11:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:24:39.87 ID:h/NAro9Ho
 伊織「え? やよい……?」 
  
 やよい「伊織ちゃんの言う通りです! 
    安い布だし、全然上手にできてないし、 
    プロデューサーはこんなの……こんなの着けちゃダメです!」 
12:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:26:25.79 ID:h/NAro9Ho
 しばらく後、事務所 
  
 伊織「……」 
  
 P「……ただいま」 
13:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:27:04.55 ID:h/NAro9Ho
 P「駄目だ、見失ったよ。見つけたのは、外のゴミ箱に捨ててあったこれだけだ」 
  
 伊織「っ……!」 
  
 P「その様子だと……伊織。お前もなんとなく事情は察したみたいだな」 
14:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:28:28.20 ID:h/NAro9Ho
 伊織「……そんな……」 
  
 P「正直に言って……最悪という他ないな。タイミングといい、言葉といい……」 
  
 伊織「私、やよいが一生懸命作ったものを、あんな……。 
15:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:29:13.76 ID:h/NAro9Ho
 ・ 
 ・ 
 ・ 
 伊織「……はぁ……」 
  
16:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:30:02.66 ID:h/NAro9Ho
 ……ううん、やよいはきっと、どんなふうに謝ったって許してくれる。 
 あの子は、そういう子だもの。 
  
 伊織「そうよね、うさちゃん……。きっと、元通りになれるわよね……」 
  
17:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:30:47.97 ID:h/NAro9Ho
 ・ 
 ・ 
 ・ 
 やよい「あっ、おはよう伊織ちゃん!」 
  
18:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:31:32.68 ID:h/NAro9Ho
 私の言葉を遮って、箒を持ったまま勢いよく頭を下げたやよい。 
 その行動と言葉に意表を突かれているうちに、やよいは頭を上げて、 
  
 やよい「昨日はいきなり事務所を出て行っちゃって……。びっくりさせちゃったよね? 
    でも、私大丈夫だから! えへへっ! だから伊織ちゃんも、気にしないで!」 
19:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:32:41.61 ID:h/NAro9Ho
 今日の私の仕事は、やよいと二人でのグラビア撮影。 
 ファッション誌に載るみたいで、夏向きのいろいろな服を着られるらしい。 
 行きの車の中でやよいは、「楽しみだね」といつものように明るく話していた。 
 私も出来るだけいつもどおりに会話するように努めた。 
  
20:名無しNIPPER[saga]
2018/07/28(土) 20:33:26.54 ID:h/NAro9Ho
 ――結局その日は上手く行かず、明日の撮影に持ち越しになった。 
 やよいの笑顔がぎこちない、そう何度も言われて。 
  
 そう……やよいは私とは違う。 
 私みたいに心にもない笑顔を作れるほど器用じゃない。 
46Res/26.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20