新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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944: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:36:59.20 ID:TPJ777ywO

永井「クソッ、クソッ……」


永井はビルの窓の出っ張りにたった三本の指を引っ掛けて奇跡的にしがみついていた。指に力を込めると爪が出っ張りの部分を引っ掻き、食い込で痛んだ。永井の筋力で片腕で自身の体重を持ち上げることはかなわず、爪が剥がされるときのような痛みの数歩手前の予感を指先から感じながら、一分もしないうちに落下するであろうこの状況を呪うことしかできないでいた。
以下略 AAS



945: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:39:06.68 ID:TPJ777ywO


BM(永井) 『……先……行ってて』


以下略 AAS



946: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:40:24.10 ID:TPJ777ywO


佐藤「最終ウェーブでまた会おう、永井君」


以下略 AAS



947: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:42:36.03 ID:TPJ777ywO

潰れる音と砕ける音が混ぜ合わさった人間が本能的に忌避する不快な落下音が背後から響き、落下物の周囲にいる記者やカメラマンたちの背筋に蜘蛛が駆け抜けていくような寒気が走った。

落下音は周囲の人間の心象に赤い血が広がる様子を喚起させ、事実近くにいた人間の靴やズボンの裾には飛び散った血が付着しており、そこからカメラや視線を上げると大きな血だまりの中に落下の衝撃によって、砕けて折れて潰れて捻れた人体があった。

以下略 AAS



948: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:43:38.54 ID:TPJ777ywO

中野「乗れ! 永井」


助手席側のドアを開けた中野が運転席から叫ぶ。
以下略 AAS



949: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:44:41.06 ID:TPJ777ywO


永井「死んだよ」


以下略 AAS



950: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:45:33.90 ID:TPJ777ywO


アナスタシア「いのちを、かけてた」


以下略 AAS



951: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:46:29.74 ID:TPJ777ywO

夜が白みはじめた。

中継車はオフィス街を抜け住宅が立ち並ぶ一帯へと進み、河川敷のほうへ移動した。中野は中継車を橋の下に停車させた。橋は低く、中継車の車高から一メートルも離れていなかった。あたりには人影は見えなかったが、早朝のランニングを習慣にしている付近の住人がそろそろ現れてもおかしくなかった。

以下略 AAS



952: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:52:35.64 ID:TPJ777ywO


アナスタシア「ニェット……! ちがいます、アーニャは……」


以下略 AAS



953: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:53:41.65 ID:TPJ777ywO


中野「どこ行く?」

永井「おまえはまだマークされてない。ふつうに帰れるだろ」
以下略 AAS



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