ティオナ「アルゴノゥト君……食べていい?」ベル「ダ、ダメですよっ!!」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/11(土) 22:36:43.30 ID:6RuttCED0
しばらく階層を下りると、奴らが現れた。

ティオナ「後ろは任せて!」

ベル「前は僕が!」

出現したのは、ミノタウロスの群れ。
牛頭の怪物だ。僕とは縁が深いモンスター。
思えば、こいつから僕の物語は始まった。
ミノタウロスに殺されかけて、出逢った。
《剣姫》アイズ・ヴァレンシュタイン。
その時に感じた憧憬は、今も変わらず背中を焦がしている。それが僕に、力を与えてくれる。
なんとなく、そんな感覚を抱いていた。

そして現在、片手でこいつを屠れる力を得た。

ティオナ「おー! やるじゃん!」

ベル「まあ、このくらいは……」

危なげなく、ミノタウロスを倒し切った。
褒められて、気恥ずかしそうに頬を掻くベル。
そんな彼を見て、ティオナの胸が疼く。

初めてベルと出会った、あの時。
彼はミノタウロスと死闘を繰り広げていた。
文字通り、死闘である。生命を賭けた戦い。
あの頃、彼はまだLv.1だった。弱かった。
それでも、Lv.2相当のミノタウロスに勝った。

勝利したあと、気を失っても、倒れなかった。

あの時のベルは、まさしく『雄』だった。
幼い頃に読んだお伽話の『英雄』と重なる。
だからティオナは彼をアルゴノゥトと呼んだ。
今思い出しても、顔が熱くなる。胸が高鳴る。
そんな気持ちになるのは、初めてだった。

その気持ちは、今も変わらず、胸を焦がす。


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