27:名無しNIPPER[sage saga]
2018/07/14(土) 18:04:04.41 ID:TXxgAIfuO
 「えっ。ちょ、ちょっと?」 
  
  慌てた声が聞こえて、私も慌てて目尻をぬぐいました。 
  
 「すみませんっ」 
 「いや、ええと……大丈夫? もし、もうこんなところ嫌だ、ってことだったら」 
  
  その先の言葉は、必要ありませんでした。まったくの誤解でしたから、私は首を左右に振って否定の意思を示します。 
  
 「大丈夫です」 
 「……本当に?」 
 「大丈夫です。本当に」 
  
  嫌なわけがありませんでした。いかなる苦難を抱えていようとも、この溢れそうな優しさに包まれる空間に嫌気が差すなど、私には考えてみることさえできません。 
73Res/52.75 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20