美玲「To give you」ありす「Answer」
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◆S6NKsUHavA
[saga]
2017/05/30(火) 23:49:40.59 ID:McTk8PE80
「お、なんの話しとるん? 武器とか、物騒やね」
「あら、周子はん」
上からかけられた声に二人が顔を向けると、そこには紗枝と同郷のアイドルである塩見周子がいた。手には空のグラスを持っており、どうやらドリンクバーにおかわりをしに行く途中らしい。
「おー周子ちゃん、奇遇だねぇ。周子ちゃんは誰と来てるの?」
「あたしは一人だよ。さっきまでLiPPSの打ち合わせしてたんだけどねー」
友紀の言葉に笑顔で返しながら、周子は「ちょっとだけ失礼ー」と言ってドリンクサーバーまで小走りに向かい、目当てのドリンクを入れてすぐに戻ってきた。
気を効かせて奥に寄った友紀に礼を言いつつ、ちょこんとベンチの端に腰掛けると、周子は入れてきたばかりの烏龍茶を半分ほど一気に呷った。「えらい慌てて飲んで」と苦笑する紗枝に「喋りっぱなしだったから喉からっからでさー」と軽く返すと、周子は先程の話題に乗っかった。
紗枝にしたのと同じ話を周子に話してから、友紀は「そう言えば周子ちゃんは何かこだわりってある?」と訊いてみる。周子は「うーん」と唇に手を当てて考えるそぶりをしてから、あっけらかんと言い放った。
「あたしはこだわりとか無いかなー。こだわりが無いのがこだわり、なーんて」
「また適当な事言うて」
再び苦笑する紗枝に「適当が一番」と軽口を叩く周子。友紀は二人のやりとりを笑って見やると、「やっぱり難しいかなー」とぼやくように呟く。残りの烏龍茶が入ったグラスを弄んでいた周子は、褐色の液体に浮かぶ氷を見て、ふと何かに思い当たったように軽く目を見開いた。
「ん? どないしたん、周子はん。なんやおもろい顔して」
「え、今のおもろい顔やったん?」
そう言って両手で頬をぐにぐにと変形させる周子に、紗枝はたまらず笑い出す。友紀も愉快そうに笑うのを見届けてから、周子はもう一度グラスの氷を見つめて言った。
「その話、ちょーっと心当たりがあるかなー」
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