幼さの残る少女】
【おにーちゃんのほうに向かって少女が下を伸ばしている光景は、なんだかちょっと、アレで、アレ】

………………えっえっナニナニナニ、なんのプレイ、
いやちげーんスよオッチャンたち!? 違うってマジでおれこんなの知らない!
マジでおれこのコと初対面だしまかり間違ってもこんなことしろなんて言ってない!?
マジだってマジマジマジマジで!! ツーホーやめて!! スマホしまって!!!

【こわばった表情をした中年男性Aがスッとスマホを取り出せば、慌てて立ち上がる青年】
【その間、べーってしてもらってる少女は放りっぱなしだ。文句を言ってもいいぞ!】
988 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/12(月) 21:45:51.96 ID:RyF990sJ0
>>987

あのぉ────早くしてくれませんか?

【自分を放置して周りに弁明する青年に、】
【ジトっとした目で見てくるのだが──怒っているというより、『ニヤっ』としている】

【コイツ、ワザとか。その表情を見れば特異な力を持った少女が天然を発揮した訳ではない事は一目瞭然である】
【小悪魔的な表情を見せていたが、想像以上の慌てっぷりに「ぶふっ!」と吹き出してしまう】


くっくっ……ぷぷ。お兄さん面白い人ですねぇ。

【青年に顔を近づけて──ペロリ、と彼の口にくわえた煙草を舐めようとして、彼が避けなければ煙草に火は付くだろう】
【これはこれで──割と危ない光景に見えなくはないが……というか危ない光景である】
989 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/12(月) 21:55:42.71 ID:0FQ1FIRQ0
>>988

わ゛!? っとっとっと、あっ――――ぶねェっ!!

【ぽ、と。煙草に火が灯ると同時に、大口を開けて驚愕の表情を浮かべる青年】
【そうすれば当然、火のついた煙草がするりと抜け落ちて――落ちそうになったのを、あわててキャッチ】
【たったそれだけのことなのに、やたらめったら疲れたようで。しばらくぜーぜーと、大きく息をして】

…………いやいやいやいや、ナニすんだよオジョーチャン。
なんなのマジで、いろいろ危なかったんですケド!?
おれセーハンザイシャだけにはなりたくねーよ、しかもコドモ相手にさあ……

……っはー、ったくもう。せっかくのイップクタイムが台無しじゃんよォ……

【……それも、煙草を吸ううちに落ち着いてきたみたい。何度か煙をふかしながら】
【改めて椅子に座り直して、少女の姿をじっと見る。――白衣。あんまり、いい思い出がなかったり】

ま、とりあえず火ィあんがとね、マッチちゃん……おまえいくつ?
パパとかママは? こんなトコロにいていーの?

【マッチちゃん。0.2秒で考えてつけたみたいな適当な綽名。口にしながら、青年は煙を吐き出した】
990 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/12(月) 22:16:15.16 ID:RyF990sJ0
>>989


そんな原始的な名前で呼ばないで下さいな、“朱玖雀(スザク)”という大事な名前がありますので。
……こう見えてええと。3歳くらいなんですよ。しかも働いてますし。お給料を頂いている身です。……謹慎中ですが。

【さんさい。──人外セーフ!!ここで12-16歳とかのリアルな年齢が出たらアウトだったが】
【社会人みたいだし、年齢が本当なら普通の人間じゃないっぽいので、人外セーフである。なあ、そうだろ?皆!?】


私、好きなんですよねぇ。煙。

【彼女も煙草を吸いに来たのだろうか。これは人外セーフ?いや、この外見で吸ってたら補導されそうにな気がするが】
【すると──彼女は唐突に深呼吸をすると、彼の吐いた煙や、周囲の煙が彼女に吸い込まれていく。……セーフなん?】

【満足そうにぺろりと舌を舐めると、ぽんっと彼の隣に座った】


ま、ま。いいじゃないですか──こう、ね。おじさんとかがいっぱいして辛気臭い所に若い女の子が来るとぱぁーと明るくなって。
……お兄さんも、皆からシカトされて今にも自殺しそうで可哀そうで……見てらんないから、ついね。
私って天使みたいな女の子なんですよー。──ほら、明るくなったでしょう?

