773: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/01/26(土) 22:04:52.65 ID:ymR8HEsBO
高橋「イアー」
高橋が階段を駆けあがり、黒い幽霊と拳を突き合わせた。黒い幽霊の口角も心持ち上向いている。
田中「高橋!」
田中が高橋を怒鳴りつけた。
高橋「あ?」
田中「黒い幽霊はシューティングゲームの“BOMB”だ。回数制限がある。本当にヤバいときまでとっとけ」
高橋「いいじゃねえか。あと一回も出せる」
田中はいったん落ち着き、真面目くさった口調で諭そうとしたが、高橋からしたらそれが滑稽な落差を生んでいた。田中の言っていることは佐藤の受け売りであることは明白だった。だが佐藤とちがって田中はいわばゲームの攻略法をしごく真面目に口にしてしまっていた。高橋はヘラヘラとした態度で黒い幽霊と肩を組んで笑っていた。幽霊のほうも高橋と同調しているのかケタケタと歯を剥いていた。
田中「おま……」
『田中さん』
田中がさらにどやそうとしたとき、冷静な響きをもった奥山の声がインカムから聞こえた。
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