岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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26: ◆mcn/WZ3k0ZKj[saga]
2018/07/27(金) 00:10:53.19 ID:fuVfeN7c0
「ハロー岡部倫太郎、久しぶりね。最後に会ったのはいつだったかしら?
 それとも……あの頃みたいに鳳凰院凶真と言う呼び方の方がお好み?」

「―――。」


そこには彼女が、俺が昔救った一人の女が――牧瀬紅莉栖がそこにいた。
もう彼女も43歳なるが、それでもあの頃と変わり無い。
美少女――とは流石にもう言える年齢じゃないが、それでも美しい姿だった。


「久しぶりだな紅莉栖。まさか本当に来てくれるとは思わなかったよ。
 それと、この年齢になって鳳凰院は勘弁してくれ……俺だって流石に卒業している。」

「あらそう。それはごめんなさい。まぁ何はともあれ、
 岡部が珍しく久しぶりに頼みこんできたんだもの。
 そりゃあ私としても、こっちに戻るのもやぶさかじゃないし?」

「……いや、本当の事言うとね。会うつもりは無かったの。
 だって岡部、私とまゆりの事避けてたでしょ?」

「………。」


確かに事実、まゆりと紅莉栖の事は避けていた。
自分でも身勝手な理由だとは思うのだが、彼女達の命を救う事が出来たと思う反面。

それと同時に彼女達と会って会話をする度に、
救う事の出来なかった鈴羽という存在を、どうしても意識してしまうからだ。


「まぁそのお陰か、向こうで色々と研究が捗ったのは事実だけどね。
 ただ研究ばかりで過ごしてきたせいか、
 人生のパートナーが見つからないのだけは困りものなのよねー……。」


ズキリ、と心を抉られる。
俺は知っているからだ。彼女達二人の俺への想いを……
俺はその想いに対して、無視を決め込む事で踏みにじったのだ。


「すまない……。」

「何謝ってんのよ?
 もしかして私があんたの事を好きだとでも思った?自意識過剰乙!」


この年齢になっても@ちゃんねらーである事には変わりないんだな……。
どうやら厨二病を卒業して、変わってしまったのは俺だけらしい。
内面では寧ろ昔のまま取り残されてしまったというのに、外面だけ変わってしまったというのは皮肉な話だ。


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