681: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2016/07/04(月) 01:21:00.78 ID:mJXyVP0+0
レミリア「はっ、ぐっ……話し合いは終わったか?」
ぞわりと、底冷えをするような声でレミリアは当麻に言葉を投げる。
血液で顔面にへばり付いた青髪。その隙間から覗く眼孔。
口から剥き出しになった犬歯は異様なほど長くなっており、その表情と相まって猛獣のような印象を受ける。
全身に生じた裂傷とそこから滴る血液。それらに彩られた彼女はもはや、動く死体と表現しても過言ではない。
しかしその姿に反して、彼女から感じられる生気はあまりにも濃密に過ぎる。
魔力による突風はいつの間にか収まっていたが、その代わり眼に見えない圧迫感が一帯を支配していた。
レミリア「そうだ、お前のせいだ……お前さえ居なくなれば……」
片手で頭を抑えつつ、レミリアはぶつぶつと何かを呟く。
その様子は、どう見ても正気を失っているようにしか見えない。
彼女から向けられる殺気は収まることを知らず、当麻の肌に突き刺さる。
数秒ほどの静寂。嵐の中の一瞬の静けさ。
しかしそのことを当麻が感じることはできなかった。
それはあまりにも細事なもので、そしてなにより脆すぎた。
レミリア「お前が……お前がァァァァッッッ!!!」
レミリアはぎょろりと真紅の眼球を当麻に向けて。悪鬼のような表情をその顔に浮かべて。
そして堰を切ったかのような叫びと共に、彼に対して飛びかかった。
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