548: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/03/27(日) 23:55:35.53 ID:Ruy/61mI0
自分の力が怖くて。それ以上に、周りの人達のことが怖くて。
お姉さまのことすら拒絶して、家に閉じこもった私。
呆然として過ごす毎日。何の価値も生み出さない自堕落な生活。
みんなに嫌われないのなら、あの視線を向けられないのならそのままでも良いと思った。
だけど、そんな惨めで情けない自分が大嫌いな私も心の何処かにいて。
『臆病な私』と『不遜な私』。二人の私がずっと、心の中で言い争っていた。
事件から3年経った頃。少しだけ、ほんの少しだけ『変わらなければならない』と心の中で思い始めた。
心の中の『不遜な私』が、『臆病な私』を押し返し始めた。
だけど、どうすれば変われるのかわからなくて。なにより、本当に変われるのか不安で。
結局私は悶々とした思いのまま、何もできずに無意味な時間を過ごした。
そして2年経って。私はいても立ってもいられなくなって。
自分がやらなければならないことをあれこれと、頭の中で何回も反芻し始めた。
だけどやっぱり、外に出る勇気はなかったから、結局は閉じこもったままだったけど。
そこから更に2年の月日が経ち。やっとの事で私は覚悟を決めることができた。
悲鳴を上げる『臆病な私』を無理矢理押さえつけ。震える手を何とか鎮め、ドアのノブを回して外に出た。
トイレの時と、時たま入るお風呂の時くらいにしか通らない廊下を、びくつきながら歩き。
鋼鉄のような重々しい威圧感を放っていると錯覚しかけた、姉の自室の扉を開いて。
あれ以来碌に会話をしていなかったお姉さまに、私は血を吐き出しそうな気持ちでその思いを伝えた。
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