11: ◆a/VLka4bp3Eo
2018/06/16(土) 13:54:57.33 ID:NSDqj0DG0
「何よ」
「あの匂いに敏感な、可憐ちゃんがね、全然動じてないの」
「だから何」
「うーん、その。つまり……そういうことしたら、そういう臭いがするじゃない?」
「あっ」
ぼん、と顔が赤く染まったのは、言葉の意味を理解したからか。
はたまた己の間違いに気づいたからか。
結局のところ、どっちでもいいのだ。このみさんはかわいい。
「…………」
「まるで返事がない」
「しかばねのようだ」
「……ま、何はともあれアイドルと同衾とかやましいことやってなくてもいけませんよね」
苦笑するプロデューサーはフォローのように小さい淑女の頭をなでる。
いつもいつも子供扱いするな、と反発する彼女も、いまだ羞恥から冷めやらず。
黙して行為をなすがままに受け入れる。
まさにハッピー・エンドである。
「さす兄」
「あれで麗花お姉ちゃんやしのみやんにまとわりつかれてなかったら完璧なジゴロですぜ」
「……むしろ、典型的な、ジゴロ……」
やかまし。
それはともかく、まだ頭は働いてない。
結構疲れがたまってたのかなあ、と思いつつ、とりあえずアイドル達に言っとかなければならないことだけは言っておく。
「夜も遅いんだから、気をつけて帰れよ……本当。
何ならタクシー代だすぞ」
「あれ、兄ちゃんが送ってくれんじゃないの?」
「ちょっと眠気がひどい。こんな状態で運転したら事故るわ」
「あ、じゃ、じゃあわたしが、運転するわ。
また明日ね、プロデューサー!」
駆けていくこのみを見送りながら、ふわ、とあくびをひとつ。
それを契機に一人一人とアイドル達は帰っていく。
「ま、いっか。じゃ、私は帰るよプロデューサー」
「お疲れさんです、えへへ」
「じゃーね、兄ちゃん!」
「あばよー!!」
「おう、気を付けてな」
かくして天使たちの騒動もまた終わる。
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