まほ「まさか、みほと入れ替わってしまうとはな……」
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10:名無しNIPPER[saga]
2018/08/31(金) 19:14:44.99 ID:33mytLdE0
杏「んー、だからさー。無理なんだって。西住ちゃんは転校届をださないし、こんな状況で私たちが受理すると思う?」
 
まほ「思わないが、なに、単純な話だろう?」

 困ったように笑う角谷杏に対し、まほは無表情のままその論理を告げた。

まほ「――大洗女子学園が無くなれば、みほは帰って来るしかないんだから」

 ぞっ、と杏子の背に怖気が奔る。

 その言葉の荒唐無稽さに、ではない。一欠片の疑問もなく、それを真なりとする西住まほの狂気に、だ。

杏「っ! 撃てぇ!」

 振り下ろされる右腕。発する号令。撃ちだされる徹甲弾。

 対して、西住まほの動きは単純だった。

 左手でジャケットのファスナーを降ろしながら、右手を掲げる。まるで向かい来る砲弾を受け止めでもするように。

 無茶だ、とみほは思った。お昼ご飯の角度で逸らす程度ならともかく、真正面から受けては捻挫は免れない。

 ――その予想を、まほは砲弾を片手で止め、更にはあろうことか握り潰すことで覆して見せた。

「なっ――」

 驚愕の声を漏らしたのは誰だろうか。だが、胸の内に限ればその場にいる全員が平常を保ててはいなかっただろう。

まほ「このパンツァージャケットは特別性でな……」

 脱ぎかけているジャケットの表面を一撫ですると、それはカメレオンのように擬態していた大洗のものから黒森峰のものに戻った。

杏「着用者の戦車道力を上げる……?」

まほ「いいや、逆だ。着用者の戦車道力を吸収するんだ。代わりに――」

 腕を抜いたそれを、適当に放る。厚い布の塊は、風に舞いもせず校庭に落下した。

まほ「――吸った戦車道力の分だけ、ジャケット本来の重量を軽減する。西住流後継者に伝わる、ただの訓練用ジャケットだよ」



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