新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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954: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:54:37.24 ID:TPJ777ywO


永井「佐藤ひとりが暴れてるだけなのに、マスコミは亜人ってカテゴリーで叩きつづけ、どんどん住みづらくなる。だから離れるって言ってんだ……」

中野「逃げるのかよ!?」


中野が永井の肩に掴みかかった。中野の眉根は険しく、激昂寸前のように見えた。


永井「逃げてなにが悪い!」


肩を掴む手を乱暴に払いのけ、永井が叫び返した。突然の大声の応酬によろよろと二人を追いかけてきたアナスタシアが怯えたように肩を震わせ、思わず息を止めた。

永井は中野を睨みつけながら、なかば感情にまかせて怒鳴りつけ、畳みかけた。


永井「そもそも国が悪いんだろ! 規格外の暴力に対応できないんだからなあ!」

永井「やれ法律や倫理だって、戦わないことを美徳にしようとしやがる。かといって、平和的に解決するスキルもないくせになあ!」

中野「大勢死ぬんだぞ!」

永井「だから人なんざいつだって理不尽に殺されてるって言ってんだろ!」

永井「急に眼の前で起こったからってとってつけたようにヒーローぶってんじゃあねぇ!」

永井「僕は佐藤が何万に殺そうが自分のほうが大切だね!」


中野が永井を殴った。中野の右拳は顎関節のあたりをとらえ、永井の身体を大きく倒した。

思いもよらなかった中野の暴力にアナスタシアはすっかり竦み上がってしまった。激昂している中野はそのことに気づかず、永井に詰め寄りさらに怒りをぶつけようと口を開いた。



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