岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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42: ◆mcn/WZ3k0ZKj[saga]
2018/07/27(金) 01:16:50.68 ID:fuVfeN7c0
「だってあの2009年の秋葉原で知ってる場所なんてたかが知れてるしー。
 あたしが居た2036年の秋葉原とも全然違うんだもーん!」

「そ・れ・に〜……あの頃はここに来る事は無かったんだけど、
 実は一度来てみたかったんだよねー。」

「………。」


そう言えば鈴羽をメイクイーンに連れて行ってやった事は無かったな……。
思えば鈴羽とは俺が個人で会う事は会っても、
ラボメン総出で集まる事は少なかった様な……。
何故だかあの時の俺の、気の利かなさに少し申し訳がなくなった。


「ほらー!また暗い顔してるー!
駄目だよ?この年齢でそんな辛気臭い顔ばっかしてちゃ!
ストレスでいつ倒れても知らないよ〜?そんな辛気臭い顔には……こうだ!」

「あむっ!?……甘い。」


怒った鈴羽は何を血迷ったのか、
チョコレートパフェの中身を掬ったスプーンを口に突っ込んできた。
口いっぱいにチョコレートソースのほろ苦い甘さと、バニラアイスの優しい甘みが広がる。
――しかしこれ……関節キスなのでは?どうしてもそれを意識してしまう。


「どう?美味しい?」


そして鈴羽は恥ずかしげもなく、そう聞いてきた。
この表情からするとこいつ、そんな事欠片も考えてないんだろうな……。
何だか40代にもなって童貞丸出しの思考回路が恥ずかしくなる。


「あ、あぁ……美味いぞ。うん――。」


本当は味なんてわからなかった。
甘味だけは感じたが、俺の思考回路は別の事で頭がいっぱいだ。


「そう……よかった。」

「―――。」


本当に嬉しそうな鈴羽の表情を見ていると、
何故だかさっきまでの恥ずかしいと感じていた気持ちも、どうでもよく思えてくる。
この幸せな時間がいつまでも続けばいいのに――


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