【──全部見てたっぽい!】
991 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/12(月) 22:28:19.61 ID:0FQ1FIRQ0
>>990

スザクちゃん? スーちゃん。へえそうなの、スーちゃん3歳なの……、……さん???

【あだ名を拒否されたら新しいあだ名で呼んでいくスタイル! めげない。】
【そんな感じのテキトーな調子で会話を続けていたら、ふいにぴたりと固まって】
【もう一度、少女の姿を頭からつま先まで。じーっと見つめて、怪訝そうな顔】

【そうしていたら、彼女が煙を「たべる」様子を見る羽目になって。なるほど、と納得した様子】
【ニンゲンじゃないならいっかー、くらいのかるーい気持ち。背凭れにがっつり体重を乗せ】

……うっせーうっせーうっせーやい! おれ別にカワイソーじゃねえし!
スーちゃんアクマ! テンシとかそーいうのマジないわ!

……ん、まあ明るくなったのはマジだけど。辛気くせーよねこーいうトコって。

【拗ねたようにぷんすかしてみせたけど、なんだかんだで素直になる。寂しいのは本当だったらしい】
【そうしながらポケットを漁って、煙草の箱を取り出して、もう一本――指で挟んで少女のほうに向けた】
【「ケムリしか吸わねーの? おひとついかが」。キャンディでも手渡すような気軽さで】
992 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/12(月) 22:45:21.14 ID:RyF990sJ0
>>991

あ、スーさんだと釣り好きのおじさんっぽいのでスーちゃんでお願いします。

【渡された煙草を「あ、どーもー」と受け取ると、口を開け、先ほどの様に火をつけると思いきや】
【──パク。と口に含んだ。丸ごと。キャンディーっていうかガムみたいな感じで】
【もごもごと噛むと、ぺっ。と灰皿に吐き出した。フィルターの部分だけ。まあ、その使い方ならいらないよね……】


アクマだなんてひどい……!
煙も好きなんですけど、こういう所に来ると。こう、明日への活力が沸いてくるんですよ。
こう、世の中を元気にしないと!!って。は──早く謹慎解けないですかねぇ……。

【仕事に行けないから疲れたおじさん達を見て元気をもらいに来るってやっぱアクマなんじゃ】
【前かがみになり、横から青年の顔を覗き込むように首を傾げ】

可哀そうなお兄さんはお仕事帰りですか────?


【もごもごと煙草を噛みながら問いかける】
993 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/12(月) 22:56:19.32 ID:0FQ1FIRQ0
>>992

……煙草ってうめーの? 毒って聞いたコトあるケド。

【想像の斜め上の味わい方をされたので、目を丸くして。でもそれだけ】
【オーバーリアクションする元気はさっき使い果たしたので、座りっぱなし】
【くちゃくちゃになったフィルターを見て、それから少女に視線を戻して――かくんと首を傾げた】

やっぱアクマじゃん、疲れたオジサンたちの生気吸い取るアクマ。
そんなんだからキンシンされるんじゃね? つかキンシンされるようなお仕事ってナニ。
そんなカッコしてるから、やっぱ科学者とかそーいうやつだったり?

……ん、そうそう。ヒトシゴト終えて、イップクして帰ろーかなって。
そーだねえ、スーちゃんがさっき言ったみたいに科学者サンだったら――会ったことあるかもねェ?

