まほ「まさか、みほと入れ替わってしまうとはな……」
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18:名無しNIPPER[saga]
2018/08/31(金) 19:19:26.30 ID:33mytLdE0
 ―― 一週間後。大洗女子学園の校庭で。

 両断された学園艦だが、アリクイさんチームと地下のムラカミなる人物がその筋力を以てして別れ行く左右の装甲を繋ぎ合わせ、即時沈没は免れた。

 奇跡的に、あの騒動での死者は0。風紀委員と、大洗のヨハネスブルグの住人達が協力し合った結果である。

 ここ一週間で自動車部が不眠不休のレストアを行い、今日、ようやく完全に復元が終わったというわけだ。

 合間合間に行われていたV突の修理も完了し、愛機を取り戻したカバさんチームが歓びの声を上げる。(ただし数日後、無断で追加されていた謎のスイッチを発見する)

 そんな光景をよそに、車椅子に座った包帯塗れのエリカが、みほに別れを告げようとしていた。

 加速の勢いに加えて、数万トンのジャケットを着て海底に衝突したエリカは重傷を負ったが、自動車部が頑張ったので何とかなったのだ。

みほ「エリカさん、本当に怪我は大丈夫……? もう少し、こっちで休めば……」

エリカ「ふん。長すぎたくらいよ。それに、夜毎にあんたにボコ扱いされるのはもう勘弁」

みほ「だって……エリカさんは、ボコと同じくらいかっこいいよ」

エリカ「一応、褒め言葉として受け取っておくわ」

 器用に車椅子を信地旋回させると、エリカは背中越しにひらひらと手を振った。別れの挨拶。

エリカ「今回は協力したけど……忘れなさい。私とあんたは、本来、もう交わることのない道を選んだのだから」

みほ「そんなことないよ! だってあの時、私を守ってくれるって」

エリカ「なにそれ幻聴? あー、怖い怖い!」

みほ「もう、エリカさんったら……怖いっていえば、お姉ちゃん……」

エリカ「その形容詞で思いだされるのもアレだけど……隊長、まだ見つかってないのよね」

みほ「うん……海の底に沈んだまま……あれくらいで死んじゃったとは思えないけど」

エリカ「……あんまり、隊長を恨まないであげて。あの人は、あの人なりにみほのことを……」

エリカ「いえ、やめておきましょう。さすがに、卑怯すぎる物言いだもの」

みほ「……?」

エリカ「気にしないで。もしもまた隊長が暴走したら、私が止めに来るわ……もちろん、あんたを助ける為じゃなくて、副隊長の責務としてね」

 呟いて、エリカは車椅子を進めた。付添はいらないと、みほには言い含めてある。

みほ「ありがとう、エリカさん! ――また、またいつか!」

 背後から掛けられる、みほの声を受けて、エリカは寂しそうな微笑を浮かべた。



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