■■「私が、佐久間まゆ、ですか?」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 01:12:21.03 ID:Oy6YgigW0
◇◇◇

 海を眺めながら、まゆとあの人は何日も何日も二人でおしゃべりをします。

 そんな当たり前のことが、とても嬉しい。
 存在できることがうれしい。
 あの人に笑いかけられことが嬉しい。
 あの人の笑顔を見れるのが嬉しい。
 そして――声が出るのが嬉しい。
 
 まゆは、旅立ってからの日々を語りました。
 この世界は、もう終わりかもしれない。でも、まだ終わっていなかった。
 大地は枯れ、空は淀み、海は汚染されている。それでも、人々はまだ生きていた。
 まゆのファンになってくれた人。まゆを愛してくれた人は、まだこの星に居ました。
「そうか、まゆはこの星を愛しているんだね」
 愛、その言葉を聞いたとき、まゆの中で最後のピースが埋まった気がします。
「はい、愛していますよぉ。あなたも含めて、まゆはこの世界を愛しています」
 もう、ノイズは聞こえない。

 こうして、まゆは歌うことを決めました。


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