【唇の端をにい、と広げて笑って見せる。その表情は、いかにもIQが低そうなおにーちゃんのもの】
【「科学者なら会ったことがあるかも」――先程の言葉にはとうてい結びつかなさそうな、それだった】
994 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 23:07:59.23 ID:nYxjgPdpo
>>980-982
婦警と言う立場がある以上、何度来ようと追い返すわけにもいくまいな……
その通りだ。監視以上の手に向こうが出るなら、遠慮する必要はなくなる

私も、「今はまだ」安全だろう。機関と『黒幕』の内側に入り込むことが出来ている間はな
……彼女を怒らせることになれば、その時は本当に開戦だな

【ここに関しては、カニバディールにはタッチできない部分である。彼女らの演技力に期待するしかないだろう】
【同時に、先端が開かれるとしたらそこからとなるかもしれない】
【カニバディールもまた、自身の安全はかろうじて確保できていることを伝える。かりそめのものではあったが】


ああ、頼むよ。敵に近い私は、あまり何度も大っぴらな行動は出来ないからな
ロッソとならば、問題なく会えるだろう。初瀬 麻季音とは……流石にUTに直接出向くわけにはいかないが、会えないこともあるまい
ウェイトレスが増えたというわけか……UTも賑やかになったな
ミラ・クラァケとは、まあ機会を待つさ

流石はロッソ、用心深いな。敵の目や耳はどこにでも潜んでいると思った方がいい
ああ、お前も学んでおくといい。敵に対抗するためには、知識も必要だ

【たどたどしくも確実に、対抗するための準備を進める鈴音。今は小さい力でも】
【束ねれば、公安の命にも届き得る。どのみち、カニバディールは後戻りできない賭けに乗ったのだ】

【苦手分野を補い合うために、人は協力する。分からなければ頼ればいい】
【鈴音にはそれが出来ている。やはり彼女は、味方となれば頼もしい】

【そう、今までの全ては無駄ではなかった。いずれ、間違いなく敵味方に再び別れることになるけれど】
【たとえ刹那だとしても、今この時。確かに異形と少女は再び縁を結んだのだ】


大まかに整理すれば、そういうことだ
実際には、さらに複雑に絡んでいるのだろうが……わからないことを考えて、ややこしくする必要もあるまい

……居る、と思いたいところだが。機関はまさに、その内実も混沌そのものだ
機関に籍を置いてそれなりに経つ私でも、全貌は掴み難い
だが、探してみる価値はあるだろうな

……そうか。そうだな、私は変わらないだろう。これまでも、これからも
羨ましがるのは、少々どうかと思うが

【彼女の言葉を受け取りながら、異形は脳内で算段を始める】
【機関員を他に取り込めるのか。そもそも、誰が関わっているのか】
【彼もまた、闇の中で動き始める。そう宣言して】


そうだ。何人いるかもわからない。確かめられればいいが、その時間があるかどうかは、期待しないでおくべきだな
……彼女なら、あり得るな。今だから言うが、あのCMを目にした時は午後のコーヒーを噴き出してしまった
だが、それでも彼女ならばあるいは、何とかしてのけるかもな

【わからないことが多すぎると、それだけで自分の中で情報が錯綜する危険性がある】
【臆病な異形は、己すら疑う。全ては生き延びるために】
【一方で、セリーナについては敵であるが故の実力への信用も覗かせる。私怨については、コメントは控えめにしておいた】


違いない。表の勢力として名は知られているとはいえ、公安の本質は秘密組織に近い
公安を名乗って回るような輩がいたら、あっという間にクビだろう

【知らないということは、恐ろしいものである。この空の下のどこかにそんな公安がいるとは、流石に知る由もなかった】

/続きます
995 :カニバディール ◆moXuJYo6C0cW [sage saga]:2018/03/12(月) 23:08:55.45 ID:nYxjgPdpo
>>980-982
>>985
そうだな、ロウのような熱血漢に、そのような陰謀に加担することは耐えられまい

どこもかしこも、内部分裂の可能性……組織というものの難儀なところだな
急がねばなるまい。彼奴等がそうした者の全てを、排除ないし洗脳する前に

【すでに進められている陰謀。公安過激派の目指す世界は着々と近づいている】
【それに対抗する者たちが自分たちだけにならないことを、カニバディールは切に願った】


……そうだな、あまりにも急な話だろう。陰謀というものは、それと気づいた時には膨らみきっているものだ

ああ、覚えておいてくれ。お前たちが『円卓』を警戒するということ、そのものが私にとっても都合がいい

【そのくらいの意趣返しは構わないだろう。気付かないうちに数多くの者を追い込んでいる者たちの一角なのだ】
【が、そうしてみたところでやはり変わらない。この、追い詰められつつある状況は】


