【ミリマス】紗代子「ワガママな私はアナタだけに」
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6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/19(日) 19:49:15.33 ID:8QMfH7fA0
そうして紗代子は立ち上がると、眼鏡をかけ直し言ったのだ。
「逆もまた然り。日頃から感じてる感謝の気持ち、いい機会ですから形で返させてくれませんか?」
「形で返す……今以上に仕事を頑張るとか?」
「もう、鈍いなぁ……プロデューサーの新しいコートを、私にプレゼントさせてくださいって言ってるんですよ」
「はあっ!? いや、その気持ちは凄く有難いが――」
とはいえ、その気になった紗代子を止めるのはそう簡単な話ではない。
彼女はたい焼きの残りを口に放り込むと慌てる男の手を取って。
「さあ行きましょう! グズグズしてたら前から目をつけ――じゃ、じゃなくて、
プロデューサーに似合いそうな、素敵なコートが無くなっちゃうかもしれません!」
「いいから一旦落ち着けって! そもそもコートも結構な値段するし――」
「そんなの、普段プロデューサーがみんなに贈ってるプレゼントに比べたら安いもんです!」
「じゃあ物で返さなくてもいいよ。だ、大体俺は、このコートを気に入ってるってさっき話したばかりだろ!?」
「なら二着目ってことでどうですか? なんなら三着目でも! 四着目でも!」
「か、数の問題でもないんだよ〜! 紗代子、あんまり困らせるようなこと言うと――」
そして、男は逆に相手を困らせてやろうと苦し紛れに言い放つ。
「俺はへそ曲がりで有名な男なんだ! そのコートをプレゼントされた分、お前に"お返し"をくれてやるからな!」
「お返し……今以上に営業を頑張るとか?」
「鈍いっ! 今度のお前の誕生日に、ブランドのコートを贈りつける!!」
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