37: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/22(金) 22:04:16.24 ID:KEuP8EvK0
  
 「我慢してください。もう少しで全体が泡立ちますからね」 
  
 「も、もうすこしってどのくらいさ……ぁ!」 
  
 「もう少しはもう少しですよ……。後はここと」 
  
 「ぃあっ!?」 
  
 「ここのここと」 
  
 「く、んうぅ〜……!」 
  
 「それから、特にこの部分を――」 
  
 言いながらくにくにと押し付けられる指の腹が、 
 さわさわとかき上げられる髪の束が、 
  
 それに伴う形で毛根に与えられるむず痒いような微弱な痛みが、 
 まるで布地に水を染み込ませるような速度で響を我慢の効かない体へと作り替える。 
  
 ――一刻も早くこの状況から解放されたい! 
  
 だが、そう願う彼女の思いとは裏腹に、星梨花は相変わらず 
 丁寧に丁寧に響の毛髪を指で梳かし、ゆっくりと薬液を広げ伸ばしていった。 
  
 ……そのうちに洗髪される少女はふー、ふーと荒い呼吸をただただ繰り返すようになり。 
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