ある門番たちの日常のようです
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17: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/09(水) 23:15:02.35 ID:JoA81wv70
「………もぉ〜〜〜!!片付けても片付けても減らないじゃん!!!」

たっぷり20秒ほどのフリーズを経て──この間に加賀は双子が買ってきた一リットルの御茶のボトルを空にしてサンドイッチ二つを一口で平らげた──ようやく蘇生した鈴谷が悲鳴を上げる。彼女は丸一晩の格闘で減らした分より更に増えた書類を見て、半ば本気度の高い涙を浮かべていた。

鈴谷の名誉のために断っておくと、彼女の事務処理能力は決して低くない。寧ろこの警備府では加賀に次いで高く、活字を読んでいると3分おきに睡魔に襲われる体質の金剛と比べると10倍ぐらいの速度で仕事を片付けてくれる。まぁ「得意と好きはイコールでは結ばれない」とは本人談だが、普段の言動に反して「好きじゃないから雑にやる」という性格でもない。

早い話、鈴谷が音を上げてしまうほど作業量が膨大で処理が追いつかないというのが現実だ。

「最近は一束書類を片付けたと思ったら二束追加されるって感じでキリが無いよ、ほんっと勘弁して!!」

「こういった裏方の仕事も立派な艦娘としての努めよ。ましてや、今週は貴女が秘書艦なのだからこういうこともしっかりやって貰わないと」

「でも一番の役割は深海棲艦をやっつけることっしょ?やっぱこんなに書類仕事ばっかりなのはおかしいよ〜〜……」

「それだけ世界が大変ということね。口を動かす前に手を動かさないと、益々仕事が溜まるんじゃないかしら」

「……加賀さんの意地悪!」

むくれ面になりながらも、再びペンを取り膨大な机仕事との格闘を再開する鈴谷。加賀はしばらくその姿を見つめていたが、やがて一つため息をつくと一束の書類をボールペンと共に手に取る。

「提督、他の業務ができるまで私も此方を手伝うわ。……貴方も鈴谷も昨日から働き詰めだし、肝心なときに倒れられても困るもの」

「いっええい!加賀さん最高、流石一航戦!よっ、鎮守府一のいい女!!」

「貴女調子がよすぎないかしら。……まぁ、いいけれど」


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