……そのたびに死ぬ、ということが口で言うほど簡単でないことは私も経験で理解しているつもりだ
だが、今回ばかりはそれにも頼らせてもらう必要がある。出来れば、使わずに済ませたいところだがな
手段を選んでいる余裕は、すでにない……その知り合いの魔力で足りなければ、私からも提供の手段を考えておこう

【秘密を明かす、最初の相手としてカニバディールは彼なりに真摯にそれを受け取った】
【死なないといえば凄まじいことに見えるが、痛みもあれば苦しみもある。その時は、実際に死ぬ】
【それを切り札に差し出す覚悟があるのなら、こちらもそれに可能な限り協力する、と】

ふ、ふ。そうか。あの「へびさま」の目も掻い潜れていたか
ああ、両方が正しいということになるだろう。「私」は死んだ。だが他に生きている者がいた
全て殺さねば、私は死なない

――――本当に、奇妙なことだ。こんな形で似ているだなどと
死なない手口で上回っても、褒められたことではないな……ふ、ふ

そうしてもらえるとありがたい。同じくらい強力な札が二枚。使わずに済めばそれに越したことはないが
そうだな……お前と同じだ。もし死体残っていたなら、肉片一つで構わない
かつての地下通路はまだ使っている。あそこにでも放り込んでおいてくれ。私の仲間が回収するよう、手配しておく

……お互いに、他に頼める相手はいないだろうな
お前の仲間は、当然お前がそのような事態になることそのものを避けたがるだろうし
相手が運命を共にするロッソたちだとしても、簡単に明かせることじゃあない

……違和感は覚えてはいた。お前の「味」は……人間と非常によく似ていたが、どこか違った
それが何なのかは、はっきりとはわからなかったが……魔力か魔術か。何か、人であろうとして再現しきれなかったような。そんな感覚だった

【味の話になると、カニバディールも複雑な表情を浮かべる】
【確かに覚えている。だから、ボカさずにはっきりと伝えた。人の姿だが、人でないような味であったと】


【彼女からの言葉には、反応できずに終わる。突然の脳への情報は、大きな衝撃を与えていた】
【後に連絡を取り合うことは、無論了承するが今は不可能だった】

【近寄りかけた鈴音の目を真正面から三つの目で見て。カニバディールは言葉を絞り出す】

――――そう、そうだ……『黒幕』側の機関員として、明確にその名を……
それも、このような形で……どれだけの力を持った怪物だ……

【噛み殺した震えが、またぶり返しかける。木箱に預けた巨躯は、ひどく脆く見えたかもしれない】
【だが、彼女がその前に立てば震えは治まる。もはやあり得ないと思っていた、二度目の魔術】
【カニバディールはそれを受け入れた。頭の中に残響していたノイズが取り払われる。あの時のように】

――――そうだな。今だけだ。だが、助かった
連絡先は、教えよう。それを持って、これから我々は公安に対抗するために、正式に一時手を結ぶ

【頭を振って、目に暗い光を取り戻せば。カニバディールは最後の確認を彼女へと発するのだった】
996 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2018/03/12(月) 23:25:47.50 ID:RyF990sJ0
>>993

【煙草吸ってる人に「煙草ってうめーの?」なんて言葉を吐き出させるシチュエーションってここくらいなものだろうか】
【その質問に対して少し目をつむって考えるポーズを取る】


う〜ん。どうでしょう。まあおいしい、ですかね?香りが付いてるのと、
噛めば満足感がありますし“栄養”が無いので煙草の煙じゃお腹は膨れませんねー。

【オヤツ。オヤツかー。──彼女が“煙”を食べ物と摂取するなら、彼女は何で腹を膨らませるのだろうか】


『レヴォルツィオーン』って会社で、夢と希望のある仕事をしてるんですよね。
──いやぁ、私は悪く無いんですよ?ちょっと、色々あって、警察の人がいちゃもん付けて取り調べとかしてくるんですよ。
だから、怒ってぶっ飛ばしちゃって。ほんと、ワルクナイデスヨ?……そんな感じで、最終的に会社にお金払ってもらって助けてもらいました!

