短編を幾つか書きたいがキャッチーなスレタイが思いつかない
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35:名無しNIPPER[saga]
2017/11/30(木) 00:28:02.80 ID:TKy05yeMO

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更衣室に戻ると同期や後輩たちが戻ってきた僕に視線を寄せた。
僕が入室する前に交わされていた会話は打ち切られ、居心地の悪い沈黙が漂っていた。


「……やっぱりアレか?」


同期の一人が少し気まずそうに話しかけてきた。
彼は僕らの中で一番優秀で、確実に推薦状をもらってヒーロー大学に入ることが期待されている有望株だった。


僕は沈黙したまま頷いた。
そして、自分の首を手刀でとんとんと叩いた。


「……そか」


「自分は門をくぐる人間じゃなかったみたいだ。お前は僕の分も……とは言わないけど、頑張ってくれ」


僕の言葉に、彼は快活な笑顔を見せた。


「おう、任せろ。お前が将来自慢できるようなスーパーヒーローになってやるぜ」


人を勇気付ける言葉。
非凡な才能と人並みはずれた努力ができる彼は、その心根や仕草もまた人を惹きつける魅力があった。
いったいどれだけ彼には敵わないと劣等感を抱いただろうか。


同じステージに立てなくなった今、その劣等感から解放されるのは良かったかもしれない。
彼は選ばれた人間で、僕は選ばれなかった人間。
先ほど明確に線引きされた区別で全く彼とは違う存在になり、そのことで少し楽になった気がした。



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