新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
1- 20
958: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 20:59:19.11 ID:TPJ777ywO


中野「おれの親父もお袋もろくでもねえ奴らだった。平気で家を空けて遊び歩いてやがる」

中野「動けなくなったとき、何度も思った。おれはいらない人間なのかって……でも、おれを拾ってくれて、仕事を与えてくれて、使ってくれる人たちがいた! だからおれを頼ってくれる人がいたならおれは絶対に応える! ずっとそうしてきたんだ!」


しゃべっているうちに中野は眼が熱くなっていくのを感じていた。熱さは雫になって眼から溢れ落ちそうになっていた。


中野「だけど……ひとりじゃないもできない。バカだから……」


さっきまでの激情はもはやなかった。沈鬱した感情に声を詰まらせながら中野は永井に言った。


中野「おまえがコンテナのドアを開けたとき、ほんとうに安心したんだぜ? ……おまえのおかけで、ここまでやれたんだ」

中野「身勝手なお願いなのはわかってるよ……でも」


中野の声が震えた。痛めつけるように強い力を込めて拳を握り、中野は涙を流して言った。


中野「もうすこしだけ手伝ってくれよ……永井」


中野が必死になって訴えかける様子を永井は首だけ振り向いた格好でだがしっかりと見ていた。眼から溢れる涙も、震えがおさまらない唇も、締め付けるように閉じられた手も永井は見ていた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice