川島瑞樹「ミュージック・アワー」
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19: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:00:32.34 ID:Ai+XpKnp0
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 レッスンのジャージ姿が板についてきた頃、瑞樹はトレーナーに尋ねた。

「そういえば、カメラを見ないわね」

 女子アナがアイドルに挑戦という企画ならば、基礎レッスンの段階で撮影されていてもおかしくない。
 だが、瑞樹はカメラのプレッシャーを感じたことはなかった。

「プロデューサーがつっぱねたんですよ」

「あら優しい」

「人様に見せられる代物じゃないって」

「そうね……」

瑞樹はがっくりとうなだれる素振りをした。心は落ち込んでいない。

「ひょっとして彼ってすごい人なの?
 普通なら、テレビ局にペコペコする歳じゃない」

「346がすごいっていうのもありますけど……まあ、あのひとは遣り手なので」

「やるの?」

「熟女キラーって呼ばれてますよ。アラサーから上が大好物みたいんです」

「連続殺人犯なのね」

「ええ。最近は警官を手にかけました」

瑞樹は愉快に咳き込んだ。
早苗が時々攻撃的になる理由が、ちょっとだけ理解できた。

「まぁ瑞樹さんは写真集の方でだいぶ盛り上がりましたから、局の方も不満はないかと」

「この前はセーラー服だったわ。やっとまともな衣装になったの」

この前はスモックだった。
最近連絡をとっていないが、両親は泡を吹いて倒れたかもしれない。



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