照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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193:名無しNIPPER[sage saga]
2018/09/02(日) 18:39:42.26 ID:rr1Aanow0
賽が回る、出目は七。親を起点に4枚ずつ牌をつかんでいき北家が13枚目の牌をツモると、最後に和の手でもう一枚牌がめくられる、表示牌は[西]、ドラは[南]となる。

優希の配牌は[一七九689CEFG南北中]、ひと面子揃っているし三色同順も視野に入れられる、まあ悪くないなという程度の手だ。もっとも今回優希は和了ってはいけないので、刻子さえなければどんな手でも大差はない。肝心なのは和が和了できるかどうか、その最大の障壁はもちろん宮永照だが、私の位置からでは両者の手は見ることが叶わない。

「リーチ」

四巡目だ。宮永照が調子を取り戻したのは、こちらにとってやはり厳しい展開だった。そんなことを考えていた私は、彼女のぶれの無さを見習うべきなんだろう。和が二萬を切り、先制で仕掛ける。
おそらく宮永照ももう聴牌か、一向聴までは来ているはずだ。予断を許さない状況だが、同時にチャンスでもある。手が進んでいると、それを維持や進行させるために切られる牌が絞られ防御は難しくなる。点差は11900、逆転のためには直撃でも四翻25符、6400点以上が必要な状況で、一発ロンを狙えるのは非常に大きい。
が、そういう甘い考えはすぐさま崩れ去る。

「チー」

弘世さんが一萬と三萬を場に晒す。これで一発は消えた。さらに危険牌の六萬切り。優希と弘世さんからの出和了の場合、和は六翻が必要となる。加えて、これが和の和了牌ならツモでしか和了できなくなってしまう。足元見てくる打ち回しだ。

続いて親の手出し三索、生牌だ。優希の番となり、引いてきたのは四索。迷わず生牌の南を切る。それでいい。字牌ならフリテンのリスクも低い、南はドラで役牌なのでこれが当たりならリーチも加えて五翻は確保できる。

「ポン」

再度弘世さん。和がロンと言わないならば安牌ということになる南を二枚消費して、和の番を飛ばしに来る。おそらく張っている宮永照とリーチをかけている和のめくり合い、そこにあるいは弘世さんも加わるかもしれない。これで六巡目、宮永照の一筒ツモ切り、優希の東ツモ切り、和の北ツモ切り。弘世さんの手出しの五筒。勝負は、七巡目で決した。

「ツモ」

和が手元の牌を倒す。和了形は[一二三567EFGGG發發]、加えてツモの發。三翻30符。子から1000点、親から2000点。元の点差は11900だ、和がツモで逆転するには満貫、四翻40符が最低条件であり、これでは5900点届いていない。

「ふぅ……」

和が椅子にもたれかかり、ため息を漏らす。まだ終わりではない。裏ドラ、これが發か八筒となれば和の手は跳満、逆転だ。



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