19:カリーユ・トモ
2013/12/17(火) 18:48:10.72 ID:ksvmt7Gh0
「久しぶりだなー、まだこんなどこにでもあるような街にいたのか、綺川?」
「どうだっていいだろ。じゃあお前は今どこに住んでんだよ?」
「俺か?俺はな、こんな街よりもずっと都会な東京に住んでる。」
「そういや今時間あるか?」
「まあ多少はあるけど、なんで?」
「どうせここに来たんだから、家で話さないかと思ってさ。」
すると栗原は考え込んでいた。ここよりも都会に住んでいる栗原がなんで今戻ってきたか綺川は疑問に思った。確かに
ここは栗原の言う通り、ほとんどの人にとってはどこにでもあるような、なんの変哲もない街だ。こんな街に働くわけで
もなく、今でも親から仕送りをもらって住んでいる自分を見た栗原が不思議そうに思うのも分かっていた。でもここから
離れるわけにはいかなかった。自分の中にまだ残っていたあの頃の幻影が完全に消えてしまいそうで。
「うーん、寄ってくよ。本当はこの街が今どうなってんのか見ていこうかなと思ったけど、どうせ久しぶりにこうして
綺川に会ったんだし、何か面白いことが聞けそうだから、それはいいわ。」
ようやく栗原が口を開いた。
「そうか、それはよかった。でもここから家までは結構遠いからそれなりに分かると思う。でもこの街もかなり変わっ
てるよ。でも俺たちの思い出の場所はまだ残ってる。思い出巡りでもしようか。お前の住んでるとこには敵わなくても、
なかなか面白いと思う。」
「それいいな。俺のやりたかったことも出来るし、まさに一石二鳥だな。」
「そうだろ?ふるさとの街を再発見だな。」
「だったらもう行こうぜ、こっちは楽しみで仕方がないんだよ。」
「そうだな、行ってみようか。」
二人は岸川の街を歩く。その背中には少年のような好奇心もあった。
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