照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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198:名無しNIPPER[sage saga]
2018/09/02(日) 18:47:28.56 ID:rr1Aanow0
そこからは五分ほどの沈黙が続いた。清澄対白糸台、本日二度目の対局が行われることとなった、その旨をメールでまこに伝えて戻ってきてもらう。
ルールは先ほどと同じものだ。大会ルールに従い赤ドラをいれないかと持ち掛けてはみたけれどこれは弘世さんに一蹴された。場決めで東を引いたのは宮永照。彼女が起家となり、南家染谷まこ、西家弘世菫、北家竹井久で半荘戦開幕だ。

「まこ。和と優希はどうしてるの?」

「とっくに学校から出とる」

「ゆみから話は?」

「聞いとる。……わしは何にも言わんけぇのう。もう対局始まるんじゃ」

四人が配牌を揃えて、東一局が始まる。親は宮永照、ドラは七索となった。
配牌は[二五3445AFFGH南中]の四向聴、そこにもう一枚二萬をツモってきて三向聴。いい手になりそうな気配はある配牌だ。この局ではおそらく宮永照が和了ってこないので稼げるうちに稼いでおきたい。そうは言ってもあまりゆっくりしていると弘世さんに和了される。どこかで打点とは折り合いをつけなければならない。二巡目で九筒を引く、四巡目で六筒を引いて二筒を切る、七巡目で北を引いて南を切る。
八巡目で……、[二二3445EFFGHH北]の手に八筒をツモ。さっきまでここに優希が座っていた名残りかもしれない、なんて言ったら和に笑われそうだ。私でもそこまでオカルト思考ではないけれど、そんなことが頭を過るほどに手の進みがいい。六筒切り。折り合いなんてあったものじゃない。
九巡目、五索ツモ。これで手の内14枚は[二二34455FFGGHH北]、三六索待ちの良形聴牌だ。リーチをかければ高めツモで跳満となる。だったら、私の取るべき選択はもちろんこれ。

「リーチ!」

三索切りだ。ここで北を切るほど優希の余波に流されることはしない。
下家、弘世さんが生牌の西を切る。私のリーチにいきなり字牌を切るとはいい度胸ね。……いやいや、それはちょっと弘世菫という打ち手を侮りすぎかな。七巡目で私が切った南を見ての判断なんでしょう。南は一枚切れ、西は生牌。私の悪待ちの特性からしたら、あそこで南を切ったことで西待ちの線は薄くなるわけだ。もしかしたら西を複数枚持っていたのかもしれない。

「カン」

まこの声、同時に七索四枚が場に晒される。暗槓とはいえ、他家がリーチしてるときに普通はそんなことはしない。この勝負形式に限っての行為、私へのアシストだ。一発ツモは消えるが、代わりにいいプレゼントをもらった。槓ドラ表示牌は[西]、つまり北がドラになる。

十巡目の、私のツモ番。見ないでもわかる、来た。

「ツモ!」



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