岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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25: ◆mcn/WZ3k0ZKj[saga]
2018/07/26(木) 23:54:20.85 ID:F2kAiVwq0
「さて、本日が作戦決行日だが……
 ちゃんとあいつは来てくれてるだろうか……。」


あれから数週間の時が経過した。とても長い数週間だったが、
これまでの苦しみに溢れた18年間に比べればマシだと思い、飲み込んだ。
そして今日はあいつが、アメリカから日本に来ている日。
時間通りならもうラボに――この扉の向こう側にいる筈だ。


「………。」


ドアノブに手をかけ、いざラボに入ろうとしようとする俺の手が止まった。
この作戦の目的の為とはいえ、彼女と再会するのは些か勇気がいる。
何せ彼女とは数年も会っていないのだ。それも機会が無かったとかそんな理由じゃなく。
意識して会わずに、もっと言えば避けていた。だからあわせる顔が無い……。


「何?今更怖気づいたわけ?
 オカリンオジさんの決意ってその程度だったんだ。ふーん……」


鈴羽が細目でこちらを睨みつけてくる。鈴羽が怒るのも無理は無い。
何せ自身の命が掛かった実験をこれからするという決意を、自分は固めてきたというのに。
目の前の俺が彼女に会いたくないという理由だけで、物怖じしてたらいい気分はしないだろう。


「昔の女に会うのが怖いんだ。このチキン。」


口が過ぎるぞ鈴羽。第一、なんだ昔の女とは。
俺とあいつはそういう関係じゃないぞ。多分違ったと……思うぞ……?


「そんな訳ないだろう……入るぞ。」


自分でも何だかよくわからなくなってきた。
俺は混乱した思考を頭から振り払うと、意を決してドアを開けた――


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