11: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:03:41.90 ID:u1+Fwgaf0
白望「……」
豊音の様子が気になって視線を外せずにいると、後方からゴロゴロと、キャスターを引きずる音が聞こえた。
音に引かれて振り返る。
私の背後、壁際には背の高い本棚が並んでいる。
古くなった百科事典や参考書、果ては宮守の郷土史料が並ぶ、あまり生徒の寄り付かないエリア。
そこには、背の低い下級生らしき生徒がひとりいた。
キャスター付きの踏み台に乗って、本棚の最上段に手を伸ばしている。
それ以外に特に目をひくものはない。
豊音の視線の先に、他に見るものがあるとも思えなかった。
前に向き直る。すると、豊音のワクソワは少しトーンダウンしていた。
豊音「……」
白望「……?」
なんか、がっかりしてる?
顔を問題集に戻し勉強を再開しているが、まだ気持ちが興味の対象に残っているのがアリアリだった。
どことなく落ち着かない様子。
白望「と――」
よね、どうかした?
と声をかけようとして、言葉を飲み込む。
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