荒木比奈「だらしない私」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/21(木) 21:22:43.60 ID:5qJPlXga0
「今と昔は違う。……とはいえ私は結局私っス。だから基本の根っこのところは変わりません。何度も言ってる通り、だらしないのはどうしようもなくほんとなんス」

「だから今でもだらしない。なんでもないとき、なんでもない相手と会うときは変わりません。私は今でもだらしないんス」

「だらしない。……なんでもないとき。なんでもない相手。……それから、プロデューサーとのときだけは」


 ほんの少し。たった手のひら一つ分を動かすだけ。それだけのことにも一々覚悟を決めながら。それまでプロデューサーの肩へ置いていた手、そうしてプロデューサーのことを押さえつけていた手を上へ。突然のことに戸惑った顔をしているプロデューサーの頬まで動かして、そっと優しくそこへ添わせる。

 汗に濡れた手のひらから伝ってくるプロデューサーの感触。柔らかい中に男の人らしい固さを秘めた、私のそこと同じようにじわりと火照って熱を持ち始めているそこ。その感触と熱を感じて、お腹の奥がずくんと疼く。

 胸の高鳴りが激しく、痺れや震えが甘く深くなってくる。目の前の相手への想いが溢れてきて止まらず、心も身体もどうしようもなく蕩けていく。


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