岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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◆mcn/WZ3k0ZKj
[sage saga]
2018/08/31(金) 00:10:44.28 ID:frLsnDXL0
「それじゃあお世話になりました、天王寺さん。」
「お世話になりましたー、店ちょ――天王寺おじさん。」
余り長居するのも申し訳がないので、俺達は天王寺家を後にする事にした。
玄関を出て、玄関先まで見送りに来てくれた天王寺さんに二人で別れの挨拶を言った。
「もう少し居てくれてもいいんだぜ?どうせこれからも家に一人だしよ……。」
天王寺さんもすっかり丸くなったものだ。
昔だったらあまり長居するな、とでも言われそうなものだが。
やはり家で一人は堪えるのだろうか?今後は定期的に会うとしようか。
「いえ、俺達はこれから寄る所があるので――」
だが今日ばかりは遠慮させてもらうとしよう。
俺には――鈴羽には時間が無い。気が付くと時刻も今や夕方過ぎだ。
最後に俺はあの場所≠ノ鈴羽を連れて行かなければならない。
「そうか?それなら仕方ねーか。
俺はそれを止める程、野暮じゃねーしよ。それじゃあな岡部、鈴羽ちゃん。」
「うん、それじゃあ。……あっそうだ!天王寺オジさん。
ちょっといいかな?最後に伝えたい事があって……。」
「お?なんだい鈴羽ちゃん。」
「えっとね……
『巡り巡って人は誰かに助けられて生きている。
だから君も、いずれ誰かを助けてあげなさい。』……。」
「……!?」
「……なーんて!ビックリした?母さんからの受け売りなんだ。
ちょっと大人ぽかったでしょ?あたしこの言葉が大好きでさ〜。
天王寺オジさんにも教えてあげたかったんだ。」
「お、おう。ありがとな……なんだか不思議な言葉だなそりゃ。
初めて聞いたはずなのに、何故か不思議と随分昔に聞いた気がしてくるぜ……。」
「………。」
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