【モバマス】橘ありす「待てますか」
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5: ◆rTvFomYy1A[sage]
2017/08/06(日) 21:23:54.76 ID:n4iR/E4U0
「ふう……ただいま帰りました」
テレビの収録を終え、2日目の第二女子寮へと帰ってくる。
中の共有スペースでは何人かがくつろぎながらテレビを眺めたりゲームをしたりしている。
「あ、お帰りなさい。ありすちゃん、ありすちゃんにお客さんが来てますよ」
「やあ、ありす。遅くなったが誕生日おめでとう。ちょっと時間あるかい?」
「あ、ありがとうございます。大丈夫ですよ、飛鳥さん」
出迎えた菜々さんの後ろでは飛鳥さんが立っていた。

「さて……どうしてボクが来たのかはわかるかい?」
2人きりで話したいという要望でまだ荷解きをしてない殺風景な部屋に案内し、早速本題に踏む込んでくる。
「もしかして、ちひろさんと2人で話していた件ですか?」
「おや、その様子じゃ文香さんから話を聞いたのかな?」
どんな話をしたのかは聞いてませんけどね。と付け加える。
「それなら話は早い……君のプロデューサー……もちろん今のじゃない、昔のプロデューサーの件だ」
今の私のプロデューサーは12歳の時に私をアイドルにしたプロデューサーではない。
あの人は……私が15歳の時に突如事務所を辞めて、行方を眩ませた。当時のことは今でも思い出そうとすると心が痛む。
行方を眩ませた直後の私は周囲のみんなが心配するレベルで落ち込んでいたらしい。
ちひろさんや今のプロデューサーの配慮で最低限の仕事以外を全てキャンセルして落ち着く時間を作ってもらったのを思い出す。
そんな時私を特に助けてくれたのは当時ユニットを組んだばかりだった理沙や晴、文香さん……そして飛鳥さんだった。
「単刀直入に言おう。君は今でも彼に会いたいと思うかい?」
……不思議な言い方だ。そんな口ぶりじゃまるで
「まるであの人の居場所を知っているみたいな言い方ですよ?」
「……結論から言おう。僕とちひろさんは彼が今何をしているのか知っている」
「ど、どうして」
「理由はいろいろあるけど、それは今はどうでもいい。一つだけ言えるのは彼は君を見捨てた訳ではないことだけだ」
「……それはどうすれば確かめられますか?」
「彼がようやく君に会えるようになった。彼はもしありすがまだ会いたいと思ってるなら会って話をしたいと言っている」
「もし……もし私がそれを拒否したら?」
「二度と僕らの前に姿を見せないと言っている。その時はボクから君へ彼の代わりに謝罪の言葉を伝えるだけだ」
……最初から答えなんて決まっていた。



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