【モバマス】橘ありす「待てますか」
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4: ◆rTvFomYy1A[sage]
2017/08/06(日) 21:23:26.18 ID:n4iR/E4U0
「おはよう、ありす。その様子じゃ……やっぱりちょっと調子悪いみたいね」
「お、おはよう、ありす。まったく、昨日は大変だったんだぜ」
理沙と晴の2人は既にスタジオで準備していて、私が一番最後だったらしい。
「おはようございます。晴さんには昨夜お世話になったみたいでご迷惑おかけしました」
「だぁー!なんでいきなり他人行儀なんだよ!別に気にしてないって」
「相変わらず仲好さそうね、2人共。私も昨日行きたかったんだけどどうしても都合がね」
いつものように他愛もない話で緊張をほぐしながら収録の準備をする。
今日はやはり私が昨日誕生日を迎えたことを中心に話していく方向性で決まるようだ。
「しっかし私たちももう20歳かー。3人でユニット組んだり、いろいろあったわね」
「言っても理沙はまだ3か月以上先じゃん。まあいろいろあったのはわかるけどさ」
8年間、この3人でもいろんなことがあった。3人でユニットを組んで、今でも活動している。

「で、ありすが急に突っ伏して寝ちゃうから俺と寮母さんでありすの部屋に運んだんだよ」
「へえー。ありす重かったでしょ?」
「いやいや、さすがというか今でもアイドルとして歌って踊ってるだけあって軽かったよ」
「だ、だから私の話はもうそろそろやめてください!」
そんな感じでラジオで茶化したり茶化しながら収録を終えていく。
「さて、あっという間でしたがこれで今日の放送は終わりのようです」
「ちぇー、もうちょっとありすを弄りたかったんだけどなー」
「晴さん!」
「はいはい、ありすが怒り出しちゃうんで今日はここまでです。ではではー」
無事収録を終え、3人でスタジオを後にしながらいつものように昼食を食べに行く。
「この後の予定はありすはまた仕事だっけ?」
「そうですね。夕方から歌番組の収録があります。2人は」
「今日はこれで終わりだからこの後は昼3人で食べて理沙とどっかでデートかな」
「なっ!?」
こういう冗談をサラッと言えるようになった晴は強いななんて顔を真っ赤にした理沙を眺めつつ苦笑する。
ポカポカ晴を殴りながら必死に否定してる姿は昔とあまり変わらないな。
そうこうしていると目的の喫茶店に到着する。
「はいはい、2人とも着いたし入りますよ」
じゃれ合ってる2人に声を掛けながら喫茶店の戸を開く。
「いらっしゃいませ……あ、ありすちゃん。こんにちは。あと1日遅れですけどおめでとうございます」
喫茶店の中ではこの喫茶店の店長でもあり、私の憧れだった文香さんが微笑みながら立っていた。
数年前にアイドルを引退した後、担当だったプロデューサーと一緒に喫茶店を経営している。
元アイドルが経営している喫茶店ということで人気は高かったらしく、店内の落ち着いた雰囲気とは裏腹に
連日大盛況らしい。客が多い割に物静かなのは店長の文香さんのなす技なのかもしれない。
「そういえば……この前飛鳥さんが来てくれましたね。何故かちひろさんと一緒に」
飛鳥とちひろさん?珍しい組み合わせですね。
「へえ、飛鳥だけでも珍しいのにちひろさんと2人なんて面白いわね」
「飛鳥がねー。そういや最近よく1人でどこかに出かけたりしてるよな」
「ええ……2人で来店して個室を貸してほしいって言われて中で何か話してましたよ」
よくアイドルも来店するこの喫茶店は文香さんのプロデューサーの提案でアイドル用に個室を作っている。
今私たちが過ごしているのがこの個室で、ここならファンとかに見つかる心配もしなくていいので皆もよく利用している。
「文香さんは中で2人が何を話してたのかは……聞いてるわけないわよね」
「ええ……さすがに盗み聞きするのはどうかと思いまして……」
文香さんならそうだろう。とはいえちょっとその2人という珍しい組み合わせが気になる。
「っと、ありす。そろそろ時間じゃないのか?」
晴に言われてタブレットの時間を見ると、そろそろ出発しないといけない時間だった。
「あ、ごちそうさまでした。また来ます」
慌ててお代を置いて店を出発する。ここからはしばらく1人の時間だ。


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