6: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2017/12/30(土) 06:09:15.08 ID:amdXqONW0
※ ※ ※
「送っていただいてありがとうございました!」
「いえ……私こそ妙な姿を見せてしまいまして」
あれから無事に島村さんを家の前まで送り届けることができました。
ただ私はまったく無事ではありません。
道中、島村さんが様子がおかしいことを気遣ってくれるのですが、その優しさがかえって心苦しいものなのです。
違うんです。
私は貴女が優しさを向けるような存在じゃないんです。
貴方があんなことをするはずがないのに、したと思い込む下衆な存在なんです――というように。
「そんな、妙な姿だなんて! ……え、えっとですね。こういうこと、年上の男性に言うなんて失礼だと思うんですけど……」
「……どうぞ、続けてください」
失礼も何も、私のような勘違い男には何を言っても問題などありません。
とはいえ、島村さんにとって年上の男性に失礼なことを言うのはハードルが高いのでしょう。
真っ赤な顔で目線を左右に戸惑うように揺らし、膝の上でスカートをぎゅっと掴んでいます。
しかしついに意を決し、私に視線を定めました。
どのようなことを言われても甘んじて受け入れようと、腹をくくり――
「と……とっても、可愛かったです!!」
「……え?」
予想外の言葉は私の覚悟をスルリとすり抜け、私に間の抜けた声を漏らさせました。
今のはどのような意味か。
確かめようにもなんと聞けばいいものか。
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