16:名無しNIPPER[sage]
2017/06/14(水) 11:42:48.35 ID:ZDD1pdCd0
つまりーーーーーー天女との淡い恋の思い出は、その実、殺人犯に凶器隠蔽の片棒を担がされた。という話だったわけです
なんと報われない話でしょう。いくらなんでも可哀想です
「……というか、あなたは薄々気付いていたんじゃないですか?」
「……バレてたアルか」
彼はため息と共に、沈鬱そうに言葉を発しました
「でなければ、大切な思い出の品を売ろうなどとは考えませんし、側から聞いた私でさえわかったんですから、大人になってから当時の事を思い返せるあなたが気付かないハズがありません」
私は話を聞いてても一片たりとも気付きませんでした
「いや、オネーサンの推理通りに全部気付いたわけじゃないアルヨ?ほんと、可能性程度だったアル」
まるで神父に告解する迷える子羊のように、もしくは探偵に動機を語る犯人のように、とうとうと喋ります
「けれど、その可能性はずっと頭に引っかかって……だから、悩むくらいならいっそ手放して忘れようと思ったアル」
彼は気付いたんですね
思い出の中の天女が、ただの殺人犯だった事も。贈り物が、凶器だった事も
「でも、オネーサンに推理して貰って、全部判明してスッキリしたアルヨ。アリガトネ」
彼はカラカラと笑いました
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