【『レヴォルツィオーン社』製薬や兵器で知られる会社だが、】
【名を知っている者が聞けば“夢(薬)”と“希望(兵器)”とかいう笑えないジョークである、黒い噂も色々あるはずだが】
【そんなことやらかして謹慎で済むのであれば、──超絶ホワイト会社なのではないだろうか】


えっ、ほんとですか?まあ、見ての通りって言うか、普通の恰好してたら分かんないでこんな格好してるんですけど。ゲンキの出るお薬作ってるんですよ!
──────………………あ!“被検体”の人とかですか?

【うーん。と再び彼を除き込んで、出た答えがそれだった超絶失礼】
997 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2018/03/12(月) 23:38:23.59 ID:0FQ1FIRQ0
>>996

タバコに栄養あったらこえーわ。
……つーかその口振りだったらフツーのモノじゃ栄養とれないってカンジじゃん?

【さんさいだし。ニンゲンじゃないし。きっと食べ物もそれなりに、ヘンなものなのだろうと仮定して】
【「ヒトの肉とか喰ってんの?」とか、さらっと訊いたらギャラリーのおじさんたちがびくっと肩を震わせた】
【喫煙所の空気は、すっかり変なふうになっていた。そそくさと出ていく人も何人か】

れぼ……れ……フーンだいたいわかった。
ケーサツのお世話になっても助けてもらえんの、めっちゃヤサシー会社じゃん。
よかったねえスーちゃん、きっと他の会社じゃ即クビよ?

【↑わかってない】
【親指を立てて、喉元を一文字にすっぱり切り裂くジェスチャー。けらけら笑っていたけど】

……………………、……あ、たってはいるけどォ……いや護衛役とかもやってっし……
いや護衛役のほうが本業だし。マジでマジで。うんマジだよ?

【「被験体」で、あってたらしい。かなしいなあ。煙草のさきっぽが、斜め下にずり下がる】
【そう口にする彼は、たしかにうっすら「ニンゲン」ではない雰囲気を纏っていたりした】
【魔翌力探知とか、そういうのに優れていたなら――感じられるだろう、彼の「内部」で蠢く、複数の生命の気配】
【どうやらいろんなものが「混ざっている」らしい。たはは、と後ろ頭を掻いて】
998 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) :2018/03/12(月) 23:46:58.86 ID:vJrJ/Hgp0
【水の国、路地裏】


「中尉!無理ですよー!絶対無理です!」
「何故だ?理由を言え曹長」

【路地裏の袋小路で話し声が聞こえる】
【男性と少女の物らしく、そこには暗いネイビーのスーツにロングコートの歳の頃27.8位の男性と15.6位の少女が何やら話し込んでいるのが見える筈だ】

「あのですねー、本国からこの国までこんな量の武器なんて私一人で持って来れるわけないでしょ、この国でそれらしいの調達出来ないんですか?」
「そんなルートがあったら、わざわざ貴官には頼まんそれに使い慣れている方がいい、士官学生達の練習航海の巡洋艦にでも載せて停泊中に下ろせばいい事だ……武器も人も必要だ」
「仕方ないですね、わかりましたけど……」

【少女はメガネを直しながら答えた、少女の姿はこの辺の学校の制服であり、見る人が見れば非常に如何わしいやり取りをしている様にも見えるが果たして?】
999 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 23:57:10.71 ID:UwbvElh20
>>994>>995

――……そっか。あなたも、そうだね――じゃあ。あとは……ロッソさんと、クラァケさん……かな。
ロッソさんはよくわからないけど……クラァケさんはどこかの隠れ家に匿ってもらっているんだって。何かあったらUTに来るようには、言ってあるけど――。

