勇者「ニートになりたい」
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28: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/09(火) 22:28:01.52 ID:76b4/dYJO
魔法使い「そいつに質問があるのよ。なに壁に張り付いてるの?」

勇者「ボクハオキモノデス」

魔法使い「わー、おもしろーい。メラ」ボッ

勇者「あっつぅっ! 馬鹿野郎! 人に向けて魔法は撃っちゃいけません!」アタフタ

魔法使い「たいしてダメージないみたいね……」

勇者「ふーっ、ふーっ、どうしてくれる! キズモノにされたらお婿にいけないじゃないの!」

魔法使い「将来設計の話なら別の子にしてくれる? 出身地はどこ? 身なりも軽装なようだけど」

勇者「うっ、そ、それは、隣の国の」

戦士「む? そうだったのか。ならば同郷だな」

魔法使い「そうだったの? 隣国に詳しい?」

戦士「もちろんだ。なにしろ生まれ育った国だからな」

魔法使い「そうよね、普通は。あんたも?」

勇者「いや、俺は、その、引きこもり生活をしておりまして。外の世界を知らずに」

戦士「それなのに旅をしてるのか?」

僧侶「お二人ともその辺で。きっとあまりのダメ男っぷりに親に勘当されたんですよぉ〜。察してあげましょぉ〜?」

勇者「サラッとひどいこと言わないでくれるかな⁉︎」

僧侶「口裏合わせてください〜」コソッ

勇者「うっ、わ、わかった」コクリ

魔法使い「ますます怪しいわ。もっと言えば胡散臭い」

戦士「あぁ、そうだな。こうなっちゃ疑うなって方が無理だ」

僧侶「この方は勇者様じゃありませんよぉ〜? ねぇ〜?」

勇者「もちろんです! 僕勇者ジャナイヨ!」

魔法使い「なぜ、隠すのか。そこもわからないのは確かね」

戦士「ああ。それに、こんなやつが勇者だとは思えないってのも」

魔法使い&戦士「……」ジトー

勇者「えぇい! というか、なんで俺がこんな目に合わなきゃいかんのじゃ! 場の雰囲気に呑まれてすっかり流されてたわ!」ガバッ

僧侶「あららぁ〜」

勇者「お前らに付き合ってたら出発が昼になっちまうわ! そんじゃ――」

戦士「待てよ」ガシッ

勇者「……うわぉーお。握力すごぉーい。肩の骨が悲鳴あげそぉ」ミシミシ

戦士「僧侶だけじゃなく、あたしと魔法使いもパーティにいれろ。そんで折れてやる」

勇者「僧侶と組むなんて一言も」

僧侶「はぁ、しかたないですねぇ」

勇者「決めるのそっち⁉︎」

魔法使い「……旅をしながら見定める。こいつが勇者じゃなくても、行く先で情報は集められるだろうし」

戦士「ああ。それが昨夜。あたしらで決めた話だ」

勇者「(い、いかんですよ。こんなやつらとパーティを組むなんてごめんこうむりたい)」

僧侶「なんにせよ、そろそろ離してあげてはぁ〜?」

戦士「ほらよ」パッ

勇者「(に、逃げなければ。隙を見て)」

魔法使い「ともあれ、これからよろしくね?」

僧侶「ふつつか者ですが、よしくおねがいしますぅ〜」

戦士「……ふん」


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