22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/15(土) 20:48:14.16 ID:+eTeNEs7O
せめてもの、という気持ちで、このあと予定のない人を募った。見事に全員が手をあげたのが哀愁を誘う。人のことはもちろん言えない。
「なに、メシでも奢ってくれんスか?」
そのつもりだ、と返し、買い出しを頼んだ彼を呼んだ。
「聞いて驚けお前ら! 晩飯はスシだぜ!」
「スシ!? マジかよ親方太っ腹!」
「ひゅー!」
彼らの声色はころりと変わった。まったく単純な、と言いかけて、ふと彼が手に持ってきた包み袋に違和感を感じた。見慣れた百円均一、安物のそれじゃない。
嫌な予感がして先に返してもらっていた財布を覗くと、中に入っていたはずの紙幣が軒並み消えていた。
……適当におまかせで、と任せたが、少しは遠慮して欲しかった。
「そして見て驚け! 花火も買ってきたぜ! 買い占めてきたぜ! 食ったらやろうぜ!」
「やるじゃねえか!」
「センパイ流石〜☆!」
「はっはっは! もっと褒めろ!」
誰の金だと思ってやがる、と、とりあえずいい気になっている彼の頭を強めに叩いておいた。
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