自衛艦隊これくしょん3―おおすみ、出航します!―
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22:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:35:47.11 ID:y+HZEnIj0
総監「ま、安いお茶っ葉だが、どうぞ。いつもなら秘書艦のひえいに入れてもらってるんだが、あいにく今日はもうあがっててな。淹れ方もへたくそで申し訳ない」
おおすみ「申し訳ありません。本来なら、私が……」
23:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:36:40.66 ID:y+HZEnIj0
私は話しました。自分の思い、苦悩。とわださんとの関係。先ほどの喧嘩。
自分でもまとめられず、まるで子供のように無茶苦茶な内容でした。ですが、総監はしっかりと聞いて下さりました。
24:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:37:50.85 ID:y+HZEnIj0
おおすみ「…………」
私は俯きます。私の願いを非難されているように感じました。国民に受け入れられたいと願うことは、それすなわち私が活躍し、歓迎される事態を私が望んでいるということに他ならないのですから。
25:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:39:10.55 ID:y+HZEnIj0
総監「自衛隊は創設以来、自ら日陰者であらんと思って行動してきた。国民に配慮し、諸外国に気を使い、出来るだけ、可能な限り目立たないようにしてきた。だが、それは間違いだった」
総監は私の方を向きながら、私を見ていませんでした。遠くの何かを見つめていました。
26:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:40:13.69 ID:y+HZEnIj0
部屋に帰ると、電気もつけていない中でとわださんが座っていました。
とわだ「……おかえり」
27:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:41:27.77 ID:y+HZEnIj0
とわださんの顔が、蛍光灯の下に現れました。
おおすみ「とわださん……」
とわだ「……見ないでよ」
28:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:43:54.29 ID:y+HZEnIj0
それは、1995年1月17日午前5時46分、兵庫県南部を震源として発生した地震による、戦後最悪の地震災害。
その対応は、災害大国を自称する割にはあまりにもお粗末だったといいます。
とわだ「なんでも、総理大臣が地震を知ったのは朝のニュースで。官庁から正式に報告が来たのはもっと後だったそうよ?」
29:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:44:56.71 ID:y+HZEnIj0
とわだ「ただね、岸壁が被災して使えなかったから、私は沖合に停泊して、物資を渡すことになったのよ。ちまちま、ちまちまね。後で阪基の掃海艇の子たちが必死で岸壁を調査して、何とか接岸できるようになったけど」
とわだ「でももし、あそこに大きな港がなかったら? 海自の基地がなかったら? 港湾の被害がもっと大きかったら? 私たちの活動はもっと遅れていたでしょうね。そうなれば、被害はもっと……」
30:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:46:08.31 ID:y+HZEnIj0
LCAC達なら、岸壁があろうとなかろうと、物資や人員を揚陸できます。私はヘリコプターも使えます。車両も戦車も運べます。そして病院船としての機能も整備されています。
とわだ「だから、みんなあんたに期待してる。あの時私たちにできなかったことを、あんたなら出来るって思ってるから。そして私は、どうしてもイライラしちゃうんだよ。何をいまさら、とか。もっとしっかりしろ、とか」
おおすみ「とわださん……」
31:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:47:02.52 ID:y+HZEnIj0
おおすみ「だから私に、指導をつけて下さりませんか?」
とわだ「……は? なんで?」
32:名無しNIPPER[saga]
2018/06/30(土) 00:49:07.12 ID:y+HZEnIj0
とわださんの訓練ははっきり言って過酷でした。
とわだ「あんたは輸送艦のわりに速度が速いから、もっと落ち着きなさい。急ぐのと慌てるのは違うんだからね」
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