772: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/01/26(土) 22:03:33.84 ID:ymR8HEsBO
高橋「法律違反だろ」
ゲン「だれかクビになったして」
高橋「逮捕だな。いや、どうせおれらが殺すからそれはなしか」
二人はまたも嘲笑の声をあげた。
田中「マジメにやれ」
つぎに銃撃戦が起こったのは十階と十一階のあいだの踊り場で、田中は腰を落とし階段に座るような体勢で階上から降りてきた警備員にショットガンを放った。それとほぼ同じタイミングで階段の正面に立つ高橋が十一階フロアからドアを開けて入ってきた警備員二名を射殺する。
田中がショットガンの排莢を行う。上階から大勢の人間の足音。田中は銃口をあげる。そのとき、視界の横切る黒い影が田中の眼に映る。
田中「は!? バカ!!」
高橋のIBMが警備員の集団に突っ込んでゆく。巨腕を振り上げ、先頭の警備員の顎にアッパーカットを喰らわせる。警備員の頸がゴムのように伸びる。後頭部が背後の壁にぶつかり、スカッシュのボールみたいに跳ね返ってくる。黒い幽霊は集団の中心で腰を落とすと肘を曲げ、つぎの瞬間、勢いづけて跳ねあがり、両腕をぶんと振り回した。頬骨と頸骨が破壊され、攻撃を食らった箇所がやわらかくゆがんだ。
「え!?」
最後尾に位置し、ひとりだけ離れたところにいた警備員のすぐ眼前に黒い手が迫っていたが、警備員にとって黒い幽霊の手は透明で、彼は何事が起こったのかを理解する暇もなく─同僚の死すら理解できず─その手に押し潰されて死んだ。
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