【UTに来る婦警への対応。それでも常日頃入り浸っているというわけではないのは幸いだっただろう、――この少女の知らないところで】
【オフの日なら入り浸ろうかなとか、それっぽいようなことを言っていた……とは、知らないのだから、警戒しようもないけれど】
【そう言われてみれば、彼にも隠れ蓑は存在した。ならばそれらが存在しないのはロッソとミラということになるか。ロッソはおそらく慣れていて、ミラには隠れ家があるという】

麻季音ちゃんに聞いてみる。盗聴とか……傍受? されない、連絡の方法……? ……口で言うのが一番いいんだけど。
あんまり何度もみんなで集まっておしゃべりするわけにも、きっといかないから、ね。

【――いつか、殺し合うために、彼と少女はその奇縁を自分らが禊と定義した行為で以って、切り裂いた】
【――それが、今宵、生き残るために。再び繋ぎ合わされる。先ほど絡めた小指がそれぞれ持っていた縁の切れ端であったみたいに。時間仕掛けが、また廻り出し】
【一度みんなでお話できたらいいとは思うんだけど――とは、どうしようもない呟き。彼が加わった時点でUTは使えなくなった】
【ましてUTの人間であると知られる少女と機関の人間であると知られるカニバディールが同席しほかの人間もいる集団、なんて、到底怪しすぎるのだ】

セリーナはね、すごいよ。わたしには到底思いつかないくらいのこと、わたしが尻込みしちゃうようなこと……飛んでくボールみたいにね、しちゃうの。
それでいろんなひととかものを巻き込んでいっちゃう。ほんとにね、すごいんだよ――、…………。珈琲の弁償はセリーナにさせてね。

【セリーナという人物について。UTに務める少女と、それから彼とが話している。くしゃみどころじゃないかもしれないけど、それでも少女はどこか誇らしげに見えるだろう】
【すごいひとだという評価――ほんの一時なんにも関係ない少女だから、同じくなんにも関係ない彼へ、漏らしたのだろう。そのくせ、その直後には――余談】

だから――もしSCARLETとか自警団が"だめ"になりそうだったとしても。絶対、ロウみたいなひとが居るから……。
……あんまり考えなくっても、いいのかな。でも、考えておいた方がいいと思う、「あれ?」って思った時に、思い浮かぶだけでも――きっと違うから。

【警察や自警団。もちろんSCARLETも、また、正義を志したひとたちの集まりだろう。それが長い時間を経て"どう"なるかは別として】
【ただそれが外に出てこないというのは不穏でもあった。それこそ匿名でもなんでも、UTみたいなところに、あちら側から助けを求められても、おかしくない】
【――あるいは少女が知らないだけでセリーナやほかのメンバーが動いているのかもしれない。けれどやはり知らないならば、それ以上の話はできず】

/分割お願いしますっ
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2018/03/12(月) 23:57:19.07 ID:UwbvElh20
>>999

…………うん。公安の過激派と長老派が組んで、"世界征服"をしようとしていること。円卓と長老派が組んで、"世界を実効支配"しようとしていること。
長老派はそのどっちにも声を掛けている。過激派と円卓は対立している。自警団やSCARLETも、もしかしたら、公安の過激派の息がかかっているかもしれないこと。
新しい六罪王が就任した、そいつは、過激派……黒幕側。それと――、あなたの。……ううん、あなたたちの、かな、生きてる仕組み。

【覚えておくべきことがたくさんある。それでも……細かいところはあるにしろ、大筋ならばこれらのことが重要な記憶となるだろうか】
【手で口元を隠すように呟いていたのだけど――その少女が、何かに気づいたように「あ」と小さな声を漏らす】

――うん。ありがとう。だけどね、魔力は大丈夫だって思う……へびさまも居るし、ね。だけど――もしその二人が近くに居ないときに、"何か"あったら。
もしそのときにあなたが一番近くに居たのなら――それはね、その時はね、"わたし"をよろしくね。

