真壁瑞希「恋するアセロラ・サイダー」【ミリマスSS】
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47: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2018/11/12(月) 23:29:53.90 ID:3wSsqTkg0

 アセロラ・サイダーを手にした私は、シアターへ戻らず、そばにある海沿いの土手に腰を下ろした。先日には木枯らしが吹いたりと、冬の足音が聞こえだしたが、今日は暖かな陽気に包まれている。

 弾けたサイダーの泡から甘酸っぱい香りが広がると、思わずゴクリと私の喉が鳴った。

 ストローを口に当てると、サイダーの刺激と爽やかな甘酸っぱさが口内で弾けた。強い酸味に、思わず顔をしかめる。甘さ以上に感じてしまう、淡く、爽やかで、それでいて切ない酸っぱさだ。赤さは恋に染まる心を、そして湧き立つ泡は心のときめきを表しているようだ。アセロラ・サイダーは確かに、初恋を想い起こさせる。

「初恋の味、なのかな……。でも……」


 私の初恋の味と比べると、ほろ苦さが足りないような気がした。






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