36:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:51:38.32 ID:nZJI/gt30
  
  
 ことり「ああーっ! そういえばっ!」 
  
 突然の大声に、何事かと顔をあげた。 
  
 ことり「鞠莉ちゃんに言わなきゃいけないことがあったんだった……! ごめんね、ぼうっとしてて……」 
  
 鞠莉「大丈夫よ、たぶん。何かしら?」 
  
  
 ことり「リハーサルっ!」 
  
 真姫「ファッションショーの?」 
  
 ことり「そうなの! そろそろやろうって話になってて。1つ目の衣装ももうすぐだし」 
  
 真姫「ふぅん」 
  
 鞠莉「OK! 歩き方はこの前教えてもらった通りでいいのよね?」 
  
 ことり「もちろんっ! かっこいい鞠莉ちゃんを見せてあげようね」 
  
  
 鞠莉「Of course!」 
  
 華やかな布がかかったマネキンを仰ぎ見る。 
  
 「マネさん」などと呼ばれている木製の人形は、アトリエの中央で居丈高に顎をあげ、夕日の差し込む窓を睨み付けている。 
  
  
 ことりさんはすごい人。 
  
 数週間一緒にいたのだ。ダイヤに言われなくたってわかる。 
  
 もうすぐ、そんな人の「本気」を着るのだ。 
  
  
 鞠莉「絶対、最高の私になる、絶対、絶対よ」 
  
 柔らかな布地に触れて、身体がぶるりと震えた。 
  
  
 真姫「……」 
  
 ことり「あれ、部屋寒かった?」 
  
 鞠莉「……いいえ、大丈夫」 
  
  
 そう、絶対、大丈夫。 
  
  
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