10:名無しNIPPER[saga]
2018/05/04(金) 23:12:51.69 ID:AZDT1Nlu0
このままでは飲まれそうな予感しかしなかった。
話の矛先を変えるため、彼女の帽子を指差す。
「そうだ。帽子は外しておいた方がいい」
「変装していた方がいいと思いますが」
「昼間はそうでも、夜の帽子は少し目立つ」
「……そういえば。今は夜でしたね」
言われた通りにキャスケット帽を脱ぎ、眼鏡の位置を直す。
軽く髪を流すと、また甘い香りが漂った。
ハンドルを握り直した。
「代わりに髪型を変えておいた方がいいな」
「分かりました」
赤信号の間、肇は暗い中で小器用に髪を纏め始めた。
くる、くるりと何度か後頭部で巻くと、鞄の中を漁り出す。
ぱち。
「出来ましたよ、Pさん」
「そのバレッタ……」
「愛用しています」
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