【ミリオン】君がいる愛しい世界
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6: ◆nmcoT1iylg[saga]
2018/04/26(木) 23:45:01.82 ID:f2WBlHUh0
 どうして気づけなかったのだろう。こんな風に自分を追い詰めてしまうまで放っておけたのだろう。エミリーが声をかけてくれるまでわからなかった自分が情けない。
 だけど、それでも。

「やっぱり、まだ」
「エミリー」

 自分を頼ってくれた。信じてくれた。悩みを打ち明けてくれたから。それに応える義務がある。応えなければならないし、応えたい。
 まるで声が届いていないみたいに。数回名前を呼ぶけれど答えはない。だけど止めなければ。

「まだ私には」
「エミリー。今度の休み、一緒にでかけようか」

 きみに知ってほしいことがある。

「お出かけ、ですか……?」
 エミリーは突飛な発言に目を丸くしながら首を傾げた。

「いいところ、知ってるんだ」
 エミリーが続けようとしたその言葉。それだけは言ってはいけない。
 それは呪いのように縛りつけるだろうから。


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