分かった。あなたが死んだみたいに見えたときは、そうする。……可能なら、大きな方がいい?
あなたはうんと大きいから――全部は運べないかもしれないけど……、

…………――魔力と魔術だよ。すごいね、分かっちゃうんだ、……そっか、――。

【魔力の供給については問題がないだろう。問題があったとしたら――それは、もっと、"まずい"。だからこそ彼には"自分の死体"をよろしくね、だなんて――言ってのける】
【そうしてまた、彼の死体については、言われたとおりに従うと約束するだろう。なるだけ大きな欠片の方が好ましいなら、そうもする――持ち運べる限り、になるが】
【――――「味」については。まさにその通りであると返事をするに留まるだろう、それ以上の説明はない。さすがにこれ以上は、彼女としても話したくない事柄であるらしい】
【隠し騙し欺くために隠すのではない。そのつもりなら、こんな口ぶりはしない。――本当にあまり好ましくないこととして、口を噤み】

連絡先も、ありがとう。――うん。わたしたち、今だけ……手を組む。わあ、悪者みたいだね、本当に……――セリーナに怒られちゃう。
……セリーナに怒られるついでに、一つ。いい? 思いついたことがね、あるの、――わたしたちだからできること。あるよね?

わたしたちじゃないとできないこと――、思いついちゃった。別にね、絶対やらなきゃいけないってわけじゃないけど――、

…………――カニバディール。あなた、わたしを、殺す? 逆でもいいよ――二十九番がわたしを殺すのも、わたしが二十九番を殺すのも、理由があるから。
それが知れたら、わたしたちのどっちかは、死んだって思われて……もう少し楽に動けるかもしれない。

それなりの"準備"をちゃんとしたなら――。

【――――それが、さっきの"気づき"の正体だった。自分たちは死ぬことが出来る――死んだように見せることが、できる。非常識な世界でも、それを疑う人間は少ない】
【特にこうした約束の上で殺し殺されるのであれば、いつどこでどうなるか分からないうえでの切り札より、扱いやすささえ出て来る。前もって、死んでしまうのは、どう?】
【まだ――さっきと同じ姿勢で固まっていた。口元は見えないけれど声は明確に聞こえる、じっと向けた目は――どこか仄暗い血生臭さを帯びている】

【――ただ、これは思いつきでしかなかった。そういうことも、"自分たちなら"できるのだ。あるいは――自分たちにしか、できない】
【元から敵対しているはずだから。お互いに死を偽装できるから。――ただそれだけの、思いつき。問題点も多々あるだろう、一つ何か言えるとしたなら】

【やはり。この少女は――彼が何度も会ってきた、あの少女なのだ。それ以外の誰でもありえないだろう、それを今更、証明してみせた】
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
  | |  (・)。(・);    このスレッドは1000を超えました。|
  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
  ヽヽ___ノ    次スレを10秒以内に建てても死にます。

パー速@VIPService
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ローカルルール変更に伴い、1000到達の報告が不要になりました。

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
【ラブライブ】ドMな真姫ちゃんをいじめる話 ※男 @ 2018/03/12(月) 23:41:43.55 ID:y7GbU9rs0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520865703/

淡「私が本物だよ!」 @ 2018/03/12(月) 22:45:01.53 ID:Edq/TVG1O
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安価で黒の騎士団倒すR2 @ 2018/03/12(月) 19:55:10.45 ID:RYrM8jizo
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モバマス1レス集 @ 2018/03/12(月) 19:34:50.95 ID:P7dSJb8x0
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蘭子「混沌電波第159幕!(ちゃおラジ第159回)」 @ 2018/03/12(月) 19:13:23.45 ID:tlb1j6D6O
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【安価】陽炎「そろそろバレンタインのお返しを準備しないとね」 @ 2018/03/12(月) 18:46:12.12 ID:oF0Kc95F0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520847971/

【ガルパン】みほ「転校生・・・、ですか?」 @ 2018/03/12(月) 18:35:40.28 ID:7pS/Pm0o0
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【安価】機巧種―カラクリ―が主流となる世界で生きる。 @ 2018/03/12(月) 18:08:22.16 ID:9JUpgvsp0
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