【ガルパン】エリカ「私は、あなたに救われたから」
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550: ◆eltIyP8eDQ[saga]
2018/10/27(土) 20:11:22.24 ID:apQ6Z5XO0
しほ「初動が遅い。隊員の統率が出来ていないから動き出しが遅くなるのです。……みほ、西住流とは何ですか」
みほ「……撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し 鉄の掟 鋼の心。それが……西住流」
西住流の理念。幼い頃から耳にし、復唱してきたそれは私の戦車道にも深く刻まれている。
……良くも悪くも。
しほ「その通りです。それが分かっていながら先ほどの醜態はどういうわけですか」
お母さんはそう問いかけるも私の返事を待たずさらに続ける。
しほ「相手の逸見さんという方は確かに実力のある子でした。しかし、あなたはそれ以上の才を持ち、研鑽を積み重ねてきたはずです」
みほ「で、でも……」
しほ「油断は戦いにおいて最初に排除すべきもの。黒森峰はまほとあなたが率いていかねばならないのに情けない姿を隊員たちに見せつけてはいけません」
油断。お母さんはそう断じた。私にとってそれはつまり、あの戦いでのエリカさんの勝利を、それに至るまでの努力を否定したに等しい。
私は本気で戦った。エリカさんの本気を本気で受け止めた。油断なんて欠片もなかった。そして今日、エリカさんの本気が私の本気を上回った。
それがどれだけ尊い事なのか。どれだけ眩い事なのか。
何も知らないくせに。私が、エリカさんがどんな思いで今日まで戦ってきたのか、知ろうともしなかったくせに。
心の奥底でふつふつと黒い何かが沸き立つ。
拳が無意識のうちに強く握られる。
周囲の音が遠くなっていく。
自分が何をしようとしてるのか自分でもわからない。だけど、そんな事どうでもいい。
ただ、ただ、私とエリカさんの戦いを侮辱されたことが許せない。
私は感情のまま一歩踏み出そうとして―――――
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