13:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 15:23:10.52 ID:6HNBSVHX0
  
  「それで」 
  
 温かい緑茶を一口だけ傾け、肇が細く息をついた。 
  
  「なぜ、悪いことを?」 
  
  「青少年健全育成条例を知ってるか?」 
  
 質問に質問で返してしまった。 
 こういうのは試験だと減点を喰らうんだったか。 
 いや、今はどうでもいい。 
  
  「ぼんやりとは」 
  
  「正確には青少年保護育成条例とか言うらしいが、ともかくだ」 
  
  「ええ」 
  
  「18歳未満の子供を守るための条例が東京にはある」 
  
  「なるほど」 
  
  「つまり、18歳以上の子供は不健全に育ててもいい」 
  
  
 しばらくの間、肇と視線をぶつけ合った。 
 やがて肇が再び水筒のフタを開ける。 
 ゆっくりと注ぎ、一口。二口。三口。 
  
  
 それから、耐えきれないように笑い始めた。 
  
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