女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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19:名無しNIPPER[sage]
2017/08/13(日) 22:44:15.55 ID:/6Xwlc9Z0
ボス、と呼ばれた男がじろりと頭のてっぺんからつま先まで、観察するようにこちらを見た。

「なあ、おまえ。俺たちの組織に入りたいらしいが……志望動機をきかせてもらおうか」

 この場を支配する雰囲気。背負っているものがあるという自負が、決意が、感じられる。

「現在の貧富の格差を強く感じたからです。だから世界を変えたい。それにはここしかない、と」
「で?」

 ――見抜かれる。
 まともじゃない。ただのうのうと、生きてきた人間じゃない。
 冷や汗が滲むのを感じる。下手なことはいえない。真に迫る何かを、引き出さねばならない。

「法は絶対に正しく、また、そうあるべきです。実際、そういう流れはあります。――でも今の法は完璧ではありません。それを変えようとする答えが、ここにいる理由です」

 つっかえずによく言えたものだ、と我ながら思った。
 ふと思う。これは真から出た言葉。つまりはそういうことではないか?

「まあ、いいだろう」

 ボスと呼ばれた男は頷く。気配は緩まっていた。もう見定め終えたということだろう。

「これから俺のことはボスと呼べ。慣れんだろうが形からだ。照(てる)!こいつは賢そうだ、図書室へ連れていけ。教育は任せる。羅門!お前はこいつの訓練係だ。ほかの新入りと同様かわいがってやれ」


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