智絵里P「ちょっと恋愛相談に乗ってもらいたいんだけど」緒方智絵里「!?」
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21: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:01:44.54 ID:oFThaKWS0
「でも、違うんです。だって、私なんかじゃプロデューサーさんと釣り合いませんから」
 
 だって、プロデューサーさんには好きな方がいらっしゃるんですからと、万が一にもプロデューサーさんのご迷惑にならないために絞り出した言葉を、また勝手にずきんと痛む胸が邪魔をします。

 「私はプロデューサーさんのアイドルですから」
以下略 AAS



22: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:09:38.94 ID:oFThaKWS0
 「ごめんな、智絵里。ちひろさんに帰ってこいって怒られちゃって」

 すこし疲れた顔で電話から戻ってきたプロデューサーさんは、菜々ちゃんとしゅがはさんに別れを告げてお店を出た先で、本当に悲しそうな顔をしてそう言いました。

 「智絵里がこの辺りにいるってことがSNSに流れちゃてるみたいでさ」
以下略 AAS



23: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:11:58.41 ID:oFThaKWS0
 菜々ちゃんが私にくれたのは、近くの商業施設にある観覧車の割引チケットでした。

 お店で配らないといけないノルマがまだ沢山あって、少しでも減らしたいからと、私に微笑みかけてくれたあの優しい笑顔が思い浮かびます。

 プロデューサーさんに無理を言って、無理やり一緒に来てもらった観覧車の中で、私は何も話せずに、あんなに何度も一緒に練習してできるようになったはずの笑顔を浮かべることも出来ずにいます。
以下略 AAS



24: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:17:09.23 ID:oFThaKWS0
 かな子ちゃんだったら、きっとたくさんの美味しいお店をプロデューサーさんに紹介できたでしょう。

 まゆちゃんだったら、きっと女性をエスコートするいろいろなことをプロデューサーさんにお伝えすることができたでしょう。

 菜々ちゃんだったら、もっと良いデートコースにプロデューサーさんを気持ちよく送り出すことができたでしょう。
以下略 AAS



25: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:18:40.68 ID:oFThaKWS0
 「わあ……すごい」
 
 観覧車の窓ガラスの向こう。そこに広がっている、まるでサイリウムな一面の夜景。

 「私たちの事務所、ここから見えるでしょうか」
以下略 AAS



26: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:20:23.17 ID:oFThaKWS0
 ”サイリウムはただの光じゃなくて、ひとつひとつにファンの皆の気持ちがこもっている”

 いつだったか耳にした言葉が頭の中で蘇ります。

 「この光も一緒で、ただの光なんかじゃないんですね」
以下略 AAS



27: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:21:54.68 ID:oFThaKWS0
 それだけは嫌だと、ずっと目をそらして押さえつけてきた気持ちを誤魔化すことは、もう私にはできませんでした。

 だってこれは、私の光なんです。

 私に振られた、サイリウムなんです。
以下略 AAS



28: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:22:36.45 ID:oFThaKWS0



 だから、わたし――――――

以下略 AAS



29: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:24:07.36 ID:oFThaKWS0
終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました!


30:名無しNIPPER[sage]
2017/07/05(水) 23:27:43.98 ID:SSVChWMYo
最後が見えない


31:名無しNIPPER
2017/07/06(木) 09:27:45.60 ID:nUmA2CmPO



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